1 :
通り雨:
僕を振って中身が空なことを確かめてしまえば
そのあと君の手は僕を放り投げることしかできないだろう
僕はからっぽで
そして君はそんな僕を拾い上げてみただけだった
それだけのことさ
2 :
感想:2000/07/02(日) 09:01
短いながらも、言いたいことは分かるって感じですね。
でも、それだけのことさ、というのは余計です。
3 :
通り雨:2000/07/04(火) 04:53
>2
感想をどうも。
「それだけ‥」はやっぱり余計でしたか。
4 :
ひろ:2000/07/04(火) 07:27
でも上手だねえ。この詩。胸をうたれたよ。
5 :
通り雨:2000/07/04(火) 22:57
「アスピリン」
あなたに言いたかった事なんて小さく押しつぶして
アスピリンと一緒に飲み込んでしまった
今じゃあ何が本当に言いたい事なんだか
自分でもてんでわかりゃあしない
あなたの目の前で笑ってる奴もきっと僕じゃない
僕の名前を書いただけの風船人形なんだ
だからもう 僕のことなんか信用するな
この頭の痛みだって直にわからなくなって
今までの事全部をあなたのせいにして
ここから逃げ出してしまうのだから
6 :
通り雨:2000/07/04(火) 23:29
「熱病」
ああ 心は空のボトル 虚しく流れ出てしまった情熱
失ったものを補うように 雨を待ってうつろに口を開ける
何者を傷つけようとも 渇きを癒すものを求めて
遮るすべてを噛み切って 触れるすべてを飲み干した
罪の意識をも飲み干して 沈んでゆく涙も もう底を舐める
/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
/ このスレは無事に /
/ 終了いたしました /
/ ありがとうございました /
/ /
/ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
∧_∧ / /∧_∧
( ^∀^) / /(^∀^ )
( )つ ⊂( )
| | | | | |
(__)_) (_(__)
----------------------------終了----------------------------
8 :
通り雨:2000/07/07(金) 01:56
このまま 君の顔を見ているのはつらいので
僕はほどけてもいない靴ひもを見つめることにする
あの白いビルの壁面を見つめることにする
/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
/ このスレは無事に /
/ 新装開店いたしました /
/ ありがとうございました /
/ /
/ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
∧_∧ / /∧_∧
( ^∀^) / /(^∀^ )
( )つ ⊂( )
| | | | | |
(__)_) (_(__)
---------------------------開始----------------------------
10 :
通り雨:2000/07/08(土) 04:04
「頭痛」
頭痛は時に無愛想なハサミとなって
私と世界をむすっと切り離す
そうして出来た世界の切れ目に
狡猾な痛みはぬるりと入り込む
しかしこの無愛想なハサミは
会社と僕を切り離すまではしないので
僕は無愛想な顔をして
始発の電車に乗り込むしかないのだ
11 :
茨木 隆:2000/07/09(日) 00:23
「頭痛」
頭痛は時に無愛想なハサミとなって
私と世界をむすっと切り離す
そうして出来た世界の切れ目に
狡猾な痛みはぬるりと入り込む
しかしこの無愛想なハサミは
会社と僕を切り離すまではしないので
僕は無愛想な顔をして
始発の電車に乗り込むしかないのだ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>通り雨さんへ
これはいいよ。これでも人には厳しい方なんですが、本当にこれ
は詩になっている。一連の詩を書いているうちに、あなたが自分を
掘り下げるという、とてもとても大切な精神の営みをなさってきて
いるのが、よく分かります。すばらしい!
12 :
通り雨:2000/07/09(日) 00:27
雨はどうして訳知り顔で
傘の上から
僕に話しかけてくるのか
やまない声を無視できず
僕はつい傘の下から
雨に愚痴をこぼしてしまう
==
10の第一連の「私」は「僕」の誤りでした。
ああ はずかしい。
13 :
通り雨:2000/07/09(日) 01:51
霧雨はマジシャンのように
白絹のハンカチを
ひらひらと舞わせて
ビルを消してしまう
山も消してしまう
僕は居なくなる
そして
ぱたぱたと傘を叩く音だけが
白さに埋まった幻想の中で
声高に僕を知らせる
==
>茨木隆さん
お褒めの言葉どうも。
某投稿サイトであなたの作品を
拝読させて頂いております。
(ちなみに私も変名で(そっちの方がメインですが)
その投稿サイトに名を連ねています)
14 :
茨木 隆:2000/07/09(日) 02:41
>(ちなみに私も変名で(そっちの方がメインですが)
>その投稿サイトに名を連ねています)
誰? 水くさいぞ、名を名乗れ。
15 :
通り雨:2000/07/09(日) 20:20
「雨の愛」
突然の大雨に
人の群は傘の花を咲かせ
雨に満ちだした都会の河を
どろどろと流れてゆく
そして駅と言う排水溝へ
花たちは吸い込まれ
または溢れ出る
雨は人間ばかりを愛さない
路地裏の野良犬の額にも
平等に恣意的な愛を注ぐ
雨の重みに
紫陽花が蛙にお辞儀をする
虫たちは大きすぎる愛を怖れ
一斉に雑草の葉陰に隠れる
雨は太陽を知らない
太陽の偉大さを知らないから
自分に羞恥したりせずに
今日の慈雨を降らせている
==
んー。なんかいまいち。
もうちょっと練り直します。
16 :
通り雨:2000/07/09(日) 20:27
>茨木 隆さん
「幼子」と「機械の手」の感想を頂いた者です。
17 :
茨木 隆:2000/07/09(日) 20:59
>16
ウソッ! 絶句! あんな真面目そうな人が2chなんて…
18 :
通り雨:2000/07/09(日) 21:09
>17
真面目じゃなかったと言うことなんでしょうね。
19 :
通り雨:2000/07/10(月) 05:34
「孤独について」
孤独は私の肩に添って
寂寥の歌を歌っている
孤独のたしかな存在は
私の部屋の一部となり
私は他愛のない独言を
孤独に聴かれてしまう
孤独が私と親しくなる
その度に私の心は凍え
孤独が私を愛する度に
私は空に向かい涙する
>19
フランスの歌手でジョルジュ・ムスタキという人がいましたが
その人の歌に「孤独」を歌ったものがありました。二連目など、
それを彷彿させるものがあります。通り雨さんの実力からすれば
手慰みみたいな作品でしょう。
ここは、通り雨さんの詩のアトリエみたいなものなので、あま
りお邪魔しないようにします。あなたの言葉の伸びやかさは、い
つもうらやましく思っています。
21 :
茨木 隆:2000/07/10(月) 23:50
22 :
通り雨:2000/07/11(火) 01:19
>20
恐縮です。でも手慰みほどに手軽には作れていません。
もっと精進します。
リンク覗いてみました。
投稿者の作品のレベルの高さに驚かされました。
なんだか気後れしてしまいますね。
23 :
通り雨:2000/07/11(火) 01:29
「十三歳の空」(改)
授業中教室の窓から見える
白々しく広がった空に
十三歳の僕は何も求めない
先生の声を片耳で聞き流しながら
僕はあの青さの裏側にある
空の卑怯さをえがき見ていた
掃除しきれない程ある筈の
この世界の汚濁を映すこともなく
青・赤・白・黒の絵の具だけを使って
鮮やかに自分を飾り
月や星と同格の玉座に座っていながら
それを誇ることさえしない
十三歳に空は
青く気高く
あんまりに完璧すぎて
なんだか僕は気に入らない
十三歳の空は
青く気高く
あんまりに美しすぎて
僕は空をシカトした
24 :
通り雨:2000/07/11(火) 19:18
「海の乳房」
夜の海は多くを語らない
優しく手招きをしながら
月の導きに従って
同じ言葉を繰り返すだけ
腰から下を海に浸された私は
近くで遊ぶ波を見ない
遠く遠くで切り立つ山のように
高く凄艶な黒い波の音を聴く
遠く遠くでのたうちまわっている
あの黒く光る海の山を目の前に
私は白い花が咲いた水泡へ
躍るように自分自身を投げ込んだ
光る気泡が一斉に私の身体から立ちのぼると
海の体内は饒舌にいのちを語りはじめる
月の光がこっそり遠ざかってゆくなか
私は海の乳房にふれ そっと口づけた
25 :
通り雨:2000/07/11(火) 19:19
どなたか批評お願いします。
なんだかさびしくて(笑)
26 :
茨木 隆:2000/07/11(火) 19:32
>23
十三歳の自分がどのようなものであったか、僕なりに考えますと、
やはり、他者との出会いであるような気がします。家庭を離れて、
もっと外側の社会的自我を形成していく、その萌芽のような時期で
はないでしょうか。通り雨さんの、どこか観念的で鬱屈した空への
思いは、そのぎこちなさにおいて、やはり十三歳かなという気がし
ます。
27 :
通り雨:2000/07/12(水) 19:12
>26
十三歳らしさを追っていけば、
空と自分だけで作品を終わらせずに
他の繋がりを描くことも必要だったかもしれません。
まあそれを考えるより以前に前後の「僕」の思いの不揃い感を
直さなきゃいけませんが。
お言葉ありがとうございました。
28 :
通り雨:2000/07/12(水) 19:20
15「雨の愛」に付いてひと足し
雨は太陽へ振り返らないから
雨は太陽の偉大さを知らない
雨の愛は母子の愛ではなく
身勝手な恋人の愛
例え受け入れられなくても
それを押し通す強情さが
時折受ける者を滅ぼしてしまう
29 :
茨木 隆:2000/07/13(木) 01:15
>28
最近、通り雨さんは何か乗り越えようとしているね。十三歳の「空」
もそうだったけど、この「雨」もイメージとして人為的だね。通り雨
さんの「我」が強くでている。彼にとっては過渡の作品でしょうね。
30 :
通り雨:2000/07/14(金) 00:15
>29
特別何かを克服しようと意識している訳ではありませんが、
克服しなければならない事は(それは詩に限らず)山のようにあるので
秘かな視点の変換が私の内で起こったのかもしれません。
なんか凄い偉そうな言葉になってしまいました、すいません。
31 :
通り雨:2000/07/14(金) 00:31
午前1時の
揺れる電車の中
車内には
当然のように
沈黙の法が布かれ
目的の駅は遠く
駄菓子屋の
売れ残った
ガムのように
僕は
黙ったまま
一人になって
用もない
窓の外の黒を眺める
32 :
通り雨:2000/07/14(金) 00:44
蝉たちの激しい鳴き声は
僕が今まで
両手にしっかりと掴んでいた
日常の様々な音を
ばらばらと見事に落っことさせた
軽薄な生活のノイズじゃ
生命を賭した混声合唱には
到底勝てやしない
33 :
通り雨:2000/07/15(土) 00:45
僕から君を差し引くと髪一本残らない
そう思う程の日々だった
しかし今
君の居ない朝を
僕はのうのうとコーヒー飲みながら
新聞なんか読んで過ごしている
嘘が含まれた平穏な日に
水面下で苛立ちは膨らんでゆくけど
もう出勤の時間だ
ああ どうして君はあの時
去り際に僕を殺して行かなかったのだ
僕から君を差し引くと髪一本残らない
そんなのものは嘘だったのだと
駅へ着く間中
何度も噛みしめなければならないじゃないか
34 :
通り雨:2000/07/17(月) 17:30
「回想」
僕は未来に背を向けて
蠱惑的な過去の深部に小指をさし込む
すると過去は女の声で
血を吐くように僕を罵った
僕は慌てて記憶を修正し
なまめかしい喘ぎに変換させる
過ぎ去ったエロスは僕に優しく
迎えに来ない未来を忘れて
僕はいつまでも甘えていられる
真昼の社員食堂
不埒な僕の回想を
サンドイッチが挟んでいる
35 :
通り雨:2000/07/19(水) 23:29
「最後の日(カレンダー」
ほら見ろよ、この襖。この襖の中央。
随分昔の、使い古しのカレンダー貼ってあるだろ。
おぼえてるか。
この下に破れた大きな穴が空いていて‥。
むかし餓鬼の頃、俺があんたのいない間に襖をぶち抜いて
それを嘘ついてあんたの仕業だって御袋に言いつけたっけ。
でもすぐにバレて、親父に無茶苦茶怒られた後、
このカレンダー貼らされたんだっけ。
あの時のこと、まだおぼえてるか。
兄貴、あんたは今もあの山の麓に踏ん張って、
湿った土で両手を汚しているのか。
泥の混じった汗で、角張った顔を洗っているのか。
兄貴、あんたももう知っている事かもしれないが、
この家ね、・・もう二十年になるんだな、
本当長いこと住んでたけど、
今日で取り壊されるんだ。
36 :
通り雨:2000/07/19(水) 23:32
「最後の日(機械の手」
もうそこは
俺達家族が長年住んだ家ではなかった。
家具や荷物は既に運び出され、
和室の畳は根こそぎ剥がされて、
どう隠しようのない廃墟の匂いを
ぷんぷんと匂わせている
ただのあばら屋に変わってしまっていた。
だが変わり果ててはいても、
確かに俺達は
ここで長い年月を過ごしたのだ。
ほら今でも、
廊下には兄貴と身長を競った柱の傷があるし、
俺の部屋には
剥がし損なった漫画のシールの跡が残ってる。
二階への階段を登れば、
相変わらずぎちぎちと軋む音がして、
兄貴の部屋の扉は枠が歪んできてて
やっぱりよく閉まらないんだ。
その、俺達の家だったっていう痕跡に触れる度に、
俺はここに住んでた間の色々な思い出が、
ほちほつ沸き上がってきてどうもいけない。
作業服姿の男達が、
いびつな機械の手をそろそろ動かすと
親父に声をかけてきた。
ああ、もう時間らしい。
男達に俺達家族のような特別な感情が
この家に対して有るわけが無く、
家の中を歩き回っては
効率的に解体ができるように
ぼつぼつと壁や柱を壊して始めていた。
外は雲もない
よく晴れた天気だった。
その下に、後は壊されるのみとなった
誰も住まない家が佇立していて、
何故か言い知れない無惨さを覚えた。
あの機械の手は、
そのうちうろうろ動きながら
俺達の家を完膚無きまでに破壊し、潰して回るのだろう。
俺達はそれを見る前にここを去ることに決めていた。
俺は車に乗り込みエンジンを暖めながら外を見ると、
丁度親父が家に向かって頭を下げていた。
37 :
通り雨:2000/07/26(水) 11:49
傾く夕日は海を讃え
二人の影は伸びてくっつく
こんな近くにある君の
こころはあの海の向こうに
僕は迎えにゆきたいけれど
海をわたる僕の船はぼろ船で
君のくりだす波にまけ
僕は敢えなくおぼれ死ぬ
君の笑顔は変わらない
だからこそ僕はおののいて
二人の影は伸びてくっつく
触れたい手はポケットのなか
38 :
通り雨:2000/07/27(木) 05:27
「さようなら」
さようなら
濁ったそら
さようなら
猫の居る道
さようなら
乾いた毎日
さようなら
潤わぬ肉体
さようなら
淡きおもい
さようなら
暖かきひと
さようなら
にがい記憶
さようなら
送れぬ手紙
さようなら
はかない夢
さようなら
描いた未来
さようなら
そして
ありがとう
あいすべき
全ての存在
39 :
とおりあめ:2000/08/02(水) 09:34
短い詩・小さじ2はい
「あまいです」
幻想をうち砕くのは現実
現実を目覚めさせるのは真実
真実を呼び起こされるのは切実
それでも期待 それはイタい
「とおりあめ」
蛙のあたまをぬらしてく
ビルのあたまをぬらしてく
僕の髪もぬらしてく
なでるようにやさしくて
気づくといない
とおりあめ
40 :
とおりあめ:2000/08/02(水) 09:36
「つめたい瞳でみてください」
鼻水垂らしながら泣く姿を
みられたくはないプライド
あなたは目をちょっと伏せ
でもなんて哀しいひびきで
ぼくを傷つけるのでしょう
どうせぼくは泣きますから
つめたい瞳でみてください
41 :
恥しの:2000/08/04(金) 00:15
とおりあめさーん。
詩を書いてくれたのですね。
私は「とおりあめ」が好きです。
なんだか、ゆったりとして、物悲しくて、やるせなくて、メルヘンな感じで
好きーーーーです。
42 :
とおりあめ:2000/08/06(日) 22:25
手にふれるほどの
このさびしさに
数パーセント
君が含まれたなら‥
かなしみは
いろどりを死なせ
戻れない過去の輝き
現実はモノクロオム
手にふれるほどの
このさびしさに
数パーセント
君が含まれたなら‥
ズボンのポケットには
解放を求めるあの言葉
押さえる左手の力を
決して緩めてはいけない
43 :
とおりあめ:2000/08/08(火) 00:05
流れる雲は
空に奥行きをあたえ
空はより自由なひろがりを得て
旅する鳥を喜ばせ
鳥は嬉しがって風に旅の物語をする
風はあてどもなくさまよい
世界中に空の破片をふりまいて
世界はすべてのものをこぼさず運び
その緩慢なうごきでぼくらは朝をむかえる
44 :
名無しさん@1周年:2000/08/08(火) 23:25
ぐぅ!
45 :
とおりあめ:2000/08/09(水) 00:51
>恥しのさん
最近詩作に時間をかけずに書き込んでしまうせいか
お粗末なものばかり列べております、お恥ずかしい。
>44
その「ぐぅ!」はきっと褒めてくれているのだなと
勝手に解釈した上で、ありがと。
46 :
名無しさん@1周年:2000/08/09(水) 09:37
44=good!じゃよ。
もちろん、褒めている。
47 :
恥しの:2000/08/09(水) 12:50
>とおりあめさん
お粗末だなんて、とんでもにゃーです!
美味しいごちそうを、心にいっぱい食べさせてくれて
有り難うござりまするっ。
ところで、私、名前を変えようかなーって思ってます。ふふ。
48 :
名無しさん@1周年:2000/08/12(土) 00:31
今、さらっとスレッド廻ってみたけど、
ありがち凡庸恋愛詩が多いなか、
通り雨さんはひかってるな、
こいつ、マジにセンスあるって思った。
49 :
とおりあめ:2000/08/12(土) 22:33
>恥しのさん
こちらこそありがとうございます。
嬉しいレスの一つ一つが
私の活力源でありまする。
新たな名前の方もう決まったのでしょうか。
>48
お褒めの言葉どうもありがとう、嬉しいです。
50 :
とおりあめ:2000/08/13(日) 03:17
「いつかの少年」
少年である日々に溺れて
最良に何番目かに近い道
遠すぎる漠然に肩こりし
少年は未来と仲違いした
いつか自分を知ったとき
少年は不死性をうしない
可能性というもろい夢は
現実という手にころされ
わずかに聴こえる足音で
未来は遠ざかっていった
時間は思ったよりも速く
与えつつ奪いながれ流れ
健やかな若さをうしない
少年はいつか私になった
51 :
とおりあめ:2000/08/18(金) 23:13
「居場所」
埃と沈黙が落ちてる部屋に
僕は居場所を探せなくて
そこに居ながら
寂しさに片足を突っ込んで
音をたてて引き摺りながら彷徨っている
許す言葉は空気より重く
足下をすり抜けて行ったまま
それをいまだ聞き取れずに
ガムを踏んだようなもどかしさで
片足の寂しさを引きはがそうともがく
許す言葉をずっと求めるけれど
疑うことに翼をあたえ
許す言葉ひとつあれば
ここに居ても良いという言葉があれば
今夜もまた静まることなく浮き沈み
52 :
おしの:2000/08/19(土) 13:13
51にビックリでした。
すごいなー。
53 :
とおりあめ:2000/08/23(水) 19:21
駐車場に打ち捨てられた
前輪が外れ錆びゆく自転車
空虚さがペダルを掻き回している
時間が無為に使われ続け
なのに有り難がられもしない駅の待合室
静けさはやまず時を叩き続ける
誰もいない朝の公園
鳩が一羽歩き回っている
やがて人の河が公園の前を流れてゆく
鳩がおどろき飛び立つ 羽音に孤独を巻き込ませながら
かなしみが乗った瞳はかなしみしか映さない
めくられないカレンダー 食べかけのチョコレート
空になったペットボトル 風に踊らされる木の葉
曇った空を低く飛ぶ虫 夏草が燃えるにおい
すべてが
誰も通りかからない自動販売機 ベンチに座る老人
青から赤に点滅する信号 ゴトゴト揺れて走るバス
泣きやまない赤ん坊 暗くなってゆく夕焼け
今はただ かなしいものたち
54 :
とおりあめ :2000/08/27(日) 02:06
「タオル」
栗色の髪を拭いた
あのタオルの下で
太陽に洗わせないまま
消えた匂いを捜してる
あのタオルだけで
昨日を飲み込めないまま
今日が喉にひっかかって
明日がうまくつながらない
55 :
とおりあめ :2000/08/27(日) 02:11
「雨の歴史」
曇天のなかで
壮大に生まれつづけ
早々と死につづけていった
雨粒たちの死に衣服を重くさせ
僕はほんの僅かに
地面へと引っ張られる
「ほんとうに、ささやかな歴史」
その小さな粒子のひとつに
この僕がいるようで
傘をもつ手が上がらない
その雨粒たちの歴史を
自動車たちがスピードも落とさず
乱暴に突き抜けてゆく
ひきさかれた白いカーテンに
どんな事がしるされていたか
流線型のボディは知ろうともせずに
56 :
とおりあめ :2000/08/27(日) 03:09
「何事もなく」
零歳
「遠慮なく」
六歳
「礼儀なく」
十一歳
「なんとなく」
十四歳
「節操なく」
十七歳
「あてどもなく」
二十歳
「居場所もなく」
二十二歳
「しかたなく」
二十五歳
「揺るぎなく」
何歳‥?
57 :
慢性アルコール中毒」 :2000/08/27(日) 04:23
最初にひとつビール飲み干して
お次はちょっと辛目のウイスキー
ボトル一本からにする頃にゃ
グラス片手においら宙を舞う
今日はやけ酒あすは祝い酒
こいつがあれば何にもいらねえ
細かいことはどうでもいいのさ
こいつがあれば何にもいらねえ
もしもおいらが死ぬとするならば
ビールの海で溺れて死にてえ
体いっぱい酒を浴びながら
三途の川の旅も夢心地
58 :
トーマスさん@1周年 :2000/08/27(日) 04:33
こずかたの
お城の草に寝転びて
空に吸われし15のこころ
さて、この15歳の少年のこころの中はどんなでしょう?
59 :
とおりあめ :2000/09/09(土) 22:41
僕はあんたに蹴飛ばされた
空のボトルなんだろうな
手応え軽いポリエチレンの
空のボトルなんだろうな
蹴った方はすぐ忘れても
蹴られたボトルはぽこんぽこんと
自分でも嫌になるほどの
間抜けな音を弾かせながら
誰かが拾ってくれるまで
どこまでもつるつるの坂道を
ずっと転がってゆくんだろう
60 :
とおりあめ :2000/09/10(日) 09:45
「朝」
午前五時
予兆は
しめった匂い
夜が
こっそりと
薄目を開ける
朝が
群青を起こし
太陽を
熟れさせる
空が
ゆっくり
背伸びをした
僕は
ずっと
起きている
61 :
とおりあめ :2000/09/10(日) 09:47
「オビエル」
恋が君を疲れさせ
それを知らぬままに
僕は浪費をつづけ
飽和し
はち切れた思いは
ついに君を
まるで初めて出会ったような人にさせた
話しかけるたび
関心なさそうに生返事する君に
僕は戸惑い
君のなかに
確かにあったはずの恋を
見つけられなくなった事実に
僕は冷たくなっておびえる
62 :
とおりあめ :2000/09/10(日) 09:50
「幼子へ」
幼子よ、
君は大声で辺り構わず泣きわめき、
泣いていたかと思うと、
今度は大人たちをとろかせるような笑顔を見せ、
笑っていたかと思うと、
蝉の羽を無下にむしり取る残酷さも見せる。
君は自分自身の力で命を維持することもできないのに、
どこまでもどこまでも自由なのだな。
その小さな頭にはどんな神様が住んでいるのだろう。
しかし君は少しづつ少しづつ自由を失ってゆくのだ。
人間としての道を行き、
身体の自由、生きて行く自由を得る代償として、
君は思う儘に泣くことができなくなるだろう。
思う儘に笑うことができなくなるだろう。
蝉の羽もむしり取れなくなるだろう。
その頭に住む神様すら人のかたちをとるだろう。
そして君は大人になり、
泣けない、笑えない以上のしがらみを集めて、
更なる人間としての道をいきることになる。
幼子よ、短い幼子としてのとしつきを、
充分自由にまみれるがいい。
草木を摘み、生き物を弄び、思いの限り泣き笑うがいい。
母に甘え、駄々をこね、周囲の人間の愛を貪るがいい。
幼子の日の自由を全て捨て去り、
人間と言う別の生き物に生まれ換わるその日まで。
63 :
名無しさん :2000/09/10(日) 12:36
>>56 >「揺るぎなく」
>何歳‥?
何歳なんだ?気になっちゃう(笑
>>61 >まるで初めて出会ったような人にさせた
ふむ、こういう気持ちって何か分かる〜。
そうさせるしか無かったみたいな…。
>>62 これには度肝抜かれた。
今、実際子育て中で行き詰まってる母親とかに読んでもらいたいな。
64 :
とおりあめ :2000/09/14(木) 13:36
「九月」
夜の静寂に
小さく穴をあける虫の音
もう夏の輪郭が
烈しさを鞘におさめて
すこしずつ柔和に
誰かに似ているね
それは秋の顔
やさしげに透明な手が
ゆっくりと私の背中に
ふれるような
ふれないような
65 :
とおりあめ :2000/09/14(木) 13:41
「心臓」
我が心臓よ
お前は
私の身体から
何を燃やして
今 動いている
口内へ抛られ
並び立つ歯に噛み砕かれた食物から
貪欲な胃や腸で吸収された
蛋白質
炭水化物などが
それだと言うのであれば
私はもう
飯を喰わぬ
66 :
とおりあめ :2000/09/14(木) 13:43
「寒風」
辺りに触れるものはなく
ぬくもりは遠き場所にあり
風は黙して背中を押す
身は凍てつき心も寒く
過去に助けの手を伸ばせど
虚ろをかき混ぜるに似たり
こうも鋭い寒風に
身を縮めつつ腕を抱く
そうか風め 俺を抱けと言うか
==
ちと季節はずれ。
67 :
名無しさん@1周年 :2000/09/24(日) 17:30
虚ろ
忌々しい時。いつ、幸せだったというのだろう?虚しすぎ行く時。
愛してる?そんな言葉を吐いた君は確かに可愛かった。
でも、僕は幸せだったろうか?大好きだったよ。でも虚ろな言葉。
何回も君を迎えに行ったね。君と一緒にすごしたね。虚しい時。
幸せだったとは思えない。虚しい時。
楽しい思い出など一つもありはしない。
僕の若さはあの無駄な時間に吸い込まれ消えて行った。
なすべきこともなせず、学ぶべきことも学びきれず、年月だけ流れ、僕はもうすぐ老人になるんだろう。
僕にとって幸せっていったいなんだろう。
虚ろな心と虚ろな時。そして虚ろな愛。
全ての愛に呪いあれ。
68 :
isop :2000/10/06(金) 18:59
素敵な言葉達と通り雨さんに感謝。
69 :
愛の詩 :2000/10/07(土) 15:20
なめてなめて僕のチンポを
しぼってしぼって私の乳を
そんな2人のロンリーハート
キスミーそして伝説へ
なぜか知らない子守唄
まるで世界が俺のもの
そして2人の伝説と
愛の証とキルミーベイベー
ロンリーハートは眠れない
オンリーミーだけ壊れない
アンドユーならオールオッケー
70 :
名無しさん@1周年 :2000/10/11(水) 05:03
age
71 :
とおりあめ :2000/10/11(水) 16:30
二週間ほど入院しておりました。とほほ。
またぼちぼちと詩をアップさせていただきます。よろしく〜。
>>63 感想ありがとうございます。
>>68(isopさん
こちらこそ嬉しいお言葉に感謝です。
72 :
とおりあめ :2000/10/11(水) 16:50
「恋などせぬ」
私はもう二度と恋などせぬだろう
私は私の醜悪な部片が剥き出しになるような恋などせぬだろう
私は 感情の儘に奪い 欲望の儘に迅り 視野は狭歪となり
他人は石ころでしか思えなくなるような我武者羅な恋などせぬだろう
私は
常に美しく生きたいと願う私は
捨てられた惨めな子犬のように
見通せぬ暗がりの中 泥濘を這いずり回ってまで
誰かに執着し尾を振る様な
そんな無様な恋など二度とせぬだろう
==
二十数年生きてきて何度か思うこと。99/03作
73 :
とおりあめ :2000/10/14(土) 07:25
「俺に訊く」
冷たい土の手触りに
シャベルを担いで俺に訊く
ここに必ず歌はある
掘り下げ掘り下げ探すのだ
煩い外界の喧噪に
シャベルを担いで奴は云う
「皆はここには無いと云う
貴様の歌はどこにある。」
硬い土の手触りに
それでも奴は俺に訊く
信じる事は只ひとつ
俺のこころを掘り進め
脇目も振らずざくざくと
シャベルを掻きつつ俺に訊く
過去に向かえ 未来に向かえ
悲しみに向かえ 怒りに向かえ
貴様のシャベルはただ内側に
俺のこころを掘り進め
==
意気込みというか、タダの空回りというか。99/11作
74 :
とおりあめ :2000/10/14(土) 17:09
「ビスクドール」
透けるような白さ
嬉しくなる笑顔
よろこばせる言葉
すべて剥げ落ちて
そこに残るものは
硬質な冷たさと
あたたかい嘘
黄色い花束を
大事そうでもなく
片手にぶら下げている
ビスクドールの少女に
きっといまの君は似ている
75 :
とおりあめ :2000/10/15(日) 03:10
嬉しかった記憶は
遠さの中にあったいつかの景色
それを手の中に引き寄せてみれば
現実と回想の境界線を越え
無粋な砂のかたまりに変わってしまう
思い出はいつだってやさしい
でも「嬉しかった」は妙にかなしい
76 :
とおりあめ :2000/10/15(日) 03:27
赤ん坊が
さっきから
ずっと僕の顔を
不思議そうに見ている
そんなに‥
おかしな顔してるかな
それとも
こわい顔してるのかな
もう
気になって仕方がない
なんだか心のポケットを
あったかい手で
探られているような
僕は笑い返すこともできないまま
なぜだかとても
後ろめたい気持ちになってしまった
77 :
みみう :2000/10/16(月) 18:45
無意味に長いスレッドを
飛ばして読むために
ぼくはいいものをもっているよ。
スクロールホイルマウス
それでも一応全部目を通しているんだ
読む気はしないけど
なんとなくグレーの文字列が
ぼくを不愉快な気分にさせる
それは名前を漢字からひらがなにしてみたり
つまりそうゆうこと
78 :
名無しさん@1周年:2000/10/27(金) 10:34
通り雨さんはまた体調を崩されたのでしょうか。
79 :
ノイズ:2000/10/28(土) 02:31
あなたは、「僕」を必要してくれなかった
あなたが悲しい顔をするたびに
何もしてあげられない僕がいた
悲しみと苛立ちの中
僕は、からっぽな自分に気づく
80 :
名無しさん@1周年:2000/10/30(月) 17:27
とおりあめさーん、かむばーっく!
81 :
ノイズ:2000/10/30(月) 23:45
意味の無い笑顔
気持ちの無い言葉
他人が思う自分を演じてた
後ろを振り返れば
誰一人いなかった
あるのは、僕をあざ笑う足元の影だった
82 :
みみう:2000/10/31(火) 17:13
とおりあめも放置か。
保険所逝きだな。
83 :
とおりあめ:2000/11/19(日) 23:08
「十月」
天から突く陽光が
素直さを見せはじめ
豊饒な沈黙が
澄んだ空に垂れさがり
小川の水面には
秋茜の実った腹が優しく接吻する
ああ もうそこいらに
秋が寝そべっているのだ
公園の木々達は
くすんだ黄金色の雨を
寂しく降らせ
そろそろ水道の水も
乾いた私の手を
穏やかに拒みだすだろう
84 :
とおりあめ:2000/11/19(日) 23:11
「十一月」
柿の実はよく肥え
枝を大きく撓らせて
実った秋の重さを量っている
そして間もなくそれは落ち
風が忙しく持ち去って
冬がやさしく覆い被さるだろう
その準備に
彼女は小さくくしゃみをする
空は浅く
もう手に届きそうな高さを
白く寝転がっていた
85 :
:2000/11/20(月) 11:53
age
「夜」
空のまぶたが
ゆっくり落ち
すべての影が
太陽の拘束を逃れ
息を吹き返し
空を食べはじめる
太陽の残照は去り
静かに時間が満ち
音が生き物を
追い越してゆく
夜はその長い手足を
目一杯に伸ばして
朝日の種を
静かに蒔いている
僕は夜を
驚かさないように
こっそりと
部屋の明かりを点ける
外の柿の木が
ざわざわ揺れた
僕は
夜に憧れる
幻想を抱いてみる
87 :
とおりあめ:2000/11/23(木) 21:23
「おもいで」
全てはもう
とっくのうちに
過ぎ去ってしまったことたち
今では
モノトーンのリボンで
かっちり包装されてしまった思い出
鼻先を心地よくくすぐる
あの長い髪のようなものだって
きっと過去のショウケースの中だ
88 :
だれ?:2000/11/23(木) 23:38
人間は どのくらい たくさん
ものすごく悲しい事 おぼえているのでしょう
今は忘れたい
二度と見たくない
だけどあとで思い出したい
「太陽の顔」
かざした右手の指と指の隙間に
若い太陽の顔を見る
とても近く全身に光を受け
しかしそれはとても遠くから投げかけられている
わたしは太陽を近く空に感じ
太陽はわたしを見つけられなかった
光の滴る洞穴のような冬の太陽の顔は
しだいにあなたに似る
わたしは太陽がわたしに向け
空から剥がれ落ちる時をずっと待った
しかしあなた似の太陽は
ゆっくり街にむかって埋没し
取り残されたわたしには
冷たい夜がそろそろと覆い被さっていた
90 :
とおりあめ:2001/02/10(土) 01:07
「ひとり」
お前とあいつの頭の上に
いま豊かな静寂がみるみる熟れてゆくのを
時計の音が満つる部屋でおののきながら感じている
二人は沈黙をもてあそび
ああいま
高らかなお前の声がきこえる
そしていま
時計の音を消すこともできないままで
俺はこんなにもひとりだ
「沈黙」
ひびわれた唇は硬く閉じ
逆流した言葉が身体を徐々に満たしてゆく
心は言葉に寄り添ってせわしなく働きだし
私の輪郭は白くふちどられ世界から遠ざかってゆく
そして私はあの青空のようにただ黙する
巡ってくる風が私にすがすがしい痛みを取り戻させるまで
92 :
とおりあめ:2001/02/13(火) 22:41
「ことばあそび・わたしはだれ?」
ひとつの狷介さが表れた三頭の動き
それぞれのスピードで不動の鹿を探し続ける
そして彼等は鹿を漸く捕捉する
すぐさまポイントの咆吼があげられ
彼等の主人をヒュプノスの蠱惑から解き放す
(捕捉した鹿はその後リリースされる
鹿を狩ると彼等は仕事が出来ず主人の寵愛を失う)
>ひとつの狷介さが表れた三頭の動き→ひとつの狷介さが表れた三頭の猟犬の動き
94 :
吾輩は名無しである:2001/02/14(水) 00:06
>とおりあめ
謡ってる内容はみんなかなり平凡だけど、すごい言葉が良く練れてるよ。
95 :
>88:2001/02/14(水) 00:28
奥田民生
>>94 感想どうもありがとう、もっと精進します。
97 :
はじめまして。:2001/02/14(水) 05:57
>96
なかなか良いよ。ほんとに。
海が平穏な昼
水平線は母の丸い背中に似る
遠さの中でうねる波を見ながら
僕は偉大な生命のスープを思った
僕は自己を表さずにはおけないが
その中核はあまりにも寡黙で
同じく沈黙を硬く続けながらも
あの海のなかに柔らかく融けることの出来る
一片の氷塊になりたいとも考える
温度の壁に阻まれた時間が解かれるとき
混ざり合う水の中でやさしい会話が始まるのではないか
僕は慈母の背中を見つめる
すると微かに声がきこえたような気がする
「おかえり」
そして
「ただいま」と
君の中で僕が死ぬ
形骸化された
恋の瓦礫の中で
その中で
僕たちは熱中する
夢中になる
互いを傷つけあうことに
そして僕たちは飽きる
その後は長い長い沈黙‥
ひらいた二人の隙間は
今や隙間とは呼べず
元の孤島に戻って
胸に残るお互いを
その残滓を
消し去る
ああ
もう君の輪郭は
すっかりおぼろげに
需要の少ない真実こそ
喋らぬ者の脳内に沈殿する
隠されたその秘密の大小
彼女の妊娠
柔いはらに隠される
命の若芽
それを奪う未来への危機感
そして男のエゴ 女の懈怠
光や水や空気
悪意や愛と共に
遍く存在するものの
隠され続ける神の御座
敢えて知らぬ
敢えて居ないとは言わぬ
人の弱さと陰
マクロの中にミクロは隠れ
銀河の中に地球は隠される
悪意による縊死体や善意による嘘
海に潜む石油 火星の中の生命とともに
宇宙を取り巻く無に隠された
有
102 :
名無しさん@1周年:2001/02/17(土) 23:41
お前はどこに行ったのか、森と剣の私の国
死者たちに愛された国、忠実で優しい土地は?
私はティムポで地にふれる、わが血の鼓動を
死の部屋までとどろかせようと、むなしく
私は腰をゆさぶる、お前の風景の聞こえないこだまに
時にはそこから声が聞こえる、慰められるおまえの声が
103 :
名無しさん@1周年:2001/02/17(土) 23:45
お前はどこに行ったのか、森と剣の私の国
死者たちに愛された国、忠実で優しい土地は?
私はティムポで地にふれる、わが血の鼓動を
死の部屋までとどろかせようと、むなしく
私は腰をゆさぶる、お前の風景の聞こえないこだまに
時にはそこから声が聞こえる、慰められるおまえの声が
104 :
とおりあめ:2001/02/18(日) 22:47
「告白」
高らかに応えた彼女の言葉の
その心地よい麻薬性と
そして私の芯を打ち鳴らす
歓喜と言う名の痺れ
105 :
(kau-a):2001/02/20(火) 12:55
芯ノナイ照明ニ照タサレタ私ニハ
ココニ立ッテイル事サヘモ苦痛
何処カ見知ラヌ大地ヘト逃ゲ出シタク
アザトク生活シテユキタイ
コンナ私ニハ最早ナニモイラナイ
「睡魔」
瞼の裏に
静かなさざ波
ぴんと伸ばされた
俺という糸を
ゆんなりと弛ませる
睡魔よ
時に忌避し
しかし今愛する
金色のスプーンで
俺を掻き混ぜる
甘い混沌
107 :
16:2001/02/20(火) 22:33
耳に憑くこそこそ話
振り向けば上の空
押し出せぬ悔しさが
僕にもこそこそ
強制させる考え
視界外の世界で
あの子等は眠っている
気づかれない為の言葉など
そんなものだ そんなものだ
頬を歪めてこそこそ笑う
>>105 逃げ出した足は逞しさを残すが
しかしその足には同じ土地を選んでしまう癖が染む
君のステエジはこの深い深い大地
そして照明は傲慢な太陽に月‥
次に君を見るのは暑いフロリダの宇宙の窓だろうか
>>107 擬音が好きでよく使う友人が、
「そのカーテン(ギャッ)て閉めて」
と言うので、言う通りに「ギャッ」と
閉めてやろうじゃないか、と思い
強くカーテンを引っ張ったら壊れた。
そんなもんだ そんなもんだ
はずれたレールがからから床で回る。
109 :
(kau-a):2001/02/21(水) 01:10
勝手だよな 俺は其処で素直を吐き出しているだけ
いやむしろ吐き出したいだけなんだけど
心から 評価されたかったり 批判されたかったり
何か それがすごい空しかったり
いやだな 何か とても いやだな
「きみ」
どっかにクツを片方落っことした
ちいさな子供のように
けんけんしながら
自分へ帰ってしまうきみ
ぼくは公園でひとり
ボールけりしながらまつのさ
薄黄色のテーブルをはさんで
コーヒーさめてるよと声をかけて
はじめてきみは
はっとぼくのまえにあらわれるのさ
ねえ クツはみつかったかい?
111 :
ヒルマトン:2001/02/21(水) 23:49
「結局ね」
誰も誰かを助けられない。
その人の問題なの。
その人自身がどうにかしないとね。
助けられない。
誰も、結局。
112 :
とおりあめ:2001/02/22(木) 00:10
「手」
手
第一の私の裸
そして主観的
自身であることの証明
手
寝覚めの度に
確認しよう
手で
私は私であると
「きみ」
どこかでクツを片方なくした
ちいさな子供のように
けんけんしながら
自分の中へ帰ってしまうきみ
そんなうわのそらな空が晴れるまで
ぼくは僕のなかの公園で
ボールけりしながらまってるんだ
114 :
とおりあめ:2001/02/22(木) 23:10
「私・私・私」
私が私でありすぎると
着ている服まで私に似てくる
するといつの間にか
私は私に似た服を厚着し始めている
私は私以外の誰でもない
だがこの苛立ち
そして私は私らしさに激昂する
服め
私らしさを強制するくびきめ
貴様などは引きちぎって
いっそ裸になってやろうか
私は私の首を枷する
硬いシャツの襟をひっ掴み‥
しかしそこで止めた
羞恥を溶かし込んだ血流が
私の脳の平坦な場所で
重く胡座をかいたからだ
そしてその後で再び私は激昂する
私はあきれるほどに私だということに
115 :
ゆず:2001/02/22(木) 23:52
からっぽ
何気ない様な顔して いつもと同じ様に笑ってた
今日の空みたいに青く澄んだ君の目が何か語りかけた
言葉はいつも奥の方から 後に虚しさ連れて教えてくれた
けれどこんなにもからっぽになったのに僕は歩きだした
どうにもならない歯痒さが
一つずつゆっくりと僕の前で立ち止まる
だからその目で僕を見ないで悲しくなるから
多分君は僕の中にもう映らない
人を好きになる事 当り前の事なんだけど
僕がもう少しその事を知っていれば こんな事にはならなかったのかもね
答えは今も見つからないまま
繰り返しの渦の中また一歩踏み出すよ
だからその目で僕を見ないで悲しくなるから
多分君は僕の中にもう映らない忘れる事なんて出来ない僕が今日もここに居るから
君の影をいつもどこか探してる
>115
スレ間違えてないか?
118 :
とおりあめ:2001/02/23(金) 20:27
「ねがい」
晴れた空に垂れ下がった
見えない何かをつかもうと
ニレの枯れ木が
天に向かって手を伸ばしている
それは縋るような切実さで
しかし求める声は永遠に失われて
ああ、地球の壁紙だった空がこんなに近い
僕はニレを真似て空を少し摘んでみる
するとその手を風がそっとにぎり返す
僕を天へ拾い上げるような心地よい無の感触が包み
そして同時にわき上がる切なさが僕を地に下ろした
誰かに置き去りにされた忘れ物のような悲しみ
同時に誰かに拾われることを欲する願いがじわじわ心に滲んだ
空はどこまでも茫漠とした表情で僕とニレを無視し
茫漠とした表情のままその明度を落としてゆく
僕らはその時天に置き去りにされた忘れ物だった
ニレの枯れ木の手は彼の願いを宿したまま
暮れてゆく天に向かって伸ばされ続ける
その悲しみを少し想像しながら僕は
無の感触の残る手をそっとポケットにしまい込んだ
119 :
とおりあめ:2001/02/24(土) 19:08
「有る問い」
空間を傷つけ
時を傷つけ
母の胎を傷つけ生まれ
物を傷つけ
命を傷つけ
そして人を傷つけ
人のこころを傷つけ
自分自身も傷つけ
傷つきながら
叩きつづける
あいまいで
ぞんざいな存在の
痛みという
神への詰問
120 :
とおりあめ:2001/02/24(土) 19:12
「『有る問い』に僕は近づく」
有ることの痛みに
僕は身震いし
そして有り続けることの退屈に
欠伸を堪えられない
存在とは
それだけで過酷なものだったか
ただ置かれるものよ
黙り続けるそのまったき静寂に挿し込まれた
鋭いメスの潜る先を思おう
埃と共に積もり重なる言葉の山を
その言葉を拾い集めた声なき歌を思おう
そして唄おう風の靡きを旋律として
「明晰夢」
それは予め完成されたプロットが
ト書きと共に立てられていたかのように
整理されて動く柔順な矛盾の数々
その中のおもちゃ箱に列べられた
怒り (それは嫌悪するあいつ)
喜び (それは具現化する願望)
悲しみ(それは再生される過去)
恐怖 (それは再生される過去)
痛み (それは刺され、撃たれ、縊られ)
恋心 (それは手の甲にかかる彼女の吐息)
快感 (それは裸の地平に埋没する飢え)
膨大な矛盾の只中にあって
冷静な疑問を投げかけることを阻む
秩序の白い仮面を被った
色黒の混濁
そして目覚めに従って
道化師の奏でる
壊れたバンドネオンが
やたらと走り回る風をふうふう吹き鳴らす
心のコップを等閑に満たすのは からっぽ
122 :
とおりあめ:2001/02/25(日) 22:27
「ポンペイ」
神の瞳の如く澄んだ
カンパニアの空のもと
ベスビオの掛けた
灰の毛布にくるまれ眠る
二千年の時の球根
都市という名の
小うるさいベッドに揺られ
時にむずかる時の球根
124 :
なむ:2001/02/25(日) 23:20
「遺跡」
その上に
廃墟が何度も
代を変え住み続けた
長い惰眠の
いやはてで
人間の
強引な手によって
土という
暖かい布団を
無情に剥がされた
二千年の
時の球根
天にさらされた
その顔は
少し
むずかっている
126 :
とおりあめ:2001/02/26(月) 23:09
「風のない一日」
窓が四角のなかに
空をとじこめ
その下で待ち続ける
草や木たちの無言
127 :
森:2001/02/27(火) 18:02
一度失った信用を取り戻すのは非常に難しい
128 :
(kau-a):2001/02/28(水) 00:55
心が通り過ぎる
流行の衣服に
身を包んだ天使達
其処には己の心配
其れのみを糧に生きる
そして心は通り過ぎる
「風のつよい一日」
この日の空は
誰かの吹いている
見えない笛のように
乾いた音色をかなで
その下で
子供のようにはしゃぐ
草や木たちのよろこび
130 :
@0EUG0:2001/03/02(金) 16:41
無駄に意識して着飾った言葉なんかいらない 唯 素直に自分が思った様に 感じた様に生きたいだけ 感性の豊かの人になりたい 唯 それだけ
ジサクジセン
132 :
@0EUG0:2001/03/02(金) 17:29
いらない考えが俺を邪魔している気がする
罠
トピの上位にないと気が済まない人は、こういう掲示板に向いてない
135 :
とおりあめ:2001/03/08(木) 05:49
「風景」
空を破裂させてやろうと
あの青の薄まった部分に
幾つものとがった枝を向けている
ある紅梅のたくらみ
136 :
ヨツ江:2001/03/08(木) 17:07
「リズム」
白昼の影は立ち止まり
渦巻く声に一人涙をこぼす
彼らに与する安逸は
肉の薄い声帯をピリリと引き裂く
この耳に
いつまでも子守唄は唄われる
いなくなった恋人の口元は
若かりし母親の膝枕は
137 :
(kau-a):2001/03/10(土) 00:50
果てた 俺は今果てた
激しい汗の濁流は物語る
この果てのプロセスを
真っ白になった脳裏
隣に臥す裸体が肩を揺らす
それが妙に苛立たしい
股間にしがみ付いた
ピンク色の樹皮を投げ捨てる
そう俺は果てた 果てたのだ
涙が 涙が
138 :
阿麻:2001/03/10(土) 06:21
悲しみが喉元にまで湧き上がってきそうなとき、
私はいつも思う
「こんな悲しいことは忘れまい」。
でも周りの状況が変わると
悲しみがだんだん薄れてきて、
喜びにかわっていたりする
そのことに気づくときは愕然としてしまって…
…私、人間だ。私、女だ。
何も守り抜くことができない者である。
弱い自分を嘆いてみる。
狭い部屋の中で、小さな胸の中で、
一晩中、精一杯嫌な私を責めまくるけど
夜があけたら、みんなわすれしまう。
完全であり得たことなど一度もなかった
完全でないから悲しい
完全ではありえないという事実を叩きのめしたいのに
振り上げたこの拳を、新しい時間が捕え、
反対に今日という扉を私に開かせようとして
ドアをこぶしで何度も何度も
力任せに叩いたり蹴ったりしている。
この部屋の外側では、もうとっくに始発のバスが走ってる
馬鹿な感情剥き出しの私だけど、
夜明けの空を見に行こう
私は生かされている。
生かされているが故に心に生まれて死んでいった
全ての感情をあの窓の向こうの空に
知ってもらいたい!!!
だから…
139 :
(kau-a):2001/03/12(月) 00:34
ヤタガラスが俺の部屋から全てを連れ去っていった
残っているものと言えば俺の体と太宰治とプロ野球選手名鑑
曇り硝子越しに見るその情景は異様にありふれた物で
その矛盾さのいい加減な点にあるいは憤慨等覚えてみたり
隣接するチャペルから流れる南無阿弥陀仏に
あるいは痺れを覚えてみたり
一言も喋らない静かな夜には
沈黙の外側に思いが水たまりをつくる
そして揮発しない幾つもの言葉が
僕のなかで激しい対流を起こすのだ
ああ かなしみよ
おまえは目を覚ましてしまったのか
誰かが泣いているような
高い耳鳴りがするこころの静寂は
おまえの寝床にはすこし冷たすぎたのか
今おまえはもぞもぞと動きだす
鍵を厳重にかけられているが
しかし蝶番の壊れた僕の記憶へと
そしておまえは
真新しい大きな傷の入ったひとつを造作もなく取り出し
それを嬉しそうな顔で僕に手渡す
しょっぱいおまえの両の手
僕の瞳は何も捉えられなくなって
ああ 僕は泣いてしまう
141 :
阿麻:2001/03/15(木) 08:21
途中うずくまる帰り道
上のほうでしている
立ん坊の叫び
そうよ これを地獄沙汰という。
元気を出しな…なんて、泣けてくる。
お前さん!
どうしてそんなに
なったんだい?
…お前は俺の…
…俺がお前の…
人情がふかくて
あったかで…
やさしさのある言葉。でも、
ここは傷つきやすい 地獄だ。
142 :
とおりあめ:2001/03/17(土) 01:18
ジグソー・ピースの抑圧された歯車
ファシズムの負荷に隙間を無くし
上空から見下ろすモザイクアート
風が撫でたコーンウォールの草原
それを目の前に完成の充実感に炙られる俺も
気が付けば「非常口」のポーズ
143 :
ワカメちゃん:2001/03/17(土) 01:27
狂おしいほど愛しき君よ
此の世の流れは留まることなく流れ行く
誰もが踏みとどまれぬことを呪い、時に憂う
だのにどうして君は
小学4年生。
144 :
名無しさん@1周年:2001/03/17(土) 16:40
どうしてこのスレには、同じ名の人がいるんだろう?
くるしくはないか? 息苦しくはないか?
145 :
名無しさん@1周年:2001/03/17(土) 16:51
「とおりあめA」と「とおりあめB」とかに、できないのか?
その方がラクでないかい、お互いに。見てても苦しい。
146 :
000:2001/03/17(土) 20:41
tada anatano hitoride itakattanoni
watasitatiha eiennni deaenai
unnmeiga hutariwo hikisaiteiru toiunoha iiwakenisuginai
anatanideawanakereba yokatta
anatano kotoba subetega turai
anatano sonnzaino subetega watasiwo kirisaiteiru
eiennni deaukotonakereba...
aisiteruwadoukaanatagasiawasedeariasuyouni
anatawo kizutukerumonokaradouka kamiyo karewomamottekudasai
mamottekudasai
>>144 >>145 何か誤解があるようだが、今一話がよく分からない。
同じ名の人とは?とおりあめABって?
誤解ならごめん。初期の「通り雨」と今と全然違うように
読んだ。二つの流れあって、二人重なってるように読めたよ、
悪い。
>>148 なるほど、初期と現在の詩を見比べれば別人と思われても仕方ないかも。
ハンドルひらがなに変えた時にちゃんと告知するべきでしたね。
なんだ、一人芝居か。
151 :
(kau-a) :2001/03/24(土) 15:24
隙間風が身に沁みる朝
そろそろ春が感じられるのだが
灯火の力は一向に弱く
何もなく動くことすら虚しい俺は
この寝具から一体どうすれば
離れることが出来るのだろう
「春の訪れ」
地球にかかった布きれを
誰かがそっとめくったように
冬は物音をたてず
その席を春に譲ろうとしている
公園のベンチの上には
光にようやく乗れたぬくもりが
ながい旅のつかれを癒し
かがやきのとまるあの木のしげりでは
そのなかでおびただしい昼と夜が
風のいざないでまたたいて
そのすぐしたの舗道では
もうすぐ真新しいランドセルの群れが
小さな振り子運動で元気に走ってゆくだろう
浮きもせぬ 憂鬱ばかりが 俺の船
涙ぐむ 言葉の重みを実感す
倒錯性の果てに
入念な準備を伴わない
発言に俺は素直を殺さざるを得ないのか
誰かに認められる事は
様々な表現を垂れ流す
平安のみを求めるならば
追求は敵なのか
age
肥大した筋肉が俺を締め
背骨はいずれか砕け散る
つらぬけ!とばかりに骨よ尖れ
つまらぬ自己なぞ刺し殺せ
ビールの津波が
十年を押し流そうと汗をかく
俺とお前のちっぽけな隙間
しかし俺達はそいつに負けた
そうさ
だからもういい加減諦めろ
どうせ俺達が手にするのは
炙ったスルメの反骨と
糸の切れた愚痴ばっかりだ
まだ散るまいぞ
散るまいぞ
八分桜の空元気
どうやら
俺はもう
枯れ果てたのか
160 :
阿麻:2001/03/30(金) 12:38
だから、もう、きりがない
けじめは、どうつける・・・
思いつかない 終わり方に
目を向ける。
ぎりぎりの、影法師
161 :
阿麻:2001/03/30(金) 13:04
赤い砂が吹き抜けて、
私の口に 舞い込む
砂の味は、血に似てる
噛み砕くほど、解った。
なんだかなあー
何で、俺はこんなに薄暗い所に居るの
何で、机の引き出しに俺はいるんだろ
俺、ついこないだまで
アイドルだったんだぜ
日本中のヒーローだったんだぜ
漫画にもなった
CDにもなった
だけど、今の俺って何
たまごっちってなんだったの
熱病の様に
一つのブームに乗ったかと思えば
すぐに皆去っちまう
ファービーは何処?ルービックキューブはどこ
ジーショックは?つぶやきしろうは何処へ行ったんだーー。失礼彼は人間だった
皆、俺を世話するのに幸せそうにしてたよなあ
皆、俺に生きがいを感じてたよな
あの頃が懐かしい・・・。
俺は、いきてやるよ
この暗い,暗い机の中で
今に見てろよ
もう一度、俺は復活する。
芽を踏み歩き詩作する
視線の上を走るのは
全てどこかで見た言葉
なんて陳腐で水気ない
枯れた蒟蒻ばかりです
ぬめりを無くした口からは
もはや叫びはうしなわれ
ああとかおおとか声出すも
飛んではどこへも繋がらず
そこで毛玉をつくるだけ
雨や桜にくるしんで
多くの人に涙して
なんだってんだこれはもう
それでも言葉は脈を打ち
今日も寝起きにくま作る
朝露に秘され
陽の光に秘され
密なる螺旋に閉じこめられた
そのいんびなしめりけよ
鮮やかなかわきがそこに辿り着くまで
そっと稚さの佇む名を伏せよう
まったく君は
メロンパンの外側の
カリカリしたとこしか食えない奴みたいだな
すこしは真ん中のパサパサしたとこも
食え
166 :
とおりあめ:2001/04/03(火) 02:05
自閉症モード終わり。
「」
つよがりな太陽は
いつまでも星たちの慰めを受けつけない
僕はそんな太陽にそっとケチをつけてみる
昼の幕間に彼が月に泣きつく姿はないのかと
167 :
とおりあめ:2001/04/03(火) 17:57
「浮遊する日々」
カーテンレールがこわれた朝
その隙間から見える
絶え間なく自殺する雨だれたち
ピアニッシモで咳ばらいする嫌な一日の予感
通りがかった駐輪場に猫の死体が暖まる
アスファルトの母性を盲信する街は
ただ見守るだけの平日の牧師
通り過ぎたあと靴ひもがほどけてたことに気付く
コンビニで雑誌を立ち読み
沈みかけの熟した太陽が黙っている顔をのぞきこむ
眩しさが忘れごとを思い出させただろうか
あわてて友人に電話する
日々はコップの中で浮遊する気泡のように
日々はにび色の惰性に流されて
「ライフ イズ ベリーショート」
誰の歌だったっけ
爪を深く切りすぎた夜
ジュース缶のタブがいつまでも
親指のエスコートでタップを踏みつづける
苛立ちを振るい落とすような強い舌打ちは
ほんとはどこに向けられているんだろう
168 :
とおりあめ:2001/04/04(水) 17:46
「死体」
疲れきった時間の停滞が今
彼の乾いてゆく舌の上で
僅かな含羞の潤みを残して
少し落ち窪んだ眼窩には
いつか垣間見たであろう
美しいバルハラの幻想が
見えない溜まりを作り
ぎこちなく覆われた瞼の奥の
かがやきに見放された両の瞳が
いまだに探し物をやめない
そして彼のためにあった時間は止まり
新たな時間が彼の体内で始まる
それは億と兆の蠱のために
その摂理の無惨さに白い布は掛けられ
黒い翼はゆっくりと彼に覆いかぶさった
169 :
とおりあめ:2001/04/05(木) 01:09
「赤子」
彼女の小さな体の中で
そのくりくりした瞳だけが貪欲だ
鮮やかに見える世界のかたちを
せいいっぱいの誠実さで異邦人は
出来立ての宇宙に貯め込もうとつとめている
走るくるま 吠える犬
通りがかりの男 女 老人 子供たち
踏んだ草 アスファルト硬さ
通り道をさがす風 蜜柑のかおり
そのすべてを食べ尽くし
それでもかがやく瞳は新たな驚きをさがそうと みぎひだり
170 :
:2001/04/05(木) 01:19
>>167はイイと思うよ。
相変わらずがんばっていますね。
おお、ありがとうございます。
がんばってるってよりか
また不調の波に襲われるまでの悪あがきってところですか。
精進します。(こればっかだな
172 :
とおりあめ:2001/04/06(金) 23:25
「風景 その2」
春を早く費(つか)ってしまおうと
アスファルトの隙に咲くタンポポが
その黄色をたくましくして
そして窓のむこうでは
その様子をうなだれて見ていた造花の束が
塩化ビニールとナイロンで編んだ不死を呪詛している
173 :
とおりあめ:2001/04/09(月) 01:55
即興垂流御免。
「着る」
着る
白いワイシャツのように
私は社会を着る
父親の目を盗んで着た背広のように
通した袖は長かった 肩幅は広かった
着る
厚手のセーターのように
俺は関係を着る
蒸し暑く肌がちくちくし
しかし脱げばやたらと寒かった
着る
安っぽいプリントTシャツのように
僕は宇宙を着る
それはあんまりに裸に近かった
だからいまだ脱ぎかたを知らない
169を練り直し。
「名も知らぬ赤子に」
彼女の小さな体の中で
そのくりくりしたひとみだけが貪欲だ
それはらんらんとかがやいて
新たな驚きをさがそうと いそがしくみぎひだり
鮮やかに見える世界のかたちを
母に抱かれた赤子という異邦人は
せいいっぱいの真摯さで出来立ての宇宙に貯め込もうと
見 聴き 嗅ぎ 触っている
走るくるまの列 吠える犬
通りがかりの男 女 老人 子供たち
斜めに咲くたんぽぽの花 通り道をさがす風 蜜柑のあまいかおり
そのすべてを小さな口に入れ
時に喉をつまらせ泣きじゃくりながら
それでもかがやくひとみは
新たな驚きをさがそうと いそがしくみぎひだり
175 :
名前はいらない:2001/05/21(月) 02:06
復活期待age
>>175 結構嬉しかったり。どうもありがとう。
「かわたれ」
まだ若い夜が粋がって
陽を抱き取ろうと手を伸ばしたから
驚いた空はあおざめ
あわてて太陽を外へ逃がしてしまった
野良犬がそんな空を攻めあぐねて
うなだれた尻尾を股に隠したとき
誰かに敗れたようにただ帰ってゆく人々の顔を
ようやく濃く沈みはじめた夜が覗き込む
すべては名も知らぬ草花が
色を食われる痛みに耐えているあいだに
177 :
名前はいらない:2001/06/23(土) 23:57
続行期待age
178 :
とおりあめ:2001/06/25(月) 22:25
>>177 ありがとね。
「一日」
時間はだらだらと怠けていた
昼にはテーブルに陽が腰掛けた
一日がずっと僕の傍らで居眠りしていた
夕暮れには気のよいつつじが
風の問いかけに頷いていた
僕はひとり誰の問いかけにも答えられず
ただ部屋に沈黙の種子を蒔いている
179 :
(kau-a):2001/06/28(木) 02:04
目が覚めた夕方
呆れるくらいに蒸した夕焼け
明日も身を起こすは烏の泣く時
ただ 飯をかっ喰らい
命を繋ぐ作業のみ怠らない
明日へと身を投じる勇気は
日に日に零へと向かうばかり
そろそろ外へ空気を買いに
そして死と名乗る友人に
俺を捧げにいくとしようか
180 :
とりあめ:2001/07/02(月) 03:05
リハビリ
夜の冷たい拳が俺をにぎり込むと
あらゆるものがどこかへ帰ってゆこうとする
光や 僅かな欲望さえ俺の目を盗んで
何にもはぐれてはいなはずの
しかし既に置き去りにされた俺は
しぼんじまった明日という言葉を思う
希望なんて陳腐な綿は
そこから飛び出してもうちりぢりだ
もう詰めるものは水か血か
明日 俺にとっては只の輪っぱ
くぐって くぐって
何でもない今日になるだけ
181 :
とおりあめ:2001/07/02(月) 03:58
リハビリ
柿の枝は夏を釣り上げていた
夕暮れは何かに怒っているらしい
しかし私のこころでは
いま昼間のように陽が暖かいのだ
空や木々を誉める気持ちに
さっと布をかけるようにあたって
それは愛なのだろうかと迷ううちに
今日の陽が私をまたいでゆく
182 :
エゴ:2001/07/02(月) 04:31
いいなぁ。
183 :
とおりあめ:2001/07/02(月) 05:04
181 アリガチョー ガンバルッス
リハビリ
街は喋りたかったようだ
しかし空や山や木々のように
己の美貌をたのむこともなく
肝心なことはいつも黙っていた
その街の中で人々は今夜も
光の去った街に死化粧をほどこして
英雄や勝者と敗者
そしてそのどちらでもない人たちが
終わらない祭りに灯をともし続ける
182ダッタヨ ウツダ
>>180-181
>>183 リハビリ?連詩、題は別に付くのだろうが、ほんにリハビリ、秀逸!
どこかのスレで見かけた病の詩は、
タナトスの陰翳濃い印象的な作風だったような…、
並べてみたい気も…。このスレの専住さん?
>>185 スランプ復調の為のリハビリ作が誉められるのはちと意外だったが
いやはや、どうもありがとう。
どこかのスレで見かけた病の詩ってのはこれのことかな。
「病」
茂みの見えぬ死という木陰の中で
私の生はまどろみ また目覚める
埃っぽいこの胸の空洞には
今や懐かしい死者の顔が現れては消え
ささくれた毛玉のような血塊とともに
私のいのちを値踏みしている
ああ 医師よ その白衣の酷薄よ
袖を滑る曖昧な言葉で私を惑わす不実よ
もはや優しげに明日のことなどを語るな
今日だけしか訪れぬこの私に
しかし私の唇はかわき 喉は焼け
それは迷妄の呟きにしか理解されない
今日 また今日 そして今日
苦痛の今日 疑惑の今日 安寧の今日‥
茂みの見えぬ死という木陰の中で
私の生はまどろみ また目覚める
>>186 ああ、それです。始めと終りのリフレインが
けだるさを際立たせる。絶望は(死も?)劇的にではなく、
侵食するように音もなく忍び寄るのだと…痛切に感じさせる。
>>181-183 は
ご自身のリハビリ?だったですか?
連詩として読むと、じつにリハビリ度の高い(癒し系)秀作だと、
読めました、読む者にとってね。
お邪魔しました、どうも。
えっと、…頑張ってください…とかは言わないのかな?詩の場合は…。
詩は好きなので、良い詩に出遭うと嬉しいですよ。ありがとう!
>>187 こちらこそ、お誉めの言葉どうもありがとうございます。
今後ももっと良い詩が書けるよう頑張ります。
(短いレスですいません。誉められると照れっちまって(w
孤島のような褥のうえ
小さな隙間にお互いの孤独をはさんで
あなたと背中あわせに眠る
溢れきった長い無言が真夜中の襞にぶつかって
その内側にあなたの叫びが潜んでいそうで
どこか息を詰まらせて
この小さな隙間 私たちの間に掘られた深い塹壕
しかし今はそれこそが小さな安らぎ
孤島のような褥の上
小さな隙間にお互いの孤独をはさんで
背中あわせに眠る私たちは既に他人
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
既出なのでsage
190 :
とおりあめ:2001/07/04(水) 20:14
秦琴の響きは
酸素に強く恫喝をかけて
魂は音に巧妙に誘われて
私から豊かに溢れ出す
こじ開けられた見えぬ波紋の輪は
恭しく神の首に捧げられて
空洞化された私の心に
神聖な音がねじ込まれる
いま
静かな音の渦の中で
私は秘かなる陵辱に打ち震える
191 :
とおりあめ:2001/07/04(水) 20:16
リハビリ
テーブルには
食べかけのパンと
コップのなかの緩んだ水
冷蔵庫には
冷やした過去とチョコレート
カレンダーには
丸で囲んだ明日が六つ
窓からは
僕を気遣う西日がのぞき
まどろむ時の揺り椅子にもたれ
僕は長い本を読む
192 :
とおりあめ:2001/07/04(水) 20:17
リハビリ
夕暮れとは今日の死
夜は今日のため喪に服して‥
そして
今日である明日の死のために
おんおんと
どこか遠くで犬が哭く
193 :
阿麻:2001/07/06(金) 05:38
ドライブ。
車のワイパーが、大きく
うねって、
うねって、弾き続ける
しずく。それが、
その一滴が
遍歴。
暖められもせず、
やさしい手でかき消されていく
人の
こころの中に灯ってる
表裏のない、この
ともしびは
きょうもあしたも、
これからも続くの・・・
目と目が
もう、
にじんで、
にじんで、ホタルみたいな
ドライブ。
---
旧作です、、、
194 :
とおりあめ:2001/07/10(火) 22:06
リハビリ
今日
空は病み
激しく咳き込んで
絶え間なく怨嗟を吐き出し
泣いた
ああ ああ
空でさえ
病んでいる
195 :
メルヒェン小川正樹:2001/07/10(火) 22:27
ナウいヤングな僕、正樹は
泣いた
ああ ああ
空でさえ
イヤーン
バカーン
196 :
名無し:2001/07/10(火) 23:08
空虚な気持ちを僕に下さい
198 :
名無し:2001/07/10(火) 23:44
俺は愛の歌とか経験してないからかけないな
想像で書くと臭くなるし やっぱり歌詞ならブランキーのベンジーが凄いと思うよ
あんなのは常人にはかけない
199 :
毛:2001/08/09(木) 23:30
>とおりあめさん
透明感とせつなさがたまらなくいいっス!
すごいなあ
200 :
チベット僧:2001/08/10(金) 04:08
詩っぽい詩ってどーなんだろ。
201 :
とおりあめ:2001/08/10(金) 17:10
>>198 ブランキーよく知らないです、ごめん。
愛の歌(所謂恋愛詩のことですよね?)は私の場合
情感を象徴する小道具を仕立てておいて
愛や恋や好き嫌いといった直接的な言葉を避けるようにしています。
(「愛」はたまに使ってますね、形容が難しい感情を表す時の逃げ道に。)
私も経験ないですよ、水増しです。最近ネタギレで書けなくなってます。
>>199 どうもありがとうです、とても嬉しいです。がんばります。
>>200 「詩っぽい詩」ってなんでしょう
学校の教科書か何かに載ってるような詩のことでしょうか。
どーなんだろといわれても さあ。
>>181を練り直し。他の「リハビリ」シリーズもその内練り直す予定‥
[rehabili]
柿の枝は大きく揺れて
若い夏を釣り上げようとしていた
押しつぶされてゆく夕暮れは
何かに怒っているらしい
しかし今 私のこころでは
昼間のように陽が暖かい
それが空や木々を誉める気持ちに
さっと布をかけるようにあたって
私をしきっていた窓や扉が
一斉に開け放たれてゆく
それは愛なのだろうかと迷ううちに
今日の陽がしずかに私をまたいでゆく
203 :
:2001/08/24(金) 13:21
204 :
名前はいらない:01/09/10 20:45
・・・・・・・・うーむ。
救いようのないスレをsageまくっているんだね、君は。
気持ちはわからなくもないが・・・ね・・・。
207 :
(kau-a):01/10/12 23:30
ただ転がる
畳の上
コンクリートの上
瓦礫の上
人の上
てんとう虫が手の平を這う
血脈が少し
動いた
「ひかりの海」
包むような
明るさに
求めていたものが
静かに 静かに 降ってきた
軌跡
同じで 違う
影と体が
ひかりの海で 溶けて
ああ 暖かなものが生まれる
ひかりの海は
泣くことを許し 僕に
24時間の 猶予を
言葉ではなく
もっと 暖かなものが生まれる
気のせいだと
目を閉じても
ひかりの海は緩やかに
僕と時間を
その波で包み
小さな 鼓動を奏でる
奇跡
もしもという言葉を
神サマが信じてくれるなら
僕は このひかりに
埋もれて
息をしようと思う
ペイジェ☆
209 :
名前はいらない:01/10/13 20:54
詩もいいけれどもな、いいか?牛焼肉食うな、狂牛病に為るぞ。それと特に逝けないのが肝臓だ。最近では炭素病
っつーのも流行してんだよ。とどの詰まる所炭素病が如何ほどのものなのかは判ら
んが死に至るんだよ。死に・・・。アメリカでもそれで死んだ例も多々あるんだ。
とどの詰まるところの繰り返しになるが牛でもへ論へ論のへ論のヘロンの公式の
様に為ってしまうあるよ。更にとどの詰まるになるが豚肉食え!豚肉は、脂身が
有って焼けば焼くほど旨みが出る。特にジューシーな肉汁は牛肉に負けじと劣ら
ねーっつー訳よ。な、な、な、な、な、ななななな長生きしたければ豚喰え
210 :
名前はいらない:01/10/13 20:59
牛が喰いたい
211 :
名前はいらない:01/10/13 21:05
サーロインを喰え!!!!!!!!それとイギリス産はいけないぜ〜
212 :
脳鮓井ショー役人:01/10/13 21:08
「ぎゅう食うぞ」
牛食うぞ ぎゅう食うぞ ぎゅっうとかみ締めて牛食うぞ
俺の人生ブタばっか ひいても ひいても ブタのカードオンパレード
DA・KA・RA
この時こそ ぎゅう食うぞ ぎゅう食うぞ
ハラいっぱい牛くうぞ きっと値下がりするはずさ
余氏のや 魔っく 呂ってりあ
ハラいっぱいくってやる
今更俺の頭はこわれない もともとこわれてるからヘイキダヨー
DA・KA・RA
俺のところに牛モッテコーイ!
ヨーロレイッヒー♪
213 :
名前はいらない:01/10/13 23:58
最近思います。
恋愛したけりゃすれば?と・・・・・
泣き叫ぶ心で生きている君は何をのたまいたいのか・・・・
俺は、只の傍観者・・・・・
ただただ見ているしかなかった・・・・・
呆れすぎて物も言えないけれど・・・・・
良い人ですね・・・・・
214 :
名前はいらない:01/10/13 23:59
それじゃ、他の版逝ってくっからあばよ・・・・・
215 :
名前はいらない:01/10/14 00:21
俺は何を言っているんだ?いやいやい、いけない・・・・・
216 :
名前はいらない:01/10/14 00:23
恋愛は、青春だ・・・・・・・・
217 :
名前はいらない:01/10/14 00:26
君は、何を今、みーつーめてーいるのー♪
218 :
名前はいらない:01/10/14 00:26
ひきこもりだって青春だいっ!
219 :
名前はいらない:01/10/14 00:27
ぼーくーはーおーだーやーかーに死んーでーいーくー♪
220 :
名前はいらない:01/10/14 00:28
私、何かしたの?何よ?
221 :
名前はいらない:01/10/14 00:31
何よ何よいやいやいや〜ん
222 :
名前はいらない:01/10/14 00:32
oioi...
223 :
名前はいらない:01/10/14 00:36
消えたいの・・・・・・・・
「レモンキャンディの奇跡」
小さなアメを
奥歯でかみつぶして
あなたの前に立ったのに
息もしたのに
なんで からっぽの口は
何も言ってくれないんだろ
木漏れ日ですこし暑い背中が
これで最後と 息を飲み込んだとき
奇跡はあなた色のひかりをまとい
言葉は意思を失い 落下して
「名無しさん 詩を書こうよ
ほら 言えた(ゲラ
「朝」
ちょっとだけ 幸せのような服を着て
陽の光が幼い手で木々をなでる
頬に夜の食べかすをくっつけて
彼女が昨日のもやもやに
たっぷりのミルクをそそぐ
どこか昨日とちがって
昨日とおなじような人たちが
バスのなかでそよぐ
昨日の事なんか
全部忘れたような顔をして
ばかにきれいなズボンの裾に
昨日の値札がぶらさげて
今日も
街は血を巡らせはじめる
頑なに己を閉ざした
空と街の稜線に
わずかに入った薄光の皹に
いま強く爪をたてて
夜の暗い血を啜る俺を背に
欲望や期待はぞろぞろと
昨日の方へ逃げはじめる
蓮葉な風を嘗めとり
しこめの雲と交わって
やっと明日の血肉を詰められる
俺はからっぽ
昨日の死体は庭に埋め
熱の篭らぬ線香一本
醜い夜空にあげるのさ
街灯の
軋む 窮屈な街頭
無論 声など無く
雪の
その白さに
後悔するばかり
赤い
飾られた街頭
人の
そわそわしさに
神も
笑うことを
たしなみ 祝う嘘も
続かず
信号の
雪の赤に
車は 白いため息
もう冬だと
今
白い羽が
埋もれ おちる
ペイジェ☆
歴史は己を知る
己は歴史を知る事は無い
事象は己を知る
己は事象を知る事は無い
存在は己を知る
己は存在を知る事は無い
世界は己を知る
己は世界を知る事は無い
そうそれ故
己とは白紙
気付いた所で何も無い
ということだ
「10月」
空は無智を装って
宇宙のパイ皮のうちがわで
伸びをしながらたゆたっている
木々はゆっくり揺れながら
ほんの僅かな午睡のあいだに
いろあざやかな夢を見ている
だれも起こさない
僕も起こさない
ただ冬だけが
10月のベッドの傍で
秋を見守っている
226を加筆修正
「イニシエ」
己を閉ざす空と街の間に
小さく残った薄光の皹
そこに強く爪をたて
夜の暗い血を啜る
蓮葉な風の舌を吸い
しこめの雲と交わって
俺はからっぽ
明日の綿を詰め込んだ
生臭い昨日を庭に埋め
僅かな期待や欲望の
非力に両手を引っ張られ
いびつな明日を傍らに
熱の篭らぬ線香一本
醜い夜空にあげるのさ
「素直が一番」
落ちていく軌道を背に
素直に生きる難しさを
空気に混ぜてみる
遠い国の話をゆがめて
感情の空白に真実とか
掲げてみてる矛盾
ベルニューエルの旗の
騎兵のために橋となり
泥となって消える
素直に素直に素直に素直に
泥となって消える
泥と蹄 僕の血は色も無く
「立冬」
今日、屹然と冬が起ち
陽を恃む女々しさを
秋ごと断固と断ち切るとき
空は竦みあがり
仄かな暖は撥ねられて
空気はその武威を怖れ
身をかたく張り詰める
忌むものは甘えに妥協未練
その大きく強い両の手は
今 われらの咽喉元を縊りはじめる
232
足らん 練り直してきやす
白く冷えた寝台の上で
今 俺を挟んだ過去と未来が
この部屋のように薄暗い
俺はまどろんでいた
夢の酒場で安い酒を飲んでいた
外では苛立つ風が暴れ 雑木林の悲鳴
ざざざざざ
その時 かぶるのは波音
おお見ろよ 夜が俺を押し流す
汚れたこの手に櫂はなく
漂い流れた俺の舳先は右往左往
冷えた寝台に身を横たえて
俺はこの船の無能な船長
ここに来てふと襲う 嘔吐だ
‥‥‥‥‥‥
書き殴り
234加筆修正
「夜間漂流」
白く冷えた寝台の上で
今 俺を挟む過去と未来が
この部屋のように薄暗い
俺はまどろんでいた
夢の酒場で安い酒を飲んでいた
外では苛立つ風が暴れ
雑木林の悲鳴 ざざざざざ
その時かぶる波の音だ
おお見ろよ 夜が俺を押し流している
音だけがこの部屋を持ち上げて
俺をどこぞへ隠してしまう
しかし汚れたこの手に舵など無く
漂い流れて俺の舳先は右往左往さ
そして俺は冷えた寝台に身を横たえて
夢の酒をかっ食らう
俺はこの船の無能な船長
ここに来て不意に襲う嘔吐 悪酔いだ
「」
測ることは何もなかった
そして疑うことも
今 深い沈黙が
あなたと共にこんなにも親しい
その確認が
私との隙間を音も無く埋めてゆく
あなたに良く似たくらがりを
私は抱く
そして少しの間
私たちは
言葉よりも確かに
お互いについてお話をした
「」
『あなたの中にある遠いくらがりに
宛名のないひとつの手紙があって
私はそれを何とかして開こうともがいた挙句
まるで平仮名も読めない幼な子のように
ふわふわした言葉を咽喉を詰まらせてしまう‥』
あなたの裸のからだの上を
へんてこなくらげのように
浮かんだり沈んだりしているうち
いつのまにか私は
愚かな考古学者になってしまった
木枯らしのなか
毅然として青いスダチのように
幼く弱い翼のまま
しかし憧れは僕の中で健康を誇った
濡れしょびた瓦のうえ
僕の切望に陽のささぬまま
今やわらかな痛みが僕に振り返る
そしていつか僕の憧れは空を煮る
それまでの僅かなあいだ
スダチはいつまで青いだろう
ぼくは寂れた路地裏に
うずくまり
ずっと待ち侘びていたんだ
トタンの屋根を
ガラスの格子を
生垣の八ツ手を
自転車のサドルを
子供の小さな傘を
やさしく濡らし
奏でる
やわらかなこの雨音を
238加筆
・・・・・・・・・・・・・・・・・
濡れしょびる屋根瓦の上
切な望みに陽の射さぬまま
ただ憧れだけが
僕の中で健康を誇った
その弱く幼い翼のはばたきは
しみったれた風を裏返すこともなく
やわらかだが恐ろしい痛みが
今 僕のほうへ振り返りつつある
擬リハビリ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
心ほどの俊足を
私の言葉が得ぬままに
私は
私のなかで
ふかい叫びを飼う
>>232加筆修正
・・・・・・・・・・・・
「立冬」
今日、屹然と冬が起ち
陽を恃む俺の女々しさを
秋の首ごと跳ね飛ばす
今日、世界は抗うこともなく
冬の軍門に馬をつないだ
空は張り詰め 水は畏怖し
俺は敗れたように暖をとる
今日、冬は言葉もなく宣言する
その絶対の統制と甘え未練の禁忌を
しかし彼の足元ではひそかに
幼い春のたくらみが受胎しつつある
今日、生きるものは沈黙
冬のまつりごとのすさまじさよ
しかし老いた紫苑の花をまだ落とさぬ
その奇妙なぬくもりが俺を錯誤させる
どうしてこの冬が父の顔に似てくるのか
外へ
魂のそとへ
外へ
血のそとへ
外へ
女のそとへ
外へ
居場所のそとへ
外へ
望みのそとへ
外へ
風の 空の そとへ
外へ
宇宙の 神のそとへ
外へ
どこまでもそとへ
いっても
つながりは
つながる
その
外へ
うち捨ててくれ
俺を
>>229加筆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「十月」
空は無知を装って
宇宙のゆりかごのなかで
伸びをしながらたゆたっている
木々はゆっくり揺れながら
ほんのわずかな午睡のあいだに
いろあざやかな夢を見ている
その穏やかな眠りの中
僕は僕の願いを正しく発音し
そして雲の白いくらがりに
いくつかの歌を置いてゆく
世界は心地のいい無言にかこまれて
誰もその眠りを侵さなかった
僕も起こしはしなかった
ただ冬だけが
十月のベッドのかたわらで
静かに秋を見守っていた
244 まだ足りない、また練り直してきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
十一月 空は身重
その白い肢体に大きな秘密を蓄えて
やがて訪れる痛みに身を張り詰める
イカロス
モンゴルフィエ
ライト
そおっと
空のふたをあけてみよう
そおこにはきっと
あおくてあまいジャムがある
それがほしいから
鳥たちは
ずうっと空を飛んでいるんだよ
247 :
静かなる山河:01/11/20 18:50
公昔龍のる白雲の郷
手に雲漢を決して天章を分かつ
天孫為に織る雲錦の裳
248 :
静かなる山河:01/11/20 19:01
飄然として風にのりて帝の傍らに来り下濁世のためにひかうを払う
西のかたかん池に遊びて扶桑を略すれば草木衣被す昭くわいの光
緊縛されたまま
繰り返し流し込まれる無限残虐映像
冷酷無比の仮面被り
ガス室でもがく哀れな少女に笑み浮かべ
無機質ガラスの向こう側
理性は目隠しされ
黒いドアの下から溢れ出す血の海
欲望の靴 濡らした
黒十字に吊るされた薄汚れた未来
銀のスプーンで刳り貫いた心臓
不透明なその偽善・同情・愛 毒の体液で汚せ
死に向かう 目隠しされたまま
渇いた舌潤せ メス犬から溢れ出す蜜液で
逆十字の上で交わろう 獣姦性癖丸出しで
セルロイドの爪剥がして 垂れる血の雫 口に含んで
喉に押し込まれる重いその流れ
硫酸に爛れた胃袋で感じる絶望 美しく果てゆくビジョン
緊縛されたまま脳細胞破壊感覚味え
無限の形に蠢く子宮の疼きを感じながら・・
250 :
静かなる山河:01/11/20 19:09
わかったわかった、早く断われということね
焼津ね、なかなかむづかしんよ
251 :
静かなる山河:01/11/20 19:11
なおみそんなに怒るなよ。今日断わるつもりが、12月2日か3日に断わるから
252 :
静かなる山河:01/11/20 19:14
貴女が早く現われんからだぞ
253 :
冬子を呼べ:01/11/20 19:17
お〜〜〜〜〜〜いお話ししようよう
254 :
冬子を呼べ:01/11/20 19:19
お姉さんと語ろうかな
わかったわかった、ところでなにが言いたいの?さっぱりわからないよ
変な詩書いて気分悪いじゃないか。なにが言いたい?
‥閑話休題。
173加筆修正
・・・・・・・・・・・・・・・
「着る」
俺は着る
厚手のセーターのように
俺は 関係を着る
それはもうチクチクし
たまに蒸し暑くなってうざったいのだが
脱げば凍えるのを知っているから
俺は未だそれを脱げずにいる
私は着る
白いワイシャツのように
私は 社会を着る
それは父親の目を盗んで着た背広のように
通した袖はやけに長く 肩幅は広かった
しかしこのいつまでも馴染まぬ背広を
私はこれからも着て
生きてゆかねばならない
僕は着ていた
暖かい血や皮膚のように
僕は ずっと宇宙を着ていた
それはあんまりに裸に近かったから
関係や社会を重ね着をしてしまった僕には
それを脱ぐことはできないが
切れっ端くらいは誰かにあげられるだろうか
生きているあいだに
236加筆修正
・・・・・・・・・・・・・
「baise」
私とあなたを親しげにかこんだ
このおだやかな沈黙
こんなに近くにいる
測ることなど何もない
いま 私たちを
風がよけて
世界すらもわずかな点景
私たちは目を閉じる
おたがいへ帰ってゆく
おとずれるのではなく
そして
あなたに良く似たくらがりを
私は抱き
その少しのあいだ
私たちは
言葉よりも確かに
お互いについてお話をした
書き殴り
・・・・・・・・・・・・・・・・
時には本当のことを言ってやろうか
実は空は誰かの薄汚れた背中
雲はそいつにくっついた埃
太陽だってそいつの小汚い部屋の
そのまた小汚い壁に開いた
ちょっとばかり光のもれる穴に過ぎない
その「そいつ」って奴の名前は
神さまって言うんだが
本当の名前も教えてくれない変な奴さ
でも悪い奴じゃなさそうだから
今度飲みに誘おうかって思ってるんだけど
ところで俺 何の話してたっけ?
書き殴り
・・・・・・・・・・・・
「十一月」
山は化粧を終え
その美貌を空に誇る
空の子どもたちは
元気に公園をかけまわる
そのうち一番大きな子が
僕の願いを木の葉と共に
天に投げ上げた
十一月 空はいまなお身重
ながい吸気のあとの
夜のようにくらい静謐
そのあと聴こえる
喜びの産声
十一月 ‥
262 :
とおりあめ:01/11/25 02:34
あたたかい わたしの血の中で
ただただ遊べよ 子供時代
きみたちは いま不死
わたしの大人気のうらっかわの原っぱで
ただただ遊べ こころのこどもよ
264 :
名前はいらない:01/11/25 16:48
カキナグール
・・・・・・・・・・・・
「黄落」
生きようと
もがいているのか
もう死のうと
あきらめているのか
風は忖度なく
ぶちこわし
そこに残るのは
ただ骨ばかり
「憧れ」
柿の木は おおとりの翼のように
力づよく枝をひろげ
たえず空をうたがっている
いつかそこへ飛び立ってやろうと企んでいる
強く土を噛んでいる根は許してくれるだろうか
そのことをすこし気に病みながら
それでも憧れはつよく
柿の木は空を睨みつづける
「旧友に」
俺たちの高らかな笑いが
じんわり風邪をひいてゆく
ここまで来る道中に俺たちは
何かたいへんな落し物をしたらしい
そのために俺たちは
笑い話をただただ転がしているのだが
酒が冷えると俺たちは黙ってしまう
落した物が何だったか考えるように
言葉が唇のうちがわで地団駄を踏んだ
俺たちの過去(きのう)が大きなくしゃみをした
かきなぐっちゃろ
・・・・・・・・・・・・・・・・・
いくつかの紙ひこうきが
空をなぐさめている
子供たちの
色とりどりのやさしさで
よくとぶ紙ひこうきの折りかたを
僕はもう忘れてしまった
そのかわりにいろいろなことをおぼえて
僕はいまここにもどった
空はどこまでも虚心
むかしも そしていまも
平凡なかたちの紙ひこうき
僕は明日それを飛ばそうと思う
空のほつれをなおしてみようと思う
>>259 「baise」を「くちづけ」に改題。変化なし。
270 :
とおりあめ:01/11/27 23:51
>>268 加筆
・・・・・・・・・・・・・・
「紙ひこうき」
やわらかに波うつ速さで
いくつかの紙ひこうきが
空をなぐさめている
子供たちの飛ばす
色とりどりのやさしさで
空のほころびがつくろわれてゆく
そんな様子をただみつめる僕はもう
よく飛ぶ紙ひこうきの折りかたを忘れてしまった
そのかわりにいろいろなことをおぼえて
いまここにいるのだが 子供たちの向こうがわに
僕を見下ろす空はどこまでも虚心だった
いまも そしてむかしもそうだった気がする
平凡なかたちでもいい
紙ひこうきを飛ばしたいと僕はおもう
もう一度空と仲よくなるために
紙ひこうきを飛ばそうと僕はおもう
>>270 再び加筆
・・・・・・・・・・・・・・・
「紙ひこうき」
やわらかに波うつ速さで
いくつかの紙ひこうきが空をなぐさめている
子供たちの飛ばす色とりどりのやさしさで
空のほころびがつくろわれてゆく
そんな様子をただみつめる僕はもう
遠くまでとぶ紙ひこうきの折りかたを忘れてしまった
そのかわりにいろいろなことをおぼえて
いま僕はここにいる 子供たちの向こうがわに
僕を見下ろしながら空はどこまでも虚心だった
いまも そしてむかしも確かにそうだった気がする
また新たな色の紙ひこうきがやさしく空をなでていった
高らかな子供たちの話し声がきこえる
ふと僕は 紙ひこうきを飛ばしたいとおもった
平凡なかたちでいい あの子供たちのように
そしてはっきりと僕は 紙ひこうきを飛ばそうとおもう
もう一度 空となかよくなるために
「空」
またどっかに行っちゃったんだろ
いつも見てるようなふりをして
もうここにはいないんだろ
とおくまで ずっととおくまでいって
その後のことなんかぜんぜん考えてないんだろ
おれがずっとおまえに語りかけていることすら
へともおもってないんだろ わかってるさ
でも そんなおまえの
ちょっとつかれたような背中をみていると
おれは泣けそうになるんだよ
おまえにはかえるばしょ あるのか
あ゛ー まちがえたー 鬱入
273やりなおし
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「空に」
またどっかにいっちゃったんだろ
いっつもおれをみてるようなふりをして
もうここにはいないんだろ
とおくまで ずっとずっと とおくまでいって
そのあとのことなんかぜんぜんかんがえてないんだろ
おれがずっとおまえにかたりかけていることすら
へともおもってないんだろ
そんなおまえの ちょっとつかれたような
うすよごれてゆくような せなかをみていると
なんだかおれはなけそうになる
おまえにかえるばしょはあるのか
そのせなかをあたためてくれるやつはいないのか
276 :
とおりあめ:01/12/03 00:26
「山」
お前を枕にして長い睡りに甘えたい
お前を踏み台にして星をもいでみたい
お前はカラフルな帽子 おしゃれな誰かの
お前はおおきな鼻 いかつい顔の誰かの
お前にいっそ隠されてしまおうか 時を置き捨てて
お前と共に忘れられてしまおうか これ見よがしに
お前に太陽を埋めよう あの偉そうな小僧を
そんな 希望ともつかぬ思いを その頂きにひっかけよう
麓にも届かぬアスファルトの上から
くれよん
>277 どうも。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「ココア」
きっと 君の胸の向こうがわに
小さな砂時計があって
君の唇の奥で自殺した
はかない言葉たちが
今も はらほら‥ と
零れ落ちているのだろう
僕はそれをひっくり返せず
零れ落ちる言葉の砂を掬ってやれず
そのなかの幾つかの残酷な可能性が
僕をひるませて
いつもと少しも変わらないような君の目の前で
熱かったココアが段々とひえてゆく
279 :
とおりあめ:01/12/05 22:24
「空のかたち」
窓にとじこめた
コップの水に映した
電線でかこってみた
ビルでつっついた
肺にたくわえてみた
それでも
かたち 測れずに
遠く向こうで
無をよそおった空が
こっそりと 笑う
「ダルシマー」
細い絹糸のような聖なる音
真っ直ぐに天を穿つ
そして帰還した音は 空を耕すだろう
「十一月」
なお生きるために
醜さを世界が纏う
束の間の美貌を
幸福を 脱ぎ捨てて
山も森も空も 生き物も
誰に誇ることなく
街は流行り病いのように
冬に罹(かか)る
その中で
なお生きるために
胎の大きな野良猫がうなる
その中で
なお生きるために
私はあなたに口づけをする
なお生きるために
醜さを私は纏う
世界のように
282 :
とおりあめ ◆sXJFXmoY :01/12/12 20:21 ID:w1kslIz4
「十二月」
part-1 朝
誰に正されたのか
朝の陽があつい化粧を落とし
簡素な美しさで私を覗き込む
その光が 時を清め
世界を清め
生を清めた
しかし
過ぎ去ったものは
漂白されず
私の顔は
昨日の食べかすでいっぱい‥
283 :
m(__)m:01/12/12 20:30 ID:rokNsDbP
ごめん、許してよ。前は
284 :
m(__)m:01/12/12 20:31 ID:rokNsDbP
暴言
285 :
残近線 ◆R4iqSVGE :01/12/12 20:38 ID:gI8lccQi
1番最初の詩に無茶苦茶共感しました。まだ全部読んでないんで今から読みます。
どうかこれからも頑張ってください。
>>285 あ、どうも。残近線さんのスレッド読ませてもらってますよ。
1番最初のと「浮遊する日々」と「紙ひこうき」コピペさせてください。
駄目ですか?
288 :
残近線 ◆R4iqSVGE :01/12/13 18:33 ID:870M2sh5
age
>>287 えーと、それは構いませんが
まずコピペする場所とその意図をお聞かせ願えませんか?
>289
たいした意図はありません。ただ自分が共感した詩をできるだけ多くの人に、ふれさせたかった
だけだったんです。勝手なことをして本当に申しわけありませんでした。
あ、もうコピペしてあったんだ。
私の詩を評価してくれてとても嬉しいですが
コピペする前に自分のスレッドだけじゃなく
ここにもちょっと説明を書いておいて欲しかったです。
本当にすみませんでした。これからは気をつけます。
>292
わかりました。そうします。
(293は292を見ないで書いたもので。話がかみあわなくてすみません)
「今」
飛行機雲をおりまげて
空が呼吸する音を聴く
うつくしき今
赦しを乞う声もなく
私はただ生かされる
華やかに着飾った言葉のかげで
街が呟く厭世の声を聴く
うつくしき今
自らを暖める術もなく
私はただ上着を購う
時の背中におぶられた
河のかすかな寝息を聴く
うつくしき今
私はふと償いを思い出し
握った小石を投げられない
厳しくも明るい宿命のなか
少しだけ世界が素直さを取り戻す
うつくしき今
私はただ生かされて
ただ生かされることに甘んじる
無数の問い 無数の悔い
私は今
それをすべて捨てていい
「十二月」
憎しみを隠して
冬が仄かにほほえむ
そんな日もある
山はもう老人の顔
街は不機嫌なままで
空は裸で風邪をひいた
いまだ過酷な抱擁のなか
むしろ生の声は高らかに
明日への方角を迷わずに
仔猫が雑踏に消えてゆく
火に庇われながら
私のくつろぎは
今 死に近いものだ
火に庇われながら
私はうらやむ
憎まれるに値する生の躍動を
死に見つめられ
ふと訪れる幸せ
しかしそれを遮って欲しい
誰かの背中よ
subarasi!
298 :
とおりあめ ◆sXJFXmoY :02/01/10 00:41 ID:40O0lBmI
297 arigato!
木陰が僕の陽を奪い
限りなく僕を佇ませる
僕のてのひらには何もない
時間と空以外には
通り過ぎる喜びは
いつも誰かに似ている
綺麗な顔 ではない顔
皆良い笑みをする
しかし彼女等が残した足跡には
溜まった暗がりが寒々しい
僕は眠る それをやりすごすために
木陰が僕の陽を還す もう残り少ないらしい
目覚めを呪詛する僕の瞳に西日が誰かを住まわせる
僕は佇むことを止め 明日を拾いにゆく
無垢なるままの瞳に見つめられ
ふと恐れに似た心にわたしは名前を呼ばれてしまう
こわい髭を生やし背中に幾つか傷を持つ
脱走者のような心に
きみの瞳は朧がかってどの彩りとも親しくならない
興味と飽きとを間断なく繰り返し 繰り返し
わたしの髪を引っ張ったり外の雪に唇をそわそわさせたり
何かをみつけて笑ったり いつも私を嬉しがらせ戸惑わせる
きみの瞳は世界の中心 宇宙の中心だ
そしてきっとわたしは世界の端くれにあるものだ
だから今は きみに何かを教えようとは思わない
しかし既にきみは時という残酷な慈しみの中にある
わたしの声の届く日が来るだろう そこが世界の端くれだ
雪が柔和になる ふたたび君が探し物するように私を見つめる 私は動けなくなる
雪が降っている
木や草や道端の石ころの上に
橋や道路や缶カラの上に
ほの暗いこの町の屋根に
雪が降っている
目を閉じて
ここまで
白いままで
冷たいままで
これは悲しみなのだろうか
この汚れた地表をかばうため
生まれてきたわけではなかろうに
それでも
雪は降っている
ものも言わずに
与えられた運命を
受け入れるかのように
どうしようもなくて
震えながらも
301 :
とおりあめ ◆sXJFXmoY :02/01/13 00:57 ID:6nyVnmkZ
くたびれたシャツの日常が
いつか僕に深い皺をきざむまで
時間は巧みに僕をあざむいて
無駄づかいさせ続けるだろう
僕は道草していたかった
夕日のにおいをズボンにしみこませて
拙い縦笛で橙色の水溜りにメヌエットを浮かべた
あの幼かった日々のように
無駄に時間をつかいながら道草の仕方も忘れてしまった
それでも小学校の放課のチャイムは
どこかに隠れた子供心に何かを呼ばせようとする
煙草を買い求める手がほんの少しだけ止まる
知らぬふりを装いながら僕は通りの方へ耳を澄ませる
小躍りするふたつのメヌエットが僕の郷愁を跨いでゆく
満たされず
いつのまにか
想いだけ膨らんで
自分を大きくみせてた
そのくせ中身はからっぽで
まるで風船みたい
糸を断ち切ることもできず
辿り着くあてもなく
飛び立つことさえままならず
やがて萎むこのからだ
糸は垂れ下がり
幕が降りる
からっぽな僕には
朝日が眩しすぎた
自身を漂白させて
雪はうらんでいる
それゆえの寒さ冷たさだ
母らしきものは
子を墜落させる
それゆえの街の麗しさだ
わたしの息が白いのは
やはりうらみがゆえであろうか
熱いだけそれは雪より深かろうか
落下させることが
慈しみと呼べるなら
またわたしも慈しみを受けている
何も喋らぬ割りに
神の顔はよく変わる
わたしは密かに墨を塗る
風は応えない
もてあそぶだけ
雪もまたもてあそばれ
しかしふたたび
投げ上げられることはない
ならばせめて
おもう場所に落ちてこい
時を持ち逃げて
淡い温もりのもと打ち捨てる
今は眠りに応えてやってもいい
この陽だまりのなかで
祝福するといい一時の死
そして次の生まれを
その時陽だまりのもとに
誰かがいることを
305 :
名前はいらない:02/04/07 02:39 ID:7i4MoH9a
世界などというものは存在せず
存在せず
ただそこには
あなたがいるということ
わたしがいるということ
何も必要とせず
何にも必要とされない
そうして
迎えた朝だった。
306 :
仮にも名無し:02/04/07 02:44 ID:OUq+c2ev
>とおりあめ氏
やるせなさが痛い程伝わってくるよ。
良い詞だね。ただ相手を美化しすぎやも知れぬ。
サンクス
308 :
と:02/04/24 23:46 ID:???
「河」
闇という名を借りた
飢えるガーゼの戦慄きが
今日も俺の感傷を吸い取って
動から静へと流れる
俺は手を伸ばし‥
飛沫の感触をよみがえらせ
そこから僅かに開いた隙間を縫って
欲望らしき空き巣の足跡を炙り出す
呶々呶呶呶々呶呶呶々呶々呶呶
暗がりの深さを測量しようとして
うっかり俺は身投げしてしまう
しかし落ち込んだそこが河であるのか
俺の耳鳴りであったのか
もう判別できない程に
夜は俺を握り潰してしまっていた
309 :
と:02/04/25 00:57 ID:???
トパーズの輝きを転がせて
アスファルトの間違いを訴えていた
おまえの 後ろ足の時計
誰かの傘にひっかかっちゃって
うまくお空に昇れなかった
お前の透き通った たましい
正確な時刻が急ぎ足で通り過ぎてった
ここは夜の駅の待合室じゃないから
お前の時計はいらないらしい
雨は 優しくお前を汚していった
時間も優しいのかな?
ちょっとだけ お前は怪訝な顔をしていた
310 :
と:02/04/25 16:54 ID:???
俺のプライドに馬草を喰わせろと
酔いの速度が血に声を響かせる
俺ははっと耳を塞ぎ搦め手を閉じる
笑い飛ばす滑走路さえも残されていない
安い酒場のカウンターで
俺は迂闊にも小便にも似た嗚咽を垂れ流した
311 :
と:02/04/29 17:57 ID:???
今舞い落ちる埃の二重螺旋に
逡巡を囲う俺を幽閉させる
俺 - 僕
ぼく - 俺
俺 - 私
塩基が荒淫を繰り返し
目出度い設計図により産み落とされた俺は
やはり埃の二重螺旋の前で
身動きひとつ取れない哀れな俺なのだった
312 :
:02/05/14 12:23 ID:???
人間は精子から競争だ。だから逆行の人間がいても良い
(ぷぅー談)
[ 静かな瞳 ]
物狂う一歩手前の
凍結を偽造した瞳が
私をみつめ
みつめつづけ
沈黙を焼き印させる
私はおそれ
おそれおののき
やがて眼を瞑る
そこで囲まれる異形の瞳
いつしか私も凍結のシリアルを刻まれ
物狂う一歩手前の瞳
その奥ふかくで
赤錆びたブランコは
高く太陽を蹴っていた
僕に正しい服を着させておくれ
裏路地で遊ぶ子猫のような正しさを
空に裏切られ嘔吐された水溜りに
僕はあたらしい生まれを見つけ出さずにいられない
僕に正しい服を 貧民街の子供のように
羊水を見つめ それを蹴らずにいられない心を
317 :
◎:02/06/12 16:46 ID:???
319 :
AYA ◆AYYA/Dxc :02/07/28 18:27 ID:zWt7oE1r
記念カキコ
保全
321 :
名前はいらない:02/11/04 23:34 ID:gqsOMZku
322 :
e:02/11/11 17:01 ID:EtyGUzq7
fdddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddd
323 :
象牙芯:02/11/11 18:31 ID:LWUpfFLw
空っぽだ、 何にも無いや・・・・・・
どうしようか?どうすべきか?
さっぱりだ。・・・・ようわからん。
なんのために なにが どうしているんだろう
自分の存在意義 とは、
俺は 弱かった。 単に 逃げていただけだ。
さて、 どうしょうか?
どうすべきか・・・・・・・。
ま、悪いことは言いません。あんたら2チャンネラーに代表される
下界の凡人連中には、ベートーヴェンの晩年の弦楽四重奏がちょうどよいです
から、そのあたりをお聴きなさい。
間違えても、ぼくやドビュッシーの作品は聴かないように。
豚・に・真珠・でございましょう、ファッハッハッハッ・・・・・
で、ぼくのホームページK.OKADAワールド
(URL;
http://debu1957.hp.infoseek.co.jp/)には
あんたら2チャネラーには似合わない私の傑作の音楽がついていますので、
ぜーーーーーったいに来ないで下さいね。
ここは、下げておく
お・だ・ま・り、あたしを誰だと思ってるの? おそれ多くも、あ・た・し・よ。
お・だ・ま・り、あたしを誰だと思ってるの? おそれ多くも、あ・た・し・よ。
お・だ・ま・り、あたしを誰だと思ってるの? おそれ多くも、あ・た・し・よ。
お・だ・ま・り、あたしを誰だと思ってるの? おそれ多くも、あ・た・し・よ。
お・だ・ま・り、あたしを誰だと思ってるの? おそれ多くも、あ・た・し・よ。
保守
328 :
山崎渉:03/01/20 06:08 ID:ktp24cuz
(^^)
ほら、指の隙間から、砂がこぼれ落ちてゆく・・・・・。
ほら、バケツの穴から、水が零れ落ちてゆく・・・・・。
ほら、手の平の上から、雪が溶け落ちてゆく・・・・・。
いつかは空気になるんだね 君には聞こえぬように呟いた
さわらないでほしい傷跡さえも 最期には無に帰すだけだから
からっぽになるとき そう君を飽きるほど抱くとき 永遠を迎えるとき
たんぽぽが咲かないうちに花になった 僕は今でも君を懐かしんでばかりいる
からっぽなんて一時の無が
俺の心をきれいに掃除しちまったからと言って
前からある冷蔵庫やベッドやソファまでもが
消滅しちまう訳じゃあない
言ってしまえば年末大晦日の大掃除のような
神経質な嵐が俺の愛する塵や埃や落ちた髪の毛を
一切合財もってっちまったってだけの
清潔だからこその夕陽の冷たさ。
トリプ変えた。
333 :
333:03/04/05 02:27 ID:FCJ8n7vz
虚無
334 :
山崎渉:03/04/17 14:08 ID:GAm0uYE/
(^^)
いつかは空気になるんだね 君には聞こえぬよう、そっと呟いた
さわらないでほしい傷跡さえも 最期には素粒子にまで崩れていく
からっぽになるとき そう、君を飽きるほど抱くとき 永遠を迎えるとき
たんぽぽが咲かないうちに花になった ・・・今でも君を懐かしんでばかりいる
336 :
山崎渉:03/04/20 01:50 ID:3rQpfsMd
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
337 :
山崎渉:03/05/22 03:32 ID:9hqkSSyZ
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
338 :
山崎渉:03/05/28 10:59 ID:0k3PpwVO
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
339 :
名前はいらない:03/06/11 10:37 ID:4hc1TzfA
O アゲトコトコ....
ノ[]ヽ
ノ)
340 :
_:03/06/11 10:51 ID:b+91NKkL
341 :
山崎 渉:03/07/12 11:44 ID:NWO/CALS
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
342 :
山崎 渉:03/07/15 11:56 ID:7z6F/fGC
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
344 :
山崎 渉:03/08/02 01:33 ID:TahhWmQI
(^^)
345 :
山崎 渉:03/08/15 13:44 ID:5TkIaFn9
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
346 :
ねほん ◆FSnm09kHak :03/08/15 13:49 ID:L8Bxsqj2
「ペーパーフラクション」
強 弱 中
足の指で選ぶ
左足のくすり指でアイスを食べた
チャイムが鳴った。
この板がすでに詩
手がべとべとします
haraga hetteha waraemo sezu desyo
350 :
名前はいらない:
僕に深い皺