1 :
名前はいらない :
2006/05/08(月) 22:01:56 ID:GG+BIk5Q
2なら広島カープ交流戦でソストバンク相手に3連勝!!!! イヤッホゥ!!!!!!
「代謝」 冷たい梯子段があり 一段を進みまた進む 感じない狼が吼える 内臓は満たされない コトンと鏡台に措く 足元は泥濘の吐瀉物 白いタイル黄色い花 心臓はまた生き返る 冷たい梯子段がある いくつもの立ち眩み 鏡台に晒された懊悩 内臓は満たされない 受難、であるような 頭上には吊られた剣 また狼が吼えている 心臓から指が生える
次は「五月」でお願いします。
「葉桜」 町から一寸足を伸ばして 川べりを自転車でどんどん行きます 薄くにごった空 暖かな日差し 風は土と生き物で埃っぽくて 汗ばんだ体を冷やしてくれます 川が元気に光っています 鳥が歌い 私も小声で歌います 土手にたくさん茂り 甘く匂う葉桜 太陽を淡く透かして緑がひかります この景色 この綺麗な空気 ひとりだけじゃ勿体ない 花たちは散ってしまって もう見られないけれど あなた 葉桜は いかがですか お次は 「滝」で
ぼーくはかーわいいー あおーむしー♪ おいしーいはっぱーは どーこにあるー ぼーくはかーわいいー あおーむしー♪ じゃーまするやーつには つーのだすぞー _ /ヾ;. `ヽ ゝ ● ノノ⌒//⌒//⌒ヽ (・ヽ.___/_ヽ. // .. // .. ) 〃〃〃~~u^u^u^u^^'∪ モソモソ
7 :
アンダバ :2006/05/09(火) 21:09:20 ID:iNxdq+Nc
あーいつかーわいいー あおーむしー♪ おいしーいはっぱーは どーこにあるー あーいつはかーわいいー あおーむしー♪ じゃーまするやーつには つーのだすぞー _ /ヾ;. `ヽ ゝ ● ノノ⌒//⌒//⌒ヽ (・ヽ.___/_ヽ. // .. // .. ) 〃〃〃~~u^u^u^u^^'∪ モソモソ
8 :
名前はいらない :2006/05/09(火) 21:29:30 ID:z+DG/eQW
「滝」 ドドドと背中に水があたるたび 内臓がズズズと揺れる 隣のオヤジが「あ〜」という 隣の俺も「う〜」という 次、「温泉」
【らどん温泉】 忙しさが溜まって不機嫌な夜には お風呂の灯りを消して露天風呂のつもり 月が明るいといいな 猿も鹿も入るといいな ラドンなんかもどうだろう 湯当たりするまで、ゆっくりと。 次は【一番】でお願いします。
「いちばん」 ゆびで あなたのせなかに かきました 次は「帽子」でお願いします。
帽子 逆さまのシルクハットから、弾む歌声一つ 呼んでるよ 帽子の中をのぞき込んだら、彼のステージ 見てごらん 君の瞳がスポットライトで、彼はステップ 踊りだそう テールコートを翻して回る、彼のステッキ 手を貸すよ 小さな舞台へ飛び込んだら、君は帽子の虜 怖くはない 広すぎる世界に飽きていた、君は救われる 青い踊り子 ――――――――――――― お次は「洞窟」で。
【どうくつ探検】 ひかりの無い洞窟へと沈んでゆく 何度も 何度も 今度こそは岩に肩とか足が引っ掛かって抜けなくなって 大声で泣きながら朽ち果ててゆくのだと妄想しながら ヘルメットをがりん、と引っ掻く音が反響する 手の甲の傷はまだ塞がらずじんじん痛む 公園でソフトクリームを食べていればそれはそれで幸せな筈なのに ひかりの無い洞窟へと 何度も。 次は【直線】でお願いします。
「直線」 ひょーい ひょーい と 偽お魚で食べられないお魚を釣り上げようと 腹は減っても糸をまきまき ススーイと水鳥の一団 その数5 離れて1 どうぞお通りください当方時間はうなっておりますゆえ くえぁ げあぉ とお礼を鳴いて 一列になって 紋様を推進力にかえて おいお前 後ろのお前 田舎電車の窓を上げてその窓枠の上に腕組してそこに顎のせてる みたいな風情のお前に頼みがあるのだ 俺は道具一式まぁまぁのを揃えたんだが、まだ一匹も釣れていない だからお前ちょっと潜ってパパッと捕まえて針にかけてきてくれないか あい分かったとちゃぽん‥1‥2‥3‥ひょこ どうであったか?と聞くより早く窓枠の君はぶるんぶるんと首を振った こればかりは仕方ない 顎の君よありがとう 俺は次なる一団を待つから君は田舎電車で行きたまへ 迷わぬように行きたまへ 真っ直ぐ家へ帰りたまへ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 次は〜「アップトゥーユー」〜「アップトゥーユー」〜でお願いしまうま〜
きみの好さはね あまりにも作る部屋が気持ちよすぎるんだよ 高架下のような 椿の葉の裏のような ともかくぼくは気持ちがいいんだ 君の良さはね あまりにも夢見るところが汚すぎるんだよ 雨振り公園の歩道のような 12歳の正義感のような ともかく僕は目をそむけちゃいたい ぼくはね 僕はね 追いつけるとは思っていない だからそこで素敵に汚くいてほしい 例によって手を伸ばす 握り返される予感がある 笑顔で返されるかどうかにだけ僕は興味をもつ それでも ああ、いや、いいんだ、 君は遠い 遠い --------------------------------* 次は「ファットボーイ・スリム」でよろしく
「ふぁっとぼぅいすりむ」 スクランブルエッグ色の脂肪細胞と 脳下垂体から滲み出すテストステロンが 男でも女でも人間ですら無い妖精を 現実界の毛深く因業なおっさんに堕とす。 かく言う私には 天使よりも幻想的な「少女」であった記憶は無く 生まれつき因業で血腥いおんなであったのだが。 お次は【垂直】でお願いします。
「垂直の場合」 そいつは円弧だったが地平線を羨んでいた 扁球の太陽が内側の沃野から打ち上がるとき まず嫉ましい錯角に挟み取られてしまう 高校の同級生だった円弧は今では専門店で 八百八十円のコーヒーを注文するが ネルドリップがどうこう言って女将を呼んでしまう 僕にはネルドリップが何なのかすら分からない そいつは菱形だったが直角を羨んでいた 大地に垂直なのを鼻にかけているのだという あいつら俺たちを見下してやがるんだと 僕にだって直角なところがないわけではない そこに居心地の悪さを感じる 落ち着けよ、と僕はコーヒーをすすめた お前だって四辺の長さが等しいじゃあないか そいつはネルドリップがどうこうとは言わず おとなしくがぶがぶと飲んでいたよ ======================= 次は「危機」でお願いします。
17 :
◆L4LyBSss3w :2006/05/25(木) 00:07:22 ID:UdPrELD7
【マスカラ】 思い出したのは何年か前の夕暮れ 背中から追突してきた自転車 不意を突かれて抱えてたクリニークの紙袋が車道に転がって 結構高価かったんだからね 怒りながら慌てて拾い集めようとしゃがんだら マスカラ 目の前で大きなタイヤに踏ん付けられて爆ぜた ぱん、って爆ぜた 蓋とブラシが飛んで頬に黒い染みを置いてった 思い出したのは何年か前の夕暮れ 人生の終わりまで残り30cmに近づいた日 次は【ハッピー】でお願いします。
ハッピー 聞こえていますか 僕は今日もおだやかな日差しの中 アナタのことを考えています ハッピー 気づいていますか 少しだけ開けた窓の隙間へ 暖かい光でごまかした僕に付き纏う憂鬱 キラキラ光る木漏れ日の中 白い月が浮かぶ夕暮れの中 ささやかな君を思いだすのに どうして 林檎一個分の不安感を消せない ねぇ ハッピー ハッピー 信じてくれますか それでも僕は君を想い続けます ずっとずっと 君を探し続けます ずっとずっと ずっと・・・ ******************* 次は【恋日和】でお願いします。
恋日和 春の陽射しと、夏の葉風に揺られて 二人、歩いた恋日和 少し凸凹に、並んだ肩の波間に 仄かに和らぐ、穏かな雰囲気が 晴れ渡る青空にもそっと、心地いい もう言葉はなにも、必要なくて ただ一緒にいる、緩やかなこの時間だけで 優しさの淡い霧に、包みこまれてゆく 二人の仲に、響き渡る微笑みの木霊たち 降り注いでくる、清かな新緑の木漏れ日 溢れだす、瞳の奥の彩りを ふと交わした眼差しにもそえて、やわらかに 二人、歩いた恋日和 静けさの中で、そっと…… ――――――――――――― お次は「雨音」で。
【雨音楽】 た た た た たた たたた たた たたた たたたたた たたた たたたたた ぽ ぽぽ ぽたた たぽ さささささ ささ ざああああああ ざざささ さららら さ さああ ぱしゃしゃ ぴしゃ ざああ ぱぱぱびびしゃ ずざざ ざざ ざざざさあああささあ すささ さあ あ ささだだだ だ ざざささ ささああさ さああぽ しゃ しゃ さ さ さ てて て て て 次は【虹色の】でお願いします。
21 :
名前はいらない :2006/05/27(土) 14:29:22 ID:YggrNJTU
『虹色の』 低い視力でとらえられたのは一緒にいる二人の呼吸だけ かけ離れているようで 誰でも持っている 何も考えずとも生まれる力 ただ、どうしたのか それを使えない 自分の手が見えない動かない曲がらない足で歩くと派手になる ぺしゃんこのスーツから涼しげにのびた顔 左右に大きく揺れながらオフィスを横切っていく トランプ兵となにわのおっさんが ちっちきちーちっちきちーしてる頃 駐車場に車停めて一眠りする営業さん 追い出されてきたのよ 片隅で笑う紫陽花
22 :
名前はいらない :2006/05/27(土) 14:32:34 ID:YggrNJTU
次→『対称』
23 :
◆L4LyBSss3w :2006/05/30(火) 02:21:58 ID:Mz71ou6k
【非対称相似形】 軽く握手をして 例えば笑顔の下で何を企んでいるか、とか 社交辞令の向こうはどんな下心なのか、とか 目の前には暗い深淵しか無い お世辞と口約束を交わして ムスクの香る男は間違い無く性格が軽い、とか 長髪で誤魔化してるけどてっぺんが薄いよな、とか 仮面の下では冷たい査定が進む そっくり、そっくり。 次は【空】でお願いします。
24 :
名前はいらない :2006/05/30(火) 03:13:33 ID:gqqj/Mg6
− 空 − 今すぐ落ちてきてください 私の上に、世界の上に 抜け落ちてきてください あなたの青に押し潰されて 私はしあわせを覚えるでしょう あなたと一つに溶かされて 私はときめけるでしょう 落ちてきてください 落ちてきてください 真っ青な その身で ====================== 次は「そんなことのために」でお願いします。
25 :
名前はいらない :2006/05/30(火) 20:11:59 ID:2PujKos8
『そんなことのために』 刺すような雨の冷たさも 足を捕られる泥濘も 君の為なら平気ですから 君が忘れた恋を届けましょう 君の幸せの為に 次は『指』で
『指』 あたし痩せた白樺のような指が好きなの白くて滑らかで節が硬い細い指 コントラバス抑える指 包丁の背に添える指 うなじをなぞる指 シールを剥ぐ指 鉄棒を握る指 扉を引く指 転がる指 その指 の指 指 部屋の真ん中の床に穴をあけて 白樺を植えて水はあげずにおきます あたしは包丁でコントラバス弾きながら白樺が指になるのを待っています * * * 次は『愛しの出っ歯』でお願い致します。
27 :
名前はいらない :2006/05/31(水) 20:46:02 ID:KN/5Uk3k
『 愛しの出っ歯 』 君がはえて来るまで 僕の未来は真っ暗だった 何故って・・・、 物を食べるにも一苦労だったからさ 君がはえてくるまで 僕の心は風に吹きさらしのようだった 何故って・・・ 物を飲むにも厭にスカスカしてたからさ 君は一度に抜けて ふたつして一緒にはえてきた あの時の喜びを何と言おう ああ、言葉に出来ないよ とにかく君は、はえてきた。 はえてきた、ありがとう! そして今僕は、君のおかげで 色んなものを食べられて生きてる どうかこれ以上僕の歯茎から離れないでおくれ そうしたらとても寂しくなるから…。 どうかこれ以上僕の歯茎から離れないでおくれ 毎日欠かさず歯を磨くから…。 ※ ※ ※ さて次は『 with you 』でお願いします。
28 :
名前はいらない :2006/06/03(土) 09:34:45 ID:gD3Ub2ro
with you 気配を感じても ふりかえれば風 香りをただよわせば 蝶のようにひらり 気がつけば そこにいて 気がつけば 好きでした あなたの隣でうなずいて そしてにっこり微笑んだ 「果実」
29 :
◆OPBYKkBBNQ :2006/06/03(土) 09:52:24 ID:LVw3fFew
『果実』 空に雲 地には風 ただよい流れ実を結ぶ ねめつく桃 泣きむし西瓜 シニカル風味のグレープフルーツ あなたの視線で私は孕む ※お次は《嫌い》で
30 :
緋陽 碧谷 ◆e59FREEWX. :2006/06/03(土) 17:49:58 ID:s+bG7d9F
「嫌い」 「嫌い、 私が嫌い、 貴方が嫌い、 世界が嫌い、 全てが嫌い」 『嫌いになることは容易いが 好きになることは難しい』 ありったけの嫌悪を肩に背負って 君はどの炉端にくべようと云うのか 燃やせることもないものを 次は「鯨」で。
31 :
名前はいらない :2006/06/03(土) 20:24:23 ID:u8xUIM2D
鯨の肉が食べたいと言ったら隣の人に怒られた 頭の良い動物は食べるなと言う その向こう隣の人は動物を食べるなと怒った 菜食主義者が地球を守ると言った 命あるものを食べているのよ私達 動物も植物も命ある生き物よ 雑食生物の人間なのよ 次は「歯磨き粉」で
32 :
名前はいらない :2006/06/04(日) 01:25:52 ID:aFRu8umm
歯磨き粉は研磨剤なので あまり歯ブラシに乗せすぎて毎日シャカシャカやってると あなたの歯はペッタンコになっちゃうよ 次は「足の指の間の砂粒」で御願いします
33 :
猛禽 :2006/06/04(日) 09:04:55 ID:SO6tJAb0
すこし連れて帰ってください 全部払い落とさないで あなたの靴にかくれて 電車にのってみたい どこか遠くへ旅してみたい この海辺から離れて 幼稚園の砂場に紛れて 子どもとあそんでみたい すこし連れて帰ってください 足がむずむずするかも知れないけど *次は「指先」でお願いします
34 :
◆L4LyBSss3w :2006/06/07(水) 22:50:16 ID:XZkgCtW5
【ゆびさきに】 濡れた髪をつまんで扱くと、きし、と鳴く。 朽ちた羽目板色の壁紙は、微かな湿気を含んでざらつく。 触れる。 境界/閾/自我の極北 やわらかさのクオリア/能動と受動/くすぐったい 触れる。 官能/自慰/意味されるものの実体 振動さえ/光と温度/感触に総毛立つ 指先の向こう側に屹立する、世界の、その総てを受け入れようと。 次は【深爪】でお願いします。
「爪を切らせて」 ここに 新しい道具があります 爪を 爪を切らせてください さあ 手を 軽く反らせて ぱち、ん ぱち、ん ああ 素晴らしい なんとよい音が 生まれたのでしょう しゅしゅしゅ 滑らかで 鋭くて まろやか さあ 足を ぐっと広げて この爪が 靴下を苛めてきたのですね 許しません 許しませんよ ぱち、ん ぱち、ん 活きがいい ほら あんなに遠くまで 飛んでいってしまいました しゅしゅしゅ 無駄なく 肉の際まで ぴったりと 次は「他人が見た自分」で
「深爪」 深爪の女を見ると レズビアンなんじゃないかと思う 希望的観測 柔らかい内臓を傷つけないための 深爪 清潔に保つための 深爪 でもさ ただの きちんとした人 かもしれないし なんの保証もないね 私も 常時深爪 ピアノを弾くため 主には。 夜切って次の朝に 指先の痛みに気付く 次【宅配便】
…やっぱり今日は呪われてるんだよ、宮坂さん(笑)
ありゃ。じゃ、私のはパスでイイデス。
>>38 、noteさん。
パスなど許しません(笑)
【他人が見た自分】【宅配便】
───────────────
「通信販売」
思い掛けない時間に荷物が届くものだから
唇の周りのミートソースを拭うので精一杯
ゴムで結わえた引っ詰め髪じゃかなり駄目だめ
小揺るぎもせず営業スマイルな宅急便の兄ちゃんに
<違うこれが実力じゃ無いんだー!!>と叫びたいのを堪えて
受け取り印をぽん、代引きで財布が萎む
挽回の利かない一期一会じゃ
隙の多過ぎる自宅はとっても不利だよ
くたびれた女の住居だと覚えられるのはとっても悔しい
今後逢う事など決して無いのだとしても
意味無き見栄です、はい。
見栄張って空っぽに生きてます、はい。
今日の荷物だって美白のサプリメントなんです、はい。
しょぼくれつつ食事に戻ります
食後には買ったばかりのカプセルを一気飲みしましょう。
次は【保健体育】でお願いします。
うわあああぁぁ呪われてるぅう しかも今頃気付いたぁぁぁ! す、すみませんnoteさん。 私の方があとだったのに気ぃ使わせて(>_<) そして雨さん、ダブルお題見事&サンクスです!
41 :
名前はいらない :2006/06/14(水) 21:21:42 ID:I9rBExsF
「保健体育」 体の仕組み ケガの手当て マット体操 マットの白 血液色は女の子 Y染色も女の子 男の子はマット色 毎日の体育着 何食わぬ顔 男子 女子 北朝鮮のマスゲーム 次は「車」でお願いします。
【くるま】 遠くまで 速く、より速く 沢山の 音も 空間も ありったけを 持ち込んで 駐車場に車を停めてドアを開ける アスファルトの匂いが頭の奥に刺さって 何かを間違えたような錯覚に苛まれる 何かを 次は【ロジック】でお願いします。
43 :
◆hon/GWhNf6 :2006/06/22(木) 21:43:45 ID:4IlwZmGK
「夜の子供」 それは生まれ落ちてすぐのこと、 みどり児の手と舌と、 触れることで受け入れる 快と不快と、 幸と不幸と。 その瞳の向くさきは彷徨い 海上をはるか消点へと滑る。 やがて無数の瞬間の映像に、 動きを逃れ去る痕跡が ただ痕跡によるほか認めえないような 身の証しを透明な空間にとどめたとき、 新しく顕れた律動に駆られ 色たちが軽やかに舞踏する。 それは響きの網をめぐらせて 夜の断片を象りつつ 自らそれの内へと解(ほど)いてゆく、 見境いのない指向を獲得した 冷やかなロジックの端緒を。 ======================= 次は「梅雨」でお願いします。
【梅雨前線】 毎日まいにち頭がイタイ 畳み掛けるように頭がイタイ 雨は降るフルふる降るふる 天気予報が映るテレビを叩き壊す 新聞には火を付け投げ散らかす 雨は降るふるフルる降る アタマガイタイ イタイイタイイタイ アメガフルフルイタイタい 水溜りを踏み躙って 嬉しそうに黄色い傘を差した誰かを絞め殺して 頭が痛いイタイいたいイタいいい 雨があめがアメがが 次は【朱色】でお願いします。
「スカーレットという名の」 背中で多くを語る女(ひと)がいた かなり嫉妬深く しかしとても品のいい女だった 社交界の若い紳士たちは彼女をめぐって暗闘に明け暮れていた 百合よ薔薇よ と讃えられた彼女はとても窮屈そうな顔をしていたので 私は控えめに桜草を送ってみた しかし彼女は結局振り向かず 「貴方は私の為に血にまみれてくれないの?」と背中で私に訴えた 次は【岬】でお願いします
【岬】 くっきりと、海が在る。 断ち落としたように、陸が在る。 属する場所さえ曖昧なままに きつい潮風に向かって立つ 答えを求める程愚かでは無いけれど くっきりと、海が在る。 断ち落としたように、陸が在る。 潔く、在りたい。 次は【紐】でお願いします。
47 :
名前はいらない :2006/07/11(火) 20:49:25 ID:IJcW057S
もし生まれ変わるなら 紐になりたい ビニール紐になりたい ビニール紐人間になって 道路標識か何かに縛り付けられて すぐ千切れそうなのに 何年も残っている でもいつのまにか無くなって そういえばあの紐無くなったね あれって前は人間だったんだよえーほんとーキモーイ 時々はそう言われたい 次のお題は「ミサイル」でお願いします
「ミサイル」 ぎゅーん、どっがー! 切り裂いて とび過ぎて めり込んで。 記念碑となれ。 次は「ふた」で。
49 :
◆L4LyBSss3w :2006/07/12(水) 23:31:44 ID:kiZJZ7ah
「ふた」 考え過ぎたら頭がぐるぐるして吐きそうになるから とりあえず、ふたをして。 三角も四角も赤も黄色も選り分けないままに とりあえず、ふたをして。 名前を書いて封じてしまえば きっと、きっと、もう開くことも無いからね。 ふたをして。 終わる日までは、さようなら。 次は【金属】でお願いします。
50 :
名前はいらない :2006/07/12(水) 23:43:29 ID:REU4u9M6
「金属」 時に人を助け 時に人を傷つける 私に感情はない あるのは作りあげられた私だけ 次の題は「夢」
51 :
名前はいらない :2006/07/12(水) 23:45:17 ID:YAcao+Yy
夢はイデアか 私には分からない そんな世界 知らなきゃ好かったのに 次は「昆虫」で
52 :
名前はいらない :2006/07/14(金) 03:05:22 ID:kkUWon9j
冗談でポーズをとってみたら 昆虫人間に変身してしまった テレビなどで知ってはいたが 自分がそうだとは、さすがに驚いた 明日から俺は戦闘員や 他の昆虫人間なんかと 戦わなければならないのか ああいやだ そんなことはしたくない そもそも誰が決めたんだ 昆虫人間は戦うものだと 悪の組織に単身立ち向かうのだと いやだ 普通の生活をさせて欲しい 普通に働き そこそこ恋愛もして いずれ家庭的な昆虫女を嫁にもらう 卵から幼虫人間を育てて お前もいつのまにか大きくなったなとか言う そんな普通の幸せもあっていいはずだ なぜだ 昆虫人間に人権はないのか
53 :
名前はいらない :2006/07/14(金) 03:07:37 ID:kkUWon9j
いや 自分でもわかっている そんなのはたわごとだ すまなかった 俺は 平和のためにこの命捧げなければならないのだ 理由などない なぜなら俺は 昆虫人間だからだ 普通の幸せなど無縁 なぜなら俺は 昆虫人間だからだ 次は「未来」で
54 :
名前はいらない :2006/07/14(金) 09:22:11 ID:/pIfpgA5
【未来】 見渡す先に貴方の残り香が少しでも香っていたなら 私はどんなに安心して夢見ていられたでしょう この瞳、指、唇、躯の幾部分であっても繋ぎ止められないならば 残された法は貴方をただ見つめるしか出来ないなんて‥ 愛とか恋とか そんな甘いものじゃありません ただ貴方が欲しい ずっとずっと この先の時、“未来”が“今”を訪ねて“過去”へ流れても。 また私は貴方と共に居る未来を望んでいる だから手を取って? 私に捕まって? 貴方が居ない未来なんて ただ弌つ分の価値も為さないのだから 次回は『満ちゆく海』でお願いします。
55 :
◆L4LyBSss3w :2006/07/15(土) 22:11:38 ID:8f4RlIXr
『満ちゆく海』 空き瓶の内には手紙の束 (孤独です助けて下さいたすけてタスケテタスtttkktt) 後ろ手で投げ込み何気無く去る くるくると流されぶつかり割れ いつか河口はみっちりと嘆きの声で埋まる 夜なべで震える粘っこい風に野良犬だけが遠吠えを返す うおおおおおん うおおおおおおおおおおんん ううおおおおおおおおおおおおんんんん 海に満ちゆく水死体とゴミと言葉の残滓が詠う孤独は 誰のポストにも届かず擦れて消えた 次は【水銀】でお願いします。
「水銀蒐集」 体温計を戻そうと そんな振りで 勢いはそのまま 黒いテーブルにぶつけてみました 流れ出す銀波 を 直接てのひらで かき集める 指の隙間からぽろぽろと ああ どうしても 手にし切れない銀白色を楽しむ 黒いテーブルをつたい どこかにこぼれて行く もはや ガラスの棒に注入されていた 質量 は 無視されて 粘度ある銀の流れは はだえに弾かれて行く 次は【真空】でお願いしますー
57 :
真空 :2006/07/16(日) 00:33:58 ID:Uk593Fsr
足りないバッテリーで生きていくのなら 悩むなんて贅沢はしないで 走って食って倒れて眠ろう 全ての不快が道を指し示す 自由だ! 真に空なり
58 :
57 :2006/07/16(日) 00:35:41 ID:Uk593Fsr
次は「休日」で頼む。
「休日」 おはようございます。腹が減ってます。 今日の朝飯は、何がいいか考え中でございます。 あんまん、肉まん、おにぎり、牛乳、果物、昨日の残りのコチコチな飯。 体調もよろしくて、お仕事に行ってまいります。 冬はいいです。歩いていても汗だくにならない。 小春日和のなかを、ぽかぽかと歩いてゆくと、いいですね。 休日出勤、なので会社には誰もいません。せいせいしますね。 パソコンを無断でCD再生に使ったりしてね。もう悠々自適。 ノルマもありあしませんで。雑用も片付いてすっきり、です。 ご趣味は?休日出勤デ−ス。 今日も行って参ります。ああ、楽しきかな、休日出勤。 やりたい放題では有りませんけど、精神衛生上いいのは休日です。 お客さまの電話がなくって気分がいい、なんていう人もいますしね。 それでは、重役出勤でいってまいります。 みなさま、よき日をお過ごしくださいませ、では。 お次は「アスファルト」で
60 :
◆L4LyBSss3w :2006/07/17(月) 22:13:26 ID:DQgkNi88
【瀝青幻想】 真夏の陽に焼かれてゆるりと溶け出す黒の海 貧血を誇る女学生は立ち昇る毒蒸気に当てられて沈んでゆく 静脈の透けた白い腕が何本もゆらゆらと揺れて 泳ぐトラックの轟音と排気瓦斯が満ちる幹線道路 侵食する瀝青の触手がやがて足元から巻き付く 生を諦めて見上げた蒼い空には色の無い鳥がくるくると滑る 遍く世界に満ちる毒油。 次は【絶滅】でお願いします。
61 :
名前はいらない :2006/07/18(火) 00:16:00 ID:yWrdv/QE
[絶滅] 私はアンモナイト イカじゃないよ カンブリア期に進化しすぎて 泳げなくなっていまった 本当の自分を模索した時見えてきたのは あたらしい未来 自分屍を養分に生きる後継者たちだったんだ 忘れられても本望なんだ 私はいつだって夢の中で過去と未来を行き来できるんだから いいね、生きた化石も悪くない 次は[己の本心]をお願いします
62 :
◆L4LyBSss3w :2006/07/23(日) 22:43:47 ID:PQGwi9+j
【共感】 ごつごつと尖った本音を 剥き出しで居られる程の蛮勇は無い 叩かれた痛みを想起して 振り下ろす筈の拳を止めてしまう 欲望の芯に巻き付いたシンパシー 曖昧で不定形な取引き 人がひとで在ろうとする為の 断絶の壁は無い 動き揺れる心の全てが、自分。 次は【節約】でお願いします。
63 :
名前はいらない :2006/07/23(日) 22:57:49 ID:o8t+YPLE
節約 節約しすぎで死んだら洒落にならん だからほどほどにせぇ 父が姉に言った 土気色の顔で一日、1食 幸せだったら我慢できた …でも、幸せじゃなかった 愛が枯渇状態だった 栄養不足と睡眠不足… 実家に戻った 初めて優しく微笑み返してくれた人の元に返った その人は初めて会った時とかわらず温かい笑顔だった 永遠じゃなくても 優しさと愛をくれた存在 過ぎ去った過去を大切にしよう 恩を忘れないようにしよう 遥かな夏の日 あれから何度目の夏が来るだろう 夏だ、夏が来た! 次は【夜の海】
夜の海 青き日を失い 黒々と眠り無く揺れる だるい波は、ただ重く、つれなく 錨もない、空っぽの船を襲い 遠い岸の、夜を忘れて燃え盛る、金色の塔に誘う 波は、潮の満ちるように 船の腹に水を湛えて、追い込んでゆく 抗えば、水底に落ちると脅し 恐れを糧に、流される 沈まぬために 吸い込まれるように 船は、作り物の、やわらかな港に、包れた 色めく桟橋で、気の向くままに杭をとり もやい、繋がれば、朝までは 共に揺られて、この夜の波を、しのげるだろう ――――――――――――― お次は「浴衣」で。
65 :
ROVO ◆etdYdumnsQ :2006/07/24(月) 07:26:05 ID:ortMXH91
【浴衣】 浴衣を着る夜は澄んだ空気と闇が入り混じった今夜がいい―― そう思って私は星の情景や虫の唄心とともに浴衣を着る事にした 一人で座る軒先の風鈴の音は私の無闇な思索をところどころで断ち切ってくれるのだ 心無き風鈴の音は私の耳に届いた瞬間、景色という心を生んだのだ 無機物である星の光は私の目に届いた瞬間、夜の闇に優しい感情を与えたのだ 澄んだ空気と闇が入り混じった今夜、私は浴衣という今夜のための正装を着て 彼等の心を私の中に迎え入れるのだ。 次は【冒険】でヨロ
66 :
名前はいらない :2006/07/24(月) 16:01:52 ID:eYD2GMmv
死ぬかもしれない 駄目かもしれない いきたい 悔しい 何故私が こんな馬鹿らしい事の為に 死ななくちゃいけないんだ? 全てが変わると思った。 何かが動き出すと けれど 本当の冒険は旅をする事じゃない 正々堂々、生きることなんだ。 次のお題は【前世】↓
「前世」 生まれ変わったらきっと君になる 君の目で 君の柔らかい感情で 世の中を とらまえたらどんな どんな人生になるのだろうか 思い出し 決して悲しくならないよう 幸せな前世になるよう 今をなるべく幸せに生きる §お次は「おもちゃ箱」でお願いします〜。
68 :
名前はいらない :2006/07/25(火) 02:31:41 ID:Kx0l4/K3
これはすごいおもちゃ箱なんだ ロケットも 怪獣も お城も ライオンも 何でも入ってる いつもこれで遊んでるんだよ 貸してくれって? それはできないよ でも意地悪で言ってるんじゃないんだ こんなにすごいおもちゃ箱だから 中がどうなってるか知りたくなって 無理に開いてみたんだそしたら
69 :
名前はいらない :2006/07/25(火) 02:32:18 ID:Kx0l4/K3
血と ねばねばした汁と ぶよぶよしたはい色の へんな固まりしか入ってないんだ 本当にそれだけだったんだよ 巨大キノコや 火星人は入っていないんだ ロボットも 機関車も そしてそれでこわれちゃって もう遊べなくなっちゃった ごめんね 貸してあげたいんだけど もう遊べないんだ こわれちゃったからね -------------------------------- 次は「怪談」で
70 :
◆L4LyBSss3w :2006/07/25(火) 23:17:05 ID:eXrnftvc
【河童】 素麺を胸に抱えて河童が訪ねてきた 芦田川からこちらに引越してきた挨拶だとか 笑う嘴が陽の加減でくるくる色を変える 「河川で水浴びをする時は用心して下さいねぇ 尻子玉を抜く仲間も居りますからねぇ」 今時はみんなプールで泳ぎますがね、と苦笑い プランタで生った胡瓜を三本お返しに渡すと これはご丁寧に、と深々腰を折る河童 緑亀に似たごつごつの甲羅から水滴がぽっと落ちる (金山寺味噌も付けてあげれば良かったかな?) 次は【帯】でお願いします。
71 :
名前はいらない :2006/07/26(水) 01:13:27 ID:AG4dFDF5
この帯で あなたの首を絞め 浴衣を着て 花火大会に行く 真っ赤な帯が 夜に馴染んで 綺麗な花火が 見られるでしょうか ----------------------------- 次は「蚊取り線香」で
蚊取り線香 取り出した青い渦巻き、高く掲げ その先っぽに、火を灯し、蚊遣りにセット さあ、呪文を口ずさめ ピレスロイドの名のもとに 出でよ、アレスリン、フラメトリン、プラレトリン ブタのお口から、こんばんわ 召喚されたジンは、煙の中に跪く お呼びでございますか、御主人様 他でもない、蚊を払ってくれい かしこまりました いささか煙たく鼻につきますが、よろしゅうございますか? うむ、苦しゅうない などと、沸き上がる煙の中に妄想しつつ 百円ライターをしまう、夏の夕暮れ ――――――――――――― お次は「夏休み」で。
73 :
◆L4LyBSss3w :2006/07/29(土) 22:46:35 ID:uWbY8beR
【夏休み】 片手に喘息の吸入器を握ったまま 熱のこもった畳に横たわる 縁側の向こうは何時も眩しくて目が痛む 扇風機が生温い空気を掻き乱すばかりで 泳げない走れない人のところに夏なんか来ないから 何時までも白いままの腕が忌まわしい ぺたぺたと貼り付く畳の上で何度も寝返りを打って きらいだ 夏休みなんか、きらいだ 誰にも聞こえないようにそっと呟いたら 咳き込んで咽喉がひゅ、と鳴く。 次は【深海魚】でお願いします。
74 :
名前はいらない :2006/07/29(土) 23:23:06 ID:/LzzlGyX
僕だって本当は 明るい場所で飛び跳ねたり キラキラした小魚を食べたり 時には食べられたりしたいのに 目に見えないプレッシャーが 僕を押しつぶす 海の底に押し付ける お前は深海魚でいろと 僕に言いつける だから僕は ここから動くことはできないんだ しょうがないことなんだ しょうがないんだ だから僕は動かないんだ あまり泳がないんだ 次は「コーヒー」で
75 :
名前はいらない :2006/07/31(月) 11:28:45 ID:IEBYTwRg
コーヒー
76 :
名前はいらない :2006/07/31(月) 17:24:41 ID:EneCiZuJ BE:340387946-2BP(0)
コーヒーこぼして怒られた だからそのまま家をでた キセルして電車に乗る 行き先はわからない コーヒーのしみは気にならない 素敵な模様になったから 次の駅で降りよう 次は「首つり」で・・・
77 :
名前はいらない :2006/07/31(月) 23:29:10 ID:oP7Xd9Ww
『首つり』 首つりしたらあの世行き この世に残る この世に残らないあなたが決めればいい 首つりしたら地獄行き 歪んだ子が天国に行けるなんて オモッてイルノ? 首つりしたら… 首つりしたら… 全てから逃げ出せるかしら
78 :
名前はいらない :2006/07/31(月) 23:30:49 ID:oP7Xd9Ww
すいません;書き忘れました; お題は『灰色の猫』で
79 :
◆L4LyBSss3w :2006/07/31(月) 23:31:25 ID:arfafEYa
【豊穣】 やがて 枝にひとつきり生った実は爛熟し やがて 豊かな汁気に那由他の生命が育ち やがて 絶望の器であった肉は 豊穣の担い手となり 遍く、満ちる。 次は【砂】でお願いします。
80 :
◆L4LyBSss3w :2006/07/31(月) 23:32:43 ID:arfafEYa
…うあ!やってもーた!! 次のお題は『灰色の猫』でス…orz
81 :
名前はいらない :2006/08/01(火) 02:47:23 ID:8urTKLxy
「涙雲」 白に近く 黒に近く 白から遠く 黒から遠い 天変地異の嵐の空から 生まれ堕ちた 厚い雲色を身にまとう それ 鳴き声をあげもせず 尾を振ることもなく いつも ずっと その瞳に ただ 涙雲 次、「裸足」で。
82 :
名前はいらない :2006/08/02(水) 00:45:59 ID:eD5Nn73G
「裸足賛歌」 裸足は素晴らしい 色と言い形と言い 最高だ 裸足ならば蹴られても痛くない むしろ心地いい さあ蹴ってくれ さあ もっと 裸足こそ君の裸体だ 裸足さえあれば 別に君はいてもいなくてもいい
83 :
名前はいらない :2006/08/02(水) 00:47:35 ID:eD5Nn73G
もうその裸足を僕にくれよっ いつもかばんに持ち歩いて いろいろなことに使う まくら 歯磨き パットの練習 まさに万能だ 万物の尺度だ さあ早くくれ 早く早く 次は「美術館」
84 :
◆L4LyBSss3w :2006/08/04(金) 22:52:33 ID:S8HlS4dW
【展示】 がらん、と寒々しく広い壁に 仰々しく掲げられた骸がひとつ。 オブジェの刻はとうに終わって 紅い花弁が開くように 奔放に伸びた血と内臓のシルエット 腐臭を押さえる消毒薬のきつい匂い。 オブジェの刻はとうに終わって 対話は、無い。 片道で辿るだけの断絶。 生命を終えた骸はいつまでも語らない。 次は【青】でお願いします。
【青】 青い 油絵の具をガラスの容器から平筆に取る なんの執着も持たず だらしなく 青い―ラベルの色名など無視した―青い 絵の具 柔弱なかたまりを ざらつくキャンバスにのせる 筆を振りとばして 傾いたイーゼル 薄汚い無地のひろがりが 爽やかな色彩に蹂躙される 焦り 指に取れば染み。 青い人体を つくれ と せがむ 【丘】→次よろしくお願いします
「丘」 いつもぼんやり見ていた丘 いつかそこに行けたらと淡い想いを抱いていた そのことを君に言ったことはないのに どうして? 僕の絵を見たから? 君は僕を連れ出して その丘で僕を殺して それから君も一緒に死んだ 次は[キャンパス]でお願いします
87 :
◆L4LyBSss3w :2006/08/09(水) 00:20:17 ID:cXqeyVjN
【麻布】 パレットナイフで布目を削るように朱を乗せる ざりん、ざりん、ざりん、 指へ響く音色に恍惚としながら 口紅の縁を決めるような精度で青の筆を置く 息をくい、と吸って決然と進める線 いつの間にか鎖骨あたりに溜まった汗 例えば、檸檬の匂いが好き。 それと同じ程の強さと理由で、テレピン油の匂いが好き。 ただ、それだけの。 描き終えたカンバスに求めるものなんて、要らない。 次は【海老】でお願いします。
88 :
銀の対角線 ◆ozOtJW9BFA :2006/08/09(水) 00:58:49 ID:lgrQtCAJ
「海老跳ねる」 冬の大潮 午前0時 引き潮 海の底に沈んだ大地が 顔を出す 潮溜まりに海老 跳ねる まるで置いてけぼりにされて 何か言いたげだ 私の懐中電灯を反射する無数の海老の目は 一層ソレを強くさせる 海老達は 早朝の迎えを 待ち 跳ねる 何を言いたいのかは 分からないけど 海老達は ただ跳ねる
89 :
名前はいらない :2006/08/09(水) 01:18:49 ID:4FxOiqfq
お題は出さんのか ルールすら理解出来ん馬鹿じゃ仕方ないが
90 :
名前はいらない :2006/08/09(水) 01:54:24 ID:WCGKUWY8
衣で誤魔化すし すぐ真っ赤になって柔軟さを失うよな 面と向かうとトゲばっかり目立つクセに ちょっと突っつくと後退りばっかりで お前を例えるなら 海老以外にないな 殻を脱いだ甘さ この舌で味わった お題【避暑】でどうでしょうか
91 :
名前はいらない :2006/08/09(水) 16:00:27 ID:xYPBilxE
「ああ外は暑い」 秘書がひそかに避暑をするために 飛翔した先が桜島の頂上だったから ぼくはそれ以上何も言わないで ひとりで社長室の椅子でも眺めながら この国にはクーラーがあり この社長室には最高級レベルのクーラーがある それなのになぜあの秘書は などと考えながら どうせよく知りもしない美人秘書だったし どうせすべてはぼくの妄想だし ぼくは誰もが知っている夏から避暑する 白樺の並木の間の空気を辿って涼しい気持ちになる夢を見ながら 焼けたビルの白壁の間の空気を辿ってやがて死ぬだろう 桜島の噴火口に消えたあの秘書と抱き合ってみたりしながら ああ 白樺の並木の間も外なのだから 比較的暑いのかも 知るか、ばか
92 :
名前はいらない :2006/08/09(水) 16:01:01 ID:xYPBilxE
次は「たっくん」でお願いします
93 :
名前はいらない :2006/08/10(木) 01:37:01 ID:4cyHKz+a
「たっくん」 たっくんは作文が苦手。 発表をするとき、みんな先生の前で嘘ばっかり言う! 僕は、そういうのやだな。 たっくんは怪獣がすき。 ばりーんってビルを壊しながら歩くから、なんか、かっこいい! 意地悪なニンゲン。僕の怪獣をいじめるな! もうじき夏休みがおわる。 朝顔の数を途中からかぞえてなかった。けど、まぁいいや。明日からはまた数えるもんね。 次は「靴下」でお願いします。
94 :
夜半 :2006/08/10(木) 01:55:21 ID:mZuZ1IXw
靴下に石ころを入れて空に投げた 靴下に次はワイングラスを入れて空に投げた 靴下に今度はカブトムシを入れて空に投げた 意外と破れないもんだ 次は「旧盆」でお願いします。
95 :
名前はいらない :2006/08/10(木) 08:58:08 ID:ouUFEoG8
「はい、はい」 わたしの盆休みは 1日しかないので つまり旧盆だ 1日盆 … 次は「慰め」でお願いします。
96 :
名前はいらない :2006/08/10(木) 10:15:31 ID:y/Fn8jDN
涙 悲しみ 夜更け あぁ ボクを求めるキミ 新しくしたシーツがまた歪むのは印 ***** 次は「オレンヂ」でお願いします。
97 :
名前はいらない :2006/08/10(木) 18:25:46 ID:UtzCMxG2
「オレンヂ」 みかんでいい? まあ転がしてみる どこ行くんだろう? 追っかけて終着駅 いつの間にか列車? ゴトンゴトン コトコトみかん 揺れて転がり窓からずれ落ち わたし窓ひっかかり カランとした車内 人とみかんの逝く先ちがうから 未来の皮むき 指にこびりついた橙 ふきとる色にオレンヂの思い 次は『燭』でお願いします。
98 :
名前はいらない :2006/08/10(木) 21:12:27 ID:VMPSnaCJ
オレンジレンジ俺は好きだよでも盗作はよくないよ 僕は真意を知らないけど疑られるような事をしちゃあかんのよ
99 :
名前はいらない :2006/08/10(木) 22:55:19 ID:ouUFEoG8
「LOW SHOCK」 いつかのHARD SHOCK 忘れるくらいの1G連 青い7を頂戴 赤い7かよ それでも32G以内の幸運 今日はノッテル あたしノレテル で レギュラー ショックだわ 蝋燭みたいな ######## 次のお台は「南国育ち」でお願いします。
100 :
208+ :2006/08/11(金) 13:43:38 ID:Ed2FJlNm
「南国育ち」 かつて南の彼方に浮かぶ島に 一羽の鳥が住んでいた 鳥は大きいくちばしを持ち 黒い翼を持っていた その鳥が宙を駆ける姿は 魚のように美しかった 例えもられぬその姿は 人々に信仰をもたらした 鳥は一体神か悪魔か 光の象徴 闇の化身 通じ合えぬこころ 力のみが正義を語り もはやこれまで 高々と突き上げる剣 泣き止まぬ声 地を染める朱 焼かれる村 瓦礫の町 矢を誘う 南風 そして 雨 後の 静寂 全てが死に絶えた島の片隅から鳥は最後にこう呟いたという。 「100Gets!!!」
101 :
208+ :2006/08/11(金) 13:44:46 ID:Ed2FJlNm
次のお題は『懺悔』です。
102 :
名前はいらない :2006/08/11(金) 18:17:31 ID:DxCmeSAn
「懺悔」 僕はその場所で胎児になる 生暖かい守られた聖壁で 僕は惜し気もない位 君に赦しを乞うている 罪への呵責で責め抜いて 罰への弛みでばら撒いて モデル人形が落ちている 生温い罪無き顔面で それは息抜く暇もない位 君に赦しを乞うている 次題 「精神病」で。
103 :
銀の対角線 ◆ozOtJW9BFA :2006/08/11(金) 22:14:02 ID:OSSnaIcn
「精神病人」 苦しむ事を忘れた果て 彼らは笑う 悲しみも苦しみも無い 笑顔には違和感が顔をなぞる 彼らは今日も病院へ向かう 何も求めず ただ歩く 足音のリズムだけが感情を映し 足跡に悲しさを感じる私がいけないのか 知る術はみつからなかった 次「フナムシ」
104 :
名前はいらない :2006/08/12(土) 01:03:18 ID:ZXQc+3KP
「フナムシ」 一度だけ見た 顔がいっぱいある名無しのようで 足の生え際に 直視出来なかって泣いた けなぁ フナムシはひとこと 「殺したいよう」 じりじり焼かれるだけの 日の嘆きを聞いたよう せめて火傷くらいは解ってってあげたい 靴ぬいで叩いた 次は「炎症」でお願いします。
105 :
◆L4LyBSss3w :2006/08/13(日) 23:17:21 ID:WKDxPYkk
【炎症反応】 欠けた壜は熱を持たない 潰れた果物はただ腐りゆく ぐずぐずに腫れて臭い膿を流す左腕 石英か材木で出来たオブジェのように 壊れたままで構わないのにね 生命の熱が忌まわしい 氷なら良かった いっそ土くれなら良かった ただ砕けるままの 次は【成層圏】でお願いします。
106 :
名前はいらない :2006/08/15(火) 04:56:28 ID:ezVXw0LC
「成層圏」 高いところって聞いた 地上17qくらい それだけ遠ければ 思いなんて届かないでしょう? 胸にドンドンって響いても 貫くほどには鳴らない ほどほどな心臓 寒いところって聞いた -80℃くらい それなら凍らせて抱きしめてみて ギュッと冷たい骸になるほど バラバラにして距離をなくして 次は「粒」でお願いします。
107 :
名前はいらない :2006/08/15(火) 21:49:24 ID:YOLXd6Rn
「粒 ~出会い~」 買ってきた米を見てふと気づく こんな何千万の粒の中から今日の飯となる米が決まる 悪魔の籤 でも逆を考えたら この米の様に 何千何億の中から 俺らは出会った 今がある そう考えたら 少し可笑しい 次は「ツバサ」でお願いします。 翼でもつばさでもTSUBASAでも構いません。 アングライメージしてもOKです。
「ツバサ」 そのツバサは我を天の高みへも 地の奈落の底へも いざなう 月明かりの下 羽ばたきに疲れたツバサは そっと羽をたたむ 一枚の羽がふわりとほころび落ち 銀の光を解き放つ 風のまにまに漂っていく イカロスの朽ちた羽・・・ 次は「蜘蛛」でお願いします。
109 :
名前はいらない :2006/08/18(金) 04:13:38 ID:zpbtPO29
『蜘蛛』 「食事は一方的なくらいがちょうどいい」 「なぜです?」 「それくらいの気持ちが欲しいじゃねえか!さっさと食えよ」 「なんでわざわさ食べられに来たのですか?」って 聞いてみたい蜘蛛の食後 次は「声帯」でお願いします。
110 :
名前はいらない :2006/08/18(金) 08:07:51 ID:Wnk19XrE
「声帯」 その、愛らしい声はどこから聴こえてくるのでしょう 言葉を形にする時 震える、あなたの声帯 あなたの声が大好きです。 甘く軽やかで そしていつまでも心の中に残っている その声で歌を歌って その声で詩を詠んで その声で名前を呼んで あなたの声帯になりたい あなたが言葉を口にする時、 静かに震えて、あなたの想いを形にしたい 次は「コピー機」でお願いします。
111 :
名前はいらない :2006/08/19(土) 01:37:03 ID:KprcI5YG
「コピー機」 機会があったら話そうと思っていた 君はコピー機なんだ私もだ 一生に難癖をつけてやろうと思っていた もちろん君もだ私もだ 今すぐにでも壊すべきだろう 君や私は壊れる それで満足だ君もだ だがこれから生まれるもの 孫は誰を壊せるだろう? 我々はコピー機だ 壊すなら全てをあげようではないか 次は「即答」でお願いします。
「即答」 庭先で真っ赤なポストと並び 秒針を眺め爪先でリズムを計る 春、夏、秋、冬 とある晩夏の木陰に満ちる苛立ち蝉の声 首筋を伝う汗は背中がお気に入り 乾いた車の音に目を向ければ 待ちわびた赤い車体午前11時 陽射しの粒を浴びるフロントガラス 運転席の肥ったディーラーは最後の手札を俺に配った 色も形もばらばらどれも景気の悪い札ばかり 2度3度くるくるめくって大息 赤いポストは殴ると即答した 次のお題は「ギャンブル」でお願いします(´ω`*)
113 :
◆L4LyBSss3w :2006/08/21(月) 23:48:22 ID:JbMQSpiA
【確率論】 水門の横の細い坂を抜けてすぐ信号が見える ちょうど青になれば今日はきっと良い一日 根拠は無いけど、信じてみる。 青空が落ちてくる事を心配しても仕方無いけど 国道を轟、と抜けるトラックが進路を誤れば簡単に人生なんか終わる 明日の約束を守れる根拠なんて無い。 心残りの分、掌に汗がじんわりと染みて 鳩尾の底あたりが苦く重く沈んでくるけれど 今朝の双子座の運勢は第5位だった ほんの少し他人よりも運が良い筈 でたらめな根拠で自分を揺り起こして 今日を生き延びるギャンブルへ向かう。 次は【波】でお願いします。
114 :
名前はいらない :2006/08/22(火) 21:28:03 ID:plEhPLXW
「波」 打っては返してまた打ち返して 避けた波がつまらなそう 砂をつかむイメージってなんかネガティブ いくらでもあげる 価値なんて疑わしいから 砂もらったね 欲しくもない波が何度でも 砂もらったね 次は「流れ」でお願いします。
115 :
名前はいらない :2006/08/23(水) 00:29:57 ID:wRTAEtFp
【流れ】 私は欠落した悪の一部です 光は届かず反射する一片の鉄屑です 血が滴り、錆付くまでの刹那に 嘔吐を繰り返す鋼鉄の胃腸に 蛆虫が沸き立つ日々に 川土手の腐乱死体に共鳴するかに 生き続ける欠落した悪の一部です 赤い陽が昇り、有頂天になって下り道の 晩年に青い夕焼けを眼球に刻みつけ 誘われるように入水しました アンダーワールドには 肌のふやけた老若男女と死んだ笑顔に 歓待され 両手足は呪縛された目撃者のように 痺れに震え、死の快楽は妄想でした 竜宮城に打ち上げられる花火は海面の 遥か上空を照らし 陰惨な雨とは無縁の輝く空を生んでいます 光も届かぬ深い海の底では兎が餅を突き 地団駄を踏みながら滑っています 満月の光は私の脊髄を刺し通し 血と潮の流れのままに 私は欠落の一部を胸に突き刺したまま 身もだえ 立ち竦んでいます 【次は】【飛ぶ】でお願いします
116 :
名前はいらない :2006/08/25(金) 00:26:27 ID:5zLWBd3t
【飛ぶ】 「痛いの痛いの飛んでゆけ」 そんな軽い痛みです? 拭かないでください 痛かったです 忘れたくないです パサパサになって「また泣いていいよ」 なんて言わないでください おんなじハンカチです 次は【針】でお願いします。
117 :
◆hon/GWhNf6 :2006/08/25(金) 22:14:59 ID:GFxIUP32
「針をひろう」 体を傾けた拍子に目から針が落ちた あわてて辺りを見まわすが、よかった…… 誰にも気付かれていない 靴ひもをむすぶふりをして極めてさりげなく しゃがみこんで針をひろう しかしリノリウムに見えた床は奇妙に粘性が高く 針はそこにぴったり貼り付いてしまって ひろおうにもつるつると掴みどころがない しかたがないので、えいっ、と 少し力を込めて指を押し込んでみると ブチュ、と冷たい感触がして床の表面が破れて 裂け目の内からドロドロした透明な粘液が あふれ出してくる 床全体がブルルと痙攣的な身じろぎをした すると付近に甲高い警報が鳴りひびき、いくつかの 通路を遮断する防災シャッターがすべり降りてきた まずい、と判断して針をひろうのは断念した それから避難する不安げな雑踏の中にまぎれこんだ なんとかその場は脱出できたが── ちくしょう、 私はまた何本か針を失ったのだった ======================= 次は「祝宴」でお願いします。
「祝宴」 謡うのは 初めてなんで許して下さい 気の利いた 挨拶も何か言えませんで 酒は下戸だし 無芸だし 人を楽しませる話術もあまり ただ ただ こんなに 山を超えて 幾年も過ぎ 貴方が貴方として大変な 確率でここに産まれて生きて そうして今ほどの幸せがある そうしてこれほどの幸福を掴む そう言う事に 感動を 覚えて涙が止まらないのです おめでとう おめでとう ここにあるのは 奇跡ではない しかし随分似たようなもの 貴方の 超えた山 空 祝いながらここで 見渡し謡うのを 許して下さい ――――――――――――――――――――――――――――――お次は「散らかった部屋にあなたは」でお願いしまっす。
119 :
◆L4LyBSss3w :2006/08/26(土) 23:36:53 ID:6NshbPdh
「散らかった部屋にあなたは」 毛羽立った灰色の毛布に包まって 積み上げた雑誌とお菓子の袋に半ば埋まるように 食器とカップ麺の容器で満ちた硝子の小さなテーブルが 雑然と不安定なオブジェを形作る とうに乾き切ったコーヒーカップの中身の罅割れ ワンルームのささやかな洞穴を無頓着な死で満たして あなたは、 次は【落下】でお願いします。
【落下】 例えば真っ赤な地獄が俺を吸い寄せる力 例えば乱暴な空気が俺の顔を歪めさせる力 例えば人の背中には翼がないんだという事実 例えば屋上の縁を懐かしく思う俺の両足 それらが一気にこの身に押し寄せて来ても 俺の魂はなんら後悔などしてはいない 頭の中は混沌として真っ白 だが視界は驚くほどにクリアーだ 透明な血に染まったビルの谷間では 誰もが自分の足かせを気にしながら歩いている 彼等が紺碧の空を見上げる為に 俺は落ちる、落ちる 次は「ボクシング」でお願いしまふ(´ω`*)
「ボクシング」 撃てば揺れる 拳が届かない私 求めてたのは自信 ぐらぐら くらくら いいのが入ったね もし私が倒れるなら私はリングにいた 私はリングにいた ゆえに私は倒れる 全て真 パリン 湿り気のない音 それはガラスであって 砂ではない 次は「抜糸」でお願いします。
「抜糸」 一度離れてしまったものが 再びくっつくことは容易じゃない 傷を治すには時間が必要で 傷が大きいほどに痛みを伴う 痛くて痛くていくつも涙を溢したけれど あなたとわたしの間の傷口は いつになったらくっつくの 次は「儀式」でお願いします。
123 :
名前はいらない :2006/08/27(日) 20:20:18 ID:HucyYyXW
【儀式】 「それって何の儀式なの?」 冗談混じりに僕が問う 干からびた百足 真っ赤なマニキュア ピンクの蝋燭 カレールー 火の付いた煙草 そして君 「黙って見てて」 そう冷たく言い放った君の瞳が ぎらぎら蝋燭の火を写している 何やら呪文を唱え出し 両手を振りかざして君が笑う テレビから人が消えた 隣の家の話し声も消えた 犬の遠吠えが止んでいる 酷く静かで、それが不気味で。 「消したのよ」 君が笑う 「あたしとあなた以外の全ての生き物を消したの」 狂った様に君が笑っている その儀式は僕を幸せにしたし、不幸にもした。 次は「ライオンの昼寝」でお願いします
124 :
◆L4LyBSss3w :2006/08/28(月) 23:54:09 ID:Yifznwvw
「ライオンの昼寝」 ざらついたコンクリートの床に寝そべるライオン 所々皮膚病で抜けた鬣を垂らして、満足気な表情で。 (穏やかな午後に満腹であれば) 無造作にぐるると咽喉を鳴らして欠伸をする おおきく伸びをした後肢の間にだらしなく垂れる睾丸。 (夕暮れ毎に何処からか肉が降りてくる) 黄金色の毛並みで雄雄しく立つ、 あれは架空のいきもの 有るがままの生を有るがままに堪能しながら 眠る、肉食獣。 次は【彼方】でお願いします。
『彼方、彼方』 あの煙突の彼方に何がある? 何ってお空があるじゃない あの大きな家の彼方に何がある? もっと大きなおうちがあるわ あの山の彼方に何がある? まだまだお山が続くのよ あの空の彼方に何がある? 宇宙よ あなたちゃんと先生のお話聞いているの? この海の彼方に何がある? さあね 私には見えません この国の彼方に何がある? 戦争でしょうよ 決まってる あなたの彼方に何がある? 眩いばかりの素敵な末来があるわ 僕の彼方に何がある? 何ってあなた 何にもないわよ 次は『ポカリスエット』でお願いします
126 :
名前はいらない :2006/08/29(火) 20:21:30 ID:++j7TZNq
「ポカリスエット」 ポカリ1箱24本990円 安い買って帰ろう 暑いそして重い 汗ダラダラ 帰り道ノロノロ 車力のエンジンないし 一個の心臓ドクドク たどり着いてゴクゴク ぬるい でもよかったポカリスエット しばらく 母が見つけた サイダー30本880円 ポカリより受けがよい家族に 悔しい 私は頑固にポカリスエット 次は「三日月」でお願いします。
「crescent」 地球近傍小惑星は クロエニュ(くろえーんにゃ)の他ふたっつあると 前にあなたは言ってましたね 名前もついていないらしい 1989何とか かんとか クロエニュなんて 直径5キロの小さな惑星 土星で言えば ヤヌス(やーんす) エピメテウス(えふめて) もっとマイナー 朔から数えてみっつめの月(もーん) 白く削れて 闇に掛かってる 宇宙にひとり 星があんなに輝いてるのに 見つめているほど 気が遠くなる ぼくたちは ひとり この星は ひとり 美しさとか 浪漫を 負わせて ぼくらのために 月は 生まれる もうみっつなら 可愛い頃です 老いて行くのを 見たくないから あなたは 望遠鏡に蓋をした ぼくたちは ひとり この星は ひとり (そう ひとり なんです 事実は 曲げられない) 小さな星を見ないふりして 生気のない のっぺりの顔が 滅して生まれた赤子の剃刀 みっつめの なぐさめの爪
行切れでした・・・久々にPCですよー(↑上の方ではすみませんでした) お次は「泣くより大事な」で御願いしまっす。
129 :
◆hon/GWhNf6 :2006/08/30(水) 22:26:45 ID:XhzALkZd
「泣くより大事な」 心のなか 砂丘の稜線を黒いヘビがはってゆく 思い出の中では わたしは子供 満月の夜は刈り入れの宴 ひとりひとりの乳母が月明かりを泣いていた 思いがけないさびしさが体にのしかかる ヘビは夜ふけの深閑に溶けていく いまは 泣くより大事なことを見つけたから 手と手をそっと重ねると 怖れもおののきも 面影を通り抜けて 横顔の外側から見下ろした 思い出の中では わたしは花嫁 うでの中の満杯の花々 林を駆け降りながら叫んでいる 心のなか 黒いヘビは確かにいたのだ でもいまは 泣くより大事なことを見つけたから 凍てつく海の夜 からっぽの歯車を訪ねる それは運命 岸から離れていく船の上で 手と手をそっと重ねている 満月の夜は刈り入れの── 疾走する暗い水面に向かって わたしは花々を解き放った ===================== 次は「毒」でお願いします。
「毒」 悲しい事があったのかい? 話を聞いてあげるよ そっと呟いてごらん 辛く厳しい世界 君達を虐げる世界 何故 そんなに不幸なのか わかるかい? もしも願うなら 教えてあげるよ もしも望むなら 抱きしめてあげるよ 苦しいだろう? 生きることは苦しみ 悲しいだろう? 生きることは悲しみ 人々は逃れる為に 救いを欲する 誰も気付いていないんだよ 欲するから飢えるのさ 誰も気付いていないんだよ 飢えるから欲するのさ ほら 今気付いただろう この世に都合の良い救いなんて無いのさ 苦しみと悲しみ 飢えと欲を繰り返すだけの営み さあ おいで 君達の望んだ『シアワセ』に連れて行ってあげるよ 苦しみ 悲しみ 飢えの無い世界へ 君達の望んだ場所へ =========================== 次は「 」でお願いします。
131 :
名前はいらない :2006/09/01(金) 22:55:39 ID:qmY1FiZO
「 」 宛のないメール。文字も、件名もない。 ---------------タスケテ と囁きが聞こえる 振り返ると------------- 駄作orz 「これでも問題ないよ」と言うのなら タイトル自由で“○○を皮肉った内容”の詩をお願いします。
132 :
◆L4LyBSss3w :2006/09/06(水) 23:58:11 ID:C/c+kKO+
【おめでとう、おめでとう。】 千万の望まれない誕生と 百億の無為に散る生命 祭りの裏であれ人は死ぬ、あっさりと。 次は【蜘蛛】でお願いします。
「蜘蛛」 レエスの 白い縁取りに溜め息が架かる (あたし優雅に爪先立ちで) 六感は常に目覚めてゐる 冷たい月の削り滓を飲み (砂粒の舞踊を組み立ててゐる) 今は亡き母の拵えた大きなシフォンのショールを纏い (計れる時間が短過ぎる時計) 明晰と美のコンチェルトを探す (ふる 震えてゐますか あたし) (明日の映画が価値無き雑音で有りますやうに) (初めから決められた恩情がどうにも生温く気持ち悪いのです) (熱無き振舞いにどうか祝福あれ) 針の 音が 床に 響いた ―――――――――――――――――――――― お次は「弱起が私のリズムで」でお願いしまっす。
134 :
宮坂純 ◆Q.YLOO/tn6 :2006/09/09(土) 00:32:31 ID:ke8tONFu
「弱起が私のリズムで」 弱 起が私のリズムで 前 のめりに力抜き 爽々と 強 起に劣る勝るでなく そ れぞれのリズム そ れでも弱起で 強拍に私の身 乗せて こ れこそが弱起の意義 強 度への俊鋭なる響き 次は【布】でお願いします
ものを包む 渡したいものをくるんで 大切な弁当をくるんで 開く時の心地はどんなにか 焦がれ待ち遠しくて素晴らしいだろう ひとも包まれる 華やかにやわらかに 寒さや日差しから包み込んで彩る 柔らかく包み込まれれば安心感の生まれ 引き裂いてまとえば少しの高揚感で 退廃感を醸し出しながら 僅かな恐怖感を覆い隠す ひとをくるんだ包みを開くのは 喩えるならば どんな心地のするものだろう 布に触れて暖かく柔らかいのは たくさんのひとの手に織り上げられているから 次は「花」でお願いします。
136 :
名前はいらない :2006/09/09(土) 07:35:25 ID:kFnbmQqX
『花』 だめになっていた 白いカーテンでひっかけて 鉢は倒れてしまったし カーテンにもひきつれができて 気が付かなかったけれどだめになっていた しかたがないじゃない 君のふりをして言ってみても たぶん君はこんなこと言わない きっと怒る 怒ってしばらくごはんが抜きになる しかたがないじゃない 声に出して言う カーテンのひきつれと倒れた鉢に言う だめになっていたのは体 だめにしたのは巻き添えの 赤い 赤い 赤い 赤 つぎは、『丁寧』で。
「丁寧な衝動」 赤いものが体に すぐ錆びて黒くなります はがすとイタイイタイと泣きます だれでもいいですだれでもいいです 刃を歯を跳ね返すものが恋しいのです ぎゃは ぎゃは 運命です あなたですあなたがいいのです とてもとてもいい感じですボッキしました 潤してくださいぬるぬるぬるぬると 暖めてください冷ましてくださいたっぷりとしっとりと やさしいですやさしいですわたしはやさしいです わたしをわたしを怯えさせないで怯えさせないでください あなただよあなたしかいませんあなたなんだよ ぶしゅーぎゃは ぶしゅーぎゃは ぎゃは お次は「茶」で
138 :
◆L4LyBSss3w :2006/09/09(土) 23:37:20 ID:B6yhl351
【ちゃいろ】 打ち水で湿気った砂埃の澱 みどりから黄金へ変わり始めた稲穂の根を支える泥 剥がされたアスファルトの下にのっそり覗く赤土 押せば沈む豊穣を敷き詰めた雑木林の枯葉 生命の無い青は、空に。 次は【解除】でお願いします。
【解除】 よくやった よくやった、 私たちは隠さなければならない 風のない朝にひきずられた羽根 (ビルの影へと曲がるサイレン) 歩みが遠ざり、流れる アスファルトの黒さと 身体に重みがあるという事実、そして破裂(悲…?) 簡単なんだと 思わなければ もうないよ 次のお題は【ちゃんこ】で
【ちゃんこ】 銀色に見えた 黄金色 はみだしてしまう 高く柔く 崩れても 溢れ出す 青く それは染み渡る黄金色 次は【固い】がテーマで。
やめてください やめてください おねがいですからやめてください あなたは壁を見ずに わたしに手を伸ばしてくる わたしは壁なのに 世界が厚い膜の壁なら あなたもわたしも壁なのに 壁と壁が むかいあってる じゃー次のお題は【蛍光灯】
142 :
◆L4LyBSss3w :2006/09/11(月) 23:31:05 ID:B5sDjJl3
【熱帯魚】 直方体に仕切られた殺風景なコンクリートの檻に 薄ら暗い蛍光灯のひかりを満たして 窓の向こうに在る暗闇を見ないふりで御飯を食べる。 サーモスタットが切れたら全滅する脆弱な熱帯魚 有り得ないバランスで危うく生き延びる畸形 ぼんやり冥い蛍光に照らされて、安っぽく輝く。 有象無象の区別無く攫ってゆく暴風が吹けば良いと 祈りの詠唱など踏み潰す問答無用の荒波が寄せれば良いと 檻で願う、熱帯魚。 次は【十円玉】でお願いします。
143 :
名前はいらない :2006/09/12(火) 00:31:22 ID:o9EmjTJe
十円玉 あ〜最近見かけないね あのミゾ達を… あ〜最近見かけないね 駄菓子屋を… あ〜最近見かけないね 十円玉を… あ〜最近見かけないね 自分の体を… 続いて【コンドーム】
【コンドーム】 針をかざして 先端が光る、欲望もまた… そんなものだと思うか? 出せよ 出すなよ 包んで たくしあげろ 包め 丸めろ そして隠すな やるのか やらないのか? 終電のひびきが遠く カーテンの向こうに去った 次【エアギター】でお願いします。
『エアギター』 僕の赤いギター あの子とおそろい 僕の黒いギター あいつのお下がり 僕の重いギター いつものお守り 僕の重いギター いつもの昼下がり 僕の重いギター いつもの大通り 僕の重いギター 5キロもあるのに飛んでった 僕の重いギター 首を折った 僕だって 首を折った 僕と重いギター 一緒にエアーになって飛んでっただけ 次は『だから女々しい男は嫌いなの』
146 :
◆L4LyBSss3w :2006/09/16(土) 01:06:20 ID:S9n3A4WS
『だから女々しい男は嫌いなの』 確かそんな感じの台詞を叩き付けるように吐いて 斜め向かいの席を立ち去った女性 濃すぎる柑橘系の匂いと苛立ったヒールの音ばかりが残る どこかで呆気に取られたまま 食べかけのモンブランを口に運ぶ 気付けば紅茶も少し冷めて 次は【兎】でお願いします。
147 :
名前はいらない :2006/09/16(土) 03:45:28 ID:gAeXKw5D
ねえ子供のとき学校で飼育小屋でウサギを飼ってたでしょ?わたしね その飼育小屋の掃除のときいつも思ってたの動物をオリに閉じ込めて いるのはひどいって、だってもし私たちがオリに閉じ込められたら いやでしょ?だからウサギをね逃がしたの一匹だけねでもそのうさぎ すぐに野良犬にくわえられていっちゃったのよ、そのとき気づいたの オリは閉じ込めるだけじゃなくて守るという意味もあるってことにね それで何でこんな話をするかですって?わたしがあなたを束縛する理由 よ私はあなたを閉じ込めて、そして閉じ込めることによって私自身を守 ってのよ
149 :
名前はいらない :2006/09/16(土) 14:55:54 ID:gAeXKw5D
すいません、それじゃ失恋で
150 :
名前はいらない :2006/09/16(土) 21:54:27 ID:IkaZiGT/
『失恋』 どれもこれも何もかも 全て消し去った冬の思ひで 膝を抱えて泣いてみなさい 腹を抱えて笑ってみなさい いつも指図ばかりをする あなたも少しはやりなさい 目の前で溶けようか 堕落しようか あなたに死ねと言われた暁に どれもこれも何もかも 全てを井戸に葬りさった 冬の思ひで 次は 『血だるまの猫』でお願いします
「血だるまの猫」 血だるまの猫 どうしてそんな目にあったのか バスタオルでそっと拭う すっかり綺麗になった猫 抱きしめようとすると さっと引っ掻き逃げ出す 猫は振り向き こっちを見つめて しばらくは いっぴきとひとり 次は「対」でお願いします
『対決』 桜 対 梅 梅の勝ち 海 対 空 空の勝ち 煙草 対 酒 煙草の勝ち 太陽 対 月 月の勝ち 戦争 対 平和 戦争の勝ち 神様 対 俺のじいさん 俺のじいさんの勝ち 俺 対 アナタ アナタの勝ち アナタ 対 宇宙 引き分け 次のお題は「ガス」でお願いします
シュー ゆらゆらと揺れる思考の中で最後に悔やまれるのは昨日食べようと思っていたプラムがまだ冷蔵庫に残っている事だ。 しかしこれで全て終わりだと思うと成し遂げたような清々しさと淋しさで今までにない安堵感に包まれる。 ただ横になりプラムを慕いて時がゆくのをまとう。 シュー 次【白】で
154 :
◆L4LyBSss3w :2006/09/20(水) 22:44:51 ID:0zZxwbUg
【白】 蜻蛉のぱりぱりと震える羽根を わきわきとしがみ付こうとする肢を 虹色にひかりを撥ねる複眼を やわらかく伸びた腹を ひとつ、ひとつ、 丁寧に無心に、?ぐ。 遠くで鳴る夕暮れの町内放送 足元に散らばった蜻蛉の部品 一瞥もせず、 満足気に。 次は【驟雨】でお願いします。
155 :
◆L4LyBSss3w :2006/09/20(水) 22:47:55 ID:0zZxwbUg
…うわ(汗)何で文字が?になるのん(´・ω・`)ショボーン 6行目、「丁寧に無心に、千切る。」でお願い〜。 (本当は“もぐ”なんやけど)
【驟雨】 止んだ後の晴れ間のためでなく 降る そのものに 暗き五臓 驟雨の前には顔あげて 葉陰以外はうたれた 鳴る音に 熱波を 眠りの淵へ やわらげていく 次は【道路】で。
『影踏み』 君は私の影を踏む 私は君の影を追う 花びらに埋もれる春の道路で 陽炎が立ちのぼる夏の道路で 空まで遠い秋の道路で 白く凍てつく冬の道路で 季節の中を走るうちに 私は君を見失い それでも靴を鳴らし探し続ける 道路に伸びる私の影は いつしか大人になっていた 次は「笛」でお願いします
ひゅるひゅらひゅりり どこからともなく音のする ひゅるりひゅるら 振り向いてもいけない 歩みを止めてはならない ひゅりゅるるひゅらり どんなに気になっても 振り返ってはいけない時くらい有る 次は「一つだけ」でお願いします
159 :
うさみみ ◆jqwkDMZRrs :2006/09/24(日) 01:52:26 ID:hHEj6bxx
「ひとつだけ。」 私の瞳は貴方を探してる 遠くて 届かないのに 夢見てる 私の心には雨は降る 大好きだよ。 貴方の胸で 泣けたなら 私はもう 安心して眠れる 優しい夜に ひとつだけ… 貴方に伝えたい 大好きだよ。 ↓次は「少女の亡骸」
ねえいつでもそこに居たのに なんできょうはどこにもいないの? おさげのきん色のかみの毛 ショッキングピンクのわんぴーす いつもぐたりと目をみひらいてた かわいいきみはどこにいっちゃったの? ねえぼくはさがしてるんだよ いやなにおいがしても すこしはだのいろがわるくっても ぼくはきみが好きだったのに ねえどうしてきょうは ゆびさきいっぽんしかここにないの? ねえどうして きみはこのばしょからきえてしまったの? 次は エメラルドの爪 でお願いします
161 :
宮坂純 ◆Q.YLOO/tn6 :2006/09/25(月) 21:41:15 ID:+hwfC00b
「エメラルドの爪・グリーンイグアナ」 若いエメラルドの 鎧 十字軍的青年の若さ その肢体を 柔らかい爪に映し込んでいる 細かい音立てて砂を行く 琥珀の瞳 せなには 背にはまた尖った宝石 柔らかい爪の 反射 は また体に弾き グリーンイグアナは発光した つぎは【積み木】で
「積み木」 積みかけの玩具を放って貴方は何処へ 重ねては壊して 楽しそうに笑っていたのに 玩具も私も置き去りにして 今度は何処に隠れているの 積み上げて造ったお城も 組み合わせて作ったアーチも 重ねて創った夢も みんな崩して 今度は何をつくっていたの ねぇ、こたえて しゃべらないあなた。 次は、「甘い毒」でお願いします。
「甘い毒」 森然とした木々の隙間に光の縞が射しこんで そこにある顔から彫りの陰影を描き出した 一陣のつむじ風が積もった葉を吹き払うと いやましに彼女の全身が露わとなる 妬ましい果実の甘い毒にあてられて 時間とともにその死を死んだ 仰臥する麗しい乙女を色とりどりの草花が 悼むように取り囲んで飾っていた 見よ、今や傍らには運命の王子が跪いており 王子の柔らかい影が彼女の顔の上に落ちる 微かな接吻が約束の口唇にそっと触れた時 恟然としたおののきがふたりを捉える 彼女はふたたび時間とともに起き上がり 甘い毒を果実もろとも吐き出した ======================= 次は「無言」でお願いします。
164 :
むだい :2006/09/27(水) 01:44:47 ID:nJR4IVkq
オルガン 沈黙14sec オルガン きらきらとこぼれおちるチーズ色の星 指ですくって 乱杭歯の指揮者にそっと手渡して ぼくらのすきまに そんなイマージュ つなげて着る ぼくは夢みる きみは覚めて オルガン 第一ヴァイオリン 歪みと揺れの72時間 それから14sec 君は無言 オルガン オルガン 歪む オルガンと残り14sec //////// 次は「水曜日の黒猫」で
「水曜日の黒猫」 (ある日、喉が渇いた) ふと 思い起こす 宇宙の美しかった写真を その中で地球が 確実に今を過ごしている さらにその中では 命が悶えている 背景はかちりと音を立て 一瞬 猫を宇宙色に染め上げました 過去に奥深く タイム・スリップして たどり着いたのは 夢の中でした
(ある日、満たされていた) 夢の中で新しく生まれた猫は そっと星の光を抱き 虹に祷り 悲しみたちを 消しゴムで擦っていきました 星の光の消しゴムで ある日 水曜日 猫は 喉が渇いて ある日 水曜日 猫は 宇宙を呑み ある日 水曜日 猫は 星を失い どこまでも 宇宙となって 生まれて初めて夢を見たのです (球体の中に 私達が見えます)
唄い 唄われて 雫に濡れた 一匹の宇宙 おお 星光の向こうに 愛が 渦巻いて いる N EXT>>>>>>>>>>「コイン」
168 :
◆L4LyBSss3w :2006/09/30(土) 22:28:16 ID:CpMS33lX
【ありったけのコイン】
169 :
◆L4LyBSss3w :2006/09/30(土) 22:35:04 ID:CpMS33lX
厄介な夕暮れ時 掌に握った生温いコイン 放り上げて ありったけ放り上げて 乱雑に散らかる 裏か表 yesかno 繰り返して、繰り返して それしか無いのに
170 :
◆L4LyBSss3w :2006/09/30(土) 22:35:51 ID:CpMS33lX
次は【紙】でお願いします。
「紙」 紙のうえに一本の線がのびてゆく わたしの手はそれを追っている ひとつの円が傍らに描かれるとそれが夕陽になる 朝日かもしれない その太陽を仰いでふたつの人影があらわれる ふたりはきっと恋人同士 もしも描かれた風がふたりの輪郭を通り抜けるなら それはかならず夜をはらんでいる そのとき本当の風が強く吹いて とばされた紙は手もとから欄干をこえて ずっと落ちてゆくと湖の表面に着水した わたしの目はそれを追っている 仄暗い水面に斜めに突き刺さった白い紙は ゆらゆらとそのまま浸っていた ======================= 次は「ふた」でお願いします。
172 :
蓋 :2006/10/02(月) 01:38:19 ID:X0LdecJc
でも残念だったね僕らは終わらない 終わらないままにこのままに融けて スープみたいになったらようやくほら 僕らが終わる時間が来るみたいだよ 臭う内部には蓋をよくしめて夜を待つ 臭う内臓には蓋をよくしめて朝になる ねえ残念だったね僕らが終わっちまう この吐き出せないなんかが喉に詰って 僕の声はディストーションかかってるよ そう言われたって聞いた さっき君から 臭う内臓には蓋をよくしめて君を待つ この場所には蓋をよくしめて 僕は何も嗅がないようにして君を待つ 僕は何も触らないようにして君を持つ 蓋が足りないって思ったことは? *********************** 次は「ストライプのバスローブ」で
「ストライプのバスローブを着て貴方は」 風呂上りに身につけるものは 清潔でなければならない 洗いたてのタオル 洗いたてのバスローブ 洗いたての…… 且つ シンプルでなければならない 灰味ベージュとオフホワイトの 淡く細かなストライプの バスローブを羽織った 貴方がそう言う 邪まなヤツほど原色や 品のないボーダー柄を好むものだ 相変わらず気障な人だと思いつつも 私は想像してみる 洗濯の行き届いていない 派手で品のない ボーダー柄のバスローブを そして邪心について考えながら 層となって漂ってくる煙草の匂いが 大人の香りではなく 男のものだと 初めて思った ////次は、「橋」で。////
「夫婦橋」 貴方がアーチを架けるなら 私も負けずにそり返る 貴方ブリッジ 私もブリッジ 二人そろって 夫婦橋 お次は、「煙」で
「煙」 煙の中で交わすのに 愛の言葉こそふさわしい 見えない響きに想像は増幅され 焚き木のように頬が熱をおびる 濡れそぼった髪が艶をはなって 乱雑に光と影が交錯している いぶされた全身をさしのべると 息が詰まり、意識は遠のく―― やがて目が覚めると すべては幻のように消えている ===================== 次は「氷」でお願いします。
「氷」 恒星の輝きを 受けて私はここに立ちます 漆黒の空に横わる河は眩く目がくらみそうです 輝いてるのは私じゃなくて 私を照らす散り散りの星 決して溶かされる事はなく ひいやりとただ照らすのです ここはただ静かです ここはただ穏やかです 冥い宇宙にひいやりと立つ 私は氷の彫像です 誰かが見つけて接吻しても 溶ける事なく立ち続けます ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― お次は「まさかあなたは」で!
177 :
まさかあなたは :2006/10/16(月) 23:57:35 ID:DhWq+0gz
たばこ屋が無くなって久しく だから不思議の国へ行き方を忘れた アリスは牢獄で待ってる 名所になっても律儀に待ってる まさかあなたはアリスインザジェイル そう言って終わらせてあげたい御伽噺 たばこ屋ができるまで待ってて けれど世は嫌煙ブーム しばらくアリスは待ちぼうけ 左利きの彼は彼で また撃ち抜かれるのを 律儀に待ってる まさかあなたはカートオンザコート そう言ってぶっ飛ばしてあげたい神話 けれど世にはびこるあなたのミーム まずはこれを撃ち抜いてからね 僕は夢中になって消費して 仕事を忘れるヒットマン 手持ち無沙汰の血塗れクライスト 今日もやっぱり待ちぼうけ **** 次は「キーボード」で
キーボード 血と詩は聞く 真の理れ煙つ 誘ひ込みも 寝る女ろ立てい 透かん何ら是 縫ふ逢う江 尾や癒よ 羽歩へ ――――――――――――― お次は「勝利者」で。
「勝利者」 強いものが勝つんじゃない、勝った者が強いんだ。 かつてそーいう台詞を吐いたサッカー選手がいる。 でも私は負けでいい。 負けるが勝ち、負けるが価値よ!とおばあちゃんによく言われたものだ。 とゆーか勝ち負けにこだわらなくていいんじゃないかな。 人は人自分は自分って割り切ってるつもりだけど。 私は負けでいい。私は負けでいい・・・ 私が選ばれなくてもいい。あの子のほうがかわいい。 だけどやっぱりふりむいてほしい。ジレンマ。 私、強い人になりたい。 次は「ありがとう」でお願いします。
「ありがとう」 言葉にしても それじゃあ足りない 何百 何千 重ねたところで この気持ちには 追い付かない 言葉にすれば 軽すぎて 繰り返すほど やすっぽく この気持ちから 離れるばかり どうすれば どうすれば…… 考えているうちに 日は暮れる 届けたい でも 追いつかない 時が逃げるよ もどかしいよ 歯痒いよ 「行ってきます。」 ―― 行ってらっしゃい。 「ただいま。」 ―― おかえりなさい。 「ふぅー」 ―― おつかれさま。 「おやすみ。」 ―― おやすみなさい、また明日。 そうして今日も言いそびれ そうだなあ。 いつかいつかの 明日の日に まだ見せていない 照れ臭い顔で 世界中の誰より早く 「おはよう、 朝だよ、」 と起こしてみせて 寝ぼけた顔の あなたが「クスッ」と 笑ってくたら それがきっと いちばんいいかな
次は、「はじめまして」、でお願いします。
はじめまして はじめまして、とあなたは言ったかどうかは忘れてしまった 僕の方はといえば綿帽子のようにおぼろな記憶の中で 間違いでなければ確かそう言った気がする 初めてあなたに会った時 僕はやりたい事がたくさんあって 正直あまりあなたの方を向いたりしてはいなかった はじめまして、と少し堅めの挨拶を交したのも僕の 人との関わりから逃げたがる心の表れだったかもしれない だけど今は 何物に代えてもあなたが大事だと思うようになっている あれからどれ位経ったのだろうか 数えてみたら 高々一年と少しでしかないことに気の付いて 一年前と今とでとても 変わってしまったあなたへの気持ちに 人の気持ちなんて動かないと思っていても こんなにも変わるものなのだと思う 次は「お姫様」でお願いします
183 :
名前はいらない :2006/11/02(木) 09:35:18 ID:8ajwuYs0
お題、流線
「お姫様」 ホウ酸団子とお姫様 ビッグブリッジとお姫様 空の孤独とお姫様 お姫様は今日もこの世界を愛していらっしゃいます。 ハト飼う少年の温かい吐息で今朝もお目覚め。 昨夜の夢にうつつを抜かし、 気付けば、午後のファンファーレ。 気付けば、午後のファンファーレ。 ぱあぱあ五月蝿い執事を残し、 真っ赤な絨毯 コツコツ歩き、 さえわたる空、民の声。 さえわたる空、民の声。 深く息吸い胸ふくらませ、 きららかなるあのあこがれの、 抒情のうたをうたいたく。 抒情のうたをうたいたく。
姫が倒れた。 流れ星は泣くのを止めて。 夜風は包み込むのをやめた。 戦争は絶えず太ももを濡らし、 愛は勝ち取る代償となった。 なんてね。と涙をはらはら流し。 夜は三日月。豪奢なドレスに身を纏い、 星々が照らすあの夢たちの、 栄えある明日を祈りつつ、 ししむらおどらせ、心を腫らす。 ししむらおどらせ、心を腫らす。 次のお題は「自然な会話」で
186 :
rough :2006/11/02(木) 15:42:31 ID:gdW1rdMb
こうやっていつも私は笑う 日の傾いた帰り道 暗い本屋、電車の影 並んだ肩の高さは違い 時の流れをそこで知る いつもと変わらぬ自然な会話 私にとって不自然な会話 今日も別れる高架下 君は手を振る あっけなく 私もそのまま背を向ける 羽化できぬまま日が沈み 今日も朝日を待つばかり 眠りから覚めぬ私はサナギ 君に焦がれたまま眠る 次のお題は「蜜と蝶」で。
>>186 「蜜と蝶」
蝶 冬は飛ばない
多分秋も、、
夜空に浮かぶアゲハの色
ヘッドフォンから流れる時報に揃えて吹いた口笛
はずみで割れたレモンキャンデイ
中の蜜は
きっと夏の蝶のソサエティ
188 :
名前はいらない :2006/11/02(木) 22:55:46 ID:j2ZaNJQz
次のオダイは「爪」で
「爪を見れば」 爪を見れば その人が見える きれいにきちんと 切りそろえ 尖りがの一つもないように 指先に沿って滑らかな 弧を描いているならば きっと怖れることはないだろう きっと引っ掻かれはしないだろう テーブルの表面をコツコツと リズムもなしに叩く指先 響く音 時々“カツン” と音飛ばしても平然とした指先からは 苛立つ何かが伝わってくる 心ここに在らず の姿が浮かぶ 落ち着かせてはくれそうにない 甘さは自分に 神経を他人(ひと)に 向けているような気がしてくる そうして自分の手を見れば なんの変哲もない見慣れた爪 短か過ぎず 長過ぎず 頂度良いといえば 頂度良く 凡庸と呼ぶなら 凡庸そのもの こんなものだと言い聞かせ そんなものだと頷いている そうした想いで爪を見る 煎じて飲みたい垢はない 煎じて飲ませる垢もない
////次は、「終電」でお願いします。////
走ればまだ間に合うはずさ 駆け込め、飛び乗れ、滑り込め これを逃せば次はない 後5分、まだ5分 走れば十分間に合うはずさ 止まるな、無視しろ、赤信号 飛びだしゃ車と鉢合わせ 駆け込み乗車で飛び乗るは 俺の人生の終電さ
すみません お題書くの忘れてました 「終電」に対し「始発」って言うのも安直なんで 「回送」で
193 :
ボトルネック*゚Д゚) ◆necK/fzEYA :2006/11/05(日) 23:56:43 ID:xgfKJ/7m
「かいそうばす」 中身のない箱が走る 明かりがついたまま走る ふと眺めた車道を通りすぎるバスが 確かにそこにあった空気をのせて 目的地を否定しながら ただ通りすぎてゆく 出入りしていた人々の 体温をわずかに残しながら 冬はもうそこにきている
194 :
ボトルネック*゚Д゚) ◆necK/fzEYA :2006/11/05(日) 23:58:48 ID:xgfKJ/7m
お題「灰色」 ベタでごめん
てめええええええええええええええええええええええええええええええええええええ ブスとかいいやがったなああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああ きもち悪い顔とかいいがたってえええええええええええええええええええええ ええええええええええ死んで呪ってやる!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
>194〜 前レスハアチコチ貼ッテアッタシ次題ガナイノデ すこしだけ 青味がかった灰色の 茶碗の縁が欠けました 掌(タナゴコロ)が好いのです とても大事にしてたのに 雁が渡ってゆくような欠落は それはそれで風情ではありますが 私の頭蓋も剥落してしまった様に すぅすぅ遣る瀬ないので 爪弾く音色の寂を 漆と糊で接ぎました うすく模様に金を刷き 程よく憂いが乾いたら やわらの鑢で磨きます なんだか温もる心地になって 眺めれば 山間ひとつ 夕日に照って ひなびた里の景色です 優しく弾けば こおぉぉゎん 山寺の鐘が鳴りました ∽∽∽∽∽∽∽∽お次は[ 観測 ]でお願いします
197 :
196 :2006/11/06(月) 04:48:18 ID:dA5NVbq3
誤字訂正 ×磨きます ○研きます
【恒点観測員】 潜めて潜めた呼吸をすっかり停めて 匂いも肉も持たない、二つきりの眼球になりたかった ショールを抜ける夕暮れの風 何も許容しない寒々しさがいっそ嬉しい 二つきりの眼球になって、枯葉と共に流されたかった とおくで輝く不夜城 蠢く人と人と人と人の熱蒸気が立ち昇る 背を向けて ただ眺める、二つきりの眼球になりたかった。 次は【解熱剤】でお願いします。
【解熱剤】 たった一粒あればいい それだけで あなたとの叶わぬ恋も 解熱(ひや)されていくから お次は「あの日の音」
― あの日の音 ― ―からんころん 指先から ゆらゆら 空気が ふるふる 頭の中で 巡らせた 走馬灯から 思い出だけを 指でなぞった ツ―ッて ノイズは止んだのに 溶けきらない塊だけが 頭の中で からんころん ↓次は「空き缶」でお願いします
道に立ててあった空き缶を見つけた 当然の如く湧き上がる男の勇ましさ アレはアメリカンフットボール 俺はキッカー これがラストキック 決めねば後は無い 深呼吸 数メートル前から歩みを速め 歩幅を狭く 右足で 蹴る 必殺インパクトォ-----!!!!!!! つまさきは真芯をを捉えて鈍い音 空き缶は耐え切れずありったけのエネルギーを吐き出した そして回転を続けゴールポストを突き抜ける ゴールゥーーーーーー!!!!!! キッカーの得点で試合は幕切れ 逆転勝ち ガッツポーズ MVPだぜ! ただし コーヒーまみれ
202 :
名前はいらない :2006/11/12(日) 10:21:09 ID:rtCzW6Ul
次のお題は「帰り道で買い食い」です。
[お題:帰り道で買い食い] 校庭の穴から逃げるように 昨日のあしあとを逆にたどると 古びた水辺の小屋に至る すぐに黒衣の老婆が姿を消す すると少年の裸体が身をおこす きっと老婆は少年だった 彼がしなやかに指さした先に くすんだ墓がたっている かたわらの頭蓋骨は妹だという 少年は開かれた墓穴へ降りていく 左手にピストルが握られている ぼくは後にしたがう 「お客さんは――n年ぶりです」少年はいう 屈強な両手がぼくの肩を後ろからつかむ 巨大な機械音が周囲からせまってくる 声をあげようとすると舌がないのだ 「アイスはいかがですか、アイスは……」 売り子の声が暗闇に反響する ただ思い出が作れたら良かったんだ ただ……ぼくは………… 列車は音もなく夜の草原を滑走している ============================ 次は「最後の一」でお願いします。
【最後の一】 ほんの一歩踏み出す毎に べたりと湿った音を立てて削ぎ落ちる肉の赤 俯くたびに抜けて頬に纏わる髪 失うばかりの生命だから ささやかな悦びも誇りも壊れいつか零れる とうに無くした心臓の記憶ばかりを 幾度も幾度も繰り返し噛み締めて ごろごろと転がる頭蓋骨が小石に躓いて停まる 最後のひかりが消える瞬間 何処かから漏れた、声に似た音 次は【クロワッサン】でお願いします。
「クロワッサン」 レモン色のテーブルクロスの上に並ぶお皿。 その上にはちぎられたレタス、切り分けられたきゅうり、トマト、目玉焼きがひとつ。 とろとろの白いポタージュに浮かぶパセリ。ペンギンのスプウン。 絵に描いたような幸せな食卓。 ぱさっ ぱさっ ぱさっ 一口ずつパンを噛む、乾いた音。 そのたびに剥がれ落ちるパンくず。 ぱさっ こんなふうに、きちんと。 朝の食卓はこうふくに満ちたりたものであるべき。 次「香水」でお願いします。
「くせえ」 くせえ くせえ 香水くせえ 残ってるのは つまんねえ つくりもん 女の匂いを かぎてえよ かがせろよ 次は「こぶし」で
207 :
名前はいらない :2006/11/18(土) 12:29:39 ID:vFf7rVFE
「こぶし」 君の家の前で握りこぶし 電柱にストロングキック 拾った棒で雑草苛めて メールは届いた、たった ひとつ 言葉ではいえないから だって 勝手すぎるよ インターホンは空回り 熱は遠ざかり 陽炎 やがて見えなくなるまで 空を昇る 追いかけて青 こぶしはほどけて 君にさよなら
208 :
名前はいらない :2006/11/18(土) 20:05:39 ID:vFf7rVFE
題を書き損ねてたw 次の御代は「次世代」
「次世代型のこのマシンの特徴は…」 よく教育された風の売り場係り員が満足げな表情で説明をし始める その話を聞きながら 僕らは「次世代」について思いを馳せた 次世代っていつ頃のことなの? 彼女は怪訝そうな顔つきだ そんなこと僕にだって想像もつかないさ 答えようがない という合図を目で送る ふーん それは彼女が更に考えを巡らせている証拠としてのひとつの頷き方だった 僕はそのまま黙っていた 係り員の説明はまさに次世代にまで続くかのように延々と そして マニュアル通りに頭に詰め込んだ内容を 流暢な話し方で続けている 私たちがいる今の時代に必要なものなの? 彼女の疑問は別のものに変わっていたようだ 欠かせない物かどうかはわからないけれど 実際今ここで売ってるということは事実だよ 僕に答えられることはそれだけだった ふーん 彼女なりの未来像と 目の前にある次世代型マシンとの接点を求めているらしい お客様が この製品に第一にご要望なさる機能が何かございますか? 係り員から確認とも丁寧なサービスともつかない質問が入る 「冷凍庫です。」 彼女は実にあっさりと答えた 「冷凍庫の温度調節が確実なことと自動製氷機。それさえ壊れにくいなければいいの。」 彼女の言葉は僕たちの生活を端的に表す言い方だった 係り員は目を瞬かせていたが 知らんふりをしていた いつものことなのだ
ねえ あと50年もすれば私たちなんて生きているかどうかわからないわよね まあ そうだね だいたい 明日どうなるかだってわからない世の中なのに 次世代なんて 私には考えも及ばないわ 彼女の言いたいことはよくわかる それに それに? それに この冷蔵庫が本当に丈夫で次世代まで生き残っていたとしても 100年後には 私たちのことなんて誰も覚えていないわ 彼女は何かに憤慨していたのかもしれない あるいは諦めだったのかもしれないが どちらにせよ その通りであることに間違いはなかった そして僕たちは その次世代型冷蔵庫の購入手続きをし 新しく移ったばかりの部屋に帰った 部屋に戻り 明りをつけると彼女は部屋をひととおり見回してから 一言だけつぶやいた なんだかとても歳をとった気がするわ <次は 「掛け時計」 でお願いします>
『掛け時計』 他愛もない事なのでしたが 二人の間にルールが出来ました 長針が4の文字をさしたときには筆箱の蓋を閉じるって 時計の針を見つめるあなたが見えて 嬉しくなって でも目が合うのは照れ臭くて 後でこっそり視線を送るの 休み時間に話しに来てくれるかな 次のお題は『黒髪』でお願いします
【黒髪が秘めた思い】 靡いた黒髪 揺れるブレザー 重い鞄に 未来を詰める さて 壁を破ろうじゃありませんか 一つに結った靡く黒髪 瞬きをするのがもったいないくらい 3 2 1 『それでは始めてください』 結った黒髪が 戦いの始まりを告げるように 揺れ動いた 次は『ゼンリャク』でお願いします
『ゼンリャク』 ああ、前置きは放っておいて この薄暗い青空に浮かぶ半分のしろい月と ざっざと毛筆で描き飛ばした雲 立ち疲れてじんわり痛む足の裏に感じる脈 そんな諸々を ああ、宛先は考えも付かなくて きん、と刃物の色に冷え込む夜風 自転車の後ろから吹く追い風に鼻歌を乗せて いちばんぼし、にばんぼし そんな諸々を 前略、草々、 ゆっくりと書き留めてみる。 次は【オカルト】でお願いします。
オカルト 運命でしょ 二人を繋ぐものは 誰が決めた訳でもないの ずっと、ずっと昔から当たり前だった どうして伝わらないのかしら… 早く想いを返してよ 早く…ねぇ 次のお題は『週末』でお願いします
「完全なる週末」 1. 円環 スピンタウンのジェッガーフェッドが傲慢なクラッフェをシェルブールしている。 ぼくは週末を待ってクラ―ン第284乳房宮のパンタオンをトレモロしに来ている。 ビネガーはもちろん金を持っていたので、ぼくらはスイートに宿泊できる。 ミス・ミスリーディングは最新のケーフェンをインボーイに見せつけている。 「これ、高かったんだから……メクセラのガリガリアよ」 「なんていうか、泥溝に嵌まったジェンスタットってところだな」 窓の外は六つの月が輝いており、ダーダッドは意味ありげに笑っている。 2. 協定 映話がリ・クラーン第142恥骨宮のクレーター氏とパーサットしていた。 <伏線>の<回収>とミーシャ・スロットルの処遇についての退屈なフェイズだった。 しかし、今回は最後にクレーター氏が不謹慎かつ抜群の冗句を言い放ったので、 ぼくはプロミネンスのように爆笑して映話がビーサットした後も涙がとまらない。 3. 画餅 スロットルは週明けには要職を失い、バーバ・ヤガーがよろしく後始末するだろう。 それで今、ぼくはフェニアからメトロノームのような光の奔流を無心に見やっている。 ふと虚しさを覚える……死屍累々、誰しも人生の勝利者たりえないということか。 ぼくはジェッガーフェッドを激しくドヌープして夜の街へ消えていく。 =========================== 次は「バランス」でお願いします。
216 :
◆L4LyBSss3w :2006/12/14(木) 21:20:28 ID:85bIPKNo
【バランス】 道路の黄色いタイルだけを踏んで歩く帰り道 大股に飛び移る度不器用に姿勢を崩して あの電柱まで辿り着けたら 何かが叶うと信じる程無邪気では居られなかった なのに繰り返す児戯 何度も 何度も 道路の黄色いタイルは部屋のずっと前で終わり 飛び越える行き先さえ失くして 吐き出す息の白さに気付く。 次は【文化】でお願いします。
217 :
◆hon/GWhNf6 :2007/01/09(火) 22:09:51 ID:4Gw7J2Hm
大女が勢いよく拳闘の構えから目覚めかけた男の鼻づらに不意をついた鮮やかな フックを打ちこんだその瞬間 スペイン風の風呂場は奇妙に静まりかえって古びたレコードは舌足らずに蠕動し シャボンの泡が室内に弾けとぶなかでおおざっぱに数えあげた札束は おおよそ一万二千円のようにも一億二千万円のようにも見えた 暖炉の火がはぜるときグレープフルーツは発狂し逆回転のレコードは発狂し あまねく発狂した千年紀の星々が またたきながら火花を散らし金切り声をあげて後ろへ飛び去ってゆく 風呂場の全裸のスペインの大女の墓場のような口がぱっくりと 割れたかと思うとぼたぼたと血とソーセージとシャボンの泡、摂理の説教…… 室内の男はとっくに掴んだ札束を窓から同族嫌悪に静まりかえった通りに向かって 燃えさかる星と空と心臓と 後ろに遠ざかる金切り声とやおら取り出した抜き身の日本刀とドッチボール 揺れ動く海面 を見つづけたせいで酔いがまわり嵐にうねる海に反吐をふきだし反吐をふきだし 大女が三人にも四人にもまばたきするたびに増えたり減ったり増えたり減ったり 表の階段を駆けおりる搭乗員の悲劇的な金切り声と誘発される音階とが うつろに響きわたるグレープフルーツのように目に見えない黒い血が 鼻に耳に目に歯に肛門に詰まって ひゅーひゅーと亡霊のような気がかりな音をたてて はやしとどに濡れた札束は五千円でも五千五百五十万円でもどうでもよいこと 蟻の群れを人間にけしかけるある種の瞑想的な拷問が炎天下の奴隷に執り行われて 排水口から血と髪の毛と眼球がむせるように逆流する アクシデント→アンコールの舞台の上で彼女のスカートがずり落ちる パンツの尻には「倍音」とプリントされていて 監督は袖からバスターエンドランなんていうマニアックなサインを出している ビバ、大女! つまり文化は誕生したのだ ============================================= 次は「のれん」でお願いします。
218 :
名前はいらない :2007/01/09(火) 23:07:14 ID:vu2c926R
風に乗り飛行 着地点はどこ 変わらぬ日々にあき疲れ やさぐれてそまったまだらな藍色に 同じ色など出来はせぬ 押してはかえす布二つ 切り裂かれるさだめと知りつつも 追って追われる風のきまぐれ 大黒柱の背中眺め 肩を少し揉みながら 変わらぬ日々も悪くはないと あすも誰かの肩を揉む ―――――――― 次のお題は【メロン】―――――――
「メロンなお見舞い」 お見舞いに頂いたたメロン 食べやすく切って差し出した おばあちゃん、ほらメロン よく熟れてるから おいしいよ ん。ん。 ありがとな、変わり瓜やねえ 畑の瓜が恋しうなったわ なあ 庭の瓜どうしてるやろ おばあちゃん、それ… 言いかけて あとは黙っていた 久しぶりの笑顔が見られた それだけでいい そうだね 畑の瓜 今度見てくる あの山の奥に残してきた家 庭につづく畑では 祖母が育てた瓜たちが 今も帰りを待っていることだろう 次の休日 私は 祖母の故郷を訪ねに行く (((次は、「モヘヤのセーター」、でお願いします)))
220 :
◆hon/GWhNf6 :2007/01/14(日) 00:27:48 ID:VPVMhspn
「移り火」 スペイン屋敷が燃えている 金色の回廊が燃えている 十七世紀の古地図が燃えている モヘヤのセーターが燃えている あのひとは迷子だった 本質的に迷子だった いつも待つことができなくって それでいて迷子だった その夜 月影が飾り窓を透かして きらきらと偏った光の彩りを邸内にみちびいていた 裏庭で手斧が死んだように冷たく横たわっていた ああ 屋敷が燃えてしまう 金色の回廊が燃えてしまう モヘヤのセーターが燃えてしまう ============================== 次は「掃除」でお願いします
221 :
名前はいらない :2007/01/14(日) 18:20:09 ID:J1VwINrE
「馬鹿でいいよ」 寒い風が身にしみる 隣には、誰も居ない 掃除用具入れの、鍵が開かない 手がかじかんで鍵が開けられない じゃんけんで負けて 教室のゴミだし 掃除って嫌いだ 埃まうし めんどくさいし 「馬鹿だな」 君の 声が聞こえた 振り向けば 君 君は、簡単に開けてくれた 「すげー」 「馬鹿じゃん」 そう言って 君は笑った 私の頭に手を乗せて 君の声が聞けるなら、馬鹿でいいとか思ってしまった。 たまには 掃除も悪くないとか思った。 ―――― 次は「感染」でお願いします。
222 :
感染 :2007/01/14(日) 20:49:26 ID:/3N8iO1u
チャットで知り合った女の子と待ち合わせた 緑色のコートを着て走ってきたのが彼女だ かわいい子だなんて予想してなかった しかも話が全然合わない 生まれて初めてスターバックスへ行き 日ごろ絶対飲まないコーヒーを何杯も飲んだ 私はびびっていた 彼女は酒を飲まず それが私の怯えに拍車をかけた
223 :
222 :2007/01/14(日) 20:51:38 ID:/3N8iO1u
次は「バーゲン」で頼む。
『バーゲン』 あれもこれも欲しい だって安くなってるし 今買わなきゃ勿体無い? 勿体無いかな? もうすぐ季節が終わる いや まだまだ寒いさ 真冬のジャケット あたしを呼んでる 声を張って アピールしてる店員 これ あたしに合う? 試着してもいい? 流行に流されて 去年のコートが 家で泣いてた 財布とコートにごめんね 次は『紺』でお願いします。
「紺」 制服に 染みる色彩おし包む胸 クロッカスが雑草の中で揺れる ああ あの頃は何もかも 素直なままではいられなかったね 好きが普通で大好きが嫌い 見られてる気も知らない振りも 静かなあの色にさえうまく 隠す事はできなかった 川べりであの後笑ったね どうしてわたしたちこんな所で? リミットに急かされて死ぬよりも 一枚脱いで楽になれれば ちっとも優しくない若かった日 ただそれぞれのかまびすしさに 今も今も思いだし笑いする クスクスと クロッカスと ☆久々で…自分では現存詩板最後の投稿になるのかなあ… お次は「雪解け」で。
流るる水は果てなく冷たく 溜まるる水は果てなく澱み 憂いも哀しみもおびて 辛く厳しい冬でした 寒さに耐え土の中に潜る日々でした つもりつもった根雪が更に土を硬くします 去らない冬は無いと知りつつ とけない雪はないと願いつつ 雪解け日々を待ってます 次は【願い】でお願いします
227 :
名前はいらない :2007/01/16(火) 21:29:28 ID:X38dR0gA
【願い】 ねえ、貴方は今どんな夢見てるの? とっても穏やかな寝顔。 もしかして私の夢見てくれてるのかな? … …ねえ、神様 今度彼と話せるのはいつ? 明日?明後日?もっと先? 私滅多にわがまま言わない方だけど、やっぱり彼と話がしたいな。 彼の澄んだ瞳を見ながら彼の少し低くて落ち着いたトーンの声を聞いて そっと肩を寄せあって内緒話ししてるみたいに話すの。 素朴だけど穏やかでとても幸せな時間、素敵でしょ? だから神様… ほんの少しの時間だけでいいから私の願い叶えてくれませんか? 次は【片想い】でお願いします。
228 :
名前はいらない :2007/01/18(木) 19:54:07 ID:+NoNiSOy
「異種間に於ける…」 お前は何時も違う所にいる 暖かそうな 日差しを浴びて 自由気ままに爪を研ぐ 餌をくれれば誰のペットにもなる なんて、吾が儘 なんて、自由 なんて、なんて、愛おしい 産まれた時から、一人の主人に尽くし 消える時まで、その場で生きる 忠犬の僕は、野良猫の君に 伝える気もない思いを寄せる。 次は「その手で」でお願いします。
229 :
名前はいらない :2007/01/20(土) 23:10:24 ID:9p72xVEq
「その手」 犯罪者が羨ましい 他人を犠牲にする価値を自分に与えてる 血が生んだわずかな金に笑いが止まらない 羨ましすぎる犯罪者 心に肥えたエゴを飼い わずかな金を手にいれる その手は今日も濡れている その手は永遠に渇かない 「写真集」でお願いします
230 :
写真集 :2007/01/21(日) 00:32:42 ID:6CV0cWzW
わたしのココロの写真集には あのヒトのすべてが写っているの 迷惑そうなカオなんか作っちゃって うふふ また今日もシゴトが終わったら行かなくちゃ ストーキングに 写真集のページは毎日増えるの それって犯罪?なんだとガタガタいわすぞドルァ ううん平気よ恋するオトメはいつだって最前線 コレクションの充実目指して 今日もはじけろマイハート バレンタイン(キャッvv)には コエぐらいかけられますように
231 :
230 :2007/01/21(日) 00:34:32 ID:6CV0cWzW
次は「皮」で頼む。
「かわやぶり」 これで最後 何枚の皮を剥いたろう 戒めと知ってそれをやぶる 背徳 ああ、ゾクゾクする いちまい にまい あのこがちいさく なってるのだろうか ぼくがちいさく なっているのだろうか ふるえる手でまた一枚 興奮を紫煙で抑える 同じ箇所だけ腐敗する 眠りにも似た心地よさにつつまれて 神経過敏の僕がいる 次→「猫」
233 :
◆L4LyBSss3w :2007/01/26(金) 21:01:17 ID:gpYFvVVS
【猫】 波打つ古びたアスファルトに貼りついた 昨日まで猫であった筈のオブジェがひとつ 温かみの消えた薄っぺらい肉と毛皮に きらきらと霜をまぶして。 咽喉を鳴らす事を終えた猫は猫なのだろうか? 波打つ古びたアスファルトに貼りついた 昨日まで猫であった筈のオブジェがひとつ 白い息を吐きながら 痺れる指先を擦り合わせながら 等しく訪れる結末に見入ってしまう。 次は【閉口】でお願いします。
234 :
ブルーダイヤ :2007/01/28(日) 01:55:48 ID:Rq2HXD4h
ひとしきり言った日の夜 互いのすれ違いに気付いたけど 何も言えなかったから さみし涙ひとしずく そっとくみ上げて あなたの心のすきま のぞいてみたよ あなたは果てしない旅路を駆ける勇敢な戦士 あなたは私の心の破片を拾い集める あなたはわたしの跡を追いかける でもいつまでも追いつけない・・・ そう、わたしはあなたの平行宇宙 思い出つまった大事な路 わたしもそっと跡を辿ってみる・・・ (約3年前に当板既出の詩を改) 【閉口(平行)】 次「曼荼羅とたんぱく質と宇宙」
235 :
ブルーダイヤ :2007/02/01(木) 21:42:47 ID:7ivoh5Lb
どこかしらから響く 宇宙の響き それは光の渦に誘い込み この恐怖に満ちた暗闇の肉体を 浄化し溶かす 大いなる愛の源は 宇宙の曼荼羅へと呼び込み そのすべてを元へと返す 宇宙歴史年代史が 137億年の人々のコドンを 活性化させる それはそう たんぱく質曼荼羅だ。 人間は進化し始める。。 最後の砦とは 自らの上に積み重なった カルマを自分で解けるか である 曼荼羅とたんぱく質と宇宙 次は「どうしようか迷う」で
236 :
名前はいらない :2007/02/03(土) 01:01:01 ID:+axtYvTL
昨日と今日のはざまに櫂を漕ぎ たゆたう 今日と明日のはざまに流れ行く 島々に 思いのかけらは打ち寄せられて その息吹 拾っていこうか 捨てていこうか 昨日と明日のはざまをさまよう 今日もまた 舟は星を捜している 次は「暖冬」で。
237 :
暖冬 :2007/02/04(日) 16:36:21 ID:wlntUqm4
赤道直下は常夏 じゃあ地球が半径分太陽に近づいたら 北極南極が常夏だ すごい偶然の産物に綱渡りして おれたち生きてるぅ!って感じしないか? しない? そうか…
238 :
237 :2007/02/04(日) 16:37:31 ID:wlntUqm4
次は「妄想」で頼む。
239 :
◆L4LyBSss3w :2007/02/04(日) 21:10:46 ID:JUMp8Hbi
【妄想】 託児施設のスケッチブックに喰い付く女の子 白い画用紙一杯に伸びる無垢なクレヨンの描線は 常識をあっさりと乗り越えて猫もお父さんも空を飛ぶ 将来はアンパンマンかケーキ屋さんになるんだって スカーフをマント代わりにくるっと首に巻き付けても 空はやっぱり飛べないんだよ 諦めに似たことばを口に出しかけて止めて 少し曇りがちな空を見上げる 飛べるかも知れない、と思えた日々を思い返すように 次は【R・I・P】でお願いします。
「R.I.P」 そもそも信号無視をしなければ それよりもあの電話に出なければ 汗ばんだ樹脂を脱ぎ捨てながら R.I.Pが全て悪いのだと言い切れる 赤ハトマレ赤ハトマレ赤ハトマレ 幼児だって知ってることを 呪文のように繰り返し口にしていた 混乱で筆跡が震えていた 窓からR.I.Pを投げ捨てる R.I.Pが何だというのだ リキュールでも少し飲んで 柔らかい眠りに落ちればいい だけど頭上からピンク色の照明が ――まぶしすぎる! 次は「キッチン」でお願いします。
241 :
名前はいらない :2007/02/06(火) 01:20:59 ID:bFPiUI9U
「キッチン」 そこに入ってはいけないよ そこは悪魔の巣窟さ 鋭い刃物が忍ぶ扉に 灼熱の炎が噴出す火口 骨の髄まで凍える密室 そこに入ってはいけないよ そこは悪魔の巣窟さ 君が悪魔に捕まる前に 一番厄介な悪魔の名前を教えておこう それは、「母」と「脂肪(死亡)」だよ… そこに入ってはいけないよ そこは悪魔の巣窟さ 次は「赤い河」でおねがいします(^^)
242 :
名前はいらない :2007/02/06(火) 05:09:34 ID:ogT0Xure
凍える脈を溶かせばしとね 果敢な性器が笑い出す 赤い河 うずもれて 最果ての 砂嵐 次は「笑い」でよろしくね
243 :
◆hon/GWhNf6 :2007/02/09(金) 00:48:58 ID:5oZ7aiZc
「無題」 抜け落ちたブレーキは遠からずこのまま ぶつけて事故るほかはない地面と 挑発的な入射角の問題をなして ほんとうの花束は剥きだしの 滑らかな正二十面体に包まれる トンネルを抜けると そこにブラジャーの大群をみた 積みあがった言葉のブロックが個別に 原始の海へ滑り落ちていた ラジオで君のニュースを聞いたとき 手さぐりでミルクを飲みながら そこは笑うべき局面だと君はいった まったく互いちがいに笑うべきだと とにかくぼくはミルクは飲まないんだ 次は「ロボット」でお願いします。
『ロボとme』 割り箸を眼孔に突っ込みぐぢゅり 記憶はメモリに置換 思考はチップに変換 痛みは追憶の彼方 側に君がいるから 僕は側にいるから 隙間を埋めるノイズに辟易して 真っ白を取り返そうとするけど デジタルの海は深すぎて 対岸にいるのは君? それとも僕? 次は『回転』でお願いします。
「願望」 嗚呼さまよってまわってわってはいってどんな鞍がお似合いだろうか 嗚呼見つけ出せずにいる 嗚呼ぐるぐるしたい 嗚呼軌道に乗りたい 嗚呼寝て食って行って取って日常は回転木馬 嗚呼ぐるぐるしたい 嗚呼考えたくない 嗚呼生きたい?嗚呼否? 次は「芯」をお願いします。
246 :
芯 :2007/02/10(土) 23:03:22 ID:S0frl2a3
何かしようと思い立ち それができずに落ち込むが そんな自分をすぐ許し 明日も同じ繰り返し 探せど芯など影もなく 胸の中にはけむばかり
247 :
246 :2007/02/10(土) 23:06:05 ID:S0frl2a3
次は「前向き」で頼む。
太陽の方へと歩く君 そこには何の迷いも無く ただ真っ直ぐに歩を進める たとえ途中で不安になり 足が止まってしまったとしても その時は黙って後ろを振り返って そこには自分の影や足跡があるから 大丈夫 歩いて行こう 次は「電撃」
「灯台と海」 灯台もと暗しというが 灯台なら光が遠くまで届けばいい ヴェルヴェットのように凪いだ海も 夜の風は冷たいだろう 眠ったふりをして聞き耳をたてている 誠実さを装って取り入ろうとしている 黒いドレスを脱ぎ捨てて 白い素足を海面に浸す 灯台もと暗しというが そもそも前向きに考えるべきだ 鏡のうらで百面相をしている 昨日うまれた無垢の子と いつのまにか星座を暗譜しながら 優雅に眠りこんでいる 次は「へりくだる」でお願いします。
かぶってた、すいません・・・・・・次は「電撃」で。
「電撃」 ビビビ 気が付くと 私は階段を上っていた。 アイツガヤッタンダ. ビビビ 気が付けば 青い空見上げてた アイツガヤッタノカ! ビビビ… 気が付けば 私は独り でも今はアイツガイル 何も恐れなくていいよね 信じるままに 進もうと決めたよ。 次は「色鉛筆」で…
252 :
名前はいらない :2007/02/11(日) 23:13:38 ID:yZqPtpCa
この間 尊い命の灯火が 消えたんだ 苦しんだ
253 :
名前はいらない :2007/02/12(月) 03:20:48 ID:ohzy1wwL
いろめがね
254 :
名前はいらない :2007/02/12(月) 07:33:27 ID:CmwB8IXH
愛故に孤独 「逢いたいわ。」 唇が動くのに 早々時間はかからないのに 同様に追い掛けていた 色めくような部屋の隅 隅々まで慈しんで 愛しいのを頂戴よ 白い肌に映える 赤い赤い痕が哀し 話口調と相応に セピア色に濁る世界で 貴方の事を懐かしみ 鍵穴を恨んだりして さようなら フィルムの掛かった視界で 溺れる魚を捉え 情欲に任せた ヒールを脱ぎ捨てた 「逢いたいわ。」 誘う瞳 笑いが乾いていく夜に 『ソーダ』
『ソーダ』 月明かりの夜 湖の淵に寄り添い 後ろで交差させた指先で 覚めぬ想いを綴る‥ 夜風に舞う枯れた葉が 羽音とともに湖面に円を描く‥ 貴方を背中から抱きしめて囁く 貴方の国の言葉は いつもより少しだけ切ない‥ 何時までも続くと思っていた貴方との時間は 貴方がふと投げた石が湖面に円を描き 静寂を破るように終わってしまったのね 浮き上がってくる泡は まるでソーダのよう‥ 『月夜に輝く星の光(数千年まえに輝いてたった今届いた光)』
『月夜に輝く星の光 (数千年まえに輝いてたった今届いた光)』 冬の星は明滅する どの季節より輝き放ち ちらちらと 揺れる様は この身も揺らし いと、おしい... いとおしい...... 冬の月は仄白薄く 弱き光の邪魔はせぬと おぼろおぼろに 天よぎる 願わくは きれいだね、と白い息吐くとき その想いをさえぎらぬよう 「あの光はね、、」 とは説かずにおいて 遥かな時間がここに届ける 月夜の空の浪漫はやまぬ 幾星霜の物語 不思議のわけも そのままに 夜の更けるごと 深まるがごと 月夜の空の浪漫はやまぬ 朝がしらじら 明けるまで 白い朝が 迎えにくるまで 次。『アンテナ』、でお願いです。
257 :
名前はいらない :2007/02/13(火) 09:47:15 ID:9y+aYBeB
『アンテナ』 会えば 視線を、仕草を、言葉の端を 帰れば 携帯を、パソコンを、家の電話を いつもいつも 気にかけている だって それは君の心のあり方を すばやく察知し、繫がる為の 大切な大切なアンテナだから 君の発する、心の電波を 僕はいつでも、どこでも きっとキャッチする その為に、張り巡らしたアンテナだから だから、言葉に出来なくても 大丈夫だよ 僕はきっと気づいてみせる 次は「春の嵐」でお願いします(^^)
「春の嵐」 春は人を狂わせた 桃色に染めて熱くなる ベンチでは二人、桜を咲かせて ランチでは二人、花びら添えて 道行く人々は甘い香り 風に乗って香りが運ばれてく 今日もどけかで春は吹き荒れているだろうか では、次は「コート」
『コート』 そっと目を閉じて 心のコート脱いでごらん きっと見えるはず 貴方を包んでる愛が どんな時でも 一人きりじゃないんだよ 冷たい風も吹くけど 僕はいつもここにいるよ 忘れないで 心の奥に映っている I'll be there 次は『ちんすこう』でお願いします
「***」 モーリタニアの花を売る少女 街頭演説、時計台、暖冬 割愛されるプロローグ 昨日、一昨日、前の前の前 歯車、プレハブ 一. ちんすこう 二. ちんすこう 三. 断頭台 四. 寝台列車 かじかんだ指先、乾いた唇、湯気 波止場、桟橋、ヨット パンフレット、グリーン、言葉たち [雑踏係A] 足音、足音、足音………… 次は「はさみ」でお願いします。
「はさみ」 遠景 切り抜こうとする窓の外は海 ミシンは日当たりにえらく弱い 君ね いつまでも夜があると思うなと言い あさばかしい青空の下ここは 邪魔の入らない真剣な国 私たち渡し断ち渡した血そして私立つ ただ窓の外は雪 今しがたの春を裏切る事 何と言われるものでもないから 私が夜を裏切る事など 一億分の一にもならない 誠に些細な衣音でしょう シャアアアアアアアアアア ☆お次は「確かめるのが怖いから」でお願いしまっす。
262 :
名前はいらない :2007/02/17(土) 23:39:44 ID:8U7tKiMH
あのとき会って以来 あなたとの出会いはない そう 私があなたとの出会いを拒否したから でも それでもあなたへの思いははちきれそう 確かめたい でも 会いたくない 確かめるなんて そんなこと あなたが迎えに来てくれるなら そんなの待っても無理よね あなたって そんなヒトだから。。 確かめるのが怖いから 次は「2人」でおね
今日 星を見に行こうよ 二人で 君は 子どもみたいなはしゃぎようで 僕と手を繋ぐ 君は あの場所で星を見るのが好きだよな とか 僕から誘ったくせに言ってみる だってあの場所は 僕は 君とあの場所で 星を見ている 月明かりが映す影は 見えている星は ひとつだけだけど 次は「帰り途」
おうちへ帰ろう カレーを作ろう 煙突からもれてる カレー臭が 僕の胃袋を刺激する 次は「夜の湖に映る月」
265 :
名前はいらない :2007/02/18(日) 14:00:54 ID:MOH/n3vU
「ゆめみぐさ」 渇いた森でうたうたう 白茶けた 骨のゆめ 干上がる泉は底深く 思い出す あかつきを 愉快な朽ち木がおののいて 騒ぎ立てる 芽吹かぬと 夜の湖に 映る月の影 もう思い出すものもなし 次は「暁天」でよろしく。
266 :
名前はいらない :2007/02/18(日) 18:37:23 ID:gmxCAnrO
貴方は、今 この空を見ているだろうか? 貴方の、血を分けた半身 貴方と貴方のかつての最愛の人の遺伝子の塊は 今、この暁天を見つめている 貴方が、「それ」を見つめていると願って この、暁輝く空のみが 貴方と私を繋ぎ得る 唯一の手段とあらば… 次は「夕方と涙」でおねがいします(^^)
267 :
ホライゾナ :2007/02/18(日) 18:49:58 ID:hLYv+Q+/
あの夕日はさよならも言わず また地平線に沈んでゆく あの日サヨナラさえ言わず 去って行った貴女のように 夕闇に包まれる度に思うのです もしかしたらもう月は 僕を照らしてはくれないかもと 溢れる光を一瞬で 暗闇に変えた貴女のように だからせめて夕日だけは 夕日だけは夕凪だけは 僕からいなくならないで これ以上何も 失いたくはないのです お題は「窓から射す朝日」でお願いします
ふと 僕は気がつく また 朝がやってきた 重い体を動かして 窓から射す朝日を遮るカーテンを開ける 朝日は徐々に部屋の中を描き出す さっきまで なにもかもを飲み込みそうだった暗闇から 扉が出てきた そうか 生きてみよう 次は「越してきた隣人」でどうぞ
269 :
名前はいらない :2007/02/19(月) 21:26:45 ID:Ovjkvd7l
「越してきた隣人」 貴方はいつの間にか私の隣に居た 私の世界に入ってた 「おはよう」なんて久しぶりに言われたから 朝が来た事に始めて気が付いたよ ねえ?私の名前知ってますか? 次は「右手」でお願いします。
270 :
名前はいらない :2007/02/19(月) 23:01:33 ID:JDT9W/XB
もし僕がこの右手をさしのべたら あなたは笑って握り返してくれる? 君が泣いてる時も笑ってる時も ずっとそっと見守ってるだけ だからせめて別れの時だけは 君を救ってあげられたらと 精一杯の僕の気持ち 次のお題は[宛名のない手紙]
271 :
名前はいらない :2007/02/20(火) 22:21:16 ID:eQXzVgwk
目の前の箱に あふれそうなほどの封筒がつまっている 勇気をもてなかった自分 たったこの小さな封筒を渡すだけ なのにできなかった この封筒のぶんだけ、 わたしはどれほど 悔やんだだろう 手紙をかいて封をしめた なのに、 宛名が書けない・・・・ 私はこの封筒のぶんだけ それ以上かな? どれほど涙をながしたんだろう・・・・ 次のお題は「届かない想い」で
「届かない想い」 沈む檻籠 光のない場所へ 閉じ込めた 海の蛍 とりわけ明るい夜 黙って少し 泣いた 次は「ばら」でお願いします。
273 :
名前はいらない :2007/02/21(水) 23:42:28 ID:D1opS2lb
「ばら」 私は奇麗な花ではない 自分を守る為に誰かを傷つける そっとそっと抱きしめて あなたを傷つけたくはないから 次は「引き戸」でお願いします。
引き戸 夜を震える 冷めた幽女の音に、耳を塞ぐ 叩かれる、引き戸を見つめ 心張り棒にすがる 引き戸が鳴く 向こうに居る、呼んでいる 跳ねて、逃げて、床に縮んだ あと一夜、あと一時 今を、今を過ぎれば、呪いも終る 日が昇れば、全てが終る 経に守られたこの家に 入れはせぬのだ 決して、決して・・・ 眠りなく、時を噛んだ ふと、ほのか、明かりの、差した窓 障子に、映る光、朝か 終ったのだ、喜べ、起き上がれ 飛ぶように、転がるようにして 開けた、引き戸の外には 月明りに、笑う女が居た ――――――――――――― お次は「シャンプー」で。
275 :
◆L4LyBSss3w :2007/02/22(木) 22:43:56 ID:P9AI7pLa
【シャンプー】 掻き回すやわらかな泡ときしむ髪 きつく閉じたままの眼 掌と指のあいだで捻れる穢れ ほんの少し、儀式にも似た行い 噎せ返る甘い香り 禊を迫るように叩き付けるシャワー 唇から沁み込んだ湯を、ふ、と吐いて 願うのは 次は【殺菌】でお願いします。
「殺菌」 ゴシゴシゴシゴシ まだ落ちない ゴシゴシゴシゴシ まだ足りない ゴシゴシゴシゴシ まだ消えない 汚れたから洗わないと まだ痛いよ 股から血が滲出る ゴシゴシゴシゴシ まだ落ちない 次は「空」でお願いします
277 :
名前はいらない :2007/02/24(土) 02:34:30 ID:WhQILply
今日は風がつよい 嵐すぎた後の澄んだ空 気温は暖か 手袋もマフラーもいらない日 ああ、こんなに澄んだ空は久しぶりだ 学校帰り、川原にいこう 自転車はあるけれど押して歩いていこう こんな澄んでる風を自転車じゃ受け止められないから そうだ 今日は嵐過ぎたこの洗われたあぜ道の真ん中を 胸を張って歩いていこう 一歩一歩歩くたびに逆風が足をもちあげるだろう 雲が動いていく・・・・ 次は「ラブレター」でお願いします
あなたとむかっていえないことを なかなかなれないのにむりをして ただただかみのうえにうつしてく がんばってがんばってがんばって すすめていたゆびをふっととめる きづけばまっくろになったてがみ できるだけやってはみたけれども すんなりおさまるわけがなかった 次は「タンス」
「煙」 僕のタンス 燃え尽きてゆらゆら 僕のタンス 焼け落ちて白く濁る 僕のタンス ここにあるよう 今でも思い出す なくなったものについて 次は「耳」で頼みます。
<< 耳 >> それは頭の両脇についている それは音を感知する機能を持っている そこから自然の音を聞き 音階に置換すると音楽が生まれる それが遠い人には音痴か大声の人が多い 次は「ナチュラル」で
<< ナチュラル >> 終わり二語をレに変えると ヨーグルトの名前になる ------------------------------------- 無気力すぎて、やる気なく、 しまいにゃ駄洒落になっちまったのさ。 次は「退屈な嘘」でお送りください。
↑うざいお題だな・・・。 ↓「退屈な嘘」で送りください
283 :
BUIIIIIIII!!!(~~o~~♪???HOTO!!!! :2007/02/28(水) 21:30:41 ID:VxmHUFYI
昨日の夜中2時に眩しい光を感じた一瞬にUFOの中のばかでかいロビーの前にある大きい窓から下の大陸(地球?)が見えた! > 今も鼓膜を通さず脳に直接メッセージを叩きつけられる感じで話しかけてくるんです。 > > 「富士山の麓に近づくな!」 > って感じです って、UFOにさらわれたの!? ↓「退屈な嘘」 次は「で?」でおねがい
284 :
さくらつばき ◆0rfYH6pLUw :2007/02/28(水) 21:58:46 ID:+vQbUBg7
「で?」 その言葉みたいに冷えた 対応を取らないで これと云う理由も表せないけど、 器用に気持ち伝えられないから 君が判るように受け止められないだけ 自分のこと好く想ってほしい気持ちで 脳内が溢れてる ↓「桜色」
285 :
名前はいらない :2007/03/02(金) 01:37:37 ID:d3rhBIJv
桜色 今年もまた淡い紅色の季節が訪れる 今、私たちがこうしているのは、薄桃色の花のいたづら あの夜の桜、美しくて、きっと忘れることなどできない あなたの胸の暖かさも。 次の桜の時には、あなたは3人目の子供のパパになった 私は、心から嬉しかった 私たちは何も奪わないから、何も壊さないから、今年も、来年も穏やかに花を愛でる 互いを愛でる 桜色の柔らかな気持ちで…。 次の方「三日月」でどうぞ
三日月 日を追い疲れ、倦んで 夜の果てに隠された 円かな肢体の、覗くわずか なめらぐ素足を愛でる 暗闇の片裾に、開ける切れ目から 零れ出した、眩い、流線の蔓 青白く、蠢く、光の粉 飲み干した、昨日の孤独を湛えて 宙を蹴る、銀の左足 その尖った爪先に 星の脱いだ黒絹を ゆうらり、ぶら下げて 東の朝に、踵を下ろす ――――――――――――― お次は「新世界」で。
287 :
名前はいらない :2007/03/05(月) 00:46:02 ID:+XTjNCjI
「新世界」 沈黙が耳に住み着いてる 虚無が手の中で転がり回ってる 目が見えなくなったのか 世界が白くなったのか 途方にくれることも出来ぬ 鼓動が鳴ってる この世界で 一人泣いてる この世界で 還してくれよ 音を色を 突然現れた 新世界 俺は一人泣いてる この世界で 次は「ワインと貴婦人」で
288 :
何もいらない :2007/03/05(月) 02:01:22 ID:9n6AStj/
「ワインと貴婦人」 気が付くと、呼ばれちゃうんだよね。 ワインと貴婦人。 ワインは当然、ルージュ。 どちらもやりすぎると、体によろしくない。 だけど中毒になる。またやりたくなる。 ガンガンやりたくなる。 今夜もワインと貴婦人を想い、ドキドキしている。 次は「満月か?」で、よろしく
289 :
名前はいらない :2007/03/05(月) 13:33:58 ID:m8qyzn9/
「満月か?」 あれは満月か はたまた何ぞや 血塗れて赤く 光って照らす 兎がロケットで 空に昇ってく 間に合うか? 間に合うか? 臼と餅抱えて 満月見据えてる 僕はここで 月見て笑う あれは満月か はたまた何ぞや 次は「乾電池三本の晩飯」で
『乾電池三本の晩飯』 朝起きて夜寝るまでを プログラムされたロボットのように 今日の晩飯は何にしよう 乾電池三本くらいの 質素な食事 疲れてるのに それすら忘れて 無感動なロボットだから 明日もまたロボットだから 次は『部屋に虹がいた』でお願いします
291 :
部屋に虹がいた :2007/03/05(月) 22:39:36 ID:UqexWzpF
下の部屋の犬がやかましく吠えるので アパートの窓を開けたら ぬるりと何かが入りこんできた 慌てて振り向くと 虹が立っている なんだか所在無さげに 天井を見たり畳を見たりしていたが そのうちしゃがれた声で言った 帰ってきたよ
292 :
291 :2007/03/05(月) 22:43:08 ID:UqexWzpF
次は「袋のなか」で頼む。
早く出たい 毎日増えるのに 行き先は スコッティー 母のおなかの中という袋の中に 入る日はこないのかな ねぇおとうさん 次は「妖精」
『妖精』 今日も惑わすために表れる 幻になれば捕まえられるのか おまえが笑うと 千の命が救われて 八千の命が彷徨った 自分の価値と罪を知っていながら タロット占いに悪戯重ねる おとなしくおまえの国へ帰りな 奪った心は置いていけ
次は『ペットボトル』
296 :
名前はいらない :2007/03/07(水) 08:30:37 ID:ZWMpS4VC
あげ
ある種の逞しい甘露が ペットボトルに詰められて 無人駅の片すみの 日の当たらない一角の 厳かな鉄骨のシンメトリーが がまん強く折りたたまれた 不安と期待に揺れながら ちょうど帰宅する女学生の 無関係にひらめくスカートの 顧みられることのなかった ぼやけた封建時代からの 後ろ暗い黄昏のなかを 潤んでいる 次は「事故」でお願いします。
298 :
名前はいらない :2007/03/09(金) 00:48:44 ID:M9PbpUT+
「恋」 あれも事故、これも事故 硝子の瓶をコルクでふさいで 本物の声を閉じ込めた そうだみんな事故 回避されるべき偶然性の上の たわいないぶれ。 次は「喉」でお願いします。
299 :
名前はいらない :2007/03/10(土) 10:34:36 ID:bljxMs12
「喉」 私の歯がガチガチ鳴るんだ これは、恐怖だろうか? 私の歯がガチガチ鳴るんだ それは、お前のその真っ白な喉を、 喰い千切りたいからだろうか? 私の歯がガチガチ鳴るんだ これは、きっとお前の喉を喰い千切るという、 歓喜に震える獣の音だ。
300 :
名前はいらない :2007/03/10(土) 10:35:22 ID:bljxMs12
次は「ベクトル」でおねがいします(^^)
301 :
BUIIIIIIII!!!(~~o~~♪???ピコスタチ!!!! :2007/03/11(日) 19:03:36 ID:kpnAMw1H
ベクトル? ベクトル・・ そう、いつも一定のモノの見方に縛られている人、いません? そんな人は、自分が固定観念の塊みたいになってしまって いるのに、気付かない。 方向(ベクトル)かえろと。 そしたら、ほら、見えてきた(笑 あなたの「ほんとうの自分」。 お次「あと6年」で
302 :
名前はいらない :2007/03/12(月) 02:44:35 ID:lOooUEK7
「あと6年」 14のあたしが あのとき思った未来は こんなのじゃない もっとキラキラの 大人になったあたし。 ごめんね ごめんね あと6年 まだがんばれるから 26のあたしが 今のあたしに胸張っていられますように お次は「うろ覚え」
「うろ覚え」 あの娘の顔 あの娘の声 あの娘の名前 どうだっけ なんだっけ いつだっけ 俺の心あったのは うろ覚え うろ覚え もうすぐみんな消えちまえ お次は「トマト」
「トマト」 二人離れる時間がいつも苦しく 仕事だって手につかない 頭冷やしにコーヒー飲んでも 気分は全然変わらない 信じるって難しい 離れた分だけ不安も募る 行き場のないさみしさを互いのせいにしたり 些細な事で傷付け合った それでも君しか考えられない そんな僕らは緑のトマト 次の人は「猫」
「猫」 撫でようとすれば伸ばした手を弾き、遠ざかろうとすれば服の裾を摘む 我儘は言うが言わせてくれない そんな君に捧ぐ 自由な環境に飼い馴らされてしまえば愛されずにはいられないでしょう 自給自足ではもう足りない そんな君に捧ぐ 日溜まりのソファー、女王の座椅子 今日もうららかな終わらない春に眠る この部屋の囲いから出ない代わりに夢の中で草原を駆けておいで きっと目が覚めたら 甘い声で貢ぎ物をせがむ その時はまた捧ぐよ 僕の愛を 次「幽霊」
「幽霊」 もう何も必要な物はない 物質と無縁になるというのは こういうことだ もう何も必要な物はない 肉体の制限がなくなるというのは こういうことだ 唯一つ残されたことがあるのだが 君よ 最期の儀式をしてはくれまいか 寂しさの余り私と添い寝し続ける 君よ 私を綺麗な骨だけにして 土に返す儀式を早く もうそれほど寒くもない 弔ってくれ さもないと さもないと 君よ 次「木の芽どき」
307 :
名前はいらない :2007/03/16(金) 22:56:38 ID:mJtMQmFB
「木の芽どき」 冷える朝 若い枝に そっと手をおく じゃまだ じゃまだ と 木の芽がつつく お次は「お気の毒」
308 :
名前はいらない :2007/03/19(月) 03:36:31 ID:O86BC1Sp
「舟唄」 お気の毒様 楷はもう手を離れた 戻る岸は見当たらず 波間には私と君の青ざめた影 唄が好きならひとつ読もう それでおしまい 次は「油」でお願いします
309 :
ごしか :2007/03/19(月) 12:43:55 ID:/rJ/JAL6
「油」 罪を犯して汚れた心、私の心 罪を犯して、また汚れて こんな油を何回被れば気ずくのだろう? 油のような汚れの中で・・・ 次は「お日様」でおねがいします。
310 :
名前はいらない :2007/03/19(月) 23:12:05 ID:nkWxbAuL
快晴の空の下今日この頃 あなたはいかがお過ごしですか? この空を見てください いつもと変わりないでしょう? 土に埋もれていた私にとって 今日 生まれて初めて外をみました 見て。 お日様がまぶしいでしょう? こんなにあったかいもの 初めてだわこの光をずっと浴びていたいな ねえ あなたもそう思っていてほしいな お日様がすばらしいことを 忘れないでいてね
311 :
名前はいらない :2007/03/19(月) 23:13:53 ID:nkWxbAuL
次は「儚い恋心」でおねがいします
儚い恋心 アリさんとアリさんがぶつかったみたいな 赤くて小さいくだものみたいな まんまるのお月さまみたいな 日が照って熱くなったプールサイドみたいな 滑走路に差し掛かった飛行機みたいな きみがいろんな顔をくるくるとするから それを見逃しちゃならないから 僕はきみから目が離せないんだけども なんだか悪くないかも ね お次『東上線』でおねがいします。
313 :
アカの他人Vol8 :2007/03/24(土) 22:33:08 ID:9uD1eXU4
ヨーグルトみたいな電車 食べたくなっちゃうくらい ストライプな、体操着みたいな 小学生ウケするような そんな電車 あれがことこと ことことって、 狭い小道を抜けるように ゆっくりと走る そんな 毎日が小春日和みたいな そんな電車 「東上線」 お次は「割れたまま」でよろしく
314 :
名前はいらない :2007/03/24(土) 22:47:40 ID:Xfk7FS3p
あの窓は割れたまま。 かわいいあの子が微笑んでいた窓は割れたまま。 あの子の笑顔も割れた。
315 :
名前はいらない :2007/03/25(日) 00:06:37 ID:WZf9Tpz0
↑てめぇーーーがわったんのかーーーー? ってか好きな人を想うと 妙に冷静なんだーこれでいてwwwwww
どうでもいいが、お題を出せよ
317 :
名前はいらない :2007/03/26(月) 00:01:46 ID:A+Cu/oxV
お題がないので勝手に作りました 「トタン屋根」 なんでも溶かす鋼鉄の板が 僕の気持ちを溶かしていく 君のためのアイスクリーム 僕のための冷めた気持ちも 憤怒の君も笑顔の君も あっという間に思い出になっていった なんでも溶かす鋼鉄の板が 君の気持ちも溶かしていく 自分の冷めた気持ちさえも 僕のための最後の笑顔でも お次は「チンピラ」でお願いします
「チンピラ」 「やさしいチンピラ 親切にします」 横断歩道の横にチンピラがたっています みんな遠巻きにチラチラ 目の見えない人がチンピラに近づきました そこにいるのがチンピラと気ずかずに チンピラは彼の手をとって ゆっくり横断歩道をわたります 「どなたか存じませんが ありがとう」 嬉しそうな目の見えない人 でもチンピラはもっと嬉しそうに 最高の笑顔で黙って見送っていました お次は「蛍光灯」でお願いします。
「蛍光灯よりも美しく」 空は晴天 闇は完全 庭先には外灯 夏の夜 そんな日にゃ 電気をおとして テレビきって クーラーとめて 呼吸も止めて 窓を開け放ってみませんか? 冷涼というほどでもない夜風 満天ともいえない星空 かすかな鈴虫の音色 帳に溶ける風鈴の音 全てが夏の名残を告げています 縁側に腰を下ろせば 伸びた影が嬉しそうに踊ります 垣根から出てきた猫と睨めっこ オマエハダレダ? 酒を一献 空を見上げて視線を戻せばもういません 涼しい板張り ここは彼の寝床です あの月が部屋を満たす蛍光灯より美しいのは 離れていても何かが届くと信じてみたくなるからです 蛍は人の夢 月は人の希望 不死の蜻蛉 夏の名残ももう終わります 月が今夜も綺麗です
次の御代は「日曜日」です。
321 :
名前はいらない :2007/03/26(月) 18:27:22 ID:/PAZIUNM
「晴れのある日」 日曜日に千代連れ海行った 千代日没見てようないた 良いウヰスキにおれと千代 よう千代美人と囃したら 千代ちよちよと鳴いた 愛い文鳥の千代 次は「肖像」でお願いします
322 :
318 :2007/03/26(月) 18:27:43 ID:O+OnGq23
323 :
名前はいらない :2007/03/27(火) 02:08:26 ID:5fPAoQ0g
「肖像」 灰皿の上に私の写真 気づかぬうちに撮られ渡された 私の肖像が燃えている 黄色い光の中で 捩れて転ぶ 何年もそうしてきた 友人との旅行でも 自分の写真はない 怖いのだ その時が楽しかったなら 失ったものを思い出す 水を撒き残り火を消して 黒い燃えカスを 捨てる 今をただ見据える事でしか 私は生きられない お次は「時計」で
326 :
名前はいらない :2007/03/28(水) 22:51:57 ID:Jp2IXqgp
「時計」 時は止まらない 戻らない なのに 時よ戻れと願ってしまう あなたにもう一度会えるから あなたの隣にいられるから あなたのそのぬくもりに もう一度ふれていたいから 次は「隣にいた」でお願いします
『隣にいたモノとは』 例えば拳銃を手に入れた時 君は銀行に走っていくだろうな あの穴の開いたコンバースのスニーカーで行くだろうな そして覆面を被ってこう言うんだ 金を出せ と 頭が白紙になって ポッポーと蒸気機関車みたいな その熱でカップラーメンでも作れるんじゃないかみたいな バカな銀行員がとっさに出したのが ポケットマネーの数万円だったら 君は笑いながら拳銃をぶっ飛ばすんだ 君は誰に撃つ? もちろんボクは自分の頭さ 例えば核爆弾を積んだ戦闘機が 何処でもいい 日本国の戦闘機ならロシアでも朝鮮でも中国でも はたまたイギリスでもアメリカでもいい そういった、核爆弾を積んだ戦闘機がだな 僕たちの目の前に墜落したら きっと僕たちは 原爆ドームは形は残ったかもしれない だけど、小学校の時の全校生徒を集めた夏休みが開けた直後の 集会か何かで見なかったか そう、あの日教組のご都合ですよーーーーーーーーーん 丸出しの戦争映画さ あの中でまるで影のようになってしまう広島県民を見ただろう あれは恐ろしいよな ああいうMajiで人間が溶けちゃう5秒前に君はどうするの? ボクは君の手を握るよ だってアツサ何千度の炎に焼けて 影絵みたいになった僕たちは 手を握り合っていっているんだろう? 最高じゃないか?なぁそう思うだろう? 君がそう思うわないなら 今すぐ君を殺してやる 何を言いたかったっていうと 死(生命の活動の停止)は僕たちのすぐ横で ガムを噛みながら、メンソール煙草を吸いヤニクラに多少苦しみながら いつでも楽な姿勢で そうさ、君がNHKのNEWSをソファに横たわりながら見るときのような まったく楽な気持ちでそこにいる事さ 世界は素晴らしい 生前の世界は素晴らしい 死後の世界はもっとスバラシイ ボクには輝かしき未来を! 君には暗黒すぎてメクラになってしまうような末来を! 神様よ!運命とやらよ! どうか首を吊って死んでしまえ 次は『顔』でお願いします
世の中バカばっか 正気の無い顔で四六時中携帯とにらめっこ 分かりやすい嘘を平然と並べて居直っている 自分と違う考えは速攻デリート 目の前どころかすぐ隣の人にさえ何の関心も抱かない 何も変える気が無いクセに文句だけは一人前 ホント世の中バカばっか で 最近気付いたんだけど そういう奴らの顔 全部鏡なんだよね 次は「普段着」
「普段着がよれよれ」 引き伸ばされたしわくちゃの T-shirt メン 100%!! しわくちゃの髪の毛 天然 パーマ 100%!! 曲がってしまった 背筋 おたく 100%!! ゲット!
330 :
名前はいらない :2007/03/29(木) 21:15:18 ID:mNBSa/jM
お題ワスレテタ。 NEXT POEM'S THEME → 【文庫本】
331 :
アカの他人Vol8 :2007/03/30(金) 01:18:42 ID:CmZpiUYI
世の中バカばっか 正気の無い顔で文庫本とにらめっこ つまんない嘘で平然と塗り固められた活字の列を凝視 自分と違う考えは速攻デリート 目の前どころかすぐ隣の人にさえ何の関心も抱かない 何も変える気が無いクセに文句だけは一人前 ホント世の中バカばっか ちなみに 最近気付いたんだけど そういう奴らの顔 みんな精気ないんだよね 文庫本 お次は「時計地獄」でおねがい
『チクタクトキシック』 ちくたくちくたくちくたく ねえあなた どちらさま 時間が無いのよ時間が無い かまってられないの さようなら 風のように去る彼女カーテン揺らす まわる 秒針みたいに素早く 分針みたいに正確に 毒が まわる ねえあなた なにさまなのよ 時間が無い 時間が無いのよ 構わないで しつれいするわ ちくたくちくたくちくたく 白い壁を埋め尽くす時計は全て 同じリズムで時間を刻む 胸に手をあてて 肉一枚隔てた向こうの時計さえも 刻む 刻む 刻む 時間が無いのよ ちくたくちくたくちくたく ロマンチックタックの時計はどうやら電池が切れたらしい ちくたくちくたくちくたくどかん 次は『レシート』でお願いします
333 :
名前はいらない :2007/03/30(金) 07:29:35 ID:Dp1zuomQ
「レシート」 いやいや あいつは手ごわいよ 薄っぺらで、存在感がなくて そのくせ、ちゃっかり財布やポケットに入り込んでやがる ほっとけば財布ん中がゴチャるし 気づけば一緒に洗濯して、ポケットん中がカスだらけ いやいや あいつは本気で手ごわいよ あいつのせいで 彼女にエロ本買ったのばれちゃったもん・・・・
334 :
名前はいらない :2007/03/30(金) 07:30:46 ID:Dp1zuomQ
次は「桜花爛漫」でお願いします(^^)
335 :
名前はいらない :2007/03/31(土) 17:40:27 ID:1/gFgreO
「桜花爛漫」 君の瞳の中に きらきら舞う粉雪は いつの間にか 桜の花びらに 色を変えていました もう並んで帰り道を 歩くことはないけれど 桜の下で口づけを 交わすことはないけれど 私の想いは桜花とともに 咲き溢れています。 …ゥワ、意味不でスマソ。 次は「ひつじ雲」でお願いします(・ω・)ノ
草原の上で 羊を数える僕。 つのを出してるあの雲は、 バイキンマンに違いない 隣の綿あめは シロです うーん お腹が空いたぞ。 眠たいぞ。 次は アンパンマン
337 :
名前はいらない :2007/03/31(土) 18:02:18 ID:Wg05C8hF
ちぃっちゃな頃から悪ガキでー 頂点めざしてきたとこ歌舞伎町 小学生の頃から半分以上のやつが夢はホストだったんだ ラリることは大人への階段 原付パクって走り出せアンパンマン ↓小学生の頃の夢
338 :
名前はいらない :2007/03/31(土) 19:33:25 ID:/g5FBR4s
小学生の頃の夢 は 基本的には忍者で足とかめっちゃ見えなくなるぐらい早くて(足がね なんか電柱の天辺を飛び石を飛ぶようにぴょンぴょンと飛び跳ねて 車だけにとどまらず飛行機とか車とかフェリーとかで走りまくって 時にはどっかからキカイが飛んできてジャンプすれば合体してキカイ人間的なものに変身したり 武器はてっぽうを胸に忍ばせてきょろきょろあたりをうかがったり でも基本は忘れず服装は動きやすいTシャツで黒い色 それでいつも敵を見張っているナイスガイなのさ! 現在の自分といえ ば ストーカー
339 :
名前はいらない :2007/03/31(土) 19:34:38 ID:/g5FBR4s
ネクストテーマ → 振り出し
340 :
アカの他人Vol8 :2007/04/01(日) 00:51:17 ID:d6S/Xx1i
今まで積み上げてきたものが ガラガラと音を立てて崩れる。 今、それがそこらじゅうで起き、 終わりを迎えている。 人間は何も知らないでいるようだが、 実は必死で耐えているのだ。 だが、もうそうしてはいられない。 なぜなら、それ自体致命的だからだ。 人は一からこの世を立て直さなくてはいけない。 そのために、みんなで協力しなくてはならないのだ。 だから、耐えてないで、声をあげよう。 世の中を一から作りなおすのだ。 振り出しに戻して、みんなが喜びあえる時代にする ためだ。 それが、できないとなれば、残るは全滅だけだろう。。 新時代の幕開けの前の夜もすがら。 振り出し お次は「ザッツ・バットタイミング!」で
341 :
名前はいらない :2007/04/01(日) 00:58:13 ID:+678UfmU
↑ ダッツ バッド タイミング 今まで言葉にもできなかった 差別を続けられたうえに 残虐非道な嫌がらせばかりをうけたことを 思い起こせと 嵐の中を一人笑われながら 走ったことを思い出せ 誰かが助けてくれたのか? 誰も助けはしなかった 気がおかしくなったとき 誰も助けはしなかった 誰も信じてはいけない 信じたざまがこれだ よく思いおこすがいい 雷がとどろく 差別を豪語できないものの怒りを あたしは死んでも忘れない 次は天使でお願いします
生む光線の軟さに 薄く先が見える 輪の立派に含んだ 負うよ低空の位 負うよ低層の位 なめる目で吐き 矢が増えて よって微光が溶け 見える点の金粉 見える点の銀粉 ららら を覚えて 次は「笹」でお願いします
「笹」 子パンダころころやってきて 笹の葉もそもそ食べ出した 笹の繊維が食べにくい 憎いくらいに好きな笹 子パンダたまらず泣き出した 母パンダのそのそやってきて 子パンダそっと抱き締めた ゆっくり慌てずたべるのよ 子パンダきゅっと抱きついた 二人で仲良く笹食べた
次は「ちぎれ雲」でお願いします!
345 :
鞭 ◆ILLsmD2C1w :2007/04/02(月) 19:16:08 ID:W4qCkrd0
『ちぎれ雲もぐもぐ』 ちぎれ雲が風に乗って 流れてくるから口開けて待つ 飛行機は難しい文字を描きながら 僕のみらいを掠めとろうとする はぐれた子羊は黒い 黒いから見つかった ちぎれ雲が風に乗って 流れてくるから口開けて待つ あんまり味はしない 次は『キューブリック』でお願いします
キューブリック そう、フルメタルジャケットくらいしか 見てないわけだが 強烈だった ファックだった 軍曹はいかしてる 戦争はいかれてる ガンホー、ガンホー 動きの鈍い女子供は ヘリで掃討だ 逃げる奴、逃げない奴 その定義は 革命的ですらある サーイエッサー 現代アートの醜さにシット 熱くそびえたつ糞にゴッド 軍曹はいかしてる 最後の言葉も 軍曹にのみおくる トムとニコルに サーイエッサー ――――――――――――― お次は「王子の恋」で。
347 :
◆L4LyBSss3w :2007/04/29(日) 21:58:55 ID:fzJQcgku
【王子の恋】 ひとは本能が壊れたいきものだから 誰かに学ばないと愛の求め方さえ解らない 目前に差し出される御馳走ばかりを 銀のフォークで食べ続けた王子様には それが恋だと気付く想像力が欠けていました。 次は【異邦の掟】でお願いします。
348 :
異邦の掟 :2007/05/06(日) 15:38:03 ID:Vy2FxAJ5
あんなにあった連休の日々が尽きてしまいます 連休になったら遊ぼうと数人に約束していましたが 誰とも会わず 明日からの日々からも顔をそむけています 私には引きこもる勇気さえありません 自傷もおそろしく自死はもってのほか 前に伸びる階段は (誰もが登っていきます) そんなに急なものではなく 私を害する人は今のところ皆無で ならば 服を着て髪を縛り靴を履いて雨が降るなら傘をさして なぜ喉の奥に雑巾がつまっているような心持ちがするのでしょう せめてシェスタがある国なら良かったのですが
349 :
348 :2007/05/06(日) 15:40:59 ID:Vy2FxAJ5
次は「気に入らない」で頼む。
350 :
名前はいらない :2007/05/06(日) 18:11:15 ID:QWc796QG
気に入らないなー 運転へったくそ 車ボコボコ 出世の理由は自身が尊大だったからか 資本主義には通用しないの 東大卒でも精神病ならゴミ箱にポイ 気に入らないな お前のその態度 お前にはそっくりそのままセリフ返してやるよなんて言うなよ 俺は最小限まで自己を削っている 69しながら街を歩いてるやつが魅力的か? 客に圧力かけれる奴が汚れてるか? ちゃんちゃらガキかよ 次はショック療法
おまえショック Loveで空がフォーリング おまえショック マイヘッドの上にフォーリング YOU求めLOSTハートNOWホットバーニング オール溶かしダークにCrashするはずさ 〇〇とのLoveをガードする為YOUはWorldウォーキング LoveをノールックLostっちまった 「ラ王よ!空へGoするメイクタイムが来たのだ!」 じゃあ次のお題『タフ・ボーイ(14連キター)※タッポイでも良し』
352 :
タフ・ボーイ :2007/05/20(日) 16:38:23 ID:PnWIekkE
日曜日の午後 缶チューハイ6缶持って海へ歩いた 3缶飲んだ女が (35だと言っていたがたぶん40過ぎの) (何度か俺と寝てくれた 悪くなかった) あたしのうんこシーチキンの匂いがすんのよと言った なんだーそれきしょいとげらげら笑って 歩いて帰り ついでに女の部屋へ シーチキンを開けてメシに乗せちょっと醤油とマヨネーズ ゴマをかけて お前のうんこいただきまーす ははは あたしのうんこいただきまーす いい女だ! いい日曜日だ!
353 :
352 :2007/05/20(日) 16:39:11 ID:PnWIekkE
次は「カラス」で頼む。
354 :
カラス :2007/05/20(日) 16:53:22 ID:aOsbfhFP
かもめのように 海が似合わない 白鳥のように 湖が似合わない すずめのように 町人に愛されない 色黒だけどしっかり者 町人よりも旅人に愛されてる 姫君よりも魔女に愛される 流れ者の哀しさ、こっけいさ みんな知ってるよ 次は「引き出し」でお願いします。
頭の上でいつもカラスが飛んでいる 鳴き声を聞きながら、僕はもうすぐ死ぬんじゃないかと恐れを持った カラスは死体を啄ばむと聞いたことがあるからだ なかなか死なないので、恐々しながら生きていると ビュンビュンと襲い掛かってきた 辺りは黒い靄に包まれた ↓「褐色の肌」
開けるとタイムマシーン 閉めると引き出し ↓「褐色の肌」
357 :
名前はいらない :2007/05/20(日) 17:13:38 ID:FmtIY1gj
カラスは街にやってきた 都会の空気から逃げてきた カラスは街にやってきた そこには少しの子供と老人しか居なかった カラスは街に巣を作った 自分にも家族を作れると思ったのだ カラスは街に巣を作った ハンガーなんかじゃなく山の木々の枝を集めて カラスは卵を生んだ カラスに家族が出来た カラスは平和だった 平和だった ある日人がやってきた。 人は木を切った 轟音を武器にして何のこともなく木を切った カラスは家族を失った カラスは都会の空から逃げられないことを知った カラスは道路に降り立った カラスは死んだ 自分は自分にしかなれないことを知ってしまったから
358 :
褐色の肌 :2007/05/26(土) 22:36:56 ID:09pv61UE
自分を嫌ってもろくなことはないのに 傷をつまみひらくような真似をする 理想も曖昧だから ますます怠けつつ あちこちの傷をいじりまわす 色素が薄い私のからだは 傷のところだけばかに色素が濃く 特に腋の下の傷からは くたくたで自分と通じ合えない八方ふさがりの 饐えた寂しいにおいがしている 鼻がつんとするけど泣くのを我慢して傷を睨み返す 報われない いいことなんてない 何もかもぜんぜん管理できない それでも諦めるもんかと自分を叱咤して
359 :
358 :2007/05/26(土) 22:41:22 ID:09pv61UE
次は「常連」で頼む。
360 :
◆gwnULb/9mw :2007/05/26(土) 23:20:49 ID:3Uc5kCRx
・常連 俺を店員か何かと勘違いしてるみたいだ ↓「ジョーズ」
361 :
名前はいらない :2007/05/27(日) 00:21:15 ID:4JBhWudW
ジョーズの それはただ黙ってこっちを見ている目の 殺意? ↓「ひなぎく」
362 :
名前はいらない :2007/05/27(日) 08:40:02 ID:pV3GUPIj
「ひなぎく」 山の峠 雛菊が絨毯のように 咲いていた このままひとりで 眠ろう 花たちのささやきを 聞きながら そっと 眠ろう ↓同族嫌悪
・同属嫌悪 鏡見てろ ↓「OS」
「OS」 硬く わずかに青白く光っている 少し苦い 小刻みにずっと震えている 触れようとしても 空中でそれは手をすり抜けて だがかなり熱い そしてただずっと震えている 溶けたプラスチックの匂い 音は聞こえない ↓「白夜」
眠らせてくれないのか? 俺に歩き続けろと言うのか? 目的も 始まりさえも無い この場所で なぜ 俺を照らし続けるんだ? わずかな温もりを与えてくれるんだ? 意味も 終りさえも どこかへ消えてしまった それでも どこかへと連れていってくれるのか? 俺の手を 引いていてくれるのか? ありがとう ありがとう ? ありがとう って なんだ? なんだ って なんなんだ? なにも 考え? 考えられない? ごめん 殺してくれないか? お次は「最近始めた日記帳」で
366 :
◆notePDkbPQ :2007/06/08(金) 23:33:36 ID:QqSBC55L
「毒日記」 溜め込みました 他人自分生きている世界へ 怨み妬み絶望 壊したい潰したい奪いたい引き裂きたい 殺したい殺したい・・・ べっとりはりつき剥がせない 毒 毒 どくどく猛毒 焼きたい消してしまたいのだけれど こっそり大切にしまってある いつまでもいつまでも 私の 毒日記 見ないで 見ないでください お次は「肩」で
367 :
◆OPBYKkBBNQ :2007/06/09(土) 01:21:50 ID:hvR67su8
「肩」 肩がないんだ、その男には 小さい頃から力仕事ばかりで 米を担いで 砂利を担いで ほっそりと伸びた首は肉に巻かれ 二の腕との境は 流した汗と 荒い呼吸の中に消えていった 男の逞しい背中には 筋肉のスロープだけがあるんだ
368 :
◆OPBYKkBBNQ :2007/06/09(土) 01:22:55 ID:hvR67su8
次は「蚊」で。
369 :
名前はいらない :2007/06/09(土) 14:22:18 ID:YgiDXvOW
『蚊』 君が突き刺した言葉は 僕の心を赤くして 焦れったい熱さを残した 返事を早くしたくて でも後が怖くて だけど君といたくて 君を生かした (靴下)
「靴下」 まるでおもちゃだね 見てるだけでも愛しく可愛い 笑顔は天使だけど泣かないで 俺の愛する人を困らせないで それでも愛しく思うよ 「風」
風に持ってかれた君の帽子を僕はまだ探してる。 でもこの辺にはない。もっと遠くにあるかもしれない。 だからぼくは冒険家になるよ。 次「科学者」
お前の知性だけで世界は救えない お前は天地万物の秘密を知っているかのよう にも拘らず全てを悪化させた それはお前を孤独にし お前はそれに呪われた 「ぬるぽ」
_, ,_ ガッ 爪・ω・) ⊂彡☆))Д´) >372 次は「夏草」で
374 :
cレール ◆n/ANJuS0Pg :2007/06/18(月) 23:11:41 ID:yfJpCidt
「夏草」 死屍累々の 刈られたばかりの 君たちの匂い 夏の始めは 手を合わす季節 ふいに背後から 風に吹かれて 高く延びた空 僕は目を細め 散り散りに飛んだ 君たちの跡 僕は帰らない 二度と帰れない 躯ごと夏に投げ出されようと 知らずにいた笑顔には 戻れない お次は「寒すぎる日には」で!
「寒すぎる日には」 寒すぎる そんな日には 掻き集めてきた 言葉たちを 手に含ませてはあたためあたため 寒すぎる そんな日には まだその時の体温を 残したままの思い出たちに 頭のてっぺんから足の先まで ぐるぐるぐるっとくるまって そうして 朝陽が昇る 夢を見る 寒すぎる そんな日は ほかに 何も いらないから お次は、「ポケットの中に」で、お願いします〜
376 :
◆notePDkbPQ :2007/06/19(火) 01:04:20 ID:iwgf8f/I
「メモ」 「このお店な」 あの娘が 書いてくれた メモ 「ここのフィナンシェが旨いんや」 財布だと 何処かに 遣ってしまうから 「お母さんに買ったげるんやで」 ポケットの中に 握り締めて そっと 握り締めて お次は「コメツキムシ」で
「コメツキムシ」 ブチッ 米吐きながら ハレルヤ 次回「てんとうむし」で
「てんとうむし」 あの時見上げていた空ほど透き通って見えた 夕暮れ空の紅に墨を零したようで 確かその時の僕はてんとうむしを連想した 幼い眼には好きなものと綺麗なものしか映らなくて 排気ガスに染まった黒い雲すら僕には七星だった いつしか僕はコウノトリが子供を運ばないことや 警察はヒーローではないこと、人生には限りがあることや あの七星は汚いものであることを知った だがあの黒い雲が白ければ、幼かった僕は きっとてんとうむしを連想しなかったし この思い出も生まれなかったのだなと考えると 僕は黒い雲が白くならずともいいような気がした ふと右隣から羽音がした 僕の肩を見ると白い七星のてんとうむしがいた 僕はそれを手のひらで包み、自分すらあの雲のような汚いものになっていた事実に 声を殺して泣いた 次「憑依される」
379 :
赤の他人Vol1 :2007/06/25(月) 22:18:18 ID:7l2SwlqI
今地球で起きていること それは何か 人々に課せられた本当の課題 しかし誰も気づこうとせず 今あらゆる人々がピンチに そのお膳立てをする存在がいる 憑依して悪さばかりして人を困らせるやつ 同化した人は悪意を善人に平気で向けだす 憑依して見せ掛けで相手を翻し 不信感を持たせ互いを分裂させる力に気をつけろ そいつらはそこらじゅうで待ち構えている 「憑依される」 次は「アセンション地球号!」で
『アセンション地球号』 最近、「アセンション地球号」と書かれた看板が街のいたるところに張られている。 町内の掲示板や駅前の電信柱、ガードレールや街頭の電子掲示板にも流れているのだ。 そこは進化を放棄した旧人類から更なる未来を手に入れるための新人類になるための施設だそうだ。 旧人類とは地球環境のみに縛られてこの星から抜け出せない人々のことを言い、 新人類とは火星や月など地球外の環境に適応しテラフォーミングを可能にした人類を指す。 アセンション地球号に入所した人々は一ヶ月の訓練を経て月や火星への移住を開始する。 一つだけ言えるのはもう二度と地球に戻ってくることはなくその後の行方は誰にも分からない、ということだけ。 冷静に考えれば生きているという保障はない。それでも入居する人間は後をたたないのだ。 今日も空を覆うスモッグは日光を遮るほど厚い。 光に当たらず萎れていく植物のように人が歩く。 いつしか月は遠い幻のように思われた。 夢を喰うアセンション地球号。 それもひとつの希望の形なのだ。
次は泥棒でよろしこ。
「泥棒」 ここいらは治安が良い 鍵が見つからなくて往生しても そのまま出かけてしまう 泥棒に入られたこともないのだ ピッキングなんてありゃしない 鍵が見つかれば流石に掛けて出かける 帰ってきたとき 鍵が見つからなくて往生しても 階下の住人に一言 「すみません、脚立貸してください」 ベランダからよっこらしょ ん 今の俺、まるで泥棒みてえだな お次は、「サイダー」で
383 :
名前はいらない :2007/06/26(火) 01:00:10 ID:NtjAoyUG
「さいだー」 どこまでも中途半端なやつ だから誰も振り向かない できるならやってるし どこめでもうそつきなやつ だって、泡がぬけたから それはよかった さ 次は「ねこ」で
『野良』 突然の雨 通り雨 改札抜けたアーケイドには 傘を買う人 迎えを待つ人 タクシー乗り場に並ぶ人 それを横目に 駐輪場へ真っ直ぐ向かう 鞄をひらりと肩にかけ ハンカチほどのタオルを手に 天気予報がはずれるなんて 珍しくもない よくあること サドルの下に詰め込んだ 一時凌ぎの合羽をかぶり 濡れた自転車で走り出す 何度か車が追い越していく その度に 車のタイヤがハネをあげても なんてことない よくあること 雫ですべったブレーキが キュッと不意の音をたて ようやく歩道に降り立つと 隣家の犬が吠えたてる はい、はい、仕方ないな 外灯が照らす玄関脇には 白と茶色の斑(ぶち)のノラ 背中丸めて こっちを向く 今日は うちに雨宿り? 口元が緩み息を洩らすと 耳を掻いて ノラは鳴いた ミュー… 濡れるなよ。 そう呟いて 玄関扉の鍵をまわす 私には 猫の気持ちはわからないけど ---次は、「最終回」 で ---
「最終回」 出来るなら訪れて欲しくはないよねえ 君が息を洩らしながら言った まあ、うん、望まれていないけどさ そうならなきゃ次の番組は始まらないし、仕方無いよ 僕は君の機嫌を損ねないよう、軽めの口調で言う ふいと君がテレビの方を向いた 暖炉の明かりが少し反射して、ドラマの主人公の顔がオレンジ掛かっている クライマックス、主人公は言った 「ずっと君の傍にいるよ」 よくもまあこんなこっ恥ずかしい台詞を、とかじゃなくて こいつはうそつきだなあと思った 僕がテレビに夢中になる君に約束した嘘のように はかない嘘だ つかれた方も理解出来る嘘、受け入れられる嘘だ 終わりはかならず来るという法則を無視した約束だ 私たちの最終回はまだまだ遠ければいいのにな ぽつりと君がつぶやいた 次「おばけ」
386 :
名前はいらない :2007/07/11(水) 04:09:02 ID:K9aS1sfx
あああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああ お化けは柳の下で踊り狂っている ストリップショーの観客は罵声を浴びせる おめぇ、まんこみせりりぃな、まんこおっびらげぇな あああ。あああ。。あああ。 ああ。ああ。 私は1−−めmm、あえ、、ま死んだも 死んだの ねぇ理解して 私は誰任も理解しかされなかった ああ、ああまりまりだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ だだいzぅむだだいずmぅ いだだだdじzmぅいzczcじぅむ 言葉にならない言葉を吐いて 東京は寂しいさ だって誰相手にしてくれないだんだもの 環八で車道に立ってみたわ 誰も私をひぉじゃしないもの なんてみじ、えま あああああああや^だまあだ やーだんわやんだ^wだmm アーーーーーだーーーあーーーd−あーーーあd−あーーー さようなら 「次はウイィスキーで」
「次はウイィスキーで」 なんかズレてますよね ウイィスキー おいしいんですけどね ウイィスキー いやうん、すべからく ウイィスキー あなたもわたしもそう ウイィスキー 甘く甘く毒されている汚い帳の内で股開く声 その向こう側に見えたのは液体を注いだグラス 茶色い酒の口当たりが惑わせる、いや 迷わせるのアナグラム?倒置方? それより窓の外は暗くなってしまったね やはりやはり酒は飲み過ぎるといけないね からだにわるいです! だからウイィスキーで あなたと乾杯 次「亡霊と祟りと僕」
そろそろまともな文章が読みたいぜ
書けよ
390 :
soft ◆1unIKApLkA :2007/07/23(月) 21:45:11 ID:dREuLDjh
『蚊』 蚊が飛んできた 夏の日差しをシャットアウトしたつもりの カーテンは情けなさそうに自身の色を 日光にて艶やかにしている、その後ろから その後ろの窓から蚊は侵入してきた 私の血を吸いたいと、ワタシノチヲスイタイト ぶんぶん ぶんぶん ぶんぶん ぶんぶん 私は彼を殺した 夏の雨に 私は気が滅入った 私の全身広がる発疹に 気が滅入った キチガイ水は体中に染み渡り 真ん丸いはずの太陽が 今は何角形にも変形して見せる 夏の日差しは 自慢げに 部屋の内部に横たわる私を焼いてみせる 私は声をあげ 叫び声をあげ 雪が恋しい 雪が恋しい 私を冷やしておくれ 熱にうなされる私を この私を 発酵した私の肉から 血が申し訳なさそうに流れ出る私から その水分と 栄養と 肉と 骨と 脳髄と それらを養分にして 蚊のベイビーが 生まれ出る 生まれ出る 私は果たして幸福 降伏 幸福 降伏 地を捨てよ 血を求めよ 地を捨てよ 血を求めよ 次のお題は 「ひまわり」 でおながいします
「希望の種」 昨日 ヒマワリの目印に置いて来た この森を再び通り抜けるために しかし置いて来たハズの種がない 私は森の中で道を見失った ねずみが私を見てにんまりと笑った 完全に日が落ちる前に せめてどこか眠れる場所をさがそうと思って 何とか前へ進もうとするが 夕日は森の木々に遮られて暗い 残りの種が唯一の食料だ 樹上からカラスが仲間を呼ぶように叫んでいる 暗闇の森を幾日も彷徨い 私の行く末に見切りがついた時 小さな川の近くで腰を下ろした 最後に聞いたのは風がざわめく音だった どこか小さな村のはずれに帰らずの森と呼ばれる森がある かつてある一人の青年が病床の妹を救うべく果敢にも挑み そして帰らぬ人となったという 今も森のどこかにあの青年が ヒマワリを抱えて眠っている 薬を届ける夢をみながら
Next Poem's Theme!! → 過去からの手紙
393 :
赤 :2007/07/25(水) 01:34:02 ID:sQnczUMu
時代のはざまに立つ 大きなサイクルの中で今 ひとつのサイクルが終わろうとしている 解き明かされた秘密 それにより時間のサイクルが 研ぎ澄ました感覚の中に戻ってくる 母なる根源母体とつながる Velatropa24 CSRサテライトから響くラング シモシュの和音が鳴り響く 13次元の宇宙のリズムに乗り 地球はアセンションする! これは過去からの手紙だ。 乗り遅れるな、人間。 それが今、開示される秘密 ETは地球に文明を築いた その墓から掘り出された 未来の人々に向けて開示される 「過去からの手紙」 お次は「置いてけぼり」で
394 :
名前はいらない :2007/07/26(木) 22:32:14 ID:lgWJG94b
置いてけぼり 気付けばいつも私はひとり みんなと同時に歩いても いつも先に行かれてしまう 私は歩くのが遅いのかも だけど みんなに歩調を合わせるのも かえって疲れてしまう 嫌だなこんなの でもね いつも前を見ると 皆が立ち止まって 笑って待っていてくれているの 次は「その目には」でお願いします
395 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 03:24:45 ID:ZvQH8xl6
「その目には」 その目には 何か仕掛けが施されていて とある事柄に躊躇いがなく きっと傷を感じさせてくれる 僕は(おそらく)壮大なそれを ビールと一緒に胃袋へ流し込み 何らかを引き受ける切符にしなければならない だからなるべく早く、分かりやすくしてくれないか ↓「普及」
『諦め』 諦めが普及している いや、蔓延していると言っていい 大学生はみな、どこの会社に入るかを模索した 年頃の女性は みなまで言うまい 諦めが普及している 私の口にも入ってきた 餡子の腐った味がした 正確には私が生まれる前だが 井上陽水が 都会では自殺する若者が増えている と歌った 傘がないのは諦めである 詞に対する理論固めの反論は聞きたくない これは私の私に対する諦めである 諦めに塩を振ってみた 蛞蝓のようにしなびてしまった これはまた諦めの諦めである 諦めが普及している やがて死も蔓延るだろう 人々は何に飢えているだろうか? その答えに希望と言うのはあまりに浅はかだ 何だって?私に模範解答を求められても困るよ、君 ――これは生を放棄した最も悪しき諦めである
次は 『金魚すくい』でおねげぇします
金魚すくい 白地に花咲く、浴衣の子 下駄を鳴らせて、屋台の先 浅い水槽の前に、しゃがんで のぞきこんだら 金魚の子になっていた 紅いひれをふるって 閉ざされた箱の中に泳ぎ回る 見知らぬ無数の中に心を失い 水面が揺れる 遠い花火の欠片に 光りを忘れた 薄っぺらな丸い月が 水を割って、さらいにくる 逃げても追ってくる 次々に もう、泳ぎ疲れたなら 身を任せてもいい 濡れた月さえ破れれば なにも、怖くはない ――――――――――――― お次は「花火」で。
「花火」 離れていく地面、見下ろす夜景 今日まで箱入りに育てられ、十分に肥えた僕 上がる音は皆様にどう聞こえたでしょう つぼむ袋のなかで詰め物が擦れあう きれいに咲けるでしょうか しぼんでしまわないでしょうか 僕の咲いたカタチを考えてくれた人たちに 申し訳が立たなくなるのは嫌だ 一瞬 包む緊張を破るように開く 沢山の声が聞こえた ああ、ああ良かった、どうやら僕は花になれたらしい 見てください夏空の花を どうか覚えていてください、開く音を 短いいのちを燃やして尽くして 子供たちのやんやと騒ぐ声 先方の花たちが地に落ちる 僕も花弁を閉じるとゆっくり地へ戻っていった 次「ドッペルゲンガー」
400 :
soft ◆soft/e/9Do :2007/08/14(火) 03:12:24 ID:FKVzbIwf
『ドッペルゲンガー』 公園は大人たちで賑わっている 着古しすぎて、擦り切れて 所々に穴のある長袖のシャツと短パンで 髪は伸びるに任せた そういうジジイが一人、後ろに廻した手を腰で組み、歩く 「ちぃと失敬」聞こえぬくらいの小声を発して 花見に興じる、宵に酔いに興じるサラリーマンの一団から ワンカップ酒を頂戴する そこらに座して、シケモクを吸い吸い 夜桜を眺める 「桜の木の下には……」 若い頃に読んだ小説がジジイの頭を騒がす 桜の木の下には 桜の木の下には ジジイは傍の桜の根元を手で掘ってみた 掘っているうちに酔いは覚めたようにも思える 「あっ」っと人差し指の爪が剥げた 痛覚がちゃんと機能して、ジジイは思わずも目を潤ます ふと遠くの宴会の声が響く 見ると立派なスーツを着込んだ自分に似た老人が舞っていた ジジイは自分の掘った穴に目を戻す ここに埋まってやろうと必死に刃物を探した 必死に、だ 次は「お墓参り」でお願いします
401 :
名前はいらない :2007/08/14(火) 13:37:27 ID:IBlSlZod
「墓参り」 疲れに泳ぐ毎日の中の ほんのわずかな安らぎのひと時。 蒸し返す夏の熱気のなか、 懐かしい人たちが帰ってくる。 きょうは静かな祝宴のなかで。 火傷しそうな墓石に水分補給。 拝啓。元気にしてますか? こちらもあいかわらずいろいろあるけど、 なんとか毎日あるいてます。 いつも見守ってくれてありがとう。 土産話はまだできていないけれど、 また、いつでも会えるから。 今日は線香を一本。感謝をこめて。 8月14日。晴れ 「情熱」
402 :
miko :2007/08/14(火) 14:10:06 ID:IWXrWdHo
[情熱] 眠りから覚めたとき いつしか夢と現実が混ざった 息苦しくもあたたかい世界にいた そこに住む人々のはーとゎ眩しくして赤く光っていた 初めて自分が恥ずかしくなった そして思う。 この世界から現実に戻れたとき 自分の眩しいくらいに輝くはーとを見せ付けてやろうと… 真っ赤なはーとを。。。。。 『ガラス』
403 :
ガラス :2007/08/14(火) 16:51:30 ID:Ns1QyPLM
粉々に砕こう それしか方法はない 四角に囲まれた部屋で扉などない 照り付ける陽射しは容赦ない 誰も信じれない 誰も信じない 水一杯の幸せを欲して 自由な空間を求めて あぁそんなに外から叩かないでくれよ ガラスは割れやすいのだから あぁそんなに見つめないでくれよ 遮るものは何もないのだから そう、もう限界なのだ いくつかのヒビは目に見えて日々大きくなっている 粉々に砕こう それで終わるのだから 粉々に砕こう 破片は煌めくのだから 粉々に砕こう 作り直せない美しさを見たいから 次は【つくつくぼうし】
「つくつくぼうし」 十歳か十一歳だか、とにかく歳が二桁になった時は たったそれだけですっかりオトナになったような気分だった 自称おにいちゃんの俺はその頃まだばーちゃん家で暮らしてて 人数を余す事無く近くに住んでる小学校低学年の子供を連れてきた 純粋純朴ド清純な虫採り少年だった俺はそいつらの中心でこう叫ぶ 「カブト虫取り行くモン手ーぇ上ーげてー!」 皆呆れた顔でどっか行った たりめーだ とにかくまとめ役やリーダーが格好良くて 遊ぼうとなればかならず「●●するモン手ぇ上げて」を連呼 シカト食らってもめげずに叫び続ける欝陶しいくらい健気な俺 魚の跳ねるようだ 仕方なく田舎の森を一人で歩くみじめな少年はふと気付く いつも煩いつくつくぼうしが黙りを決め込んでるって事に なんやなんや虫までシカトかいな、とぶーたれて葉の毛布の上に寝転がる 暫らく間が空いてそのまま眠っちまった俺が夢心地に目を開けると 青いワンピースに青い髪に青い目の青青尽くしの綺麗なねーちゃんが立ってた 漫画に出てきそうなかんじのほっそりした、本当に綺麗なねーちゃんだった ねーちゃんは俺の額を三回位撫でると 「いじけてんとな、皆の話も聞かなあかんよ」 と冴えた高い声で言ってぺしぺしと頭を軽く指で弾いた 霞の揺らぐようだ そこからは多分俺がまた寝付いたのか覚えてないが 目を覚ますとねーちゃんはいなくなってて、代わりに低学年の子達が居た しゃーないから付き合うたるわ、って具合にな その時にはつくつくぼうしもまたいつもみたいに鳴き喚いてた 次「色情霊」
405 :
赤い子v5 :2007/08/26(日) 00:03:10 ID:Roz8HfqG
色情霊 こいつはめざとい! これはことつのコドンだ。 遺伝子の一部。 除霊しても駄目だ。 決して成仏できない。 それはあのタイプの生まれもっての性格そのものでもある。 もう生来の癖(くせ)だ。 そっとしておいてあげよう。 ほら、そうこう言ってるうちに次の相手にアタックしているw 次は「つまらない毎日」でおねがい。
406 :
名前はいらない :2007/08/26(日) 03:44:04 ID:SlRjxQB0
「つまらない毎日」 命の蛍が頭上を飛びかう 輪廻とは気付けば作り上げられているものだ 星が生まれ、息をするものが生まれ 星が尽き、息をするものが尽き 積み重なる粕が宙を舞い 粕は寄り固まって星が生まれ 振り出しに戻っていく生命が何を思えばいい 最後にはみな粕になる 果たしてその粕に思いは託せるのだろうか ぼくらの粕に そんな事ばかり考えて生きてきた若い命がここに一つ 頭上を見上げると深夜の空は不安になる程澄んでいた あの星達がぼくらの青い願いを聞き届けるならなあ なんて空想が広がる 全くつまらない毎日だ 命の蛍が頭上を飛びかう 次「ポルターガイスト」 某林檎がループしてるのは秘密
「ポルターガイスト」 わたしの膝 ポルターガイストが棲み憑いた がく がく がくがくがくがくがくがく ああ震度4 今日もまた お次は、飴、で
あの夏 ただ走って ただ走って 蝉しぐれと太陽光線の雨の中 全身ずぶ濡れになって 息を切らせて 眩しすぎる西日を背景に見たものは 日がすっかり落ちた けだるさを全身にまとい 格好つけたつもりでポケットに手を突っ込んだ 「あ、飴だ…」 ベトベトになって ポケットのゴミも少し混ざっていて 思い出す 思い出しそうになる たくさんの想いを込めた なのにコレは軽すぎる なんだっけ なにをいおうとしてたんだっけ これを どうしたかったんだっけ 「もう、いいや…」 忘れたフリして それを口に放り込んだ 昔が浮かんでくる前に 噛み砕いた その日 初めて声を出さずに泣いた 次は「弱・中・強」
弱・中・強 コンボを決めて ピヨるくらい危険で 誰もがどよめくほどに 華麗な指先のダンスを バンバン見せつけて 弱いやつなんていらない 中に入れて喜ばせるのは 強く激しく滾ったものだけ スティックをにぎって 回して、こねって、倒して 早く早く、リズミカルに 突き出たものたちを押して 必殺の技を、繰り出して 叩いて、勝利を手にして 弱く優しく、強く狂おしく 弱・中・強! 弱・中・強! 敵も味方も車もドラム缶も赤いパンツも ああ、ぶってぶって ――――――――――――― お次は「食欲のない秋」で。
眠いです ちょっと疲れています 世の中の流れに着いていけません 他人の声が耳障りです あの上司を殴りつけてやりたい 眠いです 同世代にクダを巻かれます 年下にタメ口されました 5分の間で駐禁を切られました 眠いです コンビニの店員の態度が悪すぎです 満員電車では両手をつり革にかけます 眠いです 春から夏になっても 夏から秋になっても そんなことばかりでまったく食欲がありません でも 自分は大丈夫 キミがいるから 次、「女の子同士」
「女の子同士」 ひくひくと痙攣するのは罪悪感があるから こんなに嬉しい事はないのに涙が出るのは正しくないから 罪と罰の赤い実を齧ったばかりに 冷たい雫は私たちを伝った 夜の闇は案外に浅い すべてを包む深い闇が欲しかった 自分達の間に咲いたつりがねのような白い花が二つ 月の光に照らされ、その白さを際立たせる ああ、とんでもなく、いけないことをした ようやく私はそれに気付いたのだ 次「多重人格」
私は私 時々笑って 時々泣いて 時々怒って アイデンティティは確立している 此処にちゃんとある 私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし私はわたし ねぇ愛してるよ 次「虚像」
四角い部屋の真ん中で 僕はロウソクに火をともし見つめていた それが明るいのかどうかは分からなく ただ 後ろに何かがいる ということだけは感じていた キミは 誰? 何かに 顔を向けずにそのまま言い放った 答えは 無い そうか 僕を連れていくために来たのか 何故かって? そんなの キミが一番知っているはずじゃないか 答えは 無い キミは 僕がしてきたことをすべて見ていたはずだよ? だったら キミがなすべきことは 分かるよね? 何かは 答えない はは! はははは! 分からないのかな ねぇ 分からないのかな!? はははは! 分からないのかなぁ!? はははははははは! フッと ロウソクの火を消す 僕はそのまま四角い部屋を飛び出した 止められるものなら 止めてみろ 次「壊れかけのラジオ」
あきれるほどの秋晴れの日 その余りの秋晴れさに 何処にも行かず、行くことができず だから、と言うわけでもない わたしと 今日の日の秋晴れに もっとも似つかわしいような 誰にも邪魔されることのない、邪魔をする誰がいるわけでもない、 何ものにも侵食され得ない、侵食し得る何ものをも持たない、 昼寝を貪る 秋の光がどこまでも輝かしく 穏やかにそよぐ風と、心地よい温度 期待や予感で際限もなさげにしている空と そこに浮かぶ希望と呼ばれる雲や雲や雲が流れる と、いうらしい外の世界、秋模様を余所に ひたすら貪る昼寝 何を思おうと思うまいと 何を考えようが忘れようが 何も拾わず何も捨てず どの感傷とも離れず関わらず 歌うことも歌わぬことも 笑うことも笑わないことも、あるいは それら一切から自由な 自由という不自由からも自由な そんな昼寝を貪り続ける 時計を止めるほどの貪欲さで その、夢ほどにもない夢心地につらねる 絶対的価値的自由的昼寝の寝言的戯れ言を 壊れかけのラジオが、(ザザザ)きっと どこかで壊れかけているであろう世界に(ジジジジ…) 壊れながら、まさに壊れゆくが如く(ザザザ) 送っているのだ(ジジジジ…) よく聞き取れないほど途切れ途切れに そんな周波数で どの耳にも届かないまま、きっと 外は秋晴れ 昼寝の最中 ――――*** 次は、「おしゃべり」 で。
415 :
名前はいらない :2007/10/16(火) 23:32:31 ID:5HpzeRBe
「おしゃべり」 掌と脳には文字列 握り締めたことばの数々を姦しい声が紡ぐ あした あしかせ あしおと あんず あんねい あんしょきょうふしょう アイス アイロニー アインファクト アルト アルデリー アルミホイル 平仮名と片仮名と飛びかう声声声 歩道橋を行き交うヒトビトは今日もいそがしく それでも、ヒトビトがヒトビトである限りは これを止める事は出来ないのだ 次は「影」でおねがいします
定期的に様子の違う彼のことを皆心配している あるものは仰向けに寝転がりながら あるものは首をひねりながら 船上の男は 己の行く末を彼に託し 陸の女は 我が子の御宿りを彼に祈る 時には満ちて 影を放逐し 時には欠けて 影に染まる 次は「月」でおねがいします
たとえば私が綺麗な満月なら あなたは目を細めて私に笑いかけてくれた? たとえば私がふっくらと丸みを帯びた十三夜なら 可愛らしいと愛でてくれた? 三日月のようなあどけなさがあれば 新月のような儚さがあれば あなたは優しく抱きしめてくれた? 永遠にお日様には敵わないけれど 淋しい夜にあなたを照らす そんなやさしい月に私はなりたかったんだ 次は「地図」でおねがいします
418 :
soft ◆soft/e/9Do :2007/11/15(木) 00:04:27 ID:0cafQxpL
『Mr.Map』 僕はあなたと対峙して あなたは決して動かない代わりに 僕を決して受容せず 僕とあなたは間に線を引き 僕はそっぽを向いて 歩いた、あれはとても昔のこと 僕はお前と対峙して アサルトライフルの銃床でくっきりと 線を引き火薬の匂いが充満し 僕はお前らと対峙して 僕と姿形そっくりのお前らと対峙して 僕は両手を使って掘るように 線を引き僕の爪は全部剥がれ落ちて 金切り声はお前らの酒の肴になる 僕は君と対峙して 君は僕を上から見下ろしているという図で 僕は首がへし折れそうになりながら上を向いていて 「やあ」 と声をかけるんだけど あまりに線が絡み合っていて あまりに線を引きすぎいて 僕の周りは、いいや僕自身が どうやら真っ黒けになってしまっていて おまけに君は目が悪いときている いいよ、僕を確認できなくったっていい 構いやしない、そんな事より 「ねぇ君、消しゴムを持っているだろうか」 _______________ お次『サボタージュ』
『サポタージュ』 こんな寒い日にはこたつにもんぐりこんで だんまりを決めるに限る 喋り屋が喋り喋り喋り喋り喋るけど 可脱式意識の前では意味をなさない ははん、ミロ、ひとがココアだ あたたかい肩にあたまを預け 利息がついたら返してもらう ははん、ミド、ファド、レッシー、ソルフェージュだ どうなってもいないこの島の片隅で パブロフの犬顔負けの猫舌を出して 湯気立ちこめるマグカップの中身を うらめしく見ている 次は『土』
『土に』 土に つぐみ つむぐ つむぐ つぼみ つぐみ つぐむ つぼむつぼむ 空に つばめ 一直線 つぐみ つむぐ つむぐつむぐ 土からのぼる 空を切る風 つばめ つばめ 一直線 つぐむも つぐみ つむぎつむいで つぼみ ほころべ つぐみ ほころべ ほころべ 土に --- 次は、「席」で
私の席に 花が飾ってあった 小さくて地味だが しっかりとした造りの花瓶に 色とりどりの花が添えられている 「綺麗だね」 ふと 私の横でクラスの人が言う いつのまに 私の問いかけに答えず クラスの人は歩き出す 「私の所の、あんまり綺麗じゃないんだよね」 言って クラスの人は 花瓶というには疑わしすぎる置物と それにぶちこまれた粗末な花を撫でた 私は 自分の席の花をいくつか取ろうとして 「やめてよ」 止められた 「別に、そんな事、重要じゃないもの。行こ」 クラスの人は笑顔でそう言い 手を差し出した うん 少したじろぎながらも 私はその手をしっかりと繋いだ 瞬間 風が吹く 誰もいない教室 花瓶の花が小さく揺れる 次は「サボりの平日」
69 名前: 栄養士(山梨県) 投稿日: 2007/12/12(水) 20:38:20.79 ID:fs62P5Dt0 徹夜で2ch、朝6時 今日も眠るタイミングを逸したななどと思いつつ、明けてくる夜。 太陽が徐々に町の輪郭を浮かび上がらせる中、覚醒している自分の脳 早く寝なければ今日も1日無駄になるとは分かっているのに眠れない 思わず部屋にストックしてある常温の発泡酒に手が伸びる 起きだす家族。動き出す世の中 俺がいなくても、何の変哲も無く社会は回っているのだと実感し その温くてマズイ発泡酒の苦味が涙腺をゆるませる 徹夜明け、ぬるいビールと起きだす家族 ウシジマ君よりひどいこのシチュエーションで、 何度かボロボロと涙をこぼしたことがある。 次は「砂丘」
ひとつの標識が ここからたつ 進むな先に、と 風が吹く ひとつの標識が 砂に埋もれていく その役目を 終えようとして 百年ぶりの雨は 大地を酔わせた 火酒のように ふりむくと 砂丘を 撫でるように やさしく 去っていく風がある 次は「境」
「ドコ行くんだ?」 話し掛けられた人は 私の目の前を右から左に横切ろうとして立ち止まり 無表情をこちらに向ける 「よかったら、なんか買っていけよ」 私は 広げた風呂敷の上にある ごちゃごちゃした物の山をすすめた その人は 無表情のまま物の山の前でしゃがみこみ ただ眺めていた 「最近、さっぱりでね。まぁ、売れなくても、遊びでやってるようなものだけどさ」 その人は結局 しばらく物の山を眺めたあと 無表情のまま 来た道を戻っていった 「へっ、冷やかしか。ま、いいけどね」 私は暇潰しに 物の山から無造作にひとつを取り出す なにか花を型取った 不細工な首飾り 私の目の前を 68番目に右から左に横切った人の物 その人は どうなったかは分からない ただ その人が肌身離さず持っていた物は ココにある ココは そういう場所だ 次は「あかず」
ワイフ貰ってうれしかったが いつも出てくるあかずはコロッケ 次は「スタミナ」
どうにも、こうにも調子が悪うて 何ぞ足りんかと自問せば 嗚、 すたみな とやらが要るのですね。 次は「疑心」
『疑心』 幼い命が刃物でズタズタに引き裂かれた 深刻を装った女子アナウンサーの 思想を混じり込めたアホみたいに強張った声を いつまで聞いていなければいけないのか お母さんとお父さんが閉じこもっている家が暗く映って それから周りのクズな隣人へのインタビュー 適当な事を言うあのジジイとババアどもに 私はハヤシマスミ特製の十年間ことこと煮込んだカレーを 振舞ってあげたいと思うのだ さようなら、人間もどき こんにちは、不細工なお月様 暴走族もびっくりの騒音を撒き散らして 存在しないユートピアを熱心に説いてまわる あの悪の結晶の選挙カーに スーパーで買った卵を投げつけてやれば 少なくとも私の周りの世界は平和になるのだ、多分 Yes、Loveはいらない、求めちゃいない ジョン・レノン、お前は間違っている 愛を歌いながら離婚して 今度は失恋を歌いながら堕胎する 仮面を皮膚に縫い付けたケバケバしい女には ちんぽこの形をした大人のおもちゃを喉の奥深くまで突っ込んでやれ そうして窒息させれば、恐らく成仏できる 普通に死んだらいけないよね さようなら、暗黒のやすらかな宇宙 あっちへ行け、直視できない醜い太陽 私は自分で目玉をくりぬいた 私は自分で耳の穴にセメントを流し込んだ お口は塞がないのだ まだきっと言いたいことがあるだろうから __ 次は『アメリカ』でお願いします
日本にとっては切っても切れない縁なんじゃないかな どんなことであれ、それが無ければ始まらないって感じがするしね いつもお世話になってるよ もうそれが無い日なんて考えられない 大好き もう信仰の対象としてみなしてもいいくらい 嫌いな人なんているの? もしいるとしたら軽蔑されても仕方ないと思うね それくらい重要なんだよ大事なんだよ もっともっと大切にしなきゃ好きにならなきゃ感謝をしなくちゃ もはや君の一部といっても過言ではないからね そうだ今度ぼくの家に来なよ それの魅力や素晴らしさをたっぷりと教えてあげるからさ え? 米の話じゃないの? 次は「モラトリアム」
人生のはしっこに鋏を入れて 細く細く切り開いて その上をそろそろひょろひょろと歩く 落ちないように千切れないように 下を見ないように どんどんどんどん 細くなっていくけど まだ大丈夫みたいだ -------------------------------------- 次は「熱帯魚」で
熱帯魚 まばゆい原色の衣をひらめかせても ただ泳いでいるだけ 本当はなにもない 閉ざされたガラスの箱の中に空しく 冷めた世界を奏でる 機械仕掛けの泡は終りもなく連なる ただ消えるために 上を目指し 揺れる 体は長すぎる尾鰭に従い こわれ 水底の砂に伏すまで 狂った色合いを滲ませ続ける 誇らしげに 毒々しく ただ泳いでいるだけ 本当はなにもない ――――――――――――― お次は「五月晴れ」で。
431 :
五月晴れ :2008/05/11(日) 23:52:30 ID:2XaBdXD3
なんだってそんな大声で叫びながら飛ぶんだ ひばりよ ただでさえ暑苦しいってのに 日陰もない空のまっただなかで
432 :
431 :2008/05/12(月) 00:01:32 ID:3mq+GyW/
次は「返してくれ」で。
「返してくれ」 日々を かけがえのない たわいもない会話 寄り添って住んだ小さな部屋 窓縁で過ごし眺めた日差し 小さな犬と桜の季節と 愛してたかの人は消え行く 今この前で消えようとする 返してくれ 巡り巡って還る季節と 月の満ち欠けを数億倍の 速度に速めて幾数世の 輪廻を早めて返してくれ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー お次は「ざわめきの中で私は」でお願いしまっす。
434 :
名前はいらない :2008/05/25(日) 12:24:04 ID:SweJpixe
「ざわめきの中で私は」 ざわめきの中で私は 人になる 普段は何かではあるが 何でもない ざわざわした場所に わざわざ向かう私は 私なのか ざわざわした場所に わざわざ向かう私は 君ではないのか ざわめきの中で私は 人になる 普段は何かではあるが 何でもない −−−−−−−−−−−− 次は「品川」
435 :
ローカルルール変更議論中@自治スレ :2008/08/16(土) 14:51:22 ID:2s+Ozy+f
「品川」 おしゃべりくそやろうと呼ばれる男がいる 漫才師である その片割れである ブログを書いておる 大層な人気だそうだ 今ではニュース番組にも真面目な顔してでたり 本も出したらそこそこ売れたり 映画監督もやったりなんかしちゃったり もう一度言う 彼は漫才師である お笑い芸人である だがその体を張ったネタは留まるところを知らない 故におしゃべりくそやろうと呼ばれる いい加減にしろと 誰かが後ろから突っ込んでも 止める理由はない 人生は幕が下りるまで自分の番なのだ
436 :
ローカルルール変更議論中@自治スレ :2008/08/16(土) 14:54:50 ID:2s+Ozy+f
ホワイトクレーム
437 :
ローカルルール変更議論中@自治スレ :2008/08/17(日) 16:44:47 ID:nuHtnXeC
チンボ代理店
438 :
ローカルルール変更議論中@自治スレ :2008/08/17(日) 17:16:54 ID:EfCmnXbD
参加させたくないだの なら辞めりゃいいわけでもなく 行列がなんだって は?って感じなんですけど 不倫かなんかしらねーけど テメーの配偶者ぐらいテメーで抑えろ!ボケ
439 :
ローカルルール変更議論中@自治スレ :2008/08/20(水) 01:17:35 ID:J7INklyw
花より●○
440 :
ローカルルール変更議論中@自治スレ :2008/08/21(木) 22:53:40 ID:71CWqwKr
考える 未来のコト じゅうにじかんまえ人殺した 考える 逃亡サキ 苦悶の表情 刺されたあいつより刺したわたしが 苦悶の表情 今、電話のベルが鳴って 『・・・・・・』 いつもの無言電話 分かっているのかしら? わたしは闇に怯えるか弱い花のような乙女じゃなく もはや鋭い針と牙をもつ毒蜘蛛だってことを わかってないからあいつも今日・・・ ねぇ、そんなに黙ってると 『あんたも殺すわよ』
441 :
ローカルルール変更議論中@自治スレ :2008/08/21(木) 23:39:45 ID:71CWqwKr
ノック
投げやりになつても仕方がないのですが 手の甲を木の板に叩きつければプライベエトを尊重したということになるそうなのです (はいほう) (はいほう) (はいほう) 木は気の抜けたもので まともな返事を返してくれやしませんから プライベエトなどどうにも関係ないやうな気がしてなりませんが ともあれ手の甲を木の板に叩きつけることで彼女は許しを得るのださうです --------------- 『おつかいのためと称して』で。
443 :
ローカルルール変更議論中@自治スレ :2008/09/03(水) 13:46:34 ID:ZPNXtEsD
せつない 揺れる 花びらの紅 ゴウゴウ 流れる トラックの黒 永遠 空映す 川面の蒼 やつきばや 繰り出される 言葉の白 ふさぎこむ 君の目に 太陽の黄 八月の終わりと九月の始まりにエピローグ ちょっとそこまでおつかいとか言ったけど ホントは最後に君の顔が見たかったんだ さようなら ありがとう 帰り道のぼやけた緑 君に逢えてよかった ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 蟹化する街
蟹化する街 前に進むのは怖くて 後ろに帰るのは辛くて やむなく蟹になるのでしょう 漠とした夕闇の中 街行く人はみな 右か左に向っています あの人は右に その人は左に 掲げた両手を 鋏のように動かして 餌を分捕り 他を威嚇し 右に左に 突き進んで行きます ――――――――――――― お次は「秋の音色」で。
445 :
名前はいらない :2008/12/25(木) 05:00:15 ID:GOp6lE+d
秋の音色 ふわりと鳴く雲の音を あなたは聴いてますか? カタチ達は空を飛んで いつもの世界に填まります ねぇねぇ、春にはツクシが萌えだしてチョウチョが遊んで 無限の希望を歌う声が この冷たい空に聴こえてますか? 夏が去り 何かが終わって何かが壊れて・・・それでもまた巡って 無限の喜びを歌う声が この堅い大地に聴こえてますか? ―――――――――――――― 「Sの仮定」
『 Sの仮定 』 それを知って、どうするのです? いつまでも過去の一点を見つめながら 起こるかもしれなかった けれど起きなかった現実に 「もしも、」 と仮定を立てては その解を導き出そうと 願いつづける それを知って、どうするのです? 差し出された 仮定の書かれた用紙を見て 私はあなたに問いかける 私自身に問いかける 日没は早く、夜が長くなった 去来する過去に薪をくべ 火の粉の上がらない炎を燃やすのも悪くはないけれど あなたの提示する仮定を解き 求められる命題の真偽を明らかにしたとしても 起こらなかったことの中に 本当のことを探しても 報われるものは 一体 巻き戻らない時間 過去の上に「もしも、」を置くことをしても それを知って、どうするのです? 再び、私は念を押す あなたの声はかすれたのか 冬の夜にさえ、短か過ぎることはある 「S」で始まる仮定の用紙に、私は解を書かぬまま 右下隅に 「M」とだけ一文字記す 少なくとも、これだけは、いつまでも忘れることはないでしょう。 Mは、私のイニシャル Sは、あなたのイニシャル ----------------- 『そろそろ、時間です。』
447 :
名前はいらない :2008/12/31(水) 00:16:35 ID:C9KJjxVf
〔そろそろ:時間です〕 路上 晴天 AM *:** 不気味な男がおる その男は時計を持たない 忘れたのか、捨てたのか とにかく時を顧みない 不気味な男がおる 汚れた衣服を纏い 背中には袋を背負っている 何かが…みっしり詰まった袋を 不気味な月が昇っておる だが男は上を見ない 見てもしょうがないから、上は見ない 路上 雨曇り PM *:** 不気味な女がおる その女は傘を持たない 忘れたのか、捨てたのか とにかく雨に濡れている 不気味な女がおる 洒落たヒールを履いて ブランドのバッグを抱えている 何も…入っていない小さなバッグを 不気味な水溜まりが広がっておる だが女は下を見ない とうに見飽きてしまったから、下は見ない 路上 交差点 『時間です』 不気味な男と不気味な女が擦れ違う 互いに互いを見ることはない 男は背負った袋から何かを産み出す 産声が女の空っぽのバッグに谺する 男は走る 女は揺れる 男は走る 女は嗤う 男は月を抱き込む 女は水溜まりに沈む 互いに互いを見ることは永遠になかった
448 :
名前はいらない :2008/12/31(水) 00:21:53 ID:C9KJjxVf
『はなやぎ』
449 :
名前はいらない :2008/12/31(水) 13:32:18 ID:C5zOXM9G
『はなやぎ』 あなたはいつもわざわざ遅れて気付くのだ。 水底から浮かび上がる魚の腹温かく濁った水が光を抱き込み ぬるく全身を浸したあなたの口がある言葉をかたちどる H O P E 微笑のかたちで終わるその奥に見えるねじれた紐帯 繋がる黒く塗りつぶされた世界が素早く現実に取って代わるその瞬間を あなたは気付くのが遅れたぶんだけ全身で享受している あなたはずるいいつも陶酔ばかりこんなにあからさまに春と同化して 「容器」
(器) ついさっき注いだポン酒がすぐに体内に消えていく 見える夜空には雲ばかりが幾重にも掛かり濃淡のコントラストばかりが美しい 風に含まれる潮の臭いが零れて肺の中を満たされて息を吐いても吐き切れない 要領良く容量一杯に肺の中に注ぎ込まれた安酒が手の震えで一筋の線を描き零れた 「冷蔵庫」
「冷蔵庫」 付き合いとは言え、呑んでしまえばこっちのもの どんちゃん騒ぎ、どんちゃん騒ぎ 日本酒、お冷でがぶがぶ飲んで あらあらお下品 お通し一口で食って、部下の酌には快く応じ ほっけ食って、もつ煮食って 居酒屋出て駅に着けば終電はとっくの昔 千鳥足で屋台ののれん潜ってラーメンで締める タクシーに乗って、後部座席で大いびき 運ちゃんに起こしてもらって 灯の消えた我が家へ、午前様 鍵をそっと開けて、リビングに向かって 食卓の上のメモに気付く 「お夕飯は冷蔵庫の中です」 冷気と共に現れたるのは妻の手料理 冷えたのは料理だけか せめてとサランラップ取って 電子レンジにて暖める つぎのお題 「初日の出」
452 :
名前はいらない :2009/01/02(金) 11:08:39 ID:CE7EGjNW
曙光が昇る だからなんだ? 年が変わる それがどうした? 新たな一年が始まる だからなんだ? すべては循環している それがどうした? 世界は今転換点にある だからなんだ? 時を無駄にするな それがどうした? いずれ誰もが死ぬ だからなんだ? オナニーは控え目に ハイ 『備忘録』
『備忘録』 今はもう 付けることをさえしない 日焼けて乾いて ふちからだんだん茶けていく 廉価な本棚の並びの中で 大事にされて塞がれて 湿って冷えて 文字も数字も滲んでいく 物入れの奥の段ボールの中で 大事にされて古ぼけて 過ぎる季節は重しとなり 過ぎる月日はそれと重なり 先行く時代に追い越され ひと昔ふた昔と取り残され 手に取る頃に蘇るのは 邪気なき熱の置き形見 熱かった、ただ、甘かった 日々の綴じになる ------------- 次は 「――前夜」 でお願い
454 :
お願い :2009/01/10(土) 18:39:47 ID:ghIyE+Cd
します。
455 :
名前はいらない :2009/01/20(火) 07:37:24 ID:DtkBRbzj
【崩壊前夜】 瓶の蓋ねじり開ける。 ブリキの瓶の蓋ねじり開ける。 積み重なったブリキの瓶の蓋ねじり開ける。 逆立ちして積み重なったブリキの瓶の蓋ねじり開ける。 逆立ちして積み重なったブリキの瓶の蓋ねじり開ける。足で。 逆立ちして積み重なったブリキの瓶の蓋ねじり開ける。足で。目隠しして。 逆立ちして積み重なったブリキの瓶の蓋ねじり開ける。足で。目隠しして。独り。 逆立ちして積み重なったブリキの瓶の蓋ねじり開ける。足で。目隠しして。独り。自問自答。 逆立ちして積み重なったブリキの瓶の蓋ねじり開ける。足で。目隠しして。独り。自問自答。BGMは『運命』 ―――――――――――― 『真ん中』
456 :
名前はいらない :2009/01/20(火) 08:37:23 ID:CpIXddv9
要 口と口の真ん中に 口と口を連絡する 糸が渡って串できる くしが無ければ 焼け焦げた鳥たちも どこ飛んでくか 分かったもんじゃない 『金目鯛』
『金目鯛』 ばかでかい眼球が鏡のようだけど 鏡の前 正面から見つめられると 心が煮詰まる ------------- 次回お題 「節子がビチビチになる前に」
「節子がビチビチになる前に」 節子がビチビチになる前に おはじきはじく もひとつはじく 次もはじけろ 次々はじけろ 節子がビチビチになる前に 恋しなドロップ 節子がせがむ くすねよかドロップ 節子にくれる 節子がビチビチになる前に 缶の中は空っぽだ 道端の小石を詰めて歩く 節子がビチビチになる前に ガランゴロン 缶 鳴らしながら 戦争はとうとう終わらなかった 節子がビチビチになってから ガランゴロン 缶 鳴らしつづけて 戦争が終わったことを知らなかった ------------ 「鍋」
「連」 海の底から記憶を 引っ張り上げようとしても 風に吹かれて海は大荒れ 燃料も入れられなければ 連想の糸も出ず船は立ち往生 くそ寒いのに あったかい鍋もできやしない。 「銅」
460 :
名前はいらない :2009/01/24(土) 08:00:47 ID:o7PD8ZRp
銅 葉巻を吹かす グラスのコニャックは微睡みのゴールド 夜のテーブルに男達が集う 席順なんてものはいらない 思い思い椅子を手に取りカードを引く ろくでもない話 尽きない無言の笑い 足を組む音 開く指 葉巻をくわえる くすんだ銀のライター フリントのくぐもった響き 誰もが刻を映す鏡 よれた袖口に淡い傷口が覗く 誰もが刻を忘れる夜 思い出がまた一粒グラスに落ちる 陽が昇る前 暗闇が透けるその前に 男たちはゆっくりと立ち上がる 一人、また一人と古びたコートを身に纏う 会釈はいらない、ただ思い思いにコインを弾く 銅色の軌跡を描いてテーブルに響く最後の言葉 老いし狼達は寝ぐらに還り くたびれた紫煙だけが太陽に射抜かれた ――――――――― 【また空が燃える】
「夕暮れ」 夕暮れに また空が燃えている いわし雲 美味しそうに焼けている お次は「鼻」で
462 :
SFちゃん :2009/01/24(土) 22:54:37 ID:uQ9PrKdB
「鼻」 ぴぃー ぴぃー ぴぃー バックします はなのおくで かすれた おとをたてたあと 彼は消息を たった ――――――――― 「デュアルコアあばあちゃん」
「デュアルコアばあちゃん」 貴女の寿命は後僅か 化石と呼ぶには些か早い 僕の味方 二つの核の 不思議な老婆 省みれば 幼い僕は 無理ばかりを強いてきた それでも貴女は 何時も笑顔で居てくれた 忘れないよ 貴女が遺したこの気持ち メモリーは何時も 何処かで生き続けてる 何処かで 何処かで 生き続けてる けれど 涙が止まらない 貴女との思い出を その画面に 映し出してはくれないか 暗転したままもう映らない画面に 次回お題「樹氷」でお願いします
464 :
名前はいらない :2009/02/02(月) 19:48:56 ID:6SV73czg
◇樹氷◇ 遠く目覚めた朝靄にて 微かな人影認めまして 近づくこともできないからと なんだか詩なんぞ創っとります 一人になって二人を想い ただ白い溜息 添える夜 とかなんとかフザケタたぐいの恋の詩を 吹き溜まるこの胸に 後悔の分度器と 裂けたコンパスかざし うずくまるこの脚に 長すぎる爛れた影が幾つもの幾つも・・・('A`)マンドクサ シンプルに かさねても かさねても おわらない おわれない くやむだけ うらむだけ のがれよう わすれよう あきらめて めをそらし できるなら できるなら くだかれた むねのおく さまよえる かぜのなか きみのかお さがしても ふきすさぶ しろいかべ みつめては またなみだ とどかない きみおもい たちつくし なきつくし 僕は凍った・・・泪と共に ━━━━━━━━━━ 『今日、衝動す』
「きょう、しょう、どしよう〜」 はり、裂け、酒るのだ むり、槍、かけるのだ みる、診る、悩むのだ ゆき、退け、運ぶのだ はら、腹、入れるのだ ほら、荒、止まるのだ うわ、嘘、凍るのだ いや、その、笑うのだ ふひ、しょう、どうしよう… お次は「あのひまわりが咲くのは」でお願いします〜
466 :
◆2RWHOU4ClQ :2009/02/17(火) 21:37:03 ID:urG1s6KP
>455 よいなぁ 「あのひまわりが咲くのは」 種を食べよう 私はこりす 羽をむしろう 黄色い羽を 高い茎を根こそぎ折ろう 根こそぎ根こそぎ、彼らが泣くまで、 ひまわり咲くのは私を犯せと呼び出す合図、 太陽求めて得られない。 種をむしろう羽を破こう葉をちぎっては噛み砕こう、 茎を折るには野分が欲しい、 残暑の頃には子を孕む、夕立と雲に吹かれながらも。 ============== 「しなびた」で
弟にあかんぼが生まれた しなびたジャガイモみたいだった 弟は鼻が自分に似ていると喜んでた お前の鼻マキバオーじゃん かーちゃんが俺の生まれた時に似ていると言った 俺こんなイモ顔じゃねーよと答えた 弟の嫁にニラまれた 俺のケータイの壁紙はその日からしなびたジャガイモ 次は「ファミコン」でよろしくお願いします
468 :
ルート5 :2009/02/20(金) 15:04:15 ID:pIBvjgEJ
マリオで吹っ飛べカメ野郎 下から突き上げアッパーだ ルイジも続くぜカメ野郎 たまにミスってルイジ飛ぶ カメにかまれてぶっ飛んだ だけど俺たち仲がいい これっぽちも恨まない 直後に即効、マリオ飛ぶ やっぱりトドメはカメ野郎 もちろん、そうだよ当然さ 俺たちとても仲がいい 画面で交互にぶっ飛んだ トドメはうんざりカメ野郎 さすがに俺らもぶっ飛んだ 意識ぶっ飛ぶ殴りあい この野郎、なめるな、カメ野郎 次は「女体」でよろしくお願いします
469 :
あおたん :2009/02/20(金) 19:18:47 ID:UZSPt1qd
(まだしらない女体) なんだかとっても艶々してる そうかとおもえばさらさらしてる なめらかで澄んでいてむっちりしていて どっかに消えていきそうな (ぼくはそれにむしゃぶりつきたい こねたり引っ掻いたりしてみたい ぼくはまだふれたことがないのだ!) きっとそれにふれたらぼくのお腹の中できっときっとなにかが起こるぞ つるつるしていてきっとたまらないぞ! ふふう ふふう ふうふうふう 次のお題は「嵐」でお願いします。
470 :
35℃ :2009/02/21(土) 01:04:11 ID:W0fkTXHX
きましたきたぞきたぞやってくるよ まずてはじめにかさがふっとんだ つぎにおきにいりのマフラーがとんでった ついでめがねとゴムもとれてった ファンデーションもチークもおちた あとマスカラもおちた さいごにとんでった さいごにとんでった 嵐は去った そらをとんだ 「オレンジ」おねがいします
471 :
ルート5 :2009/02/21(土) 03:14:03 ID:Gk6li+0E
コタツの上で待っている 中央に堂々と居座り待っている オレンジ色の憎いヤツ 俺の堕落を待っている いいさ、挑戦受けてやる 俺はコタツで剥いてやる おまえに爪たて剥いてやる ぷちゅと口元、汁とばし 男らしく食ってやる そこでやめればよかったよ 食べる手が止まらない 何個も何個も頬張って 頭がふらふら揺れ出した 身体もふわふわ睡魔だよ 意識無くなる五秒前 おまえの姿を目に入れた オレンジ色の憎いヤツ 次は「深夜放送」でお願いします
「深夜放送」 その夜に 私は全てを知ってしまった 全てが全て 完璧な時で 今が全てを 今知る時で 何もかにもが明け押し寄せる 声 告げたのは誰だ 今知らせるのは 知っていたああ知っていた私は 殊更に今思い出しなさい 思い出しなさいと私の名を呼びかけ無数の歌声と 聖堂に響く顔、顔、顔、、 持ち上がる光、輝き、抱くたなごころの間に挟まれ 心地良く私は溜め息をつく 縦長のベールは静謐をたたえ 熱と対偶の叡知に微笑む 明日来るでしょう そして永遠にそれは 落胆のない終焉はない 広がり登り続ける営み いいえそれは来ず 既に在るのみ在って今より在り続けるのみ 知らなかったいいえ どうして知らないふりを 蓋をし続けて小さな胸を縛り 苦しい苦しいと泣いていたのは 誰の所為でもなく誰の命じたことでもなくて 大いなる大いなる私の演技 人知れず朝が来る 私は風呂場でおののいている 何と言う嘘 羽交い締めにして 開けた窓から 追い出してしまえ 遠く遠く果てのない深みへ そこさえ何もかも在るしかない先 お次は「お月さまそれは?」でお願いしまっす。
473 :
ルート5 :2009/02/21(土) 08:10:40 ID:Gk6li+0E
あまりに白く あまりに丸い 頬を擦り寄せ ぬくもりを知る 舌をはわせて 味をみる たまらない 飢餓にも似た 衝動 抑える気持ちが 激増 生唾が止まらない 欲望 俺は歯を突きたてた 頬が喜びに痺れた 深夜の肉まん 次は「デッドエンド」でよろしくお願い申し上げます
474 :
名前はいらない :2009/02/21(土) 09:07:55 ID:GBq+p+/j
〈デッドエンド〉 剥き出しの空 星はあらんかぎり輝る ずぼらな雲は 矢継ぎ早に裂かれて崩れ くだらねぇ くだらねぇ! 名も無い昼下がり 孤独を謳う歌を飾る 斜向かいのコトバ達 歪む自意識 さながら驢馬! ブルーの水晶と気密された部屋 匂いたつ睡蓮 額の中の露 灰皿の金魚鉢 あまつさえ あまつさえ 漂ってるのに 今! 自慢する浪漫 包茎の憧憬 キザったい自殺体 クスクスとクスクスと笑いながらクスリを 苛む影に ほな さいなら! 『真夜中之水槽』
475 :
ルート5 :2009/02/21(土) 10:35:01 ID:Gk6li+0E
真夜中之水槽 閉め切った部屋 巨大な水槽 電気の通電音が満ちている ぼくは膝を抱え 水槽の中を見つめている 泳いでいるのか 眠っているのか 水中で浮いたまま 動きもしない 目は開いたままで こちらを見ている どんよりとした感情のない そんな目で見ている ぼく達はしばらく 見つめあった 昔、恋人だった時のように―― 次は「瞬間」でお願いします
476 :
名前はいらない :2009/02/21(土) 11:56:16 ID:gNpu2NFU
「瞬間」 君が僕の目に映ったのはコンマ一秒 でもそれで充分だった 僕は君が好きである 今はまだこの気持ちを伝えられないけれど たった0.1秒、その瞬間の勇気があれば この気持ちを伝えられる けれどもそれができない ああ、とどかない瞬間・・・ 次は「左手」でお願いします
477 :
あおたん :2009/02/21(土) 14:36:23 ID:Q658izYO
『左手』 ねえきみは なかなかどうしてぶきっちょで いっつも陰にかくれてる (わたしとおんなじかたちなのに!) でもでもよくよくみてみると きみはわたしの御仕事を こっそり支えてくれるみたい 文句のひとつも言わないで ただ黙々と、ただ黙々と (つまらいと、おもうでしょうに) ねえきみは、どうしておなじ、かたちなの ねえきみは、どうしてそんなに謙虚なの 届かないとはわかっていても たまにかさなって聴いてみる。 ============= 次は「あの日の夕焼け」でおねがいします。
478 :
ルート5 :2009/02/21(土) 16:23:32 ID:Gk6li+0E
あの日の夕焼け 長い影を引っ張って 土手を歩く親子連れ 暖かい色の空は 水彩画の朱を交えて 色濃く滲んでいた わたしは土手の木の横で 赤黒くなる夕日を見ていた あの日の夕日に似ている でも、あの日は雨だった 一日、夕日は出ていない わたしは足もとを見た 一部の緑が抜け落ちて ほんの少し、柔らかい その部分を見つめて また、夕日に目をやった ああ、とても紅い あの日の夕日のように 飛び散るような色は 後頭部を疼かせる 真っ暗になった土手で わたしは足もとを見つめていた 桜の根元をひたすらに 次は「廃屋」でお願いします
479 :
名前はいらない :2009/02/21(土) 20:46:50 ID:gNpu2NFU
廃屋 あの廃屋の中には何があるのだろう 夢?希望?そんなもんじゃなくて どんな物があるのだろう テレビ?冷蔵庫?洗濯機? その中にたんすがあったらその中には何があるんだろう はんこ?手帳?貯金箱? その中に金庫があったらその中には何があるんだろう いや、金庫はないか、廃墟だもの もしあったなら今僕がいるここは誰かの住処? あれ?今玄関で物音が・・・ 次は「プール」でお願いします
「プール」 ため込んだ水に 頭をうずめた時 波打つような音がする それは未来と太古の音色 終わりのない青 空の色 海の色 空気の色 時間の色 記憶の色 何通りもの青に包まれて 羊水 産湯の水 昨日のお風呂 いつか渡る川の水 蒸発して 雨になり 川を流れ 誰かののどを潤して 蒸発して 雨となり 川を流れ 今このプールにたまって 僕を包んでいる
481 :
みたらしひかる ◆NPntL0c/ps :2009/02/21(土) 21:25:38 ID:9YgUsrV/
次は「スキー」で
482 :
ルート5 :2009/02/21(土) 21:42:49 ID:Gk6li+0E
スキー あのさ、歩きにくい 腕を引っ張るな 足が当たるだろ もう少し、速く歩けよ こんなところで言えるかよ そんなことはあとにしろ 悲しそうな顔をするな 胸を押しつけても、無駄だ 潤んだ目をするな 瞬きをもっとしろ ぶら下がるなよ 歩けないだろ そんなこと言えるかよ わかっているだろ 言葉なんて信用できない ウソなんて容易い それでもいいのかよ もう、わかったよ おまえのことが あんまり見るなよ スキー 次は「歯車」でお願いします
483 :
あおたん :2009/02/21(土) 22:21:59 ID:Q658izYO
『歯車』 ひとつまわると つぎが動き そのつぎも動き みんなだまってまわってく そうやってはじまって みんなそこへはいってく …… (わたしもこの大きな世界の一部だ) 汗かいてこすれて さびたり淀んだり ひずんだり そしたらもうようなしだったり (あいつはもう、バカネジだ) そとには透明な世界もあるって そんなこともきいた いつかはいけるって そうおもって 感傷にひたって (センチメンタルはいけない) でもそうだ まわってまわって 畢竟それで終わるんだ いつかのひともそうだった きっとじぶんもそうなんだ ============== 次は「シーツ」でお願いします。
484 :
ルート5 :2009/02/21(土) 22:48:27 ID:Gk6li+0E
シーツ あなたはシャワーを浴びている わたしは気だるげに煙草 口だけで吹かしてる 試しに肺に入れたら みっともないくらいに咳き込んだ わかっている わたしは煙草を揉み消した まだ、暖かい シーツの上を手のひらが滑っていく 火照った裸体を投げ出して 一心に手を滑らせる その手が止まった わたしは少し湿ったそこを 愛おしい人と同じように 手を這わす わたしが女になった その証を―― 次は「水底」でお願いします
485 :
みたらしひかる ◆NPntL0c/ps :2009/02/21(土) 22:56:44 ID:9YgUsrV/
「シーツ」 おひさまの下で すわすわと泳いでいたんだね ほんのりと冷たい 水のにおいがする どうすれば春一番が とても楽しく感じられるようになるか よかったら僕にも教えてください 夢の中で流されたいです
486 :
みたらしひかる ◆NPntL0c/ps :2009/02/21(土) 22:57:56 ID:9YgUsrV/
あ、もう投稿されてたw お題書き忘れて書きこもうと思ったけどその必要はなかった
487 :
みたらしひかる ◆NPntL0c/ps :2009/02/21(土) 23:04:27 ID:9YgUsrV/
「水底」 見上げれば 空が揺れている 光が揺れている 僕が揺れている 無重力 光をつかむ 現が揺れる そして泡になって登っていく 空が重力を持っているようだ
488 :
名前はいらない :2009/02/21(土) 23:04:58 ID:9YgUsrV/
つぎは「空」で
489 :
ルート5 :2009/02/21(土) 23:24:34 ID:Gk6li+0E
空 悩みがある時 空を見上げればいい ほとんどのことは 小さく思える わたしは違う 晴れ渡った空は どんな人にも 清々しい思いを 抱かせる わたしは違う 空には何もない 空はカラで わたしには何もない わたしの安らぎを 与えてくれるのは 頑張った時の わたしだけ 次は「エターナル」でお願いします
490 :
あおたん :2009/02/21(土) 23:38:23 ID:Q658izYO
『空』 じつに青い 深く青い むこうのほうは 静かな青だ … そらを飛ぶのか 飛ぶのか いくか もういくか きっともうあいつは飛びだす … (飛んだ!) フワフワして はなれてく 木のうえをこえて グングン浮上して 街にむかって それから 西のタワーをよこぎった … 風うけて 魚のように ピンとからだをはって 目にみえるしたの都市や むこうの田畑が ぎらぎらに光る (あの木はもといたとこだ あの木はほんとうに大きかったけど あんなにもいまちっぽけだ!) からだにぬける微粒子の そのひとつひとつを感じて (もうあのそらの青はじぶんもいまそうだぞ!) 雲のあいだぬけた ============= お題は上の人のです。
「エターナル」 乳の匂いがする みかんの皮が少しこびりついた 端に悪戯の傷のある さして高級でもない 座ればきゅうと鳴いた 私以外 誰も誰も誰も 目とボタンが取れそうな犬と 私以外の他には誰も 焼けた日の色と 据えた雨粒の埃の味と しまっても出て来る魔法の本と 私以外誰も唄えない 時間を分かち合った仲間よ 私の座する標はここに
お…お次は「みんなで楽しいジャンボリー」でお願いしまっす。
493 :
ルート5 :2009/02/22(日) 09:01:15 ID:I7nTxhSf
みんなで楽しいジャンボリー 俺はヤツの鳩尾に蹴りを入れた 膝から落ちて呻いた 頬がヒクヒクと嗤う 瞬間、こめかみに捻じ込まれた いい左フックだった 世界が裏返りそうになった 俺は視線を動かした 嫌な嗤いをしたソイツは 前のめりに倒れた 振り下ろされたバットの餌食になった あちらこちらで打撃を繰り返し、 声にならない苦痛が転がり、 頬をヒクつかせて嗤った 不良高のメンツをかけた 楽しい楽しい血祭りだった 次は「過去」でお願いします
「煙の跡」 メンソールの煙の中に広がる 俺たちの部屋 愛煙家だったふたりの煙は 黒いソファーにくっきりと移って 白い壁へ消えた 今も煙は壁紙のもやの中 いつの間にか古びて黄色くなって 写真の跡は白い影を残し 君がいた部屋 黒髪をとかすくしや 枕や土産で買ってやったぬいぐるみや 君が選んだ水玉のシーツがなくなって 俺は煙草を吸うのも忘れて 他人みたくなった部屋の 外ばかり見ている 次のお題は「かたち」でお願いします。
495 :
ルート5 :2009/02/22(日) 10:45:55 ID:I7nTxhSf
かたち あるのか ないのか わからない そんなもの 探すわたしは おかしいのでしょうか 競い合い 貶し合い 得られる そんなもの いらないわたしは おかしいのでしょうね 欲しいものは わたしにはわからない 探しものは わたしにはわかる でも、かたちが見えない 探し方もわからない 昔に持っていたような そんな気がする とても大切だったような そんな気がして 胸にそっと手を当てた 次は「復讐劇」でよろしくお願いします
496 :
名前はいらない :2009/02/22(日) 20:18:57 ID:hR+cAds3
むかしむかしある所に事故で娘を失った男がいました 男はぶつかってきた車の運転手を探し出しました 殺しました そしてある所には事故で夫を失った女がいました 女は夫を崖から突き落とした男を探し出しました 殺しました このようにして復讐劇はループします 無限ループです これはだれにも止められません このように、この世は復讐に冒されてます 悲しいですね でもこれが この世の 真実なのです 次「冗談」でお願いします
497 :
名前はいらない :2009/02/22(日) 20:37:53 ID:D1fMB0Xh
無限ループしてないよ
498 :
名前はいらない :2009/02/22(日) 20:56:53 ID:D1fMB0Xh
普通は裁判になるし
「冗談」 僕は冗談は嫌いです 卑しくも詩人であるからには言葉をみだりに弄んではいけない 幼いころから下らないこと言って笑っている人たちを軽蔑してきました 肉親や仲の良い友人であっても同じ事です 人と人はお互いに真摯な態度で望まねばなりません 言葉に一片の偽りも含まれていてはならないのです 語りたくな事は沈黙すればよい なのになぜ人々は「冗談」などと笑いで誤魔化して真実に背くのか 「冗談」であるうちはまだ良い 重大な事柄を無自覚に錯誤させ人生に深刻な痛手を負わすことが無いとは言いきれないのです 倫理てきにも勿論「冗談」は許さるものではありません 真・善・美は人間が生涯をかけて追うものです それを、他愛の無い軽口で損なわれて良いものでしょうか 周囲には疎んじられる事もあります 孤立も覚悟の上で良かれと思うことは実践あるのみ 他人の言った事は全て真実であるとして行動し、自身の発言に於いては言うまでもありません 結果、矛盾のある言葉は排斥され皆の生活には一本の太い直線が描かれることになったのです 「冗談」が人生の潤滑油などという戯言にたぶらかされること無く 良き人間良き社会良き未来を目指す 一人の詩人としてかく有りたいと所信を述べさせていただきました お次は「ズボン」で
500 :
ルート5 :2009/02/23(月) 03:30:50 ID:MaB2W1F+
大きな人 ブカブカなんだけど履いている 胸までくるから裸でいい 借りたサスペンダーで吊っただけ こういうのって、なんていうんだろう 裸ズボン? 色っぽいのか、それとも的外れ? あなたは朝食を作っている 相手は本職、仕方がない わたしはベッドでゴーロゴロ 照らされた朝日の中を 行ったり来たり なんとなく寂しいから ズボンを胸にぎゅっとした あなたの匂いは朝日の匂い? 朝日の匂いがあなたの匂い? わけがわからなくなった時 できたよ、とあなたがいう グギュー、とわたしが答える わたしのお腹が勝手に答える 次は「闇夜」でお願いします
「ズボン」 立ったままだけど 恥ずかしいけど ショーツ一枚の その上だから あたしあなた 汗ばんでるだけ 帽子のつばの 大きさに感謝 今すぐ叶えない 無慈悲に感謝 あたしあなた 壁に預けて 列車から降りて 願いを爪弾く そんな、指先は 関節、までにして ファスナーするすると 自由自在な しっとり染み入る インジゴの汗 お次は「印は不要です」でお願いしまっす。
重複ごめんなさいm(_ _)mスルーで。
503 :
名前はいらない :2009/02/23(月) 08:11:02 ID:JCsKgSn8
千と千尋の神隠し でお願いします
【千尋闇夜の神隠し】 漆黒の夜空 軒並み反る空の空 アカギレ之月→ぶちのめす浮浪者 大根が大根が大根が大根が煮えないからぁぁぁ ウィキで調べたカラシニコフの哀しみ 不発の闇に打ち上げればいい どだい空の空 どこまでいっても空の空 見えぬけれどもあるんだよ 見えぬものでもあるんだよ 見えない星なぞいりはせん 見えない俺もいりはせん そしてまたまたオマエが言う 消えたけれどもあるんだよ 消えたものでもあるんだよ 忘れたけれどもあるんだよ 忘れたものでもあるんだよ アカギレ之月←俺は吠える 消えた夢などいりはせん 忘れた哀もいりはせんよ 所詮すべては空の空 どこまで生きても 知っても ======== 『朝のカーテン』
「朝のカーテン」 闇を守る厚い布地の 細い隙間から投げられた 長くまっすぐなスポットライトに ささやかな埃が舞っている 片づけ忘れた灰皿の 消し残した煙がゆるやかに 夜想曲を奏でている あぁ町はいま新しい朝に目覚め あぁ町の守り手はいま眠る あの一筋の煙が消える頃 私の今日は終わるだろう あの一条の光が消える頃 私の明日は始まるのだ 昼よどうか守っておくれ 闇に隠れて眠る私の ささやかな安らぎを ささやかな夢を ======== 『昼行燈』
506 :
名前はいらない :2009/02/24(火) 05:11:51 ID:f6NtzaIW
あのぉ、
>>503 が作品を書かないで、勝手にお題を出しています
そのせいで
>>500 のお題が飛ばされている状況です
現在、お題はふたつ。『闇夜』と『昼行燈』
この場合、次の作品を寄せる者は、どのように対処すればいいのでしょうか
わかる人がいれば、答えてくださると有り難いです
507 :
名前はいらない :2009/02/24(火) 07:05:26 ID:u51j00bs
504が、闇夜+千と千尋の神隠し、 で書いてるから無問題。 今回みたいな「どっち書けばいいの?」 な状態の時は、こうするのがスマートかと。 書く方のハードルは高くなるけどね。
508 :
506 :2009/02/24(火) 08:48:30 ID:f6NtzaIW
早速のレス、ありがとうございました 問題は解決しましたので、通常の流れでお願いします スレ汚し、すみませんでした
お題のダブりは良くあることですよん。 特別ルールはないようだがあっさり二つでも三つでも書いてまとめるのがスマートじゃないかな。
『印は不要の昼行燈』 女のくせに――、という男上司からの御小言を 女上司に伝えれば ――だからこそ言うのでしょうよ、と あわや板挟みとなるところ を回避せんと、熱もやや冷めた頃合いに 頼まれてもないコーヒーと緑茶をそれぞれ いつもは服さぬ方(カタ)へと煎れて出し、なにゆえコーヒー。 なにゆえ緑茶。 と豆鉄砲二発くらわせ、両司から まんまと疎まれ 雑務の為外出す、 と断りもせず 自室の扉に 【一人反省会絶賛開催中也。禁入室】 と看板を垂れ 呑気顔曝す昼下がり、 「豆も茶葉も、茶菓子も切れましたので」 と周到に弁解を用意しつつ裏通りを闊歩する昼行燈 に、押す印は無し とは、かく云ふが如し。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡ 次は 『樹の下の一人』 、でオネガイシマスデス
511 :
ルート5 :2009/02/25(水) 04:10:48 ID:6Hcl2MW2
樹の下の一人 わたしは初めから決めていた あの樹の下で、と とても勇気がいるけれど 実行に移すのならば あの樹の下で、と 空の境界でとろける夕日 わたしの全身を緋色に染める 実行するのは今だった 意外と簡単で そのことに驚いて 静かに閉じる夕日に なにかを言おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお あの樹の下で なんの願掛けにもならない 孤独なテルテル坊主 次は『繊細な部分』でお願いします
512 :
◆2RWHOU4ClQ :2009/02/27(金) 01:29:17 ID:Pw8QsYw7
『繊細な部分』 コメの一粒胚芽の部分、 湯気を孕んで鈍色で。 のどの奥にはいがらがひとつ お茶を飲んでも取れません。 わたしは粗食だと、ひとはいいます。 -------------- 『夜明けは曇り』で
「夜明けは曇り」 雫に濡れる夜 行き過ぎる夜 ガラス窓の向こうが大きく溜め息をつく 橙の靄 汽笛が震え 耳にほどけてく 甘苦い残滓 明日 その一言を 握りしめたまま どうしようもない 橙の残滓 流れる雫 ゆっくり窓から 指を離せない 板の床は夜明けに軋み 明日私が どうしようもない お次は「巡り合わせ」でお願いしまっす。
514 :
ルート5 :2009/02/27(金) 04:49:53 ID:Cqq64X36
待ち焦がれて イカは嫌い 歯ごたえがなんかイヤ タコは嫌い 顎がだるくなるからイヤ ウニは嫌い 生っぽくてなんか苦い アナゴは微妙 ウナギみたいでなんか微妙 タマゴはちょっといいかも ふんわりして甘いところがいいのかも かっぱ巻きはお寿司じゃない おにぎりに近いから大嫌い わたしはプリンが好き お寿司じゃないけれど プリンは大好き だから、まずはプリンを待っている 待ち焦がれている でも、回って来ない 今日は祝日で家族連れが多い わたしのプリンが食べられていく なんて巡り合わせが悪いんだろう それでも待ってる わたしのプリン お題は『刃』でお願いします
515 :
みたらしひかる ◆NPntL0c/ps :2009/02/27(金) 17:06:14 ID:EDQ0wzX9
「は」 お菓子袋をハサミできれば 文明開化の音がする 黒曜石からうん千年 ピテカントロプスありがとう 切った袋のポテチを出せば 僕らは野性を取り戻す まだ残る 僕らが手にした最初の刃物 生命開花の音がする
516 :
みたらしひかる ◆NPntL0c/ps :2009/02/27(金) 17:06:46 ID:EDQ0wzX9
次のお題は「ピテカントロプス」
517 :
あおたん :2009/02/27(金) 22:09:11 ID:nMLLXUHV
『ピッテカントロップス』 太古の風吹くピテカントロプス 桃色の髪とツルツルお肌 かわいい顔したピテカントロプス 天真爛漫な もうそれは屈託のない笑顔で まいにち過ごしていたことでしょう! きっと! 太古の風吹くピテカントロプス 桃色の髪とツルツルお肌 抱きしめたいぜ!ピッテカントロップス! ========== お次は「リビドー」でお願いします。
「リビドー」 こんなにも こんなにも 脂ぎって燃えている いやあなリビドー いつから いつから 醜いリビドー したたって したたって 粘っこく溢れ出す きたないリビドー いつから いつから 切ないリビドー 赤子のように 何もかも 消してしまえ 忘れてしまえ やり場の無い ああ私のリビドー お次は「マント」で
519 :
◆2RWHOU4ClQ :2009/02/28(土) 07:59:21 ID:pWK012aW
故あって纏っているのです あばかないでください ---- 「浴室」で。
「浴室」 浴室浴室リラックス よくしつらえた室の中 ほっこり茹で茹で茹でられて 風邪風邪ストレス飛んでゆけ お次は、「箒」
521 :
あおたん :2009/02/28(土) 15:37:05 ID:x5ysNVOy
『りすぺくたぶる箒』 一本かさなりまた一本 かたまっていけ束んなって これだけあつまりゃ日本いち すっときてばっとひろがる い草の香りは伊達じゃない 大合唱で ザッザとうたう 一本調子で ザッザとうたう 小石ころがし ザッザとうたう 夕日をあびて ザッザとうたう ぼくもうたおうザッザとうたう 箒といっしょにザッザとうたう …ねえなんだかじつにかなしい… 在ったわけない そんな筈ないのに しかし、 むこうの山は見たことあるぞ あれはいつか住んだ小屋がある山 この空気もしっている すきとおる風もしっている 草や土のにおいも どこかできっと、とぎれるそらも 赤にとどかぬ夕焼けも ねえなんだか じつにかなしい 汗のしみ込むとってには まだみぬ夏のにおいと 古いシンセサイザーの音 だって昭和のそらはいま光る =========== お次のお題は「少年時代」でお願いします。
522 :
ルート5 :2009/02/28(土) 17:10:21 ID:vnZ9f5ve
少年時代 屁をこくつもりで中身を出した 朝から腹具合がおかしかった 歩き方がヘンになって トイレでパンツを捨てた 隠れて酒を呑んだ 強くないのに 馬鹿みたいに呑んだ まともに歩けなくなって 気がついたら路上で寝てた そんな五十代が少年時代 お次は『番号』でお願いします
523 :
名前はいらない :2009/03/01(日) 05:38:09 ID:lVnYWxIw
【番号】 ズル剥け神様 俺にレ・バンナの左腕をください 原色のやつら 真夏の蚊柱のような奴ら 原色のやつら コーナーに追い詰めて執拗に、嗚呼、執拗に 原色のやつら 何度も何度も小突き回したい 原色のやつら ちゃんぽんのいらない具のような奴ら 原色のやつら 原色のやつら 生出し神様 このモノクロゥムな憤怒に 無限の力を 無為の流血を 無窮の怨を 色づけてください 一でも百でも千でも足りなぁい 無量のイタミを 次回『びたーげーむ』
524 :
名前はいらない :2009/03/10(火) 03:15:46 ID:DhT1DfcV
「ビターゲーム」 先に痺れをきらすのはあなたのほうよ。私はまだ。まだ負けないわ。 あなたの腹の底などとっくに読めているのよ。 私が好きなんでしょう。 私も、あなたが好き。大好きよ。 だけど私からは気持ちは明かさないわ。負けたくないんだもの。 ねえだから早く。早く私にキスをして。 早くしないと私、苦しさに負けてしまいそうよ。 次のお題は「白昼夢」です。
525 :
名前はいらない :2009/03/10(火) 09:45:15 ID:cLByW7/N
蜃気楼 横顔 目を合わせれば 変わる景色 はかなさに恋して 踊り揺れる 漆黒に背を向ける月下美人 夢などいらない お題『銀色の骨』
「銀色の骨」 私のお骨は銀色 ぎらぎら光って銀色 人生が輝いているから 骨だって光っている 生きている私はまぶしい人 死んでも焼かれても 骨になっても私はまぶしい人 お次は「餅」
527 :
名前はいらない :2009/03/10(火) 22:12:54 ID:fjecqbJo
【餅】 ほうばれば、そら 喉に詰まる 苦痛は苦悩で 苦悩は普通で 白茶けた現実の中で ネバネバネバネバと 伸びるだけ延びて 突然プチッとキレて 飲み下すこともできず ヌラヌラヌラヌラと 間延びした言葉の裏で 白茶けた四肢の端々まで いつまでも いつまでも 記憶 空の果て 流れる雲 ぶつかる車・炎・車 飛び出す炎・人・炎 みんなキチガイ 喉が潰れた誰かの 谺する怯・恐・叫 白茶けた 時の果て 流れる雲 ほうばれば、きっと 次回『超カメムシ革命』
「超カメムシ革命」 カメ、です。 断頭台に登ります。 カメムシだから、あだ名はカメ、です。 カメ、革命しちゃいました。為政者、倒しちゃいました。 みんな頭ふりふり喜び熱狂しました、 興奮して、目がみんな潤んでました。 カーメっ!カーメっ!カーメっ!カーメっ! カメ、たちまち英雄です。 長くは続きません、カメ、の春も。 次の為政者はカメ、の協力者でした。 だーいどーんでーん返ーし。 ええ、当時流行ってたんです、ねるとん。 そんなこんなでカメ、ジュン、と民衆に殉じます。 恥ずかしいけど、あ… こんな大勢の見つめる中で… そんな…カメ、耐えきれなくて、たまらず、 昇天、しちゃいました。 カメ、の首、よく分かったなって後になって思いました。 ☆お次は「唯一無二の幸せ」でお願いしまっす。
「唯一無二の幸せ」 あの子は扇風機を抱えて そんな厄介なものを探していた コンセントの抜けた扇風機は滑稽で 電源コードの白いしっぽがアスファルトに汚れてた その日空は青くもなく かといって暗くもなく 中途半端な雲の上にあった それでもあの子は あの子は扇風機を抱えて 包装袋の破れかけたシールつきの扇風機を抱えて 湿気た冬の終わりの道を歩く そんなに幸せそうな顔で歩くな 頼むから ---- 「眠いのは自業自得」で。
530 :
名前はいらない :2009/03/14(土) 07:08:22 ID:2UuRaeuT
…ネムイノハジゴウジトク… 踏み切りの傍で 花が揺れる 長い黄色い睫毛のような 花が揺れる しなびた線路は影絵のように間延びし 枕木がヒソヒソと小雨に濡れる 誰かがゆっくりと振り向いて ゆっくりと遠ざかる日々 褪せた少女は空を指差したまま動かない 母親はどこへ・・・誰もがみな仮面の奥の眼差し 枕木がしっとりと濡れて しっとりと時を乾かす 誰もいない公園の砂場で 赤いスコップは独りきり もうすぐ雨があがって 揺らめく漣が色付いたら 起きようとまた、俯せになっても 覚めようとまた、仰向けになっても 感度のない空 青い花びらがマタ・・・ いつまでも続く線路の脇で 影絵のような祷り なき止まない警笛 終わらない 眠りの奥の眼差し 研ぎ澄ました昨日の夢だけが・・・ドコカニキエタ 次回『飾らない歌』
飾らない歌 飾らない詩を歌おう 技巧はいらない 難しい漢字や単語を連ねず 意味のわからない比喩もやめ 突然英語になったりもしない ただ心のままに あふれ出した言葉に 素直な節をつけ ゆるやかな音階に 身をゆだねる かつて聞いた 最初のやすらぎと 母の音色を 記憶に求めて 飾らない詩を歌おう ――――――――――――― お次は「逃げ行く春」で。
532 :
名前はいらない :2009/03/16(月) 03:15:27 ID:sRH/oJ0d
逃げ行く春 繋いだまま 細めたみたい 泳いでゆく 楓の並木 風にフルフルと揺れる カーテンごしの陽 空っぽの宝箱 魂は飛び立った 魂はそこから 明朝、穹に射手座が笑うみたい 春の空き箱は粉雪たちの棲み家 自由 曲がり道 幹線道路の先 飛行雲の消え方 したい事 仕舞いこんだ言葉たち 比率だらけの疑問 『もしもし?』繋いだままに 柊の小道 風鳴りが聞こえた 空っぽの宝箱 魂は飛び去った 丸い縁から崩れて 春はそこから 『不気味な白』
不気味な白 やさしくて あたたかい 高い猫撫で声 ぼくの手をひいて ハイヒールのあし どこまでも進む 気持ちの良い夜を 身体中にあびながら ぼくが見つけたのは 白い手から放れた白い花 「りんご」
534 :
ポエム田ポエ子 ◆k7FbTvUf9k :2009/03/16(月) 23:59:30 ID:mNmR3RB/
「りんご」 りんごほど 投げつけたくなる ものはない わたしははずかしいまねをした 白い壁の角に向かってシュート! わたしはたいへんなかんちがいをした 掃除したばかりのフローリングに向かってフォーク! りんごの意外な重みだから この心を乗せて飛んで行きやすい わたしはだいすきなあのひとをきずつけた 低い天井に向かって渾身のストレート! 段ボールから次々に取るりんごたちは 歯ぐきから血が出そうなほどに赤いのに 砕けた瞬間白いはらわたをぶちまける 跳ね返らずにそこで死ぬ りんごほど 見事に壊れる 命はない わたしはわたしをわたしのわたしが 水たっぷりの便器に向かって松坂大輔級のストレート! その頃にはもう りんごはりんごじゃない
535 :
ポエム田ポエ子 ◆k7FbTvUf9k :2009/03/17(火) 00:00:26 ID:ga2X37f6
次は「フナムシ」で。
「フナムシ」 子供の頃は平気だった。ただの灰色の虫に過ぎなかった。 フナムシの触覚を摘んでぶら下げ、海に放りこんで遊んだ。 今は、どうだろう。フナムシを目にしなくなって何年も経つから、 もう触れなくなっているに違いない。 群れを成して岩を這い回る姿を思い浮かべただけで、鳥肌がたつ。 彼らは害をなす存在ではない。魚の餌にもなる。 それでも、フナムシはもはや私にとっては、ゴキブリと同じくらいに 恐怖の対象になってしまった。 足によじ登ってきたら悲鳴を上げてしまうであろう。 アコーディオンの様な背中、細かく生えた足、長い触覚、 記憶から薄れているそれらを、思い出したくは無い。 一体、人間は成長して精神的に強くなれるのだろうか。 少なくともフナムシに対しては、私は弱くなった。 「無害な自然」の一部を受け付けなくなった自分に、恥ずかしさを感じる。 無様な事である。 お次は「和尚」で
537 :
名前はいらない :2009/03/17(火) 11:18:14 ID:cSDmGSa+
「花和尚」 ふとんで裸の 女と擦れあう 和尚でなければ フツーの人間 酒が大好き 陽気にノムノム 和尚でなければ ただのあぶさん 入れ墨だらけで コロシの達人 和尚でなければ 名のあるヤーサン 弱きを助けて 強きをくじく 和尚でなければ よくあるヒーロー
538 :
名前はいらない :2009/03/17(火) 11:19:20 ID:cSDmGSa+
次は「どこから入って来たんだ」で。
「どこから入ってきたんだ」 口笛は遠くから聞こえる 響かない耳鳴り 水色をなくした空が白く黄色く光るのを 眩しいからと言って 目をそらしてはいけない 別れを恨むなら直進して受け止めよう 目を細め 夕陽が筋となって四方へ散らばって逝くのを 美しいと思うなら 今目に飛び込んだヤブ蚊でさえ 愛さなくては 次は「突き放し」でお願いします。
540 :
名前はいらない :2009/03/19(木) 13:59:20 ID:oUhudFhC
『突き放し』 未開の風が揺れる愛の傍らでその壁は倒れてゆく はみ出した悔いに乱下する痛みの小人達 永遠に飾るつもりの造花に命が宿る 剥製の目に水が溢れ体がゆっくりと震えだす ただいつもよりつめたいせかいに じぶんとじぶんいがいのせいめいをみとめる かわいただけのてのひらにうっすらとめぶくよろこび いたみはいたみのそんざいにきづきいたみだすがそれにすらよろこび たちどころにせかいはこえにあふれぼくはわたしはふどうのくろがねをくずす みたこともないきくすべもなかった あらゆる ありとあらゆるしかいがひろがり ぼくは わたしは よろこびと かけがえのない そうしつを しる 造花の花咲く剥製たちの楽園から突き放されて今 未開の風が伝える愛の傍らで僕らは倒れる 次回『大仏君』
541 :
ルート5 :2009/03/20(金) 21:44:00 ID:gwzMdXM/
個人的なことですが巻き込まれ規制から戻ってきました! その記念してもいいような一作目、いきます 大きな人になって あれだね どっしりしてるよね 顔は温厚に見えるし いろいろ考えているんだよね わかるのはそれくらい わかったような気分でそれくらい 俺には計り知れない だって偉人じゃないから 日常の中でほんの少しでいい 理解したいことがある 理屈じゃなくて論理でもなくて 知りたいことがある ひとりでは解決が難しい だから、卒業式のあとで キミに来てもらいたいんだ あの、初めて出会った樹の下で 次回は『究極』でお願いします
究から極へ歩むことについての考察 顕微鏡の向こうに、私達の真実があるという 硝子板に挟まれて潰れているそれに こつこつと進み辿りつけば極められるのだという 満員電車に揺られるのわたしを尻目に そんな塔の中でいつでも 見下さないでください 探究と通勤は同列だと気付いてください わたしがいなければ餓死するだけのゴキブリのくせに ---- 「行くところがない」で。
543 :
名前はいらない :2009/03/21(土) 14:16:05 ID:KL+B+sb6
【行くところがない】 砂塵たちへ…… 弔いはいらない 炎は歌を印す 君だけは望みを叶えよ 大気はオトガイに滴る 見たのか 多くの屍の乾いた腕を その白い指先を 砂塵たちへ…… 弔いはいらない 嘆きは穹へ 舞い上がる炎の如く お前の行方は私達が示そう だからもう その目を開けよ 行く宛てが無いとただ震える その口を閉じよ 景色のない砂漠に埋まろうと この指の先を進めばいい 私たちが行けなかった 行く術を永遠に失った あの星と陽の瞬く地平へ だから砂塵たちよ…… 墓標はいらない 後に続く数多の足跡が それこそが 私たちを安らかに眠らすのだから 次回『君は声を詰まらせて』
544 :
名前はいらない :2009/03/21(土) 17:47:25 ID:aohZy0ql
「君は声を詰まらせて」 始まりの合図 君の腕を掴んだ 優しい風が吹いて 「優しいね」って笑った 遠い向こうに君がいて 誓いを立てる僕がいて そんな微妙な距離に 君は声を詰まらせた 後戻りなんかできやしない 次回は『気づけばチョモランマ』でお願いします
545 :
ルート5 :2009/03/22(日) 07:44:56 ID:EJg5k3r9
気づけばチョモランマ 足もとに朝日が当たっている 寝返りを打とうとして 僕はそっと振り向いた 背中に当たる温もりは 確かにそこに眠っていた 静かな寝息のキミは 両手を揃えた眠り姫 見つめられて恥ずかしい そんな態度で仰向けに 少し乾いた唇に 僕はそっとキスをした なんの反応もないままに 僕は顔を下げていく キミの鎖骨にキスをして 急な傾斜に唇を滑らせ チョモランマの頂を 薄い布地ごと、咥えた キミは難しい顔で 目を閉じたまま ばかぁと言った 次は『路地裏』でお願いします
546 :
名前はいらない :2009/03/22(日) 18:57:24 ID:bZiF/ehh
路地裏§ ソコハアメイロノメイロ ミドリガカッタキリニカクレテ マボロシノヤキトリウルミセ ニセノフルホンヤ ミイラアツカウオヤジ ミギ二ノラネコ ヒダリニフロウシャ アカイチョウチン ベニヤノカンバン アワイイロサク ウラロジメニュー キイロノシミ二 アキカンノメタル マガリカドノニオイト スイガラノハナビラ サナガラ ボウクンノトオリミチ ハタマタ ショウドウノトオリアメ ハブサレタモノタチノタエマナイカゲ ソレハドコニデモアルヨル ソシテドコニモナイワライ タビビトハヒトリウタウ カゼノタマリバ ヒミツノウタゲヲ 次回『ガンジーの罠』
『ガンジーの罠』 罠職人マハトマ・ガンジー 次は『耳鼻科』
「耳鼻科」 耳鼻科 耳鼻科 今専科 眼科 眼科 今専科 皮膚科 皮膚科 今専科 歯科歯科歯科歯科 まだ専科 (でんてぃすと いず あーと おぶ らーう゛!by かんぞー うちむら) ほいほほほい お医者様はいませんか (あんだって とんでもねえ あたしゃ おいしゃさまだよ!) (おばあちゃん…頭と脊髄になってもまだ元気ねえ) ほいほい ☆お次は「ベルトクイズQ&Q」で。
549 :
ルート5 :2009/03/23(月) 05:19:20 ID:vowr9xzs
ベルトクイズQ&Q サンマ カツオ ブリ、絶対にブリ 違う、真鯛だ あ、カツオかも うん、カツオ そうだ、カツオだ そうだな、カツオに違いない 家族はテレビの画面に夢中 言いたいことを言い合って 考えがまとまって 正解に耳を傾ける やがてみんなが仰け反った みんなの答えは間違いで みんなの笑顔で華やいだ そんな家族を想って今日もひとり、 行ってきます ひとりの部屋に声をかけた 次は『あの時の、あの声』でお願いします
550 :
名前はいらない :2009/03/23(月) 15:47:10 ID:+VWUUmXY
「あの時の、あの声」 そんなはずはない 言い訳なんかしたくはない でも そんなはずはない きっとそんなはずはない 霞んでいく あの時の、あの声が霞んでいくのさ 次回は『偽りの綿棒』でお願いします
『偽りの綿棒』 「あのさ」 五年越しの彼女は上から声を放った 改まったような、しんみりとした調子で 「ありがとう、ね」 膝枕が左の頬に温もりを伝える 安らいで綿棒に委ねた右耳に 彼女の感謝の言葉が降りた 「うん。何が?」 心地よさに巻かれながら僕は尋ねた 柔らかな空気を纏ったまま彼女は言う 「私、君のメールがなければ今頃どうなっているだろうと思って 三年前、苦しくてどうしようもない時だった 死んじゃってたかもしれない 君の言うことはどれも厳しい言葉だったけど 本当のことだと思ったの 溺れてたんだね。甘えてたんだ、きっと 君の言葉があったから立ち直れたんだと思う だから、ありがとう」 一音一音を区切りながら 彼女は僕にそう言った 「・・・」 そんなメールを送った覚えはない 背筋を寒気が貫いた 顔が真っ青になった 驚愕と怒りに歯が カチカチと鳴る 次は『始発電車を待つ駅で』
552 :
ルート5 :2009/03/24(火) 03:16:12 ID:A6PROhp9
始発電車を待つ駅で わたしはイスに座っていた 明るい白に包まれたところで ひっそりと一方を見つめた 線路は薄闇の中に続いている 信号機は赤いランプのところで しっかりと情報を伝えた ホームの白さと混ざり合う 朝日はどこか粉っぽい 遠くの方で静かに、確かに響く音 わたしは笑顔で立ち上がる 待ち焦がれた瞬間だった 白い朝日の中に飛び込んだ 赤く熟れたトマトが弾けた 次は『境界線』でお願いします
553 :
音符 ◆K2HoJpiyVc :2009/03/24(火) 23:16:27 ID:PFrdzFcw
『境界線』 通じない気持ち 伝わらない言葉 目に見えている世界さえも 微妙にちがっている 思い描く未来も まるでばらばらだけど そんな境界線なんか ぶっこわして 在りのままの君を抱きしめるよ 次は『みえてる世界』でお願いします
554 :
名前はいらない :2009/03/25(水) 00:25:55 ID:L52oibvd
『みえてる世界』 あなたは見えていない あなたの目には映っていない あなたの肩に 今青黒い手が乗せられている あなたの喉に 今数匹の虫が蠢いている あなたの髪に 今湿った袂が被さっている あなたの目を 今見開かれた血眼が凝視する あなたは頬を掻き あなたは窓を見 あなたは秒針の刻む音を聞く あなたは見えていない あなたは見えていない あなたの目には映っていない 次は『この壷を買いなさい』
555 :
名前はいらない :2009/03/25(水) 01:25:16 ID:rBbpG0+H
※この壷を買いなさい この壷を買いなさい この壷を買いなさいっっ! 『だが断る』 この壷を買ってください 『だが断る』 この壷を買わなければあなた死にますよ? 『だが敢えて断る』 この壷を買わなければ私死にます! 『むしろ断る』 この壷は、この壷は実は大変貴重な・・・ 『由来も断る』 買え 『断る』 買えよ 『断るよ』 帰って 『断るって』 帰れよ 『断っちゃう』 いつまで居座るんだよ!?つかお前誰だよ!! 『素性は断る』 警察呼ぶぞ 『てら断り〜のぉ』 なんなんだよ朝っぱらからお前は… 『この壷を買いなさい』 だが断る 次回『WBC』
556 :
名前はいらない :2009/03/25(水) 10:39:31 ID:EnQ5SjXi
「WBC」 泣くのですか? 君はそうやって 逃げるのですか? 涙を流せばいいと 思ってはいませんか? ただフリをしてるだけでは ありませんか? 君は思わず口を開いた 「私の母国は中国です。」 次回は『試されたパピコ』でお願いします
557 :
名前はいらない :2009/03/25(水) 16:51:13 ID:L52oibvd
『試されたパピコ』 全然分からん 次は『パピコの自己紹介』
558 :
名前はいらない :2009/03/25(水) 17:16:40 ID:izgLZ/eZ
「パピコの自己紹介」 パピコはね今世紀の最終兵器 標準装備の隠しボタンを押せば 史上最大の作戦「パピコシャワー」が全世界を濡らす 奇跡の糖度100パーセント 奇跡の糖度120パーセント 次は「隠された宝石」
「隠された宝石」 誰でも見ることができるのですが 神がお選びになった者が見るので光るのです 欲しいと思えば 神はその者に試練を与えます 欲しいと思う者にこそ 一番越えがたい壁を作るのです 回り道して越えようとする者 よじ登って越えようとする者 ジャンプして越えようとする者 さまざまですが 隠された宝石であるがゆえに 見失わないようにするだけで大変で その壁を越えるのは非常に難しいとされています だからこそ価値というものは生まれるのだろうなと 道端を行く猫は思いました 次は「栄養」でお願いします。
560 :
ルート5 :2009/03/26(木) 21:54:51 ID:OkRUkT+H
栄養 意味はわからない どこかの正義の超人も 同じようなことを言っていた 本当に意味はわからない 言葉の意味がわかっても それはわかったことにならない 栄養はあるのだろう 元気になって 体力が余って 結果、そうなるのだろう 本当に意味がわからない 一粒で三百メートル 次は「あなたの器」でお願いします
561 :
名前はいらない :2009/03/26(木) 23:18:54 ID:FCs5Kf3r
『あなたの器』 セメント漬けの上半身に血の気はない 髪はきれいに剃り上げられて 見開いた目は真っ白だ 開いた口から固そうな歯が覗いている 白衣の医師と 付き従う白衣の医師達 看護師達 現れて人物の前に立ち止まる 医師が右手を挙げ お付きの一人が注射器を握らせた 人物の 振り上げられて固まった腕に針が通される ぱりぱりぱりぱり 表皮に亀裂 やがて剥落 血色の良い人物が現れた 次は『セメダイン』
「あなたの器」 午前2時 開いてる店は珍しい 甘い甘いラテを頼みます 溶けそうに甘い栗の焼き菓子と 午前2時 向かいのデパートは沈んでいます 見下ろす広場でシフォンの髪とローズウッドの香りを纏った優しい女が あまりに図々しく言い寄る男に 犬がお預けを言いつけられて感じる時間は いかに長いかを諭しているよう 経験と年で済むものならば 私はもっと愛を抱えて 恥も外聞もなく撒き散らしたい あなたの5分は3時間 短い命の待てる時間は 午前2時 タクシーだけが白々行きます 甘い甘いラテならラージで いつまで生きても苦味は苦手 午前2時 私は独りが大好きなのです マイタンブラー 素敵ですが 私は仮の器でいます 吹き抜ける風と目を見開いた ☆お次は「全国的な雪模様です」でお願いしまっす。
ごめんなさい↑お題は上で。
564 :
ルート5 :2009/03/27(金) 08:30:19 ID:pN+hHwhH
寒い冬のセメダイン 雪が降る 積もる雪を 人々が踏みつける 大地は見えない 踏まれた雪は硬く 白い塊になる 雪ではないなにかになって なにも訴えることのない まるで固まったセメダイン 通学路に白いセメダイン 子供が乗っては滑る 嬉々とした声は過ぎ去った セメダインは朝日の中 キラキラと輝いていた 次は「光の軌跡」でお願いします
「光」 光って 真っ直ぐに進むから 正面に立たないと どんな色か見えないんだ 正面に立たないと どこから来るのか見失ってしまうんだ もういっちょ 「雪」 今晩は雪 全国的な雪模様ですって 街灯が楽しそう きらきらと雪にあたって 光の軌跡が遊び回っています お次は、「ひげ」
566 :
犬大好き :2009/03/27(金) 19:35:35 ID:k2Zszk9O
ひげ タバコなんか吸いながら 剃り剃りマシーンを押しつけてくる かんべんしてよ 剃っても剃っても生えてくる 合計10メートルは剃ったよ いやもっとかも こんなにたくさんの毛 いったいどこにしまってあるんだろ? そんなわけで 確かめてみました 下の切れめにハサミを入れれば かんたんかんたん ぴりっと裂ければ つるっと裏がえし いっきに中身が飛び出した どちゃっとね 中身まっくろ あーやっぱり ぜんぶぜんぶ毛だった こんなにみっちりつまってたんだ これじゃいくら剃っても 生えてくるわけだよ 姉ちゃん 剃っても剃っても生えてくる てことは 俺の中身はどーなの? そんなわけで 確かめてみました ぴりっと裂ければ つるっと裏がえし つぎは「ロケット」で
567 :
名前はいらない :2009/03/28(土) 05:27:31 ID:g93PAJiN
「ロケット」 青空を抜け 星空に届く長い階段 オペレーターによれば 人類の宝 ガラスのように透き通る幅広の段を踏む 周囲には人が居る 俺はまだ大気圏内に居る 足の下も腕の先も真っ青だ 圏外へ出ると少しずつ青が狭まる 本当に少しずつ ゆっくりと星空に遠ざかる 下に落ちていく 視界を尖塔が貫いた 尖塔は火を噴いて頭上へ抜ける あっという間だ 瞬く間に俺達はロケットを見送った 次は『桜』
568 :
名前はいらない :2009/03/28(土) 16:43:01 ID:mAgf00Yu
『桜』 踏むんだ 名前のない犬のよう 気怠いヨダレ垂らしながら 無言のドラマ演じるんだ 聞こえない悲鳴に グダグダとぬかす演出家には 腐った牙で咬みつきゃいぃいぃいぃ…… 振るんだ 赤く縁取った笑顔で ありあわせの不幸詰めきって たまたま居合わせた感じで 悲鳴が足りなきゃ 限り無い空とかもういらねぇから あの色に染めてやればいぃいぃいぃ…… 振るんだ 踏みにじるんだ 散らしてやれ 今スグ散らしてやればいぃぃ 【ドンナ屑デモイキルカ値トカシヌリ由トカ欲シガルモンダガ●ダメニハ●シカ咲カナイカラ迷ウコトナクフリ降ロセ】 悲鳴が途絶えたら もう一度 悲鳴が始まるまで 何度でも グダグダグダグダ何か喚こうが 赤く縁取ったクチビルで 気怠いワライ垂らしながら たまたま居合わせた感じで 次回『バリカン』
気づいたら髪はなかった バリカンで僕の頭は 坊主になった 坊主になった 初めての感覚 初めての軽さ つるつるじゃなく ざらざらヘアーだ ちょっとチクチクするのが 今の僕みたいで 面白い 今日から僕は軽くなる だって僕には髪がない 次→「ハンバーガー」
570 :
route5 :2009/03/29(日) 04:40:57 ID:XLUzbMY0
ハンバーガー 起きたばかりで ちょっと重い そうは思っても 身体は正直 差し出すあなたの 笑顔に釣られて 少しは恥じらって 小さく齧った ハンバーガーには 大きな一口があって その横に寄り添う一口 毛布に包まれた二人と同じ 次は「返事を待っている」でお願いします
『返事を待っている』 メールを送る 携帯がピカッと光る 着信音はあの人 返事はいらないといつも書き添えるのに 必ず返事をくれる ちいさな幸せを感じる ねぇ ありがとう あなたのおかげで生きています 心の奥にしまってある想い気づかないで 気づいて 今日も複雑な気持ち 次のお題はいつか終わる夢でお願いします
572 :
名前はいらない :2009/03/29(日) 22:33:45 ID:XLUzbMY0
いつか終わる夢 初めからわかっていた 自分には才能がない そんなことはわかっていた 才能は努力で補える 自分は信じていた そう、思い込もうとしていた 思いは叶わなかった 夢は夢のまま 終わろうとしている なんとなく、その時がわかる 良い香りがする もう少し、待って欲しい まだ、夢は叶っていない 俺は呼ばれた 夢は途中で絶たれ いつもの朝食を迎えた 次は「新しい一日」でお願いします
573 :
名前はいらない :2009/03/30(月) 00:06:10 ID:DIu41ELx
『新しい一日』 積雪を免れた洞穴の地肌に氷柱が落ちた 山の斜面を薙いで行く雪風にも折れなかった氷柱が 唐突に落ちた理由は分からない 探検家B場は氷柱の立てた反響に目を覚まし 洞穴の入り口に目を向ける 外界は日に照らされて青空を覗かせている 雪を踏み抜く音がした 積雪を押し潰す無数の音は洞穴の外から聞こえる B場は表へ歩み出る 空から幾万本もの巨大な腕が生えていた 空からの腕は視界の果てまで格子のように垂らされており 手のひらで地表をプレスしている どすっ、どすっ、どすっ、どすっ あまりの光景にB場は呆然とした 「新しい一日」と呟いた 「これからの毎日」と言い足した 次は『点描』でお願いします
『点描』 箱に盛られた粒たちが目の前に置かれて 私は両手に掴めるだけ掴んで眺めていた 両手から溢れる粒たちが 光にあたり 床にあたり 弾け飛んだ後ではまた色が変わり 鳴り止まない音は いつか見た雨のように懐かしく響き 涙よりも彩られ 粒が連なり虹となる 次は、「目覚まし時計」でお願いします。
「目覚まし時計」 気付けば空気は ひんやりと温度を下げている 窓の外の暗い青が 水を指したように薄らいでいる ぼんやりすることに時刻も時間も 必要はない むしろ邪魔なくらい しんとした世界に慣れ過ぎた 喉が渇いていたことを思い出す 台所へ行き水道の水を ひねった蛇口からそのまま飲む 一番鳥のカラスが鳴き声をあげ 飛び立つのが聞こえて来る 一年通して 大して変わりはなかったった 人が何人か死んだけれど 僕の朝はさして何も 一度消したヒーターを点け直す 湯を沸かし 今日何杯目かの珈琲を飲む こうして日々忘れて行き こうして何かを忘れない努力をする 心がかようはずもない 目覚まし時計の頭を押して 蛍光文字板を光らせたりする いたずらに いたずらに いたずらに 君を忘れることがないよう カレンダーの日付を またひとつ潰して 何千回目かの朝を向かえる 次は、「四月一日」
576 :
ルート5 :2009/03/30(月) 08:59:53 ID:0IoDsIHE
四月一日 これ、あげる 欲しかったんでしょ? いいじゃない、気にしくても それ、もう使わないし いいんだって そう、素直に受け取ればいいのよ キミは、考えすぎなの 少しはわたしを見習いなさい そうそう、人間、素直が一番 それにだね わたしはキミとは友達なんだから 友達はこれくらいして当然なの なに笑ってるのよ 友達に決まってるでしょ ヘンなこと、想像しないでよね まったく、もう そんな四月一日 次は「芽吹き」でお願いします
577 :
名前はいらない :2009/03/31(火) 22:14:51 ID:hbuz+sPN
【芽吹き】 ぽっかりと空いた穴。 そこを通る風一陣。 風は知りたいのです。 だからカナブンさんに訊きました。 『おまえはきみはだいちのそらのどこからきたの?』 カナブンさんは激しい突風に飛ばされイチイの幹に叩き潰されました。 ぱっかりと割けた穴。 そこを通る陽気なピエロが一人。 ピエロは貪り怒り笑いたいのです。 だから気儘な風に訊ねます。 『ドンナ屑ニモオモイ出ガアルガオマエニハ何ガアル』 風は無慈悲にピエロを引き裂きました。 ぷっかりと浮いた穴。 そこを通る三人の吟遊詩人。 彼らはクロを付けてきたのです。 けれど夜に見失い風に歌います。 『炎ですか?夢ですか?消えた揺らめく影の主人は』 風は止みピエロの首だけがケタタマシク笑います。 ざっくりと刻まれた穴。 その傍に深紅のカラスが舞い降りました。 カラスはくちばしに何か挟んでいます。 風は逆巻き唸り上げます。 『おれはわたしはそらのだいちのどこへいくんだ?』 カラスは器用に風を乗り込なすと一声鳴きます。 『風さん、風さん。この実を埋めて春まで待てば全てが解る。』 風はカラスが落とした何かの種を一生懸命育みました。 すぼらな雲さん急き立てては雨水貰い。 癇癪持ちな太陽王その機嫌をとっては暖めたり冷ましたり・・・。 ぽっかりと暝い穴。 春にそこから小さな小さな小さすぎて何か分からないモノが溢れてきました。 そこにまた三人の吟遊詩人が通りがかりました。 彼らはシロを追いかけていたのです。 『これは無限か?有限か?はたまた兩儀か?』 風は笑いだしました。 するとイチイの硬い梢が割れカナブンさんがクルクルと飛び立ちました。 風はさらに笑います。 大地には小さな小さな小さすぎて分からないモノが煌めき渦巻いて やがて消滅していきました。 次回『勝負師』
準備万端シミュレーションも完璧だ今こそ、 そう今こそ、俺の人生の軌跡が 『話があるんだ。』 『私もお話があるの。』 睫をわざわざひねって上を向かせて、色までつけて、 彼女はそんなことをいうのであった。 僕は小箱を膝の上に抱えてテーブルの下に隠したままで動悸を飲み込むそうそう、 このタイミングだがまずは女を立てねば話にならぬそう俺は余裕のある男 『まず君からどうぞ。』 『あなたからで、いいのよ。』 『これを受け取ってくれないか。』 (勝利は永遠の積み重ねによるものであるが敗北は常に一瞬で決する。) ------------- 「喉の奥」で。
579 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/05(日) 22:33:38 ID:S+iIpiMB
『喉の奥の諍い』 散漫で横柄で無粋な現象 『ウイルス』 本当は生命らしいのだけれど 私は現象と呼ぶ 生命が現象として 散漫で横柄で無粋なものであるのだとか 利いた風な、稚拙な思索を捏ねてみるものの 開陳する相手が無い くしゃみ マスクを買わなくてはいけない 洟が出てきた いくつもの不快な予兆の中で 体内の熱だけは心地よい 『ウイルス』と体内組織との戦い 普段使っていない身体の奥を動かしているよう 喉の奥で 篭もる気配と濃密な熱 苛烈な騒乱を意識しながら 頭だけが呆けている 次は「晴れ」でお願いします
580 :
ルート5 :2009/04/05(日) 22:46:29 ID:KRcIlgTx
喉の奥 ムカムカする 胸元が熱い 限界は近い 喉元まできている 腹が立って仕方がない 胃まで熱くなってきた 顔が熱い 末端の耳まで熱い 情けないにも程がある 俺は涙目になって 人目を避けるように走った 落ち着ける場所に急いだ こんな自分が許せない 弱い俺は俺じゃない そんな思いでぶちまけた やるせない帰り道 反省の言葉が頭を巡る 以前の失敗が頭を占める 呑み過ぎたやるせない夜 次は「柔らかい肉」でお願いします
581 :
ルート5 :2009/04/05(日) 22:48:03 ID:KRcIlgTx
すみません。上の人のお題でよろしくお願いします
582 :
名前はいらない :2009/04/06(月) 07:48:52 ID:CiB5fTyJ
○月×日 くもり きょうすばらしいおうたをききました。 せんせいはまっかなかおですごいねっていいました。 なんだかゆめみたいでした。 あしたもくるといいな。 ○月×日 どすぐもり おひるにスパゲッティーたべました。 スパゲッティーはながくてクルクルまいてたべます。 のどにつまるけどスパゲッティーおいしいです。 ○月×日 あらし すきゃっとまん すきゃっとまん すきゃっとまんまたきた。 ○月×日 くもれ そらからピンクのまりもがふってきましたよ。 ○月×日 むしろくもれ ながいながいむしがはいかいしとる。 せんせいはすごいねってあほか。 ○月×日 どいつはあめ こしからしたがゼリー こしからしたがまじゼリー ○月×日 いたりーはゆき こしからうえもゼリー こしからうえもとかなにこのかんじ ○月×日 トコナツ とけていきます まりもがみんなとけてぼくもせんせいもからだがプルプルくずれて いやだいやだゆうごうなんていやだ すきゃっとまんたすけて ○月×日 くもり 無事大人になりますた。 次回『夜店』
583 :
ルート5 :2009/04/06(月) 09:32:10 ID:5eSNx/0O
夜店 暗闇に灯る 行燈のように 淡い光 石畳が濡れたように 輝いて 影絵のような人々が 行き交う ああ、楽しかったな その中には りんご飴のような 頬の子供がいて 白い歯のまま 上唇が張り付いて 気にもしないで 笑っていた ああ、わたしだ 思い出した すべてを手に入れて すべてを終わらせた 夜店は走馬灯のように 最期の時まで―― 次は「あなたの選択」でお願いします
584 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/07(火) 22:13:36 ID:wGpoXXU6
「あまりに豊かな選択肢」 宝くじが当たりました あなたならどうしますか 僕なら ばら撒いています 真っ赤なオープンカーで紙幣の嵐を カリオストロの城のルパンを気取るわけではないですが パーッとばら撒く楽しさはたとえようもなく ハッピーでハイです 夜はゴージャスです ドンペリニヨンとか何とか高そうな酒を プロ野球の優勝チームがビールでやるような仕方で蕩尽しています みんな笑顔になります 宝くじが当たりました あなたならどうしますか 次は「ゴースト」でお願いします
ゴースト あなたの横顔を見る あなたは気づかない もう長いこと あなたのそばにいる 毎月あなたは花を手向ける あなたから離れない 私の亡きがらは花壇の下 誰にも知られずに 次は月の光でお願いします
586 :
名前はいらない :2009/04/09(木) 05:09:55 ID:A0OCChWD
月のヒカリ この指とまれ 明るい月と暗い海と灰色の靄の涯て 老人の灯す漁り火一つ 荒海に逆らって未曾有の波濤に洗われて 逆巻く波間の孤独の網を引き揚げたなら さぁ、この指とまれ 見たこともない獲物をやろう 見たこともない深海の歪なサカナから 見たこともない巨大な錆しいガラクタまで この網にヒッカッカッタ様々色々諸々の 己が生きた証の数々を もやった縄は緋の空へ繋がれ 錨の行方は鳴く海の底へ 止まらない波の鼓動に 漕ぎ出すことすら忘れた櫂一つ 微睡みに哀しみを乗せたらまた 琥珀の夢に沈むだけ 届かないならこの指とまれ 秘密の漁り火に誘われて 眠りたいならこの指とまれ 深緑の海の涯ての涯てへ 還りたいなら この指とまれ 瞬く月のヒカリに惑わされないうち もぅ、終わりたいなら…… 次回『ツタンカーメンカップラーメン』
「仮面の告白」 ツタン仮面がいざ参る 砂漠を越えていざ参る 見つけたぞよ 見つけたぞよ 我の夕餉は此処にあり ツタンカーメンカップラーメン! 正義の仮面のお湯さばきを オアシスの恵みを受けてみよ お次は、「りんご」
「おりんご」 ほっぺ真っ赤で おりんご 「お」をつけたくなる おりんご あんなに甘くて おりんご ほんとは焼いたりしたくない 輝くスキンを失いたくない 光る涙は炙られて よこしまと言える香りに変わるよ ただの香りも おりんご 美酒のようだよ おりんご あまり可愛くて ごめんご おりんごはあたし はるかなあたし 丸くて赤くて鈴なりりんりん どこまでも続く木々木々木々木々木々… お次は「子羊の」でお願いしまっす。
589 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/12(日) 02:14:34 ID:8LU1YvBU
「子羊の毛皮を被りこう言った」 どうよこれ バッハみたいだろ 次は「深み」でお願いします
590 :
ルート5 :2009/04/12(日) 08:53:22 ID:yjmiaAUw
深み 最初は興味から どれだけ深いのだろう そんな考えからだった わからないものに 足を踏み入れた どこまで沈むのか どこが底なのか それが知りたい 本当に興味から 足を突っ込んだ どこまでも沈む 自分の足もとを 漫然と眺めていた それを知った ようやくわかった 深みを知った 全身で感じ取った そこの底で それを知ってしまった 次は「大切な人」でお願いします
591 :
名前はいらない :2009/04/13(月) 04:34:18 ID:xfh5DxEw
大切な人 フランケン 怪物 鉄の鎖 エンデ翁『果てしねぇ?嗚呼果てしねぇ』 子供のバラバラ死体に花が咲く ミミズクうなずく 俺首肯して ミミズクうなずく みな雁首そろえて 夜はそもそも人間だ フランケン ブツブツ 鉄の踵 歩きっぱなしで朝に泣く 走りっぱなしの夜の話 刳り貫いた子供のアレに薔薇も咲け 夜はそろそろ替え時だ 夜がまたぞろ目を醒ます 思い出す君のびじゅある 思い出せない俺とのびじょんとか 何が悲しいってもはや涙もでない俺は何?あれかあれなのかまるで心を忘れたいやそもそもはなから…… ミミズクうなずく オンラインのキンミライ ミミズクうなずく みな首肯して俺否定 噛み切る 情緒不安定スルメ 噛み切れない だが噛めば噛むほど……嗚呼果てしねぇ 夜はなんだか柔らかい 次回『デンシレンジキス』
592 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/15(水) 23:28:23 ID:8g5zU75F
『デンシレンジキス』 「ぶげえ」と悲鳴を上げて 男は爆発した 男は痴漢だ 路地裏に飛散する血飛沫と肉片の只中で 恐怖と屈辱に瞼を腫らした幼い少女は呆然と座り込む さくらんぼのような蕾のような 彼女の唇に男が唇を押し付けた直後のことだった 能力発現の夜だ 彼女のファーストキスだった 五年後、少女は憂いを帯びた目で僕の前に現れた 次は「会議」でお願いします
593 :
犬大好き :2009/04/16(木) 01:09:26 ID:ncyOiesn
会議の噂 「会議中」の札が下がったドアの向こうからは 物音ひとつしなかった 誰が何の会議を行っているのか まったく分からない状態のまま、既に二週間近く過ぎようとしていた 食事時になるとドアの前に岡持がずらっと並ぶことから 確かに誰かが中にいて 席を外すこともままならない程の、重要な会議が行われているには違いなかった やがて会議が長引くに連れ、様々な噂が囁かれはじめた お茶出しにいったはずのOLがそのまま帰らなかった程度の噂は序の口で それが四肢を切断されて香港で見つかっただの、時速80キロ以上で走るだの、冬には山に入って山童になるだの もはや考えるのがめんどくさくなったから適当に言っちゃった的な噂で持ち切りとなった それでも会議の内容が、一向に漏れ伝わってこないのは不思議であった ドアに下がった札が「会議中」から「着替え中」に度々変わっていることもあり それが会議の内容を、増々窺い知れなくしているのだった すっかり季節も移り変わった、ある日 「会議中」の札は外され、固く閉ざされていたドアが数ヶ月ぶりに開け放されていた 既に清掃のおばさんが掃除機をかけはじめており あの長い会議の痕跡はどこにもなかった 社内の噂はあっという間に沈静化し、 会議室のドアはそれからも開いたり閉まったりしていたが、誰も気にしなくなった そういえばOLが一人、いつのまにか会社を止めていたらしい 次は「目薬」でお願いします
594 :
名前はいらない :2009/04/16(木) 12:00:36 ID:AZdXNtwB
目薬 馬鹿な現実に 目が冷めて乾いて痛いので 涙を流すことにしたのだ 確かな病名も 決まった処方もないものだから とりあえずの鎮痛剤で 涙ほど効くものは無いような気がするのだ 次「春の夕暮れ」
595 :
名前はいらない :2009/04/16(木) 14:46:22 ID:4yjMQ6oT
飼っていた猫が息を引き取った もう16歳のおばあさん猫 まるでおねえさんのように 僕に世話を焼いていた あれはものすごい嵐のあとの澄みきった春の朝焼け 近所の公園で彼女は泣いていた まだお嬢ちゃんだった 思い出して ひとしきり泣いた 僕のお母さんはもっと泣いた そんなに顔を皺くちゃにして そんな 春の夕暮れ 次『空間』
『空間』 真夜中になると ひとり 異空間に飛んで行く 不思議な世界には 決まったルールはない 空中庭園 美術館 研究所 いったいここはどこ? 今夜はどんな世界を 旅するのかな? 小さな卵形のカプセルに 入る時間だよ 次は『植物園』でお願いします
597 :
名前はいらない :2009/04/17(金) 16:40:47 ID:E+ulvh+e
植物園 ふわふわのタマゴにくるまれて 夜汽車の汽笛に目を覚ますと そこはウツボカズラの蔦の門 ゆっくりと押してみた ひっくりかえった震い音響かせて ひらけた先に食虫花の園 逃げ惑う陽気な小人たち 慌ててコロンでどなりあう まっ黄っ黄な房を広げて小人をパクリっ 巨大なシシトリグサ 熊手のような葉っぱで殴って紅いカラスもパクリっ 綺麗なアバラアザミ みんなみんな動いて泣いて笑ってて 命の花を散らして咲かす 暗闇の花園 うたかたの春の夢 遠く不思議な音色が聞こえてきたら 輝く朝靄流れいで 小人は冷たい石像に もう動かない植物たち 静寂の中 僕はまたリンドウの花 太陽が照らすその先に 青はうつろう 夜の扉 今宵も流れる斜め星に 願いの歌を咲かせては散らす 次回『動物園』
598 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/18(土) 01:43:19 ID:2l5BvKn/
「動物園」 金切り声を上げて格子を揺する 毛むくじゃらの猿 糞を投げつける お高く留まってそれでいて群れる ピンクフラミンゴ 近づくときっと臭う 年中寝てばかりいる ライオン ファホーなんて吠え声は存外間が抜けている 「まだ見るの?」 よく晴れた平日の会話 何と答えればいいんだろう 次は「水族館」でお願いします
599 :
ルート5 :2009/04/18(土) 12:30:30 ID:rI69Kitw
水族館 活きのいい魚が泳いでる 死んだ魚の目とは違う 生きた魚の目なんだよ とても元気に泳いでる スーパーの魚とは違う スーパーな魚なんだよ 水族館に家族で行った その日の夕飯は とても美味しかった やっぱり寿司はいいね 次は「動物園」でお願いします
600 :
ルート5 :2009/04/18(土) 12:31:48 ID:rI69Kitw
すみません、動物園はありました そこでお題を変えます 次は「パラソル」でお願いします
601 :
ルカ ◆.9LBoPaZEU :2009/04/18(土) 14:26:58 ID:mMF8aZNj
「パラソルワールド」 渚に 白いパラソル 黄色いパラソル 赤いパラソル 水色のパラソル ありとあらゆる パラソル パラソルばっかり犇めいて 人間が見えない 海しか見えない 遠くでかもめが迷ってる
602 :
ルカ ◆.9LBoPaZEU :2009/04/18(土) 14:27:51 ID:mMF8aZNj
次は「ジャグラー」でお願いしますm(._.)m
605 :
ルート5 :2009/04/18(土) 21:34:33 ID:0xboL/7F
サラブレッド 配合を気にして たかが馬のレースで 人生を賭けた それで満足? 次は「待ち合わせ場所」でお願いします
606 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/19(日) 04:09:36 ID:gZMxeDmt
「待ち合わせ場所」 ゆらゆら揺れる 船の上 照り返す波 黄金色 渡船場を出ると 船は消え 思い思いの 景観が広がる あなたはどこを見て 何を見るのでしょう 私はデートを想像しつつ 何故か鄙びた孤島を描いた 片手を挙げて 現れるのはどんな人でしょう 私は誰も描かなかった だから空は曇り空 パレットに色絵の具があったって モチーフは散乱している 余白や周辺に手を伸ばし 焦点のない世界 沢山の人を描いた 下絵は瞬く内に塗りつぶされて 何とも不思議な世界が出来る 分厚くなって深みと彩りを増した 次は「焼酎」でお願いします
607 :
名前はいらない :2009/04/19(日) 22:58:23 ID:4V9/eszt
焼 酎 しょっちゅう 焼酎 チュウチュウ 吸いちゅう 掌中 焼酎 少々 酔ちゅう 車中 常住 中一から 操縦 象徴 小宇宙 抽象的な 小数 冬中幼虫地中で成虫 暑中甲虫道中でアバンチュール 祥福 招来 中華飯店「昇龍」 正蔵 小腸 ちょくちょく 硬直 正直 チューハイ 焼酎より 好いちゅう 終 了 次回『砂浜の十字架』
『砂浜の十字架』 消えていく 砂浜の十字架 もう見えない 苦しくない 深い水の底 いつか誰かが 見つける墓標 光射さぬ暗闇 次『エンドレス』
609 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/20(月) 02:32:25 ID:KQNoJgIY
「エンドレス」 「俺頭おかしいよね?」 「え」 「俺頭おかしいよね?」 「え」 「俺頭おかしいよね?」 「え」 「俺頭おかしいよね?」 「え」 「俺頭おかしいよね?」 「え」 「俺頭おかしいよね?」 「え」 「俺頭おかしいよね?」 「え」 「俺頭おかしいよね?」 「え」 「俺頭おかしいよね?」 「え」 「俺頭おかしいよね?」 「え」 次は「コロッケ」でお願いします
610 :
名前はいらない :2009/04/20(月) 15:21:28 ID:kcUq8bfb
コロッケ あの日は夕方から嵐が迫っていて何だか妙に落ち着かない夜でした。 ええ、やけに裏返った声でしたが確かに隣のご主人の声でした。 よくは聞き取れませんでしたが、その後すぐにバタバタと騒ぐ音が聞こえて… はい、それは聞いたような気はします。 …えぇ、風が強かったもので詳しくは分かりませんが、 あれは康子ちゃんでしょうか、普通のでいいじゃん普通のでいいじゃんとか何度か叫んでいたような… いえ、ご主人の正蔵さんとはあまり面識は…ただお腹を患ってから 急に気難しくなったと紀恵さんから何度か聞いてはいました。 それであの、紀恵さんの容態は……えぇ、そうですか。じゃあもう一生……… せめて康ちゃんが生きてればねぇ……。 すみません、すみません、なんだか涙が止まらなくて、、 わたしがもう少し早く通報してればと……ほんとに。 それで原因は何だったのでしょう? …そうですか、まだ喋れませんか。 まぁ……壁に血文字が!? それは、それはやはり自殺した正蔵さんのものですか? で、なんと書いて…… 【かにくりーむじゃなきゃいやん】 なんだそりゃ 次回『王さまになったら』
611 :
ルート5 :2009/04/20(月) 21:39:13 ID:Ha5LKzdg
王さまになったら ぼくはおいしいものを食べる ぼくをいじめた人間をいじめる ぼくはお金を好きなだけ使う ぼくに従わない人間はいらない 片っぱしからやっちゃう 親も兄弟も関係ない 片っぱしからやっちゃう 世界に人間がいなくなってもいい 片っぱしからやっちゃう ひとりになってもいい 片っぱしからやっちゃう ひとりも残さない 片っぱしからやっちゃう だってぼくは王さまなんだから 次は「世界の理」でお願いします
612 :
名前はいらない :2009/04/20(月) 23:11:42 ID:SbrR+b68
世界の理 夢は脆く崩れ 汚らはしい灰色に 染まつてしまつた 人がふと立ち止まり 空を仰いでゐる間に あかき陽は沈み落ちる 嘆きの声も届かぬ街を そぞろに歩き乱れてゐると 吾が子の誕生を知った 仄暗いアパートにも 天はその慈悲を怠らず あかき光を差し給ふたのか だが家にはただ新しい児と 皺にまみれた産婆一人と 我妻の亡骸だけがこびりついてゐるばかり 我は爾来寄り付かない やつて来るのも去つて往くのも どちらも世界の理なのだから 次は「影踏み」でお願いします
613 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/21(火) 00:32:31 ID:wotq+es9
「影踏み」 丸くなって転がると 勢いづいて速くなる 朝から夜まで転がっていると とうに景色は見えない 正午を境に影は進路に伸びていき 土を踏んでいるのか影を踏んでいるのか分からなくなる 膨れてやがて日も暮れて影は明かりを呑み込んでいく 光もなければ感触もない 次は「兎と月」でお願いします
兎と月 目が眩む 美しいね、黄金色 私の目は情熱的に赤く 貴方を見据えているの できることならもう一度そこへ帰りたくて ただ独り空を見上げる 帰る方法わからぬままに 翔べる足が貴方を蹴った あの日を悔いながら ほんとは私の目、泣き腫らして赤 稚拙な愛はきっとこんな色ね 次「明日15時に」
615 :
名前はいらない :2009/04/22(水) 02:01:21 ID:VMa3H/vL
明日15時に …いや、予定あるから じゃ16時に いや、無理 じゃ14時は? だから予定あんだよ!明日いっぱいは! じゃ13時ジャストに 話聞いてる? う〜ん、22時30分で つか明日なんの用があんだよ? お前に会いたいんだよ! なんか気持ち悪いな 勘違いするな。お前に会うのはお前の母親に会う口実だ! 余計に気持ち悪いよ!! ヘェッ! 頼むから俺の母親に関わらないでくれ それはあの子次第だな 人の母親をあの子呼ばわりすんなっ! お母さん、カスガのここ、あいてますよ いいかげんしろって Bye 次回『狼』
616 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/22(水) 03:16:31 ID:hqAdM4FY
「狼」 独り狼は暗示に飢えた 白樺を前にぐるぐる回り その吐く言葉を種族に特有のギラギラ眼で追い回し ガブリガブリと樹皮をちぎる やがては目を回す 涎だらだら飢えに飢え どことも知れない国土を歩く 不思議にも困憊はなく足取りは軽い 頭の中の車掌がゲップする 口に肉が咥えられている ぽっかりと空いた大穴の前に来た ウウウウウウウウウウウウと強い風が響く ほっとして口を開くと肉が大穴に吸い込まれて行く 行方に目を凝らしていると 穴の中からボールがぽーんと躍り出た 飛び上がって白球を咥えると ボールは柔らかく溶けて狼の動きを止めた 吐き出すとぴんと張られた白糸になる 大穴から伝う白糸は縦横無尽に空間を繋ぎ 虹色を成した 次は「風物」でお願いします
617 :
名前はいらない :2009/04/22(水) 04:26:36 ID:VMa3H/vL
風物 恐怖が怒りに変わる刻 狂気が痛みを弔う刻 一番から二番へ 二番から零へ 魂が肉体に贖われる刻 炎が瞬く夜空の奥で 奴は視つめる 漆黒と監獄のカイブツ カルサイトの眼 不届きな黎明に魚の臭い撒き散らし 尾羽は白濁 ブラブラと絡み付くアレ 伸びた首はどこまでもどこまでも影へ アクビとホウコウの区別はつかない 駱駝に乗った象に乗った向かい合った鶏のようなシルエット 騒がしいヒキガエル達を従えて 狂ったような静寂を纏う ライトブルーの爪垢 引きずるグレイの舌 咲き乱れる無数の臼歯 奴は嗤う 失明と渇望のフウブツ カルサイトの泪 次回『あれをくれ』
あれをくれ ほらあれだよ 心が痛い時よく効くあれ あれ? あれなんだっけ? もう名前も出てこない いつか どこかに忘れてきた 思い出すことはない 過去の自分が今の自分と 違うから 帰る時間だ 次は『幸せな結末』で
619 :
名前はいらない :2009/04/25(土) 04:57:14 ID:mdxSSVEC
『幸せな結末』 白鷺が流れる 夜の国道で誰かが誰かに囁く愛 俯いた顔を上げてと、通り過ぎ様にからかわれた 見上げた星空に電柱が寄り添う 右に飾りすぎた携帯が捨てられていた 午前二時 口笛を吹いてみる むしろ強くなりたいなら 弱く泣くべきだった 元通りにには戻らない、背後から聞こえた声 美しく、清く、真直ぐにどこまでも続く道 どこから諦めたのか 左に鳩の死骸と猫の眼 遠くでサイレンが産まれる 午前五時 緩やかな坂の途上 昔、こうやって登った幼い頃には 遥か先まで自由に見渡せたのに 流れる白鷺 最後に腕を振ってみる むしろ笑いたいなら もっと早くに捨てるべきだった 次回『発掘』
620 :
ルート5 :2009/04/25(土) 16:04:10 ID:hrSqxvZy
発掘 ここにはいないか こっちもダメか そっちはどうだ いないって ホントにいるのかな あたしたちだけじゃないの いいや、俺はいると思う みんな、諦めるな あいつは絶対にいる いてもいなくても どっちでもいいんじゃね 精神的にだるいって あ、みんなきて ここにいたよ 手伝ってよ 四人は引き上げた ぐったりしていたが 消えてはいなかった 最初の人格 次は「追いつかれる」でお願いします
621 :
あむ :2009/04/26(日) 10:46:55 ID:JP0bMymC
「追いつかれる」 こんな寂れた時代に疲れて 進むことを止めた私 篭に入って時代から逃げて 私だけの時間 でも 後続の子供たちに どんどん どんどん距離を詰められて あぁ なんで止まったんだろう なんで抜かされそうなんだろう そうだ 勇気を出して 少し前進してみるのも いいのかもしれない
622 :
あむ :2009/04/26(日) 10:49:13 ID:JP0bMymC
>>621 すみません、お題を書き忘れました。
次は「ライオン」でお願いします。
623 :
名前はいらない :2009/04/27(月) 00:35:35 ID:5CFWcAWJ
らいおん そして風呂上がり、 つらつらバナナを剥きながら考えてみたんす もしGWに旅を厳命されたらどこで何をせよと? 長い長い靴下履いて、 洒落た丸メガネなんか掛けて、 赤白のストライプのカツラ被ったりして、 巨大なかぼちゃに乗りながら旅をせよと宣告されたら? まず タイランドに行って ゾウの超長い鼻ひっ掴んで 超長い首都名を耳元で狂うまで暗唱してやる 次 インドに行って ガンジス河で死体のふりして 地元の肝っ玉母ちゃんに叱られてみたい さらに フランスに泳ぎ着いたら 憧れのパリを華麗に素通りして 国境沿いの茶色いバーで「どうせ俺は」とくだをまく または ジンバブエに招待されて 「このヌコが!!」と勇猛に獅子に躍りかかり 奴のたて髪をファーに仕立てて富豪になる・・・ 夢をみた、深夜0:00に、目が覚めた バナナの皮がくったりしている 鏡をみたら寝癖がひどい 歯垢を糸で取る 暴発したカツラを脱いで 慎重に歯垢を糸で取る 次回『海辺の風景』
『海辺の風景』 ガラス張りのカフェテラス波が畝るのを眺めている もうアイスコーヒーの氷は溶けてしまった まだ来ないの? もう3時間も待っているのに あなたは波に恋してる 私は待ちぼうけ・・・ 次回『残酷な夜・無慈悲な朝』
625 :
名前はいらない :2009/04/28(火) 21:26:25 ID:y7qGN4Ly
「残酷な夜•無慈悲な朝」 灯り一つ あなただけの部屋で 終わりが続いてゆく 終わってしまって悲しくて けれども 止まってほっとして あなただけが永遠で 窓から差し込む光は絶望 鮮やかに強く映し出す わたしがおいていかれた世界 次題「円座」
626 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/28(火) 22:51:19 ID:W8YTxZKb
「円座」 みんなが何を言っているのか分からない みんなが何を話しているのか分からない 初めは分かっていたのに うとうと寝入りかけていると 参加者が起立した 慌てて倣う 次は「睡眠」でお願いします
627 :
名前はいらない :2009/04/29(水) 05:00:16 ID:o4mvJv+o
睡眠 含んだ水に波紋が生まれる 狂おしい美しい雫の蛇達 ものまねをした猿が半分に割れて腐ったキムチを吐くまで 頭上の隙間から執拗に覗く赤い瞳 そんな夢の中では人々は鳥に囲われ生きていた 指先に萌えだす瞼 じっとりと震え瞬く リンゴの樹にハトがとまって幾つもの眼で見つめている ブツリ……と絶えた時間の端で膣が蠢きだす もはや 自分が自分じゃいられないように 世界もまたマガタマの象形へ融け堕ちん 次回『他人』
628 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/04/29(水) 08:36:52 ID:USKfmFls
「他人」 疲れて病んで腐るものを思い描いてみると 殆ど他人事です どうやっても 何を考えても 他人事です 前は全部自分のことでした 「他人事だから」 「他人事だから」 四六時中 猿が俺にそう囁きます うざいです うるさいです もう疲れました 次は「カレー」でお願いします
カレー あれこれ考えていると あっという間に 日は暮れるから 今日はカレーでいいだろう 人参を星型にくりぬいただけで こんなにも素敵に見える料理 香りだけではしゃぐ子供 それなら毎日カレーにしたい でも昨日と同じ人間など どこにもいないように 今日のカレーが素敵なのも 今日のカレーだからであって そんな事を考えているまにも 手は動くから あっという間に出来てしまう つまらない考え事も 一緒に煮込まれれば おいしくなってしまうから だからカレーは好き お次は「寝癖」
630 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/01(金) 02:46:38 ID:LvU2jqKX
「寝癖」 「どう見える?」 という質問を考えて 例えば 「普通」 という答えを期待する 鏡はない その目に映るものを見る 並行してあなたは何かを語る それが多分こちらの目に映る 映るといいと思う 次は「山」でお願いします
631 :
ルート5 :2009/05/01(金) 07:20:01 ID:Hl8lazrB
山 ひとつの山を目指した 荒い息を押し殺し 足元近くの地面を見ながら 前を意識しないようにして 頂上を目指した 頂でひとり 立ち尽くす 前方にひとつの山が聳えていた 明らかに高いと知れる その場でためらう心を引き剥がし 新たな山を目指した 息も絶え絶え 前屈みで膝に手をやり ひとり頂に立つ 信じられない光景に 心臓が警鐘を鳴らす 遥か前方に新たな山が 次は「人生観」でお願いします
632 :
名前はいらない :2009/05/01(金) 22:56:26 ID:NGwf3l5m
人生観 行き詰まる思想の 美しさに気づいてから 現在は鮮やかな展開 万華鏡のように がらりと変えて もうこれ以上は 考える必要のない地点 私は堂々と歩ける 確かな道は頭の中 迷路のように一本で繋がっている 次「残り香」
633 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/02(土) 02:43:18 ID:v3Of1B+u
「残り香」 自転車の赤い錆 移ろう景色の中で目の内に留まっている 声にするならただ低い唸り声 あるいは甲高くか細い軋み 何によって表れたのか 磨くと落ちる 鼻先にふわりと香る 風は何の表れだろう 動きを止めて宙を眺め 知られざる兆候に陶然とする 黄金は錆を寄せないという 香りは何の表れだろう 次は「森」でお願いします
「残り香」 季違えし裸木となる アカシヤ並木 蘇生をのぞむ人の手をかぐ 春の提や 幻か -----------* 次は、「エキストラ」で。
すみません、かぶりました。
次は
>>633 さんの 「森」で
636 :
ルート5 :2009/05/02(土) 05:39:53 ID:BqhI4Hk4
森 わたしはいつも迷っている 店に入っても迷っている メニューを見ながら ひとり 誰にも打ち明けられず 迷っている わたしは迷うことに慣れている 顔は覚えているのに名前があやふや 地図を見ているのに目的地に着かない 買い物に来ているのにひとつに決められず 迷っている 迷い体質なのかもしれない 迷うことが性格なのだろう それともわたしは現実ではない 別の世界に住んでいて そこは目に見えなくて触れない 透明の森の中にいるのだろうか たぶん、ここは透明な森の中 わたしは唯一の住人で 迷うことを定めとして 迷っているに違いない 今日もわたしは森の中 迷うことで生きている 次は「光と闇の境界には」でお願いします
637 :
名前はいらない :2009/05/02(土) 07:36:55 ID:ALhSLq09
光と闇の境界には 何がいるって? ドラゴンさ、巨大なドラゴンがいるんだよ 聞こえるかい?ほら扉の向うから聞こえるだろう 殺してやる!殺してやるゥゥ!!といさる叫び声が あれがドラゴンだ もちろん一匹さ ドラゴンは群れないからね 聞こえるかい ジッ‥と耳を澄ますんだ ほら…淋しい、哀しいと鳴いてるね あれも同じドラゴンだ 光と闇の狭間に棲み着くやっかいな奴さ 強いから独りぼっちも平気だし 弱いから独りぼっちなのさ ほら、また鳴いてるね 聞こえるかい? 次回『帝都ノ少年』
638 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/02(土) 17:04:52 ID:v3Of1B+u
「帝都ノ少年」 その手元の漫画誌の一コマに 大きく擬音が書き込まれている 少年は目を皿にして暗誦する 「くぱぁ」 視線を呼び招く彼方の呼び声 容姿に恵まれつつも 軒並み痴呆か発狂気味に見える登場人物 その立てる一音を少年は聞く 「くぱぁ」 それは歌うように囁くように それは愛の呪文 引き下ろされた天上の彩り 夢の世界が此岸に遣わす幻覚体温 少年を迎え入れる 見えない扉 雑誌を閉じると 「くぱぁ」のない現実が目に飛び込んでくる 見えない扉は見えなくなって 彼方の手引きは消えてなくなる 茂みに響く近くの遮断機 微かな葉擦れと吐息が伝わり 少年は緊張の面持ちで顔を上げる 暗い木陰をたちまち神経網が縫い付ける 小肉食獣の敏捷で 少年は探し当て移動する 心臓が沸騰し目が光る 若い男女がヤッていた 狂態は少年の目の前で進行し 熱気に当てられ少年は飛び出して叫んだ 「くぱぁ!」 次は「エキストラ」でお願いします
639 :
名前はいらない :2009/05/02(土) 22:43:37 ID:0t0rmlmJ
エキストラ 一人舞台の エキストラ 演じるのは 平凡人間 その他大勢に埋もれるような そんな主役の エキストラ スポットライトは太陽のみ 次「心酔」
640 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/02(土) 23:34:48 ID:v3Of1B+u
「心酔」 出来るだけ誠実に 人の形を成そうとすると 指標を外に求める 指標を生み出す存在は 直ちに先達として捉えられ 彼らは熱量を導き 熱量を結実させる形をもたらす 中途で形を失うと熱量は暴走し 荒れ狂う 次は「偏愛」でお願いします
「偏愛」 求めるものがあると、偏愛 求められるものがあるから、偏愛 何かと張り合うことを避けるためにある 何かを追いかけるときに生じる 偏愛とバランスを保つ何かがある時に 次は「運動」でお願いします。
「らじおたいそう」 東からお日様がのぼりました この電磁波様があるからこそ僕たちは生きている EMだなんて言わないで 新しい朝と脳にタイプしたら 息を吸い込むように肺と口に言いつけて それからおおきく目を開いて 手を開いて、腕を広げて、脚を開いて、ああ忙しいわ 構造は単純なくせに生意気よね、こいつ ときどき操縦不能になるし 燃費も悪い こうしてメンテもしてあげないと本当に駄目になるんだから さあさ、今日もこれでおっけーかしら こういうテーマとしてとらえるのはおっけ? おっけなら次は「黄色」でお願いします。
643 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/03(日) 03:17:28 ID:IIRtwWSg
黄色 黄色いハンカチは幸せを感じる 黄色い帽子には愛らしさを想う 銀杏の黄色は少しだけ 物悲しい 春の黄色は鼻がむず痒い 時に目にくることもある わたしはどこの黄色だろう 信号待ちの交差点 たくさんの人に混じって その色を目にした 真ん中の黄色は注意を促す 急いで飛び出せば命にかかわる わたしはどこの黄色だろう 車道に飛び出したい衝動に 全身に細かい震えが起こる 信号機が黄色に変わった 頭の中が白に近い 黄色で点滅した わたしは抑えられない とてもとても黄色い声で 車道に飛び出した 視界の輪郭が溶けた なにもかもが 白熱した黄色に染まれ 次は「そこを曲がれ」でお願いします
「そこを曲がれ」 夜道で照らすライトに不吉を感じたとき そう言われた気がした いつものことだと私はくっきりと曲がった すると星がみえた その刹那、真っ暗だった 閃光と共に熱が生じあたり一面が闇に包まれた 私はうめき声を発したが、 ゆっくりと立ち上がり コンクリートの上の砂利を蹴って駆け出した これで良かったんだ! これで良かったんだ! 先の声に負けまいとして 血を流しながらも 私は私の道を駆ける 走ることしかできないくせにと 自嘲し空を仰ぎ 星を嘲笑い これに手がとどけばと願ったから、と思った
次は「熱」でお願いします。
646 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/03(日) 05:06:32 ID:IIRtwWSg
熱 なんか 気持ち悪い 吐きそうだけど なんか イヤ 恥ずかしいし みっともない そんな姿は見せられない なんか おなかも痛い 口の中が酸っぱくて 吐きそうだけど 絶対に イヤ 嫌われそうで 怖いから そんな姿は見せられないよ 彼は隣で眠ってる わたしは背中合わせに 眠ったフリをする 気持ち悪くて おなか痛い それと もうひとつ 貫かれたアソコが痛い 次は「卒塔婆」でお願いします
647 :
名前はいらない :2009/05/03(日) 08:06:40 ID:MHUOFwn+
【卒塔婆】 町の外れにムシロを敷いて箱詰めの骸骨が濡れておる ツヤツヤツヤツヤ濡れておる 少年一人飛び出して町の外れにやってきた マスクの下はダラリと垂れた犬の舌 男が一人手招きする ここにおいでよ幼いあなた ここがいいよと手招きする マムシのつがいが切り株廻って交尾をしておる 奥深い水が底知れぬ曲を湛え夕陽にぬめっておる ここにおいでよ幼いあなた ここがいいよと男が笑う マスクの下で確かに笑う 少年一人動けずにぬくもり求めて花を摘む 茎から溢れた叫声に無数の毒虫集いだす いやぢゃいやぢゃと手を引かれ あの子はどこかへ消え去った いやぢゃいやぢゃと身悶えながら 朽ちた卒塔婆が揺れておる 濡れた骨のその傍で カラカラカラカラ揺れておる 次回『閃光の下で歌う鳥は』
648 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/03(日) 23:10:46 ID:aKLV0rni
「閃光の下で歌う鳥は」 エモ系の音楽を聴いていた。 確か役所へ書類を貰いに行く時だ。 散文的な状況にまるで不似合いな荘厳の調べが耳を打つ。 こうした場合、片手間の音楽鑑賞としか言いようがなく、 だから気恥ずかしさを覚える。 「何を聴いているの?」 ハシボソカラスが肩に留まってそう声を掛けてきた時に、 答えを躊躇ったのは、一つにはそのせいもあった。 「音楽」 短くそう答えると、 「音楽を聴いているんだね」 念を押すようにカラスは言った。 次は「光彩」でお願いします
649 :
名前はいらない :2009/05/04(月) 00:32:33 ID:UzSTJVsY
光彩 陽光は葉桜の隙間 卯月の余韻を纏って輝く 私の足音は 萌える緑の心音のように 葉桜の下を駆け巡る 響き鮮やかに 皐月の太陽へ届く如く 次「兄弟」
650 :
名前はいらない :2009/05/04(月) 08:47:40 ID:N27SRNeG
〔兄弟〕 動物の話 猫がいます 犬がいます 牛がいます 猿がいます キリンもカバもライオンもいました 秋の話 涼しくなって 空が高くて 海が静かで 風ばかり鳴いて 誰かが誰かを呼ぶ谺だけして 最近の話 地面から双子の芽が萌えだして闇に鮮やかな花弁を広げたらしい 会話の話 「聞いた?」『聞いた聞いた』「きもいよねー」『みんな潰れてたんでしょ?』「一匹残らずね…」 それからの話 普通は誰か身近な者が惨殺されれば心を病むものだが 何を間違ったのか信号が赤から変わらない 虫歯の話 ある一点を越えた時 それは来る 一度来たら ずっと来る 経験あるよね? プリンの話 デカければいいってもんじゃなくむしろ小振りなほうが… 動物の話 もう檻にはなにもいません 秋の話 もう冬は間近です 最近の話 双子の花は互いに互いを枯らし合って地面に捩れて 捩れて捩れて捩れて捩れて捩れて 俯せに赤く 捩れて 次回『カミナリグモ』
651 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/05(火) 03:26:03 ID:7biM54tz
「カミナリグモ」 子供の頃のドリフターズのコントの世界 意味が分からなかった 分かる頃には見ることを止めていた 雷鳴が轟く時間 アレが頭上に居るのだと思う 寝転んで放心しているとこれ以上面白いことなんかこの世にないような気がするけれど 雷雨の日は雲の上にドリフが来ている 次は「腰痛」でお願いします
652 :
名前はいらない :2009/05/05(火) 04:11:44 ID:lFKvZP4h
腰痛 あの日、空を仰いでたこと 雲を貫いて冬の日差しが眩しかったこと かざした手に白い吐息が絡み付いたこと 君の姿が結局見つからなかったこと ぜんぶ憶えてる 帰り道のたんぼのザラザラな空き缶も 赤い自転車の親子連れも 子供を叱る母親の疲れた声も すべて焼き付いてる あの日、たった一回のクシャミから始まった このしつこい痛みのために 次回『砂』
砂 サラサラ砂が指をすり抜けて行く様に 私の想いも貴方の心をすり抜けていく。 もう届かない?幾ら叫んでも。 砂に跳ね返る灼熱の太陽の光の様に 貴方の心を焦がす事が出来たなら。 狂おしい程貴方を思っている。 永久に・・・・・ 次は【夏の光】で
654 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/05(火) 22:52:55 ID:QcKoZU+J
夏の光 肌をあぶる 地面に反射して 下からもあぶる 焼かれ 貫かれ 光線を浴び続けた朝 わたしは汗をかいた 血まみれの汗を流した 死人の行進は続く 生気のない顔が並び 覇気のない足取りで 巨大な石碑の中まで 行進を続ける 中はひんやりとして 霊暗室を思わせる 黙々と作業を続け やはり生気のない顔は 死人のようだった 外でも死人 中でも死人 どちらも死人 選べない死人は 今日も仕事をこなす いつもの早朝 太陽の光を疎ましく思いながら 細めた目はどことなく 生者のものだった 次は「流れる」でお願いします
655 :
名前はいらない :2009/05/05(火) 23:11:40 ID:lFKvZP4h
流れる 悲しい夜の僕らは 傷ついた鳥のように身を寄せ合ってた 震える人差し指には止まることもないシアワセ 二つきりの水溜まりを飛び越えて子供がはにかむ 長靴の底からみつかったビー玉 淋しい色に見えた 踏み固まった新聞紙 開くのが怖くて 怖くて 切り裂いた向うに蒼が映る 熱いヴェルベットの涙 ベッドから零れる星砂が 君の形へ重なる またいくつもの いくつもの 悲しい夜のシーツを剥ぎ取って またいくつもの いくつもの 透き通った夜のグラスに溺れて またいつか 独り飛び立たんと流れる 淡いブルーの輝き 約束 次回『機械仕掛けの俺ん家』
656 :
名無詩 :2009/05/05(火) 23:20:45 ID:Lzt7mM1Z
機械仕掛けの俺ん家 俺ん家、機械仕掛け。 みんなに自慢する。 俺ん家、機械仕掛け。 お茶も勝手に出てくる。 俺ん家、機械仕掛け。 メイドさんも、ゼンマイで動く。 俺ん家、機械仕掛け。 でもときどきこう思う。 あぁなんか寒いなぁ・・・って 次回「ばーちゃんの知恵」
657 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/06(水) 00:59:52 ID:E6yykQoJ
「ばーちゃんの知恵」 目を見て諭す時ばーちゃんは座っているので 突っ立っている僕と目線の高さが揃う 正面から見るばーちゃんの目には年輪が見える レーザーカッターで何度も何年も磨かれたような 同心円状の軌跡 「なむあみだぶなむあみだぶ」 低く朗誦するばーちゃんの声に 僕は唱和せざるを得なくなる 「なむあみだぶなむあみだぶ」 念仏はばーちゃんの黒目の渦を活性にし 正面に立つ僕を渦の中に吸い込もうとする もちろん目をそらすことはできない 気がつくといつも仏間に寝ている 次は「帰省」でお願いします
658 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/06(水) 07:14:55 ID:zRFiGNXA
帰省 うるせえ ちいせえ 板 規制 俺 奇声 うそくせえ かえせえ かえせえ ばせえ えせえ どうせえ なにせえ やらせえ うそくせえ また 奇声 やや 奇声 ふと 奇声 もう 嬌声 俺 帰省 次は「短小」でお願いします
659 :
ポエム田ポエ子 ◆k7FbTvUf9k :2009/05/07(木) 00:24:28 ID:Pd5ZD6hA
「短小」 久しぶりに外へ散歩に出た 部屋や車の中での散歩は毎日していたのだが 外へ散歩に出掛けるのは五年ぶりくらいだ きっと余命短いことを自分の足が靴を履きながら告げているのだろう 玄関を出てすぐに足元に咲く花の存在に気づいた オレンジ色の円い花をつけた雑草だった 植物図鑑でも見れば名前もそれが雑草でないこともわかるのだろうが あまりのその小ささに私はそいつを名もなき雑草と決めつけた 遠慮のかけらもなくそいつを摘んで 道連れのペットみたいにポケットに入れて歩き出した 小学校高学年くらいの頃かな 友達のあいだでませた談義が流行ったことがあった 人生、太く短く生きるか、細く長く生きるか、 あなたならどっち?またその理由は? 細く長く組みばかりだったのに反抗してなのか 私はきっぱりと太く短くを主張した記憶がある 理由は確かこんな風だった↓ だって意味もなく長く生きるよりは熱く熱く! 映画のヒロインみたいに爆発して死にたいやん! 爆発して、と発言したのだけは間違いない どういうイメージだったんだろうな 犬を連れての散歩なら 楽しさに距離も時間も飛び越えて行けるけど 花を連れての散歩では わずか十五分ほどで死にたいほど退屈になってきた アスファルトのなくなるところまで歩こうと計画していたのだが そんなことを自分に課した自分に腹が立ちはじめていた 春はもう夏山の匂いさえ遠くに連れてきていて 白い帽子を風がしつこく飛ばそうとする日だった 暇潰しに手が動き 私はポケットから花を取り出した もうくにゃりと活きのよさを失い切りかけている なんて弱々しい花だと呆れた 写真に撮ればもっと大きな花に見えるだろう 縮尺を間違えたようなミニチュアの花 お前は短いけど太くはないね 細いというよりは小さい花 短く小さく生きたね 帰り道 私はぽいと花を投げ捨てた
次は「包茎」でお願いします。
661 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/07(木) 00:42:39 ID:HGKPIJsg
包茎 恥ずかしがり屋さん 顔も出さないで 頭の先っぽだけ ヘンな汗をかいて 濡れてるね 恥ずかしがり屋さん 縮こまらないで 頭の先っぽだけ ヘンな汗を舐めとって でも 濡れてるね わたしが包んであげる しゃべれなくなるけど 包んだままで押し下げて ほら ここが口の中だよ でも 包まれてるね わたしはそっと離れると あなたは顔を現した 少し赤くなって 照れているようで 先っぽが濡れてるね 次はここだよ ここで包んであげる ほら わたしも濡れてる わたしもあなたも同じだね 次は「神々」でお願いします
ちゃんと傷ついた経験があれば たかが便所の落書きにも暴力がある事を知る この意味が分かるなら オッケー 次は、「音楽」でお願いします
「神々」の「音楽」 最前列で聴きたい オルガンの音に合わせて歩いていくよ 足指が何か言う 天国ですね 誰が欠けてもダメよ
次は「歌」でお願いします
665 :
林明大 :2009/05/07(木) 01:17:00 ID:iVU+c0t9
「歌」 カタカタ鳴りだした終末の音 わざわざベランダで私は待つ ゆっくりと雲が揺れる 日曜日 ミサイルが来るかな みっちゃんは言っていた 青い宇宙人が飛んできて あげるよって笑いながら 落としてくれたら良いなって 良いなって ウィークエンド ウィークエンド 疲れを癒やし疲れた日暮れ ウィークエンド ウィークエンド ブラックホール ブラックホール 誰もが夢見てた終末は今 静かに笑って首を絞めた ゆっくりと雲が落ちた 日 さよならは君とね あいつは現れた 笑った振りして最後だって しようよって言うのだけど 私は平手を彼にあげた 彼にあげた ウィークエンド ウィークエンド 好きな人も町も私も ウィークエンド ウィークエンド とけ込んでいく ひとかたまりに ウィークエンド ウィークエンド 嫌いな人も町も私も 次は「みなみけ」でお願いします
《とあるサークルの光景》 4文字で4人って 多いですよね? って、言ってみたの あー確かにね あっでもみなみけは3人だよ って、返ってきた オタクでも 腐女子でなくても いいんだ アニカラに誘われました 18の春 経験値上昇中 です
じゃあお題…「仲間」で
668 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/07(木) 07:01:09 ID:HGKPIJsg
仲間 (=゜▽゜)/イヨーオ オオオ!......(/^^)/ \(^^\)...... ( 。・_・。)人(。・_・。 )ナカーマ (><。)ヾ三3 モレモー ( 。・_・。)人(。・_・。 )人(●⌒∇⌒●) ナカーマ |_・)チラリ ( 。・_・。)人(。・_・。 )人(●⌒∇⌒●) 人( ´△`)ナカーマ (◎_◎;)ン ( 。・_・。)人(。・_・。 )人(●⌒∇⌒●) 人( ´△`)人(=ω=)ナカーマ ヾ(@⌒▽⌒@)ノ ワーイ ( 。・_・。)人(。・_・。 )人(●⌒∇⌒●) 人( ´△`)人(=ω=)人(@^◇^@)oナカーマ おまえら いい加減にしろっ!! 早く金 貸してくれ!!!!!!!! ( 。・_・。)人(。・_・。 )人(●⌒∇⌒●) 人( ´△`)人(=ω=)人(@^◇^@)oナカーマ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 次は「切実」でお願いします
「切実」 封印したはずの 心の傷が 突然 油を引いたように 弾けだして ラジオからのJDの切実も いちいち胸に突き刺さる もう笑ってられないんだ 懸命に走り続ける今を 認めて 許して 愛して 見つめて 過去は今にならない 今は切実にならない 未来は過去にならない でも過去は あたしの能を引っ掻き回すよ どこに行けばいい 誰といればいい 何を買えばいい 只人間でいたいだけなのに切実なのよね 次は「みなみけおかわり」でお願いします
670 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/08(金) 00:14:33 ID:NYvKeO7x
みなみけおかわり うちは貧乏だから、おかわりはないよ! 次は「ふざけないで」でお願いします
671 :
名前はいらない :2009/05/08(金) 02:37:14 ID:BTH80glR
ふざけないで ふざけないで 君は笑う ただ、言いたいんだ。 愛してる。 次は、コロッケで
672 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/08(金) 03:46:33 ID:meyVdO9+
「コロッケ」 食えない世界のみなさまへ 元気にしておられますでしょうか 歯を立てれば心臓が石になり 飲み込めば胸焼けしますか 僕もです 食われる世界のみなさまへ いかがお過ごしでしょうか その規定は死出の旅路をなぞるでしょうか 抱えるものの孕む不本意とそれへの無理解を取りこぼすまいと懸命でしょうか 僕にも分かりません 時折BGMが欲しくなるのは何故でしょう 疲れてでもいるのでしょうか 悲しいのでしょうか苦しいのでしょうか楽しいのでしょうか痛いのでしょうか あなたも同様なのでしょうか じゃあコロッケを食べましょう 次は「ゆめまぼろし」でお願いします
「ゆめまぼろし」 君は沈黙している。 屁の中で。ゆめまぼろしと一緒に。 あたしもだ。 君は沈黙している。 便秘のなかで、ゆめまぼろしにされて。 あたし達の悩みだ。 君は沈黙している。 3週間が過ぎて。ゆめまぼろしであってほしい。 あたしの大腸は・・・。 君は沈黙している。 オナラで。ゆめまぼろしで。 あたしのを吸って欲しいよ どうなるのよ〜〜〜 次は「南春香」でお願いします
674 :
名前はいらない :2009/05/08(金) 22:13:14 ID:+c4xJAnU
南春香 君が名は美しいかな 詳しくは知らずとも 伝わる雰囲気 その字、響き、 機会があれば君を読もう 次「最果て」
675 :
名前はいらない :2009/05/09(土) 05:47:05 ID:CDFiyUJz
【最果て】 燃え上がる人形 燃え広がる薔薇のカーテン 俯せの母親たち 叫声は黒い肺に閉ざされている 燃え上がる人形 燃え広がる向日葵の造花 椅子の上の父親たち 動かない目で静かに舌を切り取る 砂漠の道が陥没してゆく もどしそうな吐き気をまた飲み込む 砂漠の道が陥没してゆく 遠くに彷徨う子供たちの陽炎 誰も震える手足だけを愛して 無言の行列が続く 鴉の死骸 鏡の裏 水溜まりの顔 顔 顔 無言の行列は続く 次回『虐げられた部屋』
「虐げられた部屋」 私の恋は何処に落ちている 忘れられない恋 私だけの恋 虐げられた部屋 甘酸っぱい青春はいつの間にか過ぎていく noting worry to your hart 誰かに左右されてちゃ何時までたっても幸せになれない beeing happy to my memory 君がいるから私がいるそれが一番幸せよ 間奏 春の風が胸元をくすぐる 一生に一度の恋 私だけの恋に虐げられた部屋 波に揺られた青春は私のもとから過ぎていく noting worry to your hart 火照り散らした私の心は何時まで経っても収まらない beeing happy to my memory 君がいれば怖くないそれが一番安心よ 夏影に照らされた彼女のほほ笑みは誰にも渡さない 振り向けば貴方がいる この橋を渡ればもう戻れない 悲しい虐げられた部屋 私の恋はきっと終わらない dream getting to us find 心地よい風に誘われて死臭が虐げられた部屋に漂う そこに横たわっている人影 女性なのに臭くは無い 男性は臭いはずよ 次は「みなみけおかえり」でお願いします
677 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/09(土) 23:38:58 ID:pzen/UuU
「みなみけおかえり」 「あらすじを読む 『元気でトラブルメーカー的存在の馬鹿野郎日本代表、次女の夏奈 毒舌だが実は姉が大好きな三女の千秋 そんな妹たちを笑顔で見守るしっかりものの 長女の春香を中心としたストーリー』 なるほどそうか、と動画公開サイトで検索を始めると 『みなみけ おかえりep12 1-3』を発見 投稿者ユーザー名で検索 『みなみけep1 1-3』を見つけることに成功する 左クリックで再生 前置きの文章と変なナレーションが始まる」 こういう感じの、しつこい台詞で可愛いJCや可愛いJSが掛け合いするTVアニメでした 次は「旅行」でお願いします
「旅行」 この街 あの街 何年間も暮らしてきた街が 住んでいて生活してきて 何故だかずっと 長い長い旅行の途中が気がする 帰るところなんて無いのに 旅行が終わっても 荷物を片付けるところなんて無いのに お次は「油」
「油」 君の歌声が聴きたいから いつも心は都心に置いてけぼり まだ何かに悩んでいるの? 手を差し伸べるには油がベトベトよ 儚い約束を残したまま 走っていく小さな背中に 私の足は追いつくこともできない 強さと弱さを兼ねそろえた君に 正直なところ油もしない コッテリした油が口に広がる だけど、この世で一番愛しい人が 私を裏切って罪を犯して 同じ笑顔で帰ってきたら ためらわず「油」を注ぎたい 十字架は背負えなくても ありがたい、は神様に 愛された言葉 そして君の口癖 忘れたくないもの 忘れてはいけないもの 教えてくれた君には ずっと油を食べていけばいい お次は「一騎当千」
680 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/10(日) 00:54:40 ID:RzSTfcC+
一騎当千 なあ 普通に考えればわかるだろ 一騎だぜ そんな最小の数でだよ 千騎に勝てるわけがない 誰でもわかることだよ 二人が相手でもヤバイ 三人になると こっちがタコ殴り 悪いけど 俺はマゾじゃないんだよ なあ だからさ この言葉はさ こう思ってくれないか 一騎で千に勝てないのが当たり前 縮めれば ほら なんとなく一騎当千になるだろ それで納得してくれよ ねつ造がイヤだからって 俺にあんな大軍を相手にさせるのか 人間の所業じゃない 俺のことも考えてくれよ 無理に行かされる俺の方がイヤだよ 歴史のことなんか 俺が知るかよ わかった わかったって 行くよ もう 自棄だよ 死んだら 絶対に恨んでやる 化けて出てやるからな 枕元でずっと呻いてやるぞ 覚悟しとけよ いてえ〜よ〜 いてえ〜よ〜 刺されたわき腹が マジいてえ〜んだよ〜 寝てる時だけじゃないぞ 風呂にも便所にもついて言って 呻いてやるからな もう どうにでもなれ 俺は馬上で涙を流しながら 多少の脱糞を覚悟で 敵軍に飛び込んでいった 次は「虹の彼方に」でお願いします
『虹の彼方に』 まだ見たことのない 虹の彼方に しあわせがあると 信じていた 遠い遠い幼い日の記憶 今は現実と向き合う毎日 夢を見る暇もない 夢のない毎日 なんだか疲れた あの虹の彼方に行きたい 綺麗ななないろの光に 包まれて どことも知れない場所に 行ってみたい 虹の彼方にはしあわせが あるのだろうか 次『わがままな恋人』
682 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/10(日) 04:06:31 ID:RzSTfcC+
わがままな恋人 ジーパンの股間に そっと伸びる手 繊細な指の動きが 俺を誘っている 思った時には 細くて長い中指が 股間の膨らみを 下から上に舐め上げた 背中が痺れた 脈打つ股間の膨らみの その先端が黒くなる 俺は焦る左手で はち切れんばかりの 欲望を引きずり出した 従順な手に包まれ 浅い上下の運動は 生ぬるい口の中にいるようだ 自分の分泌した粘液は より速く より早くに 俺を高みに押し上げた 心地よい虚脱の中 俺は迸った情熱で 奉仕した手を汚した ありがとう 今日も良かったよ 俺の右手 次は「街角の女」でお願いします
683 :
名前はいらない :2009/05/10(日) 07:29:46 ID:KU6gI/FG
街角の女 ペラペラな風 ペラペラな壁 ペラペラな空 ペラペラな人々 ペラペラな影 鋏で切って刻んで花吹雪 バラバラな道 バラバラな車 バラバラな言葉 バラバラな煙 バラバラな星 マッチを擦って火をつけた ほのうはあたしをとおりすぎ あしたのふうけいにのまれるだけ だれもかれもふりむくふりすらしないのは ただこねこのようにねむりたいから? だから震えるふりをする サラサラな髪 ツヤツヤな肌 ピカピカな宝石 キラキラな瞳 ガラガラな声 あたしはまたもえさかるまよなかにつめたいはねをひろげるの 次回『サムライブルース』
684 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/10(日) 21:57:52 ID:y828CYoO
「サムライブルース」 ロバート・ジョンソン 1911年アメリカ南部ミシシッピ州の生まれ 十歳で戸籍上の父が種でないことを知り 十八歳で結婚、十九歳で伴侶と死に別れる 十字路で出会った悪魔に魂を売り渡したと言われるほどのギターテクニックは 往年の彼を廻る語り草であり 今ではその演奏を耳にしたことのない者でさえ あちこちで聞き知っている伝説だ 伝説はデーモニッシュな色彩を浮かべさせるが 実際の彼は青空を思わせる底抜けに明るい音楽をギターと喉に唄わせている とはいえ悪魔的な残酷や不条理を明るさが呑まないとも限らない その音色の一部を擬音にすると 「テケテンテンツクテンテン」 三味線そっくりなのだ 次は「ハイキング」でお願いします
685 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/11(月) 03:24:48 ID:t4S4viyg
ハイキング その男は他人の目を逸らさせる 服装は季節にあった半袖で 麻のような色の半ズボン 人相は悪くない三十代くらい 体型は小太り どこにでもいそうで どこにもいない 町中を歩く姿が異様だった とにかく腕の振りが大きい 水平になるまで上げて 跳ねるような行軍は 巨大な一歩を大地に刻む 紅潮した顔は汗にまみれ 晴れ晴れとした笑顔から 大きな独り言を歌うように いや 歌っているのかもしれない 独特な抑揚で繰り返す おーれはキング この世のキング おーれはキング 世界のキーング なーんでキング テンションキング そーれがキング ハイ! キーング それこそキング ハイ! キーングッグー 男は他人の目を撥ね退けて ひとりの行軍を続けた 次は「逢う魔が時」でお願いします
「逢う魔が時」 ああ、手を伸ばせば届くのに。声をかければ済むのに。 遠すぎるのは距離だけじゃない。 ああ、それは逢う魔が時?辛いの?もう何も聞こえないね。 あなたへの心を除けたら、そこには何がある。 思い出はただ可憐なほど咲いていて。 ああ、そこは逢う魔が時?儚いの?分からない私だけ。 繰り返し繰り返し、気持ちが廻る。 零れ落ちるもの大切なもの、私のもの・・・ ああ、午前四時が、私の想いと重なって。 ただ感じていただけ、暖かい左手。 舞う雪の華を手にとって、そっと息を吐く仕草。 笑って見上げたあの冬の空へ。 冷たくなった手を取り、歩いた道もそこにある。 閉じ込めた逢う魔が時、まだ途切れない。 いくら流しても、ああ、枯れたと想っても。 止まれよと願った、あの瞬間があるから。 だから私は、逢う魔が時右手をかざして。 ただ、舞い落ちる雪を、この手に・・・ 赤くなった、私の手はもう… 逢う魔が時に願いたい 次は「ロザリオとバンパイア」でお願いします
687 :
名前はいらない :2009/05/11(月) 06:03:35 ID:Pi1sIOlN
「逢う魔が時」 いつも俺を迎えてくれた ガラガラの音を伴う玄関 声を張れば必ずお帰りと 母が忙し気に応えていた 1978年10月 秋の夕日は沈み易く 教師の注意も手伝い 早足で通学路を歩く 枯れ葉が道に擦れる 風に撫でられハラリ 予感を運ぶ風の便り 息を調えてガラガラを開ける 声を張り応えを待たず走る 慣れた伊草の香りを突っ切る 障子を開けて台所を目指す 赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 その夜 家族は町から消えた 次は「囲炉裏」
688 :
名前はいらない :2009/05/11(月) 06:05:42 ID:Pi1sIOlN
ごめん。かぶった… 687はスルーでよろしく。
689 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/11(月) 06:34:12 ID:t4S4viyg
ロザリオとバンパイアと囲炉裏 こんな夜半に寒かろう 囲炉裏にでも当たってけ 気持ちまでほんわかするぞ ん、どうした? 遠慮はいらん 長きに渡って連れ添った者も 今はおらん わしだけになった わかったら これ以上は言わすな 囲炉裏に当たって温まりな さっきからどうしたんだ? 座布団が気に入らんか そうか 珍しいか この十字の模様が気になるか 先祖からの戒めみたいなもんよ 意味はわからんでもいい そうそう 囲炉裏に当たって ゆっくりしたらええ 爆ぜる音がよかったか もう すっかり寝ちまったな わしも芯から温まるとするか どれどれ いい首筋をしとる 少し浮き出た静脈も わし好みじゃな では もらうぞ 次は「連弾」でお願いします
690 :
名前はいらない :2009/05/11(月) 08:57:01 ID:D6FI/+AD
連弾 午後六時。ふとしたため息にかぶさるように鳴くカラス有り 午後九時。ただいまと言ってドアを開けてもおかえりは無い 一人暮らしの家鳴りはかなり不気味で上目使いに味噌汁をズーズー 午前零時。微かな月明かり眺め 憂いを含んだ目で日課の自慰 子供のように丸まった 風の行方に耳を澄ました 捜すだけの日々は 落下してる感覚に似ていた 落ち着いて見てみろと 誰かがドアを叩く やかましいうるさいだまれと 俺もドアを叩く イゴコ地ヨサソウダネと 隣人がドアを叩く ホントにそう見える?と ドアに何度も頭を叩きつける 沈黙 覗いたドアスコープには奴がいた 赤く縁取ったクチビルで笑っていた 次回『やがて空は象を降らす』
「やがて空は象を降らす」 ねぇ、 あなたの名前、 ダンボっていうんじゃない? 次回『やがて空は魚を降らす』
692 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/12(火) 07:10:58 ID:BKdkIpxw
やがて空は魚を降らす ねぇ、 あなたの名前、 あなたの名前は、 ええっと ほら、あれだよ 確か、そうだった そうは思うけど、 わかってる わかってるんだよ あれなんだろ そう、アレしかない でも、アレなんだよな わかっている、と思うけど そうだよな 勘違いもあるかも いやいや、そんなはずがない わかっている わかっているんだ 自問は続くが 自答がでない 次は「水平線」でお願いします
693 :
名前はいらない :2009/05/12(火) 15:58:34 ID:VcQrKdkQ
水平線 バンガロールの車と牛とひといきれ 流れる雲も不機嫌そう 汚れた猫はトボトボと 空き缶潰れて トボトボと 道の向うに綺麗な子犬 大きなお髭のおじさんに 抱かれてスヤスヤ眠ってる 道の先には入り組んだ足の波 少女が屈んで泣いている 潰れた花束の横で泣いている 笛にひかれて痩せた猫は路地の裏 明日の歌が歌われていた 赤いマントが翻り 時が止まって 白い天使が舞い降りる 風に逆らい歌に誘われ節ばった手を伸ばす 天使は地に降り微笑みながら ただ脇を通り過ぎた うずくまる人々と 弛まない蜻蛉たちの歩み 流し込む甘い憂欝 流れ込む人々のむせかえる祈り 「先は見えない」洒落たスーツの乞食が呟く 汚れた猫はトボトボと 空き缶潰れて トボトボと 霧に呑まれた朝の街 木々に隠れた宮殿に 魔神と女神が棲んでいた 神々が見つめるその先に 永遠が静かに揺らめきながら横たわる 汚れた猫はトボトボと 空き缶拾って トボトボと 道の先には入り組んだ足の波 泣き虫少女はどこかへ消えて 潰れた昨日の花だけが泣いていた 次回『仮面の下』
694 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/12(火) 17:12:44 ID:BKdkIpxw
仮面の下 あなた知らなかったの あたしの仮面 あんなに好きだって言ってたのに そうよ あたしの仮面 微笑んだコレは仮面なの 本当のあたしじゃないの あなた知らなかったの じゃあ 教えてあげる あたしの仮面 あなたが大好きなあたしを そっと教えてあげる ほら もっと近づいて 今からめくってあげるから そうよ コレがあたしの素顔 そうよ コレが仮面の下のあたし 血まみれで嗤う あたしの仮面なの 次は「残酷なのは誰?」でお願いします
695 :
名前はいらない :2009/05/12(火) 20:15:16 ID:VcQrKdkQ
残酷ナノハ誰? 旅立つ無数の蟻 巣は放置された 卵もそのままに いつもと変わらない昼下がり 蟻たちは旅立った そして陰る陽 それから泣く穹 そのまま刎ねる 稲妻の小指 足元の振動が膨らむ 先頭の蟻が狂いだす 光が明滅し影が飛び出す 最後尾の蟻が掴まれる そして乱れる列 それから走る亀裂 そのまま囲まれる女王蟻 敵意の匂いに包まれる やがて引き裂かれる 望みは産めない 自らの分身たち引き裂かれる悩ましい音 ゆっくりと丹念に味わう愛おしい母の味 光が明滅し影が見物する そのまま釘打つ 稲妻の小指 それから泣き止む穹 そして直視する陽 蟻たちは旅立った みなバラバラに母の欠片をくわえて 何事もなかったかのように 何事もなかったかのように 何事もなかったかのように 巣では卵が腐ってゆく いつもと変わらない昼下がり 血溜りに小指が蠢く 次回『梅雨の呼吸』
696 :
名前はいらない :2009/05/12(火) 22:54:14 ID:mZ3mZ/W7
梅雨の呼吸 蛙が鳴いているよと 確かに声は発せられた 割れた窓から その乾いた声は逃げて行く この部屋の空気は重くて ベタついた呼吸が 身体の内側に纏わりついている ああ、梅雨だと 確かに声は発せられた 声が乾くほど喉はイライラしているのに 割れた窓から聴こえる雨音で もう十分。十分だから 誰か窓を塞いでくれ 私の声が湿気を含む前に 耳をも塞いで決して覚らぬよう 私が泣いているなどと 次「オッドアイ」
697 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/13(水) 01:08:02 ID:kibEGVsy
「オッドアイ」 進む町並み歩く人、人 植え込みにオッドアイの猫 金目に通行人Aを嵌めてみる なかなか様になっている 銀目に通行人Bを嵌めてみる あれあれ何考えてんだか得意げだ あっちはA、こっちはB 道行く人を次々捕まえ猫の目玉に閉じ込めて 口笛吹いて行過ぎる 次は「海藻」でお願いします
「海藻」 右にならえで育つロボ 俺は異端なはずだった 海藻なはずだった 普通がいちばん 平凡になりたくて そんなことをつらつらと 海藻な君は笑ってた 単調な言葉と意識 いつの間にか俺もロボ 流れに沿って海藻へ どこかで間違い ゆらゆらゆらと インスタントな日常 どこかへ行きたくて 俺は海藻にはなれなくて 隣には海藻を知らない君がいた 右にならってきた結果 何も出来ない海藻な君 廃品回収はまだこない 執行猶予は自由時間だ 何も始まらなかった1日の終わりに 君はまたここに来てくれた 日々の雑事は 今はいい 君をきつく抱き締めた そして絡まった海藻 次は「ARIA」でお願いします
699 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/13(水) 09:04:38 ID:vRvHyImz
ARIA わたしはうたう 人生を賭けてうたう 独唱は悲しい 観客はいない 拍手はいらない それでもわたしはうたう この詩にかけて わたしはうたう 人生を投げてもうたう 独唱は誇り うたは怒り 喝采は遠い未来に託す わたしはうたう 人生をうたう うたわなければ人生はない 詩人は自信と相容れない 独唱こそが相応しい わたしはうたう 高らかにARIAをうたう 次は「時が止まる瞬間」でお願いします
700 :
名前はいらない :2009/05/13(水) 13:23:09 ID:/svVQbhI
時が止まる瞬間 わたしはうたう(おれは呪う) 人生を賭けてうたう(時を刻んで呪う) 独唱は悲しい(No!) 観客はいない(No!) 拍手はいらない(生け贄はいる) それでもわたしはうたう (どこまでも腐った赤い海に沈みながら…) この詩にかけて(この捻れた舌にかけて) わたしはうたう(おれは呪う) 人生を投げてもうたう(時を停めたまま呪う) 独唱は誇り(Yes!) うたは怒り(Yes!) 喝采は遠い未来に託す(だが永劫に届かない夢) わたしはうたう(破滅の唾を飛ばして) 人生をうたう(着地点は見えない) うたわなければ人生はない(瞬間に凍り堕ちる涙が砕ける) 詩人は自信と相容れない(Fuck Yeah!!) 独唱こそが相応しい(Fuck Yeah!!) おれはうたう 高らかにAKUIをうたう 次回『花は、穹へ』
花は穹へ 盛りは過ぎて 残り香は 遠き果てまで 誇る如く 青き空に散る 次「刺青」
「刺青」 私たちの 理想郷があるなら とてもとても 近所になきゃ理想じゃないなあ 薄い合成の 皮のジャケットみたいに 寒さまでも 透かしてしまいそうな刺青 アスファルトが 息を吸い込む 雨を弾き返して 私だけが 住んでるアパート だれかつないでください だれもかれもが 手をつないだら あたたかさが 寒い春を覆う それができたら 良いのだけれど せめてもとつながれた刺青 足りないよ 足りないよ そこに理想はありません 証明を したいけど 私たちは嘘つきだから 長い長い コードでつながれてつながれ 知らず知らず そっと吸い取られているから 乾燥した 空気が立ち 手を叩いて呼ぶよ 「やっぱりだろ 刺青入れたら 苦しくてたまらないだろう」 だれもかれもが 手をつないだら 暑すぎて ジャケットが脱げる そうしたなら みんな裸で くっつきすぎて死んじゃうね刺青 次は「女子高生のスカートの中が臭い」でお願いします
703 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/15(金) 02:05:39 ID:SU6m5M5+
「女子高生のスカートの中が臭い」 「臭いな」 薄汚れた男が一人 連れの青年にふと洩らす 「実に臭い」 暗色のスーツの上から見ても それと分かるほど筋肉質な 肩幅広い青年がこう男に返す 「事件ですか。ヤマさん」 すぐには答えず ごま塩頭をカリカリと掻き その男ヤマさんはぶっきらぼうにこう告げた 「ああ、厄介なことになるかもしれん」 地下鉄線は二人を挟んで長く延び プラットフォームに案内放送と各種光源を呼び招く スーツを着込んだ筋肉青年はヤマさんの鋭い視線を追って やがて一人の女子高生に目を留める サラサラの髪が背に掛かり ブラウスの裾に上半分を押し隠された ミニスカートから伸びる足を見せ 下校中の女子高生は帰りの電車を待っている 轟音とともに車両が駅へ滑り込み 吐き出す人を待ち女子高生はドアから中へ 「つけるぞ」 ヤマさんの指示は熱く冷たく滾る 「ロリ顔ヤバいっすね」 「かなりのもんだ」 「後ろからでよく分かりましたね」 「長年の経験と勘ってやつだ」 「座りましたよ」 「うむ」 「腿の内側見えそっす」 「糞、通学鞄が邪魔だ」 「ここで降りるみたいです」 「階段あるな」 「もちろんです。地下鉄ですから」 「間隔空けてつけるぞ」 「人多いっすねー」 「ああ」 「見えませんね」 「畜生、みすみす取り逃がすとは」 地上はちょうど日暮れ時 次は「コイン」でお願いします
「コイン」 チャー。何処からかコインが聞こえる。 車が走るコインランドリー テレビには砂嵐 カーテンが揺れる 誰かがあくびするの カジノのコイン 雨が落ちる一寸前 土が身を固くする文明 虚しくなった 当たりがこない 歩きたくなった あいまいな意志を持った トイレに向かった 写真でみたバカラには 希望も夢もなかった 人で溢れるここは 多分まだジャックポットじゃない 面白くなって目を閉じた すでにそこにはコインはいない・・・・・ チャー。何処からともなくコインが聞こえる。 無一文の体 女性としてての価値 うるさくて耳を塞いだ 音が消えた ナプキンも消えた 全て無くなった つまり終わりかけていて 朽ちかけている おっぱいと陰毛が残っている マハラジャが現れた 体の販売が始まった 彼はワキに香りが好きと言った そしてあたしの体はヌルヌルとした物が・・・・ 次は「夏のあらし!」でお願いします
705 :
枯葉 ◆/BiSGy3emw :2009/05/15(金) 05:18:37 ID:j7HEay3I
「夏のあらし!」 ニュースに生活 オカルト板 あちらこちらにペッタペタ 貼るわ貼るわで大嵐 貼るは貼るでも春違い さてはてこぞって板違い 痛い気違い巻き込む旋風 ぼつぼつ雷雨の予報の時刻 現れる通報受けた管理人 梅雨が不浄を流すが如く 書き込み削除と書き込み禁止 応戦虚しく嵐は去りし 眩し陽射しは2CH大平の兆し ふーっふーっ 乳白色のソファーから起き 眺めていた携帯から 汽笛のする方へ目を遣る 薄く禿げた焦げ茶の木枠窓の外 草原を朱色に染める夕日の下 汽車が悠々と走っていた 汽車の吐き出す煙りが 遠方の山を隠す暗雲に似ていた 次回は「飴の効用」
706 :
名前はいらない :2009/05/15(金) 14:59:19 ID:4JiGa3Bo
飴の効用 硬い言葉を口中で転がして 二月は更に遠い 青いリボンで着飾った本棚 届かない廃墟のカタルシス 破れた屋根の上に登る彼女 釘が裸足の爪を割る 痛みは熱 痛みはテーブル 痛みは母の声 痛みは大地 痛みは繭 痛みはすべてを隠す青いリボン 彼女は破れた屋根の上で泣いている 硬い嘘が甘く融けるまで 小さく優しく飲み込めるまで 二月の空がバラバラと墜ちるまで 次回『靴』
707 :
名前はいらない :2009/05/15(金) 15:54:39 ID:0zZMDkGz
「靴」 右には青色 左には白色 2つ合わせて大好きな空色 さぁ歩き出そうとした 気分は最高だ その時 まさに空の方から声がした 「いけません!ちゃんと両足揃えて履きなさい」 歩き出すには僕には窮屈だった ねぇママ僕の靴はどこ? 次は「時計の秒針」
708 :
名前はいらない :2009/05/15(金) 17:14:30 ID:yBMpY8z8
きみの静止を太陽に ぼくらは永遠をまわる まわりつかれたぼくらは きみをガラス牢に閉じこめる つぎは「かなしき小沢一郎」
「かなしき小沢一郎」 一郎はオバマと闘って破れアメリカ副大統領となったヒラリーにいった 『在日米軍は第七艦隊だけでいいから、 あとの部隊は全部縮小して、基地も日本国に返還してくれ』 『あんたとこの国債なんて、そんなに日本国の税金で買えるわけないだろ! 他所をあったってくれ』 ヒラリー女史の面子は丸つぶれ、政権発足初の外政で、成果を上げるどころか、 米国にとって属国同然の日本国の次期与党だか知らないが、 野党党首でしかないの一郎に、けちょんけちょんにあしわられたのだ。 ボスのオバマは、急遽日本国の現政権の麻生総理をホワイトハウスに呼んでこさせた。 『アメリカ国債売るので、日本にはぜひまとまった金出してもらいたいのだよ。 もちろん小沢一郎の件はこちらで処理させてもらうよ』 『もちろんでございます、お代官様。国民の税金なんて我々日本の政治家にとっては 湯水のようなものでございます。景気悪化で民間企業がつぶれようがいたくもかゆ』 『ミスター麻生。こちらの用件はもう済んだ。これから重要な朝食会なんだ。 もうさがってくれてくれないか』 麻生総理の2月24日午前のホワイトハウス呼び出しから、1ヶ月後の3月24日 小沢一郎の公設第一秘書が違法献金容疑で東京地検特捜部により起訴された。 American Idiot
つぎのお題は 『ニコニコ動画』
「ニコニコ動画」 づむづむと 貝擦れあう音がする ニコニコ動画 それはミクミクの親愛 私は白く噴いてしまった 終いに黄色く浴びてしまった ああ岩肌をコウノトリが辿っていくよ ニコニコ動画夢の箱舟 どうか いつか 私を乗せて飛んでほしい 宝石箱から溢れるニコニコ動画の群れに ひろゆきへの愛が光を投げかけている どうか いつか 私を連れていってほしい 死者たちがうっとりと笑い出す天上の海へ ニコニコ動画のラジオは楽しい この面白さを いつまでも感じよう 咲き誇る 目の中の動画サイト 次は「嵐山 小夜子(あらしやま さよこ)」
712 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/15(金) 23:56:05 ID:SU6m5M5+
「嵐山 小夜子(あらしやま さよこ)」 あの女のことなんてとあなたは言う ロープウェイにも乗れないくせにとあなたは言う 僕はギリギリと歯軋りをする 嵐山小夜子のことは 知ってる奴に聞いてくれ 次は「滝」でお願いします
713 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/16(土) 02:37:10 ID:o3/MwO9p
滝 蛇口をひねる だらしない水が流れる 酔っ払いのように キレがない 川の水が流れる 素直に進む 小学生の行進のように 微笑ましい 真っ逆さまに落ちる 奈落の底に水が堕ちる 天国を追放された神のように 嘆かわしい 真下で地獄が口を開け 堕ちてくる水を丸飲みにする 怒涛の嘆きは山々を駆け巡るように ただ 悲しい 次は「明らかな殺意」でお願いします
714 :
名前はいらない :2009/05/16(土) 14:44:28 ID:/H/dhI8P
暗渠 緑のトカゲ 自殺した舌 這い回る ドナーはアリストテレス アンフェタミン 砂の河 鈍い反射 所々波紋 ドクターはボブマーリー 暗転 菊一文字 襖の切れ目 覗く真っ赤な肩 被害者はドナルドダック アビシニアン 一億三千の極星 沼地なKY 麻疹の新聞 加害者は俺じゃないJK 次回『工場』
工場 食卓がある ママはロボットと泥酔したパパから失笑されながらマシーン作業 パパはロボットになり働くのが好き 人間らしい感情は傷みに気付いてしまうから 働くために生まれてきたから 傷み続けば働きにくいとマシーン ロボットになる ママを同じにしてしまわなければ同じ時生きる仲間として釣り合わない 青いまるい星に見えない煙突数増え 青い星 半分 工場のよに見えた季節 疑問感じる奴がバカだと罵声飛ぶ 疑問感じ無しできたから 循環は悪くなるばかり 身体内は工場 心身内も工場 心 巡回 工場 騙されやすいから人間 キッチン内が工場になったとて 気付かないくらい時間は工場内 次は『人間』
716 :
名前はいらない :2009/05/16(土) 21:54:49 ID:kvFyw9GN
人間 昨日の食べかけの問いに 今日の食べこぼしを かき集めて答える ひらめきは美しい肉片の中 だから太陽は急かしてる 夕暮れ時はすぐそこだと 早く狩れるだけ狩ってしまえと 無知なその手を地について、と 次「目隠し」
717 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/16(土) 23:59:05 ID:0xVAhtlf
「目隠し」 見えないように目を隠す ふらつきながら落下する 中空で落下傘を開く どこへ降りるか分からない ひらひらひら 漂う様子を浮かべるも 実際には びゅおおおう 強風と空気抵抗が閉じた目にも見えるようだ お陰で飽きる暇もない 着地せよと命ずる声に吹き上げられて 身体は遥か星より高く 次は「時計」でお願いします
718 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/17(日) 03:41:41 ID:dqzYZuva
時計 巨大な時計 俺は支配されている 長針と短針が 擦れて歪な音を立てる 耳にした者を 不安の底に突き落とす 巨大な時計 表面には無数の穴が開いている 俺は支配されている 長針と短針が 穴の上を通過する 目にした者を 地獄の底に突き落とす 俺は穴に頭を入れる 完全に支配されている 巨大な時計は振り下ろす 長針と短針が 巨大な鉈と化して首を狙う 誰に対しても 冷酷な終焉をもたらす 巨大な時計の支配下で 俺は穴に頭を入れる 昨日は無事だった その事実だけで安堵する 直後に首に風を感じた 次は「きせき」でお願いします
「きせき」 という文字列が「せきれい」に見えた 眠れない 雨の夜 ほかには何も思い出せない 何も起こらない ki-se-ki 次も、「きせき」でお願いします
「きせき」 空き席で咳をすると インフルエンザの気配 背後から息せき忍び寄る パンデミックの ki-se-ki 次は、「きさき」でお願いします
721 :
名前はいらない :2009/05/18(月) 02:15:29 ID:5/2vK71l
キサキ 鋭い切っ先を機先を制し妃に突き付け木崎某はキザに言った 『私の名前はキザキじゃなくキサキです。』 次回『パンデミック』
『パンデミック』 ああ、手を伸ばせば届くのに。声をかければ済むのに。 遠すぎるのは距離だけじゃない。 ああ、それは悲しいの?辛いの?もう何も聞こえないね。 あなたへの心を除けたら、そこにはパンデミックが轟く。 思い出はただ可憐なほど咲いていて。 ああ、そこは寂しいの?儚いの?分からない私だけ。 繰り返し繰り返し、気持ちが廻る。 零れ落ちるもの大切なもの、私のもの・・・ ああ、午前四時が、私の想いと重なって。 ただ感じていただけ、暖かい左手。 舞う雪の華を手にとって、そっと息を吐く仕草。 笑って見上げたあの冬の空へ。 冷たくなったパンデミック、歩いた道もそこにある。 閉じ込めた温もりも涙も、まだ途切れない。 いくら流しても、ああ、枯れたと想っても。 止まれよと願った、あの瞬間があるから。 だから私は、温もりのないパンデミックをかざして。 ただ、舞い落ちる雪を、この手に・・・奪うわ 次は、「ルナマリア・ホーク」でお願いします
723 :
名前はいらない :2009/05/18(月) 19:13:34 ID:5/2vK71l
ルナ・マリア・ホーク 数多零れる虹の雨 百合と揃えし白夜の精 鷹の瞳に千の慈愛 苦もなき悲もなき月を射つ 青き焔の狼煙上げ 赤き眩影吹き壊し 晨の欠片に闇と降り 目蓋の深みに紫が宿る 声なき声の歌い人 狂える翼の月の巫女 淡き風穿き暉を纏い 黄泉のしじまへ翔び立たん 次回『エデン』
エデン 僕は栄光てから ひとつを選んで 広げてみたよ 飛べそうな大気を 他のみんなは 時空なんて無くても エデンに空を飛んでいるのだけど エデンだから 導きの方が飛びやすいだろう たまには見下ろしてみたいんだ なあいいだろ エデンを犀ながら 旋回する僕は さながらヘリコプターの勇姿 窓からのぞく仲間の顔を 見つめながら少し誇らしげ エデン 僕の魂で遊ぶ 太陽と飛ぶ人が羨ましいな 恨めしいなあ 僕は考えた 泣いて考えた 間違った場所はどこだろう そして僕はまた 時空を手に取るよ エデンを抱く勇気を持って あきらめたくないよ 未来を照らしながら 欲する僕は 飛び立つことができたかな 少し高く飛んでいる奴らを 今に見ていろと追いかける 次は、「女子高生の匂いはいい匂い?」でお願いします
「女子高生の匂いはいい匂い?」 ああ? そんなもん嗅いでどうしようってんだ? どこを嗅ごうっていうんだ? くんくんくん! くんくんくん! あ〜!ああ〜! 甘いミルクのいい匂い! とでも言うのか? 変態!この変態め! 俺の靴下でも嗅いでやがれ!? お次は、「手拭い」で
726 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/19(火) 00:38:41 ID:lMWW62pZ
手拭い 指先から滴が落ちる 雨音のように澄んで 路地裏に響いて聞こえる 人通りは途絶えた 誰の声も聞こえない 耳だけが記憶した絶叫に 未だに脳が痺れている 足元に横倒しになって 動かない物体を見下ろす ナマコのように浅黒い舌が 切り裂かれた喉から 今にも這いだそうとしている わたしは先の尖ったヒールで 蹴って中に押し込んだ 指先から滴る音がうるさい うるさくて仕方ないから 顔を洗うような仕草で 自分の顔に擦りつけた 酷い悪臭に吐き気がする 酸っぱい唾を吐いた 転がった物体に吐きかけた そのあとで何度も顔に 両手を擦りつけた うるさい滴の音は止まった 手拭いの効果に満足して わたしは路地裏を出た とても清々しい気分になって 意味のない言葉を叫んだ 次は「肉を頬張る」でお願いします
727 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/19(火) 00:55:31 ID:V0ivYTW/
「肉を頬張る」 バーベキューマンが僕の顔を食べなよと言うので肉汁が飛沫になって辺りに飛んで皆は興奮してワーキャー言って バーベキューマンがまたそれを喜んで僕の顔を食べなよと二度言ったので皆は殺到して彼の顔をてんでに引き千切ると 次々口に入れて世にも幸せそうな顔を浮かべあっという間に肉がなくなるとジャムおじさんが新しい顔だよと言って バーベキューマンに焼き立てジューシーお肉を与えたものだから皆盛り上がる盛り上がる 次は「アイスキャンディー」でお願いします
728 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/19(火) 06:23:40 ID:lMWW62pZ
アイスキャンディー わたしは冷たいものに弱い でも 火照った身体が欲しがる カップのアイスは好きじゃない わたしには甘すぎる 冷たくて さっぱりしていて甘いもの アイスキャンディーが好き 青い底なしの空を眺めながら アイスキャンディーを食べる 木陰に安心したせいなのか 黒い影の中に落ちた甘いもの また 最後まで味わえなかった アイスキャンディーが好きなのに 冷たくされるのに アイスキャンディーがやめられない 程よい甘さはさっぱりしていて 潔くて最後まで味わえない ゆっくりと影に落ちた甘いもの 陰のある横顔を思い出させた 冷たくされて さっぱりなのに甘いもの わたしはそんなものに とても惚れやすい 次は「揺らぐ自信」でお願いします
「揺らぐ自信」 「お口チャックマンか!」 静まる劇場 これが決勝戦の空気か・・・ゴクリ 次は「テング」でお願いします
テング Bさんの職業であり 制服であり 冒険であり 哲学であり 子供の頃憧れた姿であり しかし 下駄でこけたくらいで その仕事やめたなんて バイト程度だったんだね 次は「あまのじゃく」
731 :
犬大好き :2009/05/19(火) 21:12:19 ID:IyGBFWeT
あまのじゃく あの人がドアをノックして 今夜は開けろという ささやくような低い声で くりかえし呪文のようにいう ゆびを一本入れるだけ だから心配しないで開けろという すりガラスの向こうの輪郭が うっすらと笑っている 夜が開ければ あの人の入った私はもう私とは違う 私のふりをした私の上に うぐいすは鳴くのだろうか ささやく声にからみついて ノックの音は続いている 次は「日本海」で
732 :
名前はいらない :2009/05/20(水) 01:52:18 ID:DSLhJL+Y
日本海 ミサイルが墜ちる シューシューうねる波 浮き輪はクルクルと踊る 焦る気分はノンシュガー フライパンの上で海が煮立つ カサカサと振り掛ける白波 気分だけはノンシュガー ミサイルが墜ちる ミサイルが墜ちる 換気扇を回せ 荒ぶる波間から難破船を掬い出せ 黒焦げの水死体は捨てるがいい 灯台が光っている 旦那が呼んでいる あたしはまだ陸に泳ぎ着けない 次回『烙印』
733 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/20(水) 03:52:13 ID:qNQ5pEZn
烙印 わたしも あたしも おまえも オレも キミも 産まれた直後に 動き出す 死の時を刻み出す 魂は削り取られ やがて 死者の烙印を押される 泣き叫んでも 憐れんでも 儚んでも どれだけ抗おうと 烙印は押される 次は「ストッキングが伝線したわけ」でお願いします
ストッキングが伝線したわけ いかしたjazzの伴奏で スィングするの 甘い癒しのリズムの あなたの視線に 感電したから つぎのお題は 『チリペッパー』
735 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/21(木) 02:32:25 ID:+3oH+eI7
「チリペッパー」 ガムを含んでチリペッパーが空を見上げた シナモンとナツメグは話し込んでいる 時計台の石像に落書きをした話 ディーラーの居ないカジノの話 電源が落ちたパーティーの話 掏るものがなくて携帯電話から内蔵端子を盗んだ話 頭上のネオンが一際大きな明滅を上げ チリペッパーは額に雨滴を受けた 雨に煙るヘッドライトの光を放って タクシーが路地をすり抜けていく シャッターを下ろした商社ビルの軒下で チリペッパーは目の前の水溜りにガムを吐いた シナモンとナツメグは退屈な話をしていて チリペッパーは退屈していた シャッターを蹴ると思いの外大人しい音が響いた どこか遠くの酔っ払いの笑い声がチリペッパーの耳に入る 聞こえねーよとチリペッパーはがなり立てた シナモンとナツメグが顔を見合わせる 終電を見送る夜空が降りて チリペッパーはシャッターにもたれて眠った 次は「川底」でお願いします
736 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/21(木) 04:41:17 ID:mUoKBTlJ
川底 流れは穏やか 水は澄んで 浅く見える 流れは速い 澄んだ水は 浅く見える 穏やかな日 清涼な川に 人々は集まる 川底は別世界 わたしの世界 あなたの世界 人々の声が近い 喜びの声が近い わたしは嬉しい 深みに伸ばす手 わたしも伸ばす 上と下で伸ばす さあ 握手をしよう わたしと同じになろう おいで 川底の世界へ 次は「乾いた唇」でお願いします
737 :
名前はいらない :2009/05/21(木) 22:27:17 ID:ZxQOJvBY
乾いた唇 甘い香りに目をやれば 女子高生が リップクリームを塗っていた 甘い香りが滑った口唇は 羨ましいほど瑞々しい 友人たちとの談笑を一層華やかに見せて 社会を駆ける私を卑屈にする リップクリームを塗る暇はない 唇を舐めて、私はまた一人走り出す 次「愛すべき短所」
738 :
名前はいらない :2009/05/22(金) 02:05:31 ID:dainuOkG
『愛すべき短所』 靴底から見える世界 大人の知らない世界 夏休みの作文には絶対書かない世界 昨日習った算数じゃ割り切れない世界 僕は知ってる 君は知ってる? それとも、知ってた? 失くしたモノがある世界 失くしたモノが息づいてる世界 失くしたモノが鮮やかに躍ってる世界 君は行きたい? そこに行きたい? それとも、忘れたい? 僕は知ってる 行き方は色々、けどドアは一つ、固い鍵穴のドアが一つ 泣き虫でもいい、怒りん坊でもいい、淋しがり屋でも恥ずかしがり屋でも 何だっていいのさ 行きたいと思った時、変わりたいと願った時、ドアは足元に現れる ドアを開ける鍵はただ一つ 君は知りたい? それとも、知ってる? 鍵穴はハート形ってこと 次回『心触』
739 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/22(金) 02:13:35 ID:YRzQow7F
「愛すべき短所」 「『拾い食いは良くないよ』 僕がこう言うと きっと三秒ルールを適用するのだ 意地汚いグレーテル」 「『何をふらついているの』 私がこう言うと きっとお菓子の家について喋り始める いやらしいヘンゼル」 次は「卵焼き」でお願いします
740 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/22(金) 02:14:36 ID:YRzQow7F
741 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/22(金) 09:02:05 ID:Roeya9JH
教えて ねえ 教えて 心触 それはなに? 心に触れるんだ そうなんだ わたしにもできる? じゃあ あなたの心を差し出して 思いっきり 蹴飛ばしてあげるから わたし卵焼きが好き 卵焼き 教えて欲しい? 甘くて やわらかいんだ あなたにもできる? じゃあ あなたの体を差し出して 卵焼きに 挟んで食べてあげるから 奥歯でね あなたの悲鳴を感じながら ゆっくり 押しつぶしてあげるから ぷちゅってね 愛らしく死んでね 次は「指先が求めるもの」でお願いします
742 :
名前はいらない :2009/05/22(金) 17:46:21 ID:fp+2unwE
「指先が求めるもの」 夕日が昇り朝日が沈む 美術館の吹き抜けが血で染まり ささやきは怒号となつてこだまする きらびやかなものたちが目を覚まし 伽藍堂の夜を記憶で満たす 「もういいかい」 咎めるような優しさで めまいするような確かさで 瑠璃色の光が内をうかがう 「もういいよ」 呪わしさを含む声で誰かが答えた 次は「アセッション」
743 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/23(土) 00:28:38 ID:AXOZWecL
「アセッション」 ぼっかり開けた穴の中 見上げる夜空に誰呼ぼう 星が見えるから宇宙人にしようかな 白鳥座の宇宙人にしよう おーい、宇宙人さん宇宙人さん どうかここまで来ておくれ 来ないかな来ないかな 来ないな来ないな 来ないんだ来ないんだ やっぱり宇宙人なんて居ないんだ それなら誰を呼べばいいんだろう 地球人類は予言の時を経て死滅してしまった 僕もこのまま皆のように ドロドロに溶けて 煙を出して蒸発するのだろうか 次は「湖」でお願いします
744 :
ワロタ厨二病 :2009/05/23(土) 00:36:58 ID:waVGEJOp
「湖」 この湖には謎の生物がいるのだ 平凡な湖の、たったひとつの取り柄なのだ おつぎは「オムライス」で
745 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/23(土) 00:52:15 ID:AXOZWecL
「オムライス」 ケチャのDVDを観ながらオムライスを食べたっておかしなところはどこにもない ケチャのDVDなんて持ってないが 中学時代に音楽の授業で見せられた覚えがある 当時はケチャに賛嘆する音楽教師を醒めた目で見てた 後になってケチャというものをゴアトランスやらの音楽ジャンルと絡めたために 要するにミーハー文脈に絡んだためにケチャの話を聞くようになったのだ でもケチャのDVDを観ながらオムライスを食べたって別におかしなところはない 次は「胸焼け」でお願いします
オムライス クラスのみんなでネス湖に行った 湖畔に座ってお弁当を食べた 水面をにらんでスプーンをふるった 中身は黄色とオレンジだった 次回は「怪獣」でお願いします
きゃー19、ごめんなさい。 お次は「胸焼け」で。
748 :
ワロタ厨二病 :2009/05/23(土) 01:12:09 ID:waVGEJOp
「胸焼け」 東京に怪獣があらわれた のしのしと都会を踏み潰して歩く 怪獣は手を伸ばして人間を掴んで噛み潰した がりがりべきべきぼりぼり 血が滴り呻き声がこぼれる さらに怪獣はビルの中に顔を突っ込んで人間を貪った 学校だろうと電車だろうと 人間の要る所 隅から隅まで丁寧に こそぎ落し掘り返してすすり、舐め、頬張った 怪獣は人間だけを喰った すっかり満足した怪獣は胸焼けをして ゲップのついでに火を吐きながら海に帰っていった あとには無人の焦土となった東京が残された お次は、「オムツ」で
オムツ オムツと聞くと山崎拓を思い出す 私の「成人」は何で汚染されているのだろう 次回は「眠気」でお願いします
750 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/23(土) 01:48:52 ID:BeKF5yEL
眠気 坊や 眠りなさい わたしが見ててあげる どうしたの 眠れないの そう おっぱいいる? はい どうぞ そんなに強く吸ったら痛いよ 頭を撫でてあげる 少しヘンな気分 もう ひとつのおっぱいもいる? はい どうぞ 今度は強くないんだね 舐めてるみたい でも 舌の動きは拙いね これで眠れるかな なんか モジモジしてる なにか言いたいことでもある? オムツかぶれは違うよね もう 今日は遅いから 早く眠りなさい わたしも疲れちゃった 動きすぎたかな 久しぶりだったから つーか 早く眠れよ おまけに乳首 吸いすぎ また 今度やってやるよ 赤ちゃんプレイ 次は「錆びた自転車」でお願いします
751 :
名前はいらない :2009/05/23(土) 01:55:31 ID:isNCmHVi
「錆びた自転車」 彼女の詩 時折 そんな匂いさせ 走りながら 希望と絶望は 添い寝する詩 希望と絶望 足絡めあいながら 添い寝している 錆びた匂い だけど その風緩やか 切る走り心地は最高だと 絶望と希望を 共に走らせる
752 :
名前はいらない :2009/05/23(土) 01:56:47 ID:isNCmHVi
「錆びた自転車」 彼女の詩 時折 そんな匂いさせ 走りながら 希望と絶望 添い寝する詩 希望と絶望 絡めあいながら 添い寝している 錆びた匂い だけど その緩やか風 切る走り心地は最高だと 絶望と希望を 共に走らせる 次は 「絶望と希望」
753 :
ワロタ厨二病 :2009/05/23(土) 02:03:15 ID:waVGEJOp
「錆びた自転車」 あの錆びた自転車を 俺は知っている 二ヶ月前盗られた俺の自転車だもの もとから中古だったから諦めて 新しい自転車を買ったんだ シラネエヨ さんざ探しまくって 警察も役にたたねえで 今更見つかっても邪魔なだけ 嬉しくもなんともねえ すっかり錆びてやがる 空気も抜けかけだ かっぱらったならもう少し丁寧に扱え 待っていて乗ってる奴しばいたろか いや、いい 面倒くせえほっとくよもう じゃあな、あばよ お次は、「三角定規」
>>752 いやん、まいっちんぐ
「絶望と希望」
ああ、それは
表と裏よ
絶望あらば希望来る
希望あらば絶望来る
どちらか一方だけならば
それが続けば続くほど
私の心は耐え切れない
絶望と希望
絶望と希望
呼吸のように繰り返し
蛍のように点滅す
おつぎは、「まむし」で
755 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/23(土) 02:28:56 ID:BeKF5yEL
まむし おまえ なにが不満なんだ? 赤ちゃんプレイ やってやっただろ さっさと寝ろよ わたしは眠いんだ おい どこ触ってる? 乳首吸いながら まだ やり足りないとでも また モジモジかよ わかったよ 聞いてやるよ だから 乳首を離せ くわえたまま モゴモゴするな 冷蔵庫に入ってる? 突然 なんの話だよ まむしドリンクがなんだって わたしに飲めと それはあれか もう一度 ってことだよな いいや そうに決まってる 坊や すやすやと眠りなさい きっと いい夢がみれるよ 頭の腫れは撫でてあげる 息は してるよな 坊や 安らかに眠れ 次は「電車内の痴態」でお願いします
756 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/23(土) 03:13:35 ID:AXOZWecL
「電車内の痴態」 木を生やすのに慣れた庭で 落ち葉を掃き集め雑草を毟り 柿の根元に山を作ると秋に生る実がよく育つ なるほどと顔を上げると 車内の様子は雑然としている 乗客が木に見えた 雑誌を千切って周囲に撒くと 花咲じじいになった気分 涙がこみ上げてきた シロや、シロや、こんなになってしまってと 撒き散らす紙吹雪に哀れを催し 誰憚ることなく泣き喚く 次は「寝台車」でお願いします
757 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/23(土) 03:31:26 ID:BeKF5yEL
寝台車 やっぱり そうか 二人で旅情を味わいたい あれは ウソだな 寝台車が必要なのは ちょっと待て 人の話を聞きながら なにを引っ張り出してるんだ? まさか 本当に味をしめたのか だからって まだ昼前だぞ オムツをちらつかせるな そんなことで涙ぐむなよ わたしの方が情けない なんで こんなのが彼氏なのか 泣きたくなるよ なんだよ 珍しいな 慰めてくれるのか おまえ いい加減にしろよ 胸は触るな いや 揉むな 坊や すやすやと眠りなさい きっと いい夢がみれるよ でも 少し心配かも たんこぶから血が出てる 次は「各駅停車」でお願いします
「各駅停車」 びっくりした 次は「おやすみ」でお願いします
759 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/23(土) 07:09:57 ID:BeKF5yEL
おやすみ たんこぶから血を流したまま そのまま 目覚めるなよ わたしは本当に疲れた 赤ちゃんプレイは もう やらない 本当に疲れる これっきり 泣いても しない 眠い おやすみ 次は「割れた爪」でお願いします
760 :
名前はいらない :2009/05/23(土) 10:14:19 ID:IqtYS+5W
「割れた爪」 朝起きたらいつもの爪が割れていた. 雨が止んだらいつもの道が欠けていた. トンネルを抜けたらいつもの海が凍っていた. 夜を越えて 雨をやり過ごして トンネルを抜けて 僕は何かが変わってしまった. そいつを遂げたときには いつもどおりの僕が 僕を待っていたはずなのに 僕は何かが変わってしまった. 次は 「対角線」でお願いします.
761 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/23(土) 11:12:03 ID:BeKF5yEL
対角線 あたし達は慣れ合わない 隣同士で肩は組まない 身近な存在でもない あたし達は対等なんだ いつも正面に見据えて 細い絆で繋がっている 角ばった連中といて いつもあたしはあんたを 見つめているんだよ あたしはいつまでも 尖ったままでいたい あんたといつまでも 対角線の関係でいたい 次は「黄金分割」でお願いします
762 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/23(土) 20:24:26 ID:AXOZWecL
「黄金分割」 海の上では足場はとても不安定なので 今日の凪が昨日の嵐へ明日の大時化へと変わる 陸地を夢に見ながらも 開き直って今はぷかぷか浮かぶだけ 比率を汲むには広すぎる海 誰も彼もが溺れる世界 次は「竜宮城」でお願いします
763 :
名前はいらない :2009/05/23(土) 22:29:27 ID:IqtYS+5W
「竜宮城」 夢を見ていた. それは新品の 蛍光灯のような白い光の束. 何もかも無駄だったということか 迫ってくる波の闇が怖くて ただ逃げるように夢を見ていたのか 何者も寄せ付けずに見えた世界は 竜宮城,玉手箱が目の前に一つ 一つの光を追い求めた果ての世界は 竜宮城,玉手箱が目の前に一つ 今開いた.
764 :
名前はいらない :2009/05/23(土) 22:31:08 ID:IqtYS+5W
次は「斜陽」でお願いします
765 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2009/05/23(土) 22:32:35 ID:TwgyEFw/
「竜宮城」 柔らかな若芽が、いたずらに震える 掻き分けて進むと 濡れた門があり 亀が頭から 入っていった 次は「永遠」でお願いします。
「永遠」
一枚の紙を線と線で切り離して一捻り
切り口を揃えたら糊で張り合わせましょう
ほら! 永遠のできあがり
次は
>>764 氏の「斜陽」でお願いします
767 :
名前はいらない :2009/05/24(日) 00:53:42 ID:QhuZxxYB
斜陽 夕暮れに 照らされた顔は いつかの黄金色 遠い栄華を愛でて 落日を知る その影は美しいほど平等だと 次「それは艶やかなる」
768 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/24(日) 01:59:12 ID:zjyJ5duG
「それは艶やかなる」 白面の貴婦人は嫣然と笑い 男の視線を巧みに誘う ふわりと丸く柔らかな頬 綽名をぬりかべという 次は「百鬼夜行」でお願いします
769 :
名前はいらない :2009/05/24(日) 02:07:08 ID:iUN7g6iz
それは艶やかなる それは艶やかなる記憶の果実 名もなき樹から生えては零れ 零れては割れ 割れては腐臭を放つ 艶やかなる果実 それは収穫され 丁寧に梱包され 欲しい者も 触りたくない者も 等しく 勝手に届けられる 真夜中の果実 匂いはアレだが結構いけるって評判です 次回『鴉牙』
770 :
名前はいらない :2009/05/24(日) 03:15:53 ID:iUN7g6iz
百鬼夜行 肋バラバラ砕いて喰らう 恥骨コツコツ叩いて覗く 海の底から手が生える 山の裾には首だらけ 花のお江戸にゃ鬼はおらねど人がおる 鬼より恐い人がおる 亀の六角 目の死角 振り向き開いた瞳に兎角 刃煌めく御時世であれど 斬って捨てては また斬って ついぞ親まで切り捨てて 京の壬生浪も震える所業に どこへ逃げても闇ばかり ついぞ終わりし人の世か 人が鬼なら笑おうか 切り捨て後免の鬼の世に なんぞ未練があろうかと 維新維新と吠えたところで 花の日本にゃ獅子はいぬ 街を歩けば不埒な振る舞い厚化粧 放つ言葉はエゴ訛り わしが鬼なら斬ってやるわと空仰ぐ アバラバラバラ人の世は チコツコツコツ崩れゆく 末のお江戸にゃ龍がいた 平成日本にゃ馬ばかり 鹿に曳かれてやってくるのは 茶髪金髪何でも御座れの魑魅魍魎・・・ おもしろうて やがて悲しき 浮き世かな 次回『鴉はなぜ泣くの?』
771 :
ボルカ ◆TcCutL/5sw :2009/05/24(日) 12:16:47 ID:66YTKM1U
『鴉はなぜ泣くの?』 泣いているカラスがいたので こともが訊いた。 「カラスはなぜ泣くの?」 お母さんは 「カラスが鳴くのはね、」 と言って、少し考え込んだ。 「必要だから鳴いてるってわけじゃなさそうね。 カラスの赤ちゃんが、可愛いね、とかって言ってるのかしらね。」 泣いているカラスがいたので こともが訊いた。 「カラスはなぜ泣くの?」 お父さんは 「カラスが鳴くのはね、」 と言って、すぐに続けた。 「鳴くことが楽しいからだよ。表現って奴さ。」 こどもは 泣いているカラスのことを忘れてしまった。 次は『刺身』でお願いします。
772 :
名前はいらない :2009/05/24(日) 19:15:54 ID:0a1lt1ND
「刺身」 剣の浪が氷山に飛沫き 菊の花が月に隠れる空の下 怒りと呪いの肉体が石の夢に酔う 狂った造花だよきみは 鉄の愛に目覚めたひとつの結晶体だよきみは 紫の海に沈む美しき溺死体 新しい夜がきた 絶望の夜が かなしみに身をもだえ きみよ さよなら つぎは「鴉」
773 :
名前はいらない :2009/05/24(日) 22:31:03 ID:iUN7g6iz
【鴉】 副題:世界を覆う黒き炎の物語 霧の奥に建つ尖塔に苔むした風が吹く 重い門扉を揺らすのは指先だと 瞼震えるまま 窓辺に佇む羽のない蝶 レースのカーテンに包まれて 小指を噛む 長い淡い髪が唇を撫でる 「彼がついに来たわ…」 呟く声に肩の鴉が応える 「カレハコナイ!カレハコナイ!」 揺れる門扉に人影はない それでも少し待ってみる もうずっとずっと待っていたのだから もう少しだけと…… 知らず深い息が洩れる 哀しみが哀しみであったことを忘れるほどの 長い別離 ただ乾いた息だけが洩れる 「イツカクルサ」 淡い髪からのぞく長い耳 鴉が優しく咬む 「いいえ、彼はこない。…彼はこないの」 エルフの巫女は鏡に問う 老いることもない美は何のために? 叶うこともない約束は誰のために守るの? 彼が遺した小指の指輪に触れる 刻まれた人の言葉は懐かしい声を呼び覚ます だが 突如 鴉が獣の声を上げる 鏡の奥の誰ともしれない影 緋色の哀しげな眼の男 その背の黒い巨大な翼が 淡いプラチナの髪を覆いつくし焼き尽くし 囁く 「オマエは私のものだ…」 闇を透かし 霧を穿ち 泪だけが 互いを映す鏡 互いを繋ぐ言葉 次回『プラネット』
774 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/24(日) 23:34:14 ID:ROK15XSP
「プラネット」 小児向け科学雑誌の紙面に写る小さな活字「プラネット」 漠然として天井知らずな物思いを刺激する 覚え立ての綺麗な言葉には 手垢の付かない世界観が相応しいように思え 幼い子供はそこにユートピアを描いて乗せた ゆくゆくはそこに蔓延る無数の爪痕や脂かす 足跡ひとごえひといきれ制度危機救難幸罪揺らぎ営み そういったものが刷り込まれ 縄張りを求める数え切れないマーキングの様相 一昔前の洋画を見 嬉々としてそれを洗おうとするヒーローや極悪人を懐かしみ 浄化だ制裁だ破壊だ解体だ救済だ解放だ 次は「プール」でお願いします
775 :
名前はいらない :2009/05/25(月) 11:13:38 ID:BYD3bI5I
「プール」 白亜紀だ 宇宙の洲だ 動悸が詩を創るのだ 苦衷だ トランプだ 無花果が割れた反響だ 無痛だ 剥き出しだ 輪舞する蛾のエナジーだ 赤だ 免状だ 背を丸めて灯す松明だ これが全てだ これが溺れる者の握る総てだ これが渇く者の語り得る世界だ くだらない小っぽけなプールだ くだらない永遠のループだ 松明に燃えるほつれた言葉のワラだ 次回『釘を打つ男』
776 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/26(火) 01:20:06 ID:41MoqZwd
「釘を打つ男」 額縁に掛かる表札の題字はどこか勇ましい ギャラリーの一隅 黒っぽい木枠の中は空白 覗き込んでも何もない トン、トン、トン、と 鎚を使う音が聞こえる 後方から トン、トン、トン、と ふと時計を見ると 十分が経過している 俺は何を見ているのだろう 目の前にあるのは空白なのに 鎚音はまだ聞こえている 移ろうにも空白への興味が消えない トン、トン、トン 音が関心を額の中へ釘付けに打つ 釘打つ音はいつか目の中に聞こえ 影も見えない釘を打つ男の姿を見せる 得体の知れない絵の具で描かれた 不可思議な釘 次は「提灯」でお願いします
777 :
名前はいらない :2009/05/26(火) 05:36:55 ID:GNRRRBCz
提灯 オマエが提げ持つ光 オマエが掲げる闇に何を投げ掛ける? 腹が痛い腹が捩れる腹が腹が腹が割れる 蛆だ蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆蛆だ 思い出すあの巨大な校舎で俺は捕まり奴らに羽交い締めにされてた 思い出せあの巨大な蝿たちは俺の舌に卵を産みつけ無理矢理呑ましたんだ 孵化する 崩れゆく校舎で俺は巨大な影に怯えている 孵化する 誰も彼も蛆にたかられ喘いでいる気持ちよさげに喘いで喘いで 孵化する 希みを喰らえ好きなものを好きなだけ喰らい汚らわしい羽を生やせ 再び 虹が架かった夜の虹があらゆる光を吸い尽くす暗幕の虹が 蝿たちが舞い上がる 『刻は来たれりだ』 誰も彼も舞い上がり温かいハラワタを捜してる 逃げるふりはするな逃げ出す経路は下水にのまれて消えた 彼が甦る 沸騰する下水の奥の奥から黒い幾つもの手足が覗く 細い強靱な肢体が膿を纏い酸の産声を挙げる 彼に名は無い その金属質の喚び声に蝿たちが集まるその羽音が樹々を立ち枯らす オマエが提げ持つ小っぽけな炎に意味はない オマエが掲げる白い旗を無数の蝿が貪り散らす 逃げるふりはするな逃げ出す経路は下水にのまれて消えた 蝿たちの歌が響く 彼の眼が開く 『刻は来たれりだ』 次回『愛』
778 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/27(水) 01:13:08 ID:6JxOkGyc
「愛」 青臭い教科書 次は「夢」でお願いします
「こわいゆめ」 こわいこわいゆめをみた がけから落ちたり 試験に落ちたり おばけに追いかけられたりしないけど きみにきらわれたり きみに会えなくなったり きみが死んじゃったりもしないけど 大好きなきみの顔を忘れるゆめ お題 「おにいちゃん(はぁと」 ……ラジアン聴いてたらなんか連呼してたから
780 :
名前はいらない :2009/05/27(水) 06:50:31 ID:G0P/4n3I
おにいちゃん(はぁと 手おつないで歩いてた坂でお花をみつけました。 お花をみているとおにいちゃんがなにしてる早くしろとどなりました。 わたしわきれいなお花をみていたかったから先にいつててといいました。 するとおにいちゃんがお花をふもうとしたので必しにとめました。 お兄ちゃんわくるったようになってかみをかきむしります。 わたしわどうしてよいか分からなくなり泣いていました。 そこへぼうしをかぶったおじさんがやって来ました。 おじさんは男のひとなのにくちびるがまっ赤できれいな顔をしていました。 名前をきかれたので「○○です」とこたえたらその名じやないと言われました。 おにいちゃんのことかと思い「おにいちゃんは○○●○です」といってもその名じやないと言われました。 おじさんわながい指をお花に向けたから「お花の名前はしりません」といったら ひどくうれしそうでした。 わたしわきゆうに淋しくなっておにいちゃんにふりむくとおにいちゃんわいませんでした。 わたしわきゆうに手足がつめたくなってふしぎでした。 おじさんわ「ここから一人で行けるかい?」とたずねたので首をふりました。 おじさんわ「でわわたしと行くかい?」といったのでうなずきました。 おじさんにお花の名前をたずねたらおじさんわひどく長い名前をいっておぼえられません。 坂の上をみるとおにいちゃんがくびをかしげてすわっています。 おじさんわお花を一本つみました。 わたしわひどくかなしい気もちになりました。 おにいちゃんを見るとおにいちゃんはきえてました。 わたしわおじさんとこんどわ坂をおりていきました。 次回『サザナミ』
781 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/27(水) 07:29:52 ID:GuleuE8S
サザナミ ゆっくりと胸に押し寄せる 深い感動のサザナミ ゆっくりと胸を押し潰す 先が不安なサザナミ ゆっくりと胸に打ち寄せる 奥深い快感のサザナミ わたしは快感で震えている 寒さは感じない どちらかと言えば熱い 燻ぶる火種は燃え上がる とんでもなく熱い 気持ちいい 精神が焦げる 倫理が熱波にやられ 粉々に砕ける 快感快感快感快感快感快感快感 重なる重なる重なる重なる重なる 気持ちいい気持ちいい気持ちいい 女なのに女なのに女なのに女なのに 射精した射精した射精した射精した ずっとずっとずっとずっとずっと 出っぱなし出っぱなし出っぱなし 果てた萎えた縮こまって 余韻に浸る 人殺しって気持ちいい 次は「焦土で孤独に踊れ」でお願いします
782 :
名前はいらない :2009/05/27(水) 08:19:10 ID:G0P/4n3I
[焦土で孤独に踊れ] あんた様にならないよ こんな海辺に棄てられたソファーに座って 日がな一日水平線を測ってるなんて あんた様にならないよ 甘ったるい気の抜けたコーラばっか飲んで すっぱいコーヒーばっか射精してるなんて あんた様にならないよ 妊婦におんぶに抱っこでしがみつき 産まれる自分の言葉に恐怖してるなんて あんた悲しい男さ あんた自分の顔も見れない男さ あんた孤独を詩いすぎたのさ あんた孤独を知らなかったのに あんた様になってんよ 爆撃された街角で視力も奪われ 焼け焦げた電柱と必死に踊ってるなんて あんた孤独を詩いすぎたのさ あんたホントの孤独は知らなかったのに 次回『三日月ノ島』
783 :
名前はいらない :2009/05/27(水) 21:21:54 ID:mpeCvbzi
三日月ノ島 物語の舞台だとして 描けば十人十色の紡ぎ 月夜の下で 島は次の想像者を待っている 次「罪は極彩色」
784 :
名前はいらない :2009/05/27(水) 23:26:20 ID:LjrMxvIa
罪は極彩色 風の音が止まない夜は 思いにふけってしまう 僕の罪は誰も知らない 静かに光が差し込み始めた街 君は僕のコト知ったつもりで いるんだろうけど 何一つ核心をついてはいないんだ 嘘つくこと慣れすぎて 結局偽物に今日もキスして寝るの 言いたいこと言えなくて 笑ってるフリをして 大人になろうとしたんだ 少しずつ染まってく 僕の知らない色に 風の音が止まない夜は 思いにふけってしまう 僕の罪は誰も知らない 静かに光が差し込み始めた街 次は「空」で
785 :
名前はいらない :2009/05/28(木) 00:13:56 ID:EYvagSzc
罪は極彩色 風の音が止まない夜は 思いにふけってしまう 僕の罪は誰も知らない 静かに光が差し込み始めた街 君は僕のコト知ったつもりで いるんだろうけど 何一つ核心をついてはいないんだ 嘘つくこと慣れすぎて 結局偽物に今日もキスして寝るの 言いたいこと言えなくて 笑ってるフリをして 大人になろうとしたんだ 少しずつ染まってく 僕の知らない色に 風の音が止まない夜は 思いにふけってしまう 僕の罪は誰も知らない 静かに光が差し込み始めた街 次は「空」で
786 :
名前はいらない :2009/05/28(木) 00:58:19 ID:BjTa1CKG
「空」 海と空が抱き合って 俺たちの青い星は 空気と水が入り混じる 息苦しい世界になった. 恐怖とか孤独とか憎悪とか 少し受け止めればいいさ. 人は何かと引き換えに 何かを得たりすることもあるから. 海が空を飲み込んで 空気と水が入り混じる 息苦しい世界になった. そこはすばらしい世界. 翼なんかなくたって 太陽まで泳いでいける すばらしい世界かもね. 次は「12月」でお願いします
787 :
名前はいらない :2009/05/28(木) 00:59:47 ID:BjTa1CKG
「空」 海と空が抱き合って 俺たちの青い星は 空気と水が入り混じる 息苦しい世界になった. 恐怖とか孤独とか憎悪とか 少し受け止めればいいさ. 人は何かと引き換えに 何かを得たりすることもあるから. 海が空を飲み込んで 俺たちの青い星は 空気と水が入り混じる 息苦しい世界になった. そこはすばらしい世界. 翼なんかなくたって 太陽まで泳いでいける すばらしい世界かもね. 次は「12月」でお願いします
788 :
名前はいらない :2009/05/28(木) 01:24:19 ID:CozHLF61
12月 薄い薄い薄い 手紙が届く 宛名は母 薄い薄い薄い 手紙を開く 中身は白紙 薄い薄い薄い 目蓋を開ける すべては夢 薄い薄い薄い 硝子に舞う 粉雪の朝 薄い薄い薄い 白い吐息 枕元の手紙 次回『不死鳥の迷路』
789 :
名前はいらない :2009/05/28(木) 01:33:44 ID:Ghaec+89
790 :
あ :2009/05/28(木) 01:57:47 ID:Ghaec+89
『不死鳥の迷路』 マッシブ マルチプレイヤー オンライン トレード だよ なんか想像つくでしよ そこで迷子になっていようよ 次は「ポーカーフェイス」で
791 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/28(木) 02:47:47 ID:nehtcbUe
「ポーカーフェイス」 手札がなくてもポーカーフェイス 次は「たけのこ」でお願いします
792 :
名前はいらない :2009/05/28(木) 02:56:17 ID:Ghaec+89
「アーケードに生えたたけのこ」 昨日よりも今日のほうが幸せ 次は「ジュークボックス」で
「ジュークボックス」 ある朝私が生まれた時 確かに世界は有りましたか 実は私は箱の中に 置かれた ジュークボックス 飛び出したならいいじゃないの と どなたも思うのでしょう だけど断定したがる 私はまだ幼いので 私にはまだ早いの ねぇ 世界は人よりも広いのですか とジュークボックスから歌が聞こえる ままよ と カーテンを開いたわ 体 が脳を破って動く 空気が部屋に入り込む 時 体 を支配する怠惰 が ゆっくりと 蒸発するそんな気がしたの あれから また幾年経ち 私は まだ部屋の中 扉が見当たらない ので 窓を 開いた感情 が 消える前に またジュークボックスのふたを開けるの 次は「南夏奈」
794 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/28(木) 06:53:43 ID:GsMzCH8m
南夏奈 どこに行こう 今日の気分 南かな 次は「殺意にも似た……」でお願いします
795 :
名前はいらない :2009/05/28(木) 13:23:57 ID:CozHLF61
殺意にも似た…… 頭の悪さは一級品 手先の器用さは三流 言葉のチョイスはガラクタ同然 描く詩は究極の節穴 物真似カラスが鳴く カーカーカーカーそれっぽく カーカーカーカーいつまでも カーカーカーカー安っぽい觜で カーカーカーカーへったくそに カーカーカーカーお茶を濁す 目つきの悪さは一級品? エセブラインドタッチは一流? 言葉のチョイスはガラクタ同然 並べる詩は予想通りの節穴 同情するほどの究極の節穴 ありふれた殺意にも似た退屈さ 次回『おみくじ』
「おみくじ」 普通におみくじを引いても面白くないので おみくじを入れている筒が六角形なのを利用して 鉛筆コロコロ占いをしてみましょう 1が大吉 2が中吉 3が吉 4が小吉 5が凶 6が大凶です さて、あなたが振り出した目は何番ですか? 大吉を出したあなたの明日はラッキーデイ。快晴でしょう 大凶を出したあなたの明日はバッドデイ。雨が降るでしょう さて、ここで問題です 今、あなたが出した目の数は何番でしょう! 6、5、4、3、2、1……そう、答えは6番! なぜかは分かりますね? 次のお題は「じゃんけん」でお願いします
797 :
犬大好き :2009/05/28(木) 20:09:15 ID:GSGkxVhI
じゃんけん ぽんっ あ いま、腕だけの子がいたよ チョキだしてた 猛ダッシュ キャーキャーさけびながら 夕日 長い影 あれ わたしの影 腕しかないじゃん 次は「狐の嫁入り」で
798 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/29(金) 00:38:45 ID:Km55MSff
「狐の嫁入り」 稲荷の森を右側に 青々茂る道草街道 雲もないのに雨が降る 蛙を騒がす天気雨 鈴と鉦とは露払い すぐに横笛が鳴り渡る それから神輿が道の向こうに顔を出す 行列を前に押し立てて 「息をするなよ」と茂みの中で 固く誓って身を伏せる 目の前を過ぎる長い行列は 霧深い山奥の狐の御殿へ行くところ 次は「風雲たけし城」でお願いします
799 :
名前はいらない :2009/05/29(金) 21:43:53 ID:9fAa5fkD
「風雲たけし城」 芳しい糞尿の海を渡り 魑魅魍魎の森を分け 豊饒の砂漠を進み 血の河を泳ぐ 忌まわしき記憶の小路で逆立ち 退屈城の壁よじり 苦悶岩の山頂めざし 絶望谷の奈落に落ちる ピンクの怪獣よ踊り狂え 美は乱調にありと言はんばかりに 便器王座でこの世の院政を執りたまえ 呆けた顔を中空に つぎは「北朝鮮」
800 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/30(土) 00:02:11 ID:FVATWoSA
北朝鮮 テポドンうっちゃイヤだよ 核実験しちゃダメだよ だって海が汚れるよ 潮汁が飲めなくなるよ 生魚が口に入らなくなるよ 国のお金がなくなるよ 人民が飢えて死んじゃうよ まわりの国が怒ってるよ 潰しちゃえ潰しちゃえ 言ってるよ 悪いことだよね そんなことしちゃダメだよね 悪いことしたら 謝ろうね 恥ずかしいことじゃないよ ボクだってちゃんとできるよ ほら 簡単でしょ 頭をさげてごめんなさい これでいいんだよ きっと 謝れば許してくれるよ うん もうこんなことするなよ まわりの国が許してくれるよ だから 謝ろうよ ボクもいっしょにいてあげるから はい いっしょにごめんなさい まわりの国も怒ってないよ みんな みんな 友達だよ 次は「長い髪の彼女」でお願いします
801 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/30(土) 03:46:09 ID:hkpC3LWr
「長い髪の彼女」 いつ見ても綺麗な彼女が 話す声を俺は聞いたことがなく 毎朝十時のマクドナルドで ハンバーガーを頬張る姿を 窓ガラス越しに覗くだけ 時々携帯をいじっていることがあり そんな時には電波に乗る彼女の関係系に 幾許かの視線を挟めたような 複雑な感慨が沸く 次は「工具」でお願いします
802 :
名前はいらない :2009/05/30(土) 08:08:04 ID:1U2vyJSH
工具 幅広の胸に飛び込みたい あなたはカカシわたしのカカシ 頭にワラが詰まっていても 着ている服はボロボロでも あなたはカカシ愛しいカカシ 言葉は訛りに訛っていても 時たまひどく虚ろな目をしても あなたは私だけの優しいカカシ 頭のワラが飛び散っても 右手の工具が震えていても もう永遠に修復できないとしても 幅広の胸で泣いていたい 次回『森の船』
803 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/30(土) 12:07:35 ID:FVATWoSA
森の船 黒い森の最果てで 堆積した揺りかごに 抱かれるように倒れた 巨木の姿があった 表面は朽ちて木肌をさらし 容赦ない雨粒に 上部は軽く抉られて 虫たちの棲みかになっていた 変貌を遂げた巨木は もはや その名前を持たない ただ 森の一角を締め出され 開いた隙間から光が射し込む そこだけが暗い森とは隔離され 光の世界を構築した 揺られるは蠢く虫たち はびこる菌糸も含まれて どこかに旅立つそれは 森の船のようだった 次は「スリットの奥の秘密」でお願いします
「スリットの奥の秘密」 まさか あんなものが・・・ こわい! 次も「スリットの奥の秘密」でお願いします
805 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/30(土) 16:07:32 ID:FVATWoSA
スリットの奥の秘密 まさか あれって そんなはずは だって 風のせい? でも そんな あれはどう見ても でも そんな 言えないよ でも あれは 賞味期限が切れて カビにまみれた おいなりさん? さらに次も「スリットの奥の秘密で」お願いします
806 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/31(日) 00:51:08 ID:JCI9/jpn
「スリットの奥の秘密」 見たことない から 見てみたい スリット の 奥 の 淫靡 な 秘密 次は「空虚」でお願いします
807 :
名前はいらない :2009/05/31(日) 01:00:56 ID:KSmmCNUG
>>806 職人がどうこう下らねえ煽り入れてきたのお前か?
覚えがない
809 :
名前はいらない :2009/05/31(日) 03:11:41 ID:nkznELnC
「空虚」 グリーンの液体が 俺の膝にたれ落ちる. 何なのかわからないけど これが危ないのはわかってる. 裸は見たくないから ロウソクそっと消して そっと準備しておくよ. ブレーキは壊れたまま 自転車をこいでいく. これが危ないのはわかってる, わかってるんだけど....
810 :
名前はいらない :2009/05/31(日) 03:13:03 ID:nkznELnC
「空虚」 グリーンの液体が 俺の膝にたれ落ちる. 何なのかわからないけど これが危ないのはわかってる. 裸は見たくないから ロウソクそっと消して 逃げる準備しておくよ. ブレーキは壊れたまま 自転車をこいでいく. これが危ないのはわかってる, わかってるんだけど.... 次は「覚えがない」でお願いします
811 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/31(日) 03:37:29 ID:z0XnDDHd
覚えがない そこは路上と言ってもいい 多数の人が行き交う そこは路上と等しい なにを考えているのか 個々の意識は読み取れない ふいに立ち止っては 公然の独り言を行使する こうしろ という規則はない 時に耳にした個人が やはり 独り言で返す 重ねて独り言を返す 返さない時はままある 現実のママでも返さない とても静かな往来は 今日もたくさんの人が行き交う 個々の独り言は囁くように 周囲を取り巻いては流れていく そこに特別な感情を見出そうと 無意識の状態で垂れ流そうと なにをしても構わない その上で法則の道を歩いている 個々の向く先に流れている 全体がゆっくりと流されて 往来の形を作り上げている それでいいとも よくないとも 個々の考えですればいい 今日も掲示板を渡り歩く 次は「赤いペニキュア」でお願いします
812 :
名前はいらない :2009/05/31(日) 07:03:12 ID:9Zs/Sy9R
「赤いペニキュア」 キングが街にやってくる テングを倒しにやってくる リングは月夜の公園だ ユングがレフェリーかってでた ゴングが鳴ったらサァ果たし合い チチパパ チチパパ チーパッパー タンゴをしながら右フック ビンゴと叫ぶ嫌味の王様 リンゴを吐き出し奴昏倒 ジンゴに落ちない名勝負 ダンゴ食ってる名レフェリー チチパパ チチパパ チーパッパー パイプ担いでテングの反撃 バイブしかないキングの悲劇 チチパパ チチパパ チーパッパー 独り淋しきキングの素顔 青タン血糊と二目と見れぬ 俯く顔から冠落ちる 独り哀しきテングの素顔 鼻折れ指折れ心折れ 赤ら顔に青混じる 二人眺めてユングの判定 今宵ここには勝者はいない 似た者同士の影しかいない 勝った負けたとほざいたところで 闇夜のリングに観客はいない チチパパチチパパ チチパパチチパパ…… どちらともなく歩み寄り どちらともなく手を握る どちらともなく下を見りゃ 破けた靴に割れた爪 長い長い赤い足跡 どちらともなく笑い合い どちらともなく肩を組む ユングのダンゴを分け合って キングとテングは和気靄々 チチパパチチパパ チチパパパチパチ パチパチパチパチ パチパチパチパチ どこからともなく拍手が昇り どこからともなく夜が明けて コングが街にやってくる ユングを倒しにやってくる リングは真昼の屋上だ アングな雄叫び上げながら ゴングが鳴ったらサァ果たし合い チチパパ チチパパ チーパッパー 次回『シンクロニシティー』
813 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/05/31(日) 08:06:17 ID:z0XnDDHd
シンクロニシティー わたしはわたしを捨てた アイツが憎くて仕方がない わたしの親友のアバズレに 走ったアイツが憎い 向かわせたアバズレも憎い 憎くて 憎くて 憎くて 腹の虫がおさまらないどころか 腹の虫が鳴る 肉食って 肉食って 肉食って 腹は満たされた あとは心を満たしたい わたしは心の中で刑を執行した アイツとアバズレを吊るし上げた 有刺鉄線の輪っかで首吊りの刑 二人はお揃いで苦しんだ 足の指が乗る位置に台を置いた 粗末な台は不安定 二人はもがき苦しみながら奪い合う わたしはそれを見て笑った 大いに嘲笑った 愉快で 愉快で 愉快で たまらない たまらない たまらない その程度のことで心にたまらない わたしは出かけた 血まみれの手には有刺鉄線 アイツとアバズレの同棲する マンションは すぐそこだ 次は「心地よい闇」でお願いします
814 :
名前はいらない :2009/05/31(日) 10:44:29 ID:tbKKWza0
「心地よい闇」 あつくてつめたい おれはゆるさない あまくてからい 空白を おおきくてちいさい おならとともに かわいてしめつた 混沌にまで あたらしくてふるい 毒薬化して ちかくてとおい 鏡にうつした かたくてやわらかい 実験を つぎは「何か」
815 :
名前はいらない :2009/05/31(日) 10:49:38 ID:nkznELnC
「心地よい闇」 真夏の団地 ある一室. クーラーが垂れ流す 無機質で純粋な空気 俺はその中を泳ぐ魚. 飛行機が飛んでいく. テレビは天然水のCM 南アルプスを映してる. 太陽の光はこの部屋の隅 心地よい闇をくれた. 太陽の光はこの俺の心に 心地よい闇をくれた. 次は「メッセンジャー」でお願いします
816 :
815 :2009/05/31(日) 10:50:43 ID:nkznELnC
ああすいません俺のはスルーで
817 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/05/31(日) 17:50:41 ID:JCI9/jpn
「何か」 一ダースの何かを頂きましたが これは一体何でしょう 一つ一つの内部に無数の何かが蠢いています くれた人は「おいしいよ」と言いました つまり食べ物なのでしょう 箱にはプラスチックの先割れスプーンがついています どこかの名物の何かだと蓋に書いてあり 包装紙の柄は得体の知れないものでした 食べると何かになりました 次は「メッセンジャー」でお願いします
818 :
名前はいらない :2009/05/31(日) 19:51:16 ID:Yy9ZAgTC
メッセンジャー 車輪の軋みで 仕事を味わい 時間を駆ける一体感 身体は道を知っていて 速度は衰えを忘れ始める 景色は呼吸と共に流れ そうしてやっとたどり着ける 次「電話を待つ間」
819 :
名前はいらない :2009/06/01(月) 03:26:35 ID:ymFGl/Wn
電話を待つ間 鳴る 鳴らない 鳴る 鳴らない 鳴る 鳴らない 鳴る 成らない 成る 成らない 為る 為らない 為るわけもない 鳴るわけも… 次回『勇者と乞食』
820 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/01(月) 23:28:22 ID:itdHmEaI
「勇者と乞食」 物乞いは遠く 文献にしか見られない その手のかさつきも 公園の水場が潤していく 薄れるものは薄れるままに その在所を失くしてゆき 訪れるのは弁当箱とワンカップの日々 壊れた啓蒙と消えた虚妄の板挟み やがて閉塞の魚に首を差し出すと 勇者は隠された狂乱の巷に茫然とした 次は「咀嚼」でお願いします
821 :
名前はいらない :2009/06/02(火) 00:07:10 ID:tW11AElJ
「咀嚼」 ムゥ〜おやつが食べたいな〜 あっ、シュークリームだ おいしそう 食べよう モグモグモグモグ おいしいな モグモグモグモグ もう一個ある これも食べちゃえ モグモグモグモグ モグモグモグモグ あ〜おいしかった ねえムーくん、ここにあったシュークリーム知らない? 知らないよ 変だなぁ 後でムーくんと一緒に食べようと思ったのに おかしいな どうしたんだろう? あんなおいしいシュークリーム どうしたんだろうね? あんなおいしいシュークリーム? それじゃまるでムーくん あのシュークリームを食べたことがあるような言い方じゃないか? ワッ しまった さてはムーくん シュークリーム食べたでしょう? 知らないよ ほら 白状しないと コチョコチョコチョコチョ ムヒヒヒヒ 食べた 食べた ほら やっぱりムーくんが犯人じゃないか もう おしりペンペン ムッヒーミンミンミン ムッヒーミンミンミン ようし ムー汁にして食べちゃおうかな ムッヒーミンミンミン ゴメンナサイ ムッヒーミンミンミン 次回「午後の雨は少女」
822 :
名前はいらない :2009/06/02(火) 12:49:09 ID:3u4k1Ngo
『午後の雨は少女』 三分の一は嘘 カケラの透明な石 三分の一は穹 梅雨明けの何処までもフラットな青 三分の一は更紗 茜色に蔦が絡まったタペストリー 昨日は単純な答え 複雑な今日の道順への 降りだした生温かい雨は この胸に溜まる面影 三分の一は諦めたくて忘れたい 三分の一は愛してる 三分の一は囚われたまま動けない この胸に落ちる遠い長い雨音 次回『くんくん匂え』
823 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/03(水) 00:28:38 ID:tq9kAbwG
「くんくん匂え」 窓の桟をなぞった指先 遠足の後の靴下 置き過ぎた生肉 高菜の油いため 牛乳を吸った布 ゴミ袋から漏れた液体 黴の生えた換気扇 足の爪垢 洗い立ての亜麻色の髪 素晴らしい 焼き立てのパン 素晴らしい 次は「声」でお願いします
824 :
いとうまい棒 :2009/06/03(水) 00:36:22 ID:NRYf3O56
「私の声は」 冬の海辺に一人きり 潮風うけて唄えども 私の声は 私の声は 誰の耳にも届かない 身体は震え喉は裂け 命の限り唄うだけ 私の声は 私の声は 誰の耳にも届かない お次は、「竜巻」
825 :
からまん棒 :2009/06/03(水) 00:56:29 ID:Uz2Bosp6
「竜巻」 お掃除のときは 私はよく 竜巻を起こす機械で 部屋をきれいにします お洗濯のときは ヘリコプターのような 音のする機械で 着る物をきれいにします 次回は「夜間飛行」
826 :
名前はいらない :2009/06/03(水) 17:44:28 ID:anHucA3l
夜間飛行 昨日の空に 飛び立つものは 谺響かせ 虚空のしじまへ 世界の涯へと 今物語が旋回りだす 深緑の風に映る影は 太陽の襞のモノクロームな光子たち 右から墜ちる青空と 左に逆巻く雷雲に 閃く時代の振り子の中で 限りない 翼の意志広げる 飽くなき問いへ 答えも求めず ゼロの形に その身を削り 気裂の空に はばたくものは 朝陽まといて 焔の舌へ 渦巻くオロチ 今その口腔が閉じようと 群青の浪に映る影は 太陽の襞のモノクロームな光子たち 上から覆う鋼の十字架 下からの懐かしい風受けて 煌めく時代の瞬きの中で 飾らない 翼の夢広げる 飽くなき問いへ 答えも知らず ゼロの形に その身を削り そこからは見えますか? 暮れゆく瞳に映る星影 夜の襞のモノクロームな光子たち コワレかけた翼バンクし 風防の奥の揺れる手 微睡む時代に弾丸を放ち 包みゆく 永遠の闇切り裂く 飽くなき問いへ 答えは無くとも ゼロの形に その身を燃やせと 明日の空に 飛び立つものは 谺響かせ 虚空のしじまへ ゼロの想いを その身に刻み 一番星の その先へ 次回『灰皿』
827 :
名前はいらない :2009/06/03(水) 18:28:30 ID:+XpZw7bK
灰皿 ポケットから潰れたソフトボックスを取りだし、 俺は貧乏臭く曲がった煙草を口に放った。 紫色の100円ライターは暫く着火せず、 八度目で漸くニコチンに有りつく。 馴染みの灰皿はシルバー。 19の頃恋人が持ってきた。 馴染みの灰皿のうらにイニシャル 19の頃恋人がふざけて書いた。 ジジっと煙草の先端が焼ける。 意識して重く煙を吸い込む。 肺の底を撫でまわし、タールは口から窓辺に吐かれる。 やる気を出すために吸った煙草に やる気を全部持ってかれた。 あーーーーあ、今日は誰の誕生日だ。 8月の入道雲は動かない。 「コケティッシュ」
828 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/03(水) 23:12:32 ID:rqLfBDDo
コケティッシュ 見ただけで膨らむ イチモツの裏側が 押し付けられて痛い ジーパンの青みが増してきた 欲望が溢れ出している 股間の青みの広がりが 青い俺の欲望を表す 抑えきれない どうにかなりそうだ 今すぐにでも臀部に爪を立て そのまま左右に広げて ぶち込みたい 内部の肉を味わいたい 肉と肉が擦り切れるまで 恐ろしいほどの情念で ドロドロに溶かしたい 溶け合って混ざり合いたい 俺は目指す 駆り立てる想いで あの女を狩る 次は「作為的な愛情」でお願いします
829 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/03(水) 23:29:30 ID:UxUVy0I4
「作為的な愛情」 「愛しているよ」 鼻に掛かったテノールが 黒い小箱の表面を引っ掻いていく 蓋が少女の頭上を覆い 影と共に閉じようとするその縁を 掴む右手の憎たらしい白さ 覗く片目の暴力的な浅薄さ 「愛しているよ」 テノールが唄う 少女は瞼も動かさず 座ったまま 男が蓋を閉じるに任せた 次は「睡蓮」でお願いします
830 :
名前はいらない :2009/06/04(木) 16:43:02 ID:3yVzTmAt
睡蓮 他界した海蛇について 他界した海蛇には恋人はいなかった 他界した海蛇には友人もいなかった 他界した海蛇には家族もなく語り合う相手がいなかった 一切 他界した海蛇はもちろん今は死んでるわけだが昨日は生きていた 他界した海蛇はもちろん今は死んでるわけだが半年前は動いていた 他界した海蛇はもちろん今は・・・あの頃は考えていた 何を? 他界した海蛇は天国を夢見ていた 他界した海蛇は天国を描きたいと思っていた 他界した海蛇には逞しい腕がなかった 他界した海蛇には繊細な指がなかった 他界した海蛇には細い口と醜い舌しかなかった 他界した海蛇には歌うことしかできなかった だから 他界した海蛇は天国を想って歌った 他界した海蛇が願う理想の世界を歌った 他界した海蛇が棲む暗黒の海原を覆い尽くす優しい花を 声で描いた 破壊した先にある喜びを描いた 破壊した向うに見える真実を歌った 破壊してやっと出逢える懐かしい顔を風に乗せた夜 彼は独りぼっちだった 空は静まりかえっていた 波は歌うのをやめた 星は輝くのを忘れた 夜は独りぼっちだった 彼には歌しかなかった 彼には誰もいなかった どこからか紅い花ビラが舞ってきた それは彼の口を喉を彼の全てを包みこんだ 彼方の海に青い花が浮かんでみえた それは彼が描く天国そのものだった 蛇は最後に堕ちることを望んだ 次回『鉄と蘭』
「鉄と蘭」 劣化すると蘭になるの そしたら 鉄でできた 砂漠のムカデに 生きる意味は生まれたかも ね 次回「むらさき」
832 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/05(金) 05:43:31 ID:F93Aink3
むらさき 早朝のグラウンドを走る むらさき 汗と水道水を頭に浴びる むらさき 黒板に真剣な目で対する むらさき 可愛らしい弁当を見せる むらさき 絶えることのない笑顔の むらさき 放課後の走りが凛々しい むらさき 電車で眠そうに揺られる むらさき 二階の自室で伸びをする むらさき 風呂場で小声の歌の練習 むらさき 食事時には目にできない むらさき 夜の遅くまで机に向かう むらさき 小さな欠伸が今日の終了 むらさき 暗視スコープの中にいる むらさき 部屋を暗くしても見える むらさき ベッドで身体を横たえる むらさき おやすみなさい むらさき また 明日まで むらさき ずっと見ている むらさき 僕だけのものだ むらさき 次は「孤独の意味」でお願いします
833 :
名前はいらない :2009/06/05(金) 11:49:07 ID:BFytiCYr
蛇は最後に堕ちることを望んだ ここまで書いて私は言葉を打つ事を止めた。昨日の事だ。 あんなオチでよかったのだろうかとしばし煩悶す。 最初から読み返し詩の内容を吟味する。 …正直意味が分からない。 いや、ぼんやりとは分かるのだが大事なピースが欠けてる気がする。 まぁいいさ、と呟く。 まぁいつものことさ、と思う。 主題通りにはどうにかオトす事ができたと自負する。した気になる。 私はこれが好きなのだ。 直感のまま走り出し気づけば見も知らぬ相手が出したゴールに見事辿り着く。 これが快感なのだ。 まぁ見当はずれなコースに迷い込むことも多々あるが、 いいスレを見つけたものだとは思う。 そうニヤけながらタバコをくゆらせまた最初から読み返す。 ……正直意味が分からない。 いや、ぼんやりとは分かるのだが直視したくないだけかもしれない。 私は詩作時あまり考えない。 もちろん細かい言い回しや文字数には気を使うが全体の流れにはあまり干渉しない。 指が動くにただ任せる。 たぶん詩は無意識の産物なのだと思う。 だから…恐ろしい。 数年前に書いた詩が今の現状をピタリと当てたりする。 だから…おぞましいのだ。 そう溜め息をつきタバコを灰皿になすりつける。 「孤独の意味」 モニターには新たなゴールが示されている。 指はピクリとも動かない。 キーはコトリとも音を発しない。 正直何も浮かばない。 いや、ぼんやりとは浮かぶのだが書きたくないだけかもしれない。 …あんたホントの孤独は知らなかったのに… 以前書いた言葉をフト思い出す。 私はあの時赤面していたのだ。 次回『校庭のライオン』
834 :
名前はいらない :2009/06/06(土) 00:02:31 ID:5FFH3/Xf
「孤独の意味」 おれはね 真上で核爆弾が炸裂してほしいのよ オナニー狂ひとり 瞬時に消去してほしいのよ 酒がまずいんだよ いらいらするんだよ スクリーンも本も吐き気がする あたらしい地平がほしいんだ 時を待とう それだけだ やがて全てが おさまるときがくる 「あるいは」
835 :
名前はいらない :2009/06/06(土) 00:06:29 ID:5FFH3/Xf
834スルーね
836 :
名前はいらない :2009/06/06(土) 00:08:09 ID:5FFH3/Xf
834スルーね
837 :
名前はいらない :2009/06/06(土) 00:29:05 ID:iGNnOb96
ゴミじゃん そんなすぐに3レスもするなんて
838 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/06(土) 03:38:41 ID:YsOkS1+F
「校庭のライオン」 校庭のライオンは 難しい宿題も 一噛みに噛み砕く よい子の頼もしい味方 代価は三色ペンを買うこと 一本たったの二百円 次は「あるいは」でお願いします
「あるいは」 アルミカンの上に あるいは 「は」と読みましたか? 「わ」と読みましたか? それは あなたに依存する あなただけの物語 あるいは 次は「3スレ」でお願いします
840 :
名前はいらない :2009/06/06(土) 20:39:29 ID:0s0CZwQ1
【一分の】放尿三昧【隙もねぇ】 縦読み斜め読み回文を全て駆使する高度な詩スレ 【塊】塊【塊】 団塊の世代になりきって黄昏た詩を書くスレ 団塊の世代になりきっての馴れ合いおK プーチンとクレムリン 自演を推奨する評価スレ 粛正されるとシベリア板に晒される 次回『サファイアの指』
841 :
いとうまい棒 :2009/06/06(土) 20:47:13 ID:HqXFNYjU
「サファイアの指」 この指は人呼んでサファイアの指 硬度9の抜き手でどいつも地獄行きさ おれに一目おかねえ奴なんざいねえ そんなおれでも切なくなるときがあるのさ バスケットボール、バレーボール、サッカー以外の球技は いつもパンクさせちまうんでミソッカスな俺さ ちょっとばかし鍛えすぎちまった お次は「あられ」
842 :
名前はいらない :2009/06/06(土) 21:17:20 ID:fBprNAAP
あられな感じの彼女に会った、それはもうこの世の闇と決別を表すのだった それも偶然、表情曇る薬局店員の後ろの自販機の中から現れて僕は卒倒しかけたけど ヒールの踵で強く強く地球の芯を叩いたお陰で風は止み火は放たれて心折れる日々となる いみじくも自画自賛の画商とその公認会計士による透明かつ色鮮やかな田園の堆肥にまみれ 川下り勇ましく空を行く蛙の如く、畳を齧る、嗚呼、齧る齧る やがて僕はその雲の流れ行く先の陰毛戦争に負けて袖を濡らし母に委ねん
843 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/06(土) 21:39:27 ID:Awc3Gbey
>>842 もしかして次のお題を書き忘れましたか
目立つように上げておきますね
844 :
名前はいらない :2009/06/07(日) 18:42:20 ID:D90qZM7q
「コウモリの鳴く夜に」
845 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/08(月) 00:13:50 ID:cB14xHHo
「コウモリの鳴く夜に」 最後の時間は学校帰り 赤い飛沫を跳ね上げて 視界がぐるりと宵の空を見る ステージは最高の夕映え 一日一日があの日と呼ぶにふさわしい濃度を備え 世界観は刻々と煌いている 折れ曲がった首の先には 青春期の頼りない頭が乗っていて 薄闇の中に死に行く風情を炸裂させる 風情は舞台照明にも似て 飛び回る無数のコウモリに明かりを落とす コウモリはキイキイと奇声を発し 何万回目かの死と目覚めを夕空に啜った 次は「夕焼け」でお願いします
846 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/08(月) 12:20:33 ID:nNcGkhie
夕焼け 夕焼けの中で丸焼け 新築の俺の家が丸焼け ローンは三十五年 五年しか払っていない 火災保険は高いから 入らなかった その俺の家が丸焼け 夕焼けを焦がすほどの 堂々たる丸焼け 柱は消し炭の備長炭 俺の思考は燃えカス 真っ白の真っ黒 死にたくなる前向きさもない 夕陽の中の丸焼けの中の俺 血の涙を流すチンカスの俺 マツケンサンバを踊りたい 夕陽の中の丸焼けで踊り狂いたい いっそ狂ってしまいたい ちょうど手ごろな野次馬がいる おまえらも夕焼けの中で染まってみるか 俺が狂って染めてやる 次は「搾乳」でお願いします
847 :
名前はいらない :2009/06/08(月) 14:41:54 ID:CBTaw9sy
搾乳 深夜の時報に会いたいって? そんなに奪いたいなら 夢の崖から飛び降りて 波打ち際で待ってて欲しい あたしは愛なんて聞こえのいいメロディ 欲しくはない いっそ餓えたふりの好きな街角でナイフで突き刺して そんなに壊したいなら 誰かの振り上げた信号機なんて無視して そのまま砕けるように 傷つけて欲しいだけ あなたは空々しいまで臆病で 寒々しい空見上げるばかりで 空っぽの口を開けたまま 甘い乳房期待してるけど そんなに淋しいなら 後ろなんてオジサンのように振り返らないで すし詰めの電車に揺られて来てもいいから そんな夢の崖からは飛び降りて 波打ち際で待ってるから あなたは信じるなんて口当たりのいいミルク 飲み慣れないようだけど あたしは“いつか”なんて聞こえのいいメロディ 欲しくはないだけ 次回『神の自殺』
848 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/08(月) 15:22:47 ID:nNcGkhie
神の自殺 俺さ 神じゃん 無敵の神じゃん パチンコいっても 出し放題で じゃんじゃんばりばりじゃん 焼き肉いっても じゃんつけまくりじゃん もうさ やりたい放題じゃん 地球や惑星、恒星、銀河系 ボイドもその先も弄くり放題じゃん おまけに不死じゃん 時間も自由自在のお手玉状態じゃん さすがに飽きるじゃん たまには死にたくなるじゃん 神様でも鬱になってみたいじゃん なんでもできるから 鬱にもなれるじゃん お試しキャンペーン中にして ちょっと死んでみたわけじゃん でもさ 俺って神様じゃん ほんの二世紀ほど 死んでたわけじゃん それも飽きて生き返ったわけじゃん たまにそれでも 死にたくなるじゃん お試しキャンペーン 再びなわけじゃん それでさ もう一回 死んでみるわけじゃん はい 死んだじゃん 次は「じゃんじゃん横町」でお願いします
849 :
名前はいらない :2009/06/09(火) 00:01:39 ID:50Tj2NOg
「じゃんじゃん横町」 つつじの花が咲く歩道。 街角のタクシーに 手を挙げている女の子。 アスファルトが割れて その中に空が入り込んでいく。 雲は入りきれなくて 地面にとどまったまま。 あ!僕は死んでいるのかな!? ふと目を覚ますと時計は14:00を指していた。 次は「でさぁ」でお願いします。
850 :
名前はいらない :2009/06/09(火) 01:00:21 ID:ajKZ2154
もし、 歩きながら死んだとしたら、その人は死んでからも目的地へ歩み続けるのだろうか? それとも自らの死に気付きすべてがどうでもよくなるのだろうか? 例えばそれが妻の出産や親の葬式だったりしたらその人はどーするのだろう? 諦めて歩みを止めるのか? 気づかないフリをして日常を継続するのか? どこかのなにかに向かう途上で自らの死に直面したら・・・君は? 「あたしはA型だからぁ、真面目に一直線よ」 君はどうする? 「あんたB型でしょ?彼氏大変よねぇキャハハ」 君はどうするんだ? 「え?あたしの彼氏ぃ?彼もB型だから時間にルーズでさぁ」 例えばそれが初デートだったりしたら 「うん、もうすぐ来ると思う。ホント携帯ぐらいしろってのキャハハ」 君は・・・ 「でさぁ、明日どうする?」 僕には・・・ 次回『不安な皺』
851 :
名前はいらない :2009/06/09(火) 01:08:05 ID:/Sx0FbSk
「不安な皺」 ああ今も僕の心は澱みのなか 僕が砂なら 僕が砂なら 砂時計のなか 窒息してしまうよ 肺に積もるは 灰色の砂 骨まで犯され 背徳の夢 積もり 積もりて 呼吸は苦し 涙も乾く砂 砂 砂 砂 ガラス叩いて君が泣く そんな夢すら 見れずとも 積もり 積もれば 背徳の砂 揺れに 揺れ意志我が恋は 君に澱みて 刻まれた この顔辿る不安な皺 「だから、彼女がいるからごめんね。」
852 :
名前はいらない :2009/06/09(火) 02:07:14 ID:ajKZ2154
北西に鴉 東南に風見鶏 犬の鼻が告げるバラバラジケン 犬の舌から滴れるトマトケチャップ 26時のお巡りさん 三万光年先のおでん屋 成り立たない会話 並び立つカイワレ ピンポーン だから彼女がいるからごめんね 聞こえません聞こえませんクーちゃんは聞こえたぁ? マジ警察呼ぶぞ 開けてください開けてくださいクーちゃんも入りたいよねぇ? ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン…… 北北西の風 震える風見鶏 だから、彼女が・・・ 飛び立たない鴉 クーちゃん、彼女美味しかったぁ? 並び立つカイワレ 次回『脳鮫』
853 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/09(火) 02:08:53 ID:SxdIHLiL
>>851 二度目のような気もしますが
別人ですよね?
次のお題を忘れていますよ
上げますのでご確認ください
854 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/09(火) 02:13:59 ID:DnAj6MAi
「だから、彼女がいるからごめんね。」 僕には大きすぎ 立派すぎ 美しすぎたのだ 彼女の胸は 一言で言うなら 次元が違った 僕は僕で更なる高次元を追い求めつつあり それが今の彼女だった 弾力に特色を認め 形の変化に探求心は風を受け 原動力ははちきれんばかり順風満帆なのだった 切ない別れはいつの日も 取捨選択に起因して 新たな旅路を導いて 無限の幸を行く手に浮かべ 次は「棒人間」でお願いします
855 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/09(火) 02:15:01 ID:SxdIHLiL
>>852 ありあがとうございます。不要な書き込みをした責任を果たしますね
脳鮫
おまえバカだろ
いいや 絶対にバカだ
その巨躯がバカの証拠
どう言い張っても無理
おまえはバカだ
これは絶対だ
反論は許さない
海のど真ん中
イルカは鮫に言い張った
そのあとで
イルカを見たものはいない
次は「スキップ」でお願いします
856 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/09(火) 02:15:14 ID:DnAj6MAi
すいません。次回は
>>852 さんの『脳鮫』でお願いします
857 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/09(火) 02:16:45 ID:DnAj6MAi
うわあ、重ね重ねすいません
次は
>>855 さんの「スキップ」です
858 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/09(火) 02:19:59 ID:SxdIHLiL
>>857 珍しい衝突事故になりましたね
では勝手ながら次は「棒人間のスキップ」でお願いします
851です お題分かりにくかったですねすみません(>_<。) 初めて投稿したので 次からは次回「〜」をつけます ゴメンナサイ〜!
860 :
名前はいらない :2009/06/09(火) 02:49:41 ID:ajKZ2154
なにやら逆に感動した
861 :
名前はいらない :2009/06/09(火) 03:18:51 ID:CKQPVL0F
>>852 何がおでん屋だ
まったく意味がわからない
弁当の彩りが悪いな。
862 :
名前はいらない :2009/06/09(火) 04:26:11 ID:ajKZ2154
棒人間のスキップ おまえバカだろ いいや 絶対にバカだ その短絡小躯おまけに短小がバカの証拠 どう言い張っても無理 おまえはバカだ これは絶対だ 反論は許さない 荒野のど真ん中 カラスはカカシに言い張った そのあとで カカシは得意げにスキップを試みて転けた 何が弁当だ 次回『均質』
俺の名前はアタリといいます漢字で書くと亞多利です友人の名前はシエロといいます漢字で書くとですか分かりませんたぶん彼はカタカナのままなんだと思います俺は彼の頭の良い所に惹かれます 彼は数学が好きで難しい公式を解く術を考えている時の顔が俺は好きです彼は本当に頭が良く俺の考えている事も見透かしてくるので俺はそんな所で彼にはかなわないのです 彼の側にいるとメリットのシャンプーのかおりがして俺はまだ夜が明けるか明けないかのあのおぼろげな時を思い出すのです 彼の声は色に例えるなら青で俺は赤なので彼の青を聞いていると青に溶けていくようですEVAの使徒で一番好きなのはラミエルだそうです彼はアレの均質で数学的な形に惹かれるそうです俺ですか俺はアニメの事はあまり興味ありません 次回『墨衣』
864 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/09(火) 23:44:47 ID:DnAj6MAi
「墨衣」 月が着込んだ墨衣 夜光に照らされ雲を浮かべ 次は「羽衣」でお願いします
865 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/10(水) 00:30:16 ID:VOQOeAS+
羽衣 松の枝に引っかけられた薄衣 どのような無知蒙昧でも 一目で高価なものと知れる 出合えば 一生に一度の僥倖 その刹那の幸運に男は出会った 薄汚れた服を着た青年は 一瞬で眼を血走らせた 命の糧の鍬を投げ出し 狂喜の痴態で叫んだ 中身の女はどこじゃあァァァッ 次は「てんぷらの衣」でお願いします
だからねえ僕は君のそういうところが嫌いなんだよ。なに?その顔なにか言いたいことでもあるの?聞いてあげましょ なんだろな え?べつに何もないって そう、すみませんでした 僕たちもう終わりかなあ 最近アレもマンネリだし 君のあえぎ声って単調なんだよねェ 僕聞き飽きちゃった たまには違う声出してよ いつもくぐもった声ばかりでさァ 君にもらった待ち受け画面も消しちゃったし え?ごはんできたって? わぁー僕の好きなてんぷらの衣揚げ いただきま〜す 次回『赤面』でお願いします。
867 :
名前はいらない :2009/06/10(水) 14:00:06 ID:Sn0tHGjD
「赤面」 またいつもの風車 カラカラ回る蒼空いくつ 双子の指が雲を仰いで呼んでいる おいで カラカラ 真夏のように おいで カラカラ 木霊のような 大正明治の空の果て 風は名前を掬い取り 黒の木綿に白い肘 絡む髪には緋の木葉 見つめる雲の数え歌 おいで カラカラ あの人連れて おいで カラカラ 夜の浜廻り おいでおいでと 鳴く風車 雲は千切れて 髪五月雨て 次回『キウイの陽射し』
868 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/11(木) 00:15:40 ID:vP6CSzOk
「キウイの陽射し」 晴天のビーチに寝そべるキウイは 焼け付く陽射しを独り占めにして 楽園を思い浮かべながら目を閉じていた 少しずつ皮下の果肉が発酵してゆき キウイは己の臭いに酔った 酒気と陽射しの包む浜辺は まさに楽園 次は「蝉の音」でお願いします
869 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/11(木) 00:50:13 ID:d+sN/GHI
蝉の音 ガニョガニョガニョ 固いようで やわらかい ガニョガニョガニョ 苦いようで かなり苦い ガニョガニョガニョ 人間捨てて 割といける ガニョガニョガニョ 空腹なんだ 死にそうだ ガニョガニョガニョ 蝉の声の中 蝉が口の中 ガニョガニョガニョ ガニョガニョガニョ まだまだいける 十匹目 次は「突き出した舌」でお願いします
870 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/11(木) 01:10:16 ID:vP6CSzOk
「突き出した舌」 冬の寒い日 炬燵で暖を取っていると ふと眠くなり うつらうつらと艪をこぎ始めた 向かいの席で 暑い暑いと同居人の声がする 見れば本気で暑がっている 汗をかき 舌を突き出し 着膨れて達磨のような格好で ぜいぜいと息を荒げ 暑い暑いと言っている 上着を取ればいい 炬燵を出ればいい 提言すると 同居人は従ったにも拘らず まだ暑いと言い 汗をかき 舌を突き出し ぜいぜいと言っている それで同居人の突き出した舌の 色や形を覚えてしまった 次は「野良」でお願いします
871 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/11(木) 01:25:17 ID:d+sN/GHI
野良 野良息子がなまけて 野良の犬や猫に噛まれ 野原で田畑を耕す 野良息子は すべての野良に通ず 次は「大政奉還」でお願いします
872 :
名前はいらない :2009/06/11(木) 04:35:53 ID:C5guRImS
【大政奉還】 大洋に額をつける 冷たいよう とか洒落をいう 一人クスッと笑う 台風が起きる 富士山の火口に腰を下ろす すかしっ屁をする 阿蘇山が噴火する すかしっ屁をする 桜島が噴火する 普通に屁をする 島が増える これが天皇や 侍従に玩具が欲しいと駄々をこねる 軍が中国まで買いに行く 侍従に最新のじゃなきゃイヤンと泣き喚く 軍がアメリカまで買いに行く 侍従に小さくて強いのがいいと耳元で囁く ロスアラモスが動きだす これが日本の天皇や うな重喰いたいと夜中にフト思う 日本が高度成長期に入る うな重だけにうなぎ登り… とか洒落をいう 一人落ち込む バブルが弾ける これが我らが天皇や 東京を23区に定めたのも 一日を24時間に決めたのも 二ンテンドーのアレを64にしたのも 雅子サマの笑顔が881のも みーんなみんな大政奉還のお陰やねんで 俺の近所の歯医者が現天皇にそっくりなのも・・・ 次回『パンツマン』
873 :
名前はいらない :2009/06/11(木) 05:05:03 ID:qvJAYUzZ
「パンツマン」 キャーッ!!助けてっパンツマ―ン! ヤァ、おれ、パンツマン!正義の味方、パンツマン!かわいいあのこを守るため、今日も朝から大忙し!くらえ!パンツマン・ローリング・ハート・バイブレーション!いけえ!パンツマン・ラブ・アンド・ビューティー・ショーック! だけどやっぱり早朝出勤はツラいよ、パンツマン!パンツ一枚、朝は寒いよ、パンツマン!パンツマンもパンツを脱げばひとりの男、山根圭介、26歳、うお座!恋人もいないよ「いいもん、寂しくなんかないもん!!」ホントは寂しい・パンツマン! メル友しかいないよ、パンツマン!すべてを忘れて田舎に帰りたい、パンツマン!「キャーッ!!」だけどかわいいあのこを守るため、今日も出動!パンツマン!いけいけパンツマン!パンツマン! 次回!『怖い父さん』 お楽しみに!パンツマン!
874 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/11(木) 05:44:47 ID:d+sN/GHI
怖い父さん おまえはアホか とにかくこっちに来い 諭すのも面倒だ とにかく一発殴らせろ はあ? 正義の味方だと はあ? パンツマンだと そんなことは関係ない とにかく一発殴らせろ パンツは知らんが パンチを食らわせてやる 圭介、こっちに来い ワシはイラついてるんだ なんでもいいから殴らせろ 今日はツキがなかった だから殴らせろ、コラ あんなタンヤオごときが まったくふざけてる ドラだけで跳満だと なぜ、ワシが最後で負けるんだ ええい、早くせんか圭介 とにかく殴らせろ 特大の一発を殴らせろ ワシを助けろパンツマン とにかく殴らせろパンチマン 次は「紙で切れた指先」でお願いします
875 :
名前はいらない :2009/06/11(木) 06:09:22 ID:C5guRImS
「紙で切れた指先」 時間はユラリと揺れて手を離れた 僕は係わらないと決めた 星は星のままが素晴らしいと 呼ばれないディナーに居場所はない 下手くそな口笛に乗って 風を探す この指を傷つけて飛び立った 真っ更な紙ヒコーキ 次回『不確かに震えて』
876 :
名前はいらない :2009/06/11(木) 08:00:01 ID:qvJAYUzZ
君の泣き顔を始めて見た最初で最後の泣き顔 胸が痛んだ あんまり辛そうに泣くものだから 嗚咽をこらえ 必死に顔を隠そうとする不確かに震えて 次回「察して欲しいかなと」
877 :
名前はいらない :2009/06/11(木) 08:10:21 ID:dfRrn6j/
死ね
「察して欲しいかなと」 察して欲しいかな と そろそろ自首するので 察して欲しいかな と 割ったのは 私です あなたの大切にしていた お皿が無いのは 私に さらわれたからです その辺を 察して欲しいのです そろそろ察して欲しいのです 次回「暗雲」
879 :
名前はいらない :2009/06/11(木) 21:41:37 ID:9kPEd+sY
暗雲 暗い魅惑の濁り空 正確な心の反映 美しすぎる兆し 完璧なる雷雨の予感 次「昇華」
880 :
名前はいらない :2009/06/12(金) 01:37:57 ID:5zhDm8kC
昇華 あのさ、きいておくれよ もうしってるとはおもうけど、こんなもんなのさ きってはったのころしあいとか、てれびにみちてるぎまんとか くだらないきずのさらしあいとか、てめーのおどれないりずむすら しんやのねおんや、さばんなのだましえにしずむんだ むこせい それはせんたくできないことだ おまえにはそもそもせんたくしはなかった おまえはそもそもせんたくするきもなかった むこせい それはぶじまいにちをすごすためのあいことばだ なぁ、しってるかい くものうえにはあおぞらがあってそのうえにはおまえのしらない うつくしいはなぞのなんかないんだよ だからてんでばらばらにじさつすりゃいいじゃないか もうきづいてるとおもうけど、そんなもんなのさ なにもうかばれない なにもうばえない おまえはあれはてたはたけのかかしさ おまえはえにかいたようなむこせいなりずむさ どうしようもないことばしかうかばない ないだうみのなかでただようつぶれたいかだだ てめーのあさましいほのおをしょうかすることも てめーのしらちゃけたげろをしょうかさすこともできない むこせい それはばらんすのとれすぎたしーそーみたいなもんだ とぶこともおちることすらできないふりさ おまえがばらんすをとってるばせいやすてぜりふも めのまえのだれにもとどきはしないのさ それはなにひとつしょうかしないたいくつないのりだ 次回『嵐の旗』
881 :
名前はいらない :2009/06/12(金) 06:36:47 ID:K05IPK0e
「嵐の旗」 荒野の地 軍師は言った 降伏か抵抗か 彼は言った 殺せ それを聞いて 軍師は萎えた 決して屈する事の無かった彼はついに膝を突いた ならば望み通り堕としてやろう 剣の切っ先 空を切り あかく染まる ごう、と風が舞った はためく旗 戦いの終わり 次回『寝顔』
882 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/12(金) 18:41:27 ID:hn1a+cLa
寝顔 キュッキュッキュッ 軋むような音が闇に紛れる どことなく鼻を突く臭い キュッキュッキュッ 踊るような軽快な音が占める どこからともなく忍び笑い キュッキュッキュッ 人肌に触れた部分がよく滑る そこはかとなく続く行い やがて朝になる 鏡の中でおかしな顔とご対面 女のような親父顔 キュッキュッキュッ 男が寝ている其の隙に 今度は女が忍び笑い キュッキュッキュッ 次は「横顔」でお願いします
883 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/12(金) 23:44:12 ID:JH0dEZ7Y
「横顔」 可愛い横顔 キャラキャラ笑う いつ見ても捉えどころのない 可愛いなんて 横顔に係る言葉だったっけ 忘れてしまった キャラキャラと笑ってる 次は「朝顔」でお願いします
884 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/13(土) 06:51:17 ID:rma9QRQz
朝顔 雨降りの朝 色々な傘が開いた 鮮やかに開いた 人々は空を見ながら 黒い空の下を行き交う 雨がやんだ 黒雲を光が貫いた 地上では傘が開いていた 鮮やかに開いた傘は 日差しを一身に浴びた 色とりどりの朝顔 次は「夕顔」でお願いします
885 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/13(土) 22:30:10 ID:5EP1kKMc
「夕顔」 くっきりと鮮やかな青空の 賑々しい蝉の音がこだまする下で たわわに実った夕顔の瓜 強い日差しが涼しげに影を落とす 子供が緑の蔓を引くと ばねのようにしなり 実が揺れる 次は「たくわん」でお願いします
「たくわん 君の詩 たくわん みたいだね 僕は ご飯になるよ 一年後 箸が一本 見つからなくて たくわん 掴めないよ 僕は ご飯だよ 悲しいよ 「そんなの言い訳でしょ ? 胡瓜の浅漬けの方 気に入ったのでは? ご飯くん まだ ソースもグラタンも パスタも詩に無かった 季節の噺です 次は「仕立て屋さん」
887 :
名前はいらない :2009/06/14(日) 01:59:21 ID:vSIhDFQh
『仕立て屋さん』 恐怖はドラマチックに開演す ナイフは灰色のタクトだった トロンボーンのような息が漏れる ヴァイオリニストが慣れない手つきで釘を打つ 前にも後ろにも感嘆符がつく誕生なんて在りえない 気分屋のシンバルが打ち鳴らされる 世界は無事演奏を始めた 俺たちはいつも拍手を強要される 世界はまだまだ演奏を止めない 俺たちは互いの笛をくわえている 指揮者は背を向けタクトを振るう 俺たちは死に物狂いで笛を吹く 気分屋のシンバルが階下に墜ちる 大事な何かが弾ける音が谺する 世界は真夜中も演奏を止めない 俺たちはいつも拍手を強制される 指揮者は背を向け顔を見せない 指揮者はいつまでも顔を見せない 俺たちはあいつの顔を見たいと願っている 俺たちはいつかあいつの顔を刻みたいと思っている 谺は止まない谺は止まない谺だけは・・・ ギラギラのトランペットが静かに凍りだす 赤い眼の盲人が黒い羽を翻しピアノを叩き潰す 沈黙の指揮者が腕を止める タクトは灰色の蛇だった 俺たちは裸のまま立ち尽くしている 俺たちを覆うものは気づけば何もなかった 俺たちの足元には互いの寸法に合った瞑い穴だけが開いていた やがて真上から色とりどりの枯葉が落ちてきて・・・ 黒い翼を広げたピアノ奏者の白い指が最後の演奏に動きだす 俺たちはあいつの顔を見たいと願っていた・・・ 背中を細い糸に繋がれた指揮者がゆっくりと振り向く 俺たちはいつかあいつの顔を刻みたいと思っていた・・・ 蛇は灰色の死だった 死は灰色の蛹だった 次回『リヴァイアサン』
889 :
名前はいらない :2009/06/14(日) 14:24:55 ID:vSIhDFQh
「機能不全」 顔を覆う潸のヴェール ムジークと結晶の枷 夢は重なる 重なり墜ちる 墜ちては広がる 非結晶の刻 母となり父となり 子に継がれる 闇に在る稀人の無垢へ それは正体もなく 風に鳴く 腕のない男の影 この海へ 白々と明ける無駄のない砂漠へと 飾らない宝石が散らばる 傷ある眼も また無機質に 破れた耳も また無意識に震える 恐れる心も 裁かれた舌も 眠りの下で囁きだす 墜ちては広がる 広がり融ける その夢へ 次回『虎の眠り』
『虎の眠り』 まだ赤ん坊だよ 手の平に乗る そのたましい 夜天から 風舞い降りて 起きて水飲み 又眠りつく いつの刻か目覚めた頃 君 どんな詩うたうの 次は『手の平』
手の平 「俺の手の平にある二本の結婚線 二本という意味は二度結婚するという意味だそうだ つまり一回目の人とは離婚するのだそうだ そんな事はどうでもいいが この線に刻まれた運命の人はいったいいつ現れてくれるのだろう? こんななまあたたかくあまったれた日曜の午後にそばにいてくれないこの運命の人 そんなあなたなんかと俺は絶対に結婚しない 結婚なんかするものか」 ベテルギウスは超新星爆発を起こして死んだ。 次は『かわいい。』でお願いします
「かわいい」 自己愛に溺れ自己問に迷いその繰り返しばかりの 心身症のイルカが煙草吸いむせ消して また自己愛と自己問いへHelloと送信する 俺にはなかなか出来ない だから 自己愛体質の心身症のイルカへ憧れるばかりだ 次は『コーヒーの泡』
893 :
名前はいらない :2009/06/14(日) 19:36:58 ID:w2Xhuysl
age
コーヒーを飲んでるストローで逆噴射したらコーヒーが増えた ゲップしてしまった私は徹夜明けの頭で考える 増えた増えたコーヒーが増えたこりゃラッキーだ 違う、小説の推敲を考える もっと増えろもっと増えろブクブク 違う、小説の推敲だ わあ、あふれる!こんなに泡だらけ 違う、小説のアチチチチ 原稿用紙にコーヒーが コーヒー色の原稿用紙 すべて水の泡となる 次は『好きな女子の家に電話を』
895 :
名前はいらない :2009/06/14(日) 19:49:30 ID:w2Xhuysl
『好きな女子の家に電話を』 トルル..トュルル..プ 『はい』 「もしもーし、まどかちゃんですかー?」 『まどかは俺だが誰だ?』 「え、まどかちゃん俺て?どーいう事?それにその低いどら声ボイスどうしたの」 『この声か?..これは風邪だ』 プ ツー ツー(回線切れる) 兄ちゃん誰からの電話ぁ? 『振込め詐欺からの電話だ』 次は【理想と現実】
896 :
名前はいらない :2009/06/14(日) 23:39:03 ID:w2Xhuysl
理想と現実 エイリアンなんだ 知ってた? 次は『ハワイアン』
897 :
名前はいらない :2009/06/15(月) 00:30:51 ID:U5YALK4t
「悲鳴に振り向くと」←検索
898 :
名前はいらない :2009/06/15(月) 04:31:29 ID:KXKsSnoG
ハワイアン おたまじゃくしが墜ちた それはすべての終わり 錆びた街にブルーチーズが流れ込む あらゆる電話番号はローマにしか通じない そしてすべての始まり 顎の割れた超人たちがウクレレ抱えてやってくる 陽気に腰を振りながらガン見してくる 次回『フィッシュ』
フィッシュ 泳ぐ場所 間違ってるとはわかってるよ 渡り鳥だって 気候サーチしながら 若葉過ぎた街 その樹下の水たまりのような池のなか 泳ぐ詩 夢みるような泳ぎ 鳥になる前の君の詩 (次は【青空市場】)
「青空市場」 この空も綺麗だね あの空も綺麗だね 指差す先には青い空 欲しい欲しいもっと欲しい 高くて広くて澄み渡る あなたと見ている青い空 お次は、「会談」
会談 お茶会の時間です アルコール度数にお気をつけて 会談下さい 次は『ハイビスカス』
「ハイビスカス」 甘い赤 ポップな花 次は「カナビス」でお願いします
903 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/16(火) 01:10:15 ID:qk8apQNq
カナビス これ 飲めるの? いや 飲むけどさ これ 色がヘンだし いや だから飲むから これ 結構うまいな いや 偏見とかないから これ うまいって いや ヘレンケラーじゃないから これ 馬すぎだって いや 派遣じゃないって こり 馬並みすぎってなに いあ カルピスじゃあいって こり カルピスカルピスカルピス イエエエエエエエエエエエエエ 大麻 さいこーーーーーー おれ サイコーーーーーー 次は「飛蚊症」でお願いします
904 :
名前はいらない :2009/06/16(火) 01:12:16 ID:p9JUJ2gA
905 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/16(火) 01:43:19 ID:PtGINPws
「飛蚊症 〜占い〜」 悩みがちな俺は いつからか 悩みがちだから神様が呉れたのか 見えないものが見えるようになった 視界を泳ぐノイズ 悩みがちだと 景色が気分を映すように 澱んだり華やいだりする それとは無関係に 目の前に漂うノイズ いつか俺はノイズから その日そのときの吉凶を占うようになった うまくいかないこともあるけど うまくいくことが増えた気がする 慎重になったせいかもしれない 人にそう話したら 医者へ行けと言われた 次は「ミドリガメ」でお願いします
906 :
名前はいらない :2009/06/16(火) 07:04:06 ID:sVaMwu1f
『ミドリガメ』 歩くのに疲れたなら ここにおいでよ 死ぬことすら迷うなら ここにおいでよ 溺れることに、隠れることすらもぅ息苦しいなら ここにおいで あなたは知ってる わたしは知らない? あなたは聴いてる わたしは聴こえない? 鳥はシャープペンで書いてみて 雲はボールペンでなぞってみて 太陽は油性のマジックで堂々と 空は乾いた青で塗ってみて あなたの好きな飛行機は白く微かに あなたの嫌いな街並は墨で優しく あなたは待っている わたしは待っている? あなたは降っている雨に わたしを見失うばかり いつも いつも 紫陽花はクレヨンで描いてみて 水溜まりはCGでもいいけど 太陽には指先の鼓動を伝えて 大地は湿った緑で塗ってみて あなたはそこに佇む小さな亀で わたしはあなたを待ってる赤い目の兎 あなたは叫んでる? わたしは知ってる あなたは泣いている? わたしは聴こえてる 進むことも、戻ることにも震えているなら ここにおいで あなたは濡れてる小さな亀で わたしはあなたを見ている赤い目の兎 次回『緋と氷』
『緋と氷』 空と雲の方程式 僕は芸の術 教会の音 知らぬ旅人 文学という彫刻ほる人 人間たち 盲の中さす光り 探し求める過程 その温度 グラデーション 伝わる 人は時にそんな旅の最中へ 次は『物理』
908 :
名前はいらない :2009/06/17(水) 04:20:35 ID:E1nMEixQ
「物理」 腕の痺れは 胸に伝わり 熱を産む 熱い震えは 目を剥き 歯を強張らせ 血を青くさす 恐怖でもなく 怒りでもない 悲しみのような 戸惑いのような 静かな 静かな 鼓動 次回『梅雨の駅』
梅雨の駅 待っている 来るはずは無い列車を 待っている 確実に来る あの列車を 豪雨のニュースの中 次は『詩吟』
910 :
名前はいらない :2009/06/17(水) 12:24:30 ID:XxsUGCUf
どなたか『詩吟』を。
911 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/18(木) 00:58:12 ID:aBb9+zpn
「詩吟」 痩せた和装の老人は こんにちは、と挨拶をすると 抑揚がなっとらん、と鋭く言って 朗々と吟じ始めた 次は「1パック」でお願いします
912 :
名前はいらない :2009/06/18(木) 01:06:03 ID:JDrW0C/7
詩吟 岬の潮 泡 聴き伝えし 音階の 波逝けば 灯台照らし夢の日々 記の億の果て 泡なりて 跳び魚の羽 鳥の羽となりて 夢の世渡る 人魚の涙 朽ちし灯台の 破片となりては 潮 波さらい 夢眠る 次は『巣』
913 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/18(木) 23:21:56 ID:aBb9+zpn
「巣」 積み藁の中に潜るとすっかり何も見えなくなる おーいと聞こえる人声も 声を返せないという理由でそこに無いのと同じになる 日差しを吸った藁のにおい やわらかな暗闇 良い子だ眠れ眠れ良い子だ 睡魔が瞼の奥に落ちる 「五番ポッド搭乗を確認」 「七番も確認しました。これで全部です」 「システムオールグリーン。いつでも行けます」 「シグナル点灯。カウント入ります」 「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1」 広大な施設から 次々に射出されていく探査艇 無作為に選出された搭乗者を乗せて 太陽系の遥か彼方へ 巣立っていった 次は「1パック」でお願いします
914 :
名前はいらない :2009/06/18(木) 23:34:32 ID:JDrW0C/7
1パック 卵が必要よ 10こ入りじゃ足りないの 海亀 砂浜で産卵した数 数 限り無き数を 1パック中へ だから パック中は無限であってほしいの スレ落ち無しの スレッドみたいに 1000レス完了じゃ 足りないわ 卵 玉子だから 次は『摩訶不思議』
915 :
名前はいらない :2009/06/19(金) 08:07:54 ID:szKH8BAp
マカフシギ ベランダニオトコガヒトリ キリキリ キリキリ トナニカヲウガツオト カイサツグチニショウネンガスウニン キリキリ キリキリ トナニカヲサシコンデイル コウエンノアヒルノオキモノニヨウジョガワライカケ キリキリ キリキリ トナニカヲエグリダス バイテンノカワイイテンインガフリムカナイ キリキリ キリキリ トナニカヲセヲムケツブシテイル キリキリ キリキリ トナニカガヒビワレテイク キリキリ キリキリ トナニカガズレテイクオト ベランダニオトコハモウイナイ ショウネンタチハバラバラニアルキサリ ヨウジョハツクエノウエ カワイイテンインハフリムカナイママ ダレモソレヲキニシナイ キリキリ キリキリ キリキリ キリ キ 次回『落下するピンク』
916 :
雑草 ◆je5cNlouiI :2009/06/19(金) 14:16:20 ID:tOmi69/0
落下するピンク アパートの一室 ピンクのもやが立ちこめている その中では自慰行為にふけるカップルが一組 無接触セックスというヤツだ ふたりの妄想が、ピンク色を濃くしていく ふたり果てたとき、窓が開け放たれ、 ピンクのもやは落下していく ふたりは真っ白になり、愛を確かめる言葉を吐いた お互いに必要としあっている事を確認して ふたりは笑い抱きしめあった 次回『人形』
917 :
もうきん :2009/06/20(土) 03:44:03 ID:ur46+dV0
「青い目の」 寝かせると目をとじる 起き上がらせれば目をひらく なんどもなんどもおもしろそうに わたしを横にしたり縦にしたり 当分はつきあって遊んであげる だってあなたはちっちゃなこどもだもんね だけどわたしは 本当はお婆さんだよ 150年前からこの世にいるんだよ 作ってくれたひとはとうに死んだ 買った女のひともとうに死んだ うけついだ女の子もとうに わたしは いつまで 次回 『森の中』
918 :
名前はいらない :2009/06/20(土) 09:36:16 ID:sHPCMg3A
【森の中】 ある日 森の中 クマさんは 出会った 花咲く 沼の道 クマさんは 出会った クマさんの 言うことにゃ 苦しめないで!苦しめないで!頼むからやめ…… ゲビラタブーブッキ! ゲビラタブーブッキ! ところがオンタィルが あとからついてくる トコトコ トコトコと トコトコ トコトコと クマさん お待ちなさい ちょっと 捜し物 白い 貝殻の 小さな イヤリング付きの 耳はどこ? あら クマさんのも いい耳ね お礼に 歌いましょう ゲビラタブーブッキ! ゲビラタブーブッキ! 次回『転生時計』
919 :
名前はいらない :2009/06/20(土) 10:56:23 ID:VmrI2l42
転生時計 生まれる前から知っています 太古海からある時計です あなたのDNAの記憶の中に存在します 次は『ミステリー』
『mystery』 ククック 謎などまやかしですから 時計から見てる鳩の眼ですら まじまじまわるまじわるねじねじねじれきった像 飴色の にび色の 記憶の 翼をじっと畳んで頚を傾げて 螺旋を描く姿は鏡に映っている?いる?いないない? さあ奥様その奥のお殿様 言葉を綴る より割烹の 台所事情知れてしまいましょ ネットの壺にカタカタ綴る いちにいさんし 思い闊歩する 背負った坊ちゃんあら泣かないで重い重いよ 始まった光源に赤青奇異反応するより 正逆を捨ててさあ考えるんだ jkjk ここはあれだろ とどのつまりは ここも長いわねぇ 何で何だか最大のナゾ -------------------------------------------------- おひさしぶりです〜お次は「カット!」でお願いしまっす。
921 :
名前はいらない :2009/06/20(土) 16:10:47 ID:VmrI2l42
「カット」 映画撮影さなか 「剪定!」 と声は飛ぶ 声詰まったから カメラに蛙とまったから 無気力なシーンを パワフルな感じになったから 剪定だ 剪定だ 舞台なら無しの剪定だ 剪定はよい ただ注意が必要だ 全シーン剪定し 上映する 観た人たちが??とサイン送れば 前衛仏映なんですと 言っとけばいい 剪定 大好きかい? 生け花でも 葉を沢山 剪定しなくりゃ エスキモー流生け花だと か誰か笑っては 剪定はドレスダウン(引き算の省くお洒落の事) だよと しかし春画は消されることはなく あのこの絵は全部 消された 理由は おもしれくないしーぃ 次は『蜂のムサシ』
922 :
↑訂正 :2009/06/20(土) 20:50:25 ID:VmrI2l42
「カット」 映画撮影さなか 「剪定!」 と声飛ぶ 声詰まった カメラへ蛙とまったから 無気力なシーンは パワフルな感じとなったから 剪定だ 剪定だ 舞台なら無しの剪定だ 剪定はよい ただ注意が必要だ 全シーン剪定し 上映する 観た人たちが??とサイン送れば 前衛仏映なんですと 言っとけばいい 剪定 大好きかい? 生け花でも 葉を沢山 剪定しなけりゃ エスキモー流生け花だと か誰か笑っては 剪定はドレスダウン(引き算式の省くお洒落の事) だよと しかし春画は消されることはなく あのこの絵は全部 消された 理由は おもしれくないしーぃ 次は『蜂のムサシ』
923 :
らら :2009/06/20(土) 21:58:46 ID:C8YA9pHp
蜂の武蔵 蜂の武蔵はいったのさ あいつはただのうすのろさ いつもの戸棚で高鼾 蜂の武蔵は考えた それでもあたしゃ強面の あんたにゃ到底敵わない 蜂の武蔵はミンダナオ ほんに日本はじんじろ下 背高のっぽの唄で来て 蜂の武蔵はまた負ける すいたたこでもいわんがな あんたのすいくちおもえらく 次は『 約束 』でおねがーい つーの
924 :
名前はいらない :2009/06/20(土) 22:35:40 ID:VmrI2l42
『 約束 』 忘却の列車 乗り継ぎながらも 幾つも乗り換え さまざま駅を だけどあの星座見ては あの惑星 覧ては あの季節咲く花の香り あの海 あの曲 次は『4×3cmの世界で』
「4×3cmの世界で」 人差し指と親指を伸ばして 両手で四角をつくる ちいさい窓から このままこっそり 世界をのぞく お次は、「梯子」で
『梯子はしご』 梯子酒の意味 今知りました 梯子登るよに 梯子酒 なんだか酒以外にも当て嵌まりそうな 次は『モルジブ島』
927 :
名前はいらない :2009/06/21(日) 06:06:29 ID:qajwVrcy
「モルジブ島」 風なびく 裸の色が泳いでいる 鼓動が裸足のリズムを刻みだす 真冬の白とは違う 乾いた砂浜 澄んだ空に赤のパラソル 少女と少年 繋がる 触れ合う 甘い潮の約束 ウミガメの祝福 ワイン色の朝焼け 煤けた壁 剥がれかけたポスター すえた路上の染み 記憶の空き缶 真冬の白よりくそったれな 潰れた卵 少女と少年だぁ? 俺の椰子の実を舐めやが れ! 次回『テイクアウト』
928 :
名前はいらない :2009/06/21(日) 16:51:05 ID:Fjb2laOf
『テイクアウト』 場所 変えれば 美味しいかい 風 心地よき 何処で 頂きますか ベンチ 縁側 ベランダ 何処へ持ち帰りますか 何処へ伝えますか 君にとって 大切な詩 次は『歌舞伎』
929 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/22(月) 01:38:55 ID:2NLWZii8
「歌舞伎」 高い 長い そう言うと チケットをくれた 次は「燕」でお願いします
930 :
名前はいらない :2009/06/22(月) 04:11:18 ID:HcSV68Lq
「燕」 軒下に燕の巣。 良かった。 これで願いが叶う。 一度でいいから、 一口でいいから、、、 あ、おいしいわぁ。 次は「フラフープ」でお願いします。
931 :
名前はいらない :2009/06/22(月) 11:26:20 ID:F7Me5AmN
「フラフープ」 髪と海の 揺れる情景 梅雨は一人きりの浜辺に書かれたSOS 消してゆく 足跡はポツポツと明後日へ飛び越して 屈みこんだ影‥残した 子供はそっと立ち上がり ひゅっと草笛を吹いて 明るい家路の 宝物のような窓辺へ ブランコの傍の靴 濡れた鉄棒の匂い 色褪せたランドセル 届ける夜 宝石のようなオレンジ色に 懐かしい影絵が踊る 見上げれば星の海 梳くこともできない時の河が 戻ることも知らなかった子供たちを乗せて 廻りまわり 巡り着く場所 次回『無題』
932 :
名前はいらない :2009/06/22(月) 14:34:34 ID:9nbhveAk
『無題』 この世界は本質的に無題ですから テーマは各それぞれ創れます 顕れ現れます 次は『詩板でマージャン』
933 :
ララ :2009/06/23(火) 22:56:07 ID:DFeKff+S
詩板でマージャン したら詩板でマージャンさ 詩歌もシターでシルリルリ 夢よ幻 今でも遠い まぜてぶつけてぶつけてつんで だから詩板で板前さ のんべんだらりのイケメンさ 今じゃ詩板でシャーマンさ ジャーマン マージャン リーチツモ 今じゃ詩板の賭け頭
934 :
ララ :2009/06/23(火) 22:59:15 ID:DFeKff+S
つぎは『 そんなおもひで 』だっちゅーの
935 :
名前はいらない :2009/06/23(火) 23:14:01 ID:nuxfTXxS
『詩板でマージャン』 だけじゃなかったさ 掲示板でたまにか たまにでなく 目隠しチェス オセロ 777 これだけでなく 冬ソナ スリラー シェークスピア 太宰治 万葉集 ドラエモン 不思議の国の浦島太郎 晴れハレ愉快 持ってけセーラー ハクション大魔王 それだけじゃなかったさ 誰にも 話せなかったこと 伝えあい 予想外 それだけじゃなかったさ 詩にも いろいろあるよ あの先生?は 詩の基本的な意 姿勢を伝えたかったのだろうけど 麻雀のジャラジャラ音ついていて伝わらなかった だけ 次は『浦島太郎の煙』
936 :
名前はいらない :2009/06/23(火) 23:21:40 ID:nuxfTXxS
『 そんなおもひで 』 ねえ この噺は何なの? 屋根の上の 果てしないような 夜の草原 粒子 霧のよに包み込みながら セピア色にも なりはしない 次『シェークスピア』
937 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/25(木) 00:35:58 ID:68XE0TBn
「シェークスピアの煙」 幽霊は時間がずれると 化けて出る 次は「オフィーリア」でお願いします
938 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/25(木) 12:09:28 ID:6wFiCF1+
オフィーリア 清らかな川の流れは冷たく わたしの心を震わせる 魅了に近い想いに囚われ わたしは瞳を潤ませる 決して優しくはない冷たさに 甘い考えを託してはいけない わたしの心に叱咤する それは高貴な美しさを兼ねて 苦しい人々を憧れに駆り立てる 自身を水面に浮かべて 冷水に心を浸しながらも 美しいと 唇を震わせる オフィーリアの死を重ねて ミレイの絵の虜囚となって 清らかな川の流れを見つめ 去ったあとも滔々と 心の中心を川が流れる 次は「死線」でお願いします
939 :
名前はいらない :2009/06/25(木) 13:00:15 ID:A75gtHM0
「死線」 赤い歯朶が忍び寄り 晧く月を覚まさせる 書き遅れた追伸へ 濡れた髪を絡ませて 振り向くと風は泡立ち 浸した指先 目の無い蛇が結わえる 子供が枯れた井戸で泣いています 手首のリボンを引き千切り あの子は零れた井戸で泣いたまま あふれるモノで充たそうと 乾いた舌を噛んでみる 眠りの歯牙のその色を 冷めた瞼に問うてみる 指先に絡む 蛇は象変え 新たな指となり 筆となり 刃となり 花と落ち 風のない水面に 音が染み込む 次回『半分気分』
940 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/25(木) 23:19:21 ID:IhSrOEpt
「半分気分」 弁当箱が傾いたから 卵焼きにミートボールの ソースが付着して きんぴらごぼうは 白米の上に散らばって 油を染みさせている 空腹だったけど 半分でいいやと思って 半分だけ食べて 半分だけ残した 次は「全部気分」でお願いします
941 :
名前はいらない :2009/06/26(金) 14:25:35 ID:iFVut5eE
「全部気分」 彼の金の舌に 鼠が這い回り 彼の銀の手足を 縞馬がなめる ゾウの優しい鼻息が 彼の黒いたてがみを揺らし キリンは長い首を戸惑い気味に傾げ 彼の乾いた瞳を覗く 鴉が鳴いた 平原に風が生まれた 死は炎を宿す 鴉は鳴いた ライオンが立ち上がる その姿を忌避する者はもういない 恐怖も怒りも偽りも肉体の契りなのだから 誰もが星を見る 蒼いカーテンに遮られることもなく 王者もまた星を眺める すべての飛ぶ鳥も すべての地を這う声たちも やがて真昼に星を歌う 風が鳴いた 彼が振り向く 鼠も縞馬もゾウもキリンも白く燃えるたてがみを見ている 砂が舞い儚く重い足跡を覆い隠すまで 風がすべての歌声を運び去るまで ライオンは鳴いた 何度も鳴いた その声は誇らしく偉大で 原初の花の匂いとマグマの熱に満ちていた やがてその声は針のように細り 星を静かに共鳴させた そして地を蹴り 彼は流れる旋律と共に走り去った 再び 全ての一なる音へと還らんために 次回『ムーンウォーク』
942 :
名前はいらない :2009/06/26(金) 15:19:05 ID:nT896gsz
次回は「死ね」でお願いします。
943 :
名前はいらない :2009/06/26(金) 16:15:11 ID:4jMjJZhd
「死ね」 おまえ試してみろよ 次は「生」
944 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/26(金) 17:27:27 ID:coWWUEbD
生 あなた生でできる? 中だしする勇気ある? 次は「生中」でお願いします
945 :
名前はいらない :2009/06/26(金) 18:33:50 ID:nT896gsz
次は致死量でお願いします
946 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/26(金) 21:44:01 ID:UMzb34SN
「ムーンウォーク生中」 現在マグナム修理中 マイケルの歩くステージを目掛けて撃つ銃身は 内に螺旋の溝を穿っている 回転しながら弾丸は飛び 歩廊を突き抜けて鐘楼の釣鐘を撃つ がらんがらんがらん と黄金の音色が響き渡るよ マイケルは心臓から血を流して 恍惚の内にポーズを決めながら ホワイトアウトしていく他所事の中へドロップアウトしていき 目を射抜く白光の中を 鐘の音と共に満たしていく でもマイケルは死んだし マグナムは修理中 次は「イエティ」でお願いします
947 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/26(金) 23:12:25 ID:coWWUEbD
イエティ あなた毛深いのね その一言が災いして 頭から丸かじり 次は「雪女」でお願いします
948 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/26(金) 23:18:19 ID:UMzb34SN
「雪女」 言ってはいけないと あ れ ほ ど 言 っ て お い た の に 次は「遊覧船」でお願いします
949 :
名前はいらない :2009/06/27(土) 00:12:42 ID:UKVooIX6
「遊覧船」 そこから何を覧つめてる?船長 今日は何人乗った? 観覧車には勝った? 水平線 カモメ 壁紙だったの? 次は「解毒」
950 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/27(土) 07:44:22 ID:lStguVnb
危険 ハブに脛を噛まれた 致死量に値する 寒気と高熱が身体を襲う 常識が警鐘を鳴らす 俺は本能のままに 山全体を震わす声で ひたすらに絶叫した キアリクーーーーーー!!! 男は本能のまま 絶命した 次は「尖ったもの」でお願いします
「貴き自害」 滑らかに脇腹へ入る刃先 するりと心の臓を通り抜ける 密やかに甘く抜き取られ 血は尾を引き滑り滴る 鋭い影を切り取り天空翔ける天使よ 羽根先を紅に染めて射抜くその足もと 震えくずおれるひとつの物語 願わくは我の亡骸にとどめん 永久の短剣キーアシール 次は「背後」でお願いします
952 :
名前はいらない :2009/06/27(土) 19:42:00 ID:nH3TsZcO
チープトリック 背後から囁くアイツ そんなに俺を引きずり込みたいのか ノートの一節に書き込む 地獄へ行くようにと 死が背中に張り付くのなら もっとおぞましい何かに連れて行って貰え 生憎付き合っているヒマがないんだ 明日も俺はペンを握るだろうし それ以外は必要ないんだ 分かったなら消えろ 好奇心は猫も殺せやしない 軽やかな靴 でお願いします
953 :
名前はいらない :2009/06/27(土) 22:01:01 ID:W5qk4DGa
「軽やかな靴」 催涙弾を投げ込んで コンクリートにうつぶせた 真ん中くらいに起きだして 気分は爽快あーそうかい ダイヤモンドを打ち抜いて 二死満塁にホームラン そんな夢みた夢をみて 気分は絶海あーそうかい モグラと菩薩の睨めっこ キンキン冷えたビールを一つ 喉ごし次第の信心なんて 気分は鬱懐あーそうかい つるつる白身に守られて 頭の黄身は放送禁止 ピーピーピーピー囀れば 気分は全快あーそうかい なんだかんだで♪坂道スキップ なんだかんだで♪夜道にスリップ なんだかんだで♪スキップスリップ 気分は韜晦?あーそうかい 次回『タブー』
954 :
名前はいらない :2009/06/27(土) 22:08:00 ID:UKVooIX6
『タブー』 いいこなんだよ ずっと いい人なんだよ ずっと いつでも どこでも どんなときでもどんなときでさえも どんな感じでも どういう時でも 次は『イブニング』
955 :
名前はいらない :2009/06/27(土) 23:25:20 ID:nH3TsZcO
イブニング 来月廃刊します 嘘です コオロギの塩バター炒め
956 :
名前はいらない :2009/06/27(土) 23:31:32 ID:LBrCYy71
コオロギの塩バター炒め 副作用で死にたくなること請け合い 次は御徒町
957 :
名前はいらない :2009/06/28(日) 00:20:54 ID:TPqTOYlC
958 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/28(日) 00:30:56 ID:P88Ff77D
「福助人形」 箪笥の上からぽとりと落ちて 僕の頭でがしゃんと割れた ちゃぶ台の傍らで 寝転んでいたからか 吉兆の化身 福助人形 次は「寿老人」でお願いします
959 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/28(日) 05:00:21 ID:iPEJLouR
寿老人 ここ どこよ? いきなり呼び出されたんだけど ああ? 2ちゃん? 詩板? よくわからんが わかった まあ 俺も寿老人 長生きジジイだから なんでも知ってないとマズイから それ 売りのひとつになってるし あん? 福禄寿だと おいおい それは俺にとってのNGワードだ あんな老いぼれジジイと一緒にするな ほら 左手に桃があんだろ そんでうっとうしいが 鹿もいるだろ あんなジジイと混同するな 長生きだけのジジイだよ アイツはさ それに比べて俺は若い なんと言っても気が若い 未だに弁天とやりたいと思っている 挨拶がわりに尻を撫でる うしろから忍び寄って乳を揉む まあ 向こうも神様みたいなもんだから 手ひどい神罰を食らうけど それでも俺は諦めないさ 俺が七福神である限り いつかチャンスは巡ってくる そんな考えが若いだろ そう思うだろ もう ジジイ面の若者なんだよ それに俺の股間は大黒様ってか いいね いいよ そのネーミング 今度からそれも売りのひとつに咥えるよ あ やべ 軽くいきそうになった 弁天に咥えられたところ 想像してしまった ごめん 急用を思い出した 本格的に大黒様だから 俺 帰るわ じゃあ 次は「イエス」でお願いします
イエス 僕はもう はるかな青空やながされる浮雲のことを うたはないだらう …… 昼の 白い光のなかで イエスは僕のかたはらに立ってゐる 花でなく 小鳥でなく かぎりない おまへの愛を 信じたなら それでよい 僕は イエスを 見つめるばかりだ いつまでも さうして ほほゑんでゐるがいい 老いた旅人や 夜 はるかな昔を どうして うたふことがあらう イエスのために さへぎるものもない 光のなかで イエスは 僕は 生きている ここがすべてだ!……僕らのせまい身のまはりに アーメン 次は「ツンデレ」でお願いします
961 :
◆notePDkbPQ :2009/06/28(日) 21:02:21 ID:Khu7iD0x
「ツンデレ」 「あ、ありがとうなんて言ってないわよ、空耳に決まっているじゃない」 「べ、別に助けに来たわけじゃないわ、あなたを笑いにきただけよ」 ちょっとどもったりしてね、こう 気の強さ故に素直になれない、いいですね 女言葉がびしっときまるのはツンデレな台詞でございましょう グッときます、グッときます だけど、それに対し萌えーなんて、やに下がるのはみっともない ツンデレと軽々しくいう事もあまり感心しない こちらも武士はくわねど高楊枝てなもんで ふん、おめえらしくねえなとか、何とかいって突っ張るのが男ってものでしょう 諸兄いかがでしょうか お次は「なでなで」
「なでなで」 なでなで こしょこしょ はぐはぐ つんつん ごろごろ ふにゃふにゃ あなたと一緒 ぺろぺろ なでなで うふふ いひひ まってね まだまだ そこはまだ だってね ゆっくり ゆっくりね なでなで ちゅんちゅん とぅるるるる 次は、「空気」
963 :
名前はいらない :2009/06/28(日) 23:08:40 ID:EnCh31g1
「空気」 真空管から逃げきれた 可愛い空気の女の子 誰かの圧力から逃げ出して キャッキャウフフと笑い出す 地上より2000mの世界から 素直な空気の男の子 誰かの認知に捕らわれず ニヤニヤケラケラ笑い出す 血塗られた障気にありふれた 殺伐空気のおねぇさん 誰かの魂吸い取って フフフアハハハと笑い出す 茶の間の止まった時間から 厳つい空気のお父さん 誰かの時間を支配して クククケケケと笑い出す 田舎のどこかのスケアクロウ 応じてひとりで笑い出す ニヤニヤククク、ウフフフアハハと笑い出す ニヤニヤククク、ウフフフアハハと笑い出す 幾何学的神の存在証明
964 :
名前はいらない :2009/06/28(日) 23:16:30 ID:TPqTOYlC
幾何学的神の存在証明 マイナスの世界を識ること 次は『IPログとアクセス履歴』
「IPログとアクセス履歴」 新規ユーザーの率が高く リピーターは少ない 平均滞在時間、1秒弱 検索エンジンが拾っても サイトがつまらんのだ 地べたを這うような折れ線グラフを見ながら 半端に薄いコーヒーを飲む うまいんだ、これが さてと また今日もサイトを増殖させるべし こいつは俺の人生の伴侶さ いや、人生そのものか いいじゃないか 俺がいいんだから コーヒーもうまい (眠れないよ・・・次の題は、「悪夢」)
966 :
名前はいらない :2009/06/29(月) 14:51:03 ID:H3t9XS8B
悪夢 「ますかさらひ うちかにさ あたまなびか ただぐ あぬ」 知りません人違いです もしもし? 君は、 もしもし? さっきから、 もしもし? 何を、 もしもし? 何を言ってるんだ!? ………… 「ますかさらひ うちかにす あたななのかび とだぐ あぬ」 もしもし?? 「むすこさらい うちころし あたまのなかみ とどく あす」 次回『黒の起源』
967 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/30(火) 00:00:57 ID:KjHetr/0
「黒の起源」 輪廻する怪奇現象 振り仰ぐタイムマシン 置いていかれて不貞寝 上空に轟音の渦 「繰り返される諸行無常」 回る回転テーブル 踊る肉 貪る手 べたべたの手 「よみがえる性的衝動」 ジャンジャカジャンジャカジャンジャカジャララ いっつも言ってるいっつも言ってる 次は「湖」でお願いします
968 :
猛禽 :2009/06/30(火) 01:24:38 ID:eqiiFT4S
「ダム湖」 あの大くぬぎからまっすぐ横線をひいていって 山裾まできたら少しおりたところ 今夕陽で漣がひかったでしょう あそこの下にうちがあったんだよ 並んで牛舎が 今またひかったでしょう 暮れかかる湖を見ていると 懐かしい日々を夕陽が見せてくれる ね、今またあそこが確かにひかったでしょう ほんとなら今ごろは出産ラッシュでね 何頭もあかんぼがうまれてね べえべえ甘えて鳴く声がかわいくてね ほら、あそこ、 またちょうどひかってあるでしょう 次は『背中』で
969 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/06/30(火) 05:40:55 ID:Uw+9EMVA
背中 最近になって 彼の仕草が 伝えてくる やりたいこと 目の前にいて 彼の思いが 伝わってくる やりたいこと 切ない目が 彼の思いを 伝えてくる やりたいこと 定規を見詰める そのあと頑張る 柱を見詰める そのあと頑張る 切実な顔 わたしは見守る あがくような彼を もがくような彼を 目にしたあとで 背後に立った 彼の背中の中央を そっと掻いてあげた 次は「もどかしい」でお願いします
「もどかしい」 なんだったっけ あれ なんだったっけ あれ あれあれ ほらあれ あれだよあれ なんだ けだらけ ホラあれだらけ! むりだ 呪文をとなえてもむりだ 呪文がちがいます そのとおりだ むりむりだ あれなんだ つまりその なんだったっけ?
次は「たぬき」でお願いします
972 :
名前はいらない :2009/06/30(火) 15:21:09 ID:t4gVQwA1
「たぬき」 ピアスに雪がからまって そのまま時が融け去った ワイパー越しに覗いたイエロー 震える舌に残る 雨音 退屈なんて悲愴感滴らせ 今来た郵便に玄関に走る いっそこのまま梱包されて なんだかぎゅっと眠りたい 醜女と手鏡 ビデオテープとはみ出した歯磨き粉 くだらないモノとくだけたモノサシ 隠したままのGin ピンクの銃の刺繍 フライパンを傷つけるだけのレシピ これでよかったのよ、これで… 繰り返す踏み切りの献花 真夜中に広げる地図帳 世界が百人の村なら なんなのよ 世界はいつだって明けてるのに みんな狸寝入り みんなみんな化かし合いにはウンザリだから 誰もが鏡の虜 こんな自分なんか映したくないから 誰もがみな鏡の中 次回『小夜時雨』
973 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/06/30(火) 23:39:28 ID:KjHetr/0
「小夜時雨」 ちょうど今雨が欲しいんだと言って 竜神は天に上って天候表を確かめた 天候表は晴れマーク 雨を降らすことは許されない 困った 竜神は都の占い師と賭けをしていた 占い師は晴れを予報したので 降らす気満々で居た 竜神はその後天候表改竄の罪で更迭され 何百年後かに贖罪のため 竜馬となって三蔵玄奘を背に乗せるのだったが 俺の最初に見た三蔵玄奘は牧瀬里穂だったので 竜神は柳沢信吾として荷担ぎをやっていた 毎週金曜日の夜八時だった その頃の金曜日は夕暮れがよく似合っていた 天気雨が多かった 次は「コップ」でお願いします
974 :
名前はいらない :2009/06/30(火) 23:47:35 ID:bMs+I0HN
(コップ 葉っぱで創る 小川の水 嬉しくて いつまでも いつまでも さらさら 小さく 流れていくのだと ダムになった 葉っぱのコップはもういらない世界 在の世 ゲームや電子やらばかりに流されて失われたもの 心もダムにされて その水を 電子のコップで飲む 姿 次は『時計』
975 :
名前はいらない :2009/07/01(水) 04:05:28 ID:OzauVt3l
時計 真ん中に在ること 短針は母で 長針は今日 秒針は父 真ん中に立つこと 1から6は関係で 7から11は破綻 12だけは君のもの 真ん中で見ること 表情はいらない 感慨もいらない 澄ますべきは耳じゃなく目でもない 月が回り 陽が循り 遥か頭上を世界が飛び越す 経験はただの浮き草 時は海嘯のイルカ 手を伸ばせば寄ってくる 指を開けば目眩い炎 零れ墜ちる星を掬うには 真ん中に在ること ただ識ること 次回『スネークベッド』
976 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/07/01(水) 23:31:05 ID:aSogWD5n
「スネークベッド」 うちのベッドは蛇型で 細長くうねうねのたくっている 軽くて持ち運びに便利 布団を畳むと床が覗く 次は「うどんソファ」でお願いします
やっっべ!考えてるうちにヘッドとられたw 「うどんソファー」 ぼすん座るとにゅるにゅる 包み込むようにうどんまみれにしてくれます あなたの疲れを癒やします ウォーターベッドの進化版 冷やせます 加熱できます 食べれます むせて鼻から出ます出せます お早めにお召し上がりください 次のお題は「ぷるるん」でお願いします。
『ぷるるん』
こどものころ プリンがすきだった
容器のそこのつまみを折ると
甘い香りのカラメルとやさしい色のプリンが
白い皿の上でゆれていた
こどものころ 母親といっしょにたべた やさしいおもいで
http://pucchin.jp/
次のお題は「共有の記憶」でお願いします。
980 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/07/03(金) 00:17:33 ID:35n5xLpr
「共有の記憶」 「腹減ったな」と言いながら 二人で三十キロ歩いた 真っ暗だった 次は「食事」でお願いします
「食事」 子どものころ 殴られながら食べた夕食は ジャリジャリと砂の味だったな 空っぽの胃袋が昔をなつかしむ 砂の味でもいい いっそ砂でもいい 胃袋は何かを入れたがっていた でも、ないのだ 何もない あるのは塩少々と頭痛薬が2錠 「おめぇに食わせるタンメンはねぇ」 テレビから芸人の声が聞こえた タンメン 最後に食べたのはいつだろう 「オレには食いものはねぇ」 芸人をまねて、ひとりごちてみた 腹が鳴った 次は「絞首刑(大島渚)」でお願いいたします。
982 :
ララ :2009/07/03(金) 10:03:18 ID:6YuUYozB
絞首刑 大島の紬の里は縄なして もいちど解いて放つ渚に 次は『 とめて 』 でお願いします
「とめて」 何を? ―ぼくを ぼくの何を? ―ぼくの悲しみを 僕のどんな悲しみを? ―僕のちっぽけな悲しみを 僕のどんなちっぽけな悲しみだっていうの? ―僕の表現できない悲しみを 僕はどんな表現をしたいの? ―僕は僕の悲しみを悲しいと表現したいの 僕の「悲しい」の表現をしてごらん ―涙… 僕はその刹那言葉を見失って切ない涙が溢れて止まらない なるほど。陳腐でかわいいね僕ちゃん 泊めてあげるから中にお入りよ 私の167ページををめくってごらん 次のお題は「セキュリティー」でお願いします。
984 :
名前はいらない :2009/07/03(金) 11:04:07 ID:o8fxojDc
セキュリティ Mジャクソンと渚は同じだ ただちょっと@エンターテイナーだったんだ
985 :
名前はいらない :2009/07/03(金) 11:05:25 ID:o8fxojDc
次はセキュリティ
「セキュリティ」 ない知恵を絞って手を尽くしたが 君の心に入れない 涙をすくって君に注いだ 君の心には 一雫さえ滲みることなく 僕のふたつの池はあふれた 堅い守りなんだ 次は「紫陽花」。
『セキュリティ』 自分の身は自分で守れ、と大人達はいうけど 保護されるべき弱者たちは、どうやって身をまもればいいのだろう 神様は決して守ってくれはしない 家出すればいいのだろうか でも、どこへ? 弱者を見下すことしか能力のない、無能な腐った大人たちを 血祭りに上げ、その腐臭を放つ臓腑を 引きずり出してやるのだ。
おっとっと、かぶっちゃった 『紫陽花』 雨あがりの 心の土壌に咲いたあじさい その心のpHは、酸性、アルカリ性? 色とりどりのあじさいの華が咲くよ 次ぎは『傘』
989 :
名前はいらない :2009/07/03(金) 19:58:11 ID:aDL2omPj
傘 ステンドグラスには海が描かれていた その蒼を背景に手を握り見つめあう父と子 頭上には天使らしき乙女が天秤を持ち微笑む 調和 それがこの柔らかい原色に彩られた作品のモチーフなのかは分からない 調和 いたむ膝をさすりながらそれに想いをはせた 猫が暗がりからやってきて足元に擦り寄る この名もない猫はみなに愛されているのかいつも幸せ気だ それは美しい名前を持つことよりよっぽど意義深いことなのかも知れない 人生は谺のようなものだ どこかで聴いたいずこかの聖者の箴言を思い出す 人生は谺のようなものだ・・・、 その先の重要な部分がどうしても思い出せない だが云わんとしてることは予想がつく 谺 足元の猫はその愛らしい声で日々の食物を得てきたのだろう 谺 僅かに開いた扉から湿った外気と雨音が忍び込む もう一度天窓を見上げる 確かにそれは満たされた情景だった いたむ膝を抱えゆっくりと立ち上がる 扉に向かうと猫が一声淋し気に鳴いた 雨はさきほどより強く地を叩いている 出掛けにあれほど母が言ったのに 私は余計なものはいらないと いつも拒んでしまう いつも・・・ そうしてただ空しい手を握りしめ煤けた空を仰いでいる 次回『箱庭の惨劇』
「箱庭の惨劇」 僕たちの「箱庭諸島」でその事件は起きた 友人Aの島に怪獣イノラが出現したのだ たまたま Bのミサイル基地は、火災で焼失し Cのそれは、津波に流され 僕のそれは、地震で崩壊したばかり イノラがAの島を襲ったのは、 最悪のタイミングだった Aが苦労して築いた豊かな森や山々を のうのうと踏み荒らすイノラ すべてが無となった 島に住む多くの民は 一人として助からず死に絶えた そんなばかなと思うだろうが すべてが悲しい真実だ 次は、「リモコン」。
ああ、『箱庭の惨劇』で書きたかった・・・ 『リモコン』 意味ある言葉が人々の脳天を直撃する ことばが大勢の人々の心を遠隔操作するんだ 加速してゆく言葉のインパクトで。
次は「マグニチュード」
993 :
太郎 ◆51UnYd7yHM :2009/07/05(日) 00:52:35 ID:2T42pj/e
「マグニチュード(低音過剰バージョン)」 マグニン マグニン マグニ チュ〜〜〜 (ドカーン!) さぁ振れ振れ振れ振れ 振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ 振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ 振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ振れ! (女の子)あれっ? もうおしまい? おひきとりを〜〜(なまズーーン)
994 :
太郎 ◆51UnYd7yHM :2009/07/05(日) 00:53:33 ID:2T42pj/e
次のお題? 「それは秘密じゃ」で。
995 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/07/05(日) 01:52:09 ID:qrFMuhTd
「それは秘密じゃ」 すぐにふらふらになってしまうので 酒豪に聞いてみた 「どうしてそんなに飲めるんですか」 「それは秘密じゃ」 仙境の風は酔いを削るように頬を撫で 少しずつ吐き気を浚っていく 邸内には招かれた天人達が遊び 俺は天女の膝で介抱されていた 酒は人界のものだった 人界の酒を試そうという天人達の余興なのだ 俺を招いた仙人は酒豪としか名乗らないが 三歳で十斗樽を飲み干したという 次は「トンネル」でお願いします
996 :
名前はいらない :2009/07/05(日) 12:00:12 ID:Fl//+Jf3
トンネル トンネルの向こうには光が見えるのになかなか辿り着けない あとどれぐらい歩いたら出口に行ける? 次 ロマンチックな七夕ナイト
997 :
名前はいらない :2009/07/05(日) 14:53:35 ID:lVIN5Q+U
「ロマンチックな七夕ナイト」 ヘラジカが見上げるシベリアの夜空では 五が密集している 猟師はパイプをくゆらせながら 死を考える ヘラジカが角を擦り付ける樹には星光が 燦々と降り注ぎ 猟師は狭く深い窓越しに 睨む獲物 ヘラジカが位置につく 猟師は冷気を纏う 猟師は家族を想いながら獲物の皮を 剥きはがす ヘラジカの濡れたガラス玉に綺羅綺羅と映る 夏の星 次回『ぶるぅべりぃでぃず』
998 :
19 ◆gwnULb/9mw :2009/07/06(月) 01:02:48 ID:YvnpnrT1
「ぶるぅべりぃでぃず」 ぼとりぼとぼとりと黒ずみが ブリキ缶から雪崩打ち 目の前に堆積していく ぶるぅべりぃですよ 甘いですよ シャーレに取って 薄く延ばすと 透き通る紫 堆積は 見る見る膨らんでいく 甘いといいな 膨らんでいく ぶるぅべりぃでぃず 次は「999」でお願いします
999 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/07/06(月) 03:26:13 ID:0F2AI9Yt
999 見た目で思うこと キリバンゲットだぜ いや なにか違う 銀河鉄道のネタは危ない それも違う気がする よし 確率変動だ ギャンブル依存症に要注意 三匹のオタマジャクシ うん とてもほのぼの
1000 :
ルート5 ◆wwaBUDM/A. :2009/07/06(月) 03:28:36 ID:0F2AI9Yt
次は「初めての旅立ち」でお願いします 次回もお楽しみに
1001 :
1001 :
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