1 :
Plastico:
詩作の調子が出ない時は、
とりあえず書いて慣らしていこう。
時には恥もかきつつね。
スレタイだけは抜群におもしろい。
3 :
Plastico:2005/05/09(月) 00:27:22 ID:5BtSnXYX
、、、んじゃ、恥をかきつつ
ヘイホーの声がやってくる
山田さんちからやってくる
高鳴りをむかえ轟音をひびかせ
彼らの魂がやってくる
5 :
名前はいらない:2005/05/09(月) 00:37:10 ID:ioCaiZuf
ひどい言葉を浴びせられる
なにも間違った事は言っていない
ちょっとおねぇ言葉を使ったからって
ネカマで何が悪いのよ
姿も心も男だけれど
言葉だけ女なんだわ
祭り縫いが出来るからって
勝手に勘違いして
ひどすぎるわネットって
わたくしにだって誇りがありましてよ
便所の落書きとか粋がっている
げすのアンタ達とは違うわ
リリカルな言辞があなたたちに紡げて?
所詮ケント紙にだって羊皮紙にだって
便所の落書きしか書けないんだわ
ネットだってそう
最低よ、アンタたち
6 :
名前はいらない:2005/05/09(月) 00:43:51 ID:ioCaiZuf
7 :
名前はいらない:2005/05/09(月) 10:47:39 ID:QviyGR63
蟻を10匹集めてみても
気持ちは伝わらない
あなたはここにいない
蜜蜂をさしむけて
あなたの窓からそっと
甘い針を刺し入れようか
月のない夜はさみしい
雲も見えないから
何もない
隠すものも
隠されるものも
ただ私だけが何にも触れずに立っている
8 :
名前はいらない:2005/05/09(月) 10:48:17 ID:QviyGR63
9 :
空色かえる:2005/05/09(月) 16:40:36 ID:5N4m9JJJ
「うた」
大ホール ふたりきりの孤独な距離感
広すぎて 高くでっかく 広すぎて 少し寄り添う
入場する度に小さくなる、くせに遠ざかるニ、三メーター
壇上にきらびやかなドレス 多重債務に影がざんばらになる スポットライト
黒塗り艶やかな ピアノ
少し離れて視認してる僕
誰もが眼を閉じ聴き惚れ涙を流す その様をシラケながら欠落感を助長させる
10 :
空色かえる:2005/05/09(月) 16:42:13 ID:5N4m9JJJ
わからなくて
わからなくて
なにも
わからなくて
感じなくて
だからフリをして
フリでもいいから
わからなくて
大和級くらい
桜の美しさクラスほど
わからなくて
喝采を浴びるその汗!
達成感と解放感にやつれた笑顔!
震えふらつきながら、
やっと立ちすくむ、脚!
舞台袖階段に転がり込んで蹲る仕草!
まるでわからない世界で闘っているのだと
思いしらされながら、脆く繊細なものを、
見付けてしまったような気がして、
タオル一枚に為れたらいいと、思っていた
わからなくて
ただ、わからなくて
「証明005」
自信過剰なヒヨコが雄叫びを上げる
威嚇されたバクは食事も忘れてヘソを隠す
雪崩れのように迫り来るグルタミンは
小さな飲み口のペットボトルへ注がれた
散々新しい嘘を繰り出し続けたカラスも
許容範囲を間違えたハトも
ラッキーナンバーが13のスズメでさえも
この手のジョークを好まない紳士であることを発見した
不器用な愛情で育ったラジカルな向上心は
月夜に浮かぶタイヤの縁を見失うには意味有り気と勘ぐった
サイコロの角が丸く削られているうちは
どんなジャッジも日が昇り沈むほどに正確ではないと
乱獲されたミンクがコートになるのを拒んだんだ
正確な位置を掴めずに暴走したミサイルが
夜釣りのクマに命中したがクマは無事
つまり月の輪はおぼろだからこそ美しかったのだ
かきてえ
かきたくねえ
どっちでもいいねえ
13 :
名前はいらない:2005/05/09(月) 23:34:23 ID:ioCaiZuf
>>7-8 「質的変化は量的変化を懐かしむ」
とか.....。
14 :
名前はいらない:2005/05/11(水) 08:26:40 ID:B+kcRruO
ぐるぐる
ごきっ
15 :
名前はいらない:2005/05/12(木) 23:10:28 ID:4NNnQebL
手首を切った彼女は処女だった
痛いといってずり上がり
目をつぶったその顔は
あんまり楽しそうではなくて
次の日には帰省をしたっけ
友達に自慢したかったらしい
まだ痛いと愚痴ってた
そしてその後
死なない程度に
手首に刃物をあてて
うっすら赤く汚れた腕を
平気そうではなかったけれど
満足そうに見つめていた
今度は僕が目をそらしたが
16 :
7:2005/05/13(金) 08:50:04 ID:p7e6gjlB
>>13 うぅーん。いいんだけどねぇーっ。
でも、理屈っぽすぎというか、長すぎというか。
説明の中にこぢんまりと収めたくないんだよー。
17 :
名前はいらない:2005/05/17(火) 22:25:01 ID:n3hIlYIN
夜のネコは瞳が丸く
賢げに人をみつめる
しかし油断めさるな
裏に隠したカギツメが
闇に踊って皮を裂く
18 :
名前はいらない:2005/05/17(火) 22:27:44 ID:7rKq1b0X
「栽培」
ベットの上に裸の男
今日は暇だしあれをしてもいい
でももっとおもしろいことがある
ひげ根が沢山の大根を引き抜く
ベットの上で踊り狂う
真紅のドレスを身にまとい
びくりと体を動かすエイトビートのダンス
食えない大根もういらない
抜け殻なんかももういらない
Oh Yeah Ah Ah
意欲はいつの間にか凶器に
魂はいつの間にか抜け殻に
真紅のドレスの残像が
部屋中に見えて真っ赤だ
21 :
名前はいらない:2005/05/25(水) 00:10:46 ID:MeI9vukm
俺の肩は鳴らない。音がしない。シーン。
23 :
ak:2005/08/08(月) 19:19:48 ID:nAMaH83+
肩慣らしさせていただきますよー。
@普遍的に人間に共通する課題「命」。
Aそもそも概念なんてーのは人間のものだろう、と仮定。
Bしかし「人間」とか生き物だして「命」を描くのはつまらない。
Cんじゃ、生命のないものを擬人化して、あまつさえ殺してみたらどうだろう?
24 :
ak:2005/08/08(月) 19:21:01 ID:nAMaH83+
「止まれ」
その川のはじまりを知らず
生まれた
いわば動脈ないし静脈の中途にいるそれは
命令であった
成り立ちへの自責から なのだろうか
刻々と 刻々と
欠けていく命令
反す光のかさも弱まっていく
ゆるやかな自害
あるいは 老衰
静止した黒い川 その高み
雲は千切れ 逸れていく
川面の停止線に
命令のみが停止しつづける
とうとうと季節は
命令の上を流れ 去った
25 :
ak:2005/08/08(月) 19:26:00 ID:nAMaH83+
ばっち推敲中。未完成もいいところ。
「止まれ」なんて書いてある道路なんてまずねーよ。とか思いつつ。
生命を付与しつつ、つまりは川に例えてみたり、
周囲の自然と照応させたり対比させたり。
最後の「季節」は時間の経過を示すもので安易な感。
時節でもいいかな?
んでもあえて季節をはぶいてるのにそれっぽい語句は微妙かも。
しかしこれだけじゃ描写だなぁ。まんま原案だ。
他に軸を足してストーリー面を強めてみよう。
26 :
ak:2005/08/08(月) 19:36:45 ID:nAMaH83+
「止まれ」
逃げる中途に立ち止まる 足
が踏む
堰き止められぬ流れ に
打たれた文字 に強張る
いっそ静止したまま
逃げるあてもなくば
一息の間に
消失してしまおうか
しかし高みで
千切れ雲が 円錐を回し続ける
抗い逃げるのだ
後ろにではなく 先へ と
数多のものは命令に背き逃げている
27 :
ak:2005/08/08(月) 19:46:43 ID:nAMaH83+
あえて話者を登場させてみる。
風景の擬人化、描写メインから、
「逃げる」を軸に時間の流れ、人のみがもつ言葉という概念で二本軸。
ぶっちゃけ実力がおいついてませんよ、
てか久しぶりすぎて言葉がぎごちねーってやつですよコンチクショー。
言葉と自分との間の隔たりが分かるのが嫌だ。
まぁ、ここで一旦中断だなぁ。
最終形が見えてこないうちにいじりすぎるとわやになりやすいし。
題材を整理すること、書きたいものを明確にすること、
基本的なことからやりなおしだ。
28 :
ak:2005/08/11(木) 13:43:05 ID:ZZQjYDGK
延々と訪れる地平線に
ほんのわずか ためいきが込み上げる
ぢりぢりと炙られる
空気すら火が通されている
(話者と夏を混ぜる描写)
29 :
ak:2005/08/13(土) 19:42:10 ID:5v2tsEMo
こじあけるように朝が訪れる
・導入の一行ないし〆の一行
思いつき思いつき。
導入に使うなら、朝〜。
〆に使うなら、〜朝。になるか。
30 :
ak:2005/08/15(月) 13:11:06 ID:waMSGV4i
何が正しいのか問い問われる
止まれと書かれた道の上
守るものの価値すら危うい
夜 闇をこじ開けるように
車の灯りが交差し続ける
逃げろ逃げろ
何かに追われている
逃げ切る先にあるのは
あるかどうかすら不確かな ある
正しさに足をとめられ呻く
正しくしているのは誰か
他ならぬものが足を止め
小さく 逃げろ と呻いた
31 :
ak:2005/08/15(月) 13:16:01 ID:waMSGV4i
未完成ながら一旦完成。
書きたいものの半分が書けた気分。
十人に読んでもらえたとして一人分かってもらえたらラッキークラス。
でも個人的には満足。
ただ、投稿するとなるとまだ推敲が必要だなこりゃ。
32 :
ak:2005/09/28(水) 03:33:30 ID:M2cWYzi7
あー、落ちるまで占領しちゃおうかしら、とかのたまいつつ。
>>30見直し覚書
堅い。誇張表現が不適切。抽象的過ぎる。
推敲してみる。
「半ば」
夜 行く先に灯る光彩
足元で照り返す文字
止まれ と書かれた道の上
何が足をとめるのか
浮きかかる靴底その半ば
越えてゆかれぬ夜の淵
越えてゆくための解を求めても
命令を解く式はなく
33 :
ak:2005/09/28(水) 03:41:12 ID:M2cWYzi7
あー、簡潔すぎかも。多少固さは取れたが粗い。
また寝かせよう。
次の詩作のための走り書き。
丁子。匂い袋。色恋。慕情。
古風なの書きたい。
34 :
ak:2005/10/27(木) 22:18:53 ID:0CXm0WBC
「朝焼けの渦中」
皮膚に沁み
そぞろに縒れる
そは丁子
離愁を伝える名残
口を拭うように煙草を灯す
朝の静謐に覚めずにいる
35 :
ak:2005/10/27(木) 22:36:47 ID:0CXm0WBC
灯せど で、
朝の静謐にいて なお 覚めず〜 だな。
連配置がベストかもにょもにょ。
配置を換えてもさしてかわらないならベストじゃないやね。
36 :
ak:2005/10/30(日) 02:47:15 ID:TmGXj3G0
「煙り」
点し
喫み
消す
拠る所
37 :
名前はいらない:2005/11/25(金) 16:09:38 ID:fy8b3GFI
寒い日々に
透明な
ひかり を
38 :
名前はいらない:2005/12/03(土) 18:53:24 ID:NHu4qQDf
あげ
39 :
名前はいらない:2005/12/05(月) 20:53:44 ID:Fb2DYmTv
ht
40 :
ak:2005/12/09(金) 23:25:47 ID:tT7t/Iqg
「なかば」
胸元に染み
そぞろに縒れる
いま一人
朝焼けの渦中にいて
気づかされる
そは肌の記憶
離愁の残り香
口を拭うよう煙草を点せど
『最後の一行が浮かばね』
41 :
ak:2005/12/20(火) 05:27:33 ID:+1gA8Q1v
「海を聴きたい」
さりとて名残もないのに
いま遠きに住みて
おののく
この道は
この空は と
海に続くものを眺めて
此処は海が遠い
愚痴る相手もおらず
ひとり帰るには
名残はなく
42 :
ak:2005/12/24(土) 22:26:16 ID:zVoA3QZQ
「はてさてはて」
換気扇がとまりません
換気されつづけても
乾季はこないし歓喜もしません
ので換気に栓をしたり
するのに
はて換気とはなにか
さて栓をすれば止むものか
と悩んだ朝郵便受けポトリ
月の電気代の減らないことに
安堵するのです
43 :
ak:2005/12/27(火) 00:01:51 ID:3R0Huidj
「不夜」
たとえ起きていなくても
生きている人のいるという
案外と独りの夜
に いま生きている
爪先に
まつげに
唇のささくれに
かかるそれ
拒み否みて
ようよう知る
生きているという夜
44 :
ak:2005/12/29(木) 01:01:04 ID:/xSCcBbj
「流れ流され」
両切りの煙草を喫み
安ウィスキーが好き
だからなのか
なのに なのか
影深く
悲しいものばかり背負い込む
煙草の葉の焼ける感覚と
アルコールが喉を焦がす感覚
が好きだった人
45 :
鍵卍:2006/01/20(金) 03:00:19 ID:z1QkXUTY
急に!
急にです、
雨が降ってきたとき丁度、
僕の近辺でテニヲハが破裂していきました。
主語が下半身を亡くして、
述語が狂犬病になって、
修飾語は一円玉大に縮んで、
文章は文節に文節は単語に単語は偏に旁に冠に・・・
「少しでも萎んだ頭なら、使わない方が、まだいい」
「正しく!」
エレクトリックベースの4弦で体を吊って、
スピリタスのアルコール度数に暖房のメモリを合わせて、
僕自身が振り子になって時間の事ばかり考える。
壁に!
壁にぶつかって割れて飛び散る僕の目。
目の破片が、記憶と感覚だけを頼って、元の場所に戻ろうとしている間に、
鋭い雨が部屋に漏れて、
僕の咽喉に詰まった胸腔を
鋭い雨が切り裂くと、
舞踏する惑星が転がり出て、
部屋を汚しながら
ひとつの文章になっていくのを、
指を銜えて見ているのが丁度、
萎んだ頭の使い道の無い僕でした。
46 :
名前はいらない:2006/01/25(水) 16:53:45 ID:mNi9CTmE
肩慣らし・・
47 :
ak:2006/03/04(土) 02:49:09 ID:JnqwP7n/
「こども」
一人分の栄光は確保されていると
盲信 し
茨を踏み
荊を負い
こどもはやがて死ぬのです
「面妖」
面を吐き出す
呆れるほどに体内に積まれた面の皮を吐き出す
血管に詰まってはとろり流れ出てゆく面を吐き出す
苦しんで苦しんでそれでも快楽を覚える己が面を吐き出す
びくびく痙攣して眼をぎらつかせる偽りの面を吐き出す
洞察を忘れない度胸を捨てきった臆病な面を吐き出す
鉄のにおいに浸りきったえげつない泥の面を吐き出す
点滴の跡を記憶に換えて自虐する面自身を吐き出す
最後の光を受けた面を吐き出す
いつまでも再生を続ける面を吐き出す
消えた嘔吐の感
壊れた面を手に取り
自ら最後の光を吐き出して
はじめてほんとうのヒトの顔を手に入れた私
49 :
万華鏡倉庫:2006/04/20(木) 17:06:43 ID:dHm/qlfO
渇いているそれから影か休暇か翻訳か
<理由から>が所定の用紙を後ろから抱きすくめる
踏む離れ振り返り栄養素の記憶含む必須栄養素のまばらな記憶
全身皺が寄る不要な書類が好みのタイプで
文字文字文字文字文字と文字が並ぶ
「停泊する」という破裂音
おなじ口おなじ腹おなじ飯
湿「度が低いか」ら水蒸気がまばらだー
好きの書類に書けよ皺でよ休暇中だからまばらで
業務連絡がだいたい二百年前
栄養が定義されたのがその二年後
弟子入りして飯を食い終わるまでが厳密に休暇期間と定めてください
「停泊する」が連発でゴムで
規定を服務が家族だった気がする塞栓
50 :
万華鏡倉庫:2006/04/24(月) 10:31:07 ID:f+6C1E+D
竪琴を出るまで茫然としていた旋律は
門のように弦を出たとき
去る音追う音のあわいにいる音が
自分だと気付くことの音だった
線条の街路を描いた線画のように
添う身に添い
撓む心に想われる可能性として想われるものを想う心
縫われるとしてもいまだ糸を知らず
痕跡を刻まれた記憶の指であることでのみ
ほどかれる謎を
狭めれれた血管から血管へと訪ね歩き
滞った血液から直接語られるまでは信じない
終わらない旋律の
昔世話になった弦が震えの
じつの父親だとは
51 :
万華鏡倉庫:2006/04/24(月) 12:09:18 ID:f+6C1E+D
三人の王を踏みつけにして君臨した大王について
書かなければならないのだが
大王について書かれるべきふたつの詩はすでに
書いてしまった
書かないでおけばよかった
大王は後継者を裏の畑で探していますぞ
裏の畑が城を取り巻いて這い登ってきます
いちばん高い塔から星を掴むふりをして
畑の中のいちばん理知的なタイプの畝に渡してください
大王を乗せてそのまま
隣国の写生会に山を描きに行ってくれます
52 :
万華鏡倉庫:2006/05/03(水) 19:25:00 ID:S/4k0Jpa
詩には詩の匂いがわかる 鼻が詰まっているときも
53 :
万華鏡倉庫:2006/05/04(木) 18:44:57 ID:ICQdNjtY
別れの手紙を書くための筋力を中古で購入する
54 :
万華鏡倉庫:2006/05/04(木) 20:08:37 ID:Mf7QiCvI
突然手の甲をつねられたと思ったら机の上を竜巻が通過するところだった
55 :
万華鏡倉庫:2006/05/04(木) 23:14:45 ID:vYhmQbN7
発情期の渦状星雲のさえずりを聞く
56 :
万華鏡倉庫:2006/05/05(金) 15:57:26 ID:alP6ts+Z
しっくりくる重さまで言葉を配列して、いきおいよく振り回す
57 :
万華鏡倉庫:2006/05/06(土) 02:09:44 ID:TQMauq47
迷子を見つけてくれた人から一割要求される
58 :
名前はいらない:2006/05/06(土) 22:22:35 ID:yvYiJQeY
男は皆 獣になれない 獣
おなかの中のいびきで眠れない妊婦
60 :
名前はいらない:2006/05/07(日) 16:52:02 ID:tHzRAKX2
奴は おとぎの国からきた
君を さらいにきた
奴はとっておきの魔法を使って
逃げる僕らを見つけ出す
奴は権利を主張する
何も書いてない紙に色を付ける
それは僕らが生まれる前から 交わされた約束
誰だって おとぎの国に帰る日がやってくる
気まぐれに引かれた手を 拒む事は許されない
無邪気な微笑を見た者は 二度と戻れない
どんなに頑張ったって 君を守れないんだ
どんなに望んだって その手は離れてしまうんだ
プープティ 聞こえているんだろ?
僕と取引をしろ
全てをくれてやる だから あの子は置いていけ
奴はいつだって 玉虫色の返事しかしない
文字に含まれる水分を丹念に集める
ぱさぱさになった文字はふたたび湿り気が訪れるまでじっとしている
文字から得た水分はゆっくりと蒸発させて
元の視線に戻し
繋がるはずのない意味と意味のあいだに張り渡す
のちに巡回して
その視線が断ち切れていれば
そこを神が通ったのだ
62 :
名前はいらない:2006/05/09(火) 00:34:56 ID:MSrHDS/m
作者の意図を超えた解釈を得た魚は
水槽から跳ねた空の息苦しさに悶える
それをバターを溶かしたフライパンで熱を加えて
レバーとニラを添えて更に炒める事12分
綺麗な皿に盛れば自己陶酔は完成する
しかし、味は保障できない
ナイフを魚の腹部に当てれば内臓がパサパサと乾いた音を立てる
それを聞いた者は五臓六腑に溶け込んだ理論を逆流させ
激しい嘔吐感に襲われ口々に大層な世界観念を述べる事だろう
それにつられて他の者達も騒がしく反論を範唱し続ける
遠目から伺う者には、その様が合唱の様に響いただろう
元より、それは音を楽しむ料理なのだ
宇宙から抹消された歴史が降ってくる
寝そべっていた因果律が跳ね起きる
街の
戦争によって欠け落ちた部分を
盛り付ける皿としての
衛星都市が
割れる音を聴き付けて
急ぎ過ぎた治療を悔いる
降ってきた歴史は暗記カードのように散開し
家出を中止した長女のように靴を持って
窓から歴史に忍び込む
夢の中で視力を失い手術の順番を待つ夢をみつづける
弁当が手術を受けおかずを一部切除される
捻髪音で歌う歌を作る
あなたの指と指のあいだに住むために水虫に生まれ変わる
夢は光でできていないのに明るい
意味のない詩が理解されることのように
世界から消えた色が
脳裏にだけ残っている
70 :
名前はいらない:2006/05/23(火) 22:47:34 ID:xoG9wq15
色を知覚する脳が既に色を失っている
赤色に見えるそれが、本当に赤色なのか分かるのかい?
「赤色に見える」こと以上の「本当に赤色」である根拠があるとすれば、その
主張は常識を覆して常識を代替できる程度に、体系的に提示される必要があり
ます。
72 :
名前はいらない:2006/05/24(水) 00:38:54 ID:q6C8MeMV
塗装の赤は赤近傍感が無いけれど、薔薇や血、夕陽や苺の赤は赤近傍が目を瞑っても赤。
73 :
名前はいらない:2006/05/24(水) 23:17:06 ID:IA7a8YBO
それでも、我々はたった一つの色を求め続ける
色は言わば光に付けられた固有名詞であり
ゆえに光以外に付け替えることもでき
あるいは
光以外の対象から色を見出すこともできる
75 :
ak:2006/05/31(水) 07:48:47 ID:oaN9OOaP
「生きている」
確かな
確かすぎる
不確かを足元に
76 :
名前はいらない:2006/06/18(日) 10:50:18 ID:N+/cYhD5
Iam
これまでのことを振り返ってみたら
今を含め その時その時に
形を変えながらも
僕にとって絶対的価値のあるものがあり
そこに人がいる
一つ乗り越え 一つ捨て
一つは去り 一つ残った
77 :
名前はいらない:2006/06/18(日) 10:53:44 ID:N+/cYhD5
僕というものの価値は
オギャアと泣いてから今まで少しも変わらなかったし
これからも変わることはない
78 :
名前はいらない:2006/06/18(日) 10:57:01 ID:N+/cYhD5
僕は控えめだから
よく死にたくなるけれど
僕は小さいから
よく踏み潰されそうになるけれど
79 :
名前はいらない:2006/06/18(日) 11:06:08 ID:N+/cYhD5
僕はこのまま変わらなくていい
いらないものは捨てればいいだけだから
何がおろかといって
今自分が何を欲しているか
自分にとって何が必要なのかに気付けないことが
一番おろかで
そこから人は何かにとらわれ始める
80 :
ak:2006/06/20(火) 09:14:13 ID:ZV56TaSv
「かげろう」
右さ行こさ 左さ来いさ
あんたさ どこさ
前さ行こさ 後ろさ来いさ
あんたさ だれさ
腐敗する火口
右の肩口から入学する学校の
瞬き
82 :
ak:2006/07/18(火) 03:11:09 ID:52FM56ni
「夜爪」
汚れたつま先 包む爪先
室内灯の下 途切れていく
一度きりの親不孝をお許しください
親不孝と自認する行為を為すことを
83 :
ak:2006/07/18(火) 03:30:53 ID:52FM56ni
プロットみたいな。
「夜に爪を切る」→「親の死に目に会えない」という俗説。
夜に爪を切ること自体になにかしらがあるわけじゃないし、
本当に俗説なわけだから、テーマに据えるには、
話者自身に強い理由(必然性)がないと弱い。
非日常の演出かな、やはり。
背筋を落ちてくる
ふわふわの疲労
骨盤のはずれの一軒家の庭で
降り積もる疲労に埋もれる
精細な田圃の図面をもらう
86 :
名前はいらない:2006/07/30(日) 22:26:59 ID:aAmy7e9B
まん毛今日聡子
87 :
名前はいらない:2006/07/31(月) 18:32:26 ID:wTVJTPEX
何もない今日だから、創って行くことができる
88 :
名前はいらない:2006/08/02(水) 04:03:43 ID:ouCv4bhV
自分でいたくない時にちょうど、あんたがいたから
苛立ちをぶちまけてやった
ありがとう
2ちゃんねる
89 :
名前はいらない:2006/08/02(水) 06:54:24 ID:LpBG4EyR
書いてみた自画像、リリシストから凛々しい人になろう
足まで満たそう
そうこうしたら明けてきた夜
刺身に歩き方を教える仕事に就く
苺が泣いている飛行場
鼻面が跪いている倉庫の裏で
地図なしで道順を説明する
説明は歩き
飛行機は飛ぶ
傾斜する昆虫の消化管につかえている
試験問題を巻いた筒状の紙片を
図案化した国旗
93 :
名前はいらない:2006/08/21(月) 00:19:29 ID:WBe15m5H
想像してみる。
全ての毒気が自分から抜け、毒を生み出さないようになったとき、
周りの毒気に染まりきらない、負かされない状態になったとき、
おそらく、僕は心も態度も話す言葉も行動もすべてが、
周囲を和やかにし、活力を与え、爽やかにし、潤いをもたらすように
なるのかもしれない。
しかしまだまだ自分は毒の発生源を多く持っている。
きっと毒をもって毒を制すで、それらを浄化するため多くの毒にさらされる
必要があるのかもしれない
音楽が乾きつつある山里に
餓死した兄を運ぶ荷車
震動を翻訳する境界の震動
仰のいて笑えば
蒸発した楽器がなかぞらで
たなびくように手を振り合って別れていく
「あ→ん」
さんざめく航空の馬鹿
ひねもす爪先の滑稽
ダダリオダダリの温情と友愛
くるり世界はでんぐり返り
足枷厭離モーパッサンの精
我がどうどうと鳴る臓器の機
くださいください泣いてください
コオロギ笑えば幼子の態
ロシアに散ったくろがねの薔薇
茨に咲いた金色の猫
目の玉に藍 刺青は果てしなく
唇から墜落するブルー
そして
テスト飛行を繰り返す
凝固した脳裏と記憶の記憶
小さな小さな手の平の憂鬱
みるみる薄れてゆく乳牛の眼鏡
はぐれた雛のひらきなおり
98 :
奇し蜘蛛:2006/09/06(水) 18:01:36 ID:t/j+jdP8
指名手配丼と整形外科医の膨張(第二十二話)
眼が流れる
渓谷のむこうに垂れかかる
長い髪の奥から
星は口を噤み
血を引き止める
「超恨歌」
付箋の貼られた一枚を乱暴にちぎり取って突きつけた
僕はそれをおずおずと受け取り文面に目を通したが
くどい言い回しと小馬鹿にしたような視点がやけに気に障る
ただそれだけの駄文が際限なく並んでいた
目を戻すと館員は不遜な面構えを凍らせたまま
カウンターを影にして何やら帳簿に
まさに一心不乱、という感じで書き物をしていたので
しかたなく踵を返し帰ることにしたのだが 不覚にも
動きの鈍い自動ドアの右側に爪先をぶつけよろめいてしまった
嗤われたか?という想像に思考がさーっと埋められた
しかし声はおろか音のかけらもそこには無かった
あるのは帳簿と付箋とカウンターと自動ドア
それから駄文、ついでに千億の夜
家に戻ると小動物が足元に擦り寄ってきた
見覚えはないが不遜な面構えがなにかに似ていた
そんなことを考察したくないほどに疲れていて
窓辺のロッキングチェアに勢いよく腰掛けると
みしっと嫌な感じの音が軋みを告げたが
見た目が変貌したとかそういうことはなかった
次に掛けた時ぶっ壊れたら修理するか買い換えるか
さてどうしようかと悩みを増やしてはみたものの
アタマの片隅に凝り固まってる保留事項のまわりに
ふわふわと漂わせておくのが妥当なところだろう
時計に目を遣ると予想外の時刻午後二時を指していた
いつのまにか小動物は日差しにやられて僕の側でまどろんでいた
高層に存在するこの一室であえて眠りを選んだのは
ロッキングチェアと壁掛け時計、窓とそれに付随する日差し
それから保留事項、付け加えるなら百億の昼
そうして僕は日々順調に
保留された十億の朝であることに疲れてゆく
102 :
名前はいらない:2006/10/14(土) 15:11:34 ID:dIVu8Dvk
今、1308に居るというのが 分からんのか!
103 :
名前はいらない:2006/10/14(土) 18:46:34 ID:uGUDE5Rm
なんですか?
腕の一本や二本くれてやりますよ
これでお気に済みますか?
あなたも可哀相な人ですね
なんですか?
命の一つや二つ、くれてやりますよ
辿り着くまでの街路に寄りかかり
葉の落ちた空洞から
骨牌の股をくぐり
図案のある限り
藪から
病床をかがり