気付いた・・・
そのままコピペしたから、
>ここはヴィジュアル系盤麺の妄想小説を綴るスレ3です。
って・・・
即死回避ってレス30だったっけ?
5 :
1:2006/10/21(土) 00:35:28 0
さらに、
・小説を投下する際は麺の名前や盤名などに検索避けをすること!
※大.祐、新.弥、Di.r…など。
京や潤など、一文字の麺は検索避け不要。
・投下された小説を批判するなら、自分で神作品を投下してから言え
スレが荒れるもとになります
1さん乙です!
即死回避カキコ。
7 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 01:49:21 0
1さん乙です!
1サソ乙です!!
乙です!
即死回避 10!
1さん乙!
即死回避!
即死回避
ゲーム作者さん待ってます
回避〜
1さん乙でゲーム作者さん待ちー
期待
即死回避
即死回避!
スレ立て乙でした!
賛否両論あるかとは思いますが回避用に投下しますね。
「ファン?あー普通に感謝してるよ。だけどさーやっぱ馬鹿だなーって思う奴もいるわけ。馬鹿高い金払ってライブで最前入ったり、プレボにブランド物入れたりさー。手紙とかって大半は添えてあるんだよ。プリクラと携番が。」
敏.弥はまたビールを飲む。
「んでそこそこな奴には俺から電話すんの。あ、あくまで非通知だけどね。そんでオーソドックスにメシの約束とりつけんの。俺メシの約束しかしてないんだよ?なのにあっちはさー、勝手にその後期待するわけ。」
またビールを口に運ぶ。
「普通にサラリーマンでもやってたら絶対落とせそうにもない女もさー、簡単に脚開いちゃうんだよ?こんな面白い話なくねぇ?あ、nanaももう1本飲むよね?」
そう言って冷蔵庫に冷えたビールを取りに行った。
「最初のメシ代とホテル代ぐらいはだすよ。だって次あった時に何倍にもなって返ってくんだもん。そこまできたらやっと俺の番号教えてやんだ。まぁ諭吉の枚数にもよるけどね〜。」
八重歯を覗かせて私に新しいビールを渡した。
「ホント馬鹿な奴だなって思うよそういう女は。純粋に音楽が好きとか言っといて心の底では同じ事考えてんだし。」
プシュッという気持ちの良い音と共に、指に跳ねたビールを舐めながら続ける。
「あ、こんな話内緒だよ?nanaだから言えんだかんね?」
たまにこうして会ってはお互いの部屋で飲んでいる。
今日は順番的に敏.弥の部屋。
恋人?
そんなんじゃない。
セフ?
そんなふざけた関係でもない。
友達以上、恋人・・・以下。
親友みたいなもんかな。
元々友達だった。
久し振りに会った時に敏.弥は音楽を始めていて、私が音楽に興味があると話した頃からの付き合い。
2人で居る時は大半が笑い話で終わるけど、真面目な相談も受けた。
メンバーと上手くいかないとか、思うようなバンドに巡り会わないとか、望んだ音を奏でられないとか。
敏.弥が真剣な分一緒に悩んだ。
それは敏.弥も同じ。
私が悩んだり落ち込んだりしている時には、忙しいスケジュールを割いてまで時間をとってくれた。
次第に打ち解けていって、気が付けばこんな心の底まで露呈出来る関係になっていて。
恋人という関係は望まない。
少なくても敏.弥はそう。
「彼女とかさー、めんどいんだよね。何で1人の女に尽くさなきゃならないんだよっていう。色んな女試したいじゃん?」
相変わらず八重歯を覗かせる口からこの言葉を聞く度、アルコールに染められた心でもズキっと痛む。
好意を寄せているのは私だけなんだな、って思い知らされるから。
だけどこの関係をどうしても壊したくなくて、「音楽で成功出来て良かったね」なんて返してしまう。
「本当nanaがいてくれたお陰だよ。」
バンドで生活出来始めた頃から随分性格が変わっても、いつか私のモノになるだろうなんて希望を捨てられない。
いつか私を愛させてやるから。
この気持ちだけが私の生き甲斐だった。
「そういえばnanaは彼氏できたの?」
無言で首を振る。
私が彼氏にしたいのはあんただってば。
「ふーん。nanaはnanaで他で遊んでんだろうね。nanaぐらいの女だったら普通の男はほっとかないのに。」
まぁあんたは『普通』の男じゃないもんね。
だから・・・放置されてんだもんね。
「じゃぁ・・・まぁあれだ。今日もよろしくって事で。」
さっきまでとは違う笑みが零れる。
「はいはい分かりました。とりあえずビール飲んだらね。」
「だーめ。俺の飲んでから。」
語尾にハートマークでも付きそうな弾んだ声で、私の手を誘導する。
すっかり触り慣れてしまったアレが触れた。
「別に私じゃなくてもいいんじゃないの?」
「nanaじゃなきゃ嫌だ、俺nanaの事好きだから」なんて甘い言葉を期待するけど、やっぱり今回も違う言葉が返ってくる。
「男っつーのは狩猟民族だから。まぁまぁ細かい事は気にしないで、ね?」
訳分かんない言葉を並べて、さっさとベルトを外す。
もういつもの事だから慣れた。
「分かったよ・・・。」
「その色っぽい声がやめらんないんだよねー。」
色っぽい声なんて出さなくても、どうせ止めないくせに。
慣れた手つきで下半身をまさぐる。
友達以上、恋人『未満』と言い切れないのはこの行為のせい。
すっかり勢いをつけた敏.弥自身に触れる。
拒否らない私も悪いんだろうな。
これじゃぁただの性の奴隷だし。
だけど好きな人に触れられるのは、少しも悪い気はしない。
だから続けちゃうんだよね。
「ねぇnana、上脱いでよ。」
返事なんかする間もなく服を剥ぎ取られる。
「nanaの体ってさー本当綺麗だよね〜。」
「どうも。」
「そういう高飛車な態度も憎めないし。」
高飛車なんかじゃなくて、ただ強がってるだけよ。
早く気付け、この馬鹿。
「ねぇ口でしてよ。たまに俺の方見てね。上目遣いで。」
相変わらずハートマークが付き纏うような言い方。
抵抗する事もなく、ただ従う。
裏筋に舌を這わせると、大きく反応する。
言われるがままになってる自分が悪いなんて事、泣きたい位に分かってる。
だけど好きな人に尽くしたいっていう気持ちは変わらないから。
この関係が健全であれ、不健全であれ・・・。
屈んでいた私の背中に、ヒタっと掌が這った。
背中全体を舐めるように進んでいく。
普通に触られたらくすぐったい脇腹も、この時ばかりは性感に変わってしまうんだから不思議。
私は理性を失ったら駄目。
ぼんやりと考え事をしていたせいで休みがちだった舌を、アイスキャンディーでも舐めるかのように忙しく動かした。
ただ早く終わらせたい一心で。
背中からは掌も去り、部屋に響く敏.弥の声がこの行為がもうすぐ終わるであろう事を告げる。
「nana・・・っ、ちょっ、と・・・こっち、来て。」
今?
「・・・っ、は、やく・・・。」
口から敏.弥自身を離し、床に手を付いて体を近付けた。
「うん・・・、その辺、かな・・・。ストップね。」
こんな体勢で何をしたいの?
敏.弥は自身を扱き始めた。
意味分かんないんだけど・・・。
困惑の表情を見せる私に、八重歯を見せず笑うばかり。
私の目を見ながら、体の奥底から出たような声を上げ敏.弥の手は止まった。
それと引き替えに胸に伝わる温かい感触。
あぁ・・・そういう事ね。
床に付いていた手を離し、私は座った。
すると見事に飛び散った白濁の液が、胸の膨らみを通り越し下へ下へと伝う。
ゆっくりと。
温かさはやがてお腹にも進んだ。
「やべー、ちょーエロいよそれ。マジ最高。」
そう言って液を肌へ塗り込んでくる。
胸を触りたいのか、液を拡げたいのか、よく分からないけど。
突起に触れられて、私は出そうになった声を懸命に殺した。
あくまで平然を装う。
理性を失ったら、今までの私が駄目になる。
「nanaも・・・する?」
悪戯な笑みを浮かべる敏.弥。
「私はいい。」
手を振り払い、近くにあったティッシュで液を拭き取った。
「この前生理って言ってたから今日は違うでしょ?お礼って事で、ほら。」
私を押し倒し、とっととスカートと下着を剥いだ。
「お願いだから、挿れないでね?」
「本番ナシね。分かった分かった。いつもの約束はちゃんと守るって。」
本番とか、そんな軽い言い方しないでよ。
軽率な言動に嫌悪感を抱きながらも、だんだんと愛撫に負け始める。
抑え切れない声がポツリポツリと部屋に落ちていく。
「何でそんな遠慮してんの?もっと声出せば?あ、nanaはこんなんじゃ満足しないんだもんね。」
何も言えないうちに脚を広げられ、私自身に吸い付いてきた。
さすがに声を抑えきれず、敏.弥の舌に合わせて快楽を吐き出した。
「その声ちょー好き。もっと聞かしてよ。」
また突起へと舌を這わせて、それと同時に指を出し入れする。
こんな行為さっさと終わってしまえと、わざと感情を昂らせた。
ちゃんと恋人関係になってから、こういう行為は重ねたいのに・・・。
一瞬にして頭が真っ白になって、強張った体は床に吸い込まれるように脱力していく。
指を引き抜き、敏.弥は私の体を起こした。
「ごちそーさまでした!」
いつもの言葉。
こんな行為を何度となく重ねても、『本番なし』という約束は必ず守ってくれる。
私達の関係がセフじゃないと言い切れるのは、この約束を必ず守ってくれるからだった。
大切なものは大切にとっておく。
その時まで。
敏.弥が私を愛してくれるその時まで。
私達は何事もなかったかのようにまた飲み直した。
「nana明日暇?」
「まぁ仕事休みだから暇だけど。」
「じゃぁ飲み会来ない?女の子どうしても1人足りないんだって。」
「ヤリコンならパスだよ。」
敏.弥はよく『飲み会』と称したヤリコンに参加していた。
敏.弥だけじゃなくそこそこ有名なバンドマンはほとんど参加経験者らしい。
馬鹿馬鹿しいとは思うけど、実際参加する女の子がいるのだから成り立っている。
ファンの子を「馬鹿な奴もいる」と言うのはこのせいだと思う。
「明日のはヤリコンじゃないって。お持ち帰りって決まってるから。最初だけいてくれればいいよ。あとは好きなタイミングで帰っていいし。」
「それって行く意味なくない?」
「他にも有名どころ来るしさ。」
「私繋がり興味ないし。」
「んじゃぁ俺がずっと隣にいるから。それならいいでしょ?俺と飲みに行くと思えば。」
「んー・・・まぁそれならいいかなぁ。」
上辺では渋々と返事をしてみたけど、実は嬉しかった。
私を彼女扱いしてくれてるような言い方だったから。
実際彼女だったら合コンなんかに誘わないし一緒に行ったりしないけどね・・・。
まだまだこの恋の道程は遠いなぁ。
「じゃぁ今日はこのまま泊まってけば?」
私は敏.弥の言葉に甘えた。
一夜を共にすると言ってもセックスはしない。
敏.弥は私との約束をずっと守っている。
こういう誠実・・・とはちょっと違うけど、芯を通してるとこが好きなんだよね。
あくまで友達として、私達は夜を明かした。
合コン会場の店には、私達が一番乗りだった。
適当にお酒を頼んで、2人でくだらない話をしながら笑い合う。
ずっと2人でいいのに。
誰も来なくていいのに。
小さな、だけど切実な願いは簡単に打ち砕かれる。
次々と合コンの参加メンバーが同じテーブルに着いた。
男は私を品定めするかのような視線を送ってくるし、女は敏.弥と親しげに会話する私を睨み付けるような視線を送ってくる。
何だか自分だけが場違いな気がする。
誰にも気付かれないように、そっと敏.弥に耳打ちした。
「ちゃんと隣にいてよ?」
「分かってるって。」
暫く経って、その言葉は全くの嘘になった。
敏.弥はしっかりとアルコール色に顔を染め、同じテーブルにいた一番可愛い子と話をしだした。
今更敏.弥を隣に引き戻す気にはなれない。
最初に私に向けられた、女の子達からの視線を思い出すと余計にそんな気はなくなる。
男達に声をかけられても気の無い返事だけを返す。
ただぼーっと時が過ぎるのを待った。
最初だけいればいいって言われたし、もう帰ろうかな・・・。
この場の雰囲気に馴染もうなんて少しも考えなかった。
だから後半辺りで1人の男がようやくテーブルに着いたのなんて気が付かなかったわけで。
少しずつ帰り支度を始めた私の耳に、声が届いた。
「あ、敏.弥の友達のnanaちゃんやろ?1人なん?」
出た、このヤリチン!
財布と煙草をテーブルに置いて、私の隣に座った。
赤い髪の毛をかき上げながら言う。
「おーい敏.弥ぁ。俺のビール頼んどいてくれへん?」
「あれ〜?堕.威くんじゃん。いつ来たの〜?」
敏.弥はすっかり出来上がっている。
「なんや・・・俺のいない間にすっかり盛り上がっとるな。」
確実に私に向け放つ言葉に懸命な作り笑いを返した。
堕.威の話は色々聞いていた。
敏.弥と同じく彼女を作らない主義だとか、とにかく女好きで何人も泣かせてるとか、そのせいでトラブルが多いとか。
薫さんの彼女に手出して、それがばれてもちっとも反省しないんだ、なんて話もあったな。
いつも冗談ばっかり言ってる敏.弥の事だから、どこまで本当なんだか知らないけど。
噂は噂だけど、なるべく近寄りたくない人である事には違いない。
だけど今は運悪く捉まってしまった。
気にせず帰ろうと思ったけど、堕.威は今来たばかりで、私はこのメンバー中で唯一1人で、堕.威は勝手に私のビールまで頼んでて。
とてもこのまま帰れそうな状況なんかじゃない。
まぁ、暇潰しと思えばいいか。
あの調子じゃ敏.弥を連れて帰らなくちゃいけなさそうだし。
それに、この場限りだしね。
「nanaちゃんの事敏.弥から聞いとったけどヤリコンに興味あるなんて知らんかったわ。」
「えっ・・・!?今日ヤリコンじゃないって言うから来たんだけど・・・。」
「あぁそうなん?でもあの辺とか既に、って感じやねんけど。」
『そいういうの』を見た時の独特の笑みが堕.威から零れた。
っ・・・!
私は何も言えなかった。
心臓が金槌で打たれたんじゃないかって程痛い。
次第に高鳴る動悸と、何とも言えない感情。
それは言葉になんて出来ない。
ここから一番離れた位置に座る敏.弥。
そして密着する女の子。
2人の唇は既に重なっていて、敏.弥の手が女の子の体を弄っている最中だった。
敏.弥が色んな女の子をはべらかしているのは知ってる。
だけど心のどこかでそれは嘘なんじゃないかと思ってた。
私の気を引きたくて、わざとそんな話してるんじゃないかって。
実は私の事を好きでいてくれて、だから必要とする時は一緒にいてくれたんじゃないかって。
だけど敏.弥は何一つ嘘は言ってなかった。
それはただの妄想。
私はただの友達。
心の底まで露呈出来る、ただの友達。
敏.弥の素行は全部知っていたはずなのに、実際目の前にするとつらかった。
好きな人が、他の女の子をひとつになろうとしている姿は。
どんなに強がったって、そう耐えられるものじゃない。
「おい敏.弥!今日ヤリコンちゃうんやろ?他でやれや。」
相変わらずの笑みのまま、堕.威が囃し立てた。
周りのメンバーも一緒になって囃し立てる。
抑え切れない・・・。
ヤバイ・・・。
誰に告げるでもなく「トイレ行ってくる」とだけ残し、私は席を立った。
堕.威の前も、敏.弥の前も懸命に顔を隠しながら。
トイレの鍵をかけた瞬間、膝の力が抜けたのと同時に泣き崩れた。
敏.弥の話は嘘だ、なんて信じていたのは私だけ・・・。
ただ真実を語ってくれてただけなのに、勝手に事実を曲げて。
都合のいい妄想に耽って。
だけどこんなのってないよ。
敏.弥は結局私のものにはならない。
私なんて恋愛対象じゃない。
そんな事は最初から分かってたはずなのに・・・。
敏.弥の馬鹿。
声を殺したせいで痛む喉を押さえながら、必死に感情を整えた。
きっと敏.弥は酔ってるだけよ。
あの子に翻弄されただけ。
明日になればきっと私にいつもみたく笑ってくれる。
こんな事ぐらいで泣くな。
大丈夫でしょ?
私は強いんだから。
個室を出て、鏡の前に立つ。
惨めな自分の姿。
目の充血がマシになったところでトイレを出た。
「あ、やっと来た。」
壁にもたれ掛かっていた堕.威が安堵の表情を浮かべた。
「帰り遅いから気分でも悪いんかと思うて心配でさ。・・・ていうか泣いてるん?」
気分は最悪。
ご察しの通り泣いてましたよ。
「いや。」
心配されてたまるか。
私は強いから大丈夫。
泣いてなんかない。
「それより・・・敏.弥は?」
「あーあいつならとっくに店出たで。お持ち帰り成功したみたいやな。」
「ふーん。あの調子じゃ連れて帰らなきゃって思ってたのに。やるじゃんあいつ。」
話を合わせようと頑張ってみたけどやっぱり駄目だ。
笑い返せない。
「この後2人で飲み直さへん?」
「・・・うん。」
この際堕.威でも誰でもいい。
このまま独りになったら、それこそ自殺でもしてしまいそうな気がする。
誰か側に居て。
誰でもいいから。
私達2人だけを残した店を後にして外に出た。
ひんやりとする夜の風が涙で濡れた目をくすぐる。
泣いた脱力感からか、猛烈な眠気が襲ってきた。
次の行き先を聞くでもなく、ただついて行く。
私の隣を歩く異性は、今日の夕方まで敏.弥だったのに。
身長も体格も違う男に、違和感と嫌悪感を覚える。
あ、また敏.弥の事考えてる。
もう忘れなって・・・。
街の喧騒が遠くなり、住宅街が2人を囲む。
眠気を吹き飛ばし、急に襲ってきた不安。
もしかして・・・。
「ねぇ、どこに行く気?」
「俺の部屋やけど嫌?」
「部屋って・・・!嫌に決まってるじゃない!」
「今更何言うてんねん。怖気付いた?」
ただ大人しくついてきた自分に腹が立った。
「ええやん。お持ち帰りされようや〜。」
私の腰に手を回す。
プツンと、何かが切れる。
「馬鹿にしないでよ。」
小さく呟いた。
「・・・やっぱり敏.弥やないと嫌なん?」
「敏.弥なんか関係ないし。」
「あいつといつ別れたん?」
「別れたも何も付き合ってないけど。」
「知っとる。カマかけてみただけやから。」
また嫌な笑みを零す。
「彼氏おらんのやったら別にええやんか。お持ち帰りされたくて来たんやろ?」
「だから馬鹿にしないでってば!私はそこら辺の女と違う!」
「よう言うなぁ。ただのヤリ友の分際で。」
・・・ヤリ友?
私は何も言い返せなくなった。
敏.弥が・・・そう言ったの?
皆に私の事ヤリ友って言ってるの?
「あいつnanaちゃんのなかなか上手い言うとったで。俺の相手もしてや。な?」
堕.威の体を力一杯に突き放して、私は元来た道を歩き出した。
背後で声がする。
「可愛くない女やな。」
一瞬立ち止まったけど、再び歩き出した。
既に頬は濡れていたから。
堕.威の言葉に傷付いたわけじゃない。
これは敏.弥への悔しさ。
恋人同士になりたいと思ってたのは私だけ。
むしろ友達と思ってたのも私だけ。
私はただのセフ。
昨日敏.弥が言った『馬鹿な奴』の中には、きっと私も含まれてるんだろうね。
それに気付かない私を見て、「やっぱり馬鹿な奴だ」って笑ったんでしょ?
最低だね。
それから私は携帯の電源を切ったまま放置した。
誰からの連絡も受けたくない。
敏.弥のメールも、敏.弥の声も全部いらない。
セフなんて関係、私は望まない。
それだけの相手としか見てないなら、もう終わりにして。
全てを忘れるように、考えないように、ただ仕事に打ち込んだ。
携帯は、未だ放置したまま。
残業続きの日々。
ただそれは無理強いじゃなく、自分から望んでの事。
忙しく過ごしていれば、嫌な事は忘れ去る。
一週間残業を続け、さすがに疲れた体で帰宅すると、部屋の前に人影があった。
散々見慣れたその姿を、見間違うわけない。
「と・・・しや・・・?」
「久し振り。携帯止められてんの?」
「いや・・・電源切ってるだけ。」
「何でまた。」
「元彼がしつこくて。」
プライドなのか、優しさなのか、未練なのか。
きっと全部。
今更自分に惚れさせないプライドと、心の傷を敏.弥の責任にしたくない優しさと、また会えた事が少なからず嬉しい未練。
こんなにも流される自分が悔しい。
だけど人を好きなるってこういう事なんだと思う。
自分を捨ててまで、相手に尽くしてあげようと思ってしまうから。
あの時の悔しさはどこへ行ったのか。
あんな出来事は夢だったんじゃないかと思う。
私は当たり前のように敏.弥を部屋に通した。
順番的に、飲むのは私の部屋だったから。
あの頃みたいに2人でお酒を飲んで、笑い話をして、思い出話をして。
だけど『現在』については触れられないまま。
いつもみたいなあの雰囲気。
2人でしか感じ取れない、独特の流れ。
少しずつ、2人の体は近くなる。
今までずっと敏.弥からの合図でスタートしていた行為だけど、私は思い切って言葉にしてみた。
「ねぇ敏.弥。・・・今日は最後までシてみる?」
理性を殺したのか、アルコールに負けたのかは分からない。
けど、そうしたいと思ったから。
まだ憎みきれないうちならいい。
結局私はこいつが好きで、こいつならいいと思えるから。
何より、こつの為に大切にしてきたものだから。
「いいの?」
アルコールに溺れた目は、いつもより色っぽく思えた。
今までもずっとそうだったんだろうけど、私の気持ちが歩み寄るだけでなんなに違って見える。
一瞬だけでもいいから、私を愛して。
覆い被さる敏.弥の頬を、そっと撫でる。
慣れた相手との慣れた行為なのに、一歩踏み出すと決めた今日は胸が高鳴った。
ひとつずつ、敏.弥のシャツのボタンを外す。
首より少し下に現れた、赤い痕。
誰と言うわけではないけど、女の子との顔が浮かんでは消えていく。
私だけを見てて欲しいのに・・・。
ブラウスのボタンを外すのと同時に、敏.弥は私の肌に舌を這わせる。
言わなくいていいって充分理解してるのに、私の口が勝手に言葉を零した。
私の事、ちゃんんと理解してほしいから。
「私ね・・・これが初めてだから。敏.弥に、あげるから。」
私の胸元に埋めた後頭部だけを映していた視界は、すぐに敏.弥の驚いた顔に奪われた。
アルコールの影を感じさせない、真剣な目。
「敏.弥の為に大切にしてきたから。もらって?」
ずっとずっと大切にしてきた。
敏.弥への気持ちを殺して無理に付き合ってきた今までの彼氏にも許さなかった。
20年以上の思いを無駄にしないで。
敏.弥はゆっくりと体を離した。
敏.弥?
「俺はもらえない。」
離れた体を追いかけるように、私も体を起こす。
「・・・どうして?」
「そういうの、本当に好きな奴にやらないと後悔するよ?」
そんな事言わないでよ。
聞きたくない。
「俺、nanaの事後悔させたくない。」
見事な敗北だった。
必死に言葉を繋ごうと頭を働かせるけど、敏.弥の言葉が私の思考を停止させた。
もう、全てが終わり。
過去の関係も、現在の関係も、未来の関係も。
敏.弥なら後悔しないから、と言おうとしたけど止めた。
もう敏.弥の気持ちはここにはない。
一緒に過ごした時間が長い分、考えてる事が手に取るように分かる。
溢れてくる涙を必死に押し込んで、私は大袈裟に爆笑してみせた。
「嘘だよ敏.弥っ。あはははは!何マジになっちゃってんの?」
「何だよービビらせんなよー。」
「この歳で初なわけないじゃん。あーお腹痛い。涙出てきちゃった。」
悲しみの涙を爆笑のせいにする。
嘘で塗り隠せない重い空気。
こんな結果なら、きっぱりと終わりにしてやろう。
「彼女、できたんでしょ?」
カマをかけた。
誰だったか・・・あぁ、堕.威にやられたみたいに。
「・・・うん。」
敏.弥に刻まれた赤い痕を見た瞬間に、私は全てを悟っていた。
女の子の話をすると敏.弥は必ず口にした。
「キスマークは彼女にしか付けさせない。だから俺がキスマーク付けてたのなんてずーっと昔の話。」
それはお酒の勢いに任せたネタ的な話じゃなくて、昔から貫いている敏.弥のポリシー。
だからそんなに体を重ねようとも、私でさえ赤い痕を残せた事はなかった。
「もしかして俺の事止める為に嘘ついたの?」
「まぁそんなとこ。キスマーク見えたし。これぐらい言わないと止めてくれないでしょ?」
「そっか。サンキュー。」
どこか悲しげに笑った。
「せっかく好きになった子なんだから、悲しませちゃ駄目だよ?」
何言ってるの?
このまま事を進めて、強引に私の赤い痕を残してやればいいのに。
いい子ぶるなよ。
葛藤する2つの心情。
奪いたい気持ちと、幸せを願う気持ち。
敏.弥がそう言ったように、私も後悔させたくない。
どうでもいい相手なんかじゃないから。
だから身を引いてしまった。
好きな人が苦しむ姿なんてみたくない。
2人の沈黙を破るように鳴り響く着信音。
「もしもし?−−今?−−友達の部屋で飲んでる。−−今から?−−分かった。−−じゃぁ迎え行くから。」
友達。
そう、私は友達。
一線は越えてはいけない。
だってトモダチだから。
「ごめん、噂をすればってやつ。また今度な。」
「まぁ、次があれば、ね。」
懸命に発した言葉と、自分で分かるほどの弱々しい笑み。
サヨナラ敏.弥。
玄関に向かう敏.弥の背中を見ながら何度も呟いた。
「あ、メール!」
「メール?」
「多分知らないアドからメール入ってるけど、それ堕.威くんだから。nanaのアド勝手に教えちゃった。」
「堕.威?何か用件聞いてないの?」
「nanaの事気に入ったんだって。」
んな話あり得ない。
−可愛くない女やな
あの言葉が甦る。
「あんなヤリチンやだよー。」
「ヤリチンじゃないよ。・・・まぁヤリチンだけど。ただ寂しがりやなだけ。それに凄い優しいんだよ?」
「へぇ・・・。」
「nanaにはピッタリなんじゃない?」
「え?」
「寂しがりやのnanaには。ね?」
靴を穿き、背中を向けて敏.弥は言った。
「なぁ・・・俺がいなくなっても泣くなよ。」
「泣かないよ。泣くわけないじゃん。ただの友達相手に。」
「そうだね。・・・じゃぁな。」
部屋を出て行った敏.弥と私の関係を切り裂くように、ドアは独りでに閉まる。
私は声を上げて泣いた。
敏.弥の熱が残る体で、いつまでも。
気が付いた時には白々しく朝が来ていた。
微かに敏.弥の影を残すお酒の缶。
もうこの風景も見る事はない。
−寂しがりやのnanaには
最後に残していった言葉だけが頭の中でループする。
寂しがりやの・・・って、一体どういう意味?
私の事どんなふうに捉えてたの?
こんな意味深な事だけ残していくなんて、本当にズルイ奴。
忘れ去られたように置かれた携帯が目に入った。
もう電源を入れてもいいよね。
全て、終わったから。
電源を入れると、画面は喜んだように光を放った。
センターに溜まっていたメールが受信される。
数人の友人からのメールは後回しにして、真っ先に敏.弥からのメールを開いた。
[昨日はごめん。俺気付いたらお持ち帰りされてた(笑)ちゃんと帰れたの?]
[俺のメール届いてる?電話も繋がんねぇぞ!]
[ちゃんと生きてる?何か悩みあんなら聞くよ?とりあえず連絡ヨコセ!]
敏.弥の顔が浮かんでは消える。
また溢れてきた涙を拭って、送信者の名前が表示されていないメールを開いた。
[堕.威です。この前は嫌な別れ方してごめん。また飲みに行きませんか?もちろん、お持ち帰りとかそういうのなしで(笑)]
特に明確な理由があったわけじゃない。
だけど私は返信した。
傷を拭ってほしいとかそんなんじゃない。
ただ気晴らししたいだけよ。
相手なんて誰でもいい・・・。
返信にかなりの間を空けていた私に対して、堕.威はすぐにメールをよこした。
[本気で怒ってんのかと思ったわ〜(笑)この前のお詫びしただけやから、ちょっとだけ飲みに行こうや。]
堕.威に対していい印象なんてあるわけもなく。
だけど嘘のようにメールを返せる。
結局は誰かに縋りたいんだ。
大切なものを、そっと、だけど有無を言わさずつき返された。
思ってたよりこの傷は深いみたい。
私は、強いはずなのに・・・。
「あん時は・・・その、ごめんな。帰り際の俺の言葉聞こえとったんやろ?悪気はなかったんやけど・・・俺、イライラしとった時期やったから・・・。」
私は誘いにのり、堕.威と飲みに行く事にした。
私に放った第一声がこれ。
「別に気にしてないよ。可愛くないなんて自覚してるし。ただの強がりの可愛くない女ですから。」
「んな事言われたら俺の立場ないやん。」
「あー・・・そういう意味じゃないけど、本当気にしてないから。大丈夫だって。」
堕.威って思ってたよりデリケート?
こんなに丁寧な謝罪がこいつの口から出るなんて。
敏.弥の言ったとおり、意外と優しさをもってる人なのかな?
たったあれだけの言葉にこんなに罪悪感を抱くなんて。
私が怒ったのは敏.弥の『ヤリ友』発言に対してなんだけど・・・。
テンションを下げ続ける堕.威に、私は無理して話題をふった。
すぐに堕.威にも笑顔が戻り会話を続ける。
笑い話をして、茶化して、茶化されて。
会うのが2度目なんて思えない程盛り上がった。
久々に気分いい。
飲みに来て正解かな。
ちょっと悔しいけど、堕.威に感謝かも。
ここに来て笑いの絶えない私だったけど、堕.威の言葉でまた傷が疼いた。
「nanaちゃんホンマに彼氏おらへんの?」
「いないよ。最近フラれらばっかりだし・・・。」
彼氏なんかじゃない。
フラれたのは友達以上恋人以下の相手にだけどね。
「じゃぁ俺とゲームせえへん?」
「ゲーム?何の?」
「恋人ゲーム。」
コイビトゲーム?
理解出来ない私は眉を寄せて堕.威に顔を向ける。
「恋人ごっこ言うたらええんかな?彼氏と彼女に成り切んねん。」
「・・・それ楽しいと思うの?」
意図が掴めない。
堕.威は私の彼氏に、私は堕.威の彼女に。
ただ『成り切る』だけで、何の意味があるの?
「何かなー、『純愛』言うん?そういうの思い出したいねん。」
私は飲んでいたビールを思わず噴き出しそうになった。
こいつの口から『純愛』なんて笑える。
数え切れない女の子を抱えてるこいつの口から。
堕.威の手元に置かれた2台の携帯が私の笑いに拍車をかけた。
1台は仕事とプライベート用。
もう1台は遊び用。
現にここに来てから何度か着信音に会話を遮られた。
鳴るのは必ず遊び用の方。
しかも堕.威ときたら電話に出たり出なかったり。
画面に表示された名前を見てから判断をつけていて。
堕.威の声を聞けなった子はどんな思いなのかな、なんて考えさせられた。
そんなふうに女の子を選べるこいつの口から『純愛』だなんて。
人を馬鹿にするのもいい加減にしてよ。
「ゲームだろうと何だろうと彼女なんていらないでしょ?」
遊び用の携帯を手に取って私は言った。
「やっぱりそう思うん?」
「当たり前じゃん。それだけ遊んでてよく言うよ。」
茶化したつもりだったのに、堕.威の顔が少し真剣になった。
「俺の事どんなふうに聞いとる?噂とか。」
話を流そうか散々迷った。
いい噂なんてひとつも聞いた事がないから。
知り合って間もない人にしていい話だとは思えない。
「別に・・・何も聞いてないよ。」
「俺気にせんから。正直に言ってええよ。俺の為やと思ってさ。」
『俺の為』という言葉に私の気持ちは動いた。
受け入れる覚悟が出来ているというのなら話してあげよう。
本人がそれを望んでいるのだから。
私は知っている限り全てを話した。
堕.威の表情は変わらない。
「まぁ想像した通りやわ。」
「否定するポイントはないの?」
「今更どう言い訳したって遅いやろ?確かに女遊びが生き甲斐になっとったし。俺ただ一緒にいれくれる人が欲しいだけやってんけどな。」
初めて力なさそうに笑った。
−寂しがりやの
敏.弥の言葉が過ぎる。
「最初はみんな側にいてくれたんやけど、だんだんそういう噂が独り歩きしてさ。
俺が本気で好きになったって遊びとしかとってもらえへんし。まぁ自分が悪いんやろうけど。
そのうち人のモンばっか取るようになっとるしな。所詮人もモンは人のモンで、俺のモンにはならへんし。」
この人は本当に寂しいだけなのかも。
救ってあげたいなんて思うけど、今の私はそれどころじゃない。
逆に救ってほしいぐらいなのだから。
もう面倒な事はごめんだと、私は断るつもりで口を開いた。
しかし、一足先に堕.威の言葉が届く。
「nanaちゃんやって、敏.弥の傷癒したいんちゃう?」
傷・・・?
こいつ、もしかして全部知ってる・・・?
「マイナスになるような事ないと思うし・・・な?」
確かに悪い話じゃないのかもしれない。
本気の恋愛じゃなく、あくまでゲームと割り切っているのなら、都合の悪い事には目を瞑って綺麗事だらけの恋愛を体験出来るかもしれない。
それに『誰でもいいから側にいてほしい』という気持ちは、全く一緒。
私、頼ってもいい?
「ひとつだけルール・・・。体の関係はなし。それならこのゲームに付き合ってあげる。」
「ええよ。俺の希望は『純愛』やしな。約束は守るで。」
こうして私たちはゲームを始めた。
きっと私は誰かに寄り掛かりたかったんだ。
全てを知ってる人に。
遊びでも、ゲームでも何でもいいから。
だけどゲームはゲーム。
擬似恋愛で体の関係までは持ちたくない。
一線を越えたら、私も堕.威も何も変えられないままだと思うから。
そして、私にとってはやっぱり大切なものだから。
ゲームは着々と、そして真剣に進んでいった。
毎日メールをして、時間が出来れば遊びに行って、会えない日は必ず電話して。
寂しさなんて感じる事のない日々。
ただのゲームのはずだったのに、私はいつの間にか夢中になった。
敏.弥との記憶も少しずつ薄れ始める。
それはいい事なんだろうけど、簡単に許せない自分もいて。
私の思いはそんなに軽いものじゃなかったのに。
敏.弥が振り向いてくれなくてもずっと好きでいたのに。
それがこんなゲームのせいで私の心は変わっていって。
過去の自分を酷く哀れに思う。
私は軽い女なんかじゃないのに。
そうは思っていても、心に嘘はつけない。
私はいつの間にか、堕.威を本気で好きになっていた。
あいつを好きになったって、遊び用のメモリーが増えるだけ。
2人で遊びに行っても、堕.威の携帯は鳴り続ける。
もちろんそれは遊び用の方。
私は止めない。
止める権利はない。
だって擬似恋愛というゲームだから。
堕.威にとって私は、ゲームという娯楽の1コマでしかない。
完全に遊ばれている。
きっとまた同じ運命を辿るんだよね。
敏.弥の時と同じ運命を。
そんなモヤモヤを抱えても、私は堕.威に溺れていった。
今日もデート。
もちろん、ゲームのひとつのダンジョンでしかないけれど。
とりあえず適当に飲みに行こうと居酒屋へ向かった。
今までと変わりなく、馬鹿な話をしたり、軽い悩みを相談したり。
恋人らしいやり取りを重ねる。
そろそろ店を出ようかという時、背後で聞き慣れた声がした。
「あれ敏.弥やない?」
堕.威の声に、驚いて振り返った。
確かにそこには敏.弥の姿があった。
女の子と2人きり。
堕.威を好きになったはずなのに、胸の奥が疼く。
この感情は何?
堕.威は立ち上がり敏.弥のいるテーブルへ向かった。
思わず私も追いかけてしまう。
「うーっす。」
「あれ、堕.威くんじゃん!あ、nanaも。久し振り。」
「お前ら順調みたいやなぁ。」
「まぁお陰様で。」
敏.弥と一緒にいた女の子は、私に会釈をした。
反射的に私も頭を下げる。
「良かったね」とか「幸せそうで何より」とか言うべきなんだろうけど、口が固まったように何も言えない。
言葉に出来ない気持ちで胸がいっぱいだった。
変わらず会話を続ける堕.威の手を、私はそっと握った。
それは初めての接触。
最初に決めたルールを堕.威は守ってくれていた。
私が嫌がるのを分かっているから、堕.威は手を繋ぐ事すらしなかった。
私の手が触れても、堕.威は態度を変えない。
だけど、そっと握り返してくれた。
そして別れ際。
堕.威と敏.弥は小声で言葉を交わした。
「(nanaの事よろしくな。)」
「(あぁ。)」
極力私に聞こえないように、と気を遣ったつもりなのかもしれないけど、そういう時に限って耳に届くもので。
よろしく?
私をよろしくって何?
この2人は何か企んでる?
店を出てからも私は堕.威の手を離さなかった。
堕.威を好きになったはずなのに、少なからず敏.弥に揺らいだ気持ちを整理出来ずにいた。
ゆっくりと歩く私達の沈黙を破ったのは堕.威。
「初めて手も繋いだ事やしさ〜、たまには俺の部屋で飲もうや〜。」
口調がいつもと違う。
私に断られるのが分かってるから、この台詞を言う時はいつもこんな感じ。
「そうだね。飲み直そっか。」
「!? 何や珍しいな。どないしたん?」
「聞きたい事あるから。」
堕.威の部屋の前に着くと、あの合コンの時の事を思い出した。
あの夜から全てが狂った。
私の気持ちも含めて全てが。
部屋に入ると微かな煙草の匂い。
適当に座ってやと告げ、堕.威は冷蔵庫を開けた。
ぼーっと部屋を眺める。
そういえばさっき敏.弥といた子って合コンにいた子だ。
あの時とは私に対する態度が全然違ったな。
会釈までされてるしね。
敏.弥の赤い痕はあの子が付けたのかな。
どうやって敏.弥の事落としたんだろう。
敏.弥はあの子に私の事話したりしたのかな。
友達って?
それともヤリ友って?
もう今更私達の関係がどうだった、なんて興味のない話だけど。
「んで聞きたい事って?」
ビール2缶を片手に、煙草をふかしながら堕.威は言った。
「敏.弥の事ちゃんと話して。私をよろしくって何?」
「何や・・・聞こえとったんか。」
沈黙。
ビールを開ける音だけが響く。
たった1,2分だったのかもしれない。
だけど私には1時間ぐらいの沈黙に思えた。
「簡単に言えば・・・。」
堕.威の吐いた煙草の煙が視界に入る。
早く言ってよ。
言いにくいの?
「nanaを幸せにしたってって事かな。」
「そんなんじゃ分かんない。」
「・・・敏.弥な、nanaの事好きやったんやって。」
え?
「でも、その・・・ヤリ友・・・みたいになってて、関係戻せなくなって、気付いた時には手遅れで、って。」
そんな・・・手遅れなんかじゃなかったのに。
「それで?」
「自分の気持ち言うたらええやんて俺言うたんやけど、散々傷付けたからもうnanaを幸せになんか出来へんて。」
私は敏.弥であれば幸せだったのに。
「ヤリ友みたいな事止めたかったらしいんやけど、今更関係戻せへんし、このまま離れてnanaの寂しがってる姿なんて見たくないとか。」
関係なんていくらでも修復出来たのに。
「『nanaは強がってるけど実は寂しがりややから、俺がいないと駄目なんだ』やって。んであいつにも彼女が出来て、ホンマにnanaの側にはおられんくなったから、その後を俺に任せた、と。こんなことや。」
私、少しも傷付いてなんかなかったのに。
「あいつ自分勝手やんな。」
本当に馬鹿な奴。
私から何か言葉にしてれば少しは変わったのかな?
今更こんな事考えても遅いのにね。
だけど敏.弥ならいいと思ったのに。
敏.弥にあげたいってずっと思ってたのに。
呆れるでしょ?
もうそんな気持ちなくなってるんだよ?
今はね、別の人にあげたいと思ってるの。
今、隣にいる人に。
ゲームのお陰で私は救われたよ。
やっとあんたから抜け出せたから。
このゲームはやめたくない。
やめれない。
もうどっぷりとはまっちゃったから。
一時凌ぎで縋った温もりのはずなのに、今は絶対に手放したくない。
ねぇ堕.威、このゲームに終わりなんてないよね?
ゲームのままでも、ずっと隣にいてくれるよね?
独りにしないで。
私、もう抜け出せないから。
痛い程に自覚している強がりな性格。
口に出せば希望は伝わるのに、それが出来ない。
ゲームに溺れてるなんて、自分のプライドが許してくれない。
本当は、もっと素直になりたいのに。
ゲームにはまりだして一番怖くなった事。
それはこのゲームの終わり。
いつか堕.威は私に飽きて、他の子とゲームをしだすんじゃないかと不安で仕方なかった。
私はただの過去のプレイヤーになるだけ。
敏.弥とのやり取りを聞いて、その不安はこの短時間でますます大きくなった。
ただ私に同情してるだけなんじゃないか。
堕.威は寂しがりやというキャラに設定して、敏.弥との過去を忘れさせる。
それが2人の仕組んだストーリーなんじゃないか。
重い沈黙の中でどうしようもない不安だけが襲う。
だけどそういう不安というものは現実になってしまうもので。
堕.威の言葉に私は絶望を感じざるを得なかった。
「俺ら・・・そろそろゲームやめへんか?」
「そう、だね・・・。」
遂に放たれた言葉だった。
一番聞きたくなかった言葉なのに。
弱い心の中でプライドだけが暴走する。
嘘つき。
強がってどうするの?
まだやめないでって言いなよ。
また散々踊らされて捨てられてるじゃない。
何で強がる事しか出来ないの?
私の馬鹿。
結局私はバーチャル恋愛をして堕.威とは終わる。
今までの日々を酷く無駄に感じた。
男ってこういうもんなんだね。
女を好きに扱って、好きに踊らせて。
私はただの笑い者だ。
サヨナラ・・・ゲーム界の彼氏サン。
俯いてただ沈黙を奏でる。
涙が重力に負けて頬を伝う。
本気になったのは私だけ。
結局ゲームはゲーム。
自分の損な性格と、度重なる失恋にただ涙が流れた。
止まらない。
止まってくれない。
「泣いとんの?」
俯いたまま首を横に振る。
もう強がるしかないよ。
こんな私を笑ってよ。
「何で泣いてるん?」
そっと私の顔を上げる。
堕.威の顔は見れない。
これ以上未練を残したくない。
「一体どうしたん?」
「・・・ゲーム、やめるって言うから。」
「nanaはやめたくないって事?」
「うん・・・。」
「何で?」
この先がどうしても言えない。
堕.威が何となく笑ってるように見えた。
本気で好きになりました、なんて言えない。
また同情されて終わるだけだもん。
「前々から気付いとったけど・・・ホンマ損な性格しとるよな。」
「え?」
「素直に言うてみいや。」
滲む視界に映った堕.威はやっぱり笑っていた。
何で笑ってるの?
そうか、笑うしかないよね。
こんな馬鹿な女目の前にして。
「ちゃんと言うてくれな分からんで?」
全てを諦め言葉を発した。
こうなったら全ていらない。
日常では味方につく事が多い強さも、高いプライドも。
全部捨ててしまえ。
「堕.威の事好きになっちゃったから。もっと側にいてほしい・・・。」
それだけで精一杯だった。
涙のせいで言葉にならない。
それより、自分に対して可笑しくなる。
フラれてからの告白なんて、こんな馬鹿げた話ないから。
次にくる堕.威の言葉なんて予想しなかった。
これで全て終わりだと覚悟を決めていた。
本当にさようなら。
突然堕.威の唇が触れた。
一瞬の出来事。
だけどしっかりと残る、確かな感触。
「な、んで・・・?」
唇が離れて、真っ先に出た言葉。
マヌケに思うけど、正に色んな意味での『何で?』だった。
好きな人にキスしてもらえた喜びと、ゲームは終わったはずなのに恋人らしい事をされた戸惑い。
そして、ゲーム中であればこれは立派なルール違反。
やっぱり同情してるの?
他の女の子と同じように弄んで終わりにするの?
「だってゲーム終わりにするんやろ?」
確かについさっきお互いの意思でゲームは終わりになった。
だけど何で?
「それってつまり本物の恋人になれるいう事やろ?」
あぁ、そういう意味・・・。
嬉しすぎて抱き付きたい気分だったけど、どうしても素直に『うん』と言えない。
またも強がり。
どうせ遊びのくせに。
堕.威を好きになっても素直になれなかった本当の理由はこれ。
噂は噂だけど、どうしても信じ切れなくて。
もう傷付きたくないから。
「・・・馬鹿にしないでよ。もう遊ばれるのは沢山なの。」
「んな・・・まぁ信じて言うても無理かもしれへんけど・・・。これなんかは証拠にならへんかな?」
そう言ってポケットから取り出した携帯。
以前見た時とはデザインが変わっている。
「変えたの?」
「これ1台だけやで。」
どういう事?
「もうどうでもいい奴のは全部消した。家族とスタッフ以外で登録してる女はnanaだけや。嘘やと思うなら見てええし。」
携帯を私の方に投げる。
私は見る気さえ起こらなかった。
嘘だとしても、あれだけの遊び人の口からこんな言葉を聞けただけで嬉しくて。
携帯を変えた時は、まだゲーム中だったはずなのに。
「1回だけでも騙された思うて信じてや。俺の言葉が嘘になったら指折ってギター弾けなくしてくれてもええし。」
嬉しさ。
喜び。
高鳴る鼓動。
私は無言で堕.威へと腕を伸ばした。
堕.威は優しく私を包み込んでくれた。
耳と首筋に唇が触れる。
これは敏.弥の時にも感じた、あの独特な雰囲気。
男と女が求め合う、素敵な空気。
このまま堕.威とひとつになってしまいたいけど、また別の不安が胸を過ぎった。
またつき返されたらどうしよう。
私独りで大切に守ってきたものをつき返されたら。
堕.威にならあげたいと思えるけど、「面倒臭い」とも言われ兼ねない気がして。
あれだけ言ってくれたのに、まだ堕.威を信じ切れていない自分に腹が立つ。
「俺だけのものになってくれるよな?絶対寂しい思いさせへんし。」
耳元で囁かれてどうにも出来ない。
だけど言わなきゃ駄目だ。
やっぱり大切なものだから。
「ねぇ・・・。」
強引に堕.威の体を離す。
「どうしたん?やっぱり俺やアカン?」
寂しげに呟く堕.威に胸が痛む。
ごめんね、こんな女で。
「そうじゃないえけど・・・私、その・・・初めてなの。」
「え?」
「敏.弥とは何度もそういう事したけど・・・ヤリ友なんかじゃなくて。私、まだ誰にもあげてないんだ。堕.威にしたら・・・面倒臭いだけでしょ?」
敏.弥に別れを告げた時のような弱々しい笑み。
出来る事なら言いたくないけど、言わないと始まらないし終わらないから。
ごめんね。
私は本当につまらない女なんだよ。
「それが何やって言うん?」
予想外の言葉に私は思わず顔を上げた。
「嫌じゃないの?」
「嫌な事あるかアホ。好きな女の初めていらんなんて奴おらんて。・・・敏.弥は別モンとしてやけど。俺は欲しいで。nanaのなら・・・本気で欲しい。」
言葉なんていらない。
私はキスで返事をした。
やっと巡り会えた人を手放したくなくて。
焦る私に対して、堕.威はゆっくり舌を絡めてくる。
徐々に堕.威のペースに慣らされていく。
キスってこんなに気持ち良かったっけ?
敏.弥とは数え切れない程体を重ねたけど、キスをしたのなんて数え切れる程だったな。
快楽だけが目的だったから、キスなんて工程飛ばされてたし。
これが愛の力?
私、これだけで充分気持ちいいよ・・・。
堕.威は唇を離した。
「ヘタクソ。」
ゆっくりと目を開けた私に映るのは、悪戯っ子みたいに笑う堕.威。
「まったく・・・キスから教えてやらなアカンか。」
完全に侮辱の言葉なんだろうけど、私にはそれが凄く嬉しくて。
愛のない敏.弥との行為を全て忘れさせてくれる。
敏.弥との行為は知ってるはずなのに、何もかもが初めてのように扱ってくれる嬉しさ。
私ははにかんで笑うのが精一杯だった。
「まぁええわ。これからいっぱい教えたるからな。じゃ、上脱いでみようかー。」
私のTシャツの裾に手をかけ、勢いよく捲り上げる。
間を空けずに下着も脱がされた。
「綺麗な体やな。」
敏.弥にも言われたのに、喜びは全然違う。
ただ照れて笑う。
「俺のも脱がせてや。」
私は堕.威にやられたように服を剥いだ。
見惚れてしまう程の白い肌。
早くその肌に埋もれさせて・・・。
私はゆっくりと堕.威に押し倒された。
再び重なる唇。
さっきよりも勢いの増した舌に、懸命に応える。
久し振りにしたキスに、呼吸の方法さえも忘れてしまった。
息が出来なくて、堕.威の胸をドンドンと叩いた。
「ねぇ、そんなにしたら苦しいって・・・。」
「ふぅん?もっと苦しくしたろうか?」
また悪戯っ子みたいに笑った。
昔の記憶を手繰り寄せて、どうにか呼吸をする。
それでも堕.威の勢いは衰えない。
「キスってな、唇だけやないねんで。」
そう言うと私の耳を円を描くように、舌先を尖らせて舐め始めた。
それから時折いやらしい音を奏でながら、体全体にキスをしてくれた。
キスってこんなに気持ち良かったんだ・・・。
舌先が胸の突起に触れる。
甘噛みされたまま舌を器用に動かされ、思わず声を漏らす。
無意識で堕.威の頭を押さえてしまう。
「へぇ、いい声しとるやんか。」
ひとつひとつが恥ずかしいよ。
堕.威の唇は大きな掌と共に下へ下へ。
「恥ずかしいかもしれへんけどこっちも触るで?」
止むことのないキスの雨と同時に、スカートと下着を脱がされる。
脚を広げ優しく言った。
「ホンマに綺麗やで、nana。」
こんな行為慣れてるはずなのに、顔が紅潮するのが分かった。
堕.威の優しさを愛しく思う。
絶対に堕.威となら後悔しないよ。
太腿や脚の付け根を撫でていた手は、やがて私自身へ到達する。
突起に触れられ身を捩って反応する。
まだキスの雨は止まない。
お腹、胸、首筋、耳・・・。
「んっ・・・あぁんっ・・・!」
「可愛い声やん。もっと聞かせてや。」
耳元でクスッっと笑うのが分かった。
「痛かったらごめんな。」
指が1本2本と侵入してくる。
ゆっくりと慣らされ、やがて動きは速まる。
声を抑え切れない。
「ええんやで?もっと鳴いてみい。」
「・・・あっ・・・んっ、あぁん!」
堕.威に応えるように、私は声を上げた。
繰り返されるキスと、下半身からの快感。
過去の彼氏達や敏.弥との行為と何ら変わりないのに、快感の度合いは全く違う。
堕.威が私を満たしてくれようとしてるのが分かるから。
この人さえいればいい。
私の全てをあげられる。
引き抜かれた堕.威の指は、私の液で部屋の照明をたっぷりと反射していた。
堕.威は満足気に指を見せてくる。
余りにも嬉しそうに笑う堕.威に、笑い返してしまう。
「そんなん見せなくていいし。」
「だって可愛いやんか。ほら。」
口に指が侵入する。
好き勝手に動く指に、私も舌を絡めて応えた。
「俺の手全部舐めてみ。」
そうしなければならない理由はイマイチ分からなかったけれど、私は言われた通りに堕.威の大きな掌を舐め尽した。
「もうええで。」
私の唾液で光る掌。
堕.威はそれを自身にたっぷりと付け、潤滑液の替わりにした。
「そうや、ちょっと上級な事してみる?」
「ジョウキュウ?」
「俺の事跨いでみ?」
堕.威のしようとしている事はすぐに分かった。
だけど・・・。
「初めてなのに体面座位ってレベル高すぎない?」
私は思わず苦笑する。
正常位だとばかり思っていたから・・・。
「俺の彼女になるならそれぐらいやってもらわな。」
「全然意味分かんないんだけど。」
堕.威の言う冗談は本当に憎めない。
だけど惚れた私はどうあがいたって負けだ。
私は抵抗するのを止め、言われた通りに堕.威に跨った。
「そのまま、ゆっくり座ってみ。ゆっくりでええからな。」
入り口はまだ快感が伴ったけど、腰を下ろすにつれ深く突き刺さる圧迫感と、圧し拡げられる痛みに吐き気が込み上げる。
「うっ・・・う、ん・・・。」
快感とは全く別の声。
堕.威にしがみついて痛みをごまかそうと必死になる。
「だ、い・・・。」
「今は痛いかもしれへんけど、すぐに気持ち良くなるから。俺はnanaの気持ちええで。」
顔を歪める私の髪を優しく撫でる。
気を紛らわすかのように、首筋から耳にかけてキスを落としてくれた。
ただのタラシだとしか思ってなかったのに、こんなに優しいと思わなかった。
ゲームの時から垣間見える優しさには驚かされたけど、今になって初めて知る類の優しさ。
本当に寂しがりやなだけだったんだね。
本気で愛してくれる人を捜してただけなんだね。
堕.威の事を肯定して考えると、どんなに噂が付き纏っても女の子が離れない理由が分かる気がするよ。
この優しさとあの憎めない冗談を思うと、簡単には手放したくなくなる。
もしかしたら堕.威は女の子達が自分の優しさを頼ってるのが分かってたのかな?
自分を必要としてる人が沢山いるのも分かってたの?
つまり、悪い噂の数々はその優しさの代償?
堕.威の過去なんて気にしないよ。
堕.威が私の過去を気にしないのと同じように。
大切なのは、今とこれから。
「・・・もう、大丈夫。」
「じゃぁ動くで。」
ゆっくりと堕.威は動き出す。
慣れたと思ってはみたけど、実際に動かれるとまだ痛みが抜けない。
ひたすら堕.威にしがみつくので精一杯。
「nana、俺の事だけ考えとき。絶対に後悔させへんから。」
「・・・うん。」
人に話せば私は完全に遊ばれてると思うだろうな。
「適当に言い寄られた男にはまって、簡単にのりかえて、処女まであげて。ただの軽い女だ。」なんて言われるんだろうね。
だけどどうしても遊びとは思えない。
だって元々が遊びから始まった関係だから。
ゲームの時とはまったく違う堕.威。
人ってこんなに変わるもんなんだ・・・。
私、また堕.威にはまっていくよ・・・。
堕.威の耳元に漏れる声が、苦痛から快感に変わっていくのが自分でも分かった。
硬い物が壁をなぞる快感と、先端が突き刺さる快感。
ついさっき手で慣らされた私は、既に限界が迫っていた。
堕.威のでイきたい・・・。
「堕.威っ・・・!私っ、もうっ・・・んっ!」
「先にイってええよ。その替わり、ええ声聞かせてな?」
堕.威はよりいっそう動きを速めた。
体の内側から広がる快感。
今までとは度合いが違う。
聞かせようなんて意識しなくても、勝手に声は上がる。
一瞬にして頭は白く染まり、無意識で堕.威の名前を叫んだ。
この人で本当に本当に良かった。
白く染まった頭に徐々に色が戻っていく。
力の抜けた体を、再び堕.威に預けた。
「気持ち良かった?」
「・・・うん。」
「悪いけど、もうちょい付き合ってな。」
堕.威はやっと私を押し倒した。
繋がったまま、再びキスの雨を降らせる。
今度は唇に。
私は堕.威のペースに従った。
唇が離れた時、私はニヤニヤと笑ってしまった。
「何笑っとんの?」
「こんなに、優しいと思わなかったから。」
「どういう事?」
「もっと強引で乱暴だと思った。」
「ホンマは乱暴やねんで。でもそれは遊びの場合な。本命にはそんな事出来へん。相手の事一番に考えなアカンやん。」
全てが愛しくて、今度は私からキスの雨を降らせる。
執拗にいやらしい音を奏でて。
このドキドキ感は、いつまでも続いてほしい。
この先もキスをしてくれるのが、ずっとこの人でありますように。
「うん、上手なったな。」
私の髪を撫でて笑ってくれるのが、ずっとこの人でありますように。
堕.威は再び動き出した。
さっき絶頂を迎えたばかりだというのに、懲りずに私は声を漏らす。
もっと堕.威の色に染めて。
堕.威なしじゃ生きられないぐらいに。
今までの私を全て忘れさせて。
私を守るように覆い被さる堕.威の呼吸が早くなる。
「nanaっ・・・!」
これからもずっと、その名前だけを呼んでね。
堕.威自身が引き抜かれ、私は痛みの残る下半身を感じながら、乱れた息に踊らされていた。
何かおかしい。
くるべきモノがこない。
過去の男達が振り撒いていったあの温かいモノが。
ぼんやりと目を開ける。
すると自分の液を掌に撒き散らした堕.威が映った。
私は体を起こす。
「何で私にかけないの?」
「だってnanaの事汚したないやん。」
我慢しきれず噴き出してしまう。
どこまで優しいんだかこの人は。
私は白く染まった手を自分の胸に誘導した。
全てを拭き取らせる。
掌の替わりに染まった胸。
「これでいいんだよ。堕.威のなら汚れたなんて思わないから。」
「そっか。ありがと。」
「こちらこそ。」
私達はまたキスをした。
「なぁこれ見て。」
そう言って堕.威が指差したのは私の腰元。
体をずらすとシーツに赤い模様が出来ていた。
それは紛れもない『初めて』の証。
出会ってから初めて見る程の優しい笑みで堕.威は言った。
「これ俺と同じ色やんな。」
私達のゲームは終わる。
だけどここからまた新しいゲームが始まる。
それは恋愛という新しいゲーム。
ねぇ、もっともっと堕.威の色に染めてね。
もっと素敵なゲーム2人でしていこうね。
堕.威編以上です。
毎回長ったらしくてすみません。
最初は連作にするつもりは全くなかったんですが、ここまできたら残り2人も制覇したいと思っています。
が、しばらくロムに戻ります。
幾分ネタ切れなのでw
とりあえずは回避完了出来て良かったです。
ゲーム作者さま、乙です!
シリーズの中で今回の話が一番好きです。
色々大変かとは思いますが、残り二人制覇頑張ってください。期待しています。
自分もまた懲りずに書いているので、そのうち投下します。
ゲーム作者様乙です!
私事ですが、敏.弥とnanaの関係に思い当たる節があって泣きました(つД`)
>>73サンのお話もwktkしながら待ってますノシ
あ、なんか書き方微妙…
>>74の、敏.弥とnanaの関係の『ような』経験です、ややこしい書き方&スレ汚しスマソ
作者さんお疲れ様でしたー
私も色々と思い当たる節があって泣きました…
「カ.ー.ユ、もうそれくらいにしときな!」
「俺の酒がまずいって言うんか!?」
「違うけどさぁ・・・」
私の部屋。
愛しいこいつはたまに押しかけてくる。
「酒を飲む」が名目だが、単に寂しがり屋のこいつは一人でいたくないのだ。
それがかわいくて、つい家に上げてしまう私。惚れてるな・・・うん。弱い。
「仕事に響くじゃん。早く帰りー」
「嫌や!奈々は俺のことが嫌いなんか?」
「う・・・」
そう言われると帰せなくなる。
黙って立ち上がり、キッチンに向かう。
せめて胃に優しいつまみでも作ろうと冷蔵庫を開ける。
「ジ.ャ.ン.ヌ.ダ.ル.ク全員集合―!!」奇声が聞こえた。
・・・あの野郎。
「絶対にここには集合しないし、近所迷惑だからやめろ!」と言って部屋に戻ると・・・
酔っ払って服を脱ぎ始めたカ.ー.ユがいた。
「・・・何やってんの?」
「暑い」
「今が10月の終わりだってわかってんの!?」
「俺の肉体を見ろぉ!」
タトゥーだらけの、引き締まった体。
正直、惚れている男の裸を見るのは・・・つらい。
「やっぱ寒いわぁ・・・」と小さく震えているのもかわいい。
呆れて脱ぎ散らかした服を拾い、渡そうと近づいたその時。
カ.ー.ユが飛びついてきた。
「ちょっ・・・何すんの!?」
「ウサギさんはな、寂しいと死んでまうんやで」
「は・・・!?」
潤んだ目でこちらを見る。「ウサギさん」のつもりらしい。
ヤバい。何がって、自分の理性が。
「・・・月に帰って、餅でもついてろ!!」
目を逸らして、何とか答える。
カ.ー.ユの体を突き放す・・・が。
いきなり腕をつかまれ、視界が逆転した。
戸惑っていると・・・
「月には、狼もおるんやで?」
カ.ー.ユの下になりながら、「狼男と間違ってるんじゃないの?」と言う。
明らかに動揺している。この状況をどうしよう・・・
「奈々も脱げばええやん♪」
あっさりと笑顔で言うカ.ー.ユ。
この笑顔に負けそう・・・
負けた。
カ.ー.ユは私の服を簡単に脱がし、肌を合わせてきた。
「これで寂しくないー」
「・・・ウサギに戻ったね」
「俺、ウサギさんやし♪」
体、そんなにくっつけられると限界なんですけど。
本音。ちょっと期待したんですけど。
溜息をついた。
「どうしたん?」
かわいい目で見てくる。ああ・・・
「カ.ー.ユってさあ・・・触れられるんだったら誰でもいいの?」
率直に聞く。お互い裸という状態での間抜けな「告白」に近い。
答えによっては、自分が傷つくの知っている。
「奈々やから、ええの」
問い返そうとしたその時。
カ.ー.ユの手が、私の体を滑り始めた。
「ん・・・っ」
「奈々の近くにいると安心するし。
こうやって触ってるだけで気持ちいい・・・」
すぐ側に瞼を閉じた、カ.ー.ユの顔。
思わずその瞼に口付けた。
「奈々・・・?」
「もっと、気持ちよくしてあげようか?」
壊れかけた理性。
かわいいこの人を、乱したい。壊したい。
とっくに自分から脱いで露わになっていたカ.ー.ユ自身に手を添える。
そっと撫でる。
「う・・・奈々?」
黙って、手を這わせ撫で上げる。
全体を優しく撫で、先端を扱く。
快感に溺れ始めているカ.ー.ユの顔を見ていると、私のソコも濡れてくる。
そのまま顔を下ろし、カ.ー.ユ自身の先端に口付けた。
「・・・っ」
彼の声にならない声が聞こえる。
その声に誘われるように、カ.ー.ユ自身を口に含んだ。
丁寧に舐めあげると、徐々に固さと体積を増していく。
そのモノの吐き出す苦さですら、愛しい。
―――そろそろかな。
そう思って口を離した。
カ.ー.ユを見る・・・快感で力が抜けた表情。
―――かわいい。
「ねえ、次どうして欲しい?」
かわいいあなたが悦ぶ顔を見るためだったら、何でもしてあげる。
そっとカ.ー.ユの肩に手を乗せた。抱き寄せられる。
「もっと・・・近くに来て」
その言葉で、きつくカ.ー.ユの体を抱きしめる。
カ.ー.ユの指が私の腰を伝う。
「・・・!あぁっん!」
既に濡れた秘部に指が達すると、ソコは卑猥な水音を立てた。
「奈々もいっしょやん」
「・・・っ!どういう意味・・・?」
「俺といっしょ。したくてたまらんのやろ?」
無邪気な笑顔が、私を誘う。
「ゆってしまえば楽やでー?」
―――ヤバい。
返事の代わりに、カ.ー.ユを押し倒した。
「奈々?」
「カ.ー.ユが欲しい」
そう言って初めて彼の唇に口付けた。
体を起こし、ソコにカ.ー.ユ自身をあてがう。
ゆっくりと沈めた。圧迫感が私の感覚を支配する。
カ.ー.ユの荒い息が聞こえる。私は声を押し殺す。
腰を揺らす。すぐに限界が近づく。動くのがつらくなる。
「腰、止まってんで?」
「うぅ・・・続きはカ.ー.ユがしてよ」
思わず出た言葉。嬉しそうなカ.ー.ユの顔。
「覚悟しろや・・・」
体の位置を逆転させて、彼も私も腰を激しく揺らす。
出し入れの度に卑猥な水音がし、部屋には体がぶつかり合う音とお互いの喘ぐ声が響く。
先に逝ったのは私の方。
体中に響く快感と、カ.ー.ユの無邪気だけれど妖艶な表情と。
・・・負けたのは、私。
程なくして、カ.ー.ユもかわいい呻き声を上げて果てた。
――――――――――
「何か・・・変なことしちゃってごめんね」
理性が戻って、嫌われるのが嫌で謝る。
「それ、こっちの台詞や。
奈々は、俺のこと嫌わんとって。俺から離れんとってな」
体をくっつけて言ってくる。
もうアルコールの気配は消えている。
「俺、寂しいとか以前に好きやから、奈々にはずっと側にいて欲しい。
奈々と離れるとか考えたら寂しくて死んでしまいそうや・・・」
―――私の負け。
―――離れられないのは、私の方だから。
以上です。
最近シリアスなものが多いので、アホなものを書いてみたくなりましたw
笑っていただければ幸いです。
新スレだし、活性化を願って。
テ.ツ投下します。
設定:テ.ツと繋がる事に成功。
連絡を取り合っていてたまに会うことはあるものの、身体の関係はなく今夜が初めてという感じです。
午前0時を過ぎた東京。
私は今、都内のある場所にいる。
身に纏っていた衣服を脱ぎ、下着だけという姿でベッドサイドで向き合う男と女。
此処には私と彼しかいない。
カーテンから差し込む月明かりだけが私達を見ている。
身震いをしたら、怖い?と聞かれ。
怖いんじゃなくて寒いだけ、と言い返したら笑われた。
季節の変わり目はふいに来る寒さがある。
でも、それだけじゃなくて、本当はきっと怖いんだと思う。
こんな事初めて。
誰にも言えない秘め事。
薄暗い天井を仰ぎ視界に広がるのは、ルームランプのぼんやりとしか明かり。
絡まる指に少しだけ期待している。
「nanaの手は小さいね、女の子って感じがする」
「手ってその人の事を表してると思うの、私の場合は小心者って所かな…」
「じゃあ俺は手はどうなの?」
「…テ.ツさんの手………綺麗で大きくて魅力的、ベースを愛してる手かな。」
左手だけ指を絡めたまま、右手で私の顔に触れる。
優しく頬を撫で、人差し指で耳をなぞってゆく。
触れられる度に感じる違和感は嘘じゃない。
だけどそれを吹き飛ばすように私は彼を呼び捨てにする。
「テ.ツ…」
彼の名前を呼び、瞼を下ろすと唇と唇が触れ合った。
想像していたより柔らかくて甘くて、何度も何度も角度を変えキスを繰り返した。
「可愛い、nana。」
「テ.ツは目がエロくなってる……」
クスクス笑いながら再びキスを繰り返し、テ.ツは次第に私の下着をはいでいく。
瞼にキスを落とされ、テ.ツの指と舌が私の肌を色付けていった。
「ねぇ、nana目を開けて。見てごらん?」
吐息を漏らしながらおそるおそる目を開けるとテ.ツがまっすぐに私を見ている。
彼に触れていた指を彼は自分の口元へ、そして甘噛をして指先を舌でなぞる。
「あっ…テ.ツ……」
「nanaの指、可愛いから食べちゃいたいよ」
私の目は彼の目から逃れられず、甘い息もどんどん漏れていくのと一緒に羞恥心が込み上
げてくる。
指先からテ.ツの毒が染み込んでいるかのように、指先からしびれていく。
「ダメ、恥ずかしい…テ.ツ…」
「駄目じゃないでしょう?ただnanaの指を軽く噛んだだけなのに」
微笑みながらも私の目をとらえて離さないテ.ツに欲情する。
彼の硬くなった雄が当てられた腿は彼の雄が脈打つのも感じ、私の中から欲が満ち、潤う
のがわかった。
「nana、どうして欲しい?ちゃんと言わなきゃわからないから、正直に言ってみて?」
「…テ.ツに愛して欲しい」
その言葉が合図かのように、それからは吐息とお互いを煽る言葉だけで時間をかけて愛撫を続けていっ
た。
顔中、体中にキスを落とされ、私もテ.ツに沢山のキスをした。
体をすりあわせるようにしながら秘部にテ.ツの指が滑り込み、彼を跨いで雄を夢中で口
に含んだ。
ノドをしめながら吸い、裏筋をなぞるとテ.ツの指の動きが少しだけ遅くなった。
「テ.ツ、このままじゃイッちゃうよ…」
「いいよ、nanaのイクときの声聞かせて」
「イヤ、テ.ツのでイキたい…」
テ.ツは私の秘部から顔を離す事はなくて、急速に熱くなる体を制御出来なかった。
「…んっ…イク…いやぁぁっ…」
舌と指で弄ばれ、あっけなく私はイッてしまった。
「ふふ、イッちゃったね。どんどんnanaのやらしい液が溢れてくるんだけど」
体を反転し、再び上に覆いかぶさったテ.ツがニヤニヤ笑ってる。
「恥ずかしい事ばっかりするんだから、もう」
快楽と恥ずかしさで顔が真っ赤だ。
「テ.ツ? えっ、んんっ…」
顔を背けようとすると、突然テ.ツの雄が私の体内に入ってきた。
私を侵食していく彼がたまらなく愛しい。
下腹部がぶつかり合う音。
しっとりした水音。
子宮から全身にか駆け巡る感覚。
声にならない快楽と言葉に出来ないテ.ツへの気持ち。
いつの間にかそれを物語爪痕をテ.ツの背中に残した。
そして私の頭の中は白く白くスパークしていった。
「あーあ、爪痕残してくれちゃって。お風呂しみるし楽屋で着替えしづらいな」
「ごめんなさい…気持ちよすぎて変になりそうだったの」
背中を私に見せ笑いながらテ.ツが横目でも訴える。
「nana、結構前から手紙くれてたでしょ?」
「? うん、そうだよ。少しでもいいから気持ちが伝わればいいなぁってずっと手紙書い
てたの」
「変わらず応援してくれてて、嬉しかったんだ…。くれた写真見てからライブでnanaを
ずっと探してた」
テ.ツに後ろから抱きしめられながら私は彼の言葉を聞いていた。
「nanaに下手に連絡したり会ったら、ファンに見つかってnanaに嫌がらせするかもしれな
い」
「nanaに迷惑かけたくなくて、会いたくても会えなくて。でもnanaに会いたいって気持ち
は抑えられなかったんだ」
テ.ツから聞かされる言葉は呪文のようで、テ.ツの優しさがつまっていて泣きそうになっ
た。
「嫌がらせとかそんなの、テ.ツから連絡きたときから覚悟してたよ」
「nanaと連絡するようになってから、nanaの事が好きになっちゃったから。」
「中にはタチの悪いとかいるからね…。本当に凄く悩んだんだ」
テ.ツは本当に私の事を考えてくれてる。
何回か会ったけど、Hするのは今日が初めて。
ホテルは行った事無いし、テ.ツの家でも私の家でもそういう発言さえしなかった。
連絡をとるようになってから4ヶ月、手も繋いでなかった。
「…じゃあ、これからもここに居ていいの?」
「俺がnanaを守るから。」
このあと、私がテ.ツに泣きながら抱きついたのは言うまでもない。
END
初めて書いたのでとても拙い文で、誤字脱字があるかもしれません。
そのあたりは見逃して下さい。
活性化に少しでも貢献出来たら、と思ってます。
両作者さん乙です!
>「ジ.ャ.ン.ヌ.ダ.ル.ク全員集合―!!」
ちょwww懐かしすぎだからwwww
両作者サソ乙です!
作者さん皆さん乙です!!
全員傾向が違って面白いです
前スレで出た「一部の携帯から閲覧できない」件については未解決です。
アップしているファイルそのものは管理人のUSBメモリに入っているので、
サイトの設定が管理人の能力に依存しない鯖に慎重にファイルを置くことを計画中。
現在、場所探しをしています。(自動で全てをやってくれる鯖は厨に見つかりやすいので慎重に・・・)
何とか2代目までの作品のほとんどを載せることができました。(作品数77)
Free(特定の麺の表記がない)作品はこれから少しずつ載せていきます。
また見逃している作品については、これから暇をみて確認していきます。
リアルの生活が少し忙しくなりそうなので更新頻度が落ちそうです。
全作品が載るまで気長に待っていてください。
毎度毎度お疲れ様です!
どなたか多様で書いてくれないかなぁ。。。
100
前スレが落ちてゲームが読めないので優先でのせていただけないでしょうか?
浅.葱&涙.沙もお願いします。
ここは華麗に?
スルーー!!
まとめ管理人さん乙です
携帯版も更新履歴に何を更新したか書いてくれると嬉しいです
作品数だけだと、どの作品をうpしてくれたか分からなくて…
トップじゃなくて別ページという形でもいいのでよろしくお願いします
カノ、マ投下します。前に書く宣言してそのままだったので。
カノ、マとの出会いはライブの関係者席。
友達に連れられてきたもののその日はあまり気分が乗らず、わたしはアルコールばかりとっていた。
「よく飲むねー。」
そんな時に話しかけてきた“いかにもバンドマン”な彼。
「そういう女、俺大好き。」
まさかそんな出会いで本気の恋愛なんて期待できないから、付き合いが始まっても、会えなくて寂しい時には不安になる前に他の人と過ごして。
疑われてるなんて少しも思ってなかった。
だからいきなりの、不意打ちの言葉
「何その首の痕。キスマークだよね?」
に思いきり騙されてしまったのだ。
時間が出来たからと急に遊びにきて、部屋に入った途端のその問いかけ。
(!!!うそ!やばい!バレたバレた!??)顔から血の気がひくのがわかった。左手で首筋を押さえながら、
(え?あれ?でもキスマークなんてつけさせてないはず…さすがにそこは、気をつけてるし…なぁ…)
そこまで考えて顔がこわばるのがわかる。
そしてカノ、マの鋭い瞳。
試されたんだと今さら気付いてももう遅くて、
突き刺さる視線。
ごまかせる、あやまる、もしくは言い訳の為の一瞬の隙もなかった。
「…何だよその手。……別に何もついてないよ」吐き捨てる様に言ったカノ、マの歪んだ口元に、ショックを受けているのが見てとれて、わたしはますますパニックになる。
言葉なんて出ない。
「そっか…。」
「まさかとは思ったんだけどな…」
「俺が悪いのか……?」
呟くカノ、マを見上げられない。
確かに寂しかった。
それに、カノ、マがきっとそうである様に、わたしも遊びのつもりだった。遊びのつもりでいたかった。
カノ、マが本気なわけないから、わたしも違う。本気にはならない。
そう思ってたのに…
「来いよ」
腕をつかまれバスルームに連れていかれる。
「え!待って待って!何?…何するの!?」やっとの思いで声を出しても、それには答えずカノ、マはシャワーの蛇口を思いきり捻るとわたしに浴びせた。
「!?…やっ!冷たいっ!やめて!」
まだお湯になっていないシャワーが冷たい。「冷たいってば!」
「いいじゃん、俺とは遊びなんだろ?じゃあこういうのもありだよね?」
わたしを見下ろしながら、カノ、マは淡々と言う。
お互い服を着たままシャワーでびしょぬれ。
カノ、マのキレイにセットしてあった髪も、わたしのメイクもぐちゃぐちゃだ。
「愛してるよ。」冷たい目と棒読みの台詞。
そこからカノ、マのわたしへの失望が伝わってきて抵抗も出来なかった。
浴槽の縁に力なく腰掛けてしまったわたしを無理やり立たせるとシャワーの真下の壁に手をつかせる。
濡れて重たくなり、足にまとわりつくワンピースの裾を持ち上げると下着を下げ、いきなり指を入れてくる。
まだ少しも慣らされていないそこは痛いだけで、わたしは体を固くして目を瞑った。
「…痛い?」
「まぁいいや、俺に顔見えないしね。」
そう言いつつも指はわたしのいい場所を刺激し始める。
「…ぁ。」思わず漏れてしまう声に
「俺以外にもさ、その声聞かせたんだよね?」「そうだよね?」「俺より良かったの?」「答えられないの?」浴びせられるシャワーとカノ、マの言葉。
感じる場所を刺激されても、いつもと違う、キスすらない行為。
泣いてもどうにもならないし、息もうまくできない。
「…ほんとは殺したいくらいだよ」
最後にぽつりと言うといきなりカノ、マが入ってくる。
「ん、あぁっ。」腰をひきよせられ、左足を持ち上げられて不安定な格好になる。支えになっているのは繋がっている部分。
「…奥が気持ちいいんでしょ?」シャワーはいつのまにか止められていて、バスルームにカノ、マの声が響く。
「どんな気分?浮気がさ、バレて俺にこうされてんのは。…それとも俺の方が浮気なんだっけ?」
ファスナーを下ろされ、無防備な背中に口付けされて。
ぞわっと鳥肌がたつ。
「あぁぁっ」わたしは今がどんな状況かも忘れてあえぐ。
腰をつかんでいたカノ、マの両手にいつしか力が入って、
意識が飛ぶほど突かれた後に、背中にかけられる白い液体。
そのまま体が離れて、お互いしばらく座り込んでいた。
無言のままカノ、マが立ち上がるとわたしの腕をひっぱり立ち上がらせる。
今度はちゃんと温かいシャワーをかけてくれる。そのお湯の温かさに涙が止まらなくなって、わたしは両手でずっと顔を覆っていた。
ポタポタと水を滴らせながら2人でバスルームを出ると、部屋は明るくてまだ昼間だったんだなぁと変な気分になる。
カノ、マはいつもの調子で勝手に引き出しを開けるとバスタオルを出してわたしにかける。
そしてまた無言の時間。
「何やってんだろうな…」
ポツリと呟くカノ、マはさっきの饒舌さとはまるで別人だ。
「でもさ、」
「俺はお前をまだ愛してるんだよな…」
床に足を投げ出し座り込んで、立ったままのわたしを見ようともせずに言葉を続ける。
「だからさ、2度めは多分許さないよ…」
その声がどこかぼんやり響いて、
…聞き間違え?
そう思ったけど、
気付いたらわたしは思いきりカノ、マを抱きしめていた。
「……どう考えたって、泣きたいのは俺の方だろ?」
そう言いながら、カノ、マの左手がわたしの体に回される。
以上です。
エロ少ない上に温くてすみません。
乙でした!
何か好きだわこの話。
作者様乙です!雰囲気あって凄い好きです!
逆にエロ少なめなのがいいです!
作者さん乙です!
すごく綺麗な文章ですね。
ストーリーもすごく良かったです!
作者さん乙です!
>>104 レスが遅れて申し訳ないです。
最新の更新情報をTOPに持ってきて、それ以前の更新履歴を別ページに置くことにします。
それと一部の携帯でサイトが表示されない問題についてですが、入り口を作り変えました。
http://090.info/vvnovelmobile/ これで駄目なら、管理人の技術力に依存しない所でもう一つ作ります。
以下、これから工事していきます。
・携帯サイトの更新履歴の改善。
・現行の携帯サイトは目次で麺ごとに分けているのですが、盤ごとに分けてリンクも修正します。(量が増えて面倒なことになっている)
・PCと携帯の両方に「ありそうな疑問と答え」的なものを作成。(サイト運営の方針の明示)
118 :
104:2006/11/04(土) 19:35:45 O
>管理人さん
嬉しいです。
お手数おかけしますが、よろしくお願いします。
作者さん乙です!
報われないカノ.マがリアルでおもしろかったです。
120 :
悠.希:2006/11/05(日) 22:14:04 0
人.木各.ラ.ヂ.オ.の悠.希投下。
悠.希はバンドマンをやめてサラリーマンだったりフリーターだったりする設定ですw
雷ちゃんは悠.希の後輩で、Nanaはバンギャルでリスナァだった設定ですw
無理矢理感が否めないですorz
ではどうぞ。
121 :
悠.希:2006/11/05(日) 22:15:43 0
「お、Nanaじゃん?久しぶりー。」
暇つぶしに、と街を1人でぶらぶらしていたら見覚えのある顔に声をかけられた。
「・・・悠.希・・だよね?」
「そーだよ。なに?俺のことわすれたの?w」
忘れるわけがない。
むかし同じ職場で働いていた、想いを告げることのできないまま離れてしまった好きな人。
あれから1年が経とうとしているけれど、私はまだ悠.希のことを忘れられないでいる。
「忘れるわけないじゃん!久々すぎてびっくりしたよー。」
「ほんっと久しぶりだねー。最近どーよ?飲みにでも行かない?」
122 :
悠.希:2006/11/05(日) 22:16:50 0
飛び上がりたいほどの嬉しさを押し殺して、私はその誘いにのった。
飲みに行くところはむかし2人で行ったことのある居酒屋。
久しぶりに会ったおかげで、近況を話したり、と話が弾む。
ほどよく酔いが回ってきたころ。
「むかしさ、一緒に働いてたじゃん。俺さー、Nanaのこと好きだったんだよねー。」
「・・・」
驚きを隠すこともできないけれど、それって過去形なんだよね?
何を言えばいいか、わからない。
123 :
悠.希:2006/11/05(日) 22:17:50 0
「・・・ホテルでもいこっか?ww」
黙りこくった私に痺れを切らしたのか、悠.希がふざけた口調でいつもの冗談。
今日が終わればまた悠.希のいない生活に戻るんだ。
だったら悠.希を刻み付けてほしい。
私は悠.希の問いかけに静かにうなずいた。
悠.希は一瞬驚いた顔をしたけれど、それには気づかないふりをして。
会計を済ませて、暗い道を2人で歩く。
適当にホテルを選んで、部屋に入ればすぐに服を脱がされて。
124 :
悠.希:2006/11/05(日) 22:18:35 0
首筋にちゅっちゅっと音を立てて唇を押し付けられる。
くすぐったさに身をすくめても、悠.希は私の手首をシーツに縫いつけていて、抵抗にもならない。
唇は次第に胸元へ降りてきて、突起を啄ばむように愛撫される。
悠.希の唇が私の身体に触れているかと思うと、たまらなく嬉しくて。
でも、愛のない行為だと思うと、たまらなく切なくて。
蜜にまみれたナカに指を入れられた途端。
「やっ・・・!!」
痛みに耐えられなくて拒絶の声をあげてしまった。
「Nana・・・初めてだよね・・?」
私は何も言わずに顔を背けるしかなくて。
でもそれは認めることと同じで。
125 :
悠.希:2006/11/05(日) 22:19:52 0
悠.希は私の頬に1つ、キスを落とすと秘部に顔をうずめた。
「やだっやっ!!」
「大丈夫。絶対痛くしないから。」
そう言うと悠.希は舌で敏感な突起を舐めまわしたり、ナカに舌を入れたり、恥ずかしいことばっかり。
「やぁッ・・・ん・・はぁッ・・悠.希ッ・・」
「あーだめ。もうだめ。その声ちょーそそる。」
悠.希は私の手をギュッと握ると、ゆっくりと体内に押し入ってきた。
126 :
悠.希:2006/11/05(日) 22:21:29 0
「・・ひッ・・・んッあぁッ・・・」
「・・・もうちょっと頑張って。」
「んぅッ・・はぁッ・・・・ああぁッ!!」
「よし。いい子いい子。」
「悠.希ぃー・・・」
名前を呼べば、抱きしめてくれる悠.希がいて。
悠.希に必死でしがみついて、その後の律動と快感に耐えた。
127 :
悠.希:2006/11/05(日) 22:23:22 0
いつの間にか意識がなくなっていた私は、
気がつけば綺麗になった身体で悠.希と同じベッドに横たわっていた。
「お?おはよーん。」
「ねぇ、悠.希さ、」
「ん?」
「『好きだった』って言ったけど、いまはもう好きじゃないの?」
あぁ、これじゃあただのウザイ女だ。
「好きだからヤッたんじゃん。でもいまさ、雷と付き合ってるんでしょ?
だから過去形にして言ったんだけど?」
128 :
悠.希:2006/11/05(日) 22:25:00 0
「・・・は?」
「え?」
「雷くんと付き合ってませんけど。」
「え?」
「私さ、悠.希のことずーっと前から好きなんだけど。」
「・・・」
「・・・」
2人してどうしていいかわからないみたいで。
しばらくして、やっと悠.希が口を開いた。
129 :
悠.希:2006/11/05(日) 22:27:00 0
「・・・なんかさ・・2人して時間無駄にしてるよね・・・。」
「・・・まぁいいんじゃない?w」
「んーじゃあ付き合おっかー。」
「そうだねー。」
軽い冗談みたいに、付き合うことになった私と悠.希。
内心は、喜びに溢れている。でもなんか悔しいから表に出してやんない。
「・・・Nanaの初めてももらっちゃったことだしねぇw」
「うっせ黙れ前歯。」
お粗末さまでした。
久しぶりの投下でしたが、書いていて楽しかったです。
ありがとう前歯。
投下乙です!
「うっせ前歯」ww
悠.希本命なのでかなり萌えました
もしまた投下するつもりでしたら楽しみに待ってます!
作者様乙でした!
ラストの台詞ワロスw
作者さん乙です!
前スレの好きな作品の作者さんな気がしました。
機会がありましたら、また投下してください!待ってます!
・・・にしても「前歯」w
もう前歯愛しすぎる!
作者さん乙でしたー
作者さん乙です!
どなたかシ.ャ.ラ.ク.お願いしたいです
age
保守
どなたか結.生お願いします
クリスマス物にはまだ早いよね?
全然早くないお!!
浅.葱投下します。
一応教師物兼クリスマス物です。どんどん逸れますが。
D麺は当分書かないつもりでしたが、遠征の移動時間に冗談っぽく書いていたらこんなのができたので・・・許してください。
めちゃくちゃ長くて投下に1時間ほどかかると思います・・・
「大事なことは、いつもクリスマスだね」
とあなたは言った。
――――――――――――――――――――
1
【1度目のクリスマスの話】
少しだけ体に残るアルコール。
「クリスマスイヴ=恋人達が一緒に過ごす日」だけれど、「=日本一合コンが行われる日」でもある。
彼氏なしの私は、他校の遊び友達に誘われて合コンに出ていた。
でも、つまらないのばっかだった。
だから男の話をかわして適度なところで切り上げて、友達と憂さ晴らしの名目で飲んだ。
その帰り。
「奈々―。大丈夫?」
「・・・うん」
実はアルコールは少し苦手。
でもそんな所は見せたくなくて。はしゃいだ態度を心がける。
笑顔で友達と別れて帰路に着く。
少し歩くと、体の力が抜けてきた。道の隅に座り込む。
気分を変えようと、バッグからタバコを取り出して火を着けたその時―――
「何してるの?うちの生徒だよね?」
顔を上げると、そこにいたのは確かに私の通う高校の教師だった。
「・・・人違いですよー?」
夜遊びだけならまだしも、お酒を飲んだ帰りで手にはタバコ。
バレたらどうなるかは目に見えている。
この教師は私のクラスの授業を担当していない。私のことをはっきりとは認識していないだろう。
だから、誤魔化せると思った。
「いや。1年E組の―――」
簡単に私の苗字と名前を言い当てた。
ここまで来るとシラを切れない。最後の手段。
「・・・先生。一緒に遊ばない?
私、先生と遊びたいなぁ」
中学の頃からこの手段で乗り切ってきた。
かわいくこう言って適当に愛想を振りまくだけで、このくらいの年齢の男性教師は簡単に騙せる。
だけれど、彼の反応は今まで私を捕まえようとした教師達とは違っていた。
「俺は騙されないよ。
それと、こんなことは君のためにはならない。
15や16での飲酒は体に大きなダメージを与えるし、タバコは良いことは何もない。
喉に影響を与えるし、肌は荒れる。
男に愛想を振りまくことは、君の価値を大きく下げる」
意外だった。
この手のお説教は、「校則」や「法律」や「世間」の後に来るのが決まり。
そして最後の文句は初めて聞いた。
「あんた・・・何な訳?」凄んでみせる。
でも・・・体の力が抜ける。アルコールのせい・・・
目の前の人が顔色を変えた。
「・・・大丈夫!?」
「う・・・」
結局、家まで送ってもらうことになった。
―――教師に送ってもらうなんて格好がつかない。
そう思う。
でも、一人で帰ることができないのは明らかだ。
電車の中で、この教師は様々なことを話した。
クリスマスとイヴは教員が繁華街を見回っていること、私の校則違反が甚だしく教員の間では有名であること。
彼は生徒を無駄に縛るだけの見回りの意味や学校の体制に疑問を感じていること、飼っている猫の話。
・・・説教はもうなかった。
時折、支えられながら歩く。
何とか家までたどり着いた。
「・・・ありがとうございました」ばつが悪く、俯いて言った。
そのまま玄関の扉を開ける。
閉めた後、窓から外を見た。
丁度、玄関の前から体の向きを変えて歩き始める彼の姿があった。
【高校1年3学期の話】
始業式が無事に終わった。
結局、私はイヴの件で呼び出されることはなかった。
理由は全くわからない。
あの教師は浅.葱といった。
生物教師で、女(女子だとか女の子なんてガキっぽい呼び方しない)に人気があるらしい。
確かに、雰囲気が他の教師とは違う。
よく見ると、整った顔立ち。穏やかな笑顔。口数の少ない落ち着いた態度。低くて甘い声。
・・・私には関係ない。
でも、あの日の誰とも重ならない言葉や表情が忘れられない。
廊下ですれ違う時も、つい凝視してしまう。
私は学校によく遅刻する。ちなみに行かない日もある。
今日も駅から学校までの道をのんびりと歩いていた。
影から、小さな声が聞こえた。
「猫―――?」
汚れた子猫だった。
痙攣している。まるで悲鳴を上げるかのように、かすかな声で鳴いている。
「どうしよう・・・」
このあたりに動物病院の心当たりはない。
迷った末、学校の保健室に連れて行った。
だけれど、追い出された。「捨ててきなさい」と。
でも捨てられない。
迷った末に思い出した人。
あの日、猫の話をしてたっけ。生物の先生だし・・・もしかしたら。
私は生物教員室に走った。
あの日の彼―浅.葱先生―がそこにいた。
「どうしたの?」
いきなり入ってきた私を見て、訝しげに彼は言った。
「猫・・・」としか言えず、そのまま箱を彼に差し出した。
彼の表情が変わった。
「わかった。
俺はもう午前中は授業がないから、この子を病院に連れて行ってくる。
君は教室に行きなさい。
・・・大丈夫。助かるから」
そう言ってコートを着て、箱を抱えた。
一緒に教員室を出る。
そのまま反対方向に彼は走っていった。
帰りのホームルームが終了して、机と椅子を掃除のために後ろに下げる。
その時、担任から声をかけられた。
「浅.葱先生が呼んでるから、すぐに生物教員室に行きなさい。
・・・お前、今度は何をやったんだ・・・」
――――――――――――――――――――
「失礼します」
普通に教員室に入る。
教員用の机に向かって何かを書いていた浅.葱先生が顔を上げた。
「あの子、助かりそうだよ」
笑顔で言った。
説明によると、見た目の割に深刻な状態ではなかったらしい。
明日の帰り、いっしょに病院に迎えに行くことになった。
猫は昨日の状態が嘘のように元気になっていた。
その様子を見て本当に嬉しそうに笑う浅.葱先生を見て、胸が疼いた。
帰り道。
「うちで飼おうかな・・・」
昨日、親にも相談した。
ちゃんと世話をするなら、とあっさりと了承を得た。
「そう。うちで飼おうかと思ってたんだけど。
でも、あんなに心配してくれる飼い主だとこの子も幸せになれそうだね。
わからないことがあったら何でも聞いて」
話す言葉に、あの日の影が重なる。
子猫を抱いて言ってみる。
「この子がいるから、もう夜遊べないな」
「その方がいいね」
「ねえ・・・どうしてイヴの時、捕まえなかったの?」
一瞬の沈黙の後。
「そうすることが君にとって意味があることじゃない気がした。
それに、そういう子に・・・悪い子に見えなかったから」
今度はこちらが黙る番だった。そして、
「先生―、ちゃんと仕事しましょうよぉー」笑って返した。
2月。
学校の帰りに街を歩くと、バレンタイン前の景色。
毎年、女の子同士でチョコを交換する・・・でも皆、その裏でこっそり好きな人に渡していたり、義理チョコをばら撒いていたりする。
なんだか馬鹿馬鹿しくて、私はいつも「関係ない」と言いながら女の子達の裏を観察している。
でも、そんな私が売り場を真剣に見ている。
理由は簡単。
今日の昼休みに廊下で、「絶対に浅.葱先生にチョコ渡す!」と騒いでいる集団がいたから。
―――簡単すぎて、嫌になる。嫉妬してるみたいじゃん。
嫉妬・・・?
――――――――――――――――――――
2月14日。
昼休みに友達手作りのチョコを食べた。
浅.葱先生には渡していない。
周りの浮き立った空気が私を苛立たせる。
さて。どうしよう。もう、今日が終わる。
考えて、5時間目と6時間目の休み時間を狙うことにした。
10分休みというのは、生徒は教室移動やクラスの友達とのお喋りに使う。自分のクラスで授業があった教員以外にチョコを渡している場合じゃない。
そして、生徒と違って教員は授業のない時間帯がある。
それにこの時期は3年生の授業はもうない。授業数は減っているから、浅.葱先生を捕まえることができる可能性は高いはず。
5時間目終了後、生物教員室まで走った。
「失礼します」
上手い具合に、教員室には鉢植えの薔薇の剪定をしている浅.葱先生がいた。
「・・・あれ?どうしたの?」
「えーと」
元々うちの学校は生物の教師が少ない。
少ない上に理科の教師というのは、授業以外の時間は教員室以外でおかしな行動を日常的に取っている人が多い気がする・・・
そのせいか、浅.葱先生以外いない。
・・・と。渡さなきゃ。
「これ・・・この前の猫の件のお礼と・・・イヴの時の口止め料です」
「口止め料って・・・何?」呆れたように言われた。
「・・・紅茶です」
チョコなんてありきたりだから、浅.葱先生の好きそうな紅茶にしてみた。
だって、チョコは沢山貰ってるはずだから・・・
その小さな包みの外観だけでわかったのだろうか。「あ、俺の好きなの」とぼそっと呟いた。
「それと・・・」
「?」
携帯の画面を開いて、子猫の画像を見せた。
「この前の子だね!元気そうでよかった・・・」
「凄い甘えん坊なんですよー。いつもくっついてくるんです。寝る時も一緒」
「そうなんだ。名前どうしたの?」
「ルイ。母に男の子なのに女の子に間違われたから、中性的な名前にしてみたんです」
「似合うね・・・」
幾つか続けて画像を見せた。
その度に緩んでいく浅.葱先生の表情を見ていた。
ふと時計を見ると、もうそろそろチャイムが鳴る時間だった。
「いかなきゃ!・・・先生、またね・・・また、ルイちゃんの画像、持ってきます!」
「うん・・・ありがとう」
入り口まで来ていた私は立ち止まって振り返る。
「何が・・・?」
プレゼント?画像?それとも・・・?
「紅茶とルイちゃんと、君の気持ちと」
浅.葱先生の顔を見る。
「私の気持ち・・・?」
「感謝してプレゼントを渡す、その気持ち。
『感謝する』ということは大事だよ」
・・・なるほど。
「それと、誰かを想うこともね」
問い返そうとしたその時、チャイムが鳴った。
【高校2年2学期の話】
藁半紙のプリントを取って、ホッチキスで綴じる。
これで「修学旅行のしおり」の完成。
修学旅行なんてつまらないと思う。やたら堅い観光。楽しみなんて夜くらい。
・・・だと思っていた。綴じたプリントの一枚を見るまでは。
引率の教員の一人に浅.葱先生がいることを初めて知った。
だからどうということもないけれど。
でも、少しだけ嬉しい。
――――――――――
バレンタインから、浅.葱先生と猫の画像を送り合うようになった。たまに関係のない話もする。
猫以外の話をすることで少しずつ距離を縮めようとするけれど、その度にはぐらかされる。もどかしい。
「修学旅行、来るんだったら言ってくれれば良かったのに」
「知ってると思ってたし。それに言うほどのことじゃないしね」
電話。顔を見ないと、ついタメ口になってしまう。
「・・・先生の部屋、遊びに行っていいですか?」今度は生徒っぽく聞いてみる。
「駄目だよ。自分の部屋でいい子にしていなさい」
「『いい子』って・・・子供じゃないし」
「子供だよ。大事な生徒」・・・生徒。
「・・・どうしたら、先生と同じ大人になれる?」
会話が止まる。電話の向こうから溜息が聞こえた。
「それで、彼が・・・」「えーっ!!」「きゃぁ!!」
修学旅行は夜が一番重要。見回りから逃れつつ、皆で話す・・・男の話が多い。
―――私、何やってるんだろ?
浅.葱先生が動くはずなんてないのに頑張って。
前みたいに皆みたいに同年代の男と遊ぶ方が楽しいと思うのに。
何言ってものんびりはぐらかす浅.葱先生に執着しても・・・
皆が眠ったのを確認して、部屋を出る。行くあてなんかない。
ただ、同級生の中にいたくなくなっただけ。ここにいる限り、大人になれない、浅.葱先生にも追いつけない気がした。
廊下を歩き、大きな窓の前で立ち止まった。
広がる夜景を見て、溜息をつく。うつむいていたから、近づく気配と窓に映る人影に気付かなかった。
「何してるの?」
振り返ると、浅.葱先生がいた。
「夜景、見てるだけ・・・」
「どうしたの?」
「いつ、大人になれるのかな・・・って」
浅.葱先生が戸惑っているのがわかった。
「・・・ならなくていいと思うよ。そのままがいい」
「でも、なりたいんです」
「大人になるとね、言いたいことも言えなくなる。言うべき言葉は、言ってはいけない言葉になる」
「先生・・・?」
突然わずかにだけれど激しさを増した浅.葱先生の言葉に驚く。
「・・・何でもない」
何かを抑えたように見えた。不自然な笑顔・・・こんな表情もするんだ・・・
見回りのついでに部屋の前まで送ってもらった。
一度ドアを閉めて、時間を置いてまた開ける。
イヴの日に見たのとは、少し違う何かが重い後姿があった。
寝不足。
観光名所見学なんて面倒だから、「バスで寝てるね」と友達に言って、早めに出口から出た。
何台も並んだバスのうち一台に乗り込んだ。ステップを上がって、中を見渡す・・・とそこには、眠っている浅.葱先生がいた。
バスを間違えたらしい。けれど降りる気にはならず、そのまま浅.葱先生に近づいた。
昨夜の見回りで疲れてるんだろうな・・・
本当は起こしたいけれど、起こせない。
ただ、一言言ってみたくなった。
「校則校則言うけどさ、先生の髪の長さは違反じゃないの?」
「って言うか、先生がさぼってていいわけ?」
最初はふざけてるつもりだったのに、少しずつ心の底にたまっていたものが存在感を主張する。
「先生って子供みたいじゃん」・・・うん。寝顔は子供みたい。
「うちらとあんま変わんないよ」・・・でも遠いよ?
一言のつもりが、どんどん言葉が溢れる。
「子ども扱いして、気づかない振りしないで」・・・知ってるでしょ?
寝顔にわずかな変化を見た気がした。
バスの中を見渡す。カーテンの隙間から、誰もバスに近づいていないことを確認する。
「あなたのことが、好きです」
そのまま、浅.葱先生の唇に、自分の唇を重ねた。
顔を離して目を開けると、浅.葱先生の驚いた顔があった。
明らかに動揺している顔。
重く長い沈黙に包まれる。
「・・・ごめん。今は何も答えられない」
長い沈黙を破った言葉。
―――『今は』。
「どうして?」
「大事な生徒だから」
「生徒じゃなかったらどうするんですか?」
再び沈黙が訪れる。
「答えないって、一番卑怯じゃないんですか?」
「じゃあ、電話したりメールしたり・・・どういうつもりだったんですか?」
「突き放すんだったら、もっとちゃんとやってください!」
最後は涙がこぼれた。
「・・・もう、いいよ・・・先生なんて、もう。いい・・・」虚しかった。
背を向け、そのままバスを駆け降りた。
集合しての夕食の時間が来た。
浅.葱先生の顔、見たくないのにな・・・一方的に怒って、馬鹿みたい。
本当にガキじゃん。
「奈々―。ご飯行かないの?」
部屋に着いてから床に寝転がったままの私に、友達が声をかけた。
「食べたくない・・・」
本当に食欲がない。
「えー。でも行かないとまずいし」
「とりあえず行こうよ?どうしても無理なら先生に言っておくけど・・・」
ドアが開いた。
「どうしたの?この班だけまだなんだけど」・・・この声は。
「奈々が具合悪いみたいで・・・」
「そうか。みんな先行ってて。俺がちょっと様子見るから」
同室の全員が出て行った後、ドアが閉まった。
そして鍵をかける音。
「大丈夫?」
「・・・」
「さっきの話の続きをしようか」
「別に、続きなんてないでしょ?・・・もう、聞きたくないよ」
背を向けて寝転がったまま答えた。
気配が動き、私のすぐ後ろに来た。
「ごめん」
返事は、しない。
「さっきは、ごめん」
「放っておいて。もういいよ・・・」体の向きを変えないまま答える。
「よくないよ」
わけがわからなくなって、起き上がって浅.葱先生の方を向いた。
浅.葱先生が続けて言った。
「誤解されたままなのは嫌だから」
「誤解・・・?」
うつむいて問い返す。目を見る勇気は、ない。
「俺は、奈々が好きだから・・・さっきはごめん」
顔を上げた。真剣な顔の浅.葱先生。
「嘘・・・」
「嘘じゃないよ。奈々を好きなことが人として間違っている気がして迷ってた。
奈々が卒業してから言おうと思ってた」
体を引き寄せられる。きつく抱きしめられた。
そのまま頭を抑えられ、視線を合わす。
「好きだ」
浅.葱先生の顔が近づいてきて、目を閉じた。
すぐに唇に温かい感触がした。
【2度目のクリスマスの話】
ケージを持って歩く。
時々、中にいるルイが落ち着きのない動きをする。
駅の近くのスーパーで食材を買っていこうかと思ったけれど、猫連れでは行けない。
結局、そのまま浅.葱の部屋に向かった。
合鍵でドアを開け、ルイが入ったケージと泊まりのための荷物を玄関に置く。
「ごめんね。ちょっとだけ待ってて」
また玄関の鍵をかけて、買い物に出かけた。
あの修学旅行以来、私達は付き合っている。
当然どこかに出かけることはできないから、いつも浅.葱の部屋に行くことになる。
今日はイヴで、私達が初めて話した日。
もちろん今年も見回りがあって、浅.葱が戻ってくるのは深夜。そして、また朝には学校に出勤してしまう。
最初は浅.葱に反対されたけれど、泊まって短い時間を一緒に過ごすことになった。
――――――――――――――――――――
浅.葱の好きなものを作って猫と遊びながら待っていると、玄関のチャイムが鳴った。
出ようと玄関まで行くと、鍵を開ける音がして浅.葱が入ってきた。
「ただいま」
「おかえりなさい」
浅.葱が抱きついてきた。
「あれ?ルイちゃんだ」
部屋に入るなり浅.葱が言った。
「うん。連れてきた」
言い終わらないうちに、浅.葱はルイを抱き上げていた。
「・・・本当に猫好きだね」
「うん。あ、もしかして妬かせちゃったかな?」
「そんなんじゃないけどー」
「安心して。もっと可愛がってあげるから」
そっと、私の頭に手を置いた。それだけで心臓の動く速度が変わる。
「顔、赤いよ?」浅.葱が笑った。「冗談なのに」
―――冗談?
「またか・・・」と思った。
付き合い始めてからも、浅.葱は私をことごとく子供扱いする。
当然、未だに体の関係はない。
時々不安になる。子供扱いと、確かなものがないことと・・・
「冗談って・・・ふーん。やっぱ、この子達の方がかわいいんじゃん」
笑って言ってみせた。
夕食とケーキを一緒に食べて。バラバラにお風呂に入って。
二人で他愛のない話をしながら、猫と遊んで。
プレゼントをお互いに渡して。あっという間に時間は過ぎた。
――――――――――
「明日も早いからもう寝なきゃ」
浅.葱が客用の布団を敷き始めた。
「あの・・・さ。一緒に寝ちゃ、駄目?」
・・・無視。
立ち上がって、布団を抱えている浅.葱に後ろから抱きついた。
「駄目」
「何もしないから一緒に寝よう?」
「『何もしないから』って・・・何か・・・いや、何でもない」
「駄目?」背の高い浅.葱を上目遣いで見る。
「・・・いいよ」
抱きしめられて眠りに就こうとする。
けれど、眠れるわけがない。
「浅.葱・・・」と呼びかけてみた。
「何?」
「何でもない」
「もしかして眠れない?・・・俺もだけど」
体を浅.葱にさらに近付ける。拒否はされなかった。
むしろ逆に抱き寄せられた。
でも、そのまま。
きっと『次』がわかっているのに動けない。
体の位置を変えた。丁度、浅.葱の顔の前に自分の顔を置く。
視線を合わせたまま、動けない。
「1年、だね」と浅.葱が言った。
「え?」「酔っ払った奈々を拾って1年」
「酔っ払ってたのは事実だけどさ、拾ったって・・・」
「捨て猫みたいな目で見てた。一見きついけど、本当は優しくて甘えん坊で可愛い」
「浅.葱・・・」
「そのままでもいいと思ってたんだけどな」
体を仰向けに直され、視界には浅.葱の顔と暗い天井と。
「いい?」
目を閉じて、ゆっくりと頷く。
身を固くした私に浅.葱が口付けてきた。
口内に舌が侵入してくる。それと同時に、私の左手に浅.葱の右手が重なる。
私の右手は浅.葱の背中に。体温が今まで以上に近くて、私の熱まで上がる。
浅.葱の唇はそのまま、頬に、首筋にと辿っていく。
離れた浅.葱の右手は、服の上から私の胸や腹部を撫でる。
唇が、手が、体温が、愛しい。
まるで夢を見ているみたいで、私は目を閉じたまま。
パジャマの隙間から覗く鎖骨の辺りに、小さな痛みが走った。
それと同時にパジャマのボタンが一つずつ、ゆっくりと外される。
服を脱ぐために体を起こされ、初めて目を開けた。
浅.葱は目が合った時にわずかな怯えや不安を見たのだろうか、「大丈夫?」と聞いてきた。
「うん・・・」としか言えない。
「嫌なら言ってね」
そう言ってまた唇を重ね、覆う布がなくなった胸のふくらみに手を這わす。
無意識のうちにかすかに震えている体を慣らすように、舌が露わになった肌を伝う。
背中を撫でられ肋骨の隙間を舐められた時、体に電流のような刺激が走った。思わず声を上げる。
恥ずかしくなって浅.葱を見る。目が合った浅.葱は微笑を浮かべながら再び顔を下ろし、その場所を執拗に攻めてきた。
「・・・はぁ、あぁぁ・・・ん」
確かに感じる快感に、なぜか涙がこぼれた。
そんな私の変化を見た浅.葱は、涙を唇で拭いながら「大丈夫だよ」と言う。
再び私の手を取り、指を絡めて耳元で「愛してる」と言った。
浅.葱の言葉は優しい魔法みたいで、体の力が抜けた。
舌が唇が触れて電流が走る場所を見つけるたびに、浅.葱は少し笑う。
空気は冬の冷たさを孕んでいるのに、二人の間だけは暖かい。
私は浅.葱でいっぱいになっていて。そのまま溶けていきそうな気がする・・・
浅.葱の手がパジャマの下に伸びてきた。
ゆっくりとパジャマと下着を下ろしていく・・・
「嫌・・・!」思わず小さな声で呟いた。気持ちとは反対の言葉が、本能からの恐怖でこぼれる。
「大丈夫。僕に全部まかせて」と浅.葱が言った。
全てが剥ぎ取られた後、浅.葱の手は腰から太腿の線を優しくなぞった。
背筋に何ともいえない感覚が走る。
声にならない声を上げ、ただ息が荒くなる。そんな私を見て浅.葱は笑って、蜜が溢れている秘部をなぞった。
恥ずかしさで脚を閉じようとしても、浅.葱の手で簡単にそれを止められる。
なぞる流れのまま、指がゆっくりと入ってきた。
慣らされてわずかに感じる快感と、拡げられる明らかな痛み。
「やめて・・・痛い・・・」口から出るのは拒絶の言葉。
聞こえているはずなのに、まるで聞こえていないかのように指は奥へと進む。
「・・・きゃぁっ、ぁ、あ・・・ん」
ある場所に触れた時、それまでとは確かに違う感覚に襲われて声を上げた。
「ここがいいの?」そう言って、飲み込ませた指でその場所に再び触れる。
「ん・・・ぁあ・・・あぁぁ!!」中のその場所に触れながら、指が花芯に触れた。
快感からも痛みからも、もう逃げられなくて。
再び涙が溢れた。
浅.葱の顔が、再び私の顔の上に来て。静かに口付けてきた。
「ごめんね。ちょっと我慢して」
そう言って私の腰を抑えて、自身をあてがった。
目を閉じて、何も考えないように心がけて浅.葱が来るのを待つ。
指とは比較にならないくらい熱くて大きなものが押し入ってくる痛みがした。
途中まで進んだけれど、それ以上は力を入れないと進めないみたいで。
「痛いと思うけど・・・力抜いて」浅.葱の声が遠くから聞こえた気がした。
それでも完全に力を抜けるはずはなく、無理矢理奥まで貫こうとする。
「痛いっ!もうやめて・・・お願い・・・」懇願しても終わるわけがないのは知っているけれど・・・
「俺も男だから。ここで止めることはできない」
『先生』とは違う顔の浅.葱が耳元に唇を寄せた。「奈々、愛してる」
唇はそのまま首筋を、肩を伝う。一気に力が抜けた。
その様子を見て、浅.葱が奥まで貫く。
こじ開けられるような痛みと、押し広げられる痛みと、裂ける痛み。そして圧迫感。
「・・・動くよ」
体が揺れ始めた。
痛みの中に快感の予感はわずかにあってそれを拾おうとするけれど、それが完全にできる余裕なんてなくて。
浅.葱にしがみつく。
「奈々」名前を呼ぶ声が、今までで一番近くから聞こえた気がした。
「浅.葱・・・愛・・し・・てる」途切れながらも、やっと言えた言葉。
さっきよりもさらに近くから、「俺も愛してる」と返ってきた。
その言葉が、私を満たしていく。
引き抜かれ、太腿に熱いものが零れた。
さっきまで浅.葱自身が納まっていた場所にはまだ痛みが残っている。でもその痛みさえ幸せに感じた。
優しくキスをして、頭の向こう側からティッシュを取って私の太腿を拭う。
目を遣ると、白濁の他に血も混ざっているのが見えた。
「ごめん。痛かったよね?」本当に申し訳なさそうに浅.葱が言ってきた。
「大丈夫だよ、痛かったけど・・・それより嬉し―――」
言い終わらないうちに、浅.葱に抱き寄せられた。
無言。
だけれど、一番気持ちが伝わった瞬間だと思った。
――――――――――――――――――――
翌朝。
浅.葱を見送ってから、洗面所の鏡を見た。
じっと自分の顔を見つめる。
何かを失くした気が少しだけして、鏡の中の私は静かに涙を流した。
【高校3年2学期の話】
部屋に浅.葱が入ってくる物音で目が覚めた。
浅.葱の部屋で彼を待ちながら勉強をしていて、いつの間にか眠っていたらしい。
「おかえり・・・」
「ただいま。ごめん、起こしちゃった?」
「うーん。丁度良かったよ。このまま寝続けるのまずかったし」
「頑張るのもいいけど、少し休んだ方がいいよ?」
受験勉強。
浅.葱の家と自分の家の中間の大学に通いたいけれど、その大学は偏差値が高くて。
だから最近はずっと勉強している。
それに加えて、明日からの高校生活最後の球技大会の準備と練習で疲れていた。
だから久しぶりに浅.葱に甘えたくなって、家に来ていた。
「ん・・・じゃあ、休む」
着替えてソファに座った浅.葱が自分の隣の隙間を軽く指した。
その空間に座る。浅.葱の体に頭を寄せた。
「本当に疲れてるんだね」
「でも浅.葱の方が疲れてるでしょ?授業中、前よりボケてるし?」
4月から浅.葱はうちのクラスの生物を担当している。
元から天然だけど最近はさらにボケたことを言って、生徒に笑われていた。
「忙しさのピークは過ぎたから大丈夫だよ。
奈々は・・・精神的に疲れてるのかな?いつもより甘えたがり」
「うーん。確かに精神面の疲れだと思うなぁ」浅.葱にさらに体を近付ける。
「癒してあげようか?」
浅.葱が笑って、抱きしめてきた。
「はぁ・・・ぅん」
浅.葱の唇が肩に、胸元に触れる。
体の中心から少しずつ温かい快感が染み出す。
目を閉じて息を吐き、浅.葱の背中に腕を回した。
唇を重ね、そのままゆっくりと押し倒された。
目を閉じたままの私の瞼に口付け、細い指で私の唇をなぞる。
私の指は浅.葱の耳元に触れ、長い髪に絡まる。
肩から胸にかけて幾つもの小さな痛みが走った。
目を開けて見ると、赤い小さな花が肌に咲いていた。
「寝室、行こうか?」
私の腰に手を添えた浅.葱が目を見て言ってきた。
答えようとしたその時。
私達の間に入る影。
「みゃぁー・・・」
ソファに登ってきた猫が甘えた声を上げた。
私と浅.葱の間の空気が止まった後、猫はもう一度鳴いた。
浅.葱が私の体を離れた。
「みんなのご飯、まだだったね・・・」ちょっと間の抜けた声で笑いながら言った。
「・・・ご飯にしようか」私も乱れた襟元を直しながら一緒に笑った。
朝から球技大会。
「朝から」と言いつつ、自分が出る試合の直前まで着替えない。
出る試合の前の試合が始まったことを聞いて、一緒に出る友達と更衣室に着替えに行った。
制服のシャツのボタンを外す・・・昨日の浅.葱の跡がわずかに残っていた。
周りに悟られないように、素早く体操服を着る。
でも。遅かった。
体操服を着てから隣にいる友達の方を見ると、何か言いたげにこちらを見ていた。
誤魔化そうと、「何固まってんの?早く着替えなよー」と言った。
彼女は「あー、ごめん!」と言って着替えを再開した。
着替えが終わって、教室まで歩く。並んで歩いている友達が歩みを止めた。
「どうしたの?」と聞いた。
彼女は辺りを見渡して誰もいないことを確認すると、私の耳に口を寄せた。
「奈々が浅.葱先生と付き合ってるって噂あるみたいなんだけど、本当?」
心臓が大きく音を立てた。呼吸を整え、答える。
「それ嘘だよー。えー、誰がそんなこと言ってんの?」
「B組の子。廊下で話してるの聞いただけだから、細かいことは何も・・・」
「浅.葱先生かっこいいけどさぁ・・・ないよ、それは」
「でも、奈々って彼氏はいるんだよね?さっきびっくりしたよぉ。思いっきり跡あるし!」
彼女は笑って言った。普通に恋愛の話をするときの表情に戻っている。
「あー、バレちゃったかぁ」私も笑って言った。
「彼氏どんな人?うちの学校?」
「凄くかっこいい人で・・・それしか言えないような人」
今日の最後の試合は、例のB組と。
集合した時、あちらのチーム全員がこそこそと話を始め、私をジロジロと見た。
B組は浅.葱が副担任をしているから、何かで見られたのか。
いやでも、私も浅.葱も学校では普通に振舞っていたはず。
どうして・・・?
「奈々、何してんの?持ち場に行かないと」
「・・・うわぁ!ごめんごめん!ボケてた!」
種目はバレーボールで、サーブ権が移るたびに場所が動いていく形。
試合が進んで、私は前列に出た。
ボールを相手のコートに返す。相手に受け止められて返ってくる。その時。
目の前にいた体格のいい子が思い切り飛び上がってボールを私の顔面に当てた。
強い痛みと共に視界が霞む。そのまま倒れこんだ。
同じチームの子が口々に名前を呼びながら駆け寄ってくるのがわかる。
でも、痛さで目を開けることはできない。
運ばれている時も目を開けられず、ただ静かにボールを当てる瞬間の彼女の表情と更衣室の帰りの友達の表情を思い浮かべていた。
やっと目を開けることができた。
薄いカーテンに囲まれたベッドの上で、私の顔にはタオルを巻かれたアイスノンが当てられている。
保健室に運ばれたようだ・・・当たり前か。
少し起き上がると、気付いたのか保険医がカーテンを開けた。
カーテンの向こうの窓は既に薄暗くなっている。
「気分、どう?」
「最悪です・・・」
「今、一番腫れる時だからねぇ。冷やすしかないのよ。
もう少ししたらちょっと気分が良くなると思うけどねー。痛みは?」
「少しはマシですね」喋っていると口内が傷む。切れているらしい。
「喋るのもつらそうね。もう少し休んでなさい」
ドアが開く音がした。
「ちょっとごめんね」と断って、保険医はカーテンから出た。
「僕が副担任をしているクラスの生徒が怪我させてしまったみたいで・・・」
・・・浅.葱の声。
「丁度良かったわ。浅.葱先生、ちょっと保健室をお願いしますね。
事務に行ってきます。30分くらいで戻るので、お願いします」
保険医の声が聞こえた。
運ばれている時に思い浮かべたものが、再び甦った気がした。
そんな私の気持ちを知らない浅.葱がカーテンを開けた。
「大丈夫?」
心配そうな浅.葱の顔があった。
その顔を見た途端、意思に反して涙が流れた。
浅.葱が慌て始めた。
「どうしたの?まだ痛いんなら、無理して起きなくていいよ」
私の背中をさする。その手の温かさに安心しながら、怯える。
「先生」
どのぐらいこうしていたのか。やっとの思いで言葉を吐き出した。
「何?」
「・・・私と先生が噂になってるって知ってます?」
「・・・どういうこと?」
「そんな話があるらしいです」
沈黙。そして。
「馬鹿な話だね」と言った。
「そうですよね」答えた。
そして続けた。「だから、ここにいたら何言われるかわかりませんよ」
「・・・」
「世の中って、意外に馬鹿な人間だらけなんですよ」
私にボールを当てた子の表情。試合前の相手チームの子の表情。浮かんだ。
あの現場でそれを見た人がしたであろう表情。運ばれていく私を見ている人がしたであろう表情。どんな顔だったのか、見える気がした。
「奈々―――」「だから、疑われたくなかったら、出て行ったほうがいいと思います」遮った。だけど。
浅.葱の顔が一瞬近づいて、唇に浅.葱の温もりが移った。
「・・・お大事に」そう言って浅.葱は背を向けた。
私は球技大会を全日程休んだ。
とてもじゃないけれど、そんなことのできる状態じゃなかったから。
一応病院にも行ったけれどたいしたことはなく、通常の授業が始まる日には出席できることになった。
でも、久しぶりの教室の私を迎える空気は違っていた。
こちらを見て、目を逸らす。もしくは薄笑いを浮かべる。そんなクラスメイトがいた。
「大丈夫―?」と聞いてきた友達の表情も固い。
自分の机に鞄を置く。
机に書かれた文字・・・「浅.葱が好き」。
幼稚ないたずら。無視をすることにして視線を移した。
机のまた別の場所。「浅.葱とのH最高v」「浅.葱、浅.葱、浅.葱、浅.葱、浅.葱、浅.葱」。
視線を落とした状態から、目を上げた。
教室は雑然としていて、誰もこちらを見ていないように見えた。でも、全員がこちらに意識を向けているように思えた。
そんな空気を嘲笑するように溜息をついて。机に書かれた文字を消し始めた。
油性ペンで書かれた文字は消えなくて諦めた。
教室を見渡す。
いつもの教室にも見えたけれど、いつもの教室には見えなかった。
あの日、浅.葱から電話があった。
「具合どう?」
「うん。あの・・・」
「ばれたのか・・・」
「多分。でも生徒の間だけだよ?」
「いや。学校っていうのは、こういう噂は回るのが早いんだ」
「・・・」
「実際にないことでも大騒ぎになる。何度も見た」
「じゃあ・・・どうする?」
「・・・大人しく待つしかないよ。静まるのを。長くてあと半年」
「半年・・・長いよね」
「うん。でも動いたら、もう会えなくなるかもしれない」
「そうだね・・・ねえ?」
「うん?」
「私と付き合ったこと、後悔してる?」
「それはないよ。俺は奈々のこと、本気で愛してる」
強い声で言った。
「私も浅.葱のこと愛してるよ・・・」
「半年、一緒に頑張ろう」
二人で頑張ると決めたから。
どんなにつらくても学校に行った。堂々としていた。
毎日電話で話す浅.葱の声が、支えだった。
そして、私のクラスで浅.葱の授業が行われる日が来た。
――――――――――――――――――――
気が重い。
だから、その前の授業の教室から自分の教室に戻る気が起きなかった。
それでも時間ギリギリに友達に引っ張られて、いっしょに教室へ向かう。
何とか間に合ったけれど、教室のドアと廊下側の窓の前には人だかりができていた。
先に歩いていた友達が人ごみを掻き分けて、覗き込んだ。
彼女の動きが止まった。
同じように人ごみを分けて「どうしたの?」と聞いて、彼女の頭の横から教室を覗き込もうとした。
彼女の手が私の両目を塞ぐ。
無理矢理その手を外して、教室の中を見た。
教室にいる顔が、廊下に集まっている顔が、私を見ていた。
黒板には、大きな落書き。
浅.葱と私の名前があって、そこには・・・
――――――――――
この二人は付き合っている。
半同棲
保健室でヤった
浅.葱先生は真面目なフリをして欺いている。
生徒を教える資格も取り締まる資格もない。
二人とも学校から出て行くべきだ。
――――――――――
チャイムが鳴った。
人が部分的にだが、散り始める。
いつもの足音がした。
浅.葱。
人だかりを見て、「どうしたの?」と言った。
沈黙。
窓から教室を見て立ち止まった。
その場の空気が、凍った。
浅.葱を見る。
その後姿は、限りなく冷たい。
静か過ぎる空気の中、浅.葱はゆっくりと歩く。
その冷たい足音だけが響く。
ドアまで歩くその時間が、果てしなく長く感じられた。
私と群集を見て、「自分の教室に行きなさい」と静かに言った。
震えている声。
私は動揺を誤魔化すために駆け足で教室に入り、自分の席についた。
浅.葱が教室に入り、ゆっくりと教壇に向かって歩みを進めた。
丁度、落書きの真ん中に立つ。
「くだらない」
教室を見渡し一言だけ言って、落書きを消し始めた。
全ての落書きが消えた。
「本当に、くだらないね」
その短い言葉だけで、教室は圧倒される。
沈黙の中、普段とは違う浅.葱の授業が始まった。
授業が終わると、浅.葱はすぐに出て行った。
授業終了後はいつも女の子が声をかけているのに、それもなかった。
入れ替わりに、担任が私を呼びにきた。
家の事情で今すぐ帰りなさい、と周りに聞こえるように言った―――明らかな嘘を。
学校の最寄り駅まで、担任と授業のない教師一人が私を送った。
そこで言い渡された言葉。
「自宅で待機するように」。
理由は告げられなかった。
問い返さなければ認めることになるのかもしれない。
そう思ったけれど、問い返すことができなかった。
家の近くの駅では、連絡を受けた母親が待っていた。
無言で、歩いた。
確定でないことは、学校も告げないだろう。
ただ母親の纏う空気は、全てを知り責めているようだった。
家に入り、何も言わずに自分の部屋に向かった。
ベッドに倒れこむと、ルイの近づいてくる気配がした。
小さな鳴き声。その瞳に、ルイと初めて会った日の浅.葱の姿が映った気がした。
泣きながらルイを抱きしめる。ルイは何かを知るように、ただ私に身体を寄せて心配そうにこちらを見ていた。
携帯の着信音で目が覚めた。
泣いているうちに眠っていたのだろう。部屋は真っ暗で。
携帯の着信表示を見た。
―――浅.葱だ。
「・・・浅.葱?」
「今、電話いい?」
――――――――――――――――――――
「呼び出されると思う」
浅.葱の声は思いのほか落ち着いていた。
「ここまで大きくなると父兄から問い合わせが来るし、学校も調べざるを得ない」
「そうなんだ・・・」
浅.葱とは反対に私の声は震えている。
こういう日が来るなんて、一度も考えたことがなかった。
「私達、どうなるんだろうね・・・」
「クビや退学かもしれない」
「・・・その前に別れる?浅.葱がクビになるのやだ!」
「俺は別れる気はないよ」
浅.葱ははっきりと言った。
「俺たちは悪いことは何もしていない」
「うん・・・」
「どんなことがあっても、俺は奈々を守るから」
次の週の頭。
私は母親に伴われて、学校に行った。
学校に着くと担任が待っていた。
無言で授業中の校舎を歩き、会議室の前で立ち止まった。
重い扉を開ける。
そこには、担任と校長と見たことのない人間と浅.葱がいた。
――――――――――――――――――――
校長が、私と母親に椅子に座るように促した。
見たことのない人間が調べたらしい話を始める。
事実もあれば、増幅させられた話もあった。もちろん嘘も。
「本当ですか?」
私と母親に問いかけた。
俯いたまま、答えられない。
わかっている。
この空間は待っているのだ。
私が否定するのを。もしくは別れを選択するのを。
重すぎる沈黙を破ったのは、浅.葱だった。
「付き合っていることは事実です」
「僕たちが真剣に付き合っていることだけは事実です」
続けた。
「それ以外の馬鹿馬鹿しい嘘に、振り回されるんですか?」
静かな広い会議室に、浅.葱の声が響く。
「浅.葱先生のような真面目な方が・・・」
そして、「どうなるのか、わかってますよね?」と校長が重々しく言った。
「別れます」
思わず口をついた言葉。
―――本心じゃない。でもこう言えば、浅.葱は助かる。
「奈々」浅.葱が制するように言った。
そして校長に歩み寄り、懐から紙を出した。
「受け取ってください」
私の位置からは、その紙の表書きが見えない。
「辞められる、ということですか?」
思わず、浅.葱を見る。
「はい」
はっきりと答えた。
そして、こちらを見た。
その瞳には、迷いは欠片も見つからなかった。
辞表を出したからといってすぐに辞めることはできず、浅.葱は3月末日で退職することになった。
ただ、今回の件で授業のみで他の業務からは外される。
ほぼ立場を奪われた形で学校に3月まで残ることになった。
私のあの「別れます」という言葉は、何度も確認を取られた。
結論として、卒業が近い生徒を退学にしたくない学校側の思惑から、退学処分は免れた。
そしてこの言葉で、浅.葱の免職処分は避けられたらしい。
騒ぎを大きくしないために、付き合い続けている証拠が出ない限り、学校側はこれ以上の関与は避ける方針らしい。
ただ、騒ぎは既に大きすぎた。
浅.葱の辞表提出と私が別れる意思を表明したことがこの件の一応の解決とされても、周囲の冷たい視線は変わらない。
浅.葱も私も冷たい視線や心無い人間の嫌味に耐える日々を送った。
もう卒業まで、「教師と生徒」としても言葉を交わすこともできない。
勿論この状況で浅.葱の部屋に遊びに行くこともできない。
つまり、卒業まで私達は会うことはできない。
「半年、一緒に頑張ろう」
―――半年。
その瞳に私を映すことはない。その手が私に触れることはない。
・・・長いよ。重いよ、その時間が。
【3度目のクリスマスの話】
クリスマスイヴ。
私は一人で朝早くから新幹線に乗っていた。
窓の外の景色は、目的地に近づくにつれて白くなっていく。
新幹線を降りて、鈍行に乗り換える。
大きくも小さくもない駅で降りた。
改札を通り、指定された出口を出る。
出口を出てすぐ、背の高い影が近づいてくる。
「会えて良かった」
――――――――――――――――――――
あれから私達は毎日電話だけで繋がっていた。
毎日話しているのに、電話の度に「あと少し」と会えない残りの日数を二人で数えた。
学校は1週間以上前から冬休みに入っている。
そうなると浅.葱にはほとんど仕事がない。
休日を消化して実家に帰るという名目で浅.葱は休みを取った。
そして私は、浅.葱の実家の隣の県にこっそり呼び出された。
並んでありきたりな街を歩く。
浅.葱が手を握ってきた。
「見られたらどうするの?」
「ここでは誰も言わないし、どちらにしても会ってるのが見つかった時点でだめだよ」
「そっか」
私も手を握り返した。
手を繋いで外を歩くのは初めてだ。
街のクリスマスの空気も手伝って、私も浅.葱も自然に笑顔が増える。
突然、浅.葱が足を止めた。
「ここ」と言って、少し離れた場所を指差した。
―――学校。
「4月からここで働くことになった」
「そうなんだ・・・良かった。次に行く場所があって」
「いっしょに来る?」
「え・・・?」
「俺についてくる?」
繋いでいた指を解いて、私の肩に手をかけた。
「結婚しよう。絶対に幸せにする」
信じられない。
本当は嬉しいのに、すぐに言葉が出ない。
「・・・責任、とかじゃないよね?」唯一引っかかること。
「違うよ。俺が奈々を幸せにしたいだけ。
それと、奈々に側にいてほしい」
浅.葱は真っ直ぐな瞳でこちらを見ている。
「うん・・・幸せに、なろうね」
抱きしめられた。
耳元で囁く。
「愛してる。ずっといっしょにいよう」
俯くだけの私の顔を上げて、静かに口付けてきた。
私の腕にも力がこもる。
気付いた。
「・・・って。こっちの学校の関係者にこういうの見られるのってまずいんじゃ」
体を離す。
「あはは。そうだね」
学校から出てきた制服がないのか私服の生徒が、こちらを少し赤い顔で見ている。
再び手を繋いで、歩き始めた。
ホテルに着いた。
荷物を置く。
浅.葱とは今夜だけいっしょ。
明日からまた離れ離れになってしまう。
でも今は、その時間も耐えられそうな気がしていた。
浅.葱を見る。
ダブルベッドに座って笑っている。
目が合うと照れたように手を広げて、「おいで」と言った。
浅.葱に飛びつく。
きつく抱きしめられる。
存在を確かめるように抱きしめあった後、口付けを交わした。
何度も何度もキスを交わす。
唇を重ねたまま、二人でベッドに倒れこんだ。
「あ・・・ん」
露わになった肌に、久しぶりの浅.葱の感触。
それだけで、溢れてくるのがわかる。
広い背中に手を回し、爪を立てた。
「痛いよ」浅.葱が言った。
既に溢れている部分に指を這わせる。
「ねえ。もうこんなになってるよ」
私の目の前に濡れた指をかざした。
「ぃやぁっ!!」
「嫌、じゃないでしょ」
そう言って、その指で胸の突起を撫でる。
「う・・・」顔が歪む。
「そういう顔も、全部かわいい」
触れられるだけで、体が震える。
なのに、浅.葱は濡れた中に指を進める。
声を出してはいけない気がして、必死で耐える。
「声、聞かせて?」耳元で囁かれ、敏感なところを撫でられる。
「きゃぁあ・・・あ・・・はぁ・・」
それに応えるように、指でさらに攻め立ててくる。
同時に首筋から肩に舌が這う。
私の身体を押さえる浅.葱の指が食い込んだ部分からも、刺激が走る。
こんな風に攻められて、正気でいられるはずがなくて。
声を吐き出そうとしても、口から漏れるのは荒い息だけになってきて。
それでも浅.葱は「かわいい声もっと聞きたい」と動きを激しくする。
「もう・・駄目ぇ・・やめ・・・」とやっと小さく吐き出した。
その瞬間、指が引き抜かれた。
「・・・あ・・さ・ぎ・・・?」
「じゃ、止める?
俺は奈々に触れていられるだけでいいし」
余裕ありげに浅.葱は笑う。
その笑顔が愛しく思えるのに悔しくて、でも浅.葱を求める身体の熱は収まらなくて。
「やめないで・・・もっと・・一緒に気持ちよくなりたい・・」
きっと私の顔は快感を求める気持ちと屈辱と浅.葱への愛情で歪んでいる。
「二人でね。でもその前に、俺で壊れる奈々が見たい」
再び浅.葱の指が私の中に入ってくる。
逢瀬が久しぶりでも、その指は私の弱い場所全てを覚えているみたいで。
一つずつ刻み付けるように、快感を送られる。
弱い場所を突かれる快感と一つ一つの動きに感じる愛情とで、私の身体は満たされる。
目の前で何かが弾けた。
自分の身体が自分のものでなくなる感覚。
その波に翻弄され、全身の力が抜けた。
いつも喘ぐ声より低い声で、息をする。
そんな私の身体を浅.葱の手が優しく撫でる。
刺激を受けつつも身体を駆け巡る激しさは徐々に薄れ、穏やかな快感に変わる。
だけれど、秘部に熱い浅.葱自身があてがわれ一気に貫かれた。
「きゃぁ・・・あぁ!」
一度果てた後にさらに刺激を受けて、消えかけた感覚以上のものが育ち始める。
「こうやって奈々を抱きたいとずっと思ってた」身体の距離以上に近くから聞こえた。
出し入れする度に、秘部からは卑猥な水音が響く。
その音と浅.葱の荒い息遣いが、さらに私の快感を呼ぶ。
耐え切れないことを目で訴えるけれど、動きは激しくなるばかりで。
声を出そうとしても、息切れしてしまうだけ。
さっき以上の刺激が全身を回る。
何度も何度も、光のようなものが弾ける。
それと同時に、熱く脈打つ浅.葱自身をきつく締め付ける。
浅.葱が小さく呻く声が聞こえ、私達は同時に果てた。
二度も果ててぐったりした私の側で声が聞こえる。
「ずっと側にいるよ」
翌日。新幹線のホーム。
「じゃあ、気をつけて」
「浅.葱も気をつけてね」
「ちゃんと迎えにいくから。待ってて」
「浅.葱のこと幸せにするから、待っててね」
浅.葱が笑った。私の頭に手を伸ばす。
「俺はね、今でも十分幸せだよ」
そう言って口付けてきた。
新幹線に乗ってもまだ浅.葱はこちらを見ている。
お互いに手を振る。
新幹線が動き出しても、浅.葱のいる方を見ていた。
行きとは違う気持ちで窓の外を眺める。
窓に映った私は、去年鏡で見た私より大人になった表情で笑った。
【?回目のクリスマスの話】
外で仕事帰りの浅.葱と待ち合わせる。
クリスマスイヴの夜の街を見ていると、初めて会った時のことを思い出す。
様々なことを思い出しながら眺めていたら、視界を大きな手が塞いだ。
手を外すと、優しく笑う浅.葱。
二人で手を繋いで歩き出す。
しばらく歩くと、「先生!」という叫び声が聞こえた。
振り返ると、高校生くらいの女の子が二人いた。
「うわぁ!先生の奥さん、本当に若っ!」私の顔を見た瞬間、一人が言った。
浅.葱も私も苦笑いする。
「先生、何かかわいいー。奥さんといっしょだから?」
彼女たちが笑って聞いてきた。
「ありがとう。今日は特別な日だからね」
穏やかに答える浅.葱の表情を見る。
何年か前のクリスマスよりも、胸に馴染んだ笑顔。
話飽きてさよならを言う彼女たちを二人で見送る。
そして、私達はクリスマスイヴの街を再びしっかりと手を繋いでゆっくりと歩き始めた。
以上です。
実は以前に浅.葱リクを頂いたときに原案はあったのですが、時期外れで挫折しましたw
途中で猫の名前があれなのは、麺全員を教師と生徒で出そうとして失敗した名残です。(彼は人間に向いてなさそうだった)
長い駄文なのに読んでくださった方、本当にありがとうございます!
下手な話しか書けませんが、また気分が乗った時にのんびり投下したいと思います。
作者様 大作お疲れさまでした。とても文章が丁寧でずっとドキドキしてました。又、書いて下さい!
お疲れ様です!
ルイちゃんに爆笑しましたw
本当に大作と呼べる作品乙です!
細かい描写で高校時代思い出して懐かしくなりました!
る.ぅの扱いバロスww
乙です☆
夢中で読ませていただきました。
人間に向いてないってww
乙です!!
実際、高校の時に教師と付き合った事があったから、読んでいて
いつも以上にドキドキしました。
作者さんの書く文章もとても綺麗で素敵でした!!
作者様乙でした!
寝る前に読んだらまんま夢に出てきました。
貴重な体験をありがとうw
爺を旦那様にしてメイドの話を書きたいけれど
漏れには西の言葉がわかりません…
無理矢理関西弁にしなくてもその設定なら標準語でも十分萌えますよ
投下楽しみに待ってます
でも前に標準語の麺が関西弁になっててちょっと荒れたよね。
西の方に協力してもらったらどうだろう?
私は東の人間なのででたらめにしかわからない(´・ω・`)
標準語の麺が関西弁になるのはアウトだけど、関西弁の麺が標準語になるのはありじゃないかな?
後、文体ではわかりづらいイントネーションの方が違いが大きいので、それぞれがある程度脳内変換(妄想)するとか。
好きな麺を書くならある程度の言葉の癖(方言とは微妙に違う)は知ってると思うから、それでカバーできると思うし。
漏れは旦那様とメイドだから逆に標準語のがいいかも・・・とも思ったり。
ていうか、全然無理に関西弁にしなくてもいいと思うな。
それに関西の人でも年代とかによって結構差があるしね。
(凄い関西弁だったり、あんがい関東と変わらないとこがある人もいるし。)
最終的文句が出たとしても、あまり気にする事ないと思うよ。
気に入らなきゃ読まなければいい話なんだし・・・。長文スマソorz
逆に標準語の方が冷酷な感じがしてよい
ぶっちゃくどちらでも美味しくいただきますので、
私にまた月曜から働く活力を投下してください!お願いします!
私西の人だから協力しようか?
っても薫の話す言葉とは微妙に違うかもしれんが…
文章を関西弁に変換出来るサイトなかったっけ?
あるけど、漏れ昔使って微妙だなって思った気がする・・・。
でも今はわかんないから使ってみるのも手だよね。
>>200です
漏れのせいで物議を醸してしまってごめんなさい
でも皆さんが真剣にレスをくれたので、
西の言葉がよくわかってない漏れは
一度標準語で話を仕上げみようと思いました
仕上がりに違和感を感じたら、
またここに相談しに来させて下さい
壁‖ω・`)がんがります
>>210 頑張ってください楽しみに待ってます…!
私も西の人なので困ったら協力します。
今更ですが浅.葱さん大作めちゃドキドキしました!!
まとめサイトが更新されない…
しばらく前に管理人さん忙しくなるって言ってた気がする
気長に待とう
9日、11日に更新しました。
それと一部作品へのリンクの前に警告をつけました。
サイトの内容が内容ですが、それ以外はせめて健全な運営をしようと思っています。
・・・そうしないと、サーバから追い出されかねないので。
先月は中々更新できず、すみませんでした。
今月は更新できそうです。
管理人さん乙です!
しかも色々と考えてくださったみたいでありがとうございます。
無理せず頑張ってくださいね。
今更だけど前にガ.ラと大.佑で書いてくれてた人、もう続き書いてくれないのかな…
他に未完も多いよね…
ほしゅ
保守
221 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 16:30:22 O
キモ
ゲーム作者さんの新作待ち
堕.威書けるかわかりませんが、頑張ります。
今書きはじめたんですが堕.威とのやりとりにたどり着くまでが長い…。
ここでは1回しか投下した事ないし、文才は全くないけど活性化に貢献出来るようになんとか仕上げてみようと思います。
漏れからも、頑張って下さい!ワクテカして待ってます!
226 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 10:13:34 O
キモいよ…
227 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 10:40:10 O
晒しage
228 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 01:33:01 O
バンドマンが嘆いている。検索避けしても意味はない。ゆえにage
229 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 01:34:04 O
腐ったバンギャを埋め立ていたします
見るな
231 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 17:21:48 0
あげ
232 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 00:43:41 0
わくわくメールはあなたの出会いを応援します!
今は携帯番号の登録も無くなって、ずっと利用しやすくなりました。
唯一「サクラ」のいない優良サイトです。
初期登録で60Pもらえるので、まずはお試しで体験してみてはどうですか??
住んでる場所や出会い目的別で検索できるので、初心者にも安心です。
女性誌に数多くの広告を出してるのであなたの街にも出会いを待ってる女性がいるかも!
登録無料で60P分写メ見たりメール送ったりできるから一度体験してみて!
アドレスだけの登録だから簡単楽チン!すぐ近くの子を検索できるよ!
つまらなかったら金かからんしそれで辞めたらいいしね^^
http://550909.com/?f7648653
まとめサイトも更新されないね…
管理人さん、忙しいのかな?
234 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 22:54:03 O
管理人も気がついた
自分は気持ち悪い事をしているって
きっと忙しいんだよ…
気長に待とうじゃないか!
また活気が溢れる事を祈ろう。
236 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 08:20:49 0
237 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 18:44:33 0
すみません。
ちょっと出かけていて、さっき日本に帰ってきました。
1週間程度で更新できる状態になると思います。
次回から長期間出かけるときには、サイトにその旨書いて出かけます。
お帰りなさいませ
疲れている事でしょうし、無理せず頑張って下さい!応援してます!
240 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 19:21:30 O
キモイ
管理人さん、更新お疲れさまです!
保守。
243 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 17:19:31 0
age
誰か投下してくれる神はいないものか。。。
245 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 00:49:13 O
キモい
腐女子よりはマシだがな
響き渡るリズム。それに身を任せる、きらびやかな衣装に身を包んだ男女。その頭上で交錯する光。
(何度来ても慣れないなぁ。)
友達に連れられてやって来たクラブ。でも正直この喧騒は性に合わない。だからフロアで踊る友達と別れて、一人カウンターでお酒を楽しんでいる。
(熱帯魚みたい…)
色とりどりの光が照らすのは、日常では絶対に見ることのない、大胆な服装の人達。いわゆるドラァグクイーンみたいな恰好の人もいる。ぼーっと人間観察をしながら、今日何杯目かわからないお酒を流し込んだ。
人間観察にも飽きた頃、ふと気がつくといつの間にか隣に誰か座っていた。
華奢な身体。彫像のような美しく整った顔立ち。
(綺麗な人だなぁ…)
思わず見とれていると、不意にその人と目が合った。唇が弧を描いて――
(あ、ヤバイ、飲み過ぎたかも…)
一瞬、薔薇の香りが鼻をかすめたような気がして………
私の意識は途切れた。
「ん…」
ふと目を開けると、なぜかソファーの上。起き上がるのが億劫で横たわったまま見回すと、間接照明の洒落た部屋。先程までの喧騒が遠くに聞こえる。VIPルームか何かだろうか?
「気がついた?」
考えていると、背後から声がした。
驚いて身を起こすと…
「気がついたみたいね」
先程の…綺麗な人だ。
「あなた、ちょっと飲み過ぎよ」
水と氷の入ったグラスを片手に、こちらへ近づいてくる。
なんか優雅だなぁ、なんて考えていると、その人は私の隣に腰を下ろした。仄かに薔薇の香りがする。
「あたしはK.a.y.a。あなたは?」
「あ、Nana…です」
そう、と興味なさげに答えると、その人はグラスの水を口に含み――
一瞬、何が起きたのか理解できなかった。目の前が暗くなって…冷たい水と一緒に舌が滑り込んで来る。
(キス…されてる…!)
飲み過ぎたお酒のせいか、それともキスのせいなのか。全身の力が抜けて。
「んぅっ……はぁっ…」
キスから解放された時には、床にへたり込んでいた。
髪を撫でる優しい手つき。それがどうしようもなく心地よくて。
なぜそうしたのかは自分でもわからないけれど――
私は、その人のつま先にくちづけていた。
「あら、困った子ね」
くすくすと笑いながら、視線を私に合わせるように屈むと、その人は私の洋服に手を掛けた。ゆっくりと服を脱がせていく、その仕草さえ美しい。
普段着過ぎても逆に浮くから、と着飾った服は簡単に脱がされてしまった。自分だけが裸にされるという状況に羞恥心が込み上げたのも束の間、肌の上をさまよう手に意識を持って行かれる。
「…んあっ…やぁっ…」
肩や背中を直に撫でられただけで声が漏れた。敏感な部分に触れられればもうひとたまりもなくて。
不意に私を弄んでいた手を止めると、その人はソファーに身を預けて衣装を緩めた。
膝にすがりつくと、優しく髪を撫でてくれて。私は足の間に身を滑り込ませると、迷うことなくその熱を口に含んだ。
黙って来てしまって友達が心配してるんじゃないかとか、何故初対面の人とこんな事をしてるんだろうかとか頭の片隅で思ったが、そんな思考は伝わってくる体温と髪を撫でる手の心地良さにかき消された。
やがてそっと熱を口から引き抜かれると、ソファーの上に引き上げられた。
再び深くくちづけられ、仰向けになったその身体を跨ぐような体勢に導かれる。
視線がぶつかると妖艶に微笑まれ――自ら、熱を招き入れた。
「あぁっ…んっ…」
微かな痛み、圧迫感。でもそれ以上にその熱を受け入れている事実に興奮して。
下腹部に手をつくと、我を忘れて腰を振った。繋がった部分から今まで感じた事のない凄まじい快感が溢れて――私は、再び意識を手放した。
「…Nana、Nana!」
目を開けると、そこには見慣れた友達の顔。
「あれ、私…」
「Nana、大丈夫?」
彼女の話によると、フロアから戻ると私の姿はなく、慌てて探し回るとトイレの前で蹲っていたらしい。
心配そうな友達を適当にあしらいながら、一生懸命あの人を思い出す。
(あれは夢だったのかな…?)
諦めて立ち上がると。
「!」
洋服からメモが落ちた。薔薇の香りのするメモを開くとそこには――
『決して醒めない夢をあげる』
微妙にマイナーですが投下。初めて書いたんですが難しかったorz
作者は女王様に可愛がられたい願望があるので(※レズではない)それを形にする予定だったんですが…ビミョーorz
ちなみにK.a.y.aがピンと来ない人は、デ.ィ.ス.パの零あたりに置き換えてみて下さい。
乙です!
新鮮でいい!
乙です!!うん、今までにない新鮮さがイイ!!丁寧な言葉使いにゾクゾクしちゃいましたww
乙です!
K.a.y.aちゃん好きなので嬉しいです。
久々投下嬉しいです!
住人の皆様元気ですか?
今がんばって投下準備中です。
管理人は元気ですが、バタバタしていて更新が滞っています。すみません。
長編が増えてきた頃のまとめをおこなっていることもあって・・・
来週、1〜3本程度更新する予定です。
>>255 期待しています!
257 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 16:28:08 0
ag
仮サイト管理人様、更新お待ちしてます!!
管理人さん、更新乙です!!!
更新は時間のある時にまったりやってくださいませ!
>>255 正座して待ってます!
260 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 13:06:10 0
あげ
sage
「やまと、久しぶりだね。」
「にぁん。」
「えー、先にやまとなの?」
久々に浅.葱が家を訪れたのだが、迎え入れてすぐに呼んだのは
自分ではなく猫の名前だったために奈々は不満の声をあげた。
「ごめんね?奈々も久しぶり。ちゃんといい子にしてた?」
「もー、何か猫と人間の扱いが逆な気がするよー?」
相変わらずだ、と呆れる彼女をよそに、
足下をすりすりと歩き回る黒猫をそっと抱き上げて浅.葱は微笑んだ。
さながらその顔は子供を溺愛する親のようである。
「あいかわらずお前は毛並みがいいね。
そういえば奈々、やまと、ちょっと太った?」
「んー、そーなの。そんな太るようなものあげてないんだけどねー。」
たわいもない事を話しながら、二人してソファーに座る。
猫は相変わらずおとなしくしており、時折浅.葱が喉を撫でてやれば、
気持ち良さそうに目を閉じていた。
「あーあー、なんかすっかり浅.葱に懐いちゃったね。前はあんなに嫌ってたのに。」
「そういえばあの時はすっごい猫パンチだったよね。流石に痛かった。」
以前やまとにやられた猫パンチの痛みを思い出すように
頬をさする彼は何だか情けなく奈々はおかしそうに笑う。
「あはは。こいつ男だからか若い女の子以外嫌いだからねー。」
「涙ちゃん連れてきたら全然怒らなかったけどね。」
「「うーん・・・可愛さ・・・か。」」
二人して真面目な顔してそんな事を言っていると猫は呆れたように間延びした声で鳴き、
お気に入りの窓際の棚の上へ行ってしまった。
「ぁ、そーだ、何か飲む?紅茶でいい?」
「うん、お願い。」
奈々がキッチンに行って少しすると、ほのかに薔薇の匂いが漂い始める。
「はい、どーぞ。ローズティー売ってたから買っといた。」
自分は飲まないくせに。そんな密かな心遣いが嬉しくて、浅.葱は思わず笑みを零した。
「ん?どーしたの?」
「いや、なんか愛されてるなぁって思って。」
自分はミネラルウォーターを飲んでいた彼女はコップを口元に近づけたまま、頬を赤くした。
「もー、なんでそういうことサラっと言えるかなー。こっちが恥ずかしいよー。」
ふぅっとため息をついてコップをテーブルに置く。
「そう?思った事言ってるだけなんだけど・・・。」
「そういうところが恥ずかしいの。」
「ふふっ、奈々が恥ずかしがりなだけだよ。」
手近にあったクッションを抱きしめる形で顔を埋めている奈々に、
彼は笑って、小さな音をたてて額にキスを落とす。
それから頬をそっと手で包んで上を向かせると、先ほどと違い唇に深いキスをした。
「ん・・・っ、・・・うぅ、やっぱこの味苦手・・・。」
そう言って渋い顔をすると、浅.葱は彼女の頭を撫でた。
「もっとキスすれば慣れるかもね?
嫌いな味でも何度も食べるうちに好きになったりするらしいし。」
「えー、無理。てか好きにさせたいの?キスしたいの?」
「うん?両方。」
「あーあーあー、そーですねー。」
(出来るだけ多くの物を共有したいから。)
そんな彼の小さな呟きに心動かされ、次の日から奈々が少しずつローズティーを飲むようになったとか。
初投下です。なんか異様に短いし色々ぬるいしで申し訳ないですorz
キャラもいまいち掴みきれてないしorz
こんなのでも楽しんで貰えたら幸いです;
GJ!!過疎ってるから新規投稿は嬉しいです
甘くて良い香りがする。
薄暗くて息苦しくて
無機質な部屋。
今日もそこで私は眠る。
"あっ…いぃ〜、んっあぁんっ…"
隣には煙草片手にAVを観ている男。
時々にやついてる。
彼は明/希という名だ。
私は裸で、彼の腕を枕に寝たふりをしている。
彼と関係を持ったのは半年前。
彼はお酒の勢いに任せて私を抱いた。
身体の相性って本当にあるんだって初めて思った。
あんなに心地よいセックスは初めてで、
相手もそれを感じたみたいだった。
それから頻繁に会うようになった。
当たり障りのない会話をして、早々に行為を始める。
朝になると彼は姿を消してる。
その繰り返し。
付き合うとか、そういう関係がお互い煩わしかった。
けど…
「こんな関係いつまで…?」
手の中の合鍵に呟いた。
「それで…そういう生活に飽きちゃったってこと?」
「そう。もう何もかも面倒になってきた…どうしたらいんだろ」
「きっぱりそういう関係やめるとかしたら?」
「そうだよね…やっぱ…」
「きっとその方が奈々ちゃんのためだよ。」
「だよ、ね…」
共通の友人であるマ/オと飲み屋でそんな会話をした。
愚痴ってたらいつの間にか沢山お酒を煽っていて、
帰りは家までマ/オが送ってくれた。
「水、用意するね」
意識がぼーっとする中、マ/オが水を運んできてくれて。
なぜかマ/オがそれを口に含み、突然私に口付けた。
「んぅっ…」
互いの唇から一筋水が溢れ落ちる。
とりあえず吹き出しちゃいけない、という意識でそれを飲み干した。
「いっいきなり何すんの…っひゃぁ、んっ…」
頭から肩を抱きすくめられながら深いキスが落ちてきた。
力が入らない。それほどに快楽が全身に伝わった。
何十秒経ったか、とろんとした目の私の耳元でマ/オが囁いた。
「忘れるっていうのも手だよ?」
ゾクゾクと鳥肌が立つ。
「…明/希のこと…を?」
「そう。記憶からかき消しちゃえばいい。
新しいので塗り潰すんだよ」
私をきつく抱きしめたままマ/オは言った。
「いゃっあん…ふぁ…んーっ…や、だめっ」
甘く 優しく 柔らかく
マ/オの指と唇は私の上を這った
「奈々ちゃん…もう…」
私はされるが侭―――
朝、目覚めると
隣には温もりと寝息
忘れることはまだできないけれど
マ/オによって何かが少し塗り変えられたような気がした。
もう少しこの夢を見ていたくて布団にもぐりこんだ…
その瞬間
私の携帯がバイブ音と共に「あの人」の色で光り出した―――
携帯からなので細かく切ってしまってごめんなさい(;´Д`)
さらに下手な文章で…orz
続きの明希編は近日中に書き込みます!
イイ!
大丈夫、続き期待して待ってます
いつもはあの色を確認すると飛びつくはずの携帯。
今はそーっと隣の寝息を途切れさせないようにベッドを這い出て
小さくしゃがんで通話ボタンを押す。
「も、もしもし…」
『何、寝てた?』
「あー、シャワー浴びてたの」
『そ。今夜さー会えないって言ってたけど用事なくなったんだよね。どうしよっか?』
「え、そっそうなんだ。じゃ会おうよ!」
いつもの癖で出ちゃった言葉。。
一番会いたがってるのは結局私で、
私がそういう関係から離れらないだけ。私が甘いだけなの。
『ん。じゃ適当に来てね。』
「うん、わかっ…
急に背後から覆いかぶさってくるモノが。
肩にぴったりと・・・擦り寄ってくる、それはベッドに寝ているはずの人で。
「ったーわかった!適当に行くからさ!」
マ/オはしゃがみこんだ私を包み込むように、無言で背後から抱きしめる。
今はやめてってば・・・!!
『何、どしたの?』
「なっ何もない!お湯沸かしてててね、えっと・・大丈夫!じゃあ切るね!!」
『相変わらず変だなお前wしたらなー』
ガチャ
「…何すんのよー;」
「おはよ。今のって?大好きな明/希君だった?」
「何よわかってるくせに・・・ひゃあっ!!」
軽々と床に押し倒されて、キスを迫られる。
「やめてってば・・・もー!!」
私は夢から目が覚めたように、ためらいなく振り切った。
昨日はあんなに全てを委ねていたくせに。
「残念。」
マ/オは嫌味のない顔でにこりと笑った。
―――渋るマオを送り出して、掃除して、支度して、
メールで連絡する。
そして、あのドアの前。
この合鍵使うのは何度目?
明希は、ソファベッドにもたれながら煙草を吸っていた。
私に気付くと、にやりと笑って自分の隣をぽんぽん、と叩いた。
「久しぶりだね?」
「そうだねw明希が忙しいからさ…」
「奈々も結構忙しいんじゃないの?」
「んっ・・・!」
乱暴に肩をつかまれ無理矢理に唇を奪われた。
そして明希の舌が口内を這うように進入してくる。
大好きな、冷たい金属の感触と一緒に。
押し倒され、舌が首筋へと降りてきたそのときだ。
「あれ?なぁに?これ。」
明/希の指先が私の見えない場所を撫でる。
耳の後ろ。
私の性感帯。
「キスマークっていうよね、これ」
「え…・・・ちが・・・」
「怪しいと思った。」
「んっやぁ・・・!!」
服を乱暴に脱がされ、胸を揉みしだかれる。
乳首への愛撫に、身体がびくびくと反応する。
甘噛みがいつもより、痛い。
「なんか今日すごいね、ここ」
パンツの上からゆっくりと秘部を撫でられ、
脱がされ、私の下半身も露となった。
「あぁっ、んぅ・・・」
「昨日もやられたの?こうやって」
片手の指で、中を刺激されながら、
丁寧に、舌で秘部を舐めとられてゆく。
出てくるものを全て吸い取られてしまうんじゃないかってくらいに
くちゅくちゅと卑猥な音を立てながら、その行為は行われていく。
「ふぁ・・・あっうぅう・・・んぁっ、いい・・・あぁんっ!」
私が果てたことを確認すると、明/希が何かを取り出し
私の目の前に差し出す。
「これ、自分で当てて。」
今まで明/希とのセックスでは使ったことがなかった。
機械。
小さな、ピンクのローター。
「っ・・・ぃやだ・・・」
「やだじゃねーよ」
ブン、という音と共に一番敏感な部分へとそれが押し付けられる。
「ひゃあぁっ!!やっ、あぁんっ・・!!」
「自分で持ってろ」
上体を起こし、震える手でそれを持ち部分へとあてがった。
明/希は私の頭を両手で掴み、自身を口へと押し込んでくる。
「んぐっ・・・んっ・・・んぅうー!!っ・・・んっ」
頭を前後へと無理矢理動かされ、
自分自身での身動きも取れず、呼吸も困難な状況で、
下半身の快感は体中を駆け巡り、私の身体はびくんと大きく反応した。
「お仕置きだからな。この変態・・・こっち向いてみろよ」
「ぅぐ・・・」
「もっと・・・んっ・・・奥まで・・・」
ようやく解放された涙目の私は、聞いてみた。
「明/希、怒ってる?」
「何が?」
「だから・・・キスマークのこととか」
「別に怒ってねー。なんか腹立つ」
「・・・それって怒ってるんじゃん」
「・・・・・・・・・・」
「そんなの気にしないと思ってたよ」
「きっ気にしてねーっつの、お前のことなんか」
「じゃこんな関係やめようよ。いつまでこんな事続けるの?
私・・・不安で不安で。。会う度に明/希が好きになってゆくの・・・
このまま続けるのが、辛すぎる・・・」
「・・・・・・嫌いだったら呼んだりしないだろ?」
「え・・・あっ、いやぁっ」
私の手にあるローターを奪い、敏感なそれにあてがってきた。
そして足を無理矢理開かれ、彼自身が体内へと入ってくる。
ローターの機械音は無機質に鳴り響き、
明/希の腰を打つ音と、卑猥な水音がさらに私を興奮させた。
「ここ気持ちいい?」
「っ・・・ふぁっ・・・んっ、あんっ・・・やばいよ・・・ぅああぁんっ!!」
「俺は続けたいなぁ」
「ひゃぁん!あぅ、んっ、やっ・・・イクっ・・・あぁぁ」
「奈々・・・好き」
「っ・・・!!」
私の肩に顔をうずめ、耳元でそう囁かれた。
頭の中が真っ白になる快感と、下半身でびくびくする熱いモノの感触。
それは私のお腹の上にたっぷりと出された――
「ごめん。」
「・・・(号泣)」
「ごめんってば。。」
「お仕置きとかいって今更・・・」
「じゃーさ・・・付き合えば、奈々が誰にも取られなくて済むわけ?」
「へ?」
「そういうことでしょ?こんな悔しかったから・・・
俺、奈々のことすげー好きなんだと思う。」
「・・・ほんとに?」
「ココの相性もいいしな♪」
「・・・・・・////」
「けどマオだけは許さねー!!」
「そっそれは私からも謝るから許してあげて・・・!!(涙)」
それ以来、なんか安心できる関係になった。
デートも部屋ばっかりじゃなくなった。合鍵を使う回数は減ってない。
遠回りした気がする。
けど今私は幸せだ。。
283 :
作者:2007/04/07(土) 04:58:21 0
完結しました!
麺の中でも露骨にドSな二人を使ってみましたw
読んでくれた方ありがとうございます!
乙です!
表現が巧くてドキドキしました。
表現がうまいですね(´∀`)
久々に来てみれば素晴らしい作品が!
作者様お疲れさまです。
久しぶりにまとめサイトにも更新が!!
管理人様お疲れ様です&ありがとうございます
ほしゅ
そして更にまとめサイト更新!
管理人様、ありがとうございます!
どなたか新作投下を…!
ム.ッ.クって需要ありますか?
まだ書きかけなんですけど…
292 :
ミ.ヤ 1:2007/05/10(木) 19:01:40 0
まだ少しだけ冷たい風がそよぐ中、俺は走っていた。
大切な人の為に、俺の為に。
彼女が待つあの場所へ。
「遅い!!」
息を切らせて到着すると、聞き慣れたあの声が聞こえた。
「…nana」
「ずっと待ってたんだよー?ミ.ヤってば来るのが遅いから待ちくたびれちゃった」
「あ、わりぃ…」
ワンピースを着たnanaは少し頬を膨らませている。
「久しぶりだな、ココ。まだ撤去されずに残ってるとか懐かしいっぺ」
俺が生まれる前に廃線になったこの路線は小さい頃からふたりの遊び場だった。
夜風になびく小さな花。
平行に並ぶ錆びた線路はいつ来ても変わらない。
ただ、草原と人々に忘れられた線路があるだけ。
「ね、星が綺麗。前に来たときより凄くない?」
緑の絨毯の上、素足ではしゃぐnanaは空を指して笑ってる。
「だな。人間の存在なんてちっぽけなモンだべ?」
「なぁにソレ〜?笑」
「人間の一生が終わってもこの空は変わんねぇっつー事だ」
「哲学だね、名前に字が入ってるだけあるぅ〜」
「たまには良いだろ、ん」
相変わらず星を見上げているnanaの手を取り、俺達は歩き出した。
「ミ.ヤが私よりちっさかった頃もよく手を繋いだね。あ、今でもちっさいか。笑」
「おめー、一言多いっぺ。笑」
「いつの間にか身長抜かれちゃって、此処に来る機会も少なくなって…」
「でも、ミ.ヤなら来てくれるって信じてたよ」
顔を見なくても表情がわかる。
そん位、俺達は一緒の時間を過ごしてきた。
「ミ.ヤが東京に行ってなかなか会えなくなったから雑誌やCDショップをチェックしてた
んだよー」
ゆっくり足を進めながらnanaは話を続ける。
「ずっと話聞いてたし、ライブも行ってたし……でもだんだん私が知ってるミ.ヤじゃなくなった気がしてた」
「正直ね、ミ.ヤを虜にした音楽に嫉妬してたの。でもそれ以上に応援してたよ?」
「だから俺には何も言わなかったんか?」
nanaが歩みを止めた。
半歩前に出てしまった俺が振り返ると、俯くnanaの前髪の隙間から見える一筋の雫。
「だって言ったらミ.ヤの邪魔になるでしょ…?好きな音楽の事だけ考えて欲しかったの。私の事なんて余計な事じゃない…」
繋いだ手に力を込めて。
左手で抱き寄せたnanaは涙をかみしめ震えていた。
「いつまでもただの幼なじみに構ってられないでしょ……」
「そんな小せぇ事じゃねぇよ。今まで俺に全部ぶつけてきただろ?な?」
---------------------------------------------------
「私、寂しくて…怖かったよ…」
「何回も何回もミ.ヤって呼んだの。でもミ.ヤ本人には言えなくて……会いたかった…」
初めて抱きしめたnanaは華奢で、小さな肩は力無く震えたまま。
この世界は俺達しかいないんじゃないかと思う位の静かさと
体中で感じる悲しい程の暖かさに胸が締め付けられた。
「頭ん中で片付ける前に言ってくれりゃ良かったんだよ…」
気付いてやれなかった悔しさ。
……今更後悔したって何も変わりはしない。
「nanaを忘れた事なんて無ぇし。なんも言わずにいなくなるなんて卑怯だべ?」
俺の勝手な言い分なのはわかってる。
でも、こんな結果を誰が想像してた?
「ごめんね…ミ.ヤ」
俺の所為で塞がれたnanaの未来。
顔をくしゃくしゃにして笑う大好きな笑顔に、もう触れられない。
nanaが弱さを露呈出来る場所は俺だった事。
知ってたのに。
俺はわかってたのに。
バンドをもっとでかくしてから伝えようと決めてた想いがグルグル回って、窒息しそうになる。
「nanaの事、ずっと好きだった。いや、今でも好きだな」
「…知ってる。私もずっと好きだったから」
「胸張って迎えに行けるようになったら言うつもりだったんだけどな」
何度も話した俺の描く未来予想図。
何度も聞いたnanaの描く未来予想図。
nanaが夢見た美しい未来はnanaが愛したこの景色に溶け込んでいった。
小さい頃から傍にいて、
一緒に笑って、
一緒に泣いて、
何度も手を繋いだ。
ふたりの当たり前が初めて覆された今をnanaはどう思う?
「あと、ミ.ヤのお嫁さんになりたかったなぁ……ふふ、照れちゃう」
あぁ、俺が好きな笑顔だ。
泣いてるのにすげぇ可愛くて。
伝う涙はまるで流星のように、nanaの命のように輝いて、消えた
今まで見たnanaの笑顔の中で1番綺麗なのに、その綺麗さが余計に儚さを色濃くしていく。
----------------------------------
どれ位歩いて来ただろう。
もうすぐこの線路の終わりに着く。
それは俺とnanaが離れてしまう事を意味している。
「…行くのか?」
「うん…もう行かなきゃ」
「俺を置いて行くなよ…」
離れたくない。
時が止まればいい。
行くなら俺も連れて行けよ……
「ミ.ヤが私を覚えてくれてる限り、私はミ.ヤの中で生き続ける事が出来るの」
「ミ.ヤはまだやらなきゃいけない事がある。私の夢はそれを見守る事」
「だから、笑って?ね、ミ.ヤ…」
雲一つない澄み渡る空。
それを彩るスパンコールのような星々の下。
何度も歩いたこの錆びた線路だけを手がかりに歩いてく。
ふたりの思い出を辿るように、想いをかみしめるように。
忘れないように
心が離れないように
千切れないように
最初で最後のキスをした。
白く透き通るnanaから伝わる暖かさが真実。
「またね、ミヤ…愛してる」
この想いが全て。
景色は変わらない。
それなのにnanaがいなくなるだけでこんなにも彩りと輝きが違う世界。
けれど俺の未来がnanaの未来になる。
もう会えなくても、触れられなくてもnanaが生きた証は俺の中に永遠に残る。
愛した証と共に。
俺は精一杯生きよう。
いつかnanaの隣、大地を照らす星になるまで。
涙を拭って、流星と共に空へ溶けたnanaを見上げた。
「愛してる」
END
お粗末様でした。
夢.烏さんには色々な意味で申し訳ないネタ&言葉遣いですが・・・
ずっと暖めてきたネタだったのに文が短いせいでだらけてまとまってません。
読みにくくて申し訳ありません。
補足として、ふたりは幼馴染で彼女は最近亡くなった。
ミ.ヤには知らせないで欲しいと周囲に頼んだけど、どうしても逢いたかった。
彼なら来てくれる、だから最後にあの思い出の場所で待ってたの・・・
という感じです。
今更ですが、タイトルは流.星ム.ッ.クの楽曲から広がった文とタイトルです。
あ、タイトルとストーリーは楽曲からヒントを得たという事です。
スレ消費してすみませんでした。
作者様、乙でした!
ホロリときました(*´・ω・`)
管理人様お疲れ様です。
ありがとうございます。
修正作業が終わりました。通常通り閲覧できます。
ページが広告以外出ない状態の場合、更新をクリックしてください。
お騒がせしました。
307 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 10:17:06 O
保守
何方かキュンとなるストーリーお願いします。
まとめサイト更新!
管理人様、ありがとうございます!
期待sage
ていうか自分で書けって話ですが何もネタが思いつかないorz
どうやったら皆様のようなネ申話が投下出来るんだ(´・ω:;.:...
頭の中の妄想を形にすればいいだけさ^^
313 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 22:33:18 O
保守
314 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 08:21:01 O
ほっしゅ
315 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 01:02:51 0
ほしゅー
保守
まわらないねー・・・
回らないなら投下して無理矢理回してしまえ。
甘々で中途半端ですが、お許しを。
足りない部分は妄想で補って下さい。
--------------------
連日暑い。
でもキッチンにはクーラーついていない。
最近いっしょに住み始めた彼が珍しくオフなので、手料理を作って。その直後のキッチンは地獄のような暑さ。
少しの眩暈。
そして体を支えるためにつかまった棚から、瓶や缶が落ちた。
「きゃあっ!!」
「奈々!大丈夫!?」
私の悲鳴と大きな物音に、咲.人が慌ててキッチンに入ってきた。
「ん・・・大丈夫。割れてるものもないし・・・」
そう言ったものの。
私は部屋着のキャミソールとシャツと短パンのみで。その上に中途半端に瓶が空いていたらしいハチミツが垂れていた。
「うわー。盛大にやっちゃったね」
「うん・・・掃除大変だぁ」
「掃除じゃなくて、奈々が大変でしょ?」
咲.人が苦笑いしながら言った。
「うーん。どうしよ・・・」
床を汚すのが嫌で体勢を変えることができない私。
じっと蜜塗れの自分を見た。
キャミの内側の肌や、太腿までしっかり塗れている。
助けを求めるように咲.人を見上げた。
視線が合ったその瞬間、咲.人の目付きが変わった。
「・・・奈々。何だか色っぽい」
そっと咲.人が近付いてきた。私の服に手をかける。
「え・・・?何・・・?」
「シャツ。ハチミツが零れる前に脱いだほうがいいでしょ?」
「あ。そうか」
咲.人の目付きは気のせいなのかと思った。
ゆっくりと上半身をねじって、咲.人にシャツを脱がせてもらう。
咲.人は器用にシャツを取って、床に蜜が零れないように丁寧に畳んだ。
「あ。そうだ。タオルか何か持ってきて」
太腿を伝っている分はどうにもできないので頼んだ。
少し間を置いて、咲.人が笑って言った。
「必要ないよ」
思わず、咲.人の顔を凝視する。
楽しそうに笑っている。
そっと私の頭を撫でた後、キャミソールの紐を落とした。
あらわになった胸にも蜜が伝っていた。咲.人はその蜜を指ですくい、舌で舐めとった。
何だか恥ずかしくて見つめたままでいると、咲.人が胸元に顔を寄せてきた。
「ひゃぁ・・・!!」
胸に、乳首についた蜜をじらすように舐められる。
咲.人の手は、蜜に塗れた私の太腿をゆっくりと撫で始めた。
「きゃ・・ぅん・・・」
恥ずかしくて声を抑えようとするけれど、口から小さく声が漏れ腰は疼く。
そんな私を見て、咲.人はさらに笑う。
咲.人の手が、短パンの裾から滑り込んできた。
下着ごしに敏感な場所に触れる。
「ここも濡れてるね」
「・・・そこは・・違・・」
「違うんだったら、何?」
顔を覗き込まれる。
そして咲.人はそのまま太腿を伝う蜜を舐め始めた。下から上へゆっくりと・・・
相変わらず、手は下着越しにソコをなぞる。
「せっかくきれいにしてあげようとしてるのに。どんどん汚れていくね」
私を綺麗な顔で見上げた。
ゆっくりと舐め続け、太腿を伝っていた蜜がなくなった。
動いても床を汚す心配はなくなったけれど、私は別の意味で体が動けなくなっていた。
「ほら。立って。片付けないと駄目でしょ」
咲.人がからかうように言った。
「や・・・だ・・・」
私の口からこぼれたのは、そんな言葉。
「何?どうしたいの?」
・・・わかってるくせに。
「もっと・・・」
「もっと何?」
言葉にできず涙が溢れた。
小さな悔しさが言葉を止めていた。けれど。
「・・・続き、したい」
消えそうな声で答えた。
「はい。お終いね」
咲.人がきっぱりと言った。
「え・・・?」
あっけにとられた後、ここまでしておいて?と怒りがこみ上げてきた。
立ち上がった咲.人を下から睨みつける。
咲.人は笑った。
「シャワー、浴びといで。待ってる」
そして、私の耳元で囁いた。
「二人の時間はたっぷりあるから。ゆっくり愛してあげるね」
以上です。
中途半端で暑苦しくてすみません・・・
樹.威で書こうとしたのですが、咲.人の方が適度にギャップがあってよさそうな気がしたので変えてみました。
読んでくださった方、ありがとうございました。
乙です!
ハチミツって想像するとやらしい…
324 :
sage:2007/08/27(月) 20:45:01 O
作者様乙です。
ハチミツやらしくてイイw
お久しぶりです。
私生活が忙しいので更新が止まっています。
次に載せるものが長いので時間がかかりますが、今月中には載せます。
更新後にここに報告しますね。
投下を待ちながら・・・
管理人さん、いつも乙です。
無理せずに余裕のある時に更新してください(´∀`)
久々の素晴らしい投稿お疲れ様です!
管理人様も存在自体が神なので、いつでも待ってます。
さぁ久しぶりに書き始めようかな。
328 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 14:00:38 0
ag
329 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 06:16:05 O
まんこ
330 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 02:20:15 0
(^ω^;)
予告より遅くなってしまいましたが、更新しました。
次の更新の時も報告しますね。
待ってました!
管理人様、ありがとうございます!
まとめ(仮)更新しました。
管理人さん、いつもほんとお疲れ様です!
そしてありがとうございます!
これから浅.葱ネタ、投下させていただきます。
途中で連投規制が入ったらごめんなさい…。
浅.葱はバカだ。
今日だって、せっかく私が来てるってのに、相手にするのは猫ばっか。
この、猫バカ男。
3匹もいる浅.葱の愛するお猫様。
私はその内の1匹、ド.ナと床でにらめっこをしている。
にらめっこをする振りをしながら、浅.葱の様子を窺った。
おぅおぅ、随分とお幸せそうな事で。
ソファーに座った浅.葱は、楽しそうにチ.ミと戯れていた。
浅.葱の膝上で目を細めたチ.ミの、甘い声が部屋に響く。
あの太股の気持ち良さは私もよ〜く知っている。
不満げに浅.葱を見ていると、浅.葱より先にチ.ミが私に気付いた。
チ.ミは私に見せつけるように、目を閉じて浅.葱にすり寄る。
…あぁそうさ。
どうせ私は人間様さ。
お前らみたく、立派な天然毛皮もなきゃ、三角の耳だってない。
「どうしたの?奈々」
心の中で猫に毒づいてると、イライラの原因が話しかけてきた。
しかも苦笑しながら。
まったく、誰のせいでこうなってると思うんだ。
「…にゃあ」
でもまさか、猫に嫉妬しましたなんて、言えるはずがない。
私はふて腐れた声で猫真似をすると、そっぽを向いた。
浅.葱の苦笑が深まったのが気配でわかる。
「ごめんごめん」
まるで子供扱い。
いや、猫扱いか。
浅.葱が笑いながら、私の頭を撫でてくる。
「…にゃあ」
横目で睨んでやると、浅.葱が目の前にしゃがみ込んだ。
片肘を付いて床に寝転がる私を、浅.葱は真っ正面から見つめてくる。
ちらりと視線を浅.葱にずらすと、真っ直ぐな瞳とぶつかった。
真面目な性格がにじみ出た、迷いのない浅.葱の瞳。
強く心臓が脈打った。
私は慌てて、またそっぽを向いた。
「奈々。頬が赤くなってるよ?」
「うるさい」
「…頭撫でられただけで興奮し」
「黙れこの変態!」
ニヤニヤニヤニヤ。
ファンの子が幻滅しそうなくらい、いやらしい目で浅.葱が見てくる。
あぁ、ダメだ。
この変態。
私は溜息と共にその場に倒れた。
クルリと半回転して、仰向けになる。
すると突然、視界が暗くなった。
目元が温もりに包まれる。
続いて唇にも、温かな感触。
大きな手で私の目を塞いで、浅.葱がくちづけてきた。
最初はそれこそ、愛するお猫様にするような、触れるだけの軽いキス。
しかし猫ではない私相手に、それだけで終わるはずがない。
浅.葱の生暖かい舌は私の唇を辿り、口内へと滑り込んでくる。
身勝手に動き回る舌に翻弄され、くぐもった声が漏れた。
「はぁ…」
充分に私の中を堪能したのか、ようやく浅.葱の唇が離れた。
それと同時に視界も開放される。
眩しい部屋に目を細めると、唾液の線が輝いて見えた。
「お風呂、入ろうか?」
真上から私を覗き込み、浅.葱が微笑む。
私の心を見透かした目。
素直に答えるのもしゃくなので、私は無言で手を伸ばした。
天井に向かって伸びた私の手に、浅.葱の手が触れる。
大きな力強い手に導かれ、私はゆっくりと体を起こした。
「まったく、奈々はわがままなんだから…」
上半身だけ起き上がった私に、浅.葱がひざまずく。
そして丁寧に抱き上げられた。
いわゆるお姫様抱っこ状態だ。
あいかわらず、恥ずかしい奴め…。
そう思いながら私は、浅.葱の首に手を回す。
そのまま首筋に顔を埋めると、かぎ慣れた匂いに揺られた。
瞳を閉じて浅.葱を感じていると、あっという間に旅は終わり。
浴室の床に、慎重に降ろされる。
「お先にどうぞ、お姫様?」
甘ったるいセリフだけ残して、浅葱は立ち去った。
「…にゃあ」
私の後でお風呂に入った浅.葱。
バスローブ姿で上がってきた浅.葱は、私を見て吹き出した。
その後は笑いを堪えるかのように、ピクピクと体を震わせている。
「ちょっ、笑うな!」
「あはは、ごめんごめん」
笑いの余韻を残しながら答える浅.葱に、私は頬を膨らませた。
人の気持ちを何だと思ってるんだ、この男。
人の心が何となくわかるとか、電波発言してたくせに!
お猫様ばかり相手にしていて、人間様の事がわからなくなったのか?
…でもまぁ、浅.葱が笑うのも無理はないか。
ソファーに座った私は、メイド服を着て、猫耳を付けているのだから。
笑える格好をしている自覚はある。
でもそれを言ったら、今の浅.葱だって、相当なものだ。
白いバスローブをはおった、濡れた長い黒髪の男。
まるでどこかの、ホラー映画の主人公だ。
これで俯いて迫らたりした日には、確実に泣き叫ぶ。
浅.葱が来る。
私の横に浅.葱が座ると、ソファーのスプリングが軋んだ。
湿った指先が、私の頭上の猫耳に触れる。
…やっぱり猫か。
「この子猫は、どこから迷い込んだのかな?」
「浅.葱」
「ん?どうしたの?」
「…変態」
呟くような私の言葉に、浅.葱は笑顔で静止した。
一瞬の沈黙の後、私の視界は大移動をする。
浅.葱によって、ソファーの上に押し倒されたのだ。
素早く私の足を封じた浅.葱が、耳元で囁いてくる。
「こんな格好してる奈々には、言われたくないけど?」
耳に吹きかかる息から逃げるように、私は首をひねった。
すると今度は、あらわになった首筋を舐められる。
「…っ!これは!
浅.葱が喜ぶかな〜って、思って!」
「へぇ?」
私の首筋から顔を上げた浅.葱が、意地の悪い笑みを浮かべる。
…嫌な予感がしてきた。
「それじゃあ今日は、いろいろしてくれるんだ?」
あぁ!やっぱり!
ソファーから立った浅.葱に、私は抱き上げられる。
楽しそうな浅.葱に捕まり、お姫様抱っこで寝室まで運ばれた。
私を床に降ろすと、浅.葱は寝室のサイドライトを付けた。
私はベッドに腰掛けた浅.葱の前に跪く。
バスローブ越しに触れた中心は、既に熱を帯びていた。
「…何これ」
「何って…奈々がそんな格好するから悪いんでしょ?」
浅.葱は苦笑しながら、それでいて上機嫌に、私の頭を撫でてくる。
私の中にふと、悪戯心が芽生えた。
「ねぇ浅.葱。
どうしてほしい?」
「ん?」
「だって私、今メイドだもん。
命令をどうぞ、ご主人様」
おどけて言うと浅.葱は笑った。
そして私の目を見ると、立ち上がるように告げる。
私が命令に従うと、浅.葱は無言でスカートの中に手を這わせてきた。
驚いた私がとっさにその手を押さえると、浅.葱がニヤリとする。
「どうしたの?奈々。
今日は俺がご主人様なんでしょ?」
ご主人様のする事は絶対。
暗に示された上下関係に、私は抵抗を止めた。
私の手から開放されは浅.葱が、いやらしく太股を撫でてくる。
「尻尾はないんだ」
「当然でしょ」
「…口の悪いメイドだね」
バカな質問をしてくる浅.葱に、ついいつものノリで答えてしまった。
浅.葱の目が意地悪く細められる。
「んっ!」
浅.葱の指が、濡れた下着に触れた。
太い指は執拗に、下着越しの愛撫を繰り返す。
「ここももうこんなにしちゃって…困ったメイドだね」
もどかしい刺激に私の足は震えた。
どんどんと下着が濡れてゆくのがわかる。
「奈々…乗れる?」
優しい疑問系の命令は絶対だ。
私はぎこちない動きで、浅.葱の太股を跨ぐ。
腰を浮かせている私の、濡れた下着に、浅.葱の指が掛かった。
「だいぶ、汚れちゃってるね」
浅.葱は私の下着を脱がしながら、その状態を指摘してきた。
恥ずかしさに俯く私に構わず、浅.葱の手が腰を支えてくる。
「大丈夫?」
「…っ!だ、大丈夫」
覆う物を無くした秘部に、浅.葱の熱が触れた。
私はゆっくりと腰を落とし、それを受け入れる。
「声、出してもいいよ?」
俯いて声を抑える私を、浅.葱が覗き込んでくる。
その言葉を皮切りに、私は快感に身を委ねた。
「あっん…あ、浅.葱」
鼻にかかった声で名前を呼びながら、私は腰を動かし始めた。
拙い私の動きに、浅.葱も協力をしてくれる。
私達の動きに合わせて、蜜まみれの秘部は卑猥な音を奏でる。
ベッドのスプリングが二人分の体重に軋んだ。
「浅…葱!大好き…!」
浅.葱にしがみつきながら、私は必死に愛情を告げる。
首筋で浅.葱が笑う気配がした。
「俺も…愛してるよ、奈々」
深い愛の言葉に、ただでさえ早かった鼓動は、更に速度を増した。
それに合わせるかのように、私を支える浅.葱の動きも速度を増す。
「あぁっ!」
体の中、一際敏感な所を刺激され、私は大きくのけ反った。
浅.葱は片手で私の頭を撫でながら、執拗にそこを責めてくる。
「あっ!はぁ…あ、浅.葱…!」
喘ぎ混じりに浅.葱の名前を呼ぶと同時に、私の視界は真っ白になった。
「どうしよう…これ」
私の手には、ぐちゃぐちゃになったメイド服。
非難の視線を浅.葱向けると、元凶は気まずげに苦笑する。
「ごめん。奈々があまりに可愛かったから、つい」
浅.葱の弁明も聞き入れず、私はそっぽを向く。
後ろで浅.葱が、名案でも思い付いたかのような声を上げた。
「それじゃあ奈々。次の休みは一緒に、買い物でも行こうか」
ちらりと盗み見た浅.葱は、とても楽しそうに笑っていた。
「…メイド服を買いに?」
「うん。それと、猫耳と尻尾…」
いやらしく歪む浅.葱の頬を抓り、私はバカと呟いた。
そして少しだけ痛そうな頬に、触れるだけのキスをした。
enD
お読みくださった方に感謝。
長々とお粗末様でした。
連投規制くるかと思ったら、きませんでしたね…。
ちなみに猫耳メイドが好きな変態は、浅.葱さんではなく私です。
浅.葱ファンの皆様、ごめんなさい…。
作者様乙です!もー読んでてニヤけがとまりませんでしたw
次回は是非メイド服を買いに行く話でも・・・w
ぬれますたwww
萌えますた(*´Д`*)
禿げますた
期待sage!
ほしゅ!
ほしゅです