http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/pinknanmin/1181290293/856-870あたりを書いた者です。
つづき
注意、月総受けに近くなるかもしれん。
月はLを始末した。
病院、警察への連絡。司法解剖。すべてが夢のように慌ただしく過ぎ去った。
Lの遺体は幾日かしてやっと戻ってきた。彼を納めた棺桶の傍らに座り込む。
月は静かに眠っているように見えるLを、じっと見つめていた。
冷たい頬に指で触れる。
「死んでるんだな…」
がっかりしたような声が漏れる。
終焉はひどく呆気なかった。
一度は失敗した死神によるLの殺害。
以前レムがLを殺すことを承諾したときの驚きよりも、軽く、本当に呆気なくLは消えた。
自分だけが新しい世界の軸になる。
昼間感じる武者震いするような高揚感よりも、今は寂しさが体を支配していた。
月は寂しかった。
きっとこれからも、真の意味では独りだ。
誰かを利用し、世界のために使うことはあっても、二度と真っ白い心で竜崎を見ていた頃には戻れない。
月は、心の中で、いまだ小さく叫びを上げる純真な少年の目を覗き込んだ。
あの時すべてLが見抜いて事件を解決し、キラを止めさえしていれば月は今も幸せな夢の中に生きていたかもしれない。
しかし、誰が月を止めたというのだろう。
誰が己が殺人ノートを手にすることを阻めたのか。
ひどく感傷的な気持ちが湧き起こる。
自分で仕掛け、自分が嵌る罠に月は虚しさを覚えた。
Lだけが、今は死んでしまったこの男だけが頼りだった。
月はそこまで考えて軽く頭を振った。
こんな思考は不毛だ。
よく食べ、よく眠ればきっとこんな考えは起こらなくなる。昼も夜も。