吉本隆明「共同幻想論」はもう古い?

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1範馬勇次郎
「共同幻想論」ってマルクス主義や天皇国家へのアンチテーゼ
としてしか意味を為さないような気がするんだけど。この本って
それほど普遍性がないように思える。時代遅れの感が否めない。
どう思います?
2考える名無しさん:01/11/14 01:38
ふるい
終了。
3考える名無しさん:01/11/14 01:54
>>1
このスレ読んでみそ。
吉本隆明の『幻想論』を教えて〜!
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/philo/990408881/
4初心者:01/11/14 03:04
>1
柳田国男とかレビィストロースの本読んだら
5考える名無しさん:01/11/14 21:08
古事記の読書案内でしょ。
6考える名無しさん:01/11/14 21:25
吉本隆明の「幻想」という言葉の定義は
観念、精神、意識の複合体か?
これらの言葉に「手あか」が付き過ぎているので
あえて幻想を選んだらしいが、
おかげで難解な書であると、これほど誤解、曲解されたものも希だ。
氏の前期の著作のまとめ的なところと後期(カス)へのつなぎ
にあたるもので、成功したとは言いがたいの確か。
 前期の主要な著作の殆どを先に読んでおけば実に容易に
理解できるが、先に読んでないとかなり難解。
7考える名無しさん:01/11/14 23:42
>>3
そんなスレッドないです。だって
8考える名無しさん:01/11/14 23:48
きちんと読んでみれば?
外野の批評(にもなっていない言葉)を抜きにして書物と向き合ってね。
9考える名無しさん:01/11/15 00:06
>>8
10範馬勇次郎:01/11/15 00:38
>>4
それは柳田、レヴィを読んで勉強してから「共同幻想論」を読めってこと?
それとも吉本なんか読んでないで柳田、レヴィを読めってこと?
11ただの名無し:01/11/15 02:22
>>10
4ではないがあわせて読んだほうがいいのでは 
12 :01/11/15 02:27
岸田秀は?
13考える名無しさん:01/11/15 10:27
>7
倉庫探せば、なかった?
14考える名無しさん:01/11/20 23:03
あげ
15考える名無しさん:01/11/21 02:52
そういえば尾崎豊が好きだったんだよね。
16 :01/11/22 02:58
80近い爺さんだろ。
半世紀近く一線に近いところで発言してきたって事は凄いよね。

80年代前半に浅田や栗本に絡んで、
読者の世代を有る程度更新できたのが大きいな。

まだ、あの頃の対談や著作をみると凄みを感じる。
ボケたのはここ5年くらいだな。
17考える名無しさん:01/11/22 03:17
少しずれますがみなさんマルクス自体はどう思ってますか?
いまさらな問いかけだけど本当に死んだんでしょうか?
私はずっと抜け出せないでいます。
18考える名無しさん:01/11/22 03:41
政治理論としては死んだかもしれないけど、まだまだ使える所はあるんじゃない?
19考える名無しさん:01/11/22 03:44
政治理論としては死んだ=人間の解放は不可能
となってしまうと思うんです。
20考える名無しさん:01/11/22 04:32
>人間の解放は不可能
これこそ、マルクス主義の偉大な教えではないか?
逆に言えば、自分だけを例外にして、革命によってそれが完全に達成されると信じ始めた所からマルクス主義はおかしくなってくる。
21sage:01/11/22 04:44
マルクス主義は、ソビエトによってその実践の終結を見た。
しかし、マルクスの思想じたいはまだまだ死んでいない。
極東の国のなかで、マルクスの思想の可能性を思考によって追求すること
それが吉本痴呆老人のしてきたことではないか?
22考える名無しさん:01/11/22 04:45
あっ又ゃっちやた・・・
23考える名無しさん:01/11/22 04:45
確かにそれは自分にも当てはまるし一理有ると思います。
ただこの場合はマルキシズムでわなくマルキストの側の問題ですよね。
「資本主義の完全否定=打倒」によって人間はよりよく
生きられるのでしょうか?
24考える名無しさん:01/11/22 04:47
マルクスは復活の可能生が常にあると思うけど?
ニーチェと違ってw
25考える名無しさん:01/11/22 04:53
東の敗北=マルクス主義の敗北という
とらえかた自体間違ってると思います。
ただマルクスを再考するなら「別の社会主義」
以外に道は無いようにも思えます。
26考える名無しさん:01/11/22 05:25
マルキシズムだけじゃなくて社会主義そのものが虐殺主義、収容所主義なんだよ。
27考える名無しさん:01/11/22 05:29
>24
復活も何も、ニーチェの思想って一度死んだのか?
どーでもいいけど、共同幻想論の話はどうなったんだろう・・・
28考える名無しさん:01/11/22 05:35
ところで「資本論」はどこの出版社のを読めばいいの?
大月?

共同幻想論はやっぱりマルクスと切り離せないということか!?
29考える名無しさん:01/11/22 05:53
>共同幻想論はやっぱりマルクスと切り離せないということか!?
結局、その文脈でしか活きないということなのかな?

ところで、具体的にどういうマルクス主義批判になってるか、誰か教えてくれませんか?
エンゲルスの原始社会分析の批判があったような記憶があるけど・・・
3028:01/11/22 07:01
>>29
>結局、その文脈でしか活きないということなのかな?
そう。

>具体的にどういうマルクス主義批判になってるか
一知半解なので間違ってたり理解が足りなかったら訂正してね。
上部構造は下部構造によって決定されるから、下部構造の研究
をしていれば上部構造の研究はいらない。というマルクスの
主張に対して共同幻想論では上部構造は下部構造から
独立したものとして扱うことができる(独立しているではなくて
あくまでも”扱い得る”ね)と主張している。そして下部構造に
はない上部構造独自の特色である共同幻想、対幻想、自己幻想
を分析しているわけだ。

で「上部構造は下部構造から独立したものとして扱うことができる」
というテーゼはマルクス主義へのアンチテーゼとしてのみ機能する
と思うんだが。
31考える名無しさん:01/11/22 07:08
なるほど。
上部構造が下部構造に決定されないというのは正しいだろうね。
そもそもルカーチも、そんなこと言ってたような気がするし(うろ覚え)

そうすると今度は「共同幻想、対幻想、自己幻想」といった概念が上部構造の分析にどこまで有効かという点に、
共同幻想論自身の生死がかかってくるんだろうけど、どう思う?

個人的には全然足りないと思うんだけど。
32考える名無しさん:01/11/22 07:24
やはり下部構造が重要だと思うけどな。
別に公式のマルクス主義を取らなくても(w
観念論じゃないの?
共同幻想論。
33考える名無しさん:01/11/22 07:26
目のつけ所は悪くないとしても何か分析の目が粗いような・・・
34考える名無しさん:01/11/22 18:48
あたりまえだけど、人間の幻想性は不確定要素が多すぎて、
やっぱり論としてまとめるのはむずかしかったんだろうね。
35OFW:01/11/22 22:19
吉本の功績は構造としての資本主義は
不可避的に存続することを認めつつも、
なお個々人の主体としていかに資本主
義とは無縁であるかのように生きる術
を模索したことにあろう。
そしてその解を「宗教」に求めた。
最近の柄谷もそうだが、宗教に反資本
主義的性格を見いだすところが、彼を
一般のマルクス主義者から区別してい
る。
36考える名無しさん:01/11/26 02:08
コムデギャルソンの広告塔にもなった人なのになぜ、川久保玲から
「ファッションがわかっていない。」と言われたんでしょうか?
37考える名無しさん:01/11/26 02:09
しるかボケ!!
38考える名無しさん:01/11/26 02:32
>>35
でも今や宗教「法人」は資本主義的性格を色濃く帯びてるけどね。
39考える名無しさん:01/11/26 02:55
えっ、宗教法人って元々営利追求団体じゃなかったっけ?
40Rage@:01/11/26 02:57
吉本は実践家としては立派だったかもしれないが
理論的功績は何も無い。学者としては・・・プ。わかるよね?
41考える名無しさん:01/11/26 03:04
らげ勝負しよーぜ?
42考える名無しさん:01/11/26 14:18
>>40
むしろ
実践家としてだめだったんじゃないの?
43考える名無しさん:01/11/26 16:30
>>35
それは吉本の功績とは呼べないんじゃない?
すでに明治〜第二次大戦前の日本文学には、
アンチ資本主義と仏教の融合は珍しくなかったし。
あんまり新鮮味は感じないなあ。
44考える名無しさん:01/11/26 20:15
共同幻想論はフーコーの「言葉と物」みたいにもっと徹底的にやって欲しかった。
けっこう、似たようなところをかすめていたと思うんだが。
45考える名無しさん:01/11/27 04:33
>>40
実践家として有名というのはどういう意味なのでしょうか?

政治運動に参加していたということ?反核著名しなかったこと?
ギャルソンの服を着てアンアンに載ったということ?
坂本龍一と一緒に曲づくりをしたということ?
原書を読まずに源氏物語論を書いて学会からは全く相手にもされなかったこと?
以上のような活動からみて自分で本を書きそれなりにインテリとして資本主義の
原理の中で成功しているということ?

わたしにはメディアの中でスタンド・プレーに腐心している彼の姿しか
印象に残っていないのですが。

つまりこれがあなたのいう「理論的功績は何も無い。学者としては・・・プ。わかるよね?」
ということであるならば、激しく同意です。w
46考える名無しさん:01/11/27 04:41
>>42
わたくしも実践家として吉本隆明を評価した場合、成功したとは言えないとおもいます。

ギャルソンやワイズの服を着る彼の姿は 借り物の猫のような風体でした。。
坂本龍一との共作…聴いて判断して下さい。ひどい代物です。。

彼は「最先端」なるものの理論化(言葉で説明すること)にはことごとく
失敗しています。彼は常に動いているものを捕らえる触覚が非常に鈍い。

簡単にいうとセンスがなく、ダサいんです。。
47考える名無しさん:01/11/27 06:00
>>40
吉本の実践といえば、「試行」が思い浮かぶ。
48考える名無しさん:01/11/27 08:30
吉本って一度も読んだことないんですけど(ばななは読んだことある)、
正直言って読んだことなくて悪いとも思わないし、今後別に読もうとも思わない。
全共闘世代のおじさま方だって、それより一世代前の批評家(徳富蘇峰?わからんが)
なんか読まなかったのだろうし。そんなものでしょ。
49考える名無しさん:01/11/27 08:36
>>48
そうかな?
もちろん、読んだことないことが悪いわけはないけど(笑)
50:01/11/27 08:41

ヤフーオークションで、凄い人気商品、発見!!!

コピーガードキャンセラー↓
http://page2.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b18032656

注目のオークションに適用される事、
間違いないですね。

私も買いました。

皆も買いましょう。
51考える名無しさん:01/11/27 08:54
でも、文藝評論家として考えると、先輩格の小林秀雄、後輩格の柄谷行人なんかと比べてどうなのかな?
彼らにしても、学者としては・・プ、だし、理論的功績は何もない。
吉本(だけでなく小林、また柄谷さえも)にとっての問題は理論の問題でなく生きることの問題だったんだろうと(好意的に見れば)思える。
それがダメ、というのは(ある種の)「文学」はダメ、ということだし、哲学板の住人ならそういう人もいるだろう。
私も、積極的に評価できない(全共闘世代じゃないし)。
ただ、学生時代に読んだ、『新・書物の解体学』は予想に反して悪くなかったという印象。
その他は、『共同幻想論』など、数えるほどしか読んでないが。
52名無し:01/11/27 11:00
言語にとって美とは何かの新刊が出たのは謎だが、ハイイメージ論や
共幻は同じ文体でも中身が違うと思うが。当時はね。
53考える名無しさん:01/11/27 11:24
初期歌謡論とか
上代の研究者には
まだ影響力があると聞いた
54考える名無しさん:01/11/27 14:20
文章に美しい飛躍がない
直観と言い換えもできるけど
とにかくつまらない
煉瓦を一つ一つ積み上げるように
根気強く作業は続く
長い作業の結果
とにかく何らかの作品は出来る
それが面白くない美しくない

誰か言ってたけど
とにかくセンス悪いダサイ
55考える名無しさん:01/11/28 10:11
>>54
吉本の詩のパロディか?
56だいたいでいいじゃない:01/11/28 11:40
作品以前に「感覚」の問題ですよ。
理屈では間違ってないけど、感覚的にどーも腑に落ちないなー
っていうスタンスで物を見ているわけです。
ある意味、理屈をこねすぎて暴走、低迷、虚無化している思想界の
リミッターになってるんじゃないかな?
57考える名無しさん:01/11/28 14:01
それじゃあ、モー娘。の中でどれがいい?ってレベルの話じゃん。
58考える名無しさん:01/11/28 15:29
>>55
単なるお喋りの場と心得ております
思いついたままの呼吸で
書いただけです
大体ポエジーの欠片も
感じられないでしょ
尤も隆明の詩も
たいそうなもんじゃないですけど
59考える名無しさん:01/11/29 06:42
>>57
そーねー、なんかいい切り口ってないかなー
大体、2ちゃんじゃ吉本なんて不人気もいいとこで、抹殺されてるからなー
60-70年代が青春だった人にとっちゃ、神様だったんでしょ。
彼等は何に裏切られて吉本をかたらないんだろうっか?とーっても不思議ー
60考える名無しさん:01/11/29 07:07
いや、なぜ昔彼があんなに受けたのかのほうが不思議。
61考える名無しさん:01/11/29 07:29
>>60
そう?私は「あの時代」に青春時代を過ごしてないんだけど、
吉本がもてはやされた感覚ってなんとなーくだけど、わかる気がするよ。
誰かがいってたけど、「生き方」の問題に規定してしまったら、誰もその人の
過ごした時間なり経験なりってのを馬鹿にできないんじゃないかなーって思うし。
語るべき人がもっと吉本語って欲しいんだよなー
62範馬勇次郎:01/11/29 07:37
どうも共同幻想論、吉本隆明はここではあまり評価されていないようですね。
といってもこのスレ自身吉本に対して否定的なのですが。でも私は
「言語にとって美とは何か」は名著だと思いますよ。自己表出、指示表出
は結構使えるのでは?と考えています。

>語るべき人がもっと吉本語って欲しいんだよなー

その人の業績を評価する場合、どれだけ後継者を生み出すことができたか?
が一つの指標になると思います。吉本の仕事を発展継承した人、又は
吉本を批判することによって自分の思索を鍛え吉本を批判的に継承した人
誰かいますかね〜?
63考える名無しさん:01/11/29 11:19
>>47じゃないですが、『情況へ』という本は『試行』に発表されたものがまとめてあります。
主=吉本、客=吉本のフォロアーのダイアローグ形式で話しがすすんでいきます。

>>62
一応、フォロアーがいるというのは確かなようですが、具体的な名前はわかりません。。

『共同幻想論』、『言語にとって美とは何か』、60年代の吉本の詩くらいは
読まないとちょっと語るのはきついかもしれません。。

読み終えるまでスレが残っていたらレスしたいと思います。
64どっぴゅどぴゅLoveメール:01/11/29 11:31
アーヒャヒャヒャ(゚∀゚)ノ 哲学デオナーニ 吉本デオナーニ

ピンポーン

「警察でーす」

( ゚д゚)ポカーン

( ゚д゚)・・・・。

( ;゚д゚)・・・・。

(( ;゚Д゚))ブルブル

(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク
65 :01/11/29 17:08
>>40
>>45
学者なんかを信じこんでるお前らはバカ
理論だと?
どこの大学のどこの学者がそんな立派なものをつくりあげたのか教えて欲しいものだね。
学会?
ふざけるな
どこの学会がそんな立派なものだって言うんだよ。
アホみたいな論文をアホみたいに発表してるだけじゃねーか

理論と実践の間で思考するのが批評家
吉本はその点で、柄谷にも蓮実にも最大限に評価されてる
66 :01/11/29 17:11
否定すれば、否定した対象より賢くなった気分
になれるじゃん。それは気持ちがいいことだよね。
67考える名無しさん:01/11/29 19:02
>>65
やはり教祖様なんですよね
吉本は
この世代には近づかないに限る
68 :01/11/29 19:28
そういう世代じゃないが、
学者やらないと食えない思想家が多い中、
思想家で食えるってのは凄いじゃない。
69考える名無しさん:01/11/29 21:32
>>68
思想家?ですか
隆明がアメリカ型市場主義経済を
礼賛してた著書の中で
超高層ビルにエレベーターを造る話があったんだけど
彼の言うとおりに造ると
老人なら死んでしまうんじゃないか
と思えるほどのGがかかるんだよね
確か理科系だったよね
70考える名無しさん:01/11/29 22:04
吉本の親鸞と共同幻想論は好きだ
71考える名無しさん:01/11/30 00:52
>>69
東京工業大学出身
>>67
教祖にしては信者ってあんまり2ちゃんじゃみないよーな・・
72考える名無しさん:01/11/30 12:18
磯田光一さんが吉本を評して
「なんらかの孤独にいきつきたいと思っている
人に応えることのできるただ一人の左翼思想家」
といっていました。どう解釈すればいいのかわかりません???
自分は吉本に特別に感情移入できないのですが、六十年代、七十年代
に読んでいた人達はどんなふうに読んだんでしょうか。知りたいです。
やっぱり天皇陛下だったのかな。
哲学やってる人から見て「おもしろい」言論人ってだれでしょうか。読んで
みたいので名前だけでもおねがいします。(横レス&質問ばかりですみません)
73考える名無しさん:01/11/30 23:05
俺も聞きたいんだが思想家として評価できる日本の学者っているか?
あおってるんじゃなくてマジレス。
74考える名無しさん:01/11/30 23:32
たしかに少ないかも。
そう考えると吉本ってすごいのかねぇ。
75考える名無しさん:01/12/01 01:31
文学板の吉本スレは結構伸びてますよ。
76考える名無しさん:01/12/01 05:00
戦後で言えば、丸山真男とかは?
77考える名無しさん:01/12/01 13:47
>>72
皇国青年であったのは戦時中
50年代,60年代は左翼運動の旗手
隆明によると彼は70年代の前半に
転向したみたいなこと言ってましたが
読者はやはり70年代も
新左翼運動の主導者とみなしてた
60年安保の時
国会突入して中でインターナショナル
歌ったのは有名だが
その事件での彼の調書は面白いらしい
78五色園:01/12/01 13:56
人は幻想によってのみ生きることができる。
幻想は構造をもっている。恋愛から国家(法)にいたるまで。
吉本「共同幻想論」は骨格的にこの点を論じた最初の日本語による著作だ。
さけて通る事はできない。
ヘーゲル「精神現象学」と異なるのは交換関係と幻想が緊張感をもって接している事が
押さえられている事だ。
79考える名無しさん:01/12/01 15:48
>骨格的にこの点を論じた
骨格的とか言う言葉を使えば
確かに仰るとおりかもしれません
でもイメージ自体は
大昔から誰でも考えてきた観念論
と大差ないのでは
当たり前のことをこつこつと積み上げた
努力には感心するとしても
新鮮なイメージは何もなかった
80考える名無しさん:01/12/01 17:48
やっぱりアカデミズムの外でアカデミズムに対峙するようなイメージを保てたのが、彼の文壇的とは言わないが、世俗的成功の秘訣だったんだろうな。
全共闘は「大学解体」を叫んでいたし。
81考える名無しさん:01/12/01 17:59
>>73
柄谷と永井均は評価しても良いと思われ。

それにしても吉本って去年新聞に連載してたの読んだけど
言動がおかしくならなかった?
82考える名無しさん:01/12/01 18:24
>81
どんな言動だったのですか?
83考える名無しさん:01/12/01 21:21
幻想領域に3つの軸(を設定する図式はもう少し古い気がする、
ってのは確か吉本自身が対談でいってたよ。
でも彼の成果物は、その時代の思想的な閉塞をしっかり見据えながら
単なる状況論にとどまらず普遍性へ到達したいってやむにやまれぬ意思が
感じられてとてもうたれるよ。そういう姿勢はすごいなーって思う。
どう世界をとらえるか、自分自信で奮闘して自分の言葉で考えてる
って点はものすごく評価してる。
「言語美」なんかやっぱり素直にうたれてしまいます。
84考える名無しさん:01/12/01 23:01
学生にとってマルクス主義の洗礼が殆どさけられなかった時代に吉本がウケた。
マルクス主義以外の思潮が一般に邪道であるかのような空気があった時代に
マルクス主義批判とそこからの脱出のひとつの道筋をつけた。
当時の学生らにはありがたい存在だったかも
逆に今の思想屋が一皮めくれば単なる珍左翼でしかなかったりするのとは
雲泥の違いか???
まあ共同幻想論あたりからは内容的にたいしたモノはない。
本人にとっての重要なテーマはここらあたりで全て終わっていたと思われ
85考える名無しさん:01/12/01 23:44
>>81
空谷は一応学者じゃないの?大学では不遇のようではあるが。
86考える名無しさん:01/12/02 07:42
>>77
調書の内容キボンヌ。
それがもしかして後の大岡&埴谷への文章削除問題に発展していったのですか?
8772:01/12/02 07:44
答えてくださった皆様、ありがとうございました。
88考える名無しさん:01/12/02 08:57
>>84
>珍左翼
呉智英せんせの造語ですね。
89 :01/12/02 15:36
>>84
そうじゃないと思う。共同幻想論後が吉本のいちばんやりたかったこと。
つまり、戦後のマルクス主義を反省して、東大だとかの、
アカデミズム中心の知識のあり方を完全否定して、
都市論や大衆論を本格的に開始した。
そここそ、彼の最大の業績じゃないかな。
でも、その頃から、東大や、東大出身の学者や、知識人層とか、
柄谷や浅田、蓮実らが、吉本を否定し始めた。
「こいつ等はみんな、知識重視で、大衆よりも、知識人がえらいみたいな、
スターリン主義を未だに脱出できない」って、吉本は言う。
吉本に言わせれば、「知識を殺すことのできないダメな奴ら」「知の三バカ」。
吉本が戦後最大の思想家なのは、
大衆の視線まで降りてきた最初の人だってことだと思う。

例えば、源氏物語論を現代語訳でやってしまったことは、逆にすごいことだと思う。
吉本が「原文にあたれ!原文にあたらなきゃ意味がない」とか言ってる学者に対して、
「お前等、全員嘘つきだ!」と言ってしまったのはすごい。
「源氏物語なんて、全部原文に当たって、完全に理解した人がいるなんて、
俺には信じられない」って言ってしまえるすごさ!!
「そんなこと言ってる学者は、嘘つきで、プライドばかり高いバカだ」って。
良く考えれば、柄谷だって、『トランスクリティーク』は、翻訳でやってるしね。
俺的には、そういう吉本の言葉に救われた。
俺の周りには、「〜〜を原語で読んだ」とかいって、
えばり腐ってる奴が多かったからな。(2ちゃんにもよくそう言うスレたってるし)
90 :01/12/02 15:56
>>83
そーいえば吉本は自分の言葉で考える人だよなぁ〜
宮台は他人の言葉で考えすぎでウザイ
91考える名無しさん:01/12/02 18:10
俺は大衆より知識人の方がエライと思うね。
92考える名無しさん:01/12/02 18:31
>>89
吉本は与謝野あきこのことを意味もわからずに
源氏物語を暗唱しているだけの女というようなことをいっていました。

「学者は、嘘つきで、プライドばかり高いバカ。全部原文に当たって、完全に理解した人がいるなんて、
俺には信じられない」とは思いませんが。

源氏物語はたくさんの現代語訳がありますが、たしか吉本は2,3種類読み比べたという記述があったと
記憶しています。その現代語訳をなさったのは学者ですよね?
たしか、岩波か小学館の日本古典文学体系も参考にしていたと記憶しています。

あとがきで、直接批判の対象にしていたのは学者といっても外国人の源氏研究者のことでは
なかったかと思います。一定以上のスピードで100回以上(?)読めなければならない
というその方の源氏への係わり方の心得みたいなものが気に入らなかったんでしょう。
得意の節回しでストレスを吐き出しておられたので気分がよかったことでしょうね。
面白かったですが、ちょっと乱暴な人だなという印象を当時持ちました。
93考える名無しさん:01/12/02 19:07
>91
でも、そう言う考えは、エリート主義や前衛主義を生むんじゃない?
吉本は共産党みたいな前衛主義者をすっげー嫌っていたし。

やっぱり世界を動かしているのは一握りのエリートじゃなくて大衆なんだから、
どれだけ大衆を理解できるかが、エリートの重要な仕事になってくると思う。
94 :01/12/02 19:44
どっちも好きだけど、柄谷が偉そうなのはおれも
どうかと思う。

対談とかで相手がちょっと知らないって言っただけで
「まいったな(笑)」とか言うじゃん。
95考える名無しさん:01/12/02 19:54
>>89
>救われたって
w
だから吉本好きは駄目なんだ
96範馬勇次郎:01/12/02 23:39
吉本は自分の言葉が他人に伝わらないと感じていて、自分と同じ人は
本の中にしかいないと思っていたようです。そして現実には同じような人は
いないのに何故本の中には自分と同じような考えをする人がこんなにいるのか、
と疑問に思ったそうです。ある時周りの人間も自分と同じように他人に言葉
が伝わらないと感じてるのではないか、周りの人間も本の中にだけ共感
できる人がいるのではないか、と気付いたそうです。吉本の言葉が
伝わらないのと同じように、周りに人も吉本に言葉が伝わらないと感じてる
のではないか。要するにそれまで言葉が伝わらないことによって自分が特別な
存在だと思っていたのに、周りの人間も自分と変わらない、自分は特別な存在
ではないと悟ったんでしょう。これが知識人→大衆へのシフトチェンジの動機の
ようです。

以上のことは最近発売された「読書の方法」に書いてありました。この本は
吉本ファンにはお薦めできます。でもファン以外の人は買う価値はありません。

源氏物語の現代語訳については「言語美」の文庫版はしがきで
触れてありましたね。一応吉本言語理論に裏付けられたことのようです。
97考える名無しさん:01/12/03 04:49
大衆と知識人と言っても、日本は別に知識人優位の国じゃないからな。
官僚とか政治家は「学歴」を持っているけど(政治家は学歴さえ持ってない人もいる)、「知識人」と呼べる人間はそうはいない(多分ほとんどいない)し。
共産党の権威も要するに学者の間とか、文学者の間とか、狭いサークルの中だけだったんでしょ。それも戦後の一時期。
もともと存在しない「権威」にたいして対抗してみせて「勝利宣言」している感じ>吉本
それこそ「大衆」的には、なんの関係もない。
なんかとんちんかんな「闘争」を続けてきた人という印象はぬぐえないんだな。

学者は一種の「職人」と考えるべきなんで、「原文」で読めるのはたいそうなことでもなくて、いわば当然のこと。
寿司職人は寿司の握り方に技術的なこだわりがあるし、味にもこだわりがあるはず。
それを寿司を握ったことがない人が、握り方にまで口を出している印象なんだな。
批評家だから、口を出してもいいけど、「俺の方が優れている」と自画自賛しすぎるのもいかがなものかと。

エリート主義や前衛主義はある程度必要、というかあったほうが面白いと思う。
ここまで、それがない国では。
エリートも前衛も全くないんだから、抑圧もなく、文学も衰退した。
まあ、大学教員も人数からいっても全く「エリート」たり得ないけど。

ハイカルチャーなしのサブカルチャー全盛なんだから、もう批評性も何もない。
9892:01/12/03 07:27
>>97
第2パラグラフはその通りだと思います。原文で読まなくて訳の方で論を立てた、ということを
取り立てて自慢するようなことでもないと思いました。新しい方法論であったなら別ですが。
99範馬勇次郎:01/12/03 23:22
>>97
でもあの当時の左翼の人たちは自分たちを知識人と思っていたんじゃないの?
俺たち知識人が無知蒙昧なプロレタリアートを啓蒙して組織化してやろう、とか。
現実に知識人がいなかったというのは同意だが、自分が知識人と思い込んでる
奴は大勢いたと思う。吉本もそうだし、ここにいる連中もそうだ。
10092:01/12/04 10:57
>>96
最後の2行はちょっと知りませんので、調べてみます。
「言語美」は『言語にとって美とは何か』のことですよね?
101考える名無しさん:02/01/03 23:06
age
102考える名無しさん:02/01/15 20:11
吉本が、昔の全共闘世代のカリスマになり得たのはひとえにあの独特の文体
から醸し出される人柄というか態度というか情念というか・・に当時の学生
たちがその孤立した戦いの中で激しく惹き付けられたからだと思われますが。

「おまえら専門家面していろいろ言ってるけど、みんな党派じゃねえか。
 俺が言ってることが絶対正しいんだぜ。なぜなら俺は普遍的に語って
 るんだからよ。」というような。

ただ、その内容は玉石混交。

「共同幻想論」の内容について普遍的といえるのは、「人間の社会というも
のは必ずその外のというか他の社会の存在、そしてそれを内部の人間が意識す
ることによって作動する、それが観念(幻想)というもののあり方だからだ。」
ということなんじゃないでしょうか。目新しいものではないでしょうが、その
ことをああいうかたちで著わしたと。
103考える名無しさん:02/01/18 16:54
吉本を読むのに「共同幻想論」「言語美」から始めるほど無茶なことはない。
一番とっつき易いのは「書物の解体学」。外国文学・思想の批評集だけれど、
吉本の発想のスタイルがよくわかる。しかも文庫化されていて安い。
あとは、手に入るなら「『反核』異論」「最後の親鸞」「自立の思想的根拠」
あたりか。最後のは吉本が「大衆」という時にどういう意味で言っているのか、
それを理解するのには、たぶん今でも一番わかりやすいと思えるので。

どうして全共闘連中にあれほど好かれたのかを知りたいのなら
「情況」(古い方)を図書館や古本屋で探して読むのがいいと思う。

ところで、
>>92
>吉本は与謝野あきこのことを意味もわからずに
>源氏物語を暗唱しているだけの女というようなことをいっていました。
あれをどう読んだらこんな纏め方ができるのか理解に苦しむ。

源氏物語の与謝野訳について吉本が言っているのは、こんなことだ。
学者の古典読解がマンガ本をスキャナにかけて画像解析しているような
ものだとすれば、与謝野晶子は普通の女の子が少女マンガを読むように
源氏物語を読んできたようなところがある(と思える)から、画像解析で
わかるようなこととは自ずと異なる水準の理解を持っていて、その上に
文芸の実作者として当然持っている素養と感性とを重ねて現代語訳を
作った(そこがいい)、と。

その違いがわからないで、自慢のハイテク読解装置を振り回して自己満足する
チンピラボンクラ学者(知識人)があんまり多いから、喧嘩腰になったりも
するってことだろう。
104考える名無しさん:02/01/28 17:29
age
105考える名無しさん:02/02/02 21:28
「吉本隆明が語る戦後55年F」から序説以降の
心的現象論を掲載しはじめたぞ

高いと思っていたが、ようやく、
値段に追いつく内容になってきた。
106考える名無しさん:02/02/08 16:44
107私はなぜ批評家になったか:02/02/09 13:36
108考える名無しさん:02/02/11 02:19
「マチウ書試論」て読んで面白かったんですが、
でも、何を言おうとしているのかは、まったく分かりません
でした。
それから、「関係の絶対性」というのも何のことか分かりません。
吉本の著作も多く読みましたし、
吉本の研究書や批評も読みましたが、
この2点については私が理解できるものは皆無です。
こんなおバカな私に教えてください!
109考える名無しさん:02/02/11 02:24
呉智英が、吉本について触れている部分よめ。
110考える名無しさん:02/02/11 02:27
吉本隆明はもう古い?
対象依存、流行商業
哲学? さよなら?
111考える名無しさん:02/02/25 01:44
こんな物が「哲学」の名を語るとは・・・恥を知れ
112考える名無しさん:02/02/25 03:03
ハイ・イメージ論が現代社会論としての共同幻想論なんでしょう?

113考える名無しさん:02/02/26 00:40
むしろ今の時代に共同幻想論は必要
114考える名無しさん:02/02/26 01:06
入眠幻想ってきもちいいよね
115考える名無しさん:02/02/26 01:13
>>105
どんな感じですか?
116考える名無しさん:02/02/26 01:24
吉本の溺れ事件は、やはり自殺未遂じゃなかったかという憶測が
一部で流れたが、ばなな周辺の話を総合す
117 :02/03/02 21:52
今度は季刊で本でてる。
118考える名無しさん:02/03/02 21:58
共同珍走論
119 :02/03/02 22:52
だれか、柄谷スレの人みたいなHP作れよ。
12021世紀の共同幻想:02/03/02 23:06

共同幻想論からヴァーチャル・リアリティ論へ
121あげ:02/03/18 22:57
>>108
「関係の絶対性」を後に精緻に思考したのが、
例の3つの幻想領域でしょ。
122考える名無しさん:02/04/02 00:38
今吉本ブームらしい
123考える名無しさん:02/04/03 15:14
構造主義的発生論?
124考える名無しさん:02/04/05 20:10
>>122
だれがそういってたの?
125考える名無しさん:02/04/07 20:54
>>124
糸井重里しかいないでしょ
126考える名無しさん:02/04/11 06:21
ちくま学芸文庫へ
「初期歌謡論」と「悲劇の解読」と「源氏物語論」を出して。
角川ソフィア文庫へ
「心的現象論序説」出して。

手には入らない。
127ひとこと:02/04/11 07:57
彼の思想の、ソースの一つマルクスですが、60年代の左翼思想界
は講座派(日本共産党系)労農派(社会党系)が支配してましてそのアホな
マルクス主義に対して、一人でそれはおかしいよとやり始めたのが幻想論へ
いったと思います。
 今はもう誰もモスクワも北京も平壌も信じてませんが、当時はまだまだで、
その走狗はでっかい顔をして各大学におりました。
 吉本のそいつらとの孤軍奮闘ぶりは半端ではありませんでした。
できれば、講座派と労農派の、今から見れば馬鹿な連中の論争史を
読んでみたらいかがでしょうか?
128考える名無しさん:02/04/11 11:12
時は流れたなぁ・・・
いまや「ばなな父」と呼ばれるんだものさ。
時代は移った、三島も読めよ、バランス的に。時代情況は
総合として捉えなければ
129考える名無しさん:02/05/02 20:29
preserve age
130考える名無しさん
吉本隆明って バカですか?


1978年、ぼくはミシェル・フーコーに会った。彼は1926年生まれだから、
そのとき52歳、ぼくあh39歳だった。会ったといっても、文芸誌「海」での
吉本隆明との対談企画者として立会っただけの話である。この対談、後に
『世界認識の方法』(現在は中公文庫)として単行本になり、『集成』第VII巻
にも再録されている。
 この対談終了後、フーコーが吉本隆明に「往復書簡をしたい」と語った。
社交辞令とは知っていたが、編集者としては敢えて真に受け、早速、吉本
隆明に長文の手紙を頼み、出来上がった原稿を対談通訳者でもある蓮実重
彦に翻訳してもらい、フーコーに送った。内容は忘たが、道元とヘーゲル
を巡っての、五十枚ほどの原稿だった。原稿を渡す時、吉本隆明は「ぼくの
書いた内容なんて、フーコーさんなら当然知っていることばかりだけどね」
と言い、また仏訳した原稿をベルギー出身の訳者の夫人に見せると、「この
人、頭、悪いんじゃない」と言われた話など、いまでは懐かしい思い出だ。
 夫人がなぜそんな言葉を口にしたのか。欧米人らの論文は、まず結論を
先に述べ、それを論証する形で話を進めるのに対し、日本人、中でも吉本
隆明のそれは、紆余曲折しながら何となく結論に向かう書き方ゆえ、原文
に忠実に翻訳すればするほど、外国人には「頭が悪い」との印象を与えるよ
うだ。国民性の差というやつだ。
 件の手紙を出してから一年ほど経ったころだろうか、日本在住のフーコ
ーの友人を通してようやく返事がきた。しかし危惧した通り吉本隆明の論
考は意味不明、従って「返事は不能」とのことだった。またフーコーは、「吉
本さんはヘーゲルをドイツ語できちんと読んでいるのか?」とも問うたよう
だ。口先だけで国際化を論じるのは簡単だが、こうした一例を取っても、
道はまだまだ遠いのだ。