モノラル隔離病棟

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@お腹いっぱい。
ようこそ、毎日モノラル漬けにならずにおれない中毒患者様。
音楽の本質だけを骨太に再生するモノラルについて語ってください。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/19(日) 14:35:14.51 ID:bhIcmg9/
2000年以降の主な動向

2000年 米オーディオ界の重鎮ヘンリー・クロス氏が
    Tivoli Audioでモノラル・ラジオ Model Oneを設計。
2007年 江川三郎氏が、オーディオ・アクセサリー誌にてモノラルにカミングアウト宣言。
    「モノラル再生という原点を見直す」2007年春
    「音楽を聴く理想の場所とモノラル再生」2007年秋
    「理想の再生とモノラルのメリットを検証」2008年春
2009年 ビートルズのモノラルBOXが発売。
2011年 フルトヴェングラーのSACDが英EMIより発売。
3名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/19(日) 15:08:20.88 ID:bhIcmg9/
現在も製造中のモノラル・カートリッジ(SP用含む)

DENON DL-102
Audio Technica AT-MONO3/LP, SP, AT33MONO
Ortofon SPU Mono G MKII, SPU CG-25DI MKII, OM D25M, OM-78, Cadenza MONO, 2M MONO
SHURE M78S
EMT OFD25
・・・他多数
4試聴環境について:2012/08/19(日) 17:50:30.15 ID:bhIcmg9/
モノラル時代のアメリカの録音スタジオには4台のA7がフライングで設置されていることがよくある。
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1971-home/page02.jpg
http://www.flickr.com/photos/fuoriporta/1266716173/
http://www.precambrianmusic.com/united3a.jpg
これは既にマルチchで放映されていた映画用トラックをプレイバックするためのもの。
当然、マイクもマルチ・チャンネルで収録されている。
ただし、プレイバックの音はかなり音圧が高かったと言われる。

一方で、ラッカー原盤を作るカッティング・ルームは、シンプルな1本での再生が多い。
http://www.preservationsound.com/wp-content/uploads/2011/09/ReevesSoundStudios_NYC_1950.jpg
http://www.pavekmuseum.org/mullin/mullin200.jpg
http://i1.squidoocdn.com/resize/squidoo_images/-1/draft_lens2172013module86893681photo_1267112035NBC_Recording_Room.jpg
http://www.wilmut.webspace.virginmedia.com/iblog/C14564315/E20060706113241/Media/recording.jpg
http://www.flickr.com/photos/30969937@N06/3820390718/

こうしたことから、広い会場では数本のスピーカーで鳴らすのも可。
日本のほとんどの家屋の試聴では1本のみで鳴らすのが適当となる。
5LP以前の33回転盤:2012/08/19(日) 20:10:37.42 ID:bhIcmg9/
Hi-Fi録音の象徴である33回転LPが発売される前哨戦として
アセテート盤へのダイレクトカット・レコーダーがあった。
Presto社のレコーダーは、元々は映画撮影用に企画されたが
1934年に発売した翌年にはNBC放送局が採用することになり
業界のデフォルト・スタンダードになった。
http://www.televar.com/grshome/Presto1.html
http://www.televar.com/grshome/Presto2.html
最大16インチのラッカー盤には最大15分収録可能で
業務用ターンテーブルでみかける16インチのものは
アセテート盤を再生するためである。

内周差からくる高域の減少を改善するため、Autpmatic Equalizerを装備し、
当時のカタログでは70〜7,500Hzまで再生できるとされた。
http://www.steveespinola.com/lathetrolls/resources/Presto_6N_Manual_Color.pdf
これはWE社のWide Range Systemに対応している以外にも
AM放送の規格にも合致している。

このアセテート録音機は1950年代まで使用され、特にロカビリーの録音で多用された。
エルビスがデビューしたSUNレコードでは、基本的にPresto社のレコーダーを使用している。
http://s552.photobucket.com/albums/jj340/joeyaltruda/?action=view¤t=Elvis-SamPhillips-SunRecords.jpg
また、1960年代のビートルズのBBCセッションには、ダビングされ地方局で使用された
アセテート盤がブートレッグとして出回ることもある。
1970年代にLP盤で各国の放送局に提供されたBBCライブは、この延長線にある。
61930年代のHi-Fi:2012/08/20(月) 06:56:52.07 ID:ZIJlW5v3
Hi-Fi規格の起源を第二次大戦後にドイツから広まったテープ録音技術にあるというのが一般的である。
しかしながら、Hi-Fiという言葉は1930年代には既に一般化されており
Zenith社が1935年から製造した Stratosphereという高級コンソールラジオは
"Hi-Fi Radio"と称され、ensen製の12インチウーハー×2本と597と同等のツイーターを実装し
50Wパワーアンプで再生周波数30Hz〜15kHzとトーキー並の実力をもっていた。
http://www.flickr.com/photos/ksupley/5492888341/

これに対応する音楽ソースは、ラジオの生放送ライブといったら驚くだろう。
FM放送開始以前の話であるが、AM放送でも32kHzのIFフィルターでHi-Fi再生が可能だった。
ドイツがマグネトフォンによる録音を放送した際、ライブ中継と間違ったと言われるが
裏をかえせば当時の生放送の音はそれだけの実力のあったことになる。
Scott社が同様のHi-Fiラジオを製造する際には、SP盤のスクラッチ・ノイズを減少させるため
高域にノッチフィルターを装備したこともあった。同様のフィルターはThordarson社の
Tru Fidelityアンプにも実装されている。
http://file.vintageadbrowser.com/l-pmxzczpowjncqq.jpg
http://www.tubebooks.org/Books/Atwood/ThordAmp.pdf

ちょうどこれと並行して、ランシングのICONICモニターが1937年から製造された。
最初の広告には、やはりラジオの音楽再生がリストされているが
最も大きな関心を寄せたのが、NBCをはじめとする大手放送局だった。
http://www.lansingheritage.org/images/lmco/advertizements/1937-electronics.jpg
http://www.lansingheritage.org/images/lmco/advertizements/1939cat-1.jpg
つまり、Hi-Fi録音がLPと共に一般家庭に届けられる15年前、しかも第二次大戦の最中に
Hi-Fi技術そのものは一部の人に知られ、現在のオーディオの原点に立つことが判る。
7VOTTと604:2012/08/20(月) 07:51:11.43 ID:ZIJlW5v3
ランシングのICONICモニターも全くPAに使われなかったわけではなかった。
以下の写真を見ると、Altec A7と604の中間的な存在であることが判るだろう。
http://2.bp.blogspot.com/-4wnRRbk7leg/TwSMvtzZaSI/AAAAAAAAXy4/FmRdB9jQt6Y/s1600/ICON.jpg
同じサイズならA8のほうを思い浮かべる人もいるかもしれない。
しかしこちらは、FM局用に開発されたWE 753モニターのAltec版であり、
それをPAに応用したものである。(同じことは755Eにもいえる)

有名な604の開発は、ICONICモニターを録音スタジオ用に最適化することから始まる。
1943年にリリースされた後のことは、誰もが知る通りである。
一方で、この604は家庭用として積極的には売り出させなかったというのは言い過ぎだろうか。
Altecの家庭用システムには、バレンシアをはじめA7を小型化し装飾を加えたものが多く
家庭用に開発されたユニット(601やbiflexシリーズ)はそれほど多くない。
やはりVoice of the Theaterへの憧れは当時からもあったといえる。
8コーナー・ホーンの黄金時代:2012/08/20(月) 20:39:57.63 ID:ZIJlW5v3
Hi-Fiの歴史では、WE→Altec→JBLというアメリカ西海岸の伝統が持ち上げられるが
当時、もうひとつ大きな影響を与えた人物としてPaul W. Klipsch氏が挙げられる。
クリプッシュ・ホーンが有名だが、エレクトロヴォイス、ヴァイタヴォックスなどに
パテント供与した他、タンノイがオートグラフを作る切っ掛けともなった。
これによりモノラル期のコーナー・ホーンの黄金時代を築くことになる。

クリプッシュ・ホーンは、500Hz以下を低音用ホーン部分で受け持ち
壁面の反射を利用するため、周囲120cmは物を置かないように指定し、
理想的には9m四方(25畳)の部屋が良いとされる。
低音だけは15W必要だとするが、500Hz以上は2Wで十分であるとし、
10Wを入力すると300名の会場でも十分な音響を得られるとされる。
http://www.hifilit.com/hifilit/Klipsch/1953e.jpg
これは明らかにバイ・アンプを意識した設計であり、
低音の重心の低さを重視するイースト・コーストの伝統をみることもできよう。
ただし出てくる低音は、風のように軽いもので、これみよがしに重低音を強調したものではない。
当時の低音楽器は、コントラバスとオルガンしかなかったはずであり
コーナー・ホーンの包み込むような低音と相性が良かったといえる。
9ワイドレンジユニット:2012/08/21(火) 06:26:59.50 ID:5tXWZAUC
1960年代以降の視点でみると理解しがたいのがワイドレンジ・ユニットの存在である。
1948年のJBL D130の発売を皮切りに、各社から12〜15インチのユニットが出された。
これらは、いずれも再生周波数は80〜8,000HzでHi-Fiの規準は満たしておらず
ワイドレンジという名から想像するよりも、低音も高音も出ないユニットである。
一方で多くのユニットが1949年のLP発売以前の開発であり
まだ78回転盤が市場では優位だった時代のものという理解が必要である。
業務用のジュークボックスにもワイドレンジ・ユニットは多用された。

Hi-Fi時代のシステムが従来の電蓄と違うところは、一体型で売られるよりも
専門メーカーによりLPに対応したレコード・プレイヤー、アンプ、スピーカーと
別々に売られたことで、組み立て費用を削減できるキット製品も数多く存在した。
スピーカーでは最初ワイドレンジ 1本でスタートし、ツイーターを追加しステップアップする
というストーリーが一般的であった。その間にLPの枚数を増やすのと比べ悩むのである。
10ワイドレンジユニット−2:2012/08/21(火) 06:28:07.25 ID:5tXWZAUC
最も有名なJBL D130の場合は、1970年代まで長く製造されたため本数はかなり多い。
最初の頃は65〜6,500Hz(最大40〜15,000Hz)とされ、この帯域は概ねフラットである。
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/catalogs/1950/page4.jpg
これの高域を補うユニットはD175であり、初期のマルチセルホーンから音響レンズを
付けたストレートホーンまで、いずれも高域のエリアを広くとるモノラル期の特徴がある。
これに対し1956年からは砲金製の075がハークネス等のバックロード箱に組み入れられることで
ビバップやロカビリーに相応しいパンチのある音を志向するようになった。

ステレオ時代の1960年代は、よりフラット志向のLEシリーズに圧された格好になるが
D130が再び脚光を浴びたのは、1970年代のロック・ステージにおいてであった。
音離れのよいボーカル域を司るD130は、まさに音響の中心を担うのに最適であり
通常はフロントロードホーンが、より小さいステージ用にバックロード・ホーンが用いられた。
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/catalogs/1978-pro/page08.jpg
ただしこの時代の2135では、PA用途に特化し帯域幅を狭めていて、2wayとBLH箱は必須となる。
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/specs/pro-comp/2135/page2.jpg

こうしてみると、同じD130でも時代毎のニーズによって変化しており
そのニーズに合わせてセットを組むべきであろう。
11ソロヴォーカルをモノラルで再生する必要は無い!:2012/08/21(火) 16:04:59.34 ID:HSrdtKPj
〜と思うのですが如何でせぅ?
12ソロ演奏をモノラルで再生する必要は無い!:2012/08/21(火) 16:05:30.15 ID:HSrdtKPj
〜と思うのですが如何でせぅ?
13ソロ演奏/歌唱をステレオで再生する必要は無い!:2012/08/21(火) 16:08:51.67 ID:HSrdtKPj
<<ソロヴォーカルをモノラルで再生する必要は無い!>>
<<ソロ演奏をモノラルで再生する必要は無い!>>

スミマセン。大変な間違いを犯していますた。
ソロヴォーカルをステレオで再生する必要は無い!
ソロ演奏をステレオで再生する必要は無い!
以上訂正してお詫び致します。
14名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/21(火) 16:15:59.47 ID:z2ngbvc5
死ねよ
15イギリスの奇抜さ:2012/08/21(火) 22:25:49.81 ID:5tXWZAUC
イギリス製スピーカーといえば、タンノイやクォードに代表される個性豊かな
メーカーが多いが、そのなかでもひときわ個性的だったのはLowtherである。
一般的にはバックロードホーンのアコースタだけが知られ、強力なサブコーンの響きが
Lowtherのサウンドポリシーとして取り上げられることが多い。
しかしそれは大きな誤解で、ユニットさえ見えない音道の長いフロントロードホーンでも
高域の減衰が起きないように設計されていたと思える節がある。

創業者のPaul Voigt氏は、1933年に自身の特許管理を行うVoigt Patents社を設立。
その第一弾が、Voigt Domestic Corner Hornである。
http://www.r-type.org/timeline/ww1933-a.jpg
http://www.lowthervoigtmuseum.org.uk/images/Small/voigt_me_3.jpg
 フロントロードホーンの一種だが、狭い場所に置けるコーナー箱でもあり
 16cmのフィールドコイル型のユニットは、糸吊りダンパーなど先進性が高い。
 タンノイも一時期、このタイプの箱を作っていた。

1949年よりLowther社として事業を引き継ぐが、ここでは低音の増強のため
フロントロードホーンに加え、バックロードホーンを備えた。
1951年にHegeman、1954年にTP-1をリリースした。
http://www.lowthervoigtmuseum.org.uk/lowtherHegeman.html
http://www.hifilit.com/hifilit/Lowther/1960-2.jpg
 この外観をみて、フルレンジ1本のみで鳴らしているとは誰も思わないだろうし
 実際に大型ホーン並のレンジの広さ、反応の良さを誇る。
 ちなみにこのときのPM3Aは大きい電球のようなディフューザーの付いた20cmユニットである。

こうしてみるとLowtherにとってアコースタは単なるファミリーカーで、創業当初から
レーシングカーなみのチューンナップが施されたスピーカーを作るメーカーであったと言える。
16タンノイの多面性:2012/08/22(水) 21:54:01.60 ID:00VMlHnc
イギリス製スピーカーで日本において最も人気のあるのはタンノイであろう。
1947年にDual Consentoricユニットを開発して以来、1953年のAutograph、1955年のGRFと
大型コーナー型キャビネットの傑作を残した。家庭でホールの響きを再現できるということで
クラシックの再生では最右翼に位置付けられている。
http://www.positive-feedback.com/Issue49/images/6%20Autograph%20Corner%20Horn%20Line%20Drawing.jpg

一方で、タンノイには様々な顔があり、ひとつはスタジオ・モニターであろう。
何かと因縁の深いデッカとの関係は、1949年に家庭用コンソール・システムのDecolaに採用された
ことから始まるが、1950年からは正式にスタジオ・モニターとして採用される。
最初はプレーンバッフルによる壁埋め込み型だったが、Canterburyを使っていたこともある。
写真はステレオ期のものだが、比較的古いコーナー型を使用していたことが判る。
http://www.philsbook.com/decca_files/Kev_Studio3.jpg (1976年のデッカ・スタジオ3)
しかしスタジオで最も使用されたのはLockwood社製のバスレフ箱に詰めたタイプで
これは1951年のEMI アビーロード・スタジオにも採用された。
http://www.philsbook.com/decca_files/Kev_Studio1.jpg (1960年代のデッカ・スタジオ1)
http://www.lockwoodaudio.co.uk/images/lockwood2_lrg.jpg
タンノイを普通のバスレフ箱に入れたときは、その切れ味の鋭いエネルギー感に驚くことがある。
ある意味でアルテックのホーンよりもキツイ音かもしれない。それだけテンションの高いユニット
だからこそ、背面に大きめのホーンロードを担いでもバランスが取れるのだと思う。
17タンノイの多面性-2:2012/08/22(水) 21:58:11.26 ID:00VMlHnc

意外な使われ方は、先に書いたデッカ社の家庭用コンソール・システムのDecolaでの採用だろう。
http://www.tvhistory.tv/1954-Decca-121.JPG (写真中、右側がDecola)
最初の1947年にはグッドマンズのユニットを使っていたが、1949年にタンノイを採用したときには
デッカ社はモニター・ブラック12を一気に900本購入したという。
こちらは、12インチの同軸ユニットを中央に置き、両翼にウーハーを付けたものだが
一体型コンソールに与えられたスピーカー箱の容積は極めて小さい。
http://img15.hostingpics.net/pics/252654P1080481.jpg (写真はグッドマンのユニット)
ここでも低音:高音=3:1なので、音響のバランスは低音寄りといって良いだろう。
とはいえ、アンプはPX25プッシュ、カートリッジは自社製なので
スピーカー単体での単純な計算でDecca ffrrのバランスを論じるのは無理であろう。
18モノラルの聴き方:2012/08/23(木) 22:47:12.50 ID:+yQBhyoD
クォードの静電型スピーカーのファンは、一度ハマるとその繊細なトーンの虜になる。
多分、家庭用スピーカーのうちでも最もスタイリッシュなもののひとつであろう。
http://soundvintagehifi.com/contents/media/lycklig%20quad.jpg
http://www.opusklassiek.nl/boeken/afbeeldingen/ditmars.jpg
ともかく1981年まで現役だっため、モノラルで聴く人は少ないと思われるが
ESLは1957年に発売された歴としたモノラル時代のスピーカーである。
ただしプレーナー型独特の指向性をもつため、試聴位置は基本的に正面からとなる。
http://quadesl.nl/img/Stereoplay_June_1978.jpg
http://www.nutshellhifi.com/MLS/MLS2.html

スピーカーの正面に座って音楽を聴くのは、今では当たり前だが
モノラル期の試聴位置は、スピーカーの脇に座って聴くことが多かったようだ。
http://2.bp.blogspot.com/-LlphJopSLio/TwxYTIqLBLI/AAAAAAAAX1Q/HrnDkGQ3Ksk/s1600/J160.jpg
http://www.network54.com/Forum/27140/message/1289001164/Who+Listened+to+Bix-+....
http://3.bp.blogspot.com/_NVQujPOPx2c/TScteFgpYhI/AAAAAAAATqE/Acu-0Ap6_Nw/s1600/university_range1.jpg
http://3.bp.blogspot.com/-euc3xCQFWJs/T_GUHh_Vn4I/AAAAAAAAFA0/5sxdZBCDfGk/s1600/bing-crosby-philco-1946.jpg
19名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/23(木) 22:54:55.85 ID:agdczbzJ
最スピ、オマエはスピーカースレを作りたいのかい?
20モノラルの聴き方-2:2012/08/23(木) 23:02:49.77 ID:+yQBhyoD
意外に宣伝で多いのが、タンスにスピーカーを組み入れるタイプ。どれほど実行されたかは知らないが
壁に埋め込むのがオシャレだったようだ。
http://3.bp.blogspot.com/-MTTC8bPStOU/TwxYEU83_fI/AAAAAAAAX0Q/QouiUsC7n08/s1600/J155.jpg
http://www.hermanmiller.com/content/dam/hermanmiller/page_assets/products/Nelson_Thin_Edge_Group/design_story_nelson_thin_edge_1.jpg

有名人には何と言うか変な聴き方をする人が目立つ。
レコードを枕にして寝ながら聴くクリント・イーストウッド
http://www.flickr.com/photos/sweetvintagegal/6869336873/
スピーカーにお尻を向けて聴くサッチモ
http://www.aes.org/aeshc/docs/recording.technology.history/images3/PDRM4603a.jpg
http://www.lisaltzman.com/wp-content/uploads/2011/06/LSA-P-Armstrong-Pic-4a.jpg
旅行には必ずポータブル・プレイヤーを持って行くエルヴィス
http://24.media.tumblr.com/tumblr_m965uu2Hgv1qa70eyo1_r1_500.jpg
どうもあのクルクルが気になるらしい。
http://25.media.tumblr.com/tumblr_m4jga10Fgl1qmvhifo1_500.jpg

ともかく、家庭でのモノラルの聴き方はラジオから派生しているだけあって
非常に自由度の高いことだけは伺える。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/24(金) 01:50:09.68 ID:lh+cHRbd
部屋の四隅にスピーカーおいて、爆音再生して真ん中に座って聞いてたトスカニーニとかね。
22名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/24(金) 08:01:10.75 ID:7nolBGGY
トスカニーニとVOTTの関係は未だに伝説的ですな。
自宅でのシステムを写真等で見ることができれば良いですね。

1946年の自宅:大型電蓄でSP盤を聴く(結構な数のレコード棚)
http://www.gettyimages.co.uk/detail/news-photo/arturo-toscanini-in-his-study-at-home-news-photo/50875518
1949年:RCA開発のドーナッツ盤のテスト機を眺める
http://i.ytimg.com/vi/uybdqAxR-ZE/0.jpg
http://www.aes.org/aeshc/docs/recording.technology.history/pix/45rca.GIF
http://doitagainthemovie.com/wordpress/wp-content/uploads/2010/03/RCA_45_J_with_record.sized_.jpg

8Hスタジオでの収録風景(1942年改修の前後):マイクは常にRCA 77型を複数本
http://www.loc.gov/wiseguide/may10/images/samuel_B.jpg (1938年)
http://www.coutant.org/celeb6/nbcsymph.jpg (1944年)
http://www.coutant.org/antler/index.html
23名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/24(金) 22:36:38.89 ID:7nolBGGY
NBC楽団員のDavid Sarser氏がトスカニーニの自宅に納品したとされるシステム
Ampex 300 → カスタムアンプ(Musicians Amp) → Altec 604B
1949年のMusicians Ampと呼ばれる807プッシュの詳細は以下を参照。
http://oestex.com/tubes/mus_amp%20.pdf
その後このアンプはMaestro Ampとして6146プッシュに改良された。
http://oestex.com/tubes/maestro.html

David Sarser自前のスタジオ3の構成
http://www.reevesaudio.com/studiothree.html
MIC → Altec 436 → Pultec EQP-1(MEQ-5) → Altec 1567A → Ampex 300 → Musicians Amp → Altec 601B
この他、Fisher K-10 Space-X-Pander spring reverbs、Macintoshのアンプ、Thorens TD124も所有。
多分、トスカニーニの録音にエコーを掛けようと提案したのは彼かもしれない。


以下のサイトのリストでは、色々な機材が集まっていたようだ。
http://www.audiohistory.com/files/documents/AudioSystemsOfTheRichAndFamous.html
Ampex 300によりテープで試聴することに。
Tape Library in basement:
ターンテーブルはプロ用の録音機材を使用
RCA 16" Transcription turntable
Jerry Minter 16" Transcription turntable
early Westrex disc cutting lathe
アンプ類はSarser氏のカスタムメイド
Pultec pre amp (custom made for AT)
Musician's Amplifier (Nov. 1949 by David Sarser)
スピーカーはちゃっかりRCAのものも置いてあるが
Main Hall にはVOTTが。Study Roomに604とLC-1Aが置いてあった。
Altec 604
Olson LC-1A speakers
Main Hall:
Altec Voice of the Theater (furniture finish)
24名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/25(土) 09:20:48.73 ID:Bw6aMsRT
トスカニーニが録音後の音決めに使ったシステムは?

1939〜1949年のNBC放送局に装備されたスピーカーはRCA 64型
再生プレーヤーはPresto社のアセテート録音機か
RCA 70型ターンテーブルと71型ピックアップ
http://www.americanradiohistory.com/Archive-Catalogs/RCA-1939-Catalog.pdf
http://www.bayarearadio.org/schneider/kpo_recording-room.shtml
http://www.bayarearadio.org/schneider/images/radio060.jpg
http://itishifi.blogspot.jp/2011/08/rca-mi-4400-1940s.html
RCA 64型はかなりやっかいな代物で、見た目はただの8インチのフルレンジだが
ユニットはダブル・ボイスコイルで高域の暴れを改善した特注品で
さらに高域の拡散のための拡散翼を追加している。
ラビリンスと呼ばれるバックロードホーンは、150Hzでクロスさせ
共振峰をダンピングするためユニットの特性とマッチさせている。
全てが一体設計なので、部分的に真似しようとしても難しい。
アンプは94型の6L6Gプッシュだろう。

一方で、MI-4887カッターレースは、Presto社より高性能で
Hi-Fi使用として30〜10,000Hzをカバーすると謳っている。
ただし71型ピックアップは50〜7,000Hzと一般的で
従来の72型カッターレースは60〜6,000Hzで、これはPresto社より劣る。
上のサンフランシスコ局でもメインはPresto社のカッターレースとみられる。

あるいはNBCの研究所にはLansing Iconicモニターがあったので
それも聴く機会があったかもしれない。1937〜43年まで製造された。
Sarser氏と共同でAmpexの8トラックレコーダーを開発した
Les Paul氏がIconicモニターの愛用者だ。
こうした縁から604Bモニターに巡り会った可能性もある。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/25(土) 09:44:22.65 ID:yltjNWvm
良スレ
26私の息子はEL34:2012/08/25(土) 10:23:55.31 ID:TN+gu7Ds
直熱管パワーアンポで有名な千葉の館山コンコルドは
総ての系統がモノラルです。
その再生音を聴いた瞬間にステレオは必要無いと思いますた。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/25(土) 10:46:11.67 ID:A192EgO+
でも、しばらくしてステレオ録音を聞いたら
やっぱりステレオがいいやと思いますた。
28診断票:2012/08/25(土) 13:10:32.44 ID:Bw6aMsRT
>27
あなたは今のところ病状がみられないため退院です。
中毒症状が出てきたら、今度はメリル先生に診てもらいましょう。
29トスカニーニ アレルギー?:2012/08/25(土) 20:26:59.47 ID:Bw6aMsRT
トスカニーニといえば録音の扱いが難しい指揮者のひとりといえるが
ともかくラッパ吹き込み時代から決定盤があるため非常にややこしい。
録音をNBC時代に絞ったとしても
1937〜1947年:ラッカー盤&アセテート盤
1948〜1954年:磁気テープ
と分かれており、リリースされている分量はほぼ半々となろう。
前者の覇気のある演奏(70〜80歳:決して壮年期ではない)
後者の落ち着いたノーブルな演奏とそれぞれの魅力がある。

ラッカー盤とアセテート盤の違いは、前者が一般に量販されたのに対し
後者が放送用のアーカイヴである点。
アセテート盤は全米ネットをもつNBCがダビングして放送に使用したもので、
数回針を通すと擦り切れてしまうが、基本的にダイレクトカット盤に近い。
状態の良い復刻に当たるとパリッと乾いた音ながらライブらしい振幅の激しい演奏が聴ける。
これも1937〜39年、40〜44年、45〜47年で少しずつ改善がみられ
1941年のFM放送開始、終戦に伴うドイツ録音技術の移入が絡んでいるように思う。

ラッカー盤もメタル原盤が見つかると非常に良好な音質が得られるのは
1941〜42年に行われたフィラデルフィア管とのセッションでも判る。
ラッカー原盤の場合は1941年時点でも、かなり潤いがあり良好な音で収録されている。

1947年は原盤がラッカーであるが、テープにダビングした後、行方の判らないものも多い。
磁気テープはLP時代に改悪するケースが目立ち、いわゆる鋼鉄サウンドの伝説を生んだが
1992年に元テープからのリマスターで本来の音に戻ったと考えて良いだろう。
多分この音が基準となり、それ以前の録音の復調が叶っているとも思う。
30振ると面喰らう:2012/08/25(土) 21:20:14.18 ID:Bw6aMsRT
これと全く逆の過程を踏むのがフルトヴェングラーで
現在の評価のほとんどは、戦後のライブ録音によるものと思われる。
かつてかなり劣悪な復刻が多く出回り、やや食傷気味だったが
TAHRA、auditeなどから良質なリマスターCDが出てきて、過熱状況はまだまだ続くと思われる。

トスカニーニと逆転するのは1941年からのマグネトフォン録音において
あきらかに戦後から1950年頃までの録音の質が悪くなることである。
特に戦中の録音は、ソ連軍が丸ごと接収していったため幻の存在だったが
1987年に返却されてからは、秘密のヴェールが解けつつある。
レンジ的には10kHzまでのようだが、深い低音や輝きのある金管の音を聴けば
戦後まもなくのものよりかなり優秀なことが判る。

戦後の混乱は、明らかに占領軍との録音技術の交錯によるものと思われる。
例えばEMIの1950年のベト7の録音では、元テープをラッカー盤にダビングした後に廃棄。
その後、テープにダビングし直す過程で女性の話声が混入というハプニングも生じた。
DGGの1951年セッションは、元はヴァリアブル・マイクログレードと呼ばれる
78回転盤マスターを後にLP用にテープ・ダビングしたものがマスターとして使われた。
これらは一部で元の78回転盤の復刻が試みられている。
31ラジオの音:2012/08/25(土) 22:30:02.72 ID:Bw6aMsRT
トスカニーニにしろフルトヴェングラーにしろ、長らく誤解を生んできたのが
大元がラジオ音源であることからくる、当時のリスニング環境への軽視である。
確かに現在のAM放送から想像する音質は、とてもこれで崇高な芸術が理解できる
とは思わないであろう。

しかし当時の生中継の音が、78回転盤より遙かに良好だとしたらどうであろうか?
>6 で示したように32kHzのバンドパス・フィルターをもったラジオであれば
10kHzのフラット再生は楽にクリアできるし、その実力を十分に備えていた。
他にも1930年代の録音マイクとスピーカーを知れば、現在のHi-Fiと全く遜色なく
これのための録音媒体が何であったかに疑問も生じる。この空白を埋めるものが
生中継の音であり、マイクを併用したPA技術である。PAのように生音との対決となれば
15kHz再生もオーバースペックではなくなる。604やオイロダインを聴けば明らかである。

このような素地をもつライブ音源で状態の悪いと思われるものは、
・ダビングの繰り返しによるテープ情報の劣化と出音の鈍化
・ノイズ除去のため、5kHz周辺で過度なフィルタリングを掛けたもの(SP盤の規格と勘違い)
・位相が変わるほど中高域をイコライザーでいじりすぎているもの
等々の理由があると思う。ともかく変な音のものが多かったことも事実である。
アセテート盤の音の立ち上がりは、テープ収録より鋭い場合が多く、音が雑然と聞こえるのは
スピーカーの中域と高域のスピードが揃ってなくて、高域の立ち上がりが耳障りに聞こえるからである。
これを無理に周波数特性で誤魔化そうとするので、本来のプレゼンスが消失した音ができあがるのだ。
一度失われたプレゼンスは、イコライザーで持ち上げても元に戻らない。素人に近い仕事振りである。
あえて言えば、1940年代の規格で8kHzまでを満遍なく再生できれば、十分に生々しい音になるし
ホーンなどは逆にレベルを落とさないと、耳に突き刺さるほどうるさくなる場合が多い。
32古ぼけたラヂオ:2012/08/26(日) 13:49:50.29 ID:kADzC/ry
同時代のラジオの音を評価するもうひとつの切り口はジャズである。
とはいえ戦前ジャズのこと、戦後のビバップのように、これぞジャズという境界線は極めて薄い。
ブルース、ライト・ミュージック、ボードビル芸人などと仲良く隣合わせである。

1930年代ならベニー・グッドマンのLet's Danceの収録や有名なカーネギー・ホール・コンサート
http://en.wikipedia.org/wiki/Let's_Dance_(radio)
http://www.bg1938.com/
1940年代にはビング・クロスビーのPhilco Radio Timeの収録
http://www.stevenlewis.info/crosby/philco46.htm
この時代のジャズは、必ずボーカル・ナンバーが入るので、その音声を中心にトーンを調整すると
なんとなく落ち着く場所が見つかるので、音が変だと思ったときは仕切り直すと良いと思う。

これらはLPで出されたこともあるが、ほとんどは晩年のステレオ録音を境に忘れられた。
ところが最近面白いと思うのは、やはり時代の熱気というか演奏の勢いの違いである。
これと比べるとステレオ期の録音が譜面を読んでるだけのように感じるから不思議だ。
それと生番組ならではの出演者のタレントぶりも、今ではなかなか聞けない面白さがある。

この時代の録音で無くてはならないのが、中域のスピード感である。
小型2wayではウーハーの反応が重すぎて、絶対にうまく鳴らない。
それ以上に最悪なのが、高域がジャリジャリするアセテート盤の音である。
しかし勘違いしないで欲しい。中域のスピードが足らないスピーカーが押し並べてこうなる。
33DGGのエニグマ:2012/08/26(日) 20:20:36.23 ID:kADzC/ry
1950年代のDGGの音の不可解なパズルは、HMV伝統のコクのある中域に
戦中のマグネトフォンやノイマン製マイクで培った周波数の伸びを足したような感じ。
大元のジーメンスのスピーカーなら解決してくれるかと思っても
1950年代の良好なものを見つけるのは至難の業である。手に入りやすいのがラジオ用では
さすがにフルトヴェングラー様に失礼ではないか? とも思う。
しかしこの時代の家庭用の最高のシステムでも、PA用のワイドレンジに
高音拡散用にツイーターを複数重ねたものである。
http://klangfilm.free.fr/index.php?lng=0&music=&type=2&frame=&item=&title=&dir=data/pictures/loudspeakers/loudspeakers/6ruf-lsp-23a/&num=1
これはKammermusik-Kombination Z59Mというシステムの一部で
Elac Miracord 8Mプレーヤー、AEG KL25オープンリール、EL84プッシュのアンプで駆動していた。
http://www.radiomuseum.org/r/siemens_kammermusik_kombination_z.html
スタジオ用モニターと言われるオイロフォンも同様の構造。
http://klangfilm.free.fr/index.php?lng=0&music=&type=2&frame=&item=&title=&dir=data/pictures/loudspeakers/loudspeakers/europhon/&num=1
場合によっては、移動映画館のワイドレンジ一発でレコード・コンサートが行われた。
http://klangfilm.free.fr/index.php?lng=0&music=&type=2&frame=&item=&title=&dir=data/pictures/loudspeakers/loudspeakers/siemens_2000_2/&num=1
もうひとつややこしいのが、当時Teldecモニターとして使われたIsophonのオーケストラの
評判の悪さである。誰が聴いても「つまらない」で一蹴される。
http://www.lup-berlin.de/archiv/Katalog/index.html (1952年のカタログ P.10)
どうもほとんどはコーン型で聴いていたようで、どうみてもラジオとユニットの構成が似通っている。
というより、同じ技術で培われた音調なのだ。
34DGGと都市伝説:2012/08/26(日) 20:27:46.57 ID:kADzC/ry
1950年代のDGGの音調の判断を難しくしているのが、米デッカとの関係である。
ドイツ盤よりプレスの質が良いため、あえてこちらを選ぶという裏技もあるくらい。
米デッカといえば、ハリウッド映画と深い関わりのあったポピュラー音楽のレーベル?
ここで判断が鈍るわけ。ユニヴァーサル・スタジオはAltecの王城である。
こうなるとAltecのもうひとつの側面、映画音楽に多いイージー・リスニングへの適性が
浮かび上がってくる。DGGの45回転シングルというのも変わったレパートリーだった。

こうしたなかで生き残った録音の数々は、たとえジーメンスの技術的後ろ盾があっても
嫌が応にも伝説化するのが常である。VR盤、秘蔵のマスターテープ、謎はまだまだある。
ウラニアのエロイカが半音高いピッチで出回ったというのも時代性のひとつだろうか。
遠い異国の都市伝説のなかを気ままに徘徊するのも、モノラル道楽のひとつである。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/26(日) 20:33:54.51 ID:GZwqJ0Sp
とても面白いです。今後も続けてください。
36忘れ物:2012/08/27(月) 07:30:42.21 ID:65TdR2wj
>33 でテレフンケンの085aモニターが抜け落ちていることが気になるかもしれない。
ノイマンのカッターレースのモニターに選定されたものだが、
やはりこれも高域拡散用にコーンツイーターが16個付いている。
http://www.gokudo.co.jp/Vanguard/room6/room6.htm
一方で、これはステレオ用に設計されたもので、>33 で紹介した様々な試みの
最終形態であることは間違いない。もちろんモノラルでも十分に鳴らしきれる。

一方で放送スタジオのモニターによく使われたのがIsophonのオーケストラという同軸型で
リリースが1949年ということで、当時からかなり注目を集めていたことが判る。
http://www.fernsehmuseum.info/lausprecherbau-1949.html
いわゆるHi-Fiに対応したユニットでありながら、高音は従来のマグネトフォンでも
耳障りな音にならないばかりか、スピーチのPAにも最適であるとされる。
(実はこれがドイツらしくない大人しい音と言われる原因のように思う)
しかし最も注目されたのはその安さである。家庭用としてもおかしくなく実際に良く売れた。
37忘れ物-2:2012/08/27(月) 07:39:30.87 ID:65TdR2wj
実は戦中の1942年にステレオ録音の実験が行われていたが、そのとき開発された
Eckmillerという同軸型スピーカーは、今や伝説となっている。
カラヤンがベルリン歌劇場でステレオ録音したというのも、このスピーカーとセットで実験された。
http://klangfilm.free.fr/index.php?lng=0&music=&type=0&frame=3&item=&title=RRG%20loudspeaker%20with%20Eckmiller%20O15%20(Reichsrundfunk%20Vol.9%20December%201943)&dir=data/documentations/loudspeakers/loudspeakers/rrg_o15/&num=1
http://klangfilm.free.fr/index.php?lng=0&music=&type=0&frame=3&item=&title=Eckmiller%20O15%20(Alnico)&dir=data/pictures/loudspeakers/drivers/o15_alnico/&num=1
http://klangfilm.free.fr/index.php?lng=0&music=&type=0&frame=3&item=&title=Eckmiller%20O15%20(Radio%20Mentor%20Vol.%209/10%201943)&dir=data/documentations/loudspeakers/drivers/o15_radio_mentor/&num=1

1949年のFunk-Technik誌でもこのことが言及されていて、1942年から開発がストップしていたと述べている。
そのとき10,000Hzまでだったのが、16,000Hzまで伸び、かつ安いというのが、Orchesterの大きな強みである。
この記事のなかで、もうひとつ気になったのが、6,000Hzという数字で
実はこれがスピーチに最適な周波数レンジ、すなわち当時のラジオの標準的なレンジであったと判る。
http://www.exdreamnet.de/forum/user/Franky/Seite_12_13.jpg

Isophon自身は、広範なOEM生産をしていたユニットメーカーだったので
ブランド志向というのものはほとんどない。それがオーディオ的な評価の低さに繋がっているが
これも1950年代の考え方のひとつであり、後の1960年代を先取りしていたのかもしれない。
これと日本の家電メーカーと比べて、それほど違いがないというのが、ロマンの希薄さか。
どんな劣悪なソースも耳障りなく聴きたい人には、意外な掘り出し物かもしれない。
38小さい巨人:2012/08/27(月) 21:59:07.64 ID:65TdR2wj
ビンテージのスピーカーにあてるアンプについては、昔から黄金の組み合わせがあるが
名作といわれるアンプの多くは30W以上のものである。EL34、KT88、6550...など今でも需要が高い。
というより、低いfoをもつウーハーを駆動するために、絶対的な駆動力が必要だったし
60年代以降は生き残れなかった。何でも駆動できるアンプは? と問われればこれである。

一方で、1950年代の家庭用スピーカーを駆動するためのアンプの主流は6V6、EL84である。
Altecが民生用に出したアンプは6BQ5プッシュが主流で出力10〜20W。これで601は十分に鳴らせた。
アメリカで一番売れたキットアンプGrommes社のLittle Jewelシリーズは6V6プッシュであった。
http://www.grommesprecision.com/grommes/assets/pdf/littlejewelreview.PDF
同じキット製品でも、ヒース・キットやダイナ・キットが如何に先進的であったか判るのである。
さらにヨーロッパに目を向けると、さらに小型なものが目立つ。
EL84プッシュはPA用、家庭用ならEL42(6BM8)シングル駆動で2W程度までである。
1960年代にはラジオ球といって誰もが蔑んでいたし、今もそれほど変わりない。

ここで問題になるのが、スピーカーに掛かる費用との大きな落差である。
折角のビンテージ・ユニットなので禍根を残さぬために、高級アンプをという気持ちも判る。
しかし、ただでさえスピーカーが高能率で、実際には1W使うか使わないかの瀬戸際では、
低出力時のリニアリティについて言えば、小型管のほうが良いのである。
スッとステップを踏み出すときの軽さとでも言おうか。ダンスの基本のようなものだ。
39だるまさんは転ばない:2012/08/27(月) 22:07:40.57 ID:65TdR2wj
こうした小出力趣味について、一方では三極管の世界がある。
多くは1920〜30年代に設計され、電蓄の時代と共に去っていった…はずであった。
最初にリバイバルを促したのは瀬川冬彦氏であろう。1950年代末にAxiom80を購入して
色々悪戦苦闘の末行き着いたのが。45シングル。すでにウィリアムソン・アンプ全盛の時代に
アッと言わせた不思議な体験談である。もっと先輩には伊藤喜多男氏がいて、オイロダインを
300Bシングルで鳴らすということを1973年に発表して誌面を賑わしていた。明治男の意地である。
面白いことに、1960年に長岡鉄男がフリーエッジのものでも、ローサーのような高能率のものは
「三極管シングル、NFなしの小出力アンプのほうが案外効果をあげるもの」と言い切っている。
一方で、低foで低能率の国産スピーカーは、「大量のNFを掛けた高出力アンプが必要」とした。
晩年の長岡氏からは想像も付かないだろうが、モノラルからステレオへの移行期を体験した
世代が抱いた共通の感覚というか、時代の空気のようなものが感じとれるだろう。

今の三極管ブームは単なるノスタルジックだろうか?
モノラル録音を聴きながらアレコレ想像してみるのも乙なものである。
40名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/27(月) 22:42:19.24 ID:dOUYSwhv
Magnavox は6V6パラプッシュとかよくわからないものも造ってるね。
うちで Rola のフィールド鳴らすのに使ってるけど、えれえいい音するよ。
41ライオンの声:2012/08/27(月) 23:42:22.80 ID:65TdR2wj
>40
マグナヴォックスは、ダイナミック・スピーカーの開発者のひとりとして活躍したわりには
日本ではあまり認知されていないメーカーのひとつですね。なんというか戦後に手広くやり過ぎたというか。
紹介されたものは、多分、高級電蓄に納まっていたアンプではないでしょうか。
http://www.ohio.edu/people/postr/bapix/magnav1.htm
http://www.antiqueradios.com/forums/viewtopic.php?f=9&t=125527
1940年代後半から1950年代初頭のモデルと思われます。
Rolaに比べて年代的にはやや新しいものの、FM初期の高級電蓄という共通地盤があり
電蓄の音も実は奥が深いのだと思います。

以前にマグナヴォックスのジュークボックス用の40cmワイドレンジを聴いたことがありますが
低音がどうのというより、本当にふくよかでバランスの良い音で、金属リングの音がチャーミング。
ワイドレンジは大きければ大きいほど音が良いのでは? と幻想を抱いたほどでした。
42ライオンの声-2:2012/08/28(火) 08:05:22.90 ID:kMPNdIsX
JensenのA12については、非常に広範に使われた、戦前のヒット作となりましょう。
コンソール型の電蓄ではRolaのほかにCapehart、Zenithの高級大型ラジオ
はたまたハモンドオルガンのレスリー・スピーカーに組み込まれたりと大活躍。
むしろあまりに広範に用いられたため、ユニット単体の特色が判りづらい。
Jensen流の処世術で、アッセンブリーの提案を色々やったのでしょう。

裸の特性は標準的なワイドレンジで、5kHzまでをしっかり出す。
http://nullspace.us/a12.html
一方で、聴感ではもっと帯域が狭いように聞こえるものも多く
ビンテージ・フィルター内蔵なんて言う人もいるくらい。
でもツイーターを加えると、あまりに普通の音なのでロマンが薄れる。
5kHz以降で-3dB/octでロールオフする欠陥ツイーターなんて無いしなぁ。
でも、A12の発売当初からツイーターを追加した例は沢山あるのですよ。
ここでも扱い方のぶれる原因がひとつ増える。

でも、A12でじっくり聴いてみたいのが戦前のスウィング・ジャズやブルース。
あとトスカニーニもいいかな。是非、勇姿のほどをお聞かせください。 >40様
43名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/28(火) 10:04:14.03 ID:FAaHQbUt
>>41
何でもご存知ですね。w
確かにうちで使ってるのは2番目のサイトにある奴です。

マグナのアンプはアメリカだとかなり熱心なファンがいてせっせとリストアしてるみたいだけど、日本では音の割にほとんど知名度がないですね。
多分、基本がコンソールに突っ込んで使うためのアンプばかりで、アンプの筐体の見てくれが良くないのが人気のない理由だと思いますが。

業務用がなかったわけではないけど、スタジオや映画館とかより、学校とか教会の放送設備なんかが多くて、民生機との垣根が曖昧なのも日本で人気が出ない理由かもですね。
44名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/28(火) 10:09:59.64 ID:FAaHQbUt
しかし、自分で使っていながら、マグナはなんで 6V6 のパラプッシュなんて作ったんだろうと不思議でならない。
純然たる出力の問題なら 6L6 のPPで済んだなのに。

整流管2本差しとか、かなり効率の悪いことになってて、ちょっと意味が分からないw

パラプッシュらしい太い、いい音が出るんで気に入ってるアンプではあるけど。
45名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/28(火) 10:18:43.68 ID:FAaHQbUt
>>42
うちの Rola は英国輸出してた Saxon というブランド名になってますが、袴付きなので、おそらく30年代後半から40年代初頭あたりの電蓄の中身だったのではないかと想像してます。
型番が G12 なので、この辺の型番は普通の Rola と共通みたいです。

この辺のフィールドのユニットは、Rola も Utah もコーン紙だけ変えて、実際にはほとんど Jensen が供給してたという話を読んだことがありますが、実際はどうなんでしょう?
ユニットのフレームを見る限りは、リブのとりかたとか各社それぞれに特徴があるように見えるんだけど。
46名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/28(火) 10:36:39.01 ID:FAaHQbUt
素のユニットの音の特徴でいうと、Jensen は全体にやや細くて硬い音の印象があって、有名な TA-4151 含めて、いい音だとは思うけど自分の好みからはちょっと外れる。
いわゆる現代的なハイファイ的な音に近い印象があって(もちろんフィールド型特有の音の強さはすごいけど)、A12にツイーターを追加するとかなり普通の音になるというのもよく分かる話。

どうせわざわざフィールドを使うのなら、Rolaの太くて柔らかみのある音の方が自分には楽しい。

なお、うちでもツイーターは使っていて、Jensen のRP103を合わせてます。
47名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/28(火) 14:54:37.57 ID:FAaHQbUt
(今気づいたんだけど、Magnavox は「ライオンの声」ではなく「大いなる声」か「偉大なる声」だと思います。
 ラテン語でのライオンは leo だったはず。格変化はこの場合どうなるかは忘れた)
48名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/28(火) 21:30:06.14 ID:kMPNdIsX
>44
>しかし、自分で使っていながら、マグナはなんで 6V6 のパラプッシュなんて作ったんだろうと不思議でならない。
>純然たる出力の問題なら 6L6 のPPで済んだなのに。

もしかすると、音の作り込みでしょうかね。6L6だと太くなりすぎるかも(もしくはフォーカスが甘い)。
高域の澄んだ感じを残しながら、厚みも出るという良いとこ取りな感じでしょう。
全体の音の太さはUTCのインプット・トランスによるところも大きいでしょうね。
MMカートリッジのように、2Bの鉛筆のような暖かみのある感じが好きです。
この辺のバランスが合っているから巧くいくんだと思います。
http://www.nostalgiaair.org/PagesByModel/293/M0010293.pdf

これは組み込みアンプだけあってフィールド電源も付いていて便利ですね。
今更ながらフィールドコイル250Vの意味が判りました。6V6、2A3のB電源と共通。
(難しく考えずにそのまま並列で繋げば良かったのか?)

>どうせわざわざフィールドを使うのなら、Rolaの太くて柔らかみのある音の方が自分には楽しい。
>なお、うちでもツイーターは使っていて、Jensen のRP103を合わせてます。

これぞ良識というものです。家庭用ユニットの良さというものをどんどん広めましょう。

あと…例のライオンです。
http://uv201.com/Audio_Pages/Audio_Images/magnavox_2.jpg
49名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/28(火) 21:46:10.08 ID:kMPNdIsX
どっかの一発屋芸人じゃないですけど…Magnavoxの122連発!!
http://www.antiqueradios.com/gallery/v/Magnavox/Magnavoxst654.jpg.html (これがスタート)

しかし、考えられる限りのオーディオライフを形にした驚異のメーカーですな。
http://www.antiqueradios.com/gallery/v/Magnavox/magnavoxwindsorimperial.jpg.html
http://www.myvintagetv.com/magnavox_windsor.htm (購入した人の居たことも驚異)
50Radio Phonograph:2012/08/29(水) 07:51:55.51 ID:lSUiJc7I
電蓄の評価の難しさは、総合システムという縛りにあると思う。
特に電蓄への評価は、プレーヤー、受信機、アンプ、スピーカーと
様々な要素が絡まっていて、パーツだけ取り出してもよく判らない。
コストの点で制限もあるので、単品で勝負している機材に比べると
どうしてもチープで見劣りがする。これだけでも腰が引けるのだ。
ただ、当時のオーディオ(しいては録音アーカイブ)を楽しむためには
電蓄のカラクリを再構築することは避けて通れないような気がする。
少なくとも、当時のほとんどの人は電蓄(レコード、ラジオ)を通じてしか
家庭でオーディオに接する機会がなかったからだ。

トスカニーニが使っていた電蓄は、時代遅れで、音質評価を鈍らしただろうか?
http://www.youtube.com/watch?v=hdDjfsnvWBc&feature=related
(この分離型のアームが付いたメーカーは何でしょうか?)
フィリップスの電蓄で自作を聴くことが大好きだったシベリウスは本当にその音に満足していたか?
http://www.sibelius.fi/english/graafiset_elementit/ainola_kuvat/vieraita_ainolassa.jpg
フィルコの電蓄の脇でたたずむクロスビーから想像できる癒しの源は何か?
http://3.bp.blogspot.com/-euc3xCQFWJs/T_GUHh_Vn4I/AAAAAAAAFA0/5sxdZBCDfGk/s1600/bing-crosby-philco-1946.jpg
汽車の個室のなかでひたすらドーナッツ盤を聴くエルヴィスの思い画くものは?
http://24.media.tumblr.com/tumblr_m965uu2Hgv1qa70eyo1_r1_500.jpg
http://www.elvis2001.net/SIGNATURE%20RECORD%20PLAYER.htm
51お笑いをリクエストした時代:2012/08/29(水) 22:50:05.97 ID:lSUiJc7I
78回転盤からドーナッツ盤への移行期に流行した米国のポピュラー音楽はある意味不運だ。
LPになってもほとんど再販されることなく、お蔵入りしたテイクが大量にある。
しかし、ただ古臭いだけじゃすまされない面白さが潜んでいる。
まずもって、1940年代ほどおバカな音楽が炸裂した時代もない。
対ナチス、対共産主義を掲げて、娯楽そのものが国策だっただけある。
ビルボード・チャートにノベルティ部門があったくらいである。
ラジオでのリクエストがチャートに影響大な時代なので、こっそり買って聴いたのではなく
公共の電波を使って堂々と鳴らしていた。ラジオがノベルティ文化を押し上げたのだ。
誰もがラジオ生出演風のアドリブを付けたがるし、一発屋を狙った芸人魂を競ってた。
思えばトーキーの輝かしい歴史も、ボードビル芸人のダンスと歌で幕を上げた。
ユーモアのなかに真実があると言えば、ややユダヤ的であるが
ことアメリカのポピュラー音楽にはその傾向が強い。

その笑いの殿堂を再生するとき、どうしてもフィックスドエッジのスピーカーが欠かせない。
ひとつは音の勢いとノリの良さ、そして瞬間芸に掛けた切り替えの早さが命である。
重たいウーハーでは追いつかないので、80Hzより下はいらない。
ボーカルの機転を良く聴くために、高域だって6kHzまでを出せれば十分。
それは車高の低いレーシングカーに乗っているようなスリル感だ。
ジャイブ、ブギウギ、ジョグ、ブルーグラスに乗せて、軽いジョークを叩く伊達男と一杯やろう。
52水晶の響き:2012/08/30(木) 06:53:53.45 ID:JYzO65O8
おそらくこの手のポピュラー音楽で馴染みが深かったのはセラミック・カートリッジである。
もともとセラミックの圧電効果を利用したもので、フォノ・イコライザーなしで繋げる。
ただし、周波数特性は5kHzまでのものがほとんどで、上等なものでも8kHzまでである。
低域はだら下がりで、場合によっては100μFのコンデンサーでカットする。
http://i46.tinypic.com/2qb63ar.jpg
http://www.roger-russell.com/sonopg/velocitone.jpg (Sonotone 9Tの例) 
今でも中古で手に入るという一方で、別名レコード・キラーとも言われた高コンプライアンス設計。
なぜかこれが78回転盤とドーナッツ盤の愛好家に好まれているらしい。
(最も多いのがジュークボックスの保守部品だが、普通のアームには取り付けられない。)

面白いのは、意外にイギリスで長く使われていたという数々の証言。
有名なのはDecca Deramで、かのMark IIと並行して売られていた。
http://wegavision.pytalhost.com/jahrbuch1/Systeme/Decca.jpg
http://wegavision.pytalhost.com/jahrbuch1/Tonarme/Decca%20Deram.jpg
さらに1970年代にシュアやピッカリングを横目に、78回転盤とLPをセラミック・カートリッジで
聴いていたという話もチラホラ。以下はその状況を語った一刀斎師匠の漫談。

英国というところは、電蓄に対しては大変保守的でケチンボな国である。アメリカや日本でステレオ
全盛の今日でさえ、イギリスのレコード愛好家はまだ七十八回転のSP(LPのモノーラル盤ではな
い!)で聴いている。市販のカートリッジも、SP・LP両用でなければ売れないという。ロンドン
にも現在シュアーのカートリッジは市販されているが、V15のU型はおろか、V15すら部品カタ
ログに載っていない。高価なV15など誰も買わないからだ。それほどケチンボな国だ。オルトフォ
ンはさすがに出廻っている。しかし殆ど月賦販売用である。SPU/GTが二十三ポンド――邦貨に
して二万四、五千円見当だろう――それを十ヵ月払いの月賦にしなければ誰も買ってくれない。そう
いう国民だ。(五味康祐「オーディオ巡礼」:1963年にロンドンを訪れた頃の話)
http://www.audiosharing.com/people/gomi/junrei/jun_03_1.htm
53モノラル同棲生活:2012/08/30(木) 07:49:45.66 ID:JYzO65O8
しかしこのデコラの話を読んで、なるほどと思うことも多い。
http://www.audiosharing.com/people/gomi/junrei/jun_03_1.htm
デコラのアンプを取り寄せたが「比較するのがいたましいくらい」マッキン、クオードに劣る。
スピーカーは当然ながらオートグラフと比べるまでもない。しかしデコラの音はすこぶる良い。
さすがに五味先生は、セラミック・カートリッジは評価していないが、モノラルで鳴らすデコラの
音について、「モノーラルの音の冴えは到底《デコラ》にかなわない」と断言する。曰く「SPを
鳴らせなければ承知しないロンドン児相手に、発売されるコンソール型だけに《デコラ》のモノは、
これがモノーラルかと耳を疑うほど、たっぷり、ふくらみあるしかも繊細な美しさをともなって鳴る。」
こうした思いやりというか、やさしさが、実はモノラル再生には大事なように思う。

そういえばクオード 33型プリアンプにも、強力なロー&ハイカット・フィルターが付いていた。
レコード・キラーの異名を取る古いカートリッジを使っていた当人たちは
案外ミゾの擦り切れたのが気付かなかったかもしれない。高音がそもそも出ないカートに合わせ
システムが組んであるからだ。好きな盤はトレースしやすいローファイLPが完成しているかも。

21世紀の当地のマニアはDecca DeramやSonotone 9T、さらにローファイでガッツのある音を目指す。
なんだか時計が一周したような感じだが、いつまでも回転するレコードのようで面白い。
541940年代のプロ用カート:2012/08/30(木) 23:45:05.37 ID:JYzO65O8
同じ帯域の狭いマグネティック・カートリッジにGEのバリレラがある。
http://viktor-a-shapkin.narod2.ru/materiali_po_general_electric/

IRM-6C(RPX-010)およびIRM-8C(RPX-025,029)は1946年から製造され、ダイアモンド針を採用した。
IRM-6Cはジュークボックス、IRM-8Cは放送局という振り分けである。
これらは元来SP盤用であり、IRM-8Cは完全なカマボコ型の特性である。
http://viktor-a-shapkin.narod2.ru/materiali_po_general_electric/0__DATA__IRM-8C__3.jpg
しかしながら、この特性は1940年代のソンダーソンのPAアンプや
Altec 400Bのようなフルレンジと比較しても、それほどレンジが狭いわけではない。
http://www.tubebooks.org/Books/Atwood/ThordAmp.pdf (一番末尾のページ)
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1949/page5.jpg

RPX-040はLP対応となった後も、まだ同じ特性を踏襲している。
http://viktor-a-shapkin.narod2.ru/materiali_po_general_electric/1__DATA__RPX-046__4.jpg
面白いコメントをしているのが、RPX-052に対するものである。
http://viktor-a-shapkin.narod2.ru/materiali_po_general_electric/1_GE_RPX-52_revieu__2.jpg
「プロ用を使う優位性はない」とし、「放送局ではHi-Fi以外の音源も雑多に扱うから
独占的に使われる」とまで言っている。LP用と78rpm用の2種類の針を共有することは
とどのつまり78回転盤の特性を残していることを指している。

ただイコライザーで高域を丸めただけでは一緒にはならない。
アクティブな発電機構が連動して、中域をえぐり出しているのである。
55バリレラの開発競争:2012/08/31(金) 20:59:05.50 ID:0ErlqSTY
米国特許でバリレラ関連をみると以下のとおり
1941 2,320,416 : スタイラスチップの使用
 http://www.google.com/patents?id=uNZQAAAAEBAJ&pg
1944 2,491,794 : RPX-010 VARIABLE RESISTANCEという呼称
 http://www.google.com/patents?id=REtxAAAAEBAJ&pg
1948 2,554,208 : RPX-046
 http://www.google.com/patents?id=FjlnAAAAEBAJ&pg
1949 2,554,209 : RPX-050-052
 http://www.google.com/patents?id=FzlnAAAAEBAJ&pg

最初の特許は、後にGEに移籍するRoy Dally氏のもの。
ちょうどこの時期はFM放送が開始された頃で、カートリッジの開発競争が激しかった。
バリレラの最初期型 RPX-010からダブルタイプのRPX-052まで、ほんの5年間だが
この間に78rpmからLPに移行している。GEはRCAへの供給でかなり有名になったが
特許明細の最後の関連特許をみると、ライバルの多さに驚きを禁じ得ない。

ちなみにRoy Dally氏は、VR-IIの開発にも関わっていたらしい。
VR-IIは普通のHi-Fiカートリッジであり、すぐにステレオへ移行していく。
http://www.lencoheaven.net/forum/index.php?topic=2569.0
56ちょっと立ち読み:2012/09/01(土) 09:07:30.26 ID:PLDk6TH3
Elements of acoustical engineering, Harry Ferdinand Olson, 1940
 http://archive.org/details/elementsofacoust00olso
 RCAの革命児、オルソン博士が自ら開発した機器を解説
Acoustic measurements, Leo Leroy Beranek, 1949
 http://archive.org/details/acousticmeasurem00inbera
 無響室を最初に造った音響計測の鬼、Beranek博士の音響論
The Recording and Reproduction of Sound, Oliver Read, 1952
 http://www.tubebooks.org/Books/read_recording.pdf
 レコーディングに関することが一通り書いてある便利本
Designing and Building Hi-Fi Furniture, Jeff Markell, 1959
 http://www.tubebooks.org/Books/Atwood/Markell%201959%20Designing%20and%20Building%20Hi-Fi%20Furniture.pdf
 ステレオ初期=モノラル末期の家庭用オーディオのデザイン集
57モノラルの聞き方は自由:2012/09/01(土) 16:57:12.15 ID:PLDk6TH3
58BBCのテクニカル・レポート:2012/09/01(土) 20:05:42.37 ID:PLDk6TH3
何でも分解して調べるという技術屋魂に敬服
本国では紛失しているHTSレコーダーのレポートは貴重かも

1945年:ドイツ製テープレコーダーのレポート
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1945-28.pdf
1946年:ドイツ帝国放送局用HTS型テープレコーダーのレポート(本命?)
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1946-10.pdf
(参考:http://www.youtube.com/watch?v=wdsMb1pwJEw&feature=player_embedded

1946年:謎のBBCイコライザーカーブ(NABとの比較)
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1946-02.pdf
1947-48年:各社ピックアップの比較
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1947-13.pdf
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1947-25.pdf
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1948-06.pdf
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1948-10.pdf
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1948-38.pdf

1949年:パルメコとタンノイの比較レポート
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1949-03.pdf
初期のパルメコ用エンクロージャーのレポート
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1949-39.pdf
1952年:モニタースピーカーの比較レポート
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1952-05.pdf
1958年:LS3/1の開発レポート(末尾にESLも)
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1958-31.pdf
59BBCの自主製作レコード:2012/09/02(日) 07:31:01.35 ID:1gaNMFqR
1940〜50年代のBBCのテクニカル・レポートをみて感じるのは、Hi-Fi時代の前哨戦として
録音機材とスピーカーの進展の早さである。これは世界大戦で途絶えていたアメリカ、
ドイツの技術動向が一気に流れこんだというころが関わっているように思う。
最終的な勝者はドイツの磁気テープ収録になるのだが、1950年初頭では意外にアセテート盤も
捨て切れていないことが伺える。実際には1960年代までアセテート盤は使用し続けられ
ビートルズのサタディ・ナイト・ショウの記録もある。これは当然ながらモノラルである。
この延長線には1970年代に自主プレスLPでブリティッシュ・ロックを世界配信するようになった。

面白いのはイコライザー・カーブに独自のものを使用していたこと。NAB規格に準拠するか悩んでいたが
カッターヘッドの性能で特性が異なることから、標準化に慎重に対処するように提言している。
これはモノラル録音が、演奏者のサウンドの違いよりも、録音のトーンの違いが顕著であることと
無関係ではないように思える。(参照:http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1946-02.pdf
トーンコントロールはこうしたトーンの違いを補正するのに必須であると思う。
60BBCのスピーカー開発:2012/09/02(日) 07:37:47.29 ID:1gaNMFqR
BBCの独自性が強いと誰もが考えるのはスピーカー開発であろう。
しかし独自性の強いものが出現するのは戦後のことであり、戦前はWEおよびGEの技術を使っていた。
GEの8インチフルレンジはRCAで使用していたものと同等品であるが、戦中の64A/Bは導入できなかった。
1927年:WEの技術を導入していて、音声モニターに陣笠がみえる
 http://www.corbisimages.com/stock-photo/rights-managed/AALJ001058/bbc-radio-control-room
1933年:GEのパテントでBTHが製造していたダイナミック・スピーカーと開発したてのテレビのデモ機
 http://www.corbisimages.com/stock-photo/rights-managed/42-15688130/listening-and-viewing-hall-no-1
1937年:秘密裏に開発していたテープレコーダー
 http://www.corbisimages.com/stock-photo/rights-managed/AALJ001413/recording-in-number-2-tape-room
 http://www.bbc.co.uk/pressoffice/images/bank/programmes_radio/446cowell_archive.jpg
しかし、戦後まもなくはユニットの外注姿勢が強く、パルメコ、タンノイ、グッドマンズ、ローレンツなど
様々なユニット会社から供給を受けていた。1958年のLS3/1開発でもESLとの比較を怠らない慎重さがみられる。
(参照:http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1958-31.pdf
61米かパンのようなもの:2012/09/02(日) 08:55:18.46 ID:1gaNMFqR
放送局用モニターというと、音楽番組の製作に用いられるものが最先端であり名機が多い。
しかし、陰日向で最も活躍したのは8インチのフルレンジユニットである。
最初期で完成度の高かったのはGE社が採用した、ライス&ケロッグの開発した
ダイナミック・スピーカーで、1926年にRCA 104型としてリリースされた。
UX-112、UX-171、UX-210、UX-245等のGE社の真空管と同時期だということを考えると
このルーツの古さに驚くことだろう。英BTHや独AEGにもパテント供給され世界標準となった。
またオルソン博士の開発したRCA 64A/B(MI-4400)も8インチであり、この口径への愛着は
既に不動のものとして定着していたように思う。

戦後のHi-Fi期に前後して開発されたものとして
米国ではWE 755A、Altec 400B、408、JBL 208 LE8T、Jensen P8P、EV SP8Bがあり
放送局での音声モニター、ビギナー向けのスピーカーとして大活躍した。
日本でもパイオニアPIM-8はラファイエットSK98としてOEM生産されたとか
パナソニックのゲンコツ8P-W1も外資獲得に大活躍であった。
http://www.imagebam.com/image/2d1151128254565
英国にはローサーPMシリーズ、グッドマンズAxietteもある。
このうちAxietteはBBCモニターやDeccaのデコラ電蓄にも搭載された。

この8インチユニットの良さは、低音と高音のバランスの良さと自然な響きにある。
ボーカル専用のサブシステムと思うかもしれないが、狭い日本の家屋には十分の音量で
アンプもラジオ球と言われる6V6、EL84、2A3などで十分に鳴らしきれる。
あと音の悪い録音への耐性もあって、SPからLPまで何でも聴く人には重宝するし
大型システムのバランスを確かめるためのバロメーターにも利用できる。
安いからとステレオで揃えず、モノラル1本で聴くのがオススメ。
62古典落語のような3極管:2012/09/02(日) 13:44:18.49 ID:1gaNMFqR
UX-112、UX-171、UX-245はWesting House社
UX-210のみGE社でした。ごめんなさい。

ラジオ球として知られるこれらの3極管は、とても長く製造され戦前のオーディオの中心的存在といえる。
12Aは0.3Wでマグネチック・スピーカーに最適で、芯の細い音。真空管ラジオのファンには人気だ。
71Aは0.7Wで少し重心が下がって、一番バランスの良い球。後の6V6とも似ている中堅の音だ。
45は太い中低域と柔らかな高域の、いかにも3極管らしい音。出力は2W以下。
10(VT25)はこれらと違いカチッとしたメリハリの強い音。電球のように明るい10Vタングステン球。
3極管というと柔らかでナロウレンジという印象もあるかと思うが、トランスひとつで大分違い
最近のトランスに載せ替えると、20kHzは楽に伸びている。現代の録音に合わせる場合にはこれで良いが
モノラルらしい中域のコクを出すのは、トランスの影響が非常に大きく
個人的には10kHz以上が下がるくらいのほうが、エネルギー感が増すように思う。
今はこういう「欠陥品」を見つけるのが難しい。あとNFBは掛けないほうが、音楽が弾んで面白い。

上記の8インチ・フルレンジとの絡みでいうと、3極管はそれよりずっと古い設計のもの。
しかしビーム管で鳴らすと普通にHi-Fiな音なのに、3極管はSP時代のシンプルな芸風が似合っている。
ちょうどストーリーが込み入った往年のハリウッド映画と、チャップリンの無声映画との違いみたい。
共に今どきの爆発ばかりするのに比べると大人しいものだが、ワンシーンに掛ける時間の流れが違う。
この時間の流れがオールドタイムを活き活きと演出してくれるのだ。
63フルレンジの多様性:2012/09/02(日) 14:18:49.40 ID:1gaNMFqR
モノラル時代のフルレンジのキャラクターを分けると、おおよそ3種類に分かれると思う。
一般にはアメリカ、イギリス、ドイツと国別に分けることが多いが、性格が180度違うものもある。
例えば同じドイツのLorentzとIsophonでは全く違うし、同じJBLでも208とLE8Tで異なる。

1)中高域2.5kHz周辺に山をもつワイドレンジ型。
  Altec 400B、755E、JBL 208、Jensen P8Pなどはこの部類に入る。
  これはベル研究所のラウドネス曲線に沿ったもので、音が前にせり出し明瞭性をもつ。
  (アーグル氏のレコード・エンジアリング本にもイコライジング技術として紹介されている)
  一般的にビンテージ・ユニットというと、この系列を指すことが多い。
2)フラットな特性のユニット
  今では当たり前のフラット志向は、戦後に開発された新しい傾向である。
  JBL LE8T、グッドマンズ Axiette、パイオニア PIM-8、パナソニック 8P-W1が該当。
  ドイツ製のモニター用ユニットもこれに相当し、ドイツらしくないと酷評される。
3)高域をさらに増したユニット
  これはドイツ系のフルレンジに多いもので、4〜8kHzをさらに歯切れ良くしている。
  Siemens、SABAのほか、ローサー PM-6、エレボイ SP8Bが相当し、バックロードホーン向けとされる。
  WE 755Aもこれに属すると思うが、後続の755Eが異なるため誤解されてるかもしれない。
64フルレンジの多様性-2:2012/09/02(日) 19:26:14.39 ID:1gaNMFqR
この手の「サブ・スピーカー」に向いているユニットの多くはそれほど凝った箱を必要としない。
(上記の3)でバックロードが合うのはPM-6とSP8Bのみです。重ね重ねごめんなさい。)

特にフィックスド・エッジのものはfoが高く低音が伸びないので
むしろヘタにバスレフに入れるとボン付いてじゃまになることもある。
例えば、Altec 400B、WE 755Aなどは構内放送用の小さな箱でも十分に鳴るし
そういう使い方でも浸透力のある音が鳴る。(ドイツ製ユニットも同様である)
壁面やコーナーに置くことで音の広がりが出るし、10畳程なら1本で十分である。
アンプは1Wもあれば十分で、むしろ小音量のときのリニアリティが効いてくるので
小型のトランスのほうが軽くスイングするので心地良い。
少しだけ欲張って40L程度の密閉箱に入れても良く、小型PA並の力量で鳴り響く。
10W程度のプッシュプルを充てると、小さなライブ会場なみの音響が得られる。

ドイツ製ユニットは、ラジオ用がほとんどなので、平面バッフルで使う人が多いが
後面開放か、密閉箱でも後ろ面にスリットや小穴のが開けて背圧を逃したほうが良い。
アンプはEL84、EL82などのシングルが一番合っている。

むしろ箱に気を遣わなければならないのは、LE8T、ゲンコツ、PM-6のような
フリーエッジ系のユニットで、低音を50Hz程度まで欲張っているので
80〜120Lのそれなりの箱に入れなければスカスカの音になる。
低音の量感豊かな本格的Hi-Fiシステムに近づくが、ステレオで使う人は高域不足を
感じる人がいるかもしれない。同じ箱で12インチ同軸という選択肢もあるなかで
モノラルで踏ん張るのは多少勇気が居るかもしれない。
アンプはシングルアンプでも鳴るが、10W程度出るプッシュプルのほうが躍動感が出る。
65良い塩梅:2012/09/02(日) 20:27:29.02 ID:1gaNMFqR
12インチの同軸ユニットは、1950年代にかなりの種類を数え、価格も手頃なのが魅力である。
ただ日本でもそうだったが、あまりしっかりと設計されていない張り子の虎のような
良く判らないものも多い。アルテック、タンノイ以外は1970年代になると急速に忘れ去られた
ユニットがほとんどなのも特徴だ。逆にいえばビンテージ度も高いのだが、この思い入れが
じゃまになる場合もある。

例えば、Isophon Orchesterや日本からOEMしたLafayette SK58のように超フラットな
モニター調のものは、日本では見飽きているのか評価が低いが、欧米では高かった。
100L以上のバスレフ箱に納めてゆったり鳴らすのが流儀であろう。

個人的にはアルテックもタンノイも12インチだと、あれほどアンプに苦心せずに済んだはずだ
と思いを深くする。EL84や6V6のプッシュプルで十分鳴るのだから、まさに家庭用に最適。
モニターレッドにコーナー・ヨークをモノラルで鳴らすなんて趣味の極道か?
あるいはAltec 601をモノラルで購入する理由を自覚している人は、相当な趣味人であろう。
コーナー型バックロード箱で入門に適したエレボイのAristocratに12TRXを詰めるのも良い。

あと置き場所だが、シングル・ソファをスピーカーの脇に置いて聴くのが当時の流儀である。
ほとんど部屋の響きをブレンドして聴くのが、ゆったりしたリビング空間を生み出す。
ステレオ試聴の流儀に毒されて、正面から聴くのは野暮というもの。
http://www.hifilit.com/hifilit/Electro-Voice/117-6.jpg
http://www.corbisimages.com/stock-photo/rights-managed/NT3724378/family-listening-to-radio
何事も適当なさじ加減が良い結果を生むのである。
66古い電波にのせて:2012/09/02(日) 21:36:18.61 ID:1gaNMFqR
12インチが部屋いっぱいにHi-Fiサウンドで満たす条件を備えているとすれば
8インチはそれよりもパーソナルな空間を作ることができる。
最近面白いと思っているのが、8インチユニットを3極管シングルで鳴らし
戦前のジャズやブルースを聴くこと。本来であれば、当時のユニットを使うべきであろう。
しかし戦後のある時期のユニットには、78回転盤への未練の濃いユニットもある。
そして80〜8,000Hzという帯域を独特のコクのある音で鳴らしてくれる。

Altec 400Bは1945年のまさにSP末期のものだが、1950年代の放送業界の実態に合った特性だと思う。
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1949/page5.jpg
誰もが不思議に思うほど狭帯域のJBL 208のようなワイドレンジもこの部類に入るだろう。
エレボイ SP8Bでは、カタログで9kHz以上はカットしたと明白に書いてある。
http://www.hifilit.com/hifilit/Electro-Voice/baronet-2.jpg

これらは当時でさえ、6V6プッシュで鳴らすことが多かったのだが
スピーカーのもつ最大スペックを狙うのではなく
あえてラジオ球クラスの3極管シングルで鳴らすと、懐かしいくつろぎの時間が生まれる。
それもアセテート盤で収録されたラジオ番組が妙に合うのだ。
夜な夜な70年以上前のラジオの音に耳を傾けるのが、最近の日課になっている。
67PA技術とアメリカン・サウンド:2012/09/02(日) 22:07:45.14 ID:1gaNMFqR
これらのワイドレンジ・ユニットは、Hi-Fiの要件を備えていないが
小型PAとしての実力を備えている点で、音声に対する条件が全く違っている。
つまり、マイクの生音を直接入れて、それらしく鳴らす特性である。

例えば、プレスリー・マイクと異名をとるSHURE 55マイクのうち1951年型は
1〜5kHzの山を作ることで、パンチのある音を作り出し人気を博した。
http://www.coutant.org/shure55/55multi.pdf
この特性とワイドレンジ・ユニットを比べてほしい。
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1949/page5.jpg
これらの設計思想が一致していることに気がつくであろう。
ラジオ収録を確認するのに、音に手を加える前の生音を効率良く聴く技術は
PA用の拡声技術と結びついていたのである。

ただし、SHURE 55型の特性は1942年に開発された当初には織り込まれなかった。
http://www.coutant.org/shure55/55a1942.pdf
これはRCA 44型リボンマイクのようにナチュラル志向の音声を、
スピーカー側で補うのが拡声技術の基本だったと思われるのである。
このトーンがJensenをはじめとするアメリカン・サウンドの源流と考えるのは、
甚だ間違ってはいないだろう。
それだけに、SP録音の本流がPA技術を軸にしたナチュラル系の音という見方で捉えると
再生の軸がぶれないと思われるのである。
68根強いアセテート盤:2012/09/04(火) 07:55:18.75 ID:OU1rbShj
BBCで独自に使用していたイコライザーカーブが あったが
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1946-02.pdf
今度はNAB(National Association of Broadcasters)が新しくEQカーブを制定した頃のアメリカの記事。
(以下のP.20から)
 http://www.rsp-italy.it/Electronics/Magazines/RCA%20Broadcast%20News/RCA%20Broadcast%20News%2055%201949%2006.pdf
ここでも旧規格(SP盤と同じもの)との比較で、辻褄の合うイコライザー設定が検討されている。
これはアセテート盤をまだ大量に使用されていた時代で、極めて実務的な問題でもあった。
10kHzまでしっかり伸びているが、どうしても中低域がこんもりして、抑えようとすると高域がへこむ。
ちょうどテープレコーダーの使用が議論されていた頃で、
性能的にはテープが良いのだが、コスト的な問題もあったかもしれない。
テープレコーダーの特集(1949年)
 http://www.rsp-italy.it/Electronics/Magazines/RCA%20Broadcast%20News/RCA%20Broadcast%20News%2054%201949%2004.pdf
RCA 70Dがまだまだ売れてる時期の広告(1949年、P.50に新しいカッターヘッドの記事)
 http://www.rsp-italy.it/Electronics/Magazines/RCA%20Broadcast%20News/RCA%20Broadcast%20News%2053%201949%2002.pdf
結局、SUN Recordsのようなロカビリー系では1950年代までアセテート盤の収録が続いていたし
それをまたRIAAにコピーしたという不思議な関係が続いていたことになる。
69ロカビリーは低級か?:2012/09/04(火) 20:50:17.77 ID:OU1rbShj
ロカビリーの話ついでに、ロカビリー・ファンには、モノラル再生への関心が薄いというか
ビンテージ・オーディオそのものの存在をあまり知らない人が多いように思う。
それで曲の魅力が減じるわけではないが、ラジカセで聴いても一緒だと言わんばかりの勢い。

例えば当時のジュークボックスの再生音は、米国ではマストアイテムだが、日本では補修屋が皆無。
オーディオに興味のある人でも、JBL 4312止まりで、ロックのルーツをついでに知りたい程度。
せめてフェンダーのギター・アンプ(D130やJensen)で聴いてみると、また感じが違うと思うのだが。
張りのあるドラム、突き出るボーカル、跳ねるギター、当時の人が熱狂した全てが詰まっている。
深いベース音とか、シンバルが綺麗に鳴るとか、実はどうでもいいように思うのだ。

個人的には、日本の家屋ならスーツケース入りのアンプ付スピーカーが最適なのだと思うが
これまでスーツケース・スピーカーがまともに評価されたことはないと思う。
同じラジカセ並の大きさでも、小型PAとしての実力が全く異なる。
(管球王国65のSP盤紹介で、Ampex 620から、結局BBCモニターで聴いた意図が全く判らない。
 特集のAltec 755Cに繋がらないのが、ロカビリーを低くみているせいかもと疑いたくなる。)

ただ最近、マニアの間でアセテート復刻がオリジナル・テープより評価されていることは幸い。
オリジナルはそっちで、テープがコピーだからだ。
701950年代の箱入り娘:2012/09/04(火) 22:04:31.28 ID:OU1rbShj
ちなみにAmpex 620はテープレコーダーと対にして販売されたアンプ付スピーカーで
12インチフルレンジを6V6プッシュで鳴らすという、いたってシンプルなシステム。
http://reel2reeltexas.com/vinAd54Ampex620b.jpg
http://reel2reeltexas.com/vinAd54Ampex620c.jpg
当時のスーツケース・スピーカーが最も活躍したのは、移動映画館の簡易PA用で
米国での最大手はBell & Howellだろう。1907年創業のアマチュア映画ではおなじみのメーカー。
B1型スピーカーは285型映写機と共に1950年代に良く売れた機種だ。
最近はビンテージ・ギターアンプとして人気が出ているが、当時は区分があいまいだった。
http://www.preservationsound.com/wp-content/uploads/2010/11/Artistfone-1024x680.jpg
こうした市場をWE/Altec陣営が指をくわえて見ていることはなく
よく知る755シリーズは、こうした簡易PAシステムにも良く使われた。
http://inrussia.us/index.php?option=com_ebay&task=showitem&itemid=380428666165
以上より、スーツケース・スピーカーは、メイン機材の付属品として販売されたもので
その機能は本格的オーディオの範疇にはなかった。しかしその実力は簡易PAとして十分であり
実際に小ステージで使えるほどの拡声能力を持っていた。またギターアンプの祖でもあり
当時のワイドレンジ・ユニットが使われて今も続いている。
71名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/04(火) 22:13:54.32 ID:dSMhtemd
だらだら
長い書き込み
御主たち 暇じゃな〜
72名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/05(水) 04:13:45.82 ID:34KGE7o2
いや、ずっと読んでるが、オーディオ誌の連載より勉強に鳴る。
既存編集者の猛省を促したい
73名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/05(水) 07:24:32.28 ID:EjJjIvXQ
>71
自分自身もモノラル時代の情報に飢えてるし、実際どういうアプローチが最適かが判らないまま。
だから隔離病棟をつくって色々とテーマを切り貼りしている。

>72
過分なお言葉だが、既存のオーディオ誌のアプローチは
「1950年代のモノラル録音(特にフリー・ジャズ)の魅力を最大限に引き出すシステム」
「現代の録音も魅力的に鳴らすビンテージ・オーディオ」
という限定されたテーマを追い続けていると思う。
だからトスカニーニやフルトヴェングラーをリファレンスとして試聴できないし、
スウィング・ジャズ、ブルース、ロカビリーというアメリカ文化の中枢を押さえきれない。
そこから映画音楽、懐メロ、歌謡曲と無限に広がる録音ソースの海があるのに
あえてそこにダイブして溺れてみせるだけの器量がない。
管球王国65でもビル・ヘイリー、プレスリー、平尾晃、ペギー葉山とかなり頑張っているのに
なぜとなりの特集記事のAltecフルレンジを持ってこれないのかが不思議。
そこで、AmpexとAltecの共通項と相違点がみえてくるのに。
いつかレコード・コレクターズ誌の執筆陣とコラボしないかと夢みてる。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/05(水) 08:02:20.27 ID:EjJjIvXQ
例えば、戦前のハリウッドに詳しかった野口久光氏の復刻盤は
絶対にスクラッチ・ノイズを赦さない世代で、5kHz以上は大幅にカットする。
こういう方針は1980年代まで一般的で、東芝のGRシリーズ、ビクターの赤盤シリーズにも共通していた。
実際には1933年のWEのワイドレンジ・システムの開発で10kHzは収録可能で
現実には8kHzが通常のスペックとして流通していたので、SP盤といえども侮れない。
それとスクラッチ・ノイズは3kHz付近が耳につきやすく、当時のノッチ・フィルターもそうだった。
意外にも5kHzカットは、電蓄に装備されていたトーンコントロールを、そのまま踏襲したものだろう。
今の新しい復刻は、こうした流儀をわきまえていて、大分時代が変わったと思う。
JSPの復刻など、1920年代にやや弱さをみせるが、1930年代物はすばらしい復刻が多い。
ソニー・エンターティメントのレガシー・シリーズも、丁寧な復刻で安心できる。
75自分好みのトーンを作る:2012/09/05(水) 23:08:28.93 ID:EjJjIvXQ
この手のワイドレンジ・ユニットと本家PA屋のVOTTとの差がどこにあるのか?
単純に言うと、目標とする音響出力の違いによってトーンを変えている。

ワイドレンジは小出力向けに500〜2,000Hzを右肩上がりのスロープを作り
6kHz辺りからロールオフする。こうすることで、音が前に迫り出すように聞こえる。
これは人間の聴覚の特性を利用したもので、小さい音を近くで聴くときの聴覚を
トレースすることで、音が目の前で鳴っているような錯覚を起こす。
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/specs/pro-comp/2130/page2.jpg

一方で、VOTTのほうは、比較的自由に特性をいじることができる。
モノラル期のデータがないので、1970年代のカタログで代用すると
大型ホーンを使用したシステムでもかなり特性が違うことが判る。

マンタレーホーンのA7では、5kHzから緩やかにロールオフする素直な特性。
これは映画館での標準特性(俗に言うアカデミー・カーブ)と整合させている。
http://altecpro.com/pdfs/vintage/SpeakerAndMics/systems/A7-MR994A%20VOTT%20Speaker%20System.pdf
スタジオモニター用の9846-8Aはフラット志向だ。
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1971-monitor/page3.jpg
楽器用の1218Aはワイドレンジ風の右肩上がりだが、高域は緩やかに15kHzまで伸びる。
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1971-monitor/page3.jpg

このように会場の広さ、実用的な音響出力などにより、スピーカーの特性は変えるべきであり
家庭用の小音量であれば、ワイドレンジを参考にまとめていくと、ゴールが見えやすいと思う。
一番使いにくいのは、シアター用の特性のまま導入すると、結構な音量で鳴らさないと
大人しいバランスでしか鳴らないということが起こる。クラシック向けのバランスでもある。
76アメリカン・サウンドの罠:2012/09/06(木) 07:38:56.47 ID:2qDPa58e
上記の1218Aのリンクを間違えていました。以下が正です。
http://www.lansingheritage.org/html/altec/specs/pro-speakers/1218a.htm
これらの特性の違いは、ウーハーの違い、クロスオーバーの違い、上下のバランスなど
500〜6,000Hzのキャラクターで音の厚み、抜け、広がりが変わる。
録音ソース毎に設定を変えるのはしんどいので
ベースとなるサウンドが決まれば、イコライザーで微調整するほうが実用的である。
個人的にはステレオのアンプをバイアンプにしてモノラルで鳴らすのも良いと思う。

クラシック向けということで思い出したが、1950年代に音質評価に用いるソフトは
ムード音楽というと驚くかもしれない。しかし実際はそっちのほうが多かったと思う。
例えば1955年のトップテンに入っただけでも
Billy Vaughn "Melody Of Love"
Perez Prado "Cherry Pink and Apple Blossom White"
Four Aces "Love Is a Many Splendored Thing" もその部類か。
意外なのはヤンキーソングの売れ行きで
"The Yellow Rose Of Texas"、"The Ballad Of Davy Crockett"などは
年中売れ続け、ジュークボックスでも人気だったらしい。
これらは同曲を別のミュージシャンが並行して吹き込むことも多く
間違って買ったわけではなく、いちよ売れ行きの順序もある。
もちろん"Rock around the Clock"や"Dance With Me Henry"も売れたが
どうもアメリカン・グラフィティに感化されて、若者だけのアメリカを
イメージしすぎているのかもしれない。
もちろんAltecはこれらの幅広いジャンルにも適性を示す。
77映画の音声:2012/09/07(金) 06:36:27.78 ID:LC4dW1hg
VOTTの話題ついでに、映画館のステレオ化にまつわるお話。
WEがステレオ技術を1940年に発表したものの、商業化でRCAに先手を取られた後
ようやく1954年になってPERSPECTA STEREOPHONIC SOUNDをリリースした。
http://www.widescreenmuseum.com/widescreen/perspecta-fairchild.htm
http://www.youtube.com/watch?v=48WWtzSvBBA&feature=relmfu
これは30〜40Hzの信号音をVCAが感知して、音声を3chに振り分けるという方式で
A7の1953年のリリースは、比較的小規模の映画館に向けた提案だった。

一方で、この時代にHi-Fi技術との連動も試みられていて
配給されたフィルムの音声を巡ってAltecの音響技師が悪戦苦闘している。
http://www.widescreenmuseum.com/widescreen/perspecta-altec.htm
ようするに、新しい音声方式は高域が強すぎるというのである。
結局イコライザーで5kHz以上をロールオフさせると丁度よかったという。
これは1939年製作の「風と共に去りぬ」をPERSPECTA方式で配給したもので
確認しても同様であったとされる。
78支配的な周波数領域:2012/09/07(金) 06:39:51.76 ID:LC4dW1hg
映画館の音響特性で興味深いのは、6kHzというレンジで十分楽しめたこと。
もちろん広い会場での音のエネルギー分布は、高域は拡散して聞こえないのが一般的で
ピュア・オーディオではその些細な音の広がりを繊細に拾い上げる必要がある。
実際のスピーカーは、角度を振ると同様のロールオフをするのは自然の原理で
むしろそうしないと左右のセパレーションが得られない。

現在のスピーカーは概ねフラットだが、首を振るとキャラクターが明白になる。
B社:5kHzに山がありややドンシャリに聞こえる分布
 http://www.stereophile.com/images/archivesart/1205802fig5.jpg
S社:クラシック向けのアコーステックな響きで8kHz以上はほぼカット
 http://www.stereophile.com/images/archivesart/1207SFEfig06.jpg
W社:中域のセパレーションが強く、3kHzの山で前のめりの音
 http://www.stereophile.com/images/211Wilfig07.png
実際には総合的な音響を聴いているのであって、意外にも8kHzまでの音調で
スピーカーの音の傾向が決まっていることが判る。
79PA屋のど根性:2012/09/07(金) 07:59:22.60 ID:LC4dW1hg
Altecの場合はどうだろうか?
例えば、906-8Aドライバーとマンタレーホーンを使ったときの特性は
5kHzからロールオフする特性を持っている。中域重視の厚めの音調である。
http://www.lansingheritage.org/html/altec/specs/pro-speakers/9812-8a.htm
一方で驚くべきは、±50°首を振ってもそのトーンに変化がないことである。
これにチョコンとツイーターを乗せれば今風のトーンに様変わりする。

288-8Eを旧来の511ホーンと組み合わせた場合は8kHzまで±40°確保している。
http://www.lansingheritage.org/html/altec/specs/pro-speakers/9848.htm
ここまでくると高音が強すぎて、逃げ場のないくらいに鳴り響く。

これらはPA装置において、試聴位置で音響特性を変えることが許されないニーズが
あるからだが、ステレオ再生だと混濁しやすいこの特性は、実にモノラル向けである。
モノラルの場合、高音の広がりに癖があると、直接音が強く出る傾向のあるのと
逆にレンジが狭く感じることがある。これは >78 で示したように、高域がない録音では
スピーカーの中域の癖が出やすいことに起因しているように思う。
レンジは8kHzまでで十分だが、中高域がスムーズに広がるものが好ましい。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/07(金) 22:46:10.83 ID:LC4dW1hg
アメリカン・サウンドというと、いかにも攻撃的な印象をもつかもしれない。
一方で、なんというか、ぶ厚くて柔らかい中域に魅せられるときがある。
いわゆるシルクのような繊細さではなく、ベルベットのような質感。
真空管のサーモノイズをシュワッと感じた後に寄せてくる出音の充実感である。

最近気がついたのは、こういうサウンドの志向が、今のクラブ系で流行っていること。
1970年代初頭のUREI、BOZAKなどのミキサーが珍重される不思議な現象が続いている。
やはりそこでも「太い音」という言葉が飛び交う。
そもそも高域が拡散して、低音ばかり目立つクラブ独特の音響のなかで
中域の押し出しがステイタスを築くのは、並大抵のことではない。
そのパワーを、ビンテージのミキサーが作り出すというのだから面白い。

個人的にはUTCの軍用トランスが好きだが、その音は最初は魅力を何も感じない。
高域の輝かしさ、低域の太さ、そういうオーディオ的な魅力とは無縁だ。
しかしボーカルを肉付き良く再生するのに、これほどのトランスを見つけるのは難しい。
その自然さは、男性のアナウンスを聴くと判る。SP時代の録音でもくぐもったりカチンコチンにならない。
人によってはWEのほうが…という意見も多いだろうが、WEは全体のバランスを保つ名人芸あっての音
なので、トランスだけ抜き出してサウンドのバランスが保てるとはあまり思えない。
その点、UTCは融通が利くし、色んな意味でタフだ。このいい加減さも好きな理由である。
81規格にぴったり:2012/09/08(土) 15:59:05.13 ID:w1pWzKP9
業務用というと、完璧な水準という印象も抱きやすいが、
規格という壁に阻まれて、意外にも最高のスペックというわけではない。
1925年:100〜5,000Hz:ビクトロ−ラ蓄音機
1931年:80〜8,000Hz:AMラジオ、映画館
1946年:50〜15,000Hz:Decca-ffrr、FMラジオ
1949年:20〜20,000Hz:Hi-Fi
Hi-Fi以前の規格は十把一絡げにされやすいが、
1941年のFM放送開始なども含めると、5年置きには規格を煩雑に変えており
あとHi-Fi以後も放送局の機器には15kHzで閉じているものが多い。
とはいうものの、スペックだけなら今のラジカセでも公称20kHzだが
これらの業務用機器の実力は、その中身の堅実さにあると言っていい。

ここで規格内の音をきっちり出すとは、単純には、余計な音(ノイズ)を出さず、
レンジも窮屈ではない、という当たり前のこと。しかしこの当たり前が意外に難しい。
例えば、私が大好きなラジオ音源は通常は5kHzまで、伸びていても8kHzというレンジだが
これを自然に鳴るようにするため、トランスでレンジを制限し、イコライザーで整え、
スピーカーも古レンジで揃えると、過不足無くぴたっと納まる。
Jazzだと511ホーンの愛好家は80Hz〜10kHzに留めるかは非常に悩ましい問題で
ステレオ録音も視野にツイーターを足す人も多い。かといって最初から811にする人は皆無。
JBL D130に足すのは、175か075かというのも同じ問題である。
この手の問題は、残念ながら、新規格が旧規格の上位代替とはならない。
500Hzと800kHz、1,200Hzと2.500Hz、この間に詰まっている音をどう考えるかは簡単なのに
10kHz以上の話となると難しく考えるのは、人間らしいといえば人間らしい。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/09(日) 08:55:33.47 ID:9SZ0gU4F
ふむふむ もっとやって

じゃが5球スーパーにもう戻れないのよね
83身の丈に合わせた音量:2012/09/09(日) 08:59:12.77 ID:uAbY4+7b
小出力真空管のシングル・アンプで鳴らしている人は、ボーカルや室内楽には良いが
オーケストラは苦手という感覚をもっている人も多いと思う。
1Wも入れば音量的にはうるさいくらい鳴っているのに、なにかが違うのである。

こういうときにコンプレッサーを導入すると、意外に効果が出る場合がある。
既に録音時に整えてあるのに、さらに加えるのはナンセンスなのではと最初は思ったが
1:2くらいでソフトに入れてやると、それほど癖も感じられず自然になる。
こうするとフォルテとピアノの差が縮まり、小出力でも聞きやすくなる。
コンプレッサーを入れることで、フォルテのときの音に解像度に差が出てきており
よく聴くとフォルテのときには軽くクリップしていていたことも判った。
あとアタックとリリースの設定で、音の押し出しが良くなる場合もある。

これでもLPだとそれほど気にならないが、CDで聴いた場合にピーク時と小音量との
差が激しく聞きづらいことが多い。これはオリジナル・テープをそのままダビングして
リマスターしているため、LPのカッティング時に施されるコンプレッサーの処理が
なされないまま製品化されるからに他ならない。それがオリジナルといえばそれまでだが
やはり味気ない。これにコンプレッサーをかけると腰の据わった音になる。

あとFM放送が聴きやすいのも同じ理由で、以前トスカニーニの録音を流したことが
あったが、凄く滑らかな音で驚いたことがある。最初はDL-102の音かとも思ったが
CD発売記念だったので、どうも理由はそれだけではなかったらしい。
84名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/09(日) 10:39:24.10 ID:hFCzVOwR
管球式ラヂオって楕円形スピーカー多かったですよね
85ラヂオの大きな目玉:2012/09/09(日) 19:00:47.80 ID:uAbY4+7b
ラヂオの楕円形スピーカー(オーバル)が使われたのは、1942年の米Emaerson社が最初かもしれない。
http://www.radiomuseum.org/r/emerson_ga1_441.html
あとZenith社のカーラジオにも搭載されたのも1942年なので、やはりこの頃が始めだろう。
http://www.radiomuseum.org/r/zenith_6mf690_ford_adjust_o_mat.html
ちなみに1940年代の卓上ラジオの実力は以下のような感じ。(P.11)
http://web.mit.edu/sdmorr/Public/projects/radio-paper.pdf
かなりのカマボコ型で、全てはHFフィルターの性能で決まっていたが、これは最も安価なラヂオに属する。

日本ではペラペラ紙という印象が多いけど、欧米では立派なサイズのものも多く
同軸2wayのユニットも多く存在する。
http://www.htg2.net/index.php?action=dlattach;topic=70269.0;attach=148149;image
ドイツ製ではIsophon、Grundigが有名だけど、RCA、フィリップスなども多数製造した。
1950年代のHi-Fi用は、強度が保ちやすく小さなボイスコイル径でも駆動できるため、
高音と低音のバランスがとれて意外にまとまりの良い音で鳴る。
ただ小出力に向いていて、超低音を大入力するには不向き。
EL84シングルとかで駆動するのがほとんどだった。

イギリスではEMIのスピーカー、デッカのデコラ・ステレオなど最高機種にも使われた。
(よくモニタースピーカーと言われるが、ローレンツ製ツイーターの付いたものだけか?)
http://www.audio-maestro.com/luochi_sui_shii_files/decola1.jpg
B&Wの初期の製品にも楕円形スピーカーをあしらった製品がある。この当時はステレオセットにも多用された。
http://www.bowers-wilkins.com/Discover/Discover/History_of_Bowers_&_Wilkins/1960s.html

あと変わり種は陣笠タイプの楕円形スピーカー
http://www.radiomuseum.org/r/farrand_junior_model_20_oval_cone_speaker.html

86名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/09(日) 19:08:19.47 ID:uAbY4+7b
>82
>6を参照のこと。
1930年代の高級ラジオは2wayスピーカーでPA並の実力があった。
87業界の陰の主役:2012/09/09(日) 21:11:54.19 ID:uAbY4+7b
ラジオ用とは言っても、トークバック、キューイングといった音声確認用モニターは
手軽なフルレンジが用いられた。以下のカタログにあるP.53の壁掛けスピーカーNo.32200がそれ。
http://www.americanradiohistory.com/Archive-Catalogs/RCA-1939-Catalog.pdf
トスカニーニやベニー・グッドマンなどの放送録音を確認したNBCラジオの
レコーディング・ルームの状態。正規には奥にある64A型モニターだったが、
もっぱら写真の天井に置いてある壁掛けスピーカーで確認した。
http://i2.squidoocdn.com/resize/squidoo_images/-1/draft_lens2172013module86893681photo_1267112035NBC_Recording_Room.jpg
これは1947年でも変わらず使われ続けられ、例えばトスカニーニのオテロはラッカー盤が原盤になる。
http://www.preservationsound.com/wp-content/uploads/2011/05/Audio_engineering_Nov_1947-717x1024.jpg
つまりラジオ局がラジオ的な音の確認のために使ったという意味で有意義である。

同じ性格のスピーカーとして、1945年開発のAltec 400Bが挙げられる。
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1949/page5.jpg
WE 755Aはこれより遙かにHi-Fiである。
http://imageshack.us/photo/my-images/156/we755a1ii3.jpg/
多分、1948年から続くJBLのD130、D131、D208のワイドレンジも、78回転盤への思い入れが深いと思う。
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/catalogs/1948/page6.jpg
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/catalogs/1950/page4.jpg
1949年のエレボイ SP8Bはもっとノスタルジックな思いが詰まっている。
通常の「商業録音」のため、あえて9kHzで切ることを提案している。
http://www.hifilit.com/hifilit/Electro-Voice/baronet-2.jpg
88名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/10(月) 07:59:58.78 ID:jAQvyXPA
いつも頭の隅っこにあるのが、トスカニーニとフルトヴェングラーの放送用録音のこと。
そしてどういう音響機器で聴くのが最適なのかと何となく考えている。

トスカニーニの場合の鬼門はアセテート盤の復刻で、特有の乾いた音質に慣れるまで
ある程度時間がかかる。それに加え、アメリカ特有の中高域を持ち上げる色付け。
ダイナミックレンジは30dBくらいだろうか。その限界のなかでのパフォーマンスである。
この難問奇問を乗り越えると、アセテート盤のアーカイヴ群の広い大洋に泳ぎ出す。

フルトヴェングラーの場合はもっと複雑で、マグネトフォンの再生機器が戦後にうやむやになり
ほとんどはコピーテープを使った焼き直し。最近になってオリジナル・テープのリマスターが
出回ったのは、旧ソ連からの返還があった1991年以降に再生機器の再構成が行われたのでは
と思っている。それまでの悪あがきが何だったのかと思うほど、夢から覚めたような感じ。
その後は戦後の録音も見違えるように良くなったように思う。
ただLP時代からの調整をやりなおす必要もある。現代のモニターシステムで調整しているからだ。

それでも当時のパンパンに張ったフィックスドエッジのスピーカーは必須だし
真空管のほうがタフなだけに部品交換がやりやすく調整しやすい。
89放送規格に沿った妥協点:2012/09/10(月) 20:53:20.49 ID:jAQvyXPA
トスカニーニは自身がレコード好きなだけあって、再生機器の方向性は意外に判りやすい。(>22-24)
一方のフルトヴェングラーは録音嫌いなうえ、ほとんどが放送ライブ録音ということで
何を基準にすれば良いのか、あまりよく判らない。多分、皆それぞれのフルトヴェングラーの音を
聴いているのだろうと思う。それでも圧倒的に個性的な演奏は誰でも判る。

まず最初の手がかりは、1934年のドイツ製スピーカーの音響規模の分類表である。
http://www.medienstimmen.de/ela/lautsprecher/chronik/1934/gr/wigge1934_9.htm
家庭用は3Wまでであり、よくみるラジオ用スピーカーはこの規模である。
このラジオ用スピーカーの特性は、小音量に合わせ6kHzあたりにピークのあるのが特徴で
一般的にカッチリした音と表現されるものである。3WならEL84シングルとなる。
http://www.exdreamnet.de/forum/user/Franky/Seite_12_13.jpg(左側参照)

次に1950年代に多かったレコード演奏会の規模で考えれば、移動映画館用のスーツケース・スピーカー
ということとなる。25cmフルレンジをEL84プッシュで鳴らす。
http://klangfilm.free.fr/index.php?lng=0&music=&type=2&frame=&item=&title=&dir=data/pictures/loudspeakers/loudspeakers/siemens_2000_2/&num=1
場合によっては、コーン・ツイーターを追加しても良いだろう。

当時の放送用モニタースピーカーはどうだろうか。1949年のIsophon Orchesterは
戦中に伝説となったEckmiller O15型同軸スピーカー(>37)の後継機種として開発された。
http://www.lup-berlin.de/archiv/Katalog/index.html (1952年のカタログ P.10)
このスピーカーはドイツらしくない大人しいもので、人気はいまいちだ。
ところが当時の記事をみると
http://www.fernsehmuseum.info/lausprecherbau-1949.html
Hi-Fiに対応したユニットでありながら、高音は従来のマグネトフォンでも
耳障りな音にならないばかりか、スピーチのPAにも最適であるとされる。
多分、これが本命なのではないかと睨んでいるのだがどうだろうか?
90名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/10(月) 21:51:27.79 ID:jAQvyXPA
一方で、こうした折衷的な考えとは真っ向反対する意見も多いだろう。
一見、癖のありそうなフルトヴェングラーも、素直なシステムで聴くとそれなりに聞こえる
という一般的な意見もある。クラングフィルム、タンノイ、JBLというモニター系で楽しむ人も
結構多いのである。それぞれに理由はあって、クラングフィルムは旧来のドイツ音響機器の親玉、
タンノイはEMIのスタジオモニター、JBLは1970年代のDGGのスタジオモニターである。
発売された期間が長いだけあって、どの時代のプレスかで使い分けるのも面白いかもしれない。

ただGrundeigの楕円型スピーカーでフルトヴェングラー専用システムを組んでみるとか
Isophon Orchesterをスーツケース・スピーカーとして使ってみるとか
そういう裏道を通ってみると、フルトヴェングラーは雲の上の人ではなく
普通にドイツの街を歩いてた一市民であったという実感が湧くような気がするのだ。
ある意味、そうした一般的なドイツ人のために演奏しつづけた人でもあったと思う。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/11(火) 21:46:40.96 ID:vc0z2t5q
フルトヴェングラー専門…などと書いてはみたが、戦中のマグネトフォン周辺の技術は
ノイマン製コンデンサーマイク、BASF社の樹脂ベース磁気テープなど
戦後のオーディオで主役となった製品が多い。そういう意味では、根っ子の部分では
共通した技術で培われているので、それほど大きくはブレないはずである。

ところが当時の写真をみると、ほとんどが1本の宙吊りマイクで収録している。
ベルリン放送大ホール(1947年)
http://www.furtwangler.net/images/bpo47funkhaus.jpg
ザルツブルク祝祭劇場(1951年)
http://www.furtwangler.net/images/wiener2.jpg
ここで使われているマイクはCMV3という戦中から使われた古いもので
指向性で見た周波数特性にはかなり癖がある。
http://www.neumann.com/download.php?download=cata0037.PDF
双指向性、無指向性のいずれにせよ、あまり輪郭のない音になるのは必須である。

シンプルなマイク設置なだけに、周波数特性よりも出音が揃っていることが重要で
200〜4,000Hzの出音がしっかり揃うと問題ないと思うが、反応が重いウーハーを持つ
スピーカーだと中低域の凹んだ薄っぺらい音になる。
モノラルはステレオのように音の広がりで誤魔化せないのでその辺が難しい。
92名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/12(水) 01:03:07.45 ID:oWhhQhWk
ヒマなジジイがキショいのうw
93名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/12(水) 07:18:48.33 ID:0dXEW9f+
楕円型スピーカーは縦横どちら向きか? と問うとき、モノラルなら横向きだろう。
理由はそのほうが中域の指向性が広いからである。
http://www.htg2.net/index.php?action=dlattach;topic=70269.0;attach=148149;image
逆にステレオの場合は、セパレーションに有利なため縦向きになる。
もともと楕円形スピーカーは筐体をコンパクトに納めるニーズから出ているため
卓上型であれば横向き、ステレオスピーカーであれば縦のほうがコンパクトという
理由だけかもしれないが、ホーンのそれと似ているように思う。

ドイツでの高域の拡散については、モノラル時代にかなり心血を注いだテーマと言っていい。
大きくはジーメンス社の最高機種Kammermusik-Kombination Z59M
http://klangfilm.free.fr/index.php?lng=0&music=&type=2&frame=&item=&title=&dir=data/pictures/loudspeakers/loudspeakers/6ruf-lsp-23a/&num=1
そしてテレフンケンの085aモニターが最右翼に属する。
http://www.gokudo.co.jp/Vanguard/room6/room6.htm
これが小型化すると、Grundig社の3D-Klang方式というものがある。
2wayに近い発想だが、同軸ではなく、箱の両脇にツイーターを付けた。
http://i.ebayimg.com/t/GRUNDIG-3045-3D-Klang-TUBE-RADIO-1954-RESTORED-MINT-/00/$(KGrHqQOKnUE1OOdY9lBBN(objUo5g~~_3.JPG
http://www.vintage-radio.net/forum/attachment.php?attachmentid=30449&d=1258927261
ラジオの筐体は放熱のため背面の板に穴が無数に開いているので、後面開放に近いものとなる。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/13(木) 07:49:57.82 ID:hHjPFmk4
これらのアンプはどうだろうか?
Kammermusik-Kombination Z59Mは、EL34プッシュで家庭用としては最大のものだ。
多分、米英向けに企画されたものと思われるが、ELACのプレーヤー、AEGのオープンリールと
ドイツ電器業界の見本市のようなもので、ひとつの指標になるだろう。
http://www.radiomuseum.org/r/siemens_kammermusik_kombination_z.html

テレフンケンの085aモニターは、ノイマンのカッティングレースの検聴用に指定され
アンプはV69型(F2a11のプッシュ)とされる。いわゆる削り立ての原盤を聴くためのもので
この辺の規準がどうなっているのかは、まだあまり調べていない。
トーンマイスターの制度が始まるのは1969年からなので、それ以前は録音技師であるが
グラモフォンには製作責任者、録音責任者、録音技師がしっかり明記されており
音の傾向は録音技師による違いのほうが大きい。使用マイクやセッティングなど記載する
フォーマットも整備されていて、ノウハウを蓄積する姿勢はあったようだが
1950年代は録音技術の進展も重なって、思ったほど一枚岩ではない。
一番判りやすいのは、ヨッフム/BPOのブラームスSym全集で
初期のVR盤コピー(1951年)、中期のテープマスター(1954年)、後期(1956年)となる。
085aモニターはステレオ初期=モノラル末期の製品なので、モノラルの総決算とみるべきか
既に安定期に入った録音方法の申し子とみるべきかは評価が定め難い。

最後のラジオは、これも輸出品が多かったが、それでもEL84シングルが多かった。
今では初心者向けのキットアンプに多い仕様は、高性能な小型ビーム管によるもので
この時代にHi-Fiに関する基本的なトーンが完成していたと考えてよいだろう。
反応の良いフルレンジで鳴らすことで、本来の味わいが戻ってくる。
951本だけで聴く勇気:2012/09/13(木) 23:22:30.54 ID:hHjPFmk4
モノラル録音は1本のスピーカーで聴くべきか? というのは意外に難問であろう。
単純にステレオ録音と併用しているメイン・スピーカーという扱いのも多いが
モノラルが主体の場合は、仮装音像を介さずに直接音で聴くのが本来のような
気がする。点音源で放射されるほうが自然な音像を結ぶし、音の締まりも良い。

ただ、個人的には、1本での試聴には慣れが必要と感じている。
慣れない理由としては以下のことが考えられる。
1)ステレオのような音の広がり成分が少なく、スピーカーの音の癖が出やすい。
2)そもそもスピーカーの中高域の指向性が狭く、ルームエコーが活かせない。(>78参照)
3)ステレオ試聴の癖でスピーカーと正面を向いて聴いてしまう。
いずれもステレオのような音の広がりがないかわりに、ルームエコーを活用するという
基本が忘れられているため、モノラルでの視聴で音が痩せる原因となっている。
これがジャズだと反対の意見で好まれるが、それでも2台で聴いている人のほうが多い。

あとステレオペアにこだわるため、ペアが組めるだけの選別&整備費用が嵩み
ビンテージ機器の価格を押し上げている、という側面も否定できないと思う。
モノラル専用にすれば、同じ価格でグレードも上がるし、ペア選別しなければ
いっそう価格も抑えられるはずである。
これはステレオ・アンプにも言えて、新品でモノラルでのアンプの選択肢が極めて狭い。
個人的には2way用のバイアンプに使おうか思案するくらいである。
96名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/13(木) 23:55:37.29 ID:hHjPFmk4
PA設備では1本のみの拡声というのは少ないのが実情であるが、広い会場での場合で
例えばAltecの規格では20フィート(6m)間隔以内にスピーカー1台ということになる。
http://hwm8.gyao.ne.jp/nao-sakamoto/yota/yota/mokuzi.html#【ステレオフォニック】
そもそも奇数台を並べるのはPERSPECTA SOUNDという3chステレオを再生するためで
考え方は現在のサラウンドと変わりない。これの録音モニターも3本以上が基本となる。
http://www.lansingheritage.org/html/altec/catalogs/1963-pro.htm
しかしモノラル録音であれば、1本でのモニターが基本である。
STAX Studio: http://www.bbc.co.uk/music/static/i/content/souldeep/gallery/27.jpg
Decca Studio: http://blog-imgs-29.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DSC03498.jpg
Blue Note Studio: http://blog.americanhistory.si.edu/.a/6a00e553a80e108834015391917f99970b-500wi
複数台使うならせめて中央に寄せて、扇形に配置するべきではないだろうか?
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1966-vott/page5.jpg
97名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/14(金) 07:42:20.75 ID:q1yhq/yg
ステレオというのは、本来モノラルに対し上位互換の規格のはずである。
LPの溝、FMの変調方式、いずれもモノラルとの互換性を意識した規格である。
こうした背景には、モノラルからステレオへの移行をスムーズに行う配慮があったが
面白いことに1960年代に至ってもモノラルの時代(あるいは併売)は続く。

ビートルズのモノマスターの存在(なかには78rpm盤もあり)は以前から知られていたが、
アメリカでもボブ・デュランのアルバムにモノラル・バージョンが存在するし
グレン・グールドだってステレオ収録とモノラルの併売は1968年まで続いた。
R&Bやファンクのシングル盤は、モノラルが音の勢いもあってほぼデフォルトと考えて良い。
ラジオ音源に至ってはほとんどがモノラル収録のままであったし
テレビ、映画でモノラル収録というのは1980年代のモノラル収録に根強いものがあった。

これらは決してステレオで再生したのではなく、モノラル機器のためのものであるが
ほとんどは電蓄の延長線にあるコンソール型システムだろう。
シングル盤ならジューク・ボックス、ラジオは今でもモノラル型が多い。
1960年代のモノラルは、こうした破片を集めて組み上げることになる。
9860年代の攻撃的アイテム:2012/09/14(金) 07:48:02.44 ID:q1yhq/yg
上記のうち、最も高級な機種はジューク・ボックスになる。
1960年代にはステレオの機種も多く発売されるが、筐体の形が決まっているため
ステレオも中央から拡散する方式になる。中身は以下のような感じ。
http://www.jukebox-world.de/Forum/Archiv/Rock-Ola/R.O.TempoII.htm
http://www.wallbox.de/Rock-Ola-1484-3.jpg
http://www.wallbox.de/Rock-Ola-1484-4.jpg
ワイドレンジ・ユニットを2つ並べただけの簡素なもので
使われたユニットもギター・アンプなどでお馴染みのJensenが多い。
http://www.jensentone.com/sites/default/files/spec_sheets/C8R_Specification_Sheet.pdf
http://www.jensentone.com/sites/default/files/spec_sheets/P12R_Specification_Sheet_0.pdf
ともかく雑多な音の混ざるなかでの再生のため、強力な100Hzの山と中高域で攻めまくる。
2way化した機種でも、セラミック・ツイーターで済ます場合も多く
今でもPA機材で需要があるらしく細々と売られている。

カートリッジは、セラミック・カートリッジが多く、これは特性として2種類ほどある。
ひとつは500Hz周辺で山なりになっているもので、上記のスピーカーと帳尻を合わせている。
http://i46.tinypic.com/2qb63ar.jpg (逆の山なり特性のもの)
こちらは、フラット志向のセラミック・カートリッジ。オーディオ愛好家にも人気があった。
http://www.roger-russell.com/sonopg/velocitone.jpg(フラット志向のもの)

アンプは6L6プッシュが多かったが、6BQ5パラプッシュというのもアリである。
いちよトーンコントロールも付いていて、店の雰囲気に合わせて使い分けできる。
http://www.jukebox-world.de/Forum/Archiv/FAQ-RO/NOVA-Verstaerker.htm#Tempo%202
99名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/14(金) 18:19:03.51 ID:D8yP0m5n
Magnavox
100名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/14(金) 18:20:13.35 ID:D8yP0m5n
100番ゲットオォォォォ!! みたいな
 ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄         ___
                        __   (__  ) ≡≡≡
                      /  ヽ  / / ̄
          _ _、, _,, ヽ7    /  ..へ._ V / ≡≡≡
        v/    ヽ( )△ィ△ /   ゙ii | |/
       (( _(( _((ハ ' _ ) `ヘ/___.  || | |
 lWVl____|∩ ∩ Y_)   ヾ |___. .  || | |  __,r‐、 ≡≡≡
. !_て7」VWl .ヾヷ゙゙ノノヾ,    | ̄     || | | ̄__),  \      (´⌒(´
    ヾ (  ̄ ̄ ̄)   ノ__,ノ‐-__  !! ノ_ノ ̄   . ヾ、__ノ ≡≡(´⌒;;;≡
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    .      ̄ ̄ ̄          (´⌒(´⌒;;
          ズチャッターーーーーッ
101名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/14(金) 19:36:49.01 ID:0TfmtLxX
現役カートは
102一択
102名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/15(土) 07:25:44.61 ID:1IUnHuXG
日本というのは不思議な国で、足元に優れたものがあっても、遠くをいつも見ているような感じで
異国趣味といえば聞こえは良いが、DL-102というのはその典型のようなもの。
放送用の機種だけあって、色々な意味で無難な音を出すが、その安定感を賞賛することは稀。
フェアチャルドのレプリカだとか、なんだかんだ言っても、NHKの申し子。
昔のNHKに対する印象=ニュースと教育番組という呪縛から離れられない運命かもしれない。
いまどきの言い方だと Cool Japan!の一品として火が付くことは…ないか。

ところで、このDL-102の前身のPUC-3のさらに後継機種(4か5)と同じ頃に開発された
ターンテーブルがRP-52。付属のオイルダンプアームは東京サウンドのOEMらしいが
このアームの音の太さが半端ではないという噂。多分、他のオイルダンプアームでも似たりよったり
だと思うが、真偽のほどを知ってる方は教えてください。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/15(土) 08:55:25.27 ID:qDT0jPeb
DL-102はあれで針先が1milだったらなあ。
104名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/15(土) 10:41:30.49 ID:1IUnHuXG
DL-102は1960年発売なので、その後にカッターレースが全てステレオ用になったからでは?
でも今なら交換針のオプションで1milがあっても良いような気がする。
105名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/15(土) 13:21:05.46 ID:1IUnHuXG
DL-102のデンオンの陰に隠れたメーカーとして東京サウンドがある。
1950年代にもA-160型オイルダンプアームを納品をしていたが
デンオンのPUC-3が出る以前にGEのバリレラそっくりのC-2型カートリッジを
製造していて、これがNHKに納品された。当時はまだSP盤だったはずである。
http://justjapan.ru/index.php?module=market&act=lot&yid=w74766812
http://injapan.ru/auction/u41205253.html
よくみると、U.S PAT. PENDの文字があり、特許に関して保留状態だったらしい。

デンオンのPUC-3がフェアチャイルド200番のレプリカということで
この時代の日本製カートリッジは、当の本家のものより希少なのではないだろうか。
DL-102については、10kHzという当時の規格をかたくなに保持している点が憎らしい。
バリレラほどの個性はないが、同時代の名残を留める名機のひとつである。
106名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/16(日) 21:00:01.09 ID:W0se7Fpt
NHKについて色々と勝手なことを書いたが、当時としては最高の技術をもっていたと思う。
ともかく業務用ということで、国内メーカーに安定供給させることが大前提だったが
国内津々浦々まで安定した放送品質を供給できた実績は高く評価できると思う。
ただ1950年代の実態はあまりよく判っていないのが実情ではないだろうか。
1952年までGHQの検閲の多かった時代だし、米国からどれほどの技術協力があったかも不明だ。
デンオンの技術史を書いているサイトでも、Presto社のカッターレースが供与されたことが
記されているが、33回転盤をマイクロウェーブと勘違いしているところがみられる。
http://www.denon.jp/jp/museum/history_enban.html(昭和20年(1945)の項)
実際には長時間用のエコノミー仕様であり、78回転盤を正規とする考えが正しい。
違いがあったのは、既に10kHz録音や内周差補正を可能にしていたか否かである。
あと、後の時代にはモノラル=AM放送という括りになっているが、この時代は全ての音源が
モノラルだったわけで、海外のようにHi-Fiの揺籃期があってしかるべきである。
多分、戦後の和製カートリッジの物まね時代は、そうしたひとこまに数えられよう。
しかし、その国産化の情熱こそが、ものづくりの原点であったともいえる。
107名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/16(日) 21:29:00.62 ID:W0se7Fpt
1950年代の日本製スピーカーには、ダイヤトーン以外はあまり良い印象を持たないかもしれない。
しかし実際には、これらはステレオ期になって一般の人の手に渡ったものが大多数である。
一方で米国に目を移すと、1954年の松下8P-W1のヒットから始まり、意外に健闘しているユニットがある。
日本からのOEMユニットを多く取り入れたのがLafayette Radioで、1930年代から電子機器を手広く扱った
通販メーカーである。松下ブランドは既に浸透しており、マグネット裏にMatsushitaの銘が併記され
OEMユニットとしては別格の扱いだったことが判る。
SK-58:メーカーは不明だが1956年カタログ表紙を飾る(http://reel2reeltexas.com/56LafaySaleCov.jpg
SK-98=Pioneer PIM-8:1956年開発のメカニカル2way
 http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/unit/pim-20a.html
SK-128=Matsushita 8P-X1:8P-W1と並び称される1959年の野心作で瀬川冬樹氏も好んだ
 http://audio-heritage.jp/TECHNICS/unit/eas-20px24.html
SK-180=Matsushita 10P-X1:3way化した日本製では最高機種
 http://audio-heritage.jp/TECHNICS/unit/eas-25px13.html
Lafayetteは後に英グッドマンズからもOEMを受けることとなるが、1966年カタログで並んでたことから
安価ながらほどほどの実力を持っていたことが伺えるし、物まねではない独自技術を持っていた。
アメリカにもフラットで均質な音を好むユーザーは多かったし、そうしたなかからマークレヴィンソン
のようなメーカーが生まれたことも知られている。以下は日本製カートリッジに絡めた話。
http://www.audiosharing.com/people/segawa/keifu/keifu_22_1.htm
108名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/17(月) 07:17:20.22 ID:H1hrA3+r
ギターアンプに使われるワイドレンジユニットの凶悪ともいえる攻撃的な音を聞いて
いくらアメリカンでもやり過ぎなのでは? と常々疑問はあった。
http://www.jensentone.com/sites/default/files/spec_sheets/P12R_Specification_Sheet_0.pdf
私なりの理解では、ベル研究所が発表した等ラウドネス曲線を逆利用して
遠くの拡声器の音を近くで鳴っているかのように聴覚補正を与えたものと思っていた。
この手のスピーカーは、音離れがいい、音像が前にせり出す、という表現がなされ
逆にフラット系の音は、奥に引っ込んでる、遠くで鳴っているように感じる、というものだ。
これはPAで一緒に使われたマイク特性(RCA 44、WEのボタンマイクなど)が
概ねフラットであることも合わせて考えても、ボーカル再生の肝の部分だと思う。
「無線と実験」の今月号で、佐伯氏がアイコニックの特性を測定したグラフが掲載されたが
同じように2.5kHzをこんもり盛った特性だったことに驚いた。

ところがあまり注目されなかった、というか測定されなかった、音の入り口側の問題も
スレを進めるうちに気付いてきた。ようするに特性の悪い録音ソースが多かったのだ。
当時のセラミック・カートリッジの多くは500Hz周辺で山なり。
http://i46.tinypic.com/2qb63ar.jpg
1940年代の卓上ラジオの実力は以下のような感じ。(P.11を参照)
http://web.mit.edu/sdmorr/Public/projects/radio-paper.pdf
これらから浮上してくるのは、1950年代からは安物ラジオほど聴覚補正を加えた
小音量向けのスピーカーが多く作られていたことである。
逆に大型で聴覚補正を加えたスピーカーは、1950年代を境に消えていく運命にあった。
実はこのことが、モノラル時代とその後のステレオを大きく分ける分水嶺であると思っている。
109名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/17(月) 11:01:14.27 ID:Z17KYZtk
なるほど
110名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/19(水) 08:03:37.42 ID:aZ75aEFN
このワイドレンジの性格の違いを端的に示すものは、
JBLでいえばHarknessとL101との違いだろう。
HarknessでD130を使用する際は075との組み合わせが正規なのだが
中高域が強すぎるためD175DHを使う場合もままみられる。
これとLE14Aをバスレフ箱に入れたL101との音の違いは、
同じツイーターを使ったとは思えないほど音が違う。

D130のバスドラは(状態の良いときは)張りがあってパンパンと鳴るが
LE14Aのそれはゆったりと包み込むように鳴る。
しかし一番の違いは、中高域が攻撃的か否かだろう。
Harknessが襲いかかる感じで、手綱の緩い虎だとすれば
L101は完全に外堀で囲われたような感じである。

もちろんL101には失敗がない。ステレオでも使いやすい。
D130を埋め込んだHarknessは、失敗を覚悟で鳴らす心構えが必要だ。
今日のことは判っても、明日のことなど判らない…
こんなお天気屋に付き合うのは趣味に合わないだろうか?
111名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/20(木) 08:00:19.61 ID:LbkevPZD
D130への深い憧れは、多分に岩崎千明氏の「私とJBLの物語」の影響があるだろう。
http://www.audiosharing.com/people/iwasaki/houkou/hou_23_1.htm
この憧憬は、終始「私」という一人称で語られていることが肝である。
つまり他人の干渉など意味があまりないのである。
こう言うと、ひとりよがりな感じを受けるだろうが、そうしたこだわりが
許されるのが、JBLのもつ魅力のひとつともいえる。

岩崎氏の文章には、D130のふたつの交代劇が含まれている。
ひとつはサービスマン時代に米軍将校の家に取り付けたパイオニアの15インチ。
多分、PAX-15Bだと思われるが、先の >107で紹介したラファイエットと同じ趣向で
フラット特性がステレオ期に増えたことを物語っている。
http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/unit/pax-38b.html
この時期に岩崎氏がJBLと出会ったのは、まさに偶然のなせる業であろう。
D130との出会いによって、岩崎氏のモノラルの時期が長引いたことは明白である。
そしてフェンダーのギターアンプに使われて行方不明になったこと。
これが1970年代のロックと共に起死回生したJBLのもうひとつの顔である。
このふたつが、D130に持たれたパブリックな印象だとすれば
岩崎氏の印象は常に一人称である。1960年代のD130(それも1950年代製造)の
孤独な状況を象徴しているように思うが、実はこれで良いと思える何かが
D130には秘められているようだ。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/20(木) 21:14:15.31 ID:LbkevPZD
本来なら130AとD175の組み合わせが、アイコニック以来の本流である。
その課題は、アルテック時代の604同軸フルレンジでほぼ完成された。
D130は、そうした本流に逆らって登る鮭のような勢いがある。
ランシング氏が家庭用の再生機器ということで提案したものの実像は
人間の感性が一番働く帯域、つまりボーカル帯域を中心に描かれている。
人間の声がもつ語りかけだけで、音楽の中核を表現するというシンプルだが
難しい課題について、理詰めでなくかなり感性的に造り上げた感じがするのだ。

その勢いは、他の似たようなシチュエーションを蹴飛ばすようなもの。
例えば、C36に入れたD130の低音はロクハンより出ない。
また、帯域の狭さは巨大なラジオになっても可笑しくない。
スペックでみればその通りだ。しかし、音の実在感はまるで違う。
エネルギー感が縮小された感じはなく、実物大の楽器の様相が伝わる。
クレデンザが5kHzまでしか出ないからと馬鹿にできないのと一緒で
アイコニックでHi-Fiの世界を開いたランシング氏が再度問い直した
実に課題の多いユニットと言えよう。

Hi-Fi規格が軌道に乗った時点で、D130はやや時代遅れになった感があるが
投げ掛けた課題は、1970年代の巨大ライブステージでようやく華開くこととなる。
http://www.audioheritage.org/images/jbl/photos/pro-speakers/grateful.jpg
抜けの良いミッドレンジは、どんなホーンよりも強力に観衆に訴えかけた。
これがアメリカ流のエンターテイメントという本流に結びつくランシング氏の
マジックと呼ばずして何と呼ぶべきか。実にオーディオの世界はこの難題に
いつも挑んできたと言えよう。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/20(木) 22:02:50.95 ID:LbkevPZD
ボーカル帯域のリプロデューサーとしてのD130の優秀性は、岩崎氏も書いているように
SP盤の録音においても遺憾なく発揮される。この点からみれば、ランシング氏の意図は
Hi-Fi以前の広範なコレクションを所有する人への優しい眼差しが感じられる。
それでいて、旧来の電蓄とは違う新しい発見があるのは、実は結構難しい課題なのだ。
今でこそ、電蓄とラジオはローファイの代名詞となっているが、1948年前後は
一般にそれしか無かった時代である。そのなかで最高の音で楽しみたいという思いは
意外に選択肢の少ないことが判る。

同年代のWE 755Aは明らかに新しい時代の高域が伸びきったユニットだし
http://imageshack.us/photo/my-images/156/we755a1ii3.jpg/
Jensenだって同軸2wayを前面に押し出す状況で
http://www.hifilit.com/hifilit/Jensen/sheet150-1.jpg
D130はあえて流行に背を向けたようなもので
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/catalogs/1950/page4.jpg
その意図もあまり明確には語られていない。
あえて言えば、思い付く限りの物量を投じて質感の良いユニットを造ったという感じで
それでどうなるのか? という肝心なところはボカしたままである。
そんなこと音を聞けば一目瞭然だ、と言ってしまえば確かにそうなのだが
D130が評価の定まりにくいユニットであることも確かだ。
何となくこの曖昧さが、1948年のレコード事情にも共通する不思議な面である。
114名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/21(金) 06:35:24.46 ID:m3XS8P2M
LP発売以前の録音方式には、とかく伝説的という尾ひれが付きやすい。
1946〜1948年にはチャーリー・パーカーのダイヤル&サヴォイの吹き込みがあって
録音の悪さが夜ふけをイメージさせ、ビバップの夜明けという孤高の存在に駆り立てる。
LP最初の吹き込みが "with strings" ということも、これに輪を掛けていると思う。
しかしバードはまさに氷山の一角で、その陰に隠れて知られないプレイヤーの録音は実に多い。
「Complete Jazz Series 1946 - 1947」で検索すると、非常に多くのMP3音源が見つかるが
残念ながら、これらの録音がLPで見つかったり、CD化されることはないだろう。
しかしこの年代も、ジャズは止むことなく広く人々の耳を喜ばしていたのである。

1947年のトスカニーニ「オテロ」は原盤が78rpmラッカー盤で、長らく復刻盤のコピーが
LPで出されるという不幸があった。不幸というのは、エコーの付加、イコライザーでの
不自然な持ち上げが横行したからだ。ワルターのニューヨーク・フィルとの録音も
演奏の内容よりも音質のほうが問われ、コロンビア響との録音で評価されるのが常だ。
1951年のフルトヴェングラー「シューベルト 第九」、ケンプ「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ」
などはLP発売が一息遅れたことで、やはり原盤は78rpmのVR盤と呼ばれるもので収録された。
フルトヴェングラーは巨匠の録音のうちでは優秀なので有り難がられるが
ケンプはステレオ録音と常に比較され、往年の完璧なバランスがあまり知られない。

こうした演奏へのアンバランスな評価が、LP発売を境に起きていることを考えると
ランシング氏が家庭用として再検討したワイドレンジ・ユニットの課題が浮かび上がるのである。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/21(金) 23:17:13.54 ID:m3XS8P2M
今もやや釈然としないのが、1950年代のJBLには専用のアンプがなく、どの程度の機材を
投入すれば良いのか、意外に悩ましいところがある。
マッキン、マランツというのは昔からある黄金の組み合わせ例だが
家庭用で100dB/mを超えるD130に、30W級のアンプを投入する意味があまり良く判らない。
15インチだからと言っても、重低音の出るユニットでもないため、それほどパワーは要らない。
かといって3極管シングルでは、あのダイナミックな魅力が削がれるのではと不安になる。
その意味では、D130は明らかに戦後に開発されたユニットなのである。

モノラル時代のオーディオ機器にはDIYによるキット製品が多く、JBLもその例に漏れない。
アンプでいえばヒース、ダイナ、グロムスといったメーカーが有名だった。
おそらくJBL D130も、ビギナークラスに愛用されることを考えると、この手のアンプも
面白い結果になるかもしれない。以前にEL84パラプッシュで鳴らしてみたことがあるが
ヘタな6L6よりしっかりした音で驚いた。多分、アルテックの民生用アンプでもいけるはずだ。

あと箱のほうも、岩崎氏の書いているように、当時は本棚とか色々と変なものの流用も多かった。
Hi-Fi初期のデザインブックに必ずといっていいほど出てくるのが、クローゼットや壁に
スピーカーを埋め込むアイディアである。他の機材は棚に仕舞い込めるのに、スピーカーだけは
と嘆いていた人は、意外に多かったのかもしれない。後発のD123は、そうしたニーズに応えた
凝った造りをしている。D175に対する075にもそうしたニーズが隠されているかもしれない。
116名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/22(土) 10:26:47.63 ID:IPEBZL+v
1950年代のアンプと言えば、ウィリアムソン回路の花盛りで、UL方式が後追いでやってくる。
キット・アンプの全盛も、比較的手軽に広帯域で低歪みのアンプを製作できるからだった。
最初の発表記事は以下のとおりで、100kHzという限界値はトランス・メーカーへの挑戦状ともなった。
http://www.clarisonus.com/Archives/Amp_Design/Williamson%201952%20The%20Williamson%20Amplifier.pdf
アメリカでは1949年にSarser氏がトスカニーニに贈呈したアンプが最初の頃かもしれない。
http://oestex.com/tubes/mus_amp%20.pdf
しかしイギリスのラジオ技術誌に1947年に発表されたウィリアムソン回路は
ランシング氏がD130を発表した1948年にはまだ広く知られない存在だった。

面白いことに、マッキントッシュで最初にNFBを掛けたA116アンプは
WEのトーキーに納品されたアンプだったが、当時としては広帯域過ぎて扱いに困ったらしい。
http://audiosharing.com/blog/?p=7832
同じことは1953年のPERSPECTA SOUNDの導入時でも起こっており(>77参照)
Hi-Fi化という時代の流れが、必ずしもストレートに進まなかった事情があった。

一方で、同じ1947年にRCAのオルソン博士が、オーケストラとPA装置のすげ替え実験を行った。
http://www.bonavolta.ch/hobby/en/audio/6f6.htm
これがオルソン回路を用いた最初のもので、無帰還アンプでの拡声に可能性を開いた。
ランシング氏はD130の広告にPA装置に続き、磁束漏れの少ないテレビ局向けのコメントを書いているが
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/specs/home-comp/d130/page1.jpg
案外、こうした公開実験の盛況に心を向けていたのかもしれない。
アイコニック・モニターの最初の大物ユーザーがNBCやCBSという放送業界であり
601ユニットのプリプレス段階でも放送業界との関係が第一に考えられたことから
新しいJBLの会社経営の上でも押さえときたかった伝手であったことだろう。
実際には、JBLが再びプロシュマーに戻るのは1962年のC50SMからである。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/22(土) 14:22:36.92 ID:IPEBZL+v
1948年にシングル・コーンによるPA装置の需要がどれほどあったか?
例えば移動映画館用のスーツケース・スピーカーがそれに当たるが、
D130は他社の同軸2wayより少し安い程度で、Jensenの同等品に比べ2〜5倍の価格だった。
これではD130が使ってもらえるメリットはかなり低かったといえよう。
Ampex 620に採用されたD208のOEMバージョンが数少ない例にあたるが
このときのアンプは6V6プッシュであった。
http://recordist.com/ampex/schematics/620man/620-2.gif
ただ、他にもジェンセンやユニバーシティのOEMが混在しているのは
Ampex社なりのバランス感覚が働いていて、D208がもつ本来の牙は抜かれている。
面白いことに高域が少し伸びていることで、全体の印象が落ち着いて聞こえるのだ。
これから5年後にはLE8Tへと針路を取ることになる。

D130が他社のアッセンブリーに搭載されたのは、フェンダーのギターアンプが最初だろう。
1960年のことで、プロ用のギターアンプとして登場した。
JBLはLEシリーズと共にステレオの販売に意欲みなぎっていた時代である。
D130がPA装置として本来の力を発揮したのは1970年代になってからと考えて差し支えない。
それまでは、このユニットが持つ潜在能力に誰も気付かなかったのではないだろうか?

こうしてみると、1948年にリリースされたD130は複雑怪奇なミステリーに満ちており
Hi-Fi機器、PA設備、放送業界のどれにも該当しないジムラン独自のサウンドとして存在し続け
後の時代の雛形にはめて検証すると判らないことが多いのである。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/22(土) 22:04:46.60 ID:IPEBZL+v
D130のその時代について考えていたのだが、Altec時代の1945年にリリースされた
323型アンプについてすっかり忘れていた。
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1945-duplex/page10.jpg
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1945-duplex/page11.jpg
http://www.ohio.edu/people/postr/bapix/altec2.htm
この6L6プッシュのアンプは、Altecが民生用に進出した際に604型スピーカー用に
アレンジしたもので、実行出力15Wながら20〜20,000Hzの広帯域アンプであった。
見かけはよくある移動PA用アンプと同じで、その点がAltecブランドとしては異質で
そこが見逃していた原因かもしれない。中身はピアレス社を買収する直前のもので、
既にその効力を発揮しつつあったといえる。

この後すぐにランシング氏はAltecを退社するので、あるいは1945年のカタログにも
その原因は潜んでいると思われるが、PA設備、TV局という切り口はD130と同様である。
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1945-duplex/page02.jpg
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/specs/home-comp/d130/page1.jpg
当時の放送業界は、私たちの時代から考えるよりも絶対的な権力をもっており
ラジオの公開録音とか、局内のリプロダクションには潤沢な資金がつぎ込まれた。

WEが1947年にリリースした700番代のワイドレンジ・ユニット群はそうしたニーズに
狙いを定めたものだ。このWEの動きをみるとランシング氏の狙いがより鮮明になる。
WEとしては珍しく"ホーム・ラジオとレコード・プレイヤー"にも言及しており
http://www.hifilit.com/hifilit/Western%20Electric/AE7-48.jpg
http://www.hifilit.com/hifilit/Western%20Electric/AE2-48.jpg
こちらのアンプはWE140A、少し時代が下ってKS-16608-L1やKS-16617-L1となる。
http://vintageproaudio.com/photos/we1140a1.jpg
http://vintageproaudio.com/photos/we1140a2.jpg
http://vintageproaudio.com/photos/we140schematic.jpg
これはテレビ球を用いたトランスレス・アンプでAltec、Langevineも同種のアンプがある。
6V6を使ったKS-16617-L1は、755Cと共に簡易PA機器に使われた。
119名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/22(土) 23:06:56.20 ID:IPEBZL+v
しかしこれらのAltecやWEのそれと比べても、ランシング氏のD130は異彩を放つ。
そこには、やはり独特のパワー感があるからだろう。その意味ではWEやAltecは
業務用らしく非常にまじめに作られており、電器再生のイロハが刻印されている。
それに比べてD130はやんちゃで手に負えなくなるときがある。そうしたルールを
突き破ろうとする、ある種の怒りに似た危険な匂いがしなくもない。
同時代の人でいえば、ギンズバーグやバロウズのようなビートニクス詩人たちの
ように、ドロップ・アウトしたい破天荒な人生感を投影することも可能である。
この「怒りの世代」がロックの源流となったのと、D130のサウンドが合流したのは
偶然ではないように思われるのだ。

D130のアンバランスな感覚は、Hi-Fi前夜に起きた異形の未来志向のみではなく
むしろ再生するべき音楽の不在なまま投げ込まれたことに端を発しているようだ。
そのサウンドが新しい音楽を創造したとすれば、再生機器としては失格なのである。
天才エンジニアが八方塞がりのなかで投げ込んだ石は、それ自体湖底に沈んでも
波紋だけがやがて大きな波となって帰ってきたようだ。今もその謎は残されたまま
ある種のエネルギーとなって問い掛けてくるのである。オーディオのオカルト的な
側面が、JBLのそれに端を発していると思うのも、それはそれで勝手であろう。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 14:36:54.35 ID:msuQWCna
タンノイのことについて書こうかと思ったのだけど
ふと困ったことに気がついた。
EMIとDeccaのトーンの違いが激しいのに
同じタンノイをモニターに使っていたからだ。
マイクだってノイマン製。なのにこの違い。
両者のバランスを保つのは容易ではない。
単にffrrとNABの違いというだけでなく
RIAAになって以降さらに悩ましい感じがする。
121名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 15:52:03.93 ID:msuQWCna
まずイメージに重ね合わせやすい英HMVについて。
このHis Master's Voiceという商標は非常にまぎらわしく
実は米ビクターの商標である。かのクレデンザでさえ
米ビクトローラがWEと共同で開発した名蓄音機。
多分、多くの人が画くHMVの音はここから始まっている。
そしてグラモフォンは、今ではドイツのレコード会社だが
元は英グラモフォンのドイツ支社だった。
こうしてみると、米RCA、英HMV、独グラモフォンの3社は
根っ子では同じベルリナーの子供たちなのである。
しかし第二次大戦によって3社は次第に独立性を強める。
伝統的には、英HMVが戦前のサウンドを保持していると思うし
イギリス独特の柔らかいトーンの基調をなしている。
122名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 16:29:01.09 ID:msuQWCna
ところがこの「柔らかい音」はともすると
カマボコ型の音に終始することがあって
どの演奏を聴いても一緒、というオチになりやすい。
真綿のような分厚い中低音に支えられながら
ビロードのように底光りする質感の良い高音が
ちゃんと聞こえないと困るのだ。
このビロードの音の正体が何なのかは特定しがたいが
高音が足らないからと4kHz以上を上げても何も出てこないので
多分、800〜1.5kHz辺りの共鳴から生まれるように聞こえる。
ここの帯域が凹むとまずアウト、ダイレクト過ぎてもダメ。
共鳴というからには、ビリツキに近いのだが
音が鳴り始めるときにシュルシュルと立ち上って
エコーの中に煙りのように消えていく感覚。
米コロンビアが良くも悪くもヤニ臭いのに対し
お香を焚いているような雰囲気でもある。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 17:11:52.10 ID:msuQWCna
ビロードの音は、SP盤時代の録音にも(復刻盤でも)聞かれる。
高音は5kHzで切れているはずである。しかし芳醇な中域で満たされて
メイプルシロップのかかった御菓子を食べているようだ。
この音を電気再生機器で聴くのは容易ではない。
何か楽器のようなアコースティックな共鳴が必要なのだ。
多分、元の設計がクレデンザのように、金属振動盤の堅い響きを
ホーンの響きで柔らかく包み込むことで出されるのだと思う。
クレデンザの音を「子宮の中の音」という表現をした人がいたが
そういう慈愛に満ちた音というのは、得難い魅力がある。
これとタンノイ特有のホーンロードの響きとの相関性が出てくるのだろうか。
124名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 17:41:03.37 ID:msuQWCna
タンノイのサウンドについて、よほどオートグラフの印象が強力なせいか
誰もがキングズウェイ・ホールのような木質の響きを想像する。
だがスーパーレッドモニターを聴けば判るが、並のバスレフ箱に入った
タンノイの音は、同じユニットかと思うほど鮮烈な音がする。
つまり、ユニット単体のテンションは非常に高いのである。
同じ時代のラウザー、ステントリアン、パルメコ…どれをとっても
カミソリのような切れ味のスピーカーが多い。
タンノイが同軸型のデュアル・コンセントリックを開発した頃の
イギリスは、レーシングカーのようなユニットが勢揃いしていた。
新興のデッカffrrもその例に漏れないと思われるのだ。
こうしてみると、オートグラフの開発は何を指すのかが
少し判りにくくなってくる。
125名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 19:37:30.49 ID:msuQWCna
そうしたヒントとして浮上してくるのが
オートグラフが最初に発表されたのがニューヨークの品評会だということ。
つまり1953年に、クリプッシュ、パトリシアン、ハーツフィールドなど
並み居るコーナーホーンの強豪のなかで高級オーディオの仲間入りを狙った
と思われるのだ。タンノイと言えば生粋のイギリス製スピーカーだし
そのことに今更異論を挟む余地はない。それにアメリカン・タンノイと呼ばれる
無骨だが魅力的な製品もあるではないか。しかし始まりはアメリカ市場への
進出のために満を持して挑んだカスタム製品なのである。
アメリカなのでジャズが主流ではと思うかもしれないが、当時のアメリカの
高級スピーカーは常にクラシックのオーケストラ再生を目的に造られていた。
実際は小難しい交響曲ではなく、イージーリスニングが多かったと思うが
エスタブリッシュ達の表向きの趣味は高等なクラシックだった。
オートグラフは、遅咲きのアメリカン・ドリームから生まれたと考えるのは
うがった考え方だろうか?
126名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 20:45:16.63 ID:msuQWCna
話をイギリス本国に戻すと、タンノイにいち早く目を付けたのはデッカ陣営だった。
1946年にffrr規格を打ち出し、Hi-Fi再生を独自に切り開いたデッカだが
その再生機器として製造したDecolaコンソール電蓄のスピーカーに選定したのだ。
この時期はまだウィリアムソン回路ではなく、PX25プッシュで駆動していた。
その一年後の1950年には、ロンドン・スタジオのモニターとして12インチを採用したが
部屋の壁いっぱいのバッフルに埋め込んだ、理論どおりの低域再生を目指したものだった。
その翌年の1951年にEMIのアビーロード・スタジオが採用し、イギリスにおける事業は順調な
滑り出しをはじめたと言える。アメリカでのオートグラフの投入は、そうしたレコードの
セールスに後押しされて来たのかもしれない。
面白いのはデッカがコーナー型カンタベリー、EMIがロックウッド社のバスレフ箱であり
一般に言われる録音の傾向とは逆のものを選んでいた。
http://www.philsbook.com/decca.html
http://www.lockwoodaudio.co.uk/
127名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 21:29:25.05 ID:msuQWCna
この当時のEMIのカタログは、レッグ氏の豪腕でフルトヴェングラー、カラヤンなど
豊富な人脈を備えて、戦前の活気を戻しつつあった。リパッティ、ブレインなどの
夭折の名手、若いF.ディースカウ、カラスのような革新的な歌手をいち早く見いだし、
レッグ氏ならではのユニークなレパートリーと話題に事欠かない。
デッカはやや散発的ながら、ロンドン、ウィーン、ジュネーヴを中心に高品質な
録音を残している。ベーム、クラウス、クナッパーツブッシュ、クリップスのような
ウィーンと繋がりの強い指揮者の往年の演奏のほか、アンセルメ、バックハウスを
専属に迎えることのできたのは、新進レーベルとしては大成功であった。

一方で、五味康祐氏が指摘するように、レコード王国のイギリスにおける保守性は、
タンノイのスピーカーでさえ陰を潜めるものがあった。(>52参照)
60年代も78rpm盤が良く売れていたし、グッドマン、ワーフェデールのフルレンジのほうが
よほど売れ行きが良かっただろう。その意味でもタンノイのイギリス製品の多くは
チャトワースやカンタベリーといった、通常のコーナー型バスレフが売れたのである。
http://www.hifilit.com/hifilit/Tannoy/domestic1.jpg
ただ五味氏が指摘するなかで、78rpm盤=ローファイという考えはやや間違いである。
タンノイ製のコンパチブルなカートリッジは、特性自体はHi-Fiそのものだった。
http://www.hifilit.com/hifilit/Tannoy/cartridge-2b.jpg
個人的にはリパッティの小品などは、78rpm盤のほうが適切だと思うし
オリジナルの原盤もフルトヴェングラーの一部と同様に78rpmだろう。

このようにタンノイには、共に産み出された録音の素晴らしさとは裏腹に
その名声を取り巻く現実との乖離が常にみられるのである。
128名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 22:02:09.05 ID:msuQWCna
そこでふたたびオートグラフ(自署、サイン)の意味について考えてみたい。
つまりそこにはG.R.F氏のアイデンティティーというか、夢が詰まっている、
そう考えるのはあながち間違ってはいないだろう。
自分の思う限りの最高のものを造ることで、自身の限界をもさらけ出した機器。
そうした角度でオートグラフをみたとき、実は見栄を切った歌舞伎役者のように
癖が多いことも確かである。ただ合理性を遙かに飛び越えたサウンドであり、
ホームラン・バッターのようにフルスイングで挑む面白さがそこにはある。

ただ個人的には、部屋の大きさ、録音の質を選ばないオールマイティさを考えれば
デッカの選択した12インチのコーナー・カンタベリーが現実的だと思う。
それだけでもモノラルを楽しむのに十分なエッセンスが蜜のように詰まっている。
イギリス人だって、広々とした邸宅に住めるのは、ほんの一握りの貴族と資産家だけ
なのだ。(そういえば、アメリカは中流でも大きい家を建てるなぁ)
129名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/24(月) 21:00:20.88 ID:B16XUGq4
タンノイで一番良いのは、相性の良いOrtofonやGarrardのような品質の安定した
アナログ機器があることで、音質に関する基本的な問題がクリアしやすいこと。
OrtofonのMonoは少し線が細いと言う人も多いが、古いタンノイと合わせるのは最適だ。
普通の組み合わせで、普通に鳴ることは、実はモノラルでは貴重なのだ。
ノイマンのマイクと同様に、基本構造を変えないできた伝統の強さを感じる。

逆にアンプ周りで年代的に合わせようとすると難しくなる。
昔ならマランツで合わせる人が多かったし、価格やメンテでLuxmannも選ばれた。
イギリス製ともなれば、LEAK、QUAD以外ではほとんど見あたらないし
安定度のことを考えると、1960年代のものを選ぶことになろう。
とはいえ、タンノイの場合は、現在の真空管アンプでも大凡鳴ってくれる
許容力の高さもある。そこが長らく人気の続いている秘訣でもある。

少しギクシャクした感じに思えるなら、遠慮無くトーンのツマミをいじるべきだ。
単にツイーターとのバランスのみではなく、高音の丸まり方も調整できる。
多くは部屋の広さが足りなくて低音が広がらないので、高音を下げることで
音の座った感じが出てくると思う。中低域から積み上げていくのが基本で
少し物足りないくらいのところで、すかさずボリュームを上げるのがポイント。
ヘタに高域が出ているよりも、見通しが良く細部の聞こえる音になってるはずだ。
フラットであることから自由になって、自分に心地良い音で鳴らしたい。
130名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/24(月) 21:11:04.77 ID:B16XUGq4
少し話しを脇にずらすと、タンノイで是非聴いてもらいたいのが
英国のライト・ミュージックである。マントヴァーニを初めとして
非常に多くの楽団が英デッカに吹き込んでおり、むしろこっちが本業だった。
モノラル時代のライト・ミュージックがどれも同じように聞こえるようだと
システムのあり方を少し考え直したほうが良いかもしれない。
きっとある種の固定観念で、システムの魂が抜け落ちているのである。
これはJBLを持っていてロカビリーを聴かないくらい、勿体ないことだと思う。
131名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/24(月) 22:02:31.11 ID:B16XUGq4
イギリス製のスピーカーで人気があったのはグッドマンズであろう。
モノラル時代のユニットはAXIOM 80が有名なので、キワモノ的印象が強いが
実は普通のユニットを造るという意味では、右に出るメーカーはなかった。
戦後のBBCで最初に使われたのは、AXIETTEという8インチフルンレンジで
これはデッカのデコラ・コンソールの初号期にも使用された。
http://vintage-audio.jp/wp-content/uploads/2010/03/Axiette101-b.gif
ただこれは発売時期が古いため、良質なユニットは手に入りにくい。

後発のAXIOM 301や同軸化したTRIAXIOMシリーズもウェルバランスのユニットで
アメリカでもラファイエットやナイトといった通販メーカーにOEM生産した。
http://www.gokudo.co.jp/News/n2009Qtr17/parkett_0195.jpg
http://fullrangedriver.com/singledriver/images/Triaxiom.jpg
ともかく破綻という文字から一番遠い存在でありながら、音質はしっかりしてる。
個人的には、クラシックなら、グッドマンズをしてモノラル入門としたほうが
絶対に良いと思っている。タンノイのようなカリスマはないが、ただでさえ
癖の多いモノラル録音に対し悩みをひとつずつ消していくことも大切だ。

グッドマンズの場合、ARUという低音制御膜を使った箱が幾つか出ている。
http://imageshack.us/photo/my-images/134/205071056omedium.jpg/
普通はコーナー型のトールボーイが多いが
シャーウッド社が設計したローボーイも魅力的だ。
http://i215.photobucket.com/albums/cc317/Mamimili/OB/P6.jpg
http://img242.imageshack.us/img242/5880/goodmans0006mediumel3.jpg
この低さの意味は、けして床に寝転がるためのものではない。
ソファでゆったりコーヒーなどすすりながら、音楽を聴く余裕も欲しい。
モノラルこそ、ステレオと違ってソファで聴いても定位がどうのこうの言う
必要がないのだから。
132名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/25(火) 06:49:23.83 ID:Bc1aAKOe
ローボーイで思い出したが、このタイプのエンクロージャーも
コーナーホーンと共にステレオ期に激減したものだ。
ステレオで横置きなんて嵩張るだけで…と思ってしまうだろうが
モノラルで聴くときの存在感は格別である。
http://www.audiokarma.org/forums/showthread.php?t=351417
特に定位感を良くするためにツイーターは耳の高さという
ステレオの基本が、実はモノラルでは弊害となる。

もともとこのデザインの由来は、コンソール型ラジオにあると思われる。
http://www.tuberadioland.com/philco90_lowboy_main.html
ラジオの機能上、レシーバーが上、スピーカーが下となる。
もっとも、クレデンザのような大型蓄音機のほうが先か。
http://i.ytimg.com/vi/NnB_UcJtiMc/0.jpg

居間におけるローボーイの意味は、単純に目線の統一であろう。
ミッドセンチュリーの家具などでもそうだが、本棚、クローゼットを
ソファと一緒に置くのは厳禁で、ソファの目線より下にチェスト、
コーヒーテーブルなどを置くのが基本である。
そのほうが部屋が広くみえてくつろげるのだ。
133名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/25(火) 07:54:12.37 ID:Bc1aAKOe
コーナーホーンは古いようで、意外に新しい技術である。
発端は1940年のクリプッシュ氏の発明による。
http://www.freepatentsonline.com/2310243.pdf
最初は一般家屋におけるバッフル効果に関するもので
コーナー&床の反射を利用することで10倍の広さに相当する
低音の効果を得られるというもの。

このときに、スピーカーの位置は上側に修正されている。
そもそも、オルソン博士のラビリンス・ホーンを開発したときも
スピーカーの位置は上側になっている。
http://itishifi.blogspot.jp/2011/08/rca-mi-4400-1940s.html
この頃に100Hz以下の低域と中域の分離再生が意識されてきたと言え
そのようなスピーカーが家庭用に始めて現れたことを示している。

クリプッシュ氏で画期的だったのは、完全に低域用のホーンに
特化した1942年の開発である。
http://www.freepatentsonline.com/2373692.pdf
大元にはランシング氏のシャラーホーンなどがあったとも思えるが
http://www.audioheritage.org/html/profiles/lmco/shearer.htm
その大きさの違いは一目瞭然で、1940年のアイディアが完全に熟した
感じである。この強力な低音を得たあとに上にホーンスピーカーを
組み合わせたのがクリプッシュ・ホーンとなる。
134名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/25(火) 20:02:20.22 ID:Bc1aAKOe
当時、このコーナーホーンが直ちに受け入れられただろうか?
もちろんコスト的な問題もあっただろう。当時$790〜1090は
×350円×7倍=193〜267万円/台で、誰もが買えるものではない。
それと写真では判りにくいが、1.3m高の2.5倍くらいの天上高さが
普通にないと狭い感じになる。これは居間ではなく、ホールである。
http://www.hifilit.com/hifilit/Klipsch/1955a.jpg
http://www.hifilit.com/hifilit/Klipsch/1955c.jpg

パテントを受けて製造したエレボイでは、明らかにダンスホール
のような使用方法を想定したものも多かった。
http://www.hifilit.com/hifilit/Electro-Voice/117-1.jpg
http://www.hifilit.com/hifilit/Electro-Voice/patricianIV-1.jpg
後の写真は知らないで見ると居間で聴いているようにみえるが
実はダンスのお相手を待っている淑女である。

こうして考えると、当時のビルボードでムード・ミュージックが
必ずトップランクに入る理由が判ろうというもの。
まさしく自分たちで踊るために購入したのである。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/26(水) 18:59:24.40 ID:MhofF4cC
Axiom80でモノラルJazzはええですよ
オートグラフにAxiom80入れたらどうやろか
136名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/26(水) 20:06:18.69 ID:2vsXBP9R
ヘッドフォンでモノラルを味わう奥義を教えて下さい
137名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/26(水) 21:28:16.03 ID:VY6FUh0c
>136
モノラル録音をヘッドホンで聴くときの大きな問題は頭内定位ですが
これが未だに科学的に解決できないやっかいな代物です。
http://www.asj.gr.jp/qanda/answer/126.html
様々なプロセッサーもありますが、位相と周波数をいじるので
音がフヌケになってお勧めではありません。
密閉型よりは開放型のほうが頭内定位は緩和されますが
音の力強さは密閉型が良いので痛し痒しです。

視点を変えると、例え1本のフルレンジでも
モノラルがそれらしく聞こえるのはなぜでしょうか?
多分、なんらかの空間ノイズが混ざることで
心地良い広がりが出ていることと思われます。
ということは、ヘッドホンに足らないのは、音楽と連動した
環境ノイズということになります。
ちょっとしたエフェクターなど噛ましてみてはどうでしょう?
http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=455%5EMX300%5E%5E
138名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/26(水) 21:43:39.27 ID:2vsXBP9R
そうなんです。リマスターCDも最近は良かれということで位相を調整して拡がりを出すのが傾向ですが、ヘッドフォンだと芯が抜けてしまう気がします。
ステレオ→モノラル変換プラグを用いて、モノラルカートリッジのように使ってます。
エフェクターの件は興味ありますね。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/26(水) 22:15:16.26 ID:VY6FUh0c
芯が欲しいということなら、エフェクターではなく
コンプレッサーかエンハンサーが良いです。
http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=262%5E160A%5E%5E
http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=179%5E382I%5E%5E
140名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/26(水) 23:48:05.74 ID:izp3f/A8
ステレオソースを情報欠落なしでモノで聴きたい。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/27(木) 07:09:51.24 ID:vcM1tyTR
ステレオを電気的にモノラル化するのに最も大きな障害は
音に広がりを出す逆相成分です。
特にこれが6kHz以上の高域に沢山あるため
打ち消されると高音が丸まる、音が詰まったようになる
など、音楽を楽しむどころではなくなります。

それでも1960年代までは、エコーの量も控えめなので
結線でモノラル化しても問題はそれほど大きくありません。
個人的にはEMT社のプレート・エコーが使われて以降に
こうした逆相を伴うリッチな高音が多くなったと思います。

ひとつのヒントは、昔のステレオ・ジュークボックスの構造です。
ステレオといってもスピーカーを並べた形だけのものでした。
http://www.wallbox.de/Rock-Ola-1484-3.jpg
http://www.wallbox.de/Rock-Ola-1484-4.jpg
とどのつまり、空間ミックスでも中央配置という手があります。
エレボイの1950年代のカタログでは、コーナーホーンを
縦スタック、扇形と自由に配置してます。
http://www.hifilit.com/hifilit/Electro-Voice/baronet-1.jpg
これで左右の中央という試聴位置にこだわらずに
比較的自由なレイアウトで音楽を楽しめるはずです。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/27(木) 07:35:26.80 ID:vcM1tyTR
あと、どうしてもスピーカー一本で、ということで考えられるのは
逆相成分をほんの少しディレイした成分を混ぜるという
アイディアもないことはないのですが
楽曲のリズムによってまちまちになるので
そのつど調整しなければならず普遍的ではありません。

多分、ステレオのあの音をヴィンテージ・スピーカーで
という発想を捨てて、新しいモノラル録音を聴くという
気持ちのリセットのほうが大事なようにも思っています。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/28(金) 06:38:46.34 ID:in5t8gns
>>141
ってことは、位相をイジった擬似ステ音源をヘッドフォン鑑賞時に変換プラグでモノ化するのは情報の欠落になるのでしょうか?
どうも頭内ど真ん中に来ないと気持ちが悪くて。しかし、プラグつけると自重が重くなってしまい、PHPAのジャック接合部を毀損しないかも気になるんですよね。
144名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/28(金) 07:46:37.27 ID:bIAFvGGV
>143
疑似ステレオは
>141はスピーカーでのモノラル再生のことですが
もちろんヘッドホンで聴く場合もそうです。
疑似ステレオにも色々あるので、一概に言えませんが
大概はエコーも付加されているので、モノラルと一緒にはなりません。
最初のブライトクランクでしたら、ヘッドホンでの試聴はモノラルにしたほうが
普通だと思います。高音が左、低音が右というのは可笑しいからです。
また1960年代の左右に楽器を分けただけの「本物」ステレオも
ヘッドホンで聴く場合はモノラルにしたほうが良いです。
やはりこれらも原音という考え方は捨てて
「そういう音のする録音」として扱うほうが気持ちの整理が付きます。
あるいはミキサーでパンを寄せるというのが現実的かもしれません。

変換プラグの安定性が気になるようでしたら
ヘッドホンアンプを使用して
間の結線でモノラル化してみてはどうでしょうか?
ヘッドホンの音も安定しますし
ビンテージのトランスなどを噛ますなどの遊びもできます。
145名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/29(土) 08:35:43.90 ID:9cjygBpB
ビンテージのヘッドホンはあるのか?

最初は鉱石ラジオのイヤホンもしくはヘッドセット。
http://www.wired.com/science/discoveries/news/2008/09/dayintech_0929
http://cdn3.retronaut.co/wp-content/uploads/2012/08/1124.jpg
この時代はスピーカーなるものもなく、ラジオにかじりつきで聴いていた。
再生周波数はおそらく2kHzまでか。インピーダンスが2〜5kΩなのでご注意を。

Beyerdinamic DT48シリーズは1937年のバイノーラル実験から存在する
オーディオ界でも最も息の長い製品でもある。
おそらくUボートのソナー探査にも使われたのだろう。
http://wiki.faust3d.com/wiki/index.php?title=Beyerdynamic_DT-48
スペックでは18kHzまで伸びる最初のHi-Fiヘッドホンだが
興味深いのはその独特の周波数特性。2.5kHzから−12dB/octでロールオフさせ
最後にちょこんと超高域が乗る。

こうした特性は、もちろん当時は感覚的につくっていたと思うが
後の時代にダミーヘッドの研究が進むうちに、外耳の特性が判ってきて
以下のようなFREE-FIELDもしくはDIFFUSE-FIELDイコライザーが規格化されている。
http://sonove.angry.jp/Flat4/BK_HAT.gif
https://aaltodoc.aalto.fi/bitstream/handle/123456789/1128/urn012834.pdf?sequence=1

この特性を見て思い出すのは、ワイドレンジ・ユニットのそれである。
http://www.jensentone.com/speaker/p12n
つまりこれも感覚的に、外耳の特性を踏まえて作られていたことが判る。
146名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/30(日) 19:33:25.65 ID:KAz3pXqX
モノラルのスピーカーをソファの左手に置いて聴く情景をよく見る。
http://www.hifilit.com/hifilit/Electro-Voice/117-6.jpg
http://www.hifilit.com/hifilit/Klipsch/hifivol1-2.jpg
http://clickamericana.com/wp-content/uploads/bing-crosby-philco-1946.jpg
これは左脳で聴くのがアメリカ流なのか? と思ったが、案外そうではないらしい。
実はラジオのつまみをいじるのに、翻って顔を向けて右手を出すのに都合がいい。
http://edu.glogster.com/media/5/24/13/9/24130972.jpg
http://bingcrosby.com/bing/wp-content/uploads/2011/05/BingPhilco47a.jpg
このことからも、当時のHi-Fi機器はコンソール・ラジオや電蓄を買い換えて、
同じ場所に置かれたという当たり前の事実に行き当たる。
ラジオという便利な音源を抜きにした生活は考えられなかったのである。

しかし、ラジオは流行モノゆえ、放送内容が時代と共に変わるので
抜け殻だけのHi-Fi機器が残ったというわけ。
原音再生という絶対的な価値観では推し量れないのがモノラルだと思うし
ローファイな輪郭だけで判らせる音響技術でもあったと思う。
147高音にも色々とある:2012/09/30(日) 21:49:17.20 ID:KAz3pXqX
よくモノラルで音が前に出るという言い方をするが
ステレオとの大きな違いは、8kHzより上の周波数の扱い方である。
過度的な1970年代初頭のJBLの見解は以下のとおりである。
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/specs/pro-speakers/1972-4310/page03.jpg
ステレオはこの帯域つまりBrillianceの成分が多く、音の広がり感のほか
音の立ち上がりまで支配して、定位感まで醸し出す。
一方でモノラル時代は圧倒的にPresenceの領域(2〜8kHz)で畳み込んでくる。

ここで問題になるのがPresenceより下の領域(500Hz〜2kHz)の過度特性で、
この領域の反応がしっかりしてないと、Presenceの強いモノラル録音は
ただのやかましい音に変貌する。バランスというよりスピードが無いと負けるのだ。
多くの小型2wayではモノラル期の録音と相性が悪いのは、ウーハーの反応が弱いから。
Altecのホーン愛好家が、高音の伸びを犠牲にしても500Hzまでクロスを下げたがるのは
Presenceを支える中域の力を保持したいからだと思う。
D130で湿気が多いと音がカスッとなるのも、逆に凹んでしまうからだろう。

ちなみに、このPresence、Brillianceの区分けはメーカーや時代によっても異なる。
3wayのクロスオーバーの配分にもよるが、エレボイなどは800Hz〜3.5kHzがPresence
3.5kHz以上がBrillianceの扱いになる。やはり基本的に東海岸のメーカーなのだ。
ちなみにBozakのような生粋の東海岸のメーカーは、Presenceが抑えられている。
http://www.hifilit.com/hifilit/Bozak/Bozak.htm
これを見て興味深いのは、悪いと思われる方の600Hzの波形が、Presenceの立ち上がりに
マスキングされていることである。実は後者のほうが心地良く聞こえるときがある。
http://www.hifilit.com/hifilit/Bozak/1950-2.jpg
この辺のタイミングの問題も本来は重要なのだが、リソースが非常に少なく
ほとんどの人が手探りでやっているのだと思う。
148モノラルと想像力:2012/10/05(金) 07:14:38.45 ID:M14MKVIz
ともかくモノラル録音のサウンドは幅が広く、癖のあるものが多い。
レーベル毎にサウンドポリシーがあり、ジャンルによっても違う。
LP発売以後は、Hi-Fiの可能性を追求して、まさに百花繚乱である。
エフェクターやミックスという機材もなく、生録に近い状態だったので
演奏者のサウンドの違いというものも多分にあるだろう。

サウンドの裏には、実際に生きたミュージシャンの姿があり
1枚のディスクに、時代背景や文化も含めて様々な面が浮かび上がる。
21世紀に入って、こうしたパズルを読み解きながら感じるのは
再生装置のセッティングには、ほとんど翻訳行為に近い感性が必要なこと。
ある種の機材を使ったからこのサウンド、という簡単な方程式が
成り立たないのは、DeccaとEMIが同じタンノイをモニターにしていたのと
同様で、制限のある録音方式のなかで、想像力を働かしていたのだろう。

個人的には、この想像というか夢想している時間がすごく好きで
時代を超えた名盤、名演などという言葉に踊らされることなく
時代に埋もれた声を聞きとるのが楽しい。
名盤、名演というのは、一種のステーショナリーな存在で
そこを中心に町並みが広がっていると解釈をしている。
駅は街の顔だが、そこから町並みをぶらり散歩することで
新しい出会いや発見があり、それが時間の壁を越えてときめく。
149レコードの発するオーラ:2012/10/05(金) 07:48:22.16 ID:M14MKVIz
複製芸術論というベニヤミンの著書は、まだ読んでいない。
しかしオーラという概念や、大衆消費の政治的働きなど
現在当たり前に感じられる手法を1930年代に概念化したのは
とてもユニークだ。当時なら人間機械論的なもっとフィジカルな
運動性に着目しただろうし、ベル研究所などはまさにそれである。
しかし、その機械的側面から、オーラや政治という側面を言い当てたのは
今のビンテージ機器にまつわる業界的な約束事と似ていて面白い。
ビンテージという意味自体にその時代のオーラを込めたり
中古一品物販売に、相場という考えを持ち込むのも勝手である。
しかしデジタルという複製技術の極みに秘められた人間的な営みを
翻訳するべきことの課題がまだ多いと思ったりする。
単にアナログvsデジタルの批評ではなく、音楽的営みから生まれる
オーラとの原初的な体験。これがモノラルの亡霊と付き合う
儀式めいた作法なのであろう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%87%E8%A3%BD%E6%8A%80%E8%A1%93%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AE%E8%8A%B8%E8%A1%93
150名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/05(金) 10:07:15.55 ID:N1rIf/xL
え?もう総括に入ったんすか?
151名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/05(金) 20:57:50.65 ID:M14MKVIz
ネタが薄れてきたんで、アドルノに飛ぼうかと。
その前に、オーディオの大衆化というか、批評のあり方など
1940年代に芽生えた事柄を考えると面白いと思った。
というのは、この時期にラジオにおいて複製行為が蔓延し
マスメディアと音楽が始めて連動したとも言えるのだから。
それとオーディオ技術の急速な発展は同一なのだと思うが
やはり金権的な要素は拭えない。

せめてもの救いは、パブリック・アドレスという公共性が
モノラル時代は技術上で担保されていたことだろう。
モノラルの魅力は、この公共への告白的行為が
音楽に根付いているところにあるように思う。

一方で、この公共を意識する共同体が解体した後の現在では
サウンドのもつ時代背景を翻訳するものが必要になる。
その入り口または鍵はどこかと、嗅ぎ回るのがこのスレ。
モノラルという過去の記憶が閉じ込められたゲットーの
住民になりすまして徘徊するのだ。
152名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/06(土) 18:14:06.86 ID:I93Fu2Z9
現在あらためて50年代のモノラルレコードを聴いてみると
例えば1つのレーベルのモノ盤を時系列に聴いていくと
1年どころか数ヶ月単位で音が良くなっているのがわかる
まさに日進月歩だね
オーディオの大衆化と技術の進歩など時代背景に思いを
馳せると確かにおもしろい
R&R、R&Bなどマイナーな黒人音楽が白人へ浸透した
こととこの技術の進歩は関係あるかもね
なにしろプレスリー(黒人音楽を歌う白人)の時代だもんね

さっさっ、もっと考察を続けて!
153名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/06(土) 19:28:15.35 ID:HM7kto6x
>152
アドルノ氏の問題としてポピュラー音楽への不寛容があって
そこが彼の理屈を過去に押しやっている面がある。

ちなみに白人が黒人音楽に接触するのはかなり古く
19世紀のミンストレル・ショウ(フォスターなどが有名)から
ボードビル芸人(最初のトーキーのアル・ジョルソンなど)は
からかい半分のものまね的要素が強かったが
本格的に学んだのは、鉱山労働者などがブルースを歌い出した
1920年代だろうと思う。それも有名歌手の出現というよりは
レコードによって記録され、発見されたといって過言ではない。
どちらかというと、場末の底辺の人たちが好む音楽という
印象が強かったのは、ジューク・ボックスの語源からして明らか。

アドルノ氏のポップスに抱く嫌悪は、大量消費される歌の多くに
ベニヤミン氏の言う緩やかな連携があることに、寛容になれなかった
つまり誰もが口ずさめる安直な歌を、芸術と同列に並べられない
という、ひとりの作曲家の視点からみた批判にすぎないように思う。

思えば、この連携がなければ、ポピュラー音楽は没個性的で
非常につまらないものに変わるだろう。この聴衆の連携を作り出す装置が
モノラル時代のオーディオの鍵であるように思うのだ。
154名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/06(土) 20:09:20.23 ID:HM7kto6x
例えば、トーキーから出たヒット曲について考えると
暗黒街にも似たよう場所に踏み入れないと聞けない
そういう音楽が多いように思う。

「ジャズ・シンガー」のブロードサイドのショウはともかく
「嘆きの天使」のマレーネ・ディートリッヒ
カウボーイに扮するビング・クロスビーなどは
現実に舞台裏で起こる醜い部分と接しなくても
人間賛歌として引き立てるものがある。

つまり、劇場という公共の場で再現される音楽に
真実味が隠されていながら、それは日頃接することのない
場末の人々の気苦労から生まれるというパラドックスが
アメリカのトーキーには見え隠れする。
移民社会がもつ矛盾を表すと同時に、新しい共同幻想を
産み出していく威力をトーキー・システムがもっていた…
うがって考えるとジャズとは違う危険な香りを感じられよう。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/06(土) 20:24:06.95 ID:mARO7wdt
支援
156名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/06(土) 20:41:49.43 ID:HM7kto6x
いつも考えるのが、戦前のスウィング・ジャズとビバップとを峻別するものである。
あと、よく耳にするのが、Hi-Fiレコードの存在である。しかしそれだけだろうか?
もちろん、演奏のメソッドや一度聴けば判る緊張感のようなものの違いもあるだろう。
個人的に感じるのは、放送局に飼い慣らされたジャズか、クラブで思う存分プレイするか
そういう違いのように思う。

先ほどの共同幻想と織り交ぜると、ラジオとはクリーンでアットホームなものである。
子供も一緒に聴くこともあるという倫理観がいつも働く。つまり団欒やホームパーティー
のような、気心の知れた人々との交流がメインである。じつはオーディオの原点は、
こうした面とも接している。だからトーキー・システムの牙が新鮮に映るのである。

一方のクラブ・ジャズはお酒も提供される夜の世界である。そこに本音でぶつかり合う
愛情も軋轢も悲喜こもごもに展開される。実はビバップにもスタンダード・ナンバーは多く
それが古い流行歌であることも少なくない。誰もが歌詞を口ずさめる歌に込めたパッション。
これを受け止める装置も、同じトーキーの世界と重なり合う。

日本でトーキー・システムが有り難がられるのは、こうした共同幻想を直に知らないからで
当のアメリカ人でもクドイと思えるくらいに、往事の臨場感を翻訳する装置に他ならない。
157名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/06(土) 21:46:29.91 ID:HM7kto6x
ロックに話を移すと、立役者であるアラン・フリードの公開放送の録音を聴くと
まさに黒人も白人も織り混ざったゲストに驚く。彼のそうした自由奔放なところが
賛同と反発を同時に生んだことは間違いない。問題はそれが若者を虜にしたことだろう。
こうした原始的なリズムに身を任すこと、危険な恋に身を焦がす歌の多いことなど
あのプロテスタント社会にどうやって入っていったのか、不思議な感じがする。

しかし当時の若者が、戦争後に感じていた胡散臭い国家統制への反感を
ロックのバイタリティに乗せて表明したことも確かである。一方でガールズ・ポップのような
「ママごめんね」という感じの、いかにも保守層の許せる範囲の歌も大量に出された。
マスメディアが若者の将来を案じるような傾向もみられ、一種の情報合戦である。
アラン・フリードの終わりもあっけなく、DJが裏金でチャートの誘導を行っていたことへの
倫理的問題にやぶれた。これもやはり、政治的論戦の渦中にあったと思われる。
158名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/06(土) 21:49:55.62 ID:HM7kto6x
ロカビリーの多くは、Hi-Fiより前のアセテート盤(78rpm)で収録された。1枚2ドル以下という
格安の録音メディアだったこともあり、格下のジャンルだったロカビリーに良く使われた。
実際には、芽が出るかどうかも判らない若造相手に投資を惜しんだというほうが正解だろう。
レコードとして正規にプレスされる段階で、テープにコピーされて保管された。
実行周波数が10kHz、実際には8kHzというのが戦前からのスペックで、戦後も同様であった。
しかし、その音はパリッと乾いた高音に特徴のある、右肩上がりのバランスであるため
クラシックで感じるようなレンジの狭さはない。そういう音の仕組みを巧く利用したサウンドなのだ。

ロックで活躍したのは、ジェンセンやエレボイなどPA機器を得意としたメーカーだった。
ラジオ、トーキーに続く、第三局の拡声装置であり、ジュークボックスもこれに含まれる。
戦後のジェンセンの明るく突き抜ける音は、よくカルフォニアの空に例えられるが
強烈な中高域のせいでもある。(http://www.jensentone.com/speaker/p12r
これがないとロカビリーはただの懐古趣味に墜ちてしまう。若々しい雰囲気の失われた
しみったれたロカビリーほどくだらないものはない。
意外にこれを知らないレコード・コレクターの多いことは驚くべきことでもある。
JBL 4312を購入するくらいなら、Jensenのワイドレンジユニットを検討すべきだ。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/06(土) 23:31:36.71 ID:8mFFdsYF
ラジオ日本で大人のジャズタイムを聴いてますが、中波放送+ラヂオのローファイも良いですね。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/07(日) 08:32:51.01 ID:PX56Q/cI
ラジオとジャズというのは、とても長い付き合いで
例えばNBCのLet's Danceという番組は1934年から始まり
ベニー・グッドマンをはじめとるするラジオ・スターを産み出した。
http://en.wikipedia.org/wiki/Let's_Dance_(radio)

1938年のカーネギー・ホール・ジャズ・コンサートは
ラジオにおけるジャズの人気を決定付けたもので
アメリカの芸術音楽として認識されたことも示している。
http://www.youtube.com/watch?v=hel9zo9AFc4
この時代のスウィング・ジャズへの情熱は尋常ではないことが
このビデオからも十分に判る。

RCAのRadiolaが新開発のGE製ダイナミックスピーカーを搭載したとき
まず最初に考えたのはホームパーティーであり
上のビデオの住人が単にデザイナーの想像で生まれたのではない。
http://farm7.staticflickr.com/6233/6359170395_be77520b79_b.jpg
http://www.wjm2234.com/ebay/1926-harp/ad-1926-rca-radiola.jpg

このライス&ケロッグの開発したダイナミックスピーカーは
英BTH、独AEGにもライセンス販売され、いわゆる犬マークの
音楽コンツェルンを形成するに至る。
http://www.radiomuseum.org/r/bth_rk.html
http://www.radiomuseum.org/forum/lautsprecher_qualitaet_1924.html
AEGの最初のテープ録音がビーチャム/LPOだったのは
全くの偶然ではなく、こうした結びつきの強さを象徴するものだったが
第二次世界大戦が両者の関係を分断してしまったのは残念なことだ。
161名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/07(日) 09:36:30.60 ID:Fuaet6lA
>>159
そうなんだ
ラヂオというローファイで聴くジャズは実に浸透力がある
HI−FIとはなんぞや、と考えざるを得ない
162名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/07(日) 12:21:47.51 ID:BwTcvVXL
あと何年もつだろうか?モノの時代のシステムを理解してモノで使って
モノ音源を聴いているいる人が所有している良いものがゴミとなって廃棄
される時代が来る。人間足腰が悪くなり目が悪くなり最後に耳が悪くなる。
ライカのバルナックやあのM3が5万円以下に相場が下落している。年老いて写真
も撮りにくいのもあるが、まとまった金を捻出しょうと売りに出す年代が集中
している。逆にいえば見づらい、露出計の面倒、フィルムの現像、白黒写真
に美学を求める年齢層が一気に消滅している事と、今の50才台以下がデジカメ
に移行してフィルムに全く触手がのびない。レンズアダプターをつけて
昔のマウントレンズがたのしめるからレンズは昔より年々高額になっている。
バイクも先日驚いたが、CBX400が当時48万ぐらいのものがなんと500万の新車
状態のものがあった。RZ250でも当時生産過剰で新車15万でも売りさばけない
店が多かったのに2サイクルの規制とブームで120万平均。
誰が買うか?当時憧れたとか昔乗っていた人がお金が
ある年齢になっているのと玉が少ないからでしょう。WEとか古き良き製品でも
需要がある時期(ウオークマン世代の前までがギリギリでしょう)の購買意欲
のある世代が元気なうちに処分しないとライカと同じ運命で誰も欲しがらなく
なるでしょう。今後においても需要と供給のバランスと年齢層の代替わりが
上手に回るものは、掛け軸、古民具、古銭以外の焼き物関係しか未来はない。
大きな壺は欲しがる年代は減少してお茶、酒、日常食器の使える焼き物が
将来性が望める。機械式カメラはあと20年寝かせればアンティークとして
M3の価格が上昇する。レコードのアームなんか作ってないから当時4万の
ものが40万で売れる。私もモノ派で揃えているがそろそろ売れる世代が
存在する時期が終わるまでに処分していかないとゴミになる。
163名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/07(日) 15:23:47.68 ID:Fuaet6lA
なぬ!ライカのバルナックが5万円以下!早速落札やで。

お迎えはそこまできとるが、墓場までもっていきましょうや。
164名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/10(水) 07:20:33.50 ID:PztBBira
ライカがロールフィルムを使った携帯用カメラとして登場し
写真の歴史を変えたとすれば、オーディオでは何があるだろうか?
165名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/10(水) 08:19:21.15 ID:pvvXaj0r
>>164
磁性テープによる編集可能じゃねの?
166名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/10(水) 17:25:51.94 ID:Y2t+DHHn
>>164
無いね。
断言できるわ。
167名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/10(水) 21:42:34.87 ID:IZl2LPjW
>>159
オレはいつでも好きなのが聞けるように、昔からラジオ工作本に載ってる
真空管式のAMワイヤレスマイクを作ったよ。CDでも何でもつなげばおk。
整流管+6AV6+6BE6(あるいはそれらの同等管)で回路は簡単だが、
使ってみると悪くない。ただ、放送のような感じにするには音源の
コンプレッションが必要なのかもと思った。
けっこう出力があって飛ぶのでアンテナを最小限にするように注意。
168名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/11(木) 08:21:38.97 ID:7tKQm9JR
>>164
やはりデジタル録音からCDの系譜じゃないの?
功罪は別として。

ま俺たちはモノ派はデジタルは仇と思いつつも
その門前にひれ伏しているがね。
169名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/11(木) 20:26:29.42 ID:fr9e+xYK
カセットテープにしても、CDにしても、開発したフィリップスは本当に凄いと思うが
オーディオでは家電製品がほとんどだったため、その中堅の美徳が判る人には判るという感じ。
日本での高級CDプレイヤーの展開は、日本法人の独自企画でありながら
クラシックでのフィリップス・レーベルの音を感じさせるアナログ的サウンドだった。
そういえば、フィリップス・レーベルのモニター・スピーカーは代々QUADのESLが使われており
案外、フィリップスの暖色系のサウンドのルーツは、この辺りにあるのかと思う。
170名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/11(木) 20:54:23.28 ID:4KWZlEeO
PHILIPSのLP第一段は、ヨッフム/ベルリンの運命や、オッテルローの幻想でしたっけ?
171名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/11(木) 21:20:50.79 ID:+cQ8q/Um
DCCは見事にコケたが、あれって実はmp3のハシリ(mp1)だったんだよね。
172名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/14(日) 19:15:20.65 ID:8XSD+FhQ
最近、モノラル時代のバッハの器楽曲がやけにかっこよく感じる。
グールドのゴルドベルクは定番として、シゲティの無伴奏ヴァオリン
ギーゼキングのパルティータ、ロストロポーヴィチの無伴奏チェロとか。
あとヴァルヒャのオルガン旧録もキビキビして良い。
なんというか、演奏者のモノローグを聴いているようで、室内楽の王道をいく感じ。
ソロ演奏だけにモノラルが似合っている。
173名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/17(水) 07:26:20.92 ID:irhZ0jCD
戦後のクラシックで不思議な現象は、何と言っても全集魔に尽きる。
それもバッハ、ベートーヴェンという堅物が多い。
例えば、ベートヴェン ピアノ・ソナタ全集だけみても
ケンプのは1951年から開始されたが、最初のリリースは78rpmのVG盤である。
バックハウスのデッカ旧盤はともかくとして、グルダのような若造(?)が
ラジオ局でベートーヴェン全集を1953年から収録。
残念ながら彼のデッカ収録はバックハウスと被って長らくお蔵入り。
呪われたのはEMIで、イーヴ・ナットは完成したが、
ギーゼキング、ソロモンが立て続けに中途で頓挫したのが痛い。
こうした働き者のピアニストに恵まれなかったのが米コロンビアで
ゼルキン、ホロヴィッツ共に一部しか残していない。RCAも同様。
アメリカで活動するピアニストが、2年間スタジオに缶詰になるということは
許されなかっただろうし、コンサートの全集チクルスも流行らなかっただろう。
ルービンシュタインがショパン弾きで、ドイツ古典をあまりリリースできなかったのは
彼がユダヤ系ポーランド人だからというよりも、人材の豊富な時代だからとも思う。
この残念さの一念は、一重に「あの人は全集録音したのに」という
近所付き合いにも似た、変な同調をしてしまうところにあるのだろう。
ゼルキンはその点潔いというべきだろうか。
174名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/17(水) 07:37:54.57 ID:b8/g565F
EMIは、シュナーベル→ナットと来ましたが、Stereoは不発ですよね。スレチですが。ゲルバーくらい?
175名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/17(水) 07:55:40.04 ID:irhZ0jCD
こうした全集録音で困るのは、購買の仕方に偏りが出やすいことである。

ひとつは、全集という全人格的ともいえる表現方法ができたせいで
個別での決定盤という要素が希薄になっているのも見逃せない。
最近のバジェット・プライスCDの勢いもあり、全集ならまとめて購入できるが
選集はバラ売りが基本であり、高価なうえに消化不良な感じがして
なんとなく手が出しづらい。こうして批評の枠も「全集」の前で崩れているのだ。

もうひとつは、モノラルでピアノ全集というのは、ある種の冒険であることだ。
リマスターがハズれならスタンダードとして置いておくのに躊躇する。
特にモノラルでのピアノ再生は、高音の響きが足りないとか、低音が座らないとか
システムのアンバランスさがもろに出てくるので、嫌になることも多い。
それもレーベルごとに録音の癖が強いので、なおさらである。
とはいっても、モノラルのピアノ再生という一番の難関を越えたとき
ほぼそのレーベルの音を制覇したと言っていいだろう。
176名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/17(水) 08:17:30.59 ID:irhZ0jCD
>174
そうそう。やっぱりシュナーベルでの成功が尾を引いて、その後が行き詰まってるような。
ナットの録音も企画は仏パテで、有名な録音技師シャルランが収録していました。
EMIでのシャルランのモノラル録音は、メシアンのオルガン自作自演集があって
これがまた渋い音で、カヴァイエ=コル製のオルガンの良さが全く判らない。
実際、普通にマイクに納まる楽器でもないのですが。
177名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/17(水) 08:46:35.22 ID:irhZ0jCD
あと、イギリス特有の78rpmシンドロームというべきか
1960年代までSP盤が普通に販売されていたということも
シュナーベル以降の全集が頓挫する原因にも思えるのです。
リパッティも同じようなリリース形態が続いていて
オリジナルは78rpmのラッカー盤ではないかと思える節があります。

これと全く逆なのはアメリカで、1947年問題ともいうべきもので
LP発売まで保留され、マスター原盤が失われたものがあります。
トスカニーニのオテロ、ロミオとジュリエットなどがそうで
ワルターのマーラー5番も原盤は78rpmです。
絶頂期のホロヴィッツの私家盤もアセテート録音のため
長らくお蔵入りしていた経緯があり、最近リリースされました。
ドイツ・グラモフォンの1951年問題も同様です。

これらはモノラル録音の彼岸というか悲願というべきで
このハードルを越えると、非常にスッキリします。
178名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/20(土) 07:46:38.32 ID:kBY5qJuw
モノラルとステレオを隔てる文化的な意義はなんだろうか。
クラシックではバイノーラルによる定位感が1930年代から模索されたが
ポップスの分野で現在のサウンド・ステージを確立したのは1970年代前半。
それまではただ楽器を左右に分離した2chミックスが主流だった。
クラシックでもマルチマイクかワンポントかで揺れ動いたし
ワンポイント・マイクの録音を活かせる精度の良いスピーカーは
BBCライセンスのもの以外では、ほとんど知られることはなかった。
BBCのクラシック番組のほとんどはブルムライン方式のワンポイント収録で
イギリスの家庭において優秀な音楽プログラムを提供し続けた。
実はこの時代にインパルス応答の鋭いスピーカーが推奨され
結果として中高域の応答性が抜きんでたスピーカーが主流になる。
一方でBBCのロック関連の番組は1960年代を通じてモノラル収録だった。
最初のステレオ収録はレッド・ツェッペリンまで待たなければならない。
その意味ではモノラルと峻別が明確になったのは、1970年代ということになる。
179名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/20(土) 09:16:04.28 ID:kBY5qJuw
もうひとつの大きな関心事は、1957年以降スプートニク・ショックと言われた
宇宙開発競争だろう。それまでの宇宙は、オーソン・ウェルズの宇宙戦争に
象徴されるような、タコ型宇宙人がうごめくファンタジーそのものの世界であった。
あの小さな人工衛星を通じて、それまで大地に張り付いていた人間の関心事が
空の彼方に向かっていったように思えるのだ。科学技術が未来を切り開くのだ。
モータリゼーションと音楽の質の変化も興味深いテーマだろう。

これと反対のことがらは、モノラル時代の録音にも当てはまらないだろうか?
人間のフィジカルな運動性が柱となっていながら、自由を求めるゆえに
ときには暴力的にさえなる状況がみてとれよう。

一方で、ビバップと公民権運動の関係を取り上げる人のほうが圧倒的に多いだろう。
しかし公民権法の成立とジャズの衰退は一緒には語れない。
マルコムXと同じくジャズメンは正式な政治運動から排除されたのだろうか?
2人の指導者の暗殺と共に平和ボケしてしまったのだろうか?
ジャズメンは公民権運動の初期には、自らのアイデンティティに燃えていたが
舞台が現実的な政治に移ると、ジャズは表舞台から消えていったともいえる。
しかし法の下の平等は、すぐさま黒人の生活改善にはならなかったのだから
ジャズの衰退は政治的な問題とリンクしていない。
やるべきことはやりつくした、そう考えるのがごもっともな意見かもしれない。
180名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/20(土) 10:19:51.53 ID:kBY5qJuw
あるいはもっと金になるR&Bに転向してしまったのか?
ロックンロールの立役者であった名物DJのアラン・フリードが被った
ペイオラ事件の陰には、黒人社会の台頭に対する一種の社会的な締め付けが
1950年代末になおも強く残っていることも判る。
こうした渦中にあったエルヴィスのような白人ミュージシャンは
黒人が被るよりも倍の社会的圧力を受けただろう。

しかし多くの若者が熱狂したのは、全く別の側面からであるのは間違いない。
1950年代のオーディオは、こうした土壌のうえで発展したという
別の側面から考えてしかるべきだと思う。
181名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/20(土) 18:18:00.51 ID:kBY5qJuw
ジャズの録音の多くがアンペックス社のテープレコーダーを使用できたのに対し
ポップスの多くは旧式のプレスト社のアセテート盤で録音された。

アメリカ南部の街メンフィスのサン・レコードで、エルヴィスが最初に録音したのは
吹き込み代4ドルを自分で支払っての録音サービスでのことだった。
この4ドルはアセテート盤の価格そのものである。ある意味、敷居が低かったのだ。
B.B.キング、ハウリング・ウルフなどの大物ブルースメンたちもここから出発した。
サン・レコードが録音したての楽曲を試聴盤として地元のDJたちに即座に配れたのも
このプレスト社のカッティングレースの手軽さゆえのことだった。
ビルボードよりも何よりも、地元のラジオ局が強い味方だったのである。

当時の若者のアイテムは、ジュークボックス、カーラジオなどであり
大人の監視を受けずに自由に聞ける場所が好まれた。
ブルースやロックで成功するというアメリカン・ドリームは、
今から思えば採算の取れない雲を掴むような媒体を通じて行われた。

スタジオは音量が増すとコンプレッションが得られるという特殊な効果以外は
地方によくあるラジオ局とほとんど変わらない機材で占められていた。
モニターに使ったスピーカーは、大手レーベルのような604モニターではなく
もっと格安の8インチ・フルレンジをバスレフ箱に収めたもの。
オーナーのサム・フィリップスも、黒人ミュージシャンを擁護するあまり
ラジオ局から独立せざるを得ない事情をもっていた。
多分、機材はラジオ局から中古で譲り受けたものだろう。
http://scottymoore.net/studio_sun.html
182名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/20(土) 21:11:24.03 ID:kBY5qJuw
モノラル録音の再生に立ちはだかるものは、ロカビリーにみられるような
あきらかに貧乏性ともいうべき、さじ加減の難しさであろう。
あるところでゴージャスさが空回りして、録音品質の貧しさが露呈する。
そのギリギリのところを狙って鳴らすのだが…
同じアルバム内でも、録音のスタイルが統一されていない場合も多い。
A面、B面で全く別のアレンジで攻めてくることも普通だ。

ジャズなどと比べてアレンジが簡単だから、再生が簡単なわけではない。
単純なツービートが跳ね上がってるか、ベースの抑揚がしっかり出てるか
ギターリフが表面的でないか、そしてボーカルが常に前に出てるか、
単純だからこそハズレも判りやすく難しいところがある。
ソウルのシャウトでの音割れを、いかにそれらしく出すかはかなりの難問だ。

個人的にシステムの調整には、ラジオ音源が、収録条件が似通っていて
意外に良いと思っている。多くのスタジオ録音は、それ以上の音質だが
レーベル毎のカラーに四苦八苦している時間のほうが長いように思う。
システムのカラーをニュートラルに戻すのに放送音源は便利なのだ。
そしてレンジを欲張らずに、ワイドレンジ・ユニットでしっかり鳴らせること。
高域の追加は、後で検討したほうが、まとまりやすいだろう。
多くのジュークボックスも、ワイドレンジ+αの構成が多く
ラジオ用との大きな違いは、磁気回路やフレームなどが強健にできていて
簡易PAとしての機能性をもっていることである。
183名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/20(土) 22:59:13.55 ID:lXPshh/4
本日悪戦苦闘しながらHMV 163のモーターの修理をやった。
動くところまではいったので、FurtwanglerのBPOの第5と1936年の
バイロイトのSPを聞いてた。
モーターの故障でしばらく動かしてなくて、復刻CDでいいやで
済ましていたが、やっぱこれがいいな。
184名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/21(日) 07:04:42.02 ID:bcp2brGv
>183
バイロイトはローエングリンでしょうか?
フルトヴェングラーかと思ってドキッとしたのですが…
運命は1937年のHMV盤だと思いますが
いずれもSP盤で持っているとすれば、相当なコレクターですね。
復刻物はたとえLPでもエネルギー感が全く異なり
アコースティック=楽器としての蓄音機の底力は計り知れません。

1936年頃のフルトヴェングラーは、海外遠征から伺えるように
NYPからの招聘問題で揺れていた時期で
一番脂の乗っていた時期ではないかと思うのです。
といっても、トスカニーニ、ワルター、みんながそうだったのですが
ヨーロッパでの戦争の傷跡は計り知れないものがあります。

テレフンケンのティーレン指揮にしても政治的な掌握が先行していますし
一方のフルトヴェングラーがマルコニー社のスチールテープで残された
というのは不思議な感じがします。レッグ氏の思惑があったのでしょうか?
185名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/21(日) 15:36:09.19 ID:/hniOg8A
Bayreuthはその通りローエングリンです。
TELDECの復刻も持ってますが、あまりにもノイズリダクションをかけすぎて、
ぼんやりしてしまった感があります。
指揮者がティーティエンになったのは、彼は当時監督演出も手掛けていて、
その政治力で自分の指揮をレコードにしたのでしょう。これがWFだったら、、、、
黄昏の練習風景のフィルムが残されています。
よく聞いてみると、これはカッティングレベルを低く押さえてDレンジを
大きくとる工夫がしてある気がします。機械でかけると音が小さめです。
コロンビアは有名な1927年録音以外にも、1928,9年?くらいにもBayreuthで
録音してるようです。トリスタンの一部があったと思います。

1928年にムックが録音したパルジファルの第3幕はベルリン歌劇場での録音ですが、
曲中で使用するモンサルヴァート城の鐘の音のために、BaureuthからWagnerが
作ったパルジファル用の鐘を列車で運んで録音に使ったそうです。
重く金属的なすんごい響きなのですが、戦中戦後の混乱で鐘は失われたそうです。
8枚16面というぜんまいを巻くのが大変な代物です。

有名レコードはたくさん売れてるので数があるので、比較的容易安価に
入手できます。機械でかけるにはミントコンディションのものは必要ない
ですし(竹針でもダメージはあるので)。普通程度の状態の板で十分です。
186名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/21(日) 19:33:52.55 ID:bcp2brGv
>185
戦前のワーグナー録音は、どちらかというと喰わず嫌いなところがあって
昔にフルトヴェングラーの伝説の名演ということで、1936年のローエングリン抜粋を
LPで聴いていたようなもので、結局それだけで終わっていました。
最近はメトやコヴェントガーデンでのライブ録音もCDで出そろってきたので
聞き直してみようかと思ってたところです。フルトヴェングラーのローエングリン抜粋は
現在では廃盤になって無いと思っていたら、 Archipel から復刻されてました。
また懲りずに聞き直すのも良いかと思っています。

SP盤は文化遺産という感じで恐れ多いのと、自分が泥沼状態になるのが判っているので
今のところ自粛状態です。一時期はブランズウィックの縦横振動コンパチの蓄音機を
購入しようと真剣に考えたのですが、やはり身分不相応という気がしてウヤムヤになりました。
縦振動盤の狙い目は、ラフマニノフの前奏曲 エジソン吹き込みだったのですが
まるで暗闇に引きずり込むような魔法に満ちていました。この味は復刻物では全く出ません。

ジーメンス傘下に完全統合される前のエレクトローラは意外な録音が多くて面白いですね。
さきほどギュンター・ラミンのマタイ受難曲(1941年)の復刻CDを聴いていたのですが
メンゲルベルク盤と同じ福音史家のエルプが、端正な歌い口で良い味を出しています。
戦後のヨハネ受難曲ではヘフリガーを起用し、リヒター盤への複線を作るなど
戦中〜共産主義の際どい時代のなかで、良い働きをしたマイスターでした。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/21(日) 20:39:32.38 ID:/hniOg8A
縦振動という深淵は覗いたことはありませんが、横振動盤でも同じく機械録音の
ものはやっぱり復刻では、極めてきれいには入っていますが、何か味がないというか
食い足りないというか、機械で再生したほうが楽しめますね。
何らかの色づけがあったほうが、かえってよく聞こえるってことなんでしょうかね。
188名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/21(日) 21:22:25.34 ID:bcp2brGv
味付けといえば、ピックアップの振動板の共振で、倍音の累加など
SP盤には刻まれていない信号があることは確かだと思います。
プレート・リバーブと似た効果があるのかと。
ただし金属板ならまだしもマイカ製のものは?となると
サウンドボックスの共鳴も含まれていると思います。

電気的に言えば、高域を丸めることで、インパルス成分(方形波)が失われて
全体に音の立ち上がりが平板になることは言えると思います。
1930年代の高級電蓄は、針音の制御をハイカットだけで済ませるのではなく
3kHz辺りのノッチフィルターで対処していた機種もあるので
そうした当時のノウハウも取り入れると良い結果が出るかもしれません。
またビーム管で歪ませるときに出るリンギングが有効かなど
NFBでキャンセルする高調波歪みを見直すことも必要でしょう。

ただ、蓄音機の音を録音したCDを聴いても関心しないところをみると
ある種の空気感、スクラッチで誘起される低音域も無視できないでしょう。
高音のまろやかさとか、そういうものでは説明がつかないものです。
これも持続的なゴロ音を回避するような音響特性であるにも関わらず
瞬間的な楽音の立ち上がりではたっぷりと残っているものと推察されます。
スウィングする力感は、中低域の立ち上がりが早いことを示していて
これは電気再生では逆、つまり高音域の立ち上がりが早くなるのが常で
これがスクラッチノイズが浮き上がる原因にもなっています。

高域の立ち上がりのほうが早いのに、高域をカットすると音が平板になる。
このジレンマは、機械録音と電気再生の永遠のジレンマかもしれません。
そうなると周波数毎のディレイのほうが役に立つかもしれません。
189名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/21(日) 22:42:39.84 ID:/hniOg8A
HMVの機械は内蔵のリエントラントの金属ホーンですが、レコードのffの時に
すっとサウンドボックスを上げると、わずかにホーンが鳴っているのがわかります。
ステーも入れ亜鉛によるといわれているデッドニングがされていますが、
ごくわずかに鳴っていると感じられます。
ある本によれば、米のチニーの機械はわざとトーンアームを鳴らせていたと
いう話が書いてありました。もちろん実機を持っていないので、確認は
できませんが。
一般的な評価も高く人気もある米Victorの機械は、オルソフォニック以降は寄せ木の
木製ホーンですが、これはどうなのか持ってる人がいれば話をうかがいたいですね。

探求してもあまり役にたたなそうですが、機械録音再生のこつがわかればうまい
フィルターを工夫することもできるんじゃないかなあ。
デジタルデーターでPCに取り込めば、自由自在な加工ができるでしょうし。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/26(金) 07:58:08.94 ID:pW0nQbjp
Orfeo盤のフルトヴェングラー「バイロイトの第九」を聴いている。
こちらが本番で、EMIが編集盤という不思議なロジックが判ったのは最近だが
面白いことは他にもある。例えば、バイエルン放送局の録音は正規のマイク位置で
EMIのものはサブの位置にあったということ。当時のバイロイトは金銭的に行き詰まって
ヴィーラント様式という超簡素な舞台で経営改革を行う直前の状態。
当然、出演する歌手のギャラも僅かだったに違いないが、ドイツ人の心意気というか
ほとんど名誉のために出演していたと思われる。例え天下のEMIと言えども、入れない
聖域のようなものがあったのだろう。それだけにOrfeo盤の音はクッキリとして古典的だ。
一方の伝説を生んだEMI盤は、奥まった方に配置して、マイクチェックも兼ねた
リハーサルの音が加わったために、まだ仕上がり前の危うさとライブ感が残ったのだろう。
その意味ではOrfeo盤はいささか安全運転のような感じもする。
バイロイトがオペラ劇場なので、ドレスリハーサルという形態でEMI盤が残されたのは
ある意味偶然のことで、トスカニーニなどはドレスリハーサルのほうが良いと言われる。
バイロイト復帰という大舞台でのフルトヴェングラーの思いはどうだったのだろうか。
それを受け止める出演者の思いも複雑だったに違いない。
191名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/26(金) 20:59:07.49 ID:sBxGhuvX
戦後のバイロイトでもフルトヴェングラーが楽劇を振ってくれていたら、、、、(ToT)
192名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/26(金) 21:02:21.29 ID:sBxGhuvX
連投すまん。

>>190
昔から使っていた舞台装置や衣装なども戦後のドサクサで失われていたこともあるようです。
劇場自体も一時期連合軍に接収されていたそうですし。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/26(金) 22:10:05.04 ID:pW0nQbjp
フルトヴェングラーは不思議で、EMIのセッションはともかく
イタリアで何度もリングを振っているのですよね。
あとトリスタンも1947年にベルリン・シュターツカペレで。
体調の問題かなとも思ったのですが、そうでもないところを見ると
案外、経営側(ワーグナー家)の事情があったのか?と疑いたくなる。
ともかく、一族が戦犯として追求されかねない中にあって
フルトヴェングラーはできれば避けて通りたい存在だったのだと思うのです。

一方で、Orfeo盤が長らく埋もれていたのは、放送局ならではの慣習のような気がする。
思えば、1950年代の多くのバイロイト録音が最近まで海賊盤でしか流通しなかったのは
ひとえに放送用という縛りがあまりにも強かったからに他ならないと思うのです。
それと一般的なHi-Fi録音とは異なる、ラジオ風の音質管理。多くの人が「ステレオでない
のが残念」というのは、別の理由があると思える。だって、カラスのトスカにそういうケチを
つける輩はいない、むしろ絶頂期のカラスという評価が先んじている。これと同じ評価が
バイロイト録音にもあってしかるべきだが、判る人には判るという感じだろう。
ワーグナーの楽劇も、そうやすやすと何セットも聴くわけにはいかないものだけに
ますます敷居が高くなるように思う。逆にいえば、このモノラル期のバイロイトは
同じ楽劇を2つのキャストで演奏するのは当たり前なくらい、多彩なタレントを備えた
指揮者や歌手が集結した点でとてもユニークな存在だったと思う。
194名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/27(土) 00:28:49.29 ID:s1Kg2CRh
1955年のカイルベルトの指輪は驚くべきことにステレオで出た。
おお、と思ったが黄昏のジークフリートが旧盤のようにマックス・ローレンツでは
なかったのでがっかりした。もちろんヴィントガッセンが悪いわけではないのだが。
そういや、フルトヴェングラーのスカラ座での黄昏のジークフリートも
ローレンツだった。もちろん1936年のバイロイトのジークフリートも。
というわけで、カイルベルトのは未だに1952年のモノ盤で聞いてるなあ。
いくぶんナローレンジだがクリアーで安定してるので聞きやすい。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/27(土) 14:30:13.18 ID:Epj0wYoq
>いくぶんナローレンジだがクリアーで安定してる

そうそう。これがラジオ音源の特徴で、ナローなのに少しエッジの効いた音でまとめていて
相性の悪いシステムだと、極端にカマボコになったり、高域が暴れたりと色々。
ただHi-Fi初期のように十人十色でないため、こちらでまとめると中庸なところで納まります。

反面、モノトーンという言葉通りの音質なので、最初慣れるまでに時間が掛かる。
オーディオ的な快楽とは別次元のものなので、取っ付きにくい印象がある。
しかしマイクとテープ(もしくはアセテート盤)をストレートに使った色付けのない音だと
一度気付けば、システムを自然な状態に導くことができるように思うのです。
それと演奏者の素顔に出会えるような気がするのは私だけでしょうか?
196名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/27(土) 19:19:58.40 ID:s1Kg2CRh
うちでは、一時期はやった古いIsophoneの軽〜いコーン紙のSPに、その当時の
高級ではない普通の家庭用の機器のアンプ部の回路を調べて真似て作ったもので
聞いてる。アンプはワイドレンジや高性能をねらっておらず、むしろ安定な動作に
主眼が置かれているように思う。
これでそういったラジオ用音源のようなものを聞くと安心して聞ける。
最近のステレオ盤を聞いてもちゃんと聞こえるので、最近はもう、
小型ですむし、これだけでいいかなと思ったりもしてる(笑)。

以前にPodiumから出たプシホダのバイオリンのCDを今日聞いてたが、これらは
1940年代末〜50年代の北西ドイツ放送の音源とある。録音もじゅうぶんだが、
ほかの誰にも出せないプシホダ独自のバイオリンの音はすごい。名盤と思う。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/27(土) 21:19:59.17 ID:Epj0wYoq
いい塩梅で良い味を出してそうですね。
ドイツ放送音源の場合、高能率のフルレンジにEL84で十分なのですが
そのどちらかだけ真似ても、あまり良い結果が出ないのと思います。
高能率の大型ホーンでも、低能率のフルレンジでもダメ。
逆にに高能率のフルレンジを、KT88とか6L6で太めに鳴らしても
渋すぎてダメ。やはりいい塩梅があるのだと思います。

私のほうはEV社の8インチのフルレンジを小型3極管で鳴らしており
トランスは古い軍用品をつけてレンジを抑えています。
本来はスウィング・ジャズやトスカニーニが似合っていますが
クラシックではドイツ放送録音が絶対に欠かせません。
AM放送の規格内なのですが、不思議とずっと聞いていたいと思う
魅力があります。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/27(土) 23:07:40.00 ID:s1Kg2CRh
昔の家庭用アンプの回路図を見てみると、EL95という小さな出力管がしばしば
使われています。はっきり言ってしょぼいラジオ球なのでしょうが、
Philipsがシングルで、TelefunkenとBrownがppでアンプの製品を出してます。
6AU6と見間違えるほどの小型のものなのですが、実際使ってみると悪くなかった。
あまり見向きがされないのか、西欧のメーカーの製品でも1000円くらいで安価ですし、
こんなものをリプリントする業者もいないので安心です。
ppとシングルを作ってみましたが、良く鳴ってくれてます。
相手のSPによるかもしれませんが、EL84よりは素直な感じでいいんじゃないかな。
199名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/28(日) 09:12:51.55 ID:jJfDkkwN
モノラル
200名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/28(日) 09:13:27.29 ID:jJfDkkwN
200番ゲットオォォォォ!! みたいな
 ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄         ___
                        __   (__  ) ≡≡≡
                      /  ヽ  / / ̄
          _ _、, _,, ヽ7    /  ..へ._ V / ≡≡≡
        v/    ヽ( )△ィ△ /   ゙ii | |/
       (( _(( _((ハ ' _ ) `ヘ/___.  || | |
 lWVl____|∩ ∩ Y_)   ヾ |___. .  || | |  __,r‐、 ≡≡≡
. !_て7」VWl .ヾヷ゙゙ノノヾ,    | ̄     || | | ̄__),  \      (´⌒(´
    ヾ (  ̄ ̄ ̄)   ノ__,ノ‐-__  !! ノ_ノ ̄   . ヾ、__ノ ≡≡(´⌒;;;≡
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    .      ̄ ̄ ̄          (´⌒(´⌒;;
          ズチャッターーーーーッ
201名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/28(日) 20:33:48.66 ID:fRj4ay7g
>198
この時代はWEのプロ用でもテレビ球が使われたり、保守部品にかなり融通をもたせていて
現在では修理の難しいアンプも少なくありませんね。EL95はドイツ的倹約主義の極北で
ありながら、当時のドイツ製ラジオの音の良さにも注目する切っ掛けとなるように思います。
グルンディッヒとかのフルレンジが注目される一方で、これを適度にドライブしてくれる
アンプのほうがあまり良く知られないままのように思うのです。
とはいえ、低音を出すためにやたらにコアボリュームの大きいトランスが多いなかで
小回りの利く小型トランスが少ないのも確かで、実際どのようにしているのでしょうか?
202名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/29(月) 23:14:20.57 ID:AOL4viwF
>>201
トランスは古いものはないですし、仮にあってもどのような状態かわかりませんので、
現行品のを使ってやってみました。春日の小型のものを使ってみましたが、
なかなかどうしていいようです。LUXのOYの小さいやつが1個だけあるので
これでモノと考えてますが、いろいろめんどくさいトランスだそうで
手つかずです。そのうち、、、、

Telefunkenの業務用の入力トランスで位相反転する上下対称回路のアンプにも
同様の小型管のEL42がEF804Sとともに使われているものがあって、この種の管も
いろいろ用途があったのかなと思います。これも省エネ管ですね。
203名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/31(水) 07:49:43.67 ID:ey/JCtoA
ビンテージのドイツ製トランスともなれば、裸のものも多くて
見た目だけではどれが良いのか全く判らないですね。
システムに組まれてあるのを見てようやく納得する感じでしょうか。
http://i.ebayimg.com/t/2-Klangfilm-output-Transformer-SE-PP-EL84-Tube-Amp-1603-II-/00/s/Mjc1WDQwMA==/$(KGrHqZ,!oQFB,BwnRyyBQfqVhLZHg~~60_12.JPG
http://www.hifido.co.jp/photo/09/331/33104/h.jpg
あとインプットトランスはマイク用と絡むと、価格が跳ね上がってとても手が出ません。
この辺の落差が大きいのが何とも難しいところです。

しかしebayの日本語自動翻訳は面白いですねぇ。
「本棚話者」と見ただけでアヤしい臭いがプンプンします。

でも考えてみれば、フルトヴェングラーもひと昔前はよく判らない海賊盤で喉を潤してたわけで
その意味でも受容史としての歴史を持っているのだと思ったりします。
多くは1970年代以降というのが、ある意味ミスマッチングをもたらす原因でもあるのですが
ラジオ風の音が良いよ、ということは、論評としても出しづらいところでしょう。
今しがたOrfeo盤のバイロイト第九を、1920年代の段間トランスを通して聴いていますが
4kHz辺りからロールオフする音でも、これはこれで味わい深い。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/01(木) 00:47:47.30 ID:LY8a1gIE
ラジオ用トランスと見分けがつかないというか何と言うか、、、
そういや、向こうの普通クラスのラジオでシングル終段のものでも、
回路図を見てみると OPTの1次側巻線のB電源供給側からいくらか
巻線をP側とは反対に巻いておいて、それを通じてSGやほかの電源を
供給してるのがありました。どうやらハムキャンセル?のようなの
ですが、これも試してみたくともそんなトランスは無いのでどうし
ようもないです。
入力トランスはタムラの7k:10kCTで7dBmという小型のものが捨て値で
売っていたのを買ったのがいくつかありますが、まだ試してません。
ステップダウンになりますが入力のところで位相反転に使えるかなと、、、
205名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/03(土) 09:14:59.95 ID:pB9Hl1GT
モノラル録音での難問にピアノがあるように感じている。
もともと全体がマイクに乗りにくいうえに、周波数の制限もあるように思える。
LPの出る以前は100Hz〜8kHzというスペックでの録音再生が標準である。
もうひとつはスケール感で、ステレオのように仮想の音像を提示できないので
どちらかというと実物大で真正面から勝負ということになる。

ところが、当時の人の意見を聞くと、ワイドレンジでも十分という意見も聞かれる。
例えば岩崎千明氏は1957年にD130を米軍居住地で始めて聴いたとき
「本物のグランドピアノの姿を探しまわった」と懐述している。
これは当時流行した本棚や衣装ダンスにプレーンバッフルを仕込んだ方法で
ハークネスのような立派な箱に入ったものではない。
http://www.audiosharing.com/people/iwasaki/houkou/hou_23_1.htm

ここで少し立ち止まって考えてみると、幾つか思い当たる節がある。
ひとつは実音量としての再現性である。D130は低音とか高音は出ないが
楽器の基音での再現性は高い。だから1970年代までステージPA用として
生き残ってこられたのだ。
もうひとつ判り辛いのは、倍音の共鳴=高調波ひずみである。
ビンテージのユニットにまま見られる高音の暴れは、設計が古いからと
簡単に片付けられてしまうのが常だが、逆に言えば音声信号に対し
倍音の共鳴を許容する設計になっている。

ステレオ録音では、この高次倍音を多く含むため、暴れの原因となるが
あるいは私たち自身が、そういうピアノ録音の音に慣れてしまった
というのが実際ではないかと思い始めている。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/03(土) 17:51:45.08 ID:pB9Hl1GT
そう思ったのは、モノラルでのピアノ録音はほぼカマボコ型である。
グールドのゴルドベルク、ケンプのベートーヴェン、リパッティのショパン
モンクのサンフランシスコ録音、そして多くのボーカル伴奏など色々ある。
これらは生録でストレートに録ったときの音に近い。味のない素材のまま。
これがガッシリ鳴るように整えると、ステレオ録音は薄っぺらに聞こえる。
別にカマボコ型を直すために、高域を持ち上げているわけではなく、むしろ
抑え気味にすることでバランスを取るようにしている。

1950年代のスピーカーだと、70年代以降の録音は響きが過剰で、指のタッチが
表面を撫でているだけのように聞こえるものがある。多分、鉄板リバーブの
せいだと思うが、逆にいえば、50年代のスピーカーは付帯音が多いのだと思う。
この付帯音は、ギターアンプの心地良いクリーントーンを造り出す。共振のない
スピーカーでは絶対に出ない美しい音である。オーディオ理論とは大きく外れて
いても、このトーンの魅力に取り憑かれると、あとはどうでもよくなる。
207名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/04(日) 17:56:08.37 ID:+2joP8Sa
最近になってソニーの動向が気になっている。
正確にはソニーに買収された米コロンビアのアーカイヴの行方である。
ジャズだとマイルス、ビング・クロスビー
クラシックだとグールド、ワルターなどが思い浮かぶが
NBCと勢力を二分するCBS放送局を有している大レーベルで
老舗RCAとは違うエンターティナーの記録が多く残っている。
一方のRCAが古い録音のリイシューにあまり積極的ではないのに対し
ソニー傘下となったコロンビアは、アメリカ文化の継承を背負って
かなり本気でリリースをしているように思う。
Okehレーベルに多く残っているブルースやゴスペルについては
比較的早い時期に10枚分売でアンソロジーが出たが
その後も地道に多方面のリリースを続けて
例えばキャブ・キャロウェイの1940年代のジャイブは見事な復刻だ。

一方のソニー本体はこうしたアーカイヴと再生機器について
どういう方向性をもっているかというと、普遍性という名のもとに
ウォークマンから続くパーソナルプレーヤーや
ソニー・ピクチャーズの延長線で「現代の」シアターサウンドに
焦点を絞っているように思えるのが、やや残念なところか。
208名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/04(日) 19:00:34.87 ID:Kc3P9pix
× アーカイヴ、ジャイブ
○ アーカイヴ、ジャイヴ
209名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/04(日) 22:05:20.79 ID:RfJQxqMM
1950'sのやたらシャンシャン高音が響くDECCAのモノ録音はうまく再生できないかな。
クレメンス・クラウスのウィンナワルツやオペレッタとか。

とはいえ、同じ時代のクラウスのサロメやE.クライバーの薔薇の騎士とかは大丈夫なんだが。
210名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/05(月) 19:44:53.40 ID:diLVJiXp
>209
普通はイコライザーで対処ですね。
4バンド程度のパラメトリック・イコライザーが良いですよ。
個人的にはこんなものでも使いたい。。。
http://hookup.co.jp/products/proaudio/protico5033.html
211名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/05(月) 19:59:23.86 ID:eVyInVfJ
イコライザカーブ可変な プリを自作するのが吉
212名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/05(月) 20:56:17.98 ID:H2qYU+kY
新世界レコード時代のメロディアモノラルは、盤質含めて安くていいな。
213名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/05(月) 22:12:53.87 ID:FRCWcuFv
>>210,211
製品はお高いから、いろいろカーブ可変の調整付きのアンプ自作かな。
のんびりと計画を考えます。
214名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/05(月) 22:18:15.84 ID:H2qYU+kY
>>213
DECCAのモノラルは、現行CDよりも、パブリックドメインの音源のほうがレート低くてもよかったりする。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/06(火) 07:59:49.92 ID:oSFtfnyc
60年代から使われたレコーディング用のイコライザーは
低域:100Hz以下、中高域:2.5kHz、高域:10kHz以上に分かれていて
音の張り出し加減やノイズの制限など色々な用途に使われる。

昔からあるトーンコントロールは、それとはかなり違っていて
1kHzを中心とした各規格への調整から来たのでは?
と思える節がある。
http://www.fonolab.cz/data/1253798143_63Resuscitace_gramofonu_17.bmp
http://audio-heritage.jp/LUXMAN/amp/sq63.html
RIAAに統一されて以降は、役目を終えて、低域vs高域の印象だけ
残ったのではないか?

それより古い電蓄は3kHz以上をカットするノイズ制御だった。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/08(木) 00:24:48.62 ID:Y0oaNeV9
1936年のバイロイトのローエングリンの「愛する白鳥よ」の機械蓄音機再生を
PC内臓マイクで取り込んでみた。テレフンケンの盤をソーン針で再生。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3596071.mp3.html
うまくいかない。ちゃんとした機器が必要かな、、、
実機で聞く限りではとても良く聞こえるんだが。

試みたフルトヴェングラーの第5はだいぶまともにとれたかも。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3596094.mp3.html
バイロイト盤のほうが、実際はずっとよく聞こえるんだがうまくいかない、、
有り合わせの機器ではいまいちかもですな(´・ω・`)
217名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/08(木) 20:19:17.91 ID:CiaaC2JQ
マイクはちゃんとしたものがいいでしょうね。
パソコンのマイクは指向性が狭く低音をカットしたものが多いですから。
立派なコンデンサーマイクはスクラッチノイズも盛大に拾うので、
過度特性が良くてもシルキーなリボンマイクなんかいかがでしょうか?
http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=872%5EMXLR144%5E%5E
楽器収録の定番でタフなやつ
http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=662%5ESM57%5E%5E
サックスに付けてるようなのもラッパには良さそう
http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=117%5EC519ML%5E%5E

あとサンプリング周波数は44kHz以上が良いでしょう。
16kHzだと8kHzフィルターの癖がもろに出るので。
218206の続きなど:2012/11/10(土) 16:11:49.32 ID:/sxilhT9
ところで、アメリカのオーディオを考えるとき
どうしてもレイス(人種)・レコードの存在が欠かせない。
多くは1920年代からなので、基本的にはベル研究所による
電気収録が始まって以降に、この手の録音が増えた。
今でこそクラシックとジャズ、ポップスは分け隔てされ
機器の相性のようなものが色々と言われているが
当時はレイス・レコードはブルースともゴスペルとも
ジャズとも形容のしがたい目新しいものだった。
ビリー・ホリディの「奇妙な果実」はジャズの名盤と言われるが
彼女がクラブ・シンガーだったという理由以外には
深い意味はないように思われる。
第一、ベル研究所のクレデンザの音調からも判るように
当時の主流は東海岸風の柔らかい上品な音である。

ところがアメリカのオーディオを語るときには
むしろこの黒人風の灰汁の強さを強調した
押しの強い音のことを指すことが多い。
ボザークのような純粋に東海岸のスピーカーでは
音楽の理解度に疑問を持たれるかもしれない。
しかし戦前のアメリカのオーディオ機器は
シアター用を抜きにして、ほとんどの家庭用は
渋い音のもので占められている。
むしろルーツとしては、渋い音調のなかでも
たくましくアピールする強さにあったのではないか
とも思えるのである。
219名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/11(日) 09:03:30.99 ID:CBgCuLpi
人種の壁に挑んだのはレコードだけではなく
映画やラジオにおいても顕著だった。
特に映画業界はトーキーの開始からボードビリアン
つまりミンストレル・ショーの延長線にある芸人を取り上げている。
もっともエジソンの時代からボードビリアンの芸能を記録しており
アメリカにおける面白い出し物のひとつだったと思われる。
映画業界の中心はハリウッドであり、カルフォルニア・サウンドと呼ばれる
アメリカン・サウンドの中核は、映画業界から出発している。
ウェスタンの最果ての地で黒人的な押しの強さが熟成されたのである。

ただ音楽の量産地は、依然としてニューヨーク、シカゴなど東部の
商業、工業地帯が中心であった。ラジオ中継の多くは東側から発信され
そこでも黒人ミュージシャンは1930年代からレギュラー番組をもち
娯楽としての音楽を全米に知らしめた。ラジオではノイズの関連があり、
高域に制限が多かったが、RCAのラジオにみられる中庸な音が
中心を占めていた。

家庭ではラジオの中庸な音があり
舞台芸術と連動した映画館では、押しの強い音で圧倒する。
パフォーマンスとしてどれが最適かは、かなり広がりがあった
ということが言えるのだろう。
220名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/13(火) 00:14:06.03 ID:wSxkNgSe
初期のコーキーのVitaphoneのフィルムで、当時メトロポリタン歌劇場で活躍
していた歌手たちや、他の演奏家のフィルムがある。昔の演奏家のフィルムを
集めたオムニバスのDVDなんかでいくつか見ることができるが、音も映像も
なかなかうまく録れている。
youtubeで検索した事があるが、けっこういろいろ収録されてるようだが、
画像も音も貧弱なものが多かった。
こういうVitaphoneの演奏家の記録フィルムをあつめたものとか市販されたり
してないかなあ。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/15(木) 11:52:12.79 ID:haocrxqf
221
222名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/15(木) 11:53:10.63 ID:haocrxqf
222

____
          |   |
          |   |
          |   |
          |   |
          |___|
          |::::::::  ̄|               ___
          |:::::::  |           __  (__  )
      ・∵  |::::::::  | :・      /  ヽ  / / ̄
      ∴・ |:::::::  |∵ヽ7    /  ..へ._ V /
        v/    ヽ( )△ィ△ /   ゙ii | |/
       (( _(( _((ハ ' _ ) `ヘ/___.  || | |
 lWVl____|◯;;◯;;;;Y_)   ヾ |___. .  || | |  __,r‐、
. !_て7」VWl .ヾ一゙;;;ノノヾ,    | ̄     || | | ̄__),  \
    ヾ (  ̄ ̄ ̄)   ノ__,ノ‐-__  !! ノ_ノ ̄   . ヾ、__ノ
223名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/27(火) 20:48:12.66 ID:s2MsY1Fs
モノラルを聴いて思うのは、部屋の響きとの調和である。
あえて言えばマイクからダイレクトに増幅される状態を部屋の中に
入れるのだから、箱の響き、部屋の響き、様々な要素を取り込んで
システムに組み込むことになる。

ステレオだと仮想空間を演出して、そのなかに入り込むことができる。
ただ面倒なのが、録音ごとに空間表現が異なり機器との相性が出やすいことだ。
クラシックでもジャズでも一括りにできない。ポップスはもっと多彩だ。
もちろん玉虫色の音空間を楽しむのも一興ではある。

モノラルだと、楽器としてのスピーカーがあるので
その箱の特性通りに再生枠がほぼ決まる。仮想的な空間はない。
録音年代やレーベル間でトーンの差の大きいのが難点であるが
カートリッジ、イコライザー、トランス、様々な方法でコントロールする。
コントロールの術がある程度固まると、そのうち装置のご機嫌ではなく
楽音に集中していることが多くなる。そのときが至福のときだ。

しかし、あるとき表現に不足な部分に気付いて、システムの枠を崩して
再構築しようと試行錯誤する。結局、この繰り返しなのだろうか。
224名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/27(火) 21:24:35.59 ID:TtMBGoRY
ヘッドフォン環境のアタシとしては、純正モノラル音源を自分でアンビエンス操作して、演奏会場遠目の点音源+ホールトーンを好きなように加工したい。
225名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/29(木) 23:54:05.77 ID:W2+PCECT
>>224
PCに取り込んでソフトという手はあるんじゃないでしょうか。
昔は、アンビエンス付加のためのアナログICがあって、秋月からだったか
キットが出ていて一時期使ってました。
226名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/30(金) 05:01:00.14 ID:H3u1MB8n
>>225
30年くらい前に、Technicsで商品があったが酷い代物だったそうな。
227名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/30(金) 20:11:20.12 ID:IX0uw07U
今頃のクラシックのリマスターには若干のエコーを加えたものも増えてきた。
でも結局はエコーなしのほうが、骨太な表現が聞けるので、そこに落ち着く。
デジタル・エフェクターだと老舗のLexiconが太い音で好きだったが
やっぱり後で付けたものは誤魔化したなりの何かが付きまとう。
聞きやすいけど、どこか灰汁が抜けたような…それなら始めからカラヤンに…
そういう気分に駆られてしまう。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/02(日) 22:29:37.00 ID:pmQWpVMp
モノラル時代の欧州の大型ラジオなんか、正面ばかりじゃなく側面とかにも
何個もSPをつけたのがあった。あれも響きを付加しようという考えだろな。
東芝の電蓄でも、側面SPに扉状の角度可変のリフレクターをつけたのがあった。
サイズが大きめの蓄音機は朗々と鳴るが、あれも機械自体がエフェクター
なんだろうな。
229名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/08(土) 15:42:30.25 ID:DuPZVle9
モノラル時代のスピーカーには、高域拡散のための様々な工夫がみられる。
普通のフルレンジでもビーム角が60度、大型ホーンだと90〜120度を保証するのが常で
今の30度以内に納まるステレオスピーカーとは根本的に異なる。
パンチングメタルによる音響レンズ、羽の付いたディフューザーなど実に多様である。
これらはエコー成分のためではなく、高域拡散のための方策である。

モノラル用のスピーカーでヴィンテージ物が良いと言われる理由に
再生帯域のエネルギーバランスがあり、まずどの位置で聴いてもほとんど崩れない。
現在のスピーカーでモノラル録音を再生すると、逆に帯域が狭く感じることが多い。

あと古い時代のユニットは、高コンプライアンスで低音の出ないものが多かったため
キャビネットの振動を混ぜることでバランスを取っているものも多い。
当時は100〜200Hz以上をコーン紙から再生、それ以下は共振で補う考え方があった。
しかし低音の質は当時のほうが良い。音の張りもさることながら、音階の明瞭さなど
普通の低音楽器と同様の特徴が備わっている。フリーエッジになった時点から
量感は増したが、質は下がっていく傾向にあると思う。
230名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/19(水) 22:57:54.34 ID:9xo/IJ3W
買ったのをなかば忘れていた1944年9月録音のワルキューレ第一幕の
CDをあらためて聞いてた。指揮はエルメンドルフ、オケはドレスデンの
メンバー。ドレスデンのゼンパー歌劇場が爆撃で破壊されるほんの
数カ月前のドイツ帝国放送の録音だ。音は高音がちょっとあれぎみの
ところがあるが、極めてクリアーかつ安定していて聞きやすい。
ソリストはジークムントのM.ローレンツが言葉にできないほどにまことに
すばらしい。CDはプライザー。
解説を読んでたら、当時1944/45年シーズンは戦況の悪化のために多くの
歌劇場で上演がキャンセルされ、その代替としてラジオ放送がさかんに
行われたそうな。なるほど、敗色濃厚となってくるなかで、なぜに
多くの放送録音が残っているのかが分かった気がした。
(そんなに録音してるような状況じゃないだろうにとか思ってた。)

昔のラジオ工作本に載ってるAMワイヤレスマイクを作ったのがあるので、
あれに入力して真空管ラジオで聴いてみっかなあ、、、、
231名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/20(木) 07:12:35.44 ID:Nzecqsyl
>>230
AMで真空管…
うらやましい
232名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/20(木) 23:38:40.03 ID:5wVwTfm5
>>231
自作すれば高くない。一時期より部品は入手しやすくなった。
実際作ってみると昔どおりのペントード無帰還シングルでは
やっぱ不満が残る。
チューナーにしちゃうか、帰還をかけたPPとかで新規に作るか
考え中。
233名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/30(日) 22:38:17.73 ID:RI552d5L
まさに隔離病棟
234名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/11(金) 17:29:43.15 ID:3QpsjRym
モノラル専用のCDプレーヤーってないですかね?
235名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/11(金) 18:34:46.62 ID:m4yECClK
>>234
仕方ないからステレオ→モノラル変換プラグを常に携帯してる。
気持ち悪い位相のリマスタ聴くよりは良いからな
236ものきち:2013/01/11(金) 20:35:39.85 ID:hYS5531r
「隔離病棟」ってすてれおの人が入る所じゃないのかね?
237名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/11(金) 21:08:26.85 ID:OqhwqA/M
>>235
何かエフェクトが付加されてるモノのCDありますよね。
あと、ステレオのもモノにして聞きたい場合もある。

でも、その場合に気になることがある。
単純にLRを接続する方法もあるだろうが、その接続ポイントより前段の部分が
帰還アンプになってたとすると、LRを接続するとその合成信号がそれぞれの
チャンネルに帰還されてしまわないかな。
回避するには、無帰還のラインアンプを一段噛ませればいいのかなあ。
そんなことしなくても実用上は問題なしかもしれないが。
238ものきち:2013/01/11(金) 22:53:44.77 ID:hYS5531r
237さん、古いヴァイオリンを中心にいろいろCDを買うんですが、ひどい復刻が多すぎです。スクラッ
チノイズを取り除いて、エコーかけて… 有名な新さんのCD-Rとかはかなり良いと思うのですが、他は
ダメなの多いです。数年前、文献社っていう所から出ていたヴァイオリン全集なんて、復刻者は「ノー
ベル賞にふさわしい画期的ノイズリダクション」なんて自慢してましたが、ヴァイオリンが口笛の様に
聞こえたり、風呂場で演奏している様に聞こえたりで、ひどいものでした。それでも、ヴァイオリンは
まだマシで、古いタンゴとか、ポピュラーとか、シャンソンとか、ロシアものとかは魂が抜けていて、
高域がやたらカンカンして、聴けたもんじゃありません。例えば、カルロス・ガルデルはあんな間の抜
けた声じゃないし、最近話題になっているピョートル・レスチェンコもあんな機械的な声じゃない。
ティノ・ロッシなんてのも完全なフヌケにされてしまってる。さすがに、そういうCDは再生装置で補っ
て聴くなんてムリでしょう。「買ってはいけない!」に尽きます。

ステレオをモノラルにするのはすごく複雑な問題を含んでいると思います。だから、それはやらない方
がいいと自分などは思ってしまいます。
239名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/12(土) 00:22:27.05 ID:kFEsPkfi
>>238
正月のNHK FMのSP盤放送では、こういう機械を使っていましたよ。
http://www.gramophones.uk.com/_Media/194_open_large.jpeg
日本の流行歌から洋楽やクラシックもやりましたがかなりよかったです。
復刻も加工してないところはいいのですが、下手に気を利かせてる
ところは最悪で、あんなのならやらないほうがましなのは同意です。
うちはあきらめてこの画像より小型の機械を以前に買いました。
これは!と思うものはオリジナルを無理して買いました。
他に納得いくやりようがないです(;_;)
声楽が多くバイオリンはあまりないですが、クライスラーやクーベリックの
機械録音も復刻だと頼りないですが、機械再生で聞くと雄渾な響きです。
電気録音以降のVnでは何といってもフーベルマンのクロイツェル、すごい。
こんだけでもう、おなかいっぱい。
「ものきち」さんも、ぜひ機械を買って重症患者隔離病棟に行きましょうw

ステレオからモノ変換は私はやってみたいのですが、これは個人的に
ちょこちょこやってみます。
240ものきち:2013/01/12(土) 10:47:56.65 ID:1NvR7XCQ
239さん、クベリック、HMV202、クレデンザ、EMG? 「病棟」というよりも、もはや「魔境」で
はないですか! 私も10年ほど前まで近いことやってたのですが、貴重なSPレコードがすり減るのが
堪え難く、電気に落ち着いてしまいました。確かにポータブルぐらいでかけてもメルバやシャリアピン
がそこで歌っている様な迫力出ますが、私には荷が重いので、機械式蓄音機に最大の敬意をはらいつつ
も、でっかいホーンと直熱管で、がんばります。
241名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/13(日) 02:38:01.33 ID:Slc+KQSN
>>240
なるほどすでに経過されておりましたか。
ホーンと直熱管とはなみなみならぬ事と思います。
(WE 15Aホーンを自作されてる強者もおられるようです。)
名前があがってるメルバも、クーベリックのVn伴奏でモーツァルトの
牧人の王のアミンタのアリアの録音があり、1枚で2度おいしい優れものです。
機械録音の復刻CDでもいじってないやつがありますが、うちだとうまく
いかないです。ホーンで聞いたらどうなんでしょうかね。
242ものきち:2013/01/13(日) 10:31:45.82 ID:qAHnRydK
でっかいホーン(12A)でなくとも、4Aピックアップ等でSPレコードをかければ、
かなりうまく行きます。10Dでも「蓄音機の感じ」に近いものが出るんじゃないで
しょうか。どうも問題はCDプレーヤーとCDの復刻の仕方にあるみたいなのです。
電気再生でHMV202の音が出て欲しいなんて都合のいいことを考えている訳ではない
です。「蓄音機の感じ」もしくは「演奏の魂」がある程度出てくれれば…

新さんのダイレクト・トランスファーだとかなりというかすごくうまく行くのです。
最近、池田圭先生の『音の夕映え』読み返してますが「新さんは耳がよくて、信頼
出来る」と書いてありました。SPレコードの良さを十分わかった人が復刻してくれ
さえすれば… と毎日思っているのです。これが「おこぼれちょうだい主義」の
限界かもしれません(自分でSPレコードを買わず、他人様が復刻したCDに頼って
いるので)。

Symposiumの"Important Early Sound Recordings Violinist No. 1"のクベリック
とNational Film & Sound Archiveの"Dame Nellie Melba"しか持っておりません。
両CDの中に二人の共演はありませんでした(涙)どこに入ってますか?

声ものはMarianne MelodieとIntenseというレーベルの古いシャンソンの復刻CDが
まずまずの出来ですが、クラシックの声でそこまで良いものにはほとんど当たった
ことがありません。ある人の推薦でジョン・ハモンドとコンチータ・スペルヴィア
のCDを買ったのですが、すごく悪くはないですが、あまり良くないです。蓄音機
で聴いたら涙が出て来るほど感動的なのに…
243名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/14(月) 00:29:42.55 ID:n5iAPNkL
競演録音ですが、
CDがちょっと物置きにしまったみたいで出てきませんで確認できませんが、
ネット上のアーカイブでmp3ですが聞けるところがあります。
スクラッチもゴロも盛大に入ってますが、このほうがまだいいw
モーツァルト 牧人の王
http://archive.org/details/VrsAcoustics-89074-NellieMelbaJanKubelik
グノー アヴェマリア
http://archive.org/details/VrsAcoustics-89073-NellieMelbaJanKubelik
モーツァルトのみ米Vic.のプレスを持ってますが、興味深いのは片面盤の裏面に
曲の解説を書いた大きなラベルが貼ってあることです。
曲そのものも大好きな曲なのでお気に入りです。米Vic.プレスなら比較的安価。
スペルヴィアはとても魅力的な歌手ですよね。若くして亡くなったのは残念です。

私が好きなソプラノはエミー・デスティンですね。この人の声はぐいぐい押してくる
ような迫力があって独特です。前にMarstonから1908年のカルメン全曲!の復刻が
出ました。あまった部分にローエングリンの3幕の全半が入っててこれもいいです。
オリジナルはとても高いので蝶々夫人くらいしかないですが、機械で聞くと
圧倒的な押し出し感?というかうまくいえませんが、すばらしいです。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/14(月) 08:13:01.56 ID:ra8VIYo/
すばらしいサイトを教えていただき、ありがとうございます。
探してみたらYoutubeにも同じ?音源ありました。
http://www.youtube.com/watch?v=ZtLdXoT8OcQ&playnext=1&list=PLF28857501B9A13A7&feature=results_video
http://www.youtube.com/watch?v=H44xzW3V6CI&playnext=1&list=PLF28857501B9A13A7&feature=results_video
エミー・デスティンも結構ありました。すばらしい声ですね。こういうのに慣れると、現代の
ソプラノはもう聴けません。復刻CDからアップロードしている人もいますが、SPレコードを
そのままMP3にしてアップロードしているやつは鑑賞に堪えますよね。ウエスタン100Eをパソコン
につないでますが、大きな装置で復刻CD聴くよりよっぽどいいです。アマチュアが見事な復刻を
して、プロが聴くに堪えないCDばかり作っていると、デスティンやメルバやクベリックに申し訳
ないですよね。SPレコードが全部すり減ったり、プレミア価格がついて買えなくなる前に、もっと
まともな復刻CDたくさん出して欲しい!です。もっとまともなCD作ってくれれば、ホーンスピーカー
からもかなりの「押し出し感」出るはずです。「圧倒的」とまでは行かないかもしれませんが。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/15(火) 02:15:45.15 ID:FBxIj9kq
これだけ技術が発展してると思うのに、復刻がさっぱりなのは不思議です(笑)。
じゃあ機械で再生したのを収録したらいいかと思いますが、これはバイオリンが
いくつかありますが、クレデンザやHMV 203を超える名機中の名機というので
復刻した某CDがありますが、何だかぼやけていて、、、
WINGのCDでクレデンザで再生したサラサーテの曲のオムニバスは出来不出来
ありますがけっこういいかなと思います。
いちばんいやなのはTE○DECのCE○AR、あれはひどい、何もしない方がましと
いうのはまさにあのこと。百害あって一利無し。
オレの好きなエルナ・ザックタンのCDがえらいことに、、、他もだけど、、
プライザーとかいじってない感じのとこはいいですね。
きれいだけどどうしても弱くなってしまう感じなのは、再生がわで補えると
いいと思います。
246ものきち:2013/01/15(火) 08:11:43.28 ID:+ra2hmVS
203を越える機械その他で再生して録音した某店のCDはダメなことで有名ですよね。マイクの位置が
悪いし、いくら優秀な機械でも、あそこのはサウンドボックスとかいじってるでしょう。そんなセンス
で録音してもロクな復刻出来ないですよね。
イギリスのPearlレコードの某エンジニアが優秀という説があるけど、Pearlも駄作が多い。
イギリスで一番優秀なのはなんと言ってもAPR。ピアノばっかりで弦も声も少ないのは残念だけど、
Auer Legacy 1〜3はすばらしいの一言。ティボーのもかなりいい。
つづいてSymposiumがいいけど、Biddulphは当たり外れがある。
国産ではWINGいいですよね。Opus蔵よりもいい。WINGの『モギレフスキーの芸術』どなたか
お持ちでないでしょうか? お持ちならコピーとっていただけないでしょうか? ノドから手が
出るほど欲しいです。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/15(火) 08:19:13.27 ID:GBcPYw3F
持っているけど断る。
248ものきち:2013/01/15(火) 08:49:08.38 ID:+ra2hmVS
そうそう、国産には緑戸というのもあるけど… 「うーん、どうなのかなぁ」という感じ。悪いとは
言えないけど、高音が荒いというか、奥行き感がイマイチというか…

それと『あらえびすSP名曲決定盤、第1〜2集』にメルバとクベリックの共演入ってました。
デスティンも入ってます。このCD集はすごくいい!です。ノイズリダクションかけてないです。

録音が悪い場合、再生側で改善することはムリだと思います。ただし、ウエスタン10Dとか100E/Fとか、
あるいはRCAのラジオラとかの帯域が狭い装置でかけて、ごまかすことは十分可能です。もっと本格的
な装置の場合でも、ウエスタンC-161みたいな電話用のトランス(オークションではいかにもハイファイ
と言わんばかりに売っているヤツ)かませると、気になる高音がある程度自然に落ちます。長時間聴い
ていると飽きるかもしれませんが… このトランスにバカ高い値段をつけている人もいますが、よく
出して2万円までだと思います。興味があったら、いつでもお貸ししますよ!
249名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/15(火) 09:43:23.72 ID:K2En+4jQ
メルバとクーベリックのお父さんとの共演の「アヴェ・マリア」なら、米国片面盤を持ってます。
この時代の片面盤は、見つかれば米国盤ならそんなに高くない。千円程度で手に入れました。

盤質の違いからか、英国盤よりも米国盤のほうがスクラッチノイズが少ないので、盤おこしに
は適しているかなと思います。様々な方法でトライしているのですが、HMVの蓄音機でその
まま聴くような音に出来ないのです。なので、そのままSP盤を竹針で聴いています。
250ものきち:2013/01/15(火) 13:40:19.68 ID:+ra2hmVS
HMVはいいですよね。まだSPレコードが少し手元に残っているので、4A(蓄音機と同じ鉄針使用の
重量級ピックアップ)で自分も盤おこしの実験してみようかなぁと最近考えます。
でも、そういうことにはまると、それこそ、本当に隔離病棟行きですよ(笑)
ほとんどの人がわかってくれない孤独な世界(涙)
現代のだとそこまでしたい演奏はないですけど、1925年前後はすばらしい演奏がひしめいてます
ものね。病気になるのは仕方ない!
251名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/15(火) 21:17:21.70 ID:FBxIj9kq
小品やアリアなどは機械で再生するのでもいいのですが、交響曲や協奏曲など
何枚にもわたるものは、針を交換しつつぜんまいを巻き足して再生するのは
なかなか大変です。これはやっぱ盤起こししたいですね。

トランスで一つ思い出しましたが、浅野アンプ本の3冊目に古いFerrantiの
段間トランスとOPTのオリジナルのままのものを入手して45ppを1930年くらい
の回路で作ったものが出てました。
周波数特性は高域のあるところですぱっと下がってあとは平坦というもので、
当時の機器はこんなのだったろうかなあと思いましたね。もちろんスピーカーを
どうするかというのも大きな問題でしょうけれども。

時々自分でも不必要なことをやってるように思えますが、要はSP時代の魅力的な
演奏をなるべくいい感じで聞きたいんですよね。それで無謀にもSP盤や蓄音機を
入手してみたり、どの復刻盤がいいかなんてなことを延々やってるとw
HMV 5aサウンドボックスのかわりにマイカ振動板のサウンドボックスを付けて
機械録音をかけたらどうなるかをはじめてますが、これはあまりにバカすぎる
ので書かないでおきます(笑)
252ものきち:2013/01/15(火) 22:40:06.46 ID:Ql3Whu5x
浅野勇氏の『魅惑の真空管アンプ』とは頼もしい限りです!
16年ほど前、私はUX-245シングル、Ferrantiのトランスで励磁スピーカー各種を駆動しておりましたが、
UX-245もFerrantiの段間トランスも非常に「高性能」で「ハイファイ寄り」の音です。
透明で「きれい」な音です。
その後、UX-250、171Aなども試しましたが、これらの直熱管は「SPレコード」的ではないと思います。
当時の評論家のあらえびす氏は「電気はまだこれから」、野村光一氏は電気式を支持しながらも、
やはり「これからよくなって行くだろう」みたいなことを書いてます。当時から電気式と機械式は
音が違ったということです。

「SPレコード」的な真空管があるとするなら、それはUX-210です。もちろん、UV-202とかWE205D
とかVT-2も「SPレコード」的ですが、全く現実的ではありません。
そして、アンプを3段構成にするなら、V1とV2も直熱管のUV/UX-201AもしくはUX-226がいいです。
これらは固定バイアスにし、直流点火とし、トランス結合、もしくは、チョーク結合とします。
トランスはUTCのSシリーズ(浅野氏の本の1冊目の6〜17ページ参照)がFerrantiより太いめで、
深めで、おおらかめの音を出してくれます。整流管はUX-281を2本使って両波整流出来れば、理想的
かと思います。
上下がほどよく落ちた「かまぼこ特性」を狙うなら、インプットと段間トランスをUTCじゃなく、
シルバーマーシャルのタイプにするといいです。こちらは知名度が低いため、格安です。
253ものきち:2013/01/15(火) 22:41:10.86 ID:Ql3Whu5x
私個人は当時の高級電蓄の音より当時のスタジオモニター的な音を狙っております。参考にすべき回路は
ウエスタンの8とか9アンプ、もしくは、シルバーマーシャル社のアンプではないかとにらんでおります。

入り口がSPレコードもしくは優れた復刻CDと優れたCDプレーヤー、アンプが上記の如くであれば、
スピーカーは、ウエスタンの555、551、549、TAシリーズの他にジェンセンのMシリーズ、
有名どころ以外だとジェンセンのD5は「かなり蓄音機的」です。そして、意外なことに、最近作られた
GIP-4189を鉄の後面解放箱に入れ、鉄のショートホーンをつけると、蓄音機とはちょっと違う意味で
ほろ酔いをもよおしそうな音を出してくれます。HMVの大型蓄音機が高貴な音を出すのは、
金属ホーンに負うところが大きいのではないでしょうか。

サウンドボックスの実験も『蓄音機の時代』の著者、加藤なにがし氏がソーン針専用のサウンドボックス
とかいろいろ作られているみたいです。

SPの電気再生となると、どうしても長々と書いてしまいます。すみません。
254ものきち:2013/01/15(火) 23:15:38.87 ID:Ql3Whu5x
それから、励磁スピーカーのフィールド電源は…
多くの人が「タンガー、タンガー」とタンガーバルブをもてはやしてますが、
そして、タンガーにはセレンにない「何か」がありますが、
亜鉛化銅を「いっぺん使ってみな!」と私は言いたいです。
これはセレンともタンガーとも別の世界です。
ああ、隔離病棟でよかったです(笑)
255名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/16(水) 01:10:26.52 ID:cVI/cYtu
トランス結合と210っていうと、Brunswickのパナトロープ(電気のやつ)か初期の
エレクトローラを思い出します。171Aのやつもありましたっけね。
RCAのRE-45が売りに出てたことがありますが、アンプ部は典型的な古式の45ppアンプで、
もちろん買う気はなかったのですが、あれを維持するのは大変でしょうね。だいいち
トランスが切れたらどうしようもない、、他はともかく。
アンプはやっぱりトランス主体が肝要なのですかね。それと直熱管。
死蔵してるGEの45はありますが、なかなか手が回りません。
浅野氏の本に載ってるUTCの段間トランスはわかります。何よりも、あの当時まで
カタログにあったというのが一番の驚きです。
アンプではないのですが、数年前かな、英国のラジオ用のナス型電池管を使って
ラジオを作りました。段間トランスがいるので現行品の安価な1:3ものを
使いましたがいい感じでした。あ、あれを再利用する手もありますな(笑)
256ものきち:2013/01/16(水) 03:46:36.57 ID:W+SOWhDz
面白いことに210の音は誰も好まない… 情報量が少ないとか、高音がカンカン鳴るとか… でも、それはシングルで比較的新しいスピーカーと組み合わせるからで、
プッシュプルで古い励磁スピーカー鳴らすと、音の重心が下がり、音色的には
EMGとクレデンザの間を狙えそうな、良い意味での「古い音」が出て来ます。
でも、そんなことを考えた人は少ないみたいで、昔はナス球1本6,000円ぐらいでした。
ところが今は30,000円ぐらいかそれ以上だし、eBayでも掘り出し物はなかなか
出て来ない。STの10だって、801Aだって、高くなって来ている。
一体、誰が何のために買って、値段をつり上げてるんでしょうかね?
ステレオで使うのなら、中国製の300Bとか2A3でいいのに… なんなら、KT-88
でもEL34でもいいのに… ステレオ派は「ノイズのリアリティ」なんて気にしないんだから…

トランスは、切れたらほぼ終わりですが、こまめに探せば代替え品はないこともない
ですよ。ウエスタンやUTCは出尽くした感がありますが、注目度の低いACMEとか
無名ブランドは、数千円で手に入らないこともないですよ。
ばざーらとかで売っている現代のトランスだって、そんなに悪い物じゃないし。
TANGOのU-608とUTCのS14、ブラインドテストで聞き分けられる人なんてほとんど
いないんじゃないでしょうか? 確かに、トランスで音が劇的に変わることもありますが、
電源回路にPCB入りの高耐圧オイルコン使うか・使わないか、ここぞという場所で
古い巻線抵抗使うか・20円のカーボン抵抗で我慢するか、カップリングコンデンサー
をどうするか、そちらの方が確実に音の違いになって現れて来るように思われる
のですが…
257ものきち:2013/01/16(水) 04:03:46.53 ID:W+SOWhDz
今夜はCDライントランスの実験してみました。
誰かがウエスタンのライントランスをダブルでつなぐとCDがアナログになる!
なんて書き込みしてたので、77Aというトランスをダブルでつないでみました。
それで音が良くなるのなら、ダブルでなくトリプルでやってやろうと思っていたのですが、
結果は:決して真似をしてはいけません。時間のムダでした。迷信でした。
しかし… 解像度が増した感じになり、声や独奏楽器の輪郭が浮き立ちます。
確かにその部分だけなら、確かに、音質向上!ということになります。
でも、高音が非常にきれいに、見事に落ちます。フィルターでカットしたみたいに
不自然な感じが全くありません。
高音がカンカンうるさい復刻CDにはもしかしたら有効かも…
258名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/04(月) 00:28:25.70 ID:UTiChI1w
hosyu この二人生きてるか心配だ
259名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/04(月) 23:39:44.82 ID:36GEnoVH
生きてますよw

銀座の例の店のCDでヌヴーのやつの解説書を見てみたんだが、希代の名機での
再生を収録してる写真があった。正面に2本と後ろ壁面近くに2本の4本のようだ。
現物の音は聞いたことがないのだが、こんなぼけぼけのわけはないだろうな、、
まさに
http://livedoor.blogimg.jp/netagazou_okiba/imgs/e/e/eeda4992.jpg

NHKのFMの蓄音機番組のほうがはるかによく録れてると思う。
マイクは3本だったかな。再生の欠点すらわかるので明らかに優秀な収録だね。
260名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/05(火) 09:01:36.94 ID:aTAuu5Hk
フルベン、RIAS箱のフォルトナーVN協奏曲の生々しさに吹っ飛びました。
曲は???ですが
261名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/07(木) 21:51:41.40 ID:xlX/GZ2D
むう
262まにぞう:2013/02/07(木) 21:59:43.18 ID:xlX/GZ2D
蓄音機再生で良い復刻CDは聴いたことないっすね。

自分も電気再生やってます。
カートリッジ等、多少試しました。

当初は何kHzからハイカットしようとか、気にしていましたが、
今はテクニカのカートリッジでノイズは垂れ流しです。
263名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/07(木) 23:51:17.92 ID:tWikkj8W
ウエスタンの4Aピックアップ最高!
蓄音機再生の復刻CD、銀座の例のお店のヤツ最悪!
某お店のじゃないけど、ティボーのパテ版の復刻、EMGのラッパの小さいので再生復刻、やはりダメ。
スェーデンのなんとかから出てるアンリ・マルトーのもダメ。せっかくのマッジーニの楽器が、
中国製のバロックヴァイオリンみたいに聞こえる! 一体、どんな神経とセンスであんなCD出して
るんだろうか…
264名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/07(木) 23:58:20.46 ID:tWikkj8W
ついでにボン献社という会社から出てたヴァイオリンの復刻セットと声楽のセット、ギネスブックに
ぜひとも載せてもらえないだろうか。ノイズレスとか言って騒いでたけど、ブールメスターのアマティ
が… 可哀想に、銭湯で口笛を吹いてる様に聞こえる。誰もヴァイオリンの音とさえ思わない。
楽譜と照らし合わせて聴いてみるとよく分かるけど、雑音だけじゃなくて、演奏の熱気だけでもなくて、
な、なんと音符が消えてるんですよ! こんなので何万円も取るってアリな訳でしょうかね?
265名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 00:02:19.47 ID:ToEgJNig
例えばトランプのゲームソフトでスペードのクイーンが2枚出て来たら間違いなくクレームもの。
でも、10万円する翻訳ソフトは翻訳がデタラメでもフレームつかない。
SP復刻CDもやはりこの口で、奏者が入れ替わっている様に聞こえようが、楽器がヴァイオリンでなく
クラリネットみたいに聞こえようが、音符がごっそり落ちていても、クレームはつかない。
世の中には全くいい商売があるもんだと、いつも感心しております。
266名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 00:13:46.77 ID:ToEgJNig
ドレレとかいう会社から出てる一連のウィリアム・プリムローズのヴィオラのSP復刻CDもかなりひどい。
プリムローズの楽器は1600頃製作の2代目アマティ(アントニオ&ジロラモ・アマティ)の楽器なん
ですぞ。どんなヘボエンジニアが録音したとしても、ライオネル・ターティスの新作楽器とは違って
聞こえるはずなんだけど、雑音と一緒に二代目アマティらしさも消えている。
そんなに雑音がイヤだったら、こんな音源聴くな!と言いたい。
ニコチン抜きのタバコ、カフェイン抜きのコーヒー、ノンアルコールビール、ヘアなしの○○こ。
そんなものをたしなみたい人は、SPレコードや復刻CDを聴くべからず! 去勢文化によって
本物の文化が破壊されて行くのを見るのは嘆かわしい…
267名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 00:23:57.78 ID:CJm+hkoA
>>263
ウチにティボーやコルトーやリパッティのSパテ盤LP(復刻)あるけど、
プレーヤーは古いふつうの大量生産品ですけど、普通にいい音で鳴ってます。
CD盤は持ってなかったけど、音が駄目なんですね。
268名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 01:53:19.28 ID:nBEpjmGR
蓄音機収録は、どうしてこんなにもうまくいってないのが多いのかw
もう伝説の名機はいらないから、HMVかVictorの卓上型のでいいから、
あれを普通のカラオケ用のマイク一本で一切細工なしで録ったほうが
ましな気がする。

電気的に再生してCDにしたやつも、ノイズをとろうとしたんだかも
しれないが、とてつもないモガモガというか隣の部屋でラジオで
聞いててもこれほどひどくはなかろうというようなのがあるなー。
よっくと聞いてみると、単純に周波数特性をいじってるんじゃなくて、
技術の進歩かもしれないが、もっと巧妙なノイズリダクションを
やってるのもある。あれは最悪っす。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 02:11:18.51 ID:ToEgJNig
267さん、
CD盤(2枚組)はすごくダメではないですが、かなりダメです。雑音の処理はしてないし、変な
エフェクトはかけてないのですが、EMGの蓄音機でレコードを再生し、音を拾ってます。
つまり「きちんと」復刻されているのですが、残念なことに、このEMGの蓄音機は恐らくラッパの
小さいモデルです。それに加え、たぶん、マイクがかなりOFF。なので、演奏はか細い音で
チリチリ、カンカン、ポションポションいっており、普通のコーン型スピーカーでメロディライン
を聴き取ろうとするとかなり疲れます。
WE10Dの様なマグネチックスピーカーで聴くと、コーン型よりは幾分マシですが、長時間の試聴は
疲れます。LP復刻盤が「普通にいい」とするとセンスの良いエンジニアが盤起こししたのだと
思います。

ちなみに、先月、新さんのDSDでティボーのパテ縦振動盤の一部が出ました。まだ聴いてませんが、
ちょっと期待してます。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 02:33:45.27 ID:ToEgJNig
268さん、
確かに卓上型でも感動的な音出てますもんね。それをONマイクできちんと拾えば…
私もそう考えるのですが、エンジニアの価値観がそういうのとは違うのでしょうね。
池田圭氏の『音の夕映え』にうまく書かれているのですが:
理想としてのSPの音=奏者を自分の部屋に招いて、そこで演奏してもらう音
理想としてのLP(CD)の音=自分の部屋をコンサートホールに変えようとしている
要するに「間接音をたくさん聴きたい!」という価値観です。それに対し:
病棟に隔離中の私などは「直接音をたくさん聴きたい!」ので、
そんなエンジニアとは話がかみ合わない訳です。
間接音が元々ほとんど入っていないSP音源に間接音を付け足したら…
そりゃ、ひどいことになりますよ!
私は「もっと直接音を!」と毎日叫んでいるのに、ヤツらは直接音を犠牲にしてまでも
「もっと間接音を!」と叫んで、それを実行しているのですから…
271名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 03:11:46.12 ID:nBEpjmGR
>>270
卓上型はストレートか一回折り返しのホーンなので、かえって直接響く感じが
あって、あなどれないものですね。HMV 130やVic. 1-90の愛好者が多いのも
うなづけます。
SPの音はその通りで、そこにいるような生々しさだと思います。
ただ、それをどう再生するかということで、いろいろと、、、(´・ω・`)

一つ思い出したのは、ブランズウィックのパナトロープ(機械式のほうです)を
聞いたことがありますが、あれでちゃんとバイオリンの再生を収録できたらと
思います。独特のカチッとして緻密でクリアーな響きでいいですね。
あれは内蔵の木製のストレートホーンだったと思います。
誰かうまくCDを作ってほしいです。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 03:23:00.37 ID:nBEpjmGR
あ、そうそう、パナトロープとはこんなやつです。
http://www.riaj.or.jp/museum/2007/0708.html
他にももっと大型のものもあります。
特異な構造で優れたものです。

製造のブランズウィック社はレコード関係は完全にやめて、現在は本業の
娯楽機器製造になってます。たとえば、ボーリングの機械はたいてい
この会社ですw
273名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 10:55:25.58 ID:rSvPHAao
>>270
SPに記録されてるままで、LPなりCDに変換して欲しいですね。
技術者に安易に変えられては困ります。
ちょっと前のニュースですが、ヨーロッパの古いキリストの絵画を
素人のおばさんが猿の顔のように修復してしまったのを思い出しました。
古い音源などは、LPでさえ初期盤と再再再プレスではまったく音が違いますし。
リパッティなどは、LPを球アンプで普通に再生しても生々しい音で聴くことが出来ます。
蓄音機の音は癖があるので、どうなんでしょう。
274名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 11:19:12.71 ID:C+GUzhZ0
ブランズウィックは聴いたことないですが、いかにもという感じですよね。
三玄社の『世界の蓄音機』時々ながめてます。ヨダレが出そうになるヤツもあります。
蓄音機で出した音をマイクで拾うというやり方は大手は失敗してますが、個人的には成功してる
例をいくつか知ってます。
西神田のu屋さん、緑戸じゃなくクリストファーNさんが個人的に作っているCDは
ブランズウィックじゃなくクレデンザですが、その道のツウは皆「完璧にうまく行っている」
と言ってます。つまりSPレコードの良さを知り抜いた人がやれば、あまり問題なしに、きちんと
復刻出来る訳です。
要は、SPレコードの音をLPやCDみたいにしたい人が多過ぎるのが問題です。なので、せっかく
立派なプロ用機器を使っていても、余計なことばかりして、音を歪めてしまうのです。
もちろん、最終的に電気再生では卓上型蓄音機の強烈な音は出せないですが、きちんとやれば、
満足度の高い復刻CDは十分可能です。なので、大手レーベルのエンジニアの人たちにも
意識改革をしてもらいたいといつも思ってます…
私の様な若輩者が言うのも何ですが:
「SPレコードの音を知らない人が復刻すべきではない!」
のじゃないでしょうかね。
275名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 11:38:31.16 ID:C+GUzhZ0
昔出てたEMIジャパンの『ジャック・ティボーの芸術』。小品集の復刻は池田圭氏がクレデンザで
再生した音を個人的にテープどりしたものです。状態の良いクレデンザじゃないのか、
サウンドボックスがオリジナルじゃないのか、ソーン針を使ってる?せいなのか、それとも
EMIが何かしているのか、わからないのですが、あまりパッとしない音です。
しかし、余計なことはしてないので、たとえ物足りないとしても「気持悪い」なんてことは全然
ないですよ。

>蓄音機の音は癖があるので、どうなんでしょう。
クレデンザの音はHMVやEMGと較べて「おとなしめ」で、電気再生音に近いのかなと個人的には
思うのですが、ポータブルは逆に原音をより強烈に「デフォルメしている」という印象を
もっております。この認識が正しいかどうかわかりませんが、もし正しいなら、ベル研究所の
ハリソン博士が設計したクレデンザやウエスタン12Aや15Aなどのホーンが「中庸」というか
「一つの基準」になるのではないでしょうか?
276名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 11:46:59.66 ID:C+GUzhZ0
あと、問題になるのは復刻CDをかけるCDプレーヤーです。
EMT981、Studer A730、フィリップスLHH-2000などが一番良いと思ってます。
現代のハイエンドや量産品は「間接音を豊かに出す」ことを主眼としている様なので、
SPが本来もつエネルギーをロスさせてしまいます。
LHH-2000が欲しいのですが、あれって中古でも本当に高いですよね。
どこかのメーカーが「直接音をしっかり出す」という路線でもっと安いCDプレーヤー
つくってくれたらいいのに… でも、そういうのは儲からないからダメですよね。
277名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 12:04:10.44 ID:C+GUzhZ0
イギリスのSymposiumから"About A Hundred Years"というCDが出てて、
1877年のエジソンの『メリーさんの羊』から1930年代のトスカニーニの録音まで
録音の歴史を追った興味深いCDです。
ブラームス自身が弾くピアノとか、カルーソーの最初の録音とか、トルストイの肉声とか、
ベル研究所で行なわれたハイフェッツのテスト録音とか入ってます。
驚くべきは、どの録音も蓄音機で聴いている様なリアリティがあります。
エジソンのロウ管なんて、どんな方法で音取りしたのだろうか?と思います。
ハイフェッツも普通の復刻CDではパッとしませんが、このCDの録音は凄いです。
まさしく神業です。こっちら本物だろうなぁと思います。
そう、真面目に、もののわかったエンジニアがやれば「復刻と呼ぶにふさわしい復刻」は
十分可能な訳です。このCDはそのことをはっきりと証明しております。
278名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 12:30:50.18 ID:C+GUzhZ0
オーディオ嫌いの人は言います:
「どんなにお金をかけても原音にはならないよ。だから、そんなお金を機械に使うより
コンサートに行って『ナマの音』を聴いたほうがよっぽどいいよ!」
クラシックファンならまだしも、こんなことを言う人のほとんどはPOPS系で、
彼らが言う「ナマの音」とはJBLやエレクトロボイスのPAスピーカーから出て来る音
のことなのです。それを「ナマの音」と勘違いしたり、思い込むのはおめでたい限りです。
クラシック系で、プロの奏者が楽器から直接出す「ナマの音」は確かになかなか良いですが、
私が聴きたいのはヒラリー・ハーンじゃなくて、例えばジネット・ヌヴーです。
なので「コンサートに行ってナマの音を」なんて最初から無茶なので、SPレコードや
復刻CDに頼る訳です。出来る限り、当時記録されたままの形で生々しく聴きたいです。
私が思うに、ヒラリー・ハーンやAKBを知らなくても何の支障もないです。
でも、イザイやティボー、コルトーやリスレール、メルバやシャリアピンを一生に一度も
聴かなければ、一生涯の損というものです。(直木賞受賞作品は読んだけどドストエフスキーは読んでないというのに似てます。)
だから、装置にお金をかけ、復刻CDも買いますが、それがインチキだと頭に来ます。
279名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 12:49:26.48 ID:rSvPHAao
復刻CDは選択肢もほとんどないのがよく解りました。
中古LPのほうがマシなような気がします。
アームやカートリッジなどでセッティングを調整できるのも利点でしょう。

SPをそれなりのオーディオ装置で聴いたことがありますが、
スクラッチノイズはありましたが、独特な音の厚みがあって、
LPに劣らないHi-Fiな音がしました。
280名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 19:13:23.91 ID:ZrYZESxd
>>278
よくぞ言った!
281まにぞう:2013/02/08(金) 21:14:05.01 ID:gpXb1rp6
復刻CDなんて買わんぞ。
自分でSP再生すればええんや。

安いカートリッジでもそこそこ再生できるし。
我が家の電気再生状況。

http://www1.axfc.net/uploader/so/2785415.zip

パス:sp
282名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 22:20:48.50 ID:nBEpjmGR
>>278
そうなんですよね。
なんでSP音源なんぞ聞いてるかというと、中身の演奏を聴きたいからなんですよね。
それでもって、電気的にしろ蓄音機にしろ自分なりにいい方法がないかと
あれこれ余計なことwwを延々やってるということになっちゃう。
だからこそ、余計なことをしてる復刻CDを聞くと、こんなんなら何もしなければいい
のにと思っちゃうんだよなあ、、、
283名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/08(金) 23:33:33.44 ID:nBEpjmGR
>>275
クレデンザを含め他のOrthophonic Victrola機はやわらかいというか甘い音色ですよね。
逆にそれが好みじゃない人もいるようです。
5aサウンドボックスのHMV機はクリアーな音色でしょうかね。
一つの基準となる音と思い、私はこれにしました。
結局は好みの問題なのでしょうが、蓄音機再生はじゅうぶんに説得力もありSP再生方法に
対する一つの解答を提示するものと思っています。
いろいろと再生がむずかしい機械録音のレコードもけっこう鳴ってくれるので安心です。
問題は常人ではフロア型のは一台買うのがせいいっぱいなので、何を所有するかですね。
以前にBrunswickとHMVどっちにするか迷ったのですが、結局HMVにしました。
だいいち、あのとき候補だったBrunswickは高かったんですもの、、、(´・ω・`)

ポータブルはおそらく野外での使用も考えているので、何よりも明瞭に聞こえる事を
主眼に置いてるのでしょう。時々例のDeccaのどんぶり鉢型のリフレクターホーンの
ポータブルを使ってますが、あれは楽しいですね。
花見に持っていったらいいかなと思いますが、不審者になりそうなのでやめときます(^^)
284名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/09(土) 00:08:06.75 ID:6kyE6sxN
私も昔はSPレコードを電気再生してたのですが、電気再生といっても針圧が160gと
実質的には蓄音機と同じなので、レコードが減ってつらかったです。
それと針は1930年代のHMVを方々から手に入れてましたが、このぐらい古い針になると
使い捨てはもったいないとか思って、研ぎ直してました。レコードを聴きながら針を
研ぎ直し、研ぎ直してはレコードを聴きしてると、すごく気が散って、レコードを聴く
ために針を減らしているのか、針を減らすためにレコードをかけているのか、だんだん
とわからなくなって来たりします。当時(15年ぐらい前)はそういうヴィンテージ針か
中国製の安物しかなく、中国製の安物だと安っぽい音になりました。
今は日本製の良質の針が買えるので、こんなバカな経験はしなくて済みますが、
それにしても、レコードが白い粉を吹いているのを見るのは辛くありませんか?
それさえなければ、金銭的に無理をしてでもHMVの202ぐらい置きたいですけど…
それと田舎に住んでますので、神保町のFレコードで実物を手に取って、状態を
確かめたり、試聴したりして買うことが出来ません。それでだんだんとCDの比率が
高くなって行って、ついにはCD専門になってしまいました(涙)
私は新さんのDSDの回し者ではありませんが「何もしてない」素直な復刻とは、まさに
これのことです。今日、ティボーの1905年フォのティピア&1916年パテ録音のCD-Rが
届いたので聴きましたが、涙が出て来るぐらいのすばらしい出来でした。みなさんも
ぜひお試しください。1500円です。もしも試してみてダメということになれば、私が買い
取っていいでぐらいです。この病棟の理解ある方々だと絶対に「すばらしい復刻だ」と
判断されると思います。
それと英Biddulph社の「フバイとカール・フレッシュ」も届いたので、聴いてみましたが、
こちらも「大当たり」でした。こういう超珍品の音源でもCDだと割と気楽に購入出来る
のが、電気再生の大きなメリットだと思ってます。
(5枚中3〜4枚は「外れ」で、ほとんどゴミ箱に直行ですが…)
285名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/09(土) 00:41:57.10 ID:6kyE6sxN
でも、復刻CDがハズレの時は、やはり悲しいし、腹立たしいです。
わざわざ運賃と日数をかけて海外から取り寄せているのだし、
中身をちゃんと聴きたいからこそ買ったのですから…
そういう時、CDを出している会社の社長宛に送り返してやろうかと思ったりもします:

「社長様、貴社の復刻CDはSPの音でもCDの音でもなく、私の理解をはるかに越えて
おります。それで、貴社の名前は、はるか昔から私のブラックリストのトップに載せて
おり、買わない様に気をつけているのですが、タイトルがあまりに魅力的だと
みつけた勢いでレーベルを確認せずに買ってしまったりします。
これはひとえに私のミスですが、ゴミ箱に放り込んでも他のゴミに対して失礼なので、
ここに同封し、返品させていただきます。
貴社の場合、ごういうゴミ以下のCDを販売し生活の生業にされていることをちゃんと
理解しております。しかし、私自身はそこまで腐っておりませんので、
貴社に諸経費を請求したりしません。どうかご安心してお納めくださいませ」

なんて手紙をつけて…
286名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/09(土) 01:20:40.71 ID:6kyE6sxN
ウエスタン100F礼賛:
ゴミ箱行きになるCD3〜4枚中2枚ぐらいは、実は、ウエスタン100Fが救ってくれます。
昔は高かった(15万とか)ですが、今はヤフオクで2〜5万、eBayだと1万円以下です。
ほとんどエミ減の出力管もしくは整流管がついているので、タマの交換は必要ですが、
これらのラジオ球はeBayで買うと1本400〜800円です(日本だと2500円が相場)。
この装置はソースのアラ出しをしません。なので、ほとんどのボツCDが気持ちよく
聴けます。いろいろな掲示板でウエスタンはたたかれ、100Fは「電話の音だよ!」なんて
書かれてますが、そんなことを言う人は100Fの本当の音を知らないのです。
100Fの真空管のヒーターはすべて直列で、電源トランスレスの設計になっております。
で、これを100VACにつなぐと、音はどちらかと言うと「しょぼい」です。
その場合は「電話の音」と言われても仕方ないかもしれません。
しかし、これを110〜115VACにつなぐ(そういう設計です!)と息を吹き返したみたいに
俄然元気になります。こうして元気にさせておいて、スピーカーの前にショートホーンを
つけると… 実はまだやってないのですが、100Fの上位にある20cmのTA-4189という
スピーカーだとかなり効果があります。ちょっと大げさですが、そのショートホーンを
金属(銅とか)で作るとHMV系、木で作るとクレデンザ系になるのではないでしょうか。
(4189では確認済み)
287名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/09(土) 01:26:39.06 ID:gaH2tZxO
>>284
確かに聞くほどにレコードが減っていきますね。
針は良くソーン針(賛否あるようですが)を使っていたのですが、
あれの新しいものがなくなったのはつらい。あれは妥協点として
いいチョイスだったと思うのですがね、、、
SPはもちろん限られた数しか入手できないのですし、現在でも
再プレスされてるのは塩ビの盤なので機械再生はできないですね。

そこでやっぱりCDに大いに期待することになるのですが、外れもありでね。
米国のカリフォルニア大のシリンダーライブラリや、議会図書館の
National Jukeboxは、気軽にきけて楽しいです。
あ、収録風景ありました。
http://www.loc.gov/jukebox/about/making-the-jukebox
あくまでアメリカの録音という趣旨なので制限はありますが、
けっこういろいろあります。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/09(土) 01:49:35.18 ID:6kyE6sxN
ウエスタン549と551礼賛:
ウエスタンは555が有名ですが、その先祖に当たる549と551だって、なかなかの強者です。
マグネチックだからといって、バカにしたものではないです。
5年ぐらい前までは日本で8万、eBayで2〜4万円でみかけたものですが、今はなぜか
どこにも売っているのを見ません。これに3Aという金属ホーンをつけるとかなり「蓄音機的」。
6Aというファブリック(固めた紙)のホーンをつけると音はおだやかな方向になります。
11Aホーンという全長180cmのホーンをつけると、見た目はEMGのXBそっくりです!
能率はマグネチックとはいえ、105dB/W/mぐらいはあるようです。
(磁力が落ちている個体は要修理です。)
低音は出ませんが、ヴァイオリンと人間の声はすばらしいです。情報量と繊細さではさすがに
555にかないませんが、初期のラッパ吹き込みなどを聴く場合は最高です。
549、551ともに音は555よりも太いぐらいです。また、高音も5000〜6000Hzぐらいから
落ちてますのでCD特有の「キツイ高音」は全くと言っていいほど出ません。
6Aも11Aも完全なストレートホーンですから、音は聞き手に向かって突進して来ます。
その感じもEMGに似てなくはないですが、音そのものは、より穏やかです。
なので、EMG的な音は疲れている時には聴きたくという方には、549/555+6A/11Aの
組み合わせは安らぎを与えてくれます。
「549/551はまっすぐなホーンならいいけど、曲がったホーンはダメ」と先輩たちは
言ってましたが、私は敢えて22Aホーンのレプリカにつけてみたことがあります。
結果は、音がこちらにやって来なくなります。これがマグネチックの限界というもの
かもしれません。ところが、もっとデッカいホーン(12Aとか15A)につけると、
ちゃんと音はこちらにやって来ます。問題はどうもホーンの長さではなく、ホーンの
曲がり具合にあるようです(大型ホーンより22Aホーンの方が曲がりが急)。
549をクレデンザのホーン(レプリカ)につけてみたこともあります。これは曲がりが
急なので、やはり音はこちらに飛んで来ません。寂しい音になります。
289名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/09(土) 01:50:09.38 ID:gaH2tZxO
>>286
100Fっていうと、箱入りのトランスレスのペントードシングルと思いますが、
あれはNFBはかかってるんでしょうか?
というのも、以前に6SQ7-6F6っていう5球スーパーラジオの低周波増幅に
入力して聞いてたことがあるんで。
290名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/09(土) 11:10:40.49 ID:y3SPxjJw
このスレの住人は蓄音機の音が好きなんですね。
古い音源を聴くならコストパフォーマンスでLPだと思います。
CDはパフォーマンスが最悪みたいなので。
291名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/09(土) 11:13:55.62 ID:6kyE6sxN
NFBかかってないですよ。
100Fに限らず、RCAのラジオラやその他のラジオ(5球スーパーでもスーパーヘテロダインでも)
低周波増幅回路に入力した場合、みんな似た音が出ます。「レトロ」っぽい音が欲しければ、
ベークライトボディのラジオが一番かと思います。「ナショナル」のヤツでもトランジスターの
ラジオよりはずっと良い音がしてます。そういうのをたくさん集めている人をよく見かけますが、
気持ちわかります。変に凝った装置よりバランスが取れてる場合が多いですから。
292名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/09(土) 11:29:29.85 ID:6kyE6sxN
確かにLPの音は好ましいですが、問題が2つあります:
1. 欲しい音源がLPで出ていない
2. 針圧100数十グラムの音に慣れてしまうと、針圧1〜5グラムの音は重厚さ、安定度、
深さ、迫力、輝き、リアリティが欠如して聞こえてしまう。
普通のオーディオファンから見ると病気に見えるかもしれませんが、治らないのです(涙)
293名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/09(土) 21:32:07.41 ID:6kyE6sxN
アルテック603B礼賛:
褒められることが少ないスピーカーなので、褒めます。
603シリーズは604や602シリーズとは別物です。顔は同軸2ウェイですが、
フルレンジでアルミのセンタードーム付き。センタードームに604に似た小型ホーンが
付いてます。昔は1本4〜8万円で時々見かけましたが、今は全く見かけません。
恐らくおさまるべきところにおさまってしまったのでしょう。
音も604や602シリーズとは全く別です。ハイファイでなく、昔風です。
後面解放箱に入れると、低音が出て来ますが、裸で鳴らすと、古い励磁型スピーカー風
の鳴り方をします。ウエスタンのTA-4151AやジェンセンのMタイプに似てないことも
ないです。SP音源にすごく合います。1940〜50年の録音がベストマッチでしょうが、
ラッパ吹き込みもかなり行けます。1904年頃のスーザバンドをたくましく鳴らして
くれる希有のスピーカーです。
SP音源に向いたスピーカーのポイントは「ノイズの聞こえ方」にあると思います。
古いスピーカーであれ、新しいスピーカであれ、性能さえよければ、そして、
音源にノイズが入っていれば、当然のこととして、ノイズが出て来ます。
問題はノイズが出るか・出ないかでなく「どんな出方をするか」だと思います。
新しいスピーカーでSP音源を聴くと、楽音とノイズが同等に出て来るか、
もしくは、ノイズの方が目立つ様な鳴り方です(楽音よりノイズを聴いている感じ。)
古い励磁型とかホーンだと、楽音とノイズはきれいに分離され、楽音が前に出、
ノイズはバックグランドにとどまっている感じです。
1940年代に作られたAltec 604Aでも、私は上記の「新しいスピーカー」に分類
します。Axiom-80みたいなスピーカーも同様です。これらはLPレコードを聴くには
最適かもしれませんが、SPには合わないです。それに対し603Bは、製作年代が
そんな昔でないにもかかわらず、SP音源を気持ちよく聴かせてくれる希有の存在
と言えるでしょう。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 01:09:56.29 ID:WForEbcZ
>>291
今のスピーカーで帰還無しのペントードをならしてみると良い結果は得られないので、
100Fあるいは昔のラジオは、球とスピーカーとキャビネットとで総合的な音づくりを
してるのでしょうね。
その頃のラジオはPU端子ってのがついてて、そこにクリスタルピックアップの
プレーヤーをつないで簡易電蓄にするというのがありましたなあ。
昔の記憶ですが、LP-SPと引っくり返す形式のピックアップで聞くSPは
元気な音がした印象があります。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 05:26:23.53 ID:VgQysc/D
2chで長文書く奴は精神異常
296名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 05:52:46.03 ID:YChcL+RZ
長文は読む気失せる、いいかげん気がついてほしい
297名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 20:07:28.88 ID:MQkL6ok5
長文全然苦にならない。
有益な情報が得られてるもっと長文にしてくれ!
ぱっと見て大体を掴めるのが日本語のいいとこだ。
ゆとり世代は速読の訓練をしたほうがいい。
文字拡大が簡単なブラウザを使えば楽になるよ。
ピエゾ系カートの音はyoutubeにたくさん挙げられて
参考になる。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 22:49:15.92 ID:WForEbcZ
クリスタルピックアップは生きてるのがあればいいなとは思いますが、
昔のやつは湿気でもうだめでしょうね。
資料によれば、ピックアップ自体の特性による低域のターンオーバーを
活かすには負荷を1MΩ以上くらいにしないといけない。ものによっては
負荷が500kΩくらいで特性がだんだん平たんになってしまう。
またSPでは高域が落ち過ぎる場合があるので、トーンコントロールで
補正したほうがいいとあります。
もっとも、数十kΩの負荷にしてしまうと平たんな特性になるので、
そうしてから普通のイコライザを通してもいいとのこと。
299名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 23:04:00.70 ID:nXJvAtI8
これは私のスレではありませんが「隔離病棟」なので好きな様にやらせてもらてます。
ほとんど独り言のつもりですが、読んでくださる方、ありがとうございます。
私は若い頃からオーディオ気違いで、学生の分際で高い装置を手に入れ、
得意になっておりましたが、ある時、気づいてしまいました:
「聴いていて涙が出て来ないようなオーディオ装置はオーディオ装置じゃない」
ラジカセやウォークマンでは泣けたのに、JBLのモニターでは泣けない…
高い装置を買ったのは「自分が感動するため」と思い込んでいたけど、本当は
「他人を驚かすため」とか「自慢するため」だった…
みんな、それに似た経験はないですか? もしそうだとすると、どこか間違っている。
次に:
「聴いていて涙も出ないし、幸せな気持ちにもなれない演奏は、演奏じゃない」
長く生きていると、そんなことにも気づかされてしまいます。
300名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 23:05:07.63 ID:nXJvAtI8
感動的な演奏(本物の演奏)は1900〜40年代にはそれこそゴロゴロしているのに、
現代はほとんどない。ああ「クラシック音楽は死んだ」…
不幸にしてそんな結論に達すると、もう「SPレコードしかない!」となってしまう。
ところが、現代の世の中、主流はCDもしくはLPであり、
「SPレコードの音」というのは、半分以上忘れ去られている。
なので、LP/CDで育った人がSPを聴くと「古くさい」「演奏が変」「雑音だらけ」
なんて感想をもってしまう。だから、どこかの誰かが
「有名なクライスラーを復刻してみよう」と思っても、自分の血になっているLP/CDの
音に似せようとしてしまう。そして、そんな復刻は聴けたもんじゃないのです。

「なら、SPレコードを直接、蓄音機で聴けばいいじゃないですか」と言われる。
もちろんそうだけど、HMV202や203クラスの機械を持っている人、
カザルスを聴いて涙する人は、みんな「自分さえよければいい」と思っておらず
「この魅力を多くの人にわかって欲しい」とか
「これを何とか後世にも伝えたい」と思ってしまうのです。
ところが上質の蓄音機も、状態の良いSPレコードも
大多数には行き渡らないのです。
301名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 23:06:21.98 ID:nXJvAtI8
「CDなんてダメだよ」
私だってそう言いたいです。でも、どれだけ抵抗してみても、今はそれしかない
じゃないですか。「CDはダメ」と言う人はたくさんいますが、どこかどうダメで、
どこを改良すべきか具体的に話す人は少ないです。
CDがいかに具体的にダメでも「全く救いがない」ほどじゃないでしょ。
すり切れかかった、状態の悪いSPレコードで聴くより、状態の良いSPレコードから
見事に復刻されたCDの方が楽しめるってことは、ないことないでしょう?
302名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 23:07:34.17 ID:nXJvAtI8
SPレコードは感動を与えてくれる。
ウエスタンの装置も40ドルのベークライト製ラジオもちゃんと感動を与えてくれる。
直熱三極管も傍熱管も、フェランティのトランスもタンゴのトランスも、
エネスコもエルマンも、コルトーもロンも、マレシャルもフォイアーマンも、
程度の大小はあっても、みんなみんな感動を与えてくれる。
その感動を一番邪魔しているのは、間違ったコンセプトの復刻CDとCDプレーヤー
ではないでしょうか?

まあ、私ごときが何と言ってみても、世の中の価値観はそれこそ多様ですから、
「カザルスよりヨーヨーマの方が良い!」とか
「ヒラリー・ハーンの方がクライスラーより良い!」とか
そういう方はたくさんおられるでしょう。
その様な方のためのスレッドはそれこそ何千、何万と、
それこそイヤになるほどあるのですから、
わざわざ「モノーラル隔離病棟」に来られて、貴重な時間を浪費される必要はないと
思うのですが…
303名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 23:23:16.48 ID:QYPi1MEs
昨日もカザルスの無伴奏(エンジェル日本盤)を聴いたけど、良かった。
蓄音機じゃなくても感動できた。
>>ID:nXJvAtI8氏は、JBLから蓄音機に興味が変わっただけの根っからのオーオタなのでは。
一般的にあまり装置にこだわると肝心の音楽を聴かなくなる場合が多いし。

と、ここはプラス思考で自分の得たオタクなオーディオの知識をホームページにまとめて見てはどう?
他のオタクが助かるかもしれないし。
304名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/10(日) 23:51:02.13 ID:nXJvAtI8
303さん、
確かに!
でも、JBLと蓄音機、いろんな所で聴かせてもらいますが、自分で所有したことは
一度もないです。1925年製の電気再生装置を愛用する根っからの電気派です。
カザルスの無伴奏は凄いですが『喜びと悲しみ』という(他人に筆記させた)自伝も
凄いですよ! ティボーの『ヴァイオリンは語る』やエネスコの『回想録』とは
次元が違います。
305名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/11(月) 00:11:33.43 ID:saOFxyPL
カザルスはケネディ大統領の前での演奏がありますね。鳥の歌は感動的でした。

自分は、リパッティとカンテルリが若くして無くなってしまったのが悔やまれます。
あの才能が70才まで生きたなら、レコードを聴く楽しみも今より多かったに違いありません。
リパッティはパテ・リファレンス盤で持ってますが、ハッキリした録音で音が良いですね。
古い音源は録音が良くない物も多いので、再生に苦労します。カンテルリ指揮のコシ・ファンが録音が最悪で残念です。
306名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/11(月) 00:40:52.05 ID:TM+DvYNH
前にも少し書いたと思いますが、大事なことなのでwもっと詳しく長文ですまん。
感涙すべきレコードといまいちな復刻盤の話。

今年が生誕200年のワーグナーですが、あるワーグナーに関連した永遠に失われた
「音」があります。ワーグナーは彼の作品のパルジファルをバイロイトで初演するに
あたり、聖杯守護のモンサルヴァート城の鐘の音を出すために特別な鐘(というか
巨大な金属質のドラム)を作成しました。当初は銅鑼を使おうと思ったがやめたそ
うです。これはその後もパルジファルの上演で使用されたそうですが、第二次世界
大戦で失われ現在に残っておりません。このワーグナーのオリジナルの鐘は、
音のみがカール・ムック指揮のパルジファルの録音に残されております。
ムックは1927年と1928年にこのバルジファルを部分的にですが録音しています。
27年はバイロイトで、28年はベルリンですが、28年のは録音もすばらしく分量も
多く、失われた初演以来の鐘の音がきわめてクリアーに録音されています。
もちろん鐘の音だけでなく演奏も見事です。どこかにあった話ではこの録音のために
鐘をバイロイトからベルリンまで特別列車で運んだということです。
その音色は、極めて荘厳で重々しくかつメタリックでガキンとしたな響きをもった、
筆舌に尽くせない圧倒的なもので、通常考えるような教会の鐘のようなものではなく
壮絶な響きです。
わざわざワーグナー自身の指示で作らせたことからも、やはりどうしてもパルジファルの
ためにはこの「音」が必要だったのでしょう。
写真は残っていてこんなものですが、およそ鐘ではないですね。
http://www.monsalvat.no/drums.jpg
307名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/11(月) 00:41:35.85 ID:TM+DvYNH
原盤は第3幕ほぼ全録音のHMVの8枚組で、ずしっと重たい分量で聞くのも大変な
しろものです。そこでいい復刻があればいいなと思うのですが、これがなかなか、、ね。
ワーグナーが考えた末にわざわざ上演のために作成し、またムックが自身の録音の
ためにベルリンまで運んで使った鐘ですし、生誕200年でもあり、これはぜひ見事な
復刻を作って欲しいと思います。
現在の上演ではいろいろと代用品で音を出しているそうです。私が実演を観た某所では
おそらく調律されたゴングかチューブラーベルのようなものをPAで拾ってる感じでした。
ほんやりしたボ〜〜〜ンという音でした。単なる効果音ではなく、音程を持っていますので
音楽の一部ですので重要なのに。
というわけで、もはやムックの録音にしか残っていないし、ワーグナー自身がどうしようと
考えていたのかが分かる録音なので、どこかにいいのをお願いしたいです。
あと、私が買ってがっかりした復刻版以降にいいのが出てたらごめんなさいです。
27年の録音はそもそもマイクから遠い感じなので、もともとうまく録音されて
いないと考えられます。こっちは原盤は未聴なので推測です。
308名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/12(火) 08:38:44.45 ID:dQCVQL0h
もしも昔の偉大な奏者が今生き返って、デジタルでステレオ録音したら…
私は大喜びで聴きます!
さらに言うなら、ワーグナーもショパンもパガニーニも録音を残してくれていたら…
もっともっと言うなら、バッハはどんな風にオルガンを弾いたのか?
そんなことをよく想像してしまいます。
もちろん、そんなことを想像したって、何も得られませんが、
そんなことを想像してしまう理由の一つは:
現代の演奏がつまらないから。
ああ、音楽性って何?
多くの人が「ヴァイオリンだけは古い方が良かった」なんて言うけど、
チェンバロだって、フルートだって、オーボエだって古い方がいい。
「ヴァイオリンだけが良い時代」なんて、あり得ない。
すべての楽器、作曲、演奏、聴衆の受容能力、生活環境、それから、人間の心…
すべてが同じ様によかったはず。
なかったのは、パソコンとジェット機とケータイと車と電車ぐらいのもの…
SP時代の演奏者は、バッハほど古くないにしろ、このことを彷彿させる。
「ヴァイオリンだけは古い方が…」なんて聴くと、
あの『猿の惑星』の「立ち入り禁止区域」を思い出す。
Iという某出版社でマルクスの作品が読めない様に翻訳されているのと同様、
SPレコードも、聴きたくなくなる様に「復刻」されているのではないだろうか?
なんてのは考え過ぎでしょうか?
309名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/13(水) 01:16:44.15 ID:Otld9dv9
ワーグナー自身の指揮というあやしい盤が昔リリースされたことが
ありますが(笑)、もちろんフェイクだったと記憶してます。
ヴェルディやワーグナーは19世紀末まで存命であったので、
ヴェルディと接点のあった歌手ではタマーニョやパッティ、
ワーグナーと接点のあった歌手ではリリー・レーマンやヴィンケルマン
と録音でさかのぼることは可能ですねえ。19Cからの歌唱を聞くのは
興味深いものです。
ただ、どれも原盤は高価で買う気もないですが、レーマンは戦前に
日本コロンビアから再プレス盤がかなりの量まとまって出ていて
入手しやすいです。
が、、、これは既に日本コロンビアの盤質が落ちた時代になっているし、
音も相当に悪い。新規に切り直したという話もありますが、
日本プレスも極めて古風な溝の刻み方になってるので、おそらく当時
入手したマザーが悪かったのではないかと思います。

19Cからの歌手でじゅうぶんに現役の迫力のある歌手なら、バティスティーニ
でしょう。朗々として迫力のある歌唱は”イタリアの栄光”という渾名に
恥じないものと思います。中でも、エルナーニからの曲をスカラ座の
オケと合唱団と録音しているものは、実演を彷佛させるような雰囲気です。
録音はもちろん機械録音ですが、不思議に古さを感じさせません。

SPに興味の無い方でも、おそらくタマーニョはいろいろと楽しいと思いますね。
有名な話ですが彼はオテロの初演のテナーでした。タマーニョはPearlから
ボツを含む全録音の復刻LPが出ていて、これはいいものでした。
310名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/13(水) 01:44:28.92 ID:Otld9dv9
バティスティーニはarchive.orgにありますね。

ヴェルディ エルナーニ
http://archive.org/details/VrsAcoustics-92046-Battistini-corsi-colazza-sillich
原盤がかなりすごいことになってるようですが、おおむねだいじょうぶですね。

ドニゼッティ ロアン家のマリア
http://archive.org/details/VrsAcoustics-88652-MattiaBattistini
芝居っけたっぷりで、後半の鮮やかさは見事です。
311名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/13(水) 02:44:23.32 ID:Sv77sifp
19世紀と言えば:

http://www.youtube.com/watch?v=YBXyuY2J20o
1877年のエジソンの「メリーさんの羊」

http://www.youtube.com/watch?v=BZXL3I7GPCY
1889年、ブラームスの"I am Dr. Brahms," そして先生自身が弾くピアノ

http://www.youtube.com/watch?v=7DEEdFLjUiw
チャイコフスキーの肉声

http://www.youtube.com/watch?v=7Vqvq-f-UtU
レオン・スコットの1860年。エジソンの記録は破られた?
じゃあ、誰かレオン・スコットの記録も破ってちょうだいよ!
312名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/13(水) 03:05:59.18 ID:Sv77sifp
http://www.youtube.com/watch?v=myQpkIlv_lw
最初に音楽が録音されたのは1888年だとか…

http://www.youtube.com/watch?v=uq9Yv9RwMZ4
なんと1857年に写真家のナダールがやった実験。
人間の声が録音されているらしいが、声に聞こえないので残念ながら参考記録にしかならない…
313名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/13(水) 03:17:34.82 ID:Sv77sifp
この様な素朴な実験を見聞きして、我々はプッと吹き出してしまうけど、笑ってはいけない!
「月ではウサギが餅をついてます」と聞いても、やはりプッと吹き出してしまうけど、
「地球が太陽のまわりを回っていて、太陽は銀河系に属していて…」なんていう「意見」も
1000年後の人類(まだ滅亡してなければ)が聞けばプッと吹き出すかもしれないから…
それにしても、バッハまでは、まだまだ遠い…
314名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/13(水) 21:49:30.60 ID:Mk6kFubs
ヘッドフォン環境でモノラルばかり聴いているが、どのヘッドフォンを使っても心持ち右chによっている気がする。
脳内にバランスコントロール移植出来れば良いのだが。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/13(水) 23:04:12.80 ID:Otld9dv9
>>311
歌手については19Cに活躍した人から近代までを網羅する百科事典的な復刻集が
EMIからThe Record of Singingと題して出てます。これ。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Record_of_Singing
もちろん全部買ったら大変なことになりますので、一部しか持ってませんが
網羅的で史料的に使えて便利なものですね。

>>314
モノラルヘッドフォンってのがありますが、どうもそういう問題じゃないですね。
うちだと残響が付加されてるモノCDを聞いてると気になって、こんなのいらないのに
と思うことがあります。

モノヘッドフォンは昔の電話交換手のおねえちゃんが使ってるような黒いやつが
今でも探すとありますね。インピーダンスが高く感度がいいので鉱石ラジオに
使うとすばらしい性能を発揮します。音質的にはLo-Fiですが、接続を工夫すると
現在の機器にも接続して使うことができます。
316名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/13(水) 23:09:06.97 ID:Mk6kFubs
>>315
ついに事切れた、DT48もその系統?
317名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/13(水) 23:28:42.48 ID:Otld9dv9
>>316
先に書いたうちのやつは、古い中古の藤木電気(ELEGA)のやつで、インピーダンスも
もっと高く10kΩのやつです。マグネティック型ってやつです。
一般的なオーディオ用には向かないと思います。感度がいいのでラジオには最適。

余談ですが、こういったハイインピーダンスのヘッドフォンの中にはSound Poweredと
いう種類のものがあるのですが、これは軍隊で電源なしのマイク直結で鳴るように
作ってあって、音質を犠牲にして感度を最大まであげてあるもので、とても音質が
悪いそうです。一般売りはされてるかわかりませんが、これは現在でも生産されて
ます。ただ、前の一般用のモノハイインピーダンスヘッドフォンは、アメリカで
以前売ってるところはあったのですが、現在では中古を探すしかないと思います。
インピーダンスは2〜10kくらいで、いろんなメーカーのを見かけます。
中古なので状態は様々です。高価なものではないです。
318名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/14(木) 06:17:58.92 ID:u/Anrs3x
>>317
上野文化の音楽資料室や学校の音楽鑑賞室のヘッドフォンもかなりのレトロ物が多かったですね。
大概白いカバーでした。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/14(木) 23:45:11.21 ID:FEagsr4U
>>318
現在でそんなものをどうしても欲しい人は、鉱石ラジオか古い形式の1〜2球ラジオを
使いたい人くらいでしょうから、ひどい値段にはなってないですね。
TelefunkenやWEのもあるようです。古い無線機用かあるいは電話用だったのかな。

そんなヘッドフォンがどうしても必要なラジオってのはこんなやつです。
これは2球ですが、こんなのを簡略にした単球もあります。
ヘッドフォンがそのまま負荷になってるので、クリスタル(セラミック)イヤフォンでは
使えないわけです。
http://www.radioshounen.com/upfile/crosley51/51kairomono.gif
320名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/02(土) 15:32:32.38 ID:SVgVNLxf
お聞きしたい事があり、おじゃまします

マックからUSBDAC(2704)経由でモノラルスピーカーを鳴らしております。
DACから方チャンネルのみモノラルシステムに接続して古いモノラル録音専用にしていたのですが、
できればステレオのソースも聞きたいと思っています。
単純に右左の信号を短絡してしまうと、音が濁って楽しめません。
抵抗を入れた回路ではゲイン不足となってしまいますので、ライントランスを使うのがよいのでしょうか?
皆さんの方法をお聞きできればと思います。
321名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/02(土) 16:34:33.36 ID:6SwyMSfl
ここの住人は生半可なモノラルじゃないから他で聞くべし 病棟だから
322名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/02(土) 16:59:16.20 ID:SVgVNLxf
320です
アンティークオーディオ専門でしたか。
失礼しました。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/02(土) 17:59:43.16 ID:45rwB4SQ
>>320
音源をモノラル化した方が簡単
フリーソフトで出てる
324名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/03(日) 13:32:26.94 ID:Bp8IcF5c
>>323
320です レスありがとうございます。
音源が600ギガを超えており、個別の管理がキツいのです
今、トランスで変換する方向で調べてます
325名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/05(火) 20:05:33.06 ID:zcjHEtkZ
>324
俺トランスでやってるよ?もう見てないかもしれないけど。
そんなに難しくないよ。
326名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/07(木) 11:57:09.86 ID:9PSo6m8W
>325
320です
トランスの先輩ですね。
オークションでTAMURAのTF3(600スプリット:600)1個を格安で入手できました。
出力側の抵抗を何種類か入手して試してみるつもりです。
327名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/07(木) 18:36:14.17 ID:w7JhImDA
おうおう、それそれ。PCからの出力ならインピーダンスは100Ω程度だろうし、そのトランスでいけると思うよ。
どんな感じか気になるので、また教えてください。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/07(木) 18:37:18.38 ID:w7JhImDA
>327は>326宛てね。
329名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/08(金) 13:04:05.03 ID:l/spA0yd
>>327
了解です 
TF3は1次側をスプリットで150Ω、2次側600Ωで使う事になりますよね。
とりあえずDACはステレオ誌の付録で試しますが、1次側のLPFをどうするか、、、?
2次側のシャント抵抗は650Ω,750Ω,1.5kΩあたりを準備するつもりです。

ただ確定申告の準備がすむまで中断中。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/11(月) 01:21:07.22 ID:jWVgGS2n
ライントランスによるモノラル化は完璧ではありませんよ。
一番本格的なやり方はミキサーで左右の信号をミキシングする方法です。
331名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/11(月) 12:07:00.79 ID:vCRh7wY/
329です
ステレオ合成の際に中央に位置する音源の音量が増えるんでしたっけ。
ミキサーを使えばそれが解消されるのでしょうか?
メインはモノラル音源の再生で、ステレオ音源を再生する際に音が濁らなければ良しと考えております。
332名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/11(月) 18:22:06.22 ID:7eEXOUVw
ステレオ音源をモノラル再生したところでどうにもならんよ。
333名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/11(月) 20:40:36.21 ID:DDK3tlTg
スピーカーの一点から音が出るんじゃ面白くない
部屋全体が一つのスピーカーになった感じで豊かに鳴って欲しい
334名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/11(月) 21:53:16.55 ID:ys/Vcm2P
>>333
つ 渋谷ライオン
335名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/12(火) 06:31:07.98 ID:/z5/JgAT
>>332
ジャズのLPは大概それだけどね
ステレオ録音でもモノラル盤を有難がるのがジャズファン@アナログ
336名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/12(火) 12:04:20.68 ID:+Zh1ah89
それはモノラル用にミキシング(マスタリング)してる盤だからでしょ。
ステレオ用にミキシングしたやつをそのまま単純にモノラル化しても意味は無い。
337名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/12(火) 12:44:27.25 ID:FKclG8pT
>>335
だって、別ラインと聴いたから。
DECCAのClassic
338名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/12(火) 12:58:53.39 ID:iimKYAM8
>>327
モノラルシステムでステレオのソースを聞くために、ライントランスによるモノラル化で質問していた 320 です。
タムラTF3をスプリット(150Ω)で入力に使い、2次側(600Ω)はシャント抵抗値を660Ωで試してみました。
まだ6時間くらいしか聞いていないですが、低域も減少せず良い感じです。
抵抗を使った合成の様に音が小さくならず、LPF効果のせいかデジタル音源の落ち着かない感じも減りました。
メインのモノラル音源を聞く時もこれがメリットになり嬉しい誤算です。
パソコンからエレボイの205フロントロード箱をLM3886でならす自分には十分です。
シャント抵抗値変更やLPFを組んで遊ぶのも楽しみです。
339名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/14(木) 16:27:33.90 ID:5er2CrUH
>338
わざわざ報告してくれてありがとう。取り敢えずうまいこといったようでなにより。いろいろいじってみた成果も期待してます。
340名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/14(木) 16:31:42.77 ID:5er2CrUH
>332
ステレオ初期のジャズで、例えばピアノは左チャンネルだけ、ドラムとベースは右チャンネルだけ、みたいなすごく不自然な録音があるじゃない?こういうのをモノラルにした場合どうなんだろう?

モノラル再生を始めた最初のきっかけがそれなんだよね。不自然さに耐えられなくなった。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/14(木) 17:18:58.14 ID:mdsSZsOC
左右のスピーカを近づければよい。
あるいは思い切って位相差接続にする。
342名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/14(木) 18:54:43.05 ID:YVrGde1o
逆オルソンか
343名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/15(金) 11:00:57.52 ID:JtErp4hP
モノラルの場合、当然、スピーカー上のイメージは虚像。
しかし、ステレオの場合、左右のスピーカーの間のイメージは虚像の虚像。
「定位が良い」と言われているシステムで聴いても、その「虚像の虚像」はフラフラ。
本来のステレオは、L + Center + Rではなかったか?
344名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/16(土) 19:31:33.53 ID:go5XEmnH
>339

327です
丸ピンで差し替えながら比較中。
2次側の抵抗値が高くなると高域の落ち込みがカバーされるような変化でした。
俺の環境では1Kオームだと高域にわずかなキツさを感じたので、750Ωできめるつもりです。
ちなみにDALEの巻線抵抗を使ったら、定数うんぬんより、見通し感や解像度が上がって驚きました。
高価でも評価されるのが納得です。
345名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/16(土) 19:33:44.29 ID:go5XEmnH

 327ではなく338です 失礼しました
346名無しさん@お腹いっぱい。:2013/04/14(日) 01:47:51.47 ID:tDrawP96
1947年のバイエルンでのライブの若きショルティのワルキューレ第1幕を聞いてた。
とても鮮明な録音でいいのだが、フェルカーの衰えはどうだろうか。
ウェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ルゼ!!の部分もさっぱりダメで、重くなって苦しく
あのTelefuneken録音の1936年の輝かしいローエングリンはいったいどこに行って
しまったのかと思う。M. ローレンツは50年代ですらジークフリートをじゅうぶんに
吠えていたのになあ。どうしたんだろ、フェルカーさん(´・ω・`)
ああ、演奏家の愚痴ですんません。
347名無しさん@お腹いっぱい。:2013/04/15(月) 02:12:07.91 ID:z3zimksX
シャリアピンの機械録音を聞いてた。
Lebendige Vergangenheitの復刻はじゅうぶんな出来と思う。
シャリアピンというとロシア民謡とボリスだが、イタリアオペラも楽しい。
スカラ座のメンバーとの録音のノルマと夢遊病の女は名録音だと思う。
復刻もいい。
ただ、しかし、ルクレツィア・ボルジアのVieni la mia vendettaは明らかに
やりすぎだ。が、きわめて楽しいな。
驚くべきことにこれらの録音のシャリアピンはまだ40歳になっていない!
348名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/15(土) 09:10:31.18 ID:tI2kY90W
ベル研究所の技術資料集
http://www.alcatel-lucent.com/bstj/
ほとんどは通信分野での研究だが、オーディオ分野も若干含まれている。

1926年のOrsophonicシステムの技術資料。個人的には末尾の周波数特性が興味あった。
それ以前の蓄音機とレンジ拡張以外にもキャラクターがよりフラットネスになったらしい。
http://www.alcatel-lucent.com/bstj/vol05-1926/articles/bstj5-3-493.pdf

1934年の有線での高音質伝送実験。
電話回線での高音質伝送に成功し、フィラデルフィア〜ワシントン間で20kHzフラット
シカゴ〜サンフランシスコ間で8kHzフラットを実現。
このことはラジオ生中継の音楽プログラムの隆盛と深く関わっている。
http://www.alcatel-lucent.com/bstj/vol13-1934/articles/bstj13-2-285.pdf
http://www.alcatel-lucent.com/bstj/vol13-1934/articles/bstj13-3-351.pdf
後者の中継局のモニターシステムはトーキーの機材を流用している。
戦後になっても電話局のモニターシステムが豪勢なのは、この品質管理の名残だろうか。

1934年のマルチウェイ化の実験結果。
反転式バスホーンは位相の波が強くて実用化は見送られた(ランシング氏の開発は1935年)
マルチセラーホーンは、通常の室内なら200Hz〜10kHzでフラットを達成。
ただし広いホールでは高域が減衰するため、マイクの特性で補うことを提案。
http://www.alcatel-lucent.com/bstj/vol13-1934/articles/bstj13-2-259.pdf
349名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/16(日) 08:34:43.66 ID:nCl9F59/
WEの評価の難しいのは、ほとんどの場合、当時の録音で評価しがたいところだ。
トーキーのWEは1937年に解散しているが、それ以前のトーキー映画でどれだけ列挙できるだろうか?
クラーク・ゲーブル、グレタ・ガルボは知っていても、シャーリー・テンプルは忘れられている。
ボニーとクライド、赤いドレスの女、Gメン・・・これらは現実の事件そのものだ。
逆にジャズ・エイジで知られる世代はほぼ10年前の人々で世界恐慌前後で感覚がずれる。
意外に知らないものだらけで、何でも戦前のテクノロジーと文化を結びつけるのはどうかと思っている。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/16(日) 19:30:04.14 ID:nCl9F59/
おそらくWEが1930年代のトーキー技術を代表するように思われているのは
事業を引き継いだAltec Lansing社の製品が、VOTTの栄誉とは裏腹に
現在までほとんど残されていないことと関係があるかもしれない。
1950年代にA7を投入した頃には、ステレオ再生を劇場でおこなうべく
VOTTの製品群は入れ替えが激しかったからか?
そもそも言われているほど球数が多くなかったのかもしれない。

1939年のAlied Radioのカタログをみると
何かに付け簡易PAシステムへの需要が大きかったことも判る。
http://www.alliedcatalogs.com/catalogs/1939/
(P.73あたりから8W〜65Wまで様々なシステムが並ぶ)
WEも633Aマイクを量販しており、Shureなどと肩を並べている。
スピーカーはJensen、Utahなどの他、Raconホーンもあり
一般的に格下のランクであることが判る。

しかし、この時代のジャズ・ボーカルなどは
この手の拡声器で多くの人は聴いていたのである。
例えばペギー・リー、フランク・シナトラが
ジャズ・オーケストラと共演したのはこの方法だった。
一般的にラジオ放送がクルーン唱法を生みだしたと言われるが
それを支える簡易PAの存在が後押ししたともいえる。
351名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/16(日) 20:55:46.34 ID:nCl9F59/
一方で、簡易PAは必ずしも生バンドのステージのみではなく
当時のスウィング熱と勘定を合わせると
レコード再生でのダンスパーティーも十分にあったと思われる。
PA装置にターンテーブル&ピックアップの付いたシステムもあり
電蓄以上、トーキー未満の全てのシステムが当てはまる。
その意味で、モノラル・システムの規模をどう当てはめるかの
ノウハウにも通じるように思っている。

個人的な感想では、当時の2流の機器でも
最新の神経質な機器よりは結果が出しやすいと思うところである。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/16(日) 23:21:26.74 ID:LC5Uy7VG
1930年代のトーキー、特にドイツのufaのオペレッタ映画は大変興味深い。
技術的にはKlangfilmでしょうか。
レックなどのアイドル?からザック、タウバー、スレザ=クなどのオペラ歌手まで
出演しているのもある。数はかなりあるのではないだろうか。
前に買ってみたこともあるのだが、どうも元のフィルムがよくないようだった。
ポピュラー系からミレッカーやレハールなどの本格的な作曲まであるので、
いい状態で収録したやつを出してくれるといいんだが、、、(´・ω・`)
仏のルネ・クレールの映画なんかもKlangfilm系だろうか、あれもいいのが出ればね。
353名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/17(月) 07:54:23.99 ID:2f2heh6d
トーキーの場合、光学式であるため、フィルムの保存状態と手入れで
大きく音質が変わってきますね。市販DVDの多くは強い高域フィルタで
雑音を押さえ込んでいるので、本当の実力ではなさそうです。

Klangfilmの場合はRCAのPhotophone方式が使用されましたが
親会社のAEGはMagnetophon録音機で有名なメーカーです。
Siemensが親会社になる前のTobis-Klangfilmは音楽フィルム製作にも意欲的で
メンゲルベルクが1931年にパリに遠征した記録も残されていました。
http://www.youtube.com/watch?v=0TS85g2JnpA
この音を聞くかぎりでは、高域が強調されたもので
おそらくReisz社のカーボンマイクが使われたものと思われます。

「エミールと探偵」なんて結構新しい本の映画化もしていたんですね。
演劇的要素がかなり熟していて、見応えがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=VR5TLlCtx3Q
あとミュージカル系では以下のようなものも。ポーランド映画です。
https://www.youtube.com/watch?v=AhMXss5UaCI&list=PLDAF67860C2B65A53
本国のドイツでは音響効果など、かなり品質の向上がみられます。
おそらくKlangfilmらしさが明瞭に出た時代といえるでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=Lm1eGKui8gw
354センモニフエチ:2013/06/17(月) 08:22:24.76 ID:kv6RRqOt
ソロはモノで聴きませぅ。
355名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/18(火) 05:27:56.43 ID:eHilgYJB
当時の録音だとマグネトフォンなのでテープが残っていれば
音はとても鮮度が高く安定したものですね。
最近はフルヴェン以外の録音でもリリースされる機会が増え
マニアにとっては色々と気になるところです。
最近まとめてでた戦後ドレスデン歌劇場の録音もマグネトフォンでしょう。

イギリスでもスチールテープを使った大型録音機が
BBCの発注でマルコニー/スティルにより1932年に作られましたが
長時間録音という以外のメリットはなかったようです。
http://rfwilmut.net/broadcast/recording2.html
http://www.creativeaudioworks.com/2012/10/the-marconi-stille-magnetic-recorder-reproducer/
http://www.r-type.org/timeline/ww1934.htm
ちなみに初めてのマグネトフォン録音はビーチャム/LSOで
1936年にドイツに演奏旅行に立ち寄った際にBASF社で行ったもので
この頃は普通のシェラック盤のほうが音質は上でした。

マグネトフォンの音質が向上したのは1939年以降と言われ
フルヴェンの録音が活発化するのも1942年ということなので
短い期間に集中して行われたことになります。
356名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/18(火) 07:58:55.04 ID:eHilgYJB
この時代のモニタースピーカーとして開発されたEckmiller O15型ですが
周波数特性についての詳細が1948年のBBCレポートに載っていました。
http://www.bbc.co.uk/rd/publications/rdreport_1948_04
70〜10,000Hzという公称値のうち、8kHzまではフラットに再生しています。
開発時の測定では以下のような感じです。
http://www.klangfilm.org/data/documentations/loudspeakers/drivers/o15/07.jpg
開発されたのは1943年で翌年にはステレオ録音がテストされたのですが
自然な音で録られていると思います。実に8kHzまでで十分です。

ちなみにスピーカーユニットの構造は以下のとおり。
http://www.klangfilm.org/data/documentations/loudspeakers/drivers/o15_radio_mentor/05.jpg
http://www.klangfilm.org/data/documentations/loudspeakers/drivers/o15_radio_mentor/06.jpg
357名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/18(火) 23:30:39.52 ID:ZSrzcOvq
市販DVDはそんなもんすかね(´・ω・`)

このタウバーが出るレハールのほほえみの国をいい状態のフィルムから起こして
全編見せてほしいすなぁ。
http://www.youtube.com/watch?v=Fl6PJ4ahn2o
358名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/19(水) 08:02:34.13 ID:zGR9lI5W
>357の映像は、80年代のホームビデオで録画したものと思われるので
テレビ用に高音がカットされたものです。(年月日の表示から、おそらくビデオは日本製です)
この頃が絶頂期にあったことは明白で、イギリスでのミュージカル歌手とは印象が違います。
ドイツのトーキーでも最初期のものなので、見られるだけでも貴重なものです。
とくにタウバーはナチス政権下で亡命を余儀なくされたので、現存するフィルムはほとんど皆無でしょう。
それでも音声が明瞭(芯が細い)なのは、カーボンマイクの特徴を良く示しています。

例えば1935年にタウバーが亡命後に出演したものと比べると違いが判ります。
http://www.youtube.com/watch?v=Q6Oo67W5w_A
この頃はまだWEの47型マイクが使われていたと思われ、恰幅の良い音になっています。
これも高音がカットされているため、少しモゴモゴしたEMIトーンになります。

オマケ)シューベルトそっくりさん
http://www.youtube.com/watch?v=Ir7WVA5otMw&NR
359名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/19(水) 21:46:14.57 ID:hO0/ICsq
>>358
> オマケ)シューベルトそっくりさん

これは何かのオムニバスで販売されてたのを見ました。
こういうことをするから、タウバーは俗悪レッテルをw、、、と思ったりしますが、
いい歌手だと思いますし、確かビーチャムの魔笛も当初はタウバーの予定でしたが、
亡命の件もあって今あるレコードになったかと記憶しています。

私もおまけ、ミレッカー作曲のガスパローネから、
http://www.youtube.com/watch?v=YHMg_-mMpCk
スレザークの歌唱、レックのダンス。ドイツオペレッタ映画は楽しいもんです。
ほほえみの国も全編現存するようですし、みんなが知ってる会議は踊るもあるし、
なんとかいい状態のDVDが出ないかなと思ってるのですがね、、、
前に試し買いしたシリーズはだめでした(´・ω・`)
360名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/01(木) NY:AN:NY.AN ID:6EbDg0dp
最近になってシュナーベル/フィルハーモニアO
ベートーヴェンP協4番の復刻CDを購入した。
なんでこの録音かというと、戦後のEMIの不可思議な何かが
詰まっていると思われたからである。

はじまりはデコラ電蓄について調べていたところ、以下の記事がみつかった。
 http://www.audiovintage.fr/leforum/viewtopic.php?t=4575&p=262095
1946年のグラモフォン誌のレビューなのだが、最後のページに「?」と思うものが。
HMV製の最新電蓄のデモがアビーロード・スタジオで行われたというもの。
どうやらこの電蓄はElectrogram De Luxe 3000というものらしく
もしかするとレッグ氏の肝いりで最高級の電蓄を製作するよう
指示されたもののようである。

そういえば、デコラ・ステレオはEMI製の楕円フルレンジが使われていたが
この新製品は楕円ユニット×2+リボントゥイーターという構成だったらしい。
おそらくEMI製のフルレンジにケリー製のリボントゥイーターだろう。
この構成については、BBCレポートにもあり、次世代モニターの比較に使われた。
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1948-04.pdf

ところでこの最高級電蓄は全く売れなかったらしく
結局はオーストラリアのフィスク卿に引き取られ
レコード・コンサートでドサ周りするはめに。
 http://trove.nla.gov.au/ndp/del/article/18069555
このときデモに使われたのがシュナーベルのSP盤だったわけ。
361センモニフエチ:2013/08/02(金) NY:AN:NY.AN ID:F+pjQtUM
BEATLES中期の名作「YESTERDAY」と「GIRL」を片方のモノラルアンポをOFFにして
ヴォ〜カルが記録されているチャンネルのみ再生して聴きますた。
まぁ一言で書けばエクセレント!です。
362名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/02(金) NY:AN:NY.AN ID:5IOfuf2h
このスレ的にはモノラル・ボックスなのでしょうが、色々試してみるものです。
ただしビーマニの人はオリジナルLPを持つ人が神で、ほかは貧乏神です。
オリジナルのシェラック盤、リール・トゥ・リールの蒐集家は仙人扱いです。
あとアビーロードのモニターが、アルテックだったことは公然の秘密です。
ボブ・ディランのモノラルボックスを是非購入しましょう。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/02(金) NY:AN:NY.AN ID:5IOfuf2h
ちなみによくステレオ・スピーカーの片チャンネルでモノラルを試す人が多いのですが
1970年代以降のステレオ・スピーカーはセパレーションの制御のため
5kHz以上の高域の指向性が狭いのがほとんどです。
 http://www.stereophile.com/content/bbc-ls35a-loudspeaker-1989-measurements
モノラル期のスピーカーは帯域は狭くとも、指向性は90度確保しているものが多く
一台でも部屋中に音が広がります。これはフルレンジでもそうです。
 
364Please Mr.Postman:2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:OOu4Xh+h
漏れのOdeonの赤盤じゃダメなの?。ショボ〜ン。
365Please Mr.Postman:2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:OOu4Xh+h
「Mr. Tambourine Man」がボブ.デイランの作品だと約1週間前に
初めて知った漏れは修行が未だ足らないと実感しますたw。
366名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:Kq+AwvBo
ポピュラー系の初期ステレオは癖が強くて
ボーカルが左、ドラムが右とか色々ありますね。

これには諸説あって、
ステレオだということを判りやすくするためとか
当時のセラミック・カートリッジの分離が低いためとか
モノラル・カートリッジだと削り込んでしまうとか
今ではあまり判らないことも多いのです。

ジョン・レノンもステレオの聞き方が良く判らなくて
左を横に、右を縦に置くなど変わった聞き方をしてた
なんて面白おかしく回想してたような。
でもアルテックのカタログにもこれがあるんですね。
 http://www.hifilit.com/Altec/1959-m.jpg
367名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:Z1/631sv
左右にバックリ分かれてる系のステレオは再生難しいですね。
LPレコードプレーヤーが壊れてしまって確認できないですが、クラシックでも
左右バックリ分かれ系があって、ベームが58年にDGGでドレスデンで録音した
バラの騎士なんかもそうだったと思います。

こういうのをうまくモノ合成できないかというのも、よくある課題ですね。
368名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:Kq+AwvBo
室内楽やリートでもありますよ。ヴァイオリンが左、ピアノが右という感じのやつ。
CDでも”正確に”リマスターされています。
ジャズでもソウル・ボサ・ノヴァなどがそういう録音をしていますね。

こうした録音は、モノラル時代の指向性の広いスピーカーで聴くと
恰幅良くバランスが取れてくるのですが、それだけのために?という疑問も。
あくまでもサウンド重視で選ぶと大型スピーカーで、距離が置けないために
ステレオ的な分離感なしで放出しているという感じでしょうか。
箱庭サウンド・ステージではなく、ウォール・オブ・サウンドへの誘いです。

江川三郎氏の逆オルソン式というもひとつの手ですが
最後に片側だけモノラルで聴くという新境地を開いていきました。
ステレオのモノラル合成は永遠の課題です。

オケの右手にチェロを移動したのは、ストコフスキーがディズニー映画でやった
という逸話が残ってますが、ときどきフルヴェン指揮下のベルリン・フィルも。。。
 http://www.furtwangler.net/images/bpo47funkhaus.jpg
意外に噂というものは当てにならないものです。
369名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:pb+f3rR2
うさぎ小屋で横の広がりも無いもんだが
370名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:Kq+AwvBo
モノラル・スレでステレオのことを話すのは何ですが
実はモノラルという名は、ステレオ以降に登場したのです。
ある意味、ステレオの不満はモノラルの美点に繋がるという逆説もありです。
ステレオでなければダメ、という発想が間違っているだけなのです。

うさぎ小屋の話が出たついでに、ステレオ試聴で最も狭い場所は
ラジオ局のDJブースです。
人によってはヘッドホンでモニターするのですが
BBCがLS3/5aを開発した背景には
狭いブースを有効に活用しようとしたと思われます。
実際はもっと狭い空間での再現を目指していた感じもあります。
 http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1970-13.pdf (4ページ参照)
ドールハウス寸前のミニチュア空間ですが、仮想空間の演出の限界が
ここにあるように思います。
371名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:Vp59K1qG
ステレオ用に開発された最初のスピーカーは?

これは2chステレオを開発したEMIからではなく
ドイツのEckmiller O15で、>356で資料があります。
カラヤン、ギーゼキングなどが録音を残しています。

EMIがステレオを民生用に解禁したのは
開発してから20年以上経った1955年のこと。
最初はリール・トゥ・リールのテープで販売されました。
そのとき現れたのが、DLS-529というブックシェルフSP。
そこまでのいきさつは以下のサイトで。
http://www.ebay.com/gds/EMI-13-x-8-92390-speaker-Marconi-Clairtone-HMV-DECCA/10000000019705140/g.html

アメリカではセンターchを加えた3chが主流で
RCAの初期のリビングステレオにあります。
このときのモニターは有名なLC-1A。
映画用の収録と並行していたキャピタルなどは
Altec Lansing社の605やA7を3台並べて(吊り下げて)いました。
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1963-pro/page06.jpg
マーキュリーのファイン・スタジオは、アイコニック型でモニターしています。
http://www.preservationsound.com/wp-content/uploads/2012/02/Bayside-Civil_War-04-copy.jpg
372名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:Vp59K1qG
私の個人的な興味では、SP→LPの境界線のケアが気になるのですが
モノラル→ステレオの境界線が気になる人のほうが圧倒的に多いでしょう。
オーディオの鬼門であり、この三途の川を自由に行き来できないと
モノラル道楽は霊界を彷徨うことになります。
373名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:425zsXVg
夏厨発生中です
374名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:Vp59K1qG
ドイツの奇才哲学者ベンヤミンは、「歴史哲学テーゼ」のなかで
歴史の叙述を星座をなぞる人間の想像力に喩えた。
一方で「複製技術時代の芸術」では、オーラ(カリスマ)の喪失を予見し
アドルノが擁護する純粋芸術と真っ向から対立した。
彼が心に抱いた消費社会の人間の尊厳は、あまりに自由にすぎ
制御不能となる可能性も否定できないため、60'sのポップカルチャーより
1980年代のポストモダンの時代に再び注目を浴びる格好となったと思う。

ここで言いたいのは、モノラル録音ではオーラの現存が多く語られ
ステレオでは音楽の商品化の傾向が激しいという意見である。
しかしこれは、クラシックやジャズには当てはまっても
ロカビリーにはほぼ当てはまらない。オーラの否定が格好いいからだ。
一方で、60年代のロックはあまりに陰鬱で汗臭い。70年代は都会的である。
こうしてみると、1950年代がまだカリスマの生きていた時代だと思うよりは
ほぼ10年置きに潮の満ち干のように音楽のオーラは巡ってくる。
そう考えると2010年代はオーラの時代なのだ。
375名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:Vp59K1qG
モノラル愛好家のオーラ信託は、音楽に限ったものではない。
実はオーディオ機器にも向けられている。JBLの物語など大好きなのだ。
一方で、レーベルへの愛情表現はあまり見られない。
おそらく、段々と薄くなるLPに苦虫を潰された経験からメーカーを見放し
初期の海賊盤並のCD化で幻滅したからだろう。
逆にレーベルへ愛情を注ぐ人は、オーディオ機器に深入りしないし
実際にあまりお金を掛けられない。
こうしたアンフェアな状態で、モノラル愛好家のステレオタイプが生まれるのだろうか?
376名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:cZn8qDb/
>>372
SPからLPへちょうど切り替わる時期の録音でSPがオリジナルでLPがダビングのがある。
それもほんの一時期で、その後は普通にLPへのカットになったが。
例えば、フルヴェンのHMV録音の一部なんかがそうだろう。
あれのSPってのはもちろんあって、持ってる人の話ではまことにすばらしい
ものだそうだが、あんま見かけないし、あっても高価だ。
最近は新譜もちぇっくしてないんだが、あの時期の録音のSPからの復刻CDって
あるんだろうか??
377名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:cZn8qDb/
パラパラ思いだし話で恐縮だが、モノからステレオ移行期にもステレオで出てる
LPと同じ内容のモノカット盤があった。
ffrrとレーベルにあるSPのように分厚いDECCAのショルティのラインの黄金の
モノカットのLPを前に持ってたが、LONDONレーベルの後の薄っぺらいステレオ盤の
ようなふぬけた音ではなく、ものすごい骨太の音でびっくりした記憶がある。
その後知人にあげちゃったが><
あんな感じでモノ合成できるといいかも(^_^)
378名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/05(月) NY:AN:NY.AN ID:PZoosC8y
賢い僕ちゃんだけが知ってる真実を世間の無知蒙昧な輩に広める啓発活動に余念が無いオーディオ団塊ジジィに告ぐ

さっさとお盆の準備しろ
379名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/05(月) NY:AN:NY.AN ID:0uoHIRdm
オレ的モノの名録音

SPの部
ローエングリン第3幕への前奏曲、ムック、ボストンフィル 機械録音の最優秀
エロイカ、ワインガルトナー、VPO 演奏はともかく録音はすばらしい
1936年バイロイト WFだったらと思うが、これはこれで。TeldecのCEDAR復刻は最悪
運命、WF,BPO いろいろ総合で最高のSP。国内盤も初期プレスはきわめて良好。
LPの部
トリスタン、WF 一部のすり替え疑惑もあるが、全く文句なし。
薔薇の騎士、E.クライバー、VPO 中途半端な時代のLPでひどいのがあった。注意。cdはおk
サロメ、クラウス、VPO これも文句なし
380名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/05(月) NY:AN:NY.AN ID:w9T1LGpB
スレ深く読んでないからスマンが、CDでの再生について。
CDにモノラルの規格が無いのが問題。左右チャンネルが完全に一致しているものが少ないし、一致していてもCDの規格上シリアル転送だから、チップの誤差で時間差が発生して位相ズレで一部の音が消える。
解決策はCDプレーヤーの片チャンネルだけ使用して、ひとつのスピーカーで聴くことしかない。
381名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/06(火) NY:AN:NY.AN ID:9beceLMc
ギターアンプみたいな大きさで持ち運びできるフルレンジスピーカーか欲しい
382名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/06(火) NY:AN:NY.AN ID:p0fAHVXv
じゃあギターアンプでええやん。
383おっぱいゴルフア〜:2013/08/07(水) NY:AN:NY.AN ID:GNUvBf6h
暑中お見舞い申し上げます。
ソロはモノで聴きませぅ。
384名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/07(水) NY:AN:NY.AN ID:wJ1427Rd
「風立ちぬ」ってモノラルなんだな
385名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/07(水) NY:AN:NY.AN ID:7JeSt+le
>>384
フルメタル・ジャケットもな
386名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN ID:FF/1UdF9
>>380
疑似ステレオでない「モノ」のやつでも微妙に残響入ってたりするのは、
やめてほしいと思う(´・ω・`)
387名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN ID:FF/1UdF9
>>381
オーディオ用途じゃないけど、PA用のやつなら売ってますよね。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN ID:zIHK6Kv0
可搬式スピーカーならヴィンテージ物に色々と。
ttp://sugarrecords.org/audio/view37.cgi?mode=frame&cno=5
スーツケースを加工してる海外業者なんかもあるね。
389名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/09(金) NY:AN:NY.AN ID:WFRKH7MY
前に誰かが、Hi-Fiじゃないけど安心してゆったり聴ける音質と言ってた
WEのアンプ内臓の小型SPもありますね。
上に取っ手が付けてある改造品?が出たてのも見たことある。
あれもじゅうぶん持ち運びサイズですね。
390名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ro8qy4XM
今日「風立ちぬ」見に行ったんだけど
事前情報が無かったからモノラルでビックリしたよ
391私の息子は845:2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:LH+SgqmT
LAST NIGHT BEATLESのGIRLを聴くとメインヴォーカルが右中のスコカから聞こえ
その他は左下のウハハから聞こえてくる。その前にリリースしたHELPの中の
YESTERDAYはヴォーカルが中央に定位するのに、何でこんなミキシングなんだろぅ?。
392名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:OW3h7GxB
初期の電気式録音でBrunswickが自社のレコードのためにlight-ray processという
光学式マイク?を使った録音をやってたそうな。こんなん。
http://78records.files.wordpress.com/2013/07/pallophotophone.jpg?w=504&h=744

手持ちでまさにこの録音のピアノ曲のレコードがあったので、まじめにw聞いて
みたが、どうもベールがかぶってるような感じで歪みっぽさがある感じだ。
とはいえ、じゅうぶん音楽を楽しむことはできます。

しばらくしてやめちゃってWE式にしたそうだが、Brunswick自体もレコードやめ
ちゃってるしな(´・ω・`)
393名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/13(金) 19:14:46.10 ID:oaND+8m0
約1年間ステレオを聞かずモノラル三昧に徹して
モノラルのほうが自然な音響と受け入れることができた。
最初はモノラル音源に限定しなければと精進していたが
今はステレオ音源も適当にミックスしてモノラルで聞いている。
最初からそういうものだと思えば、別に不自然さは感じないので
不思議なものだ。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/13(金) 20:29:20.83 ID:Cri6x1Q9
50-60年代のJAZZを、ジェンセンのユニット1本+後面開放箱で聴くとたまんないわぁ
395名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/14(土) 05:25:34.25 ID:LMcmc9fe
そうそう。飽きが来ないのは古レンジ1本。
自分の場合はあまりジャンルは問わないが
薄化粧の録音のほうが相性が良いのは確か。
ライブ録音とかそのまんまに鳴っている錯覚に陥る。
あと意外に最近の古楽器の演奏も好きだ。
396名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/15(日) 16:11:22.99 ID:zTNXyAXC
オープンバッフルなんて理屈倒れのマニア向けだろうなんてことはない。
天井に余裕のある放送局なら時々みられた。
ttp://www.earlytelevision.org/images/abc_of_tv-0006b.jpg

オマケ:少し珍しいWE 757Aモニターを使ったラジオ局
ttp://www.wnyc.org/i/620/350/80/photologue/photos/WQXR02-12_NYT48844-AMxmtrMa_620x350.jpg
397名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/19(木) 01:10:30.76 ID:644zQe9a
ステレオのアンプの片側だけ使うのも何かまぬけな感じがするから、
モノ用のアンプを作りてえな。
バカみたいに豪華なやつはいらないし、適当なやつはないかな。
当時の回路図でもぐぐってみっかね。
398名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/19(木) 05:36:49.46 ID:kDq8ZTNt
>>397
つ ギターアンプ
399名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/19(木) 10:33:27.41 ID:xDebhgH9
片側を位相反転させればいい。
400名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/24(火) 21:02:04.89 ID:mpln9oe8
ebayでmonoblock カテゴリ Vintage Audio &amp; Video
で探すとたくさん出てくる。が、2台セットがなぜか多いけど。
401名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/24(火) 23:35:50.30 ID:ovzq390Y
397だが考えてみました。

オルソンアンプ=でかくて無理。適当な電源トランス売ってない。
6BQ5とか安い球の3結pp=現実的
半導体のアンプキット=安価お手軽
手持ちの5球スーパーラジオのPU端子を使う=0円
402名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/24(木) 07:49:37.19 ID:I5ClJpnp
ようやく最近になって
グールドのゴールドベルク55年盤が
それらしく聞こえるようになった。
それらしくというのは
それまでただカシャカシャ弾きまくってる
という感じだったのが
変奏毎の軽さや重さが伝わってきて
オヤッと思う回数が増えてきた。
でもサティのような部屋のオブジェという
感覚は一層強くなった感じも。
やはり飛びっ切りのモダンだったのだ。
403名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/24(木) 11:40:54.01 ID:HStIMkWy
ハイ落ちにしてモッサリしたんだな。
404名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/24(木) 21:01:24.95 ID:I5ClJpnp
そのモッサリ感が良い塩梅になってきた。
もとは中高域の強いダブルコーンだったのが
中低域が太くなって表現に奥行きが出てきたというか。
今は熟女の頃か、一気に老化しないことを祈る。
405名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/26(土) 09:07:42.86 ID:Yxf+mUDJ
モノラル時代の珍事といば、グールドのゴルドベルクもさることながら
トスカニーニの録音品質が筆頭に挙がるかもしれない。
面白いことに両者には共通点があって
アルテックの大型ホーンシステムを使っていた点にあることは
ご存じだろうか?

グールドの録音したニューヨーク30番街スタジオでは
A7の前身にあたる800型システムがプレイバックモニターとして
使われていた。(ホーンがH-808なので旧式だと判る)
ステレオ時代に入っても試聴はモノラルだった。
http://www.youtube.com/watch?v=e410aA1SC74
http://www.lansingheritage.org/html/altec/specs/pro-speakers/800.htm


一方のトスカニーニは良く知られるように
VOTTの家具調仕上げとなっている。
http://www.audiohistory.com/files/documents/AudioSystemsOfTheRichAndFamous.html
家庭用のVOTTといえば一般にA7を思い浮かべるが
1954年は年代的に遅すぎるのでIconic系列の820Aや826Aかもしれない。
http://soundslikefunaudio.com/?p=76

Altecのサウンド傾向は緩やかな変化ながら
1950年代初頭はより柔らかい印象といわれる。
あまり耳にしたことがないので実態が判りにくい。
ちなみに試聴はAmpex製オープンリールだったので
入力側の問題はそれほど難しく考える必要はないだろう。
406名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/26(土) 12:59:09.32 ID:Yxf+mUDJ
モノラル期のバッハ演奏は、現在の古楽器の方法論とは全く異なり
むしろミュージシャンの人生を物語る全人格的なスタイルが多い。
戦前の録音も含めると、思い付くだけでも以下のようなものがある。

ゴルドベルク変奏曲 グールド
平均律クラヴィーア フィッシャー
無伴奏ヴァイオリン シゲティ
無伴奏チェロ    カザルス
オルガン曲集    ヴァルヒャ
マタイ受難曲    メンゲルベルク

考えてみると、これだけの個性的な演奏を許容する音楽というのも
非常に珍しいのではないだろうか。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/26(土) 22:24:09.20 ID:jGhrv3P0
シゲティの無伴奏はなつかしいですね。
ヴァンガードのLPで繰り返し繰り返し聴いてたなぁ、、
408名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/27(日) 06:43:17.81 ID:EpNbxZw8
>>406
ヴァルヒャのバッハはモノラルの極地だよな。
凄い情報量
409名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/28(月) 23:48:48.03 ID:wQNNQGd8
戦前のバッハで個人的に最も興味深いのは、クライスラーとジンバリストの
2つのバイオリンのための協奏曲だな。チェンバロもなく弦楽四重奏の
伴奏という今の観点からしたらおかしなものかもしれないが、1915年というのを
考えれば、うまく録音するために適した選択だったのかな。
410名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/30(水) 07:16:29.00 ID:xjSLVtY5
今では修道僧扱いされるシゲティのバッハ無伴奏だが
まさに神童と呼ばれた時期からのレパートリーで
1905年(13歳)のベルリン・デビューから弾いている。
ロンドン・デビューの1908年にはHMVに吹き込み
このときにもバッハのパルティータ第三番が含まれていた。
1923年にはイザイから無伴奏Vnソナタ第一番が献呈され
作曲の動機はシゲティの演奏にあったとされる。

こうした数々の名誉にも関わらず、シゲティが全曲を録音したのが
1955年(63歳)のときであり、全曲としてはメニューヒン、エネスコ
に続く3枚目、LPでは最初の録音であった。戦前にカザルスが
無伴奏チェロを一気に録音したのとは大違いであるが
実際にはヨアヒムの初録音(1903年)以来、無伴奏Vnは
ドイツ系のバイオリニストには良く知られた曲でもあった。

LP時代の全曲録音は技巧の衰えが指摘されるが
この録音によってバッハの無伴奏が
バイオリニストのプロフィール替わりになった点は注目して良い。
企画した米バッハ協会は同時期にレオンハルトのゴルドベルクを
録音しており、客観的な評価があっての選定だと判る。
411名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/30(水) 08:19:34.32 ID:+yODtZb2
>>410
シゲティのオリジナルマスターは今はどこが持っているのでしょうか
412名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/31(木) 07:31:13.31 ID:0s+TbEqt
Vanguard Classicsは、ポップスのVanguard Recordsとは分離していて
創業者のSeymour Solomonの死後は
2002年にArtemis Recordsに売却
2004年にSheridan Square Entertainmentが版権を買い取り
2009年に会社名をIndieBlu Music Holdingsに変更
2010年にEntertainment Oneに合併吸収
ということになっています。
実務はArtemis Recordsのスタッフが行い
SACDでの再販も始めています。

個人的には、シゲティ&バルトークのリサイタルや
アラウとのベートーヴェン Vnソナタ全集などが興味ありますが
アメリカ議会図書館のライブラリーから原盤を起こすのは
期待薄と思っています。
413名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/02(土) 19:46:12.62 ID:B0NaNPJv
モノラル時代の録音を再生するのに
一度は試そうとするのはワイドレンジ・ユニットだろう。
同じ志向でクリスタル・カートリッジ(別名レコード・キラー)を
使う人はほとんど居ないと思うが、1950年代のフルレンジの
半数以上はHi-Fi以前の規格であるワイドレンジが占める。

時折12インチ以上のユニットはウーハーとして扱われるが
本当にそれで良いのか?という疑問は多々ある。
というのも、この手のユニットは100Hz以下がダラ下がりで
どう頑張っても重低音は出ない。中高域は無駄に伸びているので
共振したときの音が耳に突き刺さるときがある。

その替わり、生きの良いバスドラ、濃厚なボーカルが聞けたりするので
ポップス系には結構良いはずなのだが、この手のコレクターは
意外にオーディオにこだわりをもつ人が少ない。
元は簡易PAに向けて開発されたので、音の通りの良さや
押しの強い表現など、ライブ感を出す必須アイテムのように思うのだが
なかなか受け入れる素地のないのが現状のようだ。
414名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/02(土) 20:21:23.24 ID:B0NaNPJv
クラシックのモノラル録音で幾つかの鬼門があって
旧録音のフォーマットで録音された不遇な演奏がある。

リパッティのブサンソン告別演奏会は、同じ時代にドイツなら
テープ録音機があったのに、フランスにはまだ無かった。
逆にフルトヴェングラー/ウィーン・フィルのベートーヴェンNo.7は
テープ収録されたのに原盤を起こした後にテープは破棄された。
晩年のコルトーやティボーもこうした機会を逃した人に入るだろう。

しかし、このHi-Fi以前の規格を納得いく形で再生できるか否かで
モノラルとの接し方が大分変わるように思う。
415名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/04(月) 02:46:08.78 ID:+2VXAXg8
フルトヴェングラーのBeethoven 4番も50年?のがいいのですが、
おそらく同じことになってますよね。
416名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/04(月) 06:49:45.15 ID:vFBCUgcb
同じ時期の独グラモフォンもファースト・プレスがSP盤で
音の鮮度が違うようなことが言われます。
417名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/04(月) 19:48:41.41 ID:+2VXAXg8
そのあたりのSP-LP切り替え期のSPからの盤起こしCDってよさげなやつあるのかな。
418名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/04(月) 20:40:11.29 ID:vFBCUgcb
フルトヴェングラー/VPO ベートーヴェンNo.4&7 (1950:Tahra)
ワルター/NYP マーラーNo.5 (1947:Sony)
トスカニーニ/NBCso ヴェルディ/オテロ (1947:Guild)
コルトー/戦後ロンドン録音集 ショパン、シューマン等 (1947〜53:EMI)

他にあればどうぞ。
419名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/16(土) 23:46:22.67 ID:ozg0g38t
>>414
LPのパテ・リファレンス版でもってるけど、どれも音いいよ。
今風の音じゃないけど、ハッキリした音。
あの時代の音源だから十分満足。
たしかCDもパテ版は音がLPに近かったと思ったが…
420名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/19(木) 00:20:29.05 ID:BWS3IwKQ
あげ
421名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/31(火) 09:25:22.51 ID:PX8ABHUC
師走の慌しさも一段落してモノラル三昧。
なぜか中世ルネサンス音楽を立て続けに聴いている。
録音は最近のCDだが、慣れれば問題ない。
楽器の質感を大切にする方法論はジャズと一緒だし
出音の瞬発力が良いと表情も晴れやかになる。
周波数バランスからいえば8kHzまでフラットで
あとはダラ下がり。でも聴き応えがある。不思議だ。
422名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/31(火) 10:23:01.98 ID:PX8ABHUC
古楽器の再生で困っていたのは
録音ポリシーで音場がコロコロ変わるので
まずその解釈で悩む。どういう場所で?本来の楽器の音量は?
演奏の内容までたどり着くのに数回聞きなおす。まさに修行である。

普通なら楽器の音色について気になると思うのだが
実はステレオ用のスピーカーのほうが
チャンネル・セパレーションが強いため高域の指向性は狭く
真正面で聞かなければフラットにはならない。

例)B&W 800 Diamond(Fig.5を参照)
ttp://www.stereophile.com/content/bampw-800-diamond-loudspeaker-measurements
30度もオフセットするとかなり癖の強いキャラクターとなる。
例)Sonus Faber Guarneri Evolution
ttp://www.stereophile.com/content/sonus-faber-guarneri-evolution-loudspeaker-measurements
これは広指向性のタイプだが、部屋の響き次第では、かなり混沌としやすい。
ホールトーンを豊かに含むクラシック向けという評価はそのままなのだろう。

つまりステレオだとHi-Fiでフラットというのは、使い方次第ではNGで
これが音場に気を取られる原因のひとつではないかと思う。

昔のモノラル・ユニットは90度以上は確保しているため
こうした予備作業がいらない。
スピーカーの癖は固定されたものなので
慣れていまえば、録音毎の内容を即座に聞き取れる。
小数点以下まで厳密に正しい答えではないが
1+1=2という当たり前の答えはモノラルのほうが近く感じる。
423名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 02:18:53.74 ID:14NBdWYD
保守を兼ねてちょこっと。
クラ板に書いたのとかぶるので恐縮なんだが、英HMVはコーツ、グーセンス、ピット、
ロナルドの指揮で分担して機械録音時代にワーグナーのニーベルングの指輪の抜粋を
録音した。内容はこれです。
http://www.cs.hs-rm.de/~weber/opera/shellac/ring23/ring23.htm
抜粋と言っても元々がとてつもなく長大な曲なので、全部でおよそ3時間くらい。
これをラッパ吹き込みのSPレコードで録音して売った英HMVも相当なもんだと思う。

ラッパ吹き込みの声楽ものは、たいてい歌の音量が大きく、それに対してずっと小さい
音量のオケの伴奏がついてるようなのがほとんどなんだが、この一連の録音はオケが
じゅうぶんに活躍し、結果としてラッパ吹き込みであるにもかかわらず実演により近い
バランスが出てる。効果音というか譜面に記載されてる音楽の一部なんだが、ラインの
黄金やジークフリートの金床の音もクリアーに録音されてる、どうやって録音したかは
分からないんだが、おそらくオケを近くに置き、歌手は録音ラッパから距離を置いたの
かな? その代償としてなのか同時代の他のレコードと比較してカッティングレベルが
小さく、機械式蓄音機で聞くと音が小さく、スクラッチが目立つ。

ラッパ吹き込み時代は、オケの伴奏なんかは少人数でやってるんだけれども、この
指輪の録音ではある程度の人数がやってるように聞こえる。こういう音のバランスで
録音されたラッパ吹き込み盤は少ないと思う。どうしてこういう音づくりをしたのかが
興味があるとこなんだが、詳細はまったくわからないw
この指輪の音源の有志の人による復刻音源をクラ板に書いておきましたので、
興味のある方はどうぞ。
424名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 02:44:12.36 ID:14NBdWYD
あ、書き忘れたというか、念のためというか、
指輪からの抜粋は数年後に電気録音になってから、コーツ、ブレヒなどの指揮で
再録音されてて、これはCDでいっぱいあります。
425名無しさん@お腹いっぱい。:2014/04/05(土) 10:23:44.47 ID:4vkOB4y1
オーストリア放送音源は、以前プライザー社から出ていたが
どちらかというとモッサリした音で「どうせラジオ用だから」と諦めていた。
最近はオルフェオ社から管弦楽を中心に出ているが、こちらはギラギラした音で
最近のシステムに合いそうなリマスター。両方聞くとやや混乱する。
これにウェストミンスター社が加わると、当時の録音技術の謎はさらに深まるばかり。

おそらくORFとウェストミンスターの録音技術の水準はあまり変わりなく
古き良き独墺の家庭用ラジオで聞くのに最適なイコライジングが
プライザー社の持ち味だったのかもしれない。

そうした中で個人的に大好きなのが、
ウィーン・コンチェルトハウス四重奏団が吹き込んだハイドンの四重奏曲集で
ウィーン訛りのアットホームな感じが心地良い。
プライザー社が最初に手がけた仕事で、かのランドン博士が監修したというだけに
おそらくプライザー社以外のリマスターは出ないだろう。
426名無しさん@お腹いっぱい。:2014/04/05(土) 14:10:00.63 ID:XwOZQSjB
録音技術というよりポリシーの違いだろうね。
http://www.preiserrecords.at/technischer-hintergrund.php?japanese=1

プライザーのハイドンはアセテート録音のエアチェック音源だと勝手に思ってたけど、違うのかなぁ。
もしくはただのSP盤板起こしかもしれないけど。
放送音源ならORFが持ってるかもしれないが、リマスターがデジタル臭すぎてかなわん。

ウェエストミンスターは放送音源ではなくて独自収録だと思うけど、音は似たような傾向かもね。
レコードだとイコライザがRIAAじゃなくてNABなんでRIAAで聴くと高域が目立った感じにはなるけど。
NABで聴いても印象はさほど変わらないのかね?
427名無しさん@お腹いっぱい。:2014/04/05(土) 16:29:09.01 ID:4vkOB4y1
プライザー社の録音スタジオが1965年から現在まで
ほとんど機材の入れ替えを行っていないというが判った。
http://www.gearslutz.com/board/so-much-gear-so-little-time/768289-revitalizing-studio-1965-a.html
みるとドイツ系ビンテージの山、そして最高のコンディションが維持されている。
(なかにはFirchild社のコンプレッサーなどあるが)
http://www.gearslutz.com/board/so-much-gear-so-little-time/768289-revitalizing-studio-1965-a-3.html
当時の基本的なポリシーが貫かれているのは某英国企業とは大いに違う。
ちょっと気になるのはモニタースピーカーで、Schultz型の同軸フルレンジだろうか?
マイク設定も自然な感じで、全般的には放送局のそれに近いように感じた。
428名無しさん@お腹いっぱい。:2014/06/05(木) 01:31:34.81 ID:6Zq8AfN6
あげ!
429名無しさん@お腹いっぱい。:2014/07/11(金) 22:04:24.18 ID:sYqumXm1
NHKは昭和20年に玉音盤をDP-17-K可搬型円盤録音機で録音したそうだけど
天皇は1セット持ち帰って御文庫(自宅)で聞いたことになってるんだけど。
鬼塚 英昭 著 『日本のいちばん醜い日』

でも
http://www.denon.jp/jp/museum/history_enban.html
円盤録音機の溝は内周から切っていく。
(切屑が内周に引かれるため。市販レコードとは異なる)

て書いてあるけど天皇さんは市販の再生機で内周からトレースできたのかな?
430名無しさん@お腹いっぱい。:2014/07/12(土) 11:17:27.57 ID:z1C9rPyk
蓄音機じかに見たことないのか?
431名無しさん@お腹いっぱい。:2014/07/12(土) 17:46:15.22 ID:IQcGog4q
ない
432名無しさん@お腹いっぱい。:2014/07/12(土) 22:45:50.82 ID:nj+3SwqJ
内側からでも問題なくトレースできますよね。
ただ、アセテート盤はアコースティック蓄音機の針圧では削れてしまうでしょうから
比較的針圧の小さい電蓄を使われたのかなあ?

戦後はNECから献上された42 ppの電蓄が宮中にありましたが、当時宮中ではどのような
機器を使われていたのでしょうかね?
433名無しさん@お腹いっぱい。:2014/07/16(水) 16:23:50.07 ID:fu7gy7Gx
既出かもしれませんが
ステレオ音源をモノラル化する方法として
トランスのよる合成、アンプによる合成
どちらがいいでしょうか?
434名無しさん@お腹いっぱい。:2014/07/16(水) 17:43:04.82 ID:kY5+FbK5
こんなのしか持ってないけど時々ここに遊びに来てもいいですか?
http://i.imgur.com/wzkQnV2.jpg
435名無しさん@お腹いっぱい。:2014/07/16(水) 20:48:08.41 ID:dGsQZhQX
>>434
コロンビアの機械ですかね?
蓄音機スレッドもありますよ。
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/pav/1364828142/l50
436434:2014/07/16(水) 20:53:31.47 ID:W+cOa50Z
>>435
はい、コロムビアです。
あと蓄音機スレの紹介ありがとうございます。
437名無しさん@お腹いっぱい。:2014/07/16(水) 22:10:19.12 ID:o7qeUPc5
>>433
ミキサー導入が簡単で良いと思いますが、
ミキサー搭載オペアンプの音が乗ってくるので、
それが気にならなければという
438名無しさん@お腹いっぱい。:2014/09/21(日) 04:31:55.98 ID:GQIwLfQV
綾香もモノがいい
439名無しさん@お腹いっぱい。:2014/09/21(日) 05:44:36.87 ID:Xp+UKbZA
ボーカルはマイク1本で収録だしな。
440名無しさん@お腹いっぱい。:2014/09/21(日) 23:23:13.61 ID:GQIwLfQV
そう、モノの方が細かいニュアンスが出る
441名無しさん@お腹いっぱい。:2014/09/24(水) 00:39:49.78 ID:mlNQGe6c
モノラルのほうが真面目に聞くよね
442名無しさん@お腹いっぱい。:2014/09/24(水) 08:55:23.78 ID:pnGLpISR
父親の遺品にあった多数のレコードを久々に聴いた。
昭和30年代購入のものが何枚もあり、モノラル録音のものも当然あった。
何か聴いていて「ああ、いいなあ・・・オヤジ、いいもの残してくれてありがとう」と・・・(涙
443名無しさん@お腹いっぱい。:2014/09/25(木) 19:21:25.27 ID:OYqgUteN
下らん
444名無しさん@お腹いっぱい。:2014/09/25(木) 19:37:25.57 ID:3tRJDQwL
昭和30年代のレコードなんて、結構おうちはお金持ちだったんじゃない?
445名無しさん@お腹いっぱい。:2014/09/27(土) 00:14:07.48 ID:UcIkA9os
テスト
446ひみつの検閲さん:2024/12/05(木) 11:07:09 ID:MarkedRes
このレスは権利侵害の申し立てや違法もしくはその疑いにて不可視または削除されました。
削除日時:2016-07-24 23:36:36
https://mimizun.com/delete.html
447名無しさん@お腹いっぱい。:2014/11/09(日) 00:22:33.15 ID:hkbMfmGe
モノラルで使うのに、TELEFUNKEN RS-1ってどうですか?
Isonettaと比べて。
デザインの好みで決めれば良い感じでしょうか。
448名無しさん@お腹いっぱい。:2014/11/09(日) 21:52:37.15 ID:9x9ge/s0
RS-1をステレオ・モノ両方の音源で使ってます。
図体からして低音の不足はあるでしょうが、うちじゃじゅうぶんです。

Isonettaは持ってないので比較分かりません><
449名無しさん@お腹いっぱい。:2014/11/29(土) 21:04:27.25 ID:Zh03jTim
JAZZのモノラルレコード聴きたくてShureのM44-7買った。
貧乏でごめん。
450名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/06(土) 23:06:27.27 ID:6qh8L9wv
このスレでモノラルを極められてる皆様はどのようなアンプを使われてますでしょうか。
システムをご披露して頂けるなら参考にさせて頂きたいです。
私はAltec409BをQUAD33-303の片チャンネルで使って古いJAZZやFolkを聞いています。
本来ならモノラル専用アンプを使うのが王道なのだと思うのですが。
451名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/07(日) 01:42:04.27 ID:g4ivUhSp
極めてない人ですが、うちは真空管で自作アンプにしました。
やたら高価な部品はやめにして、球も昔のヨーロッパ製でも入手容易なものにしました。
SPは中古で譲ってもらったInfinity(w)のしょぼいやつから先のTFKのRS-1とかいろいろ遊んでます。
SP盤はなかなか難しいので床置きのアップライト型のHMV 163蓄音機にしました。
452名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/11(木) 21:42:48.21 ID:ani8kzQ8
(⁰︻⁰) ☝ 極めてから発言したほうがいいぞ
453名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/11(木) 22:53:47.76 ID:QTjgm/RB
>>449
44-7は、本気で鳴らさないとなかなか鳴ってくれないよ
いい音してたら結構な腕前なんじゃないの
454名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/12(金) 01:37:11.42 ID:nzo/Iyuo
>>450
モノラル専用アンプて何なんだよ?笑
元々モノラルアンプを2台以上使って聴くのがオーディオというもので
モノ音源の時は単に片チャンネル使うだけ
455名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/12(金) 01:39:58.72 ID:jaHJ+umB
 放送通信審議委員会が、「君が代騒動」を起こした外国人が討論するJTBCの人気バラエティー番組「国境のない青年会〜
非首脳会談」(以下、「非首脳会談」)に対する法的制裁を議決した。

 放送通信審議委員会は11日、全体会議で「非首脳会談」に対する「日本の植民地支配に対する国民の歴史的意識と情緒を
配慮せずに日本の国歌『君が代』をBGMに使用し、民族の尊厳性と誇りを傷付けた」とし、放送審議に関する規定第25条(倫理性)
第3項違反で警告を決定した。

 これについて放送通信審議委員会は「放送局が謝罪文を掲載、謝罪放送及び関係者に対する懲戒処分など多角的に努力した点
に鑑みても、日韓の歴史問題が現存している状況で、日本の軍国主義の象徴となる音楽を使用したことは、国民が歴史認識と
情緒を配慮せず、民族の尊厳性や誇りを傷付けたと判断した」と明らかにした。

 「非首脳会談」は10月27日の放送で、日本人俳優の武田裕光が出演した際にBGMとして「君が代」を使用し、騒動となった。

ソース(Wow!Korea) http://www.wowkorea.jp/news/enter/2014/1211/10135591.html
写真=放送通信審議委員会が、「君が代騒動」を起こした外国人が討論するJTBCの人気バラエティー番組「国境のない青年会〜
非首脳会談」(以下、「非首脳会談」)に対する法的制裁を議決した。
http://www.wowkorea.jp/upload/news/135591/1211-kimigayo.jpg
456名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/21(日) 21:06:03.86 ID:msrplHY9
モノラル音源専用のシステムはオーディオシステムじゃないのか?
457名無しさん@お腹いっぱい。:2015/01/16(金) 09:22:21.57 ID:j85JO6o6
教えてください
1945年以降のフランス盤の録音カーブが判りません。
隔離病棟内なら分かる人いるのでは?
458名無しさん@お腹いっぱい。:2015/01/16(金) 12:01:48.38 ID:y5Ahy4vY
459名無しさん@お腹いっぱい。:2015/01/30(金) 17:25:15.76 ID:VAkFh2dk
ステレオ録音もプラグで単純にモノラル変換して一台のスピーカーで聴いてるけど もうステレオには戻れなくなった。
460名無しさん@お腹いっぱい。:2015/01/30(金) 17:42:23.75 ID:mHUWoeZY
そりゃーアカンよ

せめてステレオ録音のLPをモノラル針で聴けよ
461名無しさん@お腹いっぱい。
DL-102にトランスかましたらいい感じに鳴るよね。
ステレオ盤もきけるし。

うちは今、バリレラ入手したので専用フォノイコ制作中。