1 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :
2012/08/19(日) 14:26:00.84 ID:bhIcmg9/ ようこそ、毎日モノラル漬けにならずにおれない中毒患者様。 音楽の本質だけを骨太に再生するモノラルについて語ってください。
2000年以降の主な動向 2000年 米オーディオ界の重鎮ヘンリー・クロス氏が Tivoli Audioでモノラル・ラジオ Model Oneを設計。 2007年 江川三郎氏が、オーディオ・アクセサリー誌にてモノラルにカミングアウト宣言。 「モノラル再生という原点を見直す」2007年春 「音楽を聴く理想の場所とモノラル再生」2007年秋 「理想の再生とモノラルのメリットを検証」2008年春 2009年 ビートルズのモノラルBOXが発売。 2011年 フルトヴェングラーのSACDが英EMIより発売。
現在も製造中のモノラル・カートリッジ(SP用含む) DENON DL-102 Audio Technica AT-MONO3/LP, SP, AT33MONO Ortofon SPU Mono G MKII, SPU CG-25DI MKII, OM D25M, OM-78, Cadenza MONO, 2M MONO SHURE M78S EMT OFD25 ・・・他多数
4 :
試聴環境について :2012/08/19(日) 17:50:30.15 ID:bhIcmg9/
6 :
1930年代のHi-Fi :2012/08/20(月) 06:56:52.07 ID:ZIJlW5v3
7 :
VOTTと604 :2012/08/20(月) 07:51:11.43 ID:ZIJlW5v3
ランシングのICONICモニターも全くPAに使われなかったわけではなかった。
以下の写真を見ると、Altec A7と604の中間的な存在であることが判るだろう。
http://2.bp.blogspot.com/-4wnRRbk7leg/TwSMvtzZaSI/AAAAAAAAXy4/FmRdB9jQt6Y/s1600/ICON.jpg 同じサイズならA8のほうを思い浮かべる人もいるかもしれない。
しかしこちらは、FM局用に開発されたWE 753モニターのAltec版であり、
それをPAに応用したものである。(同じことは755Eにもいえる)
有名な604の開発は、ICONICモニターを録音スタジオ用に最適化することから始まる。
1943年にリリースされた後のことは、誰もが知る通りである。
一方で、この604は家庭用として積極的には売り出させなかったというのは言い過ぎだろうか。
Altecの家庭用システムには、バレンシアをはじめA7を小型化し装飾を加えたものが多く
家庭用に開発されたユニット(601やbiflexシリーズ)はそれほど多くない。
やはりVoice of the Theaterへの憧れは当時からもあったといえる。
Hi-Fiの歴史では、WE→Altec→JBLというアメリカ西海岸の伝統が持ち上げられるが
当時、もうひとつ大きな影響を与えた人物としてPaul W. Klipsch氏が挙げられる。
クリプッシュ・ホーンが有名だが、エレクトロヴォイス、ヴァイタヴォックスなどに
パテント供与した他、タンノイがオートグラフを作る切っ掛けともなった。
これによりモノラル期のコーナー・ホーンの黄金時代を築くことになる。
クリプッシュ・ホーンは、500Hz以下を低音用ホーン部分で受け持ち
壁面の反射を利用するため、周囲120cmは物を置かないように指定し、
理想的には9m四方(25畳)の部屋が良いとされる。
低音だけは15W必要だとするが、500Hz以上は2Wで十分であるとし、
10Wを入力すると300名の会場でも十分な音響を得られるとされる。
http://www.hifilit.com/hifilit/Klipsch/1953e.jpg これは明らかにバイ・アンプを意識した設計であり、
低音の重心の低さを重視するイースト・コーストの伝統をみることもできよう。
ただし出てくる低音は、風のように軽いもので、これみよがしに重低音を強調したものではない。
当時の低音楽器は、コントラバスとオルガンしかなかったはずであり
コーナー・ホーンの包み込むような低音と相性が良かったといえる。
1960年代以降の視点でみると理解しがたいのがワイドレンジ・ユニットの存在である。 1948年のJBL D130の発売を皮切りに、各社から12〜15インチのユニットが出された。 これらは、いずれも再生周波数は80〜8,000HzでHi-Fiの規準は満たしておらず ワイドレンジという名から想像するよりも、低音も高音も出ないユニットである。 一方で多くのユニットが1949年のLP発売以前の開発であり まだ78回転盤が市場では優位だった時代のものという理解が必要である。 業務用のジュークボックスにもワイドレンジ・ユニットは多用された。 Hi-Fi時代のシステムが従来の電蓄と違うところは、一体型で売られるよりも 専門メーカーによりLPに対応したレコード・プレイヤー、アンプ、スピーカーと 別々に売られたことで、組み立て費用を削減できるキット製品も数多く存在した。 スピーカーでは最初ワイドレンジ 1本でスタートし、ツイーターを追加しステップアップする というストーリーが一般的であった。その間にLPの枚数を増やすのと比べ悩むのである。
10 :
ワイドレンジユニット−2 :2012/08/21(火) 06:28:07.25 ID:5tXWZAUC
11 :
ソロヴォーカルをモノラルで再生する必要は無い! :2012/08/21(火) 16:04:59.34 ID:HSrdtKPj
〜と思うのですが如何でせぅ?
12 :
ソロ演奏をモノラルで再生する必要は無い! :2012/08/21(火) 16:05:30.15 ID:HSrdtKPj
〜と思うのですが如何でせぅ?
13 :
ソロ演奏/歌唱をステレオで再生する必要は無い! :2012/08/21(火) 16:08:51.67 ID:HSrdtKPj
<<ソロヴォーカルをモノラルで再生する必要は無い!>> <<ソロ演奏をモノラルで再生する必要は無い!>> スミマセン。大変な間違いを犯していますた。 ソロヴォーカルをステレオで再生する必要は無い! ソロ演奏をステレオで再生する必要は無い! 以上訂正してお詫び致します。
14 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/08/21(火) 16:15:59.47 ID:z2ngbvc5
死ねよ
15 :
イギリスの奇抜さ :2012/08/21(火) 22:25:49.81 ID:5tXWZAUC
16 :
タンノイの多面性 :2012/08/22(水) 21:54:01.60 ID:00VMlHnc
17 :
タンノイの多面性-2 :2012/08/22(水) 21:58:11.26 ID:00VMlHnc
18 :
モノラルの聴き方 :2012/08/23(木) 22:47:12.50 ID:+yQBhyoD
最スピ、オマエはスピーカースレを作りたいのかい?
部屋の四隅にスピーカーおいて、爆音再生して真ん中に座って聞いてたトスカニーニとかね。
NBC楽団員のDavid Sarser氏がトスカニーニの自宅に納品したとされるシステム
Ampex 300 → カスタムアンプ(Musicians Amp) → Altec 604B
1949年のMusicians Ampと呼ばれる807プッシュの詳細は以下を参照。
http://oestex.com/tubes/mus_amp%20.pdf その後このアンプはMaestro Ampとして6146プッシュに改良された。
http://oestex.com/tubes/maestro.html David Sarser自前のスタジオ3の構成
http://www.reevesaudio.com/studiothree.html MIC → Altec 436 → Pultec EQP-1(MEQ-5) → Altec 1567A → Ampex 300 → Musicians Amp → Altec 601B
この他、Fisher K-10 Space-X-Pander spring reverbs、Macintoshのアンプ、Thorens TD124も所有。
多分、トスカニーニの録音にエコーを掛けようと提案したのは彼かもしれない。
以下のサイトのリストでは、色々な機材が集まっていたようだ。
http://www.audiohistory.com/files/documents/AudioSystemsOfTheRichAndFamous.html Ampex 300によりテープで試聴することに。
Tape Library in basement:
ターンテーブルはプロ用の録音機材を使用
RCA 16" Transcription turntable
Jerry Minter 16" Transcription turntable
early Westrex disc cutting lathe
アンプ類はSarser氏のカスタムメイド
Pultec pre amp (custom made for AT)
Musician's Amplifier (Nov. 1949 by David Sarser)
スピーカーはちゃっかりRCAのものも置いてあるが
Main Hall にはVOTTが。Study Roomに604とLC-1Aが置いてあった。
Altec 604
Olson LC-1A speakers
Main Hall:
Altec Voice of the Theater (furniture finish)
良スレ
26 :
私の息子はEL34 :2012/08/25(土) 10:23:55.31 ID:TN+gu7Ds
直熱管パワーアンポで有名な千葉の館山コンコルドは 総ての系統がモノラルです。 その再生音を聴いた瞬間にステレオは必要無いと思いますた。
27 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/08/25(土) 10:46:11.67 ID:A192EgO+
でも、しばらくしてステレオ録音を聞いたら やっぱりステレオがいいやと思いますた。
28 :
診断票 :2012/08/25(土) 13:10:32.44 ID:Bw6aMsRT
>27 あなたは今のところ病状がみられないため退院です。 中毒症状が出てきたら、今度はメリル先生に診てもらいましょう。
トスカニーニといえば録音の扱いが難しい指揮者のひとりといえるが ともかくラッパ吹き込み時代から決定盤があるため非常にややこしい。 録音をNBC時代に絞ったとしても 1937〜1947年:ラッカー盤&アセテート盤 1948〜1954年:磁気テープ と分かれており、リリースされている分量はほぼ半々となろう。 前者の覇気のある演奏(70〜80歳:決して壮年期ではない) 後者の落ち着いたノーブルな演奏とそれぞれの魅力がある。 ラッカー盤とアセテート盤の違いは、前者が一般に量販されたのに対し 後者が放送用のアーカイヴである点。 アセテート盤は全米ネットをもつNBCがダビングして放送に使用したもので、 数回針を通すと擦り切れてしまうが、基本的にダイレクトカット盤に近い。 状態の良い復刻に当たるとパリッと乾いた音ながらライブらしい振幅の激しい演奏が聴ける。 これも1937〜39年、40〜44年、45〜47年で少しずつ改善がみられ 1941年のFM放送開始、終戦に伴うドイツ録音技術の移入が絡んでいるように思う。 ラッカー盤もメタル原盤が見つかると非常に良好な音質が得られるのは 1941〜42年に行われたフィラデルフィア管とのセッションでも判る。 ラッカー原盤の場合は1941年時点でも、かなり潤いがあり良好な音で収録されている。 1947年は原盤がラッカーであるが、テープにダビングした後、行方の判らないものも多い。 磁気テープはLP時代に改悪するケースが目立ち、いわゆる鋼鉄サウンドの伝説を生んだが 1992年に元テープからのリマスターで本来の音に戻ったと考えて良いだろう。 多分この音が基準となり、それ以前の録音の復調が叶っているとも思う。
30 :
振ると面喰らう :2012/08/25(土) 21:20:14.18 ID:Bw6aMsRT
これと全く逆の過程を踏むのがフルトヴェングラーで 現在の評価のほとんどは、戦後のライブ録音によるものと思われる。 かつてかなり劣悪な復刻が多く出回り、やや食傷気味だったが TAHRA、auditeなどから良質なリマスターCDが出てきて、過熱状況はまだまだ続くと思われる。 トスカニーニと逆転するのは1941年からのマグネトフォン録音において あきらかに戦後から1950年頃までの録音の質が悪くなることである。 特に戦中の録音は、ソ連軍が丸ごと接収していったため幻の存在だったが 1987年に返却されてからは、秘密のヴェールが解けつつある。 レンジ的には10kHzまでのようだが、深い低音や輝きのある金管の音を聴けば 戦後まもなくのものよりかなり優秀なことが判る。 戦後の混乱は、明らかに占領軍との録音技術の交錯によるものと思われる。 例えばEMIの1950年のベト7の録音では、元テープをラッカー盤にダビングした後に廃棄。 その後、テープにダビングし直す過程で女性の話声が混入というハプニングも生じた。 DGGの1951年セッションは、元はヴァリアブル・マイクログレードと呼ばれる 78回転盤マスターを後にLP用にテープ・ダビングしたものがマスターとして使われた。 これらは一部で元の78回転盤の復刻が試みられている。
31 :
ラジオの音 :2012/08/25(土) 22:30:02.72 ID:Bw6aMsRT
トスカニーニにしろフルトヴェングラーにしろ、長らく誤解を生んできたのが 大元がラジオ音源であることからくる、当時のリスニング環境への軽視である。 確かに現在のAM放送から想像する音質は、とてもこれで崇高な芸術が理解できる とは思わないであろう。 しかし当時の生中継の音が、78回転盤より遙かに良好だとしたらどうであろうか? >6 で示したように32kHzのバンドパス・フィルターをもったラジオであれば 10kHzのフラット再生は楽にクリアできるし、その実力を十分に備えていた。 他にも1930年代の録音マイクとスピーカーを知れば、現在のHi-Fiと全く遜色なく これのための録音媒体が何であったかに疑問も生じる。この空白を埋めるものが 生中継の音であり、マイクを併用したPA技術である。PAのように生音との対決となれば 15kHz再生もオーバースペックではなくなる。604やオイロダインを聴けば明らかである。 このような素地をもつライブ音源で状態の悪いと思われるものは、 ・ダビングの繰り返しによるテープ情報の劣化と出音の鈍化 ・ノイズ除去のため、5kHz周辺で過度なフィルタリングを掛けたもの(SP盤の規格と勘違い) ・位相が変わるほど中高域をイコライザーでいじりすぎているもの 等々の理由があると思う。ともかく変な音のものが多かったことも事実である。 アセテート盤の音の立ち上がりは、テープ収録より鋭い場合が多く、音が雑然と聞こえるのは スピーカーの中域と高域のスピードが揃ってなくて、高域の立ち上がりが耳障りに聞こえるからである。 これを無理に周波数特性で誤魔化そうとするので、本来のプレゼンスが消失した音ができあがるのだ。 一度失われたプレゼンスは、イコライザーで持ち上げても元に戻らない。素人に近い仕事振りである。 あえて言えば、1940年代の規格で8kHzまでを満遍なく再生できれば、十分に生々しい音になるし ホーンなどは逆にレベルを落とさないと、耳に突き刺さるほどうるさくなる場合が多い。
32 :
古ぼけたラヂオ :2012/08/26(日) 13:49:50.29 ID:kADzC/ry
同時代のラジオの音を評価するもうひとつの切り口はジャズである。
とはいえ戦前ジャズのこと、戦後のビバップのように、これぞジャズという境界線は極めて薄い。
ブルース、ライト・ミュージック、ボードビル芸人などと仲良く隣合わせである。
1930年代ならベニー・グッドマンのLet's Danceの収録や有名なカーネギー・ホール・コンサート
http://en.wikipedia.org/wiki/Let 's_Dance_(radio)
http://www.bg1938.com/ 1940年代にはビング・クロスビーのPhilco Radio Timeの収録
http://www.stevenlewis.info/crosby/philco46.htm この時代のジャズは、必ずボーカル・ナンバーが入るので、その音声を中心にトーンを調整すると
なんとなく落ち着く場所が見つかるので、音が変だと思ったときは仕切り直すと良いと思う。
これらはLPで出されたこともあるが、ほとんどは晩年のステレオ録音を境に忘れられた。
ところが最近面白いと思うのは、やはり時代の熱気というか演奏の勢いの違いである。
これと比べるとステレオ期の録音が譜面を読んでるだけのように感じるから不思議だ。
それと生番組ならではの出演者のタレントぶりも、今ではなかなか聞けない面白さがある。
この時代の録音で無くてはならないのが、中域のスピード感である。
小型2wayではウーハーの反応が重すぎて、絶対にうまく鳴らない。
それ以上に最悪なのが、高域がジャリジャリするアセテート盤の音である。
しかし勘違いしないで欲しい。中域のスピードが足らないスピーカーが押し並べてこうなる。
33 :
DGGのエニグマ :2012/08/26(日) 20:20:36.23 ID:kADzC/ry
34 :
DGGと都市伝説 :2012/08/26(日) 20:27:46.57 ID:kADzC/ry
1950年代のDGGの音調の判断を難しくしているのが、米デッカとの関係である。 ドイツ盤よりプレスの質が良いため、あえてこちらを選ぶという裏技もあるくらい。 米デッカといえば、ハリウッド映画と深い関わりのあったポピュラー音楽のレーベル? ここで判断が鈍るわけ。ユニヴァーサル・スタジオはAltecの王城である。 こうなるとAltecのもうひとつの側面、映画音楽に多いイージー・リスニングへの適性が 浮かび上がってくる。DGGの45回転シングルというのも変わったレパートリーだった。 こうしたなかで生き残った録音の数々は、たとえジーメンスの技術的後ろ盾があっても 嫌が応にも伝説化するのが常である。VR盤、秘蔵のマスターテープ、謎はまだまだある。 ウラニアのエロイカが半音高いピッチで出回ったというのも時代性のひとつだろうか。 遠い異国の都市伝説のなかを気ままに徘徊するのも、モノラル道楽のひとつである。
とても面白いです。今後も続けてください。
36 :
忘れ物 :2012/08/27(月) 07:30:42.21 ID:65TdR2wj
>33 でテレフンケンの085aモニターが抜け落ちていることが気になるかもしれない。
ノイマンのカッターレースのモニターに選定されたものだが、
やはりこれも高域拡散用にコーンツイーターが16個付いている。
http://www.gokudo.co.jp/Vanguard/room6/room6.htm 一方で、これはステレオ用に設計されたもので、>33 で紹介した様々な試みの
最終形態であることは間違いない。もちろんモノラルでも十分に鳴らしきれる。
一方で放送スタジオのモニターによく使われたのがIsophonのオーケストラという同軸型で
リリースが1949年ということで、当時からかなり注目を集めていたことが判る。
http://www.fernsehmuseum.info/lausprecherbau-1949.html いわゆるHi-Fiに対応したユニットでありながら、高音は従来のマグネトフォンでも
耳障りな音にならないばかりか、スピーチのPAにも最適であるとされる。
(実はこれがドイツらしくない大人しい音と言われる原因のように思う)
しかし最も注目されたのはその安さである。家庭用としてもおかしくなく実際に良く売れた。
37 :
忘れ物-2 :2012/08/27(月) 07:39:30.87 ID:65TdR2wj
38 :
小さい巨人 :2012/08/27(月) 21:59:07.64 ID:65TdR2wj
ビンテージのスピーカーにあてるアンプについては、昔から黄金の組み合わせがあるが
名作といわれるアンプの多くは30W以上のものである。EL34、KT88、6550...など今でも需要が高い。
というより、低いfoをもつウーハーを駆動するために、絶対的な駆動力が必要だったし
60年代以降は生き残れなかった。何でも駆動できるアンプは? と問われればこれである。
一方で、1950年代の家庭用スピーカーを駆動するためのアンプの主流は6V6、EL84である。
Altecが民生用に出したアンプは6BQ5プッシュが主流で出力10〜20W。これで601は十分に鳴らせた。
アメリカで一番売れたキットアンプGrommes社のLittle Jewelシリーズは6V6プッシュであった。
http://www.grommesprecision.com/grommes/assets/pdf/littlejewelreview.PDF 同じキット製品でも、ヒース・キットやダイナ・キットが如何に先進的であったか判るのである。
さらにヨーロッパに目を向けると、さらに小型なものが目立つ。
EL84プッシュはPA用、家庭用ならEL42(6BM8)シングル駆動で2W程度までである。
1960年代にはラジオ球といって誰もが蔑んでいたし、今もそれほど変わりない。
ここで問題になるのが、スピーカーに掛かる費用との大きな落差である。
折角のビンテージ・ユニットなので禍根を残さぬために、高級アンプをという気持ちも判る。
しかし、ただでさえスピーカーが高能率で、実際には1W使うか使わないかの瀬戸際では、
低出力時のリニアリティについて言えば、小型管のほうが良いのである。
スッとステップを踏み出すときの軽さとでも言おうか。ダンスの基本のようなものだ。
こうした小出力趣味について、一方では三極管の世界がある。 多くは1920〜30年代に設計され、電蓄の時代と共に去っていった…はずであった。 最初にリバイバルを促したのは瀬川冬彦氏であろう。1950年代末にAxiom80を購入して 色々悪戦苦闘の末行き着いたのが。45シングル。すでにウィリアムソン・アンプ全盛の時代に アッと言わせた不思議な体験談である。もっと先輩には伊藤喜多男氏がいて、オイロダインを 300Bシングルで鳴らすということを1973年に発表して誌面を賑わしていた。明治男の意地である。 面白いことに、1960年に長岡鉄男がフリーエッジのものでも、ローサーのような高能率のものは 「三極管シングル、NFなしの小出力アンプのほうが案外効果をあげるもの」と言い切っている。 一方で、低foで低能率の国産スピーカーは、「大量のNFを掛けた高出力アンプが必要」とした。 晩年の長岡氏からは想像も付かないだろうが、モノラルからステレオへの移行期を体験した 世代が抱いた共通の感覚というか、時代の空気のようなものが感じとれるだろう。 今の三極管ブームは単なるノスタルジックだろうか? モノラル録音を聴きながらアレコレ想像してみるのも乙なものである。
Magnavox は6V6パラプッシュとかよくわからないものも造ってるね。 うちで Rola のフィールド鳴らすのに使ってるけど、えれえいい音するよ。
41 :
ライオンの声 :2012/08/27(月) 23:42:22.80 ID:65TdR2wj
42 :
ライオンの声-2 :2012/08/28(火) 08:05:22.90 ID:kMPNdIsX
JensenのA12については、非常に広範に使われた、戦前のヒット作となりましょう。
コンソール型の電蓄ではRolaのほかにCapehart、Zenithの高級大型ラジオ
はたまたハモンドオルガンのレスリー・スピーカーに組み込まれたりと大活躍。
むしろあまりに広範に用いられたため、ユニット単体の特色が判りづらい。
Jensen流の処世術で、アッセンブリーの提案を色々やったのでしょう。
裸の特性は標準的なワイドレンジで、5kHzまでをしっかり出す。
http://nullspace.us/a12.html 一方で、聴感ではもっと帯域が狭いように聞こえるものも多く
ビンテージ・フィルター内蔵なんて言う人もいるくらい。
でもツイーターを加えると、あまりに普通の音なのでロマンが薄れる。
5kHz以降で-3dB/octでロールオフする欠陥ツイーターなんて無いしなぁ。
でも、A12の発売当初からツイーターを追加した例は沢山あるのですよ。
ここでも扱い方のぶれる原因がひとつ増える。
でも、A12でじっくり聴いてみたいのが戦前のスウィング・ジャズやブルース。
あとトスカニーニもいいかな。是非、勇姿のほどをお聞かせください。 >40様
>>41 何でもご存知ですね。w
確かにうちで使ってるのは2番目のサイトにある奴です。
マグナのアンプはアメリカだとかなり熱心なファンがいてせっせとリストアしてるみたいだけど、日本では音の割にほとんど知名度がないですね。
多分、基本がコンソールに突っ込んで使うためのアンプばかりで、アンプの筐体の見てくれが良くないのが人気のない理由だと思いますが。
業務用がなかったわけではないけど、スタジオや映画館とかより、学校とか教会の放送設備なんかが多くて、民生機との垣根が曖昧なのも日本で人気が出ない理由かもですね。
しかし、自分で使っていながら、マグナはなんで 6V6 のパラプッシュなんて作ったんだろうと不思議でならない。 純然たる出力の問題なら 6L6 のPPで済んだなのに。 整流管2本差しとか、かなり効率の悪いことになってて、ちょっと意味が分からないw パラプッシュらしい太い、いい音が出るんで気に入ってるアンプではあるけど。
>>42 うちの Rola は英国輸出してた Saxon というブランド名になってますが、袴付きなので、おそらく30年代後半から40年代初頭あたりの電蓄の中身だったのではないかと想像してます。
型番が G12 なので、この辺の型番は普通の Rola と共通みたいです。
この辺のフィールドのユニットは、Rola も Utah もコーン紙だけ変えて、実際にはほとんど Jensen が供給してたという話を読んだことがありますが、実際はどうなんでしょう?
ユニットのフレームを見る限りは、リブのとりかたとか各社それぞれに特徴があるように見えるんだけど。
素のユニットの音の特徴でいうと、Jensen は全体にやや細くて硬い音の印象があって、有名な TA-4151 含めて、いい音だとは思うけど自分の好みからはちょっと外れる。 いわゆる現代的なハイファイ的な音に近い印象があって(もちろんフィールド型特有の音の強さはすごいけど)、A12にツイーターを追加するとかなり普通の音になるというのもよく分かる話。 どうせわざわざフィールドを使うのなら、Rolaの太くて柔らかみのある音の方が自分には楽しい。 なお、うちでもツイーターは使っていて、Jensen のRP103を合わせてます。
(今気づいたんだけど、Magnavox は「ライオンの声」ではなく「大いなる声」か「偉大なる声」だと思います。 ラテン語でのライオンは leo だったはず。格変化はこの場合どうなるかは忘れた)
>44
>しかし、自分で使っていながら、マグナはなんで 6V6 のパラプッシュなんて作ったんだろうと不思議でならない。
>純然たる出力の問題なら 6L6 のPPで済んだなのに。
もしかすると、音の作り込みでしょうかね。6L6だと太くなりすぎるかも(もしくはフォーカスが甘い)。
高域の澄んだ感じを残しながら、厚みも出るという良いとこ取りな感じでしょう。
全体の音の太さはUTCのインプット・トランスによるところも大きいでしょうね。
MMカートリッジのように、2Bの鉛筆のような暖かみのある感じが好きです。
この辺のバランスが合っているから巧くいくんだと思います。
http://www.nostalgiaair.org/PagesByModel/293/M0010293.pdf これは組み込みアンプだけあってフィールド電源も付いていて便利ですね。
今更ながらフィールドコイル250Vの意味が判りました。6V6、2A3のB電源と共通。
(難しく考えずにそのまま並列で繋げば良かったのか?)
>どうせわざわざフィールドを使うのなら、Rolaの太くて柔らかみのある音の方が自分には楽しい。
>なお、うちでもツイーターは使っていて、Jensen のRP103を合わせてます。
これぞ良識というものです。家庭用ユニットの良さというものをどんどん広めましょう。
あと…例のライオンです。
http://uv201.com/Audio_Pages/Audio_Images/magnavox_2.jpg
78回転盤からドーナッツ盤への移行期に流行した米国のポピュラー音楽はある意味不運だ。 LPになってもほとんど再販されることなく、お蔵入りしたテイクが大量にある。 しかし、ただ古臭いだけじゃすまされない面白さが潜んでいる。 まずもって、1940年代ほどおバカな音楽が炸裂した時代もない。 対ナチス、対共産主義を掲げて、娯楽そのものが国策だっただけある。 ビルボード・チャートにノベルティ部門があったくらいである。 ラジオでのリクエストがチャートに影響大な時代なので、こっそり買って聴いたのではなく 公共の電波を使って堂々と鳴らしていた。ラジオがノベルティ文化を押し上げたのだ。 誰もがラジオ生出演風のアドリブを付けたがるし、一発屋を狙った芸人魂を競ってた。 思えばトーキーの輝かしい歴史も、ボードビル芸人のダンスと歌で幕を上げた。 ユーモアのなかに真実があると言えば、ややユダヤ的であるが ことアメリカのポピュラー音楽にはその傾向が強い。 その笑いの殿堂を再生するとき、どうしてもフィックスドエッジのスピーカーが欠かせない。 ひとつは音の勢いとノリの良さ、そして瞬間芸に掛けた切り替えの早さが命である。 重たいウーハーでは追いつかないので、80Hzより下はいらない。 ボーカルの機転を良く聴くために、高域だって6kHzまでを出せれば十分。 それは車高の低いレーシングカーに乗っているようなスリル感だ。 ジャイブ、ブギウギ、ジョグ、ブルーグラスに乗せて、軽いジョークを叩く伊達男と一杯やろう。
52 :
水晶の響き :2012/08/30(木) 06:53:53.45 ID:JYzO65O8
53 :
モノラル同棲生活 :2012/08/30(木) 07:49:45.66 ID:JYzO65O8
しかしこのデコラの話を読んで、なるほどと思うことも多い。
http://www.audiosharing.com/people/gomi/junrei/jun_03_1.htm デコラのアンプを取り寄せたが「比較するのがいたましいくらい」マッキン、クオードに劣る。
スピーカーは当然ながらオートグラフと比べるまでもない。しかしデコラの音はすこぶる良い。
さすがに五味先生は、セラミック・カートリッジは評価していないが、モノラルで鳴らすデコラの
音について、「モノーラルの音の冴えは到底《デコラ》にかなわない」と断言する。曰く「SPを
鳴らせなければ承知しないロンドン児相手に、発売されるコンソール型だけに《デコラ》のモノは、
これがモノーラルかと耳を疑うほど、たっぷり、ふくらみあるしかも繊細な美しさをともなって鳴る。」
こうした思いやりというか、やさしさが、実はモノラル再生には大事なように思う。
そういえばクオード 33型プリアンプにも、強力なロー&ハイカット・フィルターが付いていた。
レコード・キラーの異名を取る古いカートリッジを使っていた当人たちは
案外ミゾの擦り切れたのが気付かなかったかもしれない。高音がそもそも出ないカートに合わせ
システムが組んであるからだ。好きな盤はトレースしやすいローファイLPが完成しているかも。
21世紀の当地のマニアはDecca DeramやSonotone 9T、さらにローファイでガッツのある音を目指す。
なんだか時計が一周したような感じだが、いつまでも回転するレコードのようで面白い。
56 :
ちょっと立ち読み :2012/09/01(土) 09:07:30.26 ID:PLDk6TH3
57 :
モノラルの聞き方は自由 :2012/09/01(土) 16:57:12.15 ID:PLDk6TH3
1940〜50年代のBBCのテクニカル・レポートをみて感じるのは、Hi-Fi時代の前哨戦として
録音機材とスピーカーの進展の早さである。これは世界大戦で途絶えていたアメリカ、
ドイツの技術動向が一気に流れこんだというころが関わっているように思う。
最終的な勝者はドイツの磁気テープ収録になるのだが、1950年初頭では意外にアセテート盤も
捨て切れていないことが伺える。実際には1960年代までアセテート盤は使用し続けられ
ビートルズのサタディ・ナイト・ショウの記録もある。これは当然ながらモノラルである。
この延長線には1970年代に自主プレスLPでブリティッシュ・ロックを世界配信するようになった。
面白いのはイコライザー・カーブに独自のものを使用していたこと。NAB規格に準拠するか悩んでいたが
カッターヘッドの性能で特性が異なることから、標準化に慎重に対処するように提言している。
これはモノラル録音が、演奏者のサウンドの違いよりも、録音のトーンの違いが顕著であることと
無関係ではないように思える。(参照:
http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1946-02.pdf )
トーンコントロールはこうしたトーンの違いを補正するのに必須であると思う。
放送局用モニターというと、音楽番組の製作に用いられるものが最先端であり名機が多い。
しかし、陰日向で最も活躍したのは8インチのフルレンジユニットである。
最初期で完成度の高かったのはGE社が採用した、ライス&ケロッグの開発した
ダイナミック・スピーカーで、1926年にRCA 104型としてリリースされた。
UX-112、UX-171、UX-210、UX-245等のGE社の真空管と同時期だということを考えると
このルーツの古さに驚くことだろう。英BTHや独AEGにもパテント供給され世界標準となった。
またオルソン博士の開発したRCA 64A/B(MI-4400)も8インチであり、この口径への愛着は
既に不動のものとして定着していたように思う。
戦後のHi-Fi期に前後して開発されたものとして
米国ではWE 755A、Altec 400B、408、JBL 208 LE8T、Jensen P8P、EV SP8Bがあり
放送局での音声モニター、ビギナー向けのスピーカーとして大活躍した。
日本でもパイオニアPIM-8はラファイエットSK98としてOEM生産されたとか
パナソニックのゲンコツ8P-W1も外資獲得に大活躍であった。
http://www.imagebam.com/image/2d1151128254565 英国にはローサーPMシリーズ、グッドマンズAxietteもある。
このうちAxietteはBBCモニターやDeccaのデコラ電蓄にも搭載された。
この8インチユニットの良さは、低音と高音のバランスの良さと自然な響きにある。
ボーカル専用のサブシステムと思うかもしれないが、狭い日本の家屋には十分の音量で
アンプもラジオ球と言われる6V6、EL84、2A3などで十分に鳴らしきれる。
あと音の悪い録音への耐性もあって、SPからLPまで何でも聴く人には重宝するし
大型システムのバランスを確かめるためのバロメーターにも利用できる。
安いからとステレオで揃えず、モノラル1本で聴くのがオススメ。
UX-112、UX-171、UX-245はWesting House社 UX-210のみGE社でした。ごめんなさい。 ラジオ球として知られるこれらの3極管は、とても長く製造され戦前のオーディオの中心的存在といえる。 12Aは0.3Wでマグネチック・スピーカーに最適で、芯の細い音。真空管ラジオのファンには人気だ。 71Aは0.7Wで少し重心が下がって、一番バランスの良い球。後の6V6とも似ている中堅の音だ。 45は太い中低域と柔らかな高域の、いかにも3極管らしい音。出力は2W以下。 10(VT25)はこれらと違いカチッとしたメリハリの強い音。電球のように明るい10Vタングステン球。 3極管というと柔らかでナロウレンジという印象もあるかと思うが、トランスひとつで大分違い 最近のトランスに載せ替えると、20kHzは楽に伸びている。現代の録音に合わせる場合にはこれで良いが モノラルらしい中域のコクを出すのは、トランスの影響が非常に大きく 個人的には10kHz以上が下がるくらいのほうが、エネルギー感が増すように思う。 今はこういう「欠陥品」を見つけるのが難しい。あとNFBは掛けないほうが、音楽が弾んで面白い。 上記の8インチ・フルレンジとの絡みでいうと、3極管はそれよりずっと古い設計のもの。 しかしビーム管で鳴らすと普通にHi-Fiな音なのに、3極管はSP時代のシンプルな芸風が似合っている。 ちょうどストーリーが込み入った往年のハリウッド映画と、チャップリンの無声映画との違いみたい。 共に今どきの爆発ばかりするのに比べると大人しいものだが、ワンシーンに掛ける時間の流れが違う。 この時間の流れがオールドタイムを活き活きと演出してくれるのだ。
モノラル時代のフルレンジのキャラクターを分けると、おおよそ3種類に分かれると思う。 一般にはアメリカ、イギリス、ドイツと国別に分けることが多いが、性格が180度違うものもある。 例えば同じドイツのLorentzとIsophonでは全く違うし、同じJBLでも208とLE8Tで異なる。 1)中高域2.5kHz周辺に山をもつワイドレンジ型。 Altec 400B、755E、JBL 208、Jensen P8Pなどはこの部類に入る。 これはベル研究所のラウドネス曲線に沿ったもので、音が前にせり出し明瞭性をもつ。 (アーグル氏のレコード・エンジアリング本にもイコライジング技術として紹介されている) 一般的にビンテージ・ユニットというと、この系列を指すことが多い。 2)フラットな特性のユニット 今では当たり前のフラット志向は、戦後に開発された新しい傾向である。 JBL LE8T、グッドマンズ Axiette、パイオニア PIM-8、パナソニック 8P-W1が該当。 ドイツ製のモニター用ユニットもこれに相当し、ドイツらしくないと酷評される。 3)高域をさらに増したユニット これはドイツ系のフルレンジに多いもので、4〜8kHzをさらに歯切れ良くしている。 Siemens、SABAのほか、ローサー PM-6、エレボイ SP8Bが相当し、バックロードホーン向けとされる。 WE 755Aもこれに属すると思うが、後続の755Eが異なるため誤解されてるかもしれない。
この手の「サブ・スピーカー」に向いているユニットの多くはそれほど凝った箱を必要としない。 (上記の3)でバックロードが合うのはPM-6とSP8Bのみです。重ね重ねごめんなさい。) 特にフィックスド・エッジのものはfoが高く低音が伸びないので むしろヘタにバスレフに入れるとボン付いてじゃまになることもある。 例えば、Altec 400B、WE 755Aなどは構内放送用の小さな箱でも十分に鳴るし そういう使い方でも浸透力のある音が鳴る。(ドイツ製ユニットも同様である) 壁面やコーナーに置くことで音の広がりが出るし、10畳程なら1本で十分である。 アンプは1Wもあれば十分で、むしろ小音量のときのリニアリティが効いてくるので 小型のトランスのほうが軽くスイングするので心地良い。 少しだけ欲張って40L程度の密閉箱に入れても良く、小型PA並の力量で鳴り響く。 10W程度のプッシュプルを充てると、小さなライブ会場なみの音響が得られる。 ドイツ製ユニットは、ラジオ用がほとんどなので、平面バッフルで使う人が多いが 後面開放か、密閉箱でも後ろ面にスリットや小穴のが開けて背圧を逃したほうが良い。 アンプはEL84、EL82などのシングルが一番合っている。 むしろ箱に気を遣わなければならないのは、LE8T、ゲンコツ、PM-6のような フリーエッジ系のユニットで、低音を50Hz程度まで欲張っているので 80〜120Lのそれなりの箱に入れなければスカスカの音になる。 低音の量感豊かな本格的Hi-Fiシステムに近づくが、ステレオで使う人は高域不足を 感じる人がいるかもしれない。同じ箱で12インチ同軸という選択肢もあるなかで モノラルで踏ん張るのは多少勇気が居るかもしれない。 アンプはシングルアンプでも鳴るが、10W程度出るプッシュプルのほうが躍動感が出る。
65 :
良い塩梅 :2012/09/02(日) 20:27:29.02 ID:1gaNMFqR
12インチの同軸ユニットは、1950年代にかなりの種類を数え、価格も手頃なのが魅力である。
ただ日本でもそうだったが、あまりしっかりと設計されていない張り子の虎のような
良く判らないものも多い。アルテック、タンノイ以外は1970年代になると急速に忘れ去られた
ユニットがほとんどなのも特徴だ。逆にいえばビンテージ度も高いのだが、この思い入れが
じゃまになる場合もある。
例えば、Isophon Orchesterや日本からOEMしたLafayette SK58のように超フラットな
モニター調のものは、日本では見飽きているのか評価が低いが、欧米では高かった。
100L以上のバスレフ箱に納めてゆったり鳴らすのが流儀であろう。
個人的にはアルテックもタンノイも12インチだと、あれほどアンプに苦心せずに済んだはずだ
と思いを深くする。EL84や6V6のプッシュプルで十分鳴るのだから、まさに家庭用に最適。
モニターレッドにコーナー・ヨークをモノラルで鳴らすなんて趣味の極道か?
あるいはAltec 601をモノラルで購入する理由を自覚している人は、相当な趣味人であろう。
コーナー型バックロード箱で入門に適したエレボイのAristocratに12TRXを詰めるのも良い。
あと置き場所だが、シングル・ソファをスピーカーの脇に置いて聴くのが当時の流儀である。
ほとんど部屋の響きをブレンドして聴くのが、ゆったりしたリビング空間を生み出す。
ステレオ試聴の流儀に毒されて、正面から聴くのは野暮というもの。
http://www.hifilit.com/hifilit/Electro-Voice/117-6.jpg http://www.corbisimages.com/stock-photo/rights-managed/NT3724378/family-listening-to-radio 何事も適当なさじ加減が良い結果を生むのである。
66 :
古い電波にのせて :2012/09/02(日) 21:36:18.61 ID:1gaNMFqR
12インチが部屋いっぱいにHi-Fiサウンドで満たす条件を備えているとすれば
8インチはそれよりもパーソナルな空間を作ることができる。
最近面白いと思っているのが、8インチユニットを3極管シングルで鳴らし
戦前のジャズやブルースを聴くこと。本来であれば、当時のユニットを使うべきであろう。
しかし戦後のある時期のユニットには、78回転盤への未練の濃いユニットもある。
そして80〜8,000Hzという帯域を独特のコクのある音で鳴らしてくれる。
Altec 400Bは1945年のまさにSP末期のものだが、1950年代の放送業界の実態に合った特性だと思う。
http://www.lansingheritage.org/images/altec/catalogs/1949/page5.jpg 誰もが不思議に思うほど狭帯域のJBL 208のようなワイドレンジもこの部類に入るだろう。
エレボイ SP8Bでは、カタログで9kHz以上はカットしたと明白に書いてある。
http://www.hifilit.com/hifilit/Electro-Voice/baronet-2.jpg これらは当時でさえ、6V6プッシュで鳴らすことが多かったのだが
スピーカーのもつ最大スペックを狙うのではなく
あえてラジオ球クラスの3極管シングルで鳴らすと、懐かしいくつろぎの時間が生まれる。
それもアセテート盤で収録されたラジオ番組が妙に合うのだ。
夜な夜な70年以上前のラジオの音に耳を傾けるのが、最近の日課になっている。
ロカビリーの話ついでに、ロカビリー・ファンには、モノラル再生への関心が薄いというか ビンテージ・オーディオそのものの存在をあまり知らない人が多いように思う。 それで曲の魅力が減じるわけではないが、ラジカセで聴いても一緒だと言わんばかりの勢い。 例えば当時のジュークボックスの再生音は、米国ではマストアイテムだが、日本では補修屋が皆無。 オーディオに興味のある人でも、JBL 4312止まりで、ロックのルーツをついでに知りたい程度。 せめてフェンダーのギター・アンプ(D130やJensen)で聴いてみると、また感じが違うと思うのだが。 張りのあるドラム、突き出るボーカル、跳ねるギター、当時の人が熱狂した全てが詰まっている。 深いベース音とか、シンバルが綺麗に鳴るとか、実はどうでもいいように思うのだ。 個人的には、日本の家屋ならスーツケース入りのアンプ付スピーカーが最適なのだと思うが これまでスーツケース・スピーカーがまともに評価されたことはないと思う。 同じラジカセ並の大きさでも、小型PAとしての実力が全く異なる。 (管球王国65のSP盤紹介で、Ampex 620から、結局BBCモニターで聴いた意図が全く判らない。 特集のAltec 755Cに繋がらないのが、ロカビリーを低くみているせいかもと疑いたくなる。) ただ最近、マニアの間でアセテート復刻がオリジナル・テープより評価されていることは幸い。 オリジナルはそっちで、テープがコピーだからだ。
70 :
1950年代の箱入り娘 :2012/09/04(火) 22:04:31.28 ID:OU1rbShj
71 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/09/04(火) 22:13:54.32 ID:dSMhtemd
だらだら 長い書き込み 御主たち 暇じゃな〜
いや、ずっと読んでるが、オーディオ誌の連載より勉強に鳴る。 既存編集者の猛省を促したい
>71 自分自身もモノラル時代の情報に飢えてるし、実際どういうアプローチが最適かが判らないまま。 だから隔離病棟をつくって色々とテーマを切り貼りしている。 >72 過分なお言葉だが、既存のオーディオ誌のアプローチは 「1950年代のモノラル録音(特にフリー・ジャズ)の魅力を最大限に引き出すシステム」 「現代の録音も魅力的に鳴らすビンテージ・オーディオ」 という限定されたテーマを追い続けていると思う。 だからトスカニーニやフルトヴェングラーをリファレンスとして試聴できないし、 スウィング・ジャズ、ブルース、ロカビリーというアメリカ文化の中枢を押さえきれない。 そこから映画音楽、懐メロ、歌謡曲と無限に広がる録音ソースの海があるのに あえてそこにダイブして溺れてみせるだけの器量がない。 管球王国65でもビル・ヘイリー、プレスリー、平尾晃、ペギー葉山とかなり頑張っているのに なぜとなりの特集記事のAltecフルレンジを持ってこれないのかが不思議。 そこで、AmpexとAltecの共通項と相違点がみえてくるのに。 いつかレコード・コレクターズ誌の執筆陣とコラボしないかと夢みてる。
例えば、戦前のハリウッドに詳しかった野口久光氏の復刻盤は 絶対にスクラッチ・ノイズを赦さない世代で、5kHz以上は大幅にカットする。 こういう方針は1980年代まで一般的で、東芝のGRシリーズ、ビクターの赤盤シリーズにも共通していた。 実際には1933年のWEのワイドレンジ・システムの開発で10kHzは収録可能で 現実には8kHzが通常のスペックとして流通していたので、SP盤といえども侮れない。 それとスクラッチ・ノイズは3kHz付近が耳につきやすく、当時のノッチ・フィルターもそうだった。 意外にも5kHzカットは、電蓄に装備されていたトーンコントロールを、そのまま踏襲したものだろう。 今の新しい復刻は、こうした流儀をわきまえていて、大分時代が変わったと思う。 JSPの復刻など、1920年代にやや弱さをみせるが、1930年代物はすばらしい復刻が多い。 ソニー・エンターティメントのレガシー・シリーズも、丁寧な復刻で安心できる。
上記の1218Aのリンクを間違えていました。以下が正です。
http://www.lansingheritage.org/html/altec/specs/pro-speakers/1218a.htm これらの特性の違いは、ウーハーの違い、クロスオーバーの違い、上下のバランスなど
500〜6,000Hzのキャラクターで音の厚み、抜け、広がりが変わる。
録音ソース毎に設定を変えるのはしんどいので
ベースとなるサウンドが決まれば、イコライザーで微調整するほうが実用的である。
個人的にはステレオのアンプをバイアンプにしてモノラルで鳴らすのも良いと思う。
クラシック向けということで思い出したが、1950年代に音質評価に用いるソフトは
ムード音楽というと驚くかもしれない。しかし実際はそっちのほうが多かったと思う。
例えば1955年のトップテンに入っただけでも
Billy Vaughn "Melody Of Love"
Perez Prado "Cherry Pink and Apple Blossom White"
Four Aces "Love Is a Many Splendored Thing" もその部類か。
意外なのはヤンキーソングの売れ行きで
"The Yellow Rose Of Texas"、"The Ballad Of Davy Crockett"などは
年中売れ続け、ジュークボックスでも人気だったらしい。
これらは同曲を別のミュージシャンが並行して吹き込むことも多く
間違って買ったわけではなく、いちよ売れ行きの順序もある。
もちろん"Rock around the Clock"や"Dance With Me Henry"も売れたが
どうもアメリカン・グラフィティに感化されて、若者だけのアメリカを
イメージしすぎているのかもしれない。
もちろんAltecはこれらの幅広いジャンルにも適性を示す。
77 :
映画の音声 :2012/09/07(金) 06:36:27.78 ID:LC4dW1hg
79 :
PA屋のど根性 :2012/09/07(金) 07:59:22.60 ID:LC4dW1hg
アメリカン・サウンドというと、いかにも攻撃的な印象をもつかもしれない。 一方で、なんというか、ぶ厚くて柔らかい中域に魅せられるときがある。 いわゆるシルクのような繊細さではなく、ベルベットのような質感。 真空管のサーモノイズをシュワッと感じた後に寄せてくる出音の充実感である。 最近気がついたのは、こういうサウンドの志向が、今のクラブ系で流行っていること。 1970年代初頭のUREI、BOZAKなどのミキサーが珍重される不思議な現象が続いている。 やはりそこでも「太い音」という言葉が飛び交う。 そもそも高域が拡散して、低音ばかり目立つクラブ独特の音響のなかで 中域の押し出しがステイタスを築くのは、並大抵のことではない。 そのパワーを、ビンテージのミキサーが作り出すというのだから面白い。 個人的にはUTCの軍用トランスが好きだが、その音は最初は魅力を何も感じない。 高域の輝かしさ、低域の太さ、そういうオーディオ的な魅力とは無縁だ。 しかしボーカルを肉付き良く再生するのに、これほどのトランスを見つけるのは難しい。 その自然さは、男性のアナウンスを聴くと判る。SP時代の録音でもくぐもったりカチンコチンにならない。 人によってはWEのほうが…という意見も多いだろうが、WEは全体のバランスを保つ名人芸あっての音 なので、トランスだけ抜き出してサウンドのバランスが保てるとはあまり思えない。 その点、UTCは融通が利くし、色んな意味でタフだ。このいい加減さも好きな理由である。
81 :
規格にぴったり :2012/09/08(土) 15:59:05.13 ID:w1pWzKP9
業務用というと、完璧な水準という印象も抱きやすいが、 規格という壁に阻まれて、意外にも最高のスペックというわけではない。 1925年:100〜5,000Hz:ビクトロ−ラ蓄音機 1931年:80〜8,000Hz:AMラジオ、映画館 1946年:50〜15,000Hz:Decca-ffrr、FMラジオ 1949年:20〜20,000Hz:Hi-Fi Hi-Fi以前の規格は十把一絡げにされやすいが、 1941年のFM放送開始なども含めると、5年置きには規格を煩雑に変えており あとHi-Fi以後も放送局の機器には15kHzで閉じているものが多い。 とはいうものの、スペックだけなら今のラジカセでも公称20kHzだが これらの業務用機器の実力は、その中身の堅実さにあると言っていい。 ここで規格内の音をきっちり出すとは、単純には、余計な音(ノイズ)を出さず、 レンジも窮屈ではない、という当たり前のこと。しかしこの当たり前が意外に難しい。 例えば、私が大好きなラジオ音源は通常は5kHzまで、伸びていても8kHzというレンジだが これを自然に鳴るようにするため、トランスでレンジを制限し、イコライザーで整え、 スピーカーも古レンジで揃えると、過不足無くぴたっと納まる。 Jazzだと511ホーンの愛好家は80Hz〜10kHzに留めるかは非常に悩ましい問題で ステレオ録音も視野にツイーターを足す人も多い。かといって最初から811にする人は皆無。 JBL D130に足すのは、175か075かというのも同じ問題である。 この手の問題は、残念ながら、新規格が旧規格の上位代替とはならない。 500Hzと800kHz、1,200Hzと2.500Hz、この間に詰まっている音をどう考えるかは簡単なのに 10kHz以上の話となると難しく考えるのは、人間らしいといえば人間らしい。
82 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/09/09(日) 08:55:33.47 ID:9SZ0gU4F
ふむふむ もっとやって じゃが5球スーパーにもう戻れないのよね
小出力真空管のシングル・アンプで鳴らしている人は、ボーカルや室内楽には良いが オーケストラは苦手という感覚をもっている人も多いと思う。 1Wも入れば音量的にはうるさいくらい鳴っているのに、なにかが違うのである。 こういうときにコンプレッサーを導入すると、意外に効果が出る場合がある。 既に録音時に整えてあるのに、さらに加えるのはナンセンスなのではと最初は思ったが 1:2くらいでソフトに入れてやると、それほど癖も感じられず自然になる。 こうするとフォルテとピアノの差が縮まり、小出力でも聞きやすくなる。 コンプレッサーを入れることで、フォルテのときの音に解像度に差が出てきており よく聴くとフォルテのときには軽くクリップしていていたことも判った。 あとアタックとリリースの設定で、音の押し出しが良くなる場合もある。 これでもLPだとそれほど気にならないが、CDで聴いた場合にピーク時と小音量との 差が激しく聞きづらいことが多い。これはオリジナル・テープをそのままダビングして リマスターしているため、LPのカッティング時に施されるコンプレッサーの処理が なされないまま製品化されるからに他ならない。それがオリジナルといえばそれまでだが やはり味気ない。これにコンプレッサーをかけると腰の据わった音になる。 あとFM放送が聴きやすいのも同じ理由で、以前トスカニーニの録音を流したことが あったが、凄く滑らかな音で驚いたことがある。最初はDL-102の音かとも思ったが CD発売記念だったので、どうも理由はそれだけではなかったらしい。
管球式ラヂオって楕円形スピーカー多かったですよね
>82 >6を参照のこと。 1930年代の高級ラジオは2wayスピーカーでPA並の実力があった。
87 :
業界の陰の主役 :2012/09/09(日) 21:11:54.19 ID:uAbY4+7b
いつも頭の隅っこにあるのが、トスカニーニとフルトヴェングラーの放送用録音のこと。 そしてどういう音響機器で聴くのが最適なのかと何となく考えている。 トスカニーニの場合の鬼門はアセテート盤の復刻で、特有の乾いた音質に慣れるまで ある程度時間がかかる。それに加え、アメリカ特有の中高域を持ち上げる色付け。 ダイナミックレンジは30dBくらいだろうか。その限界のなかでのパフォーマンスである。 この難問奇問を乗り越えると、アセテート盤のアーカイヴ群の広い大洋に泳ぎ出す。 フルトヴェングラーの場合はもっと複雑で、マグネトフォンの再生機器が戦後にうやむやになり ほとんどはコピーテープを使った焼き直し。最近になってオリジナル・テープのリマスターが 出回ったのは、旧ソ連からの返還があった1991年以降に再生機器の再構成が行われたのでは と思っている。それまでの悪あがきが何だったのかと思うほど、夢から覚めたような感じ。 その後は戦後の録音も見違えるように良くなったように思う。 ただLP時代からの調整をやりなおす必要もある。現代のモニターシステムで調整しているからだ。 それでも当時のパンパンに張ったフィックスドエッジのスピーカーは必須だし 真空管のほうがタフなだけに部品交換がやりやすく調整しやすい。
一方で、こうした折衷的な考えとは真っ向反対する意見も多いだろう。 一見、癖のありそうなフルトヴェングラーも、素直なシステムで聴くとそれなりに聞こえる という一般的な意見もある。クラングフィルム、タンノイ、JBLというモニター系で楽しむ人も 結構多いのである。それぞれに理由はあって、クラングフィルムは旧来のドイツ音響機器の親玉、 タンノイはEMIのスタジオモニター、JBLは1970年代のDGGのスタジオモニターである。 発売された期間が長いだけあって、どの時代のプレスかで使い分けるのも面白いかもしれない。 ただGrundeigの楕円型スピーカーでフルトヴェングラー専用システムを組んでみるとか Isophon Orchesterをスーツケース・スピーカーとして使ってみるとか そういう裏道を通ってみると、フルトヴェングラーは雲の上の人ではなく 普通にドイツの街を歩いてた一市民であったという実感が湧くような気がするのだ。 ある意味、そうした一般的なドイツ人のために演奏しつづけた人でもあったと思う。
ヒマなジジイがキショいのうw
これらのアンプはどうだろうか?
Kammermusik-Kombination Z59Mは、EL34プッシュで家庭用としては最大のものだ。
多分、米英向けに企画されたものと思われるが、ELACのプレーヤー、AEGのオープンリールと
ドイツ電器業界の見本市のようなもので、ひとつの指標になるだろう。
http://www.radiomuseum.org/r/siemens_kammermusik_kombination_z.html テレフンケンの085aモニターは、ノイマンのカッティングレースの検聴用に指定され
アンプはV69型(F2a11のプッシュ)とされる。いわゆる削り立ての原盤を聴くためのもので
この辺の規準がどうなっているのかは、まだあまり調べていない。
トーンマイスターの制度が始まるのは1969年からなので、それ以前は録音技師であるが
グラモフォンには製作責任者、録音責任者、録音技師がしっかり明記されており
音の傾向は録音技師による違いのほうが大きい。使用マイクやセッティングなど記載する
フォーマットも整備されていて、ノウハウを蓄積する姿勢はあったようだが
1950年代は録音技術の進展も重なって、思ったほど一枚岩ではない。
一番判りやすいのは、ヨッフム/BPOのブラームスSym全集で
初期のVR盤コピー(1951年)、中期のテープマスター(1954年)、後期(1956年)となる。
085aモニターはステレオ初期=モノラル末期の製品なので、モノラルの総決算とみるべきか
既に安定期に入った録音方法の申し子とみるべきかは評価が定め難い。
最後のラジオは、これも輸出品が多かったが、それでもEL84シングルが多かった。
今では初心者向けのキットアンプに多い仕様は、高性能な小型ビーム管によるもので
この時代にHi-Fiに関する基本的なトーンが完成していたと考えてよいだろう。
反応の良いフルレンジで鳴らすことで、本来の味わいが戻ってくる。
95 :
1本だけで聴く勇気 :2012/09/13(木) 23:22:30.54 ID:hHjPFmk4
モノラル録音は1本のスピーカーで聴くべきか? というのは意外に難問であろう。 単純にステレオ録音と併用しているメイン・スピーカーという扱いのも多いが モノラルが主体の場合は、仮装音像を介さずに直接音で聴くのが本来のような 気がする。点音源で放射されるほうが自然な音像を結ぶし、音の締まりも良い。 ただ、個人的には、1本での試聴には慣れが必要と感じている。 慣れない理由としては以下のことが考えられる。 1)ステレオのような音の広がり成分が少なく、スピーカーの音の癖が出やすい。 2)そもそもスピーカーの中高域の指向性が狭く、ルームエコーが活かせない。(>78参照) 3)ステレオ試聴の癖でスピーカーと正面を向いて聴いてしまう。 いずれもステレオのような音の広がりがないかわりに、ルームエコーを活用するという 基本が忘れられているため、モノラルでの視聴で音が痩せる原因となっている。 これがジャズだと反対の意見で好まれるが、それでも2台で聴いている人のほうが多い。 あとステレオペアにこだわるため、ペアが組めるだけの選別&整備費用が嵩み ビンテージ機器の価格を押し上げている、という側面も否定できないと思う。 モノラル専用にすれば、同じ価格でグレードも上がるし、ペア選別しなければ いっそう価格も抑えられるはずである。 これはステレオ・アンプにも言えて、新品でモノラルでのアンプの選択肢が極めて狭い。 個人的には2way用のバイアンプに使おうか思案するくらいである。
ステレオというのは、本来モノラルに対し上位互換の規格のはずである。 LPの溝、FMの変調方式、いずれもモノラルとの互換性を意識した規格である。 こうした背景には、モノラルからステレオへの移行をスムーズに行う配慮があったが 面白いことに1960年代に至ってもモノラルの時代(あるいは併売)は続く。 ビートルズのモノマスターの存在(なかには78rpm盤もあり)は以前から知られていたが、 アメリカでもボブ・デュランのアルバムにモノラル・バージョンが存在するし グレン・グールドだってステレオ収録とモノラルの併売は1968年まで続いた。 R&Bやファンクのシングル盤は、モノラルが音の勢いもあってほぼデフォルトと考えて良い。 ラジオ音源に至ってはほとんどがモノラル収録のままであったし テレビ、映画でモノラル収録というのは1980年代のモノラル収録に根強いものがあった。 これらは決してステレオで再生したのではなく、モノラル機器のためのものであるが ほとんどは電蓄の延長線にあるコンソール型システムだろう。 シングル盤ならジューク・ボックス、ラジオは今でもモノラル型が多い。 1960年代のモノラルは、こうした破片を集めて組み上げることになる。
99 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/09/14(金) 18:19:03.51 ID:D8yP0m5n
Magnavox
100 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/09/14(金) 18:20:13.35 ID:D8yP0m5n
100番ゲットオォォォォ!! みたいな  ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ___ __ (__ ) ≡≡≡ / ヽ / / ̄ _ _、, _,, ヽ7 / ..へ._ V / ≡≡≡ v/ ヽ( )△ィ△ / ゙ii | |/ (( _(( _((ハ ' _ ) `ヘ/___. || | | lWVl____|∩ ∩ Y_) ヾ |___. . || | | __,r‐、 ≡≡≡ . !_て7」VWl .ヾヷ゙゙ノノヾ, | ̄ || | | ̄__), \ (´⌒(´ ヾ (  ̄ ̄ ̄) ノ__,ノ‐-__ !! ノ_ノ ̄ . ヾ、__ノ ≡≡(´⌒;;;≡  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .  ̄ ̄ ̄ (´⌒(´⌒;; ズチャッターーーーーッ
101 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/09/14(金) 19:36:49.01 ID:0TfmtLxX
現役カートは 102一択 ↓
日本というのは不思議な国で、足元に優れたものがあっても、遠くをいつも見ているような感じで 異国趣味といえば聞こえは良いが、DL-102というのはその典型のようなもの。 放送用の機種だけあって、色々な意味で無難な音を出すが、その安定感を賞賛することは稀。 フェアチャルドのレプリカだとか、なんだかんだ言っても、NHKの申し子。 昔のNHKに対する印象=ニュースと教育番組という呪縛から離れられない運命かもしれない。 いまどきの言い方だと Cool Japan!の一品として火が付くことは…ないか。 ところで、このDL-102の前身のPUC-3のさらに後継機種(4か5)と同じ頃に開発された ターンテーブルがRP-52。付属のオイルダンプアームは東京サウンドのOEMらしいが このアームの音の太さが半端ではないという噂。多分、他のオイルダンプアームでも似たりよったり だと思うが、真偽のほどを知ってる方は教えてください。
DL-102はあれで針先が1milだったらなあ。
DL-102は1960年発売なので、その後にカッターレースが全てステレオ用になったからでは? でも今なら交換針のオプションで1milがあっても良いような気がする。
NHKについて色々と勝手なことを書いたが、当時としては最高の技術をもっていたと思う。
ともかく業務用ということで、国内メーカーに安定供給させることが大前提だったが
国内津々浦々まで安定した放送品質を供給できた実績は高く評価できると思う。
ただ1950年代の実態はあまりよく判っていないのが実情ではないだろうか。
1952年までGHQの検閲の多かった時代だし、米国からどれほどの技術協力があったかも不明だ。
デンオンの技術史を書いているサイトでも、Presto社のカッターレースが供与されたことが
記されているが、33回転盤をマイクロウェーブと勘違いしているところがみられる。
http://www.denon.jp/jp/museum/history_enban.html (昭和20年(1945)の項)
実際には長時間用のエコノミー仕様であり、78回転盤を正規とする考えが正しい。
違いがあったのは、既に10kHz録音や内周差補正を可能にしていたか否かである。
あと、後の時代にはモノラル=AM放送という括りになっているが、この時代は全ての音源が
モノラルだったわけで、海外のようにHi-Fiの揺籃期があってしかるべきである。
多分、戦後の和製カートリッジの物まね時代は、そうしたひとこまに数えられよう。
しかし、その国産化の情熱こそが、ものづくりの原点であったともいえる。
109 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/09/17(月) 11:01:14.27 ID:Z17KYZtk
なるほど
このワイドレンジの性格の違いを端的に示すものは、 JBLでいえばHarknessとL101との違いだろう。 HarknessでD130を使用する際は075との組み合わせが正規なのだが 中高域が強すぎるためD175DHを使う場合もままみられる。 これとLE14Aをバスレフ箱に入れたL101との音の違いは、 同じツイーターを使ったとは思えないほど音が違う。 D130のバスドラは(状態の良いときは)張りがあってパンパンと鳴るが LE14Aのそれはゆったりと包み込むように鳴る。 しかし一番の違いは、中高域が攻撃的か否かだろう。 Harknessが襲いかかる感じで、手綱の緩い虎だとすれば L101は完全に外堀で囲われたような感じである。 もちろんL101には失敗がない。ステレオでも使いやすい。 D130を埋め込んだHarknessは、失敗を覚悟で鳴らす心構えが必要だ。 今日のことは判っても、明日のことなど判らない… こんなお天気屋に付き合うのは趣味に合わないだろうか?
D130への深い憧れは、多分に岩崎千明氏の「私とJBLの物語」の影響があるだろう。
http://www.audiosharing.com/people/iwasaki/houkou/hou_23_1.htm この憧憬は、終始「私」という一人称で語られていることが肝である。
つまり他人の干渉など意味があまりないのである。
こう言うと、ひとりよがりな感じを受けるだろうが、そうしたこだわりが
許されるのが、JBLのもつ魅力のひとつともいえる。
岩崎氏の文章には、D130のふたつの交代劇が含まれている。
ひとつはサービスマン時代に米軍将校の家に取り付けたパイオニアの15インチ。
多分、PAX-15Bだと思われるが、先の >107で紹介したラファイエットと同じ趣向で
フラット特性がステレオ期に増えたことを物語っている。
http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/unit/pax-38b.html この時期に岩崎氏がJBLと出会ったのは、まさに偶然のなせる業であろう。
D130との出会いによって、岩崎氏のモノラルの時期が長引いたことは明白である。
そしてフェンダーのギターアンプに使われて行方不明になったこと。
これが1970年代のロックと共に起死回生したJBLのもうひとつの顔である。
このふたつが、D130に持たれたパブリックな印象だとすれば
岩崎氏の印象は常に一人称である。1960年代のD130(それも1950年代製造)の
孤独な状況を象徴しているように思うが、実はこれで良いと思える何かが
D130には秘められているようだ。
本来なら130AとD175の組み合わせが、アイコニック以来の本流である。
その課題は、アルテック時代の604同軸フルレンジでほぼ完成された。
D130は、そうした本流に逆らって登る鮭のような勢いがある。
ランシング氏が家庭用の再生機器ということで提案したものの実像は
人間の感性が一番働く帯域、つまりボーカル帯域を中心に描かれている。
人間の声がもつ語りかけだけで、音楽の中核を表現するというシンプルだが
難しい課題について、理詰めでなくかなり感性的に造り上げた感じがするのだ。
その勢いは、他の似たようなシチュエーションを蹴飛ばすようなもの。
例えば、C36に入れたD130の低音はロクハンより出ない。
また、帯域の狭さは巨大なラジオになっても可笑しくない。
スペックでみればその通りだ。しかし、音の実在感はまるで違う。
エネルギー感が縮小された感じはなく、実物大の楽器の様相が伝わる。
クレデンザが5kHzまでしか出ないからと馬鹿にできないのと一緒で
アイコニックでHi-Fiの世界を開いたランシング氏が再度問い直した
実に課題の多いユニットと言えよう。
Hi-Fi規格が軌道に乗った時点で、D130はやや時代遅れになった感があるが
投げ掛けた課題は、1970年代の巨大ライブステージでようやく華開くこととなる。
http://www.audioheritage.org/images/jbl/photos/pro-speakers/grateful.jpg 抜けの良いミッドレンジは、どんなホーンよりも強力に観衆に訴えかけた。
これがアメリカ流のエンターテイメントという本流に結びつくランシング氏の
マジックと呼ばずして何と呼ぶべきか。実にオーディオの世界はこの難題に
いつも挑んできたと言えよう。
LP発売以前の録音方式には、とかく伝説的という尾ひれが付きやすい。 1946〜1948年にはチャーリー・パーカーのダイヤル&サヴォイの吹き込みがあって 録音の悪さが夜ふけをイメージさせ、ビバップの夜明けという孤高の存在に駆り立てる。 LP最初の吹き込みが "with strings" ということも、これに輪を掛けていると思う。 しかしバードはまさに氷山の一角で、その陰に隠れて知られないプレイヤーの録音は実に多い。 「Complete Jazz Series 1946 - 1947」で検索すると、非常に多くのMP3音源が見つかるが 残念ながら、これらの録音がLPで見つかったり、CD化されることはないだろう。 しかしこの年代も、ジャズは止むことなく広く人々の耳を喜ばしていたのである。 1947年のトスカニーニ「オテロ」は原盤が78rpmラッカー盤で、長らく復刻盤のコピーが LPで出されるという不幸があった。不幸というのは、エコーの付加、イコライザーでの 不自然な持ち上げが横行したからだ。ワルターのニューヨーク・フィルとの録音も 演奏の内容よりも音質のほうが問われ、コロンビア響との録音で評価されるのが常だ。 1951年のフルトヴェングラー「シューベルト 第九」、ケンプ「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ」 などはLP発売が一息遅れたことで、やはり原盤は78rpmのVR盤と呼ばれるもので収録された。 フルトヴェングラーは巨匠の録音のうちでは優秀なので有り難がられるが ケンプはステレオ録音と常に比較され、往年の完璧なバランスがあまり知られない。 こうした演奏へのアンバランスな評価が、LP発売を境に起きていることを考えると ランシング氏が家庭用として再検討したワイドレンジ・ユニットの課題が浮かび上がるのである。
今もやや釈然としないのが、1950年代のJBLには専用のアンプがなく、どの程度の機材を 投入すれば良いのか、意外に悩ましいところがある。 マッキン、マランツというのは昔からある黄金の組み合わせ例だが 家庭用で100dB/mを超えるD130に、30W級のアンプを投入する意味があまり良く判らない。 15インチだからと言っても、重低音の出るユニットでもないため、それほどパワーは要らない。 かといって3極管シングルでは、あのダイナミックな魅力が削がれるのではと不安になる。 その意味では、D130は明らかに戦後に開発されたユニットなのである。 モノラル時代のオーディオ機器にはDIYによるキット製品が多く、JBLもその例に漏れない。 アンプでいえばヒース、ダイナ、グロムスといったメーカーが有名だった。 おそらくJBL D130も、ビギナークラスに愛用されることを考えると、この手のアンプも 面白い結果になるかもしれない。以前にEL84パラプッシュで鳴らしてみたことがあるが ヘタな6L6よりしっかりした音で驚いた。多分、アルテックの民生用アンプでもいけるはずだ。 あと箱のほうも、岩崎氏の書いているように、当時は本棚とか色々と変なものの流用も多かった。 Hi-Fi初期のデザインブックに必ずといっていいほど出てくるのが、クローゼットや壁に スピーカーを埋め込むアイディアである。他の機材は棚に仕舞い込めるのに、スピーカーだけは と嘆いていた人は、意外に多かったのかもしれない。後発のD123は、そうしたニーズに応えた 凝った造りをしている。D175に対する075にもそうしたニーズが隠されているかもしれない。
117 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/09/22(土) 14:22:36.92 ID:IPEBZL+v
1948年にシングル・コーンによるPA装置の需要がどれほどあったか?
例えば移動映画館用のスーツケース・スピーカーがそれに当たるが、
D130は他社の同軸2wayより少し安い程度で、Jensenの同等品に比べ2〜5倍の価格だった。
これではD130が使ってもらえるメリットはかなり低かったといえよう。
Ampex 620に採用されたD208のOEMバージョンが数少ない例にあたるが
このときのアンプは6V6プッシュであった。
http://recordist.com/ampex/schematics/620man/620-2.gif ただ、他にもジェンセンやユニバーシティのOEMが混在しているのは
Ampex社なりのバランス感覚が働いていて、D208がもつ本来の牙は抜かれている。
面白いことに高域が少し伸びていることで、全体の印象が落ち着いて聞こえるのだ。
これから5年後にはLE8Tへと針路を取ることになる。
D130が他社のアッセンブリーに搭載されたのは、フェンダーのギターアンプが最初だろう。
1960年のことで、プロ用のギターアンプとして登場した。
JBLはLEシリーズと共にステレオの販売に意欲みなぎっていた時代である。
D130がPA装置として本来の力を発揮したのは1970年代になってからと考えて差し支えない。
それまでは、このユニットが持つ潜在能力に誰も気付かなかったのではないだろうか?
こうしてみると、1948年にリリースされたD130は複雑怪奇なミステリーに満ちており
Hi-Fi機器、PA設備、放送業界のどれにも該当しないジムラン独自のサウンドとして存在し続け
後の時代の雛形にはめて検証すると判らないことが多いのである。
しかしこれらのAltecやWEのそれと比べても、ランシング氏のD130は異彩を放つ。 そこには、やはり独特のパワー感があるからだろう。その意味ではWEやAltecは 業務用らしく非常にまじめに作られており、電器再生のイロハが刻印されている。 それに比べてD130はやんちゃで手に負えなくなるときがある。そうしたルールを 突き破ろうとする、ある種の怒りに似た危険な匂いがしなくもない。 同時代の人でいえば、ギンズバーグやバロウズのようなビートニクス詩人たちの ように、ドロップ・アウトしたい破天荒な人生感を投影することも可能である。 この「怒りの世代」がロックの源流となったのと、D130のサウンドが合流したのは 偶然ではないように思われるのだ。 D130のアンバランスな感覚は、Hi-Fi前夜に起きた異形の未来志向のみではなく むしろ再生するべき音楽の不在なまま投げ込まれたことに端を発しているようだ。 そのサウンドが新しい音楽を創造したとすれば、再生機器としては失格なのである。 天才エンジニアが八方塞がりのなかで投げ込んだ石は、それ自体湖底に沈んでも 波紋だけがやがて大きな波となって帰ってきたようだ。今もその謎は残されたまま ある種のエネルギーとなって問い掛けてくるのである。オーディオのオカルト的な 側面が、JBLのそれに端を発していると思うのも、それはそれで勝手であろう。
タンノイのことについて書こうかと思ったのだけど ふと困ったことに気がついた。 EMIとDeccaのトーンの違いが激しいのに 同じタンノイをモニターに使っていたからだ。 マイクだってノイマン製。なのにこの違い。 両者のバランスを保つのは容易ではない。 単にffrrとNABの違いというだけでなく RIAAになって以降さらに悩ましい感じがする。
まずイメージに重ね合わせやすい英HMVについて。 このHis Master's Voiceという商標は非常にまぎらわしく 実は米ビクターの商標である。かのクレデンザでさえ 米ビクトローラがWEと共同で開発した名蓄音機。 多分、多くの人が画くHMVの音はここから始まっている。 そしてグラモフォンは、今ではドイツのレコード会社だが 元は英グラモフォンのドイツ支社だった。 こうしてみると、米RCA、英HMV、独グラモフォンの3社は 根っ子では同じベルリナーの子供たちなのである。 しかし第二次大戦によって3社は次第に独立性を強める。 伝統的には、英HMVが戦前のサウンドを保持していると思うし イギリス独特の柔らかいトーンの基調をなしている。
ところがこの「柔らかい音」はともすると カマボコ型の音に終始することがあって どの演奏を聴いても一緒、というオチになりやすい。 真綿のような分厚い中低音に支えられながら ビロードのように底光りする質感の良い高音が ちゃんと聞こえないと困るのだ。 このビロードの音の正体が何なのかは特定しがたいが 高音が足らないからと4kHz以上を上げても何も出てこないので 多分、800〜1.5kHz辺りの共鳴から生まれるように聞こえる。 ここの帯域が凹むとまずアウト、ダイレクト過ぎてもダメ。 共鳴というからには、ビリツキに近いのだが 音が鳴り始めるときにシュルシュルと立ち上って エコーの中に煙りのように消えていく感覚。 米コロンビアが良くも悪くもヤニ臭いのに対し お香を焚いているような雰囲気でもある。
ビロードの音は、SP盤時代の録音にも(復刻盤でも)聞かれる。 高音は5kHzで切れているはずである。しかし芳醇な中域で満たされて メイプルシロップのかかった御菓子を食べているようだ。 この音を電気再生機器で聴くのは容易ではない。 何か楽器のようなアコースティックな共鳴が必要なのだ。 多分、元の設計がクレデンザのように、金属振動盤の堅い響きを ホーンの響きで柔らかく包み込むことで出されるのだと思う。 クレデンザの音を「子宮の中の音」という表現をした人がいたが そういう慈愛に満ちた音というのは、得難い魅力がある。 これとタンノイ特有のホーンロードの響きとの相関性が出てくるのだろうか。
タンノイのサウンドについて、よほどオートグラフの印象が強力なせいか 誰もがキングズウェイ・ホールのような木質の響きを想像する。 だがスーパーレッドモニターを聴けば判るが、並のバスレフ箱に入った タンノイの音は、同じユニットかと思うほど鮮烈な音がする。 つまり、ユニット単体のテンションは非常に高いのである。 同じ時代のラウザー、ステントリアン、パルメコ…どれをとっても カミソリのような切れ味のスピーカーが多い。 タンノイが同軸型のデュアル・コンセントリックを開発した頃の イギリスは、レーシングカーのようなユニットが勢揃いしていた。 新興のデッカffrrもその例に漏れないと思われるのだ。 こうしてみると、オートグラフの開発は何を指すのかが 少し判りにくくなってくる。
そうしたヒントとして浮上してくるのが オートグラフが最初に発表されたのがニューヨークの品評会だということ。 つまり1953年に、クリプッシュ、パトリシアン、ハーツフィールドなど 並み居るコーナーホーンの強豪のなかで高級オーディオの仲間入りを狙った と思われるのだ。タンノイと言えば生粋のイギリス製スピーカーだし そのことに今更異論を挟む余地はない。それにアメリカン・タンノイと呼ばれる 無骨だが魅力的な製品もあるではないか。しかし始まりはアメリカ市場への 進出のために満を持して挑んだカスタム製品なのである。 アメリカなのでジャズが主流ではと思うかもしれないが、当時のアメリカの 高級スピーカーは常にクラシックのオーケストラ再生を目的に造られていた。 実際は小難しい交響曲ではなく、イージーリスニングが多かったと思うが エスタブリッシュ達の表向きの趣味は高等なクラシックだった。 オートグラフは、遅咲きのアメリカン・ドリームから生まれたと考えるのは うがった考え方だろうか?
話をイギリス本国に戻すと、タンノイにいち早く目を付けたのはデッカ陣営だった。
1946年にffrr規格を打ち出し、Hi-Fi再生を独自に切り開いたデッカだが
その再生機器として製造したDecolaコンソール電蓄のスピーカーに選定したのだ。
この時期はまだウィリアムソン回路ではなく、PX25プッシュで駆動していた。
その一年後の1950年には、ロンドン・スタジオのモニターとして12インチを採用したが
部屋の壁いっぱいのバッフルに埋め込んだ、理論どおりの低域再生を目指したものだった。
その翌年の1951年にEMIのアビーロード・スタジオが採用し、イギリスにおける事業は順調な
滑り出しをはじめたと言える。アメリカでのオートグラフの投入は、そうしたレコードの
セールスに後押しされて来たのかもしれない。
面白いのはデッカがコーナー型カンタベリー、EMIがロックウッド社のバスレフ箱であり
一般に言われる録音の傾向とは逆のものを選んでいた。
http://www.philsbook.com/decca.html http://www.lockwoodaudio.co.uk/
この当時のEMIのカタログは、レッグ氏の豪腕でフルトヴェングラー、カラヤンなど
豊富な人脈を備えて、戦前の活気を戻しつつあった。リパッティ、ブレインなどの
夭折の名手、若いF.ディースカウ、カラスのような革新的な歌手をいち早く見いだし、
レッグ氏ならではのユニークなレパートリーと話題に事欠かない。
デッカはやや散発的ながら、ロンドン、ウィーン、ジュネーヴを中心に高品質な
録音を残している。ベーム、クラウス、クナッパーツブッシュ、クリップスのような
ウィーンと繋がりの強い指揮者の往年の演奏のほか、アンセルメ、バックハウスを
専属に迎えることのできたのは、新進レーベルとしては大成功であった。
一方で、五味康祐氏が指摘するように、レコード王国のイギリスにおける保守性は、
タンノイのスピーカーでさえ陰を潜めるものがあった。(>52参照)
60年代も78rpm盤が良く売れていたし、グッドマン、ワーフェデールのフルレンジのほうが
よほど売れ行きが良かっただろう。その意味でもタンノイのイギリス製品の多くは
チャトワースやカンタベリーといった、通常のコーナー型バスレフが売れたのである。
http://www.hifilit.com/hifilit/Tannoy/domestic1.jpg ただ五味氏が指摘するなかで、78rpm盤=ローファイという考えはやや間違いである。
タンノイ製のコンパチブルなカートリッジは、特性自体はHi-Fiそのものだった。
http://www.hifilit.com/hifilit/Tannoy/cartridge-2b.jpg 個人的にはリパッティの小品などは、78rpm盤のほうが適切だと思うし
オリジナルの原盤もフルトヴェングラーの一部と同様に78rpmだろう。
このようにタンノイには、共に産み出された録音の素晴らしさとは裏腹に
その名声を取り巻く現実との乖離が常にみられるのである。
そこでふたたびオートグラフ(自署、サイン)の意味について考えてみたい。 つまりそこにはG.R.F氏のアイデンティティーというか、夢が詰まっている、 そう考えるのはあながち間違ってはいないだろう。 自分の思う限りの最高のものを造ることで、自身の限界をもさらけ出した機器。 そうした角度でオートグラフをみたとき、実は見栄を切った歌舞伎役者のように 癖が多いことも確かである。ただ合理性を遙かに飛び越えたサウンドであり、 ホームラン・バッターのようにフルスイングで挑む面白さがそこにはある。 ただ個人的には、部屋の大きさ、録音の質を選ばないオールマイティさを考えれば デッカの選択した12インチのコーナー・カンタベリーが現実的だと思う。 それだけでもモノラルを楽しむのに十分なエッセンスが蜜のように詰まっている。 イギリス人だって、広々とした邸宅に住めるのは、ほんの一握りの貴族と資産家だけ なのだ。(そういえば、アメリカは中流でも大きい家を建てるなぁ)
タンノイで一番良いのは、相性の良いOrtofonやGarrardのような品質の安定した アナログ機器があることで、音質に関する基本的な問題がクリアしやすいこと。 OrtofonのMonoは少し線が細いと言う人も多いが、古いタンノイと合わせるのは最適だ。 普通の組み合わせで、普通に鳴ることは、実はモノラルでは貴重なのだ。 ノイマンのマイクと同様に、基本構造を変えないできた伝統の強さを感じる。 逆にアンプ周りで年代的に合わせようとすると難しくなる。 昔ならマランツで合わせる人が多かったし、価格やメンテでLuxmannも選ばれた。 イギリス製ともなれば、LEAK、QUAD以外ではほとんど見あたらないし 安定度のことを考えると、1960年代のものを選ぶことになろう。 とはいえ、タンノイの場合は、現在の真空管アンプでも大凡鳴ってくれる 許容力の高さもある。そこが長らく人気の続いている秘訣でもある。 少しギクシャクした感じに思えるなら、遠慮無くトーンのツマミをいじるべきだ。 単にツイーターとのバランスのみではなく、高音の丸まり方も調整できる。 多くは部屋の広さが足りなくて低音が広がらないので、高音を下げることで 音の座った感じが出てくると思う。中低域から積み上げていくのが基本で 少し物足りないくらいのところで、すかさずボリュームを上げるのがポイント。 ヘタに高域が出ているよりも、見通しが良く細部の聞こえる音になってるはずだ。 フラットであることから自由になって、自分に心地良い音で鳴らしたい。
少し話しを脇にずらすと、タンノイで是非聴いてもらいたいのが 英国のライト・ミュージックである。マントヴァーニを初めとして 非常に多くの楽団が英デッカに吹き込んでおり、むしろこっちが本業だった。 モノラル時代のライト・ミュージックがどれも同じように聞こえるようだと システムのあり方を少し考え直したほうが良いかもしれない。 きっとある種の固定観念で、システムの魂が抜け落ちているのである。 これはJBLを持っていてロカビリーを聴かないくらい、勿体ないことだと思う。
135 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/09/26(水) 18:59:24.40 ID:MhofF4cC
Axiom80でモノラルJazzはええですよ オートグラフにAxiom80入れたらどうやろか
ヘッドフォンでモノラルを味わう奥義を教えて下さい
そうなんです。リマスターCDも最近は良かれということで位相を調整して拡がりを出すのが傾向ですが、ヘッドフォンだと芯が抜けてしまう気がします。 ステレオ→モノラル変換プラグを用いて、モノラルカートリッジのように使ってます。 エフェクターの件は興味ありますね。
140 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/09/26(水) 23:48:05.74 ID:izp3f/A8
ステレオソースを情報欠落なしでモノで聴きたい。
あと、どうしてもスピーカー一本で、ということで考えられるのは 逆相成分をほんの少しディレイした成分を混ぜるという アイディアもないことはないのですが 楽曲のリズムによってまちまちになるので そのつど調整しなければならず普遍的ではありません。 多分、ステレオのあの音をヴィンテージ・スピーカーで という発想を捨てて、新しいモノラル録音を聴くという 気持ちのリセットのほうが大事なようにも思っています。
>>141 ってことは、位相をイジった擬似ステ音源をヘッドフォン鑑賞時に変換プラグでモノ化するのは情報の欠落になるのでしょうか?
どうも頭内ど真ん中に来ないと気持ちが悪くて。しかし、プラグつけると自重が重くなってしまい、PHPAのジャック接合部を毀損しないかも気になるんですよね。
>143 疑似ステレオは >141はスピーカーでのモノラル再生のことですが もちろんヘッドホンで聴く場合もそうです。 疑似ステレオにも色々あるので、一概に言えませんが 大概はエコーも付加されているので、モノラルと一緒にはなりません。 最初のブライトクランクでしたら、ヘッドホンでの試聴はモノラルにしたほうが 普通だと思います。高音が左、低音が右というのは可笑しいからです。 また1960年代の左右に楽器を分けただけの「本物」ステレオも ヘッドホンで聴く場合はモノラルにしたほうが良いです。 やはりこれらも原音という考え方は捨てて 「そういう音のする録音」として扱うほうが気持ちの整理が付きます。 あるいはミキサーでパンを寄せるというのが現実的かもしれません。 変換プラグの安定性が気になるようでしたら ヘッドホンアンプを使用して 間の結線でモノラル化してみてはどうでしょうか? ヘッドホンの音も安定しますし ビンテージのトランスなどを噛ますなどの遊びもできます。
よくモノラルで音が前に出るという言い方をするが
ステレオとの大きな違いは、8kHzより上の周波数の扱い方である。
過度的な1970年代初頭のJBLの見解は以下のとおりである。
http://www.lansingheritage.org/images/jbl/specs/pro-speakers/1972-4310/page03.jpg ステレオはこの帯域つまりBrillianceの成分が多く、音の広がり感のほか
音の立ち上がりまで支配して、定位感まで醸し出す。
一方でモノラル時代は圧倒的にPresenceの領域(2〜8kHz)で畳み込んでくる。
ここで問題になるのがPresenceより下の領域(500Hz〜2kHz)の過度特性で、
この領域の反応がしっかりしてないと、Presenceの強いモノラル録音は
ただのやかましい音に変貌する。バランスというよりスピードが無いと負けるのだ。
多くの小型2wayではモノラル期の録音と相性が悪いのは、ウーハーの反応が弱いから。
Altecのホーン愛好家が、高音の伸びを犠牲にしても500Hzまでクロスを下げたがるのは
Presenceを支える中域の力を保持したいからだと思う。
D130で湿気が多いと音がカスッとなるのも、逆に凹んでしまうからだろう。
ちなみに、このPresence、Brillianceの区分けはメーカーや時代によっても異なる。
3wayのクロスオーバーの配分にもよるが、エレボイなどは800Hz〜3.5kHzがPresence
3.5kHz以上がBrillianceの扱いになる。やはり基本的に東海岸のメーカーなのだ。
ちなみにBozakのような生粋の東海岸のメーカーは、Presenceが抑えられている。
http://www.hifilit.com/hifilit/Bozak/Bozak.htm これを見て興味深いのは、悪いと思われる方の600Hzの波形が、Presenceの立ち上がりに
マスキングされていることである。実は後者のほうが心地良く聞こえるときがある。
http://www.hifilit.com/hifilit/Bozak/1950-2.jpg この辺のタイミングの問題も本来は重要なのだが、リソースが非常に少なく
ほとんどの人が手探りでやっているのだと思う。
148 :
モノラルと想像力 :2012/10/05(金) 07:14:38.45 ID:M14MKVIz
ともかくモノラル録音のサウンドは幅が広く、癖のあるものが多い。 レーベル毎にサウンドポリシーがあり、ジャンルによっても違う。 LP発売以後は、Hi-Fiの可能性を追求して、まさに百花繚乱である。 エフェクターやミックスという機材もなく、生録に近い状態だったので 演奏者のサウンドの違いというものも多分にあるだろう。 サウンドの裏には、実際に生きたミュージシャンの姿があり 1枚のディスクに、時代背景や文化も含めて様々な面が浮かび上がる。 21世紀に入って、こうしたパズルを読み解きながら感じるのは 再生装置のセッティングには、ほとんど翻訳行為に近い感性が必要なこと。 ある種の機材を使ったからこのサウンド、という簡単な方程式が 成り立たないのは、DeccaとEMIが同じタンノイをモニターにしていたのと 同様で、制限のある録音方式のなかで、想像力を働かしていたのだろう。 個人的には、この想像というか夢想している時間がすごく好きで 時代を超えた名盤、名演などという言葉に踊らされることなく 時代に埋もれた声を聞きとるのが楽しい。 名盤、名演というのは、一種のステーショナリーな存在で そこを中心に町並みが広がっていると解釈をしている。 駅は街の顔だが、そこから町並みをぶらり散歩することで 新しい出会いや発見があり、それが時間の壁を越えてときめく。
149 :
レコードの発するオーラ :2012/10/05(金) 07:48:22.16 ID:M14MKVIz
え?もう総括に入ったんすか?
ネタが薄れてきたんで、アドルノに飛ぼうかと。 その前に、オーディオの大衆化というか、批評のあり方など 1940年代に芽生えた事柄を考えると面白いと思った。 というのは、この時期にラジオにおいて複製行為が蔓延し マスメディアと音楽が始めて連動したとも言えるのだから。 それとオーディオ技術の急速な発展は同一なのだと思うが やはり金権的な要素は拭えない。 せめてもの救いは、パブリック・アドレスという公共性が モノラル時代は技術上で担保されていたことだろう。 モノラルの魅力は、この公共への告白的行為が 音楽に根付いているところにあるように思う。 一方で、この公共を意識する共同体が解体した後の現在では サウンドのもつ時代背景を翻訳するものが必要になる。 その入り口または鍵はどこかと、嗅ぎ回るのがこのスレ。 モノラルという過去の記憶が閉じ込められたゲットーの 住民になりすまして徘徊するのだ。
152 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/10/06(土) 18:14:06.86 ID:I93Fu2Z9
現在あらためて50年代のモノラルレコードを聴いてみると 例えば1つのレーベルのモノ盤を時系列に聴いていくと 1年どころか数ヶ月単位で音が良くなっているのがわかる まさに日進月歩だね オーディオの大衆化と技術の進歩など時代背景に思いを 馳せると確かにおもしろい R&R、R&Bなどマイナーな黒人音楽が白人へ浸透した こととこの技術の進歩は関係あるかもね なにしろプレスリー(黒人音楽を歌う白人)の時代だもんね さっさっ、もっと考察を続けて!
>152 アドルノ氏の問題としてポピュラー音楽への不寛容があって そこが彼の理屈を過去に押しやっている面がある。 ちなみに白人が黒人音楽に接触するのはかなり古く 19世紀のミンストレル・ショウ(フォスターなどが有名)から ボードビル芸人(最初のトーキーのアル・ジョルソンなど)は からかい半分のものまね的要素が強かったが 本格的に学んだのは、鉱山労働者などがブルースを歌い出した 1920年代だろうと思う。それも有名歌手の出現というよりは レコードによって記録され、発見されたといって過言ではない。 どちらかというと、場末の底辺の人たちが好む音楽という 印象が強かったのは、ジューク・ボックスの語源からして明らか。 アドルノ氏のポップスに抱く嫌悪は、大量消費される歌の多くに ベニヤミン氏の言う緩やかな連携があることに、寛容になれなかった つまり誰もが口ずさめる安直な歌を、芸術と同列に並べられない という、ひとりの作曲家の視点からみた批判にすぎないように思う。 思えば、この連携がなければ、ポピュラー音楽は没個性的で 非常につまらないものに変わるだろう。この聴衆の連携を作り出す装置が モノラル時代のオーディオの鍵であるように思うのだ。
例えば、トーキーから出たヒット曲について考えると 暗黒街にも似たよう場所に踏み入れないと聞けない そういう音楽が多いように思う。 「ジャズ・シンガー」のブロードサイドのショウはともかく 「嘆きの天使」のマレーネ・ディートリッヒ カウボーイに扮するビング・クロスビーなどは 現実に舞台裏で起こる醜い部分と接しなくても 人間賛歌として引き立てるものがある。 つまり、劇場という公共の場で再現される音楽に 真実味が隠されていながら、それは日頃接することのない 場末の人々の気苦労から生まれるというパラドックスが アメリカのトーキーには見え隠れする。 移民社会がもつ矛盾を表すと同時に、新しい共同幻想を 産み出していく威力をトーキー・システムがもっていた… うがって考えるとジャズとは違う危険な香りを感じられよう。
支援
いつも考えるのが、戦前のスウィング・ジャズとビバップとを峻別するものである。 あと、よく耳にするのが、Hi-Fiレコードの存在である。しかしそれだけだろうか? もちろん、演奏のメソッドや一度聴けば判る緊張感のようなものの違いもあるだろう。 個人的に感じるのは、放送局に飼い慣らされたジャズか、クラブで思う存分プレイするか そういう違いのように思う。 先ほどの共同幻想と織り交ぜると、ラジオとはクリーンでアットホームなものである。 子供も一緒に聴くこともあるという倫理観がいつも働く。つまり団欒やホームパーティー のような、気心の知れた人々との交流がメインである。じつはオーディオの原点は、 こうした面とも接している。だからトーキー・システムの牙が新鮮に映るのである。 一方のクラブ・ジャズはお酒も提供される夜の世界である。そこに本音でぶつかり合う 愛情も軋轢も悲喜こもごもに展開される。実はビバップにもスタンダード・ナンバーは多く それが古い流行歌であることも少なくない。誰もが歌詞を口ずさめる歌に込めたパッション。 これを受け止める装置も、同じトーキーの世界と重なり合う。 日本でトーキー・システムが有り難がられるのは、こうした共同幻想を直に知らないからで 当のアメリカ人でもクドイと思えるくらいに、往事の臨場感を翻訳する装置に他ならない。
ロックに話を移すと、立役者であるアラン・フリードの公開放送の録音を聴くと まさに黒人も白人も織り混ざったゲストに驚く。彼のそうした自由奔放なところが 賛同と反発を同時に生んだことは間違いない。問題はそれが若者を虜にしたことだろう。 こうした原始的なリズムに身を任すこと、危険な恋に身を焦がす歌の多いことなど あのプロテスタント社会にどうやって入っていったのか、不思議な感じがする。 しかし当時の若者が、戦争後に感じていた胡散臭い国家統制への反感を ロックのバイタリティに乗せて表明したことも確かである。一方でガールズ・ポップのような 「ママごめんね」という感じの、いかにも保守層の許せる範囲の歌も大量に出された。 マスメディアが若者の将来を案じるような傾向もみられ、一種の情報合戦である。 アラン・フリードの終わりもあっけなく、DJが裏金でチャートの誘導を行っていたことへの 倫理的問題にやぶれた。これもやはり、政治的論戦の渦中にあったと思われる。
ロカビリーの多くは、Hi-Fiより前のアセテート盤(78rpm)で収録された。1枚2ドル以下という
格安の録音メディアだったこともあり、格下のジャンルだったロカビリーに良く使われた。
実際には、芽が出るかどうかも判らない若造相手に投資を惜しんだというほうが正解だろう。
レコードとして正規にプレスされる段階で、テープにコピーされて保管された。
実行周波数が10kHz、実際には8kHzというのが戦前からのスペックで、戦後も同様であった。
しかし、その音はパリッと乾いた高音に特徴のある、右肩上がりのバランスであるため
クラシックで感じるようなレンジの狭さはない。そういう音の仕組みを巧く利用したサウンドなのだ。
ロックで活躍したのは、ジェンセンやエレボイなどPA機器を得意としたメーカーだった。
ラジオ、トーキーに続く、第三局の拡声装置であり、ジュークボックスもこれに含まれる。
戦後のジェンセンの明るく突き抜ける音は、よくカルフォニアの空に例えられるが
強烈な中高域のせいでもある。(
http://www.jensentone.com/speaker/p12r )
これがないとロカビリーはただの懐古趣味に墜ちてしまう。若々しい雰囲気の失われた
しみったれたロカビリーほどくだらないものはない。
意外にこれを知らないレコード・コレクターの多いことは驚くべきことでもある。
JBL 4312を購入するくらいなら、Jensenのワイドレンジユニットを検討すべきだ。
ラジオ日本で大人のジャズタイムを聴いてますが、中波放送+ラヂオのローファイも良いですね。
161 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/10/07(日) 09:36:30.60 ID:Fuaet6lA
>>159 そうなんだ
ラヂオというローファイで聴くジャズは実に浸透力がある
HI−FIとはなんぞや、と考えざるを得ない
162 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/10/07(日) 12:21:47.51 ID:BwTcvVXL
あと何年もつだろうか?モノの時代のシステムを理解してモノで使って モノ音源を聴いているいる人が所有している良いものがゴミとなって廃棄 される時代が来る。人間足腰が悪くなり目が悪くなり最後に耳が悪くなる。 ライカのバルナックやあのM3が5万円以下に相場が下落している。年老いて写真 も撮りにくいのもあるが、まとまった金を捻出しょうと売りに出す年代が集中 している。逆にいえば見づらい、露出計の面倒、フィルムの現像、白黒写真 に美学を求める年齢層が一気に消滅している事と、今の50才台以下がデジカメ に移行してフィルムに全く触手がのびない。レンズアダプターをつけて 昔のマウントレンズがたのしめるからレンズは昔より年々高額になっている。 バイクも先日驚いたが、CBX400が当時48万ぐらいのものがなんと500万の新車 状態のものがあった。RZ250でも当時生産過剰で新車15万でも売りさばけない 店が多かったのに2サイクルの規制とブームで120万平均。 誰が買うか?当時憧れたとか昔乗っていた人がお金が ある年齢になっているのと玉が少ないからでしょう。WEとか古き良き製品でも 需要がある時期(ウオークマン世代の前までがギリギリでしょう)の購買意欲 のある世代が元気なうちに処分しないとライカと同じ運命で誰も欲しがらなく なるでしょう。今後においても需要と供給のバランスと年齢層の代替わりが 上手に回るものは、掛け軸、古民具、古銭以外の焼き物関係しか未来はない。 大きな壺は欲しがる年代は減少してお茶、酒、日常食器の使える焼き物が 将来性が望める。機械式カメラはあと20年寝かせればアンティークとして M3の価格が上昇する。レコードのアームなんか作ってないから当時4万の ものが40万で売れる。私もモノ派で揃えているがそろそろ売れる世代が 存在する時期が終わるまでに処分していかないとゴミになる。
163 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/10/07(日) 15:23:47.68 ID:Fuaet6lA
なぬ!ライカのバルナックが5万円以下!早速落札やで。 お迎えはそこまできとるが、墓場までもっていきましょうや。
164 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/10/10(水) 07:20:33.50 ID:PztBBira
ライカがロールフィルムを使った携帯用カメラとして登場し 写真の歴史を変えたとすれば、オーディオでは何があるだろうか?
>>159 オレはいつでも好きなのが聞けるように、昔からラジオ工作本に載ってる
真空管式のAMワイヤレスマイクを作ったよ。CDでも何でもつなげばおk。
整流管+6AV6+6BE6(あるいはそれらの同等管)で回路は簡単だが、
使ってみると悪くない。ただ、放送のような感じにするには音源の
コンプレッションが必要なのかもと思った。
けっこう出力があって飛ぶのでアンテナを最小限にするように注意。
168 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/10/11(木) 08:21:38.97 ID:7tKQm9JR
>>164 やはりデジタル録音からCDの系譜じゃないの?
功罪は別として。
ま俺たちはモノ派はデジタルは仇と思いつつも
その門前にひれ伏しているがね。
カセットテープにしても、CDにしても、開発したフィリップスは本当に凄いと思うが オーディオでは家電製品がほとんどだったため、その中堅の美徳が判る人には判るという感じ。 日本での高級CDプレイヤーの展開は、日本法人の独自企画でありながら クラシックでのフィリップス・レーベルの音を感じさせるアナログ的サウンドだった。 そういえば、フィリップス・レーベルのモニター・スピーカーは代々QUADのESLが使われており 案外、フィリップスの暖色系のサウンドのルーツは、この辺りにあるのかと思う。
PHILIPSのLP第一段は、ヨッフム/ベルリンの運命や、オッテルローの幻想でしたっけ?
DCCは見事にコケたが、あれって実はmp3のハシリ(mp1)だったんだよね。
最近、モノラル時代のバッハの器楽曲がやけにかっこよく感じる。 グールドのゴルドベルクは定番として、シゲティの無伴奏ヴァオリン ギーゼキングのパルティータ、ロストロポーヴィチの無伴奏チェロとか。 あとヴァルヒャのオルガン旧録もキビキビして良い。 なんというか、演奏者のモノローグを聴いているようで、室内楽の王道をいく感じ。 ソロ演奏だけにモノラルが似合っている。
戦後のクラシックで不思議な現象は、何と言っても全集魔に尽きる。 それもバッハ、ベートーヴェンという堅物が多い。 例えば、ベートヴェン ピアノ・ソナタ全集だけみても ケンプのは1951年から開始されたが、最初のリリースは78rpmのVG盤である。 バックハウスのデッカ旧盤はともかくとして、グルダのような若造(?)が ラジオ局でベートーヴェン全集を1953年から収録。 残念ながら彼のデッカ収録はバックハウスと被って長らくお蔵入り。 呪われたのはEMIで、イーヴ・ナットは完成したが、 ギーゼキング、ソロモンが立て続けに中途で頓挫したのが痛い。 こうした働き者のピアニストに恵まれなかったのが米コロンビアで ゼルキン、ホロヴィッツ共に一部しか残していない。RCAも同様。 アメリカで活動するピアニストが、2年間スタジオに缶詰になるということは 許されなかっただろうし、コンサートの全集チクルスも流行らなかっただろう。 ルービンシュタインがショパン弾きで、ドイツ古典をあまりリリースできなかったのは 彼がユダヤ系ポーランド人だからというよりも、人材の豊富な時代だからとも思う。 この残念さの一念は、一重に「あの人は全集録音したのに」という 近所付き合いにも似た、変な同調をしてしまうところにあるのだろう。 ゼルキンはその点潔いというべきだろうか。
EMIは、シュナーベル→ナットと来ましたが、Stereoは不発ですよね。スレチですが。ゲルバーくらい?
こうした全集録音で困るのは、購買の仕方に偏りが出やすいことである。 ひとつは、全集という全人格的ともいえる表現方法ができたせいで 個別での決定盤という要素が希薄になっているのも見逃せない。 最近のバジェット・プライスCDの勢いもあり、全集ならまとめて購入できるが 選集はバラ売りが基本であり、高価なうえに消化不良な感じがして なんとなく手が出しづらい。こうして批評の枠も「全集」の前で崩れているのだ。 もうひとつは、モノラルでピアノ全集というのは、ある種の冒険であることだ。 リマスターがハズれならスタンダードとして置いておくのに躊躇する。 特にモノラルでのピアノ再生は、高音の響きが足りないとか、低音が座らないとか システムのアンバランスさがもろに出てくるので、嫌になることも多い。 それもレーベルごとに録音の癖が強いので、なおさらである。 とはいっても、モノラルのピアノ再生という一番の難関を越えたとき ほぼそのレーベルの音を制覇したと言っていいだろう。
>174 そうそう。やっぱりシュナーベルでの成功が尾を引いて、その後が行き詰まってるような。 ナットの録音も企画は仏パテで、有名な録音技師シャルランが収録していました。 EMIでのシャルランのモノラル録音は、メシアンのオルガン自作自演集があって これがまた渋い音で、カヴァイエ=コル製のオルガンの良さが全く判らない。 実際、普通にマイクに納まる楽器でもないのですが。
あと、イギリス特有の78rpmシンドロームというべきか 1960年代までSP盤が普通に販売されていたということも シュナーベル以降の全集が頓挫する原因にも思えるのです。 リパッティも同じようなリリース形態が続いていて オリジナルは78rpmのラッカー盤ではないかと思える節があります。 これと全く逆なのはアメリカで、1947年問題ともいうべきもので LP発売まで保留され、マスター原盤が失われたものがあります。 トスカニーニのオテロ、ロミオとジュリエットなどがそうで ワルターのマーラー5番も原盤は78rpmです。 絶頂期のホロヴィッツの私家盤もアセテート録音のため 長らくお蔵入りしていた経緯があり、最近リリースされました。 ドイツ・グラモフォンの1951年問題も同様です。 これらはモノラル録音の彼岸というか悲願というべきで このハードルを越えると、非常にスッキリします。
モノラルとステレオを隔てる文化的な意義はなんだろうか。 クラシックではバイノーラルによる定位感が1930年代から模索されたが ポップスの分野で現在のサウンド・ステージを確立したのは1970年代前半。 それまではただ楽器を左右に分離した2chミックスが主流だった。 クラシックでもマルチマイクかワンポントかで揺れ動いたし ワンポイント・マイクの録音を活かせる精度の良いスピーカーは BBCライセンスのもの以外では、ほとんど知られることはなかった。 BBCのクラシック番組のほとんどはブルムライン方式のワンポイント収録で イギリスの家庭において優秀な音楽プログラムを提供し続けた。 実はこの時代にインパルス応答の鋭いスピーカーが推奨され 結果として中高域の応答性が抜きんでたスピーカーが主流になる。 一方でBBCのロック関連の番組は1960年代を通じてモノラル収録だった。 最初のステレオ収録はレッド・ツェッペリンまで待たなければならない。 その意味ではモノラルと峻別が明確になったのは、1970年代ということになる。
もうひとつの大きな関心事は、1957年以降スプートニク・ショックと言われた 宇宙開発競争だろう。それまでの宇宙は、オーソン・ウェルズの宇宙戦争に 象徴されるような、タコ型宇宙人がうごめくファンタジーそのものの世界であった。 あの小さな人工衛星を通じて、それまで大地に張り付いていた人間の関心事が 空の彼方に向かっていったように思えるのだ。科学技術が未来を切り開くのだ。 モータリゼーションと音楽の質の変化も興味深いテーマだろう。 これと反対のことがらは、モノラル時代の録音にも当てはまらないだろうか? 人間のフィジカルな運動性が柱となっていながら、自由を求めるゆえに ときには暴力的にさえなる状況がみてとれよう。 一方で、ビバップと公民権運動の関係を取り上げる人のほうが圧倒的に多いだろう。 しかし公民権法の成立とジャズの衰退は一緒には語れない。 マルコムXと同じくジャズメンは正式な政治運動から排除されたのだろうか? 2人の指導者の暗殺と共に平和ボケしてしまったのだろうか? ジャズメンは公民権運動の初期には、自らのアイデンティティに燃えていたが 舞台が現実的な政治に移ると、ジャズは表舞台から消えていったともいえる。 しかし法の下の平等は、すぐさま黒人の生活改善にはならなかったのだから ジャズの衰退は政治的な問題とリンクしていない。 やるべきことはやりつくした、そう考えるのがごもっともな意見かもしれない。
あるいはもっと金になるR&Bに転向してしまったのか? ロックンロールの立役者であった名物DJのアラン・フリードが被った ペイオラ事件の陰には、黒人社会の台頭に対する一種の社会的な締め付けが 1950年代末になおも強く残っていることも判る。 こうした渦中にあったエルヴィスのような白人ミュージシャンは 黒人が被るよりも倍の社会的圧力を受けただろう。 しかし多くの若者が熱狂したのは、全く別の側面からであるのは間違いない。 1950年代のオーディオは、こうした土壌のうえで発展したという 別の側面から考えてしかるべきだと思う。
ジャズの録音の多くがアンペックス社のテープレコーダーを使用できたのに対し
ポップスの多くは旧式のプレスト社のアセテート盤で録音された。
アメリカ南部の街メンフィスのサン・レコードで、エルヴィスが最初に録音したのは
吹き込み代4ドルを自分で支払っての録音サービスでのことだった。
この4ドルはアセテート盤の価格そのものである。ある意味、敷居が低かったのだ。
B.B.キング、ハウリング・ウルフなどの大物ブルースメンたちもここから出発した。
サン・レコードが録音したての楽曲を試聴盤として地元のDJたちに即座に配れたのも
このプレスト社のカッティングレースの手軽さゆえのことだった。
ビルボードよりも何よりも、地元のラジオ局が強い味方だったのである。
当時の若者のアイテムは、ジュークボックス、カーラジオなどであり
大人の監視を受けずに自由に聞ける場所が好まれた。
ブルースやロックで成功するというアメリカン・ドリームは、
今から思えば採算の取れない雲を掴むような媒体を通じて行われた。
スタジオは音量が増すとコンプレッションが得られるという特殊な効果以外は
地方によくあるラジオ局とほとんど変わらない機材で占められていた。
モニターに使ったスピーカーは、大手レーベルのような604モニターではなく
もっと格安の8インチ・フルレンジをバスレフ箱に収めたもの。
オーナーのサム・フィリップスも、黒人ミュージシャンを擁護するあまり
ラジオ局から独立せざるを得ない事情をもっていた。
多分、機材はラジオ局から中古で譲り受けたものだろう。
http://scottymoore.net/studio_sun.html
モノラル録音の再生に立ちはだかるものは、ロカビリーにみられるような あきらかに貧乏性ともいうべき、さじ加減の難しさであろう。 あるところでゴージャスさが空回りして、録音品質の貧しさが露呈する。 そのギリギリのところを狙って鳴らすのだが… 同じアルバム内でも、録音のスタイルが統一されていない場合も多い。 A面、B面で全く別のアレンジで攻めてくることも普通だ。 ジャズなどと比べてアレンジが簡単だから、再生が簡単なわけではない。 単純なツービートが跳ね上がってるか、ベースの抑揚がしっかり出てるか ギターリフが表面的でないか、そしてボーカルが常に前に出てるか、 単純だからこそハズレも判りやすく難しいところがある。 ソウルのシャウトでの音割れを、いかにそれらしく出すかはかなりの難問だ。 個人的にシステムの調整には、ラジオ音源が、収録条件が似通っていて 意外に良いと思っている。多くのスタジオ録音は、それ以上の音質だが レーベル毎のカラーに四苦八苦している時間のほうが長いように思う。 システムのカラーをニュートラルに戻すのに放送音源は便利なのだ。 そしてレンジを欲張らずに、ワイドレンジ・ユニットでしっかり鳴らせること。 高域の追加は、後で検討したほうが、まとまりやすいだろう。 多くのジュークボックスも、ワイドレンジ+αの構成が多く ラジオ用との大きな違いは、磁気回路やフレームなどが強健にできていて 簡易PAとしての機能性をもっていることである。
本日悪戦苦闘しながらHMV 163のモーターの修理をやった。 動くところまではいったので、FurtwanglerのBPOの第5と1936年の バイロイトのSPを聞いてた。 モーターの故障でしばらく動かしてなくて、復刻CDでいいやで 済ましていたが、やっぱこれがいいな。
>183 バイロイトはローエングリンでしょうか? フルトヴェングラーかと思ってドキッとしたのですが… 運命は1937年のHMV盤だと思いますが いずれもSP盤で持っているとすれば、相当なコレクターですね。 復刻物はたとえLPでもエネルギー感が全く異なり アコースティック=楽器としての蓄音機の底力は計り知れません。 1936年頃のフルトヴェングラーは、海外遠征から伺えるように NYPからの招聘問題で揺れていた時期で 一番脂の乗っていた時期ではないかと思うのです。 といっても、トスカニーニ、ワルター、みんながそうだったのですが ヨーロッパでの戦争の傷跡は計り知れないものがあります。 テレフンケンのティーレン指揮にしても政治的な掌握が先行していますし 一方のフルトヴェングラーがマルコニー社のスチールテープで残された というのは不思議な感じがします。レッグ氏の思惑があったのでしょうか?
Bayreuthはその通りローエングリンです。 TELDECの復刻も持ってますが、あまりにもノイズリダクションをかけすぎて、 ぼんやりしてしまった感があります。 指揮者がティーティエンになったのは、彼は当時監督演出も手掛けていて、 その政治力で自分の指揮をレコードにしたのでしょう。これがWFだったら、、、、 黄昏の練習風景のフィルムが残されています。 よく聞いてみると、これはカッティングレベルを低く押さえてDレンジを 大きくとる工夫がしてある気がします。機械でかけると音が小さめです。 コロンビアは有名な1927年録音以外にも、1928,9年?くらいにもBayreuthで 録音してるようです。トリスタンの一部があったと思います。 1928年にムックが録音したパルジファルの第3幕はベルリン歌劇場での録音ですが、 曲中で使用するモンサルヴァート城の鐘の音のために、BaureuthからWagnerが 作ったパルジファル用の鐘を列車で運んで録音に使ったそうです。 重く金属的なすんごい響きなのですが、戦中戦後の混乱で鐘は失われたそうです。 8枚16面というぜんまいを巻くのが大変な代物です。 有名レコードはたくさん売れてるので数があるので、比較的容易安価に 入手できます。機械でかけるにはミントコンディションのものは必要ない ですし(竹針でもダメージはあるので)。普通程度の状態の板で十分です。
>185 戦前のワーグナー録音は、どちらかというと喰わず嫌いなところがあって 昔にフルトヴェングラーの伝説の名演ということで、1936年のローエングリン抜粋を LPで聴いていたようなもので、結局それだけで終わっていました。 最近はメトやコヴェントガーデンでのライブ録音もCDで出そろってきたので 聞き直してみようかと思ってたところです。フルトヴェングラーのローエングリン抜粋は 現在では廃盤になって無いと思っていたら、 Archipel から復刻されてました。 また懲りずに聞き直すのも良いかと思っています。 SP盤は文化遺産という感じで恐れ多いのと、自分が泥沼状態になるのが判っているので 今のところ自粛状態です。一時期はブランズウィックの縦横振動コンパチの蓄音機を 購入しようと真剣に考えたのですが、やはり身分不相応という気がしてウヤムヤになりました。 縦振動盤の狙い目は、ラフマニノフの前奏曲 エジソン吹き込みだったのですが まるで暗闇に引きずり込むような魔法に満ちていました。この味は復刻物では全く出ません。 ジーメンス傘下に完全統合される前のエレクトローラは意外な録音が多くて面白いですね。 さきほどギュンター・ラミンのマタイ受難曲(1941年)の復刻CDを聴いていたのですが メンゲルベルク盤と同じ福音史家のエルプが、端正な歌い口で良い味を出しています。 戦後のヨハネ受難曲ではヘフリガーを起用し、リヒター盤への複線を作るなど 戦中〜共産主義の際どい時代のなかで、良い働きをしたマイスターでした。
縦振動という深淵は覗いたことはありませんが、横振動盤でも同じく機械録音の ものはやっぱり復刻では、極めてきれいには入っていますが、何か味がないというか 食い足りないというか、機械で再生したほうが楽しめますね。 何らかの色づけがあったほうが、かえってよく聞こえるってことなんでしょうかね。
味付けといえば、ピックアップの振動板の共振で、倍音の累加など SP盤には刻まれていない信号があることは確かだと思います。 プレート・リバーブと似た効果があるのかと。 ただし金属板ならまだしもマイカ製のものは?となると サウンドボックスの共鳴も含まれていると思います。 電気的に言えば、高域を丸めることで、インパルス成分(方形波)が失われて 全体に音の立ち上がりが平板になることは言えると思います。 1930年代の高級電蓄は、針音の制御をハイカットだけで済ませるのではなく 3kHz辺りのノッチフィルターで対処していた機種もあるので そうした当時のノウハウも取り入れると良い結果が出るかもしれません。 またビーム管で歪ませるときに出るリンギングが有効かなど NFBでキャンセルする高調波歪みを見直すことも必要でしょう。 ただ、蓄音機の音を録音したCDを聴いても関心しないところをみると ある種の空気感、スクラッチで誘起される低音域も無視できないでしょう。 高音のまろやかさとか、そういうものでは説明がつかないものです。 これも持続的なゴロ音を回避するような音響特性であるにも関わらず 瞬間的な楽音の立ち上がりではたっぷりと残っているものと推察されます。 スウィングする力感は、中低域の立ち上がりが早いことを示していて これは電気再生では逆、つまり高音域の立ち上がりが早くなるのが常で これがスクラッチノイズが浮き上がる原因にもなっています。 高域の立ち上がりのほうが早いのに、高域をカットすると音が平板になる。 このジレンマは、機械録音と電気再生の永遠のジレンマかもしれません。 そうなると周波数毎のディレイのほうが役に立つかもしれません。
HMVの機械は内蔵のリエントラントの金属ホーンですが、レコードのffの時に すっとサウンドボックスを上げると、わずかにホーンが鳴っているのがわかります。 ステーも入れ亜鉛によるといわれているデッドニングがされていますが、 ごくわずかに鳴っていると感じられます。 ある本によれば、米のチニーの機械はわざとトーンアームを鳴らせていたと いう話が書いてありました。もちろん実機を持っていないので、確認は できませんが。 一般的な評価も高く人気もある米Victorの機械は、オルソフォニック以降は寄せ木の 木製ホーンですが、これはどうなのか持ってる人がいれば話をうかがいたいですね。 探求してもあまり役にたたなそうですが、機械録音再生のこつがわかればうまい フィルターを工夫することもできるんじゃないかなあ。 デジタルデーターでPCに取り込めば、自由自在な加工ができるでしょうし。
Orfeo盤のフルトヴェングラー「バイロイトの第九」を聴いている。 こちらが本番で、EMIが編集盤という不思議なロジックが判ったのは最近だが 面白いことは他にもある。例えば、バイエルン放送局の録音は正規のマイク位置で EMIのものはサブの位置にあったということ。当時のバイロイトは金銭的に行き詰まって ヴィーラント様式という超簡素な舞台で経営改革を行う直前の状態。 当然、出演する歌手のギャラも僅かだったに違いないが、ドイツ人の心意気というか ほとんど名誉のために出演していたと思われる。例え天下のEMIと言えども、入れない 聖域のようなものがあったのだろう。それだけにOrfeo盤の音はクッキリとして古典的だ。 一方の伝説を生んだEMI盤は、奥まった方に配置して、マイクチェックも兼ねた リハーサルの音が加わったために、まだ仕上がり前の危うさとライブ感が残ったのだろう。 その意味ではOrfeo盤はいささか安全運転のような感じもする。 バイロイトがオペラ劇場なので、ドレスリハーサルという形態でEMI盤が残されたのは ある意味偶然のことで、トスカニーニなどはドレスリハーサルのほうが良いと言われる。 バイロイト復帰という大舞台でのフルトヴェングラーの思いはどうだったのだろうか。 それを受け止める出演者の思いも複雑だったに違いない。
戦後のバイロイトでもフルトヴェングラーが楽劇を振ってくれていたら、、、、(ToT)
連投すまん。
>>190 昔から使っていた舞台装置や衣装なども戦後のドサクサで失われていたこともあるようです。
劇場自体も一時期連合軍に接収されていたそうですし。
フルトヴェングラーは不思議で、EMIのセッションはともかく イタリアで何度もリングを振っているのですよね。 あとトリスタンも1947年にベルリン・シュターツカペレで。 体調の問題かなとも思ったのですが、そうでもないところを見ると 案外、経営側(ワーグナー家)の事情があったのか?と疑いたくなる。 ともかく、一族が戦犯として追求されかねない中にあって フルトヴェングラーはできれば避けて通りたい存在だったのだと思うのです。 一方で、Orfeo盤が長らく埋もれていたのは、放送局ならではの慣習のような気がする。 思えば、1950年代の多くのバイロイト録音が最近まで海賊盤でしか流通しなかったのは ひとえに放送用という縛りがあまりにも強かったからに他ならないと思うのです。 それと一般的なHi-Fi録音とは異なる、ラジオ風の音質管理。多くの人が「ステレオでない のが残念」というのは、別の理由があると思える。だって、カラスのトスカにそういうケチを つける輩はいない、むしろ絶頂期のカラスという評価が先んじている。これと同じ評価が バイロイト録音にもあってしかるべきだが、判る人には判るという感じだろう。 ワーグナーの楽劇も、そうやすやすと何セットも聴くわけにはいかないものだけに ますます敷居が高くなるように思う。逆にいえば、このモノラル期のバイロイトは 同じ楽劇を2つのキャストで演奏するのは当たり前なくらい、多彩なタレントを備えた 指揮者や歌手が集結した点でとてもユニークな存在だったと思う。
1955年のカイルベルトの指輪は驚くべきことにステレオで出た。 おお、と思ったが黄昏のジークフリートが旧盤のようにマックス・ローレンツでは なかったのでがっかりした。もちろんヴィントガッセンが悪いわけではないのだが。 そういや、フルトヴェングラーのスカラ座での黄昏のジークフリートも ローレンツだった。もちろん1936年のバイロイトのジークフリートも。 というわけで、カイルベルトのは未だに1952年のモノ盤で聞いてるなあ。 いくぶんナローレンジだがクリアーで安定してるので聞きやすい。
>いくぶんナローレンジだがクリアーで安定してる そうそう。これがラジオ音源の特徴で、ナローなのに少しエッジの効いた音でまとめていて 相性の悪いシステムだと、極端にカマボコになったり、高域が暴れたりと色々。 ただHi-Fi初期のように十人十色でないため、こちらでまとめると中庸なところで納まります。 反面、モノトーンという言葉通りの音質なので、最初慣れるまでに時間が掛かる。 オーディオ的な快楽とは別次元のものなので、取っ付きにくい印象がある。 しかしマイクとテープ(もしくはアセテート盤)をストレートに使った色付けのない音だと 一度気付けば、システムを自然な状態に導くことができるように思うのです。 それと演奏者の素顔に出会えるような気がするのは私だけでしょうか?
うちでは、一時期はやった古いIsophoneの軽〜いコーン紙のSPに、その当時の 高級ではない普通の家庭用の機器のアンプ部の回路を調べて真似て作ったもので 聞いてる。アンプはワイドレンジや高性能をねらっておらず、むしろ安定な動作に 主眼が置かれているように思う。 これでそういったラジオ用音源のようなものを聞くと安心して聞ける。 最近のステレオ盤を聞いてもちゃんと聞こえるので、最近はもう、 小型ですむし、これだけでいいかなと思ったりもしてる(笑)。 以前にPodiumから出たプシホダのバイオリンのCDを今日聞いてたが、これらは 1940年代末〜50年代の北西ドイツ放送の音源とある。録音もじゅうぶんだが、 ほかの誰にも出せないプシホダ独自のバイオリンの音はすごい。名盤と思う。
いい塩梅で良い味を出してそうですね。 ドイツ放送音源の場合、高能率のフルレンジにEL84で十分なのですが そのどちらかだけ真似ても、あまり良い結果が出ないのと思います。 高能率の大型ホーンでも、低能率のフルレンジでもダメ。 逆にに高能率のフルレンジを、KT88とか6L6で太めに鳴らしても 渋すぎてダメ。やはりいい塩梅があるのだと思います。 私のほうはEV社の8インチのフルレンジを小型3極管で鳴らしており トランスは古い軍用品をつけてレンジを抑えています。 本来はスウィング・ジャズやトスカニーニが似合っていますが クラシックではドイツ放送録音が絶対に欠かせません。 AM放送の規格内なのですが、不思議とずっと聞いていたいと思う 魅力があります。
昔の家庭用アンプの回路図を見てみると、EL95という小さな出力管がしばしば 使われています。はっきり言ってしょぼいラジオ球なのでしょうが、 Philipsがシングルで、TelefunkenとBrownがppでアンプの製品を出してます。 6AU6と見間違えるほどの小型のものなのですが、実際使ってみると悪くなかった。 あまり見向きがされないのか、西欧のメーカーの製品でも1000円くらいで安価ですし、 こんなものをリプリントする業者もいないので安心です。 ppとシングルを作ってみましたが、良く鳴ってくれてます。 相手のSPによるかもしれませんが、EL84よりは素直な感じでいいんじゃないかな。
モノラル
200番ゲットオォォォォ!! みたいな  ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ___ __ (__ ) ≡≡≡ / ヽ / / ̄ _ _、, _,, ヽ7 / ..へ._ V / ≡≡≡ v/ ヽ( )△ィ△ / ゙ii | |/ (( _(( _((ハ ' _ ) `ヘ/___. || | | lWVl____|∩ ∩ Y_) ヾ |___. . || | | __,r‐、 ≡≡≡ . !_て7」VWl .ヾヷ゙゙ノノヾ, | ̄ || | | ̄__), \ (´⌒(´ ヾ (  ̄ ̄ ̄) ノ__,ノ‐-__ !! ノ_ノ ̄ . ヾ、__ノ ≡≡(´⌒;;;≡  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .  ̄ ̄ ̄ (´⌒(´⌒;; ズチャッターーーーーッ
>198 この時代はWEのプロ用でもテレビ球が使われたり、保守部品にかなり融通をもたせていて 現在では修理の難しいアンプも少なくありませんね。EL95はドイツ的倹約主義の極北で ありながら、当時のドイツ製ラジオの音の良さにも注目する切っ掛けとなるように思います。 グルンディッヒとかのフルレンジが注目される一方で、これを適度にドライブしてくれる アンプのほうがあまり良く知られないままのように思うのです。 とはいえ、低音を出すためにやたらにコアボリュームの大きいトランスが多いなかで 小回りの利く小型トランスが少ないのも確かで、実際どのようにしているのでしょうか?
>>201 トランスは古いものはないですし、仮にあってもどのような状態かわかりませんので、
現行品のを使ってやってみました。春日の小型のものを使ってみましたが、
なかなかどうしていいようです。LUXのOYの小さいやつが1個だけあるので
これでモノと考えてますが、いろいろめんどくさいトランスだそうで
手つかずです。そのうち、、、、
Telefunkenの業務用の入力トランスで位相反転する上下対称回路のアンプにも
同様の小型管のEL42がEF804Sとともに使われているものがあって、この種の管も
いろいろ用途があったのかなと思います。これも省エネ管ですね。
ラジオ用トランスと見分けがつかないというか何と言うか、、、 そういや、向こうの普通クラスのラジオでシングル終段のものでも、 回路図を見てみると OPTの1次側巻線のB電源供給側からいくらか 巻線をP側とは反対に巻いておいて、それを通じてSGやほかの電源を 供給してるのがありました。どうやらハムキャンセル?のようなの ですが、これも試してみたくともそんなトランスは無いのでどうし ようもないです。 入力トランスはタムラの7k:10kCTで7dBmという小型のものが捨て値で 売っていたのを買ったのがいくつかありますが、まだ試してません。 ステップダウンになりますが入力のところで位相反転に使えるかなと、、、
モノラル録音での難問にピアノがあるように感じている。
もともと全体がマイクに乗りにくいうえに、周波数の制限もあるように思える。
LPの出る以前は100Hz〜8kHzというスペックでの録音再生が標準である。
もうひとつはスケール感で、ステレオのように仮想の音像を提示できないので
どちらかというと実物大で真正面から勝負ということになる。
ところが、当時の人の意見を聞くと、ワイドレンジでも十分という意見も聞かれる。
例えば岩崎千明氏は1957年にD130を米軍居住地で始めて聴いたとき
「本物のグランドピアノの姿を探しまわった」と懐述している。
これは当時流行した本棚や衣装ダンスにプレーンバッフルを仕込んだ方法で
ハークネスのような立派な箱に入ったものではない。
http://www.audiosharing.com/people/iwasaki/houkou/hou_23_1.htm ここで少し立ち止まって考えてみると、幾つか思い当たる節がある。
ひとつは実音量としての再現性である。D130は低音とか高音は出ないが
楽器の基音での再現性は高い。だから1970年代までステージPA用として
生き残ってこられたのだ。
もうひとつ判り辛いのは、倍音の共鳴=高調波ひずみである。
ビンテージのユニットにまま見られる高音の暴れは、設計が古いからと
簡単に片付けられてしまうのが常だが、逆に言えば音声信号に対し
倍音の共鳴を許容する設計になっている。
ステレオ録音では、この高次倍音を多く含むため、暴れの原因となるが
あるいは私たち自身が、そういうピアノ録音の音に慣れてしまった
というのが実際ではないかと思い始めている。
そう思ったのは、モノラルでのピアノ録音はほぼカマボコ型である。 グールドのゴルドベルク、ケンプのベートーヴェン、リパッティのショパン モンクのサンフランシスコ録音、そして多くのボーカル伴奏など色々ある。 これらは生録でストレートに録ったときの音に近い。味のない素材のまま。 これがガッシリ鳴るように整えると、ステレオ録音は薄っぺらに聞こえる。 別にカマボコ型を直すために、高域を持ち上げているわけではなく、むしろ 抑え気味にすることでバランスを取るようにしている。 1950年代のスピーカーだと、70年代以降の録音は響きが過剰で、指のタッチが 表面を撫でているだけのように聞こえるものがある。多分、鉄板リバーブの せいだと思うが、逆にいえば、50年代のスピーカーは付帯音が多いのだと思う。 この付帯音は、ギターアンプの心地良いクリーントーンを造り出す。共振のない スピーカーでは絶対に出ない美しい音である。オーディオ理論とは大きく外れて いても、このトーンの魅力に取り憑かれると、あとはどうでもよくなる。
最近になってソニーの動向が気になっている。 正確にはソニーに買収された米コロンビアのアーカイヴの行方である。 ジャズだとマイルス、ビング・クロスビー クラシックだとグールド、ワルターなどが思い浮かぶが NBCと勢力を二分するCBS放送局を有している大レーベルで 老舗RCAとは違うエンターティナーの記録が多く残っている。 一方のRCAが古い録音のリイシューにあまり積極的ではないのに対し ソニー傘下となったコロンビアは、アメリカ文化の継承を背負って かなり本気でリリースをしているように思う。 Okehレーベルに多く残っているブルースやゴスペルについては 比較的早い時期に10枚分売でアンソロジーが出たが その後も地道に多方面のリリースを続けて 例えばキャブ・キャロウェイの1940年代のジャイブは見事な復刻だ。 一方のソニー本体はこうしたアーカイヴと再生機器について どういう方向性をもっているかというと、普遍性という名のもとに ウォークマンから続くパーソナルプレーヤーや ソニー・ピクチャーズの延長線で「現代の」シアターサウンドに 焦点を絞っているように思えるのが、やや残念なところか。
× アーカイヴ、ジャイブ ○ アーカイヴ、ジャイヴ
1950'sのやたらシャンシャン高音が響くDECCAのモノ録音はうまく再生できないかな。 クレメンス・クラウスのウィンナワルツやオペレッタとか。 とはいえ、同じ時代のクラウスのサロメやE.クライバーの薔薇の騎士とかは大丈夫なんだが。
イコライザカーブ可変な プリを自作するのが吉
新世界レコード時代のメロディアモノラルは、盤質含めて安くていいな。
>>210 ,211
製品はお高いから、いろいろカーブ可変の調整付きのアンプ自作かな。
のんびりと計画を考えます。
>>213 DECCAのモノラルは、現行CDよりも、パブリックドメインの音源のほうがレート低くてもよかったりする。
ところで、アメリカのオーディオを考えるとき どうしてもレイス(人種)・レコードの存在が欠かせない。 多くは1920年代からなので、基本的にはベル研究所による 電気収録が始まって以降に、この手の録音が増えた。 今でこそクラシックとジャズ、ポップスは分け隔てされ 機器の相性のようなものが色々と言われているが 当時はレイス・レコードはブルースともゴスペルとも ジャズとも形容のしがたい目新しいものだった。 ビリー・ホリディの「奇妙な果実」はジャズの名盤と言われるが 彼女がクラブ・シンガーだったという理由以外には 深い意味はないように思われる。 第一、ベル研究所のクレデンザの音調からも判るように 当時の主流は東海岸風の柔らかい上品な音である。 ところがアメリカのオーディオを語るときには むしろこの黒人風の灰汁の強さを強調した 押しの強い音のことを指すことが多い。 ボザークのような純粋に東海岸のスピーカーでは 音楽の理解度に疑問を持たれるかもしれない。 しかし戦前のアメリカのオーディオ機器は シアター用を抜きにして、ほとんどの家庭用は 渋い音のもので占められている。 むしろルーツとしては、渋い音調のなかでも たくましくアピールする強さにあったのではないか とも思えるのである。
人種の壁に挑んだのはレコードだけではなく 映画やラジオにおいても顕著だった。 特に映画業界はトーキーの開始からボードビリアン つまりミンストレル・ショーの延長線にある芸人を取り上げている。 もっともエジソンの時代からボードビリアンの芸能を記録しており アメリカにおける面白い出し物のひとつだったと思われる。 映画業界の中心はハリウッドであり、カルフォルニア・サウンドと呼ばれる アメリカン・サウンドの中核は、映画業界から出発している。 ウェスタンの最果ての地で黒人的な押しの強さが熟成されたのである。 ただ音楽の量産地は、依然としてニューヨーク、シカゴなど東部の 商業、工業地帯が中心であった。ラジオ中継の多くは東側から発信され そこでも黒人ミュージシャンは1930年代からレギュラー番組をもち 娯楽としての音楽を全米に知らしめた。ラジオではノイズの関連があり、 高域に制限が多かったが、RCAのラジオにみられる中庸な音が 中心を占めていた。 家庭ではラジオの中庸な音があり 舞台芸術と連動した映画館では、押しの強い音で圧倒する。 パフォーマンスとしてどれが最適かは、かなり広がりがあった ということが言えるのだろう。
初期のコーキーのVitaphoneのフィルムで、当時メトロポリタン歌劇場で活躍 していた歌手たちや、他の演奏家のフィルムがある。昔の演奏家のフィルムを 集めたオムニバスのDVDなんかでいくつか見ることができるが、音も映像も なかなかうまく録れている。 youtubeで検索した事があるが、けっこういろいろ収録されてるようだが、 画像も音も貧弱なものが多かった。 こういうVitaphoneの演奏家の記録フィルムをあつめたものとか市販されたり してないかなあ。
221 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/11/15(木) 11:52:12.79 ID:haocrxqf
221
222 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/11/15(木) 11:53:10.63 ID:haocrxqf
222 ____ | | | | | | | | |___| |::::::::  ̄| ___ |::::::: | __ (__ ) ・∵ |:::::::: | :・ / ヽ / / ̄ ∴・ |::::::: |∵ヽ7 / ..へ._ V / v/ ヽ( )△ィ△ / ゙ii | |/ (( _(( _((ハ ' _ ) `ヘ/___. || | | lWVl____|◯;;◯;;;;Y_) ヾ |___. . || | | __,r‐、 . !_て7」VWl .ヾ一゙;;;ノノヾ, | ̄ || | | ̄__), \ ヾ (  ̄ ̄ ̄) ノ__,ノ‐-__ !! ノ_ノ ̄ . ヾ、__ノ
モノラルを聴いて思うのは、部屋の響きとの調和である。 あえて言えばマイクからダイレクトに増幅される状態を部屋の中に 入れるのだから、箱の響き、部屋の響き、様々な要素を取り込んで システムに組み込むことになる。 ステレオだと仮想空間を演出して、そのなかに入り込むことができる。 ただ面倒なのが、録音ごとに空間表現が異なり機器との相性が出やすいことだ。 クラシックでもジャズでも一括りにできない。ポップスはもっと多彩だ。 もちろん玉虫色の音空間を楽しむのも一興ではある。 モノラルだと、楽器としてのスピーカーがあるので その箱の特性通りに再生枠がほぼ決まる。仮想的な空間はない。 録音年代やレーベル間でトーンの差の大きいのが難点であるが カートリッジ、イコライザー、トランス、様々な方法でコントロールする。 コントロールの術がある程度固まると、そのうち装置のご機嫌ではなく 楽音に集中していることが多くなる。そのときが至福のときだ。 しかし、あるとき表現に不足な部分に気付いて、システムの枠を崩して 再構築しようと試行錯誤する。結局、この繰り返しなのだろうか。
ヘッドフォン環境のアタシとしては、純正モノラル音源を自分でアンビエンス操作して、演奏会場遠目の点音源+ホールトーンを好きなように加工したい。
>>224 PCに取り込んでソフトという手はあるんじゃないでしょうか。
昔は、アンビエンス付加のためのアナログICがあって、秋月からだったか
キットが出ていて一時期使ってました。
>>225 30年くらい前に、Technicsで商品があったが酷い代物だったそうな。
今頃のクラシックのリマスターには若干のエコーを加えたものも増えてきた。 でも結局はエコーなしのほうが、骨太な表現が聞けるので、そこに落ち着く。 デジタル・エフェクターだと老舗のLexiconが太い音で好きだったが やっぱり後で付けたものは誤魔化したなりの何かが付きまとう。 聞きやすいけど、どこか灰汁が抜けたような…それなら始めからカラヤンに… そういう気分に駆られてしまう。
モノラル時代の欧州の大型ラジオなんか、正面ばかりじゃなく側面とかにも 何個もSPをつけたのがあった。あれも響きを付加しようという考えだろな。 東芝の電蓄でも、側面SPに扉状の角度可変のリフレクターをつけたのがあった。 サイズが大きめの蓄音機は朗々と鳴るが、あれも機械自体がエフェクター なんだろうな。
モノラル時代のスピーカーには、高域拡散のための様々な工夫がみられる。 普通のフルレンジでもビーム角が60度、大型ホーンだと90〜120度を保証するのが常で 今の30度以内に納まるステレオスピーカーとは根本的に異なる。 パンチングメタルによる音響レンズ、羽の付いたディフューザーなど実に多様である。 これらはエコー成分のためではなく、高域拡散のための方策である。 モノラル用のスピーカーでヴィンテージ物が良いと言われる理由に 再生帯域のエネルギーバランスがあり、まずどの位置で聴いてもほとんど崩れない。 現在のスピーカーでモノラル録音を再生すると、逆に帯域が狭く感じることが多い。 あと古い時代のユニットは、高コンプライアンスで低音の出ないものが多かったため キャビネットの振動を混ぜることでバランスを取っているものも多い。 当時は100〜200Hz以上をコーン紙から再生、それ以下は共振で補う考え方があった。 しかし低音の質は当時のほうが良い。音の張りもさることながら、音階の明瞭さなど 普通の低音楽器と同様の特徴が備わっている。フリーエッジになった時点から 量感は増したが、質は下がっていく傾向にあると思う。
買ったのをなかば忘れていた1944年9月録音のワルキューレ第一幕の CDをあらためて聞いてた。指揮はエルメンドルフ、オケはドレスデンの メンバー。ドレスデンのゼンパー歌劇場が爆撃で破壊されるほんの 数カ月前のドイツ帝国放送の録音だ。音は高音がちょっとあれぎみの ところがあるが、極めてクリアーかつ安定していて聞きやすい。 ソリストはジークムントのM.ローレンツが言葉にできないほどにまことに すばらしい。CDはプライザー。 解説を読んでたら、当時1944/45年シーズンは戦況の悪化のために多くの 歌劇場で上演がキャンセルされ、その代替としてラジオ放送がさかんに 行われたそうな。なるほど、敗色濃厚となってくるなかで、なぜに 多くの放送録音が残っているのかが分かった気がした。 (そんなに録音してるような状況じゃないだろうにとか思ってた。) 昔のラジオ工作本に載ってるAMワイヤレスマイクを作ったのがあるので、 あれに入力して真空管ラジオで聴いてみっかなあ、、、、
232 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/12/20(木) 23:38:40.03 ID:5wVwTfm5
>>231 自作すれば高くない。一時期より部品は入手しやすくなった。
実際作ってみると昔どおりのペントード無帰還シングルでは
やっぱ不満が残る。
チューナーにしちゃうか、帰還をかけたPPとかで新規に作るか
考え中。
233 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2012/12/30(日) 22:38:17.73 ID:RI552d5L
まさに隔離病棟
234 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/01/11(金) 17:29:43.15 ID:3QpsjRym
モノラル専用のCDプレーヤーってないですかね?
>>234 仕方ないからステレオ→モノラル変換プラグを常に携帯してる。
気持ち悪い位相のリマスタ聴くよりは良いからな
236 :
ものきち :2013/01/11(金) 20:35:39.85 ID:hYS5531r
「隔離病棟」ってすてれおの人が入る所じゃないのかね?
>>235 何かエフェクトが付加されてるモノのCDありますよね。
あと、ステレオのもモノにして聞きたい場合もある。
でも、その場合に気になることがある。
単純にLRを接続する方法もあるだろうが、その接続ポイントより前段の部分が
帰還アンプになってたとすると、LRを接続するとその合成信号がそれぞれの
チャンネルに帰還されてしまわないかな。
回避するには、無帰還のラインアンプを一段噛ませればいいのかなあ。
そんなことしなくても実用上は問題なしかもしれないが。
238 :
ものきち :2013/01/11(金) 22:53:44.77 ID:hYS5531r
237さん、古いヴァイオリンを中心にいろいろCDを買うんですが、ひどい復刻が多すぎです。スクラッ チノイズを取り除いて、エコーかけて… 有名な新さんのCD-Rとかはかなり良いと思うのですが、他は ダメなの多いです。数年前、文献社っていう所から出ていたヴァイオリン全集なんて、復刻者は「ノー ベル賞にふさわしい画期的ノイズリダクション」なんて自慢してましたが、ヴァイオリンが口笛の様に 聞こえたり、風呂場で演奏している様に聞こえたりで、ひどいものでした。それでも、ヴァイオリンは まだマシで、古いタンゴとか、ポピュラーとか、シャンソンとか、ロシアものとかは魂が抜けていて、 高域がやたらカンカンして、聴けたもんじゃありません。例えば、カルロス・ガルデルはあんな間の抜 けた声じゃないし、最近話題になっているピョートル・レスチェンコもあんな機械的な声じゃない。 ティノ・ロッシなんてのも完全なフヌケにされてしまってる。さすがに、そういうCDは再生装置で補っ て聴くなんてムリでしょう。「買ってはいけない!」に尽きます。 ステレオをモノラルにするのはすごく複雑な問題を含んでいると思います。だから、それはやらない方 がいいと自分などは思ってしまいます。
>>238 正月のNHK FMのSP盤放送では、こういう機械を使っていましたよ。
http://www.gramophones.uk.com/_Media/194_open_large.jpeg 日本の流行歌から洋楽やクラシックもやりましたがかなりよかったです。
復刻も加工してないところはいいのですが、下手に気を利かせてる
ところは最悪で、あんなのならやらないほうがましなのは同意です。
うちはあきらめてこの画像より小型の機械を以前に買いました。
これは!と思うものはオリジナルを無理して買いました。
他に納得いくやりようがないです(;_;)
声楽が多くバイオリンはあまりないですが、クライスラーやクーベリックの
機械録音も復刻だと頼りないですが、機械再生で聞くと雄渾な響きです。
電気録音以降のVnでは何といってもフーベルマンのクロイツェル、すごい。
こんだけでもう、おなかいっぱい。
「ものきち」さんも、ぜひ機械を買って重症患者隔離病棟に行きましょうw
ステレオからモノ変換は私はやってみたいのですが、これは個人的に
ちょこちょこやってみます。
240 :
ものきち :2013/01/12(土) 10:47:56.65 ID:1NvR7XCQ
239さん、クベリック、HMV202、クレデンザ、EMG? 「病棟」というよりも、もはや「魔境」で はないですか! 私も10年ほど前まで近いことやってたのですが、貴重なSPレコードがすり減るのが 堪え難く、電気に落ち着いてしまいました。確かにポータブルぐらいでかけてもメルバやシャリアピン がそこで歌っている様な迫力出ますが、私には荷が重いので、機械式蓄音機に最大の敬意をはらいつつ も、でっかいホーンと直熱管で、がんばります。
>>240 なるほどすでに経過されておりましたか。
ホーンと直熱管とはなみなみならぬ事と思います。
(WE 15Aホーンを自作されてる強者もおられるようです。)
名前があがってるメルバも、クーベリックのVn伴奏でモーツァルトの
牧人の王のアミンタのアリアの録音があり、1枚で2度おいしい優れものです。
機械録音の復刻CDでもいじってないやつがありますが、うちだとうまく
いかないです。ホーンで聞いたらどうなんでしょうかね。
242 :
ものきち :2013/01/13(日) 10:31:45.82 ID:qAHnRydK
でっかいホーン(12A)でなくとも、4Aピックアップ等でSPレコードをかければ、 かなりうまく行きます。10Dでも「蓄音機の感じ」に近いものが出るんじゃないで しょうか。どうも問題はCDプレーヤーとCDの復刻の仕方にあるみたいなのです。 電気再生でHMV202の音が出て欲しいなんて都合のいいことを考えている訳ではない です。「蓄音機の感じ」もしくは「演奏の魂」がある程度出てくれれば… 新さんのダイレクト・トランスファーだとかなりというかすごくうまく行くのです。 最近、池田圭先生の『音の夕映え』読み返してますが「新さんは耳がよくて、信頼 出来る」と書いてありました。SPレコードの良さを十分わかった人が復刻してくれ さえすれば… と毎日思っているのです。これが「おこぼれちょうだい主義」の 限界かもしれません(自分でSPレコードを買わず、他人様が復刻したCDに頼って いるので)。 Symposiumの"Important Early Sound Recordings Violinist No. 1"のクベリック とNational Film & Sound Archiveの"Dame Nellie Melba"しか持っておりません。 両CDの中に二人の共演はありませんでした(涙)どこに入ってますか? 声ものはMarianne MelodieとIntenseというレーベルの古いシャンソンの復刻CDが まずまずの出来ですが、クラシックの声でそこまで良いものにはほとんど当たった ことがありません。ある人の推薦でジョン・ハモンドとコンチータ・スペルヴィア のCDを買ったのですが、すごく悪くはないですが、あまり良くないです。蓄音機 で聴いたら涙が出て来るほど感動的なのに…
244 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/01/14(月) 08:13:01.56 ID:ra8VIYo/
これだけ技術が発展してると思うのに、復刻がさっぱりなのは不思議です(笑)。 じゃあ機械で再生したのを収録したらいいかと思いますが、これはバイオリンが いくつかありますが、クレデンザやHMV 203を超える名機中の名機というので 復刻した某CDがありますが、何だかぼやけていて、、、 WINGのCDでクレデンザで再生したサラサーテの曲のオムニバスは出来不出来 ありますがけっこういいかなと思います。 いちばんいやなのはTE○DECのCE○AR、あれはひどい、何もしない方がましと いうのはまさにあのこと。百害あって一利無し。 オレの好きなエルナ・ザックタンのCDがえらいことに、、、他もだけど、、 プライザーとかいじってない感じのとこはいいですね。 きれいだけどどうしても弱くなってしまう感じなのは、再生がわで補えると いいと思います。
246 :
ものきち :2013/01/15(火) 08:11:43.28 ID:+ra2hmVS
203を越える機械その他で再生して録音した某店のCDはダメなことで有名ですよね。マイクの位置が 悪いし、いくら優秀な機械でも、あそこのはサウンドボックスとかいじってるでしょう。そんなセンス で録音してもロクな復刻出来ないですよね。 イギリスのPearlレコードの某エンジニアが優秀という説があるけど、Pearlも駄作が多い。 イギリスで一番優秀なのはなんと言ってもAPR。ピアノばっかりで弦も声も少ないのは残念だけど、 Auer Legacy 1〜3はすばらしいの一言。ティボーのもかなりいい。 つづいてSymposiumがいいけど、Biddulphは当たり外れがある。 国産ではWINGいいですよね。Opus蔵よりもいい。WINGの『モギレフスキーの芸術』どなたか お持ちでないでしょうか? お持ちならコピーとっていただけないでしょうか? ノドから手が 出るほど欲しいです。
247 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/01/15(火) 08:19:13.27 ID:GBcPYw3F
持っているけど断る。
248 :
ものきち :2013/01/15(火) 08:49:08.38 ID:+ra2hmVS
そうそう、国産には緑戸というのもあるけど… 「うーん、どうなのかなぁ」という感じ。悪いとは 言えないけど、高音が荒いというか、奥行き感がイマイチというか… それと『あらえびすSP名曲決定盤、第1〜2集』にメルバとクベリックの共演入ってました。 デスティンも入ってます。このCD集はすごくいい!です。ノイズリダクションかけてないです。 録音が悪い場合、再生側で改善することはムリだと思います。ただし、ウエスタン10Dとか100E/Fとか、 あるいはRCAのラジオラとかの帯域が狭い装置でかけて、ごまかすことは十分可能です。もっと本格的 な装置の場合でも、ウエスタンC-161みたいな電話用のトランス(オークションではいかにもハイファイ と言わんばかりに売っているヤツ)かませると、気になる高音がある程度自然に落ちます。長時間聴い ていると飽きるかもしれませんが… このトランスにバカ高い値段をつけている人もいますが、よく 出して2万円までだと思います。興味があったら、いつでもお貸ししますよ!
メルバとクーベリックのお父さんとの共演の「アヴェ・マリア」なら、米国片面盤を持ってます。 この時代の片面盤は、見つかれば米国盤ならそんなに高くない。千円程度で手に入れました。 盤質の違いからか、英国盤よりも米国盤のほうがスクラッチノイズが少ないので、盤おこしに は適しているかなと思います。様々な方法でトライしているのですが、HMVの蓄音機でその まま聴くような音に出来ないのです。なので、そのままSP盤を竹針で聴いています。
250 :
ものきち :2013/01/15(火) 13:40:19.68 ID:+ra2hmVS
HMVはいいですよね。まだSPレコードが少し手元に残っているので、4A(蓄音機と同じ鉄針使用の 重量級ピックアップ)で自分も盤おこしの実験してみようかなぁと最近考えます。 でも、そういうことにはまると、それこそ、本当に隔離病棟行きですよ(笑) ほとんどの人がわかってくれない孤独な世界(涙) 現代のだとそこまでしたい演奏はないですけど、1925年前後はすばらしい演奏がひしめいてます ものね。病気になるのは仕方ない!
小品やアリアなどは機械で再生するのでもいいのですが、交響曲や協奏曲など 何枚にもわたるものは、針を交換しつつぜんまいを巻き足して再生するのは なかなか大変です。これはやっぱ盤起こししたいですね。 トランスで一つ思い出しましたが、浅野アンプ本の3冊目に古いFerrantiの 段間トランスとOPTのオリジナルのままのものを入手して45ppを1930年くらい の回路で作ったものが出てました。 周波数特性は高域のあるところですぱっと下がってあとは平坦というもので、 当時の機器はこんなのだったろうかなあと思いましたね。もちろんスピーカーを どうするかというのも大きな問題でしょうけれども。 時々自分でも不必要なことをやってるように思えますが、要はSP時代の魅力的な 演奏をなるべくいい感じで聞きたいんですよね。それで無謀にもSP盤や蓄音機を 入手してみたり、どの復刻盤がいいかなんてなことを延々やってるとw HMV 5aサウンドボックスのかわりにマイカ振動板のサウンドボックスを付けて 機械録音をかけたらどうなるかをはじめてますが、これはあまりにバカすぎる ので書かないでおきます(笑)
252 :
ものきち :2013/01/15(火) 22:40:06.46 ID:Ql3Whu5x
浅野勇氏の『魅惑の真空管アンプ』とは頼もしい限りです! 16年ほど前、私はUX-245シングル、Ferrantiのトランスで励磁スピーカー各種を駆動しておりましたが、 UX-245もFerrantiの段間トランスも非常に「高性能」で「ハイファイ寄り」の音です。 透明で「きれい」な音です。 その後、UX-250、171Aなども試しましたが、これらの直熱管は「SPレコード」的ではないと思います。 当時の評論家のあらえびす氏は「電気はまだこれから」、野村光一氏は電気式を支持しながらも、 やはり「これからよくなって行くだろう」みたいなことを書いてます。当時から電気式と機械式は 音が違ったということです。 「SPレコード」的な真空管があるとするなら、それはUX-210です。もちろん、UV-202とかWE205D とかVT-2も「SPレコード」的ですが、全く現実的ではありません。 そして、アンプを3段構成にするなら、V1とV2も直熱管のUV/UX-201AもしくはUX-226がいいです。 これらは固定バイアスにし、直流点火とし、トランス結合、もしくは、チョーク結合とします。 トランスはUTCのSシリーズ(浅野氏の本の1冊目の6〜17ページ参照)がFerrantiより太いめで、 深めで、おおらかめの音を出してくれます。整流管はUX-281を2本使って両波整流出来れば、理想的 かと思います。 上下がほどよく落ちた「かまぼこ特性」を狙うなら、インプットと段間トランスをUTCじゃなく、 シルバーマーシャルのタイプにするといいです。こちらは知名度が低いため、格安です。
253 :
ものきち :2013/01/15(火) 22:41:10.86 ID:Ql3Whu5x
私個人は当時の高級電蓄の音より当時のスタジオモニター的な音を狙っております。参考にすべき回路は ウエスタンの8とか9アンプ、もしくは、シルバーマーシャル社のアンプではないかとにらんでおります。 入り口がSPレコードもしくは優れた復刻CDと優れたCDプレーヤー、アンプが上記の如くであれば、 スピーカーは、ウエスタンの555、551、549、TAシリーズの他にジェンセンのMシリーズ、 有名どころ以外だとジェンセンのD5は「かなり蓄音機的」です。そして、意外なことに、最近作られた GIP-4189を鉄の後面解放箱に入れ、鉄のショートホーンをつけると、蓄音機とはちょっと違う意味で ほろ酔いをもよおしそうな音を出してくれます。HMVの大型蓄音機が高貴な音を出すのは、 金属ホーンに負うところが大きいのではないでしょうか。 サウンドボックスの実験も『蓄音機の時代』の著者、加藤なにがし氏がソーン針専用のサウンドボックス とかいろいろ作られているみたいです。 SPの電気再生となると、どうしても長々と書いてしまいます。すみません。
254 :
ものきち :2013/01/15(火) 23:15:38.87 ID:Ql3Whu5x
それから、励磁スピーカーのフィールド電源は… 多くの人が「タンガー、タンガー」とタンガーバルブをもてはやしてますが、 そして、タンガーにはセレンにない「何か」がありますが、 亜鉛化銅を「いっぺん使ってみな!」と私は言いたいです。 これはセレンともタンガーとも別の世界です。 ああ、隔離病棟でよかったです(笑)
トランス結合と210っていうと、Brunswickのパナトロープ(電気のやつ)か初期の エレクトローラを思い出します。171Aのやつもありましたっけね。 RCAのRE-45が売りに出てたことがありますが、アンプ部は典型的な古式の45ppアンプで、 もちろん買う気はなかったのですが、あれを維持するのは大変でしょうね。だいいち トランスが切れたらどうしようもない、、他はともかく。 アンプはやっぱりトランス主体が肝要なのですかね。それと直熱管。 死蔵してるGEの45はありますが、なかなか手が回りません。 浅野氏の本に載ってるUTCの段間トランスはわかります。何よりも、あの当時まで カタログにあったというのが一番の驚きです。 アンプではないのですが、数年前かな、英国のラジオ用のナス型電池管を使って ラジオを作りました。段間トランスがいるので現行品の安価な1:3ものを 使いましたがいい感じでした。あ、あれを再利用する手もありますな(笑)
256 :
ものきち :2013/01/16(水) 03:46:36.57 ID:W+SOWhDz
面白いことに210の音は誰も好まない… 情報量が少ないとか、高音がカンカン鳴るとか… でも、それはシングルで比較的新しいスピーカーと組み合わせるからで、 プッシュプルで古い励磁スピーカー鳴らすと、音の重心が下がり、音色的には EMGとクレデンザの間を狙えそうな、良い意味での「古い音」が出て来ます。 でも、そんなことを考えた人は少ないみたいで、昔はナス球1本6,000円ぐらいでした。 ところが今は30,000円ぐらいかそれ以上だし、eBayでも掘り出し物はなかなか 出て来ない。STの10だって、801Aだって、高くなって来ている。 一体、誰が何のために買って、値段をつり上げてるんでしょうかね? ステレオで使うのなら、中国製の300Bとか2A3でいいのに… なんなら、KT-88 でもEL34でもいいのに… ステレオ派は「ノイズのリアリティ」なんて気にしないんだから… トランスは、切れたらほぼ終わりですが、こまめに探せば代替え品はないこともない ですよ。ウエスタンやUTCは出尽くした感がありますが、注目度の低いACMEとか 無名ブランドは、数千円で手に入らないこともないですよ。 ばざーらとかで売っている現代のトランスだって、そんなに悪い物じゃないし。 TANGOのU-608とUTCのS14、ブラインドテストで聞き分けられる人なんてほとんど いないんじゃないでしょうか? 確かに、トランスで音が劇的に変わることもありますが、 電源回路にPCB入りの高耐圧オイルコン使うか・使わないか、ここぞという場所で 古い巻線抵抗使うか・20円のカーボン抵抗で我慢するか、カップリングコンデンサー をどうするか、そちらの方が確実に音の違いになって現れて来るように思われる のですが…
257 :
ものきち :2013/01/16(水) 04:03:46.53 ID:W+SOWhDz
今夜はCDライントランスの実験してみました。 誰かがウエスタンのライントランスをダブルでつなぐとCDがアナログになる! なんて書き込みしてたので、77Aというトランスをダブルでつないでみました。 それで音が良くなるのなら、ダブルでなくトリプルでやってやろうと思っていたのですが、 結果は:決して真似をしてはいけません。時間のムダでした。迷信でした。 しかし… 解像度が増した感じになり、声や独奏楽器の輪郭が浮き立ちます。 確かにその部分だけなら、確かに、音質向上!ということになります。 でも、高音が非常にきれいに、見事に落ちます。フィルターでカットしたみたいに 不自然な感じが全くありません。 高音がカンカンうるさい復刻CDにはもしかしたら有効かも…
258 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/04(月) 00:28:25.70 ID:UTiChI1w
hosyu この二人生きてるか心配だ
フルベン、RIAS箱のフォルトナーVN協奏曲の生々しさに吹っ飛びました。 曲は???ですが
むう
262 :
まにぞう :2013/02/07(木) 21:59:43.18 ID:xlX/GZ2D
蓄音機再生で良い復刻CDは聴いたことないっすね。 自分も電気再生やってます。 カートリッジ等、多少試しました。 当初は何kHzからハイカットしようとか、気にしていましたが、 今はテクニカのカートリッジでノイズは垂れ流しです。
263 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/07(木) 23:51:17.92 ID:tWikkj8W
ウエスタンの4Aピックアップ最高! 蓄音機再生の復刻CD、銀座の例のお店のヤツ最悪! 某お店のじゃないけど、ティボーのパテ版の復刻、EMGのラッパの小さいので再生復刻、やはりダメ。 スェーデンのなんとかから出てるアンリ・マルトーのもダメ。せっかくのマッジーニの楽器が、 中国製のバロックヴァイオリンみたいに聞こえる! 一体、どんな神経とセンスであんなCD出して るんだろうか…
264 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/07(木) 23:58:20.46 ID:tWikkj8W
ついでにボン献社という会社から出てたヴァイオリンの復刻セットと声楽のセット、ギネスブックに ぜひとも載せてもらえないだろうか。ノイズレスとか言って騒いでたけど、ブールメスターのアマティ が… 可哀想に、銭湯で口笛を吹いてる様に聞こえる。誰もヴァイオリンの音とさえ思わない。 楽譜と照らし合わせて聴いてみるとよく分かるけど、雑音だけじゃなくて、演奏の熱気だけでもなくて、 な、なんと音符が消えてるんですよ! こんなので何万円も取るってアリな訳でしょうかね?
265 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/08(金) 00:02:19.47 ID:ToEgJNig
例えばトランプのゲームソフトでスペードのクイーンが2枚出て来たら間違いなくクレームもの。 でも、10万円する翻訳ソフトは翻訳がデタラメでもフレームつかない。 SP復刻CDもやはりこの口で、奏者が入れ替わっている様に聞こえようが、楽器がヴァイオリンでなく クラリネットみたいに聞こえようが、音符がごっそり落ちていても、クレームはつかない。 世の中には全くいい商売があるもんだと、いつも感心しております。
266 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/08(金) 00:13:46.77 ID:ToEgJNig
ドレレとかいう会社から出てる一連のウィリアム・プリムローズのヴィオラのSP復刻CDもかなりひどい。 プリムローズの楽器は1600頃製作の2代目アマティ(アントニオ&ジロラモ・アマティ)の楽器なん ですぞ。どんなヘボエンジニアが録音したとしても、ライオネル・ターティスの新作楽器とは違って 聞こえるはずなんだけど、雑音と一緒に二代目アマティらしさも消えている。 そんなに雑音がイヤだったら、こんな音源聴くな!と言いたい。 ニコチン抜きのタバコ、カフェイン抜きのコーヒー、ノンアルコールビール、ヘアなしの○○こ。 そんなものをたしなみたい人は、SPレコードや復刻CDを聴くべからず! 去勢文化によって 本物の文化が破壊されて行くのを見るのは嘆かわしい…
>>263 ウチにティボーやコルトーやリパッティのSパテ盤LP(復刻)あるけど、
プレーヤーは古いふつうの大量生産品ですけど、普通にいい音で鳴ってます。
CD盤は持ってなかったけど、音が駄目なんですね。
蓄音機収録は、どうしてこんなにもうまくいってないのが多いのかw もう伝説の名機はいらないから、HMVかVictorの卓上型のでいいから、 あれを普通のカラオケ用のマイク一本で一切細工なしで録ったほうが ましな気がする。 電気的に再生してCDにしたやつも、ノイズをとろうとしたんだかも しれないが、とてつもないモガモガというか隣の部屋でラジオで 聞いててもこれほどひどくはなかろうというようなのがあるなー。 よっくと聞いてみると、単純に周波数特性をいじってるんじゃなくて、 技術の進歩かもしれないが、もっと巧妙なノイズリダクションを やってるのもある。あれは最悪っす。
269 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/08(金) 02:11:18.51 ID:ToEgJNig
267さん、 CD盤(2枚組)はすごくダメではないですが、かなりダメです。雑音の処理はしてないし、変な エフェクトはかけてないのですが、EMGの蓄音機でレコードを再生し、音を拾ってます。 つまり「きちんと」復刻されているのですが、残念なことに、このEMGの蓄音機は恐らくラッパの 小さいモデルです。それに加え、たぶん、マイクがかなりOFF。なので、演奏はか細い音で チリチリ、カンカン、ポションポションいっており、普通のコーン型スピーカーでメロディライン を聴き取ろうとするとかなり疲れます。 WE10Dの様なマグネチックスピーカーで聴くと、コーン型よりは幾分マシですが、長時間の試聴は 疲れます。LP復刻盤が「普通にいい」とするとセンスの良いエンジニアが盤起こししたのだと 思います。 ちなみに、先月、新さんのDSDでティボーのパテ縦振動盤の一部が出ました。まだ聴いてませんが、 ちょっと期待してます。
270 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/08(金) 02:33:45.27 ID:ToEgJNig
268さん、 確かに卓上型でも感動的な音出てますもんね。それをONマイクできちんと拾えば… 私もそう考えるのですが、エンジニアの価値観がそういうのとは違うのでしょうね。 池田圭氏の『音の夕映え』にうまく書かれているのですが: 理想としてのSPの音=奏者を自分の部屋に招いて、そこで演奏してもらう音 理想としてのLP(CD)の音=自分の部屋をコンサートホールに変えようとしている 要するに「間接音をたくさん聴きたい!」という価値観です。それに対し: 病棟に隔離中の私などは「直接音をたくさん聴きたい!」ので、 そんなエンジニアとは話がかみ合わない訳です。 間接音が元々ほとんど入っていないSP音源に間接音を付け足したら… そりゃ、ひどいことになりますよ! 私は「もっと直接音を!」と毎日叫んでいるのに、ヤツらは直接音を犠牲にしてまでも 「もっと間接音を!」と叫んで、それを実行しているのですから…
>>270 卓上型はストレートか一回折り返しのホーンなので、かえって直接響く感じが
あって、あなどれないものですね。HMV 130やVic. 1-90の愛好者が多いのも
うなづけます。
SPの音はその通りで、そこにいるような生々しさだと思います。
ただ、それをどう再生するかということで、いろいろと、、、(´・ω・`)
一つ思い出したのは、ブランズウィックのパナトロープ(機械式のほうです)を
聞いたことがありますが、あれでちゃんとバイオリンの再生を収録できたらと
思います。独特のカチッとして緻密でクリアーな響きでいいですね。
あれは内蔵の木製のストレートホーンだったと思います。
誰かうまくCDを作ってほしいです。
>>270 SPに記録されてるままで、LPなりCDに変換して欲しいですね。
技術者に安易に変えられては困ります。
ちょっと前のニュースですが、ヨーロッパの古いキリストの絵画を
素人のおばさんが猿の顔のように修復してしまったのを思い出しました。
古い音源などは、LPでさえ初期盤と再再再プレスではまったく音が違いますし。
リパッティなどは、LPを球アンプで普通に再生しても生々しい音で聴くことが出来ます。
蓄音機の音は癖があるので、どうなんでしょう。
ブランズウィックは聴いたことないですが、いかにもという感じですよね。 三玄社の『世界の蓄音機』時々ながめてます。ヨダレが出そうになるヤツもあります。 蓄音機で出した音をマイクで拾うというやり方は大手は失敗してますが、個人的には成功してる 例をいくつか知ってます。 西神田のu屋さん、緑戸じゃなくクリストファーNさんが個人的に作っているCDは ブランズウィックじゃなくクレデンザですが、その道のツウは皆「完璧にうまく行っている」 と言ってます。つまりSPレコードの良さを知り抜いた人がやれば、あまり問題なしに、きちんと 復刻出来る訳です。 要は、SPレコードの音をLPやCDみたいにしたい人が多過ぎるのが問題です。なので、せっかく 立派なプロ用機器を使っていても、余計なことばかりして、音を歪めてしまうのです。 もちろん、最終的に電気再生では卓上型蓄音機の強烈な音は出せないですが、きちんとやれば、 満足度の高い復刻CDは十分可能です。なので、大手レーベルのエンジニアの人たちにも 意識改革をしてもらいたいといつも思ってます… 私の様な若輩者が言うのも何ですが: 「SPレコードの音を知らない人が復刻すべきではない!」 のじゃないでしょうかね。
昔出てたEMIジャパンの『ジャック・ティボーの芸術』。小品集の復刻は池田圭氏がクレデンザで 再生した音を個人的にテープどりしたものです。状態の良いクレデンザじゃないのか、 サウンドボックスがオリジナルじゃないのか、ソーン針を使ってる?せいなのか、それとも EMIが何かしているのか、わからないのですが、あまりパッとしない音です。 しかし、余計なことはしてないので、たとえ物足りないとしても「気持悪い」なんてことは全然 ないですよ。 >蓄音機の音は癖があるので、どうなんでしょう。 クレデンザの音はHMVやEMGと較べて「おとなしめ」で、電気再生音に近いのかなと個人的には 思うのですが、ポータブルは逆に原音をより強烈に「デフォルメしている」という印象を もっております。この認識が正しいかどうかわかりませんが、もし正しいなら、ベル研究所の ハリソン博士が設計したクレデンザやウエスタン12Aや15Aなどのホーンが「中庸」というか 「一つの基準」になるのではないでしょうか?
あと、問題になるのは復刻CDをかけるCDプレーヤーです。 EMT981、Studer A730、フィリップスLHH-2000などが一番良いと思ってます。 現代のハイエンドや量産品は「間接音を豊かに出す」ことを主眼としている様なので、 SPが本来もつエネルギーをロスさせてしまいます。 LHH-2000が欲しいのですが、あれって中古でも本当に高いですよね。 どこかのメーカーが「直接音をしっかり出す」という路線でもっと安いCDプレーヤー つくってくれたらいいのに… でも、そういうのは儲からないからダメですよね。
イギリスのSymposiumから"About A Hundred Years"というCDが出てて、 1877年のエジソンの『メリーさんの羊』から1930年代のトスカニーニの録音まで 録音の歴史を追った興味深いCDです。 ブラームス自身が弾くピアノとか、カルーソーの最初の録音とか、トルストイの肉声とか、 ベル研究所で行なわれたハイフェッツのテスト録音とか入ってます。 驚くべきは、どの録音も蓄音機で聴いている様なリアリティがあります。 エジソンのロウ管なんて、どんな方法で音取りしたのだろうか?と思います。 ハイフェッツも普通の復刻CDではパッとしませんが、このCDの録音は凄いです。 まさしく神業です。こっちら本物だろうなぁと思います。 そう、真面目に、もののわかったエンジニアがやれば「復刻と呼ぶにふさわしい復刻」は 十分可能な訳です。このCDはそのことをはっきりと証明しております。
オーディオ嫌いの人は言います: 「どんなにお金をかけても原音にはならないよ。だから、そんなお金を機械に使うより コンサートに行って『ナマの音』を聴いたほうがよっぽどいいよ!」 クラシックファンならまだしも、こんなことを言う人のほとんどはPOPS系で、 彼らが言う「ナマの音」とはJBLやエレクトロボイスのPAスピーカーから出て来る音 のことなのです。それを「ナマの音」と勘違いしたり、思い込むのはおめでたい限りです。 クラシック系で、プロの奏者が楽器から直接出す「ナマの音」は確かになかなか良いですが、 私が聴きたいのはヒラリー・ハーンじゃなくて、例えばジネット・ヌヴーです。 なので「コンサートに行ってナマの音を」なんて最初から無茶なので、SPレコードや 復刻CDに頼る訳です。出来る限り、当時記録されたままの形で生々しく聴きたいです。 私が思うに、ヒラリー・ハーンやAKBを知らなくても何の支障もないです。 でも、イザイやティボー、コルトーやリスレール、メルバやシャリアピンを一生に一度も 聴かなければ、一生涯の損というものです。(直木賞受賞作品は読んだけどドストエフスキーは読んでないというのに似てます。) だから、装置にお金をかけ、復刻CDも買いますが、それがインチキだと頭に来ます。
復刻CDは選択肢もほとんどないのがよく解りました。 中古LPのほうがマシなような気がします。 アームやカートリッジなどでセッティングを調整できるのも利点でしょう。 SPをそれなりのオーディオ装置で聴いたことがありますが、 スクラッチノイズはありましたが、独特な音の厚みがあって、 LPに劣らないHi-Fiな音がしました。
281 :
まにぞう :2013/02/08(金) 21:14:05.01 ID:gpXb1rp6
>>278 そうなんですよね。
なんでSP音源なんぞ聞いてるかというと、中身の演奏を聴きたいからなんですよね。
それでもって、電気的にしろ蓄音機にしろ自分なりにいい方法がないかと
あれこれ余計なことwwを延々やってるということになっちゃう。
だからこそ、余計なことをしてる復刻CDを聞くと、こんなんなら何もしなければいい
のにと思っちゃうんだよなあ、、、
>>275 クレデンザを含め他のOrthophonic Victrola機はやわらかいというか甘い音色ですよね。
逆にそれが好みじゃない人もいるようです。
5aサウンドボックスのHMV機はクリアーな音色でしょうかね。
一つの基準となる音と思い、私はこれにしました。
結局は好みの問題なのでしょうが、蓄音機再生はじゅうぶんに説得力もありSP再生方法に
対する一つの解答を提示するものと思っています。
いろいろと再生がむずかしい機械録音のレコードもけっこう鳴ってくれるので安心です。
問題は常人ではフロア型のは一台買うのがせいいっぱいなので、何を所有するかですね。
以前にBrunswickとHMVどっちにするか迷ったのですが、結局HMVにしました。
だいいち、あのとき候補だったBrunswickは高かったんですもの、、、(´・ω・`)
ポータブルはおそらく野外での使用も考えているので、何よりも明瞭に聞こえる事を
主眼に置いてるのでしょう。時々例のDeccaのどんぶり鉢型のリフレクターホーンの
ポータブルを使ってますが、あれは楽しいですね。
花見に持っていったらいいかなと思いますが、不審者になりそうなのでやめときます(^^)
私も昔はSPレコードを電気再生してたのですが、電気再生といっても針圧が160gと 実質的には蓄音機と同じなので、レコードが減ってつらかったです。 それと針は1930年代のHMVを方々から手に入れてましたが、このぐらい古い針になると 使い捨てはもったいないとか思って、研ぎ直してました。レコードを聴きながら針を 研ぎ直し、研ぎ直してはレコードを聴きしてると、すごく気が散って、レコードを聴く ために針を減らしているのか、針を減らすためにレコードをかけているのか、だんだん とわからなくなって来たりします。当時(15年ぐらい前)はそういうヴィンテージ針か 中国製の安物しかなく、中国製の安物だと安っぽい音になりました。 今は日本製の良質の針が買えるので、こんなバカな経験はしなくて済みますが、 それにしても、レコードが白い粉を吹いているのを見るのは辛くありませんか? それさえなければ、金銭的に無理をしてでもHMVの202ぐらい置きたいですけど… それと田舎に住んでますので、神保町のFレコードで実物を手に取って、状態を 確かめたり、試聴したりして買うことが出来ません。それでだんだんとCDの比率が 高くなって行って、ついにはCD専門になってしまいました(涙) 私は新さんのDSDの回し者ではありませんが「何もしてない」素直な復刻とは、まさに これのことです。今日、ティボーの1905年フォのティピア&1916年パテ録音のCD-Rが 届いたので聴きましたが、涙が出て来るぐらいのすばらしい出来でした。みなさんも ぜひお試しください。1500円です。もしも試してみてダメということになれば、私が買い 取っていいでぐらいです。この病棟の理解ある方々だと絶対に「すばらしい復刻だ」と 判断されると思います。 それと英Biddulph社の「フバイとカール・フレッシュ」も届いたので、聴いてみましたが、 こちらも「大当たり」でした。こういう超珍品の音源でもCDだと割と気楽に購入出来る のが、電気再生の大きなメリットだと思ってます。 (5枚中3〜4枚は「外れ」で、ほとんどゴミ箱に直行ですが…)
でも、復刻CDがハズレの時は、やはり悲しいし、腹立たしいです。 わざわざ運賃と日数をかけて海外から取り寄せているのだし、 中身をちゃんと聴きたいからこそ買ったのですから… そういう時、CDを出している会社の社長宛に送り返してやろうかと思ったりもします: 「社長様、貴社の復刻CDはSPの音でもCDの音でもなく、私の理解をはるかに越えて おります。それで、貴社の名前は、はるか昔から私のブラックリストのトップに載せて おり、買わない様に気をつけているのですが、タイトルがあまりに魅力的だと みつけた勢いでレーベルを確認せずに買ってしまったりします。 これはひとえに私のミスですが、ゴミ箱に放り込んでも他のゴミに対して失礼なので、 ここに同封し、返品させていただきます。 貴社の場合、ごういうゴミ以下のCDを販売し生活の生業にされていることをちゃんと 理解しております。しかし、私自身はそこまで腐っておりませんので、 貴社に諸経費を請求したりしません。どうかご安心してお納めくださいませ」 なんて手紙をつけて…
ウエスタン100F礼賛: ゴミ箱行きになるCD3〜4枚中2枚ぐらいは、実は、ウエスタン100Fが救ってくれます。 昔は高かった(15万とか)ですが、今はヤフオクで2〜5万、eBayだと1万円以下です。 ほとんどエミ減の出力管もしくは整流管がついているので、タマの交換は必要ですが、 これらのラジオ球はeBayで買うと1本400〜800円です(日本だと2500円が相場)。 この装置はソースのアラ出しをしません。なので、ほとんどのボツCDが気持ちよく 聴けます。いろいろな掲示板でウエスタンはたたかれ、100Fは「電話の音だよ!」なんて 書かれてますが、そんなことを言う人は100Fの本当の音を知らないのです。 100Fの真空管のヒーターはすべて直列で、電源トランスレスの設計になっております。 で、これを100VACにつなぐと、音はどちらかと言うと「しょぼい」です。 その場合は「電話の音」と言われても仕方ないかもしれません。 しかし、これを110〜115VACにつなぐ(そういう設計です!)と息を吹き返したみたいに 俄然元気になります。こうして元気にさせておいて、スピーカーの前にショートホーンを つけると… 実はまだやってないのですが、100Fの上位にある20cmのTA-4189という スピーカーだとかなり効果があります。ちょっと大げさですが、そのショートホーンを 金属(銅とか)で作るとHMV系、木で作るとクレデンザ系になるのではないでしょうか。 (4189では確認済み)
>>284 確かに聞くほどにレコードが減っていきますね。
針は良くソーン針(賛否あるようですが)を使っていたのですが、
あれの新しいものがなくなったのはつらい。あれは妥協点として
いいチョイスだったと思うのですがね、、、
SPはもちろん限られた数しか入手できないのですし、現在でも
再プレスされてるのは塩ビの盤なので機械再生はできないですね。
そこでやっぱりCDに大いに期待することになるのですが、外れもありでね。
米国のカリフォルニア大のシリンダーライブラリや、議会図書館の
National Jukeboxは、気軽にきけて楽しいです。
あ、収録風景ありました。
http://www.loc.gov/jukebox/about/making-the-jukebox あくまでアメリカの録音という趣旨なので制限はありますが、
けっこういろいろあります。
ウエスタン549と551礼賛: ウエスタンは555が有名ですが、その先祖に当たる549と551だって、なかなかの強者です。 マグネチックだからといって、バカにしたものではないです。 5年ぐらい前までは日本で8万、eBayで2〜4万円でみかけたものですが、今はなぜか どこにも売っているのを見ません。これに3Aという金属ホーンをつけるとかなり「蓄音機的」。 6Aというファブリック(固めた紙)のホーンをつけると音はおだやかな方向になります。 11Aホーンという全長180cmのホーンをつけると、見た目はEMGのXBそっくりです! 能率はマグネチックとはいえ、105dB/W/mぐらいはあるようです。 (磁力が落ちている個体は要修理です。) 低音は出ませんが、ヴァイオリンと人間の声はすばらしいです。情報量と繊細さではさすがに 555にかないませんが、初期のラッパ吹き込みなどを聴く場合は最高です。 549、551ともに音は555よりも太いぐらいです。また、高音も5000〜6000Hzぐらいから 落ちてますのでCD特有の「キツイ高音」は全くと言っていいほど出ません。 6Aも11Aも完全なストレートホーンですから、音は聞き手に向かって突進して来ます。 その感じもEMGに似てなくはないですが、音そのものは、より穏やかです。 なので、EMG的な音は疲れている時には聴きたくという方には、549/555+6A/11Aの 組み合わせは安らぎを与えてくれます。 「549/551はまっすぐなホーンならいいけど、曲がったホーンはダメ」と先輩たちは 言ってましたが、私は敢えて22Aホーンのレプリカにつけてみたことがあります。 結果は、音がこちらにやって来なくなります。これがマグネチックの限界というもの かもしれません。ところが、もっとデッカいホーン(12Aとか15A)につけると、 ちゃんと音はこちらにやって来ます。問題はどうもホーンの長さではなく、ホーンの 曲がり具合にあるようです(大型ホーンより22Aホーンの方が曲がりが急)。 549をクレデンザのホーン(レプリカ)につけてみたこともあります。これは曲がりが 急なので、やはり音はこちらに飛んで来ません。寂しい音になります。
>>286 100Fっていうと、箱入りのトランスレスのペントードシングルと思いますが、
あれはNFBはかかってるんでしょうか?
というのも、以前に6SQ7-6F6っていう5球スーパーラジオの低周波増幅に
入力して聞いてたことがあるんで。
このスレの住人は蓄音機の音が好きなんですね。 古い音源を聴くならコストパフォーマンスでLPだと思います。 CDはパフォーマンスが最悪みたいなので。
NFBかかってないですよ。 100Fに限らず、RCAのラジオラやその他のラジオ(5球スーパーでもスーパーヘテロダインでも) 低周波増幅回路に入力した場合、みんな似た音が出ます。「レトロ」っぽい音が欲しければ、 ベークライトボディのラジオが一番かと思います。「ナショナル」のヤツでもトランジスターの ラジオよりはずっと良い音がしてます。そういうのをたくさん集めている人をよく見かけますが、 気持ちわかります。変に凝った装置よりバランスが取れてる場合が多いですから。
確かにLPの音は好ましいですが、問題が2つあります: 1. 欲しい音源がLPで出ていない 2. 針圧100数十グラムの音に慣れてしまうと、針圧1〜5グラムの音は重厚さ、安定度、 深さ、迫力、輝き、リアリティが欠如して聞こえてしまう。 普通のオーディオファンから見ると病気に見えるかもしれませんが、治らないのです(涙)
アルテック603B礼賛: 褒められることが少ないスピーカーなので、褒めます。 603シリーズは604や602シリーズとは別物です。顔は同軸2ウェイですが、 フルレンジでアルミのセンタードーム付き。センタードームに604に似た小型ホーンが 付いてます。昔は1本4〜8万円で時々見かけましたが、今は全く見かけません。 恐らくおさまるべきところにおさまってしまったのでしょう。 音も604や602シリーズとは全く別です。ハイファイでなく、昔風です。 後面解放箱に入れると、低音が出て来ますが、裸で鳴らすと、古い励磁型スピーカー風 の鳴り方をします。ウエスタンのTA-4151AやジェンセンのMタイプに似てないことも ないです。SP音源にすごく合います。1940〜50年の録音がベストマッチでしょうが、 ラッパ吹き込みもかなり行けます。1904年頃のスーザバンドをたくましく鳴らして くれる希有のスピーカーです。 SP音源に向いたスピーカーのポイントは「ノイズの聞こえ方」にあると思います。 古いスピーカーであれ、新しいスピーカであれ、性能さえよければ、そして、 音源にノイズが入っていれば、当然のこととして、ノイズが出て来ます。 問題はノイズが出るか・出ないかでなく「どんな出方をするか」だと思います。 新しいスピーカーでSP音源を聴くと、楽音とノイズが同等に出て来るか、 もしくは、ノイズの方が目立つ様な鳴り方です(楽音よりノイズを聴いている感じ。) 古い励磁型とかホーンだと、楽音とノイズはきれいに分離され、楽音が前に出、 ノイズはバックグランドにとどまっている感じです。 1940年代に作られたAltec 604Aでも、私は上記の「新しいスピーカー」に分類 します。Axiom-80みたいなスピーカーも同様です。これらはLPレコードを聴くには 最適かもしれませんが、SPには合わないです。それに対し603Bは、製作年代が そんな昔でないにもかかわらず、SP音源を気持ちよく聴かせてくれる希有の存在 と言えるでしょう。
>>291 今のスピーカーで帰還無しのペントードをならしてみると良い結果は得られないので、
100Fあるいは昔のラジオは、球とスピーカーとキャビネットとで総合的な音づくりを
してるのでしょうね。
その頃のラジオはPU端子ってのがついてて、そこにクリスタルピックアップの
プレーヤーをつないで簡易電蓄にするというのがありましたなあ。
昔の記憶ですが、LP-SPと引っくり返す形式のピックアップで聞くSPは
元気な音がした印象があります。
295 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/10(日) 05:26:23.53 ID:VgQysc/D
2chで長文書く奴は精神異常
296 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/10(日) 05:52:46.03 ID:YChcL+RZ
長文は読む気失せる、いいかげん気がついてほしい
長文全然苦にならない。 有益な情報が得られてるもっと長文にしてくれ! ぱっと見て大体を掴めるのが日本語のいいとこだ。 ゆとり世代は速読の訓練をしたほうがいい。 文字拡大が簡単なブラウザを使えば楽になるよ。 ピエゾ系カートの音はyoutubeにたくさん挙げられて 参考になる。
クリスタルピックアップは生きてるのがあればいいなとは思いますが、 昔のやつは湿気でもうだめでしょうね。 資料によれば、ピックアップ自体の特性による低域のターンオーバーを 活かすには負荷を1MΩ以上くらいにしないといけない。ものによっては 負荷が500kΩくらいで特性がだんだん平たんになってしまう。 またSPでは高域が落ち過ぎる場合があるので、トーンコントロールで 補正したほうがいいとあります。 もっとも、数十kΩの負荷にしてしまうと平たんな特性になるので、 そうしてから普通のイコライザを通してもいいとのこと。
これは私のスレではありませんが「隔離病棟」なので好きな様にやらせてもらてます。 ほとんど独り言のつもりですが、読んでくださる方、ありがとうございます。 私は若い頃からオーディオ気違いで、学生の分際で高い装置を手に入れ、 得意になっておりましたが、ある時、気づいてしまいました: 「聴いていて涙が出て来ないようなオーディオ装置はオーディオ装置じゃない」 ラジカセやウォークマンでは泣けたのに、JBLのモニターでは泣けない… 高い装置を買ったのは「自分が感動するため」と思い込んでいたけど、本当は 「他人を驚かすため」とか「自慢するため」だった… みんな、それに似た経験はないですか? もしそうだとすると、どこか間違っている。 次に: 「聴いていて涙も出ないし、幸せな気持ちにもなれない演奏は、演奏じゃない」 長く生きていると、そんなことにも気づかされてしまいます。
感動的な演奏(本物の演奏)は1900〜40年代にはそれこそゴロゴロしているのに、 現代はほとんどない。ああ「クラシック音楽は死んだ」… 不幸にしてそんな結論に達すると、もう「SPレコードしかない!」となってしまう。 ところが、現代の世の中、主流はCDもしくはLPであり、 「SPレコードの音」というのは、半分以上忘れ去られている。 なので、LP/CDで育った人がSPを聴くと「古くさい」「演奏が変」「雑音だらけ」 なんて感想をもってしまう。だから、どこかの誰かが 「有名なクライスラーを復刻してみよう」と思っても、自分の血になっているLP/CDの 音に似せようとしてしまう。そして、そんな復刻は聴けたもんじゃないのです。 「なら、SPレコードを直接、蓄音機で聴けばいいじゃないですか」と言われる。 もちろんそうだけど、HMV202や203クラスの機械を持っている人、 カザルスを聴いて涙する人は、みんな「自分さえよければいい」と思っておらず 「この魅力を多くの人にわかって欲しい」とか 「これを何とか後世にも伝えたい」と思ってしまうのです。 ところが上質の蓄音機も、状態の良いSPレコードも 大多数には行き渡らないのです。
301 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/10(日) 23:06:21.98 ID:nXJvAtI8
「CDなんてダメだよ」 私だってそう言いたいです。でも、どれだけ抵抗してみても、今はそれしかない じゃないですか。「CDはダメ」と言う人はたくさんいますが、どこかどうダメで、 どこを改良すべきか具体的に話す人は少ないです。 CDがいかに具体的にダメでも「全く救いがない」ほどじゃないでしょ。 すり切れかかった、状態の悪いSPレコードで聴くより、状態の良いSPレコードから 見事に復刻されたCDの方が楽しめるってことは、ないことないでしょう?
302 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/10(日) 23:07:34.17 ID:nXJvAtI8
SPレコードは感動を与えてくれる。 ウエスタンの装置も40ドルのベークライト製ラジオもちゃんと感動を与えてくれる。 直熱三極管も傍熱管も、フェランティのトランスもタンゴのトランスも、 エネスコもエルマンも、コルトーもロンも、マレシャルもフォイアーマンも、 程度の大小はあっても、みんなみんな感動を与えてくれる。 その感動を一番邪魔しているのは、間違ったコンセプトの復刻CDとCDプレーヤー ではないでしょうか? まあ、私ごときが何と言ってみても、世の中の価値観はそれこそ多様ですから、 「カザルスよりヨーヨーマの方が良い!」とか 「ヒラリー・ハーンの方がクライスラーより良い!」とか そういう方はたくさんおられるでしょう。 その様な方のためのスレッドはそれこそ何千、何万と、 それこそイヤになるほどあるのですから、 わざわざ「モノーラル隔離病棟」に来られて、貴重な時間を浪費される必要はないと 思うのですが…
昨日もカザルスの無伴奏(エンジェル日本盤)を聴いたけど、良かった。 蓄音機じゃなくても感動できた。 >>ID:nXJvAtI8氏は、JBLから蓄音機に興味が変わっただけの根っからのオーオタなのでは。 一般的にあまり装置にこだわると肝心の音楽を聴かなくなる場合が多いし。 と、ここはプラス思考で自分の得たオタクなオーディオの知識をホームページにまとめて見てはどう? 他のオタクが助かるかもしれないし。
304 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/02/10(日) 23:51:02.13 ID:nXJvAtI8
303さん、 確かに! でも、JBLと蓄音機、いろんな所で聴かせてもらいますが、自分で所有したことは 一度もないです。1925年製の電気再生装置を愛用する根っからの電気派です。 カザルスの無伴奏は凄いですが『喜びと悲しみ』という(他人に筆記させた)自伝も 凄いですよ! ティボーの『ヴァイオリンは語る』やエネスコの『回想録』とは 次元が違います。
カザルスはケネディ大統領の前での演奏がありますね。鳥の歌は感動的でした。 自分は、リパッティとカンテルリが若くして無くなってしまったのが悔やまれます。 あの才能が70才まで生きたなら、レコードを聴く楽しみも今より多かったに違いありません。 リパッティはパテ・リファレンス盤で持ってますが、ハッキリした録音で音が良いですね。 古い音源は録音が良くない物も多いので、再生に苦労します。カンテルリ指揮のコシ・ファンが録音が最悪で残念です。
前にも少し書いたと思いますが、大事なことなのでwもっと詳しく長文ですまん。
感涙すべきレコードといまいちな復刻盤の話。
今年が生誕200年のワーグナーですが、あるワーグナーに関連した永遠に失われた
「音」があります。ワーグナーは彼の作品のパルジファルをバイロイトで初演するに
あたり、聖杯守護のモンサルヴァート城の鐘の音を出すために特別な鐘(というか
巨大な金属質のドラム)を作成しました。当初は銅鑼を使おうと思ったがやめたそ
うです。これはその後もパルジファルの上演で使用されたそうですが、第二次世界
大戦で失われ現在に残っておりません。このワーグナーのオリジナルの鐘は、
音のみがカール・ムック指揮のパルジファルの録音に残されております。
ムックは1927年と1928年にこのバルジファルを部分的にですが録音しています。
27年はバイロイトで、28年はベルリンですが、28年のは録音もすばらしく分量も
多く、失われた初演以来の鐘の音がきわめてクリアーに録音されています。
もちろん鐘の音だけでなく演奏も見事です。どこかにあった話ではこの録音のために
鐘をバイロイトからベルリンまで特別列車で運んだということです。
その音色は、極めて荘厳で重々しくかつメタリックでガキンとしたな響きをもった、
筆舌に尽くせない圧倒的なもので、通常考えるような教会の鐘のようなものではなく
壮絶な響きです。
わざわざワーグナー自身の指示で作らせたことからも、やはりどうしてもパルジファルの
ためにはこの「音」が必要だったのでしょう。
写真は残っていてこんなものですが、およそ鐘ではないですね。
http://www.monsalvat.no/drums.jpg
原盤は第3幕ほぼ全録音のHMVの8枚組で、ずしっと重たい分量で聞くのも大変な しろものです。そこでいい復刻があればいいなと思うのですが、これがなかなか、、ね。 ワーグナーが考えた末にわざわざ上演のために作成し、またムックが自身の録音の ためにベルリンまで運んで使った鐘ですし、生誕200年でもあり、これはぜひ見事な 復刻を作って欲しいと思います。 現在の上演ではいろいろと代用品で音を出しているそうです。私が実演を観た某所では おそらく調律されたゴングかチューブラーベルのようなものをPAで拾ってる感じでした。 ほんやりしたボ〜〜〜ンという音でした。単なる効果音ではなく、音程を持っていますので 音楽の一部ですので重要なのに。 というわけで、もはやムックの録音にしか残っていないし、ワーグナー自身がどうしようと 考えていたのかが分かる録音なので、どこかにいいのをお願いしたいです。 あと、私が買ってがっかりした復刻版以降にいいのが出てたらごめんなさいです。 27年の録音はそもそもマイクから遠い感じなので、もともとうまく録音されて いないと考えられます。こっちは原盤は未聴なので推測です。
もしも昔の偉大な奏者が今生き返って、デジタルでステレオ録音したら… 私は大喜びで聴きます! さらに言うなら、ワーグナーもショパンもパガニーニも録音を残してくれていたら… もっともっと言うなら、バッハはどんな風にオルガンを弾いたのか? そんなことをよく想像してしまいます。 もちろん、そんなことを想像したって、何も得られませんが、 そんなことを想像してしまう理由の一つは: 現代の演奏がつまらないから。 ああ、音楽性って何? 多くの人が「ヴァイオリンだけは古い方が良かった」なんて言うけど、 チェンバロだって、フルートだって、オーボエだって古い方がいい。 「ヴァイオリンだけが良い時代」なんて、あり得ない。 すべての楽器、作曲、演奏、聴衆の受容能力、生活環境、それから、人間の心… すべてが同じ様によかったはず。 なかったのは、パソコンとジェット機とケータイと車と電車ぐらいのもの… SP時代の演奏者は、バッハほど古くないにしろ、このことを彷彿させる。 「ヴァイオリンだけは古い方が…」なんて聴くと、 あの『猿の惑星』の「立ち入り禁止区域」を思い出す。 Iという某出版社でマルクスの作品が読めない様に翻訳されているのと同様、 SPレコードも、聴きたくなくなる様に「復刻」されているのではないだろうか? なんてのは考え過ぎでしょうか?
ワーグナー自身の指揮というあやしい盤が昔リリースされたことが ありますが(笑)、もちろんフェイクだったと記憶してます。 ヴェルディやワーグナーは19世紀末まで存命であったので、 ヴェルディと接点のあった歌手ではタマーニョやパッティ、 ワーグナーと接点のあった歌手ではリリー・レーマンやヴィンケルマン と録音でさかのぼることは可能ですねえ。19Cからの歌唱を聞くのは 興味深いものです。 ただ、どれも原盤は高価で買う気もないですが、レーマンは戦前に 日本コロンビアから再プレス盤がかなりの量まとまって出ていて 入手しやすいです。 が、、、これは既に日本コロンビアの盤質が落ちた時代になっているし、 音も相当に悪い。新規に切り直したという話もありますが、 日本プレスも極めて古風な溝の刻み方になってるので、おそらく当時 入手したマザーが悪かったのではないかと思います。 19Cからの歌手でじゅうぶんに現役の迫力のある歌手なら、バティスティーニ でしょう。朗々として迫力のある歌唱は”イタリアの栄光”という渾名に 恥じないものと思います。中でも、エルナーニからの曲をスカラ座の オケと合唱団と録音しているものは、実演を彷佛させるような雰囲気です。 録音はもちろん機械録音ですが、不思議に古さを感じさせません。 SPに興味の無い方でも、おそらくタマーニョはいろいろと楽しいと思いますね。 有名な話ですが彼はオテロの初演のテナーでした。タマーニョはPearlから ボツを含む全録音の復刻LPが出ていて、これはいいものでした。
この様な素朴な実験を見聞きして、我々はプッと吹き出してしまうけど、笑ってはいけない! 「月ではウサギが餅をついてます」と聞いても、やはりプッと吹き出してしまうけど、 「地球が太陽のまわりを回っていて、太陽は銀河系に属していて…」なんていう「意見」も 1000年後の人類(まだ滅亡してなければ)が聞けばプッと吹き出すかもしれないから… それにしても、バッハまでは、まだまだ遠い…
ヘッドフォン環境でモノラルばかり聴いているが、どのヘッドフォンを使っても心持ち右chによっている気がする。 脳内にバランスコントロール移植出来れば良いのだが。
>>311 歌手については19Cに活躍した人から近代までを網羅する百科事典的な復刻集が
EMIからThe Record of Singingと題して出てます。これ。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Record_of_Singing もちろん全部買ったら大変なことになりますので、一部しか持ってませんが
網羅的で史料的に使えて便利なものですね。
>>314 モノラルヘッドフォンってのがありますが、どうもそういう問題じゃないですね。
うちだと残響が付加されてるモノCDを聞いてると気になって、こんなのいらないのに
と思うことがあります。
モノヘッドフォンは昔の電話交換手のおねえちゃんが使ってるような黒いやつが
今でも探すとありますね。インピーダンスが高く感度がいいので鉱石ラジオに
使うとすばらしい性能を発揮します。音質的にはLo-Fiですが、接続を工夫すると
現在の機器にも接続して使うことができます。
>>316 先に書いたうちのやつは、古い中古の藤木電気(ELEGA)のやつで、インピーダンスも
もっと高く10kΩのやつです。マグネティック型ってやつです。
一般的なオーディオ用には向かないと思います。感度がいいのでラジオには最適。
余談ですが、こういったハイインピーダンスのヘッドフォンの中にはSound Poweredと
いう種類のものがあるのですが、これは軍隊で電源なしのマイク直結で鳴るように
作ってあって、音質を犠牲にして感度を最大まであげてあるもので、とても音質が
悪いそうです。一般売りはされてるかわかりませんが、これは現在でも生産されて
ます。ただ、前の一般用のモノハイインピーダンスヘッドフォンは、アメリカで
以前売ってるところはあったのですが、現在では中古を探すしかないと思います。
インピーダンスは2〜10kくらいで、いろんなメーカーのを見かけます。
中古なので状態は様々です。高価なものではないです。
>>317 上野文化の音楽資料室や学校の音楽鑑賞室のヘッドフォンもかなりのレトロ物が多かったですね。
大概白いカバーでした。
320 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/02(土) 15:32:32.38 ID:SVgVNLxf
お聞きしたい事があり、おじゃまします マックからUSBDAC(2704)経由でモノラルスピーカーを鳴らしております。 DACから方チャンネルのみモノラルシステムに接続して古いモノラル録音専用にしていたのですが、 できればステレオのソースも聞きたいと思っています。 単純に右左の信号を短絡してしまうと、音が濁って楽しめません。 抵抗を入れた回路ではゲイン不足となってしまいますので、ライントランスを使うのがよいのでしょうか? 皆さんの方法をお聞きできればと思います。
321 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/02(土) 16:34:33.36 ID:6SwyMSfl
ここの住人は生半可なモノラルじゃないから他で聞くべし 病棟だから
322 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/02(土) 16:59:16.20 ID:SVgVNLxf
320です アンティークオーディオ専門でしたか。 失礼しました。
>>320 音源をモノラル化した方が簡単
フリーソフトで出てる
324 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/03(日) 13:32:26.94 ID:Bp8IcF5c
>>323 320です レスありがとうございます。
音源が600ギガを超えており、個別の管理がキツいのです
今、トランスで変換する方向で調べてます
>324 俺トランスでやってるよ?もう見てないかもしれないけど。 そんなに難しくないよ。
326 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/07(木) 11:57:09.86 ID:9PSo6m8W
>325 320です トランスの先輩ですね。 オークションでTAMURAのTF3(600スプリット:600)1個を格安で入手できました。 出力側の抵抗を何種類か入手して試してみるつもりです。
おうおう、それそれ。PCからの出力ならインピーダンスは100Ω程度だろうし、そのトランスでいけると思うよ。 どんな感じか気になるので、また教えてください。
>327は>326宛てね。
329 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/08(金) 13:04:05.03 ID:l/spA0yd
>>327 了解です
TF3は1次側をスプリットで150Ω、2次側600Ωで使う事になりますよね。
とりあえずDACはステレオ誌の付録で試しますが、1次側のLPFをどうするか、、、?
2次側のシャント抵抗は650Ω,750Ω,1.5kΩあたりを準備するつもりです。
ただ確定申告の準備がすむまで中断中。
330 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/11(月) 01:21:07.22 ID:jWVgGS2n
ライントランスによるモノラル化は完璧ではありませんよ。 一番本格的なやり方はミキサーで左右の信号をミキシングする方法です。
331 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/11(月) 12:07:00.79 ID:vCRh7wY/
329です ステレオ合成の際に中央に位置する音源の音量が増えるんでしたっけ。 ミキサーを使えばそれが解消されるのでしょうか? メインはモノラル音源の再生で、ステレオ音源を再生する際に音が濁らなければ良しと考えております。
ステレオ音源をモノラル再生したところでどうにもならんよ。
333 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/11(月) 20:40:36.21 ID:DDK3tlTg
スピーカーの一点から音が出るんじゃ面白くない 部屋全体が一つのスピーカーになった感じで豊かに鳴って欲しい
335 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/12(火) 06:31:07.98 ID:/z5/JgAT
>>332 ジャズのLPは大概それだけどね
ステレオ録音でもモノラル盤を有難がるのがジャズファン@アナログ
それはモノラル用にミキシング(マスタリング)してる盤だからでしょ。 ステレオ用にミキシングしたやつをそのまま単純にモノラル化しても意味は無い。
>>335 だって、別ラインと聴いたから。
DECCAのClassic
338 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/12(火) 12:58:53.39 ID:iimKYAM8
>>327 モノラルシステムでステレオのソースを聞くために、ライントランスによるモノラル化で質問していた 320 です。
タムラTF3をスプリット(150Ω)で入力に使い、2次側(600Ω)はシャント抵抗値を660Ωで試してみました。
まだ6時間くらいしか聞いていないですが、低域も減少せず良い感じです。
抵抗を使った合成の様に音が小さくならず、LPF効果のせいかデジタル音源の落ち着かない感じも減りました。
メインのモノラル音源を聞く時もこれがメリットになり嬉しい誤算です。
パソコンからエレボイの205フロントロード箱をLM3886でならす自分には十分です。
シャント抵抗値変更やLPFを組んで遊ぶのも楽しみです。
>338 わざわざ報告してくれてありがとう。取り敢えずうまいこといったようでなにより。いろいろいじってみた成果も期待してます。
>332 ステレオ初期のジャズで、例えばピアノは左チャンネルだけ、ドラムとベースは右チャンネルだけ、みたいなすごく不自然な録音があるじゃない?こういうのをモノラルにした場合どうなんだろう? モノラル再生を始めた最初のきっかけがそれなんだよね。不自然さに耐えられなくなった。
左右のスピーカを近づければよい。 あるいは思い切って位相差接続にする。
逆オルソンか
343 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/15(金) 11:00:57.52 ID:JtErp4hP
モノラルの場合、当然、スピーカー上のイメージは虚像。 しかし、ステレオの場合、左右のスピーカーの間のイメージは虚像の虚像。 「定位が良い」と言われているシステムで聴いても、その「虚像の虚像」はフラフラ。 本来のステレオは、L + Center + Rではなかったか?
344 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/16(土) 19:31:33.53 ID:go5XEmnH
>339 327です 丸ピンで差し替えながら比較中。 2次側の抵抗値が高くなると高域の落ち込みがカバーされるような変化でした。 俺の環境では1Kオームだと高域にわずかなキツさを感じたので、750Ωできめるつもりです。 ちなみにDALEの巻線抵抗を使ったら、定数うんぬんより、見通し感や解像度が上がって驚きました。 高価でも評価されるのが納得です。
345 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/03/16(土) 19:33:44.29 ID:go5XEmnH
↑ 327ではなく338です 失礼しました
1947年のバイエルンでのライブの若きショルティのワルキューレ第1幕を聞いてた。 とても鮮明な録音でいいのだが、フェルカーの衰えはどうだろうか。 ウェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ルゼ!!の部分もさっぱりダメで、重くなって苦しく あのTelefuneken録音の1936年の輝かしいローエングリンはいったいどこに行って しまったのかと思う。M. ローレンツは50年代ですらジークフリートをじゅうぶんに 吠えていたのになあ。どうしたんだろ、フェルカーさん(´・ω・`) ああ、演奏家の愚痴ですんません。
シャリアピンの機械録音を聞いてた。 Lebendige Vergangenheitの復刻はじゅうぶんな出来と思う。 シャリアピンというとロシア民謡とボリスだが、イタリアオペラも楽しい。 スカラ座のメンバーとの録音のノルマと夢遊病の女は名録音だと思う。 復刻もいい。 ただ、しかし、ルクレツィア・ボルジアのVieni la mia vendettaは明らかに やりすぎだ。が、きわめて楽しいな。 驚くべきことにこれらの録音のシャリアピンはまだ40歳になっていない!
348 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/06/15(土) 09:10:31.18 ID:tI2kY90W
WEの評価の難しいのは、ほとんどの場合、当時の録音で評価しがたいところだ。 トーキーのWEは1937年に解散しているが、それ以前のトーキー映画でどれだけ列挙できるだろうか? クラーク・ゲーブル、グレタ・ガルボは知っていても、シャーリー・テンプルは忘れられている。 ボニーとクライド、赤いドレスの女、Gメン・・・これらは現実の事件そのものだ。 逆にジャズ・エイジで知られる世代はほぼ10年前の人々で世界恐慌前後で感覚がずれる。 意外に知らないものだらけで、何でも戦前のテクノロジーと文化を結びつけるのはどうかと思っている。
おそらくWEが1930年代のトーキー技術を代表するように思われているのは
事業を引き継いだAltec Lansing社の製品が、VOTTの栄誉とは裏腹に
現在までほとんど残されていないことと関係があるかもしれない。
1950年代にA7を投入した頃には、ステレオ再生を劇場でおこなうべく
VOTTの製品群は入れ替えが激しかったからか?
そもそも言われているほど球数が多くなかったのかもしれない。
1939年のAlied Radioのカタログをみると
何かに付け簡易PAシステムへの需要が大きかったことも判る。
http://www.alliedcatalogs.com/catalogs/1939/ (P.73あたりから8W〜65Wまで様々なシステムが並ぶ)
WEも633Aマイクを量販しており、Shureなどと肩を並べている。
スピーカーはJensen、Utahなどの他、Raconホーンもあり
一般的に格下のランクであることが判る。
しかし、この時代のジャズ・ボーカルなどは
この手の拡声器で多くの人は聴いていたのである。
例えばペギー・リー、フランク・シナトラが
ジャズ・オーケストラと共演したのはこの方法だった。
一般的にラジオ放送がクルーン唱法を生みだしたと言われるが
それを支える簡易PAの存在が後押ししたともいえる。
一方で、簡易PAは必ずしも生バンドのステージのみではなく 当時のスウィング熱と勘定を合わせると レコード再生でのダンスパーティーも十分にあったと思われる。 PA装置にターンテーブル&ピックアップの付いたシステムもあり 電蓄以上、トーキー未満の全てのシステムが当てはまる。 その意味で、モノラル・システムの規模をどう当てはめるかの ノウハウにも通じるように思っている。 個人的な感想では、当時の2流の機器でも 最新の神経質な機器よりは結果が出しやすいと思うところである。
1930年代のトーキー、特にドイツのufaのオペレッタ映画は大変興味深い。 技術的にはKlangfilmでしょうか。 レックなどのアイドル?からザック、タウバー、スレザ=クなどのオペラ歌手まで 出演しているのもある。数はかなりあるのではないだろうか。 前に買ってみたこともあるのだが、どうも元のフィルムがよくないようだった。 ポピュラー系からミレッカーやレハールなどの本格的な作曲まであるので、 いい状態で収録したやつを出してくれるといいんだが、、、(´・ω・`) 仏のルネ・クレールの映画なんかもKlangfilm系だろうか、あれもいいのが出ればね。
354 :
センモニフエチ :2013/06/17(月) 08:22:24.76 ID:kv6RRqOt
ソロはモノで聴きませぅ。
>357の映像は、80年代のホームビデオで録画したものと思われるので
テレビ用に高音がカットされたものです。(年月日の表示から、おそらくビデオは日本製です)
この頃が絶頂期にあったことは明白で、イギリスでのミュージカル歌手とは印象が違います。
ドイツのトーキーでも最初期のものなので、見られるだけでも貴重なものです。
とくにタウバーはナチス政権下で亡命を余儀なくされたので、現存するフィルムはほとんど皆無でしょう。
それでも音声が明瞭(芯が細い)なのは、カーボンマイクの特徴を良く示しています。
例えば1935年にタウバーが亡命後に出演したものと比べると違いが判ります。
http://www.youtube.com/watch?v=Q6Oo67W5w_A この頃はまだWEの47型マイクが使われていたと思われ、恰幅の良い音になっています。
これも高音がカットされているため、少しモゴモゴしたEMIトーンになります。
オマケ)シューベルトそっくりさん
http://www.youtube.com/watch?v=Ir7WVA5otMw&NR
>>358 > オマケ)シューベルトそっくりさん
これは何かのオムニバスで販売されてたのを見ました。
こういうことをするから、タウバーは俗悪レッテルをw、、、と思ったりしますが、
いい歌手だと思いますし、確かビーチャムの魔笛も当初はタウバーの予定でしたが、
亡命の件もあって今あるレコードになったかと記憶しています。
私もおまけ、ミレッカー作曲のガスパローネから、
http://www.youtube.com/watch?v=YHMg_-mMpCk スレザークの歌唱、レックのダンス。ドイツオペレッタ映画は楽しいもんです。
ほほえみの国も全編現存するようですし、みんなが知ってる会議は踊るもあるし、
なんとかいい状態のDVDが出ないかなと思ってるのですがね、、、
前に試し買いしたシリーズはだめでした(´・ω・`)
360 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/08/01(木) NY:AN:NY.AN ID:6EbDg0dp
361 :
センモニフエチ :2013/08/02(金) NY:AN:NY.AN ID:F+pjQtUM
BEATLES中期の名作「YESTERDAY」と「GIRL」を片方のモノラルアンポをOFFにして ヴォ〜カルが記録されているチャンネルのみ再生して聴きますた。 まぁ一言で書けばエクセレント!です。
このスレ的にはモノラル・ボックスなのでしょうが、色々試してみるものです。 ただしビーマニの人はオリジナルLPを持つ人が神で、ほかは貧乏神です。 オリジナルのシェラック盤、リール・トゥ・リールの蒐集家は仙人扱いです。 あとアビーロードのモニターが、アルテックだったことは公然の秘密です。 ボブ・ディランのモノラルボックスを是非購入しましょう。
364 :
Please Mr.Postman :2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:OOu4Xh+h
漏れのOdeonの赤盤じゃダメなの?。ショボ〜ン。
365 :
Please Mr.Postman :2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:OOu4Xh+h
「Mr. Tambourine Man」がボブ.デイランの作品だと約1週間前に 初めて知った漏れは修行が未だ足らないと実感しますたw。
366 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:Kq+AwvBo
ポピュラー系の初期ステレオは癖が強くて
ボーカルが左、ドラムが右とか色々ありますね。
これには諸説あって、
ステレオだということを判りやすくするためとか
当時のセラミック・カートリッジの分離が低いためとか
モノラル・カートリッジだと削り込んでしまうとか
今ではあまり判らないことも多いのです。
ジョン・レノンもステレオの聞き方が良く判らなくて
左を横に、右を縦に置くなど変わった聞き方をしてた
なんて面白おかしく回想してたような。
でもアルテックのカタログにもこれがあるんですね。
http://www.hifilit.com/Altec/1959-m.jpg
左右にバックリ分かれてる系のステレオは再生難しいですね。 LPレコードプレーヤーが壊れてしまって確認できないですが、クラシックでも 左右バックリ分かれ系があって、ベームが58年にDGGでドレスデンで録音した バラの騎士なんかもそうだったと思います。 こういうのをうまくモノ合成できないかというのも、よくある課題ですね。
室内楽やリートでもありますよ。ヴァイオリンが左、ピアノが右という感じのやつ。
CDでも”正確に”リマスターされています。
ジャズでもソウル・ボサ・ノヴァなどがそういう録音をしていますね。
こうした録音は、モノラル時代の指向性の広いスピーカーで聴くと
恰幅良くバランスが取れてくるのですが、それだけのために?という疑問も。
あくまでもサウンド重視で選ぶと大型スピーカーで、距離が置けないために
ステレオ的な分離感なしで放出しているという感じでしょうか。
箱庭サウンド・ステージではなく、ウォール・オブ・サウンドへの誘いです。
江川三郎氏の逆オルソン式というもひとつの手ですが
最後に片側だけモノラルで聴くという新境地を開いていきました。
ステレオのモノラル合成は永遠の課題です。
オケの右手にチェロを移動したのは、ストコフスキーがディズニー映画でやった
という逸話が残ってますが、ときどきフルヴェン指揮下のベルリン・フィルも。。。
http://www.furtwangler.net/images/bpo47funkhaus.jpg 意外に噂というものは当てにならないものです。
369 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/08/03(土) NY:AN:NY.AN ID:pb+f3rR2
うさぎ小屋で横の広がりも無いもんだが
モノラル・スレでステレオのことを話すのは何ですが
実はモノラルという名は、ステレオ以降に登場したのです。
ある意味、ステレオの不満はモノラルの美点に繋がるという逆説もありです。
ステレオでなければダメ、という発想が間違っているだけなのです。
うさぎ小屋の話が出たついでに、ステレオ試聴で最も狭い場所は
ラジオ局のDJブースです。
人によってはヘッドホンでモニターするのですが
BBCがLS3/5aを開発した背景には
狭いブースを有効に活用しようとしたと思われます。
実際はもっと狭い空間での再現を目指していた感じもあります。
http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/1970-13.pdf (4ページ参照)
ドールハウス寸前のミニチュア空間ですが、仮想空間の演出の限界が
ここにあるように思います。
私の個人的な興味では、SP→LPの境界線のケアが気になるのですが モノラル→ステレオの境界線が気になる人のほうが圧倒的に多いでしょう。 オーディオの鬼門であり、この三途の川を自由に行き来できないと モノラル道楽は霊界を彷徨うことになります。
373 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:425zsXVg
夏厨発生中です
ドイツの奇才哲学者ベンヤミンは、「歴史哲学テーゼ」のなかで 歴史の叙述を星座をなぞる人間の想像力に喩えた。 一方で「複製技術時代の芸術」では、オーラ(カリスマ)の喪失を予見し アドルノが擁護する純粋芸術と真っ向から対立した。 彼が心に抱いた消費社会の人間の尊厳は、あまりに自由にすぎ 制御不能となる可能性も否定できないため、60'sのポップカルチャーより 1980年代のポストモダンの時代に再び注目を浴びる格好となったと思う。 ここで言いたいのは、モノラル録音ではオーラの現存が多く語られ ステレオでは音楽の商品化の傾向が激しいという意見である。 しかしこれは、クラシックやジャズには当てはまっても ロカビリーにはほぼ当てはまらない。オーラの否定が格好いいからだ。 一方で、60年代のロックはあまりに陰鬱で汗臭い。70年代は都会的である。 こうしてみると、1950年代がまだカリスマの生きていた時代だと思うよりは ほぼ10年置きに潮の満ち干のように音楽のオーラは巡ってくる。 そう考えると2010年代はオーラの時代なのだ。
モノラル愛好家のオーラ信託は、音楽に限ったものではない。 実はオーディオ機器にも向けられている。JBLの物語など大好きなのだ。 一方で、レーベルへの愛情表現はあまり見られない。 おそらく、段々と薄くなるLPに苦虫を潰された経験からメーカーを見放し 初期の海賊盤並のCD化で幻滅したからだろう。 逆にレーベルへ愛情を注ぐ人は、オーディオ機器に深入りしないし 実際にあまりお金を掛けられない。 こうしたアンフェアな状態で、モノラル愛好家のステレオタイプが生まれるのだろうか?
>>372 SPからLPへちょうど切り替わる時期の録音でSPがオリジナルでLPがダビングのがある。
それもほんの一時期で、その後は普通にLPへのカットになったが。
例えば、フルヴェンのHMV録音の一部なんかがそうだろう。
あれのSPってのはもちろんあって、持ってる人の話ではまことにすばらしい
ものだそうだが、あんま見かけないし、あっても高価だ。
最近は新譜もちぇっくしてないんだが、あの時期の録音のSPからの復刻CDって
あるんだろうか??
パラパラ思いだし話で恐縮だが、モノからステレオ移行期にもステレオで出てる LPと同じ内容のモノカット盤があった。 ffrrとレーベルにあるSPのように分厚いDECCAのショルティのラインの黄金の モノカットのLPを前に持ってたが、LONDONレーベルの後の薄っぺらいステレオ盤の ようなふぬけた音ではなく、ものすごい骨太の音でびっくりした記憶がある。 その後知人にあげちゃったが>< あんな感じでモノ合成できるといいかも(^_^)
378 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/08/05(月) NY:AN:NY.AN ID:PZoosC8y
賢い僕ちゃんだけが知ってる真実を世間の無知蒙昧な輩に広める啓発活動に余念が無いオーディオ団塊ジジィに告ぐ さっさとお盆の準備しろ
オレ的モノの名録音 SPの部 ローエングリン第3幕への前奏曲、ムック、ボストンフィル 機械録音の最優秀 エロイカ、ワインガルトナー、VPO 演奏はともかく録音はすばらしい 1936年バイロイト WFだったらと思うが、これはこれで。TeldecのCEDAR復刻は最悪 運命、WF,BPO いろいろ総合で最高のSP。国内盤も初期プレスはきわめて良好。 LPの部 トリスタン、WF 一部のすり替え疑惑もあるが、全く文句なし。 薔薇の騎士、E.クライバー、VPO 中途半端な時代のLPでひどいのがあった。注意。cdはおk サロメ、クラウス、VPO これも文句なし
380 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/08/05(月) NY:AN:NY.AN ID:w9T1LGpB
スレ深く読んでないからスマンが、CDでの再生について。 CDにモノラルの規格が無いのが問題。左右チャンネルが完全に一致しているものが少ないし、一致していてもCDの規格上シリアル転送だから、チップの誤差で時間差が発生して位相ズレで一部の音が消える。 解決策はCDプレーヤーの片チャンネルだけ使用して、ひとつのスピーカーで聴くことしかない。
ギターアンプみたいな大きさで持ち運びできるフルレンジスピーカーか欲しい
じゃあギターアンプでええやん。
383 :
おっぱいゴルフア〜 :2013/08/07(水) NY:AN:NY.AN ID:GNUvBf6h
暑中お見舞い申し上げます。 ソロはモノで聴きませぅ。
「風立ちぬ」ってモノラルなんだな
>>380 疑似ステレオでない「モノ」のやつでも微妙に残響入ってたりするのは、
やめてほしいと思う(´・ω・`)
>>381 オーディオ用途じゃないけど、PA用のやつなら売ってますよね。
前に誰かが、Hi-Fiじゃないけど安心してゆったり聴ける音質と言ってた WEのアンプ内臓の小型SPもありますね。 上に取っ手が付けてある改造品?が出たてのも見たことある。 あれもじゅうぶん持ち運びサイズですね。
390 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ro8qy4XM
今日「風立ちぬ」見に行ったんだけど 事前情報が無かったからモノラルでビックリしたよ
LAST NIGHT BEATLESのGIRLを聴くとメインヴォーカルが右中のスコカから聞こえ その他は左下のウハハから聞こえてくる。その前にリリースしたHELPの中の YESTERDAYはヴォーカルが中央に定位するのに、何でこんなミキシングなんだろぅ?。
約1年間ステレオを聞かずモノラル三昧に徹して モノラルのほうが自然な音響と受け入れることができた。 最初はモノラル音源に限定しなければと精進していたが 今はステレオ音源も適当にミックスしてモノラルで聞いている。 最初からそういうものだと思えば、別に不自然さは感じないので 不思議なものだ。
50-60年代のJAZZを、ジェンセンのユニット1本+後面開放箱で聴くとたまんないわぁ
そうそう。飽きが来ないのは古レンジ1本。 自分の場合はあまりジャンルは問わないが 薄化粧の録音のほうが相性が良いのは確か。 ライブ録音とかそのまんまに鳴っている錯覚に陥る。 あと意外に最近の古楽器の演奏も好きだ。
396 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/09/15(日) 16:11:22.99 ID:zTNXyAXC
ステレオのアンプの片側だけ使うのも何かまぬけな感じがするから、 モノ用のアンプを作りてえな。 バカみたいに豪華なやつはいらないし、適当なやつはないかな。 当時の回路図でもぐぐってみっかね。
片側を位相反転させればいい。
400 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/09/24(火) 21:02:04.89 ID:mpln9oe8
ebayでmonoblock カテゴリ Vintage Audio & Video で探すとたくさん出てくる。が、2台セットがなぜか多いけど。
397だが考えてみました。 オルソンアンプ=でかくて無理。適当な電源トランス売ってない。 6BQ5とか安い球の3結pp=現実的 半導体のアンプキット=安価お手軽 手持ちの5球スーパーラジオのPU端子を使う=0円
ようやく最近になって グールドのゴールドベルク55年盤が それらしく聞こえるようになった。 それらしくというのは それまでただカシャカシャ弾きまくってる という感じだったのが 変奏毎の軽さや重さが伝わってきて オヤッと思う回数が増えてきた。 でもサティのような部屋のオブジェという 感覚は一層強くなった感じも。 やはり飛びっ切りのモダンだったのだ。
ハイ落ちにしてモッサリしたんだな。
そのモッサリ感が良い塩梅になってきた。 もとは中高域の強いダブルコーンだったのが 中低域が太くなって表現に奥行きが出てきたというか。 今は熟女の頃か、一気に老化しないことを祈る。
モノラル期のバッハ演奏は、現在の古楽器の方法論とは全く異なり むしろミュージシャンの人生を物語る全人格的なスタイルが多い。 戦前の録音も含めると、思い付くだけでも以下のようなものがある。 ゴルドベルク変奏曲 グールド 平均律クラヴィーア フィッシャー 無伴奏ヴァイオリン シゲティ 無伴奏チェロ カザルス オルガン曲集 ヴァルヒャ マタイ受難曲 メンゲルベルク 考えてみると、これだけの個性的な演奏を許容する音楽というのも 非常に珍しいのではないだろうか。
シゲティの無伴奏はなつかしいですね。 ヴァンガードのLPで繰り返し繰り返し聴いてたなぁ、、
>>406 ヴァルヒャのバッハはモノラルの極地だよな。
凄い情報量
戦前のバッハで個人的に最も興味深いのは、クライスラーとジンバリストの 2つのバイオリンのための協奏曲だな。チェンバロもなく弦楽四重奏の 伴奏という今の観点からしたらおかしなものかもしれないが、1915年というのを 考えれば、うまく録音するために適した選択だったのかな。
今では修道僧扱いされるシゲティのバッハ無伴奏だが まさに神童と呼ばれた時期からのレパートリーで 1905年(13歳)のベルリン・デビューから弾いている。 ロンドン・デビューの1908年にはHMVに吹き込み このときにもバッハのパルティータ第三番が含まれていた。 1923年にはイザイから無伴奏Vnソナタ第一番が献呈され 作曲の動機はシゲティの演奏にあったとされる。 こうした数々の名誉にも関わらず、シゲティが全曲を録音したのが 1955年(63歳)のときであり、全曲としてはメニューヒン、エネスコ に続く3枚目、LPでは最初の録音であった。戦前にカザルスが 無伴奏チェロを一気に録音したのとは大違いであるが 実際にはヨアヒムの初録音(1903年)以来、無伴奏Vnは ドイツ系のバイオリニストには良く知られた曲でもあった。 LP時代の全曲録音は技巧の衰えが指摘されるが この録音によってバッハの無伴奏が バイオリニストのプロフィール替わりになった点は注目して良い。 企画した米バッハ協会は同時期にレオンハルトのゴルドベルクを 録音しており、客観的な評価があっての選定だと判る。
>>410 シゲティのオリジナルマスターは今はどこが持っているのでしょうか
Vanguard Classicsは、ポップスのVanguard Recordsとは分離していて 創業者のSeymour Solomonの死後は 2002年にArtemis Recordsに売却 2004年にSheridan Square Entertainmentが版権を買い取り 2009年に会社名をIndieBlu Music Holdingsに変更 2010年にEntertainment Oneに合併吸収 ということになっています。 実務はArtemis Recordsのスタッフが行い SACDでの再販も始めています。 個人的には、シゲティ&バルトークのリサイタルや アラウとのベートーヴェン Vnソナタ全集などが興味ありますが アメリカ議会図書館のライブラリーから原盤を起こすのは 期待薄と思っています。
モノラル時代の録音を再生するのに 一度は試そうとするのはワイドレンジ・ユニットだろう。 同じ志向でクリスタル・カートリッジ(別名レコード・キラー)を 使う人はほとんど居ないと思うが、1950年代のフルレンジの 半数以上はHi-Fi以前の規格であるワイドレンジが占める。 時折12インチ以上のユニットはウーハーとして扱われるが 本当にそれで良いのか?という疑問は多々ある。 というのも、この手のユニットは100Hz以下がダラ下がりで どう頑張っても重低音は出ない。中高域は無駄に伸びているので 共振したときの音が耳に突き刺さるときがある。 その替わり、生きの良いバスドラ、濃厚なボーカルが聞けたりするので ポップス系には結構良いはずなのだが、この手のコレクターは 意外にオーディオにこだわりをもつ人が少ない。 元は簡易PAに向けて開発されたので、音の通りの良さや 押しの強い表現など、ライブ感を出す必須アイテムのように思うのだが なかなか受け入れる素地のないのが現状のようだ。
クラシックのモノラル録音で幾つかの鬼門があって 旧録音のフォーマットで録音された不遇な演奏がある。 リパッティのブサンソン告別演奏会は、同じ時代にドイツなら テープ録音機があったのに、フランスにはまだ無かった。 逆にフルトヴェングラー/ウィーン・フィルのベートーヴェンNo.7は テープ収録されたのに原盤を起こした後にテープは破棄された。 晩年のコルトーやティボーもこうした機会を逃した人に入るだろう。 しかし、このHi-Fi以前の規格を納得いく形で再生できるか否かで モノラルとの接し方が大分変わるように思う。
フルトヴェングラーのBeethoven 4番も50年?のがいいのですが、 おそらく同じことになってますよね。
同じ時期の独グラモフォンもファースト・プレスがSP盤で 音の鮮度が違うようなことが言われます。
そのあたりのSP-LP切り替え期のSPからの盤起こしCDってよさげなやつあるのかな。
フルトヴェングラー/VPO ベートーヴェンNo.4&7 (1950:Tahra) ワルター/NYP マーラーNo.5 (1947:Sony) トスカニーニ/NBCso ヴェルディ/オテロ (1947:Guild) コルトー/戦後ロンドン録音集 ショパン、シューマン等 (1947〜53:EMI) 他にあればどうぞ。
>>414 LPのパテ・リファレンス版でもってるけど、どれも音いいよ。
今風の音じゃないけど、ハッキリした音。
あの時代の音源だから十分満足。
たしかCDもパテ版は音がLPに近かったと思ったが…
420 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2013/12/19(木) 00:20:29.05 ID:BWS3IwKQ
あげ
師走の慌しさも一段落してモノラル三昧。 なぜか中世ルネサンス音楽を立て続けに聴いている。 録音は最近のCDだが、慣れれば問題ない。 楽器の質感を大切にする方法論はジャズと一緒だし 出音の瞬発力が良いと表情も晴れやかになる。 周波数バランスからいえば8kHzまでフラットで あとはダラ下がり。でも聴き応えがある。不思議だ。
保守を兼ねてちょこっと。
クラ板に書いたのとかぶるので恐縮なんだが、英HMVはコーツ、グーセンス、ピット、
ロナルドの指揮で分担して機械録音時代にワーグナーのニーベルングの指輪の抜粋を
録音した。内容はこれです。
http://www.cs.hs-rm.de/~weber/opera/shellac/ring23/ring23.htm 抜粋と言っても元々がとてつもなく長大な曲なので、全部でおよそ3時間くらい。
これをラッパ吹き込みのSPレコードで録音して売った英HMVも相当なもんだと思う。
ラッパ吹き込みの声楽ものは、たいてい歌の音量が大きく、それに対してずっと小さい
音量のオケの伴奏がついてるようなのがほとんどなんだが、この一連の録音はオケが
じゅうぶんに活躍し、結果としてラッパ吹き込みであるにもかかわらず実演により近い
バランスが出てる。効果音というか譜面に記載されてる音楽の一部なんだが、ラインの
黄金やジークフリートの金床の音もクリアーに録音されてる、どうやって録音したかは
分からないんだが、おそらくオケを近くに置き、歌手は録音ラッパから距離を置いたの
かな? その代償としてなのか同時代の他のレコードと比較してカッティングレベルが
小さく、機械式蓄音機で聞くと音が小さく、スクラッチが目立つ。
ラッパ吹き込み時代は、オケの伴奏なんかは少人数でやってるんだけれども、この
指輪の録音ではある程度の人数がやってるように聞こえる。こういう音のバランスで
録音されたラッパ吹き込み盤は少ないと思う。どうしてこういう音づくりをしたのかが
興味があるとこなんだが、詳細はまったくわからないw
この指輪の音源の有志の人による復刻音源をクラ板に書いておきましたので、
興味のある方はどうぞ。
あ、書き忘れたというか、念のためというか、 指輪からの抜粋は数年後に電気録音になってから、コーツ、ブレヒなどの指揮で 再録音されてて、これはCDでいっぱいあります。
オーストリア放送音源は、以前プライザー社から出ていたが どちらかというとモッサリした音で「どうせラジオ用だから」と諦めていた。 最近はオルフェオ社から管弦楽を中心に出ているが、こちらはギラギラした音で 最近のシステムに合いそうなリマスター。両方聞くとやや混乱する。 これにウェストミンスター社が加わると、当時の録音技術の謎はさらに深まるばかり。 おそらくORFとウェストミンスターの録音技術の水準はあまり変わりなく 古き良き独墺の家庭用ラジオで聞くのに最適なイコライジングが プライザー社の持ち味だったのかもしれない。 そうした中で個人的に大好きなのが、 ウィーン・コンチェルトハウス四重奏団が吹き込んだハイドンの四重奏曲集で ウィーン訛りのアットホームな感じが心地良い。 プライザー社が最初に手がけた仕事で、かのランドン博士が監修したというだけに おそらくプライザー社以外のリマスターは出ないだろう。
428 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2014/06/05(木) 01:31:34.81 ID:6Zq8AfN6
あげ!
429 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2014/07/11(金) 22:04:24.18 ID:sYqumXm1
蓄音機じかに見たことないのか?
431 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2014/07/12(土) 17:46:15.22 ID:IQcGog4q
ない
内側からでも問題なくトレースできますよね。 ただ、アセテート盤はアコースティック蓄音機の針圧では削れてしまうでしょうから 比較的針圧の小さい電蓄を使われたのかなあ? 戦後はNECから献上された42 ppの電蓄が宮中にありましたが、当時宮中ではどのような 機器を使われていたのでしょうかね?
433 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2014/07/16(水) 16:23:50.07 ID:fu7gy7Gx
既出かもしれませんが ステレオ音源をモノラル化する方法として トランスのよる合成、アンプによる合成 どちらがいいでしょうか?
436 :
434 :2014/07/16(水) 20:53:31.47 ID:W+cOa50Z
>>435 はい、コロムビアです。
あと蓄音機スレの紹介ありがとうございます。
>>433 ミキサー導入が簡単で良いと思いますが、
ミキサー搭載オペアンプの音が乗ってくるので、
それが気にならなければという
438 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2014/09/21(日) 04:31:55.98 ID:GQIwLfQV
綾香もモノがいい
ボーカルはマイク1本で収録だしな。
440 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2014/09/21(日) 23:23:13.61 ID:GQIwLfQV
そう、モノの方が細かいニュアンスが出る
モノラルのほうが真面目に聞くよね
父親の遺品にあった多数のレコードを久々に聴いた。 昭和30年代購入のものが何枚もあり、モノラル録音のものも当然あった。 何か聴いていて「ああ、いいなあ・・・オヤジ、いいもの残してくれてありがとう」と・・・(涙
下らん
昭和30年代のレコードなんて、結構おうちはお金持ちだったんじゃない?
テスト
446 :
ひみつの検閲さん :2024/12/05(木) 11:07:09 ID:MarkedRes
モノラルで使うのに、TELEFUNKEN RS-1ってどうですか? Isonettaと比べて。 デザインの好みで決めれば良い感じでしょうか。
RS-1をステレオ・モノ両方の音源で使ってます。 図体からして低音の不足はあるでしょうが、うちじゃじゅうぶんです。 Isonettaは持ってないので比較分かりません><
JAZZのモノラルレコード聴きたくてShureのM44-7買った。 貧乏でごめん。
このスレでモノラルを極められてる皆様はどのようなアンプを使われてますでしょうか。 システムをご披露して頂けるなら参考にさせて頂きたいです。 私はAltec409BをQUAD33-303の片チャンネルで使って古いJAZZやFolkを聞いています。 本来ならモノラル専用アンプを使うのが王道なのだと思うのですが。
極めてない人ですが、うちは真空管で自作アンプにしました。 やたら高価な部品はやめにして、球も昔のヨーロッパ製でも入手容易なものにしました。 SPは中古で譲ってもらったInfinity(w)のしょぼいやつから先のTFKのRS-1とかいろいろ遊んでます。 SP盤はなかなか難しいので床置きのアップライト型のHMV 163蓄音機にしました。
452 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2014/12/11(木) 21:42:48.21 ID:ani8kzQ8
(⁰︻⁰) ☝ 極めてから発言したほうがいいぞ
>>449 44-7は、本気で鳴らさないとなかなか鳴ってくれないよ
いい音してたら結構な腕前なんじゃないの
454 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2014/12/12(金) 01:37:11.42 ID:nzo/Iyuo
>>450 モノラル専用アンプて何なんだよ?笑
元々モノラルアンプを2台以上使って聴くのがオーディオというもので
モノ音源の時は単に片チャンネル使うだけ
放送通信審議委員会が、「君が代騒動」を起こした外国人が討論するJTBCの人気バラエティー番組「国境のない青年会〜
非首脳会談」(以下、「非首脳会談」)に対する法的制裁を議決した。
放送通信審議委員会は11日、全体会議で「非首脳会談」に対する「日本の植民地支配に対する国民の歴史的意識と情緒を
配慮せずに日本の国歌『君が代』をBGMに使用し、民族の尊厳性と誇りを傷付けた」とし、放送審議に関する規定第25条(倫理性)
第3項違反で警告を決定した。
これについて放送通信審議委員会は「放送局が謝罪文を掲載、謝罪放送及び関係者に対する懲戒処分など多角的に努力した点
に鑑みても、日韓の歴史問題が現存している状況で、日本の軍国主義の象徴となる音楽を使用したことは、国民が歴史認識と
情緒を配慮せず、民族の尊厳性や誇りを傷付けたと判断した」と明らかにした。
「非首脳会談」は10月27日の放送で、日本人俳優の武田裕光が出演した際にBGMとして「君が代」を使用し、騒動となった。
ソース(Wow!Korea)
http://www.wowkorea.jp/news/enter/2014/1211/10135591.html 写真=放送通信審議委員会が、「君が代騒動」を起こした外国人が討論するJTBCの人気バラエティー番組「国境のない青年会〜
非首脳会談」(以下、「非首脳会談」)に対する法的制裁を議決した。
http://www.wowkorea.jp/upload/news/135591/1211-kimigayo.jpg
モノラル音源専用のシステムはオーディオシステムじゃないのか?
457 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2015/01/16(金) 09:22:21.57 ID:j85JO6o6
教えてください 1945年以降のフランス盤の録音カーブが判りません。 隔離病棟内なら分かる人いるのでは?
459 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2015/01/30(金) 17:25:15.76 ID:VAkFh2dk
ステレオ録音もプラグで単純にモノラル変換して一台のスピーカーで聴いてるけど もうステレオには戻れなくなった。
460 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2015/01/30(金) 17:42:23.75 ID:mHUWoeZY
そりゃーアカンよ せめてステレオ録音のLPをモノラル針で聴けよ
DL-102にトランスかましたらいい感じに鳴るよね。 ステレオ盤もきけるし。 うちは今、バリレラ入手したので専用フォノイコ制作中。