【津】三交不動産(津市丸之内、柳生利勝社長)は五日、津市丸之内の同社本社で記者会見し、
欠陥が見つかった桑名市明正町の分譲マンション「サンマンションアトレ益生西駅」について、
原因は床のたわみと考えられると発表し、同マンション住民に、売値で買い求めるよう説明したことを
明らかにした。既に売値の九割で買取した人に対しても残り一割を返還するという。
柳生社長は「ご心労とご迷惑をお掛けして申し訳ございません。今回の問題を謙虚に反省し、
お客さま第一主義を実践していきます」と深く頭を下げた。
また、同社は「対応に誠意を欠いており、認識が甘かった。今後、委員会をつくり、品質管理の
さらなる充実を図り、アフターサービスも充実させていき、再発防止と信頼管理に努める」と話した。
同社によると、問題のマンションは鉄骨鉄筋コンクリート十五階建てで、鴻池組(大阪市中央区)
が施工し、平成十六年一月に完成した。三交不動産は一戸約一千七百四十八万円から
三千三百五十八万円で分譲し、全戸を完売した。
天井に亀裂が見つかったのは平成十七年三月ごろ。当初「ひび割れは部材の乾燥、
収縮によるもので心配ない」と説明したが、住民らが昨年九月に第三者機関に調査を依頼した結果、
床のたわみなどを発見。同社も日本建築構造技術者協会中部支部に依頼し、ことし三月から七月七日まで調査した。
その結果、各部屋に床にたわみがあり、建具や内装材料に傷害が出ていると判断。原因はPCケーブルが
北側に偏在していることと、コンクリートを支える支保工の施工段階での早期撤去などが考えられるとした。
現在、契約を解除した戸数は三十三件。うち、立ち退いた戸数は二十四戸で、九戸が次の住居が見つかるまで住み、
残りの二十六戸はまだ部屋の所有権を持ち、住み続けているという。
同社はこの日、二十六戸の住民に対し説明会を開き、いったん買い取って来年三月末までに全員に退去を求め、
マンション全体の補修工事をしてからあらためて売る考えを説明し、それまで一年ほどかかるとの見方を示したが、
住民からは「このまま住み続けたい」という声が多く上がっていたという。
同社所有のマンションは全国で二百三十八棟、約二万戸。現在のところほかに不具合は生じていないとしている。
http://www.isenp.co.jp/news/20070806/news01.htm