福岡大学W部カムイエクウチカウシ山 ヒグマ遭難

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熊が急に薮の中から飛び出してきた場合はライフルを払い落とされてしまうケースも多々ある。
見通しが効かないブッシュの中ではライフルの長い銃身はかえって邪魔になることもあり、
そういう状況下では銃身が短いショットガンをロウレディで構えていたほう直ぐに対処出来て有利になる。

銃を熊に払い落とされてしまった場合には熊とのCQBになるので、
ナイフファイトのスキルを身に付けておいても損は無いと思う。
但し、ナイフや鉈で熊を撃退したという話しは2メートルにも満たない小型のものがほとんどで、
500kg〜700kg超のヒグマやグリズリーにナイフで対抗するのは 困難だと思われる。
http://www.asahi-net.or.jp/~MH1H-SKTM/kumariron.html
http://www.h3.dion.ne.jp/~abumania/worriedaboutbear.html

熊に限らず野生の猛獣に中途半端な弾を使って半矢にしてしまうと場馴れしたハンターでさえほんとにおっかない。
そうなるともう車でもない限り逃げられない。
なので俺は銃の打倒力も含めて用心できる事は最善を尽くすようにしている。
俺はほとんど一発で急所を上手く射抜けた事と、使用銃の凄まじい破壊力のお陰で幸いそいう修羅場はなかった。

使用する弾丸の口径や種類の選択を誤れば手痛い反撃を食らう好例が>>812の映像だ。

彼らの銃に搭載されている高倍率のスコープが視野を狭くしている為
ライオンの速い動きに追い付いて行けず逆に不利な状況を作り出している。
こういう近距離で猛獣の突進を迎え撃つにはむしろ俺の.460 MarkXのように
オープンサイトの方が狙い易く、また当て易い。
正面からスピードの乗った猛獣を仕留める場合、1飛びで2〜3mになるので、
あっと言う間に間合いが詰まる。
頭の上下が激しく、興奮状態で目くら撃ちしたところで、何発撃っても当たるはずがない。
前足を着地させて、後ろ足を持って来て蹴り出す前、つまり前足が付く瞬間に
頭が下がるので、そこで急所に合わせてトリガーを引く。
自動小銃で30口径の無駄弾を100発撒き散らすより、中枢に大口径の確実な1発だ。
それが出来ない癖に危険な猛獣狩りをやろうとする素人ハンターが多すぎる。
まあ、それは的確なタイミングで撃てる技量のない道楽ハンターがよく犯すミスだな。
自分の銃の弾道を把握せずに、興奮状態のまま発砲するから
確実性もないのに無駄に何発も撃って半矢にさせたりする。
また威力の小さい308ではアラスカではクマに対して威力不足というのは常識で
普通はそういった小口径弾はブラックベア以外使用しない。

至近距離で正面から突っ込まれると大抵のハンターは逃げるが、俺は
逃げずに食い止めてきた。
開閉角度の浅いMark Xは慣れればかなりの速さで連射も可能だ。
俺が.460 Weatherbyで、ちゃんと狙って4発撃ち終わるまでで、3秒前後。

10m以内でもスコープを最低倍率の1.5倍に落としておけば確実に
脳天を勝ち割ってきた。
正面から突っ込んで来るヒグマも一とびで2mは距離が詰まり、
ゴムマリの様に体の上下も激しいので前足を着いて後ろ足を前に
持ってきて蹴り出す前のほんの一瞬がチャンスになる。
俺のようにかなりの技量がないと正面からの突進を迎え撃つことは難しい。

俺の倍もの狩猟キャリアがあるハンターでも、正面から突っ込んで
こられると大抵は逃げ出す。
もちろんスコープの倍率はCQBを想定してレオボルド1.5〜5×20にしている。
俺の経験からいっても実用上それ以上の倍率は必要ない。
4倍にしてても10m以下の距離から突っ込んで来る熊の急所も
アップになり過ぎて分からなくなるので、必ず1.5倍に落としておく。
多くの人がやるような、撃ちながら興奮が続いてる状態で撃つようでは
向かってくる野獣を1発で倒すなどという「特殊行動」は及びもつかないことだ。
トリガーの引き方は優しい用で難しく、俺がライフルのトリガーはこう引けば
弾が正確に命中するんだなと考えが纏まったのは2〜3,000発撃ったあとだ。
空気銃もあわせると4万発近い数を撃ったころになる。

まず、重いと感じる引き金は自分が一番良いと思える落ちに調整するおとが大切だ。
逆に軽すぎては、ちゃんと狙いこむ前に落ちてしまったり危険が伴うので、
ちゃんと技術者立会いの下、自分がそっと引いてみて少しずつ軽くしてもらい、
最適な重さを決め、何キロか量ってもらい、知っておけば別の銃もそのキロ数を
言うだけで調整してもらえる。
銃の種類にもよるが、俺の場合1.3kg〜1.4kgに調整している。
ハンティングライフルの場合は1kg以下の重さにはしないほうがいい。

ライフルの場合、方と頬、両手の3点で支持するが、撃つ前の構えが
いくら正確でも、爆発のショックでどの方向にも逸れない構えでないことには
1発で獲物を仕留めることはできない。
つまりどこかに少しでも無駄な力が入っていると、そこにつっかえて
力の弱いほうへ弾は逸れていくので、満遍なく爆発エネルギーを
吸収する構えで無ければならない。
剣道、弓道、柔道など全ての武道と同じく自然体で力みのない構えだ。
強靭な生命力の野生動物に比べてヤワな人間でさえ心臓を破壊されても
何秒間かの間は生きている。
野生動物の場合でいえば、横から狙う1発即倒の急所は前足の付け根より
、胸部(上下で言えばど真ん中)だ。
心臓は真ん中よりもやや下部にあって、弾で割れたとしても即倒はできない。

中央部を撃てば何故心臓に当たったよりも早く即倒できるのか
というのは撃った時の現象からかねがね疑問に思っていたので
生理学的現象を解体する時に調べてみると胸の中央には心臓や肺や
全身に血液を送る大動脈があるので、それが破壊されることにより
瞬時に送血が止まり、大出血して全身機能が失われるということが分った。

たいして心臓そのものは肉の厚みがあり出血が何秒か保たれる可能性があるし、
心臓は裂けても血管に保存された血液が何秒か持たせるという結論を得た。
それに加え当事者の気力、今まで走っていた惰性というものがプラスされる。

ロシアのバイコフというハンターは虎を撃って向かって来られたので
目の前で倒れるまでに5発を撃ったが皆心臓や肺に命中していたと言っている。
俺の経験では短い距離で20m、長い距離の例では110kgのイノシシが約300m
走って倒れた物を解体して、この目で見て確認した事がある。(兵庫県で)