そもオタクなのだから萌え小説でも書くと致そう

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1おたく、名無しさん?
そんなスレッドである。
職人さん降臨きぼんぬ
2おたく、名無しさん?:04/04/12 22:09
小説でも書くか- 大日本帝国アメリカ新領土(@w荒
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/otaku/1045552920/l50

kittyが立て逃げしてるから。
3おたく、名無しさん?:04/04/12 22:22
お兄ちゃんになら、あげてもいいよ。
あたしの大事なもの

こんな感じで、どうでしょう?
(・∀・)ウンコ!ウンコ!ウンコッコーォォォ!!!
5おたく、名無しさん?:04/04/12 22:25
お兄ちゃんになら、あげてもいいよ。
あたしの大事なもの 、5才の時にベロ剥がれた親指の爪。

6おたく、名無しさん?:04/04/12 22:34
お兄ちゃんになら、あげてもいいよ。
あたしの大事なもの 、5才の時に剥がれたベロ。
7おたく、名無しさん?:04/04/12 22:35
お兄ちゃんになら、あげてもいいよ。
あたしの大事なもの 、あたしが5才の時の頭骸骨。
8おたく、名無しさん?:04/04/13 00:37
妹「お前マジキモイんだよ!!」
ヲ「え..ぉお..ぉま..」
妹「あ?なんつったんだよ??キモ!!」
ヲ「ご..ごめ...」
妹「クサイから話しかけんなよ」
ヲ「す..すぃませ..」
妹「今夜の外食、あんたはこないでよ!」
ヲ「な..なんでだょ..ぅ」
妹「お前なんかと兄弟だと思われたら一生の恥だよ!!」
ヲ「..な..ぅぅうぅ..ぐぅ」
ヲタク涙を流す。
妹「なんでこんなキモヲタが兄弟なんだろ...呪われてるわ..あたしだけ..」
妹 涙を流す。
9おたく、名無しさん?:04/04/13 02:26
話は戦国時代にさかのぼり...
くの一に育てられた
大名の息子が、成人した証として
そのくの一とはじめての交わりを、済ませたところから
はじまります。
その子孫がおたくになってこの糞スレを立てました。
「みゆき、今日はお前の誕生日だったな。プレゼントやろうか」
「えーっ嘘」
「嘘じゃないぞ、お兄ちゃんがなけなしのバイト代はたいて買ってきたんだ。欲しいか」
「とりあえず、見てみたい」
「じゃあ、後ろ向いて眼を閉じてろ」
「何でそんな面倒くさいことしなきゃなんないのよ」
「いらないのか」
「はいはい、判りました」
後ろを向いたみゆきの隙を狙って、俺はかねて用意してあった紐で彼女を後ろ手に縛り上げた。
「・・・・・!?やっ、何するの、お兄ちゃん!やめてぇぇ変態、っむぐぅ」
「そんな大声出すなよ、ちょっとした演出じゃないか」
すかさず俺はみゆきの耳元でそうささやく。
「何がしたいの?」
「だからプレゼントだって言ってるだろ」
そう言って俺はラッピングされた箱を取り出した。
「みゆきに開けて貰いたかったんだが、それじゃ無理だから俺が開けるな。いいか、見てろよ・・・」
俺はみゆきの目の前で包み紙を開け、中から電動マッサージ器を取り出す。
「?・・・何よ、それ」
みゆきがまだ強がっているところを見ると、この機械が何を意味するか知らないらしい。
俺は新品のマッサージ器を取り出し、コンセントに繋いだ。ちゃんと延長プラグも用意してある。
「これをだな、こうすると・・・」
俺はみゆきの鼻面の先までマッサージ器の先を持っていってから、おもむろにスイッチを入れた。

ブ イ イ イ イ イ イ ィ ィ ィ ィ ィ

激しい振動が始まった途端、みゆきは全ての事の次第を悟ったのか、顔色が恐怖に歪んだ。
「まずは、この辺から当てていくぞ・・・」
「いやっ・・・あはっ・・・やめてっっ・・・」
必死で悶えるみゆきを無視して、俺はまずみゆきのようやく膨らみかけたおっぱいに
マッサージ器を当てる。
「あひゃっ・・・くすぐったいっ・・・はひぃっ、死ぬぅーーーっ」
だが、縛られた体でビクビク動けば動くほど、マッサージ器は無情にもみゆきを激しく責め立てる。
5分ほどそのちいさなおっぱいをマッサージしてやったあと、ようやくおっぱいから離した。
次に足の裏からフトモモまでマッサージ器を舐めまわすように移動させる。
「はひぃぃぃ、ぐるじぃよぉ、だずげでゑゑゑぇぇぇ」
ヒクヒク痙攣しながら涎をたらすみゆき。
だが、彼女はまだ俺の真意を気づいていなかった。兄弟のふざけあいとして
くすぐられているだけだと思っているようだ。
俺はついに、最後の秘境に達していた。妹の縞模様のパンツに手を伸ばすと、
尻の穴から徐々に前の秘孔へとゆっくりマッサージ器を移動させた。
それまで擽られている表情で溢れていたみゆきの顔が、明らかに異質の表情に変わった。
もはや耳まで真っ赤に染まり、恥辱に耐えた表情。ああ何度この顔を見ようと憧れたことか。
愛してるよ、俺の可愛い妹・・・
俺はついに彼女の一番敏感な部分にマッサージ器を当てた。
びくんっ!途端にみゆきの脊椎が震え上がる。
「あっ、ひあっ・・・あひぃ、ひぁっ・・・ぇぁ、・・・ぁぁ・・・ぁぁぁ・・・・」
だらしなく開かれたみゆきの股が、見る見るうちにぐっしょりと濡れていく。
俺もそれをじっくりと眺めつつ、しばらくあてがったままにしておく。
「はぁぁああぁぁああああぁぁぁぁあああああ」
みゆきのあえぎ声は断続から連続へと発展していた。
「ぁぁぁあああああっっ、ぃぃいいっ、あっ、ぁあっ・・・くぅぅううううーーーーーっっ」
遂にみゆきが絞り上げるような声を出して絶頂に達した。
「・・・・っっ、・・・・・!」
無言のまま何回も跳ね上がる。
「・・っ、・・・!!・・・・・!!!!」
みゆきの絶頂がおさまったところで、俺は一旦マッサージ器のスイッチを切った。
我に帰ったみゆきが、そっと俺のほうを向く。
「あ、あの・・・お兄ちゃん・・・」
みゆきが何か言おうとしたその瞬間、再びスイッチを入れる!
「ひぃっ!はひゃぁぁっ!」
再び痙攣するみゆき。そうだな、後3回はこれで続けて逝ってもらおうか・・・
マッサージ器を縛り付けてみゆきの秘部に固定すると、
早速今まで隠し撮りしていたビデオとMDを編集するため机のパソコンを立ち上げた。
「さてと、タイトルは・・・ 【最高の誕生日プレゼント】13歳妹電マで初めての絶頂.jpg これでいいかな」

(続く)
どひゃー、mpgと書くところをjpgにしてしまった。脳内変換しといて。
妹友人訪問編
友「おじゃましまーす☆」
妹「いらっしゃい。いま誰もいないから(笑)」
友「そーなんだ。じゃあ遠慮なく〜」
妹「はいはい。部屋こっちね」
友「大きな家だね〜 あれ?」
妹「ん?どしたの」
友「この部屋なに」
妹「え..それは..えと」
友「なんでいっぱい鍵が付けてあるの〜?」
妹「その..なんでもないよ〜!..はは..」
友「わかった!なんか隠してるんだね☆開けちゃえ」
妹「違うってばぁ!!もぅ!」
(ドンッ!ドンッ!)
友「なんか中から誰か叩いてるみたいなんだけど・・」
妹「と..なりの..家がこーじしててさ..それ..でね..」
友「あ!鍵外れたよ☆」
(ガチャ)
兄「よ..よく..よょくも...ぉでを..閉じ..こめたな!」
友「キャーーー!化け物ーー!!!」
妹:放心状態
兄「ぁ..あぁああにで..あるこ..この...おれえを!」
友「え!?この化け物...ぃゃ..ぉヵたわ..もしヵして.ぉにぃさまなの...?」
妹「....................ごめん.................なさぃ......かくす..つも..」
友「・・・」

二度と友人は口を聞いてくれませんでした。
ヲ「萌え!」
....
ヲ「もっと激しいのキボンヌ」
......
ヲ「イイ!!」
........
ヲ「萌え!」
..........
ヲ「ハァハァ」
............
ヲ「幼女萌え」
..............
ヲ「激しく萌え!!」
(以下略

小説じゃなくて実話ならこんなもんだろw
19おたく、名無しさん?:04/04/14 20:28
>>17
ある種のホラーだね。
わたしは両親の名前をしらない 両親の顔も知らない

アリ「アイシャの作る飯は美味いなァ」
彼の名はアリ、この廃墟の村では一番若い
歳も近いせいか、彼とはよく話すし、彼もわたしに優しくしてくれる。

アフマド「おい!アイシャ!時間だ!」
彼の名はアフマド、この廃墟の村では一番偉い、
ムジャビディン(戦士)たちのリーダー格の男だ。

アフマド「なんだ、その不満そうな顔は?」

ピシャッ!

わたしは頬をはたかれた
アリ「アフマドさん!!」
アフマド「なんだ?勘違いはよくネェな、これも愛の鞭だ…」
アリ「でも…」
アフマド「でも じゃねえだろ?シオニストの軍隊に村を焼き払われ
行き場を失ったおめーらを拾ったのは誰だ?ん?」
アイシャ「アフマドさん…」
アフマド「分かってるじゃねえか、いい娘だな。
…そういうことだアリよ、勘違いすんじゃねーぞ?ん?コラ?」

アリは悔しそうにしている…
わたしはアフマドに手を引かれ連れて行かれる。
アフマドに連れて行かれる所はいつも同じ、
兵士たちの宿舎…

そう、わたしはココで兵士たちの「女」になるのだ。

兵士A「へへ、今日も頼むぜ」
いくつものいやらしい目で見られる、こんなのにはもう慣れっこだ…

兵士たちは粗末な食事を楽しみながら、談笑している…
わたしは兵士たちにしてみれば「食事と談笑」の次に楽しむ楽しみなのだ。
「これから何人もに犯される」こんな恐怖心には、
いつになっても慣れることなど出来ない…
兵士A「なぁ、聞いたか?隣の拠点、アメリカ人にやられたそうだぞ」
兵士B「少し離れたトコにはシオニスト、ここらにはアメリカか……畜生が」

わたしはシオニストが怖い、軍隊も戦争も兵隊も怖い、
しかし、この束縛から解放してくれるのなら、この生活を変えてくれるなら、
もう誰でもいいと思っていた……。

ドガーン!

ウーーーーーーーウウウーーー…  ウウーーー…ウウウウーーーー…

爆発音とサイレンの音が鳴り響く

タタタ! ドドドドドド! タタタタタタタタ!

外の兵士「アメリカ人だ!アメリカ人が来たぞォォォォ!」
どうやらこの廃墟の村は襲撃されたようだ
アフマド「アイシャ!とりあえずおまえは退避しろ!」
兵士A「クソ!これからお楽しみだってのによ!」

わたしは村の西の方、何かあったら逃げる場所へと急いだ

アリ「アイシャ!」
アイシャ「アリ!」
兵士の宿舎のすぐ外にアリがいた…
アリ「その…心配で…迎えにきたんだ」    アイシャ「アリ…」

タタタ!ダダダ!ドン!

銃声が段々近付いてくる
アリ「早く逃げよう!ここも危ない!」
わたしはアリと西を目指した!

しかし…

「リョウテヲアゲテ!トウコウシローーー!」
西はすでにアメリカ人に制圧されていた、
わたしたちは逃げることが出来ず、アメリカ人に捕まった…

アリとわたしは雑用係という仕事が幸いしたのか、
その時銃を持っていなかった、そのため運良く撃たれないですんだ。

わたしとアリ、何人かの大人たちはアメリカのトラックに乗せられ、
どこかへと連れて行かれるのであった。
女「あら?やっと起きたようね」
わたしはいつの間にか眠っていたらしい…
気がつくと辺りは明るくなっていて、わたしはテントの中のようなところにいた…

女「ハロー、あたしはジェシカ、あなたの名前は?」
この女の人よく見るとアメリカ人だ!
わたしの心は、自分の置かれた状況と目の前の人間を認識し、急に恐怖でいっぱいになった。
ジェシカ「オー!そんなに怖がらないで!アタシ何もしませーン!」
アイシャ「・・・・・・・・」
ジェシカ「あなたは戦災孤児としてユニセフの協力で保護されマース!」
流暢だが、わたしたちの言葉を喋るアメリカ人…わたしは彼女に、
「ユニセフって何よ?」と聞いた。

彼女がいうには、わたしのような「戦災孤児」が沢山いて、
ユニセフっていうのは、わたし達のような子供を助ける団体らしい。

アイシャ「あの、アリ…一緒にいた男の子はどこにいますか?」
わたしは彼女にアリのことを聞いた、
大人は捕まれば犯罪者として拘束される、アリもまさか…と思ったのだ。
ジェシカ「あの勇敢なボーイね!アリくんっていうのね…あの子は…」
この基地に到着してから、引き離されるまで、
ずっとわたしのそばで、わたしを守っていたらしい…

引き離された後は、ユニセフの人に連れられ、
孤児収容センターとかいう所に運ばれたという…
わたしはジェシカに案内され、収容センターとかいう所に連れて行かれた。
アリがいるかと思って探したけど、ソコにはいなかった…
施設の人が言うには「そのコは別の施設にいるのかも」ってことらしい…

施設に入って1年と少したったころ、
アメリカの「ジャクソン夫妻」っていう人たちが、
わたしを養子として引き取りたいと申し出た。
わたしは外の世界を見てみたいと思い、その申し出を受け入れアメリカへ渡った。
アリに会いたいとも思ったけど…今はどうにかなりそうにない…
外の世界で機会を伺うことにしたのだ。
もちろん…純粋に外の世界、アメリカという国を見たいという気持ちや。
本当の両親じゃなくても、両親が欲しいという気持ちも有った……………。

ジャクソン夫妻はとてもいい人たちで、とても優しかった、
アラブの戦災孤児、自分でさえ自分の素性をよく知らない、そんな女の子を快く迎えてくれた。

ジャクソン夫妻は「慈善家」としては有名な人たちで、
わたしは義父さんと義母さんから
「人間は平等なんだよ」「誰にも自由に生きる権利、学ぶ権利はある」って育てられた。
わたしのような子供を差別する人はアメリカには大勢いたけど、
義父さん義母さんは一生懸命かばってくれて、力になってくれた。

わたしはアメリカの学校で必死に勉強し、大学へ進学した……
―201×年

私は弁護士「アイシャ・ジャクソン」になっていた。
「弱い人たちの力になりたい」という想いで弁護士になったのだ!

―ニューヨーク マンハッタン

ジム「ミス・リバティーは綺麗だったね」     アイシャ「ええ…」
ジム「ま、キミほどではないが」       アイシャ(そんな月並みな台詞を、よくもまぁ…)
彼は恋人のジム、義父の紹介で知り合った、大きな石油会社の御曹司。
言うなれば「坊ちゃん」といった感じで…見た目も雰囲気もそんな感じ……。
ま、ハンサムで教養があるから女性には人気がある。
でも…私はそんな彼をなんだか好きになれない…
―ロックフェラーセンター

ジム「今日はここのレストランを予約したんだ、夜景がとっても綺麗なんだよ」
ジムの言うとおり、高層階から見る摩天楼はとても綺麗だった…
アラブの星空、月の砂漠、米国の実家に近い五大湖の景色…
…それらに負けないくらい綺麗だと私は思った。

アイシャ(この街も悪くないわね…)
私は来月からジムとこの町で暮らす。
ジムと結婚しNY郊外の高級住宅街に移り住むのだ…

本当はあまり結婚なんかしたくない。
ジムをそこまで嫌ってるわけじゃなく、
まだ「結婚」というもの自体をする気になれないのだ…。

しかし、義父や義母のこともある…
義父はジムをとても気に入っている、彼と結婚させたいというのが正直なところらしい…
私は義理の両親をとても感謝している、私が花嫁になったところを見せてあげたいという、
一種の「恩返し」みたいな気持ちが…もしかしたら強いかもしれない。

アメリカに来て十年以上…色々あって、弁護士になったし…
そして…ついには結婚と。

今までを振り返りながら、ふとアラブにいた頃のことを思い返した…
アイシャ(アリは元気にしているかしら?)
もう十年以上会ってないし、どこで何をしているのかすら全然分からない…
私は勇敢で優しい彼のことを忘れたことはない、いつかは会いたいと、心の片隅で思っている。
だけど…何の手がかりもないし、情報もないのだ…

ジェシカとはアラブにいた頃から手紙のやり取りを続けているし、
米国で暮らし始めてからだけど、何度か会ってもいる。
彼女は、私がアメリカに着いて数年経った頃、
結婚し軍を辞め、現在はシカゴで普通に暮らしている…

ジム「どうしたの?料理が口に合わないかな?さっきからボーっと窓の外を眺めてばかりで…」
アイシャ「え?なんでもないわ…あまりに景色が綺麗だったから見とれてたのよ」

食事を済ませ、私とジムは市内のホテルに戻る。
有名な音楽家が一時自宅代わりにしていたとかいう、そういうホテルらしい…

ホテルに戻るとジムは疲れているのかすぐに寝てしまった。
アイシャ(こんな早い時間に寝るなんて…一人じゃ退屈じゃない… もう!)
私は寝ているジムを置いて、一人で夜のNY観光をすることにした。

―ダウンタウン

アイシャ「ココがダウンタウンね!」
ジムはこういうところが嫌いだ、彼と一緒だったら行けなかったろう…。

私は夜食を食べに、ダウンタウンの中華レストランに入った。
アイシャ「中華饅頭を」   ウェイター「あいヨ」
ウェイターに商品の注文をし、辺りを眺める
アイシャ「狭いけど、なかなかいい店じゃない」

ふと見ると、近くの席の男が何やら誰かと揉めている…

男「はぁ?ふざけんな!太てェアラブ野郎だな!」
アラブ人「アノ…ワタシホントニシラナイ!ヤテナイ!」
男「うるせー!つべこべ言い訳してんじゃねーよ!警察に突き出してやる!」

アイシャ「ちょっと!何があったんですか?」
男「ああ?このアラブ野郎がよ、俺の財布をパクりやがったんだ!」
アイシャ(アラビア語で)「本当なの?」
アラブ人(アラビア語で)「違う!やってない!本当なんだ!」
アイシャ「証拠とかは?」
男「会計しようと思ったらよ、財布がねーんだ!店に入るときは確かに有ったんだがな!
ということだ、隣にずっと座ってたこのアラブ野郎が怪しいってことだ!」

アイシャ「それだけで疑うのは証拠としては不十分よ…?」
男「アラブ人ってだけで疑うには十分じゃねーか!オメーもアラブ人だろ?だから仲間をかばってんだろ!」
アイシャ「私はアメリカ人です!アメリカ国籍を持つアメリカ人です!」
男「…フン!どう見てもアラブ人だろ!国が認めても俺は認めねーぞ!」

そう言うと男はアラブ人の襟を掴む!
男「ステイツはおめーみたいなアラブの悪党は認めてねーんだ!観念しないとぶっ飛ばすぞ!」
アイシャ「やめなさい!あなたの暴力こそステイツは認めていません!!」
3015続き:04/04/15 04:56
俺が一通りのブツをnyで撒き終った頃、みゆきはもうすでに6度目の絶頂に達していた。
「さて、と・・・お楽しみはこれからだ」
俺はみゆきの縄を解くと、ゆっくりと服を脱がせた。
既に抵抗する気力も無いのか、素直に従う。
ぐしょぬれのパンツを剥ぎ取ると、まだ完全には生え揃っていないきれいな丘が現れた。
俺はたまらず、怒張する一物を丘にあてがい、ぬりぬりとこする。
「ひぅ、ぃぅ・・・」
かすかに反応を見せるみゆきだが、俺はかまわず進入した!
ぬりっ
「ひぐっ」
ほとんど感覚の麻痺しているはずなのに、やはり初めてだからだろうか苦痛にゆがむ。
まずは頭だけ少し侵入したが、すぐに戻す。
そして次は、その先頭だけ濡れた分、もう数センチ進む。
数秒ずつかけて丁寧に進退を繰り返すと、ある程度まで進んだときにめりっとした
何か異質なものを感じた。
「くっ!」
みゆきの苦痛が最もゆがんだ瞬間、
するっ
と全てが潜り込んだ。
もう数回ほど超低速進退を行った後、いよいよリズム運動が始まる。
「んっ、ぬっ、っ、っ、っ、っぁ、ぁ、ぁ、ぁ、あ、あ、あ、」
先ほどのマッサージ器の時とも異なる、普段より1オクターブほど高いみゆきの声が
だんだんと音量を増していく。
うなじの後れ毛からむせぶような女の子の匂いがたちこめるのを、胸いっぱい吸い込む。
みゆき・・・いつの間に、こんなに女らしくなって・・・
女として一番輝かしい時だぞ、今日の13歳の誕生日は・・・
男「やかましいわ!アラブ女がステイツとか語るなァ!口の達者なメス犬がァ!」
男は今にもアラブ人の男に殴りかかりそうだ。

老人「あの…」
騒ぎの中にひとりの老人が突然割り込んできた。
老人「さっきトイレの中でこれを拾ったんじゃが、もしかしておまえさんのかの?」
老人は黒い牛革の財布を差し出す。
男「間違いねェ!それは俺の財布だ!ありがとうよ爺さん!」
老人「洗面台のそばに落ちてたぞい」
男「そうか…ハンカチを出す時に…」
アイシャ「どうやら財布はあなたがトイレで落としたようね…」
男「そ、そうだな…」     アイシャ「彼に一言謝りなさいよ」
男「アラブ野郎に頭なんか下げられるか!ふざけんなクソアマ!
アラブ人ってだけで嫌疑を掛けられても仕方ねーんだ!俺が謝ることはないぜ!」

男「サノバビッチ!おまえらみたいのは早く国にケエレ!」

男はそう言うと、レジで会計を済ませ、ズカズカ足早に店を出て行った。
あの男のせいで店の中の空気は冷めてしまった……

アイシャはアラビア語でアラブ人の男に話し掛ける。
アイシャ「大丈夫?」     アラブ人「大丈夫…大丈夫…」
アイシャ「ああいうのもいるけど、この国も悪い人ばかりじゃないのよ?」
アラブ人「うん、分かってるさ…ああいうのは慣れっこだよ」
アイシャ「そう…」    アラブ人「ありがとう、勇敢な人、本当にありがとう…」
アイシャとアラブ人は中華饅頭を食べながら話をした。

アラブ人「あなた、アメリカで生まれ育った人ですね?」
アイシャ「そうだけど…やっぱり分かる?」
アラブ人「雰囲気もそんな感じだ」
アイシャ「でも、昔はアラブにいたのよ?その頃の名残りは今でもあるわ、
たとえば…向こうではタブーだった豚肉は今でも食べないもの」

アイシャの食べている中華饅頭はアンマンだ。
アラブ人「なるほど…」

外国で同郷の者同士や、同人種同士が会うと、だいたいこんな世間話になる…
私は彼と他愛もない世間話をしていたのだが、その最中にトンでもない事実を知ることになる……
アラブ人「僕の名は アリ・ハッサン …よろしく」
アイシャ「…アリ…ハッサン」
アリ「どうかしたのですか?」
アイシャ「えと…私がもう何年も会っていない幼馴染と同じ名前だったのよ」
アリ「はは、ムスリムは同じ名前が多いからね」

アイシャ「私は アイシャ・ジャクソン よろしく」
アリ「え!驚いた!アイシャっていう名…僕の何年も会っていない幼馴染と同じ名だ!」
アイシャ「え…?で、でも、よくある名前だから…」
アリ「失礼なことを聞いてすまないが…もしかしたらキミのご両親は…」
アイシャ「義理の両親よ…私は孤児だったから」
アリ「・・・・・・・・・」
アイシャ「アラブにいた私を引き取ってくれたのがジャクソン夫妻…」
アリ「僕も孤児だった、ハッサンていう父親の名前しかしらない、両親の顔もよく覚えていない…
アフマドっていう男に拾われ、物心ついた頃にはゲリラのキャンプにいた」

アイシャ「まさか…」
アリ「そこにいた女の子がアイシャ、両親の顔も名前も知らない子…」
アイシャ「間違いない…」
アリ「面影があったから、名前を聞いた時まさかと思ったんだが…」
アイシャ「こんな…偶然があるなんて…」
アリ「本当に懐かしい…」
アイシャ「何年ぶりかしら…あなたはすっかり逞しくなって…分かんなかったわ…」
あの地獄から解放された後、お互いにどう生きてきたか……
十数年ぶりに会うアリと夢中になって話をした。

アリは国内で資金を貯め、トルコに渡り、商売を始めたらしい。
トルコで独立し、エジプト、サウジアラビアなどにも買い付けに行ったりして…
最近、「西側の国」であるクウェートとのコネクションを持つようになり、その関係でアメリカに来たという。

渡航規制だのなんだので、色々苦労したそうだが、
クウェート人の友人としばらくアメリカに滞在する予定らしい……。

アリ「アメリカは初めてなんだ!よかったらアメリカ人のキミに…
明日、僕と友人のガイドをして貰いたいんだけど…いいかな?」
アイシャ「ええ、もちろんOKよ!」
私もNYの街は初めてなのだが…簡単な案内くらいなら出来るだろうと思って引き受けてしまった。

アイシャ(明日ならジムも仕事で一日いないし好都合ね…)
ジムは私の人付き合いに、いちいち干渉して来てウルサイ。
少しでも男と話していると「浮気だ!」
外国人と話をすると「ああいう連中とは程々にな…」
こういった感じなので、今回のガイドの件も秘密にしておくつもりだ…
―翌日  セントラルパーク

アイシャ(ココって結構広いんだけど、アリは迷ってないかしら…)
アリ「お待たせー!」
アリは友人と一2人の子供を連れてやって来た。
アリ「紹介するよ!友人のカトー、息子のアニス、娘のミナだ」

カトーという男はアジア人風、アニスは小さな男の子で、
ミナはアニスより年上の10歳くらいの女の子。
アリが言うにはミナとアニスは姉弟らしい。

アイシャ「あら?あなた結婚したのね?昨日は聞かなかったけど…」
アリ「その…まぁ、うん」
なんかワケ有りの様だけど…私はあえて詮索しなかった。

ミナ「見て!大きな鳥が飛んでるよ!?」
アイシャ「ああ、あれはハヤブサね」
アリ「こんな都会にハヤブサが?」
アイシャ「ニューヨークにはハヤブサがたくさん住んでるの、
    この公園の緑を利用し、高層ビルを岸壁の代わりにし、そこに巣を作って暮らしてるのよ」
アリ「へ〜、こんな所でも逞しいものだな…」

アイシャ「ココはいい所だけど…一日で周るには広すぎるわ」
私はジムの会社の運転手と車を用意していた。
アイシャ「車を用意してきたのよ、これで市内を周りましょう?」
車でNY巡りをすることとなり、みんなは私が用意したバンに乗り込む。
運転席には運転手のトム、助手席には私、その後ろにアリとカトーさん、
一番後ろにアリの二人の子供が座る。

―ミッドタウンエリア

アニス「おねーさん、ココは大きな建物いっぱいだね!」
アイシャ「あれがクライスラービル、あっちはエンパイアステートビルよ」
カトー「二つのビルは昔、高さを競い合ったっていうビルですよね?」
アイシャ「そうね、そんなエピソードが有名かしら」
アリ「映画とかによく出てくる建物だから、ビル自体が有名だろうと思うよ」
ミナ「ねぇ、ビルの高さなんか競って何になるの?」
アイシャ「えーと…アメリカ人は高い所が好きなんじゃないかな?ねぇ、トム?」
トム「う〜ん、おいらは個人的には好きじゃないですけど…」
ミナ「あたしはあんな所住みたくないな…」
カトー「アメリカ人は競争するのが好きなのさ」
ミナ「ビルの高さで張り合うの?なにそれ?なんかバッカみたい…」

NYの代表的な場所である、ミッドタウンを一通り見て周ってから、
ミッドタウンイーストのレストランで食事をとった。

その後は、ミッドタウンイーストやチェルシーにある、
オシャレな店やアートギャラリーを見て周った。
アリは「さすがNYだ、色々と参考になる!」「いい勉強になった」と喜んでいた、
彼なりに色々と「NY」を吸収したようで、とても満足そうだった。
WTC跡地の前を通った…

アニス「ここは何があった場所なの?」
アイシャ「ココでは多くの尊い命が失われたの…」
カトー「昔、イスラム系のテロリストが多くの人を殺したのさ…」
ミナ「…アメリカ人だって、外国でたくさん人を殺してるじゃない、自業自得だよ」
アリ「人は憎しみ合い、殺し合いをしてきた …そんな歴史を歩んできたんだが」
アイシャ「でもね、あなた達の時代はみんなで仲良く暮らして欲しいと思うの
    ミナちゃんたちの時代、これからの時代にはそういう争いを残したくないの」
アリ「自業自得とか誰が悪いとか言ったら、みんな悪い奴かもしれないよ?」
カトー「いろんな国で殺したり殺されたり…僕の先祖の国、日本もそう。
    戦争ってヤツは、みんなどこかで悪人になってしまう物だ…」
ミナ「…そうなのかしら、わたしにはわからない」
トム「すいませんアイシャさん、こんな所を通って…」
アイシャ「気にしないで」
アリ「歴史を学んで考えるのも大事なことだ…」

昔の私ならたぶんミナと同じことを言っていただろう。
それを言わなくなったのは私が大人になったから?賢くなったから?
いや、単にアメリカナイズされただけ?私がアメリカ人になっただけ?
…なんだか少し複雑な気持ちになった。

本当に何が正しいのか誰が正しいのか、何が正しかったのか誰が正しかったのか、
私には分からないし、たぶん誰にも分からないと思う。
過去のことなんかは、今になっては分かりようのない事も沢山あると思う。

「私は私の正しいと思えることをミナに言って伝えた」
私にはこれしか出来なかったけど、これでよかったんだと思う……

アイシャ「さ、もうすぐローワーマンハッタンよ!」
車はマンハッタンの一番端、ミスリバティーに近い場所へと向かう。
―バッテリパーク

マンハッタンの一番端にある、海辺の公園についた。

アニス「ねぇ、自由の女神よく見えないねー」
アイシャ「思ったより遠くにあるのね…」
トム「こんなこともあろうと、双眼鏡を持ってきましたぜ!」
アイシャ「あら、気が利くわね」

双眼鏡を使い、みんなでミスリバティーを見る。
アリやアニスも喜んでくれたし、何だかんだ言ってるミナも観光気分で嬉しそうだ。
アイシャ(こうして見るとミナもどこにでもいる女の子ね…)

ミスリバティーを眺めた後は、NYにある彼女以外の「有名な銅像」を見に、
と、ある場所へと向かった……。

―フェデラルホール

アイシャ「あれが合衆国初代大統領、ジョージワシントンよ」
アニス「へー!」   アニスは写真を撮っている
ミナ「・・・・・」   ミナは黙って像を見つめている…

ウォール街の真ん中に位置する建物、そこには合衆国初代大統領の銅像がある。

私は有名なミスリバティーとワシントンを見るコースで観光計画を立てていた、
ここはその最終ポイントというわけだ…

アリ「有名な銅像を二つも見たよ」
カトー「ありがとう、アイシャさん」
アイシャ「いえいえ…」

観光気分で浮かれていると、意外な人物が、よりによってこんな時に現れた…
ジム「あれ?アイシャじゃないか!」
アイシャ「あ!」

昨日は広い世界で偶然アリと出会ったが、今日は広いNYで偶然ジムと出会ってしまった。
昨日の出会いは幸運に思ったが………今日のこの出会いは「まずい」と思った。

アイシャ「あら…ジム…どうしたのこんな所で?」
ジム「僕は仕事だよ、ココはビジネス街だからね、どうしたのってのはこっちが聞きたいよ!
   キミは確かホテルにいるはずじゃ…」
アイシャ「その…」
ジム「なんだ?僕にウソを付いてまで何してるんだ?こいつらは誰なんだ?」
アイシャ「あの…!昔の友達なの!アラブにいた頃のね!」
ジム「ふん…なんでもいい…アイシャ、帰ったら話があるぞ」

ジムはとても不機嫌そうだ…
物静かだが怒った口調で私にそう言うと、
仕事の途中だからか、足早に何処かへ行ってしまった。
アリ「知り合いかい?」    アイシャ「えーと…フィアンセなの」
アリ「彼が昨日話してたフィアンセか…」

最後は予想外のハプニングで少し気まずい雰囲気になってしまったけど、
アメリカに始めてくるみんなは楽しんでくれたようだ。

アリ「今日はありがとうね」      アニス「ありがとおねーちゃん!」
ミナ「ありがとうアイシャさん」    カトー「楽しかったよ」
ガイドなんて不安だったけどなんとか、うまく行ったようでアイシャは安心した。
アリ「そうだ…つい渡しそびれたけど」
一枚の名刺をアイシャに渡した
アリ「僕の連絡先、今度暇な時にでも遊びにおいでよ!」
アイシャ「うん、また会おうねアリ!」
名刺にはアリのNYでのオフィス、トルコのオフィスの場所と連絡先が書かれていた。

もう夕暮れが終わろうとしている………
私はその名刺を大事にしまって、不安はあるけどホテルに戻ることにした……

―ホテル

私はホテルに戻ってソファに座ると、カフェオレを飲みながらジムを待った…
アイシャ「ジムのことだからきっと怒ってるだろな…」
ジム「ただいま」      

ピシャッ!!

ジムは挨拶するといきなり私の頬を思い切りはたいた。

アイシャ「痛い!何するの!」     ジム「いい加減にしろ!」
アイシャ「何…?そりゃ黙って出て行ったのは私が悪いけどさ…」
ジム「違う!そんなことじゃない!前々から言おうと思ってたがな…」

ジムは「怪しい外国人とあんまりつるむな」「他の男とつるむな」
僕の面子を考えろ、キミの立場を考えろ…と言う。

アイシャ「あなただって私の気持ちを少しは考えてよ!」
ジム「なにィ?」
アイシャ「あなたが私の気持ちを考えたことある?
    いつも僕が、会社が、面子が…」
ジム「・・・・・・」
アイシャ「ねぇ、私は…貴方のなんなの?貴方にとって私って何よ?」
ジム「恋人さ…アイシャ、僕はキミを愛してるんだよ?」
アイシャ「愛しているなら少しは私のことも考えてよ…」
ジム「考えてるさ」      アイシャ「ウソ!考えてない!」

ジム「おまえのその服、その靴、その化粧品、買ったのは誰だ?
   ココのホテルに泊まれるのは誰のおかげだ?
   プールやエステに行くのは誰だ!?」
アイシャ「・・・・・・・・・・・」
ジム「今日おまえが使った車も運転手も僕ン家の会社の所有物だ…」
アイシャ「ねぇ、それじゃ私、人形みたいじゃない…」
ジム「そうかもな」    アイシャ「!!」
ジムは笑みを浮かべながら私を見つめる。

ジム「人形でもなんでもいい!僕の妻になるヒトだろ?
   なら、それらしくしていて貰わなきゃ困るんだ!」
アイシャ「私…人形なんて嫌よ…あなたの言いなりになんかならない!」
ジム「なら今着てるものも全部脱げ、化粧も落とせ、そして、ホテルから出て行け!
   …都合のいい事ばかり言うなんて何を考えている?」
アイシャ「…そんな」      ジム「泥棒かキミは!?」

アイシャ「なッ!何よ!この服も化粧品も貴方が送ったんじゃない!
     私の髪型だって貴方の好みでしょ!」
ジム「結果的に受け取ったのはキミだし、髪型をそうしたのもキミの意志だ、違うか?」

私は何も言い返せなかったし、言い返す気力もなかった。
私に出来ることは、ジムとは寝たくないから、ダブルベットではなくソファに横になること。

…ソファに横になって泣きながら寝ることだけだった。
私は夢を見た。

広い場所、周りは真っ黒で何も見えないけど、足元と自分の姿はよく見える。

アイシャ「あ…ココ…砂漠…砂漠だ」
どこまでも続く砂の大地、私はアラブの民族衣装を身にまとっている、
自分の姿をよく見ると……それは子供の頃の私だった。

「おい」

呼ばれて後ろを振り返る

ビシャッ!

思い切りはたかれた。
アフマド「おい!アイシャ!時間だ!」
鬼の形相でアフマド…ゲリラの村の男が立ちはだかる。
私は怖くなって走って逃げ出した。

アフマド「なんだ、その不満そうな顔は?」
アフマド「シオニストの軍隊に村を焼き払われ、行き場を失ったおめーらを拾ったのは誰だ?」
アフマド「愛の鞭だ!!」

アフマドの姿は見えないけど、走っても走ってもアフマドの怒鳴り声だけは聞こえる。

アフマド「逃がさない…逃げられない…」
突然目の前にアフマドが現れた!アフマドは私に掴みかかり服を剥ぎ取ろうとする!

アイシャ「いやぁぁぁぁぁ!」
私は目の前が真っ白になって気を失う……
気が付くと、私はホテルのソファに横になってた。
背格好も現在の私になっている。
アイシャ「…でも、ココはどこなの?」
地面も空も前後左右も、辺り一面真っ白い世界…
「なぁ、アイシャ」
声のする方を見ると、ジムが立っている…

ジム「泥棒かキミは!?」
ジム「その服、その靴、その化粧品、買ったのは誰だ?ココのホテルに泊まれるのは誰のおかげだ?
   プールやエステに行くのは誰だ!?」
ジム「今日おまえが使った車も運転手も僕ン家の会社の所有物だ…」
アイシャ「ねぇ、ジム…あなた私を愛してるの?」
ジム「愛しているさ」

ピシャッ!

ジムは私の頬を思い切りはたいた。

はたかれて一瞬目を瞑り、再びジムの顔を見ると…
なんと!ジムではなくアフマドが立っていた!
アフマド「愛の鞭だ!!」
アイシャ「いやぁぁ!なんで!?」

ジム「可愛い人形…アイシャ…」
ジムはいつの間にか私の後ろにいた。
アフマド「逃がさない…逃げられない…」
アフマドは私にカラシニコフ(自動小銃)を突き付ける…

アイシャ「いやだ!いやだ!いやだ!いやだ!やだよーーーーー!」
再び目の前が真っ白になる………
アイシャ「わぁ!」
ソファから飛び起きる、クッションは涙でぐしゃぐしゃに濡れている。

アイシャ「嫌な夢…」
私は汗びっしょりになっている。
アイシャ「シャワー浴びよ…」

辺りはもう明け方だ、外には美しい青い空が広がる…
こんな朝早くなのにジムはもういなくなってる…

シャワーを浴び終わると、服を着替え、化粧をする。
アイシャ「この服も化粧品もジムが買ったんだ…」
姿見で自分の姿を見ながらそう思う。

私は部屋にいる気になれず、朝も早いのに外に出る。
アイシャ(車は使えないし…歩いてどこに行こう…)
細かい地理は分からないNYの街、
私はとりあえず歩いて行ける、セントラルパークに向かった。

―セントラルパーク

早い時間なのでジョギングをしている人、犬の散歩をしている人が目立つ。
私はベンチに座ってこれからどうしようか考え込んだが、いいアイデアなんて浮かばなかった。

大空を堂々と飛ぶハヤブサを見て「私も飛べたらな…」と羨ましがってみるが、
それは何の足しにもならなかった……。
空を飛ぶことより、ハヤブサの逞しさを見習うべきなんだろうけど、
今の私はそんな逞しくもないし、逞しくも出来ない…と、思った。
辺りの店が開く時間になると、私は買い物に行く。
服や小物を買いかえるためだ。

私はジムの言ったことに腹を立て、ジムから貰った物を身に着けないことにした。
そのために服や小物を買い換えるなんて、子供じみた反抗だと思うけど、
今の私にはこんなことしか出来なかった………。

服を換え、化粧も変えると、私はカフェでコーヒーを飲む。
コーヒーを飲みながら、また考え込むけど、いいアイデアは浮かばない…。

アイシャ「半日でだいぶ、お金を使ってしまったようね…」
財布の中を確かめてみると、残金が残り少なくなっているのがすぐに分かった。

今まであまり意識しなかったが。
アラブにいた頃の生活と比べれば、ジムとの生活やジャクソン家での生活は、
だいぶ恵まれたものだと思った。
しかし、アメリカにおいても、今までの生活は裕福な人間の贅沢な生活なのだ…
……それがよく分かった。

そんな考え事をしながら何気なく財布を調べると、一枚の名刺を見つける。

アイシャ「アリの名刺だ…」

NYの街で行く当てなんかない私は、アリのオフィスを訪ねてみようと思った。
地下鉄を何本か乗り継ぎ、アリのオフィス、小さな雑居ビルに着く。

アイシャ「ごめんくださーい」

留守なのだろうか?返事がない。

アイシャ「あのー、どなたかいないかしら?」    ミナ「なんですか?」
アイシャ「あ、ミナちゃん」       ミナ「あ、アイシャさん、どうしたんですか?」
アイシャ「アリはいないかしら?」     ミナ「うん?いるよ、二階に」

ミナはアリを呼んできた、二階の事務所にいたらしい。
アイシャ「ごめんね、忙しい時に…」
アリ「いや、いいんだよ、半分観光できたような物だし」
アイシャ「あのね…」    
アリ「こんなに早くに訪ねてくれるとは思わなかったよ、どうしたんだい?」

アイシャは事情を説明した。
ジムのこと、今まであったこと、色々な想いを旧友にぶつけてみた。

アリ「なるほど…ジムと喧嘩したんだね…」
アイシャ「ごめんなさい…NYではココ以外にアテがなくて…
     あなたには迷惑よね…?本当にごめんなさい…」
アリ「いや、別にいいんだよ、ゆっくりしていくといい…」
アイシャ「あなたには昔から迷惑掛けてばかり…ごめんなさい」
アリ「そんなことないって……」

私はミナが淹れてくれたコーヒーを飲んだ。
濃いターキッシュ・コーヒーは、いつものアメリカンコーヒーとは一味違う。
美味しいコーヒーを飲んで不安な心も少しは落ち着いた……。
アリのオフィス、現在のところ一階は倉庫みたいになっていて、
アリ一家とカトーさんはそこに寝泊りしているらしい。
二階は事務室、まだ事業を開始していないものの、だいぶ散らかっている……。

カトーさんとアニスは買い物に行っていて、夜まで帰ってこないらしい。
アリとミナは留守番をしているのだという…。

ミナ「カトーさんたちが来るまで食べ物は何もないんだ」
アリ「悪いけど夕食は遅くなるかもしれない」
アイシャ「そんな…いいのよ」
ミナ「ね!アイシャさん、明日一緒に買い物行こうよ!」
アイシャ「え?」
ミナ「洋服とか買うの、父さんやカトーさんと行くよりアイシャさんとがいいな!」
アイシャ「いいけど…」     ミナ「やった!!」

私はミナと買い物に行くことにした。
アリのところで世話になるのだから、このくらいは引き受けようと思ったし、
ミナの買い物に付き合うのはいい気分転換になると思ったのだ。

カトー「ただいま」
カトーとアニスが買い物から帰ってきた。
三人で談笑をしていたら、いつの間にか夜遅くになっていたようだ……
時計を見ると、夜の11時を過ぎていた。
深夜、私とアリ以外は疲れて寝てしまった…

アイシャ「アリ…何してるの?」
アリは写真付きのファイルを眺めている。
壷や食器、コーヒーなどの商品情報のようだ……
アリ「ん?商品さ」      アイシャ「仕事熱心ね」

アイシャ「外国で雑貨商…いろいろ大変でしょう?」
アリ「大変だけど、僕はいい仲間に恵まれてる…」
アイシャ「カトーさん?」
アリ「カトーもそうだし、本国の仲間もそうさ」
アイシャ「あなたとカトーさんはいいコンビだと思うわ…」
アリ「ふふ カトーとは十年以上の付き合いだしな…」

アリが言うには、カトーはブラジル日系人の家系の男で、
先代がクウェートに渡り仕事を始め、彼はその二代目だという。
アリとは中東で仕事をする内に仲良くなったらしい。

ココ、NYの支店はカトーとの共同計画ということだそうだ。
アリ「小さい会社同士協力し、アメリカで商売ってわけなんだ」
アイシャ「へぇ…」
アリ「二人の子供の為にも頑張ろうと思うよ…」

アリはミナとアニスを優しく見つめる。
アリ「僕はアメリカンドリームって程大きな夢を見てるわけじゃないんだ…
   この子達を出来る限り幸せにしてあげたい、それが僕の願いさ」
アイシャ「・・・・・・・・」

この後もアリはずっとファイルの山と格闘していた…
私はそんなアリのほうを見ながら、いつの間にか眠ってしまった…

―翌日

今日はミナと買い物に行く日、ミナは私より早く起きて、朝からはしゃいでいた。

私は銀行で自分の貯金からお金を下ろし、ミナに服や小物を買ってあげた。
ミナ「ねぇ、自由の女神のキーホルダー欲しいな…」
アイシャ「いいわよ」
私は小さなミスリバティのキーホルダーをミナに買ってあげた。

ミナ「ねぇ、ドネルケバブが売ってるよ!」
アイシャ「ドネルケバブ?ああ、トルコの料理ね」
私とミナは屋台のドネルケバブを買って食べる。
チリソースの辛さとマトンの独特の風味がマッチしていて、とても美味しかった。
ミナ「みんなの分も買ってこ、いいでしょ?」
美味しいのでみんなの分も買って帰ることにした。
私とミナは公園のベンチで一休みする…
ミナは疲れているのか、私にもたれて眠ってしまった…

ミナ「…お母さん…お母さん…むにゃむにゃ」
アイシャ「このコ…」
彼女の寝言を聞くが、この子はこの子なりに苦労していて、寂しいんだろう…と思った。
私はミナ親子のことを詳しく知らないが、どこか自分が子供の頃と似ている気がした…

「アイシャさん」

突然、黒服の男たちが私に話しかけてきた。

アイシャ「なんですか?」
黒服A「一緒に来てもらいます」
アイシャ「ジムの命令ね?」
黒服B「…そこの車まで大人しくついてきてください」
黒服C「ジムさまは大事なお話があると仰っている…」
アイシャ「…わかった」

私はミナを起こし、二人でジムのリムジンの方へと向かった……

ジム「ふふ…ココから見てると、まるで母子みたいだったぞ」
アイシャ「何の用かしら?」
ジム「探したんだよ…」
アイシャ「どうせ…ずっとつけていたんでしょ?いやらしいわね!」
ジム「…その辺は想像に任せるよ とにかく車に乗りたまえ」
ミナ「昨日の人だね、アイシャの恋人でしょ?」
アイシャ「…そうね」
ジム「そっちの小さなアラブのお姫様は誰かね?
   見たところ、キミの本当の子供ってワケではなさそうだが」
アイシャ「当たり前でしょ…」
ジム「親戚というわけでもないだろうし…そうか、友人とやらの娘さんか?」
アイシャ「そうよ」

私とミナはジムのリムジンの後部座席に乗り込む。

ジム「ココはブランデーとウォッカしか置いていない。
   …すまんな、キミの好きなコーヒーがなくて」
アイシャ「別にいい…飲み物なんかいらないから」
ジム「実は…昨日のこと謝ろうと思ってね」
アイシャ「え?」
ジム「今日はそのお詫びに、キミにいい物を見せてやろうと思うんだ…」

ジムが言う「いい物」ってなんなのか?
高級料理や高価な服、貴金属…そういう物なら、いちいちもったいぶらないだろうし…
私にはジムが言う「いい物」が全く見当つかなかった…

アイシャ「いい物?何よ…」
ジム「見てのお楽しみさ」
アイシャ「この子も連れて行っていいかしら?」  
ジム「別に構わんよ」
アイシャ「あと、あんまり遅くまでは付き合えないわよ…?」
ジム「子供がいるものな、何、時間はそんなに掛からないさ」
15分ほど走ったろうか…
リムジンはミッドタウンにある高いビルの駐車場に入る…

ジム「ココは僕ん家の会社の関係の建物さ、前にも来た事あるだろう?」
ジムは私とミナをエレベーターに案内すると、最上階行きのボタンを押す…。
最上階に着くと、今度は階段で屋上へと上がる…。

アイシャ「何?見せたいものってこのヘリなの?」
屋上には一機のヘリコプターが駐機してあった、
どうやらジムのヘリコプターらしいが…。

ジム「違う違う、このヘリで飛ばないと例の物はよく見えないんだよ…」
アイシャ「ミナ、ヘリは平気かしら?ダメならもう帰るけど…」
ミナ「別に平気だよ!ねぇ、面白そうだから早く行こうよー!」
ジム「アイシャ、キミはヘリに乗るの初めてだったかな?」
アイシャ「いいえ、アラブにいた頃、イロコイに乗せられたことがあるわ」
ジム「イロコイ!?アメリカ軍のヘリか!
   アハハハハハ!キミらしいな、実にキミらしいエピソードだな!」
アイシャ「…ふん」

三人でヘリに乗り込む。
ヘリは騒々しいエンジン音と羽音を立ててゆっくり飛び立つ…
夕暮れのマンハッタンのスカイクルージング…

ミナ「ねぇ!すごいすごい!とっても綺麗だよ!」
彼女は怖がるどころか、とっても喜んでくれている。
ミナ「今日はアイシャと来てホントによかったよ…」

ヘリはニューヨーク港方面に向かっている…
私はジムが見せたい「いい物」の見当が大体ついてきた…
ジム「見たまえ!わが社の所有する豪華客船!
   グランド・サラーキア号だ!」

ジムが指差す先には、巨大な豪華客船が停泊していた、
白い船体が眩しい巨大な船、大きな煙突やいくつもの窓があり、デッキにはプールも見える。
ジムが見せたい「いい物」とは、どうやらこれのことだったらしい…

ジム「クィーンエリザベス2世号あたりには負けるがね…
   …それでも私有の船としては大きい方だろう!!」
アイシャ「これがどうかしたの?」
ジム「ハネムーンはこれでアラブのリゾート…ドバイ辺りでも訪れようと思うんだ」
アイシャ「え!?」
ジム「何年も帰っていないんだろう?アラブには…」
アイシャ「そうだけど…」
ジム「懐かしい土地なんだろう?そこをハネムーンで訪れようというわけさ…」
アイシャ「別にいいわよ…そんな」

アラブ…懐かしいけど、地獄でもあった…
私はあまり帰る気にはなかった…

アイシャ「…あなた、私の気持ち全然考えてないわね?」
ジム「考えてるさ、このプランだってキミのことを考えてのプランさ」
アイシャ「私の気持ちなんて全然分かってないわ…」
ジム「妙な連中とはつるむくせに、故郷には帰りたくないか…」
アイシャ「!!」
アイシャ「…ねぇ、その、妙な連中とか、そういう言い方やめてくれないかな?
     私の友達なのよ?友達を悪く言われて嬉しいと思う?」
ジム「友達?僕の妻になるなら、それらしい友達と付き合ってくれよ!」
アイシャ「あなたいつもそうね?それらしいって何なのよ?アリの何がいけないの?」
ジム「…娘さんがいるようだしな、ココだと話しにくい、ビルに戻ってからゆっくり話をしないか?」
アイシャ「ふん、いいわよ…」

ビルに戻った後、ミナにはジムの会社の応接室で待っていて貰うことにした…
ミナはコーヒーを飲みながら応接室で私を待つ。

私はジムと彼のオフィスに行く。
大きな会社だが夜なので人は少ない、照明も半分以上が落ちていて薄暗い感じだ…。

ジムのオフィス…というか彼の「社長室」は、アリのオフィスとは大違い、
整然としていて、広くて、豪華な調度品なんかも置かれていて…
高価そうな絵画なんかも飾られている。
デスクだって、アリのデスクの数倍はありそうな巨大なもので…
PCもアリのデスクのような中古品ではなく、最新式の高性能マシンが置かれている。

ジム「さ、さっきの続きを始めようか?アリ君の何がいけないかだったかな?」
アイシャ「そうよ…」
ジム「簡単なことさ、あんな不潔なアラブ野郎と付き合うなってことだ」
アイシャ「…なにそれ!あなたってそういう差別する人だったんだ!!
     アラブ人だからダメ!?何よ!私だってアラブ系アメリカ人じゃないの!」
ジム「誤解するな、別にアラブ人差別をしてるんじゃないさ…キミを差別する気もない…」
アイシャ「じゃあ…どういうことなの…?」
ジム「僕と結婚するということはだな…上流階級の仲間入りをするということ。
   あんな貧相で不審なヤツとは付き合って欲しくない…
   ……アラブ人でも、上流階級のちゃんとした方々なら文句はないんだが」
アイシャ「サイテーね!アリをそんな風に言わないで!!」
ジム「何がサイテーなもんか!身分を考えろ!君のために言ってるんだぞ!!」
56すこし眠い…:04/04/17 10:51
アイシャ「身分!?あなたっていつの時代の人間よ?」
ジム「ん?現代人のつもりだが?」
アイシャ「何…その時代錯誤な台詞は、中世じゃないのよ?」
ジム「現代でも身分はあるさ」
アイシャ「そりゃ…英国とか一部の国には残ってるわ…
     欧州の多くの国でも慣習として残ってはいる…それは分かるけど。
     現代社会は基本的にみんな平等なのよ?」
ジム「ハハハ!さすが、いいトコのお嬢様で弁護士になるような女は言うことが違う!」
アイシャ「どういう意味よ!?この国、そして多くの先進国は民主主義社会じゃない!私の何が間違ってるのよ?」
ジム「キミはおめでたいよ……何だかんだで育ちのいいお嬢様なのだな……」

ジムは言う、平等なんて幻想だ、下層の物を大人しく従わせるには幻想が必要なのだと…
身分格差は見えにくくなっただけで健在であり。
力の差、支配する者とされる者、それらも健在なのだ、強者と弱者の構図は変わらないのだという。
57すこし眠い…:04/04/17 11:25
ジムは言う……

このNYの街はそれが顕著だ、
いや、合衆国自体が他の国よりそれが顕著かもしれない……。

車と地下鉄、二つの交通網を見て、使って、何を感じた?
低所得者とそうでない者が交通機関を使い分けているのに気が付かなかったか?

高級住宅街に住み、いい物を食べ、いい車に乗り、大学に行き、多くの人間がホワイトカラーワーカーになる…
貧民街に住み、粗末な物を食べ、安い車に乗り、ロクに教育も受けず、多くの人間がブルーカラーワーカーになる…
両者の間に、賃金格差や保障の差がどれだけあるだろう?

文化や娯楽、生活、身近な人間関係…
そういったものからして「人間層」「貧富の差」が関わってくるとは思わないか?

生まれた場所、親の学歴、親の職業…そういったモノが
子供の住む場所、学歴、職業に関わらないと言い切れるだろうか?
そういった物が関わってしまう方が事実としては多くはないだろうか?

ジム「どう思うかね?お嬢様?」
アイシャ「私は…人生は自分の力、自分の意志で切り開くものだと思うわ…」
ジム「そんな精神論だけで勝ち組になれるなら誰も苦労しない…
   実際は勝ち組と負け組、利用する者とされる者、支配する者とされる者の差は歴然さ」
アイシャ「そんなことない!希望を持って頑張れば誰でも幸せになれる!
    私はそうやって頑張ってきた!夢は諦めなきゃ叶うわ!」
ジム「お嬢様…そんなのは奇麗事にすぎんよ、もっと現実を見たまえ…
   成功するやつ、夢を叶えるやつ、そういうのはごく一部だ!」
58すこし眠い…:04/04/17 11:58
アイシャ「お嬢様お嬢様ってバカにしないで!私が苦労知らずのノンキ者だと言いたいの!?」
ジム「…そういうわけではない」
アイシャ「あなたよりは苦労してるわ!」
ジム「…キミ、昨日、外国の友達の観光案内をしたそうだが、どんな所を見たのかね?」
アイシャ「え?」
ジム「今日だって、小さなアラブのお姫様をエスコートしていたじゃないか。
   どんな所を見てきて、ドコがどうだったか話してくれないか?」

アイシャは案内した場所やソコでの出来事、ソコに行った時の感想をジムに話してみた…

ジム「ふふ…なるほど…お嬢様が好きそうな場所ばかり見てきたようだ…
   観光のルートや、キミの観光地案内の様子を聞くだけで分かるよ…」
アイシャ「どういうことよ?」
ジム「高そうな店、オシャレな店、裕福なお嬢様が好みそうなモンだ。
   ミッドタウンにローワーマンハッタン…お上品な場所だねェ……
   ハーレムとかには行かないのかい?うん?」
アイシャ「だって…危ないじゃない…」
ジム「キミの案内する店、キミが得意な店…聞けば高そうな店がほとんどだな…?
   …ファーストフードやジャンクフードの店を同じように案内できたかね?」
アイシャ「そ、それは…普段そういうの食べないし…」

ジム「キミはなんだかんだで良家のお嬢様さ。
   アラブでどれだけ大変だったかは知らないが…アメリカにおけるキミは…
   間違いなく育ちのいいお嬢様!ジャクソン家のご令嬢だ!」

悔しいけど言い返せなかった。
ジャクソン家の「アイシャ・ジャクソン」はお嬢様だ、
ジムの言うように私はお嬢様だ……。
昨日、自分のお金を使い一人ですごした時もそれを感じた…。

ジム「なんだかんだで、キミは特権階級の人間であり奇特な人間でもある…」
59すこし眠い…:04/04/17 12:06
×ジム「…キミ、昨日、外国の友達の観光案内をしたそうだが、どんな所を見たのかね?」
○ジム「…キミ、一昨日、外国の友達の観光案内をしたそうだが、どんな所を見たのかね?」

スマン!なんちうケアレスミス…訂正します
60すこし眠い…:04/04/17 12:45
アイシャ「奇特?」
ジム「僕から見ると、キミはね……
   一昔前に亡くなった英国の元プリンセスとか、
   莫大な遺産を受け継いだギリシャの海運王の孫娘みたいなもんなのさ…」
アイシャ「どういうこと?」
ジム「悪い言い方すれば運のいい成り上がり物……つまり、ラッキーガールということだ」
アイシャ「私が…ラッキーガール…」
ジム「アラブのお姫様…いや、アラブのシンデレラだな…」
アイシャ「私がシンデレラ?」
ジム「シンデレラガールだよ!とっても運がいい!とてつもない強運の持ち主さ!ある意味、特別な人間だな!」

アイシャ「あなたと結婚して、玉の輿に乗るのがラッキーだって言いたいの?
     悪いけど、私は決してそうは思わない、あなたの考えについていけないもの……
      ……貧乏でも愛のある普通の夫婦の方がある意味幸せかもよ?」
ジム「ハハハ 勘違いはよせ、僕との結婚の話なんかしてない、それ以前の話をしているんだ」
アイシャ「え?」

ジム「戦災孤児…数え切れないほど世界中にいて、アラブだけでも相当な数だろう。
   キミはそんな戦災孤児たちの中の何人が先進国に行けると思ってる?
   何人がキミみたいな生活を出来ると思ってる?何人が教育を受けられると思ってる?
   アメリカに行けるだけでも超ラッキー…キミはその超ラッキーな上に…
   名家の養子になるというラッキーまで手に入れている!
   キミほどラッキーな人間は世界に何人もいない…キミは特別な人だ。
   キミは幸運の女神に相当気に入られている女ってことだ」
アイシャ「私は運だけの女じゃない…自分で頑張ってきたし、私なりに苦労もしてる…あなたは分かってない」
ジム「分かってないのはキミだろ?幸運すぎて自分の幸運とその有り難味に気が付かない…気の毒に」
アイシャ「私は特別な人間じゃない…違う」
ジム「ふん、特別な人間さ」
61すこし眠い…:04/04/17 13:00
ジム「戦場は世界中にある、戦災孤児は世界中にいる。
  そんな中、キミのご両親が、なぜアラブのキミを養子にしたか…考えたことあるかな?」
アイシャ「…なんなの?」
ジム「利害関係だよ!キミはジャクソン夫妻の人形なのさ!」
アイシャ「ウソ!そんなんじゃないわ!」
ジム「ウソじゃないよ、キミは一種のアイドルやマスコットみたいなものだ……」
アイシャ「それ以上、私の義父さん義母さんを悪く言わないで!」
ジム「ハハハ キミは何も知らないんだな」
アイシャ「どういうこと!?」
ジム「知らされてもいないのか…まぁ、無理はないな…。
   せっかくいい機会だから、ジャクソン家のことを教えてあげるよ…」

ジムが語るジャクソン家の真実…それは私には信じられないことだった…。
信じられないというより…信じたくはなかった!
62すこし眠い…:04/04/17 13:42
ジム「ジャクソン家は石油商人…アラブ人をたくさん食い物にしてるぞォ…」
アイシャ「…え!」
ジム「キミのお母さんの方の家系だって、今は多角企業だが…
  元はイギリスの豪商、女王陛下お気に入り武器商人さ…」
アイシャ「そ、そんな…!」
ジム「19世紀に戦争と植民地支配で巨万の富と現在の地位を手に入れ
   現在の事業の基盤を作ったんだ…」

ジム「なんだかんだで、キミは戦争で得た富や、アラブ人から搾り取った富の恩恵を受けてるんだ」
アイシャ「信じられない…」
ジム「アジアから、アラブから、アフリカから集めた富の恩恵を受けているのは事実さ」
アイシャ「そんな…私…」
ジム「なに、金に綺麗も汚いもない、キミが罪悪感を感じる必要はない…。
   ただ、キミもなんだかんだで利害関係や富や権力の渦の中の人間だというのを分かって欲しかったんだよ。
    キミも支配側の人間で、それらから逃げられない人間…それを知って欲しかった」
アイシャ「・・・・・・・」
ジム「アラブの利害関係の渦で不幸になって、
   アラブの利害関係の渦で幸福にもなった…キミは数奇な運命のアラビアン・シンデレラだな」
アイシャ「私は…平和な国に生まれてたら普通の女として生きてたかもしれない…
     私は戦争と利害関係に振り回された…」
ジム「僕も少しは可哀想に思う…だがね…。
   支配される側の人間が支配する側にまわる例外、その例外を実現するチャンス…
   そう滅多にまわって来る物じゃないんだ!
   キミはとても幸運なんだ、その幸運を無駄にするのは勿体無いと思うんだよ!
   支配する側の人間にはなかなかなれない、一生掛かってもなれないことだって多い…
   そんな中、キミは幸運にも支配する側の人間になれるんだ!ラッキーなんだよ!?」
63すこし眠い…:04/04/17 14:30
アイシャ「ラッキー…」
ジム「そう、ラッキーだ、支配者は凡人が出来ないことも出来る…
   僕と結婚すれば何不自由なく暮らせる。
   服だって旅行だって、キミ好みの慈善事業だって思いのままだよ?」
アイシャ「お金に縛られ貴方に縛られ…自分の気持ちに素直になれなくても自由なの?」
ジム「何不自由なく暮らせるんだ!人形になるくらい安いモンだろう!
   僕の言うとおり上流階級の婦人として振舞ってくれれば、何も苦労することはないんだぞ!?」
アイシャ「…何で私なの?」
ジム「キミは可愛いから、僕好みの女だからだよ。
  そのパッチリとした大きな切れ長の目、整った鼻筋、グラマラスな体型、
  セクシーな褐色の肌、綺麗な黒髪…僕は大好きだ。
  ルックスも最高な上に頭も切れる、教養もある、文句ないワイフじゃないか!」

アイシャ「他に理由はないの?」
ジム「利害関係もある!ジャクソン夫妻はアラブ人の戦災孤児の少女を養子にした!
  それは石油商人の彼にとっての、いいパフォーマンスになるからだ!
  僕がキミを妻にすることにも同じようなメリットがあるのさ!」
アイシャ「そんなこと…あなたがいちいち言わなくても分かるわ。
    私が聞きたいのはそういうことじゃないの」
ジム「なんなんだよ?」
アイシャ「ねぇ、体とかメリットとか、私を所有物か何かだと思ってるの?
     私はマネキンやダッチワイフじゃない」
ジム「何が言いたい?」
アイシャ「私の気持ちとか考え方、思想、理念…なんでもいいわ、そういう内面について考えたことある?」
ジム「あるさ」
アイシャ「それで、どう思うわけ?」
ジム「思春期の少女みたいに夢見がち、いや、今時はその辺の女子高生のがキミより損得が分かるだろうな…」
アイシャ「それだけ?」
ジム「何?こんなことどうでもいいじゃないか…」
アイシャ「どうでもよくないわ」
アイシャ「私はそういうあなたと結婚して生活する自信ない…」
ジム「どうして?何を困ることがある?」
アイシャ「愛のない結婚は嫌、あなたとは家族になりたくない」
ジム「愛?言わせて貰えばそんなものはタダの看板さ!
   愛なんてものは特定の人間同士巧くやっていくための欺瞞さ!」
アイシャ「そんな…あなたはそんな寂しい考えなの?」
ジム「騙し騙され…幻想を見て幻想を見せて…実にくだらん…」
アイシャ「幻想…」
ジム「下層の連中はそういう幻想の中で生きる、
   つらい現実から目を逸らし、綺麗な幻想を追う、そういう人間のいかに多いことか!
   キミにもそういう傾向があるな?夢見がちなシンデレラよ…」
アイシャ「私が求めてるものは空虚な幻想だと言うの?」
ジム「幻想さ、つらいことがあれば幻想を見てまた頑張る…
   健気なものだ、実際は成功する者、力を持ち行使出来るものはごく一部なのに。
   上を目指さないものも多い……幻想を見て、満足して、一生が終わる」
アイシャ「人間に上も下もないわ!」
ジム「それは東洋の誰だかの話だったか?僕に言わせればそれも綺麗な幻想さ!」
アイシャ「生きている者は平等よ…命の重さは等しいわ…」
ジム「ハハハハハハハハハ!キミはまだそんなことを言うか!キミの口からよく言えるな!」
アイシャ「・・・・・・・・・・」
ジム「ジャクソン夫妻や僕がキミに使ってきた額の金…
   それを回せば何人死なずに済む子供がいると思う?」
アイシャ「・・・・・・・・・」
ジム「鯨を助けよう、野鳥を助けよう、犬猫を助けよう……多くの寄付金が集まるが。
   しかし、その金で何人の人間を救うことが出来ると思う?
   人間の命は小動物の命より軽いのだろうか?
   畜生を助ける金をキミの故郷にまわせたら何人が助かるだろうね…」

アイシャは故郷のことを思い出した…
貧しくてひもじい想いをする家族…職をなくす父親…売春をする母娘…
カラシニコフを持つミナやアニスくらいの子供たち…骨と皮だけのような赤ん坊…

ジム「偽善的な募金をしながら、目の前のホームレスを嘲る偽善者はたくさんいるよな?」
アイシャ「ねぇ…じゃあ…正義って何なのよ?」
ジム「利害関係さ!正義は利害関係につく看板みたいなもんさ!」
アイシャ「人の命は金次第、人生も金次第だと言いたいの?」
ジム「まぁ、一言で言うならそういうことか」
アイシャ「バカにしてるわ…お金がある者が正しくて、そうでないものは正しくないの?」
ジム「おいおい、そこまで言ってない…」
アイシャ「あなたはお金は幸せに直結すると思ってるのね?じゃあ、言わせて貰うけど。
    お金がいくらあっても、貴方に人形として縛られる不自由な生活が幸福だとは思えないわ!」
ジム「不自由?何が不自由なもんか、何でも出来る自由で楽しい生活だぞ?」
アイシャ「どこが!全然自由じゃないわ!私のこと何も考えてないじゃない!」
ジム「自由か…」

ジムは机に置いてある「ミスリバティ」の置物を手に取る…

ジム「リバティ…それは銅像の彼女のことじゃない!真のリバティ(自由)は」
そう言うとポケットからドル紙幣とカードを出して私に見せ付ける。
ジム「これだよ!これこそ真のリバティさ!これがあれば何でも出来る、これには無限の可能性がある!」
アイシャ「何よそれ!」
ジム「行きたい所にも行ける!食べたいものを食べられる!好きな物を買える!」
アイシャ「それはそうだけど…」
ジム「これがあればあるほど自由だし可能性は大きいが、逆に…ないとどうかね!?」
アイシャ「・・・・・・・・・・」

ジム「世の中の大半の物は、これで何とでもなる。
   金は資本主義社会における実質的な力、可能性、自由なのだ!
   人の命、愛、女…それらも金でどうにかなることの方が多いのだ!
   …キミは怒るだろうが、実際的には金でナントでもなる世の中なのだよ!」
アイシャ「そんな…そんな…」
ジム「新婚旅行はあの客船でドバイにハネムーン、楽しいぞ…?」
アイシャ「・・・・・」
ジム「同じアラブでも、キミのいたアラブとは大違いな場所だ」

ジム「キミは絵画が好きだろう?モネでもルノワールでもなんでも買ってあげるよ?
  五大湖近くのキミの実家、あれの何倍も大きな家にだって住ませてあげるよ?
  キミには綺麗でいてもらいたいから、服だって化粧品だって好きなだけ買ってやるよ!
  キミは猫が好きだっけ?猫なんか何匹飼ってもいいぞ!」
アイシャ「・・・・・・・」
ジム「キミのことは考えているさ、キミには幸せでいて欲しい…
   だから…なんでも買ってあげるよ」

ジムはリモコンを操作し、プロジェクターを作動させる。
大きな航空母艦のCGが映し出される………

ジム「海軍で進行中の空母建造計画さ、これにも出資している」
アイシャ「これが何なのよ?」
ジム「今日見た小船なんか富の一部なのさ、原油タンカーだって空母だって…
   僕らの一族の思いのままになるんだよ!?」
アイシャ「別に…大きな船なんか欲しくないわ、私はその手のマニアじゃないもの」
ジム「何、船なんかは事業の一環にすぎん、これは力の一例だ…」
アイシャ「何が言いたいの?」
ジム「これだけ大きな力を持つ家の嫁だ、権力だってどれだけ持てると思う?」
アイシャ「え?」
ジム「政治的コネクション、各団体への影響力…キミが大好きな慈善事業を行うにも必要なもの。
   それらが簡単に手に入る、キミ好みの慈善事業も派手に出来るというわけだよ?」
アイシャ「そんな!あなたにそんな頼るつもりないわ!」
ジム「まぁ、アラブ人であるキミが、大統領に挑戦するのは無理があるかもしれんが、
   上院議員くらいには簡単になれるんだぞ?キミが好きな活動なんかにも大いに貢献できるんだぞ?」
アイシャ「…あなたがバックになるっていうの?」
ジム「そうだ!」
アイシャ「悪いけど…あなたに何を言われてもね…
    納得できないものは出来ないのよ?」
ジム「嫌だから嫌なのということか?女の得意技だな」
アイシャ「なんとでも言いなさい…今日はもう遅いし、ミナを連れて帰るわ…」
ジム「ふん…まぁ、仕方ない…」

私はミナを連れ帰ることにした…

ミナ「あ、アイシャ、お話は終わったの?」
アイシャ「…うん、遅くなってごめんなさいね」

納得できない気持ちもある…しかし…
ジムの言った事と、今まで体験してきた事を重ね合わせて思い返しながら、
私の浅はかさ、甘さを認識してしまう…

私は何者…私はなんだったんだろう…
何の為に生まれてきて何の為に生きてるんだろう…
ただ振り回されただけの、無力なシンデレラだったかもしれない…

幸運って、幸せって一体なんなんだろう?
私は幸運の女神に気に入られた女なのだろうか?

…いや、もしかしたら、お気に入りの「玩具」なのかもしれない。
私は彼女に振り回されて遊ばれてるのかもしれない。

自分を持って生きてきたと思っていた、自分らしく生きてきたと思っていた。
でも、実際には私は人形だった…。

これからも人形として生きなければならないのだろうか…
そういう運命の人間なのだろうか?
アイシャ「ただいま……遅くなってごめんね……」
ミナ「ただいま!」
アリ「おかえり!」

ミナはアリに今日の出来事を楽しそうに話す。

アリ「へぇ、ジムさんにあってヘリコプターに乗せてもらったんだ!」
ミナ「うん!楽しかったよ!」
アリ「ジムさんはいい人だな、よかったね…」

私にしてみればジムに会った事はラッキーと言える事じゃなかったが、
ミナにしてみればラッキーなことだったようだ……。

―その日の深夜

私はふと目が覚めた。
何か得体の知れない胸騒ぎがするのだ。

みんなはぐっすり眠っているのに…なぜ私だけ目が覚めたのだろうか…

私は冷蔵庫から牛乳を出し、コップに注いで飲む。
アイシャ「…3時、ヘンな時間に起きちゃったな」
ドンドンドン ドンドン

こんな遅い時間に誰だろう?誰かが外からドアを叩いている。
アイシャ(誰よ…こんな時間に…)
アイシャは不審に思いつつ、ドアを少し開け、誰が来たのかを確認する…

アイシャ「誰ですか?こんな遅くに…」
外の男「NYPDだ…」
アイシャ「え!」

男は私にバッジを見せると、ドアを強引にこじ開ける!
最初の男に続いて何人もの銃を持った男たちが建物の中に入ってきた!

警官「警察だ!」
警官「両手を頭の上に乗せて伏せろォ!」
警官「アリ・ハッサン!カルロス・カトー!不法入国の容疑で逮捕する!」

建物の中にいた全員は拘束され、パトカーに乗せられ、警察署へと連行された…

アリとカトーさんが不法入国!?
私には信じられなかった…
入国管理局職員「アイシャ・ジャクソン、アメリカ国籍…間違いないようだな……」
アイシャ「・・・・・」
入国管理局職員「…キミの身元は確認された、安心したまえ、すぐに解放するよ」
アイシャ「本当なんですか?彼らが不法入国者だなんて…」
入国管理局職員「本当だとも」
アイシャ「そんな・・・・・・」

入国管理局職員「あなたもね…ああいう連中とつるまん方がいい…
       あらぬ嫌疑を掛けられたくはないだろう?」
アイシャ「どういうことです!?」
入国管理局職員「なに…単なる警告だよ……」
アイシャ「あなたにそんなこと言われる筋合いないわ!!」
入国管理局職員「やれやれ…」       

アリたちはこの後、入国管理局の取調べを受けることとなるだろう…

アリ「何かの間違いでしょう!?こんな…こんな…」
警官「うるさい!このアラブ人が!楯突くとろくな事はないぞ!」
アイシャ「アリ!」
入国管理局職員「さぁ…あなたはもう関係ないんだ…大人しく家に帰ろう…」
アイシャ「アリ!!」
アリ「アイシャ!こんなはずはないんだ!何かの間違いだきっと!
  キミからも何か言ってくれよ!」
警官「うるさい!おまえ…自分の立場がわかってねーのか!?」
入国管理局職員「ジャクソンさんはお帰りになる…迷惑を掛けるんじゃない…」

アイシャ「こ、これは何かの間違いじゃないの!?もう一度調べ直せないの!? なんなら私が……」
入国管理局職員「我々の仕事です…」
アイシャ「アリ!」         警官「さ、行こうか…」
アリ「アイシャ!」         アイシャ「アリ!アリーーーーーッ!!」
私は警官に手を引かれ、半ば強引にアリから引き離された…
しばらくするとジムが迎えに来た…

ジム「話は聞いたよ…心配したんだぞ…」
アイシャ「ジム…あなたの仕業でしょ…」
ジム「何?何のことだい?」
アイシャ「こんなこと…朝飯前でしょ…市長とも繋がりがあるあなたなら…」
ジム「何を言ってる?気は確かか?」
アイシャ「今の警察は今の市長の子飼いみたいなものよ…市長に働きかければこんなことわけない…」
ジム「証拠もないのに何を言ってる!弁護士のキミがそういうことを言うか!証拠もなしに!」
アイシャ「…私だってバカじゃないわ!あの後、急にこんなことが起こるなんて、あなたが絡んでるとしか思えない!」
ジム「アイシャ!いい加減にしろ!」

私とジムはリムジンに乗る…

ジム「言ったろ、あんな妙な連中とは程々にしておけと…」
アイシャ「…うるさい」
ジム「…まぁ、僕が顔を利かせれば彼らはどうにでもなる」
アイシャ「!!」
ジム「このこともなかったことにしてみせるよ」
アイシャ「やっぱり!あなたってなんて人なの!この人でなし!」
ジム「何?勘違いはよせ、僕の好意で彼らを救済してやろうってことだよ…」
アイシャ「好意!?」
ジム「キミが僕の言うことを聞いてくれるならの話だがね…」
アイシャ「やっぱり、そういうことなのね!サイテー!サイテーよ!」
ジム「怒るな怒るな…これも利害関係だ…」
アイシャ「あなたの裏工作でしょ!」
ジム「そんな証拠はないだろう?
   あくまでキミが言う事を聞けば彼らを助けるという条件を出しているにすぎん…
   僕は彼らにはまだ何もしてないよ?」
アイシャ「そうやって知らん振りするつもりね……?ふん、もういいわ……!」
ジム「で、どうなんだ?僕の言う事を聞くのか?」
アイシャ「え?」
ジム「聞かなきゃ…彼らは不法入国で強制送還されてしまうだろう…
   恐らく二度とアメリカには来れないだろうね」
アイシャ「な!?」
ジム「アメリカでの事業計画は失敗さ。
  大変だろうね、あんな小さな会社が米国進出なんて大きな賭けだったろうに…
  それがダメになるとは…アリくん一家は気の毒だよ」
アイシャ「!?」
ジム「あの女の子は彼の娘さん?まぁ、彼女は可愛いからどうにかなるだろうね…フフフ。
   あの男の子は彼の息子さん?小さいのに気の毒だ……。
   あの東洋人は…まぁ、イエローは小賢しいからどうにかやってくだろうが」
アイシャ「そんな…」
ジム「彼らの為にも、僕の言う事を聞いた方がいいってことだ…」
アイシャ「あなたってなんて奴なの…あんたなんか地獄に落ちろ…」
ジム「ハハハハハハハハハハ!!!」

私はジムの前で泣き崩れた。
降伏するしか出来ない自分が悔しかった、人形である運命を変えられない自分が悔しかった、
ジムの言いなりにしかなれないのが悔しかった……………。

アイシャ「わかった…あなたの言うとおりにします…。
     だから…おねがい、もう…」
ジム「分かればいいんだ!分かれば!」
アイシャ「…おねがい」
ジム「泣くな泣くな!来月はめでたい結婚式なんだぞ?
   それから楽しい夫婦生活が始まるんだぞ?泣くな泣くな!」
こんなジムと結婚する…つらいけどそうするしかない…

私は結婚式前の一週間を実家で過ごしたの、
その時、義理の両親に気持ちをぶつけてみた…
騙された怒り、裏切られた寂しい気持ち、私を本当に人形としか見ていないのか…
そういう想いを全部ぶつけてみた!

義父「ジムの奴…余計なことを…」
義母「出来ればあなたには…こんなこと知って欲しくなかった。
   知らないまま幸せに暮らして貰いたかったわ」
義父「たしかに…ジムの言うとおりだよ、アイシャ」
義母「ジムが言うような思惑はあったわ」
アイシャ「そんな…義父さん、義母さん…信じてたのに」

義父「だが!それだけじゃない!」
アイシャ「え?」
義母「私たち夫婦には子供がいなかったの、だから…あなたが来た時本当に嬉しかった」
義父「そりゃ可愛かったさ…義理でも僕らの娘だ…」
アイシャ「・・・・・・」
義父「アイシャは私たちにとって、大事な大事な子供だ」
義母「その気持ちには偽りがない…」
アイシャ「とうさん…かあさん…」

義父「可愛い我が娘よ…許しておくれ…」
義母「隠していたこと、本当にごめんなさい…」
義父「ジム…そんな男だとは思わなかったが…」
義母「ねぇ、嫌なら…今回の縁談は…」
アイシャ「ううん、いいの、私受け入れる」
義父「そんな!いいんだぞ、断っても!」
アイシャ「もう逃げられない…もう止まらないよ…動き出しちゃったもの」
義母「アイシャ…」
アイシャ「運命を受け入れる…でも、私は運命に負けないから!」
義父「本当にすまない…我が娘よ」

両親はジムとは違って…
なんだかんだで「愛」を持っていた、私を愛していた。
私には分かる、両親の愛は感じるし、今までも感じてきた。

ジムが言うように「愛」なんて姿の見えない幻想かもしれない…
でも、幻想でもなんでもいい、私は愛を感じて幸せだ…

幻想とかそんなことは問題じゃないのかもしれない。
世の中には幻想みたいなことはいっぱいある、
人生だって見方によっては長い夢みたいな物かもしれない……。

しかし、私はこうも思うのだった。

重要なのはその事実より…
「私が私なりに感じる」っていう事、そういう気持ちが大事なのではないかと。
それが人間らしいってことの一つで、それが私にとっての「事実」なんじゃないかと。
私とジムは結婚式を挙げた、それはそれは豪華な結婚式だ…

私にしてみれば、豪華だがちっとも嬉しいイベントではなかった。
指輪の交換も誓いのキスも、感動という感動なんてなかった……。
…式を終えた後は「結婚ばかりが人生ではない」と自分に言い聞かせてみた。

ハネムーンは、ジムの言った通りのプラン…
「グランド・サラーキア号」でドバイに行き、そこのリゾートで過ごすという形になった。

10年以上踏んでいないアラブの大地…砂の大地…
それは少し懐かしくもあったが、
ドバイという場所自体は、私のいたアラブとは全然違う場所だった。

ドバイで「〜〜国王」だとか「〜〜第〜夫人」だとか、
そういう「偉い人たち」とも会った。

私は同じアラブ人でも
子供の頃に接してきたような人たちとは違うな…と思った。

気候や文化は似ているところがあるけど、
ドバイの地は「私のいたアラブ」とは何もかもが違う…。
「イスラム教国の人たち」と会ってみて、
私は「自分」と「彼ら、彼女ら」とのギャップを感じた。

私とは何かが違う…
姿形は同じでも、考え方とか内面的な部分とか、そういう細かな部分が微妙に違うのだ…。

私を「ヘンな女」を見るような目で見ることも少なくないが、
向こうにしてみれば確かに「ヘンな女」だから無理もないのだ。

姿形はアラブ人だがムスリムではない「文化や考え方はアンクルサム」という女なのだ。
アラブの人たちから見て私は外国人……、
ただの外国人ではなく「見た目は自分たちと同じ外国人」なのだ、
「ヘンな生き物」として見られてしまうことが多いのも無理はない。

アメリカにおいての私は「アメリカ国籍を持つアラブ女」
アメリカの「アメリカ白人」から見ると変わり者の部類だった、
いわゆる「マイノリティ」と言う奴だった……。

外国人呼ばわりされたり、国に帰れと言われたり、
そういう差別は何回も受けてきた……。

アメリカにおいて、そういう爪弾きや人種のギャップみたいな物を感じたが、
アラブでも感じてしまうとは…

一体私って「なに人」「何者」なんだろうか…?
何の為に生きてきて、何の為に生きているんだろう…?
私はこう思う。
「私は私」「私は私として生きてきて、私は私として生きていく」と。

私はいい人なのか悪い人なのか、本当のことは自分では分からない。
自分らしく生きるとか、自分の本当にやるべきこととか、
本当は何をすれば正しいのか…それは分からない。

私は私なりにやってみるだけ。
自分らしいとか私が本当は何者だとか、そんなの自分じゃわかんない。

しかし、自分なりに出来ることを出来るだけ頑張ってみる、
自分で感じ自分で考え、自分で自分なりにやってみる……
そういうことが「自分らしい」ってことに繋がるんだと思う。

どんな人間として、どう生きて何をしたいか、それを自分で思い描き、
その為に今、何が出来るか、何をするか、それを考えて、やってみる。
なりたい自分になる努力をし、なりたい自分になる…。
いや、なれるかどうかは分かんないけど、何もしないと何もないから何かする。

長い目で見ると人生は、それを実行して、味を味わう長い夢かもしれない…
そして、短い目で見ると、何かを感じて何かをする、それの連続なのかもしれない。

「私」とは何か?
それは分からない、分からない故に私は進むのだ…

「運命」はあると思うけど「運命」に私は流されるだけの生き方は嫌だ。
結婚して二年

私とジムの間に子供が出来た。
ジムはこの男の子に「ジョン」という名前を付けた。

ジムはジョンの為、優秀な家庭教師を雇い、何人かの専属家政婦も雇った。
高い玩具、綺麗な音楽、最新のコンピュータ…あらゆる物をジョンに買い与えた。
しかし、ジムにとってのジョンは、あくまで「自分の跡を継がす存在」

ジムはジョンに資金を惜しげもなく使うが。
父であるジムが、自分の子にすることは、ただそれだけであった。
普通の親子のような関係はない、私とジムが普通の夫婦でないように……。

私はジョンを可愛がった。
ジムは嫌いだったが、彼との子、ジョンのことは大好きだった。

ジムにとっては自分の子さえ「駒」の一つに過ぎないだろう。
しかし、私にとってこの子は…
お腹を痛めて生んだ私の分身であり、唯一の血を分けた肉親なのだ。

私はジムが与えない分の愛も注ぐつもりでジョンを愛した。
ジャクソン夫妻が私を愛したように……
結婚して七年

ジョン「ねぇ、カレンが死んじゃった…」
アイシャ「え!」
カレンとは私が結婚前から飼っている猫のことだ、
私がアメリカに来て3年目から一緒で、妹のように可愛がった。
友達の少なかった私にはかけがいのない大事な存在だったのだ。

アイシャ「カレン……」
ジョン「ねぇ、もう、動かないの…?」
アイシャ「ええ…もう動かないわ…」
ジョン「嫌だよ、僕もっと遊びたい」
アイシャ「生き物はいつか旅立つわ…カレンにもその時が来たのよ…」
ジョン「嫌だ!さよならしたくないよ僕!」
アイシャ「それはね…無理よ、カレンは逝かなきゃだめなの。
      でもね、ジョン、あなたがカレンを忘れなければ、あなたの心の中でずっと生き続けるわ」
ジョン「本当に?」
アイシャ「本当よ…」

ジム「何を臭いこと言ってるんだ、猫なんか僕がまた買ってあげるよ」
アイシャ「ジム!!」
ジム「何がいい?カレンと同じアメリカンショートヘアか?それともキミはペルシャ猫のがいいかな?」
アイシャ「ジム!やめなさい!」
ジム「何?」
アイシャ「お金の問題じゃないのよ!」
ジム「なんだ、猫なんか金で買えるだろ?何匹でも買ってやるよ?」
アイシャ「やめて!カレンはもう生き返らないわ!あなたがお金をいくら積んでも!」
ジム「…おいおい、たかが猫でそんなにムキになるな」
アイシャ「たかが猫!?あなたってなんて人なの!」
ジョン「二人ともやめてよ!」
ジョン「パパとママが喧嘩してるの見たくない…」
アイシャ「ジョン…」
ジム「…フン、キミが猫くらいでムキになるから悪いんだ」
ジョンは私たちが喧嘩をすることを嫌がる…
私はジョンに、なるべくジムと言い合っている所を見て欲しくなかったが、
たまに、今回のようジョンの前で言い合ってしまうこともあった。

アイシャ「ごめんねジョン…」
私はジョンを抱きしめる。
ジム「キミが悪いんだぞキミが…」
アイシャ「おねがい…もう黙って…」
ジム「フン…」
ジムは不機嫌そうにし、何処かに行ってしまった。

アイシャ「…カレンのお墓作ろうか?」
ジョン「うん…」
私とジョンは、広い庭の片隅にある、
大きなコニファーの根元にカレンのお墓を作った。

アイシャ「カレン今までありがとうね…楽しい思い出をありがとうね…」
ジョン「ありがとう…」

カレンは私やジョンの中で生き続ける、私はいつまでも忘れない。
彼女は旅立ってしまったが、私たちの心に楽しい思い出を残してくれた、
私やジョンに愛することを教えてくれた、命の大切さを感じさせてくれた。

アイシャ(私もいつかは旅立つけど…)
何かを後世に残したい、私はそう思った。
生き物は必ず死んでしまうけど、後世に何かを残せる。
カレンが大切な物を私たちに残したように、
私も価値ある何か、信じる何かを探し、子供たちに残そうと思った。
―UAE(アラブ首長国連邦)    ドバイ

結婚してから12年…早いものだ、もう12年だ。

私は5〜6年ほど前から、弁護士の仕事は半分休業という感じになっていた……。
ジョンは10歳になるが、父親より母親の私を慕ってくれている…

ジムは数年程前から、仕事で世界中を忙しく飛びまわるようになった。
ロンドン、シドニー、シャンハイ、トーキョー、モスクワ、アンマン…
色々な都市を家族で見てまわったが、なんだか疲れてしまった。

現在は数ヶ月前からドバイの別荘に暮らしていて、
あと一年半ほど滞在する予定だ。

このごろは、ジムとは実質的に別居状態……
ジムはドバイを拠点にアラブ中を忙しく飛びまわっているので、
今、家にほとんど帰ってはこないのだ。
しかし、私もジムも離婚は望んでいなかった…
私はジョンの為、ジムは世間体の為、離婚はしたくなかったのだ。

この頃、私はドバイの大学に講師として招かれた、
滞在期間中はそこで教鞭を取るつもりだ。
講師の経験はあまりないので自信はないのだが……精一杯頑張るつもりだ。
「ようこそジャクソンさん!」
大学の人は短い間しかいられない私を快く迎えてくれた。
ちなみに、私は外では「ジャクソン」という旧姓を使っている、
ジムの苗字を極力使いたくないからだ……。

アイシャ「短い間ですが、よろしくお願いします」
大学関係者「いえいえ、こちらこそ」

ドバイの大学を見て、思っていたほどアメリカの大学との違和感を感じなかった。
設備なども整っていたし、女生徒も多い。
UAEは教育に力を入れていると聞いていたが、それはココに来てよく分かった。

アイシャ(ま、アラブ近代化の先駆けってわけだもんね…)

ドバイというところ自体が経済や産業も開放政策、優遇政策を取っている、アラブの先進都市で。
比較的「西側」寄り、「自由主義」寄りのスタンスの場所である。
私はアメリカやロシア、ヨーロッパ、日本で生活した時との違和感をさほど感じない……

ハネムーンで訪れた時も感じたことだが、私が子供の頃いたアラブとは全然違うと思った。

そんな都市のそんな大学で講師を始めて一月経った頃、一人の女生徒が現れた。

女性徒「アイシャさん…」
アイシャ「あなたは?」
女生徒「アイシャさん…覚えてる…かな?私だよ!」
アイシャ「…えーと」
女生徒はサイフにつけたミスリバティのキーホルダーを私に見せる…
女生徒「これ…昔、あなたに買ってもらったのよ」
アイシャ「…あ!まさか!あなたミナね!?」
ミナ「そうよ…」
アイシャ「まぁ…大きくなったわね、見違えたわ」
ミナ「今、19歳よ…今年で二十歳になるわ…」
アイシャ「素敵なレディになったじゃない?」

女生徒は昔一緒にNYを見てまわった少女ミナだった!
12年ぶりに、まさかドバイの地で会うなんて……

アイシャ「ここの学生なの?」
ミナ「そ、私は留学したの」
アイシャ「偶然ね…」
ミナ「私もアイシャ・ジャクソンっていう名前を見た時はビックリしたよ!」

私とミナはコーヒーを飲みながら色々な話をした。

現在、アリはエジプトに滞在し仕事をしているらしい、
しばらくはトルコに帰らないそうだ……。
最初は色々大変だったそうだが、事業の方はなんとか巧く軌道に乗り、
トルコの店もアメリカの支店も好調だという。

アニスはトルコの家に独り残り、現在は一時的に独り暮らしだという。
まぁ、独り暮らしといっても、アリの仲間が何かと面倒を見てくれてはいるそうだ…。
彼は経営学を学びにトルコの大学へ行くため、今必死に勉強しているらしい。

カトーさんは現在長期休暇を取って、
自分の先祖が生きてきた南米や日本を観に行ってるらしい…。
休日、私とジョンはミナとショッピングに行く。

ミナ「この子、アイシャさんのお子さんですか?」
アイシャ「そ、ジョンっていうの」
ジョン「ミナお姉さんはじめまして!僕はジョン、10歳です!」
ミナ「ふふふ、礼儀正しいのね」

ミナ「そっちの人は?アイシャさんのお友達ですか?」
アイシャ「え?え、ええ…そうよ」
女「…ライラです」
ライラとの付き合いは長いが、彼女は友達ではない、
私とジョンのボディガードの一人だ。
むくつけきの大男を連れてくるのは堅苦しいので、今日は彼女を連れてきた。

ライラ「…奥様、危ない所に行くのはおやめくださいね?」
アイシャ「わ、わかってるわ…」
ライラ「旦那様が心配なさいますわ…」
アイシャ「ろくに家に帰ってこない人はいいのよ…」
ライラ「…旦那様だけではありません、私たちも奥様が心配ですわ。
    奥様はいつも危ない場所に行きたがるので、ハラハラしますわ」
アイシャ「私は好奇心旺盛なのよ!だ、だいじょうぶ、あなたに迷惑は掛けないわ!」
ライラ「奥様…」

ライラは心配性だが、頼りになるし信用出来る。
彼女と運転手のトムは10年以上の付き合いだ、
ジムの部下の中では一番信用できるし、私のよき理解者でもある。
―ジュメイラビーチ

ショッピングをたっぷり楽しんだ後、
私たちはジュメイラビーチまで海を観に行った。

ミナ「ココってとっても綺麗ですよね」
アイシャ「ええ、私もここの風景は大好きよ」
夕日のアラビア海、とても神秘的な光景だった。

ミナ「あの、相談…が、あるんですけど」
アイシャ「え、何かしら?」
ミナ「その…二人だけで話したいことなんですけど」
アイシャ「え?何かしら?大事な相談なようね…」
私はジョンとライラに、少しだけ離れたところにいて貰うことにした。
アイシャ「ジョン、ママ、大事なお話があるから、ライラと少しあっちで待っててくれる?」
ジョン「うん!分かった!」
ライラ「…さ、行きましょうか、坊ちゃま」

アイシャ「さて、何かしら?」
ミナ「あの、進路についての相談なんです……」
アイシャ「進路?」
ミナ「私、卒業したらアメリカに行くつもりです」
アイシャ「アメリカに!」
ミナ「父の知り合いがアメリカにいます、その人が私の面倒を看るから、
   その気があるならアメリカの大学に留学しないかって…」
アイシャ「…それで、あなたはどうしたいの?」
ミナ「迷ってるんです…」
アイシャ「迷っている?何を?」
ミナ「私はアメリカに憧れています、同時にアメリカを憎いとも思います」
アイシャ「…どういうことかしら?」
ミナ「覚えていますか?NYで私と一緒に買い物したことを。
   私は母さんとああいうことが出来なかったから…
   …一日だけでも、あなたとああいうことが出来て嬉しかったんですよ」
アイシャ「覚えているわ…私もあの時とても楽しかったわよ…?」
ミナ「…私の母さん、私とアニスが小さい頃に病気で死んだんですけど。
   私がアメリカを怖いと思うのには、その死んだ母さんが関係してるんです」
アイシャ「んー…どういうことかな…?」
ミナ「私、父の本当の子供じゃないの、アニスとも本当の姉弟じゃない…
   私は母の連れ子なんです」
アイシャ「え、連れ子なの?」
ミナ「私の本当の父はアメリカ人です」
アイシャ「え!」
ミナ「アメリカ人の父…私は顔も名前も知らないヤツよ…
   その人と母は付き合っていて、その間に出来た子供が私なの」
アイシャ「その…本当のお父さまはどうなったのかしら?」
ミナ「お腹にいる私と、身重だった母を置いて逃げた。
  きっと邪魔だったんでしょうね、何も言わずに突然消えたらしいわ…」
アイシャ「なんてこと…」
ミナ「アメリカ人の父にしてみれば、母との関係は単なる遊びだったみたい。
  子供が出来たなんて、マズイことだったみたいね」
アイシャ「・・・・・・・・・」
ミナ「ヤツは私と母を捨てたの!私と母は捨てられたの!」
アイシャ「ひどい…」

ミナ「イスラム社会で私生児とシングルマザーは差別される…
   母はだいぶ苦労したそうよ…
   私だって、ハーフで変わった顔してたから、子供の頃だいぶ虐められたわ」
アイシャ「つらかったでしょう…私にもその気持ち分かる…」
ミナ「母と私を捨てて逃げたアメリカ人が憎かった!
   私は自分の生まれを呪った、愛もなく私を作った無責任なヤツを憎んだわ…でもね……」
ミナ「あなたと観たアメリカ、圧倒的だった!あなたと歩いたアメリカ、魅力的だった!
   アメリカで会ったあなた、とても素敵だった!あなたのような女性になりたいと思ったわ」
アイシャ「そ、そう、ありがとう、光栄だわ」
ミナ「私にもアメリカ人の血が流れてるのかしらね…あの自由の国に憧れたわ…」
アイシャ「…まぁ、決してすべての人に自由なわけではないんだけどね」
ミナ「ねぇ、アラブからアメリカに渡って成功したあなたにこそ聞きたいわ」
アイシャ「何かしら?」
ミナ「アメリカに行ってよかったと思う?仮にもしアラブにずっといたらどうだったと思う?」
アイシャ「え?」
ミナ「私さ何がいいのかわかんないよ…ねぇ、アイシャ、教えて…」
アイシャ「甘ったれないで!」
ミナ「え?」
アイシャ「そんなのあなたが決めるべきことよ!あなたが決めるしかないこと!」
ミナ「…え?」
アイシャ「何がいいのか、何がよかったのか、何をすれば真に正しいかなんて人間に分からない、
     ある時の不運がある時に幸運になるなんてこともあるわ…。
     人生なんて曖昧で分からないことだらけよ、
     もし分かるとしたら、死ぬ瞬間にあるいは…ってくらいなものだと思う」
ミナ「・・・・・・」
アイシャ「仮にとか、もしもとか、私のそんな想像の話を聞きたいの?
     そういう話は一種の妄想よ、どっちを選んでたら幸せだったか本当のことは分からない」
ミナ「ごめんなさい…」
アイシャ「謝らなくていい、若い頃は誰でも悩むわよ…私なんか今でも色々悩むわ…一生悩むかもね…
     でもね、ミナ、自分の生き方は結局、自分でしか決められないわよ?
     今の自分とじっくり相談してみなさい…自分をよく見てみなさい、自問自答してみなさい…
     そうして自分で答えを見つけて、自分で行きなさい」
ミナ「・・・・・・・・・・」
アイシャ「ミナ、自分の信じた道を行きなさい!」
アイシャ「私から見て、あなたはとっても魅力的な女の子ですよ、自信を持ってください……」
ミナ「…自信なんてない、私たまに思うもん、私なんか生まれてこないほうがよかったって、
   私は愛もなく作られた、そんな私に価値なんてあると思う?」
アイシャ「悲しいことを言わないで…アリやアニスがそれを聞いたらどう思うかしら?
    仮に愛もなく作られた人間だとしても、アリやアニスはあなたを愛してる…
    私も親だから思うけど、家族があなたのそんな台詞を聞いたら悲しむわよ…」
ミナ「・・・・・・・・」
アイシャ「生まれてこない方がいい人間なんていません、価値のない人間もいませんよ」
ミナ「…アイシャ」
アイシャ「自分で自分を価値がないと思うなら、価値を得る努力をなさい、
     努力もしないで泣き言を言うのは逃げよ…」
ミナ「そんな…どれだけ頑張れば…」
アイシャ「それは分からない、あなた次第、あなたが納得いくまで頑張りなさい…」
ミナ「…アイシャ、私、頑張ってみるよ」

この後、私はミナをアパートまで送ってあげた

アイシャ「おやすみなさい…」
ミナ「アイシャ、今日はありがとうね…おやすみなさい…」

もう夜だ……私とジョンとライラも家に帰ることにした。
私はこの晩、一人で「教育」に関する資料を読み漁った。
アイシャ「教育…か…」
この頃、私は教育に関心を持っていた、教育に関わりたいと思っていた、
弁護士を辞め、新たに教育関係の「何か」を始めたいと思っていた。
アイシャ「これ…」
一つの資料が目に留まる、私はその資料を手に取る。
アイシャ「ユニセフ…」
私は資料を見ながら今までの人生を振り返った。
物心ついた頃から、ゲリラの村にいたあの少女時代から、自分の人生を振り返る。

アイシャ「劣悪な環境、つらいことの強制、閉ざされたチャンス…
     あの時代は地獄だった、今なんかあの頃に比べれば…」

生きるか死ぬかの世界で私に求められたものは「女である」ということだけだった。

アイシャ「私は知性と感情を持った人間よ…それはあの頃も変わらなかったはずなのに…」

この晩、私は一つの決意を固めた……
―翌日

ジョン「ママの作るカレーは美味しいなァ」
アイシャ「そう?ありがとう」

この日、私は朝早くから身支度をし、カバンにユニセフの資料を入れ、準備を整えた。
アイシャ「さ、出かけるわ!ジョン、行ってくるね!」
ジョン「いってらっしゃい!気をつけてね!」

新しい生きがいを見つけた、
私は一番近いユニセフの事務所を目指す…。

アイシャ「さぁ、頑張らなくちゃ!」

私は私として今を生きる、それはとても貴重なこと、だから頑張る。


〜THE END〜
93あとがき:04/04/19 22:24
この物語はフィクションです実在の人物・団体とは一切関係ありません

えーと、これは少し昔、ある機会にある場所で発表した小説…
っていうかストーリー物のリメイクです。

参考資料として各メディアのNY観光情報、
UAE観光情報、UAE政府のHP、アメリカや中東関係の書籍、コラム…
そういったものも使ったりはしたものの。
私は中東情勢やら国際事情やら女性問題の専門家ではないので…
不備や突込みどころみたいなものはあるかと思います。

…なんていうか、これ萌え小説じゃないわな。
こういう構想っていうかネタで女主人公が出てきて、
女の子が出てくるのはこれしかなかったんだが。

こんな長くなるとは思わなかった…
ダラダラと長くなって本当に申し訳ない。
ほんと、つまんなかったら本当に申し訳ない。

…えーと、次の職人さんの作品も期待しますか、
次回作とその作者さんに期待を込め、一応は一度だけageてします。
いや、意外と面白かった。
95おたく、名無しさん?:04/04/19 23:30
左臭い、フェミやピース暴徒が喜びそう
でもジムは萌えw
9616:04/04/20 05:57
人形の家のリメイクのようでいい。面白かった。戯曲に直してみたらどうですか。
97おたく、名無しさん?:04/04/20 14:04
http://www.asahi-net.or.jp/~rn6d-hnd/people/monica_bellucci.jpg
作中で語られる特徴からいうとアイシャってこんな感じの女か?
それはそうといくつか気になる点があるんだが・・・・

・なんで何かとコーヒーを飲んでるのか?カフェイン中毒のヒロイン?
・米軍の女兵士ジェシカって、やっぱジェシカリンチが元ネタ?
・他のキャラの名前の由来も気になる、アイシャ、ライラ、ジムってガンダムから?
・豪華客船の名前の由来も気になる
ドラ・・・・・

僕は彼のおかげで変われた、彼は僕の人生に大きな影響を与えた、
何をやってもダメ、後ろ向き、そんな僕の支えになってくれたのが彼だった・・・。

僕の前から「未来の世界のネコ型ロボット」である彼が消えて10年・・・・・
僕は「大学生の野比」になっていた。
専攻はコンピュータ、ニューロAIの研究をしている・・・・・

ある晩、目黒のアパートでレポートを書いていると、
突然何かで腹を強打した。
「いて!」机の引き出しが突然物凄い勢いで開き、僕の腹に直撃したのだ。
「10年ぶり、ということになるかな?ノビタ君!」
「ドラ!」なんと机の中からドラが出てきた。
「ノビタくん、聞いてくれ、未来はトンでもないことになってしまった!」
「僕は今から10年前の時代に行き、少年期のキミを支えた、
その影響でキミは大きく変われた、そうだろう?」
「うん」
「でも、そのせいでキミは大きな時代の渦に巻き込まれる運命になってしまったんだ」

ドラの話は驚くべきものであった。
僕と僕の子が親子2代で研究開発する「スーパーコンピュータ」は
22世紀において重要な役割を担う物、
軍事、通信、情報管理…あらゆる物を統括し管理する重要なものなのだという。

僕とまだ見ぬ子供が開発したそれにより、
22世紀は「ドラが干渉しない22世紀」よりはるかに発展した
「新たな22世紀」になったのだという。
「僕もこんなに歴史が大きく変わると思わなかったよ」
「なんだか照れるな・・・・・」
「ノビタくん、今は喜んでる場合じゃないぞ」

ドラの話の続きを聞いた僕は震撼した!
なんと、未来の非合法集団が僕の命をつけ狙っているというのだ!

僕が開発したコンピュータにより、非合法集団は活動しにくい世となった。
それをよしとしない、とある大きな非合法集団が
この時代に一体の殺人マシンを送り込んだというのだ!
「僕は今回、ソイツからキミと静香ちゃんを守る為に来た」
「静香ちゃん!?」

僕と静香ちゃんは別々の中学に行った、
僕は公立の中学、静香ちゃんは私立の中学に行ったのだ。
僕と彼女はそれ以来一度も会っていない。

「彼女とは結局離れた、もう何年も会ってないんだよ?
それでもやはり彼女と結婚するというのかい?」
「うん、本来なら一週間後、山で遭難した静香ちゃんを偶然助け、
それがキッカケで彼女と交際を始めるはずだった」
「そういえば僕は五日後に登山に行く予定を立ててたっけ・・・」
「だが、史実通り事が運びそうにはないな・・・」

殺人マシンは僕と静香ちゃんの両方を殺すつもりだ。
僕と彼女の子は僕の開発したソフトを利用し「スーパーコンピュータ」を作るらしい。
ということは、もし僕か静香ちゃんの片方が消されただけでも、
歴史は変わってしまうことになる・・・・・・。

「なんとしてもキミと静香ちゃんの両方の命を守らなきゃいけないんだ!」
「そんな・・・キミにそんなこと・・・」
「大丈夫、改修を受けてきた!
センサーもジェネレーターもその他の部品も軍事用、パワーだって強力になったし、
武器もたくさん持ってきたよ!何が何でもキミたちを守ってあげるからね!」

「僕のコンピュータには静香ちゃんの現住所もインプットされてる、そこに急ごう!」
僕とドラは静香ちゃんを助けるべく、軍用ヘリトンボを頭に付け、彼女のところに向かった!
早朝 東京某所

朝から小一時間も風呂に入り、化粧をし、服を着て、
静香は今日も大学へと出かける。
「おまえ、ミヤモトシズカか?」
マンションから出てすぐ、同い年くらいでスーツの女に声を掛けられる。
肩に掛かるか掛からないか位の金髪ショートヘア、ネコ目、小柄だがグラマラス
・・・そして何故か猫耳。
「そうですけど、どなたですか?」
そう答えると、猫耳女は右腕を伸ばした。

キュイイイイン!

なんと右腕がみるみる変形し、機械の腕になった!
「えー!」
「静香ちゃん伏せろ!」
誰かの叫ぶ声の通り、静香は伏せた。

ドカン!

猫耳女はふっ飛んで
数十メートル先のブロック塀に突っ込み、瓦礫に埋もれた。

「やったねドラ!」
静香は後ろを振り返る、軍用空気カノンを構えたドラと一人の青年が立っていた。
「ド、ドラちゃん!ということはもう一人はノビタさん!?」
「静香ちゃん、助けに来たよ!」
「どういうこと!?」
「ゆっくり話してる暇はないんだ!さぁ、急いで逃げるよ!」

なんと!猫耳女が瓦礫を掻き分け瓦礫の山から出てくるではないか!
キュイイ・・・・・ドヒュウッ!

猫耳女は右腕から何かを発射しドラに当てる!
ドラは大きく吹き飛び100m先の民家に突っ込んだ!

「ドラちゃん!」
猫耳女は残った二人を睨み付ける
「まずい!ヘリトンボはドラのポケットだ!ど、どうしよう!逃げられない!」
「ノビタさんこっち!」
静香とノビタはマンションの前にある駐車場に入る、
そこには赤いマジェスティがとまっていた、静香の愛車だという。
静香は前、ノビタは後ろに座る。

「おねがい!掛かって!掛かって!」
「く、来るよ!し、静香ちゃん!」

ドルーン!ドルン!ドルーン!ドルルルルルルン!

間一髪で逃げ出すノビタと静香
「ふー、なんとか間に合った・・・」
「の、ノビタさん!後ろ!」
ノビタは後ろを振り返る・・・・
なんと巨大なダンプカーが追い掛けて来るではないか!
「ししししし!静香ちゃん!」
「しっかりつかまってて!!」

ブボボボボボボボボ!ブロォォォォォォォオオオオオ!

ダンプカーは停めてある乗用車や自転車を跳ね飛ばしながら
物凄い勢いで追い掛けて来る!
「お、追いつかれるわ!」
「ノビタ!静香ちゃんをしっかり抱きかかえろ!」
空からドラの声がする、ノビタは言う通りに静香を抱きかかえる。
すると・・・ノビタも誰かに抱きかかえられ空へと舞い上がる!

「しっかり!落ちるんじゃないぞ!」
軍用ヘリトンボで空を飛ぶドラがノビタと静香を持ち上げた!

ガシャッ!ザザァァァァァァ!

マジェスティは横転し、ホッケーのパックみたいに地面を滑る。
地上のダンプカーは勢い余って横転した!

「た、たすかった・・・」
「さぁ、近くの広い場所まで飛ぶぞ!」
ドラは二人を近くの広い公園で下ろす、
そして、困惑する静香に事情を説明した。

事情を聞いた静香はやはりというか少し戸惑った、
赤くなってノビタのほうを上目遣いで見る・・・・・・。
「そ、そうなの・・・・でも、ココまでは追って来ないみたいね」
「いや、すぐに来るよ、アイツはキミたちをどこまでも追いかける!」
「ドラ、便利な道具をたくさん持ってきたんだろ?キミの道具でなんとかしてよ!」
「ダメなんだ・・・さっきの攻撃を受けた時、四次元ポケットは壊れたんだ」
ドラは大腿内部に収納してあった武器を取り出し、ノビタに手渡した。
軍用空気ピストルだとドラは説明した。

「使える武器はこれと、僕が頭についているヘリトンボだけなんだ」
「そんな!」
「熱線銃もちきゅうはかい爆弾もない・・・・・・」
「そんなー!もうダメだ!僕たちが勝てっこない!」

ドラは弱音を吐くノビタに静かに語り掛ける。

「勝ち目の少ない戦い、つらい現実だけど、戦わなきゃダメなんだ。
アイツはどこまでもキミたちを追うようにプログラムされている、
最新の軍用ネコ型ロボットだ、逃げられない、ココで決着をつけなきゃ」
「ドラ・・・・・」
「戦わなきゃ現実と」
「ね、ねぇ、ドラちゃん、何か策はあるの?」
「あるよ・・・・・」

そうこうしている内に、猫耳女がやってきた!

キュイイイイイイ・・・ドヒュン!     ドガァア!

三人は強力な攻撃を間一髪でかわす。
「気をつけろ!あれはプラズマ空気カノン!最新兵器だ!喰らったら確実にあの世行きだぞ!」
キュイイ・・・

猫耳女は次の発射のためのエネルギーを貯める・・・
「くらえ!」
ノビタは軍用空気ピストルで応戦する。
超人的な射撃能力で、プラズマ空気カノンの砲口に攻撃を撃ち込んだ!

ドガァ!

閃光とともに猫耳女の右腕は吹きとんだ。
しかし、猫耳女は右腕を失いながらもこちらに向かってくる!

「くらえぇぇぇ!」
ノビタは軍用空気ピストルで猫耳女を攻撃した、
全部の攻撃が、見事に胸のド真ん中と頭に当たるが、
猫耳女はまったく怯まずにこちらに向かって来る。

「僕が相手だ!」
ドラは猫耳女を掴まえる!猫耳女もドラを掴まえる!
壮絶な格闘戦が始まった!

ドガァ!

二人はもつれ合ったまま壁をブチ破り、公衆トイレに突っ込んだ!

ガシャ!

猫耳女は便器でドラの頭を強打した!
ドラも負けじと猫耳女を放り投げ、頭から洋式便器に叩きつける!
ドゴォ!

便所から出てきた二人

ドン!

猫耳女は片腕でドラをプッシュする、ドラは10m以上吹き飛ばされた!
地に伏せるドラの片足を掴む猫耳女

ドギャッ!ドギャッ!

129.3キロもあるドラを片腕で軽々と振り回し、何度も何度も地面に叩きつけた!

ドガシャア!

片腕でドラを遠くに放り投げる猫耳女、ドラは噴水に突っ込み瓦礫に埋もれた。

「まずいこっちに来る!」
攻撃目標をドラから二人に変える猫耳女、じわじわと二人のほうへ歩み寄る。
「君は本当にバカだなぁ・・・・・・」
軍用ヘリトンボを装着したドラが後ろから猫耳女を抱え込み、自由を奪う。

「ノビタくん・・・再び来て一日も経たないけど、さよならをしなきゃいけない」
「どういうことだい!?」

ドラは説明した、自分の動力源が小型原子炉だということ、
出発時に自爆装置を付けて来たいう事を・・・・・

「こいつを倒すにはこうするしかないみたいだ」

ドラはヘリトンボを作動させる
「だめだ!ドラ!やめろぉ!」
「キミに会えて本当によかったよ、ありがとうノビタくん」
「いくなァァァァ!」
「最後に、未来のキミからメッセージがある・・・・・」

「一つだけおしえておこう。きみはこれから何度でもつまづく。
でも、そのたびに立ち直る強さももっている」

「僕がいなくてもキミは大丈夫だ!キミはもう大人だ!」
「嫌だァァ!」
「静香ちゃんを大事にな・・・・・・それじゃ、さよなら・・・・・」

猫耳女を抱え、天高く舞い上がっていくドラ・・・・段々小さくなっていき
もう遠すぎて姿が見えない・・・・

ピカッ!

空の上、遥か遠いところで何かが光り輝いた

・・・・・ォォォォォン

「ドラ・・・ドラ・・・」
ノビタは大粒の涙を流す、静香はそんなノビタの手を優しく握る。
二人は手を握り合い空の彼方を眺めた。

「静香ちゃん・・・」
「うん・・・」

二人はお互いの目を見つめ合った。
>アイシャのお話
ここ最近読んだ文章の中ではずば抜けて面白かった。
というか、時間を忘れて読みふけったのは久しぶりだ。
おたく板でこんなもんが読めるなんて、俺は幸運だ。

そう、俺も幸運だ。
10916:04/04/22 06:10
ドラのお話。一気に読めた。面白い!
別の話も読みたい。全て軍用になっているのがオタ心をくすぐる。
>ドラの話
「戦わなきゃ現実と」で笑った。
敵が猫耳女っつーのがいかにもオタっぽいな。
観てないけど、元ネタはきっとター〇ネー〇ー3なんだろうな。
111淫槍ぐんぐにる ◆ANGELcmyDg :04/04/25 18:46
ある大学生の部屋の監視カメラに、金槌を持った髪の長い女性が写っていました。

その後、部屋に戻った彼が押入れを見ると、押入れの中のその女と目が合いました。
彼は慌てて部屋から飛び出し、心配して様子を見に来た友人にその事を伝えました。
しかし、友人と彼が部屋に戻ってみると彼女の姿は既にありませんでした。


翌日彼が大学に行くと、新しく転校生が来ていました。が、なんと
その転校生はカメラに写っていたあの女性でした。

話を聞いてみると、彼女は大学教授の知人で、教授に頼まれて彼の部屋に偲び込んだというのです。
「非科学手的な物事は一切信じない」
と主張する彼をビックリさせようとして教授が企んだイタズラだったのです。

それを聞いた彼は、安心して家に帰りました。

彼が帰った後、彼から預かった監視カメラの画像を見て、教授がその女性に
「これ君なの?ヤリスギじゃないかな?」
と質問すると彼女がこう言ったのです。
「えっ?これ・・・・・私じゃありません。私、昨日は彼の部屋に隠れてません」
11293:04/04/28 12:24
約一週間ぶりにアクセス…
遅れながらもレスします。

>>94 >>108
えーと、思ったより好評でとても光栄です。
>>95
たしかにそんな感じもしなくもないかも…(w

>>96
俺は小説は数えるほどしか読んだことないですし、
活字自体も実用書なんかを読むくらいで、
もちろん「人形の家」ってやつも読んだことない…
というかイプセンなんて名前も知らなかったです(w
ストーリーをザッと見てみました、たしかに似てるかも…

>>97
質問にお答えします。

コーヒーについて - アラブ人やイスラム教徒はよくコーヒー飲むからです。
コーヒーってそもそもアラビアが発祥らしいです。

名前の由来…ジェシカはあなたの指摘通り(w
他のキャラは特に元ネタとかありません……いわゆる「よくいる名前」ってやつです。
日本だと「太郎」「花子」、ロシアだと「ナターシャ」「カチューシャ」みたいな感じ……

「グランドサラーキア」は…
「グランド=豪華な〜〜」「サラーキア=ローマ神話の海の女神」
これも、あんまり深い意味のない雰囲気だけの名前です(w
コーヒールンバの歌詞をググれば判るさ。
116淫槍ぐんぐにる ◆ANGELcmyDg :04/05/13 22:29
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/computer/6461/1075644045/

自己責任
http://kowai.sub.jp/13/504.htm
ヤマニシさん
http://kowai.sub.jp/13/451.htm
山の測量
http://kowai.sub.jp/25/639.htm
毟られる髪
http://kowai.sub.jp/37/677.htm
空家の雨戸から
http://kowai.sub.jp/35/387.htm
後ろ髪を引っ張られる
http://kowai.sub.jp/29/289.htm
オラガンさん
http://www.geocities.jp/g6thh/14.html(65より)
山に魅入られる
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/occult/1080228330/965-968
ぼろマンション(自己責任とそっくりですがそれより古い[2年前]話です。)
http://kowai.sub.jp/kako/kako002.html#R379(379から)
(↑まとめサイトですが話としてまとめられては無いので)
さっきの話
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/occult/1084381760/11-15

(・∀・)ヨンデネ!自分に呪いかかるかどうかは(・ε・)キニシナイ!!
萌王大賞に応募しようと思ってる。
キャラ設定はできてるんだけど話がまとめられん。
118おたく、名無しさん?:04/08/20 05:38
age
119おたく、名無しさん?:04/08/20 05:38
萌える設定

妹、幼なじみ、いとこ
120淫槍ぐんぐにる:04/10/08 19:33:27
雨色のワルツと玉虫色の羽をしのばせ
リボンで結んだ宇宙まで
銀河よりも素敵なオマエに
抱かれた花の葉でペチュコートがニヤついている
「我 自由なり!」と叫んでごらん
俺には不可能な事など何もない
さあ!ピリオドのピアスをつけて抱きしめてくれ!
空中楼閣のモラリティスレイブ
ある夏のできごとである。
「見ちゃだめぇ!」
その一言からはじまった。

彼女と連絡が2週間もとれなくなり
心配になった俺は彼女のマンションに様子をみに来たのだった。
鍵は開いていたから勝手に入った。だって呼びかけても返事がなかったから、
「ん・・・なんか臭い・・・。」

彼女は俺が家に入ってきたのがなんとなくわかったのか・・・。
「見ちゃだめぇえ!こないで!」
リビングのほうから声がする。
「たしか、このドアを開けるとリビング・・・だっけ?」
ひとつのドアを隔てて叫ぶ彼女。いったいなにがあったんだ?
しかし、あまりにもでかい声をだすのでその日はリビングの様子を見ず、
「なにかあるんなら、電話しろよ。」と一言、言い残して俺はマンションを後にした。
5日後。
まだ連絡は無い。心配になってまたマンションを訪れた。
「・・・・?鍵また開いてるぞ?」
少しドアを開けてみた。「オェッ」
臭い。とてつもなく臭い。
「おい。〇〇(名前)! いるのか?」
返事がない。構わず入っていく。
リビングのほうから臭う・・・
「ま まさか」
このまえ来たときは開けなかったリビングのドアを開ける。
「・・・!」
言葉がでなかった。彼女はリビングで首を吊っていたのだ。

その後、警察が来た。
いろいろと警察に聞かれるがふと警察が変なことを言う。
俺「5日前来たときは ちゃんと返事がしたんです。」
警察「え? おかしいですね・・・」
俺「?」
警察「一ヶ月も前なんですよ。検査報告書からして。」
俺「なにがですか?」
警察「亡くなったのが」

多分、彼女は見られたくなかったのだと思います。
123おたく、名無しさん?:05/02/07 03:06:16
さいたまの小学校に転校して、給食の味気なさに驚いた。

皿いっぱいの川越の芋、食いきれないほど盛られたおなめ、
えびしは皿からこぼれそうだ。
つとっことしゃくし菜漬けが当たり前に置いてある。
それにテレビ朝日にダイオキシン茶と誹謗された狭山茶、
デザートには草加せんべいと十万石饅頭が登場する。
124裏ふも:2005/04/10(日) 03:17:03
改行の関係なく書きますね。



五年前まで、朝守高校の掃除当番出席率は一割を切っていた。
廊下は汚れ、階段は埃まみれ、教室はプリント類が散乱していた。美化委員長は悩んだ。
教師はよく言えば放任、悪く言えば無関心で、改革を行うとしたら、美化委員長以外にはありえなかった。
美化委員長は悩んだ。そして一つの結論に至った。
なぜ掃除をサボるのか。それは、掃除班がクラスごとに決められており、友達同士でサボりやすい雰囲気が出来上がっているからだと気づいた。
125裏ふも:2005/04/28(木) 06:15:07
携帯でやるのむずいな・・・・
126おたく、名無しさん?:2005/05/24(火) 14:36:53
毒男版のいつの間にか小説スレ化してるスレも見てね!…と宣伝してみる

http://c-au.2ch.net/test/-/male/1115288236/n
127裏ふも:2005/06/22(水) 04:15:27
そろそろ書くか
128おたく、名無しさん?:2005/07/10(日) 18:36:33
書くか。
129裏ふも:2005/07/21(木) 16:28:58
萌えるかどうか知らんけど、いくぜおらぁ!
130裏ふも:2005/07/21(木) 16:45:26
いや、待て。今三つ考えてあるんだけどどれ書こう。
ユキちゃん(仮)
ゆゆかのお兄ちゃん(仮)
〜Repeatness〜(仮)若しくはカタカナ表記
131裏ふも:2005/08/06(土) 01:53:07
大体出来たので明日から書きます
132裏ふも:2005/08/08(月) 13:34:43
 私は ゆゆか。ちっちゃな中学1年生です。髪はショートヘア、体は とても細くて、肌の色は とても白いです。運動をしないからだと思います。兄弟は いません。一人っ子の私は、いつも兄弟が ほしいなと思っていました。

 私には お父さんも お母さんもいます。でも2人とも仕事をしていて、家を留守にすることが多いです。私は一人で掃除も料理も全部できてしまうのです。
だからお母さんは、安心して留守にできると言っていました。でも私は、もっとお父さんとお母さんに、家にいてほしいです。

 私は お父さんとお母さんが大好きです。だから、小さい頃からいっぱいお手伝いをしました。料理も覚えました。何でも手伝って、楽をさせてあげようと思いました。
だけど、その結果、お母さんは留守が多くなってしまいました。私は お母さんが大好きだから、何でもできるようになったのに、お母さんがいない時間は増えてしまいました。
だから私は、一人でいる時間が多いのです。それは とてもさみしいけれど、私はガマンするしかありませんでした。

 ある日、私は いつもどおりに学校から帰っている途中でした。民家の並ぶ路地を歩いていると、見た事のない人が私の前に立って、私と向かい合いました。
その人はメガネで小太りで長髪で、だらしない服装で、大学生くらいの年齢でした。典型的な「アニメおたく」のような姿でした。その人は私の顔を見ながら言いました。「さがしたよ、僕のかわいい妹。」
133裏ふも:2005/08/09(火) 18:03:43
やっぱ縦読みじゃないと辛いな。違和感有。
134マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/11(木) 11:17:28
 平凡な一日がまたひとつ終わった。
 雑踏に溶けては馴染む白い煙を、薄ぼんやりとした比喩し難い感情で男は眺めていた。これが、
言ってみれば穏やかな日常という誰もが羨む生活なのだろうか、とふと考えてみる。人は常に新
しい出来事、すなわちは『ドラマ』を待ち望んでいる。
「平和ボケというやつか……」
 誰に言うでもなしに呟いて、男は苦笑した。
 男はこの世の全てを手に入れていた。金、女、地位、名誉、……挙げればきりがない。男は最
初自分は恵まれた人間であることを喜ばしく思っていた。所持しているものの中で最も男が自覚
して得をしていると感じていたのは、金が吐いて捨てるほどあるということだった。金さえあれば何
でもできる。叶う。それだけの力を金は持っている。
 「友情はお金で買えない」などと言う言葉が存在するが、男はそれでさえも金で勝ち取ってきた。
もっともそれを本当に『友情』と呼べるのかは知らないが、この男の人生の中ではそれが世に言う
『友情』だった。
 だが、次第に金を使うことに飽きを感じてきた。
135マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/11(木) 11:27:08
 考え得る金の使い道は全て試した。
 車は買った。船も買った。自家用ジェット機だって。高級百貨店を貸切にもしてみた。女でさえも
金で手に入れた。
 もっとも、この男の容姿であれば、女は買わずとも勝手に付いて来ただろう。
 男は自分の発想力のなさを嘆いた。自分の頭の中にある想像はこれだけ小さなものなのだろう
か、と。
 しかし、ふと思い立った。自分の頭が悪いわけではない。そう、使い道が限られている金のほうが
悪いのだ。言ってみれば金の力にも限界がある。例えば、殺し屋を雇ってみるのも金があればでき
る。しかし、殺し屋を雇うコネクションがない。
 いくら男に地位があっても、殺し屋に知り合いがあるわけではないのだ。金にも限度がある。
 それに気付いたとき、男の世界は一瞬にして色を失った。
 毎日ただただ父親が残した会社で仕事をこなすだけの平凡な毎日が始まったのだ。
136マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/11(木) 11:42:27
 いまもこうして会社から歩いて五分もかからないマンションへと通っている。
 昨日と同じ、おとといと同じ。その前もここを通った。寄り道したいとは思わない。そこらの
レストランで出されるワインより、自宅にあるワインのほうが何倍も高級で美味い。
 だが、それを飲むことに何の楽しみも感じられず、ただそれを口に含むことで、自分の地
以を確認する。言ってみれば流れ作業のような男の人生を送る上での過程に過ぎないのだ。
――!
 ふいに何かに足をぶつけた。
 男が体勢を持ち直して見ると、どうやらゴミ箱があるにも関わらず正面から突き進んで足を
打ったらしい。
 しかし、こんな街の真ん中にゴミ箱など置くだろうか?
 男が辺りを見回すと、辺りはネオンが煌く街とは思えない暗闇に包まれていた。
 物思いに耽っていたため、知らない間に路地裏へと迷い込んでしまったようだ。
 くすくすとどこかから笑い声が聞こえる。
「誰だ!」
 男は身構えた。高校までやっていた空手の構えの姿勢を思い出しながら、声が聞こえた暗
闇へ叫んだ。
 この辺りは中国人犯罪者が多い。この前も警察官一人が簀巻きにされて海に沈められた話を、
新聞で読んだ。もし中国人なら、ヤクザより性質が悪い。奴らは殺しに迷いがないのだ。
 生憎男がいま持っているポケットマネーでは逃がしてくれそうもない。
「出て来い!」
 本当は出て来て欲しくはない。
 ただ身構えてしまった分、虚勢でも張らなければ仕方なかった。
「もう、ちょっと笑っただけじゃない。お兄さん短気だなぁ」
 聞こえて来たのは厳つい男の声でも、中国語でもなく、女性の甘ったるい美声だった。
137マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/11(木) 11:47:59
>>136
訂正

男が辺りを見回すと、辺りはネオンが煌く街とは思えない暗闇に包まれていた。

男が辺りを見回すと、周辺はネオンが煌く街とは思えないほどの暗闇に包まれていた。
138おたく、名無しさん?:2005/08/11(木) 13:28:17
ぉ、いらっしゃい。
139裏ふも:2005/08/11(木) 13:32:19
上のおれね。
ゆゆか「えっ、あなたは誰ですか?」
「僕は名無し。君の生き別れになった兄だよ。」
 私は驚きました。私に おにいちゃんがいたなんて、聞いたことも無かったのです。
ゆゆか「あの、いきなりそんな事を言われても困ります。私に おにいちゃんがいたなんて、聞いてません。」
兄「ああ、黙っておいたほうがいいと思ったんだろう。生き別れの兄がいるなんて、普通は妹に打ち明けないものだよ。僕は20年前、飛行機事故で家族とバラバラになってしまったんだ。だから、君が知らないのも当然だ。」
 私は過去の秘密を聞かされて、強い衝撃を受けました。
ゆゆか「そうだったんですか。でも20年前って、まだお父さんとお母さんが結婚してなかったような気もしますけど。」
兄「ああ、じゃあ10年くらい前だったかも。とにかく、会えてよかったよ。」
 私は おにいちゃんの話を聞いて、とても嬉しくなりました。前から兄弟がほしいと思っていたからです。私は おにいちゃんと一緒に家に帰りました。
ゆゆか「あっそうだ、今、お父さんも お母さんもいないの。2人とも仕事で留守にすることが多いから、1ヶ月くらい帰れないの。」
兄「ああ、知ってるよ。調査済みだし。」
 そう言って、おにいちゃんはニヤニヤ笑いました。
140裏ふも:2005/08/11(木) 13:50:29
 家に入ると、お兄ちゃんは私に言いました。
兄「さあ、俺の事を「おにいちゃん」って呼んでくれ。」
ゆゆか「あの、まだ会ったばかりだから、ちょっと言いづらいし、恥ずかしいよ。」
兄「それでいいんだよ。最初は誰でも恥ずかしいものさ。それに、恥ずかしがりながら呼ぶのが理想的なんだ。
頬を赤らめながら、うつむき加減に呼んでくれ。さあ早く。」
ゆゆか「うん。じゃあ……」
 私は恥ずかしさに顔を赤く染めながら、小さな声で呟きました。
ゆゆか「……おにいちゃん。」
兄「ゆゆかっ!」
 おにいちゃんは私を抱きしめました。私は男の人に抱きしめられた事なんて無かったので、ますます恥ずかしくなり、耳まで真っ赤になってしまいました。
おにいちゃんの体からは、ぬくもりが伝わってきました。そして私は そのぬくもりのおかげで、兄弟が出来た事を実感できました。
141マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/12(金) 11:39:38
>>136
 路地裏の暗がりから現れた声の主は、まだ高校生ぐらいだろう少女だった。
「こんなところで何をしている?」
 男は安堵の息を吐き出すのと同時に言った。
「別にー」
 男は苦笑を漏らした。若者が好んで使う「別に」という言葉が男にはまったく違う世界の言語に聞こえて、
自分が実年齢以上に歳をくってしまっているのだなと感じた。
「女子高生がこんな時間に出歩いていたら危ないだろ」
 男はあまり他人に干渉する性格ではなかったが、まるでそう言うことが義務であるかのように発した。
 しかし、その何気ない一言が少女の堪に触ったようで、形の良い大きな丸い瞳が鋭さを持った。
「何、お兄さん、刑事か何か?」
 少女とは縁遠い「デカ」という読み方を聞いて男は失笑を漏らしそうになった。
「いや、違う。そうだな……余計なことだったな」
 男はそう言ってから一人で小さく笑い声を上げた。
 その様子が少女には奇妙な光景に見えたのか、怪訝そうな瞳を男に向けてきた。
「まあ、お前の勝手だ。気に障ったのなら悪かった」
 そう言って男は立ち去ろうとした。
 男が挨拶代わりに振り上げた手を誰かが掴んだ。
 振り返ると手を掴んでいたのはその少女だった。
「ねえ、お兄さん、私と援交しない?」
142マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/12(金) 12:03:15
「はあ?」
 男は希少生物を見るかのような瞳で少女の顔を見た。
 端整な顔立ちをした少女の顔は大人から見ても多少どきりとするものがあるものの、まだ子供らしさを残している。
同年代の子供たちから彼女を見れば童顔の部類に入るだろう。
「お前……馬鹿だろ」
「ええ!」
 男の態度が意外なものだったらしく、少女は微笑みを浮かべていた口元を呆けたように四角く開いた。その表情が
あまりにも間が抜けていたため男はもう一度失笑を漏らした。
「な、何よそれ! 失礼ね。私みたいなぴっちぴちの女子高生と援交できるのよ! 喜びなさいよ」
 男は見るからに高級そうな財布をスーツの内ポケットから取り出した。
 その中から数枚の一万円札を引き出す。
「あのな、言っておくが俺はそこらの貧乏サラリーマン共とは違うんだ。女を抱きたければモデル級の女を二、三人同
時に一晩相手するぐらいのこと金を持っているんだ。もちろんお前みたいな洗濯板バストの小娘じゃなくてな」
 男は札を少女に差し出しながら言った。
 少女のほうは金よりも、気にしていることらしく顔を赤らめて手で胸を隠すのに精一杯だった。
「ど、どこ見てんのよ変態!」
「援交しようとしてた奴が言う台詞かよ」
 男は先ほどよりも大きく笑って見せた。
「良いからこの金持ってさっさと家へ帰れ。俺は他人の人生に干渉することはあまり好まんが、自分を安売りする人間
は見ているだけでも虫唾が走るんだ」
143マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/12(金) 12:58:05
>>142
訂正

「あのな、言っておくが俺はそこらの貧乏サラリーマン共とは違うんだ。女を抱きたければモデル級の女を二、三人同
時に一晩相手するぐらいのこと金を持っているんだ。もちろんお前みたいな洗濯板バストの小娘じゃなくてな」



「あのな、言っておくが俺はそこらの貧乏サラリーマン共とは違うんだ。女を抱きたければモデル級の女を二、三人同
時に一晩相手するぐらいの金を持っているんだ。もちろんお前みたいな洗濯板バストの小娘じゃなくてな」

訂正2

 少女のほうは金よりも、気にしていることらしく顔を赤らめて手で胸を隠すのに精一杯だった。


 少女のほうは金よりも、指摘されたことを気にしていることらしく、顔を赤らめて両手で胸を隠すのに精一杯だった。
144マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/13(土) 00:59:24
 男は今度は本当に路地裏から出て来ることができた。
 何の変哲もない男の人生にひさしぶりの笑いが起こったことは、男にとってとても小気味良いものとなった。
 しかし、――
「まだ何か用があるのか?」
 突如男は進行方向とは逆に体を向けた。
 振り返るとそこには路地裏で見た少女がにやにやとした笑いを含んで立っていた。付いて来たらしい。
「ううん。別にー。お金のお礼しなくちゃ、と思って」
 男は怪訝そうな瞳を少女へと向けた。
「援助交際ならお断りだ。小便臭いガキに興味ないんでな」
 そういって男はそっぽを向いて再び歩き出した。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
 少女が男の前に立ちふさがって見せた。
 そのとき男は少女が制服姿だということに気が付いた。
「暗くて見えなかったが、お前……それ制服じゃないか」
 少女が当たり前のようなことを指摘されて、自分の姿を改めて見つめてみた。すると何やら察しが付いた
らしく、にやついた表情がさらに強まった。
「あ、何、お兄さんそういうシュミの人?」
「馬鹿かお前は」
 そう言うと呆れたかのように男は少女の手首を掴んで歩き出した。
145マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/14(日) 22:11:51
「ね、ねえ!」
 黙々と足早に歩く男に手を引かれながら少女は叫んだ。
「何だ?」
 それでも歩くことをやめず、前方を向いたまま男は返事を返した。
「どこに連れてく気よ! ……やっぱラブホ?」
 男が突然ぴたりと足を止めた。
 そして今度はしっかりと少女のほうに振り返り、じっと顔を見つめた。
 まじまじと瞳を合わせた男に、少女は頬を少し赤らめて俯いた。
「な、何よ……?」
「……」
「何か言いなさいよ」
「……お前は実に馬鹿だな」
「はあ!?」
 少女は予想外の男の答えに唖然とした表情のまま数十秒硬直した。
146おたく、名無しさん?:2005/08/16(火) 22:20:38
同時期に二つの作品が連載されるなんて・・・、いい!
147裏ふも:2005/08/17(水) 19:46:18

 おにいちゃんの部屋は2階の私の部屋のとなりになりました。おにいちゃんは寝る前に言いました。
兄「ゆゆか、ちゃんと おにいちゃんの部屋に来て、「ゆゆか、眠れないの。おにいちゃん、一緒に寝てもいい?」って言うんだぞ。」
ゆゆか「えっ、どうして?」
兄「それが兄弟だからだよ。妹は、ちゃんと兄に甘えないとダメなんだ。」
ゆゆか「でも私、一人でも ちゃんと眠れるよ。それに、男の人と一緒に寝るなんて、恥ずかしいよ。」
兄「だめだぞ、ゆゆかは すぐに恥ずかしがって、自分の殻に閉じこもってしまうんだから。俺たちは たった2人の兄弟なんだから、もっとお互いにわかりあわないと。そうだろ? ゆゆか。」
ゆゆか「うん。おにいちゃんの言うとおりだね。私、学校でも恥ずかしがって、先生に ちゃんと答えられない時があるの。もっと、しっかりしないと、だね。」
兄「そうだよ。えらいぞ、ゆゆか。」
 そう言って お兄ちゃんは ゆゆかの頭をなでてくれました。ゆゆかは とっても嬉しくなりました。
148裏ふも:2005/08/17(水) 19:48:34
 その夜、ゆゆかは約束どおり、お兄ちゃんの部屋に行きました。おにいちゃんに言われたとおり、ぬいぐるみを持ったままのパジャマ姿で。そして、おにいちゃんに教えられたとおりの事を言いました。
ゆゆか「ねえ、おにいちゃん。ゆゆか、一人では さみしくて眠れないの。一緒に寝てもいい?」
兄「な、何を言ってるんだ、ゆゆか。お兄ちゃんだって男なんだぞ。一緒に寝るなんて、ダメだよ。」
 ……おにいちゃんが何をしたいのか、よく わかりませんでした。
149裏ふも:2005/08/17(水) 19:53:54
 次の日の朝、私がトイレに入ろうとした時でした。
兄「そうだ、ゆゆか。あれをやろう。あの、トイレのドアを開けたら、ゆゆか がトイレに入っていて、驚くシーン。」
 私は首をかしげて聞きました。
ゆゆか「おにいちゃん、どうしてそんなことをするの?」
兄「そういうイベントなんだよ。フラグ立てとこう。」
ゆゆか「よくわかんないけど、わたし、おトイレしているところを見られるの、恥ずかしい。」
兄「ゆゆか、なんでも恥ずかしがってちゃダメだ。昨日もそう言っただろ。勇気を出して最初の一歩を踏み出そう。おにいちゃんも応援するから。さあ、がんばるんだ。」
 おにいちゃんにそう言われて、私は しかたなくトイレのカギを開けたまま入りました。そして、私が恥ずかしい音を立てながら おしっこをしていたときです。
お兄ちゃんがドアを開けて、私の おしっこ している姿を見てしまいました。
兄「あっ、ごめん、ゆゆか。」
ゆゆか「きゃあっ! おにいちゃんの へんたいっ!」
 私は打ち合わせ通りの言葉を返しました。おにいちゃんにおしっこしている姿を見られたのは
とても恥ずかしかったです。でもトイレから出ると、おにいちゃんがほめてくれたので、私はやってよかったと思いました。
150おたく、名無しさん?:2005/08/17(水) 22:49:35
裏ふもさんたら、えっちねえ。
151裏ふも:2005/08/20(土) 00:46:22
 お兄ちゃんはずっと私の家に一緒に住んでくれました。そして大学にも行かずに、ずっと私の相手をしてくれました。
お兄ちゃんは「大学もアルバイトもイヤだ。ずっと引きこもっていたい。」と言っていました。おにいちゃんはやさしいので、そういって私に気を使わせないようにしてくれていたのです。

 毎日の生活の中にも、兄弟愛をはぐくむためのハプニングは欠かせません。
私は偶然に縄で縛り上げられたり、階段から転がり落ちて お兄ちゃんの顔の上にお尻から落ちたりしました。また、私がお風呂から上がったときに、
おにいちゃんが洗面所のドアを開けてしまったりと、いろんなハプニングを繰り返しました。でも、偶然つまづいてキスをするのだけは、全然うまくいきませんでした。狙った位置に倒れるのが
むずかしかったし、それに倒れたとしても、先に鼻が当たってしまうからです。また、お兄ちゃんはそういったイベントのたびに、手帳に「親密度 +1」などと書いていました。私には意味がわかりませんでした。
152裏ふも:2005/08/20(土) 00:59:29
行から生まれる臨場感や空気等で、なるべく句点で区切るよう心がけてていますが、
なんせ横読みなもんで難しいです……。横長な文章になりがちなのをお許しくだせぇ
153おたく、名無しさん?:2005/08/21(日) 01:35:29
age
154マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/21(日) 01:37:15
ageるな
hageろ

つーか、次書くとき恥ィだろ
最近小説書いてなかったリハビリ目的なのに……
155おたく、名無しさん?:2005/08/21(日) 02:18:36
いきなりゴメン
age
hegeってどんな意味?
156おたく、名無しさん?:2005/08/21(日) 02:20:26
非童貞・恋愛経験有りなんで、萌え小説なんて書けません。
157おたく、名無しさん?:2005/08/21(日) 02:22:04
>>156 実際の経験と小説が書けるかかけないかは
全然別の話じゃね?
158おたく、名無しさん?:2005/08/21(日) 02:23:52
>>157
それが違うんですよ。妄想力があると無いのとでは雲泥の差です。
童貞の妄想力はすごいんですから。いい意味で。
159:おたく、名無しさん?:2005/08/21(日) 04:23:09
>>158
童貞はすごいよな。
イメージ膨らませるしage
160おたく、名無しさん?:2005/08/21(日) 09:22:33
実際、少女漫画家の多くはリアル恋愛したこと無いヤシ多いよ。
そうじゃないとキラキラした物語なんて描けないから。
161裏ふも:2005/08/21(日) 13:30:28
描写できる力がなきゃどーにもならないですけどね

>ゆゆかは とっても嬉しくなりました。
     ↑こういう空きが多々ありますが気にしないでください。
162おたく、名無しさん?:2005/08/22(月) 10:39:51
だからアンノモヨコはどんどんストーリーがえぐくなってくのだよ。
163裏ふも:2005/08/23(火) 01:42:33
 おにいちゃんは いつも私に やさしくしてくれました。私の口についた ご飯粒を取って食べてくれたり、私のほっぺたを人差し指でつついて ぷにぷに してくれました。
私は そんなおにいちゃんが大好きでした。だから おにいちゃんが「兄弟げんかのイベントをしよう」といって手をつねってきたときも、私は うまく怒ることができませんでした。ごめんなさい、おにいちゃん。

 そんな ある日の事でした。今日は おにいちゃんと「妹の着替えを見てしまうイベント(信頼度 −1)」をやる事になっていました。おにいちゃんは自分の部屋で待っていました。私はセーラー服のまま、おにいちゃんに
「いつでもいいよー!」と大きな声で言いました。私はセーラー服を脱ぎ、白いスポーツブラが見え始めました。そしてお兄ちゃんがドアをゆっくりと開けました。でも ちょうどその時、電話が鳴りました。
兄「ああ、俺出るよ。」
 そういうと、おにいちゃんは電話のある1階に下りていきました。
ゆゆか「今のシーンって、やり直しなのかな。またセーラー服を着た方がいいのかな。」
 私がそんな事を考えている時でした。電話を取ったおにいちゃんが こういったのです。
兄「はい、山田です。」
164裏ふも:2005/08/23(火) 01:55:13
 私は驚いて、2階の部屋から言いました。
ゆゆか「えっ?うちは山田じゃなくて陣釜だよ。」
兄「ああ、そうだっけ。俺は山田だから間違えちゃった。」
 私は急いでセーラー服を着てから階段を駆け下り、強い口調で言いました。
ゆゆか「あなたは私のお兄ちゃんじゃない!いったい誰なの!?」
 それを聞くと、おにいちゃんは少しの間黙ったまま、じっとしていました。そして、しばらくしてから真剣な表情で話しました。
兄「そうか、とうとう、この時が来てしまったか。そうだよ、俺は君の兄じゃない。俺の正体は、近所に住むアニメおたく大学生の山田。君とは何の関係もない。」
ゆゆか「じゃあ、どうして おにいちゃんだってウソをついたの?」
兄「それは、君とワイセツな事をいっぱいしたかったからだよ。最初は普通の兄弟のように付き合い、やがては淫らな行為を繰り返す。そして最終的には、どこに出しても恥ずかしくない、立派な性奴隷に調教する。それが俺の夢だったんだ。だから君に近づいたんだよ。」
ゆゆか「そうだったの……。」
165裏ふも:2005/08/23(火) 02:01:44
兄「しかし、ばれてしまったからには、これで何もかも終わりだ。俺は この家を出て行こう。ゆゆか、今まで騙して悪かったな。」
 それだけ言うと、おにいちゃんは玄関から出て行ってしまいました。私は一人きりで玄関に立ち、ドアの外を見つめていました。
開いたままのドアからは、だんだんと小さくなってゆく おにいちゃんの姿が見えていました。私の頭の中では、いろんな記憶がグルグルと回っていました。
ほとんど家に帰らない両親。一人っ子だった私のさみしい毎日。そこに現れたおにいちゃん。そして、おにいちゃんとの、かけがえのない大切な日々。

ゆゆか「行っちゃダメっ!」
 私はそう叫ぶと、靴もはかずにおにいちゃんのところに走りました。全力で走っておにいちゃんのところまで来ると、腕をつかんで言いました。
166おたく、名無しさん?:2005/08/23(火) 09:50:39
悪くないね。
167おたく、名無しさん?:2005/08/24(水) 01:29:16
なかなかおもしろいよ 兄さんの行動力がスゲェ
168裏ふも:2005/08/25(木) 02:38:00
ゆゆか「お願い、どこにも行かないで。私にとって、おにいちゃんは おにいちゃんだよ。たとえ血がつながっていなくても、ワイセツ目的でも、私にとっては おにいちゃんだよ。
だから、お願い、私をおいていかないで。私を一人にしないで。もう さみしいのはイヤだよ。一人きりで黙って晩御飯を食べるのは、もうイヤだよ。」
 そう言って私は、おにいちゃんの腕を強く握りしめました。私の目からは涙が ぽろぽろと こぼれ落ちていました。
169裏ふも:2005/08/25(木) 02:41:20

 そんな私を見て、お兄ちゃんは言いました。
兄「ゆゆか、わかったよ。もうどこにも行かない。ずっと一緒にいよう。」
 おにいちゃんはそういうと、私の小さな体を大きな腕で抱きしめてくれました。その瞬間、私は急に大声で泣き
始めてしまいました。「おにいちゃん」と何度も呼びながら、まるで小さな子供のように泣き続けていました。おにいちゃんの、あたたかい胸の中で。
170裏ふも:2005/08/25(木) 02:44:58

 こうして私とおにいちゃんは、今まで通り一緒に暮らすことになりました。おにいちゃんは今まで以上に私をかわいがってくれてます。昨日は猫耳のついたフードつきのトレーナーをプレゼントしてくれました。私がネコミミのフードをかぶると、おにいちゃんは いっぱいなでて
くれました。私は とても嬉しかったです。それと、今日からは調教モードになるらしいです。意味は わからないけど、またいっぱい かわいがってくれるんだと思います。

 いつまでも一緒にいようね。私の大好きな おにいちゃん。
171裏ふも:2005/08/25(木) 02:47:13
さて、小説らしからぬ小説が完成したわけだが……
あとでマゾレンの人のも読んでみようかね
172ナオ茶漬け ◆s1evWk5nfM :2005/08/25(木) 11:53:09
レッド隊長に見せると「甘すぎる」と一括されて「ちゃんと行為にいたるまで書け」と言われるかと
173おたく、名無しさん?:2005/08/25(木) 21:59:04
>>裏ふも
マジレスすると、よくわかんなかった。面白くなければつまらなくもない
174おたく、名無しさん?:2005/08/25(木) 22:36:35
ライトな日常浸食ものだよね。
発想が面白いとおもったよん。
そして気づいたんだ
私はそれらの腐女子を見ることに
この上ない悦びを感じる人間だということに
176マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/28(日) 09:48:16
 男が少女を連れて来たのは自宅に使っているマンションの一室だった。
「わあ」
 男の部屋に入ったとたん少女は感嘆の声を上げた。
「これ、お兄さんの部屋?」
「ああ、普段使っているのはこの部屋だ。自分のマンションだから、本当はどの部屋を使っても、
問題はないのだがな」
「ふーん。お金持ちなんだ」
 男は少女の何気ない一言に苦笑を漏らした。
「もう十二時を回っている。このままその格好で外を歩かれたら、俺が警察に職質を受けるはめになる。
一応これでもそれ相応の地位を持っているんだ。週刊誌やらに嗅ぎ付けられたら厄介なことになる。俺の
服を貸してやるから、着替えろ。そのあとお前の家まで送り届けてやる」
 男の言葉を聞いた少女の瞳は、あの暗がりで見たときのように鋭く尖り始めた。
「家には……帰らない」
 男は少女の呟くような小さな訴えを聞き流すかのように洋服の入れてあるタンスへ向かった。
「家には帰りたくないの」
「家出か。若いうちから苦労は買ってするもんじゃないぞ」
 洋服を選ぶ手は止めなかったが、今度は男は返事を返した。
「いやなのよ、あんな家!」
「まあ、子どもンときは誰しもそうやって自分の境遇を嘆くもんだ。いつか全て受け入れられる日が来る。それ
まで自分の家の小さな世界に耐えてみるのも大人になるための過程の一つだぞ。世の中に飛び出していくの
はそれからでも遅くはない」
「違うの!」
 少女の吐き出した怒声に男はやっと手を止め、顔を上げた。振り向いた先にいる少女の顔は涙で濡れていた。
177マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/28(日) 09:56:32
「私のママ……死んだの」
 少女の台詞に、男はため息をついた。
「それは大変だったな。だが、俺は両親を亡くしている。母親だけで、父親がまだ残ってるお前の
ほうがいくらもマシだろう」
 少女は男の言った単語にひどく体が震えるのを感じた。
「あんな奴……父親なんかじゃない……!」
 やっと男は少女の身に起こっていることの重大性に感付いた。
「……何かあったのか?」
 男は少女に近付き、ソファへと座らせた。
 机を挟んだ向かい側のソファに座った男の真剣な表情を見て、少女は身の上ををぽつりぽつりと
話し始めた。
178おたく、名無しさん?:2005/08/30(火) 13:28:56
もう女装はいいの?>マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2
179おたく、名無しさん?:2005/08/30(火) 13:40:33
「ぬるぽ」
男がいきなり言った。少女はその言葉を聞いて、手を口の近くに近づけ、ハァ・・・ハァと、手を温める仕草をした。
すると、少女はいきなり男に平手でなぐった。
「ガッ」
180マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/30(火) 16:41:35
>>178
おまいバラすの早ぇーよw
これぢゃ、VIP逝けないやないか
181おたく、名無しさん?:2005/08/30(火) 17:30:43
大丈夫、皆んなワクテカしてる
182マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/08/30(火) 18:25:05
してないわー
だってあのスレと、メッセ以外ではそのことバラしてないんやぞ?
183おたく、名無しさん?:2005/08/30(火) 18:44:46
大丈夫、VIPPERはこのスレにいない
184おたく、名無しさん?:2005/08/30(火) 18:59:20
( ^ω^)心配いらないお
185おたく、名無しさん?:2005/08/31(水) 19:22:24
サルベージ
186匿名係長:2005/08/31(水) 19:27:34
2ちゃんねるに書き込んでるAという人物がいるとします。Aは2ちゃんねるにBさんの悪口を書きました。それに気付いたBさんは、Aさんの個人情報、位置情報を調べようとしています。個人情報、位置情報が知られることはあるんですか?
187おたく、名無しさん?:2005/08/31(水) 21:22:08
>>186
知られます。Aさんは大変な目にあうでしょう。
188裏ふも:2005/08/31(水) 23:40:04
そしてギシアンへと発展するのです
189マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/10/02(日) 01:50:29
>>177

 男は数十分間でこれまでの短い人生の中で、感じたこともなかった激しい怒りに身を震わせていた。
 それは紛れもなく少女の話によるものだが、憤怒のベクトルはこの世のあらゆる悪に対して向かっていた。
「その話は……本当のことなんだな?」
 男は静かに、それでいて深く念を押すように少女に確認した。
 少女は頷くと同時に瞳からいくつかの雫を垂らし、それ以上は固まったまま身動きをすることをやめていた。
 少女は母親が亡くなったあと、実の父親に性的暴行を受けかけていたというのだ。
 あるときのことだ。
 いつも胸を揉んできたり、腰に手を添わせているに留めていた父親が、深夜とうとう少女の部屋に入ってきたのだ。
 黙って少女のベッドに潜り込んできた父親に少女は最悪の事態を予想した。
 刹那、少女は即座にベッドを飛び出て、動転していたせいか何故かサイフなどは持たず、ハンガーにかけてあった
制服を手に表へと飛び出して行った。
 途方に暮れてとりあえず、路地裏でパジャマから制服に着替えているときに男に出会ったというのだ。
「最低だな……」
 少女は誰に言うともなく呟いた男の顔をまともに見ることができないでいた。
 瞳から振り出した時雨は次第にその雨脚を強くさせていたからだ。
「分かった。とりあえず、しばらくはここに泊まれ。知り合いでも何でもなかった俺の部屋にいるなんてことはお前の親
父には知る術もないだろうから、かくまうぐらいはできる」
 少女は顔を伏せたまま、それを隠すかのように強くかぶりを縦に振った。
「……俺は……ありきたりな意見だが、警察に行くことを薦める。だが、警察に行けば、言いたくもないこと、訊かれたく
もないことを寝折羽織訊かれることになるだろう。強制はしない。お前の意思だ」
 それだけ言い残し、男は部屋にある折りたたみベッドの置き場所を思い出そうとしていた。
190マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/10/02(日) 02:02:44
 
 朝だ。
 結局男はこの部屋に折りたたみベッドなどないことに気付き、少女に自分のベッドを貸し、ソファで一夜を明かした。
 そのせいか知らないが、男は嫌な肩こりを早朝から覚えていた。
「お兄さん、……おはよう……」
 部屋の扉を開け、居間に寝ぼけ顔の少女が入ってきた。男は唖然とした。
 少女は男が貸したパジャマの胸元をほとんど肌蹴させて、その貧相な乳房を露出させていた
「お前その格好……」
「え……?」
 少女は眠たい目をこすりながら足下に視線を落とした。
「な……ばっ、え!」
 途端、顔を高潮させ、寝室へとかけ戻った。
「変態! 朝っぱらから変なことしないでよ!」
 寝室のほうから少女の怒鳴り声が聞こえて来た。
 男は苦笑を浮かべ、ソファにその身をもう一度沈めた。
191マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/10/02(日) 02:16:15

「……ねえ、お兄さん?」
 数分後、落ち着きを取り戻したのか、着替えながらであろう少女の声が寝室の扉から聞こえてきた。
「なんだ?」
 男は片手で顔を覆って朝日の光を避けながら応えた。
「これからお世話になるわけだし、自己紹介ぐらいしたほうが良いんじゃないかな」
「ああ? ……まあ、そう思うんなら、そうなのかもな」
 男は二度寝の邪魔をうざったく思いながらも返事を返した。
「お兄さん、名前は?」
「山田太郎」
「……本気で言ってるの」
「どんな名前に見える?」
「うーん、西崎俊二とか」
「じゃあ、それで良いよ」
「バリ適当!」
 少女はすこし大きく笑った。
 男の面倒くさそうな態度が、気の利いた冗談にでも取れたのだろう。
「じゃあ、援交で知り合ったわけだし、『パパ』にしようよ」
 少女が提案した。
「あ、でもお兄さんの年齢じゃ、なんかおかしいよねー……」
 少女が悩んだ。
「そうだ! 『お兄ちゃん』ってのどう? めっちゃアキバ系ウケ良さそう! これでキマリ」
 少女が再び提案した。
 勝手に話が展開していくのを聞きながら、男は馬鹿らしくなってきて、ソファにうつぶせになって本格的
な眠りを試みた。
「勝手にやってろ」
 男がそう言ったのを聞いて、少女はすこし焦って付け加えた。
「あ、ちょっと待って……あたし、マイカ! 桜井舞華」
 男は睡魔の誘いに快く乗りながら、その名を記憶しようとしていた。
192マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/10/22(土) 11:20:10
「今日は服を買いに行くぞ」
 男はそう言って冷蔵庫を覗き見た。
「え?」
 桜井は昨日着ていた制服のリボンを結びながら、男に視線を移動させた。
「いつまでも制服でここで生活するわけにも行かないだろ」
 男は冷蔵庫から牛乳を取り出し、桜井と目線を出会わせた。
 当然のことながらここに住んでいるのは男一人だけだ。桜井が着られるような洋服はひとつもない。
「でも、お金かかっちゃうよ。お兄ちゃん、良いの?」
 男は失笑をこらえた。
「待て、その呼び方はやめろ」
「えー」
「俺の名前は二階堂庄治だ。覚えとけ」
「やだやだ。かわいくないー!」
 二階堂は桜井の反論など気にも止めずに牛乳をコップに注いだ。
 ぐい、と一気に煽ると胃の中に直に牛乳が注ぎ込まれるような感覚を覚えた。
「やっぱり空きっ腹にはキツいな」
 それを聞いて、何故だか桜井は二階堂の元に駆け寄ってきた。
「お兄ちゃんお腹空いてるの?」
「え? ああ、まあ、でも冷蔵庫の中には何もないしな。って、お前だからその呼び方は――」
「あたし何か買ってくるー!」
 そう言って桜井は玄関へと向かった。
「おい、ちょっと待て」
「なに?」
 振り返った桜井に財布が投げつけられた。
「金、万引きでもするつもりか」
「ありがと」
 桜井はその財布を手に再び外へと駆けて行った。
193マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/10/22(土) 11:37:23
 二十分弱で桜井は戻って来ていた。
 二階堂のマンションから近くのスーパーまでは十分とかからない。最初から買う物を決めていたのか、桜井は
かなり早く帰って来たと言えるだろう。
 桜井が二階堂にキッチンの使い勝手の悪さに文句を垂れてから十五分後、ソファに座っている二階堂の目の前
には上出来のオムレツが用意されていた。
「これ、お前が本当に作ったのか?」
 桜井がフライパンに油を通しているところを見ていた二階堂だが、素直にそう思ってしまった。
 食欲をそそる程度に焼けたオムレツの焦げ目、割ると中はとろとろと染み出してくる半熟の具合など、高校生が
作った物とは思えない出来栄えだった。
「まさか、お前にこんなことができるとはな」
 オムレツにがっつきながら、二階堂はモグモグと話した。
「お兄ちゃん、何言ってるかわかんないよ」
 桜井はそう言って笑った。
「でも、こうしてると本当に兄妹みたいだね」
 桜井はそう言って、笑みを含んだ瞳で二階堂を見た。
「……しょうがないな」
 二階堂は食べる手を一旦止め、そう言った。
「え?」
 桜井は笑いながら聞き返した。
「いいよ。もう、その呼び方で」
 桜井は心のなかで手をぽんと叩いた。
「やったあ!」
「そんなに喜ぶことか」
 二階堂も桜井につられて笑った。
「じゃ、これからよろしくね、お・に・い・ちゃ・ん」
「調子に乗るな」
 二階堂は軽く桜井の頭を小突いた。
 桜井が短く舌を出しておどけるのを横目に見ながら、二階堂はこういう生活も悪くない、とそう思った。
194マゾレンヂャーレッド ◆QxKbugOrW6 :2005/10/22(土) 11:40:08
あげ
195おたく、名無しさん?:2005/10/22(土) 11:48:33
( ´_ゝ`)
196kiri ◆xwqECO1/QM :2005/12/07(水) 02:05:14
俺の妄想のトーチを形にしているがなかなか上手くいかないもんだ
もうかれこれ3ヶ月は経つ
いい加減序章くらい作ろうかと

保守ついでのチラシでした
197マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/12/11(日) 18:23:26
 言葉とはときとして残酷だ。
 言葉はいつも想いに足らない。
 えてして女は誰しも思想家だ。その想いと底知れぬ知性を相手に伝えることに必死だ。
 だから、よく喋る。
「でね、ここのお店のショートケーキがすっごく――」
 二階堂はため息をついた。
 女とはこうもわずらわしい存在だっただろうか。少なくとも二階堂が知っている女とは、
ベッドでしか口を開かない存在だ。
 この少女はことごとく常識外れだ、そう二階堂は考えていた。
「あ、ここ、ここ!」
 桜井が少し声を張り上げて指差した先に小さな洋服店が建っていた。
 二階堂は店の中が若い男女の客ばかりなのを見ると、急に財布から
キャッシュカードを取り出し、桜井にそれを投げた。
198マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2005/12/11(日) 18:24:48
「何?」
 桜井が怪訝そうに二階堂を見た。
「それで好きな量買って来い。俺はここで待ってる」
 桜井は不思議そうに二階堂を見ていたが、はっとしにやりとした。
「ねえ、お兄ちゃん、早く入ろうよー!」
 桜井が急に声色を変え、二階堂の腕の腕に自分の腕を絡ませ店の
中へと引っ張り出した。
「お、おい! どういうつもり――」
「あ、見てー! これすっごいかわいい」
 桜井は二階堂の発言など無視して、店の商品を手に取り出した。
 店の客たちは二階堂と桜井を一瞬覗き見て、暖かい視線の混じった笑みを
浮かべた。いまさら、急に店を出るわけにはいかないだろう。
 二階堂はやられたと思った。
199おたく、名無しさん?:2006/02/14(火) 21:37:58
保守
200おたく、名無しさん?:2006/02/14(火) 22:04:08
>>198 私怨
201裏ふも:2006/02/15(水) 02:54:23
書きますか。
202裏ふも:2006/04/18(火) 22:58:30
保守っとく。
203おたく、名無しさん?:2006/05/19(金) 20:33:54
まって、これめちゃ萌える・・・
なんか、今まで探していたものに出会った気がする。
もう続きはかかないのかあげ
204マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/06/11(日) 07:33:12
 店内を走り回る天使は何だろう、二階堂は考えていた。桜井が次々に商品を手に取り、
店員から勧められると二つ返事で購入を決定して行った。
 ものの三十分もかからなかっただろうか。店を出た二階堂の両手には溢れんばかりの商
品の紙袋の山が積んであった。
「おい」
 二階堂が前を歩く桜井に呼びかけた。桜井は次の店を探すのに夢中で聞こえていない。
「おい」
 まだ桜井は振り向かない。立ち止まったかと思えば、ランジェリーショップの前で思案
し出した。
「おい!」
 二階堂は声を張り上げた。やっと桜井が振り向く。
「え、何? お兄ちゃん」
 二階堂は溜め息をついた。
「お前な、好きな量買って来いとは言ったが、誰も俺
が荷物持ちをするなんて言ってないぞ」
「ええー」
 桜井が唇を尖らせた。
「イイぢゃん」
 桜井が開き直った
「なんで?」
「だってお兄ちゃんでしょ?」
 桜井はそう言ってにっこり微笑んでみせた。
205マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/06/11(日) 07:42:30
「はあ?」
 二階堂は冷たく言い放った。
「馬鹿か、お前は」
 二階堂は肩をすくめるしぐさをしてみせる。
「そう呼んで構わないとは言ったが、身も心もお前の兄貴になったつもり
は――っておい!」
 桜井は文句を垂れる二階堂を無視して、ランジェリーショップへと向か
って行った。

 今度はさらに短い。二十分弱といったところか。二階堂の両手にはどう
上手く積めばこんな高さになるのか、頭よりも高い位置に商品の袋があっ
た。
「あのな……お前、物には限度ってもんが――」
「ねえ、ここカワイイー」
 また話を途中でぶった切って桜井が声を張った。
「お前、まだ買うのか!」
 二階堂は数十分後の自分の未来を容易に想像できた。
「俺を商品の下敷きにして殺す気か」
 少々オーバーな表現なのは、二階堂がすでに少女の常識外れの渦に飲み込ま
れかけていたからだろう。
206マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/06/11(日) 08:05:00
 家に帰った二階堂は着替えもせずさっそくソファに寝転がった。
「あー、行儀わるーい」
 桜井は元気なものだ。二階堂は無邪気な少女を恨めしく思った。それと同時に
ここまでよく商品を一度も落とさず運びきった自分を褒めてやりたくなった。
「おにいーちゃー!」
 桜井はソファの背もたれごしに二階堂に飛びついた。
「うざ……いまから寝るんだ、あっち行け」
 二階堂は桜井がいる側と反対に体を向けた。
「ねえー、ねえー、いまからファッションショーやったげるね」
 桜井は二階堂の顔を覗き込んで言った。
「おー、おー、勝手にやってろ」
 二階堂は閉じた瞼を開かず言った。
「うん、わかった! 待っててね」
 桜井は寝室へと向かった。
 ドアを閉める直前、ふと動きを止め、ぽつりとつぶやいた
「お兄ちゃん」
「ん?」
「今日、ありがとね」
 そう言ってから桜井はもう一度「待っててね」と笑って部屋に入って行った。
 少女の声は愁いに滲んでいた。
207マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/06/11(日) 08:06:15
age忘れ
208マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/06/11(日) 22:40:19
 桜井が称したファッションショーは長かった。四時に帰宅してから、三時間ぶっ通しで
本日買ってきた洋服を桜井のセンスで組み合わせて二階堂に披露した。寝室のドアを開く
たび、コロコロと装いを変える少女をさすがにうんざりとした表情で二階堂は見ていた。
桜井が寝室に引っ込んで再び違う衣装を探している間、古臭い映画のワンシーンのようだ
な、と二階堂は一人ごちた。
「じゃじゃじゃーん、お次は春の最新コーデに新提案!」
 ご丁寧におかしな謳い文句と、ドラムロールを付けて寝室のドアを開け放った桜井を二
階堂が醒めた視線で黙殺した。
 桜井のファッションセンスはなかなかのもので、春先に向けコーディネートしたという
だけあって、フリルの付いた白のブラウスに、ピンクのGジャンを合わせ、ピンクのスカ
ートで統一した少女らしさのある、それでいて落ち着いた雰囲気も見せることができる服
装だった。頭に飾ったハートの付いたカチューシャも流行を押さえていて今風だ。
 だが、二階堂にとっては早くこの少女のファッションショーが終わるのを祈るばかりだ
った。
209マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/06/11(日) 22:41:28
「似合う?」
 桜井が二階堂に訊いた。先程から着替えるたびに訊いて来る。
「おう、似合う、似合う」
 二階堂は抑揚のない声で返した。
「もおー、お兄ちゃんってば全然さっきからちゃんと見てくんないじゃん!」
 桜井が頬を膨らませた。子どもっぽいしぐさだが、桜井がすると絵になる。
 その仕草に二階堂は少しばかり胸の辺りに痛いような感覚を覚えた。二階堂の脳裏にロリコンの
四字が浮かんで消えた。
「もういいから、さっさと飯食いに行く準備しろ」
 一瞬自分に芽生えた感情を振り解くように二階堂は、桜井から目線を逸らし言った。
「え、何、何、お外で食べるの?」
 桜井は二階堂の言葉に反応し、喜々として桜井の座っているソファに飛び乗った。顔を覗き込んで
くる桜井の視線から必死に顔を背けようとしている二階堂の顔は心なしか紅を塗ったように朱く染ま
っていた。
210マゾレンヂャーレッド:2006/06/14(水) 23:01:27
「お腹空いたよー」
 桜井が助手席で言った。
「だから、パンが何度も出てくるんだよ」
 二階堂が運転席で言った。
「ああいう店はな、腹を満たすために行くんじゃないんだ」
「そんな大人の世界知らないー」
 桜井が隣でわめくのを聞きながら、二階堂は内心ほくそ笑んでいた。昼間の仕返しは効果絶大だ。
あちらが無理やり連れ込んだ若者文化に対して、二階堂は高級料理店で上流文化を見せ付けてやった
わけだ。桜井はナイフとフォークの持ち手すら知らなかった。
 だが、隣で腹が減ったと嘆く少女を見ていると、二階堂はなんだかかわいそうな気になって来た。
先程部屋で二階堂に生まれた少女に対する気持ちと関連性があるのかどうかは分からないが、なにか
しらやはりここは大人の対応で、と二階堂の中で囁くものがあった。
「仕方ないな、そこのファミレスでなんか喰ってくか」
「え?」
 聞き返す桜井の瞳には何やら光が射していた。
「いいの? おにいちゃん」
 そう言いつつ桜井の心の中ではもうファミレスのナポリタンが注文されつつあった。
二階堂は少女のころころと変わる表情を満更でもなく想いながら、車をパーキングエリ
アに停めた。
211いしかわう:2006/06/15(木) 02:54:48
絶望した
212マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/06/25(日) 00:26:01
 車を降りてすぐのことだった。桜井は事の次第にすぐ順応していた。この街で暮らすからには想像しておくべきことが、
起こるべくして起こったんのだ。
「サイアク……」
 そう車内で呟くしかなかった。
「おいおい援交おっさんよう、お前こんな時間に俺らの"陣地"に足入れようってのは、そこの女と金を俺らにくれるってこ
とだよな、ああん?」
 グループの中で一際声の高い男が、ピアスの穴が無数に開いた唇からそう言葉を発した。手に持った鉄バットで肩をコン
コンと叩きながら、その武器の存在を知らしめている。二階堂の車を取り囲んだこの少年らの中には、鉄バットのみならず、
明らかに銃刀法違反と思われる刃渡りのジャックナイフを所持している者までいる。
 人数はざっと数えて二十から三十はいるだろう。いままでどこで隠れていたのか、ファミレスに車を乗り入れたときには
駐車場で溜まっているただの不良程度の人数しかいなかったのだが、二階堂の車に目を付けた一番年配でリーダー格と思わ
れる男が指示した途端、これだけの少年らが集まったのだ。
213マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/06/25(日) 00:27:33
「なあ、おっさん。さっきから黙ってないで何か言えよ。それとも小便チビって動けませんってか?」
 ピアス男がそう二階堂をからかうと少年たちは一斉に爆笑し出した。
「おい、喋らねえし、動かねえし、ツマンナイからさっさと女とサイフ置いてお家帰ってくれる? あとはこっちで楽しく
やっとくからさ」
 ピアス男がまた発言すると、少年らはにやついた顔で桜井を値踏みするかのような視線で見た。
「それとも何か? 一緒に女マワしたいか?」
 ピアス男がさらに二階堂を煽った。
 二階堂は依然として押し黙っている。
 その態度にピアス男が"キレた"。
「なんか言えっつってんだろが!」
 ピアス男がバットを思い切り振り上げた。
214マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/06/25(日) 00:29:44
 二階堂は見計らったかのように運転席の扉を勢い良く開いたのだ。
 ドアは両手を上げて無防備な状態の男の腹にどんと当たった。
 大した衝撃ではなかったが、男に隙を作るには十分な攻撃だった。
 突然のことに戸惑ったピアス男はよろめきかけた。そこを運転席から飛び出した二階堂が足払いをかけたのだ。
 ピアス男は意外にヒョロっとした体格であったために簡単に地面に転がった。屈んでその手から鉄バットを二階堂は拾い上げる。
 二階堂はすぐに辺りを見回し、ジャックナイフを持っている少年の一人に狙いを定めた。
 突然の二階堂の行動に少年らはひるんでいる。この状況を彼らが理解する前に片を付けるのが勝敗の要因になるだろうと二階
堂は考えていた。
 少年のナイフを持っているほうの手に向かって、立ち上がり様に下からバットで殴りつけた。ジャックナイフは下から叩き上
げられ、宙に舞い上がった。カンと鋭い音を響かせ地面へと落ちて来たナイフを二階堂が奪うのではないかと考えたのだろう、
別の少年が飛び出してナイフに向かって行った。ナイフに指先が触れたとき、少年は最悪の事態を免れたと思っただろう。だが、
少年に次の瞬間凄まじい痛みが頭上から走った。二階堂が鉄バットで少年の頭を砕いたのだ。地面に呆気なく崩れ落ちた少年の
脇にさきほど拾いかけたナイフが見える。二階堂はこんな状況にも関わらず、少年たちに背を向けてそのナイフを拾うため再び
屈んだ。
215マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/06/25(日) 00:31:16
 喧嘩慣れしている彼らがそれを見逃すはずもない。後ろからバットを振り上げまた別の少年が突進してくる。二階堂はその足
音が聞こえるか聞こえないかの内から、もうすでにナイフを自分の後ろに向けて投げつけていた。回転を加えるのではなく、ま
るで吹き矢のように真っ直ぐ刃先をその獲物に向けたまま、ナイフは飛んで行く。バット少年の腹部に見事突き刺さったのだ。
 くず折れる少年の叫び声が響いている。その声が少年たちの闘争本能を萎えさせてしまった。こいつはヤバい、そう彼らの警
報が知らせていた。
 二階堂がゆっくりとした動作で立ち上がっても、もう襲ってくる少年はいなかった。そのまま二階堂は少年たちの畏怖の視線
を背に歩いて車まで戻り、エンジンをかけ、駐車場を出て行った。
 桜井は助手席でいま起こっていたことが嘘だとでも言うように、目を丸くして運転席の二階堂を見つめていた。
「なんだ……強いんじゃん」
 桜井は先程と同じように一人呟いた。
216おたく、名無しさん?:2006/06/25(日) 07:16:35
で、どこで萌えろというの?
217おたく、名無しさん?:2006/06/27(火) 03:51:12
マゾレンの作品って、堅くしようとしてんのかそうじゃないのか、とにかく中途半端すぎる
今んとこはなんかオナニー全開でつまんね
218おたく、名無しさん?:2006/07/13(木) 04:41:41
マゾレンが壊滅的に文才がないので見るに見兼ねた俺が新しく始めますよ
219おたく、名無しさん?:2006/08/13(日) 21:07:44
>>218
待っているので早いところ書いてくださいなのです
220おたく、名無しさん?:2006/08/20(日) 00:59:16
東京は気温40℃を越え、アスファルトが照らし返す熱気で物の輪郭はゆらゆら歪んで見える。
スーツを着た男が趣味の悪いネクタイを緩ませ、その横をすれ違った老婆は朝から止まらない咳に悩み
それを噴水の淵に座った前髪だけオレンジ色に染めた青年がつまらなそうに見ていて
向かいのビルの入口を塞ぐように立った女が欝病の弟をどうやって殺そうか考えながらビルの上に設置された炭酸飲料の看板を眺め
その看板の下で僕は昨日見たドラマの内容を一から思い出していた。

足に障害をもった女性を愛する男の話で、主人公の友人がその女性を罵倒したところまで思い出した時、耳鳴りと共に彼女は現れた。

「始めまして。名前教えてもらえるかな?」
221それなんてエロゲ?:2006/08/25(金) 00:53:15
大学の夏休みって何でこんなに長いんだろうな。
まぁその大学へだってそんなに真面目に行ってたわけでもないし、夏休み前と比べて生活リズムは正直あまり変わってない。
変わったのは周囲の環境。この時期、いつ、どこへ言っても人ばかりで嫌になる。
ここ、俺が今いるレンタルビデオ店も、一ヶ月前のこの時間は、自分も入れて2、3人くらいしか客がいなかったのに。
こんな時間だというのに、店内には平日の昼程の人がいた。
深夜に聞くには少々耳障りな甲高い声をあげながら、小さな子が俺の脇をすり抜けていく。
「こんな遅くにガキなんか連れ回すなよ」
口の中で呟きながら、お目当てのコーナーへと足を早める。
そこは、邦画の中でも至極マイナーな映画が置いてある場所の正面にある。
よって、一番奥のこの界隈にはめったに人が来ない、はずなのだが。
「…さすが夏休み効果」
縦5メートル横2メートルの空間にどマイナーな映画を純粋に借りに来た奴がひとり、ふたり。
いや、よくよく見ると一人の男の用事は、そのコーナーの反対側にある目隠しの布の向こうにあるらしい。
手に取ったDVDのパッケージを眺めていたと思えば、同じ空間にいる―こちらは本当に純粋に映画を借りに来たのだろう―女を恨めしそうな顔で見たり、なにより、大きな布に描かれた『18禁!』の文字を名残惜しそうに盗み見しているのが証拠だ。
しかしまぁ、その姿が端から見ても挙動不審そのものだったので俺は非常に複雑な気持ちで男を眺める。
『人のフリ見て我がフリ直せ』という言葉が頭を掠めた。
222それなんてエロゲ?:2006/08/25(金) 00:54:28
やがて、男は俺の視線に気付くと、早足でこの界隈を出ていってしまった。見た目の図体に比べて気が小さいようだ。
俺に『挙動不審な男はキモい』という教訓を身を持って教えてくれてありがとう。推定21歳のナイーブそうなニーチャン。
これらを踏まえて、俺はあの奥に見える布の向こう側へ堂々と突入する。先に行って待ってるからな。また会おう。
心持ち勢いよく第一歩を踏み出す。二歩。三歩。女の後ろに来たが、構わず、四歩。五歩。六歩。そして、右向け、右。大股だからあっという間に布の前。
初めてこの大きくて薄い布を潜ってからまだ一年も経っていないが、今日はやけに心臓の音が早い。
右から強い視線を感じた途端、顔が熱くなり、思わず方向転換して走り去りたくなったが、堪える。
そうだ。こんなことは何でもない。男なら当たり前のことなんだから。

「あっ」

それが聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声ではなく、耳を劈くような悲鳴や叫び声なら、俺は意地でも絶対に振り向かなかっただろう。
しかし、その思わず出てしまったという感じの微かな音を高性能な俺の耳が拾ってしまったから仕方がない。
片足を上げた何とも間抜けな状態で俺は声の主を見た。そして、絶句した。

そこにいたのはさっきの女。
―――そして、中学のときに俺がいじめていた女だった。



A:その場から逃げる
B:とりあえず女の顔をじっと見つめて反応を窺う。

--------------------------------------------------

とりあえずここまで。
AかBかは最初に選んでくれた人の通りに書こうと思う。
レスがなかったら適当に選んで書くよ。
途中で飽きたらごめんな。
223おたく、名無しさん?:2006/08/26(土) 00:19:14
>>222
どっちでもいい
224220:2006/09/03(日) 06:06:25
顔は動かさずに眼球だけ右へ左へ動かし周囲を見渡す。
ギョロリと音がしたような気がした。

「左」

看板のあるビルの一回には女性向けの服屋がテナントとして入っている。
フランスあたりの言葉で綴られている店名は気取った雰囲気がして気に入らなかった。
店のショーウィンドウの前に僕は立っていて、声の通り左を目をやったがこの時も顔は動かさなかった。
ショーウィンドウの横には窪みがあり、スタッフ専用のドアが取り付けられている。
声の主はそこにいた。

「やっほ・・・・・機嫌悪い・・?」

10代後半と思しき彼女は、窪みから顔だけ覗かせて少し顔を曇らせた。
彼女の長い睫が揺れたような気がして、僕はその時初めて顔を向けた。
綺麗な艶を見せる髪の毛はアシンメトリーにカットされていて
顔の正中から左半分を覆い隠すように前髪を伸ばしてある。
彼女がこれ以上ない美人であることは、左だけ覗かせる色白な顔を見るだけで容易に想像できた。
今この街を歩くあの女、あの女、あの女。
片っ端から比較していってもまるで彼女の相手にならない事に何故か僕は嬉しくなった。

「あの〜・・・聞いてますかぁ?」

彼女は誰なのか。何故話しかけてきたのか。いつからそこにいたのか。
浮かび上がる大量の疑問符を無視して口が開く。

「美園 龍太郎」

最初の問いに答え、名乗ったその瞬間。
僕は契約を交わしたのだ。
225マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/09/26(火) 23:39:50
>>215
 マンションに帰ってきても二階堂に近寄ろうとはしなかった。
 むしろ二階堂から近寄らせないような空気を作っていたのだ。
「ねえ、……お兄ちゃ――」
 そう話しかけようとした桜井の言葉を切るように大げさに音を立てて、椅子から立ち上がった二階堂に一
瞬たじろぐ桜井。
「寝る」
 一人言のように吐き出し、二階堂は寝室へと向かって行った。

 シャワーの音が響いている。桜井だ。二階堂は仰向けにベッドへ寝転び、天井の壁のコンクリートを眺め
ていた。まだ鼓動が速い……。あれだけの格闘を繰り広げたのは二年前の事件以来だ、と二階堂は一人物思
いに耽っていた。噎せ返るような血の臭気、ぷつりと裂ける肉の音がいまでも脳裏にこびり付いている。今
日のことでさらに過去はその色を取り返したかのように思えた。
226マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/09/27(水) 00:02:08
 思えば、あの時間ファミリーレストランに立ち寄ろうという考えがすでに間違っていた。それも
また記憶が色褪せていただけに起こってしまったことだろうかとも思える。忘れたい記憶と、忘れ
てはいけない防衛反応。経験を元に構成しなければいけない攻撃へのプロセスも、思い出したくな
い記憶の付属品と共に見つめなおさなければいけない。
 ふと、気が付けば、桜井が昨日二階堂に聞かせた話を思い出していた。父親に強姦されそうにな
った娘……、きっとトラウマになっているに違いない。二階堂は胃の辺りに重たい鉛が沈むような
感覚にとらわれた。今日、絡んできた不良グループ、もし二階堂が戦わなければきっとあのまま桜
井はレイプされていただろう。それは桜井も予想していたことだ。きっとその様子が頭をよぎった
に違いない。父親に襲われかけた少女の脳裏に浮かぶその情景はあまりに鮮烈過ぎる。
227マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/09/27(水) 00:16:57
 実際にレイプされてなくても少女の心の傷を広げるのには十分すぎるだろう。二階堂は
いまシャワーを浴びている桜井のことを思った。
 次第に小さくなるようにシャワーの音が止んだ。風呂のドアが開き、タオルの入ってい
る棚を開ける音がする。二階堂一人しか住んでいないいつもなら聞こえないはずの音だら
けだ。ここに来て初めて二階堂は、いま自分が「同居」をしているのだと意識した。
 そして、ふと気が付いた。
「昨日……あいつ、ここで寝たんだよな……」
 二階堂は身体を反転させ、目を閉じ、桜井が眠っただろうその枕に鼻を押し付けた。途
端脳裏に押し寄せる甘い香りが、二階堂に眩暈にも似た感覚を叩き付けた。そのまま気絶
してしまいそうなほどの女の匂いに、二階堂は昨日の桜井の泣き顔を重ね合わせていた。
 次第に高まっていく二階堂自身に、二階堂の片手が伸びかけ、しかし途中でそれは行き
場を失った。二階堂自身の意思だった。
「最低だな……」
 二階堂は自分の若さを少しばかり恨んで静かに眠りに落ちていった。
228マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/09/28(木) 01:29:08
 二階堂は暗闇の中で突然目を覚ました。時計を確認すると、蛍光色で暗闇に浮かび上がる数字が
夜中の三時を示していた。たった二時間しか眠っていない。二階堂の睡眠を妨げた"それ"が自分の
胸にいた。
 "それ"が暗闇で声を発する。
「ねえ、お兄ちゃん……」
 桜井だ。暗闇で見えないが、桜井は二階堂の胸に頭を乗せて覆いかぶさるかのようにしてのしかか
っていた。桜井は二階堂の胸の上で指先を使い、小さく円を描くかのように動かしていた。女子高生
が誘っているには少し古臭い仕草だ。
「なんだ?」
 二階堂はいつもと変わらぬ無愛想な返事を"意識して"返した。
 それを聞き、桜井は胸に埋めていた顔を二階堂の耳元にまで移動した。
「……えっちしよっか?」
 少しオーバーに囁いた。穢れを知らない少女のようににこりとする桜井の顔が自然と
浮かんでくるような軽い調子も感ぜられるようだった。
 突如二階堂は上体を起こし、上に乗っていた桜井を仰向けにし、今度は自分が上に乗
るような体勢を取った。
 桜井は少し驚いた様子ではあったが、逃げる素振りは見せなかった。代わりに暗闇で
はほとんど分からない少し微笑の微笑を顔に浮かべた。
「優しく、ね?」
 二階堂は一言も発さずに、そのままの体勢で数十秒間、目の前の桜井と暗闇の中で見
つめあった。
 二階堂はそのまま顔を桜井に近づけて行き、桜井の耳に自分の唇を押し当てて言った。
「……馬鹿かお前は」
「ハア!?」
 さっきまでの雰囲気は何処へ行ってしまったのだろう桜井の口から素っ頓狂な声が漏れ、
二階堂はそのまま転がるようにして桜井の横に仰向けに寝転んだ。
「まな板バストに興味ないんでな」
 二階堂はそう行って桜井とは反対の方向に体を傾けて寝入ってしまった。
 桜井は、といえば二階堂がいびきをかき出すそのときまでいまの状況を必死に理解しよう
としていた。
「何、フられたの? あたし」
229マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/10/06(金) 23:24:59
 結局、昨日二階堂は一睡もできなかった。いま自分の隣で静かに寝息を立てる少女の考えが理解できなかった。
昨日桜井はなぜあんなことを言ったのだろうか。二階堂は桜井の寝顔を見ながら考えていた。ただからかってい
るだけにしてはやり過ぎだった。もし二階堂の理性の糸が緩かったときには、冗談だったで済まされないことぐ
らい高校生にだって分かるはずだ。
 二階堂は上半身を起こし、そのまま前に落ちてしまいそうな頭を片手で支えた。
 一晩中眠ってなかったのだ、疲れはそのまま二階堂の体に襲い掛かって来る。今日が休みでなかったら会社は
休んでいるところだろう。一応、社長という身ではあるが、疲れから冷静な判断を失いたくないという考えが二
階堂には根本的にあった。もっとも、二階堂は会社を休んだことがないのだが。
 ベッドから降り、二階堂は寝室のクローゼットへ向かう。適当に上着と、シャツ、ジーンズを選び、それを手
に風呂場へ足を進めた。昨日浴びなかったシャワーを浴びなくては。
 二階堂は洗面台の下に置いてある籠に衣服を入れ、服を脱ぎ始めた。ふと、鏡に映った自分と目が合う。口元
が少し青味を帯びている。二階堂はあまりヒゲが生えない体質だったが、さすがにそろそろ剃らなければいけな
いらしい。こういう日には少し気分が憂鬱としてくる。
 二階堂は全裸になると風呂へのドアを開け、中へと入った。真冬、早朝の風呂場はひどく冷たく感じられた。
230おたく、名無しさん?:2006/12/10(日) 10:37:36
 秋山 小説を書こうとしている人たちのサイトを見ていると、
     マーケティング論みたいな話をしているんですよ。
     この人たちは編集者になりたいのかな? と思ってしまいます。
          (中略)
 賀東 最近目にする「ライトノベル批評」ってのは、
     本来の読者層の視点と乖離しまくってるような印象があります。
          (中略)
     結局、アンケートとネットと出版の先行きの話は編集者視点なんですよ。
     むしろ、ファンにマーケティングをそそのかしている点で悪質と言える。
231おたく、名無しさん?:2006/12/10(日) 20:47:29
僕は今、"ときメモ"を見ながらパソコンをしている。
この6畳一間の部屋は、テーブルとイス、テレビにゲーム、それにパソコンがあるだけ。
日課はネットサーフィンと、テレビやビデオを見る。それくらいしかない。

ときメモが終わりにさしかかったとき、部屋のドアが突然あいて、妹が顔を出す。
「今いいところなんだ、用があるなら後にして」そう言おうとしたとき、
「お前マジキモイんだよ!!」
突然妹が叫び出す。
「前前から思ってたけど……、あんたみたいなのが私の兄貴だなんて本当に私不運だわ……。」
「え? ちょ、おも、おま、お前、何……」
僕はいつもと違う妹の姿に驚き、口篭もる。
「あ!? 何て言ってんだか分かんないよ! そういうのがキモイって言ってんだよ!」
何で妹が急にこんなことを言い始めたのか分からないのだが、怖いので取り合えず謝ってみる。
「ご、ごめ――」
しかし、謝ってみる、という行動が最後まで終わらないうちに、妹は喋る。
「あー、もう! クサイから話しかけんなよ!」
話しかけるなといわれ、僕は黙り込む。
多分"吃驚してます"を絵に描いたような表情をしているだろう僕に向かって妹は口を動かしつづける。
「この部屋もクサイし、あんたマジキモイ! 大体それ何? 女の子ばっかりみて、この変態! 変人! あー、そうそう、明日の外食、あんたはこないでよね!」
そういえば、明日はみんなでレストランに行く日だったと思い出す。僕も楽しみにしていたそれに、来るなと言われ、僕は初めて言い返す。
232231:2006/12/10(日) 20:49:23
「な、なんでだ、よう……。」
言い返すといっても妹の迫力に圧倒されている僕は大声が出せず、最後の辺りが消えるくらい小さな声になってしまった。
「何でって、あんたなんかと兄弟だと思われたら一生の恥だからに決まってるでしょう!?」
「で、でも明日はかずみさんの!」
流石に、本当に外食にいけなくなったらと思い、今度はちゃんと大声がでる。
しかし――
「でももくそもない!あんたなんかこないほうが、かずみさんも喜ぶわよ!」
そういって、妹は部屋を出ていく。
出ていったときに閉めたドアのおとが、僕の耳に入り、僕は悲しくなる。
「明日は……、明日はかずみさんの大学受験の合格祝いなのに……。」

次の日、僕は結局一歩も外に出なかった。



>>8のリメイク?版。
何か変なのになっちまったけど……。
俺、一応小説を趣味としているんだ。できれば評論頼む。
233231:2006/12/10(日) 20:50:36
全てを書き込み終わった後に気がついた。
萌え小説じゃないことに。
234231:2006/12/11(月) 16:52:57
おい、ごめん、俺のせいでシラけた?
なんで誰も書きこまないんだ……。
235おたく、名無しさん?:2006/12/11(月) 20:46:22
ただ単に誰も見てないうちにココまできたんじゃないかなと思う
俺は結構よかった、でもせめてかずみさんの説明がもっとほしかった
妹ひでぇ・・・正論だがそれでもひでぇ・・・
まぁ何度も言うがかずみさdんの説明を書けば形としてはなってると思う
236おたく、名無しさん?:2006/12/12(火) 17:58:26
>>235
ありがとうございます!
自分の中では、かずみさん=隣人の学生さんって脳内変換されていたんですが、改めて考えれば
確かにかずみさんの説明がなかった……。
すいません、かずみさん=隣人の学生さんって、脳内変換しておいてください。
237おたく、名無しさん?:2006/12/17(日) 17:06:31
>236
了解した。
結局のところ話の流れは、隣人の学生さんのかずみさんが
大学受験に合格したからそれを祝うために
外食しようとするんだけども妹が兄来るな!と強く反発して
結局行かなかったんだな
また言うけども妹ひでぇ・・・せめていかすぐらいはいいと思うのに・・・
238おたく、名無しさん?:2006/12/17(日) 18:09:12
>>237
そういうことだ。
ところでこのスレなんでこんなに進行しないんだ・・・?
しょうもないのであげ
239おたく、名無しさん?:2006/12/17(日) 19:25:09
皆さんネタが無いんと思われ
240マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/12/25(月) 00:11:09
>>239
お、俺はあるぞ!
241マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/12/25(月) 00:25:45
 蛇口をひねると、二階堂の頭上からスコールのように水が流れ出した。冷水でまず頭を冷やして、ぼうっとした頭をリフレッシュさせたかった。
 次に温水の蛇口を半分だけひねる。二階堂の家のバスルームの蛇口は、大体半回転ほどで水と温水のバランスが取れる。
頭だけをシャワーに突き出す体勢だった二階堂は水が温まってくると、次に体をシャワーの出す水の空間とも言うべきスペ
ースへ身を投じていった。しばらくその水音の旋律に呆けてからシャンプーに手を伸ばした。
 頭を洗うと、次はボディソープ。二階堂はス
ポンジ類を使わず、手で直接体を洗う。手で泡立てたあと、体にその泡を移していく要領で洗っていく。昔付き合ってた女
が、二階堂の肌を気にして教えた方法だった。男にしては白くきめの細かい二階堂の肌はスポンジに弱い。赤いスポンジ痕
が残るのをその女は嫌っていた。
242マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/12/25(月) 00:33:45
 体を洗い終えて、バスルームを出た二階堂は棚からタオルを出して体を拭いた。衣服を取ろうとしたとき、ふと二階堂は気付いた。
――パンツが、ない。
 不覚だった。二階堂はそのまま出てパンツを寝室へ取りに戻ろうとしたが、トントンという包丁の音に気が付いて、足を止めた。
 桜井が起きているのだ。仕方ないので、二階堂は風呂場とリビングを遮っているカーテンの向こうへ声をかけた。
「何ー? お兄ちゃん」
 桜井がカーテン越しに訊いた。
「すまん、下着を忘れた。寝室のクローゼットの下にある小さい箱に入ってるんだが、取って来てくれないか?」
 二階堂もカーテン越しに言った。
「下着って……パンツ?」
「俺がブラジャーをするように見えるか?」
 桜井がカーテンの向こうで「ゲー!」と言うのを二階堂は苦笑しながら聴いていた。
243マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/12/25(月) 00:47:51

 料理の途中で寝室まで下着を取りに行くように言われた桜井は、クローゼットの前で固まっていた。桜井の思考回路内では、まさに
重要な会議が行われていた。
 手に持っているのは二階堂の下着だった。トランクスと、ブリーフの中間のような形をしたボクサーパンツ。形こそトランクスに似
ているそれは、しかしブリーフのように肌をぴっちりと覆う伸縮性を持っており、ただ単体としてそれを見ただけでも、容易に着用し
たときの二階堂の膨らみを桜井に感じさせた。
 昨日の晩、ベッドの上で二階堂が一夜の誘いを断ったときの情景がフっと桜井の頭を過ぎった。
 そのとき桜井が思っていたことは昨日の駐車場で不良たちを倒したときの二階堂の後ろ姿。この人に抱かれてみたい。そう思った。桜
井は見た目こそいまどきの女子高生だが、素行自体は決して派手なものではなかった。成績もどちらかと言えば上のほうだ。だから、父
親に強姦されそうになったときには激しい嫌悪感を抱いた。
244マゾレンヂャーレッド ◆CQaPjXnGZ2 :2006/12/25(月) 00:57:43
 しかし、強姦、強姦未遂にあった女性が感じる男性全員の嫌悪、といった思考に桜井は繋がらなかった。男を知らなかったことが
逆にそういった判断を鈍らせているのかも知れない。だが、もしかすればまた父のように自分を襲う男が出るかも知れない、それは
桜井にも十分理解はできていた。どうせ、処女など後生大事に持っていても、チャンスを逃せば同時に悲劇を引き起こす起爆剤に
もなりかねない。それならば、早々に好きな男に差し出すのが良いのではないだろうか。桜井はそう考えるようになっていた。二階
堂ならばその相手になっても良い。少なからず桜井は二階堂にそういう想いを抱いて、しかし恥じらいもあって冗談めかして昨日は
誘ったのだ。しかし、それを二階堂は断った。桜井は怒らせたのではないかと、ずっと悩んでいた。明け方になるまで延々悩み続け、
やっと少しだけ眠って起きて見れば隣には愛しい寝顔もない……桜井はかなりショックを受けていた。
 それと同時に闘争心と似た感情が桜井に沸いていた。絶対に振り向かせるという決心を胸に、寝不足の体を叩き起こして料理を作っ
ていたのだ。
245マゾレンヂャーレッド"5808630:2006/12/25(月) 01:07:53
 そこに転がり込んだこの一件。桜井は悩んでいた。
 二階堂の男の部分を覆っていたであろうこの下着、洗濯してあっても人間である以上何らかのものが染み込んでいるものだ。
――嗅ぎたい。
 桜井は自分の頭に浮かんだ考えを反復し、その発想を振り払うかのように頭を振った。
「ダメダメ。そんなの変態じゃない!」
 今度は自分に言い聞かせるとでも言うかのように声に出してみた。しかし、それを二階堂の下着に視線を移す度にその欲求は激しく腕の神経を刺激する。さあ、腕を上げてその鼻に押し付けろと言わんばかりに。
 桜井は自分でもわかるほどに顔を赤く染めながら、ゆっくりとその手を鼻に近づける。口は呆けたように半開きになり、もう桜井にはそのことしか頭にない。
「ちょっとだけ……ちょっとだけ……」
 今度は自分を弁護するかのように一人で言い。とうとうその顔にボクサーパンツを押し当てた。桜井はすう、と鼻から吸い込むと、繊維のにおいと、わずかに苦味のありそうな臭いを感じた気がした。
246おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 01:08:34
>>245
わざとやってるとしか思えない
247マゾレンヂャーレッド ◆OVUxDr.gfY :2006/12/25(月) 01:11:29
ヤバ
トリップ晒してもうた
これからはこれで
248マゾレンヂャーレッド ◆OVUxDr.gfY :2006/12/25(月) 01:13:17
>>246
いや、マヂ
ごめん
てか、この際だから名前も変えようかなぁ。。。
249おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 01:15:07
>>247
つーかお前ラノベ以外も読んだほうがいいよ。
萌え小説だからラフな文体でいいとか思ってんだろうけど
読みやすい文体と文章の基礎がなってないのは違うから。

わざわざ上げて反応待ちするほど、自信満々なのか?
身の程を知ったほうがいいよ。
250マゾレンヂャーレッド#:2006/12/25(月) 01:26:24
残念ながら俺はラノベほとんど読まないんだ
ラフってか、上記した通り、これはリハビリだし文章として至らない点があるのは確かだよ? 
でも、文章の基礎がないトカ、ってこと言われるのは気に入らない。
それは昔実費出版で雑誌出してる文学サークルから、サークルに参加してなかった俺の文章が買われて出費なしで
コラムを載せてくれてたことがあったんよ。だから、俺が文章力どうのこうのって馬鹿にされるのは俺自体はかまわないけど、
そういった俺のことを評価してくれた人まで侮辱するようなことは言って欲しくない
あと、ageてるのは俺の小説を待ってるって言ってくれた人がいたから、その人に向けて
251マゾレンヂャーレッド ◆OVUxDr.gfY :2006/12/25(月) 01:27:30
>>250
ああ、またorz
専ブラ消してしまったから通常ブラウザは使いにくい
252おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 01:33:28
>>250
お前の諸事情なんて知るわけねえだろ。
いつ俺が、その評価してくれた人とやらをバカにしたっつーんだ?
勝手に話膨らますな。
そもそも同人に掲載されただけで文章の基礎が出来てるってどういう理屈だ。
253マゾレンヂャーレッド ◆ZRi8IaIUNE :2006/12/25(月) 01:39:28
>>252
だから俺が基礎できてないって言うことは、俺を評価した人たちの文章力の基礎まで疑うって意味でしょ?って意味だよ
理解できるかな? 三段論法ってよく言うでしょ? あれ
それはそのサークルの内容が問題になってくる
同人って言っても、創作小説が主題になってるんぢゃなくて、より多くの読者を獲得し、文章力の向上を目的としたサークルなんよ
たぶんネットでも検索すれば出てくるサイトが出てくると思うけど、概要とか見てくれればわかるよ
254おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 01:49:23
>>253
マジネタとしか思えない頭の悪さだな。
俺が>>249でお前を批判した時に、そんな事情を知る術があったか?
その三段論法とやらは、俺がサークル云々の出来事を知っている事が前提で成り立つ事くらいわからんのか。
俺はただ単純にお前の文章を見て、基礎がなってないと思ったからそう書いたまで。
お前以外を批判したつもりなど毛頭ない。
俺が言いたいことは一つ。

 お 前 の 文 章 は 自 分 が 思 っ て い る ほ ど 上 手 く な い


255マゾレンヂャーレッド ◆OVUxDr.gfY :2006/12/25(月) 01:59:11
>>254
いや、むしろなぜ理解してくれないのか理解できないのだが?
君が知っている知っていないは関係ないんだよ
俺の文章を否定されることは、俺のことを評価してくれた人の文章力まで否定することに繋がることは事実なんだよ
理解できるかな? 難しい?
結局、名誉の問題なんだよ。俺にそんな気はなかったって言うそういう考え方ぢゃなくて、どこで誰が見てるかわかんないし、
第一言い返さずに「はい、そうです私は文章力がありません」なんて言ったら、俺までもが「文章力のない私の文章を評価してくれた方々は無能です」
って言ってるようなもんでしょ?
んで?
君はそれを言ってどうすんのさ?
そしたら俺が「はい、そうですね。それでは私はもうここに小説を載せることをやめます」って言うとでも?
さっきも言ったように、俺の小説を待ってるって言ってくれた人がいたんだよ
だから、俺は書くよ
一人でも読んでくれてる人がいるって知ってるから
ただ単に私情でイライラして罵倒したかっただけなら、もうこのへんでレスはお互いお仕舞いにしよう
無駄レスすると、他に小説を載せたいって思ってる人たちの迷惑にもなるしね
俺は一応上記の理由でレスを返したってことはもう書いたし、それさえ書けばもう言うことはないよ
256おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 02:15:46
>>255
流石ポリシーと我侭を混同してる中二病だけあるな。
心底にバカなようだから丁寧に説明してやる。

俺は「 お 前 の 文 章 力 」を批判しただけの話。
そこでお前の付随する人間関係に話を展開させるのは詭弁盲弁、話の飛躍。

Aに付随するBをCは批判した。
DはBを評価している。
故にCはDを批判している。

こんな理屈どう考えても通るわけがない。
そもそもお前は>>250
「俺が文章力どうのこうのって馬鹿にされるのは俺自体はかまわない」
と言っているのに、お前の言う三段論法を適用すると上記の発言は完全に破綻する。

これを
257おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 02:17:06
>>256
最下段「これを」は関係なし。
258おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 02:26:03
お前の理屈を分かりやすくするとこうなる。

1:A(マゾレン)はB(マゾレンの文章)を批判しても構わないと言った
2:C(俺)はB(マゾレンの文章)を批判した
3:D(マゾレンの知り合い)はB(マゾレンの文章)を評価している
4:C(俺)は間接的にD(マゾレンの知り合い)批判している
5:よってC(俺)がB(マゾレンの文章)を批判してはならない

1と5が確実に矛盾している。
259マゾレンヂャーレッド ◆OVUxDr.gfY :2006/12/25(月) 02:31:13
>>256
ん?
だから〜。。。もぉ。。。シンド
ぁのね? さっきも言ったけど、君がその人らを知ってる知ってないは関係ないの? ここまでは理解できる?
君が俺をダメだと評価することによって、俺以外にもダメだと評価される第三者がいるっていう事実が問題なの(ここで君がその第三者を知っている必要は問題に関係ない)
わかんない?
それにその書き方間違ってるよ
260マゾレンヂャーレッド ◆OVUxDr.gfY :2006/12/25(月) 02:34:14
まず、Aが俺の文章ってのはおかしい
C、つまり君は
俺の文章を批評したんでしょ? つまり、
A=俺の文章
ってことぢゃん?
つまり、Bは立場を変え、君とする
AをBは批判した
C(評価している人)はAを評価している
故にBはCを批判した
となる
だからこそ俺は「俺が文章力どうのこうので馬鹿にされるのは俺自体は構わない」と書いたわけ。不足の文を埋めるのは文章がくどくなるし、
読みづらいだろうけど、つまり、「俺が文章力どうのこうので馬鹿にされるのは俺自体は構わない(が、それでは俺を評価する人々の気持ちに
副わないから言い返させてもらう)」ってこと
わかる? そのあとの文や、レスを呼んでれば理解できるはずだけど大丈夫? ちょっと冷静になって考えてみて
261マゾレンヂャーレッド ◆OVUxDr.gfY :2006/12/25(月) 02:38:55
>>258
ていうか、本レスでも「構わない"けど"」って否定の文入れてるやん
だから、そもそも批判しても構わないなんて言ってないやろ?
あの、喧嘩売りたいだけなら他所でやってくれませんか?
流石にレスした言葉を勝手に言い換えられるような人とまじめにお話なんてできないのですが。。。?
262おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 02:46:58
>>260
もう少し分かりやすくしてみようか

A(マゾレン)はB(マゾレンの文章力)をC(他者)が批判するのを構わないとした
C(他者・この場合は俺)はB(マゾレンの文章力)を批判した
Dは(マゾレンの知り合い)はB(マゾレンの文章力)を評価している
間接的にC(他者)はB(マゾレンの知り合い)を批判している
よってC(他者)はB(マゾレンの文章)を批判してはならない

この論法が正当とすることにどれだけ無理があるかまだわからんのか?
Bを一人でも肯定する人間がいた場合あらゆる批判が不当になるっつー事だぞ?
正直に言っちまえよ。
お前は分の能力を批判された事に不服に思って、「他者を盾」に正当性を主張したかっただけだ。
263おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 02:48:24
>>261
国語やり直せ。
「けど」は否定の意味を持たねえよ。
接続助詞だ。
264マゾレンヂャーレッド ◆xU.D3RQde6 :2006/12/25(月) 02:50:50
>>262
あのー、ね? 一人で盛り上がっちゃってるとこ悪いんだけど。。。
もう一度ちゃんと>>261と、>>250の「だから、俺が文章力どうのこうのって馬鹿にされるのは俺自体はかまわないけど、
そういった俺のことを評価してくれた人まで侮辱するようなことは言って欲しくない 」
って文を読み返してみようか?
どこに俺の文章を批判しても構わないって書きましたか?
265おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 02:53:19
>>264
>>263を1回でいいから音読しろ。
「けど」は接続助詞で否定の意味を持たないから
「文章力を否定されるのは構わない」はそのままの意味を保つことになる。
こんな日本人なら無意識に分かるような事まで説明なきゃならんの?
266マゾレンヂャーレッド ◆OVUxDr.gfY :2006/12/25(月) 03:06:01
>>263
ややこしかったか? すまん、書き方が悪かったな
説明しにくいんだが。。。
ええっとだな、ややこしいことをさらにややこしく説明するぞ?
「俺が文章力どうのこうのって馬鹿にされるのは俺自体はかまわないけど、
この「けど」は否定にはなっちゃいない、しかし俺は>>261否定の『文』って言っただろ? けどは単語で文ではない。
つまり俺が言った否定の文とはその後ろ
すなわち、「そういった俺のことを評価してくれた人まで侮辱するようなことは言って欲しくない」
こっちのことになる
少し丁寧に言い過ぎたが、「言って欲しくない」はつまり、「言うな」ってことだ。例文を挙げるなら、「そこのりんごは食べてもいいことにはなってるけど、お父さんがないと怒るから食べるのはやめて」ってところか
てか、今日は疲れたし、寝るから、まだ何かレス続けたいなら明日返す
それでレスしなかったら逃げたのなんだのって言わそうで癪だしな
267おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 03:20:41
>>266
百歩譲って「けど」をお前は否定を意図して使ったか
その後の文章に重点を置いて話したと理解しよう。
だが、そうするとその時点で論点がずれている事になる。
つーか最初から俺の言わんとする事をお前はまるで汲み取らずに
的外れな事しか言ってねーんだよ。
「お前の能力に限定して」話をしているのに何で知り合いの話が出てくんだよ。
まずそこに気付け。
その足りない脳みそにも分かるように物語形式の例を出してやる。

A「このリンゴを食べていいですか?」
B「私は構わないと思いますが、Cがダメだと言います」
A「私はCではなくBの意見を聞いています。Bはリンゴを食べていいと思うのですね?」
B「はい、私は問題ないと思います」

この時点で話の決着はついてるはずなのに

B「ですが、Cがダメだと言います」
A「ですから、私はCではなくB,あなたに問うてるのです」
B「私自身は問題ありません、ですが・・・」

こんなやり取りいつまで続けるつもりだ。
268おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 03:27:15
>>266
更にいうならその例もお前が意図するものには当てはまらない。

「そこのりんごは食べてもいいことにはなってるけど、お父さんがないと怒るから食べるのはやめて」

これは父親の不利益を考えての発言ではなく
父親に怒られる自分の不利益を考えた保身の発言。

まあ、お前が自分の能力を批判された事に対して
直接不服を申し立てるとイメージが下がるから
善を装って他人を盾にしたって事なら当てはまるけどな。
今更保身なんてするなよ。
妹スレで暴れて、顔晒しスレで暴れてお前に良いイメージ持ってる奴なんてこの板にいねえから。
269おたく、名無しさん?:2006/12/25(月) 11:21:40
マゾレンヂャーレッドとやら。お前とこのスレの住人が何やら討論をしているので、とりあえずおまえの小説を一気読みした。
>>204についてだが、取り合えず、「ぢゃん」は止めろ。日本語じゃない。「をんな、をとこ」とか「づっこけ3人組」とか、あほっぽいだろ?それと同じだ。

>>208ごめん、俺の知識が少ないだけかもしれないが、ごちたって意味がわからない。


あと文章的にいっても、改良したほうがいいなって思う部分もいくつかあるぞ。
あと誤字が多すぎだとおもうんだ。
推敲及び見直しはしてるのか?
270マゾレンヂャーレッド ◆OVUxDr.gfY :2006/12/25(月) 12:49:59
>>267,268
あのね? いい? ちゃんと話聴いてね?
そもそも君が言ってることはまずおかしい
それって、本人が認めればなんでもよくなるってことでしょ?
例えば、「私は殺人をしてもいいと思いますが、法律ではしてはいけないことになっています」って言ったからって殺人をしてもいいこと
になんないでしょ?
文の冒頭で自分の考えを述べて、後に否定的な形で文を入れると、結局それをしてはならない、って意味の文になる。わかるかな?
だから、俺が書いたのも、「俺の文をどうこう言うことは俺は構わないが、俺を支持してくれる他の人らに失礼だ(からそういうこ
とは言うな)」って意味。まだ理解できない? 大丈夫?

>>269
>>204については素直に謝る。あれは俺の普段の癖で書いてしまった。小説を書くときにはちゃんと直すんだが、ついうっかり書き始めだったのもあって見落としてしまった。
>>208ごちたには諸説ある。『一人独ち』や、『ごつ』などから来たなどいろいろと。詳しくは辞書を開いてくれ
推敲、見直しは自分で書いたあと斜め読みするだけだ。一度投稿したら書き換えられない掲示板の性質上、そのまたあとで見つかった
ものに関してはご勘弁いただきたい。
文章的に改良したほうがいいなって思う部分があるのなら言ってくれれば参考にするし、リハビリも意味も兼ねてるからそれは大いに歓迎
ただし、>>249のように「どこが・どうだから・ここが悪い」といった説明のない、改善できないような書き方は極力避けて欲しい
ただでさえ俺には粘着の荒らしが大量にいるので
271おたく、名無しさん?:2007/01/09(火) 20:45:07
あげだ。
272おたく、名無しさん?:2007/01/10(水) 16:13:20
今来た私が上の文章をロクに読んでいないのに下の論争だけ見て言ってみる。

>>250の話の発展の仕方は理解に苦しみます。
 それ以前に内容の賛否に関係なく、仮にも自分の文章を読んで評価をしてくれた相手に対して何て事を言ってるんですか?
「はいはい、じょうずにかけたねよかったね」
といった当たり障りの無い意見が欲しいだけの自己満足ならば自分のサイトでやるべきだと思いますが。
 それが練習だと言うのであれば尚更に。
 更に言うなら、同人サークルが実費で本を出すのは当然です。
 ページを埋めてくれるゲストの作家さんに印刷代を請求するなんて有り得ません。
 自分で出す本にわざわざ書いてくれた人の文章や内容に文句なんて付けられません。
 それが例え文章の基礎がなっていないような稚拙な文章であったとしてもです。
 それとも貴方は彼等から「三顧の礼」でも受けたんですか?
 貴方が一体何を勘違いしているのかは知りませんが、>>249の指摘には別に貴方の言うサークルに対する中傷的内容は全く含まれていませんし、その意思も無いように思います。

 …まぁ、>>249の記述した指摘自体、曖昧模糊で「どういった部分をどう改善すれば良いか」を連想し難い微妙な内容ではありますが。

 私はまだこの小説を読んでいないのでそれがどういった点に対する指摘だったのかは解りかねますが、
「文章の基礎がなっていない」という彼の指摘に対して憤慨する前に、そういう評価を受ける様な文章しか書けなかった自身の文章力を疑うべきかと。

 Aが自分の文章を認めてくれたからと言って、Bも自分の文章を褒めなければならない理由にはなり得ません。
 そもそもAは貴方の文章全てを読んだ上で的確な指摘をし、載せる価値を見出せるまで親身に貴方にダメ出しをしたんですか?
 「お前の文章いいね、今度俺の本に載せさせてくれよ〜」といった内容だったのでは?

 正直言って今の貴方は、自身の能力を批判された事に対して不服を唱え、第三者を盾に自身の正当性を主張したがっているだけの子供にしか見えません。
273ぷーじん ◆NJIrDMV0mA :2007/01/10(水) 18:00:59
長文ばかりでよく分からんので自分なりに解釈してみた。

Α「私は阿部総理を非難しているが、それが阿部総理の支援者を非難していることにはつながらない」

Β「否。阿部総理を非難するということは、阿部総理の支援者を非難するということだ」

んで、どっちが正しいのかってことでおk?
274おたく、名無しさん?:2007/01/10(水) 18:07:46
>>273おk
275おたく、名無しさん?:2007/01/10(水) 18:11:12
山の頂上で邪悪な気配がする
王さまに命じられて、頂上へ探索に行くことになった勇者(主人公)
城門に行くと、王さまが呼び寄せた6人のお供
戦士、僧侶、魔法使い、盗賊、狩人・・・一人足りない
次の町の宿で待っているとの事
勇者はこの中から3人選び次の町に進むことにした(あとの2人は別行動)

ここで組んだパーティによって、この後のシナリオが変わったり、
次の町で待っているもうひとりのキャラが変わる。

流れとしては
スタート→ダンジョン→町(休憩所)→ダンジョン→休憩所→ダンジョン・・・休憩所→山の頂上
休憩所でシナリオに沿ったイベントが起きたり、パーティの入れ替えができる
276荒野の1ドル銀貨 ◆dollar/Agg :2007/01/10(水) 18:14:00
まあ、何ですか。
マゾレンの理屈に従うと評価っつー行為そのものが成り立たなくなるよね。
277おたく、名無しさん?:2007/01/10(水) 18:14:30
>>276同意
278おたく、名無しさん?:2007/01/11(木) 13:02:25
どっかで見たことある流れだなと思ったら、妹スレ事件にそっくりなんだな。
あの時もこいつ幼稚な事ばっか抜かして集中砲火食らってたし。
1年近く立っても成長ないどころかさらに酷くなってる。
お前プロミュージシャンになるんじゃなかったの?www
279おたく、名無しさん?:2007/01/11(木) 16:44:28
>>278
>>268
>>269
ウゼーーーーーーーー!!
マゾレン頼むから続きを書いてくれ。
こんな揚げ足取って悦に入ってる奴らはほっとけ。
280おたく、名無しさん?:2007/01/11(木) 17:10:49
>>279
揚げ足じゃなくて注意。
日本語を学ぼうか。
281おたく、名無しさん?:2007/01/11(木) 20:03:37
ラノベはステロタイプなキャラクター性が確立されてる時点で
どう捻っても文学にはならない気がする。
始めから手の内明かしてるようなもんだわ。
作者が属性でのキャラ作りを意識してるし
ご丁寧に漫画絵のイラストまで付いている。
読み手が、ゼロから人物像を自由に模索することができん。
ラノベはそれを前提の上で書かれてる、文学とは何か別の文芸分野。
282おたく、名無しさん?:2007/01/11(木) 22:12:51
>>279
なんという自演・・・
見てすぐに分かってしまった
このレスは間違いなくマゾレン
       
   / ̄\
  | ^o^ |  
   \_/
283おたく、名無しさん?:2007/01/12(金) 11:01:08
>>281
ゼロから人物像を自由に模索することができないのは、
個人的には歓迎なんだが。
未だ嘗て自分で姿形を想像したキャラクターに愛着を持てた例がない。
でも、やっぱり『文学』とは別物だろうな。
284272:2007/01/12(金) 11:40:50
えー、マゾレンさんの書かれた一連の文章を拝読させて頂きました。
>>249さん、私が間違っていました…一つ謝罪を。
「文章の基礎がなっていない」という表現は強ち間違いではないと思います。
私も貴方と同様の感想を抱きました。
恐らくこの人は基礎中の基礎であるプロットを書いていない。
故に展開に無理がある点が目立ち、明らかにわざとらしい場面すらあります。

「こんな場面を使いたい」という気持ちが逸るあまり、
「ならばどうすれば自然に話を展開させられるか」という筋を通そうと
推敲するに至っておらず、ただノリで書いている印象を受けます。
「どこをどうすれば」以前の問題で、話そのものの根本が疑わしいのです。

その上、書き上げた後に文章の校正が充分にできていません。
と言うか、していません。
本編中の誤字脱字の多さがそれを物語っています。

絵や音楽を介さず、文章でしか表現できない「小説」である以上、
そこが一番重要です。ネームも切らずにいきなりペン入れするようなものです。
「構想は頭の中にある」なんてのは論外です。

…あくまで私がマゾレンさんに対して抱いた感想なので、悪しからず。
勘違いかも知れませんし、そうであったなら失敬、謝罪します。
>>249さんも、反論があればご自由にどうぞ。
一応上げておきます。
285裏ふも:2007/01/12(金) 17:51:39
久しぶりにスレが面白くなってる。
あんまビシバシいく方向性のスレでないほうがいいんでない。小説見づらくなるし。
いろいろと毛が逆立ち過ぎなのでは。
286おたく、名無しさん?:2007/01/14(日) 00:54:47
上げだ
287おたく、名無しさん?:2007/01/14(日) 08:07:07
マゾレンジャーはプラスになる事を言ってくれてるんだから、抵抗があっても耳を傾けた方が良いよ。
このままではここまでのレベルで終わる。
せっかく良い事言ってくれてんだからよ。損にはならん。俺もそう感じたし。
頑張れよ。
288おたく、名無しさん?:2007/01/22(月) 13:48:26
このスレ伸びないなぁ。ネタ切れ?
289ぷーじん ◆NJIrDMV0mA :2007/01/23(火) 00:17:55
書き手が少ないから、このスレは基本的に亀だよ。
まぁ、おたく板自体が人少ないけど。
290おたく、名無しさん?
すげぇ設定思いついたから今日から書く
誰かに先越されないうちに発表せねば