1 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :
夜7時。
渋谷のハチ公前。
一人の少女が、渋谷駅の改札口から
ハチ公の銅像に歩いてくる。
セーラー服の冬服を着、赤いスカーフをつけている。
髪は黒く、長く、やや丸顔だが、目は優しげだ。
胸はなだらかな丸みを帯びているが、
腰はまだ子供の雰囲気を残している。
周りをきょろきょろと見回した。
大勢の若者が待ち合わせのために蝟集している。
「ひま?」
髪を茶色に染めた細身の優しげな青年が話し掛けてきた。
少女は、
「いえ、ちょっと」
と言いその誘いを断った。
少女は不安気にハチ公の銅像の前に立った。
ハチ公は、前足を踏ん張ってそこに座っていた。
少女は意を決し、ハチ公の尻尾を3回撫でた(@w荒
2 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/27 03:33
少女は周りを見た。
誰も少女には注目していないようだ。
誰も話し掛けてこない。
少女は、5分ほどそこにいた後、
しゅんとして再び渋谷駅の改札の方に向かった。
少女が改札に入る前に、
少女の肩に手が置かれた。
「ちょっと」
少女の肩がピクリと揺れた。
「やあ(@w荒
ヲレは少女に話し掛けた(@w荒
3 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/27 03:34
少女は不思議そうな顔でヲレを見た。
「さっきさ、ハチ公の尻尾、触ってたぢゃん?
あれっておまじないかい?(@w荒
ヲレは少女に尋ねた。
「あれは・・・」
少女は口篭もった。
「すいません、失礼します」
少女が踵を返しかけたとき、ヲレは呟いた。
「本気、なのかい?(@w荒
少女は驚いた顔でヲレの方を見た(@w荒
4 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/27 03:34
「じゃあ、あなたが?」
少女は信じられないという顔で言った。
「ついてきな(@w荒
ヲレはそそくさと外へ歩きだした。
少女は、その後をててて、と附いてくる(@w荒
5 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/27 03:34
ヲレは少女と宮下公園にやってきた。
「座れよ(@w荒
少女は、ベンチに腰を下ろした。
ヲレは、少女のあごを右手で撫でた。
「かわいいぢゃん(@w荒
少女は、斜め下を向いた。
「で。用件は?(@w荒
ヲレは少女に尋ねた。
6 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/27 03:35
「・・・俊平と・・・あの女を別れさせて」
優しげな少女の表情に、瞬間羅刹が憑依した。
ヲレは空気が少し凍るのを感じながら頷いた。
「わかった・・・対価はわかっているだろうな?(@w荒
少女は頷いた。
ヲレは、少女の手を握った。
少女の指の股に、ヲレの指を突き立てる。
「痛・・・」
「処女だろうな?(@w荒
少女は頷いた。
ヲレは、少女の匂いを嗅いだ。
「みたいだな(@w荒
7 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/27 03:35
4時間後。
ヲレは、足を引きずるようにして車から降りていった少女を
見送って、車のドアを閉めた。
ターゲットの家に向かう(@w荒
倉木マキは、少女の同級生で、友人だった。
少女は、隣のクラスで、マキの幼馴染だった俊平に惚れていた。
少女は、マキに色々と相談をし、
マキが表面相談に乗っているうちに、
裏で二人はいつのまにかくっついてしまった、
というわけだ。
依頼は、二人を別れさせること。
マキをドツボに嵌めること。
この二つだ。
「俊平くんとはつきあわなくていいのかい?(@w荒
ヲレは車の中で少女に尋ねた。
汗を垂らして髪を乱した少女は、シャツを着ながら頭を横に振った。
「いい」
「そうかね?(@w荒
「あの女が・・・憎い。それだけなの」
こいつの文章がツマラン理由がわかった。
10 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/27 19:55
マキの家は、六本木のマンションの5階だった。
父親は銀行マンらしい。
ヲレは、周りの地理を確認した(@w荒
「いいとこ住んでるな(@w荒
ヲレは、さっき少女が指で示した少女の家と比較して思った
11 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/27 19:55
朝。ヲレは車は使わず、ターゲットの家の前に来た。
ターゲットと父親が話しながら出口から出てきた。
今日はターゲットは追わない。
そんなことをやるのは素人だ。
父親は、地下鉄で大手町の都市銀行の本店に向かう。
ヲレは、マキの父のすぐ近くに立った(@w荒
12 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/27 19:56
ヲレはマキの父親の手が目の前のOLの尻に伸びているのを見た。
「朝っぱらからお盛んなことだな(@w荒
ヲレは呆れた。
どうする?ここで現場を押さえて、マキの父親を警察に突き出せば、
銀行の職を失わせることができる。
そうすればマキもあの学校にいられなくなるかもしれない。
写真をバラまけば最高だ(@w荒
だが、マキの父親の手は、途中まで伸びて引っ込んだ。
「惜しいっ!!(@w荒
ヲレは心の中で舌打ちした。
13 :
東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/27 19:56
ヲレは、マキの父が
銀行の灰色の建物に吸い込まれていく姿を確認して踵を返した。
まあ、今日はチャンスは逃したが、楽勝ぢゃん(@w荒
ヲレは地下鉄の駅の中に入っていった。
それから2時間後。ヲレはとある街のサラ金のキャッシュディスペンサの前にいた。
さっきから、若者や主婦がひっきりなしに来ては、
カネを出し入れしている。
ヲレは、一人の女性に注目した。
年のころは23,4.肉感的な感じの美人だ。
「ぢゃ、こいつでいいか」
ヲレは、その女に近づいた。
「ちょっと・・・」
「はい?」
女は訝しげにヲレを見た。
おっとオイラとした事が、図に乗ってしょーもないスレ吊っちまったよ。
こいつは埋めたて屋に来てもらわにゃならんな。