小説でも書くか -2 (@w荒

このエントリーをはてなブックマークに追加
1東京kitty ◆A4cRD3R2n.
  昭和最後の日

- 2ちゃんねる最初の日 ?

解説)
2chの指導精神であるひろゆきの根本的思想の形成を
テーマにしたもの。
ひろゆきの思春期のある一日を切り取って刺身にした(@w荒
2東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:20
「ひろゆきっ!」
返事がない。
「ひろゆきっ!!」
やはり、返事がない。

姉は、官舎の狭い住居の中を見渡した。
「まったく、あいつどこに行ったのかしら・・・」
3東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:20
姉は、イライラとひろゆきの机を見つめた。
「まったく、陛下が崩御されたというのに」
ひろゆきと姉の家は、公務員だ。
今日、1989年1月7日。遂にXデーは来た。
昭和天皇が、長い在位の後遂に崩御したのだ。
今日、ひろゆきの家は外に何か食べにいく予定だった。
だが、このようなことがあった日に家族で遊びにいったとわかれば、官舎の中でつまはじきにされる。
中止ということを伝えようとしたのだが、どこにもいない。

4東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:21
ひろゆきは、一旦学校から帰ってきてから、
外に遊びに行ったのだ。
「今日は天皇死んだから、外食は止めだよ」
ひろゆきは、予めそう読んでいた。
「夕方まで遊びにいっても大丈夫だろう」

ひろゆきの家の周りは、マンションが多い。
ひろゆきの家自体も官舎だし、一戸建ての家は数える程度だ。
小学校のクラスもマンション住まいのサラリーマンの子供ばかりである。
遊びに行くとしたら、多くのファミコンのソフトをもっている友達のところが好まれた。ひろゆきが今遊んでいるエイジも、
やはり沢山のゲームをもっていた(@w荒

5東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:21
エイジは一人っ子だ。
父親は証券会社の営業マンをやっている。
羽振りがいいらしい。
一人っ子のエイジのために、
カネをつぎ込んでいるというわけだ。
「な、ひろゆき」
「ん?」
ひろゆきはファミコンのコントローラを握り締め、
画面に集中しながら言った。
「おれさ、もうじき塾なんだ」
「あ、そう。行ってらっしゃい」
ひろゆきは、Aボタンを押した。

6東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:22
ひろゆきの態度に、エイジはまごついた。
「いや、あのさ・・・だから」
エイジは、ふすまの向こうの母親を気にしていた。
エイジは、とある私立中学に落ちて、
今はひろゆきと同じ中学に通っていた。
だが、高校受験は成功させようと、親は必死になっているようだった。
7おたく、名無しさん?:02/10/24 11:22
えーなになに★
8東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:22
「あー飽きた。帰る」
ひろゆきは、突然立ち上がり、
コントローラーを投げ捨てた。
「じゃ」

ドアを開けて、外に出る。
ひろゆきが立っている7階からは倉庫と自動車学校が見える。
ひろゆきは、白い息をハアハアと両手に当て、階段を降りていく。

「なあ、将来ひろゆきは何になりたいんだよ?」
エイジに聞かれたことがある。
「さあ・・・食べるに困らなければなんでも。遊んで暮らせれば最高」
ひろゆきはそう答えた覚えがある。
今でもそれは変わらない。
9おたく、名無しさん?:02/10/24 11:22
馴れ合おうよう★
10東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:22
ひろゆきは、マンションの駐車場に停めてあった自転車に跨った。
「つめてー」
自転車のハンドルの部分がやけに冷たい。
1月の初め、自転車で走ること自体が寒くてたまらない。
歩いた方がまだいいくらいだ。
だが、やたらとだだっ広い彼の街に散らばる彼の友人たちを訪れるには、自転車を用いるのが最も効率的だから仕方がない(@w荒
11東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:23
ひろゆきは、本当は外に出ることは好きではない。
だが、家にいても、持っているファミコンのゲームが少ないために、飽きてしまうのだ。
楽しくないのだ。
おまけに家にはねえちゃんがいる。
姉は、ひろゆきにとっては物覚えのついたころからの強敵だった。
「ひろゆきは男の子なんだから」
とか、
「私はひろゆきのために我慢しているんだからね」
が口癖だった。
「別に我慢なんてしなくていいよ」
とひろゆきはいつも思っていたが、とても口には出せなかった。
姉の方がひろゆきよりも背が高く、
ひろゆきはいつも見下ろされていたのである(@w荒


ひろゆきは、立ちながら自転車を漕いだ。
エイジは、高校受験のために今から塾に行っているという。
未来。
自分は、あと10年後何をしているんだろう?
この街から、いや家族から抜け出せるのだろうか?

マンションと団地の立ち並ぶこの街に生まれたひろゆきは、
この街が嫌いでもあり、好きでもあった。

長文ウザイょ
長文コテハンしねよ
14Neo ◆PZGoP0V9Oo :02/10/24 11:27
おもしろい
引き込まれる
つまんねー
16東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:28
ひろゆきは、公営団地の敷地の中に入り込んだ。
5号棟の3階の端の部屋のドアをノックする。
「お、ひろゆきじゃん。入れよ」
「アンニョンハシムニカ」
ひろゆきはそういって入りこんだ。
金田の家は、もともと在日韓国人の家庭である。
彼の本当の名前も、キムヨンジュという。
だが、公営住宅に堂々と入居している。
聞いたところによると、とある政党の有力支持者として、
口を聞いてもらったという。
ひろゆきは、金田の家に行くのが好きだった。
彼の家には沢山のファミコンのソフトがあるばかりか、
彼の親は外にいることが多く、
夜遅くまで一緒に遊ぶことができたからである。

「ゲームボーイって4月に出るんだってよ」
金田は、テレビの前でファミコンの雑誌の記事を見ながらひろゆきに言った。
「ゲームやろうぜ」
ひろゆきはテレビを2チャンネルに変えようとした。
「あ、ちょっと待って」
金田はひろゆきを止めた。
「どうして?」
「ちょっとだけニュース見ようよ。ちょっとだけ。な?」
                / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
                /            /
        ∧      |             ̄ ̄ ̄ ̄ \
        \\     |                    \
          \\   |                    /
           \`ー ′            ____/
             \                 ̄ ̄\
  __     __  \                   \
  \  \   \ / | ̄ l\                   |
   |l\ \   ||   |  |  \                      |
   ||  \ \  ||   |  l_ノ|\                     |
   ||   \ \l|   |  l ̄ヽl  \                |
   ||     \. |   |  |      \               |
 ,/ \      \l ノ'  |___// \                 |
  ̄ ̄         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    \               |
               | ̄l ̄ ヽ ̄ヽ l ̄|\             |
               |  |   )   ) l  | \           |
               |  |__ノ_ノ   l  |  \          |
               |  |\ \     l  | //\        |
               |  |  \ \    l  |//  \      |
                /   \  \ \   l /     \    |
               ̄ ̄ ̄    ̄ ̄          \  |
                                       \
18東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:29
テレビのニュースでは、昭和天皇の崩御を聞いて、
皇居前の広場に集まる老若男女の姿が映し出されていた。
女子高校生が泣きながらインタビューに答える。
「陛下死んじゃった・・・」
ひろゆきはそれを見て首を傾げた。
「なんで赤の他人のじいさんが死んだくらいで泣くんだろう?」
金田は真っ青になった。
「おまえっ!日本人だろうが!!天皇陛下が死んで
どうしてそんなことを言ってられるんだ?」
19東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:29
ひろゆきは金田に向き直った。
「金田さ、お前は韓国人だろ?それに、
もともと日本に強制的に連れて来られた
人の子孫じゃないか。あの人には恨みがあって当然じゃないのか?」
金田は沈黙し、やがて重く口を開いた。
「アボジやオムニはそう言っている。でも、俺の意見は違う」
「どう?」
「俺は日本で生まれて、日本語を話している。
 小学校も中学校も日本の学校に行っている。
 お前たちとどう違うんだよ?
 朝鮮語、俺読めないよ。俺は国籍はとにかく、心の中は日本人だ」
ひろゆきは金田の言いたいことがわかった。
「そうか。昭和天皇の死に、
 他の日本人たちと同じ気分を味わって日本人になりたいってことか」
ひろゆきのあからさまな言葉に、金田は怒った。
「ひろゆき!お前おかしい。天皇が死んだんだぞ?店だってどこも閉まっている!
 みんな悲しんでいるんだ」
「だからっておれまで悲しむ必要ないじゃん」
ひろゆきは言い放った。
「大体、天皇の誕生日を休みにすること自体、
変だよ。そんなことをしていたら、そのうち一年中休みになってしまうよ」
ひろゆきは冷静に言った。
              ,   _ ノ)     ---
             γ∞γ~  \ γ ==== ヽ
              |  / 从从) ).|_|||_||_||_| | | 
             ヽ | | l  l |〃 || l  l |6)i !  
      ふたりは   `从ハ~ ワノ)  ハ ワ ~ノ||) )  なかよし!
               /)\><|つ ⊂|></(\( (
.            ⊂<(/  8/    ゝ8  \)>⊃
            し\_ヘ_/     ヽ_ヘ_/J
                し'       し'
無名コテハンが小説書いてるのか
22東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:30
金田は、覗き込むようにひろゆきを見た。
「ひろゆき・・・お前ひょっとして国とか、天皇とか、そういったものがキライなのか?」
その質問は、ひろゆきにとっては今まで考えたことがない問題だった。
ひろゆきは衝撃に打たれたように考え込んだ。
「国とか天皇がキライ?うーむ」
そして、ひとしきり考えた後、
「いや、国とか天皇っていうのは、好きとか嫌いとかの対象じゃないよ」
「?」
疑問符を心に浮かべるのは、今度は金田の番だった。
「この国に生きているから、否応なく引き受けるべきものであって、仕組みというものだよ。
それに好きとか嫌いとか言うべきではないよ。
ただ、おれのいきかたに邪魔をしなければそれでいい。
おれはおれで好きでやりたい」
ひろゆきは、後もこの言葉に支配され、動かされていくことになる。
昭和天皇が死んだこの日、この時間、ひろゆきの根本的哲学が確立した。
23東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:30
金田は呆れたようにひろゆきを見つめた。
「じゃあ、お前はお前自身しか必要としてないってことだ」
その言葉に、ひろゆきは頷いた。
「そうかもしれない」
「じゃあ、俺もいらないのかよ?」
金田はひろゆきを見た。
「それは・・・」
ひろゆきは、
プラスチックの箱の中に入っている
沢山のファミコンのゲームカセットを見つめた。
「もういいよ。わかった。帰れ。帰っていいよ」
金田は手を振ってひろゆきを追い出した。

バタン、とドアが閉まった。
「なんだよ、また追い出されたよ」
ひろゆきは、再び冬の街に出て行った。
24東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:31
ひろゆきは自転車で街を走った。
昭和天皇が崩御したせいか、店はどこも閉まっている。
ひろゆきは、再び中学校の方に向かった。
今日、1月7日は冬休みだが、生徒会の幹部の会合があった。
午前中は彼もそれに参加していた。
わざわざ冬休みにやらなくてもいいとは思うが、
休み明けの一日前には集まって
学校内の生徒会が管理する施設の見回りやらの
点検をしなければならなかった。
ひろゆきは生徒会の執行役員の一人だった。
彼のようにどちらかといえば面倒なことを嫌う人間が
この種の役職に就いているのは、
彼自身も不思議だった。
ひろゆき自身は気付いていないが、これは父の影響だった。
     ____
    /∵∴∵∴\
   /∵∴∵∴∵∴\
  /∵∴∴,(・)(・)∴|
  |∵∵/   ○ \|
  |∵ /  三 | 三 |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |∵ |   __|__  | < うるせー馬鹿?
   \|   \_/ /  \_____
     \____/
26東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:32
この日も父は灰色のコートを着て、家を出た。
ひろゆきは、その姿を見送った。
税務署に勤める父は、権威と秩序の象徴だった。
ひろゆきは、天皇制という、一種歴史的で文化的な権威には
それほど興味が湧かなかった。
長い年月存在していただけのものだからだ。
だが、法律に基づく論理的システムには羨望を抱いていた。
税制というものは、国家による最も精緻な法律によって支えられている。
説明がつく言葉によって支えられた権威。
ひろゆきは一種自由で束縛を嫌う放埓な性格の裏腹に、
公理的で論理的なシステムへの憧れをもっていた。
それは説明がつくものだからだ。

彼のコンピュータやファミコンのゲームについての嗜好も、
一種それによって理解ができた。
コンピュータには人生と違って論理と公正と正義と秩序がある。
コンピュータは人生と違って理解することができる。
コンピュータは人生と違って努力すれば報われる。
映画化された「ウォーゲーム」という小説の一節だが、
姉の書棚にあったその本を盗み読んだときに
彼はその一節に深く心を惹かれ、心の中に記銘した(@w荒
27東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:32
ひろゆきは、小学校のとき父の働いている税務署に行ったことがある。
父や母の職場の様子を作文にしてくるという宿題があったからだ。
くすんだ外壁の建物の中に、大勢の職員に混じって父は働いていた。
ひろゆきは、待合の長いすの端にちょこんと座りながら、
緊張して父の様子を見ていた。
彼のように飽きっぽい性格の人間でも、
父の仕事の様子は面白かった。
「そこの地上権の残存期間だけど、11年だろ?
 相続税法23条の規定通りに100分の10掛けでいいんだよ。
 いや、特別措置法45条4項は関係ない。
 4項規定の対象は昭和55年から昭和59年までに
 地上権が設定されたものに限定されているから」
こう部下を説得する父の姿は、
ひろゆきにとっては論理と秩序の体現者に見えた。
「昭和55年から59年までですね?」
部下が念を押した。
「そうだ」
父は頷いた。
システム。
ひろゆきの心の中で、仕組みとか機構に対する志向性が生まれたのは、
父の働く姿によるものだった。
28東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:33
ひろゆきにとって、最近まで父親は侵しがたい崇拝の対象であった。
ひろゆきは勉強も嫌いだし、飽きっぽい性格だが、
それでも父親に言われれば言うことを比較的素直に聞いていた。
無論、父親が一家の大黒柱として収入の源であったということもあったが、
何よりもひろゆきにとっては
父親が論理と機構を象徴するものであったからだ。
だが、最近その父親の権威が揺らぐ事件が起きた。

     (⌒Y⌒Y⌒)
    /\__/
   /  /    \
   / /       \
(⌒ /      _、 _ |
(  (6        ノ`|
( |      ,_  |
   \        /
    \____/
             ___
            /     \    
           /    珍   \      __________
          |           |    /
          |   (.) (.)    |  < ポコチニズム!!!!
          \    ・ ・    ノ    \___________
            \<   > /
            |  ⊆  ./
          _____.ノ       (⌒)       
        //::::::::|-、 ,-/::::::ノ ~.レ-r┐  
       / /:::::::::::|  /:::::ノ__ | .| 
       | /:::::::::::::::| 〈 ̄   `-Lλ_レ 
       レ::::::::::::::::::|/::: ̄`ー‐---‐′


     ____,,,,,,,,,,,,,,,,、、、
    /            )))
   /    ______,,,ノ
   /    l /    \\ヽ|)
   |    | ''''''''''    ''''''''|
   |    | (  ・ )   ( ・ )l
   |     l        l  |.     ______________
   |  ( ~         _)  |.   /
    |   |      ,―――. l   < 無名コテハンは売名をやめろ!!!
    l .|ヽ    ー――' /'    \______________
    ヾ |  \____ノ    
  __/ヽ\      | l\_
 ̄     λ ヽ     / .|
     ____,,,,,,,,,,,,,,,,、、、
    /            )))
   /    ______,,,ノ
   /    l /    \\ヽ|)
   |    | ''''''''''    ''''''''|
   |    | (  ・ )   ( ・ )l
   |     l        l  |.     ______________
   |  ( ~         _)  |.   /
    |   |      ,―――. l   < 料理人はタバコをやめろ!!!
    l .|ヽ    ー――' /'    \______________
    ヾ |  \____ノ    
  __/ヽ\      | l\_
 ̄     λ ヽ     / .|
33おたく、名無しさん?:02/10/24 11:37
http://www24.big.or.jp/~faru/txt1069.html

2002.10.13 東京Kitty氏がロビーでアク禁に
ええと、投稿フォームからいただいた情報ですが。
東京Kitty氏がロビーでアク禁にされたようです。

http://choco.2ch.net/test/read.cgi/event/1032607954/l50
552 :東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/12 04:21 ID:N00uDhWR
を、なんかロビーアクセス禁止になったな(@w荒



34おたく、名無しさん?:02/10/24 11:37
31が大敗
35東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:38
ある晩、父親は酔っ払って帰ってきた。
「くそっ!役人なんてやるもんじゃないなあ・・・・」
父はそういってどかっと卓の前に腰を下ろした。
滅多にないことだが、父は仕事の内容について話しはじめた。
酔って口が軽くなっていたためだろう。
とある企業に税務調査に入ったのだが、その内容に関して、
税務署の先輩で今は税理士をしている人間から横槍が入ったらしい。
その先輩は父とはあまり反りが合わない人物だったようだ。
だが、意見を通さないわけにはいかない。
連綿と続く人事の秩序があるからだ。
36東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:39
その企業は3階建てになっている。
3階建てというのは、
税務署出身の税理士を
3人顧問税理士として抱えているということだ。
今度、最長老の税理士が引退する。
一つ、枠ができるわけだ。
そういったこともあって、今回は慎重に、ということが上層部の意思としてあるらしい。
「つまらん・・・本当につまらんよ」
父も、税務署を退職すれば法律上は税理士になることができる。
だから、大きな意味でこの手の利害関係の真っ只中にいるわけだ。

論理と公正の象徴に見えた父。
ふん、結局あんたも理不尽な世間の利害の仕組みの無力な一部品に過ぎないってわけかよ。
ひろゆきは、その姿を見て、
父への失望と憐れみと同情と怒りが一緒に噴出してきて、
わけのわからない感情に襲われた。
37東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:39
組織の一員として働くのはいやだなあ?
ひろゆきは、その父の姿をみてそういった思いを強くした。
生徒会の仕事もそれ以来はサボリ勝ちだ。
だが、今日の午前はきっちりと参加した。
それは、テニス部で練習をしているクラスメートの少女を見るためである。
だが、あいにく隣の中学に練習試合に出かけていた。
今ごろには中学に帰ってきて、夕方まで練習しているはずだ。
彼は自転車を中学の近くに停めた。
ヤタッ!俺様の首位打者確定だ!!お前等俺様にひれ伏せ!凡人共が!
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /\ /\ _/D ̄ ̄)../
          / /\  \[…ε…]
        ())ノ__ ○二○二⌒/../
       / /||(二ニ) /_1`/../ 几l
   γ ⌒ /|V||彡Vミ/⌒_ノ二二ノl0
   l| (◎).|l |((||((゚ )/⌒/||三三三・) ||  (´⌒(´
__ ゝ__ノ     ̄(___) ̄  ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
俺様は神なり!俺様は神なり!俺様は神なり!俺様は神なり!俺様は神なり!俺様は神なり!
ドメ IS NO.1HITTER!ドメ IS Mr.Dragons!ドメ IS SUPERPLAYER!ドメ IS GOD!
39東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:40
ひろゆきはクラスの中では浮いていた。
友達はいることはいるが、
ひろゆき自体あまり友達づきあいが好きな方でもないし、
エイジや金田のように
ゲームソフトを持っている者のところに入り浸って
ゲームをするというのがその主な交際の態様だった。
ひろゆきは、集団行動が苦手だった。
皆と同じ行動をするということが苦痛でたまらなかった。
自分の時間を強制的に奪われるのがイヤなのだ。
大体、官舎というもともと同じ職場の同じような給料を貰っている人々の家族と暮らし、
そこでは元々すぐに噂が広まってプライバシーが脅かされているというだけではなく、
部屋自体も姉と共有で、自分の部屋さえももっていないので、
自分の空間や時間というものが極端に少ない。
ひろゆきは、そんな自分の日常が嫌だった。
自分だけの時間と空間。
自分だけの暮らし。
ひろゆきはそれに憧れていた。
                     ノ∩
                   ⊂ >>1
                       /( 。A。 )っ
    __________  U ∨ ∨
  / 000    /    ・@;∴‥
 /______/______:: :|          ∧ ∧
__||  ∧ ∧     .||__   |:: ::||.|       ∴ (´エカ`)⌒ヽ 
|::||. (TДT)     .||::| :  :'| ||:|       : ・・ U‐U^(,,⊃'
.~|| ⊆⊇、 )     ||O :::: || ||:|      ;
 || ̄゜ ̄ ̄゜|\/L~:: ̄ ̄| ̄|:|
 ||_=0.< ガ  >.___|_/|.!ニニニニニニニニニニl
...|00| 三 三Z  ン Z/⌒ヽ|__|:::::__:::::::/⌒ /⌒ヘ⊇
.〔⊆__[二]____|/\|〕_|.∴.|::|  | ||::||::::| |||||.∴.||| ∴.|ヘ
 ~ゞゝ__ノ ̄ ̄ ̄~ ゞゝ∵ノ ̄.ゞゞゝノ ̄ゞゞゝ∵ノゝ∵ノ




ずいぶん唐突ですな。
42おたく、名無しさん?:02/10/24 11:41
あれ?
東京kittyってロビーの人気者じゃなかったっけ?
ヲタ板で何してんだ?
おたく板の有名コテハン>>>>>>>ロビーの人気者
44東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:42
植民地開拓さ(@w荒

>42
45東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:42
小学校のときは、
ひろゆきは常に授業中は誰かと話したり、また突然教室を歩き出したり、
外に出たりした。
それは、
学校という制度による強制的な時間の窃盗行為に対する
ひろゆきの一種の反抗といえた。
だが、
中学に入ってそれは通らなくなった。
一学期の最初の授業のときだった。
ひろゆきは真新しい学生服を着て周りの小学校時代からの知り合いに
話し掛けたとき、教師がつかつかとやってきて、ひろゆきの耳を掴んだ。
「いて、いててててててててて」
その姿に、クラスの皆は爆笑した。
このとき彼のクラスでの地位は定まった。
ひろゆきは、本当は極めて論理的で理屈の通った人間だが、
クラスではおどけたひょうきん者の仮面を被ることにした。
笑われているつもりだが、
本当は笑わせてやっているんだ。
ひろゆきは、常にそう思いながらおどけた振る舞いをしていた。
だが、ひろゆきの冗談はそれほど面白いものではない。
彼の本質である理が優っているため、
予想ほど人は笑ってくれないのだ。
ひろゆきが笑わせようとして何か言ったとき、
大抵はクラスに沈黙が支配した。
だが、ひろゆきが一旦何か失敗をしたり、思いもかけないところで
人は大笑いするのだ。
これは彼にとっては痛し痒しなところだった。
それがこれまでの彼と他人との関わり方だった。
46東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:43
乳色の曇り空の下、テニス部員が練習をしていた。
この学校は、どちらかというと左翼系の教員が勢力を占めている。
天皇が崩御したくらいで、
クラブ活動をやめたりするなどということは
考えも及ばないことだった。

成田ひろこは、コートの中で何人かとサーブの練習をしていた。
ひろゆきは、少し離れたところから、彼女を見つめた。
ひろゆきがひろこを気になり始めたのは、
彼女が単に可愛いからではない。
彼の冗談に笑ってくれたからだ。
二人は、ある日、日直になって教室の窓の開け閉めを担当した。
作業が終わって帰るとき、
カバンの中にノートや教科書を詰め込んでいるひろこに、
ひろゆきは
「成田の周りは何にも成田」
等という凍りつくギャグを言ったが、
どういうわけかひろこはくすっと一回笑ったかと思うと、
堰を切るように笑い出し始めた。
「ぷ・・・くくく・・・あははははは」
ひろゆきは、彼女の笑いこけるありさまを驚きの目で見つめていた。
何か彼女の笑いのツボに嵌ったか、
それとも彼女の生理期間だったのだろう。

ひろこはひろゆきの冗談に笑ってくれた。
ひろゆきの中で、ひろこは大きな存在になっていた。

47東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:43
ひろゆきには、性体験と呼ばれるものがこのときまで全く無かった。
異性を意識したことはなかったし、
大体姉と共有する部屋にいる以上、自分だけの空間がないので、
自慰もできはしなかった。
それでも、夜寝るときにひろこの顔が浮かび、胸が締め付けられるような
思いをしたこともあった。

48東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:44
そのうち、練習は一旦休憩になった。
ひろこは、タオルで顔を拭きながら部室の方へ向かった。
ひろゆきは、後を追った。
追ってどうするんだ?
と心の中で自問したが、解答などあるはずもない。
部室は、校舎の端のプレハブの中にあった。
ひろゆきが部室の前まで来ると、
ひろこのタオルが無造作に
廊下に置かれた彼女のスポーツバッグの上に置かれていた。
ひろゆきは、ごくりと唾を飲み込み、辺りを見回してから
その黄色いタオルを手に取った。
顔をタオルに埋める。
「くせっ・・・」
思ったよりいい匂いではない。
当たり前だ。汗の匂いなのだから。
彼はタオルをバッグに戻した。
すると、部室の中から声が聞こえてきた。
なんだろう。
49東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 11:44
ひろゆきは、部室の窓の隙間からこっそりと中を覗いてみた。
ひろこが、先輩の男子生徒と話している。
そのうち、会話が止まった。
男子生徒が、ゆっくりとひろこの方に近寄っていき、
二人は唇を重ねた。
ひろゆきは目を見開いてこの光景を見ていた。
だが、足を動かした際に、ひろこのスポーツバッグにぶつかってしまい。
思ったよりも大きな物音が出てしまった。
「誰っ?」
ひろこが言った。
「やべっ!!」
ひろゆきは脱兎のように走り出した。
プレハブの階段を5段抜かし、6段抜かしし、
校舎の中へ走り去り、裏口から自転車を駐車しているところへ
走った。
ロビーってレベル低いね
51おたく、名無しさん?:02/10/24 12:01






せっかくロビーの有名人がヲタ板に来たんだから
晒し放置だけはしないように、ネ?・





52おたく、名無しさん?:02/10/24 12:12
しょうがねぇから、ちょっと読んでやるか・・・・・・
53おたく、名無しさん?:02/10/24 12:22






ひろゆき童貞喪失編を禿しくキボン太!!!!!!!!!






ロビーの有名人がナンボのもんだ
55おたく、名無しさん?:02/10/24 12:26
>>54
そう妬くなよぉ
56ララァ:02/10/24 13:02
なぜオマエがここに。
まあいいや、頑張れ。
57おたく、名無しさん?:02/10/24 14:20
超名スレage
58東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 17:15
自転車で、川まで走った。
ひろゆきは、自転車を辺りに転がして、
川の土手に体育座りをし、膝に顔を埋めた。
キスしてたよ。
ひろこがキスしてた。
おれ以外の男とひろこがキスしてた。
ひろゆきは文章を心の中で膨らませ、
二人のキスのイメージを何度も反復した。
ひどく自虐的な気分になった。

そのとき。
「にゃーーん」
白い猫がひろゆきの近くにやってきた。
「にゃーん」
近くの浮浪者が飼っている猫だ。
この辺の人にエサを貰うことが多いせいか、
人によく慣れている。
ひろゆきは、猫を持ち上げて、胸に抱いた。
目の前を川が無造作に流れていく。
対岸では、野球をやっている。
ここだけみると、今日は何も無かったかのように見える。
ひろゆきは、乳色の空を見上げた。
59東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 17:15
ひろゆきは、ビートたけしのファンだった。
あのような飄然とした生き方に憧れていた。
「おいら、どこにも居場所がないよ」
ひろゆきは猫を抱きながら言った。
おいら、というたけしが用いている江戸っ子風の一人称を使ったのは、
これが初めてである。
 猫は、ひろゆきを見つめている。
「にゃーん?」
「お前はいいよな・・・自由で。おいらもお前みたいになりたいよ」
 猫は、むずかってひろゆきの胸から飛び出した。
「にゃーん」
 土手を下っていく。
 ひろゆきは両頬に両手をあてて、川の流れに意識を向けた。
 おいら、将来はどうしよう?
 ひろゆきは、自問した。

 ひろゆきは、河原を歩む猫を見た。
 そうだ、こんなことを思うこと自体がよくない。
 
 どうにかなるさ。
 今、一番楽しいことをやればいい。
 
 ひろゆきは心に決めた。
 愛にも頼らない。
 カネにも頼らない。
 自分の心の思うままに生きよう。
60東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 17:16
日が暮れてきたようだ。
「にゃーーん」
猫が、ひろゆきの方を見上げている。
「じゃあな。おいら、帰るよ。元気出た。ありがとう」
 ひろゆきは、自転車に乗って土手を走った。

61東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 17:16
官舎に着いた。
「ただいま」
ドアを開けて出てきたのは、姉だった。
「ひろゆきっ!!!」
 姉はひろゆきを睨みつけた。
「どこ行ってたのよ!!!」
「どうしたの?」
「どうしたじゃないでしょ?天皇陛下が崩御されたというのに!!」
「今日ご飯食べにいくの、中止なんでしょ?だったら別にいいじゃん」
「中止かどうかどうしてあんたがわかるのよ?
 もしかしたら中止でなかったかもしれないでしょ? 
 なんで自分で判断して勝手にあちこち出歩くわけ?」
姉は既にヴチ切れていた。
ひろゆきもキレた。
「聞きますけど、今日は行かないの?行くの?」
「行かないわよ!!お父さんも帰って来ているけど、あんたのこと怒ってるよ!」
これは嘘だ。
姉は父の権威を傘に来て話しているだけだ。
ひろゆきは姉が苦手だった。
なんといっても背が高く、見下ろされているというのと、
それから言っていることが理不尽で、非論理的なのだ。
父も母も穏当な人間で、理非を弁えているのに、
姉はどちらにも似ていない。
姉が叫びだして高い声で話し出すと、
ひろゆきは自分の脳が壊れていくような気がいつもしていた。

相手にしても、仕方がない。
ひろゆきは、姉を無視して居間に向かった。
62東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 17:16
父も母も、テレビでニュースを見ている。
ニュースは、昭和天皇が今まで辿ってきた軌跡と、
日常の生活を流していた。
「天皇って、いい生活しているなあ」
このとき、初めてひろゆきは天皇に対して憧れめいたものを抱いた。
確かに色々束縛はあるのかもしれないが、
全ての権威や権力の上にあって超然としていられるところが、
今の自分が目指している生き方に合致しているような気がしたのだ。

「お父さん」
ひろゆきは父に言った。
「ん?」
「今日は、ご飯食べにいかないの?」
「ああ。こんなことがあったんじゃな」
母親も頷いた。
「そうですよ。官舎の奥様たちに会ったら何て言えばいいのだか」

ひろゆきは、しばし下を向いて考えた。
そして、やがて顔を上げた。
「大丈夫だよ。ご飯、食べに行こうよ」
父も、母も、そして姉さえも目を丸くした。

63東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 17:17
ひろゆきとその家族は、部屋を出て階段に向かった。
すると、隣の部屋の奥さんといきなりばったり出くわした。
「あら、西村さん。今日はみなさんでどちらへ?」
いかにも探るような、訝しげな顔である。
ひろゆきの母が、落ち着いて答えた。
「崩御された天皇陛下の弔問のために、皇居へ記帳に参りますの」
「まあ」
隣の主婦は、目を丸くした。
「失礼」
ひろゆきの母は一礼し、その他の家族は後に続いた。
その後も何人かの知り合いと出会ったが、
同じような言い訳をして西村家は官舎を抜け出た。
姉が言った。
「ひろゆきにしては冴えてるじゃない?
 記帳を言い訳にして食事に出るなんて」
ひろゆきは、軽蔑するように姉を見た。
「ねえちゃん、何言ってるの?」
「?」
「本当に記帳に行くのさ。ご飯はその後でもいいじゃないか。
 こんな機会は、そう滅多にあるわけじゃないよ」
 ひろゆきのセリフに、姉は仰天した。
 父と母は目を見合わせたが、反対はしなかった。
64東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 17:23
すっかり日が暮れた皇居前広場では、
大勢の人がまだ記帳のために残っていた。
泣き崩れる人も多数いた。
ひろゆきとその家族もその中にいた。
だが、ひろゆきは泣いてはいなかったし、
哀しくはなかった。

今日、ひろゆきが心の中で決めたことは以下の通りだ。
システムは公理から成り、公理間の交錯で渋滞なく運動していく。
自分は、そういった論理を尊ぶ。
だが、同時に自分はそう言ったシステムからは自由でいたい。
システムに束縛されず、
自分がその時々に好きなことを、
低コストで、人間関係にも呪縛されず
徹底的にやっていたい。

そうした存在の超然性の先達として、
天皇に一応の儀礼的敬意を示すために来ただけだ。

ひろゆきは、皇居を見つめた。
広い建物だ。
べつにこんなに広いところに住まなくとも、いいな。
でも、
自分も、ある種の天皇になりたい。
権力やらと無関係に、超然とした存在でいたい。

65東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 17:23
ひろゆきは、小さくまとまった字で自分の名前を記帳した。
彼は、少し前まで神の如く崇拝していた父が記帳をしているのを横目でちらりと見た。
もう、どんな他人も権威としては仰がない。
自分は、個人なのだ。

彼は、一旦坂下門を振り返った後、
家族と一緒に皇居を去った。

この日から2ヶ月後、ジュネーブの高エネルギー物理学研究所(CERN)のコンサルタントのバーナーズ=リーは研究者間の知識の共用を促進するために、ハイパーテキストによる情報の相互参照という概念を案出した。WWWの基本である。
この年、米ソ冷戦の際、核戦争によってネットワークが破壊された場合の対策として考案されたARPAnetは解体され、民間利用が促進されることになる。
インターネットが爆発的に発達するまで、あとわずかである。
ベルリンの壁は11月に崩壊し、
そして東京証券所株価指数は、12月に最高値を記録する。

だが、そのいずれもいまだにひろゆきの知るところではなかった。

         -完-

66東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 17:36
とりあえずメールを公開しておくか(@w荒

[email protected]
67おたく、名無しさん?:02/10/24 18:35
すげぇ
ちゃんと続き書いてるじゃん
後で読んどこ
68東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 19:02
いや、既に書いていたんだが、
連続投稿制限があっただけさ(@w荒

これくらいなら1日で書けるよ(@w荒
http://tmp.2ch.net/test/read.cgi/lobby/1035328087/

あと、本当は
「また小説でも書くか-3」だな(@w荒


69東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/24 19:33
題材は、下のインタビューが主だな(@w荒
後はちょこっとネットで調べて、
それからすぐに全部書けた。
半日も掛かってないんぢゃないかな(@w荒

http://www24.big.or.jp/~faru/

2002.10.22 ひろゆき氏インタビュー
(ネタ元、 2ちゃんメモ )

ええと、 けんすう氏 がひろゆき氏にインタビューしたとかいう話は結構前に取り上げたと思うのですが、ようやく内容が文字起こしされたようです。
中身はまだよく見てませんが、生きていても意味がないとか人生に目的はないとか、自分は何がなくても生きていけるとかそういう話らしいです。




70サタン:02/10/24 19:38
このおいちゃんはなんで無職なん?
71淫槍ぐんぐにる ◆MIHOsEVEpo :02/10/24 19:45
72おたく、名無しさん?:02/10/24 19:50
http://live.2ch.net/test/read.cgi/vote/1035008869/


ココに<<徳島市>>と<<東大阪市>>に投票してください!
負けちゃうよ!何とかお願いします!
73おたく、名無しさん?:02/10/24 23:05
http://www24.big.or.jp/~faru/
2ch研究はえー

2002.10.24 東京Kitty氏がひろゆき氏をテーマに小説を執筆
ええと、投稿フォームからいただいた情報ですが。

東京Kitty氏が、ひろゆき氏をテーマに小説を執筆されたそうです。
内容はまだ精読していないのですが、あらすじとしては、昭和天皇が崩御された日にひろゆき氏が在日韓国人の友達の家にゲームをやりに行って天皇制について色々議論するみたいな話のようです。

http://choco.2ch.net/test/read.cgi/otaku/1035426005/l50


74おたく、名無しさん?:02/10/24 23:09
>>3
>ひろゆきと姉の家は、公務員だ。
読みはじめたけれど、ここで躓きました。
76おたく、名無しさん?:02/10/25 04:25
>>75
本当だよ。
ほーこれが噂の小説か
78東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/25 06:08
天皇というのは、
いわゆる制度化された王権ではなくて、
もともとはゲルマンの王のように、
一種のシャーマン的なものだったわけだな(@w荒

集団無意識の代弁者というか(@w荒

>>78
それは日本人ならほとんどの人しってんじゃないの?水差すようで悪いが。
80おたく、名無しさん?:02/10/25 06:35
zenhiteiさんってオタク丸出しだけど、実はオタク板住民とか?
81おたく、名無しさん?:02/10/25 12:24
こう言っちゃなんだが、○○ってペットだろ
82あぼーん:あぼーん
あぼーん
そして弐編とごっちんこ
8482:02/10/25 17:53
あゆみさんとマァヴさんに関係はありません
すみませんでした
85東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/25 20:17
弐編姫がどうかしたのかね?(@w荒


>83
86おたく、名無しさん?:02/10/25 20:35
ひろゆきは2chの日常の作業(削除とか)やってないみたいだし、
まさに天皇という感じだ。
87おたく、名無しさん?:02/10/25 20:53
(@w荒 ←これはどういう意味ですか?
88おたく、名無しさん?:02/10/25 20:58
俺には良い意味でバカ殿にみえるよ、ひろゆき
89おたく、名無しさん?:02/10/25 20:59
バカ殿でも中央大学卒(w
90おたく、名無しさん?:02/10/25 22:15
>>6
同じ歳だから覚えてるけど、当時は小6だよ。
91おたく、名無しさん?:02/10/26 04:08
12歳なら中1と考えても大差ないし、
小説的世界としてはOKだよ
92おたく、名無しさん?:02/10/26 04:38
>>82
82ってなにが書かれてたの?
あぼーんされとるけど。
93おたく、名無しさん?:02/10/26 05:49
84からするとあゆみとマァヴのことらしいが
94おたく、名無しさん?:02/10/26 05:50
95おたく、名無しさん?:02/10/26 15:12
age
96おたく、名無しさん?:02/10/27 00:04
あげておこう
97おたく、名無しさん?:02/10/27 15:41
読了。
なかなか面白かった。
次回作に期待。
http://www.hamq.jp/i.cfm?i=dehio
このサイト面白いよ
99おたく、名無しさん?:02/10/28 10:21
あが
100サタン(昼休み):02/10/28 12:40
やい、しかたなし系のおっちゃん。
放置しないでちゃんとつかえや。
101東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:27
ではもう一つ今書いている奴でもうpするか(@w荒


「必殺復讐者」
102東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:28
夜7時。
渋谷のハチ公前。
一人の少女が、渋谷駅の改札口から
ハチ公の銅像に歩いてくる。
セーラー服の冬服を着、赤いスカーフをつけている。
髪は黒く、長く、やや丸顔だが、目は優しげだ。
胸はなだらかな丸みを帯びているが、
腰はまだ子供の雰囲気を残している。
周りをきょろきょろと見回した。
大勢の若者が待ち合わせのために蝟集している。
「ひま?」
髪を茶色に染めた細身の優しげな青年が話し掛けてきた。
少女は、
「いえ、ちょっと」
と言いその誘いを断った。

少女は不安気にハチ公の銅像の前に立った。

ハチ公は、前足を踏ん張ってそこに座っていた。
少女は意を決し、ハチ公の尻尾を3回撫でた(@w荒



103東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:29
まあ色んなジャンルのものを書いてみるということだな(@w荒
104東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:29
少女は周りを見た。
誰も少女には注目していないようだ。
誰も話し掛けてこない。
少女は、5分ほどそこにいた後、
しゅんとして再び渋谷駅の改札の方に向かった。

少女が改札に入る前に、
少女の肩に手が置かれた。
「ちょっと」
少女の肩がピクリと揺れた。
「やあ(@w荒

ヲレは少女に話し掛けた(@w荒


105東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:29
少女は不思議そうな顔でヲレを見た。
「さっきさ、ハチ公の尻尾、触ってたぢゃん?
 あれっておまじないかい?(@w荒

ヲレは少女に尋ねた。
「あれは・・・」
少女は口篭もった。
「すいません、失礼します」
少女が踵を返しかけたとき、ヲレは呟いた。
「本気、なのかい?(@w荒

少女は驚いた顔でヲレの方を見た(@w荒

106東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:30
「じゃあ、あなたが?」
少女は信じられないという顔で言った。
「ついてきな(@w荒

ヲレはそそくさと外へ歩きだした。
少女は、その後をててて、と附いてくる(@w荒

ヲレは少女と宮下公園にやってきた。
「座れよ(@w荒

少女は、ベンチに腰を下ろした。
ヲレは、少女のあごを右手で撫でた。
「かわいいぢゃん(@w荒
少女は、斜め下を向いた。
「で。用件は?(@w荒
ヲレは少女に尋ねた。

--------------

107東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:31
「・・・俊平と・・・あの女を別れさせて」
優しげな少女の表情に、瞬間羅刹が憑依した。
ヲレは空気が少し凍るのを感じながら頷いた。
「わかった・・・対価はわかっているだろうな?(@w荒
少女は頷いた。
ヲレは、少女の手を握った。
少女の指の股に、ヲレの指を突き立てる。
「痛・・・」
「処女だろうな?(@w荒
少女は頷いた。
ヲレは、少女の匂いを嗅いだ。
「みたいだな(@w荒



108東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:31
4時間後。
ヲレは、足を引きずるようにして車から降りていった少女を
見送って、車のドアを閉めた。
ターゲットの家に向かう(@w荒

倉木マキは、少女の同級生で、友人だった。
少女は、隣のクラスで、マキの幼馴染だった俊平に惚れていた。
少女は、マキに色々と相談をし、
マキが表面相談に乗っているうちに、
裏で二人はいつのまにかくっついてしまった、
というわけだ。
依頼は、二人を別れさせること。
マキをドツボに嵌めること。
この二つだ。

「俊平くんとはつきあわなくていいのかい?(@w荒
ヲレは車の中で少女に尋ねた。
汗を垂らして髪を乱した少女は、シャツを着ながら頭を横に振った。
「いい」
「そうかね?(@w荒
「あの女が・・・憎い。それだけなの」
109東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:32
マキの家は、六本木のマンションの5階だった。
父親は銀行マンらしい。
ヲレは、周りの地理を確認した(@w荒

「いいとこ住んでるな(@w荒
ヲレは、さっき少女が指で示した少女の家と比較して思った。

朝。ヲレは車は使わず、ターゲットの家の前に来た。
ターゲットと父親が話しながら出口から出てきた。
今日はターゲットは追わない。
そんなことをやるのは素人だ。

父親は、地下鉄で大手町の都市銀行の本店に向かう。
ヲレは、マキの父のすぐ近くに立った(@w荒




110サタン:02/10/28 22:32
やいダウン症顔のおっちゃん。
使うのはわかったが、新作にすれや。
111東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:32
ヲレはマキの父親の手が目の前のOLの尻に伸びているのを見た。
「朝っぱらからお盛んなことだな(@w荒

ヲレは呆れた。
どうする?ここで現場を押さえて、マキの父親を警察に突き出せば、
銀行の職を失わせることができる。
そうすればマキもあの学校にいられなくなるかもしれない。
写真をバラまけば最高だ(@w荒

だが、マキの父親の手は、途中まで伸びて引っ込んだ。
「惜しいっ!!(@w荒

112東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:33
ヲレは、マキの父が銀行の灰色の建物に吸い込まれていく姿を確認して、
踵を返した。
まあ、今日はチャンスは逃したが、楽勝ぢゃん(@w荒

ヲレは地下鉄の駅の中に入っていった。


それから2時間後。ヲレはとある街のサラ金のキャッシュディスペンサの前にいた。
さっきから、若者や主婦がひっきりなしに来ては、
カネを出し入れしている。
ヲレは、一人の女性に注目した。
年のころは23,4.肉感的な感じの美人だ。
「ぢゃ、こいつでいいか」

ヲレは、その女に近づいた。
「ちょっと・・・」
「はい?」
女は訝しげにヲレを見た。
113東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:33
「あのさ、お金ほしいの?」
「あなた、誰?」
「いい仕事があるんだが。無論、風俗とかそういうのではない」
「?」

次の日。ヲレと女は、ターゲットの父親を六本木の駅で認めた。
「あれな」
女は頷いてその後を追った。
ヲレも無論それに続く。
114東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:33
女は、巧妙にマキの父親の前に出る。
その丸い尻を彼に曝しながら。

ヲレはすぐ近くからマキの父親を観察した。
彼は唾を飲み込み、
昨日と同じように手を出しかけたが、躊躇しているようだ。
ヲレはすぐ近くに寄って、
地下鉄の揺れにあわせて彼の背中を肩で押した。
「!」
マキの父親の手が女の尻に触った。
彼は、手をひっこめなかった。
一度、二度、そしてためらわず女の尻を撫でまわし始めた。
ヲレは、手元のccdカメラでそれを撮影した。
「キャーーーーー!!!」
女が叫んだ。
「チカン!!!」
周りに緊張が走った。
「おい、何をしているんだ!!」
真面目そうな顔をした若者が、マキの父親の手をつかんだ。
勿論それも撮影してある。
駅について、ドアが開き、マキの父親が数人の客に連れていかれる。
女もそれに続く。
ヲレは、その様子を撮影して後を追った。

駅の待合室に、警察がやってきた。
警察官が2人、マキの父親を連れていく。
そのしょげかえった姿も鮮明にカメラは捉えている。
115東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:34
2日後。
ヲレは女に公衆電話から電話を入れる。
「どーよ?」
「うん、即金で100万もらった。銀行マンってカネあるよね」
ヲレは即刻電話を切った。
ヲレの素性も携帯の電話番号も彼女には知らせていない。
知らないことは彼女も話しようがない。
カネで警察沙汰は回避し、銀行にもナイショということだ。

ヲレは、中央高速に乗った。
長野で降り、郵便ポストを長野市で探す。
ビデオ画像から落としたマキの父親の写真と簡単な説明を
ワープロで書いた手紙の封筒を、彼の職場の人事部、社長宛てに送った。

更に、少女から貰った生徒住所録のコピーから、
マキのクラスメート全員にも手紙を送る。
無論、消印は長野からだ。
平日、長野から少女が手紙を送れるはずはない。

ヲレは、その日は長野で温泉を探して一泊した(@w荒

----------------------------------------
116東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:34
その後、
ヲレは公衆電話からマキに電話した。
少女とマキの学校は私立だった。
マキはその学校にいづらくなった。
彼女の父も、熊本に転勤になるらしい。

「熊本・・・地の果てだな(@w荒
ヲレは爆笑した。
「クマソの仲間入りだよ(@w荒

もう父親に出世の見込みはあるまい。
一生熊本にへばりつくことになる。

117東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:35
マンションも売り払い、
マキの一家は熊本に都落ちすることになった。

東京駅。
ヲレは少女と新幹線のホームに向かう。
俊平が、新幹線の車輌の前でマキと話している。
「元気でな・・・」
「俊平!!」
マキが俊平と抱き合う。
ヲレたちは物陰に隠れてそれを盗み見ている。
ヲレの横にいる少女が、表情を固くしてそれを見ている。
ヲレは少女の肩を抱いたが、
少女はそれを拒絶した。
「なに、あとちょっとのしんぼーさ(@w荒
ヲレは声を掛けた。

発車のベルが鳴る。
新幹線のドアが閉まる。

俊平との別れを惜しむマキの表情が突然変わった。
少女が飲料の自動販売機の横から現れたからだ。
少女は、勝利に酔った顔で微笑んでいた。

車輌のドアの窓から見えるマキの表情は、
その少女の姿を見て、
驚きと憎しみと悲しさの混合物で充たされた。

だが、加速していく新幹線と共に、マキの顔は見えなくなっていった。

118東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:35
俊平が、少女に気付いた。
「見送りか?」
少女は黙って頷いた。

俊平は立ち去ろうとした。
「あの・・・」
少女は声を掛けた。
「なに?」
俊平は振り向く。
「・・・何でもない」
少女は震えながら、それ以上の言葉が出せなかった。
「そ。じゃ、明日また」
俊平は去っていった。
119東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/28 22:35
少女が、ひとりホームに残された。
ヲレは、ゆっくりと少女に近づいた。
「終わったね(@w荒
「ええ」
少女はそう言ったあと、下を向いた。
プラットフォームのコンクリートの床に、
ぽとり、ぽとりと涙の雫が垂れていく。

「わたし、どうしたんだろう。うれしいはずなのに・・・
 どうして・・・どうして泣いているんだろ・・・」
少女は泣きじゃくった。

ヲレは少女の震える背中に手を置いた。
今度は少女は拒まなかった。
「それで、いいのさ。
 なんというのかな・・・君が泣いてくれて、ヲレはすごくうれしい。
 というか、安心している。
 君がいいひとだということがわかったから(@w荒

ヲレは、少女のあごを手で引上げて、
唇で少女の唇をやさしくふさいだ。
「ばいばい。もう二度と会うことはないだろう(@w荒

ヲレはホームを去った。
少女は、本当にひとりぼっちになった。
120ccd ◆ccd/.NSGFU :02/10/29 00:13
ほぉ…、上手いねぇ…。
121東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 00:54
インターネットの2ちゃんねるの書き込みに、
「渋谷駅の改札からまっすぐハチ公前に行き、銅像の尻尾を三回撫でると、
 恨みを晴らしてくれる人がいる。
 ただし、依頼者は13歳から17歳までの美少女で処女のみ、
 対価はカネではなく処女」
というのがある。
最近、東京で女子中高生の間で密かに噂になっているようだ。

だが、それをやっているのがヲレだということは無論秘密だ。
彼女たちと関係をもっても、
ヲレの名前や電話番号さえ教えはしない。

あくまで、彼女たちとは一回切りの関係だ。
処女が対価なのだから当然のことだが(@w荒

今回のように、きっちり仕事ができると嬉しいが、
なんといっても
友人のために泣いてくれた少女の姿が
実は一番嬉しかったりする(@w荒



122東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 00:54
それは雨の日だった。
ヲレは近所の漫画喫茶にいたが、
7時になったので、渋谷のハチ公前を映す
ネット上のライブカメラにアクセスした。

見ると、赤色の傘を差した、
紺色のブレザーの制服の少女がハチ公の尻尾を撫でている。
1回、2回、3回。
少女の顔は、カメラの角度から今一つ見えない。
だが、ヲレはとりあえず確認することにした。
会計で清算しようとしたが、何人か並んでいて埒が開かない。
ヲレは、千円札と入店記録を記録した紙を挟んだ、
緑色のプラスチックの板を、
そこらを歩いていた店員の若い女性に渡し、
急いでいるから釣りはいらないと言ってエレベーターに飛び込んだ。
センター街に向かう。
キャバクラの茶髪の呼び込み店員を全て無視し、
マッサージの呼び込みをする中国人の若い女性も全て無視し、
更に違法テレカを売っているパキスタン人も全て無視し、
人ごみを掻き分けてセンター街を抜ける。
大きな横断歩道の向こうに、ハチ公が見える。
取り決めでは5分待っていることになっている。
ヲレは、渋谷駅方面に歩いている、
ウェブカメラの画像に映っていたと思われる少女を認識した。
あれだ!!(@w荒
123東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 00:55
少女は、改札を定期で通り過ぎた。
ヲレは、切符を買っていないことに気付き、
自動販売機に向かおうとしたが、
一旦少女がどのホームに向かうか確認した。
埼京線、よし、埼京線だな!
ヲレは切符売り場に向かった。
大衆というのはヴァカだから、込んでいるように見えても
端の方の自動販売機は開いているものだ。
ヲレは要領よく切符を購入し、改札口に向かった。
池袋方面の埼京線のホームへの階段を駆け上がると、
電車が発車するところだった。
とりあえずヲレは電車に飛び乗った。
ドアのところに居並ぶ客の不愉快そうな顔にも躊躇せず、
ヲレは身を車体に押し込んだ(@w荒

124東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 00:55
 少女は、改札を定期で通り過ぎた。
ヲレは、切符を買っていないことに気付き、
自動販売機に向かおうとしたが、
一旦少女がどのホームに向かうか確認した。
埼京線、よし、埼京線だな!
ヲレは切符売り場に向かった。
大衆というのはヴァカだから、込んでいるように見えても
端の方の自動販売機は開いているものだ。
ヲレは要領よく切符を購入し、改札口に向かった。
池袋方面の埼京線のホームへの階段を駆け上がると、
電車が発車するところだった。
とりあえずヲレは電車に飛び乗った。
ドアのところに居並ぶ客の不愉快そうな顔にも躊躇せず、
ヲレは身を車体に押し込んだ(@w荒

125東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 00:56
とりあえず、少女はこの電車の中にいるはずだ。
時間からして、あまりここから離れたところにいるとは思えない(@w荒
だが、次は新宿だ。
大勢の乗客の入れ替わりがあり、
見失うかもしれない。
車内は満員だ(@w荒

電車は新宿に着いた。
大勢の乗客が降りていく。
ヲレも一旦降り、辺りを見回して少女を探す。
いない。もしかしてまだ電車の中だろうか?
だが、電車の中には乗車してきた乗客たちが視界を遮る。
ヲレは、少女を見失った。
が。



126サタン:02/10/29 00:58
やい、口臭ウンコくさいおっちゃん。
今日は冷え込むから着込んで寝れや。
127 ?1?[?1?¢:02/10/29 00:59
お汁粉だった
128東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 02:30
電車のドアが閉まる。
走り去っていく車輌のとあるドアのところに、
少女は右手を窓にあて、左手にあの赤い傘を掛けて、
外を見ながら立っていた。
ヲレの2.0の視力は、
彼女の顔と、制服の特徴を完全に把捉した。
ショートカット。
すこし細めの顔で、目はつぶらだ。やや眉が太い。
唇は薄め。化粧はしていない。
爪にマニキュアもしていない。
ごく普通の女子高校生という感じだ。
ブレザーの横のローマ数字から、2年生のようだ。
美化委員(@w荒




129東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 02:31
ヲレは新宿駅で一旦降り、ネット喫茶に向かった。
都内の女子高校生の制服を扱っているサイトにアクセスする。
紺色のブレザーで検索する。
ヲレは、幾つかの高校をリストアップする。
少女は定期を使っていた。
だから、渋谷が通学圏に入る学校である必要がある。
ヲレはその中からついに一つの高校を搾り出した。
曰く、私立栄月女子高校(@w荒

130東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 02:31
あの少女は、恨みを晴らすために渋谷のハチ公前に現れ、
ヲレを待っていたのだろう。
だが、処女を捧げるほどの恨みとはどのようなものだろうか?
ヲレが今まで晴らした少女たちの恨みは多岐に渡る。
恋人を奪った友人への復讐。
父の会社を破滅に追いやった大会社の社長の社会的抹殺、
自分を愛してくれなかった教師への復讐、
父親、母親、兄弟、姉妹。
対象も動機も様々だ(@w荒

だが、この少女は
一体どのような類型の恨みを抱えていたのだろうか?(@w荒

131東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 02:31
ヲレは栄月女子学園のサイトに飛び、位置を確認した。
次の日の午後2時、
ヲレは栄月女子から駅への道が一旦収斂する場所にある
コンビニエンス・ストアで雑誌を見ながら少女が通るのを待っていた。
いた。
少女は、たった一人で歩いていた。坂を降り、駅に向かう。
ヲレは少女を尾行した。

少女の歩く姿は儚げで、何か人形のようにも見えた。
ヲレは少女に話し掛けるタイミングを探していたが、
学校に近いこの場所では不適当だ。
大体、車も今日は近くに置いていない。
少女は、電車に乗った。
ヲレは切符を買って、後に続いた。
今度は見失うまい。

少女は、とある駅で降りた。
街中を通りすぎ、
とある雑居ビルに入る。
ヲレは、後に続き、少女が乗ったエレベータが止まる階を確認した。
一旦、入り口の近くに表示してある入居者案内を見る。
ヲレは、4階に何が入っているのかを見て驚いた(@w荒
132東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 02:32
次の日、午後8時。
少女が家路を急ぐ。
ヲレは、物陰から姿をあらわす。
「やあ(@w荒
少女は驚き、口を開ける。
「この前、渋谷のハチ公の尻尾を、3回撫でていたね?(@w荒
秋の夜風が冷たい。
「・・・はい。じゃあ、あなたが?」
「ついてきな(@w荒

ヲレは、近くの公園まで歩いた。


133東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 02:56
夜10時40分。
少女の足から垂れる血に気が付いて、
ヲレは少女の後を追って、
声を掛け、ティッシュで血を拭いた。
少女は一礼し、少し足を引きずるように家に帰っていった。

「まあ、可愛い子だったからいいか(@w荒

ヲレはため息をついて、車を発進させた。


134東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 02:56
ヲレは、次の日、昼12時の便で成田空港からアメリカに向かった。
眼下には太平洋だけが広がる。
地球の自転と逆向きなので、
あまり日が沈んでいかない。
それどころか、
ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港についたのは、
実際現地時間の10時だった。

ヲレは、空港の名前の皮肉さに苦笑した(@w荒
早速必要なものを集める。
135東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 02:57
まず、変装をする。
服を変え、メガネを掛け、あごひげと口ひげを付ける。
茶色のコンタクトレンズを付け、
髪の家を茶色にする。

色々な店から花火を買う。
ただ、監視カメラがない店だ。

花火は、色が出る奴。

火薬は、発火する物と爆発する物に分かれる。
ロケットや爆竹は爆薬としての性格が強い。
花火の大部分は黒色火薬を基本に硝酸塩を主原料とする。
黒色火薬は化学的に安定し、取り扱いが容易だ。
だが、
色を出す火薬はほとんどが過塩素酸塩を主とするものが使われ
黒色火薬よりも威力が強い。

-------------------------------------
136東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 02:57
もう一つのものは、自分で買うわけにはいかない。
ヲレは、とある住所にそれを届けるように手配させ、
代引きで支払いをすることにした。
ヲレは、配達時間にその家の前に居合わせ、
たまたま帰ってきたかのように振舞って書類にサインをし、
現金で金を払った。

以上の買い物の際には、全て手袋をつけて行った(@w荒
137東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 02:57
バージニア州、リッチモンド。
とある在郷軍人会の屋外パーティ。
ヲレは近くのビルのマクドナルドで、ノートブックパソコンを開く。
ヴァージニア州は、常にアメリカの歴史の焦点だった。
ワシントン、ジェファーソンを始め、8人の大統領がこの州の出身という
だけでなく、
英国に対する独立戦争はヴァージニア州のヨークタウンで終わり、
南北戦争はヴァージニア州のアポトマックで終結した。

そして、ヴァージニア州の地名は、
英国のエリザベス一世が、処女であったことに由来する(@w荒
処女のためにヲレが仕事を行うのにふさわしい州だ(@w荒

138東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 03:47
ヲレは、近くのビルのマクドナルドでノートブックパソコンを開く。
目の前のテレビの生中継で、目標の人物が到着したのを知る。

"The time is now"(時は来た)
話し始める。
" The ・・・ government refuses to accept UN resolutions to
renounce mass-destruction weapons including biochemical weapons
and ballistic missiles....."
(・・・政府は生物化学兵器や弾道弾を含む大量破壊兵器の廃棄を求める
 国連決議の受諾を拒否し・・・・)

ヲレは、ノートブックパソコンのひとつのウィンドウを開いた。
日本から持ち込んだccdカメラの画像が映っている。
139東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 03:49
ヲレは、キーを押した。
すると、ウィンドウの中の、
赤茶けた錆びた排水管を映していた画像が
動き出した。

ウィンドウを通じ、世界が切り裂かれていく。
ビルの谷間。
窓で休む猫。
剥げかかった壁のペンキ。
茶色のレンガ。

突然視界が開け、大勢の引退した軍人たちが座り、
演壇で話す人物が見えた。
ヲレはマウスを操作した。
人物の周りには、多くのSPが控えている。
だが、まだ気づかない。

ヲレは、少女との会話を思い出した。
140東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 03:50
少女は、あの夜、
公園で何物かにとりつかれた目をしてヲレに言った。
「ジャーヴァジャーヤさまが言ったの。
 アメリカが今度行う戦争をとめないと大変なことになるって。
 そのために
 アメリカの大統領が死なないと、大変なことになるって」

 少女が学校の帰りに通っていたのは、とあるカルト教団の支部だった。
少女は、家族ごとその教団に入信している。
 少女は、その教団に完全にのめりこんでいた。
 生活のすべてがその教団の教義に従っていた。
 高校を卒業したら、その教団に出家するという。

「ヲレに、アメリカ大統領を暗殺しろというんだね?(@w荒
 少女は、狂信者の目で頷いた。

 電波だ。だが、可愛いからいいや(@w荒
「依頼を確認するが、大統領の命を取るのでいいんだね?(@w荒
 少女は再び頷いた。
「わかった・・・・対価は承知しているだろうな(@w荒
ヲレは少女の頬を手で撫でた。
少女は、コクリと頷いた。

-------------------
141東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 03:50
少女は貫かれながらマントラを唱えていた。
サンスクリットで唱えられた内容は、大体以下の通りだ。
「大悪魔たるマーラを倒すため、シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーの
 力を合わせて聖者さまにお与えください、弱き者に知恵の泉から注がれた・・・」
少女は痛みに耐えた。
ヲレは少女の流す涙の意味が、痛みなのか宗教的な感動のものによるのか、
それともヲレの技術によるのか、最後までわからなかった。

少女の腿から流れる血だけが、
唯一現実的なものだった。

爆薬と石油入りのラジコンのヘリコプターは、ターゲットに見事命中し、
アメリカ大統領ジョゼフ・ライアット・ワトソンは64歳の生涯を閉じた。
142東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/10/29 03:51
アメリカの軍と軍事産業は、年間50兆円の予算を消費する。
大統領が一人死んだ程度で、戦争を止めるはずがない。
というか、何年かに一度、定期的に戦争をして武器の在庫がはけないと、
産業自体がやっていけない。
戦争があり、軍事予算が増大することで、軍人もポストが増え、
余禄が増える。

また、アメリカの戦争は、国内の経済の不振や、人種間の対立による
不満を国外に向けてガス抜きするという性格を帯びている。
だから、これを止めさせるには、
相当な手間と暇がかかる(@w荒

ヲレの能力でも1ヶ月は必要に違いない。

だが、大統領個人を暗殺する程度ならお手軽にできる。
それでも、アメリカという国家が
大統領の命一つくらいで国家の方針を変えるはずがない。
しかし、少女との契約は、あくまで大統領の命だ(@w荒

ヲレは契約を遂行した(@w荒

143おたく、名無しさん?:02/10/29 22:51
あげ
消防時代、けっこう田舎の学校だったので
トイレはぼっとん状だが下でずっとつながっていて
ある程度時間が経つと一気に水が流れるタイプのモノだった。
ある日トイレに入り、下を見た瞬間驚いた。
青首ダイコンくらいの大きさのうんこがどっかりと横たわっているではないか!
流れる水の勢いをモノともせずそれは居座り続けていた。
それにしても子ども心に怖かったのは、
あんな太いうんこを排出する尻の穴の持ち主が
同じ学舎にいるということだった。
145ぜんざい:02/10/30 01:27
それはお汁粉だった。
146おたく、名無しさん?:02/10/31 00:00
あげ
kitty、ここで まっとうな評価がされてるぞ。

http://jbbs.shitaraba.com/music/bbs/read.cgi?BBS=570&KEY=1030548711
148おたく、名無しさん?:02/11/02 12:35
あげ
149おたく、名無しさん?:02/11/02 21:33
おおおういkitty〜
ロビー、ニュー速とスレストになって
続き読めないかと思ってたよ。

切込隊長詰所からきますた。

>>116の電話の相手は、少女じゃないの?

面白かった。続きキボン
150おたく、名無しさん?:02/11/02 21:43
151サタン:02/11/02 21:44
やい、妄想帝国国王のおっちゃん、みんな小説まってるぞ
152東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/03 01:43
そうだったね(@w荒

>149
153:02/11/03 16:29
ここ見て勉強しろ
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=marylou
154おたく、名無しさん?:02/11/04 08:51
あげ
155おたく、名無しさん?:02/11/04 16:52
あげ
156おたく、名無しさん?:02/11/05 19:05
続きはどうする
157おたく、名無しさん?:02/11/08 05:55
あげ
158東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/08 05:56
「護衛官日誌」

エヴァンゲリオンへのオマージュとして(@w荒
159東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/08 05:58
第三新東京市の外郭が、山の中に浮いている。
ヲレは、雲の切れ間から零れる太陽の光が、柱のようになって
第83装甲ビルのガラスに反射するのを見つめた。
そのずっと向こうのかなり高い山にやや雲が掛かっている。
「こりゃ雨になるな」
Fが言った。
「こんなに晴れているが?(@w荒
「キャップ、私の故郷の村で
 野坂山に雲がかかると雨とか古老たちが言ってましたよ」
故郷がまだあるとは羨ましいかぎりだ。
 ヲレの故郷は既に水没済みだ。
 スタッフの大半が出身者である沿岸の都市部だしな(@w荒
「ターゲットはどうよ?(@w荒
 ヲレはFに聞いた。
 Fは、車の助手席で
 ノートブックコンピュータ上のウィンドウに
 ネルフの室内監視モニタ画像を呼び出した。
「今着替えています。
 シャツを・・・シャツを着て今制服を着ました」
 もうすぐ出てくるな。
「朝飯くらい食えばいいのにな」
 ヲレは呟いた(@w荒 

160東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/08 05:59
3分後、ターゲットの零号機パイロットの綾波がマンションから出てきた。
「カギも掛けてないんだろうな、相変わらず」
Fが首を振った。
Tが言う。
「あのマンションは
 ネルフの職員しかいないし、監視カメラは至るところにあるし、
 綾波の両隣と上下の部屋には
 24時間体制でガードがいるんだから、
 問題ないでしょう」

 まあそういうことだ(@w荒
「おっ・・・」
 綾波に一人の茶髪の若者が近づいた。
 ピアス。ヤンキー。歯が欠けている。
「DQNだな」
 Tが軽蔑するように言った。

161東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/08 05:59
護衛の仕事というのはいつも単調なもので、
建前上は何も起きないのが一番だが、
ヲレたちはある種何か起きるのを待っている。
そうでないと退屈この上ないからな(@w荒

「音声どうだ?」
ヲレはFに聞いた。
「口説いてますね」
綾波の靴に仕掛けた高性能盗聴器からのオーディオを拾っていた
Fは言った。
若者は高校の制服を着ている。
「あいつのIDは?(@w荒
制服から高校が割り出され、彼の身元も知れた。
「ふーん、なんていうこともないDQNだな(@w荒
ヲレは彼の顔写真が掲載しているデータ表を見ていった。
「数学のテストの点数が1年間通して毎回12点というのは、
 一種の芸術だな(@w荒
「どうします?」
Tが尋ねる。
「うぜーからヤっちまえ(@w荒

ヲレは筋肉隆々のTに許可した(@w荒

162東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/08 06:00
若者は少々綾波にしつこく付きまとったが、
まるで相手にされないので舌打ちをして彼女から離れた。
そこにTが近づいた。
「ああ君。私はネルフのものだが」
「なんすか?」
痩せた若者はいかにも反抗的な目つきでTを見た。
「市保安条例12条の4第6項23号但書の規定により、
 君を拘束する。"NERVノ職員ノ生活ノ安寧ヲ脅カス行為罪"だ」
「はあ???」
若者が声を挙げた瞬間、
Tのストレートが若者の腹に決まり、
若者はのたうちまわりながら倒れた。

ヲレは電話を掛けた。
「あ、赤木博士ですか?Jですぅ。お世話になってますぅ。
 あのですね、
 今ちょっとイキのいい実験標本が手に入ったんですけど。
 えぇ。17歳2ヶ月で。
 バラしても全然問題ありません。えぇえぇ(@w荒




163おたく、名無しさん?:02/11/08 06:07
164東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/08 16:29
ヲレはスクリーンの画像を見ていた。
「ざまーねーな(@w荒

そこにはエヴァンゲリオン初号機が海に、
弐号機が棚田に埋没し、
両脚だけ見せているヴザマな姿が映し出されていた。

「なんか、
 両パイロットの息が全然あってなかったみたいっすね」
最近体重が気になりだして、
カロリーメイトを昼食にかじるBが言った。
「まあ国連軍が
 N2爆雷を投下して足止めを食わせてるみたいですから、
 それが救いですね」
Kが書類をヲレの方に運びながら言った。
ヲレはその指示書を見て思わず声を出した。
「ヲイ・・・初号機パイロットと弐号機パイロットを
 同居させるのか?(@w荒
 呆れたな・・・二人とも14だろうが」
「みたいですね・・・
 まあ同居すれば、監視は楽っすよキャップ」
Kが言った。
「うむ・・・まあそりゃそうだが(@w荒

ヲレはネルフのロゴ入りのコーヒーカップを啜りながら言った。
面倒なことにならなきゃいいんだが(@w荒


165東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/08 16:29
面倒はいきなり訪れた。
弐号機パイロットが
ネルフ本部から葛城三佐の自宅へ引越しする際のことだった。
ヲレたちは車でアスカを尾行し、
護衛をしていた。
薄黄のワンピースを肩のところの紐で止め、
赤いスニーカーを履いている。
「いいスタイルだな。日本人離れしてますね」
Fが言った。
「ターゲットのケツぢゃなくて周りを見るんだよヴォケ(@w荒
ヲレはFの頭をこづいた。
マンションから50mほど離れた
セブンイレブンの前に来たとき、ターゲットは後ろを振り向き、
つかつかとヲレたちの車の方に向かってきた。
「タ、ターゲットが近づいてきます!」
車を運転しているAが慌てて叫んだ。
そう、たしかに赤い髪の少女はヲレたちの方に視線を投げつけ、
方向を切り裂き近づいてきた(@w荒


166東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/08 16:29
アスカは、ヲレたちの車の傍まで来ると、ニコリと笑って
ドアのガラスをノックした。
ヲレは、やむを得ず外に出た。
「なんでしょう?(@w荒
アスカは、ニコっと笑ったあと、突然怒鳴りだした。
「護衛の人ね?任務なのはわかるけど、ウザいのよね。
 あと、これ何?止めてくれる?」
そういって、アスカは赤いスニーカーの右側をヲレに投げつけた。
無論当たるわけなどない。
ヲレはうまくよけたからだ。
「これ、とは?(@w荒
ヲレはすっとぼけた。
「盗聴器でしょ?わかってるんだから!!歩いていて、
 なんか感じが違うのよね!!」
そうだ。
来日したその日に彼女がもっている全ての靴の中に盗聴器を仕掛けた。


167東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/08 16:30
セブンイレブンの中を見ると、
従業員や客がちらほらとこちらを見ている。
長引かせても仕方がない。
「こっちも仕事なんだよ・・・そうだな、
 こんなところで話すと色々差障りがあるんで、
 ドイツ語で話すよ。
 Wir arbeiten um Sie gegen den Angriff zu verteidigen.
Das Zeug, das Sie gesagt haben, ist noetig fuer uns
um Sie ausspueren. Ich denke, dass Sie es verstehen moegen,
weil Sie sich schon eine Universitaet diplomatiert haben.
Unsre Arbeit ist nicht kindlich.
(ヲレたちはあんたを襲撃から守るために働いている。今言った盗聴器にしても
 あんたを追跡するためには必要なんだ。あんたならそれぐらいわかるはずだろ。
 なんせ大学出てるんだしな。
 ヲレたちの仕事はガキのそれぢゃねーんだ)」
それを聞くと、アスカはぐっと言葉を飲み込み、やがて言った。
"Ja, ich verstehe. Aber Sie muessen mir Bedenken geben,
der Privatie gemaess, im Zimmer!!"
(わかったわ。でも、部屋にいるときは、プライバシーを考慮してよね!!)


168東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/08 16:30
"Jawohl, Ihre Hoheit, Prinzessin(@w荒
(わかったよ、お姫様(@w荒

「お姫様」という言葉を聞くと、アスカは途端に機嫌がよくなった。
「うふ、わかっているならいいのよ」
そうして、アスカは再びマンションへ向かった。
途中、彼女はちらりとこちらを振り返り、
「しっかりガードするのよ!」
とヲレたちに指を差しながら言った。

「いきなり面倒が始まっちゃいましたね」
ハンドルを握りながらAが言った。

169おたく、名無しさん?:02/11/08 23:46
age
170ららさま:02/11/08 23:47
キテーは何ヲタですか?
171火祭り ◆FIRE4rZZzs :02/11/09 00:17
ヤボール アイスカルトケニギン。
172東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/09 13:16
それから3日間、二人は学校にも登校せず、
マンションに篭ったきりだった。
そして明けて8月8日(@w荒

「キャップ!」
車の中でFがヲレに注意を促した。
「あれは・・・(@w荒
確か特別クラスの・・・そう、初号機パイロットたちの同級生たちだ。
洞木ヒカル、鈴原トウジ、相田ケンスケ。
彼らはマンションの入り口へ入っていった。
二人が3日も登校してないから、
プリント等を配りに来たのだろう(@w荒




173東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/09 13:17
をっ、電話だ。
「なにかね?(@w荒
「キャップ、Bです。
 今、葛城一尉と零号機パイロットがそちらに向かいます」
「了解(@w荒
なんだ、パーティでもやるのか?(@w荒
とりあえず、
アスカの靴に仕込んだ盗聴器は屋内の音を外に送れない。
葛城一尉の部屋はそういう造りになっている。
たまに窓を開け放したときに音が洩れる程度だ。



174東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/09 13:17
「キャップ、音声入ります」
どうやらドアが開いたようだ。あの3人を迎えるのだろう。
「はぁい」
をっ、この声は・・・
初号機パイロットと弐号機パイロットが
声をハモらせているのか?(@w荒
ヲレは、画面のオシロスコープのグラフが揺れるのを見ながら思った。
「ふ、フケツよっ!!二人とも!!」
ヒカルの声だ。
フケツ?(@w荒
一体何が起きているのだろうか?

175東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/09 13:18
「ぺ、ペアルック・・・!」
アクセントが大阪弁。
「イヤーンな感じ・・・!!」
ケンスケの少し高い声が響く。
「ご、誤解だよ」
シンジの声だ。
「五階も六階もないわ・・・・・!!!」
ヒカルが泣きじゃくる。
年齢の割に古い言い回しを知っているんだな(@w荒

「あら、いらっしゃーい」
葛城一尉の声だ。綾波も一緒なのだろう。
「ミサトさん、これはどういうことか説明してください」
トウジの大阪弁のアクセントだ。
「それは、中ではなしましょう」
そういって、彼らが靴を脱ぐ音が聞こえた後、
オーディオは突然切れた。
「ラジオショーはこれでお仕舞いか(@w荒

ヲレはマンションを見上げた。



176東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/09 13:19
ヲレの視線はマンションを越えて晴れた空へ向かった。
「アレを使うか、アレを(@w荒
ヲレは決めた。
「なあF、L」
「はい、キャップ?」
「ヲレがつらつら考察するに、これは極めて重大な問題だと思うんだ」
「はあ?」
「あのヒカリの”フケツ”という言葉。そして二人のハモった声。ペアルック。
 これは保安上極めて揺るがせにできない事象だと思わんかね?」
「”イヤーンな感じ”という言葉ですか?」
 Lが言った。
「ああ(@w荒
「そ、そうですね・・・自分もそう思います」
Fが居住まいを正した。



177東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/09 13:20
ヲレはLに断固として指令した。
「直近の軌道上にいる監視衛星を呼び出せ。
 最優先コードを掛けろ(@w荒
 ヲレはこの前赤木博士に実験標本を提供したときに貰った
 コードをLに与えた。
「はいっ」
Lは欣喜雀躍した。
「監視衛星タシロマサシがレスポンスしました」
「地表の座標クエリを入れて最優先コードを添付しろ」
「はっ!」



178東京kitty ◆A4cRD3R2n. :02/11/09 13:38
「画像処理はここぢゃ無理だな。
 マギのバルタザールを呼び出せ。
 今日はパイロットたちの実験がないから、
 リソースが余っているはずだ。
 データをパイプしてこちらには
 処理した画像だけ送りだすように(@w荒
「はい」
「画像きました」
 ノートブックパソコンのウィンドウの中には、
 葛城邸の窓から見えるお茶の間の風景が見えていた。
「バルタザールの唇口解釈ソフトを使って発話を解釈しろ。
 出力は音声はいらない。文字だけでいい。記録もしておけ(@w荒
「はっ」

179東京kitty ◆/jg6WS9Hn6 :02/11/11 17:13
「85パーセントの解釈率です」
こちらを向きながらLが言った。
「なるほど、ユニゾンを獲得するためか(@w荒

ヲレは、画像に映っている、
二人のおそろいの♪の絵柄のダンスドレスを見て思った。
「確かに、あれぢゃ勝てないよな、あれぢゃ(@w荒
棚田と海に両足だけ出して沈んだ
二機のエヴァンゲリオンを思いだした。
だが、どうも訓練は上手く行っていないようだ。
まずいぞ、こりゃ・・・(@w荒
「ぢゃやめとくぅ?」
葛城一尉の声だ。
「他に人、いないんでしょ」
アスカの声だ。相変わらずゴーーマンな奴だな(@w荒

180おたく、名無しさん?:02/11/11 18:47
みんな、ちゃんと読めよ
今日の宿題です。
181東京kitty ◆1a/tTHvN9I :02/11/11 21:18
「レイ」
ミサトが言った。
「はい」
零号機パイロットが静かに立ち上がった。
彼女は、少しどぎまぎしているシンジの横に静かに立った。
音楽が始まったようだ。
綾波とシンジは、課題のダンスを完璧に踊り上げた。
「パイロットを綾波にすればいいのにな(@w荒

ヲレは思った(@w荒

「赤外線画像に切り替えろ(@w荒
「はっ」


182東京kitty ◆1a/tTHvN9I :02/11/11 21:18
アスカの顔の表面温度が急速に上昇している様を
衛星からリアルタイムで撮影したサーモグラフ画像は
冷たく表現していた。
アスカは、歯を食いしばり、突然部屋を出て行った。
「アスカ・・・」
ぼんやりとシンジがアスカの去った方向を見やる。

外に出たのかな?(@w荒

「いーかーりーくん!」
ヒカリが言った。
「へっ?」
シンジがぼんやりと振り向く。
「おいかけてっ!!!」
ヘッドホンを握り締め、羅刹のような表情でヒカリは言った。


183おたく、名無しさん?:02/11/12 20:08
age
184おたく、名無しさん?:02/11/17 21:00
あげておく
185おたく、名無しさん?:02/11/30 05:45
あげ
186(・∀・):02/12/14 20:07
 
187山崎渉:03/01/12 10:49
(^^)
188山崎渉:03/01/21 07:03
(^^)
アニヲタ狩ると気持ちいいぜ! エピソードファイナル

あらすじ

おたく板固定たちは、各々異なる動機を胸にキモヲタバトルを
繰り返した末、いまや残っている固定はわずか数人。ここで
おたく板はあと3日で消滅するという事態に陥り、3日以内に
決着を付けることを余儀なくされる。この時、正体不明の固定・
真嶋が“最後の扉”を開いた。おたく板の規律は崩壊し、
厨房達がおたく板に溢れ出してくる。ルパンばかりか、
ミリタリーにも立ち向かわなければならない浅倉(偽)、サタン、
そして女性固定・ぐんぐにる。だが、一方で彼らのサバイバルの
刻限も刻一刻と迫っていた……。