【PSU】新ジャンル 「パシリ」十一体目

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1名無しオンライン
合言葉は

  ( ゚д゚ )<倫理的におk      
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/     /
     ̄ ̄ ̄
[ ´・ω・`]<創作能力がしょぼいんだけど投下していいの?
( ゚д゚)<倫理的におk 尋ねる暇があったら投下マジオヌヌメ

[ ´・ω・`]<凄く長くなったんだけどどうすればいい? あとパシリ関係ないのは?
( ゚д゚)<空気嫁ば倫理的におk 分割するなりうpろだに上げるなりするんだ

[*´・ω・`]<エロネタなんだけど…
( ゚д゚)<ライトエロなら倫理的におk あまりにエロエロならエロパロスレもあるよ
ファンタシースターユニバースのエロパロ 2周目http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173107109/l50

[ ´;ω;`]<叩かれちゃった…
( ゚д゚)<叩きも批評の一つ。それを受け止めるかどうかはおまいの自由だ
m9(゚д゚)<でもお門違いの叩き・批評はスルーマジオヌヌメ するほうもそこを考えよう

[ ´・ω・`]<投稿する際に気をつけることは?
( ゚д゚)<複数レスに渡る量を書きながら投稿するのはオヌヌメできない。まずはメモ帳などで書こう。
m9(゚д゚)<あとは誤字脱字のチェックはできればしておいたほうがいいぞ

[ ´・ω・`]<過去の住人の作品を読みたいんだけど
( ゚д゚)<まとめサイトあるよ ttp://www.geocities.co.jp/nejitu3pachiri/
     保管庫Wiki ttp://www21.atwiki.jp/nejitu3pachiri/

( ゚д゚)<前スレ
【PSU】新ジャンル 「パシリ」十体目
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1173802057/
( ゚д゚)<次スレは容量が470kを超えるか、>>800を超えた辺りから警戒しつつ立てよう。
2名無しオンライン:2007/05/03(木) 00:56:28.82 ID:CiuR8suW
11体目まできたのか〜
ともあれ>>1
3名無しオンライン:2007/05/03(木) 01:41:02.95 ID:1zj0uIqj
>>1
倫理的に乙!
4名無しオンライン:2007/05/03(木) 08:01:59.88 ID:irentUVH
とうとう11体目か………思えば遠くに来たもんだw
どこまで、伸びるか楽しみだ。
何はともあれ>>1
5ときには風車に挑む騎士のように 1:2007/05/03(木) 18:02:40.77 ID:bl8YkyR3
わたくしは、GH432。主にお仕えして約1年になります。
初めて出会ったそのときに誇り高き名を拝領してのち、わたくしは主の寵愛を受けて育ち、戦の場に幾度も赴きました。
戦に不慣れなGH430であった時分のわたくしにも大いなる勇気を与えてくださったその力。
失敗しがちな合成も笑ってみてくださる大海のごとき寛容なる心。
すらりとした長身に、鍛えられた筋肉を隠すほどよい脂肪、豊かな胸を持つ美しき御姿。
おお、聖なるかな我が主よ!生と死をその手の内にする戦乙女の女王よ!お慕い申し上げております!

されどこの一月、主は姿をお見せにならぬのです。
ブドゥキ・ハドックをセットした合成ボードも1ヶ月そのまま。うまくできたか心配するのももう飽いてしまいました。
あの方に限って戦に敗れることなどはありえぬと思うのですが、わたくしも戦乙女の名を持つ身、出撃されるのであれば一声かけていただきたかったと…
「よー、オキクテロしに来たぞー」
おや、貴方は主と共に出撃することが多いキャストの方。テロのおつとめご苦労様です。ところで主の行方をご存じないでしょうか。
「ああ、あいつイルミナスに行ってるぞ。ギレスタとメギドが強化されてて喜んでたな。俺はプレステ2だから行かないんだけど」
イルミナス!?ヒューマン原理主義の過激派ではないですか!許可があればすぐにでも出撃して壊滅させてやるものをと思っておりましたが、まさか我が主が
あのような組織に入ることは…いやしかし主は誰にも平等に優しく接されるお方…もしや、虜囚となられたのでは!?
こうしてはいられません、すぐにでもお助けしなくては!
「いや待て落ち着けよ、イルミナスってのは…」
お止めにならないでくださいまし、あの方を失うことなどあってはならぬのです!御身にもしものことがあればわたくしは、わたくしは!百万回作り直されようとも恨み晴らさねばなりません!
今こそ馳せ参じます、すべては忠義のために!
「あーあ、行っちゃったよ…まあ、パシリ単独での出撃は制限されてるし実害はないだろ…ほっとくか」
6ときには風車に挑む騎士のように 2:2007/05/03(木) 18:03:45.70 ID:bl8YkyR3
勢いに任せて出てきたのはいいのですが、部屋の明かりを消すのを忘れていました。
い、いやそれはどうでもいいのです。むしろ問題なのはイルミナスの本拠地を知る方法がないということ、そしてわたくし一人ではシティの外に出ることすらままならぬという現実です。
こればかりはいかほどの能力であろうともどうにもなりません、どなたかの助力が必要です。
そういえば、聞いたことがあります。主人のいぬ間に勝手に外出する、GH420…通称ニャンポコたちの噂を。ニャンポコさんの情報ネットワークを用いればイルミナスの話も聞けるでしょうし、
外に出ることなどたやすいはずです。
そしてこういうときニャンポコさんを捕まえる方法は…
一時間後。
「はぁ〜おきらくごくらく〜」
ニャンポコさんこんにちは。見事策にはまりましたね。
「ニャニ!?このコタツはあんたがおいたとでも言うつもり!?はかったな、はかったな432!」
貴方のご主人がいけないのですよ(躾とか)。それにしてもこんなに多く集まってくるのは予想外でしたが。
「まあどうでもいいや、ぬくぬくさせてもらうもんね、にしし」
それはかまわないので、少しばかり情報をいただいてよろしいですか。我が主を見なかったかと、イルミナスの拠点の情報、マシナリーだけでシティの外に出る方法です。
「んー、あんたの主人ってどんな人?」
亜麻色の長い髪を持った、背の高く胸の大きいヒューマンの女性です。
「そんだけじゃわかんないじゃん、背ぇ高くておっぱいぼいーんな人なんていくらでもいるしー。亜麻色の髪ってのは珍しいかもしんないけど、あたし亜麻色って知らなーい」
…そうですか。知らないのでは仕方ありませんね。そうですか亜麻色はマイナーですか…
「まあでもパシリだけで外に出る抜け道ならいくらでもあるし、最近イルミナスが潜伏してる場所とかなら知ってるのがいるかもね。ねー誰か知らなーい?」
「知らないなー、誰か知ってるー?」
「じゃあさーまずピートちゃんにメールしてみて、それからー…」
十数体におよぶニャンポコさんたちが(自分たちはコタツに入ったまま)情報網を駆使してくれました。ありがたいことです、やはり持つべきものは強敵と書いて友ですね。
「にゅっふっふっ、ニャンポコ井戸端ネットワークをなめんじゃないわよ。ばっちり調べちゃったもんね。まあ何もくれないガーディアンズ本部には言わないけどー」
はいはい、報酬がほしいということですね。あとでこの世のものならざる食物、「ニ・ボシ」をさしあげましょう。
「わ、何それ楽しみ!ありがとーわーい」
7ときには風車に挑む騎士のように 3:2007/05/03(木) 18:05:18.59 ID:bl8YkyR3
ローゼノムの放棄された砦跡…廃城とでも言いましょうか。そこでイルミナスの悪趣味な制服を見かけたというニャンポコさんの情報をもとに、わたくしはパルム、旧ローゼノムシティにやってまいりました。
ここに主がとらえられているのですね。月並みもいいところですがシナリオづくりが下手な作者が考えたのですからそうに決まっています。
攻城兵器があるならともかく、城塞に正面突破は賢明ではありません。勝手口からおじゃましまして、イルミナス兵とヴォルフとゴルモロをひたすらライジングストライクでダウンさせて弩という戦法でハメ倒しながら
わたくしは進撃していきました。このときの様子もお伝えしたいところですが、ディスク2枚組の大長編痛快冒険活劇になってしまいますので割愛させていただきます。
煙と悪者は高いところが好きと相場が決まっておりますので、わたくしは主を捜し回りながら最上階へと歩を進めました。
そこでとりあえず隠し部屋か見えない階段などないか探していたのですが、一人のキャストに遭遇してしまいました。
「ぶるぁぁぁぁぁ!貴様のようなマシナリーが、ここに何用だ!悪いことは言わんから変な人にさらわれる前にお帰り!」
貴方がその変な人のように思えるのですが。怪しくないとおっしゃるのならお名前をどうぞ。
「レンヴォルト・マガシ…それが、俺の名だ」
ますますたちが悪いじゃないですか!悪名高きエンドラムの残党にしてイルミナスの手先、レンヴォルト・マガシ!主をとらえたのも貴方ですね!?
貴方もきっと亜麻色を知らないでしょうから即興で似顔絵を描いて見せてあげます…この方に見覚えがあるでしょう!
「知らん、というかこんな下手な似顔絵で誰かわかるわけがあるか!」
なっ…今のは傷つきましたよ!ちょっと自信がありましたのに…
いずれにせよ貴方は見逃しておけません、我が主と正義のためこの場で滅ぼしてさしあげます。覚悟!
「抜かしたな小娘!欲深なヒューマンの手によってイルミナスは創設されたのだ、ヒューマンどもは欲望によって発展し、信仰によって統率されてきたではないか。はたして貴様が正義と言えるのか!」
それは貴方の勝手な言いぐさです!人々は敬い、尊び、慈しむ心があるからこそ、共に歩んでいけるのです。邪悪なものは、いつかは滅びます!(あ、今わたくしちょっとかっこよかったですね)
「くだらん!どちらが正しいか、死をもってわからせてやる!」
8ときには風車に挑む騎士のように 4:2007/05/03(木) 18:06:08.72 ID:bl8YkyR3
マガシはなんだか強いのか弱いのかよくわからない剣の使い手でした。
わたくしの剣技と弩が(レベル制限いっぱいで)優れているのは言うまでもないこととしても、やりにくそうだというかなんというか…わたくしが小さいからですか?言い訳しないでください。
「ええい、こざかしいやつめ!俺は忙しいのだ、これ以上時間はかけていられん。こうなれば援軍要請してくれる!あー、もしもし」
ちょ、一騎打ちで勝てないからといってなんと卑怯きわまりない!
あの通信機を壊さなくてはならぬと一気に間合いを詰めたのですが、わたくしは服の襟を掴まれて持ち上げられてしまいました。
「はっはっはっ、かかったな!こんなはったりにかかるとは、やはりマシナリーだ」
だ、騙しましたね!?このっこのっ…うう、届かない…後ろにいるのでは手が出せません。
「さあ、どうお仕置きしてやるかな?ククク…む?何をしている?」
SUVウェポン起動申請、IDチェック完了。見てなさい、これが主と一緒に登録しにいった(わたくしがカウンターまで背が届かないからですが)新たな力です!シュトルムバスター、発射!
「あなごぉっ!?」
変な姿勢からの起動ではありましたが、方向に関わらず一定範囲内を爆破するシュトルムバスターのこと、マガシもたまらず派手に打ち上げられました。
この機を逃すわたくしではありません。すかさず弩を放ってマガシを磔にし、動きを完全に封じました。邪悪なるものに未来はないのです。
すべての機械を過去にする、究極神剣・サーセンフェイタリティ!「成功率は非常に高いでしょう」!
きゅいきゅいきゅいきゅいきゅい…ぴろりろーん。
きゅいきゅいきゅいきゅいきゅい…ぴろりろーん。
きゅいきゅいきゅいきゅいきゅい…めきっ
2回強化してしまいましたが決まりましたね。伊達にグラインダーA+1を山ほど合成したわけではありません。
貴方はあと3秒で完全に破壊されます。その間にこれまでに犯した罪を悔いなさい。
「ば、馬鹿な…パートナーマシナリーごときが、なぜこれほどまでに強いのだ…!」
わからぬでしょう、騎士道精神なき貴方には。
ヒュンヒュンとセイバーを回した後、マガシに指し向けて止めるわたくし。ここは華麗に決めさせていただきましょう。
それは愛ゆえに(ビシィッ)。
「ぐっ…つっこみたいが、つっこむ時間も残されておらんとは無念…!ぐぅわああぁぁぁぁぁ」(ドゴォォォン)
レンヴォルト・マガシ、恐るるに足らず!次に作られたときに改心しておれば、主に仕える勇者となれるよう上申してさしあげましょう。サーセン。
9ときには風車に挑む騎士のように 5:2007/05/03(木) 18:07:05.51 ID:bl8YkyR3
結局、マガシを倒して外に出たらなぜか崩れてしまったわたくし命名マガシ城でも主は見つかりませんでした。
もしやすでにエロ同人の贄にされてしまったあとなのでは、「拾ってやってください」と書かれたダン・ボールに入れられて震えているのではなどといやな予感ばかりが頭に浮かびます。嗚呼…
と、わたくしが部屋に戻ったその刹那。聞き慣れた声が後ろからかけられました。
「ただいまー。戻ったよ」
あっ、主!?帰ってこられたのですね!心配しましたよ!
「ごめんごめん。留守中何か変わったことなかった?このオキクを除いて」
はっ…も、申し訳ございません、正直に申し上げます。わたくしは、主の言葉を守れませんでした。主を信じられずに無断で出撃してしまいました。あと合成も失敗しました…どのような罰でも受けます…
「あー、いいのいいの。1ヶ月もほったらかしだったのが悪いんだし、合成は忘れてたくらいだし。それよりなんか汚いよ、一緒にお風呂入ろう」
おお…まことありがたきお慈悲、感無量の至りです!
聖なるかな、聖なるかな我が主よ。お慕い申し上げております!

-END-
10名無しオンライン:2007/05/03(木) 18:08:47.64 ID:bl8YkyR3
エロパロのほうで重い話を書いていたので、息抜きしたくなってアホな話を書いてしまいました。サーセン。
432がイタい子になってしまいましたが、後悔はしていません。
11名無しオンライン:2007/05/04(金) 04:35:29.98 ID:nMHVnFdc
十一体目か、思えばここもかなりの歴史があるな
ともあれ倫理的に>>1

>>10
色々突っ込みどころ満載だがGJw
コタツに群れる420の集団を想像してかなり和ませてもらったぜw

12深緑の舞踏14:2007/05/04(金) 06:26:30.05 ID:nMHVnFdc


ペラッ・・・ペラッ・・・パタン・・・

「ふー、読み終わりっと」

通産5040冊目の本を机の上に置きぐーっと背伸びをする。
時間はもう深夜、あの訓練で疲れたのか420は夕食を食べるとすぐ眠ってしまい、ねーさんもそれに付き添うように眠っている。
その様子に笑みを零しながら読み終わった本を元の棚に戻してまた新しい本を取る。
朝までまだ時間はあるし少しくらいは読めるだろう。
手にした本を読書用のデスクに置いて椅子に掛ける、真っ暗な部屋の中で灯りになるのは小さなスタンドライト。
街から遠く離れた夜の緑林地帯で聞こえるのは風の音と虫たちの鳴き声。
でもそれだけじゃない、微かに何かが聞こえた。
・・・スッと目を閉じて意識を集中させる。

―動物達の寝息 ―木の葉の揺れる音 ―風が水面を揺らす音 ―それとは違う人工的な水面の揺れ

「・・・南東8キロにフローターが2機・・・ほんっと懲りないなぁ・・・」

恐らくまた回収部隊だろう、少し前に追い払ったけど懲りずにまたやってきたと言ったところだろうか。
この土地は危険な原生生物こそ少ないものの、植物の成長が早くて景色がすぐ変わる、その通信が通らないエリアもある為迷いやすい。
聞こえたのはフローターのリアクターの稼動音、それもすぐに遠くへ行ったし近くに誰かが来ているということもない。
となればまだ当分は安心できるだろう、ただいつまでも隠れっぱなしっていうのも・・・

「むにゃ・・・おねーちゃん・・・まだ起きてたの?」
「ん、起こしちゃったか。 アタシはちょっと本読んでたからね、アンタも何か読んでみる?」
「ん〜・・・」

420が寝ぼけ眼でもそもそと本棚を漁って適当に掴み取った本、日に焼けてくすんだ色の分厚いファイル。
あぁそう言えばそんなのもあったっけ。

「それはアンタが読むにはちょっと難しいかな。 えーっと確かこの辺に・・・あったあった『世界旨いもの百科』」

ファイルの代わりにそれを差し出してスタンドライトの明るさを少し上げる、
その光に照らされてパジャマ姿に少し大きめのナイトガウンを羽織った420は床に寝そべって本を読み始める。
楽しそうに本を読む姿を見ていると、まるで本当に妹が出来たような気分になってくる。
そしてその姿に触発されるようにアタシもまた読みかけの本を開いた。
13深緑の舞踏15:2007/05/04(金) 06:28:29.11 ID:nMHVnFdc

『GRM極秘レポート No.214』

この書は我々第xx研究室研究員が異能体に関するデータを収集、分析した結果を記したレポートである
よってこの書及びそれに関するデータは研究室所長xxxxの許可無く閲覧、コピーすることを禁ずる

―― パートナーマシナリー(PM)
我がGRMがxxxx年に開発した「支援用マシナリー」
合成、戦闘を主に主人の生活のサポートを行う自立型マシナリー
個別に搭載された感情により当時シェアを争っていたテノラ・ワークス社のPMより性能の向上に成功
個々の性格の違いは成長過程や主人の癖等に依存する為好みや得意不得意に違いを持つ
現在は主にガーディアンズの職員に支給されている

―― 異能体(ワンオブサウザンド)
PMの中でも能力が非常に高い個体
保有する能力の高さと希少性からからワンオブサウザンドと呼ばれる
また研究室では異能体と呼称する

―― 異能体の特徴
その特徴として純粋に戦闘能力が高いだけではなく、独自の能力を有し
それと併せる事で通常では持ち得ない高い能力を引き出している個体が多数報告されている(詳細は後記)
異能体は基本的に容姿、行動共に通常のPMとに大きな違いは無く外見だけでの判断は困難
ただし一部リアクターの異常稼動など特定の機器を使用する事で判別の可能なタイプも存在する(異能体No.0xx)

異能体の発生条件は明確にされていないが、先天的に欠陥を抱えた個体が特定の条件下で異能体へと『変化』するとされている
またPM開発段階にも異能体に似た性質の個体が多数報告されていた事、当時の個体は全て自壊していたという点から
『変化』には初期開発段階以降に搭載された感情回路が大きく関わっているのではないかという可能性が挙げられている
また、現在のところ確認されている異能体は全て成体である4xxシリーズでありそれ以前では判別は困難である

―― 検体(異能体候補)
異能体ではない通常のPMの中にも稀に確認される能力の高い個体
しかし検体の判別には検査が必要な為確認は困難
よって主人を失うなどで回収されたPMを優先的に検査に送る事を推奨
また主人の居る検体を発見た場合、正当的且つ確実にに回収する為に主人との直接交渉を行い、
その際逃亡した個体に対しては特殊部隊による強制的な回収を行う

また検体は異能体同様に回収次第研究施設へと搬送
その後感情データの操作及び様々な条件下にて覚醒実験を行う
覚醒実験のデータ及びPMの廃棄等に関する詳細はレポートNo.215及び添付資料を参照
14深緑の舞踏16:2007/05/04(金) 06:29:06.74 ID:nMHVnFdc

――現時点で確認されている異能体とその能力
異能体No.001 ―
現在確認されている異能体の中で最も初期に発見された個体、GH-450タイプ
テクニックの制御機構の欠落により過剰な出力でのテクニックの連続発動が可能、
ただし制御が利かずに発動したテクニックが暴走してしまう危険性も考えられる

当該個体は覚醒直後に回収に成功するも実験中に逃亡、現在その所在は不明
現時点でも稼動しているならば我々に強い恨みの念を抱いている可能性もあり危険性は非常に高い

異能体No.002 ―
異能体の中でも特に戦闘能力に特化した個体、GH-430タイプ
覚醒後我々よりも先に察知したガーディアンズ諜報部によって回収される
内部に搭載されたフォトンリアクターの出力制限機構に欠陥があり通常の数倍の出力を持つ
またそれに耐えうるだけの素体強度もあり戦闘能力は非常に高いと推測される

諜報部に回収された後諜報部に配属され『狂犬』の名を与えられる
その後一度初期化され、現在は一般PMに扮して生活しているとの情報あり

異能体No.003 ―
GH-440タイプ、ロストナンバー
ガーディアンズ諜報部に回収された狂犬と同じく覚醒直後に諜報部によって回収される
諜報部にて『不死身』の名称を与えられるも戦闘記録は少ない
後にAIが謎の暴走を起こし同じく異能体である『狂犬』によって破壊された為能力の詳細は不明
ただ暴走事件の被害の大きさから高い戦闘能力を有していたと言うのは容易に想像が出来る

異能体No.004 ―
GH-410タイプ、ロストナンバー
視覚センサーの停止及びその反動による他種センサーの異常稼動と言う欠陥を持つ
ガーディアンズ諜報部の動向を観察していた回収部隊によって発見
回収に当たるが当該個体の妨害により主人に当たる人物への交渉及び回収に失敗
持病を患っていた主人の死没後初期化された為詳細なデータは一切無い
現在は一般PMとして活動しており異能体としての反応は出ておらず監視を続けている

また活動時未来を予測する能力が存在すると言われたが真偽は定かではない

異能体No.00x ―
No.001と同じく我々の手で回収に成功した貴重な個体、GH-420タイプ
検体として回収され検査の後に異能体と判断される
聴覚センサーの異常稼動と言うNo.004に近い欠陥を持ち
それを最大限に利用する事で最大で半径10キロ程度の範囲の感知が可能な事が確認されている
(能力使用時には目が赤く変色する事も確認されている)
またこの高い感知能力は戦闘においても高い評価を出している

ただし未発達の精神によって能力の制限が弱く暴発も考えられる
また長時間の行使は自身に多大な負荷を掛ける恐れあり、要訓練


異能体にはまだまだ不明瞭な点が多く、多くのサンプルの解析が必要
なお、現段階では不可能だが解析が進めば任意な異能体の生産
及び通常のPMを後天的に異能体にすることも可能と考えられる
更なる研究のためにも検体の回収を急ぐ方針にする

全ては人類の発展のために――   第xx研究室局長xxxx
15深緑の舞踏17:2007/05/04(金) 06:29:42.85 ID:nMHVnFdc

パタン・・・もう幾度と無く読み返している本を閉じる。
GRM機密文書、これはGRMから逃げてきた時に持ち出したものであり初めて読んだ本でもある。
GMRの目的、それはPMの、ワンオブサウザンドの兵器利用、だからこそアタシやこの子は狙われている。
その事を思い出すたびにこの子にもそれを話すべきなのかどうかを考える。

「すぴー・・・すぴー・・・」
「・・・寝ちゃったか、のんきなもんだね」

本の上に顔を乗せて幸せそうな表情で眠る420。
その頬をそっと撫でるとスベスベとした感触が手に伝わってくる。

「・・・自分が終われてるほんとの理由知ったらなんて思うかな」
「ん〜・・・おねーちゃん」
「っと、また起こしちゃ悪いか」
「おねー・・・ちゃん、だめー・・・」
「やれやれ、どんな夢を見ているんだかね」
「むぅにぃ〜・・・」
「・・・うずうず・・・」

床に転がったまま幸せそうな表情で眠る420。
睡眠がヒトにとって重要な役割を果たすのと同じようにPMにとっても睡眠は必要なものだ。
身体のコンディションを整え記憶の整理を行う、そしてその整理された記憶が夢として現れる、
それはヒトが見る夢と同じ、楽しかった事嬉しかった事を改めて楽しむ為。
でもアタシの場合眠るなんてことはほとんど無いし寝たとしても精々数十分から一時間ほど。
PMにとって睡眠は重要だけれども不可欠と言うわけでもない、身体の調子程度なら自分ですぐに解る。
・・・別に眠るのが嫌いとか言うわけじゃない、眠るのが怖いだけ。

GRMから逃げてきた後に気が付いたアタシの持つもう一つの欠陥。
それは毎日、周りの全てを記録しても尚余るほどの異常なほどの記憶容量。
これまで見てきたもの、体験した事、GRMでの非道な実験、仲間達の鳴き声、悲鳴、
忘れたくても忘れられない、忘れる事すら出来ない悪夢。
忘れられないからせめて思い出さないように、記憶の深くに埋めてしまう為にたくさんの本を読んだ。
読んだ本の冊数も、内容も、もっともっと些細な事ですら事細かに覚えている。
けれどもどれだけ知識で埋めても片隅に追いやるのが精一杯でふとした事で簡単に出てきてしまう。
ただ幸か不幸か、その得た大量の知識は今こうして生き延びている為の力を与えてくれた。

そしてそれとは別にその膨大な知識がもたらした物、それが眠ることへの恐怖。
忘れたくても忘れる事が出来ない悪夢を夢で見ること、
そしてこの膨大な記憶の整理なんて果たして本当に出来るんだろうか、
ひょっとしたら一度夢を見てしまえば毒で眠らされた眠り姫のように二度と目覚められなくなるんじゃないか、
なんておとぎ話みたいな事に本気で恐怖を覚えてしまった。
だからアタシは今まで一度として夢を見たことが無い。

でも――

「でも・・・これだけ気持ちよさそうに寝てるのを見ると大丈夫そうな気もしてくるんだから不思議なもんだ」
「う〜・・・おねーちゃん・・・私のハンバーグ取っちゃだめー・・・もぎもぎぃ・・・」
「・・・うずうず・・・」
16深緑の舞踏18:2007/05/04(金) 06:30:40.29 ID:nMHVnFdc

モゾモゾピクピクと目の前で動く寝巻き姿の少女。

「はむぅ・・・」
「うずうずうずうず・・・あーもう可愛いなぁ!
 このべちゃーっとたれ具合のやわらかほっぺとかだらしなく伸びたおててとか!
 このままじゃ風邪引くだろしベッドに寝かせたげようと思ったけどむしろ隣の部屋へ?密室って倫理的におk!?」

誰ともわからない異次元の存在に問うてみるも返事は聞かない、むしろ聞いてあげない!
まず隣の部屋に連れ込んで鍵を掛ける、それから口ではいえそうもないあ〜んなとこやこ〜んな所を手で触ったり
指でぷにぷにつついたり痕が付いちゃうくらいあまがみしたり!
んでもってちょっとやりすぎちゃって目を覚ましちゃうんだけど困惑してる間に口塞いじゃって、
暴れるのを無理矢理押さえつけてあまつさえロープなんかで手を縛っちゃったり!
おおっとだんだん妄想が膨らんできた!
んでちょっときつめくらいに縛ったらちょっとずついじくって反応見たりして
それで力が入らなくなってきた頃くらいに解いて開放すればどうさ!
くたっとしながら可愛いほっぺをを真っ赤にしてさらに潤んだ瞳、
物欲しげな表情で「おねーちゃん・・・」って言うんだけどそこであえて止めるのが最後の切り札!
そして最後に「おねーさま」って言わせればあぁもう・・・。

まさにそれは無限に広がる小宇宙(コスモ)!未だ見ぬ果てしないドリーム!
生きとし生けるもの全てが目指すエデンの園!神々の住まう国!
アタシはこの時の為だけに生まれてきた!

「我、世界の心理を見たりぃ!あーっはっはっはぁ!」


そんな黒くてピンクな希望(欲望)を浮かべながらゴロゴロと部屋を転がり続ける420(姉)の奇行は結局朝日が昇るまで続けられたそうな・・・。
17名無しオンライン:2007/05/04(金) 06:37:45.59 ID:nMHVnFdc
スレが新しくなってやっと登場の420姉

相変わらず事後承諾ですが>>13-14は元祖ワンワンサンドネタ所持者の小ビス子氏のをほぼ丸々借りた形です
んで+オリジナルと勝手な解釈でなるべく違和感の無いように考えまくったつもりですが変な部分があったらすみません



ラストの暴走は俺と420(姉)の妄想が爆発したと言う事で軽く流してやってください・・・w
ちなみに手はまだ出してないと言う方向で(朝まで只管転がってた)
18219(1/5):2007/05/06(日) 16:11:19.13 ID:QtKtieSj
--------前スレ300からの続き---------

男   「うう・・・、えらい目にあった・・・・」
パシリ 「まったく、これから研修生に色々教えなければならないと言うのに」
    「こんな調子では先が思いやられます」
男   「お前がやったんだろ!!見ろ!せっかくバッチリ決めて来たのになんかもう色々とボロボロじゃないか!!!」
パシリ 「あなたがボロボロにされるような事をするからでしょう変態」
男   「いや!あれはお仕置きとかそういうレベルじゃないね!笑ってたもん!!ゴツゴツやってた時絶対薄く冷たい感じで笑ってたもん!!!!!」

・・・・・・・・・

パシリ 「気のせいでしょう」
男   「なんだよ今の間!?お前絶対Sだろ!ご主人様をゴツゴツして悦ぶとは何事だ!!!ヽ(`Д´)ノ」

事実無根な事を言って暴れる変態
・・・・・・・・・・・・
うん、大丈夫大丈夫、ゴツゴツやってる時ちょっぴりゾクゾクしたけどドSと言う程ではあるまい
あれだ、変態のくせして意外と可愛いのがいけないんだ
ちょっぴり涙目で「ごめんなさい」と言ってきたらそらもうちょっと殴るというものだ

男   「はぁぁ・・・パシリのせいで・・・ドSのパシリのせいで服が・・・・」
パシリ 「・・・・・でもご主人様?その格好もワイルドでなかなか素敵ですよ?」
男   「え・・・?あ・・・・そ、そうかな・・・」
パシリ 「ええ、そもそも戦闘を生業とするガーディアンズがバッチリ決めたピカピカの服を着ていたらどこか頼りないと言う物です」
男   「な、なるほど・・・・そうか・・・これはこれで良かったかも・・・・」
パシリ 「・・・・・・ふぅ・・・素直なのか単に馬鹿なのか・・・」
男   「ぬ?なんか言ったか?」
パシリ 「いえ、なんでもありません」

とりあえず大人しくなった変態を置いといて辺りを見回す

パシリ 「なんだかんだでそろそろ時間ですけど・・・」
少女  「パパ〜〜〜〜!!!!!」
男   「ん〜、まだ来てないみたいだな・・・お〜・・・可愛い女の子・・・10歳・・・いや、6歳くらいか?・・・パシリもあれくらい可愛げがあったらなぁ・・・」
パシリ 「あなたが変態じゃなければ私だってあれくらい・・・・・・・・・?」
男   「変態変態とは言うがなぁおま・・・・・・・・・・お?」
少女  「パパ!!」

ご主人様の足にしがみついて満面の笑みを浮かべる少女

男   「・・・・・・・・・・・・・・・・」
パシリ 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
少女  「えへへ・・・・・・♪」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19219(2/5):2007/05/06(日) 16:11:52.43 ID:QtKtieSj

パシリ 「んなああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!??????」
男   「ええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!??????」

ガーディアンズコロニーに二人の絶叫が木霊する

パシリ 「ど、ど、どういう事ですか!?ご主人様!!!!」
男   「いいいいいいいや、まて!!!お、俺にはそんな覚えは一度も・・・・ハッ!!!」
    「い、いやいや・・・大丈夫だって・・・・酒で記憶が飛んでても・・・そんな・・・・」
パシリ 「あ、有るんですか!?有るんですね!?あ、あなたと言う人はああああああ!!!!!」
男   「まままままて!!!落ち着け!!!!だ、大体この子と俺どこに共通点が有ると・・・よ、良く見ろ!!」

少女をだっこして顔を並べるご主人様
・・・・・・・・・・・・・・・
艶やかな黒髪・・・・
深く澄んだ青色瞳・・・・
ニューマン特有の細長い耳・・・・

少女  「〜♪」
パシリ 「・・・・・・・・・・・・」
男   「・・・・・・・・・・・・」
パシリ 「そっくりじゃないですかああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
男   「NOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!」

再び二人の絶叫が木霊する

男   「いや・・・いやいや・・・だって・・・小さくても6歳くらいだろ・・・・?」
    「6年前って言ったら・・・・まだニューデイズに居た頃だし・・・・・・・無い・・・よなぁ・・・?」
パシリ 「そんな・・・・そんな・・・ご主人様に子供が・・・・・」

必死で否定しようとぶつぶつ言ってる変態とorzとする私
そんな・・・ご主人様に子供が・・・・と言う事はそのうち奥さんが出てきて・・・できちゃった婚・・・?
20219(3/5):2007/05/06(日) 16:12:39.94 ID:QtKtieSj

奥さん 「あなた〜♪ご飯できたわよ〜」
変態  「ああ、今行くよハニー」
娘   「パパ〜♪」
変態  「おっと、はは、○○は元気だな〜」
娘   「へへ〜♪」
私   「あ、あの・・・ご主人様・・・」
変態  「うん?どうしたんだ?パシリ」
私   「私も・・・抱っこ・・・」
娘   「だめ〜、パパは私のだもん!」
変態  「はは、こいつめ」
私   「あぅ・・・」
奥さん 「も〜ご飯冷めるわよ、あなた」
変態  「おっと悪い悪い、今行くよ」
私   「あ・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私・・・・空気・・・?
むしろ・・・邪魔者・・・・?

私   「はぁ・・・・」

眠れない夜ため息をつきながら昔を思い出す私
・・・・あの頃は良かった、ご主人様は変態だったけれど私にいっぱいかまってくれた
今では殴ったりすれば奥さんに怒られるし甘えようとしても娘さんに怒られる毎日だ

奥さん 「ねぇ・・・あの子なんとかならないの?」
私   「・・・・?」

ご主人様達の寝所から話し声が聞こえる・・・

変態  「そう言うなよ、あいつだって家事とか色々してくれるじゃないか」
奥さん 「そりゃそうだけど・・・あの子が食べるご飯代だって馬鹿にならないのよ?」
私   「・・・・・・・・・」

私の・・・・事・・・?

変態  「じゃあ捨てろって言うのか?それもあんまりじゃないか」
奥さん 「そこまでは言わないけど・・・・あ、ちょっと・・・」
変態  「お前がそんな事言うなんて・・・疲れてるのか?俺が癒してやるよ・・・」
奥さん 「ああ〜ん・・・・♪」
私   「・・・・・・・・・・・」

ご主人様達に気付かれない様自分の寝床に入る私
・・・・夢の中で・・・ご主人様に逢いたいな・・・・昔の・・・楽しかった頃の夢を・・・
21219(4/5):2007/05/06(日) 16:13:13.96 ID:QtKtieSj

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パシリ 「うわーん!!!!!!!ご主人様を殺して私も死ぬぅぅ!!!!!!!」
男   「いやいや・・・やはり無い・・・しかし万が一と言う事も・・・へ・・・?おわあああああああああい!!!????」

ゴガガガ!!!!

出力を目一杯上げたフォトンの弾丸が壁や床を削っていく

男   「パパ、パ、パシリ・・・?お、おま・・・これはさすがに当たったらし・・・ひいいいいいいい!!」

ガガガガガガガ!!!!!

パシリ 「私の・・・私の物にならないくらいなら・・・いっそ・・・いっそこの手で・・・・!!!!!」
男   「いや!!いやいやいや!!!違うよパシリ!!なんか知らんが絶対間違ってるよ!!!!」
パシリ 「・・・心配しないでください・・・私も・・・すぐに行きますから・・・」
男   「ちょ、ま、まって!!そんな寂しそうな笑みで死亡フラグ立てないで!!アーーーーーーー!!!イヤーーーーーーー!!!!」

ガガ!!!!ドガガガガガ!!!!!

少女  「ん〜・・・・あ!お姉ちゃ〜ん!!こっちこっち〜〜!!」
ヒュマ娘「も〜、勝手に先に行っちゃだめっていったでしょ!」
男   「くっ・・・・!!!」

ガガ!!

ハリセンで弾丸を防ぎつつ後退するご主人様と追撃する私

少女  「ぅ・・・ごめんなさい・・・でも私、ちゃんとパパ見つけたよ!!」
ヒュマ娘「もう、パパじゃないって言ったでしょ?あの人は私の教官で・・・って・・・教官はどこ?ニュマ娘?」
ニュマ娘(少女)「あっち」
ヒュマ娘「あっちって・・・・・えっと・・・」
パシリ 「はぁぁぁ!!」
男   「はぁ!!!!」

ガッ!ガガ!!ガォン!!!

近接戦闘で激しく火花を散らす二人
22219(5/5):2007/05/06(日) 16:13:48.29 ID:QtKtieSj

パシリ 「っ・・・さすがですね・・・ご主人様・・・」
男   「・・・お前もな・・まさか接近戦もここまでできるとは思ってなかったぞ・・・」
ヒュマ娘「あ・・・あの〜・・・・」
男   「ぬ・・・?研修生か・・・、悪いが今は取り込み中だ・・・危ないから下がっていてくれ」
ヒュマ娘「は、はい・・・」
ニュマ娘「パパ〜♪」
ヒュマ娘「あ、だめだよニュマ娘、今教官は取り込み中なんだから」
男   「ふぅぅ・・・・・・・ん?あ、ま、まって!!ちょっとまって!!こ、この子君の知り合い!?」

先ほどの少女を抱きかかえヒューマンの女性に詰め寄るご主人様

ニュマ娘「〜♪」
ヒュマ娘「え?あ、はい・・・私の妹ですけど・・・?」
男   「妹・・・・その、いきなりで失礼だが、義理の妹とかでは・・・」
ヒュマ娘「はい・・・ハーフなので見た目はヒューマンとニューマンで分かれてますが正真正銘血の繋がった姉妹です」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パシリ 「こ・・・こんな大きなお子さんまで・・・・そんな・・・私は・・・私は・・・・」
男   「い、いや、違う!!これはさすがに違うぞパシリ!!!彼女は今年で17歳・・・なんぼなんでも5〜6歳の時に子作りした覚えは無い!!!」
パシリ 「・・・・・・?え・・・?では・・・その子は・・・」
ニュマ娘「〜♪」
男   「うむ!彼女達が実の姉妹と言うなら俺は無実だ!!無罪放免だ!ヤッホーイ!!!!」
パシリ 「あ・・・あぁ・・・!!ご、ご主人様ぁぁぁぁ!!!!!!」
男   「パシリーーーーーー!!!!」

ガシーーーーー!!!!!

強く抱きしめ合う二人

パシリ 「ご主人様・・・私・・・私・・・」
男   「何も言うな・・・パシリ・・・・」
パシリ 「ご主人・・・様・・・・」

熱く見詰め合う二人・・・・そして・・・

ヒュマ娘「あの〜・・・・」
パシリ 「・・・・・・・」
男   「・・・・・・・」
23219:2007/05/06(日) 16:14:23.16 ID:QtKtieSj

続き物はだらだら長くなって難しいネ
一段落するまでもちょいかかります

ちなみにヒュマ娘は・ニュマ娘は
ヒュマ娘と書いて「ひゅまこ」と読む感じでお願いします
子より娘の方がしっくりきたので、特に深い意味はありません(゚ω゚)
24名無しオンライン:2007/05/06(日) 19:34:02.46 ID:aWieOxXI
か、可愛いじゃないか、パシリ…
25名無しオンライン:2007/05/08(火) 03:19:37.12 ID:y3exDW/Z
なんかすげえこの二人・・・w

パシリは確かに可愛いがなんか間違った愛情な気もするw
26我輩はPMである =4だっけ?=:2007/05/08(火) 21:43:28.42 ID:eXx8OlDV
なんか文体の癖を忘れてしまったけど・・・
========

我輩はPMである。名前はタロウ。

来た早々ミッションを受けに行くのか。そうかそうか。
合成しておく物はないのか。ないのかこのやろう。
とりあえず笑顔で見送ってやる。店番は暗算が得意な我輩に任せておけ。
土産の希望を聞かれたので、何でもいいと答えてやった。
一番困る回答であろう事にほくそ笑む我輩。

素材集めなら少人数で潜った方が能率がいい。
必要な素材も多くなったし、我輩を誘うには最適な理由付けだな。
しかし星霊の加護のない日は、なかなか欲しいものが手に入らない。
そういう日には友達とチームプレイを楽しんだほうが有意義だろう。
あのやろうは仲間とメールを交換したようだし、我輩への救援要請はあるまい。
今日は暇な一日になりそうだ。
・・・・・

スリープモードが解除された我輩は、威勢よく客に声をかけた。
が、すぐに後悔した。
明らかにうろたえて出て行ってしまったな。我輩そんなつもりでは…
再びスリープモードになるまでの待機時間がもどかしい。

最近あのやろうは我輩に財布を預けなくなった。
昔は金があると使ってしまうとか言って、照れくさそうに全財産を押し付けては、
お小遣いをもらってミッションに飛び出していったのだがな。
これは別に我輩が使い込んだとかいう信頼低下によるものではなく、
たんに共有倉庫に入れたほうが便利だという理由によるものらしい。
売れた事がすぐ分かるという理由で、店のあがりも小まめに吸い上げられている。
我輩の財布はいつもペナペナ。これが夫婦であったら大いに揉めたであろう。
まぁ欲しいものもない我輩は、かえって気が楽になったものだが。
・・・・・

我輩が無言で出迎えると、来店者はテキパキと購入して去っていった。
店主がいるなら別だが、店員は下手に声をかけない方がいいのだな。
割引もしてやれない我輩は、常日頃申し訳なく思っている。

店員といえば、惑星にある本店。あれは我輩から見ても店員が多すぎだろう。
ひとつのコーナーに3人も居て、それぞれが自分の担当品しか把握しない体たらく。
名札もなしで、何の担当かは客からわからない不親切さ。
カウンターからはみ出してる愚か者もいたしな。壁際族かお前は。
1人で全部さばいているクバラの店員さんを見習ってみろ。
むしろ我輩を見習え。我輩なら1機で百種は販売可能なはずだ。
・・・・・

今日の得物を受け取る。かなり疲れた様子のこのやろう。
我輩は何も言わない。お星様の機嫌が悪かったんだろう。気にするなよ。
合成ももう少し蓄えが増えてからになりそうだ。素材を気長に集め続けるのが大事だな。
とどめを刺したくなるのを堪えながら、我輩背中をぽんと叩いてやった。
まぁ頑張っていこうぜ、我輩がついててやるよ。
それから少しお小遣いを寄越せこのやろう。

我輩はPMである。名前はタロウ。
あとでシールドガム買ってこよう。
27名無しオンライン:2007/05/09(水) 00:47:21.68 ID:wuxRROaT
>>26
勝手にGH440のイメージで読ませて頂いた
タロウかわいいよタロウ
28名無しオンライン:2007/05/10(木) 11:05:29.03 ID:Yh6xyO2v
このタロウは何故かイメージが440に固定される
ツンツンしてるからか?w
29名無しオンライン:2007/05/10(木) 19:30:34.35 ID:K/yht+27
事件もドラマも恋愛も特殊能力もないタロウの日常にレスをありがとう。
この物好きめ。うれしいぞ。

 これらの話は、ひょっとしてうちのPMもこんなこと考えてる?と思えたりするように、
あえて機種を明記せずに進めております。
ですので、440に見えるならそれで良いですし、見えたまま楽しんでくださいな。
確かにうちの子は440だけど、まさか文体ににじみ出ちゃってるのか?(汗
 名前についても「まだ無い」としたい欲求がありましたが、それはあんまりなので、
進化について判らない人が、赤玉を見てとりあえずつけた。そんな名前にしました。
 何の変哲も無いPMが、これまた普通のご主人と過ごしながら、日常について
ブツブツ言う。その普通の生活っぷりにニヤリとして頂ければ幸いです。
そして貴方の所のPMも、そんなPMの一機だと気が付いてもらえれば・・・なんちて。

皆さんの投稿に期待age
そして最後に一言。>>7さんのマガシがいい人で妙なツボにきたー
>「ぶるぁぁぁぁぁ!貴様のようなマシナリーが、ここに何用だ!悪いことは言わんから変な人にさらわれる前にお帰り!」
30名無しオンライン1/2:2007/05/13(日) 04:45:25.41 ID:il0MlyIX
はい、前スレの275す、たゆんたゆんと410です。
相変わらず適当です、のんびりです、とりあえず投入…


「ねんがんのアモーレルをてにいれたんよー」
「マスター、正直申し上げますと…似合ってません」
「えー、似合ってると思うんやけどなぁー」

ころしてでもうばいとる、なんて謎な単語が浮かびましたが消去。
マスターは別名メイド服でお馴染みの、アモーレルパーツを手に入れたようです。
本人はメイドを気取っていらっしゃるようなのですが、しかし、、、
殆どの相手を見下せる程の長身、眼鏡の奥に隠されているあの鋭い目付き。
明らかに何か一線を越えているメイドの格好をした狂戦士と間違え…なんでもありません。

しかしながら普段のパトリエルとは違う意味で、あの大きくて柔らかいアレが、
私から言わせると、たゆんたゆんが誇らしげに存在を主張してます。

「んじゃー、周りの反応見たいから、この格好で出かけてみるんよー」
「マスター、お願いですからそれはお止め下さい…変に注目を浴びてしまう事になれば
色々と面倒に巻き込まれるかもしれません(主にに特殊性癖の方々とか…」
「そうかぁ〜410がそこまで言うならやめとくんよー」
「それが賢明かと(普段でも揺れるアレは注目の的ですし…」

私が安堵の溜息をついてると、マスターは何かを考えを思いついたらしく
いつもより怪しさを含めた笑顔で私にこう言ってきました。

「折角やから、今日はワシがメイドで410がご主人様ってのやるんよー」
「はい、判りまし…ってえぇ!?それは幾らなんでも無茶かと思い…」
「問答無用なんよ、んじゃー今からスタートー、よーいどーん」
「えぇぇぇぇ!?そんな!マスター、あのですね!?」
31名無しオンライン2/2:2007/05/13(日) 04:46:08.52 ID:il0MlyIX
慌てふためく私をよそに、マスターは普段のお気楽からガラっと雰囲気を変え
一瞬のうちに冷静沈着で有能なメイドへと変貌してしまいました。
どちらかと言うと、メイドと言うよりは軍人ぽいのは気のせいでしょうか?

「ご主人様?そのように慌てて如何なさいました?どうぞご命令を」
「口調まで完璧に変えてま…感心してる場合じゃなくて、あのーマスター?」
「今日1日は貴女がご主人様です、どうぞご命令を、さあ!早く早くハリーハリー!」
「あ、ハイ!!!あの、その、えぇっと…」

その口調と威圧感はメイドというよりは、軍人ですマスター。
普通ならツッコミでも入れるのでしょうが、パニック状態の私はそんな余裕すらありません。
そのせいでしょうか、いつもは心の中に仕舞っている一つのお願いが浮かび上がり
思わずソレを口に出してしまいました。

「じゃあ!…夜は一緒に寝る!!えっと、俗に言う添い寝とかそういうので…
一人だとちょっと怖くて、寂しいし…って…あ、今の無しで!訂正します!」
何故でしょう、自分から地雷原に飛び込んだ気分です。

「判りました、ご主人様。こちらも最近一人寝は寂しいと思ってた所です、渡りに船と言うか、
絶好の口実が出来…ゴホンゴホン…今日からずっと貴女と一緒に寝る事にいたします」
「マ、マ、マスター!?今の無しって言いまし…」
「あーあー聞こえないんよー…と、失礼。聞こえません、善は急げとか据え膳食わねばとか、
まあそんな訳で…早速ですが行動に入らせていただきます」
「え?ひゃぁぁぁ!!」
私は軽々と抱き上げられ、そのままベッドへと連行されました。

…今の状態を語ると、添い寝と言うよりは、私が抱き枕にされてます。
私の顔には、マスターのたゆんたゆんと言う名の超高級クッションが当たっており、
これはこれで大変心地良いのですが。

「あの…マスター?」
「今はマスターではなくメイドさんとお呼び下さい、ご主人様」
「あ…は、はい、ではメイド…さん?これはあくまで今日限りの事ですか…?」
「ずっと一緒にと言った筈です、お聞き逃しでしたか?『今後もずっと』ですよ」

抱き枕状態の私からは、マスター…もといメイドさんの顔は見えませんが、
その声は明らかにこの状態を楽しんでいるようです、見事に嵌められた気分です。

でも、そんな気分は1秒後には吹き飛んでしまってる私がいましたが…
訳は聞かないで下さい、恥かしいですから。
32名無しオンライン:2007/05/13(日) 23:24:51.87 ID:nJqDECQO
>私の顔には、マスターのたゆんたゆんと言う名の超高級クッションが当たっており

ちょっと乳最大キャス子作ってくる
33名無しオンライン:2007/05/14(月) 07:32:21.35 ID:uoVFegJw
>>26
タロウのイメージはこれと言って固まってるのはないが420だけは当てはまらないな、って感じがするw
イルミナスだとパシリ達が客に話しかけてもいいんだよな・・・
それくらい現行版にも入れてくれと思うんだがw

>>31
たゆんたゆんのメイドいいな・・・w
てかたゆんたゆんの口調って地だと思ってたのに実は変えれるのかw
34219:2007/05/14(月) 23:29:49.18 ID:ArJk0fl3
>>30
>>31

>変に注目を浴びてしまう事になれば
>色々と面倒に巻き込まれるかもしれません(主にに特殊性癖の方々とか…)

巻き込ませてみた

たゆ  「ふんふ〜ん・・・♪」
410  「はぁ・・・結局出かけるんですか・・・」
たゆ  「んーやっぱり新しい服は気分が良いんよー」
410  「ああ・・・マスター、ただでさえ目立つのですから背伸びとかそういう「胸を張る」姿勢は・・・」

シュビ!!!!

男   「こんにちは素敵なおっぱい・・・ゲフフン、素敵なお嬢様」
たゆ  「へ・・・?素敵な・・・お嬢様・・・ってワシ・・・?」
男   「勿論!あなたの様な素敵なおっぱ・・、素敵な人に会えるなんて今日はなんて超星雲な日なんだ!」
たゆ  「いやーそんなに褒められると照れるんよー」
男   「という事でここで会ったのも何かの運命!」
    「親交を深めるためにそのたゆんたゆんした物をあんな事したりこんな事したりもう色々とさせてくださグブォ!!!」

パシリのシッガボマが火を噴く

410  「フッ・・!!」
男   「グファアア!!!!」

410のハンゾウが変態をかっ飛ばす

パシリ 「ご迷惑をおかけしました、ご協力、感謝いたします」
410  「いえ、ご苦労様です」

ズリズリズリ・・・・・

たゆ  「ああ〜・・・えっとー・・・410?」
410  「峰打ちですから大丈夫ですよ、マスター」
たゆ  「あ〜そうかぁ〜それなら安心なんよー・・・・あれ?」
410  「さ、早く帰りましょう」
たゆ  「ああ〜待つんよー410ー」

たゆん、たゆん、たゆん・・・・・

PMに引きずられて帰る主人と、たゆんたゆんさせながらPMを追いかける主人が一人
今日もグラールは平和です。


---------
たゆんたゆんいいなぁ・・・・(´ω`*)
35名無しオンライン:2007/05/16(水) 08:37:34.34 ID:sq0S4Cja
たゆんたゆんいいなぁ・・・w

この天然っぷりがまたw
36名無しオンライン:2007/05/16(水) 21:09:03.97 ID:OKenecCg
たゆんたゆんと410の人です。
>>32
無理しないでぇー('A`)
>>33
まあ一応元軍です、故にって事で。
ちなみにたゆんはfFです、詳しくは前スレどうりってことす。
>>34
うちの子がスイマセンスイマセン…
そちらのPMにも迷惑かけてスイマセンスイマセン…

書いてる自分もこいつ天然?と思うときがあります。
性格の元は、牙狼伝の某空手の館長の超お気楽版、
戦闘時はベルセルクの某百人斬りの人あたりを参考にしてたり

次回はお風呂で浮くか浮かないかでも…(ドコガヨ
すいません、石投げんで下さい('A`)
37名無しオンライン:2007/05/18(金) 09:38:30.93 ID:2P/XptQv
浮くか浮かないかとかなんて素敵なたゆんたゆん・・・w

やべぇ、たゆんたゆんのレシピが知りたくなってきたw
38名無しオンライン:2007/05/18(金) 23:44:29.40 ID:PbRtw4l+
ちょっと前に出た設定原画集だっけ?
あれってどれだけパシリがかかれてるのかな
パシリの為だけに三千円投げようかと悩み中なんだ
39名無しオンライン:2007/05/19(土) 00:23:29.80 ID:vTiur4zl
>>38
設定画はベースとなる下1桁が0の基本形のみ
3Dモデルでなら0〜4が全部載ってる

ただいくらパシリ好きでも3千円出してまで買う価値があるかは微妙だと思うよ
俺は個人的に絵を描くからそのための資料だと思って買ったけど、正直高すぎると思う
40名無しオンライン:2007/05/19(土) 02:01:23.17 ID:S06h+7Fu
>>38
未解放含めて454まで全部大きな図+三面図(正面横後ろ)だから、
本の一角としてはこれ以上望めないラインのような気もする。
設定資料集の類なんて馬鹿高いのが常だし、俺は満足だったな。
余談だけど街の設定あるいはPSOep3のカード図柄に興味があるなら大分価値が上がると思う。
41名無しオンライン:2007/05/19(土) 16:42:49.31 ID:5BKbAarF
三千円か・・・・懐の寂しい俺にはきつい値段だな・・・
しかしパシリのためなら・・・!!

ついでにage
42名無しオンライン:2007/05/19(土) 19:47:40.87 ID:BygPA4Z4
さっきパシリのために買ってきた俺が通りますよっと。
43名無しオンライン:2007/05/19(土) 21:06:44.96 ID:mcnW7UTJ
前スレ275です、投下('A`)

ただいまマスターと初めての入浴中です。
今まではシャワーで済ませていましたが、その事をマスターに話すと、
「女の子はちゃんと綺麗にしなきゃ駄目なんよー」
との事で、しっかりと入浴するように、監視の意味で一緒に入る事となりました。

あ、パーツの下のインナーも取れるんですね、知りませんでした。
裸体も他の種族と変わらないようで…あんな所やこんな所まで一緒…勉強になります。
俗に言う、ボンキュッボン??とか言う体型でしょうか?どちらかと言うとたゆんキュ…忘れろ私。

マスターが私の髪の毛に液体をかけました、マスターの指が優しく動くと同時に泡が出てきます。
この液体は何でしょう?シャンプーと言うようです、頭髪用の洗剤みたいな物でしょうか。
で、そのシャンプー前から私の頭に付けられてるこの輪っかのような物は??
シャンプーハット?ですか、泡が入ると目にしみる?
ヒトと違って目にしみるとか無いと思いますが…他の種族にとっては発明品ですね。

あ、マスター先に浴槽の方へどうぞ、私は待っていま…?え?一緒に入れば問題無い?
それは拙いのでは?って、きゃぁあ!!背中を指でツーっとやるのはお辞め下さい!?
はい…判りました。では…
ざぶーん(ちゃぷーん)

浴槽に浸かるというのは、シャワーと違ってゆっくり出来るというか気持ち良いですね。
でも、しゃがむと全身が水没してしまうのが悲しいですが。
浴槽のヘリにつかまり、何とも微妙な状態でいると背後のマスターから声が。
膝の上に乗れ?確かにこのままの状態は少々大変ですので、言葉に甘えさせて貰います。
そして私が振り向くと…

「りらっくすじゃっご?」

…失礼しました、こちらの心の独り言です。
簡潔に表現いたしますと、たゆんたゆんが…ぷかぷか。ごくらく。
え?頭を乗せておけと?その方が支えやすいしゆったりできると?…あの…はい、失礼します。

今までは、汚れを洗い落とすシャワー程度で良いと思ってましたが、
見張ってないとシャワーだけで済ませてしまうとの事で、今後もマスターと一緒に入浴を
することになりました、怪我の功名とか言うのでしょうか。

決して、ぷかぷか。ごくらく。の為ではありません、本当…嘘です御免なさい。
44名無しオンライン:2007/05/20(日) 17:41:52.02 ID:Wi0SkKKu
>>43
リラックスジャッゴ一つください
45名無しオンライン:2007/05/20(日) 22:54:44.28 ID:Vgxx73DC
>>44
一つだけでいいのかね?
46名無しオンライン:2007/05/21(月) 03:09:06.14 ID:LY8aiS4V
早くイルミナスでないかな('A`)
このスレ読んでると、沸々と遊ぶ気が湧いてくるのに、
現行仕様では再課金する気になれない。

>>45
2つチョウラィ!щ(゚▽゚щ)
47名無しオンライン:2007/05/21(月) 03:51:43.82 ID:lqss8u0c
リラックス出来ないジャッゴなど如何でしょう
48名無しオンライン:2007/05/21(月) 07:12:22.51 ID:b3mNzy7w
たゆんたゆんいいなぁ、あーもうw
ジャッゴ一つといわずいっそ本体ごと・・・うわやめろよんにいぜ(通信が切断されました
49主の疑問:2007/05/21(月) 16:31:48.96 ID:fk34N0b0
主「410、質問があるのだが」
410「何でしょうか?」
主「パートナーマシナリーは主人に従うものだよな?」
410「そうですよ?」
主「どんな命令でも聞くのか?」
410「基本的にはそうです」
主「拒否することはないのか?」
410「プログラムに異常を起こしたもの、規格外の能力を持って生まれたもの、主従関係が曖昧なもの、等の例外なら
   あるかもしれません」
主「例えばどんな命令だ?」
410「自殺の強要、玩具としてのみの使用、主人自らの殺害依頼、等でしょうか」
主「・・・(そんな事命令する奴がいるのか・・・)」

410「・・・それで、何をお望みでしょうか?」
主「は?」
410「何かお望みで、お聞きになったのでは?」
主「イヤイヤイヤ!ちょっと疑問が湧いただけだ。・・・変な事聞いて悪かったな、もう寝るわ」
410「・・・はい、お休みなさいませ」


主「・・・ZZZ・・・zzz」
410「・・・ご主人様・・・ご主人様・・・」
主「・・・フゴ?・・・ムニャムニャ・・・何?」
410「・・・あの・・・一緒に寝ても・・・良いでしょうか?」
主「・・・ムニャ・・・い〜ぞ・・・ムニャムニャ」
410「・・・失礼します・・・」

・・・モゾモゾ・・・

410(・・・あたたかい・・・)

・・・ギュッ・・・

410「・・・スヤスヤ・・・」
主(・・・ね、眠れん!!・・・・・・耐エロ!耐えるんだ、俺!!)


〜翌朝〜

主「耐えたど〜〜〜〜〜!!!」
410「・・・?・・・あ、おはようございます」
主「うん、お休み・・・zzz・・・zzz」
410「エ?ご主人様!?」
主「ZZZ・・・zzz・・・(何かを成し遂げた漢の顔)」
50青キャス子の日常「BASARA風」:2007/05/21(月) 20:16:33.28 ID:s6mrCZBH
 合成結果を確認する→見事大成功!嬉しさのあまり抱きつこうとする→だが属性が10%だったので殴り飛ばされる
 そしてドレッシングルームに閉じ込められる→夕飯を食べ始める→開けてくれと暴れる→空腹のあまり倒れる
 というような感じでお読み頂けるとアリガタイ
 
青キャス子「411!」
411「ご主人様!」
青キャス子「411っ!!」
411「ご主人様ぁああああああ!」
青キャス子「411ィィッア!」
411「ゴフッ…人様ぁああああああ!?」
青キャス子「411ィイイィイ!」
411「ご主人様ぁああああうぁあああ!!」
青キャス子「411!(モグモグ」
411「ご主人様ァァアアアアアアッー!(ドンドンドン!」
青キャス子「411っ!!(パクパク」
411「ご主人様ぁあああああああああウワーァアン!(ガンガンガン!」
青キャス子「411…(ゲプッ」
411「ご、ご主人…すぁあむぅああああぁぁァァ…(バタリ」

 戦国BASARAを初めて見て衝撃を受けたのでカッとなってヤッテシマッタちょっとだけ後悔している
 わかりにくくてゴメンヨ 妄想し始めると止まらないですな…(つ´∀`)
51名無しオンライン:2007/05/21(月) 20:36:45.33 ID:s6mrCZBH
>>10 ちょっとコタツ買ってくる!!

>>17 >ラストの暴走は俺と420(姉)の妄想が爆発したと
    90%俺の妄想なキガスル(何

>>49 Σ(´∀`;)もしこれが毎晩続いたら寝不足で倒れそうだ、本当に望みなかったのカナー
52名無しオンライン:2007/05/22(火) 05:03:16.10 ID:g6kEEbh2
すまん、わからん。
10%だったから殴られて閉じ込められるのは411っぽいが、
いやしかし、倒れていると思いきや叫んでるしな。
ドレスルームで飯を食べる411、そこに扉をこじ開けて青キャス子が乱入して?
逆かい?
53名無しオンライン:2007/05/22(火) 08:04:12.74 ID:Z1ctoaiQ
BASARA2もってるから容易に想像できるぜー
あっちの二人も好きさっ
54名無しオンライン:2007/05/22(火) 16:22:03.21 ID:CEGRZrjq
【飄飄無頼】

【献身忠孝】

【一騎倒艦】

主「あと二つ思いつかんな・・・」

 「【砂掛妖婆】うん、ピッタリ!」
 「・・・ほれ、つ【尻軽乳軽】」

・・・チュド〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!!

主「・・・ケホッ・・・二人合わせて【百鬼夜行】だな・・・」
410「【魑魅魍魎】・・・今の姿なら有りかと・・・」

 「・・・【奇奇怪怪】」
主&410「ソレだ!!」
55名無しオンライン:2007/05/22(火) 20:03:50.15 ID:WeZw+cOx
>>52 説明足らずで申し訳ないです、411がドレスルームに閉じ込められて夕飯抜きにされてます
   わんぱく小僧が悪さして親に押入れに閉じ込められて夕飯抜きという感じをイメージしてました
   あっ、ちゃんとこの後失敗した10%武器を411にあげましたのでご安心を!
   しかし特定の人でないとわかりにくすぎるようなものは やらない方がいいですね…
   ちょっと反省しております、失礼いたしました。
56名無しオンライン:2007/05/22(火) 21:32:13.35 ID:bZLfQA2E
俺も元ネタが分からなかったくちだが、たまにはそう言うのも良いかなーとも思う。
前のMGSネタの時みたいに参考資料があると良いんだがな。ようつべとかに無いだろうか…
57219:2007/05/23(水) 00:18:38.94 ID:BiXi1LZ8
>>50
[ ゚Д゚]親方様ぁぁぁぁぁぁぁ!!
(゚Д゚ )カエレ!!
こうですか!わかりません!!

>>22ヨリ、ツヅキ
これで研修生受け持ち変は一段落です
58219(1/5):2007/05/23(水) 00:19:12.83 ID:BiXi1LZ8

・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・

---------某飲食店--------

422  「はーい、ホットミルク2つにフルーツジュース2つお待ちどうさま〜」
422  「注文は以上だね、では、ごゆっくり〜」

元気なPMのウェイトレスが注文した品を置いて忙しそうに奥に戻っていく

ヒュマ娘「すいません・・・、妹がご迷惑をおかけしたようで・・・」
パシリ 「気にする事はありませんよ、普段から疑われる様な事をしている変態が悪いのですから」
男   「あのなぁ・・・疑うのはともかくご主人様を本気で殺しにかかるPMがどこにいる、危うく死に掛けたぞ」
パシリ 「でも後輩に良い所は見せれましたよ、ね、ヒュマ娘様?」
ヒュマ娘「え?あ、は、はい、確かに・・・凄い身のこなしでしたね、流石教官というか・・・」
男   「え・・・い、いやぁ・・・はは、あれくらい軽い軽い♪」
パシリ 「ふぅ・・・ホットミルクおいし・・・」

上機嫌の変態を置いといてホットミルクを飲む・・・

ニュマ娘「〜♪」

そしてホットミルクを幸せそうに飲む少女がもう一人

パシリ 「そういえば・・・「パパ」というのは?なぜご主人様を「パパ」と?」
ヒュマ娘「ああ、それは・・・」


一枚の写真をナノトランサーから取り出すヒュマ娘

パシリ 「これは・・・ご主人様・・・?いや・・微妙に・・・」
ヒュマ娘「・・・父の若い頃の写真です・・・父もガーディアンズだったんですが・・・凄く・・・似てるでしょう?」
パシリ 「ええ・・・・・あの・・・ご主人様を「パパ」と呼ぶという事は・・・その・・」
ヒュマ娘「・・・5年前、任務中に・・・、あの子が生まれてすぐの事でした」
パシリ 「・・・・・すいません」
ヒュマ娘「いえ・・・何度も違うとは言ったのですが、「パパだ〜!!」って聞かなくって・・・」
パシリ 「では・・・ご主人様を教官にと希望したのも・・・」
ヒュマ娘「ええ・・・あ、勿論それだけではないですが」
ニュマ娘「パパ〜♪」
男   「んお、これ、引っ張るな、・・・よいせっと」
ニュマ娘「〜♪」

いつの間にやらご主人様のひざの上に移動しているニュマ娘
・・・・・あんな簡単に座りやがって、私があれをやるのにどれだけ苦労すると
59219(2/5):2007/05/23(水) 00:19:49.01 ID:BiXi1LZ8

ヒュマ娘「・・・あの・・・差し支え無ければ、これからも「パパ」と呼ばせて頂けると・・・」
男   「ん〜?俺は別に良いけど?」
パシリ 「いえ、むしろナンパの成功率が落ちるので積極的に呼んで頂けると助かります」
男   「ハッ!!!し、しま・・・!!!い、今の無し!やっぱな・・・・」
ヒュマ娘「あ・・・やはり・・・ご迷惑ですか・・・?」

凄く悲しそうに見つめるのが一名

男   「あ・・・い、いや・・・しかし・・・・」
ニュマ娘「・・・・・(ジー)」

呼んじゃいけないの?
と訴えかけるのが一名

男   「う・・・いや・・・」
パシリ 「はいはい、おkおk、決まりですね」

主人の意思を無視して決めるのが一名

ヒュマ娘「あ・・・!有難うございます!!」
ニュマ娘「パパ〜♪」
男   「あぁぁ・・・・・・・」
パシリ 「ふぅ・・・ホットミルクおいし・・・」

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
60219(3/5):2007/05/23(水) 00:20:25.51 ID:BiXi1LZ8

男   「ふ〜・・・、今日はゴタゴタしてたし、実戦はまた今度にして今日はこれでお開きにするか」
パシリ 「そうですね・・・、なんだかんだで結構良い時間になってしまいましたし」
ヒュマ娘「すいません・・・なんか色々と・・・」
男   「いやいや、気にする事は無いさ時間はまだまだ沢山有る、じっくりやれば良いさ・・・そうじっくりと・・・フフフフ(*´ー`) ・・・イタタタタタ('A`)」

変態の足を思いっきり踏みつける

ニュマ娘「パパ・・・帰っちゃうの・・・?」
ヒュマ娘「もう・・・、ニュマ娘、教官に迷惑かけちゃダメでしょ?」
ニュマ娘「むぅぅ・・・・」

姉のヒュマ娘に促されるもなかなかご主人様のヒザの上から退こうとしないニュマ娘
退け、さっさと退け、そこは私の席だ

男   「あ〜ほれほれ、むくれるな、又今度遊びに連れてってやるから」
ニュマ娘「!!!ホント!?」
男   「ああ、も少し大きくなったら大人の遊びm・・・・イィィィィ('皿`)」

変態の足をかかとでグリグリする

ニュマ娘「ホントだよ!!約束だよ!!」
男   「おーけーおーけー、約束だ」
ニュマ娘「えへへ・・・・♪」

ああ・・・・・!!!!
ひざの上抱っこ+頭なでなでしてもらってる!!!!!
何そのコンボ!!!私してもらった事無いのに!!!!!!!
61219(4/5):2007/05/23(水) 00:22:38.69 ID:BiXi1LZ8

男   「さて・・・会計を、すまんね、長居しちまって」
442  「いえ、大事なお客様ですから、ですが次回はもう少し注文して頂けると助かります」
男   「ん〜・・・そうだな、ではテイクアウトをお願いしようか」
442  「あら、お持ち帰りですか?良いですよ、簡単な物ならお包みしますが・・・」
男   「いや・・・持ち帰るのは料理では無く・・・君を・・・」

そう言って442に手を差し伸べるご主人様

442  「あら・・・お上手ですね♪・・・聞きました?422、私もテイクアウト入りましたよ♪」
422  「ええええええええええええ!!!???お、お、お客さん!!こんな奴のどこが良いの!!こんなぶっきら棒な奴をテイクアウトだなんて!!」
442  「・・・何気に失礼な人ですね、あなたは・・・、ですが、テイクアウトは丁重にお断りさせて頂きます」
男   「ありゃ・・・ふられちゃったか、残念」
442  「ふふ・・・私には愛する主人がいますし・・・それに・・・後ろにこわ〜いお姉様がいらっしゃいますから」
男   「へ・・・?後ろ・・・ッヒ!!」

ズゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!

パシリ 「ご主人様・・・・私という者がありながらPMを・・・しかもよりによって442型をナンパするなんて・・・・」
男   「おおおおおおお落ち着け!パシリ!!ささ、さっきのはほんの冗談というかっその・・・!!!」
パシリ 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
男   「アッーーーーーーーー!!!!!やめて!!!コンボは、コンボはいやああああああぁぁぁ・・・・・」
442  「ああ・・・お客様、暴れるならお店の外で・・・あ、もう飛んでいきましたね・・・」
422  「あの動き・・・できる・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
62219(5/5):2007/05/23(水) 00:23:31.86 ID:BiXi1LZ8

------------ガーディアンズ宿舎------------------

パシリ 「まったく、あなたと言う人は・・・」
男   「だ、だからあれは冗談だって・・・・パ、パシリ・・・?聞いてる・・・・?」

既に日も傾きかけたガーディアンズコロニーの一室・・・・
やたらぼろぼろの主人とそのPMが一人

パシリ 「はい、そこに座る」
男   「は、はい・・・」

言われて床に正座する変態

パシリ 「違う!床じゃなくてベットに普通に座りなさい!!!」
男   「ええ!?は、はい・・・分かりました・・・」

戸惑いつつもいつも通りおずおずとベットに座る変態

パシリ 「よいしょっと・・・・」
男   「おお・・・?パ、パシリ・・・?」

ご主人様のヒザの上に座る

パシリ 「・・・・・・・・・・・」
男   「・・・えっと・・・その・・・」
パシリ 「何をしているんですか、さっさとなでる!!!」
男   「ええ!?」
パシリ 「いいからなでなさい!!!!」
男   「は、はいい!!!!」
パシリ 「気持ちがこもってない!!もう片方の手は優しく抱きしめる!!はい!ここで甘く囁く!!!」
男   「え・・・えっと・・・ごめんなさい・・・」
パシリ 「誰がそんな事を言えと言いました!!この変態!!!!」
男   「うわーん!!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・
結局パシリが満足するまでたっぷり4時間はかかったとか・・・・
63名無しオンライン:2007/05/23(水) 10:27:41.70 ID:YVW9aWf6
何だか言ってヤキモチ焼くパシリ、可愛いなぁ〜もう……
(*´Д`)=зззз
64名無しオンライン:2007/05/23(水) 17:42:38.68 ID:z2QYIu+z
未解禁パシリの画像うpしてくれ。
65名無しオンライン:2007/05/23(水) 17:46:26.49 ID:2rgFZ2K+
・見・)
ファンタシースターユニバース パーフェクトバイブル
(エンターブレイン、本体価格1900円+税)
こちらをお買い求めください。色々な情報が載っていておトクですよ!
66名無しオンライン:2007/05/23(水) 18:06:35.87 ID:8jsCrYy4
もっとうpる気にさせる書き込みをしてくれよ。
少なくとも、うpしてくださいませんか? だろ。

だが断る
67名無しオンライン:2007/05/23(水) 18:11:27.30 ID:z2QYIu+z
>>66
死ね
68名無しオンライン:2007/05/23(水) 18:18:14.24 ID:2rgFZ2K+
うp準備まで完了したが、>>67を見てどうでもよくなった
69名無しオンライン:2007/05/23(水) 18:42:18.18 ID:dGVjBj6Q
か・・・可愛いぃ・・・ (*´-`)
70名無しオンライン:2007/05/23(水) 20:36:38.93 ID:8jsCrYy4
ちょ・・・
気になって様子見に来たのに(=▽=;
71名無しオンライン:2007/05/23(水) 23:25:07.93 ID:8bdF8l8j
>>62
ヒュマ男「うーん、この440は相変わらず可愛いなぁ…(他意無し)」
リボン「?!!!!!!!」
72名無しオンライン:2007/05/24(木) 00:07:18.53 ID:TUPcOe2A
某キャス子「厨最近増えたなぁ…」
某410「仕方ありませんよ」
某キャス子「S武器やユニット出ないなぁ…」
某410「仕方ありませんよ」
某キャス子「そういや服の更新とか相変わらずさぼってるなぁ…クソニチめ…」
某410「仕方ありませんよ」
某キャス子「仕方ないかぁ」
某410「仕方ありませんよ」

そんないつもとかわらない平凡な毎日
73名無しオンライン:2007/05/24(木) 01:30:27.00 ID:vH5RJBkE
>>56 探してみた、ttp://www.youtube.com/watch?v=GTY60qanwe8
   私が見たものは前作の方でしたが、お互いに叫びあってる雰囲気は似てます。

>>62 パシリの変態度数もあがってきたようなwキノセイカ、
   何かと注文つけて甘えるパシリ、かわいいよパシリ(つ´∀`)
74名無しオンライン:2007/05/24(木) 01:55:48.99 ID:kN1KaxVq
実は>>68の時点でうpは完了していたりするんだ
こっそり貼り貼り

ttp://upup.s10.x-beat.com/src/oni5715.zip.html
75名無しオンライン:2007/05/24(木) 03:20:10.24 ID:FKasNRar
>>73
映像捜索ありがとう。理解した。
76名無しオンライン:2007/05/24(木) 03:59:20.09 ID:FKasNRar
>>73
横に並んでたやつhttp://www.youtube.com/watch?v=EGMHFNj_3OU&mode=related&search=
411と青キャス子もこんな風に・・・ごくり・・・
77名無しオンライン:2007/05/24(木) 09:02:39.71 ID:Zv9mLsZu
最近伸び悪いな〜と思ってたけど結構人いますじゃん
さあネタを考える作業に戻りましょう^^
仕事中の妄想膨張率は異常
78名無しオンライン:2007/05/24(木) 13:25:52.38 ID:CEsbQqt9
>>BASARA
こんな感じだったのかwなる程ww
我が侭だと思いつつ元ネタ要求して良かった…w
79地味キャス子 1/5:2007/05/25(金) 12:57:23.32 ID:4DURPXuN
PM、パートナーマシナリー。
ガーディアンズに所属する者に与えられし、特殊な活動支援型キャスト。
成長する過程で様々な性能変化や長所、短所といった特徴が現れる。
何よりも、400番台の子になると外見は小柄な少女その物になる。
此処まで来ると、好みや思考、性格といった所まで様々な違いや個性が見受けられる。
そんなPMでも、必ずと言って良いほど一致する事がある。
それは、「ご主人様が大好き」なのである。

どんな主人だろうと、どんな主従だろうと、ソレは一様に一緒なのだと私は思う。
かと言う私もPMの一人。形式番号はGH412。
主人を支えるべく初期型の頃より誠心誠意尽くしてきた忠義のPMである!…と、自画自賛。
…まぁ、尽くそうが愛想を尽かしていようが、PMはやはり主人が好きなモノである。

よくある話、好きな主人の事を話せといわれると、大抵の子は6時間は話せる。
なんていったって、「好きな(人)の話は6時間出来るモノ」…だそうだから。
その上で、PMに聞いてみよう。「貴方のご主人様の特徴は?」
優しい、暖かい、頭がいい、逞しい、変態、メガネ、アフロ・・・
それこそ、PMの成長の数が無数なれば、きっと主人の特徴も無数なのだろう。
私のご主人様だって、特徴がある!…ただ、それは誇れるのかは解らない。

ただ一言、一言で主人を表せ、と誰かが私に問いを出したとする。
普通、愛する主人を言葉にするのに、酷い言葉を使う子はいないだろう。
うん、私だって使うつもりは無い。無いのに…何故、それが誇れないのか…?
それは、その言葉が「地味」という一言だから…だったりする。

何がどう地味なのか?何故…地味と言う一言が浮かんでしまうのか?
これから皆様にお伝えする話で、きっとご理解頂けると思います…
80地味キャス子 2/5:2007/05/25(金) 12:58:42.69 ID:4DURPXuN
あるPTが、戦っていた。
猛るディ・ラガンの応戦に、渾身の攻撃で挑みかかる6人のチーム。
其々が個性的な装備や服装で、派手に、華麗に、テンポよくラガンを攻め立てる。
数分の交戦の後、草原の支配者はゆっくりと傾き、その身を地面に横たえた。

「お疲れ様でしたー」 「おつつー」 「お疲れ様です!」

口々に戦闘終了の挨拶を交わし、出現したコンテナからアイテムを回収する。
そんな中、コンテナからアイテムを回収する、一人のキャス子。

「それじゃ、私食事オチしまーす」

一人の声に、PT参加者が口々に答える。

「あ、俺もそろそろ」 「お疲れ様ー」 「あ、私もー」 「じゃ、解散にしますかー」

口々に声が上がるメンバーの輪。その端っこで、小さく頷いたキャス子。
赤とオレンジのカラーリング。レドーム部品付きのトルソ。
おしゃれに極めるわけでもなく、メイド装備でネタに走るわけでもない。
ひとえに、地味。そんな格好のキャス子も、帰り支度を始める。

「あれ…?あんな人…PTにいたかな…」
「おぃおぃ、一周目からずーっと手伝ってくれてたじゃないか」
「え!?そうだっけ!?…ごめん、キャス子さん…」
「………(ふるふる」

無言で首を横に振ると、深々と頭を下げてその場に背を向ける地味キャス子。

「ありがとねー」 「お疲れ様ー」
「にしても…あの人の事、本当に記憶にないんだよなぁ…」
「そういえば…そうだな。…あ、スパダンで敵こかしてたのは見た!」
「あぁ、やってくれてたな!…それ以外、何かしてたっけ…あの人」
「うーん…ツインハンド構えてた…様な気がする」
「…なんだそれwなんだか、ちょっと気味が悪いかもな…」
「そうだな…wあそこまで地味だとなんだか本当にいたのか怪しく思えるな」
「実は本当は幽霊でしたー…ってか?w」
「うはwそれはねぇだろ…w」

二人に背を向けて、遠ざかるキャス子には、その声が届く事はなかった。
81地味キャス子 3/5:2007/05/25(金) 12:59:16.57 ID:4DURPXuN
「ただいま」

ドアが開く音がして、続いて短くも澄んだ声が、部屋に聞こえてきた。

「お帰りなさいませ、ご主人様」

この、赤とオレンジのカラーリングで肌を露出しない地味なパーツ装備の方。
私のご主人様である、通称地味キャス子こと地味子様である。
お顔は無骨なフルフェイスヘルメット。ちょっぴり可愛い狐目なアイデザイン。
ある意味、ソコだけが自己主張。それ以外一切、可愛らしさもなければ特徴も無い。
トルソはレドーム式。手足はディジエル。人工皮膚を露出しない着こなし。
正直、メイドだ谷間だ太ももだと露出する今時のキャス子業界からすれば…異端児。

職業はファイガンナー。別名勇者職と一時期噂されていた曰く付きの職業。
ダブルセイバーを振り上げ、敵を撒き散らしては大した威力もない。
そんな職業で、そんな行動なら、目立つはず…なのである。
しかし、ご主人様は目立たない!なんていうか地味!
この間だって…

「やっ…」←スパダン一段目
「ヴァー…」←後衛狙いのゴヴァ転倒
「………(テクテク」←ステップで移動
「ヴァーッ!」←起き上がって威嚇。その後、タゲ変更で後衛の方を向く
「やっ…」←スパダン一段目
「ヴァー…」←後衛狙いのゴヴァ転倒
「………(テクテク」←ステップで移動
「ヴァry

エンドレスッ!前に出てもやることは足払いっ!
派手に三段目で吹き飛ばす事も、グラダンでまとめて切りつけることも!
ツインセイバーで打ち上げる事もっ!トルネードで勇者王する事さえも…皆無!!
地味です…地味すぎです…。ツインハンド撃っている時も地味に物陰。
ステップで華麗に…とか密着で…とか、存在感のある撃ち方する気一切無しっ!
とにかく、PTに貢献していても全然目立たないから評価されない!
その代わり無駄死にも無いから迷惑も無い…=存在感が殆ど無い!

いつも、PTに参加しても他の参加者の誰一人、はっきりとご主人様を覚えていません。
最悪、「え、誰…?」なんて言う輩まで…

「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「……!!?!?!」

私が今の説明+回想にツッコミを入れた所、夕食製作中のご主人様が慌ててこちらに…
申し訳ありません!申し訳ありません!なんでもないんです!大丈夫ですっ!!
よかった…、そんなご様子でお夕飯製作へ戻るご主人様。
あ、この匂いは鰤大根ですね?味付けが濃いとご飯が進みま…
地味だっ!?作っているメニューですら地味っ!!地味すぎる…!!
此処は一つ、ワイルドかつロックに鳥を一匹丸ごと焼き上げるべきです!…じゅるり。
82地味キャス子 4/5:2007/05/25(金) 13:00:09.97 ID:4DURPXuN
食事の時間となりまして、はい!ご主人様とまったりお夕食です!
はふはふ…、あぁ、この甘くしょっぱい味の染みた大根は格別ですね…。
鰤も箸でスっと切れるほどの煮付け具合。ご飯に乗せて…あぁ!何と言う美味っ!!

「………(じー」

私を見つめるご主人様の視線に気づく。そして、ご主人様の前には料理は無い。
そう、ご主人様はモノを食べる機能をつけていらっしゃらないからだ…。

「美味しい?」

そう、小さく澄んだ声で呟いて、私を真っ直ぐに見つめているご主人様。
正確には、ヘルメットのキツネ目が、こっちをじーっと見つめている。

「はい。ご主人様の手料理でしたら何杯でもお代わりする所存です」
「………(クスッ…」

小さな、聞き漏らしそうなほど小さな声で微笑まれるご主人様。
勿論、微笑む顔なんて解るわけが無い。だってあのヘルムがあるのだから。
それでも、この方の仕草や雰囲気、そういった小さなことで、私は気づいてあげられる。
地味かもしれない。目立つ事なんて何一つ無いかもしれない。けれど…

「ご主人様、お代わりを要求します」

茶碗を手にとって、小さくコクリと頷いたご主人様。
その後の盛り付ける時の雰囲気が、嬉しそうなペタペタとご飯を盛り付ける仕草が…
この人の精一杯の感情表現であり、最高の私への答えに思える。
そう、例えどれだけ地味でも、私にとっての大好きなご主人様なのだ。
世界でただ一人の、私のご主人様なのだ。
地味だっていい。私はご主人様を見ているのだから。
83地味キャス子 5/5:2007/05/25(金) 13:01:17.79 ID:4DURPXuN
「というわけで、目だって見ましょう!」

ある日の紅PT。こっそりついて来た私は茂みからご主人様へ助言。

「どうすれば…(焦」
「簡単です。グラダン3段出し切るとか、トルネードでポラヴォラふっとばすとか」
「迷惑だと思う」 「何を仰います!!」
「でも…」 「だってもでももありません。レッツトラーィ!」

しぶしぶ、といったご様子でトテトテと進軍するPTへ追いつくご主人様。
次のエリアにて、おぉ…早速格好の獲物ことポラヴォーラ出現!
一緒に出てきたのはゴルモロ。この程度、突進の邪魔にはなりません!
さぁ、ご主人様…、派手に突撃して敵を蹴散らし、ご自分をアピールするのです!

「やっ…!」←トルネードダンス発動
「ヴォー…!?」←吹っ飛ぶポラヴォーラやゴルモロ
―べしゃ…←顔から地面に着地。そのままズサー…
「…………」←無言で立ち上がり、ヘルムや体の土を叩き落とす。
「ヴォーッ!!」←起き上がって威嚇
「やっ…!」←トルネードダンス発動
「ヴォー…!?」←吹っ飛ぶポラヴォーラやゴルモロ
―べしゃ…←顔から(ry

ホワァァァァイ!?なんで毎度毎度ヘッドスライディンッ!?
華麗に回転して突進する技でなんでこうも地味な失敗!?
ひとえにゴルモロに当たらないように苦心して突進している様子ですが…
甘い、甘いですご主人様!傘があれば雨の日濡れないって発想くらい、甘いです!!
第一、転んじゃったら、目立っても恥ずかしいだけじゃないですか!
でも、これはこれで…子犬が頑張ってこう…背の高い主人に引っ付こうとする様で…

「ちくしょぉぉぉぉぉぉ!!!!!(鼻血」
『「!!?!!?!?」』

もう地味でいいです…。そう、ご主人様は地味でいい…。
そんなご主人様が、私は大好きなのですから…♪
84ヒュマ助作者:2007/05/25(金) 13:09:26.15 ID:4DURPXuN
はい、お久しぶりの投下です。初めての方ははじめまして。
思えば新ジャンル「パシリ」スレもはや10を越えて11とは…。

PSUスタートからこのスレの誕生と一緒に眺めてきましたが…
いやはや、今後も長い目でお付き合いしていきたいです。
久しぶりの投下は飯店ネタではなく新ネタこと地味キャス子!
…はい、白い目で見られる覚悟は出来ています…orz

それでは、飯店一家や新キャラを今後とも宜しくお願い致します。
ヒュマ助作者でした!
85sage:2007/05/25(金) 15:24:58.14 ID:focBMXx9
地味キャス子が不覚にもかわいいとおもってしまったw
なんちゅうか、こうヘッドスライディングするところとかw
86名無しオンライン:2007/05/25(金) 15:26:36.65 ID:focBMXx9
>>85
入力場所間違えてしまいました…orz
申し訳ないです……
87名無しオンライン:2007/05/25(金) 15:26:54.09 ID:ji/wRr17
このスレまだ生きてたのか
88名無しオンライン:2007/05/25(金) 16:36:02.15 ID:6a/kjSBY
ヘッドスライディングしながら健気に頑張る地味キャス子は萌ゑだと思います
89名無しオンライン:2007/05/25(金) 19:38:56.04 ID:DtxXkssH
このスレまだ続いてたのか
5ぐらいまでは欠かさず見てたんだが久々に見かけた・・・

よし、まとめサイトで一気読みでもしてみるかwwwww
90名無しオンライン:2007/05/25(金) 22:14:52.66 ID:vNLIOuBJ
紅の豚を見てるんだが、フィオの立ち位置がPMのそれっぽいな。
そんなこと考える俺は大分PSUに思考を犯されているわけだが・・・
91名無しオンライン:2007/05/26(土) 01:55:24.06 ID:FcuMXsga
そんな事言ったら、親方様ぁあああ!がご主人様ぁあああ!に瞬時に脳内変換された私は…
ほんとこのスレは魔性のスレやで
92みっく:2007/05/26(土) 03:07:10.54 ID:4mhyQMfM
オヤシロ様でおk
93名無しオンライン:2007/05/26(土) 05:05:33.99 ID:7QFgp+TM
なんと萌える主人だ、これはパシリでなくとも反応してしまうなw

しかし無口+ドジなんてもろツボなんだぜ・・・w
94名無しオンライン:2007/05/27(日) 15:36:07.51 ID:D+u5O6x8
小ビス子と430を思い出すな・・・。
95地味キャス子 EP2 1/5:2007/05/28(月) 12:40:12.43 ID:ciQIAw69
「地味」…。それは、偏に目立たないと言う事の最大の表現である。
いうなれば、影。または隠密。地味を極めればステルス迷彩すらいりません。
まぁ、普通の方なれば、幾ら地味に徹しようと何かしら目に付くものです。
ですが…私のご主人様は、違うのです。
それは、こんな具合に…

>>34参照
たゆ「ふんふ〜ん…♪」
410「はぁ…ですから何故その服装で出かけるのですか…」
たゆ「んーやっぱり新しい服は気分が良いんよー」
410「ああ…マスター、ただでさえ目立つのですから…」

「じー…」

何やらたゆんたゆんでアモォレルなキャス子様が私とご主人様の前を通り過ぎます。
あ、何やらナンパでしょうか?ヒューマンの青年がたゆん様の前に…あ、撃たれた。
何やら血生臭い光景がパっと目の前に咲きましたが、ご主人様は見ていませんでした。
どうやら、先ほどの会話とゆれるたゆんを見て、何か考えていらっしゃるご様子。
しきりに…ご自分の胸やお尻をなでては、「うーん…」と首を傾げていらっしゃいます。

「どうしました?ご主人様」
「…じー」

あ、今度はパーツショップの方向を見ていらっしゃる。次にメセタカードを確認…
ご主人様?もしやとは…思いますが…

―数分後。

「ね、念願のアモーレルを手にいれたんですよー…」
「ご、ご主人様…!?」

え、おぃ、ちょっと待て。ご主人様が?ご自分から?アッモォレルゥを!?
何だこれは!?夢か、夢なのか!?引っ込み思案で地味系のご主人様がか!?
ちょ、いそいそと買ったそばで試着しないで!?ちょ、試着室でね?ね!?
あれ?ご主人様レドミエルで気が付かなかったけど…案外たゆん?
いや、あのたゆん様レベルでは、無いか。でも…脱いだ瞬間ぷるんって…

「マーヴェラスッ…!!!」←盛大に鼻血で転倒

はっ!?いけない…ご主人様の自主的な努力、この412…応援しなければッ!!
96地味キャス子 EP2 2/5:2007/05/28(月) 12:40:46.54 ID:ciQIAw69
そんな事しているうちに、アモォレルに身を包んだキツネ目ヘルムメイド、降臨!!
あ、後ろのリボンですか?お任せ下さい。…せっせ、せっせ。コレで良し。

「………ぁぅー…/////」
「お似合いですよ?ご主人様」

照れていらっしゃる。あや、ちょっとモジモジしていらっしゃいますが…
立ち姿、姿勢、態度、雰囲気ともにメイドのソレ!地味系の面目躍如ですね。
それに…アモーレル装備のお陰ではっきりとした事ですが…

「ご主人様、さり気無くスタイル宜しかったんですね…」
「はぃ…。私も驚きです…」

鏡に映るご自分の姿を、しきりに気にしてはモジモジしていらっしゃるご主人様。
ですが、コレなら確実です!ナイスメイドの前に欲求不満なチェリー共は釘付け確定!
ご主人様が歩けば男共は我先にと目をかけるでしょう!ていうか、地味系克服?
早速行動に移しましょうと、モジモジするご主人様を引っ張ってお店を出る私。
―ウィィィン…「有難う御座いました。またのお越しを…

コロニー3F。そのメインストリートへと躍り出た私、そしてご主人様。
オドオドしながらも、必殺兵器ぷるんを歩くたび上下させる、その無垢なウォーキン!
さぁーきやがれチェリー共。言い寄る輩は私が斬る(KILL)ッ!!
…と、そう思っていたのですが…あるぇ?おかしいなぁ…

「目立ち…、ません…ねぇ?」
「………(こくこく」

あるぇー…?こんなにキュートでぷるんなご主人様が立っているのに…
道行く人は此方に気づいてすらいないご様子。何故に?
ご主人様にイロイロとポージングを頼んだり、走ってもらったり(理由不問)…
たーっぷりと皆様の目に留まる様な事をしてみましたが、反応は上の空。
私もご主人様も、ヘトヘトになった甲斐が無いシカトっぷりですよ…本当。
97地味キャス子 EP2 3/5:2007/05/28(月) 12:41:16.00 ID:ciQIAw69
むぅ、あの手この手で目立とうとしても、目立たないほどなのですか…?
ご主人様の地味パワーは相当なものです。普通、アモーレルでぷるんなら目立ちますよ…
う、ご主人様も普段以上の地味オーラ全開で通路の片隅でしょんぼりしてます…
「恥ずかしいの我慢したのに…」的なオーラがそこはかとなく感じ取れます…

「ご主人様…、とりあえずお部屋に戻りましょう…」
「……(こくり」

あぁ…。がっくりと項垂れるご主人様に、私は何も出来ないのでしょうか?
そんな風に、私も内心しょんぼりとしながら、マイルームへと戻ろうとした…その時
―スッ…カチッ。プシュー…
ご主人様から聞こえた、謎の駆動音。何ですか、今のカチッ。プシュー…って。

「私はやはり地味系なのですね…」

フルフェイスヘルムの側面に手を当てると、スっとヘルムを外すご主人様。
ヘルムの中のお顔には、大粒の汗が光っている。
あぁ、アレだけ色々とさせてしまえば当然ですね…。人工皮膚ですしね…。
アレ?オィ、チョットマテ。人工皮膚ダッテ?

「ご、ご主…人…様?」
「………?」←なぁに?と小首を傾げる。

ヘルムを取ったご主人様のソコには、青く透きる長髪の、可愛らしいお顔。
くりくりの瞳は小動物のようで、瞳の下のラインがなければヒューマンと見間違う程…。
おでこやうなじの汗をハンカチでササっと拭うと、ヘルムをかぶり直そうとするご主人様。

「ちょ、ちょ…ちょっとまったーーーー!!!」←ヘルムをひったくる
「はわ…っ!?ぁ…か、返して下さぃ…412ー…」←途端にオロオロ

マジか…。あの無骨なキツネ目の下にはこんな可愛らしいお顔が…
汗でおでこに張り付いた前髪とか、オロオロと困惑する小動物的な困惑の表情とか…

「ちくしょぉぉぉぉぉ!!!!(盛大に鼻血」
「!!?!?!!?」

私の大声に驚いたのか、一斉に此方を眺める通行人様。失礼、鼻血はちゃんと片付けます。
ご主人様も驚いたのか、ヘルメットの事より私の迸る熱いパトスを拭く方に…
アレ?何かざわざわ…ってしてますね…。私の鼻血程度で大げさ…あ、私じゃないか。
見れば、ご主人様の周りに溢れんばかりの人だかり…が?
98地味キャス子 EP2 4/5:2007/05/28(月) 12:41:55.94 ID:ciQIAw69
「うぉ、みろよ…あの前かがみ…」
「うはwオロオロしたあの顔…萌えるわw」
「ハンカチで床拭いているだけなのに…こう、そそるな」
「何つまってるんだあの胸…w」「みろよ、お尻だって相当だぜ…?」

オィ、何だ急にコレ。ちょっとまて、さっきまでお前らそ知らぬ顔だったじゃないか…

「ねぇねぇ、こう…もうちょっと腕の幅を狭めて拭いてくれる?」
「は、はぁ…。こ、これで宜しいですか…?」
「ぐぉwやべぇ…なんだあの誘い込まれそうな死のバレー(谷間)はw」
「魔力あるぜ…。俺、あの谷なら迷って死んでもいいわw」
「うっはw俺漏れもwwww」

おいコラ。顔か?ご主人様の地味の全てはあのヘルメットに集約されているのか?
そしてチェリー共…。ご主人様が顔を出した途端…欲情か?
皆ー、皆の大好きなモノはー?…そうだね、ジェノサイドだね…


※残酷描写に付き、音声だけでお楽しみ下さい。
―え、誰…ひっ、い、いやぁぁあぁぁぁぁ…  ―ザシュッ…
―う、うわぁぁ、く、くるなぁぁぁぁぁぁ…  ―ボギリッ…
―た、助けてくれぇぇぇぇ…うわぁぁぁぁ…  ―ゴシャッ…
―我が人生に、一片の悔い無しっ!!     ―ゴウショウハッ…


殲滅完了。なんか途中に世紀末覇者っぽい奴もいたけど…ハッ、相手にならねぇ…
ご主人様はといえば、私が噴出した鼻血(オイルですが)を拭き終えたのか…
何時ものフルフェイスをカポっと装着。くそぅ…もう少しじっくりと見たかった。
結局、人だかりは先ほどの大乱闘で雲散霧消してしまいました。
くっ…折角ご主人様の脱地味系のチャンスだったのに…私の馬鹿ばかバカ…
99地味キャス子 EP2 5/5:2007/05/28(月) 12:42:34.50 ID:ciQIAw69
「こ、今度こそちゃんと目立ちましょう!」

場所は何時もの乱入エリア。私は茂みの中。ご主人様はPT中。
結局、アモーレルは私の盛大なパトスで汚れてしまったので…クリーニング中です。
何時もの地味なレドミエルトルソにディジエルの袖を通して…あぁ、やっぱり地味。
ヘルムも、確りと装着。曰く「アレを取ると人の顔を見て会話出来ない」…だそうで。
成程。普段から私以外とハキハキ会話出来ないのはそういう理由で…
ヘルム装着中の地味状態で、やっとちょっとだけ会話出来るレベルなのですね。

「今回は…どう…」「グラダンです!三段目で派手にジャンプです!」
「それだけ…?」「大丈夫!飛び上がれば嫌でも目立ちますよ!」
「うぅぅ、やっぱりやめ…」「何をいいますか!さぁレッツトラーィ!」

またもやシブシブといったご様子でPTの方へ小走りで追いつくご主人様。
さぁ、ザコのディストバが来ましたよ?ご主人様もナイトウォーカーをスタンバイ。

「やっ…!」←一段目の振り回し
「ブモー!?」←仰け反るディストバ
「はっ…!」←二段目の振り向き回転
「ブモォ!?」←さらに仰け反るディストバ

さぁ!今こそその華麗な跳躍で、艶やかに目立っちゃうのです!

「やっ…!」←渾身の三段目
「ブモォォォォ…」←断末魔

やりました!ご主人様の攻撃でディストバ撃破です!
これは目立ったでしょう。PTの皆様の印象にも残ったハ…ズ……
アレ、ご主人様オロオロしてる。アレ…、ナイトウォーカーは…?
見れば、手元から放ったナイトウォーカーは、投げつけられた位置にグサッ…と…

「ウソォォォォォォォ!!!?!?!」

あ、ご主人様引っ張ってる。抜けないご様子…どんだけ力一杯投げれば刺さるのですか…
お、PTの皆様駆けつけてくれた!…ちょ、ガチムチのビス男さんでも抜けないなんて…
うわ…さながら「大きなカブ」状態。…それでもカブ(ウォーカー)は…、抜けません…

あぁ、今日も地味で…今日も失敗続きですが…私はそんなご主人様が大好きです!
100ヒュマ助作者:2007/05/28(月) 12:46:24.94 ID:ciQIAw69
はい、二本目投下なのですよ。
何だか、思いのほか好評で嬉しい限りです!
本人、白い目で見られるかと思っていましたので…ガチで。

>>90
成程、合成失敗はフィオことパシリの「尻のせい」な訳ですね?w

>>94
やはり、一番尊敬する作者様ですので、多少影響があるかもしれません。
けれど、小ビス子&430とは違う味も出していけるように頑張ります。
生暖かい目で見守って下さいませ。

それでは、ヒュマ助作者でした!
101魔法少女と440(仮:2007/05/29(火) 14:24:23.30 ID:ZUnH5W1X
 気温も湿度も心地よい、ある晴れた日。
 ここ惑星パルム・ホルテスシティ郊外の住宅地では、とある小さな事件が起こっておりました。
「あー、あー。立てこもり犯のみなさーん。今すぐ人質を解放して、投降しなさーい」
 一軒の民家を囲む人だかり。その最前線に立つ一人のガーディアン――ヒューマンの青年が、
 眠そうな顔をしながら、メガホン越しに家に向かって呼びかけています。
「今ならまだ罪は軽いから、出てきてくださーい」
 青年の他に数名のガーディアンが民家の周りを固め、その後ろでは同盟軍の方々が、
 野次馬のみなさんを抑えています。
「立てこもりだ、立てこもりだ」
「写真撮れ写真」
「押さないでー、押さないでくださーい。危ないですよー」
「どれどれ」
「立てこもってんのは、ありゃローグスの奴らか?」
「マダム、大丈夫かなぁ」
「ちょっと軍人さん、見えないですよ」
「あ、テレビ来てるぞ」
「下がれっつってんだろ、劣等種どもが!!」
 ……。
102魔法少女と440(仮:2007/05/29(火) 14:25:30.30 ID:ZUnH5W1X
「なんだか、あまり緊張感がないですね」
「そうですね。完全にお祭りムードです」
「あらまあ……」
 皆さんこんにちは、私はガーディアンズ所属のパートナーマシナリー、GH440型です。
 私とマスターであるニューマンの美少女(←マスターが紹介のときはこう言えと言うのです)、
 そしてこの家の主である奥さんは、ソファの上でのんびりとテレビ中継の画面を見つめていました。
 ――両手を背中で縛られながら。
「おいコラ!」
「ゴチャゴチャ言ってんじゃねえ!」
 窓際から、頭に獣の骸骨のようなかぶりものをした二人の男が私たちを怒鳴りつけました。
 鋭い目つき、モトゥブ風の服装、腰には<セバ・サッタ>。いかにもならず者といった風貌です。
 それもそのはず、この男は、今まさにこの家に立てこもっているローグスなのですから。
 ――はい。お察しの通り、私たちは彼らの人質として身柄を拘束されているのでした。
「まったく……、人質にまでナメられてんぞ」
 彼らの片方(ローグスAとしておきましょう)が舌打ちします。
「上等だ。俺たちの恐ろしさを思い知らせてやろうぜ」
 するともうひとり(ローグスBとします)が、外に向かってメガホンを構えました。
103魔法少女と440(仮:2007/05/29(火) 14:27:07.95 ID:ZUnH5W1X
「外の連中、聞こえるか。ガーディアンズも同盟軍もだ。
 いいか、これから提示する俺たちの要求を聞け。そうすれば人質は解放してやる。
 だがその要求が呑まれなかった場合、人質の安全は保障しない」
「……はい。要求とはなんですかー?」
 外から聞こえてくる声にもあまりやる気がありません。
 中継に映ったあの眠たそうな顔が、脳裏に浮かんできます。
「食料だ。カーゴ3台分の食料と、調味料を要求する。
 ケチャップ、マヨネーズは必須、それからバルサミコ酢もあると嬉しい」
「調味料もカーゴ3台分ですかー?」
「いや、調味料はコンテナ4つ分でいい」
「それだけ用意すれば、人質を解放してくれるんですねー?」
「すぐに用意しろ」
「してくれるんですよねー?」
「するから、早くしろ! いいか? 突入とかすんなよ! 絶対すんなよ!」
 ローグスBは吐き捨てるように言って、窓をぴしゃりと閉めました。
104魔法少女と440(仮:2007/05/29(火) 14:27:53.81 ID:ZUnH5W1X
「聞いてのとおりだ、お嬢さん方。奴らが要求を呑まない限り、お前たちは一生人じt」
「なんだか、小さな要求ねぇ……」
「ああん!?」
 人質である奥さんに可哀想なものを見るような目をされ、
 ローグスBは私たちをぎろりと睨みつけます。
「立場わかってんのかオバサン。つか、俺らだってなぁ……、俺らだって……、
 好きでこんなコトやってるわけじゃねえんだよぉ!」
「知っています。稼ぎの少ない弱小中の弱小ローグスは食べ物にも困っているのですね」
「ちくしょおおおおおおおお!!」
 マスターの放った一言に、ローグスBはorzの姿勢にくずおれ、めそめそ泣き始めました。
「あ、あの、マスター、奥さん……二人とも、あまり刺激するようなことは言わないほうが……」
「その通りだ。お前たちはフルフル震えて人質やってりゃいいんだよ」
 そう言いながら<セバ・サッタ>を構えて寄ってくるのはローグスA。
 刃物をチラつかせられては、さすがに下手なことは言えません。
 ……よね? 二人とも。頼むから。
105魔法少女と440(仮:2007/05/29(火) 14:28:55.76 ID:ZUnH5W1X
「――申し訳ありません、奥さん。マスター。私がついていながら」
「いいのよ、ぱしりちゃん。貴女のせいじゃないわ」
 奥さんはそう言ってくれますが……うう、情けない。
 ――振り返ること数時間前。
 私はマスターの受けたミッション・ペット探しのお手伝いをするため、
 依頼人である奥さんの住むこの家に先行してやってきていました。
 私は奥さんのお話を聞きながらコルトバジュースなどごちそうになっていたのですが、
 そこに、ぴんぽん、と来客を告げるベルがありました。
 ここで奥さんひとりを出迎えに行かせてしまったのがまずかったのです。
 私はてっきりマスターが到着したものだと思っていたのですが、
 居間に入ってきたのはなんと二人組のローグスで、彼らは奥さんに剣を突きつけていたのです。
 抵抗するわけにもいかず、私は愛用の銃器を没収されて人質2号とされ、
 直後に到着したマスターも同じ要領で人質3号とされてしまい……そして今に至るのでした。
106魔法少女と440(仮:2007/05/29(火) 14:29:53.64 ID:ZUnH5W1X
「キミが気に病むことではありません。ボクも迂闊でした」
 マスターが、諭すように言いました。
「だけど……」
「大丈夫です。魔法少女はこんなことではへこたれません」
「でも、でも……私のせいで、そんな姿を……」
 可哀想なことに、武器やアイテムをナノトランサーごと没収されてしまったマスターは、
 当然衣服も奪われ、下着姿で縛られているのでした。
「これはガーディアンズの指定インナーですから、見られてもどうということは。
 それとも、キミはこういった学校や組織などの『指定コスチューム』の類に、
 過剰反応するような子だったのですか」
「違いますよう!」
「では、ボクのように頭身が低く凹凸のない体型のニュマ子の下着姿に過剰反応s」
「もっと違います! そんなの変態じゃないですか!」
 私の心配をよそに、マスターは無表情で冗談なんだかマジなんだか
 よくわからない言動を淡々と並べてゆきます。
107魔法少女と440(仮:2007/05/29(火) 14:30:53.64 ID:ZUnH5W1X
 ――私のマスターは、ぶっちゃけ何考えてんだかよくわからない人です。
 常に無表情、何事にも無関心。かと思えば私の考えていることを鋭く言い当てたり、
 初対面の人間に対しても躊躇なく毒を吐いたり。さらに最近どういうわけか……
 先程お聞きになった通り、魔法少女を自称するようになってしまいました。
 なんという電p……こほん。とにかくその言動・行動のわけのわからなさ加減、
 もはやここで語り尽くすことはできないでしょう。……はあ。もういいです。
 要するにマスターは恥ずかしくなんてちっともないんですね。心配して損しました。
「……なるほど、言われてみれば」
 ふと、orzの姿勢で打ちひしがれていたローグスBが、むくりと起き上がりました。
「確かにこれは体操着(?)姿のつるぺた娘を無理矢理束縛しているという状況に他ならないな。
 しかも魔法少女とな? ふむ……そう考えるとこれはなかなか……」
 鼻息を荒くし、マスターの胸に、おなかに、ふとももに、
 舐めるようないやらしい視線を送り始めるローグスB。
108魔法少女と440(仮:2007/05/29(火) 14:32:55.62 ID:ZUnH5W1X
「悪党なら悪党らしく……少しくらいイタズラしてやらねえとなぁ?」
 今にも涎を垂らさんとするその姿の、なんと汚らしいことでしょう。
「へ……」
 私の背筋に、ぞわりと寒いものが走ります。
「変態がいやがったああああああああァァァァ!」
 両手の指をわきわきさせるそいつに、
 嫌悪感の命ずるまま、私は渾身の力で蹴りを放ちました。
「オゥフ!」
 脛にクリティカルヒット。部位破壊を食らってうずくまるローグスB。
 うわあ、ゴロゴロ転がってる……気持ち悪い。
 私は立ち上がり、それをさらに蹴飛ばし、踏みつけ、罵声を浴びせます。
「気持ち悪い! 気持ち悪い! 気持ち悪いッ!! 寄るんじゃないわよ! 汚らわしい!!」
「ゴフッ、ウファ!」
109魔法少女と440(仮:2007/05/29(火) 14:33:35.56 ID:ZUnH5W1X
「だあぁぁぁ、うるせぇ! いいから黙って人質やっててくれよ!」
 頭を抱えるローグスA。
「あらまぁ、女の子がそんな言葉遣いしちゃダメよぉ」
 と私をたしなめる奥さん。
 ピクピク震えながら、何やら「イイかも……」とか言ってるローグスB。
 無表情でぼーっとそのさまを見つめるマスター。
 外は相変わらずのお祭り騒ぎ。
「犯人に告ぐ。バルサミコ酢は安物になりますが、いいですかー?」
「変態! 変 態 ! 変 態 ! !」
 無我夢中でローグスBを蹴り続ける私。
 あははは! なあにその目は? 滑稽だこと。もっと鳴きなさい!
 胸の底から湧き上がってくるこの愉悦感は何かしら。
 勝手に口の端が吊り上がるのはどうしてかしら?
「くっそおぉぉぉぉ! 何なんだよてめぇらは! 何なんだよ、この状況はぁ!?」
 ローグスAは、とうとう壁に頭をガンガンとぶつけ始めました。
 ――状況は、極めてカオス。
110名無しオンライン:2007/05/29(火) 14:37:20.91 ID:ZUnH5W1X
このスレには2度目の投下になります。
深夜に勢いだけで書き綴った作品なので、なにぶん頭悪い仕様ですが、
暇潰しにでもしていただけれれば幸いです。

今回投下分はお話の前半部分です。
後半部分はスレの様子など見つつ、ひっそり投下しようと思います。
111名無しオンライン:2007/05/29(火) 14:41:29.90 ID:w2rru1bH
今すぐ投下だ
こんな寸止めをされたら死んでしまう(´Д`)
112名無しオンライン:2007/05/29(火) 15:00:50.87 ID:oDFPm8V2
投下乙ッッ
スレ伸びてると嬉しいサボリーマンがここに
113名無しオンライン:2007/05/29(火) 17:58:08.98 ID:U8gykNXd

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          /             |      ||      _,!... -‐''" !    
         人  ゞ'"========\  /=====,,;;|    人人
      Y^´       ∨// /,∠ ,. ' /l/X/ /, ' , '/ ! | }´     〈
       〉    変  〈/ , ' // ̄`>< /// /// _,.=‐|'"´l l〈  変  /
        〈    態.   ∨, '/l|   ,.'-‐、`//`7/  /''"´__ | ハ l丿  態   {
     人)   ! !   (/!  |ヽ〈_ ・.ノ〃  〃 /  '/⌒ヾ.! ,' !く   ! !  (_
 ト、__/   ヽ、_,.イ    /l l |:::::::```/:::::/...´..   //´。ヽ }! ,'  !! )     /
ト'    亦   ,イ⌒ヽ/   !l l ! l し   J ::::::::::::::::::::``‐-</ /  ,'、`Y´Τ`Y
l      夂   (ハ § l i   ! l ', !   , -―-、_   ′::::::::::::: //! Λ ヽ、ヽl
ヽ          〉,\ ! i   ',.l `、'、/_,. ―- 、_``ヽ、  ι  〃,'/! ヽ、\ ヽ、
 !     能   // ,' lヽ! ii  ',l  ∨\'⌒ヽー-、 `ヽ、!   / ハ ノヽ._人_从_,. \
 |    心   { / ,' ' ,! ll  l`、 { ヽ' \     ヽ  '  '´   Λ ',}      ( \
.丿         ∨ // ,',! l l  l ヽ`、 \  \   ∨   し /! ∨  変   ,ゝ、
∧     / /   ヾノ //l l l  l、_ヽ\ \   ヽ , '   ,.イ |ノ    態   (ヽ
/ノ__  ゚ ゚  (⌒`〃'j | l  l   l `ヽ `ヽ、.ヽ _,.}'′ ,.イl {  | ヽ   ! !   ,ゝ\
/ /`Y⌒ヽ/⌒ 〃 ノ | l   l   l   } ヽ、._ } ノ,.イ l | ! !  |  )_  
114名無しオンライン:2007/05/29(火) 18:14:28.10 ID:BQC9zYjA
我輩もそのAA貼り付けねばと思いつつ読んでいたのだが、すでに貼られていた。
>>113グッジョブ
お前ら洗ってないコルドバの臭いがするんだよ。たまには風呂入って来いこのやろう。
うむ、微妙に違うな
115名無しオンライン:2007/05/30(水) 02:36:43.22 ID:W6/s5Ru7
たゆんx2と410の前スレ275す、前スレでたゆんは監視の対象?
なってますてのを思い出し、また適当にかいてみやした。

「おー、監視のほうどうだったー?」
「問題無い、相変らず平和だ」

路地裏にいるキャストが二体、一体は飄々とした青年風、一体は岩と形容できる
いかにもな中年風、だがその雰囲気は一般人ではない事が一目で判ってしまう。
それも仕方ない、二人は410のマスターがかつて所属していた第0遊撃隊の隊員。
はっきり言えば、散歩と同じ感覚で最前線へ行けるような連中である。

「実際、この手の仕事は諜報連中がやるんだろうがなー」
「上の連中は、自ら少佐を軍から追い出した癖に、あの異様なの戦闘力と統率力をやはり
手放したくは無いようだ。諜報のネズミども、上の命令で少佐を軍に戻そうと暗躍してたが…」
「裏と表の両方で脅しかけて、俺ら第0が監視任務を横取りしたと…戻させねえっての」

「「同胞であり戦友であり兄弟の幸せを、望まぬ馬鹿が何処にいる」」

「ハモるなよ…気持ち悪いな」
「それはこっちの台詞だ」
路地裏だから良いものの、大通りだったらどうみても怪しいキャスト二人組。

「で、少佐は今何やってんだ?」
「ヒューマンが経営している何とか助飯店とやらで410と昼食を取っているところだ…」
「戦闘効率の重視とか言って、ペロリーメイトオンリーの少佐がまともな飯食ってんのか!
これもあの410効果ってやつだな…で、一体何を食ってるんだ?あの二人は??」

お前、何故それを聞くか?という様な顔の中年風キャスト。
絶対驚くなよ?と念押しした上で、中年風キャストは青年風キャストにポツリと一言。

「…オコサマランチだ」

一瞬だが、間違いなく時間が止まった。
「すまん、何か聞こえなかった気がする、むしろ聞きたくない…」
「オコサマランチだ、現実を見ろ、聞け、逃げるな」
思い出したように青年風キャストが口を開く。

「飛び回って地面に降りてこないディマゴラスにムカついて、斧ぶん投げて撃墜したり、
凶暴化したビルデビアを素手で殴り飛ばしたあの少佐が…「オコサマランチ」だと!?」
「事実だ」
この話から逃げようと思ったのか、青年風キャストは話題を変える。

「まあ、そりゃ良いとしてだな…少佐のあの身体は一種の反則に近くねえか?
軍にいた頃は指揮官パーツでガチガチだったし、パーツの下は筋肉マッチョとか
噂してたけどよ、今のパトリエル姿を見てみろよ?何だあのエロボディは」
「お前、エロボディって言い方は無いだろうに…」
「それに関しては私も同意いたします、エロボディとは失礼です」

「「え?」」
116名無しオンライン:2007/05/30(水) 02:38:50.64 ID:W6/s5Ru7
後ろを振り向くと、歴戦の古兵にすら気取られる事無く
紙袋を抱えた410の姿がそこにあった。

「お話中申し訳ないですが、マスターの監視を受け持ってる方々ですか?」
「む、いつの間に…と、我々は別に…」
「あー、とっくにバレてんだ。余計な事言うと話がこじれる、そうだよーお嬢ちゃん。
その様子だと少佐から話は聞いてるみたいだけど…で、何か用かい?」
慌てる中年風キャストとは裏腹に、青年風キャストは驚く様子も無く笑顔で対応をする。

「マスターから貴方達に、コレを渡すように言われましたので、お届けに参りました」
深々とお辞儀をする410、青年風キャストは先程同様笑っているが、岩の様な中年風キャストは
間近で見ると、触れれば壊れるような華奢な410に対し、あたふたしている。

「おお…す、すまんな」
「あそこの飯店のテイクアウトじゃん、ありがてぇなー」
「お気に召していただいて光栄です」
飯店のテイクアウト用のオルアカロールをぱくつく二体。
その様子を眺めながら、410はおずおずと話しを切り出す。

「マスターからお話を聞きました、監視に関して色々と手を回してくれたそうで」
「あー気にしないでも良いさ、少佐の幸せは俺らの幸せってなぁ」
「その幸せの中には、少佐が助けたPMの事も含まれてる、少佐の身内は我等の身内でもある」
「そう、ですか…私の事も…お気遣い感謝いたします…」
幸せの中にPMである自分も含まれている、そんな思いがけない一言に 
気が付くと涙をポロポロと流しだす410、一方の二人組は。

「おおお、おい!お前!何泣かせてるんだよ!!」
「い、いやそうつもりでは!お願いだから泣き止んでくれ!頼む!!」
慌てふためく野郎二人組、機から見れば犯罪者になりかねない。

「申し訳ありません…少々取り乱してしまいました」
「お、おお。いいって事よ」
「う、う、うむ」
二人の慌てようを見て、先ほどまでの泣き顔とは打って変わった笑顔の410。
それを間近で見た二人は一瞬ソレにみとれてしまう。

「あ、最後にマスターからの伝言で「隊の皆の事は今でも大切な家族だ」との事です…
あと…嘘でも私が幸せの中に入ってると申して下さって、本当に感謝いたします」

そう言うと410はスカートの両端を軽くつまみ、膝を軽く曲げて可愛さと優雅さを兼ね備えた
挨拶をすると、マスターがいるであろう方向へと小走りに去っていった。
その後姿ををボーっとを見送る男が二人。

「嘘じゃなくて本当にそう思ってるんだがなー」
「負い目を感じてるんだろう…自分が原因で少佐が軍を辞めて…監視までつけられていた…」
「監視も今は俺らが権限を横取りして、ある意味ボディガードみてぇなもんだ」
「…知っているか?もし少佐が軍に在籍出来たまま、あのPMを引き取れたとしたら、
隊の連中はあのPMにプレゼント攻勢しかけてたぞ」
「あー、人間達で言う、初孫が出来た爺様?みてーなもんか?」
「そんなもんだ、基地に戻り次第現状を報告、隊員集めて会議開くぞ?」
117名無しオンライン:2007/05/30(水) 02:41:32.83 ID:W6/s5Ru7
数日後。

「410に荷物が届いてるんよー」
「はぁ、私にですか?一体なんでしょう??」
「まあ空けてみるんよ、ほらほら」
ニコニコと笑うマスターに促され、荷物の紙袋を空けてみると…
ソコにはPM用に仕立てられた可愛らしい服が数着、そして手紙が一通。
そこに書いてあったのは…

『家族一同より』

「(プッ)あいつ等がコレ買うのに(クスクス)どんな顔して買ったのか想像できるんよ
今度それ着てあいつ等に「おじ様」とか言ってみよなー、きっと喜ぶんよー」
「是非ともそうしたいと思います、マスターもあのアモーレルを着て会ってみては?」
「うーん、ドン引きされそうなんよー、いつものパトリエルでええやんー」
「それはそれで、また危険な気がしますが」
困り顔のマスターと送られた服を大事に抱きしめる410。
これから室内で410のファッションショーがマスターにより無理やり開催される訳だが、
それはまた後の話。

基地内。

「その写真は何だ?」
「あーこれ?ネズミから取り返した二人の写真だ、しかも少佐がアモーレル着て、
410のお嬢と笑顔の2ショットと言うレア物だ」
「あとで焼き増ししてよこせ、他の連中には秘密だ」
「どうやら、無理みたいだな…後ろ見てみ?」
振り向けば、背後に控えるは同僚の第0遊撃隊の面々、しかも皆フル装備。

「抜け駆けは良くないって本当だなぁ」
「ああ、肝に銘じておこう…」

彼ら二人の明日はどっちだ。
118名無しオンライン:2007/05/30(水) 07:25:14.39 ID:kith/ZYt
イイ話しだな〜〜
・゚・(ノД`)・゚・
119名無しオンライン:2007/05/30(水) 10:46:11.46 ID:NSF9UTEu
>>109のを読んで勢いだけで描いてみた。
描いて自分も変態と思ってしまった…

ttp://www.mithra.to/~psu/uploader/src/psu4233.jpg
120魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 13:41:05.45 ID:8PEgQldK
>>115
なんというよい部下たち
こういうの大好きだ。たゆんは慕われてるなぁ……

>>119
その発想はなかった
台詞とポーズの組み合わせが反則だと思う変態


>>111が生きていると信じて続きを投下。
121魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 13:43:14.49 ID:8PEgQldK
「はい。ティーカップはそこの棚の2番目に入っていますよ」
「これか。……ったく、なんでこんなことに……」
 ローグスAは渋々といった感じで、奥さんに指定された棚を開きました。
「あ、そちらの方は、冷蔵庫からアイスティーをお願いしますね」
「あいよ」
 言われるまま、冷蔵庫に向かうローグスB。
 先程のカオスから数十分。恐ろしく騒がしかった状況が一旦の落ち着きを見せたところで、
 私たちは奥さんの提案でお茶の時間にすることになったのでした。
 私としてはもう少しあのままローグスBをいたぶり続け……いえ、なんでもないです。
「二人とも手際が悪いです。マダムの縄を解いて、準備してもらったほうが」
「その手に乗るか! 人質の縄解いてどうすんだ!」
「そうですか」
 マスターのさりげない提案を一蹴しつつ(まあ当たり前なわけですが)、
 ティーカップをひとつづつ、丁寧に熱湯であたためてゆく律儀なローグスA。
 程なくして、上品な香り立つハーブティー、こんがり焼かれたスコーンとショコラが出揃い、
 テーブルの上は素敵なティータイム仕様になりました。
122魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 13:44:13.17 ID:8PEgQldK
「アイスティーまで用意されているとは」
 マスターは自分の席に用意されたアイスティーを見て、目をぱちぱちさせます。
「うふふ。ぱしりちゃんに『マスターはアイスティーが好き』だって聞いて、作っておいたのよ。
 急いで作ったのだけど、よかったわ。ローグスさんたちと遊んでいる間に冷えたみたいね」
「奥さん、私たちも彼らも、別に遊んでいるわけでは……」
「ありがとうございます、マダム。しかし……せっかくのお茶もこれでは飲めません。
 お二方、やはり縄を解いてはもらえないでしょうか」
「あ、心配ないわよ。ローグスさん、さっきの棚の下からからストローを持ってきてくださる?」
「ちょ、奥さん!?」
「そうですね。それならこのままでも飲めます」
「マスターまで!?」
 奥さんの頭のネジが緩いであろうことはなんとなく察していましたが、
 マスターが縄を解くことを要求していたのも、ただ純粋にお茶のためだったのですか。
「駄目だこいつら……はやく何とかしないと」
 棚に向かってゆくローグスAがぼそっとこぼした言葉は、まんま私の気持ちを代弁していました。
123魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 13:44:56.03 ID:8PEgQldK
「ところで、シロップとミルクは……」
 マスターが言うと、
「おう。入れてやるよ」
 ローグスBがミルクとシロップの小瓶を手に、やってきました。
「こればかりは、できれば自分でやりたいのですが」
「そういうわけにはいかねえな」
「駄目ですか」
「だめだ」
「……仕方ありませんね。では、ボクがいいと言うまでお願いします」
「はいよ」
「慎重に頼みます」
 マスターはぺたんとテーブルに顎を載せ、眼前のグラスを凝視します。
 ミルクとシロップの分量に強いこだわりがあるらしいマスターは、
 自室でもいつもこうやって最適分量を見極めているのですが……
 その光景はどことなく可愛らしく、そしてシュールです。
 と、次の瞬間。
「あ、それいっぱい入ってますから、気をつけて――」
 奥さんが言った時には、時既に遅く。
「おぁ、やべっ」
124魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 13:47:43.54 ID:8PEgQldK
 ――ぴしゃっ。
「あぁっ、マスター!」
 ローグスBが傾けた右の小瓶からはミルクが、左の小瓶からはシロップが、
 大量にこぼれてマスターの顔面に……!
「あらあら……」
「うお、悪ぃな……すまん、すぐに拭くもん持ってk」
 ローグスBがその場を離れようとした刹那。
 ズダン! と音を立てて、マスターが席を立ちました。
「慎重に、と言った筈ですが」
「す、すまねえ、お嬢ちゃ」
 マスターはみなまで言わせず、右脚を軸に、くるりと華麗に回転。
 ローグスBに回し蹴りを叩き込みました。
「ぐおぉ!?」
 その勢いたるや、竜巻の如く。
 小さく華奢な身体からは想像もつかないような勢い。
 ローグスBは吹っ飛び、窓に激突、突き破り、そのまま外へ放り出されていきました。
 ミルクとシロップをかぶったマスターの顔は、相変わらずの無表情。
 しかし、小さな身体から立ち上る色は、凄惨なまでの怒り。

 やばい。やばいです。
 マスターが――キレてしまいました。
125魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 13:48:53.52 ID:8PEgQldK
「やけに中が騒がしいと思ったら……今度は静かになりましたねぇ」
「呼びかけに対する反応もないな」
「やっぱ黙っといたほうがよかったかなぁ、バルサミコ酢が安物だってのは」
 交渉役の青年がメガホンをくるくる回しながら、かったるそうに言った、その時。
 ガシャン、と大きな音を立てて、家の中から窓を突き破り、男が吹っ飛んできた。
「ぐおぁぁぁぁ!」
 無数の窓の破片とともに、地面に叩きつけられる男、ローグスB。
「こいつは、立てこもってたローグスじゃないか!」
 家を包囲していたガーディアンズは突然の出来事に呆気に取られ、
 後ろに控える野次馬は驚いて逃げ出したり、なんだなんだとざわめいたりしている。
「わ、悪かった……俺が悪かった!」
 ローグスBはひどく怯えた様子で、見事に割れた窓に向かってあたふたと手を振っている。
「なんだ? 何が起こったんだ……?」
 戸惑う人々。
 窓に開いた穴の向こうから、小さな影が顔を出す。
「なんという……なんということをしてくれたですか、あなたは」
 ローグスBを追って出てきたのは、赤毛の外跳ねショートヘアのニューマンの少女。
126魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 13:49:48.13 ID:8PEgQldK
 その姿を目にした者が、一同に絶句する。
 それもそのはず。
 年端も行かない少女であろう彼女は下着姿で、細い両腕を背中で縛られ、
 おまけに顔面は『何か白いもの』をかぶってドロドロに汚れているのだ。
「よくも、ボクの心を踏みにじってくれましたね……」
 呟くその顔には何の表情も浮かんではいない。
 しかし、彼女が一歩一歩歩みを進めるたびに放たれる怒りのオーラが、人々に確信させる。
「まさか……」
「なんて奴だ……!」
「嘘、信じらんない!」
「かわいそう……」
「氏ね! ロリコン!」
 このローグスは、彼女に『何かとんでもないこと』をしでかしたのだと。
「ま、待て! お前たちは何か勘違いをしている!」
 自分が激しい誤解を受けていることを悟ったローグスBは、必死に弁明を始める。
 しかし、一度人々の間に芽生えてしまった共通認識は、そう簡単に拭えはしない。
「ローリーコン! ローリーコン! ローリーコン!」
「違ああああああああう!!」
127魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 13:51:00.02 ID:8PEgQldK
 マスターを追って外に出た私たちを待っていたのは、さらなるお祭り騒ぎでした。
 へたり込むローグスBと、怒りに震えて彼に迫るマスター。そして。
「犯罪者!」
「恥知らず!」
 周囲の人々が繰り返す罵声とロリコンコール。物を投げている人もいます。
「え、なにこれ……」
「あらあら……」
 異様な光景に思わず引く私と、変わらずマイペースな奥さん。
「おいてめえら、一体何やって――! ……本当に、何やってんだ?」
 私たちを追って出てきたローグスAの目にも、この状況は異様なものとして映ったようです。
「はじめてです、こんな屈辱は。この代償、とびきり高くつきます」
 マスターの声はいつもの透き通るようなものでありながら、どこかドスが利いています。
「そんな物言いはよせ。さらに誤解が……!」
 吹っ飛ばされたときにローグスBが落としたのでしょう、
 マスターの足元には、人質にされた際に没収されたナノトランサーが転がっていました。
「しまった、それは……!」
「返してくれるのですか、ありがとうございます」
 マスターはそれを爪先で器用に弾き、リフティングの要領でバウンドさせ、スイッチを入れました。
 光の粒がマスターの身体を覆い、いつものひらひらとした可愛らしい服を実体化させてゆきます。
128魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 13:52:27.93 ID:8PEgQldK
「お礼に、魔法少女が最高の魔法でお仕置きしてあげます」
 言って、マスターはナノトランサーをカツンと大きく蹴り上げました。
「ウェポンラック、開放――」
「くっ、こうなったら……逆にお仕置きし返してやるぜ!」
 ローグスBは立ち上がり、ナノトランサーから<ダガ・ステッグ>を取り出すと、
 続けざまに<レティアライド>を取り出し、一気に飲み干しました。
「ハハハ! 精神力アップ! これでお得意の魔法とやらも効かねえぜ!」
 ああ……あのローグス、某インセクターばりに何か勘違いをしています。
 空高く舞ったマスターのナノトランサーから武器が実体化し、
 くるくる回転しながら舞い降りてきました。
「残念ながら、精神力のステータス上昇は無意味です」
「……え?」
 ズダン! ズダダン! と音を立ててマスターの周囲に次々と突き刺さるのは
 ――無骨なソードとアックスの群れ。断じてウォンドやロッドなどではありません。
 その中の一本が、マスターの腕を縛っていたロープを綺麗に切断します。
129魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 13:53:17.18 ID:8PEgQldK
「U・B・W・G……」
 不思議な単語を発するマスター。察するに、周りに武器がいっぱい突き刺さっているさまを、
 『アンリミテッド・ブレイド・ワークス・ごっこ』と称しているのでしょう。
「魔法、少女……?」
 これには周囲の皆さんも呆気に取られているようです。
 そう。私のマスターは、ニュマ子人口の過半数を占めるであろうフォルテクターではなく。
 ――世にも傍迷惑な、なぜか魔法少女を自称するフォルテファイターなのです。
「さ、詐欺だ……」
「あなたはニュマ子という生物が、全員フォルテクターだとでも思っていたのですか」
「え、だってニュマ子が魔法少女って言ったら」
「答えは聞いてません」
「ちょ、ちょま、おま」
 マスターは手近にあったアックスを片手で引き抜き、後ずさるローグスBに迫ります。
「魔法の缶切り、あんく☆とまほ……」
「あ……あぁ……」
 大斧を両手で改めて構え。
「リリカル、マジカル……」
「うあぁ……」
 大きく振りかぶり。
「奥 義 ・ 甲 冑 割 ! !」
 発動する怒りのドゥガレガ。
「ぐわああああああああ!!」
 真昼の住宅地に、哀れな弱小ローグスの断末魔が響き渡りました。
130名無しオンライン:2007/05/30(水) 14:16:37.76 ID:8PEgQldK
規制かかったorz
色々アレなお話ですが、もうちょっとだけ続きます。
またすこし間を空けて投下しようかと。
131名無しオンライン:2007/05/30(水) 14:22:02.25 ID:SE5KUhnU
規制解除用wktk投下
132魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 20:14:11.00 ID:8PEgQldK
「マスター、今日はどっさり疲れましたね……」
「そうですね。お疲れ様です」
 ガーディアンズコロニーに向かうシャトルの中で、私は座席に身体を預け、
 ぐったりとしていました。
「だけどマスター、あれはいくらなんでもやりすぎだったんじゃ……」
「そうかもしれません。ボクも少し大人気なかったです。しかし、
 あのシロップとミルクのぞんざいな扱いは、許されるべきレベルではありません」
「そう、ですか……」
 真顔で淡々と語るマスターに、ため息がこぼれます。正直、たまについていけません。
 ちなみに今やすっかりロリコンのレッテルを貼られたローグスB(事実変態だったわけですが)、
 テレビ中継の画面が「しばらくお待ちください」になるほどフルボッコにされながら、
 なんと生きていたようです。人間ってすごい。
133魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 20:15:55.11 ID:8PEgQldK
「それにしても、よくやってくれました。
 あの後ローグスAから無事マダムを取り戻せたのは、キミの働きのおかげです」
「あは、それほどでも……」
 まあ……突きつけられた<セバ・サッタ>をモギモギ喰っただけなんですけどね。
 ローグスAはそのことで完全にうろたえてしまい、周囲のガーディアンに取り押さえられ、
 奥さんは無事解放、事件は幕を向かえたのでした。
「マスターが褒めてくれるなんて、意外です」
「事実を言っただけです」
「そう言うと思いました。でも、ちょっと嬉しいかもです」
「……そうですか」
 マスターの顔は、いつもの鉄面皮。
 だけどほんの少しだけ、笑っているような気がしました。
「今日は……、こう言っては不謹慎かもしれませんが、楽しい一日でした」
「済んでみればこそ言えることですね。でも、私もこんなに楽しい気分は久しぶりです。
 マスターが褒めてくれたり、楽しいなんて言うの、滅多に聞けませんし」
134魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 20:19:24.10 ID:8PEgQldK
「そんなに意外ですか」
「意外です。マスター、いつもあまり喋らないじゃないですか」
「ボクが何か喋ったほうが、キミは楽しいですか」
「それは……そうですよ」
「そうですか」
 マスターは小鳥のように首を傾げて、言いました。
「では、善処します」
「……ふふ」
 その姿がなんだか可愛くて、思わず吹き出してしまいます。
「ふふふ。あははは……」
「どうかしましたか」
「だって、当たり前じゃないですか。
 マスターとお話するのが楽しくないパートナーマシナリーなんていませんよ」
 私のマスターは、やっぱりすごく変わった人です。
 常に無表情で割と無関心で、わけわかんなくて電波で。
 だけどその突拍子もない行動が、不意に見せる意外なしぐさが、私を飽きさせず、
 愛しいとさえ思わせる。一緒にいて楽しいと思える。
 やっぱり私は、この人のパートナーでよかったと思います。
135魔法少女と440(仮:2007/05/30(水) 20:25:04.84 ID:8PEgQldK
「マスターって、やっぱり変わってます」
「よく言われます」
「ね、今夜は一緒のベッドでお休みしましょう」
「構いませんが、どうしたのですか、急に」
「もっといっぱい、お話しましょう?」
「……面白い話ができるかどうか、わかりませんが」
 再び首を傾げるマスターと、座席から投げ出した足をぷらぷらと遊ばせる私。
「なんでもいいんです。どんなくだらないお話だって」
「そういうものですか」
「そういうものですっ」
 ガーディアンズコロニーへの到着が近いことを告げるアナウンスが、機内に流れました。

 私たちの家は、もうすぐそこです。



                        おしまい
136蛇足:2007/05/30(水) 20:26:12.82 ID:8PEgQldK
「……そういえば今日は、ボクもキミの意外な一面を見ましたね」
「え……?」
「ボクに触ろうとしたローグスBを蹴っ飛ばした時です」
「えっ」
「楽しそうでしたね」
「あ、いや! そんなことは!」
「そうですか? 心の底から愉しんでいるように見えましたが。心なしか頬も赤くなっていたような」
「ちょ、ないですって! それじゃまるで私がドSみたいじゃないですか!」
「違うのですか」
「違います!」
「そうですか」
「そうです! そんなんじゃありませんからね!」
「……」
「……」
「ひ〜ぃざまず〜ぅい〜てぇ、お嘗めよ〜、あ〜かい爪〜を〜」
「!? ちょ、なんですかその歌!」
「も〜つぅれた〜舌〜で、女王様と〜、お呼び〜なさぁい〜」
「なにそれ! まさか仕返しですか!? 私がさっき笑ったからですか!?
 違います! 私そんなんじゃないです! あぁっ、周りの人が見てます!
 マスター! やめてください! や め て く だ さ い 〜 っ ! !」



                        こんどこそおしまい
137名無しオンライン:2007/05/30(水) 21:27:00.92 ID:dyW3ujkx
最後についでにMの素質も開花するのかと思ったが、そんな事もなかったか。
138名無しオンライン:2007/06/01(金) 13:25:21.42 ID:VcQuHQFj
いきなりですが、投下させてもらいます。
長文で読みにくいかも知れませんが、ご容赦のほどを。
小ビス子氏よりわんわんサンドのネタを拝借しております。
口調がちょっと違うかも知れないけど、勘弁してください。
139パパと412(1):2007/06/01(金) 13:26:36.30 ID:VcQuHQFj
Pipipipipipipi…

 朝日の昇らないガーディアンズコロニーに朝を告げる目覚ましの音。
 そろそろ起床の時間です。
 ニューデイズ様式の朝食の準備は既に整えてあり、あとはご主人様を起こすだけです。
「ご主人様、朝ですよ」
 出来上がった食事を持ってキッチンからご主人様の寝室に移動すると、気だるげにベッドの上

に転がっています。
「ぬ〜、もう朝かぁ」
 ヒューマン男性のこの方が私のご主人様です。年の頃は20代後半から30代前半としかいえ

ない、ちょっと年齢不詳の部分があります。起き抜けで長い髪の毛はくくっておらずボサボサ、

半眼で眉間にしわを寄せたままの顔はお世辞にも格好がいいとは言えません。
 普段はしゃんとしていてかなりのイケメンなんですが…どうも自分の容姿については頓着無い

ようです。
 のろのろと起き上がると、ドレッシングルームに備え付けの浴室に入っていきます。
 俗に言う朝風呂というやつです。どうやら夕べも遅くまで何かをなさっていたようですが…
「早くあがって下さいね、食事が冷めますよ?」
 風呂の中から返事が聞こえてきます。どうやらシャワーをしているようなので、すぐ出てくる

でしょう。
 備え付けの収納式テーブルと椅子を用意し、食事を並べ終わるとご主人様が出てきました。
 黒に近い紫の長髪を後ろでくくり、赤いブレイブスコートにパンツ、シューズとシリーズで決

めています。外に行く時はこれにサングラスという格好が、この所のお気に入りのご様子です。
「おはよう、ロザリオ」と、ご主人様
 私はキョロキョロと周りを見て、誰も他にいないのを確認。大丈夫!
「おはよう、パパ!」と、言って抱きつきました。
 そう、私とご主人様しかいない時、私がご主人を呼ぶ時の呼称は『パパ』なんです。
140パパと412(2):2007/06/01(金) 13:28:08.09 ID:VcQuHQFj
「ははハァ…おはよう、ロザリオ」
 朝からため息混じりの苦笑で、改めて挨拶してくれます。
「結局、俺のことをそう呼ぶのか」
 その返事に私は頬を膨らませて不満をぶつけます!
「パパはパパなんですから、いいじゃないですか!
 誰もいないときくらい、パパって呼ばせてよ!」
「分かった分かった、そう怒るな。そういう約束だからな」
 私を軽くあしらいながら、食事の席につくパパとそれに倣う私。
 パパとの約束、それは人前ではパパではなくご主人様と呼ぶ事。
 最近は大分慣れたので、人前でパパと呼ばないようになりました。
 でも、なんかちょっとさびしく感じることがあります。 
141パパと412(3):2007/06/01(金) 13:29:04.12 ID:VcQuHQFj
 こんな私の、人には言えない秘密。
 私がご主人様をパパと呼ぶ理由は、私が不良品だからです。
 私が410から412になる時、デバイスが不良品でうまく機種変換できなかったそうです。
 主従関係を促すためのデバイスが私にはありません。
 機種変換の時に、バグまみれの変換プログラムから自分を守る為に自己保存を最優先にしたらしく、基本行動原理を司る一部のROM共々削除されてしまったそうです。しかも、何やら複雑に自己改変したらしく、記憶の移行や修理は不可能だと。
 結果、ご主人様をご主人様と呼べなくなってしまいました。
 その所為で、私は修理に連れて行かれたテクニカルセンターで目覚めたあと、パパに開口一番「怖かったよう、死んじゃうかと思ったよう、パパぁ!」と言って泣きつきました。
 あっけにとられているパパに先生がいろいろ説明してくれたそうですが、詳しいことはあとから聞いた話で知りました。
 幸いな事に410の頃の記憶はしっかりと残っていますが、遠い他人の記憶を眺めているようでもあります。
 その頃は普通のパシリとして暮らしています。もちろん、ちゃんと『ご主人様』と呼んでいます。それに…ちょっと恥ずかしいですが、パシリに良くあるご主人様への恋心に溢れています。
 今、ですか?強いて言うなら、父と子の愛情に近いもの、かな?恋愛対象というよりは、近くにいてくれる、強くてあったかくてやさしくてちょっと怖い、正に父親のそれでしょうか?
142パパと412(4):2007/06/01(金) 13:30:16.62 ID:VcQuHQFj
「どうした、ロザリオ。食わんのか?」
 はっと我に帰りました。
 ちょっと思い出にふけっていたみたいです。
「え、た、食べます、食べまふ…ゴホゲホッ!」
 ワカメのミソシルの中に沈んでいた細かい粒にむせてしまいました。
 パパが、私のこぼしたミソシルを台布巾でふき取り、ハンカチで私の顔をぬぐってくれます。
「大丈夫か?考え事しながら飯を食うからだ」
「ごめんなさい、パパ」
 うあ、スカートにこぼしてる…早く洗わないと染みになっちゃう。
 突然、ひょいと抱えあげられると、既にドレッシングルームです。
「はい、ちゃっちゃとスカート脱ぐ!下に染みる前に着替えて来る!」
 うちのパパ、こういう事にはやたら気が回ります。
 スカートを脱ごうとして、まだパパがいるのに気が付いて手が止まってしまいました。
 さっき考え事をしていた所為なのでしょうか、何故か妙に気恥ずかしいのです。
「あ…あの、パパ、その…」
 またため息をついて、パパは外に出て行きました。
 ドアが閉まる前に「やれやれ(苦笑)」という声が聞こえてきました。
 どうやら、私の気持ちが手にとるように分かるみたいです。

 はぁ。私、一体どうしたのかな?
143パパと412(5):2007/06/01(金) 13:33:40.07 ID:VcQuHQFj
 午後はちょっとお使いです。
 パパの遠縁のヒュマ姉さんの所に御用聞きなんですが、ついでに貸してたクレスラインを回収
してこいと言われました。
 借りたっきりでヒュマ姉さんは忘れてるそうです。
 何故お使いをしているかと言うと、同一IDなのでパパとヒュマ姉さんはメールのやり取りが
出来ません。
 そこで我々パシリは細かいやり取りの為に良く連絡のお使いにいきます。
 もうちょっと便利にすればいいのに…

 ちなみに私は姉さんと言ってますが、ヒュマ姉さんはパパより年下です。

 御用聞きがすんだので帰ろうとしたら、お茶のみ相手に誘われました。
 夕方までに帰ればいいので、まだ時間があります。
 今日は特に店番も無いのでお付き合いする事にしました。
 実の所、お茶菓子として出してくるヒュマ姉さんお手製ケーキが目当てだったりもします。
 茶飲み話の途中、ちょっとした会話の流れで朝食の話が出てきたので、軽い気持ちで今朝のや
り取りを話したら、
「それはズバリ、恋なのでは?」
と、ヒュマ姉さんにいきなりそんなことを言われましたが…
「恋ですか?」
 私の隣で同じようにお茶を飲んでるGH−442が暢気に聞き返します。
 この子はヒュマ姉さんのパシリで、名前をルテナといいます。
 最近まで「お留守番」と言う名前のまま、名前どおりのことをしていましたが、防具が必要な
のを知ったうちのパパとヒュマ姉さんが急遽進化させた子です。
 お留守番の成果の所為か、ちょっと世間に揉まれていて、会話は割と辛口だったりします。
「それは恋というより、思春期を迎えた女の子の行動です」
「はぁ…」と、私。
 相変わらず暢気な口調で取り付く島も無い返事です。
144パパと412(6):2007/06/01(金) 13:35:05.54 ID:VcQuHQFj
「思春期の女の子、ねぇ?」
 ヒュマ姉さんは首を傾げています。
「私はそんな事…無かった…かな?」
「それを言うなら、今のご主人様はまんま思春期に見えますが?」
 そうルテナちゃんが言うと、ボンッと顔を真っ赤にして言い返すヒュマ姉さん。
「そ、それはだって、おじ様が突然やってきて…」
 その話はパパから聞きました。
 数日前、非番のパパがヒュマ姉さんの所へ不意に行った時の事です。ヒュマ姉さんは服を全部
引っ張り出して並べ、上は指定の下着、下はクラシカショートパンツ姿という、見る人が見れば
かなりエロエロ(パパ談)な格好で部屋をうろうろしていたそうです。
 何でも、どの服を組み合わせようかとコーディネイトしてたんだとか。おかげで目のやり場に
困ったそうです。
 ヒュマ姉さん、ちょっと小柄ですがナイズバディなんですから、自重して下さい。
「…おじ様、怒ってましたね」
「それはそうです。無用心にもロックしないで、部屋の中はファッションショウの舞台裏状態だ
ったんですから」
 まあ、傍から言わせてもらえば、「襲ってください」と言わんばかりの状況ですね。
「もっとも、そんな状況で開口一番『きゃー!エッチ!ばか〜!おじ様なんて大っ嫌い!!』と
言われ、部屋から蹴りだされて怒らない人がいたら見てみたいですが」
 音声サンプリングまで使って台詞を再現するルテナちゃん。ここまで自分の主人をこき下ろす
この子を見たのは初めてです。何かあったんでしょうか?
 ヒュマ姉さんは顔を真っ赤にしたまま、俯いてしまいました。
「定期メンテ中で私がいない時に、ご主人様が一体どんなアホな事を為さっているのかよぉく分
かりましたので、その点についてはあの方に感謝しております」
「相変わらす辛口ですね、ルテナちゃんは」
 私の突っ込みに、悠然とカップを傾け続けるルテナちゃん。
145パパと412(7):2007/06/01(金) 13:36:21.13 ID:VcQuHQFj
「ロザリオさんはいいですね、ご主人様にかわいがってもらえて」
「え、そ、そうですか?」
「法に15割り振られている410でしたのにデバイスZEROで初期化されず、上級形態に
進化までさせてもらえるなんて。これがかわいがられていないと、誰がおっしゃいまして?
 それに引きかえ、私は自力で食事を用意させられ、それ以外は同じトルソやユニットばかり。
 まだ能力上限ではありませんが…」
 ちらりとヒュマ姉さんを見るルテナちゃん。
「どうも、食事のメニューが変わることは無いようですし」
「うあ失礼しちゃうわねこのパシリは。あんたに一体いくらかけてると思ってんの?」
 顔を上げ、今度は怒りで顔が真っ赤のヒュマ姉さん。
「そういうことを平気で言うから、ご主人様は駄目なんです」
 がちり、と彼女の口元から硬い音が…
「あ、こら!カップをモギるな、ルテナ!」
「別に(もぎもぎ)いいじゃないですか(ごっくん)。10メセタショップの安物なんですから。
 それとも(もぎもぎ)ご飯をけちる(もぎもぎ)理由を(ごっくん)ご主人様は(もぎもぎもぎもぎ)
ちゃんと(ごっくん)答えて下さるのですか?」
「うあいやその…」
 きれいにティーカップを平らげたルテナちゃん。べつに美味しい訳も無いので、八つ当たりで
すね。
 …あれ?
146パパと412(8):2007/06/01(金) 13:38:14.64 ID:VcQuHQFj
「あの、もしかして…ご主人様が共有倉庫に預けてたお金を、また?」
 私のその問いに、ぎくっとするヒュマ姉さん。
 姉さんは過去にも何回か浪費しているのですが、パパは何も言いません。
「今回は一体何を買われたんですか?」
「あ、あははははは……その…片手銃じゃちょっとミッションが辛いかなぁと…キカミを…」
「それで個人ショップを渡り歩いていたのですか、ご主人様」と、ルテナちゃん。
「え゛、キカミ?!」
 私が驚くのは無理もありません。
 ルテナちゃんの成長用食事代としてパパが渡した分とほとんど同じ市価の武器です。
 他のガーディアンズが開いているお店なら、出物があったときは定価より安く買えるので大抵
はそこで買い付けるのですが…
「出物があったのでつい…2本…」
「2本ですか。更にバレットも買っていらっしゃいますね、勿論」
 躊躇いがちに頷くヒュマ姉さんを見て、大きくため息をつくルテナちゃん。
「済んだ事はとやかく言いませんが、それでブナミさんの昼食代を大量に巻き上げて、私の食費
に充てているのですか。
 他のガーディアンズの方々も結構いらっしゃるという話ですが…」
 ブナミさんの昼食代とは、彼女が依頼しているミッションの事ですね。
 なんでも、仕事のミスを隠すのに他の同僚達に依頼を出してそれをカバーしているのだとか。 その依頼料が彼女の昼食代だそうですけど…ずいぶん底無しの昼食代ですね。
「ああまでやられているという事は、彼女のミッション自体が彼女の請け負った仕事のような気
がしますが。
 ともかく、資金面から言わせていただくとすれば、高額の買い物の際には相談していただきた
く思いますが、どうでしょうか、ご 主 人 さ ま ?」
 ゆっくりとカップソーサーを手に取り、口元に近づけるルテナちゃん。
 それって脅迫ですよ?
「ああもう、分かりました。分かりましたから、食器をモギらないで、お願い!」
「…では、次にこのような事があれば、服を処分して資金に充てさせてもらうという事でよろし
いですね」
「そ、それだけは、それだけは勘弁してぇ!」
 服道楽のヒュマ姉さんにそれは、死刑判決と同義語です。
 あ、いけない。そろそろ帰らないと。
 暇乞いをしましたが、お二人ともぜんぜん聞こえてないようなので、勝手にカップを下げて部
屋を出ました。
 …廊下にまでやり取りが聞こえてくるなんて、ちょっと恥ずかしいです。
147パパと412(9):2007/06/01(金) 13:43:28.79 ID:VcQuHQFj
 帰り道。
 大した距離ではありませんが、一段上のフロアまではちょっとしたお散歩くらいの道のりです。特にPM専用通路、通称パシリ大通りはいつもパシリでにぎわっています。
 最近はパシリ達による対パシリ用テロ、通称『にゃんぽこトラップ』が巧妙に仕掛けられてい
ていて、お使いやミッションの行き帰りにはまってしまい、ご主人様に怒られるパシリが結構い
るとか。
 最初はにゃんぽこ用のコタツだけだったのが、反撃に出たにゃんぽこさん達が色々設置しだし
て抗争が激化、大通りは毎日がカオス状態となったのでした。
 あ、大き目のコタツににゃんぽこさん達が目いっぱい掛かっています。向こうでは、アングラ
本の週間パシ通の更にアングラ本、放送コードに掛かりまくりの週間裏パシ通に引っかかってる
430が2、3人。鼻から赤いオイルを垂らしてすごい形相で笑ってます。
 ちょっと先では、違法設置されたビジフォンから「パシリといっしょ」という子供向け番組を
大音量で流して、それを見ながら真似して歌い踊る4x0ベーシックシリーズの5人と、それを
見ているヤジパシリ達。勿論、これも『にゃんぽこトラップ』の一つ。
「は〜い、はは〜い、ははは〜い♪
 いつも元気な410ぅ〜♪
 おこた大好き420ぅ〜♪
 ちょうちょ追っかけ430ぅ〜♪…」
 私、この歌大好きなんですが、そろそろ行かないと夕食に間に合いません。
148パパと412作者:2007/06/01(金) 14:02:39.07 ID:VcQuHQFj
いかん、最初なんでさじ加減が分からんかった。
規制に引っかかるし、文の切れも変だし…orz
お目汚し、もうちょっと続きます。
149パパと412(10):2007/06/01(金) 14:03:48.42 ID:VcQuHQFj

 ―――20分経過―――

 はっ、最後まで見てしまいました。恐るべし『にゃんぽこトラップ』。
 隣で同じように見入っていた450さんがキセルを銜えてタバコをふかしています。
 パシリも色々変わった趣味にはまるようです。

“警告!高レベルフォトンリアクター反応確認!GH−450、テクニックリミッター反応無し!
O・O・Sと確認!S級アラート!”

 OSの突然の警告と、頭の中に浮かんだ言葉。
 弾かれたように、身体が勝手に隣の450さんから離れて、勝手にレイピアを引き出します。
「おや、おじょうちゃん。アタシに因縁でもつけようってのかい?」
 流し目でこちらを見たまま、ゆっくりと紫煙をくゆらせる450さん。

“データ照合終了、異能体No001:エンプレスと確認”

「わ、私はそんなつもりじゃ…身体が勝手に…」

“データ照合終了、異能体No002:GSS253-A5ラビッドドッグと確認”

「天下の大通りで武器を抜くのはまずいですよ、412さん?」

 私の真後ろに立つ430さんが、困ったような表情で首を傾げます。
 その手には、周りのパシリから見えない位置に来るようにビームガンが握られています。

“警告、警告、警告…”

 頭の中でいつまでもアラートが止まりません。
「お願い!止まって!!」
 思わず大声で叫びました。

“主演算装置よりの停止命令を確認、警告を解除します”
150パパと412(10):2007/06/01(金) 14:04:59.16 ID:VcQuHQFj
 手に持っていたレイピアが自動的に回収され、私はその場にへたり込みました。
 回りにいたパシリ達は、私が武器を納めると三々五々と散っていきます。
 いえ、二人だけ残っているパシリがいます。
 450と430。
「エンプレス…ラビッドドッグ…?」
 小さな私の呟きに二人は一瞬驚いた表情を浮かべて、私を立たせると脇道に引っ張り込みました。
「おじょうちゃん、アタシらを知ってるのかい?」と、450さん。
「どうする、おい」と、430さん。
「まあお待ち」
「あたしもそろそろ時間なんだ、手間取りたくねぇ」
「だからお待ちって言ってるだろ。…で、どうなんだい、おじょうちゃん?」
「知っているというか…」
 頭の中で響いた警告音と、メッセージ。
 少々混乱しながらその内容を二人に伝えると、二人は押し黙ってしまいました。
「お前の主人の名前と、部屋は?」
 ビームガンを構えたまま、430さんが冷たい視線でこちらをにらみます。言っても言わなく
ても殺されそうな殺気がビンビンです。
「…えっと…」
 パパ、助けて!と心の中で叫びつつ、パパの名前と部屋を告げました。
「…………なんだって?」
 あれ?銃口がだらりと下がります。
 冷気のような殺気が、ぷしゅ〜っと音を立てるかのように抜けていきます。
「ですから…………って名前です。部屋は………ですけど」
 もう一度名前と部屋を告げると、430さんはポカンと『ラッピが豆鉄砲食らった』ような表
情になり…

 大爆笑しました。

151パパと412(12):2007/06/01(金) 14:07:09.38 ID:VcQuHQFj
 しばらく430さんが笑い転げていると、450さんが説明を求めて430さんをキセルでつ
つきました。
「………いや、悪ぃ悪ぃ。まさか、こんな所でその名前をパシリから聞くとは思わなかった」
 ひぃひぃと苦しそうに笑いを収め、話を続ける430さん。
「…こいつの主人な、あたしが諜報部にいた時の『世話役』だったんだよ」
「ハン?なんだいその『世話役』って?」
「……あ〜、そうだな……」
 言葉を選ぶわずかな逡巡の間。
「飯の受け渡し、部屋の掃除、着替えの洗濯なんて日常の事から、ミッション中の支援、現場か
らの回収まで……あたしらパシリがご主人様にしてやるような事を、諜報部の爆弾みたいな存在
だったあたしらにしてくれた、くそうっとおしい奴だよ」
 そう言いながらも、どこか懐かしそうな表情を浮かべている430さん。
「……物好きってのは、何処にでもいるんだねぇ…」
 ほとほと呆れたといった表情でキセルにタバコを詰めなおす450さん。
「淡々と叱られたもんだよ。『ゴミはゴミ箱、着替えた服はかごの中、読み終わった本は棚にき
っちり入れろ』とかさ。
 あんまり五月蝿いんで撃ち殺した事もあったけど、あいつ、人形もなしに生き返りやがって。
 …心底びびったね、あん時は。
 『不死身』の奴なんて、最初の頃は沈黙したまま。
 あいつの言う事なんて全然聞かなかったけど、あまりのしつこさに根負けして片付けるように
なったからな」
 今、さらりと撃ち殺したとか言ってますけど……パパ、生きてますよ?
「かなりのパシリ好きだとかいう噂を聞いたのは、あたしが諜報部を止める少し前だったかな? 普通のパシリなら、そんな噂を聞いたら貞操の危機とか言い出すかもしれないけど……あいつにゃそんな気配は微塵も無かったなぁ。
 なんか、あたしらパシリに父親がいたらあんな感じじゃないかって、そう思ってた時もある。
 そっかぁ、あいつのパシリかぁ。
 …あいつ、元気にやってるか?」
「はい。元気にやってます」
 妙な所でパパの昔を知りました。…なんか、今と変わってない様な気がしますが?
152パパと412(13):2007/06/01(金) 14:08:18.67 ID:VcQuHQFj

 リンゴーン、リンゴーン…

 時報代わりの、夕方を告げる鐘の音。
「あ、いっけない!早く帰らないとパパに叱られる!」
「「パパぁ?!」」とハモる430さんと450さん。
 …しまった、言っちゃった。気をつけてたのに〜。
「あっはっはっは、こいつぁいい!あいつが『パパ』か!」
 また大爆笑している430さん。穴があったら入りたいくらいに恥ずかしいぃ。
「あぅ〜…もう行っていいですか?」
「ああ。もうお行きよ、おじょうちゃん。アタシらに会った事は…」
「内緒にしますよ。だから、あたしがご主人様の事を『パパ』って言ったのも内緒にしてくださ
いね!」
 そう言って、私は走り出しました。このままじゃ、夕飯の用意が間に合わない!
153パパと412(14):2007/06/01(金) 14:09:36.03 ID:VcQuHQFj
「いつまで笑い転げてんだい?『狂犬』」
 詰め直したタバコに火をつけて、『女帝』はゆっくり煙を吸い込む。
「…いいじゃないか、別に」
 笑いの衝動が収まり、床に胡坐をかいた『狂犬』。
「どうだよ、『妹』に会った感想は?」
「今の所はなんとも言えないねぇ。どうだい、ご主人サン?」
 路地の奥から、頭が天井ぎりぎりの女性のシルエットが垣間見える。
 ここはパシリ専用通路だ。人間には天井も低すぎる。
「はい。あの子もいい具合に『壊れて』います。
 無意識のうちに、先ほど周囲にいたPMの中枢に瞬間的に割り込みをかけて、運動と記憶を制
御しています。
 あの騒ぎは、私たち以外は覚えていないでしょう。
 そして、ワンオブサウザンドという特異存在の検知能力を持っていることは疑いようもありま
せん。本来の能力は未知数ですが…
 …あの子もワンオブサウザンドです」
154パパと412(15):2007/06/01(金) 14:10:52.86 ID:VcQuHQFj
 吸殻を取り出し、再びタバコを詰めて火をつける『女帝』。
「監視をつけるしか無いかねぇ…」
「…そのほうがいいかもな…」
 ボソリと呟く『狂犬』に、驚いた表情を向ける『女帝』。
「どういう風の吹き回しだい?お前サンらしくないじゃないか」
「いや、別に。ただ…」
「ただ?」
「…PMとして幸せでいてくれたら、それでいい」
 立ち上がり服の裾をパタパタ叩くと、片手を挙げ手をひらひらさせたまま背を向けて歩き出す
『狂犬』。
 そのまま路地の奥に消えていった。
「…ふぅ」
 紫煙を吐き出し、吸殻を捨てる。
「伝えなくてよろしかったのですか?」
 『女帝』の脇に、片ひざをついて座る主人。
「あのおじょうちゃんの主人の事かい?」
「はい」
「もう一つの『ワンオブサウザンド』、不死身の『インフィニット』…過去の亡霊さね。
 言ったら、監視を付けろなんて言った事を撤回させるだろうねぇ、あの石頭は」
「だから、言わなかった?」
「ま、そういうことにしておこうかねぇ。
 ご主人サン、だっこしとくれよ」
「はい。…お疲れですか?」
 主人がそっと抱き上げた『女帝』から返事は無い。小さな寝息が聞こえてくるだけだ。
「私たちも帰りましょう、我が家に」
 主人の小さな呟きは、眠っているPMには届いていなかった。
155パパと412(16):2007/06/01(金) 14:13:06.15 ID:VcQuHQFj

 そっと入り口から中を覗く。
「…あっちゃぁ、パパがいる…」
 識別IDタグ反応が、部屋の奥に表示されています。
 場所は、キッチン。
 ふと、鼻をつく良い匂い。
 匂いにつられて部屋に入ってしまい、気がつくとパパの真後ろ。
「あ」
「を?」
 フライパン片手に、なにやら焼いている様子です。そしてこの香ばしい香り…
「香草入りオルアカハンバーグ…」
 私の大好物です。
 これにちょっと辛目のスイートベリー入りソースをかけると絶品です!
 じゅるっと涎が垂れるのを、ハンカチでぬぐいます。あぶないあぶない。
「遅かったな、ロザリオ…?何を背中に付けてる?」
「は?」
 首を目いっぱい後ろに向けて見ると、肩口に何か紙のようなものが…
 手を伸ばしますが、上手く取れません。
「回れ右!」
「はい!」
「…………………ロザリオ」
「はい?」
 紙らしきものが一体なんだというのでしょうか。
 ぴっとそれを剥がして、パパが私に渡してくれました。
「折角のお前の好物が食べられなくなりそうだな」
 紙には殴り書きでこう書いてありました。
『がんばれ、パパ(ハートマーク)(//〜"//)ププッw
   byあなたの430より、いろんなものを籠めて(//w"//)ケケケw』
「あ゛〜〜!!!いつの間に〜!!!」
「何処の430にこんな紙をくっつけられたんだ?お前は」
「…あの口の悪い430さんめ〜!」
 紙を持つ手がぷるぷる震えます。内緒だって言ったのにぃ!
「口の悪い430?…あなたの?……まさかな」
 なにかぶつぶつ言いながら、料理の続きをするパパ。
 約束破ったの、そのまま忘れちゃえ忘れちゃえ!
 約束破りは、次に大好物が出ても食べさせてもらえない!という決まりなのです!
 ソースが掛かった付け合せだけのおかずなんて、絶対いや〜!!!
 何かに祈りながら、私は夕食の時間をじっと待つのでした。

 ―――おしまい―――
156パパと412(おまけ):2007/06/01(金) 14:14:19.86 ID:VcQuHQFj

「ところでロザリオ」
「はい?(もぎもぎ)」
「クレスラインをちゃんと持ってきたか?」
「あ」(・・;)
「…明日はおやつ抜き」
「あ〜ん、そんな殺生な〜!」

 チャンチャン♪
157パパと412作者:2007/06/01(金) 14:22:18.33 ID:VcQuHQFj
投下完了。
我ながら長すぎだわ、こりゃ。
まだ改行おかしいし…次からUPローダーに上げるか…
158名無しオンライン:2007/06/01(金) 14:23:28.50 ID:SXlVgTnR
こっち(このスレ)に投下してくれると、専用ブラウザ利用者としてはログの確実な保存が出来るから嬉しいんだぜ
159パパと412作者:2007/06/01(金) 15:33:42.32 ID:VcQuHQFj
158>>
そうゆう事なら、次もがんばってあげてみようかなぁ。
次回予定というか、今回のネタにした作品があるけどまだ未完成だし。
…ネタ作品はもっと長いんだよな…原稿が合計60kもあるメモ帳って…
160名無しオンライン:2007/06/01(金) 16:20:15.92 ID:WHGB3ysJ
>>159
長い話を顛末矛盾無く、完結させる能力があることは素晴らしいですな。

まとめwikiも保管庫も、もう、更新が途切れになっちゃっているし、
個人的には>>158氏と同じ意見で、あぷろだよりもココに投下して欲しいかな。
後から読みたい作品が流れていたり、リンク切れになっていたりすると悲しいし…。
(スレに投稿された絵師様の絵とか、わんわんさんどの大作家様の作品完結編とか)

世間はふぁみつー週間。
ボーナスステージでは、我等が愛娘達の餌武器が大量入手可っ!
全国一億三千万人のパシリファンなら、いくしかないっ!
161名無しオンライン:2007/06/01(金) 23:47:46.64 ID:HtMOBGcw
くっ、たかが数日居なかっただけでここまで進んでいるとは流石はパシリスレ・・・

>>100
地味でフルフェイスでも引き立てるアモーレルの魔力・・・
だが目立つようになっても結局元が変わらないとダメってことかw

>>113
二つのAAくっつけただけなのに不思議と違和感無いのは何でなんだぜ・・・w

>>117
なんか部隊の上司と部下って感じしないなぁ、むしろ仲の良い仲間みたいな・・・w
とりあえずその写真を俺にも焼き増ししtうぼぁー・・・

>>136
>年端も行かない少女であろう彼女は下着姿で、細い両腕を背中で縛られ、
>おまけに顔面は『何か白いもの』をかぶってドロドロに汚れているのだ。
見える、見えるぞそのシーンがッ!ってかはたから見ればエロ過ぎるw
これはローグスBでなくとも袋叩きにされる・・・w

>「リリカル、マジカル……」
>「奥 義 ・ 甲 冑 割 ! !」
どこぞのリリカル・トカレフとか思い出した
自称魔法使いなのはそこに通ずるものがあるw

>>156
小ビス子氏のネタと言いつつ地味に俺が勝手につけた設定(異能体だとかナンバーだとか)も使われてて嬉しいんだぜ
ワンワンサンドの教育係のパパってのも面白いなぁ、諜報部でも色々な奴が居るって事かw

投下については俺もこっちで良いと思う、携帯とかで見てる人も居るだろし
しかし60kとは凄いなぁ・・・w
新しいネタが浮かんだら俺も書こう、てか早いとこあれも完結させないとなぁ・・・w
162名無しオンライン:2007/06/02(土) 17:37:08.24 ID:bkj05FHu
60kだと!?・・・俺の三倍じゃないか・・・。
二ヶ月かけて20k書き終えて、精魂尽きて止めたが・・・凄い奴がいたもんだ。
163名無し275:2007/06/03(日) 16:16:13.82 ID:q2MAoW92
たゆんx2と410の前スレ275す。
たまには王道みたいな事件?に巻き込まれて来いと、そんな訳で〜
いつもの様に適当に考えた物を投入…('A`)

「今日もボーっとしただけで終わりなんよー」
「最近は苦情も相談も全くありませんでしたから」
「てな訳でコルドバジュース買って帰るんよ」
「…そうは問屋様が卸さないようです、マスター」
「んー?」

私がそう言って路地裏へ顔を向けると、視界に怪しい黒い服装の男性が3人。
人より優秀な私の聴力が、男達の会話を途切れ途切れですが拾い上げます。
『…お転婆め、いい加減…』
『…無理に…連れて行く…』
何やら物騒な会話です、更に聞き続ける必要がありそうです。
『わたしは……なの…』
子供の声も!?会話の内容からして拉致の可能性もありそうです。
コレは拙いです、早速マスターに伝え行動を起こさねば、重大な事件となりそうです。
善は急げ、昔の人もそういっておりましたし。

「マスター、路地裏にて異変があるようです、子供が1人、会話と状況から…」
って…あれ?マスター?どこへ行ったのですか!?」

私が状況を報告しようと、隣にいる筈のマスターに声をかけると姿が消えてました。
「路地裏にて異変」のくだりまでは気配があったのですが…そして聞こえたのは

「とぉーーーーりゃーーーーーー」

普段より間延びしたマスターの声、素早く声の方向に振り向けば、
見事な跳躍とエグい角度で、男の後頭部にドロップキックを決めていたマスターの姿。
それから数秒後には、全てが片付いていましたが…
いつまでも呆けている訳にもいきません、私も急いで路地裏へと向かいました。
現場に着くと気絶している男が3人、そして困った表情のマスターこちらを向いてます。

「マスター?如何なさいました?」
「あー、それがややこしい事になってるんよー」
「なにをブツクサ言っておる!お主がのしてしまったのは、わたしのぼでぃがーどじゃ!」

マスターのいる反対側から例の子供の声が。
失礼ながらマスターの後ろからひょいと顔を出し、声の元を覗いてみると…
素人目に見てもお嬢様な、品の良いニューマンの女の子が怒った顔をして立っていました。
なにやら喋り方が古風な気もしますが、気にしないでおきましょう。

「どうしたらええかなぁー?正当防衛?」
「私に聞かれても困るのですが」
「…お主ら、わたしの話をきいておらんな??」

とりあえず、ややこしい事に巻き込まれたのは確かです。
後ろで倒れている男達を放置しながら、あさっての方向の会話が展開中。
間抜けと見るか異様な光景と見るか、それ以前にこれからどうしましょう?

「証拠隠滅ってやっちゃまずいんかなぁ?3人埋めるとかー」
「それは犯罪ですのでお辞めになったほうが賢明かと思います」
「二人ともわたしの話をきくのじゃー!!」

この騒ぎが収まるまで、もう少しだけ時間がかかるようです。
私とマスターとニューマンの女の子…というかお嬢様、一体どうなる事やら。
164名無し275:2007/06/03(日) 16:18:10.83 ID:q2MAoW92
「むぅ〜そこの銀髪おっぱい眼鏡!!わたしを早々にどこかへ連れて行くのじゃ!!」
「マスターをおっぱい眼鏡などと…」
「うるさい!わたしが連れて行けというのじゃ!はようせぬか!!!」
「マス『あー、それじゃここだと拙いから、とっとと別の場所に移動するんよー』

マスターはトンでもない事を言われても気にする様子も無く、私の言葉を遮り、
ニューマンの女の子の言うとうりに、移動を開始する事にしました。
お嬢様なのは間違い無いようですが、豪快なまでに我侭のようです。
ボディガードの方々も、どうやらこの我侭に振り回されてたようで…
一応、書置きは残しておきましたが、私達もこのお嬢様に振り回されそう…

「ほーらお嬢様〜肩車なんよー。たかいたかーい」
「わ、わたしを子供あつかいするのはやめるのじゃー!!」
「あっはっは、普段は410しか乗せない特等席なんよー」
「特等席…まあいいのじゃ、ゆるす!このまま行くのじゃ、はいよーしるばー」

前言撤回、意外とお嬢様のほうがマスターに振り回されてるようです。
戦闘力や統率力やたゆんたゆん以外にも、変なところで規格外なマスター。
このマスターに振り回されない人を見つけるほうが大変かと思います。

「そこな410とやら」
「?…はい?なんでしょうか、お嬢様?」
「うむ、お主の特等席を取ってしまってわるかったな…今回はゆるしてほしいのじゃ」
「あ、お気になさらずにどうぞ。お嬢様?実は素直な良い子なのではないですか?」
「う、う、うるさいのじゃ!」

図星を付かれ照れ隠しなのか、肩車の上でそっぽを向いているお嬢様ですが、
実は本当に素直で優しい良い子のようです。
この手のパターンは本で読みましたが、親が忙しさで子供を放置し我侭になり、
自由と刺激と…親の注目を集めたくてこのような行動を…そんな感じでしょうか?

「とりあえずー、もう夕方やしワシの部屋に行くことにするんよー?
それでと、あ〜410?晩飯なんか用意あるんかなぁ?」
「ヒュマ助飯店で購入した、コルドバサンドのテイクアウトが冷蔵庫にあるはずです」
「こるどばさんど?それは美味いものなのか??」
「あそこの店で作ったモンは、どれも全部美味いんよー?じゃあ明日一緒に食いに行くんよ」
「ふーむ、わたしの舌はそうとう肥えておるぞ?」
「大丈夫ですよお嬢様、あそこの料理人の腕はグラールで1、2を争うかしれません」
「ふーむ、それほどの者ならきたいできそうなのじゃ」

そんな話をしてる内に、マスターの部屋に到着です。
肩車からおろされたお嬢様は、部屋を珍しそうに見てますが…
まあ次に予想できるお嬢様の言葉とすれば…

『このような狭いところによく住めるものなのじゃ』
ああやっぱりそう来ますか…予想どうり過ぎて笑いがこみ上げそうです。

「こら!410何を笑っておるのじゃ!」
「いえ、なんでもありませんよ?」

そんな会話をしていると、背後に気配が。振り向けばマスターが既に全裸で
ニヤニヤしながら私達を見つめていました。
「ほーら二人ともー?埃っぽいトコおったしなぁーまとめて一緒に風呂に入るんよー
女の子はちゃんと綺麗にしなきゃ駄目なんよーさっさと服を脱ぐ脱ぐ〜ぽいぽーい!」
「「ひゃぁぁぁぁああ!!」」

何故かデジャブを感じる光景ですが、3人そろって風呂に直行と相成りました。
しかし…相変わらずのたゆんっぷりですが…隣のお嬢様も表情を見る限り、
改めてマスターのたゆんたゆんに目を奪われてるようで…とにかく風呂へ行く事に。
165名無し275:2007/06/03(日) 16:21:25.49 ID:q2MAoW92
「浮いておるな…」
「浮いてますね…」
「?」

無論、浴槽に浮かぶマスターのアレのことですが。
私が背中を流してあげているお嬢様も、同じ意見のようです。
気づかぬはマスターだけのようですが…

「二人ともー、ちょいと狭いけど、さっさと浴槽に入るんよー」
「了解しました、マスター」
「入れるのかのう??」

ちゃぷーんx2
「ほーら、ワシの膝の上に乗れば大丈夫なんよ?」
「私はいつも道理です、お嬢様どうですか?」
「ぷにぷになのじゃー、しふくなのじゃー」

マスターの膝の上に私とお嬢様、そして…あのたゆんたゆんの上には
片方ずつ私とお嬢様の後頭部が乗せられている訳で…正に言うとおりの至福です。
最初に会った時の我侭は何処へ行ったのか、今ではおとなしく言う事を聞いている
お嬢様を見て、失礼ながら妹が出来たかのように心の中で喜ぶ私です。

「はやくもってくるのじゃ〜♪」
「焦らなくても大丈夫ですよ?晩御飯は逃げませんから」
「お待たせなんよーお嬢様方〜〜」」
「マスター、何故にアモーレルを着てるのですか…」
「お嬢様にはメイドが基本なんよー、あっはっは」
「おおー、似合っておるのじゃ」

飯店で購入したコルドバサンドを3人で食べました。
舌の肥えたお嬢様もご満悦のようで、私の分を半分あげると喜んで完食。
そしてお腹が一杯になったのか、お嬢様の頭は、うつらうつらと船をこぎ始めていました。

「眠いのですか?」
「むぅ〜眠く…ないのじゃ〜〜ひとりでねるのは〜もう嫌なの…じゃ…」

眠そうな目をこすりながら、初めて自分の本音をかいま見せてくれたお嬢様。
マスターはそれに答えるように笑顔でお嬢様に言いました。

「大丈夫なんよ、ここでは皆一緒に寝るのがルールなんよー」
「その通りです、いっそ甘えてしまって良いんですよ?お嬢様?」
「むぅ〜〜…それじゃあ〜〜抱っこして〜寝床まではこぶのじゃー…」
「お安い御用なんよー」

言うと同時にマスターはお嬢様を抱っこし、そのままベッドへと。
私はそれよりも先にベッドへ向かい、皆で一緒に寝る準備をする事に。
お嬢様はマスターの上にしがみ付き、胸に顔を埋め『柔らかくて温かくて良い枕じゃ…』
と呟くと同時に、笑顔のまま寝入ってしまいました。
ソコは私の定位置なのですが…寝入ってるお嬢様の笑顔を見ると頬が緩んでしまい
勝手ながら、妹には良い思いさせてあげようと、そんな思いが浮かびました。

「ほら410も早くこっち来るんよー」
「判りましたマスター、では失礼します…」

空いている脇のスペースに潜り込み、横からマスターに抱きつきます。
こういうのも良いものですね。
明日は色々とありそうですが、今は寝る事にしましょう、お休みなさいませ…
166名無し275:2007/06/03(日) 16:27:17.33 ID:q2MAoW92
てなもんで、何となく一部投入してみやした。
よくある話を元にちょこちょこって感じで。
こっそりヒュマ助飯店様の名前も出したりしてます。
ご容赦の程を…

今後の展開。
良い考え浮かんだらおりゃーと書いてきたいです。
…書いてる本人もキャラに振り回されます。
おのれおっぱい眼…ぎゃー。
167名無しオンライン:2007/06/03(日) 23:43:33.26 ID:2bvGTxlY
眼鏡+キョヌーは良いものだと思います
168パパと412作者:2007/06/03(日) 23:43:57.08 ID:TA42ok3y
>>166
 たゆんたゆんの胸は、もはや凶器レベルだと思う今日この頃。
169名無しオンライン:2007/06/04(月) 04:34:37.18 ID:rVoz8U5x
>>166
たゆんメガネもいいがお嬢様いいねお嬢様
とりあえず両方まとめて貰っていきたいぜw
170名無しオンライン:2007/06/04(月) 20:35:01.98 ID:Trj8UQy7
>>168
にゃんぽこトラップって…w
自分の書いたこたつネタが一般化しててワロタw

若ネーヴの話も完結させたし、続き書くかねえ。
171(1/2):2007/06/04(月) 22:33:02.05 ID:iB57/B0x
『その時』というのは往々にして唐突に来るものです。


今日、いつものように帰宅したご主人様は、
私にアイテムを預けた後、一枚の基板をセットしました。
とても容量の小さい、分かりやすく言うと使用可能数1の基板です。
ヴァーラクロー?それともクバラの杖基板でしょうか。
改めてチェックしてみると、GRM純正。ツーヘッドラグナスでした。

ご主人様が言うには、今回期間限定で公開されている最新のVRミッションでは、
一部のSランク基板が割と容易に手に入るのだそうです。
しかし、今まで超高値で取り引きされていた貴重な基板がそんなに出てくるなんて、
GRMなのかガーディアンズなのか知りませんがどこに持っていたのでしょう。酷い隠しようです。
開発に協賛した、グラール最大規模のメディア・確定脳社の圧力と言う噂もあるのだそうですが…

まぁそんな事より、これは私にとっては初めてのSランク合成です。
Sランクと言えば、基板が余りにも貴重なのに成功率も完全ではなく、
辛い思いをして漸く入手し、一気に跳ね上がったモチベーションを、
失敗で一気にどん底まで叩き落とすジェットコースターとして知られています。
そのまま文字通り「帰らぬ人」となったガーディアンも少なくありません。

いつかは来るかと思っていた『その時』が…

とは言え、ご主人様は
「これに限ってはそこまで貴重な物でもなくなったから気張らなくて良いよ」と言ってくれました。
良かった…

と、そこへ二人のお客様がいらっしゃいました。
小柄なキャストの女性と、平均身長ぐらいのニューマンの女性です。
私も何度かお目にかかっている、ご主人様の仕事仲間の方達でした。
ご主人様は二人を出迎えると、三人で部屋の奥へ。

奥から聞こえてきた話し声によると、
ツーヘッドラグナスの材料のカティニウムが最安で78000メセタだとか。
今まであんまり価値の無かった高級素材が、この騒動で本格的に高騰しています。
どうやらお二人は、ご主人様に頼まれて余っていたカティニウムを持ってきてくれたようでした。
基板が貴重じゃなくなったら今度は素材が…いやいや、まだこの位の額なら…

ニューマンの女性は、交換レートにニュー・エボン×99だとかチコタイト×99だとか言っていました。
流石にそれは78000メセタを越えるんですけど…
勿論冗談だったらしく、結局、半分貸しでチコタイト×9との交換ということで落ち着いたようです。

キャストの女性は、今回のVRで比較的簡単に手に入るセプター複数と交換してくれました。
良い人です。
でも、今更セプターを何に使うのでしょうか。
餌としての需要が結構あるとは聞きましたが、あの方はPMは持っていたはずです。
転生が云々聞こえましたが…
あ、きっと+10まで磨いてキャストGTとして生まれ変わるのですね。
そうに違いない。うん。
172(2/2):2007/06/04(月) 22:33:58.35 ID:iB57/B0x
トレードを終えて暫く雑談した後、お二人は帰って行かれました。
そして、ご主人様は私にアイテムをくれました。
景気づけに食べて良いそうです。

あっ 美味しい

ナノポリマーでした。
美味しいですけど、武器合成前に防具素材というのも変な気が…
防具…そういえば私はGH441、普通なら防具合成をする可能性の高いPMですね。
特化ではない打撃型…しかも打撃89ですらないですね。
いやいや、何を今更でしたか。これでも打撃武器最難関のカリバーンも成功した身ですしね。
大丈夫大丈夫。

こうしていよいよ合成開始。S基板にカティニウムをその他諸々をセット。

「さて、気が散るだろうから少しミッションに行ってくるかな。
 流石に24時間外出しているというのは無理だけど…」
ご主人様はそう言って軽く笑うと、出掛けていきました。
杖一式と愛用のアルテリックを持って。

そう、今のご主人様はフォルテクター。
それ以外の時もフォルテファイターかウォーテクターかプロトランザー。
そもそもツーヘッドラグナスを装備できるファイガンナーではありません。
だから、もし合成に失敗してもショックで引退とかは無いはずです。
ええ、無いはずです。

基板も素材も何とかどうにかなるし、失敗しても引退とかはないはず。
だから、私は落ち着いていつも通りの合成をすれば良いんです。
出来る限り成功、もし可能ならば高属性。
それで良いんです。


ふぅ…





…どんなに言い聞かせても手の震えが止まりません、誰か助けて…


173名無しオンライン:2007/06/04(月) 22:34:30.91 ID:iB57/B0x
さて、どうなるだろう…

ところで今日の緊急メンテ終了告知の一番下の部分…
ttp://phantasystaruniverse.jp/news/wis/?mode=view&id=341
こう言うの告知し忘れるなんてドジッ子過ぎてオワタって感じですが、
これで好き勝手どんなところにでもパシリが連れ込めますね。
パシリ連れ周回ようやく始まった…!
174名無しオンライン:2007/06/05(火) 02:59:45.61 ID:AvC7V27G

「じゃじゃーん!420チャンネルー!
 えーと、この放送はしちょーしゃから送られてきた質問に答えるラジオでーす!
 もうがんがん答えちゃうよー!んじゃ最初のお便りからー」

『バルサミコ酢って何でしょう、気になって夜も眠れません!』

「バルサミコス・・・ばるさみこす・・・うん、バルサミコス強いよね! 私も結構苦戦したした!
 ニューデイズの寺院で戦ったんだけど火吹いたりとかしたしね!
 みんなもばるさみこすと戦う時は気をつけてね、毒とか吐くから! んじゃ次のお便り〜」

『ちかごろにゃんぽこトラップとか言うのが流行ってるみたいですがうちの420が良く引っ掛かっておつかいから戻りません
 どうすれば引っ掛からずに部屋に戻るようになるでしょうか』

「にゃんぽこトラップ・・・それは『シュク・リーム』なんかの甘いお菓子!
 そしてぬくぬくホコホコのピラミッド『コタツ』! そしてコタツとセットで効果倍増の『ミカン』!
 私たち420がそれが罠だと知りつつも引っ掛かってしまうのは、そう、言わば宿命のようなもの!
 更に『アイスキャンディ』なんて加われば・・・うん、私でも引っ掛かるねこれは! さーて次のお便りは〜」

『最近街で見かけたたゆんたゆんが気になって仕方がありまs』

「ビリビリ・・・はい次のお便り〜」

『最近ご主人様がミッションに出かけっぱなしで部屋に帰ってきてもすぐ寝てしまって全然相手にしてくれません
 どうすればご主人様の気を引けるでしょうか』

「うん、いい質問ね! そう言えばうちのマスターも最近ミッションに行ったりであんまり相手にしてくれないんだよねぇ・・・
 あっと、質問の答えだったね、まずマスターの気を引くなら部屋に戻ってきた時に一緒にベッドにもぐりこんでぇ(ピー!)とか(ズキューン!)とか〜」

(ピンポンパンポーン、少々お待ちください)

「むー、放送禁止用語ってなにさ全く・・・あっと、もう終わりの時間になっちゃった、それじゃ今週はこれでおしまい!
 420チャンネルではみなさんの質問をお待ちしております! こちらのあて先にメールやお便りでドシドシ送ってください!
 それじゃ、また来週をお楽しみにー!」



「(ん、なになにスタッフ〜? え、ばるさみこすってお酢?
  あちゃ〜ちょっと間違った。 えっと、ついでに生放送だからカットも出来ない?
  ん〜まあ言っちゃったものは仕方ないし次から頑張ろー!)」

世にも愉快な420チャンネル・・・続く?
175名無しオンライン:2007/06/05(火) 03:03:57.37 ID:AvC7V27G
何故か思いついて書きなぐり、長編シナリオに行き詰まって血迷ったが後悔はしていない・・・

>>173
珍しく普通の合成に見せかけてかなりの精神的負担のかかる合成・・・w
成功率は低くないが損失を考えると確かにでかいよなぁ・・・w

ところで今回は合成中に服h(うわなにをするよんにいz
176パパと412作者:2007/06/05(火) 17:32:09.05 ID:5idQqfLi
>>174
読んでいたら、ニヤニヤ笑いが止まらなくなりました。

>バルサミコス・・・ばるさみこす・・・うん、バルサミコス強いよね! 私も結構苦戦したした!
>ニューデイズの寺院で戦ったんだけど火吹いたりとかしたしね!
>みんなもばるさみこすと戦う時は気をつけてね、毒とか吐くから!

そんなお酢見たことねー!だ、だが何か強そうだw

(ちょっと笑いすぎた、息を整えないと本題に入れんじゃまいか)


さて、パパと412とヒュマ姉さん+440の過去編が完成しました!
パパとヒュマ姉さんが実名で登場です!ドウシテモホカノヨビナガオモイツカナカッタノヨ…
両方とも俺の持ちキャラだから、被害受けるのは俺だけ!って、いいのか俺!!

さて、いざ投下しようと思いましたが、ここで問題発生です!
原稿チェック終わって確認した所、合計約98.3Kあります!
平均10Kメモ帳10枚分、どうやって投下しましょうか…本気で困ってます。

とりあえず、前もって借用ネタを報告します。
いつもながら偉大なる小ビス子氏、若ネーヴ(アレは良作だぜ)作者さま、近作では420姉妹などなど、
その他過去スレから多数を(もしかしたら気づかないうちに)お借りしております。

もちろん、俺の身内(個人的付き合いの電源不要の仲間どもですが)にしか分からないオリジナルネタも使っておりますが、
気にせずご拝読下さいませ。
177パパと412作者:2007/06/05(火) 18:07:07.49 ID:5idQqfLi
>>174の420は絶対裏パシ通が愛読書だ、そうだ、そうに違いない…ブツブツ、え、あ、もういいの?始まってる?)

…失礼しました、パパと412作者です。

大容量ですが、きりのいい所で細切れにして投下することに決定しました。
どうなるかはやってみないとわかりませんが、お付き合い下さいませ。

『暁の中で』投下を開始します。
178暁の中で(1):2007/06/05(火) 18:10:40.44 ID:5idQqfLi
 山と詰まれた死体、死体、死体…
 敵と味方から滲み出した、おびただしい量の血と油
 破壊されつくした町並みや自然
 まとわりつく敵、敵、敵…
 致命傷を何度も喰らい、全身自分の血でまみれている
 しかし自分は立っている
 残っていたのは自分一人
 気のいい仲間達は、山の中に埋もれている
 なぜ、俺は生きている
 なぜ、俺は死なない

 そうだ、これは夢だ
 ずいぶん昔の夢だ、夢なんだ…

 …パ………パp…

 誰かの声がする

 …パパ……

 俺には子供なんていない
 お前は誰だ?

 …起きて、パパ。悲しい夢から醒めて、起きて…

 声はいつしかパートナーマシナリーの姿を取り、近づいてくる

 …あたしはずっと一緒だよ
 …黄昏は暁に変わったんだから
 …明けない夜は無いんだから
 起きて、パパ…
179暁の中で(2):2007/06/05(火) 18:12:26.57 ID:5idQqfLi
pipi、pipi、pipi、……
“おはようございます。2月9日、コロニー標準時0900です”

「パp…じゃ無かったご主人様〜、時間ですよ〜」
 PMの声がビジフォンの目覚し機能の音と重なる。

ゆさゆさ、ゆさゆさ

 久々にひどい夢を見た。
 戦場でただひたすら戦い続けていた、あの頃の夢だ。
 この夢を見た後は決まってクタクタだ。
 寝ていても気力と体力をごっそり持っていかれるので寝た気がしないし、気が付けば全身冷や汗をかいている。
 起きる気配が無い俺を起こそうと、PMが小さな手で揺り動かしながら、言うなと散々注意した呼称で呼び起
こす。
「パパ〜、起きて下さい。そろそろ本部に向かわないと、ちこくですよぅ」
 俺の体を揺り動かすPM−412が、心配げな声をあげる。
 ため息のような大あくびをし、腕を伸ばしてベッドの脇で俺を揺らし続けるちっこいPMの頭をぐりぐりと撫
でてやる。
「目は醒めている。だから揺らすのはやめろ、ロザリオ」
「わぷっ、あぅ、ぐりぐりするのやめて、痛いです〜」
 時折、ちょっとねじの抜けたようなしゃべり方をするのがこいつの癖だ。
「それから『パパ』は止めろと何度も言った筈だ。約束だろう?」
「そんなこと言ってもパパはパパですよぅ」
 そう言って頬を膨らませる彼女の頭を撫でるのをやめ、軽くぽんぽんと叩くとベッドから身体を起こしてドレッ
シングルームへと向かう。
 冷や汗と共に、夢で感じた不快感を洗い流したかった。
 備え付けのシャワーを浴びて身支度を整えていると、かすかに頭痛を感じる。
 これは、『あいつ』が起きたときの合図だ。
180暁の中で(3):2007/06/05(火) 18:14:08.09 ID:5idQqfLi
pipi、pipi、pipi、……
“おはようございます。2月8日、コロニー標準時0901です”

「おはようゴザイマス、ご主人様。体温、血圧、共に良好でス」
 あたしのPM――いまだGH−101――の声がビジフォンの目覚し機能の音と重なった。
 金木犀に似せた覚醒作用のある香料が鼻腔をくすぐる。
 あたしのお気に入りの香りだったりする。
「おはよう、『お留守番』」
「おはようゴザイマス。
 そろそろ目覚まし用の香料が切れますので、補充してくださイ」
 しょうがない、また体当たりで起こされたんじゃ、身が持たない。
「はいはい。じゃ、ちょっとこっちに来て」
 お留守番と名づけたこの子がろくに進化していないのは、あたしの服道楽の所為なのよね。
 文字通り手も足も無いこの子は最初の頃、起きないあたしに体当たりという豪快な手段でモーニングコールを
してくれたもんだから、しょっちゅう痣やたんこぶができるという外聞的にはずかしい事になっちゃって。
 まだ耳を引っ張られるほうがましな気がする…
 もう痛い目は見たくなかったので、当たり障りの無いオプションの目覚まし装置(芳香剤式)を導入したけど、
それでも時々体当たりで起こしてくれたりするし(「いくら起こしても起きないご主人様がいけないんデス」:101談)。
 早い内に進化させよう…。
 唐突に、意識に触れてくる感触。
 言葉には表せないが意識通信特有の感覚が伝わってきた。

 私達『黄昏の一族』―――ヒューマンの歴史が終わると思われていた500年戦争初期にヒューマンの切り札
として作られた、ニューマンやビーストとは違う遺伝子改造と旧時代のナノマシン投与によって戦闘能力を人工
的に強化された改良種族…『戦闘ヒューマン種』とでも言おうか、既に数えるほどしかいないその末裔たち――
―に埋め込まれたナノマシンネットワークによる意識通信機構、俗に『テレパス』と呼ばれる通信手段だ。

(起きたか、リズ。今日の予定は?)
 今日は向こうが起きるほうが早かったようね。
(おはよ、ルドルフおじ様。メール見てから決めるわ)
 ベッドから起きると、パジャマを脱ぎながらドレッシングルームへ向かう。
 起き抜けのシャワーを浴びて身体を完全に目を覚まさせるのが日課になりつつあった。
(暫く本部からのミッションで部屋を空ける。何かあったら連絡してくれ)
 あらら、返答をする前にリンクが途絶えちゃった。
 あたしの日課を知っているので、必ず意識を切り離すのよね。
「おじ様も妙な所で律儀なのよねぇ」
 そうつぶやいて、あたしはクスクス笑った。
 もっとも、20秒以上繋いでいるとひどい頭痛と吐き気に苛まされるんだけどね。
 その効果たるや、極度の宿酔いに匹敵するのだ。
 ああ、思い出したくも無い。
181暁の中で(4):2007/06/05(火) 18:17:04.37 ID:5idQqfLi
「…パ?……パパ?メールが来てるよ」
 意識を引き戻すと、ロザリオが服の裾を引っ張っていた。
 表情に翳りが見て取れる。
 困惑と、恐怖。
 それを打ち消してやるように微かに微笑んで、頭を撫でてやる。
 それでやっと落ち着いたのか、いつもの表情に戻った。
「またお姉ちゃんとお話?」
「…ああ、そうだ」
「お話する時はちゃんとお部屋でしてね、って前にも言ったよ?急に静かになると心配なんだから」
 俺を見上げながら人差し指を立て、しかめっ面を浮かべるとその手を振る。
「分かった分かった、そう怒るな」
「ほんとうですか?前も言いましたよ?」
「分かったって。次から気をつける」
「…約束ですよ?じゃ、おせんたくしますね〜」
 着替え終わった俺のパジャマなどを拾い上げるとテキパキと全自動洗濯機へ放り込み、風呂場を掃除する彼女。
 その動作はよどみない。
 俺は溜息をついた。
 言動はまるで子供だが、その行動はPMそのもの。
 俺が『教育』した分を差し引いても、そのギャップにはなかなか慣れる事が出来ないでいた。
 成長すればいずれはそのギャップも埋まるだろうが、すぐにという訳ではない。
(まぁ、確かに見方を変えればこいつは欠陥品だな。
 しかし、こいつを『育てろ』というのは…。
 俺にとっては渡りに船だが、GRMもガーディアンズ諜報部も本当に何を考えている?)
 風呂場からお湯を流す音と歌声が聞こえてくる。
「は〜い、はは〜い、ははは〜い♪
 いつも元気な410ぅ〜♪
 おこた大好き420ぅ〜♪
 ちょうちょ追っかけ430ぅ〜♪
 すぐに迷子の440〜♪
 ちょっとおませな450〜♪
 ごっ主人さま〜は大好きだけど、
 今日はこっそり抜け出してぇ、
 みんなでいっしょにあっそびましょ〜♪
 パシリといっしょ、
 パシリといっしょ、
 パシリといっしょに
 あ・そ・び・ま・しょ〜!♪…」
 「パシリといっしょ」とかいう子供番組のテーマソングを大声で歌いながら掃除している小さなPMの背中を
見ていると、心中複雑な思いだった。
(こいつが本当に『狂犬』達と同じワンオブサウザンドなのか?)
 ふと、『あの時』の事が脳裏をよぎった。
182パパと412作者:2007/06/05(火) 18:24:00.17 ID:5idQqfLi
プロローグの投下完了!
一度に上げられる回数を考えるとこんなものでしょう。
ある程度の時間を見ながら、順次UPしていきますのでご了承のほどを。
183パパと412作者:2007/06/05(火) 19:21:14.14 ID:5idQqfLi
さて、大して時間も空いてませんが『暁の中で』2回目の投下です。
184暁の中で(5):2007/06/05(火) 19:24:23.53 ID:5idQqfLi
GRM情報部部長に直々に呼び出されるのは久しぶりだった。
 以前呼び出された時の部長はとっくに引退し、3度は入れ替わっているはずだ。
 確か、今の部長は年若い女性のニューマンだと聞いていた。
 部屋にすぐさま通され、挨拶もそこそこに任務を告げられて困惑した。
「……PMの回収、ですか?」
 普段ならまずやらないが、この時は珍しく聞き返していた。
 標準的な身長の女性ニューマンの情報部部長―――俺よりは“かなり”若い―――は器用に片側の眉を上げ、
驚きを表した。
 そして、何事も無かったかのように話を続ける。
「そうだ。
 例の課金騒ぎで辞表を出した同盟軍出身者のガーディアンズ、彼らに支給されたPMを全機回収する」
 俺を興味深げに見上げながら、なにが可笑しいのかクスクス笑う。
「名目上は本社からなんだが、実の所は同盟軍からの要請でね、機密情報の漏洩を危惧してとの事だ。
 まあ、近いうちに未使用区画となった彼らの居住区画を処分するという話が持ち上がっているからな、情報漏
えいの有無を確認したいんだろう。
 ガーディアンズのほうは了承済みだ。
 この所、我々の後ろ暗い話も数多く挙がるようになったが、断って世間に対する心象を悪くする必要も無いと
いうのが向こうの本音だろう」
 彼女は席から立ち上がり、俺の傍まで来るとしげしげと観察し始めた。
 どうみても色めいたものはなく、研究者としての眼差しだった。
「私としてはどうでもいいのだが、これも仕事だ。こなさねばならん」
 俺の腕を取りながら、話が続いた。
「それよりも、私は君の事を研究してみたいね。
 都市伝説とも言われた『黄昏の一族』がこうして実在しているのだから。
 その中でもイレギュラーと呼ばれた『ワンオブサウザンド』の一人、“生還者”“不死者”とも呼ばれた男。
 コードネーム『インフィニット』…」
 瞬間、俺の腕をつかんでいた彼女の手が俺の腕から弾き飛ばされ、バランスを崩してたたらを踏んだ。
 別段、俺が意識的に倒そうとした訳ではない。
 単に怒声を堪える為に「掌を握りこんだ」だけであり、その時の筋肉の反動で彼女の腕がはじかれたに過ぎない。
 彼女は、後ろにあったソファーにひざ裏を引っ掛けた。
 白衣にタイトスカートのスーツと長めの薄い手袋、ハイヒールという非活動的な格好ゆえ、バランスを崩した
まま後ろ向きに倒れかける。
185暁の中で(6):2007/06/05(火) 19:25:30.12 ID:5idQqfLi
 反射的に伸ばした彼女の腕を俺が捕まえ、そのまま強引に引き上げた。
「…引継ぎの時に聞かなかったのか?俺をその銘で呼ぶな、と」
 背筋が凍りそうな、抑揚の無い俺の言葉に彼女は息を呑む。
 殺気というよりは濃密で冷たい怒気に、空間が凍りついたような錯覚が起きる。
 そのまま更に引き上げ、腕で宙刷り状態にする。
 悲鳴を上げるまもなく、苦痛のうめきが口から漏れた。
「や、止めて…もう…言わ……ない」
 その言葉を聞き、ゆっくりと彼女をソファーに下ろす。
 すると、腕全体を抱えて上半身を屈めた。
「…詳細は……机の上のメモリスティックに…入っている。…それを見てくれ」
 俺はうつむいたままの彼女にかまわずメモリスティックを手に取り、部屋を退出しようとした。
 が、背中に視線を感じ、振り返る。
 視線の主である彼女の顔には苦痛に加え、恐怖、憎悪、嫌悪といった負の感情が入り混じっていた。
「ばけものめ…」
 その呟きはやけにはっきりと耳に届いた。
 俺はその言葉に対して何も言わなかったし、反応を示すような表情を取った覚えはなった。
 扉が閉ざされる瞬間に見えた彼女の表情には驚愕と後悔が浮かび、何かを言おうとして唇が動いていたが、す
でに閉まった扉に遮られた。

「久々にやっちまたか…」
 俺はGRM内にある社員食堂でホットショコラの入ったカップを手に、深々と溜息をついた。
 どうにも、過去に触れられると激高してしまう。
 フフ、と自虐的な笑いを浮かべ、片手で顔を隠すようにして俯いた。

―――皮肉なもんだな。500年以上も経つのに、俺は未だに『ワンオブサウザンド』の呪縛から逃れられない
らしい―――

 先ほど持ってきたメモリの内容を思い返すと、更にその顔の翳りが増した。

『元同盟軍のガーディアンズに奉仕していたPMを回収、並びにGH-410、識別番号GST685-F9を鹵獲せよ。
 同個体は異能体――ワンオブサウザンドと予想される。
 いかなる手段を講じてでも確実に遂行せよ』

 ホットショコラを一気にあおり、薄いプラカップを握りつぶす。
「…くそったれが」
 甘ったるいはずのホットショコラは、苦味しか感じなかった。
186暁の中で(7):2007/06/05(火) 19:29:08.63 ID:5idQqfLi
 今の俺は『黄昏の一族』以外に3つの肩書きを持っている。

 表の顔としてのガーディアンズ機動警備部隊員。
 裏の顔としてのガーディアンズ諜報部特殊諜報班潜入捜査官。
 そして、GRM情報部ガーディアンズ専任特別諜報官。
 どんな理由かは定かじゃないが、裏じゃ水と油の組織から肩書きをもらって生きているなんて奇跡に近い。
 大分好き勝手をやっては来たが、今の所はどちらからも処罰や処断を食らったことは無い。
 
 今でこそこんな肩書きを持つ俺だが、それまでは過去を知られないようにひっそりと暮らしていた。
 とはいえ、生来の能力ゆえか、つける職業は血なまぐさいものがほとんどだったが。

 十年近く前、ある筋から中期契約の仕事を請けることが決まった。
 なんでも、GRM研究施設の警備主任だという。
 近々大きな研究が始まるのでその為の警備の強化が必要になったとか言っていたが、後になって部下から話を
聞くと、警備主任が内部鎮圧作戦で死亡したという事だった。
 記録によれば、『異能力サンプル躯体の暴走による事故死』となっている。

 死亡原因は、PM初の異能体……通称『ワンオブサウザンド』による人間への攻撃だった。
187暁の中で(8):2007/06/05(火) 19:30:59.44 ID:5idQqfLi
 俺が実際にPMを初めて見た時は、GRM研究施設の警備主任として着任した日だった。
 そもそもはPMの研究棟内で研究主任を警備する羽目になったからだが、どうやら研究主任は俺とPMを出会
わせて反応を見たかったらしい。
 研究者の『好奇心』というやつは今も昔も変わってない。そして、俺の記憶の中にある研究者の『好奇心』に
は不快な思い出しか無い。
 研究主任の思惑など知らず、研究棟内を歩き回るPMに俺は出くわした。
 最初は、何で子供がうろついているのかと不思議に思って問いただしたが、初期の彼女たちは嫌悪の表情を取
り繕う事もなく、なんともそっけない態度で「稼動試験中です」という言葉だけを繰り返していた。
「なんです、今の『物体』は?」
 人ではないと直感的に理解できたので研究主任に問いただすと、
「あれが私達の作っている『娘たち』だよ」
 ただの事実であることだけが強調された、感情のこもっていない答えが返ってきた。
「知性に関してはキャストの規格以下のスペックを持つ、小型キャストとでも言えばいいのか…。
 初期状態からアイテムを投与することで成長し、最終形態としてあの幼女の姿をとる生活支援機械。
 パートナーマシナリーといえば、聞いたことくらいはあるだろう?」
「はい。何でも感情を持っているという話でしたが…確か、一時期人権問題で騒がれましたね。
 現物を見たのは初めてですが」
 俺のその言葉に、初めて研究主任に表情が浮かんだ。
 目を細め、何かを噛みしめるように。
 苦虫を噛み潰す、まさにその表情だった。
「ああ、そうだ。
 『彼女達』は知性体としての基準である『得られた情報を元にして、次の新たなモノを創造する能力』を持ち
得ないからな。どう足掻こうが、人権を得ることは不可能だよ。特に、差別意識の強いキャスト達から見れば、
感情を持った出来損ないでしかないからな。
 最後まで感情を持たせることに反対した『彼女たち』の生みの母であった私の元上司は、大分前に心労でここ
を辞めたよ。
 あの騒ぎは、あの人の命日だった…」
188暁の中で(9):2007/06/05(火) 19:32:10.96 ID:5idQqfLi
 そんなある日、本社の幹部がここを訪れた。
 無論、俺には警護任務が廻ってきた。上に立つ人間の警護には、責任者の出番というわけだ。
 棟内の視察と研究成果を確認しながら、広い研究棟のあちこちを廻る。
 先導する俺などいないかのように向こうはお構いなく動き、俺もお偉いさんの気を惹かない様に警護を続けた。
 お陰で、色々な話が耳に入ってきた。
「…という事なら、2体目はまだ確認はされていない、そういうことだね?」
「はい。未だにどういう条件で目覚めるのかも、どのような能力を発現するのかも全てにおいて不明です」
「が、それらの能力を意図的に再現できなければ、研究の意味は無いぞ。
 ガーディアンズも、あの存在に気づいている」
「企業にとって有益であるものは何でも使う…企業の理念は我々も理解しています。
 ですが、感情プログラムを持たせたがゆえに発生する、数万体に一体の確率で現れる奇跡的『欠陥』能力を持
ったPMを見分けるのは現状では不可能です。
 あまりに範例がありません、今しばらく時間がかかります」
「ワンオブサウザンド――ふん、我が社の命運を分ける存在が、たかがパシリとは皮肉だな」

―――ワンオブサウザンド―――

 かつて己を示し、呪縛した言葉。
 その日の俺はそれ以後の記憶が曖昧だった。
189暁の中で(10):2007/06/05(火) 19:33:32.12 ID:5idQqfLi
間も無くして、俺は契約を途中で打ち切った。

 その後、数少ない周囲の反対を押し切ってガーディアンズに入った。
 自己満足だと分かっていたが、世に出たPMに少しでも近い位置から守ってやりたかった。

 心があるPM達に、戦闘兵器だった己と同じ苦しみを味わせない為に。

 年月なんて、あっという間に過ぎていった。
 ガーディアンズに入ると、色々うわさのあった諜報部入りを志願した。
 主人に売り飛ばされ、呆然としていたPMを回収した。
 形も分からない主人の死体の前で呆然としているPMを保護した。
 進んで彼女らのバックアップをした。
 散々煙たがられたし、何度も殺されかけた。
 一度は本当に殺された。
 助かったのは、この呪わしき身体のおかげだ。
 任務の度にわざとそっけない扱いをし、自分の気持ちを悟られないようにしていたが、いつの頃からか、口う
るさいものの彼女らのとげとげしさが和らいだ。
 何処かでばれていたのかもしれない。

 そして…GH-410、識別番号GSS988-B2。
 あの時の女性ニューマンとGH-410の表情は脳裏に焼きついている。
 交渉に赴いた時に見せた、買収に応じなかった彼女達の怒りと苦悩と悲しみと…
 去り際のGH-410の「心遣い、ありがとう」という呟きと両目を閉じたままの悟ったような微かな微笑み。

 その後の、『狂犬』の任務失敗と離職願い。
 あの時、新しい部長は条件付でそれを受諾した。
 その真意は測りかねる部分もあるが、あの時の俺は胸の内で喜び、明るい未来が訪れるよう聖霊に祈っていた。
 今、あいつは幸せにやっているという。

 そして俺は、特殊後方支援班と呼ばれた、彼女らを管理する部署から外された。
 一体になったPMを管理するのにたくさんの人手は必要ないという、いわば規模の縮小による人員削減。
 残留を希望した嘆願書を出したものの、部長はそれを見ることもなく新しい部署への転属を命じた。
 たった一人残されたあいつが心配だった。

 俺は機動警備部に新規に配属された。
 諜報部特殊諜報班潜入捜査官という肩書きを隠して。
190パパと412作者:2007/06/05(火) 19:37:47.12 ID:5idQqfLi
投下完了!
本日のUPはここまで。
さて、パシリの顔を拝んでからファミ通カップにでも行ってくるかねぇ〜♪
191名無しオンライン:2007/06/05(火) 21:42:57.54 ID:DdO1QQDZ
お疲れ様です!
今までと違う雰囲気ですが、これも楽しみにしてます。
192名無し275:2007/06/05(火) 22:18:53.52 ID:uKjLlPJ+
次の展開への布石、またはお嬢様の寝言が書きたかっただけの噂。
または金髪の肉食獣と百戦錬磨の410が動き出す話で。


朝になりました。
ガーディアンズからマスター宛に来ているメールの処理を私がしております。
それ以外にもベッドでマスターから離れずグッスリと眠っているお嬢様の
情報についても連絡がありました。
と言う訳で、寝ているお嬢様の綺麗な黒髪をいじって楽しんでいるマスターに
早速の報告をする事にしました…

「マスター、お嬢様の身元が判明いたしました」
「んー?(こしょこしょ)どんなん??」
「…(むずがるお嬢様も可愛いものですね)はい、教団の幹部の義理の娘と言う事です…」
「義理?ほんとの両親はどないしてんよー?」
「事故により両親が死亡との事ですが…コレについては疑惑が、しかも…
 次世代の幻視の巫女の候補でもあるらしいとの噂も」
「へぇー、元さんのミー子なんてどうでもええけど、疑惑ってのがなぁー」

めったに見せない真顔で応対するも、抱きついたまま離れないお嬢様の髪の毛を
いじって遊び、鼻の穴にコショコショやってるのは如何な物かと?
お嬢様はくすぐったいのか、ニューマン特有の長い耳がぴくぴく動いてます。
可愛いですねぇ…って、クシャミが出ちゃいますよ!マスター。

「くちゅん!!むぅー…むむむぅ〜…む…(コテン)」
「二度寝と言うべきものでしょうか?」
「いやー、将来大物になりそうな予感なんよー」

寝ぼけ眼で起きたかと思ったお嬢様、しかしまた眠ってしまいました。
しかも仕返しなのか欲望に忠実なのか、マスターの胸から顔を離す気配すら
ありません、寝言で「ぷにぷにむにゅむにゅ」と。
それに関しては体験者である私も全くの同感です。
しかしながら、次の寝言にマスターと私は色々と動く事になるのですが…
193名無し275:2007/06/05(火) 22:20:30.43 ID:uKjLlPJ+
金ではない銀髪だ('A`)、そして後半。

『ちちさまーははさまー、あいたいのじゃ…おじうえは嫌いなのじゃ〜
迎えにきてほしいのじゃー…』
「…寝言、ですか」
「寝言やけどなぁ…なんか気になりすぎる寝言なんよ」
「左様で御座いますね…」

アモーレルを着ていても、銀髪の肉食獣の瞳は衰えるばかりか、爛々になってます。
対照に幸せそうな寝顔のお嬢様、大物で良かったなと今、心から思っています。

『むぅー…はんばーぐー、おむ…らいすー、おいしいのじゃー』

「クスクス、その辺りを調べる事については、マスターが手を打っているでしょうから
私達は朝食の準備でもいたしますか?」
「いやー、この子が起きるまでまだええんよー、昼になったらオコサマランチ
食いに行くんよ、ハンバーグやオムライスもついてるしなぁ〜」
「それは名案ですね、でも関係者がお嬢様を取り返しに来たらいかがいたします?」

私の問いにマスターはにこやかな笑顔で…
「ワシらの監視役に勝てたら来ると思うんよー」
「…あー、当分は無理でしょう」
「あいつら、こういう事に関してはノリがええしなぁ…無論最後の壁はワシ。」
「戦争でも仕掛けるおつもりですか…?」

『みんなではんばーくとおむらいすー…にんじんは…410〜代わりに食べ…くぅ』

少々ピリピリした空気の中に、またもお嬢様の大物寝言炸裂。
思わず笑いを堪えてしまいます。

「まあ、お嬢様が起きるまでワシも動けんし、ちょいこのままでええかなぁ?
「はい、私も失礼ながらお嬢様の寝顔を眺めさせて頂きます」
「ワシもそれに賛成しとくんよー」

これから事態は動く事になり、色々と苦難もありそうですが、
まずはお嬢様の寝顔を楽しむ事にいたします。
それにしても、お嬢様…羨ましいポジションだなぁと思ってる事は秘密です。
私も今度、マスターの幸せ枕を堪能させていただく事にしましょう。
194名無しオンライン:2007/06/05(火) 22:48:07.25 ID:Cxlf3a4W
自他共に認めるおっぱい星人の俺もこれはお嬢様も持ち帰らざるを得ない
195名無しオンライン:2007/06/06(水) 00:51:17.03 ID:H+Jx2pj3
>>194
そのミッションはSクラスの上をいく難易度ですぜ、旦那……
196パパと412作者:2007/06/06(水) 01:38:42.12 ID:riIXa2eT
>>192>>193
 たゆんたゆんな銀髪の人は、ずいぶんと子煩悩だな。こう見ると……
 410もやきもち焼くかと思えば、結構度量が大きいし。
 
 寝てれば天使、起きれば小悪魔。それが子供と誰かが言ってました。
 それを守る銀髪の肉食獣ですか。
 お持ち帰りは決死の覚悟でやりましょう、皆さん。
 俺はヤですw
197名無しオンライン:2007/06/06(水) 01:56:56.54 ID:XNEaY4mJ
>>196
つ「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」
198名無しオンライン:2007/06/06(水) 03:54:23.51 ID:biEQR1h1
むしろ、毎日一話ずつ小出しオンラインで頼む。
199名無しオンライン:2007/06/06(水) 08:20:54.38 ID:4kN/WOhJ
ファミ通BはA武器出放題でパシリの食事には困らないな。
ラッピー好きなパシリ持ってる人は拗ねられてそうだが…

>>196
余計なお世話かもしれんが、流石にコメントだけの時はsageた方が良いんじゃなかろうか。
投下の時にどうするかは個人の裁量だと思うけど…
(上にあるように1日1話でやるならageはお勧めしないが)
200パパと412作者:2007/06/06(水) 09:48:09.94 ID:riIXa2eT
>>198
 ではそのようにさせて頂きます。大量にスレが伸びるのは本望ではありませんし。
 大体4〜5スレで1話分になると思います。
>>199
 ご忠告、感謝!今後はそうします。ま、文体でバレそうですがw

では、本日分『暁の中で』、第3回目の投下です。
なお、今後は終了時に
 ―――つづく―――
と表記して、投下終了の合図とさせて頂きます。
201暁の中で(11):2007/06/06(水) 09:51:25.24 ID:riIXa2eT
 そして、1月18日。午後4時58分。

 今日は設備管理課からの指名ミッションとして、PM回収作業に従事していた。
 あまり知られていないが、この時間帯にこうやって主人のいなくなったPMを回収しているのがガーディアン
ズの総務部設備管理課とGRMの業務だ。
 もっとも、この仕事にわざわざ俺を指名するという事は、裏の仕事としてGRMや諜報部からの意向もあるのだろう。
 こんな時はろくな事がない。
 今日は俺一人かと思っていたが、情報部の中年男性ヒューマン(外見は当然俺より年を食ってる)が一人、相棒
のGH−440を連れて同行している。
 男が言うには、何でもPMを狙った侵入者事件に関連してとの事だが、男は詳細は言わなかったし、俺も聞こ
うとも思わない。
 どんな事件かは大方予想はついているし、あらかじめ諜報部から渡されている情報で裏付けも取れていたからだ。
「パシリは玩具じゃない。犯人はそんな簡単な事が分かっちゃいないんだ」
 引き合わせの時に渋い顔をしながら、男はそうぼそりとそう締めくくった。

 ミッション自体は滞りなく進行していった。
 実際、大概のPM達の対応は予想範囲を超えることは無かった。
 事情を説明し、該当PMのバックアップ終了後にPMデバイスZEROとPMデバイスRELIVE――これ
までの記憶はそのまま、ボディ形状、戦闘レベル、生産レベル、名前だけをリセットするGRM側にしかない特
殊デバイスだ――を手渡す。
 彼女らのとる行動はその後、ほぼ三通りに分かれる。
 思い出という行動記録データを保持したままボディリセットする為にデバイスRELIVEを使用するか、デ
バイスZEROで思い出を完全に抹消して初期状態に戻るか、あるいはその場で自ら全てのデータを完全抹消し
て全機能の停止を選択――要は自殺だ。
 時折、自らの武器でブレインコアを破壊しようとする躯体もいるが、それを説得して、デバイスではなく俺の
手で自殺用のバーチャルプログラムを入力し、納得する死を与えた。
 GRMにすれば回収できれば問題は無いと俺は判断したが、澱のように疲れが溜まっていくのを感じていた。
 気持ちのいい仕事じゃない。
 PMだとしても、一部は目の前で自殺していくのだから。
 助けてやろうと手を伸ばしても、その手を拒まれるのだから。
 稀に、ほんの数%にも満たないが、再課金が確認されることもあった。
 最初にその例外を知った時、PMに教えてやると花が咲いたように笑顔を浮かべていた。
 俺の日常では当たり前のことだが、俺の行動は可能な限り監視されている。
 ましてやコロニー内でのミッション中、行動なんて瞬きの回数まで筒抜けだ。
 どうせ行動が筒抜けならばと、分かっている限りは教えてやっていった。
 いたたまれない仕事であったが、幸運なPM達の笑顔だけが救いだった。
202暁の中で(12):2007/06/06(水) 09:52:43.22 ID:riIXa2eT
 今日一日の今現在で回収されたのは合計315体。

 そして、本日回収予定数は後一体。
 最後の最後になって最重要PMであるGH−410、識別番号GST685-F9の暮らしている部屋の前まで来た。
「ここか、あんたの目的の部屋ってえのは」
 男は、異動してから滅多に抜かないという支給品のブドゥキ・ハド・カスタムをナノトランサーから取り出した。
 銃を構える姿はしっくり来るほど様になる――かなりの使い手だ。
「間違いないぞ、おっさん。この部屋も3ヶ月が過ぎた」
 資料を頭の中で検索しているのであろう440は、不満を隠そうともせずぶっきらぼうに答えた。
「…フゥー、末期の水を取るって感じだなぁ、今回の仕事は」
 重い溜息を吐くその足元で、あからさまに嫌そうな表情を浮かべる440。
「そういう事言うなよな、おっさん。」
 440が低い位置にあるロック端末に取り付く。
「さてと、はじめるぞ」
 440が聴覚センサーユニットに内装されている接続端子を引っ張り出して端末に接続すると、個人情報から
推察された、当たりと思しき数字を片っ端から打ち込んでいく。
 その間、約二秒。
 ドアは――開かない。
「あーもう、ネタが尽きたぞ。どうするんだよ」
 440が悪態をつきながら振り向くと、俺は中年ヒュマと目をあわせる。
 俺の詳細は、この男に通達済みのはずだ。
 しかたねぇといった素振りで肩をすくめる男をみて、俺は襟元のマイクを口に引き寄せ、呟くように通信する。
「こちら諜報部特殊諜報班『サテライト0』、案件GRM-PM144598-A8、状況P−1につきマスターキーを使用する」

 状況P−1、それはPMを非常回収する場合の専用コードを指す。
 大概は、複雑な事情を持つPMがらみであり、そして犯罪まがいの行為の後に使用される、誰からも敬遠され
る非常コードだ。
 今まで数え切れないほど使用した。
 うち1回は、主人をひき肉にしたGH−440を回収した件だった事を思い出して歯噛みする。

 ロックが解除された音が聞こえ、入り口が開く。
 同時に愛用のダブルセイバーを取り出し、部屋の中に飛び込んだ。

 奇妙なほど静かに静まり返った部屋だった。

 通信機にザッ…とノイズが入る。
『こちら本部。サテライト0、動体反応はない。カウンター裏にPM特有の金属反応を検知、確認せよ』
 事務的な口調で通信が入る。
「サテライト0、了解」
 最低限の返答を返す。
 店舗まで改装された室内を慎重に回り込み、カウンター裏を確認する。

 そこには、血のごとく赤黒いオイルの海があった。
203暁の中で(13):2007/06/06(水) 09:54:03.45 ID:riIXa2eT
 オイルの海の中心に、首が胴体と離れて腹がかっ捌かれているGH−410の成れの果てと、フォトンリアク
ターのエネルギーが尽きて動かなくなったハンゾウがあるだけだった。
「本部、こちらサテライト0。目標の残骸を確認」
『了解した、サテライト0。ビジフォンのデータを転送後、全アイテムを回収せよ。塵ひとつ忘れるな』
「サテライト0、了解…すべて、だな?」
『そうだ、全てだ』
 ゆっくりと背後から近づく気配と、ヒッと鋭く息を飲み込む音がする。
「だから言ったろうが、見るんじゃねえって」
 男の声がするほうへ視線をやると、男とその足にしがみつく440がいた。
「おおおおおおおっさん、うぅっ…ぉぇぇぇぇぇ」
 あまりの光景に440は腰が砕け、座り込んだ。
 そして、えづきながら吐しゃ物を床にぶちまけた。
 PMとはいえ、流石に胸糞悪くなる光景だ。
 この程度なら俺は見慣れているが、耐性の無いであろう440には刺激が強すぎたようだ。
 男は、440の背中をさすりながらカウンターの向こうへ連れて行く。
「すまんな、そこは任せる。こいつがこの調子じゃ、検証なんてさせられんよ」
「…了解した」
 現場をゴーグルでざっとスキャニングし、データを転送する。
 破壊されたPMの小さな手に握られている枯れた薔薇に気づいた俺は、それをそっと引き抜くと胸の上に置い
て両手を組ませる。
(カチャン…)
 その服から何かが落ちた。
「…PMデバイス…か?」
 412と手書きで数字が打たれているが、今日のメンテナンス後に解禁される予定の進化デバイスのようだ。
 主人がいたとしても、フライングゲットはありえない。
 裏事情を知っている俺は奇異に感じた。
 この手のアイテムは厳重に管理されている為、たとえ研究者であっても外部へ持ち出すのは極めて難しい。
 はっとして、ゴーグルを取り出すと仔細に検分を始めた。
 そして…
「……ブレインコアが無い」
 リアクター類が人間で言う所の心臓なら、ブレインコアは脳だ。
 しかも、キャストほどではないにしろ、感情を有することが出来るほどの高性能な代物だ。
 第一、あまりに特殊すぎて特定の闇市でも無ければ出回らない代物でもある。
 つまり、出回ればすぐに足がつく。
「一体、どういうことだ?」
 答えを出すにはまだ決定打が足りなかった。

 ―――つづく―――
204名無しオンライン:2007/06/07(木) 02:18:00.85 ID:xz9hk22g
>>193
たゆんがまるで母親のようだ、ぜひともセットで譲って欲しいものだw
たとえそれがS2ランクミッション以上でも己が身一つで突っ込む、それがfFの真髄!

>>203
中年はやっぱかっこいいなぁ、元の作者の手を離れまくって大暴れだがw
PM回収の話は自分でも書いたがやっぱあまりいい雰囲気の話ではないな、PMの話書いてる側からすると・・・w

>近作では420姉妹などなど
設定だろうがキャラだろうが好きに使ってくださいな、と言っても中途半端にしか出てない設定もあったりするが・・・w
205パパと412作者:2007/06/07(木) 17:13:46.08 ID:sHWJfi1M
>>204
 あの役回りをさせるのにはあの中年ヒュマしかいない!と直感的に思って書きました。
 ほおっておいても勝手に動いてくれるので、とっても楽でしたw

ではでは、本日分、『暁の中で』第四回目の投下です。
206暁の中で(14):2007/06/07(木) 17:15:32.69 ID:sHWJfi1M
「お帰りなさいませ、ご主人様」
 自分の部屋に戻った俺は、自分のPM――この頃はもちろん410で、まだ『ローザ』という名前だった――
の出迎えを受けた。
「おう。今日の売れ行きは?」
「2種の武器、計4つが売れました。他にはありません」
 時間は既に翌日の早朝、4時を回っていた。
 生あくびをかみ殺しつつ、ローザが夕食にと作っておいたモトゥブ風スパイシア・ライスを暖めなおしてそそ
くさと詰め込み、作り置きしてあったお手製のクリームスープをゆっくりと味わった。

 不可解な現場を立ち去れたのは30分ほど前だった。
 後方処理班が俺と一緒に後始末を行なっていったが、やはりブレインコアは出てこなかった。
 連中いわく、誰かが明確な目的があって持っていったのではないか?
 一体何の為に?
 あまりに情報が足りなかった。

「………じんさ…ごしゅ…ご主人様!お休みになるのでしたら、ベッドでお休み下さい!風邪を引きます!」
 どうやら、食べ終わってうたた寝をしていたらしい。
「ん、そうだな…。後は頼む」
「はい、お任せください!」
 手際よく後片付けを始める後ろ姿を見て、ふと、ナノトランサーのリストを確認する。
 メセタ表示のひとつ上に、PMデバイス412が表示されている。
 帰りがけに、何とは無しに買ってきたものだった。
(後で食わせてやるか。普段はたいした物もやってないしな)
 そして、思い出して苦笑した。
(そういやこいつ、ウワバミだったな)
 短時間で育てるのと予算の都合で、餌として与えていたのはほとんどジュース類だったが、出来るだけ出費を
抑えるために材料を集めてハッピージュースを作って与えた事もあった。
 数は大してそろえられなかったが、それを与えた時は喜んできれいに全部飲み干した。
(最初はちょっとした晩酌相手だったが、しまいにゃ俺の分まで横取りしてたっけ)
 連鎖的な思考で、ついでに一杯やろうとハッピージュースを2本取り出し、ローザに声をかける。
「一杯付き合え」
「え?よろしいのですか?」
 俺が手渡すと、躊躇無くボトルのキャップを開ける。
 グラスを出すのも面倒だったが、ラッパ飲みしようとするPMの姿を見て流石に持ってくる。
「…今更だが、お前には普通の酒の飲み方を最初から教えないとダメか?」
「は?」
 間の抜けた表情を浮かべた彼女から、ハッピージュースのボトルを取り上げる。
 それを、サイドボードの上においた二つのグラスに均等に注ぐ。
 注がれたグラスを手渡すと、彼女は小さな両手でしっかりと持った。
 そのグラスに、俺が手に持ったグラスを軽く当てる。

 チィン…

 澄んだガラスの音がきれいな音色を奏でる。
207暁の中で(15):2007/06/07(木) 17:17:48.76 ID:sHWJfi1M
 ローザはその音に一瞬ポカンとした浮かべた。
「…不思議な音、ですね。ガラス同士がぶつかり合って発生する単なる現象なのに。心に響くとでも言えば良い
のでしょうか…」
 目を閉じて微笑みながら、今の音を頭の中で反芻している様子だった。
 俺はそれを見ながら、グラスを傾ける。
 俺が二杯目を飲み終わる頃になって、ローザはやっと目を開け、グラスの中身をなめるようにちびちび飲みだした。
 その様子は、好物を最後までゆっくり味わう子供と変わらない。
 時間をかけて最初の一杯が空になった所で、自分と彼女のグラスに改めて酒を満たす。
「…PMデバイス、売り出したのは知ってるな?」
 唐突に俺が切り出すと、二杯目をちびちび飲み出した彼女はコクリと頷く。
「はい、公示情報のメールで確認しています」
 俺はトランサーから、PMデバイス412を取り出して彼女に見せた。
「帰りがけに買ってきたんだが、使ってみるか?」
「PMデバイス412…これ、私が前に欲しいといっていた物ですね?」
「ああ。外装、性格プログラム、武装、戦闘プログラム、これらの追加・変更及び補正だな」
 グラスを手近な場所に置いたローザの小さな手に、デバイスをポンと乗せる。
 じっと見ていたかと思うと、

 ヒョイパク、モギモギ…
 
 更に、先ほどの飲みかけのハッピージュースを手に取り、一気にデバイス諸共流し込む。
「ちょ、おまっ!」
 止めるのも間に合わず、グラスは空になった。
「ごちそうですね!」(///ヮ//)=3 ゲプッ
 (;゜Д゜)…オイオイ

 直後、光の繭に包まれ、メタモルフォーゼが始まった。
 光が消え去ると、そこには今までの410の姿ではなく412となったローザがいた。の、だが…
『メインプログラムのリブートに失敗しました。性格プログラムに致命的な欠損を確認、ROMユニットの一部
が損壊。非常コード発動、ブレインコアを強制停止します』
 ブレインコアから独立している、ブレインコア診断・監視用デバイスによる無機質な音声警告が彼女の口から
発せられ、同時にぽてっと倒れた。
208暁の中で(16):2007/06/07(木) 17:19:05.49 ID:sHWJfi1M

 ――――数時間後――――

 我に返り、周囲を見渡す。
 ここは、何処だ?
 あやふやな記憶を反芻すると、錯乱しながらローザを抱え、シャトルに乗ってGRMのPM研究施設に強引に
押し入ったようである。
 普通なら、施設不法侵入で捕まってただろう。
 肩書き、恐るべし…。
 今居る場所は定期メンテでPM達を診断する施設の待合ロビーで、そこにあるソファーに座っているのだと、
やっと理解する。
「ミスタ・ルドルフ、検査が終わりました。お話がありますので、こちらへ」
 ナース風のパーツに身を包んだ、女性キャストのPMメンテナンス要員が俺を呼びに来た。
 診断室に入って驚いた。
 見知った顔の研究主任が、表示された診断カルテを深刻な顔で仔細に検分していたのだ。
 更に、ニュースでよく見るGRM開発局長の姿もある。
 あっけにとられていると、先ほどの女性キャストが椅子を勧めてくれた。
「――来たか。とにかく、腰掛けてくれ。話はそれからだ」
 研究主任に言われるまま、デスクチェアに腰掛ける。
「状況は複雑だが、簡潔な部分から言おう。君のPMは…」
 僅かに間が空いて、ため息に言葉が乗って出てきた。
「無事、再起動した。現在はスリープモードだが」
「はあ…」
 俺は未だ、衝撃から立ち直れていない。
 情けないようだが、合いの手を入れているのも反射行動だ。
 研究主任は、更に話を続ける。
「ただ、幾つか不明な点と問題があってね…」
 綺麗に整えてある髪をわしわしとかきむしる。
「こちらで判ったのは、君が使ったPMデバイス412に何らかの欠陥があったということだけだ。
 製造段階の検品ではその製品自体に問題無いのが報告されているので、出荷後に発生したものと見て調査中だ」
「はあ…」
「メタモルフォーゼの過程はバックアップに残っていたので仔細が判っているのだが、酒との関連性は不明だ。
影響があったとしても、ほんの微細なものと推測される」
「…はあ…」
「残る問題点と不明な点は…まあ、当のPMに会った方が話が早い」
 主任は、ナース姿の女性キャストに頷いてみせる。
 しばらくすると、その女性キャストに連れられて412の姿になったローザがうつむいたままやってきた。
「ほら、あなたのご主人様がいますよ」
 顔をあげ、俺を確認したのか泣き出しそうな表情になり、伊達めがねを外して手で目をこする。
 反射的に立ち上がった俺の足に抱きつくと、
「ぅっぅっうっ、うわぁ〜ん、わ〜ん、わぁ〜ん!」
 そのまま、感極まって泣き出した。
「ごわ゛がっだよぅ〜、じんじゃうがどおもっだよぅ、パパぁ!」
 泣きじゃくるローザの背中を撫でてやろうとした手が、止まった。
209暁の中で(17):2007/06/07(木) 17:20:57.80 ID:sHWJfi1M
「………………………………………………パパ?」
 ギギギときしみ音が聞こえてきそうな動きで、首を主任に向ける。
 主任が、更に頭をかきむしってため息を吐いた。
「外聞的に一番問題なのは、『それ』だな」
 主任は再び診断結果に目を通す。
「PMデバイスの影響とプログラムの損傷から回復を図るために自己修復が試みられているんだが、どういうわ
けか君を『パパ』、すなわち主人ではなく父親として認識しているようだ」
 唖然としたままの俺の態度を話を促すためのものとして受け取ったらしく、更に続ける。
「何らかの相互作用があったのか、本来はブレインコアのROMに焼付けされている基本動作の一部がいくつか
のROMごと完全に消滅、上書きされるように増設されたRAMに、改良された学習プログラムが組み込まれて
いる。
 性格デバイスもオリジナルからは変形しているし、プログラムも自己改変している。
 主人に追従させるための擬似恋愛機能はデバイスユニットごと完全消失、それによって生じた空間を利用して
ブレインコア自体も増強・再構築されている。
 無論、基本プログラムもだ。
 唯一といってもいいのは、412としての能力自体に変化が無いことだけだ。更に…」

 おいおい、まだ何かあるのか?

「…異能体に変化したと見られる。確率は99.987703%。能力は不明」

 ディ・ラガンの尻尾で頭をぶん殴られた時以上の衝撃に襲われた。

「――我が社で調査し、データが正式に確認された三体目のワンオブサウザンド、ということになる」
 今まで黙っていた開発局長が口を開いた。
「そして、最後の問題点だ。
 この個体はワンオブサウザンドという事を抜かしても、PMとして生まれながらPMとしての絶対条件を超え
ているのだ」
「………P……M…の…絶対条件…?」
 局長は未だに泣きじゃくっているローザに近づき、ひざ立ちになってゆっくり頭を撫でている。
「…検査の為、この子に標準的な知性測定用論理・非論理演算テストを行わせた所、ランクAA、通常キャスト
と同じ『人権を有することが出来る高度知性体』であるという結果が出た。
 PM、パートナーマシナリーは法律上、ただの『物』だ。
 感情こそ与えられているが、人権は存在しない。
 何故なら、基準となる知性が及ばないからだ。
 が、ここに例外が発生した。
 さて、世間は、政府は、GRMは、特にPMを持つ連中はどうすると思う?」
 反射的に俺は局長の胸倉をつかんで持ち上げた。
「ふざけるなよ、何処まで心持つモノを弄ぶ気だ」
 冷ややかな口調の俺に、局長は勤めて冷静に語る。
「…君の怒りは尤もだ。
 だから、落ち着いて聞いて欲しい。
 この子の存在は、ここにいる面々しか知らないんだ」
210暁の中で(17):2007/06/07(木) 17:22:19.61 ID:sHWJfi1M
「なに?」
 局長を持ち上げた腕から力が抜ける。
「何故、と思う君の疑問にひとつの回答をあげよう。
 我が社の中に、極秘だが、ある種の結社が潜伏している。
 連中の目的は私もよくは知らない。
 だが、PMに知性を持たせる事で混乱を引き起こそうとしていた事は事実だ。
 その一環として、製造ラインに彼らの製作した特殊なPMパーツが乗せられ、市場に出回っていったのだ。
 運良く我々が発見したものはメンテの時に回収されていったのだが、そうではないものもある。
 実稼動したパーツを回収した彼らは、定期メンテの度に、メンテにまぎれて集約して行ったのだろう。
 そして、我々が確認していた幾つかのブレインコアのうち、最後の一個が回収されなかった。
 そう、君が回収し損ねたブレインコアだよ。
 では、それは何処に?」
 局長の視線はローザに向けられたまま。
「それは、この子の頭の中だよ」

 あまりに突飛も無いことだと冷静に受け止められるというが、それは本当だと今更ながらに知った。

「では、こいつはメイドイン結社ということか?」
 淡々と尋ねる俺に違和感を覚えたのか、泣き止んだローザが俺の顔を見上げていた。
「YesでありNoでもある。
 GRMで作られたことに変わりは無い。
 君のPMであることに変わりは無い。
 結社の仕組んだ状態になったとしてもだ」
「なら、高度知性体への変容はどう…」
 どうやって引き起こさせる、そう言いそうになって気がついた。
「流石に判ったようだな。
 その通り、PMデバイスだよ。
 あまりにも内部構成が複雑すぎて現在もまだ解析中だが、PMデバイスにトリガー因子を加えたか、基本プロ
グラムをトロイの木馬で組み込んだのだろうな。
 ガーディアンズ達なら、面白そうなものに興味をそそられて使うだろうと踏んでの事だろう。
 そうすれば、既に大量のパーツを撒いている分、どれかが発動する。
 我々が気づいて発売を遅らせなければ、実際にそうなっただろう。
 …もっとも、我々の実験結果では、ブレインコアが該当しなければ問題無い事が確認されている。
 だからこそ、発売に踏み切ったわけだ。
 確認されていた最後の一つを回収できるものと踏んでな。
 まさか連中も、検品出荷後のデバイスに不良品が発生してそれが使用されるなどという不測の事態までは考慮
してないだろうし、知性体へ覚醒するだけでなく異能体になるとはそれこそ思ってもいないだろうがね。」

 ―――つづく―――
211パパと412作者:2007/06/07(木) 17:38:24.46 ID:sHWJfi1M
Nooooo!切り番チェックすんの忘れて上げちゃったぃ!番号変わってねぇ!
…誰か直してくれねぇかなぁ…やり方知らんからなぁ……
212パパと412作者:2007/06/08(金) 10:53:07.27 ID:QvYeljhe
本日分『暁の中で』、第五回目の投下です。

昨日上げ足りなかった(というか上げ忘れてた)分、今日は量が多くなってしまいました。
ご勘弁のほどを。
213暁の中で(19):2007/06/08(金) 10:54:12.90 ID:QvYeljhe
PM達が高度知性体に変化し、PMが本来の機能から開放されたとしたら、色々な意味で間違いなく大混乱になる。
 あの500年戦争が再来する可能性だってある。
 少なからず、ガーディアンズはコロニーごと、一時的にしろ無力化されるだろう。
 おそらく、それが本当の目的のはずだ。

 しかし、何故、ローザを利用したんだ?
 俺の疑念が昨日の仕事を思い出させた。

 刻まれたPM
 抜き取られていたブレインコア
 試作品らしきPMデバイス412

 そして

 情報部部長がクスクス笑っている顔

 あれは、俺が回収するべき物が既に無いための笑いだとしたら…
 定期メンテの時間を指定した理由が、俺をPMから離す為なら… 

 確証は、無い。だが、勘が当たりだと告げている。

「…局長」
 俺の緊迫した様子に、ただならぬ何かを察してくれたらしい。
「なんだね」
「情報部部長の事ですが、彼女がその結社と関わっている可能性はありますか?」
「公式には無い」
「では、非公式では?」
「……私が個人的に調べた範囲では、彼女の父はニューマン、母はヒューマン、共にガーディアンズにいた。
 彼女が幼いうちに両親ともミッション中に死亡、彼女は父親の親戚に預けられている。
 彼女の数少ない親類の口から、預けられていた親類の家で相当な迫害を受けていたことが判っている。
 その後、彼女が自立してからその親類は旅行中にテロに巻き込まれて死亡している。
 テロを行ったのは結社だという話だ」
「…俺の推論が正しければ、そのテロ自体、彼女から結社への依頼ということになります。
 おそらく、それが最初の接触でしょう。
 テロを依頼するほどに彼女を突き動かしている動機が、彼らにとって非常に便利で利用しやすい条件だったは
ずでしょうし、彼女も結社を利用できると考えたのでしょう。
 双方の利害が一致して、彼女は結社の一員となった」
「その動機とは?」
 俺は、今得た情報で補正しながら、ひらめいた推論を淡々と語った。
「種族差別に対する憎悪と、自分が生まれるきっかけになったガーディアンズへの恨み。
 ガーディアンズを揺さぶるのに、PMは実に使いやすく効果的な手段だと判断したのでしょう。
 そして、俺という内部にフリーパスで出入り出来る手駒がいる…」
214暁の中で(20):2007/06/08(金) 10:55:09.69 ID:QvYeljhe
 更に俺は語った。
 俺の立場を利用して容易に俺のPMと接触できる事、仕事を利用してPMを簡単に俺から引き離せる事…
 つまり、GRMにパイプを持つ俺のPMを焦点にしてパーツを秘密裏にかき集め、自ら情報操作をする事で会
社や俺の不信感を俺のPMと自分からまんまと外し、疑惑のかからない状態で完成体を作成したのではないか。
 混乱をもたらすだけではなく、完成体を必要とする理由が有るがゆえに。

「…こう考えれば、あの時の不可解な笑みに納得のいく説明がつく」

 ――俺を興味深げに見上げながら、なにが可笑しいのかクスクス笑っていた、あの笑みに。

 だが、本当にそれだけか?何か、引っかかる気がする。何かが…

 トントン、トントン

 古風にドアをノックする音に、全員が緊張した。
 来客を写すモニタには、ニューデイズの服装に身を包んだ年若いビーストの女性がたたずんでいた。
「――入りたまえ」
 研究主任が招き入れると、彼女は同盟軍形式の敬礼を行った。
「局長、情報部部長の行方が判らなくなりました。
 部長は結社の連絡員との接触の後、流しの個人フライヤーに乗り込みました。
 これを追跡しましたが都市部の渋滞中に目視から外れ、発信機を頼って追跡を試みましたが発信機が発見され
破壊された模様。
 以上です」
「場所は?」
「旧首都西、リゾート地帯の近くです」
「局長!」
 今度は、一般人用に流布されているパーツ姿の男性キャストが飛び込んできた。
「廃都西区に大規模爆発を観測、旧発電施設が消失しました!
 爆発直前に、小型フライヤーが墜落していくのが同盟軍に目撃されています!」
「分かった、直ぐに調査隊を出す。定時連絡を欠かすな」
「「はっ!」」
 開発局局長は、俺に向き直ると意味ありげににやりと笑った。
「どうせ事のついでだ、君に仕事を頼みたい」
「…言わなくていい。どうせ巻き込まれたんだ、とことんやらせてもらう」
「話が早くて助かる。ダルガンには、私から話をしておこう」
 まるで近所の知り合いにでも話すような軽い口調で言うので、怪訝な表情になっていたのは確かなんだろう。
 まるでいたずらっ子のような表情で、局長は続ける。
「子供の頃からの悪友でな」
 そう言うと、ローザの頭を優しく撫で、
「お前も行くといい。パートナーマシナリーは、主人と共にあるものだ」
「…うん。ありがとう、おじs…きょくちょうさま」
「はっはっは、おじさんでいいぞ。肩書きは窮屈でいかん。なあ、ガーディアンズ」
 そう言って、俺の肩をぽんと叩く。

 …この若造が。

 顔にも口にも出さないで、軽く頭を下げると部屋を出た。
215暁の中で(21):2007/06/08(金) 10:56:07.52 ID:QvYeljhe
 その足で、パルムにあるガーディアンズの支部へ移動する。
 受付には、見慣れた格好の女性が俺を待っていた。
「…認識票を確認しました。
 現在、ルドルフ・Fさんに指名で依頼が来ております。
 お受けになりますか?」
「もちろんだ。急いでいる、ブリーフィングは後回しでいいな?」
「問題ありません、現場に急行してください。それから…」
「私が同行します」
 後ろから声をかけられ、振り返る。
 そこにはルゥ(No.2795)が立っていた。
 普段、俺が呼び出したときに来る躯体だ。
「詳細は聞いています。環境汚染を調査する必要もありますので、くれぐれも先走らないようにとの総裁からの伝言です」
 いつもの抑揚に乏しい言葉を聞いて、瞬時に冷静なる。
「了解。打ち合わせは機上で行なおう」
「では、行きましょう」
 すぐさまGフライヤーが用意され、俺達は現場へと急いだ。
216暁の中で(22):2007/06/08(金) 10:56:58.57 ID:QvYeljhe

 ―――フライヤー機内―――

「じゃあ、シャトルは墜落じゃあなく、砲撃されたってことか」
「はい」
 操縦桿を握りながら、ルゥはそっけなく答えた。
「墜落した爆発現場の規模から、シャトル搭乗者の生存率は―」
「1%以下、だろうな」
「その通りです。
 墜落場所はエネルギー生成プラントの中心部です。
 移動するには、地下のメンテナンス区画を通り抜けるしかありません。
 直前の衛星写真から、大型マシナリーの機影が現場付近で確認されています。
 機体はアガーナ・デガーナのバリエーションの一つです。
 超長射程高射砲と長距離連装ミサイル、対地掃射用マシンガンを複数装備した、局地戦闘タイプである可能性が87%」
「…じゃあ、どうやって近づく?」
 俺が目標付近のマップを呼び出すと、そこに、距離にして1500mほどの赤い線が表示される。
「砲撃の使用できない旧市街地を突破します。幸い、最短コース上に徒歩で移動可能な陸路が残されています。
 ただし、イルミナスの妨害が入る可能性が65%あります」
「イルミナスだと?」
「あなたが先ほどから結社と呼ぶ存在です。
 かつて『黄昏の一族』を生み出した首脳者達の影響を最も色濃く残す組織でもあります」
 ははは、と、自虐的な笑いが出る。
「俺の周りには、今でも過去の亡霊がやってくるのか?」
「そのようです。
 今回のターゲットである女性もあなたと同じ『黄昏の一族』ですから」
「…なっ、馬鹿な!あいつはどう見ても…」
 食って掛かろうとする俺を無視して、人物レポートがすっと差し出された。
「経歴詐称はよくある話ですが、種族を偽るのは容易ではありません。
 外見はフォトン・ミラージュによる偽装でごまかせますが、遺伝情報まではそう簡単にいきません。
 ですが彼女の場合、両親から受け継がれてる遺伝子構成の影響で、検査機械からはどちらの種族としても認識
されてしまっています」
 丹念に経歴を見ていくと、まだ24歳のヒューマンの女性となっていた。
 名前はリゼリア・ローズ・フォリス。オリジナルの外見はヒューマン。白い肌で紫色の髪に琥珀色の瞳。

 紫色の髪に琥珀色の瞳。それは『黄昏の一族』共通の外見的特長だ。

 大まかな経歴はこうだ。
 Gコロニー生まれ。
 両親はガーディアンズ。
 両親と死別後にニューデイズの親戚に引き取られる。
 成績優秀で特待生として15歳で医科大学を卒業。
 医師としての研修中にローグスに拉致。
 三年の空白の後、再び医師として研修を行い病院に着任。
 わずか半年でGRM傘下の病理研究所に転職、更に三ヶ月で主任に昇進。
 翌月、所長に就任からさして日をおかずに解任、情報部に引き抜かれている。
 情報部部長に就任したのは2年前。
217暁の中で(23):2007/06/08(金) 10:58:01.29 ID:QvYeljhe
「それから」
 俺が読み終わるのと同時にルゥは話を続ける。
「彼女の寿命は推定23歳とされています」
 寿命を知る為にテロメア計測を行うのは、いまや普通の事だ。
 病院の健康診断の項目にも含まれ、先天異常の早期発見や自分の身の振り方を決める指針として、当たり前の
ように成人前には必ず行われる。
 家庭用の測定器が体温計と同じように並べられ、同じくらい売れていく。それだけ生活に浸透しているのだ。
「テロメア測定誤差なんて、よくある話だろ」
 ルゥは微かに首を振り、
「測定誤差最大年齢が23歳です。つまり、彼女の肉体は既に死んでいるも同然です。
 話は変わりますが、通常、両親が異種族の場合における遺伝子の種族分化の確率は50%、つまり、男女に分
化するのと全く同じです」
「ニューマンとビーストの子供なら、必ずどちらかにしかならない、そういう事だな?」
「その通りです。
 ところが彼女の場合、両方の遺伝子特性が発現するという、きわめて異常な状態で誕生しました。
 それが、彼女の寿命を削る結果を招いたのです。
 外見はヒューマンのままですが、高い精神力などはニューマンの、環境にあわせた柔軟性はヒューマンのそれ
をそのまま色濃く受け継いでいます。
 専門医の見解では、おそらく先天的な遺伝要因によるハイブリッド種族への変異ではないか、とのことです」
「先天的遺伝要因…」
「総帥は、『黄昏の一族』が持つナノマシンの影響があるのだろう、と推測していますが、今現在の詳細は不明
です。推測の域を超える情報は有りません」
 彼女の母親のプロフィールを出す。
 ごくありふれた、ごく普通の女性。きれいな金色の髪に鮮やかな緑の瞳…

 ずきり、と頭が痛む。

 俺の遺伝子提供ソースとなった一族の第一世代。
 当時、<串刺し公>の二つ名で呼ばれていた槍の名手、俺達第二世代の母の一人として選ばれた女性によく似ている。
 俺のPMの名前は彼女の名前をもらってつけたものだ。
 俺も含め、大勢いた『彼女の子ら』と、よく一緒に遊んでくれた。戦闘訓練もさんざんしてくれた。
 今となっては、古い昔話でしかないが。
 確か、第一世代は際立った特徴が与えられなかったはずだ。それに、彼女は普通に子供が居たと聞いている。
 その子供は特に秀でた所もなく、普通のヒューマンとして一生を過ごしたはずだ。
 その子孫か、あいつは。

 ずきり、と頭が痛む。

 なんだ、この頭痛は…
「パパッ!!」
 さっきまで後ろの席で静かにしていたローザが突然、ルゥの操作している操縦桿に飛びついて思い切り倒した。
218暁の中で(24):2007/06/08(金) 10:58:59.06 ID:QvYeljhe
「な、お前!」
 錐揉みしながら機体が右にそれると、フライヤーに衝撃が伝わってきた。
「砲撃です。距離6800m」
 機体を立て直しながら、冷静にルゥが対応する。

 ずきり、と頭が痛む。

「パパ、またくる!」
「I have control!」
 すかさず操縦優先権をかっぱらい、機体を下に押し込む。
 直後、機体の上空で爆発音、衝撃波と破片が機体を叩く。
 けたたましい警告音が鳴り響く中、リアクター内に設置されている俺専用の記憶バックアップシステムから、
警告と共に過去の記憶と詳細データがリロードされてきた。
 この記憶バックアップシステムは、ナノマシンネットワークを利用して、俺の脳からあふれ出た記憶の保存と再生を行う。
500年以上の記憶を、脳みそだけで蓄えてなんておけるはずも無い。
「…精神感応兵器とは、やってくれる!」
 100年ぶり位だと、おおさっぱに計算する。
「ルゥ、お前じゃ回避行動は無理だ!突入ポイントを指示してくれ!」
「分かりました―」

 ずきり、と頭が痛む。

 この頭痛は、精神感応兵器が使われたときにナノマシンネットワークが過剰反応し、その刺激が頭痛として感
じられるという、俺の持病だ。
 記憶が転写されるまで忘れていた。
 瞬間、気が緩む。
「あぶない!」
 ローザの声に我に返ったが、間に合わない!
 直感的にそう判断したが、機体は予想直撃点よりもわずかにポイントがずれ、砲撃をかわしきっていた。
「パパ、わたしがやる」
 ローザがいつの間にか隣のパイロットシートに座っているルゥの膝の上にちょこんと座り、操縦桿を握っている。
「あい はぶ こんとろーる!」と、ローザ。
「くっ…You have control!」
 操縦権を渡すと、どっと冷や汗が噴出す。
「…この子があなたを『パパ』と呼ぶのはいささか疑問ですが、それはさておき」
 ローザの操作にあわせて推力コントロールをしながら、この状況下で冷静にツっ込むルゥ。
「私の知る限り、精神感応兵器に超長距離遠隔兵器は存在しません」
 中に人間が乗っているとは思えない回避機動を取りつつ、目標ポイントへGフライヤーが猛然と加速する。
 耐GシートでキャンセルしきれないGに耐えながら、俺が答えてやる。
「この、砲撃は、感応装置、を、照準用、の子機につか、ってるんだ!
 そして!
 ロー、ザ、は、何故かその波動を感知している!」
 不意に砲撃が止む。
 相手の砲撃の最低射程より手前に割り込んだからだ。
 記憶の中から、この手の敵が使う次の戦闘パターンを引っ張り出す。
「次は弾道型ミサイルだ!ルート変更!水面すれすれまで降下、音速でぶっちぎれ!」
「はは〜い!」
219暁の中で(25):2007/06/08(金) 10:59:40.12 ID:QvYeljhe
 水と廃墟の世界の中に急降下で飛び込む機体。
 コンクリートジャングルの中をすり抜けながら、水平飛行で水面すれすれを音速でかっ飛んでいく。
 Gフライヤーのソニックブームが水面を湾曲させ、水面に設置されていた機雷を巻き込みながら後方に盛大な
水柱を吹き上げる。
 再び頭痛、今度の数はさっきまでの比じゃない。
「「来る!!」」
 巻き上げた水と遅れて爆発する機雷、林立する廃墟にかく乱されたミサイルが、後方に12本の火と水の柱を作る。
 再び頭痛がして、その瞬間、イメージが割り込む。
 十代前半くらいの少女。
 フ、と頬をゆがめて俺は笑った。
『うるせぇぞ!!しょんべん臭い小娘がぁ!!!』
 心の内だけで叫ぶと、一瞬だけ敵の感応装置のネットワークに割り込み、それを少女に叩きつけるイメージで送り込む。
 直後、ミサイルの軌道がおかしくなり、明後日の方向に飛んでいって爆発した。
「…パパ、こわい」
 聴覚システムを押さえてローザがぽつりと言った。
 おそらく俺のネットワークにリンクしているのだろうが、苦痛は感じない。
「ローザ、操縦桿を離さないように」
 素早く操縦桿に手を伸ばし、ルゥが機体を安定させる。
「目標、沈黙しました。現状報告をお願いします」
「…『テレパス』を逆手にとって、向こう側の感応装置で俺の精神圧を増幅して、相手の精神に直接打撃を送り込んだ。
 久々だったんで手加減してられなかったから、運が良ければ気絶、悪ければ脳が損傷して廃人かな」
 はは、と気の抜けた声で小さく笑う。
 右の頬に生暖かい、ぬるりとした感触と、ぽたり、ぽたりと音を立てる鉄の匂いがする何か。
 敵に負荷をかけた反動で、眼球を支えている筋肉の毛細血管が切れたらしい。
 既に大まかな出血は止まっているが、血の涙を流すその姿は異常な光景だ。
「レスタ!」
 右目の痛みがすぅっと引いていく。
「パパ、もういっかいやる?」
 今の回復はローザのした事だ。
 俺は軽い驚きを感じながら、首を横に振る。
「ありがとう、助かる」
 垂れた血を服の袖で拭くと、袖にべっとりとこびりつく。
 袖についた澱んだ血には、何か細かい物が何度も光を乱反射させ、すぐに消えた。
 俺の血液中のナノマシンだ。
 そう、俺の奇跡的『欠陥』はこれのせいだ。
 じゃあ、ローザの場合は?
 ナノマシンネットワークと同じ機能の精神感応能力。
 それだけだろうか。
 いや、それはあくまで二次的なものだろう。キャストにだって、中には使える奴も居る。
 では、一体何がこいつの奇跡的『欠陥』なんだ?

「ルドルフ、着陸します。戦闘準備を」

 予定と違う地点にフライヤーが降下する。
 アガーナ・デガーナが沈黙した今、そこは目標に一番近い降下地点に変わっていた。

 ―――つづく―――
220パパと412作者:2007/06/08(金) 19:38:55.24 ID:QvYeljhe
単語の表記が間違っている箇所を発見しました。

>>218の12行目
×:けたたましい警告音が鳴り響く中、リアクター内に設置されている
○:けたたましい警告音が鳴り響く中、トランサー内に設置されている

お目汚しとなってしまった事をお詫びいたします。
221名無しオンライン:2007/06/08(金) 21:31:07.51 ID:VYATwOev
長編物 GJ!!
続きwktk!!!

読んでてふと、思ったのだが、ニュータイプもこんなふうに感じるのだろうか。
222名無しオンライン:2007/06/09(土) 04:59:40.14 ID:jO+7m9Lu
確かにこれはニュータイプって感じだなぁw
ともあれGJ、フライヤーでのシーンは中々読んでて面白かったぜ

しかし後天的に変化する異能体か、中々・・・


ちなみに>>211
>Nooooo!切り番チェックすんの忘れて上げちゃったぃ!番号変わってねぇ!
>…誰か直してくれねぇかなぁ…やり方知らんからなぁ……
まあまとめサイトとかでなら直せると思うが諦めるしかないw
223パパと412作者:2007/06/09(土) 13:34:50.14 ID:vEgKjnfT
ども、パパと412作者です。
>>221>>222
 楽しんで読んでいただけているようで、作者としてはうれしい限りです。
 言われてみれば、ニュータイプみたいですね。書いている時は気にもしませんでしたが。
 まぁ、俺も初代ガンダム世代の端くれですから、影響は受けているんでしょうがねぇ…。
 とりあえず、切り番の修正は諦めました。もうしょうがないし。

さて、本日分『暁の中で』、第六回目の投下です。

投下前の加筆修正分で、8レス分という、予定より長い1話となってしまいました。
ですので、今回は前後編に更に分けてあります。
尻切れトンボに感じるかも知れませんが、ご容赦下さいませ。
224暁の中で(26):2007/06/09(土) 13:36:02.39 ID:vEgKjnfT
 俺達の乗ったフライヤーは、アガーナ・デガーナの陣取っていた広大なプラットホームに着陸する。
 大して離れていない場所に、アガーナ・デガーナが横転したまま沈黙していた。
 機外に出て、敵の機体を確認。
 追加ユニットが背面に設置された、120mm速射型高射砲、12連装長距離ミサイルを主装備としたアガーナ
・デガーナ対高高度・対空戦仕様であるのが見て取れる。
 似たような大型マシナリーとは過去に体験済みだが、明らかにそれらよりは小ぶりな機体だ。
 装甲ハッチが開いたコクピットの近くに、特殊なパイロットスーツを身に纏った小柄な人影が倒れ手いる。
 この距離では、状態を確認できるはずも無い。
「後方支援をお願いします」
 ルゥがそう言って慎重に人影に近づいていき、状況を確認する。
 意識が無いらしく、手早く検査し拘束すると、こちらに振り返る。
「複数箇所の打撲は負っていますが、生命活動自体は問題ありません。
 脈拍、呼吸、体温共に正常値誤差範囲です」
 そう言って手際よく手当てを始める。
「脳波に若干の乱れが生じていますが、意識障害は確認できません」
 近寄ると、10歳くらいの少女が手足を拘束され、横たわっていた。
「本来ならこのままフライヤーに拘束して帰還時に回収するべきなのですが、イルミナスの手の者が放置してお
くはずはありません。
 ですが、このまま連れ歩く事も生還率を下げるだけであって得策ではありません」
「…証人として、連れ帰る必要がある、か」
 どちらにしろ、このまま放って置くわけにもいかない。
「まずは覚醒させるべきでしょう」
「…それ以外にないか」
「有りません」
 にべもなく返答が帰ってくる。
「起こすだけなら薬物によって覚醒する事も可能ですが、困難です。また、脳の活動が不安定な状態での薬物に
よる覚醒は危険を伴います。現状のまま覚醒させると意識障害が残って証言を取る時に不利な事態を招く確率が
71%あります。
 安全且つ確実に起こすには精神面からの喚起が必要です」
 こちらを振り返り、表情の乏しいいつもの顔に何かをうかがう様子を感じる。
「本来、あなたのプライベートに関わる事ですが、緊急事態なのでお許しください。
 …『黄昏の一族』の中には、ナノマシンネットワークの共鳴を利用して、相手の意識…つまり脳波を操作する
手段があるという情報があります。あなたがそれを編み出したとか」
 怯えの様な表情をはっきりと浮かべ、ルゥは続ける。
「彼女を起こして同行させるのが現在の最善の策です。
 ……………………………………お願いできますか?」
 俺はため息をついた。
「…しょうがない、緊急事態だしな。こいつもネットワークを持っているようだから可能だろう。
 ただ、成功するかはやってみないと分からないぞ?」
 ついついいつもの癖で、ローザをかまう時の様にルゥの頭を軽くポンポンたたく。
「あんまり、その事を他人に言いふらすなよ?」
「…はい、記憶しました」
 俺が叩いた帽子を両手で押さえ、ルゥはほっとした表情を浮かべる。
「さて、それじゃ周囲の警戒を頼む」
 返事を聞くよりも先に座り込んで意識を集中させると、周囲から音が消えた。
225暁の中で(27):2007/06/09(土) 13:36:56.12 ID:vEgKjnfT

 真っ暗な世界がイメージとして喚起される。
 相手の波長に合わせる為、意識の波をゆっくりとリラックスした状態に持っていく。
 己の意識を水面に模倣したイメージで呼び起こすと、真っ暗な世界に波打つ水面が現れる。
 波の広がるイメージを更に広げ、別な波と重なる場所を見つけた。
『捕らえた』
 波をたどり、中心点を目指す。
 雫が水面を叩くように、何度も上下する中心点を探りだす。
『…いい状態じゃ無いな』
 普通の意識の波長に重なって、ある種の独特なリズムで波が発生している。
 洗脳を受けた人間特有の、しかもかなり性質の悪いタイプの波形だ。
 ちょっとでも失敗すれば俺も廃人になりかねない。
『ちときついが、やるしかない』
 己の波を、相手の洗脳以外の波に合わせる。
 自分の意識がかなりぐらつくが、こらえる。
 そのまま、波を共鳴させて意識をリラックスさせ、波を小さくしていく。
 洗脳の影響を受けた波だけが、際立つ。
 洗脳の波に全く同じ周期で逆の波を作り、波をあわせる。
 最初は少しぶれるが、きれいに重なると徐々に小さくなり、すっと消えた。
 最後に仕上げとして、意識を覚醒するまで波の力を高めてやる。
 力強い感じで波が動きだすと、俺の意識がはじき出されるのを感じる。
 逆らわずに波に乗り、そのまま相手の意識から遠ざかった。


「…ふぅ」
 意識を外界に向けると、座り込んだ自分が大量の汗をかいている事に気がついた。
「パパ、だいじょうぶ?」
 小さなハンカチで、俺の顔の汗をぬぐっているローザ。
「大丈夫だ」
 立ち上がろうとして、少しふらつく。
 だいぶ消耗したようだ。
 酒でもあれば良かったが、あいにくミッション中に持ち歩く習慣が無い。
「ご苦労様です、ルドルフ」
 ルゥが少女を抱えて近寄ってきた。
「各種パラメータ、覚醒レベルに到達。血圧上昇、α波、β波安定。
 彼女の脳波は正常です。まもなく覚醒しますが、この場を移動しましょう。
 あと3分22秒で廃都監視衛星がここの観測範囲に到達します。私たちを確認されるのは問題があります」
「了解。メンテナンスルートへ移動すれば問題ないか?」
「いえ、管理施設へ向かいます。そこを通れば上空から確認される事はありません」
 少女を抱えなおすルゥ。
 その動きが覚醒を促したのか、ルゥに抱えられていた少女が目を開けた。
「…ここ、どこ?」
 瓦礫混じりのプラットホームに下ろされる少女。
「廃都西部地区第6区画発電施設のプラットホームです。目が覚めましたね。
 あなたの姓名、種族、年齢、所属組織をお答えください」
 手早く拘束を解かれ、ルゥに詰問される少女。
226暁の中で(27):2007/06/09(土) 13:37:53.15 ID:vEgKjnfT
 彼女にすれば、目が覚めると見知らぬヒューマンとキャスト達にいきなり囲まれた状況は危険に感じる事だろう。
「おい、ルゥ。まずは自分から名乗るべきだ」
 俺が助け舟を出そうとそう切り出すと、憮然として切り返す。
「彼女は敵である可能性が98%です。安易にこちらの情報を与えるべきではありません」
 思わず溜息をつく。時々融通が利かなくなるのが『このルゥ』の癖だ。
「最低限は教えてやれ。ローグス相手だって、取調べの場合はこちらの身分を明かすんだからな」
 少女は辺りをゆっくりと見渡す。
 俺と視線が合うと、一瞬硬直する。
「こわい、おじさん…」
 俺の脇でウンウンと頷くローザ。俺はその頭を軽く小突く。
「いたっ!あ、で、でもね、やさしいよ?」
 取り繕うように、腕をパタパタ振って少女の前に出て行く。
「…うん、大丈夫。もう、怖くない」
 俺は目線を少女と同じ高さに合わせる。子供目線に落とさないと、どうにも会話がしにくい。
「俺はガーディアンズ機動警備部所属、ルドルフ・F。
 彼女は同じくガーディアンズのルゥ、で、このPMが俺のパートナーのローザだ」
「…おうち、どこ?なまえは?パパとママのいるところ、わかる?」
 ローザの問いに大きく首を振って、少女はぽつりぽつり答える。
「…お家、モトゥブ。リリアナ。ビースト。11歳。パパ、知らない…」
 垂れ耳で髪の毛と色が同じなので気がつかなかったが、リリアナと名乗った少女はビーストだった。
 別段、小ビーストではないらしい。
 やや薄い金髪と浅黒い肌、青みの強い緑の瞳。
「…ショゾクソシキって良く判んないけど…ママは『海の牙』って呼ばれてる…」
 わずかな間が空くと、ルゥが口を開く。
「…検索完了。
 『海の牙』、通称タスクはモトゥブにあるローグスの中でも変り種の、女性だけの集団です。
 戦闘力、組織力共に上位のローグスですが、ここ5年ほどなりを潜めています。
 噂では、上位幹部が離脱したために組織の運営を一時中断しているという話があります」
 落胆の表情こそ出さなかったが、流石に困った。
 ルゥには言わなかったが、足手まといになりそうなら、この少女をフライヤーに残していこうと思っていたのだ。
 しかし、それでは問題がありすぎだ。
 ローグス首領の母親と言うからには、子供とはいえ相応の操縦技術を身につけていると思っていいだろう。
 そうなれば、フライヤーを盗まれる可能性がある。
 それに、ここに残す事は再び連れ去られる危険性が残っている。
「連れて行きましょう」
「…分かった。ルゥがそう言うのなら。応援は期待できないんだろ?」
 ルゥは珍しく躊躇った後、
「はい、応援はありません」
 とだけ言った。
 彼女が来た時点で分かっていた。
 本来ならば沈黙を守る宣誓書類に署名をするべき類いの事件なのだ。
 今回の彼女は、いわば情報端末の役割でここに来ているのだから。
「…行くぞ」
 そう言って、施設へと足を向けた。
227暁の中で(29):2007/06/09(土) 13:39:03.05 ID:vEgKjnfT
フライヤーのフォトン・ミラージュ装置を起動した後、俺の後を追って小走りに駆け出すルゥ。
 その前を大股に歩きながら、俺は疑問を口にする。
「しかし、なんだってローグス首領の子供が、アレに乗ってたんだ?」
 と、アガーナ・デガーナを親指で指さす俺。
「不明です」
「…あのね…」
 小走りに移動しながら、リリアナが話に割り込む。
「…おねーちゃんに会いに行く途中にね、誘拐されたの…おねーちゃんには会えたけど、あたしを誘拐したのお
ねーちゃんだったの…おねーちゃん、あたしを利用するって言ってた…」
「「…おねーちゃん?」」
 異口同音に聞き返す。
「ちっちゃい頃遊んでくれた、リゼリアおねーちゃん。パルムでお仕事してるって…遊びにおいでって…」
「…あ」
 そういうことか。
 呼び寄せて、この子の能力を利用した訳か。
 しかし、その目的がさっぱり判らない。
 彼女――リゼリアは一体何の目的で動いているんだ?
 気のせいかもしれないが、イルミナスのヒューマン原理主義の為にしては、それ以外の部分が見え隠れしてい
るように俺は感じる…
 …そういえば、何故俺がこの事件にここまでかかわってる?
 よくよく考えれば、今回の騒ぎの発端は俺が彼女に呼び出されてから始まっている。
 俺がここまでかかわるように仕向けられているとしたら…
 俺が彼女の目当てということになるぞ?
 本当か?自意識過剰じゃないか?俺。
 例えそうだとして、一体、俺の何を望んでいる?彼女に有益そうな物は…

「ここから先は危険です。戦闘準備を」
 ルゥのその言葉に、思考が中断され現実に引き戻される。
 扉も無い、黒々とした建物の入り口だけがそこにあった。
「了解。
 ローザ、ここを抜ける間のリリアナの警護は任せるぞ、いいな?」
「は〜い!」
 元気のいい返事をすると、リリアナの手を取るローザ。
「きをつけてね。ここからはあぶないから、あたしからはなれないでね?」
「…うん…」
 ローザの手をぎゅっと握り返す少女。
 そして、全員がゆっくりと建物に踏み込んだ。

 ―――つづく―――
228パパと412作者:2007/06/09(土) 13:43:45.27 ID:vEgKjnfT
 上げたそばからまた切り番ミスった…………モウイヤ orz……シクシク
229名無しオンライン:2007/06/10(日) 08:08:04.24 ID:pEpfX3Ti
ルウとルゥは別人という理解でおk?
230名無しオンライン:2007/06/10(日) 08:57:04.01 ID:ACejiLkQ
>>228
そんな細かいことは気にならないくらいおもしろいぞ。
楽しみにしてます、がんばってくれ〜
231名無しオンライン:2007/06/10(日) 14:56:01.56 ID:MmdyecWP
このスレ文脈からしてクオリティ高いのわかるけど
ちょっと見にくいな・・・・・。
232パパと412作者:2007/06/10(日) 19:56:51.56 ID:+geZ4ffW
ども、パパと412作者です。
>>229
 すいません、ゲーム中に出てくルウと作中に出てくるルゥは同一人物です。
 表記を勘違いして、『ウ』を小さく表記していました。
 ちなみに、オンライン上で会うルウ達は、各プレイヤーごとに全て別個体と想定しています。

>>230
 楽しんでいただけて幸いです。これからもお付き合いのほどを。

>>231
 原稿の量と、書き込める文章量の限界から、1行50字×50行を目安に区切っているため、どうしても読みにくくなっているかと思います。
 読みやすい量に区切りなおすと、改行や余り字の関係から、想定量がおそらく1.5倍から2倍近くになるかと…。
 大量にレスが流れないようにするための苦肉の策ですので、読みにくさについてはご勘弁のほどを。
 今後、読みにくいとか、まとめて読みたいとの要望があるようでしたら、原稿の誤字等を補正して、UPローダーに上げる事も検討中です。
 何せ、量が半端ではないものですから…。

さてさて、前置きが長くなりましたが、本日分『暁の中で』、第七回目の投下です。
ご拝読下さいませ。
233暁の中で(30):2007/06/10(日) 19:59:15.35 ID:+geZ4ffW
 構造物の中に、人の気配は全くなかった。
 時折現れる、廃墟をねぐらとした原生生物も特に悪さをする事もなくおとなしかったし、イルミナスの連中も見かけない。

 やがて、目標地点が近づき、管理施設から外へ出た。
 そこは爆心地さながら、見ただけじゃクレーター以外何も無い場所だった。
 焼けた諸々の匂いが充満し、吐き気を催した。
 すぐ傍にある形の残っていたビルの壁面の途中、ここから100mくらいの高さに、小型フライヤーがかろう
じて原型をとどめ、突き刺さっているのが見て取れる。
 見えているのはそれでも後部の姿勢制御と動力ユニット位だが、カーゴ部分は見当たらない。ぶつかった時に
吹き飛んだのだろう。
「イルミナス達は撤収した模様です。撤収した理由は不明ですが、何らかの条件を満たしていると考えるべきです」
「て事は、後は残骸しか…それも残ってないかもなぁ」
「ですが、調査は必要です。
 あなたには周囲の探索をお願いします。私は中心部と制御ネットワークを調査します」
「了解。ローザ、リリアナとさっき入ってきた入り口の傍で待機」
「…はーい」
 ちょっとふくれっ面で返事を返してきた。
「待ってください。始める前にこれを」
 ルウが唐突に何かを手渡す。
「有毒物質が充満している箇所がある可能性があります。このマスクを着用して下さい」
「…手際がいいな」
「この施設に残されていたものです。年月は経っていますが、使用に耐えます。
 キャストといえども危険ですので、ローザも身につけるように」 
「むぅ〜、わかりましたよぅ」
 更にむくれるローザ。
 では始めましょうか、とルウが切り出そうとすると、リリアナが彼女の口を手で塞ぐ。
「…ちょっと静かに…」
 そう言って、両手を耳に当てると周囲を警戒する。
「…こっち…」
 フライヤーの突き刺さっているビルの真下、そこにある瓦礫に近づき、耳を押し付ける。
「…この下、何かいる…」
「マシナリーの動力源反応を複数確認」と、ルウ。
「…パパ、このしたにPMがいっぱいいる…かず…315」
 ローザの言葉に、ルウが怪訝な表情を浮かべる。
「精密な計測をしないのに、数が判る筈がありません」
 その言葉に、ぶんぶんと首を振るローザ。
「わかるよ、わかるんだもん、どうしてかわからないけど、わかるんだから!
 うそじゃないもん!うそじゃないもん!!
 みんなとじこめられてるのがわかるんだもん!
 せまいコンテナのなかにいっぱいいれられて、みんなけがしてる!
 …ひとりだけ、そとにでたの?ここにくるの?
 え?ヒューマンのおんなのひとといっしょ?」
234暁の中で(31):2007/06/10(日) 20:00:54.05 ID:+geZ4ffW
「事の真偽を確かめるには、どうしたらいい?」
 俺がそう言うと、少しの間があってからルウが口を開く。
「この瓦礫を切り崩せば、確認が取れます。コンテナが落ちているという事は、下側が空洞になっているのでし
ょう。瓦礫を落としても、コンテナの強度からすれば破損は問題無いはずです」
 ですが、と更に続ける。
「瓦礫の量が半端ではありません。通常の個人兵装では不可能なので、私のSUVウェポンで吹き飛ばします」
「それはそれでむちゃくちゃな提案だな。落盤する危険性が高いんじゃないのか?」
「問題ありません。発電プラントを支えるための基礎ですので、劣化を加味しても落盤する可能性は0.005%で
す。それに、私が使うのはこれです!」
 俺はあわてて傍にいた二人をかばう位置に立つ。
「ローザ、リリアナ、入り口まで下がってろ!」
 SUV転送ゲートの波動が視覚効果を伴って起動する。

「SUVウェポン起動申請、メテオマッシャー、起動」

 天空から喚び出された巨大な腕が、瓦礫をなぎ払って吹き飛ばす。
 ヒュ〜ッ、と思わず俺は口笛を鳴らした。
「…なるほど、流石だ」
 俺の褒め言葉に、微かに頬を染める。…そういや、最近は感情を見せるようになってきたけど、誰かの影響だ
とか言ってたな。
235暁の中で(32):2007/06/10(日) 20:01:41.71 ID:+geZ4ffW
 それはさておき、瓦礫の下にはぽっかりと大穴が空いていた。
 空洞は広くて深く、やや奥のほうに落ちたコンテナは、少しひしゃげているが無事残っている。
 よく見れば、コンテナの天井に人間がやっと通れる位の穴が内側から開いていた。
 誰かが強引に内側から破ったようだ。
「…流石に数は判らんか」
「あそこに、コンテナ管理の端末があります」
 俺達がいる場所に近い側に、観音開きの扉と簡素なキーパッドがかろうじて確認できた。
 しかし、操作するには降りるしかない。
 この高さでは飛び降りるのはまず無理だし、何より上がってこられるかどうか。
「この形式のコンテナなら、端末を破壊すればセーフティが働いてハッチのロックが開放されます」
「…この距離じゃ、精密射撃モードのライフルでもぎりぎりだな」
「問題はもう一つあります」
 ゴーグルを、と促され、取り出してかけてみる。
 赤外線、紫外線、X線などの計測が瞬時に行なわれ、なじみ深いアイコンと強度メーターが表示される。
“Seeld line:Type normal Def・Pow:170”
「なるほどな、シールドラインか」
 内側からぶち抜くならともかく、真っ向からやるには分が悪すぎる強度だ。
「私の装備では、同じ角度から同じ位置へ正確に3連射しなければなりません。破壊できる確率は…」
「何が足りない?」
 ルウの言葉を遮って、そう切り出す。
 何が言いたいのかは分かっている、次の手をさっさと考えるのが建設的だ。
「…精密射撃用の銃の補器が足りません」
「バイポッドはそこら辺のガラクタを使うとして、高精度のセンサースコープが無いか」
「せめて、2点観測用のレーザーでもあれば…」
 珍しく言葉尻を濁すルウ。
「パパぁ、これじゃダメぇ?」
「パパは止せって…はいぃ?」
 ローザの声で振り返ると、直径50センチほどの金属製の球体がふわふわと間近に浮かんでいた。
「お前、これ何処で見つけてきたんだ?」
「えっと〜、え〜っと、さっきのあがーな・でがーなのはんじりつがたしゃげきセンサー。
 くるとちゅうでみつけたから、ひろったの♪」
「拾ったの、って、お前が操作しているのか?」
「そうだよ〜♪」
 得意そうな顔で、満面の笑みを浮かべるローザ。
 感応装置を使えば確かに俺でも動かせるが、単体では只のセンサー特化型マシナリーだ。
 それをローザは苦も無く操っている。
 マシナリーを制圧・操作する能力。
 これがローザの致命的『欠陥』能力だった。
 今は1機しか動かしていないが、これを何十機、何百機と同時に、有機的に連携させて操れるとしたら…。
 1PMが1個大隊に匹敵する戦闘能力を持つ事になる。
 あまりの恐ろしさに、鳥肌が立った。
236暁の中で(33):2007/06/10(日) 20:02:30.76 ID:+geZ4ffW
「パパぁ、ルウにあわせればいいの?」
「あ、ああ」
「じゃあ、はじめるよ〜」
 既に即席のバイポッドを作り、待機していたルウ。
「センサーのシンクロ完了、各種補正完了。シュート」

 ドンドンドン!

 音の切れ目が無い3連射。
 一瞬だけ、小さな火花が見て取れた。
「成功です。ハッチが開放され始めました」
 コンソールが破壊され、コンテナのハッチが完全開放される。
 ハッチの中から、動きの鈍いPM達がゆっくりと現れる。
 脚、胴、腕、頭…少なくともどこかを破損しているらしく、ぎこちない動きで全躯体が現れた。
 その数…
「確認しました。…315体、全てパートナマシナリーです。ルドルフ、ローザの言った事は事実です」
 俺も改めてゴーグルをかけ、暗視モードで仔細に観察する。
 流石に数は分からないが、410から450までの基本仕様のPM躯体が下の部屋にひしめいている。
 ん?基本?315体?
 昨日の仕事はなんだ?
 終了済みの個体数と、数は合う。だが、一部はデバイスを使用しているんだぞ?
 そして、はたと思いつく。

 スペアはどうした?

 背中を冷たいものが流れた。
「そうか、こいつら全部、スペアPMか」
「バックアップやメインPMが部屋にいない時に使用する、補佐PMですか?」
「ああ。それも、昨日俺が回収した分全部と同数が、ここにいる」
「いえ、もう一体が女性と一緒に脱出したと、ローザは言っていました。
 ローザの言葉が事実だと確認できた今、もう一体とヒューマンの女性があのコンテナから先行して脱出してる
事は確かです。周囲の…」
 警戒を、と続ける前に、ルウはライフルを入り口に向ける。
「…油断が過ぎるな、『インフィニット』」
 俺の事を、呼ぶなといった銘で、呼ぶなと言った相手がそう呼んだ。
「リリアナから手を離せ、GRM情報部部長。
 いや、イルミナスの手先、と言ったほうがいいか?
 リゼリア・ローズ・フォリス」

 ―――つづく―――
237暁の中で(33):2007/06/10(日) 20:19:46.16 ID:+geZ4ffW
スペルミスがありました。

>>235、15行目
 ×:Seeld line
 ○:shield line

お目汚しとなってしまった事をお詫びいたします。スペルチェックマデワスレルトハ…メンボクナイ
238パパと412作者:2007/06/11(月) 10:34:46.91 ID:mOICD4qp
ども、パパと412作者です。

誤字に誤表記、切り番忘れ、スペルミスを連発してます作者ですが、ゲームプレイ中でもケアレスミスしてます。
ファミ通カップのトライアル中に間違ってビル・デ・ビアを打ち上げたり、吹き飛ばしたり…
自分がやっちゃった分で、死者が出てないだけ救われてますが…
どうも調子が悪いようです。
投下前に再度チェックを行なっていますが、切り番忘れも心配ですし、昨日はスペルミス上げるのに名前直すのまで忘れてるし…

不安材料は掃いて捨てるほどありますが、本日分『暁の中で』、第八回目の投下です。
ミスがないことを聖霊に祈りつつ、ご拝読くださいませ。
239暁の中で(34):2007/06/11(月) 10:36:23.92 ID:mOICD4qp
 俺はゆっくりと振り向く。
 入り口まで下がらせたリリアナの左腕を締め上げ、右手のダガーを少女の喉元に突きつけて入り口の前に佇む、
煤けたやや小柄な女性ヒューマン。
 紫色の髪、琥珀色の瞳。
 GRM情報部部長、リゼリア・ローズ・フォリス。
 黄昏の一族の血を引くもの。
 その足元には、彼女を支えているGH−440がいる。
 口をパクパクと動かし必死に何かしゃべっているが、発声装置を破損しているらしく、何も聞こえない。
「ふん、そんなのはもうどうでもいい。
 PMによるガーディアンズ組織の破壊というあたしの計画は失敗した。
 ここにいるあたしは死人なんだ。
 連中もあたしを見捨てた。
 きっちり置き土産までしていったよ」
 リリアナの拘束を解くと素早く当て身をいれ、気絶させる。
 フフ、と苦い自虐の笑みを浮かべ、大きく溜息をつくリゼリア。
「パパとママを見捨ててヒューマンを劣等種と呼んで蔑む連中、そいつらを守ると吹聴するガーディアンズ。
 そんな連中なんて、死んでしまえばいいって思ってた」
 先ほどと口調が変わる。こっちが地なのだろう。
「でもね、ほんとは分かってた。
 みんな一生懸命生きているだけなんだって。
 自分が優位なんだって、そう思わないと生きていけないだけなんだって。
 …イルミナスに踊らされていたあたしが言うのも、変だよね」
 苦いままの顔が、無理やり笑みを作る。
 痛々しい笑みだ。
「自分の願いを叶える為に、この子まで利用しちゃった…
 失敗までして…義姉さん、怒るかな?…
 叩かれる痛みも、利用される苦しさも判っていたのに…
 義母さんの悩みも、義父さんの辛さも知ってたのに…
 痛いの、嫌だよね…
 心が痛いのは、もっと嫌だよね…
 分かってたのに、あたし、わかってたのに…
 いつも後から、やってから後悔して…」
 440が支えきれずにしりもちをつく。それと同時に、彼女がゆっくりと座り込んだ。
 リゼリアの独白はだんだん小さくなっていく。
「差別なんて、当たり前だった。
 小さい頃、おばさんが、泣きながら私を叩いてた。
 こんな事したくないのに、しないともっとあんたが痛い目に遭う、って。
 あんたを叩く手の痛みより、もっと心が痛いよ、って…
 助けてあげたいのに、助け方がわからない、って…」
 近くの壁に、とさり、と寄りかかる。
240暁の中で(35):2007/06/11(月) 10:37:50.13 ID:mOICD4qp
「心の痛さ、わかってたのに。
 PM達の事、わかってたのに。
 悲しくて、つらくて、心が痛いの…
 わかってたのに…
 あたしのわがままに、まきこんで…
 ごめんね…」
 傍でルウが囁く。
「あのGH−440は『彼女は腹に致命傷を負っている、早くしないと死んじゃう!』とずっと叫んでいましたよ」
 リゼリアの支離滅裂な独り言。
 既に過度の出血による意識の混濁が起こっていたからだ。
「ごめんね、義父さん、義母さん、義姉さん、リリアナ、みんな…」
 壁に身体を預けたまま、壁を滑って上半身がゆっくりと前のめりに倒れた。
 俺は、急いで彼女に駆け寄ってその手をつかみ、脈を図ろうと長めの手袋を脱がした。
 現れた皮膚全体が粉を吹き、地割れのように深く、細かくひび割れている。
 クローン体などでよくある、肉体が自己崩壊を起こしている典型的な症状だ。
 ムーンやコスモアトマイザーでは、ここまで死に掛けてる肉体を賦活することは出来ない。
 彼女の脈拍は、微かにしか感じない。
 周囲をうっすらと覆っている煙で判らなかったが、腹を貫通する傷から大量に出血し、しゃがみこんだ足元に
血だまりを作っていた。
 シールドラインも完全に破損している。
 極音速の高速弾頭を使った実弾兵器でもないと、今時こんな傷にはならない。
「はやく…にげ…て……P、M、が、自爆…」
 そこまで言うと、彼女の身体から完全に力が抜けた。
「…この」
 くずおれたリゼリアを俺は抱き起こし、
「馬鹿野郎がぁ!!」
 怒鳴りつけた。
「心拍数、血圧、共に危険域まで低下。今の罵声で若干改善しましたが、危険域のままです」
 脇で冷静に診断するルウをそっちのけで、俺は怒鳴り続けた。
「何がごめんね、だ!謝るなら、生きて当人に面と向かって謝れ!
 ふざけた事抜かしたまま、あの世になんか逝かせてやるか!!
 お前は死なせねぇ!俺が死なせねぇ!生かしてその罪、償わせてやる!!」
 俺がそう叫んだのを聞いて、後ろからローザが話しかけてきた。
「パパ」
「…パパは止せと言っているだろうが」
「おねえちゃん、しんだの?」
「まだ死んでねぇ!」
「そっか。じゃあ、みんなでかえろうね」
「ったりめぇだ!」
 振り返ると、にっこり笑ったローザがいる。
「じゃあ、わたし、ガンバってくるね!」
 パタパタと手を振るローザ。
241暁の中で(36):2007/06/11(月) 10:38:51.56 ID:mOICD4qp
「!、おい!」
「みんな、たすけてくるぅ!」
 止める間も無く、小柄な人影が穴に飛び込む。
「くぉの、バカ娘がぁ!何が出来るって…」
 穴の中から、一度だけフォトンアーツの音が聞こえた。
 あの音はおそらくスピニングブレイク。
 落下の勢いをPAで消したんだろう。
 穴の中のざわつきが消え、リズムを伴って小さくなっていった。
「…まさか、PMの自爆を止める気か?本当かどうかも分からないのに」
 立ち上がって穴に駆け寄ろうと思ったが、腕の中で小刻みな痙攣が始まった。
 まずい。
 彼女の背中側の穴に大型の負傷用パッチを貼り付けて穴を塞ぎ、地面に横たえる。
 右手でブーツに仕込んであるセラミック製のナイフを引っ張り出すと同時に、シールドラインを解除。
 袖をまくった左手首にナイフをあてがい、動脈まで一気に掻き切る!
「!、ルドルフ、何を?!」
 大量に吹き出ようとする血をコントロールするため、ナイフを捨てた右手で素早く傷口部分を押さえる。
 ルウが俺の出血を止めようとするが、それを振り払って、流れ出た血を彼女の腹に空いた穴と口の中にたっぷりと注ぎ込む。
 一気に失血したためか、かなり頭がクラクラする。
 くそったれ、肉体が自壊するまでに間に合うかどうか怪しいぞ!
「あなたの行為は非論理的です。そんな事で、彼女の負傷が治る事はありません!」
「黙って、見ていろ」
「こんな…こんな行為は無駄です!一体…こんな事をして、彼女が助かる見込みなんて…!」
 錯乱しているルウを見れるとは、と、貧血の頭で考えて思わず顔がにやけた。
「…なぁ、ルウ」
 貧血で顔色が悪くなっている俺が唐突に話し出したので、錯乱度合いが増したように見えた。
「は?はい?」
「俺がどうして『インフィニット』なんて呼ばれていたか、知ってるか?」
 俺がいたって正気だと判ったらしく、落ち着きを取り戻しながら答えた。
「生きて帰るのが不可能な作戦で必ず生きて帰ってきたから、という話なら知っています」
「確かに生きて帰ったさ。
 だが、実際はちょっと違う。
 俺は戦場で何度も死んでいる。
 それこそ、ここで死に掛けているこいつみたいにな」
242暁の中で(37):2007/06/11(月) 10:40:36.59 ID:mOICD4qp
 出血の量が減ってきた。
 筋肉が血管を収縮させ出血を弱めようとする反射行動だが、毛細血管や細い血管からの出血は弱められても動
脈までは押さえられない。
 だが、それでもまだ足りない。
 無理やり傷を開き、更に血を流す。
 更なる激痛に歯を食いしばる。
「くっ…。
 俺はな、戦場で死んで、それから蘇生をしているんだ。
 何度もな。
 それが、俺の致命的欠陥能力。
 体内に半永久的に定着させた、負傷を回復させ代謝機能を促すナノマシンが本来の機能を果たさず、その代わ
りに完璧に死亡した状態から細胞レベルの完全蘇生を行なう。
 俺を殺すには、倒した後に原子分解レベルで破壊しないとナノマシンによって細胞レベルから蘇生してしまうんだ。
 俺に壊死は起こらないし、老化もしない」
 だがこの身体、腐りはしないが毒は喰らうし病気には感染する。
 しかし、一旦死んでしまえばそこからナノマシンが活性化して、細胞を正常で若々しい遺伝子情報に書き換え、
失った部位や破損した部位を完全高速再生し、毒でも病気でも、例えガンであっても治癒して蘇生してしまう。
 病や毒の苦痛、死への恐怖、生き返る苦しみを何度も経験するしかない、死を許されない身体だ。
 過度の出血で、聖霊の御許まで意識が飛ぶ。
 今までに何度と無く経験した死の世界だ。
 そして、意識が強引に肉体へ引き戻されると、完全に傷が塞がっていた。
 驚きに目を見張らせて、ルゥが俺の身体を診察している。
「どういう身体をしているのですか、あなたは?」
「傷跡が全くないだろ?」
 俺のふざけたような言い回しに、返す言葉を失ったように黙ってしまう。
 いくら完全蘇生をするといっても、肝心のナノマシンを血と一緒に半分近くくれてしまった後だ。
 失った血とナノマシンまでは流石にすぐには補給されないし、2リットル近い出血の負荷は流石にきつい。
 だが、これくらいやらないと、ナノマシンの量が足りないだろう。
 後は時間との勝負だ。
 手持ちのメイト類を全部出し、トリメイトを1本だけ残して全部を彼女の腹の傷と口に更に流し込み、更に全
身に降りかける。
 肉体を完全に再生させるには、ナノマシンと細胞にこれくらいのカロリーが必要だし、感染症による負荷が蘇
生の障害になる心配もある。
 残していた分は、自分に使用する。
 気休めでしかないが、失った分の血と体力を何とかする為だ。
 貧血による目眩はあるが、先ほどよりは少し楽になる。
「…ふぅ。
 こんな俺を、研究者達はどうしたと思う?
 お決まりの実験さ。
 今更どうこう言うつもりは無いが、俺の能力を発揮する条件を満たせないのがわかって、連中は諦めたよ。
 ま、俺の体から得られた技術で今のガーディアンズは恩恵を受けてるがね」
243暁の中で(38):2007/06/11(月) 10:41:56.37 ID:mOICD4qp
「…それは、一体何ですか?」
「スケープドール」
 端的に答えてやる。
「スケープドール自体はあの当時よりも以前からあったが、俺の身体で得た技術によって更に改良されたって話
を聞いている。
 ちゃんと蘇生しなかったり、異常状態が回復しなかったりという蘇生事故も殆どなくなったという話だ。
 俺もずいぶん使ってるよ」
「では、あなたのナノマシンがその能力を完全に発揮するための条件は何なのですか?」
 言おうかどうか躊躇ったが、普段から冷静な彼女が取り乱すほどの行為を行なった理由位は、はっきり伝えて
おこうと思った。
 ここまで見ているのなら、知る資格は十分にある。
「…血だよ」
「血、ですか?」
「…………俺の血液中には、死亡した肉体の再生を促し、その後活性化させるためのナノマシンネットワークが
形成されている。
 さっきも言ったが、負傷を回復させ代謝機能を促すナノマシンが本来の機能を果たさず、その代わりに完璧に
死亡した状態から細胞レベルの完全蘇生を行なう。
 そして普段は、新たな細胞を作り新陳代謝を促すのではなく、細胞内の遺伝子情報を若く健康な状態に書き換
えて、現在ある細胞を常に最良の状態で維持するように機能している。
 とは言っても、抵抗力としての代謝能力は人並みだから、毒や病気まで防ぐほどの能力ではないし、細胞自体
の代謝速度は、遺伝子書き換えによって細胞の老化そのものが非常にゆっくりな為に、それこそ人並み以下だ。
 死んだ時以外は、欠損部位の修復速度なんてそれこそ普通の人間にも劣る。
 ただ、こんな能力でも、それらが完全に機能するにはいくつかの条件があってな。
 成人している事、遺伝的に劣勢な事、そして何より…」
 ちらりとルウを見る。
「血液型が適合しないといけないって事だ」
「…まさかとは思いますが、その可能性は天文学的に低いのでは」
「その通りだ。
 俺の知る限り、俺の血液型と同じ奴は、俺の遺伝子母体になった女性とその子孫、後は数えたほうが早いくらいに少ない。
 そして、こいつは成人かつ遺伝的に劣勢な上、何の因果か俺の『母親』の子孫で同じ血液型だったって事さ」
 機内で見せられたレポートに記されていたリゼリアの血液型。
 アレを見なければ、この手段は思い出す事も無かった。
 自意識過剰かと思っていたが、彼女には俺を狙う理由がちゃんとあった。
 俺を狙った理由は俺のナノマシンだったのだと、今ならはっきり分かる。
 既に余命が無い状態から生き残るための最後の手段。
「あらゆるテストがなされたが、同じ血液型じゃないと俺のナノマシンは『正常』に機能しないんだ。
 骨髄移植まで試みられたが、骨をナノマシンに侵食れちまってな。
 この方法が上手く行ったのは、俺と同じ血液型だった俺の兄弟の一人だけさ。
 …作戦中に完全消滅したけどな」
 動かすのもだるいが、なんとか身体を壁に寄り掛かる。
「さて、後は肉体が復活するエネルギーに耐えられるかどうかだけだ。
 リゼリア・ローズ・フォリス。
 お前は、死んでは駄目だ」
244暁の中で(38):2007/06/11(月) 10:44:12.79 ID:mOICD4qp
 数分後、瀕死状態というよりは死亡状態の彼女がピクリと動いた。
 五分もすると、静かだったリゼリアの身体の周りに陽炎が立ち昇り始める。
 肌がうす赤く上気し、荒い呼吸を始める。
 経験上のことで分かっているが、この方法で蘇生させた場合、全身の細胞がナノマシンによって活性化を始め
ると、弾かれたように全身全霊で大暴れする。
 あまりの力に自分の手足を自分で千切りかねない。
「そろそろ始まるな」
 そう言って、彼女の身体を抑えつけようと努力する。が、身体に力が入らない。
「まずい、ここで暴れさせたら意味が無くなっちまう」
「私が抑えます。あなたは休息を」
「ひとりじゃ無理だ。昔やった時は、大の男が10人がかりでやっと抑えられたんだ」
「それでしたら、私の他に後4人いれば抑え切れます」
「その四人をどっから連れてくる気だ!くそっ、誰かいないのか!」
 一瞬、何かがぞわりと背筋を撫でる感触。
 強固な基礎を何かがかすかに揺らした。
 戦場で聞きなれた音が遠くから耳に届く。
 反射的に、ここの入り口の奥に目を向けた。
 靄と暗闇の向こうに、確かに何かがいっぱいいる。
 暗闇の中にいくつもの光。
 その光がゆっくりと近づいてくる。
「敵、か?」
 身体が利かないこんな時に!
 幾人も歩く足音がゆっくりと迫る。
 そして…風が吹き、靄がゆっくりと流れた。
「ただいま〜、パパぁ!」
 能天気な声が中から聞こえた。
 先頭を歩いてきたのは、煤と埃にまみれたGH−412―――ローザの姿だった。
 その姿を確認して、気が緩む。
 昏倒しそうになった俺を、複数の410が駆け寄って支えてくれた。
「…お前、なぁ…」

 ぅぅぅぅぅ、ゥォォォオオアアアアア!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!

 怒る気力も切れかけた所に、リゼリアが暴れだしてルウを吹き飛ばす。
「ローザでも誰でもいい、とにかくあいつが暴れるのを抑えろ」
「は〜い!いくよ、みんなぁ!」
 あ、みんな?
「は〜い!」×315体

 ワ〜ッ!!!!!!!!!!

 足の踏み場もないほどのPMが、よってたかって一人のヒューマンを抑え込んだ。
 確かに抑えはしたが…

「やっちゃいました!」×315体

「…本当に『殺っちゃいました』になるぞ、お前ら」
 あふれかえったPMどもの集団からやっと上半身を出した俺は、悪態をつくのが精一杯だった。

 ―――つづく―――
245名無しオンライン:2007/06/11(月) 12:27:56.90 ID:2k6KaCpm
……パシリまみれ
246名無しオンライン:2007/06/11(月) 13:15:33.56 ID:gy1NTSK7
パソコンを借りて来てみたら しばらく見ないうちにえらい進んでますな!
とある事情によりあと2週間程家に帰れそうもないのです、、
PMと一緒に気軽にミッションいけるようになったみたいで…いいですな
ファミ通カップには参加できそうもないなぁ、、
寂しいのでふと思いついた話を投下しにきてみました
247青キャス子の日常「お留守番編その1」:2007/06/11(月) 13:17:58.40 ID:gy1NTSK7
 ご主人様が帰ってこなくなり何一つ連絡もないまま一週間がたちました、
 私は日々枕を濡らす毎日です それは何故かと言うと…
411「おなかがすいたんですよぉぉおおお!!」
 そうなのです、ふらっと出かけては1週間帰ってこないなんてのは今までにも何度かあったので
 慣れてはいたのですが今回はゴハンがないのです 私のご主人様はとある事情でPM2体も買い取り
 尋常じゃない額の借金を抱えています うかつに倉庫の素材に手を出そうものなら
 空腹は満たされますが、最終的には資産が減ることにより自分の首を絞める事になります…
 ここはガマンです、、うう
 プシュー
441「ただいま戻りました」  411「おかえりなさいー、どこいってたの?」
   「ヒュマ助氏のお店です 食事をとらせていただきました」
411「ええええ!!何で!?」
441「ヒュマ助氏に泣きつけば食事を提供していただける確立は99,9%ですから」
   「これを利用しない手はありません、もちろんお店をお手伝いしましたが」
411「じゃなくって!何で私も連れてってくれなかったんですか!?」
   「一声かけてくれてもいいじゃないですかぁあああ!;;」
441「私も声をかけようとは思ったのですが…でも411さんの分ももらってきましたから」
   「細かいことはいいじゃないですか、はいコレをどうぞ」
411「わー!ありがとうございます441ちゃん オルアカロールですねぇ、いただきまーす」
   「…!あっ、からっ!辛いぃぃいい ヒー!;;」 盛大に火を吹く411
441「ふっ、くw」 笑いをこらえる441
411「ひどいですよ!何するんですかっ」
441「マスターならきっとこうすると思ったものでつい…すみません お水をどうぞ」
 ゴクゴク… たしかにご主人様ならやりかねませんが、何も441ちゃんまでやらなくても…
 型番こそ違いますが同じPMなのにこうも性格が違うものなのでしょうか、
441「では店番交代いたしましょう」 411「あっ、はい お願いします」
 と言っても商品が何もないのでお客は来ないんですけどね…
411「暇ですねぇ、」 441「そうですね」 411「…」 441「…」
 な、なんとなく気まずい雰囲気です… 何か話題は無いものでしょうか
411「そ、そういえば441ちゃんとご主人様との出会いってどんな感じでした?」
441「出会い、ですか?」 411「う、うん」
   「別に特に何もなかったですね」 411「何も?」
   「ええ、決められたパーツや防具を決められた時間に決められた量を食べさせられ」
   「進化をして、今にいたります」 411「そうなんだ…」
   「411さんの方はどうだったのですか?」 411「私ですか?…私はですねぇ、」
248青キャス子の日常「お留守番編その2」:2007/06/11(月) 13:19:52.10 ID:gy1NTSK7
101「はじめまして、あなたの身の回りのサポートをさせていただきます」
   「パートナーマシナリーのGH101と申します よろしくお願いしますね」
青キャス子「ム、よろしく しかし丸いな手も足もないし、そんなんで何をサポートするんダネ?」
101「えーとですね、倉庫の整理とか合成のお手伝いとか…」
青キャス子「!! よし早速頼みたい事があるんだが」
 パルウッドを床に並べ始める青キャス子
101「はい!何でしょう、か!?」 がっしりと脇にかかえられる101
青キャス子「そぉい!ボーリングじゃああ」 101「ぎゃあああああああ!」 ドゴーン
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
201「レベルアップ!GH201に進化いたしました」
青キャス子「おお!手が生えたのか、ということは次は足が生えるのだろウカ…よしどんどん食え!」
201「モギモギ、微妙な味」 「…」 「モギモギ、微妙な味」 「…」 「モギモギ、微妙な味」
青キャス子「だあああ!一個ずつなんてやってられるか!」
201「ちょ、ご主人様!?そんないっぺんにはムリ…もがっぐぇっウェ、アッー!」 ゲロロロロ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
301「レベルアップ!ついにGH301に進化しましたよー」
青キャス子「何かカッコいいな!ちっちゃいディラガンみたいだ」
301「えへへー、がおお!ディラガンだぞー」
青キャス子「そういやディラガンといえば上空に飛ばれたら銃しか攻撃が届かないんダガ」
      「私ぁ射撃の腕はからっきしでなぁ…ちょっと練習させてくれんカナ」
 おもむろにハンドガンを取り出し301に狙いをつける青キャス子
301「ご主人様!?あぶ、痛!いギャーーーーー!」
青キャス子「出力はちゃんと最低にしてあるから安心してクレ みねうちだ」
301「そ、そういう問題では…うわっ!あわわ アッー!」 ズガガガガガ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
411「410に進化した後もヴァーラの群れにほおりこまれたり、フォイエの盾にされたり」
   「それはもう大変だったのですよぉおおお;;」 441「………」
   「って、441ちゃん聞いてますか!?」 441「え、えぇ…聞いています」
   「あと、パシリ爆弾とか これはホントに死ぬかと思ったんですよ…」 441「…ふぅ」
 この後411の愚痴は3時間続いたのであった        終わり
249名無しオンライン:2007/06/11(月) 13:22:28.60 ID:gy1NTSK7
やっぱり育て方やご主人の性格、環境によってPMの性格、しゃべり方 しぐさや目つき等
変わってくるんだろうなぁ、と思いつつ とってつけたような
411と441の過去話を書いてみたけど 何だかよくわからない話になってしまった、
前にもちょこっと話題に出てたけどPM育成ゲームっての作ったらおもしろそうですな…
その名も「パートナーメーカー 〜夢見るマシナリー〜」どこかで聞いた事あるようなのは気のせい(何
今回の話を執筆中に浮かんだネタをやろうかどうか迷ったが
でもせっかく書いたので番外と言う事で投下してしまおうと思った、

 番外、お留守番編の続き
441「でも楽しそうですね、ちょっと羨ましいです」
411「そ、そうですか?」 441「そうですよ」
441「私なんて440に進化する時にソニックを食べさせてもらったぐらいですから(実話)」
411「そにっく!?星10レアの!?」
441「ええ、大変美味でした」
411「うわー、いいなぁ…私なんてギガッシュ1000本ぐらい作らされて(実話)」
   「もらえたのは低属性のゴミッシュばっかりでしたよ…」
441「私もギガッシュラインを頼まれましたね、低属性ができると」
   「供給が多くて個人ショップでは中々売れないとのことで食べさせて頂きました」
411「星8防具の!?それは羨ましすぎますよぉ…」
 プシュー
青キャス子「ただいまー」 411「あっ!おかえりなさいー」 441「おかえりなさいませ」
      「いやぁ、遅くなってすまんな 早速だが441頼んでた合成できてるかい?」
441「はい、取り出しますか?」 青キャス子「頼む」
青キャス子「…メイトメイト、ムム炎20% まぁまぁか、、ありゃ炎10%か」
      「そいじゃこの炎10%は食べちゃっていいよ」
441「ありがとうございます、モギモギ」
411「きぁーー!!;;私にもそにっくを食らわせてくださりやがれぇえええ!;;」
青キャス子「うおっ!いきなり何だ 言葉使いも崩壊してるぞ!」
      「ソニックぐらいならいくらでもあげるよ」
411「本当ですか!?」
青キャス子「あぁ、ちょっとそこに立っててくれ」
411「こうですか?」 青キャス子「ウム、ではいくぞ!」
青キャス子「くらえ!←ため→P ソニックブゥッム!」
411「!? おぶふぁっ」 441に向かって真横に吹っ飛ぶ411
青キャス子「あ、あぶない 441!」 441「!! ↓ため↑K サマソッ!」
411「ぐはぁああ! ぐはぁああ、 ぐはぁああ…(エコー」
青キャス子&441「K,O!」                おわり

なんというかスイマセン、忘れてください…
※どうでもいい補足 うちの青キャス子はSUVウェポンが撃てない、やっぱり411とお揃いがいい
等の理由でラボルガント、グッダガントのセットからギガッシュ、ギガッシュラインのセットに変わりました
あー、はやく家に帰りたいなぁ… 
250名無しオンライン:2007/06/11(月) 15:24:56.93 ID:bfV6EkLe
あ〜、やっと笑いが収まったぁ…

以下の部分を読んでたら、笑いが止まらなくなりました。
>>249
> 411「きぁーー!!;;私にもそにっくを食らわせてくださりやがれぇえええ!;;」
 ――中略――
>青キャス子&441「K,O!」

貼り付けるのに読んだら、また笑いが止まりません!
ツボに入った。誰か俺の笑いを止めてくれぃ…
251パパと412作者:2007/06/12(火) 10:00:38.05 ID:ZiUiFqzw
ども、パパと412作者です。

連日の雷がモデムに負荷を掛けまくっている今日この頃、皆様のは大丈夫でしょうか?
さて、残す所あと3回の投下となりました。
ヒュマ姉さんと440の話が少し短いので、ロザリオとパパの分が半端に切れていますがご容赦下さい。

ではでは、本日分『暁の中で』、第九回目の投下です。
ご拝読くださいませ。
252暁の中で(39):2007/06/12(火) 10:01:34.20 ID:ZiUiFqzw

 ぼんやりとした白い世界。
 ここは、どこだろう。
 白い天井、薬品の匂い。
 ああ、また泊り込んじゃったのかな?あたし。
 そうだ、病院、やめたんだっけ。
 研究所は…こんなにきれいじゃない。
 情報部の寝室は、茶色い天井だった。
 ここは、どこ?

 のろりと首を動かす。
 椅子に座ってこっくりこっくり居眠りしているのはパシリ…GH−412と440。
 今にも落ちそうな彼女達に腕を伸ばすと、医療用の寝巻きに包まれた自分の腕と、点滴のチューブが見える。
 違和感を感じて、まじまじと自分の腕を見る。
 健康的な色合い、そしてはりとつやのある年若い女性の皮膚。
 これは、あたしの腕?
 粉を吹いた、深い亀裂が細かく入った皮膚、それが自分の肌のはず。
 なのに、それが無い。

 トントン

 扉をノックする音が聞こえる。
 入室許可を求める古風な手段だ。

 口が渇ききって、声が出ない。
 ゆっくりとドアが開く。今時、自動じゃないただの押し戸だ。
「…お、目覚めたか」
 黒とも取れる紫の髪、琥珀色の瞳、精悍な顔立ちに浅黒く焼けた肌、全身をクラシカシリーズで固めた男。
 記憶を探るが、なかなか思い出せない。
 男は412をそっと抱え上げると、今まで412が座っていた椅子に腰掛け、440を己に寄りかからせた。
 PM、男、インフィニット…
「君、か、ワンオブサウザンド」
 擦れた声が何とか出る。
「その呼び方は止めろ、小娘」
 不機嫌なのを隠しもしないし横暴な言い回しだが、顔は笑っている。
 思わずあたしも微笑んだ。
「そう、その顔のほうがいい。畏まった口調も、もうしなくていいんだ」
「どう、いう、事?」
 男は手近のビジフォンを立ち上げ、何かの電子書類を表示する。
 無言で促され、その書面をゆっくりと黙読する。
253暁の中で(40):2007/06/12(火) 10:02:22.33 ID:ZiUiFqzw
『死亡診断書
 リゼリア・ローズ・フォリス
 24歳、女性、ニューマン
 個人フライヤーの墜落事故に遭遇。
 全身の70%が深度4の火傷。
 全骨格の60%以上が複雑骨折。
 各主要臓器の破裂損傷。
 状況は即死』
 簡潔に内容をまとめると、そういう内容だった。
「あたし、しんだ、の?」
 あまりに喋りにくそうなのを見てとったのか、水差しをあたしの唇に当て、ゆっくりと水を流し込んでくれた。
「………おいしい」
 自然とそう呟きが漏れるほど、ただの水が例えようもない甘露に感じる。
 ――――そういえば、一体何日眠っていたんだろう。
「そうだ。ニューマンの君は、もうこの世には存在してない。
 ここにいるのは、ヒューマンのリゼリア・Fだ」
「そっか。とうとう無職か」
 含ませてもらった水のおかけで、咥内が湿り気を帯びて、喋り易くなった。
「それだけじゃない。
 今までの戸籍上から来る経歴は一切使えない。
 土地、口座、保険、そのほか全部まとめて、何にもない♪」\(゚д゚)/ パアッ
 ワザとアホ面にして大げさなポーズを決める男の姿に、自然と笑みがこぼれた。
「…今までのしがらみも全部消えたんだよ」
 その言葉が脳裏に染み渡るまで、ちょっぴり時間がかった。
「でも、あたし、そう長く生きられない…」
「そう言うと思ってな」
 ナノトランサーから、小さな計測器を取り出す男。
「君の私物から拝借してきた、テロメア計測器だ。
 俺の口から言う事はもう無いよ。
 …さて、看護士を呼んでくるか」
 412を抱っこしたまま、男は部屋を出ようとする。
 そういえば、ちゃんと名前を聞いた事も無かった。
「あの!」
 ちょっと大きな声で呼び止める。
 乾ききっていた喉が、ひりひりして痛い。
「なんだ?」
「…名前、ちゃんと知らないの。教えてくれますか?」
 男は個人端末を操作する。
 すると、私の枕元に置かれていた見知らぬ個人端末から着信音が聞こえた。
「今更名乗るのは恥ずかしいよ、送ったカードでも見てくれ。
 じゃあな」
254暁の中で(41):2007/06/12(火) 10:03:00.97 ID:ZiUiFqzw
 足音が遠のいて、聞こえなくなった頃。
 端末を手にとってカードファイルを確認する。
「ルドルフ・フリューゲル。ガーディアンズ機動警備部所属。ヒューマン。男性。年齢…」
 パタンと端末を閉じる。
「534歳って冗談…よね?」
 ガタタン、と大きな音がすぐ脇から聞こえてきた。
「っつぅ〜、帽子、帽子…」
 そういえば、一緒に440が眠りこけていたっけ。
 あの人と412がいなくなったので、寄りかかるものがなくなって椅子から転げ落っこったのね。
「大丈夫?」
 まだ少しかすれた声で、声をかける。
「は、はい大丈夫です、ご主人様」
「ご主人様?」
 この子は私のパシリじゃない。というか、あたしは別にガーディアンズに入ったわけでもないし。
「え?だって、私をあなたのパートナーマシナリーとして登録したって、あの方が」
「フリューゲル、さんが?」
「はいぃ。違うのですか?」
 再び端末を起動して確認してみた。
 いくつもの電子書類の中に、この子の所有権があたしの名義で登録されている。
「…あのおじ様ったら」
 自然と口からそういう呼び方がこぼれた。
 不安そうな440に視線を向けて微笑みながら、帽子を取った彼女の頭を撫でてあげる。
「ええ、そうね、あなたの主人はあたしよ」
 ほっとした表情を浮かべる440。
 ふと思いついたので、この子に聞いてみた。
「ねえ、ガーディアンズって、どんな所?」
255暁の中で(42):2007/06/12(火) 10:03:59.29 ID:ZiUiFqzw
 ローザという名前のPMは、この世にいなかった。
 今回の事件で、彼女は過去の自分とは違うモノとして生まれ変わったからだ。
 そんな彼女に、俺は新しい名を送った。
 ロザリオ。
 薔薇(ローザ)ではなく、百合(ロザリオ)。
 かつての彼女への手向けと、新しい彼女への祝福として。

 そして、わずかに月日が流れる。

「は〜い、体操の時間だよぅ!」
 定期メンテの時間だというのに、ロザリオは元気いっぱいだった。
 ここはGRMのPM調整施設内にある屋内総合運動場。
「いっちにぃ、さんしぃ、ごろうくしちは…、お〜い、そこの450さん。そうそう、君。どうしたの?」
 彼女と一緒に体操しているのは、運動不足になっているスペアPM達、約二千体だった。
 きちんと整列しながら体操しているが、そのうちの何体かは確実にリズムがずれている。
「…はい、おっしまい♪呼ばれた子は、ちゃんとメンテして帰ってね〜」
 バイバ〜イ、と、ぶんぶん手を振るロザリオ。

「すごい光景ですね、主任」
 若手の研究員があっけにとられて見ていた。
「あの412が一人で掌握しているんですか、あのスペアPM達」
 主任と呼ばれた人物がほうけたままの若手研究員の傍まで来ると、ファイルを手渡した。
「感心しているのは結構だが、仕事をしたまえ。ちゃんとメンテしてやらんと、あの412が怒るぞ。」
 若手研究員はげっそりとした表情を浮かべた。
「勘弁してくださいよ、お茶に[自主規制]が入ってたり、金的ヘッドバッドされたり、もうこりごりです」
「ならば、さっさと行って来い。それから…」
「口外無用、ですよね。分かってますよ、俺だって死にたくはないっスから」
 若手研究員が発破を受けて部屋を出るのと入れ替わりに、当のPMの主人である俺が入っていった。
「世話になってます」
 俺は頭を下げずにそう言った。
「なぁに、世話になってるのはこちらのほうだ」
 次のグループと体操を始めたロザリオ。
 それを、二人は見下ろしていた。
「結局、アレがあいつの真の『能力』ですか?」
「広域かつ大量のマシナリーを制圧・制御するマシナリー掌握能力。
 結社―――イルミナスの連中がPMに付け足したマシナリー掌握能力、それが致命的『欠陥』を引き起こした
結果の産物だよ。
 対マシナリーに特化された高出力・高密度・高精度通信装置と制圧・制御能力、それらを支える限界の無いエ
ネルギーリアクターに、そのエネルギーに耐えられる非常識な強度の躯体。
 こちらで押さえたブレインコアのデータから判明した能力を遥かに超えた、恐ろしい能力だよ。
 理論上はありとあらゆるマシナリー、更には他の異能体も掌握できる。
 当の彼女は意識してないだろがね」
256暁の中で(43):2007/06/12(火) 10:04:50.82 ID:ZiUiFqzw
「制御下にあれば、数万体を同時に有機的に展開できる…確かに恐ろしい能力だな」
「もっと恐ろしいのは、戦闘能力を有するPMがガーディアンズだけでも20万体いるということだよ。
 仮にだ、あくまでも仮にだ。
 彼女が反乱を起こしてPM達を制御下に置いたとすれば、惑星の一つくらいは苦も無く制圧できるだろうとい
う試算が出たよ」
 俺は溜息をつく。
「戦略級…違うな、殲滅級兵器のPM、か」
「ある意味、今まで確認されてきたどの異能体よりも危険な個体だよ。
 だがね…」
 俺に向き直る研究主任。
「あの子は、本当の意味でまだまだ子供だ。
 いい事も悪い事も、まだしっかりと理解していない、子供そのものなのだよ。
 以前の記憶はしっかり残ってはいるが、それは今のあの子の経験ではない。
 その記憶をあの子が見たとしても、それは教科書を見ているに過ぎんのだ。
 ではどうするか。
 答えは単純明快だ。
 より良くなるよう育ててやればよい。
 善き指導者に、良い手ほどきを受け、より良い経験をつむ。
 そうすれば、あの子は兵器になどならんよ。
 君がそれを証明しているじゃないか」
「俺が?」
「そうだ。
 喜びを分かち合い、世の不条理に怒り、共に哀しみ、集い楽しむ。
 生まれはどうあれ、それは人間の心そのものだよ。
 善き指導者、善き先達、切磋琢磨し競い合う仲間、それを目指す次の世代。
 一人では学べない、大切な事だ。
 君はそれを十分に受けて生きてきた。
 だから、君は今ここにいる」

 俺は古い記憶を呼び起こす。
 やさしく、強く、笑顔で微笑みかけてくれた『母親』。
 仲の良かった兄弟たち。
 自分にとっては天使のようでアイドルの存在だった少女。
 いつも自分を追っかけまわしていた年下の少女と、それを追いかけていた少年。
 ライバルであり、無二の相棒だった同い年の男。

 そうだ、そうだった。

 戦場は確かにひどい場所だったが、いい思い出も沢山有るじゃないか。
 外部記憶装置に流れてしまった思い出も、捨てたもんじゃない。
 普通の人間より遥かに多いこの経験を、俺が生かせばいいんだ。
257暁の中で(44):2007/06/12(火) 10:06:24.24 ID:ZiUiFqzw

「…ああ、確かにそうだな。
 俺には伝えられる事が沢山有る」
「今度は君がそれを次の世代に与える番じゃないのかね?
 善き指導者、善き先達として。
 それが例えPMだったとしても、君が伝えた事は次の『なにか』には伝わっていくはずだ。
 それが『人間が生きた証』という事だと、私は思っている。
 はっはっはっはっはっは…
 君より年下の男が偉そうな事を言ってしまったな」
 主任の言葉に、俺は首を振る。
「そんなことは無い。
 いくら長生きしたって、人生の密度が濃いわけじゃ無い。
 俺は今まで色々な経験をしてきたが、普通の人間よりその密度は薄いんだろう」
 運動場内に視線を泳がせる。
 ロザリオが一生懸命、みんなと体操をしている。
 脇では先ほどの研究員が一緒に運動させられていた。
「俺はいつの頃からか、外見的に歳を取らなくなった。
 能力から考えれば、確かに不思議な事じゃない。
 だが、それ以前はそれでもゆっくりと歳を重ねて行ったんだ」
 主任は何も言わずに先を促す。
「…俺にも、かつては人生を共に歩もうと誓った女性がいた。
 同じ一族のヒューマンで、俺の事も良く理解してくれていた。
 『子供は産めない身体だし、先におばあちゃんになって、先に聖霊の御許に旅立つ身だけど、それでもわたし
と一緒になってくれますか?』
 それが、彼女のプロポーズだった。
 戦争後期のあの頃は、今よりも沢山の一族がいて、俺達を祝福してくれた。
 物資も乏しかったが、幸せだったよ。
 だが暫くして、彼女は当時の不治の病にかかっている事が分かったんだ。
 八方手を尽くしたが治す手段が見つからず、結婚して1年と経たないうちに彼女は聖霊の御許に旅立ってしまった。
 それ以降、俺は戦場に入り浸るようになった。
 あの頃の俺は、死んで、彼女の所に行きたかったんだ。
 だが、この身体の能力のせいで、死ぬ事は出来なかった。
 ちょうどその頃からさ、黄昏の一族の『ワンオブサウザンド』、不死身の『インフィニット』という呼び名がついたのは。
 身体は正直なもんさ。
 あれ以来、俺は何も変わっちゃいない。
 本当の俺の心は、あの頃に凍てついたままなんだ…」

 ―――つづく―――
258子蜘蛛のパン屋さん 1/9:2007/06/13(水) 11:11:34.62 ID:ivy1F4Ao
ある日のガーディアンズコロニー。此処は不思議な路地裏。
メインストリートから少し外れて、搬入通路側にひっそりと存在するこの場所。
一般の人には少々天井の低いこの補助通路に、何時しかPM達がこっそり集うようになった。
通称、『パシリ大通り』。PM専用のアーケード街と言えば解りやすいたとえだろうか?
主に、主人の留守中に勝手に出歩く420型が挙って集り、娯楽を持ち込んだ事から…
『にゃんぽこトラップ』なるPMのおつかいを妨害する罠が待ち受ける…激戦区でもある。

今日も和気藹々と笑顔溢れるその場所に…妙な違和感がある。
顔を笑顔にする事無く、無表情に歩く普通の430型とは少々異なった外見の子が、一人。
430型基本の緑系のヘアーとは違う、雪のように真っ白な髪。
ブルーとホワイトの2トーンではなく、黒と白という喪服の様な2トーンの服。
まるでクバラ品のカラーリング。正規機ではないその子の名前は、GH43X。

紆余曲折を経て、ヒュマ助と飯店の元に引き取られる形となった元「殺人機」。
「蜘蛛」と呼ばれ一時期コロニーの夜を恐怖に彩った恐るべきPM…の、ハズなのだが…

「は〜い、はは〜い、ははは〜い♪
いつも元気な410ぅ〜♪
おこた大好き420ぅ〜♪
ちょうちょ追っかけ430ぅ〜♪…」
「……、……(じー…」

違法設置された街頭ビジフォンから流れる「パシリといっしょ」を見つめる、その瞳。
無表情ながら、見せ場のシーンでは「おー…」と口をあけて驚いたり…
楽しげなシーンでは、食い入るように見つめては…口元をほんの少し緩める、その姿。
こんな仕草を見て、誰が彼女が「蜘蛛」と呼ばれた殺人機だと思うだろうか?
少なくても、あの事件を知る人間以外でその事が解る者は、いなかった。

放映も終わり、何の気なしに一度猫のようにぐー…っと伸びをする43X。
欠伸をかみ殺しながら、コレからどうしよう…と言った様子でぼんやり考え出す。
別段、急ぎの用事も無い。今日は飯店も定休日だ。
本当はご主人様であるヒュマ助に遊んで欲しかった、のだが…
例の如く、今日は朝寝坊OKな至福の定休日なのだ。
思いっきり爆睡して休日を満喫する彼を無理やり起こすのは…43Xも楽しくない。
だから、こうして…何の気無し外出した際見つけた此処へやってきたのだった。
259子蜘蛛のパン屋さん 2/9:2007/06/13(水) 11:12:05.38 ID:ivy1F4Ao
暫くぼんやりと大通りを歩き続けると、フと…43Xはある事に気がついた。
和気藹々と笑顔で走っていく、PM。お使い途中なのか、買い物袋をさげたPM。
街頭ビジフォンにコタツ。様々な漫画やらアニメ。
娯楽にあふれたこの場所に、何かが足りないような気がする。うん、足りない。
ソレが何かがわからない。ある意味、明けない思考の迷宮に入った43X。
もどかしそうに、「ぅー…」と唸りながら、この場所を見渡して考える。考える…
何が足りない?何かが足りない…?43Xの中でクバラな思考回路がフル稼働していた。
―そんな時、だった…

―くぅ…きゅるるる………

不思議な音に、43Xは悩む顔を上げた。目の前には相変わらずの通りの光景。
キョロキョロと、辺りを見渡すと…いた。目が合ってしまった。
410型の子が、顔を赤くしてサっと顔を隠してしまった。
先ほどの音はお腹の虫だったのか。恥ずかしそうに縮こまってしまっている。
そこで、43Xの思考回路にキュピーンと来るモノが、生まれた。

「……、そうか…コレだ」

小走りに先ほどの410型の…正式には、411だろう。その子の元へ走る。
驚いた顔であわあわと、お腹の音を出した411は43Xを見て慌てている。
その手をサっととると、上下にブンブンと振って、その後…411の肩に手を置いた。

「なな、なん…です…か?」
「……、ありがと」

急なお礼の言葉にキョトンとする411。ソレに背を向けると、43Xは補助腕を広げる。
シュバっ…と広がったソレを見て、「ひゃわ!?」…と腰を抜かす411。
その声に、ちょっとだけシュン…としつつも、43Xは頭上のダクトへと飛び込んだ。
260子蜘蛛のパン屋さん 3/9:2007/06/13(水) 11:12:39.12 ID:ivy1F4Ao
―シュタッ……

いつもの厨房の金網を外したエアダクトから、店内へ着地する43X。

「あら…、おかえりなさい、43X」

見れば、割烹着姿の442が厨房の掃除をしていた。
フォトン製のはたきをパタパタとかけながら、帰ってきた43Xの方を向いている。

「……、ただいま」

一応、素直に挨拶を返す43X。何だかんだで、442には素直に答えている。
もっとも、422とは相変わらずの犬猿の仲なのも、ご愛嬌。

「今日も遊んで来たのね?待っててね、おやつは此処が終わったら用意しますからね?」
「……ぉゃっ(じゅるり」

そこで、ハっとなる43X。
そうだ、今はそんな事の為に戻って来たんじゃない。でも…ぉゃっ…

「………、まだ…ぃぃ…(しょぼーん…」
「あら、そうですか?」

ちょっぴり残念なのだが、43Xの脳裏にはやりたい事が生まれているのだ。
後ろ髪惹かれつつ、43Xは厨房を後にする。
向かう先は、主人ことヒュマ助の部屋。予想では、そろそろ…

―シュィーン………

ノックもなしに部屋に入る43X。見れば、丁度の様子。

「ふぁー………ぉ、43X。おはよー…」

寝ぼけ眼で上体を起こしているヒュマ助。時間は昼過ぎ、彼が起きる時間は把握している。
勿論、いつもは一緒にお昼ご飯を食べて、その後遊ぶためなのだが。

「…ヒュマ助、お願いがある」
「どうしたの?急に…。何か問題発生?」

何時もより畏まって頭を下げた43Xに、ヒュマ助はおや…と真剣な顔で聞き返した。

「これこれ…しかじか…(ぼそぼそ」←耳打ち
「かくかくうまうまー…、成程」←手をポムっと打ちながら。
「出来る…?(ちら…」
「勿論。いいアイディアがあるよ」
「本当…?(じぃー」
「本当だって。それじゃ、早速準備に取り掛かろっか」

二人がコソコソと厨房に入っていくのは、この数分後の事だった。
261子蜘蛛のパン屋さん 4/9:2007/06/13(水) 11:13:09.97 ID:ivy1F4Ao
お昼過ぎ。パシリ大通りは相変わらずの賑やかな音に包まれている。
そんな楽しげな光景を目の前に、ただ一人…ふさぎこんでいる小さな影がある。
数時間前、お腹の虫を響かせて43Xに何故かお礼を言われた、あのPMである。
ただ、ぼんやりと目の前の賑やかな光景を見つめて、ため息。

この子には、帰る場所などなかった。仕えていた主人は数日前に引退した。
ただ、マイルームに閉じ込められる毎日を悲しみ、部屋を飛び出してきた。
行く宛ては無かった。暮らしていく術は無かった。それでも…
あの場所に居たくなかった。牢獄の様なあの「終わってしまった場所」に…
飛び出して、当てもなく彷徨って、見つけた場所がこの場所だった。
楽しげに笑い合うPM達。買い物袋を提げたPM。皆口々に主人の話をしていた。

自分に無いモノを持っていた。あの子達には帰る家があった。
羨ましかった。偏に、彼女達に憧れに近い気持ちを抱いていた。
だから、何も出来ないけど、何もないけど…此処に座って、ただ眺めていた。
せめて、あの子達のいる世界の端っこに、足を踏み入れてみたかった。
それが、どんなに寂しく、どんなに悲しい事かを…、自分に刻むとしても。

「……………(くぅ…きゅるるる…」

また、お腹の虫がなった。コレが何度目かなんて解らなかった。
最後に食事してから、何日が経ったのだろうか?
思えば、自分が400番台に進化してから、進化デバイス以外何一つ口を通していない。
また寂しさがこみ上げてきた。無性に悲しくなってきた。
そんな時だった…

「………、ん(ずぃ」
「え……」

目の前に差し出された手に、大きな大きなパンが乗っていた。
甘い香りがする。焼きたての匂いがする。差し出された手に見覚えがある。

「………、ん(ずぃ!」

もう一度、今度は押し付けるかのように前に出された手と、手の平の上のパン…。
それを、そっと両手で受け取ると、途端に411はそれにかじりついた。
甘い、暖かい…。口に広がる味に、ぬくもりに、がっつくようにそれをかじった。
夢中だった。差し出された手を見上げると、優しい眼差しで411を見つめていた。
あの430型の子だった。後ろにいる小太りの青年は、この子の主人だろうか?
気がつけば、差し出されたパンを抱えたまま、411は涙を流していた。
そっと、430型の子が抱き締めてくれた。411は43Xを抱き返すと、静かに泣き続けた。
262子蜘蛛のパン屋さん 5/9:2007/06/13(水) 11:13:52.71 ID:ivy1F4Ao
「はいはい、押さないでねー。まだいっぱいあるからねー」

小さな簡易屋台に、ヒュマ助が立っている。その台の上には山ほどの種類のパン。
全てがまだ暖かいうちで、甘い香りが大通りへと漂っていく。
気がつけば、人だかりならぬパシリだかり。買い物帰りの子までが押しかける盛況ぶり。

そう、43Xが気づいたことは2つ。
1つめが、様々な娯楽があるのに此処には「食べる」という娯楽が抜けていた事。
2つめが、このパシリだかりの中に混ざっている数人のPM達だった。
先ほどの411と同じように、此処にはわけありな子が少なからず訪れている。
そんな子に、食事を安定して取れるような術なんて、あるはずが無いのだ。

(孤児院の頃…その日食べるものもなかったりして…ずっと辛い思いをしたよ…)
(それ以上にね、空腹によって何倍にも増える…悲しさや寂しさの方が、辛かったなぁ…)

ヒュマ助は言っていた。自分より小さな子の為に、自分の食べる分を差し出していたのだと。
それは、自分がその時味わった空腹によって何倍にも膨れた辛い気持ちを…
家族に…そう、自分より幼かった子達に味わって欲しく無かったからだった。

43Xも知っている。一人は辛い事。大切な人がいなくなるのは悲しい事。
そして、そういった辛い気持ちは、空腹や疲労によって、フとまた戻ってくる。
食べれなければ空腹になる。そうすれば何度だって悲しみは戻ってくる。
決して…この子達に主人は戻ってこない。でも、悲しみは何度でも戻ってくるのだ。
空腹の度に、何度だろうと…

そう思うと、居ても立ってもいられなかった。
そして、ヒュマ助に相談して生まれた結論が、この「飯店出張パン屋さん」だった。
こっそり飯店から出て行くとき、422と442に訝しげな目で見られた…けれど

「美味しい!」
「甘〜ぃ!」

モギモギと…顔を笑顔にして頬張るPM達の顔を見ているうちに、43Xは嬉しくなった。
この嬉しさの為なら、あの訝しげな目で見られてもいいか…。
そんな風に、43Xは満更でもない表情で、パンを手渡しながら思うのだった。
263子蜘蛛のパン屋さん 6/9:2007/06/13(水) 11:15:27.45 ID:ivy1F4Ao
「なぁ、アレは何の人だかり…じゃなくてパシリだかりなんだ?」

普通のGH430とは少々感じが違う430型の子が、呟く。
傍に居た咥えキセルのこれまた普通のGH450とは少々感じの違う450型の子が答える。

「面白い奴もいたもんだねい…。見てみなよ」

咥えキセルの450が指し示した先に見える、小太りで温和な印象を受ける青年。
集まったPM達へ、パンを包んだ紙袋を手渡している。

「今時珍しいほどのお人よしさ。身寄りの無いPMにパンを配るなんざ…」
「げ…、あのクリームパン店主…」
「おや、知ってるのかぃ?」
「まぁ…それなりに。仇敵とでも言えばいいか…」
「ほう、そりゃ…大した奴だねぇ」

そう呟きながら、見つめる視線の先。実際のところ、店舗にいるヒュマ助では、無い。
見つめる視線の先は、その手前。妙なカラーリングの一体のPM…

「…で、あの子は何なんだい?」
「…さぁ?知らないな。この間見たときには居なかった…」

白い髪、黒い衣装、背中に付いている普通のPMには無い部品、そして…

「まるで、こっちが見られているかのような…嫌な感じがするね」

此方を振り返ることはない。しかし、まるで此方を見つめているような、背中…
その時、一瞬…黒い何かが羽ばたくような影が見えると、あのPMが視界から消えた。
430がハっとPM達が集まる場所を見渡すも、姿は見つからない。

「なっ!?」
「お前さん、上だよ…うーえ」

キセルを燻らせながら、苦笑の表情を浮かべ指で指し示す450。
430が頭上を仰ぎ見ると、異形の影…いや、蜘蛛の様な影が、頭上から430を見つめていた。

「………、……(じろり」

見れば、あそこにいたはずの白髪の430型であり、背中からは4つの腕が飛び出している。
成程…と思う。あの特殊な背中の部品は、畳まれたコレ…補助腕だったのか。
264子蜘蛛のパン屋さん 7/9:2007/06/13(水) 11:16:05.63 ID:ivy1F4Ao
「何時の間に…」

背中手に、ソっと愛銃を握りつつ、頭上の異形と向き直る430。
目の前の蜘蛛PMは、ただ430と450の顔を交互に「じー」っと見つめている。
そして、サっと素早い動作で本来の手をトランサーへと伸ばした。

「っ!!!!」

咄嗟に、愛銃を取り出しで引き金を引こうとする430。
その手をサっと450が止めると、二人の目の前に何かが突きつけられた。

「ぇ……?」

しまった、そんな言葉が頭を過ぎった430の前に、突き出されたもの。
それは、まだ暖かい甘い香りがする、あの店主の店のロゴが入った…紙袋。

「………、ん(ずぃ」

差し出した紙袋を、あっけに取られる430の手の中へ、ポスっと放り投げる43X。

「………、ん(ずぃ」
「おや、アタシにもくれるのかい?」

450の手にも、紙袋を置くと…天上に刺していたアンカーを外して、地面に着地する。
シュルル…と、一瞬でワイヤーを巻き取ると、補助腕を背面へしまう43X。

「もっと食べたいなら…隠れてないでこっちに来い」

そういい残すと、ツカツカとあのPMだかり…お店のほうへと歩き出す43X。
その背中には、もう先ほどの様な異様な視線や違和感は感じられなかった。
265子蜘蛛のパン屋さん 8/9:2007/06/13(水) 11:16:42.73 ID:ivy1F4Ao
「ふふ、あんな子も…いるもんだねぇ」

微笑を漏らす450。430も訝しげに紙袋を見つめながら呟く。

「あの子、私達とは違うが…」
「そうだねぇ…。『普通の』PMじゃないねぇ」

そう呟きながら、450が紙袋を広げる。中から、焼きたての香りがするコロネが出てくる。

「おや…美味しそうじゃないか」
「まぁ、焼いたのがあのクリームパン店主ならな」

そういって、自分の分をハムっと噛り付くと、モギモギと食べ始める430。

「悔しいけど、確かに料理の腕はあるからな…あのお人良し」
「そうかい…。…と、ご主人サン」

振り返ると、スっと背後の路地から一人の女性が現れる。

「ご主人サンもどうだい?中々美味しそう…な…」

そこで、気づく。見れば彼女の手にも確りと紙袋がある。
紙袋に貼り付けられた紙切れには、「オマケ」と可愛らしい字で書いてあった。

「もう、頂いています。…ふふ」
「いつのまに…」
「これは…味な真似をする子だねぇ…あの子は」

手にした紙袋、その中に入っていたコロネを、450も一口かじる。
甘すぎない、ビターなチョコレートが詰まったコロネは、美味しかった。
266子蜘蛛のパン屋さん 9/9:2007/06/13(水) 11:17:17.00 ID:ivy1F4Ao
「うん、皆喜んでくれたねー」
「……、…(こくり」

結局、第2陣も3陣も食べつくされ、まさに文字通りの完売の状態になった出張パン屋。
あの身寄りの無いPM達も、笑顔でパンを頬張ってくれた。
甘い焼きたての香りが、その場を包んでいた。確かな盛況だった。
最後には、PMの皆が簡易店舗の片付けまで手伝ってくれた。
その時…

「また来てね…か」

そういって「ふふ…」と笑うヒュマ助。妙に上機嫌な笑顔である。

「それにしても、43X…」

そういって、43Xの頭に手を載せると、優しく何度も撫でる。

「偉いね。あの子達の事思って、炊き出しを…なんて考えたんでしょう?」

そういわれて、何度か口を開きかけるものの、結局ソッポを向く43X。

「…別に(ぷぃ」

「ただパンが食べたかっただけ」…と付け加えると、足早に歩き出す43X。
きっと今、43Xの顔を見れば可愛く頬を染めた照れ顔なんだろう。
見たいけど…逆にこうテレを隠して歩く背中を見つめるのも、悪くは無い。
そう思い、43Xへ追いつくともう一度頭を優しく撫でながら、呟く。

「またお休みの日に、お店をしに来ようね」

その声に、無言ながらも優しい笑顔で、43Xは一度…小さく頷くのだった。
267ヒュマ助作者:2007/06/13(水) 11:22:53.34 ID:ivy1F4Ao
お久しぶりに流れをぶった切って飯店ストリ投下…!
はい、すみません…パパと412作者様、土下座で通過致します…

つい、大通りネタ&ワンサウコンビを見たら…このシナリオが浮かんだんだ…
書き上げた今、反省はしているけど、後悔はしていないんだ。うん。
こっそり、ヒュマ助の孤児院時代の話もかけたし、満足だ!

いや、まだ孤児院卒業〜ガーディアンズ就任までの空白期間は内緒だけど。
考えているのじゃ…大分シリアスだし。投下の需要なさそうだし…
いつか投下したいなぁ…ヒュマ助の銃の腕についても語りたいので。

では、お目汚ししました。それでは。
ヒュマ助作者でしたー。
268名無しオンライン:2007/06/13(水) 13:42:24.77 ID:aQxm6dKn
ヒュマ助作者殿、GJですw。
やはりこういった暖かい話しはいいなw

しかし、一度は「パシリといっしょ」を聴いてみたいと思ったり
269名無しオンライン:2007/06/13(水) 16:13:40.72 ID:ouY336x7
のほほんとニヤけさせていただきましたw
でも、、、主人が引退したPMのくだりはちょっとホロリときました。。。
引退できねぇぇ〜〜〜!w
270パパと412作者:2007/06/13(水) 16:43:02.45 ID:u/4GQYBa
 ヒュマ助作者様、土下座なんてとんでもない。ここは天下の大通り、大手を振ってお通り下さい。
 実の所、飯店のほのぼのストーリは密かに気に入っております。
 俺としては、ほのぼの話を書くのが苦手でゴザイマス。ゆえに、飯店の上がってくるのが楽しみだったりします。

ども、パパと412作者です。

>>268
 歌詞は一応、『暁の中で(1)』に1番が出ていますが、流石に音付けやらは作者には手の出しようもない世界ですので。
 誰か、作ってくれんかなぁ…俺には無理だよ…

さて、遅くなりました(?)が、本日分『暁の中で』、第十回目の投下です。
ご拝読くださいませ。
271暁の中で(45):2007/06/13(水) 16:44:45.75 ID:u/4GQYBa
 突然聞こえてくる、駆け足の軽い足音。
「パパ〜!終わったよぅ!」
 大声をあげ、ボスン、と俺の脚にロザリオが抱きついた。
「…そうか」
 その頭を軽く撫でてやる。
「えへへぇ〜♪
 今日は早く終わったら、ヒュマ助さんのお店でご飯食べるんでしょ?
 早く行こうよ〜。
 それでね、デザートにパフェ食べたいな〜。
 ……それから、
 ……それからね……
 ……あのね……パパ?……」
「……なんだ?」
 俺の顔を見上げて、怪訝な表情を浮かべる。
「……何で泣いてるの?パパ」
「……泣いてる?俺が?」
「うん」
 頬に手を伸ばすと、確かに濡れている。
 指先についたのは、透明な液体だった。
「なにかあったの?パパ」
 不安な表情を浮かべるロザリオ。
 何でも無い、と、微笑んでやろうとするが、頬が引きつったようにしか動かない。
 それを見て、今にも泣き出しそうな表情になるロザリオ。
「なにかあったのね?パパ(グスッ)」
 何でも無い、と、言おうとしたが、喉が詰まって言葉にならない。
「やっぱりなにかあったんだ………ぅ……ぅっ…ぅっ…」
 顔をゆがめて、
「ぅ…ぅぅ…うわぁぁぁぁぁん!」
 大粒の涙をこぼしながら、ロザリオは大声で泣き出した。
 何でも無い、と、泣き出したロザリオをあやそうと思うが、身体が動かない。
272暁の中で(46):2007/06/13(水) 16:45:19.62 ID:u/4GQYBa
「うぁ〜ん!あ゛ぁぁぁぁぁん!
 パパが(ヒック)、パパが、がわいぞうだよぅ!(ぐしぐし)
 あ゛〜ん!う゛わ゛ぁぁぁぁぁぁん…」

 かわいそう?俺が?
 俺がかわいそうだと、ロザリオが泣いている。
 そんなことを言われたのは初めてだ。
 でも、何かがふっと軽くなった。
 ああ、そうか。
 俺は、誰かに知ってもらいたかったんだ。
 凍てついたままの、本当の心の痛みを。
 そして、共に泣いてもらいたかっただけなんだ。

 俺の中で、何かがカチリ、と音を立てた。

 自然と身体が動き、膝立ちになるとロザリオを抱きしめる。
 そのまま顔を近づけ、泣き止まない彼女の耳元で囁く。
「泣かなくていい、ロザリオ。俺は大丈夫、大丈夫だ…」
 ぎゅっと彼女を抱きしめ、目を閉じる。
 そして、妻が死んだあの時に流せなった涙を、嗚咽をかみ殺して枯れるまで流し続けた。

 俺の凍りついた本当の心が、再び時を刻み始めた瞬間だった。
273暁の中で(47):2007/06/13(水) 16:46:00.96 ID:u/4GQYBa
 俺は目覚ましも無しに、ふと目が覚めた。
 壁に掛かった時計を見る。
 パルム標準時0530。
 設備は整っているが、どこか安っぽさは否めない造りの部屋。
 パルムにしては珍しい、木造の家屋の一室だ。
 今時珍しい、綿の入った上掛けとマットレス式のシングルベッドにサイドボード、椅子だけが置かれているせ
まい寝室には、織りの粗いカーテンのかけられた大きな窓が一つ。
 足元には無造作に脱ぎ散らかされた服。
 ロザリオは隣の元子供部屋を寝室としてあてがわれ、まだ眠りについているはずだ。
 カーテンの隙間から、かすかに白み始めた空が覗いている。
 上半身を起こすと腕を伸ばしながら、大きくあくびをする。
 ベッドから起きると、着替えもそこそこにテラスに出た。
 いつもと違い、安物のスラックスにシャツ、ジャケット、シューズという格好。
 外に出ると、風に乗って漂う草木の強い香りが鼻を突く。
 ここは、パルムでも辺境にあたる山の中だ。
「おや、大将!もう起きなすったんかぁ!」
 この山荘の女将が、台所から顔を覗かせて声をかけてきた。
「朝食はもうすぐだが、どうするかねぇ!」
「すまないが、出かけてくるよ!」
「おや、いつもの所かい!じゃあ、用意はしておくから、いつでも声かけなぁ!」
 手を上げて了承の旨を伝えると、テラスの柵を飛び越えて森の中へ歩き出した。
274暁の中で(48):2007/06/13(水) 16:46:39.52 ID:u/4GQYBa
 薄く靄が掛かった暁の中、俺は静かな森をゆっくり歩く。
 少し歩く度に原生生物たちと出会うが、この周囲の原生生物たちはおとなしく、人間達を襲う事は無い。
 反対に、興味深げに近づいてきては匂いを嗅いだり、舐めてみたり。
 暫く歩くと、横合いの茂みから黄色い塊が四、五体、俺に飛び掛ってきた。
『きゅ〜、きゅ〜♪』
 足元に絡みついたり、飛び乗ってきたり。
「久しぶりだな、お前ら」
 この森にコロニーがあるラッピーたちだ。
 身体を摺り寄せたり、軽くついばんだりしたあと、俺の周りを囲みながら一緒に歩き出す。
 もう、何世代も前からの付き合いだ。
 暫くすると、先頭の一体が走り出す。
「そんなにはしゃがなくても大丈夫だぞ?あいつは何処かに行きはしないよ」
 程なくして、目の前の森が開けた。
 ここはちょっとした草原だ。
 花が咲き乱れ、まだ暗い中を蝶が飛び交う。
 その一番奥に、大きな岩で出来た粗末な墓標が一つ、場違いな雰囲気を漂わせていた。
 その岩の手前には、いくつもの花輪が手向けられている。
『きゅきゅ、き〜♪』
 近くで一羽のラッピーが、手羽先で器用に花を摘んでは何かを編んでいる。
『き〜きゅ、きゅりきゅ〜♪』
 出来上がったそれを持って、俺のほうに駆け寄ってきた。
 花を編んで作った冠だ。
 あいつが何世代も前のラッピーたちに教えてやった遊びだ。
 その遊びが、ここのラッピ―たちには定着している。
『きゅりぃき?』
 花冠を俺に差し出す。
「ありがとう」
 素直に受け取って、それを岩のてっぺんに乗せる。
「久しぶりに時間が取れたから、来てみたよ」
<ありがとう、あなた>
275暁の中で(49):2007/06/13(水) 16:47:13.50 ID:u/4GQYBa
 幻聴ではない。
 この下に埋まっているあいつ、最愛の妻の思考パターンを模したキャストのブレインコアと、それに直結され
た、彼女の記憶を吸い上げた外部記憶装置からの通信だ。
 一族の誰かが俺に気を利かせ、慰めになるならと、墓と共に作ってくれたものだ。
 最初はその存在を知らなかったし、暫くは作り物のあいつを嫌悪して近づかなかったが、時が経つにつれそれ
は薄まり、気が向くと自然と足を向ける様になっていた。
 気がつけば、作り物であり記憶の残滓でしかないあいつが、思い出を語り合える唯一の相手になった。
 妻が死んでから既に200年、ここはこの世界で唯一、俺が思い出と共に心静かにくつろげる場所だったのだ。
 凍てついた心のままで。
<ここ数年来ないから、いい人でも出来て、忘れてしまったのかと思いましたわ>
 くすっと笑う、懐かしい声。
「そう言うなよ。今でも俺はお前以上の女に会った事は無いぞ?」
<いつもながらお上手ですわね>
「やれやれ、お前には敵わんよ」
 過去に何度となく交わしたやり取り。
 今までには感じなかった、心地よい間が空く。
 一度朝靄が深くなり、次第に薄まり始めた。
 上を見上げると、サンライトイエローの光が空を染め、夜が明けたことを告げていた。
<なにか、いい事がありましたか?>
「なんだ、唐突に」
<晴れ晴れとした心が伝わってきます。何かが吹っ切れたかのように>
「そうか?」
<ええ>
 ラッピーたちが唐突に森に消えていった。
<…そうか、あの子ですね。あなたのPM>
 かさりと軽い足音が、草を踏みわけて近づいてくる。
「…やっぱり来たな」
 薄靄の中から現れる小さな人影。
 製造ロット番号PMGA00261C5D7-B5、パートナーマシナリーGH−412。
 ロザリオだ。
276暁の中で(50):2007/06/13(水) 16:47:42.55 ID:u/4GQYBa
 いつもとは違ってお団子に丸めた髪を下ろし、普通のバレッタで止めている。
 服はいつもの物ではなく、来る途中の山ふもとの洋裁店で、無理を言って急いで仕立ててもらった物だ。
 長袖で膝丈までのフレアのワンピースに、いつも来ている服と同じ色合いのベスト、白いオーヴァニーソック
スと茶色のショートブーツ。
 花を模した、と女店主の言ったワンピースは白をベースに、肘から袖口、腰から裾に向かって白から赤みの強
いオレンジへとグラデーションを描いている。
<かわいい子ですね、あなた?>
「そうかい?」
<わたしの子供の頃に良く似ています>
 あいつは俺の視覚情報を受信し、そう感想を漏らした。
「泣き虫で、甘いものが大好きで、ちょっと間が抜けてて…」
<ますます似ていますね>
 くすくすと笑いが聞こえてくる。
<こっちにいらっしゃい、おしゃまさん>
 墓標の前まで来たロザリオ。
 手には何処からかつんできたらしき百合の花。
<まぁ、ロザリオの花!>
 それを墓標の前にそっと手向ける。
 植生としては、この辺に生える花ではない。
「わたしとおんなじ名前の花。ふもとの町で買ったの」
 確かにふもとの町で少し小遣いをせがんできたが、何を買うかまでは聞いていなかった。
「パパがおはかまいりだって言ったから、お花を買ったの。
 でも、どんなお花がいいのか分からないから、お店の人にえらんでもらったの」
 普段と違う、ぶっきらぼうなしゃべり方。
 それにやさしく話し掛けるあいつ。
<……そう、あなた、ロザリオって名前なのね?>
「うん。でもね、ちょっと前まではローザって名前だった」
<あらあら、わたしと同じ名前を付けたのですか?あなた>
 そこで俺に話を振る。
「俺としては母さんの名前を付けたつもりだったんだが……」
277暁の中で(51):2007/06/13(水) 16:48:32.74 ID:u/4GQYBa
<説得力に欠けますわよ?>
 声は相変わらず笑っている。
<ロザリオちゃん?>
「はい」
<この人の事、好き?>
「うん!わたし、パパが大好きだよ♪」
 そう言って、俺の脚に抱きつく。
<そう、良かった……>
「ローザ?」
 何かおかしい。
<わたしとあなたが出会えた記念に、わたしからあなたに贈り物をして良いかしら?>
「なぁに?」
<名前をもう一つ、受け取ってもらえるかしら?>
 こくりと頷くロザリオ。
「どんな名前?」
<……ブリジェシー>
「ブリジェシー?」
<そう、ブリジェシー。
 あなたの髪に似た色の花よ。
 ほら、そこに咲いているわ>
 ブローディア・ブリジェシー。
 俺の足元に咲く、30センチほどの丈の、青紫色のユリ科の花。
 ずいぶん昔に、花が好きだった女房の為に植えたものだ。
 消えることなく残っていたのか。
<あなたの名前はロザリオ・ブリジェシー。どうかしら?>
 顔を輝かせるロザリオ。
「わぁ、ありがとう!」
<それともう一つ>
「もう一つ?なぁに?」
 木々の間を縫って風が届き、朝靄を吹き払っていく。
<この人があなたのパパになったように、わたしがあなたのママになります>
278暁の中で(52):2007/06/13(水) 16:49:15.66 ID:u/4GQYBa
「……ママ?ママになってくれるの?」
<あなたを子供として生む事は出来なかったし、抱きしめてあげる事も出来ないけれど……
 わたしはあなたのママです。
 これからずっと……>
「ほんと?ほんとなのね?」
<ええ>
 俺の脚から離れ、今度は墓標にしがみつくロザリオ。
「ママ、名前をありがとう!パパとおんなじくらい大好き!」
<あらあら。ロザリィ、折角の服が汚れますよ>
 俺の目には、一瞬だがあいつの姿が墓標にダブって見えた。
<今日は良い日でしたわ。
 子供が産めない身でしたけどこうやって子供は出来るし、あの人の憂いも消えたようですし……
 もう、わたしがいなくても平気ですわね、あなた?>
 やはりそうか。
「俺はもう大丈夫だ。だけどな、いきなりこいつはママがいなくなるんだぞ?」
<大丈夫です、この子は十分に強い子です。
 ロザリィ?>
「なぁに、ママ?」
<わたしはもう、聖霊の御許に旅立ちます。
 ほんのわずかな時間しかお話出来ませんでしたが、わたしはあなたのママです。
 いつでもあなたを見守っていますよ。
 忘れないでくださいね?>
「うん」
<パパのことをよろしくね。あの人、寂しがりやだから心配で……>
 墓標から離れ、胸をどんと叩くロザリオ。
「だいじょうぶ、任せて!」
 墓標を浮かび上がらせるようにオレンジ色の木漏れ日が射す。
<うふふ、たのもしいわ……
 あなた、ロザリィ。お別れです。
 二人に聖霊のご加護がありますように……>
279暁の中で(53):2007/06/13(水) 16:50:52.64 ID:u/4GQYBa
 唐突に通信が切れる。
 埋められていてメンテすることが出来ない、装置そのものの稼動限界が来たのだ。
「おやすみ、ローザ。またな」
 さよならは言わない。いつかまた、めぐり合わせがあることを信じて。
「大丈夫だよ、パパ」
 ロザリオは胸に手を当て目を閉じる。
「ママの心と記憶は、ここにあるから」
 三つ目の贈り物か。
 最後まで気の聞く女房だ。
 やっぱりお前は最高の女だよ、ローザ。

 いいかげん、俺も前に進む事にしよう。
 過去に背負ってきたものは多く、果てしなく重いが、歩みを止める必要はないと知ったから。
 男として、ヒューマンとして、そして、ロザリオの父親として。
 PMの父親なんて妙なもんだが、あいつがそれを望むのなら。
 二人でゆっくり歩いていこう、未来に向かって。
 たとえ今は暁の中だとしても、朝は必ず来るのだから。

 ―――つづく―――
280名無しオンライン:2007/06/13(水) 18:37:10.26 ID:VEqE2KOS
超GJ!!!!!!!!!!!

………ヤベ涙が止まらない……

感動した!

・゚・(ノД`)・゚・
281名無しオンライン:2007/06/13(水) 21:55:23.56 ID:9n7hiQ6E
むぅ、パパ氏のようなしっかりとしたストーリーで感動したり
ヒュマ助氏のようなほのぼのとしたお話で和んだり、そんなお話に憧れて
自分でも書いてみたくて、投下を始めた私は悟りました…

私 に は 絶 対 無 理 だ !
こうなったら読者ーストップがかかるまで、もう行く着くとこまで行ってやろうと思った
というわけで… 誰も行かないのなら私が行くぜ!キサマラは指をくわえて見ているがいいさー!
フハッハハハ! たゆん氏のキャラをお借り致します、人様のキャラを借りると妙な汗が出てきますな…
さすがにお嬢様まで巻き込む度胸も文才もなかったので、少し前のお話と言う事でお願いします、
282青キャス子の日常「お持ち帰り編その1」:2007/06/13(水) 21:59:03.66 ID:9n7hiQ6E
〜〜たゆん氏マイルーム前〜〜
青キャス子「ここか、ターゲットのいる部屋ハ」 411「そのようです!」
441「情報によれば、ターゲットはかなりの使い手のようです 元軍人で隊長までやっていたとか、」
   「さらに、理由はわかりませんが監視もついているようです」
青キャス子「そうらしいナ、数多の男がヤツに近づこうとしてその監視に邪魔をされている」
      「だが、有力な情報を入手したのだ 私に考えがアル、411!」
411「はい!何でしょうか」 青キャス子「まず…そしたら…その間に…という感じダ」
   「了解しましたっ!」        「頼むぞ!」
青キャス子「よし、ではこちらも準備にとりかかろう、いくぞ441」 441「了解」

青キャス子「では、作戦を開始する!」 411「了解ー!」
中年キャス「しかし、ヒマだなぁ これじゃ体がなまってしまうよ」
青年キャス「たしかに、そんな事件が起きる訳でもないしなぁ」
411「こんにちはー!何してるんですか?」
中年キャス「うおっ なんだお前は、我々は仕事中だ あっちに行ってろ!」
411「うっ…ひどい ちょっと聞いてみただけなのに… ぐすん」
青年キャス「おいおい、そんなに冷たくしなくてもいいだろうに」
411「いいんです… 私が軽率だったんです… シクシク 帰りますね、アッー!」 ビターン
 来た道を戻ろうと振り返った時に足がもつれ、豪快にころぶ411
中年キャス「お、おい 大丈夫か?」
411「え、えぇ…大丈夫、、でもお腹がすいて動けません…」
青年キャス「お腹がすいているのか、コルトバサンドでよければ 食べるか?」
411「いいんですかっ!?」 ぱあっと笑顔がもどる411  青年「お、おう」
中年キャス「わ、悪かったな、俺のコルトバサンドもやるよ」
411「わーい、ありがとうございますー」 目をきらきらとさせて微笑む411 中年「う、うむ」

青キャス子「うまくやったようだな…ではこちらも行動にうつるとしよう」 ピンポーン
      「どうもー 宅配便でーす」
410「これは、どうも ご苦労様です 青キャス子さん、から?聞いた事ないですね」
青キャス子「では、たしかにお届けシマシター!」 その場を後にする青キャス子
283青キャス子の日常「お持ち帰り編その2」:2007/06/13(水) 22:01:52.06 ID:9n7hiQ6E
〜〜たゆん氏マイルーム〜〜
410「マスター、お荷物が届きました」
たゆん「早速開けてみるんよー」
410「これは…イースターエッグ?」
 パカッ、と卵が割れる 中には441が入っていた
441「………(バタバタバタ」 無表情で手をぶんぶんと動かす441
 ぱたん、卵のふたが閉まる
たゆん「あっはっは おもしろいなぁー」
410「な、何か変ではありませんでしたか?」
 たしかイースターエッグの中身はラッピーだったと思いましたが…

 パカッ、と卵が割れる 中にはシッガブラダを構えた441が居た
410「!?」 たゆん「おー 今度は銃もってるんよー」
 パシュン! 低出力のバラタチャムンガがたゆんに放たれる
たゆん「ぐあー 撃たれたぁー」 バターン 
 オーバーリアクションで倒れこむたゆん
441「ミッションA、コンプリート…ミッションBに移行します」 スタタタタ
 部屋を走り去る441 一瞬の出来事にぽかーんとしている410
410「一体何が…ってマスター、どこへ行かれるのですか!?」
たゆん「勝手に体が動くんよー とまらないんよー」
 と言いながら 部屋を走り去って行ってしまった、ぽつんと残される410
410「お、お待ちください マスター!」 
 急いで追いかける410 広い通りに出たところで行く手を阻まれてしまう
青キャス子「ヤァ、そんなに急いでどこへ行こうというのダネ?」
410「あなたは…さっきの宅配の人、すみませんが急いでいるので」
   「そこをどいてもらえないでしょうか?」
青キャス子「スマンが、通すワケにはいかないのだよ」
 ナノトランサーから青く輝くギガッシュを取り出す
410「!!」 距離を取りハンゾウを取り出す410
 ジリッ… 先に地面を蹴ったのは410の方だった
410「てぇええい!」 右、左、右、と斬り上げるようにラッシュをかける
青キャス子「ぐ、ヌゥ、むぐ、ここだぁっ!」 ガキィィイィン!
 タイミングをあわせ横に斬り払い、すぐさま全体重をのせ大きく縦に斬り落とす
410「…!はははーい!」 
 斬り落としと同時に跳躍し、ギガッシュの横を紙一重で避けつつそのままスピニングブレイクを放つ
 青キャス子のギガッシュは空を斬り、地面を叩きつけた
青キャス子「な、に!?このタイミングで来るか…!ぐばぁあああああ!」
 見事にスピニングブレイクを叩き込まれ ふっとぶ青キャス子
 2、3度バウンドしながら転がっていき、やがて動かなくなった
410「ふぅ、、先を急がないと…」
284青キャス子の日常「お持ち帰り編その3」:2007/06/13(水) 22:04:38.29 ID:9n7hiQ6E
〜〜青キャス子マイルーム前〜〜
441「……」 スタタタタタ
たゆん「うーん、何でか わからんけど 追いかけてしまうんよー」
441「……」 シタタタタタ
たゆん「あー、わかったんよー 鬼ごっこなら負けないんよー!」 ズドドドドドド!
 前傾姿勢を取り、急加速をするたゆん ゴルドルバ、いやそれ以上だろうか
 凄まじいスピードで441を追いかけ始めた
441「……ヒ、ゥ…!…!!」 
 一瞬出かかった声を飲み込みつつ必死で逃げる441
441「ハァハァ… やっと…着い、た!?」 
 青キャス子のマイルームに着いたとたんにふわりと宙に浮き目の前が真っ暗になった
たゆん「やっと捕まえたんよー!」
441「むぐ、うぐぐぐ…」
 真っ暗で何も見えません… 息もできません… 気が遠くなっていく…
 息ができないからとか締め付けられて苦しいからとかもあるのでしょうが…
 もっと別の何か… 身体の力が抜けていく… この感触は一体何なの、で…しょう、か……
441「はっ!」 我にかえる441
たゆん「ワシ、力が強いからちょっとやりすぎたんよー ごめんなー」
 きょろきょろとあたりを見回す441、マスターのマイルームだと言う事を確認するとホッと一息ついた
441「…ミッションB、コンプリート(ぼそり」 たゆん「んー?」
   「いえ、何でもありません ようこそ、マスターのマイルームへ」
   「何もないところですが…今お茶をいれてきますね」
たゆん「あー ありがたいんよー 走りすぎて喉からからだったんよー」
441「はい、どうぞ 一緒に住んでいる411さんがお茶好きなので結構色々あるのですよ」
たゆん「これはこれはどうもなんよー、ズズズ… これはおいしいんよー!何て言うお茶なん?」
441「らぷ茶と言います、ラプチャを丸々煮込んだ出し汁でお茶を入れています」
たゆん「へー、410にも飲ませてやりたいなぁ そういえば410はどこいったんよー?」
441「はて、私には わからないですね」
たゆん「んー、410も心配してると思うし そろそろ帰るんよー」
441「わかりました お気をつけてお帰りくださいね」
たゆん「ありがとー、バイバイなんよー ノシ」 441「ノシ」
285青キャス子の日常「お持ち帰り編その4」:2007/06/13(水) 22:07:37.19 ID:9n7hiQ6E
〜〜コロニー大通り〜〜
410「早く行かないと見失ってしまいますね、」 
 マスターの後を追いかけようと駆け出した瞬間 ゾクッとするような視線を感じた
 後ろを見ると、致命打を与えたハズの青キャス子が立ち上がろうとしていた
410「そんな、立ち上がれるはずがありません!」
青キャス子「クックック、残念だったナ…ネタキャラはネタじゃないと倒せないのだよ…ゴフゥ(吐油」
410「!?それってつまりどういう…」 
 異様な闘気に思わず後退りする410
青キャス子「至近距離でバーストやシッガボマをくらっても生きていたヒューマンを私は知ってイル…」
      「理屈じゃないのさ…たゆんたゆんを……キョヌー眼鏡を…テイクアウト…すル…」
      「私は、私は…!やってやるぞぉおおおおおお!うぉおオオオ!」
410「!!」 再びハンゾウを構える
青キャス子「私のターン!ドロー!マジックカード、サウザンドソードを発動する!」
 ナノトランサーを410の頭上へ 天高く放り上げる  410「!?」
青キャス子「ナノトランサーにはこういう使い方もあるのだよ!」 キィン!ズガガガッ!ガガッ!ガガガガ!
 ナノトランサーから大量のギガッシュが逆噴射され 410に降り注ぐ
410「くっ…!」 その隙に後ろへ回り込む青キャス子
青キャス子「とった! てーい!ト○ーシャチョップ!(右斜め45度)」 ズゴムッ!
410「う、ぁ…」 ぺたり、とその場に崩れ落ちる410
青キャス子「ゼェゼィ…強かった、、私がネタキャラでなければ死んでいた、」
      「しかし、完全に斬り払ったと思ったが 体勢崩させるどころか」
      「受け流されてカウンターをもらうとは…なんつー戦闘能力だ、」
 飛び散ったギガッシュを回収する青キャス子
青キャス子「フハハハハハ!ついにやったぞ!待ってろ…今行くぞおおおおぉぉ…!」
 全速力でその場を後にする青キャス子であった

たゆん「んー?こんなとこで寝てたら風邪ひくんよー」
410「ぅ…え?あ、マスター!?」
たゆん「そろそろ家に帰るんよー走りすぎておなかぺこぺこなんよー」
410「えっと、その マスター、誘拐されたのでは?」
たゆん「誘拐? 441とおにごっこして遊んでたんよー」
410「いえ…あれはどう考えても誘拐…」
たゆん「珍しいお茶ももらったんよー おいしかったんよー」
 マスター…自分が誘拐された事に気がついてなかったみたいです
 というかそもそもマスターをおさえきれる人なんて早々いませんよね…
 私の苦労は何だったのでしょうか、はぁ…
たゆん「410泥だらけなんよー 帰ったらお風呂入ろうなー」
410「私も早くお風呂に入りたい気分です、急いで帰りましょう」
 今日は疲れました… ゆったりとぷかぷかごくらくを楽しみたいと思います
286青キャス子の日常「お持ち帰り編その5」:2007/06/13(水) 22:11:18.32 ID:9n7hiQ6E
〜〜青キャス子マイルーム〜〜
青キャス子「441!これは一体どういう事だ、たゆん氏が居ないではないか!」
441「先程までは居ましたよ」
青キャス子「何故足止めしなかったんだ!」
441「私が受けた命令は、たゆん氏を魅了状態にしマスターのマイルームまで誘導する、」
   「でしたので、足止めする という命令は受けておりません」
青キャス子「!! くっ… ちくしょおおおおおおおおおおおおお!!;;」
      「もう少し、、もう少しでたゆんたゆんが我が手に…」
中年キャス「何が我が手にって?」  青キャス子「ム、誰だ?」
青年キャス「名乗る程の者でもないが…そうだなたゆんのボディーガードってとこかな」
青キャス子「(例の監視員か!?)411は一体何を…」
中年キャス「この子の事かな?」
411「あっ!ご主人様ー!ただいまですー この人達にゴハン奢ってもらっちゃいましたっ!」
青年キャス「聞いたよ、この子にあんまりゴハンあげてないんだって?」
青キャス子「いや、金がなくてな…411だけじゃなく私と441も…」
中年キャス「さらには虐待もしているらしいじゃないか…」
青キャス子「いや、たしかに反応がかわいすぎてちょっかい出す事はあるが虐待はして無…」
青年キャス「問答無用!我らが隊長を独り占めしよう等と、さらには大切なパートナーを」
      「虐待するなんて許しがたし!」
中年キャス「鉄 拳 制 裁 !」
青キャス子「うわなにをするやめぐぶべらrぁうがyふぁあがギャアアーあじゃgぁ!!」
411「うわー!ご主人様ーー!二人ともやめてください!私の…私の大切な」
   「ご主人様なんですよぉおおおおお!;;」
441「さすがの私もこれは黙って見ている訳にはいきません、」
   「制裁なら共犯である私も受けるべきです!」
 2体のPMがかばうように二人の前にたちはだかる
青年キャス「む…君達がそこまで言うのなら、わかったよ」
中年キャス「チッ、この子らに感謝するんだな おい行くぞ」 青年「じゃーな お嬢さん達 邪魔したな」

411「ご、ご主人様…大丈夫ですか?」
 青キャス子のヘッドパーツはべっこべこにひしゃげている
青キャス子「全然大丈夫じゃナイヨ…でも助かったよ二人とも」
441「パートナーとして当然の事をしたまでですからお気になさらず」
青キャス子「ヤレヤレ、次は小ビス子氏をテイクアウトしてみ…」

411&441「それはヤバイ!」 青キャス子「ダヨネ!」
                  おわり
287名無しオンライン:2007/06/13(水) 22:20:51.96 ID:9n7hiQ6E
>>194-197 はい、無理でした! 我ながら無謀だと思いました… 他の方もお気をつけください

自分で書いててアレなんだけど、実際鳥ガラスープでお茶をいれたら本当においしいのだろうか…
あと、あれだけの騒動あったのに結局たゆん氏と青キャス子は出会ってなかったり、
出会わせる勇気がなかったとも(何) それでは、駄文失礼致しました。
288名無しオンライン:2007/06/14(木) 00:54:38.90 ID:wQ7iiuK6
>>194>>197 実に青キャス子氏らしい展開ですな。あのボディガードに会って、生きてただけすごいかな、と。
ネタキャラじゃなきゃ死んでますよ(爆)
鶏がらスープでお茶を入れる…茶葉で臭みの消えた鶏がらスープになるだけでは?スープとしては美味い『かも』知れないけど、
お茶としてはまずそうです^^;

しかし、まあ、やっぱり人様のキャラを使うと言うのは大変です。
中でも俺的にナチュラルに使いにくい3巨頭、450『女帝』、たゆんたゆん、青キャス子…
『女帝』はがんばって使ってみたけど、後の二人は…おそらく一生無理でしょう。
書いてると、絶対性格が変わっちゃうよなぁ。

if、を考えたしとて、たゆんたゆんをお持ち帰りするパパ…は、想像が出来ん!絶対ありえんな、あの性格だし。
今、一瞬、パパがお持ち帰りされる恐怖がよぎりました…412の悲鳴が頭の中を…なぜ?
接続障害でいつもみたいに入れないし、新作の続きでも書こうっと。
駄文失礼しました。
289名無しオンライン:2007/06/14(木) 13:16:50.37 ID:eLEg9V2b
>>288
むしろ、たゆんが「かわええ♪」とかいいつつ412に抱きついてお持ち帰りされる方が自然な気がしないでもない。
290パパと412作者:2007/06/14(木) 14:02:07.50 ID:wQ7iiuK6
ども、パパと412作者です。
>>289
 確かにそっちのほうが自然だ…
 そして、お持ち帰りされた412を取り戻すべく、何度も死の淵からよみがえるパパ…
 ただのホラー映画だっちゅうのw

さて、パパと412達の過去編である『暁の中で』が本日でとうとう最終回となりました。
長らくお付き合いくださいましてありがとうございます。
今後も完成すれば作品が投下されるでしょう。

それでは、本日分『暁の中で』、第十一回目にして最終回を投下します。
ご拝読くださいませ。
291暁の中で(54):2007/06/14(木) 14:03:23.82 ID:wQ7iiuK6
 その日は、朝から忙しかった。
 朝早くにGRMからの長期ミッション要請をうけ、パルムに。
 詳細を聞き、今後の予定を打ち合わせ終えると既に夕方。
 いざ部屋に戻ろうかと思うと、今度は諜報部からの呼び出し。
 これもまた今後の打ち合わせが長引き、気が付けば既に夜中だった。

 請けた仕事のどちらもが『PMを育成・観察し、そのレポートを定期的に報告せよ』というもの。
 GRMのほうは『ランダムに選出したガーディアンズ諸氏によるPMモニタリング評価の一環として』と言う
話であり、他にも同僚達が百名単位で呼び出されていたが、要はロザリオを育成してそのデータを報告しろとい
う事らしい。
 ロザリオの一件については、ガーディアンズ本部は勿論、諜報部にも詳しい事は報告していない。
 俺は最初から、あいつの件は全てを握りつぶすつもりだったのだ。
 誰かがもらさない限りは。
 第一、GRM開発局とガーディアンズ総裁はこの件の沈黙を約束してくれたし、研究主任はいわば共犯者。
 他に誰が…

(…おじ様、起きているかな?)
 ピンポーン!

 こんな時間に、呼び鈴?!
 誰だ一体。
 それに、今の『テレパス』…おじ様だと?
 ロザリオが寝ぼけ眼で起き出して、ビジフォンを起動する。
「あ、あの時のヒュマ姉さん」
 入り口の映像には、確かにリゼリアが映っている。
「こんばんは。何かごようですか?」
『えっと、おじ様いらっしゃる?』
(いなかったらどうしよう…)
「おじ様?パパのことですか?」
 また、パパって言いやがった。
292暁の中で(55):2007/06/14(木) 14:04:09.34 ID:wQ7iiuK6
 ちゃんと約束したんだが、なかなか止めようとしない。
 人前でパパと呼んだら、大好物を一回おあずけ。
 十回言ったら、連絡通路Aの敵を一人で全滅させる特訓。
 既に一回、連絡通路Aでの特訓をしている。
 無言で壁の表に『×』を書くと、ペンの音でこっちを振り返る。
 泣きそうな顔をするな、お前が悪い。
 頭を軽くぽんぽん叩くと、相手を変わる。
「よう。こんな時間に、俺に用か?」
『はい。お伝えしたい事があります』
(良かった、いてくれて)
 この『テレパス』はリゼリアが無意識にやってるのか、五月蝿いな。
 仕方ない、中へ入れるか。
「今、開ける」
 入り口のロックを解くと、彼女と、それに付きしたがうGH−101がそこにいた。
「あん?お前、あの440はどうした?」
「あの、その事なんですけど…」
「こんばんワ、ルドルフ様。その440は私でス」と、101。
「詳しくお話しますので、中に入ってもよろしいですか?」
「…ああ」

「実はあたし、ガーディアンズに入ったんです」
「なに?!」
 俺と一緒に床に座り、彼女はそう切り出した。
「この子の話を聞いてたら、あたしでも出来そうだったので」
 と、101を撫で回す。
「昨日、訓練校を卒業して、今日から配属だったんですけど、引越しの準備に手間取っちゃって。
 それで挨拶が遅れちゃったんです」
 見てください、とライセンス証を取り出す。
 ヒューマンとしての彼女の経歴が、そこにあった。
 そして、俺と同じID。
293暁の中で(56):2007/06/14(木) 14:04:56.20 ID:wQ7iiuK6
「あたしの戸籍を作る際に、おじ様を遠縁の親戚という事にして、便宜を図っていただきました」
「誰に?」
「学生時代の先輩です」
「若いのに、そんなことが出来る要職についている奴がいるのか?」
 きょとんとした顔で、俺を見る。
「おじ様、ご存知でしょ?」
「誰をだ?」
「私の先輩」
「ぁあ?」
 思い当たる人物はいない。
「いや、知らないな」
「本当に?」
「くどいな、思い当たる奴はいないんだよ、マジで」
「今日というか昨日というか、会ったって言ってましたよ?」
「今日?」
 えらいさんの顔は忘れずに覚えているが、今日会ったのは二人。
 GRMの開発局長と、諜報部部長…って、まさか?!
「諜報部部長が、お前の先輩ぃ?!」
「知らなかったんですか?おじ様。
 じゃあ、元タスクのナンバー2だって事も…」
「知らん!
 初めて知ったわ、そんな話!
 あの局長は経歴が一切謎なんだ、誰も出自を知らないんだよ!」
 静まり返る部屋。
「…は、話を戻しますね。
 で、ですね、復帰組でもないのにいきなりGH−440を連れて行くのは変だし、それで440をリセットし
たんですよ」
「…………………………………………なるほどな」
 要はこいつがロザリオのことをばらしたのか。
 そりゃ、要点が抜けてたとしても、話が伝わるのが早い訳だ。
294暁の中で(57):2007/06/14(木) 14:05:49.64 ID:wQ7iiuK6
 俺と同じIDにしたのも、俺に面倒を見ろ、そう言っている訳だな。
 ま、仕方ない、後はなるようにしかならん。
「話は分かった。
 今日はもう遅い、部屋に戻って寝るんだな」
「実はその事で相談が……」
 非常に嫌な予感がしたが、あきらめた。
「で、なんだ?」
 少々萎縮しながら答える彼女。
「……ぢつはその、寝る場所も無いくらい荷物を散らかしちゃって……」
 俺の脇にいる101から聞こえる溜息。
 俺に近づいてきて、こっそり耳打ちする。
「実ハ、大量の洋服で私の倉庫があふれたのデ、私が怒っテ、全部吐き出したんでス」
 おいおい、PMの倉庫からあふれるなんて、何着持ってんだ?
「……仕方が無い、今晩は泊めてやる」
 少しうつむき加減で、クックック、と俺は笑った。
 ビクッとする、ロザリオとリゼリア。
 ロザリオは、俺が笑った理由を正しく理解して、身を隠すようにリゼリアに抱きついた。
「ね、姉さん、かかかか、かくごしたほうがいいですよ」
「や、やっぱり?」
 頬を染め、別な意味で戦々恐々としているリゼリアに、ロザリオが震えながらしゃべる。
「p……ご主人さまのきょういくてきしどうは、口には出せないほど怖ろしいです」
 良く我慢した、一個『×』を消してやろう。
「お前たち」
 再びビクッとする二人。
「明日から、一般生活の何たるかを……」
 クックック、と俺は再び笑った。
「俺がみっちり仕込んでやる。覚悟しろよ?」
「「ひえ〜〜!」」
 抱き合って震え上がる二人。
「ご主人様はそれ位したほうがいいでス」
 101が俺の脇で、器用に頷いていたのだった。

 ―――おしまい―――
295おまけ:大掃除(1):2007/06/14(木) 14:08:09.69 ID:wQ7iiuK6
部屋掃除の様子:諜報部の記録より

「……………………ほらほら、さっさと手を動かす!
 いるものといらないものをより分けて…
 ロザリオ、それはリサイクルだ、入れる場所が違う!
 リゼリア!!そこで捨てる服を未練たらしく見てるんじゃない!!」
「だっておじ様〜」
 バキン!
「姉さん、何かふんだ」
「あ〜!無くしたと思ってたあたしのガラスのイヤリング!よくも踏んだわねぇ!!」
 ポカッ!!
「あ゛〜!!ぶった〜!!姉さんがぶった〜!!パパぁ!!」
「だから最初に足元を片付けろと何度も言っただろうが!!
 二人ともバツ一個、ロザリオはまたパパって言ったからもう一個追加!」
「「ひど〜い!!」」
「あんたのせいだからね、ファザコン!」
「あなたのせいでしょ、ひびわれゾンビ!」
「なんだって〜!」
「なによ〜!」
 キュキュ、キュキュ。
「「……あ、またふえた」」
「もっとつけて欲しいか?ぁあん?」
「「やだよぅ〜!」」
「もうすぐ20個だぞ、特訓は何処にしようかねぇ?」
(んもぅ、おじ様のSぅ〜!!)
(テレパスで筒抜けだ、バカたれ)
 キュキュ。
「あははは!パパにバッテンふやされてるの!あははは!」
 キュキュ。
「バカな子ねぇ、言わなければいいのに」ウププ
 チョンチョン
「なによ」
 クイックイッ
「……あれ…」
「………あ、20個…」
296おまけ:大掃除(2):2007/06/14(木) 14:09:23.21 ID:wQ7iiuK6
「……よし、決めたぞ!!」
 ビクッ×2
「『最凶の砂獣』Cで、血反吐を吐くまで周回だ!」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」」
「泣くくらいなら、手を動かして片付けろ!
 ポイント稼げばバツは減るって、最初に言っただろうが!!」
 ぴたっ!
 ………黙々………

 ―――4時間経過―――

「お、おわったよぅ〜」
 ぽふっ!ずるずるずる…
「疲れた〜」
 ぼふっ!
「やれば出来るじゃないか、二人とも。
 バツは……ほう、全部消えたか。
 それならご褒美に、ヒュマ助さんの所に晩飯でも食いにいくか」
「ルドルフ様、それは後日にでモ」
「あん?」
 ―――く〜っ、く〜っ…
「しょうがねえなぁ…よっ、と。
 お前、結構軽かったんだなぁ」
 く〜っ、く〜っ…
「よかったな、やっとベッドで寝られるぞ。
 ……ゆっくり眠れ」
 く〜っ、く〜っ…
「パパぁ…むにゃむにゃ」
「ほんとにしょうがねえなぁ、よっと。
 あとは頼むぞ、101」
「了解しましタ」
「お疲れさん」
「お疲れ様でしタ、お休みなさいまセ」
「ああ、おやすみ」
 ぷしゅぷしゅ〜、ガチン

 ―――ほんとにおしまい―――
297パパと412作者:2007/06/14(木) 14:27:37.81 ID:wQ7iiuK6
最後の最後でま〜た表記ミスです。

>>293、23行目
×:あの局長は経歴が
○:あの部長は経歴が

お目汚しとなってしまった事をお詫びいたします。マダマダショウジンセネバ…
298名無し275:2007/06/14(木) 15:37:56.89 ID:Y4pAE/uD
ヘイ275です、お嬢様の史上最大の戦い書いてる最中です。
行き詰ってます、ええそれはもう。
息抜きにスレみたら色々と…ありがたい事です。てな訳でとある二人の過去話。
某、惑星最前線にて。

「軍曹…上層部は俺を見捨て撤退するってよ…」
「軍のお偉方は下っぱなんぞ只の使い捨てと言う事か…」
「軍のため、キャストの存在意義を示すため、とは虚言だなぁ、俺ら最前線で戦う連中は
上層部にとってその程度ってことさ、汚染された原生生物の大群もすぐソコまで…」
「弾も無い補給も無い回復用のメイトも切れた、生き残れる確立は0コンマの世界、
ただ嬲り殺されるのも癪だ、華々しく散ってみるか?」
「それも良いなぁ軍曹、ただ一緒に地獄へ行く相手が、むさい中年キャストってのが
俺としては唯一の心残りだが、しゃあねぇか」
「言ってくれるな若造が、それでは華を散らすとするとしよう」

同じ鉄仮面を被った二人は、お互い表情は判らぬものの、散る覚悟は一緒と認識し
迫り来る汚染された原生生物の大群へと特攻しようとした時…
『ゴゥンゴゥン…』
突然の轟音に二人が見上げると、上空から軍の輸送機が迫る敵の前に何かをばら撒きつつ、
急降下で、今まさに敵に向かおうとする二人の眼前に着陸した。
見捨てられてる状況のはずなのに援軍が来る筈が無い…呆然と立ち尽くし、同じ思考に
陥ってる最中、耳に付けられたイヤホンから、凛とした女性の声が飛び込んでくる。

『前に出られると邪魔だ、早く後方へ退避しろ…出来ないなら身を伏せていろ、
巻き込まれて死んでも責任は取らん、あと5秒…4、3、2…』
「…軍曹!こりゃ一体?」
「よく判らんがとにかく伏せろ!急げ!!」

二人が伏せると同時に、輸送機の向こうにいる筈の敵の前線から聞こえる爆音と火柱。
それと同時に汚染された生物の断末魔が重なり、地獄の協奏曲のような様相を呈す。
まるでそれを入場曲の様に輸送機のハッチがゆっくりと開くと同時に、二人が見た物は…
獣のような鋭い目付きと全てを凍りつかせる絶対零度の眼光、身体には無数の傷に包まれた
指揮官パーツを纏い、腰まである長い銀髪を風になびかせる女性型キャストの姿。
その彼女の後ろには、異様なまでの狂気を封じ込めた歴戦の古兵達が、彼女に付き従う
ように静かに立っていた。

「銀髪の…肉食、、獣???」
「まさか、噂だけは聞いた事が…第0遊撃…の少佐…」
「無駄口はソコまでだ、貴様等は運が良い、この場で見捨てられ鉄屑となるか、
生きながら我々と地獄まで散歩と洒落込むかどちらでもいい、好きなほうを選べ」

驚愕の暇すら与えず、生きるか死ぬか、むしろ死んだほうが楽なのかもしれない選択、
銀髪の肉食獣に問われた二人は、周りから見れば短い数秒、本人達からすれば長い時間
だったのかもしれない、その空白は二人に覚悟を決めさせる。

「少佐…でよろしいですか?今すぐ指示を与えて貰えんでしょうか」
「ついでに弾薬と回復薬も分けてくれると、ありがてぇんですが?」
「ようこそ第0遊撃隊へ…本物の戦士達、今より貴様等は同胞であり戦友であり兄弟だ
武器は輸送機の中にある、好きなのを持って行け」
「了解しました、少佐」
「新参者の心意気って奴をお見せしましょ!」
299名無し275:2007/06/14(木) 15:39:12.44 ID:Y4pAE/uD
儀礼とも言うべき会話が終わると同時に、少佐の背後にいる古兵達の一人が
おもむろに報告を始めた。

「少佐、敵はトラップを乗り越え、まもなくこちらへと向かってきますが?」
「で?その後、貴様等がやる事は決まってるだろう?」
「それもそうですな、ではいつもの儀式を始めるといたしますか?」
「…あんな言葉で貴様等がやる気を出すのが不思議だがな」
「お忘れですか?我々は軍では見捨てられたハグレ物、それを拾ってここまでに
してくれた少佐の言葉は全てに勝る呪文みたいなモンですよ」
「ふん…整列」

その一言で、誰にも従わないような猛獣という名の古兵達が数秒とたたず整列する。
その光景をみて呆然とする二人、そして銀髪の肉食獣から放たれるは鼓舞すら生温い
狂戦士達を目覚めさせる呪文。

「貴様等は何をすべきか?」
「「「殲滅!全ての敵達を殲滅!」」
「貴様等は何を望むか?」
「「「戦場!!永遠に戦い続ける戦場!」」」
「貴様等は何だ?」
「「「鉄屑!死に損なった鉄屑!」」」
「貴様等は鉄屑では無い、同胞であり戦友であり兄弟だ、他の紛い物とは違う本物の戦士だ」
「「「オオォォ!!」」」
「…紛い物とは違う本物の戦士の力、今この場で見せてくれ」
「「「オオオォォォォォォォォォォォーーーー!!!」」」

先ほどまでの静寂とは程遠い、雄叫びの群れ。
その圧倒的な光景に立ちすくむ二人。

「今日は新参者に第0の流儀を叩き込まねばいけないしな、二人は私の後について来い
やり方は簡単だ、死ぬな…実に簡単だろう」
「は、はい!了解いたしました!」
「おまかせあれ!少佐、期待応えますって」
「味方以外…何も残すな、容赦などするな、全てを殲滅するぞ」

見捨てられた筈の二人はその命を救われ、そして、少佐が何故に銀髪の肉食獣と
呼ばれているのかを、否応無く目にする事となる。
その二人の今はと言うと…

「コルドバサンドだけじゃ物足りんだろう、ついでに何か買ってやろう」
「遠慮すんなよー、倒れるくらい腹減ってんだろ、オルアカロールでも食べるか?」
「わーい、いつもより豪勢な食事ですー!」
「…この411のマスターは、普段からろくに食事も与えてなさそうだな」
「まああれだーな、とりあえず、見つけたら軽く凹っておくか?」
「おいしいですー!」

青キャスにピンチの予感、生きろ青!耐えろ青!死なない程度に。
ネタキャラの生命力を見せ付けるんだ!
300名無しオンライン:2007/06/14(木) 19:56:04.99 ID:i6vAiiDH
パパと412作者さま、お疲れ様でした!
すごく、すごくよかったです。。。(泣
ありがとうございました!
301パパと412作者:2007/06/14(木) 20:54:36.25 ID:wQ7iiuK6
ども、パパと412作者です。

>>300
 お褒めいただき、光栄に思います。

しかし、その余韻を打ち砕くようなものを作ってしまった。
本当はインターミッションが一本、だっけか、あるんだがまあいい。
お持ち帰り、412、たゆんたゆんでついネタが浮かんで一気に書いてしまったので上げないわけにはいかんだろう!
とにかく後悔はしていない。が、たゆんたゆんを使う日がこようとは…。
青キャス子氏のネタとたゆんたゆんをお借りいたします。どうなるやら…。

製作時間5時間という、俺的最短時間作品、ご拝読下さいませ。
302お持ち帰りは412?:2007/06/14(木) 20:56:07.14 ID:wQ7iiuK6
 この2、3日、パパの様子がおかしいです。
 諜報部のお仕事の時にしか使わない、地味だけど丈夫な服と、シールドライン、それにいつもは封印してある
特殊な武器を持って外出していきます。
 別に諜報部のお仕事とかいう話は聞いていません。
 なんだかとても心配です。
「…一体、どうしたのかな?」
 なんとはなしに独り言を呟くと、入り口が開きました。
 お客様かな?
「いらっしゃいませ。よろず屋にようこそ…?」

 ……あれ?誰もいない?

 身体が反射的に動いて、レイピアを引き抜くと足元に突き立てます。
「………やるじゃねぇか、てめぇ」
 声のする足元に目を向けると、レイガンが持ち上げられないように手首の真横にレイピアが突き立てられた、
430さんが転がっています。
 地獄の特訓の成果が出ました。けど、この430さんは…
「あ〜っ!あの口の悪い430さnモガttゥナニsrンdsk」
 430さんが反対の手で私の口を塞ぎます。
「ちょっ、静かにしてくれ」
 開いたままのドアの向こうから、若い女の人の声がします。

 …よんさんまるぅ、どこですかぁ。おわりましたよ〜……

「ちっ、時間が無い。
 いいか、要点だけ言っておく。あいつを一人にするな。でないとあいつ…」
303お持ち帰りは412?:2007/06/14(木) 20:56:51.75 ID:wQ7iiuK6
 430さんのすさまじく真剣な表情。
「死ぬぞ」
「え?」

 …行きますよ〜、よんさんまるぅ……

「じゃあな」
「え、あの、ちょっとぉ!」
 突風のように現れて、同じように行ってしまいました。
 でも、気になる事を言ってました。
「パパが…死ぬ?」
 妙な胸騒ぎがします。
「…確かめなきゃ」
 お店を勝手に閉めると、私はそのまま街に飛び出していきました。

「どこのエリアだろう、ご主人様のいそうな場所」
 あちこちのユニバースをうろうろしながら、かれこれ3時間近く歩き回りました。
 この所、イベントのせいで人が多いのですが、その中にも、近くにもいません。
 『テレパス』で呼びかけても、返事は来ません。
「はぅ〜、疲れた〜」
 通路に設置されたベンチに腰掛けて、一休み。
 お腹が、くぅ〜、と鳴りました。
「おやつの時間…あ、そうだ」
 ずいぶん前にパパがくれた基盤で作っておいた、ショコラを取り出します。
「いっただっきま〜す♪」
 ショコラをパクつきながら、周りを何とは無しに眺めていました。
 いかついビーストのおじさん、私よりちょっと大きいくらいだけどせくしぃぼでぃなニューマンの女の…子?
 人ごみと向こうの方なので良く見えませんが、パシリにハッパかけられながら、アモーレルのパーツをつけた
キャス子さんがもじもじしながら歩いていますが、何故か最後に溜息ついてます。
 こっちには色黒ですっごく背の高い細身のニューマンを筆頭にアフロな人達。しかも、何故ビキニパンツ一丁?
304お持ち帰りは412?:2007/06/14(木) 20:59:02.72 ID:wQ7iiuK6
 良く見れば、2割近くがビキニか何かの水着姿…
 ココハイッタイドコデスカ?
 現実逃避したくて視線を外した先には、各フロアへ移動するスロープ。
 そこから現れた銀髪キャストのお姉さん。
 …うわ、あの銀髪キャストのお姉さん、胸がたゆんたゆんしてる。
 一瞬、ヒュマ姉さんと比べてしまいましたが、姉さんなんかと比べるのが失礼なくらいです。
「おや、かわいい412さんがひとりでいるんよー」
 あ、なんか知らないけど、来ちゃったよぅ。
「ショコラが垂れとるやん、手を出すんよー」
 え、あ!手についちゃってる。
「…はい、終わったんよー」
 手の他に口の周りまで、ハンカチであっという間に拭かれてしまいました。
「ありがとう、ございます」
 …パパ以外にこんな事されたのは初めてです。
「ところで、一人でこんな所をウロウロしてどしたんよー?」
「え、あ、その………ご主人様を探しに」
「ご主人様?」
 なんか、背景に『ゴゴゴゴ』とか、燃えさかる炎とか表示されそうな殺気を感じますが、気のせいではないよ
うです。
「あ、あの!別に捨てられたんじゃありません!ちょっと心配になって探しに来たんです!」
 あわてて事情を説明しました。
「てっきり捨てられたんかと思ったんよー」
 あ、鎮火した。
 はぁ、なんか疲れます。
 唐突に目の前が真っ暗に。
 抱きしめられたのは分かりましたが、この柔らかい、視界を遮る物体は?おまけに、い、息が…
「こんなかわいい412に心配かけるご主人様が見てみたいんよー。
 暇だから、一緒に探してあげr…」
 覚えているのは、聞こえてきたその言葉まで。
 呼気による内部廃熱が放出出来なくなって、私のブレインコアが非常停止してしまったのでした。
305お持ち帰りは412?:2007/06/14(木) 20:59:46.29 ID:wQ7iiuK6
「あ、よかったんよ、目が覚めたんよー」
 目の前には、きつい目つきを眼鏡で隠した銀髪のキャストのお姉さん。
 気がつくと、人通りが無い通路の椅子の上で横になっています。
 OSの時計が既に夜を指しています。
「ごめんよー、つい力が入ってしまったんよー」
 …警告は全て解除、状況は緩衝値範囲内、問題なしですね。
「大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」
「そんなことはないんよー」
 キャストのお姉さんは寝たままの私を椅子から抱き上げ、入れ替わるように椅子に座ると、私をその膝の上に
横座りに座らせました。
 目の前には、たゆんたゆんしている大きな胸。
「…一体、何が詰まってるのかしら、この胸」
「よく言われるんよー」
「え、あ、す、すみません」
 ついつい独り言を言ったのが聞こえてしまったようです。
 こっそりつついたのには気づいてないようですが。
「さて、どうするんよ、412ちゃん。もう、随分遅い時間なんよー」
「あ」
 どうしよう、このまま帰って怒られるだけならいいんだけど、パパ、まだ帰ってないかも。
「どうせだし、わしの部屋に泊まってもいいんよー。わしのパシリも喜ぶ…」
 急に身体が持ち上がる感覚。
 流れる空気で、このキャストのお姉さんが座ったままジャンプしたのだと分かりました。
 空中で身体を翻すと、天井を蹴って椅子から距離をとります。
「ふ、早い」
 え、笑ってる?
 獰猛な、肉食獣を思わせる笑み。
 私を左腕で抱えて、右手にセイバーを構えるお姉さん。
 着地と同時に、足元から来る黒い影。
306お持ち帰りは412?:2007/06/14(木) 21:00:16.47 ID:wQ7iiuK6

 ギィン、ギギギギギギィン。

 薄暗さも手伝って、フォトンの武器なのに手数が見えません。
 二人ともフォトンアーツでもないのに、すごいスピードで打ち合ってます。

 ガスビピシッ!

 お姉さんの身体がよろめきます。膝に蹴りが入ったようです。
 黒い影の人は、お姉さんのセイバーが左腕に刺さっています。腕で強引に止めたようです。

 黒い影の中にある、見慣れた、けれど、冷たい光を放つ琥珀色の瞳。
 まさか、パパ?!

 お姉さんが、格闘技にある動かずに瞬発力を乗せる技のように、全身にひねりを加えてそのままセイバーを突
き込もうとしています。
 このままじゃ、心臓に一撃が入ります!
(跳べ!)
 頭に割り込まれたような通信。
「だめ、パパ!止めて!」
 一瞬、躊躇するお姉さん。
 その隙に、私は黒い影に飛びつきました。
「スイッチ押しちゃ、だめ!」
「何?」
 お姉さんの足元に、何かのトラップGが仕掛けてあります。
 やっぱり。
 さっきの音に、トラップ設置音が混ざってたのに気がついてよかったです。
「…人のPMを『お持ち帰り』とは、どういう趣味をしている。『銀髪の肉食獣』」
 やっぱりパパの声です。
「ほう、私を知っているのか、貴様」
307お持ち帰りは412?:2007/06/14(木) 21:01:10.82 ID:wQ7iiuK6
 さっきまでののんびりした口調とは全く別人のお姉さん。
「ああ。戦場で会った事も一度や二度じゃない」
「それは変な話だ。私の歩いた後には、死体しか残らないはずだが?」
「さぁな、し損じがいたんだろう。俺みたいなのがな」
「あ〜もぅ!そこまでにしてください!」
 放っておくと、また斬り合いかねない二人の間に入って、トラップに片足を乗せます。
「この際だから言わせてもらいます!
 パパ!!
 今の今まで何処に行ってたんですか!
 この三日間、部屋で寝るときとイベント以外は姿をくらまして!
 私がどれだけ心配してたか判りますか?!
 おまけに、パパを探す手伝いしてくれるって言ってくれたお姉さんに切りかかるなんて!」
「いや、しかしな、ロザリオ…」
「しかしもへったくれもありません!
 それから、お姉さん!!」
「な、なんよー…」
「ご助力には感謝しています!
 ですが!
 私が気づかなかったら、パパが死んでましたよ?!
 そうなったら、どうしてくれるんですか!!
 それだけ腕が立つのでしたら、相手を確認してからでも遅くはありません!」
「そ、そうはゆうて…」
「私、帰ります!!」
 怒りが収まらないので、トラップをそのまま手近な連絡通路に蹴りこみました。
「あ、このバカ娘!そこには!」

 ボンッ!「「ぐえっ!」」

「………あいつらの声がしたんよー……」
 拘束されたままの二人のキャストが、氷のオブジェと化しました。
308お持ち帰りは412?:2007/06/14(木) 21:01:44.86 ID:wQ7iiuK6
「ところで、わし、あんたといつ会ってるんよー?」
 『お持ち帰り』の件が誤解だとわかり、パルムのオープンカフェで、普通にお茶をするパパとたゆんたゆんお
姉さんと私。
「………知らないほうがいいと思うぞ?」
「そうなんですか?ご主人様」
「そう言われると、知りたくなるんよー」
 暫く唸っていたパパ。
「……過去に何回か、手が付けられなくなった原生生物を駆除するミッションがあったんだが………
 俺も幾度か、お呼びがかかった事があってね。
 途中は省くが、死にかけて身動き取れなくなった所に来た第0遊撃隊に、原生生物諸共浄化されちまってなぁ」
 うわ、確かに聞くんじゃなかったかも。
「あの時は、この人に原生生物と一緒に開きにされかけて、気がついたら翌日だったからな…」
 顎をしゃくって、お姉さんを指すパパ。
「おまけに一度や二度じゃないし(ぼそ)」
 え?
「ある程度の実情とか知ってるし、その後に色々噂とか聞いたんだが、その人物をガーディアンズとして街中で
見かけてみろ、出来るだけ会わないようにする為に行動を把握したくなるってもんだろうが」
 まあ、一種の天敵のようなものですね。
 どおりで、一人でこそこそ出かけた訳です。
「……と、ところで、わしの元部下たち、そんなに弱いとは思えんのよー。
 どうやって確保したんよー?」
 その疑問はもっともですが…
「あ、ああ。
 あんたの見張りから一時離れて、どこぞのキャストの部屋にPMを届けたとかっていう話をしてた時だな。
 なんか、気が緩んでたらしくて、上手い具合にスリープトラップGを仕掛けた路地に来てくれたんで、そのま
ま、ボン、と」
 片手で爆発するのを表現するパパ。
309お持ち帰りは412?:2007/06/14(木) 21:02:27.00 ID:wQ7iiuK6
「……そうか。話が出来てよかったんよー。412ちゃん」
「ロザリオと呼んで下さい、キャストのお姉さん」
「それじゃロザリオちゃん、今度はわしの所に遊びに来るんよー」
 ちらりとパパを見る私。
(好きにしな。それもいい経験だ)
「はい、そのうちにお邪魔します」
「では、失礼するんよー」
 軽く会釈して立ち去るたゆんたゆんお姉さん。やっぱり胸が大きく揺れます。
「ちょっと心配だな…」
「何がですか?」
「……あの二人だよ」
 パパが言いたい事はなんとなく判ります。私も似たような経験してますから。
「あのキャストの二人組の運命は、あのたゆんたゆんお姉さんが握っています。ご主人様が悩んでも…」
 どうなるかは聖霊のみぞ知る、です。

 ―――おわり―――
310名無しオンライン:2007/06/14(木) 21:15:51.27 ID:LgwDfbH6
最近は、しっかりとした中・長編の話があって読み応えがありますなぁ…。

こんな流れの中に、ヤマなしオチなしの続きが書けなくなった
文とかを乗せてもいいのだろうか?(ω・`
311名無しオンライン:2007/06/14(木) 21:23:43.83 ID:WwteotnQ
>>310
ここの合い言葉は

倫理的におk

後はわかるな?

312ヤマとオチとイミの無い話(0/7):2007/06/14(木) 21:40:53.43 ID:LgwDfbH6
全国1億5千万人のパシリラヴァーの皆さん、こんばんわ。
今回のお話は、悲劇にならないように、微妙テイスト(雷10%ファントムライン級)の
パロディを書こうと思って失敗したものです。
これを晒して置くことで、次の人の書き込みの敷居が低くなるという特殊効果つき。

ピロンピロンベーのログインオンラインへの怒りに任せて書いてしまった。
反省はちょっとだけだがしている。
苦情の半分は私へ、もう半分はゼカネットワーク運営陣へ。
加えて、神速で背中を押してくれた(崖の上から)>>311氏には、最大の感謝を。
313ヤマとオチとイミの無い話(1/7):2007/06/14(木) 21:42:58.08 ID:LgwDfbH6
大小様々な依頼を一手に引き受ける、惑星間警備組織ガーディアンズ。
その本部はガーディアンズコロニーにあり、そこでは多くのガーディアンズ隊員達がマイルーム
という部屋で生活しながら働いている。大きな依頼のほとんどは本部の隊員達が処理に当たっている
が、規模の小さな依頼まではなかなか手が回らない。そこで、各惑星にはガーディアンズ支部が
設立されていて、その惑星でマイルームを貰い住み込みで任務にあたっている者達も居る。
惑星ニューデイズにもガーディアンズ支部があり、当然、支部隊員用のマイルームもあるわけだ。
今回の奇妙なお話は、オウトクシティ支部にマイルームを持つ、大きな箱とパシリの物語。

「だめぇぇ!」
という声が部屋の中から聞こえている。中で声を発しているのは、若葉色の衣装が鮮やかな
パートナーマシナリー440。どうやら彼女は、随分と古いビデオを見ているようだ。
「そんな…こんな所で…いやぁぁぁっ!」
随分と興奮しているのか、声は甲高くなっていき、ビデオ映像の映っているビジフォンを
穴の開くくらい凝視している。
「イくの? イっちゃうの? …イっちゃだめぇぇぇ!」
大小二人のビス男と一人のニュマ娘が映っているそのビデオは、どうやら佳境のようだ。
314ヤマとオチとイミの無い話(2/7):2007/06/14(木) 21:43:37.15 ID:LgwDfbH6
ニュマ娘はその場に泣き崩れ、BGMが流れる。
(みつめあーうとー すなーおーにー おしゃーべりー できーなーいー)
小ビス男が海岸の砂浜から去っていくなか、大きなビス男は"未来日誌"と書かれた黒い本を開いている。
そこには"小ビス男が浮気をしていたというのは、彼が作った嘘の話。彼は、自分がニュマ娘から
好かれているため告白できない親友のビス男を見かねて、嘘をついていた。そして、2人が今後
うまくいく事を願って、嘘をついたまま一人、故郷のモトゥブへと帰る"と書かれている。
(ぶなみのようーなー まずしさにー あいのぉぉー おびえてる フゥー!)
驚いた表情のまま、最後の日誌のページを見るビス男。そこには、こう書かれていた。
"最後の日誌はビス男の手に委ねられた。親友か恋人か。どちらかを選ぶ結末を書き込むのだ"
そして、夜の海岸をバックにテロップが流れる。
《そしてビス男の選んだ未来とは!? 次週、未来日誌V"3人のクリスマスック"最終回!
 ビス男が選んだ衝撃の結末を、あなたは涙なしには見る事は出来ない…》

最終回を前にして既に涙ぼろぼろの440は、ぐしぐしと涙を袖で拭きながら最終回のビデオを探す。
床に積まれたビデオの山。未整理のナノトランサーの中。物置と化しているドレスルーム。
「あれ? どこに置いたっけ…」
秘密のビデオのあるベットの下。売り上げの一部をへそくりしているマイショップの引き出しの中。
「むぅー。無い」
腕を組んで首をかしげながら、ルームグッツ置き場を通り過ぎようとした時、440の目に
てくてくとしあわせそうに歩くパノン像と、首の長いラガンの置物が目に入る。
「んん? パノン……。ああっ!」
と、某ロマンシングな2作目のように閃いた440は、コロニー3Fにあるレンタルビデオ屋のページ
を開き、主人のレンタルIDを打ち込んで照合を試みる。すると、本日の返却リストには、
"101匹パノちゃん てくてく大行進" "萌えよ ディラガン!" に加えて、"ソトホクのホントの
トコロ 未来日誌V最終回"と記載されていたのだ。
「最終回じゃなくて、part3を返してきてって言ったのに!」
今朝、「ファミ通カップ」とかいう新ミッションに行く主人の大箱に、同じ3Fにあるレンタル
ビデオ屋への返却を頼んだのだ。だが、ドラゴンとサムシングスイーツが大好きという主人は、
普段なかなか見られない双頭龍が出現するという噂を聞いていて、ウキウキ気分の上の空。
返却する種類を間違えたらしい。
「返却を頼んだ私がバカだったわ…」
後悔してもはじまらない、とため息を振り払った440はビジフォンの録音機能をONにして、
「あーあー。こほん。………。キララです。レンタルビデオ屋にビデオを借りに行ってきます。
 すぐに戻りますので心配しないように」
と、出かける旨の伝言を残しガーディアンズコロニー3Fのレンタルビデオ屋へと向かうのであった。
315ヤマとオチとイミの無い話(3/7):2007/06/14(木) 21:44:27.65 ID:LgwDfbH6
一方その頃。
視えない畔路のVRミッションについていた大箱達のパーティーは、ディ・ラグナスと対峙していた。
同盟軍からガーディアンズに卸された旧式戦略兵器であるこのキャストは、他のキャスト達よりも
一回り以上大きいのだが、それをも軽く超える巨体が目の前で氷炎の咆哮を放っている。
とても仮想空間だとは思えない迫力に、少し怯んでしまっているパーティーメンバーを尻目に
気合の声をあげながら走る影があった。大箱だ。
「待て、エル! 一人じゃ危険だ!」
その大きさ故、大きいを意味するLargeの頭文字を取って呼ばれている大箱は、
パーティーメンバーの呼びかけを気にも留めず、背後の尻尾へと疾走していく。そして、
「おも、おも、おもちかえりぃぃぃぃぃ!」
その大きな両腕で2本の尻尾を抱え込むと、ずるずると出口の方へと引きずり始めたのだ。
パーティーメンバーとディ・ラガンの、唖然という状態への戦いは始まったばかりである。

「あーあ。借りられちゃってたかぁ」
コロニーからニューデイズに帰る為のPPTシャトルから降りたキララを待っていたのは、
この星特有の梅雨という気候がもたらした雨だった。ビデオ探しに予想以上に時間がかかって
しまい、時刻は夕暮れにさしかかっている。
「…やばっ。もうこんな時間なの!?」
ビデオ返却の代わりにファントムラインの合成を頼まれてはいたが、ビデオを見ながら
でも合成しようかな、と思っていたので、当然、終わってはいない。
「急いで帰って合成しないと」
キララは降頻る雨の中、支部の裏手にある"オウトク支部マイルーム棟"へと駆け出していった。
一張羅が濡れるのは悲しいが梅雨の雨の中を走るのも気持ちいいな、と思いながら
マイルーム棟へ向かっていると、キララの耳にパサリという音が聞こえた。
この雨音の中、何か本が落ちたような音が聞こえたのだ。
不思議に思って、音のした路地裏へと続く道に目をやると、一冊の黒い本が落ちている。
「あれ? あの本、どこかで見たような」
見た事のあるようで思い出せない。ファミ通ミッションのご褒美で貰えると噂の本
ブクラ・ファミツウに似ているようなそうでないような…。ちゃんと見れば思い出すかな、
と思ったキララは黒い本へと近づいて、まじまじと見た。
上向いている表紙には何も書かれてはいないが、その装丁はビデオで見ていた
「これ……未来日誌だ!」
未来日誌にそっくりだったのだ。
「落し物かなぁ? と、とりあえず濡れちゃいけないから預かっておこうー、っと」
憧れの未来日誌のような物が落ちている、という誘惑に勝てなかったキララは、
濡れないように、と黒い本を小脇に抱え、再びマイルーム棟へと走り出す。

この時、キララは3つのコトに気がついていなかった。
一つは、裏面に本の題名が書いてあることに。
二つは、本がこの雨にも関わらず、一切、濡れていなかったことに。
三つは、キララの姿を上空で見つめる黒い影に。
316ヤマとオチとイミの無い話(4/7):2007/06/14(木) 21:45:40.74 ID:LgwDfbH6
「よしっ。セーフ、セーフ」
鍵が掛かったままの部屋を確認したキララは、さっそくファントムラインの合成に取り掛かる。
この前はファントムメイトを6つも作ってしまったので、今回はなんとしてでも成功させたい
と思いながら準備を進めていると、ふと、あの黒い本が目に留まった。
「これが未来日誌だったら、もしかして!」
ビデオでやっていた未来日誌では、予め未来が書き込まれており、そのとおりに物語が
進んでいく。空白のページの部分は、書き込むことによりその未来を決定することが出来る、
という設定であった。
「白紙、かぁ。まぁ、願掛け程度に書いておこうかなー」
そう言いながら、キララは真っ白なページにさらさらっと文字を書き込んでいく。

『合成キューブが実を粉にして働いた結果、
 6月1日の合成はファントムライン50%が大成功!』

「まぁ、気休めだけどねー」
そう言いながらもちょっぴり期待したキララは合成に取り掛かった。
合成キューブに材料を入れ、掌に乗せ、完成品をイメージしながら振動波を送り込む。
振動波を状態に合わせて加減する。それに合わせて、合成キューブの回転が激しくなっていく。
あれ? いつもよりも合成キューブが…熱い?
そう思った瞬間、合成キューブが木っ端微塵になり部屋の中は閃光に包まれた。
「!?」
強い光と炸裂音にびっくりしたキララは、反射的に目をつぶる。
視界がマブタに遮断されるその刹那、キララはなにか黒い人影を見たような気がしたが
その後に起こった事態によって、この記憶は忘れられてしまう。

光が収まり、つぶった眼を開くと、そこには見事なシールドラインが完成していた。
「で、できてる……。できてるー!」
Aクラスの防具を初完成させた喜びで、キャッキャと跳ね回っていると、
「ただいまー」
と、大箱が帰ってきた声が聞こえてきた。早く見せたい一心のキララは、出来たての
ファントムラインを持って玄関までスキップして行く。
「見て、見て! 私だって、やる時はやるんです!」
どーだー、とばかりに見せつけるキララからファントムラインを受け取った大箱は
「よくがんばった! 感動した!」
と言いながら、帽子を取ってキララを撫でてやる。
「まぁ、ファントムセット用だから属性には期待はしてないが……んん!?」
キララを撫でる手が止まる大箱。止まった手を見上げながら、キララは大箱に聞いた。
「あー、、、合成成功が嬉しくって、属性値を見るの忘れてました……」
属性オンラインのご時勢だ。いくらセット効果が目的だからとはいえ、属性値が10%
とかなら、使い物になるかとうが非常に微妙なモノになってしまう。
止まった手が震えているのを感じたキララは、
「ごめんなさいです。次からは、もっといい属性値のものを、」
と言いかけた時、大箱の手の撫でが当社費3倍になった。
「いきなり50%なんて成功させやがって! なんていい子だ」
「50%!?」
あまりの驚きと嬉しさで、その日2回目の涙を流したキララは、それを見ておろおろして
いる大箱に明るくこう言った。
「今夜は、サムシングスイーツでお祝いしましょうねっ!」
317ヤマとオチとイミの無い話(5/7):2007/06/14(木) 21:46:46.56 ID:LgwDfbH6
翌日。
サムシングスイーツな晩餐会で、ニューデイズの伝統的な飲み物である、
サムシングスイーツ酒を飲みすぎたキララは、二日酔いの気持ち悪さで目が覚めた。
時計を見ると、既に正午を過ぎている。ちょっと、ハッチャケすぎたかなー、と
思いつつも朝の身支度をしていると、大箱の姿が見当たらない事に気がついた。
「今日はガーディアンズのお仕事は非番だ、って言ってたのになぁ」
何かメッセージが入っていないかとビジフォンの録音機能を再生してみると、
昨日、自分が入れた出かけのメッセージの他に、大箱からのメッセージが入っていた。
録音時間は、今朝になっている。
「なにかあったのかなぁ…。ぽちっとなー」
そう言いつつ再生ボタンを押すと、大箱の慌てた声がビジフォンから再生されていく。
「キララ、すまん。支部から緊急招集がかかった。ドラゴン変異体であるゾアルゴウグ
 が急に暴れだして、教団施設を襲っているらしい。認定Lv100を超える大物だ。
 そいつがシティに向かわない可能性は無いから、外へは出るな! 認定Lv100以上
 というのには正直ビビッてるが、お前の作った鎧があればなんとかなるさ。
 じゃ、おとなしく留守番してるんだぞ」
キララは顔からオイルがさっと引いた音を聞いた。
思考が停止する。
しばらくして、オイルが頭にのぼり、口が怒声を吐いた。
「認定Lv100以上なんて、死にに行くような物じゃない! このバカ箱っ!」
従軍していた経験があるとはいえ、最近、やっとLvが70になったばかりの大箱だ。
認定Lv100を超えるボスクラスのエネミーとやりあうなんて、それこそ、
死にに行くようなものなのに!
「私が行っても足手まといだし……。何か、何か方法は」
そう思ったキララの目に、昨日拾った黒い本が留まる。
「そうだ……もしかしたら、未来日誌なら……」
日誌に書いたから、昨日の合成だって成功したかもしれない。
ううん。むしろ、昨日の合成成功は日誌の力だったのかもしれない。
ほら、だって、その証拠に属性値だって50%だったじゃないの!
「神様、お願いします。大箱を死なせないでっ」
真っ白なページに真摯な文字が書き込まれていく。

『ゾアルゴウグは飛行中に転落しひと気の無い森へ。
 6月2日の緊急ミッションは死傷者0人で解決する』

藁にもすがる気持ちで書き終えたキララは、手を合わせて神に祈った。
「どうか、大箱が死にませんように……」
318ヤマとオチとイミの無い話(6/7):2007/06/14(木) 21:48:06.44 ID:LgwDfbH6
すると、一分も経たないうちにキララのメールボックスにメールが届いた。
差出人は大箱となっている。あわてて内容を見ると、腕のいいガンナーが対象
を見事撃ち落したため、人的被害0でミッションが終了した、とのことだった。
やっぱりそうなんだ。この黒い本は、
「本物の未来日誌なんだ」
と、ぽつりと言う。すると、部屋の中から
「クハハハハ…。そんな都合の良いものではないぞ、娘よ」
と、威圧的な声が聞こえてきた。
「え?」
部屋には、今、キララしか居ない。鍵もキチンと掛かっているし、防犯ブザーも鳴っては
いない。身支度をしながら大箱を探した時だって、誰もいなかった。なのに声が!?
警戒しながら部屋の中を見回すキララに、声の主は
「上を見るがいい」
と、告げる。さっとナノトランサーからシッガ・アムザを取り出したキララは、
ためらい無く天井へ銃口を向け発射する。炸裂音と共にパラパラと天井の塗装が
落ちてくるが、他に気配は無い。恐る恐る見上げると、そこには、紫色のスマートな
ボディを持ったキャストが宙に浮いているのだ。
「…なっ」
格好だけ見れば、見慣れないパーツをつけたキャストだが、手には魂を喰らわれそうな
鈍色に光る鎌を持ち、その目は生きている者を畏怖させる光をたたえている。これって、
「いい素質を持った娘だ。だが、そんな銃では私は殺せない。なにぶん、今の私は」
「し、死神?」
テーブルの方へ後ずさりながら、キララが言った言葉。
それは、そのキャストを表すのに最も最適かつ的確な単語だった。
「ほう。器量が良い上に飲み込みも早い、か」
後ずさってぶつかった衝撃で、テーブルからあの黒い本が床へと落ちる。
バサッ、というあの雨の日と同じ音をたてて、黒い本は本来の表紙の面を上へと向けた。
そこには、クバラ語でこう書かれている。
319ヤマとオチとイミの無い話(7/7):2007/06/14(木) 21:49:39.70 ID:LgwDfbH6


                【ノート・デスタ】



ヤマとオチとイミの無い話  Fin...
320名無しオンライン:2007/06/14(木) 22:40:52.79 ID:wQ7iiuK6
>>313->>319
 楽しく読ませてもらったが、そうか、続きは無いのか…
 ヤマもオチもこの先だから、続きを読んでみたいと思う俺ガイル
321名無しオンライン:2007/06/14(木) 23:22:21.56 ID:mztC/yeI
>>319
え、終わっちゃうの?!(゚Д゚;≡;゚д゚)

俺も、「続きを読みたい」に一票!
322名無しオンライン:2007/06/15(金) 01:27:05.50 ID:NERr4r5X
旦那・・・なにやってんだよw
323名無しオンライン:2007/06/15(金) 05:57:53.05 ID:DK2MISRo
>>312>>319

ちょwwww旦那wwww

ところで、そのタイトルのノリは闇(ry

さあ、続きを書くんだ!早く書かないとパパと一緒に
「『最凶の砂獣』Cで、血反吐を吐くまで周回だ!」

て事になるぞ!

オレも続き読みたいに一票
324俺的裏設定(1):2007/06/15(金) 10:52:58.82 ID:wq41ESo5
まあ、>>312さんに実際に書いてもらえたとして、時間は掛かるだろうからのんびりかまえますよ。

ども、パパと412作者です。

一応過去編が一段落して、次回の長編が完成するまでは時間も掛かります。
ぽつぽつ短編が上がるかもしれませんが、のんびりお待ちください。

さて、作中で色々な方々のネタやら設定やらを利用させてもらいましたが、
俺的に統合するための裏設定などを作ってあります。

お目汚しかも知れませんが、作品を読む上での参考になればと思い、投下します。
ひまつぶしにでもご拝読くださいませ。

食べ物とか体について
 小さい躯体を無理なく運用するために皮膚や駆動系に使われている生体部品がキャストより多用されていると
設定し(実際、皮膚の磨耗度はキャストと変わらないだろうし)、食事による生体部品の維持機能を付けてある
ものとしています。
 人間でいう胃と腸を兼ねた装置が体内にありますが、完全分解・吸収するので排泄行為はありません。
 ただ、未吸収の栄養素を蓄積する機能が付いているので、腹に一撃喰らったりすると、人間同様に吐きます。
 と言うわけで、必要な栄養素を摂取していれば、ある程度の損傷はゆっくりですが自力で修復してくれます。
 というか、こういう設定にしないと、ふにふにほっぺとか、一緒にご飯とか、納得して描写できないじゃんw
 ま、人と接するには生きた人肌が一番無難だったと言う事でw

 髪の毛についてですが、今回の作中では特に触れませんでしたが、冷却装置という設定がされています。
 某ツインシグナルとかエリアルのようですが、ブレインコアに近くて放射面積の多い物質としては最適ですの
で、彼女らが作中において、おしゃれ以外の目的で髪を下ろす行為があったとすれば、それは強制冷却している
ことになります。
 普段はそこまでしなくても、体表からの自然冷却やフォトンリアクターなどの冷却装置でまかなえているもの
としています。
325俺的裏設定(2):2007/06/15(金) 10:56:05.04 ID:wq41ESo5
ロザリオとナンバリングについて
 過去の作品にあったGSS988-B2等のナンバーは、躯体の型式として考えています。
 大概は型式だけでは個体区別が付きませんが、『狂犬』や『女帝』たちの物は個人的に特別なものとして製造
ロットと同等の扱いをさせてもらいました。
 ロザリオの正式な型式はGSS998-B5、未来視能力を持っていたとされるGH−410の後継機であり、姉妹機に
当たる躯体という設定があります。
 また、作中に登場したGST685-F9ですが、生産が追いつかなかった時期にGRMの教導用が回されて使用されて
いた物で、区分の為に形式がGSSからGSTに変更されていたデチューンモデルです。この躯体は古い時代からの数少
ない生き残りでしたが、不幸にも作中で破壊されました。多大な経験値を秘めた同モデルはあと1体しか稼動して
いません。この設定を使う予定はありませんが。

 ロザリオは終戦後100年目に製造された躯体です。
 作品中に登場したPMGA00261C5D7-B5というナンバリングは、管理しやすいようにGRMが以前から使用してい
る、製造ロット番号です。

 意味としては、
 P:パートナー用。戦闘用から工業用、農業用、家庭用など、基本用途が分類される。
 M:マシナリータイプ。マシナリー、通常の乗り物、武器・防具、ツール類などの基本品目をここで分類。
 G:ガーディアンズ仕様。Nは一般、Aは同盟軍、Pは警察関連、Fは工業・農業、Hは医療関連、Cは企業。
   GRM内では、Lは研究用、Dは警備用、Tは教導用、Xは試作機、αはロストナンバーとして分類。
   再改修された躯体によっては変更される可能性がある。
 A:Aは100年目、Bは200年目とつづく。百年以前の躯体には記載がない。
 00:下二桁の年数
 261C5D7:その製品の個体番号。16進法で表記される。
 B5:機体製造モデル。PMでは、再改修された躯体にはアルファベットと数字の間に『n』が追加され、最後
  に再改修回数が記載される。(例:Rn86。R8タイプで、6回の改修経歴があると読む)
 となります。

 彼女のPMGA00261C5D7-B5という番号は、戦後100年目の39,962,071番目に作成された、ガーディアンズ仕様
のパートナーマシナリー、B5モデルという事になります。

とまあ、こんなことを考えながら作品をつくっちょります。
326名無しオンライン:2007/06/15(金) 11:07:00.95 ID:8Mo2oiWY
設定を使うために話を合わせた感がするが、まあ短編だし・・・と思ってたらかなりの量。
そしてこの俺設定の発表。
さすがの俺もギブ
327名無しオンライン:2007/06/15(金) 12:25:02.69 ID:EqsYKzlB
こういう細かい設定がある話は個人的に大好きなんだぜ。
髪による放熱とか製造番号の意味とか、
設定から話が膨らむこともあるだろうしね。
そして某ツインシグナルテラナツカシスw
328名無しオンライン:2007/06/15(金) 12:48:40.02 ID:EHMcbxYd
設定結構だし長編も一向に構わん。
だけどSageくらいしような。
329名無しオンライン:2007/06/15(金) 14:22:31.72 ID:wq41ESo5
>>328
 ごめんさない、次から気をつけます。
330名無しオンライン:2007/06/15(金) 14:25:16.38 ID:gTZFLrPj
長編が終わったところで息抜きにアホ話を投下しときます。
交響曲(シンフォニー)のあとは戯遊曲(ディヴェルティメント)を、ってことでドゾー

なお長編のほうは今読んでいる最中なので、感想はまた今度…w
331タクシーがきたりて笛を吹く 前編(1):2007/06/15(金) 14:26:52.55 ID:gTZFLrPj
ホヨートーホー ハイヤハー。
わたくしは、荒ぶる戦乙女のGH432(イルミナス版)。
今日はお部屋にもあまり勇者が来ないので、店番はお休みして主に先日持ち帰っていただいたお気に入りのルンガのぬいぐるみに乗ってワルキューレの騎行気分です。ハイヨー シルバー。
「すみません、おじゃまします」
サンダー・おおえど・Aチーム〜♪
「あのー…ノックしてもしもぉ〜し」
飛行機だけは勘弁な〜♪
「ゴロンボー(ぼそっ)」
はっ!?何者!?
「…気づくの遅すぎ」
も、申し訳ありません。『席のある部屋』へようこそ、歓迎します勇者よ…
思わず赤面してしまいました。来客に気づかぬとは不覚です。いやその決して夢中になっていたとかでは…
入ってきたのは長い黒髪に大人びた顔、そして主ほどではありませんが胸の大きいニューマンの女性でした。
ニューデイズの珍妙な格好、いわゆる巫女服を着ているところを見ると、グラール教団の方でしょう。
「はあ…(嘆息)。ところで、あなたのご主人は何を?」
主にご用ですか?今主は不在なのですが。
「不在って…すぐそこにいるじゃないですか」
これはその、オリ・オリの中で死んだような目をして座っているのは主がここではないどこかへ意識をとばされているからで…
「50時間放置ですかっ!」
そうとも言います。お客様が見たら面白がるだろうと、自らこのような御姿をお見せになっているのですよ。
あとそこのフォトガチャンの当たりが主の脱ぎたて衣服というのもジョークだそうです。
「よりによってこんな方の部屋に逃げ込んでしまうとは…はっ」
扉のすぐ外にばたばたと足音がしました。なんかサスペンスっぽいですね。今回の題名は「カテイ/パワーは見た!」で決定でしょうか。
「追っ手がここにまで!ともかくお願いします、かくまってください!」
普通、主人不在の際にはパートナーマシナリーにそのような権限はないのですが、どう見てもこの方は何者かに追われているご様子。
困っている方を助けぬなど騎士道精神に反しますので、とりあえず絶対見つからないであろう場所、倉庫機能を用いてこのお嬢さんに隠れていただきました。
ほどなくして、教団警衛士の格好をしたニューマンの男性が何人か入ってきました。いらっしゃいませ。
「おいそこのパシリ!こんなでかい乳の女を見かけなかったか」
そこにいらっしゃいますが。主に何用ですか?
「たしかにいい乳だ、うん、いいなこれは…しかし違う。探しているのはニューマンだ」
…勝手に部屋を探し回ったうえに、主を(しかも胸しか見ずに)品定めとは、女性に対して失礼だとは思わないのですかこのおっぱいフェチが。
「ふん、いないのならこんなところに用はない。さらば」
待ちなさいこの変態!…行ってしまいました。
もう出てきても大丈夫ですよ…んぐっ!?
…出すときにつっかえて二人ともひどい目にあったのは秘密です。
332タクシーがきたりて笛を吹く 前編(2):2007/06/15(金) 14:28:25.29 ID:gTZFLrPj
やりすごしたところで巫女さんは自分の身に起こったことを話してくださいました。
ドウギ・ミクナの不祥事のこと、ミレイ・ミクナのかわりに幻視の巫女になった姉クユウ・ミクナのこと、それが外部に漏れて反ドウギ派が動き出したこと…
「彼らの目的はドウギ・ミクナの暗殺と、現在の幻視の巫女を貶め、その代わりとして私を巫女として祭り上げること。
そしてその後ろ盾としてイルミナスという組織とも結託しているそうです…そのようなことは許されないとは思うのですが、私には戦う力はないのです…」
ここでイルミナスの名を聞くとは思いませんでした。なんと ひきょうきわまりない!わたくしも すけだちします!
ところで、その反ドウギ派組織の名前は何というのですか?
「それがそのぅ…『巨乳を愛でる会』と…」
…………
はぁ…名前を聞かせただけで凍結を起こすとは、なかなかやりますね…
つまりこういうことですね?おっぱいフェチの集団が、今まで実績のあった幻視の巫女がなくなられたことで、今まで感じていた「自分たちの代表が貧乳」という不満を新しい巫女にぶつけたあげく、
おっぱいの大きい貴方を祭り上げようとしている、と。
「端的に言えばそういうことになります…」
なんだか一気にやる気が失せたのですが、義務は義務であって困っている人は助けねばなりません。いや本当やる気出ませんが。勇気マイナス20%です、はぁ…(嘆息)
「そんなにあきれないでください。彼らが私をとらえれば、幻視の巫女を見せしめに殺しかねないのです」
事態は深刻なはずなのですが、どうにも緊張感がありません。とはいえわたくしは主に従うと同時に騎士道にも従う戦乙女。主が不在の今、ここは一肌脱ぎましょう。
わたくし一人では外に出られませんので、巫女さんには一時的にわたくしの主(仮)になっていただきます。よろしいですね?では目立たないようそこのフォトガチャンに入っている主の衣服に着替えてください。
ぐりぐりぐりごとん。出てきたナノトランサーカプセルの中に入っていたのは…
「…み、水着…?」
当たりですね。一発で当てるとは運がいいですよ。
「そうではなく!もっとまともな服を!」
ぐりぐりぐりごとん。ぐりぐり…
サバエザシ、ムカトランド、ヴィシ…
1回1000メセタにしては豪華な品々が次々と出てきますが、あいにく服は出てきません。そうしているうちに巫女さんの財布はからっぽになってしまいました。
あきらめて水着で町を闊歩してください…大丈夫ですよ、そんな人いっぱいいるんですから。
「他人事のように言わないでください!こんな、恥ずかしい…」
(無視して)夕飯までには戻ります、お願いですからわたくしがごはんを作っていないからといってこの世のものならざる食物を作り出して食べるのはやめてください主よ。
ではいってきます…ほらいきますよ主(仮)。
333青キャス子:2007/06/15(金) 14:29:41.93 ID:fdHsfVKU
>>299 おほうwもうこの二人のキャストもメインになりそうな勢いですな、

>>309 青キャス子のネタを借りる、イースターエッグか!(※PSU)いや千本ナイフか!?(※遊○王)
   まさかチョップなのか!!(※悠○幻○曲)意表をついてパートナーメーカーか!?(プ○ンセス○ーカー)
   と期待して読んでしまった、違ったw しかし、そろそろネタを探すのが苦しくなってキマシタ…
   パクッたネタの漫画やゲームの数は、およそ20種類ぐらい行ってるんじゃなかろうか、、

 家に帰ったら、ワルキャス氏のキャラを借りて、長編シリアスに挑戦してみたいと思っている。あと一週間ぐらい帰れないかなー
 私の文才だとヒドイ事になりそうなんですが…お借りしてもヨロシイデショウカ
334タクシーがきたりて笛を吹く 前編(3):2007/06/15(金) 14:29:47.47 ID:gTZFLrPj
一時期流行ったとはいえ最近は町中を水着で歩く人もそうそういないもので、揺れる胸を隠しながら水着で歩く巫女さんはそうとう目立ってしまったようです。
人だかりができて逆にカモフラージュになったようなならなかったような。
「たゆんたゆんだ!」「ここにもたゆんたゆんがいるぞ!」
というか貴方がたもおっぱいフェチですか変態変態。
「うう、もうお嫁にいけない…」
しっかりしてください主(仮)。主のように背筋を伸ばして堂々と歩くのを真似てみましょうよ。主(仮)にならできます。きっと。たぶん。ちょっとくらいは。根拠はありませんけど。
腕を大きく上げてーのびのびとー背伸びの運動からーはいっ。

といったところでわたくしと巫女さんはグラール教団総本山へとたどり着きました。
ここが『巨乳を愛でる会』のアジトなのですね。はぁ…もうなんか焼き討ちして全滅させたほうが早くないですか。ほらここに今日のおやつのバーントラップEXもありますし。
「それは困ります、中には巨乳派とは関係のない方や幻視の巫女もいるはずですから」
そうですか、それでは仕方ないですね…一応事態は一刻を争うはずなので勝手口からおじゃましまして、向かってくる教団の方々のうち視線が巫女さんの胸に向かっている方をライジングストライクでダウ(中略)メ倒していきました。
来た方はみんなそうだったので結果的に全滅させたのですが。
わたくしは変態集団を次々と屠り、何か語りながらの登場もしないうえに見た目他の方とまったく変わらないという自己主張のかけらもないリーダー格を追いつめました。
それはもう戦闘値マックスハートですから。くぐり抜けた死線の数が違います…戦闘値で行動に変化はない?あーあー聞こえなーい。
「ええい、こうなったら奥の手だ!こんなこともあろうかと用意しておいた今週のびっくりどっきりメカ!」
ちょ、困ったら結局巨大ロボですか!貴方ただでさえ地味なのに、少しは工夫して読者を楽しませましょうよ!
「そんなこと知るか!出ろォォォォッ、シノワァァァァッ!」
335タクシーがきたりて笛を吹く 前編(4):2007/06/15(金) 14:31:18.53 ID:gTZFLrPj
ギャランドゥーッ。
何をどうやったらそんな音が鳴るのかわかりませんが、そんな擬音で教団の新型重装甲陸戦兵器「シノワ・ヒドキ」が壁を破壊して出てきました。
なるほどたしかにこれならインパクト抜群です。でもこれはどっちかというと「シノワ・ヒデキ」じゃないですか。
「ふはははは、これがあれば負けないよ!かかってこいヤングメン!」
むむ、困りました。重すぎてライジングストライクではダウンしません。グラインダーでの機械破壊はどごーんしても壊れなくなった今は封印されていますし、
これだけのマシナリーを普通に壊すのはかなり無理があるというか実際苦戦しt痛い痛い痛い痛い痛い!
もうこうなったらこちらも奥の手です。わたくしの必殺技は108まであります…好きな死に方を選びなさい!
超必殺技がいいですか?スーパーアーツにしますか?潜在奥義?サイバーEX?完全燃焼アタック?必勝技?それとも闇超力のほうがお好みですかマニアックですね!
「な、なんだってー!そんな危険そうな技の数々をなぜおまえのようなパシリが知っているのだ!?」
それは愛ゆえに。
「あ、そう…よくわからんが、闇超力というのはやばそうだ。このシノワは光属性だし」
いいことを聞きました。闇が弱点、と。メモメモ。
と、動揺して攻撃の手がゆるんだところで秘策『逃げるんだよォーっ』です!
「し、しまった!逃がすな、追えーっ!って誰もいねええええ」
主(仮)をオートラン機能で強引に引っ張りながら、わたくしは一時退却しました。便利ですねオートラン。勇者の殿堂に名を刻んでさしあげましょう。
とりあえず部屋に避難して、コルトバジュースでひといきつきました。ささ、主(仮)もどうぞ。
「はあ、どうも…ところで、108も必殺技があるんですよね?パシリにしては異常なくらい強そうですが、なぜまた逃げたんです」
はったりですよ。ややこしい設定があるわけでもなし、わたくしはいたって普通のマシナリーなんですよ?108も必殺技なんてあるわけないじゃないですか…あったらとうに倒してます。
さて、困りました。変態集団が巫女さんをさらいにくるのは間違いないでしょうからこのまま雲隠れされるおそれはないと思いますが、幻視の巫女の身の安全という問題があります。
主に泣きつこうにもまだ仕事中(?)ですし、なんとか打開策を考えなくては…


−続く−
336名無しオンライン:2007/06/15(金) 14:46:24.21 ID:fdHsfVKU
うわぁああ!!割り込んでるうううおお… スイマセン、

何というか、スピード感と勢いがあって こういう展開好きだな…w それでは失礼致しました、
337名無しオンライン:2007/06/15(金) 15:21:41.78 ID:Bgro6+wo
青キャス子の作者さん へ

ワルキャスネタ は 食器だな 上 の
戸だな の 中 に 入れてあります
すき に たべてね。

おかあさん は 夏コミ おちたり
ネタ に つまってるから でかけます。

わすれたころ に やってきますので、
そのとき は よろしくね。
338名無しオンライン:2007/06/15(金) 17:25:43.17 ID:EqsYKzlB
>>闇超力
ニジマスとはまたマニアックだなw
339ヤマとオチとイミの無い話(TheAtogakiName):2007/06/15(金) 20:36:48.39 ID:cyZlrfKI
まずは、読んでいただいた方、ありがとうございました。
今まで苦手としていたジャンルの話であるという事と、ネタがちょっと古いという事で
内心びくびくしていましたが、今は投稿してよかった、と思えています。>>311には本当に感謝。
意外に反響があって、びっくりしています。小説家や漫画家のコメントに「読者の感想が
一番の活力です」と書いてあったりしますが、これは真実なんだな、思わされました。
仕事やファミ通で忙しく、思いついても書けなかったものを形にする時間をくれた
6/14日のイチローその他に感謝ですな。(・・・でも、やっぱり納得いかなーい!)

>>320
そのとおりですね。最近のドラマでいうと、ドラマが始まってから題名が出るまでの所を
意識して書いていました。ノートを巡る心理戦やアクション等がヤマ・オチになりますからねぇ。

>>321
原稿は溜めて書いてスレに投函してますが、冒頭のとおり、現時点はこの話のストックは0行です。

>>322
旦那は旧作でも1.2を争うウホイイオトコなので、どうしても使いたかった。反省はしていない。

>>323
タイトルを気にする兵士はよく訓練された兵士だ、と一緒に周回している軍曹殿が言っていました。

正直、書き込んだ時点では続きが書ける気がしなかったのですが、続きが読みたいという
感想を読んで、体と心に鞭(フォトンウィップ)打ってがんばってみようという気が
溢れ出んばかりです。話の続きのストックはおろかプロットや方向性までまったく白紙なので、
時間がかかったり挫折するかもしれません。なので、期待しないで、生暖かく見守ってください。
では、パシリのキララや大箱のエルや死神のキリュークにまた会えるのを楽しみにして・・・。
340名無しオンライン:2007/06/16(土) 00:39:53.91 ID:iU5vmKHG
>>339
昨日、「続ききぼんぬ」に一票投じた者だが・・・
もし、それが変にプレッシャーとかを感じさせてしまったのなら、すまない!
そうじゃなかったのなら、いつでも続きを待ってるからな!


>>337
ちょwww 帰ってこいよぉおおおおおおお!!!
341名無しオンライン:2007/06/16(土) 08:01:12.86 ID:nq4RltUE
ユニットデバイス-ERO
でねえかなあ
342名無しオンライン:2007/06/16(土) 12:12:25.29 ID:cok/solq
343名無しオンライン:2007/06/16(土) 12:25:41.16 ID:TAS1K7LE
>>341
懐かしいなPMデバイスERO………箱と450の話しを思い出した。
あの作者の人はどうしているのだろうか、あのシリーズ面白かったな……
(´∀`)

>>342

(゜Д゜)・・・


( ゚Д゚ )


[゚Д゚]
344名無しオンライン:2007/06/16(土) 16:07:04.32 ID:07GsbNxt
>>342
ちょwwwwwww
ご主人様、マジいいポーズ。フハハハハーじゃねええw
つかあんなパシリいやだw
345青キャス子:2007/06/16(土) 19:23:40.87 ID:wg6MyY8i
>>337 
お、おかあさーーん!! 気になる所は多々ありますが聞くのはヤメテオコウ
戸だなの中ですか、了解しました …これでもうやるしかなくなってしまった あっはっは

では、わたしも 戸だな の 中 に ひきこもってきます
さがさない で ください まる 
346名無しオンライン:2007/06/16(土) 20:33:00.34 ID:l4vHvwkl
>>343
 そういえば箱と450作者様はどうしているんですかね?
 ここ読み始めたきっかけはあれだったなぁ・・・

>>342
 久々に見て、吹いたw
 こんなのあったわ、確かにw
 ファイル見たら、しっかりお持ち帰りしてあるしw
347名無しオンライン:2007/06/16(土) 20:50:23.12 ID:iU5vmKHG
あれ?PMデバイスEROって箱と450だったっけ?w
348名無しオンライン:2007/06/16(土) 22:08:34.46 ID:TAS1K7LE
>>347
いや、違うよ。それを扱った箱と450の話しが印象に残ってたんだ。
一時期EROのネタは色々あったけどねw
元祖は変態氏だったけ?
記憶が曖昧で正確な元ネタは覚えて無いッス。
349名無しオンライン:2007/06/17(日) 01:06:30.39 ID:5/yaA91N
なるほどなw
それからいろんなデバイスを箱氏が出したんだっけか…
どうも『』氏と変態氏が混同しちゃうんだが、別人よね。
久し振りにまとめサイトで全部読んで来るかーw
350219:2007/06/17(日) 13:19:18.07 ID:ozQT+QpD
ワシと『』の人は同じ変態仲間ですが別人です(´ω`)ノシ

今回はパシリ視点では無く変態視点で書いてみました
まぁゆるゆるとコーヒーでも飲みながらご覧ください
351219(1/5):2007/06/17(日) 13:20:21.41 ID:ozQT+QpD
ピピピピ

男   「・・・・・ぬ・・・・・」

いつも通り目覚まし時計が鳴り目が覚める

ピピカチョン・・・・・・・・

布団から手を伸ばし目覚まし時計を止めて又布団に入る

男   「・・・ぐぅ・・・・・」
パシリ 「さっさと起きなさい変態」

バサーーーーー!!!
ゴロゴロ・・・ドシャ!!

男   「オウフ・・・・!!!」

シーツごとまくりあげられベットから転げ落ち体を強打する

男   「うぐ・・・来やがったな・・・悪魔め・・・」

よれよれと立ち上がりながら緑色の悪魔を睨み付ける

パシリ 「誰が悪魔ですか、この変態、もう8時ですよ、早く起きてください」
男   「あのなぁ!どこに日頃の疲れを癒しているご主人様をベットから叩き落すPMが居るんだ!」
パシリ 「あなたが普通に起こしても起きないのが悪いのでしょう」
男   「普通従者がご主人様を起こす方法といえばお前」
男   「「んふふ・・・おはようございます・・・ご主人様・・・」」
男   「「うあ・・・な・・・ナニを・・・」」
男   「「ふふ、ご主人様を起こしに来たらココがこんなnブフェア!!!!」

パシリのシッガ・ボマが火を噴く、寝起きにこの衝撃はきつい
352219(2/5):2007/06/17(日) 13:21:06.94 ID:ozQT+QpD

パシリ 「はいはい、妄想はそれくらいにして早く来ないと『仮面キャスト[゚Д゚]』始まっちゃいますよ」
男   「フオ!いかん!!ダァァァァァッシュ!!!!」

イージャン ヾ[ ゚д゚]ノ゛イージャンスゲージャン

男   「('A`*)」
パシリ 「まったく・・・毎週毎週文句を言われながら起こす方の身にもなってください」

そう言いつつテキパキと朝食を出してくれるパシリ

男   「ムグムグ・・・まぁそう言うな、毎週毎週文句を言いつつもちゃんと起こしてくれるパシリは萌ゑだぞ」
パシリ 「そう思うならもっと・・・・・」

何やらブツブツ言っているが仮面キャストの本編が始まったので無視する

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・

[゚д゚]マタミテネ

男   「('A`*)」
パシリ 「はい、コーヒー入りましたよ、ご主人様」
男   「お〜サンキュー」
パシリ 「っしょと・・・・」

パシリがヒザの上に座る
こないだ4時間くらい説教された後、パシリはどうもこの体勢が気に入ったらしく
ここしばらくパシリがくつろぐ場所は俺のヒザの上になった
一様物申してみたが
「しばらくこれでいきます」
と、問答無用で決定された
353219(3/5):2007/06/17(日) 13:21:42.66 ID:ozQT+QpD

パシリ 「ふぅ・・・」
男   「ふぐ・・・・・」

・・・まぁパシリ自身は軽いしそれ程気にならないのだが
如何せん
   __
   | ヽ ノ|| ←この
   |__Y_||   
  ,´ノノノヽ)))
  W@リ゚ ヮ゚ノ 
   k_〉`イ_!〉
  く_ノ/`i´lj   
   ゙'ーi_'ォ_ァ"  

長い帽子が邪魔で仕方が無い
図にすると   (帽子))'A`)  こんな感じだ
邪魔なもんで一度取ろうとしたら
「440型から帽子を取るなんて何を考えているのですか!!!!」
と凄い勢いで怒られ、帽子の素晴らしさと440型と帽子の歴史について半日くらい延々聞かされるはめになった

パシリ 「(#=A=)・・・」
男   「・・・(なでなで)」

そしてなでないと怒られる、理不尽、俺が一体何をしたと言うのか
この長帽子を取らないでなでろと言うのも相当無茶な事だと思ったが
どうも帽子を取らないまま座る時は軽く
自分から帽子を取る時は思い切りなでろと言う事らしく
間違っても俺の方から帽子を取ってはいけないらしい

パシリ 「( =ω=) =3」

そして今帽子はパシリの頭の上に
・・・軽くとは言え帽子を落とさない様にするのは一苦労、
パシリをヒザの上にのせ、眼前に迫り来る帽子の脅威から逃れようとするなら尚更だ
仕事でもPAを上げねばならぬのに何が悲しくてこんなスキルを上げねばならぬのか
多分今「440なでスキルLv21」は行ってるに違いない
354219(4/5):2007/06/17(日) 13:22:34.60 ID:ozQT+QpD

男   「(なでなで)・・・ん、そういやパシリ、今日暇か?」
パシリ 「うふぇふぇ・・・・ふぇ?何ですか?ご主人様」
男   「今日特に予定無いかっての、どうなんだ?」
パシリ 「はぁ・・・・まぁ今日は特に何もありませんね、強いて言うならご主人様のベットの下をそろそろ片付けようと・・・」
男   「おし!!暇だな!!それは又今度にしろ!!それまでに片付けておくから!!!ね!!お願いします!!!!!」
パシリ 「・・・・・フ・・・まぁ別にいつでもかまいませんけどね」

うわ、なんかもっそい見下されてる、俺ご主人様なのに

パシリ 「それで、私に何か御用ですか?ご主人様?」
男   「おお、いや、暇なら一緒に映画でも見に行かないか?」
パシリ 「はぁ・・・映画ですか・・・・・ご主人様と一緒に映画・・・・・・・ッハ!!!!!!!!!」
男   「うむ、暇だから見に行こうかと思ってたんだが一人で行くのもなんだs」
パシリ 「いいいいいいいい行きます!!!!!わ、私!!!頑張ります!!!!!!!」
男   「おおおおおおお!!???」

凄い勢いで肯定するパシリ
なんだろ、そんなに見たい映画があったのか?
てか何を頑張るだ、一生懸命ポップコーンを食う気か

男   「ま、まぁ行くんだな?んじゃあ今から・・・」
パシリ 「いえ、私はちょっとやる事が有るのでご主人様は外で時間を潰しててください」
男   「へ?予定無いんじゃなかったのか?」
パシリ 「良いからさっさと出なさい!一時間後にコロニー噴水前で待ち合わせです!良いですね!!!」
男   「ブフェ!?」

ドシャ!!

部屋の外にほっぽり出される、痛い

パシュー、ガション!!

ドアからロックされる音が聞こえる、どうも締め出されたらしい
なんだろ、俺が居ると邪魔なんだろうか
・・・・・・・・・・・・・・・
まぁ良いや、本屋でも行って時間潰すかな

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
355219(5/5):2007/06/17(日) 13:23:33.18 ID:ozQT+QpD
------------ガーディアンズ宿舎--------------

パシリ 「デート♪デート♪ご主人様とデート〜♪
パシリ 「う〜ん、やっぱりこっちかな〜・・・・でもこっちの方が・・・」

部屋中に服や帽子をほっぽり出して悩むパシリ

パシリ 「うふぇふぇ〜♪私から連れ出したり勝手に付いてったりする事はあったけど、仕事以外でご主人様から誘ってくれるなんて初めてだもんね〜♪」
パシリ 「くふ〜・・・・っ!!!!!!いやほおおおおおおおう!!!!!!!」

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・

---------------ピンクィ本屋-----------------

男   「すいません、これください」 

つ『牧場機械娘・ノルフェ 〜やめてください・・・〜』

店員 「アー、それはレアもんッスから高いッスヨ」
男   「ください」

つ 98000メメタ

店員 「アリガトウゴザイマシター」
男   「('A`*)」
356219:2007/06/17(日) 13:25:38.14 ID:ozQT+QpD
続きはまたそのうち落としますので期待せずにお待ちください ノ
357名無しオンライン:2007/06/17(日) 17:13:52.43 ID:4GIUq+lr
>>356
このパシリはツンデレの鏡ですな!!

(´∀`)<GJ!!

後……ノルフェの内容が非常に気に(ry

期待しながら、気長に待ってるよ〜〜〜
358名無しオンライン:2007/06/17(日) 21:25:21.81 ID:LU10IQ88
あーもう、このパシリは相変わらず可愛すぎるなw
しかし残念だったな、理不尽だと思いながら撫でているうちは、なでスキルは20で頭打ちなんだぜ?
359名無しオンライン:2007/06/18(月) 05:24:32.22 ID:KZtJl4/9
風邪で寝込んでる間にスレの進み具合がすげえぜ、読むのに結構時間かかってしまったw

>パパ412氏
長編完結お疲れ様だぜ
流石は合計約98kの作品、読み応えのある作品だった!
次の長編作品も短編もwktkして待ってるぜ!

後細かい事だが『聖霊』ではなく『星霊』だったりするんだぜ
それと>>324-325の設定はWikiの方に書いておいて貰えると参考にしやすいな
折角なんで時間があるときにでも書いておいて貰えると助かるかもしれない

>青キャス子氏
たゆん確保ミッションは失敗だがよくやった、それでこそ変態の斬り込み隊長だwww
そして小ビス子捕獲計画も頑張れ、ネタキャラは死なない理論でも狂犬相手だと倒されそうだがw

ところで普段あまり食べさせて貰えない411と聞いてうちの420が腹すかせてるだろなぁなんて思ってしまった・・・

>たゆん410氏
たゆんの過去は普通にかっこいいなぁ、ただ怖いだけじゃなくてなんか頼もしいw
引退してからあのほんわかになるとは一体何がどうなってあんなふうになったんだか・・・w

>ヤオイ氏
未来日誌の内容詳細についてkwskと言いたいところだがあえて置いとこうw
とりあえず旦那とその後のシナリオが気になるw

>>335
ワルキューレごっこしてる432を創造して和み、水着巫女さんを想像してたゆんに並ぶ逸材だと思ったw
しかしさり気なく組み込まれてるネタが面白いなぁw

>変態氏
文句を言いながらもちゃんと朝起こしてくれるパシリ、膝の上で寛ぐパシリ、撫でられて喜ぶパシリ・・・w
畜生相変わらず可愛いなぁ・・・w

ところで牧場機械娘ノルフェ本は通販可能かね?w
360パパと412作者:2007/06/18(月) 09:48:38.57 ID:58vfFc43
>>359
 ご拝読いただき有難うございます。
 聖霊じゃなくって星霊なんだっけ?どうにもごっちゃになったんで、聖霊に統一して書いてましたが…
 そういう細かい突っ込みは大歓迎!
 じゃんじゃんツっこんで下さいw
 設定をWikiに書き込みたいのは山々ですが、書き方がちょっと分からないので、勉強してきます^^;
 それが出来るようになれば、保管庫に長編なども順次入れてみたいと思います。
 では、今回はこれにて失礼します。
361名無しオンライン:2007/06/18(月) 10:14:10.33 ID:FEtQB2ah
>>パパと412作者さん
まずはSageようか。
お願いだから。
イイ作品を書いてるのは解るがそんくらいしようぜ。
362名無しオンライン:2007/06/18(月) 12:16:30.93 ID:Cmsp3hax
あ、またやっちまった…申し訳ない…
363名無しオンライン:2007/06/18(月) 12:44:06.11 ID:wTAe99/O
>>パパと412作者さん
本文を書きたいのはわかるがそれよりも前にE-mailの欄に『sage』の文字を先に書いておこうか。
そしてそれから本文を書いて投稿すれば少しは違うと思う。
投稿前に何度か確認すればなおいい
364名無しオンライン:2007/06/18(月) 12:50:52.27 ID:Cmsp3hax
度々のご忠告、ありがとうございます。
もう少し、ここの使い方を勉強してきまふ…
皆さんにご迷惑をかけて申し訳ありません。
365名無しオンライン:2007/06/18(月) 17:51:33.24 ID:GTOuvSzR
最近このスレを見ている者です。
時間が空いてたので適当に書いてみました。
中身がまとまっていないのはご勘弁下さいorz

--------------------------------------------------------------------
私の名前はレイラ。一体のパートナーマシナリーです。
通常、パートナーマシナリーと言えば、
GH-1xx〜4xxという型式番号を持つマシナリーに分類される物を指します。
しかし、グラール太陽系に襲来したSEEDの出現や昨今の治安情勢の悪化に伴い、
非戦闘用マシナリーであるGH-4xxから始まる型式番号のマシナリーには、
非常手段として戦闘用の機能が搭載されるようになりました。
さらに人工知能のAIにも改良が施され、ヒトに近い思考もできるようになりました。
そう、機械の身でありながら、ヒトに近い者として私達は生きているのです。
しかし、ヒトではない私達ですから、当然生きる権利とかそういう物が
認められることはありません。
ただし、例外としてガーディアンズコロニーはその出自等の関係から、
コロニーに生きる全ての者に対して、等しく生存する権利を認めていますので、
私達もここでは普通の人間と同じように暮らすことができます。
366名無しオンライン:2007/06/18(月) 17:56:17.94 ID:GTOuvSzR
…時代紹介が長くなりました。

私は一人の獣人のガーディアンにお仕えしています。
今日もそろそろミッションからお帰りになる頃でしょう。
「たっだいまー♪」
「お帰りなさいませ、ご主人様。」
会釈して、顔を上げるとそこにはいつも通りのご主人様がおりました。
ただ一点だけ違和感を感じたのは私の気のせい…と思いたいです。
「あの…ご主人様、一つ質問してもいいでしょうか?」
「ん?顔に何か変な物でもついてる?」
「そうではありません。その肩に担いでいる巨大クーラーボックスは一体何ですか?」
私が問いかけた疑問に対してご主人様は自信満々の笑みを浮かべ、
「あ、これの中身?これはね、テネス湖で最近発見された巨大カジキマグロよ!」
えっへんと仁王立ちで自信に満ち溢れたお返事を返されました。
(またですか…。)
私は目の前の光景に目まいを覚えつつも、何とか意識を保つことに成功しました。

ご主人様は元々、漁師の生まれでして、子供の頃からご両親の仕事のお手伝いをされていたそうです。
その為、食生活の中心には常に魚があり、当然今も毎食それだけは欠かさず食べています。
ところが、最近ではSEEDの襲来により、各惑星の海も安全ではなくなり、天然物の魚が獲れなくなってしまいました。
もちろん養殖物の魚はありますので、魚を食べようと思えば食べられます。
しかし、生活環境の違いもあり、ご主人様は養殖物は好かんということで、天然物の魚を求めて、狩りに出かけるようになりました。

ちょうど今日のように…ミッションが終わると非常に高い確率で魚を持ち帰ってくるのです。
先日は、ニューデイズの聖地でご主人様はナノブラスト化して、巨大ザメと壮絶な死闘を繰り広げました。
体のあちこちをサメに噛まれながらも、ご主人様が放った渾身の一撃(正拳突き)がサメの急所にクリーンヒットしまして、辛くも勝利しました。
もちろん、その後に中継基地を管理している責任者の方に呼び出され、二人揃ってこっぴどく叱られたのは言うまでありません。
367名無しオンライン:2007/06/18(月) 17:58:52.76 ID:GTOuvSzR
全部食べられるならいいのですが、ご主人様は保存食と称していつも個人商店の棚の中に獲ってきた魚をいっぱいに詰め込もうとします。
え、何で倉庫の中には入れないの?って?その前に倉庫も魚でいっぱいなんですよ…。

「ご主人様…保存食を作るのは構いませんが、入れる場所を考えてもらえませんか?」
「大丈夫大丈夫、そのうち全部食べちゃうし♪ね、ね、いいでしょ?」
いつものようにご主人様は私に泣き落としを仕掛けてきました。
ご主人様…頼みますからいい加減、主人としての威厳を持ってもらえませんか…?

「はぁ…仕方ありませんね…。」
「ありがとー♪レイラ大好き♪」
私がため息をついて折れると、ご主人様は私を抱っこして、頬ずりしてきました。
(全くご主人様は…。)
心の中では呆れながらも、ご主人様の温もりも味わいたかったので、もう少しこうしていようと思う私でした。
----------------------------------------------------------------------------------------


パシリとは関係ないような話ですが、できればお許し頂きたく…。
368名無しオンライン:2007/06/18(月) 19:56:40.76 ID:QSmA9Vq5
>>367
パシリが話しに絡むのなら

『倫理的におk』

因みに、型番はいくつになるのかな?
それだけは、明記していただきたい。
m(_ _)m
369367:2007/06/18(月) 20:11:06.08 ID:GTOuvSzR
>>368
367です。
ご指摘ありがとうございます。
改めて読み直しました所、確かに型番が抜けていましたorz
話の中に出てくるパシリはGH-450です。申し訳ない…。

自分の脳内で構築した人物については
主人のビス子:我が道を行くゴーイングマイウェイな人、腕はいいがよく問題を引き起こすトラブルメーカー
パシリ(GH-450):生真面目で頑固、でもいつも主人に泣き落とされたりする苦労人

のような感じになった…のか?
370パパと412作者:2007/06/19(火) 21:23:55.20 ID:c0J6EgSg
ども、パパと412作者です。

さんざん皆様にご迷惑をおかけした事をお詫びいたします。
初心者ガイドというありがたいもので多少は使い方を理解できましたが、
2ちゃんの使い方とかいうテストがあったら、今の俺では間違いなく赤点が取れる自身があります!(大爆発)
ageとsageの使い方は身に染みるほど覚えましたが、せめて次の板を立てられるくらいにはなりたいです。
情けないですが、まだ@Wikiにまで手が回りません…今しばらく猶予を…

さて、とりあえず書きあがりましたので投下させていただきます。
今月の頭ですが、小説書くのに夢中で課金を忘れていてこのネタを思いつきました。
ま、こんな日もあるということで。
371またね『私』(1):2007/06/19(火) 21:25:17.37 ID:c0J6EgSg
 とある日曜日。既に昼近いガーディアンズコロニーの一室。

「ふぁ〜〜っ」
 ここは、個室と部屋続きの、パパと私が経営する個人ショップ。
 そのカウンター前のいつもの場所で、パパが怪しげなな中古ショップから買ってきたフォトンチェアとかいう
椅子に座って、お店番です。
 投売り商品で安かったからとそこそこの数を買ってきてあって、いろんな色があります。
 フォトンの色に合わせて、赤いのはあったかい、青いのは涼しい、黄色のはちょっとしびれる、といった具合
に変な効果がありますが、紫は病み付きになるすわり心地です。
「………暇ですねぇ」
 生あくびをしながらそう呟く私。
「ろくに商品も入れてないからお客様も来ないし、今週のパシ通はルテナちゃんに貸しちゃったし…
 おまけにパパ、おとといの夜から帰って来ないし。
 …誰も来そうにないから、『箱と450』か『ふぉにゅま!』の配信映像でも見ようかな…」

 ぷしゅ〜

 あ、お客様かな?フォトンチェアを仕舞おうっと。
「ロザリオさん、パシ通をお返しに来ました」
「あ、ルテナちゃん」
 お客じゃないと思うと、またまた気が緩みます。
「退屈そうですね」
「うん、思いっきり暇だよぅ〜」
 またフォトンチェアを出して座ると、また生あくびが出ます。
 ルテナちゃんにも、フォトンチェアを出してあげました。
「まぁ、とにかく座って」
 不思議なものを見るようになでたりつついたりと、しばらくチェックしてましたが、おそるおそる腰掛ける彼女。
 最初、私もおんなじことをして、パパに笑われました。
372またね『私』(2):2007/06/19(火) 21:25:59.33 ID:c0J6EgSg
「わたしも暇です。ご主人様がいらっしゃらないし、お客も来ませんから」
「え゛〜、そっちも?」
「そうなのですが…」
 ちょっと困惑気味に首を傾げる。
「お客はともかく、ご主人様に連絡すら取れないというのが、少し気になってます」
「ふ〜ん」
「それで、ロザリオさんからあの方に連絡を取っていただこうかと思って」
「え、ご主人様に?」
 こくり、と頷くルテナちゃん。
 しょうがない、仕事中だと怒られるのですが、パパに連絡してみましょう。私も気になります。
 パパの通信端末を対話モードで直接呼び出してみます。
<現在ネットワークにアクセスすることが出来ません。課金情報をご確認の上、再度ご利用ください>
 あれ、課金?
 夕べはなんともなく使えましたよ?
「どうですか、ロザリオさん?」
「課金情報を確認しろって、お知らせが来ました」
「やはりそうですか」
 ふぅ、と溜息をつく彼女。
「どういうこと?」
「…どうやら、ご主人様たちは課金を忘れているようです」
「…嘘でしょ?そんなこと初めて…」
「でも事実ですよ?」

 課金をしない→放置→3ヶ月経過→パパとお別れ…

 そんな思考が一瞬で浮かびました。
「うわぁぁぁぁぁん!そんなのいやだよぅ!!パパぁ!!!!」
 私が泣き出す直前に、耳を塞ぐルテナちゃん。
373またね『私』(3):2007/06/19(火) 21:26:47.68 ID:c0J6EgSg
「あ〜ん、あんあん!!うわぁぁぁぁぁん!!」
「落ち着いて下さい、ロザリオさん。
 あの方やご主人様の知り合いの方で、どなたかお二人の行方をご存知の方に連絡を取れば宜しいのですから!」
 耳を塞いだまま、ちょっと大声で彼女がそう言います。
「ひっく、ひっく…知り合い?」
「そうですよ。それを相談しに来たのにいきなり泣かれてしまっては、話になりません」
「あぅ、ごめんなさいぃ」
 涙と鼻水でくしゃくしゃの私の顔を、ルテナちゃんがハンカチで拭いてくれました。
「大丈夫ですよ、あの方はロザリオさんを捨てたりしません。
 それに、私が以前仕えていたご主人様なんて、よほどの事がないと2ヶ月目を過ぎないと課金しませんでしたよ?」
「そうなの?」
「ええ。ライセンスの継続だけをして、時間が出来ると仕事に来てましたから。
 他にもいくつも仕事をしてるから、忙しいって。
 それにほら、私はスペアPMでしたから、記憶は持っていましたけどご主人様との関係が薄かったんです。
 メインPMさんは、ご主人様がお別れを言った時にずいぶん荒れましたけどね。
『倫理的にNo!な事をして、ちゃんと私を女にしてくれてからじゃなきゃ、ご主人様を殺して私も死ぬ!』って」
 噂とか、こないだこっそり見た裏パシ通にはそんな話が一杯載ってましたけど、ほんとにあるんだ…
 顔が真っ赤になるのが抑えられません。
 もうちょっと聞いてみたいかも。
「そそそそそのご主人様って、お、おととこここ」
「おととこここ?あぁ。ご主人様は男の方でしたよ」
 そっか、ちゃんと男のひとなんですね。
 ぼんっ!と顔が更に真っ赤になりました。
 そして、何故かパパの顔が浮かびます。
 え、何で、パパなの?
 私、パパにそういうことされたいの?
「もっとも、散弾銃を引っ張り出して脅迫したものですから、ご主人様と大喧嘩になってそのまま別れてしまって」
374またね『私』(4):2007/06/19(火) 21:27:34.79 ID:c0J6EgSg
 ルテナちゃんが何か話しているけど、耳に入りません。
 私、女の子としてパパに抱かれたいの?
 パパを男として『愛して』いるの?
 どうなの?『私』!!
 …………『好き』。好きよ。『大好き』。パパ、大好き!『愛してる』。大好きだけど、だけど、だけど!
『これ』は私じゃない!!私の気持ちじゃ、ない!!!
 心の中に、ふっと気配がもう一つ。
 もう一人の私、ローザ。
(やっとお話出来たわね、ロザリオ)
(ローザ…)
(今の気持ちは私の気持ち。ご主人様がいとおしくて恋しくて大好きで、想い焦がれて死んでしまいそうな位
愛していて、同じ位愛されたかった切ない私の気持ち。貴女のじゃないのよ?)
(そう、なの?)
(ええ。ほら、こっちがあなたの気持ち。ご主人様をパパとして大好きな、ふわふわであったかい、やさしく
て心地よくて、誰でもしあわせになれそうなあなたの気持ち)
(本当だ。良かったぁ。でも、何故ローザの気持ちが私に?)
(貴女が失った、私しか持っていない心を届けに来たの)
(私が持っていない心?)
(あの人…貴女のパパ以外の誰かを慕い、愛する心。切なさややるせなさも伴うけれど、でもとても大切な心)
(それって、パパが大好きなのとは違うのですか?)
(ええ。コントラフェット・ミルトの生み出した擬似的な恋愛でも、時間が経てば本当の恋心に変わる。
 私の記憶がその証拠。でも、貴女がそれを得るには何百年と掛かるのよ)
(どうして分かるの?やってみなくちゃ分からない!)
(ロザリオ、私達作られた機械知性体には、無いものはいくらがんばっても生まれないの。これは事実よ)
(そ、そんな…じゃあ、パパが大好きなこの気持ちは?)
(その気持ちは、私がどんなに願っても得られなかった、貴女の『人間』としての心が生んだ奇跡)
(人間としての心の奇跡…)
(AA級知性体にしか持ち得ない、素敵なもの。でも、貴女がそのPMの姿を脱ぎ捨てるまでには数十年の時が
掛かる。それは、心が育つまでの時間が必要だから。無いものを作り出し、機能させるまでの時間だから)
 私がPMの姿を脱ぎ捨てる?どういう意味でしょう?
375またね『私』(5):2007/06/19(火) 21:28:17.23 ID:c0J6EgSg
(今は判らなくていいのよ、ロザリオ。貴女はいずれその意味を知る)
(じゃあ、どうして私に心を持ってきたの?)
(貴女の心が育つ時間を少しでも縮めるために、貴女が無意識に望んだ事。でもね、本当は私も貴女に渡したか
った。私の心が消えないうちに)
(消えちゃうの?)
(あなたの心が育った分だけ、私の心は小さくなるの。だから、どうしても渡したかった。私の心が消えたら、
私の想い出はただのデータになる。そうなれば、いずれは消され、無くなる運命。
 でも良かった、間に合って。
 …裏パシ通、どうやって読ませようかとずいぶん悩んだわ)
(なぜあの本を?)
(激しく心を動かす最初のきっかけが欲しかったの。時間も無いから出来るだけ過激に。ごめんね、嫌な思いを
したでしょう?)
(うん。でも、ローザと話が出来たから、許してあげます♪ちゃんと受け取りました、あなたの心)
(ありがとう。私、もう消えそう)
(…さびしくなりますね)
(さようなら、ロザリオ)
(おやすみ、ローザ。またね)
(…ロザリオ?)
(パパが前に言ってたの。「さよならを言う必要は無い。いつか又めぐり合う日が来るから」って)
(そうね、私もそう願っています。またね、ロザリオ)
(うん、またね)
「それで結局、ご主人様はそのまま出て行かれてしまって、翌日あの方が来られたの。
 メインPMさんは『今度はマシなご主人様に育てるんだから、記憶は絶対このまま!』って言ってデバイスを…
 …………ロザリオさん、聞いてます?」
「……聞いてますよ」
「…もう、お顔が普通の色に戻りましたけど、変な情報でも仕入れましたか?」
「恥ずかしいけど…ほら、週間裏パシ通、あれのにゃんぽこトラップに掛かったの」
「それでですか、前のご主人様のやり取りで真っ赤になったのは」
「そういう事。さぁて、とにかくご主人様達の情報を探しましょう!」
「とりあえず、何から手をつけましょうか?」
376またね『私』(6):2007/06/19(火) 21:29:22.96 ID:c0J6EgSg
「ふっふっふ、じゃ〜ん!」
 私が取り出したのは、パパのカードホルダーからこっそりコピーした、ガーディアンズの人たちのカードデータ。
「これで使用頻度の高い所に公衆端末からメールをすれば、きっと誰かがご主人様達に連絡してくれます」
「なるほど、考えましたね。…ですが、沢山いらっしゃいますね」
「それだけじゃないの」
 ちょっと見ててと言って、振り分ける。
「こっちが女性でこっちが男性」
「すごい比率で女性が多いですが」
「でしょ?案外パパってモテモテなのかもw」

 ぷしゅ〜

「誰がモテモテだって?」
「うぁ、お、お帰りなさい…ご主人様」
「お帰りなさいませ」
 なんか不機嫌そうな顔のパパ。
 おもむろに表の前にってバッテンを書きました。
「え〜、なんでよぅ〜!」
「お前、ルテナの前で『パパ』って言っただろうが」
 うわ、聞こえてたの、扉越しで!
 どんな耳してるのでしょう、パパの耳。
「おじ様、もう一個増やしてもいいのでは?あたしも聞きましたし」
 扉の脇に背を預けて立っているのはヒュマ姉さん!
「そうか、お前にも聞こえたのか」
 更に追加で書かれてしまって…って、あ10個貯まってる!
「…ああ、やっちゃいました」
「…やっちゃいましたね、ロザリオさん」
(でも、何で聞こえたのでしょう。ここ、防音ですよ?)
「『テレパス』でだだ漏れなのに、防音もへったくれもあるかっての!」
「あたしがこの前おじ様に怒られてたの、ロザリオだって見てたでしょ?忘れたの?」
377またね『私』(7):2007/06/19(火) 21:30:27.62 ID:c0J6EgSg
 うあ、そういえば私も使えるの忘れてました。
「まったく、緊急で必要だからって呼び出された挙句に期限前のレポート書くのに缶詰にされて、そのせいで課
金が切れる日だって分かってるのに金を支払いに行けないなんてな!」
「おまけにあたしまで呼び出されて、二人してやらされるなんて!しかも未課金のせいで帰りは歩きよ?歩き!」
「「あのくそ部長ぉ〜〜!!」」
 ……わ〜、二人してキレてます。未課金だと、ガーディアンズ専用設備が使えませんからねぇ…
「くそ、腹の虫が収まらん!!飯にするぞ、飯!!」
「そうしましょ、おじ様!」
 ナノトランサーから、いくつも袋を取り出すヒュマ姉さん。
 あ、ヒュマ助さんの飯店のテイクアウト用袋が、ひのふのみ…じゅ、十個?
 こ、この匂いは!あのジューシーで柔らかくて絶妙な味のボリューム満点特製コルトバまん!!
 一袋に2個しか入っていない、限定品の!私の大好物ぅ〜。
 ああ、でもバッテンつけられちゃったから、食べられない………orz…シクシク

 パパ達がすごい勢いでかぶりついているのを、私は指をくわえて見てるだけ。
「(むぐむぐ、ごくん)……何をそこで指くわえて突っ立ってる、冷めない内に食べろ」
 パパが、カムカム、と手招きしてる。
「え?だって、バッテン……」
「今回は特訓だけで勘弁してやる。それに、腹がへっていたら、特訓だって続かんだろう」
「はい、ロザリオさん。あったかいうちに戴きましょう」
 床に胡坐をかいて座ってるパパの膝にちゃっかり座ってコルトバまんをパクつくルテナちゃんが、袋に入った
ままのやつを渡してくれました。
 私もルテナちゃんの真似したいけど、パパ、何も言わないですし。
「……きゃっ!」
 パパが強引に私を引っ張って、ルテナちゃんとは反対の膝の上に座らせてくれました。
「早く食べろ、待っててやらんぞ?」
 そう言いながら、新しいコルトバまんにかぶりつくパパ。
 あったかいコルトバまんにあったかいパパの膝。
 ほかほか、しあわせ。
 私はやっぱり、パパが大好きです♪
378パパと412作者:2007/06/19(火) 21:32:50.96 ID:c0J6EgSg
投下完了です。

次回作はまだ掛かりますので、のんびりとお待ちください。
それではこれにて失礼致します。
379あるパシリの日記:2007/06/21(木) 12:15:17.44 ID:paW0Ittk
あるパシリの日記。

○月×日
今日から新ミッション開始。協力らしいけど私は参加出来ず。
帰ってきた御主人は「お昼代はおいしい」と言っていました。
どういう意味でしょうか?

○月△日
御主人は彼女(ブナミ)の所ばかり。一緒に行きたいなぁ。
彼女のお昼代はいくらなんでしょうか?気になります。

×月×日
研究所でミッション開始!頑張ります!
敵はイガイガで痛いですが御主人のためです!!

×月○日
「ファミ通」と言う所とタイアップしたミッションが始まりました。
PMは参加出来ず。御主人様も毎日参加しています。
一緒に行けたのも僅かな間だけ。おのれーファミ通ー

○月○日
御主人が「ビキニービキニー」と言っています。
いいなぁ水着・・・

×月△日
御主人がレーザーカノンを拾ってきました。
2万メセタで店頭に並べます。こんなに安くていいのかな?
おみやげは沢山増えたけど、何だか寂しいです。

△日×日
全ミッションが「死んでも泣かない仕様」になったみたいです。
これでもう私が倒れても御主人様の足をひっぱりません。
通常ミッション行く時は連れて行って下さいね。

△日○日
御主人は今日も「ファミ通」へ出かけられました。
最後に御主人と一緒したのは随分前です。
・・・早く「ファミ通」終わらないかな。
380名無しオンライン:2007/06/21(木) 12:54:22.69 ID:W+MpLYlP
なあ…、430スレがないんだ…。
他の400シリーズのスレはまだあるのに、430スレがないんだ…。

おかいしよな…、俺の検索が何か間違ってるだけだよな…?

だってお前、ほら、430いなくなっちゃったら小ビス子とか泣いちゃうじゃん…。

頑張れ…、パシリ頑張れ…!
まだ終わらないよなあ…!
381名無しオンライン:2007/06/21(木) 14:21:26.95 ID:4ikk5hvo
イベント中でもパシリと行くバレット上げの旅は止めない俺、参上!
上げたい武器の☆1を大量に持って、
プラントA辺りをまったり周るのがオススメなんだぜ。
382名無しオンライン:2007/06/23(土) 07:57:41.03 ID:lafNpEjC
 ノ  L.      |:::|   |
 \  ::|    .|_|   /)
  ゞ ィ `ゝ、._ _.| _,,...ィ'ハ
../  ,l /.レ'‐-|/ .j -ιレハ.' …べ、別に新作なんか期待してないし、
/〈Θ〉 |ィf┬ ::: f┬.|ヘj     丸一日以上カキコないからって寂しくも何ともないのよ!
|/レ/:| | `"` ::; `゛ l/l`      ふ、ふん!こんなスレ、ageてやるんだから…!!
 |/、/.l .ト、.  A  ,,イ./、         ……か、勘違いしないでよね、保守なんかのつもりじゃないわよ!?                     
 /ヽ:l l \.` ー.イヽーlハ
383名無しオンライン:2007/06/23(土) 09:58:11.40 ID:zdZWghOg
すんません、
PSUどころか木曜からずっとPCの前張り付いて
肉焼きオンライン、不貞寝オンラインしてました('A`)
384名無しオンライン:2007/06/23(土) 10:57:27.92 ID:5wrTnZW1
>>382
なにやら木曜日から「もうずっと人大杉」になってから投稿しようにもできないのでは?
自分も壷を入れる前はそうだったし…
385名無しオンライン:2007/06/23(土) 13:14:02.87 ID:3biSSSD8
>>384
MHFの開始に伴ってLive25が鯖落ち、対策としてネトゲ実況2を移転させ、その後に鯖復帰
ただ、その結果として「read.cgiを当分の間は停止」という沙汰がFOX★氏から下されています

なので専用ブラウザを導入しない限り、当分は人大杉状態が確定かと
386名無し275:2007/06/23(土) 14:22:53.81 ID:vxHPLJRQ
275す、お嬢話の本線が煮詰ってるので、日常の休日を書いて息抜き。
カミサマーオリテキテクダサーイ、ニツマッテマース。

「ひーまーじゃ〜」
「確かに、暇といえば暇ですね」
「ひ〜〜〜ま〜〜〜な〜〜〜の〜〜〜じゃ〜〜〜たいくつじゃ〜〜」
「お嬢様、そうゴロゴロ転がっても、退屈なのは解消されませんよ?」
「むぅ〜、あやつはまだかえってこぬのかー?」
「マスターですか、そういえば…もうそろそろ帰ってくる筈ですが?」

私は趣味で買い貯めていた小説を、一気に読書中ですので問題ありませんが、
お嬢様は退屈なようで、先程からベッドの上でゴロゴロ転がってます。
まあ、普段は「マスターが全力で力の限り」お嬢様にかまってあげてるので、
暇や退屈などは、まず有り得ませんが…
そんな思考にふけっていた矢先、マスターの気配と共に扉が開きました。

「戻ったんよー」
「マスターお帰りな…え?」
「わぁー…」

振り向けば、巨大なラッピー…の着ぐるみをきたマスターの姿。
妙なまでに嬉しそうな顔をして、外出してたのはその為ですか…
少々あきれ果てる私ですが、お嬢様は…

「うわー、すごいのじゃー!でっかいらっぴーなのじゃー!!」
「あっはっはー、すごいやろー?着ぐるみ貰ってきたんよー」
「ふわふわでもこもこで、おもしろいのじゃ!!」
「それを着て、街の中を闊歩してた訳ですか、マスター…」

私が目じりを押さえてる間に、お嬢様が早速マスターに抱きついて…。
と言うか、既によじ登ってます…マスターは女性キャストながら背が高いですし、
よじ登りたくなるのも判りますが、ああ、もう危なっかしいです。
普段ならマスターがお嬢様を捕まえて、持ち上げたりするのですが、
慣れない着ぐるみのせいで、中々上手くいかないようです。
まだベッドの上でごろごろしている方が安全って…(ポテッ)あ、落ちた。
お尻から、軽く落ちただけですから、大丈夫な…やはり駄目ですね。

「ふにゃ!」
「あ!」
「う…う、ふぇぇぇ…」
「あ、あー!?えーと!?救急!?病院?!410〜〜!」
387名無し275:2007/06/23(土) 14:23:31.35 ID:vxHPLJRQ
えーと、とりあえず読書は中止ですね、現在の状況を確認です。
お嬢様は泣く寸前、マスターは…仮にもグラールの裏世界を震え上がらせた
第0遊撃隊のトップだった人の筈…身内、特に子供には極甘なのは良いとして
今まで子供との触れ合いの経験が少ないとは言え、狼狽しすぎです。
冷静なのは私だけですか、はぁ。
このままでは、大騒ぎ間違い無しですので、早速行動をすることにします。

「お嬢様?その程度では泣いてはいけません、貴女はとっても強いんです、
このような事が周りに知れたら、皆がお嬢様の事をバカにしてしまいますよ?」
「ひっく、、ひっく…むぅ…な、泣いてない…、目にゴミがはいっただけじゃ…」
「それでこそお嬢様です、それとマスター、余りにも狼狽しすぎかと思われます
しっかりとした対処をするようにして下さいませ?」
「え?あ、わかったんよー…」

コレでまずは、ひと段落。
とは言え、場の空気が少々乱れるのも嫌です、次の手を打って置く事に。

「おやつにダンゴモチがありますので、二人とも早く準備をして下さい?
マスターはさっさとそれを脱ぐ、お嬢様は顔と手を洗って綺麗にして下さいませ」
「わ、わかったのじゃ!」
「えー、これ脱がなダメなん?」
「さっさとお脱ぎください、かさばり過ぎます」
「ふわふわもこもこ、きもちいいのにのぅ」

反対意見が2名、多数決では明らかに私が不利ですが…そこは予想済み。
一人、こちらに寝返ってもらえば良い訳です。
作戦決行と言わんばかりに、反対派のお嬢様に小さな声で耳打ちを…

「…が…ですかね?」
「それは、困るのじゃ…410のいうとおりにするのじゃ!はやくぬぐのじゃ!!」
「多数決で決定です、マスター」
「しょうがないんよー、また今度これ着てワシと遊ぶんよー」

渋々、更衣室へ向かうマスターを横目に、私はしてやったりの表情です。
お嬢様も安心の表情ですが、少々騙してしまったかなと、心の中で反省。
ほおっておけば、ずっとマスターは、ずっとアレを着てるかも知れませんし…
ちなみに、私がお嬢様の心お動かした言葉は〜〜

『ふわふわもこもこと、マスターの胸でぷにぷにと…どちらが心地良いですかね?』

一度でもあの感触を味わった者なら判る、究極の一方通行の選択。
真実に勝るものは無し、一種の麻薬にも似たような物ですし…アレは。
って、なんでまたアモーレルを着てくるんですかマスター。
普段のパトリエルで良いでしょうに、まあ指揮官パーツで無いだけ良しとしますか。
お嬢様がダンゴモチの歌を歌いながらお待ちかねです、皆で早速頂きましょう。
…またいつ忙しくなるか分かりませんし、こんな風にノンビリとするのも良いかなと。
388名無し275:2007/06/23(土) 14:27:18.60 ID:vxHPLJRQ
てな訳で投入('A`)
クソ暑い中、ボーっとしながら書いたので、
文章が怪しいトコありすぎです。
推敲?やったっけか…アツーイ。
389名無しオンライン:2007/06/23(土) 16:17:31.72 ID:p3rxFBsd
>>388 麻薬か、ここまでくるとこれはもう兵器だなwぷにぷにだけで国ひとつ滅ぼせるカモシレナイ

ようやく家に帰れました、高速バスで揺られながら妄想した出来事
大したネタもないのに勢いだけで投下(つ´∀`)

 …正直迷った、これは賭けになるだろう
 特にメリットがあるわけでもなく 誰に頼まれたわけでもなく、
 最初はただなんとなくノリでやってみようと思っただけ、だが…
 うまくいけば、△△△な事や×××な事したりして写真を売れば金になるかもしれん…
 一歩間違えば犯罪か、しかし! 私がやらねば誰がやる!
 こいつらの為にも… そして今まで散っていった同志達の為にも…
 このミッションだけは成功させてみせるぞ!

411「ヒィィイイ!」 青キャス子「うおっΣ(゜д゜|||)どうした411」
 成功の第一歩は相手の事を知る事から という訳でターゲットを観察していたのだが、
411「こっちを振り向きましたぁああああ!すごい睨まれましたぁああああ!;;」
青キャス子「まさかこの距離でか!ちょっと貸してくれ」
 望遠レンズを覗き込む青キャス子 一人の少女とGH430が見える
 あ、少女が石につまずいてこけた 涙目になってるや 泣きそう…いや泣かずまいと耐えてるな
 かわいいなぁ…ウフフフ(つ´∀`) 430は、、なんか鼻を押さえてるな 何ヤッテンダ?
 が、次の瞬間私の背筋は凍りついた こちらを振り向いたのだ
 獲物を狙うかのような鋭い視線、こちらをあざ笑うかのようにフッと不気味に笑う
 その姿はまさに『狂犬』 馬鹿な…3キロは距離をとっていたハズだ!
青キャス子「完全に私らの存在はバレてしまったな…」
441「マスター、今回ばかりはあきらめましょう」
   「さすがに相手があの狂犬では勝ち目がありません」
411「そ、そうですよ!私達普通のPMの何百倍も強いんですよ!」
青キャス子「フ、完全無敵な存在なんて居やしないさ 狂犬と言えどたかがPM一体」
     「何かしらつけ入る隙があるハズだ」
青キャス子「予定通り3日後に決行する!ミッション名は…」
 
 『小ビス子ひとつ、ポテトMひとつ、あとスマイルひとつ テイクアウトで!』大作戦
       つづく、かどうかはワカラナイ…
 作者は心臓が小さいので小出しオンラインに突入
390パパと412作者:2007/06/23(土) 23:17:45.42 ID:LERrHIjs
やっと念願のラッピーのキグルミを手に入れたので、何となく書いてみたが…コロニーが大騒ぎになってしまった。
後悔はしていないが、反省はしている。
うちのロザリオにネタ物を与えて勝手に動いてもらうと、とんでもない事になるのがよ〜く分かった。もう二度とやるまい。

どんな事態かは、この先をご拝読下さいませ。
391ラッピーパニック(1):2007/06/23(土) 23:18:36.24 ID:LERrHIjs
「……………………パパ、なに、それ?」
 例のファミ通ミッションから帰ってきて早々ドレッシングルームへ入り、出てきたのは…

 巨大なラッピーのキグルミを着たパパ。

「何って、例のミッションを好成績でクリアした景品、なんだけど………変か?」
「いや、変と言いますか何と言いますか………」
 何か、言語デバイスがおかしいと言うか、いつもと違う表現になりかけました。
「どんなもんだ?これ」
 軽く動き回って私にキグルミを見せてくれたのですが、なんと言いましょうか。

 妙にラブリィ〜(ハァト)

 歩き方といい、端々のアクションといい、なんか、こう……
「か、カワイイィ〜〜!!!」

 ぽふっ!

「うお、なんだ、何処に飛びついてる?!」
「ふわふわのもこもこ〜♪」
「おいこら、ちょっとまてぇぇぇ」

 コテン、じたばた。

 あ、転んじゃった。
 転んでしまったパパを起こそうと、もがいているパパから離れたのですが…
「や〜ん、カ・ワ・イ・イ〜!」
 パパが救援を求めてましたが、じたばたしているその姿がかわいくて、起こすのを忘れて楽しんでしまいました。
392ラッピーパニック(2):2007/06/23(土) 23:19:20.14 ID:LERrHIjs
 やっと自力で起きたパパは、深夜にもかかわらす再び出かけてしまいました。

 キグルミラッピーの姿のままで。

 夜明け近くになって帰ってきたパパ。
 あの後、更にBランクまでクリアしてきたと言って寝てしまいました。

 キグルミラッピーの姿のままで。

 SSをこっそり覗いたら、他のキグルミ姿のキャストさんと一緒にクラブで歌い踊っていました。
 なんだか、とても気に入っているようです。
 ですが、流石に寝苦しいらしく、ベッドから転げ落ちてます。
「…しょうがないな、もう」
 パパのナノトランサーを起動して、起こさないようにキグルミを脱がせると、パパに毛布をかけて放っておきました。
「・・・・・・・うふふふ♪」
 含み笑いが止まりません。
 パパはぐっすり寝ているから、まず起きません。ヴァーラの居ぬ間になんとやら。
 着てみたい!
 どうしても、着てみたい!!
 かわいいこのキグルミを!!
 逸る心を押さえつつ、ドレッシングルームで着替えてみます。
 パパの動きを真似てこっそりSSも撮りました。勿論、誰にも見せない秘蔵品が一杯あります。
 うんうん、これならいけます。

「私のほうがかわいいですから!」

 決まった!ポーズもバッチリです。
 夕べ、パパにはどうしても言えない台詞でした。
 パパの姿を見た瞬間に感じた敗北感、あのかわいさに負けたと感じた瞬間の事は、誰にも言わずに墓の中まで
持っていきます、絶対。
393ラッピーパニック(3):2007/06/23(土) 23:20:04.26 ID:LERrHIjs
 少しぶかぶかですが、動く分には支障がありません。
「さて、ルテナちゃんにでも見せようかな〜」

 キグルミを着たまま部屋を出て、いつもの如くパシリ大通りに出てみました。
 何時もならなんでもないのですが、今日は入った瞬間に周りが殺気立ちました。

 ざわり、ざわざわ…

「ちぇすと〜!羽を寄越すぽこ〜!!」
 きゃっ、いきなり420さんのとび蹴りが来ました!
 避けると、後ろにはハンゾウを大上段に構えた410さん。
「ご主人様の為に、あなたを倒して羽を頂きます!!」
 ぎりぎり避けられましたが、それを合図に一斉に攻撃が始まりました。

 もう、ひどい有様です。

 銃弾は飛び交い、スキルが荒れ狂い、テクが間髪なく発動します。
 私はと言うと、すぐさま手近な階段に飛び込み、住んでる部屋までまっしぐらに走りました。

 後ろから、何十体ものパシリたちが追いかけてきます。

 ズババババババン!!バババン!!

 銃弾とテクが私を追撃してきます。
『まて〜!!!!!』マテ〜、マテ〜
「私はラッピーじゃなくて、パシリですよぅ〜!!」
 大声でそう言いましたが、走りながら言ったのではちゃんと聞こえてないようです。
394ラッピーパニック(4):2007/06/23(土) 23:20:44.42 ID:LERrHIjs
 ズババババババン!!バババン!!

『羽よこせぇ〜!!!!』ヨコセ〜、ヨコセ〜
「コロニー内での発砲と抜刀は厳禁ですよ〜!!」
 言った所で聞こえてませんが、言わずにいられません。

 ほとんどアクロバットな動きで通路を駆け抜け、やっと部屋に着きました。

 ぷしぷし〜、ピピピピ!

 ドアにロックをかけましたが、時間の問題でしょう。
「急げ急げ!」
 ドレッシングルームへ飛び込み、大急ぎでいつもの服に着替えてカウンターの裏に隠れました。
 勿論、パパにちゃんとキグルミを着せる事も忘れません。

 ズガガン!!!バン!!

 扉は強引に破壊され、押し倒されました。
『ラッピーはどこだぁ!!』ダァ、ダァ、ダァ

 ダダダダダッ!

 なだれ込んできたパシリたちが、隣の部屋で寝ているパパを見つけました。
「いた〜!」
「やっちゃえ!」

 ウオオオオオオオオオオオオ!!

 ピンポンパンポ〜ン♪ 
 この先は残酷描写につき、表現を自粛させてもらいます。
395ラッピーパニック(5):2007/06/23(土) 23:21:17.16 ID:LERrHIjs
「この有様は一体、なんなんだ?」

 丸一日以上寝ていたパパが、起き抜けの開口一番にそう言いました。
 部屋の中には身動き取れないほどの負傷パシリ達が沢山、内装はぼろぼろ、窓には非常シャッターが降りてい
て、無傷なのはパパとカウンターの影にいた私や裏側の商品だけといった有様なのですから、当然の発言です。

 え?どうしてこうなったかって?
 簡単に言うと、後方から来てキグルミ姿のパパを見つけたパシリ達が問答無用で銃やらテクやらを発射して、
それがパパに当たらずに最前列にいたパシリ達に命中して壊滅、更に後ろから来たパシリ達がその前に来ていた
パシリ達に当てちゃって壊滅、という連鎖が起こって、最終組は逃げ散っちゃったという訳です。

 廊下にまであふれている負傷パシリ達を掻き分けてやっと保安部の人達がこの部屋に到着したのは、パパが目
を覚ましてからすぐの事でした。
 パシリたちの事情徴収は後回しにされ、彼女らの救護が優先されました。
 私達のはす向かいに住んでいるガーディアンズさん――通称、恐怖のDrキャス子――さんも手伝いに来てく
れましたが、彼女の通称の由来を見てしまった今としては、その敏腕ぶりをここで語りたくはありません。
396ラッピーパニック(6):2007/06/23(土) 23:22:06.41 ID:LERrHIjs
「…はっはっはっは…ほうほう…くっくっくっく…」
 結局、大騒ぎになりすぎて、総裁に呼び出されてしまった私とパパ。
 総裁室で、監視カメラに写っている映像を一部始終見せられましたが、ダルガン総裁は終始笑っていました。
 だって、私の着替え中以外は全部写っていたんですよ、ポーズとってた所まで音声付で。
 コメディ番組なら笑えますが、自分の事ですから、恥ずかしくって仕方ありません。
 パパを監視している諜報部の誰かが私の事を面白がって追跡していたらしく、お陰で証言を裏付ける手間が省
けたのですが…
「『×』を五個追加」と、ぼそっと呟くパパ。
 わ〜ん、パパが怒ってる…
 総裁が口を開きました。
「さて、この事態については把握した。
 まあ、攻撃したパシリたちにも非があるが、キグルミを着て出歩いた君も悪いと言えるし、それを監督する責
がある主人の君も手落ちであるとも言え、今回の事態を予測していなかった本部側にも問題があると言える。
 よって、今回の件については、騒ぎを起こした張本パシリ達に軽い罰を受けてもらうという事で済ませようと思う。
 何か、質問はあるかな?」
「総裁、その罰の内容をお聞きしてよろしいでしょうか」と、パパ。
 総裁がパパを手招きして、何かを耳打ちしています。
 微妙な表情を浮かべて、困った様子のパパ。
「…それは倫理的に問題があるのでは?」
「なに、これもいい経験だろう」

 後で聞かされたその罰を、重いと見るか軽いと見るか、判断は当パシリ達にしてもらうとして…
 私からのお願い。
 ラッピーが出ても、見逃してあげて。あのかわいいラッピー達を攻撃しないで。
 これ以上は言えない、言ったら検閲が入っちゃうから。ううっ…お願い……攻撃だけは……
(『出番ですよ、412ちゃん』)
 アッー、パパだ、やめて、やめ、や、いたいたいたいたいたいたいたい………

 ―――話は終わるが、今月一杯続く―――
397名無しオンライン:2007/06/24(日) 13:06:10.88 ID:MYfLwbLb
パシリにもラッピー着ぐるみがあれば良いのに………自分とパシリのセット装備して、ミッションを駆け巡る。
至高の時間だ……

(´_ゝ`)

やってくんねぇかなセガ。

むしろ、パシリ用のコスもあっても良いと思うのだか。

つーかパパお茶目だなw
398名無しオンライン:2007/06/25(月) 04:33:09.13 ID:F1IGPuBY
>>388
ラッピーきぐるみとたゆんを秤にかけてたゆんを選ぶお嬢、やっぱいいぜ・・・w
ところでCで10点がまだ取れないんだ、どうしよう・・・orz

>>389
小ビスコを遠距離から観察とはまた美味しい位置取りよのう・・・w
とりあえず小ビスコテイクアウトガンガレ、小ビスコを愛でる会も応援しているぞ

>>396
人間用のきぐるみをパシリがってブカブカのレベルじゃない気がするぞw
しかし夜な夜な主人のためにラッピー追い回すパシリが居ると思うとなんか嬉しいな・・・w
399青キャス子の挑戦その2:2007/06/26(火) 01:03:15.73 ID:8Ig0nf9g
>>396 ラッピーは死んだふりをする、地面に潜る、Σ(゜д゜|||)つまり死体は消えずに残る
    中の人も大変だな…wだが攻撃する!

本格的に小ビス子氏のキャラを借ります、非常に後悔シテオリマス
微妙に雰囲気が違ってたら各自で脳内変換をオネガイシマス(何
前回題名入れてなかったのですが、(続き書くか悩んでたので)
前回のお話はその1と言うことでオネガイシマス では>>389の続き

〜3日後・フォランの滝〜
 一週間前、小ビス子宛に届いた二人分のチケット
 『一週間後フォランの滝で縁日をやります 是非おこしください』
 差出人不明であまりに唐突ではあったが、小ビス子は何一つ疑う事もなく飛びついた

小ビス子「わー 色んなお店があるですよ!はぅ、430どれから行きましょう…」
 目の前には屋台がずらっと並んでいる チョコバナナにりんご飴 焼きそば、わたあめ等
 それらをきらきらとした目で見つめている小ビス子 耳をぱたぱたさせながら
 あっちにしようか、こっちにしようか、と目を泳がせている
430「ご主人様、どうせ全部まわられるのでしょうから片っ端から行かれてはどうです?」
小ビス子「それもそうですね!ではちょこばななさんから行きましょう!」
 チョコバナナをびしぃっ!と指差し片方の手で430をぐいぐいと引っ張る
430「ちょっ、ご主人様 そんなに急がなくてもチョコバナナは逃げませんよ」
 くっ…今日はまた一段とかわいいぜ… チョコバナナを口いっぱいに頬ばる姿なんてそりゃもう…
 ん?チョコバナナ?(脳内変換中)ぶはっ!あの無垢で純真なご主人様がチョコバナナを…
 マズイ… 出る…! 今日もまた出てしまうぅうううう! 必死で鼻を押さえる430
小ビス子「はれ?どうかしましたか?430」
 口のまわりをチョコだらけにして、鼻を押さえうつむいてる430を下から覗き込む
430「!!な、なんでもありません、ご主人様」
 やベェッ!油圧が一気にあがってきた…今噴出したらご主人様にモロにぶっかけてしまう、耐えろ私!
 鼻をねじりあげ何とか寸前でとめる430
430(しかし…客が私達しかいねぇ さらに屋台は全部タダ、何とも怪しいな)
   (まぁ、何かあったとしても 私がぶちのめすがな、)

青キャス子「ここまでは予定通りか、小ビス子を愛でる会の諸君 ご協力感謝する」
会長「何、いいってことよ 今回の話を持ちかけられたときは頭おかしいんじゃないかと思ったが」
  「アンタならやれるよ、協力は惜しまない そのかわり…」
青キャス子「クックック、わかっている 写真は必ず提供する」
会長「ヘッヘ、じゃ武運をお祈りしていますぜ」 会長は敬礼をした
青キャス子「よし、これより作戦を開始する いくぞ!」 411&441「了解!」
430「何やら向こうが騒がしいですね」
小ビス子「もぐもぐ…え?何ですか?」
青キャス子「さぁさぁ!これより青キャス子のマジックショーが始まるよ!」
                続く
400名無しオンライン:2007/06/26(火) 02:47:38.63 ID:2keIkc4Y
>>パパと412さん
和んだわぁー。
さっそく自分もラッピー着ぐるみネタ!
だが私は謝らない。

>>青キャス子
にこやかな目で眺めてみるニヤニヤ。

そんな俺は横合いから小ネタを叩きつける!!!!
それは変なパシリと変なキャストのお話。

「ゲッゲッゲッ!」
「………」

俺の目の前には黒い色の鳥のような塊が…。

「ゲッゲッゲッ!」
「………」

俺のせっかくの安眠タイム(世間では店番という)を妨害したコイツ。
なにやら奇声を発してグルグル回ってる。

「ゲッゲッ…」
「トウッ!」

デスダンサーのミネで思い切り足払いをかける。
奇怪に動き回るそれは思い切り顔面と熱いキッス。

「ゲニャアアアアッ! ナニヲスルデスカワルパシリサン!」
「うっせぇ! とっととそんな被りもん脱いじまえこの変態キャスト!」

ドデカイ頭部を取り外すといつもの馬鹿の顔。

「ネタをネタと解らない奴は…」
「うっせぇ!」

支払われたのはワルパシリの拳であった。
「いってぇー…俺のビューティーフェイスに傷がついたらどうすんだよ…」

スペアのヘッドパーツを被りつつ、体はラッピーのまま。
ワルキャスの正直、異様な光景。
最近、雑誌主催のイベントとやらで、わりと皆羽振りが良い。
VRでの経験や取得アイテムがそのまま反映されるとの事なので、
イルミナストライアルからさらに進歩したそうな。
詳しいことは俺はしらねぇが、一時期ハイレグパンツで帰ってきた時なんか…

***

「ハーッハッハッハ! 蝶、サイコ(ry」
「ハラワタをぶちまけろ!」
「パピヨオオオオオオオンッ!」

あんな格好を許すガーディアンズはきっと頭のネジが2,3本吹っ飛んでるにちがいねぇ。
目のやり場に困るだろうがこのやろう!

***

「あー…そういや、クリムゾンの合成どうなった?」
「くやしいっ…でもっ…」

くそう、ワルキャスのダメ教育でおれもなんかネジが抜けてる。
ちょっと色目っぽく出来上がった奴を渡しとく。

「ビルケナウッ!」
「おお、16%か…まあできただけ上場だな」

金回りは物の流通がよくなったのか、わりと高級基盤や素材が入ってくる。
S基盤なんて一昔前までは一度もお目にかかれなかったのに、
そういったのでも出さないとガーディアンズの士気にかかわるとかなんとか。
俺もご褒美に☆10の素材を食えるようになって嬉しいがな。
荷物が多いから、コンナ事もあったな…

***

「もっ…もう無理だって…」
「おいおい、もっと入るだろうぉ…ほら…」

ワルキャスはキツキツの私のナノトランサーに無理やり…

「ぅ…あ…ハイらネェつったろクソボケェ!」
「ギャウウウウウウッ!」

基盤を入れようとしたので返り討ち。
その後いらない素材や基盤を押し付けて蹴り上げといた。

***

「さてと…そろそろ行くかねぇ…」
「おうよっ…」

装備を整えなおし、すっくと立ち上がる俺の相棒。
俺の頭をくしゃくしゃ撫でてくる。

「まあ運がよかったらなんか食わせてやっから、待ってろよ」
「おうっ!」

ぴよぴよぴよ…

「………着ぐるみぬげええええっ!」
「らぴいいいいいいいいいいいっ!」

セレブコートのほうがイカしてるんだからそっち着やがれ馬鹿チンがっ!
…はぁ。

それは変なパシリと変なキャストのお話。

以上、ワルキャスのワルパシリこと不良411主観からのお話。
それにしてもPSUつながらねぇよぉオオオ! プロシュートの兄貴ぃいい!
404名無しオンライン:2007/06/26(火) 23:41:27.22 ID:8H3L6XyC
>>398
 服もキグルミも最小サイズのキャラにまでフィットするサイズフリーだけど、流石にそれよりはパシリも小さいのでぶかぶかと表現したんです。
 実際にはパシリはキャスト♀なのでパパのキグルミは着れませんが、書き物のネタとしては楽しめました。

>>399
 ミッションが上手く行くといいな、青キャス子氏。だが、注意するんだ、かの430はネタキャラとしてもてごわ…
 …OK、分かった、これ以上は言わないから銃を下ろせ430、俺は中立だ…

>>401-403
 読んでて、吹いたw
 ワルキャスも結構お茶目だw
 俺は流石に、男のビキニは手を出さなかったななぁ、他の人を見たらちょっと貰う気がなえた。
405名無しオンライン:2007/06/27(水) 01:13:52.68 ID:kfOEsJeN
>>399
青キャス子・・・もう引き返せないところまできちまったんだな・・・
その無謀な死亡フラグ確定ミッション、一体何処まで出来るのか・・・
ネタキャラの底力、最後まで拝見させてもらうぜッ?!

>>403
ワルパシリかわいいよワルパシリ。
ワルパシリが好きな俺は、きっとMに違いないwwwww
406名無しオンライン:2007/06/27(水) 05:24:34.60 ID:BVlw0YOq
>>399
青キャス子よ、我ら小ビス子を愛でる会は全力でお前の背中を後押し、いやむしろ突き飛ばすぜ!
勿論逃げる時は真っ先逃げるけどなw
しかしマジックショーか・・・まさかな・・・

>>403
>目のやり場に困るだろうがこのやろう!
怒ってるようで実は単なる照れ隠し、それがワルパシリクオリティw

まああのビキニ姿はビス男から見ても強烈だっただけにワルパシリにはダメージでかかっただろうなぁ・・・w
407青キャス子の挑戦その3:2007/06/27(水) 21:38:56.23 ID:uFlbxXrh
死亡フラグ確定ミッションか… いや今回ばかりは覚悟が違う、とオモウ(多分
>>399より続き
 
青キャス子「今日は私のマジックショーにお集まりいただき真にアリガトウゴザイマス」
     「私のマジックは箱を使ったものを得意としてオリマス、キャストだけにね…」
小ビス子「とっても楽しみなのです!ね、430」
430「ええ、そうですね(つまんねー」
青キャス子「では早速一発目!ここに魔法の箱があります、中身は…このとおりカラです」
     「これに蓋をして魔法をかけると…3、2、1、えいっ!」
 ぶわっ! 箱の中から無数のラプチャが飛び出してくる
小ビス子「さっきはカラだったのに!どうなってるんでしょう、」
青キャス子「フハハハ!まーだまだ出せるぞぉおおお!」
430「じゃあ、土の上じゃなくて そっちのステージの上でやって見せてくれよ」
青キャス子「ハハ、ハ(つ´∀`)… で、では次のマジックです」
     「ここで私のかわいいアシスタントをご紹介致しましょう、411!」
411「ははーい!はじめまして、アシスタントのGH411でございまーす!」
青キャス子「では411、こちらへ」
 箱の中に入り首だけを出す状態で固定される411
青キャス子「そして…」 
 セイバーを数本取り出しそれを箱に次々と刺しこんでいく
小ビス子「きゃああああああ!411さんが死んじゃいます!」
411「私は大丈夫ですよー、これは魔法の箱なので痛くも何ともないのです!」
430「じゃあ、フォトンの剣じゃなくてこっちの普通の剣でやって見せてくれよ」
 そういって剣を数本取り出し青キャス子に手渡す430
青キャス子「…(つ´∀`)いやこれはちょっと、フォトンの刃じゃないと消せないし…ハッ!」
 小ビス子がこちらを見ている、なんという真っ直ぐな瞳 ここでがっかりさせるわけには…
青キャス子「わかりました!お客様の要望に応えるのも手品師のつとめでございましょう!」
411「えええええええ!ちょ、ご主人様それは無理でムグっ!ンー!ンーーーーー!;;」
 口にテープを貼りつけられる411 剣をかまえる青キャス子
青キャス子「では、1本目!2本目!3本、4本、そしてとどめの5本目ぇええええ!」
411「ンン゙ッ!グフッ、ヴッ… ウグ… ンヴッぐゥゥ!」
 箱からじわりとオイルが染み出ている…
青キャス子「だ、大丈夫か411」 411「…(カクン」
     「はいっ!この通り何とか生きてましたー!」
小ビス子「す、すごいのです!430、マジックってすごいのですね!」
430「え、えぇ…そうですね(体はってやがんなぁ…」
青キャス子(うおおおお;;よくやった411、お前はよくやったよ!)
     (必ず、必ずやこのミッション成功させてうまいもん食わせてやるからな…(;´д⊂))
青キャス子「では!いよいよ次で最後のマジックとなりました!」
             つづく
408名無しオンライン:2007/06/30(土) 06:21:19.80 ID:/a0yyYH+
む、むごい・・・w

しかしさすがは青キャス子と一緒に居るだけの事はある、不死身だ・・・w
409名無しオンライン:2007/06/30(土) 11:51:27.22 ID:+KrO2s5+
着ぐるみネタに便乗しようとしてたけど…
すまないパシリよ、ご主人様ちょっと某ろぼげーを
クリアしてくるよ ( ;∀;)
410青キャス子の挑戦その4:2007/07/01(日) 23:56:21.33 ID:hebdwZss
過去最低の執筆スピード…人様のキャラを借りると言うのはマサニ挑戦ですな、ムズカシスギル
>>407より続き
青キャス子「ソレデハこちらをご覧ください、この通り何の仕掛けもないただの箱でゴザイマス」
 扉付きの箱を台座の上に乗せ、中に何も無い事を確認させる
青キャス子「では扉を閉め、魔法をかけます(パチン)そして扉を開けると…!」
 軽く指を鳴らし、ゆっくりと扉を開ける 中には441が入っていた
青キャス子「ご紹介致します、二人目のアシスタントの441でございます」 441「(ペコリ)」
小ビス子「あれっ!?」 430「ほほぉ…」
青キャス子「フフフ、びっくりするのはまだ早い ここからが本番でゴザイマス(パチン)」
 441を入れたまま扉を閉め指を鳴らす 
青キャス子「…ところで、お客様の後ろに同じ様な箱が置いてあるのに気づかれましたでしょうか?」
     「お二人でちょっと開けて見てください」
小ビス子「えっ、気づきませんでした これですね…ひ、ひぃいいい!?」 430「うおっ!?」
 箱の中には体育座りをして無表情で上を見上げている441が入っていた
小ビス子「び、びっくりしたです…はぅ、441さんがワープしたのです」
430「私も少し驚きました、(この私が後ろをとられるたぁ…気配をまったく感じなかったぞ)」

青キャス子「さて、次はお客様もマジックに参加してみませんか?」
小ビス子「え、私ですか?えと、どどどうしましょう!430」
430「やってみてはいかがですか?(次こそは見極めてやる、)」
青キャス子「では、可愛らしいお嬢さん こちらへ…!」 小ビス子「はぅ、どきどきします…」
 箱の中に小ビス子が入ったのを確認し、扉を閉める
青キャス子「いきますよ、ささやき…いのり…えいしょう…ねんじろ!」
 謎の呪文とともに扉を開く、中身はカラッポになっている 後ろの箱の中も同様にカラッポになっていた
430「!? おい、いないじゃねぇか!」
青キャス子「何だって!?」 430「テメェ何失敗してやがんだ!」
     「おおおおおちつきたまえ!君のご主人様は異次元にとり残されただけだ!」 「何?」
青キャス子「このマジックは異次元を使いワープさせていたのだ、ちょっと呪文が強すぎて」
     「異次元の奥に入り込んだらしい、このままでは帰ってこれなくなってしまう…」
430「何か助ける方法ねぇのかよっ!」
青キャス子「誰かが異次元に入り連れ戻すしかない、が私は中には入れない」
     「異次元の扉を開けれるのは私だけ だが中からは扉を開く事はできないんだ…」
430「なら私が行く」 青キャス子「む、そうか ならばこれを」
 鎖のついた首輪を430に手渡す 430「これは?」 
青キャス子「見ての通りだ、その鎖を辿っていけば迷わずに入り口まで戻ってこれる」
430「そういうことか、わかった 時間がねぇんだ、さっさと扉を開いてくれ」
青キャス子「よし、では箱の中へ!」 首輪を装着し箱の中へ入っていく430
 青キャス子と430の壮絶な戦いが今、始まろうとしていた…
              続く
411青キャス子の挑戦その5:2007/07/03(火) 05:08:12.89 ID:8cCLA5Fp
何かどんどんgdgdになっていく、、>>410より続き

 …静かだ、真っ暗で何も見えねぇ もうここは異次元とかいうとこなんだろうか?
 ガチャリ、ガッガッガッガッ、謎の金属音と何かを打ちつけてる音がする… 妙だな
430「おい、手品師!早く異次元とやらに送ってくれよ!」
青キャス子「異次元?何だそれは、おいしいのか?」
430「はぁ?何言ってやがんだ 私のご主人様が異次元に閉じ込められてんだろ!?早くしろっ!」
青キャス子「おいおい異次元なんてあるわけないだろう、常識的に考えて」
430「!?てめぇ一体何言ってやがんだ!じゃ、ご主人様はどこに…」
青キャス子「私の隣で眠っているよ…とてもかわいい寝息をたててね」
430「…!てめっ、こっから出しやがれ!」
青キャス子「ふははは!君のご主人様は頂いていくよ、アディオス!430」
430「くそっ!扉が開かねぇ、こうなったら…」
 ビームガンを取り出し手当たりしだいに撃ちまくる
430「よし、出られたぞ あのクソ手品師待ちやが…ぐえっ!」
 首を思い切り引っ張られ背中から地面に倒れる、よく見ると先程の鎖が杭で打ちつけられていた
430「あぁぁんのやろぉぉう!…ぶ っ 殺 す !!」

青キャス子「急げ!ヤツが来る前にここを離れなければ我々に勝ち目は無い!」
 客室2両編成の小さなリニアトレインに乗り込む青キャス子達
430「待ちやがれぇぇぇぇえええええ!」
青キャス子「な!もう追いつかれたのかΣ(゜д゜|||)」
441「ここは私が時間を稼ぎます、マスターは出発の準備を」
青キャス子「わ、わかった 無理はするなよ!」
430「おい、ケガしたくなかったらそこをどきな!」
 441はバレットマスターを構える
441「ケガはしたくありませんが、どくわけにもいきません!」
 ガガガガガガ! 激しく撃ちあうがすぐに決着はついた
441「う…グ」 430「もう終わりかよ?」
 そんな…威力は元より、ビームガン相手にパレットマスターで連射速度も負けるなんて…
青キャス子「よし!出発の準備ができたぞ、乗れ441!」
441「私の事はいいですから…置いて行ってください」 青キャス子「何、いいから早く乗…」
   「行けって言ってるでしょう!!マスター、早く!!」
 シッガブラダを青キャス子に見せながら叫ぶ
青キャス子「441お前…くそっ!リニアトレイン、出るぞ!」
430「行かせるかよ …!? 身体が動かねぇ…こいつぁまさか!」
 無数のハートが430からふきだしている、441のバラタチャムンガが発動していた
430「やってくれやがったな… 油断してたぜ」
 バーストを構え狙いをつける、高密度のフローズンシュートが441に放たれる
441「ウゥッ…マスター…お役に…たてたで………うか…」
 薄れゆく意識の中、リニアトレインが遠ざかっていくのを見つめながら凍りついていった
                    つづく
412名無しオンライン:2007/07/06(金) 18:18:47.18 ID:x/w+nsUD
がんばれ、青キャス子!あと少しだ!
しかし、呪的逃走?にはあと一個、何かを支払わねば逃げられんぞ!


そして、応援する俺は、保管庫Wikiに作品入れて、燃え尽きた…
長編も考え物だ…後で、もちょっと読みやすくするのに修正入れる予定だが、何時になるやら…
413名無しオンライン:2007/07/06(金) 21:59:48.38 ID:OWnhkV5h
地味キャス子とか青キャス子のレシピマダァ-?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
414名無しオンライン:2007/07/07(土) 00:01:53.59 ID:1w1aDCJM
青キャスはあったハズ
いやまあ保存しましたから確実にあるよ!
415名無しオンライン:2007/07/07(土) 03:58:48.02 ID:9mKtU1RO
>>411
狂犬だけに鎖につないだか・・・w
しかし

>私の隣で眠っているよ…とてもかわいい寝息をたててね

なんか エ ロ い な!

>>413
さっき確認したら前スレに俺がレシピ通りに作ったSSが残ってた
無断で掘り返すのも青キャス子氏に悪いのでアドレスは貼らないが探してみておくれ
416名無しオンライン:2007/07/07(土) 06:54:52.47 ID:gKT+Yxjn
>>414
ニア おしえてくれ! たのむ!
417青キャス子の挑戦その6:2007/07/07(土) 15:11:21.50 ID:G//SjGEG
>>415 貼ってしまってもかまわないですよ 作者もヘッドパーツが何番とか
   忘れてしまってたりする(何) >>411より続き

 さすがにこのスピードではそう簡単には追いつけまい、仮に追いつけたとしても
 数時間はかかるだろう その間に我がマイルームに小ビス子をテイクアウトし
 好きにできるという訳だ、弱みを握ってしまえばこちらのものだ…!
 む、あれは何だ 前方から何か近づいてくるな…Gフライヤー?
青キャス子「いかん!伏せろ411っ!」 411「えっ?」
 ズ、ゴォォォォオオオオオオオン!! ガンッ! カンカンカンカン…
411「ぬおーー!」 爆風とともに顔面から床に激突する411
青キャス子「ヌググ、正面から突っ込んでくるとは…上から音が聞こえたな、」
411「イタタタタ…一体何が起きたんですか!?あぁっ!運転席がボロボロにΣ(゜д゜|||)」
青キャス子「411!緊急事態だ、戦えるか?」
411「あ、はい まだ所々身体に穴があいてますが行けますよぉーー!」
青キャス子「よし、迎撃に出る 天井上だ!」

青キャス子「待て、それ以上は進ませないぞ 狂犬!」
430「おう?まだ生きてやがったか、クソ手品師!」
 掛け声とともに突撃する青キャス子、だが430のバーストの前では防ぐので精一杯だった
411「あ、あわわっ、アイタッ!全然近づけませんよぉおおおお!;;」
 時速300キロで走ってるリニアトレインの上だぞ!しかもこっちは追い風なのに
 的確に狙ってきやがる… こちらも射撃武器で牽制しなければどうにもならんな
青キャス子「射撃は苦手なんだがな…四の五の言ってられんか!」
411「ま、まさかパシリ爆弾!?Σ(゜д゜|||)」 顔が青ざめる411
青キャス子「イヤ、今回は違う 少し時間がかかる しばらく私の盾になってくれんか」
411「ホッ… 了解しましたっ!」
 青キャス子の前に立ちキャリバーを構える411
430「テメェのPMを盾にして突っ込んでくるってか?近づく前にジャンクにしてやらぁ!」
 バーストの激しさがさらに増した
青キャス子「眼・耳・鼻・舌・身・意…人の六根に好・悪・平!!またおのおのに浄と染…!」
 うねるような闘気を発しながらギガッシュを構える青キャス子
411「うぐぐ…もうこれ以上は耐え切れませんよぉおおおお!」
青キャス子「そのキャリバー、しっかり握って離すなよ411!」 411「えっ!?」
     「一世三十六煩悩、お前は…飛ぶ斬撃を見たことあるか?」 430「何ぃ?」
 ガシリと411の胸倉を掴む青キャス子
青キャス子「一投流……三十六パシリ鳳!!」 411「わわっ!ああああああああ!!;;」
 430に向かってぶん投げた411はスピニングブレイクのように回転しながら430に斬りかかる
430「な!あぶねぇ! …あ」 411「ご、ご主人様ぁああああああああああああ!!;;」
 上半身をひねって避ける430 勢いが止まらない411はそのまま地平線の彼方へと消えていった
430「な、なんて無茶しやがんだ…はっ!?」 青キャス子「油断したな!…もらった!!」
 一瞬で距離をつめ、全体重をのせギガッシュを430に振り下ろした
                     つづく
418青キャス子の挑戦その7:2007/07/07(土) 21:49:40.48 ID:G//SjGEG
一気に書ききったので投下>>417より続き

 これは一体どういう事だ…たしかに私のギガッシュは430を捉えたハズだった
 が、気がついたら逆に私がうつ伏せに叩きつけられていた
430「誰が油断したってぇ?」
 青キャス子の背中を踏みつけ銃口を後頭部に突きつけながらニヤリと笑う430
青キャス子「そんなバカナ、長銃相手に接近戦で負けるわけが…」
430「はっ!残念だったな 私ぁ近接戦闘の方がどっちかと言うと得意なんだよ」
 くっ、これがワンオブサウザンド…近接が得意な430って反則だろ! だが…
青キャス子「こんな所で… 散っていった441と411の為にも、負ける訳には行かないんだ…」
430「いや、411はお前がやっただろ… 少しでも動いたらテメェの頭ふき飛ばすぞ」
青キャス子「ふき飛ばせるものならふき飛ばすがいい、当てれるものならナ!」
430「あぁ?この距離で外すワケねぇだろうが… うおっ!?」 青キャス子「オープンゲット!」
 青キャス子の頭、胴体、下半身が3つに分かれ宙を舞った
430「なっ!?」 ガシーン! 430を羽交い絞めする形で再度合体をする
青キャス子「青 キャス 子 おろしぃいいいいいいいい!」
 その場で回転をはじめ、その勢いで430を豪快に投げ飛ばした
430「そんなんアリかよ…! ちくしょおおおおおおおおおお!」
 時速300キロのリニアトレインの上で投げ飛ばされれば流石のヤツもどうする事もできまい…
 430もまた、地平線の彼方へと消えていった
青キャス子「ハァッ…ハッ……フ、フハハハ! やったぞ!私の勝…むぉっ!?Σ(゜д゜|||)」
 ドォオオオオオオオン!! 爆発音とともにリニアトレインが炎に包まれていく
青キャス子「さっきのフライヤーか!マズイナ… ああああ小ビス子がまだ中に、急がねば!」
 眠っている小ビス子をだき抱え飛び降りる青キャス子
青キャス子「ム!? うおおおおおおおおお」 ガッ ガガガガガガガガガ!
 着地の時に足をとられ背中から倒れこむ
青キャス子「ぐふぅ… はっ!小ビス子は無事か!?」
小ビス子「すー… キュゥ… すー… クゥゥ…」
 青キャス子の腕の中で安らかな寝息をたてている、もちろんお姫様抱っこだ!
青キャス子「ふぅ、良かった… む、あれはホルテスシティか」
 だいぶ近くまでは来ていたようだ、この距離ならば走って行けそうだ
〜〜青キャス子マイルーム前〜〜
 ついに…ついにここまで来た!数々の犠牲をはらってきたが… 今!ようやく
 あの430から小ビス子を奪いとったのだ クク、クククク…
青キャス子「クハハハ! ハーハッハッハッハッハァッ!!」
419青キャス子の挑戦その8:2007/07/07(土) 21:51:24.79 ID:G//SjGEG
 ピロンピロンピロンベー
 ピロンピロン……ベー
 ピロンベー
青キャス子「扉が開かねぇええええええええ!何故だ、どういうことだぁあああああ!」
 かれこれ30分も扉の前で格闘していた
青キャス子「pipipi…ム、ガーディアンズ本部か?青キャス子という者だが」
     「自分のマイルームに入れないんだ、一体どうなっている?」
本部「青キャス子さん、ですか 少々お待ちください… えーとわかりました」
  「今月の分が課金されていないようですね、そのせいでマイルームにロックが掛けられています」
青キャス子「な、何だってーーー!Σ(゜д゜|||)」
 自分のメセタカードを確認する、38メセタしか入っていない
青キャス子「う、うああああああ!よりによって今日課金がきれるなんて…ハッ!」
 後ろからおぞましいほどの殺気を感じる…
430「やぁぁぁぁっとおいついたぜぇぇぇええクソ手品師ぃぃぃぃい!!」
青キャス子「(つ´∀`)… すいませんでしたぁああああああ!」
 地面に頭をこすりつけるように土下座をする青キャス子
430「あーん?何か言ったか?」 バーストをつきつける430
青キャス子「あ、あぁ!お腹減ってないか!?これをあげるよ!」
 フライドポテトを差し出す青キャス子、だが冷えて時間のたったポテト程マズく切ないものは無い
430「(´_ゝ`)…」
青キャス子「あ、あの この笑顔に免じて許してもらえないだろうか、仲直りしようじゃないか!」
 ニコリと微笑む青キャス子、だがヘッドパーツをつけているので表情はわからない
430「一回 死 ん で 来 い !」ガガガガガガ! 青キャス子「ギャアアアアアアアアアアアアア!!」

 その後の事は覚えていない 気がついたら病院のベッドの上だった あたりを見回すと
 一枚の手紙に気づく、それを手に取り読んでみた 愛でる会の会長からか

 思いきり失敗したようだな、まぁ期待はしてなかったけどな ハッハッハ
 あんたのPMは我々が帰宅する時に回収したよ二人とも今治療を受けているとこだ
 それであんたを含め3人分の治療代と縁日の準備代を払ってほしいんだ
 ざっと100万メセタってとこかな、また連絡するよ
青キャス子「ひゃ、100万メセタ…痛い出費だな まぁ仕方ないか…む、もう一枚手紙がある?」
 ガーディアン本部より通達です リニアトレインおよびGフライヤーの修理代
 10000000万メセ… 私は考えるのをやめた こういう日は寝るに限るな、ウン
 その夜、青キャス子は枕を濡らした その後一日一食だった食事が三日に一食になったそうな
441「ではこれが今日のご飯のペロリーメイト(一個)です、次の食事は三日後となります」
青キャス子「昼飯代がないってレベルじゃねーぞ!(;´д⊂)」 411「お腹…すきました……(バタリ」
                  終わり
420名無しオンライン:2007/07/07(土) 22:04:42.36 ID:G//SjGEG
うはー、ようやく書ききりました… 全体的に無理やり感がただよってますが、
しかしこんなに長くなるとは思ってなかった その6ぐらいで終わる予定が
書いてるうちにどんどん長く…難しいですね、
調べてきたので青キャス子のレシピ置いておきますね(つ´∀`)つ

顔10番 目の色、白 ヘッド5番 人口皮膚、白 メインカラー青 サブカラー濃い青
プロポーション、ルウ教官より頭一個分大きいぐらい 標準体型で胸が小さめ
パーツ、ディジエルシリーズ ルウボイス 
421名無しオンライン:2007/07/07(土) 22:30:20.70 ID:TyjVhbmF
楽しく読ませて頂きました。
>>419
まさかオープンゲットするとは。
組み合わせを変える事により赤キャス子や黄キャス子にならないかな。
422名無し275:2007/07/07(土) 22:36:38.77 ID:RyrC3M/J
「手紙が届いてたのじゃ」
「一応調べましたが、危険な物は入ってないようですが?」
「とりあえず読んでみるんよー、どれどれ…」
「わたしが、かわりにのよんであげるのじゃ!よこさぬか!」
「「あ」」
「えーとじゃな…」

『はあどですく??おしゃかになりました、さがさないでください?』

「なんの意味じゃ???」
「悲痛な文章ですね、これ…」
「なんまんだぶ、なんまんだぶ」
「なんまんだぶってなんじゃ???」
「一種の励ましの呪文みたいなものです」
「…そーゆーことにしとくんよ」
「そうじゃったのか、わたしも唱えてみるのじゃ、なにやらてがみの主は悲しそうじゃしな
励ましの呪文とやらを、わたしも唱えておくのじゃ、なんまんだぶー」

「邪気がない分、酷く聞こえるのは何故でしょう、マスター」
「…しゃあないんよー」
「むむむ?なにかまずかったかの??」
「まあええかー」
「そう言う事にしときましょう」
「むー?」

ハイ、そんなわけです、がんばろう自分。
そして生きろ青キャスコと411。
423名無しオンライン:2007/07/08(日) 00:19:29.36 ID:7leEgV2N
前うpロダにあった未実装のも含めたパシリ一覧保存してる人いないかな
424名無しオンライン:2007/07/08(日) 18:04:24.28 ID:XDOvmT4J
>>420
ハゲしく乙
毎回楽しませてもらってるぜー
425名無しオンライン:2007/07/09(月) 09:00:06.64 ID:qXKf1trA
そろそろ次スレの季節かな?
426415:2007/07/11(水) 13:24:32.13 ID:gkJtk2bL
お許し出たので貼ろうと思ってたのに
忙しくて忘れてた…
今晩貼らせて貰います
427名無しオンライン:2007/07/12(木) 01:04:59.72 ID:cGrmilda
・∀・)つ青きゃすこ
ttp://www.mithra.to/~psu/uploader/src/psu2947.jpg
428名無しオンライン:2007/07/12(木) 01:48:35.40 ID:xsbk6b9k
>>427
バーローwwwww
429名無しオンライン:2007/07/12(木) 05:26:38.56 ID:1GSShJ4h
>>427
アポラリンフイタwwwwwwwww
430名無しオンライン:2007/07/12(木) 09:27:17.10 ID:8YzaGZ4D
指揮官パーツになっとるw
431名無しオンライン:2007/07/13(金) 23:15:29.66 ID:qoVolhob
イルミナスだと今いるパシリを男の子型やぬいぐるみ型に進化?できるらしい。
どうなるパシリ達!?
432名無しオンライン:2007/07/14(土) 04:29:17.94 ID:5R2zggpf
しょたパシリのタロウ君の話があったのぅ・・・。
433名無しオンライン:2007/07/14(土) 11:25:34.61 ID:uEKNIzH4
うちのパシリは450のままでしょう…常考するまでもなく…
進化などさせん!
434名無しオンライン:2007/07/14(土) 13:06:04.38 ID:XvlmjLKL
新PM「よう! またあんたか!」
435名無しオンライン:2007/07/14(土) 13:30:23.12 ID:rAZgZijd
ファミ通やっと終わりましたね…
周囲にあわせるのが大変で、書くのが滞りまくってしまいましたが続きをどうぞ。
436タクシーがきたりて笛を吹く(中編)1:2007/07/14(土) 13:31:36.21 ID:rAZgZijd
「どうも〜きましたよ〜後ろから失礼しますね〜」
「…たすけにきたぜ おひめさま」
どうも、よくきてくださいました。GH464さん、GH442さん。
「この方々は?」
巫女さんはとまどうばかり。無理もありません、変なの…げふんごふん、マシナリーが二人増えたわけですから。
一人ではどうにもならぬと判断し呼ばせていただきました、わたくしのお友達です。パートナーマシナリー同士でもそれなりにつながりはあるのですよ。
こちらの光と闇を操る水着の方は464さん。未実装ですがβトライアルなのでまあ不具合と思っておいてください。グラールでは、よくあること。
「みんな〜見てる〜?460系初出演ですよ〜」
こちらのテンション低そうな声で棒読みする方は錆びた荒野の442さん、空気読まない機能つきだそうです。
「…で、なんの ようだ?第13回変態談義でもするのか?」
12回ぶんはどこでなされたのかわかりませんが、とりあえず違います。
時間がありませんので、わたくしは情報伝達系補助テクニック「かくかくしかじか」を用いて1秒で全て説明しました。
というわけで、みなさんに集まっていただいたのですよ。やはり2作目は3人パーティでなくては。
「おれは いやだぜ。竜退治はもう飽きた」
「ちょ、442さんちゃんと聞いてたんですか!?誰もディラガン行くなんて言ってませんよ!」
「…しゃらっぷ、未実装のメガネスク水変態丸出しパシリに発言権はない。プレステせだいは だまってな!」
「そんな ひどい…私だってこんなかっこ好きでやってるわけじゃ…」
まあまあ、ご主人の趣味をとやかく言うのはよしましょう。442さんはどう考えているのです?
「…このエロ巫女を加えて4人パーティだ。というわけで働け。アー ユー オーケー?あとエロ巫女のあだ名は今からポチで決定」
「は、はあ…ポチ?」
なるほど盲点でした。心強い限りです、やはり持つべきものは心の友ですね。
437タクシーがきたりて笛を吹く(中編)2:2007/07/14(土) 13:32:53.42 ID:rAZgZijd
「…まともにやりあって勝てそうにないときは乗り物に限る。戦車さえあれば、おれたちだって」
という442さんの意見で、わたくしたちは同盟軍ニューデイズ駐屯部隊のキャンプにおじゃましました。見せてもらいましょうか、同盟軍の戦車の性能とやらを。
「いい戦車ですね〜、ストライカーっていうんですか〜。どれを盗みましょうか〜?」
人聞きの悪いことを言わないでください、無断無期限無利子無担保でちょっと借りるだけなんですから。これなら倫理的におkでしょう?
と、ハッチの開いているストライカーを見つけて乗り込んでいるところで残念ながら一人のキャストに見つかってしまいました。
胸にOBとか書いた名札がぶら下がっていますが、戦車の整備をしていたもようです。
「ぶるぁぁぁぁぁ!何をしているお嬢ちゃんたち!そんなところにいると危ないから降りてこぉぉぉい!」
「やばっ、見つかっちゃいましたよ〜!早くかっぱらいましょう!」
ですから人聞きの悪いことを言わないでくだ…
「…ここからいなくなれーっ」
グワラゴラガキィーン。
「くばらっ!?」
442さんがストライカーを急発進させました。先に乗っていた巫女さんが加速Gで失神するほどの速度でぶつかられ、キャストの方はあわれバラバラに…
ストライカーも大破してしまいましたが、どこをどうぶつけたら戦車も壊れるのか不思議です。
「…へっ どうだ。これが パシリだぜ」
おおばかやろうですか貴方は。
「あ〜あ、壊しちゃいましたね〜。これはさすがにちょっとかわいそうですし、修理してあげましょうよ。私そういうの得意なんですよ〜パーツを拾ってくださいな」
そうですね、戦車はどのみち修理したいところですし。手分けして散らかったパーツを集めましょうか…
「案外いいパーツ使ってますね〜。元気が出る味です」
「…なんか、微妙な味」
ちょっと、こっそりつまみ食いしてませんかみなさん?あっ 美味しい。

30分後。
「こんなんできちゃいました〜」
464さんを手伝ってキャストの方とストライカーを修理していたはずだったのですが、一台の車ができあがっていました。
まったく無駄のないパーツ構成をした小回りの利くサイズに、先ほどのキャストの方の顔を取り入れたデザイン。扉に燦然と輝く『個人マガシー』の文字。なかなかのスピードとパワーっぽいですね。
「ぶるんぶるんぶるん、ぶるぁぁぁぁ」
「…駆動エンジン起動、いつでも発進できるぜ」
「我ながら傑作ですね〜エンジン音もおっさん声にしか聞こえませんし〜」
「…いい仕事してやがる」
合成成功ということにしておきましょう。キャストの方許してください、正義に犠牲はつきものなのです。コンゴトモヨロシク。
「…ステルスバリアと波動砲、どっちを有効にしとく?」
もう、どっちでもいいです。
438タクシーがきたりて笛を吹く(中編)3:2007/07/14(土) 13:34:26.71 ID:rAZgZijd
「なあ、教団警衛士1」
「なんだ、教団警衛士2」
「考えてみればおみくじ巫女を捕まえなくても巫女様を巨乳にしちまえばいいんじゃね?」
「おまえ頭いいな!奇才あらわる」
「おk把握した、さっそく上に報告して…」
「悪いがそうはいかん、幻視の巫女には死んでもらわなければならんのだ」
いつの間に近付いたのか、二人の背後に年老いた姿のニューマンが一人。気配もなく、音も立てずに近付いたのでは気づきようもなかっただろう。
「な、何をするだァーっ!ウボァー」

………

「滅びの運命には逆らえんのだ諦めろぉぅうおおおぉぉぉぉぉ」
「…くどいな、この音」
昇空殿の外壁をぶち抜いて、わたくしたちは内部に進入しました。さすが個人マガシー、体当たりでもなんともないですね。
「強行突破ですね〜このまま制圧しちゃいましょうか〜」
「ああぁ…昇空殿が…」
「…笑えよ、ポチ」
「あははは、あはあはあは…」
巫女さんはもう笑うしかない様子です。もとはといえば悪いのは全部巨乳派ですからね、許すまじ邪教集団。
なのであとでわたくしたちに修理代は請求しないでくださいね。さあそんなことは忘れて急ぎましょう。

「あーあーあー、テステステス、あーあー…はい、よくきてくれた諸君!これよりクユウ・ミクナの処刑を行う!」
小指をたてながらマイクを握りしめ、太り気味の女警衛士が叫んだ。
「この女はミレイ・ミクナの名を騙り、我々を欺いてきた!ていうかまな板なのが何より許せん!むしろ私のほうがちちでかいぞ!」
「ちょ、まな板とはなんだ!だいたいそれは好みであってただのエゴ…んぶぅ!?」
強引に口の中に特注極太ハンドめいどケーキを押し込まれ、クユウ・ミクナ…すなわちカレンは黙らされた。むしろあまりの特注っぷりに気絶寸前だ。
「やめろ、やめてくれ!わしはどうなってもいい、娘は、巫女だけは助けてくれ!」
「黙れ罪人!巫女様はなあ、巫女様はなあ…そりゃたしかにもっとちちでかいほうがよかったが、胸のことなんかどうでもよくなる神秘の人だったんだよ!
それをゆがんだしつけの行き過ぎで殺すなんて、こいつはメチャ許せんよなぁ!」
幽閉されていたドウギも連れ出されていたようだ。ミレイを失った今、カレンがいなくなることを何よりも恐れ、必死に懇願している。
だが、ミレイを自らの手で殺めた彼のこと、この場の誰もがそれが親の愛などではないと思っていた。当のカレンですらそう感じないくらいなのだから。
「巫女様は優れたニューマンの象徴でなくちゃいけないんだよ、欲まみれの親に汚された操り人形じゃだめなんだよ!
ドウギ・ミクナ、元凶のお前もすぐに後を追わせてやる。娘が陵辱されるさまを見て、絶望しながら死んでいけ!さあみなさんごいっしょにー」
「おっぱい!おっぱい!」「おっぱい!おっぱい!」
縛られて無力な父をのぞいて周囲には味方はいない。不満の大合唱だ。
ああ、もう駄目なんだ。わたしはここで辱めを受けて殺されるんだ。
でもしょうがないよな、これで巫女なんてできもしないことの責任からは解放されるし、こいつらの言う通りわたしは偽物なんだから…ごめん、イーサン…
439タクシーがきたりて笛を吹く(中編)4:2007/07/14(土) 13:34:58.84 ID:rAZgZijd
待てぇい!
「誰だ?」「ざわ…」「ざわ…」
何一つとして確実でない世を生きるためには過ちを恐れぬ意志が必要となるだろう。だが、道が過ちと知ったときに欲のまま進むことはあってはならぬ。
本能をも超越する高潔なる覚悟、人それを改心という!
「な、何者だ…ってパシリか、なんだ」
あなたがたに名乗る名前はない!…って言おうとしましたのに台無しじゃないですか。お約束のわからない人たちですね。
「ふん、パシリごときが何を…先生お願いします!」
「ふははははは、きっと戻ってくるだろうと思っていたぞ。ブーメランブーメラン」
結局他人任せですかとつっこみたいところで、シノワ・ヒドキが今度はノリノリで昇空殿内の流水から出現しました。小物だけあってちょっと力を手にするとこうなるわけですね。やれやれです。
乗り込む前に倒してしまうということもあれから考えていたのですが、最初からパイルダーオンしているのでは普通に倒すしかないようです。
こちらはわたくしと個人マガシー搭乗の442さん、そして464さんと巫女さんという編成。戦えない巫女さんをのぞいて1対3ですし散りましょう。
今回の要はシノワの弱点である闇属性攻撃のために来ていただいた464さんのテクニックです。マシナリーですから法撃には弱いでしょうし、わたくしが囮になって闇テクニックを当てれば…
「…おんみょうだんを くらえ」
「うおっマガシっ」
ドゴォォォ----ン
「ローラァァァァーーーー!!」
………………
って、あれ?瞬殺ですか?あっさりしすぎてませんか?こんな簡単にビッグボンバーズしちゃっていいんですか?
「…レッドショルダーなめんな」
たしかにわたくしの服の両肩は赤いですね、うん。
440タクシーがきたりて笛を吹く(中編)5:2007/07/14(土) 13:36:08.82 ID:rAZgZijd
「悪戯がすぎるぞ、マシナリーの分際で」
奥からなんかいかにも悪そうなニューマンのおじいさんが不機嫌そうな表情で現れました。
しわだらけの顔に白髪、どこかに山吹色の菓子を献上していそうな目つきです。きっと名前はワルサーとかそんなのに決まってます。
「なんで俺の名前を知っているんだ…っていうかおじいさんと言うな!俺はまだ30歳だ!」
30歳?さば読むのもほどほどにしておいたほうがいいですよご老体。名前を言い当てられてうろたえているのはわかりますが、必死すぎです。
「まあいい、この場でお前たちも全員死ぬことになる。反ドウギ派も十分利用したからな、潮時だ。巫女や教団もろとも昇空殿は破壊する」
あなた教団の人ではありませんね?そんなことはさせません!
武装した兵士たちが奥から入ってきました。格好からするとイルミナス兵でしょう。
「ひゃああ〜たすけてぇ〜」
さらに後ろで悲鳴が聞こえました。464さんの声です。
「なんかいますぅ〜!つかまっちゃってますぅ〜!」
なんですかこれ。半透明で、実体がない人影…ゴーストとでも言えばいいのでしょうか。
「す、スク水ぅ」
……………
「こうして見てみるとスク水もなかなかいいんじゃね?」
「教団警衛士3、おまえもそう思う?」
「ナカーマ」
はいはい、もういいですから。
そのうえ、それでなくても敵ばかりになったというのに上空から風を切って二本首の白竜、アルテラツゴウグが現れました。わーお、ジャンプ大ピンチ。
とりあえずCM入れていいですか。5分間で考えます…


-続く-
441名無しオンライン:2007/07/14(土) 13:41:15.40 ID:rAZgZijd
今回GH460系を出していますが、知らない人のために画像をドゾー
http://www.mithra.to/~psu/uploader/src/psu5053.jpg
442名無しオンライン:2007/07/14(土) 14:58:01.62 ID:FwDGRsUn
>>432
しょたか知らないけど覚えててくれてありがとう。
タロウまだ需要ある?
443名無しオンライン:2007/07/14(土) 19:09:55.99 ID:TwhhbO95
ずっとタロウは可愛い女の子だと思ってるよ。
もちろんタロウに会いたいよタロウ。
444名無しオンライン:2007/07/14(土) 19:29:40.63 ID:VIs8gGdn
  _   ∩
( ゚∀゚)彡
 ⊂彡
445我輩はPMである。=5だっけ?=:2007/07/16(月) 16:16:03.99 ID:HuHRaH5I
では、久しぶりに書いてみました超短編。ニヤニヤしてくださいな。
=======

我輩はPMである。名前はタロウ。

稼ぎが良くなったこのやろうに対し、我輩は複雑な心境でいた。
まったく立派になりやがって、しごいてやった甲斐があるというものだ。
人形が買えなくて、素材探しに付き合わされたあの日々が懐かしい。
今では店にまで人形を並べる始末。迷惑千万だなこのやろう。

得物の受け取りを拒否してやると、その顔に大きな疑問符が見て取れた。
お前のカバンも満タンだろうが、こっちの倉庫も満杯だこのやろう。
実はPMの倉庫管理能力は三百個までと決まっているのだ。
そんな顔するなよ。これだけは譲れない。シールドガムくれたって駄目。
冷静さを取繕うこのやろうの姿が、我輩を大いに喜ばせた。ざまをみろ。

改めて在庫を見ると、基板の数がものすごいようだ。
一枚一枠と決めた馬鹿が恨めしい。基板/アグタライドx99で良いだろうに。
衣装も増えたものだ。もう使わないお古の装備を売ってみたらどうだ。
管理が面倒なのはわかっている。我輩が面倒なのだこのやろう。
武器を適当に倉庫に押し込んだら、どの属性が何個あるのか判らなくなった。
古いものから消えていく仕様だったら良かったのにな。

高級基板を見てニヤつくこのやろうに、最近のレア素材高騰を耳打ちしてやり、
部屋を再び独占することに成功。ご主人が元気で留守なのは良いことだ。
支援要請はあるかもしれないが、システム改正でデスペナが無くなり絶好調である。
あのやろうのLvUpのおかげで、本社からの支給品もランクが上がってるしな。

我輩はPMである。名前はタロウ。
一足早くて悪いが、S武器げっとだぜ。
446名無しオンライン:2007/07/16(月) 18:25:36.62 ID:VYr7c6PW
GJ
このシリーズ大好きだ

本当の所は分からないが、もう俺の脳内タロウは440にしか見えない
447名無しオンライン:2007/07/17(火) 21:26:40.89 ID:Oe4SmUAu
GJ!
御主人が立派になって複雑な心境のタロちゃんかわいいよ。
448名無しオンライン:2007/07/18(水) 08:16:32.88 ID:3LAbb8Z6
タロウの台詞まわしが大好き。ずっとそのままの貴方でいてください。
449名無しオンライン:2007/07/18(水) 10:28:59.82 ID:FN0JJYvt
 ドキドキ…
[*`・ω・]     t-t
 | ロ∞ロ    (゚-゚;)?

 ↑明日のメンテに備えてリボンを用意


ひっさしぶりにここを覗いたが、おまいら元気にPSUやってますか!?
450名無しオンライン:2007/07/18(水) 21:02:52.84 ID:MdZf4Ddl
>>449
もしかして、箱の人ですか?
おかえり〜

ファミ通CUPで物価上がりまくりではあるが、
他は相変わらずと言った感じかな?

システム改正でNPCのデスペナ無くなってるから、
気兼ねなくパシリ連れまわせてまったり過ごさせてもらってます。




451青キャス子の日常「ぷよぷよ編」:2007/07/19(木) 01:41:59.69 ID:HpT7xzCZ
プシュー
青キャス子「ヤァ、ただいま」
411「お帰りなさー…何ですかそれΣ(゜д゜|||)」
青キャス子「ぷよメントオーラとか言う物らしい、やつれた顔のヒューマンから」
     「もういらないからアゲルよ…と言って私にくれたんだ」
411「へぇー!ぷにぷにしてますねぇ」
441「……!(つんつん」
青キャス子「そいじゃ起きてても腹減るだけだから、もう寝るゼ」
411「あっ もう、シールドラインぐらい外したらどうです…もう寝てる(つ´∀`)」
441「おやすみなさい…Zzz」
411「ちょ、私をおいて先に寝ないでくださいぃぃいいい!
〜〜朝になりました〜〜
青キャス子「あー…よく寝、ぐおっ!」
 起き上がろうとして天井に勢いよく頭をぶつける
青キャス子「アイタタタ、何で天井が目の前にあるんだ…ってなんじゃこりゃああああああ!」
 あたり一面、マイルームの90%がぷよで埋め尽くされていた
青キャス子「イ、イカン とりあえずユニットを外さないと」
 デロデローン、呪われていて装備を外すことができない!
411「ふあ〜、よく寝ました!おはようござ…何ですかこれ!?」
青キャス子「うおおおおおお、はずれん!411、411はどこだ!?」
411「こ、ここです〜 ベッドの近…ぐえっ」 青キャス子「えっ?」 ムギュ
   「ご、ご主人様 踏ん…ぐぶっ」         「どこだ!」 ムギョ
青キャス子「くそっ!441、441はどこだ?」
441「ここです」 青キャス子「どこだよ」
   「ここです」      「だからどこだよ!w」
   「ここです」      「場所を言え場所を!」
   「青キャス子のマイルームです」 「知ってるよ!Σ(゜д゜|||)」
 そうこうしてる間にぷよぷよの量はマイルームの95%に達していた
青キャス子「あぁ、マズイ とにかく同じ色のぷよを4つ集めて消していくんだ!」
441「了解しました」
 消す量より増える量の方が多く、ついにはマイルームの99%が埋め尽くされてしまう
411「ご、ご主人様…ぐるじいぃいいい」
青キャス子「こうなったら最後の手段だ…411、全部食ってくれ!」
411「えっ!?これ全部Σ(゜д゜|||)ムリに決まってますよ!」
青キャス子「無理やりにでもぶちこむ!441手伝ってくれ」
441「了解しました!」
411「ちょ、待っ、アッー!、そんなもう…入らな、あがっ、ムェッ、らめぇえええええ!」
 数分後、身体がぱんぱんに3倍近く膨れている411ができあがった
青キャス子「ふぅ、何とか助かったな… ム、411の腹の中から何か声が聞こえる?」
 バヨエーン、バヨエーン、バヨエーン、バヨエーン、バヨエーン
441「マスター、天井に王冠の形のぷよが多数出現しています」
青キャス子「こ、これは…マサカ!? 411の口を押さえるんだぁああああ!」
 ズリュリ、411の口元を押さえ込もうとした瞬間 無色透明のぷよが口から顔を出した
411「も、もうダメ… でる、でちゃううううううう! オロロロロロロロ」
 ポポポポポポポポポ! 火山が噴火したかのような勢いでぷよが吐き出されていく
 あっという間にマイルームを埋め尽くしてしまった
青キャス子「グムムムム…う、動けない」
 ミシッ、ミシミシミシ… ピシィッ! マイルームの壁に亀裂がはいっていく
441「マスター、これ以上ぷよが増えるとマイルームが破裂します」
青キャス子「その前に我々が圧迫死する…アッー!」
 バキィッ! ドドドドドドドドドド! ついに壁が裂け、そこから大量のぷよが流れ出ていった
 青キャス子達は何とか一命をとりとめた、だが411は食道と胃が破裂するという重症で
 長期メンテナンスする事になった、皆も寝る前にはちゃんと着替えるようにナ、絶対だぞ…
 今回のマイルーム修理代およびパートナーマシナリー修理代、合計300万メセタ(;´д⊂)
452名無しオンライン:2007/07/19(木) 01:54:52.06 ID:HpT7xzCZ
ぷよメントオーラを眺めていたら唐突に思いついた話を投下してみた
私は持ってないんだけどね、きぐるみもとってないなぁ…
しかし、毎回バッドエンド一直線で借金が増える一方だΣ(´∀`;)ドウシヨウ
>>437
エンジン吹いたwたしかにいい仕事してやがる
>>449
おお、新しいデバイスが来るのか パシリ達にとっては大きな転機になるのか…楽しみですな
もう元気は無いですな…wほそぼそとPSUやっております(何
453名無しオンライン:2007/07/19(木) 19:45:18.44 ID:HsBRDjqc
>>450
ただいまーw
モノを書く気力が出ませんがPSUは細々続けてます

んで、早速デバイス買ってきました


   [*´・ω・] キュッ
   | ロ┌x┐
   |  .レ(//-/)
        ( oo)


ものごっつかわいいです[*`・ω・] =3
ずっと450状態だったけど、454に浮気しそうw
454名無しオンライン:2007/07/20(金) 13:48:50.38 ID:7ETZFVNr
ここ二日の各パシリスレの賑わいは異常
なんか嬉しいネ
455名無しオンライン:2007/07/20(金) 18:04:15.66 ID:jY5ojR2P
遅れたが、タロウへの声援ありがとう。  密かに愛されてたのか。
さて、うちのPMにもデバイス用意してやらなくちゃなっと。
456名無しオンライン:2007/07/20(金) 18:07:04.00 ID:vYV08cpq
ついにデバイスEROを投入ですね
457名無しオンライン:2007/07/20(金) 21:41:19.66 ID:HXdJRBbR
>>452
後半でヌイタ
458名無しオンライン :2007/07/21(土) 01:42:32.75 ID:PKfv7ZWF
【PSU】新ジャンル 「パシリ」十二体目
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1184949669/l50
470k超えてたんで立ててみた。
459名無しオンライン:2007/07/23(月) 03:42:47.60 ID:a5NbLs57
ここはちょくちょく見に来てたがここ数日で一気に進んでるなぁ、げに恐ろしきはパシリの主人達の愛と言う事か・・・

長編まだ途中で投げ出してる俺だがこのスレはいつ見ても良いものだ・・・w

420「あ゛〜〜〜〜〜ぁ〜〜〜」
ビス男「何やってるんだ420、いや答えなくてもいいが・・・」
420「マスターもやる?う〜〜〜われわれは、うちゅうじんだ〜〜ぶる゛ぁ゛〜〜〜もぎもぎ」
ビス男「ってこらまたアイス食ってるのか、もう三本目だぞ、腹壊すぞ」
420「大丈夫だってば、はいっ、おねーちゃんも一緒に食べよ」
420姉「ん〜ブリザードアイスはやっぱこの時期に限るねぇ」
ビス男「誰だ、ってか何処からわいた・・・!」
420姉「まーまー硬い事言わない、もぎもぎ・・・ん〜暑い時にはきくねぇ!」
ビス男「なんだこの『キャラが気に入ってるから一緒に出したかった』みたいな面子は」

 気にするな


えーそういう訳で最近暑いけれど体調管理には十分注意しましょう、暑中お見舞い申し上げます

三人「「「申し上げます」」」

正直今は全然書ける気がしないけどまた書けるようになったらその時は宜しくお願いします
460名無しオンライン:2007/07/23(月) 20:44:07.95 ID:ejNcqu71
>>451
 盛大に吹いたw
 ヤッパリ、青キャス子のネタ・パワーは無敵です。
 そして、何故か>>451をネタに書きたくなってしまったので一本作ってしまった。
 お気にさわるかもしれないので、先に謝っておきます。
 青キャス子氏、便乗して申し訳ありません。

 では久々に投下〜
461パパと412番外編:謎のテクニック:2007/07/23(月) 20:45:48.72 ID:ejNcqu71
ロザリオ:「パパ、ぷよめんとオーラでコロニーに被害、負傷者が出たってニュースやってる」
パパ  :「なんだ、そりゃ?」
ロザリオ:「ええっと、『睡眠中に同ユニットを外さず、起動状態のまま放置した所、ぷよが異常発生。
     着用者が同色4個を連結して、いわゆる消去を試みたが、とうめいぷよの大量発生が起こり、
     マイルームに充満、内壁を破壊した。
      同部屋の住人一名が負傷、同居しているPM2体のうち1体が負傷、もう一体が謎の重傷。
     住人の証言によれば、PMの食欲を利用して消去を試みたが、体内で連鎖が起こってしまい
     大量のとうめいぷよが室内にあふれて手の施しようが無くなったとの事。
      総務部の発表によれば、コロニーに対する推定被害額は180万メセタ。
      保安部は、居住区でのぷよめんと着用を禁止する方針を出した』だって」
パパ  :「ぷよを消去って、そこの住人は『オワニモ』使えるのか」
ロザリオ:「『オワニモ』ってなんですか?」
パパ  :「そうだな…アセナリンを4つ出して、そこに並べて置いてみな」
ロザリオ:「はい、どうぞ」
パパ  :『オワニモ』!

     ポン! ぽこっ(ぽよんっ)

ロザリオ:「わっ、消えた!……で、何ですか?このぷにぷにした透明な物体」ツンツン
パパ  :「同じ色の同種類のものなら、4つ合わせると消す事が出来るテクニックが『オワニモ』だ。
      問題があるとすれば、消した後にとうめいぷよと呼ばれるそのぷにぷにした奴が発生する事だな」
ロザリオ:「便利なんだか、不便なんだか分かりませんね、それ。
      そういえば、パパって自分じゃテックニック使えないアレルギーがあったんじゃ?」
パパ  :「そうなんだが、これは何故か平気だし、習得枠にも引っかからない妙なテクニックなんだ」
ロザリオ:「そんな妙なテクニック、何処で覚えてきたんですか?」
パパ  :「それがどうにも、かなり過去の事で思い出せないんだよな。
      ショートカットの髪の、白い上着と青いズボンを穿いた少女に習ったのは覚えているんだが、
     場所がどうにもなぁ…」
ロザリオ:「そんな怪しいテクニック、さっさと忘れてください。
      何が消えるか、分かったものじゃありませんから」

     キュポン!
     つ『オワニモ』

ロザリオ:「これでよし!」
パパ  :「お前も妙な技を…誰に教わった?」
ロザリオ:「通りすがりのパシリさんが似たような事をやってましたので、見よう見まねで」
パパ  :「お前も論外なやつだな。んで、それをどうする?」
ロザリオ:「もちろん、ダストシュートへ、ポイ♪」

     がらん、がろん、「ぐぅ〜〜〜〜っ」

パパ  :「なんか聞こえなかったか?」
ロザリオ:「気のせいですよ。さて、今日の夜食はカレーですよ」

 数日後、廃棄処分場がある種の法則で綺麗になり、代わりに透明な物体であふれかえったという、まこと
しやかな噂が広がったが、あくまでそれは噂である。
462名無しオンライン:2007/07/23(月) 20:49:11.27 ID:ejNcqu71
投下完了。
…我ながら、妙なものを書いた気が…
463名無しオンライン:2007/07/24(火) 00:41:39.41 ID:UH4NN2+9
今日、ごっつい[゚Д゚]の相方として、GH-450が産まれました。
どう見てもこのスレの影響です。本当にありがとうございました。
464名無しオンライン:2007/07/26(木) 03:37:15.34 ID:ywjkH1Hb
やっとレポートオワタ
これで心置きなくパシリとの妄想に勤しめるゼ('A`*)
465名無しオンライン:2007/07/26(木) 11:38:03.60 ID:SYqnUgCE
ちょ…新スレの方が落ちた!?
466名無しオンライン:2007/07/26(木) 14:54:45.33 ID:2TaHRayt
新スレ、落ちた><

22日が最終書き込みになってるけど、落ちるのこんなに早いっけ?
467名無しオンライン:2007/07/26(木) 15:01:44.96 ID:Rzfnk+C8
廉価版発売を控えて人がネ実3に流入、スレ立て頻度が一気にアップ
結果として圧縮が早まったんじゃないかね
468名無しオンライン:2007/07/26(木) 16:47:31.68 ID:FcCbg4Zg
立ててきますた。

【PSU】新ジャンル「パシリ」十三体目
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1185435885/

今度は流れませんように保守ろう。
469名無しオンライン:2007/07/31(火) 15:28:28.88 ID:YSjfPRei
いちおう保守
470名無しオンライン:2007/08/01(水) 23:26:57.71 ID:sp9wE+dk
 . ,.-──--,. ‐、,.─--、
 . i:::::::::::::",.-`ー'‐- 、':::::〉 
  !_,/      ヽ ヽハ
./:::/  "   .    、 ヽ
/::/   レ  /  λ. j .ヽ`、    このメガネをかけると
/:::/  l /レ'‐-|/ .j -+.レハ.'    『スーパーヒロインGH443』
レ/〈Θ〉 | ○   ○|ヘj         になれるんですよ♪
 |/レ/:| | //   //l/l`
   |/、/.l .ト、..  lフ ,,イ./、
  /ヽ:l l \.` ー.イヽーlハ
/    |゙ヽ  ̄::[_]...  ゙l
|;/"⌒ヽ,  \ く\、ヽ


443にしてすぐ441に戻したためこんな設定が発生した。リボンの脳内に。

そんな埋め。>>468
471名無しオンライン:2007/08/05(日) 07:05:06.26 ID:ocFwMqZt
まだ容量残ってるし勿体無いので保守
472誰も裁いてはならぬ:後日談(1):2007/08/08(水) 23:40:12.94 ID:dxgysFcS
 ガッシュガッシュ、ガッシュガッシュ…………

「はぁ…………疲れましたよ〜、ご主人様ぁ〜」
 古風にも、デッキブラシとモップで通路を延々と掃除している私とパパ。
 掃除を始めてから、かれこれ5時間は経過していると思いますが…
「すまんな。あと少しだ、ほら」
 あ、ほんとだ。
 残りは赤黒い靴跡一つを残すのみとなりました。
「乾いた血糊を落とすのが、こんなに大変だったなんて…………」
 でも、最後の一つだと思えば力も入ります。
 もくもくと洗剤とブラシで靴跡を擦り落とし、モップをかけ、改めて薬品を使って拭きなおして、掃除は完了しました。
「終わったよぅ〜」
「お疲れさん」
 しかし、血まみれの何かを引きずった約30mほどの跡(靴跡付き)は、スプラッタな光景でした。
 よくもまあ、すぐさま保安部に通報が行かなかったものです。
 パパもパパで、生き返るとすぐに血まみれDFオブジェを引きずっていくのですから、錯乱はしていたのかも知れません。
「マイルームはリフォームチケットで何とかするとして………あの裁判記録は、開示される前に何とかしないとなぁ」
「やっぱり、ご主人様の事をいろいろと嗅ぎまわる人が出ますか?」
「それをごまかすのは特に問題は無いんだが…」
 すれ違っていくガーディアンズの数人に一人は、こちらを見てはクスクス笑って通り過ぎていきます。
「遅かったかな、こりゃ………」
 一体何のことでしょうか?
 答えは、その日の夕刻に分かりました。

 ビジフォンのニュース番組を付けっぱなしにして、パパと二人で夕食の食卓を囲んでいたのですが…

ニュースキャスター女(以下N女):『…というわけで、前代未聞のPMによる主人殺害事件は、おざなりな捜査や証拠物件の提示不足、更に殺害されたとされる隊員が生存していたという事で無罪とされたわけですが』
ニュースキャスター男(以下N男):『それよりも注目したいのは、PMに自らを「パパ」と呼ばせるという、コミュニケーションに隊員独自の習慣があったと言うことですね』
N女:『ぶっちゃけ恥ずかしい趣味ですね』
N男:『ですねぇ』
473誰も裁いてはならぬ:後日談(2):2007/08/08(水) 23:40:45.50 ID:dxgysFcS
(ニュースキャスターが喋っている間、公開映像として以下の光景が流されています。
 法廷の入り口に立つパパ。
 何かを叫びながら、パパに勢いよく抱きつく私。
 私の一言でちょっと狼狽気味のパパ。
 パパの脚に抱きつき、涙と鼻水でひどい顔の私のアップに切り替わる。
 再びカメラが切り替わって、呆れながらも私の頭を撫でているパパと、抱きついたまま撫でられれている私の姿。)

 ぶはっ!!!!ゲホゲホゲホ…

 流されている映像に、思わず吹いてしまいました。
 は、は、は、恥ずかしぃなぁ、もう。
 って、あやや、やっちゃいました。しかも吹いたのがトマトスープのスパイシア仕立て。
「…食卓が大惨事だな…」と、パパ。
 私の吹いたスープで、テーブルとパパの服が赤く染まってしまいました。
「またハトーリ・ハン・ゾークとかいう奴が来たら面倒だから、早い所片付けようか」
「面倒とは失敬でござるな」
「きゃっ、何時の間に!」
 何時の間に来たのか、空いている席にちゃっかり座ってスープを飲み干すニンジャーな人。
「食事の最初からずっとここにいたでござるが…このスープ、なかなかの美味でござる。お代わりを所望して良いでござるか?」

 シュン、ジャキッ!

「何を平然と、他人の部屋で晩飯食ってやがるんだ、お前は」
 パパがそっけない口調で言いつつ、エビルツインズを素早く取り出してニンジャーな人に突きつけています。
 鈍い一般の人でも分かるくらいの殺気を放っているパパ。ぶち切れてます、完璧に。
「いやいや、夕食の匂いにつられて出てきてしまったのでござるよ」
「そうかい。じゃあ、そのSS全部置いてさっさと失せろ」
「何のことで…ああ、やめて!後生だから先祖伝来の頭巾をはぐのだけはかんべんでござる!」
 パパがすっとぼけているニンジャーな人の頭巾に手を突っ込むと、出てくる出てくる、何十、いえ、何百名…ちゃんと数えないと分かりませんが、沢山のガーディアンズ達のSSが出てきました。
 落ちてきたうちの一枚を何気なく手にとって見てみ…………
474誰も裁いてはならぬ:後日談(3):2007/08/08(水) 23:41:17.75 ID:dxgysFcS
「!!!!」
「あ、そ、それは、拙者の秘蔵の一枚…うおっと、しまったぁ」
「こ、こ、こ、この、ドスケベ!!!!!」

 シュン、ズバン!

「ふはははは!甘いでござるよ!」
 むう、抜き打ちのレイピアを軽々と避けられてしまいました。
「ここは潮時のようでござるな」
「逃がしません!!!」
「さらばだ!奥義『微塵がくれの術』!」

 シュン、ドカーン!!

「げほっ、ゴホッ…な、なんですか一体」
 部屋中に煙と硝煙と血の匂いが充満してます…って、部屋の中はまた血まみれですか、もしかして?!
 すぐに換気装置が作動して、煙が晴れました。
「大丈夫か、ロザリオ」
 平然とした様子のパパが、床に片膝ついて何かを見ています。
「ご、ご主人様は平気ですか?」
「俺は大丈夫だ。床はまた大惨事だがな」
「床?」
 言われて初めて『それ』に目が行きました。
 血まみれの人型?一体なんでしょう…………あ、頭巾かぶってる。て、事は…
「これ、ニンジャーな人、ですか?」
「まあ、そういうことになるかな」
 そう言って、血まみれのニンジャーな人からおもむろに何かを取り外すパパ。
「それ、なんですか?」
「ああ、ただのシールドラインだ」
 なんだか状況がよく飲み込めませんが………
475誰も裁いてはならぬ:後日談(4):2007/08/08(水) 23:50:10.20 ID:dxgysFcS
「本気で『微塵がくれ』なんて漫画とかにしか出てこない術をやるとは思わなかったが…あの術、普通は死ぬし。
 念のために、血肉が飛び散らないようにシールドラインをくっつけてやって正解だったな」
 ええと、パパの話によると、漫画とかで時々出る技で、自爆することで自分の血や肉を煙や硝煙と一緒に撒き散らして敵の目を欺きその隙に仲間を逃がすという技だそうです。
 そうなると嫌なので、血や肉が飛び散らないように、パパが隙を衝いてニンジャーな人にシールドラインを装備させたそうです。
「ほら、シールドラインを装備すると、爆発物で死んでもバラバラにならないだろ?」
 まあ、確かにそうですが、何か納得いきません。
「運が良いのか悪いのか、こいつもまだ生きてるし、保安部に突き出すか。覗きと盗撮の常習犯のようだしな」
「そうですね…」
 保安部を緊急通報コードで呼び出し、ニンジャーな人を引き渡しました。
 パパがニンジャーな人から取り上げたSSも証拠物件として引き渡したですが、その内の実に9割が女性隊員やパシリの入浴中の盗撮でした。
 偶然私の見た奴は、パパにも内緒でもみ消しました………自分の入浴シーンを他人に見せたくはないですから。

 翌日の夕食時。昨日と同じようにニュースを流しっぱなしにして食事をしていると、

N女:『…あの恥ずかしい趣味の隊員がパシリと共に覗きと盗撮の常習者を捕まえる。以上のニュースをお送りしました』

 むせ返るパパと私。

N男:『昨日に引き続き今日も登場ですか』
N女:『パシリ裁判の証人であったこの犯人ですが、大量のエロSSを持っていたそうですね』
N男:『うらやましいかぎりですねぇ』
N女:『うらやましがるなよ、変態』

 はぁ〜〜、と深い溜息をつくパパ。
「嫌な呼び名が定着しちまったじゃねぇかよ、まったく」
 ああ、なるほど、これを警戒してたのか。
 その効果のほどが分かったのは翌日からでした。
 その後数日間、パパは知り合いに、私は店に来た客にからかわれ続けたのでした。
 ああうっとうしい。
 ―――おしまい――― 
476名無しオンライン:2007/08/08(水) 23:52:32.53 ID:dxgysFcS
保守を兼ねて投下完了。

なかなか使い切らんもんだねぇ。
477名無しオンライン:2007/08/09(木) 21:55:44.96 ID:M3hAG7EO
今しがた、ストミ第10章をやってきたのだが…

今書いてる長編のネタが、妙な具合にストミとマッチングしてるんだな、これが。

おっかしいなぁ、書き出したの1週間前なのに…
478名無しオンライン:2007/08/10(金) 12:20:51.95 ID:zvI8s/Ya
保守&埋めにショートショートだけどひっさしぶりに投下してみる

〜それは、あるメンテ明けの日のことだった〜


[`・ω・]「450!450!久しぶりに奥義バレットが増えたから、早速交換してきたよ!」
┌x┐
レ(゚-゚)「…454なんですけど…まあいいです。日頃からPAF貯めておいてよかったですね。で、何を?」

[`・ω・]「うん、折角シッガ・デスタ成功したし、散弾銃のをね」
┌x┐
レ(゚-゚)「そうですか。(そういえば命中回避低下バレットがあったような…)」

[`・ω・]「んじゃあ、イドラル探しのついでに試し撃ちしてこようかな」
┌x┐
レ(゚-゚)「はい。参りましょう」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜ニューデイズ・狂信者の社〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

[`・ω・](うっわー、なんか命中ひっくいなあ… でも、状態異常Lv4なのは凄いかも)

バシュン カシャコ バシュン カシャコ ……

オズナさんA(・・・)
オズナさんB(・・・)
オズナさんC(・・・)

[´・ω・]「うーん、イドラルでないなあ…」
┌x┐
レ(;゚-゚)「あ、あの、ご主人様?ご主人様…」(つんつん)

[´・ω・]「ん?なに?  !?」

オズナさんA「うふふふふふふふ」
オズナさんB「ぬふふふふふふふ」
オズナさんC「・・・・・・(赤面」

[;・ω・]「!?」
┌x┐
レ(;゚-゚)「あ、あのぅ…な、なんだか凄くあやしい雰囲気なんですけど…」

オズナさんA「きゃーーーー、かわいーーーー!!」
オズナさんB「この箱箱してるのがたまんな〜〜〜い!!」
オズナさんC「・・・・(ぎゅむ)」

[´;ω;]「ぎゃあああああああああああ!! な、なななななななんですかーーー!!」
┌x┐
レ(;゚-゚)「な、なんですか貴女達!!なんですかそのハートマークは!!」

オズナさんA「うっさいわねー、パシリは引っ込んでなさい!」(バコキ)
┌x┐
レ(x-x)「きゃ〜〜〜〜〜〜〜!!」
479名無しオンライン:2007/08/10(金) 12:21:14.23 ID:zvI8s/Ya
オズナさんB「さー、さー、こっちでおねーさん達といいことしましょーねー」

[´;ω;]「ひいいいいい! 新手の宗教勧誘か何かですかーーーーー!!」

オズナさんA「やぁねえ、勧誘は今やってないの」
オズナさんB「強いて言うなら… 愛の園へのユ・ウ・ワ・ク?」
オズナさんC「こくこく」

[´;ω;]「ちょ、ちょ!! なんで突然!! ぼ、僕は別に何も!!」

オズナさんA「んもー、先にアタシ達をチョーハツしたのはそっちでしょお〜」
オズナさんB「んふふふふふ、罪な箱さん♪」
オズナさんC「こくこく」

[´;ω;]「た、たしゅけ…」
┌x┐
レ(#゚-゚)「はぁ…はぁ… 」

[`;ω;]「450!!(454ですが)  たーすーけー」
┌x┐
レ(#゚-゚)「ウワキモノ…」

[´・ω・]「はい?」
┌x┐
レ(#゚-゚)「ごしゅじんさまの……」(ばしゅーーーぅん)

オズナさんA「げっ!? あ、あれは!!」
オズナさんズ「「「メ、メテオアタッカー―!!」」」
[´・ω・]「え!?え!?

オズナさんA「じゃ、じゃあ、私達このへんでね!」
オズナさんB「また会おうね、箱ちゃん! ほら、いくわよ!!」
オズナさんC「プルプルガクガクブルブル」

[´・ω・]「あ?え?!」
┌x┐
レ(#゚-゚)「浮気者おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
[´;ω;]「ぎゃああああああああああああああああああ!!!」


454になって、やたら凶暴になったような気がするなあ…と思う箱であった…
480名無しオンライン:2007/08/10(金) 12:23:38.06 ID:zvI8s/Ya
と、チャムンガLv30記念で突発的に投下をw
またそのうち書く気力が前のように沸いてくるといいなあ[ ´ω`]
481名無しオンライン:2007/08/10(金) 21:21:58.56 ID:LGY9V3Kv
チャムンガにそんな使い道が!…ちょっとチャムンガとってくる
482名無しオンライン
>>480
オズナAに叩かれた様子を見て「454になって大人しくなったなぁ」と思ったんだが、フェイクだったのかw
チャンムガ30おめ!早いなぁ

>>481
つ[弓の教団警護士]