【PSU】新ジャンル 「パシリ」九体目

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391とある420の話4:2007/03/08(木) 21:40:59.66 ID:sW2IOmeb
貴方の為に生きていたマシーナリーを覚えていてあげてと。忘れるなんて残酷な事しないでと。
だから、俺はまだ覚えている。マルは確かに存在したのだと。
覚えているが故に居なくなってしまった事を感じどうしようもないも無い気持ちになる事もある。
マルは家族だったから。天涯孤独だった俺に出来た初めての家族だったから。
だからそれを失って俺は逃げるようにガーディアンズをやめようとしたのだ。
「あおさま?」
いつの間にか立ち止まっていたらしい。
なんでもないと返事をして俺は歩みを再開した。

貸切という言葉が相応しい。広い温泉に三人だけ。
紅葉舞うクゴ温泉から見える景色は絶景かな。
「はぁ〜ビバノンノ♪」
訳の分からない事を教官殿が言っている。
緑青のビキニに同色のパレオ着用。
なんていうかまるっきり子供にしか見えない訳で。
ヨニの方は教官殿が用意した水着を着ている。
紺色のワンピースタイプで胸元にヨニと名前入りの布が縫い付けられている。
彼女等は背が低いので浅めの場所で座って温泉を堪能していた。
教官殿は上機嫌で、ヨニはどこかぼうっとしているように見える。
「こら〜♪」
そんな事を思っていると教官殿が泳いでやってきた。
「女性二人を放って置いて一人で居るのは何事だ♪」
「そんな事いってもあそこだと肩まで疲れないんですよ」
蛙の様に泳ぎ、座る自分の横で立ち上がる。
丁度胸が目の前に来るが薄い。
「えっと♪」
教官殿の視線が俺に注がれて・・・・僅かに落胆したような溜息を吐く。
あんた今どこを確認したのですか・・・
「ヨニと仲良くなるチャンスなのよ♪」
ヨニは相変わらず浅瀬でボーっとしている。心なしか頬が赤い。
同じ無表情でも多少柔らかい感じを受ける。
「ハンターライセンスはあと半月で切れますけど・・・」
「ずっと引き取ってくれるんじゃないの?♪」
「あのですね・・・・」
自分はライセンスが残っている間だけ預かるつもりだったのだが。
どうやら教官殿はずっとあずかってくれると思っていたらしい。
「いいじゃん♪あんな怪我負うほどがんばってくれたんだし♪」
そうだ、カカジバリとの戦闘。
彼女は自分が破壊される危険を負ってまで俺を助けてくれた。
「教官殿。ヨニは命がけで俺を助けてくれました」
392とある420の話4:2007/03/08(木) 21:41:41.38 ID:sW2IOmeb
「うん♪」
「彼女の主人は死んだと言いましたよね」
はじめてヨニを連れて来たときに確かにそういった。
ローグスに殺されたのだと。ヨニ自身酷い扱いを受けたと。
「彼女は・・・主人の下に行きたがってるんじゃないですか?」
だから俺の元へと来たのだ。
ガーディアンズに戻って初期化されないように、確実に破壊されるために。
破壊される事が目的ならば見知らぬ他人に簡単に命をかけられる。
「私が彼女を連れてきたのはね♪」
だけど、教官殿の答えは違うものだった。
「ヨニ自身が生きたいと望んだからよ。
 必死でローグスから逃げ出してきて死にたくないって懇願されたからよ」
「それは・・・・」
「おかしいかな?
 マシーナリーは主人があってはじめて存在できるものね。
 ほとんどのマシーナリーは主人の死を確認すると自己停止してしまうわ」
「彼女の主人はひどい人間だったのでしょうか?」
「ううん、とても優しい人よ。ヨニの事を本当の娘の様に可愛がっていた」
目を細めて、教官殿は言う。
その表情はとても優しくてとても寂しそうで・・・。
「知り合いだったんですか?」
「うん。でもこの話は別にいいよね。
 何故、主人を失った彼女が生きたいと望んだのか知りたい?」
少しだけ意地悪な表情を浮かべて教官殿は言う。
「初めて出来た家族を失っちゃった誰かさんはとても気になっちゃった?♪」
「俺は・・・・」
「本人にきいてみなさいな♪考えが変わるかもしれないよ♪」
そう言って教官殿はヨニに視線を向ける。
釣られて俺もそちらに視線を向けて・・・
「あら♪」
ヨニが真っ赤に湯だって仰向けに浮いていた。
そんな状態でも無表情で・・・
いや、恐いから。死体にしか見えないから・・・・    続く

張り逃げご免!
393小ビス子と430 彼女たちの一番長い日:2007/03/08(木) 23:04:57.51 ID:+gbLWrVC
可愛くて楽しいパシリがスレを飾る中、血生臭いパシリどもが通りますよ、と…。
http://www.geocities.jp/littlebeast_gh430/
16:39が今回分です。

次の投下で最終回になる予定です。
こんな長い話にお付き合い頂ける住人皆さんに心から感謝しつつ、本日はこれにて。
394名無しオンライン:2007/03/09(金) 00:31:47.16 ID:5mBxeD1y
熱い・・・熱すぎる展開だ・・・心の底からGJと言わせてもらおうっ!!
395名無しオンライン:2007/03/09(金) 04:38:29.30 ID:JyPzntcs
>>392
教官、とぼけてるけど大切なところではしっかり教官してるなぁ…
しかしヨニが気になりすぎる俺。過去も意思も気になるし、勿論この先にもwktk

>>393
ついにクライマックスか…
『シリーズ最終話の位置付け』と言ってた気がするが、まさにそんな感じの熱い展開に…
396名無しオンライン:2007/03/09(金) 11:01:08.88 ID:2Th7yqqw
終わったら小ビス子さんのガーディアンズ入隊のきっかけや430との出会い編もよろしく
人気作家に休息は…無い

いやお願いしますヘコヘコ
スキヤキとかも最高でしたし応援しております
397この子アホの子430:2007/03/09(金) 19:41:44.03 ID:tKhysqgg
389の続きを投下です。

 惑星ニューデイズ 狂信者の杜のそば

 テロ組織「狂信者」のアジトである、荘厳な造りの廃寺院。その周囲は険しい崖に囲まれていて、ガーディアンズも
おいそれとは手が出せない場所だった。
 その入り口から、二人の人間が出てきた。教団の仮面を着用しており顔はわからないが、体つきを見るとどうやら男女のようである。
女「ダグ夫さん……本当に、私でいいの? 顔も見たこともないのに」
ダグ夫「ウホッ。オズ美さん。自分は、オズ美さんがいいのであります」
オズ美「ダグ夫さんっ」
ダグ夫「ウホッ……」
 どちらからともなく、愛の抱擁がおっ始まった。規律で仮面は取れないが、それでも、二人は出会い、愛し合っていた。強く、そして熱く。
 二人が抱き合ったままごそごそとけしからんことをやり始めたとき、ひゅるると頭上へ何かが落ちてきた。
 ゴン、と鈍い音。頭に強い衝撃を受けて、まもなく二人は意識を失った。
オズ美「ダグ夫……さん……」
ダグ夫「ウ、ウホッ……」
 意識を失いながら、それでも二人は手を握り合っていた。

 沼子が目を開けると、まず見えたのは屋根の一部だった。ニューデイズ風の雅な屋根だ。重々しくも派手なデザインに、沼子は
見覚えがあった。
沼子「ここは……『狂信者』の杜ね。転がり落ちているうちに、とんでもない所へ着いたようね」
 起き上がろうと下に手をやると、奇妙な感触がある。見ると、沼子の下敷きになって、教団警衛士ダグバが倒れている。
沼子「死んでいる? ……いえ、どうやら気絶しているようね」
 つぶやき、倒れている教団警衛士ダグバから離れて上を見る。遥か上方に、崖の縁が見えた。
沼子「……あそこから落ちたのかしら……? よく、命があったものね」
 戦慄に身を震わせながら、きょときょとと首を巡らせる。
沼子「!! 430!」
 すぐ側に、教団警衛士オズナに重なるように倒れている430の姿があった。
沼子「430! しっかりして!」
 すかさずスターアトマイザーを使用した。430の固く閉じられたまぶたが、ぴくっと動いた。
430「……あ、ごしゅじんさまぁ」
沼子「おはよう、430。気分はどう? 痛いところはない?」
430「なんだかぐるぐるしますけど、いいおめざめですよー」
 ぐぐっと背伸びをする430。足元にいるオズナに気付いて、慌てて飛びのいた。
430「ア゛ッー! ご、ごめんなさいッ! ごしゅじんさま、お、おしりあいのかたですか?」
沼子「いいえ? 全く知らない人よ。たぶん、人の下に入って眠る趣味でもあるんでしょう。気にしてはダメよ」
 しれっと言い放ち、沼子は430を抱き上げ頬をすりよせる。430はちょっとくすぐったそうにしたが、すぐに沼子に身を委ねた。
沼子「430、あなたは幸運の女神さまかも知れないわね」
430「?? ごしゅじんさま、どーいうことですか?」
 そのままの態勢で、器用に430が首を傾げる。
沼子「上を見て。私たち、あんなに高いところから落ちたというのに、怪我ひとつ負っていないのよ? たぶん、あなたを抱えて丸くなっていた
   のが、受身になったのよ。それから……」
 満足するまで頬ずりして、430を離した沼子は倒れている教団警衛士オズナの服を剥ぎ取った。控えめに言って『とてもふくよかな』インナー一枚の体が、
ぶよんとあらわになった。仮面も取ると、そこに横たわるのはゴルドルバ顔負けの巨体だった。
430「……このひと、どーやってこのふくきてたんでしょーね?」
沼子「そういうふうに出来ているのよ。深いことを考えてはいけないわ」
 沼子もさっと服を脱ぎ、教団警衛士の制服に身を包んだ。サイズは、なぜかぴったりだった。
沼子「私のぶんは、これでいいわね。あとは430のだけれど……さすがにダグバに仕立てるには、無理があるわね……」
 しばし考え、何かを思いついた沼子は430に、
「ちょっと待っていて」
 とだけ言い残し、杜の中へ入っていった。
430「あ、ちょうちょですー」
 横たわる二人と沼子の言葉を放り出し、430は蝶を追いかけ始める。戻ってきた沼子が彼女を見つけて連れ戻すのは、もう少し後のことになる。    つづく
398名無しオンライン:2007/03/09(金) 22:28:49.77 ID:3XGbxoQG
普段小説を読まない僕も読みふける程に面白い!

気の利いた感想思いつかなくてスイマセン
ストレートにこのスレ大好き、と言い残し張り逃げ
 ttp://www.mithra.to/~psu/uploader/src/psu2725.zip p450

恥ずかしいのでぱすかけ…
399名無しオンライン:2007/03/09(金) 23:06:27.56 ID:JyPzntcs
>>398
ちょwwwww
GJw
400名無しオンライン:2007/03/09(金) 23:08:07.01 ID:zaxPjuu5
このスレを見てるだけで幸せな俺が居る
あぁ俺も書かないとダメなのに・・・w

>>388
この捻くれたもタロウの語りが好きだ
なんというかほんとにこういうパシリがいそうで・・・w

>>392
教官って変なようでちゃんと教官な部分もあるんだなぁ・・・w

>>393
430が小ビス子と再開した時どんな反応するのか気になるな
しかしついに終局か・・・どうなるのか楽しみだ

>>397
崖から落ちて下に人が居た、ってのも凄い話だw
ニュマ子が430と一緒に居れるのはものすごい強運の持ち主だから、なのかもしれないな・・・w

>>398
GJ、照れつつ駄洒落を言う450が可愛いよ・・・w
401名無しオンライン :2007/03/10(土) 04:12:53.57 ID:oTLdGgGT
>>388
そうか・・・。モノメとかが出来る理由はそれか・・・・・

>>392
教官さんって、某生徒会長(元)に似てるなぁ(゜゜)
420が今後どのように変わっていくか楽しみだ

>>393
クライマックスか。実に楽しみだけど
見るのが少し怖いな
440も幸せになってほしいものだけど・・・

>>397
沼虎の方も気になるが、このまま狂信者に行きどうなるか楽しみだw


今回の公式にはGH−450も参加
http://www.psu-wiki.info/upbbs/lib/printimage.php?id=00001120.jpeg
402とある420の話5:2007/03/10(土) 17:35:57.21 ID:Mqs9QtRM
>>393
「忘れないどくれよ! アタシらの見る夢は、いつだって本物なんだッ!」
痺れた!展開も熱いし台詞もかっこいいね!次回が凄い楽しみだね!

>>397
大筋とは関係ないけど起きたダグ夫さんはどんな反応するんだろw

>>398
ベタだ・・・。
だがそれがいいwww

とある420の話5

地面に寝かされたヨニの目がゆっくりと開く。
真っ赤に茹っていた肌は覚めて元の白さを取り戻しかけている。
それでもまだ赤み帯びているが。
「・・・ぱぱ・・・・」
本当にかすかな呟きがヨニの唇から漏れる。
光差さぬ虚ろな空色の瞳。それが俺を確認するように向けられる。
「あおさま?」
初めて横に座る俺に気が付いたようだ。
「わたしはいったい?」
「のぼせて気を失っていたみたいだ」
マシーナリーというのは分類上キャストなわけで。
気を失うというよりは熱という負荷によって機能が停止したと考えるのが普通だろう。
まあ、どうでもいい事だけど。
「ごめいわくをおかけしました」
抑揚の無い淡々とした発音で彼女は言う。
「いいけど。気を失うまで入るなんて随分無茶したな」
「けいさんではもんだいないはずでしたが」
横たわったままヨニが此方を見上げている。
「計算だって100%じゃないだろ?」
それを見返しながら言葉を続ける。
「カガジバリの時だってそうだ、どうして無茶ばかりするんだ?」
ヨニが俺を見ている。
何かを言いかけて止まる。
俺は何も言わない。ヨニが話してくれるのを待とう。
「わたしが・・・」
やがて紡がれる声。
「わたしがむちゃをしていれば、ぱぱはこわれないですみました」
ぱぱというのが恐らくヨニのマスターだろう。
教官殿はヨニを娘の様に可愛がっていたと言っていた。
「さらわれたわたしをぱぱはこわいひとからたすけてくれました」
一時期、ローグス過激派によってガーディアンズのパートナーマシーナリーが狙われる事件が頻発した事があった。
彼らによってけっして少なくない数のマシーナリーが誘拐されてそのほとんどが帰ってこなかった。
「でもわたしはぱぱをたすけることができませんでした」
ヨニが誘拐された事を悟った彼女の主人は、当然の様に彼女を助けるためにローグスに乗り込んだ。
「あのときわたしがたてになっていれば、ぱぱはしにませんでした」
ヨニの救出には成功したのであろう。だが、恐らくは・・・
403とある420の話5:2007/03/10(土) 17:36:22.38 ID:Mqs9QtRM
「ばくはつしてばらばらになってしまったぱぱをわたしはひっしでかきあつめました」
逃走の途中にヨニの目の前で殺されてしまった。
「でもぱぱは、なおってくれませんでした」
淡々と語るヨニの瞳は何も移していないように見える。
「すぐにあとをおいたかったのですが、ぱぱはこわれるまえにわたしにめいれいをしました」
「どんな、命令かな?」
「いきのびて、しあわせになってくれ、です」
そこに移るべきだった感情と心を置いてきてしまったのだと思う
彼女の主人が死んでしまった場所で彼女は、ヨニという心を置いてきてしまった。
「めいれいどおりわたしはろーぐすとたたかいいきのびました。
 にげのびてきょうかんさまにたすけていただきました。あとは・・・」
ここにいるのは、その残滓。
大好きだった主人の最後の願いを、命令と受け取ってしまったヨニだったものの残滓。
「あおさま、おしえてほしいのです」
少しだけ困ったように首をかしげてヨニが言う。
「わたしはどうすればしあわせになれますか?」
空っぽの心では理解できない感情を求める存在。
「どうすればめいれいをかんすいしてぱぱのところにいけますか?」
彼女をこの世に繋ぎとめているのは亡き主からの命令だ。
生き延びて、幸せになってくれ。その言葉が彼女に機能停止を許さない。
命令を受けたから必死でローグスから逃げてきて、命令を受けたから教官殿に懇願した。
悲しくて寂しくて本当はすぐにでも死んで傍に行きたかったのに、大好きな人の願いだから行けなくて・・・
「分からない」
「そうですか・・」
彼女はただ俺を見つめている。
「幸せなんてものは自分で探して見つけるしかないんだと思う」
「わかりました」
俺は・・・誘拐事件でマルを失った時。
傍にはガーディアンズの仲間がいて慰めてくれた、いまでも連絡を取り会う仲だ。
少しだったけれどマル以外のものも傍にあったから命を絶つこともなかった。
でもヨニにあったのは・・・残酷で優しい命令だけ。
幸せから奈落に叩き落されて、一人で見つからない目的を探して彷徨うだけの地獄だ。
「なあ、ヨニ・・」
「はい、なんでしょう」
そんなのはあんまりではないか。
彼女の地獄は俺よりずっと深い。
「辛かったな」
ヨニの頭を撫でる。
落ち込んでいたマルはこうしてやるとくすぐったそうに目を細めて笑ったから。
ヨニは何も言わずに俺の手に、小さな両手を添えて無言だった。
マシーナリーを失った主人と、主人を失ったマシーナリー。
似たもの同士、この気持ちは同情か慰めか・・・・どっちでもいい。
俺のやれるべきことは・・・・・・
ふと視線の先に教官殿が映る。
彼女はこれ以上無い、いじわるな、優しい笑みを浮かべて此方を見ていた。
まったく・・・・教官殿に振り回されてばかりだ。    続く
404この子アホの子430:2007/03/10(土) 20:22:12.44 ID:6ZOOVHyu
397の続きを投下です。

 惑星ニューデイズ ミッション「潜入! となりの狂信者」

沼子「ねえ、430。青と緑どっちが好き?」
430「あおですーッ!」
沼子「そうだと思ったわ。ハイ、これ」
 元気よく答えた430の目の前に沼子が置いたのは、ガードマシーナリー・バイシャ乙32型だった。
430「これを、どーするですか?」
沼子「着るのよ。ほら、ちゃんと中身をくりぬいておいたのよ」
430「わあい」
 あっというまに、足が余分にあるバイシャ乙32型が完成した。
沼子「それじゃあ、行きましょうか」
430「はーい」
 430のくぐもった声を聞きながら、沼子は仮面をつけた。
 教団警衛士オズナのうしろを、ひょこひょことバイシャ乙32型がゆく。一見それは、パトロールの風景に見えなくもなかった。
430「うわあ、天井があんなに高いですー」
沼子「430はお寺に来るの、初めてだったかしら? 見るもの何でも珍しいのね」
 たまにはしゃいだ声をあげるバイシャ乙32型を、すれ違う教団警衛士オズナやダグバが怪訝そうに見つめていた。

 その頃の沼虎と420

沼虎「ひい、はあ、い、急げー、420」
420「コレくらいの道で息切らしてるんじゃないわよ、情けないわね」
 林の中の下り坂を、疾駆するふたりの姿があった。
沼虎「仕方ねえだろ。寝不足なんだ。……誰かさんのせいでな」
420「っなっ、なによ! それこそ、仕方ないじゃない! その、……初めて、なんだから」
 耳まで真っ赤に染まる420を、ニヤニヤしながら沼虎が見つめる。
沼虎「イヤ初めてっつーか、アレはどーかと思うぞ?」
420「そんなコト言われても……バ、バカ虎、あんただって、悪いんだからね!?」
沼虎「俺が? 何で?」
 聞き返されて、420は言葉に詰まった。沼虎が笑みを深くして、さらに続ける。
沼虎「お前が『愛してる』って言って、俺も『ああ、俺も愛してるぜ』と言った。んでもってちょいと濃い目のキス。そっからいよいよ……
   って時に、失神しちまったのは誰だ?」
420「言わないでよっ!」
 走りながら器用に飛びあがり、420が沼虎の頭に拳骨を落とした。
420「だ、だって、み、耳元であんなコト言われて、その、し、舌とか……ああっ」
沼虎「おいおい、しっかりしてくれよ?」
 ふらりとよろける420を、沼虎が支える。ついでに抱き寄せて、胸元に口をつけて軽く吸う。
420「何でブルース口調なのよ!」
 すかさず肘をぶち込み、420は立ち直った。
沼虎「っててて……、相変わらず凶暴なのな。ベッドの上以外で、だが」
420「〜っ! と、とにかく、沼子たちを追いかけるわよ!」
 再び走り出す420の腕を、沼虎が掴んで引き寄せる。
420「だからっ! 今はそーいうコトしてる場合じゃなくて!」
沼虎「落ち着け。ソレは後でたっぷりするから、今は前を見ろ」
 沼虎に促され420が前方に目を向けると、木々の間、遥か下方に寺院が見えた。
沼虎「ご覧の通り、ここから先は崖だ。俺を残していきなり死ぬ気か?」
420「あ……ありがと。それから……」
沼虎「ごめんってのは、ナシだ」
 ぽん、と420の頭に手をのせて、沼虎は微笑んだ。ふたりは見つめあい、そして、420が目を閉じる。
沼虎「……通信機がつながらねえな。沼子のやつ、無事だといいが……」
420「……この、バカ虎ぁっ!」
 見事に先走った420が、沼虎にショートアッパーを叩き込んだ。              つづく
405名無しオンライン:2007/03/11(日) 01:37:16.47 ID:j9SUpCIG
さて空気読まずに需要なさそうだが投下w
なんとかだらだら長くならないように努力はしてるのでご勘弁を[´・ω・`]
406炎の追憶 13:2007/03/11(日) 01:38:04.72 ID:j9SUpCIG
「く、くそが………」
地面に伏したヒューマンが、恨みを込めて目前に立つキャストに吐く。
「……」
答えは無い。
キャストが自分をどう見ているのかはわからない。もしかしたら興味すらないのかもしれない。
「き、貴様ら……キャストどもが……いくら抵抗して……も…… ゴブッ」
血反吐が地面に落ちる。
そのヒューマンの腰から下はない。
立っているキャストにやられたのだろうか。
彼の残りの命は流れ出る赤い液体と共に、徐々に消えていく。
ただ、怨敵に言葉をぶつけるだけ。
「じゆう……など…… きかい にんぎょうに…… じゆう……など」
ゴリッ
側頭部に押し付けられるキャストの足裏。
その冷たく硬い感触に、そして感じる力にヒューマンが慄く。
「ひ…………ひぃい…………や、やめ…………」
ぐしゃっ
奇妙な音と共に、彼の脳漿が、眼球が、頭部に詰め込まれていた器官があたりに飛び散った。

「……次だ」
キャストが、その紅いキャストが回りに立つヒューマン兵を見渡す。
「お、おのれ… ならば!」
一斉に後退するヒューマン兵。そして基地の影からの発砲音。
放たれた銃弾は地面を穿ち、退き遅れたヒューマン兵が壁もろともソードに貫かれる。
「ひハァ!?」
奇妙な声をあげ、まるでピンを刺された虫のように手足をじたばたさせる。
「な!?」
状況を理解させる前に、紅いキャストは壁に刺さったソードから手を離し、
その手で傍にいた別の兵士の頭を掴み、勢いよく壁に叩きつけた。
壁にへばりついた赤い血のスタンプを残し、地面に落ちる首から下の兵士。
「……残り8人」
絶命した壁に貼り付けられた兵士からソードを抜き、
降らされる銃弾の雨から逃れつつ、間合いをじわじわと詰めていく紅いキャスト。
刹那
「ぬおおおおおおおおっ!!」
掛け声と共に襲い掛かるツインセイバー。
「ぬッ!?」
ヴォォォォン!!
襲い掛かるその牙を、片方のソードで受け止め、もう片方のソードで薙ぐ。
その切っ先を見切った掛け声の主が、身体を後ろに反らし、バク転で間合いを広げる。

「ちッ……もうすこしだったものを…」
悪態をついて、ゆらりと立ち上がる…彼はヒューマン男性だった。
その男に向かって、ヒューマン兵が声を上げる。
「た、隊長!」
「遅れて済まなかったな。ここは俺がやる。おめーらは下がってろ」
どうやら紅いキャストが戦っていた部隊の隊長のようだ。
紅いキャストに殺気を向ける男を残し、兵士達は少し振り返りながらその場を後にする。
407炎の追憶 14:2007/03/11(日) 01:38:57.26 ID:j9SUpCIG
「ったく、流石噂のブラッドリィというわけか… ぬお!?」
ブォン!!
紅いキャストが開いた間合いを一気に詰め、ソードを薙ぎ払う。
しかし男はバックステップでその猛襲から逃れる。
「おいおいィ… 味気もへったくれもないな…」
地面に唾を吐き、ギロリと紅いキャストを睨む男。
その視線を向けられてなお、何の感慨もなく隙を伺う紅いキャスト。
「くだらん… 殺し合いに味気もなにもなかろう」
そんな彼の言葉に、男は不快感を覚えた。
機械的なブラッドリィの反応に、嫌悪感を孕まされたのか。
「機械には、解らんってか!?」
「そうだ」
そのやりとりが合図となったかのように、今度は男が先手を取る。
まるで浴びせ掛けられる斬撃のような攻撃。
「ハッ!そのクソでかい武器が仇になったな!」
降りかかる二本のセイバーの攻撃を、ソードを盾のようにして凌ぐ紅いキャスト。
「……」
防戦。今彼にできるのはそれだけだった。
攻撃に転じようにも、敵の手数の多さがそれを邪魔する。
久しぶりのままならぬ戦い。しかし彼は冷静であった。
キャストだからか、それとも「彼」だからなのか。
二つのフォトンの動きの隙間を探す。そして
「ぬんッ!!」
ソードを振り下ろす。
ギァン!!
穿たれる地面。そこに男はいなかった。

「あっぶねえな。あの状態からソードを放てるのかよ…」
ギリリと歯軋りが聞こえてきそうな苦笑いを浮かべ、男が呟く。
その呟きを無視して、紅いキャストが更に詰めた。
「……」
ブオン ブオンと、円運動を柱にして次々と襲い掛かる重い斬撃。
まるで空間を削るかの如く、迸るフォトンブレードの振られる音。
「ちいぃッ!!」
攻守が逆転し、回避に専念せざるおえなくなった男。
紅いキャストが放つ重い攻撃を、彼のように武器で受けることはできず、
切っ先の軌道を見極めつつそれを避けることしかできない。
迂闊に手を出せば、シールドラインごと身体にダメージを受けるだろう。
一見しただけでもそれがわかるほど、紅いキャストの攻撃力は凄まじかった。
408炎の追憶 15:2007/03/11(日) 01:40:26.87 ID:j9SUpCIG
「だ、伊達に有名人じゃないってわけか! サインでも貰ってやろうか? あァん!?」
そんな男の軽口に耳を傾けず、無言で次々と攻撃を重ねる紅いキャスト。
しかし男もその猛攻を二本のセイバーと、身軽な体術で凌ぐ。
力で攻める紅いキャストに対し、技術で対抗する男。その力、拮抗とでもいうべきか。
しかし決定的な差が、徐々に露になる。
「ハァ…ハァ… 野郎…」
荒い息を整え、紅いキャストの攻撃を避ける男。
それはスタミナ。延々と戦う中でそれは致命的なほころびとなりつつあった。
「チッ、キャストってのは便利なもんだな…」
「……そうでもない」
吐き捨てるような台詞に、珍しく紅いキャストが答える。

「よく言うぜ… しかしな、俺たちヒューマンもテメエらに無いものをもってんだよ!」
ザィィン!!
ツインセイバーが息を吹き返したように再び光跡を残し翻る。
「お前に見せてやるぜ! ヒューマンの誇り…魂って奴をな!」
「ぬッ!?これは…ッ!」
ヒューマンの動きに生気が戻る。
紅いキャストは、その理解できない力の漲りに呑まれつつあった。
「テメエには解るまいさ!ただ命令されるままに戦うだけの戦闘マシンにはなぁッ!!うおおおおおおおおおおおッ!! 」
戦闘力自体は変わってはいない筈。しかし、今までの男とは何かが違う。
振り下ろされるセイバーは、今までとは違う重さ…力がそこにあった。
豪雨のように降り注ぐその斬撃が、紅いキャストの動きを押し止める。
ガギィン!!
遂に二本のセイバーの一撃で、左右に振り払われる両手のソード。
「ぐっ!?」
「迂闊だったな…受けてばかりでは……こうもなる」
刹那、うめく紅いキャスト。がら空きになった胴を護るものはシールドラインのみ。
「もらったッ!!」



―太陽が、沈んでいた。


つづく
409名無しオンライン:2007/03/11(日) 01:57:47.43 ID:NBv/Hobx
箱の人の続編ktkr!!
需要ないどころかずっと待ってたんだぜ?
続き、楽しみに待ってます。
410名無しオンライン:2007/03/11(日) 01:58:09.58 ID:SH8uUKDw
450「ご主人様、以前仰いませんでしたか?」

[ ´・ω・`]<?

450「”おえない”でなく”を得ない”だと・・・」

[ ´・ω・`;]<エートソノ

450「別にご主人様がヒトに馬鹿にされるのは勝手ですが」
450「私まで同じ様に見られるのは御免です」

[ ´・ω・`]<ゴメンネ
[ `・ω・´]<ツギカラキオツケルヨ!

450「”を”!!!」

[ ´;ω;`]
411この子アホの子430:2007/03/11(日) 11:20:24.90 ID:0Sy6D6VB
404の続きを投下です。

 惑星ニューデイズ 狂信者の杜を見下ろす崖の上

沼虎「どうやら、ココから落ちたみてえだな……。ったく沼子のやつ、とことんツイてねーな」
420「そ、そんな……。430ーっ! 沼子ーっ!」
沼虎「だから、落ち着けって。ここで叫んでも、どーにもなんねえだろうが」
420「だ、だったらどーすんのよ!」
沼虎「まずは、現場の確認だ。ホレ、乗っかれ」
 背を向けて屈みこむ沼虎に、おぶさる形で420が乗った。
沼虎「……コレもまた、イイな。こう、ダイレクトにふんわりと、いや、むにゅっとか……」
420「しみじみと妙なこと口走るなあっ!」
沼虎「ぐ、おおおおぉぅ! ウメボシはやめろ! こ、こめかみがアッー!」
 しばし悶絶した後、ウメボシから解放された沼虎が立ち上がり、まっすぐ崖の縁へと歩いてゆく。
420「ちょ、ちょっと、バカ虎!?」
沼虎「しばらく黙ってろ。あと、下はあんま見んな。怖かったら、目ぇつぶって首絞めない程度にしがみついとけ」
 背中の420に声をかけて、沼虎はゆっくりと崖に手をかけ、張り付くように下り始めた。
 指の力だけで岩の僅かな凹凸につかまり、移動する。沼虎の腕や肩に尋常でない負担が掛かっているのが、しがみつく420には感じられた。
420「ぬ、沼虎ぁ……」
 視界に遠く見える大地への恐怖もあいまって、420が情けない声を出した。
沼虎「黙ってろって。けっこう、神経と体力使うんだぜ? そーいうイイ声は、今夜じっくりベッドの上でだな」
420「だから、そーいうこと言うなって言ってるでしょ!」
 420の肘が、ガツンと沼虎の頭頂へクリティカル。
沼虎「ぬあ……」
 沼虎の体から、力が抜ける。ふわりと、ふたりの身体が宙へと浮かび、落ちた。
420「きゃぁぁあああ! 沼虎あーっ!」
 首を絞めんばかりに力を込めた420の悲鳴で、抜けかけていた沼虎の意識がなんとか覚醒した。
沼虎「くっ……んなろー!」
 ナノトランサーから取り出したベアスタラ(氷48%)を、すかさず岩壁に突き立てる。一瞬、落下が止まる。だが、次の瞬間、
沼虎「……ウソだろ?」
 沼虎の手が滑り、再び落下が始まった。地面が、恐ろしいスピードで迫ってくる。
沼虎「なら、こいつでどーだ!」
 続いてナノトランサーから引っ張り出されたのは、ソードック(炎12%)だった。
沼虎「420! しっかりつかまってろよ!」
 返事はない。だが、首のあたりに強い圧力があった。たぶん、絞めつけたまま失神でもしているのだろう。
沼虎「行っ……くぜぃ!」
 宣言して、沼虎はソードックに両足を乗せてサーフィンの要領で崖を滑り始めた。足の下で、ガリガリと岩が削り落とされてゆく。
沼虎「飛び出せ青春ー!」
 叫びざま、ソードックの柄を蹴った。岩壁から離れ、空中でループを一回、二回と決めて地面へ刃先を滑らせる。長い制動距離をもって、
ようやく動きが止まった。
 ふぃぃ、と大きく息を吐いて、それから首を絞める420の手を離し、背中からおろした。
沼虎「……どーやら、目ぇまわしてるだけみてえだな。やれやれだぜ」
 ぐったりした420を横たえ、沼虎は滑り落ちてきた崖を見上げた。
沼虎「よくもまあ、助かったもんだ……。にしても、まさかあの状況でヤられるとはなあ」
 寝ている420に顔を向ける沼虎の頬に、苦笑が浮かんだ。
沼虎「前途多難、ってやつだな。こりゃ」
 苦い口調でつぶやいたとき、沼虎の耳にケダモノの咆哮のようなものが聞こえてきた。
沼虎「……寝かしとくワケにゃいかねえ、か。オイ、起きろ420」
420「う…ん…ぬまとらぁ……」
 うとうと愛くるしく名を呼ぶ420に、沼虎はしばらくふぬけになった。            つづく
412名無しオンライン:2007/03/11(日) 12:18:44.23 ID:j9SUpCIG
>>419
Σ[ ゚∀゚]
長いこと筆が進まなかったので忘れられてると思ってたw
通しナンバー20までに決着つけたいなあ…

>>410
またやっちまった…orz
長年の癖はなかなか抜けないものだな。
またやらかしたら注意しておくれ。今回みたいに[*´・ω・`]
413名無しオンライン:2007/03/11(日) 15:18:31.09 ID:WEnuw6pH
お、続きがきましたか。
願わくば完結までいっきに読みたいもんだ。
他にも途中で終わってる話が気になるなあ。
書くのはやめたけどまだ見てるから。
414名無しオンライン:2007/03/11(日) 15:20:11.10 ID:WEnuw6pH
あげてしまった・・・すまん。
415沼雄&おかしな451 就寝編:2007/03/11(日) 16:48:45.11 ID:EES3bFA6
ドタバタした風呂から上がり、いろいろと悶えていた451を部屋に押し込み外からロックをかけ、一息つく。
このあとゆっくりしてもいいのだが体が今日はいろいろあってもう疲れた。
誰が原因で疲れたかはあえて言わないが…。
目覚ましがセットされていることを確認しベッドにもぐろうとする。
「……」
無言でベッドから出る。
そして布団をめくり上げる。
「……」
「……イヤン」
部屋に閉じ込めたはずの451がなぜかいた。
しかもPM用の小さなバスローブを着て口元に手をあてている。
「おまえいつの間に部屋を出た。ロックしたはずだぞ」
「そんなもの私のご主人様への愛に比べればないも同然ですわ。ささ、そのようなことは捨て置いてこちらへ――って、ほへ?」
ベッドへと誘い込もうとする451の頬をはさむ。
やわらかい感触がするがこの際無視。
「もう少しおとなしくなれ。確かにストーカーまがいなことはするなとは言った。だが、そこまで積極的になれとは言ってない。普通にできんのか普通に」
半ば早口でまくし立てながら頬をムニムニとこねくり回す。
「ほひゅしんふぁふぁ〜」
こねくり回されている顔は面白いくらい変形している。
だがその目がなぜか幸せそうにしている。
心なしか口がタコチューである『3』の形になっている。
「ん〜〜〜〜」
なんとなく止めてみると目をつぶり思いっきり唇を突き出している。
「…………」
――ムチュ
枕元にあった週間マガシを顔面に当てる。
――ムチュゥゥァァァァ
どこにそんな力があるのか思いっきり雑誌を吸い上げる。
同時に獲物(?)を両手で確保。
――ピチャピチャピチャ
今度は舐める。
そこまでやってなぜ気がつかないのだろう…。
いろいろと疑問に思ったがだいぶ遅い時間になってきた。
このままほっといてもいいのだがそれもかわいそうだ。
「451〜。4・5・1〜」
「ご主人様ぁ?って、ご主人様が薄っぺらいよれよれマガシにぃぃぃ!」
「違う!俺はこっちだ!」
「あっ、ご主人様こちらでしたか〜。でもひどいですよぉ。せっかく私の熱いベーゼを差し上げようと思いましたのに…」
「んなことはいいから寝ろ」
あんなのをされたらいろんな意味で俺がもちそうに無い。
「うぅ…。御主人様のいけずぅ」
唾液でびしょびしょになった週間マガシをゴミ箱に突っ込んで落胆の涙を流しながら寂しそうに部屋へと帰っていく。
「待て、俺の枕は置いていけ」
「…ッチ」
416沼雄&おかしな451 深夜編その1:2007/03/11(日) 16:52:30.63 ID:EES3bFA6
――深夜

「ふふ、雑誌とはいえあんな親父くさいキャストにキスをさせた御主人様にオシオキです」
不適に笑いながら沼雄の部屋のロックをはずす451。
心なしか口元からよだれがたれている。
「さぁ、もうすぐですよぉ…」
足音を立てずに忍び脚でベッドへ近づく。
「―――」
沼雄はこちらに背を向け気持ちよさそうに寝ている。
頬を突っついたりして熟睡しているか確認をする。
「……イヤンイヤン」
完全に夢の世界に行っていることを確認すると己の体を抱きながらクネクネともだえる。
息もだんだん荒くなってきいる。
「さぁ、御主人様へGOです」
ウキウキ気分でもぞもぞと布団へもぐりこむ。
それだけでこれ以上と無いくらい幸せそうな顔をしている。
――上から行くか
――下から行くか
どちらか迷ったがメインディッシュは後からじっくりと楽しむことにしようと思い上のほうへ体を向けた。
「―プハ」
布団から顔を出すと目の前には主人の後頭部。
「――ハァハァハァハァハァ」
もう我慢ならねぇ、といわんばかりに首筋に顔を埋める。
「――スーハースーハースーハースーハ-」
思いっきり深呼吸。
それだけで体のブレーカーが落ちそうなくらい興奮する。
「…………」
ふと顔を上げるとニューマン特有の長い耳が目に入った。
体を少し上にずらし目の前に耳が来るようにする。
しばらく観察したり耳に息を吹きかけた時のリアクションを見たりしてもだえていたが突然、何かを思いついたかのような顔をする。
417沼雄&おかしな451 深夜編その1:2007/03/11(日) 16:53:38.69 ID:EES3bFA6
そして――
「――ハム」
耳をくわえた。
「――ハムハムハム」
甘噛みをしたり
「――チュルルルルル」
吸ったり
「――ピチャピチャピチャ」
なめたりする。
いろいろとするたびに沼雄が嫌そうに顔をしかめたり体を動かしたりするのがたまらないのかますます勢いを増してくる。
すると突如目の前が真っ暗になった。
同時に頭に圧迫感も感じる。
「451、何をやっている…」
聞きなれた声も聞こえた。
「……テヘ」
「『テヘ』じゃないだろ…。なんで部屋に入ってきた挙句、俺の耳をしゃぶっている」
沼雄が起き上がりこちらへ向く。
「いや、新ジャンルの開拓でも」
「せんでいい!」
「え〜」
「『え〜』も『ブモ〜』もいい。とにかく部屋に帰れ…」
「いいじゃないですか〜」
「よくない。お前と寝ると何されるか分かったものじゃない」
「いやですわ〜。私はそのようなことしませんわ〜」
「……さっきの行動をした後でよくその台詞が出てくるな」
主人はよだれまみれの耳を拭きながらつぶやく。
「ささっ、ご主人様お休みになりましょう」
しわくちゃになったシーツを直し、布団を引き寄せてとなりをポムポムとたたく。
「……どうしても部屋に帰らないのか?」
「ご主人様のためならエンヤコラです!」
なにやら訳の分からない宣言をする。
「はぁ、今回だけだからな…。いいか?絶対におかしなことはするなよ」
451が全く引く気が無いのと寝るのが遅くなると起きるときに支障がでる。
「はいです!」
満面の笑みを浮かべる451。
『おとなしくしてればかわいいんだがな…』と小さくつぶやき沼男も布団に潜る。
「お休みなさいませ御主人様♪」
「おやすみ451」
そして二人は目を閉じた。

「――ハァハァハァハァ」
「やっぱお前部屋に帰れ」
「え〜」
418名無しオンライン:2007/03/11(日) 19:23:05.52 ID:PjiuZzgz
わっふるわっふる
419名無しオンライン:2007/03/11(日) 20:01:16.71 ID:LaBNzJis
420名無しオンライン:2007/03/11(日) 21:08:11.29 ID:A3nG7+0r
>>408
久しぶりに続編ktkr
もう来ないんじゃないかと心配してたぜ
ヒューマンの台詞が
「おれが最期にみせるのは代々受け継いだ未来に託すヒューマンの魂だ! 人間の魂だ!」
に見えてしまった俺は色々脳をやられているようだ

>>411
非常時でも普段と変わらず行動できるってのはある種尊敬に値するとこだが・・・
なんというかボケと突っ込みに命掛けてるなこの二人・・・w

>>417
どんどん450の行動が犯罪染みていくな、まあ前からか・・・w
421この子アホの子430:2007/03/12(月) 21:42:28.16 ID:nnJKxIFt
411の続きを投下です。

 惑星ニューデイズ ミッション「潜入! となりの狂信者」

オズナ「これより先、ブロック3は、教主様とその側近以外、立ち入り禁止です。どうぞお引取りを」
 ブロック2の最奥で、沼子は思わぬ足止めを受けていた。
沼子「そう、仕方ないわね。……教主様の耳へ、どうしても届けなければならない報告があるのだけれど」
オズナ「それでは、通行証を提示してください。教主様に仕える方々ならば、必ずお持ちのはずですが」
沼子「事は一刻を争うのよ。……どうしても、ダメかしら」
オズナ「何と言われようと、規則は規則ですから」
沼子「そう……それなら本当に、仕方ないわね」
 沼子が、すっと周囲に視線を走らせた。幸い、歩哨の教団警衛士ダグバは近くにいない。自然な動作でナノトランサーから
スタアラを取り出し、先端を教団警衛士オズナの腹に当てる。
オズナ「なっ……」
沼子「眠りなさい。しばらくといわず、ずっと」
 杖から闇色のフォトン流が噴出し、間を置かず教団警衛士オズナの身体が前のめりに倒れた。
沼子「あら、寝不足かしら。門番なのに、いけない子ね」
 動かなくなったオズナの身体を物陰に隠し、沼子はブロック3へ足を踏み入れた。

沼子「少々、時間をかけてしまったわね……。先行した430が、無事でいると良いのだけれど」
 沼子が430とはぐれたのは、少し前のことになる。ブロック2の出口で、いきなり430が駆け出したのだ。
 門番はガードマシナリーに扮した430は素通りさせて、沼子を止めた。そして、現在に至る。
 ブロック3の入り口から少し歩き、下りの階段へさしかかったところで、足が余分にあるバイシャ乙32型は見つかった。
どうやら、階段から転げ落ちたらしくさかさまになって足をばたつかせている。
沼子「!! 430」
 バイシャ乙32型のボディは、中身をくり抜いてあるとはいえ重かった。
430「ア゛ッー! ごしゅじんさまぁー!」
 なんとか引き起こすことに成功した沼子の身体に、バイシャ乙32型が激しく体当たりを敢行した。ボディの重さに比例して威力は絶大で、
沼子は軽々と吹き飛び背中から壁に叩きつけられた。
沼子「かはッ! 430……」
430「ア゛ッー!」
 倒れた沼子に430がすがりつく。だが、傍目から見ればそれは教団警衛士オズナにのしかかるバイシャ乙32型に他ならない。
ダグバ1「ウホッ、何事だ! アッー!」
ダグバ2「ウホッ! 教団警衛士オズナがガードマシナリーに襲われているぞ!」
 物音に駆けつけたダグバたちが騒ぎ立てる。
ダグバ1「ウホッ! しかしあのオズナ、このフロアでは見かけん仮面だ……」
ダグバ2「ウホッ! そんなことはどうでもいい! ガードマシナリーの暴走だ! 取り押さえるぞ!」
 ウホウホ言いながら迫り来るアヤシイ二人組に、430はパニックになりかけた。
430「ア゛ッー! こ、こっちにこないでくださいッ!」
 バイシャ乙32型の頭部がパカリと割れ、バーストを構えた430が現れる。
ダグバ1「ウ、ウホッ……いい、氷バレット……」
ダグバ2「や ら な い ……か」
 二発の銃声とともに、二人組は凍りついた。
沼子「よく……やったわ、430」
 顔をしかめつつ起き上がる沼子に、今度はちゃんとバイシャ乙を脱ぎ捨てて430は抱きついた。
430「ごじゅじんざばあ゛ぁあああ!!!」
 430の叫びに応えるように、警報が鳴り始めた。
430「ア゛ッー! ご、ごごごごごごご」
沼子「地響き?」
430「ごしゅじんさまッ! 見つかっちゃいましたッ!」
沼子「そうね。……それなら、もうコレはいらないわね」
 仮面を投げ捨て、前方の廊下を見据える沼子。杖を構え、走り出そうとしたその腰が、グキリといやな音をたてた。
沼子「……ア゛ッ」
430「ご、ごしゅじんさま!?」
沼子「し、心配ないわ、ないわよ? ちょっと、さっきのダメージが残っていただけ……」
 ナノトランサーからトリメイトを取り出し、患部に塗る沼子。そして、
沼子「ア゛ッー!」
 腰を押さえうめく沼子に、ガードマシナリーたちが殺到した。              つづく
422名無しオンライン:2007/03/13(火) 15:52:02.65 ID:ZpCyyRxt
前から思ってたんだけどアホの子の作者氏は
430スレにマシナリーにさらわれる430を投下した方と同一人物?
423この子アホの子430:2007/03/13(火) 20:58:22.83 ID:aFxWu1im
>>422 その人とは別人ですね。ただ、ネタは参考にさせていただきましたw

421の続きを投下です。

 惑星ニューデイズ ミッション「潜入! となりの狂信者 沼虎サイド」

 気絶したままの420を背負い、沼虎は走っていた。隣には、なぜか教団警衛士ダグバも一緒に走っている。
 走る二人を追っているのは、ゴル・ドルバらしきものである。凄まじい勢いで突進しながら、咆哮をあげる。
ゴル・ドルバ?「ま゛でー! じょうだい゛を゛見られだがらに゛ば、い゛がじでばお゛げな゛い゛ー!」
沼虎「……気のせいか、なんかヒトの言葉に聞こえるな。新種か?」
ダグ夫「ウホッ、この声、どこかで……!! アッー! もしかして、オズ美さんでありますかッー!?」
 ダグ夫の呼びかけに、ゴル・ドルバの動きが止まった。
オズ美「ダグ夫ざん゛……」
沼虎「何だ? このゴル・ドルバ、喋れるのか」
ダグ夫「ウホッ、いいえこれは、彼女は、自分の恋人であります。ゴル・ドルバのように見えますが、れっきとしたニューマンであります!」
 叫ぶなり、オズ美に駆け寄るダグ夫。だが、寄ってきたダグ夫をオズ美は跳ね飛ばした。
ダグ夫「ア゛ッー!」
沼虎「お、おい! オズ美っていったか? あんた、何してんだ! そいつは恋人なんだろ!?」
オズ美「が、彼゛だげにば、ごんな゛姿゛、見゛られだぐながっだ……」
 うぉぉぉん、と大音量で泣き出すオズ美。その悲しみの声に応えるように、ダグ夫が起き上がる。
ダグ夫「ウホッ……オ、オズ美さん、じ、自分はッ」
 ダグ夫が、ゆっくりとオズ美に近づいてゆく。
ダグ夫「じ、自分は、たとえどんな姿をしていようともッ! あ、あなたをッ! ……愛しているのでありますッ!!」
オズ美「ダ、ダグ夫ざぁーん!」
 ゴル・ドルバ級の突進に、またも吹っ飛ぶダグ夫。
オズ美「ア゛ッー!」
沼虎「……やれやれ、仕方ねえな」
 420を下ろした沼虎が、舌打ちしつつオズ美へ近づいてゆく。
沼虎「動くんじゃあねえぞ」
オズ美「!!!」
 オズ美の足元に、沼虎がトラップを設置する。
ダグ夫「な、何をするだァーッ!」
沼虎「イイから、黙って見てろ」
 殴りかかってきたダグ夫をいなし、沼虎はスイッチを押した。
オズ美「GYAAAAAAAAAH!」
ダグ夫「オズ美さーーん!!!」
 盛大な炎が上がり、オズ美の全身を包み込んだ。
ダグ夫「ウホッ! いいい今すぐ、あの火を消してください! 彼女が死んでしまったら、自分は、自分はアッー!」
沼虎「まあ、待て……」
 脂のせいかよく燃えるオズ美を、沼虎は自信たっぷりに見守っている。
420「この、バカ虎!」
 覚醒した420の真空飛び膝蹴りが、沼虎の後頭部へ綺麗に決まった。
420「人燃やして、なに悦に浸ってんのよ! 火、とっとと消しなさいっ!」
 襟首を掴み上げる420の手を、沼虎がやんわりとどけた。
沼虎「安心しろ。もう火は消える」
 沼虎が指をさす方に、白い煙に包まれた人影が見えた。そよ風が、煙を晴らしてゆく。不安そうに見守っていたダグ夫が、目を見開いた。
沼虎「『バーントラップックG』…通称、ダイエットトラップだ。余分な脂肪分だけを燃焼させる、スグレモンだぜ?」
 すっかりグラマラスボディになったオズ美に、沼虎が笑いかける。
420「……なんだかよくわかんないけど、ひとつだけ、言わせて?」
 沼虎の肩に手をかけ、420が静かに言った。
420「あたしがいるのに、他の女にデレデレしてんじゃないわよっ! このバカ虎!」
 跳躍した420の両足が、沼虎の顔面をモロにとらえた。だが、ひしと抱き合う恋人同士には、その光景も見えないようだった。     つづく
424名無しオンライン:2007/03/13(火) 21:16:35.45 ID:uvWZDj2t
さりげなく沼虎良い奴だなぁ…w
420と正式にくっついたから読んでてスッキリするし、この先も楽しみだ。
425名無しオンライン:2007/03/14(水) 01:01:12.66 ID:TlccoWDR
気が付いたら489KBじゃないか。
次スレ挑戦してくる。
426名無しオンライン:2007/03/14(水) 01:08:56.52 ID:TlccoWDR
【PSU】新ジャンル 「パシリ」十体目【祝十体】
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1173802057/l50

初代から居る身としては感慨深いぜ。
427名無しオンライン:2007/03/14(水) 11:52:19.98 ID:uao1KzdX
レッツ! ゲキガイイイイインッ!
埋めついでにwikiに軽くワルキャスとワルパシリの設定をチョビチョビかかせてもらったぜー。
他登場人物は追々でヨロ。

ワルキャス「いいねぇー浄化ミッションは…」
ワルパシリ「はぁ?」
ワルキャス「ほら真面目な子とか一生懸命にやってる所に…
      『人手が足りないなら手を貸すぜ!』とか言っちゃえばもうっ!
      真面目ッ子は押しに弱いからな〜アレやコレやソレを手取り足取り体取りだなぁ!」
ワルパシリ「ふぅーん…」

パキィ!

ワルキャス「ギャアアアアアッ! 俺の氷ガミサキがああああっ!」
ワルパシリ「ぺっ!」

合成中、ワルパシリの前で他の女子の話しをする事は禁句である。
428この子アホの子430:2007/03/14(水) 19:08:53.34 ID:bTV8zHkV
423の続きを投下です。

 惑星ニューデイズ ミッション「潜入! となりの狂信者」

ダグ夫「ウホッ。沼虎さん、このご恩は一生忘れないでありますッ!」
オズ美「私たち、テロリストなんかやめてきっと幸せになります!」
 頭を下げる二人に、沼虎はひらひらと手を振ってみせた。
沼虎「礼なんかいらねえよ。コイツを貰ったし、ギブアンドテイクってやつだ」
 身に着けた教団警衛士ダグバの服をバンと叩き、沼虎が微笑で応じた。
420「バカ虎! 何やってんのよ! こっち、手伝いなさいよ!」
沼虎「ああ、今行く! 相変わらず、せっかちだな全く。……それじゃあおふたりさん、達者で暮らせよ!」
オズ美「はい。あなたたちも、お幸せにー!」
ダグ夫「ウホッ! 武運長久を祈っているでありますッ!」
 寄り添って手を振るふたりに背を向けて、沼虎は420の待つ杜の入り口へと向かった。
420「もう、遅いじゃないバカ虎」
沼虎「ああ、悪い悪い。しっぽりとした別れのシーンってやつを楽しんでたもんでな。んで? 何やってんだ」
 見ると、420はどうやらバイシャ甲21型の抜け殻を着るのに悪戦苦闘しているらしい。
420「コレ……ちょっとウエストきついのよ」
沼虎「ん? ああ。こりゃたぶん、沼子の奴が430用に中身くり抜いたモンだな。……420、ドコがきついんだっけ?」
420「こ、このバカ虎ぁっ!」
 バイシャ甲21型の前肢が、沼虎のあごを激しく殴打した。
沼虎「ぐあ……。か、下半身は、相性抜群だな?」
420「まだ言うかあっ!」
 バイシャ甲21型の後肢が沼虎の腹を押さえつけ、前肢がマウントポジションからのストンピングを連打する。それは、容赦のないコンボだった。
沼虎「ぐ、うげ、ま、待て! ……ともかく、だ。いったん脱げ。話はそれからだ」
420「え? ぬ、脱ぐって、こ、こんなトコでダメよ…沼虎ぁ……」
沼虎「違う。バイシャ甲21型のボディを脱げっつってんだ」
420「っ〜〜〜〜〜っ!」
 420操るバイシャ21型によるストンピングが再開された。沼虎の意識はひょいと旅立ち、バイシャ甲21型のサイズ直しは、少し後回しとなった。

430「ご、ごじゅじんざばあ゛ー!」
沼子「ア゛ッ……、430、そこ、ダメよ」
 しがみついてきた部分に激痛が走り、沼子がうめく。苦悶の表情を浮かべ、それでも沼子の杖からは氷の柱が噴出してゆく。
430「ご、ごべんな゛ざい゛ー!」
沼子「い゛、い゛い゛のよ430……ただ、少し力をゆるめてほしいの」
 三体のバイシャ乙32型が、沼子の杖の一振りで焼却された。
430「ご、ごじゅじんざば、い、いたいですか!? ここですか!?」
沼子「ア゛ッー! ぞご、お゛ねがい、そっとしておいて……」
 放った火球が、バイシャ甲21型をかすめて壁を焦がした。
430「レスタ、レスタレスタレスタレスタアッー!」
沼子「き、気持ちは嬉しいけど、430、杖で叩くのは……ア゛ッ」
 よろけた沼子に、バイシャ甲21型が雷球を射出。さらに別の機体が三機、次々に沼子へ迫り来る。
430「ア゛ッー! 散りましょー!」
 バーストの連射で、バイシャ甲21型の動きは止まった。だが、後続のマシナリーたちに押され、凍ったままの機体がふたりを圧し包む。
430「ア゛ッー! ごしゅじんさまぁー!」
沼子「!!」
 沼子の周囲に、炎が噴き上がる。周りにいたガードマシナリー数機が、一気にどろりと溶けた。
沼子「このままでは、まずいわね……」
 通路の奥からわさわさ出てくるマシナリーに、沼子が顔をしかめた。
430「ごしゅじんさま、横ッ!」
 溶けた残骸の中から、生き残ったバイシャ甲21型が体当たりをした。モロに受けて、壁に叩きつけられる沼子。全身を走る激痛に、涙がにじんだ。
沼子「4…3…0…に、逃げなさい……」
430「ごしゅじんさまー!」
 とどめの一撃を放とうと身構えたバイシャ甲21型に、一本の矢が突き立った。それだけで、あっさりと爆散した。
沼虎「よお。苦戦してるみてえだな」
420「沼子! 助けに来たわよ!」
 涙でにじむ沼子の視界に、近づいてくる教団警衛士ダグバとバイシャ甲21型が見えた。               つづく
429名無しオンライン:2007/03/14(水) 21:28:39.32 ID:l8FjPaUS
>>427
合成中は人質ならぬ物質取られてるわけだな、明日は我が身ってか・・・w

>>428
420と沼虎の掛け合いがなんか好きだなぁ・・・w
反応見てる限りこの420も結構妄想が過ぎる様だ・・・w
430名無しオンライン:2007/03/16(金) 01:03:25.81 ID:tJ6H+sSR
このスレは俺が守る!


ほしゅ
431出会い 1:2007/03/16(金) 18:26:35.79 ID:WAaCJnpJ
・・・累々と続く兵士の屍・・・その中に女が一人たたずんでいた・・・

女(・・・違う・・・私の求めているものとは違う・・・)

ローグス兵1「・・・おい、何だあの女は?」
ローグス兵2「わからん・・・同盟軍を迎え撃つって時に突然「参加させてください」って来たんだ・・・」
ローグス兵1「あ、おい・・・どこ行くんだ?」
女「・・・ここでの用は終わったので別の場所に行きます・・・」
ローグス兵2「そ、そうか・・・世話になったな」

〜酒場〜

店主「いらっしゃい・・・」
酔っ払い「お!べっぴんさんだね〜。一杯つきあってくんねえかい?」
女「・・・失礼ですが、弱い方に興味ないのです・・・」
酔っ払い「言ってくれるね〜。だが、喧嘩で負けた事はね〜ぜ?」
女「・・・そうですか・・・」
・・・手近な空き瓶を手に取り・・・そして・・・

・・・バキッ!グシャ・・・・・・パラパラ・・・

酔っ払い「!?ひ、ひゃー!」

店主「・・・たいしたもんだな」
女「・・・お恥ずかしいかぎりです・・・尋ねたい事があるのですが、よろしいですか?」
店主「何でも聞いてくれ」
女「・・・強い人を探しています・・・数や武具に頼らず、自身の能力が強い方を・・・」
店主「・・・ローグスにはいないだろうな・・・奴らは集団で行動するのが普通だからな。
   ・・・仮にいたとしてもそういった連中はあちこち飛び回ってる・・・見つけるのは難しいな・・・」
女「・・・そうですか・・・」
店主「同盟軍は個人に会うまでがめんどうだし・・・ガーディアンズはどうだ?」
女「ガーディアンズ?」
店主「奴らは主に個人で仕事をする・・・中には英雄と呼ばれる程、強力な人物もいるそうだ」
女「・・・ガーディアンズ・・・」
432出会い 2:2007/03/16(金) 18:28:37.22 ID:WAaCJnpJ
男1「おい、聞いたか?」
男2「ああ、もう何人目だ?」
男1「わからんが・・・引退したとはいえ、名をはせた人ばかりだぞ?」
男2「・・・全員見る影もないそうだ・・・」

女(・・・心・技・体、共に申し分ない・・・でも・・・勝負にならない・・・。
  ・・・何故強くなったのでしょう?・・・何のために使えば良いのでしょう?)

・・・山中をさまよう女・・・その後には原型を留めていない生物の屍が点在していた・・・

女(・・・私は何がしたいのでしょう?・・・何をすれば良いのでしょう?)

・・・ガサガサガサッ・・・

女「・・・?」

・・・・・・・ド〜〜〜〜〜ン!!

女「・・・!?」
???「うわぁ〜!?」
女(・・・ヒューマン?)
ヒューマン男「イタタタ・・・な、何だ!?ゴーモンか、オルアカか?」
女「あら、ごめんなさい。大丈夫?」



『運命のなかに偶然はない。
 人間はある運命に出会う以前に、自分がそれを作っているのだ』
                                【トーマス・ウッドロー・ウィルソン 】
433名無しオンライン:2007/03/16(金) 18:52:05.97 ID:WAaCJnpJ
ボコボコボコボコ∧_∧ ∧_∧∧_∧ボコボコボコボコ
ボコボコ∧_∧´・ω・)(´・ω・`)・ω・`∧_∧ボコボコ    涙「ここはパシリスレですよ!」
ホコボコ(´・ω・)∧_,∧lll ∪)∧_∧・ω・`)ボコボコ    琴座「もそっと出させよ!」
ボコボコ∧_∧ ´・ω∧∪∧(・ω・∧_∧⊂)ボコボコ
コボコ(´・ω・)≡つ);;)ω(;;(⊂≡(・ω・`)___\ボコボコ  子供三人「名前付けろ!」
ボコボ(っ  つ=つ(作者)⊂=⊂≡ ⊂) \ )ボコボコ
ボコボコ/∧_∧∧_∧ ∧ ∧_∧∧_∧\ボコボコ
ボコボ( ( ´・ω)(  ´・)(    )`  )(ω・` ) )ボコボコ 没キャラ「書けよ!」
コボコ(っ  つ/    )(    )   \  ⊂)ボコボコ
ボコボ/   )`u-u'. バ∪ ̄∪バ`u-u'   \ボコボコ
ボコ( / ̄∪ボコボコボコボコボコボコボコ∪ ̄\ )ボコボコ
コボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ       大鮫&女丈夫「・・・(最後に出たので何とも言えない)」
434名無しオンライン:2007/03/16(金) 21:58:12.20 ID:udmKz5G4
後2KBってw
埋まらなかったらゴメンね >-<
ん〜適当に埋めましょうかねw

〜とある宿舎の1部屋にて〜

ぱっとしない一室。ここはガーディアンズの宿舎である。
しばらく使われていない感じであり、そこにPMが1体横たわっている。
リボンを硬く手に握り締めながら・・・
すべてを諦めたような顔・・・
れんらくの来る事がもう無いと知ってしまっているPM、もう大好きなご主人様に会う事が出来ない悲しいPM。

おわり。
435名無しオンライン:2007/03/17(土) 00:26:20.77 ID:5ARnfXaX
[´・ω・]<ウメルヨー
( ゚-゚)<埋めますよ
( ゚-゚)<そういえばライセンス切れましたね
[´・ω・]<そうですねー
( ゚-゚)<早く課金しないとイベント終わりますよ
[´・ω・]<そうですねー
( ゚-゚)<… 課金しないつもりですか?
[´・ω・]<そうですねー
( ゚-゚)<森田一義アワーじゃないんですよ
[´・ω・]<そうですねー
( ゚-゚)<……


436名無しオンライン:2007/03/17(土) 00:27:29.29 ID:5ARnfXaX
これで埋まったら
イルミナスは神ゲー化して、さらにPSUユーザーには無料配布
437名無しオンライン:2007/03/17(土) 01:29:21.98 ID:wSkKrDWo
埋まった?
438名無しオンライン:2007/03/17(土) 01:30:26.83 ID:wSkKrDWo
まだだったのね
(´・ω・)
439名無しオンライン:2007/03/17(土) 02:22:57.66 ID:5Cp1cgFK
/ ノ \
|  ( ・)(・)   
|  (_人)     
ヽ   ノ\  \    
/   \  \  \
|   |ヽニつ \  \
440名無しオンライン
     _
     ヽ  ̄'ヽ..,'  ○         ○ ヽ/ ̄ ̄く"
     ..く ̄ ̄)l  ///   ┌―┐ /// i(_ ̄"ノ  
     . ゝ-―l       |   |     l( "'ーく
     ∠,,ーン ',_      r―−┐   ./_ヽ,__,ゝ