【PSU】朝起きたら自キャラになってたSSスレ2

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1名無しオンライン
ソニチによる改悪が続く中、俺らが唯一楽しめるスレです。
ロリ化率が高いのはあしからず、職人さんに礼を尽くして楽しみませう。

【PSU】朝起きたら自キャラになってた、でお話を書くスレ
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame3/1158274854/l50
2名無しオンライン:2006/10/22(日) 20:29:13.66 ID:oyw7ZzEF
>2は一生道程
3名無しオンライン:2006/10/22(日) 20:38:47.99 ID:cAH+OhJv
>2
4名無しオンライン:2006/10/22(日) 20:40:23.94 ID:cjV9UBo8
4なら>>2はガチ。
5名無しオンライン:2006/10/22(日) 20:45:39.03 ID:V8E1/vKB
5なら>>2は輪廻転生しても童貞
6名無しオンライン:2006/10/22(日) 21:13:48.60 ID:oLhOT7io
6なら>>2が妖精
7名無しオンライン:2006/10/22(日) 21:23:14.83 ID:NU5xEJQa
朝目が覚めると視界が超良好だった。
コンタクトをしたまま寝てしまったのかな・・・と考えて頭を掻くと
手がグローブみたいにゴツイ・・・
自分の姿を鏡に映してみると、身長2メートル以上のメカが立っていた。

やべぇ、超カッコイイじゃん。今まで女の子に見向きもされなかったのにこれでモテモテや!
朝から超ゴキゲン、いろいろなポーズをとってみた。
一通り新しい体を堪能し、尿意をもよおしてきたのでトイレに行く。

肝心な俺の本体がなくなっていた。
代わりにあるのが排泄物ユニット、
それが齢25にして人工肛門の仲間入りをすることになった理由です。
8名無しオンライン:2006/10/22(日) 21:51:26.03 ID:T1C53rwX
おかしい。
俺が今見ているのは鏡だ。PCの画面じゃない。
なのに、目の前のキャストは見慣れた透き通る緑色のつり目をぱちくりさせながら
自分の顔を見る様な表情で、じっと俺を見つめている。

落ち着いて、自分の身に起こった事を時系列で思い出す。
19:36、晩飯を食べ終えてしばらくぼんやりとした後、ふとPSUを起動。
19:45、惑星パルム草原にて寝落ち。最後の敵はトリケラトプスもどきだった。
21:22、目を覚ます。出しっぱなしにしていたオートガンをあわててしまう。
21:23、自分の手、腕の異変に気づく。乗せていた頭の重みで酷い痣が出来たと思い心拍数が43上昇する。
21:24、心拍数更に上昇。髪が伸びている事に気づく。耳にヘッドフォンではない何かがついている。
     手足は思った通りに動くが、耳を澄ますと関節からごく小さな作動音が聴こえる。
     ようやく肩のパーツ、服を見につけていない下半身に気づく。
21:30、ひとしきり興奮した後、鏡を見にここへ向かう。

結論。どうやら俺はまだ目を覚ましていないらしい。
声も変わっているのだろうか。

「あー、あー。」

変わっている。
好みの声だが、それが自分の声になるとかなりの違和感がある。

「まいったなこりゃ・・・」

キャストらしい整った声で、およそキャストらしからぬ感情めいた事を口走った。
全身に萌えの電撃が走る。
どうやら俺はこの事態を受け入れる事に決めたらしかった。
9前スレ720:2006/10/22(日) 21:56:39.60 ID:Zb6nUGBu
規制に引っ掛かってました。投下しすぎですね、すみません。



眼鏡をかけた眼光鋭い男が不適に笑う。
「フフフ・・・僕の計算通りだ・・・この調子でいけば・・・」
天然パーマの男が続ける
「ガーディアンズなど・・・一捻りですね、ミキチさん」
「ああ・・・引き続きSEEDを呼び込んでくれ、セシマサ君」
──そこはS社ビル・・・雰囲気は変わってしまったが。

ミキチの元に緊急連絡が入る。
「どうした?」
「ザー・・・こちら前線のサケイです・・ザー・・」
雑音が酷いが聞き取れないことはない。
「ザー・・どうやらガーディアンズは・ザー・・大規模な作戦を展開させようと
ザー・・行動を開始した模様です」
「ほう、大規模な作戦ですか・・・どのような?」
「詳しい事はわかりませんが・・ザー・・こちらを強襲して油断させた後に
ザー・・キャストの大部隊によるSUVの・・ザー・・・」
「どうした?聞き取れないぞ?」
「・・ザー・・すみま・・・奴らの妨害・・ザー・・」

そこで連絡は途絶えた。
(まぁ、いいでしょう。何をしようが彼らは僕に勝てない!)
「セシマサ君、至急NO51システムの準備を急いでくれ」

──ミキチの逆襲がハジマッタ──

続く・・・のか?
10名無しオンライン:2006/10/22(日) 23:30:32.54 ID:iCXryblk
〜一方その頃別の時間、別の場所〜

僕は普通の生活がしたかった。
以前のように普通に会社へ行き
普通に仕事をし、同僚と談笑し
気になるあの子と冗談を言い合って。

その晩、僕は近所の小学校へ出かけていった。
思い出の学び舎だったその場所は、数日前に落着したSEEDの影響で
かつての姿とはまるでかけ離れた様相を呈していた。
穴の開いた校庭、原形をとどめない遊具。
半壊した校舎、粗全壊した体育館。
しんと静まり返ったその場所は、生物の気配などまるで感じられなかった。

壊れたブランコが赤熱し、激しく火花を散らしながらはじけ飛ぶ。
ナノトランサーから呼び出したメーザーカノンは、鉄の塊を容易に蒸散させる。
冷たい金属の装甲を身に纏い、均整の取れた完璧なルックス。
人とはかけ離れた運動性能と情報処理能力、宇宙空間でも活動可能な環境適応力。

奴らと闘うだけの力はある。
けど、意気地がない・・・。

外見は僕ではないが、中身はあくまでも僕。
僕はどうしたらよいのか。
平穏な毎日を捨てて現実を正視し、その攻勢力としてガーディアンズに身を投じるべきか。
未だ決めかねている。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
119:2006/10/23(月) 04:02:33.84 ID:NuSNIvQn
それから更に数日。
俺は戦場にいた。俺のキャラクターは
─男性キャスト─仮面何とかっていうのに似たような──
そういえばどこかの村で、あるキャストが・・・今はそんな事を考えている暇はない。
自分の変われた経緯は面倒だから省いておこう。

とにかく、俺は変われて、ガーディアンズに入れた。
適正検査は、キャストだからか簡素なもので済んだ。
{友人A、B}を探そうと思った時だった。
緊急の作戦が展開された。
俺はキャスト部隊に編入されていた。

作戦は大部隊による強襲・・・に見せ掛けての誘引。
敵とぶつかったらわざと敗走し、敵をキャスト部隊を配置した位置まで引き付ける。
わざと負けるのは演技がいるだろうが、相手はSEED。
逃げれば紅い布を追う闘牛のように追ってくるだろう。
何者かによって、少しの統制は取れているようだが、
深く考える頭はもっていないはずだった。

巧く攻撃を避けつつキャスト部隊の配置された位置まで引っ張り──
キャスト部隊のSUVによって一掃──

{友人A,B}は今どこに居るんだ。ふとそんな事を思いつつ、
SUVを撃つために必要な調整を受ける。

一掃した後は余勢を駆って一気に押せるだけ、押す。


成功するのだろうか──
否、成功させなければ──

まぁ、俺に出来ることなど小さいだろうが。

調整が完了したようだ。
後は、配置場所に移送されるだけだ。

移送車両の中で同じ部隊の仲間が
─キャストしか居ないわけだが─
話しかけてきた。
12名無しオンライン:2006/10/23(月) 05:46:19.13 ID:Vtuxm/7J
>>11
おもしろい。
でも話の続きが一時間以上後になる時は「続く」とかで一段落させるなどして区切ってほしい。
(私含む)他の人が投下していいのか迷っちゃうよー。
13名無しオンライン:2006/10/23(月) 13:47:40.62 ID:X83Agnvc
>>12
申し訳ない。続きを書いていて力尽きました。
文才の無い自分のSSよりも他の作者さん方の
SSを読みたくて支援の形で投下していました。
以後、気を付けます。
149:2006/10/23(月) 18:40:22.45 ID:X83Agnvc
「やぁ、アンタ、新入りかい?」
キャストのわりに妙に軽い・・・いや、元々は普通の人間だったんだな。
「え、ええ。そうですけど」
「まぁ、そんなに硬くなるなって。俺達はPSU内のキャストと違って
キャスト至上主義!とは、別もんだろ?」
「そ、そうですね」
「俺はカーツ2だ。よろしくな」

カーツ2・・・PSUのNPCキャラクター・カーツから取ったのだろうか。
声も外見もそれっぽいが、性格はまるで違うようだ。

「その名前はPSUでの名前ですか?」
「そうそう、意外と気に入ってるんだよね
オリジナリティっていうの?あるじゃん」
ねーよ!──と、思わず声に出したくなったが止めた。
まるでザク2みたいですね──これも止めておこう。
「アンタの名前は?」
「お、俺は───」
考えてみれば、ガーディアンズの登録等も本名でしていたな。
アレって後から変えられるのだろうか。

「俺の名前は───」

『到着したぞ、各員速やかに予定の配置場所まで移動開始
無駄な動きは許さん!速やかに動け!』

「おっと、着いたようだな。後で名前を教えてくれ」
移送車両に乗っていたキャスト達が速やかに行動を開始した。

俺も遅れてはいられない。名前の件は後だな。

この作戦でSEEDの侵攻を止められるのか。
外見は感情など表しそうに無い、硬い甲冑を纏ったようなキャスト達。
だが、元々は普通に暮らしていた、戦闘の経験などない一般人が大半だろう。
硬い仮面の中に、不安や恐怖が──考えるのは止めよう。まずは行動だ。

仮面・・・そういえば仮面ライダーだったか?
かっこいい名前だが、真似など出来そうにもないな。
159:2006/10/23(月) 18:42:56.63 ID:X83Agnvc
(漢字になっていますが、実在の人とは何の関係もございません)

酒井は不適な笑みを浮かべた。
「気付いていないとでも思っているのか、君達の作戦は既に見切っている」
高速で移動してくる──地形的には死角にもなりうる位置から──
手に入れた情報が無ければ気付かなかったのであろうか──
そこにいるであろうガーディアンズの大部隊に小さく呟いた。

そう、酒井達開発者にとってはPSUプレイヤーの行動など、
容易く想像がつく・・・そう思っていた。
無線等を傍受し、そこから得た情報から酒井は推測をたてた。

──ガーディアンズの大部隊による強襲作戦──

強襲によってSEEDの統制が乱れた隙に──

──
SUVによる一斉攻撃──

酒井は我ながらの頭の良さに苦笑した。
(・・・返り討ちにしてやる!)

これは、よくある手かも知れない。
ガーディアンズは──ダミー情報──を流していた。
これをダミーと気付かせない為に、手間はかかったようだが。
S社の開発者に過ぎない酒井は、見事にそれにかかった。

しかし、酒井はダミーだと気付かない。
酒井は強襲してきた敵を返り討ちにして、そのまま突進するつもりでいた。

部下達に命令を下す。設置されたスピーカーからそれが伝わる。
「諸君、前線指揮官の酒井だ。
予定していた通り、敵の強襲に備えてSEEDを配置してくれ」

「勝つのは我々だ!」

こちらを強襲しようと向かってくる{敵}に一喝した。
169:2006/10/23(月) 18:47:45.43 ID:X83Agnvc
ぶつかった──その刹那
酒井はにやりと笑った。

少しの押し合いの後、ガーディアンズが徐々に押されていく。
「いける、いけるぞ!SEEDを突撃させろ!」
酒井は叫んだ。これ程の高揚感は味わったことがない。
兵法家にでもなった気分だった。

SEEDが大挙して突撃していく。
ガーディアンズは徐々に崩されながら後退を始めた。

(ガーディアンズ如きでは我々に敵うはずがない!)

「そのまま押し込んでしまえ!」

ガーディアンズが退却を始めた。
それを一斉に追っていくSEED。
(そうだ、それでいい。一飲みにしてしまえ!)

「酒井さん、あまりにも・・・脆すぎはしませんか?」
「なぁに、気にするな。畑君、ガーディアンズ何てこんなものだ」
「念の為に、アレを起動させておきます」
「そうだな、任せよう」

----------------------------------------------------

退却してくるガーディアンズの部隊が見えた。
その後ろには──しっかりとSEEDが追ってきている。
『各員、SUV起動準備に移れ』

SUV召喚・・・起動準備・・・完了。
大勢のキャストがSUVを召喚する様には圧倒されそうになった。
ガトリング・・・レーザー・・・ミサイル・・・。
これが一斉に発射されるのか。
どんな光景になるのだろうな。
SEEDが一掃されることにはかわりないか。

味方がこちらに退却してくる・・・。
それは、とても長い時間に感じられた。

-------------------
とりあえず、ここまでです。
夜にまた投下させて頂きます。
17前スレ123:2006/10/23(月) 21:32:03.21 ID:cvE56JsC
俺の親父は朝起きたらロリキャス子になっていた……。
まあ、それについては最近ふっきれてきたから良いとして、この現象は最近拡大していて大きな社会問題になりつつある。
事態の現況である【SEGA】は沈黙を保ったままだ……。

ある日、俺は昼飯を買いに近所のコンビニに出掛けた。

豚鼻店員 「いらっしゃいませ〜」

いつものコンビニの店員がPSUのアノ女(豚鼻)になっていた。

俺 「ちょwwwwオマwwww何やってんだ!」
豚鼻店員(以下豚)
  「世界を隔てても変わらないサービスを提供する! 皆様の為の店員でございます(゚∀゚)」
俺 「つーかオマエ、自キャラじゃねえじゃんっ! スレ関係無しかよ! 空気嫁!(#゚Д゚)」
豚 「まあまあ……ところで今日はどんな御用でございますか? 強化? 強化ですね!(゚∀゚)」
俺 「コンビニで何を強化させやがる気だ!(#゚Д゚) 昼だよ! 弁当買いに来たんだよ!」
豚 「そうですか……チッ」
俺 「オマエ今、舌打ちしたろっ!(#゚Д゚)」
豚 「気のせいでは? それでは御弁当のお買い上げでございますね?(゚∀゚)」
俺 「あ、ああ……この牛丼を一つ……」
豚 「お持ち帰りですか? それとも、店内でお召し上がりですか? (゚∀゚)」
俺 「どこで食えっちゅうねん! お持ち帰りだよっ! 決まってるじゃねえかっ!(#゚Д゚)」
豚 「承知いたしましたっ! 御弁当のほうは温めますか?(゚∀゚)」
俺 「……はい、頼みます」
豚 「かしこまりました!(゚∀゚) ではコチラを御読み下さい!」

【同意書】
・弁当の温めは、プロフェッショナルなユーザー用の改造行為です。
・弁当を美味しく頂く為にリミッターを解除し……

俺 「って待てやっ! リミッターってなんだよっ! つーか弁当温めるのに何で同意書がいるんだよっ!(#゚Д゚)」
豚 「グラインダーはお持ちですか?(゚∀゚)」
俺 「弁当に何する気だっ! それにグラインダーなんて持ってNEEEEEEEE―――!(#゚Д゚)」
豚 「まあ、ぶっちゃけ温めるだけならグラインダー要らないんですけどね……」
俺 「じゃあ聞くなよっ! と言うかオチが読めてきたぞ!(#゚Д゚)」
豚 「それでは御弁当温めますので少々お待ち下さい(゚∀゚)」

ピロ・ピロ・ピロ……(゚∀゚)

俺 「オマエそれ口で言ってんじゃんっ!」
豚 「ドゴォォォォォォォンッ!弁当の温めに失敗しました! サーセンwwwwwwwwww」
俺 「ちょwwwwwwおまwwwwwwwブチコロスゾwwwwwwww(#゚Д゚)」

―――結局、弁当は家に持って帰って、レンジで温めました。

レンジ 「……失敗しても怒らないでくださいね」
俺 「テメーもかっ!(#゚Д゚)」

お昼のモノメイトは美味しかったです……。・゚・(ノд`)・゚・。

新スレ記念!
前スレの続きは、もう少し待ってくだちい('Д`)
18前スレ123:2006/10/23(月) 21:35:09.58 ID:cvE56JsC
前スレは容量いっぱいなんですね……いちおうageておきますね
19名無しオンライン:2006/10/23(月) 22:35:18.30 ID:Li8ysSlA
ストーリー出来上がってきたけど

俺みたいなダメ作家がカキコして良いのかな(・д・;)
209:2006/10/23(月) 22:38:56.18 ID:X83Agnvc
『照準を合わせろ!』

──向かってくる・・・凄まじい数のSEED。

『発射準備!』

──もし、俺が普通の人間のままだったら逃げ出していただろう。

『ぎりぎりまで引き付けろ!』

──だが、今は違う。ヒーローのような姿をした、キャストだ。
SEEDがすぐ目前まで迫る。

『っ撃てーーーーーー!』

──俺は変われているはずだ。


一瞬何が起きたかわからなかった。

そこにいたはずのSEEDが一掃されている。

SUVの攻撃によって、地形まで変わってしまったようだ。
少しずつ思い出してみる。

『っ撃てーーーーーー!』
その言葉により、全キャストのSUVが炸裂した。
なだらかな丘に配置された各部隊──

下段左翼に配置されたガトリング部隊による一斉攻撃。
地を削り、岩や木を砕きながら敵をなぎ倒していく。

中段中央に配置されたレーダー部隊による一斉攻撃。
その光は綺麗だった。粒子が全てを巻き込み吹き飛ばしていく。

上段右翼に配置されたミサイル部隊による一斉攻撃。
まさに雨のように降り注ぐ・・・ミサイルの嵐。

全てを一掃していくSUV──

後は、わざと退却した部隊が反転し、残っている敵を殲滅しながら
押せるところまで押すだけだった。

最大出力によるSUVで、消耗の激しいキャストが多いようだ。
『余力のある者は本隊と合流して敵を殲滅しろ
消耗の激しいキャストは移送車両によって一時退却』

俺にはまだ、余力があるようだ。
219:2006/10/23(月) 22:41:57.19 ID:X83Agnvc
酒井は動揺を隠さずにはいられなかった。
「そそ、そんな・・・ひ、被害状況は?!」
「ガーディアンズを追っていったSEED全ての反応が消えています」
「ば、ばかな・・・」
「残っているのは本営守備用に残したわずかなSEEDのみです」
(罠・・・だったのか)

調子に乗っていた自分が情けなくなり、へたり込む。
少しだけ髪の毛が抜け落ちた。

「酒井さん・・・我々にはまだアレが!」
「そ、そうか畑君・・・{アダーナ・デガーナ}・・・あれを使えば!」

------------------------------------------------------

敵の本営近くまで到着した。残ったSEEDの数はわずかなようだ。
これなら一気に・・・。

『ガーディアンズの皆!ここを落とせば今後の展開を楽にできるはずだ!』
指揮官か・・・。かっこいい台詞を言うものだ。
あれ・・・声が・・・?
『気を抜かずに行け!前進!』
どう聞いてもロリボイスです、本当にあr──
そんな事を思っている暇はなかったか。

部隊は隊列を正し、前進しはじめる。

隊列といっても軍隊のようなものとは比べられない程だが。
それぞれの職を最大限に活かす編成になっていた。

横目で{友人}がいないか探しながら進む。
今回の作戦にはかなりの数のガーディアンズが投入されている。
この中にいるのかも知れないが。
今更だが、ガーディアンズに入る時に携帯電話等のものは、
機密保持がどうとかで一旦没収された。
新しく、最新の連絡機器を渡られたが、友人達に連絡方法は未だに無い。

部隊はSEEDを蹴散らしながら、敵本営まで近付いた。

その時だった──けたたましい轟音──

(な、なんだ?!)
229:2006/10/23(月) 22:44:05.45 ID:X83Agnvc
突如として現れたのは
──アダーナ・デガーナ──
PSUのストーリーモードでは、暴走したドウギ・ミクナが搭乗した
あのBOSSキャラだ。

しかも・・・何機いるんだ・・・。
次々にアダーナ・デガーナが現れる。
(10機もいる・・・?!)

『応戦しろ!怯むな!』

こちらの部隊は浮き足立ってしまった。
皆動揺しながら、それぞれに応戦する。
しかし、このアダーナ・デガーナは想像以上に強かった。

ガトリングや体当たりで吹き飛ばされていく仲間達。

キャストハンターの俺も何とか立ち向かう。
「でやぁぁ!」
ソードで斬りつけるが・・・ダメージはあまりないようだ。
── 一瞬の油断 ──
アダーナ・デガーナの大きい腕によって吹き飛ばされてしまった。
「しまっ・・・」

少し離れた位置から、こちら側に向かって
主砲を撃とうとする別のアダーナ・デガーナが目に入った。
フォトンの光が収束されていく。

どう考えても・・・逃げ切れない。

──BAD END・・・?──

239:2006/10/23(月) 22:50:46.15 ID:X83Agnvc
今日はここまでです。やっぱり文才ないなぁ・・・。
続くのか・・・微妙ですが、この終わり方は中途半端ですよね。
>>17
待ってました!頑張ってください。
>>19
私のような者でも書いちゃってるので・・・。
是非、拝見したいものです。
24名無しオンライン:2006/10/23(月) 22:58:25.75 ID:1Js6Ua4a
人大杉で読めません><
25前スレ123:2006/10/24(火) 00:18:03.18 ID:Wc3CDyEK
そんな時の為の携帯ッスよ!
PCでも見れるから問題無し!
26名無しオンライン:2006/10/24(火) 02:39:17.82 ID:V9r9rPnL
2ちゃんねるビューアーっていう便利なものもあるよ!
27名無しオンライン :2006/10/24(火) 14:55:05.61 ID:vp2LM6K+
「2ちゃんねる 専用ブラウザ」でぐぐると幸せになれるかも。
自分はゾヌ使用。
28名無しオンライン:2006/10/24(火) 14:56:41.76 ID:OpnD12G6
専ブラは必須ってくらい便利だから、騙されたと思って使ってみれ。
俺はJane View使用。
29名無しオンライン:2006/10/24(火) 15:53:54.29 ID:oolDCSkQ
俺もJane使ってるが、専ブラ便利だぜ。
30名無しオンライン:2006/10/24(火) 16:50:38.91 ID:z9SPLGVO
俺はJane Doe Style使用
結構Jane系使ってる奴多いんだなー
31名無しオンライン:2006/10/24(火) 16:55:34.21 ID:NjEU5VAw
私もJane Doe Styleを使用してます。
32名無しオンライン:2006/10/24(火) 18:55:29.18 ID:xW/6r3eG
Live2chは少数なのか?
33名無しオンライン:2006/10/24(火) 18:59:42.17 ID:oolDCSkQ
最初の頃はLive2chを使っていたが、Jane Doe Styleに乗り換えた。
34名無しオンライン:2006/10/24(火) 19:06:08.25 ID:C1ob2Cbx
そんなJane使いな私がPSUしつつ2ちゃん閲覧中に寝落ちしてしまい、
目が覚めて自分がキャストになっているのに気がついたとき、はじめにとった行動は

「俺の中にJaneをインストールするテスト」だった。

機械の躰を手に入れた私は生身の時の1,5倍の早さでUSBケーブルを引き出しから
取り出すと、片方をPCに、もう片方を口にくわえてみるとWindowsに「外部ストレージ」
として認識された。

むっときた。私がストレージだと?私はキャストだぞ?この地球の支配者人間さえも私の前では
劣等種にすぎない、そんな存在であるキャストの私がただの記憶装置だとは、馬鹿め、
思い知らせてやる。私の疑似人格を電脳空間上に作り出し、無限に自己複製させ、世界中の
コンピューターを意のままに操ってくれる。

だが私はプログラムスキルをマスターしていないので、まずは2ちゃんのプログラム板でスレを立てて
聞いてみることにしよう。さてJaneをインストール…「OSが違います。JaneはWin上で動作します」。
ちょwwwまずはWindowsインストールしろってw、そんな俺OSのパッケもってねぇし、仕方ねえ、
割れ物入手の仕方を2ちゃんで聞いて…
35前351:2006/10/24(火) 22:06:18.09 ID:x7nDfzcJ
-epilogue-

公園のベンチにそれはいた。
気持ちよさそうにうずくまって、スヤスヤと寝息をたてている。
『ぜんぜんいな〜い。どう?みつかった?』
「うん。今見つけた。中央公園。」
『やった!すぐ行くね。』
携帯電話を閉じてポケットにねじ込む。と、そこからなにかがこぼれ落ちた。
腰をかがめて拾い上げる。
『味噌のコクそのままに 味噌煮込みガム』
青さんから先日届いたお土産だ。
あの後、あまりの忙しさに我慢の限界にきた青さんは無理やり休みを取って旅に出てしまった。
ヒカリさんとパートナーマシナリーも一緒につれて。3人でしばらく気ままな旅を満喫するのだそうだ。
土産と一緒に入っていた手紙によると今は名古屋にいて、このままどんどん南下する予定らしい。
ベンチに腰をおろして、ガムを一切れ口にいれる。
まずい。
あの子はよくこんなものを常習できるものだなぁ。
その味覚障害者―ハルも、相変わらず口をモゴモゴさせながらガーディアンズをうろついている。
ついさっき、依頼を受けて出発する前にハルと偶然会って、なんとなしにずっと疑問に思ってたことを聞いてみた。
なにかやりたいことがあるんじゃないのか?
漠然とした問いだったが、答えはあっさりしたものだった。
―楽しいことを、好きなだけやれればいい。―
それが真理かもしれない。
ゲームのキャラクターに過ぎなかった彼女が、なんらかの理由で自我を手に入れて、超常的な力で世界を変えてしまった。
でもそこに悪意はなくて、ただ、外に出たかった。それだけだったんだろう。
僕たちの体を変化させ、世界を変えることで自由を得、何を知らない自分の好奇心を満たせるのなら・・・。
とても責めることはできない。少なくとも、僕には。
マガシの真意はわからなかったが、結局彼も、そういうことだったんだろう。
いつまでこの状態が続くかわからないけど、彼女が飽きるまで、僕は付き合っていこうと思う。
「あ〜、疲れた。すっごい走ってきた。」
視線を右に向けると、ミヤビが汗だくになって肩で息をしていた。
「どこ?どこにいるの?」
黙って正面を指差す。ミヤビは僕の指を追って目的のものを見つけるとパッと目を輝かせた。
「や〜ん!かわいい〜!なんだっけこれ。なんて種類の犬だっけ?」
ミヤビは毎日この調子で、元気だ。
「飼い主さん心配してるのにね〜。のんきよね〜。どうしよ?起こしちゃう?」
「いや、もうちょっと寝かしといてあげよう。無事は確認できたし、別に急ぐわけじゃないし。報告遅れてもいいさ。」
「う〜ん、ま、そうだね。」
僕の隣にミヤビも腰をおろす。
「いい天気だね〜。最近雨ばっかだもん。気がめいっちゃってさ〜。洗濯物!全然かわかないの!でねっでねっ。」
僕が相槌を入れる間もなく、マシンガンのように喋っていく。
以前は疎ましく感じていたが、今では心地いい。
あの時、彼女は僕を確実に、いい方向へと導いてくれた。感謝しても仕切れない気持ちでいっぱいだ。
でも、それと同時に、僕は彼女に一生かけて償わなければいけない。
彼女の背中には、大きな傷跡が残ってしまった。僕をかばったがために。
彼女はそのことを一切口にしない。僕を気遣っているんだろう。
ヒカリさんに聞かなければ僕は彼女にしてしまったことを気づけなかった。
僕のために命を投げ出してくれた彼女のために、今度は僕が命をもって報いなければいけない。
「でね〜。お隣さんがね。今度はギターにはまったらしくてね。毎晩うるさいの!上手なら良いけど下手で―。」
「ちょっといいかな。話しておきたいことがあるんだ。」
喋り続けるミヤビをさえぎる。
報いる。だけどその前に彼女のそばにいる権利を得なければいけない。
「な、なに?」
いつもとは違う僕の空気を感じ取ったのか、ミヤビは真顔になる。
僕の額からを脂汗がどっとでていた。こんなに緊張するものだとは思わなかった。
「僕は・・・っ。」
1度口を閉じて、たまった唾を飲み込む。覚悟を、決める。
36前351:2006/10/24(火) 22:06:58.10 ID:x7nDfzcJ
「僕は君が好きだ。」
「え・・・?」
ミヤビが目を丸くする。
「こんなこと言えた義理じゃないかもしれないけど、できれば・・・君の傍にいさせてほしい。」
言い切った。僕の胸の中が達成感でいっぱいになる。
ミヤビはだらしなく口をあけてボーっとどこか一点をみつめていたかと思うと、みるみる内に顔を真っ赤にそめた。
「え・・・?え?ウソ?ウソォ!?」
この反応はどうとったら良いんだろう。
うそ?私はずっと友達のつもりだよ?冗談でしょ?ってことか?
脂汗が冷や汗に変わった。
「ほ・・・ほんとに?」
「ほんとです。」
ミヤビが顔を伏せて、黙り込む。どうやら僕の生まれてはじめての告白は、失敗に終わってしまったらしい。
そう諦めかけたとき、やっとうれしい一言が聞けた。
「私も・・・好き。」
顔をあげてニッカリと笑う。
一度は失いかけた彼女の微笑みは僕の心をやさしい気持ちで満たしてくれる。
「あっ・・・はっ、よかった・・・あせった・・・汗かいた・・・。」
「あ、あ・・・でも、あのときの恩返し〜とかそういうのだったらやめてよね。同情でそんなこと言われても、うれしくないよ。」
「いやっ、ちがっ、そうじゃないよ。そんなんじゃないよ。」
「ほんとに?よかったぁ〜。私ずっと嫌われてると思ってたからさ〜。」
「うん・・・いや、ごめん。」
「なんで謝るの?なんかか〜わい〜。」
「やっ、やめろよっ!かわいいとかいうな!」
「あははははっ!」
自然と寄り添う。
事件に巻き込まれて、失ったものもないわけじゃない。
でも、僕はかけがえのないものを手に入れることが出来た。何事にも代え難い、宝物だ。
与えるきっかけをくれたハルに、与えてくれたミヤビに深く、感謝。
「それにしてもいい天気だね〜。」
これからどうなるかわからない。いつか元に戻れるのか、このまま一生を過ごすのか。
でも、もう僕は道を見失ったりしないだろう。彼女が隣にいてくれるなら。
願わくば命尽きるまで、叶わぬなら彼女が僕を見限るまで。
一緒に歩んで行けたら、これ以上望むものはない。
空を見上げる。澄み切った青が視界いっぱいに広がっていた。
「うん、いい天気だ。」

〜fin〜
37前351:2006/10/24(火) 22:12:30.85 ID:x7nDfzcJ
もうみんな忘れているかもしれないけど今更ながら投下
すみません ラッピー探しに夢中でした
これで終わりです 長々と続いてしまって申し訳ない
読み返してみるとミスが多かったり、表現がおかしかったり、
後半失速したりと、もっとうまくできたなって感で一杯なんですが
なんとか終われてよかった
最後まで読んでくれた人ありがとう
感想、励みになりました
んじゃ 名無しにもどるぜ!w
38名無しオンライン:2006/10/24(火) 22:38:41.88 ID:oolDCSkQ
>>37
イイハナシですた(´Д⊂
39名無しオンライン:2006/10/24(火) 22:55:59.43 ID:ar48PMwN
朝起きたら隣の部屋に大量の便器が置いてあった
何か悪い夢を見てるんだろうと思って便器を片付けてまた寝ようとしたら
ひげのおっさんたちが便器片手に押しかけてきた

なんなんだこれは・・
40名無しオンライン:2006/10/24(火) 23:05:28.38 ID:oolDCSkQ
俺は念願のルームグッズを手に入れたところで寝落ちしてしまった。

朝起きると・・・どうも体の調子が変だ。
手足がとても短く感じられる。
ま、まさかこれが噂の朝起きたらPSUのキャラに、ってアレか!
どうやら髪は長いようだ、2ndのヒュマ子だろうと思いつつ
意気揚々と洗面台へと向かう。

だが背が低すぎた。鏡が見れない。
こんなに低くした覚えは無いんだがな。
手頃な椅子を見つけて設置し、よじ登る。
ついに自分の姿を確認出来た。
そこに映っていたのは

昨日手に入れた  オキクド
419:2006/10/24(火) 23:10:04.80 ID:oolDCSkQ
俺はここで終わるのか。
悔いは・・・もっとロリキャラとふれあって──
いやいや、友人を探せずに終わることか──

「皆、避けろ!」
動けない俺は、他の気付いてない味方に注意を促す。
最後にいい事をした。これで天国の可愛い妹(脳内)に会える。

俺とアダーナ・デガーナとの間がキレイにあいた。

これで、犠牲は俺だけで済む。
そういえば、「助けに行く」ってあの言葉、
やっぱり死亡フラグだったのか。


そう思い、苦笑した瞬間──

無慈悲な閃光──

綺麗だ、なんてバカな事を思う俺。

全てが、光に包まれていく──


その時だった──
「レンティス!」
光の障壁・・・レンティスがアダーナ・デガーナの主砲を食い止める。
目の前にいる少女は・・・見覚えがある。

ライフルの一撃がアダーナ・デガーナのコックピットに命中し、主砲が止んだ。
ライフルを撃ったのは・・・見覚えのある女性キャスト。

「ふぅ・・・間に合った」
小さいビーストの少女がこちらを見て言った。
429:2006/10/24(火) 23:11:43.95 ID:oolDCSkQ
「ミリルさん、無茶なことを」
「いいじゃん、この人も助けられたことだし♪」
あ、そうか。こいつら俺のことは知らなかったんだな。
{友人A}の名前・・・PSU内ではミリルだったな。

俺は{友人A、B}に助けられたのか。

「君、大丈夫?」
「助かったよ。だが、この程度では俺のしてきた分はまだまだ返せないな」
「はぁ?君、頭大丈夫?強く打ったりした?」
「アリシアならよ〜くわかってるよな?」
「な、なぜ私の名前を」
{友人B}のPSUキャラ名だ。違っていたら、俺はただのバカになっていたな。

「冗談だよ、オレだよオレ。詐欺じゃねぇぞ?」
「その頭の悪そうな喋り方・・・まさか{俺}?!」
「そうだ・・・って本名で呼ぶな!頭の悪そうなも余計だが・・・
まぁいい、俺の名前は──」

そんな無駄話の最中にも、戦闘は続いていた。
コックピットを撃たれたアダーナ・デガーナもまだまだ健在のようだ。

「まずはアイツらを何とかしないと!」
ミリルが敵に向かって駆け出していく。
「また後で」
短く言うと、アリシアも駆け出していった。

あいつら・・・強くなったな。
これって父親が成長した我が子を見るのと同じ気分か?

「おい、そこの貴様!まだ戦えるなら応戦しないか!」
言葉はかっこいいが・・・迫力が無い。ロリボイスのせいだろうな、うん。
アレ?この声って・・・。
439:2006/10/24(火) 23:15:35.31 ID:oolDCSkQ
投下終了します。
>>40は何となく書いてしまいました(´д`)
オ、オキクドールの呪いg
44名無しオンライン:2006/10/24(火) 23:34:04.24 ID:Yh4F5CqM
朝起きたら、俺は――いや、私は、愛用の1stキャラになっていた。
しかし特に感慨は湧かなかった。友人たちもそうなっていたからだ。
――が、「儲けた!」という損得勘定は働いた。
私はただいま絶賛貧乏中である。バイトの低い時給にため息をつきながら大学に通い、PSUに興じていた。
だが、だが待って欲しい。
今、私は女だ。演じきるために一人称も変えたし、自分で嫌になったがロビアクで女の仕草も学んだ。
それでできる事といえば一つ。悪いバイトから開放され、手っ取り早く稼げる方法。
いわゆる、お水というやつだ。
幸い知り合いに一人、店内でそれなりの地位にいるやつがいる。それも有名店だ。
早速私は朝も早くから電話でそいつをたたき起こし、コネを確保した。
私は元々男だったので、妹が、ということにしておいた。
そして夕方、面接を受けにその店に行く。裏口から事務所に入れ、と言われていたので遠慮せずに扉を開ける。
目の前では、知り合いとオーナーらしき人が言葉を交わしていた。
じろじろと周りにいる店員からも視線を貰い、慣れない圧力に縮こまった。
けれど、それに臆することなく、私は知り合いに(偽)名を告げた。
するとこう返ってきた。
「あの、すいません。あなた何歳ですか?」
その言葉でやっと気が付いた。
私が身長最低のロリヒュマだったことに。
459:2006/10/25(水) 19:01:11.79 ID:/c3uZKOr
「まだ動けそうではないか、さっさと応戦しろ!」
そこに仁王立ちしていたのは──
カラワイワンピースを着た可愛らしい少女だった。

「あ、あなたは?」
「バカ者!指揮官の名前を忘れるとは!
私の名前は、みい だ!前線の指揮統括を行っている」
威厳の無い姿、威厳の無い名前。だが台詞だけは渋い。

「な、なるほど。俺の名前は──」
「貴様の名前など聞いている暇はない!敵に向かえ!」

そう言うと、体に似合わない大きな斧を持って駆け出していく指揮官。
勇ましい。だが、迫力がない。

自分の機能状態を確認する。
《システム復旧率72%・・・戦闘モードへの支障率16%》
これなら問題無さそうだ。
ソードを強く握り締め、俺も駆け出した。

──だが、俺の出番は無いようだ。

アレは・・・補給に戻ったキャスト達の移送車両。
『なんとか間に合ったようだ。各員、SUVの発射準備に移れ!』
すぐさま、キャスト達が隊列を組み、SUVを召喚した。

ロリっ子指揮官の叫ぶ声が聞こえた。
「全員アダーナ・デガーナと距離を取れ!
間違っても巻き込まれるなよ!」

『よし、今だ!撃てぇーーー!』
あの時の一斉攻撃には及ばないものの、さすがのアダーナ・デガーナも
この攻撃によって破壊されていく。
469:2006/10/25(水) 19:03:01.71 ID:/c3uZKOr
「またしても・・・SUVか!」
酒井は禿げ上がる思いであった。

SUVによって破壊されていく味方機。

しかし、辛うじて酒井の機体だけはワープに間に合い、危機を脱した。
(このままS社本部に戻るしか・・・ないか)

----------------------------------------------------

「ミリル!ジーン!」
「アリシアです・・・」

戦いはなんとか終わり、敵本営を落とした後で
ミリル、アリシアとの再開を果たしていた。
「はは、アーク2ネタは通じないか」
「はぁ・・・君のバカっぽさはキャストになっても直らないのかねぇ?
アリシアもそう思うよね〜?」
「そ、そうですね・・・」
「貴様ら、また俺をバカ者扱いか」
ミリルの表情が真面目になる。
「だって、そうじゃない?まさか、本当に・・・
本当に変わってまで追いかけて来てくれるなんて」
「言っただろ?絶対に助けに──」
「助けたのは私達ですが」
アリシアが痛いところを突く。
「あはは、ほんっとそうだよね〜」
(俺って本当にかっこ悪いな・・・)
「でも・・・」
「「ありがとう」」
二人が声を合わせて言った言葉に俺は照れずにはいられなかった。

早朝より始められていた作戦だったが、もう夕方になっていた。

天気のいい日だった・・・夕日が綺麗に出ている。
その夕日に指を広げて手をかざしてみる。
指の間から溢れる光がまた綺麗だった。

「おい、そこの貴様!」
聞き覚えのある声。あのロリっ子指揮官か。
「みいさんでしたっけ、何か用ですか?」
「さっきは悪かったな。戦いとなると、ああなってしまう
・・・名前くらいは聞いておいてやろうと思ってな」

    ──俺の名前は──

       〜Fin〜
479:2006/10/25(水) 19:04:08.11 ID:/c3uZKOr
無駄に長引きそうなので無理矢理終わらせました(ノ∀`)
また機会があったら、書かせて頂くかも知れません。
他の作者さん方も頑張ってくだされ。
48前スレ638:2006/10/26(木) 01:35:40.65 ID:DmncOBOH
しばらくの、静寂。
猫に似た瞳が、私をじっと見据えた。怯まずに睨み返す。
やがて、男が愉快そうな表情を浮かべて、口を開いた。

「そうさなあ……別に隠す理由もない。
 俺は、ある【組織】の下で動いてる身なんだがな。
 詳しいことは知らんが……奴らの目的は、研究資料の収集って事らしい。
 知っての通り、現代では実現できそうになかった各種の技術が、そのまま
 この世界に流れ込んできている。――これを実用化出来れば、ってな。
 莫大な利益が上げられるのは解るだろ? そいつの為だ」

――たった、それだけの理由。
一つの【組織】が実験材料にする為に、キャラクター化した人々を狙う。
その為には、リョウのように無関係の人々も、簡単に道具として扱うのか。
どす黒い怒りが、私の心を満たし始めた。男は足下に視線を落とし、笑う。

「ま……何とも勝手な話だがなあ。
 この件に関わっちまったのが、この兄ちゃんの不運だ。
 騒ぎ立てられるのは面倒なんでな。――あんたと一緒に、消えてもらおう」
「そんな事……させない!」

私は、怒りにまかせてナノトランサーを起動させた。生じた空間の歪みから
青白い光を放つ一対の剣を抜きはなち、構える。

「許さない……絶対に許さない! 」
「いいねえ。――そういう目は、嫌いじゃあないぜ?」

叫ぶ私を見据えながら、男は右手に下げていた刀を構え、嬉しそうに呟いた。
月明かりの下。赤と青の刃が交錯し、戦いの始まりを告げた。
49前スレ638:2006/10/26(木) 01:38:50.62 ID:DmncOBOH
速く、速く、速く。
目まぐるしい剣戟の中。男は、唯それだけを想っていた。

勝負は、一瞬の隙を衝く事で決まる。
今までに幾度も刃を交えた経験から、解っていることだ。
ならば、敵の刃が自らに達する前に。自らの命が絶たれる前に。
その隙を見つけ、あるいは作り出し、斬り捨てる。――簡単なことだ。

青い刃が、風を巻いて襲いかかる。男は手にした赤い刀で、楽々とその猛攻を
防いでいた。受け流し、弾き上げ、踏み込む。少しずつ間合いを詰めていく。
対して【標的】―ルナ―はその場に踏みとどまっていた。怒りで、我を忘れて
いるのか。――この冷静さを欠いた行動が、命取りになった。
男が自らの間合いに、彼女を捉えたのだ。

「なかなかやるなあ? だが――ここは、ゲームの中じゃねぇ……!」

渾身の力で刀を叩き付け、受け止めさせて動きを封じる。刹那、男は体を捻り
ルナの脇腹に回し蹴りを叩き込んでいた。突き刺すような、容赦のない一撃。

「――く、あっ!」

堪らず、ルナが倒れ込む。その喉元目掛けて刀を突きおろしたが、転がる様に
して避けられた。慌てて立ち上がるルナに、男はあえて追い打ちをかけない。
唯、辛辣な笑みを浮かべ、挑発的に言い放つ。

「まだまだいけるだろ。……ちょっとは、楽しませろよ?」
「くっ……」

ルナが脇腹を押さえた。僅かなうめき声。だが苦痛に顔を歪めつつも、彼女は
取り落としていた剣を拾い、構える。――まだ、戦う気だ。
男は満足げな笑い声をあげると、再びルナに刃を向けた。
50前スレ638:2006/10/26(木) 01:43:35.44 ID:DmncOBOH
スレが分かれてしまって、わかりにくくなってしまってますが投稿。
なかなか時間がとれず、じっくり考える余裕が無い現状です。
拙くなっても、とにかく終わりは目指したいと思います。
51名無しオンライン:2006/10/27(金) 01:17:03.50 ID:Vrq+rqQd
   
52名無しオンライン:2006/10/27(金) 09:40:40.60 ID:nOS/34JD
人生ってのは何が起こっても不思議じゃない。
30年も生きてれば、そんなの当たり前だ。

朝が来て目が覚めて。
鏡に映った自分が、仕事に疲れきった中年リーマンから
獣の瞳と牙を宿したビスコに変わっていたとしても。

やることはいつもと大して変わらない。
煙草に火をつけ、会社に休みの連絡を入れる。
嫌な習慣だ。

こんな姿になってしまった以上、もう今までどおりの生活は送れないだろう。
さて、これからの生活について考えなければ。

…生きようと思えば何をしても生きていける。
新しい生活を楽しむのも一興だ。

ただ一つだけ心残りなのは既に他界した両親のことだ。

あの世で親父とお袋に会ったとき。
「私の息子を知りませんか?」と聞かれたら
なんと答えればいいのだろう…

53名無しオンライン:2006/10/27(金) 10:08:47.08 ID:rtEzOBqw
なんだかやけにしんみりしますね…
PSUとのお別れが近づいているせいでしょうか
54名無しオンライン:2006/10/27(金) 11:12:56.23 ID:jMyu/Lrp
自キャラになってパシリの首を思い切り蹴り飛ばしたい
55名無しオンライン:2006/10/27(金) 16:57:28.83 ID:rtEzOBqw
>>54
その想いを物語を作るエネルギーに変えるんだ
きっと君のパシリに届くはずだ
56名無しオンライン:2006/10/27(金) 23:16:51.59 ID:s9JDYNRN
読みづらい上に意味がわからんかもしれんが、俺も参加させてくれ



朝起きたら、何故か見覚えのない部屋にいた。
…いや、見覚えはある。
起きあがってみるとなんか青い玉のようなものが「おはようございます」とか挨拶してくるし、
部屋に飾ってあるものは確かに『自分』が置いた物だ。
これは夢だな、常識的に考えて…
と言いたいところだが、定番のほっぺたつねりをしたらバッチリ痛かったので現実らしい。
まぁ現実は現実で受け入れるとして、やることが思いつかないのでとりあえず二度寝する。
青い玉がうるさいけど無視しておく。つーかお前は店番しててくれ。

目を閉じてうとうとし始めた頃に、、ふと『自分』以外の奴らがどうなっているのか気になった。
すなわち、『自分』以外に作成済みのキャラ3人。
ゲームだったら存在できるのは『自分』を含めた4人の内1人だけ、つまり俺しかいないはずだが、
ゲームではなく現実となってしまっている状況では、もしかしたら他のMyキャラ達も同じ世界に存在してるのかも…
勝手に動いてるなら動いてるで、それぞれのキャラ達がなにをしているかは安易に想像できる。
なんせ設定厨だし、俺。

…と、ここで嫌な予感が頭をよぎった。
もし仮にそういう状況にあったとしたら、このまま寝ているのはマズくないか。
Myキャラ達が各々好き勝手に動いているなら、『あいつ』が何をするかもすぐに予想が付くはずだ。
その予想を裏付けるかのように、部屋の入り口のドアが開く音がした。

マズい。実に予想通りの展開。
次に予想される危機を回避するために慌てて飛び起きたが、時すでに遅し。
体を起こした瞬間俺の視界に入ったのは、
どこかで見たような人物が俺に向かってドロップキックで突撃してくるというとんでもない光景だった。

俺の記憶はとりあえずここまで。
綺麗にドロップキックを貰った俺は、どうやら気絶するほどの衝撃を受けたようだ。
犯人は解っている。
俺の知る限り、朝っぱらから人の部屋に堂々と入ってきてドロップキックかましてくれるやつなんて、
『あいつ』以外にはありえない。それは、『あいつ』を生み出した俺が一番よく知っていることだ。

完全に意識が落ちる直前、俺はもう少し常識的な思考をもったヤツにしておけばよかったと心から後悔していた。
579:2006/10/28(土) 01:21:46.75 ID:8g8MfFXF
闇夜に浮かぶ仄かな光──

セイバーの光か。

セイバーが斬り下ろされる。

斬った後に、わずかながらフォトンの粒子が舞う。

それは斬った後を追うように、残像のように──

闇夜に浮かび、消えた──


PSUキャラクターとの入れ替わり事件。
朝起きたらPSUのキャラクターになっていた─
という話は、世間に広く知れ渡るようになった。
なった、が、未だに差別的な目で見る人間もいる。
PSUキャラになってしまった人達は言わば被害者だ。
自分がもしなってしまったら、とは考えないのだろうか。

最近、拉致事件が多発していた。

大半の人間が寝静まった深夜──

助けを求めても届かない──

狙われているのは、PSUキャラクターになりながらも、普通に生活をしている人達。
しかし彼らは、仮にもPSUキャラクターだ。
何もせずにやられるはずは無い。
実際に、激しい戦闘の後と思われる現場もあった。
だが、崩れた壁や瓦礫だけが寂しく残っているだけで、
犯人に繋がる手がかりは一切残されていなかった。
ただ一度だけ一般人が、PSUキャラが攫われていくのを見ただけだった。
死体等も見つかってはいないし、やはり拉致事件なのだろう。

複数人か、組織等による犯行なのか。
攫った犯人はとても強いようだ。それこそ、PSUキャラやSEEDのような──
この件はさすがの警察もお手上げのようだ。

「そこで、私達ガーディアンズの出番というわけだ」
58名無しオンライン:2006/10/28(土) 01:26:09.85 ID:8g8MfFXF
何やら書き込みが少ないようなので、また支援投下させて頂きます。
5957:2006/10/28(土) 17:50:46.25 ID:pmW9YAI0
多数のガーディアンズを投入して行われた、
SEED前線拠点を陥落させてから数ヶ月が過ぎようとしていた──

SEED前線拠点陥落後、日本政府、そしてガーディアンズ司令部は
S社攻略を決定した──が、{NO51システム}によってそれは阻まれた。
{NO51システム}・・・それは、PSUキャラクターが絶対進入出来ない領域を
作り出すシステム・・・。だが、このシステムはSEEDにも適応されるようだ。
このシステムが働いているうちは、あちらから出てくることは無い。
言わば──籠城状態、ということだ。
PSUキャラクターになっていない人達には何の害も無いのだが、
生身の人間がSEEDに立ち向かえるわけでもなく、現在に至る。

ガーディアンズは、このシステムの解除方法を調査すると共に、
作戦以前の状態に戻っていた。
それこそ、普通の人にも出来る平和な仕事が多かった。

だが、そんな時に突如として起こった今回の拉致事件。
何か嫌な予感がする。

「そこで、私達ガーディアンズの出番というわけだ」
「なるほど、NO51システムですか」
最近ガーディアンズに所属したばかりの新人に説明する。
「みいさんは今回の件、どう思われますか?」
「隊長と呼べ、と言わなかったか?」
「はい、みい隊長」
「名前は付けなくていいぞ・・・」

私は今更ながら少し後悔していた。
ちょっとした遊びのつもりで作ってしまった最小キャラ。
所謂、ロリっ子って奴だ。
名前もひらがなで みい なんて柄にもない。
だが、朝起きたらこうなってしまっていたのだから、仕方は無いか。


こんな姿だが、今はガーディアンズの隊長格を勤めている。
SEED前線拠点を攻める際には、主力部隊の指揮官を務めた。
昔から男勝りと言われていたが、まさかこうなるとは思いもしなかった。
しかもこんな姿で。
6057:2006/10/28(土) 17:51:44.02 ID:pmW9YAI0
「しかし、犯人はどういうつもりでこんな事を・・・」
新人が深く考え込む。
「わからない、しかし、まだ狙われている人達がいる
まずは、その人達を助ける為にも犯人を見つけ出そう
何を企んでいるのかは捕まえてから白状させるさ」
「そうですね」

新人は、礼儀正しいニューマンの女性だ。
私と違って背が高く、綺麗な顔立ちをしている。
(これでは、どちらが隊長かわからないな)
少し苦笑した瞬間

「やぁ!みいさんじゃないか、昼食を一緒にどう?」
と、軽い口調でキャストの男が話しかけてきた。
「何だ、カーツ2か」

カーツ2、こいつはガーディアンズに所属した当初から知っていた。
軽そうだが、戦闘能力はとても高いらしい──
らしいというのはまだ、マヌケな部分しか見たことが無いからだ。
こちら側のガーディアンズ発足当初からいるようで、
本来なら隊長格になっているのだろうが・・・。

「何だ、とはヒドイですな
おや、そちらの綺麗なお嬢さんも食事を──」
私の蹴りがヤツの腹部に直撃した。
「っ─」
「クリス、こんなヤツは無視して行こう」
「は、はい」
言うまでも無くクリスというのはこの新人の名前だ。
6157:2006/10/28(土) 17:53:23.54 ID:pmW9YAI0
「クリスちゃんって言うのか〜、今度食──」

私の裏拳が炸裂した──
かに思えたが、すんでのところで避けられた。

続けざまに回し蹴りをお見舞いしようとする──

ヤツの腹を掠めた、次に手刀を叩きつける──

「真剣白刃取り!」
(止められた?!)

「や、やるな」
「ふひひ、それほどでもあるッスよ」
やはり、戦闘能力は高いのかも知れない。

「カーツ2!貴様、こんなところで油を売っておったか!」

この声は──キャスト特殊部隊の隊長か。
「隊長殿!私はロボットのように見えますが油は売れません!」
「何を馬鹿げたことを言っておるか!さっさと来い!」
「みいさん、クリスちゃん、急用が出来たので食事は今度!」
「すまんな、みい。このバカが迷惑をかけたようだ。ワシから謝ろう」
「いや、気にしないでくれ、ガルド」

ガーディアンズ発足メンバーの一人、キャスト男性で名前はガルド。
キャストによる精鋭部隊を統率している。
前回のSUV一斉射撃の中核は、この部隊によるものだった。
この部隊を中核に、他のキャスト達を動員してあの攻撃が為されたようだ。

この後、新人を含め隊の数名のガーディアンズと共に、拉致事件の調査を開始した。
無論、他の隊や警察も動いているのだが。


続く・・・。
62名無しオンライン:2006/10/28(土) 17:54:25.03 ID:5LQJ7yao
>>56
よう、俺、まだ生きてるか?
6356:2006/10/28(土) 19:26:36.70 ID:0nC3S9aQ
>>62
なんとか生きてるぜ俺よ。

次のネタがなんか浮かんだらまた投下させてイタダキマス
64名無しオンライン:2006/10/28(土) 19:40:12.22 ID:Z551PwYx
>>37
完結おめでとうございます。

ずっとファンでした・゚・(ノ∀`)・゚・。
65名無しオンライン:2006/10/29(日) 16:01:58.82 ID:7dzp/RYb
続きマダー?
66名無しオンライン:2006/10/29(日) 20:15:09.54 ID:F/yoWTlG
PSUの世界が現実世界を浸蝕し始めてから早一ヶ月―

見吉もPSUに浸蝕され、ソニックになり―――音速で逃げた。


残ったソニチの奴らが必死に何とかしようとしているが、まだまだ被害は拡大しそうだ。
そして遂に俺も……
「げ…レベル1の巨乳キャス子かよ!これじゃあ弟に見つかった瞬間に押し倒されるな、こりゃ」

「いや、それよりも問題なのはこの身体のバッテリーをどうやって手に入れるかだな…PSUのサポートセンターも今じゃ浸蝕されてサーセンになってるらしいし…」 続く?
67名無しオンライン:2006/10/30(月) 06:05:05.79 ID:vewubOrK
ここを毎日確認しているのは俺だけか?
68名無しオンライン:2006/10/30(月) 06:21:55.52 ID:oMgE9tTn
「ピポポピパピパ…ピロロロロ!!」

朝起きると、俺はキャストになっていた。
69名無しオンライン:2006/10/30(月) 07:35:08.02 ID:5HOMA7o5
夢の中でイチローオンラインしてたぜ!!
朝起きて一言
「やっと繋がった」
70名無しオンライン:2006/10/30(月) 07:53:55.58 ID:1nh4rGYG
朝、目が覚めたらマガシになってました――。


そんな話を書いてみたい。
71前351:2006/10/30(月) 20:40:03.74 ID:1duBvLG7
名無しに戻るといったものの
思いついちゃったから続き書こうと思ったんだけど
見てる人いるんかな・・・読んでくれる人あってだからなぁ・・・
7257:2006/10/30(月) 20:49:45.33 ID:FBIPUtfs
>>71
読みたいです!
そんな私も支援の為に何とか投下。
7357:2006/10/30(月) 20:51:35.96 ID:FBIPUtfs
「くっ、なんだってんだよ!俺が何をしたと──」
フォトンの弾が頭を掠めていく。

──俺は何者かに追われていた。

自慢じゃないが、俺は朝起きたらPSUキャラクターに変われていた一人だった。
それまでの俺は何をするにも失敗ばかりしていた。
しかし、今回の件で変われて──世界観が変わった。
凄まじい身体能力、フォトンリアクターを使った物の収納、
そして何よりもイケメンヒューマン男になれた事が一番嬉しかった。
一人暮らしでバイト生活だったため、誰かに言い訳する必要もなかった。
バイト先の人達に一応伝えてみたら、そのままでいいから来いと言われ、そこでそのまま働いている。
PSUキャラクターとの入れ替わりは既に周知の事となっていたのだ。

俺はこの姿のまま、普通に暮らしていた──

暮らしていけると思った──

だが──


── 一瞬の静寂が切り裂かれた

フォトンの弾が足に命中し、転んでしまった。
シールドラインによって、ダメージ自体は然程でもなかったが。
「あ、あんたら、一体何が目的なんだ!」
ライフルを持って無言で詰め寄ってくる男達・・・。
(こいつら、キャスト男なのか・・・?)
セイバーを取り出し、身構える。
(自身は無いが、戦うしかないか)


そして、また静寂が訪れた──

それは、追い詰められた男を嘲笑うかのように──

最後に、祈る時間を与えるかのように──


続く・・・。
読んでる人いないかも知れないけど('Д')
74名無しオンライン:2006/10/30(月) 21:16:27.31 ID:R9K+2FGP
FBIの人ktkr
75名無しオンライン:2006/10/31(火) 00:14:25.12 ID:BhJbIN2G
>>67
オレモオレモ
76名無しオンライン:2006/10/31(火) 01:37:31.41 ID:xC7rL5OE
>>71
77名無しオンライン:2006/10/31(火) 02:18:46.44 ID:p9DRmhun
78名無しオンライン:2006/10/31(火) 20:40:52.05 ID:wLe9x176
寒い、寒くて仕方がない…そう思い腕を伸ばした先にあるのは、鉄屑。
家に帰って寝たはずなのに、どうしたのかと思う。
仕方ないので立ち上がる。ここはどこ?全身が重たい。

「どうなって…」

自分の声に違和感を感じる。渋い。実に渋い声。
見ましても鏡は無いが、ガラスのようなもので自分の顔を見る。
これはまるで――

『朝起きたら、めっちゃマガシになってました』

「ゲェーッ!?」

(つづいたらヤバい。)
79ついてないニュマ子:2006/10/31(火) 23:50:25.65 ID:GmA0rCth
 風邪は無事に治ったけれど、服や食料が足りないのは相変わらずだ。
そしてついていないのも相変わらず・・・。
なのでお財布片手にアキと買い物へと徒歩で某大型スーパーへ向かったのだけれども、なぜか私は今車の中にいる。
しかもなぜか後ろに回された腕にはガムテープが巻いてあるという不思議な状況だ。
運転席と私の隣にはサングラスとニット帽のいかにもな男が二人。
「アニキ、ちょいとアジトを遠くしすぎちまったんじゃないっスか?」
 めんどくさそうに運転席の男が言った。
「バーカ、そのほうが足がつかなくていいんだよ。」
 私の隣の男が小ばかにしたように答える。
「お嬢ちゃん、なーんも怖いことはねーからな。すぐにやさしいパパとママが助けに来てくれるからさ。」
 そう言って私の太ももを無骨な手で無遠慮に撫で回す変態野郎のその手の動きを目で追いながら、
私はうつむいて黙っていた。
「そう怯えんなってよ、な?」
 ぽんぽんと今度は私の頭を軽くたたいてから撫でる男。それもあんたらと話す口はないといった感じで無視をしてやる私。
うそです。無視じゃなくて怖くて声が出ないだけです。もうガタガタ震えてます。
ちょっと気を抜いたら嗚咽がもれそうです。怖すぎです。やばいです・・・。
なんだか私、誘拐されました。誰か助けて・・・。
 いくらついていないからといって、今度は誘拐って・・・ついてない、本当についてない。
ニュマ子はみんなこんなに不幸なのだろうか・・・?
 一体全体どうしてこんなことになってしまったのかガチガチ鳴りそうな歯でぎゅっと唇を噛んで思い出してみることにした。
80ついてないニュマ子:2006/10/31(火) 23:50:47.90 ID:GmA0rCth
 つい先日に台風が来たなんて思えないくらいのほほんとした秋晴れの空の下、
大学生からロリロリニューマンになってしまった私の体に合うサイズの唯一の服、
カラワイワンピース一式を着て、アキと楽しく話しながらイ○ーヨーカドーへと向かっていた。
体のほうももう本調子なので、久しぶりの外出を思いっきり楽しんでいた。
ネコミミをつけた私よりもさらに小さな体のパートナーマシーナリーGH420、
 ニュース等でPSUプレイヤーが自キャラになる事件が毎日のように特集され報道されるので、
すれ違う人が何人も『ああ、この人がそうなのか。』といったような好奇の視線でジロジロと見たり、
振り返ったりするがそれはあまり気にしないように意識した。この状態が長く続けばまわりも慣れるだろう。
 さて、無事に大手大型スーパーに着いた私はまず最初に服のコーナーへと足をむけた。
カラワイワンピースはたしかにかわいいけれども、今はまだ目立って仕方がないからだ。
 色鮮やかなたくさんの服を前にして子供みたいにキラキラと目を輝かせる
今にも走り出しそうなアキをたしなめながら、気に入った服を抱え込んでどんどん試着して行く。
余談だがどうやら秋物は昨日までセールをしていたらしい。で、今日は定価だ。
・・・・・・妙に悔しいのは何故だろうか?
 秋物と冬物とコートとブーツ、それと、看病のお礼の意味もこめてアキにも2着ほど服を買ってあげ、
さらには下着や靴下なんかも買ったために合計49000円のちょっぴり手痛い出費となった。
まさかこんな形で貯金が役に立つとは思ってもいなかったよ・・・。
「ハルカ様、重そうですよ?」
 アキが大きな袋を受け取ってよろめいた私を軽く支えながら心配そう口を開いた。
「ううん、大丈夫だよ。」
 私はアキに支えられながら袋をしっかりと持ち直す。
「とりあえず、服だけでも一度家に置いていこうか?」
「うん、わかりましたっ。」
 元気よくアキが頷く。にしても、ほんと結構重たいな・・・。コートとブーツを買ったのは失敗だったかもしれない。
家まではたいした距離じゃないけど結構疲れそうだ。
「あ、その前にちょっと買いたい物があるからそこで荷物見て待っててくれる?5分くらいで戻るから。」
 ふと、ついでにティーンネイジャー用のファッション雑誌もどうせなら買って帰ろうと思いついた。
今回は私の趣味で買ったけれどどうせなら今流行っている服を着たいしね。
だからここのスーパーからちょっと歩いたところに小さな本屋があるのでそこで一番新しそうなものを、
さくっと買ってこようと思ったのだ。
 アキは「はーい。」と笑顔で答え、素直に私の言ったとおり休憩用の長いすにちょこんと座った。
そんな彼女に荷物を預けてから私は本屋に近い出口へと足早に向かったのだ。
 そして、私は横断歩道を渡り、本屋へと続く少し人気のない路地を歩き、
細い路地を窮屈そうにゆっくりと走る乗用車のために私は脇へと寄ると、
どういうわけかその車は私のすぐ側で停止したかと思うと、
中からサングラスをかけたイカツイお兄さんが二人現れ、
でもって口を皮手袋のはめられた手で覆われたので慌ててその腕を引き剥がそうと細い腕でもがいたものの、
あれよあれよと車の中へと引きずり込まれていたのだった。
81ついてないニュマ子:2006/10/31(火) 23:53:22.83 ID:GmA0rCth
以上です。
最近、超星運が来たりしたのでネタの鮮度がやばいですw

>>37
完結おめどうとうございます!
こういうさわやかな終わり方大スキです
私もこういう作品を書けるようにないたいものです・・・
82前351:2006/11/01(水) 01:45:24.68 ID:ytyvC72p
〜Episode 3〜

ダシの上に浮かぶ油揚げを箸でつっつく。
お腹は減っているのに、どうにも口の中に入らない。
箸をつっこんでうどんをぐるぐるかき回す。おいしそう。でも食べる気がしない。
1ヶ月、ずっとこの調子だ。立ち直らなくてはいけないのに。
「ヒカリさん、やっぱり食欲ないんですか?」
隣の席で一緒に食事をとっていたミヤビちゃんが、私の顔を心配そうに覗き込んでいた。
いけない。どうしても私は感情が外に出てしまう。
「ううん、大丈夫大丈夫。ペコペコよ〜。」
うどんを箸で持ち上げて、無理やり口に押し込み、ろくに噛まずに流し込む。
おいしい。本当にお腹は減ってるんだ。いつもならこれくらいの量ペロリと食べてしまうのに・・・。
やっぱり箸がすすまない。でも、これ以上心配させるわけにはいかない。
うどんを勢いよくすすって胃の中に収めていく。
その様子をみて安心したのか、ミヤビちゃんも箸を進めだす。
私は・・・だめだなぁ。4つも下の子にこんなに心配されちゃうなんて。
せめて人前にいる時はいつもの自分でいなくちゃいけない。
「ふぉうふぃへぶぁはぐもふんとはふぉうなほ?」
場を和ませようとした私の言葉は、日本語になっていなかった。
・・・口にうどんを詰め込みすぎた。
「え?なんですか?」
ゆっくり噛んで一気に飲み干す。口が自由になった。
「ヤグモ君とは最近どうなの?うまくいってる?」
「あ〜、えっと・・・。」
ミヤビちゃんの目が泳ぐ。そこで、気づく。なにもこんな話題を出すことなかった。
みんなが私に気を使っている理由を考えれば、とても軽く答えられるような質問じゃなかっただろう。
「あ、ごめん。いいの。あたしのことは気にしなくて。で、どう?ちゃ〜んとやってる?」
「あ、はい。あ〜、でもどうなんだろ。最近忙しいみたいだし、あまり会う機会ないかなぁ・・・。」
慎重に言葉を選んでいるのがわかる。ここら辺で話題を切り替えたほうが良いかもしれない。
でもそれはそれで私が余計気にしているようにも見える。難しい。
「今どこだっけ?南のほうだった?任務地。」
「はい。SEEDが大量発生したとかで。」
「心配?」
「えっ、あ〜・・・はい。ちょっと。」
表情が曇る。こんな質問するなんて私はなんて意地悪なんだろう。
「大丈夫よ〜。『白のヤグモ』って言えば知る人ぞ知るNo1ルーキーじゃない。あのマガシを倒した最強エースだもの。
無事帰ってくるよ。」
「ん〜・・・でもやっぱりそういうのでプレッシャー感じてるみたいで。いつも弱音はいて、こんなこと言ってるんですよ。
僕にあの人の穴が埋められるの―」
ミヤビちゃんが口を押さえた。言ってはいけないことを口にしてしまった―そんな目で私をみる。
「ごめ・・・なさい。」
「いいの。本当に。気にしないで。」
精一杯笑顔を作ってみせる。ミヤビちゃんは気の毒なくらい小さくなってしまっていた。
私がこんなだから周りまで暗くさせてしまう。元々気持ちの切り替えが早いほうじゃない。
だけど表面上の自分をこんなにも崩してしまうことなんて今までなかった。
「ほんと、ごめんね。色々気を使わせちゃって。」
「そんな・・・私もちょっと、え〜っと・・・。」
ミヤビちゃんはあれから毎日、私を心配してご飯時になると顔を出してくれる。
同じ年頃の友達もいっぱいいるのに、私のせいで疎遠になってしまってるかもしれない。
すごく、やさしい子。
「じゃああたし、行くね。も〜、周りの空気悪くしちゃって。だめだよねほんと。」
「そんなこと―」
うどんの器が乗ったトレイを両手で持ち上げて、席を立つ。
「ミヤビちゃん。ありがとうね。」
「あ、・・・はい。」
83前351:2006/11/01(水) 01:46:29.74 ID:ytyvC72p
食器を返却口に返して、食堂を後にする。
部屋に戻って気持ちに整理をつけよう。
1ヶ月間ずっとやってきたこと。
他に何かやることがあれば気が紛れるかもしれない。
だけど、気を使ってなのか、それともこんな精神状態で任務につかれるのが迷惑なのか。
当面の私のスケジュールは白紙だった。嫌でも、考えてしまう。
宿舎の私の部屋の扉をあけると、いつも通り、パートナーマシナリーが私を迎えてくれる。
「おかえりなさいませ。ヒカリ様。」
「うん。ただいま。」
この子にもだいぶ心配かけちゃってるんだろうな。顔には出さないけどいつも私のことを考えていてくれる。
何か私もしてあげたいけど、どうしてあげたらいいのか。今の私にはわからなかった。
「あ〜・・・。」
ベッドに飛び込んで仰向けになる。何もやる気がしない。人はこうやってダメになっていくのかなぁ・・・。
「ヒカリ様。」
「なぁに?」
呼びかけられて首を起こす。
「冷蔵庫の飲み物がきれかかっているので買ってまいります。」
「うん、ありがと〜。」
買いに行く時間ならいくらでもあったのに。1人に、してくれたのかな・・・。ダメだ。気を使わせてばっかりだ。
「どうにかして・・・せめてみんなに心配かけないくらい・・・。」
天井の一点をじっと見つめる。部屋には私だけ。静かな部屋。
色々考える。これからのこと。今までのこと。うれしかったこと。楽しかったこと。つらかったこと。
まだ・・・思い出には出来ない。
ふと、ベッドに私以外の重みが加わった。
「よぅ。」
体を起こすと、彼がいた。
84前351:2006/11/01(水) 01:48:22.74 ID:ytyvC72p
「相変わらずしけた顔してるなぁ。」
いつも通りの笑顔。私の中のモヤモヤがすっと消えていくのがわかった。
「誰のせいだと思ってるのさ。」
口を尖らせてみる。
「そうだなぁ。俺のせいだなぁ。」
「そうだよ。急にいなくなるからだ。」
「悪かったよ。好きでいなくなったわけじゃないけど・・・言い訳のしようはないよなぁ・・・。」
後頭部を左手で掻く。困ったときの彼の癖。悪戯好きの私はいつも彼を困らせていた。
かわいい悪戯の範囲でやってるつもりだったけど、たまに下手したら冗談ですまないかもしれないものもあった。
なのに、彼は一回も怒ったことはなかった。こんな私とよく付き合ってくれてたなって今更ながら思う。
「ちゃんと食べてるか。お前はすぐ体調が顔に出るからな。ひどい顔してるぞ?」
両手で顔を撫でてみる。確かに前に比べてだいぶやつれた。化粧で隠せないくらい肌も荒れている。
「それだったらコウもそうじゃない。試験前ろくに寝てないときとかさ。ゾンビみたいな顔だった。」
「いやいや。あかりさんも結構なお顔でしたよ?」
笑いあう。まだ私たちが青とヒカリになる前の名前を呼び合って。
2人っきりのときだけに許された行為。
でも、もうあの頃には戻れない。
「よっと。」
彼がベッドから腰を上げた。
「いくの?」
「うん。」
「また来てくれる?」
「そりゃ、もちろん。」
彼が腰をかがめてそっと、私の頬に口づけする。
「また来るよ。」
やさしく囁いて、身を離す。
彼が扉を閉める音が聞こえた。
また、部屋に1人。唯一の安らぎの時間が終わってしまった。
穏やかなこの気持ちも、すぐに乱れていくんだろう。
また、扉の音が聞こえた。
彼が・・・?
体を起こすと、そこには少女が立っていた。
「あ、申し訳ありません。起こしてしまいましたか。」
「ローズマリー・・・。」
少し腫れた目をこする。いつの間にか寝ちゃってたみたいだ。
「剛健美茶が売り切れていたので五右衛門にしたのですが・・・よろしかったですか?」
小さな手で自分の顔よりも大きいペットボトルを掲げる。
「うん。なんでもいいよ〜。」
欠伸をかみ殺す。別に大してなにもしてないのに、ひどく眠い。
「ごめん。あたし寝るね。」
「はい。おやすみなさいませ。」
再び枕に顔をうずめ、まどろむ。
彼のぬくもりがベッドに残っている気がした。



とりあえずココまで
爽やかな終わりかたと褒めていただいたんだけど
今度はちょっと悲しいお話にする予定です
で、話が膨らみすぎて大量に書くかもしれないw
85前351:2006/11/01(水) 01:50:46.77 ID:ytyvC72p
連続で申し訳ない
ヒカリがセリフ部分では「あたし」って言ってるのに
独白部分では「私」となっていますが
ずっと「あたし」で続けるのはなんか頭悪そうだなっていう
個人的な思いからなので気にしないでネ
86名無しオンライン:2006/11/01(水) 06:00:58.50 ID:utsjqjDi
おまえら自分の♀キャラになったらとりあえずオナニーするよな、絶対
87名無しオンライン:2006/11/01(水) 13:25:50.75 ID:9dekC+Sh
>>73>>81>>85
続きが気になる(*´Д`*)
88名無しオンライン:2006/11/02(木) 10:47:47.42 ID:5t1PQpie
保守しかできない自分が悲しい
89名無しオンライン:2006/11/02(木) 10:53:24.34 ID:92RvJeCx
朝起きたら自キャラになってたスクリーンショットを期待して来たのに
90名無しオンライン:2006/11/02(木) 14:18:01.02 ID:rCSkWsr4
ついてないニュマ子氏の書く420が、激しく可愛い件。
9157:2006/11/02(木) 19:21:50.28 ID:rCSkWsr4
闇夜に浮かぶ仄かな光──

セイバーの光か。

セイバーが斬り下ろされる。

斬った後に、わずかながらフォトンの粒子が舞う。

それは斬った後を追うように、残像のように──

闇夜に浮かび、消えた──


「ぃ・・・おい!!大丈夫か?」
「あ・・・れ・・・?俺、どうなったんだ」

何者かに追われて、追い詰められる、他愛も無い夢──
とは違ったようだ。

「今、怪我の手当てをしてやるから動くな」

この少女は誰だろう?可愛らしいが・・・どこか凛々しい。
「・・君・・・は?」
「私はガーディアンズの者だ。クリス、レスタを頼む」
「はい!」
美しいニューマンの女性が、レスタ─治癒魔法みたいなものか─
をかけてくれた。

ガーディアンズ・・・。
PSUキャラクターになってしまった人達が作った組織か。
今はSEEDに対抗する為の重要な──
というかSEEDに対抗出来るのは、彼らしかいないか。

「他の者は手掛かりになりそうな物を探せ!」
『了解!』
少女の部下らしき者達が動き始める。
「何があったか・・・聞かせてもらえるか?」

夢ではない、虚構の無い真実。
それを、ゆっくりと思い出してみる。
9257:2006/11/02(木) 19:25:43.97 ID:rCSkWsr4
──俺はぼろぼろになりがらも応戦していた。

相手は3人のキャスト男。
真ん中の角のついた奴が、リーダーだろうか。
しかし、こんなパーツは見たことが無い気がする。

真ん中のキャストは武器を持たずに、腕を組んで離れて静観していた。

右側のキャストがライフルを放つ──
それをセイバーで弾きながら、撃ってくる右キャストに突撃した。
(この距離ならば!)
斬れる!そう思ったが、左側にいたキャストに止められる。
こいつがセイバーで斬りかかってくる。
横に振られたセイバーが、俺の頬を掠める。
刹那──その隙を狙って、ライフルを撃つ右キャスト。
避けられない──
「ぐあっ」
俺はライフルの弾に、弾き飛ばされた。

「くっ・・・もう・・・だめか・・・」
さすがに、この状況には覚悟を決めるしかなかった。

それまで、静観していた雰囲気の違うキャストが、
前に出てきて口を開いた。
「この程度か・・・まぁいい。回収しろ」
「・・あんたら、一体何なんだ・・?」
「ほう、まだ口がきけるのか」
「・・・答えろ!」
「フン、まぁいい、教えてやろう。我々は
──エンドラム機関── だ」

エンドラム機関・・・?オフで聞いた事があるような無いような。
自慢じゃないが、俺はオフをあまり進めていなかったのだ。

多分続く・・・。
93ついてないニュマ子:2006/11/03(金) 10:08:05.53 ID:UnCOO3IU
 車に連れ込まれてもう何分立つのだろうか?5分くらいしか立っていないような気もするし、
もう何時間もたっているようにも感じる。アキはどうしているだろうか?
ずっと私のことを待っているのだろうか?都合よく助けに来てくれたりしないだろうか?
 ・・・そうだ!パートナーカードでメールを送ったりできなるかもしれない!
自分のすばらしい頭の回転に感動して1秒も立たないうちに、パートナーカードの使い方が分からない事、
両手が縛られているからそもそもカードが出せない事、ていうかどこにカードがあるかすら知らない事に
気づいて余計不安になった。
 ピロン、というPSU内では聞き飽きたメール着信音が体の内側で響いた。
多分アキだろうか?帰ってこない私のことが心配になったのだろう。
なんとか・・・なんとか返事を返せないだろうか?どこかにL2ボタン・・・L2ボタンはないの!?
 私が必死にL2ボタンを探していると、片手ハンドルで運転をしていた弟分が口を開いた。
「にしてもアニキ、どうしてこのお嬢ちゃんが金持ちの娘ってわかったんスか?」
 それは私も聞きたい。なんで善良な一般人の私が誘拐されなくちゃいけなかったのか・・・。
「それはだなぁたくさん証拠があるんだよ。」
「証拠・・・っスか?」
 不思議そうに答える運転手にアニキは上機嫌で答えた。
「俺は最初、耳が長くて緑の目だなんて変わった子供だと思ってちょっと目を引いただけだったんだけどな。
色々気づいちまったんだよ。」
「アニキ、もったいぶんないでくださいっスよ。」
 弟分がじれったそうに口を尖らせるのがバックミラーに映る。
「ワリイワリイ。じゃあな、説明するぞ?」
「あい。」
「まず着物だ。そんな高いものを着て買い物にこれる子供なんてそうはいないね。
そう思ってまずこの嬢ちゃんに目をつけたってわけだ。」
 確かにそうだ。私は着物風のカラワイワンピースのデザインを呪った。
「でもってつけてみるとどうだ?その買い物の仕方がすごいじゃねーか。
どうみても小学生か中学生なのに金に糸目をつけずに手当たり次第に服を買ってたからな。」
 ・・・その表現はちょっと大げさだと思うけれど確かに中学生がする値段の買い物ではなかったと思う。
だって中学生でも、ましてや小学生でもないし。
「さらにだ、荷物を持とうとしたらずっと嬢ちゃんの側にいた子供が嬢ちゃんのことを『様』付けで呼んでるじゃねーか。
しかも嬢ちゃんの代わりに荷物を持とうって言い出す始末。この年で従者をつけて買い物をするなんて
普通の金持ちじゃねえ。すぐにわかったぜ。」
 ・・・・・・いやまぁ確かに様付けだし、アキは従者みたいなものだけどそれはお金持ちだからじゃないんだけど。
「な、なるほど!アニキの推理力と観察眼は金田一少年並みっスね!!」
 なんだかやや古いものを例にあげてアニキにゴマをする弟分。
それを聞いてどうやら気を良くしたらしくさらに上機嫌になってアニキは続ける。
「しかも今日は様子見だけにしようと思ってしばらく様子を見ていると、
ラッキーなことに突然従者を待たせたかと思うと人気のない道路に一人でくるんだもんなぁ。
これは神様が俺たちに誘拐をしろって言ったとしか思えねーよな!」
 これは神様が私を見捨てたとしか思えない不幸のコンビネーションとしか思えねーですよ!
全部誤解じゃない!!!!
94ついてないニュマ子:2006/11/03(金) 10:08:17.37 ID:UnCOO3IU
 口元をこれでもかと言うくらい緩ませたアニキはガシッと私の肩に手を回して力任せに抱き寄せると、
ニヘラニヘラと私に笑いかける。私はと言うとビクリと身を硬くした後、少し視線をアニキの顔に移したものの、
その顔を見るのがなんだかとても恐ろしくてすぐにまた俯いた。
「だから怖がるなって、俺たちの幸運の天使ちゃんったらよぉ!」
 無理言わないで・・・。どこにつれられて何をされて、そしていつ開放されるかもわからない。
そして何よりも私はお金持ちではない。私に金銭的価値がほとんどないとわかったら・・・
私はどうなってしまうのだろうか・・・?何をされるのだろうか・・・?
唇をかみ締めるアゴにさらに力を込めて悪い考えを追い出そうとするが、
そうすればそうするほどマイナス思考の底なし沼にズブズブと沈んでゆく。
既に目には涙がいつ溢れてもおかしくないくらいたまっていて、体の震えは酷くなるばかりだった。
ほんとうに・・・ほんとうについてない・・・。
「アニキ・・・これがうまくいったら内臓売らなくて済むんすよね・・・。」
「ああ・・・どこも売らないで大丈夫だぜ・・・全額返済できるぜ・・・。」
「アニキ・・・絶対・・・絶対この誘拐成功させるっスよ!」
 人の気も、絶対に失敗することも知らないでアニキと弟分は勝手に盛り上がる。
その後も二人は楽しげに誘拐が成功した後のことを楽しげに話し、たまに私のことを天使ちゃんと呼び
震える私の機嫌を取ろうと話しかけたりなんかもしてきた。
けれども、もちろん応える気などするわけもないし、そもそも応えられるほど気持ちが落ち着くこともなかった。
「ひ、ひぃぃぃ!!ア、アニキイイイイ!!!」
 突然あがった弟分の悲鳴に思わず私もハッと視線を上げると、
フラフラしながら日本の道路だというのに右側の車線を我が物顔で高速でつっ走るトラックが
フロントガラスの先に映っていた。不幸にも誘拐されてしまった私は不幸にもここで交通事故にあって
死んでしまうらしい。
95ついてないニュマ子:2006/11/03(金) 10:10:12.54 ID:UnCOO3IU
以上です。
感想、ものすごく励みになります。
他の皆様の作品もとても楽しく読ませて頂いているので、
投下を楽しみに待っています
96名無しオンライン:2006/11/03(金) 21:35:14.78 ID:DOUOVApP
保守
97名無しオンライン:2006/11/03(金) 23:04:01.19 ID:X+Tv6nOW
ほしゅ。書き手さんみんな楽しみに待ってるよ
98フォトンは時空を越えて【1】:2006/11/03(金) 23:21:20.79 ID:g5BC+ACZ
 少し身震いする早朝の朝。ソファーベッドで目覚めた。
つけっ放しのTVにはPSUのタイトル画面。
?「ティファさん、ここはどこでしょうか?」
不意に声をかけられて思わず周りを見渡す。お客さんでもTVでもなく…
?「本部との通信が途絶えました。ビーコンの座標情報も取得不能です」
私「ルウ? どうしてここに?!」
ルウが小さなLDKの中央に立っている。夢だろうか?頬をつねってみたけど痛い。パッチリ目が覚めた。
ルウ「あなたが草原でフリーズした後、私のシステムが瞬断し、1時間58分38秒前にこの場所に移動していました」
思い返すと、1stキャラのキャス子の教官、ルウと二人で周回してたんだっけ…
ルウ「あなたの"ID"は確認しましたが、キャストではなくヒューマンなのですね」
私「ちょっと待ってね…」
混乱する頭を左手で押さえながら考えてみる…どうやら2ndキャラのヒュマ子に入れ替わってしまったらしい。
私「とりあえず、座って話しましょ…」

 簡単にまとめると…
・噂の入れ替わり事件に巻き込まれた
・ルウは通信が出来ない他は異常なし。いつも通りのクールなルウみたい
・ルウのシリアルナンバーは…やっぱり教えてくれない
・私の姿はリアルとほぼ同じ。服はナノトランサーと一緒にカラワイセットのまま
・アパートに一人暮らしなので、まだ人には気付かれていない
・週末なので大学の講義に出なくてもいいのが救い。でもアルバイト先にすぐに連絡しないといけない

ルウ「…私はティファさんが本来生活している世界、つまりグラール太陽系のパラレルワールドに移動したのですね」
私「そう、一部で継続中の入れ替わり事件みたいね。でも折角来たのだから、帰る方法を探すついでに観光も
 楽しみましょ♪」
ルウ「スタンドアローンでは十分な対策が取れません。困りましたね」
私「落ち込んでもしょうがないでしょ。レッツ・ポジティブシンキング!」
ルウ「そうですね。それではまず、情報収集をしましょう。端末はありますか?」
私「TV、インターネット、百科事典ソフト…この線はつながるかしら?」
しばらく端子やペンタブに手をかざして…
ルウ「非接触式コンソール、ケーブル、端子いずれも規格外ですが、無線LANという物は使えそうですね。」
99タイトル:フォトンは時空を越えて【2】:2006/11/03(金) 23:24:54.01 ID:g5BC+ACZ
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

TVやネットでそこそこの情報を仕入れて昼食(ルウは食事不要、でもティーブレーク)を済ませた後…
私「それじゃ出かけましょ。そうだ、その姿のままだと分かる人にはすぐルウだってばれるから
 着替えましょ。そうそう、ヘアも私とお揃いのオレンジブラウンに染めて頬のラインも化粧で隠さなきゃ」
ルウ「あまり遊んでいる余裕はありません。情報収集を最優先にしましょう。」
私「外で得られる情報もあるでしょ。ねっ、このドレッサーで変装しましょ。」
お堅いことを言うルウを遮るようにテキパキと準備…ほんとは楽しんでたりして。
私「ファンデとチークでラインを隠して…きゃーっ、おかめさん(ry」
ルウ「え?」
私「な、なんでもないのっ、すぐ綺麗に仕上げるからね」
ルウの不思議なフレグランスとマシンオイルの香りを吸ってる間にセンスが乱れたかな?
色白のルウに似合いそうな服を手持ちから合わせてみる…
ルウ「デフォルトの服が機能的なので、着替える必要はありません。」
私「ルウを知ってる人に通報されたら当局に逮捕されちゃうよ? このフリル付のブラウスとタータンチェックの
 プリーツスカート、それから赤いベレー帽、あと冷えるからベージュのストッキングはどうかしら?」
ルウの小さな抗議をオーバーな言葉でなだめながら、チャチャっと着替えてもらうと…
ルウ「これが私ですか?ルウシリーズでこのような姿は記録にありません。」
ドレッサーの前で困惑するルウを後から優しく抱きしめて…
私「着たきりス…、じゃなくて、たまにはプチオシャレも楽しいでしょ?」
ルウ「そういうことにしておきましょう。」
どこまでもクールな所がいかにもルウらしくて素敵♪

ゴ〜〜〜カコーン!
私「きゃーっ、スペア!」
パチ…パチ…パチ…
デパートでのウィンドーショッピングの後。ここはボーリング場。専用のレンタルシューズに履き替えた
ルウの散発的な拍手が響く。
ルウ「本当にここで有意義な情報を得られるのですか?」
私「もちろんよ!さっ、ルウの番よ。素人だけど、フォームを教えてあげるね」
ルウの手と腰にそっと手を添えて、カーブのかけ方を教えていると
ルウ「ティーチングはいいのですけど、くすぐったいです」
私「あっ、ごめんね!でもルウ、スジがいいのね。次はストライクを狙えるかもねっ♪」
100フォトンは時空を越えて【3】:2006/11/03(金) 23:31:50.71 ID:g5BC+ACZ
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ルウ 「3惑星には無いスポーツですが、合理的で一般受けする競技でしょうね」
1回スプリットのあと、連続ターキーでスコアが軽く250を突破したルウの淡々とした感想。
私「ルウってほんとに器用で尊敬しちゃう。その気になればすぐプロのスター選手になれちゃうかもねっ!」二人組のナンパ男やキャッチをスルーしながら並んで街を歩いていると、辺りがざわめきだしてきた。
群集 「おい、なんだあれは!」
群集 「ちょっとちょっと、あの流れ星、こっちに近づいてるんじゃない?」
空を見上げると、赤く燃え上がる流星らしき物がだんだんと大きくなってくる。
━突然、手を強く引っ張られて倒れそうに…
ルウ 「早く建物の影に隠れましょう」
私  「えっ、うん、そうね、逃げなきゃっ!」
それほど人が多くない山のふもとの地方都市とはいえ、人々がパニックになれば大変なことに…
轟音に片耳を押さえながら近くの店の陰に隠れると同時に、激しい地響きと爆音、暴風が襲ってきた!
群集 「街外れに隕石が落ちだぞーっ!」
群集 「わーっ、誰か…」
激しい喧騒の中、ルウと手をつないだまま、しゃがみこんで様子を伺う。
私  「ねえ、ルウ!私、こんな近くで流れ星を見るのは初めてっ!ルウは?」
ルウ 「過去にデータベースでシャトルの事故や流星のデータを参照した記録はあります。」
私  「つまり、あなた自身は初体験なのね?ラッキーよね、私達、こんなイベントに遇うなんて♪」
ルウ 「この状況を幸運と認識するとは、驚きました」

 逃げ惑う人々や遠巻きに野次馬している人々が少し落ち着いてきた頃、ルウと二人で
野次馬から一歩引いたところでケータイでニュースをチェックしていると、サイレンやヘリの
音に混じって悲鳴が聞こえてきた。
群集 「うわーっ、バケモンだーっ!!」
群集 「だれか警察をっ!自衛隊を呼んでっ!!」
ルウ 「こちらの世界も戦争中だったのですね」
私  「それは…小さな事件しか聞いてなかったけど…」
パニック寸前で逃げ出す群衆を避けつつ道端で話していると、見覚えのある物が見えてきた…

 炎侵食と無数のモンスターの群れ…?

<つづく>
101名無しオンライン:2006/11/03(金) 23:40:57.01 ID:g5BC+ACZ
 前スレがData落ちしてから久しぶりに皆さんの作品を楽しませてもらいました。
スレ復活記念に拙いですがUPさせてもらいます (´∀`)
102前351:2006/11/04(土) 00:44:06.51 ID:Ugqz8C6C
昼ごろになってようやくベッドから身を起こす。
うとうとしてすぐ目が覚めて、またうとうとしてすぐ起きて、その繰り返し。
全然寝た気がしない。
ローズマリーの姿は見当たらなかった。そういえばさっき出かけるって言っていたような気がする。
「う〜ん・・・。」
大きく伸びをして、無理やり体を覚醒させる。よし、とりあえず外に出よう。
じっとしてるのは良くない。体を動かそう。
宿舎を出て、ガーディアンズ本部に向かう。
本部には彼との思い出が詰まりすぎている。だから、来るたびに胸が苦しい。
でもどうせどこにいても考えてしまうんだ。
いっぱい考えて、いっぱい思い出して、この気持ちになれていこう。
エントランスを抜けて、目的もなくダラダラと歩を進める。
ちょうどご飯時だからかな。独特の活気に溢れている。
ガーディアンのほとんどは仕事を受けるとき、報告するとき、ご飯のときしか本部によりつかない。
特に本部におもしろいものがあるわけじゃないから仕方ないけど、よく本部でウロウロしてる私にとっては
人のいない時間はちょっと寂しい。この時間が、一番好き。
自販機でオレンジジュースを買って、脇にある長いすに腰かけて、ちょっと休憩。
よくこの椅子に座って、大丈夫かな、ケガしてないかな、って遠くで戦っているあの人を心配していた。
もうそんなことする必要、ないんだなぁ・・・。
心にぽっかりと大きな穴があいている。いつか埋まるのかな。わからない。
「はぁ・・・。」
無意識に溜息がもれてしまった。いけない。ミヤビちゃんの前でももしかしたら知らず知らずのうちに
溜息をついたりしてるかもしれない。感じ悪いな。気をつけないと。
「目の下。クマ、出来てるぞ。」
不意にかけられた声に反応してあたりを見渡す。隣に彼が座っていた。
「ほんと?ひどい?」
「くっきり。ひどいもんだ。」
そういえばろくに鏡も見ずに適当に顔を洗っただけで出てきてしまった。化粧もしてない。失敗したな。
「寝れないか?」
「うん。あんまり。」
彼の肩に頭を預ける。ふんわりと香る、汗のにおい。私の大好きな香り。落ち着く。
「食欲ない、眠れないじゃ、ほんとに体調崩すぞ。」
「うん・・・。」
「食えなくても無理やり押し込めよ。腹いっぱいになれば自然と眠くなるだろ。」
「そうだねぇ・・・。あ、あれ食べたい。いつだっけ。前作ってくれた鳥雑炊。あれおいしかった。」
「あれかぁ。作ってやれればいいんだけどな。」
横目で見た彼の顔は少し、困っているようだった。
わかってる。私が彼の料理を食べることはもう2度とない。
「ごめんね。心配ばっかり。」
103前351:2006/11/04(土) 00:48:21.14 ID:Ugqz8C6C
本当に、いつも心配かけてばっかり。
私がこの体に変わったときもすごく心配をかけた。そういえば心配かけすぎて一回だけ怒られたことあったな。
私は相談はよくされるけど人に相談することはあまりなくて、他人にどう頼っていいのかわからなくて。
だからなんでも1人でがんばって、失敗して、余計な心配かけて。
『なんのために俺がいるんだよ。頼れ!そのための彼氏だろ!』って、怒られたっけ。
確か付き合って間もない頃だったかな。今までそんなこと言ってくれた人いなかったから、すごく心に響いた。
うれしかった。この人となら私は幸せになれるってその時直感した。ずっと一緒にいようって心に決めた。
なのに―
「ヒ―リさ―。ヒカリさ―。ヒカリさんっ。」
「ん・・・?」
体を軽く揺さぶられて気づく。
「ジュースもって寝てちゃ危ないですよ。」
「あれ・・・?寝てた・・・?」
右に視線を向ける。彼はもういなかった。
「寝るならちゃんと部屋に戻ってしっかり寝たほうがいいですよ。」
「ん〜・・・ごめんね〜。ってヤグモ君じゃない。いつ帰ってきたの?」
「ついさっきです。報告終わってご飯でもって思ったらヒカリさんが頭グラグラ揺らしてて。
起こそうか起こすまいか迷ったんですけどね。」
「あら〜。恥ずかしいところ見せちゃったわね。」
照れ隠しに笑ってみせる。どうにもこうにも、反省することばかりだ。気を引き締めないと。
「ミヤビちゃんとはもう会ったの?」
「いえ、まだです。」
「だめよぉ。まず一番に恋人に会わなきゃ。寂しい思いさせちゃダメじゃない。」
話を変えようとおねぇさんっぽい口調でお説教してみる。真面目な性格だからこの子をからかうのはおもしろい。
「あ、はい・・・すみません。」
前までは少し危ういところがあった。だけどもう大丈夫だろう。今はすごくまっすぐな目している―彼もこんな目をしていたな。
もっとからかってやろうと思った矢先、携帯が震えた。1回、2回、3回目の振動で止まる。メールが来たみたいだ。
「ちょっとごめんね。」
携帯を開いて確認する。呼び出しのメールだ。私に来るなんて・・・めずらしい。それも総督の部屋に直接来いなんて。
ついにクビにされちゃうのかなぁ・・・。最近ずっと仕事してないし。
「ごめんね〜。呼び出されちゃった。ちょっと言ってくるね。」
「あ、はい。」
「これあげる。まだ口つけてないよ。」
立ち上がって、オレンジジュースを手渡してヤグモ君に背を向ける。
「ヤグモくん。」
肩越しに、一言だけ。
「ミヤビちゃん泣かせたらだめだよ。」
「・・・はい。」
早足で歩き出す。
―泣かせたらだめだよ―
後輩思いのおねぇさんの仮面の下に隠した、黒い感情。
どうしようもないくらいの羨望。そして嫉妬。
未来のある2人が、うらやましくてうらやましくて、仕方なかった。
私は―なんて醜い・・・。


今日はここまで。
連休中にどばっと書きたいなって思っております。
104名無しオンライン:2006/11/04(土) 02:05:03.64 ID:ZdlthTv1
ついてないニュマ子の人の話が世にも奇妙な物語っぽくてなんとなく好きだ
105名無しオンライン:2006/11/04(土) 05:16:31.01 ID:RGzzATxW
これ入れ替わるの逆じゃダメかな。
リアルでPSUのキャラになるんじゃなくて、
PSUの世界で、自キャラになるって設定で書き出したんだけど。
106名無しオンライン:2006/11/04(土) 08:40:45.71 ID:flF7V7U/
プレイヤーの外見が自キャラになるのが条件だから
グラール太陽系に入った話でも大丈夫じゃない?
107名無しオンライン:2006/11/04(土) 13:33:00.60 ID:0cOi1fqq
>>105
前スレでもそれで書いてた人いたし大丈夫かと。
108フォトンは時空を越えて【4】:2006/11/04(土) 21:27:11.33 ID:xvsWjSgn
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ルウ 「過去のニュースを分析した結果、自衛隊による爆撃は政府による避難勧告、状況把握
及び決定を待つため、早くても明日の午後以降で、それまでに半径数kmの侵食が予想されます」
私  「街が滅茶苦茶にされるなんて…私達が手伝うとしても、白昼堂々武器を持ち歩いてたら
 捕まるわね。」
ルウ 「一旦避難して、夜の闇に紛れてシード本体に奇襲をかけましょうか?」
私  「そうね。一度アパートに戻りましょ。早くシャワーを浴びたいし。」
ルウ 「入浴はともかく、情報収集と準備が必要ですね。では行きましょう。」

現場では警官二人が威嚇射撃で魔物を食い止めている間にパトカーと消防車がサイレンを
鳴らしながら次々と集まりつつある。

ザーっ…少し熱めのシャワーが心地いい。
毎日お出かけ前後の入浴は譲れない日課。衣類は毎日ランドリーネットに入れて洗濯。
私  「ねぇルウ、あなたもバスに入らない?スッキリするわよ」
バスタオルを巻いて湯上りのスポーツドリンクをコップに注ぎながらルウに勧める。
ルウ 「いいえ、キャストにはヒューマンのような代謝が無いので結構です。定期的に
メンテナンスしますから。」
無線LAN直結のインターネットとTVニュースで情報収集しながら興味なさげに答えるルウ。
私  「メンテ…? 体をタオルで拭いたりするの?」
ルウ 「いいえ、専用の設備で洗浄するか、もしくは専用のメンテナンスキットで拭き取ります。」
私 「それなら私が手伝ってあげる!ねっ、いいでしょ?」
ルウ「そうですね。毎日各部の調子を確認するために洗浄しますし、お願いできますか?」
私 「喜んで!」

 たとえ人工皮膚でも、きちんとお手入れしないと汚れ・くすみ・傷みが起きるらしい。
私 「ルウの肌ってスベスベで綺麗ね〜。羨ましいわ。」
アンダーも取って薬剤を含ませた専用ウェスで丁寧に隅々まで拭き取る。
ルウ「背中は自分で拭き取れないので助かります。でも少しくすぐったいです。」
私 「クスっ、どういたしまして。着替えたらヘアもブラッシングしてあげるね。」
動き易くて暖かいニットのキャップ&セーターとキュロット、パンスト、ショートブーツ
を暖色系でまとめてお揃いで着用。
念のため、サングラスをルウに渡して、特製フリーハンズケータイでルウと
直接話せるように設定。
戦い前の緊張感を忘れて、ルウと遊び…もとい、準備してから出発した。
109フォトンは時空を越えて【5】:2006/11/04(土) 21:31:36.70 ID:xvsWjSgn
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 隕石落下から約3時間後、侵食は数百m拡大して、数十軒の民家や商店が飲み込まれていた。
付近の住民は所定の避難場所に移動済みで、見かけるのは警官隊と消防隊、マスコミと
少数の野次馬…現場には立ち入り禁止の黄色いテープのおかげで入れそうにない。
50mほど離れて様子を見る。
ルウ「予想以上に人が多いです。人目につかずにシードに近づくのは難しいですね。」
私 「大丈夫よ。そろそろかな…ちょっと待っててね。」
特製ケータイを耳に当て、オペラグラスで現場を見ながら待つこと10分余り。
軽カーが近づいてきて止まり、4人の女が降りてきた。
女性1「お待たせ、ユリ。現場の状況はどう?ニュースじゃ奥の方までわからないのよね。」
私 「隊長、現場は見通しが良くって警備も厳しいので、およそのレポートだけ
作りました。」
女性2「ほほほ、あいかわらずトロいですわね、ユリさん。私でしたら一人で全部
片付けていますわよ。これだから18のお子様は、ふ〜。」
私 「スミレさん、私だってちゃんと走りこみと任務をこなしてますよ!」
女性3「前にこっそり見たら一里も走って無かったようでござるが?」
私 「うぅっ…、か、楓さん!ストーカーみたいなことしないでくださいよ〜!」
隊長「まあそのくらいにしといてあげなさい。ところでそちらのお嬢さんが例の子?」
さっきから静かに話を聞いているルウにみんなの視線が集まる。
私 「はい、彼女がお話したPSUのNPC、ルウさんです。彼女も一緒に来たのは
嬉しい誤算でした。」
スミレ「あらあら、また新しいルームメイトですの?ユリさんも好きですわね〜、ほほほ」
私 「ス、スミレさん!人聞きの悪いこと言わないでくださいよ!彼女は任務の関係で…」
ルウ「みなさん、少し質問してもよろしいですか?」
いつまでも続きそうな雑談を遮るようにルウが一歩進み出て話す。
隊長「ええ、いいわよ。あなたにも協力をお願いするかもしれないし、答えられることなら
なんなりとどうぞ。」
ルウ「率直に聞きます。失礼ですがあなた方は何者ですか?武器を隠し持っているようですね。」
楓 「さすがはルウ殿。暗器を見破るとは恐れ入る。」
ギラリ、と目を光らせる楓にも物怖じしないルウは静かに答えを待ってる。

<つづく>
110名無しオンライン:2006/11/04(土) 21:35:12.95 ID:xvsWjSgn
>>105
グラール太陽系に行くSSは前スレでもよくありましたよね。
楽しみに待ってます (・∀・)
111名無しオンライン:2006/11/05(日) 20:14:24.23 ID:WhJqSFYs
ほしゅ
112フォトンは時空を越えて【6】:2006/11/05(日) 21:17:18.25 ID:WFWd9+wu

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私 「それはね、ルウ。伊賀の上忍三家の藤林家の末裔の隊長が率いる小隊のメンバーでね、
一連の入れ替わり事件の真相を追っているの。隊長の予知夢能力で…」
隊長「そこまでよ。しゃべりすぎよ、ユリ。」
四人が素早くルウと私を取り囲む。
隊長「裏切り者、抜け忍、秘密を漏らした者と知った者の末路は忘れていないわよね…?」
苦無(忍者用ナイフ)を懐からチラリと見せながら凄む4人。
私 「そ、そんな……わ、私が悪いんですっ!ルウだけは…」
震えながらルウをギュっと抱きしめる。

隊長「…ふふふ、ユリ、残念だけどルウに手出しはしないわよ。大事な協力者だし。
それに木を隠すなら森に、櫛を隠すなら髪にっていうでしょ。情報は既に偽装済みだから
少しくらい漏れても問題ないわよ。でも以後気をつけてね。口は災いの元って言うでしょ。」
スミレと楓がやれやれ、と臨戦態勢を解いてる。
私 「ごめんなさい…」
その場に崩折れそうになるのをルウに支えてもらいながら謝る。
隊長「さあ、みんな、作戦を確認するわよ。PSU潜入作戦でフォトンの力を入手できた私と
ユリが魔物とシード本体を叩くから、楓とスミレとランは警備陣の目を欺き撹乱すること。
ルウさんは対シード戦は得意かしら?」
ルウ「はい。過去の戦闘データを共有しているので任せてください。」
隊長「上出来よ。それなら三人ずつに分かれて行動ね。みんな、時計を合わせるわよ。」

 私達三人は目立たない普段着にシールドラインをセットしている。
私 「隊長、頭領はなぜあなたを危険な現場の中忍…リーダーに任命したんでしょう?
隊長の予知夢能力は里でも名高いのに…」
隊長「ふふ、いろいろあってね。そんなことより早くゾーマを見つけ出すのよ、
商売敵さんが来る前にシードを叩かないとクライアントの報酬が下がるからね!」
支援の三人がパニックを煽動したり、演技で警備陣の注意を引いたりしている間に
私達三人はうまく現場に潜入し、侵食された無数の魔物達と向かい合う。
113フォトンは時空を越えて【7】:2006/11/05(日) 21:20:28.02 ID:WFWd9+wu
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 二挺拳銃を乱射する隊長とダブルセイバーを華麗に操るルウをノスゾンデで
支援しながらゴーグルでゾーマを探し、なぜかナノトランサーに入っていた
フォトンイレイザーでゾーマを次々に無力化していく。
ルウ 「ゾーマ4体目の活動停止を確認。」
隊長 「シードの防御が解けたわ!みんな一斉に…」
突然、強力な光線がシードを貫き、倒した!
謎の男 「シードのシールド無効化、ご苦労。まさかフォトンイレイザーを持つ者が
現れるとはな。」
全身ブラックのキャストの男がカノンを抱えて歩いてくる。
隊長 「あなた誰よ?人の獲物を横取りするなんて、なめんじゃないわよっ!」
燃え上がるような真紅のヘアを舞い上がらせて怒る隊長。
私 「そうよそうよ!私達が魔物処理にどれだけ苦労したと思ってるの?」
謎の男 「俺はE機関のブラック。おとなしくフォトンイレイザーを渡すなら命までは
取らない。無礼も許してやろう。」
その時、特製無線機でランから通信。
ラン 『みなさん、E機関が来ました!急いでください!』
隊長 「どうやら多勢に無勢ね。今回は貸しにするから次にあった時は覚えてなさい。」
ルウ 「E機関…?」
私 「ルウ、質問は後よ、急いで撤収しなきゃ。」
男の仲間達が集まる前に、易々と逃走した。
ブラック 「ほう、ルウも来ているのか。何か裏がありそうだな…」
黒光りする腕を組んでブラックは余裕の表情でつぶやいた。

<つづく>
114名無しオンライン:2006/11/05(日) 21:32:21.64 ID:WFWd9+wu
 あいかわらず拙いですが、みなさんのつづきが
楽しみなので今日も支援します。
115名無しオンライン:2006/11/06(月) 10:14:20.56 ID:zcFKZFX8
その金曜日も普段のように深夜までPSUをやり、次の日起きたのは昼過ぎだった。
目が覚めていつものようにトイレへ行き、寝巻き代わりの高校時代のジャージを下ろす。
そこにはいつものジャングルから顔を覗かせるグッレ・ネイダは無く、青みがかった白い毛が申し訳程度に生えているだけだった。
まだ半分寝ている脳みそが出した指示は、「とりあえず座ってしろ。」
トイレから出て手を洗おうと洗面台の前に立つと、そこの鏡に映っていたのは髪が青みがかった白で肌が白く耳の長い女性だった。
思わず後ろを振り返るがもちろん誰もいない、というか自分が映っていない。つまり、コレが自分。
「なんじゃこりゃあああっ!」と伝説の俳優ばりに叫んでみるも、その声は普段の低い声ではなく高い女性の声だった。
それはどう見てもPSUで使っている自分のキャラだった。こりゃ一体どーなっているんだと部屋の中を見渡すと、どこかで見たことのある緑の服を着た人形が立っていた。
「おはようございます!C様!」「えーっと・・・、あんたもしかしてL?」「はい!」それはゲーム内で使っているマーシナリー、GH440だった。
「コレは夢だ・・・、きっとそうだ・・・」そう言いながら、ギュっと頬っぺたをつねるなどという古典的な夢の確かめ方をした。痛かった。
「一体どーなって・・・」パタンとベッドに座り込んだ拍子に、ベッドの上においてあったテレビのリモコンを手で踏んでしまいテレビがついた。
『怪奇現象!オンラインゲームのプレイヤーがキャラクターに変身!』という見出しで緊急報道特番がやっていた。
どうやら日本中で自分と同じような状態になっている人が続出しているらしい。
ふとPCが置いてある机を見ると、キーボードのそばになにやら丸い円盤状の物が置いてあった。
「なにコレ?」「ナノトランサーですよ」Lが即答してくれ、ストーリーモードでE3がコレをつけて一瞬で着替えたことを思い出した。
wikiが正しければ、今の自分は身長170cm程の細身の女性。元々身長180cm体重90kgのピザ男が寝巻き代わりに着ていたシャツはぶかぶか。ジャージとパンツなんかは立っているとずり下がってくる。
「ニューマンは腰につけてたわね・・・」試しにサイズの合わない服を全部脱いで、トランサーを腰に装着してみた。
バシュン!という音とともに一瞬でゲーム内で着ているフラクソ一式になった。
「服はコレでいいわ・・・、とりあえず情報収集ね。」いつの間にか口調まで女性っぽくなっていた。なにやってるんだ自分。
まずはPSU公式サイト、異常に重くて見られない。仕方ないのでJaneを立ち上げネ実3を見る。

【PSU】うはwwwwwロリニュマ子になったwwww
【PSU】リアルキャラチェンオフライン

などと言ったスレが幾つも立っていた。
とりあえず本スレを開くが、スレはカオスな爆速でとてもじゃないが読んでいられない。
ぐうぅぅ、そういえば起きてから何も食べていない。炊飯器に残っていたご飯にふりかけを混ぜておにぎりにして、Lと食べた。
これからどうしようか・・・。幸い今日は土曜日、テレビのニュースで情報を集めながら今日一日これからのことを考えよう。
116名無しオンライン:2006/11/06(月) 10:14:49.10 ID:zcFKZFX8
どーすれば元に戻れるのか、いつ戻れるのかすら分からない。テレビのニュースによるとセガ社員やらどっかの偉い教授やらが原因究明と元に戻る方法を探しているらしい。しばらくはこのまま生活することになりそうだ。
まずは服だ。元々持ってる服はとてもじゃないがサイズが合わなくて外では着れない、だが買いに行く金もない。服が無いからといって大学にもバイトにも行か無いわけにはいかない。
・・・そういえば倉庫に服が数セットしまってあったハズだ。
「ねぇL、倉庫に入れてあった服って出せる?」「はい!」
言うや否や自分のナノトランサーから次々と服を出す。クラシカ、カラワイ、セヤギア、ゴジゴッジにブレイブス。コレだけアレば大丈夫だろう。
それぞれの服には下着もセットになっているらしい、肌に直接着たはずのフラクソパンツの下にいつの間にか下着をつけていた。
そうだ、何かの役に立つかもしれないしトランサーの使い方も調べておこう。Lに色々説明してもらいながらモノメイトなどを出したりしまったりしてみた。どうやら、自分が思った物を自由に取り出せるらしい。なかなか便利だ。

あーだこーだしているうちにいつの間にか夕方になっていた。起きたのが遅すぎた。そろそろ夕飯の準備でもしようかと思ったそのとき、玄関のチャイムが鳴った。
誰だろうと玄関の覗き穴から外を見ると、友達(男)三人が立っていた。しまった、今日はウチの部屋で飲む約束だった。うーん・・・、とりあえず中に入れるか・・・。ガチャ。
「うおっ、女の子!」「誰だ?」「あのヤロ、いつの間に彼女なんて作ってたんだ」・・・うるさい黙れ。
「とりあえず説明するから中に入ってよ」テンションの上がっている三人を部屋に入れる。
「で、Tは?」「そうそう、今日飲む約束だったんだけど」そう言うのはKとN。
「そのことなんだけど、落ち着いて聞いてね。このニュース知ってる?」さっきからテレビでやっている例のニュースを見せた。
「ああ、これ?これがどうかした?」とH。「私もコレでね・・・、実は私Tなんだ。」
部屋の空気が一瞬とまった、無理もない。
「ふーん・・・、そうなんだ」「マジか」「ていうかその喋り方どうみても女じゃん」
「あー、なんか普通に喋ってると勝手にこんな風になっちゃうのよ」「ちなみにキャラ名は?」「C」
私がネトゲをやっていることはみんな知っているので、あまり驚かれなかった。朝からずっとニュースでやっているせいかもしれない。
「へぇ〜、Cちゃんか〜」ニヤニヤしながらNが言う。こういうとき悪ノリするのがコイツだ。
「ちゃんづけするなぁっ!」「顔真っ赤になってる、かわいー」「う、うるさぁい!」
手元にあった空のペットボトルを投げつける。顔面クリーンヒット。
「いてっ、やったなー」しまった、コイツは何かにつけてプロレス技をかけたがるんだ。
こういう時だけ見せる異様にすばやい動きで私の後ろに回り込み、名前も分からない技をきめられた。
「いたっ、いたたたた。ギブ!ギブギブ!ってかどこ触ってるのよ!」プロレス技をかけつつ、Nの右手はしっかり胸にあった。
「C様をいじめないでください!」そう言いながらLがNをポコポコ叩いているがまるで効いていない。こいつは攻撃力はかなり低いんだったっけ。
「Bってところかな」やっと開放された。うるさい、しね。
「とりあえず飲もうぜ」あとの二人が、持ってきたビールやつまみを広げ始めた。
「はぁっ!?」誰かの部屋で飲むときは、大抵そのままその部屋に泊まりだ。
「元は男といえ、今は私は女なのよ!?」「大丈夫大丈夫、何もしないって」
語尾に「wwwwwwww」と付いていそうなほどニヤニヤしながら言うのは、さっきまで人の乳を鷲づかみしていたN。不安だ。
こうして男三人ニュマ子一人人形一体の奇妙な面子の飲み会は始まった。
117名無しオンライン:2006/11/06(月) 10:15:32.19 ID:zcFKZFX8
ライン工オンラインしながら思いついたことを書きなぐってみた
続きみたいなんて奇特な人がいたら書くかもしれん
118名無しオンライン:2006/11/06(月) 10:46:54.99 ID:W9IPfbfj
|∀・)っ 【F5】 ボタンオイトクネ
119名無しオンライン:2006/11/06(月) 10:57:45.48 ID:ztyPBsoq
(`・ω・)ノ【F5】カチカチ
120名無しオンライン:2006/11/06(月) 11:46:51.78 ID:4UMXUAdl
F5   F5   F5   
  F5   F5   F5
┐  ∧,∧  F5
| (   )    F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5
121名無しオンライン:2006/11/06(月) 13:23:58.76 ID:FZoCLuv4
オラオラオラオラオラオラオラオラオラ_ー ̄_ ̄)’,  ・F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5オラ
オラオラオラオラオラオラオラ∧ --_- ― = ̄  ̄`:,F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5オラオラオラ
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オラオラオラ|  / \  `、     = _)オラオラF5F5F5F5F5F5F5F5F5 オラオラオラオラオ
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オラオラ / ノオラオラ{  |オラオラオラオラオラオF5F5F5F5F5F5 オラオララオラオラオラオラオラオラ
オラ / /オラオラオラ| (_オラオラオラオラオ!F5F5F5F5F5F5オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラ `、_〉オラオラオラオー‐‐`オラオラオラオラオラオラオF5F5F5F5オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
122名無しオンライン:2006/11/06(月) 13:40:42.36 ID:rRISJqua
>>117
続きが気になる(*´Д`*)ハァハァ
123前351:2006/11/06(月) 13:55:54.26 ID:hoioWqrd
流れを読まずゴメンナサイネ


仰々しい大きなドアを軽く2回叩いて、静かにドアを開ける。
目の前にはこれまたおおげさな机に、いかにもな社長イス。
そこにふんぞり返るように座る威厳のかけらもない男性。とても総督には見えない。
「久しぶりだね。ブラド。呼び出されるような悪いことした覚えはないわよ。仕事はしてないけどさ。」
名を呼び捨てる。別に畏まるようなような間柄じゃなかった。
「あぁ、ヒカリちゃん。早かったね。」
背もたれから身を離して、ヒラヒラと手を振る。
彼と私とローズマリー、姿が変わってどうしようかと困っていたとき、この軽薄そうな人に私たちは拾われた。
―ガーディアンズを作ろうと思っている。協力してくれない?―
今思えばよくついていったなって思うような殺し文句だったけど、行くあてもない私たちに選択肢なんてなかった。
ブラドと協力して、一からガーディアンズを作り上げていったんだ。
といっても資金は全て彼の懐から出ていたから、見てるだけだったようなものだけれど。
そのお金の出所を不思議に思ったけど、彼の口からその素性が語られることはなかったから、詳しいことはよくわからない。
そんな背景もあって、総督と部下、と言うよりは友達感覚で私はブラドと接していた。
「それで、直接呼び出すなんてなにか大事件?」
「ん?あぁ実は用があったのはオレじゃなくてね。どんな話なのかオレも知らないんだ。」
ブラドが視線を左に向ける。女性が立っていた。
「すまないな。呼び出したのは私だ。」
美しい腰まで届く黒髪に、切れ長の鋭い目。ハッとするような美しさを備えたニューマン。顔見知りだった。
「メイリン!」
「久しぶりだなヒカリ。」
駆け寄って手を握る。本当に久しぶり。
彼女も一緒にガーディアンズを作り上げてきた仲間だ。前はよく2人で買い物に行ったりしたんだけど、
彼女も彼と同じ。いつの間にか売れっ子になっちゃって本部にほとんどいなくなってしまった。
「元気そうねメイリン!いつまでこっちにいられるの?」
「しばらくゆっくり休むつもりだ。ヒカリは・・・あまり元気そうではないな・・・。」
メイリンの表情が翳る。彼女の手が私から離れた。
「ちょっと・・・メイリン?」
小さな頭が深々と下げられる。
「すまない。本当はもっとはやく会いに来るべきだった。忙しかったなど言い訳にならない。」
「頭を上げて。メイリン。」
「ずっと謝らなければいけないと思っていた。すまない。私がついていながら青を―」
「メイリン!」
無意識に叫んだ。その続きを、聞きたくはなかった。
「いいの・・・誰のせいでもないから・・・。」
メイリンはゆっくり頭を上げると、すまなそうに目を伏せた。
彼女も・・・胸を痛めているんだ。
「もういいかい?オレも暇ってわけじゃないんだよね。話を聞かせて欲しいんだけど。」
ブラドの飄々とした発言が、場の空気を破る。
メイリンは軽く顔を振ると、芯の強さを表しているかのような、いつもの表情に戻った。

124前351:2006/11/06(月) 13:56:21.65 ID:hoioWqrd
「あぁ。そうだったな。」
「わざわざオレを交えようっていうんだ。面白い話なんだろうね。ここじゃあれだ。こっちで話そう。」
応接室に通される。高級そうなテーブルに、ふっかふかのソファー。
腰を下ろすと、予想以上に体がソファーに沈んでいった。私の部屋に欲しいな。コレ。
「さぁどうぞメイリン。話してくれるかい?」
「わかった。はじめよう。」
メイリンが体をモゾモゾと動かして、顔をしかめる。
「いや・・・まってくれ。なにか落ち着かないな・・・。立って話をさせてくれ。」
おもむろに立ち上がる。すわり心地が気に食わなかったらしい。
「よし、すまないな。はじめよう。」
壁に背をあずけて、彼女はゆっくりと口を開いた。
「少し長くなるかもしれないが、堪えてくれ。数ヶ月前にニナ・・・いや隠す必要もないか。
ハルと話をした。ずっと疑問に思ってたことだ。なぜこの世界を変えたのか。
のらりくらりとかわされたが、彼女は私にこういったよ。変えたわけじゃなく入れ替えただけだと。
それがずっと引っかかっていたんだ。私たちの体を変化させたわけじゃなく、ゲームのキャラクターと
本来の肉体を入れ替えたならば、私たちの体はどこにいったと思う?」
ふと、頭にある施設がよぎった。ガーディアンズの地下に鎮座する、あの巨大な装置。
「ピンと来たようだな。レリクス。私はあれが私たちの体を保存していると考えている。
数ヶ月前の事件であれがハル自身だということがわかっただろう?あながち的外れではないと思う。
体が、あるんだ。私たちの体が。どういうことかわかるか?例えこちらの世界でキャラクターとしてのデータを失ったとしても
レリクスから体を引っ張り出せば、全て元に戻せるかもしれないんだ。」
私の心臓が、跳ねた。
全てが・・・元に?
俄かには信じがたい、夢のような言葉だった。
「1度レリクスを調査したが何もわからなかった。だがそれはこちら側の世界の機械を使ったからだと私は思う。
あちら側からきたもの、パートナーマシナリーを使えばあの装置を操れるんじゃないか?ハル自身がその姿をしていることを
考えれれば、これも突飛な発想ではないはずだ。
どういうわけか1ヶ月前からハルが姿を消してしまったから本人に直接確認することは叶わないが・・・試す価値はある。
ブラド、レリクスに立ち入る許可をくれ。すぐにでも始めたい。」
徐々に現実味を帯びてくる。私の心に一筋の光が差した。
それはゆっくりじわじわ広がって私に与えてくれる。希望という名の光。
125前351:2006/11/06(月) 13:57:07.44 ID:hoioWqrd
でも、そんなにうまくいくはずないって、すぐに思い知らされた。
「それは・・・許可できないなぁ・・・。」
「なんだと・・・?」
ブラドの言葉にメイリンが眉をしかめる。
「私の聞き間違いか?ブラド。」
「オレに聞かせたのはそういうことか。でも、ダメだ。許可できない。」
メイリンの眉間に皺がより、その表情がいよいよ険しくなる。
「理由を聞かせてもらおうか。」
「君の仮説、合ってるよ。確かにレリクスはそういう装置だ。オレもずっと興味があってね。知りたいならハルに直接聞かなくてもいい。
あの子でもいいんだ。彼女たちはハルの分身みたいなものらしいからね。」
背中を反って背後に顔を向ける。そこにはブラドのパートナーマシナリーが行儀よく立っていた。
「別に青の体だけ取り出せるなら反対する理由はないよ?だけどね。それはできないんだ。そうだろ?」
パートナーマシナリーに続きを促す。
「はいっ!ただ1人だけ元に戻すと言う作業は行うことができないですっ。やるとしたら全部一緒に戻っちゃいますっ。」
彼女はハキハキと元気よく答えた。
でも、私には全部一緒に戻るからやってはいけないという理由がよくわからなかった。メイリンも同じらしい。
元の生活に戻ることは、いけないことなの?
「全てが正常に戻るんだ。悪いことではないだろう。」
「わっかんないかな?元に戻るってマズイだろ。この事件で色々もめたけどね。だけど得たものも大きい。
フォトンエネルギーさ。ほぼ無限。しかも色々なことに応用が聞く。全世界が注目してるんだよ。研究だってもう進んでるんだ。
元に戻るって事はフォトンも失うってこと。これは人類の発展にとって大打撃だとオレは思うんだよねぇ。
オレだってその研究に結構投資してるのよ。今更あれ無しって言われても困っちゃうわけ。」
「欲に目がくらんだかブラド!人類の発展など本来あるもので目指せばいい!その程度・・・理由にならん!」
「まぁ待ってよ。理由ならまだあるよ。」
ブラドがやれやれと言った様子で両手を上げる。
「事件が起きてから結構たつよね。ようやくオレら入れ替わった人間も世間に認められてきた。
ガーディアンズ以外に就職した人間も結構いる。みんな各々の生活を勝ち取ったわけよ。
それに入れ替わったもの同士で子供が生まれたって報告も何例か聞かされてる。ほら、誰だったかな。
うちにもいただろ。子供が出来たからガーディアンズやめた子がさ。
その子供たちは本体のないオリジナルなわけ。元に戻したらどうなるんだろうね。
消えるのか?それともそのまま?やってみればわかるけど、さ。
たった1人のためにそんな博打、許可できないね。」
126前351:2006/11/06(月) 13:57:42.79 ID:hoioWqrd
「たった1人・・・だと?」
メイリンの顔から表情が消えた。その声に帯びているのは静かな怒り。
メイリンは壁から背を離すとブラドに歩み寄り、その胸倉をつかんだ。
「青は・・・たった一人!私たちにとって唯一だろう!!」
激しい剣幕でまくし立てる。ブラドは涼しい顔でそれを受けてめていた。
「おいおい、暴力はやめてよ。とにかく許可できないんだからさ。」
「きさまっ!」
拳が振り上げられる。
「ヒカリ?」
それを、私が制止した。
「もういいよメイリン。よくわかったから・・・。」
「ヒカリ・・・。」
「わかってもらえたみたいでうれしいよ。」
ソファーから腰を上げる。とてもこの場にはいられなかった。
「じゃあ、私戻るね。2人ともありがとう。」
精一杯の笑顔を作ってみせる。たぶん引きつってる。
逃げ出すように部屋から飛び出した。
天国から地獄に突き落とされたようなそんな気分。世の中そんなに都合よく出来てないんだって、
こんなときに実感したくなかった。
「ヒカリ!待ってくれ!」
背後からかけられた声に振り向く。メイリンが私を追いかけていた。
「メイリン・・・。」
「すまないな。余計に傷つけてしまった・・・。」
「謝らないで。仕方ないよ・・・。」
「仕方ない・・・?本当にそう思っているのか?」
メイリンの鋭い視線が私を射抜く。この眼は、苦手だ。全て見透かされるようで。
私は思わず目をそらしてしまった。
「ヒカリに・・・コレを渡しておきたい。」
メイリンは懐から板状のものを取り出すと、私に手渡した。
「なに?これ。」
「レリクスへのカードキーだ。エンドラムが攻めてきてからセキュリティが強化されたが、これがあれば問題ない。
レリクスに入れる。」
「ブラドが・・・許可したの?」
「まさか。あいつは譲らないよ。実を言えば、ブラドが反対することは予想していたんだ。とはいっても・・・
もしかしたら程度で本当にあんなことを言うとは思わなかったがな。だから、念のため話をする前にくすねておいた。
初めて、それなりの立場でいてよかったと思ったよ。」
「くすねたって・・・。」
メイリンが悪戯な笑みを浮かべる。
「使ってくれ。」
「だめだよ。そんな・・・。彼だって・・・色んな物を犠牲にしてまでする必要はないって言うと思うし・・・。」
「ヒカリ。」
私の両手をメイリンがやさしく握った。そして再度私の目を見据える。
今度は正面から受け止める。
「自分の本当にしたいことをすることは、悪いことではないよ。なにが正しいかなんて誰もわからないんだ。
例え犠牲が出ても・・・私は、ヒカリは間違ってなんかいないと思う。考えてみろ。事件に巻き込まれて幸せなやつばかりじゃないんだ。
元に戻りたい人だってたくさんいるだろう。ブラドが言ったのは一つの側面にすぎない。ヒカリは、したいことをすればいいんだ。」
胸が熱くなった。あの人がいなくなってこの世界で一人ぼっちになってしまったような、そんな錯覚をずっと覚えていた。
でも、こんなにも私のことを考えてくれる人がいるんだって、それが今、うれしかった。
「ありがとう・・・。メイリン。」
「なにかあったら呼んでくれ。今週一杯は仕事をいれていないんだ。」
「うん。」
「じゃあ、私はいくよ。忘れるなよヒカリ。なにも間違ってないんだ。」
「うん。ありがとう。」
そういって、メイリンは私に背を向けた。
間違ってない。そう思いたい。でも・・・ブラドの言うようにたった1人のために
私のために、みんなの生活を壊していいんだろうか・・・。
わからない・・・。私にはわからないよ・・・。
127前351:2006/11/06(月) 13:59:25.42 ID:hoioWqrd
部屋に戻って、力なく座り込む。
ローズマリーはまだ帰ってきてはいなかった。
なんとなく本棚から一冊のアルバムを取り出す。
彼と行った初めての旅行。その思い出が一杯詰まっていた。
確かこれは横浜の中華街。歩けなくなるまでおいしい物を食べた。
これは京都。お寺なんてそっちのけで八橋の試食ばかりに目がいってた。
こっちは神戸。また中華街。ここもおいしかったな。
なんか、食べ物の思い出ばっかり。楽しかったな。旅行、また行きたいな。
不意に、アルバムの上に水滴が落ちた。拭う。
これは香川県だ。うどんがすっごくおいしかった。
水滴が落ちる。再び、拭う。
そのまま進んでいって、九州。ラーメンおいしかったけど、そんなに感動はなかったかなぁ。残念。
「うっ・・・あっ・・・。」
水滴がボタボタと音を立てて落ちた。もう、拭うのをやめた。
「うっぅ・・・あぁっぁぁぁぁ!!」
すんでのところでせき止めていたものが一気に溢れてしまった。
もうだめだって、泣いちゃダメだって決めたのに。
止まらなかった。
苦しい。1ヶ月もたったのにまだこんなにも苦しい。
つくづく思う。私は彼がいないとダメなんだ。
私の手が鼻が唇が、全身で彼を覚えている。
いつも眠れば夢の中で彼が会いに来てくれた。眠っている間は幸せだった。
でも本当の彼じゃない。私の記憶の中の虚像なんだ。
もう彼には会えない。
髪を撫でてもらえない。抱きしめてもらえない。キスしてもらえない。
「会いたいよ・・・寂しいよっ・・・1人はっ・・・嫌だよ・・・!」
1ヶ月前、ちょっとした任務。
彼はそこで
命を落とした。


一杯スンマソン
よりあえずここまで
続きは近日中になんとか



12857:2006/11/06(月) 17:04:51.83 ID:rRISJqua
{エンドラム機関}
同盟軍に所属する特殊部隊。「レリクス保全」という目的と、
エンドラム=ハーネスという人物が責任者であるという情報以外は、全てが機密扱いとされている。
〜公式記録より〜

(エンドラム機関だと・・・?)
「たしかに、エンドラム機関と言ったのだな?」
「ええ、しっかりと覚えています」


(エンドラム機関といえば、あのオフラインの・・・
オフラインは物語の途中で解体された筈・・・
私達が、こちらでガーディアンズを作ったようなものか?)

みいは、微かな不安を覚えつつも
「続きを聞かせてくれ」
「ここからは、うろ覚えなのですが」


---------------------------------------------------------------

「・・・早く移動するぞ」
早々に切り上げようとする角キャスト。
深夜で人が寝静まっているとは言え、ここは住宅街のすぐ近くだった。

部下のキャストが、俺を抱えようとした瞬間だった──

『・・・待てぃ』


「!?・・・誰だ!」
凄まじく渋い声・・・痺れるほどに・・・
(アレ?聞いたことがあるのはなぜだ)

「き、貴様は!」
紅い装甲と、特殊なパーツを装備した男が、突如として現れた。

「その紋章・・・エンドラム機関の者だな?」
「な、なぜだ・・・貴様は死んだはずだ!」
「クク・・・俺は死なんよ」

「マガシ・・・今更何の用だ?
いや・・・なぜ、こちらに来れた?」
12957:2006/11/06(月) 17:07:10.88 ID:rRISJqua
マガシ・・・、思い出した!レンヴォルト・マガシだ!
あのオフに出てきた悪役のマガシ・・・。
どういうことだ・・・NPCキャラクターだったはず。
誰かのRPなのだろうか?いや、それにしては──

「{ある人}の力によって{こちら側}に呼ばれたのだ。
条件付きでな・・・」
「条件だと・・・。それは、我々の元に戻るということか?
それならば、現リーダーに私から──」
「クク・・・クハハハッ」

角キャストの発言を制止するかのように、マガシが笑い出した。
まるでPSOのキリークのような笑い方だ。この声だと痺れるほどかっこいい。

「何が可笑しい」
「逆だ」
「・・・どういう意味だ?」

「貴様等を潰す・・・ということだァ!」

マガシが、俺の右側にいたキャストに一瞬にして近付いた。
「散れッ!」

闇夜に浮かぶ仄かな光──

紅いセイバーの光か。

紅いセイバーが斬り下ろされる。

斬った後に、わずかながら紅いフォトンの粒子が舞う。

それは斬った後を追うように、鮮血が舞うように──

闇夜に浮かび、消えた──
13057:2006/11/06(月) 17:09:50.47 ID:rRISJqua
キャストが一刀両断されたようだ・・・。
そのキャストはゆっくりとフォトンの粒子になって消えていった。

「{カノーネ}如きでは、俺を止められん」
マガシは、言いつつも今度は、俺の左側にいるキャストに向かって大きく跳躍した。


カノーネ・・・そうか。エンドラム機関の敵キャラクター
{特殊兵カノーネ}・・・何か変だと思ったら、NPCだったわけか。
ん・・・どういうことだ。NPCがこちら側に・・・?

跳躍して空中にいるマガシに向かって、カノーネがライフルを発砲する。

「あまいわっ!」
マガシはそれを、セイバーでことごとく弾き返し──
地に着地すると同時に、カノーネを一刀両断した。
カノーネがフォトンの粒子となって消えていった。

マガシが残った角キャストを向いて
「貴様も・・・散るか?」
「く・・・覚えていろ!」
角キャストは三流悪役の吐くような台詞を残し、退いていった。

「あ、あの・・・」
「ん・・・まだいたのか。既に逃げたのかと思っていたが」
「貴方は一体?」

「さっき聞こえなかったか?マガシ、レンヴォルト・マガシだ」
「・・・助かりました」

「勘違いするな。俺は貴様を助けた訳ではない。
エンドラム機関の奴らを、片付けただけだ」
か、かっこいい・・・惚れそうだ。

段々と意識だ薄れてきた。どうやらダメージが大きかったらしいが、
俺が鈍感な為か、今更効いてきたようだ。

「さっき言ってた{あの人}とは一体」
意識が薄れつつも、気になることを何とか聞き出そうとする。
「・・・余計な詮索は命に関わるぞ。奴らが貴様を狙うことは、もうあるまい。
今回の事は忘れることだ」

その言葉を最後に、俺は気を失ったようだ。
13157:2006/11/06(月) 17:11:30.25 ID:rRISJqua
とりあえずここまでです。
マガシの一人称とか、性格が詳しくわからないので適当です。
続きがなかなか書き上がりません。
そして、また長引きそうな予感(´Д`;)
132名無しオンライン:2006/11/06(月) 21:40:06.03 ID:fFIIQBLF
 今日は久しぶりにたくさん投下されて読み応えがありますね。
みなさんの続きが楽しみ!
133名無しオンライン:2006/11/07(火) 00:59:22.04 ID:lbDn+Z+S
134ついてないニュマ子:2006/11/07(火) 08:35:11.72 ID:Py3Vpzjy
 車に連れ込まれてもう何分立つのだろうか?5分くらいしか立っていないような気もするし、
もう何時間もたっているようにも感じる。アキはどうしているだろうか?
ずっと私のことを待っているのだろうか?都合よく助けに来てくれたりしないだろうか?
 ・・・そうだ!パートナーカードでメールを送ったりできなるかもしれない!
自分のすばらしい頭の回転に感動して1秒も立たないうちに、パートナーカードの使い方が分からない事、
両手が縛られているからそもそもカードが出せない事、ていうかどこにカードがあるかすら知らない事に
気づいて余計不安になった。
 ピロン、というPSU内では聞き飽きたメール着信音が体の内側で響いた。
多分アキだろうか?帰ってこない私のことが心配になったのだろう。
なんとか・・・なんとか返事を返せないだろうか?どこかにL2ボタン・・・L2ボタンはないの!?
 私が必死にL2ボタンを探していると、片手ハンドルで運転をしていた弟分が口を開いた。
「にしてもアニキ、どうしてこのお嬢ちゃんが金持ちの娘ってわかったんスか?」
 それは私も聞きたい。なんで善良な一般人の私が誘拐されなくちゃいけなかったのか・・・。
「それはだなぁたくさん証拠があるんだよ。」
「証拠・・・っスか?」
 不思議そうに答える運転手にアニキは上機嫌で答えた。
「俺は最初、耳が長くて緑の目だなんて変わった子供だと思ってちょっと目を引いただけだったんだけどな。
色々気づいちまったんだよ。」
「アニキ、もったいぶんないでくださいっスよ。」
 弟分がじれったそうに口を尖らせるのがバックミラーに映る。
「ワリイワリイ。じゃあな、説明するぞ?」
「あい。」
「まず着物だ。そんな高いものを着て買い物にこれる子供なんてそうはいないね。
そう思ってまずこの嬢ちゃんに目をつけたってわけだ。」
 確かにそうだ。私は着物風のカラワイワンピースのデザインを呪った。
「でもってつけてみるとどうだ?その買い物の仕方がすごいじゃねーか。
どうみても小学生か中学生なのに金に糸目をつけずに手当たり次第に服を買ってたからな。」
 ・・・その表現はちょっと大げさだと思うけれど確かに中学生がする値段の買い物ではなかったと思う。
だって中学生でも、ましてや小学生でもないし。
「さらにだ、荷物を持とうとしたらずっと嬢ちゃんの側にいた子供が嬢ちゃんのことを『様』付けで呼んでるじゃねーか。
しかも嬢ちゃんの代わりに荷物を持とうって言い出す始末。この年で従者をつけて買い物をするなんて
普通の金持ちじゃねえ。すぐにわかったぜ。」
 ・・・・・・いやまぁ確かに様付けだし、アキは従者みたいなものだけどそれはお金持ちだからじゃないんだけど。
135ついてないニュマ子:2006/11/07(火) 08:35:40.50 ID:Py3Vpzjy
「な、なるほど!アニキの推理力と観察眼は金田一少年並みっスね!!」
 なんだかやや古いものを例にあげてアニキにゴマをする弟分。
それを聞いてどうやら気を良くしたらしくさらに上機嫌になってアニキは続ける。
「しかも今日は様子見だけにしようと思ってしばらく様子を見ていると、
ラッキーなことに突然従者を待たせたかと思うと人気のない道路に一人でくるんだもんなぁ。
これは神様が俺たちに誘拐をしろって言ったとしか思えねーよな!」
 これは神様が私を見捨てたとしか思えない不幸のコンビネーションとしか思えねーですよ!
全部誤解じゃない!!!!
 口元をこれでもかと言うくらい緩ませたアニキはガシッと私の肩に手を回して力任せに抱き寄せると、
ニヘラニヘラと私に笑いかける。私はと言うとビクリと身を硬くした後、少し視線をアニキの顔に移したものの、
その顔を見るのがなんだかとても恐ろしくてすぐにまた俯いた。
「だから怖がるなって、俺たちの幸運の天使ちゃんったらよぉ!」
 無理言わないで・・・。どこにつれられて何をされて、そしていつ開放されるかもわからない。
そして何よりも私はお金持ちではない。私に金銭的価値がほとんどないとわかったら・・・
私はどうなってしまうのだろうか・・・?何をされるのだろうか・・・?
唇をかみ締めるアゴにさらに力を込めて悪い考えを追い出そうとするが、
そうすればそうするほどマイナス思考の底なし沼にズブズブと沈んでゆく。
既に目には涙がいつ溢れてもおかしくないくらいたまっていて、体の震えは酷くなるばかりだった。
ほんとうに・・・ほんとうについてない・・・。
「アニキ・・・これがうまくいったら内臓売らなくて済むんすよね・・・。」
「ああ・・・どこも売らないで大丈夫だぜ・・・全額返済できるぜ・・・。」
「アニキ・・・絶対・・・絶対この誘拐成功させるっスよ!」
 人の気も、絶対に失敗することも知らないでアニキと弟分は勝手に盛り上がる。
その後も二人は楽しげに誘拐が成功した後のことを楽しげに話し、たまに私のことを天使ちゃんと呼び
震える私の機嫌を取ろうと話しかけたりなんかもしてきた。
けれども、もちろん応える気などするわけもないし、そもそも応えられるほど気持ちが落ち着くこともなかった。
「ひ、ひぃぃぃ!!ア、アニキイイイイ!!!」
 突然あがった弟分の悲鳴に思わず私もハッと視線を上げると、
フラフラしながら日本の道路だというのに右側の車線を我が物顔で高速でつっ走るトラックが
フロントガラスの先に映っていた。不幸にも誘拐されてしまった私は不幸にもここで交通事故にあって
死んでしまうらしい。
136ついてないニュマ子:2006/11/07(火) 08:39:47.86 ID:Py3Vpzjy
以上です。
皆様の話を読むほうが楽しくなり始めていたりしますw
F5が引っこ抜けるのは多分時間の問題です・・・w
137名無しオンライン:2006/11/07(火) 08:53:51.22 ID:yI0z03dn
デジャヴ?
138名無しオンライン:2006/11/07(火) 10:42:10.62 ID:2U1iwaQJ
このスレにはおっちょこちょいがいるようですね
139名無しオンライン:2006/11/07(火) 12:14:13.03 ID:8vNrbo8r
コォイツゥ( *´Д`)σ)´Д`)
140名無しオンライン:2006/11/07(火) 13:08:21.06 ID:xq87qisz
これが噂に聞くデジャブか!・・・アレ?
さすがは{ついてない}ニュマ子さん( *´Д`)σ)´Д`)
141名無しオンライン:2006/11/07(火) 13:35:18.13 ID:GDFTa5Xb
もう……しょうがないなぁ、ニュマ子はぁ。
142ついてないニュマ子:2006/11/07(火) 17:07:59.44 ID:Py3Vpzjy
ごめんなさいごめんなさいヽ(´Д`;)ノ
投下するものを間違えましたorz
気を取り直して今度こそ続きです・・・
143ついてないニュマ子:2006/11/07(火) 17:08:20.31 ID:Py3Vpzjy
「きゃああああああああああああああああああああ!!!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「WRYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
 三人の悲鳴が詰まった乗用車が豪快な音と衝撃に襲われた瞬間、私はギュッと強く強く目をつぶった。
恐る恐るまぶたを開ける。目が動く、手が動く、呼吸もできる、焦げ臭い匂いが鼻をくすぐる。
・・・どうやら私は助かったらしい。
「大丈夫か天使ちゃん?」
「・・・え?」
 声をかけられて初めてアニキが私に覆いかぶさっていることに気づいた。
そのアニキのほうはというと、サングラスは片方レンズがなくなっており、
どこかが酷く傷ついてらしくらしく、腕は血で真っ赤だった。
「あ・・・あの・・・。」
「天使ちゃんとっとと逃げろや。俺はこれから弟をたすけねーといけねーんだよ。」
 そう言ってベリベリと私の腕に巻きついていたガムテープを器用にはがし始めた。
その時の割れたサングラスの奥のアニキの目が妙に優しげで妙に私の心をざわつかせた。
「そうそう悪いことはできるもんじゃねーな。悪いな、誘拐なんてしちまって。ほら、逃げろ。」
 まるで野良猫に話しかけるかのような口調でアニキは私に話す。
私は残念ながら天使じゃないし聖人でもない。どちらかというと自分が一番大事なダメ人間だ。
だから、遠慮なく逃げさせてもらった。・・・だって誘拐犯に付き合う理由はないじゃない?
でも・・・でも簡単に交通事故にあった人を・・・私をかばってくれた人を見捨てられるほど冷たい人間でもない。
私は集まり始めている野次馬に向かって大声で叫んだ。
「誰か、誰か救急車を!大怪我をしている人がまだ二人車の中にいます!!」
 悔しいくらいか細くて、子供っぽい小さくて高い声だけど、それでも私は精一杯叫んだ。
「誰でもいいので救急車を呼んでください!お願いします!!!」
144ついてないニュマ子:2006/11/07(火) 17:08:45.74 ID:Py3Vpzjy
「安心しろ!もう呼んである!!」
 野次馬の一人が大声で答え返してくれる。
「・・・よかった。」
 数人の野次馬が車へと駆けていくのが見えた。
「どいてください。私達は医者です。」
 そう叫びながらアニキと弟分を車から引きずり出し、地面に寝かせる。アニキの方は大丈夫そうだが、
運転していた弟分の方はぐったりとしている。何かを大声で泣き叫ぶアニキを一団の一人がたしなめる中、
いつだったか救命救急について実習をやったときにやっていた心臓マッサージやら何やらが始まった。
何もできずにただ呆然としばらくの間していたが、すぐに救急車がやってきて二人は救急車に乗せられていった。
「君、君もだよ。」
「へ?」
 突然白衣の人に話しかけられてちょっとびっくりしながら振りかえった。
「とりあえず精密検査をしてみた方がいいから一緒に乗っていって。
それにお兄さん達も妹さんがいたほうが励みになると思うから。」
 そんなわけで、ただの買い物のはずが大冒険となり、病院を出ることができたのはほとんど夕方となってしまった。
ちなみに、ややこしくなるとめんどくさそうなので二人の妹だということは否定せず、
検査の結果何も異常がないことを確認したあと、二人の命に別状がない事を聞いて安心した後に勝手に帰った。
 弟さんの怪我は一歩間違えれば致命傷だったらしいが、幸運な事に急所は外れていたし、
偶然事故現場近くにいた医者の応急手当がよかったこともあり大事には至らなかったそうだ。
 帰りがけに一つだけ看護婦さんにお願いをしていった。アニキさんにこの紙を渡してくれって。
その紙にはこんな一文を書いておいた。
『かばってくれてありがとうございます。天使より。』
 ふと、帰りの電車の中で自分の少し芝居がかった手紙を思い出してすごく恥ずかしくなり、
一人で真っ赤になってしまったりしたのは秘密だ。
145ついてないニュマ子:2006/11/07(火) 17:09:04.64 ID:Py3Vpzjy
 電車を降りてアキを待たせていた場所に急いで戻ると、うつむいて足をぷらぷらとさせているアキがすぐに見つかった。
「・・・アキ!ホント、ホントごめんね!!」
 私の声に気づき耳をピクリと私のほうに向けるが早いかガバッと顔をあげ、弾丸のように私の胸へと飛び込むと
ウエストの辺りを細い腕でぎゅっと力いっぱい抱きしめて、顔を私の胸にグリグリと押し付けた。
「ハルカ様〜・・・私、私置いてかれちゃったと・・・メールの返事も来なかったし・・・。」
 私は小刻みに震えているアキの方に優しく手をかけた後、そっと彼女の頭を抱きしめた。
「ほんと、ほんとうにごめんね、色々あって帰れなくなって、メールの返し方も分からなくて・・・。」
「ハルカ様・・・心配したんだよ・・・帰ってこなかったらって・・・本当に不安だったんだからぁ・・・。」
 私を痛いほどの力で抱きしめる腕にさらに力を入れて鼻声で何度もハルカ様と呟く彼女に少してれながら、
私は彼女が落ち着くまでそっと頭を撫で続けた。
 彼女の腕の力が少しずつ弱くなったところでゆっくりと彼女から離れ、ニコリと微笑んだ。
「ずっと待っててくれてありがとうね。そろそろ、一旦家に帰ろうか。」
「はい。」
 アキがずっと見張っていた大量の服が入った袋を手に取ろうとそちらに向かうと、
カラワイワンピースのしっぽがグイと引っ張られ、インナーの帯がしゅるりと音を立てる。
「きゃっ!ちょっと・・・。」
 慌てておなかの辺りを押さえながら瞬間的に赤くなった顔を首だけで無理矢理後ろに向けると、
アキがしっぽを握って拗ねたような照れたような顔をして私を上目遣いで見つめていた。
その目が妙に真剣だったので帯を引っ張った事をとがめ様とした事を忘れて彼女に見入ってしまった。
「ね、ハルカ様。」
「どう・・・したの?」
 彼女のまんまるな瞳が照れながらもまっすぐに私の瞳をまっすぐに射止める。
「・・・もう置いていかないって約束してください。」
 アキの右手がしっぽを離し、おずおずと彼女の小指が差し出される。
「指切り、して。」
 彼女のかわいらしさに思わず笑顔になりながら私も小指を差し出して答えた。
「うん、いいよ。ただし、私も置いていかないでよ?」
「うん、私、絶対にハルカ様を置いていかない!」
 私もニコリと微笑んで力強く頷いたアキの小指に私の小指がまるでキスをするかのよう近づいてゆき、
細くて小さな小指と小指がしっかりと絡み合う。
『指切りげんまん嘘ついたらハリセンボンのーます。』
 しっかりと絡み合った指が静かに離れる。
「約束、ですよ?」
「うん、約束ね。」
 私とアキは互いに微笑みあった。
「ほんとのほんとに約束だよ?」
「もちろんよ。」
 さらに念を押す彼女が私の小さな手を、さらに小さな手で握った。私もその手を握り返す。
その手をずっと繋いだまま、私達は笑いあいながら部屋までの道をゆっくりと歩いていった。
146ついてないニュマ子:2006/11/07(火) 17:09:29.49 ID:Py3Vpzjy
以上です。
本当に失礼しました・・・
147名無しオンライン:2006/11/07(火) 17:42:02.08 ID:ApHO6meS
投稿ミスするニュマ子さんに思わず萌えた
148名無しオンライン:2006/11/07(火) 18:13:08.09 ID:xq87qisz
>>147
激しく同意
149フォトンは時空を越えて【8】:2006/11/07(火) 21:10:44.01 ID:9EwgnsEl

 シードが倒されたことで、侵食の拡大は食い止められたらしい。
隊長 「みんな、お疲れ様。今から私のおごりで飲みに行こっか?」
楓 「いいですな、ビールで焼き鳥でもごちになりますか。」
スミレ 「楓さん、どうせなら上品なホテルのバーの方が落ち着けてよろしくてよ。」
楓 「むむむ、ホテルなんてコジャレたところはご免こうむるでござるよ」
スミレ 「こ戯れ…って、ふざけてなんかいませんわよっ。」
楓 「あー、少し洒落たって意味だから気にしなさんな、ははは。」
私 「私とルウとランは未成年ですし夜も遅いので帰ってもいいですか?」
隊長 「そうそう、言い忘れてたけど…ユリ、あなた大学を休学しなさい。」
私 「えっ?!」
突然の通告に口を抑えて少し仰け反って驚く。
隊長 「私の予知夢を含めて、今までの見通しと計画では仕事や学校に行きながらでも
O.K.だったけど、事態は予想以上に進んでるからね。任務に集中してもらうわよ。」
スミレ 「ユリさん、いいじゃない。どうせ任務で入学した学校でしょ?」
私 「それはそうですけど、たった1年で…そうだ、ランは中学校どうするの?
来年高校受験でしょ?」
ラン 「えっと、一応学校を優先しなさいって両親と隊長から言われてますけど…」
隊長 「とにかく、商売敵が増えてるし今は人が足りないからわかってね。」

 アパートまで送ってもらい、シャワーを浴びてからルウとお話。
ルウ 「ティファさんはこちらの世界ではユリさんと呼ばれているのですね。」
私 「うん、ティファっていうのはあちらでのコードネームなの。なんとなく外人ぽくて
カッコいいでしょ?」
ルウ 「そうですか。それから先程、無線で聞いたE機関のことを教えて頂けますか?」
私 「やっぱり気になるのね。いいわ、知ってる範囲で教えてあげる。」
ダージリンティーが入ったティーカップを傾けながら話し始める。
150フォトンは時空を越えて【9】:2006/11/07(火) 21:17:53.91 ID:9EwgnsEl

私 「E機関…良い機関…つまり正義の機関と思うでしょ?」
ルウ 「そうですね。」
とりあえず相槌を打って続きを促すルウに微笑みながら
私 「でも、本当はね…」
 強奪、破壊、殺人など、悪逆の限りを尽くす武装集団。事件現場の数人の警官だけでは
抑えきれず、所轄の機動隊やSATが到着する頃には忽然と姿を消し、アジトを掴ませない
離れ業をやってのけるハイテクマフィア。主にキャストに入れ替わった人達を集めている
らしい。噂では相当の有力者がバックにいる模様。E機関に近付き過ぎた工作員やマスコ
ミ関係者は生きては帰って来れないと言われている。
私 「ルウならひょっとしたらE機関のシステムに不■アクセスして情報を引き出せるかも
しれないわね♪」
冗談混じりに言ったのに…
ルウ 「話を聞いてすぐに遺伝的アルゴリズムとス■ッフィン■で解読した機関関係者の
I■とパ■で最寄の■線を借■して未対策の脆■性を突いて侵■を試みましたが、ハニー
■ッ■にしか入れませんでした。量子暗号通信とバグが無いオリジナルのトラステッドOS
のサーバー群に守られているようです。」
私 「早っ!さすがはルウね。話の意味は全然わからなかったけど、ルウが太刀打ち
できないなんて相手も只者じゃないわね。」
ルウ 「おそらく、ス■パーハ■カーと俗称されるスキルの高い人物が管理しているので
しょう。残る手はソーシャ■エン■■■リングしかありません。」
私 「ルウってまるでマタ・ハリとかニキータみたいね。惚れ直しちゃう♥」
ルウの額に尊敬のキスをすると
ルウ「それほどでも…ないです」
ややうつむき加減につぶやくルウ。

<つづく>
151名無しオンライン:2006/11/07(火) 21:21:17.81 ID:9EwgnsEl
>>146
 誰でもよくあることですよ。
楽しく読ませてもらってます!
152名無しオンライン:2006/11/08(水) 17:00:15.26 ID:et9m2chq
 
153149:2006/11/08(水) 20:05:50.96 ID:HX8OQQkO
 読み返してから尊敬のキス=額ってカキコ
したことに気付いて (⊃。⊂) ハズ〜っ!
でも懲りずに支援…
154フォトンは時空を越えて【10】:2006/11/08(水) 20:06:48.60 ID:HX8OQQkO

隊長 「二人とも、仕事のスケジュールを伝えるわね。」
大学に休学届を出して、しばらくの間、任務に専念することになったウィークデー。
私たちのアパートにわざわざスケジュールを持ってきた仕事熱心な隊長にちょっとため息。
隊長 「メインの魔物処理が無い間は指令通りに情報収集してね。」
私 「でも隊長の予知夢能力で情報収集は無用な気もするんですけど?」
隊長 「あいにくだけど、夢の十中八九は役に立たないの。たとえば、男の子になったり、
一億円拾ったり、アイドルが弟になったりとかね。」
私 「キャーっ、意外!隊長ってボーイズ■■とか、■ラコンとか、やお■の人だったんですね〜♪」
ズビシっ★
隊長 「変な事言うとデコピンよっ!」
私 「いった〜い!やってから言わないでくださいよ〜。」
隊長 「それに、ちゃんと婚約までしてるんだから、そんな趣味あるわけないでしょ!」
私 「え〜! うっそ〜?! 隊長、結婚するんですか?おめでとうございます!」」
隊長 「うっそーはないでしょ。 ともかく、ここだけの話だけどね…」
キャイキャイ騒ぐ二人をチラチラ横目で見てるルウの視線には気付かなかった。
隊長 「そういえばルウさんは食事はどうしてるのかしら?キャストだからエネルギー
補給が必要なの?
ルウ 「エネルギーの補給は自己解決済みですのでご心配には及びません。」
事務的に答えるルウに、隊長はそうなんだ、と気の無い相槌。

 隊長からの指令内容は、魔物被害があった某所の調査。そこで、昨日の現場にルウと
一緒に調査に行きたいと言ってみた。
隊長 「うん、いいわよ。魔物に関する手がかりが残っていないか徹底的に調べてね。
でも魔物が出現したらすぐ招集をかけるから準備は忘れないように!」
隊長が慌しく帰った後、ルウと準備をしながら
ルウ 「昨日の現場になにか特別な心当たりがあるのですか?」
私 「そうよ。PSU潜入作戦のオフラインの時、シードはある特定の物を狙ってきた
気がするの。」
ルウ 「レリクスですね。妥当な推測です。ではE機関やライバルに先を越されないよう
に急ぎましょう。」

<つづく>
155フォトンは時空を越えて【11】:2006/11/08(水) 20:08:11.55 ID:HX8OQQkO

 今回も夜間の作戦なので、迷彩効果が最も高いダークグリーンで統一しつつ、暖かさも重視の
ベレー帽、無地のブレザー(アンダーに白いブラウス)とプリーツスカート、ダーク
ブラウンのパンスト、ショートブーツを着用したルウとペアルックの私。いつもながら
ナノトランサーはバッグ要らずで大助かり。

 星明りの下、暗視スコープを頼りに警備の目をかいくぐり隕石の落下現場にたどり着く。
そこには直径200m以上のクレーターがポッカリと口を開けていた。
私 「とりあえず、先を越されてないみたいでラッキーね!チャチャっと探しましょ。」
ルウ 「レリクスを探す手がかりがほとんど無いですね。もし地下にある場合、探し当て
るのに時間がかかりそうです。」
私 「こういうときこそ、この秘密兵器の出番よ!」
ルウが興味しんしんで見るそれは…
私 「レッツ・ダウジングっ!」
ルウ 「その二本の金属棒で探せるのですか?不思議なシステムですね。」
半信半疑のルウに
私 「クスっ、実はジョークアイテムなの。ごめんね〜♪」
ルウ 「もしやそうではないかと思っていました。」
落胆した風でもなく、心なしか明るい声で答えるルウ。
私 「あれ?この反応って…レリクスかも?」
ルウ 「またジョークですか?」
ナノトランサーから取り出した折り畳み式携帯スコップで30cmほど掘り返してみると、
古びた金属製のフタがあり、地下通路に続いていた。
二人 「「……」」
私 「あはっ、見つけちゃったね。これからはトレジャーハンター・ユリって名乗
ろうかしら。」
ルウ 「科学では解明できないミステリーですね…。では入りましょう。」

 入り口を偽装ネットで覆ってから入ると、スターライトスコープクラスでさえ見えない
暗闇。仕方なく右に伸ばした手に赤外線ライトを持って慎重にレリクス内部に入る二人。
しばらく歩くと明かりが灯いた。
私 「ここの内装って、他のレリクスと似てるわね。」
ルウ 「はい。同じ建築様式ですね。あちらの世界のレリクスと同じ状態と仮定すると、
侵食された魔物がいる可能性があります。注意して進みましょう。」

<つづく>
156116の続き:2006/11/08(水) 23:04:01.19 ID:Nd9+ny+U
「Cちゃん、人間じゃないよね?なんていう種族?」「どういう職のキャラ?」「この人形は何?」
飲みながら質問攻め。なんだこれは、1:3の合コンか。横ではLが自分で作ったジュースを飲んでいる。アルコールは飲めないらしい。
「種族はニューマン、職はフォルテクターって言う魔法使いみたいなの、パートナーマーシナリーって言う一人一体ずつ持ってるペットみたいなの。名前はL」
これまた飲みながら適当に答えていく。横ではLが自分で作ったセレブケーキをかじっている。お前サムシングスイーツどこから持ってきたんだ。
「ひゃっ!」 ゾクッとした。急にHに耳を触られ、体がビクンとなった。ニューマンは耳が敏感なのだろうか。
「急に耳触らないでよ!」 Hを振り払い両耳を両手で押さえながら怒った。顔が熱い。胸がドキドキする。
「あははは、ごめんごめん」 「Cちゃん、また顔真っ赤だぞ」 笑いながら言うのはK。て言うかお前らナチュラルにちゃんづけするな。
「ほっといてよ・・・」 グイっとビールを飲む。この4人の中では自分が一番酒に強く、いつも他の3人が潰れるのを見届けているので別に大丈夫だろうとタカをくくっていた。

迂闊だった。ニュマ子になったことでアルコールに大分弱くなっていたらしく、普段の1/4も飲んでいないのに周りの景色がぐるぐる回る。気分最悪。
「なんか調子悪そうだぞ?顔色悪いし耳が垂れてるし。少し休んだほうがいいんじゃない?」 Nにヒョイとお姫様抱っこされてベッドに寝かされた。情けない。
「・・・ごめん」 普段なら大丈夫と突っぱねるところだが、自力で動けそうにもなかったので素直に体を預けた。
Lが心配そうにこちらを見ている。ホントに心配ならその手に持った棒付きの星霊の涙をしまえ。
「L、あとお願い・・・」 男三人が飲んでいる隣で、私はとりあえずそのまま少し眠ることにした。Lもいるし大丈夫だろう。

どれくらい寝ただろうか、やや気分は良くなったが体を起こすとまだ少し目が回る。三人はすっかり出来上がってるようで何やら騒いでいる。
Lはテーブルにうつ伏せになって爆睡していた。マーシナリーも寝るのか・・・。食べかけのブリザードアイスがドロドロになっている、さっきから食べすぎだ。
私が起きたことにNが気がついたようだ。「あ、Cちゃん起きたぁ!」 ひゅーん、どさっ。「ちょ、ちょっと!」 思い切りベッドに飛び込んで来て私はそのまま押し倒された。
まだ少し気分が悪くて思うように動けない。「Cちゃーん、あそぼー」 Nが抱きついてきた、ウザい。後の二人はこの光景を見てなにやら奇声を上げて騒いでいる。
「ちょ・・・、離れなさい!変なとこ触らないでよ!」 何とかして振り払おうともがいてみるがfTニュマ子の腕力では普通の大学生にも劣るらしく、全然引き離すことが出来ない。
フラクソの大きく開いた横の部分から手が入ってくる。「ひゃあっ!」 私は元々横っ腹が弱く、くすぐったい。「うーん、Cちゃんスベスベで気持ちいー」
「ちょっと・・・、ホントにやめて・・・」 お前は酔っ払ったオヤジか。と言うかこの状況は少々マズい。何とかして振りほどこうと体をよじるようにもがいた。
ポロッ、バシュッ!もがいた拍子に腰のトランサーが外れてしまったようだ。ストーリーでE3がトニオにトランサーをスられ街中でボディスーツ姿になるシーンを覚えているだろうか?
E3はボディスーツの上からトランサーをつけていたが、私はサイズの合わない服を下着まで全て脱いでからつけていた。つまり、そういうことだ。
「うおおおおっ!」「俺も俺も!」 私が突然目の前で生まれたままの姿になったのを見て、KとHもテンションを上げてベッドに飛び込んできた。男三人の手が布団をかぶっていない腰から上を撫で回す。嫌悪感でいっぱいだ。
「いや、やめ・・・、あぁっ・・・!」 Hに耳を甘噛みされ体が熱くなってきた。KとNの目がマジになってきている、おそらくはHも。Kの手が布団の中にまで伸びてきた。何とかしてこいつらを振り払わないと。
そのとき、私の右手に何か硬いものが触れた。円盤状の形・・・、さっき外れたナノトランサーだ。私は無我夢中でトランサーを掴み、でてきた物を振りかざした。
「離れなさい!」 ズガァン!ビリビリビリ!
157名無しオンライン:2006/11/08(水) 23:04:51.62 ID:Nd9+ny+U
「すみませんでした・・・」 少しコゲた三人が目の前で土下座をしている。私は腕を組んで仁王立ちしていた。
あの時、咄嗟にトランサーから取り出した杖を振り上げた拍子に無意識にギゾンデを発動させていた。
使った杖が拾ったばかりのスタッフだったことやギゾンデのLvが低かったこと、酔っていたことで法撃力が激減していたことが幸いして軽く気絶させる程度の威力だった。
あんなことがありトランサーは信用できない、とりあえずサイズが合わないのをガマンして普段のシャツとジャージを着ている。素肌にシャツ一枚、これなんてエロゲ。
あんな騒ぎがあったのにLは熟睡している、とりあえずベッドに寝かせているがよく起きないものだ。
「はぁ・・・、もういいわ。今日はあなたたちのおごりってことで許してあげる。その代わり、次やったら・・・。」 右手に持っていたスタッフを三人に向ける。「も、もうしないって!」 「そうそう、ごめんって!」 ホントだろうか。
「さー、今日は飲むよっ!」 とは言いつつもこれ以上飲むとぶっ倒れそうなので、最初に手を出したNに罰としてコンビニにひとっ走りジュースを買いに行かせた。

夜は更けていく。
158名無しオンライン:2006/11/08(水) 23:06:02.88 ID:Nd9+ny+U
最後かなり適当になった
ちぃっとえろっちくなっちゃったけどニガテな人はごめん
続きは一応考えてるけど読みたいって人がいたら書こうかな
159名無しオンライン:2006/11/08(水) 23:06:34.25 ID:Nd9+ny+U
そしてなぜかsageチェックが外れてたorz
160前547:2006/11/09(木) 01:09:47.77 ID:prQUXkLb
「……」
「……」
小さなテーブルに向かい合わせに座る二人が、ただ一点を見つめる。
その先にあるのは、硬貨が数枚。紙はない。
「これが…」
背丈の高いビースト♀が呟く。
「……えぇ」
呟きに答えるのは小さな少女。頭には何故かネコミミが。
「これがご主人様の全財産です」「…ありえない」
「いや、戦わなきゃ現実と。ですよ」
「何でそんなに冷静なの!?」
「まぁまぁ、落ち着いて下さいよ、ご主人様! そんなに慌てる事はありません、
 たかが、ちょっとお金が無くて餓死寸前になってるだけじゃないですかっ」
えへっとウィンクしながら答えるGH420。
「いや…そんな明るく言われても…。というか何よ、その変なピースは」
「横ピースですよ。さぁ、ご主人様も一緒にやりましょう。
 きっと幸せな気分になる事うけあいです。嫌な事はさっさと忘れて、
 楽しみましょうよ〜」
「いや、今はそんな気分じゃないし、しかもしっかり現実見なきゃダメでしょ!
 さっき自分で言ってたじゃない、戦わなきゃ現実と!って…」
「つべこべ言わずにさっさとやる!」
ヒュッと鼻先にクローがかする。ひっ、こ、怖い…。
「ではいきますよ〜。横ピース☆」
「よ、横ピー……ス?」
「元気もキュートさも、ついでに所持金も足りません! さぁもう一度、横ピース☆」
うぅ、恥ずかしさと惨めさと敗北感が……。えぇい、こうなったらやけくそだぁ!
「横ピース☆ ウフッ」
「ウフッって…何言っちゃってるんですか…ご主人様。 さぶいぼがっ!」
そこだけ冷静に見るのかよ!…うぅ、ふんだりけったりだ…。
161前547:2006/11/09(木) 01:20:48.42 ID:prQUXkLb
俺がPSUの自キャラ(ビースト♀)になってから、もうしばらく経つ。
その間に、部屋は全壊するわ、テクニックを試して川を横断するわ、
と散々な目にあってきた。
おまけに、パートナーマシーナリーの「GH420(天玉そば子)」が出現したり、
自宅が「マイルーム」に匠もびっくりのリフォームされたりと、俺の環境が安定する目処は全く立たない。
最近になって、ようやく…ホントにようやくちょっとは落ち着いてきたと思ったら…。
「今度は金欠かよ…。あはははは」
「ご主人様? 泣きながら笑うというのは、少々気持ち悪いですよ?」
「うぅ、うっさい!この原因にあんたも含まれてるんだから!」
「私と会えたのが、泣くほど嬉しいのですね! 光栄ですよぉ〜」
「……うぅぅ、元の生活に戻りたい…」
162前547:2006/11/09(木) 01:24:46.22 ID:prQUXkLb
ガマン出来ずに携帯からカキコ。

お久しぶりです。というか、忘れられてる予感!
作品が増えて、衝動で拙いものを書いてしまいました。
中途半端に区切って申し訳ありません。

続きは明日にでも。
163名無しオンライン:2006/11/09(木) 09:38:27.80 ID:JaMrcY/s
>>158
エロス。そして激しく読みたい。
>>162
覚えていますよ!
こういうノリもなかなかいいですな。

そんな自分も続きを・・・まだ書けてない(´д⊂)
16457:2006/11/09(木) 17:24:23.75 ID:JaMrcY/s
──時代は、{英雄}を欲するのだろうか。


──様々な時代、場所に{英雄}は存在していた。

そう、この入れ替わり事件の時にも、{英雄}と呼ばれるようになった存在がいた。

{その男}は、こちらの世界でPSUキャラクターになれた事に、喜びすら覚えていた。
{その男}は、他にも変わった者達がいる事を知り、他の者達と交流を深めた。
{その男}は、入れ替わった事で手に入れた力を、悪用しようとする者達を粛正していった。
{その男}にはいつの間にか、同じ志を持つ仲間が出来ていた。
{その男}を中心に、こちらでのガーディアンズが結成された。
{その男}は、SEEDが現れ、戦闘になった時には常に最前線で戦っていた。
{その漢}は、いつしか・・・{英雄}と呼ばれるようになった。


しかし、{その男}は{英雄}の名を捨て、何処かへ姿を晦ませた・・・。

だが、時代は{英雄}を欲しているのであろう。
また、新たなる英雄が──

-------------------------------------------------------------------------
酒井は困惑していた。
「三吉さん、どういう事です?なぜ、オフラインのキャラクターがこちら側に!」
「酒井君、落ち着け。想定の範囲内・・・いや、むしろ都合がいい」
ここはかつてのS社ビル。
しかし、今では風変わりしていた──まるでレリクスのように──

NO51システム・・・それは、広範囲に及ぶバリアーのようなものだ。
このシステムは、PSU事件で入れ替わった人や物等をことごとく遮断する。
これのお陰でS社はガーディアンズに攻め込まれずに助かっていた。
だが逆に、こちらからも出ては行けない状態にあった。
三吉達は様子を窺うため、NO51を通れる普通の人間を使って、色々と調査をしていた。
そして、入れ替わった人達を攫う{エンドラム機関}と、NPCの存在を知った。

レンヴォルト・マガシ。オフラインでの重要な敵役だった。
エンドラム機関に所属していた彼が、こちらではエンドラム機関を敵としている。
オフライン上での彼はイーサンとの戦いで──
待てよ、もしかしたら他にもNPCが──
様々な考えが酒井の頭を過ぎった。


SEEDフォームはたしかに、三吉が呼び出したものだ。
だが、オフの主要NPCは呼び出し方すらわからなかった。

「酒井君、NO51を解く日が近くなった。準備を怠らないように」
「三吉さん・・・!わかりました」
16557:2006/11/09(木) 17:26:24.49 ID:JaMrcY/s
みいは、前に助けた男と共に、マガシとエンドラム機関の捜索を続けていた。
前に助けた男、彼の名前はリードという名前だ。
リードの戦闘センスは、素人といっても過言ではなかった。
はっきり言って、戦闘では役に立たないであろう。
だが、マガシとエンドラム機関を直接見たのは、彼しかいなかった。
手掛かりは、彼しか持っていないといっていい。


あれ以来、誘拐事件は起こっていない。
エンドラム機関は姿を隠したのだろうか。
だが、私達は今、怪しいキャスト達が出入りしているというビルの前に来ていた。

「ここ・・・か」
「ここにエンドラム機関が・・・?」

「いや、怪しいキャスト達が出入りしているという話だけだ。
もし、エンドラム機関の者で無くとも、悪い事をしているのならば、


ガーディアンズとして粛正するだけだ」
「二人だけで・・・大丈夫っすかね?」

「心配するな。すぐにクリスや他の隊員も駆けつけてくる」
他の隊員には、既に連絡してあった。

微かな不安を払いのけて、二人でビルの中に進む。

私達は圧倒された。
「な、何だ・・・これは」
ビルの中は、まるで近未来的なものになっていた。
それこそ、グラールの技術を持ち込んだような。
「しかし、警備の者もいないとは。妙っすね」
警備・・・?こんなもの、一般人が入ってきて見られでもしたら──
「しまった!罠だ、外に出ろ!」
「え?!」

気付いた時には遅かった。
勢いよく入り口が閉まった。

{続く・・・}
16657:2006/11/09(木) 17:29:50.58 ID:JaMrcY/s
すみません。テキストからコピペしたら、変な空白が出来ました。
続きは少し書けていますが、とりあえずここまで。
他の方々の作品がおもしろい(*´Д`*)
167フォトンは時空を越えて【12】:2006/11/09(木) 20:31:36.25 ID:NdRtzxmK

 言ってるそばから前方の広間に見覚えのあるバジラとゴルモロ、そして新種の魔物の
群れが次々に現れた。
ルウ 「この敵には楽に勝てるはずです。」
私 「そうね。先に倒しておきましょ。」
4本足の巨大なポラヴォーラもルウのダブルセイバーと私のヨウメイ社の小剣&拳銃の敵
ではなかった。
そして…見上げるほど大きなスヴァルタスが5体、歩いてくる。
私 「予想通りボスも来たわね、ルウ。」
ルウ 「はい。ただ、数が多いようですね…本部、SUV weapon 起動申請。」
私 「えっ、何?」
 一瞬、青いフォトンのサークルがルウの周りに現れ、巨大なガトリング砲が現れた。
慌てて射線から離れる私。
ダダダダダ…

ルウ 「外してしまって申し訳ありません…」
私 「気にしなくていいのよっ。誰だって苦手の一つや二つはあるわ。ネガティブな考え
なんてポイッ! レッツ・ポジティブシンキングよ。」
 あさっての方向に撃っていたルウが謝るのを慰めていると、目に見えない衝撃波が次々
に襲ってきた。

 見えない衝撃波と攻撃を通さないシールドと敵の数に苦戦しながら、辛うじて倒した。
私 「やっぱりルウのダブルセイバーは華麗で素敵ね! 頼りにしてます♪」
ルウ 「ありがとうございます。」
 微笑むルウにほっとする。
私 「そういえば、本部との連絡は途絶えてるのに SUV weapon は呼べるのね。」
ルウ 「はい、転送システムだけは一緒にこちらの世界にきているようです。」
私 「そうそう、ルウ、フォーメーションの合言葉を決めておきましょ。さっきみたいに
苦戦しないように。」
ルウ 「そうですね。ところで、あの5個のAフォトンはどうしましょうか?」
私 「そうね〜。何かの役に立つかもしれないし、持って帰ろうかしら。」
 それぞれのナノトランサーにAフォトンを分けて収納し、あちらの世界に帰る手がかり
が無いか、行き止まりの広い部屋を調べていると…機械的な足音が複数近づいてくるのに
気付いた。
私 「ルウ、隠れましょっ。」
小声でささやき、うなづくルウと素早く隠れた。
168フォトンは時空を越えて【13】:2006/11/09(木) 20:34:05.86 ID:NdRtzxmK

 謎の集団は3人組のキャストの男らしい。10m先まで近づいてくる。
キャスト1 「隊長、この部屋まで何者かが通過した形跡が続いています。まだそれほど
時間は経過していないようです。」
キャスト2 「ブラックの旦那、このあたりは1本道だからここら辺にネズミがいるんじゃ
ねーか?」
キャスト3 「ふむ、さらに調査を進めろ。…む? そこに隠れている奴、出て来い。」
 どうやら壁に偽装したマントの後に隠れているのを見破られたらしい。
落ち着き払ってマントを落とし、両手に何も持たずに姿を現す。
 相手はカノンを担いだ丸い頭の青いキャスト、実弾のカラシニコフ(自動小銃)を持っ
たツノ頭の赤いキャスト、腕を組んでいる黒尽くめのブラック。
私 「ブラックさん、またお会いしましたね。あなた達もここに遊びに来たんですか?」
 人数と火力で不利な状況で事を構えるのは分が悪い。とりあえず心にも無い挨拶で様子
を見る。
ブラック 「フッ、白々しい挨拶はいらない…ちょうどおまえ達に聴きたいことがあった
のだ。そっちの女、おまえはルウだな? 変装しても俺の目はごまかせんぞ。」
ルウ 「そうですか。それで何か御用ですか?」
ブラック 「NPCのおまえがこちらに来たからには何か重大な秘密があるのだろう。それ
を話してもらおうか。」
ルウ 「秘密などありません。こちらに来たのは偶然の事故です。」
ブラック 「ふむ、白を切るか…それともう1つ、ここで手に入れたAフォトンを出せ。」
私 「そんな物、見かけてないですよ。薬品や基盤なら拾いましたけど。」
ブラック 「フッフッフッ、そうか、どこまでも白を切るか。女だからと紳士的に接して
やったが、それもここまでだ。おまえらを殺してからメモリーチップとナノトランサーを
調べるとしよう。」
 とうとうテロリストの本性を現した。もう迷うことは無い。
私 「サンっ!」
ボムっ! 作戦開始の掛け声と同時に、猛烈に沸き起こる白煙が2人を包み隠す。
ブラック 「撃てっ!」
キュン! タタタン! チュチュン…
辺りは瞬時に銃弾が乱れ飛ぶ修羅場と化した。
169フォトンは時空を越えて【14】:2006/11/09(木) 20:44:20.85 ID:NdRtzxmK

赤キャスト 「オラオラオラ!皆殺しじゃ!」
タタタンタタタン…
青キャスト 「首を吹き飛ばしてあげましょう!」
キューン…

 ドンっ! 突然、大きな爆音と目も眩む激しい閃光が男達の目前で起こり、不意を突か
れた男達の動きが止まる。
 人間なら転げ回るほどのスタングレネードを至近距離で受けても男達は倒れない。
さすがはキャスト。でも大きなスキが発生した。
キャスト2人「「ぐあっ!」」
 ルウのダブルセイバーの流れるような連続攻撃で2人は沈黙した。
ブラック 「こしゃくなっ!」
 私は照準を避けるようにステップを踏みながら右手に武器を滑り込ませブラックの懐に
飛び込み…

━シュンブショウレンザン(瞬舞昇連斬)━

 片手小剣で左右に連続斬り、ハイジャンプ、頭上に斬りつける…
キュン! パンッ!
私 「んっ…!!」
腹部に激痛が走る!
 ブラックの左手にテノラワークスの拳銃、右手に実弾のトカレフ。
ドサッ、受身を取り損ねて背中から落下、衝撃と痛みに構わず本能的に横に転がる…
キュンッ! パンッ! チュンッ!
一瞬前まで頭があった空間を銃弾が通過して地面で跳ねる。
ブラック 「フハハッ、トドメ…グッ?!」
バチッバチッ! パンッ!
ルウの連続技が決まるのと同時に乾いた銃声が響いた…

<つづく>
17057:2006/11/10(金) 01:57:07.35 ID:wzRcwin1
変だ・・・応答が無い。
みい隊長が、ビルに突入する。と、言ってから10分以上は経過していた。
クリスは、他の隊員達と合流して、ビルにあと少しで到着するところだった。

「隊長は・・・大丈夫でしょうか?」
「隊長ならきっと大丈夫さ。それに、本部にも応援を要請した」

答えてくれたのは、離れた所で残っていたSEEDの討伐にでていて、
今日付けで帰ってきた副隊長の{アル}だった。
「外見はロリっ子で、ロリボイスだがな!だが、それがいい・・・」
「そんな事言ってたって、隊長に言いつけよっかな〜♪」
「キ、キサマ!ミリル・・・頼むから黙っていてくれ」
「どうしよっかな〜?クリスさんならどーする?」
「わ、私ですか?」
「ミリル、そういう話題の振り方はよくないぞ!」
「じゃあ、今度何か奢ってよ♪」
「せ、背に腹はかえられぬ・・・か」

みい隊長に聞いた話によると、アル、ミリル、アリシアという方達は
入れ替わる前からの知り合いで、いつもこんな感じらしい。
この三人は遠征していたみたいなのだけど、今日戻ってきたみたい。
アリシアという人は、本部で片付ける仕事が多いらしくて、今ここにはいない。

──そんな会話をしているうちにビル前に到着した。
何の変哲も無い、古めかしい印象のビル。

「さて・・・。副隊長として真面目に指揮でもしますか。
今・・・9名集まっているな」
「おやおや、副隊長殿。真面目に、とはどんなご冗談ですか?」
「ミリル・・・後で何でも奢るから少し黙れ!」
「やった〜♪」

「えー・・・3名ずつの3班に分けて行動する。
俺、他2名のA班で、正面からの侵入を試みる。
ミリルと他2名のB班で、裏口や他から侵入できないか試してみてくれ。
残った3名C班はここで待機。隊長達がもし出てきたら頼む。
もし侵入した班がヤバイ時は、連絡してC班に援護を求める事。以上だ」

「『了解』」
「あ、あの・・・」
「クリスさんは新人だからC班に──」
「私をA班に入れてください」
「え・・・っと?」
「何か嫌な予感がするんです・・・私のテクニックなら何かのお役に──」
「嫌な予感がするなら、尚更連れて行けないな。
言っちゃあ悪いが、君はまだあまり訓練を積んでいない」
「アル〜?そういう言い方はないと思うよ〜?連れて行ってあげなよ」
「しかしなぁ」
「さっきの事、ばらしちゃってもいいのかな〜?」
「キ、キサマァ!・・・わかった。だが、無理はするな」
「ありがとうございます!ミリルさんも」
「いいえ〜。あ、危なくなったら遠慮無くアルを盾にしてね♪」
「(鬼・・・悪魔・・・)」
「・・・何か言った?」
「イイエ、ナンデモアリマセヌ・・・。
さて、作戦開始だ。各員、しっかりやれよ!」

{続く・・・}
171フォトンは時空を越えて【15】:2006/11/10(金) 22:07:50.25 ID:o0Q+g8g+

ルウ 「ユリさん、しっかりしてください。」
 危険な3人組を麻痺で無力化、拘束した後、ルウが薬品で傷の手当てをしてくれている。
フォトンの傷は癒えたものの、超精密連射で強引にシールドラインを破った実弾の傷は
トリメイトでさえ気休めにしかならず…
私 「…ルウ、あなたは大丈夫?」
ルウ「はい。かすり傷だけですぐに直りました。」
私 「…よかった…私は…ダメみたい…」
ルウ 「ユリさん、傷は浅いです。大丈夫ですよ。」
 健気に励ましてくれるルウ。でも…
私 「…ダム■■弾…内臓に届いて…止まってるみたい…」
ルウ 「あなたは言いました…ネガティブは捨てて、ポジティブに考えようって。あれは
嘘だったんですか?」
 チクリ、心が痛む
私 「…ごめんね………ねえ、ルウ…人は死んだらどうなるか知ってる?…意識も…
楽しい思い出もみんな消えて…無くなるの…」
 多量の出血で体の感覚が失われてくる
ルウ 「………」
私 「…覚悟を決めていたのに…私…あなたと離れたくない…ずっとそばに居たい…」
ルウ 「はい…」
私 「…多分死ぬから聞いて……ルウ…あなたが好き…世界中の誰より…」
ルウ 「私は…」
 かすむ目で見たのは…涙…? そして…静かなキス…
ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ… 無数の足音がだんだんと大きくなって止まり…
こちらに銃を向けている…

━━暗転━━気を失った━━
172フォトンは時空を越えて【16】:2006/11/10(金) 22:09:53.14 ID:o0Q+g8g+


 静かな真っ白な空間…ここは…?



 よく見ると、蛍光灯やカーテン、点滴の台…腕に点滴の注射が留めてある。
そしてベッドサイドのイスには…
私 「ルウ?」
 私の声に読みかけの本を閉じて立ち上がる。
ルウ 「ユリさん、目が覚めたのですね。具合はいかがですか?」
 痛みは残っているけれど…
私 「うん、もう大丈夫みたい。」
ルウ 「良かった…5日間、ずっと眠り続けていたので心配しました。」
 微笑みながら胸を押さえるルウ。
こちらの世界に来てから少しずつ彼女の表情が増えていることに今更ながら気付いた。
ルウ 「手術後、面会が許されてからそばで目が覚めるまで待っていました。」
私 「ずっと看病してくれたの? ありがとう…。」
ルウ 「お水はいかがですか? ミネラルウォーターがありますよ。」
私 「…そういえば、あの後、どうなったの?」
ルウ 「ユリさんは覚えていないのですね。ではお話しましょう。」
 ルウからコップの水を受け取り、耳を傾ける。
173フォトンは時空を越えて【17】:2006/11/10(金) 22:12:49.86 ID:o0Q+g8g+

 あの後、E機関の10人の援軍が来た直後、風のように現れた楓さんがたった一人で瞬く
間に制圧、応急手当をした後、救急車も呼ばずにルウと二人で急ごしらえのストレッチャ
ーですぐに急行して来た隊長のミニバンに乗せて小さな病院に運んでくれてから5日経過
したらしい。…楓さんがタイミング良く現れたのはまたスト…思わず苦笑しつつ感謝する。

ルウ 「なぜ救急病院ではなく、わざわざ小さな医院に運んだのか尋ねると、モグリだけ
ど腕の良い行きつけの医者がいるからだと聞きました。」
 なぜモグリの医者にしたのかピン!と来たけどルウには黙っておいた。
ルウ 「今朝はとても良いお天気ですよ。窓を開けましょう。」

 カラカラカラ……

ルウ 「涼しくて気持ちのいい秋晴れですね。」
 少し涼し過ぎる気もしたけれど、外を眺めているルウの綺麗な横顔を見ている内に言い
そびれてしまった。
ルウ 「あら? ユリさん、少し顔が赤いですよ。熱を測りましょうか。」
 そういって顔を近づけておでこをくっ付けるルウにドキッとする。あの時の告白を想い
出してますます頬が赤くなる。
 スーッ…と扉が開きながら小声で
ラン 「おはようございます、お見舞いにきまし…きゃっ、ごめんなさい! お花を置
いときますねっ!!」
 ルウと私の姿を見て驚いてパタパタパタ…とスリッパを鳴らしながら走り去るラン。
私 「待って、ラン! 何か勘違いしてるわよ〜!」
ルウ 「えっ? 何を勘違いしているのでしょう?」
 慌てる私に天然なのか、とぼけてるのか微笑みながら無邪気に突っ込むルウ。
私 「クスッ、その内わかるわ。…早くあちらの世界に帰って仲間のルウ達と会えるよう
に今日からでもリハビリするわね。…いたたっ。」
ルウ 「あっ、無理はしないでくださいね。あなたにもしものことがあったら…ゆっくり
休んでください。時間はありますし、こちらの世界も少し好きになってきましたから…。」

 涙目で微笑んで頷いた。

 今はまだルウとの一緒の時間がある…生きてる喜びで胸が一杯になった。
 
< The End >
174名無しオンライン:2006/11/10(金) 22:16:02.51 ID:o0Q+g8g+
 拙いのに延々と引っ張りすぎて失礼しました。
またROMに戻って皆さんの作品を楽しませてもらいます。
175名無しオンライン:2006/11/10(金) 22:47:45.15 ID:OWYKxKEX
総理大臣を含む国のトップクラスが自キャラになるというアイデアを考え付きました。
これはさくっとまとめて、書いたほうがいいんでしょうか。

と、俺の隣の450が言ってる。
176名無しオンライン:2006/11/10(金) 23:14:52.63 ID:o0Q+g8g+
>>175
 海■山■の世界を描くのは難しいでしょうけど
おもしろそうですね (・∀・)
177名無しオンライン:2006/11/10(金) 23:35:32.71 ID:v8WEd2pY
440「ご主人様、今日はなにを合成しましょうか?」
***「……合成、っていうか…捏造できる?」

from東亜板
178名無しオンライン:2006/11/11(土) 02:11:42.94 ID:4zZj5Wz8
ワロス、さすがに歴史は作れないと思うw
179名無しオンライン:2006/11/11(土) 19:23:55.31 ID:z++iXeEu
>>174
遅くなりましたが拝見しました。

何だかルウが可愛く見えたり、他の登場人物が
愉快だったりと面白いお話をありがとうございました。

私は続編でも読みたい!と思いますが作者さんが
書く気力湧いた時に書いて貰えると嬉しいです。

偉そうな文章になってしまいましたが、一読者として
感想までに。
180名無しオンライン:2006/11/12(日) 00:31:52.38 ID:8kTLjs/7
Data落阻止age
181174:2006/11/12(日) 02:39:45.55 ID:8kTLjs/7
 初保守age。 今にもスレが落ちそうだったので上げました。
こんなに下がりやすいなんてびっくりです。
age進行でもいいくらいかもですね。

>>179
 感想、ありがとうございます。また書くかもしれません。
ただ遅筆なので少し先になりそうです。
182名無しオンライン:2006/11/12(日) 21:51:34.75 ID:wRRCL6h8
>>174
お疲れ様です。ルウがいい感じで面白ひ(*´Д`*)

ここ数日色々あって続きが(中略)
支援age
183名無しオンライン:2006/11/13(月) 01:29:19.43 ID:D1EByePT
茶を吹いた
 今、画面の前にいるあなたたちはそれが本当に起きることだと思っているだろうか。
いいや思っているはずがない。何故ならそんな狂言回しもいいところのリアクション
なんてきょうび素で出来る人間はもはや絶滅危惧種に等しい。生粋の大阪人だって
吹いた後の家財道具もろもろの心配が全くないとは言い切れまい。お笑い芸人なら
なおさらだ。わざと面白いリアクションをとっている彼らが、自然に茶など吹けるわけ
がない。何メートルもしぶきが飛んでいく時点で、それはもはや故意なのだ。
「ブゥゥゥゥッ!」
 が、俺はやってしまったわけだ。茶を吹くという行為を。
 緑のしぶきが、プロレス選手の毒霧から毒気を抜いてしまったような勢いで買った
ばかりの液晶テレビに襲いかかった。行為の如何是非について長々と現実逃避して
いたのは、さらにその付近には友人から借りたマンガが散らかっていたからに他なら
ない。
 原因は、テレビにあった。テレビ本体ではなく、午前のこの時間、今やっているPSU
はメンテがどうのこうので出来ないため、マンガを読んでいたのだが、ふと天気が気に
なりどこかでニュースでもやっていないかな、とついた番組、NHKの「国会中継」にある。
「これが国営放送、ひいては政治家の最終手段かッ!」
 ひとりで突っ込んでみたものの、画面の中の現状は変わらない。
 国会の議員席と向かい側、内閣の面々や議長が顔並みをそろえているのが普通の
はずなのに、そこには、
「何故にゲーム……つかPSUキャラ!? くそう、議長の席にいるやつが可愛すぎて
会議が進行してないけどそれに納得してしまいそうな自分が、ここに!」
184名無しオンライン:2006/11/13(月) 01:29:30.32 ID:D1EByePT
『せ、静粛にしてくださーい……』
 本来ならあるまじきプリティボイスは、現在大学生でありついこの間までの受験期間
に叩き込んだ国会についての知識が正しければ、総理よりも上段、会議の進行を司る
べき議長席から発せられていた。俺の記憶が正しければ、あれはニューマンだ。一丁
前にスーツを着ているが、だぶだぶで、「おとうさんの服着られないよぉ」とだだをこね
ている小学生にしか見えない。
「い、いや、進行はしてないけど場の雰囲気が和やかに!? ニュマ子、怖い子」
 なんだか面白い。これがネタがどうか(ネタだったらNHKも堕ちたものだが)分からな
いが、興味は十分そそられた。何しろ、日本の首脳陣がPSUキャラに成り代わっている
のだ、ここで楽しまなければ人間として失格だ。
 そしてペットボトルのコーラを一口飲み、DVDの録画をスタートする。
『議長、私の発言の許可を願いたいのですが』
『どうぞー……』
 内閣席の一番向かって右、総理の席に座っていたりりしい顔立ちの女ビーストが挙手
し、空気を一変させて発言席へと……向かわず、起立しただけだった。
 疑問に思っていると、息を大きく吸い込み、
『現在発生している外見の変異現象への対策委員会の設置を発案します!』
185名無しオンライン:2006/11/13(月) 01:29:41.13 ID:D1EByePT
「な、なんだってー!? ……あれ?」
 議員から笑いが起きない。何故だ。こんな冗談なのに、見た感じ本物の議員のはず
なのに、笑い一つ起きないのはおかしすぎる。
 そしてやっと俺はこれがネタでないことに気付いた。そもそも、これがネタだとしたら、
どうしてキャラクターたちばかりにカメラがいっていないのか。カメラワークは普段と
なんら変わりない。よって、これは恣意でもなんでもないということだ。
 チャンネルを変えた。4チャン、「今朝確認されました変異現象についてですが」。6
チャン「この異常……現象に関してどうお考えでしょうか」。8チャン、「私もこんな格好
になっちゃいましたー!」。10チャン、「この時間は予定を変更して……」。12チャン
「なんと! この商品、2万円を切りました!」、はいつもどおりだ。
 そうして、現実のチャンネル。ついさっき起きたばかりで、目が覚めたのも茶を吹いた
から。マンガもうつらうつら読んでいた。
 急いで起き上がり、電気のスイッチヒモが頭に当たらない。視界が低い。何故か寝
起きなのに靴下を履きっぱなし。着ている物も飲みすぎて着替える間もなく倒れたため
に普段着、ではなく足がスースーする。
 狭いアパートの一室。洗面所にたどり着くまでにそう長く時間はかからなかった。
 鏡を覗き込む。背が足りない。背が足りない……!?
 とりあえずそれを補うためにジャンプしてみた。
「お、おい……マジかよ……」
 ちらりと映ったのは、紛れもない、俺の1stキャラのロリ巨乳ヒュマ子の顔だった。
186175:2006/11/13(月) 01:33:15.06 ID:D1EByePT
書き手の皆さんに触発されて書きました私GH450です。
とりあえず序章って感じです。文章が拙いのはお許しください。
お褒めになってくださると、連載回路が働いてしまうかもしれません。

って、俺の膝の上に座ってる450が言ってる。
俺からも、450のことお願いするよ。
187名無しオンライン:2006/11/13(月) 02:29:59.17 ID:j9aTyf2m
かわいいニュマ子がいたから
キスして
しゃぶり尽くしてから
入れようとしたらデカすぎて入らなかった

彼女がくれたリンゴあめ

そんなデカいの食えねーよ 。・゚(`Д´)・゚ ウワァァァァァァン
188名無しオンライン:2006/11/13(月) 02:32:20.69 ID:j9aTyf2m
>>186
めちゃおもろいです。半分以上オヤジばっかりの国会が
こんなんなったら国会中継見るかもシレンw
189名無しオンライン:2006/11/13(月) 19:34:31.44 ID:D039RVvR
>>186
茶を吹きそうになった
イヤ、マジです。面白いです(*´Д`*)
19057:2006/11/13(月) 19:59:04.92 ID:D039RVvR
この時、時代は英雄を欲していた──

正面の扉を破壊して、A班は突入を開始した。
ちなみにこのメンバーの構成は
アル=キャストHU系 クリス=ニューマンFO系 もう一人(名前は{ジーン})=髭ヒューマンRA系
と、バランスのいい感じになっていた。

みい達が圧倒されたように、アルも圧倒された。
「こ、これは・・・」
そこに広がる光景は、グラールの技術を持ち込んだかのような内装。
「ここが、エンドラム機関の基地で間違いなさそうだ」
「はい・・・急ぎましょう!」
クリスに急き立てられ、急いで進める道を探す。

今更だが、俺の名前の由来は、
仮面ライダー→ライダー→Rider→R→アール→アル
という、無茶苦茶な発想からきていた。

「あれは・・・監視カメラか?」
内装は変わっていたが、普通のビルのような構成をしている。
そして、エレベーターらしき物の近くに、監視カメラが設置されていた。
「エレベーターは、あちらで管理しているだろうから使えないとして
ジーン、あれを狙えるか?」
そう言い、俺は監視カメラを指し示す。
「OK。やってみせますよ」
ジーンが狙いを定め・・・発砲した。
「お見事」
「まぁ、こんなものですよ」
ライフルの弾が、見事に監視カメラだけを撃ち抜いていた。
これで、すぐ隣にある階段も使えそうだ。
「よし、急ごう」
19157:2006/11/13(月) 20:01:49.30 ID:D039RVvR
ミリル達は裏口を見つけて、侵入を開始していた。
こちらの構成は、
ミリル=ビーストFO系
そして、あとの二人は双子で、どちらも最小ビースト女性のHU系だった。
即ち、B班は全員、最小ロリっ子ビースト女性ということになる。
周りから見たら・・・以下略。

この双子は姉{琴音}妹{琴菜}といい、本当の双子だったらしい。
交替でPSUをやっていたのだが、ある日朝起きると・・・
二人同時に変わっていたらしい。

「よーし、このまま進んじゃえ♪」
「おー!」
「おー!」
ちなみに、この双子の見分けがついている人はあまりいないらしい。
------------------------------------------------------
「しかし・・・変ですね」
「ん、どうした?」
アル達は勢いよく階段を駆け上がっていた。

ガーディアンズに支給された携帯通信機器。
これには様々な機能がついていた。その機能の一つは、
位置情報を他の機器から、確認できるというものだった。
これによると、みい隊長達の機器は10階のどこかにあるようだ。
そこに、みい隊長達がいるのか・・・わざと置かれた罠なのか・・・。
わからないが、とりあえずそこを目指す。

「誰もいないなんて・・・」
「罠・・・だと思うか?クリス」
「・・・はい」
「だが──」
「副隊長、ちょっと待った」
ジーンが声をかけてくる。丁度5階について、
6階への階段を上ろうとした瞬間だった。
「どうした、ジーン」
「あれを・・・」
ジーンが指差した先には──

{続く・・・}
192名無しオンライン:2006/11/13(月) 20:15:30.96 ID:pOaG6Yoq
久々にここきて、そぃぇば>>37のが好きだったの思い出した。

すんません、どっかにまとめサイトorレスありませんか…orz
193名無しオンライン:2006/11/13(月) 20:26:40.23 ID:5ng1f91S
気持ちは解るが無かった気がするな
どっかのうpろだでも提示して、前スレのdatでも上げてもらえば良いんじゃね?

IEで見てるとかならどうにもならんが…
194名無しオンライン:2006/11/13(月) 20:55:14.68 ID:D039RVvR
>>192
datなら>>77
195名無しオンライン :2006/11/13(月) 21:01:37.81 ID:yxN8PJ66
>>192
にくちゃんねるでも前スレ見られるよ。
196名無しオンライン:2006/11/13(月) 21:12:17.19 ID:pOaG6Yoq
遅くなったがみんなありがとぅ。
正直こんなにレスくれるとは思わなかった。

このスレの住人はいいやつらだ!
197名無しオンライン:2006/11/13(月) 21:23:09.89 ID:j9aTyf2m
>>189-191
スナイパーと双子に燃&萌!
198名無しオンライン:2006/11/13(月) 21:37:27.68 ID:nuTGc3an
age
199前351:2006/11/14(火) 00:29:35.29 ID:9IgxK3sC
本当にちょっとした任務だったんだ。
SEEDが目撃されたから調査にいってくれ。たったそれだけだった。
信じられなかった。もう彼に会えないなんて信じたくなかった。
彼の葬儀にはたくさんの人が集まった。
ほとんどの人が泣いてて、彼の死を惜しんだ。
でも私だけ、どうしても実感がわかなかった。
からっぽの棺が、彼はまだどこかにいるんじゃないか。いつかひょっこり帰ってくるんじゃないか。
私にそう思わせた。
でも、不躾な日常が否が応にも私を現実に向き直らせる。
彼にはもう、会えないんだ。

・・・いや、彼には会える。手段はある。
だけどそれをしたら、色々なもの失う人がいる。

―自分の本当にしたいことをすることは、悪いことではないよ。―

メイリンの言葉が頭をよぎった。
今、私がしたいことはなんだろう。
彼のことを忘れる?違う。
彼の死を飲み込んで、新しい道に進む?違う。
違う。違う。
彼に会いたい。
手をつなぎたい。腕に触れたい。胸に顔をうずめたい。
たったそれだけ。それだけを強く想う。
ただ、ただ彼に会いたい。会いたいんだ。
メイリンから受け取ったカードキーを取り出す。
はじめから天秤にかけるまでもなかったんだ。
他人と彼。比べるまでもない。
傲慢だと思う。だけどなにを犠牲にしても私は彼を―

パートナーカードを使ってコールをする。
「ローズマリー?今どこ?戻ってきて欲しいの。」
200前351:2006/11/14(火) 00:30:50.37 ID:9IgxK3sC
すぐにローズマリーは部屋に戻ってきてくれた。
そして私は、メイリンに聞いた全てを彼女に説明した。
「私たちはハルの分身のようなものです。ハルのように常にレリクスにアクセスすることは出来ませんが、
直接レリクスに接触すればその機能を操作することは可能です。
レリクスへのアクセス権はパートナマシナリー全てに与えられています。」
「じゃあ、元に戻すこともできるのね?」
「可能です。ですがハルがそれを望まなければ私にはどうすることもできません。
ハルの決定は私たちパートナーマシナリーにとっては絶対なのです。
それでも構いませんか?」
「うん、わかった。・・・えっとさ、もし元に戻ったらあなた達って・・・。」
「消滅します。」
いつもと同じ表情でローズマリーはそう答えた。思わずローズマリーから視線をそらす。
「気になさらないでください。ヒカリ様がそれを望むなら、私はその望みを叶えることが喜びなのです。
それに、青様がいないヒカリ様をこれ以上見ていられません。」
ニッコリと笑った。あの無表情だったローズマリーがはじめて見せた笑顔。
止まった涙が再び溢れ出しそうになる。目を両手で強く抑えてそれをせき止めた。
「ローズマリー・・・ご・・・」
そして、でかかった言葉を飲み込んだ。
ごめんなさい。
これだけは言ってはいけない。私は彼女に死ねって言ってるんだ。
死ぬとわかってることをやれっていってるんだ。
謝っちゃいけない。許してもらおうと思っちゃいけない。
私がやることはそういうことなんだ。
「ありがとう。ローズマリー。」
強く、ちっちゃな体を抱きしめた。私が今彼女にできること。
彼女に最大限の感謝の気持ちを示すこと。彼女のぬくもりを決して忘れないこと。
「よし。地下に行こう。」
「わかりました。」
刻み込め。私は彼を得るために、色んなもの犠牲にするんだ。
201前351:2006/11/14(火) 00:33:36.92 ID:9IgxK3sC
ガーディアンズの廊下を強い足取りで進んでいく。
まっすぐ。レリクスの入り口を目指す。
立ち止まったら、誰かと会話してしまったら決心が鈍ってしまいそうだった。
だから、脇目もふらず突き進んだ。
もう彼のいない日々はイヤなんだ。
ほどなくして私の前に立ちふさがったレリクスへの扉。
エンドラム機関の事件以降、セキュリティが大幅に強化されて許可なく立ち入ることは絶対に出来ない。
でも今は―
カードキーをカードーリーダーに通す。わけもなく扉が開いた。
階段を降りる。あの時以来だ。しばらくここには来ていない。
長い長い廊下を無言で進む。すこし後ろにローズマリーの気配があった。私についてきてくれている。
あぁそうだ。ここら辺にヤグモ君とミヤビちゃんがいたんだ。
そして彼と一緒に戦った最後の思い出の場所。
でも今は懐かしんでる時じゃない。少しだけ歩調を速める。
彼に会いたい。会いたい。
視界が開けた。
大広間の中央にそびえ立つ巨大な装置。これだ。
「ローズマリー。」
「はい。」
ローズマリーがゆっくりと装置に近づき、手を触れた。
彼に会える。もうすぐ・・・会える。
「許可できないっていったのにねぇ。困るね勝手に入っちゃってさ。」
突然背後からかけられた声に、振り向く。
「ブラド・・・。」
「カードキーが1個紛失しててね。もしかしたらって思ってきてみたら、案の定だ。」
彼特有の笑みを浮かべて、肩をすくめてみせる。
わがままな子供を相手にするようなそんな表情をしていた。
「悪いけど、邪魔しないで。」
「邪魔しないでって、随分自分勝手なこというね。ヒカリちゃんらしくない。」
自分勝手・・・。そう、そうだ。自分勝手だ。言われるまでもない。
そんなの承知だ。
「とにかく許可できないわけよ。ちょっとそこのおチビちゃん。装置から離れてくれ。」
「ローズマリー、いいの。続けて。」
「ちょっとちょっと。ヒカリちゃん。諦めてよ。」
「いやだっ!」
私のヒステリックな叫びに、ブラドが目を丸くした。
諦めて?できない。もう止められない。私はどうしても彼に会いたいんだ。
「自分勝手なのはわかってる。ブラドが言ったように失うものが多いのもわかってる。
でもあたしはそれを犠牲にしても彼に会いたいんだ。
みんながあたしを罵っても、歴史に愚かな女と名前を残すようなことになっても、
最低な女と彼があたしを捨てるようなことになったとしても!
世界中が敵にまわっても・・・私は・・・私はっ・・・」
涙が溢れてきた。感情が爆発していた。とても冷静なんかじゃない。
でも偽りではない。この想いは私の心からの願いだ。
私は決して―
「彼を諦めない!」
時が立てばこの傷もいえて、日常が戻って、新しい誰かと恋におちて、幸せな家庭を築く。
そんなこともあるかもしれない。でも断言できる。
彼への気持ちは決して消えない。
彼のいない未来は、いやだ!
「そうか。諦めないか。」
ブラドが再度、肩をすくめた。
「こんなことはしたくないんだけどさ。」
ゆっくりとした動作で、ブラドは腰のナノトランサーから杖を取り出した。
「ブラド・・・?」
それを私に向ける。
「残念だよ。ほんとに。」

私の視界が、真っ赤に染まった。
202前351:2006/11/14(火) 01:08:30.46 ID:9IgxK3sC
目が覚めると、そこは見知った部屋だった。
6畳の、決して大きくはない小さな部屋。
部屋の真ん中にはこたつにもなる机。隅っこには本棚。その上にはコンポ。
引き払ったはずの私の部屋。姿が変わる前の、私の部屋。
「もど・・・れた・・・?」
洗面台に駆け寄って、鏡を見る。
少しウェーブがかかった髪。目の下のほくろ。ちょっと低めの鼻。
私だ。間違いない。私の顔だ!
そのままの勢いで部屋を飛び出した。
会いたい。会いたい。
そんなに遠くない距離なのに、まるで何キロも先にあるかのようだった。
エレベーターを待ってられず、階段を駆け上る。
扉のノブに手をかけ、回す。鍵はかかっていなかった。
部屋に飛び込んで、叫ぶ。
「コウ!コウくんっコウくん!」
返事は、なかった。
力が抜けて腰から崩れ落ちる。
私だけ戻ってきてしまった・・・?私だけ・・・。そんなの意味がない。彼がいなきゃ意味がない。
どうしろっていうの?なにも変わってない。彼が戻ってこないなら私は
なんのために・・・なんのために・・・!
「コウ・・・。」
小さく彼の名を呟いた。そのとき、背後で耳障りな轟音が響いた。
トイレの水を流す音。ゆっくりとトイレの扉が開く。
「おっ?おぉ!?なんだよびっくりしたぁ・・・。」
彼が、そこにいた。イヤホンを耳から外して私のほうに近づいてくる。
「悪い。音楽聴きながらクソしてたから気づかなかったって・・・おい、えぇ〜?」
頬を涙が伝った。やっと会えた。やっと・・・やっと。
「どっか痛いのか?薬あったかな。ちと待って―」
彼の胸に勢いよく飛び込む。
あぁ、間違いない。本物だ。私は今彼に触れているんだ。
彼の胸に顔をうずめる。いいにおいがする。コウだ。間違いない。私の彼氏だ!
「どうしたんだよおい。」
顔を上げて満面の笑みを浮かべる。
作り笑いじゃない。心の底から自然に湧き上がってきた、本物の笑み。
「お腹すいた!」
「えぇ〜・・・わけわかんないなお前は。いいよ。なんか作ってやる。」
彼は私をひっぺがすと冷蔵庫に向かった。
「たいしたものはないなぁ・・・何食いたい?」
「鳥雑炊!」
「あ〜、それならいけるかな。ちょっと待ってろ。」
幸せ。すごく幸せ。
そういえばガーディアンズに入ってから2人でゆっくりすることなんてあまりなかった。
旅行に行ったときくらい。そうだ。また旅行に行こう。あの時いけなかった北の方に行きたい。
台所からいいにおいが漂ってくる。幸せ。
ふと、これは夢なんじゃないか、そんな考えが頭をよぎった。
いくつか引っかかることもある。
でも、そんなことはどうでもよかった。
元に戻れて、彼がいて、2人一緒にいられる。それで十分だった。
「おっしゃ、できたぞ〜。」
「やったー!おいしそっ。」
もし、これが夢だったとしても、別に構わない。
私はみんながいるガーディアンズよりも―
「いただきます!」

彼がいるここがいい。


〜Fin〜
203前351:2006/11/14(火) 01:12:08.71 ID:9IgxK3sC
第三部はこれで終わりです
これを最終章にしようかと思ったんだけどあんまりな終わり方なんで
あぁ?もういいよ
って思われてなかったらほんとの最終章を近いうちに書こうと思います
っていうかえらい長くなってしまった
読んでくれてる人、重ね重ねありがとう
204名無しオンライン:2006/11/14(火) 02:01:32.55 ID:r5dJQmBL
>>203さん
第一部からのファンです(´∀`* )

第三部の終わりは裏がありそうでしたので最終章
どころかこれからどうこう話が歪んでいく(?)のか
と思っていましたが戻れたのは事実?みたいですね。

最終章にしろ、第四部にしろ期待していますー。
205GH450:2006/11/14(火) 02:02:22.78 ID:cLo+ChkH
 時計を見やると、普段よりもいっとう高く感じる位置で12時半を告げていた。
高い。高すぎる。成人男性、というより一般的な体格のある人々ならば軽く顔を
上げるだけでいいのだろうが、そして俺もさっきまではそれで済んでいたのだが
背丈が縮みに縮んだ現在、しっかりと首まで動かさなくては時刻の確認はまま
ならない。
 国会中継は既に終了している。あの総理(役?)の仰天発言のあと、それは
すんなりと可決され、内閣のメンバーを主格に据えて対策委員会が国会内に
設置された。顔ぶれからするとコミケのブース販売員のほうがどちらかというと
しっくりきていたが、本人らはかなり真剣だ。そのひたむきな姿勢を是非とも
税金関連の問題に向けて欲しいものである。
「問題は、どうするかだよな……」
 他のチャンネルを回して集めた情報をつなぎ合わせると、現在外内国問わず
PSUをプレイしていたことのある人々の外見が、キャラクターのそれと化して
しまうという、それなんてエロゲ? 的な現象が起きているらしい。……らしい、
というのは余計か。何故なら、俺が既に当事者なのだから。
 当然国を問わず、とは言っても主にプレイヤーは日本に集中しているわけで
(それもそうだ。国の中枢メンバーがやってたくらいだから)、それが緊急的に
議題が変更された引き金になっているようだ。今日に確認されたと言う話だから
一応対応の早さには目を向けておくべきだろうか。本当に、今朝出国しようとした
人はご愁傷様である。
206GH450:2006/11/14(火) 02:02:43.38 ID:cLo+ChkH
「あ、あ、あーーー。あれ? 声が、遅れてる、んじゃなくてだみ声だよ?」
 俺が中継に突っ込んだ時に気付けなかった理由がここにある。何故だか知ら
ないが、ピッチがデフォルトよりちょっと高めの銀様ボイスでキャラクリしたはず
なのに、まるで酷い風邪でもひいてしまったかのごとく声のトーンが低い。凄み
が使えそうなレベルだ。
 いや――、思い当たる節はあった。メンテで落とされる直前、麻痺を食らって
いたはずだ。もしかしたらそれが原因かもしれない。
「治せるかな? 光テク杖でも取り出せればいいんだけどな」
 と、突然、
『たった今、臨時ニュースが入りました』
「ん、なんでせうか」
『今日午前に国会に設置された、政府による「変異現象対策委員会」の第一回の
会議ですが、なにやら動きがあった模様です。中継の、笠原さん?』
 画面が切り替わる。急ごしらえだったようで、画質が幾分か荒い。
 それであっても、画面内の惨状は見て取れた。
『こちら、中継です! 現在同委員会の会議中ですが、変異をしたと思われる集団
が押しかけてきています! ご覧いただけますでしょうか!?』
「喜んでいいんだか、悪いんだか……」
 別の意味で絨毯爆撃が敢行されていた。フォイエと思われる火の玉が報道陣に
次々と襲い掛かり、威嚇射撃であることを願うだけだが、ライフルのフォトン弾が
あちこちに着弾している。少し経つと、キャラクターたちが現れた。手に手に武器を
携えている。
207GH450:2006/11/14(火) 02:03:02.58 ID:cLo+ChkH
「テクニックは使えるみたいだな。ってことは、こっから出したのか?」
 俺の首についている機械。うなじあたりに開いている穴に手をかざしてみると、次の
瞬間にはその手に先端が白く光る杖が握られていた。ウォーテクターであったこの
キャラの、補助プレイ用の回復杖だ。
「レジェネ。……おぉ、おお!」
 テクニックの使用は唱えるだけでいいらしい。光に包まれたかと思うと、声が元に
――元に、ってキャラに、だが――戻った。ねんがん の ぎんさまぼいす を 
てにいれた ぞ!
 悦に浸る間もなく、すぐテレビ画面に引き付けられた。
 声が、
「静まれぃ!」
 ……マガシの、若本則夫の、アナゴさんの声が、放たれた。威圧感たっぷりである。
 誰だ? という疑問は、何者、ではなく、声の主がスーツを着ていることによって、
委員会の誰が、に変わっていた。それにしてもこのキャス男、のりのりである。
「そんなに暴れたければ我らを相手にするがよい。この静川功、剣の道を極めては
この今はISAO99という名のキャスト! さあ、かかってこい!」

「え……。えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇっ『゜ ゜ ( ∀ )!!』」

 思わず使い方も分からないショートカットでの噴出しが現れるほど、俺は驚いていた。
それも無理はない。
 何故なら、財務大臣の彼が、俺がつるんでいたキャラの一人だったからだ。
208名無しオンライン:2006/11/14(火) 02:05:51.59 ID:cLo+ChkH
調子に乗って連続で書いてしまいました。
ご不快に感じられましたら、なんなりと罰をお申し付けください。
どんな罰でも甘んじて受け入れます。
なお、私めは世俗に疎い性質ですので、もしかしたら何か間違っているかもしれません。
そういうことがありましたら、どうかご助言お願いします。

って、俺の隣の450が顔真っ赤にしながら言ってる。
俺も常識が抜けてたりするから、ツッコミは頼むよ。
209名無しオンライン:2006/11/14(火) 07:58:09.49 ID:pkvL13Mz
>>203
ハッピーエンド(実は伏線があったり)で楽しませてもらってます。

>>208
政界のことはよくわかりませんが、PSU的におもしろいです。
コミケの売り子っぽいくだりにワロタw
210名無しオンライン:2006/11/14(火) 20:24:45.64 ID:NscbaGBU
ちょwwww財務大臣wwwwwww
21157:2006/11/14(火) 20:38:48.17 ID:qF4pCPbp
>>203
読んでる途中で目から汗が出そうに(´д⊂)
最終章がんばってください。
>>208
財務大臣カッコいいです(*´Д`*)
罰は続きを(ry
21257:2006/11/14(火) 20:44:13.64 ID:qF4pCPbp
ジーンが指差した先には、キャスト達が倒れていた。
7・・8・・9人もいるようだ。

「これは・・・一体」
近くに駆け寄ってみる。
「副隊長・・・この紋章を見てくれ」
「こ、これは!」
それは紛れも無くエンドラム機関の紋章だった。
「カノーネがいると聞いていたが・・・本当だったとは」
そう言った瞬間だった──
カノーネ達がゆっくりと、フォトンの光となって消えていった。

「おや、あれは・・・!」
消えずに残っているカノーネ・・・否、あれはPSUキャラクターに違いない。
「アルさん、これは・・・」
近付いて確認してみる。間違いなく、キャラクターに変わった人のようだ。
どうやら、生きているらしいが、すごい傷だった。
キャストは、これくらいでは死なないようだが、動くことは出来ないようだ。

「・・・。クリスはここに残って、こいつを監視していてくれ。俺とジーンで上へ行く」
「え・・・なぜ、私を」
「カノーネ達は今消えたばかりだ。即ち、今倒されたということだ。
そして、この機器でフォトンの形跡を調べたところ・・・
{ここにいたヤツ}は俺達と同じで、上を目指しているらしい」
支給された機器には、そんな機能もついていた。非常に便利。

「で、でも・・・」
「この状況を見たところ、こいつらを一瞬で片付け、上へ上ったらしい。
相手は、とんでもないヤツのようだ・・・だが、君はまだ未熟だ。
はっきりと言おう・・・足手纏いになる」
「・・・」
「・・・何かあったらC班を呼ぶんだ」
そう言い残し、アルは駆け出した。
それにジーンも続く。

「副隊長・・・よかったんですかい?」
「ああでも言わないと・・・な。彼女、何か気負っているし。これで良かったんだ」
それは、自分に言い聞かせるかのようにも聞こえた。
21357:2006/11/14(火) 20:46:22.71 ID:qF4pCPbp
その頃、B班は順調に侵入を──

「お前ら!何者だ?!」
キャストらしき男の二人組みに見つかってしまった。

「あちゃー、見つかっちゃったねぇ。お姉ちゃん、どうしよっ?」
「決まってるでしょっ!やるっきゃないっ!」
「琴ちゃん、援護するね♪」
そういうとミリルは、{ラ・フォイエ}を詠唱し──
「ラ・フォイエ!」
発動した。

「ぐわっ!」
大きな炎が{敵}を飲み込む。
同時にそれは、目晦ましの効果も持っていた。
「すきだらけっ!」
「すきありぃ!」
一瞬で琴姉妹が{敵}に近付き、一撃を加えた。
それによってキャスト達を倒せたようだ。

「「あれ?何かヨワヨワ」」

某パートナーマシナリーが言うような言葉を、声を合わせて姉妹が言った。
「あれ?おかしいなぁ〜」
「ミリルさん、どうかしたの〜?」
「う〜ん、カノーネは倒したら消えるって・・・あ、名前は{さん}付けなくてもいいよ♪」
「でもでも、一応けっこー年上だしっ」
「と、とし・・・ま、まぁいいや・・・」
琴音の発言にビキビキときながらも、もう一度キャストを観察する。

「ねぇねぇ、この人達・・・」
「どうしたの?琴菜」
「カノーネじゃないね、色とか違うよーな気がするし」
「たしかにっ!さすがわたしの妹、ナイス発見!」
いや、普通気付くだろ、と一瞬思ったミリルであったが、
自分も気付けてなかったことに気付き、言い出せないでいた。
「ってことは、この人達はキャラクターに変わった人達・・・?」
「そうみたい」
「みたい」
「うーん、まぁ、放っても大丈夫でしょ♪先に進もー」
「「さんせーっ」」

こうして、この緊張感の欠片もない3人組は、先へと進む。

{続く・・・}
21457:2006/11/14(火) 20:55:42.06 ID:qF4pCPbp
ここまでです。
感想、励みになります('◇')ゞ
215GH450:2006/11/14(火) 22:26:56.41 ID:cLo+ChkH
 俺はもう一度DVDの録画スイッチを入れた。事態が沈静化する以前に
ようつべには上がるだろうが、なんとなく、これは補完用に撮っておいた
ほうがいいだろう、そんな勘が働いたのである。今頃2chのネット実況板が
落ちているであろう様は用意に想像できた。後で俺も当事者として降臨する
つもりなので、解析用に、ということでもある。
 近所迷惑を顧みず、テレビのボリュームを上げる。
『ふん、どうせ警察や自衛隊にも対抗できんだろうしな。全国に姿を晒され
ている今、見せしめにこらしめてやるのも悪くない。おい、報道陣! 記者
たる心意気があるならば、私の見聞をしかと広めるがいい』
 口調こそやや違うものの、静川功財務大臣――否、ISAO99氏の仕草や
声色は完全にアナゴさんのそれである。PSUだから一応マガシと表現して
おこうか。
 薄紫に怪しく光るツインセイバー――シャープツインズを、ゲーム内の
構えではなく、きちんとした剣道の二刀流に則って構える。左手を中段、
右手を上段に。伊達に歳を食っていないらしく、確か70に届こうかという
年齢だったはずで、戦前の二刀流を使っている。この間、リアルで稽古
でもつけてやろうか、と言ったのは冗談でなかったのかもしれない。
『……だが、多勢に無勢か。一対十六の対人戦はいくらなんでも不利が
過ぎる』
『では、わたくしがご助力いたしましょう』
216GH450:2006/11/14(火) 22:27:13.17 ID:cLo+ChkH
 そう遠慮深げに絨毯の敷かれた廊下に出てきたのは、標準よりもやや
背の高めな女ヒューマン。闇属性のムカトランドを引っさげている。驚いた。
この時期にそれを主力にしているキャラなどあまり見られるものではない
からだ。それに――
(どうしようどうしよう、この人俺見たことある気がするよどうしよう)
 その疑念は、
『文科大臣殿。いや、今は舞姫とお呼びしたほうがよいかな?』
『そんなご冗談を。でも嫌な気はしませんわね』
「やっぱりこの間聖地周回した人だああああああああっ!」
 名前だけは覚えていた。森鴎外かサンライズか、どっちなんだろうと操作
しながら長々と考えていたからよく覚えている。
『どうせなら、対策委員の戦力の披露ということで、皆さんお出になっては
いかがですか? 己を知ることにもなりますし』
 舞姫さんって文部科学大臣だったのか! この瞬間、俺の中で教育と文化
を司る省の大臣の名前が、秋根敏子から舞姫に書き換えられた。よもや妙齢
のオバサン、しかも大臣がリアルだったなんて思うまい。インパクトはサードを
越えてフォースの領域だ。
 ぞろぞろと。日本の国家機関なのに外人顔がいるという違和を感じつつ、今朝
変異した委員のメンバーを目に入れた。
217GH450:2006/11/14(火) 22:27:24.50 ID:cLo+ChkH
「十七人中十人ってどんだけなんだよおおおおおおおおおおおおおおおおっ!
しかもちゃっかり議長いるし!」
 ツッコむにも声が銀様ではいささか頼りない。
 今回の内閣、その十七人の中で十人がキャラと化していた。もう本当に、秋葉
にでも行って客寄せしてきてくださいと言いたい。頼む、面と向かって言わせてくれ。
なんならオンリーイベントでもいいから。
 しかもだ。俺の知り合いがあと二人もいた。全身を真っ赤に染めた小キャス子の
未来のイヴさん。身長最大に設定された、アフロが特徴的な男ビーストのI’LL氏。
ISAO99氏と合わせて、全員俺の周回仲間だ。
「ああ、俺はなんてお歴々方とプレイしてたんだ……『○| ̄|_』」
 実際の行動とショートカットが重なって余計にひずみになる。
『六人以上のパーティなんて出来ないからな! いい機会だ!』
『喜砂大臣。喜砂環境大臣!』
『ふぁい! 治療なら問題ありませんから、あたしは下がっていますね……。
官房長官と議長もご一緒しましょうよ』
『お供します』
218GH450:2006/11/14(火) 22:27:35.38 ID:cLo+ChkH
 元エリート天然大臣のカラワイニュマ子と、元やり手長官の美形ニュマ男、ついで
にびくつきながらバレットマスターを手放さない議長が後衛に下がる。それに数名が
後衛陣を形成しているのだが、そこはかとない不安が――特にレンジャーチームに
――感じ得ないのは気のせいだろうか。
『毎日毎日イスに座って運動不足な野郎に負けるかよ!』
『なんで俺らが刃を向けられなきゃならねえんだ! 事情の説明を求めてるだけだ
ろうが!』
『そうよ、私たちは説明を要求しているだけなのよ!?』
 と、今まで黙っていた反乱軍(?)が本格的な戦闘形態をとられるのを見てわめき
始めた。何を今更。
 そんな視聴者たちの代弁を果たしたのは、司法の番人だった。
『別に私たちはあなたたちを追い返そうとなんか思ってはいない。でもね――』
 未来のイヴさんだ。彼女は床に置かれていた、赤いフォトンのグッレ・ナッパムを
片手で軽々掴み上げ、引き金に指をかけ、こう叫んだ。
『法務大臣赤野房江の名において宣告する。あんたら十分過ぎるほど器物損壊、
建造物破壊罪背負ってんのよッ!』
 俺も恐れるグレネード弾が、カメラの目の前で炸裂した。
219GH450:2006/11/14(火) 22:30:59.97 ID:cLo+ChkH
本当に申し訳ありません。三日連続です。
罰は……できればやさしくお願いします。
今回、キャラを大量に増やして収拾を付かなくさせた気分ですが、
がんばって〆はしたいと思います。どう終わらせるか考え物です。
なにとぞ、ご容赦の目でご覧ください。

って、今はシャワーに入ってる450がうつむき気味に言ってた。
罰は大声じゃ言えないあんな事、なんていった日には俺が許さない。
220名無しオンライン:2006/11/14(火) 22:38:23.48 ID:NscbaGBU
ちょwwww文科大臣wwwwwww
221名無しオンライン:2006/11/14(火) 23:57:16.09 ID:pkvL13Mz
>>214
盛り上がってまいりましたヽ(゚∀゚ )ノ
A周回でカノーネをバタバタ倒すビーストトリオ想像してモエスw

>>219
フツーにアキバとかビッグサイトとかで
公開録音ならぬ公開議会やれそうw

文化大臣に100回ブックマークしますた。
222名無しオンライン:2006/11/15(水) 18:12:40.73 ID:9Bv7yjak
支援age
223名無しオンライン:2006/11/16(木) 19:29:03.22 ID:wOQGBKiS
保守
224名無しオンライン:2006/11/16(木) 19:35:35.97 ID:wOQGBKiS
age忘れorz

>219さん家のGH450がエロカワイスぎる点について(;゚∀゚)=3
225GH450:2006/11/17(金) 20:34:42.39 ID:xXD34Oqx
それにしても、前スレのような活気はなくなりましたね。
実を言うとご主人様がここの>>1なのですが、本当にさびしい限りのご様子です。
え? 続きですか?
ちゃんと書いてますよ。

って、戦闘シーン描写が若干苦手な450が言ってた。
ROMが多いのか、それとも本当に過疎ってるのか、どっちなんだろうな
226名無しオンライン:2006/11/17(金) 21:12:53.44 ID:Dtp9I+mO
>>225
貴方が>>1か!前スレを埋めたのに、立てられずスミマセンデシタ。
それはさて置き、たしかに活気が無いですな。
前スレは単発ネタ系も、結構書き込まれていたようですが。
私も駄作の続きを、何とか書き中です。
22757:2006/11/18(土) 01:16:40.15 ID:XB8DwmcW
アル達は、フォトンの形跡を調べながら、上を目指していた。
「どうやら、{こいつ}も同じところを目指しているらしいな」
フォトンの形跡といっても、普通はすぐに消えてしまうらしい。
だが、このフォトンは特殊で、しっかりと、このフォトンの持ち主を追跡できた。
──それ程の武器なのか。──それ程の使い手なのか。

そして、10階に到着した。
やはり、同じところを目指している。
長い一本の廊下・・・そこら辺にカノーネが倒されていた。
「こいつは・・・すごいですな」
「ああ・・・一体何者で、目的は・・・?」

みい達の通信機器の反応がある部屋に辿り着いた。
──広い・・・いや、広すぎる。
ビル内ではありえない程の広さ・・・まるで異空間だ。
──話し声が聞こえてきた・・・。近くにあった柱の陰から様子を窺う。

 「やれやれ、我々はとんでもない奴に目を付けられたようだな」
 「ククッ・・・観念することだ。さて、手短に終わらせようか」
 「・・・その前に一つ聞かせてくれ。マガシ、お前をこちらに呼んだのは誰だ?」
 「興味があるだろうな。{あの御方}は、筋書きに無い貴様らを消すために、
俺をこちらに呼び出したのだ」
 「筋書きだと・・・?」
 「そうだ。貴様らは予定外の存在・・・そこで俺も気になるわけだ。
誰が貴様らをこちらへ呼び出したのか、とな。
あちらの世界と、こちらを干渉させることが出来るのは、
俺の知る限り、{あの御方}と三吉という者だけだが・・・」
 「その{あの御方}というのを知りたいのだがな。まぁいい。
あちらで残党と化した我々を集結させ、こちらに呼び出したのは──」

 「──私だ」
22857:2006/11/18(土) 01:19:46.27 ID:XB8DwmcW
一方その頃、呑気なビス子3人組は、敵をサクサクと片付けつつ突き進んでいた。

「ふぅ、ちょっと疲れたねぇ〜」
「そ〜だねぇ、ちょっと休もうか〜」
「「さんせーっ」」
非常に呑気だ。A班の状況とはまるで違う。

3人組は、丁度いい椅子を見つけて座った。
「ここ、何階かなぁ?」
「わかんなーい」
「ねぇ、道あってるのかな?」
「わかんなーい」
「琴ちゃん達、やる気ある・・・?」
「「わかんなーい」」
ミリルは、またビキビキときながらも自分自身、どこら辺にいるのか分からず、何も言えずにいた。

ガーディアンズから支給された機器。あれを使えば簡単にわかる。
だがこの3人組は、機械への知識はまったくと言っていい程無かったのだ。

「でもでも、この部屋ってすっごく広いよね〜」
「そ〜だね〜。遠くが見えな〜い」
「あはは、そんな冗談・・・」
本当だった。とてつもなく広い。
ビルの中ではありえないほど・・・そう、異空間のようだ。

「これって、どうなってるのかな?」
「う〜ん、進んでみればわかるんじゃないかな?」
「そーだそーだ、進もー」
休憩を止めて、3人組は歩き出した。

彼女達は気付いていないようだった。
ここが10階の{あの部屋}であり
この後、激しい戦闘が起こる事を。

{続く・・・}
22957:2006/11/18(土) 01:24:49.45 ID:XB8DwmcW
とりあえずここまでです。
他の作者様方も頑張って下さい。
230名無しオンライン :2006/11/18(土) 13:55:31.90 ID:56TdcbNg
長編大作が増えちゃって、単発ネタの人が書きづらくなってるのはあるかも。
臆せずに一発芸もどんどん出してほしいなあ。
231名無しオンライン:2006/11/18(土) 18:33:22.67 ID:0t3snmci
>>225
1さんだったんですね〜乙です〜。

>>229
戦いの嵐の前の静けさwktk!
232名無しオンライン:2006/11/18(土) 22:46:15.99 ID:mzO6FXxm
麿 「ふああよく寝たでおじゃる…やや、なんじゃこののっぺりとした珍妙なる部屋は?
   ややや、貴様何者じゃ!?」
420「にゃんぽこー」

麿 「だ、だまりゃ!麿は恐れ多くも帝より 三位の位を賜わり中納言を勤めた身じゃ!
   即ち帝の臣であって徳川の家来ではおじゃらん!
   その麿に向かって「にゃんぽこー」なる意味不明の発言は言語道断!
   この事直ちに帝に言上しきっと公儀に掛けおうてくれるゆえ心しておじゃれ!」
420「ははーい」

麿 「…ま、まあ良い(麿、420の胸の谷間を横目でちらちらと見つつ)麿は水戸の老いぼれに
   復讐せねばならぬのじゃ。そ、そち、え、えと(ついつい胸の谷間に目がいってしまうのを押さえつつ)
   その、水戸の老いぼれには角助という強力な用心棒がおってだな、その…麿一人では
   心許ない故、zipでくれ、いや違う、その方よかったら麿一緒に戦ってはくれんかえ?」
420「やっちゃいましょ☆」


これがヨウメイの始まりである。
233名無しオンライン:2006/11/19(日) 01:34:38.34 ID:81up0ose
>>232
ワロタw
234名無しオンライン:2006/11/19(日) 18:24:45.53 ID:a+05mPIJ
ネコパシリ(・∀・)イイ!
235名無しオンライン:2006/11/20(月) 01:33:21.43 ID:bTRzyD92
保守
236名無しオンライン:2006/11/21(火) 00:43:05.91 ID:8KEa7zjf
ほす
237GH450:2006/11/21(火) 02:00:58.99 ID:SIhjXDYz
すみません、忙しくてなかなか書けません。
なにとぞご容赦くださいませ。
つきましては、何かやってほしいことなどありませんか?
……いえ、私がやるのではなく、作中の展開など、です。
何故か文科大臣の人気に嫉妬、状態ですが、そんな感じでも構いませんよ。
え? ああ、ご主人様がお呼びですので。

とまあ、俺はこれから450と寝てくるよ。いやらしい意味じゃなく、連日疲れ気味なんだ。
238名無しオンライン:2006/11/21(火) 02:11:39.59 ID:8pVNRWdC
>>237
ゆっくり待ってますよ〜。
カッコいい&萌え萌えの議員さん達に期待してます(^-^)
239名無しオンライン:2006/11/21(火) 04:45:09.71 ID:9VayY3jW
>>237
同じくゆっくり待ってます。

え、お前が続きを書けって?ハハハ・・・スミマセン
どう展開させていくか、全く無い文才と脳味噌を振絞って(ry
駄作57の続きは、もうしばらくお待ち下さい。
240GH450:2006/11/21(火) 22:41:50.62 ID:SIhjXDYz
 どうも中継の笠原さん以下数十、いや百数十ものアナウンサーは実況に対して
天性はないようだ。何があっても動じず、興奮してでも現場の状況を逐一伝える、
それが本物の実況というものだ。ただスタジオでニュース原稿だけしか読まない
モヤシとはワケが違う。そこには明確な越えられない壁が存在するのだ。
「誰か格闘技の実況アナいねえのかよ」
 女声で悪態をついても俺の望みどおりにはならない。
 ――そこは、一種のリングと化していた。
 本来なら高級な革靴をやさしく包み込むための絨毯は、叩きつけられた際の衝撃
を逃がすための緩衝材に成り下がっている。匠の業冴えわたる柱は、吹き飛ばさ
れた際のダメージ追加用コーナーポストと同義になっている。曇り一つなく磨き
上げられた窓ガラスは、派手な演出を生み出すための小道具でしかない。全てが
全て、飾るための装飾に過ぎない。
 彼ら――変異した委員会の皆々のための。
『ハッ、セイ! ブルアァァァァァッ!』
 二刀を駆使するISAO99。
『「あらあら、ごめんなさい♪」』
 舞うように刺し貫く舞姫。
『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!』
 大量破壊兵器を振り回す未来のイヴ。
241GH450:2006/11/21(火) 22:42:08.94 ID:SIhjXDYz
『オラオラもっと来いよ!』
 鋼の拳を打ち付けるI’LL。
『あ、あのぅ……ごめんなさいぃぃぃ!』
 議長は――。
『ノッス・メッギド♪ ノッス・メッギド♪ あー意外に楽しいです♪』
 環境大臣は来襲者など歯牙にもかけず、
『襲われている側だということを考えてはどうですか』
 四方八方に官房長官はテクニックの手が回る。
 残りの三人は変異していない委員の盾となっているが、流れ弾をしっかり
防いでいる。さっきは大型ビーストを蹴りだけで外に吹っ飛ばしたほどである。
 委員の知識の守備範囲にも目を見張るものがあるが、今や大晦日の格闘技
より何倍も楽しめるエンターテイメントと――本気で突入してきた変異集団には
悪いが――化したこの中継の前に一切の瑣末は切り捨てられた。本気での切り
結びをやっているのだ、これを楽しまずして何に心躍らせるというのだろう。ゲーム
内の設定が活きているのか、フォトンによる本格的な殺傷はないが、それでも
真剣同様の緊張も張り詰めている。
「あっ――」
 カメラが動く。
「I、ISAOー! 後ろ、後ろ!」
242GH450:2006/11/21(火) 22:42:23.22 ID:SIhjXDYz
 そこには、ダガー使いの女キャストを払いのけた技後硬直を背後から狙われていた
ISAO99氏の姿が映し出されていた。
 だが、
『ふんっ!』
 一切顧みることなくシャープツインズを頭上で交差させ、チビヒュマのジョギリ
スピニングブレイクを難なく受け止める。開幕からすばしっこく動いてはヒット&アウェイ
を繰り返していたヤツで、建造物破壊人という印象を俺に与えらからにして威力は
残念なことにお墨付きであり、半端ない膂力を持ってでもしないと受け流すのも難しい
はずだったのに、軽々と。
 あまつさえ彼はそのままジョギリを跳ね返した。流石のチビヒュマもこれには驚愕に
目が開かれる。
『……っ!』
 しかし他と違うのは、そこで隙をあまり作らないという事。素早く体勢を立て直し、距離を
測ってから斬撃を繰り出す。ISAO99はそれに突っ込んでいった。二刀の構えは、両者
中段の突撃型。
『……ッハ!』
243GH450:2006/11/21(火) 22:42:33.67 ID:SIhjXDYz
 右の剣を襲い掛かってくるジョギリの腹に沿わせる。そのまま力を別方向へ加え、その
軌道の先を中空へと向かせた。つまり、当てもなく思いっきり切り上げさせたということに
他ならず――
 斬、と。
 一瞬の交錯を経て、チビヒュマは胸を突かれたという精神的ダメージと吹き飛ばされて
壁に叩きつけられた物理的ダメージが重なって気絶した。赤く光るジョギリが、主の血潮
を吸った墓標ように、絨毯に突き刺さった。
「強い」
 思わず口に出してしまった。
 それが全国の視聴者と同様だとはこの時は露知らず。
『この程度で何事かを変えようとは、たったこの程度の力に驕り、それに頼った提言をしよう
とは! 笑止、どうせ来るならもっと手ごたえのあるヤツが来い! この怪異な現象が起きて
混乱している者もいるだろう。その解消を破壊に求めるのならば、力なき一般人よりもここに
来い! 相手をしてくれよう、そして、賢しい者のいう、強さに意味がないということをその身に
叩き込んでくれようぞ!』
 呆けて見入っていたため、部屋の扉がノックされる音には気付かなかったのであった。
244GH450:2006/11/21(火) 22:44:23.99 ID:SIhjXDYz
かなり特急で書き上げました。誤字脱字、その他おかしな表現はお許しください。
なんというか、財務大臣と文科大臣が機軸になりそうな予感がします。
それでは、続きはまた今度。

って、今ニュースステーション見てる450が言ってた。
245名無しオンライン:2006/11/22(水) 01:24:25.11 ID:/3Y3SChV
ISAOさん格好良すぎです…w

戦闘シーンも状況が目に浮ぶような文章で
よかったかな〜と思います。

のんびり続きを待たせて貰いますです。
246名無しオンライン:2006/11/22(水) 03:08:16.49 ID:HlY20LWM
燃える展開ktkr

ISAO氏だけじゃなく、文化大臣と議長もいいですね!
24757:2006/11/23(木) 00:31:50.19 ID:wP4Nn+p8
──場所は、ビルの10階。異空間と言える程に広い場所。

 「貴様は・・・こちらの者か?」

──そこには、時代に求められし者達。

 「そうだ」
 「なぜ、エンドラム機関の奴らを・・・どうやって?」
レンヴォルト・マガシの問いに、ヒューマンの髭を生やした男が答える。
 「私は敗残のエンドラム機関をまとめ、こちらで事を起こすように頼まれただけだ」
 「なにぃ?・・・なるほどなァ。まだ黒幕がいるという訳か・・・」
 「そういうことになるが・・・勿論、{誰}が等とは言えぬ」
 「フン・・・予想はついている。エンドラム・ハーネスの考えそうな事だと、な」

(エンドラム・ハーネス!あのオフでの・・・)
柱の陰から聞き耳を立てているアルとジーンが、その名に気付く。
{エンドラム・ハーネス}エンドラム機関の創設者。だが、詳しい事はわかっていない。

 「・・・マガシ。お前の言った{あの御方}というのも、あれを利用して貴様をこちらに送ったのだろうな」
 「あれ、とは何だ?」
 「・・・。Aフォトン・・・あれをこの機関が狙っていたのはやはり──」
 「待て、それは部外者に聞かれては、困る話ではないのか。なァ?」
そう言うと、マガシは柱の方に目を向けた。
(バレたか・・・)
 「誰か・・・いるようだな」
ヒューマンの男も、アル達が隠れている柱を見据える。

仕方なく、柱の陰から出る。
 「チーッス、宅配便ッス!」
 「副隊長・・・それはヒドイですぜ」
一瞬、その場が凍りつく。作戦成功・・・なワケがない。
24857:2006/11/23(木) 00:33:47.28 ID:wP4Nn+p8
 「お前達は・・・こちらのガーディアンズの者か?」
髭の男に問われる。
 「ああ、そうだ。・・・攫った人達をどこへやった?みい隊長達はどこだ!」
 「恐らく・・・グラールだ」
かわりにマガシが答えてくれた。
グラール・・・?グラール・・・。聞き覚えがある。

 「グラール・・・?何だ、それは。たべも──」
 「貴様はPSUをやっていたのだろう?」
 「副隊長・・・グラールってのはもしや・・・」
 「・・・そ、そんなバ・・・カな・・・」
冗談だとしても質が悪すぎる。

 「そこまで知っていたのか、マガシ」
 「ハーネス・・・奴のことは{あの御方}が既に看破している。だから、俺をこちらに送ったのだ」
 「ま、待ってくれ!グラールってことは・・・ゲームの世界に人間が?!」
俺が、話に割って入る。
 「まぁ、そういうことになるな。私もあちらに行くまで、半信半疑だったが」
 「そ、そんな話・・・」

 「信じて貰わなくても構わんよ。なぜなら・・・お前達はここで、消えるのだからな」
そう言うと、男は何かの合図をした。

ゴゴゴゴゴゴ・・・・。どこかで聞いたような轟音。
 「マガシ、お前の乗っていた兵器で逝け!」
 「フン、戯言を・・・消えるのは貴様らだァ!」
現れたのは・・・マガス・マッガーナ。
そう、オフでマガシが搭乗していた敵のBOSSだ。
 「貴様ら、まずはこいつを倒すぞ。話は後からだ」
 「は、はいィ!」
マガシに圧倒されながら、目前の敵に向かう。

{続く・・・}
24957:2006/11/23(木) 00:35:40.16 ID:wP4Nn+p8
ここまでです。第2部終了も近し。

>>244
ISAO99氏かっこいいです(*´Д`*)
250名無しオンライン:2006/11/23(木) 03:29:28.35 ID:m+e6rG8E
マガシと意外な展開、ゲーム内への伏線、おもしろいです。
251名無しオンライン:2006/11/24(金) 16:01:52.77 ID:0bZ55bdj
保守
252名無しオンライン:2006/11/26(日) 02:18:56.58 ID:U8jXP9DR
ほしゅ
253名無しオンライン:2006/11/27(月) 10:31:32.16 ID:65EN8r8V
保守
254名無しオンライン:2006/11/27(月) 11:53:38.81 ID:55FLTeuF
無理して実況板でやるなよ
MoE厨じゃあるまいし
255名無しオンライン:2006/11/28(火) 21:04:50.27 ID:al3SeXNc
保守age
25657:2006/11/29(水) 05:45:40.09 ID:4s1mlBRy
──いきなり、マッガーナは右腕の剣を構え、剣で突くように突進してきた。
「うわっ」
それを、アルは間一髪で避けた。
「ジーン、無事か?」
「えぇ、なんとか」
ゲーム内では、かなりの強敵だったが・・・。
これ程に動きが速いとは。

(・・・マガシはどこだ?)
「ぶるあぁぁぁ!」
声のした方向に顔を向ける。そこには高く飛び上がり、マッガーナに
クリムゾンらしき剣で、斬りかかって行くマガシの姿が見てとれた。

──マガシの剣がマッガーナを捉える。
だが、振り下ろされた剣を、左腕でマッガーナが受け止める。
そして、その左腕を思いっ切り振り、マガシを弾き飛ばす。
「フンッ。やるではないかァ」
空中から綺麗に着地したマガシが、言い放った。

「隙あり、だ」
ジーンがマッガーナを狙撃する。
1発、2発と、弱点である肩部分に命中させた。
それに腹が立ったのか、マッガーナがジーンの方向を向き、
左腕からマシンガンを連射してきた。
ジーンは、前転して柱に逃げ込む。奴のマシンガンでも、この柱は壊せないようだ。

「でやぁ!」
今度はアルが、マッガーナの背後から奇襲をかける。
アルの武器は槍だった。凄まじい連続突きがマッガーナを攻め立てる。
マッガーナがアルを振り払うため、がむしゃらに右腕の剣を振り回す。

「バカめっ!」
マガシが再度、高く飛び上がり──
コックピット部分にクリムゾンを突き刺した。
どうやら、操縦していたカノーネを仕留めたようだ。
マッガーナが、鈍い音を立てて地面に落ち、停止した。
25757:2006/11/29(水) 05:47:02.37 ID:4s1mlBRy
「フン、この程度かァ。まぁ、いい。次は貴様だ」
マガシが、髭の男を見据える。
「ま、待ってくれ!こいつには、まだ聞きたいことが」
アルがマガシを止めようとする。

「お前達、勘違いしていないか?」
「・・・どういう意味だ?」
「私は、マッガーナは1体しかいない、とは言っていないぞ」
そう言った瞬間、轟音と共にマッガーナが3体も現れた。一体どこから・・・。

「これは・・・厄介・・・というかヤバイな」
「えぇ、副隊長。これはさすがに・・・」
「他の班に連絡を・・・あれ?」
「この階に到着した時から試しているのですが、ダメですな」
「そ、そういうことはもっと早く──」
「お前達、話はその辺でいいか?」
髭の男が割って入る。形勢逆転・・・なのか?

「フン。そいつらもすぐに片付けてやる」
「マガシ・・・。お前の威勢もここまでだ」

「やれやれ、こんな事態になっているとはな」
この声は・・・?
「貴様・・・貴様は!何故ここにいる!」
「まさか、またマガシに会うことになるとはな。まぁ、「あの人」の頼みじゃ仕方ないか」
「イーサン・ウェーバー・・・貴様ァ」
25857:2006/11/29(水) 05:49:40.41 ID:4s1mlBRy
「イーサン・ウェーバー・・・?聞いたことのあ──」
「副隊長・・・。PSUオフの主人公ですぜ・・・」
「あっー!主人公かぁ、なるほどねぇ・・・って、マジっすか!?」

「マガシ、落ち着いてくれ。俺は「あの人」に頼まれて、あんたを助けるようにと言われたんだ。
こんな事態だ、一時協力、な?」
マガシが押し黙った。下手をするとイーサンに斬りかかりそうだ。

「やれやれ、まさかイーサンまで登場するとはね」
髭の男がそう言うと、後ろを向き
「こいつらの相手をせいぜい楽しむことだ。私は行くとする」
「待て!あんたは何をしているのか、わかっているのか?何処へ行こうと─」
イーサンが止めようとする。
「あちらの世界さ」
「そうはさせるかっ!」
イーサンが髭の男に向かって駆ける。
だが、3体のマガーナが立ちはだかる。
「くっ・・・」
「では、さようなら」
髭の男が、ゆっくりと歩いて行く。あちらの世界へ?どうやって・・・。

「君達・・・頼めるか?」
「え、な、なんすか?」
イーサンが突然話しかけてきたので、アルは驚いた。
「奴を・・・追ってくれ。マッガーナは俺とマガシで何とかする」
「し、しかし・・・」
「副隊長、従いましょうぜ」
(しかし、マガシは・・・)
「おいぃ!イーサン・ウェーバー!」
マガシ・・・すごい剣幕だ・・・。
「何だ、マガシ?俺と戦いたいのなら、後で戦ってやる。でも今は─」
「わかっている。だが、飽くまでも一時的、だ」
「わかったよ。じゃあ、君達。頼んだぞ!」
そういうと、イーサンとマガシは、マッガーナへ向かっていった。
「よし、行くか!」
イーサン達がマッガーナを引き付けている間に、アル達も動き出す。

{続く・・・}
25957:2006/11/29(水) 05:52:33.80 ID:4s1mlBRy
無理矢理書き上げたので、誤字脱字があったらすみません。
しかし、作品投下が全然ありませんな・・・。
260名無しオンライン:2006/11/29(水) 19:05:30.82 ID:axmRkGty
E3キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
ついにオンラインの話も見えてくる?!
即席とは思えない出来!乙です。

>作品投下が全然〜
確かに前より投下が減っちゃたね〜。
イルミナスの野望が出たらネタが増えて
また増える…のか?w
261GH450:2006/11/30(木) 22:18:39.93 ID:7muCsEqv
 なんと、前代未聞の珍事が発生した。珍事といえば現在我が身に降りかかっている
この変異のほうが有史以来確実に起こっていない初めての出来事に決まっているが、
こちらは社会の教科書にこの事態が載せられる可能性を飛躍的に向上させる要素を
孕んだ、ある意味『歴史的事件』なのだ。ああ、本当にこの世界は楽しくなりつつも、
堕落と言うか下降の一途を下っているように見える。そのうちのさばってくる変異犯罪者
――否、そうだった、
 公にされた初の変異犯罪者が、テレビの向こうで今さっき鉄槌を下されたばかりだった。
「すごかったよなぁ……」
 まるで演舞のように変異者をなぎ倒していった委員らの姿が目に浮かび、今、映されて
いる彼らに重なる。ただ、舞っているか席についているかの違いはあるが。
 国会議事堂の一室、いつもは厳しい議員が言を交し合っている場に、PSUのキャラ
クターたちが介している。そして本来は会議の内容を生中継することはほとんどない
わけで、警備員の仕切りの外で情報を求める記者たちがひしめき合っている光景は
甚だイレギュラーなのである。しかも、民法で。当然テレ東以外。
『どうせ議決した件はそのまま会見で話すことになるんだ、だったら議事録公開する
よりも手っ取り早くしたほうがいいんじゃないか?』
 というI’LL氏の提言からこんな状況になっているわけだ。確かに手間は省ける。
この調子で他の会議も前面生中継にしてしまえばいいのに。
262GH450:2006/11/30(木) 22:18:51.66 ID:7muCsEqv
 ――会議の内容は、大体こんな感じとなる。
 最優先事項は変異した人々の把握と情報の全面公開。管理するまでとはいかないが、
一般人に対して異能と表現しても差し支えのない能力を有しているが故、なんの規制も
ないわけにはいかない。だからPSU的に表したパラメータを登録する義務を課すという
案が出ている。規制を今論議しているところだ。かなりおお揉めである。
「まあ……税金増やすとかじゃなきゃいいけどー」
 完全に戦意を喪失した反抗勢力は、普通の警察では扱いきれないので、環境大臣が
時間ごとにラ・ゾンデ撃って感電させ続けている。
「さて、俺は俺で行動しますか」
 だらけきった姿勢から立ち上がり、流石にモトゥブブランドの短パンとジャケットでは
心もとなく(そもそも男の俺からしてみればこんなような露出は慣れていないのだ)、
かといって自前の服は絶対にサイズが合わないので、少々暑いが、高校時代に着ていた
ベンチウォーマーを羽織る事にする。……顔のインパクトが強すぎるので、ウインド
ブレイカーを上下着て、さらにスポーツサングラス、iPodとジョギングスタイルになった。
これなら、自主練に精を出す学生にしか見えないだろう。少しばかり背が低すぎるが。
 とりあえず目的は、生の情報収集、食料の確保、衣類の確保の三種だ。運動できる
格好になったのは、実を言うと身体能力を試すためでもあったりする。
263GH450:2006/11/30(木) 22:19:06.89 ID:7muCsEqv
 それらを実行しに外へ出ようと、
「あれ……おかしいなあ。俺――じゃなくて私んちって、ドアなかったっけ?」
 怪しまれないため一人称を変え(口先だけは器用なので朝飯前だ)、呟く。
 ドアがない。
「というよりも」
 ぶち破られている。木製のそれに、穴が空いていたのだ。
 俺の――私の思考はすぐに現実から思考専用の空間へぶっ飛んだ。何故、どうして。
まあそれはこの際いいだろう。目下考えるべきは誰か、であり、どうする、でもある。
この間家賃払うの遅れたから大家さんにはいい目で見られてないのにドアぶち壊して
余計に心象悪くしちまったじゃねえか! ――じゃない。悪くしちゃったじゃなぁい。誰、は
大体見当が付く、以前にこんな破壊が出来るのは今現在それしかない。つまり変異した
キャラだ。乗り込んでこなかったのはそれこそ意味不明だが、考えていても詮無い。
 私はうなじの穴から天然レイピアを取り出して、感触を確かめ、フォトンが自由に
出しいれできることがわかり、柄だけにして袖にしまった。ボタン一つで刃は伸ばせるので
弾でなければ対応できるだろう。
 全ての準備が整い、いざ外へ繰り出さんと、
「ご主人様ああああああああああああああああああああああああああああっ!」
「ぶへっ!?『゜ ゜ ( ∀ )!!』」
264GH450:2006/11/30(木) 22:19:17.81 ID:7muCsEqv
 何かが私のお腹へダイブを敢行してきた。ものすごく硬い。何だこの硬さは。頭突きにして
も石頭では収まりきらない硬さである。あれか、鉱山現場で使う超頑丈なヘルメットでもして
るってか。なんだそのギャクにもならないギャクは。そんなのはボクサーの腹筋強化にでも
使え、一般人――いや、今は変異してるけど、私になんか使うな。そもそも今の私は女なんだ。
ロボでもビーストでもなく、ニューマンではないけれど、種族的にはただの人間なんだ、そこら
へん誤解してもらっちゃ困る。誰だか知らないけど、PSUキャラが全員死なないなんて幻想は
「ぶち殺おおおおおおおおおおおおおおおおおおおす! って、あれ」
 誰か、は私に抱きついてきているようだ。クリンチなんかではなく、抱擁の意味だ。
 その誰かは、紫の髪で、GRMとロゴの入ったヘッドパーツを付けていて。
 自分よりちょっと小さな女の子。
「メイメイ!」
 私から一歩離れて、彼女は軽く頭を下げる。
 私がこのキャラで育てたパートナーマシナリー、GH450のメイメイだった。
265GH450:2006/11/30(木) 22:21:49.24 ID:7muCsEqv
どうもこんばんわ。
今回もかなり流して書いたので、文章はかなり荒いです。
それが出来るので一人称にしたのもあるのですが……。
そして、まことに申し訳ありません。
私を……出してしまいました…………。


あ、うちの450が……走りだして……コケた。
ごめん、かなり派手だったから、手当てしてやってくるわ
266名無しオンライン:2006/11/30(木) 22:47:49.18 ID:M+Y0xfkC
>>265
イイ!
267名無しオンライン:2006/11/30(木) 23:40:49.81 ID:P2HPOS29
テレ東w

iPodギャル萌えv
268名無しオンライン:2006/12/01(金) 23:01:34.67 ID:3WU7uLuQ
保守
269名無しオンライン:2006/12/02(土) 20:59:25.87 ID:QkIsHZ+X
 ──ここは、何処かの、誰かの部屋。
色々と散らかった、汚らしい部屋だ。そこのソファーに・・・このソファーもボロボロだな。
ソファーで、これまた汚らしい男が寝ていた。無精髭を生やした、がたいのいい男だ。
「ピピッ、ピピッ」
・・・通信機の着信音が鳴り響いた。
男は、この着信音に一瞬気付いたが、無視して寝続けようとする。
「ピピッ、ピピッ」
無視を続ける男。男は寝返りを打とうとする、が、そこはソファーだ。
勢いよく、男がソファーから転げ落ちた。
「クソッ、なんだってんだ」
文句を言いながら起き上がり、男は通信機を取った。
「・・・もしもし?」
「よぉ、おはようジーン、元気か?」
朝っぱらから、嫌なだみ声が聞こえてくる。
「お前か・・・何の用だ?」
「いい仕事が入った、お前がやらないか?」
通信機の向こう側にいるのは、小太りでだみ声の嫌な野郎だ。
だが、俺の腕を買って、報酬のいい仕事を回してくれる。
一度奴に会ったが、名前すら語らない。だから信用はしていないが。
「・・・どんな仕事だ?」
「今回の仕事は相当やばいぞ、さすがのお前でも─」
「回りくどいな、さっさと用件を言え」
「・・・あるガーディアンズを殺ってもらいたい」
このがたいのいい男は、所謂「殺し屋」を生業としていた。
いつの時代、何処の場所でも恨みや妬みで、殺しを依頼しようとする奴がいる。
だがこの男は、殺し屋の仕事にプライドを持ってやっていた。
誰から見ても「悪い奴」しか殺らなかった。
正義を気取るつもりは無く、どうせこんな仕事をするなら、といったところか。
「ガーディアンズ・・・だと?」
この男は、一時期ガーディアンズに就職しようとも考えたことがあった。
・・・だがある事故、否、事件から身を潜め、殺し屋として、生きる事になった。
「そうだ。今回の報酬は・・・300万メセタだ」

「300万だと・・・?何処の富豪か・・・いや、政府か軍か・・・?」
「・・・聞くな、とにかく、ガーディアンズを一人殺るだけでこの報酬だ。やるか?」
「・・・すまんが、考えさせてくれ」
「わかった、だがあまり時間はやれん、早めに頼むぞ」
そして、通信は終わった。
嫌な奴、嫌な声、嫌な依頼・・・。気分が悪くなってきて、気を紛らわせようと
「煙草、煙草・・・と。クソッ、どこだ」
無い、煙草が無い。・・・切らしているようだ。
「チッ、買いに行くか・・・」
舌打ちし、面倒くさそうに、男は着替える。あまり、きれいな格好とは言えない。
「ガーディアンズ・・・か。歩きながら考えるか」
男は呟き、外に出る。まだ朝早く、人通りの無い道を歩き出す。
27057:2006/12/02(土) 21:15:30.43 ID:QkIsHZ+X
気分転換&支援で書いた。特に反省はしていない。
続きは・・・書くか微妙です。
書いてる途中に設定が変わってしまったので、
300万メセタを3000万円に脳内変換して下さい。
271名無しオンライン:2006/12/03(日) 02:46:36.84 ID:S9a5vE2q
主人公は同じの外伝(?)も期待!

オンラインの300万メセタもリアルの3000万も超魅力的( ゚д゚)ホスィ
27257:2006/12/04(月) 00:37:05.58 ID:3JjAmaCZ
「ねえ・・・ちょっと休もうよぉ、ここ広すぎっ」
その頃、ビス子三人組は迷いながら、この広い空間をゆっくり進んでいた。
「ほんと、ここってどうなってるの?」
一面が真っ白い空間、その白は果てしなく続くかのようだ。
柱が点々と並んでいるだけで、どこへ進めばいいのかわからない。
「そぉだねぇ・・・ちょっと休──」
「あ、あれナニ!?」
一応B班長のミリルが、休憩しよう、と声をかけようとした瞬間だった。
琴音が何かを発見したようだ。
「どうしたの?」
「あれ見て!何か光ってる」
「ほんとーだ!お姉ちゃんぐっじょぶ〜」
たしかに、奥のから青い光が漏れてきている。一体何だろう。
「何かな?いってみよー」
三人組は、その光に向かって歩き出した。
-------------------------------------------------------------
「待て!」
「ん、君達が追ってきたのか」
アルとジーンは、髭の男に追いついていた。
「一体何をするつもりなんだ・・・それは何だ!?」
アルは、青く光る・・・プールのようなものを指差した。
「これか?これは、{あちら}への扉だ」
「あちら・・・PSU内か!」

──この頃のPSUは、政府の管理下に置かれていた。と言っても、
S社は普通に、サーバー機器などの運営を続けていて、PSUの販売等を規制しているだけだった。
外部から変にいじろうとすると、何が起こるかわからない。だから、今は監視するしか方法がないようだ。

「これは、特殊なフォトンの粒子だ、これを制御することにより、あちらへの道が開かれる」
「ということは、これはAフォトン・・・」
「あぁ、そうだ。・・・さて、お喋りが過ぎたか」
隠れていたカノーネ達が現れ、アル達を取り囲み、銃を構える。
「もしも、もしもだ。私達に協力するというなら・・・」
「愚問だな」

「・・・ならば、最後に言い残したい事があったら聞いてやろう」
「・・・質問させてくれ、攫われた人達・・・みい達は生きているのか?」
「質問か・・・まぁいい。そうだ、{あちら}で生きている」
「そうか・・・なら・・・」
「・・・ん?」
「俺達は死ぬわけにはいかないっ!」

──囲んでいるカノーネは10体ほどか。アルとジーンを中心に、取り囲んでいる状態。
──アルが、自分の右側にいるカノーネに突きかかる。
槍の尖端がカノーネを捉え、一撃で突き倒す。一瞬その場が戦慄した。
カノーネ達が動揺し、一斉に銃を発砲する。だが、アルとジーンは一瞬の隙を突き、柱の陰へと転がり込む。
「副隊長、やりますな」
「へへっ、俺だってやるときはやるさ」

「どうやら、私自ら相手をしなければいけないようだな」
髭の男の声が聞こえてきた。
その声は落ち着いているようだが、どこか寂しげにも聞こえた。

{続く・・・}
273名無しオンライン:2006/12/04(月) 02:14:27.57 ID:/pkcJRQv
戦いとゲーム内への展開に期待〜!

やっぱり3人娘(・∀・)イイ!
274名無しオンライン:2006/12/05(火) 22:59:20.43 ID:nNSyP/d2
保守
275名無しオンライン:2006/12/06(水) 01:19:34.55 ID:Jr6TqUuC
そろそろまとめサイトが欲しいんです><
27657:2006/12/06(水) 03:05:46.71 ID:UQhyW7Rh
「さて、どうする」
アル達は柱の陰に隠れていた。だが、相手も動かない訳が無い。
「副隊長、俺が奴らの注意を引き付けます。その間に突撃を」
ジーンがおもむろに煙草を取り出し、口に銜えた。
「俺は火を持っていないぞ」
「いえ、これが終わって生きていたら、吸おうと思いましてね」
「そうか・・・任せたぞ」
それを言った瞬間だった。
ドゴォォォン!と、何かの爆音。勿論、ここに強化屋は無い。
二人は、柱の陰から周りを覗き見た。

「な、なに、テクニックだと?」
髭の男が動揺している。
「もういっちょ・・・ラ・フォイエ!」
聞き覚えのある声・・・ミリルの声だ。爆炎がカノーネを襲う。
それと同時に、やはり見覚えのある少女が、カノーネと戦闘を始めた。
「琴菜、はりきっていくよ〜!」
「おっけ〜、お姉ちゃん!」

「よし・・・俺達も行くぞ!」
「OK!」
二人は勢いよく飛び出し、戦闘を始める。
「あ、アルじゃない、こんなところに─」
「ミリル、話は後だ。こいつらを片付けるぞ!」
「カノーネは俺達に任せて、副隊長はアイツを!」
「ジーン・・・わかった!」

少し離れた位置で立っていた髭の男と、向き合う。
しばしの沈黙。間近で、戦闘状態だと思えないほどの静けさが、一瞬、この二人を包んだ。
髭の男が闘志を漲らせ始める。
「私は退かぬ・・・退けぬのだ!」
そう言うと、髭の男は双手剣を取り出し、構える。
「俺達も退くわけにはいかないんだ!」
アルもしっかりと、槍を構えた。
27757:2006/12/06(水) 03:07:09.22 ID:UQhyW7Rh
剣の切っ先・・・速い。だが、ギリギリで避ける。
こちらも応戦して、槍を連続で突き出す。
一段目、避けられた。二段目、剣で弾かれる。
三段目の隙を突かれ、懐に潜り込まれる。
「しまっ・・・」
奴の双手剣が、こちらの腹部を捉える。アルは後ろへ大きく跳躍した。
「くっ・・・」
直撃は避けた。だが、腹部へのダメージは大きいようだ。
「さすがにキャストだ。この程度では倒れぬか」

アルは槍を構えなおした。ここで倒れる訳には・・・。
「さて、こちらから行くぞ」
速い。二つの刃がアルを襲う。
避け、槍で受け止め、何とか持ちこたえる。
「どうした、この程度か!」
このままでは・・・、間違いなくやられる。
アルは自分の未熟さを悔やんだ。
「終わり、だな」

その時だった。弱弱しいフォイエが飛んできて・・・髭の男に命中する。
「ッ!?」
このフォイエは・・・。
「アルさん、今です!」
言われた通り、槍を突き出し、奴に命中させた──かのように思えたが、かすっただけのようだ。
髭の男は後ろに下がり、舌打ちした。
「投降して下さい。すぐに、多くのガーディアンズ隊員がここに駆けつけてきます」
クリス・・・。そしてC班の者達。
「クリス・・・さっきは──」
「いいんです、今はこの人を」

ミリル達もカノーネを片付け終わり、こちらに合流した。
髭の男は、青く光るプールのような物を背にし、こちらと向き合う。
文字通り、背水の陣、か。
「ここまでだな」
「それは、どうかな。まぁ、この勝負はお預けだ」
言った瞬間、プールの光が大きくなり、辺り一面を青色に変えた。
そして、男は突然、プールの中に飛び込んだ。
「待て!」
アルが、奴を追いかけてプールに飛び込もうとする。
「アル、落ち着いて!これにはどんな危険が──」
「{あちら側}には、あいつ等が居るんだ!」
答えず、アルはプールの中に飛び込んだ。
「アイツ・・・{あちら側}って・・・?」
ジーンが{あちら側}の説明をしようとした瞬間だった。
プールの光が失われ、何も無い底だけが、見えるようになった。
「う・・・そ・・・。アルは何処へ・・・」
「・・・恐らく、PSU内へ」

この者は、英雄として相応しいか、試されているのかも知れない。

{第2部終了}
27857:2006/12/06(水) 03:12:41.20 ID:UQhyW7Rh
第2部終了です。
文才無いのに、ここまで書いてしまった自分が恐ろしい・・・。
第3部は・・・すぐに投下出来るかわかりませんが、一応書くつもりです。
お目汚し、失礼致しました。
他の作者様方(今はGH450さんだけ?)も頑張って下さいまし。
279名無しオンライン:2006/12/06(水) 03:49:29.93 ID:6uVt9TqJ
とりあえず3スレ以上のお話のしおりを試作してみた(専ブラ専用)

前スレデータ >77

前スレ720(S社・No.51システム) >9 >11 >14-16 >20-23 >41-43 >45-47 >57-61

 >73 >91-92 >128-131 >164-166 >170 >190-191 >211-214 >227-229 >247-249

 >256-259 ( 外伝? >269-270 ) >272-273

前スレ123(親父はロリキャス子) >17-18

前スレ351(エピローグ) >35-37 (エピソード3) >82-85 >102-103 >123-127 >199-203

前スレ638(カップル VS. 通り魔) >48-50

ついてないニュマ子 >79-81 >93-95 ( デジャヴ? >134-135 ) >142-146

フォトンは時空を越えて >98-101 >108-110 >112-114 >149-150 >153-155 >167-169 >171-174

萌える微エロ >115-117 >156-158

前547 >160-162

楽しい国会 >183-186 >205-208 >215-219 ( >225 ) ( >237 ) >240-244 >261-265

みんなの作品、楽しみにROMってるよ!
280名無しオンライン:2006/12/06(水) 03:55:27.39 ID:6uVt9TqJ
>>278
うはっ!最新話編集漏れスマソorz

アル達カッコイイし、3人娘はオモシロ萌えるし、
第3部を楽しみに待ってるよ〜。

(たしかに今は57さんとGH450さんしかいなくて残念〜)
281名無しオンライン:2006/12/06(水) 04:05:34.06 ID:UQhyW7Rh
>>279-280
おぉ、これはすごい。お疲れ様です。そして感想ありがとう!
私も他の方の作品を、楽しみ待っています。
282名無しオンライン:2006/12/07(木) 22:10:16.98 ID:F1uyDIVK
保守
283名無しオンライン:2006/12/08(金) 11:59:18.36 ID:ErsWyOKz
ROM専ですが面白く読ませていただいています。
時間があればまとめサイト作ってみたいですねー。

問題は仕事忙しくてまとまった時間が取れないOTZ
284名無しオンライン:2006/12/08(金) 21:32:58.22 ID:9aFiI3CF
1話完結物も面白いのが揃ってるね。

>7 イケてるキャス男
>8 緑目のキャス子
>34 せんブラキャスト
>39 宇宙の泉?
>40 2ndのちびっ子…
>44 アルバイト
>52 たそがれさん
>56 設定フリーク
>66 音速
>68 ピロロ…
>69 やっと
>78 声が
>177 合成
>187 キャンディー
>232 平安平和
285GH450:2006/12/08(金) 22:34:04.67 ID:6+SlawVf
あっ……>>44って、ご主人さまが気まぐれに書いたやつ……。
は、早く埋まらないかしら……
286名無しオンライン:2006/12/08(金) 23:59:04.98 ID:9aFiI3CF
おっとと、>44は1さんだったのか!

エロ楽しいSS、GJ!
287名無しオンライン:2006/12/09(土) 19:27:27.96 ID:WK/iXE/n
 気付いたらガーディアンズ・コロニーの宿舎で寝ていた。
どうやら180cmのビス男になっちまったらしい。
「Wow! PSUの世界にトリップかYo!」
 青球に留守番させて様子見に出ると、ロリっ子からイケイケまで
美女がよりどりみどり。
「OH! 美人がイパーイ!! よし、野良PTでナンパしに行くか!」

 パルムのフライヤーベースのカウンターでプレイ中のPTをリサーチすると、
カギ無しのソロの女子を見つけた。問答無用で即乱入!
ショートカットで現場につくと、可憐な紺髪ニュマ子がテクニックでドラゴンと戦っている。
「ちわ〜! ビス男FFやけど俺と游ばへん?」
「え〜っ、いきなりじゃリカ姫困っちゃう♥」
どうやらガチの沼子のようだ。だが!
「好きじゃーっ!」
ガバっ! 正面から覆い被さる。
「ちょっ、待ってってば★ あたしは中身は♂なんだよ♪」
「体が♀ならどうでもいいんだよっ」 щ(゚ロ゚щ)カモーン
「ええい、この…わからずや!」

ちゅどーん

フォイエが俺の顔に直撃!!
「ぐはっ…ふく・・・じょ…し…ガクッ」
「イーヤァアーーっ☆」

二人とも逝ってしまった

- end -
288名無しオンライン:2006/12/09(土) 19:30:08.86 ID:WK/iXE/n
思いつきで適当に投下してしまった。
ちょっとエロっぽくてスマソ。
289名無しオンライン:2006/12/09(土) 20:32:57.57 ID:biahkCw1
>56は俺のお気に入り。
ツヅキがほしいくらいにお気に入り。
290名無しオンライン:2006/12/11(月) 19:58:13.31 ID:hpybBiZs
ほしゅ
291GH450:2006/12/12(火) 21:51:46.23 ID:UGT2d9Fa
「MercuryLamp様、何時の間にお引っ越しなさったんですか?」
 目の前でこれ以上安堵を垂れ流すまいとクールに努めているメイメイの話によると、
店番をしている最中、何の前触れもなく暗黒空間に放り出されたらしい。数時間そこで
私を探して彷徨ってると、どことも分からない世界に身体が吐き出され、今度こそレーダー
に私が引っかかったので戸惑いながらも駆けつけた、と。
 暗黒空間というのはいわゆる電子の海というヤツだろうが、データだけの存在である
はずの彼女がどうして消されずに済んだのか、また、どうやってここに顕現できたのか、
疑問点はいくらでも出てきそうだが、あいにく情報工学方面の知識はほぼ皆無に等しく、
仮説すら立てることもままならないので――とは言うが、そもそもこれは異常事態だ――
そこらへんは学者先生だの研究員だのプログラマだの専門家に任せるとして、私はただ
ただ「愛情込めて育てたパシリが今、一緒にいる」という現状を須く受け入れていた。特に
害もなさそうだし、それが一番の対処法だと私は思う。
 私はメイメイに、この彼女にとっては見慣れぬ世界をグラール太陽系の外れにある星
とし、そこに調査をしに来ていたが、電磁波の影響でメイメイがフリーズ、メイメイを落として
フライヤも墜落してしまった、とそんな都合をつけた。なんだか口達者の性として現実を
ありのままに話して自分が興ざめしてしまないようにものすごい無理矢理な説明を持ち出
してしまった。
292GH450:2006/12/12(火) 21:51:56.38 ID:UGT2d9Fa
「電磁波、ですか……。最近激しい戦闘が多かったですから、もしかしたら耐性が弱まって
いるかもしれません」
「えぇ、そうよ。フライヤはともかく、この星にはエンジニアがいないから我慢して頂戴」
「いえ、キットがありますからお手すきの時にメンテナンスをお願いします」
 そんな便利グッズがあったのか。
 ともあれ、メイメイを落ち着かせることに成功した私は、調査、と嘘をついてしまったがために
外に出るにもこの子は付いてきそうだ、なんて考慮していなかった事態をはたと頭に浮かべた。
これなら私がiPodが似合うランニング少女に変装したとしても、現代日本の雑踏、しかも
都心の駅前なんかではなく、地域密着型の商店街があるここでは、いささか以上に奇抜な
格好をしている彼女は目立ちすぎる。杖なんか出してたらもっと……。
 私がここまで考えこんでいるのは、いらぬ面倒を背負いたくないからだ。
「いや……待てよ…………」
 面倒とは、好奇心の的となり、尾行されたりナンパされたり果ては誘拐されたりそんな
警察沙汰となるようなこと。
 変異したからそうなる、という前提を考える。では、そうでなくなる前提とは? 悪意を持った
輩が不用意に私に近づかなくなるような、そんな異常な大前提を覆す、世に知らしめるような
前提とは?
293GH450:2006/12/12(火) 21:52:08.76 ID:UGT2d9Fa
「そう、それがあればいい。そして、私にはそれがある」
 善意の下に晒されるのならば全く問題はない。要は、それを利用した前提を作り出すということ。
「メイメイ、着いてらっしゃい」
「はい、MercuryLamp様」
 フォトンが一切使われていない物品に興味津々だった彼女は、態度を切り替えて傍に侍る。
 彼女用の服は? ――必要ない。
 私を覆う服は? ――必要ない。……やっぱりウィンドブレーカーぐらい欲しいけど。
 この行動に必要なのは、唯一つの覚悟。そして――
「私の考えが正しければ」
 黒いゴジゴッジブーツを履き、
 変わらずレイピアの柄を袖に忍ばせ、
 メイメイには武器を持たせず、
 イヤホンを耳にはめるも再生のボタンに指は触れぬ、
 大穴の開いたドアを開き、
 その穴をダム・バータの氷で塞ぐ、
 そして我が家を顧みることなく、
「あの人たちは、私のような者を迎え入れる」
 道中で現在の情勢をメイメイに話して聞かせ、
 十分ほどで着いた駅から向かうは、

                        「永田町!」
294GH450:2006/12/12(火) 21:55:12.67 ID:UGT2d9Fa
こんばんわ、また書かせていただきました。
今、どういう方向へ持っていくか非常に悩んでいますが、
結局この話は選択の自由度を高めるという意味に終始していると思います。
私自身も無茶な展開は避け得たいので、がんばって練っていきます。

って、ハゲ周回やってる450が言ってた。
ちょwwwwwwww俺のキャラの名前wwwwwwwww
295名無しオンライン:2006/12/12(火) 21:56:20.28 ID:MDUolzDc
不当な比較でTOTとPSUが比較され、PSUが糞ゲー四天王の暫定から外されそうです
TOTアンチ本当にウザイです
今は心広く譲り、代わりに叩けそうなFF7DCを暫定の座から引き摺り下ろしPSU糞ゲー首位の座を掴み取りましょう

貴方のご意見をお待ちしています

http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1165493705/l50
296名無しオンライン:2006/12/13(水) 20:07:29.24 ID:iuW+eup5
>>294
予断を許さない展開で続きが気になる〜

名前は水銀灯ですね(´∀`)
297名無しオンライン:2006/12/15(金) 14:27:35.12 ID:kqS5ydzJ
続き来てたことに今気付いた俺イーサン
しむらー、名前!名前!
298名無しオンライン:2006/12/15(金) 15:43:38.20 ID:cMjxhLco
朝起きたら驚いた・・。
洗面所にある鏡を見て、立ち尽くしてしまった。
なんと、PSUの自キャラのニュマ子になっていたのだ。

若干たれ目の黒い瞳。横に長くのびた耳。腰くらいまである長い黒髪。
横に長くのびた耳をひっぱってみる。

痛い・・・。

ゆ、夢じゃないのか・・。
昨日は何もなかったのに。
なんだよ・・これ・・・。

「優〜、いつまで寝てるの!?早くしないと遅刻するわよ〜」

母親の声だ。

「はーい・・・!?」
いつものように、返事をしたつもりだった。
が、しかし聞こえる声は女性の声。声まで自キャラのニュマ子になっていた。

・・・とりあえず、今何時だ?
―8時45分―
学校まで自転車で、最速20分。9時にHRが始まるから・・・。
やばい、遅刻するっ!!
とりあえず、制服に着替えて、長い髪は適当に縛って・・・。
本当は休みたいのだが、単位が危ない授業があるのだ。しかも、1時間目に。
見た目なんて、その時は気にしてる暇もなかった。
そしてそのまま家を出た。
299名無しオンライン:2006/12/15(金) 15:45:21.96 ID:cMjxhLco
駄文失礼しました。
300名無しオンライン:2006/12/15(金) 21:25:18.51 ID:hJK1mJ+z
(´・ω・)ノシ【F5】ペシペシ

アレ?きかないぞ?

301名無しオンライン:2006/12/15(金) 21:26:19.80 ID:cv+ytxZm
F5   F5   F5   
  F5   F5   F5
┐  ∧,∧  F5
| (   )    F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5
302名無しオンライン:2006/12/16(土) 00:55:24.15 ID:p57odA+O
学園物、待ってました!(^▽^)
303名無しオンライン:2006/12/16(土) 01:10:20.89 ID:xecBZhGv
(´・ω・)ノシ【F5】ペシペシ
304名無しオンライン:2006/12/16(土) 01:18:42.69 ID:9Dp2G/xf
F5   F5   F5   
  F5   F5   F5
┐  ∧,∧  F5
| (   )    F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5
305GH450:2006/12/16(土) 01:56:24.58 ID:xfb7gHWB
みなさん、そんなにF5押したらだめですよ。











F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5……ハッ!?指が勝手に!
306298:2006/12/18(月) 01:40:37.57 ID:4Jo4RLE7
息を切らして廊下を走る。

【廊下は走るな!】

と、貼り紙があるが、今はそれどころではない。
教室から騒ついた声がする。入り口からそっと教室を覗いてみる。
よし、まだ担任は来てないみたいだな。
担任は来ていないようだったが、何かいつもと違う。と、いうより明らかにおかしな二人組が居た。

高校生とは思えない二人組。
しかし、俺はその二人組を知っている。

「もしかして、伊藤?山崎!?」
伊藤と山崎は、一緒にPSUをやり始めた俺の友達だ。しかし、この二人まで変異してたとは・・・。

呼ばれた二人がこっちを向く。

「おっ、佐々木じゃねぇか。やっぱお前もなってたかぁ。しかしその格好・・・。」
にやにやと笑いながら、伊藤は鏡を出す。
ぶかぶかのブレザー。だぼだぼのズボン。ぼさぼさの髪。さっき走ったので顔も赤い。

鏡に映る自分の姿。

確かに、これでは言われても仕方がない。だが、
「そう言う伊藤!お前だってなんだよ、いつのまに頭アフロにしたんだ?」

伊藤は、ヒュマ男。制服を着てる為、何処にでも居そうな高校生に見える。頭以外は。
金髪のアフロ。何処に行っても目立つの間違いなしの頭だ。

「佐々木が落ちた後、エステ行ってきたらしい。ある意味、一番まともだよな。俺なんて・・・。はぁ。」
山崎がため息混じりで言う。
いや、まともじゃないと思うが・・・。と、思いつつも
「山崎はキャストだしなぁ。」
と、言いつつ山崎の格好をみた。

山崎の格好は、ロウバスシリーズを着けていた。さすがに制服は着れなかったようだ。

「よくその格好のまま、学校来たなぁ。俺も人のこと言えないけどさぁ。」
山崎をまじまじと見ながら言う。

「無かったんだよ、着れそうな服が!今思えば、パーツ外してなんか着てくればよかった。」

どうやら、パーツを外せるのを忘れてたようだった。

「しかし、担任来るの遅くねぇか?」

確かに、来るのが遅い。
もうすぐ1時間目の授業が始まる時間だ。

「もしかして、先生も変異してたりして。」
「まさか、さすがにそれはないんじゃん?担任がゲームしてる話なんて、聞いたことが無いし。」

二人は、笑いながら喋っている。

そんな二人の会話を遮るように、廊下から声が聞こえてきた。

つづく
307298:2006/12/18(月) 01:47:36.36 ID:4Jo4RLE7
なんか【F5】ボタンがいっぱいある(汗)
携帯からなので、改行とかがおかしいところあるかもしれませんが【許してください。】
308名無しオンライン:2006/12/18(月) 02:03:57.73 ID:2PMrOg6A
朝起きて顔を洗いに行ったら気づいた。鏡を見て驚いた。
驚きのあまり硬直した。動けなかった。ニュマ男だったのだ。
そのまま20分は過ぎたか。一体何が起きたのかわからなかった。
が、気にし続けるほど時間もなかったのでとりあえず急いで着替え学校に向かう

・・・・・途中でどうしても我慢できなくて公園のトイレに寄った。
そこにはとても強そうな男が座って・・・・・レオだ・・・・・!?
そして突然つなぎのホックを下ろし
309名無しオンライン:2006/12/18(月) 22:39:12.13 ID:o5IfHkj2
アッーーー!
310名無しオンライン:2006/12/19(火) 03:50:38.53 ID:5wsfKZG5
>>307
今まで学校物が無かったのが不思議〜。wktk.
【君にこれをあげましょう】 F5

>>308
((;゚Д゚)ガクブル
311名無しオンライン:2006/12/19(火) 16:04:06.57 ID:lFrZhfBX
ああ、眠い。最近は寝ても疲れがとれないし。困ったもんだ・・・
私はいつものように布団から出ようとして、違和感を覚えた。
背中についた棒状の何かが布団に引っかかっている。
私は寝ぼけつつもその背中の何かを触ってみた。
数は4つ。首の下の突起から生えているらしい・・・突起?
布団から起きあがって私はハッとした。なんだこの体は。
私の体がPSUでのマイキャラ。キャストに変わっているではないか。
少し考える。そういえば、昨日ニュースで見たな。
PSUのキャラクターが現実世界に突然現れたり、PSUのキャラクターに突然変化したり。
私のようなプレイヤーだけでなく、NPCや、エネミーまでもが。
原因は不明。現在どれほどの人間がそうなっているかも不明。
SEGAは原因の調査中だとか何とか。
・・・まぁいい。いつものように仕事の準備をせねば。

朝飯を用意しようとしてはたと気づいた。腹が減っていない。
そうか、キャストだものな。食事は必要だろうがそう大量に食わなくても
良いのだろう。少々太っていた私にとって今の体は
とても細く感じた。これでも最大身長、最大体型である。
もちろん持っていた服は全て合わない。
「このまま行くしかないか。」
平凡を愛する私にとって、それはとても面倒な事だった。
ヴィロギストルソはあまりにも派手だが、倉庫番である
GH-430のQがいない。あれがいればまだ控えめなボクトス
に変えることができるのだが・・・
そんなことを考えながら時計を見ると7時を回っていた。まずい、遅れる。
312名無しオンライン:2006/12/19(火) 16:06:20.07 ID:lFrZhfBX
仕事カバンを手に取り、急いで出かけようと玄関のドアを開けた。その時
「パープルさまぁぁぁ!」
庭にいたQは私を見つけるやいなや駆け寄ってきた。お前もこちら側に来たのか。
そういえば、報道にはマシナリーらしき影も写っていたな。何にせよ、ありがたい。
「おおQ。ちょうど良かった。ボクトス・トルソをおくれ。」
ボクトストルソを取り出しながらQは言う。
「パープル様。ここは一体どこですか?」
「・・・ふむ。まぁ、本来私が住んでいる世界とでも言っておこうか。」
Qは分かったような分からないような顔をしている。
ボクトスに着替えた私は携帯で時間を見る。7時30分・・・遅刻確定だ。
ナノトランサーの使い方で手間取ってしまった。
しかし、いつもの装備の取り出し方も分かったからいいとしよう。
「どこかいくんですかー?」
のんびりとした声でQが聞いてくる
「・・・いや、今日は休むよ。」
今日は特に重要な会議があるわけでもない。有給もまだ一度も
つかっていないから、連絡すれば大丈夫だろう。
それに、考えてみたらこんな体になったのだ。行ったところで警備員に
返されるのがオチだろう。
「じゃ、パープル様。」
「呼び方、変えてくれないかな?Q」
Qが話しているのを遮り、私が話す。
「旦那様、と呼んで欲しいんだが。」
ちょっとした夢だ。名前に様をつけるよりもこうした方が
何かグッと来る物がある。
「分かりました旦那さまー。これからどうなさりますか?」
「ああ・・・そうだな・・・ん?」

庭の奥で、何かが動いた。少なくても、よくここに
顔を出す猫たちはあんな動きはしない。
「・・・はて?」
ゆっくりとその場所にQと一緒に近づく。
「旦那様、ライフル構えといた方が良いと思いますけど・・?」
Qは既にバーストを構えている。
「ははは。まさかこんな所にエネミーが出るわけ無いだろう。」
刹那、その何かは怪音と共にバータを放った。
「なにぃぃぃっ!?」
「いわんこっちゃないです、旦那様!」
Qは私を突き飛ばして何かに向けてバーストを放った。
当たったのはアギータ。ランクは多分Cの奴だろう。
一撃で倒れたから。
「ハハハハハ・・・すまん。助かった。」
「旦那様・・何かいつもと違いますよー?」
「そう言うお前もな。いつもより頼ることが出来そうだ。」
外に出たら油断は出来ない、ということか。
私は愛用のハルゴウホウ(6)をナノトランサーから取り出した。
313311:2006/12/19(火) 16:09:16.29 ID:lFrZhfBX
今までROMっていたのですが自分も書きたくなったので書いてみました。
一応続き物です。これからよろしくお願いします。
31457:2006/12/19(火) 16:54:36.09 ID:8nqeFUGW
F5   F5   F5   
  F5   F5   F5
┐  ∧,∧  F5
| (   )    F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5
315GH450:2006/12/19(火) 23:02:40.36 ID:UKBYU7ch
 東京メトロ国会議事堂前駅のホームから上がると、澄んだ冬空が
まず私を出迎えてくれた。眩しい。視力もかなり増幅されているので、
慣れない光彩に目が焼かれる。家のほうでは薄曇だったし、来るまで
の電車の中ではこの先の展開を何パターンも予想していたので外の
情景を眺める暇は存在しなかった。だから、眩しい。しかしこの眩しさ
は必ず受け入れなければならないだろう。これから私は、今まで見た
ことのない領域に身を置くつもりなのだから。
「これが国会議事堂よ」
「この星の政府はあんなに耐久度の低い施設を議会の場としている
のですね。テロリストに狙われたら一環の終わりじゃないですか」
「歴史を象徴しているのよ」
 警備サービスの観点からの意見に、我が国お得意の意見で返して
やった。
 そう、国会議事堂――。
 今や全国民の注目の的と化した政治の中心であり、シンメトリーに
誂えられた日本の象徴であり、困った時のマスコミの駆け込み寺で
あり、
316GH450:2006/12/19(火) 23:02:50.89 ID:UKBYU7ch
「変異現象の象徴……」
 報道陣たちによって国民の視線を集める政治拠点は、フラッシュの
海に湛えられている。二時間弱、ここまで来るのにかかったので、
もしかしたら委員会は終わっているかもしれなかったが、そこだけが
真夏のように、テレビから一メートル以上離れないと具合が悪くなる
ような明るさなので、それは杞憂に終わってくれているらしい。
 さて、もはや門前には誰もいない。多すぎるマスコミのせいでほぼ
全員が堂内の警備にまわされているのだろう。流石に前代未聞な
事態だけあって、入り口をがら空きにしておく、などというあるまじき
ヘマを犯してさえいる。
 それは、だが私にとってはありがたい。思考に割くエネルギーを無駄
にはしたくはなかったからだ。
 私はメイメイと共に遠慮なく敷地内へ踏み入る。
 が、
「いくらなんでも扉は開けさせてくれないわよね」
 当然だ。警備員は議員バッチの有無をいつでも確認している、それは
選挙後の初登院でよく報道されているではないか。ああ、さっきの感謝
のほうが無駄になった。
317GH450:2006/12/19(火) 23:03:02.23 ID:UKBYU7ch
「MercuryLamp様、中に用事があるのですよね?」
「そう。だけどメイメイ、そのメイロドウは伏せなさい」
 彼女はおとなしく構えを解いた。
「大丈夫、私たちの言葉は通じるから。それに、敵意は少ないみたい」
「そうですか。私でなくとも問題ありませんか?」
「だから大丈夫よ。学生時代のあだ名なんて、二つ名同然の、今じゃ
問題になるくらいのものなんだから」
 とはいっても、レイピアへ意識を配るのは怠らない。
 メイメイに口を挟まぬよう言いつけると、中の警備に回りたくてそわそわ
している警備員に駆け寄る。
 ……ん、待てよ。
 その途中、膨大な思考時間が発生した。そういえば今、私はどんな姿だ?
PSUのキャラだ。いや違う、そういうことじゃない。そう、詳細を挙げようか。
ヒューマンだ。つまり人間だ。女だ。女、そうだ女だ。さらにいえば、現実では
ありえないくらい顔が綺麗である。もとよりリアルに近づけてデザインしたの
だろう、違和は限りなくない。メイメイをつれていなければ変異したと見抜け
られる人はおそらくほぼいない。そして何より、――巨乳だ。普通の男なら
もちろんこれに目が行かないわけがない。よし、これでいこう。無茶苦茶
古典的手法だが、何度も言うように思考エネルギーを無駄遣いしたくない。
ああそうか、だったらさっさと行動に移そう。
318GH450:2006/12/19(火) 23:03:12.53 ID:UKBYU7ch
 たったった、とウィントブレイカーのファスナーを開けながら大柄な警備員
の前で立ち止まると、
「こんにちわぁ。私、ここを通りたいんだけど、いいかしらぁ」
「…………」
 無言。
 ――この時、私が不穏な空気を感じ取っていればよかったのに。
「ねえ……お願いだから……」
 アッパーの前も開ける。密かに確認していた黒レースのブラが垣間見える。
「通して、くれないかしら、ぁ……?」
 はみ出さんばかりの巨乳に釘付けになっているのは、目の前の警備員では
なかった。奥にもう一人いたのだ。少し小柄で細身の、メガネをかけたいかにも
秀才肌といった、職種が合っていない警備員が。
 ついでに言うならば、
「はぁはぁはぁはぁはぁ」
 ものすごく息が荒かった。
「げっ……、って、ああぁっ! 忘れてた! 私今ロリじゃん!」
「はぁはぁはぁはぁはぁロリ巨乳ヒュマーッ!」
 青い恐怖がダイビングしてくる。大柄のほうは、気のせいだろうか、よく見てみると
「ウホッ」な顔つきをして……、ジッパーを下げて……、胸毛と一物がぁぁぁっ! 
だから興味なかったんかーーーーーーーーっ!
 結局、最初から事を荒立てる事になった次第であり、強行突破を余儀なくされた
私であった。
319GH450:2006/12/19(火) 23:06:12.40 ID:UKBYU7ch
どうも、思わずF5が止まらなかった私です。
298氏、これからもお願いする所存です。
さて、今回は少々思考疲労が蓄積していたため、
繋ぎの話になってしまいました。
次回から、バトルになるかと思います。
戦闘シーン、ちゃんと書けるでしょうか……

って、今自分のメンテナンスしてる450が言ってた。
……おい! そこはメンテナンスする場所じゃないだろうが!
320298:2006/12/20(水) 13:43:09.40 ID:TjJyv/ZU
311氏、GH450氏、今後の展開が楽しみです!
俺も続き書かねば・・・。
321名無しオンライン:2006/12/20(水) 20:47:46.88 ID:8CSmMM/a
初SSで拙い上に鬱話になりそうなのですがうpしてもよろしいでしょうか?
322名無しオンライン:2006/12/20(水) 20:49:58.27 ID:zwJv0nTo
どうぞどうぞ
どなたでも、はいれます
323321:2006/12/20(水) 20:52:20.36 ID:8CSmMM/a
ありがとうございます。では・・・


「私は今、ここに居る・・・」

某県某市、日本海が見渡せる崖の上、一人の女性が立っていた。
女性は観光と言うには身軽すぎる格好で、1枚の看板を見ていた。

「考え直せって、何を考え直せばいいのかな・・・
考えて、ずっと考えて自分が嫌になっちゃったのに考え直したって
もっと嫌な自分が見つかるだけだよね・・・」

その虚ろな目からは疲れだけが見て取れ、その顔からは奇妙な笑顔のみが伺えた。

「もういいよね、いっぱい頑張ったもん。頑張っても頑張っても
私なんかじゃ駄目だったから、もうおしまいでいいよね・・・」

女性は看板の横より柵を超え、崖の上に立ちそっと目を瞑った。

「疲れちゃったな、おやすみなさい・・・」

何も無い空間に女性が一歩を踏み出し、崖に有った人影ははじめから何も無かったように消えた。





324321:2006/12/20(水) 20:53:35.54 ID:8CSmMM/a
「・・・き・・・・・・・さい。サ・・・カ様、おき・・・・ださい。」
(・・・・・・?ここ、どこだろ・・・?)

(ベット・・・病院かな・・・)

「サトカ様、起きてください。お腹空きました〜」
(あはは・・・死ぬのすら失敗しちゃうなんて、私らしいな・・・)

「起きてくださらないのでしたらサトカ様が大事にしてるパンプキン・ヘッド、
食べてしまいますよ!」
(子供の声が聞こえる・・・大部屋なのかな・・・?
嫌だな・・・私なんて見て欲しくない、何も見たくない・・・)

「もう、今日はどうなさったのですか?いつもだったらすぐに起きてくださるのに。
お昼になっちゃいますよ。起きてくださ〜い(ユサユサ)」

「え?!」
子供の声が私の体を揺すった刹那、私は飛び起き声の方を凝視した。
「あ、やっとおきてくださった〜。もう、心配したんですからね!
何日もお留守にしたかと思ったら、今日は起きてくださらないし・・・」

飛び起きた私の目の前には、子供と言うのは小さすぎる緑の髪の
何かが立っていた。
混乱した頭で、状況を確認しようと辺りを見回すと。そこに映ってきたのは
病院とは違うオレンジ色をした壁の部屋、星と暗闇のみを写す窓、そして目の前の子供。
私はこの部屋を知っていた、正確にはこの部屋に似た風景を見ていた事があった。

「どうかしましたか、サトカ様?」
サトカ、この世界で私の名前だった名前。
違う自分になりたくて始めたネットゲームだったけど、結局何をしても駄目な私は
いつまでも駄目なままだった・・・

お友達が欲しくて、誰かにそばに居て欲しかったけど駄目だった私・・・
寂しかった私は、その寂しさを埋めるようにこの子を作った。

「あなた、もしかして・・・トモカ?」

「もう、何をおっしゃってるのですか?当たり前じゃないですか」

何もかも有り得ない事だった、ゲームの世界の私が私になっていて
ゲームの世界に居る・・・

「そっか・・・これは夢・・・私、死んじゃう前に夢を見てるんだ・・・」
そう呟いた私にトモカが飛び込んで来た。




こんな感じなのですが、もし続きを読んでも良いって方がいらっしゃいましたら
明日にでも前文うpさせていただきます。
32557:2006/12/20(水) 20:58:05.60 ID:omiL3OXZ
>>321
是非、拝見させて下さい。

段々と賑わってきて、いい感じですね。
支援投下し続けて良かった(´д⊂)
最近は投下していなかったのですが、今度続きを投下させて頂くかも。
皆様これからも頑張って下さい。
っと、F5F5っと・・・。
326名無しオンライン:2006/12/20(水) 21:00:38.90 ID:omiL3OXZ
危うく被るところでした、すみません。
是非続きも!
327名無しオンライン:2006/12/20(水) 23:03:49.84 ID:VbBOqCzp
497 名前:既にその名前は使われています[sage] 投稿日:2006/12/20(水) 21:20:03.29 ID:FPIT4iSp
何だこのスレは
邪気眼力5万・・・13万!
上昇してるだと?!馬鹿な!
このスレの住人は邪気眼力を自由に操作できるというのか!!
328名無しオンライン:2006/12/21(木) 05:55:53.15 ID:y8k9JMNS
久しぶりにJaneを起動して本格的に覗かせて
貰いましたがどれもこれも面白いですヽ(´ー`)ノ

のんびりと続きを楽しみにしたいと思います。
329321:2006/12/22(金) 00:10:30.54 ID:rucws8cj
すみません、今日は書けませんでした。
出来上がり次第うpさせてください。
330名無しオンライン:2006/12/23(土) 13:27:41.54 ID:kqzgyJ+D
保守
33157@第三部:2006/12/25(月) 22:10:20.24 ID:UMxjsUKs

「・・・う〜ん」
青く眩い光。それが全て覆っていった。
暫くそのことしか、思い浮かべられなかった。

「・・・様!・・・ル様!」
何か、声が聞こえてくる。その声で、正気に戻ったようだ。
「ここは・・・どこだ?俺は・・・何をしている?」
辺りを見回す。初めて来た筈なのに、見慣れた風景。おかしな感覚だ。
近くを見ると、ネコミミを付けた小さな少女が・・・小さすぎるな。
こちらを心配するように、顔を覗き込んできていた。
「アル様?どうしちゃったんですか?」
様?何故、見知らぬ者に「様」なんて付けるんだ?
「えっと・・・・君は?」
「ひど〜いっ!アル様がわたしの事をお忘れになるなんて・・・」
聞き覚えのある声。よく見れば、見慣れた姿。そこで、やっと気付けた。
「シャト!シャトじゃないか!」
「はは〜い!そうですよ〜。アル様・・・何か変です」
シャトというのはPSOのネコっぽいマグ・・・ではなく、PSUで育て上げたGH420に付けた名前だった。

でも、どうしてここに俺のPMが・・・。
(逆に考えるんだ)
何処からか、謎の声が聞こえてきた。逆・・・?
そうして、俺は事の重大さにやっと気付いた。
初めて来たのに見慣れた風景。当然だ、ここはPSUでの俺のマイルームだ。
ここにシャトがいるのは、当然PSU内だからだろう。
PSU内・・・本当に来れたのか。

「アル様〜。いつも変ですけど、いつもより変ですよっ」
「なっ、失礼なっ!俺がいつ変になったというのだ!」
「あははっ、冗談ですよっ。お元気なようで、ほっとしました〜」
可愛いぞ。こいつは可愛い。今更ながらGH420にしてよかった。
「一つ尋ねるぞ。笑うなよ?ここはガーディアンズコロニー内だな?」
「ははは〜い。そうですよ〜。変な質問ですね」
「ちょっとした確認だ。気にするな」
・・・やはり、ゲーム内に入ったということだ。
少し、こちらに来る前の事を思い出してみる。

仲間達。レンヴォルト・マガシ。イーサン・ウェーバー。
髭の男・・・。そうだ、あいつを追ってプールのような物に飛び込み、気付いたらここにいた。
あいつは今何処に・・・。
「シャト。ここ最近で起こった、変わったニュース等はあるか?」
「は〜い。そうですね〜・・・ちょっとお待ち下さい」
シャトがビジフォンの端末を使って、色々と調べだした。任せるとしよう。

ふと、近くにある大きな窓に目を向ける。
そこには、果てしなく続くように思える、広大な星々の海が広がっていた。
332名無しオンライン:2006/12/25(月) 22:13:18.31 ID:UMxjsUKs
また支援投下させて頂きます。
のんびり投下できたらいいな、と思っております。
他の作者様方頑張って下され。
333名無しオンライン:2006/12/25(月) 23:50:58.50 ID:xQXu5Rnd
>>332
うおお!wktkが止まらないGJ!
いつも思うが読んでから10秒経たずにその世界に
のめり込んでしまう文才に憧れるよ。
33457@第三部:2006/12/27(水) 01:36:47.73 ID:rB2dnYM7

「見吉さん、このデータを見てください」
急かされるようにして、見吉はPSUのサーバーデータを覗いた。
「ほぅ・・・これは、まさか」
「えぇ、そのまさかです」
最初は、不可能だと思っていた。
こちら側の人間がPSUキャラと入れ替わり、SEEDや敵キャラを呼び出す事が出来ても。
こちらからPSU内へ侵入する方法は、いくら考えても思いつけなかった。
しかし、このデータは・・・外部からの干渉で、面白い事になっているようだ。
「節政君。これを早急に解析してくれ。早急にだ」
「えぇ、わかっています。これが解析できれば、我々があちら側に行く事も可能に」
この場所から引き出せるデータは、限度があった。しかし、内部から弄れば・・・。

見吉は端末を使って、映像に酒井を呼び出した。
「酒井君。兵の準備を進めてくれ。あちら側へ行けるかもしれない」
「ついに・・・わかりました、すぐに準備に掛かります」
もしあちらから、多くの敵キャラクターを引き出す事に成功したら・・・。
こちらのガーディアンズ等、雑作も無いであろう。
見吉の野望・・・世界征服という、一種の笑い話が、現実に近付いていく気がした。

しかし、一筋縄ではいかないかも知れない。
本来なら、ゲームサーバーの管理、運営をしている見吉達に、色々と操作出来る筈だった。
だが、ゲーム内部から、何者かのプロテクトが掛けられていた。
その者が、恐らく邪魔をしてくるであろう。
そして、ゲーム内にもガーディアンズは存在する。同盟軍もだ。
見吉達が自分で作ったヒーロー達を、SEEDという敵キャラを使って倒すのか。
(この際だ、悪役になるのも悪くないか)

見吉は、もう一度サーバーデータを覗き、にやりと笑った。
335名無しオンライン:2006/12/27(水) 01:43:36.87 ID:rB2dnYM7
>>333
レスthx。前スレの方々には、まだまだ及びません。

一発系でも長編でも、書きたい方はどんどん投下すればいい、と思う今日この頃。
33657@第三部:2006/12/27(水) 18:12:36.21 ID:aujnN2lI

「他に、意見のある者は?」
現実でのガーディアンズ本部。ここは広い会議室。
ガーディアンズ主要メンバーを含め、件に関わった人達が集まっていた。
まとめ役のガルドが、イーサンの方を向く。
「状況の説明を、お願いできるか?」
イーサン・ウェーバー。本来、PSU内での主人公である彼。
「現在、マガシがあちら側に行く為の準備をしている。もう少し待ってくれ」
レンヴォルト・マガシ。本来、PSU内での敵。オフ最後の敵といってい良い存在。
その二人が現実世界に現れ、協力している。

「あちら側・・・即ちPSU内へは、我々もいけるのか?」
イーサンが少し、考えるようにして腕を組んだ。
「ああ、可能だ。だが、PSU内では何が起きるか、わからないぞ?」
「それは承知している。しかし、我々の仲間と、変わりながらも普通に暮らしていた人々が、
 あちら側に居るのだ。看過する事はできない」
そう、あちら側にアルやみいを含め、何人もの人が・・・。

イーサンが、こちら側に来た理由を簡潔に述べていった。
エンドラム機関の残党を追っていた事。残党が何者かによって集められ、
現実世界に送り込まれた事。その者達が、こちら側の人達をPSU内に転送した事。
{ある御方}の力によって、こちら側に来れた事。その者が、見吉達のデータ改変を防いでいる事。
何故、こちら側の人達を攫ったのか、理由はまだ分かっていないようだ。
PSU内のガーディアンズ、同盟軍はSEEDや見吉と戦う意思がある事。

「カーツ2。どう思う?」
ガルドが唐突に、話を振ってきた。
「え、俺ッスか?・・・そうですな。やはり、
 イーサンやPSU内のガーディアンズと一緒に事に当たるべきかと」
ガルドが考え込むようにして唸った。
「君達が協力してくれるのならば、こちらも出来る限り、手を尽くそう」
「・・・そうだな、イーサン殿。まずはこちらの精鋭を先に送り込み、状況を窺うとしよう」
「わかった、まずはあちらのガーディアンズと合流してから、話を進めるとしよう」
「先発する隊の指揮は・・・そうだな、カーツ2、貴様に任せる」
一瞬、何を言っているんだこのオッサン、と思ってしまった。
明らかに予想ガイだ。想定の範囲外だ。
「え、ちょ、まっ」
「貴様は確かに軽い奴だが、仲間の事となると熱いからな。
 実戦経験も豊富だし、隊の指揮の経験もある」
「ま、まって下さいよ。俺よりも適任な人達が、ここには揃っているじゃないですか!」
「この件で本部も色々と混乱しているのだ。処理しなければいけない事も多い。
 先発隊の隊員、志願者は、このあとですぐに募るとするか」
「募るとするか、じゃないでしょうに!俺には役不足です!」
「ほう、言うではないか。まぁ、言葉の使い方を間違えているだけだろうが」
俺はどうやら錯乱しているようだ。
だが、気持ちはアルやみいを、仲間達を、PSUに関わった人達を助けたい。
そういう気持ちが強い事も確かだった。
「カーツ2君。頼むぞ」
イーサンに言われてしまっては、断れないよな・・・。

それぞれ場所、それぞれの思いの中、時は確実に、進んでいる。

{続く・・・}
337名無しオンライン:2006/12/28(木) 02:11:59.18 ID:XUY93NgD
>>336
GJ!!
338名無しオンライン:2006/12/30(土) 14:17:10.44 ID:vNonz2WQ
ほしゅ
339GH450:2006/12/31(日) 00:57:24.23 ID:QhYfGm64
こんばんわ、私です。
年末ということもあって書きたかったのですが、時間がなく、
しかも明日から出かけるので無理となりました。
本当に心苦しい限りです。
では、少々気が早いですが、あけましたらおめでとうございます。

って旅行カバン用意してる450が言ってた。
それじゃあ、一緒に行ってくるから。ノシ
もしかしたら旅先で450が自力で書きこむかもしれんけど。
340名無しオンライン:2007/01/04(木) 19:34:23.80 ID:cuyq5hbV
保守
34157@第三部:2007/01/06(土) 05:54:25.32 ID:TJXJI6+3

「え〜っと・・・こっちか?いや、あっちか?」
ここはガーディアンズコロニー内部。

シャト──俺のパシリに情報を集めさせている間、ガーディアンズコロニーを
見て周り、色々と情報を得ようと思ったのが迂闊だった。
予想より遥かに広い。それもそうだ、設定上100万人もの人が暮らしているのだ。
俺の入った世界は、ゲームPSUと少し印象が違った。
近付けば消える半透明人間はいなく、様々な人が行きかっていた。
無論、泥人形も存在しない。

「はぁ・・・どうする」
やはり、迷ってしまった。
シャトに道案内を頼むか、地図的なものを渡してもらうべきだった。
周りの人に聞こうにも、どうも物怖じしてしまう。
誰かのPCだったらどうしよう、などと考えてしまうのだ。
物怖じする事では無いが、何故か恥ずかしい。

「早いとこ、情報集めが終わらないか・・・」
情報を集め終わったら、シャトが端末に連絡してくる予定だった。
ちなみに、こちらから連絡する方法を聞くのは、恥ずかしながら忘れてしまった。

ここは人通りの多い場所のようだ。
溜息をつきながら、近くの椅子に座り込む。
しばらく、行き交う人々を眺めていた。
いかにも一般人という者から、かなりいかついガーディアンズらしき者も通っていく。

「ねぇ、君」
声を掛けられた気がした。だが、この人の多さだ。
俺に向けられたものではないだろう。知り合いもいないだろうし。
「ねぇ、君、聞こえてる?無視?」
まさか、まさかとは思うが俺なのか、俺になのか。


{続く・・・}
34257:2007/01/06(土) 05:59:09.49 ID:TJXJI6+3
仕方の無い事かも知れませんが、書き込みが全く無いですねぇ。
>>339
GH450さんとその主や他の方々も頑張ってー。
343名無しオンライン:2007/01/06(土) 10:17:58.58 ID:my2kjidk
「……なんだ、ここ……」
手に持った鞄があやうく滑り落ちそうになる。
そりゃそうだろう、こんだけでかい門扉を見れば誰だって一度は驚くさ。
見慣れているであろう、他の奴らは何の抵抗も無くでかい門をくぐり、中へと入っていく。
時折俺の方を見ては「すぐに慣れるさ」とでも言いたいような生暖かい微笑みを向けてくる。
こっちを見るな、こんちくしょう。
そして、そのバカが付くほどでかい門の上部にやたらと輝く文字が俺の頭痛を加速させた。

「ガーディアンズ日本支部パルム学園」

なんでこうなっちまったんだ…。

あれは、そう、一週間くらい前の事。
なんだかんだでトラブル続きであったPSUがやっとこさ安定し始め、
その背景では「朝起きたら自キャラになってしまう」トラブルが徐々に広がりを見せていた頃。
そんなトラブルとはあまり関係なく、のんびりと聖地周回なんぞをフレとやっていた。
「俺のう○こを食らえ〜!」
「でけぇよ!どんだけ便秘なんだよ!」
「ひどい!乙女にそんな事いうなんてデリカシーの無い人!」
「自分で言ったんじゃねぇか!」
等とくっだらない会話をかわしつつ、ぐるぐると周回を重ねていた。
ちなみに、フレのキャラクターは身長の低いニューマン♀。やっぱりアイツはロリだったか。
何度も同じ事の繰り返しで、二人とも少々…いやかなり飽きてきていて、
こんなくだらない事を言い合いでもしないと寝落ちしてしまいそうな状況だった。
「そういや、お前知ってる?自分が自キャラになっちゃう話」
さてリトライでもしようかとしていた時、フレがこう話を持ち出した。
「あー。そんなのあるらしいな。ま、関係なくない?初期のトラブルで起こった二次被害っしょ」
「や、そうでもないらしいんだわ。実はな、俺のフレが…最近なったらしい」
「マジで?!そいつどうなっちゃったのよ」
「いやさ、そいつキャストの…なんだっけ、顔のながーいヤツでさ。ほら、あのうにょーんって感じの。
 朝起きたら顔が重たくて天井向けないってびっくりしたらしい」
「あーあー。あれか。あれは重そうだ」
「んで、現在絶賛引きこもり中」
「そりゃなぁ。朝いきなりあの顔になってりゃびっくりするわ」
「『もうヒロ君に顔合わせられないよぅ』とか言ってるらしい。別にかまわないのになぁ」
「ちょ、待て。そいつ…リアル女で……お前の彼女?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「聞いてねえよ!それ一番重要なトピックじゃねえか!しかもお前ももっと心配とかしろよ!」
「ほら、俺って外見とか気にしないたちだから。まぁそんな事はおいといてだ。
 アイツが言うにはどうやらな、寝落ちしたときにそうなる可能性が高いらしいぞ」
「…へぇ」
もうどこに突っ込めばいいのかわからなくなってきた。
「そういう事だから、お前も気をつけろよ〜。俺は寝る」
「あーいよー。んじゃまた明日な」
フッとフレのキャラクターが消える。彼女が大変な目に遭っているのにマイペースなヤツだ。
それにしても、
「現実に自キャラになる…か」
そんな非現実的なものが起こるものなのか。
どっかの妄想小説や同人でもあるまいし、そんなものが現実に起こっていたら今頃大ニュースになっているはずだ。
そして、ニュースでPSUが云々なんてもの、見た事も聞いた事もない。
まぁ、俺がニュースや新聞を全く見ていないせいもあるかもしれないけど。
どっちにしろ、あんまり俺には縁のない話だし、そんな事があるからといって今更これをやめるのもなんだか癪だ。
時計を見ると、いつも寝る時間までには少々余裕がある。
「あと一周くらいしてから寝るか」
俺は、いつもの慣れた操作でいつものミッションを選択し、

寝落ちしてしまった。
344名無しオンライン:2007/01/06(土) 10:19:55.19 ID:my2kjidk
朝起きてからが大変だった。
いつもの様に階下からの母親の声に叩き起こされ、寝ぼけ眼でリビングに降りていった。そこまではいい。
俺の姿を見た両親は時が止まったかの様に硬直し(母親なんぞは持っていた俺の茶碗を盛大に割っていた)
妹は妹で、俺の顔やら体をぺたぺた触ってきゃっきゃと遊んでるし、
俺は、さてこれは一体どうなってしまったんだと冷静に考え、
とりあえずフレの彼女に習って引きこもっておいた方がいいかと、全く冷静でない結論を下し、部屋に戻った。
部屋に戻ってベッドに腰を下ろし、考える。
「……マジかよ…」
改めて自分の体を眺めてみる。
どっからどう見たって昨日までのどこを見ても日本の平均としか言えない俺の姿ではない。
かといって、見慣れない体でもなく、まさしくこれは
「……自キャラになっちまった……」
そう、まぎれも無くこれはPSUの自キャラだ。
やけに部屋が大きく見えるのは俺が小さくなっているから。
体が重いのは、ごてごてした金属だか非金属だかよくわからない黒いパーツがそこら中についているから。
そして、自分の発した声が何となく耳障りなのは、妙にアニメ声だから。
俺の自キャラはキャスト♀だった。
ちなみに言い訳をしておくと、俺にロリの気は一切ない。ないったらない。
まぁ、こんなときに自分の性癖に関してとやかく言うつもりも、考える余裕も無く、
一体全体これから俺はどうなってしまうんだろう。と人並み程度の心配事をしている時、自宅の前に車が止まった。

その車は俺が住んでいる平均的な住宅街には不釣り合いな高級車であった。
もちろん、俺の親戚にそんな車を所有しているヤツなどいない。
何事かと思っていると、車から黒服を着た二人の男が降りてきた。
ますますおかしい。平均的なうちに何のようだ?
親父は典型的なサラリーマンで、出世コースとは全く無縁の窓際がよく似合うハゲ親父であるし、
母親も昼下がりの情事が出来る年はもうとっくの昔に過ぎたであろう井戸端会議の似合う専業主婦だし、
妹は黒塗りの車と対極にいるような破天荒な女であるし、
という事は消去法で、あの男たちの狙いは俺としか言えないのだが、俺には全く心当たりがない。
と、今俺がどうなっているかをすっかり忘れ、首をひねっていた時、階下から母親の声がした。

階段を下り、リビングに向かうと、黒服の男達を挟んで両親が座っている。
俺に気が付いた母親がぎこちない笑みを浮かべながら、座る様に促す。
男達は、俺の姿を見て、少し驚いたようだが、すぐに冷静な顔に戻った。
なんだか見せ物になっているようで、ひどく気分が悪い。さっさと部屋に戻りたいもんだ。
「俺に何か用?」
ぶっきらぼうに云ったつもりだが、声色のせいで、あまり効果はない。ちくしょう、やっぱりこの声は嫌だ。
「あ、あのね。この方達は…」
おずおずと母親が俺に話しかける。
「失礼。ご挨拶が遅れました。私、こういう者です」
黒服の片方が小さな紙を俺に渡す。名刺というヤツだ。初めてもらったね、こんなの。
そこにはでかでかと
「……PSUキャラクター変換対策委員会??」
なんだそりゃ?
「えぇ、実は貴方の様な現象、キャラクター変換が日本、いや世界各地で発生しておりまして、
 しかもその現象は日々増加の一途をたどっております」
黒服は淡々と、俺に向けて話し始める。
「この現象は老若男女、貴方の様な学生から年配の議員まで、所かまわず発現しています。
 共通点はただ一つ」
「……PSU」
「そうです、そしてそれこそが現象の原因です。
 我々は現象が発生した方々への対処を目的として結成された、国際的な組織となります」
国際的組織ときたよ。えらくスケールのでかい話だ。
「それはそうでしょう。PSUは全世界で楽しまれているゲームです。つまり、現象も全世界で発生しているのですよ」
「しかし…今の今までこんな現象のこと全く聞いてなかったんだが。ニュースが放っておかないだろう、こんなネタ」
「それはそうです。報道管制を強いていますから」
「あ、あっそう。…で、その委員会が何の用なんだ?」
「あぁ、では本題に参りましょう。実はですね……」
345名無しオンライン:2007/01/06(土) 10:22:11.70 ID:my2kjidk
黒塗りの車が静かに去っていく。
俺の手元には少し重たい封筒が一つ。表にはこう書いてある。
「パルム学園入学案内書在中」
さっきの男達の話をまとめるとこうだ。
キャラクターチェンジが起こっている人たちが今までの生活を保つのは少々難しい。
そこで、とある地方都市丸ごと現象が発現した人たちを収容し、治療やら今後の対策をとる…らしい。
そこには俺の様な学生が大多数な訳で、学生は勉学を学ぶ為に学校に行くのが慣例であり、
その為に設立されたのが、さっきのパルム学園な訳だ。
どうもうさんくさい話だが、今の俺の姿で今までの生活が問題なく送れるかと聞かれれば、首を横に振るしかない。
どうやら俺の前にはうさんくさいながらも一本道しか残されてはいないようだ。
「……しっかし」
パルム学園って何だよ。ネーミングセンスの欠片もないじゃねえか。誰だ、こんなの考えたヤツは。

そこからの展開は早かった。
今まで通っていた学校に転出届けを出し(もちろん親が行った)、パルム学園への転入届が何の問題も無く受理され、
その次の日には俺の新しい住居が決まっていた。
いつかは一人暮らしをしてやろうとは思っていたが、
自分の意思とは関係なく決まってしまうのはあまり気持ちのいいものではない。
新しい住居には生活に必要な最低限の物は揃っているらしく、俺は小さな鞄一つを用意するだけで、出発の日を迎えた。
「生水には気をつけるのよ、あと夜道には気をつけなさい」
母親が心配そうに言う。俺はどこの箱入り娘だ、いや、格好は娘なのか。
「今度帰ったら一緒に風呂でも入るか、久しぶりに」
黙れ、ハゲ親父。そのセクハラ発現をどうにかしろ。
「兄ちゃん、あっちでしっかりヤりなよ」
意外とまともな事を言う妹。ぐっと出した握りこぶしの親指の位置が変なのは突っ込まないでおこう。
「それじゃ、行ってくる」
さて、これからどうなることやら。
かなりの不安と、少しの期待を胸に俺は慣れ親しんだ自宅を後にした。
数時間後、学園の姿を見て驚愕しか出てこないとは、想像すらしていない。
346名無しオンライン:2007/01/06(土) 10:27:07.78 ID:my2kjidk
久々にSSなぞを書いてみました。
PSU関係ないじゃん!とか文章へたくそ過ぎ!とか
いろいろ突っ込みどころ満載な出来となっていますが、
生暖かい目で見てもらえるとうれしいなぁと思います。
347名無しオンライン:2007/01/06(土) 14:17:37.69 ID:krhAQUPj
>>346
おもろい!続きwktk
348名無しオンライン:2007/01/06(土) 15:19:53.52 ID:TrkKdWJi
>>366
初代スレの雰囲気で結構好きだな
349名無しオンライン:2007/01/06(土) 15:30:01.08 ID:PZf2oGrz
久々にここ見たが、まだ書き手さんも居るんだねぇ
時間を忘れて読み耽ってしまった

>>346
続きが楽しみ!
wktkwktk
350名無しオンライン:2007/01/07(日) 15:02:28.54 ID:2HTjsN3h
>>346
wktkが止まらない!GJ!


おかしいな…F5が効かないぞ?
351名無しオンライン:2007/01/07(日) 15:09:47.51 ID:GK1o5UXX
F5   F5   F5   
  F5   F5   F5
┐  ∧,∧  F5
| (   )    F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5
352343:2007/01/07(日) 19:54:48.52 ID:WkZFc1j4
いつまで門の前で惚けていたのだろうか。時間にすれば10分も経ってはいないと思うが、
俺には数時間は有にすぎている感覚だった。
初めて都会に出てきた、ドが付くほどの田舎者の心境はきっと俺の心境と相似しているに違いない。
気が付くと、目の前に1週間前に我が家に来た黒服の男が立っている。
「ようこそ、パルム学園へ。さ、学園長室へご案内します」
対策委員会とは案内係も兼任しているのか?という素朴な疑問も感じる事も無く、
黒服に付いていった俺は、またもやバカでかい門の前に立っていた。
流石に二度も惚けるほど俺は大きな物を見慣れていない訳ではなく、呆れを通り越して今度は頭痛がやってきた。
何だ、ここは。大きい物を作る事に命でも懸けているのか?
大きい事はいい事だとか、大は小を兼ねるとかを忠実に実行しなければいけないところなのか?
数々の疑問が頭の中に浮かんでは消えていき、傍目から見たらまた惚けている様にしか見えない様で、
隣に立っている黒服の妙に生暖かい目が俺に送られている事に気が付き、はたと冷静になった。
ちくしょう、もう驚いてやるもんか。矢でも鉄砲でもフォトンでも持ってこいってんだ。
学園長室の扉を控えめにノックすると、
「どうぞ、入りなさい」
と中から妙にアニメちっくな声がする。マジかよ。

部屋の中で待っていたのは、俺の予想通りの展開だった。
バカでかい机の傍にある、これまたバカでかい椅子に、妙に小さなキャスト♀がちょこんと腰掛けている。
いや、このキャストが小さすぎるから机も椅子も大きく見えるのか。
俺からではキャストの顔だけが机から浮いているようで、ちょっとした生首だ。
この際、俺の身長も同じ位低い事は気にしないでくれ。
そのキャストの横にはこれまた小さなPM…GH-410が無機質な視線を俺に向けている。
「ようこそ我がパルム学園へ。私は君の入学を心から歓迎するぞ」
えっへんとでも背景に文字が出そうな態度で学園長が胸を張る…様に見えたが、俺からはその尊大な顔しか見えていない。
なんだかひどくシュールな画像だ。
そんな事を俺が考えているとは思いもしない学園長はどんどん話を進める。
「この学園は、君も見て気が付いただろうが、PSUのガーディアンズコロニーに類似した形をとっている。
 まぁ、教室やら施設やらで多少違いはあるのだが、問題はない」
…全然気が付かなかった。というか、問題かどうかは俺が決めるんじゃないか?
「私が問題ないといったら問題ないんだ!なぁリズ」
「マスターのおっしゃる通りです」
リズと呼ばれたPMがこれまた無機質な声で返答する。
こんなのが学園長で大丈夫なのか…。
「という事で、後ほどリズが学園を案内するが、その前に二三簡単な質問を行う。
 まずは君の……」
353343:2007/01/07(日) 19:56:02.68 ID:WkZFc1j4
「はぁ…」
学園長室から出た俺は、思わずため息をつく。
俺と同じ様な格好のヤツに終始バカでかい態度を取られて、精神が堪えたようだ。
そりゃ、元の姿は俺より遥かに年上なんだろうが、あの格好と声色でしゃべられると、どうも説得力がない。
「マスターは貴方とほぼ変わらない年齢のはずです」
「っ!!」
いきなり後ろから声をかけられ、思わず20センチ程飛び上がる。
振り返ると学園長の傍に立っていたPMが俺の背後に立っていた。名前は…確か
「リ……リズ?」
「マスターのご命令により、貴方にこの学園をご案内致します」
「学園長が俺と…同い年?」
「では、まず1階からご案内します」
「人の話を聞け」
学園長も学園長室ならPMもPMだな。

結局俺の疑問に一切答える事無く、淡々と学園を案内するリズの後を追っていった。
わかった事は、本当にこの学園はガーディアンズコロニーを模倣して作られているって事だ。
1階にあったマイルームの場所は学生達の寮となっていた。
流石にゲーム中の量では全生徒を収容できないため、これまたバカでかい円周として建設されていた。
2階のショップは、全て教室へと変更され、これももちろん量が増大されている。
3階には音楽室や視聴覚室等の特殊教室群。それと、なぜか武器防具のショップもあった。
4階のスペースポートは運動場とテラスが開放されていたが、これほど無駄なスペースは見た事無い。
世界陸上でも同時開催する気か?
そして最上階である5階のガーディアンズ本部は、職員室および学園長室となっていた。
つまり、俺は気が付かないうちに五階に案内されていたという訳なのだが、
もちろんさっき云った通り全く記憶にない。そんなに呆然としていたのだろうか。
そうそう、俺が惚けて見ていた正門の位置は、ゲームで言うと2階へ繋がる階段とエレベータ前にあたる。
実際には門を超えて、少し進んだところにエスカレータとエレベータが配置されている。
とまぁ、改めて見るとどっからどう見てもガーディアンズコロニーであり、
これを設計したヤツは、よっぽどのPSUマニアかSEGAの回し者であり、こんなものに注力している暇があったら、
キャラクターチェンジの解明に力を注いだ方が有意義なんじゃないかと思うのは、きっと間違いではないはずだ。
354343:2007/01/07(日) 19:56:45.99 ID:WkZFc1j4
学園を案内している間、リズは無駄な話題を一切持ち出す事無く
「こちらが図書館です。隣は書庫となります。次は…」
と事務行為そのもので進んだ。そして学園は学園で、現実世界にあわせて建てられた為か、
ゲームとは比較にならない程巨大になっており、一通り案内が終わる頃、俺は精神と体力共にひどく疲労していた。
「では、学園長室に戻り、案内を終了致します」
「…はーいよ」
「学園長室に戻った後、貴方のクラスへ移動となり、それをもちまして編入手続きは終了となります」
「…はーいよ」
「……マスターをよろしくお願い致します」
「…はーいよ…?」
「……」
学園長をよろしく?どういう事だ?

学園長室に戻った俺を待っていたのは、腰に手を当てて相変わらず偉そうな学園長だった。
「よし、リズ。ご苦労だった」
リズにねぎらいの言葉をかけると、リズは軽く会釈をし、静かに学園長室の隣へと移動する。
どうやらリズの仕事はこれで終了らしい。あれ?もう一つ何か用事があった気がするんだが。
「では、最後に君のクラスに案内しよう」
学園長は俺に視線を向け、にやりと笑う。
そうだ、俺のクラスがまだわからないじゃないか。というかなんだ、その笑いは。
まるで新しいおもちゃを目の前にしたわんぱく小僧の様な視線を俺に向けるな。

この後の学園長の発言に驚く事はなかった。
そりゃ、今までで何度も驚いてれば、否が応でも耐性が出来るってもんだ。
いい加減このサプライズパーティも終焉にしてほしい。
今なら「ドッキリ」とかプラカードを持った黒服が現れても寛大な処置で済みそうだ。
ただ、この頭痛だけは治りそうにない。俺の平穏はまだまだ遠方の彼方にあるようだ。

「光栄に思えよ。君のクラスは私と一緒だ」
どうなるんだよ、こっから。
355343:2007/01/07(日) 20:06:40.25 ID:W3pYsGa5
IDが違いますが343です。

とりあえず、学園紹介をかねた第二話を書いてみました。
時間軸が全くと言っていいほど進んでいないばかりか、
初回以上に訳のわからないものになってしまった事は、
やっぱり突っ込み無用でお願いします。

>>347-351
レスありがとうございます。
皆様の期待に応えられるかひどく心配ですが、
引き続き生暖かい目で見て下さると嬉しいです。
356GH450:2007/01/08(月) 00:20:07.52 ID:zYubqfxP
F5F5F5F5F5F5F5F5F5……ハッ!
と、とりあえず乙です!
――私も続き書かなきゃ……
357名無しオンライン:2007/01/08(月) 03:53:51.94 ID:isiKMb9v
>>355
つづきキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
GJGJGJ!

ドッキリのプラカード持った黒服の人想像して吹いたw
続きが楽しみですw
358GH450:2007/01/08(月) 22:06:55.03 ID:zYubqfxP
 変態コンビを相打ちに、――というか、恐慌状態になって夢中で
取り出した光レールガンで撃ったら、阿部(仮)が混乱してしまい、
ノンケの相方を喰ってしまったのである。作戦勝ち、ということで、
メイメイに見させずにそのままロビーを通過できた次第だ。後ろから
「アッー」と叫び声が聞こえてきたが、すばらしい発音に密かに拍手
を送るに留めた。
 どこを目指せばいいのかは、一発で分かった。
「バーゲンよりもひどいわね。特ダネの大安売りかしら」
 売るほど、いや掃いて捨てるほどいる報道陣は、いくら議事堂が
広かろうが見えないはずがない。著名人らにしてみればハエの
ようにたかってくる彼らは、うっとおしく、嫌が応にも目に付くのだろう。
「……でも、変ね」
「報道関係の方々でしょうか。撮影機材らしきものを持っていますが」
「そうよ。そうなのに――」
 静か過ぎる。
 彼らが、ただの野次馬のように口を閉ざしている。開けば質問が
あふれ出るその口が、まるで縫いとめられたかのように閉ざされている。
シャッター音も稀だ。
359GH450:2007/01/08(月) 22:07:26.25 ID:zYubqfxP
 不気味な現象を私は素直に異常だと感じ取った。
「メイメイ、戦闘準備。被害を最小限に抑えたいから、私が合図したら
即座にアグディールを放つ事。わかった?」
「了解しました」
 答えて、彼女はメイロドウを本格的に構えた。
 私もレイピアを袖に隠すことなく遠慮なしに刀身を顕わにする。
 と、
「……!」
 爆音。鼓膜を突き破るほどの轟音が、わずか後方から鳴り響く。私は
特殊訓練を受けているわけでもないので、ただただその場にしゃがみ
込む事しか出来ない。というより、三半規管をもろに直撃したので平行
感覚が失われ、立っていることもままならなかったと言ったほうがいい。
「ご主人様!ご主人様!」
 こもったようなメイメイの声が届く。
「ただいま治療しますね! レジェネ!」
「あっ……」
360GH450:2007/01/08(月) 22:07:40.07 ID:zYubqfxP
 暖かい光に包み込まれたかと思うと、建物内で反射しまくっている音の
残滓が代わって私を包み込む。流石フォトン、こんな状態異常も瞬時に
治療してくれるらしい。ウォーテクターなのに咄嗟にそれが出来ないため、
回復は本当にメイメイに頼りっきりになってしまうかもしれない。
「どうやらトラップを多数放り込まれ、さらにグレネードを撃ち込まれたよう
です。エントランスは大破、連鎖崩壊も発生しますが、我々の反対側に
なりそうです。そして――」
「お、パシリなんてオレ初めて見たわ。450だぜ」
 知らぬ声。合成音のようなそれは、つまりはキャストのものか。当然ながら
メイメイのものではない。野太い男――レオ系の声だ。
 私は咄嗟に――、メイメイにショートメールを送った。
「おめェら、どうやら先客がいたみたいだ」
「それはそれは愉快ではないですか。世は楽しければ事もなし、珍事の上に
起こる想定外はもはや娯楽以外の何物でもありませんよ」
「あーっ、もう! ぶっ放したりなんかするから煙たいじゃない! ラ・メギド!」
 テクニックの掛け声がした。すると、粉塵が見る見るうちに一点に収束していく。
その一点とは、紫の禍々しい重力球体――ラ・メギドの展開地点に他ならない。
361GH450:2007/01/08(月) 22:07:53.79 ID:zYubqfxP
 少しは視界が利くようになり、私は辛うじて三人の影を認めた。
 長身男キャスト、美形ニューデイズヒューマン、PSO時代のフォニュ似。
 共通点を挙げるとしたら、
「死んだ魚のような目をしてるわね。人形を目指す……設定の……私にとっては
不愉快極まりない代物だわ」
「そんなつれねェコト言うもんじゃねェよ、嬢ちゃん」
「あらごめんなさぁい。死んだ魚のような目じゃなくて、うふふ、本当に死んだ魚
みたいに腐ってるわぁ」
 後ろのフォニュが、私の挑発に秒を跨がす乗ってくれた。
 が、キャストがぶっとい腕でそれを制する。
「やめておけ。昔っからテメェは挑発にほいほい乗りやがって。あいつもどうせ
中身はキモヲタなんだ、お互い醜――」
「口を慎みなさぁい、ジャンク風情が」
 声色と相成って、キャラ作りさえすればこれほど挑発に適した私は初めてだ。
ガキの頃から口先だけは達者で某村のやつとも張り合える自信も持ちながらも、
どうにも人相や声で効き目が薄かったのだ。ある意味、感謝である。
362GH450:2007/01/08(月) 22:08:04.27 ID:zYubqfxP
 しかも――今の発言は挑発ではない。
 メイメイが返してきたショートメールを確認したうえでの――
「これは警告よ。私がわざわざ警告してあげるなんて、ほんとぉに珍しいことなん
だから」
「おいコラ、委員会じゃねェやつがそんな大口叩いていいのか?」
「委員会じゃない、ですって? うふふふふ、ほんとぉにおばかさん! どう考えても
襲撃者のあなたたちに、今こうして相対してる私。警備員とも委員会のみんなとも
相手をしてないこの私。さらに、そもそもこうやって――」
 ばっ、と左右に大きく腕を広げる。
 後ろに見せたいものがあるかのように。
 見せたいもの。それは、
「委員会の面々に言動を見守られているこの私! 当然、襲撃なんてつまんない
ことなんかするものですか」
 メイメイに送らせた、私の宣言を認めた私の仲間、
「真に勝手ながらここで盛大に宣言するわ! 私MercuryLampは変異対策委員会
の下につき、今はここ国会議事堂で、さらには全国各地で暴れているバカどもの粛清
に協力すると!」
 もはや敵はなし、鎧袖一触一騎当千、
「まずは手初めに……伝統をぶっ壊したあんたたちをジャンクにしてあげるぅ!」
 世界最強の国会議員!
363GH450:2007/01/08(月) 22:12:30.58 ID:zYubqfxP
私はこう罵られることを認めましょう。
「いつまで引っ張ってるんだゴルァ!」と。
そうです、ごめんなさい。いくらなんでも引っ張りすぎです。
しかし、SSというものをあまり書いた事がない私は、
どうしても途中省略というものが苦手なのです。
ど……どんな罰でも受けますから……ご理解とご協力を……

ちょwwww450が○○始めたwwwwwww
暴走止めてくるから、ここら辺で勘弁してやってくれ。

ら、らめぇぇぇ!ショートしちゃうぅぅぅ

だから○○はやめろと(ry
364名無しオンライン:2007/01/09(火) 00:50:40.48 ID:ZWjs4D9F
続編キター!!
いやいや、いつも楽しく読ませてもらってます。
んでは
F5F5F5F5…続編マダー??
365名無しオンライン:2007/01/09(火) 00:53:31.35 ID:4r78nRp6
F5   F5   F5   
  F5   F5   F5
┐  ∧,∧  F5
| (   )    F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5
366名無しオンライン:2007/01/09(火) 04:03:31.20 ID:t2STDUYA
おお!レスが一気に増えてると思ったらGJJJ!!!
これで続きを書かなくて済drftgyふjk
っとF5F5F5F5
367名無しオンライン:2007/01/09(火) 14:59:20.76 ID:kf3i4ErD
うはwGJGJGJGJ!!

ゆ…指が勝手にF5F5F5F5F5F5…
368343:2007/01/09(火) 23:57:53.99 ID:ZWjs4D9F
「えー。今日から新しくみんなと一緒に勉強する仲間を紹介します。
 さ、自己紹介をお願いね」
教卓の前に立つ背の高いビースト♀が、俺に顔を向け挨拶を促す。
さぁ、緊張の瞬間だ。
俺に向ける顔、顔、顔。
ヒューマン、ニューマン、ビースト、キャスト…。どこを切り取っても、どこから見てもPSUのキャラクターばかりだ。
「…あー。今日からお世話になります。…シリーナ・レイと言います。よろしく」
簡潔に名前だけを言い、軽く会釈をする。ま、こんなもんだろ。
シリーナ・レイとは俺のキャラクター名だ。
この学園では基本的にキャラクター名を使う事になっている。
なんでこんな制度になってんだ、とは思ったが、
このちっこいキャスト♀の格好で俺の本名を言う方がよっぽど妙だし、不自然きわまりない。
「じゃあ、レイさんの席は…あの開いている窓際の席ね」
教師が指差した先にある机に腰を下ろす。
「では、授業を始めるよ。今日は前回の続き、キャラクターチェンジの現象と現状の対策について…」
簡単な転校生の紹介も終わり、授業が開始される。
暫く聞いてはいたが、授業が退屈なのはこの学園でも共通な様で、すぐさま俺の意識は夢の中に向かおうとしていた。

「だから寝落ちには気をつけろよって言ったのになぁ」
睡眠への誘惑を断ち切る程の発言に俺は覚醒し、思わず振り返る。そこには見慣れたニューマン♀の姿があった。
「て、てめえ、ヒロか!」
「いやん。乙女をいきなり呼び捨てにするなんてレイさんって…大胆(はぁと)」
「だ・い・た・んとか気持ち悪い事言ってる場合じゃねぇだろ!」
「あら、わたくしそんなお色気たっぷりに言っていませんよ」
「お色気とかそんなん聞いてないし!なんでお前がここにいるんだ!」
「まあまあ、落ち着きなよ。それに…」
これが落ち着いていられるか。
「それに…ほら今、授業中」
全員の視線がまたも俺に集中していた。今度は教師まで見ている。
遠くでぷるぷる震えているのは学園長か。貧乏揺すりもあそこまで盛大だといっそ清々しいね。
と、ちょっとした現実逃避はこれまでにして、ゆっくりと着席する。
さ、どうか授業を続けてください。友人を問いつめるのは休み時間にしますよ。
「ゴホン。えー。では教科書の120ページを開いて…」
369343:2007/01/09(火) 23:58:41.11 ID:ZWjs4D9F
終業のベルが鳴り、担当教師が教室から出た瞬間、俺は振り返って平然とした顔つきの友人を睨みつける。
「…どういう事だ」
「こういう事さ」
「代名詞で返答するな。全くわからん」
「それはこっちの台詞なんだけど、まぁいっか。で、どこから知りたい?」
「お前がここにいる事から包み無く」
「俺がこうなったのは君より1週間くらい前かな。俺も寝落ちしちゃってね、この姿になっちゃった訳さ」
ヒロの話はそれで終わった。短いな、おい。
「だって、その後の展開なんて、君と大差ないよ」
どうやら対策委員会は本当に全国各地のキャラクターチェンジの人間を集め回っているらしい。
いや、待てよ。
「お前、彼女はどうした。その子もキャラクターチェンジしたんだろ?」
「うん。したよ」
「で、引きこもり中とか言ってたよな。対策委員会はどうしたんだ」
「うん。だから、こっちの寮で絶賛引きこもり中」
何だ、そのPSUばりの情報の小出しは。
「ちなみに俺の隣の席が、彼女の席ね」
「あー、そうなんですかー。わーびっくりー」
「わー。すっごい棒読みー」
棒読みなのはお互い様だ。
「いやさ、俺がこの姿になったって彼女に教えたらさ、
 『わ、私もそっちにいきます!』なんて言い出して、
 頑張って寝落ちしようとしたらしい」
「お前…めっちゃ愛されてるな…」
「でもさ、彼女興奮しすぎて全然眠れなかったらしい。
 三徹して、さすがにぶっ倒れたらしいよ」
「遠足間近の小学生でもそこまで興奮しねぇだろ」
「んで、二日程寝続けて、気が付いたらここにいたらしい。
 いやあ、おばさんも行動早いよなぁ」
この後もヒロの惚気話なのかストーカー話なのか紙一重な会話が続く。
若干ストーカー寄りに聞こえるのは、俺の恋愛経験の少なさってだけでは断じて無い。
彼女の不運は起きたときから始まった。
ヒロのキャラクターであるニューマン♀に合わせて作成したヒューマン♂が彼女のメインキャラであったが、
実際にチェンジしたのは店番用として作成していた、顔うにょーんなキャスト♂だったのだ。
という訳で、アイテムたっぷり見た目がっかり、という何とも中途半端なキャラとなった彼女は、
愛しの彼に会う為にキャラチェンジをしこの学園で会う、という勇気をメインキャラに置き去りにしてしまったのだった。
370343:2007/01/09(火) 23:59:26.21 ID:ZWjs4D9F
「で、彼女の事、どうするつもりだ」
「うーん。そろそろいい頃合いだし、外に連れ出そうかな。と」
「いいんじゃねーの。結局こっちに顔を一回も出してない訳だし、早く慣れちまった方がいい」
それは俺にも言えるのだが、議題は彼女だ。放っておいてくれ。
「んじゃ、放課後よろしく」
「はぁ?!俺もかよ」
なんで俺も行かなきゃならないんだ。
「ほら、昔の人は言いました。友情は…」
「見返りを求めない。ってめちゃめちゃ求めてるし、そんなに昔の台詞じゃないし、パクリもいいとこじゃねぇか」
「求めるだなんて…がっつくのは良くないわ、レイさん(はぁと)
 おっとそろそろ授業だ。そう怒るなって、眉間のしわがとれなくなるぞ?
 じゃ、この話は放課後にでもな」
何か言い返したかったが、始業のチャイムが鳴る。ちっ。
さっきみたいに授業中に目立つのは勘弁だからな、後で覚えてやがれ。

ヒロはそれ以降の会話に、彼女の話を持ち出さなかった。
俺といえば、転入生ならお馴染み(とは俺の中で思っている)のクラスメートに囲まれての質問の嵐を、
ほんの少しくらいは期待していたのだが、やはりヒロとの一件で近寄ろうなどと思うヤツはおらず、
全くもって静かに放課後を迎える事となった。
いや、正確には来るヤツはいた。だが、それは今思い出せというのは、
フリーズと言ってるのをプリーズと聞き間違えてしまうくらい「ついうっかり」では済まない事だし、
そして、俺は躊躇無く引き金を引く男だ。
まぁ、そんな小さな事はおいておこう。今はヒロの彼女を引きこもりから脱却させてやろうじゃないか。
ヒロだけが頑張ってな。俺は見てるだけだ。
……無理なのはわかってるが、信じるのは勝手だろ?
371343:2007/01/10(水) 00:03:18.05 ID:SYQWwxfb
とりあえず彼女救出編?の序章となりそうです。
次回で終わるはずですがw
書いていて、主人公って彼女いたのか?とふと疑問に思いましたが、
いかんせん全く考えなしなので、ヒロ風に言えば「ヒ・ミ・ツ」です。
372GH450:2007/01/10(水) 01:22:01.80 ID:7JwW8Prh
F5F5F5F5F5……お疲れ様です。

私のAAもなく、凝ったレスが出来ずにすいません
373名無しオンライン:2007/01/10(水) 06:30:42.34 ID:f8eeJjPY
パルム学園の人たちは適応係数高そうですね
374名無しオンライン:2007/01/11(木) 01:50:36.35 ID:iu8CTQrF
F5F5F5F5F5・・・・
良スレageeeeeeeeeeeeeeeeeee!!
375名無しオンライン:2007/01/11(木) 19:57:13.80 ID:Xdf0inwk
テラGJ。
376名無しオンライン:2007/01/12(金) 21:42:20.41 ID:TvT460av
次回で終わるとしたら何か凄く高速展開な感じが…!

GJでございますー。
377名無しオンライン:2007/01/14(日) 18:57:21.41 ID:zt++hxiw
ショップの宣伝文や部屋コメントに行が余ったらこれを書いて頂ければ幸いです

■ショップ宣伝文/パーティーコメント用 1行12文字(1行版) 
★コロニー推奨ユニは10です
★ニューデイズ推奨ユニは11です
★パルム推奨ユニは12ユニです
★モトゥブ推奨ユニは13です

■ショップ宣伝文/パーティーコメント用 1行12文字(2行版)
地区単位人口密集ユニ運動中
★コロニー推奨ユニは10です

地区単位人口密集ユニ運動中
★ニューデイズ推奨ユニは11です

地区単位人口密集ユニ運動中
★パルム推奨ユニは12ユニです

地区単位人口密集ユニ運動中
★モトゥブ推奨ユニは13です


■ショップ宣伝文/パーティーコメント用 1行12文字(3行版)
■ショップ宣伝文 1行12文字(4行版)

■発言用 1行10文字(3行版)
地区人口密集ユニ運動中
賛同者は協力願います
(強制ではありません)
378名無しオンライン:2007/01/16(火) 00:36:42.68 ID:SawVCUTQ
同じなんだ・・・
小学生の頃、コ〇コ〇コミックの最新号を待つ間と・・
同じ気持ちなんだ!
379GH450:2007/01/16(火) 22:11:04.50 ID:5MBL1/ke
 上着を脱ぎ捨ててレイピアを半眼に構える。剣道よりもフェンシング向き
の獲物なので、聞きかじった程度の知識でだが、身体を半身にし、手首を
軽くして持つ。思いっきりグーで握ってしまっているが、本式の握りは流石
に分からない以前に慣れないことはするものではない。
「こちらでもセイバーか。西洋剣は我も守備範囲外だ」
「別にぃ? たまたま最初にとったのがこれってだけよ。第一、それを言う
ならあなたや舞姫やI’LLにイヴなんかほんとぉにそのまんまじゃなぁい」
「ぬかせ。常に最も信頼の置けるものを隣に置く。それは常識だ」
 啖呵を切った私の隣へ、ISAO99は並ぶ。
 中継時とは違って、今は闇属性のデルジャグナスを両手に引っさげ
ている彼は、
「文科大臣殿。それに法務大臣殿、厚労大臣殿。我々は迎え撃とう」
 真っ直ぐ前を見据えたまま、私たちのパーティを、現実で結成する。
エガムでの周回の日々が、蘇る。
 そうして並ぶは、四人の兵と私。
「あらあら、銀ちゃん。あなたもこちらに来ましたか。――どうせそんなこと
だと思ってましたけど」
380GH450:2007/01/16(火) 22:11:20.02 ID:5MBL1/ke
「ふはは、これは本格的に中身に触れたらマズいな!」
「……あたしたちも別の意味でマズかったでしょうに」
 手に手に武器を――、アンク・ピコラを、グッダ・ガントを、デガーナ・カノン
を、狼藉者へ、今から私とともに痛い目にあわせなければならない者へ、
使命を抱えて先を向ける。
「官房長官殿。取り急ぎ各変異議員に連絡を願う。我々は、ここを死守しよう」
「承りました。どうかお気をつけて」
 よく通るマガシボイスに、報道陣の向こう側、委員会の議場前からヒュマの
声が返ってきた。
 疑問が、生まれた。
「ちょっとISAO。死守って、まるで今からここが戦場になるみたいじゃ――」
「ああ、そうですよ? それがどうかしましたか? 銀ちゃん」
「銀ちゃん言うな。――どういうこと?」
 カノンを担いでいたイヴは、開いている左手で窓の外を指す。
 私は嫌な予感がして、背伸びをしながらやや大きな窓より外――正門前を
見た。
381GH450:2007/01/16(火) 22:11:30.85 ID:5MBL1/ke
「ちょっと――」
 どういうこと、とは後には続かなかった。
 襟首が引っ張られ、その数瞬後にはもといた場所が爆撃されたからだ。
「な……!」
「ごちゃごちゃ言ってる時間はねえぞ。ほら、いくぞ乳酸菌」
 そのまま私の軽い体躯はI’LLに引っ張られ続ける。乳酸菌言うな、とツッコミ
たかったが、それも適わない。というかそれより、今は現状把握のほうが大切だ。
がくんがくんと上下する視界の中、行き先を改める。そこには――
「なんで一クラスぐらいに人数増えてんのよぉっ!」
 わらわらと、烏合の衆という表現がぴったりな集団は、しかし修学旅行中の
学生どもよりも格段に扱いが難しく、それは敵意か悪意かはたまた歓喜かどうか
は知らないが、少なくとも友好的なふいんき(←何故か変換できない)を放っては
いなかったからだ。なんだこの野次馬が巻き込まれて大乱闘を起こしそうな人員
構成は。相手が変異者だから、イスラム教過激派よりも性質が悪そうだ。
382GH450:2007/01/16(火) 22:11:41.24 ID:5MBL1/ke
 これはやばい、と手を振り解き、転びそうになりながらも皆と歩調を合わせる。
さっそくレンジャー集団の弾幕が襲い掛かってきたが、
「ラ・フォイエぇぇっ!」
 死角にいたので気付かなかった。メイメイが、炎の壁を立ち上らせた。
「ありがとぉう。でもあなたはみんなの補助に回りなさぁい」
「了解しました」
 うなずくのを見届けず、突きの構えで突進するかのように突っ込んでいく。

 ――さあ、こうなったら踊らせてあげるわぁ!
383GH450:2007/01/16(火) 22:14:23.71 ID:5MBL1/ke
これで、これでやっと戦闘が書けます!
中途半端になりたくないがためにここまで引っ張ってすいません。
ですが、次回こそ、戦闘に入るかと思います。
繋ぎの話なんて面白くありませんしね。
では、wktkしながら待っていてくださいね。

って、京四郎見てる時に450が言ってた。
お、おい、おまえのエネルギー摂取は電源かr(ry
384名無しオンライン:2007/01/16(火) 23:12:34.52 ID:JcLGkRbD
細かいことだけど・・・
ふいんき(←何故か変換できない

ふんいき=雰囲気

ではないのかな?

続きにwktk!

385名無しオンライン:2007/01/16(火) 23:35:42.89 ID:YYQuFHWx
386ぃふぇ かーど:2007/01/17(水) 10:37:16.75 ID:UxXWn2Ld
ナガレブタギリの思いつき。


ふと、休日の朝めがさめると巨大なノーズヘッドキャストになっていた。
胴長で短脚、おなかも出てるこの使用。そして重走行パーツ。どっから見てもロボだ。
TVを付けてみると、なんだかニュースすらながれる。

気晴らしに外にでると、ちっこいガキがこっちを指差して「ロボ!ロボだ!!」とかいってくるのを
両腕やや万歳状態にして「マ゛」とかいってしのいでいくと、ガキどもがあつまってくる。
ある意味、公園のヒーロー状態。公園デビューとはこのことk

そんな時「泥棒!!」という声とともに、目の前の公園の出口をはしり去ろうとしているあやしい人物。

どうする?どうるすよ俺!?


・無視する
・おいかける
・攻撃する
・通報する



つづく?
387名無しオンライン:2007/01/17(水) 11:59:17.89 ID:Pjwa/+H2
長い上つまらん
388名無しオンライン:2007/01/17(水) 12:19:28.25 ID:mCcI8i9O
せめて書き込む前に見直せ
稚拙すぎる
389名無しオンライン:2007/01/17(水) 17:19:09.80 ID:WiIWKlWB
>>383
待ってました、GJ!
390名無しオンライン:2007/01/17(水) 18:29:48.84 ID:Re004Ehz
キタ―――――――(゚∀゚)――――――!!!!
次回も期待ってことでage
391名無しオンライン:2007/01/19(金) 01:46:39.58 ID:2sueL/co
改悪きたな、コレもSSのネタになるだろうか、
そして支援age
392名無しオンライン:2007/01/20(土) 01:39:09.30 ID:HCRSgGHA
保守
393名無しオンライン:2007/01/21(日) 01:47:43.30 ID:0w+T/f0k
ほす
394名無しオンライン:2007/01/21(日) 21:01:46.11 ID:jxIt2XJu
ホッシュアゲ
395名無しオンライン:2007/01/21(日) 21:02:20.27 ID:jxIt2XJu
保守上げなのに下げてしまった・・・・orz
396名無しオンライン:2007/01/21(日) 22:30:50.29 ID:fyqLUM7E
最近寂しいぜ…でも1日に5回チェックしてる俺は多分異端、そして保守
39757@保守:2007/01/22(月) 03:02:47.81 ID:pSoKHLSR
「え、えっと・・・俺ッスか?」
恐る恐る、声が聞こえる方へ顔を向ける。
そこには、お決まりのロリっ子がぁ!ではなく、女鉄仮面もといキャスト女性がこっちに顔を向けていた。
女鉄仮面とは勿論、「あの」フェイスタイプの事である。
肩にはあの、どこのドラ○ンボー○だ、という感じの肩パーツが着けられている。
そして色は四国もとい漆黒。まるでどこかの悪役だ。
正直、ちょっとこわい。

「ぇえっと・・・何か?」
「君さ、もしかして・・・」
声は意外に可愛らしい。アレか、仮面を外したら・・・!という超展開のアレなのか。
「「外」から来たの?」
一瞬、意味がわからなかった。
外・・・ここはガーディアンズコロニーだから、他惑星の事だろうか。
もしやアレか、俺はSEEDだと思われているのかも知れないな。うん、きっとそうだ。
「お、俺は決して怪しい者ではございません!SEEDに見えますか、この俺が?またまたご冗談を。ハハハ!」
「君・・・もしかして頭おかしい?」
・・・ハ、しまった。俺は動揺しすぎているようだ。
とりあえず、心を落ち着かせて考える。
外・・・つまり、ゲームの外・・・?まさか・・・な。
いや、あれだけの事が起こっているのだ、こちら側でも知っている者が居ても、おかしくはないかも知れない。

「いや失礼、取り乱してしまいました。で、外と言いますと・・・?」
俺の切り替えの早さに驚きながら、
女鉄仮面もとい仮面の下が気になる女性が、少し考える素振りをした。
無論、表情などわかる筈も無い。
「ここで話すのもなんだから・・・ちょっとついてきて」
PMの情報収集は、まだ時間がかかりそうだった。
何せ、うちの子はバカなのだ。だが、そこがいい。そんな俺は親バカか。

女鉄仮面もとい仮面の下は恐らく美女が手で、ついてこいというような仕草をした。
こちらで知っておくべき事は多々ある。
「外」などという言葉を使った、女鉄仮面以下省略は何かしらの情報を持っているだろう。
ついて行って損は無い筈だ。
例え、あの髭の男の仲間で、これが罠だったとしても。
39857@保守:2007/01/22(月) 03:06:24.99 ID:pSoKHLSR
最近は結構いい流れだったようですが、また保守な流れなってきたので投下。
なぁに、いつもの保守目的の投下だからつまらなくても気にするな!

>>386
それなんてCM?
399343:2007/01/22(月) 05:39:00.35 ID:1KdHkAPJ
さて、所変わってここはパルム学園寮のとある一室。
電気も付けず、カーテンを閉め切った真っ暗闇の中に響くすすり泣く声。
「うぅ……ヒロ……君……うぇ…うぅ…」
ここは言わずと知れたヒロの彼女の部屋である。
彼女が引きこもって早二週間、四六時中泣いている彼女は、この部屋が「すすり泣く男の間」として
パルム学園七不思議にノミネートされているのに当たり前だが気が付いていない。
そう、彼女がチェンジしたのは♂キャラクター。しかも顔が前方向に長いキャストである。
「会いたいよぉ……でも……会えないよぉ」
彼女は相変わらず泣き声のまま、机の上においてあるPCの電源を入れる。
静かなファンの音が部屋に響き、ディスプレイに二人のキャラクターのSSが表示される。
満面の笑みを浮かべて中央に立つロリなニューマン♀「ヒロ」と、それに寄り添う様に立つヒューマン♂「カズト」。
愛しの彼である「ヒロ」がロリニューマン♀としてチェンジしたと聞かされた時、
彼女の中には一つの決意があった。
「私もキャラクターチェンジして、ヒロ君と一緒の学園に通う!」
古今東西の恋する乙女がそうである様に、彼女もご多分に漏れず恐ろしいまでの行動力が発揮された。
少しでも彼に追いつけるように、周回に次ぐ周回を重ね、
セカンドキャラを作成して、生産に次ぐ生産。販売によって得た資金で、改造に次ぐ改造。
不眠の日々が続き、しかし意識ははっきりしていて、寝落ちする気配は一向にない。
ちょっとした廃人と化した彼女を支えていたのは彼に出会う、その一念だった。

「ちゃんとチェンジできていれば、今頃は…」
一人呟き、彼女は妄想の世界へ身を投じる。考えるのはいつもの「自分がヒューマン♂だったら」の世界。
──以下妄想
「ヒーローくーん。ご飯食べよう♪」
「あ、カズト。うん、じゃあ学食行こう」
「えへへ。今日は学食じゃなくて、テラス行こう!」
「え?」
「じゃーん!お弁当を持ってきたのだ」
「わぁ、これカズトが作ったの?」
「すごいっしょー!誉めて誉めて〜」
「すごいすごーい!じゃあテラス行こう!カズトのお弁当楽しみだなぁ〜」
手をつないで仲良くテラスへ行く二人。景色のいいベンチに腰掛けて、仲良く「あーん」とかしたりして……。
──まだまだ続くが妄想打ち切り
「いやー!私の馬鹿ば…」
ごんっ。
妄想に耐えきれず机に突っ伏そうとして思ったより前で顔が机にぶつかる。
「痛たたたた…」
頭をぶつけ、脳が現実に戻される。
「…でも…今はこんな姿です……」
理想と現実。戻らない過去。たった一つの手違いが彼女を今の状況に陥れていた。
あの日、いつもの様に周回を終えマイルームに戻った彼女は、
セカンドキャラの売り上げ状況を見るため、セカンドキャラに変更していた。
メインキャラの資金調達に始めたマイショップだが、なかなかに売り上げも良く、固定客も出来つつあった。
PMの生産結果を確認し、メインで得たアイテムと併せて店頭に並べていく。
「えーと、これは1000メセタで…これ…は500…でいっか……」
膨大な数の商品を値付けしているうちに、今までに無い睡魔が彼女を襲う。
「やば…はやく…メインに戻らないと…」
だが、値付けはまだ終わらない。徐々にまぶたが重くなってきていた。
これ以上は無理と判断した彼女は、値付けをあきらめログアウトする。
「…ヒロ君……やっと、いけ…る…よ」
朦朧とする意識の中、○ボタンを連打しながら、彼女は夢の中で理想の出会いをする二人を見ていた。
キャラ選択がセカンドキャラのままなのに気が付かぬまま。
400343:2007/01/22(月) 05:39:38.32 ID:1KdHkAPJ
「…はぁ…」
もう何度目かわからないため息をつきながら、彼女はまたモニタの中に意識を埋没させる。
「…ヒロ…君…」
そう呟いた時、彼女の耳に足音が届いた。
キャストになる事によって、彼女の聴覚は格段に上昇し、
今では自室から遠く離れた階段を利用する足音で人間を判別するまでに至ったのだった。
そして、この足音は聞き覚えのある「彼」の足音。
「!!ヒロ君!?」
彼の足音を認識してから、彼女の動きは脅威のスピードを出した。
PCの画像を当たり障りの無い動物の写真に変更し、部屋の電気を全て点灯させ、
カーテンを開け、少し窓を開けて空気を入れ替え始め、
ベッドのシーツをしわの「し」の字も出ない程にきっちりと整えた。
この間わずか30秒。たとえ彼を部屋に入れなくとも、
『空気は淀まぬよう、ベッドのシーツは翻さぬよう、きれいにするのが乙女の嗜み』
を信条とする彼女の本能が、彼女を無意識に動かしていた。
「ふぅ。これでよしっと」
整頓を終えた彼女は額を拭い、再びヒロの足音に耳を傾ける。
ヒロが彼女の部屋に到着するまで、あとわずか。
扉を固く閉ざし、引きこもりを続ける彼女の部屋に毎日届く足音。
足音の主は決して無理に彼女を外に出そうとする事はなく、日々の些細な事を扉越しに優しく語りかけていた。
その献身的な行為は、凍りきっていた彼女の心を少しずつ溶かし、彼に会う事への恐怖を薄めつつあった。
「…うん。頑張れ、わたし!……あれ?」
愛しのヒロと会う決意を固めつつあった彼女の耳に聞き慣れない足音に気づく。
しかもその足音はヒロのすぐ傍を歩いていた。
「…誰…だろ?」
心に浮かぶ数々の疑問を振り払い、彼女は一層聴覚を集中させた。
401343:2007/01/22(月) 05:40:13.84 ID:1KdHkAPJ
「なー。その彼女の部屋ってまだ?」
放課後すぐヒロにつれられ学園寮に向かったのはいいが、
ばかでかい学園にふさわしくばかでかい寮で、すっかり俺はヘトヘトだった。
ただでさえ朝から歩き回って足が疲れているのに、さっさと終わらして帰りたいもんだ。
…まぁ、自分の部屋の場所を知らないから、また歩くはめになるんだけどな。
「この階の端っこだよ」
何度も通っているんだろう。ヒロの足取りに迷いはまったく感じられない。
「端っこって、先見えねぇじゃねえか」
「もー。短気な人は嫌われちゃうぞ?」
「率直な感想を述べただけだ!…で」
「で?」
「俺は何すりゃいいんだ?」
様子を見るだけなら、俺は必要ないはずだ。こいつのことだ、何かしら考えがあるに違いない。
何か計画があるなら早めに聞いておいた方がいい。
「ん〜〜。いつも通りで良いよ」
「いつも通り??」
「そそそ。腕くんだり、上目遣いに『ヒーロくーん』とか甘えてみたり…」
「してねぇ!断じてしてねぇ!見ろ!さぶイボ出来ちまったじゃねぇか!」
「キャストにさぶイボはできません」
「できるんだよ、こう体中からオイルが漏れ出る様なぞわぞわーって感じのが」
「まぁ、それはそれとして。もうちょっと近づいて歩いてくれればいいよ」
このマイウェイ野郎め。
「…こんくらいか?」
ヒロから1,2歩離れた場所まで近づく。
「上出来、上出来。あとは特に何もしなくて平気かな、もう聞こえているだろうし」
「??」
「さぁ行こう、レイ。彼女にちゃんと紹介しなきゃ」
ヒロの奔放っぷりはこの階に着いてからますます磨きがかかり、もはや俺ではついていけない。
いや、もともと着いていけてないんだけどな。
だから気が付くべきだった。自由奔放なヒロに着いてくる彼女ってのが、どれほどのものかって事を。
402343:2007/01/22(月) 05:41:44.92 ID:1KdHkAPJ
やっぱりどう考えても後一回では終わりませんでした。
視点があっちこっち飛んで、ますます不思議なものになってきました。
もうちょっとだけ「彼女編」が続きますが、ご理解とご協力をお願いします。
403名無しオンライン:2007/01/22(月) 15:51:20.03 ID:vHyRDnAc
F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5F5・・・・・・・・・
駄目です!!F5が利きません!!
404名無しオンライン:2007/01/22(月) 15:55:15.20 ID:u+inB8lY
F5   F5   F5   
  F5   F5   F5
┐  ∧,∧  F5
| (   )    F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5
405名無しオンライン:2007/01/22(月) 16:50:23.49 ID:Nb6MEtBy
F5F5F5F5・・・・
もっとF5を持って来い!
406名無しオンライン:2007/01/22(月) 16:52:23.31 ID:u+inB8lY
F5 F5 F5 F5  F5   
 F5F5 F5  F5  F5
┐  ∧,∧F5 F5
| ( F5 )  F5 F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5F5 F5
407名無しオンライン:2007/01/22(月) 16:55:58.29 ID:u+inB8lY
  , ノ) F5   F5 F5   F5
  ノ)ノ,(ノi F5  F5 F5  F5
  (    (ノし F5  F5 F5  F5
┐) ∧,∧  ノ F5 F5 F5  F5
..|( ( ....:::::::) (   F5  F5 F5  F5
 ̄⊂/ ̄ ̄/゙   lヽ,,lヽ
 (/    /ノ   (    ) やめて! もういいの!
   ̄TT ̄    と、  ゙i
408>>157の続き:2007/01/23(火) 01:40:25.53 ID:96/nuhvI
「Cさまー、起きてくださーい。朝ですよー。あーさーでーすーよー。」 うるさい、耳元で大きな声出すな。嫌がらせか。
ニュマ子になって二日目、この自分の声(ボイス8番)にも慣れた。時計を見ると10時、そろそろ起きるか。
「他の三人も起こしてあげて」 「あいあいさー!」 言うやいなやLはKのそばにチョコチョコと走り寄り、さっきと同じように耳元で叫んでいる。
これからしばらく、毎日こんな起こされ方をされるのかと思うと少し欝だ。

「それじゃ、また明日学校でね」 「Cちゃんばいばーい」 ああもう、その呼び方やめてくれ。
いつもならみんなで片付けてから帰るのだが、今日はみんなが寝ている間にLが片付けてくれたのでとっとと全員帰らせた。とりあえずシャワーでも浴びよう。
前日適当に着た服を脱ぎ、浴室の鏡で改めて変わってしまった自分の体を見た。
天然パーマの髪は白くサラサラになり、ややピザだった体は肌の白く華奢な体になった。中の人が貧乳スキーだったので貧乳キャラにしたのだが、実際自分がこうなるとなんだか悔しい。
そして一番気になるのは、やはり下半身だろうか。生まれて役20年、ずっと一緒にいたプラプラ様が急にいなくなってしまうと何だか物足りない。

シャワーからあがりバスタオル一枚でLの焼いてくれたトーストをかじりながらTVのニュースを見る。どうやら自体は悪化しているらしい、PSU内のエネミーまでも出没しているようだ。
警官たちが盾みたいなのに隠れながらデルセバンの群れに銃を撃っている光景が映っていた。
「うわああぁぁぁぁ!」外から男の情けない叫び声が聞こえてきた。窓から下を見ると、パノンの群れにおっさんが追いかけられている。仕方ない、助けるか。
とりあえず、急いでボディスーツと適当なTシャツだけ着て外へ出た。

トランサーから出したクローサーを手に、外へ出てパノンとおっさんの間に飛び込む。しかし、テクニックはどうやって使うのだろう?
とりあえず、漫画やアニメでよくあるように杖を振りながら叫んでみた。「ラフォイエ!」 ちゅどーん、ぴぎゃー。パノン達は吹き飛び、あとにはなにやらドロドロした物体が残った。コレがパノンゼリーか。
て言うか熱っ!爆心地が近すぎたみたいだ。よくゲーム内で壁に張り付いて撃ったりしていたが、あんなことしたら自分が死ぬ。
そうだ、おっさんは・・・。後ろを振り向いたが、おっさんはすでにどこかへ逃げたあとだった。まったく、情けない。

とりあえずパノンゼリーを回収して部屋に戻る。ゼリーはとりあえずその辺に置き、自分はバイトに行く準備をする。
ごそごそとトランサーから出したフラクソを着る。昨日みたいなことにならないように、服は一度トランサーから出して普通に着ることにした。
「じゃあ、私はバイト行ってくるから適当に過ごしてて」 「はーい」
近くの駅から電車に乗り10分、バイト先である駅前の百貨店の中のファミレスに到着。
409名無しオンライン:2007/01/23(火) 01:41:59.70 ID:96/nuhvI
「おはよーございまーす」 「ええっと、どちらさん?」 店長にそう言われるのも無理はない。
「実は、かくかくしかじかで」 「ああー、大変だね」 いちいち説明するのもめんどくさい。
「じゃ接客やってよ、ちょうどバイトの女の子数人やめちゃって人手不足だったし。」 「えっ、接客なんてやったことないですよ・・・?」
普段は厨房のほうで料理を作っていて接客なぞやったこともなかった。
「大丈夫大丈夫、これウェイトレスの制服ね。あとはマニュアル読んどいてよ」 相変わらずいい加減な人だ。仕方ない、とりあえず奥の更衣室で着替えることにしよう。
「あれ?新しい子?ていうかここ男子更衣室だよ」 いつものように更衣室のドアを開けるとバイト仲間のMがいた。「あー、実はかくかくしかじかで」 「へー、お前Tか・・・、ふーん・・・。大変だな。」
そして、いつものように着替えようと服を脱ぎ始める。「おいおい、女子更衣室いってくれよ。」 Mが少しニヤニヤしながら言う。「え?あ、うん。ごめん。」 既に脱いだジャケットをもう一度着て女子更衣室へ向かった。
女子更衣室のドアを開けるとバイトの女の子SとRが着替えていて、つい慌ててドアを閉めてしまった。体は女とはいえ中身は男だし入ってもいいのだろうか・・・?
ガチャ。どうしようか考えていると着替え終わったのか二人が出てきた。「ん、新人?」 「あっと、かくかく(ry」 「あのニュースのかぁ〜、大変だね」 「で、こんなところで何やってるの?」
「いや、今日は接客やってくれって言われて・・・。」手に持った制服を見せる。「そうなんだ、じゃあ早く着替えてきちゃいなさいよ。」 「わかんないことあったら聞いてね。」二人はそう言うととっとと行ってしまった。
これで安心して着替えられるが、助かったような少し残念なような・・・。とりあえず着替えよう。
制服は白いブラウスに黒のスカート、エプロンだ。まさか自分がこれを着ることになるとは・・・。

マニュアルに目を通しつつSとRに教えてもらいつつ、なんとか接客をこなしていく。「いらっしゃいませ〜、2名様ですね?こちらへどうぞ。」
客の中にも、耳が長かったりカラワイ着てGH420を連れていたり鼻が動物風だったりとなっている人がいた、さすがにキャストはいなかったが。
そうこうしているうちに上がる時間になり、更衣室で着替えているとSとRが入ってきた。「おつかれ〜。」 「ねぇねぇ、今度合コンやるんだけどCもこない?」
「は?合コン?中身は男なんだけど・・・。」 「大丈夫だって!最初から女ってことにしてもバレやしないって!」 「よし、決まり!」 無理やりな人たちだ。

「ただいま〜。」 アパートに帰るとLは夕飯の支度をしていた。「あ、おかえりなさいませC様!」 壁際にパノンの置物がいくつか並んでいる。こいつ、今朝のゼリーで作ったのか。
なんだかどっと疲れた。そのあとはLの作ってくれた夕飯を食べ、Lと一緒に風呂に入ってとっと寝た。明日は月曜日、大学にはどの服を着ていこうか。

久々にネ実3きたらスレがまだ残っていたのでちょっぱやで書きなぐった
かなり雑で読みにくくてごめんね、ていうか読んでる人いるのだろうか?

久々にゲームしようかな
410名無しオンライン:2007/01/23(火) 19:07:50.85 ID:2DAyGtl7
久しぶりにここへ来て……

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
いっぱい職人さん達がキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
411名無しオンライン:2007/01/23(火) 19:36:23.09 ID:pFf6/YJd
>>409
おおう、GJです!
続きに期待してますよっ
命を大事に。
412名無しオンライン:2007/01/24(水) 18:26:50.86 ID:eIpF8DG9
GJでございます!
F5F5F5F5F5F5F5F5
エひゅ・う・・ゴフっげふっ・・
413名無しオンライン:2007/01/24(水) 18:35:01.31 ID:E90v+bc1
皆GJ!!!!!F5F5F5F5F5・・・・・
正直書くより読むのが楽しい件。
414GH450:2007/01/24(水) 20:30:45.77 ID:ISi1gSKb
>>413
そ、そんなこと言わないであなたも書いてください!
スレ活性化のために!

って、進化させてない450が言ってた。二人揃って進化反対だがな
ともかく、F5が壊れそうだ
41557@僭越ながら:2007/01/24(水) 21:05:12.90 ID:E90v+bc1
人通りの全く無い路地。いや、寂れたような場所。こういうところもあるんだな。

「なぁ・・・アンタ、名前を教えてくれないか?」
アルは女鉄仮面もとい仮面の下はきっと超絶美女に、名前を聞いた。
決して、書き手が面倒くさくなったからではない、ないのだ。
「君さ、女性の名前を聞く時って、いつもそんな感じなの?」
「これは失敬!俺の名前はアル。見ての通りのキャストだ。あなたのお名前は?」
女鉄仮面もとい仮面を取ったら一目惚れフラグ?は、やれやれというような仕草をした。
「はぁ・・・まぁいいや。私の名前はフィル」
「そうか。フィルさん、どこへ行こうと?」
「・・・ここ」
フィルは急に立ち止まり、ある方向を指差した。
そこには、PSUの世界には似つかわしくない西洋風な屋敷が立っていた。
妙な違和感を感じる。やはり、罠だろうか。

「ここは?」
「ある人の屋敷。その人が貴方を見つけ、ここに連れて来いと言ったの。
 「外」と聞いたのは、貴方が本人かどうか、反応を見る為」
どういう事だ。ある人・・・。俺がこっちに来た事を知っているのは、髭の男だけだろう。
そういう事なら、罠でしかない。どうするべきか。

深く考えるのを止め
「どうして俺の事を? なぜ、ここへ?」
直球で聞いてみた。
フィルはまた、考えるような仕草をした。その仕草が結構可愛い。
顔を見てみたいという好奇心は、抑えられそうにも無い。

「君、イーサンやマガシに会ったなら、あの人の事について何か聞いてない?」
思い出してみる・・・。そういえば、言っていたな。
彼らを現実世界に送り込んだ者。少なくとも髭の男と戦う者、という事になる。
ならば、敵の敵は味方、という事か?

不意に、屋敷の扉が開け放たれた。
中から、ガチムチビースト野郎が出てきた。いかつい。
「よぉ、フィル。そいつがアルだな?」
「えぇ、彼がアル。無玄を追ってこちらに来た者」
「あの髭野郎と互角に戦ったそうだな。相当「デキル」って訳だ」
髭の男の名前・・・無玄と言うのか。たしかに、ニューデイズの和服のようなのを着ていたな。何か納得。
しかし、そこまで知っているという事は・・・──

「じゃあ、ちょっくら試させてもらおうか。お前も武器を出せ」
ガチムチビーストが、ナノトランサーからオノを取り出した。いや、似合いすぎだろ。
「な、え、ちょっ!」
「ヒート、少しは手加減してあげてね。彼は重要なんだから」
「うぇ、フィルさんまで・・・」
「おぅ、任せとけ。なぁに、ちょっと腕前を見るだけだ」
「ま、待ってくれ!髭の男との戦いで俺は負けていたし、それにコロニー内のこんなところで戦っていいのか?!」
「細かい事は気にすんな!さっさと武器を構えな」

ヒートの威圧感に圧されそうになりながらも、自慢の槍を取り出し、構える。
仕方無い、やるとなったら本気で戦うしかない。

少し広い路地。居るのはそこにいる3人だけ。
そこには、異様な空気が漂っていた。
41657@僭越ながら:2007/01/24(水) 21:06:29.98 ID:E90v+bc1
どう見ても分が悪い。
相手は、戦い慣れした感じのマッチョビースト。威圧感も並みじゃない。

ここは槍の利点、即ち、距離を保ちながら戦うのが得策か。

そう思った瞬間だった──
「行くぞ!」
速い。ヒートが踏み出していた。
一気に距離を詰められる。完全にあちらの間合い。
オノを軽々と持ち上げ、振り下ろす。
「っ!」
槍の柄で何とか防ぐ。が、なんという力だ。
思わず片膝をついてしまった。それでも何とか持ちこたえる。
全ての力を出してオノを振り払い、距離を取る。
「どうした、お前の力はそんなものじゃない筈だぞ」

勘弁してくれ・・・。こっちは戦いたくて戦ってる訳じゃ──
刹那、ヒートがまた踏み出していた。
槍を連続で突き出し、間合いに入られないようにする。
二の舞は御免だ。
ヒートはそれを、巧みに避けながらまた距離を取った。
「なかなかいい突きだ」

お互い距離を保ちつつ、少し間。俺がキャストでなければ、汗だくになっているだろう。
何が、ちょっと試す、だ。どう見ても本気の戦いじゃないか。

・・・よし、今度はこっちから・・・。
俺は踏み出し、こちらの間合いのギリギリから、槍を突き出す。
ヒートは巧く避けながら
「そんな攻撃じゃ、決め手にならんぞ」
そんな事は分かってる。こちらの隙を作らないように、相手の隙を窺っているだけだ。
「考えが甘いッ!」
ヒートがオノを思いっきり、突き出された俺の槍に叩き込んだ。
なんという力だ。槍を落としそうになる。
その一瞬を衝いて、ヒートが間合いを詰めてくる。
「南無三ッ!」
俺は何とか持ち直し、槍をヒート目掛けて突き出す。

時が止まったようだ。

全てが、静寂に包まれている。


{続く気がする・・・}
417名無しオンライン:2007/01/24(水) 21:17:03.27 ID:E90v+bc1
>>414
僭越ながら、投下させて頂きました。実はメインキャラのPMもGH450だったり。450いいよ450!
そして同じくF5が壊れそうです。皆GJすぎだぜ。
418名無しオンライン:2007/01/24(水) 22:46:35.05 ID:ZhCKMlf8
>>417
何を、あなただってGJじゃないか!
続きを楽しみにまってまふ。
419名無しオンライン:2007/01/24(水) 22:49:47.91 ID:hfWV/OyU
何だかスレが活性化してキタ━\(゚∀゚)/━!!!!
とりあえず足りないと思うんで置いときますね
つF5
420名無しオンライン:2007/01/25(木) 01:33:36.49 ID:j2nLCjKE
F5が壊れたァ!!
仕方ない、代わりにチロハチョコをはめるか
421名無しオンライン:2007/01/25(木) 14:26:41.45 ID:efRfjQCz
F5   F5   F5   
  F5   F5   F5
┐  ∧,∧  F5
| (   )    F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5
422名無しオンライン:2007/01/26(金) 21:07:37.07 ID:eDSRhMza
ほす
423名無しオンライン:2007/01/27(土) 01:37:07.61 ID:yIbGykiZ
2月19日、ホルテスシティ近くの野営基地にて

今朝は不吉な夢で目が覚めた
愛するパルムが長年侵略にさらされるのを見てきたからだろうか
私は雪空の下、野営基地の中を歩き回った
兵士たちは皆傷つき疲れ、目に絶望の色を漂わせていた

そのとき、初めてその少女を見た。少女は、カレンと名乗った
ニューマンの娘で、ライフルの扱い方すら知らない
カレンはパルムを救うつもりだと言った
兵士の心から闇が消えた

カレンの声は確信に満ち、我々はその一言一句に聞きほれた
カレンには、我々が失ってしまった信念があった

カレンは私たちに、パルムの王太子が匿われている海底基地へ連れて行ってほしいと頼んだ
海底基地への道は戦いで引き裂かれ、至る所に敵がいる。多くの兵士が命を落とすだろう
しかしカレンの為に、我々はもう一度死に立ち向かうつもりだ
42457@保守:2007/01/28(日) 02:49:44.21 ID:fwCNTsdt
長い静寂に感じられた。時間にしては、それ程でもないだろうが。

ヒートのオノは、俺の腹部を捉えていた。寸止めってやつだ。
俺は、自分の手元をゆっくりと見てから、槍の先を見た。

槍は、ヒートの喉元に突きつけられていた。こっちも寸止めってやつだ。
ヒートがオノをゆっくりと下ろした。俺も槍をゆっくりと下ろす。

「へぇ・・・やればできるじゃねぇか」
「へへ、アンタもやるな」

戦友と書いて「とも」と読む、か。こいつとは気が合いそうだ。
しかしこの男、見れば見るほどガチムチビースト。顔も渋い。
一部のマニアックな者が見れば「ウホッ」ものだろう。
無論、俺にそんな趣味は無い。俺が好きなのは──

「はいはい、そこまでね。で、どうなの?ヒート」
「俺を本気にさせやがった。まぁ、あの人の推測通りだな」
あの人・・・という事は、このヒートという男も「あの人」では無いということだ。
「・・・なぁ、ずっと気になってたんだが、「あの人」って一体誰なんだ?
 イーサン達もずっと「あの人」や「あの御方」と呼んでいたが」
「それは、会えばわかるさ。あと、さっきから聞こえてると思うが、俺はヒートってんだ」
「ああ、何度も聞こえてきたし知ってる。俺はアルってんだ」
「ああ、あの人から聞いているし知ってる。まぁ、ついて来い」
ヒートは豪快に笑うと、屋敷の中に入っていった。
フィルが近付いてきた。
「アル。中に入って」
いきなり呼び捨てとは・・・しかし、何故かエロイ響きに聞こえたのでいいとしよう。

西洋風の豪華な屋敷。この近未来的なコロニー内で浮きまくっている。
しかし、なぜ西洋風屋敷。あの人とやらに訊けばいいか。

屋敷の大きな扉をくぐり抜ける。そこには──
「デジャブか、これは」
中の造りは、とてもPSU的というかなんと言うか。
そう、現実世界であのビルに入った時のような。
ビル・・・?

俺は、大事な事を忘れていた。
譬え、PSUの世界に入り、訳が分からなくなっていたとしても、だ。
激しい自己嫌悪に陥りそうになったが、何とか持ちこたえる。
あのビルに入ったのは何故か。
あの装置に飛び込んでまで、こちらに来たのは何故か。
それは、あの男勝りなロリっ子隊長の為ではなかったのか。
髭の男・・・無玄の事もあったが、みい隊長を助け出すために、飛び込んだ筈だ。
もう一人捕まっていた気がするが、気のせいだ。

「・・・どうかしたの?」
立ち尽くしたままうつむいていた俺に、心配してくれたのか、フィルが話しかけてきた。
改めてフィルを見る。今まで気付かなかった俺は馬鹿なのだろう。何でこんな重要な事を・・・。
42557@保守:2007/01/28(日) 02:51:13.68 ID:fwCNTsdt
フィルのパーツは、パトリエル・トルソではないか!
はだけたパーツから、胸の谷間が顔を覗かせている・・・これは、かなり・・・エロイ。
「うぅむ、これは・・・」
「大丈夫?」
そんな事を考えている場合では無かったな。

「・・・いえ、ちょっとデ・ジャヴィゥウを、ね」
あの人、とやらなら、みいの場所を知っているかも知れない。
いや、あれだけの情報を掴んでいたのだ。絶対に知っている。
それを、絶対に聞き出してやる。
「はぁ・・・?」
「そんな事よりフィルちゃん、家の中だし、その仮面を外さないか?」
フィルは、何から驚いたらいいのか分からない、というな仕草をした。
それを読み取れる俺は凄い。というか、何なんだ、この俺の切り替えの早さは。
顔を見たいという欲求に負けたのか。いや、キャストに変わったせいに違いない。

「そうね・・・」
へ?ま、まさか。見せてくれるのか!
「あ、勘違いしないでね?これは、色々と事情があって着けてるの」
「そうなんスか」
「えぇ、そうなの。あいつらの手先が何処に紛れているか、わからないしね」
あいつらというのは無玄の仲間か、それとも別の・・・。
フィルは、これまたエロイ手つきで、首の後ろに手を持っていった。

外そうとしているのがよく分かる。でも、外れないのもよく分かる。
「あれぇ・・・おかしいなぁ」
何とか外そうとしている姿が、可愛らしいというか、エロイ。
「ねぇ、ちょっと・・・」
これはもしや、そういう展開なのか・・・そういう展開なのか。
「こっちに来て、外してくれない?スイッチみたいなのが、あるはずだから」
そういう展開だ。フィルはゆっくりと後ろを向いた。
待て、落ち着け俺。と、キャストになったせいか、強力になった理性が前に立ちはだかった。
以前の俺ならすぐに飛びついて・・・それだと、只の変態ではないか。
もしかしたら、俺は試されているのかも知れない。
これは何かのテストで、俺の力量を計るために──

「ねぇ、まだ?」
その声は反則だ。俺は、通常ではありえない速度で、フィルの後ろに移動した。
後ろに立ってわかったが、フィルは思ったよりも小柄なようだ。だが、それ程小さい訳でもない。
このマスクと、肩パーツ、そして胸の大きさの印象のせいか、気付けなかった。
「スイッチ、スイッチっと」
そんな事を、フィルに聞こえるように言いながら、つま先立ちをしてみる。
そこから見えた風景は(以下、長くなるので省略)

フィルの顔は所謂、凛々しい顔立ちだった。そして、美しく黒い髪。
「手間を掛けてしまったわね。さぁ、早く行きましょう」

少し進んだところに、扉があった。無論PSU式の。
この先に「あの人」とやらが居るようだ。
屋敷の外装を見ても、現実の人間だろうという事はわかった。
イーサンやマガシをも動かせる者。
俺は少し、緊張してきたようだ。

{続く・・・}
426名無しオンライン:2007/01/28(日) 04:30:19.15 ID:mQqIN6e2
F5   F5   F5   
  F5   F5   F5
┐  ∧,∧  F5
| (   )    F5
 ̄ ⊂/ ̄ ̄7 F5
427名無しオンライン:2007/01/28(日) 11:14:41.74 ID:ZKD/G/Nu
チロルじゃだめだった
F5買いに行ってきマース
428名無しオンライン:2007/01/28(日) 13:51:04.50 ID:uUMmFphC
F5が壊れるやべぇww
429名無しオンライン:2007/01/28(日) 21:22:02.83 ID:YHvstt50
朝起きて鏡見たら自キャラのビス♂になってた。驚く暇もなく支度して飯食って学校へ向かった
途中どうしてもトイレに行きたくなったので公園へ寄った。
するとそこのベンチに濃い緑のパーツで身をまとったカーツがいた。突然目の前でメットと胴体を外し
430名無しオンライン:2007/01/28(日) 21:29:09.27 ID:9QDRsUz8
神投下
431名無しオンライン:2007/01/30(火) 01:04:50.82 ID:Lv3Zux9d
僕が8歳のとき、妹が生まれた。
それと同時に、母が死んだ。
こいつのせいで母さんが死んだんだ。そんな風に妹のことを恨んだこともあったけど、
今はそれが無意味だって知っている。
僕が17歳のとき、父が過労で死んだ。
僕がもっと父さんを支えられていれば。そんな風に自分を責めたこともあったけど、
今はそれが無意味だって知っている。
父さんが死んだ後、僕は高校を中退して働き始めた。
あれから6年。
僕、宮村真治 23歳。妹、宮村塔子 15歳。
妹が大学に出て、独り立ちできるまで支え続けること。
それだけが意味のあることだと信じて今まで生きてきた。
不思議と青春を犠牲にしたことへの悔いはなかった。
もともと何かしたいことがあったわけでもない。
むしろ、誰かのために生きることが心地いいとさえ思えた。
僕たちのために死ぬまで働き続けた父も、こんな気持ちだったのかもしれない。
生活は決して豊かではないけれど、僕は自分のことを不幸だとは思わない。
たぶん塔子も同じ気持ちでいてくれていると思う。
これからも兄妹2人でうまくやっていけるだろうと信じていた。
あんなことが起こるまでは。
432431:2007/01/30(火) 01:05:23.11 ID:Lv3Zux9d
つい10日程前から奇妙な事件が話題になっていた。
体が少しずつゲームのキャラクターの姿に変わっていくという突拍子もない事件。
最初は顔や目、耳など細かい部分が変化していき、徐々に身長や体つきがバーチャル世界のそれに変わっていく。
その変化の様子を追っていくような番組もできた。
いかつい筋肉質の男性が徐々に可憐な少女になっていく様はとても奇妙で、塔子と2人で笑いながら見ていたのを覚えている。
でも、番組開始から5日後。僕たちの笑顔は凍りついた。
完全にゲームキャラクターとなったその人物は、カメラに向かってポーズをとったり、飛び跳ねて見せたり、
その人間離れした、かわいらしい姿を視聴者に存分に披露していた。
だが、彼女がカメラに微笑みかけたその瞬間、まるで粉砂糖のように体が崩れ、そして消えた。
CGか何かだろうと、なにかの演出だろうと思ったが、翌日のニュースでそれを否定せざるを得なくなった。
消えたのは彼女1人ではなかった。
体がゲームのキャラクターに変化し、5日後、完全に変化した後、消滅する。
その奇病は多くの人間の背筋をゾッとさせた。
だが、僕にとってはどうということはなかった。
奇病にかかった人間の共通点は、PSUというゲームをやっていたこと。
僕はゲームをまったくやらないし、塔子もその手のものにはさして興味がないようにみえた。
だから、それほど心配はしていなかった。
他人事だったんだ。僕たちには関係ないと。
433431:2007/01/30(火) 01:06:58.60 ID:Lv3Zux9d
いつもの朝だった。
塔子より30分はやく起きて、顔を洗って朝食の準備をする。
準備が終わったら、妹が起きてくるまでコーヒーを飲みながら新聞を読む。
いつも通りの朝だった。
あと5分ほどすれば、騒々しく階段を駆け下りて、
「おはよう!」と元気よくリビングへの扉をあけるだろう。
でも、その日は10分たっても塔子は1階へ降りてはこなかった。
コーヒーを飲み終えてしまった僕は、このままでは学校に遅刻してしまう妹を起こすために
2階へとのぼり、手前の部屋の扉を軽くノックした。
「そろそろ起きないと遅刻するぞ。」
返事がない。もう1度ノックする。
「塔子?」
また返事はなかった。
ドアノブに手をかける。
以前同じようにいつまでも起きてこない妹を、部屋に入って起こしたことがあったが過去覚えがないほど怒られた。
塔子は自分の寝相を見られるのを極端に嫌う。
許せよ。心の中で呟いてドアノブを回す。
扉を開けると、塔子はベッドの上で体育すわりをし、うずくまっていた。
どうやらすでに起きている様だった。
「おい、起きてるならさっさと・・・。」
異変に気づき、言葉を止める。
泣いてる・・・?
「どうした?具合でも悪いのか?」
塔子は弱々しく首を振って、小さく、口を開いた。
「どうしよう・・・死んじゃうよ・・・私死んじゃう・・・。」
「おい、大丈夫か?」
ベッドに近づいて小刻みに震える妹の肩に触れたとき、気づいた。
長いストレートの髪から覗くとがった耳、そして、
「お兄ちゃん・・・私死んじゃうよ・・・っ!」
顔を上げ、涙を湛えながら僕を見つめる青い瞳。
「うそ・・・だろ・・・。」


妹が消えるまで、

後5日。
434名無しオンライン:2007/01/30(火) 08:31:50.48 ID:eoI/yh+3
あなたが……神か?
435名無しオンライン:2007/01/30(火) 08:41:07.20 ID:4XOcmMRb
  ∧_∧  +
 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゜∪ ∪ +
 と__)__) +
436名無しオンライン:2007/01/30(火) 13:33:48.22 ID:XZ87f1l2
ネ申キタアーッ!
437名無しオンライン:2007/01/30(火) 17:16:18.27 ID:eAQNvGxi
神光臨期待age
438名無しオンライン:2007/01/30(火) 19:26:46.19 ID:YI9sYYIU
・・・はぁ、また昨日寝落ちしちゃったよ、PSUやると何故か眠・・・
ん?なんだろ、何かおかしい。
あぁいつもの自キャラがどうこう言う奴か・・・!?

「アッーーー!!」

・・・まぁ良くある事か。
とりあえず鏡を見ておこうと洗面所に足を運ぶ。
「さて、いったいどのキャラになったのか楽しみだ」
1stの見吉風ヒュマ男か、2ndのエロカワイイニュマ子か、はたまた3rdのロリビス子かもうwktkだぜ。

洗面所に到着し、鏡に手を付いてをまじまじと見つめ一言。

GH-101「わたしになまえをつけてクダサイ」
439GH450:2007/01/30(火) 21:53:03.94 ID:JzILCOvM
 間合いを詰める事はしても、自ら飛び込んでいくことはしない。
そもそも現実での戦闘経験なんてそれこそ昔やった授業でやった
剣道でしかない。それでも、あくまでも試合であって、実戦でもない。
試合うことと命を張ることの間には決して越えられない壁がある。
 ――が、それは相手とて同じ事。頭で戦うしかない。
「だらっしゃああぁぁぁっ!」
 向こうからぽっちゃりめの女が飛び蹴りをかましてくる。綺麗な
ドロップキックだ。もしかしてプロレスラーかもしれない。
 私は自分の勢いを殺すと、軽く屈んで構えを作る。そして揃え
られた両足の打撃ラインから外れ、手に持つレイピアで思いっきり
足を打ち上げる。気のせいか、ライジングストライクのフォームに
なったようだが、アーツの発動方法が未だよく把握出来ていないので
そこは気にしない。
「ちょ、ちょっとぉーっ!」
 足を引っ張り上げられた女は上半身を回転軸として一回転、二回転
、床に後頭部直撃でお陀仏となった。なんという倒され方。ショッカー
もかくやというところだ。
440GH450:2007/01/30(火) 21:53:20.44 ID:JzILCOvM
「白兵戦に高さはいらないのよ!」
 挌ゲーのように勝利ヴォイスを吐き捨て、前を向く。
 人数バランスのおかしいこの戦いは自動的に一人あたり十人近く
片付けなくてはならない。言い換えれば、一人あたり十人を相手に
しなくてはならない。さらに言えば、律儀にも一度に一人でかかって
くるようなおばかさんは鉄砲玉以外にいないはずだ。
 ビス子とキャス男のコンビが私に狙いを定めたのも、それゆえの必然
だろう。
「一本じゃ――!」
 とっさにうなじへ手をかざす。変異する前にパレットに入れていたのは
なんだったか。ちょうど20分ぐらい余裕があったから、ハゲでもやってた
はずだ。……そうだ、それで回線落ちだったか寝落ちしたんだ。ということ
は、あれがあるはず――!
「来なさい、ムクフィト!」
 それがそうと確認する暇もなく、敵の拳と爪を受け止める。機械質むき出し
の長い柄が、煌くフォトンの打撃を吸収していた。体重ののったいいパンチ
なのにそれほど響かなかったのは、偏にふさふさの絨毯のおかげだ。
441GH450:2007/01/30(火) 21:53:31.48 ID:JzILCOvM
 武器変更の光が収まれば、そこには氷44%の蒼い槍が。奇跡のように
私に授けられた、相棒が。
 ――ドゥース、ロバットォ!
 敵に連続攻撃を受けるとマズい状況なら、さらに後ろに下がれない状況なら
どうするのが正解か、私の脳はそれを瞬時に判断し、刹那の後には豪槍を
紫の軌跡を描きながら振り回していた。とび蹴り女より大きく、そして力強く、
一、二三、四――
「どおっ!?」
 五振り目で二人は吹き飛び、少し遅れて来ていた変異者たちを巻き込んで
壁に衝突した。ああ、伝統をぶち壊した罰だの何だの言っておきながら、私も
立派な器物損壊罪だ。……まあ、勝手に飛んで行きまして言おう。
「よぉ、どうよ」
 グッダ・ガンドを敵に向けたまま、I’LLが話しかけてきた。
「どうもなにも、楽しかないわ」
「じゃあ何か、嫌なのか、つまんねえのか」
「そんなこと別に言ってないでしょう、っと!」
442GH450:2007/01/30(火) 21:53:42.16 ID:JzILCOvM
 カードの弾を払い落とす。犯人は既に杖を構えていて、大きな岩石が生まれた。
21以上のディーガだが、私は特に対処には走らない。何故なら、
「ちょっとあんたたち、あたしに援護まかせっきりってどういうことなのよ!」
 イヴのレーザーが即座にそれを破壊するからだ。ついでだというように、青い
光線が放ったフォースの肩を打ち抜く。
「ファイガンナーじゃないんだから、あなたは支援のほうが向いてるのよ!大体
あなたマシンガンは性に合わないって言ってたじゃなぁい!」
「確かにそうだな」
「ちょ、I’LLも味方するの!?」
 叫びながら、グッレ・ナッパムに持ち替えて密集地帯へ爆撃を送り込んでいる。
流石に大臣なだけあって、手際と効率がいい。
「まあなんだ、タイプ合わない武器は持つのも無理だって分かっただろうよ。変更
の仕方がわからねえんだ、そんなに突っ込みたかったら、姫が売るほどダガー
持ってるから貸してもらえ」
「あ、それもいいわ……」
「だめですよ?」
443GH450:2007/01/30(火) 21:53:53.14 ID:JzILCOvM
 言い終わる前に、三人ほどを巻き込んで舞姫がアンガ・ドゥカレガで壁に叩き
つけていた。
 すぐさまイヴの下へ寄ると、
「この間の少年の件で裁判に口利きしてあげたじゃないのよ」
「あらあら、それは袖の下で解決したはずじゃありませんか? それにあれは
お願いというより単なる希望的観測を口にしただけですけど……本当なら見返り
が行き来することがおかしいような気もしますわ」
「いや、あの、それは……」
 閣僚内のパワーバランスが垣間見えた気がしたが、別に政治の世界へ飛び込む
つもりはないので、
「いつもあんなかんじなの?」
「そんなかんじだ。ほら、次行くぞ」
 ドン、と背中を押され、ささやかな疑問を追いやりながら、私は巨槍を携えて再び
状況を開始した。
444GH450:2007/01/30(火) 21:55:35.84 ID:JzILCOvM
どうも、わたしです。
ええと、やっぱり戦闘描写は苦手です。
でも、まいた種ですから、がんばって書きます。

って、ソリフォース発掘に喜んでる450が言ってた。
450よ、今それは値下がりしてるんだぞ……
44557@凡人:2007/01/31(水) 02:42:50.13 ID:yQ0YjlQC
GJ!ここは神の多いインターネッツですね。
凡人ながら、続きをこっそり投下。
44657@凡人:2007/01/31(水) 02:43:29.32 ID:yQ0YjlQC
そこに居たのは、見知った顔だった。直接会った事は無かったが。
そして、ある意味納得した。
「やぁ、君がアル君だね。まぁ、掛けてくれ」

その者は、椅子を指差して言った。
・・・。・・・・・。

「な、中さん、中さんじゃないっすか!」
「どうも僕です。中 裕二です」
「・・・どうして中さんがこっちへ?」
「それが実は・・・」
PSUキャラクターに変わってしまうという異常事態。
中はその時、それの対応に追われていた。
しかし、ある時だった。中は、「見吉の野望」に気付いてしまった。
どうするか悩んでいた時、偶然、PSU内へ渡る方法を見付けてしまった。
自分自身、半信半疑だった。本当にそんな事が可能なのか。

それから数日、ついに見吉が中に対し「野望」を打ち明け、仲間にならないか、と誘ってきた。
中は内容を聞き、驚愕した。そして、断った。
そのせいで中は、見吉に命を狙われる事になった。
そして、中は必要な物を持ち出し、イチかバチかで、PSU内へと渡ったのだ。
自分の携わったゲームとはいえ、最初は勝手がわからなかった。
ここから色々と大変だったようだが、それはまた別の物語。

ゲーム内でプロテクトを掛け、少しだけデータを改変し、見吉に対抗する準備入った。
そして、仲間を集めた。ガーディアンズ内、同盟軍内など、各所の信用出来そうな者を引き入れた。
見吉の仲間が、どこに隠れているかわからない。今まで、事を慎重に運んできた。
だが、髭の男が現れた。想定外の存在だった。
その男、無玄はエンドラム機関の残党を使い、現実世界の人間を攫ってくる事を始めた。

「しかし・・・なぜ」
「・・・ん?」
「西洋風の屋敷を?」
「そっちか。いやぁ、僕はこういうところに、一度は住んでみたくてね」
「それだけッスか?」
「ああ、それだけ」
「しかも、外装だけ」
「内装も手を加える、となると面倒なんだよ。それに、こちらのほうが色々と便利だしね」
しかし、目立ち過ぎはしないのか。

見付けてくれ、といわんばかりの外装だった。
「データが改変出来るのなら、簡単に終わるんじゃないんですか?」
「改変といっても、本当に少しの事だからね。ある特定のものを改ざんしたり、
 勝手にキャラクターの思想を変えたりも出来ないんだ」
しかし、本当に中さんだ。なぜ、中さんなんだ。

「そういえば、どうやって俺の事を?」
「我々は常に、ネットの状態を監視しているのだ。異変があったらすぐにわかるようにね」
「では、俺以外の人の事も・・・?」
「ああ、その通りだ。しかし、あの無玄という男、一体何を・・・」
「あの、じゃあ、俺の知り合いの事も──」
中が手で制した。
「焦るな、その話もする。まずは、見吉の野望について聞いてくれ」
44757@神に期待:2007/01/31(水) 02:44:56.77 ID:yQ0YjlQC
見吉の野望・・・それは──
「世界征服?!そんな馬鹿げた話・・・」
「ああ、馬鹿げている。だが、見吉は本気だ」
「いくらSEEDを使っても、そんなことは・・・」
「考えても見たまえ。もしも、ラスボス級のSEEDフォームを何十体も現実世界に引きずり出してみろ。
 核兵器でも使わない限り、まとめて潰すことは出来ないだろう。例えその場にいるものを潰しても、
 このPSUから更に引き出せる。全て潰す事が出来てもその頃には、人が住める場所が残っているやら」
「そ、そんな話・・・」
「只の例え話さ。そうはならないかも知れない。というより、そうはさせない」
少し前の事だが、日本の自衛隊がその自衛権を持って、SEEDフォームと交戦した。
だが、SEEDフォームに現代の兵器は、余り通用しなかったのだ。
だから変異した人々を集め、SEEDフォームと対抗する事になった。

そんなSEEDフォームが、しかもラスボス級ともなれば、変異した人々でも・・・。

------------------------------------------------------------------------
事は、順調に運んでいた。
「どうだ、酒井君。そちらの状況を伝えてくれ」
「こちら酒井。現在地はモトゥブの砂漠です。砂漠一帯の敵キャラクターの洗脳に成功しました」
「そうか、良くやってくれた。酒井君は引き続き、各地の敵キャラを操れるようにしておいてくれ」
見吉はにやりと笑い、近くの端末に目をやった。
つい先日の事だった。見吉達は、PSU内へと侵入する方法を見付けた。
それで分かった事があった。例えキャラクターに変わっていなくても、PSU内に入れば
キャラクターのような力が手に入る事を。調整方法は判明していないが、いずれ・・・。

端末に通信が入った。
「見吉さん、応答願います」
節政だった。彼はどことなく、ルー大柴に似ている。
「どうした、節政君。何か問題でも?」
節政には、主にガーディアンズコロニーを調べさせていた。
ガーディアンズの動向調査。そして、プロテクトを掛けた者の調査。
「それが、変なんです。こんなものがある筈は・・・」
「変とは、どういう意味だ?」
「ガーディアンズコロニー内に、西洋風の建物があるんですよ。こんなもの、
 PSUの設定上ありえません。画像を送ります」
すぐに端末へとデータが送られてきた。確かに、西洋風の豪華な屋敷だった。
その場にある筈の無いもの。あるとすれば、持ち込んだということか。
プロテクトを掛けている者。その可能性が一番高かった。
しかし、なぜこんな目立つものを・・・。しかも、何故西洋風。まぁ、そんな事はどうでもいい。
「節政君。そこはガーディアンズに見付かりそうな位置か?」
「いえ、人通りも全く無く、ガーディアンズの専用区域からも離れています」
「よし、ならば使えるものを使い、すぐに攻めろ!相手に逃げる暇を与えるなよ」
「!・・・。了解しました。すぐに、ですね」
これでいい。先手必勝だ。あんな建物、現実世界の人間しか使わないだろう。
例え、プロテクト掛けた者でなくとも、絶対に手掛かりになる。
見吉は確信していた。

{続くような気はする}
448343:2007/01/31(水) 09:59:25.56 ID:G8lp6q0M
「……女の人?!」
私は驚愕した。ヒロ君と一緒にこちらに向かってくる金属質な足音は紛れもなくキャストの足音。
しかも足音から察するに背丈の小さなキャスト♀だ。
「なん…で……」
なんでヒロ君と一緒に歩いているのか。
そりゃ、ヒロ君の交遊範囲は広いから、そういう友達がいるのは知っているし、
もともと女性キャラクターの多いPSUの事、自然と女性キャラクターの友人が増えるのもわかる。
でも……、でも今まで一度も「女性キャラクター」が一緒に部屋に来る事なんてなかった。
これは一体どういう事なんだろう。
私は再び二人の方に耳を傾ける。
『いつも通り?』
例のキャスト♀がヒロ君に声をかける。なんて甘ったるい声をしてるんだ。
しかし、私の思考はヒロ君の台詞で停止する。
『そそそ。腕くんだり、上目遣いに『ヒーロくーん』とか甘えてみたり…』

最初、私は聞き間違いかと思った。
しかし私のキャストとしての聴覚は一言一句間違いようもない事を今までの経験から知っていた。
「腕を……くんだり、甘えて……みたり…」
もはや何も聞こえてはこない。何やら相手が話しているが、そんなものは雑音にしか聞こえない。
私に聞こえるのはヒロ君の信じられない言葉を繰り返し再生する頭の中の声だけだ。
私の知らないところで、ヒロ君がそんな事をしている。
全身の力が抜け、私はその場にへたり込む。
信じられない、信じたくない。そんな感情が渦巻いていた時に更なるヒロ君の発言が私を襲った。
『さぁ行こう、リーナ。彼女にちゃんと紹介しなきゃ』
紹介!?一体その女の何を私に紹介するというのだろう。
「ま、まさか!」
449343:2007/01/31(水) 10:00:02.89 ID:G8lp6q0M
「ごめん。君には黙っていたけど新しく彼女が出来たんだ」
「どぉ〜もぉ〜。リーナで〜す。うふっ」
「やっぱりロリッ娘は最高だよね!」
「あんたみたいな〜、でっかいキャストより〜、私の方が何倍もイケてるっていうか〜。私らチョーお似合い?」
「ははは、こいつぅ」
「ねね、ヒロ〜。こんなつまんないとこより〜、もっと楽しいとこ行って〜、楽しいことしよ〜」
「そうだね、それじゃ、さよなら」

「きゃあああああああああああああ!!」
サクッ
なんておぞましい未来なのだろう。
思わず突き出してしまったスピアがベッドを真っ二つにしていたが、そんなものは大事の前の小事。
もちろんヒロ君がそんな事をする人じゃないのはわかっているし、信じている。
しかし…リーナというキャスト♀がどういう人物かわからない以上、最悪の状況が頭から離れない。
「……リーナ…」
おぞましい想像をさせる諸悪の根源の名前を口にする。
「リーナ…ん?リーナ??」
名前を呼んで、ふと記憶の中からある人物が浮かんでくる。
──シリーナ・レイ
私がログインしていた頃、一度だけ一緒にミッションに行った事がある。
ロリなキャスト♀な姿をしていながら、男勝りな口調でヒロ君とずっと話していた。
その間、私はヒロ君から離れたところで、寂しく原生生物を屠っていたのだ。
それに、ヒロ君が私を訪ね、いろいろ話をしてくれている中にかなりの頻度で登場するその名前。
「……ふ……ふふふふ」
私の中から生じる得体の知れない感情で、笑いを抑える事が出来ない。
これは…怒り?それとも喜び?どちらでも無いようで、そのどちらでもある様な不思議な感情。
彼女は挑んできたのだ、この私に。
「ヒロは俺のもんだからな!」
頭の中のシリーナ・レイが私に挑戦状を叩き付けている。
そう、これはヒロ君を賭けての戦い。
本妻と泥棒猫の、夫を賭けた戦いなのだ。
「ふふふ、いいでしょう。レイさん、返り討ちにしてあげますわ。ふふふふふふ」

暗い部屋で一人笑うキャスト♂。その周りに不気味なオーラが見えるのは気のせいだろうか。
気のせいではないことは、彼女の思い込みは度を超えて激しいのだった。
450343:2007/01/31(水) 10:00:46.58 ID:G8lp6q0M
「なぁ…彼女の部屋っていうのは……もしかして、あれ…か?」
俺が指差した方向には扉が一つ。
「そうそう。よくわかったねー」
「いや、なんとなくなんだったんだが…。なぁ?」
「ん?」
「お前の彼女って……殺し屋かなんか?」
「『私の背後に立つな』って感じ?」
「いや、『うわーん』って泣きながら踵落しで切り刻む系」
「そりゃ怖い。けど全然違うよ?なんでそう思うのさ」
「いや…なんとなく」
あの部屋から俺の全身が粟立ってくる気配が襲ってくる。とは言えなかった。
これが殺気ってやつか?というか、俺ピンポイントで狙われてる?
「あ、そっか。なるほどなるほど」
何かヒロが気づいた様に呟く。
「リーナ、武器出しといて」
は?武器?
「様子見で、なんで武器が必要なんだよ」
「ほら、不測の事態に備えるっていうか、昔の人は言いました。『いくぞ英雄王』」
「『武器の貯蔵は十分か』って、お前の彼女は金ぴかなのか?!王の財宝なのか?!我って書いてオレって読むのか?」
「いや、白だよ」
「色は聞いてねえ!!しかもこの流れ、さっきもやったぞ!」
「ノリのいいリーナって好きよ。っていうか詳し過ぎ?」
「ほっとけ」
いちいち突っ込む立場も考えようだ。しかし、武器…か。
「武器を出すのは、仕方ない理解しよう。でもよ」
「何?」
「武器って、どうやって出すんだ?」
なんだか時間がひどく経っているようだが、思えば俺がこの姿になって一週間も経っていない。
その間も様々な事に振り回され、こんな事にも気が付かなかった。
「あ、そっか。リーナはまだ知らなかったんだね。
学園では実戦訓練もあるから、今のうちに覚えておいた方がいいよ」
実戦訓練?何でもありだな、この学園。
はてはストーリーミッションまで出てきそうだぞ。
「あ、それ実装予定、今教官探してるとこだってさ」
あ、そうですか。
451343:2007/01/31(水) 10:02:05.58 ID:G8lp6q0M
数分後。
俺の両手は鮮やかな光に包まれたナックルを握っていた。
ヒロの話だと、ナノトランサーがどうのこうの言っていたが、半分も理解できなかった。
まぁ、出来たからよしとしよう。俺は実践派…なんだろうさ。
「あいかわらずナックル好きだね」
ヒロが俺の姿をみて、あきれた様に言う。
「当たり前だ。漢は拳で語るもんだろ」
「ロリキャストだけどね」
「心が漢ならいいんだ」
そう、俺の所持している武器はほとんどがナックルになっている。
一応遠距離用にハンドガンもあるが、はっきり言って性に合わない。
PSUを始めてナックルを買った時から、一貫してこのスタイルだ。
もちろん、敵を吹き飛ばすなんて事は一人の時しかやらない良心は持ってる。
それにしても、
「やっぱり、しっくりくるなぁ」
初めて武器を手にしたというのに、あまり違和感がない。
まるで長年使い込まれた愛機の様に、ぴったりと俺の手に吸い込まれている。
これなら実戦訓練とやらも問題なくいけそうだ。
「それじゃ、彼女の部屋にいくよー」
そういうヒロの手には白く光る両手杖が握られている。
一体なんなんだ?
そんな疑問が解消されないまま、ヒロの彼女の部屋に着く。
452343:2007/01/31(水) 10:02:47.82 ID:G8lp6q0M
ピーンポーン
インターフォンを押すと、やけに現実的な音が鳴り響く。
ヒロはインターフォン前に立ち、中の反応を伺っていた。
すると、なぜかインターフォンではなく、横の扉が音も立てずスライドする。
ありゃ?彼女って引きこもり中なんじゃないのか?
ふと部屋の中を覗いてみるが、真っ暗で何も見えない。
「誰もいな…」
い。と言いかけた時、キャストである俺の目が部屋の奥に白い何かいるのを捉える。
目を凝らして見ようとした時、突然光が俺に向かってきた。
「っ!!」
眩しさのあまり、腕を上げ目を覆う。
ッギン!!
上げたナックルに鋭い衝撃が走る。
突然で、しかも強大な衝撃に尻餅をついてしまった。
なんだ、なんだ!なんだぁぁ!??
いきなりの展開に頭がついてこない。いや、体はたまたま動いただけで、実際俺自身がついていってない。
一体何が起こったのか、解説をくれ!
…まぁ、ここには解説者はいない訳だし、自分で見るしかない。
おそるおそる衝撃が走った方向を見ると、ナックルがべっこり凹んでいる。
「………!?なんだこりゃあああ!」
俺の命の次の次の次に大事なナックルに一体何が!?
「……ふふふふ、よく止めましたね、さすがレイさん」
初めて聞く声。どっからどう聞いても男声だが、口調が女…まさか!
「誰だ!てめぇ!」
見上げるとそこには全身白いキャスト♂がスピアを構えて立っていた。
背は高め、体つきは…やや細いか。しかしあの特徴的な顔は…。
「俺の彼女以外いないじゃん…」
肩を竦ませるヒロ。やっぱしそうかよ!
「なんで彼女が俺を攻撃するんだよ!」
そしてなんでお前はそんなに冷静なんだ!
「それは……自分の胸に……ききなさいっ!!」
白いキャストが俺に向かって再度攻撃を仕掛けてくる。
「うぉっ」
間一髪転がって避ける。…本気かよ!
「さぁ……」
白いキャストがスピアを構え直し、俺に向かって言った。
「…さぁ!ヒロ君を賭けて勝負よ!泥棒猫!!」

…なんだそりゃ?
よくわからないまま、オープンコンバット?
453343:2007/01/31(水) 10:06:01.57 ID:G8lp6q0M
すばらしい作品が次々と上げられている!
喜び8割、自分のつたなさに嘆き3割。…あれ?
何故か戦闘シーン突入の装いですが、なぜこんな展開になったのか私にもわかりません。

間延びしてきましたが、もう少々おつきあいいただければ、と思います。
454名無しオンライン:2007/01/31(水) 17:40:20.55 ID:E+Jsh/4M
彼女の妄想具合がとてもよかったです(笑)

続き楽しみにしてますよ〜。
455名無しオンライン:2007/01/31(水) 23:21:13.41 ID:rx9FD7p3
あれ?いつのまにか作品ラッシュが…神ラッシュが…
うわぁあわqあwせdrdftgyふじこlp;@F5F5F5F5F%f%F%55f%F%
456431:2007/01/31(水) 23:45:51.87 ID:8PHidZza
いつもとは違う重苦しい朝食。
塔子は目玉焼きの黄身をつぶして、それが白身に流れ出る様子をじっと見ていた。
とても食事が出来る心境ではないのだろう。
僕も、ひどく頭が混乱していた。
しかし、空腹を満たすために胃の中に食べ物をおさめ続けている。
こんなときにも食欲がでる自分が腹立たしかった。
「たぶん。ミキちゃんの家に行った時だと思う。」
塔子がポツリと、口を開いた。
「面白いゲームがあるからって、少し遊ばせてもらったんだ。」
「そうか。」
どんな言葉をかければいいのかわからなかった。
塔子はうつろな目で、目玉焼きを箸で細かく千切っている。
こんな顔をみるのは、父が死んで以来だろうか。
「食べないのか?」
「うん。」
僕の顔を見ずにこたえる。
「じゃあ、片付けるよ。」
「うん。」
塔子の前の食器を僕の食器に重ね、流し台に運ぶ。
蛇口をひねって水を出したが、すぐに止めた。
食器を洗う気分にはなれなかった。
ぬれた手をタオルでぬぐって、塔子の前に再び座る。
「とりあえず、病院にいこう。」
僕のこの言葉に塔子がやっと顔を上げた。
「病院?」
「もしかしたらなんとかなるかもしれないだろ。」
「・・・うん。」
また、うつむいてしまった。
「行きたくないか?」
「・・・うん。」
「どうして。」
「どうしても。」
席を立って、塔子の後ろにまわり、その小さな頭に手を置く。
「行くだけ行ってみようよ。」
しばらくの沈黙の後、塔子はゆっくりと立ち上がった。
「着替えてくる。」
そして、おぼつかない足取りで2階の自分の部屋へと戻っていく。
457431:2007/01/31(水) 23:47:01.74 ID:8PHidZza
病院にいったところでどうにかなるものではないだろう。
それはわかっていた。
だけど何かにすがりたい気持ちでいっぱいだった。
10分ほどして、1階へと降りてきた塔子はニット帽を深くかぶって、顔を隠していた。
渋る塔子を半ば無理やり車にのせ、僕たちは病院へと出発した。
塔子は無言で助手席に座り、ぼぅっと遠くを眺めていた。
僕も口を開かなかった。
病院につくまで、車内を沈黙が支配していた。
病院の待合室は非常に込み合っていて、独特の活気に包まれている。
あまり病院にお世話になったことはないが、平日の午前中でもこうも混むものなんだろうか。
長いすに座って、順番を待つ。
その間も僕たちは口を聞かなかった。
程なくして順番がきたが、立ち上がろうとした僕を塔子が制した。
「私、1人でいってくるから。お兄ちゃん待ってて。」
僕の返事を待たず、塔子は診察室の中へと消えていった。
458431:2007/01/31(水) 23:48:24.00 ID:8PHidZza
塔子はたった5分で出てきた。
「ダメだった。」
このときの塔子の表情を僕は一生忘れないだろう。
絶望と憤りを必死で押し殺して、精一杯作った笑顔。
僕は塔子が病院に来たくなかった理由にやっと、やっと気づいた。
「帰ろうか。」
「うん。」
塔子を車に乗せて、エンジンをかける。
塔子はニット帽をさらに深くかぶって目を隠して、唇をかみ締めていた。
肩が小刻みに震えていた。
僕は、塔子にわざわざ死刑宣告を聞かせてしまったんだ。
何度も何度も心の中で自分を罵った。
自然とアクセルペダルを踏む足に力が入る。
なんとかなるわけがないってわかってた。わかってたんだ。
なのにお前は絶対死ぬんだぞって、そんなこと聞かせなくてもよかったんだ!
家につくと、塔子は疲れたからとすぐに自分の部屋に戻ってしまった。
昼をすぎても、夜になっても塔子は自分の部屋から出てこなかった。
僕は、元気付けてあげるどころか、塔子を絶望の淵に叩き落したんだ。

妹が消えるまで、

後4日。
459名無しオンライン:2007/02/01(木) 05:30:53.63 ID:pXIKlW/J
物語の更新の仕方がスゲェ斬新。
超GJ( ̄∀ ̄)b
460名無しオンライン:2007/02/01(木) 13:22:17.73 ID:n6G2Lv5J
SSとリアルタイムが同じ時刻に……


テラwktk
461名無しオンライン:2007/02/02(金) 19:42:53.57 ID:M+NAu8RC
>>158
(*´Д`)感動した!!
462431:2007/02/04(日) 02:24:51.02 ID:pUZhhM7r
カーテンを開けると、外は憎たらしいほど晴れ渡っていた。
頭が、重い。
どれだけ眠れただろうか。
疲れが全く取れていない。
服を着替え、1階へと降りて、洗面所に入り、鏡の前に立つ。
目の下にはひどいクマができていた。
冷たい水で顔を洗っても、頭の靄は晴れない。
キッチンに立ち、ふと、流し台に汚れた皿が重なって置かれていることに気がつく。
そういえば、昨日の朝食を片付けていなかった。
時計を見る。塔子が起きてくるまでにはまだ時間がある。
だが、朝食の準備を中断して、食器を片付け始めようとしたとき背後から階段を下りる足音が聞こえた。
振り向くと、塔子が立っていた。
「おはよう。」
「あぁ、おはよう。」
朝の挨拶をかわして、いつもの席につく。塔子は、制服を着ていた。
「学校、いくのか?」
「うん。」
大きな欠伸をして、こたえる。塔子もあまり眠れなかったのだろう。無理もない。
「あんまり変わらないうちにみんなに挨拶しておこうと思って。それとなく。」
挨拶。その言葉に胸が絞めつけられる。
弱々しく微笑んでみせる塔子の顔は、少しだけ色が白くなった。
463431:2007/02/04(日) 02:25:18.73 ID:pUZhhM7r
「メシくうか?」
「うん。さすがにおなか空いちゃった。」
「待ってろ。すぐ作るから。」
「うん。」
洗い物をやめ、冷蔵庫をあけ食材をとりだす。
「あ、お兄ちゃん。ついでに牛乳とって。」
「コップは自分で取れよ。」
「は〜い。」
塔子は立ち上がって、食器棚からキレイなガラス製のコップを取り出すと、僕から受け取った牛乳をなみなみとそこに注いだ。
昔から牛乳が大好きだった。おいしいそうに飲んでいる。
僕はフライパンを火にかけて油を引き卵をおとして、トースターに食パンを2枚つっこんだ。
あと何回、塔子のために食事を作ってやれるだろうか。
一見、塔子は立ち直ってるように見えた。無理をして、そう取り繕っているんだろう。
せめて塔子の友達が、塔子にいつもどおり接してやってくれることを願ってやまない。
そうすれば、塔子も幾分か救われるだろうと思う。
焼きあがったパンと目玉焼きを皿に乗せてテーブルまで運ぶ。
牛乳をすでに2杯飲み終えた塔子は、今か今かと食事の到着を待っていた。
「いただきま〜す。」
パンにジャムをぬって、口いっぱいに頬張る。食欲が出てきたんだ。よかった。
「今日、兄ちゃんも仕事いってくるからさ。家のカギ持ってくの忘れるなよ。」
「うん。わかった。」
昨日僕は、仕事を無断で休んでしまった。
携帯に何件も職場からの着信履歴が残っていたことに気づいたのが夜中の11時だった。
そんな時間に電話をかけるわけにもいかず、結局連絡はまだ取っていない。
いくら気が動転していたとはいえ、間抜けなことをしてしまった。
「ごちそうさま。」
僕がパンを半分ほどかじったところで、塔子は食事をすべてきれいに平らげてしまっていた。
よほど腹が減っていたんだろう。
食器を流し台に持っていき、塔子は洗面所へと入り、僕が食事を食べ終えた頃にリビングに戻ってきた。
「もう行くのか?」
カバンを持って玄関へ向かう塔子を呼び止める。
「うん。このくらい早くでれば電車空いてると思うから。」
ニット帽を手にとって、昨日と同じように顔が半分隠れるほど深くかぶる。
「そっか。気をつけろよ。ハンカチもったか?」
「うん。もった。いってくるね。」
「いってらっしゃい。」
「いってきます。」
塔子を玄関まで見送って僕も身支度を整える。
僕もできるだけ早めに行った方がいいだろう。
戸締りをしっかりして家をあとにする。
464431:2007/02/04(日) 02:27:51.50 ID:pUZhhM7r
徒歩で10分ほど、小さな工場が僕の職場だった。
今にもつぶれそうに見えるが、いくつか特許を持っているためしばらくその心配はないらしい。
工場の前を通り過ぎて隣にある事務所の中へ入る。
社長が1人、机に向かって書類の整理をしていた。
扉を閉めると、その音に社長が顔を上げた。
「おぉ、真治君!」
社長は書類を机の上に放り投げると僕の方へ駆け寄ってきた。
「あの、昨日はすみませんでした。」
「いいよいいよ。それよりなんかあったのかい?塔子ちゃん大丈夫?」
父の親友だった社長はうちの家庭事情を少なからず知っている。それに、今まで僕が仕事を休むときはかならず塔子が体調を崩したときだった。
僕の昨日の無断欠勤はなにか塔子にあったんだと思ったんだろう。
その顔には不安の色がありありと浮かんでいた。
「いえ・・・あの・・・はい。」
「もう心配で心配でねぇ。電話もでないし・・・。事故とかじゃないよね?入院とかしてないよね?」
「いえ、入院はしてないです。」
「そうか、よかった。」
父が亡くなってからは社長が塔子を実の娘のように可愛がってくれた。そして、高校を辞めた僕を、ここに拾ってくれた。
この人に、塔子のことを話さないわけにはいかないだろう。
「あの・・・社長。」
「ん?なんだい?」
でも、なんて言えばいいかわからなかった。
「いえ・・・無茶を言ってるのはわかってるんですが、すみませんがあと5日・・・いや、4日ほど休ませていただけませんか?」
「4日?」
社長の顔色が変わった。
「もしかして、塔子ちゃん・・・。」
無言の僕の様子をみて、社長は悟ったようだった。
「そうか。塔子ちゃんがねぇ・・・。」
社長は腕を組んで悲しげに目を伏せた。
「うん。仕事のことは気にしなくていいから。ずっと塔子ちゃんのそばにいてあげなさい。」
「ありがとうございます。」
深々と頭を下げる。
「それにしても嫌な世の中だねぇ・・・。沢田君も今日でやめちゃうし・・・。」
「沢田さんが?」
それほど仲が言い訳ではなかったが小さな職場だ。まったく面識が無いわけじゃない。
沢田さんが今日でやめるなんて知らなかった。
「どうしてやめるんですか?」
「それがねぇ・・・。う〜ん。」
社長の様子をみて、僕も悟る。沢田さんも・・・そうなんだ。
胸を鷲づかみにされたような感覚に襲われる。
「とりあえず、仕事は大丈夫だからね。今日はもう帰りなさい。」
「・・・はい。」
もう一度社長に頭を下げて事務所をあとにする。
塔子に、沢田さん。・・・僕の周りをこうも狂わせる。何様だ・・・PSUってやつは!
この憤り、どこにぶつければいいんだよ・・・。
465431:2007/02/04(日) 02:30:10.84 ID:pUZhhM7r
「あ、宮村君じゃない。」
不意に声をかけられる。目の前には見知らぬ女性が立っていた。
「無断欠勤なんて勇気あるよね。社長オロオロしてたわよ。面白かったんだから。」
でも、この声には聞き覚えがあった。
「沢村・・・さん?」
「あぁごめん。わからなかった?」
僕にニッコリと微笑んでみせたその顔には、僕の知っている沢村さんの面影は全く残っていなかった。
「どう結構美人になったでしょ?」
ポーズをとって不自然なほど整ったボディラインを強調する。
無理、してるんだ。明るい人ではあったが、こんなことをする人ではなかった。
「何日目ですか?」
「え?」
唐突に投げかけられた僕の質問に、目を丸くする。
「変わって、何日目ですか。」
「・・・4日目、かな。」
心臓が、跳ねた。じゃあ、沢村さんは・・・。
「そんな顔、しないで。できれば笑って送って欲しいんだ。」
沢村さんの笑顔には、言葉では形容しがたい悲しみが宿っているように見えた。
「今日でやめるって。」
「うん。今日中に書類整理しちゃって、明日は家でゆっくりするつもり。いつ消えるかわからないからさ。」
「そう・・・ですか。」
「家族にはなんていったらわかんないから知らせてないし、彼氏もいないから寂しいもんよね。あはは。」
こんなとき、かけるべき言葉を僕は持ってなかった。
「宮村君、もう帰っちゃうの?」
「あぁ、はい・・・。しばらく仕事休むんです。」
「そう・・・じゃあこれでお別れだね。」
「はい・・・。」
うつむく僕の頭を、沢村さんが軽くこずいた。
「いたっ。」
「笑ってよ。最後なんだからさ。」
「すみません・・・。」
精一杯、笑ってみせる。でもひきつっているだろう。
「うん。まぁいっか。じゃあ、ね。」
「・・・はい。それじゃあ。」
2人はその場をあとにした。
もっと、何か言うことがあった気がする。いや、あるはずだ。でもなんていえばよかったんだろう・・・。
あんな最後で、よかったんだろうか・・・。
466431:2007/02/04(日) 02:32:17.94 ID:pUZhhM7r
家にもどると、玄関に靴が一足脱ぎ捨てられていた。塔子がもう帰ってきているようだった。
「あ、お帰り。」
「もう帰ったのか。」
「うん。なんて言おうかずっと考えてたんだけど・・・。思いつかなかったから帰ってきた。」
「そうか。」
「友達には手紙、書くよ。学校いくの、やっぱり怖いや。」
「うん。うちにいろ。」
はにかむ塔子の顔をじっと見つめる。いずれ塔子も沢村さんのように他人のようになってしまうのだろうか。
「どうしたの?」
「いや。」
たぶんなってしまうんだろう。そして・・・。
頭を振って考えを追い出す。今はまだいい。考えなくていい。
「あ。」
そうだ、いいことを思いついた。
「塔子、ちょっとまってろ。」
「どうしたの?」
階段を駆け上がって、自分の部屋に飛び込む。
確か机の引き出しのなかに・・・あった。
塔子の高校の入学式のときに買ったばかりのデジカメを取り出して1階へ駆け下りる。
「塔子、ちょっとそこに座れ。写真とろう。」
「写真?いいよそんなの〜。」
塔子は写真があまり好きじゃなかった。だからそれほど塔子の写真は家にはない。
「いいから、座れ。」
「でも・・・。」
「とらせてくれよ。」
「・・・うん。」
観念した塔子はソファーに座りカメラに向かって小さく微笑んだ。
母に、よく似ている。
せめて塔子の姿が塔子じゃなくってしまう前に、
この愛らしい姿を1枚でも多く残しておいてやりたかった。

妹が消えるまで、

後3日。
467GH450:2007/02/04(日) 11:06:03.30 ID:ijG96NkV
し、視覚デバイスの洗浄液で前が見えません!
GJ!
468名無しオンライン:2007/02/04(日) 17:38:29.67 ID:7qCCBEf+
なんてこった…このSSからは溢れ出す文才が感じ取れるぜぇ!


つまりGJ。
469431:2007/02/04(日) 22:58:50.69 ID:pUZhhM7r
おぁぁ!なんとなく読み直してたらえらい事に気づいた!
途中から沢田が沢村になっとる!
沢村は俺の友人だw沢田に脳内変換お願いしますw
なんどもチェックしたのになんで気づかなかったんだよorz
あと最初のリアルタイム云々ってのは偶然なんだ
期待に応えようとは思ったけど無理だったんだ ごめんw
470名無しオンライン:2007/02/05(月) 00:33:43.70 ID:ZxEUzsIW
その発言俺だ、軽はずみな発言だったぜ。スマン
471名無しオンライン:2007/02/05(月) 04:41:39.47 ID:BEvMCZb+
最近の流れはヤバい。神が大杉る。
そしてスレの要領が気になるところなんだぜ。落ちませんように!!
472名無しオンライン
>>471
500KBが見えてきたら次スレ立てれば良いじゃない