1 :
既にその名前は使われています:
朝、起きたら自キャラになっていたFFXIプレイヤーたち。
ステキに過酷なヴァナ・ディール、笑いと涙の右往左往。
俺たち“来訪者”を排除していく、謎の集団も現れた!
この異世界に出口はあるのか?
リアルに帰還できるのか?
熱血、友情、ラヴ、バトル! 陰謀、シリアス、ギャグ、微エロ!
俺たちの明日はどっちだ!?
"リンクしたお話を書いている人向けの"共通設定。これは絶対ではありません。
ある程度共通していた方が、読み手の方も分かりやすいのではという意図のものです。
参考程度に留めて、投下する方が自由に想像し設定してください。
LPは映像付きが多い (例:Yurifina氏のSSでは映るが、Lead氏のSSでは会話のみ)。
冒険者証明書は金属カードで、邪魔にならない所に魔法で入っている。競売は魔法紙で取引されている。
みつめる(/c)はとても嫌な視線扱い。時間感覚はリアルと同じ。tell等のSay・sh・echo以外は念話。
リアルからヴァナに入り込んだ人々の事を「来訪者」と言う。
「来訪者」はリアルの品物を三つまでヴァナに持ち込める、こともまれによくある。
いわゆるGMと同じ姿の連中がいて、「フェイト」という組織を形成し、洗脳した来訪者「黒マント」を使役して
「来訪者」達を狩っている。(マントではない、ただ単に黒装束のやつもいる)
この世界はゲーム内ではない、"実際のヴァナ・ディール"なのかも知れない?
レイズは意識不明(戦闘不能)に有効だが、完全に死んだ者には効果が無い。
(まとめWikiのテンプレより)
キャラ紹介テンプレ
初出: 別スレ同番の人もいるようなので、スレも併せてお願いします
PC(仮)名: / 中の人:
種族フェイス:
ジョブ&Lv:
特記事項:
活動エリア:
あらすじ:
他キャラとの接触:
独自レギュレーション: 共通設定(?)と目される設定とは敢えて変えてある部分を明記するのはどうでしょう。
5 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 00:02:37.22 ID:p6Hd2Ygf
スレ立て乙!
多分>5くらい
6 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 00:16:26.36 ID:9fRuaOZ6
7 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 02:23:33.70 ID:59BWhVN5
いきなり保守する羽目になるとはな…
8 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 05:46:51.79 ID:gEULDDLI
, ,
./  ̄/  ̄ / _|__ ___|
―/ / |/ /|
_/ _/ | _/|
/\___/ヽ
(.`ヽ(`> 、 /'''''' '''''':::::\
`'<`ゝr'フ\ + |(●), 、(●)、.:| +
⊂コ二Lフ^´ ノ, /⌒) | ,,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
⊂l二L7_ / -ゝ-')´ .+ | `-=ニ=- ' .::::::| + .
\_ 、__,.イ\ + \ `ニニ´ .:::/ +
(T__ノ Tヽ , -r'⌒! ̄ `":::7ヽ.`- 、 ./| .
ヽ¬. / ノ`ー-、ヘ<ー1´| ヽ | :::::::::::::ト、 \ ( ./ヽ
\l__,./ i l.ヽ! | .| ::::::::::::::l ヽ `7ー.、‐'´ |\-、
___________________________
│二│三│四│二│三│四│二│三│四│◎│◎│◎│伍│|伍|
│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│◎│◎│◎│萬│|萬|
すまん、話のストックがないんだ…(つД`)
なにはともあれ新スレ乙でございます。
このスレは落ちる
11 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 10:57:51.57 ID:SxiR7fAn
ageるよ!
12 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 12:55:02.16 ID:9fRuaOZ6
保守るよ!
13 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 14:45:22.82 ID:Lya0grun
もいっちょ保守るよ!
14 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 16:51:21.90 ID:0ZNp7e20
モグハウスに行くのは五年ぶり以上なのだ。モグがいるか非常に心配。
「うぃーっす」
「おかえりクポー」
至って普通の反応。あれ? 俺、五年ぶりだよな? そのへん突っ込まないわけ?
「久しぶりだな。モーグリ。元気だったか?」
「元気だったクポー。ご主人様が長旅に出てる間もちゃんと手入れしといたクポー」
「悪いな…。まさか五年間ずっと待ってたわけじゃないよな…?」
「そんなはずないクポー。ここの掃除は一ヶ月に一回ぐらいクポー。その間は新米モーグリの指導してたクポー」
「ああ、そうだったか」
よかった…。部屋はきれいにされていてとてもそんな長い間隔で掃除された感じではない。
「さっきご主人様が帰宅したって連絡を受けてここに来たクポー。五年ぶりにポストを見たら手紙は入ってたクポー」
そういうとモーグリは自分の鞄から古びた茶封筒を取り出した…。まて、茶封筒ってこの世界にあるのか?
もしないとしたら送ってきたのは来訪者…。親父が送ってきたと考えてもあまりにも封筒が古すぎる。
モーグリの手から封筒を受け取る。宛先も差出人の名前も書いていない。怪しすぎる。罠のにおいぷんぷん。
「なぁ、モーグリ。こういう封筒って普通にあるのか?」
「前に一度見たことあるクポー。結構高級品クポー」
なんだ、普通に茶封筒あるのか。びびらせんなよ。五年前に届いてそのまま放置されていたのだろう。
もしかしたら本人がここまで来てポストに突っ込んだのかもしれない。悪いことをしたな。まぁいいか。時効だ
封筒を開けてひっくり返す。中からはこれもまた古びた手紙が二枚出てきた。一枚目には大きく『保守る』と
書いてある。さて問題の二枚目にはなんと書いてあるのかな…
15 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 18:45:46.34 ID:g96vvLen
金髪の少年が、一部の隙もなく正座をしている。
「・・・むしろ、させられてるんですが」
「やかましい」
ぴしゃりと厳しく言うのは、真紅のワーロックアーマーに身を包んだミスラの少女だった。
「保守は?」
「・・・む、ぐぅ・・・」
「本編書かないで保守ばっかりしていたくせに」
「・・・は、繁忙期でして・・・」
「そんな生々しいリアルな言い訳はどうでもいい」
「あうぅ・・・」
「とりあえず、言うことは?」
「・・・
>>1さん、乙です」
「よろしい。・・・それにしても、下がるのが早いな・・・」
「そんなわけでageです」
16 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 20:11:18.11 ID:BXb5L30V
保守ネタもまとめに保管したいね
誰がその作業をするんだよって問題はあるけど
17 :
あるも誕生の秘密:2007/03/27(火) 20:42:24.47 ID:ZfV2GESx
|1/ |1/
/ ̄ ̄ ̄`ヽ、
/ ,, ヽ 俺は1年くらい前、リヴァ鯖で遊んでた冒険者やったんやで
/ 丿 \ | 毎日楽しくフレンド達と冒険して遊んでたんや
| (●) (●) | そんなある日、俺はしたらば鯖板のリヴァ鯖スレで
/ | 無実の罪で晒されてしまってたんや(泣)
/ ^ | あることないこと酷い嘘ばっかり書かれたんや
{ /| 所属してたLS、仲良くしてくれてたフレンド
ヽ、. /丿ノ | みーんな名前だされて晒されてしまったんや
``ー――‐''" |
./ . | |
(⌒―| ア | ゛―^⌒) 俺はしたらば住民を恨みまくったんや
. ̄ ̄| ル  ̄| ̄ それからキャラの名前変えたいしてる間に
.| モ | したらばの鯖板がつぶれてしまったんや
!、 / そこの住人達は2ちゃんのネ実に逃げたらしいから
ヽ、 / 、 仕返しするために俺はここまで追ってきたんやで
晒しまくってる間に↑こんな姿になってもたわ
保守ネタはかなり投下してるなぁ・・・
そろそろネタ切れかと思ったら意外と出るもので。
本編じゃ無理なネタを入れたりとか、結構息抜きになります。
その前に本編書けとかそれはさておき・・・ゴメンナサイ
それにしても、春ですねぇ。桜が咲いてたですよ。
19 :
既にその名前は使われています:2007/03/27(火) 22:26:30.05 ID:0ZNp7e20
僕は適当に書いてるので…
あ、呼んでませんね、読んでませんよね。ゴメンナサイorz
20 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 00:24:15.46 ID:5XD+zkzK
部下A「なぁ、サンドの三人が来てるみたいなんだけどさ」
―――バストゥークフェイトの詰め所にて。
A「俺たち、なんかしなくていいのかな。一応バス担当だしw」
B「なんか、って何?」
A「いや、ほら、なんだ、やつらを迎え討つとかさww」
C「武神より強いモンク・・・。萌え萌えフルタソ・・・。ブチキレ唐宮君・・・」
B「俺たちで襲うとか無理だろ・・・常識的に考えて・・・」
D「ただいまー。夜食買ってきたおw」
A&B&C「おー。まってましたーwww」
D「なんかバスの軍隊がぞろぞろ出て行くの見たよ。北グスタの谷底で羊が暴れてるんだってw」
A「カボチャの兄さんが面白いことになるからwって、無理矢理置いてったアレ?」
D「そうそう。関所の隊長が谷底に叩き落したんだって」
B「mjskうp!うp!」
C「そろそろ・・・VanaTubeに・・・動画・・・。ぽちっ」
―――動画配信。
A&B&D「げぇっ、リード!!」
21 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 01:38:52.73 ID:PjxFQuE9
寝る前に保守
22 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 03:42:27.51 ID:d6H8Agsn
寝れないので保守(;´Д`)
あれ?ででおの話どこ?
24 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 04:39:56.50 ID:vstmMGEv
ででおの話は何度か考えてみたが、どこをどうやっても面白くできなかったので断念したなぁ。
おれの実力では正直、こうして時々>23みたいに言う人間が現れるより面白い話を作る事が出来なかった…orz
25 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 07:31:37.12 ID:5XD+zkzK
ageるよっ
26 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 11:08:27.66 ID:+rZNlKgl
だが保守だ
27 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 13:08:33.82 ID:d6H8Agsn
どん、と置かれた書類に顔をあげる。
「・・・これは、」
「月末までに提出の書類」
その言葉に、カレンダーを見る。
「月末まで、あと、いや、もう月末なんだが」
「提出するように」
視界を遮る書類の山の間からにっこり笑う銀髪の兄弟に、彼は死を覚悟した。
「・・・え?まだあったんですか?」
月光色の金髪の青年が溜息混じりに言いながら、スライスしたゆで卵を乗せていく。
指先についたソースを舐めながら、密金の髪の少年が頷いた。
「未提出書類がありすぎて、その上にまた追加。保守項目も追加」
「・・・ほんと、あの人は事務仕事が嫌いなんだなぁ・・・」
作り終えた食事を、丁寧にバスケットに収めていく。
簡単なサンドウィッチをいくつかと、軽くつまめる菓子を少し。完徹体制は万全だ。
「てめぇ、書類改竄してんじゃねぇ!!」
どこからか聞こえてきた怒声に、ふたりは顔を見合わせた。
28 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 14:55:11.91 ID:VBSoJfmk
今度は落とさせんよ!
29 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 17:34:23.00 ID:V71sJsfP
コテハンの続き期待age
保守
31 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 20:41:21.48 ID:d6H8Agsn
コテはまだつけられそうにありません・・・
エ、イラナイ?ソウデスカ・・・
You!つけちゃいなYO!
33 :
既にその名前は使われています:2007/03/28(水) 23:54:53.83 ID:PjxFQuE9
You、つけちゃいなよ
34 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 00:01:06.93 ID:qRks+5Np
二枚目に書いてあったのは次のようなものだった
「月が天上に上るとき天の塔の頂上でプリンとこの紙を月にかざせ、か」
「プリンって今話題のブラックプリンクポー?」
「話題かどうかは知らんがそれだろうな…。天の塔の頂上で月にかざすか。ということは星の大樹の天辺まで
行かないといけないのか」
腕を組んで唸る。どうやって行けばいいのだろうか…。しかもプリンの用意も必要だ…。
「ご主人様、ガルーダを使えば頂上までいけるんじゃないクポー?」
「あ、なるほど。名案だ。あとはプリンだな…。モーグリ、買ってきてくれないか?」
「わかったクポー、夕食の準備もするクポー」
そういってモーグリは買いものに出かけた。これであとは時間を待つだけだ。
俺はもう一度二枚の紙を見る。「保守る」と書いてある紙と命令文が書いてある紙…
ん? なんか下のほうに書いてあるな…。掠れてよく見えないが…英語かな…。
読めん! 俺は紙を封筒に入れて鞄にしまった。
35 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 01:49:00.77 ID:oWzvG04N
つけちゃいなYO!
それにしても俺も最近名無しで保守ばっかりしてるなぁ・・・
36 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 04:03:26.83 ID:itRSv+Pj
ABD弱いなw
本命の012345のほうでてこいよ。
・・・今度は強すぎるか。
アイン「なぁ、サンドの三人が来てるみたいなんだけどさ」
―――バストゥークフェイトの詰め所にて。
アイン「俺たち、なんかしなくていいのかな。一応バス担当だしw」
クロエ「なんか、って何?」
アイン「いや、ほら、なんだ、やつらを迎え討つとかさww」
フェンフ「武神より強いモンク・・・。萌え萌えフルタソ・・・。ブチキレ唐宮君・・・」
ドライ「俺たちで襲うとか無理だろ・・・常識的に考えて・・・」
ツヴァイ「ただいまー。夜食買ってきたおw」
クロエ&アイン&フェンフ「おー。まってましたーwww」
ツヴァイ「なんかバスの軍隊がぞろぞろ出て行くの見たよ。北グスタの谷底で羊が暴れてるんだってw」
アイン「カボチャの兄さんが面白いことになるからwって、無理矢理置いてったアレ?」
ツヴァイ「そうそう。関所の隊長が谷底に叩き落したんだって」
フィーア「mjskうp!うp!」
フェンフ「そろそろ・・・VanaTubeに・・・動画・・・。ぽちっ」
―――動画配信。
クロエ&アイン&ツヴァイ&ドライ&フィーア「げぇっ、関羽!!」
こうですか?わかりません!w
39 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 07:19:48.63 ID:itRSv+Pj
おお。サンクス。でも性格変わってるな。
・・・フィーア以外w
あとモ/戦VS常時夢想できるナ&モダブルジョブなら真っ向ガチなら流石に隊長勝つんじゃね?
かまえるのデメリットをケアルとセンチネル90%カットでフォロー出来るってことだろ?
って・・・二人とも攻撃が0ダメ進行の不毛さにメンドクサクなって豪快に寝てるか。
てか隊長萌えーwとか書いてたのが2スレ3スレ目。久しぶりに見たら19スレ。こいつら絶対知られてないw
アイン。ナ&戦。爆弾バカ?w
ツヴァイ。都合により女になる変態忍者?
ドライ。飯炊き赤魔。強い。らしい。
フィーア 脳内で青竜呼んでいた。MPは無限に沸くらしい。
フェンフ 強いのか?之?所詮樽。MMR襲ってた銃使いを彼の変装!ってことにしたら!・・・装備だけは強いね。うん。
変装?2頭身のままだね。帰っていいよ?w キバヤシのほうが間違いなく強いな。
強いか弱いかは別として、こいつら殺(や)る気ねーーーーーーーーーーーーーーw
待って!!
週末投下するから、もうちょっと待って!!
42 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 12:01:13.60 ID:whSL6mR5
つまんねーしいらねーから死ね
脳内設定タレ流されてもねぇ…(^^;)
フェイトって脇役、ぶっちゃけヤラレ役でしょ?どれだけ「こんなに強いんだぞ」と設定並べでも、物語の主人公補正の前には不毛じゃないかな。
あえて対決を考えてみるなら…
ルーファスさんの超戦闘力とプライマルアーツ、執事さんやメイドの暗躍、フルキフェルさんの二人分の能力ハイブリッドとジャッジメントギア、ヒロさんの…ヒロさんの…うーん…なんだろう?(ゴメス
あとリードさんも剣とか特殊な能力とか凄い。
一番の難点は、みんな作品中でバスフェイトを生暖かくスルーしてることかなw
44 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 12:52:08.75 ID:oWzvG04N
>ヒロさんの…ヒロさんの…うーん…なんだろう?
分かっておられる!(´∀`*)アリガトウアリガトウ
いや。過去ログにあった内容だが?
まぁそんなん言ったら小説なんてかけねえwwww全員あか○りさとるになるwwww
ちゅうか、いなくていい(10スレ出てない萌えキャラ)はスルーするだろ常識的に考えて。
俺が「アビス様萌えーw」と保守してたのに気が付いたら死んでいて俺の悲しみはマッハで有頂天。
夜勤明けで体調壊してまったく寝れなくて死ねるOrzマジで助けてくれOrz寝れないOrz
46 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 15:08:54.97 ID:HVrl//HF
何が言いたいのかわからない…。^^;;;;
病院行くことをオヌヌメする
47 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 17:32:14.45 ID:gx9iJtev
モーグリとの夕食を終えた俺は黒AFを着てモグハウスを出た。
「サポ召か…。37まであげといてよかったぜ…。意味あるかわからんが…」
出る前に鞄の中にちゃんとブラックプリンと手紙が入っているかを確認したし忘れ物なしだ。
遅刻はしたくないので時間にかなりの余裕を持っている。頂上についてからは時間をもてあます時のために
保守本も鞄に忍び込ませている。準備はおkだ。
森の区は夜のためか人通りがあまり多くない。競売所の周りだけが人の気配を感じさせてくれる。
競売所を横目に見ながら天の塔へ向かう。どこからかカエルの鳴き声が聞こえる。自然ってスバラシイ
「相変わらずでっけー木だな…」
俺は星の大樹を見上げる。タルタル何人分の高さだろうか…。しかしガルーダであそこまでいけるかな…。
入り口の反対側に回りこむ。しめしめ、誰もいないぞ…
「どーとかこーとかなんとかかんとか! ガルーダよ、来たれ!」
地面に魔方陣が描かれる。どうでもいいけどこれって地形に合わせてでるよね。
「アイー、シャチョサーン。ナンデスカ?」
「俺を持って上まで飛んでほしい」
違和感のあるガルーダに一抹の不安を持ちながら命令する。
「オヤスイゴヨーデス」
ガルーダは俺を持ち上げると一気に空高くまでスーパークライムした。
夜風が気持ちよく月がきれいに輝いていた
48 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 19:08:16.19 ID:1qvZy1G8
ひと抱えもある巨大なボウルから、とろりとしたラッシーをカップにすくう。
「こっちじゃアイランって言うんだっけ?」
「多分。アトルガンレシピ、ほとんど手をつけてないからなぁ」
ミルクをたっぷり入れたコーヒーに口をつけながら答える。
「そんなことよりあれですよ。うちの村人Aとか野郎率の高さとかですよ」
「・・・え、私まだ村人Aなの?」
「本体は村人A。オプションついただけだろ、あれは」
「むぅ・・・嫌なオプションだ」
「いきなり笑い出すしな。SANチェック大丈夫か?」
「さすがにダメじゃないかなぁ・・・発狂じゃない?」
「ってか、最初から判定失敗しまくりか。タチ悪いな。で、野郎率の話だけど」
「どうせBLですよ・・・orz」
「まだ根に持ってたか。もういっそ、『ドキッ☆野郎だらけの来訪者大会 〜×××もあるよ!〜』くらいでよくねぇ?」
「・・・何があるんですかそれは」
「分からん。」
「・・・・・・。」
「あ〜あれだ、実は全員男装した女だとか」
「・・・それなんてエロゲ?」
「ネカマもネナベも普通に横行してんだから、今更感はなくはないけどな」
49 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 21:00:03.54 ID:zuFjqz29
ただの名前改変が好評で嬉しい。
リード氏の物語にバスフェイト出たら皆殺しジェノサイドだろうケド。
50 :
既にその名前は使われています:2007/03/29(木) 23:35:45.88 ID:zuFjqz29
あぶねぇ保守る!
51 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 01:48:40.28 ID:wtGJQWMC
星の大樹の天辺は木が生い茂っていて意外にも足場がしっかりしていた。
「ガルーダご苦労」
「シャチョサーンマタヨロシクー」
ガルーダは身を丸めると空気に溶けて消えていった。
俺はベルトについている懐中時計を見る。かなり古いものだが大切に使っているので傷ひとつない。
「さて、まだ時間がありそうだな」
俺は丁度いい足場を見つけて保守本を読むことにした。
真夜中までのこり十五分。月は徐々に天へと昇っている。
>>49俺こういうの超好き。GJ!
そりゃ自分のキャラでも殺すし、他人のキャラでも平気で殺すし、ヒロインに匹敵するキャラも平気で殺し、
さらにはそうやってヒロイン級キャラを勝手に親友としてだして他人が完結させた物語にチャチャをいれ、
夢落ちでパロディかかれてからかわれ、あわやスレからたたき出される寸前まで行ったんだからガチでやってくれるw
つーか俺も存在を忘れていたwもえーとか書いてたのが懐かしいよ。
こういう古い脇役達のジミーな話が超好きよ?バハ様&側近シリーズとか今の保守兄弟、樽猫人親子とか。
ヒーロー物とかが普通に嫌いだからな。
保守兄弟、前飛鳥さんとか言う人出ててアトルガンでやってなかった?
あとこの保守シリーズはそれぞれ皆同じ人が書いてるの?
・・・なんか最近緑茶さんとかの話しか見てないわけだが、俺だけか?
多分生命力無いんだろうな。俺。どんどんついていけなくなってきた。
98の話はまだまだいけるから保守だけはたまーにするが。
>>52 そういってもらえるとすごく嬉しいです…。あまり文もうまくないしわかりにくいだろうな思いつつ
投下しているので…。
>>53 緑茶さんのは短くて一回完結型なのでほかのより読みやすいとは僕も思います。
一応他のも読んでますがちゃんとは把握しきれませんね…
55 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 03:53:50.15 ID:dKTTl8te
>>52 保守話は、それぞれシリーズになっているならそれぞれ同じ作者でしょう。
この保守兄弟であってるかは分からないけど、アトルガンの保守話とサンドの保守話は別ですよ(・ω・)
56 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 04:49:59.50 ID:nqPwnTjJ
>>55そうなのか!!!おもしれーーーーーw
アトルガン編は作者序盤は違ったような。
フェイトたちの保守物語は皆作者違うと思う。目茶笑えるが。
今でもバハムート様VSコピーオートマトンとかは名作だと思ってる。
あんな組織ないわw
洗脳だの改造だの爆弾だのの人権無視なのに、有給とか就業時間とか福利厚生面は綿密に決まってるようだし、
リードさんSSでは給料もいいらしいね。
>>54ストーリー物より一発芸が好きだからなぁw
他にもコピペ改変物系の職人芸を見せてくれ。ブロンド様でいい。
57 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 07:32:51.76 ID:mTX/4uGL
僕はリードさんの我が道を行くSSは好きですね。
まとめの方も見やすくなってGJ!
アンチがいるのも人気の証拠です。
はやく続きが読みたい(^o^)/
58 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 10:02:53.63 ID:5y7Y8msk
>57
同意。リードさんのSSは俺も好き。
アンチが多いってのはそれだけたくさんの人に印象を残してるって事だと思う。
同じSS書きとして羨ましく思うよorz
59 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 10:13:19.55 ID:LKzx+7c7
アンチの方が読み込んでる衝撃の事実!w
自分のSSなんて話題にもあがらにいorz
60 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 10:23:51.08 ID:nqPwnTjJ
面白いからだろうなw
アレだ。パタリロとかもアンチの読者がしっかり読み込んで投票してくれてるそうだ。
61 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 10:23:52.17 ID:M0aaOdce
確かにリードさんの話は非常に面白い
だが俺は、それ以上に1年もの間お話を書き続けることができたことのほうがすごいと思う
継続って難しいよな・・・
62 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 10:29:55.34 ID:nqPwnTjJ
まぁ昔からリードさんの叩き(それもエクスかリバーネタなんてマジで古いネタだ。本人だっておぼえておるまい)も擁護も単発IDで行われるのと昼でも夜でも関係なく本人レスがつくのはどーかと思うがね。
ちなみに本日は平日の金曜日。5時になれば女を抱く日だ。
>>57見やすくなってるんじゃなくて、メモ帳を使わない。バスタード形式だよ。
63 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 12:45:57.88 ID:mjMTNI2f
確かリードさんは寝る前の時間に書いてるとか言ってた希ガス。
一年間面白い話を書くのは凄い。
金曜日?今日は期末。
いろいろ終わらせてあっても、さらにいろいろある。
五時になんたらは無理無理w
学生はいいよねorz
64 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 14:18:05.23 ID:dKTTl8te
鎧を着た男たちの間を、気にもかけずに通り抜ける。
「異常なしです」
「あってたまるか」
赤髪の騎士と銀髪の騎士との短いやりとりを、小柄な金髪の少年は頭上に聞いた。
「ったく、あの野郎・・・花粉症で外回りできねぇってどういうこった」
しゅん。
小さなくしゃみに顔をあげる。
「大丈夫ですか?」
「・・・ああ」
口元にハンカチを当てながら、黒髪の騎士が応えた。
眼前で繰り広げられているのは華やかなパーティ。思い思いに着飾った紳士淑女は憂いなど知らぬげな笑みを浮かべている。
春を迎えてのこの集まりは、要人も訪れるために保守警護は堅かった。
が。
「っしゅん」
もう一度くしゃみ。
外に出れば花粉症、中にいれば化粧品の匂いに、くしゃみがとまらない。
こちらに来てから・・・とは言え、以前のことなど忘れた・・・体質が変わったことを罵りながら、終わらないパーティの終わりを願った。
ぱたん、と本を閉じる。時間だ。
程よく夜風が吹いている。空は晴れていて明るい青い月が浮いている。満月にはまだほど遠い。
俺は鞄から手紙とプリンを慎重にとりだす。ここでプリンの形が崩れたらだめだめだしな。
「これを月にかざすと……」
俺は左手にプリン右手に『保守る』と書かれた手紙を持って月にかざした。
「これで何も起きなかったら俺って馬鹿みたいだな」
独り言をこぼす。そのとき月は青く冷たい夜風が吹いていた。
一瞬立ちくらみを起こしたのかと思った。月が大きくぶれる。
思わず膝を下に着くが立ちくらみを起こしているようではない。
「月が動いてる?」
月は上下左右に細かくぶれたあと元の位置に収まった。何事もなかったかのように赤い月が浮いている。
風はいつの間にかやんでいた。さっきまでの明るさはなくどこかほの暗い空気が漂う。
「ここはデュミナスだな……」
本来ならば砂時計を交換しないといけない異世界。プリンと手紙だけで行けるようになったのだろうか。
もう一度月を見る。やはり赤く輝いているだけだ。興味本位でこんなことするべきじゃなかったな…。
後悔の念に駆られていると月にさっきまでなかった黒い点を発見した。気のせいか段々と大きくなっている。
眼を凝らしてよく見る。やはり段々と大きくなってきている。というかこっちに向かってきている。
はっきり見えた。人だ。両手鎌を持った赤い鎧を着ているタルタルが流星のごとくこっちに向かってきている。
逃げようにも木の上なので走れない。俺は精神を集中させる。迎え撃つしかない。
66 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 16:46:13.41 ID:wtGJQWMC
age忘れたorz
67 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 19:44:21.97 ID:wtGJQWMC
保守るよ!
68 :
既にその名前は使われています:2007/03/30(金) 22:45:16.47 ID:cUZD226w
保守るよ!
69 :
既にその名前は使われています:2007/03/31(土) 00:03:43.21 ID:jILY6WZL
酒を片手に書くと、話は進むけど。
アルコールあんまり強くないので途中で力尽きたりするのです。
そんなわけで、おやすみage
70 :
既にその名前は使われています:2007/03/31(土) 02:29:27.92 ID:1GCHl/8t
保守るよ!
71 :
既にその名前は使われています:2007/03/31(土) 10:32:13.40 ID:YLZsj2xH
ageるよ!
72 :
既にその名前は使われています:2007/03/31(土) 13:19:19.58 ID:TwwS6DVU
保守るよ!
73 :
既にその名前は使われています :2007/03/31(土) 15:19:15.93 ID:+O2AnYS4
保守ヽ(`Д´)ノ
74 :
既にその名前は使われています:2007/03/31(土) 15:31:07.96 ID:TwwS6DVU
左手にプリン、右手に『保守る』と書かれた紙を持ってても案外魔法は使えたりする。
赤鎧のタルタルは魔法射程内に入る。このスピードだとチャンスは一度。
「行動停止!」
光の輪が赤鎧を包み込み…弾いた。スタンレジストってどんだけ耐性高いんだと小一時間問い詰めたい。
右手で頭を防御する。しかしこんなの意味がないだろう。ああ、オレはここであのタルタルの鎌で殺されるんだ。
まだウィンダス着いたばかりなのに。父さん、母さん。ごめんね。先立つ不幸をお許しください。思えばセルビナ
を出てまだ僅かしか経ってない。俺の予定だったらウィンダスで情報収集して他の国を回ろうと思っていたのに。
それも出来ない。やっぱりセルビナでのんびりしてたほうがよかったのだろうか。あそこにいればずっと変わらない
幸せがあったかもしれないのに。こんなことなら冒険心なんて出さずいつまでもあそこで家族と暮らしてれば
良かった。畜生ッ…。まだ行きたいとこやりたいことがあるのに…。ってまだ斬られないのか。遅くないか?
「あなた、何やってるの?」
いつの間にか閉じていた眼を開けて腕をどかす。赤鎧は目の前で不思議そうにこちらを見ている。
「あれ? 殺すんじゃないの?」
「何で殺すの? それよりか…」
そういって右手を出す。握手すればいいのかな? 俺はプリンを右手に移して左手を…
「何やってんの。プリンちょーだい。プリン」
俺は左手に持っていたプリンを渡す。タルタルの顔は一気にルビーのような輝きを放つ笑顔になる。
「プリンっ! プリンっ!」
そのとき俺はプリンをもらって小躍りするような人初めて見ることになった
なんというタイミングの悪さorz
76 :
既にその名前は使われています:2007/03/31(土) 18:33:32.15 ID:TwwS6DVU
保守るよ!
77 :
既にその名前は使われています:2007/03/31(土) 20:33:52.67 ID:TwwS6DVU
ハットトリック保守るよ!
俺って暇人だな…
78 :
既にその名前は使われています:2007/03/31(土) 22:03:02.80 ID:YwqImEFP
おれ達も手を貸すぜキン肉マン!
79 :
既にその名前は使われています:2007/04/01(日) 00:01:57.21 ID:YLZsj2xH
テーブルから取り上げた帽子をかぶって鏡に映す。アトルガンジョブでコルセアを彼が真っ先にあげたのは、このAFが着たかったから。
「喜んでくれるかなぁ・・・」
古い付き合いのフレを思い、いっそ無邪気な笑みを浮かべる。
見て、AF揃ったんだよ。コルセアのフルAF見たがってたでしょ?思い浮かべた相手に話しかけ、鏡の中の自分に微笑む。
と。モグハウスの扉がノックされる。誰だろう。
「ゆき、いる?」
確かめもせずに入ってきたのは、ポニーテールのヒュームの少女だった。
「フィーネちゃん?」
「あのね、ちょっと手伝ってもらいたいことがあるんだ。お願いできる?」
「ぼくに?・・・いいけど」
頷くと、彼女は背を少し伸ばして顔を覗き込んでくる。
「大丈夫、難しいことじゃないから。ちょっと狩りに行くの」
つん、と華奢な指が彼の唇に触れる。英数字の羅列が踊る小さな球体が、薄く開かれた唇に飲まれた。
「狩り、って?」
薄い笑みを浮かべて問う彼に、彼女は柔らかい笑みを浮かべる。
「世界の保守のために来訪者を狩るの。『鍵』をドロップしたらビンゴ。あなたには黒で来てほしいな」
「来訪者?・・・分かった」
底冷えのする笑みで答えて、トリコルヌを置いた。
80 :
既にその名前は使われています:2007/04/01(日) 02:12:13.27 ID:zKfPxqqH
保守なんだぜ?
81 :
既にその名前は使われています:2007/04/01(日) 02:22:39.26 ID:KyoLxKp1
「アイルベーシュ」
手持ち無沙汰にヤナギの釣り竿をくゆらせながら、息子の名を呼んだ。
あいかわらず戦果はいまいちだった。
が、こうしてジャグナーの湖で、二人並んで釣り糸をたれて過ごす休日も悪くない。
最近、そう思いはじめていた。
「なぁに?父さん」
ひょぃ、と何気なく獲物を釣り上げながら息子が見上げてくる。
「彼は・・・元気だろうか」
「もちろん」
ためらいなく息子は笑顔を返した。
思えば、騎士の剣を託した“彼”に出会ったのは、もう遠い昔の事のようだ。
「大事なのは武器の優劣なんかじゃないよ!本当に大切なのは―――」
あの頃から、息子も随分たくましくなった。剣の腕もたいしたものだ。
将来は立派な王国騎士に成長するだろう・・・と疑わぬ自分は親バカだろうか。
「あ!引いてるよ父さん!」
くうっ、と竿が弧を描く。
慎重かつ大胆に、釣り・・・上げた!
釣り糸の先には、『保守』と書かれた板切れがぶら下がっていた。
82 :
既にその名前は使われています:2007/04/01(日) 06:20:32.90 ID:r78W/Dsh
おはよ〜(´∀`)
ナイトのAFクエをコンプしてないとわからないネタでしたね・・・
すみません (;´д⊂)
84 :
既にその名前は使われています:2007/04/01(日) 11:30:33.99 ID:o8ISQTnY
ちょっとナイトのレベルageてkr
まだ覚醒しきっていない頭でバンズにかぶりつく。
ファストフードの名に恥じない、それなりの味のハンバーガーを咀嚼しながら、外を眺めて春だなぁなどと思う。
相席している兄弟がシロップをこぼして紙ナプキンで拭おうとし、カップごとアイスティを派手にひっくり返した。
「お前、何やってんだよ」
音を聞いたミスラの店員がタオルを手にこちらへ来るよりも先に、紙ナプキンを近くの棚から取ろうと立ち上がる。
と。不意にその動きがとまった。
「・・・・・・?」
兄弟が見ている先。あれは、
「・・・・・・ブガード!?」
店の外、ゆっくりと首を巡らせていた猛獣は彼らに気付くと息を荒げた。
そして、こちらに突っ込んでくる・・・!!
「ッ!!」
ガラス扉を突き破って向かってくる相手にテーブルを蹴り上げ、横跳びに避ける。気休めの目隠しと時間稼ぎ。
ソファ席に置いたままの得物とは距離がある。さて、どうするか・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・。」
天井を睨む。ここはサンドリアの宿舎の一室。もちろん、突如襲いかかってくるはしたないブガードなど存在していようはずもない。
中途半端に後遺症な夢を見たことに気付くと、彼は横になったまま溜息をついた。
畜生、全部食ってから逃げときゃよかった・・・無理に戦う必要ねぇし。
86 :
既にその名前は使われています:2007/04/01(日) 15:51:29.50 ID:69I0lPSB
保守るよ!
87 :
既にその名前は使われています :2007/04/01(日) 18:32:29.74 ID:lmPpAbKE
更新期待アゲヽ(´ー`)ノ
88 :
既にその名前は使われています:2007/04/01(日) 20:52:57.56 ID:zKfPxqqH
ageるんだぜ?
89 :
既にその名前は使われています:2007/04/01(日) 22:53:48.48 ID:69I0lPSB
保守るよ!
90 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 01:12:27.47 ID:Vm0U+ap0
|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
|;:;:_:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;:_:;:_:;:_;:_;|
|______|_____|
| 三| _ _ |三 !
| 三| 三シ ヾ三 |三 |
| 三′ .._ _,,.. i三 |
ト、ニ| <でiンヽ ;'i"ィでiン |三.|
', iヽ! 、 ‐' / !、 ーシ |シ,イ
i,ヽリ ,' : !. |f ノ
ヾ! i ,、 ,..、ヽ lノ
| _ _ イ l ネタもないのに保守とな!?
l ,ィチ‐-‐ヽ i /、
゙i、 ゝ、二フ′ ノ/'"\
| \ ー一 / / _,ン'゙\
,ィ|、 \ /_,、-'" _,.-''´ `丶、__
_, イ | ヽ_ 二=''" _,. -''´ """""´´ ``ー
91 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 01:18:23.79 ID:/j20Jskf
途中で目覚めてしまった夢に対して、
最後まで見たかった……と言うのは希によくあるw
とりあえず D4してホームポイント確かめる
93 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 08:59:53.69 ID:7SQHgizO
まてまて早まるな
94 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 10:23:15.72 ID:W0OwGGDB
こっちのヴァナは死んだらおわりだぞ!早まるな!w
95 :
既にその名前は使われています :2007/04/02(月) 10:37:14.57 ID:zNItF8FN
つD2してもらえる人探す コレダ
96 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 13:11:00.51 ID:dSkfN5UA
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/ ./>/ /メ、_ハ /_,ィ/ /!
∠_ !くj !ァ!-!、!/レォ!、/レ' 保守であります
─√7 ァ'r、!〈 ! ト,_.! トj'!.ト!) ─wv─√レ─
!へ,ゝ!ン ,ゝ" "!/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
97 :
緑茶 ◆vUu2nK2xdY :2007/04/02(月) 16:16:44.29 ID:+8hPGJbI
ゆっくりだけどちゃんと書いてたりします。
現在4レス分 2581文字age
98 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 18:30:36.98 ID:5xkIH5iI
書いてはいるけど・・・ざっと2万文字くらい・・・
何レスくらいになるんだろう?
99 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 18:34:46.27 ID:hm+yx7a3
マテマテ、もしHPがザルカOPとかだったらどうするんだ?!
100 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 18:37:03.40 ID:dSkfN5UA
101 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 20:26:57.20 ID:Vm0U+ap0
102 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 20:28:00.00 ID:xJEApaDS
微塵で自殺した人や赤い鎧に殺された人はいたけど、
D2もらった人はいなかった気がする。
自分でデジョンだと、普通にHPに帰ってたな、いままでのSSの人たち。
103 :
既にその名前は使われています:2007/04/02(月) 22:45:42.00 ID:dSkfN5UA
プリンを貰って小躍りしているタルタルをじっくり観察する。
さっきまで気付かなかったがどうやら女の子のようだ。金色のお下げが二つ。S様と一緒。
しかし迂闊だいくら緊急事態で慌ててたからといって女の子であること見落とすとは・・・。
装備は暗黒騎士のAFに似ている…。しかし赤い。なんだか奇妙な色合いだ。
さっきまで持っていた両手鎌はなにかはさすがにわからない…。俺の知識不足だな。
「なんかついてる?」
彼女は自分の身体を見回す。よく見れば結構かわいいじゃないか…。なかなかの好み…。
「なんもついてないよ」
「そう、それじゃあいただこうかな!」
彼女は木の枝にうまく座りポーチからマイスプーンを取り出した。
彼女は真上に手をあげる。握られているスプーンは月の色を反射し淡く赤く光っている。
「いただきます」
そういうとスプーンは残影を残しながら黒い岩のようなプリンに抉るように入った。
スプーンはそのままプリンの一部を抉り取り救い上げピンク色の唇に吸い込まれていく。
なんか俺変態っぽい描写だな。てか変態だよな
「おーいしーー!!」
彼女は顔に両手をあてて猛烈に喜んでいる……両手?
「あれ・・・プリン…」
プリンは浮いていた。まるで見えない台に乗っているかのように微動だにしない。
俺の握っていた『保守る』と書かれた紙はさらにくしゃくしゃになりつつあった。
104 :
既にその名前は使われています:2007/04/03(火) 00:09:18.44 ID:GBBHJBcb
定時保守
105 :
既にその名前は使われています:2007/04/03(火) 02:13:24.99 ID:NsZivUb6
「なに驚いてるの?」
「え・・・だってそれ・・・」
俺はプリンを指差す。彼女はプリンを見てハッとした表情になるとプリンを背中に隠した。
「あげないからね! これは私の!」
「いや、そうじゃなくてさ。なんで浮いてるのよ」
彼女はプリンを前に出して手を離す。プリンはそこで停止する。
「グラビデって魔法は知ってるよね?」
「ああ、当然だ」
「だったらさ、反対の魔法があってもおかしくないと思わないの? ヘイストにスロウみたいに」
「反対・・・?」
彼女はそういうと俺に手のひらを向ける。精神を集中させてる・・・? 魔法か!
「やっ!」
時既に時間切れ。俺を白い球体が包み込み徐々に身体の中に入ってくる。
「ほら、飛んでみな」
俺は言われたとおりにジャンプする。すると身体は思った以上に跳び一気に上空まで舞い上がる。
「なんじゃこりゃあああああああああ!!!??」
俺は思わず『保守る』と書かれた紙を手放す。紙はひらひらと下に落ちていく。どんどん高度が上がっていく。
竜騎士の気分に浸れそうだ。ウィンダスが一望できる。どこまでもほの暗い。デュナミスであることが残念だ。
そのうちスピードが停止して徐々に落下し始めた。なかなかのスピード。てかぶつかるぶつかる!
ストンッと両足で着地する。衝撃は全くと言っていいほどない。竜騎士ってこんな感じなのかな…
106 :
バレ【1-898】 ◆i2zvqkiQWY :2007/04/03(火) 03:26:23.06 ID:R3uAlT++
「さて、とりあえず投下相成った訳だが…」
いかんなぁ、油断しては…。前スレでお礼投下しようと思ってたのに…。
「前スレの
>>659さん
>>660さん
>>661さん
>>662さんと、キーゼルさんな。
偶にの瞬発しかないんだからかっこつけんな」
言い返す気力もない…。てゆうかお前もさっさと本編戻れ。
「あ、俺がいないと進めれないわけか」
今頃か!!さっさと戻れ!!
「言われなくても戻るって!!じゃな!」
あ…、おーい!!
「ん?」
…頑張れよ。
「?おう!!」
では一旦上げて投下致します。
不思議な光景だ、実に。もっともそれは「普通に考えれば」の話だが。
〜ウィンダス連邦内 森の区〜
今俺達は道の左端を歩いている、横の崖ギリギリのところを。下手すると腕を擦ってしまうほどに近く。
逆の道の右端に目をやる。俺たちと同じように、窮屈そうに身を縮めてウィンダス住人が行き来している。
そしてど真ん中を堂々と『冒険者』が疲れ知らずに走っていく。元を辿れば俺もサニーも『冒険者』だが。
本来ここに住んでいるヴァナ住人が、後から来たはずの冒険者に道を譲る。おかしな光景でもあるし、
複雑な心境でもあった。周りの『冒険者』がこうなら、俺たちも似たようなことをしていたってワケだ。
サニーはどう思ってるのだろう。サニーを見上げた。近場に『冒険者』がいる中で話しかけるのは不味いが、
「……!」…まただ。俯き加減で何かに耐えるかのようにこめかみを押さえ眉間に皺を作っている。
時々サニーはこういう仕草をする。一日の中でほんの数回だが。「……ん? どうしたの?」
サニーに小さく声をかけられてハッとした。「…いいや。…サニーこそ大丈夫か?」
「え? なにが?」彼女を暫く見つめた。
「……いや何でもない。だけどいいのかな、この格好で?」ウィンダスの最高権力者に会うのに、
サニーはともかく(ブレスドブリオー一式)俺は少しばかり埃っぽいシアーだ。
「構いません。そのままお連れするようにといわれておりますので…」「「そ、そうですか…」」
どうも慣れない、浮世離れしてる感じがして。息を浅くを吸い吐いた。(さて…と)
人知れず、俺は髪の生え際と背中にしとどに汗をかいていた。(マズイかもな…)
〜ウィンダス石の区中心点在 天の塔内〜
塔内はひんやりしていた。背中の汗が瞬く間に体温よりも温度を下げる。
だけど汗は引くことはなかった。当然だ、これから「始めて」謁見するのだから。
「でも良かった、バレがあらかじめウィンダスを回って住人の人たちと話していて」
天の塔内に『冒険者』は見当たらなかった。ここなら普通に話せそうだ。
「これでバレは神子とは『こっち』に来てから二回会うことに…」
「会っていない」「え?」「星の神子とは会っていない。今回が初めてだ」「…うそ、じゃあ…」
ゴクリと唾をのむ。「…マズイんじゃない?」「…ああ」
あの時、星上りの階段を上り侍女の間で女官たちに挨拶した後、
羅星の間、そして神子の部屋に続く階段を上ろうとしたとき、守護戦士数人に取り囲まれたのだ。
「ここから先、貴方をお通しすることはできない。早々に立ち去っていただきたい」と。
『あの』守護戦士が馬鹿丁寧に俺に話すことにも驚いたが、止められた「場所」が引っ掛かった。
俺はランク3、ジュノに派遣される直前の状態だ。もちろん『ゲーム中』では星の神子とは会っている。
通常、止められるところ、正確に言えばゲーム中では天文泉を越え、星の神子の部屋の扉前まではいけるはずだった。
それが天文泉どころか、羅星の間にも行くことが出来ない。ウィンダスの上層部は確実に俺たちの存在に気づいている証拠だ。
ここに来た直前の俺を呪いたい。後先考えずに、町の住人全員に話そうとしようとするだなんて。
こうなることは考えてみれば予想できたはずなのに、だ。おそらく詰問されるだろう。「お前達は何者なのだ」と。
「はい、お通りになってもいいなのです。しっかりと報告されてますなのです」
クピピが俺を見止め、軽く手なんか振りやがった。人の気も知らずに。
ズゴォン…と石の扉が開いた。サニーと無言で階段を上っていく。
侍女の間に辿りつく。「うわ…」サニーが声を上げる。
中央には蒼い炎があがっている。その炎の真上に何の仕組みなのか、蒼い玉と巨大なリングが二つ絡み合い浮いている。
「存在の揺らめき」だ。
それはどこかで見たことのある、重りと複数のリングで作った半永久的に動く置物を彷彿とさせるものだった。
一人の侍女が札を手に取りそれに近づく。札を掲げ手を離した。一瞬札は炎に包まれたがすぐに消え、
ヒュンと上昇しリングの周りを巡った。よく見ると札に書かれた文字がユラユラと変化している。
「こちらへ…」例の女官が俺たちを連れていく。(げェっ…)向かう先は、石で組まれたドームを縦に切ったかのような
侍女たちの居住スペースだった。壁はなく、石の柱で支えられているためにドームの中は窺い知ることはできた。
…そしてこっちを胡散臭げに見ている侍女長ズババの様子も。(そういや居たんだよなぁ…また小ご)
「おそいおそーい!!」ズババのドスの利いた声が周りに響く。周りの侍女を初め全員が体を強張らせた。
「貴様も『冒険者』に毒されおってからに!! あれ程時間に気をつけろと再三言い聞かせているだろう!!」
女官が小さくなっていく。「い、いえ、しかし…」「しかしも、かかしもなーい!!」「い、いえ、キッチリ時間通りに…」
「…貴様は馬鹿か?」「は?」立ち上がったズババが目の前の机に乗り、グイと女官を見下ろす。
「『定刻』はあくまで基本。天の塔の女官ならば、定刻十分前に馳せ参じるのが当然であろう?」
女官が滝のように汗を流しているのは後ろから見てもわかった。じゃあ、机に乗ったアンタはさてどうなのよ?
なんて口が裂けても言えるような雰囲気ではなかったが、見てて不憫だった。
ズババが机から降りて、なにか書き物をしている。「…右の者、就業違反により減俸処分にする…と」
瞬時に女官の顔が強張る。「そ、そんな!!」慌ててズババに駆け寄る。
「こ、この前も、その処分を受けました!! 正直それを受けると私の生活が…」
バァンっ!!!!
ヒッと女官が固まった。「…就業違反者が、その決定権を持つ上司に異を唱えるなんて…」
バァンッッ!!!!!!
音に合わせて女官が少し跳ねる。「聞ぃいたこと、ないがぁっ!!!!!!」
ドォォン!! ズババの後ろに擬音が現れた気がした。
「…右の者、重ねて就業違反により…」例えようがないほど蹲っている女官が後ろにいた。
(不憫だ…………!!)一瞬、ズババとその女官を覗く侍女の間にいる全員の思いが一致した。
「さて…」ゆらぁりとこちらを向く。
「また貴様か。今度は星の神子様直々にお呼びがかかったからとやかくは云わないが、末代までの誇りとするがいい」
「は、はぁ…」ちらりとズババがサニーに目をやる。びくりとサニーが震えたが、ズババは何も言わないまま
振り返らずに後ろの侍女に言った。「例の物を」「は、はいぃ!!」慌てて駆けていく侍女、すぐ戻ってきた。
彼女がこける寸前に机に置いた物を見る。「……首輪?」金属製と見られる淡い緑の首輪が二つあった。
「あ、あの、これはいったい…」「精霊分断器(マナ・ディーンゴルゲット)だ」サニーを遮るようにいった。
「貴様らは揃いも揃って精霊魔法の使い手。武器を持たずして仕掛けられる者を、そのまま神子様に会わせられる
訳があるまい?わかったならば、さっさとそれを首に嵌めるがいい」サニーと顔を合わせる。刹那、
スコーン!!
左こめかみに何かが当たり堪らず後ろに吹っ飛んだ。
「さっさと嵌めろというのがわからんか!!これ以上星の神子様をお待たせするなど、この侍女長ズババが許さんぞ!!」
なんて手が速いんだ、ドチクショウ。見ると直径10センチほどのチョークよりも一回り大きい木片が転がっていた。
カチャン。何かを嵌める音が響いた。音のする方に目を向ける。丁度サニーが手で仮纏めた髪を下ろしたところだった。
その首に例の首輪が付いている。「バっ…!!サ」サニーが俺に近づく。抵抗する間もなくあっさりと首輪を付けられた。
「ちょ!!なに」バッと口を塞がれる。サニーが口に人差し指を当てて、シーっと言っている。塞がれている手を払いのけ
さっきより声を落とした。(馬鹿ヤロウ!! 万一騙されて軟禁されたらどうするつもりだ!!対抗手段を奪われるんだぞ!)
(かといって、このまま抵抗したってしょうがないでしょ!ここは従ったほうがいいの! 今は神子が何を考えているのか、
知るのが先決。私たちがこの世界でどう思われるかも分かるいい機会じゃない!)
「……」ああ!!もうどうにでもなれ!!
立ち上がりズババに言い放つ。「準備が出来た。早く神子に…」
スコーン!!
今度は眉間に直撃した。
「バレーーーーー!!」サニーが叫ぶ。
「『星の神子様』とお言い!! 無礼な!!!」
投下終了!
113 :
既にその名前は使われています:2007/04/03(火) 05:25:24.52 ID:NsZivUb6
「これがグラビデの反対魔法。名前は忘れちゃった」
てへっ、と舌を出す。うん、許す。
「しかしこんな呪文があるとはな……」
「普通の人は知らないよ」
そういって再びプリンをぱくつく。俺はその間普通の人の意味を考える。一般人……冒険者のことだろうか……。
「ご馳走様」
彼女は手のひらを合わせてお辞儀する。スプーンはどっからともなく出したハンカチでよく拭くと腰のポーチに仕舞い込んだ。
「それじゃあこっからは真剣な話ねー」
ここで普通なら気配だとか目つきだとか顔つきが変わったというべきところなのだろうけど彼女は全く変わっていない。
「実はねー、私死んでるんだよねー」
「なんと」
「だからさ、デュナミスなわけよ。ユーレイだしね」
彼女は俯く。どこか寂しげな表情をしている。どこのどいつだ、この子を殺したのは。出て来い。俺が殺し返す。
「それでね、頼みたいことがあるの」
「なに?」
あなたのためならなんでも聴いてあげます、までは言わない。
「私はユーレイな以上はあまり現実空間のものに干渉はできないの。こんな風に話したり弱い干渉はできるけど…
だからさ、私の代わりになってほしいの」
彼女は上目遣いで手元の『保守る』と書かれている紙を弄っている。もうくしゃくしゃで読むこともできないだろう。
もちろん答えなど決まっている。俺は返答した
114 :
既にその名前は使われています:2007/04/03(火) 08:13:55.46 ID:NsZivUb6
保守るよ・・・
115 :
既にその名前は使われています:2007/04/03(火) 10:56:39.75 ID:a71KtjwY
色仕掛けで堕ちたかage
116 :
既にその名前は使われています :2007/04/03(火) 11:52:48.79 ID:MU0Ne6e1
プリンタル萌アゲ
117 :
既にその名前は使われています:2007/04/03(火) 15:16:08.70 ID:zgA+KdV+
読む前にとりあえずage
118 :
既にその名前は使われています:2007/04/03(火) 15:18:41.88 ID:NsZivUb6
「ああ、かまわない」
俺は人生においてトップ3にはいるんじゃないか、というくらいいい笑顔で答えた。
「……いいの?」
「もちろん」
彼女も俺に負けないくらいにっこりと笑う。
「ありがと! それじゃあ行こっか!」
「行くってどこへ?」
人指し指を口元まで持ってくる。
「ヒミツ」
ああ、かわいい。これを見せられないのが実に残念だ。俺はこの子のためなら例え火の中水の中どこにでも行こう。
「はい、手握って」
彼女が右手を出す。俺は少し躊躇ったあと左手を出した。
「それじゃあいくよー。ちゃんと握っててね」
ぎゅっと握ってくる。俺も握り返す。幸せで失神しそうだ。まるで思春期の少年を思い出す。
「北の地へ!」
身体が光に包まれる。テレポのようだが微妙に違う。そもそも詠唱してなかったし。視界が歪んでブラックアウトする。
俺は眼を閉じる。テレポ酔いはなかなかきついものがある。そういえば『保守る』の紙が捨てられてたな。
次に眼を開けたとき…。そこは極寒の最果ての地だった。
119 :
既にその名前は使われています:2007/04/03(火) 17:42:49.82 ID:NsZivUb6
保守るよ!
120 :
既にその名前は使われています :2007/04/03(火) 20:39:38.93 ID:78O6JjcH
新作期待age
121 :
既にその名前は使われています:2007/04/03(火) 23:05:07.41 ID:0HYvEQsP
ageるとです!
122 :
既にその名前は使われています:2007/04/04(水) 01:00:21.16 ID:StMtOTLc
定時age
お菓子の入ったかごを手に戻ると、
「・・・なにしてるの?」
私の問いに、険しい表情のシオンが唸る。
「少し待て。すぐに片が付く」
「逝く時は一瞬だ。女神の慈悲を」
シオンとキーゼルから冷たい殺気を向けられたミガイフォングは、首筋と脇の下にある刃で壁に留められ身動きがとれずにいた。
部屋の隅ではモーグリがトレイを頭に掲げて震えている。・・・何があったんだろう。
多分きっと、ミガイフォングがまたなんか変なこと言ったんだろうな。
「どこの国の話だったかな。家畜を屠殺する際に、たっぷりと恐怖を味わわせるといい味になるらしい」
「・・・ほお」
にやにや笑いながらケインがアドバイスすると、シオンがどこからか短剣を数本取り出す。キーゼルも。
「そう言えば、赤魔道士は弱体魔法に長けていたな」
「ああ。パライズ、スロウ、ブライン、グラビデ・・・好きなものからいこうか」
「・・・・・・・・・・・・!!」
意外と意気投合しているふたりの言葉に、ミガイフォングが声にならない悲鳴をあげる。いや、もしかしてサイレス?
つくづく、このふたりに手を出してはいけないのだと思い知らされる。むしろ出せない。
っていうか・・・なんだこの状況。
124 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/04/04(水) 04:17:57.33 ID:8gehYyj4
思いっきり保守に徹していた私です。以下がテンプレになります。
初出:指定避難場所123
PC(仮)名:キーゼル(Kiesel)/中の人:Kiesel◆nu123wJPbk
種族フェイス:ヒュム♂F4金
ジョブ&Lv:自称戦士。でももしかして赤じゃない?ともっぱらの噂。サポ不明。だったのがこのたび正式に赤確定しました。
特記事項:中の人は知識も技能も村人A。小さい。何故かシオンと同じ装備を持つ。クリスタル合成・魔法の使用が不可能。
活動エリア:サンドリア→コンシュ→バス
前スレまでのあらすじ:
"私"を狙う者たちを退け、キーゼルたちは一時の平穏を取り戻す。
『眠り』から覚めた"私"は、サンドリアで別れたケイン、そしてキーゼルによって"本当の自分"について疑問を抱く。
失われていく"自分"。"私"は誰なのか。『リアル』に戻ることのない来訪者の言葉に、ただ惑わされる。
でも絶対に、男にだけはなりません。
他キャラとの接触:なし
独自レギュレーション:ヴァナに順応した来訪者による、新規の来訪者のサポートを行う機関がある。
来訪者を狙う組織らしいものが存在する。何らかの方法で、リアルとヴァナをつなげることが目的のようだ。
まとめ:
http://wiki.livedoor.jp/jikyaramatome/d/Kiesel%20%a2%a1nu123wJPbk%a1%a1%a4%de%a4%c8%a4%e1 では続きをどうぞ。
武器類をモーグリの金庫に片付ける。
短剣に始まり片手剣、両手剣、片手斧、両手斧。片手棍に両手棍、・・・槍や鎌や刀まで?
「あ、それオレの」
私の身長くらいありそうな鎌を取り上げ、ケインが笑う。あんたもかッ。
金庫いっぱい(それでも全部入りきらなかった)の武器類で壁に留められていたミガイフォングは、テーブルに突っ伏している。
そして下手人たちは、何事もなかったかのようにカップを口に運んでいた。
「キーゼルさん。・・・あの」
そっとカイが呼ぶ。キーゼルは顔を上げて応え、先を促す。
胸元のペンダントをいじりながら、彼は迷い気味に言った。
「・・・あの日、何が・・・どうして、連絡を絶ったりしたんですか?兄様や、伯爵様が心配してたのに」
「夢を見ていた」
要領を得ない言葉で返す。
「その夢はとても平凡で、退屈で、何もなかった。だがそれが一番正しい夢だった。だから俺は、その夢を守ろうと決めた」
「平凡で、退屈で・・・正しい夢?」
「秩序の中にあり、管理されているわけじゃない。ただ、穏やかな水面は、風が吹かなければ波は立たない」
「・・・・・・?」
意味が理解できないらしく、首を傾げて相手を見る。何の話かと訊くのをためらってもいるらしい。
視線をシオン、ミガイフォング、ケインの順にやり、最後に私を見る。
つまり、・・・えっと?
「でも、それは、本当に正しいのか?」
しばらくは、言ったのが自分だと気付かなかった。
カイが驚き、ケインがあの厳しい表情の片鱗を見せ、シオンとミガイフォングが顔をしかめる。
そしてキーゼルは、一切の感情を消していた。
「それはあなたの傲慢だ。何も考えていないじゃないか」
なんだろう。なんだかふわふわする。
私じゃない私が、私というキャラにあわせて台詞を喋っている感覚。さっきもそうだった。
不思議な、感覚。音声のないアニメを見ながら、音声を聴いているような。
「考える、とは?」
「あなたは理解しようとしていない。なぜ"俺"がここにいるのか」
「・・・きみは、」
わずかに、そう、ほんのわずかな違和感。何かがおかしい。でも何がおかしいか分からない。まるで間違い探しだ。
「・・・黙れ、『キーゼル』」
不意に低く落とした声が言い、私の頭にケインが手を乗せる。直後、私の奇妙な違和感がふっと消えた。
「・・・あ、・・・え?」
「こりゃまずいな。完全に多重人格だ」
ぽんぽんと頭をなでながら言う。・・・え?なに、どういうこと?
私の疑問を気にもかけず、ケインは私にお茶を押しやり、キーゼルを睨む。
「何が『隔離した』だ。お前だけが分かれた状態じゃねぇか」
「・・・ランクスのほうが根付いていたか」
額を押さえ、キーゼルが唸る。その表情は冴えないけど、それほど深刻そうでもなかった。
「ランクスが中にいるなら、・・・まあ、人格的には問題だが心配事が少なくていい。ちょっと人格的にかなり問題ですが」
「問題ない、問題ない。軽く多重人格っぽくなるけどな。いきなり何か言い出したりとか」
「全然問題なくないじゃん!!」
村人Aから怪しい人に進化してるよ!!いや退化してるのかこれは。どっちにしろ大問題だってば。
って言うか、キーゼルは、・・・キーゼル・ソルニエとキーゼル・ランクスは別なのか?
じゃあ、・・・キーゼルって?
「どちらも同じですよ」
キーゼルが言う。わずかに浮かべた笑みには、けれどどこか苦さがある。
同じはずのその顔は、なのに全然違う。・・・・・・そう、彼と私は、確かに違うのだ。
「立つ場所が違うだけで、何も変わらない。同じですよ」
「でも、・・・違う」
「同じです」
短い言葉は、拒絶を意味していた。
それ以上続けても応えは変わらない。同じだと、たった一言だけ。
分からない。
何もかも。
128 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/04/04(水) 04:29:49.82 ID:8gehYyj4
今回は以上です。
どんどんわけの分からないことになってますね。大丈夫なのか"私"。
中の人はここ1ヶ月ほどヴァナに行っていないのに、"私"はヴァナから戻れない不具合。
もうね、繁忙期なんて大嫌いですよ・・・orz
>>バレさん
お気になさらずですよー。
もともと、ちゃんと呼ばれたためしがなk・・・(´・ω:;:;:......
129 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/04/04(水) 04:34:27.23 ID:8gehYyj4
あ、今気付いた。
>>124 >>『眠り』から覚めた"私"は、サンドリアで別れたケイン、そしてキーゼルによって"本当の自分"について疑問を抱く。
↓
>>『眠り』から覚めた"私"は、バストゥークで再び出会ったケイン、そしてキーゼルによって"本当の自分"について疑問を抱く。
ですね。
ダメダメですね(´・ω・)
130 :
既にその名前は使われています:2007/04/04(水) 04:40:27.09 ID:fZwZzyLR
:
131 :
既にその名前は使われています:2007/04/04(水) 07:48:33.11 ID:n+L70nzi
朝の一発age
それでいいのか?
133 :
既にその名前は使われています:2007/04/04(水) 11:34:28.11 ID:Jh5lo0ko
保守るよ!
134 :
既にその名前は使われています :2007/04/04(水) 13:18:28.99 ID:ajNmeHnO
定期age
135 :
既にその名前は使われています:2007/04/04(水) 15:22:33.88 ID:Jh5lo0ko
保守るよ!
136 :
既にその名前は使われています:2007/04/04(水) 17:54:45.61 ID:fZwZzyLR
リードさん続きマダー? (T_T)
137 :
既にその名前は使われています:2007/04/04(水) 20:25:57.33 ID:Jh5lo0ko
保守るよ!
138 :
既にその名前は使われています:2007/04/04(水) 23:11:15.44 ID:/uKGwAiz
続きマダー?
139 :
既にその名前は使われています:2007/04/05(木) 01:18:02.68 ID:JY1nxKDn
さ、sageてなんてあげないんだからねッ!?
「・・・・・・・・・・・・。」
眠い。死ぬほど眠い。
自分たちは拠点保守のために現地へ向かっているはずなのに、何で、こんな時間にこんなところを歩いているのか。
「・・・おい、まだかよ」
黒髪の兄弟に問うと、彼は涼しげな表情を変えずに応えた。
「予定では、4時間前には到着しているはずだ」
「そうか、4時間前・・・おいちょっと待て」
普通そこは『もう到着してもおかしくない』じゃないのか。いやそれ以前の問題だ。
深い森の中で、彼は夜闇にとけこみそうな兄弟を睨む。
「お前、また迷ったのかよ・・・」
「しかもリンクパールをなくしたらしい」
「・・・・・・連絡手段もねぇのか」
「・・・どのルートを通ってきたんですか?」
焚き火を前にし、地図を手に少年が問う。彼は黙って通ってきた場所を示した。
「これは・・・」
どうして、同じ道を何度も何度も何度も何度も通ったのか。
「辿り着くわけがねぇ、ぐるぐる回ってんだからな・・・」
「・・・・・・・・・・・・。」
141 :
既にその名前は使われています:2007/04/05(木) 06:52:30.44 ID:LX6v+8+L
二人とも冷静過ぎ普通は取っ組み合いなんかすage
142 :
既にその名前は使われています:2007/04/05(木) 09:19:27.79 ID:sBK8QFPr
「どこまで行くんだ?」
「城までだよー」
極寒の地を彼女について進む俺。かなり寒い。こんなことなら厚着してくればよかった…。
雪が音を吸収し歩くほしゅ、ほしゅという音だけが響く。
「あのねー、実は君に嘘ついているんだー」
「ほー、そうかい」
彼女がこちらをむかず歩きながら言う。薄々わかってたけどな。
「まずひとつはデュナミス以外でも動けること。これはすぐ気付いたでしょ?」
「ああ」
転送が開始された時点で気付いた。いちいち俺があんなめんどくさいことをしなくても彼女は
いつでも俺の前に出てくることができた。まぁ、プリンで喜んでたから別にいいけどさ。
「もうひとつ。私は確かに死んでいるけど現実空間には通常通り干渉ができる」
「ああ・・・」
大きな干渉はできないといいつつテレポが出来たんだ。これも嘘だとすぐにわかった。
「なんで嘘なんてついたんだ?」
俺が彼女の背中に質問を投げかける。彼女は歩を緩めずひたすら歩く。
「もしかしたら協力しないって可能性だってあるでしょ? そしたら本当のこと話す意味ないし」
「協力しなかったら・・・?」
彼女が止まる。そしてこっちに振り向く。その顔にはさっきとは違う笑顔が張り付いていた。
その瞬間、俺は時間が止まったのを感じた。
143 :
既にその名前は使われています :2007/04/05(木) 09:46:38.32 ID:xmbUHilJ
続き期待age
144 :
既にその名前は使われています:2007/04/05(木) 11:55:30.35 ID:sBK8QFPr
時間が止まった程度じゃ今更驚かない。親父からもよく聞いていたし。
「まだ……あるよな? 嘘が」
「なんのことかな?」
彼女が小首を傾げる。なかなかかわいい仕草だが今は萌えるときじゃない。
「俺に手伝って欲しい理由は現実空間に干渉できないからだろ? すでに干渉可能なお前に
とって俺はいらないはずだ」
彼女は答えない。ただ俺を見ている。
「お前ら赤鎧は管理者側の人間…。来訪者についても知っているはずだ。
これは仮説だが管理者どもは来訪者がヴァナのキャラに乗り移る方法を知っているんじゃないか?」
彼女は沈黙している。サイレスがかかっているわけじゃない。
「さっき手を握った時…。お前の手は死んでいるにも関わらず実体があった。しかし本来の身体とは
程遠い…。まるでスライムを掴んだような感触だった」
彼女は答えない。
「あくまで仮説でしかないが…。管理者がもし人格、意識、そういった精神を実体に自由に乗り移させる
ことができるのならば…。お前の身体はスライムの実体に乗り移り姿を変えただけの存在じゃないか?」
彼女は答えない。その様子は楽しそうにも見える。
「ならばお前の目的はひとつ。俺の身体に乗り移ることだ。さらに言うなら管理者が来訪者を狩る理由は
新しい身体を調達するため…。来訪者を呼び寄せているのは管理者そのもの。違うか?」
俺はゆっくりと足を雪から抜く。ほしゅっと音を立てて足は抜けた。少しでも動きやすくするためだ。
彼女は答えない。その代わり彼女は背中にある両手鎌を手にとった。
145 :
既にその名前は使われています:2007/04/05(木) 14:21:02.81 ID:CrGHvzNn
保守るんだぜ?
146 :
既にその名前は使われています:2007/04/05(木) 16:38:19.54 ID:sBK8QFPr
保守るよ!
147 :
既にその名前は使われています :2007/04/05(木) 19:38:49.65 ID:xmbUHilJ
読む前に定期age
「冷静すぎって、いつものことだからに決まってるだろ」
舌打ちし、リンクパールをポーチから取り出す。
「誰と話しているんですか」
「気にすんな。・・・おーい、生きてるか?」
パールに話しかけると、姿が見えなくなって久しい兄弟の不機嫌そうな声が返ってきた。
[・・・・・・大きな・・・泉がある]
「・・・は?」
彼らがいるのは、オークどもの拠点であるダボイ村跡だ。泉と呼べるものはそうない。
「待て、今何が見える?」
[白い・・・塔らしいものが見える]
「・・・塔?」
テレポイントのある遺跡だろうか。だとしたらホラ・デム・メアのどれかのはずだ。
出発地点はサンドリアで、ホラを通過してジャグナーの入り口までは一緒だったから、デムはない。メアに行くほどの時間はない。
[ああ・・・満月か・・・]
「・・・・・・・・・・・・!!!!」
分かった。分かってしまった。満月と泉。
「何でロ・メーヴにいるんだよ!?」
[・・・ここ、ロ・メーヴか。デルクフかと思った]
「今更気付くなッ!!しかもデルクフはチョコボじゃ行けねぇだろ!?」
[・・・うん、そうだった]
149 :
既にその名前は使われています:2007/04/05(木) 23:53:56.77 ID:sBK8QFPr
保守るよー
方向音痴にもほどが…w
151 :
既にその名前は使われています:2007/04/06(金) 06:21:50.73 ID:lo1KdpEu
あぐる
お昼の保守
153 :
既にその名前は使われています:2007/04/06(金) 15:01:49.01 ID:DRAurRYX
投下期待age
154 :
既にその名前は使われています:2007/04/06(金) 18:50:00.72 ID:y2tVZ5e2
ジャグナーからだと、ロメとメアって距離ほとんど同じでない?
155 :
既にその名前は使われています:2007/04/06(金) 19:23:19.17 ID:l5OsfKiY
メアの方が若干近いくらいで、たぶん同じかな
ageたばかりですが、久々の投下行きます〜
(392)
少しの静寂がその場に広がった。
一応、激を飛ばしたつもりの俺としては少し寂しい気もするが、盛り上がれる状況でもない。
ふと窓の外を見ると、空はすっかり闇に包まれいる。日は完全に沈んだようだ。
もっとも、まだ数時間は外の人通りも多く、何しろ俺たちは目立ってはいけない。
動き出すのはもう少し経ってからがいい。
「…あなたは、リアルから来たんですよね?」
静寂を破ったのは、アオツキのそんな台詞だった。
あぁ、そういえばそうだったな、と俺は思ってから、今更それに何の意味があるだろうかと自嘲した。
アオツキに一瞥をくれたのみで黙殺し、ふと思い出して領事の机の下を覗いてみた。
周りの床より、少しだけ色の濃い石が敷き詰められている。抜け道でもあると言うのだろうか。
「…どうなんですか?」
焦れたアオツキが答えを急かしてきた。
「そうだよ、だが今ここではルーファスという人間でそれ以上でもそれ以下でもないし、それで精一杯だ」
(393)
飛空挺の最終便の時刻が迫っていたが、アオツキは相変わらず何かを迷っているような顔をしている。
だが、それに関して言うならアオツキの背後にいるヒロも同様で、何か判断しかねる部分があるらしい。
当然といえば当然だ。俺の話が明らかに説明が足りないのは自分でも良くわかってる。
その上でヒロが何も言わないのは、ある種の諦観のようなものだろうと俺は勝手に想像していた。
フルキフェルの表情は読めない。
顔色は戻ったように見えるが、結局のところ彼に何が起こったのか俺は知る術がない。
それでも、彼には先ほどアオツキに聞いた事と同じ事を確認しなければならない。
少なくとも俺は、『彼』が『彼女』でない事をそれとなく感じている。
俺に協力してくれると言った人物とは別の人物として扱う必要がある。
「聞きたいことはそれだけか? 飛空挺の最終便の時間が迫ってるんだが…」
少し苛立った口調になっているが、それでもできるだけ落ち着かせた声でアオツキに話しかける。
戸惑った表情をして視線を泳がせていたアオツキは、その言葉にビクッと反応した。
だが反応しただけで、それに続くアクションはない。
こんな所で呆けてもらっても困るんだが…
(394)
「ラディール、それとマルト。アオツキを送って行ってくれ。そろそろ本当に時間がない」
「私?」
ラディールは少し意外な顔をしたが、俺にはその理由に心当たりがなかった。
「ヒロが送ったほうが良いんじゃないかしら?」
「冗談じゃねぇ、ソイツは勝手についてきたんだ。俺を保護者みたいに言うなよ」
随分と邪険な言い方でヒロはそれを拒絶する。
「…ボクは、やっぱり見届けたいです」
アオツキが急に口を開いた。
「何を見届けるつもりだ? それ以前に、見届けるまでお前は生きている自信があるのか?」
急に一人称が『ボク』になったのは、おそらくそれが本来アオツキの口調なのだろう。
再び沈黙が訪れる。誰よりも先に焦れたのは俺だった。
「…悩む時間は、飛空挺乗り場に着くまでだ。ラディール、マルト、それにヒロも一緒に行ってくれ」
「何で俺が!?命がけでこれから戦うって言うのに、そんな奴の面倒なんか見てられるかよ!」
俺が思ったよりもかなり激しい勢いでヒロが椅子から立ち上がって声を上げた。
「面倒な荷物を俺に持たせるなよ!」
どうも、相当ナーバスになってるらしい。
(395)
声を荒げた後、ヒロは肩で息をしながら再び椅子に座り込んだ。
それを確認してから、俺は言葉を続ける。
「昼間の件もある。今夜動くことが気取られていないにせよ、何かするには人数をかけておきたい」
できるだけ平静を装ってそう言う。実際のところ、そんなに神経質になっているとは思っていなかっただけにかなり驚いたが…
「お前はそうやって…」
「わかったわ、行きましょ」
ヒロが何か言いかけるところでラディールが間に入って、さっさとアオツキの肩を押して出口へと向かい始めた。
アオツキは慌てながらもなされるがままと言った様子でドアまで連れて行かれる。
憮然としたまま動こうとしないヒロだったが、マルトが寄って言って、大きく息を吸い込んでから言葉を放った。
「…子供みたい」
捨て台詞のように言い捨てて、そのままドアへと向かう。
「なっ…」
何かを言い返そうとしたようだが、口をパクパクさせただけで言葉にはならなかったようだ。
バタンとドアの閉じられる音がしたが、ヒロは相変わらず椅子に座っていた。
「おい、お前が行かなきゃ意味がないんだ。さっさと行け」
「あぁ!?」
161 :
既にその名前は使われています:2007/04/06(金) 19:56:51.74 ID:DRAurRYX
ちょwwwwww名前wwwwwwwwwwwwwwwwww
(396)
「アオツキがどうするかに関わらず、30分後に港区の居住区入り口に集合だ。俺達は後から行って、お前らに監視がついてるかどうかを確認してから合流する」
そこまで言うと、ヒロの顔が急に冷静になった。
「バストゥークの監視が、か」
「あいつらだけだと重要性が低いと思ってスルーする可能性がある。お前が一緒に動いて監視がつくかどうか確認したい」
得心したといった様子を一瞬見せたが、思い出したように反問が出てきた。
「アオツキがついて来たらどうするんだよ!?」
「好きにさせるさ。俺の勘だが、あいつには特に裏はない」
「そりゃ裏はないだろうが…誰があいつを守るんだよ?」
「守らなくていい。好きにさせるって言うのはそういう事だ」
最初にアオツキに会ったときとは随分趣旨が変わったが、それも仕方がない。
同じ来訪者だからといってすべて守りたいと思うのは、これから俺がやろうとしている事を考えると望み過ぎだ。
死んだとしても、それは俺がアオツキに与えてしまった不幸だとして俺が受け止めるしかない。
それはヒロにしてもフルキフェルにしても、そしてラディールやマルト、爺さんにしても同じことだ。
「わかったなら行けよ、まだリフトのあたりだから走れば追いつける」
「…わかったよ」
納得しきっていない様子を隠さず、だが足取りは素早くヒロは去って行った。
163 :
oufas ◆TTnPTs4wAM :2007/04/06(金) 19:59:49.85 ID:l5OsfKiY
なんだ…また間違えてる…
ちょっと吊ってきます .........λ δ
どう見ても人物が←の方へ歩いているように見える俺はどうしたら…
↓これだと余計に見える。
λ.........δ
いや、いいじゃん!!
166 :
既にその名前は使われています:2007/04/06(金) 23:23:21.91 ID:KXl6KLgb
age!
167 :
既にその名前は使われています:2007/04/07(土) 01:11:47.67 ID:MunwaKAm
保守
168 :
既にその名前は使われています:2007/04/07(土) 02:33:23.01 ID:lgM+acwT
ムーンウォークなんだよ!
ううん、知らないけどきっとそう!
169 :
既にその名前は使われています:2007/04/07(土) 06:46:26.18 ID:RtBEDYRl
駅前で必死に演説する奴に入れない不具合age
A 「コロヌの!?僕、ムッコロされるの!?ねぇ!ムッコロ!ムッコロされる!?」
赤い鎧「あぁ、コロヌよ」
A 「本当!?なんでなの!?ひどくない!?」
赤い鎧「あぁ、来訪者だからムッコロスんだよ」
A 「そうかぁ!僕来訪者だから!世界の秩序より自分の命だから!」
赤い鎧「そうだね。わからないね」
A 「うん!でも来訪者なんだ!そうなんだぁ!じゃぁ抵抗してもいいよね!」
赤い鎧「そうだよ。抵抗していいんだよ」
A 「よかったぁ!じゃぁ抵抗しよね!戦おう!」
赤い鎧「うん、戦おうね」
A 「あぁ!来訪者だから結界内でも動けるね!ね、赤い鎧!」
赤い鎧「うん。呪文唱えてていいよ」
A 「あぁー赤い鎧と僕はいま命をかけて戦ってるよー!生き残ろうねぇー!」
コピペ改変してみた。反省はしていない。
171 :
既にその名前は使われています:2007/04/07(土) 11:33:19.46 ID:c04kFnKG
保守るよ!
172 :
既にその名前は使われています :2007/04/07(土) 13:05:21.45 ID:ExrniPDf
定期age
173 :
既にその名前は使われています:2007/04/07(土) 13:30:50.01 ID:hE82+75f
自キャラになったらリアルの知識でヴァナを支配するとか言ってた奴もいたっけな・・、保守
174 :
既にその名前は使われています:2007/04/07(土) 15:50:48.99 ID:c04kFnKG
「あっはっはっはっはっはっはっはっは!!」
彼女は突然笑い出した。狂ったよううに。壊れたかのように。
「とんだところに名探偵がいたもんだね!」
さっきの彼女とは明らかに違う声。
「あっはっはっはっは…畜生!」
彼女が両手鎌を片手で振り落とした。雪の上だというのに地面が揺れるほどの衝撃。
あれ? これ、勝てなくね? 死亡フラグってやつですか?
「まぁ、ばれたら仕方ない…。ちょっと痛いかもしれないけど我慢してねっ?」
語尾を可愛くしても今更遅いだろ。俺は背中のサンダースタッフを両手に持つ。
「抵抗しないでねー」
彼女が一歩一歩近づいてくる。俺は一気に精神を集中させる。イメージが大事だ。
頭の中で印を組む。一度だけ魔法の威力を高める印…。
「停止!」
黄色い輪が彼女を押さえ…こまなかった。再び弾かれる。俺終わったな。
「無駄無駄ー。そんじゃあ行くよ」
彼女が跳んで一気に間合いを詰める。スタッフを狙いを定めて振る。
宝珠と鉄がぶつかり火花が散る。ああ、俺のサンダースタッフが…。宝珠割れないよな…。
彼女は空中でくるくる回転してほしゅっと着地する。間合いはあまりない。が、反応できる距離。
「なかなかやるね、でも次で終わりだ、よっ!」
175 :
既にその名前は使われています:2007/04/07(土) 18:30:07.53 ID:c04kFnKG
彼女が再び跳んでくる。鎌を大きく振りかぶって。ラストチャンスだ。
俺はそれを寸前で避ける。隣の空気が切り裂かれて鎌が雪を貫通し地面に突き刺さる。
すぐには抜けないだろう。ならばこの瞬間に一撃を…!
「でりゃあああああああ!!!」
気を一気にスタッフに送り上へ上げる。スタッフは俺の手から離れ空中に浮く。
「ちょっ、待って!」
待ったなし
「レトリビューション!」
スタッフがプロペラのようにきゅるきゅるっと音を立てぴた、と止まったと同時に
勢いよく彼女の頭に宝珠が直撃する。頭には何も被っていない。ダメージは期待できそうだ。
どごっと鈍い音がなり俺の手元にスタッフが戻ってくる。彼女はふらふらと動いたあと
ほしゅっと雪の中に倒れた。どうやら勝ったようだ。しかしこれで油断してはいけない。
俺は彼女から少し離れる。まぁ、こんなもんでいいかな。魔法射程ぎりぎりだ。
精神を集中させる。サンダースタッフは背負っている。両手の手のひらを少し離して
あわせる体制をとる。すこし残酷かもしればいが仕方ない。諦めてくれ。
「出でよ、神の雷…! バーストU!」
彼女の上に丸い玉が出てくる。と同時に大きなカミナリを彼女目掛けて落とす。
しばしカミナリが暴れた後空気に溶けるように消えていった。
バーストが直撃した彼女はさっきと同じように倒れている。微妙に煙も出ている。もう動かないかな。
「まぁ、こんなとこかね。結構つらかったな。
176 :
既にその名前は使われています:2007/04/07(土) 21:51:10.57 ID:MunwaKAm
保守っと
177 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:33:28.99 ID:51Pj7l45
お邪魔します、自キャラになった人が出るまでひじょーに長い作品ですがしばらくお邪魔させてもらいます
いきなりの大量投下、うぜーーーとか言わないで大目に見てください_(。_。)_
178 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:33:49.13 ID:51Pj7l45
私には好きな人がいました。好きな彼の事を一言でいうと普通な人。でも、誰にでも気を使える人でした。
背が他の種族よりもずっと小さなタルタルの私がちょっとした段差でつまづくと、笑顔ですごく大きな手を差し出し、
そっと私の手を握ってくれた人。生意気に金色の髪の先っちょを赤く染めた私のポニーテールをその手でいじられるのが好きでした。
大きな手で頭を撫でられるのが年甲斐もなく好きでした。
彼の優しさは私だけに向けられた物ではないと分かっていたし、
私の事を愛玩動物だとかマスコットだとか、そんな風にしか見ていないこともわかっていました。
でも・・・それでもただ彼のそばにいられればそれでよかったんです。
だから私は仲間をかばい傷つくナイトの彼の力になれるよう白魔道士の道を選んだのです。
179 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:34:13.51 ID:51Pj7l45
彼があまりLSに顔を出さなくなり始めたのはいつからでしょうか?
元々、彼も私も毎日冒険に出ていたわけではなかったけれど、少なくても三日に一度は話せていたと思います。
だけど、それはいつの間にか四日に一度になり、五日に一度になり、気づくと彼の姿を全く見なくなりました。
ゆっくりと、緑の葉を広げていた木が丸裸になるよりもゆっくりと消えていった彼・・・。
彼がいなくなろうとしていることにもっと早く気づいていれば、彼を引き止められたのでしょうか?
そんなことは無いと分かっていても、今も時々、こう考えると胸が痛みます。
ストーカーじみている、そう思われても仕方ないけれど、特定の条件を書き込むことでその条件にあった冒険者の
大まかな情報を魔法が書き出してくれる冒険者の手帳に何度も何度も彼の名前を書きました。
だけど、手帳に浮かぶのはこの一言。「条件に合った冒険者は全エリアに0人です」
「最近、ルークこないね」
ある日、寂しくて寂しくてポツリと私がLSで漏らすと、信じられない言葉がメンバーの口から発せられたのです。
「ルークは引退したよ」
メンバーの答えの意味が分からず、私が凍り付いていると、メンバーは更に続けました。
「ああ、そういえばナココはルークがやめるって言った時にパールつけてなかったっけ?」
そこまで聞いたところで、私は思わずパールを乱暴に鞄に押し込み、ウィンダスにある自分のモグハウスへと走りました。
どこにどうテレポして、どうやって向かったかなんて分からないくらい、がむしゃらに、めちゃくちゃに、
何度もころび、何度も疲れて足を止め、泥と涙でぐしゃぐしゃになりながらも、そんな姿を誰にも見られたくなくて、
少しでも早く自分の落ち着ける場所に戻りたくて、むちゃくちゃに走りました。
180 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:34:27.83 ID:51Pj7l45
扉を乱暴に開き乱暴に閉じる。モーグリが普通ではない私の様子に驚いて私のほうへと飛んでくる。
私はそれを無視してベッドにもぐりこむ。
どれほどの時間、私は泣いたのか分かりません。ただ、少し落ち着いた私のためにモーグリが入れてくれたウィンダスティーが
すごく美味しくてまた涙が溢れた事は、はっきりと覚えています。
そして数日後、私は彼に会いたい一心で彼のモグハウスへと向かったのです。
私が鍵すらかけられていない彼のモグハウスにそっと足を踏み入れると、
サンドリアのモグハウスの特徴である暖炉の炎が消えているのが目に入りました。
温められていないサンドリアのモグハウスには肌を刺すような北国の冷気が薄暗い部屋に立ち込めていました。
ほこりにまみれた家具がそのままの形で残されていて、置いてけぼりの私は置いてけぼりの家具達にすごく親近感が沸いたこと。
それも覚えています。
だから、私は私の仲間を綺麗な姿にするために、今も時々、勝手にサンドリアの彼の部屋を掃除しているんです。
181 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:34:46.50 ID:51Pj7l45
もう、これは何年前の出来事なのでしょうか?はっきりと思い出すことはできません。だけど、
私のジョブレベルが白魔道士LV65、彼のナイトと同じLV65なのだから、マートさんが冒険者にLV65の殻を破る方法を
教えていない頃の出来事なのは間違いありません。
私は彼の真似をしてタルタルには不向きなナイトの道を歩みました。クモの鎌の一撃であっさりと意識を失い、
サソリの巨大なハサミの一撃で危うく真っ二つになりかけ、マンティコアの抱擁では全身の骨が粉々になり、
指先くらいしか動かせない日々が続き、ダルメルの全体重の乗っかった踏み付けを受けた時は、
PTの白魔道士さんが思わず顔を覆ってしまうような酷い状態になっていたようです。
もしかしたら、私は死にたかったのかもしれません。死んだら、どこかへ行ってしまった彼に会えるかもしれない。
心のどこかでそう思っていたのかもしれません。だから、モンスターの恐ろしい一撃も怖くなかった。
気がつくと、私は勇敢なナイトとしてウィンダス国民でありながら、
彼のようにサンドリア騎士団からサーコートを受け取るような身になり、高雅なる大騎士と称えられ、
さらにはマートさんを降参させるだけの実力を手にしていました。
182 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:35:02.89 ID:51Pj7l45
臆病で、彼の一方後ろをゆっくりと歩いていた白魔道士の私の面影はすでにないから、
彼が偶然私を見かけても私の事に気づかないかもしれない。だからせめて彼が気づいてくれるように、
彼が縫ってくれたウールタブレッドをいつも着ています。まだ、銘入りクリスタルなんて物が無い時代の作品だから、
競売で買ったものと見た目は違わないです。だけど、だけどこれを着ていれば彼に会える。そんな気がしてまだ着ているんです。
変わってゆくヴァナディール、そして私・・・。だけど、彼がくれたウールタブレッドと、彼のモグハウスの家具たちは、
もう何年も変わっていないんです。
変わらない彼のモグハウスの掃除に行くと、薄暗いモグハウスの中で一つの影が動きました。
私は腰に下げたカンパニーソードの柄にそっと手を伸ばし、息を殺しました。
ヒュームの男性でしょうか?何かを探しているようにも見えますが、
不思議と物取りというわけでもなさそうです。だけども、人の事はいえませんが不法侵入です。
隙だらけの男に先手必勝でフラッシュを放つと男はうめき声をあげ明後日の方向を向き、
そのまま足をもつれさせて彼の机にもたれかかりました。素早く盾で男を強打して押し倒すと、
金属同士がぶつかる派手な音が張り詰めた空気をぶち壊し、男の悲鳴をかき消します。
男の上に馬乗りになると素早くウールタブレッドのポーチから短剣を抜き出し首筋に突きつけました。
男は、ナイトのアーティファクトを着込んでいました。もしかしたら、サンドリア騎士団の人だったのかもしれません。
その時は・・・ま、まぁひたすら謝ります。
「何者ですか?どうしてここにいたのですか?」
183 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:35:38.78 ID:51Pj7l45
体重差が三倍以上ある相手なので、男がその気になれば私の小さな体は簡単に吹っ飛ばされてしまいます。
そうなりそうな場合に備えて、相手には悪いですが吹き飛ばされる前に利き腕の健を切れるよう、
右腕は常に緊張させたまま男を睨みつけます。なんとなくですが、サンドリア騎士団の人ではなく冒険者のような雰囲気がします。
暗いモグハウスの中、短剣の刃が外からの光を受け不気味に輝いていました。
「タ・・・タルタル?」
「質問に答えなさい!」
物取りを捕まえるという正義感よりも、彼のモグハウスに勝手に入った事が腹立たしくて声を荒らげる私と
不思議そうな声を出す男。その妙な温度差が、彼と私の温度差のようで余計にイライラする私。
「頼む、俺が何を言っても怒らないで殺さないでくれ」
「大人しくしていれば命まではとりませんよ」
サンドリアの警備兵さんにつき出しはしますが。私が彼の部屋にいたことの言い訳が必要になるのはちょっと困りものですけど。
男は情けなく声と体を震わせその瞳で短剣の刃を見つめていました。
「先に言っておくけど、今から俺が言う事は本当なんだ。冗談とか、とぼけているわけじゃないんだ。信じてくれ」
「いいから早く言いなさい!」
どうにも煮え切らない男に余計イライラし、怒鳴りつけると男の体がビクリとする。
「そ、そのだな・・・ここがどこか、俺が誰か、わらかないんだ・・・」
「・・・とぼけるつもりですか?」
「だから最初に言っただろ!とぼけてたりするわけじゃない!気づいたらここにいたんだ!信じてくれ!」
184 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:36:18.39 ID:51Pj7l45
私もつくづく甘いです。どうにもウソを言っているように見えないのであっさりと短剣をひき、
男の上から降りました。ウソが上手な人だという可能性もあるし、一応警戒はしたままですが。
「とりあえず、身につけているものとかに名前があるものはないんですか?」
「あ、ああ。チェックしてみます」
「その前に、武器を捨てなさい」
「あ、はい・・・」
ガチャガチャと音を立てながら不慣れた調子で片手剣を下げていたベルトを外し、
隙だらけでポケットなどを調べるナイトの男。
私はLV60以上の冒険者の振る舞いじゃないなぁ、などと思いながら
とりあえず、数年ぶりに彼のモグハウスの暖炉に火をつけようと火種になりそうな物を探していると、
「ここって・・・タルタルがいるってことはヴァナディール・・・なわけないか」
妙な事を口にする男。
「ここもどこもなにも、ヴァナディールに決まっているじゃないですか」
「へ?は??え???」
暖炉に彼の戸棚から失敬した湿気たマッチで火をつけると、ぱぁっと光が広がって、
困惑した男の顔がはっきりと映しだされました。そして、今度は私が困惑する番となったのです。
「ル・・・ルーク?」
「お、俺、ルークなのか?」
気づくと、私は彼に飛びついていました。私に押し倒されるルークはさっきのように派手な音を立てて倒れ、
またまたすごい音がモグハウスの中に響き渡りました。
185 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:37:14.46 ID:51Pj7l45
少しあどけなさの残る顔に冒険者に人気の通称勇者顔という髪型。例え何年たっても、何人勇者顔の人がいても、
決して私はルークを見間違えない自信があります。
困惑する彼の胸にすがり、大声で泣きながらひたすら彼の名前を呼び続けていると、
恐る恐る彼の手が私の頭をくしゃりとさわり、しばらくすると優しく撫でてくれました。
それが、本当に嬉しくて、涙がさらに溢れていきます。
「ナココ・・・さん・・・なの?」
「ナココ!ナココだよぉ!会いたかった・・・会いたかったんだからぁ・・・!」
「その、ナココさんを信用して言うんだけどさ」
「昔みたいに呼び捨てにして」
「あー、その、ナココ。落ち着いて聞いてくれ、俺は別に狂ってるわけでも、冗談を言っているわけでもないんだけど・・・」
落ち着けといわれても、嬉しくて嬉しくて、本当に嬉しくってとても落ち着けられそうにも無いけれど、必死に頭を縦に振る。
「あのだな・・・自キャラになったって言ったら、どうする?」
「ジキャラ?」
初めて聞く単語にきょとんとする私にきょとんとした顔を返すルーク。
「ジ・タ?聖地ジ・タ?」
「いや、そうじゃなくて・・・」
困った顔でしばらく頭のてっぺんをルークがかきながらまた奇妙なことを口走りました。
「ナココはPCだっけ?PS2だっけ?」
「ぴいしい?ぷれすてつー?」
186 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:37:25.87 ID:51Pj7l45
「ぴいしい?ぷれすてつー?」
「いや、いいや、忘れて」
「?」
彼の上に座ったまま思わず小首を傾げると、彼がポンポンと私の頭を、愛玩動物にするようになでた。
「ところで、そろそろ立ち上がりたいんだけど。」
「え、あ・・・」
そこで初めて彼が私が乗っかっているせいで起き上がれない事に気づきました。
「きゃ!ご、ごめん!」
慌てて彼の上から降りると、その様子を見て彼がクスクスと笑うので、耳の先まで熱くなりました。
「とりあえず、俺のモグハウスがどこかとか教えてくれると助かるんだけど」
「ここ!ここだよ!」
「・・・ああ、そういえばモグハウスで落ちたんだっけな」
「??」
またもやルークがよく分からないことを口走りました。落ちる?モグハウスから?どこに?
「こっちの話。ちょっとだけ俺のホラ話につきあってくれないか?」
私は、笑顔で大きく一度頷きました。
187 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/07(土) 23:38:00.41 ID:51Pj7l45
お邪魔しました
皆様の作品の続きを楽しみにしています
|彡サッ
188 :
既にその名前は使われています:2007/04/08(日) 02:52:10.54 ID:G2uSdrKd
今から読むよage
189 :
既にその名前は使われています :2007/04/08(日) 04:41:50.32 ID:tGSB/Evr
寝落ちage
190 :
既にその名前は使われています:2007/04/08(日) 10:33:49.57 ID:FJS/23sM
干す
191 :
既にその名前は使われています:2007/04/08(日) 12:35:37.27 ID:09i5+4MU
ageるよ!
来訪者をヴァナ側からの視点で書いた新作に期待
192 :
既にその名前は使われています:2007/04/08(日) 15:47:08.05 ID:lW8YDd9u
土日は危ないあげ
193 :
既にその名前は使われています:2007/04/08(日) 17:47:33.63 ID:PFO01YVu
なにか違和感を覚える。
後ろには襲ってきた彼女の身体…。確かめてはいないが死んでいるはずだ。あれだけの直撃与えたし…。
なにかが心に引っ掛かっているような気がする。なんだ? 俺は周りを見渡してやっと気付いた。
「時間停止が…終わってない…?」
急いで振り向く。彼女は横たわっている。術者が死んでいたら呪文も途切れるはずだ。ならばまだ彼女は…
まだ魔力は残っている。あと何発かは撃てる。一応撃っとくか。
俺は再び詠唱体制に入る。今度こそ仕留めてやる。絶対に…。俺の周りに魔力が満ちてくる。あと少し…!
「スタン!」
背中に強烈な痛みが走る。衝撃が俺を前へと吹き飛ばす。勢いづいた俺は彼女の体を越えワンバウンドして停止した。
今のは確実にスタンじゃない。スタンだったらこんなに吹っ飛ばない。
「危なかった…」
そこには白髪の女性が立っていた。歳を俺よりか上といったところだろう。俺は痛みに耐えつつ杖を使って体を起こす。
「誰だ…」
女性は俺を確認するとにっこりと笑ってこう言った。
「私の名はシヴァ。あなたの父の上司ね」
親父の上司。あの噂の上司。夜中に食べたいからという理由だけで親父を竜のねぐらに吹き飛ばしてファブリルを狩らせた
あの上司。無理難題をつけてくる親父の…
「上司…」
女性は一歩ずつほしゅ、ほしゅと音を立てながら近づいてくる。痛みでとてもじゃないけど詠唱できない。
「おやすみなさい」 俺の意識は途切れた
194 :
既にその名前は使われています:2007/04/08(日) 19:15:33.67 ID:Af1uCg9c
まとめサイトのLoufas ◆TTnPTs4wAM 14スレ目本編を読んでます
途中の暗殺部隊にいた女の子が解読不能の暗号を書いた紙切れを〜
その暗号が日本語だったという所で、何故かめたくそ悲しい気分になっちまいました。
心細いんだろうなぁとか、そんな保守
皆様、投下乙でございます。
何かと忙しく、随分間があいてしまいました。
>>1氏、スレ立て乙でございます。
では、久々に続きを投下させていただきます。
初出: 1スレ161
PC(仮)名: Lead、リード / 中の人:161 ◆zmxSLEadCU
種族フェイス: エル♂F4A
ジョブ&Lv: 不明 (片手剣、ガンビスンとガリシュズボン)
特記事項:
ジョブチェンジ不能。クリスタル合成不能。睡眠がとれない。
禍神から「マガシキノロイ」を受けている 。
はじめは記憶喪失だったが、記憶復活。管理者組織の裏切り者と判明。
前スレ(18スレ)のあらすじ:
関所(駐屯所)の隊長を助けるために、暴走したHNM羊に立ち向かうリード。
謎の人物からの火砲支援を得たことで、HNMを退ける。
バストゥークに入国したが、メイミィの体調がすぐれず、“こうもりのねぐら”亭に宿を取る。
活動エリア: エルディーム→ジュノ→(ホラ・砂丘・機船航路経由)→ウィンダス→サンドリア→オルデール
→ラテーヌ→ジュノ上層→バタリア→コンシュタット→グスタベルグ→バストゥーク鉱山区
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、サン、レップ、ロック、
メイミィ、クルス、ユリフィナ、タイガー(正体はルーファス)、アオツキ
独自レギュレーション:
人間は死んだらそれまで。死んだ者は甦らない。一応、瀕死はレイズで息を吹き返す。
戦闘やアビリティ、呪文や時間等の描写はあいまい。サーチ機能なし。
基本はSayとShout。LS会話は通話のみ。視界内にいる者同士でtellができる人間もいる。
案内された部屋は、四つ並びの部屋の一番奥だった。
手前から三つはどれも就寝中か、それとも夜の町に繰り出しているのか、静かだった。
通路から裏口の位置まで、ざっと見回す。
漆くいも塗っていないレンガ剥き出しの壁は冷え冷えとして薄く、隣の部屋の物音まで聞こえそうだ。
宿全体が、お世辞にも上質とはいえない簡素さだ。
とはいえ、いまさら四の五の言うつもりもなかった。その元気もない。
メイミィを固いベッドに座らせ、肩代わりしていた荷を置いた。
床がミシッ、と安いベニヤ板のような音を立て、それがやけに耳に障る。
「ロポッサ卿、すぐにお夜食とお風呂の準備をいたしますわね」
オホホホ・・・と変な笑いをしつつも、女将は部屋を出て行かない。
チップ、ということだろう。
「ええ。よろしく頼みます」
そう言って俺は軽く目礼し、チップをにぎらせた。
金貨を一枚、皮肉をこめて。
「それから、あまり気を使わないでください。普段通りで結構ですから」
「あら、そうかい?」
女将がほっとしたような表情を浮かべる。
瞬く間に、彼女は口調とともに本来の素に戻っていた。
「貴族様だと思ったら、肩に力が入っちゃってねぇ」
快活な笑い声を上げ、女将は金貨をポケットにねじ込んで部屋を出て行った。
それからほどなくして、扉がノックされた。
ガルカだった。怪しさは感じないが、例に漏れず、無口だ。
湯気がもうもうと沸いた桶を二つ、カーテンで間仕切りされた部屋の片隅に置いた。
彼は黙々と、頭上に据えられた巨大なバケツに湯を注ぐ。
桶が空っぽになると、今度は壁から突き出した蛇口をひねり、桶に水を汲む。
そうして、また巨大バケツに注いだ。
まさかとは思ったが・・・。
あれが“お風呂”、というかシャワーらしい。
「ありがとう」
俺は困惑しながらも礼を言い、ガルカは部屋を出て行く前に振り返って深々と頭を下げた。
こういった形式の簡易設備が存在することは知っているが、宿屋で見るとは。
ぬるま湯の簡易シャワーでは汚れを落とすのがせいぜいで、体を温めたりはできそうにない。
港区まで足を伸ばして、“蒸気の羊”亭にしておくべきだったかもしれない。
「まぁいいか。“ハニー”、お先にシャワーどうぞ」
「あ、はい」 応えつつ、もそもそと躊躇する彼女。「えっと・・・“ダーリン”。えーっとですね」
―――おっと、そうか。
「その間、俺はちょっと出てるよ」
ボロ布でぐるぐるにしていた長剣を手にとった。
柄の部分だけ、巻きを少し緩める。
「向かいの防具屋で、こいつの鞘を調達してくる」
199 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2007/04/08(日) 19:49:30.17 ID:ofh1v1uo
ひとまず、投下は以上でございます。
>>194 同意でございます。
あの手紙のエピソードは、胸にこみあげるものがありますね。
200 :
既にその名前は使われています:2007/04/08(日) 21:00:53.59 ID:Zonf0HWs
リードさんきた! これでかつる!
201 :
既にその名前は使われています:2007/04/08(日) 23:19:45.19 ID:FJS/23sM
こでかつる!だからあぐる!
思えばもうこのスレも1周年くらい?
就寝前に少し書きましたので、投下いたします。
女将に一声かけて、宿を出た。
夜の鉱山区、この“ギルド方面”と呼ばれる街区は灯りもまばら。
宿からその向かい側の区画、防具屋がある方へと渡された桟橋を、ぽくぽくと歩く。
ぞくりと冷気が足元から襲ってきて、俺は襟元に手をやった。
「石と鉄ばかりの殺風景な―――」
そんな、シャントット博士の言葉がふと思い出された。
どむん!
突如、遠くで爆音が鳴り響いた―――ような気がして、俺は振り返った。
反射的に気を配ってみても、周囲は重く冷えて沈んだ空気に包まれたまま。
何も、変わったところはなかった。
気のせいなら・・・、空耳なら、いい。
疲れているのだな、と自分に言い訳しながら、一軒の店の前で足を止めた。
“防具屋ディーギス”
と看板に銘打ってある。
こんな夜も遅い時間にも関わらず、窓から明かりが漏れ、中に人がいる気配がした。
「こんばんは」
鍵はかかっていなかったので、そのまま店に入った。
カウンターに店主の姿はなく、奥の部屋からなにやら笑い声がする。
もう一度声をかけようか、と思いながら、俺はざっと店内を見回した。
壁には数種の盾がかけられ、棚には鎧が整然と並べられている。
それらすべてが、ガルカのための物らしい。
彼ら特有の太く短い尻尾を守るためのパーツも置かれていて、妙にシュールだ。
「こ―――」
「なんだ」
俺がもう一度呼びかけようとしたとき、のそりと奥からガルカが姿を現した。
鍛えた大柄の体にスキンヘッド、そしてチョビ髭という、ある意味押し出しの強い姿。
店主ディーギス、その人だった。
「ん、客か?」
俺は首肯して、鞘がほしい旨を伝えた。
そうか、と彼は低い声でつぶやく。そうか、そうか、と。
おもむろにのっしのっしと店の外に出て行って、ドアの表側を確認した。
「閉店の札を出し忘れていた。まぁいい」
じろり、と俺を睨むかのように視線を向ける。
「アンタが今日の最後の客だ。ゆっくりしていけ」
冒険者が鞘だけ欲しがるのは、よくある事だ、とディーギスは言った。
武器をどこかの遺跡で拾ってきたり、伝説の獣から奪ったり、はては非合法な手段によって。
例をあげれば枚挙に暇がないが、要するに都合よく鞘まで手に入ることのほうが少ないのだ、と。
「ひと月で、専用の鞘を作ってやる。アンタが望む装飾込みでな」
ひと月は、あまりにも長すぎる。
俺は、明日の早朝には出発しなければならないのだから。
「職人と見込んで正直に言うが、すぐに必要なんだ」
ディーギスの顔が、みるみる渋面になっていくのが見て取れる。
だが、俺もあきらめるわけにはいかない。
「装飾などいらない。いくさ仕立ての、頑丈な鞘が欲しい」
無茶を言うな、とディーギスは唸った。
「そこいらで出回ってるような、クリスタルでお手軽に作るのとはワケが違う。
この店にあるもんは全部、俺たちの、この手で、魂込めて作ってんだよ」
頼む、だめだ、の押し問答に、奥の部屋から別のガルカが顔を出した。
「とりあえず、現物を見せてくれんかね。よければサイズだけでも測るが」
ズィーと呼ばれたその職人は、またかディーよ、と呆れ顔をして言った。
そしてもう一人、ひょっこりと姿を現したかと思うと、腰を抜かさんばかりに声を上げた。
「騒がしいのう、ショーギの途中だというのに―――リード!? 何故おぬしが此処に」
長く白いあごひげのヒューム爺、フードをおろした真紅のクロークに、魔法使い然としたねじくれた長い杖。
「・・・それはこっちのセリフだ、ハーミット」
今夜の投下は以上です。
おやすみなさい。
207 :
既にその名前は使われています:2007/04/09(月) 02:12:29.58 ID:vL4iOg9q
緊急浮上
208 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/09(月) 04:45:09.79 ID:GLw8qDuH
久々に投下ヽ(´ー`)ノ
と思ったらアクセス規制な件(つД`)
209 :
既にその名前は使われています:2007/04/09(月) 09:04:19.51 ID:g8p/RTnS
どんまいage
210 :
既にその名前は使われています:2007/04/09(月) 11:44:36.66 ID:oyKehXXh
>>193 一応続きアンカーです
「ほら、起きて。紅茶入ったよ」
柔らかい、そして懐かしい女性の声で目が覚める。
「ったく、夜更かししてゲームやるから眠くなるんだぞ」
叱るような男性の声が聞こえる。顔をあげると湯気を立てる紅茶の入ったカップが置いてあった。
「あれ…? ここは…?」
「なに寝ぼけてんのよ。紅茶飲んだら早く布団入りなさい」
女性を見る。長い髪ですこし茶色に染まっている。
「おねぇ…ちゃん?」
「ダメだこいつ。寝ぼけてやがる」
男性のほうを見る。短髪に色黒の肌。
「おにぃちゃん?」
「ああ。寝ぼすげ弟の兄だ」
間違いない。例え五年の歳月が経ってたとしても見間違えない。
「おにぃちゃん・・・。おねぇちゃん・・・」
視界が歪む。頬を何かが伝う。
「ぬわ、泣き始めたぞ。姉貴、ティッシュ、ティッシュ」
俺は大声で泣いた。俺は両親が死んで以来おねぇちゃんとおにぃちゃんと供に住んでいる。
そうか…。俺、いやぼくは長い夢を見ていたんだ。長い永い夢を…。
おねぇちゃんが僕をなでる。その手は暖かく懐かしくうれしいものだった……
>>210 >>「ぬわ、泣き始めたぞ。姉貴、ティッシュ、ティッシュ」
>>ティッシュ、ティッシュ
>>ティッシュ
>>テ ィ ッ シ ュ
>>ティッシュ=保守?
おぃい?
213 :
既にその名前は使われています:2007/04/09(月) 13:09:51.83 ID:tf8fgSf5
ショーギ=将棋?
むしろそっちにオイイィ
じいちゃんそれでいいのか?w
>>210 一応…
泣き止んだ僕はゆっくりと紅茶を飲む。おいしい…。懐かしい…
「ぬわ、また泣き始めたぞ」
おにぃちゃんがティッシュをこっちに放る。どうやらパソコンでなにかをしている途中のようだ。
僕は鼻水をかんで涙を拭く。なんか一年分は泣いた気がするな…。
「パソコンをやるか紅茶を飲むかにしなさい」
「あー、ちょっと待って。あとちょっとだから」
おねぇちゃんに言われおにぃちゃんの行動がスピードアップする。
「なにやってるの?」
「ん? あー、ネ実のスレでさ。おもしろいのがあったんだよ」
「あー、あれ? 確かに面白いわねー」
ネ実…スレ・・・頭が痛い
「保守、と。これで二時間は安心だろ」
保守…頭の痛みが加速する。なんだ割れるように痛い。なにかを思い出しそうだ。
「おにぃちゃん…。そのスレの名前は…?」
「ん? 『「朝起きたら自キャラになっていた」物語19』だ」
頭を抑える。痛い痛い痛い痛い
「どうしたの? 頭おさえて。大丈夫?」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
紅茶が倒れたような気がする。 意識が遠のく……
215 :
既にその名前は使われています:2007/04/09(月) 15:15:17.74 ID:oyKehXXh
age忘れてたよ…
216 :
既にその名前は使われています:2007/04/09(月) 17:01:48.79 ID:BMAoX0ty
久々にストレートな保守を見た気がします
217 :
既にその名前は使われています:2007/04/09(月) 18:32:46.66 ID:bnyBE6R/
ほしゅーほしゅー、ってのも好きだぜ!
218 :
既にその名前は使われています:2007/04/09(月) 20:52:25.37 ID:tf8fgSf5
久し振りにリードさんのバトル(・∀・)クル-?
219 :
既にその名前は使われています:2007/04/09(月) 21:34:40.72 ID:6giZuucB
ハーミットて味方じゃんかyp
でもわっふるする。
220 :
既にその名前は使われています :2007/04/09(月) 22:53:47.98 ID:lNjIItca
-飲みすぎだ自分にage
221 :
既にその名前は使われています:2007/04/10(火) 02:01:21.04 ID:OvudX7zj
age
222 :
既にその名前は使われています:2007/04/10(火) 03:47:38.26 ID:hFP+OU1g
保守
223 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/10(火) 03:48:22.88 ID:hFP+OU1g
場が白ける、という奴だ。ルーファスの啖呵に、一同は沈黙してしまった。
本音とお題目なら、本音の方がいい。それは子供の理屈であったらしい。
それはそうだ。アメリカあたりを見れば分かる。どれほどの戦争が自由・平等や平和を名目として、その実保身や強欲、傲慢を本音としていたか。
殺人だって自分が正しいと信じてやりたいし、どうせ死ぬなら奇麗事を信じて死にたい。それが真実だ。
しばらく淡々とも状況の確認と、ささやかな作戦の立案が行われた。
どれもこれも、素人が見ても分かるほど稚拙なものだったが、今更何も言う気になれなかった。
場の空気を取り繕う為、といったところか。どうせあいつはおれ達に全てを話す気はない。今のすべった空気がなければ、この作戦会議ごっこも実現しなかったろう。
だけど、ないよりはある方が嬉しいのは事実だ。
作戦云々はともかく、情報は有用なものが揃っている。
バストゥークで食品を扱う商人は、サンドリアに縁のある者が多い。だから情報が集まりやすいのだろう。
例の三五八倉庫の人員が増減した様子はない。火薬庫が近いのだから当然、それなりの警備はあるが、それはあくまで火薬庫を守るための人員だ。火薬庫の方でトラブルがあれば、そちらにかかりきりになってくれる。
もっとも、半地下の火薬庫をどうこうするには、人材も装備もまるで足りないのだが。そこは来訪者パワーだ。どうせ爺さんが、バンカーバスターあたりを用意してくれるのだろう。
緊張感と倦怠感が入り混じった時間がしばらく流れ、一通り話す事も無くなった。そんな時だった。
「……あなたは、リアルから来たんですよね?」
ただの「ルーファス」として、妹に手を出した奴を叩きのめしたい。そんな風に嘯くルーファスに、アオツキが訊ねた。
ルーファスは、「言われてみれば」という顔をして、特に答える気もないらしい、自分の関心事に意識を移す。
224 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/10(火) 03:48:40.11 ID:hFP+OU1g
「どうなんですか?」
焦れた様子で、アオツキが質問を繰り返す。
「そうだよ」
何気ないふりをして答えるが、実際は意外とクリティカルな質問であったらしい。
「だが今ここではルーファスという人間で、それ以上でもそれ以外でもないし、それが精一杯だ」
答えるルーファスの手は、ただ意味もなく机の上のものを右に動かしたり、左にどかしたりしていた。
「聞きたい事はそれだけか?」
強気の発言だが、おれには「もう何も聞かないでくれ」と聞こえた。
「飛空艇の最終便が出る時間なんだが」
アオツキが、ピクッと肩を震わせた。それがどんな感情を表すものなのか、後ろから見物しているおれには分からなかった。
「ラディール、それにマルト。彼女を送ってやってくれ。急がないと乗り遅れるかもしれない」
何も返せずにいるアオツキに焦れて、ルーファスが一方的に言い放つ。
その二人に言ったのは、身内だからだろう。他の奴に頼んでまたうだうだ言われたくないんだ。
「私?」
ラディールが意外そうな顔をする。
「ヒロが送った方がいいんじゃないかしら」
真意を読み損ねたのか、それともより優先したい事があったのか、ラディールは珍しくルーファスを立てない発言をする。
おれはうんざりだという顔をして手を振って見せた。
225 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/10(火) 03:49:17.12 ID:hFP+OU1g
「……ボクは、やっぱり見届けたいです」
それまで黙っていたアオツキが、ようやく口を開いた。
「何を見届けるつもりだ?」
被せるようにルーファスが問う。全くだ。
「それ以前に、見届けるまで君は生きてる自信があるのか?」
アオツキは一瞬こちらに視線を投げて、再び黙り込む。何か言ったら、おれもルーファスに賛同してやるつもりだった。それが顔を見て分かったのかもしれない。
ルーファスはいい加減、我慢の緒が切れたらしい。荒っぽい仕草で立ち上がると、ミーティングルームの扉を開く。
「悩む時間は、飛空艇乗り場に着くまでだ。ラディール、マルト。それにヒロも一緒に行ってくれ」
最後におれの名前がついたのは、恋人への譲歩だろう。
「面倒な荷物をおれに持たせるなよ」
ルーファスはもう、全てを決めてしまっている。自分で片をつけたいと言うなら、それに手を出させろというのは男のする事じゃない。勝つなら勝つだろうし、死ぬなら死ぬんだろう。
それでも愚痴の一つでも言ってやりたくなって、ぼそりと言ってやった。
「昼間の件もある。今夜動く事が気取られていないにせよ、何かするには人数をかけておきたい」
今更おれが不平を垂れるのが意外だったのか、ルーファスが説得にかかる。
「邪魔な女どもを引き受けてくれ」、て事だ。今更男がどう、女がこうと言うつもりはないし、本人達を前にそれを言うわけにも行かないのは分かるが、本音を言うと、正直に言って欲しかった。
説教が続くと思ったのか、ラディールがアオツキの背を押して出て行く。
やれやれしょうがねえな、と勿体ぶっておれが腰を上げようとしたところで、マルトが不意にこちらに向き直った。
深呼吸。そして、低い声で一言。
「子供みたい」
226 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/10(火) 03:49:35.08 ID:hFP+OU1g
そしてマルトもまた、部屋を出て行く。大事な大事な長い銃は置いていった。多分専用の搬出経路を使うんだろう。入り鉄砲、と言うやつだ。
一応同族への遠慮があったらしい。深呼吸は時間稼ぎ、あるいは文字通り自分に発破をかけていたんだろう。もっとも、同族でなければあんな風に憤りを感じたりはしなかったかもしれないが。
不意を突かれて呆けるおれに、ルーファスが言う。
「おい、お前が行かなきゃ意味がないんだ。さっさと行け」
「あぁ」
立ち上がりながら言う。リフトで剣を預けた腰が軽くて、ひどく不安になった。
「アオツキがどうするかに関わらず、三〇分後にポイントAに集合だ。俺達は後から行って、お前らに監視がついてるかどうかを確認してから合流する」
本音を言うと、ルーファスに尾行を尾行する事が出来るとは思えなかったのだが、マティエールの存在を思い出して黙っていた。
あの爺さんなら、巨大ロボを操縦してピンチを救ってくれてもおれは驚かない。
「バストゥークの監視が、か」
「あいつらだけだと、監視が見送る可能性がある。お前が一緒に動いてつくかどうか確認したい」
確かにアヤメが口をつぐんでくれたとは言え、おれがこちらに来てからやらかしたみっともない事件の数々は、監視がついても不思議はない。
そんな人間を護衛にするなんて本末転倒だが、赤鎧どもが相手なら話は別だ。あいつらが三人揃ったところで、連中が事をなすのに要する時間が幾分増える程度の違いにしかなるまい。
人材不足ってやつは、いつの時代も深刻だ。必要を自覚してからでは、探すにも育てるにも手遅れなのだ。
そこでふと思い立つ。そうだ、三人だ。ラディールとマルトだけじゃない。
「アオツキがついて来たらどうするんだよ」
ルーファスは特に大した事でもないといった口調で答えた。
「好きにさせるさ」
227 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/10(火) 03:49:55.71 ID:hFP+OU1g
「俺の勘だが、あいつには特に裏はない」
「そりゃ裏はないだろうが……」
ルーファスはおれに背を向け、何か机の下をしきりに調べ始める。
「守らなくていい。好きにさせるって言うのはそういう事だ」
肩の力が抜けた。
そこまで悟ってるなら、あんたの勝ちだよ。相手が何だろうとな。
「分かったら行けよ。まだリフトのあたりだから、走れば追いつける」
おれは適当に返事をして、その場を後にした。ずっと黙っていたフルキフェルが、「気をつけて」と声をかけた。
ルーファスにとって、アオツキは身内じゃない。
それはその通りだ。それでも、あいつに対しては親切にしすぎたくらいだ。
それでも危険に首を突っ込むというなら、それでちょん切られるのはアオツキの首だ。
それじゃ、おれにとってはどうだろう?
あいつは身内なんだろうか?
228 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/10(火) 03:52:59.46 ID:hFP+OU1g
ルーファスの言葉の通りだった。三人はリフトのところにいて、銃士のチェックを受けているところだった。
アオツキはバストゥークの冒険者で、ラディールとマルトに至ってはサンドリアの領事館職員、おまけに丸腰だ。特に咎められる様子もなく出て行く。
特に後ろ盾のないおれはどうなるか聊か不安ではあったが、幸いそれは懸念で終わった。
大工房にはなんの用事で? と形式上問う銃士に対し、
「領事官に呼ばれてね。ついでにシグネットも切れてたんだ。全く不便で仕方がないよ」
そんな軽口を叩いた。
すっかり陽が落ち、人通りも減り始めたバストゥークの街。アオツキはずっと、どう言えば飛空艇に乗らずに済むか考えているし、マルトはおれに切った啖呵の気まずさか、おれと顔をあわせようともしない。
その都合、アオツキとマルト、おれとラディールという不思議な二人組みが二つ、連なる事になった。
「おい」
おれの呼びかけに、ラディールが不機嫌そうに首をねじる。
「尾行らしい連中はいるか?」
ラディールは立ち止まり、ポーチから小物を取り出すふりをして、おれの背後を見やった。
マルトとアオツキは気づかずそのまま歩いていく。
「いないわ。あなたは?」
「さっきから見ているが、それらしいのはいない」
もっとも、相手が充分な数の専門家で本格的な尾行をしているなら分からないし、恐らくルーファス達が後から見ても分からないだろう。しかしバストゥークも天晶堂も、そこまでの人員を咄嗟に割けるほど暇ではないだろう。
「あんたに言っとく事があるんだ。あんまり無茶をして、ルーファスを悲しませるなよ」
どう言おうか迷ったが、結局ルーファスの肩を持つ事にした。ラディールが「こちら」側の人間である限り、来訪者同士の喧嘩には踏み込めない部分がある。
ただ、ルーファスが「こちら」側のしがらみで動いているから、事が複雑になっているだけだ。
229 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/10(火) 03:53:13.93 ID:hFP+OU1g
「私からも言っておく事があるわ。ルーファスはあなたの兄でもないし、もちろん神様でもないのよ」
ラディールはポーチをしまって、再び歩き出す。前の二人とはまだそう離れていないが、会話が聞こえる距離でもない。
何言ってんだこいつ、と一笑に付そうとしたが、何故か胸がギクリと鳴った。
「不平不満を言って好き勝手するのは勝手だけど、へまをするのだけはやめて。あなたが危なくなったら、多分ルーファスはあなたを助けずにはいられない」
何気なく歩くふりをしたまま、監視を探す。尾行はいなくとも、密告屋の類はいくらでもいるだろう。内と外から、気が重くなる。
多分そうだろう。おれはこいつらの護衛という名目だが、実際はこいつらと同じだ。足手まといだから遠ざけよう、という忌々しい気遣いだ。
おれの態度が不真面目に思えたのか、ラディールが言葉を続ける。
「私はルーファスを愛しているわ」
「ご馳走様。本人に言ってやれよ」
不意に、ラディールがおれの肩を掴んだ。悔しいが、体格ではエルヴァーンには敵わない。強引に正面を向かされる。
「……彼を危険に晒すなら、私はあなたを許さない」
おれはどう返していいか分からず、視線を泳がせ、逃げ口上を述べた。
「安心しろよ。おれはあんたと違って、あいつの身内じゃない」
「それは敵になるかもしれないという事?」
ラディールの追及は止まらない。あんたの大事なルーファスを取りゃしないよ。おれは指を掴んで強引にラディールの手を引き剥がすと、
「身内じゃないなら敵にならない理由はない。でも、それだけで敵になるという理由もない」
言って、さっさと歩き出す。まったく、敵だ味方だと勘繰ってる場合かよ。ラディールも、それ以上因縁をつけてくる事はなかった。
それでも、いつかは知らねばならない事だったのだろうが、改めて口に出す事ではっきりと思い知らさせてしまった。
おれはルーファスにはなれない。それどころか、背中を追いかけることも許されない。
230 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/10(火) 03:53:27.00 ID:hFP+OU1g
途中、店に立ち寄ってマルトが荷物を受け取る。荷物は例の長銃だった。
どんな魔法を使ったのかは知らないが、先回りで届けられた物らしい。
マルトはいかにも善人という風体の悪党店主から愛銃を受け取ると、薬室を開けたり、構えて照星を覗き込んだりして確かめる。
その仕草があまりに堂に入っていたので、少しだけこいつの事を見直した。
最後に木箱を受け取り、中を確認する。その木箱の中を見て、おれは目を丸くしてしまった。
おれが蝙蝠のねぐらで見た弾薬箱は、箱一杯にぎっしりと、無数の弾薬が詰めてあった。
今目にしている弾薬箱は、充分隙間を置く形で二発、ドラキュラ退治の杭にそのまま使えそうな巨大な弾丸が詰まっているだけだ。
「特製カノンシェル、ね。それなら地面に穴ぼこ開けるのも簡単そうだ」
恐らく銃も「特製」なのだろう。マルトの体格や癖に合せて、普段使っている方と似たような外観をしているだけだ。
マルトはおれが屈託なく──といってもいつも通りの皮肉口調だが──話しかけて来た事が意外だったらしい。
一瞬遅れて、少し得意げに返す。
「壁は、無理です。でも扉なら、角度が深ければなんとか。貫通後この弾頭は高熱を発します、誘爆まで1分はかからないでしょう」
雄弁なのは結構だが、それがどういう結果をもたらすのか分からない訳ではあるまい。相手方の時間停止を誘う為に使うとしても、仮に相手が使わないなら無関係な人間が一人や二人ではなく犠牲になるって事だ。
「お前それでいいのか?」
「火薬庫に火薬があれば、の話ですけどね」
マルトはおれの問いをはぐらかして、珍しく冗談を言った。
おれは気が重くなった。ブロンティズムを理解しない奴は、嫌いだ。
231 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/10(火) 03:54:31.50 ID:hFP+OU1g
232 :
既にその名前は使われています:2007/04/10(火) 08:47:25.70 ID:brl5K3sy
携帯から保守しようと思ったらヒロさんの投下が!
早く帰らないと
……早く帰りたいなぁ
233 :
既にその名前は使われています:2007/04/10(火) 11:39:17.19 ID:ITitwfsu
はやく帰っておいで!
わからないけどw
234 :
既にその名前は使われています :2007/04/10(火) 13:05:34.89 ID:PQkzdgSm
わーい更新されてるワッフルワッフル
235 :
既にその名前は使われています:2007/04/10(火) 15:55:05.43 ID:YVNlDjeZ
お出掛け前の保守なわけだが?
ブロンティズムが理解されない事は稀によくある
236 :
既にその名前は使われています :2007/04/10(火) 17:53:56.82 ID:PQkzdgSm
帰宅保守〜
237 :
既にその名前は使われています:2007/04/10(火) 17:59:14.77 ID:sNBXVL3Y
>>214 なんとなく…
「―――きて。ほら、起きなさい!」
身体を揺り動かされて起きる。目の前にはシヴァがいた。俺が起きたのを見てほっとしているようだ。
「やっと起きたわね…。手間取らせないでほしいわ」
あれ? キャラちがわね? という疑問を押し殺す。言ったとこで無意味だろう。
「ひどく懐かしく長い夢を見ていた気がする…。いや、見ていた…」
「リアルの夢だろ」
男性の声が聞こえて身体を起こす。背中の痛みは引いている。どうやら監獄のような場所に寝かされていたようだ。
「あんま起きないほうがいいよー。背骨砕けてたし。無理に治したけどね」
ゴブリン帽子を被った中年の親父がいる。目をこすってよく見る。やっぱりおじさんだ。どこかで見覚えがある。
「え・・・。あんたは・・・?」
「私達のボスよ」
もう一回目を擦る。次目を開けると普通のイケメン青年がいた。どうやら目がいっちまったようだ。
「名前は好きに呼んでかまわない。ボスでもバハムートでもなんでもね…」
ボスはにっこり笑いながら危ない煙を立てている二つのコップを持ってきた。赤い煙と青い煙…。
「ありがとうございます。バハムート様。さぁ、これを飲んで」
シヴァがボスから怪しいコップを受け取ると俺に渡した。なんかほしゅーって湯気立ってるし
泡立ってるし…。なんつーか…絶体絶命?
「……君はもう逃げられない。君の魂はヴァナディールに鎖で繋がれた」
そういい残すとボスはカッコつけながら部屋から出て行った。俺はボスがつま先を角にぶつけたのを見た。
リローd orz
239 :
既にその名前は使われています:2007/04/10(火) 21:53:35.13 ID:cTtDtJcw
age
240 :
既にその名前は使われています:2007/04/10(火) 23:38:04.02 ID:sNBXVL3Y
>>237 一応…
いや、つま先よりか今は目の前にある二つのコップだ。
「飲みなさい。いい薬になるわ」
「いや、でも湯気が・・・。色が・・・」
シヴァは溜息をひとつ吐きやれやれと頭を振る。
「子どもじゃないんだからわがまま言わないの。それともまだ子どもかしら?」
「んだと―――あ、やめてそれはのませないでおhぎdぶbんdkgh」
俺の口にコップを突っ込むシヴァ。お前外道だ。ほしゅーと言いながら俺の口の中に液体が入る。
あれ? 意外にあま…うおうおうおおおうおおおおおおおえおえおえおえうおろえい
<しばらくウルガランから見えるきれいな朝焼けをご覧ください>
「ほら、飲めたでしょ? もう大丈夫よ」
「ハイ、ソウデスネ」
言葉が片言になる。これは仕様だ。仕方のないことだ。そうだろ?
「うるさいなー」
突然第三者の声が聞こえてびくっとする。声のほうに振り向くとさっきまで気付かなかったが
ベッドがひとつ。そしてその上には…
「お前・・・! 生きてたのか・・・!」
おなじみシャン様ヘヤーの彼女がそこでにっこりと笑っていた。
まずーい もう一杯〜。
という懐かしの言い回しが脳裏をよぎった深夜。
242 :
既にその名前は使われています :2007/04/11(水) 02:14:16.06 ID:cpoNPkBM
今日で寝落ち4日連続
まだ、ヴァナに行けない模様。
「ぎにゃあああああああああああ!!!」
絹を裂く悲鳴とか乙女のピンチとか、そんな優雅で可憐な言葉とは1ピコも無縁な悲鳴に、オレは飛び起きた。
何だ、またドラクエのセーブデータを飛ばしたか?だからソフトは大切に扱えって言ったじゃねーか。ファミコン自体貴重なのに。
と、思ったが、見慣れたはずのあいつの姿はそこにはなく、まあまあ質のいいベッドの上で呆然とする男がひとり。
あらまあ、……えーと?どちら様?
「…………もしもし?」
「うぉあ!?」
声をかけると、びくりとしてこちらを見る。うーん、知り合いじゃねーな。
ってか。
黒髪から出ている尖った耳も、泣き出しそうな灰青の瞳も、ついでにちょっとばかり長い首も知らん。
少なくとも、オレの知る限り、エルヴァーンはオレの知り合いにはいない。
Heyマイコゥ、これ何て後遺症?
ぎゃーぎゃー騒ぐ相手をとりあえず枕と毛布で押さえつけ、黙るまで考える。
オーケィマイコゥ、よく見りゃオレもエルヴァーンじゃないですか。なにこの妄想ふざけてるの?
これはあれだな。ついにオレも後遺症スレに投下できるほどダメになってたか。
まあ、夢なら夢で、起きりゃそれでいいや。とりあえずもう一度寝る。
…………でも、寝ても起きても変わらなかったら?
244 :
既にその名前は使われています:2007/04/11(水) 11:10:43.06 ID:r+y1WYjI
あげとく
245 :
既にその名前は使われています:2007/04/11(水) 12:52:11.96 ID:CWxosPqX
アンダーヘヤーのミスラがいるスレはここですか?
246 :
既にその名前は使われています:2007/04/11(水) 14:34:35.79 ID:MmD7al23
朝起きたら昼過ぎだった。
何を言っているか分からないと思うだろうが
おはようage
……orz
247 :
既にその名前は使われています:2007/04/11(水) 17:06:48.07 ID:r+y1WYjI
一番えちぃSSはどれだろう。
ルーファス氏のか
>>247 緑茶さんの「オスラとミスラ」、
次点で◆/GKRtxSDWQさんの最初の投下作品がえちぃな。
ルーファスさんのは、最初だけだな。
健康的なものはユリフィナ、185さんのをどうぞ
すぐに答えられる自分に少し鬱だが、
まぁ男全般基本的にエロイのでこれでいいのだ。
249 :
既にその名前は使われています:2007/04/11(水) 20:08:09.34 ID:EW3uAMya
あぐる
250 :
既にその名前は使われています:2007/04/11(水) 21:41:45.27 ID:CWxosPqX
サクッと答えられるアンタは何者w
イチバン萌えるのと燃えるのも教えてほしいんだぜ?
251 :
既にその名前は使われています:2007/04/11(水) 23:41:12.43 ID:0pNSu3HQ
>>240 見やすいように…
彼女は生きていた。あれだけの魔法攻撃にも関わらず生きていた。しかし格好が違う。
あの赤い暗黒AFではなくローブを着ている。普通の低レベルから装備できるあのローブだ。
「言ったでしょ? 私はもう死んでるの。これ以上そう簡単には死なないよ」
けたけたと笑う。そこにいるのはあの時戦った彼女ではなくプリンを食べていた彼女だった。
「ああ、それと君の言っていたこと。三十点ってとこだね」
ああ、なんか言ってたな。俺。どうせなら薬で全て忘れたかったぜ。
「私が死んでいる以上は実体に乗り移らないといけないのはあたり。でもなんで私だけそうなった
かは誰も知らない。私は仕方なしに適正の身体が見つかるまで錬金術で作った身体に
入ってたの。そして五年前、適正者を発見したって訳」
「それが俺か…」
彼女が大きく頷く。だがどちらにしろ大事なことが変わってない。
「それじゃあ俺はここで死ぬのか?」
「最初は、ね。今は違う。私に実体は必要なくなったの」
「成仏するのか?」
「そんなはずないでしょ。私がアナタの相棒になるの。あなたが行動して私が考える。いい案でしょ?」
「いや……。さすがに殺されかけた手前それを信じr」
「保守人、に興味あるんじゃないの?」
俺の言葉をさえぎられる。旅の目的を思い出す。保守人。それを求めて俺は旅立ったんだ…。
「私たちの仕事は来訪者の管理、保守、雑用よ」
252 :
既にその名前は使われています :2007/04/12(木) 00:35:23.37 ID:2ZZfY6Ox
寝る前の保守
253 :
既にその名前は使われています:2007/04/12(木) 03:53:33.05 ID:aTEo5Sfz
寝れないのでageますね
254 :
既にその名前は使われています:2007/04/12(木) 10:12:39.92 ID:BNEpAOXb
緊急浮上!
255 :
既にその名前は使われています:2007/04/12(木) 14:55:21.73 ID:kVpweP1P
age
256 :
既にその名前は使われています:2007/04/12(木) 15:18:00.92 ID:iDibzk3d
亀気味だけど
燃えるのはリードさん
257 :
既にその名前は使われています:2007/04/12(木) 17:12:35.10 ID:aTEo5Sfz
>>243 「ひどーい……」
頭をさすりながら言う相手に、オレは謝罪も賠償もしなかった。オレの記憶と考えと経験が確かなら、こいつはオレの、
「お前はいつも騒ぎすぎなんだよ」
「……そんなこと言う人、嫌いです」
「鏡を見てから言え」
鏡を見なくても、お互いどんな姿か分かる。ざっくりカットした髪の、浅黒い肌のエルヴァーン。
双子のように同じなのはフェイスが同じだからで、ただ違うのは、オレが銀髪であいつが黒髪。
そしていい歳した男が枕を抱えてすねる姿は、とてもとても不気味だ。
「オーケィ、オーケィ。とりあえず確認な。ここはダルメル、お前はオカマ」
「訳分からん。誰がオカマですか」
「アジマル兄さんを真似ようと思ったら無理だった。まあ、目指せヴァナのピーコ」
「……目指さなくていい」
ふるふると首を振る。
ひとつひとつの仕草はあいつなのに、やっぱり見た目が……ダルメル。うーむ、胡散臭いオカマみたいだ。
大体、Lサイズと言うかガタイのいい男が半泣きになるのは、見ていて楽しいものじゃない。
「……参ったな」
ベッドに腰掛けたまま、窓から外を眺めて呟く。
あの翻る真紅の旗は、サンドリア王国のもの。つまりここは、ヴァナ・ディール。ヴァナ・ディールのサンドリア。
「…………参ったな…………」
258 :
既にその名前は使われています:2007/04/12(木) 18:43:02.79 ID:Vp4io+gM
気まぐれage
259 :
既にその名前は使われています:2007/04/12(木) 21:10:30.57 ID:uNCQWbNQ
いちばん萌えるのはユリフィナさんで決まりだね。
中の人も萌えなヒトだよ。
知らないけどきっとそう。
260 :
既にその名前は使われています:2007/04/12(木) 23:23:14.63 ID:Ca1l3CZV
>>251 「えーっとつまり君と組めば俺は晴れて保守人になれるということか」
「そーいうことー」
にっこりと笑う。こうみてるとかわいいなー。お持ち帰りだなー。
「ちなみになった場合はシヴァ様の部下になるからその辺も配慮にいれてねっ」
シヴァのほうを見るとコップに口をつけている状態で頷いた。いつの間に淹れたのだろうか。
「しかし俺は保守とは何かを知るために旅だったような気がするんだがな」
「なればわかるんじゃない?」
俺は唸る。なっていいものだろうか。しかしこれはきっとまたとないチャンス。決めないとな…
「私も丁度部下が帰ったところだからほしかったんだよね」
なんかまた口調が変わったような気がするな。いや、気のせいだ。きっと。
「ちなみに私の部下になった場合は自動的に管理側に入るわけだから入社式に出てもらうよ」
「へっ?」
「あと部屋は…アナタのお父さんが使ってた部屋でいいんじゃない? 拒否権はない」
「はい…」
俺は強制的に書類にサインする。くそ、親父がいなくなったからか。俺が被害くうとは…
「それじゃあ改めてよろしくねっ!」
彼女が右手を出すので左手を出す。その手はちゃんとしたタルタルの手だった。
「そういえば君の名前聞いてないな」
「あれ? 言ってなかった? アタシの名前はアビス。ウィンダスで死んじゃったけどね」
「なんだ爺さん、知り合いか」
「うむ」
長いあごひげをしごきながら、頷くハーミット。
「同志じゃ」
「一緒にするな」
冗談じゃない。
俺は即座に否定した。
「“あの男”のためになど、俺は動いていない」
「やれやれ。誤解しておるなぁ」
ハーミットは意に介さず、すっ、と人差し指を天に向けた。
「我が忠誠は御方の為に在る」
うやうやしく、老人は誓いの言葉を口にした。
あくまで自分は赤い鎧などではなく、“忘れられた天空の城”にすまう主の為に居る、と。
「あー、で・・・」
ズィーが手持ち無沙汰な様子で、巻尺を手にしていた。
「どうするね?」
無論、鞘が必要だ。
俺はあらためてリードと名乗った。
店主のガルカがディーギス、その相棒の彼はゼメダースといった。
コーヒーを淹れてやる、とディーギスは言い、俺を奥の部屋へ通した。
奥の部屋はちょっとした工房になっていた。
壁際に並んだ棚には、工具やら製作途中の武具やらが所狭しと置かれている。
そして部屋にはもう一人小さな客人がいた。
ガルカの少年が、テーブルの上に置かれた将棋盤とにらめっこしている。
その姿を見て、俺は思わず驚きと嬉しさが混ざったような声をかけていた。
「グンバ」
そう、ショーギとは、将棋の事だ。ただし木片に書かれた文字はヴァナのもの。
俺は将棋の腕はからきしだが、その俺から見てもグンバ側は圧倒的に劣勢だった。
「やあ」
久しぶり、と互いに声を掛け合った。
「相手は?」
グンバがしかめっ面でチラリ、と視線を向けるその先には、好々爺。
「お爺さんのショーギの強さは異常」
「グンバは飲み込みも早いしスジはいいんじゃが、いかんせん若いでのぅ」
むべなるかな。ハーミットにそう言われては、俺も肩をすくめるしかない。
「さっそく剣を」
ゼメダースに促され、俺は作業台の上で長剣を包む布をほどいた。
アットホームな雰囲気をまるで切り裂くように、鋭く青光りのする刃が露わになる。
「むッ? これは・・・」
今夜の投下は以上でございます。
>>256 燃えると評していただき、ありがとうございます。
そう言っていただけると大変うれしゅうございます。
265 :
既にその名前は使われています :2007/04/13(金) 02:06:43.02 ID:4EQG/pxB
リードさん来てるぅぅぅぅ
266 :
既にその名前は使われています:2007/04/13(金) 07:17:42.01 ID:SQuUcwzD
これは…何?気になる引きage
267 :
既にその名前は使われています:2007/04/13(金) 11:25:51.27 ID:JLyUjzhu
今から読むよage
268 :
既にその名前は使われています:2007/04/13(金) 14:33:16.55 ID:mMfJgD61
>>257 キッチンを覗く。……うん、使い道がちっとも分からない。さすがに包丁とかは分かるけど、コンロも給湯器もない。
「お手伝いしますクポ〜」
「ああ、頼む」
モーグリの申し出に甘えることにして、使い方を教わる。電気やガスのありがたみを今更ながら思い知る。
何とか簡単な朝食を作ってリビング(と言うのかは分からないが)に戻ると、あいつは来客の応対に戸口へ出ていた。
おい、不用意なことをして怪しまれたらどうするんだ?
気になってオレもそちらへ顔を出すと、意外なことにあいつは真っ当な対応をしていた。
「ゲルスバ方面の監視体制については、以前から議題にあがっている。だが、このようなことがあっては看過できない」
「では」
「……ああ、早急に対処しよう」
どこか不器用な言い方で応え、来客が去るのを見送るその横顔は、オレの知っているあいつの表情ではなかった。
「どうしたって?」
「ゲルスバのそばで遊んでいた子供がオークに襲われた。偶然通りがかった冒険者に助けられたらしい」
物思いに耽るように目を伏せ、問題だ、と呟く。
深刻そうなその表情は、あいつがするはずのない表情だった。
「……目下の問題は」
ふと顔をあげる。
「朝ご飯がおいしいかどうかだね。さ、食べよ」
にっこり笑って言うそれこそがあいつだった。
269 :
既にその名前は使われています:2007/04/13(金) 16:21:13.18 ID:wCV8D4Aj
最近新しい保守話も出てきて活発デスネage
270 :
既にその名前は使われています:2007/04/13(金) 19:17:36.85 ID:wCV8D4Aj
保守るよ!
271 :
ベリーキンタロス:2007/04/13(金) 19:19:44.85 ID:ukbC9Cm7
このスレの痛さは泣けるでぇ
272 :
既にその名前は使われています:2007/04/13(金) 23:25:17.56 ID:StHVRHC0
あぶない!保守(`・ω・´)
273 :
既にその名前は使われています:2007/04/13(金) 23:25:34.97 ID:SQuUcwzD
続き期待アゲ!
274 :
既にその名前は使われています:2007/04/14(土) 02:27:15.46 ID:P4ep/KYD
油断大敵!
275 :
既にその名前は使われています:2007/04/14(土) 08:19:38.55 ID:sEPViWdx
あ
276 :
既にその名前は使われています :2007/04/14(土) 13:31:06.05 ID:gYQah45g
おっとageとくよっ
277 :
既にその名前は使われています:2007/04/14(土) 16:08:38.64 ID:6fRqUwuY
モグハウスで料理をするシーンて結構あるけど、どこにキッチンがあるとか
そういうことは取り敢えず考えない方向にしている自分。
調理ギルドやカザムぐらいでしか台所っぽい台所って記憶にないんだよね。
278 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/14(土) 18:06:18.92 ID:UyKnXfLw
非常識な出来事だとか、非現実的な出来事にはもうすっかり慣れたつもりでしたが、
身近だった人に降りかかるとなると、また別です。
「つまり・・・ルークは違う世界の人なの?」
彼が言った事を簡潔にまとめるとこんな感じです。
ルークは違う世界の人で、気づいたらこの世界、ヴァナディールにいた。
「うん、まぁそう思って貰っていいよ」
そして、
「どうしても・・・どうしても帰らなくちゃいけないの?」
せっかく・・・せっかくまた会えたのに・・・。
目の底の方から一気にこみ上げようとする涙を、グッとこらえている顔を見られたくなくて、
思わず俯いてしまいます。
そんな私の頭を彼は昔のように優しく撫でてくれました。
大きくて、温かくて、懐かしい・・・私が独り占めしたかった温かさ。
「ごめんな・・・」
そんな風に謝らないで。誰だって自分の家が一番だって私だって分かるんだから。
そう思っても、口に出せない自分が嫌です。
「でもな・・・」
279 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/14(土) 18:06:31.80 ID:UyKnXfLw
彼の手が私の頭から離れました。その手がもう永遠に私に戻ってこない気がして思わずその手を両手でとると、
彼がビックリした顔で私を見つめます。手を追って上げた私と見つめあう形になり、どんどん顔の温度があがっていきました。
「あ、その・・・ゴメン・・・」
慌てて手を振り払い、真っ赤になった顔を見られないために再び俯く私。
「いや、あーー・・・うん」
彼が困った声を出し、しばらくの間部屋にパチパチというマキが爆ぜる音だけが響きました。
「でだな、帰りたいっちゃ帰りたいんだけどな・・・なんつーか・・・」
「うん」
彼がぽりぽり頬をかきながら明後日の方向に視線を向けてボソッとつぶやいた。
「どーやったら帰れるんだろうな・・・」
「・・・う、うーん」
と、言われても困ります。私には彼がいた異世界の事も知らなければ、異世界とこの世界をつなぐものなんて・・・
と、まで考えて、意外と身近に異世界があることに気づきました。
デュナミス、プロミヴォン、召喚獣・・・そういえば神の扉なんてものもありましたね。あれは開いたらいけないですが。
でも、この事を言ったら彼が帰ってしまう・・・。
「私には・・・わからないや・・・ごめんね」
・・・私、最低だ。裏世界には砂時計が鍵になって、プロミヴォンはテレポイントが鍵に、
召喚獣の世界へはクリスタルが鍵になっているから、きっと彼の世界への扉を開く鍵を見つければ彼は帰れるのに・・・。
「いや、謝る事でもないって」
彼がくったい無く微笑む。罪悪感が胸を抉り取る。
280 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/14(土) 18:07:06.36 ID:UyKnXfLw
「とりあえず、異世界とかその手の魔法チックな話はウィンダスか?」
「かな?」
「じゃあ、さっそくウィンダス行ってくる」
彼が床に転がっていた剣がくくりつけられているベルトを付け直しました。
彼はこのままウィンダスへ行き、何かを得て帰るのでしょうか?
それとも、何も得られず私達とヴァナディールで暮らす事になるのでしょうか?
「ナココ、また機会があったら会おうな」
彼がくるりと私から背を向けて歩き出しました。
「待って!」
せっかくまた会えたのに逃がさない。そんなほとんど執念にも近い感情が体の底から沸きあがり、声を出させました。
「私も手伝うから!」
白々しい。手伝う気なんてほとんどないのに。それどころか一緒にいるためなら帰る邪魔だってしてもいいって
心のどこかで思っていたりもするのに・・・。
「いや、でも・・・」
「私なんかに吹っ飛ばされてるのに一人でなんとかできると思っているの?」
「でも・・・」
「でもも何も死んじゃったら元も子もないんだよ!?しばらく引退していたのにまともに戦えるの!?」
281 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/14(土) 18:08:03.87 ID:UyKnXfLw
逃がさない。絶対にもう離さない。そんな想いにただただ振り回されている醜い私なんて、
優しいルークは好きになんてなってくれないと分かってはいるけれど、それでも・・・それでも一緒にいたい・・・
「だから!だから一緒にいさせて!!!」
精一杯叫んだ後に、自分が殆ど告白に近い事を口走っていた事に気づきハッとしました。
「でも、迷惑じゃないか?」
「全然!」
どうやら気づいていないようで安心半分、残念半分。でも・・・
「なら・・・しばらくお願いしようかな」
また一緒にいられる、それだけで私は十分幸せです。
以上です。
きっと、モーグリをまな板代わりにして料理を・・・
282 :
既にその名前は使われています:2007/04/14(土) 20:46:02.26 ID:3BoyC7UL
保守るよー
283 :
既にその名前は使われています:2007/04/14(土) 23:58:28.23 ID:3BoyC7UL
hosyuruyo-
284 :
既にその名前は使われています:2007/04/15(日) 02:06:43.96 ID:gXljdYAa
誰がなんと言おうと保守だ
285 :
既にその名前は使われています:2007/04/15(日) 07:17:14.25 ID:8dzyDAjW
ネット開通まであと一週間age
ストック分がどんどんたまっていく…
携帯upろうとおもったが無理でした
286 :
既にその名前は使われています:2007/04/15(日) 07:21:48.36 ID:8dzyDAjW
まぁ自分が登校してたやつはぜんぜん面白くないから話題にものぼらなかったし
こんまま自然消滅でもいいかもねw
287 :
既にその名前は使われています:2007/04/15(日) 09:56:26.69 ID:ZpIo9OzD
むしろなにかしら突っ込まれる作品自体リードさんぐらいのしかない気g
日記はここで途切れている
288 :
既にその名前は使われています :2007/04/15(日) 10:10:52.79 ID:OJTVT3+5
危ないな〜、保守っ
毒にも薬にもならんけどぺちぺち書き続けてる人もいる
が、いかんせん筆が進まん…ともかく保守。
290 :
既にその名前は使われています:2007/04/15(日) 14:30:59.94 ID:CzWIg0GL
>>227 自室のモグハウスで作ってる人がおおいです。
でも、台所は実際のところ見えないしなぁ…、家具も食器ばかり。包丁?はあるな。
俺のSSではそもそも冒険者が飯を作らない、食うのは戦闘直後のみという設定です。
…死なねぇかな…、数週間食わないってのもけっこうあるし。
>>281 (((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク
291 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/04/15(日) 14:37:28.25 ID:zlQLg1Pp
え?σ(´・ω・`;)
292 :
既にその名前は使われています:2007/04/15(日) 16:34:45.37 ID:z+COE//Q
誰かのSSではモグハと各エリアの間にあるって設定だったような
兜を脱ぐと、むっと汗のにおいがして顔をしかめる。
頭部を守るためにはもちろん必要なのだが・・・やはり、蒸れる。平穏保守のためには仕方がないのだが。
「・・・タオルを使って、いや、あんまり意味がないか」
ぶつぶつと独り言を言っていると、黒髪の兄弟が寄ってきた。
「・・・春だな」
よって汗をかく。と言いたいらしい。
ふと顔をあげると、ついこの間まで花を咲かせていた木々は青葉と代わり、春の空に爽やかな空気を発していた。
名前も知らない鳥のさえずりに、溜息をつく。
こちらに来てから何度目の春だろう。あちらでは何度目の春だろうか。
「・・・ってか、オレたち今年でいくつなんだ?」
素朴な疑問だった。ここ数年歳を取っていないようにも思える。
ああ、でもこの世界で歳を取って死ぬのは嫌かもしれない。日本男児たるもの、死ぬならやっぱり畳の上で大往生したい。
「香山さんは偉大だよなぁ・・・」
「カヤマサン?」
兄弟が口にした聞き慣れない名前に顔をしかめ、しかしそれ以上追及せずに息を吐いた。
「・・・体を流したいな」
「ああ」
「モグハウスの奥にキッチンスペースがあってさ。いつもそこで料理してることにしてる」
「・・・誰に言ってるんだ?」
ゼメダースが作業台に置かれた長剣を見つめ、ふむ、と頷いた。
目つきが険しくなる。
触らせてもらう、と一言断りを入れてから、長さを測りはじめた。
刀身をつぶさに観て、ひっくり返しつつ、また調べる。
「ふむ・・・」
そうしてまた、何かに納得したようにもう一度頷いた。
俺はディーギスから手渡されたコーヒーをすすりながら、その様子を眺めていた。
他人に剣を預ける事がどういうことか、口にするまでもない。
しかし、職人のオーラとでも呼ぶべきか、彼らには全幅の信頼を置ける雰囲気があった。
作業を、ただ見守った。
「古い、ガルカ式」
ゼメダースは長剣を作業台の上にそっと降ろし、一言だけ発して腕組みした。
「眼福だった」
「俺にこの剣を託したのはエルヴァーンだが、先祖伝来の逸品ということだった」
古いガルカ式、という言葉に、俺は鞘のことを一瞬忘れてしまっていた。
ヴァナディールにとっては異世界の金属で作られた、この剣。
昔のガルカの手によるものだということに、興味を引かれた。
リアル金属はクリスタル合成でどうにかできる物質ではないのだから、一体どうやって―――?
「どういった経緯かまでは窺い知れんよ。ただ、確かにそのくらい古いものだ」
ここに、とゼメダースが刀身の根元を指差した。
「文字じゃぁない・・・、呪文? シンボルだろうか? 何か刻まれているな」
“20060311”
それを見た俺は、ガツン、と頭を殴られたような衝撃を受けた。
今まで、指摘されるまで気付かなかった。
小さく、小さく刻まれた、その数字。
これは!
「―――2006年3月11日。
俺にとって、いや俺たち来訪者にとって、重要な意味をもつ」
この日、「朝起きたら自キャラになってた」スレが始まった。
何かに導かれるように、“1スレ
>>1”イッチがスレ立てを依頼。
規制で立てられないはずだった新スレを、何者かが立てる事に成功した。
この異世界が、俺たちFFプレイヤーに知られることになったのだ。
結果、この世界をいいように操ろうと目論む管理者たちの企みが、端々で崩されている。
数々の経緯の末、こうして俺は生きていて、同朋の想いがこめられた剣を、手にしている。
運命を感じずにはいられない。
鳥肌が立った。
「はるか昔、セブウェルに都があった頃」
それまでずっと押し黙っていたグンバが、カップを両手に押し包んだまま謳うように語り始めた。
その顔つきは普段の少年のそれではなく、小さな瞳は遠くを見つめているようだった。
「一人の変わり者がいた。もちろんボクたちの同族、ガルカだ」
いつのまにか俺たちは、グンバの深く透き通る声に引き込まれていた。
ディーギスやゼメダースも、じっと話の続きを待っている。
―――その若者は、リキュア砂漠(現在のアルテパ砂漠)の彼方から現れた。
ふらりと都に流れ着いた彼は、己の名を持っていた。
転生直後から自分の名前を覚えている、それ自体はまれによくある。
だが、若者は“未来の”記憶と、誰も知らない異世界の知識とを備えていた。
ガルカの語り部とは、“過去の”記憶を連綿と受け継ぐ者。
いまだかつて未来を予見する語り部など前例がなく、同世代に複数存在したためしもない。
当時誰も見た事のない、地中に潜む獣人“アンティカ”の出現を警告し、大陸で生きる道を訴えた。
ある者は信じ、ある者は疑い、彼自身も苦悩した。だが、総体としてガルカは同族を排斥しない。
“変わり者”も、紆余曲折あれど語り部に認められガルカ社会に受け入れられたのは必然といえる。
彼は強固な使命感に突き動かされるように、天から墜ちた石やら何やら―――異世界の物を拾い集めた。
長い年月ののち。彼は、かつて仲間と共に収集した異世界の材料で、一振りの剣を打った。
打ちあがったその剣を携えると、都に現れたときと同じように、砂塵の向こうへふらりと姿を消した――。
「彼は、そう確か―――ケンジと名乗っていた」
298 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2007/04/15(日) 20:58:19.13 ID:YHoiUA0V
本日の投下は以上です。
モグハウス(レンタルハウス)の各部屋にキッチンがついていることもあれば、
共同炊事場で調理する場合もあるのではないかと。
ナイトのAF剣に凄い歴史がage
300 :
既にその名前は使われています:2007/04/16(月) 00:46:10.72 ID:wIlO9XF/
>>1は夢で見てカッとなってスレ立て依頼したて言ってた
誰かがフェイトたちを阻止する目的で
>>1に夢を見せてスレ立てさせて
スレを読んだ人を次々ヴァナに手駒にして送り込んでる
何を言ってるかわからねーと思うがオレもわからねーw
自分の妄想に寒イボたったおw
>>300 なあ、聞いてくれないか。
最近・・・その、夢を見るんだ。
このスレで保守するようになってからなんだけどさ。
俺、何でかミスラになってて、GMに追われてるんだよ。
何か悪いことした覚えはないし、大体競売で買い物してただけなんだぜ。
追われる理由がわかんねぇ。
だけどまあ、追われたら逃げたくなるだろ?だからいつも逃げるんだよ。
この間はチョコボ厩舎まで行ったとこで目が覚めて、その次はモグハ前。
で、今いるのがモグハなんだが・・・あれ、何で俺ミスラなんだ?
モグハにパソコンなんかあったっけ?
・・・あ、誰か来たみたいだ。ちょっと出てくる。
302 :
既にその名前は使われています:2007/04/16(月) 07:07:34.02 ID:E9N+aCw3
フィクション作家の数だけ想像の世界があるとするなら、
それは実に面白いことだと思うのだよ。
だから何だって言われると、朝起きることも叶わない
徹夜で夜を明かした自分が保守ageするってことだ。
303 :
既にその名前は使われています:2007/04/16(月) 07:22:16.61 ID:hBFCF+iu
徹夜乙。
304 :
既にその名前は使われています:2007/04/16(月) 08:20:20.94 ID:1F9aYDZr
てかリードのだけで他はもういらないな
設定とか細かくかんがえてるのリードさんだけだし他はもうみんなぱくりじゃんw
305 :
既にその名前は使われています:2007/04/16(月) 12:42:43.98 ID:ubxULCzM
パクリじゃないよ、リスペクトだよ。
と言うか、詳細な設定が膨大にあったって、最初から手の内をあかしたらおもしろくないじゃない。
伏線丸見えじゃ、読んでいく楽しみもないし。
実はとんでもない設定が隠されている話も否定できないじゃないか。
そんなわけで投下待ち保守。
306 :
既にその名前は使われています :2007/04/16(月) 12:50:17.05 ID:j6kSJxQi
完結していないすべての作品を待ち望む人も
居ることをお忘れなく。
307 :
既にその名前は使われています:2007/04/16(月) 16:02:08.40 ID:sHXVhXhD
なにはともあれ期待age
308 :
既にその名前は使われています:2007/04/16(月) 18:36:00.20 ID:njnnIG6i
保守るよ
309 :
バレ【1-898】 ◆i2zvqkiQWY :2007/04/16(月) 20:12:54.20 ID:4PLdy4Xn
>>304 俺もパクリですか?( TдT)
「そもそも面白くないんだ、てめぇのはよ」ですか、そうですか…
( TдT)
共通項はあるけど
パラレルワールドっぽい他の作者さんの物語。
そこを突き詰めて欲しいです、そこんとこ。
310 :
既にその名前は使われています:2007/04/16(月) 20:20:09.64 ID:EjcUAPm3
なんか荒れてる?
今北産業
311 :
既にその名前は使われています:2007/04/16(月) 23:08:58.30 ID:sHXVhXhD
人間の感性は人それぞれ
100人読んで100人が面白いと思う作品なんて数えるほどだし
1万人が読んで1万人が面白いって言う作品なんてほぼゼロだと思う
一人の意見だから無視していいって物ではないとは思うけれど、
一つの意見を気にしすぎるのもどうかと思いますよ。
少なくとも、私はこのスレのどの方の作品も楽しく読ませていただいてます
まぁ、偉そうな事いっちゃったけれど、私にできることは保守と感想を言うくらいだけなんだけどねw
312 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 00:49:27.44 ID:CTf77igu
キ // /::::://O/,| /
ュ / |'''' |::::://O//| /
.ッ \ |‐┐ |::://O/ ノ ヾ、/
: |__」 |/ヾ. / /
ヽ /\ ヽ___ノ / . へ、,/
/ × / { く /
く /_ \ !、.ノ `ー''"
/\ ''" //
| \/、/ ゙′
|\ /|\ ̄
\|
313 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 00:50:21.98 ID:EqclKibD
おすぎかピーコがおもしろいっつった映画は大抵微妙だしね。
ベストセラーがすべておもしろいっつったら、もちろんそうじゃない。
>>1の大前提に則っていればおもしろいわけじゃない。
大前提を外れすぎてもおもしろいわけじゃない。
書きたいように書けばイインダヨ。
そして書き手のために保守をするのも大切だが、自分の本編も大切にしましょう自分。
つまり書き手みんながオリジナルなんだぜ?
リードさんのは何を言われても書き続けてんのがすごい。
まとめて読むとちゃんと話がつながってる。つかバトル燃え。
中の人は何者ですか。
315 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 05:56:57.30 ID:MqagtFjv
最近、涙腺緩んでる自分がいる。
泣けるストーリーを書ける人はすごいと思うage
>>313 そういやオスギは「あんなこと程思い入れに思ったことはない」って
カミングアウトしてたな、テレビで。やっぱり販促キャンペーンか。
話題のあの青春小説(かh(ry)も読んだけど面白くなかったなぁ。
まぁ、何が言いたいのかっていうとわかんないわけだが。
317 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 09:24:49.99 ID:0vsUT7RO
みんなの物語を読ませてくれ!
wktkして待ってる!
ってことさ
318 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 12:46:06.27 ID:TiIQYLl0
あぶないアゲ
319 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 15:41:55.10 ID:CTf77igu
あげるよ><
320 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 18:31:40.41 ID:xHpVkuqn
期待ageである
321 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 20:58:49.85 ID:8GANnzIA
リードさんにも期待してるが、ルーファスさんの投下はまだなんだぜ?
この二人がスレをひっぱる二大エースなのは確定的に明らか。
322 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 21:38:10.55 ID:0vsUT7RO
ゆりひなさんを忘れるなage
あのひとのが一番おもしろい
323 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 21:40:19.94 ID:fmo0S8fK
324 :
既にその名前は使われています:2007/04/17(火) 22:21:48.48 ID:0vsUT7RO
リードとルーファス、どっちが強いの?
教えてエロいひと!
場合によるんじゃね?
326 :
既にその名前は使われています:2007/04/18(水) 00:02:51.94 ID:jj6RrnwM
二人がガチ戦闘したとして
超絶剣術vs超絶格闘術
見てえ…ゴクリ
仮にうっかりそんなカードが実現したら色々と鬱展開まっしぐらな気もするがw
それにしてもレグナスさんとか最近どうなったんだろ
328 :
既にその名前は使われています:2007/04/18(水) 02:55:14.01 ID:pm6NK+9Z
そうだね、プロテインだね
329 :
既にその名前は使われています:2007/04/18(水) 07:20:29.71 ID:kuzoYlH8
超絶美形黒魔age
330 :
既にその名前は使われています:2007/04/18(水) 12:54:35.81 ID:3ua/V5CT
昼休みが終わる…保守
まとめwikiに手入れたいけどlivedoorID取っただけでいじれるようになるのかな?
変な投稿さえ来るようになんなきゃ好きにやれてたのになぁ…
332 :
既にその名前は使われています:2007/04/18(水) 17:43:23.04 ID:0IuKkecA
>331
なるお!
ロックされてるページもあるみたいだけど、それ以外はいじれるようになるお!
333 :
既にその名前は使われています:2007/04/18(水) 20:17:10.14 ID:pst79Rev
マリア様がみてるから悪いコトをする人はできないお!
IPぬかれるお!?
334 :
既にその名前は使われています:2007/04/18(水) 23:17:43.72 ID:jj6RrnwM
だが保守だ
335 :
既にその名前は使われています:2007/04/19(木) 01:00:44.80 ID:yFNBG8Hb
そうだね、プロテインだね
336 :
既にその名前は使われています:2007/04/19(木) 04:18:22.07 ID:0PYZlbXh
>>268 机の上に積み上げられた書類を見て、げんなりと肩を落とす。
「今週中に処理する事案です。……あの、ぼくも手伝いますから」
金髪の青年の言葉に、オレは少しも救われなかった。彼ももちろんエルヴァーンだ。
諦めて書類の山の裏側に回ると、これまた金髪の少年がイスに腰掛け、黙々と書類に目を通しては分類していた。
意外なことに、この少年はヒュームだった。少し長い髪を銀の髪飾りで押さえて、サイズの合わないイスにちょこんと収まっている。
何故サイズが合わないのか理解するのに少しの時間を要した。つまりこのイスは、エルヴァーンのしかもLサイズに合わせてあるわけだ。
とすると、彼はヒュームのSサイズくらいか。随分小柄だ。
彼はこちらに気付くと、軽く会釈をした。
「おはようございます。各事案を、要記入項目の有無と、独断による優先順位で分けておきました。確認してください」
「……あ、ああ」
と言われても、日本語くらいしかまともにできないのに分かるもんなんだろうか。とりあえず適当に書類に目を通す。
…………読める。だけでなく、文の意味も、そしてその文章が意味するものも。
獣人に襲われた冒険者の統計と各地の獣人勢力の推移。保有する装備類の耐用年数の一覧。中には、貴族方の参加する行事も。
「は……」
ただ『読める』だけじゃない。読めて、『理解』できる。
何だ、これ……何でだ?
少年は絶句するオレに、何か感情を含むこともなく言った。
「お茶を淹れましょう。ミルクを多めにして」
337 :
既にその名前は使われています:2007/04/19(木) 09:52:51.31 ID:jFj5mqY3
ふぉぉぉぉぉぉ
338 :
既にその名前は使われています:2007/04/19(木) 11:43:58.82 ID:APgb3qRC
サルタバルタの謎を追えage
339 :
既にその名前は使われています:2007/04/19(木) 14:28:02.37 ID:YPfKiMjJ
あげてすなy
340 :
既にその名前は使われています:2007/04/19(木) 17:08:28.51 ID:36L0VQDg
保守るよ
341 :
既にその名前は使われています:2007/04/19(木) 20:31:00.73 ID:XIApaBS3
リードさん忙しいのかぬぅ。
ここしばらく投下ペースゆっくりだお…
342 :
既にその名前は使われています:2007/04/19(木) 23:02:57.30 ID:v5giDPZy
ちょっとまて
かえりたいんだよ
あの
世
界
に
俺
私
僕は
んじゃ、これで暇つぶしでもしててもらえますかね。
けっこう長くなっちゃったんで数日かけてアップします。
001
■はじまり
その日俺は、目を覚ますと、自キャラになっていた。
しょうがないので、俺は目をつむった。そして一時の後また目を開いた。ここはどこだろう、
と俺は思った。俺の左手で自分の頬をさわる。ゴツゴツとしていて無精ひげが生えている。
頭は変に重くてもう一度寝直せば気分も変わるだろうと思い、また目を閉じるけれど、
しかしその身体はこれから始まる今日という日のために覚醒しようと頑張っていて、
頭の中に鉛が入っているような違和感は徐々に解消しつつあるので、やがて俺は身体の
覚醒に抵抗することを諦めて上体を起こした。俺のモーグリはもう活動を開始していた。
俺のモーグリは鉢植えに水をやりながら、俺に朝の挨拶をした。俺はモーグリの用意した
朝食も食べず、黒いコートを羽織り、かすかに青カビの匂いのするこの借り物の
モグハウスを出た。
002
ここはどこだろう。そして俺は誰だろう。よくわからないけれど、毎朝起きるたびに思う
ことであって、その事について最近は考えないようにしている。実際思いつめたって
しょうがないし、冒険者の一日って割と忙しいのだから。
俺は友人に会いに鉱山区へ向かった。あいにくの曇り空で、太陽は出てないから
ちょっと肌寒い。 友人の家は鉱山区のはずれ、錬金術ギルドのもっと奥まった場所に
建っていた。俺は呼び鈴をならさずにドアを開けた。ドアの向こうにはヒュームの男子と
ガルカがテーブルを囲んで談笑していた。その奥で1人、ヒュームの女子が黒い本を
読んでいた。
003
「遅いよ」とガルカはいった。俺はその時になって、やっとそのガルカの名前を思い出した。
「ガッダル」と俺は言った。
「僕達は、朝食をもう済ませてしまったよ。まだ食べていないのならば、白パンが
いくつかあるから、それを出してあげよう。スープも温めようか。とにかく座ってくれ。そう、
そこでいいよ」
俺はヒュームの男女2人と朝の挨拶をした。その2人の名前も思い出した。
ルージンとソーニャだ。ルージンは中肉中背の黒い短髪の男子で、金の刺繍が
入った赤いチュニックを着ている。ソーニャは栗色の長い髪を後ろで結んでいて、
目がくりくりとしていて、とてもかわいらしい。ソーニャは俺に挨拶したあと、俺の事に
興味を失ったのか、視線の先を手元の黒い本に移した。
004
「イワン、いいところにきた。これから僕達が何をしなければならないかをガッダルと
話していたところだよ」
とルージンは言った。イワンとは誰だろうと思った。すぐに俺の事をイワンと呼んだのだと
理解した。
「今度は何処にいくんだ」
と俺は言った。
「わたしもいかなきゃならないのかな」
とソーニャが言った。
「ミンダルシア大陸へいこうか」
とガッダルは言った。ガッダルは話を続ける。
「政府の知り合いから興味深い話を聞いたんだよ。クエストっちゃあクエストなんだけどねぇ。
探し物を見つけて欲しいとのことだ。まぁ、軍務省に勤めてるヤツなんで非公式だから、
たぶんクエスト扱いにならないけれど、ちょいと個人的な興味も手伝って受けてみようと
思うんだ。ナルルコルルとルーテシアがウィンダスに帰省しているから、二人と合流したあとに
クエスト攻略の作戦を練ろうか。」
4人で相談し、一週間後にここを旅立つことに決めた。
005
ここはどこだろう。その時点で俺は考える事をやめる。考えたって解決する事でもないし。
たしか、俺は日暮里にいたような気がした。しかしながら、ここは日暮里ではなく
バストゥークという共和国らしい。
俺は日暮里のデニーズで友人と二人で晩ご飯を食べていたはずだった。そこで友人は
和風ハンバーグセットを食べている途中で突然激しく震えだし、「寒い、寒い」と言い出した。
俺達は店を出てタクシーをとめ、そこから徒歩10分ほどでいける友人の家に向かった。そして、
俺は友人をベッドの中に押し込み、家の近くで見つけたセブンイレブンでポカリスエットと
エビアンを買ってきて、友人に薬を飲ませた。友人の話では、その日の朝まで26時間
ぶっ続けで立ち仕事をしていて、仕事から解放されたあと、熱が出てしまって身体が
いうことをきかないので、病院にいったらインフルエンザと診断されて、絶対安静にと
医者にいわれたのに、薬を飲んで8時間眠った後、夕方になって俺と会ったとのことだ。
俺はその友人をみて笑った。阿呆だ。この男はとても阿呆だ。俺は阿呆の看病をした。
阿呆は医者が処方したアスピリンを飲んで、すやすやと眠った。そして、俺は深夜になって
ふと思ったのだ。
006
俺はどうやって帰ればいいのだろう。実をいうと、俺は阿呆の家を訪れたのは初めてで、
来る時も気が動転していた上にタクシーで来たのだから、方向感覚というものにいささか
問題がある俺では、ちゃんと日暮里駅へ辿りつけるかは甚だ疑問だった。
でも、ここにいても暇でしょうがないし、俺は阿呆の家を出て目の前の道を歩き始めた。
歩き始めたはずだった。
気がついたら酒場にいた。
つづく
350 :
◆N4hISqu3ag :2007/04/20(金) 00:16:07.77 ID:MEbTWeWf
今日は以上です。
前スレ
>>658 最近読んだ本……「NHKきょうの料理 ビギナーズ 4月号」ですかね……
文っていうのは難しい、というのは同感です。
画の描写が少ないのは、自分の力不足であって、そういう書き方を目指してるわけでは
ないんです。ご指摘ありがとうございます。
前スレ
>>663 キツイ書き方でも、とてもありがたかったです。
351 :
既にその名前は使われています:2007/04/20(金) 00:17:58.78 ID:Q9rbPb25
犯人はタクシーの運転手
知らないけどきっとそう
352 :
既にその名前は使われています:2007/04/20(金) 03:35:44.92 ID:r45dkcCF
>>350 なんという日本酒ロゼな名前。一目で酒飲みと分かってしまった。
本編はこれから読みますw
353 :
既にその名前は使われています:2007/04/20(金) 08:37:07.62 ID:gzfocFTS
落とし穴は色んな所に口をあけて待ってるのですね
354 :
既にその名前は使われています:2007/04/20(金) 11:59:00.14 ID:Q9rbPb25
age
355 :
既にその名前は使われています :2007/04/20(金) 14:16:12.49 ID:TAOTfu8w
読む前、age
356 :
既にその名前は使われています:2007/04/20(金) 18:34:01.19 ID:QZ4uZRFn
007
■酒場にて
ガッダルはマスターに酒を注文した。
「教科書に載ってるような答えが欲しいのなら、『目的が奇跡的な意義を持ち、
効果が対象に対して祝福、呪詛、転移又は加熱、荷電、硬化、融解、冷却等になる行為』
となるけれど、まぁそれじゃあ納得しないだろうね」
「魔法とは何だろう」と、俺はもう一度ガッダルに聞いてみた。
「僕は単純に『たぐいまれな出来事』だと思ってる。自分の懐疑の心と折り合いをつけると
したら、その言葉になるだろうなぁ。しかしまぁ、そんな疑問を持つ人が僕以外にいたって
いうのは嬉しいことだよ。みんな普通に疑いもなく魔法を唱えてるからねぇ。まぁ、
僕は実際よくわからないんだよ。僕は歌うことしかできない人間だからね。魔法と歌は
違うんだよ。魔法についての知識はイワン、君のほうがあるだろうに。君は神聖魔法を
唱えることができるんだろう?」
008
「魔法を唱える度に、俺が俺でなくなっていくような感覚になるんだ。最近は特にそのような
感覚になる。あまりいい気持ちはしない。自分の心と身体が別れてしまうような感覚なんだ。
心がどこかに帰ってしまう。…帰ってしまうとしたら、何処に帰ってしまうんだろう?」
「うん、とても哲学的な質問だ」とガッダルは言った。「うん、とても」
ガッダルはグラスの中に入っていた酒を飲みほして、また、マスターに酒を注文した。
彼にとってそれは何杯目の酒なんだろう。俺は途中から数えることをやめていた。
このガルカは酒樽のように酒をその身体に貯めこんでいるのではないだろうか、と俺は思った。
009
「まず、心が帰る場所を見つけないといけないよね。それは、僕にも君にも、たぶん永遠に
わからないことなんだろうと思う。そしておそらく、君から離れた心は、君の身体の、
今の状況を見つめなおすんだ。ここはバストゥーク港区の場末にあるうらびれた酒場で、
僕と君で甘ったるい安酒をあおっている。君はサンドリア王国出身のエルヴァーンで、冒険者だ。
長身でやや細身の身体だが、良質の筋肉を持っていて、かなりタフだ。我流ながら騎士剣を
上品に扱う。いや、幼い頃に、誰かに師事した事があるかもしれないけれどね。いつもは
白いチュニックなんだけれど、旅に出る時はよく手入れされた官製の鎖帷子を着ている。
魔法はそこそこ使えるが、魔力的な体力はあまりないようだ。左の首筋から右胸にかけて、
古く、とても大きな傷跡が残っている。そしてすこし神経質だ」
010
「さらに、酒場で飲んでいる君は、つまり『心を存在させるための容器である君』は、
心という楔から開放され、周りの物、事に侵食され、徐々に『君で在る事』をやめてしまう。
その光景を見て、君から離れた君の心はこうも思うだろう。〈そこにいる、
存在が消えつつある男はいったい誰なんだろう〉ってね。離れた心はもう君のものでは
ないんだよ。奇跡でも起こさない限りね。しかし、奇跡はこの世界でいたるところで
起きている。僕はそれがとても不思議で、常々疑問に思っていたんだ」
ガッダルは少し酔っ払っていた。
「その心ははどうやって帰ればいいのだろう」
「目的地もわからないのに、手段を聞いてどうするんだい」
011
そのあと、俺とガッダルはもうちょっと飲んで酒場の前で別れた。
俺は、俺のモーグリに経緯を話し、1週間後の旅立ちに備えて旅装を調えてもらった。
俺のモーグリはちょっと無口で、なつくまで目も合わせてくれなかったけれど、
とても正直で仕事も丁寧なヤツだ。モーグリは腕のいい鍛冶屋を見つけてきて、
俺のために新しい剣を仕入れてきてくれた。その剣を身体に馴らすために、ルージンを
誘って3回ほど稽古をした。
012
旅立ちの日、約束の場所には4人全員集まっていた。ルージンは白い鱗状の甲冑を着て、
丸い盾を背負い、細剣を帯刀していた。ガッダルはいつもの黒いローブで、
いろんな楽器を背負っている。一応帯刀しているが、その剣を鞘から抜く機会は
あまり無いだろう。ソーニャは白いチュニックを着ていて、頭をすっぽりとフードで覆っていた。
そして、腰に、重そうな大振りの棍棒を2本ぶら下げていた。彼女は、今回は一緒に
いかずにバストゥークに留まるような事を言っていたけれど、結局ついてくることになった。
「やっぱりこういうことって若いうちに何度か経験しときたいしね」とソーニャは言った。
ルージンは満足そうに頷いていた。
つづく
363 :
◆N4hISqu3ag :2007/04/20(金) 19:25:38.52 ID:dbqoA3LL
今日は、本編は以上です。
>>350 あれは反則ですよねぇ。味わいもしっかり日本酒してますし。
ともあれ、飲兵衛なので、僕の造るキャラは度々酒場でクダを巻いてます。
酔うと、理路整然と意味不明な事を語りはじめるんですよね。なんでしょうねアレ。
>>353 待ってるっぽいですね。
>>356 どもでーす。
364 :
既にその名前は使われています:2007/04/20(金) 22:58:11.81 ID:r45dkcCF
飲むと無口になる人にとって、
人の話を聞かずに語り続ける人は飲み相手として優秀w
ともあれ投下乙です
365 :
既にその名前は使われています:2007/04/21(土) 00:43:11.30 ID:bWCJqx5A
そんなわけでサルタバルタに来た。どんなわけかと言うと上司の命令だ。
「で、サルタバルタの謎って一体なんだよ…。聴いたことないぞ…」
「冒険者で噂になってるのよねー。サルタバルタにはとんでもないヒミツが眠ってるって」
「とんでもないねぇ…」
あたりを見渡す。どっからどうみてものどかな場所にしか見えない。羊も日向で寝てるし…。
さらに俺も彼女も着ている服が種族装備だったりするのでピクニックに見えなくもない。こっちみんな。
「しかしサルタバルタって言ったって広大なんだぜ? 歩き回ってれば陽が暮れる…」
「じゃあ、上から見ればいいんじゃない?」
「ひゃっほおおおおおおうう!!」
「叫んでないでちゃんと見渡して!」
「いやー、風を切るってこんな感じのことだな! 空がつかめそうだっぜ!」
「もぅ…。何もないみたいだけどな…。所詮噂話かな…」
「いやー、気持ちよかった。何もなさそうだし帰るか?」
「んー、そうしようかー。本当に何もなさそうだしねー」
「こんなのどかなぽかぽか陽気は昼寝をするのが正解だろ。羊も寝てるぐらいだし」
「そうだねー、そのへんで昼寝…今、羊って言わなかった?」
「ああ、羊だ。さっきあっちで…。羊…?」
暖かく穏やかな日差しが俺たちを照らす春の午後
366 :
既にその名前は使われています:2007/04/21(土) 04:45:17.02 ID:Kow3WNfH
「サルタバルタの謎?」
コーヒーカップを手に眉をひそめる。サルタバルタくらい、ウィンダス国民でなくても知っている。
黒髪の兄弟はサンドリアティーに口を付けながら応えた。
「サルタバルタには何らかの謎が隠されていて、その謎に近付こうとする者は姿を消すそうだ」
「不穏だな」
「無駄に失踪者が増えている」
「興味本位で知ろうとするからだ」
彼の言葉に兄弟は頷き、だがふと目を伏せる。
「・・・しかし、サルタバルタの謎は来訪者に関係があるのではないかと言う話が出ている。近いうちに調査隊を派遣するそうだ」
「おい・・・失踪者が出ているんだろ?大丈夫なのかよ」
「だからこそ、我々未帰還者が調査に参加する。ただの冒険者よりは力になるからな」
笑って、心配はない、と続けた。
「私の他にティアロとエルウィン、シャナンディ、ヘンリエッタ、それにスフィが参加する。
もし何かあっても、そう簡単にはやられないだろう」
「そりゃ・・・まあ、そうだけど」
だが、腑に落ちない。なぜわざわざ危険を冒すのか。
いや、だからなのだろう。危険だからこそ、その謎をあばかなければならない。
「・・・必ず帰って来いよ」
「ああ」
黒髪の兄弟は、いつもと同じように、短くそう応えた。
368 :
既にその名前は使われています:2007/04/21(土) 10:42:28.80 ID:NOq+QpYk
ageておくれす
369 :
既にその名前は使われています :2007/04/21(土) 12:53:36.76 ID:EMt+hJrF
age ageヽ(´ー`)ノ
370 :
既にその名前は使われています:2007/04/21(土) 15:36:58.63 ID:bWCJqx5A
「いやっふううううううう!!」
「叫んでないで羊探して! サルタバルタに羊はいるはずないんだからなにかのヒントに!」
「わかーってるって! しかし白いのは全部マンドラっぽい…。なぁ、あの赤いのなんだ?」
俺が指を指す。赤いナニカが動いている。わかりやすく言うともののけ姫で出てきたうにょうにょの赤バージョン。
「…いくよ! あれを排除します!」
「あいあいさー。このまま勢いつけてーっ!」
杖を縦に持つ。狙いを定める。チャンスは一回! 地面がぐんぐん迫る。
「でりゃああああああ!!! 黒流ジャンプっ!」
赤いうにょうにょに杖が刺さって…抜けない!
「ついでに私も! 一撃必殺!」
アビスの両手剣がうにょに刺さる。音はしない。吸い込むように刺さっていく。ふたりでうにょの動きに揺られる。
「なによ、これ。バグプログラムじゃない」
「バグ?」
「来訪者の影響で発生することがあるらしいの。最近多くなったからねー」
「で、どうやって消すんだ?」
アビスはジャンプして両手剣から離れる。地面に着地すると精神を集中し始めた。
「魔法いくよー、離れてー」
言われたとおり杖から離れる。うにょうにょは身体に二本の異物が刺さっててもさして気にしてる様子もなく
ゆっくりと揺れている。と、アビスが放った白い輪がうにょを包み込み…消し去った。ご都合主義だ。
「これでオーケー。噂の元はこれだったのかなー」
013
■猫と小人
俺達はバストゥークを出て北上し、コンシュタット高地を抜け、セルビナに無事着いた。
途中、何度かの盗賊の襲撃と、ささやかな戦闘があった。彼らを相手に、俺達4人は
戦闘における個々の役割と連携の確認をした。船に乗り、ミンダルシア大陸の地を踏んだ。
マウラからメリファト山地へ出て、南下し、ウィンダス領へ入った。ウィンダスへ近づくほど
緑が多くなり、アラゴーニュ地方独特の乾燥して荒涼とした黄色い景色は、徐々に、
逞しい木々が雄々しく生きようともがいているかのような激しい緑色に変わっていった。
ウィンダス森の区の門前でルーテシアが待っていた。ルーテシアは俺達の旅の成功を祝福し、
家に晩の食事の用意があることを告げた。
ガッダルは、誰がみても明らかに機嫌が良くなっていった。「ウィンダスが好きなんだ」と、
彼は遠くの方できらきらと輝く海を眩しそうに見つめながら言った。
ウィンダス港に程近い丘の上に建っている品のいい家に入り、俺たちは美味しい料理を
食べ始めた。
014
「バストゥークから移籍して、家を買っておいしい食べ物に囲まれて、
のんびりと暮らしてみたいなぁ」とガッダルが言った。
「そんないいところじゃないと思うよ」とルーテシアは肩をすくめながら言った。
「のんびりすぎなんだよ。本当に毎日が長く感じるよ。モグハウスを借りずに友達の家で
暮らしてるから、一日中、刀を振っていられる御身分なのは有難かったけどね。
それももう飽きたよ正直。イワンがきてくれてよかった。これで当分稽古相手にこまらない」
「僕が相手じゃだめなのかい」とルージンは笑いながら言った。
「魔法剣をつかわないならいいけどね」
「それが僕のスタイルなんだけどな。魔法剣を使ってもイワンは文句いわないよ」
「イワンは文句いわないけど、魔法剣を使うと機嫌が悪くなるでしょ」
俺は軽く頷いた。
015
「ほら」とルーテシア。
「ところでナルルコルルはどうしたんだい」とルージンは言った。ルーテシアとの
会話に飽きたらしい。ルーテシアは眉を吊り上げながら答える。
「そんなタルタル知らない」
「やれやれ。また喧嘩かい。二人とも、もう子供じゃないんだから」
と、ガッダルは空いた食器を重ねながら会話に入ってきた。
「あぁ!可愛そうなルーテシア!!またわたしだけ悪者扱いかよ!」
「僕はそうは言ってないよ。ただ、お互いどちらかが冷静になっていれば、不必要な
諍いなんぞは、とうてい起こる事はないということだよ」とガッダル。ソーニャと
ルージンは席を立ち、キッチンの奥で、二人で皿を洗いながら、今晩テーブルに乗っていた
ウィンダスサラダにかけられていた国産岩塩と、バストゥーク産岩塩の味わいの違いについて
熱心に話しはじめた。
016
ルーテシアはガッダル相手に、雄叫びに近い怒鳴り声でナルルコルルの事を罵倒しはじめ、
ガッダルは、高揚して赤くなったルーテシアの顔をニヤニヤしながら黙って見つめていた。
俺は、ガッダルが残したダルメルステーキの脂身を、フォークで刺したり抜いたりしている。
その行為を見てとめたソーニャは、俺の名前を呼び、『行儀が悪いから』という至極真っ当な
理由でその行為を辞めるよう優しく諭した。
ナルルコルルがルーテシアの友達(つまりここの家主だ。タルボというミスラらしい)とともに
帰ってきた。ナルルコルルはとても上機嫌な様子で、サルタオレンジが入った紙袋を
持っていた。ルーテシアはナルルコルルを睨みつけ、なぜタルボといるんだと叫びながら
詰め寄っていった。ナルルコルルは大仰な手振りで、そんな事をお前に言われる筋合いはない、
とルーテシアに言った。
017
タルボはサルタオレンジを持ってキッチンに行き、ルージンとソーニャに微笑みながら
挨拶をして、皿を洗ってくれた事への短いお礼をいった。ガッダルは興味深そうに
ルーテシアとナルルコルルの言い争いを聞いている。少々下品な内容の言い争いだった。
例えば、お前のケツにそいつのモノをつっこんでもらえよこのホモ野郎、とか。
そいつとは誰だろう。ルーテシアはこちらの方向を指差して言ったのだから、ガッダルか俺だろう。
ルーテシアは感極まって、壁に立て掛けていた刀をつかみ、鯉口を切った。その瞬間、
ガッダルがその太い右腕を振り上げた。ガッダルの岩のような拳はルーテシアの顎に
めり込み、ルーテシアの身体は宙に浮き、空中で一回転半して、顔面から床に叩きつけられた。
018
ルーテシアは白目を剥き、既に意識は無いようだった。ガッダルはルーテシアの
髪の毛を掴み、「やれやれ」と呟きながら、奥の部屋へルーテシアの身体を引きずっていった。
床には少々の血痕と共にルーテシアの欠けた前歯が2本落ちていて、ソーニャが
「いったい誰がこれをくっつけると思ってるの」と口をとがらせて言いながら前歯を清潔そうな
ハンカチで丁寧に包んでいた。ナルルコルルは無言でドアを開け、家を出て行ってしまった。
誰も彼を追わなかった。もう見慣れた光景だ。
019
一時の後、タルボは新鮮なオレンジジュースを俺達にふるまってくれた。
ルージンは今日タルボが用意してくれた料理の美味しさと盛り付けの美しさを熱っぽく語り、
ソーニャは部屋に飾ってある、上品な装飾品たちを褒めた。俺はオレンジジュースを
ちびちびと味わい、タルボは健康的に笑った。
結局、俺たちは3日程タルボの家のご厄介になった。その間に、ルージンは水の区に
建っている、5,6人が住めるくらいの借家を探して短期住居登録をすませ、ガッダルは
バストゥーク領事館で何人かの高官と会い、ソーニャはタルボと食事を作って、
俺はルーテシアの稽古の相手をしていた。ガッダルから、ナルルコルルが尖兵として先に
旅立ったことを伝えられた。
詳しい目的地は、ガッダルは言わなかった。
020
ルーテシアは強くなっていた。複数の構えを巧みに使い分け、攻守の切り替えも素早い。
何より剣先に迷いがない。俺は手加減をしていなかったが、木刀で何度か脳天をしたたかに
打ちつけられた。その後、ルージンを呼び、真剣で何試合か手合わせをした。ルージンも
多少驚いていた。やはりルーテシアは強くなっていた。しかし彼女は不満そうだった。
「もっと強くなりたい」と、ルーテシアはソーニャが握ったおにぎりをタルボの家の庭で食べながら
いった。
「食べるか話すかどっちかにしたらどうだい」とルージンは微笑みながら言った。
「正直、本当はイワンやルージンに勝てると思ったんだけどね、魔法使われたらもうダメ。
もう少しいい線までもってけると思ったんだけどな」ルーテシアは喋るほうを選んだ。
「けっこう稽古を積んだんだね」
「若いヤグードとタロンギで知り合ったんだよ。そいつとたまに殺し合いをしてた」
「物騒な話だね」
「大体わたしのほうが半殺しにあうんだよね。そいつに勝つためにも、もっと強くなりたい」
「ともあれ、君に課せられたパーティでの役割を全うする強さはじゅうぶん持ってると思うよ。
そもそも僕達と君では役割が違う。君は前線で大いに弓をひき、刀を振り回して欲しいんだ。」
つづく
007【
>>351ver】
俺はバストゥーク港の酒場にいた。1人で酒を飲んでいた。なぜ俺はここにいるのだろう。
俺は目をつむった。そうだ、タクシーに乗り込んだのだ。日暮里駅にはたどり着けたけれど、
もう夜中の1時をすぎていて、運行している電車は無かったのだ。俺は品川にある自分の家へ
帰るために、日暮里駅からタクシーに乗り込んだ。
タクシーの運転手は見覚えのある顔だった。おや、と運転手は言った。
「先ほどはどうも。お友達のお体は大丈夫でしたか」
「お気遣いありがとうございます。大丈夫ですよ。ちゃんと送りとどけました」
俺は、阿呆と一緒に乗ったタクシーにまた乗り込んだのだ。
「どちらへ」
「前橋」
380 :
◆N4hISqu3ag :2007/04/21(土) 17:27:43.85 ID:QbjP6K1K
008【
>>351ver】
群馬のですか、と運転手は聞き返してきた。俺はそうです、と答えた。もうどうでも
よくなってきた。前橋と言ってしまったのだし。前橋と俺が言ったのは、おそらく俺が
レイコに会いたいからなのだろう。実際俺はレイコにとても会いたくなってきたのだ。
俺はレイコに電話をかけた。レイコはまだ起きていた。
「待ってる。それまで起きてるよ」とレイコは言った。
関越自動車道へ入って、すこしたった頃、運転手はミラー越しに俺の顔を見ながら
話しかけてきた。
「言いにくいのですが、お客さんはこちらの人じゃないでしょう」
「いえ、生まれも育ちも品川なんですが」
「や、そういう意味ではなく、なんていうんですかね、もっと大きな、こう」
「私はちょっと疲れているんです。渋川あたりまできたら、もう一度声をかけてもらえますか」
「あなたヴァナディールの人間でしょう」
つづく(かも)
あとは
>>351さんがなんとかしてくれる。
知らないけどきっとそう
鉱石の崩落が収まり、辺りに静寂が戻る。
作戦は成功し、赤鎧は生き埋めとなった。流石の赤鎧もあれでは生きてはいられないだろう……。
本来ならここで赤鎧を倒せた喜びで勝利の雄たけびでも上げるところなのかもしれない。しかし崩落に巻き込まれた女性の存
在がそれをさせてはくれなかった。
「しょうがなかったんだ……」
気付いたら、まるで自分に言い聞かせるように口が開いていた。
鉱石を崩していなければ、俺がやられていた、俺が生きるためにはあれしかなかったんだ……。
「………は……つも……そう……」
鉱石の山から何かが聞こえた気がしてふと振り返る。
「そうやって来訪者は皆、しょうがなかったで済ませる……」
振り返った瞬間、声と共に鉱石の山の一画が崩れ落ち、赤鎧が再びその姿を表した。だがその姿に先ほどまでの威圧感はなく消耗の色が見て取れた。流石の赤鎧も鉱石の山には大きなダメージを受けたようだった。
それにしてもしぶとい奴だ……、まだ生きてるなんて……。
「そうやって来訪者は自分達は被害者だからと勝手な事ばかりしているのよ……。
ある者は元の世界に戻れない憂さ晴らしに見かけたもの全てを殺した。
ある者はどうせ仮想空間だからと気にいった女性全てを犯した。
ある者は自分が元の世界に帰る事と引き換えにこの世界の消滅の危機を招いた。
自分が勝手に召喚されたとばかり思い込み、自分がこの世界に対する侵入者ということを理解せずにね」
「俺は違う!! ただ生き残るために必死だっただけだ!!」
そうだよ、俺は降りかかった火の粉をはらっただけだ……。それで被害がでてしまったんだからしょうがないじゃないか……
。
「違わないわよ……。現にしょうがなかったで済ませた。
貴方も同じよ、他の連中と。自分が生き残るためならこの世界はどうなってもいいと思っているのよ」
こちらの思考を読み取ったかのような言葉を浴びせられる。
なぜか胸が痛い、俺は間違っているのか…?
「違う……、俺はこっちの世界を犠牲にするなんて考えてはいない……」
きっと、違わなかったんだと思う。だから胸が痛いのだと思う。
形はどうあれ、俺はこの世界の人間を巻き込み見捨てた形になってしまったんだ……。
ならばどうすればいい? 簡単だ今からでも助ければいいだけだ。
人を見捨ててまで自分が助かる事なんて論外だよな。必死になりすぎてそんな単純な事を忘れていた。
やるべき事がわかったらぼろぼろの体がなぜか少し楽になった。気持ちの問題だろうか…?
一息つき呼吸を整え、俺は鉱石の山へと歩き出した。
「呆れた、まだやる気なの?」
赤鎧を無視して横を通り抜け鉱石の山へと向かう。
赤鎧に背を見せる事は若干躊躇したが今の奴には俺を殺す力なんてもはやないと判断しそのまま通り過ぎた。
「え……?」
何もせず横を通り過ぎた俺の行動が理解できなかったのか、赤鎧は呆然としているようだ。
鉱石の山に辿り着く。
目の前の山を見上げて少し呆れる。我ながら派手にやったもんだ…。
さて、どうやって生き埋めになった女を救出しようか?
魔法か? いや、魔力はさっきので空っぽだ、それに二次災害を起こしてしまっては何の意味もない。とすると手作業でやるしかないか……。
両手を軽く動かし感覚を確認する。決してまともな状態とは言えないが石を持ち上げるぐらいは何とかなるだろう…。
岩を掴み重心をずらして後ろへと落とす。ずらした先に女が見当たらなかったら次の岩を後ろに落とす。しばらくはひたすらその単純作業を繰り返しだった。
「なぜ…?」
呆然自失の状態からは戻ってきたようだ。
「なぜとは?」
振り向かず返事を返す。
「一度見捨てたのに何でいまさら助けようとするのよって事よ」
俺を他の来訪者と同じに見てるこいつからすると当然の疑問なんだろう。
「自分の命惜しさに他人を見捨てるなんて事は許されないなと気付いたんだよ。そういう意味ではお前の指摘は正しかった」
「他と違うって事を証明するために助けるって事?」
「証明なんてどうでもいい、俺が起こした事に巻き込まれてしまったんだ、俺が助けるのは当然の事だろう?」
会話を続けながら作業を続けていると撤去した岩のくぼみに女を見つけた。
これが厄介な女だった……。なぜなら、コーネリア……、所謂大統領令嬢ってやつだったからだ……。まったくいい身分なんだから夜更けにこんな所歩いてるなよ。
こいつが誰だかは置いておくとして、状態を確認する。幸い致命傷ではない、だが放置していい傷でもなかった。
「おい、赤鎧、回復魔法は使えるか? もしくは回復薬があるならそれでもいい。さっきの女を見つけた。お前、さっきの口ぶりからしてこの世界を壊したくないんだろう? だったら手伝え!!」
初めて赤鎧の方を振り向いて声を掛ける、俺には回復魔法を使える魔力もなければ薬もない。だからこいつを頼るしかなかった。
この世界の為という言葉が聞いたのか赤鎧はこちらへと歩きだしていた……。
385 :
既にその名前は使われています:2007/04/21(土) 18:16:53.57 ID:c4a+pUpd
今回は以上です。
相変わらず超スローですがこれからも頑張ります(´・ω・`)
386 :
既にその名前は使われています:2007/04/21(土) 19:42:49.97 ID:s41GExe7
投下来たぜ!!
お前らも見ろ!!age!!
ここは想像の泉だ!!!
こちらも最近スローペース気味ですが、投下します!
(397)
ヒロが去って、領事館には3人が残された。
爺さんは背を預けていた壁から離れて地図をしまい始めていたが、フルキフェルは相変わらず椅子に座ったまま変化がない。
目が開いているのかどうかも、ここからでは確認できない。
今この状況で寝る事ができるのなら、それはそれで頼もしいような気もしてくる。
「おーい、フルキフェル!」
すこし大きな声で呼びかけると、ようやく反応を見せた。
「あぁ… すみません、話は聞いていたのですが少し別のことを考えていたもので…」
コイツはコイツで忙しいらしい。
「今更な話なんだが、お前、俺に付いて来て大丈夫なのか?」
敢えて具体的にどうだから、という話はせずにそう聞いてみた。
アルテパの一件から様子がおかしいのはわかっていたし、その上で今のフルキフェルはサンドリアで着替えを見てしまった時のフルキフェルではない事は既に確信している。
その2者がどういう関係であるのか俺には知る由もないが、少なくともその2者が別の性格を持っているのは間違いない。
だから、サンドリアで聞いたのと同じ質問を再度ここですることになった。
フルキフェルは最初こそ意図を汲みかねるといった表情をしたが、やがて昨日コロロカで見せたのと同種の表情を浮かべた。
(398)
また地雷を踏んだかな、とも思ったが、やはり聞いておかない訳にも行かない。
ただ、彼が今こうしてここにいると言うことは、ある程度の覚悟はあるのかも知れないが。
やがて、慎重に言葉を選ぶようにフルキフェルは口を開いた。
「僕にも、目的があります。その上であなたに手を貸すことは、僕にも意味があります」
見事に煙に巻いた答えだ。
これでも随分と譲歩したのだ、というような表情をフルキフェルはこちらに向けている。
おそらく事実なのだろう。また、俺としてもそれ以上聞く意味もない。
「ま、腹の探り合いをしたところで意味がない。協力してくれるってんならもう聞くことはないよ」
そういって手の平をヒラヒラさせて見せた。同時にフルキフェルの表情も和らいだ。
「では坊ちゃま、そろそろここから抜け出す算段をするといたしましょう」
視線を声の方向へ移すと、爺さんは領事の机の下を覗いていた。
さっき俺も見た、床の色が違う部分を見つけたらしい。爺さんはさらに机の下にもぐって床の周辺を確認しているようだ。
やがて、ガコッという音がそこから響いてきた。
それから少しして、爺さんが机の上に顔を出してにんまりとして見せた。
「サンドリア騎士とはその精神論に反して、こういった抜け穴が好きなものでございますな」
(399)
「どこに通じているか、見当は付いてるのか?」
「見当を付ける程の事もございません。ここから北に向けまっすぐの通路でございます」
ここから真っ直ぐ北というと、もう大工房の外壁だ。
「…ただ落ちるには、少しばかり高過ぎないか?」
「ご安心を、下への穴が深いようでございます。おそらく、外壁の段差に続いてるものと思われます」
よくもまぁそこまでわかるものだ、と思ったが、これを作った人間が余程無責任でない限りはそう言うことになるだろう。
抜け穴は、確かに爺さんの言うとおりしばらくは垂直に続いていた。
側壁に僅かばかりの凹凸が存在し、それに手をかけて背中で反対側の壁を圧迫するようにしてその縦穴を降りていく。
最後に降りてきた爺さんは、どうやら入ってきた場所を内側から閉じたらしい。
そりゃ、こんな穴が見つかっただけでも十分な外交問題だろうから、その判断は正しい。
照明がなくなった穴をを手探り足探りでゆっくりと降りていく。
今から俺達のやることも、このくらい先の見えないことなのだろうか、と思いもしたが、最初から比べるとまだ先が見えた気がする。
最終的には何とかなるのではないか、という甘い考えすら頭にある。
もっとも、あまり褒められた事ではないがそのくらいの余裕がないと平然と嘘をつく事はできない。
自分の我侭を通すためにこれだけの勝手をするのだから、きっと今後の俺はロクな事にならないだろうと言うような事もふと頭をよぎった。
(400)
縦穴は思ったよりも深く、下に足が付くところまでは結構な時間がかかった。
一番最初に降りた俺は、次に降りてくるフルキフェルに小声で床に付いた事を伝え、返事を待つ事なく北側へと手探りで進む。
すぐに、金属を思わせる冷たい感触が前に伸ばした手に走る。どうやら、下に長いだけで横にはそれほどでもないらしい。
さらに周辺を手探りで調べると、取っ手のようなものがある。ゆっくりと力を込めながらそれを引いてみる。
引きずるような音を立てて、それはゆっくりと開きだした。
正面より少し下くらいに街頭の明かりが見えた。目が眩むのも構わず、そのままさらに大きく開いた。
視線を上げると前方にバストゥーク港を望む景色が広がっている。そして、眼下にはそこへと向かうための階段。
なるほど、これはバストゥーク側としては絶対にあってはならない類の抜け穴だ。心臓部ともいえる大統領府の防衛に関わる。
身を屈めてあたりの様子を伺いながら壁沿いに進んだが、辺りを見回して妙な事に気が付いた。
普段ガードとして配置されている銃士が、明らかに少ない。いや、少ないというよりもうほとんどいない。
昼に通りかかった時には普段通りの位置に、確かにいたはずだ。昼間の騒ぎの件もあるし、警備を減らす筈もない。
町に特に変わった様子はない。人通りがまばらであるのは時間帯のせいで、ただ銃士の姿だけが見当たらない。
振り返って、俺と同じように身をかがめている爺さんを睨み付けた。何かやったか?と問いただすように。
爺さんはわずかに首を捻った後、そのまま左右に振って見せた。
(401)
銃士の数が少ない事は、俺達が合流地点へ向かって進む事に関して言えば都合が良かった。
しかし、わずかに見かける銃士の姿は、どこか落ち着かないような様子だった。
もう一度、後ろを進む爺さんに視線で問いかける。
爺さんの反応は芳しいものではなかった。
「警備の事ですか?」
フルキフェルが小声で問いかけてきた。
「あぁ、なんかおかしいだろ。警備を厚くするなら分かるが、薄くする理由はない」
「そうですね…」
気のない返事がフルキフェルから返された。それほど興味はないと言った様子だ。
その反応に少し反感を覚えたが、余計な事の心配をしている場合でもないと思い直した。
今は、とりあえず俺達の目的とする所を達成するのが先決だ。他人の心配をしている場合じゃない。
言葉を交わす事はほとんどなく、俺達は居住区を走り抜けてバストゥーク港へと急いだ。
銃士を目にすることがほとんど稀であり、ヒロ達に監視が付いているかどうかの確認など必要ないような気もしてくる。
とは言え万一という事もあるし、そうなれば色んな意味で立場が悪くなる。最低限の確認はしなければならない。
やがてバストゥーク港への門が見えてきた。勢いを殺して、さも一般の冒険者のように取り成してみたものの、そこにもやはり銃士の姿は無かった。
393 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/04/21(土) 21:34:47.57 ID:vGr1ZK1o
本日は以上です。
そろそろ追い込みかけて行きたい所なんで、投下スピードも上げられたらなと思ってます…
では皆さんわっふる〜
394 :
既にその名前は使われています :2007/04/21(土) 22:14:20.53 ID:EMt+hJrF
おお〜、ラッシュですな〜
ばっふるっ
395 :
既にその名前は使われています:2007/04/22(日) 01:15:55.27 ID:M2avFeQr
超神モンクきた!これでかつる!
396 :
既にその名前は使われています:2007/04/22(日) 04:29:39.89 ID:fpJsNRB+
ついに作戦開始か
397 :
既にその名前は使われています:2007/04/22(日) 09:38:21.03 ID:wvm0CTZ5
ほす
398 :
既にその名前は使われています:2007/04/22(日) 11:53:35.43 ID:ax178GtQ
街中に銃士が少ないのは
グスタで大羊が暴れてるから
それに人員を割かれている
という解釈でいいのです?
399 :
既にその名前は使われています:2007/04/22(日) 12:00:10.85 ID:RBWQNd/H
「意外に雑用って大変なんだな・・・」
俺は自分で淹れたウィンダスティーをすする。寒い時はこれに限る。
「そうだねー、上司の気分次第で変わるからねー」
アビスがサンドリアティーを飲む。横には当然のごとくプリンが置いてある。
「…お前、プリンの食いすぎで太るぞ」
「あー、それって女性に言う言葉ー? ひどーい」
そういいつつプリンを口に運ぶ。本当に幸せそうだ。
「てかお前の名前ってもうプリンでよくね? そもそもアビスって言うのも本名か?」
動きが止まる。なんというわかりやすさ。単純なやつだ。
「…アビスって言うのは私の先輩だねー、ウィンダスで死んじゃったけど」
「そこのところは本当なんだな」
「だからっ!」
プリンが机を叩く。湯のみが倒れそうになったので支える。俺のマイ湯のみが壊れたら泣くぞ。
「私は先輩を殺した奴に復讐するの! 絶対に!」
「誰が殺したかわかってるのか?」
プリンはうつむいて顔を横に振る。
「強い来訪者であることは確かなんだけど…。誰だかまではわかんない…」
「そうか…。来訪者ねぇ…」
俺は窓から外を見る。相変わらず季節関係なく吹雪のほしゅーと言う音しか聞こえない。
400 :
既にその名前は使われています:2007/04/22(日) 12:41:40.26 ID:qTxQ0rll
アビスが裏切り者(サン氏の相方)を殺害
↓
サン氏がアビスに復讐
↓
二代目アビスがサン氏に復讐
……
なんという流血の連鎖。
401 :
既にその名前は使われています:2007/04/22(日) 12:44:48.27 ID:M2avFeQr
402 :
既にその名前は使われています:2007/04/22(日) 15:04:03.46 ID:RBWQNd/H
ティータイムを楽しんでいると上司…もといシヴァさんが来た。
「私にも紅茶を」
「はいはい…」
俺はポットに入れてあった紅茶をカップに注ぐ。かぐわしい匂いと湯気があたりを包む。
「はいは一回…。ありがとう」
「シヴァ様も休憩ですか?」
プリンがプリンをほおばりながら訊ねる。口にモノが入っているのになんで普通に喋れるんだ・・・?
「ええ、他のGMがみんなして出かけてるから休憩もろくにとれないわ…」
「ほー、GM総出で花見でも行ってるんですか?」
「そんなはずないでしょ、行き先は告げてないけど多分バストゥークね」
カップを持ち上げ口に運ぶ。俺もついでにウィンダスティーをすする。
「なんでバストゥークなんですか?」
「有力な来訪者がバストゥークに集合してる、という情報が入ったの」
その言葉を聞いたプリンが立ち上がる。立ち上がるといってもイスの上にだが。
「本当ですか?」
プリンの声が震えている。喜びなのか、それとも・・・
「こんなウソついても仕方ないでしょ」
シヴァさんは再び紅茶を飲む。空になったカップにほしゅー、と新たな紅茶が注がれる。
「行くなら許可するわよ? どうする?」
答えはすでに決まっていた
403 :
既にその名前は使われています:2007/04/22(日) 17:05:25.12 ID:RBWQNd/H
保守るよ!
021
■出会った仲間達
旅の仲間の話をしよう。サンドリアのクエストで出会ったのがガッダルとナルルコルルだった。
そのクエストは、6人前後の冒険者を集め、ダボイ内部を探索し、詳細な地図を作成すると
いうものだった。俺とガッダル、ナルルコルル、両手斧を背負ったヒューム、ナックルを嵌めた
格闘家のミスラ、魔道士のエルヴァーンと、民間人の設計士が1人いた。一行は簡単な
ミーティングをして、ダボイへ向かった。
結論からいうと、クエストは成功した。ただ、奇妙な事が起こった。
022
設計士が測定を終らせた直後、巡回中のオークに見つかった。オークは仲間を呼び、
その人数は10人を超え、俺たちは囲まれた。俺は設計士をかばいつつ、先陣を切って
逃走経路を開いている仲間達を祝福し(つまり彼らに回復魔法を唱え)、しんがりを勤めて
オーク達の攻撃を防いだ。時がたつごとにオークの頭数は加速度的に膨れていった。
ヒュームとミスラはオーク達の猛攻をしのぐのが精一杯のようだし、魔道士のエルヴァーンは
精魂尽き果てその場にへたりこみ、俺は設計士を殺させないように俺に向かっていく
オークのみを相手にしなければならないので、パーティは逃げることができずに立ち往生して
いた。その時、ガッダルが身体中をぶるぶる震わせて奇声を上げ、白目をむいてよだれをたらしながらオークの集団の真っ只中へ突っ込んでいった。ガッダルの身体は風船のように
膨張し、そして音を立てて破裂した。
023
破裂したガッダルの中から黄色い霧のようなものが噴き出してきた。その黄色い霧の
ようなものはひとつの塊となってオーク達にまとわりつくように広がった。霧に触れたオーク達が色彩を失い、身体はたわみ歪んでいく。オーク達の動きは、時の流れに
取り 残されたように
緩慢になり、 の意識は
ブラック
ア
ウ
俺の意識はブラックアウトし、そして、俺たちはジャグナーの湖のたもとにいた。
ガッダルは笑顔で「さあ、帰ろう」と言った。サンドリアに帰る道中、誰も一言も言葉を
発しなかった。
024
その二日後、俺はガッダル、ナルルコルルの二人と偶然出会った。俺は食堂で昼飯を食べ終わり、
サンドリアティーを飲んでいた。ふと外のテラスに目を向けると、二人が飯を食べている
姿を認めた。彼らをじっと見つめていると、ガッダルが俺の視線に気付き、俺の方を振り向いた。
ガッダルと目があった。ガッダルは俺を見つめながら首を縦にふり、少し笑った。
俺は席を立ち、飲みかけのコーヒーカップを手に持ち、部屋を出てガッダル達のテーブルに
向かった。俺は無言でガッダルの隣の席にすわった。俺達は挨拶をしなかった。
「あれは一体なんだったんだ」と俺は言った。
「歌だよ」とナルルコルルは答えた。その時初めて、ナルルコルルの声を聞いた。
ナルルコルルは話を続ける。
025
「呪いの歌だ。幼い我が子をどうしても愛することができず、醜い母親の魔道士がその子の
首を絞めながら歌うララバイだ。その時、ガッダルの歌うララバイでオレ達は深い悲しみに
つつまれた。その歌によって己心に浮かんでくる情景は百人百様だ。オークを含め、
皆がぽかんと口を開けて眠ってる間に、オレは転移魔法を唱えた。それだけのことだ。」
ガッダルが話を引き継ぐ。
「転移魔法ってのはね、効果が及ぶ対象にとってはあまり気持ちのいいものでは
ないんだよね。酔ったり、頭がギンギンと痛んだり、内臓が逆さになる感覚になったり、
そのようなことになるから君達にも寝ててもらったんだよ。もちろん、パーティの全滅の
危機でもあったから、まぁ僕達は無難な選択をしたのだと思っているよ」
026
ガッダルは店員にもう一つランチを注文し、俺にサンドリアティーのおかわりはいるか、
と尋ねた。俺は頷いた。
「ところで、一緒に旅に出ないか」とガッダルが言った。
「君を誘おうと思って、今、ナルルコルルと相談していたところなんだよ。僕達はちょいと
込み入った内容のミッションを受けていてねぇ。仲間を探していたんだ。どうだい」
「今すぐに答えなければならない質問でもないだろう」
「おやまぁ、意外と色よい返事でよかった。まぁゆっくり考えていただきたいね。僕達は二日後に
サンドリアを発ってジュノへ行くから、それまでに返事が欲しいんだ。詳細は君のモグハウスへ
速達で出してある。ただ、差出人はドミトリイという名で、手紙の内容は
『チチキトク スグカエレ』だから気をつけてほしい。集合場所とか、そういうものは2枚目以降に
書いてあるからね」
027
俺は首をかしげた。
「いやぁ、バストゥーク領事館で住所を聞いたんだ。そこでサンドリアに掛け合ってもらった。
サンドリアの個人情報に対する危機管理はあまり徹底されてないようだねぇ。自分が君の
身内だと言ったらすぐに君の事を話してくれたよ。ガルカなのに可笑しいよね。それで、
話の流れで僕は君の兄になっちゃったんだ。父親が今にも死にそうなので、との事を
伝えるために、とりあえずその場で手紙を書くことになったのさ。まぁ、全部嘘なんだけれど」
「なるほど」と俺は答えた。
「そんなことをしてまで君の力を借りたいのだ、と解釈してほしい。実際君の戦闘での立ち回りは
とてもモダンだった。視野も広くて、パーティのために汗をかけて、献身的に、かつ頭を
使って効率的に行動できる人が欲しかったんだ」
とガッダルは言った。
028
俺は席を立った。お近づきのしるしに、と言ってガッダルは俺の伝票を取り上げた。
ナルルコルルは俺に右手を差し出した。思わず俺はその右手を握ってしまった。
「よろしく」とナルルコルルは顔色を変えずに言った。
少し迷ったが、「こちらこそ」と俺は言った。
俺達3人はジュノへ行った。ジュノでルージン、ソーニャと合流し、ジュノ周辺での
『ちょいと込み入った内容のミッション』の攻略中、ルーテシアと出会った。ミッションが
終ったあと、ルーテシアとナルルコルルはウィンダスへ帰省し、俺とガッダル、ルージン、
ソーニャはバストゥークへ向かったのだ。
(作者注:一連の私の作品は、同じ人・出来事を扱っているけれど、この時点で、私の他作品と
今回の内容に多少の齟齬をきたしはじめている。しかしそのまま話を進める事にする。それは
些細な事で、私が伝えたいコトについてあまり影響をおよぼさないと考えるからだ)
つづく
皆様、投下乙でございます。
前回から一週間ほど時間があいてしまいましたが、
続きを投下させていただきたいと思います。
前回の投下は
>>295-297 でございます。
―――来訪者ケンジは、帰れなかった。
なぜだろう。見知らぬ彼の最期を、そう直感した。
「結論から言うとだね・・・」
ゼメダースが言いにくそうに頭をかいた。やはり、一から作らなければ、と語る。
「寸分たがわずに合う作り置きの鞘なんてものが、万に一つもありえないのはわかるよね」
「確かに。・・・夜に邪魔をした」
俺は作業台から長剣を手にとった。
クリスタル合成で生み出された、単一規格化されたモノならまだしも。
手造り、オリジナルの長剣に、ISOだのJISだのといった枠組みはない。
物が無いのは仕方がないし、都合よく鞘が見つかるかも、などと見通しも甘かったのだ。
メイミィが宿で待っている。湯冷めしていなければいいが。
「何を急いでおるんじゃ? 加勢に行くのじゃなかろうの」
「加勢? 何の話だ」
突然に異な事を言う。
長剣をもう一度布で巻こうとして、俺は手をとめた。
うっかり興味を引かれ聞き返してしまった俺に、なんだ違うのか、と老賢者はひとりごちた。
「教えてもらおうか。バストゥークで何が起きているんだ?」
結局、こうして俺は自分から巻き込まれている。
老人はうっかり口を滑らせた風にして、はじめからその算段だったのだろうよ。
・・・とは思っても、愚者の後知恵だ。
苛立たしげに問いただすくらいしか、俺にできることはない。
「さよう―――」
ハーミットは一息置いて、聞き慣れない名前を告げた。
“冥王の欠片”
「何者だ?」
「物質じゃよ。災厄を振り撒く忌まわしきモノ。それが離反者の手によって、この国に在る。
手筈は何重にも巡らせてあるが、こうしてワシも出向いてきた次第じゃ」
グンバがわずかに頷いた。及ばずながら協力している、と。
ハーミットはめったに見せない渋面で、どこか遠くを見つめている。
ヴァナを揺るがす世界規模のトラブルが、この国、この街で進行中ということだ。
「ザ・ワールドならば、おぬしに適切な用語で“冥王の欠片”の説明もできようが―――」
いやいい、と俺は手で遮った。
「奴と話すことなど何もない。
今朝、奴が『バストゥークに近づくな』と警告を寄越したのは、そういうコトだったわけだ」
ふむ? とハーミットが真っ白い片眉を上げた。
「離反者が非常に危険な物質を持ち逃げして、ここバストゥークにいる。
厄介なモノを取り返しつつ大バカ野郎を処分するために、本部から部隊が差し向けられている、か?」
迷惑な話だ。
俺は自分のことをココロの棚に上げて、溜め息をついた。
まさに麻のごとくに、とハーミットが白髭をしごく。
「現在、複数の管理者、そして来訪者たちが入り乱れて活動しておる。
各々が、各々の目的と思惑を以ってして、じゃ。統率など望めぬほどに」
なるほど“魔女の鍋の底”というわけだ。
世界の管理者たるザ・ワールドとしては、これ以上の不確定要素を極力排除したかったのだろう。
あくまでも、自分のゲーム盤の中に全てを納めて悦に入りたいのだ、奴は。
だがあいにく、来訪者は箱庭を飛び越えるほどの勢いをもって、運命を変える存在だ。
「止むを得ず、最終手段を執行せねばならぬ最悪の事態に陥れば・・・。
その時はリード、おぬしにも手伝ってもらうぞ」
「無論」
否も応もない。
別段バストゥークに義理はないが、老賢者の杖の一振りで丸ごと消滅しました、など冗談ではない。
「しかし、ハーミット。そうなる前に」
先手を打つべきじゃないのか。
俺たちで。
そうもいかぬのよ、と老賢者は目許を緩ませた。
例えるなら、孫娘のわがままを聞いてあげるおじいちゃん、といった風体だ。
「御方はお望みじゃ。この混沌の渦の中心に立つ男を。
プライマルアーツを託された彼の者が、混沌に立ち向かい、打ち倒すさまを御覧になりたいと仰せじゃ」
従って、ハーミットもリードも、まだ動いてはならない。
期限は夜明けまで、とハーミットは告げた。それまでは、最悪の事態にならない限り出番はない。
―――プライマルアーツの所有者ということは、タイガーか!?
かつて共に死線をくぐったタイガーには、友情さえ感じる。
彼ならば、この試練も乗り越えられる。
・・・とはいえ、俺たち人間にしたら、恩恵を与えてくれるとはいえ 様に恨み言の一つも出てきて当然か。
「わかった。向かいの宿屋にいるから、そのときは呼んでくれ。詳細な情報もな」
そう言って立ち去ろうとした俺を、再びハーミットが呼び止めた。
「おぬし、鞘が必要じゃなかったか」
おもむろに、武具が並ぶ棚の片隅から真新しい鞘を一本、手にとって見せた。
それは、飾り気がなく武骨。実戦に赴くための、シンプルな機能性を追及した雰囲気を感じる。
「じいさん、それは試作品で売りモンじゃねぇし」
ディーギスが首を振る。俺にもサイズが違うのは一目でわかった。
が、そんな俺たちにハーミットはにんまりとして見せた。
今回の投下は以上でございます。
冥王の欠片…意味深なネーミングだ
さすがだ…。
気になる設定を入れ込んできたな
420 :
既にその名前は使われています:2007/04/23(月) 03:45:02.01 ID:wFSr8IiT
ageるよ!
421 :
既にその名前は使われています:2007/04/23(月) 05:51:15.70 ID:M8paPMy9
あぐる!
422 :
既にその名前は使われています:2007/04/23(月) 11:31:41.47 ID:lwd/REjr
次は保守樽もバス入り期待age
423 :
既にその名前は使われています:2007/04/23(月) 16:39:36.00 ID:Q8NhAtgO
なまごろしー なまごろしー
424 :
既にその名前は使われています:2007/04/23(月) 18:36:52.97 ID:6/ZUDTgc
タイガーとの再開はあるのだろうかタイガー?
そしてララバイ怖いです((((;゚Д゚)))
毎週土曜日に定期的に投下できればいいな、と思っていたのに三週間目で既に出来なかった・・・
短いですが投下します・・・
425 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/23(月) 18:37:07.17 ID:6/ZUDTgc
ウィンダスへは飛空艇で簡単に行けました。
その間にルークが帰って来たことをLSのメンバーに伝えました。
彼はリンクパールの使い方どころか、冒険者に必要な知識を丸ごと忘れていたので、
飛空艇が到着するまでに事細かに教えてあげたりと幸せな時間をすごせました。
特に、魔法の使い方には苦労していたみたいです。まるで、初めて魔法という物を習った耳の院の学生のようでした。
魔法の概念から丁寧に彼に教え、飛空艇が到着する頃にはなんとか勘を取りも出させる事が出来ました。
短い時間だけれども、私は本当に熱心に彼に様々な事を教えました。
そうすることで、元の世界に帰るためのヒントになりそうな事を黙っていた罪悪感を忘れる事ができたから・・・。
「【ミスラ】!【王】【国】!【こんにちは。】!」
彼が嬉しそうに、ウィンダスの大地を踏みしめ、チラチラとそこら中のミスラさんの
胸やらへそやらふとももに視線をやっているのに、気づかない私じゃありません。
そりゃ、私とミスラさん達のどっちがスタイルがいいかヒュームの男性冒険者100名にアンケートをとったら、
100人全員が「ミスラ!ミスラ!」と言うのはわかりきってはいますが・・・だからといって気持ちのいい事でもありません。
「で、ルーク。どこいくんですか?森の区のミスラさん達の族長様のとこ?セミラフィーナ様?それともナナーミーゴのとこ?」
ツン、として言ってやったというのに、気づきもしないでいけしゃあしゃあとこの男はこう言いました。
426 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/23(月) 18:37:19.17 ID:6/ZUDTgc
「え?ああ、なんだっけウィンダスで一番偉い人?その人のところかな?」
「星の神子様!天の塔!!」
「そう、それそれ!」
「じゃ!ミスラさんに見とれてないでちゃっちゃと行こう!」
「あー、悪い悪い」
頭の後ろをボリボリかきながら、反省の色ゼロのルーク。
「・・・ナココ、なんか怒ってないか?」
「べ・つ・に!ちょっと疲れただけです」
ルークは私の気持ちなんて知らないし、私が怒るのはお門違いだけど、流石にちょっとカチンときます。
スタスタと先にすすんでいると、首の後ろのあたりをつかまれ、足が地面から離れました。
そして、背中にガラントサーコートごしですが温かくてたくましい何かがぴったりとくっつきました。
「な、ル、ルルルルーク!?」
ルークに抱きかかえられて軽くパニックになりながら首を思いっきり上へ向けると、信じられないくらい近い位置に
彼の顔があって更に頭の中がむちゃくちゃになりました。
「疲れたんでしょ?しばらく抱えといてあげる」
「や、でも・・・だけどだけど!」
だけど、私もこれでも大人だし、みんな見てるし・・・・・・でも・・・
「あ・・・ありがと・・・」
ちょっとだけ、幸せです。
427 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/04/23(月) 18:37:51.99 ID:6/ZUDTgc
以上です
ワクワクしながら皆様の投下を待っています
428 :
既にその名前は使われています:2007/04/23(月) 18:46:27.54 ID:Z4xmk/cf
>>402 一応
「そう…。行くのね…」
どこか寂しげな表情を浮かべながらシヴァさんが言う。言葉を飲み込むように紅茶を飲む。
「シヴァ様。行かせてください。私は必ずや先輩の仇を討たないといけないんです」
「別に止めないわ…。先輩には恩があるんでしょ?」
プリンがうつむいて僅かに頷く。それと同時に涙がまさしく洪水のごとく出てくる。
「ぬぉ、ティッシュ…。なんてないよな。これ使え」
俺は小道具入れの中から真新しい絹布を取り出す。プリンはそれにほしゅーっと鼻をかむ。
さようなら…。俺の絹布…。
「先輩は…私がヴァナに…来て…ヤグに追いかけられているところを…助けてもらったんです」
プリンが詰まりながら語る。
「その後も…同じ来訪者だとわかると…いろいろと二人で…冒険したんです…」
「そう…。大切な人なのね…。いいわよ、行って来なさい…」
プリンの顔がひまわりのような笑顔になる。
「ありがとうございます! シヴァ様!」
さっきのがウソ泣きだったかと思うぐらい元気よく答える。もしかしたら本当にウソ泣き…。
「ただ…忠告しとくわ」
シヴァが紅茶を少し飲んでから言葉の続きを言う。
「もうすぐ…バストゥークでヴァナ史上最大の戦争が起きるかもしれない…。来訪者対管理者…。
必ず…生き残って帰ってきなさい…。私からの命令よ」
なんというタイミングの悪さorz
いえいえ、投下も終わってますし、何も問題ないですよ
029
■話し合う
稽古から借家へ帰ってくると、ガッダルとソーニャが話し込んでいた。ガッダルは俺達に
気付くと、難しい顔をして、話しかけてきた。
「ややこしいことになってきた」とガッダルは言った。「探し物が見つからないかもしれない。
思ったより難度の高い頼まれ事のようだ」
ソーニャがお茶を淹れた。そしてミーティングが始まった。
「今回のクエストの目的はある経典を見つけることだ。その経典は全部で24巻ある。
その内の第18巻を探し出さなければならない。その経典はとてもとても昔に書かれて、
一度ひんがしの国に渡った。彼の国で翻訳及び意訳され、その翻訳及び意訳されたものが
つい最近(といっても数百年前だけれど)になってミンダルシア大陸に帰ってきた。その経典は、
さらにヤグードの言葉に訳された。つまり逆輸入されたってわけだ。経典に書かれていた
教え・哲学は二度の翻訳及び意訳によって内容が純化、先鋭化されていった。
その先人達の思索と哲学で編み出した英知の結晶がこの大陸のどこかで僕達に
発見されることを待っているんだ。経典がどのように装丁されているのかわからない。
形も、色も、大きさも、不明だ」
まぁ、とりあえず今度からリロードを心がけますね!
俺の場合二時間経ってから保守話を書き始めるからリロードせずに書き込むと重なることも多々あったり…
030
「思った以上に情報が少ないんだね」とルージンは言った。
「ナルルコルルはオズトロヤ城の探索にいってもらっている。宝物殿に経典そのものは
ないだろうけれど、何か情報が眠っているらしいんだ」
「その経典の名前は?」とルーテシアが言った。
ガッダルは、不明だ、と答えた。
「しかしながら、その経典の第24巻がここにある。これは写経されたものだから、
探すべき第18巻がこのような装丁をされているとは限らない。なので、何度も言うが、
探すべき経典は形も、色も、大きさも、不明だ」と言って、ガッダルはソーニャがいつも
読んでいる黒い本を手に取った。
031
「内容を簡単に説明すると、その教典が伝えたいことは、心(魂と表現するほうが
適当かもしれない)と身体は一つであり、表裏一体である、という事なんだ。これは僕達の
常識とは相容れない考えだ。僕達が学ぶ神学や魔法学の法則、定義、定理を根本から
覆すものなんだ。レイズという魔法があるだろう。『何らかの事故によって肉体という容器が
破損し、魂がこぼれ落ちた状態において、神又は女神の祝福でもって肉体を癒し、
こぼれ落ちた魂を掬いあげる行為』だ。この魔法は、前提として魂と身体が別れていると
解釈しないと、発動しない。」
ガッダルはウィンダスティーを一口飲んだ。ガッダルの口演は続く。
032
「僕達が探すべき第18巻に書かれている魔法は、『前提として魂と身体は一つである』と
解釈した上での一大転移魔法だ。僕達が使う転移魔法は魂の移動しかできない。例えば、
僕がここからタルボの家へデジョンをしたとしよう。効果が及ぶ対象となる僕の身体は、
魂が抜けることによって、ガッダルの身体であることをやめ、周りの物、事に侵食され、
跡形もなくなる。時間の概念に束縛されない僕の魂は一瞬でタルボの家へ飛ぶ。
タルボの家で僕の魂は、魂の周りの者、事を侵食し、ガッダルの身体を再構築していく。
皆が知っている通り、物事を『前提として魂と身体が別れている』と解釈した上での転移魔法は、
そのような作業なんだ。しかし、物事を『前提として魂と身体は一つである』と解釈した上での
転移魔法は全く違うものになる」
「どう違うの?」とソーニャ。
「わからない」とガッダル。「まったくわからない。ともあれ、ナルルコルルの報告待ちだね」
つづく
436 :
◆N4hISqu3ag :2007/04/23(月) 19:08:24.18 ID:HRnswwTM
今日は以上っす
>>428 念のため
諸君、重要なことを教えよう。
これは人々にとってとても大事なことだ。生きる上で必須なことだ。
つまり何が言いたいかというと…
「うわぁー、水まずいー」
プリンがぶつぶつ文句言う。
「しかたないことなのだろうか…。しかしこのまずさは異常だな」
ということで俺たちはバストゥークについてさっそく大工房の食堂で食事を取った。
なぜ大工房なのかというとプリンが一度でいいからソーセージなるものを食べてみたいと言ったからだ。
しかし…この水は…。プリンは諦めて黙々と食事を取っている。
厨房でほしゅーという音が聞こえる。熱くなった鉄板を冷やしているのだろう。
食堂にはほかにガルカンソーセージを待ち続けるガルカと…ってあれは!?
「なぁ、あれってナジじゃないか?」
俺がソーセージを黙々と食べているプリンに耳打ちする。プリンはわずかに顔を向けて確認する。
「…あのミスラって恋人?」
「いや…、あの門番が…彼女なんて…」
「だよね、ナジだもんね」
「うるさいにゃ!!」
ミスラが投げた鉄の塊がテーブルにぶつかる。テーブルは音を立てて壊れた。
って直撃したらあぶなくね?
438 :
既にその名前は使われています:2007/04/23(月) 21:09:35.43 ID:Z4xmk/cf
ageワスレー
439 :
既にその名前は使われています:2007/04/23(月) 23:48:22.16 ID:Z4xmk/cf
保守るよ!
440 :
既にその名前は使われています:2007/04/24(火) 01:05:11.31 ID:hxCn6Upd
保守人やりたい放題だな
ほしゅー
442 :
既にその名前は使われています:2007/04/24(火) 11:03:33.39 ID:VhvL/EdY
「・・・ん」
業務保守資料の書類をめくる手がとまる。
黒髪の騎士のわずかな変化に、銀髪の友人は首を傾げた。
「どうした?」
「・・・いや」
友人が書類を覗き込むのをとめもせずに応えをぼかす。
どうせ彼には読めないのだ。一見するとどこのものとも知らない言葉の羅列だが、ある特殊な存在だけが読めるように魔法がかけられている。
バストゥークに来訪者が集まっている。
気にはなったが、しかしバストゥークにはバストゥークの担当官がいる。迂闊に行動しては協定に違反することになるだろう。
だが、協定では来訪者独自の判断での行動が優先される。
今の自分はどちらだろう。
来訪者となる以前の記憶はわずかにも残らず、『自身』の記憶は寸分違わずある。ましてこちらでの生活を当然のように甘受している。
彼の銀髪の兄弟は、それでもいくらかは記憶を残しているらしく、薄れつつあるそれを大切に記し、何かあるごとに読み返していた。
どちらが来訪者らしいと言えるのか。そもそも自分は、もはや来訪者を名乗るべきではないのか。
「・・・私は、もう、戻れない」
戻るって、どこに?・・・ああ、そうか。
「ごめん、・・・・・・」
アッシュブラウンの髪の兄弟を思い、両手で顔を覆う。
戻れないのは私のせいだ。
薄暗い洞窟。
そこを支配しているのはただ一つ、氷柱のように垂れ下がった鍾乳石から、
思い出したようにポツリ、ポツリと水滴の落ちる音だけだった。
人影が二つある。
背格好からみて男性、しかも相当に鍛えられた様にみえるそれは、
しかし、共に俯いてるせいか、くたびれているようにもみえた。
ふと人影の一つ、少しばかり片方をよりもひとまわり大きい影が動き、呟いた。
「変えよう…」
もう一つの人影がクッと、顔を上げた。
「変えよう…、俺たちがこの腐ったヴァナを…、変えるんだ…」
小さいほうの影が再び俯く。「俺たちに…出来るかな…」
「やるんだ」
その声は先程の会話よりも洞窟内に響いた。何かを決意するそれを代弁するかのように。
「やろう、俺たちが最初に、やるんだ」
そうだ
誰も助けてくれないなら
俺たちがこのヴァナを変えてやる
444 :
既にその名前は使われています :2007/04/24(火) 13:01:10.96 ID:57LG9QFC
仕事忙しくて。読んでる暇ねぇ・・
保守だけはがんばるよっ
445 :
既にその名前は使われています:2007/04/24(火) 14:14:25.72 ID:goqRX/5r
ageておく
446 :
既にその名前は使われています:2007/04/24(火) 17:13:53.87 ID:F8/RKKeq
>>440 そうですか…。さすがに他の人を勝手に出すのはやりすぎでしたね…。
自粛します…
447 :
既にその名前は使われています:2007/04/24(火) 17:28:22.15 ID:goqRX/5r
リードさんも他人のキャラ出したり殺したりしてるんだしイインジャネ?
448 :
既にその名前は使われています:2007/04/24(火) 20:34:53.13 ID:7x4QNtiH
誰が書いた何のキャラか明確に分かればイイトオモウ。
033
■吟乃紅衣
翌晩、水の区の家で夕食を食べている時に、ナルルコルルが帰ってきた。体中泥だらけ
で、頭は、ぼさぼさの髪の毛と固まって黒ずんだ血の塊でくしゃくしゃになっていて、ナ
ルルコルル自慢の黒いチュニックは左腕の肘の5pくらい上から破れて無くなっていた。
ズボンは擦り切れ、裸足だった。そして、ナルルコルルは右手に黒い本を持っていた。
「逃げるぞ」とナルルコルルは言った。
034
その声を聞いた途端、ルーテシアは体中の毛を逆立たせ、弓と矢を掴んで家の外へ脱兎の
如く飛び出していった。ルーテシアの壁を這う音が聞こえ、次にそれは屋根の瓦が軋む音
になった。ルージンはナルルコルルのためにリジェネを唱え、俺は剣と盾を手にとった。
ソーニャは個室へ荷物を取りにいき、ガッダルは黒パンを口に入れながら「非常事態」を
宣言した。ナルルコルルの身体はリジェネの魔法が発する青白くやわらかい光に包まれな
がら、しかしなお、体中から、泥と血が溶け込んだ、形容しがたい液体をぽたぽたと滴ら
せていた。
035
鈍い衝撃音が聞こえた。そしてルーテシアが屋根から落ちてきた。ルーテシアの右乳房のやや
上から太く黒光りしている羽根が刺さっており、それは彼女のしなやかな筋肉に包まれた
右胸を見事に貫通していた。俺はルーテシアに駆け寄り、ケアルを唱えながら左手で胸を
押さえ、右手で羽根を一気呵成に引き抜いた。傷口が多少の血を吹き出しながらみるみる
塞がっていく。ルーテシアは何事もなかったかのように起き上がり叫んだ。
「よん!」
「少ないなぁ」とガッダルは言った。
俺はナルルコルルを持ち上げて、自分のバッグに放り込んだ。ソーニャとルージンが旅装
をととのえてきた。ルージンの右手には儀式用の杖が握られていた。
「北々西にサルベージャー1、パーセキューター1、アサシン2。サルベージャーの索敵能力は
私と同じくらい。お互いほぼ同時に、相手の存在に気づいた。みんなかなり強そうね。」
036
ルーテシアは荷造りをしながら、報告を続ける。
「隊列は縦長になってる。先頭にアサシン二人で、ちょっと遅れてパーセキューターが続く。
かなり後ろにサルベージャーがいる。彼ら、回復手段はないみたい。サルベージャーは左脚を私の
放った矢で負傷してる。増援は今のところ無し。彼らが迂回しなければ、あと3分程でここに
たどりつく。あと、重ねて言うけれど、相手はかなり強そうね。中でもパーセキューターがヤバい。
わたし、あいつのこと知ってる」
ガッダルはハープを弾きながら指示を出す。「体勢を立て直す。石の区からトライマライ
水路を通り脱出する。ルーテシアがしんがりを勤めろ。ルージンはここに残り、足止めをしろ。
10分以上だ。我々は水路入口で3時間待つ。」
ルージンはソーニャを抱きしめた。二人は魔力を伴った炎に包まれ、その炎はルージンの
右手に集束していく。
037
「イワンは鎖帷子を着ずにナルルコルルを背負って出発しろ。今すぐにだ。残りの者は
『魂の歌』を聴いた後に行動を開始する」と言って、ガッダルは力強く謡い始めた。
俺はナルルコルルが入ったバッグを背負い、剣を腰にかけ、盾も持たずに庭から外へ出る。
水の区と石の区の境界線にさしかかる頃、家の方向から爆音が聞こえた。俺は後ろを振り
向くと、遠くの方で、光り輝く巨大な火柱の一本立ち昇るさまを認めた。俺は足をとめて
それをじっと見つめた。もう一度、なにかが破裂したような大きな音が聞こえて、火柱は
輝きを増した。それは、巨大な何者かが真紅の衣をひらひらとはためかせて、唄い、舞い
踊っているかのようだった。そして俺のバッグが淡く光りはじめる。それは身の危険が過ぎ
去った事を知ったようで、ナルルコルルがバッグの中でヒーリングを始めたからだった。
「追手は来ないだろう」と俺は言った。
「ガッダル達もな」とナルルコルルはバッグの中からくぐもった声で答えた。
俺はバッグを担ぎ、トライマライ水路へ向かった。
おわり
454 :
◆N4hISqu3ag :2007/04/24(火) 21:34:45.33 ID:sReTP04E
以上です。
正直ネタ切れっす。
続きを誰か書いてくれませんか。
455 :
既にその名前は使われています:2007/04/24(火) 23:37:49.26 ID:F8/RKKeq
>>447 保守話と本筋ではクラスが違うのでしょう…。当然ですが本筋がメインですから…
俺の場合は…
>>448 それでいいのでしょうか…。思いつきで書いているので名前は出す気ありませんでしたが…
皆様、投下乙でございます。
バストゥークに続々と集結している模様に、
弥が上にも期待が膨らむ次第でございます。
前回の投下は
>>413-416 でございます。
ハーミットにうながされ、俺は受け取った鞘に剣を納めて作業台に置いた。
案の定、鞘は長剣よりも一回り大きい。
「まあ、見ておれ」
ハーミットは言って、壁に立て掛けていた、ねじくれた長杖を持ち上げた。
コツン。
杖先で叩く乾いた音がして、鞘は長剣にぴったりのサイズになった。
「っおぉぉぉ!?」
ディーギスとゼメダース、そしてグンバが目をまんまるにして驚きの声を上げた。
「奇跡・・・」
それは文字通り、一瞬だった。
AからZまで、徐々にカタチが変化していったのではない。
元のAが、何ら過程を経ずに、Zという結果に書き換えられた。
彼らの視覚認識が、目の前の事象に追いつけないでいる。
「リードに渡してよいな?」
言わずもがなな事を、老賢者はあえて確認した。
ゼメダースは首を縦に振ることしかできない。
「こりゃたまげた・・・」
「じいさん、他所でこんなことされちゃたまらんぜ・・・?」
どんな表情を浮かべてよいかわからぬといった風のディーギス。
ハーミットは満足げに、再びにんまりとして白髭に手をやった。
「アヴァロンじゃ。持って行け」
「ちょっと待て」
何をあっさりと言ってのけるのだ、この老人は。
俺がその名称を知らないわけがない。
“アヴァロン”
「そんなもの、現実には存在しない」
「すべては遠き理想の産物。なればこそ、すべての幻想は真物」
「―――?」
言葉遊びなのか。何かを暗喩で伝えたいのか。
ハーミットの言っている意味が、俺には理解できなかった。
「まぁいいや。持ってけ、あんちゃん。元々売りモンじゃねぇし、もう売りモンになんねぇし」
ディーギスが諦めた様子で諸手を上げた。
そうだな、とゼメダースが頷く。
「同朋が鍛えた剣の辿る運命に、自分らも関わらせてもらうかね」
「・・・ありがとう。恩に着る」
俺は改めて長剣を捧げ持ち、そして腰に差した。
実の所、鞘がアヴァロンという名前だからといって、特に変わったところはなかった。
ただ、いつもあるものがそこにある、という安心感が戻ったことだけは確かだ。
今夜の投下は以上でございます。
何でもかんでもリードさん基準ってのもどうかとは思うのですがはてさて。
何はともあれわっふるわっふるです。
今バスに何人赤鎧がいるのか、数えてみたら超こわいことにww
461 :
既にその名前は使われています:2007/04/25(水) 07:10:32.90 ID:KpSS7Buq
うぬにケアル〜^^♪
462 :
既にその名前は使われています:2007/04/25(水) 10:53:45.33 ID:OlZymQ0S
もともと二次作品なんだから、三次作品(キャラのみでも)になろうと
他の人のものを使って書いてるという礼節は弁えるのは、まぁ基本的なところで。
何が良いたいかというと、面白い話を書くのが最大の礼儀っていうか、
自分が読みたいだけだっtr
そのための保守age
463 :
既にその名前は使われています :2007/04/25(水) 13:11:55.49 ID:JG/MFcYj
ホスー
464 :
既にその名前は使われています:2007/04/25(水) 15:35:13.33 ID:YHWv409N
>>437 続き
俺たちは大工房をマッハで後にした。多分大工房にはもう近づかないだろう…。
「さてと、宿でも借りにいくか…。バストゥークって言えば『こうもりのねぐら亭』だっけか?」
「そうだねー、いい加減疲れちゃったし。確か鉱山区だね。行ってみようか」
ということで俺たちは橋を渡り鉱山区へ向かった。鉱山区はここよりも治安が悪いらしいが大丈夫だろうか…。
ちょっとほこりっぽい鉱山区に着き、競売裏の通路に近づいたそのとき…
「あれ?」
「ん?」
足が動かない。体がそれ以上前に進まない。意思とは関係なく足はまさしく石になったかのように動いてくれない。
あたりを見回す。近くには誰もいない。遠くからガルカの住人や冒険者らしく人がちらちらとこちらを見るぐらいだ。
一人のガルカが俺たちを追い抜く通路に入っていく。どうやら俺たちだけらしい。
「魔法じゃないよな。受けたらわかるはずだし」
「むしろさぁ、足が動かないんじゃなくて…」
彼女が言葉を切る。そう、足が動かないよいうよりもどこか頭の隅でこれ以上いくことを拒否している。
本能がそうしているのだろうか。この先に何があるのかわからないが…行けない。
「モグハウスに行こうか…。相部屋でかまわないよな?」
「うん…。何かしてきたらぶっつぶすからね!」
もちろん何かする気はない。俺たちは競売の横を通りモグハウスへ向かった。
モグハウスの手続きを済ませ自分の割り当ての部屋を向かう。相部屋でもいいかと訊くと構わないと
返された。俺たちはなぜか『保守様』というネームプレートが掛かった部屋の扉を開けた。
465 :
既にその名前は使われています:2007/04/25(水) 16:04:52.26 ID:jz8OqWua
自分の物語は未完のままで進展することはないだろうと思いますが
このスレはこれからも読んでいきます
みなさん頑張ってくださいね
というわけで保守age
466 :
既にその名前は使われています:2007/04/25(水) 17:13:20.95 ID:KpSS7Buq
なんで宿屋に行くのに足が動かないのはどうして?
行けばいいのに。
467 :
既にその名前は使われています:2007/04/25(水) 19:38:37.76 ID:KpSS7Buq
今ならルーファスさんもリードさんも留守だよ!
you行っちゃいなyp
468 :
98 ◆tr.t4dJfuU :2007/04/25(水) 22:52:16.45 ID:tJ1tpFr3
ようやく会社の寮にネットが開通…
469 :
既にその名前は使われています:2007/04/25(水) 23:26:43.74 ID:fyJLGIUw
おかえり!(´∀`)
_、_
( ,_ノ` )y━・~~~
ネット復活おめです。
うう、気づけば500も間近なのね…。
472 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/04/26(木) 01:59:53.98 ID:JrpKY0Sf
向かい合う金髪の少年ふたり。
ひとりはハリセンを、もうひとりは黒い折り畳み型の携帯電話を手にしている。
「前回の投下はいつでしたっけ」
「・・・4/4です」
「今日は何日ですか?」
「・・・・・・4/25です」
「もう日付は変わっています」
見えぬ速さでハリセンが振られる。パシィンッと心地よい音がした。
「い、いったぁ〜・・・」
頭を抱える相手に、彼はただ溜息をつく。
「3週間も本編を投下せず、何をやっていたんですか?」
「えーと・・・17世紀の鎧を着たり、太平洋戦争の海軍の礼装を着たりしてました」
「・・・本当に何をやっていたんですか、きみは」
色々と貴重な体験をしました。
前回の投下は
>>123-127です。
それでは続きをどうぞ。
「・・・え?」
レンタルハウスの鍵を手に、キーゼルはまじまじと私を見つめる。
「部屋が借りられなかった?じゃあ・・・」
「・・・寝る場所がなくて」
夜着にと借りたエラントウプランドの襟の留め金をいじりながら言うと、彼は心底困って考え込む。
彼もレンタルハウスを借りる手続きをしたけれど、何の問題もなく受理された。
「・・・いくら体が男でも、同室になるのは問題ですね。俺も男ですから」
「えっ、問題になるようなことになるの!?」
「いや、・・・問題になりかねないことになるかもしれない可能性もありますから」
男に手を出す趣味はありませんが、と付け加える。
「それに、さすがに同じ顔を襲うのは・・・」
「・・・同じじゃなくても襲わないでください」
少し上にある顔は、表情こそ違うけど、双子のように似ている。兄弟なら、私のほうが弟に見えるだろう。
着ているのは、彼がブリガンダインで、私がエラントウプランド。・・・まあ、うん・・・よく似た兄弟って感じ?
「・・・ケインは、中も外も男だし・・・シオンは、一応女だけど、男と寝るのは嫌がるでしょうね」
「叩き出されそう・・・」
と、なると、彼しかいない。
カイの部屋を訪ねると、彼は寝る前のお祈りをしていた。
ささやくような声が言葉を紡ぎ終えるまで私たちは待ち、どこか放心した表情の彼がこちらに気付くまで待った。
「・・・あ、ごめんなさい」
「いや、邪魔をしたのはこちらだから」
少し照れたような言葉にキーゼルが応え、それから経緯を話す。
カイはきょとんと聞いていたけれど、うーん、と首を傾げる。
「ん、と。あなたがそれでいいなら、ぼくはいいです。でも、」
「そばにいるから大丈夫だよ。何かあったら俺が対処する」
「・・・ん、はい」
こっくり頷く。お互い、随分信頼しているらしい。・・・いや、でも、カイも男だぞ?
エルヴァーンの、れっきとした青年。・・・まあ、簡単に女性に手を出そうとはしないだろうけど。
私の不安な視線に気づいて、キーゼルが言う。
「彼なら大丈夫です」
「・・・どこが?」
どう見ても、思いっきり男にしか見えませんよ?この上背で実は女でしたとか?いや、それはさすがにないか。
私の不安を理解しているのかキーゼルはカイを示し、
「彼は小さい頃から、女性は『守るもの』と躾られていますから。最近はすっかり守られているようですが」
「・・・だって、シオン、強いんだもの」
呟くように言う。もしかしたら本当に呟きだったかもしれない。
「彼も、騎士の家の生まれです。厳格な兄ふたりに鍛えられて育ったのですから、筋金入りには間違いありません」
騎士?カイも騎士なのかな?でも、それにしては彼は白魔道士にしか見えない。初めて会った時から武器の類も持っていなかったし。
あ、でも、ケインは暗黒騎士だけど一応騎士団に所属している。キーゼルも騎士だけど戦士だ。・・・そう、戦士だ。
何だろう。何でだろう。何かがおかしい。何がおかしい?分からない。
気がつけないおかしいことばっかりだ。この世界に来てから、錯視と間違い探しに迷わされている気がする。
「今は、 に?」
聞き取れなかった言葉にカイはどこか泣きそうな顔で頷く。
「ん・・・うん。・・・ごめんなさい」
「いや、探していると聞いていたから。せめて連絡くらいはしたほうが」
その言葉に彼は頷いて、でも首を振る。私にはその意味が分からなかった。
でも知っている。彼を探していることを。
いつ聞いたんだっけ。誰から聞いたっけ。そんなことは問題じゃない。ただ、知っている。
「大丈夫ですよ」
何を勘違いしたのか、キーゼルは私の肩に軽く手を乗せ、カイを示した。
「以前に剣の鍛練をしていた俺を見間違えて、兄に叩き出されたくらいに、間違いはありませんよ」
苦笑混じりの話に、カイは少し顔を赤らめて俯いた。
476 :
既にその名前は使われています:2007/04/26(木) 02:11:42.68 ID:it2JOrUz
朝起きたらガルカの股間アップだシコった時になっていた
枕はふたつ、布団はひとつ。
「わあ、なんてステキ。」
「・・・棒読みですよ?」
端から見たらいかがわしいシチュエーションなのに、なぜ、パジャマパーティになりそうな空気なんだろう。
布団の中で吐息が触れるくらいの距離でも、ちっともいかがわしい雰囲気にならない。
本当に男なのかな。実は女の子でした。とか・・・ないか。さすがに。
「・・・・・・?」
ふと見ると、やけに嬉しそうに笑っている。何がそんなに嬉しいんだろう。
「どうしたの?」
「ううん、誰かと一緒って久しぶりだから」
いい歳した男がそれを言いますか。
けれどカイはにっこり微笑み、
「教会で、宿舎にいたことがあるんですけど、男の人の中にいるのが嫌でしょうがなかったんです」
「・・・男なのに?」
「うん。禁欲も教えのひとつだから、変なことをされたりとかはなかったけど、でも、慣れなかったです」
「女の子と一緒のほうが楽だったりする?」
「・・・ん、それは・・・」
少し考え、首を傾げる。
「・・・そうですね、そうだったかも。今はずっと、ミガイフォングさんやシオンと一緒だから、あんまり分からないですけど」
「ミガイフォングね〜・・・女の子好きそうだよね」
あのエロガッパ、女の子と見れば誰にでも手を出すんじゃないだろうな?
私が考えていると、カイは苦笑する。
「そうでもないですよ。あの人は、シオン以外の女の子には、あまり関わらないようにしてます」
「へぇ・・・?」
「シオンにたくさん救われたから、だから、シオンのために少しでも、って」
意外と律儀なんだ。ああ、でも、そうかも。お世話になった人に、少しでも返したい。その気持ちはすごくよく分かる。
私もそうだった。初めてお世話になった人や、
「・・・・・・あれ?」
何だろう。今、何か引っかかった。何かは分からないけど。
突然黙った私にカイはきょとんとして、それからにっこり微笑む。
「とにかく、寝ましょう。明日もあるんだし、ちゃんと休まないと」
「ん、うん」
言われて、仰向けに姿勢を正した。天井が見える。
姉と一緒に寝ていた二段ベッドを思い出して、私はきゅっと目をつぶった。
今回は以上です。
野郎どもの入浴シーンに引き続き、野郎どもの就寝シーンとなりました。
関係ないですけど、今でもこの二段ベッドは現役です。
ヴァナには二段ベッドは・・・あってもモグハに置く意味がないか。
>>468 おかえりなさいです。
ネット環境は大切ですね・・・
480 :
既にその名前は使われています:2007/04/26(木) 04:09:33.60 ID:3la4frLg
アルマダホーバーニ
481 :
既にその名前は使われています:2007/04/26(木) 07:21:18.89 ID:HBb1YvWj
ハーミットはマーリン
間違ない
482 :
既にその名前は使われています:2007/04/26(木) 12:09:06.33 ID:xe1qtotw
投下乙です
483 :
既にその名前は使われています:2007/04/26(木) 12:11:58.28 ID:T1keh57Z
なんにもない。
だがageるぞ。
484 :
既にその名前は使われています:2007/04/26(木) 15:25:21.33 ID:8tBbHdfo
まだワシがマーリンと呼ばれておった頃age
485 :
既にその名前は使われています:2007/04/26(木) 17:29:31.25 ID:l7F81IPM
>>464 保守話続き 被ったらゴメンナサイ
「おかえりくぽー。彼女お持ち帰りとはいいご身分くぽー。死んじゃえくぽー」
とりあえず出迎えてくれたモーグリにプリンと一緒に光連携を叩き込む。俺の怒りは有頂天。
ぼこぼこにした後はお茶を入れるように指示をする。俺たちは備え付けのイス(タル用)に腰を下ろした。
「まぁ、とりあえずはここを拠点として活動だな。バストゥークの赤鎧に会えればもう少しいい場所に寝れるが…」
「今日はとりあえず休むことにして明日探してみようっか」
「そうだな…」
俺はここでふと疑問に思ったことを聞いてみた。
「赤鎧がどこにいるかわかるのか?」
「なんとなくね。来訪者も赤鎧もなんとなくだけど区別がつくよ」
「…さっきのあれもか?」
通路前で体験した足止め。意思とは関係なく足が進まなくなる現象。
今考えてみればアレは威圧、といったものに近かったかもしれない。
「多分ね…。相当な力を持つ人だよ。多分私達二人がかりで挑んでも一分で殺されるね」
さらっと怖いことを言う。そんな強い人がその辺にいたら俺はいやだぞ。
「赤鎧なのか?」
プリンは小首を傾げる。
「んー、多分そうだと思うんだけどねー。あの感じは初めてあった人かもしれない」
なんとなくって言う割にはずいぶんと詳しくわかるようだ。便利な能力だな…。
キッチンからヤカンがほしゅーと鳴いているのが聞こえる。時期にお茶が来るだろう。
蒸気船の音を思い出したw
487 :
既にその名前は使われています:2007/04/26(木) 20:06:18.45 ID:l7F81IPM
保守るよ!
488 :
既にその名前は使われています:2007/04/26(木) 21:07:52.88 ID:HBb1YvWj
今バスにいる(と思われる)赤い鎧を整理してみた。
・バス担当のテンペランス
・ルーファスさんとこの誘拐犯と、老執事の昔の上司
・フルキフェルさんとこのカボチャ頭
・ヒロさんとこのフィオの御主人様
・リードさんとこのおじいちゃん
・ヴァリエンテさんとこのお姉さん
七人もバスにいる…!
489 :
既にその名前は使われています:2007/04/26(木) 23:14:38.90 ID:l7F81IPM
保守るよー
490 :
既にその名前は使われています:2007/04/27(金) 03:19:04.55 ID:/8w5Fyvk
あぶなーい
491 :
既にその名前は使われています:2007/04/27(金) 07:20:08.52 ID:i1t5Gy06
ふむ?
492 :
既にその名前は使われています :2007/04/27(金) 13:02:06.75 ID:Dp4JaNuQ
あぶねぇ・・
小さな窓から、ぼんやりとした朝日が差し込んでいる。
「ご主人様、朝ごはんできてますクポ〜」
「ああ、ありがとう。ちょっと片付け物をしたら食べるから、そこに置いといて」
「分かりましたクポ」
"僕"とほとんど寸分違わない顔をしたその男の人は、
昨日しこたまひっくり返した部屋を半端に片付けた状態で、小さな紙片に何事かを書き込んでいた。
几帳面に折り畳まれた「譲渡不可属性つきの」バーミリオクロークの上にそれを置き、
ようやっと部屋の片付けを再開する。
私はそれに対して何も手出しできずに、ベッドの隅っこで小さくなっていた。
いや、若干昨日の真夜中よりは大きくなったかも?
まあ…周囲の家具とかの大きさから測って、いいとこガンプラの1/144が1/100になったくらいだろうけど。
やがて部屋の様子は昨日このモグハウスにやってきたときとほぼ同じように復元され、
彼は相変わらずフルさんの姿のまま、モグさんが用意してくれた朝ごはんに手を合わせた。
が、口に運ぶ前にふいとこちらを振り向き、表向きは邪気のない顔で微笑みかけてくる。
「…食べるかい?」
『……食べられません。分かってて聞いたでしょう』
「いや、もしかしたらと思ってw」
彼の身近なところには、ご飯を食べる幽霊がいるんだろうか。
わざとらしく大きなため息をついて見せれば、彼も諦めたように改めて朝食にとりかかる。
さて、どうやってこの人のもとから逃げ出したものか?
サラダを咀嚼する彼の横顔から視線を外し、小さな窓を見上げた。
思うに今の私は幽霊のようなものなのだから、空ぐらい飛べたっていいような気がする。
昔、ツール告発のために舞空術やらかしたガルカの人はしょっぴかれてしまったけれど(※リアル話)
AATTは浮かんでいるしマジックポットだって謎の浮力で浮かんでる。
設定資料集によると「ゾンパジッパのサーカス団」と呼ばれたカーディアンのプロトタイプの中にも、
レビテトの魔法が組み込まれた浮遊タイプが存在したそうな。
つまり、この世界には仕様の外にある魔法ながらも、レビテトが存在する。
それから"僕"は言っていた。
奴らの法則制御にひっかかって、発動不能にされてしまっている式もあったんですが、
キミを含め来訪者達なら、多分それも突破できます
飛べない理由は、もはやどこにもない。
私は、飛べる。
静かに静かに、周囲に満ちる精霊たちに語りかけ、ごくゆるやかに、ブリンクとスニークを纏う。
朝食はまだ半分くらい。モグさんがお茶をいれようと茶葉を探している。
この世界のレビテトがどんな原理で浮かぶ魔法なのか、というのはこの際置いておく。
重力をもって相手を縛る魔法であるところのグラビデが、土ではなく風属性であることを考えると、
レビテトが土属性であるということもなかなか考えにくいので、再び風属性の精霊たちに意識を傾けた。
風が体を通り抜け、私を構成する「重さ」をどこかへ少しずつ運び去っていくイメージ。
つい先日、あのGMもどきに叩き込んだグラビデの逆をやっているわけだ。
立ち上がって小さな窓を睨みながら、白いシーツを蹴る。
ふわり、と音もなく体がベッドの上から離れ、実に2〜3メートルほどの距離を跳躍し窓枠に着地した。
ちょっとレビテトとは違うような気がするけど、私ってすごいかも知れない。
「…すきま風? モグさん、どこか開いてませんか?」
「クポー?」
と、下のほうから聞こえたそんな声に、あわてて窓枠についたハンドルに手をかける。
…が、押しても引いてもハンドルは動きそうにない。
背後を振り向けば、モグさんが表玄関を見に行くのを、彼が視線だけで見送り、
それから過たず、窓枠に取り縋る私をひたりと見つめた。…しっかり、バレてたらしい。
「降りておいで。怒らないから」
『…いやです、って言ったら?』
「君をどこかに閉じ込めてから、あいつに無体の限りを尽くすってのはどうかな」
私の問いに、彼はさらりとそう答えてから、目を伏せてうっとりとした笑みを浮かべた。
その無体の限りとやらが一体どんな行為なのか、考えることすら憚られるほどに、昏い悦びに満ちた笑み。
「そう、いい子だ」
観念して窓枠から飛び降りると、私の体は羽毛のように殊更ゆっくりと落下し、
この男の手のひらの上に迎えられることとなった。
「どうでもいいことかも知れないが…そのまま外に出たらすごいことになるね」
さながら風に吹かれる綿毛のごとく。…確かに人探しどころじゃなくなりそうだ。
集中を解くと、周囲にあるいろいろな何かが、また私に纏いついてくる感覚に包まれた。
両手で包まれる前にもう一度、床まで飛び降りたら、今度は普通に重力に従う落ち方だった。
少しがっかりした顔をされたが、それは敢えて無視する。
玄関のほうから、パタタ、と小さな羽ばたき音をさせてモグさんが戻ってきた。
「ドアもポストもちゃんとしまってましたクポー。あ、ポストに荷物が届いてましたクポよ」
戻ってきたモグさんがそう報告するのを聞いて、私は思わずぎくり、と身を固める。
ちゃんとした体があったら、冷や汗だくだくだったかも知れない。
正直、色々あってすっかり忘れかけていたけれど…。
「ああ、そういえば昨日はポストの確認をし忘れてましたね。ものと差出人は?」
「防具箱で、レグナスという人からみたいですクポ。お友達ですクポ?」
やばいやばいやばいやめてやめてやめて;;
私の内心を知ってか知らずか、彼はフルさんの顔のまま、フルさんがそうするように首を傾げる。
そうして、モグさんがえっちらおっちらと頭の上に掲げ持ってきた、
一抱えある大きさの木箱を受け取った。
「名前に心当たりはないですが…誰かの倉庫番かなぁ…?」
私が降り立った場所のすぐ脇に、ごとり、と重そうな音を立てて箱が置かれ、その傍らに彼がしゃがみ込む。
話の通りなら、あの中にはGMもどきとその関係者の方々には絶対見られちゃいけないものが…。
『"そは闇薙ぐ閃"っあぁっ!?』
阻止するべく構築したバニシュIIIも、後ろ手にでこぴん一発で吹っ飛ばされて敢え無く詠唱中断。
箱の蓋にいよいよ手がかけられ、もうだめだ…と思ったとき、玄関の扉が激しい音を立てた。
いっぽうその頃。もとい少しだけ前後?
奴は今もまだ、僕の名前を使ってレンタルハウスに居座っているのだろうか。
それを思うと、錬金術ギルドに足を運ぶのはどうも後回しにしたほうがよさそうな気がした。
二枚ある冒険者証の片方を手の中で弄りながら、僕は居住区のゲートを目指して早足に歩く。
改めてその文面を眺めてみれば、モグハウスの住所が書き換えられていた。
僕自身は何の申請も行わず、ルーファス殿ともども蝙蝠のねぐら亭に宿を取ったはずなのに。
つまり、そこがあの子と奴の居場所ということで…。
やがて冒険者証が記した住所の前にたどり着いた。
何の変哲もない、冒険者に割り当てられるレンタルハウスの扉。
けれど、その向こう側には随分と掠れて弱弱しくなってしまったあの子の気配と、
忌むべき紅、神の名を僭称する男の気配が同居していた。
強化魔法を早口に紡ぐ。
一体どういうつもりなのか、返答次第ではこの場で脳天をカチ割ってやる。
踊る火の粉を纏ったモルゲンステルンを握り締め、扉に手をかけたそのときだった。
ちいさな悲鳴が、扉を透かして僕の心に直接響く。
「――!!」
思わず体が動く。扉に全力で前蹴りをかまし、開け放たれた扉の向こう、室内に見えた人影に向けて、
その正体を確かめることもせず、神聖魔法を解き放った。
光の輪が幾重にもそいつを取り巻き、天に向けて炸裂する。
その余韻が収まるのを待たずして、背後から風を切る音。
何の気負いもなく…しかし確実に僕の首を狙い澄まし振るわれた青い刃を振り向きざま弾き返す。
「…おはようさん。朝から派手な挨拶だね」
衝撃が炎となって舞い散る一瞬、まるで鏡を覗き込んだかのような錯覚を覚えた。
ヒーラーアタイア一式にはそぐわない大振りの青い苦無を左手で構え直すその姿は、目の色を除き、
まったく普段の僕そのものだったから。
右手の中では…随分と縮んでしまった"私"が、じたばたと藻掻いている。
『はなしてっ、放してくださいーー! フルさん、本物ーーー!!』
「ご、ご主人様がふたりクポ!? なんでどうしてクポ〜〜!?」
「ジュデッカ…悪ふざけがすぎやしませんか」
僕がそう呼んだ男は、背後であたふたするモグさんを僕の肩越しに盗み見て、
返事の代わりに底意地の悪い笑みを浮かべて見せた。
「なにがおかしい?」
「いやなに、最初は見物だけのつもりだったんだがね…思った以上にややこしいことになってる上に、
削除派の連中も来てるとあっちゃ、手ぶらで帰るわけにはいかなくなった訳よ」
だからと言って、"私"を消されてしまってはたまらない。握りしめたモルゲンステルンの柄がぎしり、と軋む。
「オレとしてはこの子をもらえれば、君と君のお仲間のことは個人的に見逃してもいいんだが…」
「…それはできない相談だと、あんたは知っている筈です」
向こう側の心を失ってしまえば、僕はもはや只の人間でしかない。
いや、たとえ神獣であれ霊獣であれ古代の戦術兵器であれ、この世界に属するものである限り奴らには抗えない。
「まあそうだな。そこでそんな君のために、超親切なオレはいくつか代替案を考えましたw」
手の中で暴れるのをやめた"私"が、不安げな顔をして僕と奴の顔を見比べた。
一瞬の出来事だった。
扉が開いた! と思った瞬間、横からすごい勢いでかっさらわれると同時にホーリーが一瞬で構築され、
部屋のど真ん中で発動。
気がついたときには随分色が薄くなった――でも目だけはどろりと濁った血のような色の――"僕"が、
モルゲンを抜き放って部屋の中で構えを取っていた。
ちなみに私はいつの間にか青い苦無(もしかして鬼哭?)を構えた推定赤鎧の右手に捕まえられている。
それからじたばたと無駄な抵抗をする私をよそに頭上で不穏な会話が交わされ、
手の中から苦無を消した男…ジュデッカが、人差し指を"僕"の前で立ててみせた。
「その1。現在君の便宜上の主人が所持しているプライマルアーツをオレに引き渡す。
腕から外せなきゃ腕ごとでもいいぜ。期限はうーん…明後日くらいでいいか」
にわかに"僕"の表情が険しくなる。構えていたモルゲンこそ下ろしたものの、その視線で人が殺せそう。
けれどそんな事は意に介さずといった風に、次の案が上げられた。
「その2。あのオスラ君の命。これは楽だな、君は何も手出ししなければオレが勝手に殺るから」
「仲間を売れと…そういう事ですか…」
「まあ聞いとけよ。その3。君がサンドリアで奪取した"万斬の魔剣"を引き渡す。
とまあ、選択肢としてはこんなもんかな?」
なんだかあからさまに不公平な選択肢のような気がする。前二つは私からすれば論外。
だけどあの盾が出した力はすごいものだった。
あの不思議な空間で不思議な声が言っていた事を勘案しても、
使い方さえ気をつけるという前提なら、あれもまた"僕"にとっては捨てがたいものなんじゃないだろうか…。
ふと、俯き何かを考え込んでいた"僕"が、私のほうを見た。
「……キミは、どうするのがいいと思いますか?」
『私ですか? そりゃ当然、』
言いかけたところで手がひょいと伸びてきて私の口を塞ぐ。むーむー唸るはめになる私。
頭の上でイヤな笑みを浮かべる気配がした。
「己の良心に問う、か。君自身は迷ってるんだな?」
「…それは…」
「あーあーあー皆まで言うな。そういうことなら時間をあげよう。じーっくり考えるといい。
そうだなー、君らの作戦開始ぐらいまでは待っててやろうか」
目の前に赤く透ける幕がかかる。いや、足下から赤い光が立ち上っているのか…また引き離される!?
「待て!」
「い・や・だ・ね。やっぱり君が苦しむ顔は萌えるなぁ。バスに来てよかった」
こちらに手を伸ばそうとする"僕"の足下に浮かぶ、蜘蛛の幻影。
実体化した細い鈎縄が、壁と言わず天井と言わずあらゆる場所から伸び、"僕"の四肢を絡めとった。
私の口から手を放して何かを引っ張るような動作をすると、一部の縄が引っ張られ、両腕を上に捻り上げる。
「ぐっ…!」
「"捕縄の術:参"ってね。一般への解禁予定はありません☆」
『フルさん、誰かの命とひきかえだけはだめです!』
やっと自由になった口。けれど伝えられたのはそこまでで、体がねじられる感覚と共に視界が真っ暗になる。
どうか"僕"の気持ちも私と同じでありますように。道を違えませんように、そう祈るだけが精一杯だった。
まさかの連投規制。ということでここまでです。
それでは、わっふるわっふる。
504 :
既にその名前は使われています:2007/04/27(金) 15:42:40.33 ID:4khP8bV5
読む前に期待age
505 :
既にその名前は使われています:2007/04/27(金) 18:01:37.59 ID:JNhnKw5b
age
506 :
既にその名前は使われています:2007/04/27(金) 19:33:56.55 ID:i1t5Gy06
やっべ燃えシチュ!
そして赤い鎧8人目追加age
507 :
既にその名前は使われています :2007/04/27(金) 22:15:23.79 ID:Dp4JaNuQ
フルさん来てたっ!
ちょうど良いところで規制が掛かるとは
中の人うますぎ(え
リードさんなら・・・リードさんなら何とかしてくれる・・・ッ!
武器屋に走れフルさん・・・!
509 :
既にその名前は使われています:2007/04/28(土) 00:20:01.19 ID:zodMQr82
シャントット様の午前の過ごし方
七時 起床
七時半 食事
七時三十五分 今日の一発目のフレアVを食事に放つ
八時 迷い込んだ冒険者に呪いをかける
九時 新しい薬を作り出す
九時半 やってきた弟子に飲ませる。
十時 依頼を達成した冒険者に報酬を渡す
十一時半 失神していた弟子に食事を作らせる
510 :
既にその名前は使われています:2007/04/28(土) 00:59:48.13 ID:GjNhq8AO
タイムスパン的にはフルさんの投下は過去の話だから、
いま武器屋に走ってもリードさんいない罠orz
511 :
既にその名前は使われています:2007/04/28(土) 05:13:50.53 ID:UUhjTZod
保守なんだぜ?
512 :
既にその名前は使われています:2007/04/28(土) 08:26:29.35 ID:3ly/WIhq
体は剣で出来ている
血潮は鉄で 心は硝子
幾たびの戦場を越えて不敗
ただの一度も敗走はなく
ただの一度も理解されない
彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う
故に、生涯に意味はなく
その体は、きっと剣で出来ていた
…リード氏のことかと思ったage
513 :
既にその名前は使われています:2007/04/28(土) 11:01:49.41 ID:3ly/WIhq
投下期待age
514 :
既にその名前は使われています :2007/04/28(土) 13:00:27.12 ID:pOkvpJfz
と言う事で、保守
515 :
既にその名前は使われています:2007/04/28(土) 15:01:54.81 ID:zodMQr82
>>485 保守話続き 被ったらゴメンナサイ
俺は目の前で湯気を出しているお茶を飲む。やっぱりウィンダスティーはうめぇな。
プリンも自分の分のサンドリアティーをすする。熱かったらしくてすぐにカップから口を離す。
ちゃっかり自分の分のチャイを入れたモーグリもイスに座る。
「で、ご主人様。その彼女とどこまでいったくぽー?」
言い終わるか終わらないかのウチにモーグリは暖炉に木の代わりにくべられた。
暖炉のほうでホシューッ!と肉の焼ける音が聞こえる。キニシナイキニシナイ。
「そーいえばさー」
プリンがモーグリをつかんだ手をはたきながら聞いてくる。
「君の名前まだ聞いてないね」
「あれ? そうだっけか?」
プリンが頷く。言われてみればずっと君とかあんたとかお前とか部下とか言われてたな。
516 :
既にその名前は使われています:2007/04/28(土) 19:20:26.61 ID:VfRu0tTI
ふぉす
517 :
既にその名前は使われています:2007/04/28(土) 23:25:37.78 ID:3ly/WIhq
ほしゅー
518 :
既にその名前は使われています:2007/04/29(日) 04:35:16.36 ID:TEKQUIAh
ほしゅー!
519 :
既にその名前は使われています:2007/04/29(日) 09:30:02.94 ID:ISVdjQNl
>>515 保守話続き 被ったらごめんなさい
「そうか。俺の名前か…」
言おうか悩む。言ってもいいんだけど笑われそうだな。いや、絶対笑う。
「そんなこと言うならお前の名前はなんなんだよ」
「私? 忘れちゃった」
さらりと言うな。そんな大事なことを。そもそも名前忘れるってどんだけだよ。
「で、君の名前は?」
「ホシュルヨくぽー」
いつの間にかいたモーグリが口出しをする。俺はすばやくモーグリを暖炉に叩き込む。
クポォォー!! という断末魔が聞こえるけど気にしない。
「ホシュルヨ? もしかしてそれが名前?」
俺は溜息をついて答える。
「ホシュルヨボシュルヨ。それが俺の名前だ」
「変な名前だねー」
言うな。心にぐさっとくるだろ。畜生ッ!
「じゃあ君の名前はこれからホシュルって呼べばいいんだね」
「ああ、もう好きに呼んでくれ…」
俺はすこしさめてしまったウィンダスティーを喉に流し込んだ
520 :
既にその名前は使われています:2007/04/29(日) 12:47:16.06 ID:TEKQUIAh
ホシュルヨZEROあげ
521 :
既にその名前は使われています:2007/04/29(日) 12:47:22.22 ID:ISVdjQNl
保守るよ!
522 :
既にその名前は使われています:2007/04/29(日) 15:03:15.83 ID:ISVdjQNl
保守るよ!
523 :
既にその名前は使われています:2007/04/29(日) 16:27:12.88 ID:7dIpFGc2
age
524 :
既にその名前は使われています:2007/04/29(日) 20:58:32.97 ID:ISVdjQNl
ほ
525 :
既にその名前は使われています :2007/04/29(日) 21:42:32.19 ID:M9D0xB1T
し
526 :
既にその名前は使われています :2007/04/29(日) 22:22:06.98 ID:M9D0xB1T
ゅ
527 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 01:00:08.49 ID:rzkU1tUg
る
528 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 07:53:00.85 ID:lzDnr/sM
よ
529 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 10:41:49.01 ID:lzDnr/sM
!
530 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 12:54:50.57 ID:lzDnr/sM
保守るよ!
531 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 12:55:11.38 ID:wpNI0r38
59-190-46-80.eonet.ne.jp
532 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 15:05:54.89 ID:lzDnr/sM
保守るよ!
てか俺保守しすぎじゃね?
533 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 15:14:47.43 ID:rzkU1tUg
保守乙
書き手さんたち普通のヒトだから
連休はどっか出かけてるんだろうなぁ
534 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 17:16:55.58 ID:lzDnr/sM
>>533 かもしれないな。それなら俺は頑張って保守するかな
535 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 17:44:49.80 ID:Yv38kcrZ
なあに、きっとまたDIONのアク規にやられてるのさ
(´;ω;`)ブワッ
書類に『要保守』と記してからペンを置き、そっと溜息をつく。
外からは子供たちの歓声。鎧姿の侍がロンフォールをうろついているのを見かけてのことらしい。
「・・・あ〜、もうそんな時期か」
正確な名前は忘れたが、毎年この時期になると行われる行事(?)。変な柏餅をもらったり木刀で侍ごっこをしたり。
そして彼の手元にある柏餅は、ノーグ経由で取り寄せた料理書を元に作った、いかがわしくないものだ。
「子供はいいよなぁ・・・」
溜息をつき、約2ヶ月前の菱餅騒動を思い出して、やっぱりなかったことにした。
小休止に、柏餅を食べて茶を飲む。ほどよい甘さの餡にウィンダスティーがよく合う。
「・・・あんぼ食いてぇな」
どうやって作るんだっけか。餅米・・・いや、普通に米か。ってか、こっちに野沢菜ってあったかな?
レシピを考えながら茶をすする。・・・餡のあんぼもあったよな、そう言えば。
と、不意にドアが開けられた。
「・・・・・・返す」
銀の長髪を後ろでまとめた友人が、何かを手に入ってくる。貸した覚えはない。
「どうし」
た、と言い終える前に押しつけられたのは、黒髪の小さな少年だった。歳の頃は5、6くらいか。まさか、あの奇妙な柏餅の効果だろうか。
友人は不機嫌そうに唸り、彼へ言う。少し目を離して議事録を読んでいたら、いつの間にかこうなっていたと。
「・・・このバカに、これ以上不審物に手を出すなと叩き込んでおけ」
どうやら、予想は的中したらしい。思いっきり殴られたらしい頭を抱えて泣きじゃくる少年は彼の兄弟だ。
一番冗談が通じない相手に体を張ってネタをやらかしたのは誉めるが、・・・やっぱり誉められない。
537 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 22:52:08.41 ID:lzDnr/sM
来訪者はきっと帰ってくる保守るよ!
538 :
既にその名前は使われています:2007/04/30(月) 23:41:32.62 ID:rzkU1tUg
大杉?
539 :
既にその名前は使われています:2007/05/01(火) 01:02:12.27 ID:rREi4XHB
寝る前にあげときますね
春はあけぼの。
「夏は小錦、秋は大鵬。冬は何だっけな」
琴錦?
書類に保守要項を記しながら首を傾げる銀髪の彼に、黒髪の兄弟が眉を寄せた。
「・・・よく、分からないな」
「お前の行動よりは分かりやすいよ」
冷やしたタオルを頭に当てている兄弟に言う。
無愛想で知られる友人を驚かせるために柏餅で変身して見せた度胸は買うが、時と場合と相手を選ばなかったバカさ加減は評価できない。
彼手製の汁粉をすすりながら、兄弟はわずかに不思議そうな顔をした。
「これも、ノーグで?」
「・・・いや」
それは、彼の記憶にあるもの。決して忘れたくない、『リアル』の記憶。
「おモチは2個ね」
「・・・太るぜ?」
それは幻に聞いた声だったか。
今はもう聞けない声。
542 :
既にその名前は使われています:2007/05/01(火) 16:48:59.50 ID:rREi4XHB
保守るよ!
543 :
既にその名前は使われています:2007/05/01(火) 20:37:33.46 ID:SGuxTyoZ
保守っと!
544 :
既にその名前は使われています:2007/05/01(火) 22:57:20.73 ID:rREi4XHB
保守るよ!
ふと思ったんだが
赤鎧の他に、
黒鎧とかって出たことあったけ?
なんかラスボスになりそうなんだが。
黒鎧は未出だが
ラスボスは黒スーツ。
頭にゴブリン帽子つけてるな
548 :
既にその名前は使われています:2007/05/01(火) 23:51:08.19 ID:1yiXEpUX
ザイドの事か?
出てないけどw
そういえばザイド出てないな
可能性があるのはリードさんのところか
グンバつながりで
550 :
既にその名前は使われています:2007/05/02(水) 00:51:02.73 ID:HG1Txs0C
いい事考えたぞ。
みんなで出してほしいキャラをリクエストするんだ。
引きこもりミスラ出してくれ
sage保守ってスリリング!
そういやザイドって、各種ミッションに出てる割には立場がフリーだし
神出鬼没で使いやすそうなキャラだ。
553 :
既にその名前は使われています:2007/05/02(水) 06:10:33.71 ID:g+XlmXMD
あげ
この前の休みにちょこっと書いた奴を投下。
>>107-111の続き。
待ってた人じゃなくてゴメンナサイ。
毒にもクスリにもならなくてゴメンナサイ。
「バレ…、大丈夫…?」
眉間がマジ痛い。まさか伝説のチョーク投げ(この場合は木片投げだが)を身をもって体験するなんて思わなかった。
「飛んでくる気配は感じたんだけどなぁ…、なんか体が固ま」
「…避けなくて正解です」落ちた女官に代わり、俺達を引率している守護戦士がポツリと漏らした。
「「へっ?」」
「あの時避けていれば、あの木片の数倍の大きさの『丸太』を追加投擲されてましたよ」
ゾゾオォォッ…
え?あの人ホントに侍女長?
前線に立つ超戦士ってんなら納得できそう…
〜ウィンダス石の区中心点在 天の塔内羅星の間〜
(…なんだ、これ?)
言葉が出ない。信じられなかった。階段を登る間、いやがおうにも目が奪われる。
天井に描かれた星が『瞬いている』。まるで本当にそこに星があるかのような。
「…ど、どういうこと…? あの星は天井に描かれてるだけなんじゃ…」
天に描かれた星が瞬き、かつ光り輝いている。普通に考えればあり得ない話だ。
階段を登りきる。星が俺達を照らす。神子の部屋の扉に目をやった。その前に天文泉がある。
漆黒の水を湛えた、それの上に金色の盤が水面よりも、やや高い位置に浮いていた。
天文泉の下には支えはない。文字通り浮いているのだ。あの場所で国の運命を決める星読みが行われるのだ。
守護戦士が二人が天文泉の前に佇んでいる。
それを越え、天文泉の上の金色の盤を越え、ようやく神子の部屋の扉に立つ事が出来る。
とんでもない所に俺達はいる、そう感じた。そして今まさにこの国の最高権力者に会うのだ。
震えが止まらない。サニーも震えていた。
「こちらへ…」体が動かない。促されているのに足が動かない。
長いため息をつき、下を向いた。
「だぁーーーーーーーっ!!!!」
腹から思いきっり声を出す。ドーム中に声が響き渡る。
「!!」守護戦士達が一斉にとんでもないといった様子でこちらを向いた。
凝り固まった腕を振るわせ、首をコキコキ鳴らした。
「うし!! 会おう!!」腕を回し言った。
横でクスッと笑い声が聞こえた。目をやろうとした瞬間、「お?」スッと右腕が持ち上がった。「おお?」
サニーの手が俺の手を握っている。「! お」
「…頼りにしてるんだから、オチビさん」前を向いたまま聞こえるか聞こえないかの声でサニーは呟いた。
(…だから、俺は23だっつーの…)そう言おうと思ったが止めた。二人で前に踏み出す。
「と、塔内ではお静かに…」守護戦士が信じられないといった風貌で頬をひくつかせ、こちらに向かう。
「ごめん!!」
守護戦士がグッと何か堪えたが、すぐ治まった。すぐに冷静な顔に戻る。
「…面会はお一人づつと決められております。どちらがお先に?」
サニーの手を離す。「俺が、先に」先に歩く守護戦士についていく。「…バ、バレ!」
振り向くとサニーが心配そうに俺を見ている。黙ってコブシを前に向けて笑った。
サニーが笑い返す。それを確認し、再び足を踏み出す。金色の盤に乗った。やや揺れる。気にせず踏み出す。
扉の前に立つ。守護戦士が何かをすると、音もなく扉が開いた。
目の前に長い階段が上に伸びていた。
パタンと、けして狭くはない部屋に本を閉じる音が響く。
「…どうやら、随分とお元気そうな方みたいですね…」
【星の神子】
ウィンダス連邦を統治する最高指導者。特に何も言わなければ、現在の星の神子のことを指す。
代々の星の神子はタルタルの女性が襲名し、ウィンダスのタルタルからは女神アルタナの生まれ変わりと信じられている。
現職の星の神子は「女神の生まれ変わり」すなわち神と同格であるため個人名を持たず、在位中は「星の神子」とのみ称される。
何らかの形で退位した場合、呼称には襲名前の名を用いる。
なお、現在の星の神子が襲名前に何という名であったのか、即位した年はいつなのかは、
いまのところ明らかではない。
ナンでしょうなこの牛歩…
投下終了。
560 :
既にその名前は使われています:2007/05/02(水) 09:47:17.17 ID:Ch7DP5Gt
手慣れた仕草でペンを走らせた。
「今日も保守ですよ、と」
『日々是保守』と書かれた貼り紙をぺたりと貼る。
「・・・ネタがなかったのか?」
「・・・ああ」
「本編・・・」
「・・・・・・」
・・・大型連休なんて飾りですよ。
561 :
既にその名前は使われています:2007/05/02(水) 11:58:28.69 ID:HG1Txs0C
ホシュルヨ
設定考えるのは楽だけど。
文書化するのは苦労するよね。
とチラシの裏
ヒュッと敵の攻撃が僅か横を掠める。このままでは負ける。
体の気を目と足に集中させる。手に激痛が走る。しかしここで倒れるわけにはいかない
「絶対……回避!」
俺はシーフの切り札を使う。相手の攻撃の先が読める。時間は三十秒。
「私も……いくよぉ!」
プリンの攻撃スピードが極端に早くなる。ところかまわずがむしゃらに叩いてるようにも見える。
鎧を着たガルカがその攻撃を防御しようとするがとても防ぎきれず鎧が壊れていく。
ガルカの注意がプリンに向かないようにあやつるを使う。操れないが注意は引ける。
切り札を切ってのかいあってかプリンの百烈拳が終わらないうちに鎧姿のガルカが崩れ落ちる。
「封印!」
俺とプリンがガルカの胸に木刀を差し封印する。ガルカの姿は靄のようなものになり木刀に吸収されていった。
ということで俺たちは練武祭を思う存分に楽しみ竹刀をゲットした。なかなか見た目がいかしてる。
その後菱餅を食べてその日を過ごした。最早何のためにバスまで来たのかわからない。
(402)
バストゥーク港に入ったすぐのところに、冒険者にレンタルハウスの貸与手続きをする銃士がいた。
大工房からここにくるまでで見かけた銃士はこれを含め2名のみだ。
特に警備をするという様子でもなく最低限の業務を行っているだけだが、やはり落ち着かない様子だ。
ここにはたしか、門の両端に1名づつ計2名の銃士がいたはずだ。しかし辺りを見回しても、いるのは一人のみ。
警戒が薄いどころか、通常いるべき場所にすら人手がいない。
以前サンドリアで黒マントに襲われたときのことを思い出したが、人通りはそれなりにあるし、周囲に妙な気配も無い。
ならば、単純に人員がどこかに割かれているというと言う事だろうか。何のために、何処に。
銃士を捕まえて話を聞ければどんなにスッキリすることだろうと思いながら、しかしその横を、いかにも冒険者というような風に通過した。
やがてヒロやラディール達を視界に捉えるところまで来ても、監視はおろか警備の銃士も満足に配置されていなかった。
「考えたところで、栓のないことでございましょう」
俺の考えてることを見透かしたように、爺さんがそう言った。
「わかってるよ、わかっちゃいるんだが…」
都合が良過ぎやしないか、と言うべきか否か迷ってから、その言葉を飲み込んだ。
今は、この出来過ぎな流れに乗ってみるのも悪くない。
(403)
居住区の入り口で、と言ったが、実際に全体が落ち合ったのは跳ね橋の横で、外洋を望むことができる地点だった。
そこにはアオツキの姿もあった。そのことについて触れるべきか否か悩んだが、あえて触れない事にした。
おそらく、ヒロあたりが散々言ったに違いないだろう。
ヒロ達は足元の水面を眺めながら、なにか愚痴めいたことを呟いている様だ。
「そんなに珍しい物でもないだろ、黒く塗ってあるだけだ」
「準備万端だな、もちろん悪い意味で」
思わずこぼれた苦笑いをそのままに、領事館でした一通りの説明に付け加える形でここからの手順の説明を始めた。
「この小船は、まぁ潜入用だな。これで外洋を経由して旧港区の方面に向かう。もっとも、見ての通りせいぜい2人が限度だ」
この船については、昨夜から今朝にかけて爺さんと話した内容の中に既に含まれていた。
南グスタベルグのあたりの漁師から買い取って、それを黒く塗ったものらしい。
今朝方からマルトに用意させると言っていたが、思ったよりも本格的に黒く塗られており、闇にまぎれるにはもってこいと言った感じだ。
さらに、小船の中には漆黒に染められた大きな布もあった。
「これに乗って現地近くまで接近する。状況の確認が主な仕事になるな」
我ながら少し白々しいな、と思わざるを得ない。
しかし、この出来過ぎな状況を合わせて考えると、先ず俺が渦中に飛び込むのがある意味一番の安全策であるように感じられる。
爺さんの準備も含めて、どうやら俺が暴れない事には始まらないのだろう。
(404)
「ちょっとまって、これには誰が乗るの?」
すこし不機嫌そうにラディールが口を挟む。
「私めと坊ちゃまでございます。特に私めのような老いぼれに山登りはいささか厳しゅうございますので」
よく言う、と思いながら爺さんの口上をさも当然と言うように頷いて見せた。
「ちょっと待ってよ… ルーファス、あなた乗り物に酔うからって飛空挺にも乗らなかったのに…」
ラディールは完全に真顔で、本気で心配してるようだ。事実は事実だが…
「試しに汽船に乗せてみたら、海賊もそっちのけで欄干に寄りかかって吐いてたじゃない…」
「ラディール、ちょっと黙ってくれ… 話が反れる」
なんだか場違いな流れになりそうなのを無理やりに切って話を続ける。
「で、残りの面子には予定通り岩壁の上からの狙撃に随行してもらう。護衛役に俺や爺さんが向いてないってのもひとつの理由だ」
ここまで言うと、一同もやや納得したような顔つきになっていた。
ただ、アオツキの表情には困惑の色が見て取れた。
見届けると彼女は言ったが、恐らく戦闘になればそれ所の話ではない。
それがわからない訳でもあるまいに、何故彼女は此処にいるのだろうか。
(405)
この場に至って、それぞれ思うところがあるのか表情も様々だ。
不満の色を隠そうとしないヒロ、その表情とは対照的なアオツキ。
そして、この場で最も張り詰めているのは、おそらく先ほどから殆ど言葉を発しないフルキフェルだろう。
皮肉なもので、俺にはそれほどの緊張感は無い。
不安が無い訳ではないが、もう流れに身を任せると決めているせいなのだろう。
その流れを作っている原因のひとつである爺さんは、フルキフェルとはまた別の緊張感がある。
「だったら、私もこれに乗るわ。大丈夫、私軽いし」
「ダメです!この船は元々1人乗りですので、2人乗るのも少し厳しいくらいですからっ…!」
マルトが慌ててラディールを説得しようとする。そうかと思えば、ヒロが半笑いで皮肉を言う。
「いいじゃないか、その背中に背負ってるので船漕いで貰えば」
他のメンバーとは違って、この3人はある意味余裕がありそうだ。
俺がお手上げのポーズをすると、爺さんが咳払いをしてから話を締めにかかる。
「皆様、準備は宜しゅうございますか?」
緩んでた空気がスッと引いて、顔から笑顔が消えた。まぁ、このくらいが丁度いい。
(406)
「では、配置に着いた時点で報告をいただきたく存じます。こちらも確認できる地点に入り次第、お知らせいたします」
さて、爺さんはかつてこういう物言いをしただろうか、と思いながらそれを聞く。
婉曲とは言え、要するにほぼ命令だ。
もしかすると、爺さんもそれなりのリスクを背負ってるかも知れない。それがどういった類のものであるかは想像も付かないが。
「んじゃ、そう言うこった。行くぞ」
そう言って、先ず俺が岸壁から海に浮かべられていた船に乗り込んだ。爺さんもそれに続く。
一人乗りだとマルトが言っていたのはまさにその通りで、2人乗った時点で船の縁のあたりまで水が来ている。
3人は無理だ、と言うように振り返ってラディールに首を振って見せた。
振り返った先には、ラディールとヒロだけがこちらを眺めている。他の3人は早々に踵を返していて、背中が見えるだけだった。
マルトはともかく、アオツキやフルキフェルは少し危うい雰囲気がある。
思い詰めた奴はろくな事をしない。それに関してはヒロもそうだが、こいつは案外開き直りが早いタイプだと思っている。
何かあったとき、多分一番マシに立ち回ってくれるだろう。
「そっちは任せた。ヤバければすぐに連絡してくれ」
こちらを眺めていた2人にそう声をかけてから、岸壁を蹴って船を湾の外へと向かわせた。
569 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/05/02(水) 16:57:24.48 ID:Bve3Dywl
皆様、投下&保守お疲れ様です!
今回の投下は以上です。
>>562 ほんと、文章書くのってエネルギー使いますよね…
もっと才能が欲しいわぁ…
570 :
既にその名前は使われています:2007/05/02(水) 20:00:54.06 ID:TaR8D0Wp
じゃあ、残った俺は保守をまかされるぜ!
571 :
既にその名前は使われています:2007/05/02(水) 20:58:11.53 ID:HG1Txs0C
ルーファスさんの物語に、リードさんは参戦しないの?
せっかく同じ場所にいるのに。
多分ルーファスさんサイドのメインイベントが落ち着くまでは静観の構えじゃないかな
保守るよ!
574 :
既にその名前は使われています:2007/05/03(木) 02:31:25.11 ID:0KymuPW2
なんか荒らしが来てる?
一応保守。
575 :
既にその名前は使われています:2007/05/03(木) 02:31:58.44 ID:2vECnzli
投下乙であります。
576 :
既にその名前は使われています:2007/05/03(木) 09:04:45.22 ID:2vECnzli
保守
577 :
既にその名前は使われています:2007/05/03(木) 12:46:54.33 ID:nBHheaYS
油断大敵age
578 :
既にその名前は使われています:2007/05/03(木) 15:20:32.98 ID:nBHheaYS
ネタはない。だがageる
579 :
既にその名前は使われています:2007/05/03(木) 19:35:38.88 ID:nBHheaYS
いるの俺だけなのかage
580 :
既にその名前は使われています:2007/05/03(木) 21:36:08.56 ID:GrQmy00n
おれもいるよ!
おっと俺を忘れてもらっちゃーこまるぜ?
582 :
既にその名前は使われています:2007/05/03(木) 23:27:29.90 ID:F2NVMec9
俺バカだろ…orz
583 :
既にその名前は使われています:2007/05/04(金) 05:56:54.86 ID:+2L1HEd8
そういうの嫌いじゃないぜ?
584 :
既にその名前は使われています:2007/05/04(金) 09:52:56.70 ID:3pVSBxNa
hosyu!
585 :
既にその名前は使われています:2007/05/04(金) 12:37:11.81 ID:3pVSBxNa
保守るよ!
586 :
既にその名前は使われています :2007/05/04(金) 12:52:02.17 ID:yTTqW8HD
自分も保守っとく〜
587 :
既にその名前は使われています:2007/05/04(金) 17:05:01.53 ID:K5L2MNtW
保守っと
588 :
既にその名前は使われています:2007/05/04(金) 17:05:17.01 ID:YIXa/j6c
携帯から保守
帰ったら話書こう...
589 :
既にその名前は使われています:2007/05/04(金) 19:44:21.23 ID:3pVSBxNa
保守るよ!
590 :
既にその名前は使われています:2007/05/04(金) 19:46:44.11 ID:dYuNg1/q
まだあったのかこの痛いスレ
591 :
既にその名前は使われています:2007/05/04(金) 21:19:24.71 ID:+2L1HEd8
同志よ保守だ
592 :
既にその名前は使われています :2007/05/04(金) 22:54:58.13 ID:yTTqW8HD
ぼすっ
593 :
既にその名前は使われています:2007/05/05(土) 00:17:08.48 ID:HMHYT6jx
age
594 :
既にその名前は使われています:2007/05/05(土) 02:26:21.17 ID:Rcc+c2vw
一応保守
595 :
既にその名前は使われています:2007/05/05(土) 06:51:28.51 ID:nEgCf/3v
土曜日だー
596 :
既にその名前は使われています:2007/05/05(土) 12:11:27.05 ID:nEgCf/3v
じかんよ とまれ
597 :
既にその名前は使われています:2007/05/05(土) 12:12:01.97 ID:nEgCf/3v
じかんよ とまれ
598 :
既にその名前は使われています:2007/05/05(土) 12:19:21.69 ID:HMHYT6jx
赤鎧[+]<なぜ時間を止められたか、おわかりですか?
599 :
既にその名前は使われています :2007/05/05(土) 12:43:13.71 ID:N8RM93gb
【ごめんなさい】【知らないんです】
600 :
既にその名前は使われています:2007/05/05(土) 14:25:23.42 ID:DNyJ2PMf
「・・・分かった、赤鎧はスタンド使いなんだよ。『ザ・ワールド』とか」
「なるほど」
銀髪の彼に、黒髪の兄弟が素っ気なく言う。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・ツッコミ待ちか?」
「いや、『なるほど!ザ・ワールド』なんて分かるかな、と」
「なんか、スフィンクスっぽい女性がでていたような・・・」
601 :
既にその名前は使われています:2007/05/05(土) 16:44:24.01 ID:Rcc+c2vw
保守るよ!
602 :
既にその名前は使われています:2007/05/05(土) 19:13:58.41 ID:Rcc+c2vw
テレッテッテー
保守るよ!
603 :
既にその名前は使われています:2007/05/05(土) 21:31:32.78 ID:Rcc+c2vw
ジュンペーハ
保守るよ!
604 :
既にその名前は使われています:2007/05/06(日) 00:25:28.79 ID:vTQTB7+Y
レベルアプー
保守るよ
俺一人でなにやってるんだろ
605 :
既にその名前は使われています:2007/05/06(日) 00:42:37.17 ID:u/pJWI7g
何言ってんだよ兄弟、俺がいるじゃないか
606 :
既にその名前は使われています:2007/05/06(日) 01:05:01.76 ID:GTYoY6gp
一人なんかじゃないんだぜ?
書き手が帰って来るのを信じて保守だ!
607 :
既にその名前は使われています:2007/05/06(日) 08:59:22.96 ID:vTQTB7+Y
お前ら(´・ω・`)
保守るよ!
608 :
既にその名前は使われています:2007/05/06(日) 11:15:24.43 ID:GTYoY6gp
ほっ
609 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/05/06(日) 13:53:11.71 ID:4xMawIBN
「バカなこというななのなの!サンドリア人がいきなりズカズカおしかけてきて、神子様に会わせろだなんて
むちゃくちゃでめちゃくちゃでありえないなのなの!」
天の塔に着いた私たち(ちなみに塔に入る前に降ろしてもらいました。)を迎え入れたのは
クピピさんの毒舌でした。まぁ、もっともな意見だとは思います。
「あの、私だけでも神子様に謁見する事はできないでしょうか?」
「うーん・・・あなただけなら今すぐとは行かないけれど、謁見は許されると思うなの」
「じゃあ、今日はアポイントだけでもいいので取ってくれないでしょうか?」
そして、彼を見上げました。
「いいよね、ルーク?」
「・・・ダメだ。俺の口から伝えたい」
「でも・・・相手はウィンダスのトップだよ?簡単になんて会えないよ?」
「だけど・・・ナココに伝えて貰ったら上手く伝えられないと思うんだよ。ナココを信用してないって意味じゃなくて、
ほら・・・異世界の事、ナココは言った事が無いから上手く説明できないと思うんだよ」
・・・結局、私を信用し切れてないって事じゃない。たしかに異世界に行ったことないし、
しょうがないとは思うから拗ねたりはしないけど。
ルークが真剣な目でクピピさんをじっと見つめました。
「クピピさん、俺が神子様に会う方法ってないんですか?」
「ないなの」
とりつく島もありません・・・。ルークも口をポカーンと開けて黙ってしまいました。
610 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/05/06(日) 13:54:25.15 ID:4xMawIBN
「そういえば、どうして神子様なの?」
ふと、疑問に思い私はルークに尋ねてみました。
「だって、一番偉い人だし、一番頼りになりそうじゃんか」
「・・・そ、そう」
な、なんていう理由なの・・・。たしかに一理あるけれども、そんな不確かな理由だったなんて。
とはいえ、右も左も分からないこの状況では、そういう不確かな理由にすがり付くしかないのも事実です。
そして、彼がこうやってさまよい続けている間は、私が彼のそばにい続けられるのも・・・。
「そんな理由であわせられるわけないなの!【かえれ】なのなの!」
クピピさんも両手をブンブン縦に振ってお怒りのようです。
「ルーク、ここは一旦諦めようよ。他にもウィンダスには知識人がたくさんいるんだから」
「だけど、少しでも確率が高い方法を取った方が・・・」
「おーっほっほっほ!」
天の塔の中を上品かつ高慢な高笑いが反響しました。最後の「ほ」が「ほー・・・ほーー・・・ほーーー・・・」と
山彦のように響く中、美しい金髪を頭の両端で結んだ高齢の、いやいやいや!こほん、気品に溢れたタルタルの女性が現れました。
ウィンダスではもちろん、冒険者の間には知らない人が殆どいないウィンダスの三博士の一人、シャントット博士です。
611 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/05/06(日) 13:55:48.77 ID:4xMawIBN
「なにやら言い争う楽しそうな声に釣られてきてみれば、興味深そうなお話をなさっていましたわね」
テクテクとこちら側に子供のように楽しそうな顔をしてシャントット博士がやってきます。
「そこの冒険者、異世界が何とかとおっしゃってましたわね?」
「は、はい」
「よろしかったらこのわたくしにそのお話、聞かせてくださりませんこと?」
ルークがどうした物かと、困っていると、背筋が凍りつくような、冷たくも激しい魔力の流れがシャントット博士の周りで渦巻き始めました。
「断ったりしたら、灰も残しませんわよ?」
こうして、ルークはシャントット博士の家で事情を説明する事になったのでした。
以上です。
週一で投下したいと言っておきながら全然できてないですねorzしかも牛歩の歩み(´Д⊂
612 :
既にその名前は使われています:2007/05/06(日) 16:30:34.38 ID:vTQTB7+Y
保守るよー!
613 :
既にその名前は使われています:2007/05/06(日) 20:33:25.85 ID:GTYoY6gp
投下キテタ-
ユリヒナさんに似た萌えを感じるぜ!
614 :
既にその名前は使われています:2007/05/06(日) 22:40:57.29 ID:vTQTB7+Y
保守るよ!
保守ばっかしてるね俺orz
皆様、保守乙でございます。
おかげさまで、このスレにまた投下することができます。
前回の投下分は
>>457-458 でございます。
つい長居してしまった。
“こうもりのねぐら”亭でメイミィが待っている。
この店に訪れてから一時間は経っていないと思うが、早々に戻ろう。
「―――発信機、ついてないだろうな?」
俺は足を止め、ハーミットに振り返った。
ふと気になったのだ。
サンドリアでは、仕掛けられた発信機のおかげでナナシに居場所を捕捉されてしまった。
一応、確認しておかなければ、と思ったからだった。
しかし老賢者は、カカと笑い飛ばしてみせた。
「無粋」
ひとことで、俺の疑念を一蹴した。
「・・・言ってみただけだ」
俺は肩をすくめてみせた。
結局のところ、ハーミットが必要なら俺がどこにいようとも連絡など容易い。
老賢者の目下の関心事は、 様の希望をかなえること。
後日、組織の連中が俺の行方を捜すのに協力するつもりなど、さらさらないのだ。
「世話になった」
ディーギスとゼメダースに、わずかに頭を下げた。
「いいさ」
いつか土産話を聞かせてくれ、と軽く手を上げた二人に見送られ、俺は防具屋を後にした。
外に出ると、とたんに夜の冷気が襲った。
別に耐えられない気温でもない。
が、周囲の空気に張り詰めたような圧力を感じる。
この重苦しいバストゥークの夜空の下、どこかでタイガーが闘っている。
―――ハーミットが動かざるをえない、最悪の事態。
それはタイガーが敗れ、死んだ時ともいえる。
事情など知ったことかと、しがらみをかなぐり捨てて、加勢に馳せ参じたい衝動にかられてしまう。
「・・・バカな」
一人つぶやいて、苦笑いを漏らした。
余計なお世話かもしれないのに?
場所すら、知らないというのに?
俺とタイガーをつなぐ連絡手段すらない。
ラテーヌ事変の直後にでも、彼にリンクパールを渡しておけばよかったものを。
と、イッチからもらったあのパールサックは、荷物の中にしまい込んだままだと気付く。
溜め息を一つ。
呼気がわずかに白んだ霧になって、消えた。
寒い。
いや、いくら夜でも、不自然に気温が下がりすぎてはいないだろうか?
・・・カチャリ。
背後でドアが開く音がして、わずかに視線を送った。
店から出て追いかけてきたのは、グンバだった。
「どうした?」
俺は連絡橋の上で立ち止まった。
ここに身を晒すのは不利だ。しまったと思い、上下左右、素早くあたりを確認する。
「あーっと・・・」
グンバの息も白い。
誰もいないことを確かめるように、街灯でぼんやり薄明るい周囲を見回し、寒いね、と身震いした。
互いに、声を落とす。
「もし、アルテパに行くつもりなら」
その目は何かを決意したかのように、真っ直ぐだった。視線をそらせない強さがある。
「ボクも連れて行ってほしい」
そうは言うがな、グンバ。アルテパに行くことは、ウェライが止めていたはず。それを連れて行くなど。
第一、俺の目的地がばれているのか? それともあてずっぽうか?
俺の中で、即答できない思考が渦巻いた。
「古い友人を、迎えに行きたいんだ」
俺はせいぜい動揺を押し隠し、返答を先延ばしにするしかなかった。
「朝まで、この国が消えていなければ」
皮肉めいたセリフを言い捨てて、ひとり、宿に引き上げた。
今夜の投下は以上でございます。
◆/GKRtxSDWQ氏、投下乙でございます。
シャントット博士がどのような形で描写されるのか、今から楽しみでしかたありません。
620 :
既にその名前は使われています:2007/05/06(日) 23:34:23.23 ID:GTYoY6gp
リードさんキタ-!
合流フラグktkr!?
◆/GKRtxSDWQさん、リードさん、投下乙です!!
そして保守のかた(書き手さんも混じってるんかいな?)
本当に穴掘ってそこに頭入れたいくらいカンシャの気持ちでいっぱいです。
こんな日を空けずに投下できるなんて、珍しいな。
投下いたします。
石で組まれた階段に足音が響く。
てっきり、そんなに長くは昇らないと思っていたが、途中から前後切り替えがあったのはビックリした。
もちろん、ゲーム中ではその描写はない。あくまでミッションの『イベント中』として位置づけられている。
二回目の切り替えで階段の上が一段と明るいことに気が付いた。
ようやく、星の神子の部屋についた。
〜天の塔 最上階 星の神子が住まう居室〜
階段を昇りきると、大きいタペストリーがかかった壁があり、床に二つ壷がある。ゆっくりと振り向く。
左手には布に遮られて見えないが、奥は布が途切れて入り口みたいになっている。
その先には壁沿いに階段があった。右手にも階段があって、さながら鳥が大きく羽を広げたかのようだった。
その左右の階段を昇るとバルコニーになってるのだろうか、風を感じた。両階段の下のスペースは本棚が据えられていた。
右側は通路になっていて歩けるようになっている。巨大な燭台がすぐ脇に二つあった。
そして、俺の丁度正面、つまり階段を昇ってすぐ振り向いた先に誰かがうずくまっている。
星の神子。後ろを向いていてもすぐに判る、長い黒髪を白い布で括ったのが印象的な、そのひとがいた。
「こちらへ…」何時の間にか、ここまで案内してくれた守護戦士の姿は消え、女官が俺を促す。
天井からぶら下がっているものが目に入る。(…望遠鏡…と、なんだあの玉?)
右側には望遠鏡、左側には寝る場所らしきハンモックがあるが、そのハンモックの上、光球が浮いている。
(この世界の星?…いやなんか地)「……わ!」
音もなく手を引かれ、相も変らずに後ろを向いて書き物をしている神子の前に立たされる。
机もなく、絨毯を敷いただけの床で書き物をしている姿は一見、絵の具でお絵かきしている幼児にもみえた。
神子の前には、青白い炎を上げた小ぶりの燭台があり、その上にもさっきと同じような光球が浮いていた。
「…神子様。例の御仁をお連れいたしました…」
お連れするも何も、今さっき階段を昇る気配でわかるだろうにと思った瞬間、神子がこちらに振り返った。
〜ウィンダス石の区中心点在 天の塔内羅星の間〜
「あすこでズゥっと、つっ立っているのも馬鹿みたいだろう。ここで待ってるといい」
目の前でズババがデンと座っている。「はぁ…」目の前の茶器に目をやった。「あの…これは…いったい…?」
「待ってるあいだ暇だろう? いい機会だ、我々タルタル族のお茶の淹れかたをここで教わるといい」
「…へっ?」
(数分後…
「…そうじゃないったら!! 何度言えば分かるんだ!! 沸かしたての湯を入れるんじゃない!!」
「あわわ…」慌てて薬缶を火に戻す。手が震えて今にも茶器を落としそうになる。
「茶葉をいれる前に茶器を熱湯で温めること!! 湯呑みもだ!! ああ!!なんでそんなに葉を入れる!!」
「ひぃぃ…」慌ててさっきの薬缶を手に取る。刹那、
つるっ!「きゃあっ!!…あっ!」慌ててズババに向かって跳ぶ。薬缶が落ちる音と湯が飛び散る音が響いた。
「っ……、!!」恐る恐る目を開けると、目の前に見事に薬缶を頭に被ったズババがいた。モワンと湯気がたっている。
「…!! ご、ごごごめんなさいっ!!! あのっ!!なんか拭くものないですかっ!!拭くもの!!
…の前! ええっと、何だっけ…、……!! み、水!! 水ないですか、水!!! は、はや…」
「…全く」何事もなく頭の薬缶をとったズババがため息をついた。「薬缶も禄に持てないのかい、あんたは」
「え?あ、あの…?…いっ!…」ぐいっと右腕を掴まれる。「わたしにだけ、かければいいものを…ほれ」
シュワンっと周囲に光が満ちる。右腕の痛みが消えた。
「あ…」カランと薬缶を目の前に突き出される。「早く水を汲んで来な。最初っからだ」「…は、はい!!」
「…流石ですねぇー…、熱湯でも涼しい顔して入れるというズババさま…」「常人だと叫びますよね…普」
間を置かず木片が侍女二人を襲ったのは言うまでもない。
「……………ぁ……」
周りの音が消えた。目の前に全てを奪われた。
座っている神子が俺に振り返り、微笑んでいる。たったそれだけなのに俺は、それに魅入れていた。
すぐにひざまずき、顔を伏せた。体が振るえ、額から汗が止まらない。『こんな』微笑、生まれてこのかた見た事がない。
例えるとするなら『神の微笑み』 芸術に染まったやつなら『モナリザの微笑み』というだろうか。
慈愛に満ちた微笑み。遥か彼方から下界を見下ろし、愛すべき子らや、愚かな行為に染まった大人をただただ見守る微笑み。
常人離れした人ならば決して真似をすることが出来ない笑み。それが、まさに、俺の前で炸裂していた。
この人、いやこの『御方』は確かに、このウィンダス連邦、及びその周辺地域を一手に仕切っている最高権力者だ。
(…チクショウ!! とりあえずミコタンと呼んでた、及び現在進行形な奴ら!! とりあえず全員ぶっ飛ばす!!)
「…穏やかではありませんね」(!!??)前方にスゥっと立ち上がる気配がし、足音が俺に向かって近づく。
(見るな見るな見るな見るな見るな…)今見たら俺の何かがおかしくなる。
「…な、なんのこと、でしょうか…?」肺に空気がなくなるのも構わず辛うじて吐いた。
「…それはアナタがヨクオわかりデしょう?」
緊張で耳が変になっている。両耳を叩きたい衝動に駆られたが、そんなことが出来る状況であるはずがない。
「そういえば、貴方とお会いするのは二度目ですね。ジュノ大使館員としての日々はいかがですか?」
如何も何も、着任直後に大使がデルクフの塔に調査に行ったのだ。俺のゲーム中のミッションは、そこで止まっている。
「…は、はい。まだ着任に慣れておらず、は、恥ずかしながら今だ戸惑っております…」
星の神子は黙って聞いている。まだあの微笑を湛えているのだろうか。
「し、しかしながら、星の神子様のご期待に添える様、精進する日々でございます…」
嘘はいえない、かといって本当のことも言えない。精一杯の建て前だ。
「そうですか…。それでは近い間にまたジュノにお戻りに?」「はい…」
「……残念ですが、貴方たちをウィンダス連邦から出国することは許可できません」
それを合図に、そこかしこに隠れていたカーディアン数体が俺に殺到する。
神子は連れて行かれる俺を、ただただ見守り、微笑む。
想像して背中がジットリと汗ばむ。あり得ない話ではない。俺の心を読まれている可能性がある。
(どうする?このまま逃げれる訳がない。どうすれば…)
「……それでは旅の道中の安全を願っています。貴方と、ヒュームの女性の方の背に、光が照らしますように」
(…な!?)思わず顔を上げた。しまったと思ったがもう遅い。俺を見下ろす神子とモロに目が合う。
「今日は、ここまでご足労ありがとうございました。また貴方とお話出来る機会を心待ちにしています」
ふっと、星の神子が普通に俺に微笑んだ。
俺の頬に、涙が流れ落ちた。
「あ、バレ!!」サニーの声が弾んだ。ふと見ると全身ビッショリと濡れている。…外で泳いだりしたのか?
(で、どうだった? 神子様はどう…って)「どうしたの!! そんな顔して!!」
…もう、話す気力もない。でもこれだけ伝えよう…「サニー…」「え?なに…」
顔を近づけたサニーにこう呟いた。「…絶対に失礼のないように。あと、気を失わず、しっかりとな」
固まったサニーを、守護戦士二人が抱えて連れて行くのを見送り、羅星の間の壁に寄りかかる。
いまなら某国首相とか某国大統領とかに、中指を上に向けたり、親指を下に向けたり平気で出来そうだ。
(頭も引っぱたけるな…ん?)ふと、侍女が茶を持ってきた。「あ、ありがとう…」
茶を啜る。「…あ、美味し…」
天の塔から二人の(タルタルの男性がヒュームの女性を辛うじて抱えている)姿が冒険者専用の居住区に向かうのを
バルコニーから星の神子は見送っていた。日が傾き、夕日がその普通に微笑む顔を照らした。
カチっ ギィィィ… 後ろにあるちいさな隠し扉が開く。
扉の暗闇から顔を出したのはセミ・ラフィーナ(Semih Lafihna)だった。「…ラフィーナですね」
「どうかこの扉から参上することお許しください」「いいえ、ご苦労様です」
暫しの沈黙。「…それで、あの『冒険者』とお話されて如何でしたか?」ラフィーナが静まった空気を破る。
神子が少し俯いた。どうやら例の二人の姿が見えなくなったらしい。
次第に薄暗くなりつつある部屋に、ますます神子の表情を判断しにくくなっていく。
「…普通の方たちでしたよ。私たちと何も変わらない、普通の方たち…」話しながら再び外に向かう。
「…それは、『冒険者』ではない、と…?」
こちらに神子が振り向く。それを合図にしたかのように、部屋に明かりが灯った。
さっきよりも神子の顔はよく伺うことが出来たが、その微笑んだ表情からは何も読み取ることが出来なかった。
(相も変らず、何を考えているのか…)
幾ら数年仕えようとも、神子の表情から何もつかむことができない自分に少し苛立つ。
631 :
既にその名前は使われています:2007/05/07(月) 02:57:05.33 ID:dK77RX8P
age
632 :
既にその名前は使われています:2007/05/07(月) 09:06:11.22 ID:F0lXS9SZ
なんかよくわからないんだけど、
星の巫女に危険人物認定されちゃった、てこと?
規制解けたかな?
はい、続き投下します。
おさるって言われちゃったよ…
「…それでは、今後はかのように?」気を取り直し、指示を仰いだ。そういつものよう…
「…なにも致しません。あのお二人が無事に出国できるよう、森の区のゲートハウスに手配をお願いします」
「!!」体が強張る。今『なんと』?
「女性の方とももう一度お話したいですね。とても緊張したいられたようですし…」「…神子様」
「今度は女性ならではの視点、世俗のこともお聞きしたいですね」「神子様」
「貴方も是非、同席…」「神子様!!
してはいけないことの一つを侵してしまった。だがラフィーナは我慢が出来なかった。
「もし!彼らが『冒険者』では無いのならば!
神書(ラステリア・キャロル)に書かれているあの『者達』かもしれないのです!!」
神子が背を向けた。瞬時に頭に血が昇る。
「あの二人が、慈涙の子(ルーテュ・ウル)の可能性があります!!!」
日頃押さえている上下二対の牙が、興奮状態でむき出しになる。
「彼らがそれであるならば、サンドリア、バストゥーク、
そしてあの大公国も彼らの獲得に乗り出し始めるでしょう!!」
神子は黙って空を仰いでいる。
「そうなれば、クリスタル戦争から十年もたっていない今!! また世界が戦火に包まれます!!!
『冒険者』によって均衡が保たれているとはいえ、まだまだ世情は不安定!! 今動かないと手遅れになります!!」
神子は動かない。「どうか!ご指示を!!!」
神子がこちらに振り向き、階段を降りくる。「!!」すぐさまひざまずいた。
ラフィーネのすぐ傍に神子が近寄る。黙って待った。だが現実はラフィーナが望んだものとは程遠かった。
「今日はご苦労様です。下がって今日の疲れを癒してください」
「!!??」ギリィっ!!ラフィーナの歯が音を立てた。
「…………っ、…失礼、します…!!」
肩を怒らせ、足早に居室を出て行くセミ・ラフィーナを見送り、星の神子は再びバルコニーに昇った。
夜空を彩る星々を見上げる。ふと声が聞こえた。『神子様、自分の信じた道を信じてください』
「カラハバルハ…」神子が俯き顔を覆う。「わたしは…、本当にこれでいいのですか…?」
月が優しく彼女を照らす。「怖いのです…たまらなく怖いのです……わたしを導いて…カラハバルハ…」
答えるものがいない夜に向かって彼女は呟き続けた。
〜天の塔内 守護戦士詰め所〜
「あ、セミ・ラフィーナ様。おか…どうかしました?」
神子は何もわかっていない。ご自分がどのような境遇に置かれているか。
「あ、あのぅ…お茶ですぅ…」
そして我々『ミスラ族』が何のためにウィンダス連邦、そしてカザムに拠点を置いているのかというのも。
「…あ〜、飲まないなら私貰っちゃいますね」
「…フー(Foo Beibo)」「!! す、すいません! で、でもさっさと飲まないセミ様も…」
「例の冒険者がここを出発次第、『ロイタス』を付けろ」「い、今手配ですか? 明日に…」「今すぐだ」
「…了解しました。レヴェルは?」………「…『キル』だ」「キ、『キル』ですか?」
「…何をしている」「はっ?」「私は命令を出した。…お前はそれを聞いた」「!! …はぃぃぃ!!」
ようやく静かになった詰め所の椅子に座る。(そう、これでいい…)
思い通りにならなければ、自分で動かせばいい話だ。
「神子様…」ラフィーナは一人ごちる。
「わたしはわたしのやり方で、この一帯を守ろうと思います…」
その口元がニヤリと歪んだ。
〜その二日後 東サルタバルタ ウィンダス連邦へ続く門前〜
「…で、一応持ってきたけど…?」「うん、サンキュー」
サニーの手にはタクティクス・パールがのっていた。
「…ようするに、私達とヴァナの人たちのあいだに立つ存在としてフェローが欲しいわけね…」
「ああ、今度のことで必要だとおもってさ」
今までの経験で、どうやら攻略本にも載っていない事柄がこの世界にはたくさんあるらしい。
そのことをよく知っていて、なおかつ俺たちに一番近い関係にあるフェローの存在は貴重だ。
「確かにフェローは、<仲間の>とか、<一緒に戦ってくれる>といった意味の形容詞だし、
親密度はヴァナの人よりありそうだけど…」何故かイジイジとパールを弄っている。
「うん、だから呼び出してみて」「……う〜ん…」う?「何?リキャスト待ち?」
「ううん、そうじゃなくて…」ふぅーっとため息をついた。「…笑わない?」
はい?「…いやいや!! 別にエルオスでも、ヒュームの男でも笑わないって!!」
「いやぁ、そうじゃなくてぇ…」「もしかして、タルタル男?」「でもなくてぇ…」
「…エルメスとか、同姓?」「……」「まさか、…ガルカ?」「…当たり」
『うごおああああああっ!!!!!』ずがあぁぁぁんっ!!!!
背後にて、半裸のガルカが素手で地球割りをしている気がした。
「だって、…男だったらなんか気恥ずかしいし…かといって女の子選ぶと引かれるかもしれないし…
タルタルはかわいいけど…それも誤解されそうだし……」「…消去法で?」こくんとサニーが頷く。
『うごおああああああっ!!!!!』ずがあぁぁぁあんっ!!!!
…それって余計に誤解されるんじゃないのかい、サニーさん?
「ま、まぁ、それはそれとして、とりあえず呼び出して!!」「……、引いてるでしょ」
だったら、何故貴方はガルカを選んだんですかぁっ!!!???
『うご(ry
はい、気配り気配り発動。
「…でも、まぁ、男を選ばないのも判るし、女の子選ばないのも慎重でいいな。」「………そう?」
「ガルカは男でも女でもないから、何の掛け合いもないから余計な心配しなくていいし…」「…うんうん!!」
「ベストチョイス!!」「うんっ!!」びしぃっ!!
…まぁそこまで考えていたのか甚だ、つうか疑問だけどな…。
「じゃあ!! 呼び出すねっ!!」女心と山の天気…だっけか、こういうの?
サニーはタクティクス・パールを耳に付けた。色々と弄くっている。
(しっかし、どうやって現れるんだろう…、やっぱ飛空挺とか、チョコボで来るのかな…)
「う? う〜ん?……これかな?……あ、あれ?」
(まさかあのパールから飛び出したりしないだろうな……、ニョーンとかって)
「これ?…えっと、枝、枝……あったっ……う、う〜ん?」
(それともガルカだから、豪快に空から…)「…って何してんだよ?」
サニーがパールを杖の先で小突いてる。「…バレ」「何だよ?」
「これの使い方わかる?」「いや俺それ持ってないし。そもそも持ってたとしたら、持って来てるし」
「…だよね」
チチチチ………
「え〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
「えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
追加イレギュレーション
来訪者はエンチャントアイテムを使えない。
「えぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
「えぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!」
投下終了。
ちなみに、このサニーは他人のフェローを見ると羨ましくなるという裏設定です。
他人の庭の花は赤いってやつですな。
本文に盛り込めなかったので説明。
しかし、連続投下するとサルって言われるのね…
気をつけよう…
投下おつです。
暗殺指令dtkr? 道中気をつけて…
645 :
既にその名前は使われています:2007/05/07(月) 16:57:20.82 ID:cxDWKYei
保守るよ!
646 :
既にその名前は使われています:2007/05/07(月) 19:00:31.15 ID:cxDWKYei
保守るよ!
647 :
既にその名前は使われています:2007/05/07(月) 23:06:04.47 ID:F0lXS9SZ
味丸に助けてもらえってリードさんが言ってた。
648 :
既にその名前は使われています:2007/05/08(火) 01:24:18.59 ID:hdq/cZoA
ageるぜ!
649 :
既にその名前は使われています:2007/05/08(火) 06:32:18.50 ID:KWPlH7Xp
おはようございます。
651 :
既にその名前は使われています :2007/05/08(火) 12:42:19.92 ID:ae2li9dW
お昼休みですよっ
652 :
既にその名前は使われています:2007/05/08(火) 16:53:37.82 ID:ZKKeOT6X
保守るよ!
653 :
既にその名前は使われています:2007/05/08(火) 19:23:17.27 ID:hdq/cZoA
味丸きた!
これでかつる!
654 :
既にその名前は使われています:2007/05/08(火) 22:49:49.44 ID:A2dOnBoW
本編が書けませなん;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
655 :
既にその名前は使われています:2007/05/09(水) 01:29:48.61 ID:FM9vuCxf
ほす
656 :
既にその名前は使われています:2007/05/09(水) 06:30:37.13 ID:E6PWZnf4
おはようございます!
657 :
既にその名前は使われています:2007/05/09(水) 08:09:02.42 ID:MDhAfPmE
ただの投下を待つスレになってるな…
658 :
既にその名前は使われています:2007/05/09(水) 12:28:00.47 ID:eIWB/Pxe
続きを知りたいから保守してるのに
なんだそれは!!!
age
itunomanikakiechattakakitesann
modottekite~
659 :
既にその名前は使われています:2007/05/09(水) 14:46:30.15 ID:MDhAfPmE
で?っていう
660 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/05/09(水) 17:03:26.12 ID:Hgg8aMEB
琥珀色の液体が満たされたカップを受け取る。
「そこで一番期待されていない奴が投下するなって話ですよ」
「いくらなんでも、その言い草はないと思います」
ごく薄いアメリカンで淹れられたコーヒーに口をつける彼は、同じ容姿の少年へ言う。
「世間様はエッグハントとか練武祭とかやってたらしいじゃないですか。風の便りに聞きました」
「今年は参加できなかったんですね・・・」
そういえば練武祭ってもう終わったんでしょうか?
前回の投下は
>>473-479です。
それでは続きを少し。
661 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/05/09(水) 17:07:23.94 ID:Hgg8aMEB
考えてみれば、なぜ私で、なぜキーゼルなんだろう。
スレの『来訪者』は、みんな何か特別だった。けれど私も彼も、取り立てて特別じゃない。
彼は私を赤魔道士だと言ったけど、それだって、実際に何かしたわけじゃない。世の中にはコスプレだってあるし。
私は何もできない。私には何もない。
なのにどうして私なんだろう。
「 ですよ」
私の頭を撫でて笑う。
なに・・・なんだって?
「きみは 無 して、 っていた」
聞こえない。
教えてください。
は、こ すか。
私の 所 に?
眩しい。
「・・・ん・・・」
毛布に顔を埋めると、とんとんと肩を叩かれる。
「キーゼルさん、起きてください。朝ですよ」
「んぅ〜・・・」
「起きないと、朝ごはんなしですよ」
むぅ・・・古典的な脅しだなぁ。だが私は屈しない。
ベッドの隅を軽く叩いたりするけれど私に起きる気はなく、彼はそっと溜息をつくと、ベッドに腰掛ける。
「少しだけですからね」
「はーい」
少ししてから、約束通り起きた。
私を起こそうとしたのは間違いなくカイで、彼は寝癖のついた私の髪を丁寧に櫛で梳いてくれた。
「ごはん、冷めちゃいますよ」
「二度寝はとても幸せなのですよ」
「・・・シオンみたいなことを言う〜・・・」
二度寝の幸福を理解しない人は、ブガードに蹴られてしまえばいいと思います。
「おはよう。すげー顔だな」
居住区の通路をすれ違いざまに、ケインが私の頭にタオルを乗せる。ほんのりお日様の匂いがした。
既に身支度を終えている彼は、白いシャツの上に羽織った礼服の前をだらしなく開けている。
浅黒い肌の襟元に、白いチェーンで留められたシグネットのプレートともうひとつ、銀の指輪を下げているのが見える。
「え、そんな顔してる?」
礼儀として、わざとらしく顔に手を当ててみせると、ケインは苦笑する。
「寝起きです。って極太の江戸文字勘亭流で書いてあるぜ」
「・・・あぅ」
どんな状態だそれ。
「顔洗ってきな、色男が台無しだ」
「言われなくても、これから洗ってくるところです」
「はいはい」
笑いながら私の頭を撫で、キーゼルの部屋でな、と手を挙げて立ち去る。
「・・・ん?」
色男って・・・男って・・・orz
朝食はカイの手作りだった。白パンにミートボール、サラダとスープ。非常に健康的だ。
そもそも、朝食なんてここ数年きっちりとった覚えがない・・・いや、そう言ったら3食全部に言えるけど。
食事の片付けをした後に、カイから、後でキーゼルの部屋に集まるように言われていることを知った。
「ケイン兄様が戻られるまで、自由行動だそうです。多分、お昼過ぎくらいになると思いますけど・・・」
「へぇ・・・」
修学旅行みたいだ。ってか、修学旅行なんて遠い昔の話だなぁ。
まあそれはともかく、特にやることもない村人Aは、商業区を散歩することにした。
したのはいいんだけど。
「・・・あのさ」
「なに?」
「何でついてくるの?」
彫金ギルド前、ふらりふらりと揺れるしっぽがぴたりととまる。それからぴん、と逆立ち、
「お前が無防備な顔であちこちふらついているからだろうが!!」
怒鳴った。
しっぽじゃなくて、その持ち主のシオンが。
どういうわけだか、私が外をふらつこうと出た時からシオンが私のそばを離れない。
真紅のワーロックアーマーに身を包み、腰の剣から手を離さずに、私の一歩後ろについて来ていた。
ミスラのしっぽって、目の前になくても視界に入るだけで気になるものなんだなぁ。
「だいたい!!お前はどうしてそうやって能天気でいられるんだ!?少しは自分の立場を知れ!!」
ああ、村人Aに無理をおっしゃる・・・・・・というか。
「じゃあ、教えてよ」
「・・・え?」
「自分の身の守り方」
私の言葉に、顔を真っ赤にさせたまま黙る。
「・・・そ、」
「そんなに言うなら、もちろん教えてくれるんだよね?守られてばっかりじゃ迷惑をかけるだけだしさ」
決して責めるわけでなく私が言うと、シオンはふにぅ、と小さな声をこぼす。とっても答えにくそうだ。
私としては、かなりの割合で本音だった。よく分からないけど、私は誰か、あるいはみんなが守ってくれる。
だけど誰かに頼ったままじゃダメだ。まともにやりあえなくても、せめて、多少の時間を稼ぐくらいはできないと。
と、まあ悪意はなかったのだけどシオンにとっては厄介この上ない反応だったらしい。
「・・・・・・そ、」
「お、シオンじゃねーか!」
不意に明るい声が彼女を呼ぶ。これ幸いとシオンはそちらに振り返った。
広場から下に降りる階段の途中、ひまわりみたいな金髪の男性が、馬鹿みたいな笑顔でこっちに手を振っている。
「帰ってきてたのか?今度はどこ行ってたんだよ」
「アトルガン皇国までね。ナジは相変わらず門番なんだな」
「てめ・・・俺だって国を代表する立場にあるんだぞ!?」
「はいはい門番門番」
「聞いてねぇだろ!!」
いや・・・この距離でよく話せるなぁ。
と。彼はついと私を指す。バロンシャポーをそれなりに深く被っているから、顔は見えていないのかも知れない。
「そっちのちっこいのは?」
「ああ、・・・知人だ。バストゥークに来て間もないから、私が案内していた」
む、案内されるほど知らないわけじゃないです。
バストゥークについての知識は、ある程度はあるつもり。と言っても、いまだに誰がどこにいるとかは分からないけど。
あ、でも工房長のところには行けるよッ。あとOPテレポの人のところも。うん、威張れない。
「アヤメは?」
「大統領府で話し込んでる。知らねーけど、サンドリアのお偉いさんが来てるらしいぜ」
「サンドリアの?」
「ウィンダスもらしい。俺も詳しく知らないんだよ」
「蚊帳の外・・・か」
「何か言ったか?」
「いや、何も」
門番・・・切ない響きだ。
そう言えば、ケインが用を済ませるまで自由行動だと言っていたっけ。もしかして、関係あるのかな。
「お偉いさんか。・・・あいつらに騒ぎが知れたかな」
ふとシオンが言う。
「へ?」
「門番に説明するようなことはないよ」
何だとぉ!?と声をあげる相手に、シオンはわずかに眉を寄せた。
「キーゼル。情報を集めたいならナジはあてにしないほうがいい。どうせ門番だ」
「門番門番って失礼だよ」
「門番に?」
「うん」
あれ、何か間違ってる?・・・まあいっか。
「おいシオン、聞いてんのか!?」
「はいはい、門番はまた今度ね」
「聞いてねぇー!!」
ひらひらと手を振るシオンにナジが叫んだ。でもシオンは気にせずにさっさと先に足を進める。
ナジ。・・・あれ、ナジって。
「あれでも一応、自称ミスリル銃士隊の一員だ。下っ端の下っ端の下っ端の雑魚だけど」
「・・・ごめん、それはさすがに言い過ぎだと思う」
「いいんだ、調子に乗ると馬鹿をやる」
分かってるなぁ・・・
「仲がいいんだね」
「大統領府前に行けばいつでも会える。いつでも暇にしていて、冒険者の話に飢えているんだ。サンドウィッチを手土産に行けば大抵喜ぶ」
「・・・犬?」
668 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/05/09(水) 17:38:05.93 ID:Hgg8aMEB
今回は以上です。
そう言えばナジって、一応ミスリル銃士隊史上最年少のメンバーなんですよね。
普段の扱いがあまりにもひどいと思いつつも、やっぱり調子に乗るからなのかなぁ・・・とも思ったり。
ナジが何かやらかすたびにアヤメにどつかれている印象があるんですが、そんなシーンがあったか思い出せず・・・
669 :
既にその名前は使われています:2007/05/09(水) 19:00:10.11 ID:MDhAfPmE
キーゼルさんkt!!
いやっほおぅぅ!!
670 :
既にその名前は使われています:2007/05/09(水) 21:23:40.26 ID:Oo93a7t1
HOHOHO保守るよー
671 :
既にその名前は使われています:2007/05/09(水) 23:37:26.69 ID:Oo93a7t1
保守るよ
672 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/05/10(木) 02:04:52.93 ID:/PhQzHk7
>>669 え!?Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)
いやあの、私でいいんでしょうか・・・
絶対リードさんとかルーファスさんとかフルキフェルさんとかバレさんとか緑茶さんとかヒロさんとかナココさんとかえーと・・・あ、あと保守人さん!
とにかく他の方の投下を待ったほうが。
村人Aに期待しちゃダメだ!!
とか言いながら、保守がてらちょっと投下するんですけどね(´・ω・`)
書類をとんとんと叩き、お偉方の目を向けさせる。
「サンドリアだけでなく、各国に所属する冒険者、いえ、来訪者が襲撃されているのはご存知でしょう。最悪には喪っていることも。
今まで我々は、それは単一の集団によることを前提としてきましたが、今回の件で間違いであることが分かりました」
「『秩序を守る者』と『秩序を乱そうとする者』か」
「はい。彼らは来訪者を襲撃しようとするのは同じですが、目的はまったく違う。
前者は来訪者の抹殺であり、後者は来訪者が持つ力を狙っていると思われます」
「やれやれ、厄介なことが分かったものだな」
溜息をつき、冷めきった茶を口に含む。
サンドリアから持ってきたバタリア茶だが、それが水でも酒でも、喉を湿らせれば何でもいいのだろう。
いや、彼の報告が酩酊に溺れた迷妄であればどれほどよかったか。
「リュケイン・ヴォーシェル。これ以前に遭遇したことは?」
「前者にならば。彼らは来訪者という存在そのものの抹殺を望んでいるようでした」
「訳も分からず連れてこられた挙げ句に、勝手な都合で殺される。当の来訪者にしてみればとんだ災難だな」
皮肉をたっぷりとまぶした言葉に苦笑し、俺を見る。
俺は真紅の礼服へ隠した短剣に触れながら、どこをともなく見た。
そう、確かに災難だ。ある日突然、自分でない誰かになってしまう。なのにそれは自分なのだ。
種族や性別すら超越するその現象。誰が、何のために?
「フィグ、あなたは何か見つけましたか?」
それまで黙っていたミガイフォングが、白銀の髪のミスラに問う。彼女はちょんと顎をつまみ、書類を睨む。
緑のガンビスンの襟に付けた小さなブローチが、俯いた拍子にきらりと色を変えた。
674 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 02:08:37.66 ID:Eho4K7cH
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
675 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/05/10(木) 02:14:12.58 ID:/PhQzHk7
「分かりません。あの方をあなたに預けてからタブナジアを中心に調べたのだけど・・・私たちでは立ち入れないところが多くて」
「いまだ閉鎖的な場所ですからね、あそこは」
タブナジア?確か滅んだ国ではなかったか?・・・いや、俺も知っている。でも、何故・・・
「記憶が曖昧になっているのか?」
俺だけに聞こえるようにヴォーシェルが言う。彼の表情は決して穏やかではない。
記憶が曖昧に?何故?俺の記憶は、いや、・・・・・・?
「お前は、タブナジアで目撃されている。覚えは?」
「それは・・・」
タブナジアはプロミヴォンを越えた先で、そう、プロマシアの最初のミッション、どこをクリアしたか忘れて壊れたテレポイントを何度も往復したっけ、それであの時私はパーティに白で参加して最後の場所あれはホラだった姉と一緒にあの広い場所に渡ったその先は
「・・・・・・!!」
誰の記憶だ。『これ』は『俺』の記憶じゃない。
「・・・う、」
「落ち着け」
低く落ちた声が、半ば強制の意味を持って言う。
これは何だ?俺は彼女を隔離していたはずだ。彼女が彼女であるために、彼女が混同しないように。
不意に俺の頭に触れられ、俺はびくりと身を強ばらせた。
「これが終わったら、少し休め。お前たちは干渉しあったままだ」
「干渉・・・?」
そんなはずはない。隔離していたはずなのに。
いや、・・・本当に?
「フィグ、一旦調査を中断し、あるべきパートナーのそばに戻れ。そろそろ彼女も動かしたい」
ハスキーな声が俺の意識を戻す。小さなタルタルが身振りで何かを示した後だった。
そっけない言葉にミスラは頷いて、冷めた茶に口を付けた。こちらは冷めていても気にならないようだ。
「では、あの方はどうしますか?いつまでも一緒に、とはいかないでしょう」
「我々が保護しよう。元はサンドリアとは言え、今はウィンダスの民だ。守る義務がある」
「ウィンダス直結の手がなくなりますが?」
「あいつらは所属国になんて大して義理立ててくれないさ。それが冒険者の冒険者たる所以だ」
確かに、所属国を冒険者が意識しているとはとても言いがたい。もののついでにミッションをこなす、そんな冒険者すらいるのだ。
それに彼の場合は、『冒険者』であることすら理解していないだろう。
何も分からず、自分のことすら分からず、ただ怯えてついていくしかないのだから。
「では、そのように。我々はサンドリアに戻り伝えましょう」
「ああ。こっちもヒスババァどもに伝える。言わないとうるさいからな」
誰のことを言っているのだろう。まさか・・・いや、分かってはいけない気がする。
「・・・ま、どうにでもなるさ。これ以上悪くさせるつもりはないが」
ヴォーシェルが呟いた。
677 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/05/10(木) 02:19:45.86 ID:/PhQzHk7
てなわけで以上です。
ずっとミッションやってないなーとかそんなことを思いつつ。
678 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 07:17:59.69 ID:RbJkT9H4
連日の投下おつです〜。
分離はウマーなことばかりじゃないですね。
679 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 12:04:45.04 ID:ipZcRwx2
村人Aがバスにいると、あっというまに侵食されると妄想age
680 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 15:47:14.47 ID:o4xLCD0H
投下乙です。
読む前保守
681 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 17:49:56.04 ID:ummQIqLL
ぎぜさんの話は大戦から十年後の話じゃなかったっけ?
俺の記憶曖昧
682 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 19:47:02.37 ID:ipZcRwx2
大戦から十年後の話はバレ氏だな
683 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 22:07:05.07 ID:ummQIqLL
そうだったか。俺の記憶間違い乙
684 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 22:09:43.83 ID:o4xLCD0H
来訪者のバストゥーク立ち寄り率は異常。
は、ともかく。
ノーグやカザム、タブナジア地下壕が舞台になった話って何かあったっけ?
686 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 22:24:36.52 ID:ipZcRwx2
ノーグやカザムがメインの物語はなかったはず。
初期には、タブナジア地下壕を舞台にリアル妻子持ちエルモンクで書いてた人がいた。
あっさり消えた。
687 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 23:24:58.88 ID:4LW1WfVT
バストゥークよいとこ一度はおいでage
688 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 23:36:58.79 ID:AOPi1Fen
689 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 23:41:45.71 ID:Eho4K7cH
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
690 :
既にその名前は使われています:2007/05/10(木) 23:45:05.78 ID:ipZcRwx2
それほどでもない
691 :
既にその名前は使われています:2007/05/11(金) 03:30:29.42 ID:nHfLxe7O
バストゥークが所属国なのに、しっかりOPテレポの存在を忘れてた私が保守ですよ。
・・・orz
692 :
既にその名前は使われています:2007/05/11(金) 10:44:03.48 ID:qTv0O1mL
>>686 タブナジアはいたのか。
wikiから辿って読んでみるサンクス。
693 :
既にその名前は使われています:2007/05/11(金) 14:20:21.90 ID:UFXvPYUN
それよりおまいが書いちゃえよ
694 :
既にその名前は使われています:2007/05/11(金) 18:14:19.84 ID:yngZ50r5
保守るよ!
695 :
既にその名前は使われています:2007/05/11(金) 21:57:00.66 ID:yngZ50r5
もういっちょ保守るよ!
696 :
既にその名前は使われています :2007/05/12(土) 00:34:57.33 ID:txKji7Z0
保守できるときにして置こう・・
書けばイインダヨ!! グリーンダヨ!!
698 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/12(土) 09:12:31.88 ID:S9sfqbhg
「バーマンより各リーダー、こちらは配置についた。そちらの状況を教えてくれ。オーバー」
急すぎる斜面を四つんばいになって登っていると、不意にパールに囁かれた。ルーファスの声だ。
「こちらコーニッシュレックス。すでに配置についています。周囲に不審物などはありません」
続いてそれにアオツキが答える。緊張と興奮で、少し声が上ずっている。おれは今日もう幾度目か分からない溜息を漏らした。
「こちらアメリカンショートヘア。ただ今素晴らしい景色を目の前に見ながら可愛いミスラたんと楽しく山登りをしています。トラブルは特にナシ、予定時刻には間に合いそうです。オーバー」
すぐ目の前を登っていたマルトがハッと振り返ると、手を回して尻をかばった。
一瞬意味が分からなかったが、視線だけで飛ぶ鳥も落とせそうな顔を見て合点がいった。
「ああ、いや。素晴らしい景色ってそういう意味じゃないんだ。大体ズボン履いてるだろお前」
ずり落ちてきた重たい荷物を背に押しやりながら、冤罪回避のため弁解をする。狙撃に使う方の銃と弾丸はマルトが、そうでない方の銃と弾丸はおれが運んでいて、それがおれの肩と気分をいっそう重くしていた。
「少しは重みのある事を言ったらどうなんです」
マルトは、「いい加減顔を見るのもうんざりだ」という態度を全身で表現しつつ、再び向き直って斜面を登り始めた。
おれ達はバストゥーク新港区で落ち合うと、そこで作戦どおりに二手に分かれた。
作戦の概要はこうだ。天晶堂の倉庫で騒ぎを起こす。火薬などの危険物と、美術工芸品などの貴重品が溜め込んである場所だ。少なくとも倉庫の警備は倉庫に手一杯になる。
うまくすれば、赤鎧についている人員もそちらに割かれるかもしれない。
ルーファス達はそこで、時間停止が使われると踏んでいる。混乱状態になって組織的に防衛が出来ないなら、GMの力を行使する必要がある。しかし天晶堂の客人という立場は足枷でしかない。
人数的優位性が機能しないのであれば、向こうはいっそ時間停止を使ってしまった方がいいのだ。これはおれもその通りだと思う。
しかし天晶堂の倉庫まで行って騒ぎを起こすのは難しい。そこでマルトの出番だ。警備の網に掛かる範囲の外で、狙撃可能な距離ギリギリまで近づき、例の「杭」みたいな銃弾をぶち込む。
699 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/12(土) 09:13:12.34 ID:S9sfqbhg
ルーファスとマティエールは船からそれを見届け、騒ぎが起こったのを確認して合流、目指す倉庫に襲撃をかける。この辺りがどうしてもしっくり来ない。が、それを言っても納得できる説明は得られまい。
ルーファスとマティエールはバーマンことBチーム。ボートで海から天晶堂の敷地を監視している。
残りは全て、狙撃とその護衛のはずだったのだが、おれは更にチームを分けた。狙撃ポイントはバストゥーク軍施設のすぐ近くだ。あまり人数を揃えても、目を引くだけだろう。
狙撃に当たるアメリカンショートヘアことAチームは、マルトとおれの二人で、残る全員はコーニッシュレックスことCチームとして合流地点の確保に回ってもらった。
この長ったらしいコールサインは、アオツキの提案だった。由来は知らない。
結局アオツキは飛空艇に乗らなかった。
ぎりぎりになって、「損得だけで考える事は出来ない」とか何とか青臭い事を言いだしたのだが、それを一笑に付したのはおれ一人だった。
誇り高く、クソの役にも立たないサンドリア魂とやらに響くものがあったのだろう、場の空気に取り残されたおれがおろおろしている内に、アオツキはちゃっかり仲間の一人に加わってしまった。
おれはいい加減めんどくさくなったので、反論の類は一切差し挟まず、「足引っ張ったらひん剥いて簀巻きにして捨ててくからな」と心からの歓迎の意を表するだけに留めた。
アオツキはさすがに後ろめたかったのか、真顔で曖昧に頷いただけだった。
このサプライズ人事は、ルーファスに苦笑いされた以外にこれといって影響はなかった。
実際サプライズでもなんでもなくて、おれも彼もどこかで予想していた事なのだろう。
そしておれは、眼前を行くマルトに目を戻した。手を伸ばせば届きそうな距離に、尻尾と尻が揺れている。これはこれでいい眺めだったが、あまり色気のある状況ではないし、不思議と気は重くなる一方だった。
「ヒロ様? エルリッド様が無事お戻りになられたら、どうなさるおつもりなのですか?」
これだ。この打って変わったような陽気さ。努めて出したような明るい声色。マルトの不自然な饒舌さが、どうにも重くのしかかっていた。
700 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/12(土) 09:13:47.76 ID:S9sfqbhg
「最近ご無沙汰のメリポでも稼ぎに行くさ」
「めりぽ……ですか?」
尻尾がコクリと頭を垂れて、クエスチョンマークみたいな形になった。
実際不安なのだろう。サンドリアを遠く離れた勝手の分からぬ土地で、訓練でしか経験していない事をいきなりやらされるのだ。
とはいえおれだってそれを和らげてやれるほど余裕がある訳じゃない。さっきからそれとなく「無駄話はしたくない」という意思表示をしているつもりなのだが、気づかないのか無視されているのか。
これが狙撃に影響を与えなければいいが。ラディールが同行してくれればマルトのメンタルケアを頼めたのかもしれないが、あいつはCチームから外すわけにはいかない。
本調子とは言い難いフルキフェルを、まだ実際どう動くか分からないアオツキと二人にするのはどうにもゾッとしない。
いくぶんカリカリきてるとはいえ、何をするべきかはっきり分かっていてそれなりに冷静なラディールが必要だ。
メリポについての補足がないので、マルトが肩越しに口を尖らせてみせる。それに合わせてヒゲが前を向いた。
おれはそれを黙殺して、前方に注意を向けた。
「歩哨がいるな。迂回するぞ、身を低くして灌木を回り込め」
左手を回して迂回のジェスチャーをする。岩山には意外と樹木が豊富だ。警備をする上では邪魔にしかならないはずだが、岩だらけのバストゥークでは貴重な財産なのかもしれない。
ついでに言うなら、大砲担いでバストゥーク軍基地の鼻先を掠めるおれ達にとっても。
「えっ? どこですか?」
マルトが顔を前に戻して囁く。
どうして気づかないのか不思議だったが、これもやはり本調子でないという事なのかもしれないと納得する事にした。
おれはマルトの背中をつついて注意を引くと、歩哨のいる方向を真っ直ぐ指差した。
マルトは結局、よく分からなかったらしい。実際問題として、どうしておれが気がついたのか、自分でもよく分からない。
701 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/12(土) 09:14:24.55 ID:S9sfqbhg
急な斜面を横這いに伝って、灌木の下を通る。足場が心許ない。落ち葉の類がないのが救いだが、それでも何かの拍子に枝を揺らしたり石を蹴落としたりすれば誰かに咎められる可能性はある。
回りこむ内に、潅木の向こうに歩哨の姿が垣間見えた。銃と小剣で武装した若いヒュームの男だ。こちらを見てはいないようだが、すぐ照明が動いてしまい、他の表情などは読み取れなかった。
マルトとは順序を入れ替え、今度はおれが先行していた。滑落などの事故をフォロー出来ないのが厳しいが、仮におれが下にいたところで大した事は出来ないので実質上の問題はさしてない。
左へ左へと横這いに進みながら、ふとマルトの横顔を確かめてみた。こわばった顔で、歩哨を見ている。
手元を見ろと注意すべきか思案していると、例の馬鹿でかい銃を収めた袋が灌木の枝に引っ掛かるのが見えた。
慌てたマルトが大きくバランスを崩す。
おれは下らない思案で事故を防ぐ機会を逃した事を呪いながら、半ば飛びつくようにしてマルトの身体を崖に押さえつけた。
荷物が一つ、バウンドしながら落ちていった。銃や弾丸の類ではないようだ。下の灌木に引っ掛かって止まったところを見ると、マルトが水筒を入れているフェルトの袋だった。
彼女の身体は緊張でガチガチに縮こまって震えていた。これでは狙撃は無理だな、おれはいくつかの意味を込めて舌打ちをした。いや、チンピラオスラに触られる嫌悪感でこうなっているのかもしれないが。
「おい貴様、そこで何をしている!」
頭上から響いた鋭い誰何に、彼女の体が跳ねた。いや、それはおれの方だったかもしれない。
マルトの手がおれの背に伸びる。意図するところを悟って、おれはそれを制した。
おれの背には、彼女の銃がある。
「放して下さいヒロ様、助けを呼ばれては面倒です」
厳しい口調でマルトが言う。その割りに、顔は泣きそうだった。
「敵を増やすな。こちらに来たら逃げるぞ」
「それでは、作戦が……!」
「頭でっかちめ」
確かに狙撃チームが見つかって逃走したら、作戦は台無しだ。でもだからといって、ご丁寧にフォロー不可能な状況にしてから逃げる事はない。多分ルーファスも、そんな事は望まない。
702 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/12(土) 09:15:27.95 ID:S9sfqbhg
「聞こえないのか。そこで何をしている!」
再び声がした。
おれは「静かにしろ」と耳打ちして、マルトの身体を押さえつけるようにして息を潜めた。
マルトは呼吸まで殺して、ぎゅっと縮こまっている。
斜面は急だが、多少の怪我を覚悟すれば素早く下りられない訳ではない。
今すぐ下りればおれ達の正確な居場所を教える事になるが、じっとしていれば逃げ損なうかもしれない。
マルトにはああ言ったが、おれも相当頭でっかちだ。警察や軍隊を敵に回すのは論外なのは分かっていても、目的よりも手段に固執してしまい、冷静に次の行動を決められずにいる。
風来坊で脛に傷があるおれはいいとしても、マルトはただの使用人で嫁入り前の娘だ。こんな場所で面倒に巻き込むわけには行かない。どうすればいい?
と、不意にもう一つの声が答えた。
「ふぁ…… も、申し訳ありません!」
「わたしは何をしているか聞いているのだ、答えろ。シュミット上等兵」
すぐに、先ほどの誰何が重ねられる。
「ね、眠っておりました! サー!」
少しずっこけた。
再び照明が歩哨の姿を照らし出す。先ほどの若い兵士と、年配の上官らしい兵士が向き合って話しているのが見えた。
居眠りしていた兵士を、上官が叱り付けている。
「人騒がせってレベルじゃねーぞ」
おれが毒づくと、マルトが小さく吹き出した。騒いでいる隙に灌木の茂みを通り抜け、狙撃ポイントへと移動する。
水筒は無くしたが、マルトの緊張は以前よりずっとほぐれていた。シュミット上等兵、ナイスガイ。
703 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/12(土) 09:15:51.23 ID:S9sfqbhg
保守がてら投下でした(`・ω・´)ノ
704 :
既にその名前は使われています:2007/05/12(土) 12:22:13.55 ID:DMbIPrNC
シュミットGJ
705 :
既にその名前は使われています:2007/05/12(土) 15:16:57.85 ID:XIdurVIs
保守リますなんだぜ?
706 :
既にその名前は使われています:2007/05/12(土) 17:32:36.67 ID:OkjKGMSe
保守るよ!
707 :
既にその名前は使われています:2007/05/12(土) 19:21:07.15 ID:OkjKGMSe
「てーへんだー!」
俺がゆったりまったり保守本を読んでいるとプリンがイノシシのごとく部屋に飛び込んできた。
「なんだ? 新しいプリンのレシピでも見つけたか?」
「いや! それのほうが重要だけどこれを見て!」
手に持っていた紙を机に叩きつける。どれどれ、プリンのレシピよりか重要じゃない情報ってのは……。
「アルタナの……新兵?」
俺の目が狂ってなければ間違いなくスクエニパーティって書いてあるわけだが。
「追加ディスクだよ! まだ情報少ないけど!」
「これ、どこで?」
「あっち!」
ドアのほうを指差す。どこだよ。
しかしリアル世界だと今はスクエニパーティの途中なのか? ヴァナとリアルがリンクしてるってことか?
俺は本を閉じて記事を読む。日付は……2007年5月12日。小泉さんの後任は誰になったのだろうか。
「てか、なんでリアルの情報がここに?」
「来訪者はリアルから来るんだよ? 来るのが人間だけじゃなくて情報が来たっておかしくないでしょ?」
言われて見ればそうかもしれなけどさ。物も流れてくるって話だしな。
「それにこれ持ってきたの田中さん自身だし」
「まじで?」
「えらくまじです」
さすが田中P.俺たちにできないことを平気でやってのける。
708 :
既にその名前は使われています:2007/05/12(土) 21:40:46.21 ID:OkjKGMSe
「ところでプリン」
「なに?」
「アルタナも新兵を採用するんだな」
「え? ……あっ」
保守るよ!
709 :
既にその名前は使われています:2007/05/12(土) 21:45:22.58 ID:bYjDL2RH
保守っと
710 :
既にその名前は使われています:2007/05/12(土) 23:58:19.01 ID:OkjKGMSe
保守るよ!
目の疲れを感じながら、PCの電源を切った。
「PCのサービスが始まってからやってるからもう5年かぁ。
あと三ヶ月、どうすっかな。」
2007年7月、スクウェアエニックスは、FINAL FANTASY XIのサービスを
11月で終えることを正式に発表した。
「明日のバージョンアップでなにかデカイもんがくるかな」
期待しても無駄なことを分かっていながら
最後のバージョンアップというので、色んな意味で期待をしてしまう。
「まぁいいや、寝よ」
聞き慣れた、いや、聞き飽きた音楽が聞こえる。
「ん…?あれ…?落ちて、電源切ったよな…」
寝ぼけながらに、状況を把握しながら目を覚まそうするが
妙に身体がダルイ。
しかしだんだん霧がかかった視界が晴れきた。
12個の植木鉢しかない殺風景な部屋、そして
白い赤っ鼻のアノ生き物が目に映った。
「はへ?!」
驚いた、驚いた自分の声にも驚いた。
「ご主人様、おはようクポ」
アニメチックなハスキーボイス、驚きながらにも拳を握ってしまう。
「こ、これって…」戸惑い、困惑、状況を整理しようにも何から考えたらいいのかも分からない。
と、自分の身体を見てさらに驚いた。
「胸?!おっぱい?!乳房?!胸筋筋膜上の脂肪?!」
ガクガクブルブルした。そして恐る恐る頭に手を伸ばした
「耳?!猫ミミ?!可聴周波数60Hz〜65kHz?!」
尻にも怖々と手をやる
「しっぽ?!」
ミスラだ。
そこでやっと気がついた。
俺は自キャラになっているということ
FF11、ヴィナディールの世界に入ったということに。
「ご主人様、突然ごめんクポ、今日でお国に帰らせていただくクポ」
「は?」
驚き疲れてるときに、何を言ってるんだ?と言う前にその赤っ鼻で白いアレは
倉庫に入れてた武防具、出品してたアイテムがふわっと空中から出し
無造作に目の前に置いた。
「じゃあねクポ〜」
「ちょ……、ちょっと待てコラ!」
赤い鼻から赤い液体を出させようとしたのを察知したのか
白いアレは俺の声も聞かず、姿を消した。
怒りでそれまでの驚き疲れは飛び、逆に少し落ち着いて考えられるようになった。
まずどうするか。
「あ、LS」
まず誰かと話したかった。この状況を信じてくれるかは別として、この状況を誰かに話したかった。
「シェル、シェル、リンクシェル何処だ〜」
と探そうとしたら、目の前にふわっと出てきた。
「誰か居てくれ〜〜」
俺は願い祈りながらLSを手に取った。
とLSを手に取り疑問が横切った。
「これどうやって装着するんだ?」
ミミにあてても何も聞こえない。 ウィンドウ開けー、と念じても何も出てこない。
「おーい!どうすんだーこれー!」イライラして叫んだ
「ん?やっともう一人来たか」
「おお?!なんだ?!」
突然聞こえてきた、男性の声。嬉しさと同時に恥かしさが込み上げる。
「あー、LS持ってるだけで使えるぞ」
「あ…、ああ、ありがとうございます」 何故か畏まってしまう。
「んー、ダイモンジか?」
「え?!そ、そうですが…、ってどちら様ですか?」
「コガネムシ」
「え?!コガネムシさん?!…お、男だったんだ…」 「別に女だなんて言った覚えないが?」
「そ、そーっすよねぇ。エルメスで冗談とかも言わないから、勝手に思ってた…」
「他に誰も居ないから言うけど、○○やら○○○がマジうざくてな。ま、そのかわり色々くれたからいいけど」
「は、はぁ…」 「その点お前は普通でホント楽だった」
「あ、ありがとうございます…、ってそんなことどうでもいいわけじゃないですけど、ちょっと聞いてくださいよ、じつは…」
「キャラになってたんだろ?」
「そうなんですよ…、って何故に分かった?!」 「俺もなってたから」
ダラダラ書いてるから、話が先に進まない…。
また明日。
戸口に立つミスラとタルタルの姿を認め、息を呑む。
「あなたたちは・・・」
「迎えにあがりました」
赤茶の髪を高く結い上げたミスラが言う。街着のようなラフな格好だが、まとう気配は穏やかではない。
彼は戸惑い、その後ろにいる銀髪のミスラを見た。
「・・・フィグ、どうして・・・」
「お国の意向です。あなたを失うわけにはいきません」
「ぼくが・・・どうして?」
「記憶を失っていても、あなたが来訪者であることには変わりがありません」
宣告にも似た苦しげな言葉は、しんとした部屋を打つ。
どうして?・・・きみは、そんなに苦しそうな顔をしているのに。
「どうか、許してください」
そう言うと同時に、彼女の足下にいたタルタルが小さく詠唱を始める。あれは《スリプル》の音律。
「や・・・」
「ちょっと待ったァー!!」
突然の声とともに紫雷が走る。それは部屋を満たし、身じろぎすらできない青年以外を撃った。
何事かと見ると、漆黒のエラントウプランドに紫黒のシャポーの男が、ダークスタッフを手に現れる。
「俺の愛人に何しやがる!!」
怒声。・・・・・・はい?
「え、あ、愛人・・・?」
呆気に取られる彼の前で男は手にしたダークスタッフを持ち直すと、一瞬の間をおいてそれは鞘に収められたひと振りの剣になった。
「俺が相手になる。勝てるつもりか?」
自信たっぷりに宣言する男に、タルタルとミスラはさっと表情を変える。
緊張と恐怖。彼女たちにとって、この得体の知れない存在は、必ずしも歓迎されるべき存在ではないのだ。
協力関係にはあるが、仲間であるとは限らない。そしてその関係すらも、危ういもの。
「・・・これは国の意向。協定に反するつもりですか」
「俺たちに協定が関係するか。だいたい、俺たちは来訪者のサポート役だぞ。たかがNPCが、俺たちに意見するなよ」
とん、と床を鞘ごと剣で打つ。その音に彼はわずかに表情を引き締めた。
自信に満ちた笑みは変わらないのに、細めたその瞳は笑っていない。好意と隙のない、いっそ獣とすら例えられるものだった。
鞘から剣を抜かないのは余裕だろうか。収めたままでも相手ができると。
床に突いた剣は、いつでもその役を果たさんとしているようだった。
「エティエンヌ・リュシアンを守るため、サンドリアの騎士ポワティエが相手する。ティアロ・ポワティエに対するは誰か。
導なき彷徨い人に導を与えんとする者に刃を向けんとする慮外者は誰か」
「・・・来訪者だからって調子に乗らないでください」
謳うような宣言に歯軋りをし、茶髪のミスラが唸る。
どういうこと?何を話してるの?来訪者?・・・ぼくも?あの人も?
ただひとり、彼だけが理解できていない。
そもそも来訪者とは?いや、いつかどこかで聞いた。誰の話だろう。誰だっけ?
スレなんて、ぼくは見ていないのに。
思案は、静かに破られた。
漆黒の男は剣の柄に両手を重ね、けれど軽快な表情と剣呑な眼光は消さずに言う。
「調子に乗っているのはどっちだ?来訪者を守るのは誰だ?お前たちに守れるのか?」
「守れないから、こうして俺たちが守っているんじゃないか」
どこから現れたのか大剣を背負った男が、敵意を挫かれたミスラの肩を軽く押して笑った。
男もまた、まだ幼さが残る顔に似合わぬ、どこか禍々しさを感じさせる漆黒の鎧をまとっている。
そして浮かべる表情も、自信に満ちた笑み。
「来訪者の特異性は、裏を返せばそれが狙われる意味でもある。別に無害ならそのまま放置されるからな。
だが来訪者は存在するだけで影響を多大に与える。倉庫だろうが何だろうが、潜在的に誰もが持っているんだ。
それを使いこなすかどうかはそいつ次第だけどな」
明日の天気を語る口調で言い、耳に留めたピアスを軽くはじく。
その仕草だけを見れば、彼はどこにでもいる青年にしか見えないだろうに。
ただ見守るしかなかった白銀の髪のミスラは、知られずに手にしていた、いや、恐らくは察せられている短剣を鞘に収める。
「フィグ・・・」
パートナーであり主である男に名を呼ばれ、彼女は首を振った。
「私は、あなたに仕える身。どうかご自由に・・・」
719 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/05/13(日) 04:48:46.71 ID:KkbGoCc9
今回は以上です。前回は
>>673,
>>675-676です。
相変わらず野郎率が高くてどうしようもありまs(PAMPAM!
色気のないミスラと野郎どもばっかりです。何でこんなことになったんでしょう。
もうほんとに、「実は全員男装している女でした」くらいやりたいです。
ところで中の人が女性だと、外もそれっぽい声のイメージなんでしょうか?
以前あがった声優話で、きーさんは朴さんだとか言われたのがちょっと気になってごにょごにょ。
>>679 村人Aは侵食されそうになると覚醒するんです。多分。
判定に失敗するとそのまま侵食されてキマイラ化します。
でもキマイラ化すると存在判定もしないといけないので・・・あれ、何の話でしたっけ?
720 :
既にその名前は使われています:2007/05/13(日) 09:00:11.39 ID:WcGsgq8A
保守るよ!
721 :
既にその名前は使われています:2007/05/13(日) 11:40:52.78 ID:WcGsgq8A
もっかい保守るよ!
>>682 八年前です、一応。
公式設定から現実問題いけそうだなと思い、こう設定次第です。
この時期だと飛空挺就航、そもそもコンクェストの実施もまだですが、
まぁ、頑張ったということにしてくださいホントお願いs(ry
>>719 キーゼルさんのイメージは、
桜蘭高校ホスト部とか、フルーツバスケットみたいなそんな少女コミックみたいなイメージ。
そんなイメージ。だからそんな感じでいいのです。多分。
コテつけずにage
723 :
既にその名前は使われています:2007/05/13(日) 14:54:34.40 ID:uGlMNXuX
>>722 おだいじにな
キーゼルさんとこのイメージは、言われて納得
姫BL路線に期待なんだぜ?
あぐる
724 :
既にその名前は使われています:2007/05/13(日) 15:03:05.74 ID:FtxWkmb6
漆黒の男(中二病)は剣の柄に両手を重ね、けれど軽快な表情と剣呑な眼光は消さずに言う。
「調子に乗っているのはどっちだ?(←お前)来訪者を守るのは誰だ?(←笑)お前たちに守れるのか?(←w)」
「守れないから、こうして俺たちが守っているんじゃないか(ですよね〜^^うんうんっ^^)」
どこから現れたのか大剣を背負った男(くらうどw)が、敵意を挫かれたミスラの肩を軽く押して(痴漢)笑った。
男もまた、まだ幼さが残る顔に似合わぬ、どこか禍々しさを感じさせる漆黒の鎧(そしてオッドアイなんだろ、間違いない)をまとっている。
そして浮かべる表情も、自信に満ちた笑み。
「来訪者の特異性は、裏を返せばそれが狙われる意味でもある。別に無害ならそのまま放置されるからな。
だが来訪者は存在するだけで影響を多大に与える。倉庫だろうが何だろうが、潜在的に誰もが持っているんだ。
それを使いこなすかどうかはそいつ次第だけどな」
明日の天気を語る口調で言い、耳に留めたピアスを軽くはじく。
その仕草だけを見れば、彼はどこにでもいる青年にしか見えないだろうに。
ただ見守るしかなかった白銀(←笑)の髪のミスラは、知られずに手にしていた、いや、恐らくは察せられている短剣を鞘に収める。
「フィグ・・・(フィーーーーック;;)」
パートナーであり主(は?)である男に名を呼ばれ、彼女は首を振った。
「私は、あなたに仕える身。(ちょ・・・)どうかご自由に・・・(なんかプレイハジマタ\(^o^)/)」
725 :
既にその名前は使われています:2007/05/13(日) 17:08:29.20 ID:WcGsgq8A
保守るよー
726 :
既にその名前は使われています:2007/05/13(日) 18:20:34.49 ID:uGlMNXuX
キーゼルさん気にすんにゃ
いるよね、人のハナシをまぜっかえすことしかできない奴って。
じゃあ書いてみろ、って言われると「文才ないからw」と逃げる。間違いない
何が言いたいかというと、
燃料乙。
最近ガソリン代もバカにはならないしな
728 :
既にその名前は使われています:2007/05/13(日) 20:10:50.95 ID:pHpmj0c2
ガソリンage
729 :
既にその名前は使われています:2007/05/13(日) 22:38:41.72 ID:WcGsgq8A
保守るよ
730 :
既にその名前は使われています:2007/05/14(月) 00:10:01.84 ID:lbzkDgUI
ガリソンage
731 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/05/14(月) 03:34:56.56 ID:kjlNqDcE
うぁ・・・何だかすみません、いろいろと(´Д`;)ヾ
またガソリン代が値上がりしてるそうですけど、車やバイクを使う方はがんばってください。
>>722-723 あーなるほど、いわゆる乙女ゲーの主人公とかそんな感じなんですね。
やったことないのでよく分からないんですけど、恥ずかしさのあまりに悶絶するような台詞を言われたりするんでしょうか。
新城まゆ(でしたっけ?)みたいな少女漫画の主人公にはなりたくないと思います。
姫BLなんて言葉もあるんですね。初めて知りました。同性異性関わらず、恋愛ゲームはやらないもので・・・
>>724 フィック(Fickblix)じゃなくてフィグ=ラーヴ(Fhig Lahrv)です。分かってるだろうけどミスラのフェローです。
大剣って言ってるけどただの両手剣です。片手剣に比べたら充分でかいですけどね。
オッドアイでもないです。基本的にキャラの容姿は、ほぼ公式に則っています。既に何人かはずれているけど気にしない。
最後の台詞は、文面どおりに受け取ると確かにそういうプレイっぽいですね。当物語はBLっぽくても全年齢対象のつもりです。
フェローってそれなりに言うこと聞いてくれるから好都合かもですけど、まあでもフェローですし時間経過したりHP減ったらどこかに帰るかもですよ?
>>726 気にかけてもらってすみません。むしろ姫BLのほうが気になってしょうがなかったので、あまり気にしてませんでした。
書き手と読み手はどちらが上と言うことはないので、とりあえず自分の書きたいように書くのが一番だと思っております。
投下する以上は見られることが前提になるので、それも考慮しなければなんですが・・・精進します。
>>714 「えええぇぇ?!、エルにですか?!」 「うん」
男の声のエルメス。想像して何故か気分が悪くなった、が
自分の姿を見てさらに気分が悪くなった。
「先に言っておくが、元に戻る方法も、何故なってしまったのかも分からないからな」
少しの期待を抱く前に、期待がくずれた。そんな気がした。
「は、そうですか…」そう答えるしかなかった。
「とりあえず、モグハウスから出てみ」
「う、うん」急かされてるわけでもないのに、慌ててドアに向かいドアノブをひねった。
ドアの向こう、そこには…、ひと・ヒト・人
大勢の人、プレイヤーキャラがごった返していた。
「うわ!、すげえ人いる…」
何時も画面で見てるキャラクターたち。
彼らがまさに生きて動いている。
本当にこの世界に入り込んでしまったのだと
改めて噛み締めた。
「マジ、多いな…、うちの鯖こんなに居たかな…、ってサンド?」
昨日白門前で落ちたはずが、モグハウスを出るとサンドリアだった。
「前に何処で落ちたか関係なく、どうやら出身国に戻されるみたいだ」
「へぇ、って何故そんなに詳しいんですか?」
「俺もサンドだから」 忘れていた彼もサンドだった。LSイベントでサンドミッションをしたのが遠い昔に思える。
「城前にいるから、早く来い」
急かされてこのリアルな情景を吟味することが出来ず、しかしミスラの身体なった自分の身体を感じながら
人ごみをくぐり、城へ向かった。
また明日。
735 :
既にその名前は使われています:2007/05/14(月) 09:49:59.28 ID:lbzkDgUI
保
>>723>>731 ていうかそんな感じではなく、
日頃はっちゃかめっちゃかして、突然妙に暗い話になったりするイメージ。
この頃男女に受けてる少女漫画は俺から見ればそんなイメージです。
つうか正直BL路線まっしぐらに走られても正直イヤ。
いや、行かないんですよね?
そういえばネカマミスラって多い…、実はメィミィさんだけか!!
737 :
既にその名前は使われています:2007/05/14(月) 13:04:53.09 ID:+fl1kNlq
>>736 あ、なるほど。そういう意味でしたか。
まともな少女漫画を読んだことがないので、いまいちよく分かってなかったです。
リアルに戻れないってだけでかなり深刻ですけど、いざ実感できるかと言われたらそうでもないと思うんですよ。
別に今すぐ死ぬようなことでもなくはっきりと認識できるものでもないし、だから普段はそんなに暗い調子じゃなくてもいいかな、と。
でも実際にはかなり深刻な問題なんですよね。色々な意味で大切なものを失ってます。
BL路線は行きませんが、ロマンチックがとまらなくなる可能性は・・・ごめんなさい何でもないです私も嫌です。
でも野郎率(含むネナベ)の高さは保証できます。
ミスラとネカマについてはノーコメントとさせていただきます。
なんかその、赤いミスラさんの気配がしそうで。
ついでに保守です(´ー`)
738 :
既にその名前は使われています:2007/05/14(月) 17:14:35.28 ID:KL7UL6tb
保守るよ!
739 :
既にその名前は使われています:2007/05/14(月) 18:44:24.96 ID:lbzkDgUI
きっとリアルに帰れるよ!(T_T)
でも誰だっけ、みんなを帰れなくするって言ってたお!
740 :
既にその名前は使われています:2007/05/14(月) 21:08:42.55 ID:BOgwjuBM
リアルにいればいたで
アニメやゲームの世界に憧れる
難儀な世の中…
741 :
既にその名前は使われています:2007/05/14(月) 22:59:30.94 ID:fc3MChu0
無い物ねだりは人の常age
742 :
既にその名前は使われています:2007/05/15(火) 01:17:10.12 ID:o1JvRvSg
保守るよ
743 :
既にその名前は使われています:2007/05/15(火) 06:30:04.90 ID:nwDtYPMu
ヴァナで生き残った人は
ほんの少しでも人生がいい方向に進むと思う
age
744 :
既にその名前は使われています:2007/05/15(火) 07:17:51.40 ID:Qp8cP56K
きっと何か意味があるんだage
745 :
既にその名前は使われています :2007/05/15(火) 12:21:56.73 ID:HO/lCYKU
そして、続編期待age
746 :
既にその名前は使われています:2007/05/15(火) 12:26:20.94 ID:tfz2X6En
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
747 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/05/15(火) 14:36:44.69 ID:kB2/XO2Y
「私、なにやっているんだろう・・・」
上等そうな三つのティーカップにウィンダスティーを注ぎ、小皿に可愛らしいチェック模様のクッキーを並べながらポツリと一人ごちました。
そういえば、私も昔は自分でクッキーを作ったりもした物でした。喜ぶ兄の顔が嬉しくて作りすぎたりもしたなぁと少し懐かしくなります。
その時も、こんな感じの茶色と白のチェック模様のクッキーだったと思います。
シャントット博士は、彼女の家に着くなり、シャントット博士は私にお茶を淹れるように命じ、
当の博士は机に向かい、くつろいだ様子でルークの話を聴いているようです。
彼女は先ほど私がルークに言った、ウィンダスにいる知識人の一人であり、さらに具合が悪いことに、
他人をホームポイントまで飛ばすデジョンIIを開発した張本人であり、類稀な黒魔法の使い手です。
『わたくしのお使いをこなしてくださればそのくらいやって差し上げましてよ』なんて平気で言いかねません。
「・・・呼ばれて・・・気づいて・・・・・・分から・・・」
「では・・・・・・広い・・・ってよ?」
・・・こちらまで話はよく聞こえてきませんが、熱心に話し合っているようです。羨ましい・・・。
私が一緒にいたってどうしょうもないのはわかりますが、やっぱり羨ましいです。
「あら、いい香りですこと」
椅子に座ったままクルリと博士がこちらを向きました。
「ありがとうございます」
ニコリと愛想笑いを振りまきながら、お盆にカップやお皿をのせ、机へと運んでゆこうとすると、
「オーッホッホッホ、そんなに怖い顔をなさらなくてもわたくしはヒュームにはあまり興味が無くってよ」
748 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/05/15(火) 14:37:43.53 ID:kB2/XO2Y
思わず凍り付いてしまうような事を愉快そうにおっしゃる博士。
「へ?」
なんていまいち彼女の発言の意味を掴みかねているルークを見れば、彼女の言葉の意味を掴みかねているのは分かりますが、
いっきに顔が熱くなり、じんわり汗が噴出してきます。
「あ、あのシャントット博士、ルークとのお話の方はもうよろしいのでしょうか?」
「ええ、非常に興味深いお話でしたわ。私にかかれば簡単なことですわ」
「ま、まじですか!?」
「え・・・?」
バカバカ!博士のバカ!そして素直に喜べない私のバカ!なんて顔をしているの?
なんなのその残念そうな表情は!ルークが戸惑っているじゃない!
博士がふぅと小さくため息をつきました。
「・・・鈍感、ですわね」
「え・・・え・・・?」
更に戸惑うルーク。
「なんでもなくってよ」
その間に、何とか私は笑顔を作れました。
「よかったわね、ルーク」
「ああ、ありがとうナココ」
749 :
◆/GKRtxSDWQ :2007/05/15(火) 14:43:27.82 ID:kB2/XO2Y
よくない・・・よくないよくないよくないよくなんて全然ない!!!!
私、ずっとずっとルークを待っていたのに・・・!もう帰るの!?
少しぎこちない笑顔でルークが私に微笑みかけてます。私、どんな顔をしているの?
「それじゃあ!今すぐ帰ろうよ!私、頑張るから!すっごい頑張るから!!」
「ど、どうしたナココ?」
「・・・やれやれ、それじゃあお話してよろしいのかしら?ただし、最初に断っておきますがこの方法は不確実ですわ」
「はい・・・それでも構わないのでお願いします」
せいいっぱいの笑顔。喜べ、喜べ私。ルークの幸せは私の幸せ。
ルークの望みは私の望み・・・ワガママなんて・・・ワガママなんて言わない・・・。
それに、不確実な方法なら帰らないかもしれないんだから。帰っちゃうかも知れないけど・・・。
以上です。ホント嫌な女ですねナココwww
もう、毎週土曜投下は無理な気がしてきました・・・orz
皆様の作品にワクワクしながら、無い脳みそと想像力を絞り上げて頑張りますヽ(´Д`;)ノ
750 :
既にその名前は使われています:2007/05/15(火) 14:44:34.54 ID:kB2/XO2Y
ヒロさんのヒロインと名前がかぶり気味なのが最近になって凄く気になり始めていたりします・・・
けれども投下しちゃって後には引けないもどかしさ(´Д⊂
目の前で、赤い光が減衰していく。
やがてあのおぞましい気配が完全にこの場から失せると同時に、
僕の全身にまとわりついていた鈎縄は強度を失い、ぼろぼろになって千切れていった。
片膝をつき、床にこぼれたそれを掻きむしるように握りしめ、堪え難い渇きを無理矢理抑え込む。
傍らではモグさんが、小さな羽音をたてて、空中で項垂れていた。
「ご主人様がご主人様じゃないって見抜けなかったなんて、モグは管理組合員失格ですクポ」
「…気にしちゃだめですよ。あいつなら、仕方がない…です」
「クポ〜…」
「ところで、この防具箱は?」
僕の問いにモグさんはハッと顔を上げる。
サンドリアのハウスにも防具箱をいくつか置いていた。
けれど、記憶が確かならわざわざこちらまでもってくる必要のあるものは入れてなかった筈…。
「レグナスさんという方から届いたんですクポ。ニセモノご主人様も心当たりはないみたいでしたクポ〜」
「誰だろう…僕も知らない名前だ…」
「開けてみますクポ?」
僕がその言葉に頷くと、モグさんは備え付けのベッドの下へと素早く滑り込んだ。
準備完了ですクポ! と威勢だけはいい声が届く。
ストンスキン、プロテスにシェル、それからバファイ、ファランクス。
バファイについては装備の関係上、わざわざ赤魔道士に戻るよりも防御効果は上だったりする。
まあ単純な爆薬の類ではなく、別の属性魔法が仕込まれていればそれも無意味だけど…。
自分用に使うものではない限り、単純に空の防具箱だけを誰かに送るというのは、正直言って無意味だと思う。
それに中身があれば、ポストを開けるときにモグさんにはわかるはずだ。
すなわち、この防具箱がただの宅配物でないことは明白。
すでに留め金が外されていたそれの蓋を、慎重に開いた。
「これは…宅配約款的にまずくないか」
いやそういう問題ではない…けれど、その中身は宅配物としてはあり得ないものだった。
通常は、一度の宅配で送れるものの数量や種類には、制限が設けられている。
箱なんかに詰めてまとめても、どういう理屈かはわからないが、八種類を超えるものはお断りされるし、
クリスタルなんかの細々した物品も、12個以上一緒に送ろうとすると、
二種類目で取り扱いしますがよろしいですかー? と聞き返されるのが常だ。
なのに、この箱にごたごたと詰め込まれた品々は、量としてはともかく、
種類がその制限を大幅に越えている。
にも関わらず宅配所を無事にパスし、モグさんにも奴にも防具箱としか分からず、
このモグハウスまで…僕の所まで辿り着いた。これを不思議と言わずしてなんと言おう?
鮮やかなピンク色をした鳥の羽をつまみ上げ、首を傾げているとモグさんがベッドから這い出してきた。
僕の肩越しに箱の中を覗き込む。
「なんだか金庫のなかの半端なものを適当に詰めたような感じですクポ」
「そうですね…でも悪戯にしてはなにか変です」
入っていたものを取り出していくと、最後には丁寧に布が敷かれた、からっぽの箱が残った。
「……これだけですクポ?」
「いや…そんなはずは」
片手を箱の底につき、もう片方の手を箱の外側の床についてみる。
と、明らかに箱側の手が高い位置にきた。少なくとも、防具箱の底板だからといって
およそ2イルムにもなろうかというような厚い板は使わないだろう。
「二重底みたいですね」
「気をつけてくださいクポ…」
布を外し、板の隙間に爪を差し込んで引いてみたところ、板は思いのほかあっさり持ち上がった。
慎重に取り除き、絨毯の上に退けておく。
それから中に収まっていた、布に包まれた長方形で板状の物体を取り出すと、防具箱は今度こそ空っぽになった。
「ということは、本当に送りたかったものはこれか」
二重底のカモフラージュに使われていた布よりも、幾分か柔らかく手触りのいいそれを剥がしていく。
中から現れたのは、黒一色に不思議な手触りを持つ分厚い板だった。
一瞬サーメットかとも思ったけれど、重さの割には硬さをまったく感じない。
表はすべすべとしていて、F、M、V、とアルファベットが刻まれている。
しかして裏側はと言えば、なにか溝が刻まれていたり四隅に小さな樹脂片が嵌っていたり、
にぎやかな印象を受ける。
側面には上下と右側の三辺に渡ってまっすぐぐるりと刻まれた溝や、複雑な形状の穴や溝があった。
「向こう側からの漂流物なのかなぁ…サンドリアでは見た事がない…」
ためつすがめつしていると、どこかにあったスイッチに触れたのか、突然カチン、という音がして、
板の裏側が剥がれた。いや、剥がれたというよりは本のように開いた、と言った方が正しいか。
一瞬罠でも発動したかと思ったがそれ以上はなにもなく、ふぅと息をつきながら黒い板を絨毯の上に置き、開く。
そうして現れたものを見て、僕はこの板状の物体の正体にやっと思い至ることができた。
「これは…あれかー!」
「わかったんですクポ!?」
思わず声を上げてしまった僕に、モグさんが驚いたような声で問うてくる。
「僕のところにやってきた理由は分かりませんが、向こう側の…そうですね、
この小さな板の中にウィンダス目の院や王立図書館の蔵書が全部入っていると言えば近いでしょうか」
まだあの子をこちら側に喚ぶ事を決意するよりもずっと前に、見ていた夢。
この体をあの子に預け、あの子が持つ記憶を選り分けていたときに触れた断片的な知識。
事によっては、奴らの正確な正体すらここから知り得るかも知れない。
まぁ、僕が見ていたものとは随分形が違うけれど…このアルファベットや数字、記号や絵が書かれた
たくさんのスイッチが並べられている形状を見る限り、使い方もきっと一緒だろう。
「すごいものがあるんですクポねぇ…来訪者さんが狙われるのも、分かる気がしますクポ」
「レグナスって人も恐らくは来訪者、もしくは来訪者と関わった事がある人で、やむに止まれぬ事情かなにかで
これを手放すことにしたのかも知れませんね…どうして宛先が僕なのかは見当がつきませんが」
言いながら、四角いスイッチの羅列の上に並ぶ、丸みを帯びたスイッチにひとつひとつ触れてみる。
…けれど、何の反応もない。おかしい、確かこのどれかを押せば動き出したような…。
黙り込んでしまった僕の顔を、横からモグさんが心配そうな顔で覗き込んでくる。
「来訪者の人たちの道具って、難しいものなんですクポねぇ」
これはなかなかどうして、一筋縄ではいかないようだ。
ということで、やっと送られたブツが届きました。
しかしながら事情を知る人が不在な罠…
一応レグナスさんの話の序盤でマシンの機種が
FMV-BIBLO MG50Rだという事はきちんと明示されていたのですが、
現物を見に行くチャンスがなかなかなく、かなりディテールが曖昧に。【残念です。】
タイムスリップしてきた侍様が自動車を目撃したときのノリで。ごめん嘘。
では、一方その頃をどうぞ。
胴を手に掴まえられていながらも、空中に放り出されてぐりんぐりん振り回されるような感覚。
二つがミックスされたことにより受けた衝撃は、相当に気持ち悪いものだった。
埃っぽいけれどまあそれなりに爽やかな朝の風に吹かれてなお、
私はぐったりとして石造りの床…ではなく、丸みを帯びた屋根の上にのびていた。
こんな事で疲れてる場合じゃないのに…正直言って危機的状況って今のことだよね? ね!?
「さすがにここまで登ってくると景色がいいな。始業前だから空気もそこそこいいし。
…なんか静かだと思ったら、大丈夫かい?」
「……あんまり、大丈夫じゃないです……」
「肉体から解き放たれても、肉体に収まっていた頃の反射を忘れないとは、律儀だねぇ君も」
私の傍らに立ち遠くを見ていた、金髪を肩まで伸ばした男…もといジュデッカさん――
いつの間にかフルさんの姿じゃなくなってた――が、苦笑を浮かべながらこちらを振り向き見下ろした。
その顔はなんだかさっきとは違ってやけに優しげだけど、正直、そんな表情を向けられても困る。
「それよりも…どういう事だったんですか…あれ、死相が出てましたよ…;;」
たった二日、離れていただけで、あんなにも。
「正確には死ぬ訳じゃないけどね。ある意味、死と言えるかも知れないが、
少なくともアイツが堕ちていこうとしている所は、オレ達が定義するところの死や戦闘不能じゃない」
その場にしゃがみ込んで、どこから取り出したのかパンプキンヘッドをかぶり直す。
そうすると顔の半分近くが影に隠され、もう表情はわからなくなった。
「フルさんがああなっちゃってるのは…私のせい…ですか?」
「いや逆だね。そこだけは安心していいぞ。君がしなきゃならない心配はもっと別のこと」
「どんな心配かは…やっぱ教えてもらえませんよねぇ」
「途中で気づけなくても、君が消えるときにはハッキリするさ」
「それじゃ遅すぎます」
「ごもっとも」
私が憮然とした声で抗議すると、ジュデッカさんはにやりと口元だけを歪めて、おどけた様にそう答えた。
やっぱり優しいような気がしたのは気のせいだったらしい。
本音は今すぐあのモグハウスに返してほしかったけれど、多分言うだけ無駄だろう。
私はどうにか起き上がって、今居る場所がどこなのか確かめようと思った。
ゆっくりと、両手をつきながら屋根の縁へとにじり寄っていく。
「気をつけなよ。今の君なら落ちても怪我はないだろうけど、心臓に…いや、心に悪い」
背後からかけられる言葉には生返事を返す。果たして、屋根の縁の向こう側にあった光景は。
「うぁー…高ーい…」
左手にバストゥーク港、右手に商業区が、奥にはおそらく居住区だろう、町並みが一望できる。
もしかしてここって。
「ま、バストゥークに存在する建造物の中では一番でかいからね」
「大工房のてっぺんって…人がいちゃまずいような」
縁から身を乗り出して真下を覗き込むと、各国領事館と大統領府が立ち並ぶ屋上が見えた。
大統領府の門扉横に立つみた感じガビアルメイルの青年が、大きな欠伸をしている。
「生身じゃムリだから、今のうちに堪能しておくといい」
「……それってつまり、フルさんはちゃんと、貴方たちが言うところのデータとして存在してる、って事ですか」
階下ののどかな風景から視線を外し、振り向いてそう尋ねてみる。
「アイツだけじゃないよ。およそこの世界に存在するものの殆どは、読み書きできるかどうかはさておき、
ちゃんとデータとして存在してる」
「そのほとんどに収まらないのが、今の私…ですか?」
頷いてみせるジュデッカさん。その手の中にはいつの間にか、昨日と同じ虹色のリンクパールが。
「今というか、昨日の君だね。あとはこの世界と混ざり合う要素を持たない、外からやってきた物品とか」
「ふつうの…来訪者の人たちは、どうなんですか」
「うん、部分的に読めるデータとか、完全に読めないけど存在は分かる、とか…まちまち。
ベースは須くこちら側に暮らす人間だし、何もなきゃオレとしてはそっとしといてやってもいいと思うんだが…」
「そう思わない人もいるんですよね、当然」
掌に乗せられて、滲むように色を変えていくパールを眺めながら、彼は皮肉げな笑みを漏らす。
「そ、望むと望まざるに関わらず、来訪者はまずこちら側の人間と混ざり合ってその魂を変質させ、
次には行動によって世界に干渉し始める。…現状はこの干渉のほとんどが、オレ達にとっては悪なわけ」
「だからって…! 望んでまでこの世界を壊してしまいたいと思う人なんて、
FFを、ヴァナ・ディールをちゃんと見てきた人なら、いないと…思うんです」
「けどその一方で、この世界がそれまで自分が暮らしていた世界とは違うと知るが否や、
君が触れてきたヴァナ・ディールでそう振る舞うのと同じように、
己の爛れた欲望を満たす行為に走る馬鹿もいる。ここもまた、現実のひとつだと気がつかずに」
その爛れた欲望とかいうのがどんなものかと言えば、思い当たらない節がないわけじゃない。
唐突に、あのスレの端々に出てきていた、女性キャラで遊んでいた諸兄の言葉が思い出された。
念のために言っておくと、私はネカマを否定しているというわけじゃない。
事実、分類としては、私自身だっていわゆるネナベだったわけだし。
けれど、自分が操るキャラでしかないと思っていたフルさんに、この世界では確固とした人格があった事を思うと、
もしかしたら、ほんの僅かな巡り合わせの違いで、ひとりの人間の尊厳を、踏みにじっていたかも知れない。
そんな考えに思い至り、喉と目の奥から熱いものがこみ上げてくるような錯覚を覚えた。
私たちがこの世界に訪れた事そのものが、すでに罪としかみなされないのだろうか?
「世の中の人間すべてが、君のようなお人好しの良い子ちゃんって訳じゃないんだよ。
悲しいねぇ、世の中ってのは。…と、話がずれたな」
体などないのに、嗚咽を堪えるのに精一杯で顔も上げられない。
「虐めたいわけじゃないんだ。顔をあげなよ。もとからこの世界に住む人間にだって、そんな奴はいくらでもいるし」
「……っ、むっ、無理、です、っ、う…」
ふぅ、というため息とともに、(今の私からすれば)大きな手が伸びてきて、輪郭のない背中を撫ぜる。
それから、何かを逡巡するような気配。
「………君は、この世界を愛しているかい?」
「なん、何なんですか、いきなり…」
「歪な愛に守られた小さなこどもが、そこから逃れようと藻掻いているのさ」
「…どういう、ことですか」
しゃくり上げそうになるのをなんとか堪え、尋ねてみる。
「穢され、傷つけられることをも厭わず、変化を望む意思の発露。
異物を取り込んで、自らと自らに属するものをオレ達の知らないものへと書き換えようとする」
すごく大事な事を聞かされているような気がするのに、うまく頭の中に入ってこない。
表面だけを滑り落ちていくような感覚。
呼吸は落ち着いてきたけれど、代わりに不安が心を落ち着かなくさせていく。
「オレ達もね、困ってるんだよ。その意思を尊重するべきか、押さえつけてでも"現在"を守り、維持していくか…」
「"現在"を、守る…?」
世界が守られている、その言葉だけを聞けば、いい事のようにも思えるのに、
なんだか、そんな風に限定されると、何かそれが不吉な事のようにも思えてくる。
「気づいたかも知れないけれど、気づいちゃダメだ。もし仮説だとしてもそれが君の口から誰かの耳に入ったなら、
オレは君達を、二度と何処にも逝けないように斬り刻まなきゃならなくなるだろうから」
「さっきの、鬼哭っぽい片手刀で、ですか」
「それは秘密。でもオレに約束を違えさせるような事はさせないでくれると、嬉しいね」
すごく意外な言葉に私はちょっと目を丸くして、彼のことを見上げた。
「貴方でも、誰かと約束なんかするんですか」
「なにげに失礼だな君は」
「……ごめんなさい」
私がそう謝ると、彼は喉の奥で笑ってみせた。
「まあいい。すべてが予定調和で終わっちゃつまらないからな。
せいぜいアイツに気取られないように逆らってみる事だね」
…なんで、私がフルさんを困らせるような前提で話が進んでいるんだろう。
危うく流されそうになりかけていたのに気がついたところで、屋根の下から聞き覚えのある声が聞こえた。
ここまでで切ります。
さて、どっちが悪い人なんだか分からなくなってきました。(えー
"冥王"の携える赤い鎌は、前世を斬り、来世を断ち、現世を殺す。
命の運行を管理するとか寝ぼけた事を抜かしてるけど、その力は一応本物だ。
可能なら、取り出してきた時には一目散に逃げる事をオススメするよ。
…まあ、逃げろって言われて逃げられるかどうかは知らないけどさ。
やっぱり多分、悪い人ですね。
忍者の格好をしているうちは本気じゃないようなのでそこを目安に。
いろいろ興味深い話を投下してくださってる人が増えて、こちらも頑張らねば!と励まされます。
わっふるわっふるです。それでは。
763 :
既にその名前は使われています:2007/05/15(火) 19:24:50.80 ID:o1JvRvSg
保守るよ!
764 :
既にその名前は使われています:2007/05/15(火) 21:20:17.92 ID:vDkVM/ft
それに火をつける。と、ぱっと光が散ったかと思う次には白い翼が彼の背にあった。
「・・・また嬉し恥ずかしのイロモノ花火か」
「今回はエンゼルウィングだそうだ」
相変わらず無愛想な黒髪の兄弟は、しかし嬉しそうな色をその声に含んでいた。
「ちょっとリュシアンに見せてくる」
「待て、会う前に効果切れるだろってそれ以前にそんな格好で出歩くな」
いそいそと出ていこうとする兄弟の襟を掴んで訊くと、彼の腰にあるポーチからかさりとかさばる音が立つ。
「・・・・・・何の音かな、今のは」
「・・・・・・・・・・・・衣擦れ」
「んなわけあるかッ!!大体てめぇ、定期保守の見回り中のはずだろうが!!
強制捜査により彼のポーチ他から大量のエンゼルウィング、ル・パピヨン、各種菱餅と柏餅が押収されたのは、別の話。
「・・・で、何でお前もやってるんだ?」
白い翼に落ち着かない表情を浮かべる少年へ訊くと、彼はわずかに視線を逸らす。いや、その視線の先にいたのは黒髪の。
「花火を配ってらっしゃったので、連絡信号用なのかと思って・・・」
「・・・あの野郎・・・」
F・M・V! F・M・V!
766 :
既にその名前は使われています :2007/05/15(火) 23:28:59.47 ID:HO/lCYKU
おぉ〜フルさん来てる〜
保守した甲斐があったってもんだ
767 :
既にその名前は使われています:2007/05/16(水) 01:49:12.02 ID:xHbIVWBg
続き期待
768 :
既にその名前は使われています:2007/05/16(水) 07:36:39.37 ID:xHbIVWBg
age
769 :
既にその名前は使われています:2007/05/16(水) 07:38:18.60 ID:K+tBQX5L
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
770 :
既にその名前は使われています:2007/05/16(水) 11:43:55.59 ID:Vz3euDDj
レビテト
771 :
既にその名前は使われています:2007/05/16(水) 15:10:45.08 ID:xHbIVWBg
レビテト
772 :
既にその名前は使われています:2007/05/16(水) 16:38:33.08 ID:i0X5M12N
朝起きたらヒュム♀になっていた。
オナニーして寝たら、元に戻っていた。
773 :
既にその名前は使われています:2007/05/16(水) 19:54:57.59 ID:EY95RjH0
本当に大切な事ってなんだろう
774 :
既にその名前は使われています:2007/05/16(水) 19:55:52.78 ID:K+tBQX5L
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
775 :
既にその名前は使われています:2007/05/16(水) 20:22:22.42 ID:xHbIVWBg
冥王の鎌はアヴァロンで防げますかage
776 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/05/16(水) 22:14:48.82 ID:iuncJUx3
アヴァロンと聞いて真っ先にアーケードのカードゲームが来た私が(ry
・・・デッキどこやったかなぁ。
前回は
>>716-718です。
それでは続きを少し。
777 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/05/16(水) 22:17:54.77 ID:iuncJUx3
言われた言葉に、表情を変えないまま応えた。
「でしょうね。あの兄弟は、来訪者側ですから」
「変わった話だ。ヒュムとエルの兄弟なんてな」
「そうでしょうか」
「ん?」
「血の繋がりがなくても、『家族』と言えます。俺はそれを経験した」
「まあ、そうだな。ましてや来訪者だしな」
「俺とあなたが兄弟であった可能性もありました」
「冗談、アカも中の人も別だぜ?」
言いながらキーを叩く。滑らかな速度で表示された文字列を目で追い、眼鏡を外す。
「はい、完了。お姫様のデータは更新したぜ。ちっとばかしありえない構成になったが」
「あちらの文字ですか・・・見方を教えてください」
薄闇に浮かぶ文字列を示して請うと相手は一行ずつを説く。
始めは難しげな表情で聞いていた彼は、話し終わりには眉を開き、息を呑んだ。
「そんな・・・彼女に何をさせるつもりですか」
「『何もできない』。そんなことはないってこった」
「・・・あれ」
部屋に戻ると、見たことのない人がいた。柔らかな笑みを浮かべた白銀の髪の、シオンと同じくらいのミスラだ。
緑のローブ、じゃない、ジュストコールを着たその人は、シオンよりもいくらか年上に見えた。
椅子に腰掛けていた彼女は私たちが入ってくるのを確かめてから、どこか優雅さすら感じる動きで立ち上がる。
「初めてお会いします、キーゼル・ランクス。フィグ・ラーヴと申します」
「・・・あ、えっと。はじめまして」
フィグと言うらしい彼女は私ににっこり微笑むと、私のそばに立つシオンを見た。
「シオン。感謝します」
「カイを連れ戻しに来たか?」
え?
冷たい言葉にシオンを見ると、彼女は一切の表情を消していた。
けれどフィグは首を振り、
「会議ではそうなりました。しかし、ひとつの場所に置くよりは、いくつかの地をさすらうほうが、と」
「・・・エルウィンたちか」
舌打ちし、シャボタイをゆるめる。襟を開くとシャポーをテーブルに放った。
「あいつらはいつもそうだ。自分たちの判断基準で動く。で、そのままあいつらに渡したのか?」
「いいえ、今は別室で休んでいます。キーゼル・ソルニエとリュケイン・ヴォーシェルが護衛に」
「エルウィンたちは?」
「戻られました。但し、『いつでも側にいる』と」
どこか硬い声にシオンが舌打ちする。そのエルウィンって人たちは、あまりいい印象を持たれていないようだ。
って、あれ?
「待った」
「ん?」
「シオンじゃなくて、フィグ・・・さん」
今、私をランクスと呼んで、彼をソルニエと呼んだ。私と彼は同じはずなのに。
彼女はどこか陶然としてさえいる視線を私に投じて、至上の幸福を口に含んでいるかのような笑みを浮かべる。
うぁあ、何だろうこの表情。ちょっと待って私何もしてない何もしてない。ていうか何もできないですからッ。
笑みの意味を理解できない私に、変わらぬ笑みのまま彼女は私へ言う。
「フィグで結構です。そうお呼びください、私の大切な方を守ってくださった方。
あなたをキーゼルあるいはキース・ランクスと呼ぶようにと、彼から直接に言われました。彼自身はキーゼル・ソルニエと」
「・・・じゃあ、キーゼルは」
「冒険者としてでなく、騎士としてあなたのそばにあると」
キーゼルは、サンドリアの騎士だった。彼が冒険者になった理由は知らないけど、とにかくそうだった。
そして彼は今まで冒険者だった。なのに、騎士として、そばにいると言った。あえてそこで改めて名乗る理由って何だろう。
それに、私をランクスと呼ばせる理由も分からない。彼はあんなに、私をこの世界と関連付けるのを拒んでいたのに。
「国がバックについているってのは、なかなかにでかくてな。だったら、冒険者よりも立場が上の貴族階級を見せびらかしたほうがいい。
まあ・・・あんまり大々的にやりすぎると、逆に目立ちすぎて危険だけどな」
溜息をつくように言いながらケインが入ってくる。そう言えばケインもサンドリアの騎士だ。
「ソルニエって、そんなにすごいの?」
「ああ。サンドリアではちょっと以上名が知られている。キーゼル自身も騎士団で注目されるだけの実力があるからな」
ケインの言葉は、なぜか私の心に響いた。言葉の意味ではなく、言葉そのものが。
私の知るキーゼルは、サンドリアの冒険者だ。なのに、あのキーゼルには過去がある。『この世界のキーゼル』には。
そうだ、人は突然発生したりしない。どうであれ、生まれ育った経緯がある。
「そうそう名乗りはしないだろうが、まあ、一応ってやつだ。・・・おい、聞いてるか?」
「ん・・・うん」
頷くと、ケインはわざとらしく顔をしかめて唇をとがらせた。
「ほんとかぁ?お前、ぼーっとしてるとこあるからな」
「だ、大丈夫だってば」
「じゃあ、お前が初めてダボイに行った時はどうなんだよ。バタリアに行きかけたやつ」
「あの時は・・・大雨で視界が遮られていたのに、あなたが先に行ったじゃないか」
「その程度で行軍がとめられるか」
ぴこんとおでこをつつかれる。むぅ・・・だってあの時は、みんな初めてだったじゃないか。
お前にあいつ並の期待はしないけど、と言いながら、ケインはシオンが置いたワーロックシャポーを取りあげる。
「しかし、参ったな。そうするとカモに使えなくなる」
「カモ?」
「カモフラージュ」
かぶったままの私のバロンシャポーを取り、ワーロックシャポーを乗せた。
「サンドリアは、キーゼル・ランクスのバックアップを行うことを了承している。だが、ソルニエについては各自の判断に任せると。
まあ、簡単に言っちまうと『助けたければ助けろ、嫌ならしなくていい』ってことだな」
ものすごくものすごいことを言っているような気がする。
「奇妙な話だな。国としては、冒険者よりも騎士のほうを重要視するべきじゃないのか」
顔をしかめるシオンが言う。フィグもその点は疑問らしい。
確かに冒険者は国策上重要だろうけど、でも国家の体面上なら騎士のほうが重要なような気がする。
疑問を理解しているケインは軽く肩をすくめてみせると、苦笑混じりに応えた。
「ソルニエは誰の支配も受けない。彼らを支配するのは彼ら自身。彼らは己の意志で生き、己の意志で逝く。
ソルニエの前には神などない。言うなれば彼ら自身が彼らの神である。
とてつもなくとんでもない奴らなんだよ、ソルニエは。王家に忠誠を誓うのも、根底にあるのは『楽しそうだから』なんだぜ」
とんでもないってレベルじゃないだろ、常識的に考えて・・・
それはシオンたちも思ったらしく、ふたりとも微妙な表情を浮かべていた。
と。ケインが私の背中を軽く叩く。
「戻らせる。絶対に」
低く落とした声はあまりにも唐突で、私は何を言われたのかすぐに理解できなかった。
戻らせるって、どこに?
今回は以上です。
なんかもう何でもありですね。
ところで真面目タイプのフェローさんがツンデレに見えてしょうがありません。
社長といいミリといい、世の流れはツンデレなんでしょうか。
いや、フェロー実装なんていつの話だよってのはさておき。
783 :
既にその名前は使われています:2007/05/16(水) 23:56:46.65 ID:1xXsIcJz
久しぶりな方もいて嬉しい限り。
この進み具合だと落ちずに、久方のメモリいっぱいのスレになりそうですな。
願わくば、書き連ねた道を戸惑いながらも進む全ての来訪者が物語の終着点に辿りつきますよう…
age
784 :
既にその名前は使われています:2007/05/17(木) 03:40:17.60 ID:C4EZASDp
決して、来訪者たちの物語が悲劇のままで終わらないように。
とは言え、終わる前に姿を見せなくなった書き手さんもいるわけで・・・
まさか本当にヴァナに行ってしまったんじゃなかろうか。
785 :
既にその名前は使われています:2007/05/17(木) 07:30:45.93 ID:QDnvod4O
そんなことはありえない。
いいか、絶対にありえないんだ。
もうこのスレのことは忘れろ。
でないと
ん?こんな朝に宅急便がきたお。ちょっと行ってくる
786 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/17(木) 10:47:01.18 ID:9Hqi/Pl1
その場所からは、半ば地下に埋もれた倉庫の扉がはっきり見えた。
その周囲にはちらほらと人の姿があるが、あまりしっかりした警備体制とは言えない動きだ。
昼間ならこんな場所から狙撃したら丸見えだろうが、今は夜だし、稜線上に姿を晒している訳でもない。よほど明るい月灯りの下でもなければ見つからないはずだ。
「結構近づくんだな」
そうは言ってみたものの、ここから見える扉は自分が狙う事を考えたら点に等しい。こちらの世界の照準器では、このくらい近づかなければ当てるのは難しいのだろう。
倉庫までの距離は二〇〇メートル強といったところだろうか。昔子供向けの科学雑誌で読んだ、種子島の射程距離はどれくらいだったっけ。
マルトは答えない。ただせっせと銃を準備したかと思うと、装弾して、今度は最適な射撃ポイントを探して歩き回っている。
「あー、アメ……なんだっけ。いいや、アメショーより各リーダー。ポイントに移動した」
パールを結わえ付けた帽子の鍔をぐいと引き下げて、連絡を入れる。もういい加減待ちくたびれているはずだ。
「バーマンよりアメショリーダー。了解した。準備ができ次第やっちゃってくれ。タイミングだけ教えてくれれば、後は任せる」
答えるルーファスもチーム名を略す。やっぱり長かったんだろうな。
「こちらコーニッシュレックス。了解です」
アオツキは略さなかった。
「随分適当な指示だなおい。まぁいいけどさ」
慌しく準備をするマルトを横目に苦笑いしながら、無駄口を叩く。
「待ちくたびれて、そろそろ夜釣りも飽きたところなんだ」
「船酔いするなら、撒き餌にゃ困らんしな」
言ってろ、とルーファスが笑う。ここから奴らの船は見えないが、どんな表情をしているかは何となく想像できた。
口調は軽いが、自分と仲間の緊張を押し殺そうとしているのが分かる。おれが想像する通りの表情で、例の虎のマスクをつけてるんだろうか。
787 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/17(木) 10:48:01.85 ID:9Hqi/Pl1
マルトの異変に気づいたのは、それから少ししての事だった。
銃の用意が終わり、実際に射撃を行う段になってから、姿勢や構え方を変えてみたり、立ち位置を移動してみたり。手汗が気になったのか、グローブを外して丹念に拭ったり。
狙撃っていうのは多分、よほどデリケートな作業なのだろう。そう思って見過ごしていたが、それにしてもさっきからずっとそればかり続けている。
これはさすがに普通じゃない。
おれが声を掛けると、マルトは風向きなどを調べる素振りをしてから、それっぽく銃を構えた。
が、銃口が定まらない。重すぎるのか、微妙な狙いをつけているのか。
「大丈夫か?」
いい加減焦れたらしく、急かされた。しばらくだんまりが続いたから、心配になったのかもしれない。銃口のぶれが大きくなった。
パール自体はこの作戦に参加している全員が身に着けているから、実際にはリーダーとかいちいち決めてそいつが報告する必要はないんだ。が、マルトは無言のままだった。
「肩を貸そう」
おれの申し出にマルトがきょとんとする。
説明するのも面倒だったので、黙って彼女の前に膝をつくと、指でトントンと自分の肩を叩いて見せた。
マルトはしばらく逡巡してから、意図を理解したのか、おずおずと銃身を肩に乗せてきた。
「よし、いいぜ」
片膝を突いて忍者みたいな姿勢のまま、パールに告げる。
「行けるか?」
「はい」
ルーファスの問いに、マルトが言葉少なにきっぱり答えた。
が、マルトが可笑しいくらいガチガチなのが肩越しに伝わってきた。銃口が機関銃でも撃ってるみたいに震えている。
「おいおい……」
788 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/17(木) 10:48:33.85 ID:9Hqi/Pl1
首を回して横目で振り返ると、手が真っ白になるほど力いっぱい銃把を握り締めたまま、泣きそうな顔のマルトがいた。シュミット決死の活躍も無駄だったらしい。
動くな、という指図に、黙って前に向き直る。
いつ引き金が引かれるか分からない。そんな、ある意味銃殺刑の受刑者みたいな気分の時間がしばらく続いた。
銃身越しに伝わってくる鼓動と、荒い呼吸音の後で、マルトがポツリと告げた。
「申し訳ございません、風が強すぎます。狙撃は……無理です」
「風ぇ?」
言ってから、しまったと口をつぐむ。銃身がピクッと震え、マルトの呼吸は嗚咽しているみたいに聞こえた。
風はお世辞にも強いとは言えない。むしろよほど注意していないと何も感じないほど、大気の流れは安定している。おれには見え見えの嘘だが、彼女なりに必死に考えた口実だったのかもしれない。
でも、口実はともかく、彼女の主張は本当だ。無風だろうとなんだろうと、今撃っても成功しまい。成功しないなら、理由は何であれ同じ事だ。それを正直に告げれば、彼女の責任感が彼女自身を押し潰す事になる。
一緒に山を降りるおれとしてはむしろ、それは由々しき事態だし、筋金入りニート的には彼女の弱さがひどく共感できた。
「そうなのか?」
「申し訳ございません。……申し訳、ございません」
震える声で主人に詫びるが、それが彼女の嘘を露呈している。風で狙撃が出来ないと判断しただけなら、そんなに感情をむき出しにして謝る事じゃない。
「ああ、うん。上の方はすごい風なんだ。ゴルゴでも外すね、これは」
別のプランを考えないと、と提案すると、パール越しにざわめきが流れてきた。無理もない。言ってて苦しいのが分かる。山の上だけ風がすごいなら、坂を登る段階で連絡するはずなんだから。
「山を下りて、別の場所を探さなければいけませんね」
「倉庫が大変な事になればいいんでしょ? 別の、何かいい方法ないかな」
狙撃にこだわるフルキフェルに、代案もなしに今の案を手放すアオツキ。しかし、ルーファスの案はそのどちらでもなかった。
んー、としばらく唸ってから、あまり深刻そうにも聞こえない、どちらかというと買出しでも頼むような口調で一言。
「ヒロ、なんとかしろ」
789 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/17(木) 10:49:33.64 ID:9Hqi/Pl1
790 :
既にその名前は使われています:2007/05/17(木) 16:09:53.71 ID:ixAB+onQ
わっふるわっふる
791 :
既にその名前は使われています:2007/05/17(木) 17:51:07.42 ID:QDnvod4O
大本営のルーファスさんは投下マダー?wktk
792 :
既にその名前は使われています:2007/05/17(木) 20:28:47.89 ID:iU/HL4uH
保守るよ!
793 :
既にその名前は使われています:2007/05/17(木) 21:21:37.32 ID:1PxedDGs
>791
それは大本命ではあるまいか…
緊張感をなくすには一旦強いショックを与えるといいらしい。
795 :
既にその名前は使われています:2007/05/17(木) 22:48:17.71 ID:1PxedDGs
ネタバレはらめえ
796 :
既にその名前は使われています:2007/05/17(木) 22:48:30.10 ID:QDnvod4O
心身ともに深い絆を結べば問題解決だろ
皆様、投下乙でございます。
前回の投下から、だいぶ開いてしまいました。
前回分は
>>616-618 でございます。
“コウモリのねぐら”亭は、俺が出かけた時と変わらず静かだった。
他の部屋を借りている連中、今夜は帰ってこないな、と埒もなく思う。
まっすぐメイミィの待つ部屋に入るべきなのだろうが、そうしなかった。
「・・・・・・」
ロビーと呼ぶには少々乱雑に物が置かれた空間に、安っぽいベンチが置かれている。
俺は腰から鞘ごと剣を抜き、腰掛けた。
案の定、ベンチはキシリキシリとささくれ立った音をさせて、かろうじて俺の体重を支えた。
剣を杖代わりにして、きっと浮かない表情に違いない顔を伏せた。
目を閉じる。深い、深い溜め息が搾り出されていく。
「おや。おかえり、ロポッサ卿」
不意に背後のカウンターから女将の声がして、俺は反射的に柄を逆手に握り締めていた。
内心で、舌打ち。
気配に気づくのが遅れた。注意力が散漫になっているのだと自覚する。
「部屋に夜食とショウガ酒、届けておいたからね。
旦那の帰りが遅いって、奥様が気をもんでいたよ?」
女将の言葉にも、あぁ、と生返事だった。
「・・・どうかしたのかい?」
まったく、どうかしている。風邪ではない。だが風邪ではないことを認めたくない。
俺は焦燥感を振り落とせないとわかっていて、それでも頭を軽く振った。
「いや、何も。何も問題はないよ」
「・・・メイミィ?」
部屋に戻った俺を迎えたのは、完全武装した彼女だった。
いぶかしむ俺に、彼女は安堵の溜め息をついて、がくりと肩を落として脱力した。
「あーあぁぁ・・・」
何かあったのだろうか?
部屋に変わった様子は見受けられない。
据え置きの小さなテーブルには、夜食とショウガ酒が手をつけられずに残っていた。
「ああぁぁあのですね。
リードさんの帰りがすごく遅くて、わたし、迎えに行こうと・・・思ったんです・・・けど・・・」
彼女の声が、段々小さくなっていく。
いまさら気恥ずかしさがこみ上げてきて、今にも消え入りそうな様子だ。
「そうか・・・そうだね。心配かけてすまない」
俺は、鞘を手に入れたよ、と手にしていた剣を見せた。
「防具屋で―――」 同類? 戦友? 仇敵? 「知り合いに会って、つい遅くなった」
「はぁ・・・、知り合いの方ですか」
「それについては後で。メイミィは酒を飲んでベッドへ。OK?」
ひとまず、と俺はショウガ酒を指差しつつ、シャワースペースのカーテンを閉じた。
シャワータンクの中身はまるっきり水だったが、今はむしろその方がいい。
今のうちに使える水は使っておこう、などと愚にもつかない理由でシャワーを浴びた。
明日は早くに、砂だらけの世界へ出発する。
そうあってほしいが、と頭上から弱々しく降り注ぐ冷水に打たれ続けながら思った。
―――すべてはタイガーの闘い次第、か。
シャワーを終えた俺は、またしっかりとガンビスンを着込んだ。
いまだ身体は戦闘に備えるかのように熱を帯びていたが、アタマは醒ますことができた。
いや、訂正だ。
そんな事を意識するようでは、まだ心のどこかが落ち着いていないのだ。
カーテンを上げ、体を拭いたタオルを適当な場所にかける。
「なんだか、ほわほわあったかいです」
すでにベッドにもぐりこんだメイミィが、目から上だけ出していた。
「風邪は、ひきはじめが肝心だから」
そう言って、俺は彼女が眠りやすいよう、部屋の灯りを少し落とした。
弱火のストーブから漏れる橙色の光はぼうっと頼りなく、床の一部に格子模様を描いている。
テーブルとセットだった安物の椅子を壁際に置き、長剣をたぐり寄せて腰をおろした。
昨夜メイミィの部屋に泊まったときと同様だ。こうして一晩中、不測の事態に備える。
どうせ俺は眠れないのだし、今夜はこの街にとって災厄の夜だから。
「・・・ね、リードさん」
ふと、メイミィが俺に呼びかけた。
部屋は暗く、表情はうかがえないが、真っ直ぐこちらを見つめているのを感じる。
「ん」
「わたし、そんなに魅力ない、ですか・・・?」
今夜の投下は以上でございます。
皆様のご活躍を心よりお祈りいたしております。
わっふるわっふる!
802 :
既にその名前は使われています:2007/05/18(金) 03:27:39.84 ID:TrWvgs02
リードさんの話は、アダルトな大人の香りがします(*ノノ)
ついにメイミィさんも食われてしまうのか…
804 :
既にその名前は使われています:2007/05/18(金) 11:21:38.65 ID:2pI3Ae5T
誰か凸してメイミィさんを守るんだ!
805 :
既にその名前は使われています :2007/05/18(金) 13:31:10.79 ID:DSmosLYM
最近更新多くていいねぇ〜
(*^。^*)
806 :
既にその名前は使われています:2007/05/18(金) 17:44:21.67 ID:moBGP+qg
モグハウスで談笑しながら食事をとっていると突然プリンが立ち上がった。
「どうしたんだ。プリン」
「この感覚・・・。ホシュルは何も感じないの?」
そうだな。強いて言えばこのスープの塩分が多いことくらいだな。
「何も感じないな」
「なにかが大きなことが起きる」
言葉が終わるか終わらないかのうちに厨房から破裂音が聞こえた。
「くぽー。めがぁーめがああああああ」
モーグリが叫んでいる。どこの眼鏡だよ。
「・・・どうやら私の勘違いだったみたいだね」
「そうだな。早くモーグリを助けにいこうな」
俺はスプーンを置いて厨房に向かった。
807 :
既にその名前は使われています:2007/05/18(金) 21:52:32.05 ID:moBGP+qg
保守るよ!
808 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 00:25:39.93 ID:jz2VJSQW
保守
809 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 07:33:50.56 ID:B9EF5nvQ
>>806 ロストユニバースの一場面を思い出したw
保守しておきます。
810 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 08:44:33.36 ID:cJvHnWMr
こちらスニャーク。コウモリのねぐらに着いた。
大佐、指示をくれ。
あ、にゃー
811 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 11:53:04.56 ID:LN1ZwGEl
>>810 いいか。スニャーク。目標物を読み上げるぞ
干し肉三つ
蒸留水二つ
間違うんじゃないぞ。
あ、エルー
812 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 12:10:26.61 ID:cJvHnWMr
こちらスニャーク。
厨房から目標物の奪取に成功した(もぐもぐ
ん?部屋の一つからギシギシと音が聞こえるな。
これから行ってみる。
813 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 12:11:09.38 ID:cJvHnWMr
あ、にゃー
814 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 12:24:01.07 ID:LN1ZwGEl
スニャーク。私の昼飯を食べないでくれ。
そしてそれは孔明の罠だ。引き返すんだ
あ、エルー
815 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 13:11:53.17 ID:cJvHnWMr
こちらスニャーク。ドアの前で聞き耳を立てている。
中から微かに誰かの声と、何だ?何かがパンパンと打ち付ける音がする。
ドアを少し開けてみるぞ。
続きが読みたい人は、わっふるわっふるとレスしてくれ。
あ、にゃー
816 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 13:14:46.27 ID:LN1ZwGEl
スニャーク! 応答せよ! スニャーーーーーーーーク!!
817 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 16:40:10.23 ID:LN1ZwGEl
保守るよ
818 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 19:03:25.26 ID:cJvHnWMr
そうだな保守ろう
819 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 21:31:03.96 ID:LN1ZwGEl
保守らないと
わっふるわっふる
821 :
既にその名前は使われています:2007/05/19(土) 23:57:43.51 ID:LN1ZwGEl
今頃かyp!
822 :
既にその名前は使われています:2007/05/20(日) 03:05:46.39 ID:zuNTM3Nl
アンインストール♪
823 :
既にその名前は使われています:2007/05/20(日) 10:35:56.38 ID:G/Ga9ST0
保守るよ!
824 :
既にその名前は使われています:2007/05/20(日) 12:58:57.78 ID:e0IL3mUm
十分ずつでもいいからこのスレの物語をアニメにしてぇ…
六億で足りるかな?
age
825 :
既にその名前は使われています:2007/05/20(日) 13:30:54.33 ID:0csa8qrD
826 :
既にその名前は使われています:2007/05/20(日) 13:32:29.74 ID:CD6zc/Va
827 :
既にその名前は使われています:2007/05/20(日) 17:57:41.93 ID:G/Ga9ST0
アニメ期待
828 :
既にその名前は使われています:2007/05/20(日) 19:50:41.88 ID:zuNTM3Nl
作画担当とか声優とか、詳しくないんだけど
みんなはどんな感じがいいと思う?
829 :
既にその名前は使われています:2007/05/20(日) 19:54:39.12 ID:+oP2QwwW
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
830 :
なまこ ◆OPaZJrQRQk :2007/05/20(日) 20:19:54.80 ID:bD7FF6Uc
オタクはファンタジーの世界に行きたいんだな
可哀想に…
831 :
既にその名前は使われています:2007/05/20(日) 20:42:47.76 ID:zuNTM3Nl
行ったら行ったで、今度は鼻水たらして帰りたいって泣き喚くんだよな
>>830はホマム姿でロンフォ兎にケリ飛ばされそうだなw
832 :
既にその名前は使われています:2007/05/20(日) 22:20:48.83 ID:eFh6OZmE
ファンタジーの世界に行きたいというか、ファンタジーの力を使いたいかなぁ・・・
ほら、急いでいるときにテレポとかとんずら使いたいとか、料理が面倒なときに合成ですませたいとか。
自キャラならそれなりにスキルあるから、自キャラになって合成できたら簡単かなぁって思います。
まあ、でも代わりに赤鎧とかに追い回されそうですけどね。
料理を作るのが楽になる代償には釣り合わないかなぁ。とか唐揚げを揚げながら思ったり。
来訪者になってもリアルと大して変わらない村人Aでした。
833 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 00:22:40.17 ID:MNhW+edu
保守るよ!
834 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 00:24:01.14 ID:4CKAinFi
>>831よ、こんなこと言う奴はスルーしとけ
809 :なまこ ◆OPaZJrQRQk :2007/05/19(土) 10:21:53.37 ID:y+xnVa24
税金たらふくもらって実戦ではチンピラ一人に複数で囲んで○一日かけて死亡か
税金泥棒集団だなSATって
害虫が一人死んだだけ
835 :
ナココとルーク ◆/GKRtxSDWQ :2007/05/21(月) 00:24:27.22 ID:fcKfpXy6
前回
>>747-749 そして、タイトルがどうしても思いつかないためにとりあえずトリの前にこれ、つけてみましたw
>>789 ありがとうございます。これで新名前候補のメモ帳を安心してゴミバコに放り込めます。
本当にバスで見事に話が絡み合っていて舌を巻くばかりです
スレが立った当初は放置気味だったバスがこんなことになるだなんて、想像もつきませんでした
ワクワクしながらみなさんの続きを期待しています
そしてキーゼルさんもなんだか新展開の予感にワクテカです
では、未だに毎週土曜日の宣言が守れていない投下です(´Д⊂
836 :
ナココとルーク ◆/GKRtxSDWQ :2007/05/21(月) 00:24:56.75 ID:fcKfpXy6
「わたくしも少々召喚魔法に興味がありまして何度か召喚獣と戦ってみた事がありますの。
そしてその時に彼らが勝者に心の奥底で望む何かを与えている事に気づきましたわ」
「望む何か?」
たしかに、望んだ物を彼らはくれましたけど・・・それは選択式だった気がするのですが・・・。
「ええ、冒険者は大抵が契約、装備、アイテム、ギル、そんな事ばかり考えているからか
気づく人など一握りでしょうが、わたくしのようにもっと大きな心と野望を持っていればさらに大きな物もいただけましてよ?」
「まさか・・・」
ルークがはっとするとシャントット様はニヤリとしてみせました。
「今のあなたが真に望んでいるもの、そう、召喚獣はあなたを元の世界にもどしますわ。
召喚獣の力が異世界へと人を飛ばすなどと言う事もできるのであればですが。
そして、あなたが本当にもとの世界に帰りたいと強く思っているのであればですがね」
・・・望んだ物、私の望み・・・ルークとずっと一緒にいたいという望みはルークの望みが叶った時、どうなるのでしょうか?
「あ、ありがとうございます!!さっそく行ってきます!!!!
俺は・・・絶対に帰らないといけないんです!!!!」
ルークがガタンと立ち上がり私の手をとりました。
「ナココ!さっそく行ってみよう!!どこが一番近いかな?」
「え、あ・・・テレポルテしてタイタンかな・・・?」
もう、ほんとうにもうすぐに帰っちゃうの?・・・そんなの嫌だよ・・・。
837 :
ナココとルーク ◆/GKRtxSDWQ :2007/05/21(月) 00:25:49.25 ID:fcKfpXy6
「じゃあ、テレポできる人を探そうか!あと黒魔道士と赤魔道士も!精霊で削るのが鉄板なんだっけ?」
「う、うん。LSで聞いてみよう。事情も全部言ってさ」
「シャントット博士、ありがとうございました!」
私の手をとったまま笑顔で大きくお辞儀をしたルークの頭にゴツンと鈍い音を立てて、
シンプルなスタッフながら、計り知れない何かを感じさせる両手棍が振り下ろされました。
思わずその場にうずくまるルーク。見た目の派手さはないものの、じわじわ後を引く痛みを想像させるので思わず私まで眉をひそめることになりました。
そしてそのスタッフの延長線上には博士の腕、そして不機嫌そうな顔がありました。
「最後までお聞きなさい。まったく、落ち着きの無い。この方法は不確実と言ったはずですわ。
確実な方法もありましてよ。ある意味、もっと不確実ですけれど」
少し楽しむような調子でシャントット様が言いました。
「先ほどあなたの申し上げたように、
あなたを呼び出した人を捜し当てる事ですわ。あなたを呼び出す力がある者ならあなたを送り返す力も持っているはずですので。
この広いヴァナディールで一人の人間を捜し当てるなんて途方も無いことですけど」
「呼び出した人?」
初めて聞く話に私は首を傾げました。
「ええ、彼に記憶をたどって貰った結果、なんとか誰かに呼ばれる声がして気づいたらヴァナディールにいたと言う事がわかったのですわ。
助けを求めるような声だったそうですが、何を助けて欲しいのかとか、そういう細かい事は思い出せないそうですが」
「そうなんですか・・・」
一体誰が何のためにルークを・・・。
838 :
ナココとルーク ◆/GKRtxSDWQ :2007/05/21(月) 00:26:49.01 ID:fcKfpXy6
「まぁ、声についてはゆっくり思い出すしかないですわね。せいぜい頑張りなさいな。
・・・いつまでもうずくまってないで立ちなさい。まったくなさけないったらありゃしませんこと」
「は・・・はい・・・」
私は、苦痛に顔をゆがめたまま不恰好な笑顔を作るルークの顔をしばらくの間複雑な気持ちで眺めていました。
私達は想像以上に大きな収穫をして私達はシャントット宅を後にしました。
そして、まずはタイタン討伐へと向かう事になりました。
ルークが異世界から来た事、帰ろうとしていること、帰る方法の事、そして助けを呼ぶ声の事。
不思議な出来事に慣れっこのみんなはあっさりと信じ、あっさりと協力を約束してくれました。
・・・少し、ルークとの別れも覚悟しないといけないかもしれません。
このままじゃ私・・・みんなに嫌われちゃいそうです。でも・・・だけど・・・
839 :
ナココとルーク ◆/GKRtxSDWQ :2007/05/21(月) 00:28:39.28 ID:fcKfpXy6
以上です。
もうね、自分で書いていてこう言うのもなんですが主人公が情緒不安定すぎて・・・
書いてる自分が不安になってきますw
では、皆様の投下を楽しみにしています。
840 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 00:30:34.84 ID:TD8AtNa1
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
841 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 04:27:09.51 ID:FhWmhXjt
「・・・・・・」
眠れない。
あと数時間のうちには目覚めなければならないにも関わらず、眠れない。
「参った・・・」
何が悪いのだろうかと天井を睨みながら考える。
悪いものは食っていないし、今回はあいつのトラップに引っかかってはいない。
自慢じゃないが、リアルからこちらに来てから快眠を心がけている。どんな状況下でも寝れなかったことはなかった。
さて・・・
ごろりと寝返りを打ち、考える。ふとそれと目が合った。
「・・・・・・・・・・・・。」
待て。
何でやけに暑苦しい笑顔を満面に浮かべた禿ガルのフィギュアが置いてあるのか。
「・・・何で、こんなもんがあるんだよ・・・」
無意識にこれが気になって眠れないのだろう。
丁寧にサンドリア指定ゴミ袋に詰め込んで、主犯と思われる黒髪の兄弟の部屋に放り込んでおく。
翌朝、兄弟から悪夢を見た話をされたのだが、それはまた、別の話。
842 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 08:49:37.93 ID:+Mwyivxr
禿ガルのフィギュアの破壊力オソロシス…
age
843 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 11:55:57.34 ID:fcKfpXy6
のろいのハゲガルカフィギュア
投擲 All Job
844 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 14:10:56.42 ID:Avub/l38
平日はひといない…
845 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 16:36:35.52 ID:/cpXSuhf
バスフェイトw
846 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 18:36:18.87 ID:PevXEyyH
847 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 20:06:35.86 ID:/cpXSuhf
思い返してみれば、最初の頃のバスってマターリエリアで
メキさんとか大活躍だったのに
いつのまにやら一番危険な火薬庫なんだなage
848 :
既にその名前は使われています:2007/05/21(月) 22:07:40.33 ID:MNhW+edu
バストゥークの火薬庫保守
849 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 00:46:29.68 ID:08PURe1y
アンインストールage
ちょっと旅に出てて投下送れました…【ごめんなさい】
久々に投下〜
(407)
海面は空の色を映していて、漆黒に染まっている。
その上を、同じく黒い色に塗られた小船がゆっくりと進んでいる。
「思ったよりも船足がでないな。まだ30分くらいはかかるか」
小声でそうつぶやくと、爺さんはさもあろうという顔で大仰に頷いて見せた。
オールで漕ぐ代わりに長い竿を使って海底を押して進めているから、仕方が無いと言えば仕方が無い。
できるだけ音を出さない配慮だ。
出発間もなくは何故かコードネームを決めたり雑談が飛んでいたリンクパールも今は静かなもので、
目的地が迫るにつれて一同の緊張が高まってきているのがわかる。
それは俺も同じで、エルリッドの奪回と共に爺さんの頼みで訳のわからないモノの回収もしなくてはならない。
「なぁ、爺さん。昨日言ってた、黒髪野郎…シュムサザだったか」
「はい」
「そいつが持ってる、回収したいモノってのはなんなのか、見当は付いてないのか?」
正面を向き辺りの気配を探る姿勢は崩さぬまま、少し考えた後に爺さんが答える。
「付いている、と言うよりは、昼の一件で見当が付きましたな」
「流れ着いた兵器の類、か…」
爺さんは黙って頷く。その表情には張り詰めたものが浮かんでおり、好々爺の面影は微塵も無かった。
(408)
「坊ちゃまはご存知ないかと思われますが、異世界からの漂流物は何かと不安定なものなのでございます」
しばらくの静寂が過ぎた後、爺さんが口を開いた。
船の舳先から少し手を伸ばし、海水に手を浸してさらに言葉を続ける。
「漂流物を使用した装備が非常に高性能である事には理由がありまして、漂流物とこの世界の素材は構成元素レベルで反発しあっているのでございます」
竿で海底を押しながら、唐突に始まった奇妙な話に耳を傾ける。それは大事な事であるのには間違いないのだろう。
「反発し合うが故お互いを圧縮しようとし合い、結果的に素材の持つ強度や性能を遥かに上回った物となっております。
さらに申しますと、その性向は漂流物がこの世界に存在する時点で既に発現している可能性が高いのでございます。つまり…」
「つまり、金属であれば密度が高くなり、昼間みたいな爆発物であればその圧力で爆発の威力が上がる、と」
ほう、と爺さんが意外そうな声を上げた。
「わかるよ。んで、何が言いたい?」
俺がやや不満げに返す。そうは言いつつも、昼間見たスタングレネードの威力に納得がいったのも事実だった。
「例えば、でございますが、かの場所にあるものが爆発物であった場合、それが爆発の臨界にあっても不思議ではないのでございます」
「おい、ヤバイだろ、それ…」
とっさにリンクパールに呼びかけそうになったが、ここで対策も立てずに喚いても意味がない。
それにしても、この爺さんは何故そんな事を今更になって言い出したのか…
(409)
仮に、あくまで仮にそうであった場合のことを考えれば、火をかけるというやり方は最悪だ。
「マルトに持たせた弾丸には炸薬が入っております。それ故万が一着弾した場合、引火する可能性が高いかと」
「…弾丸は止まるんだろ?」
「止めて見せましょう」
「おい…」
「事が済んだ後、最優先でマルトの撃った弾丸を打ち落としておく必要がございます。その事を肝に銘じていただきたく…」
相変わらず闇の中を行く船の中で、月明かりで見える爺さんの顔はどこか浮世離れしているように見える。
そして話している内容も、同様に通常では成立し得ない話だ。
「我が不明を恥じるばかりでございます。既にこの件、私共のみに非ず多くの者が動静を伺っております。我らが為さねば、おそらく他の物の手に渡ることになりましょう」
「まずいのか?」
「そうでなければ、ここまで強引に皆様を巻き込んだりはいたしませぬ」
そこまで言って、爺さんは遠くを見るようなそぶりを見せた。
俺は俺の目的のためにヒロやフルキフェル達を巻き込んだつもりでいたが、それも爺さんの目論見通りだったらしい。
そう思うと、不謹慎だとは思いつつ少し心が軽くなった気がした。
竿を操る手は止めずに、俺も爺さんの見る方向を見てみる。月の風下に、分厚い雲が広がっていた。
(410)
最初予定していた俺達の待機場所は軍港の目と鼻の先だ。
そこに移動するのにこの月明かりはどうしても邪魔になる。あの雲が月にかかるのを待って配置に付くのがいいだろう。
「先程お話した漂流物の事は、来訪者にも同じことが言えるのかも知れませねな」
竿を漕ぐ手を休めていると、爺さんはそんな事を言い出した。
「管理者を素手で殴り飛ばすなど、前代未聞でございますよ」
含み笑いを堪えたような、空気の漏れる音が聞こえる。
「殴ったのは俺だが、腕を切り落としたのはラディールだぜ?」
「それはあなたの影響でございましょう。ともかく、今必要なのはそういったものに類する力でございます」
爺さんはまた、雲の行方を見る。
数分ほどで月は雲に覆われ、辺りは近くの岸壁すら見えないほどの闇に包まれた。
「あるかないかもわからん物をあてにするのか。神頼みだな」
「神に祈りもいたしましょう。何かもわからぬ者に世界を蹂躙される事に比せば安いものでございましょうよ」
「行くぞ」
声をかけてから、再び竿を操り前方へと進む。軍港の方向は僅かながら明かりが見えるから、方向を見失うことは無い。
軍港の明かりが辛うじて届かない場所で、竿を海底に刺して船を止めた。リンクパールに向かい、最小限の声で囁く。
「バーマンより各リーダー、こちらは配置についた。そちらの状況を教えてくれ。オーバー」
855 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/05/22(火) 01:07:42.62 ID:MNPK2ntW
今日は以上です。
一応ageっと
856 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 01:11:38.69 ID:EnFtrX3/
>>855 投下乙でーす。
危うく割り込むところだったw
>>835 こういう物語のキャラ名を決めるって難しいね。
覚えにくい名前だったり、発音しにくい名前だと読んでる最中にそこで突っ掛かっちゃうし。
かといって、ある程度イメージ出来てしまう名前にするのはキャラと名前の違和感の原因に・・・。
・・・例えば、
山田太郎やジョン・スミスは個性のない名前・・・と言うか偽名代表、
セバスチャンは古今東西で執事の名前に、
クロ、ミケ、ポチだとペットの名前になってまうw
857 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 01:16:52.86 ID:dNY9BxGy
旅先はグレートキャニオンですかage
国内だYO
859 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 07:07:05.99 ID:QcATywlv
投下乙ですー
やっぱリアルのものはヴァナにさまざまな歪みをもたらすねぇ
860 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 07:24:08.75 ID:08PURe1y
投下乙〜
マルトが倉庫に炸裂弾を撃ちこんで混乱を引き起こして、時間停止させる…と思ってたんだけど、
その弾をマティエールが止めてルーファスさんが叩き落とす?
あれ?何か説明読み落としてたかな?
861 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 11:52:49.69 ID:AKaCyGBE
爆発オチ
そして捨て台詞を残してお星様になる赤鎧
ないかw
862 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 15:05:12.33 ID:9qcUFsOU
保守るよ!
863 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 15:11:37.29 ID:CHWMZyww
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
864 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 18:48:26.27 ID:lfmUrH+h
例えば投下多い人とかメイン張ってる人とかに勝手にテーマミュージックなんかつけて
頭んなかで思いっきりキャラ動かすのがこの頃のお気にいり。
披露なんかすると引かれるかもしれないので自重
age
自分のはいつかまとめのほうにうpするかも
age
テーマ曲と聞いてなぜかチョコボのテーマと天の塔しか咄嗟に浮かばなかった俺は異端児
866 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 20:01:33.83 ID:08PURe1y
いやめっちゃ同意w
イメージを書いてみてよage
867 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 20:03:07.55 ID:CHWMZyww
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
868 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 20:30:34.47 ID:bvvGbDtj
漏れのキャラのテーマはパンダ・ダ・パヤッ
869 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 23:41:42.85 ID:JLRkxEk0
分厚い小説読んでる時とかに、特定のアーティストの曲流してると
全然関係ないのに、なぜか脳内で関連付けされるw
テーマミュージックというかドラマやアニメのOPみたいな、
曲&人物紹介みたいなシーンが脳内再生されてるのかもしれんw
870 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 23:49:15.65 ID:HEAaB833
you披露しちゃいなyo
フラッシュムービーになるかもよ?
871 :
既にその名前は使われています:2007/05/22(火) 23:56:07.35 ID:bvvGbDtj
しちゃいなyo
総制作費6億のアニメになるかもよ?
872 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 01:35:33.95 ID:ZR8xPzc5
アニメ化するなら監督は誰?age
873 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 04:11:02.72 ID:v41y3tIu
敢えてそこで押井守を推してみる。
CV
ルーファス:山寺宏一
ヒロ:緒方恵美
フルキフェル:涼風真世
リード:若本規夫
メイミィ:矢島晶子
キーゼル:朴路美
ナナコ:ゆかな
ルーク:子安武人
875 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 08:59:07.26 ID:4anyV7DM
ルーファス:藤原啓治だけはガチage
876 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 09:59:38.41 ID:ZR8xPzc5
若本!若本!
877 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 11:47:58.71 ID:W6piJf/X
若本はラスボスに!
ラスボスって誰?という質問はうけつけない
878 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 13:24:29.06 ID:ZR8xPzc5
じゃあリードさんのCVは誰なんだぜ?
ラスボスって田中Pじゃね?
880 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 15:27:45.81 ID:ZR8xPzc5
んなわけあるかage
オマイ消されるぞ…
881 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 17:40:35.48 ID:W6piJf/X
ゴブリンコイフでランドワームに興味深々な悪人面なおちゃめ男に気をつけろ…
ぐふっ…
882 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 19:02:56.61 ID:slKtSzIg
mjdsk!!!
週末頑張ります!!!
883 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 21:13:04.28 ID:AlPGN4Q6
「よー」
「んー?」
右斜め横から聞こえた呼びかけに、宙を見上げたまま生返事をする。
別に不貞腐れてるワケでも、ワザと礼儀を欠いているワケでもない。
ただ、ほんのちょっと首から下が動かないだけなのだ。
「ちょっと火ぃ貸してくんねぇ?片手しか動かねぇから点けらんねぇのよ」
視界の端に、ウォーアクトンの袖がタバコを握ったまま力なく揺れる
のが見えた。
貸してやりたいのは山々だが、こちらも指一本動かない。
「わりぃーオレMPもうねぇわー。ケアルに使いすぎた」
「サポ赤かよー」
少しでも気を抜くとぼやけてしまう思考を、何とか繋ぎ止めようと
何でも無い馬鹿みたいな会話をして一秒でも生き長らえようと足掻いた。
目を瞑れば「ホームポイントに帰還しますか? はい いいえ」なんて
選択肢が出ないかと淡い希望を抱いたりもしたけれど、結果見えたのは底の無い
闇だけで、「あぁ、オレ達やっぱ死んだら終わりなんだ」と思い知らされた。
見渡す限り血の海の、ビシージ直後の凄惨なアルザビ。
たまたま巻き込まれてしまったそれは、オレ達がぬくぬくと暮らして目を背けて
来た物の大きさを思い知らせるには十分だった。
884 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 21:14:08.54 ID:AlPGN4Q6
今日、この日までに逝った人
生き残った自分
オレ達はただ生きたいだけなのに、この世界ではそんな些細な事が酷く難しい。
「重いな・・・これも業って奴なのかな」
動かない首は真上を見上げたまま。
地上はこんなにも混沌としているのに、空は相変わらず穏やかな色を湛えている。
ーーーと、その穏やかな空に口を真一文字に結んだとんがり帽子のミスラーー
アスカが突然割り込んだ。
「何してんの、こんな所で」
「蘇生」
それはごもっとも。
間を置かずに、身体に染み入る独特の旋律が紡ぎだされた。
よくよく耳を澄ますと隣からもビチャビチャという音と共に、同じ旋律が聞こえてくる。
この気持ち悪い水音、オレらの血の水溜り踏む音?うへぇ
ぼんやりとした思考が、無理やり引き戻される感覚と共に、激痛が襲ってきて思わず
唸る。ホネさんの蘇生も成功したようで、隣からも変な悲鳴が聞こえた。
動くようになった首で見回すと、どうやらホネさんの蘇生をしたのはリコらしい。
885 :
既にその名前は使われています:2007/05/23(水) 21:14:38.57 ID:AlPGN4Q6
見慣れた紅のシノビ装束がそこにあった。
アスカも、リコも、二人とも目を真っ赤に腫らして口を引き結んでいる。
あ、オレもかな。やべぇ鼻水とか出てねぇだろうな
もう大丈夫だ、と痛みに引きつった泣き笑いのような笑みを浮かべるオレ達の様子に
安堵から引き結んだ口を解いて笑みを浮かべると、ミスラがオレに一言
「アビスキュイラスって、蘇生かけると「保守」の銘まで復元するんにゃね」
「ギャーーーーーーーーー!!!!1」
16スレ目で見失ってから探し続けてはや19スレの終わり。ついに難民生活に終止符が!
どこまで投下したか忘れてしまったけれど!・・・じっくり進んだお話見てこよう。
というわけで久々に保守!
887 :
既にその名前は使われています:2007/05/24(木) 00:13:42.03 ID:gmTWOmsq
アルザビで保守ストラップ買ったりロランで蜂狩ったりしてた保守の人かな?
おかえりなさーい!
888 :
既にその名前は使われています:2007/05/24(木) 00:48:05.01 ID:EmGD5eBr
889 :
既にその名前は使われています:2007/05/24(木) 07:39:35.70 ID:yPPQ6tOC
おはようございます。
やあ、お懐かしゅう。
次から困ったときはまとめサイトに行くといいかもです。
890 :
既にその名前は使われています:2007/05/24(木) 11:01:05.86 ID:zSfTzykF
ageるよ!
あ、あの方!!お久です。
保守オンリーさんの小話はさくっと読めるからいいなぁ…
だからって本編マル投げで保守兄弟話を書けばいいってものzy(ry
/grin
…べ、別に本編待ち望んでるわけじゃないんだからねっ!!
892 :
既にその名前は使われています:2007/05/24(木) 12:42:31.38 ID:J/WyU6Qz
アトルガン保守に期待age
「呼ばれた気がする」
アイスコーヒーのプラスティックカップにミルクポーションを注ぎながら言う。
「幻聴?今日も暑いからなぁ」
「んだなぁ、今日も暑い」
アイスココアのカップをだらだらとかき回す相手に相槌を打ち、携帯電話を操作する。
「保守、と」
短い単語を送信。
「保守、と」
ペンでその単語を記す。
湿度がそう高くはないとは言えども、初夏ともなればやはり暑い。温くなった茶を口に含み顔をしかめる。
水浴びをしたい。・・・庶務を片付けてからになるか。何か飲みたいな・・・
そんなことを考えながら顔をあげると、カップとポットを手に黒髪の兄弟が部屋に入ってくるところだった。
「呼ばれた気がした」
そう言いながら差し出したカップの中には、よく冷えたコーヒー。ミルクポットも冷えていた。
「・・・今日も暑いな」
「ああ、今日も暑い」
894 :
既にその名前は使われています:2007/05/24(木) 19:04:19.66 ID:qAjRUAMr
「たーだーいーまー・・・」
「おかえり」
プリンが今にもくたばるんじゃないかというような声で帰ってきた。体全体からも疲労感が出ている。
「見つかったか? 探してる来訪者は」
首をわずかに横に振りながら勢いよくイスに座る。壊さないでくれよ・・・。
「来訪者は何人かいたけどみんないい人すぎてね・・・。今日は晩ごはんいらない・・・」
そうか、もてなされたのか。まぁ、普通に見れば小さい子どもにしか見えないからな。仕方ないのかもしれないが・・・。
「いったいどんな聴き方して回ったんだよ・・・」
「『ウィンダスには行った事ありますか?』って訊いてる・・・。嘘つけばなんとなくわかるしね・・・」
奥からモーグリがカップを持ってくる。中には黒い甘そうな匂いのした飲み物が入っている。
「あー、モーグリありがと・・・」
行儀悪く音を立てて飲む。全くどういったマナーを受けてきたんだ。
そんなときだった。
モグハウスのドアが控えめにノックされた。客人だろうか。珍しい。
「ホシュル出てー」
俺は溜息をひとつ吐いて返事をしてドアに向かう。なんだかとっても嫌な予感がするな・・・。
「はいはい、どちらさまですかー」
ドアを開けて上を見上げる。相手がタルタルじゃなければ必然的にこうしなければならないのが辛い。
そこには爽やか系の青年がにっこりと笑顔を浮かべて立っていた。絶対ジョブはナイトだね。ううん、知らないけど(ry
そして彼は爽やかボイスで変なことを言い始めた。
895 :
既にその名前は使われています:2007/05/24(木) 21:09:55.12 ID:EmGD5eBr
「申し訳ありません、ワタシは一緒には行けません」
とんがり帽子のミスラと、キモノ系装備を着込んだエルヴァ
ーンの男が悲しげに見つめあう。
一見すれば、別れ話か何かのように見えるだろう。ミスラが
茶髪を一まとめにしたヒュームの少女に羽交い絞めにされてい
なければの話だが。
「はいはい、あすかちゃん後がつかえてますからお風呂急ぎ
ましょうねー」
「にゃあああああ」
悲しげな鳴き声と共に引きずられて行くミスラを軽く手を振って
見送り、「さて、部屋にでも戻るか」と戸をくぐろうとした所で
「ガツン」という鈍い音と共に、戸の上に飾ってあった「保守の間」
と書かれた札がひしゃげた。
キモノ系装備の男は額を押さえたままぴくりとも動かない。
「まだ身長に慣れねぇのか・・・ネナベも大変だなぁ」
一部始終を目撃してしまった漆黒の鎧の男の声は、未だ復帰
出来ていない男には当分届きそうに無かった。
>>52 >>55 >>56 ( ゚д゚) <・・・・!
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
( ゚д゚ ) <他の保守話の作者様含め、大変ご迷惑おかけして申し訳ありません!
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 保守話なのに設定来訪者数20名以上、登場済来訪者10名以上
\/ / なので、読みきりなのもあいまって非常にややこしいと思います。
 ̄ ̄ ̄ 16スレと19スレの終わりの、トリップ無しのアトルガン・ジュノの
保守話以外は他の作者様の作品で御座います。
それはそうと、これは前代未聞の亀レスじゃないだろうか!
897 :
既にその名前は使われています:2007/05/24(木) 22:58:23.74 ID:gmTWOmsq
ぐっしょりと濡らしたタオルで体を撫でる。汗でべたついた肌が拭われる感覚は心地よい。
日差しと気温で火照った体を冷たい水が冷ましていくのを惜しみながら楽しみ、一息つく。
「これはこれで趣があるよな」
冷たいシャワーを浴びたいとは思うが、どだい無理な話だ。水が滴るタオルで充分に体を冷ます。
ぬるま湯を張った湯船の縁にぐったりと体を預ける黒髪の兄弟は、うとうとと寝かけているようにも見えた。
先程頭の上に乗せてやったタオルを器用にも動かさず、『保守』の刺繍が見えた。
はじめのうちは本当に大変だった。何しろ唐突に別人の体になったのだから、色々な面で抵抗があった。
用足しと入浴はかなり問題で、しかしどちらもしないわけにはいかない。
よって、嫌な話だがわざわざふたりで行動することになった。
絶対に見るな。見ても面白くない。触りたくない。触らなきゃならない。・・・無理。自分でやれないならオレがやろうか?
言葉だけならいかがわしすぎる口論の末か、それとも時間が問題を解決したか、ひとりでもこなせるようにはなった。
それでも、あの当時から入浴だけはふたりきりだ。何か最後の砦がまだ残っているのだろう。
何となく、それが彼と彼女をつなぎとめているような気がして、余程のことがない限りは口出ししない。
女々しいよなぁ・・・
自嘲し、兄弟の隣に滑り込む。ふ、と彼はけだるげに顔をあげた。本当にうとうとしていたのだろう。
「どうだ?」
先程まで暑い暑いと唸っていた彼にそう問うたのは、ただ暑さから逃れられた気分のためだったのだが、しかし応えは違った。
「・・・もう、慣れた・・・よ」
はっきりしない言葉で拗ねる相手に、彼は笑った。
そして本編放置して保守ばっかりしているのが私です。
何せこのスレで本編投下したのが・・・ごにょごにょ。
まあその、あまり保守に徹してるときは煮詰まってたり話をまとめてたりなので、本編を放置してるわけでは・・・ごにょごにょ。
899 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 01:26:59.63 ID:Rmnax79z
本編投下を待ってるage
900 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 06:28:30.06 ID:U0exGmKl
900!
なんか、久々な感じ
901 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 10:50:01.81 ID:Rmnax79z
このまま1000までいきたいage
902 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 13:01:41.19 ID:67llCEzb
じゃあ1000まで保守を・・・ゴメンナサイ
903 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 13:14:51.23 ID:Rmnax79z
このスレを見ている人はこんなスレも見ています。(ver 0.20)
【やっぱり辛い?】車上生活13台目 [その日暮らし]
【E87】 BMW 1 シリーズ 【9th】 [車種・メーカー]
1シリのスレを見てるのはオレだけど、車上生活て…一体誰がage
904 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 16:02:00.04 ID:67llCEzb
そんな板あるんですかΣ(´□`;)
ニュース系板は見てるんだけどage
905 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 18:14:10.34 ID:3nuBR1Ni
保守るよ!
906 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 19:58:27.34 ID:Rmnax79z
ホシュルヨ1000!
907 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 22:33:16.55 ID:RXWgAVcC
なんで、どうして
自分の呼吸が煩い。動かし続けている手足もそろそろ限界だ。
鉛のような足はやがて階段の段差に対応できなくなり、タルタルの小さな体は
まるでゴムボールのように宙に投げ出された。
したたかに打ち付けた身体が痛い。
それでも、気がふれたように走り出す。
なんで、どうして
思考がループしている事にも気づけないまま
自分がリンクシェルを脱退したのは、つい数時間前の事。
リンクシェルの方針が「元の世界に還る」に決まって、いつか赤鎧と対峙しなくて
はいけないのがたまらなく怖かったから。
元居た世界に心残りが無いわけじゃない。残してきた妹と両親だっている。
けれどあのスレッドを読んで、自分達が赤鎧を出し抜ける可能性が欠片も見出せ
なかった。
突然放り出された異世界で唯一の拠り所だったリンクシェルも脱退し、途方に
くれていると、前方に見慣れたヒュームが居ることに気が付いた。
最近リンクシェルに入った新人で、一緒に遊んでいた黒魔道士だ。
嬉しくなって声をかけて手を振ると、黒魔道士もこちらに気づいたようで振り返った。
微笑む黒魔道士には、眼が、無かった。
908 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 22:33:47.31 ID:RXWgAVcC
正確には、あったのかもしれない。全身真っ黒でわからなかっただけで。
けど、どう見ても異常な事だけはわかった。それからずっと走り続けている。
人通りのまばらなジュノを、壮絶な追いかけっこ。
けれどそれも終わりとばかりに、「黒魔道士だったもの」は一気に跳躍して自分を
飛び越すと、眼前に躍り出た。
よく見ると真っ黒に見えたのは血で、死して尚無理やりに動かされている骨折した
身体は、腕も足もあさっての方向を向いてぶら下がっている。
最早立っているというより重力を無視して浮いているようだった。
抵抗したんだ。このゲームを始めて間もなくて、レベルも低かったのに、精一杯。
そんな仲間が、玩具みたいに扱われてる事が無性に悔しくて、悲しくて
気づけばモルゲンステルンを握り締めて殴りかかっていた。
無意識に発動したのは、暗黒ヘキサストライク
「うわあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「っーかまぇたぁ」
909 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 22:35:24.35 ID:b8G58Pkm
名古屋市の無職の男 高校に忍び込み、女子更衣室で数人分の下着を盗む
24日午前1時10分ごろ、名古屋市内の高校に男が侵入、パトロール中の警察官に、建造物侵入の疑いで逮捕された。
逮捕されたのは、名古屋市の無職 竹石圭佑(20)容疑者。
発見当時、竹石容疑者は女子更衣室で盗んだとみられる下着数人分を所持していて、
調べに対し、窃盗目的で侵入したことをほのめかしているという。
警察は、窃盗容疑でも調べを進め、余罪についても追求している。
910 :
既にその名前は使われています:2007/05/25(金) 22:35:29.37 ID:RXWgAVcC
「おかーさーん、次おにいちゃんの部屋掃除するねー」
「何言ってるのこの子は、貴方にお兄ちゃんなんていないでしょ」
「あれ、そうだった。どうしちゃったんだろ、私。
でも・・・何だか忘れちゃいけないこと、忘れてる気がするの」
「そうね、お母さんもそんな気がするの。おかしいわね・・・」
扉に「保守」というプレートが下げられただけの、何も無い空っぽの部屋。
カーテンすら無い部屋の隅で、真ん中にぽっかり空白の空いた家族写真がこちらを
向いて微笑んでいた。
911 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 00:37:09.93 ID:a/0le8Ia
保守るよ!
912 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 00:53:55.34 ID:n0Y7g6Wr
こわいお(((( ;゜Д゜)))
913 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 01:31:03.54 ID:r/cm8koE
914 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 02:50:21.04 ID:GkGGNfVJ
いやでも面白かった。
「壮絶な追いかけっこ」だけ少しコミカルな言い回しだったけどw
915 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 02:51:03.27 ID:V+jfg18L
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
916 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 10:38:17.27 ID:bSyqVxwU
むごいな…(ノД`)
917 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 11:17:12.90 ID:FxlEIupF
面白かった。GJだわー
ヴァナで抹消されると、リアル側の存在も消えるのは怖すぎ
918 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 12:20:16.23 ID:oEmAg2De
このスレのFEZ版立ててもいいかな?
俺のキャラなんかバツイチなんだけどどうすんの
920 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 14:22:50.85 ID:a/0le8Ia
>>894 続き・・・。FEZ版がなんだかわからない俺乙
「あなたたちを迎えに来ました」
何を言ってんだ、こいつは。
「もうすぐここで大きな戦いが行われます。管理者側として僕達に協力してください」
黒マントをつけたヒュームの青年が続ける。どちらかと言うと有無を言わさないみたいな雰囲気だね。
さてどうしたものか・・・
「そうだねー、どうしよっかなー」
やる気なさそうにプリンがイスから降りる。
「私達に拒否権はあるのかな?」
「ありません。バストゥークにいる管理者側の人間は全て召集がかかりました」
なんだよ、何のために訊いたんだよ。イミワカンネ。仕方ない。さっさと用意するか・・・。
「嫌よ」
俺が振り向く。同時に金属音。プリンの鎌を青年が左手の盾で防御している。というかそれどこから取り出した。
「へぇ、やるじゃん。あなた普通の黒マントじゃないね」
「あなた達と同じランクの人間ですよ。いや、あなた達よりかより優秀ですけどね」
プリンが剣で弾かれて後ろに下がる。俺も戦闘準備すべきかね。魔法なら武器なくても平気だし。
プリンが鼻で笑い両手鎌を構える。さっきの武器同様プリンの体をどこから出てきたのかわからない鎧が包み込む。
「三下が。殺してあげるわ」
921 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 14:58:17.66 ID:r/cm8koE
922 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 16:07:09.50 ID:vqHehvp1
久し振りにバトルktkr!
おばあちゃんはこうも言っていた。
戦いの相手には敬意を払え、と
923 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/26(土) 16:13:59.83 ID:2QXz09g5
「アメショよりバーマン、どうにかなりそうだ」
おれの言葉に、マルトはいやいやと首を左右に振る。が、目も口もギュッと閉じたままで、何か言う余裕はないようだった。
少しラフに切りそろえた髪が揺れて、発情しきった雌の匂いが鼻孔をくすぐった。
「……? どうなんだ、マルト?」
違和感を感じたのか、ルーファスが問いかける。
「おい、ご主人様に教えてくれとよ」
耳元で囁く。吐息ですら、今のこいつには責めの一つであるらしい。びくん、と体が震え、それが幾度かこだまのように続いて、ただ驚いただけではない事が分かる。
マルトは潤んだ目でこちらを睨みつけると、どうにか言葉を紡いだ。
「だ、大丈夫、です……っ! ふぁ……」
「そうじゃないだろ? 教えたとおりに返事をしろよ」
少し力を込めてつねると、面白いように大きな反応が返ってくる。
自分の指を噛んで声が漏れ出すのを防ぐ仕草が哀れで滑稽だ。咎めるような視線に、弱気な懇願が混じった。
「ひ…ヒロ様、もうらめ…… 駄目れす…ふぅんっ」
「んじゃ、やめようか」
わざとらしいほどそっけなく指を引いて、マルトから離れる。すると今度は、怯えたような顔で腰をくねらせ、未練がましくおれの手に尻尾を絡めてくる。
「だ、駄目っ」
自分の口をついて出た言葉が自分でも信じられなかったのだろう。見開いた目にいっぱいの涙を溜めてそんな顔をする。だけど、もじもじと太股をこすり合わせる仕草を見れば、言い間違いなどではない事は明白だ。
「つ…続けて…下さい」
確かにやめたらまた震えて、狙撃どころじゃないもんな。そう言ってやると、自分の衝動を正当化する理屈を与えられて彼女が大きく幾度も頷く。ニタリ、と自分でも呆れるほどイヤらしい笑みが浮かんだ。
「じゃあ、教えたとおり言ってみろよ」
924 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/26(土) 16:14:51.83 ID:2QXz09g5
というのは嘘で本物の投下いきます(´・ω・`)ノ
925 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/26(土) 16:15:45.92 ID:2QXz09g5
今度は、おれがテンパる番だった。
「い、いや、なんとかしろって……。どーすんだよ」
「こちらからは状況が分からん。だから現地の判断に任せる。時間をかければジリ貧なのは変わらないが、今のプランにこだわって大きな失敗をするよりはマシだからな」
必要なら裸踊りでも何でもしろ、と冗談めかした口調で通信を締めくくる。多分、おれ達の嘘は全部お見通しなんだろう。
だからといって、今まで爺さんにおんぶに抱っこで組んだ段取りだ、爺さんにも想定外の事態が起こったら、発生したマイナス要因を補正するのは容易な事じゃない。
肩に掛かっていた重みが離れたのに気づいて振り向くと、長銃を抱きかかえたまま、マルトが固まっていた。見放されたとでも思ったんだろうか。
原因は分かっている。マルトの精神状態だ。少し危険を冒してでも、その辺のケアを出来る人間と組ませるべきだった。おれのミスだ。いや、より根本的には、射撃場での技術訓練しかしていなかった事が原因なんだが。
「あー」
言い掛けるが、先が続かない。当然だ、思案に暮れながら、結論はおろか確認事項すら思いつかないまま何となく口を開いただけなのだから。
マルトの技術なら今の作戦を充分成功できるはずだ。今までのこいつの自信はハッタリではないだろう。それに爺さんが手塩にかけて育てたこいつだけに、その辺りを爺さんが見誤っているとは考えにくい。
ちょっとしたきっかけでも与えてやれれば、すんなりいくはずだけど、その「きっかけ」が思いつかない。それを考えるのと、別の作戦を提案するのの、どちらがより効果的なのか。そんな迷いが思考を邪魔する。
思えば、おれ自身こういう場面をどうにかしてきた記憶がほとんどない。
受験もそう、友達関係もそう、恋愛もそう、就職もそう。檜舞台を避けまくってどうにか空っぽの自分が傷つかないようにしてきた人生。
いや、一個だけあった気がする。あれは小四くらいの時分、人数あわせで無理矢理駆り出された草野球の試合だったか。
しかしあれをやるのか? こんな女の子相手に? 第一あれをやられた結果はどうだった、最悪だった気がするんだが。
926 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/26(土) 16:16:37.99 ID:2QXz09g5
苦い記憶の堂々巡りに入りかけていた事に気づいて、顔を上げる。マルトは相変わらず、捨てられた子供みたいな顔でこちらを窺っていた。いや、どちらかと言うと、こっちが歳相応の顔なのかもしれない。
自分の人生経験の浅さを呪いつつ、おれはどうにか覚悟を決めた。ろくな方法じゃないけど、今はこれに頼るしかない。
おれとこいつは違う。おれが三振した挙句すっ転んで自分のバットで顔に痣作ったのはおれが練習もしないでかっこだけつけてたからだ。こいつは今までずっと自分を磨いてきて、ただ本番に初めて臨むのに躓いてるだけだ。
927 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/26(土) 16:17:09.81 ID:2QXz09g5
「マルト、一つ気になってたんだ」
それなんだがな、と適当にマルトのへその辺りを指差した。何の疑いもなくマルトは頭を垂れてそこを見る。普段ならその前に色々勘繰ってくるんだろうが、今は本当に余裕がないのだろう。
ゴン。
間髪入れず、指差したのとは反対の手で握りこぶしを作ると、マルトが反応する前に一気に振り上げ、振り下ろした。本気で殴ったわけではないけど、いやに音は大きく響いた気がする。そして手が痛い。
「…ふぁ? ……んにゃ?」
何が起こったのか理解が出来ない。両手で頭を抱えて、目を見開いたマルトが珍しく「にゃ」なんて言いながらおれを見上げた。よっぽどショックだったのか、涙目になってる。
「打てたら、倍にして殴り返していいからな」
ガキの時分、兄貴はおれにそう言うとさっさとそっぽを向いてしまった。ずっと見られていなかったおかげで、色々と気持ちを整理をする分には役に立った。
だけど、別にそこまで考えてそっぽ向いた訳ではない。今ならそれがよく分かる。そしてあの時兄貴は心から、首尾よく成功させて、後で殴り返して欲しいと思ってたんだ。今のおれと同じに。
「すごい音がしましたよ?」
「何があったの?」
フルキフェルとラディールが、慌てた口調で尋ねてくる。
「ヒロ様に殴られました…」
気まずくて黙っていたのだが、マルトに速攻ちくられた。とはいえあっけに取られたような口調で、咎めるような意図は感じられない。
「最低」
「ひどすぎですよ、ヒロさん」
「最悪だ」
口々に言いたい放題言う人々。最後のルーファスだけはちょっと面白がってるようにも聞こえた。
「だーうるせー! 何とかしろって言ったろ、信じろ! ダメだったら全裸でバスからウィンダスまで泳いでやるよ!」
子供の頃のトラウマがようやくいい思い出に変わるかもってとこだってのに、なんて奴らだ。
928 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/26(土) 16:17:41.99 ID:2QXz09g5
大体あれだ、
>>794も言ってたし、この方法は間違ってない!(`・ω・´)
きっと! …たぶん! ……ひょっとすると!
929 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/26(土) 16:18:20.03 ID:2QXz09g5
パールに向かってがなり立てていると、マルトが言った。
「ヒロ様、もう一度肩を貸していただけますか」
それがあんまり静かで落ち着き払っていたので、いつもの癖で軽口が突いて出る。
「あ? 泣くなら胸か背中の方がよくないか?」
「今ぶたれたいんですか?」
すいませんでした。思わず頭を下げて、再びマルトの前に膝を突いて肩を貸す。静かにそこに銃身が乗せられた。
「発射音は相当のものです、我慢してくださいね」
「ちょっと待て」
耳を塞げとかじゃなくて、いきなり我慢しろときた。
急いで術式をくみ上げると、スニークと、念の為サイレスを銃に入れた。攻撃と同時に解けるスニークに、咆哮や妨害音波を阻害できないサイレスだ、どれだけ効果があるか分からないが、何もしないよりは気分的にいい。
「弾は何発ある?」
人の手が触れた銃は、たとえ目の前で何をしていたか観察していたとしても、一応の確認は欠かさない。マルトもそんな一人だったらしい。マルトが照星や銃把を確かめるのを見ながら、ふと尋ねてみた。
「四発です」
「なら、最初の二発は観測用と考えていいな。本番は三発目からだ、気楽にやれよ。マルトに出来なきゃ、ゴルゴにも出来ないさ」
一発目でサイトのずれを確かめ、二発目で手元でどれほど動かせば着弾位置に当たるか確かめる。当てずっぽうだがこんなところだろうか。
「ゴルゴ?」
「ああ、おれの世界で最強の男だよ」
マルトが知っているとは思っていなかったので、用意していた答えを返す。自分でも異論はあるが、細かく説明するのは無駄だ。
「それはガンダムよりも強いのですか?」
「同じくらいかな。……なんでそんなもの知ってるんだよ」
930 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/26(土) 16:19:15.55 ID:2QXz09g5
猫狩あなどれん。どんな顔で言ったのか気にはなったが、既におれの肩には銃が乗っていて、マルトは最終確認の途中だ。だから諦めた。
「ファーロス様からお聞きしました」
意外とオタクなのか、ルーファス。
「まあ、同じくらいだよ。多分」
マルトの返答はなかった。ふと、銃が軽くなった気がしたが、気のせいだったようだ。肩には相変わらず重みがかかっている。
「いけそうか?」
言ってから、失敗したと舌打ちをする。
「外すとしたら、ヒロ様の肩がぐらついているからです」
「あっそ」
杞憂だったようだ。なんだか責任の転嫁先を確保しただけのようにも思えるが、それで成功するなら別に構いやしない。
背後で、ふふ、と笑いが漏れた。
「これでわたしがほんの少し狙いを外せば、ヒロ様はウィンダスまで泳ぐのですね」
何か言い返そうとしたが、マルトが狙撃を行う旨を伝える声に邪魔されて言葉にならなかった。
これがさっきまで震えて縮こまってた女の子かよ。
「女って訳分からん」
「男よりは分かりやすいと思いますよ?」
そりゃ、お前が女だからだろ。
そのぼやきを打ち消して、肩に乗った大砲が火を噴いた。
931 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2007/05/26(土) 16:20:10.08 ID:2QXz09g5
ここまでです。
最初の小ネタはネタの都合上マジっぽく書いたんですけど、不快に感じる方がおられたらごめんなさいね(´・ω・`)ノ
俺のお茶が・・・
933 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 17:19:16.06 ID:n0Y7g6Wr
次スレでは自キャラになったゴルゴVSガンダムをお楽しみください
934 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 19:15:15.58 ID:a/0le8Ia
>>920 続き・・・
「旧型モデルが・・・。教育してあげよう」
おいおい、青年すげー自信だな。俺はどうすればいいのかわからんがとりあえず
素手で構えておくか。
先に動いたのは青年だった。盾でプリンを叩き潰すように殴る。バックステップでそれを避ける。
鎌はリーチが長いぶん懐に入り込まれると弱い。それを知ってだろう。接近するように動いている。
「ほら、どうしました? 所詮旧型がいきがるのはいけないですよ」
青年の武器が光に包まれて消える。開いた手をプリンに向ける。
「時よ! 止まれぇ!」
時間停止――プリンの色が白黒になっていく。プリンだけの時を止めたのか。
「はっはっはっは! 弱い! 貧弱すぎる!」
石のように固まったプリンを横目にこっちに着やがった。やばいよ、俺もまずいよ。
「次はお前・・・あぁ?」
なんだよ、台詞の途中でやめるな。青年をよく見ると足が宙に浮いている。
「なんで浮いているんだ?」
刹那、青年の膝から下が吹っ飛ぶ。驚きの声を出す前に肘も吹っ飛ぶ。
「愚かね・・・。その程度の力が新型? バカバカしい」
プリンが魔法を自分にかけてふわりと浮く。そうか。反重力魔法・・・
「死になさい」
鎌を高速で振る。体はどんどん小さくなっていく。部屋中に血が跳ぶ。
935 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 21:44:28.43 ID:r/cm8koE
風が気持ちいい。
鮮やかに流れ行く自然の緑。仄かに湿り気を感じるのは
昨日辺り雨が降ったのか、それとも梅雨が近いからか
買ったばかりの自慢の愛車「保守号」は、私の期待に応えて
ぐんぐんとスピードを上げていく。
このまま、久しぶりにツーリングと洒落こもう
何だか今日は、どこまでも行ける気がす
『クィンテッド』
「!!!」
跳ね起きた先に見えたのは、見慣れたジュノ港の酒場にある
私達リンクシェルの「ホーム」の染みのついた壁。
きっと今の私は「私」ではなく、所謂ユウナフェイスのヒュ
ームの女冒険者「クィンテッド」
「夢か・・・」
何だってあんな夢を・・・ホームシックに一番遠いのは私だと
思っていたのに
膝を抱え、糊の利いたシーツを手繰り寄せると隣のベッドから
身じろぐ気配がした。「起こしてしまったか、すまない」と声を
かけると、少女は一言返してまた深い眠りに落ちていった。
936 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 21:45:01.82 ID:r/cm8koE
'胡蝶の見る夢’
このヒュームの少女は、一見幼いが底が窺い知れない。「胡蝶の
見る夢」とは「胡蝶の夢」の中の夢の事だろうか。
確か、あの話は「夢の中で蝶になり、目覚めると人に戻っていたが
今人で居る自分は蝶の見る夢なのか、自分が蝶になった事すらもその
蝶の夢ではないのか。一つ確かな事は自分と蝶は間違いなく区別が
あるはず」という物だった。
この少女は、肝心な事は話さない。一人で抱え込んでしまう。
リンクシェルでただ一人調査役を請け負い、元の世界に還る方法を
調べる過程で、知らなくていい事まで知ってしまっているのかもしれない。
―――ならば私も気づかないフリをしよう
私をこちらに引き戻したあの悲壮な声は、この少女の物だった。
==ここまで==
937 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 21:51:45.59 ID:V+jfg18L
朝起きたらガルカの股間アップになっていた
938 :
既にその名前は使われています:2007/05/26(土) 23:48:03.23 ID:a/0le8Ia
>>934 続き・・・
どさりと大きなものが落ちる音がする・・・。と言ってもさっきに比べたら小さいが
「う・・・あ・・・」
しかも生きてるし。もうだるまになってるんだぜ? なんで生きてるんだよ。
「まるでゴキブリね。そこだけは新型ってとこね・・・。ほかにどこが新型なのかな?」
鎌を首につける。さっきまで黒かった鎌は赤く染まっている。
鎌に限らず俺を含めた全てのものは赤い。モーグリは一足先に避難したから平気のようだ。
「時間・・・停止の・・・制御能力の向上・・・。純粋な・・・戦闘力の強化・・・」
虫の息でどうにか喋っている。戦闘力向上した割りには弱すぎだろ・・・。
「ふーん、それだけ?」
青年はわずかに頷く。
「頼む・・・。助けてくれ・・・」
搾り出すように言う。その言葉は純粋な願い。涙を流しているのか目元が光る。
「まだ訊くことあるのよ。危険来訪者リストにミスラは混ざってる?」
青年が頷く。同時に血を吐きプリンの足にかかる。しかしプリンはさして気にしている様子もなく
考えるように斜め上を見て空いてるで顎を触る。
「そう・・・。ならいないのかな。あとアジトはどこ?」
青年が即答するように番地を告げる。港近くのモグハウスか。
「ありがと、もういいや」
鎌は青年の首がないかのように空を撫でた。はじけて飛んだそれは壁にぶつかり床に落ちた
939 :
既にその名前は使われています:
保守るよ!