2 :
既にその名前は使われています:2006/11/28(火) 12:06:57.68 ID:yPWsJtwB
2
朝、起きたら自キャラになっていたFFXIプレイヤーたち。
ステキに過酷なヴァナ・ディール、笑いと涙の右往左往。
俺たち“来訪者”を排除していく、謎の集団も現れた!
この異世界に出口はあるのか?
リアルに帰還できるのか?
熱血、友情、ラヴ、バトル! 陰謀、シリアス、ギャグ、微エロ!
俺たちの明日はどっちだ!?
4 :
既にその名前は使われています:2006/11/28(火) 12:07:44.30 ID:epQBti89
よん?
"リンクしたお話を書いている人向けの"共通設定。これは絶対ではありません。
ある程度共通していた方が、読み手の方も分かりやすいのではという意図のものです。
参考程度に留めて、投下する方が自由に想像し設定してください。
LPは映像付きが多い (例:Yurifina氏のSSでは映るが、Lead氏のSSでは会話のみ)。
冒険者証明書は金属カードで、邪魔にならない所に魔法で入っている。競売は魔法紙で取引されている。
みつめる(/c)はとても嫌な視線扱い。時間感覚はリアルと同じ。tell等のSay・sh・echo以外は念話。
リアルからヴァナに入り込んだ人々の事を「来訪者」と言う。
「来訪者」はリアルの品物を三つまでヴァナに持ち込める、こともまれによくある。
いわゆるGMと同じ姿の連中がいて、「フェイト」という組織を形成し、洗脳した来訪者「黒マント」を使役して
「来訪者」達を狩っている。(マントではない、ただ単に黒装束のやつもいる)
この世界はゲーム内ではない、"実際のヴァナ・ディール"なのかも知れない?
レイズは意識不明(戦闘不能)に有効だが、完全に死んだ者には効果が無い。
(まとめWikiのテンプレより)
キャラ紹介テンプレ
初出: 別スレ同番の人もいるようなので、スレも併せてお願いします
PC(仮)名: / 中の人:
種族フェイス:
ジョブ&Lv:
特記事項:
活動エリア:
あらすじ:
他キャラとの接触:
独自レギュレーション: 共通設定(?)と目される設定とは敢えて変えてある部分を明記するのはどうでしょう。
テンプレここまで。それでは来訪者の皆様、張り切ってどうぞ。
新たな旅人も、一見さんもウェルカムです。
貴方の物語を、聞かせてください。
誰かと共に創る物語でも、貴方だけが紡ぐ物語でも。
「なぁ、最近思うんだけどさ」
「何かな相棒よ」
「本当のお前は男でネカマだって分かってるのに、なんか最近お前を見てると」
Akasammerの連続魔!
AkasammerはSinobuにディアガを唱えた。
AkasammerはSinobuバインドを唱えた。
Akasammerのディアガが発動。→Sinobuはディアの状態になった。
AkasammerはSinobuにグラビデを唱えた。
「ちょwwwwまてお前wwwww」
Akasammerのバインドが発動。→レジスト効果発動! Sinobuはバインドをレジストした。
AkasammerはSinobuにサイレスを唱えた。
Akasammerのグラビデが発動。→Sinobuはグラビデの状態になった。
「話きけっておいwせdrftgyふじこlp;」
AkasammerはSinobuにバインドを唱えた。
Akasammerのサイレスが発動。→Sinobuは静寂の状態になった。
「よるな! 来るな! 私は男にケツを貸す趣味はねええええ!!」
Akasammerのバインドが発動。→Sinobuはバインドの状態になった。
「……! ………!(誤解だ! 即そういう考え方に結びつくお前もお前だぞ!)」
「だったらそういう思わせぶりな言い方は、次から控えてくれ…。」
「……。……。(…前向きに善処するよ。とりあえずサイレナからよろ)」
10 :
既にその名前は使われています:2006/11/28(火) 16:32:16.00 ID:JwfIcpFO
新世界におはよう保守
11 :
既にその名前は使われています:2006/11/28(火) 16:42:50.22 ID:/Z1BEbDl
丁寧に淹れられた紅茶に、メープルシュガーを入れる。
「・・・暇だ」
「暇ですね」
パートナーの髪の色に似た茶を、もうひとつのカップに注ぐ。
「いい加減に、家事スキルがあがりそうですよ」
「あげておけ。芸は身を助く」
「女の子にやってもらいたいのが男のロマンですよ。こう、エプロンドレスでですね」
「安心しろ、冥土の土産にガルカのマッスル部隊にもみくちゃにやってもらう」
「メイドと冥土をかけたんですn・・・あの、その物騒な剣を収めませんか?」
「貴様が舌を噛み切って黙ったらな」
「それは死にます」
長剣を首筋にあてると、さすがに慌てて失言を取り消す。
「このスレでは出番があるといいですね」
「・・・ああ。まずは何より、おつかれさま。
>>1」
机に向かい脚をぶらつかせながら私は小さくため息をついた。
「そっか・・・半年ぶりだったんだ・・・。」
「想像以上に空白の時間が長くて驚いたクポ?」
「そうだね。調子に乗ってストーリーをこれでもかというくらい練りに練って詰め込んで、
詰め込みすぎて収拾がつかなくなってまる投げして、結局小ネタに逃げるまでに半年かぁ・・・。」
「言い訳はかっこわるいクポ・・・。」
「うぅ・・・ごめんなさい。」
ゴンと力なく机に額をぶつけ、しばらくそのまま情けなく唸っていると、私の肩をモグタンがポンポンと叩いた。
「ほら、暗くなってないで、スレ立てしてくれた人に言うことを言うクポ!」
「うん、そうだね。」
>>1さん乙です!
月明かりが差し込むモグハウス。ベッドに腰掛け、茫洋とした眼差しを宙に彷徨わせる男の傍らでは、
先ほどまで白い靄のようだった物体が、徐々にその形を変え始めていた。
見る人が見れば、その白い靄は呼吸をするように周囲の精霊を寄せ集めて、
取り込みながら再構築をしているのが分かっただろう。
事実、白い靄はいつの間にか、半透明の人の形を成していた。
本来のサイズから1/12くらいの大きさの、白魔道士の装備を身に纏ったエルヴァーン。
ふとそれに目をやった男は、その小さな青年の頬を指で撫でる。
「…このまま次の出番が回ってこなかったら、めでたくお持ち帰りOKって事に…」
「なるかゴルァァァァァァ!!! この腐れカボチャ!! その子から離れろ!!」
突然そんな咆哮と共に、扉が壊れんばかりの勢いで蹴り開けられた。
「ちょ、まてまてまてw なんでそんな元気なんだwww あとキャラ違うぞwwww」
「黙れ!!」
突如怒鳴り込んできたエルヴァーンの青年は、顔こそは男の傍らに眠る小さな青年と瓜二つだったが、
宿す色は、小さいほうが金髪、大きいほうがどういうわけか銀髪、言うなれば2Pカラーだった。
「まあ落ち着け、楽屋裏で乱闘なんか、そんなに楽しいことでもないだろ?
今のオレ達がやっても差し支えない事といえば、
>>1乙くらい。違うかい」
「う…確かに…それは、そうかもですが…」
「だったらほらほら、笑って笑ってw」
「(くそっ…本編ならこんな風にむざむざ丸め込まれることは…)……
>>1さん、新スレお疲れ様です」
「はい、よくできました〜w」
14 :
既にその名前は使われています:2006/11/28(火) 23:50:32.55 ID:QoqUohrc
「
>>1乙」
「それだけですか隊長・・・」禿頭にいかつい刺青を入れた美青年が呆れた声を上げる。
「つかれたにゃー」テーブルに突っ伏して寝込むミスラの少女。
その膝をつんつんつつくタルタルの少年を脛に乗せて軽く振り回して遊ぶ少女。
華奢で小柄なのにすさまじい怪力だ。実際、彼女の蹴りは岩をも砕く。
「しかし、糞忙しいですよねぇ・・・まったく」20代前半、白いワンピースに黒髪の清楚な女性が顔に似合わぬことを言った。
「えい」と言うとその容姿はツンツン頭の調子のよさそうなエルヴァーンの忍者になった。
「あいつは?」「月に吼えてるか錬金術ギルドに入り浸りだ」「・・・サボりやがって・・・」
「隊長。とりあえず〆の一言を」「わっふるわっふる・・・ほしいにゃー」
「・・・プリンならありますが、ワッフルはありません」
「お前もマジレスするな・・・福隊長が戻られたら上質のサンドリア小麦粉を土産にくれますよ」
「八橋を『削除対象www』と言われてカボチャのにーちゃんに食われたにゃ・・・楽しみにしてたのに・・・」
「あの方も時々チョッカイかけにきますよね。塩撒いてもきますから」「ぶっかけてやったら溶けたぞ・・・この間・・・コレマジww」
「そりゃそうと新しい上司っていつ来るのかにゃー」
「にゅーにゅー」大きく伸びをする「赤いノクトチェニックを着たタルタル」を脛で振り回して遊ぶ少女に微笑みながら「さぁ?」と返す二名。
「かなり上位の方のはずなんですが・・・」「みゅーみゅー!」「うるさいぞ!フェンフ!静かにしなさい!」
ttp://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1161847324/830 次の日、この前と同じ司教に出会った。挨拶をすると少し様子がおかしい。
何か困っているようだった。私は話を聞いてみることにした。時間だけは、あったから。
どうやら悩みの理由は、貴重な書物の一部が流出していたことにあるようだった。
セルビナまで行って取り返してきて欲しい…司教は私に、そう言った。
私は了承した。断るよりも受けるほうにメリットを感じたからだった。
しかしヴァナディールの宗教に少し幻滅したのは間違いがない。奇跡が起こる世界ですら、こうなのだ。
チョコボに乗る方法は体が記憶していた。最初は戸惑ったが、そのうち慣れて楽しくなった。
そのまま森を抜け、丘陵を越え、砂丘を通ってセルビナにつくころには夕方になっていた。
積荷は運び出される寸前だったが何とか間に合うことが出来たようで、私はそれを返してもらった。
しかし一つの条件を出されてしまった。船に乗ってマウラまでの護衛をしろというのだ。
海賊は怖かったが毎回出ることが無いと踏んで、私はそのまま乗船した。もちろん、無料で。
…その代償は後で払わされることになる。
17 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/11/29(水) 03:41:34.95 ID:qkN54ANh
風が渡る高原を走る。
思ったより安定していて、確かに乗りやすい。でも、・・・早い。
「スピードの出しすぎじゃあ・・・」
「普通ですよ。早駆けだともっと早くできますけど」
法定速度遵守の安全運転でお願いします。
「チョコボのお姉さん、面白い人だったね」
「レンタル料もおまけしてもらいましたしね」
「うん。よかったのかなぁ」
「本人がいいと言うならいいんじゃないですか?」
そんなことを話していると、見えていた緑が少しずつ消え、岩だらけの荒涼とした場所に変わっていく。
そしてここがグスタベルグだと知る。
甲羅を背負った二足歩行の亀がのしのしと歩いている。あれがクゥダフ。
何度も倒してきた。あるいは守るため、あるいは得るため、あるいは、・・・
「キーゼルさん?」
「ん・・・ああ」
呼ばれて、物思いから戻る。
「何も・・・ただ、変わらないと思って」
応えて、まっすぐに前を見る。
彼はわずかに首を傾げ、手綱を握りなおした。
「商業区へ行きますね」
18 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/11/29(水) 04:05:10.40 ID:qkN54ANh
今回は以上です。
ではテンプレートを。
初出:指定避難場所123
PC(仮)名:キーゼル(Kiesel)/中の人:Kiesel◆nu123wJPbk
種族フェイス:ヒュム♂F4金
ジョブ&Lv:自称戦士。でももしかして赤じゃない?ともっぱらの噂。サポ不明
特記事項:中の人は知識も技能も村人A。小さい。何故かシオンと同じ装備を持つ。"私"の時と"俺"の時がある。
活動エリア:サンドリア→コンシュ→バス
前スレまでのあらすじ:ガルカを追い払ったきーさんは、突如意識を失いコンシュに飛ばされる。
飛ばされた先で出会ったエルヴァーンの青年にセクハラされつつも介抱され、意識と元気を取り戻す。
一部チョコボに乗れないトラブルがあったものの、半ば強引な成り行きで一路バスへ。
ちょwwwwwこのチョコボ元気すぎwwwww修正されないねwwwww
他キャラとの接触:なし
独自レギュレーション:現在不明
19 :
既にその名前は使われています:2006/11/29(水) 10:09:08.08 ID:qe8EKscq
このヴァナ・ディールにおいて、時空を操るという概念は存在せず、ゆえに時空魔法に対応する精霊という
ものも存在していない。しかしながら、現存する魔法の中には、8精霊の力を用いながら、擬似的に時間を加
速したような効果、あるいはその逆の現象を発現させる魔法、また重力に干渉したかのように対象に加重をか
け、行動を制限する魔法、さらには時間的・空間的制約を無視し、離れた場所へ一瞬にして移動する魔法等が
存在する(以降、この文書においてはこれらをまとめて疑似時空魔法と呼称する)。この事から、かつて我々
が関与することのなかった過去に、この世界で時空魔法が行使され、なおかつそれを見ていた者が存在すると
いうことが推測される。
先日のオルデール鍾乳洞における禍神顕現の事例については、異界よりもたらされたとされる漂流物を用
い、この世界の精霊を用いない時空魔法の行使が試みられた。試みた主体についたこの場では言及しないもの
とする。この際に用いられたのは、漂流物たる腕輪に残留していたという魔力であり、言い換えれば、「時空
を操るという概念が存在する」世界からもたらされた漂流物により、正しい形の時空魔法を発動せしめた、と
言う事ができるだろう。
この時空魔法は、結果として一人の来訪者を、壁を超えてこの世界の外へと放逐(あるいは、信じがたい話
ではあるが、帰還を果たした可能性もある)する事に成功したが、行使の際に発生した衝撃は世界の壁を揺ら
し、あの忌まわしい生命体を呼び寄せる事となってしまった。しかし、現在ヴァナ・ディールで日々多くの人
間が行使する移動系の疑似時空魔法については、世界にさしたる影響を与える事もなく、この世界の精霊を用
いる形で運用がなされている。
この世界における魔法のすべては、魔力を持つ者が音律をもって精霊に語りかけ、定まった法則に従い配列
していくことで魔法としての体裁をなし、現象として発動する。その際なんらかの不足があれば発動はかなわ
ず、あるいは術者やその周囲に反動を与えながら発動する事もある。
これを踏まえて、オルデールで行使された時空魔法が完全なものではなく、なんらかの不足がありあのよう
な形で発動したと仮定すると、仮に不足なく魔法を構築するための要素が整ったならば、世界の壁に些かの影
響を与える事もなく、この世界に暮らす人間自身の意思で、世界の中と外を行き来する事が可能になるのでは
ないだろうか、という事が危惧される。
今も継続中の異変に関わる来訪者達が主に元いた世界にも、恐らくは時空に干渉するという概念が存在する
ものと推測される。来訪者から奪取した漂流物と、来訪者自身について、さらなる研究を進められたい。
/* 仕事増やさないでください来訪者の皆さん orz */
text title:時空魔法についての一考察
設定増やすな、という意思表示と受け取ってよろしいですかな?
いんやそういう訳ではないです…そういう風に取られちゃったら申し訳ない。
言い訳すると、「仕事は忙しい人に任せた方が早く終わる」の原理で、
いろいろ押し付けられてパンク寸前でテンパってる、とあるデスクワーク系赤鎧の悲哀をですね…。
文のはしばしに「推測される」という文言が多用されているように、
設定の整理のように見えてまったく確定されているという事はありません。
もちろん、いろんな人の書かれたお話からちょっとずつ設定をもらってはいますが。
というわけで、来訪者の人はどんどん赤鎧を困らせるのがいいんじゃないかと思うのです。
あの不思議な世界のすべてを把握しきったとは、思い上がりもいいところなわけですよ。
来訪者の命を狙う危険な相手が一人減るかもわかりませんよ。
ごめん
そうだろうと思ったけど、気にする人もいるんじゃないかとつい突っ込んでしまった
いえこちらこそ…配慮が足りなかった所に突っ込み感謝。
さて、それでは投下をわっふるわっふるしておきましょうか
27 :
既にその名前は使われています:2006/11/29(水) 17:30:00.78 ID:rFruRuTv
_ ∩
( ゚∀゚)彡 わっふる!わっふる!
⊂彡
28 :
既にその名前は使われています:2006/11/29(水) 18:36:54.28 ID:pwuEIjfH
__
i<´ }\ , - 、
ヽ.._\./ .ンく r-兮、 __
∠`ヽ.! / ヾニEヲぐ ,ゝ-> これが新兵器ワッフルアーマーか
/_`シ'K-───‐-、l∠ イ 設定でもめそうになってもなんともないぜ
l´__,/l\、_ ̄0¨0)゙@Yヘ, -┤
. l'___|⌒ヾ''ー==、ーr='イ i二|
/ .」 i /./7r‐く lー!
. f. ヽ‐i人.∠'< _i. l,.-ゝ.
トiヘヘ「ト〈 `X トレi7__|
〉ト:トハj`! i. / トー┤lルj,リ
/‐+----+‐l iー--i---ヾ'〃
. l_i____i__| |___i,__i_|
テンプレだけ。前スレは落ちましたね。
>>1乙です。
初出: スレ1の898
PC(仮)名:Bareiluyareilu(バレィルヤレィル) 中の人: バレ【1-898】
種族フェイス:タルタル F6 B
ジョブ&Lv: 黒魔道士30 白魔道士30 赤魔道士23
あらすじ: ヴァナに「望まぬ来訪者」として来てしまう。
なんとか「ヴァナでの」魔法発動方法を習得。 同じ来訪者Sunnylintu(サニーリンツ)に出会う。
特記事項:
このスレの主流である「赤鎧」「黒マント」、及び「フェイト」関連の出現はありません。完全独立SSです。
Sunnylintu(サニーリンツ)
活動エリア:ウィンダス連邦内。及びその周辺の地域。
他キャラとの接触: そもそも完全独立だから無理。ρ(。 。、 )
ミスった…。下が正しいです。
初出: スレ1の898
PC(仮)名:Bareiluyareilu(バレィルヤレィル) 中の人: バレ【1-898】
種族フェイス:タルタル F6 B
ジョブ&Lv: 黒魔道士30 白魔道士30 赤魔道士23
あらすじ: ヴァナに「望まぬ来訪者」として来てしまう。
なんとか「ヴァナでの」魔法発動方法を習得。 同じ来訪者Sunnylintu(サニーリンツ)に出会う。
特記事項:
このスレの主流である「赤鎧」「黒マント」、及び「フェイト」関連の出現はありません。完全独立SSです。
基本イレギュレーション
tell shautはできない。
sayは来訪者にとっては叫んでるように聞こえる。
現実世界と同じく殺されたら死ぬ。同時にリアルに死体が出現。
基本的に装備品は所持してるものしか着れない。競売で買って着れる保証は無い。
店売りの場合は仕立てで入手可能。
リアルでの名前は思い出すことができない。キャラの名前が本名になる。
リアルの記憶は残っている。
来訪者はどんなに低レベルの敵でも殺される可能性がある。
活動エリア:ウィンダス連邦内。及びその周辺の地域。
他キャラとの接触: そもそも完全独立だから無理。ρ(。 。、 )
31 :
既にその名前は使われています:2006/11/29(水) 21:40:42.83 ID:K8H73z18
上げる
「ねえ、リードさん」
「どうした、メイミィ」
「わたしたちは、なにかネタを投下しなくてもいいんでしょうか」
「・・・」
「みなさん投下してますし。そうだ。赤い鎧の舞台裏とか、面白そう」
「必要ない」
「むーぅ」
「・・・・・・」
「もしかして、"よんゲット”できなかったのをスネてるんですか?」
「・・・・・・・・・」
「当たりですね」
「・・・・・・・・・・・・」
「もう。何もないのもなんですし、ふたりで、せーので、ね?」
「あぁ」
「せーの」
「「
>>1乙!」」
33 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 00:12:53.19 ID:kGsxZsVp
あげてしまおう
34 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 01:03:39.28 ID:b4AExh53
上げてイインダヨ?
35 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 06:51:55.56 ID:MEZ7e0ow
保守しようじゃないか
36 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 10:06:27.83 ID:+U6/wvOD
わっふるよりクレープのほうがおいしいとは思わないか?
「保守ってなにクポ? ご主人。」
「ん?なんだ藪から棒に、って始めて言うなこの言葉…」「…ご主人?」
「だいたい実際に会話で使わない言い回しや言葉が多すぎなんだよ、日本には…」「ご主人。」
「例えば『すべからく』とかどこでどう使っていいか訳わかんn…」「ご主人!?」
「たぁっ!!なんだよ!!」「質問に答えて欲しいクポ。」
「あ?ああ、え〜っとまぁこのスレを保守するってのはとどのつまりこのスレがdat落ちなんかしないように守るって意味だ、多分。」
「…ん〜…」「なんだよ、難しい顔して」「変クポね〜。」「変?」パラパラ…
「保守 ― 1、機械類を正常な状態に維持すること。2、伝統を守り、物事を急に変えようとはしないこと。
どれにも当てはまらないクポよ。」「…ん〜確かに。この国語辞典にはそう書いてるなっておぃぃぃっ!!!」
「どうしたクポ?」「なんでお前がリアルの辞典をもってるんだ!!」「なに言ってるクポ。ご主人がリアルから持ってきた物クポよ」
「俺が!?ちょっと待て!この物語は完全独立型だろ!『リアルの物三つ持ち込み』のルールなんてないぞ!?」
「あるものは仕方ないクポ。グチグチ言わないクポ。」「…」
パラパラ…「この表現のほうがピッタリだと思うクポけど」保持「そのままの状態を持ち続けること…か、おお。」
バッ「保持するクポ!」ビッ「保持します!」ビシっ「保持保持するクポ!」ババッ!「保持保持保持すっぞ!」「ほ…」
――――――――「…語感が悪すぎるな…。」「ホジホジって…」「そのままのほうがいいな…」「そうクポね…」
「それはそうとご主人。気になることあるクポ。」「まだあるのか?」
「完全独立型と言っときながら番外編とはいえ他の作者さんに絡みたがるうちの作者は書き手としてどう思うクポ?」
「浅はか、かつ度胸が無いな。」「そうクポね。」 orz
38 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 12:53:38.86 ID:clQj5hwV
「異議あり!!」
「・・・何だ、唐突に」
「言葉は常に変わるもの、よって今使われている言葉がかつての意味であるとは限らない!!」
「・・・・・・・・・・・・。」
ビシィッ!!と指さす兄弟に、溜息。
「待った!!」
書類を机に叩き付け、気難しそうな表情の女性が眼鏡をかけ直しながら言う。
「バレィルヤレィル氏のモーグリはあくまで辞典を参考にしているだけであり、モーグリ自身に罪はないのでは?」
「くッ・・・」
「・・・いや、いつの間にモーグリが被告人になったんだ?」
ツッコミも、睨み合っているふたりには届かない。
「と言うか・・・何だ、このエセ逆転裁判ごっこは・・・」
「「暇だから」」
「・・・まだ出ていない奴が言うな」
もはや我が道を行くのみですよ(´∀`)
スレを読んでいるとき、頭の中で勝手にCVを当てている事がある。
ってか、↓の声で台詞が再生される。そんな勝手なイメージ。
リード:子安武人
メイミィ:小西寛子
ルーファス:藤原啓治 ラディール:矢島晶子
ヒロ:松本梨香 エルヒロ:緑川光
アオツキ:飯塚雅弓
フルキフェル:涼風真世 かぼちゃ(デス?):石田彰
キーゼル:朴路美 カイン&ケイン(双子なんだよね?):大川透
ヘキサガンの女:林原めぐみ
タルタル勢はなかなかうまく嵌らないもんだ…難しい。
各投下人さんそれぞれのイメージとは違うかも知れないが謝らない。というわけで保守。
なんか涼風真世だけすごい浮いてないか
41 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 17:44:07.97 ID:+U6/wvOD
若本様がいない…
42 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 20:10:05.16 ID:b4AExh53
俺の中でフルキフェルは田中理恵ボイスage
43 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 20:11:24.84 ID:clQj5hwV
>>39 ・・・・・・( ゚д゚)
「誰がミジンコサイズの豆粒チビですかー!!」
「兄さ・・・じゃない、キーゼルさん、そこまではまだ誰も言ってません!!」
「まだとか言うな」
「スレ仕様で、よりミニマムですからね。小さいことはよいことですよ」
「・・・無駄に背の高いお前が言うな、お前が」
そんなに小さいとか小さいとか小さいとか言ってたかなぁ。と考えてみる・・・
44 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 21:44:04.26 ID:a6WVSlJ3
デュエル様を能登ボイスに脳内変換ハァハァage
田中理恵ボイスのカッパエルってのもすごい話だ
「…拙者、ただの赤魔道士でござるよ?」
「なんで疑問形なんですか。お、女の子っぽい声でしゃべれるー」
「いや…小ネタとは言えこういうシチュエーションは想定外だったもので…
明治時代とやらに関する知識なんかほとんどしまっちゃいましたよ。果たしてこういう感じでいいものやら…」
「さあ…想像の範疇にすぎないらしいですし、いいんじゃないですか?」
個人的にルーファスさんは櫻井孝宏ボイスも(げふんげふん
「んーと…、"それは、秘密です" ってか? 使うタイミングはかなりありそーだが、
敬語ってのがしっくりこねぇなあ…」
石田彰は役が色々ありすぎてどれだろうとか悩みますね
何となくヒュム♂F4…まあレグナス氏は鈴村健一のイメージ。
ところでガルカで旅立った人って今のところいないのね。
ガルカ若本は一発想像なんだけど…若輩ガルだけど旅立っちゃおうかな自分。
47 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 22:56:37.63 ID:j6vY8TZo
>>46 激しくガルカ期待age
タルタルのあの小さい体から出る声というとなんというか大谷育江とか釘宮理恵とか
そういう可愛い系の人が主に入ってくるんですかねぇ
鈴村健一…いいかも…
48 :
既にその名前は使われています:2006/11/30(木) 22:57:55.22 ID:a6WVSlJ3
水銀燈も田中理恵ですよage
開店と同時に大勢の人がひしめく調理ギルドから買ってきたタルタルライスが、共同調理場のお釜をコトコト、と鳴らす。
炙ったスモークドサーモンと、現実世界の記憶に頼って無理矢理焼き海苔っぽく形成したパムタム海苔も、
そろそろいい塩梅だろう。
ちょっと硬くなった白パンを薄く切って焼いた物に、いい香りのウィンダス茶葉。
お釜の火を止めて、じっくりと蒸らす。感覚はあくまで、リアルとおんなじに。
お箸はバンブー材を削って自作した。もちろんゲーム内のレシピにはない。
けれど、この輝きは数値上のスキルを越えて、想像力次第であらゆるものをもたらしてくれる。
「にーほんじんならば〜 おーちゃーづけをたべーよう〜」
どんぶりによそったほかほかごはんの上に、ほぐしたサーモンと焼きパムタム海苔、
それから、焼いた白パンを千切って散らす。
「なーがーたにえんの〜 うーめ〜♪」
美味しく淹れたウィンダスティーを、回しながらどんぶりに注ぐ。
例え髪が銀髪になっても、耳が長く伸びても。首も手足も長いけど。
おれは、日本人の心を忘れない。日本人でありつづけたい。
…あ、でもパスタ系はそのうち作ってみたいな。クリスタル合成を使わないで、安上がりにw
「いただきまーす!」
50 :
既にその名前は使われています:2006/12/01(金) 01:25:57.77 ID:0uWxD7R5
その歌を歌わせたかっただけなんじゃないかと思いつつ
おやすみなさい保守
51 :
>>46:2006/12/01(金) 02:19:00.64 ID:HIf2sb/G
(…まじか)
そう/echoしつつ俺は自分の全貌を見る。
血色の悪い肌、丸太の様な腕、鎧の如き胸板、それを包む白い道着と袴。
腰の両脇に下がった刺々しい真紅の武器。手に取り匂いを嗅ぐ。…血生臭い。
インパルスの板倉似だった男が、朝起きたら青白いボブ・サップになっていた。
普通の人間なら混乱するが、そこは未だ中二病患者で闘病中の俺、冷静だ。
ここは頬を抓るべきだ。そして俺は痛覚の無い事を理解し、これが夢であるt
俺のほっぺはモサモサしていた。髭は寝る前に剃り終えた筈なのに。
頭に両手を伸ばす。おお良かった、髪型はサップじゃない様だ。フサフサだ。
あれー何時の間に茶髪に染めたっけ俺?しかもなんか頭のてっぺんと側頭部がツンツn
「もうキャパオーバーじゃこんな状況!!!11!」
モグハウスで良かった、とりあえず目の前の空飛ぶ白豚が驚いただけだった。
52 :
>>46:2006/12/01(金) 04:08:06.42 ID:HIf2sb/G
おっと、それでも冷静にならなければ。言ってみれば今俺は主人公の器だぞ?
今日び主人公は客観的に、かつドラマチックに脳内で語らなきゃ勤まらない。
「ご主人様、どうしましたクポ?」
白豚が何か人語を喋り心配してくれるが無視する。あいつの存在を認めたら、
何か知らんが負けな気がする。いわば俺への最初の試練、負けてたまるか。
「それでこの野兎のグリル、どうしますかクポ?」
「食べます」
Jaiosが、野兎のグリルを使用した。
流石グリルだ、一つ食べたらもう満腹だぜ。食事したら大分思考が落ち着いた。
そろそろ自己紹介しておこう、今の俺の肉体に付けられた名前はジャイオス。
鯖は亀、バス所属ランク5のメインガルモサポ戦五十代…だった筈。
リアルではそこそこの大学に通う一年坊。バイトしてるからヒキじゃない。
家族は…父親に母親、それに………犬一匹だったか?いやいや疑問系かよ俺。
最後は確か電動髭剃り片手にネ実を徘徊していた。PS2でログインしっぱなしで。
53 :
>>46:2006/12/01(金) 05:03:22.70 ID:HIf2sb/G
心当たり?勿論覚えてる。「朝起きたら自キャラになってた」スレだろう。
こうして思考に余裕がある辺り、やっぱ俺は大物。もょもとで始めた気分だ。
さて探してみようリアルグッズ。俺を支える三種の神器は何処かな?
未開封の味塩一瓶 懐中電灯 国語辞書一冊
JaiosはJaiosをバシッと叩いた。
微妙。そもそも選ぶ事すら出来なかった自分。何このハンデ。塩って何よ?
まあ懐中電灯は及第点。辞書って何よ?暖炉に投げ込むぞコノヤロー。
絶対無意識にチョイスしたな俺。ああもう次だ次、状況確認と行こうか。
“ジャイオス”はヴァナで何してたか?そう調理だ、だからグリルが手元に
溢れ返っている。炎クリが倉庫圧迫しだしたから消費してたっつーわけだ。
モーグリらしき生物(白豚から昇格)に丁重な態度で頼み金庫を見せてもらう。
おお、ローストコーンまで残ってる。とりあえず食料には当分事欠かんな。
ゴミ扱いして店売りしようとしてたリアルの自分は忘れた事にしておこう。
ででおの話どこ?
55 :
>>46:2006/12/01(金) 05:47:17.29 ID:HIf2sb/G
内装からしてここはバスのハウス。丁度里帰りしてたってこったな。
飛空挺パスもチョコボ免許も取得済みなのは想定内。ハウスの裏道も頭に
入っている。ゲートクリスタルはホラ、デム、メアに…ルテの四つのみ。
うーむ中堅冒険者…なのか?とりあえずゼロからのスタートではない。
所持金は…あんま見たくないな、というか予想がつく。金策マンドクセな俺の
財布に五桁以上のギルなんぞ極稀、どうせ雀の涙程…
1001178G
「へー七桁か、結構あるってくぁwせdrftgひゅじこlp…」
思わず声に出た。つくづくモグハウスで良かった。いや嘘マジで何だこのギル?
自慢じゃないが俺の辞書に貯金の二文字は在り得ない。在り得ない筈がこの大金。
そして金庫をもう一度見て気付いた事だが、前衛街道まっしぐらな俺の所持品に
何故か後衛用の装備や武器が混じっていた。明らかに俺のものじゃない。
“じゃあ誰の?”という疑問には…俺は何故か至らなかった。
56 :
>>46:2006/12/01(金) 06:51:07.95 ID:HIf2sb/G
さて今まで如何していたかは思い出した、今度は如何するか、だ。小一時間ハウスに
篭って脳内は整理済み、最高にクリアだ。俺もリアルへの帰還手段を探すかね。
だが俺はフェイトだかフォーチュンだかの連中と関わるのすら嫌なチキン、
国の外をうろついているだろうモンスターや獣人だっておっかなくて闘えん。
こんなナリして情けない?そうは言うがな大佐、俺は限界も一つ越えただけの
PCボディだぞ。赤い鎧やカンスト黒マントにはガチで負けるに決まってる。
プライマルアーツ?いいねえ使えたら。ほら辞書、国語辞書持ってるでしょ。
俺はインテリ主人公、知的に行くの。
とは言え出歩かない事には何も始まらん、国内くらいはとバス港を歩いてる。
皆てってってってと忙しなく走ってるねえ、歩いてるの俺だけだよ。余裕持て余裕。
跳ね橋が上がるぞー!
ああ全速力で走ったよ。誰だよこんな橋造ったの。あいつか。裸エプロン親父か。
国出来て間もないから歴史話とかじゃ取り残されてるし、こんなファンタジーな
世界で中途半端な科学にしがみ付いてるからアトルガンで出番無いんだよ共和国。
いや俺まだ拡張してないけど。何か影薄いんだっけ?
57 :
既にその名前は使われています:2006/12/01(金) 07:04:28.25 ID:sULgMTOz
鯖公開ktkr
58 :
>>46:2006/12/01(金) 07:17:42.50 ID:HIf2sb/G
おうおう階段昇ったら民家が見えてきた、初めて間もない頃は門番や民間の方に
雑誌記者並に問い詰めまくったが、今はあえて無視だ。俺はヴァナの時間軸で
どの辺りにいるかは知らんが、とりあえず黙秘権第一で行動すべきだと思うね。
「そこのモンクのガルカ、待て」
在り得ない、もう強制イベント発生ですか。というか動くのねNPCさん達。
いやいや冷静に俺なれ。間違えた、なれ俺。ロールプレイって事もあるだろ。
ロールプレイは九割痛い人だが、ブラックリストという名の耳塞ぎもある。
ここは振り返ったら笑顔で穏便に話し合いを…
「お前だ、三本角の茶色いの」
ゴブかよ。俺のファーストコンタクトいきなり獣人かよ。今マジで喋ってるよ、
俺の事指差してるよ。何?顔が犯罪とかなら受け付けないよ?愛嬌あるだろ。
「お前来訪者だな?」
俺は終わったと思った。
59 :
>>46:2006/12/01(金) 07:49:25.38 ID:HIf2sb/G
だだだ大丈夫だおつちけ俺、冷静になるんだ。クールに受け答えよう。
相手は人語は解るっぽいな。あ?人語…俺のファーストコンタクトモグだった。
いやいや今はそれどころじゃねーよ。
「な、何ですか?私は確かにバストゥークに来訪した冒険者ですg」
「しらばっくれんな、お前“別ん所”から来たんだろ?」
オウバレテーラ。思わず来日三日目の北米人みたいな訛りで心中叫んじまった。
ぶ、ブッ飛ばすか?俺でもグスタ辺りのゴブなら勝てない事も…
「お前も災難だな、そんな事件一昔前の話だってのに」
え?…今何つったこのゴブ?
「ど、如何いう事かお話を」
「だから、お前らがお前らの方から来てた事件なんか、昔だって言ってる」
俺は、リードさんやルーファスさん…スレの皆とは大きくかけ離れた、未来の
ヴァナへ招待されてしまった様だ。
寝よう
61 :
既にその名前は使われています:2006/12/01(金) 09:16:18.64 ID:g8b1e2tC
大丈夫、きっと青い猫型ロボットが過去に連れて行ってくれるさ
62 :
既にその名前は使われています:2006/12/01(金) 13:09:44.06 ID:oAjr554o
時の流れはもはや意味をなさず。
1010年でも883年age
63 :
既にその名前は使われています:2006/12/01(金) 13:10:08.18 ID:nQpUC1Kg
64 :
既にその名前は使われています:2006/12/01(金) 13:13:17.64 ID:nQpUC1Kg
ネトゲ実況板見るようになって古いアニメの歌を沢山しるようになったな・・・俺。
てかアニメまったく見ない俺にお勧めを教えてくれ。
The・ガッツはなしなw
65 :
既にその名前は使われています:2006/12/01(金) 16:53:52.29 ID:sULgMTOz
アニメスレの諸兄が優しく教えてくれるんじゃないかな保守
>64
The・ガッツお勧め。
どんなのか知らんけど。
67 :
既にその名前は使われています:2006/12/01(金) 19:56:48.64 ID:HRMWj8ar
・・・マッシヴなお姉さんがいっぱいのゲームかしら・・・
や、決してそれ以上の情報は持っていませんよ。
68 :
既にその名前は使われています:2006/12/01(金) 22:46:38.23 ID:sULgMTOz
師走保守
市民、世界は閉じた螺旋の中にあって幸福なのです。
市民、世界は同じ時間を繰り返す理想の環境です。
市民、世界に疑問を抱くことは犯罪です。
市民、あなたは幸福ですね?
70 :
既にその名前は使われています:2006/12/02(土) 00:59:41.26 ID:5utfejQV
浮上
72 :
UV:2006/12/02(土) 01:29:13.01 ID:mRVhcNda
>71
市民、あなたはなぜ卓上ゲーム板などという言葉を知っているのですか?
あなたのセキュリティクリアランスにはその情報は開示されていないはずですが。
死ね!この反逆者め!zap!zap!zap!
73 :
既にその名前は使われています:2006/12/02(土) 01:51:38.06 ID:dYC9pmEQ
キモイからやめれ。俺もTRPG好きだがスレ違いだ。
・・・ある意味RPGしてるか。このスレは。
自分のキャラになってしまった人になりきって小説かいてるしね。
そりゃそうと避難所借り先の内藤スレのネ実出張所的スレが荒らされてるのだが誰かなんとかしてくれ。
「ようこそ冒険者さん、朝早くからご足労おかけしまして、ありがとうございます。この国、サンドリアの今の
時期のこの時間はまだ寒いでしょう。自己紹介の必要はございませんよ、あなたの噂は街でも広まってい
まして、なんでも手にした六つの銃口のある武器の名前から"ヘキサガンの女"と名が通っておられるとか。
噂には尾鰭が付くと言いますが、良い話から、ゾッとする話、さらには実は異世界から来た人だなんて、そん
な眉唾話まで私の耳にも入っておりますよ。ええ、仕事の依頼の方はもちろん簡潔に説明しますとも、他の冒
険者さんよりも、更に煩わしいのがお嫌いだと聞き及んでいますからね。いや、しかし、実際にお会いすると
思っていたよりも小柄ですな、それでいて銃の名手というのが尚素晴らしい。その海賊の様な帽子もお似合い
ですよ。おっと、話が横道にそれましたかな。そうそう、自己紹介がまだでしたね、わたくしはこの屋敷の主
で、妻と十人の子供と三十人の召使い、そして庭を通る時にご覧になったでしょう、あの毛並みも美しく血統
書のついたチョコボたちに囲まれて暮らしています、いやぁわたくしは幸せ者ですよ。そうでした、いつまで
も玄関ホールで立ち話というのも悪いですので、奥の部屋にでもいって、お茶でも飲みませんか。良い茶葉が
手に入りましてね、きっとあなたも気に入ると思いますよ。遠慮することはございません。我が家だと思って
おくつろぎください。一息ついた後には、子供部屋を回ってあなたの事を紹介しましょう、きっと子供たちも
喜びますとも、皆冒険者に少なからず憧れていますからね。そうしたら昼食もご馳走しますよ、わが家のシェ
フが腕によりをかけて街のレストランにも負けない品をお出しすることができますから。そしたら、午後ゆっ
くりと今回の仕事の依頼の話を、っと、話はそれますが、私も昔は世界を旅することに憧れていましてね、あ
なたの見たこのヴァナ・ディールの世界の話も聞いてみたいと常々思っていたのですよ、もしよろしければ、
仕事の話は、そうですね、夕飯の後にでもどうでしょうか、遅くなるようでしたら寝室の用意もさせますよ。
どうなされました?どちらへ…えぇ!?帰るですって?どうしてですか、何かご不満でもございましたか?」
16スレ目になってからの初投下です。これからもヨロシクです。
初めて読むという方へ、
取り合えず私のお話の方針は―――
・自分(緑茶)自身が自キャラになったのではなく、
どこかの誰かが自キャラになってヴァナでどうにかする物語を書いてます。
・気分屋なのかもしれないので、別々なお話を平行して書いています。
(詳しくは、まとめWikiあたりを参照してください。)
ヘキサガンの女 第七回目です。
今回、主人公が一言も喋ってないですが…というか、1台詞で終らすのってどうなんだろうか…
と思いましたが、こういうのもアリかな…と。
(本当は20行あったんですけど、『本文長すぎ』と投稿時に言われたので一行抜きましたw)
(てか、これもそうだけど、私の殆どの話がFFとかヴァナとかじゃなくてもいいんじゃ…ないかと思うけど)
(まぁ、それはそれ、これはこれ、っつーことで…今後ともよろしくです)
76 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/02(土) 09:10:33.49 ID:Vmga6rCM
>>緑茶さん
うわぁ、うぜぇ・・・w
依頼の説明が仮に簡潔だとしても、これはうざすぎるw
目の前で滔々と語られ、何も言わずに背を向けて帰る姿が浮かびました。
では、簡潔とはまったく無縁の駄文の続きを。
77 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/02(土) 09:13:51.84 ID:Vmga6rCM
手綱を離すと、チョコボはどこかへと駆けていった。デムの岩まで戻るのかな。
「友達と待ち合わせをしてるんです。・・・あ、よかったら一緒に会いませんか?」
「え?・・・いや、でも」
赤の他人の私が入ってもいいのか?と言う疑問は、丁寧にスルーされた。
特に何か込み入ったことがあるわけではないので、いるくらいは問題がないらしい。
・・・そういう問題じゃない気がするけど、私がおかしいんだろうか。
ゲートから商店の並ぶ通りを抜けて、商業区で特に目立つ場所である噴水まで歩く。
近くで見ると結構大きい。クリスマスとか、飾り付け大変だろうなぁ。
水に指をひたすと、冷たくて気持ちいい。魚は・・・さすがにいなかった。
「待ち合わせはここなんです」
「ああ、ここってよくバザーがいるよね」
「うん。・・・今日は少ないみたいだ」
見渡すと、確かにバザーを出している人は少ない。競売所にも人の姿はまばら。
商業区と言うとバスでもっともにぎわう場所のイメージがある私には、不思議な光景に見えた。
ぐるりと見渡し見つけたその姿。真紅の騎士服に、真紅のシャポーをちょこんと乗せた彼女。
そばにエルヴァーンの青年が、まるで従者のように控えている。
あのミスラ。間違いない。間違えようがない。
何か話していた彼女もまたこちらに気付き、口にした名は同じだった。
「・・・シオン・・・」
78 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/02(土) 09:17:41.35 ID:Vmga6rCM
彼女が近付いてくるまで、一歩も動けなかった。わずかにも笑みを浮かべず、まっすぐに私を見つめる。
誰の呼びかけにも応えることもなく、す、と私の真正面に立つ。
そして、腰の得物を一息で抜き払った。
「!」
反射的に、私も武器を抜いていた。
斬りつけると言うより叩きつけるように重なった彼女の剣。
「どういうことだ・・・」
ミスラ特有の猫に似た顔がすぐそばにある。赤い髪に、青い瞳。
「なぜお前がここにいる・・・」
憎悪、ではなかった。焦り。苛立ち。それから・・・混乱。
「・・・応えろ、シオン」
「そっくり返すよ、シオン」
同じ名を呼ぶ。同じ背丈で、同じ瞳の、同じ名を持つ相手を。
「ッ・・・あ!」
弾いたか弾かれたか、剣が離れる。
その瞬間を見計らい私のそばの青年が何かを詠唱しようとし、もうひとりが体当たりを食らわせてとめた。
倒れ込んだところを地面に組み伏せ腕をひねりあげる。
「いっ・・・」
「すみません、男と寝る趣味はないのですが」
背中に膝を突き、ぐっと体重を乗せると悲鳴があがった。
79 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/02(土) 09:20:29.36 ID:Vmga6rCM
「カイ!!」
慌てて剣を引き身を翻した彼女に、青年はわずかに目を細める。
「いきなり手を出すなんて、はしたないですよ」
どこか呆れたように言う。・・・彼は私を守ろうとした?
でも、無関係な人を巻き込んでも気にならないほど私は狭量じゃない。
「放してあげて。彼は関係ない」
私が言うとわざとらしく眉を寄せ、それから腕を解放してやる。
「あなたの邪魔をしようとしたのですよ?」
「分かってる。でも、デメリットにしかならない」
戦いの中でパートナーに気遣われるようでは足手まといだ。
敵の気を引くためならともかく、常にこちらが気にしなければならないのでは意味がない。
「・・・ミガイフォング。カイはこの件には関係ない。私とこいつの問題だ」
剣を収め、苦いものを含んだ顔で言う。彼は地に伏せたまま、悔しそうに私たちを見ていた。
と、ぱしっと彼が頭を叩く。
「いたっ・・・」
「姫たちに気遣われるとは、情けないですね」
・・・たち?
何だかよく分からないカテゴリに分類されたような気がした。
80 :
既にその名前は使われています:2006/12/02(土) 09:21:00.00 ID:gaZu8f0D
へ…へきさご〜ん!
81 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/02(土) 09:37:18.22 ID:Vmga6rCM
今回は以上でs
「ったぁ!!」
「ッ!!」
「おお、見事なウェスタンラリアット」
「ちょっ・・・あ、シオンやめてマジやめて!!」
「問答無用・・・!!」
「ぎゃー!!」
「バックドロップも綺麗に決まりましたね」
「・・・あの、えっと・・・?」
「バス国民なのに何で大工房から直じゃなくてわざわざザルクOP経由で行かなければならないんだとか、
一応サンドまで行ったのにその描写がないのは何でだとか、色々あるみたいですよ?」
「・・・あ、なるほど・・・じゃなくて、なぜハンs」
「戦う姿は美しいものですよ。ウホッな意味ではなく」
「・・・は、はぁ・・・」
スミマセンスミマセンorz
素で忘れてました・・・
82 :
既にその名前は使われています:2006/12/02(土) 12:38:27.55 ID:+pZ/g6wU
/comfort
83 :
既にその名前は使われています:2006/12/02(土) 14:26:45.87 ID:dYC9pmEQ
ここは、アトルガン皇国に在るとある一件の洋服店。
防具にはなりそうもないデザイン重視の物ばかりな為、普段は傭兵などは
寄りつかない店のショーウィンドウに珍しく3人の傭兵が張り付いていた。
「ぐぁー・・・さっきの店であんな買うんじゃなかったな・・・あのアクセ
かっけぇー・・・」
「カナメ・・・さっきアサルトブレストもどきも買ってただろう。
そろそろ財布ヤバイんじゃないのか?」
殆ど空に近い財布を片手に項垂れる禍々しい鎧を着込んだ男と、まだ僅かに
膨らみの残る財布を握り締めた紅のキモノ系装備を着込んだ男。
装備品の違いで体格はわかりづらいが、二人とも全く同じ容姿の為通行人は
奇異の眼差しで事の成り行きを見守っている。
正直、容姿の事が無くとも男二人が張り付いている様はキモい。
「にゃ!あの服も可愛いにゃー!入ってじっくり見るにゃ〜」
エルヴァーンの男二人に埋もれていた、とんがり帽子のミスラが瞳を輝かせて
一点のローブを指差す。既にミスラの背中のゴブ鞄は服で溢れ、持ちきれなくなった
服を後ろのエルヴァーンに持たせていたりするのだが、未だミスラの財布ははち切れん
ばかりだ。
「そうですね、あのデザインはミスラさんには良くお似合いだと思いますよ」
「にゃ!リコリスさんお金足りなかったら言ってにゃね!貸し出しするにゃ!」
「お申し出は有り難いのですが、それは人として駄目な気がします・・・」
仮にも今は男なのですし、とガックリ項垂れるキモノの男。
「リコ、何か二重人格みてぇだぞその口調・・・アスカ、俺にも貸してくr」
「シグレは駄目にゃ!」
「別に、相手の性別で分けてるワケじゃないから良かろう」
笑顔でバッサリ言いながら、ミスラが元気良くドアを開いた。カランカランという
涼やかな男に混じって、「ゴン」とか言う鈍い音がしたのはきっと気のせいだ。
キモノの男には「南無」とかジェスチャーまでされている。
「〜〜〜〜・・・いってぇ〜・・・シグレの奴めっ・・・ん、何だコレ」
店の玄関マットに、這いつくばってはじめて辛うじて読める掠れた文字で
「保守」と書かれていた。
涼やかな男って何だ・・・orz涼やかな音でした。
保守で誤字るなーんてーーーー
87 :
既にその名前は使われています:2006/12/02(土) 17:30:02.60 ID:5utfejQV
週末は上げていこう
>>38 「ご主人……僕……」ガラスの向こうには俯くフリートがいた。不甲斐なさに思わず怒鳴ってしまった。
「アンタの人生、お終いなのよ!!……いやゴメン、泣くなって…」
>>49 アラレってたしか米を炒ったものだったような…? パンを焼いたのは確かクルトン。
そういや梅ってヴァナにあるのだろうか?結構死活問題デス。
>>60 すいません、なんか本気で次回の投下 激 し く 期待しています。
>>75 ヘキサガンの女なら中盤辺りで銃ぶっ放すとおもふ…。まぁ天井か相手かは腹の虫のみぞ知るってことで。
>>85 シグレって誰だアスカだ・・・もう駄目だ・・・とみせかけて保守
90 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/12/03(日) 00:13:37.50 ID:1/ujT1Rv
投下乙でございます。
今夜はageのみにて失礼したします。
91 :
緑茶 ◆vUu2nK2xdY :2006/12/03(日) 01:03:52.23 ID:jTt0un4k
>>88 ヘキサガンの彼女が
>>74で撃たない理由と、帰る理由はちゃんとあるんですが、
御託を並べるより、これまでの物語とこれからの物語を読むことで理由が分かってもらえるように
お話を書いたほうが良い様な気がするので、ご想像にお任せします〜。
今日ちょっと心理学の本を読んだんですけど、
「相手に喋らせない会話の仕方」っていうのがあって、読んでから書けばよかったとちょっと後悔してたりします。
句読点の違いで表現すると、こんな感じです、どこに間を置くのかがキーらしいです。
――明日は日曜日で仕事がありません。ですが、もう眠いので寝ます――よりも
――明日は日曜日で仕事がありません、ですが。もう眠いので寝ます――の方が喋らせない会話、とかなんとか。
まぁ、細かい違いなんですけど。どういう違いかは、適当にお察し下さいな、では。おやすみなさいです。
92 :
既にその名前は使われています:2006/12/03(日) 05:55:56.11 ID:MRWjHprt
あぐる
93 :
既にその名前は使われています:2006/12/03(日) 10:40:49.67 ID:HFou4iiR
ひんがしの国まで行けば梅あるかもage
94 :
既にその名前は使われています:2006/12/03(日) 13:48:26.25 ID:seWzZ0t5
「さて」
「どっちが」
「カナメだ?」
計ったような、見事なタイミングで二人の男が尋ねた。
今は同じ漆黒の鎧に身を包んだ、全く同じ容姿の男。
見分けるのは、それなりに長い付き合いであるミスラにも困難だ。
しかし、黒を基調にしたどことなくエレガントなとんがり帽子の鍔を
直しながら、難題を尋ねられたミスラは不敵に微笑んだ。
「ふ・・・こんなこともあろうかと!カナメさんのアビスキュイラスに
銘クリで印を付けておいたにゃ!本物はお前だにゃー!」
ずびしっ!という効果音のつきそうな勢いで、ミスラは元気良く向かって
左側に並んだ男を指差した。
「ほほう、さすがだなアスカ!って・・・ちょ、おま銘クリ!?」
「アスカじゃないにゃー!あすかにゃー!」というミスラの抗議を華麗に
スルーして慌てて男が鎧を見やると、右わき腹にでかでかと「保守」の文字。
「ギャアアアアアアア俺のキュイラスうううううううう」
今日もアトルガン皇国は平和です。
95 :
既にその名前は使われています:2006/12/03(日) 18:01:25.89 ID:HFou4iiR
レリックなのに…w
「ちくしょー・・・あいつらはいいよなぁ・・・。」
呟きを放ったのは、のどかなロランベリー耕地にそぐわぬ、漆黒の鎧の男。
珍しく、いつも一緒に居るミスラとキモノ装備の男の姿は見えない。
呟きを聞いたのは、いつもこの辺りをウロついているゴブリンや蜂のみだ。
獲物かと興奮を表すようにパタパタと耳を動かしたゴブリンが寄ってきたが
男の周りに散乱する蜂の死骸に敵わぬと悟ったのか、すぐにくるりと背を向けて
去って行った。
それを見届け、もうひと頑張りするかと愛用のサブドゥアを構えた男は不意に訪れた
チリチリとした感覚に顔を顰めた。
『にゃー、蜂狩りは順調にゃー?』
『アスカか・・・トレハン無いにしてはまぁまぁかな。にしてもリンクシェルの
この感覚はいつまで経っても慣れねぇなぁ』
『だからアスカじゃなくてあすかにゃ!カナメさんも合成上げたらいいにゃのにー
まぁ、格安で蜂の巣売って貰えて助かるにゃけど』
3人の中で、合成による金策が出来ないのはこの男だけだった。どうやら冒頭の呟き
はそれの事のようだ。
『うるへー、合成何て俺には向かねぇっ』
言葉と共に振り向きざまにサブドゥアを一閃。腰のひねりを最大限に利用したソレは
見事に足元の死骸に新入りを追加した。
こちらに来て暫くは勝手が掴めなかった戦闘も、今では大分’感覚を取り戻した’。
どうやら特殊な能力を持たない分、限りなく’画面越しの’ヴァナ・ディールの冒険者に
近いその体は、侵食も無ければ数度戦闘を繰り返しただけで容易く実力指数通りの戦闘
能力に達したようだった。
中の人の精神はそのままなのと、実力指数が頭打ちなのでこれ以上強くなろうとすれば
メリットポイントしか無いだろうが、今の強さでも蜂狩り等をして生きていく分には申し分ない。
そんな事を考えながら、地面に転がしたばかりの蜂の戦利品を漁っていた男がふと手を止めた。
『なぁ、アスカ』
『にゃ?』
『これも売れっかな?』
スピンスラッシュをした時に潰れてしまい、蜂蜜ででろでろになってしまった蜂の巣は
見事に日本語の「保守」に似た字を描いていた。
「…ナントカ言ったらどうだ?」
頭がまたしても処理落ち仕掛けたが、目の前のゴブに再度言葉を投げ掛けられ
意識を取り戻す。よし、ここは落ち着いて…さっきからこればっかりだな俺。
「国外へ出て話しませんか?」
「……良いだろう」
北グスタベルグ。乾燥した大地に露出した荒々しい岩肌は生命の存在を易々と
認めはしない。そこを行く者達への態度は文字通り“かわいている”。
唯一さらさらと流れる細長い小川でさえ、見た目の穏やかさと裏腹に鉱毒を含む。
遠くを芽が出た玉葱が跳ね、視線の脇に四本の髭を生やした馬鹿でかいミミズ。
あああれが樹人でこれがワームと理解、いや認めるのに然程の時間を要さなかった
自分が嫌になった。
「…………」
「…何時までだんまりしてる?」
「……ああ、すみません」
何故共和国から離れたか。それは何となくというのが最も限りなく正解に近い。
現代文のそれの様にあやふやな解答にあえて補足するとしたら、この空気だろうか。
この空気の中なら、俺は隣にいるこいつと、“やれる”。そんな気がした。
『みつめる』、それは右も左も判らぬ若輩、百戦錬磨の強者、衰え死を待つ老兵、
全ての戦士たりし者が心に忘れ得ぬ基礎中の基礎。相手へまず贈る礼であり令。
俺は目の前の小鬼に、両の眼から“探り”を入れる。彼の力量を計るために。
「ん?…あ、おい!俺をあんまり見るんじゃn」
「遅い!」
彼方の殺風景な小山を眺めていた彼が、俺の視線に気付く。もう遅い。
こんな俺だって今は冒険者(の肉体)、ジュノに徒歩で行ける位の実力はある。
さあ見せろ、“楽”か?“丁度”か?それとも“練習相手”……
そこには、小鬼はいなかった。俺にはその強さを“計り知れない”大鬼がいた。
なんか筆が乗らないので明日にします
101 :
既にその名前は使われています:2006/12/04(月) 01:48:04.19 ID:K26jv0S3
あぐ
102 :
既にその名前は使われています:2006/12/04(月) 01:52:14.61 ID:2De2+dKi
最近モチベーション上がらないから全然ダメだ。
みんな頑張ってくれ。
103 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/04(月) 03:17:58.92 ID:Ph4k2TRM
バストゥークのモグハウスは、サンドリアと違い石造りだ。
彼女の部屋は丁寧に整頓され、あのエッグハントのランプも、コスメセットも、確かに置いてあった。
テーブルに人数分のお茶とケーキを置くと、主人を気遣ってかモーグリは姿を消す。
「いい子だね」
「寂しがりで困る」
行儀悪くテーブルに肘を突く彼女に苦笑で応えると、彼女はふいと顔を逸らす。
カップに口をつけ、それから姿勢を正す。
「・・・それで、だ。わざわざ私の前に姿を見せるとはどういう了見だ」
「え・・・と」
会いたかったわけじゃないんだけど・・・いや、まあ、そう間違ってはないか。
答えるに答えられずにいると、
「あの、ぼくが、一緒に・・・って」
恐る恐る言う。
「カイが?」
「うん。シオンが探してたから」
「・・・・・・・・・・・・」
思いっきり不機嫌そうに睨むと、カイと呼ばれた彼は畏縮してカップを見つめた。
もうひとりは、何が楽しいのか微笑みを浮かべながらカップに砂糖を入れている。
シュガーポットに入っていたうちの半分は消えていた。
104 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/04(月) 03:20:35.52 ID:Ph4k2TRM
「・・・ミガイフォング」
「はい」
うんざりとする彼女と、にこにこしている彼。
「見ているだけで胸焼けがしそうだ」
「遊んでいるだけですから」
「・・・遊ぶな」
飲むんじゃないのか・・・確かにあんな甘ったるそうなのは飲めないけど。
ミガイフォングと呼ばれたもうひとりは、カップをかまうのをやめ、ケーキにフォークを通す。
「あなたたちは、何故同じなんです?」
スポンジを突き刺し、柔らかな笑みのまま問う。
「・・・同じ?」
「気付きませんか?」
言われて、私と彼女は互いに顔を見合わせた。・・・何が同じ?
「背も、名前も。あなたたちは同じでしょう?」
・・・あ。
そうだ。
「ヒュームの男が、ミスラの女と同じ背であるはずがない。だとしたら随分小柄な男か大柄な女ですね」
「・・・うん、小柄な人だったけど・・・」
そっとカイが言う。
「それでも、シオンと同じなんて・・・そんなことは、ない」
105 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/04(月) 03:25:45.65 ID:Ph4k2TRM
ミガイフォングが、私の頭を撫でる。
「小さいほうがかわいいですけどね」
柔らかな笑みを私に向けた。
・・・・・・・・・・・・。
「ダメです、キーゼルさん!!真正面からグーパンはダメです!!」
私を羽交い締めにしながらカイが叫ぶ。
しかし、既に一撃入れた後に言われても後の祭り。迂闊な言葉を口にした男は衝撃で椅子から落ちている。
シオンは何も言わず、ただテーブルに突っ伏した。
106 :
既にその名前は使われています:2006/12/04(月) 03:33:52.42 ID:FK3kv8IG
何か話が途中からで分からない
サイトにまとめて書け
107 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/04(月) 03:44:55.66 ID:Ph4k2TRM
今回は以上です。
「そうやって小さいのをネタにするから、
>>39だと言うんですよ」
「・・・う。好きで小さいわけじゃ・・・」
「大体、ヒュムでSサイズを選ぶ奴は珍しいしな」
「むしろSSサイズ?」
「う、うるさいなぁ!!」
ちなみにケインは松本保典さんのイメージらしいです(本人談)。
>>106 ごめんなさい、まとめサイトにもまとめていません。
この先どうなるのかなんてのはさっぱりです。
108 :
既にその名前は使われています:2006/12/04(月) 09:53:30.11 ID:iAFi/wfk
ほす
109 :
既にその名前は使われています:2006/12/04(月) 12:07:01.94 ID:uIm0JIIA
>>106続き物をみるよりは緑茶さんの作品を見るといいよ。
短編が得意とか長編が得意とか、中篇で区切るとか書く人によって得手があるのでどうしようもない。
ジャンプで読み飛ばす漫画があるようなもんだ。
110 :
既にその名前は使われています:2006/12/04(月) 13:08:09.73 ID:r0IAaeyp
つーか、途中から読んでるんだから当たり前だろ
りっぱなまとめサイトがあるんだから、気になるならそこを読めばいい
ダラダラ続いてるのもあるから読み飛ばすのも否定はしないが
よく1よ読んでから出直して来い
111 :
既にその名前は使われています:2006/12/04(月) 15:52:11.41 ID:veNnBpts
しかし、もう16スレ目にもなるとは感慨深いものがあるな。
途中何度も揉めたりしたけど、筆を置いた人もあれば、
新たに筆を取り、物語を紡いでくれる人もいる。
一読者にすぎない俺だけど、作者のみなさんには適当に頑張って欲しい。
112 :
既にその名前は使われています:2006/12/04(月) 15:54:09.42 ID:3FJL3nZY
「客こねー・・・」
ジュノの片隅にある、一件の酒場。閑古鳥の鳴いている店のカウンターに
一人のタルタルがつっぷしていた。
「来ないねぇ。お店の場所のせいなのかなぁ?」
後ろのテーブルを丹念に磨いていたタルタルが、二つに分けて結い上げた
髪を揺らしながら踏み台にしていたタルタルスツールからストン、と降り
とてとてとカウンターに戻ってきた。
つっぷしているタルタルが、ボサボサの髪に活発そうな印象を受けるのに対し
こちらのタルタルは、どこかぽややんとしていて可愛らしい。
「うーん、せやけどなー・・・」
「あんまり目立っちゃうといけないよねぇ・・・」
独特のイントネーションで呟くボサボサ髪のタルタル。所謂関西弁と言う奴だ。
自分達はこの世界には居てはいけない来訪者だ。あまり目立った場所に開店
すると招かれざる客まで呼んでしまう。
そこまで踏まえた上で、来訪者同士の交流の場になればと地元民にしかわからない
ような裏路地にひっそり開店したのだ。(ちなみにどうやって場所を探し、借りたのか
は手配した本人であるリンクシェルの参報以外誰もわからない。)
軌道に乗るまでは中々厳しかったが、元々調理師範で、尚且つリアルでの料理の腕
にも覚えがある主婦ばかりなのもあいまって隠れた名店として夕飯時のみそこそこ人も
来るようになった。・・・元々ヴァナ・ディールで暮らしている方々だが
113 :
既にその名前は使われています:2006/12/04(月) 15:54:47.68 ID:3FJL3nZY
タルタル二人で唸っていると、厨房の方から何だか懐かしい香りが漂い、心なしか
スキップしているように見えるゴツイエルヴァーンの男が皿をいくつか手に持って現れた。
(アカン、スマには悪いけどエルヴァーンの男のLサイズでスキップはマジキツい・・・)
スマ、と呼ばれた何だか嬉しそうなエルヴァーンと対称的に、タルタルの笑顔は若干ひきつっている。
ーーどうでもいい事だが、このフェイスのエルヴァーンは多すぎる。体格で辛うじて見分ける
事は出来るが、とある二人に関しては体格まで同じなので始末に負えない。
「あのね こっちには和食があんまり無いみたいだから 作ってみたの」
ひきつり笑いに気づく事も無く、独特の間の話し方をしながらにこにことテーブルに皿を
並べていく男。ほかほかの炊きたてのタルタルライスに、バストアサーディンの塩焼き、器用な
事にシモカブのお新香まである。
「うおおおお久々の和食きたあああああああ」
ボサボサ髪のタルタルが、着ていたエプロンを放り投げてテーブルに一目散に駆けて行く。
もう一人のタルタルは、「closed」の札を片手に入り口のドアに手をかけながら看板を一瞥し
(お客さんが来ないのは場所よりも、お店の名前と気まぐれに閉店しちゃうせいかも。)
タルタルのため息と共に、店名「保守」と書かれた看板がかくんと傾いた。
114 :
緑茶 ◆vUu2nK2xdY :2006/12/04(月) 18:28:56.10 ID:96sCEy5E
一日中考えたネタよりも、
仕事が終って家路に着く間に携帯で読んだスレの流れで思いついたネタで筆が進んだ件について。
自分で書いた話を読んで得てして世の中そういうモノかもな〜と納得したりしなかったり。
というわけで、『ヘキサガンの女』8話目を投下しますです。
ある日の朝、アトルガンと呼ばれる国の片隅にある一軒の茶屋に一人の男がやって来て、店主に訊きました。
「マスターちょっと聞きたいんだが、今ここらへんに居るはずの『ヘキサガンの女』って奴を見なかったか?」
店主は少し困った顔をして、店のカウンターに肘を掛けてモーニングコーヒーを飲んでいる女性に尋ねます。
「そこの冒険者さん、朝起きてからこの店に来るまでに、彼女の顔を見ましたか?」
すると尋ねられた女性は思い出すように悩んだ後、「今日はまだ彼女の顔は見てないな」と答えました。
「だ、そうです。彼女は有名人ですからね、貴方の知る彼女の特徴を街の人に聞けばすぐ分かるでしょう」
「特徴……あ。あぁ、もちろん知っているとも。知っているさ。もしここに来たら、マウラって港町から彼女に
仕事の依頼がある。ってのを伝えてくれないか? じゃ、じゃあな。よろしく頼んだぜ」
男が去ってしばらくした後、今度は鼠に似た獣人、キキルンと呼ばれる小人がやってきました。
「あたくち、ナシュモというミナトマチからきて、『ヘキサガンのオンナ』とよばれるヒトをさがしていますの。
それで、テンチョーさんは、ナニかごぞんじありませんですの?」
店主は先ほどの男と同じようにカウンターにいる女性に尋ね、そして彼女も同じように答えます。
「そうですか、あたくちトクチョーもナニもちらないので、トクチョーからききまわりますの。もしカノジョがココへ
きたなら、ナシュモからチゴトのイライがあると、ツタエてくださいですの」
小人は深々と礼をして街へと消えていき、そしてカウンターに居た女性はカップを見て店主に言いました。
「私はウソをついてしまったみたいだ。『彼女』の顔はカップの中のコーヒーに映っていたよ」
そして女性は海賊の様な帽子を頭に乗せ、銃口が六つある武器"ヘキサガン"が腰にあることを確認しました。
「――さて、ごちそうさま。やっぱりコーヒーはちょっと苦手だ。でも良い香りだったよ」
「ありがとうございます。ところで、ヘキサガンの彼女は結局どちらへ行かれるのでしょうかね?」
「ナシュモに行くんじゃないかな。その街の近くのカダーバの浮沼に咲く蓮の花は幻想的で美しいらしいしね」
書き上げてから、リアルから来た人ってのを書き忘れたけど、
まぁ別にいいか〜みたいな。
投下してから、ここの文章は違うのに変えた方がよかったな、とかあるけど。
まぁ、それも別にいいか〜みたいな……。
「大体が、だ」
銀髪のひとりが呟く。黒髪のもうひとりは眠っていた。
月光に照らされた濃紺の空はあくまで澄みとおり、ラピスラズリにも似ている。
火の番という大役、裏返して面倒を押しつけられた彼らには、ただ耐え続ける苦痛を強いられていた。
もっとも、兄弟は先に眠ってしまっていたが。
「交替で見張るって話はどこ行ったんだよ・・・」
舌打ちし、毛布にくるまって幸せそうに眠る兄弟を睨む。
でも、まあ、いいか。
こちらに来てから久しぶりにゆっくりしていられる。何しろ、朝から晩までしごかれる日々なのだ。
野外訓練(彼らにしてみればキャンプ)は、上官や先輩の奇襲に警戒していれば、特に気を張ることもない。
くぅっと伸びをして、朝までの数時間を思いながら拾った枝で落書きをする。
翌朝。
「おはよう。・・・眠そうね」
「どっかの誰かさんが夜通し寝てやがったからな」
焚き火の跡を蹴り崩しながら言うと、兄弟は肩をすくめた。
ふと視線を移した先には、彼の落書き。
読み上げたその言葉は、
「保守」
118 :
既にその名前は使われています:2006/12/04(月) 20:57:03.13 ID:Ph4k2TRM
ついでに。
やっぱり私もまとめたほうがいいのかしら・・・
いや、自分も途中で話を忘れたりしていますけども。
「あ…あああああああああああああああああああ!!!!!!」
俺が見たのは、身に何重にも膨らんだオーラ(…っていうのか?)を纏うゴブリン。
「お、おいやめろ、叫ぶな!落ち着け!」
「くくく来るなぁ!来るな来るな来ないでくれえ!!!」
俺は腰が抜けた、抜けたけど足が固まり尻餅がつけなかった。結果酷いおよび腰
で、奥歯をカチカチならし、冷や汗を流しながら叫んだ。
「わああ!わああ!わあああ!!」
「ああ、くそ………〜〜…〜…サイレス!」
「わ…!……!」
おかしい、声は発している筈なのに。その声が大気に響く気配が無い。
ああこれがサイレスか、sayやshoutにも適用するとは想定外だが。俺は来訪者、
メイン後衛で来た方々は知らないが詠唱はこうでもしないと阻止出来んだろ。
そういえばサイレスをネタ以外で掛けられたモンクって俺が初めてだろうか?
「落ち着け、俺は危害を加える気は無い…いいな?」
「…!」
とりあえず/yesでゴブに主従表示。もとい意思表示。イエス、アイアム負け犬。
小一時間が経過し、俺へのサイレスが効果を無くした後話し合いが始まった。
焚火が面倒だからと、クゥダフ達のキャンプ跡で始めるとは思わなかったが。
「ばれてるんですよね」
「ああ」
「だとしたら幾つか質問があります…えーと、ゴブリンさ」
「Mattrix、マットリクスだ。お前は?」
「…ジャイオスです」
俺はグリルを一つ彼にプレゼントし、お返しにとゴブリン鍋の洗礼を受けた。
味は…まあ既に経験者がいるし、俺が語る事もあるまい。食感は…紙っぽい?
「…まず二つ質問させて下さい」
「コーンも出せ、あと敬語は止めてもらう」
「…………ちゃっかりしてm、してるな」
「当たり前だ、儲けになれば誰にでも声を掛ける、それが俺達だ」
「…来訪者でも、か」
目の前に計り知れないがいるってのに、俺も腰が座るの早いな。やっぱ大物。
パチッと焚火が音を立てたのを、なんて理由じゃないが俺は彼に問いだした。
何故自分を来訪者だと判ったか。何故ゴブリンの彼が“来訪者”を知っているか。
「…………」
「サンドリアのハルヴァー宰相やウィンダスのシャントット博士なら兎も角、
獣人でその言葉を知っているなんて、お前何なんだ?」
「……まず一つ目の質問に答える」
彼は火箸で火を追っていた眼を、静かに俺に向けた。その大きく深い眼に、
暗い闇に囲まれ不安そうな顔をした大男が映っていた。
「来訪者達は例外無くヴァナ・ディールに博識な人間だった。異世界から来たにも
関わらず、だ」
「…答えになってないぞ」
「まあ聞け」
まあそりゃそうだろう。七十代のジョブが一つはある廃人さんが圧倒的に
来訪者でも多いのだ、ましてネ実棲息なんてヴァナの事を熟知してる方々だ。
あれ?廃人とか言っちゃったけど大丈夫かな俺。このままネ実に実況?
ゴメン今のカットしてって出来るわけないよね、皆々様ごめんなさい。
俺も廃人だろって?…俺はまだ若輩ッスからwwwwwwwサーセンwww
「……なんか考え込んでるが、聞いてるか?」
「えあ?…あ、すいません」
「…お前が火の番しろ、そうしたらもう一回話す」
そんなこんなで火箸をグリグリやりながらゴブリンに説教されてます。
「…俺達がゴミ山からゴミを選別して持ち帰っている理由は知ってるな?」
お、やっと説教終わりか。ってゴブがガラクタ持ち帰る理由?そういえば…
「……確かゴミには、魂の宿るものがあるって」
「そう、俺達はそれが見える」
「それが来訪者とどう関係するのさ」
「…見えるんだよ。“来訪者”独特の魂の波が、俺のゴーグルには」
「…!?」
火箸を掻き回す手を止めた。どういう事だ?とりあえずコイツ以外のゴブには
俺が来訪者って事がバレないのは解った。だがまだ謎だらけだ。
「…話を続ける。何故そんなゴーグルが俺のマスクに付いているか知りたい筈だ」
おっと、耳を傾けないと。思えば俺はかなりついているかも。こんな話の解る
相手にいきなり会えたんだからな。…ゴブだけど。
「来訪者は自分の世界から三つまで物品を持ち込めたやつがいる」
「あ?まあ俺は」
「お前がそうかどうかは今はどうでもいい」
でも高価な品なら後で見せろよと一言付け足し、話を続ける。orz
「俺達の間でそんな来訪者の品が流れた事があったらしくてな、酔狂な俺の
先祖がそれを手に入れた。…確かムシメガネと言ったか」
「…来訪者の持ち込んだ物品と、この世界の物質の融合品」
「そういう事だ、最も俺達ゴブリンの眼を通してでないとただのゴーグルだ、
俺も祖父がこのマスクを俺に渡す時に言った事が本当の話とは思わなかったが」
まさかこんなに早く誠になる嘘だったとは、と彼は言った。正直がっかりした。
今手持ちのギル…とまではいかないが、グリル全てを交換する位、そのマスクの
ゴーグルを欲しくなったのに。
「二つ目の質問の答えだが、こっちは簡潔だ。お前の世界ではどうだか知らんが、
こちらではかなりの年月があの事件が多発していた時期から過ぎている」
「…一種の流行り病の様に、知れ渡ったのか」
そして今は、酒の肴に話される迷信になっているらしい。なんだか滑稽だ。
それよりも、リードさんは言っていた。“リアルとヴァナを繋ぐ道を絶つ”と。
…失敗したのだろうか。俺がここにいるのが何よりもの証拠な気がするが、
俺がちょっと歪みで飛んできただけじゃないか?…だとしたら、俺は帰れない。
だが何故か涙は出なかった。大抵の人は帰りたくて涙の一つも流れるか、
沈んだ顔をするだろうに……俺は何も感じなかった。
とりあえず校了。ageて保守してまた今度。
126 :
既にその名前は使われています:2006/12/05(火) 01:05:07.91 ID:A6uWeu+Q
「リコたん」
ドサッ
予期せぬ所で名を呼ばれた男が、驚いて片手に抱えていた紙袋をとりおとした。
中身の無事を確認しながら、下に視線を向けるとボサボサ髪のタルタルが首を
痛めそうな角度で見上げている。
「ルルさん・・・白門においでになるなんて、珍しいですね」
普段はジュノで酒場を営むこのタルタルが、ジュノを出ることはごく稀だ。
こんな所を見られてしまうとは、相当に運が悪いとしか言いようが無い。
「こっちにしか売ってない食材もあるからなー買い出しに来てん。何々、リコたん
アレ欲しいんか?」
アレ、とアクセサリーショップに並んでいる可愛らしい髪飾りを指差す。正直
大の男が身につけるものではない。
男は「さすがに着けるつもりは無いんですけどね」と寂しそうにガラス越しに
陳列されている商品を見やった。今は立派なキモノ系装備に身を包んだ、エルヴァ
ーンの’男の’冒険者なのだ。
その上、あんなものを着けていれば一発で来訪者だとバレてしまう。
タルタルはその様子を見て、腕組みをして少々唸ると
「着けるんはさすがに二重の意味でヤバイと思うけどさ、部屋に飾る位ならええ
んちゃう?要るんなら、値切り交渉ルル得意やで!」
127 :
既にその名前は使われています:2006/12/05(火) 01:06:02.50 ID:A6uWeu+Q
得意げに胸を張るタルタルに、男は暫し考え込んだ後「お願いしても良いですか?」
と小さく答えた。
「おぅ!どれにするー?」
「えぇと、あそこのオックスブラッドの玉に金装飾の簪と、お土産のあすかさん用に
銀の翼のモチーフのヘッドと、カナメには・・・髑髏のヘッドでいいか。チェーンは
あったと思うので、このみっつと、棚の一番端のアレお願い出来ますか?」
「材料からかいな・・・凝ってるなー・・・」
袋の中身ー−−金策用の彫金素材を確認しながら、てきぱきと決めていく。これは
こちらに来る前からの趣味のようだ。ヴァナ・ディールの合成の材料とは別に、細々と
したアクセサリー用の素材が覗いている。
「でもさ、本当にアレ欲しいん・・・?」
「・・・少し」
正面の棚の一番端、モルァの飾りに、「保守」と書かれた紐の着いた携帯ストラップ
(にしか見えない)が堂々と陳列されていた。
「…バストゥークへ戻ります、お話ありがとうございました」
「ん、そうか。もう少し食料をせしめてやろうと思ったが」
俺はマットリクスの茶々を無視し、身支度を整える。ヤケになったのか、敬語に
何時の間にか戻っていた。…と、彼が何かを投げてよこした。革袋?
「説教をちゃんと聞いた餞別だ、持っていけ」
聞いていなかったのだが…まあいいや。貰える物は貰っておこう。
「これは…?」
「見て解らないか、飲み水だ」
なんだ水か、しけてるな。蒸留水位錬金術ギルドで投げ売りされているだろうn
「来訪者の殆どは、この世界の料理が不安で最初に蒸留水を口にしたらしい。
…顔をしかめる者が大半だったらしいがな」
え?…………ああ、そういう事か。確かにリアルの理屈ならそうなるな。
蒸留水ははっきり言って“美味しくない”のだ。…まあ不味くもないが。
正確には、味が無い。俺達がリアルで普段使う水道水と、ヴァナにおける唯一
水らしい水である蒸留水では決定的に欠けている物がある。“ミネラル”だ。
蒸留水とは不純物を完全に取り除いた物であり、ミネラルも例外ではない。
一般的に飲料水として扱われている水の美味さとは、ミネラルの美味さなのだ。
蒸留水を平然と飲んでいたスレの皆さん、口内が綺麗だった様で羨ましい。
自分の口内の味に蒸留水の味は変化するので、ゴブリン鍋を食べた後の俺は
非常に危なかった。不味い物の口直しに、なんて蒸留水ではとても危険だ。
「俺達の好みの味に付き合ってくれたんだ、所謂一つの礼儀だ」
「…ありがとう、な」
別れ際に彼はこう言った。「俺達はジプシーにして情報屋、縁があればこれから
何処かでまた会う事もあるだろう」と。生憎俺は国内から出る予定は無いぞ。
…まあ少し位は出歩いてやってもいいかも、な。
帰り道、トンネルワーム位倒せるかもと思って挑んでみたら懇親の一撃で
張り倒されたのは、俺とワームと近くを飛んでいたデカイ蜂だけの秘密だ。
「クリスタル戦争?七十年位前の事だろ、それがどうした」
「いえ、ちょっとしたアンケートです。ご協力ありがとうございます」
共和国に戻った俺は、民間人の何人かに訊いて回った。「クリスタル戦争を
知っていますか」と。「今は天晶歴何年ですか」って訊けば良いだろって?
そんなの「今地球は回っていますか」って訊くようなもんさ、考慮しないとな。
俺のゲーム脳がまだ手遅れになっていなければ、ゲーム内でのクリスタル戦争は
二十年程昔の出来事だった筈だ。「冒険者の時代」―ユーザーが冒険する時代―
が正確に明記されてはいないが、そこから計算すれば俺がどれだけ未来にいるか
位は解る筈だ。
「何それ?僕まだ学校では習ってないよ」
「すいません、急いでますんで」
「サンドリア国教会のもんかい?信仰に興味は無いよ」
「貴様ワシを馬鹿にしておるのか!ワシは戦争から逃げたのではなく少し負傷
しただけであって……」
…集計の結果、俺はゲーム内の仕様時代から五十年は未来にいると判明した。
気が付けば港を走り抜け商業区、果ては鉱山区にまで来てしまった。鉱山区は
ある意味居心地が良い。ウホッではないがガルカ好きな俺には、ツンデレ禿ガル
で有名なダイドッグ、渋いバベンさん、ぼくドライボーンな鉱山区はある種楽園だ。
寒々しい夜明けの時刻だが、空気が煙突から立ち上る煙に暖められ、心地良い。
大工房は…素通りしてしまった。カルスト大統領やその御息女コーネリア様、
シド工房長にミスリル銃士隊の面々。フォルカー隊長、ナジ、アヤメ。
アイアンイーターもといパグダコ氏にも会ってみたい。…だが、ある意味最も
会いたくない面々だ。
五十年という歳月が、俺が見慣れた彼等を変えているかもしれないからだ。
まずカルストとシド、引退している可能性が高い。コーネリア、まああの容姿だ、
綺麗な貴婦人になっているだろう。銃士隊は…もしかしたら名誉の戦死、なんて事も
あるかもしれない。
恐かった。俺の知らない年月を重ねた彼等に会うのが恐かった。大工房を無意識に
通り過ぎてしまったのは、俺が自然とそちらへ出向く事を避けていたのかもしれない。
…そういえば俺の、“ジャイオス”である俺の肉体的年齢は、幾つなのだろう。
俺は、その辺にいた子供のガルカを呼び止めて訊いてみた。
「ねえ君、私は何歳位に見えるかな?」
「え?…うーんそうだなあ、五十歳位かな」
「…ありがとう、これは呼び止めたお詫び」
そう言って、俺は十ギルを彼にトレードした。後ろから「え?何?もっと若かった?
だったら言い直すからもっとギルくれよー!」と聞こえたが華麗にスルーした。
さて、サンドはハルヴァー、ウィンはシャントットに会い現状を相談していた
人が多かったが、バス人たる俺は誰に相談しよう?シド?ルシウス補佐官?却下だ。
ずばりグンパ。転生後も記憶を継承しガルカ達の指導者となりし存在、“語り部”。
先代のラオグリム亡き今、立派な同族の心の拠所となっているだろう。俺には分かる。
彼は聡明かつ慎重だ、先代達の様に非業の死を遂げ、なんて事はないだろう。
俺自身、ガルカ族の平均寿命や転生の概念について大いに興味があったというのも
理由の一つだ。国の中枢にいる人物というわけでもなく、口も堅そうだ。
彼なら、ジャイオスたる俺の道も指し示してくれるかもしれない。そう思った。
寝よう
134 :
既にその名前は使われています:2006/12/05(火) 10:12:30.58 ID:HF4d/HaK
時をかけるガルカage
時をかける少女。大ヒットかどうかは知らんが今年のアニメ映画では超良作だったなぁ。
136 :
既にその名前は使われています:2006/12/05(火) 14:37:50.17 ID:atiBuO2H
あれはよかったな
もう一度高校生をやりたくなったよ
(350)
詳細の作戦に関しては後日と言うことで適当にあしらった。
時間がないと思って強行軍でバストゥークにやってきたものの、思ったよりも時間がある。
今はその状況をどれだけ有効に使えるかという事に思案を向けるべきだ。
「天晶堂を敵に回さずに運ぶ事は出来ないもんかな」
ふと、ヒロが妙な事を言い出した。
「どうしたんだ、ヒロ。お前こそらしくないぞ。アオツキに当てられたのか?」
おどけて言って見るものの、本当にそうだとすれば厄介な話だ。
ヒロが言うには、例の黒髪の男は天晶堂に客分として迎えられているらしい。
奇襲をかければ天晶堂を敵に回す事になる。それを避ける方法は無いだろうか、と言いたいようだ。
確かに、神殿騎士の身柄を押さえている不届き者だけに的をかければ天晶堂を相手にする必要は無い。
さらに言えば、天晶堂としては客分として迎えた男を快く思ってはいないそうだ。
「それは面白い案だな…」
そう言って、しげしげとヒロを見た。意外と頭が回るようだ。
しかし、それは同時にこっちの状況を相手に直接知らせる結果になる。相応の準備をさせるのに十分な情報を与えると言うことだ。
「試してみる価値はあるかもしれない。しかし、うまく行かなかった時はこちらが先制の一撃をもらう事になるぞ」
出来れば赤鎧以外の連中は相手にしたくない。ただでさえ状況が不安定な中で、これ以上不安要素は抱えたくないというのも本音だ。
(351)
気になったのは、黒髪の男が客分として迎えられ、尚且つ鼻つまみ者として扱われている点だ。
赤鎧のバックボーンは天晶堂だと言ったのは爺さんだが、それも俺は完全に信じていた訳ではなかった。
その疑問が、今回の情報で再び首をもたげ始めた。
客分という以上社員ではない。それはあの黒髪の男は天晶堂に所属していないと言う事になる。
つまり、天晶堂はバックボーンと言うより協力関係にあるというだけではないのだろうか。
爺さんが話した事は多分に事実を含んでいたが、それは真実には程遠いのかもしれない。
やはり万全を期すなら、爺さんに本当の事を話してもらうのが手っ取り早い。
しばらく考え込んでいると、ヒロが焦れたような視線を送っているのに気がついた。
「考えとくよ、少し結論は待ってくれ」
俺がそう言うと、ヒロは「分かった」とだけ言ってすぐさま立ち上がりドアに手をかけた。
「今日はここに泊まっていけ、まだ空室ならあるはずだ。代金は領事館あてにつけてくれていい」
時計を取り出して時間を眺めるヒロは、それに従う気があるのか無いのか、少し考えているようだ。
「ちょっと野暮用があるんだ。朝また来るよ」
「あれだけの事があったのに、まだ一人で出歩くつもりなのか」
あれだけ、と言うのはあくまで憶測に過ぎない。だがどうせ死に掛けたのだろう。
(352)
「俺より自分の心配をしたらどうだ」
相変らずの憎まれ口だ。多少は元気が戻っているらしい。
「奴らの天網は恢々、疎にして漏れまくりだ。別におれ達の居場所を捕捉する便利魔法なんてものを使ってる訳じゃない。
聞く限り、あんたらこそ連中に居場所を嗅ぎつけられてばっかりじゃないか。どういうルートで情報が漏れてるのか、本気で考えた方がいいぞ」
そう言うと、手にかけていたドアを勢い良く開き部屋を出て行った。
「いっそ魔法なら諦めも付くんだがな…」
そう呟いて、俺は背もたれに寄りかかった。
鞄から紙煙草を取り出してみるが、例によって火はない。
良く考えてみると、煙草を口にしたときは何故かフルキフェルが火をつけてくれていたから火打石を常備していなかった。
宰相にもらった煙草盆の中にあったライターもサンドリアのモグハウスに置きっ放しだ。
仕方なく、天井から下がっているランプのガラスを少し上にずらし、火に煙草の先をかざした。
わかった事はそれほど多くないが、考えるべき事は山積というところだ。
状況は相変らず悪い。確証のある情報が少ないのだからそれも仕方ない。
分かってる範囲で最も憂慮すべきことと言えばこちらの内情ときている。
フルキフェルはヘロヘロ、ヒロは無鉄砲、爺さんは隠し事が相変らず多そうだし、さらに1人訳の分からない人間が増えた。
頭を掻きながら、ランプの明かりに照らされて紫に見える煙草の煙を眺めてため息をついた。
以上です。
読む時間はあるけど書く時間がないと言うのがなんとも…
忙しい時期は抜けたので、これからは多分もう少し投下できると思いますage
141 :
既にその名前は使われています:2006/12/05(火) 19:59:04.52 ID:A6uWeu+Q
カランカラン
閑古鳥の鳴く、手入れだけは行き届いているありふれた小さな酒場に来客を告げる
ベルが鳴り響いた。
「お腹減ったにゃーいつものお願いしますにゃー!」
常連らしいとんがり帽子のミスラが、カウンターの席に腰掛ける
その席に座るのも常なのか、そこには既に水の入ったグラスが置かれていた。
「いらっしゃい、あすかちゃん。今はイーしか居ないから準備に時間かかっちゃ
うかもしれないけれど、いいかしら?」
髪を二つに分け、結い上げたタルタルが、すまなそうに尋ねる。
「珍しいにゃねー、イーブィさん一人なんて。スマイルさんはお休みなのにゃ?」
この店は所謂二十四時間営業で、朝から昼過ぎまではこのタルタルとエルヴァーン
の男の二人で切り盛りし、来客の増える夕方以降になるともう一人タルタルが追加
もう少し遅くなるとガルカが増え、その頃には朝昼担当の二人は就寝するローテー
ションだ。常ならばこの時間はエルヴァーンの男が横に居て、タルタル一人では
手の届かない所等をフォローしているはずだった。
「それが、買い置きの氷のクリスタルが見つからなくって探してもらってるの〜。
ほら、トレジャーハンター効きそうじゃない?」
彼は、どちらかといえば癒し系の類に属するのだがシーフを生業にしていて
ここに来る前は名の知れたNMハンターだった。今はすっかり、調理一筋だが
142 :
既にその名前は使われています:2006/12/05(火) 19:59:16.98 ID:HF4d/HaK
復活の狼煙ktkr
143 :
既にその名前は使われています:2006/12/05(火) 19:59:40.83 ID:A6uWeu+Q
ミスラは、「なるなるにゃ〜」と上を見上げた。確かに、ミスラの聴覚ならば
こうして耳をすませば上の階でごそごそと物音がしているのがわかる。
「ごめんなさいね、もうちょっとで出来るから待っててね」
小さな体で、大きなフライパンを器用に操り出汁巻き卵の形を整えるタルタルに
ミスラは耳を伏せて少し縮こまりながら言った。
「いにゃいにゃ・・・私こそ後でイーブィさんに謝らなければいけないことがあるにゃ」
店の前の通路で、ミスラが傾きを直そうとして奮闘した結果落としてしまい、木目
にそって割れてしまった店名「保守」と書かれていた看板が虚しく風に遊ばれていた。
144 :
既にその名前は使われています:2006/12/05(火) 23:21:04.70 ID:HF4d/HaK
新しい看板もやっぱり保守なんだろうか
初出: 1スレ161
PC(仮)名: Lead、リード / 中の人:161 ◆zmxSLEadCU
種族フェイス: エル♂F4A
ジョブ&Lv: 不明 (片手剣を装備、ダブレットとズボンを着用)
特記事項:
ジョブチェンジ不能。クリスタル合成不能。睡眠がとれない。
禍神から「マガシキノロイ」を受けている。
はじめは記憶喪失だったが、記憶復活。管理者組織の裏切り者と判明。
前スレのあらすじ:
“ハーミット”から、修復を終えた鎧を(強制的に押し付けられて)受領。
モーグリは己を鍛えなおすために修行の旅に出ており、迎えに行くことに。
目指すはラバオ。旅の準備をしつつ、パートナーのメイミィに、この世界についての説明をする。
活動エリア: エルディーム→ジュノ→(機船航路経由)→ウィンダス→サンドリア→オルデール→ラテーヌ→ジュノ上層
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、サン、レップ、ロック、メイミィ、クルス、ユリフィナ、ルーファス、アオツキ
独自レギュレーション:
人間は死んだらそれまで。死んだ者は甦らない。一応、瀕死はレイズで息を吹き返す。
戦闘やアビリティ、呪文や時間等の描写はあいまい。サーチ機能なし。
基本はSayとShout。LS会話は通話のみ。視界内にいる者同士でtellができる人間もいる。
「・・・だいたい、わかりました」
メイミィは、暗い表情でうつむいたままだった。
俺の説明は、以前サンドリアでラーアルたちに語ったこととさして変わらない。
一度にたくさんの情報を与えられても、整理しきれないとは思う。
が、とにかく彼女には一通り聞いておいてもらう必要があった。
「わたしたち“来訪者”って、この世界の厄介者みたい」
そう思うよ、と俺は溜め息混じりに頷くしかなかった。お互い、楽しい話題じゃないことは確かだ。
「管理者を標榜している奴らも、結局は同じ。
ただ、組織だっていて建設的で、簒奪した強大な力がある点は、違うけど」
―――すべては、ヴァナ・ディールが“あの男”の望む理想で在り続ける為。
「来訪者は哀れな被害者なんかじゃない。世界を変質させてしまう、危険な加害者なんだ」
だからといって、はいそうですかと抹消される人間はいない。
規格外の魂で、あがいてもがいて、結果、世界を蝕む。
「リードさん、こわいです。それに、その言い方、赤い鎧の人たちの味方みたい」
彼女の言葉にハッとして、俺は思わずメイミィをかき抱いた。
「ごめん」
ああ、くそったれ。
俺が“あの男”の理想を全て台無しにしてやる。
短いのですが、今夜はこれにて。
148 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/12/06(水) 02:15:11.48 ID:61fR3WUc
アルザビってやっぱ暑いのかなぁ?
149 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/06(水) 02:46:50.44 ID:dhvlJPw+
暑いでしょうね・・・湿度は低そうなので、からっとして砂っぽそうです。
と思ったら近くに樹林帯が広がっている件について・・・
中東風に見えますけど、地球で言ったらどの地域になるのかしら。
では少し続きを。
150 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/06(水) 02:50:35.06 ID:dhvlJPw+
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・痛かった」
濡らしたタオルを額にあてながら言う相手を、2対の視線が睨んだ。
「「・・・馬鹿なことを言うから」だ」
期せず同時に言い返し、シオンはふてくされたようにテーブルに肘を突き、私は痛みを払うように手を振る。
眉間への一撃がかなり効いたらしいミガイフォングはしばらく昏倒していた。とどめをさしておけばよかったな。
「そんなことが言いたかっただけか?」
「いえ。もちろん違います」
手で髪を直し、それから表情を改める。
「あなたは『キーゼル』ではないのですね」
それは静かで、まるで宣言のようだった。
キーゼルではない。・・・確かに、私は『こちら』の世界の存在じゃない。
でも、それが何で『小さい』ことに関係するんだろう。
問いが顔に出たらしく、ミガイフォングは私へ微笑む。
「あなたはシオンと同じなんですよ。キーゼルではなく」
「・・・シオンと同じ?」
「そう。だからあなたはそんなにも小柄なんです」
・・・だったら最初からミスラでいいじゃないか。と思ったのはさておき。
あ、でもしっぽとか邪魔かな。やっぱヒュムでよかった。
男なのは想定外だったけど・・・
151 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/06(水) 02:54:25.09 ID:dhvlJPw+
私が首を傾げていると、カイが私を見て、それから、ん?と首を傾げる。
そう言えば、デムの岩で会った時にも何かを知っている風だった。
ミガイフォングも何か知っているようだし・・・もしかしてシオンも?私だけ蚊帳の外なのかなぁ。
そもそも私はヴァナ・ディールに来てまだ日が浅いし、何か知っていて当然のことがあるのだろうか。
「・・・カイ、どうかした?」
「ん、・・・あの、えっと・・・」
申し訳なさそうに首を振り、私を見る。
「・・・ごめんなさい。キーゼルさん、男性だと思ってました」
「・・・・・・う」
肉体的には男です。ええ、そりゃもう誰がどう見ても男です。
ナニだってありますしやろうと思えばくぁwせdrftgyふじこlp;@
「ああ、汚れてしまった・・・」
「・・・いきなり落ち込むな」
がっくりとテーブルに突っ伏した私を、シオンが力加減なく突き放した。
「・・・うぅ、女の子であることだけは捨てたくない・・・」
「男のくせに何を言うかッ」
「だって〜・・・」
「まあまあ」
ミガイフォングが仲裁?に入る。相変わらず私の頭を撫でながら。
152 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/06(水) 03:00:20.31 ID:dhvlJPw+
「つまり・・・」
カイが、あることに気付いて言った。
「男装の麗人ですね!」
「こいつは男だ」
「女ですッ!!」
その呼ばれ方は心揺れるけど、・・・ああ、女の子でありたい。
確かに男だけど・・・男なんだけど・・・う〜、気を取り直そう・・・
「・・・えっと。私は、キーゼルじゃないってことは」
「本当のキーゼルなら、もっと違いますから」
「違うって?」
「シオンやあなたのように、可愛くありまs・・・シオン、まずはその剣を収めませんか?」
「黙れ」
ミガイフォングの首筋へぴったり剣を当て、シオンが低く命じた。
刃物は当てただけじゃ切れない。斜めに入れないと。・・・でも、殺る気満々だよなぁ。
「・・・いつもこんななの?」
そっとカイに耳打ちすると、彼も困りきって答えた。
「あの人、シオンのためならウィンダスからバストゥークまで海を泳いでみせるらしいですよ」
「・・・・・・」
なんか・・・ツンデレって言うより、殺伐としてるなぁ・・・
殺すと書いて殺る、本気と書いてマジと読む関係っぽいし。
153 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/06(水) 03:07:20.29 ID:dhvlJPw+
今回は以上です。
シリアス【何ですか?】
夜空は相変わらず赤くすすけて、冷たい。
おれは今度こそ一人で、無愛想な月の下を歩いていた。
ああは言ったけど、別に明確に用事があったわけじゃない。ただどうしようもなく一人にならないと、駄目になる気がしたんだ。
蝙蝠亭での一件を思い起こす。
目的が一緒でも、お互い見えてるものは違うんだから、不和や衝突があるのは当たり前だ。
ルーファスは大人だ、おれがいちいち感情的になっても、受け流して建設的な議論を目指す。リアルじゃ何歳くらいだったんだろうな、おれと案外大差ないか、下手すると年下かもしれない。
あーいうのを男らしいって言うんだろうな。くそ。
一人になっても駄目は駄目。下らない悔恨だのなんだのが浮かんでは、思考の邪魔をする。
「なぁ、どうすればいいとおもう?」
月を見上げて問いかけると、
「死ねばいいと思うよ♪」
そんな返答があった。おれの口から。
あほくさ、一人芝居くらいもっと妄想全開で行こうぜ。
全裸の女の子が空から降ってきて元気付けてくれるとかな。あほくさ。
行き先すら考え付かないので、おれは性懲りもなく、モグハウスを目指していた。
ホシは現場に戻る。
つまりは、そういう事だ。
モグハウスには灯りが点っていて、喉一杯に浮かべた笑顔で二つの死骸がおれを出迎えてくれた。
誰かが通報してくれた様子もない。明日の朝になれば交代要員か何かが来て見つける事になるのだろう。
可哀想に。
我ながら柄にもない感想を漏らした。
おれが殺したわけじゃないけど、おれがわずかなりとも、この二人の死に責任を感じているのは確かだ。
だから、ホシは現場に戻る、は正しくない。言い換えるならそう、原因を作った奴は現場に後ろ髪を引かれる。駄目だな、語呂が悪い。
おれは遺体の前に膝を突いて手を合わせてから、祈る神を思いつかない事に気がついた。
生きた人間が死んだ人間にしてやれる事なんてないんだ。
でも、とおれはまだ吹っ切れない。
このままじゃ、あまりにも忍びないじゃないか、と。
おれの頭で出てくるのはせいぜい、この件を通報する事。だけどそんな事をしたら、おれは間違いなく引っ張られて、証拠不十分で運良く不起訴になったとしても、エルリッド奪回までに出て来れないだろう。
と、そこで思い立つ。このまま放置すれば銃士隊は犯人を血眼になって捜すだろう。天晶堂サイドが攻勢に出る枷にもなるかもしれないが、数の利も地の利もないおれ達は完全に身動きが取れなくなる。
足りない頭で考える。どうすればいい? こんな時、誰を頼ればいい?
ようやく浮かんだ心当たりは一人。だけど自信なんてありゃしない。
おれは頼りなく肩をすぼめて、踵を北へと向けた。
新港と旧港の方はまだ灯りがついていて、人が起きているようだ。
だけどここまで喧騒は届かない。
時折人の気配がして、その度おれは物陰に身を潜めたが、帰路を急ぐ酔っ払いが関の山だった。
居住区を抜け、跳ね橋を渡り、「心当たり」の住居を目指す。
扇状地に出来たバストゥークの都。その左右を挟み込む山の北側、日当たりのよさそうな山の手に、そいつの家はある。
この家に彼女がいるところを見た事はないが、ゲームではそこが家だと言うからには、きっとそうなのだろう。いないならいないで、親父にでも言伝を頼んで済むなら、その方が都合がいい。
この辺りは富裕層や重要人物の家があると見えて、警備の目が光っていた。だけどやる気がないのか無能なのか、隙だらけだ。
おれは適当に連中をやり過ごすと、ゲームといささか勝手の違う配置に戸惑いながら、アヤメの家にたどり着いた。
家には幸い、灯りがついていた。まだ誰か起きているのだろう。
戸口のところでしばし思案し、意を決して扉を敲くと、髭を蓄えた細身の男が顔を出した。やはりゲームとは少々風貌が異なるが、男はエンセツと名乗り、家を間違えていないかと不審な夜の訪問者を誰何した。
「いえ、間違いではありません。ミスリル銃士のアヤメさんはご在宅でしょうか?」
非礼を詫びて問うと、娘はもう床に就いているとエンセツが答える。好都合だ。
「そうですか、では言伝をお願いします。実は冒険者Pokotasoのモグハウスで二人…」
言いかけたところで、アヤメが現れた。
「直接聞かせて。…父様はもう休んでいて、この人は大丈夫だから」
何が大丈夫なのかは知らないが、おれは幾分なりとも信用されているらしい。
おれはアヤメに促されて外に出た。
外は相変わらず月明かりで、ひどく寒かった。
「丸腰でいいのかよ。おれは剣を持ってるんだぜ?」
着の身着のままで出てきたアヤメに、思わず問う。彼女は大した問題でもないという風に何気なく、
「それで充分でしょ」
と、答えた。
意味が分からずきょとんとしているおれに、アヤメは少し意地悪そうな笑みを浮かべた。
「人を見る目はあるつもりよ」
「あっそ」
軽く流すつもりが、叱られてすねる子供のような口調になった。この女は苦手だ。
「途中見咎められなかった? この辺りは要人が住んでいるから、警備の人間も大勢いるわ」
石を積んで作ったテラスの手すりに持たれて、アヤメが尋ねる。前はそうじゃなかったらしいんだけどね、と少し寂しげに言い、
「先々代ミスリル銃士隊長が妻子もろとも暴徒に惨殺される事件が起きてから、こうなったらしいけど」
ウルリッヒの事だろうか。そんな風にして死んだのかあのDQNは。いい気味だ。
「まぁそりゃ、ガルカの英雄ブッ殺せばそうなるよな」
「証拠があるわけじゃないけどね」
あくびをしながら何となく打った相槌に、アヤメが更に返す。そうか、ミッションの内容は一般には知られていないのか。少し用心しないとな。
「何にしても、警備は今の倍はいないと役に立たないぞ。おれでも余裕ですり抜けられるんだからな」
減らず口を叩くおれに、彼女はあきれたような顔で、
「あなたは自分を過小評価しすぎなのよ」
不意に夜風が吹き抜けて、アヤメが自分の身を震わせ、自分で自分の体を抱く仕草をした。寝間着姿ではこの季節寒かろう。髪を下ろしていると刀を振り回す豪傑なのが嘘みたいだ。
黙っていれば、どこかの令嬢と言っても誰も疑わない。
おれは慌てて上着を脱ぐと、差し出した。
アヤメは意外そうな顔をすると、タバードとおれの顔を交互に見比べる。
「あぁ、悪い」
いきなりこんな事されてもキモいだけだよな。
だけどアヤメは、引っ込めようとした上着を取って、肩に羽織った。
「わたしの周りはがさつな男ばかりだから、ちょっと不意を打たれただけ。ありがとう」
屈託なく笑ってから、笑顔に苦笑が混じる。
誰の事を言ってるんだろう。フォルカーはいつもヘソ出しルックだから、そもそも寒さには鈍感そうだ。ナジの事だろうか。
「苦労してんだな」
「優しいのね」
おれの意図を汲んだのか、また笑う。
「歯をガチガチ鳴らして喋られても、うるさいだけだからな」
気恥ずかしくて憎まれ口を利く。いい加減おれも子供だな。いい歳をして。
「で、何の用だったの?」
急に思い出したように、真顔で尋ねる。おれは不意打ちを食らって、深呼吸で少しだけ時間を稼いでから、話し始めた。
「モグハウスに戻ったら、二人死んでた。ちょっと火急の用事があって、事情聴取とかで拘束されると困るんだ。だからこんなまどろっこしい事を……」
「警備の銃士は何をしていたの」
アヤメの顔色が変わった。声色も変わった。
「いや、だから死んでた」
「嘘でしょう? カールはベテランだし、ヘレナは若いけど道場でもわたしから三……五本中二本は取る腕前なのよ」
言い直す。今夜の当直に当たっていた銃士の名前だろうか。謙遜か、死者への敬意かはしらないけど、三本中一本とか言おうとしたんだろうな。
「んじゃ、襲った奴がそれより強かったんだろ」
「まだ話してないことがあるわね」
不真面目な態度のおれを、アヤメの双眸が射抜く。
「あるけど、言ったところで泥沼だからな」
黙秘権があるから無理には聞かないけど。そんな前置きをしてから、よかったら話して、と食い下がる。本音を言うと誰かに話したかったので、おれも素直に応じた。
「おれも襲われて、犯人は斬った。だけど仲間が来て死体を回収していったよ。これがその凶器」
後ろに差していた鞘から例の短剣を引き抜くと、示す。月明かりを照り返して、冷たい刃が青く輝いた。
「なるほど、確かにそれは詰め所で証言しても泥沼ね」
困ったような顔で、アヤメが肩をすくめた。
「あんたはおれを信じるのか?」
「人を見る目はあるつもり、と言わなかった?」
あっそ。
やはり意地悪く笑うアヤメに、何も言い返す気がなくなって、短く子供みたいな答えを返した。
「犯人はフィオとか言うわけね」
アヤメが納得したように吐き出した一言に、思わず目が丸くなる。
「よく分かるな」
白い指で短刀を指差す。ああ、そういう事か。
「その短剣には覚えがあるもの。数打ちの量産品じゃそれほどの業物は作れない。まぁ本人じゃないにしても、同じ手の者でしょうね」
アヤメは合点がいったと言う風に頷き、推理を組み立て始める。
おれは躊躇いがちに切り出した。
「この短剣、持っててもいいか?」
「好きにするといいわ」
見もしないで即答。ちょっと意外だったが、これはきっと必要になる。だから彼女のその態度はありがたかった。
「あなたが直接出頭して提出するにしても、わたしが預かるにしても、面倒が増えるだけだもの」
そりゃそうだが。
「もうちょっと堅い奴だと思ってた」
「わたしは公僕だもの。公僕は人が平穏に暮らす為に存在するのよ」
他国からやってきた風来坊のおれも、彼女が暮らしを護るべき「人」に含まれるって事だろうか。それはちょっとくすぐったくもあり、気恥ずかしくもあった。
「で、他には?」
「もうない」
感情のない顔で問う銃士にぶっきらぼうに答える。
「なら、帰って寝るわ」
「深夜に済まないな」
上着を受け取りながら詫びると、アヤメは厳しい表情で、
「そう思うなら、用事を早く済ませてバストゥークから出て行って」
「……」
気おされて、口ごもる。
「サンドリア近衛騎士の別宅で傷害に殺人が連続して起こったのよ、しかも殺されたのはバストゥークの治安を預かる白銀銃士。この意味が分かなら、もう二度とこの国には来ないで」
「最近どこに行っても厄介者扱いだな、おれは」
タバードの袖を通しながら冗談めかしてぼやく。
「あなたみたいな生き方をしていれば、どうやったってそうなるわ」
まったく、反論の余地もない。
おれ達は一言の挨拶もせず別れた。
クランツ橋の宿に戻ると、おかみがまだ起きていた。
おれは黙って部屋に戻り荷物をまとめると、勘定を済ませた。
「また旅に出るのかい。ねぐらは大丈夫なのかい」
深夜になっても面倒をかける客に不快感を隠そうともせず、おかみが尋ねた。
「そんな事より総領事に伝えてくれ。目じりの小じわにはドモホルンリンクルがいいぞ」
口をぱくぱくさせているおかみを尻目に、おれはその場を後にした。
ねぐらなら、どこでもいい。
カニとカブトムシしか狩っていなくたって、おれは冒険者なんだぜ?
おれは街を出て適当な岩の間に身を隠すと、取り出した外套に包まって目を閉じた。
赤鎧にやられるのは癪だが、ゴブリンあたりに寝込みを襲われて死ぬなら、それはそれで悪くない。
踵を北に向けたら南に向かっちゃうじゃん……爪先ですね(つд`;)
というわけでわっふるでした(´∀`)ノ
163 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/12/06(水) 03:59:08.91 ID:MLEczvRx
あ、で、ageます
バストゥークを華やかに歩いている一部のヒューム達が国内でも唯一出向く事を
たじろぐエリア、鉱山区。競売は商業区で済ませられるとして、錬金術ギルドに
所属する者やツェールン鉱山からコロロカの洞門へと向かう強豪位しか縁の無い
一区だろう。…ガルカ達の居住区等尚更だ。
そこは国の中にある国。ヒュームとの確執が、堅牢な城壁をそこに聳えさせている。
ガルカであっても、冒険者の身分なら例外ではない。彼らにとっては俺も余所者だ。
悲しい事に、それは年月が過ぎても変わる事は無かったようだ。炭鉱夫の服に
身を包んだガルカ達は、すれ違いざまに俺を睨みつける。その眼に暖かさは無い。
元々クゾッツ諸島という過酷な環境下で生息していた民。建築様式も石材が豊富に
使われ、どこか砂漠を思わせる造りだ。その第二階層をギシギシと俺は歩いている。
壁沿いに宿屋のコウモリのねぐら、第一階層との階段を通り過ぎ、最後に橋を
一つ渡る。…あった。そこにはまだしっかりと「ウェライ」の表札があった。
律儀な彼の事だ、何時帰ってくるかも分からない友を出迎える気なのだろう。
例え記憶を失っていたとしても、いつまでもずっと。…そんな時に珍客が一人、か。
「…飛んだお客さんだね、ボクもそんな事象があったとは噂に聞いていたけど」
「御迷惑お掛けします……語り部様」
「やめてよ、ボクはただの新調された古文書だ。…いらない歴史の、ね」
少し、いや俺と同じ位の体躯に育った語り部、グンパはそこで暮らしていた。
皮肉な話だが、何処か面影が先代の…その肉体に闇を宿してしまったガルカと
似てきた気がした。彼独特の色鮮やかなファッションとフェイスペイントは
変わっていなかったが。
「うーん、頼られて光栄だけど…正直分からない」
「…やっぱりそうですか」
「ああ、そんなにしょげないでよ」
そうは言うが、やはりへこむ。俺は何か彼を過大評価していただろうか。否、
そんな事はない筈だ。では何にだろう。ガルカの神秘に大きな何か希望を
見出していたのだろうか。
「…でも君が、何故ヴァナ・ディールに導かれたか位は分かるかも」
「え…?」
この語り部様は何を突飛な事を言い出すのだろう。俺自身ヴァナに来てしまった
原因なんぞ露程も分からないというのに。…と、彼の声が急に低くなった。
「…魂は、在るべき地へ向かおうとする」
「……魂?」
「そう、魂。…ボク達ガルカの転生がどういうものか、大体は知っているね?」
…来訪者のヴァナ知識はお見通し、か。
「…はい、伝承では“死期を悟ると、高い山に登り、最後の時を迎え、そして
新しい光に導かれ新しい肉体を得て、自らの足で山を下りる”とあるそうですね」
「話が早くて助かるよ、まあそんな感じ」
「しかしそれと私がここにいる理由とどう関係が…?」
何だかデジャビュを感じる言い回しだが、とりあえず身を入れて聞く。俺自身
藁をも縋る思いだ、気長に構えよう。
「じゃあ、転生出来なかったガルカの魂はどうなると思う?」
「…それは」
「消滅する?違うね、無から有を創り出せないのと同様に、有ったものが突然
無くなるなんて事がある筈が無い…例えそれが、魂というあやふやな物質でも」
「……ウェライさんは、帰ってきた」
「…ボクは例え語り部でもアルタナじゃない、彼だと断定する権利は無いけどね」
…………格好つけるのは嫌いだったんじゃないのか?こいつ。
「つまり、君がヴァナ・ディールへ来たのは必然の筈なんだ」
「…いまいち良く分からないのですが」
「君は、望んでこの地に降り立った可能性が高いって事だよ」
すっかり話し込んでしまった。日は昇り、もう正午だろうか。語り部様から
昼食にとアイアンパンを一つ貰い受けたが、今は食欲等無かった。それよりも、
彼が俺に言い放った言葉の方が気になった。俺は望んでヴァナに来た?
…まさかな、俺はリアルに絶望してなんかいなかった。何かの冗談だろう。
そういえばガルカの平均寿命は三百歳前後との事だった。俺はまだ余裕だな。
そしてかつてビジレントアウルと呼ばれた男…バベンさんは、“旅立っていた”。
初出:スレ16の51
PC(仮)名:Jaios(ジャイオス) 中の人:Jaios ◆sW4qIXLvsw
種族フェイス:ガルカ F4 B
ジョブ&Lv:モンク50 戦士30
あらすじ:バストゥークのモグハウスにて来訪者となる。港で来訪者を見分ける
事が出来るゴブリンMattrixと出会い、他の来訪者より大分未来に
来てしまった事を知る。
特記事項:近未来のヴァナ・ディールが舞台。正確な天晶歴は不明だがゲーム内の
仕様時代からは五十年は経っている様子。来訪者達の事は最早噂となっている。
活動エリア:中の人が拡張してないのでアトルガンエリアはまず無い。
レベルも低いのでクォンとミンダルシアが中心予定。
他キャラとの接触:そもそも時代が違う。“帰らなかった”来訪者になら可能性有?
独自レギュレーション:PCもNPCも年を重ねるので四種族(ヒュムエルタルミスラ)は
半世紀も経てば老衰する。ガルカの平均寿命は約三百年。
PC用のガルカの体は五十歳程。来訪者のガルカが転生の旅に
旅立てるのかは前例が無いため不明。
あ、投稿終了です。
170 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 11:12:15.82 ID:w0ORD3hX
USBメモリ紛失して泣きそうだったけど復活できそう保守
171 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 12:05:34.07 ID:Kmbyaal+
現実のFFでは不老長寿だが・・・。一応FF世界では。
ヒュム=普通に年をとる。医療技術の関係でそんなに長生きできない。
エル=ヒュムよりは長命。普通に年をとる。
ミスラ=外見上はまったく変化はないが、体力の衰えはある。
(ウィンダスの族長様とナナ=ミーゴは同い年らしい。カザムのミスラの姉ちゃんは見た目若いが関節痛に悩んでいる)
樽=外見上の変化はまったくない。頭だけはボケる・・・ようだがワザとやってる可能性甚大。
ガル=普通に年をとるが、人間の倍かかる。25歳で人間で言う12歳相当(現在のヴァナではグンパは20代)。
冒険に出るガルは若者で50代前後。
こんな感じだな。
172 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 12:11:14.17 ID:Kmbyaal+
・・・マウラだったOrz
エルで目じりの皺が目立つ年の領事様は50行ってるかもしれんな。
ハルヴァーが(おそらく40-50代?の)妹の結婚相手を元気に募集してるし・・・。
まぁこの物語のハルヴァーの妹は超美人だけど。
ヒュームより老化遅いから30、40位ならまだまだ春だろ。
黒木瞳やシャロンストーンあたりは40こえててもまだまだヤレるし。
(ただし世間的には10代から20代で結婚が普通のようだけど)
…なんか多種族に関して穴だらけっすね自分(´・ω・`) レッツ書き直し。
>>ガル=普通に年をとるが、人間の倍かかる。25歳で人間で言う12歳相当
いや、ガルカ三百は余裕で生きる筈なんです。バスクエで鉱山区のダイドッグと
ガルカとしては若死らしいラオグリムが同世代というとこをヒントにしたんすが、
そう考えるとダイドッグは二百ちょい。二百で寿命だとさらに高齢のバベンは;
になってしまうので、見積もって三百にしたんす。…どう聞いても設定厨です本当に(ry
174 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 13:53:21.40 ID:Kmbyaal+
・・・いや、老化の話で実際の寿命じゃないよ。
俺もガルは300くらいまでは生きると思う。
それいったらエルもどんだけいきるんやと思うし。
エルはベッドの上で死ねそうにないなぁ・・・。
===50年後のバス===
ナジ:いい天気ですなぁ。アヤメさんや。
アヤメ:ほんまえいてんきになりおりましたなぁ。ナジはん。
シド工房長は元気ですかな?
ナジ:げんきでえすぜー。
ティアラ&ロック&メキ&フェンフ&クロエ(元来訪者と元赤鎧達)「こんちゃー"な爺"いるっ?」
ナジ:そのあだ名やめぇーーーww
アヤメ:ふふっ。ナ爺さんは元気ですなぁ。クロエはんとメキはんは相変わらず綺麗で羨ましいですわ。
クロエ:それは・・・まだ10台の子にナンパされますが...一応70前なんです・・・最近関節痛と腰痛が酷くて...若いときに無茶しすぎました。
フェンフ:そりゃヘリを空鳴拳で撃墜してたんだし・・・当然でしょ。
ティアラ&ロック ・・・自分達って何で若いころ喧嘩してたんだったっけ?あのときの記憶って朧なんだよねぇ・・。他人の記憶だし。
アヤメ:昔は楽しかったねぇ・・・。茶できましたよー。
「保守茶」
175 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 13:56:49.63 ID:Kmbyaal+
・・・ごめん。バスに住んでた来訪者この程度しか考え付かなかった。
仕方ないから適当に他のキャラだした。
他にモグハウスから出なかった暗黒娘さんとかいたような気もするが。
しかしタルタルは反則だな。80過ぎても子供子供できるのか。
176 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/12/06(水) 14:05:23.87 ID:6cXiEH5I
シェアードワールドで書いてる訳じゃなし、各自俺設定でいいじゃないですか(´∀`*)
各種族の寿命に関しては、ゲーム中でも担当者ごとに見解が統一されてない印象ですね。
ちなみに手元の資料では、
ランペール王が100歳ほどで崩御。没年と退位年が同じだからよぼよぼに老衰して死んだわけではない模様ですね。
ガルカはインビンシブルシールドが150歳ほどで現役なのでヒュームと同じって事はないようです。ヒュームも数百年とか生きるのかもしれませんけどね(´∀`)=3
まぁねぇ。そりゃそうと仕事ない日は暇だのう。
・・・人間換算で75になるのか。あのおっさん。グンパが20代なのはガチだが。
50代くらいまでは人間の20代=ガルカの40代で良いみたいだよ?クエでも出てる。
ガルは猫みたいに50過ぎたら年の取り方が違うのかもしれんな。
オークなんかは数年で成人して戦えるようになり、言葉を覚えるのはその後らしい。・・・これすげーw
エルはベッドの上で寿命で死んだ奴ってほとんどいないような気がする。
クゥダフはマジで長命らしいね。
エルは死んでも死なない印象があるな。
ランペール王やらライニマード卿やら、あんなハキハキ物をいう幽霊がおるかいっ、って感じだし、
うかつに未練を残して死ぬとシャドウ化するとか、とにかく元気すぐる。
まあ他種族にもフォモルがいるけれど…。
あとは生者でもマネキンクエの呪術師カッパとかはなんか禁呪とかそういうので寿命を延ばしてる気配がする。
ううん知らないけどきっとそう。
179 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 14:53:45.60 ID:1K1INyt9
50年立ち、神子様やコルモル、ヨランオラン博士が死んでしまっても
シャントット様だけは生きている。そんな気がする。
180 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 15:25:48.17 ID:dhvlJPw+
50年どころかもう一桁増やしても・・・
・・・何だろう、嫌な気配がする・・・でも、私はそれを知ってはいけない気がする・・・
181 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 17:09:52.69 ID:w0ORD3hX
逆にあれだけ無茶苦茶やっても最期はだいぶ丸くなって
たくさんの弟子孫弟子に囲まれながら天寿を全うする博士ってのも見てみたいようなそうでないような。
稀代の大魔道士でも、タルなら200年も生きたらたくさんだろー。
ということで保守
182 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 20:11:24.53 ID:4iBE9MdV
アトルガン皇国には、合成ギルドが密集している区域がある。
常に素材を買い求める者や、合成サポートをして貰おうとする者
でごった返しているそこを、二人の冒険者が歩いていた。
「あすかさん、つかぬ事を聞いても宜しいですか」
両手に抱えた荷物を抱えなおしながら、男が横に並んだとんがり
帽子のミスラに尋ねた。ミスラは軽く首を傾けて「何?」と視線で問いかけている。
―――アトルガン皇国は実際に歩くとかなり広い
安いギルドで素材を買い溜めするのに、とてもこの距離を往復等やって
いられない。けれども、ゴブ鞄から溢れた骨細工の素材が嵩張ってしま
うのでミスラ一人ではとても持ちきれず、男は荷物持ちとして同行していた。
「こちらの世界にはアレとかありませんよね。お月様のモノが来た時は
どうなさっているのですか?」
・・・カッキーンという効果音が聞こえたような気がしたのはさておき
想定外の質問に硬直したミスラに、キモノ系装備を着込んだ男が不思議
そうな表情をして首を傾ける。
普段はキャラクターの容姿など気にしたことは無かったし、同年齢
の同姓のフレンドだから、きっとこの世界に来てからの質問でなければ
何も考えずに答えられただろう。
けれども、今目の前に居るのは中の人はどうあれどう見てもカッパ
エル♂Sサイズ。
183 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 20:12:09.27 ID:4iBE9MdV
純粋に気になっただけなのだろうが(後日、困っていたリンクシェルメンバー
に尋ねられたのが理由だと判明)、ミスラは脂汗を流す勢いで考え込んだ。
「っおーい!置いてくなよおおおお!!」
その時、ナレーションにすら忘れられる程後方から、キモノ系装備を着込んだ男
と全く同じ容姿を持つ漆黒の鎧で包んだ男が両手に溢れる程の荷物を抱えて走り
寄ってきた。「暗黒はSTR高いからちょっと量多くても平気だよね」という
理由で重い物を優先的に持たされてしまい、姿が見えない程後方に遅れていた
のだがミスラが硬直したため漸く追いつけたようだ。
それを助け舟ととったミスラば、満面の笑顔で振り返ると
ゴキン
「ほじゅぅぁっ!?―――いってええええええ!!!1
ってか、こんな奇声JOJOでもねぇよ!」
不吉な音をたてて、黄金の右ストレートを男の顔面にキメた。
「っておい、あすか・・・?ロープ、ロォプウウウウウウウウ」
そのまま馬乗りになり、骨クズを両手に握り締めてメッタ殴りしながら涙目で
「リコリスさんを殴るワケにはいかないにゃろー!」と叫ぶミスラ。
「・・・これはひどい」
その光景をどこか他人事のような眼差しで見つめていた、キモノ系装備の男の
呟きを最後に、漆黒の鎧の男の意識はブラックアウトした。
同姓→同性orz
投下乙でございます。
キーゼルさん、そしてシオンさんが一体何者なのでしょうか。楽しみです。
ヒロさんは、このままバストゥークから去ってしまわれるのしょうか・・・。
ジャオイオスさんは時代考証(?)に苦心されているご様子ですね。
皆様それぞれの物語なのですから、自由でいいと思っております。
各種族の寿命がどれくらいなのかは、書き手様それぞれでしょう。
自分のところでは、きっちり決めていませんね。
「人生五十年。畳で死ねれば大往生」
生きるの死ぬのがシビアな世界です。
186 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/12/06(水) 23:03:37.12 ID:61fR3WUc
久しぶりに投下。
やっぱ寿命が違うと種族間の友情なり愛情なりは大変そうですね。知らないけど
初出:7スレ97
PC(仮)名:レグナス(Regunasu)/ 中の人:レグナス ◆/abMGvkWxE
種族フェイス:ヒューム男 F4 金髪
ジョブ&Lv:黒魔道士75(サポ狩)
特記事項:好きなものは自分、嫌いなものは他人。好きでも嫌いでもないものは消しゴム。
活動エリア:ジュノ周辺→バストゥーク→アトルガン
あらすじ:下記参照
他キャラとの接触:メキ、マイウ、ゴイス、フルキフェル
独自レギュレーション:フェイトに対抗するPKKギルド「メサイア」が存在する。規模は10人程度。
ただ、ギルドマスター以外は特別強いってわけでもないらしい。
・レグナスの冒険譚のあらすじ
ある日、レグナスは現実世界からヴァナ・ディールへと来訪者として迷い込んでしまう。
一週間以内に何とかしないと2度と現実世界へ戻れなくなってしまうらしい。ど、どうしよう!
1日目
朝起きたら、イケメンヒュームでジュノのモグハウスだった。フェローのバルファルと出会う。
2日目
バルファルに罠を作らせる。
3日目
罠を使って襲ってきた黒装束(フェイト)を返り討ちにする。
4日目
バストゥークへと赴く。PKKギルド「メサイア」と出会う。
来訪者メキと協力して、大工房を壊しつつも赤い鎧(フェイト)を倒す。
5日目
大工房の修繕作業を手伝う。襲ってきた黒装束(フェイト)を返り討ちにする。
6日目
ゴーレムを見物。フルキフェルと出会う。そして、アトルガン皇国へ…。 ←いまここ
7日目
自身が設定した現実世界へ戻るためのタイムリミットの日。
魔力を開放し、その光に飲み込まれる。デジョンだ。
再び目を開けた時、眼前に広がっていた光景は白い壁と、人の波だった。空に焼かれた帝都、アトルガン・白門。
仲間を募る冒険者や商売人のシャウト、道行く人々の音が耳に反響する。煩くて敵わない。
ジュノの賑わいぶりも然る事ながら、この街に過密っぷりもハンパではない様だ。
随分と暑苦しい所だ。一面を覆う高い隔壁のせいもあるだろうが、開放感がまるでない。
天から、壁から、足元から熱がじりじりと肌に絡み付いてくる。
「……ふぅ。」
慌しく縦横無尽に走り回っている冒険者達を尻目に、日の当たらない影の部分に移動し、壁に凭れ掛った。
ひんやりしていて、気持ちがいい。
ラバオ等の砂漠地帯に比べれば大した暑さではないのかも知れないが、やはり暑いものは暑い。
何より日焼けしてしまっては俺の美貌も台無しになってしまう。それだけは避けなくてはならない。
街をぶらぶらと探索してみようかとも思ったが、この現実を見て一気にその気は失せてしまった。
すぐさまレンタルハウスの手続きを済ませると居住区へ向かって足を進めた。
「ただいま、モーグリ。」
「ご主人たまっ、おかえりクポ。」
モーグリは俺を見るや否や、急加速で飛行し、蛇行しながら俺に飛びついてきた。
いつもはフワフワしていてかわいいブラックモーグリも、今日は逆に鬱陶しく感じてしまう。
「モーグリ、パソコン出して。あと防具箱も。」
「はいクポー。」
モーグリは家具を漁り、彼の身の丈程の防具箱を必死に持ち上げ、アンティークな机の上にドンと置いた。
「これを一体どうするクポ?」
パソコンとその周辺機器一式を取り出しながらモーグリが訊ねてきた。
「ああ。ある人にこのパソコンを送ろうと思ってね。でも、他人にこのパソコンの存在を覚られる訳にはいかない。」
「クポポー。それで防具箱に入れてカモフラージュするクポね。」
もしそのまま宅配しようものなら、ただちにフェイトに見つかって回収されてしまうだろう。
まぁ俺のタイムリミットが明日に迫った以上、この世界から脱出する為の道具、という意味では無価値に等しい。
しかし、このパソコンは俺の理想である"2つの世界を自由に出来るようにする"重要な架け橋になるはずだ。
「そうだ、モーグリ。お使いを頼めるかな? 念には念を入れておきたいんだ。」
ただ、防具箱にパソコンをしまうだけだと内部を確認されてしまったらそれで終わりだ。
「防具箱を改造して、二重底を作る。その中にパソコンを隠すんだ。」
木工スキルは乏しいが工作は割と得意な分野だ。ちょっと二重底作りに挑戦してみよう。
2時間後──
「…フヒヒ、上出来だ。手間と時間は掛かったが、見事"二重底式防具箱"の完成だ!」
二重底とは言っても所詮は簡易なもので、適当な木材を組み合わせて貼り付けただけだ。
しかし、底に布を敷いてダミーの荷物を大量に載せる事でかなり分かりにくくなったと自負している。
あとは競売近くの宅配所へ赴いて、フルキフェル宛てに送るだけ。
「ご主人たま、お疲れ様クポ。」
「ああ、ありがとう。」
モーグリが淹れてくれたアルザビコーヒーを啜る。
ふと物思いに耽ってみる。俺がこのヴァナ・ディールで過ごせる時間もあと僅か。明日いっぱいでタイムリミット。
失敗するとは思わない。明日、きっと俺はエジワ蘿洞で現実世界へと帰還する事が出来るだろう。
ただ、そうなるとこの世界とは暫くお別れになる。モーグリとも…バルファル……とも……
「なぁ、バルファル。お前は、俺がいなくなっても平気か? 」
『は…? え、ちょ、え? なんだよいきなり…』
うわ、しまった。急にセンチメンタルが入ってしまったせいか、思わずリンクパールで話しかけてしまった。
は、恥ずかしい…! なんて恥ずかしい言葉を口走ってしまったんだ。
「うぐ〜」
ちょ、モーグリがこっち見てるよ。あああぁぁー、顔が熱い! だれか時を戻してー! バイツァダストしてぇぇ!
『えーっと…。そうだっ、後でオレのレンタルハウスに来ないか? 晩飯、ご馳走するぜ!』
俺のあまりの恥ずかしさと後悔で地面をのた打ち回っている様子を見かねてか、バルファルは俺に気を遣ってくれた。
コンコン。
「おう、開いてるぜ。入ってくれー。」
「いらっしゃいませクポん♪」
「お邪魔します。」
日が暮れてから、バルファルがレンタルしているモグハウスを訪れた。
バルファルはエプロン装束を身を纏い、彼のモーグリと共にキッチンで料理を作っている様だ。
「何か手伝おうか?」
「いや、いいよいいよ。もう出来たからさ。」
そう言ってバルファルは、大きな皿に次々と肉料理を盛るとモーグリに手渡し、カーペットの上に並べていった。
俺はポーチからヤグードドリンクを1本取り出すと、すぐにグラスへと注いだ。…今日は飲みたい気分だ。
「へっへー、それじゃ乾杯しようぜ! カンパーイ!」
バルファルと杯を交わすと、俺はグラスに注がれたヤグドリを一気に飲み干した。
「……そっかぁ、明日で全ての決着をつけるんだよな。」
「そうさ。と言うよりは明日中に俺の抱える一大事を解決しなければならないんだ。」
俺は窓から顔を覗かせている赤い月を睨みつけ、小さくため息をついた。
「心配性だなぁ、レグナスは。レグナスなら大丈夫だって。かっこいいし、頭良いし、優しいし!」
バルファル、俺はそんな男じゃないよ。それは俺の描いた理想のカタチ。ただそれだけ…。
酒が入った影響なのか、月光のせいなのか、彼の柔らかい頬が薄い赤に染まっていた。
以上です。
やっぱり暑そうだよね!アルザビ。
まとめサイト様ありがとうございます。
触ってたらゴチャゴチャになりアワアワしてました…
ていうかwikiの本文追加とかどうやるんですか?
猿頭であり鳥頭でもある俺にも解りやすいように教えてください。
194 :
既にその名前は使われています:2006/12/06(水) 23:51:56.26 ID:1K1INyt9
うほっ!な(゚∀゚)ヨカーン
ああ、でも相手がタルタルなら性別とかもうどうでもいいか・・・
>>193 右上にある「新規ページ作成」をクリックして
後は「仕様変更について」から飛べる「編集要網」を参考にリンクを張れば大丈夫だと思います
ρ(。 。、 )ふむふむ…ってまだ大して書いてない俺が覚えても仕方ないか。
このスレが終わる頃に自項目作成して編集してみるか、皆さんありがとうね。
独自レギュレーション:PCもNPCも年を重ねる。寿命はガル>>>エル≧ヒュム
=ミスラ=タル。ヒュムは標準、エルはヒュムより老化も
寿命も若干緩やか。ミスラは見た目の変化に乏しいが老化は
確実に侵攻。タルは肉体に変貌無しだがボケは起こるかも?
ガルは約三百年生きる。冒険者ガルは四十〜五十程で老化は
ヒュムの三分の一速度で侵攻。
強引に抱き寄せたメイミィの体は、堅く、冷えていた。
それはそうだ。ハグだけで問題が解決するはずもない。
俺は身を離し、ごめん、ともう一度呟いた。何に対しての謝罪なのか、自分でもあいまいなままに。
質素なテーブルの上に置きっぱなしだった、金の詰まった小袋を手にとった。
三つあるうちの一つをダブレットの腰ポーチに、残りは背負い袋にしまう。
「行こう。まずは、モンブローに支払いを済まさないと」
チラチラと窓から外を覗いてモグハウスの周囲を確認し、俺たちは外に出た。
話し込んだこともあり、相応の時間は経過している。
万一囲まれていればこの時点で修羅場になるが、その気配はなかった。
障害がないのが不満といえば不謹慎だが、あちらにはあちらの事情でもあるだろうか。
例えば、何かの理由で指揮官(上層ならハイプリースティスだ)が不在ゆえ統制が取れていない等。
いや、それはあまりにも楽観的過ぎる。気を抜くな。すぐに“その時”はやってくる。
上層の雑然とした居住区を抜け、他層と結ぶ階段のあるガイドストーン脇を通った。
そして、やや狭まった感のある真っ直ぐな道を、メイミィと並んで歩く。
道の幅は他と同じはずだが、左手に立派な教会の建物がそびえるので、なんとなく圧迫感を受けるのだろう。
相変わらずどこもかしこも人通りは多く、ひっきりなしにすれ違い、あるいは追い抜いていく。
そんな雑踏の中、ゆっくりとこちらに歩いてくる一人のガルカ。
格好は職人風のそれだが、俺の目は誤魔化せない。
(メイミィ) 俺は心の中で彼女に警告を発した。(・・・奴らだ)
(353)
しばらく宙を眺めて、やがて視界に紫煙がなくなった事に気がつく。
煙草1本分の時間で思案がまとまる訳もなく、先ほどと同様の方法で煙草に火をつけて、また椅子に座り込んだ。
いや、ここで考え込んでいる限り1カートン吸っても思案がまとまる訳はない。
ならばどれから手を付けたものだろうか。
廊下から僅かに聞こえる話し声が止んだ事を確認して、ドアを開ける。
選択肢は3つ。
ヘロヘロのフルキフェルを問い詰めるか、正体不明のネカマの出自を明らかにさせるか、爺さんに腹を割ってもらうかだ。
少しドアを出たところで考えて、爺さんの部屋を目指した。
爺さんの部屋の前で一呼吸置くと、ドアが開かれた。爺さんが丁度開けたのだ。
「そろそろ見えられる頃と思っておりました」
そう思うなら自分から部屋に来たらどうだろうかと思う。この使用人の不遜振りは如何なものか。
促されるままに部屋に入ると、テーブルの上にはバストゥークの地図が広げられていた。
ご丁寧に旧港地区の辺りに印が付けられている。それを見てようやく確信できた。最初にここに来たのは正解だった。
(354)
「さっきヒロから聞いた情報に引っかかる部分があってな」
テーブルの前で立ち止まり振り返ると、ドアを閉めてこちらに向いている爺さんと正面から向かい合う形になっていた。
「天晶堂の件だ。エルリッドはバストゥーク支店で客分として迎えられている男と一緒にいるそうだ」
「なるほど、それは困った事になりましたな」
さも悩ましげに顎に手を当てて考える素振りを見せた。だが、これが演技なのはテーブルの上の地図を見れば分かる。
問題は、何故これをしまわずにここに置いたままにしておいたか、という事だ。
もしかすると釘を刺しているつもりなのかもしれない。この程度の事は造作もなく知ることが出来る力を持っている、と。
となると、ここで話をする気はないということだろうか。だが、それでは収まりが付かない。
「赤鎧連中のバックボーンは天晶堂だとすれば、それが客分に迎えられているのは不自然だな」
「そういう事も、時にはございます」
「なら聞くが、天晶堂が出来る前はどうだった?爺さんは100年以上前から連中とつるんでたんだろ?」
爺さんは考え込む演技を続けながら、視線をふと逸らした。
「何故そのような事を?」
深いため息と共に出てきたのはそんな言葉だった。
天晶堂がバックボーンと言うのは嘘ではないだろうが、全てではない。どうやらその勘は当たっていたらしい。
(355)
「そろそろ本当の事が聞きたくなったんでね」
テーブルの脇に置かれた椅子に腰掛けながら、そう切り出した。
爺さんは向かい側の椅子に腰掛けて、視線は机上の地図に向けられたままで目を合わせようとはしない。
珍しく、何かを躊躇しているかのような素振りだ。
「こんなものを俺に渡して、一体何をさせたいんだ?」
例の篭手が付けられたままの右手をテーブルに置き、できるだけ声を荒げないように気を使いながら、そう言った。
「…あの男、シュムサザと申します。彼がサンドリアにいた事は全くの偶然でございました」
そこからかと突っ込みたくなるのを抑えて、さも当然とでも言う顔をして続きを促す。
「そして、この10年間サンドリアに寄り付かなかった坊ちゃまがサンドリアに戻り、そして来訪者となった事も運命の悪戯としか言いようがございませんな」
「…何が言いたい?」
「シュムサザがお嬢様をさらったところまで、それは抗いようもない運命であったと言えましょうや」
この爺さん、自分で何を言っているのか分かっているのだろうか。
「此度の件で、坊ちゃまに奪取していただきたいものは2つございます。一つは当然エルリッドお嬢様でございますが、もう一つ…」
爺さんはテーブルに置かれた地図の、印が付けられた場所を指差した。
「ここに保管されている、シュムサザが集めた物を手元に置いていただきたいのでございます」
どうやら正気らしい。老人の妄言と言うわけではない事はわかるが、妄言であった方が気が楽だったかもしれない。
200 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/12/07(木) 02:36:52.71 ID:Bwl2t3re
以上。どうか投下割り込みではありませんように…age
全然関係ないけど主務座座君って誰が名づけ親?
初出は間違いなくルーファスさんのSSとして。
>>178に死ねるほど笑った。超同意。ある意味一番長生き(?)種族かもしれん。本当に死んでも元気だもんな・・・。
ランペール王の水捨ててえらい目にあったが、
「水捨ててごめんなさい。お墓を荒らす亡霊をやっつけます」といって亡霊退治してたらトラベラーマントくれた。
下賜されたと思って大事に低レベルで使ってます。
203 :
既にその名前は使われています:2006/12/07(木) 06:59:27.88 ID:MFz7zwIZ
>>201 609さんのSS内、インターローグにて、かな。
204 :
既にその名前は使われています:2006/12/07(木) 10:29:14.80 ID:6O+4DGlo
ほす
205 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/12/07(木) 12:20:13.62 ID:xDi0Clpd
>203
そういえばそうだっけ…と読み返していたら、まとめ自ページのリンクミスを発見しましたw ありがとうございます(´∀`)
あと、覚えててくれてありがとうございますww
そんでもって皆様投下乙です(*´Д`*)<age
長く伸びた髪にはさみを入れる。
「何だ、切っちまうのか」
「ん・・・」
無造作ですらある仕草で髪を切りながら、兄弟はわずかに応えた。
普段からタイピングが遅く、そのために無口に思われがちだったが、今は違った。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・おーい、そこ切るとバランス悪いぞ」
「・・・・・・う」
よく見ると、本当に無造作だった。むしろ適当もいいところだ。
「はいはい、やればいいんでしょ」
今にも泣きそうな兄弟の手からはさみを預かり、櫛も使わずに切っていく。
こちらの散髪屋の仕組みをよく理解していない彼らには、自分たちでやったほうが早かった。
(後に、騎士団には専属の散髪屋がいることを知る。が、手間賃のいらない彼に頼む騎士も少なくはなかった)
「お客さん、全体的にざっくりいきますか?」
「うん、短く」
「野郎ににっこりされても嬉しくねぇな〜」
軽口を叩きながら手早くすませた。この銀髪の兄弟は、大抵を黒髪の兄弟より要領よくこなす。
そして黒髪の兄弟は、切り落ちた髪をいじっていた。
「何やってんの。ほら、かたすぞ」
『はいはーい』、と外見に似合わない返事を受け、彼は【保守】の字を描く髪を片手箒で払った。
207 :
既にその名前は使われています:2006/12/07(木) 17:28:06.25 ID:6O+4DGlo
保守派
208 :
既にその名前は使われています:2006/12/07(木) 19:36:03.51 ID:FsnAua+A
カランカラン
「closed」の札のかかった扉を、小さな体で懸命に押し開いた
タルタルがカウンターをキョロキョロと見渡した。
この酒場は、迷う程広くは無い。すぐにいつもの席でワイングラスを
傾けている茶の髪をひとまとめにしたヒュームの少女を見つけると
足早に駆け寄り任務を全うすべく口を開く
「朱雀様」
「合言葉は」
「保守」
問われた言葉に、大切な合言葉を告げるのを忘れていた事に気づいた
タルタルは慌てて返し、続けて「収穫はありませんでした」と報告した。
「そう・・・エルドナーシュも、アルドもこの酒場の手配の件の後は
特に何も言って来ませんし・・・先は長そうデスね」
少女の溜息に、タルタルは居心地悪そうにもじもじしている。
ー―このタルタルは少女の別アカウントの倉庫の一人に過ぎない。
リンクシェルの参謀を務めるこの少女は、倉庫キャラクターを駆使した
膨大なネットワークを持っている。
ーそれは、この世界に散る来訪者全ての動向を逐一把握できてしまう程に
リンクシェルメンバーに情報収集は自分が行うと明言したのは安全に調査
の出来る、この膨大な数の別アカウントキャラクターを所持しているからだった。
209 :
既にその名前は使われています:2006/12/07(木) 19:36:28.87 ID:FsnAua+A
最初は召喚士である自分が従えている’大いなるもの’の分身にも期待
したが、彼らは思ったよりも世界を知らなかった。現実はそう甘くは無かった。
今でこそ皆それなりにヴァナ・ディールでの生活を満喫ー―――は語弊
があるが、勿論最初からそうだった訳ではない。リンクシェル丸ごとこの世界
に放り出され、混乱し、嘆き
それでも、生きることを諦めなかったのだ。
リンクシェル会話やtell会話においても来訪者だと気取られるようなもの
はタブーとし、木は森に隠せとジュノや白門の’他のプレイヤー’に紛れ込み
帰還出来る日が来る事を信じてこの血生臭い戦いの世界を生き抜いてきた。
けれども、ここまで来るのに犠牲を払いすぎた。
もうこれ以上の犠牲は出さない。
リストを開き、四十数名居たメンバーが三十数名にまで落ち込んでいる
のを見ながら、タルタルの口に駄賃代わりのつまみのチョコレートを押し
込む。タルタルは嬉しそうに頬張ると、任務完了と店を去っていった。
少女もこの酒場が本来営業時間であることを示すつまみを口に入れ
ワインを飲み進める。この場に居るはずの従業員が居ないのは要らぬ心配を
かけないが為の彼女なりの配慮だ。
「後は時空魔法のセンか・・・あれはもっと研究すれば管理者サイド
にしてもプラスになる事のはず、バックアップは無いのデスかね・・・」
一人きりの酒場に響くグラスの音は、まだ鳴り止みそうにない
210 :
Valiente290 ◆JMUNf1M.LE :2006/12/07(木) 20:17:04.26 ID:M34yzTYM
皆様、投下おつであります。
自分もこっそり投下してみようと思います。
投下途中ぽいですけど30分ぐらい立ってるんで平気そうですよね…?
211 :
Valiente290 ◆JMUNf1M.LE :2006/12/07(木) 20:17:23.43 ID:M34yzTYM
目を覚まして一番に見えたものはベアトリスの泣き顔だった、どうやら俺が倒れている間に目を覚ましたらしい。
体の痛みがない所を見るとケアルでも掛けてくれたんだろう。
「随分と酷い顔をしているな、らしくない…」
涙でぐしゃぐしゃのベアトリスの顔を見て一番にでた言葉がそれだった。
我ながらどうしようもない。先に礼を言うべきだろうとわかっているのに出来ないのだから。
「誰のせいでしょうね、全く心配ばっかりかけて…」
「悪いな、助かった」
立ち上がり、ベアトリスの涙をぬぐいながら耳元で囁く、自分らしくないキザな行動だったが、なぜか恥ずかしさは無かった。
ベアトリスを後ろに下がらせ赤鎧と対峙する。
「さぁ、第二ラウンドと行こうか?」
「懲りないね、さっきのでレベルの違いが理解できなかったのかしら?」
212 :
Valiente290 ◆JMUNf1M.LE :2006/12/07(木) 20:17:40.99 ID:M34yzTYM
赤鎧と退治したまま体の調子を内部から把握する。
魔力回路、異常無し。肉体、胸部に裂傷有り、しかし回復魔法により戦闘続行は可能。
体内強化開始、これまでのようにただ魔力を体に流し続けるのではない。より強いイメージを持って肉体を活性化させる。奴の記憶から引き出した技術だ。
体内強化ってのはただ魔力流すだけでもある程度の効果はある。が、爆発的な力を得る事を望むならば、肉体全てを活性化させるイメージを持たなければならなかったらしい。
無論、ただ記憶を引き出した俺にそこまで詳細なイメージが出来るわけがなく、制御しきれない魔力が過負荷となって体に内部から襲いかかってくる。
体はお前にはまだ使いこなせないといわんとばかりに悲鳴を上げている。しかしそれでも止めれない。赤鎧の言葉通りさっきまでの俺では敵わないのだから。
「さっきまでの俺とは違うんだよ」
「減らず口を!!」
俺の妙な自身が気に食わなかったのか、赤鎧はイライラした表情をして、先程俺を切り裂いた時と同様に一気に距離を詰め斬撃を繰り出してきた。
213 :
Valiente290 ◆JMUNf1M.LE :2006/12/07(木) 20:18:15.24 ID:M34yzTYM
踏み込んできた赤鎧の一撃を紙一重でかわす。
赤鎧は続けざまに斬撃を繰り出してくる武器を狙った一撃、首を狙った一撃、心臓を狙った一撃、全て紙一重でかわし続ける。
「ち、さっきは手抜きしてたっていうの?」
忌々しげな声だった。
先程までとは全く違う動きに焦っているかのようだった。
自分自身でも驚くぐらいの動きだから無理もない、反応すら出来なかった一撃を余裕でかわせるのだから。
余裕というのはこういう状況の事を言うのだと思う、先程までの俺はただの馬鹿だ。あれは余裕ではない、ただ、必死に逃げ回っていただけだ。
「力の使い方を知らなかっただけさ、元々この体はあんたぐらいなら倒せるって事だよ」
言葉を発すると同時に間合いをとり、剣を構えた。
そろそろ終わりにしよう、何時までも攻撃を避け続けれる訳ではない。
こうしている間にも制御しきれない魔力が体を蝕み続けている、何時内側から崩壊してもおかしくないのだ。
214 :
Valiente290 ◆JMUNf1M.LE :2006/12/07(木) 20:18:32.36 ID:M34yzTYM
「はぁぁぁぁ!!」
力任せの斬撃をひたすら続ける。
剣を叩き落とし、盾を弾き飛ばし、残った鎧を砕かんと剣を叩きつけ続けた。
一太刀振るうたびに制御しきれない魔力が体の中を食い荒らす。
だが、そんな事はどうでもよかった…、ここであいつを倒さなければどっちにしろ殺られる。
だったら殺られる前に殺るだけだ、傷はその後に直せばいい。
「少し力が上がったからって!!」
「その少しの差であんたはここで死ぬんだよ!!」
車のギアを上げる要領で強化のイメージをさらにアップさせ、加速する。
赤鎧は加速した俺のスピードについてこれなくなったらしい。懐に潜り込んだ瞬間の反応が遅れていた。
これ以上無いチャンスだった。赤鎧の首を掴んで数回壁へと激しく叩きつける。
俺は赤鎧が動かなくなったのを確認して地面へと放り投げた。
215 :
Valiente290 ◆JMUNf1M.LE :2006/12/07(木) 20:19:28.31 ID:M34yzTYM
今回は以上です。
それでは皆さんの投下にわっふるです。
紛らわしくて申し訳ない、自分のは2レス完結なので大丈夫です。
戦闘描写が書ける方が羨ましい・・・自分はノリだけのSSSしか無理だー
そして自分も皆さんの続きにわっふる。
217 :
既にその名前は使われています:2006/12/07(木) 22:02:31.62 ID:edX3yCOB
どうでも良いけど確実に侵攻する老いとか、
顔を合わせた時点で退治が決まっている圧倒的な戦力差は最高に強そうだな!
218 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/08(金) 00:16:24.42 ID:Ps7S7XBM
すぱんッ。
「痛ッ・・・」
桔梗の間と書かれたスリッパの一撃に頭を抱える。
「暇だ」
「ひ、暇って・・・あだッ!」
すぱんッ。もう一撃。
「この暴力ネk」
「早く本編を進めろ」
すぱぱぱんッ。
「ふぇ〜・・・」
そんなわけで続きを少し。
219 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/08(金) 00:21:48.76 ID:Ps7S7XBM
「彼は、とても不思議な方ですね」
その言葉に、私だけでなくシオンも反応した。
「知っているの?」
「ええ。いつだったか、彼と会いました。あれは・・・そう、ミザレオ海岸でのことです」
プロマシアエリアだ。それも、ミッションを進めないと行けない場所。
『キーゼル』が引退した頃はまだ、発売どころか発表すらされていなかった。
・・・やっぱり『彼』は、『私』が知るキーゼルじゃないようだ。
「滝のそばで、彼は立ち尽くしていました。眺めているのかと思えばそうでもない。ただ茫然と立っていたのです。
私は何故か彼が気にかかり、しかし声をかけずに、少し離れた場所から彼を見ていました」
ミザレオに限らず、プロマシアエリアは綺麗な風景が多い。私もふらりと歩き回ってはよくSSを撮ったっけ。
だから『彼』が風景を眺めていても、ちっともおかしくはない。
「しばらくして、彼はこちらに気づくと、まっすぐに私を見ました。いや、見たなんて。見つめたのです。
知り合いだったか空似だったかと思いましたが、私が何か言う前に、彼は厳しい表情で私へ、静かに言いました。
『終わらせるのは大変だ。でも、やらないと』と。私にはその意味が分かりかねました」
「・・・タブナジアには何度か渡ったな」
シオンがカップを指でもてあそびながら、呟くように口にする。
「あいつも『虚ろ』を・・・プロミヴォンを越えたのかな」
「さあ。しかし彼は確かにいました」
穏やかな笑みで彼は言った。
220 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/08(金) 00:27:16.32 ID:Ps7S7XBM
「・・・ああ、そうだ」
不意にシオンが言う。
「お前に渡すものがある」
「私に?」
「本来なら、誰かが持てる代物じゃない。・・・手を出せ」
言われたとおりに差し出した手に、薄いプレートが乗せられる。
まじまじとそれを見つめ、私はそれをどこかで見たことがあると理解した。
襟に手を入れ、首にかけていたそれを引っ張り出す。
どちらにも記された名前は、『Kiesel Rhancs』。
「ドッグタグみたい・・・」
カイが言った。
ドッグタグは、2枚でひとつだ。1枚は緊急時の身分証明に、もう1枚は死亡時の身元確認に。確かそう。
「シオンのは?」
「ある」
襟を開き、柔らかそうな胸元から取り出したそれには、確かに彼女の名前が刻まれている。
「Velscion Rhancs・・・フェルシオン・ランクス?」
自分でつけておきながら何だけど、読みにくい名前だ。知らなきゃ読めないな。いやそれより、ランクスって。
何で、同じ名前を持っているんだ?それに、
「「読めない・・・」」
ふたりのエルヴァーンが同時に言うのを無視し、シオンはプレートを戻して騎士服の留め金を留める。
221 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/08(金) 00:31:21.28 ID:Ps7S7XBM
「・・・何で、」
訳が分からない。
シオンは私を睨み、それからふうっと息を吐いた。
「話すことはたくさんありそうだな。レンタルハウスを借りて、ついでに体を流してこい」
そう言って、シャポーを手に席を立った。そのまま部屋を出ていってしまう。
彼女の席には、空になったカップと皿がある。・・・いつの間に食べたんだろう。
女の子は甘いものは別腹って言うしなぁ。きっと、知らないうちに食べたんだろうな。
とりあえず私もケーキを口に運ぶ。あ、おいしい。
「やっぱりあなたは、『シオン』なんですね」
ふとミガイフォングが言う。
「・・・ふぇ?」
行儀悪くもフォークをくわえたままの私に、彼はにっこり微笑む。
「気付きませんでしたか?シオンは、」
言われて私は、初めてそれに気付いた。
何だか恥ずかしくなり、無意識に頭を掻くと、ざりっと砂利の感覚。
・・・お風呂、入りたいな。そういやシオン、体を流してこいって言ったっけ。
・・・レンタルハウスかぁ。
サンドリアにいた時は自宅だったけど、一応、ここは他国なんだ。だから、部屋を借りないと。
・・・でも、借りたことなんてないぞ?
私が首を傾げていると、ミガイフォングが手伝いましょうと申し出てくれた。
222 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/08(金) 00:37:50.07 ID:Ps7S7XBM
今回は以上です。
相変わらずエルオスばかりの話で非常にむさ苦しい・・・
唯一の女性も華がないorz
(356)
「俺がそれを素直に鵜呑みすると思うか?」
「呑んでいただけなければ、私が持ち出すのみでございます」
相変らず目を合わさずに話す爺さんを見ながら、俺はこちらに来てからの出来事を思い出していた。
あの後の出来事と言えば、南サンドリアでの赤い鎧との戦闘と、良く覚えていないオルデール鍾乳洞での一件。アルテパの事もそうだろう。
まさかその全てが爺さんの手の中とでも言うのだろうか。
いや、もし仮にそうだとして少なくともアルテパの件は爺さんの仕業ではない。
俺をバストゥークに連れて来たかったのなら、わざわざあそこまで危ない橋を渡る意味がない。
思惑通りに進んでいるが、その経過に関しては少なくとも予定通りという訳ではないだろう。
精々そんなところ出なければ辻褄がまるで合わない。
「…集められてる物ってのは、なんだ?」
「具体的な事はわかりかねますが危険な物でございます。シュムサザ自身にはそれを使う意図はありませんが、別の者がそれを狙っている恐れがございます」
別の者、とはこの場合シュムサザと呼ばれたあの黒髪の男以外の赤鎧という事になるだろうか。
所在が明らかであることがまずいと言うなら、連中の内情はそれほど荒れているということも言えるのかも知れない。
せっかくその危険な物が管理下にあるのに、わざわざそれを管理外に移したがっている、しかも、俺という外部要因を使って。
つまりそれを行方不明にしたいという意図が汲み取れる。
(357)
言葉通りだとすれば、爺さんは知りもしない何かを俺に奪取させたいと言っている事になるが、それは筋が通らない。
察するに赤鎧の内情を知る誰かの指示を受けて、爺さんはここまで来たと考える方が自然だ。
すると俺たちの行動が筒抜けだったのは爺さんが都度情報を流していたからと考えることも出来る。
「爺さんも誰かの指示で動いていると言うことか」
「半分はその通りでございます。ただ、もう半分は私個人の事情と言えますな」
視線を下げたまま、相変らず話す言葉には淀みがない。
俺も出来るだけ冷静でいようと勤めているが、手に汗が滲んできている。
「忠節、とだけ申しておきましょう。今更とお思いになるかもしれませんが…」
ここでようやく、爺さんの視線が上に向いた。信じろ、という事らしい。
目を見て正邪が判断できる訳でもないが、少なくとも信じておきたいとも思う。
少なくとも害意があるなら俺たちはここにはいない筈だし、この状況にあって万事頼りにして良いのはこの爺さんくらいなものだ。
信用できるかどうかは別にして、必要ではある。
「信じていいんだな?」
無論言葉どおり信用するつもりはないが、この場を収めるにはこの言葉が必要だ。後は決まり文句のように爺さんが肯定すれば良い。
「はい、今この場に在りましてはシュヴィヤール家に代々仕えるマティエールでございます」
随分と含みのある言葉だが、欲しい一言は引き出せた。
225 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/12/08(金) 01:10:41.37 ID:GkBKHbWS
今日は2つだけ
こちらも華がなくなりつつあります…w
226 :
既にその名前は使われています:2006/12/08(金) 02:17:53.18 ID:v8aDpZWo
227 :
既にその名前は使われています:2006/12/08(金) 10:22:54.89 ID:4s/YUY8y
228 :
既にその名前は使われています:2006/12/08(金) 12:24:49.75 ID:RfXjwyHl
保守
229 :
既にその名前は使われています:2006/12/08(金) 15:20:46.23 ID:y1K3y1ka
おじいちゃんがルーファス一行を売ったら
俺が出て行っておじいちゃんをやっつけるage
230 :
既にその名前は使われています:2006/12/08(金) 17:07:43.91 ID:Ps7S7XBM
>>226 ・・・( ゚д゚)!!
「私は原告にして裁判長。法の番人にして執行者。いざ、咎人に裁きを」
膝を突いたままの銀髪の男の首筋に剣を当て、彼女は宣言する。
「ちょ・・・何でオレが!!」
「黙れ。私は今、機嫌が悪い。アルタナの名において、貴様を裁く」
「だから何でだ!?」
賑やかなふたりに、外野は互いに顔を見合わせ肩をすくめる。
「・・・女の子扱いされたいみたいですよ」
「私だって、女の子なんですけど・・・」
「外見は男の子ですけどね」
「・・・・・・orz」
がっくりと肩を落とすどころかまさしくorzのように跪く。
その頭をぽんぽんと撫で、
「俺には無理ですが、きみなら男装の麗人でもいけなくは。男ですが」
「慰めになってない・・・」
「まあ・・・ああ、そうですが」
うなだれる相手に苦笑した。
231 :
既にその名前は使われています:2006/12/08(金) 20:51:58.29 ID:2SntSGHD
眠らない町、ジュノの港の片隅にある一軒の酒場。
煌々と灯る明かりと、酒場独特の喧騒が無ければ気づかれなさそうな看板も無い
店――――いや、あった。作業用の、裁縫職人のマークが入ったエプロンに身を
包んだガルカは、今まさに吊るした看板を満足げに見やると、「open」の札のかか
った扉を押し開いて中に戻って行った。
その場に一人残されたボサボサ髪のタルタルは、その看板を半眼で見上げた後
掛ける際に使用した脚立を諦めたように片付け始めた。
リンクシェルのマスターは自分と先程のガルカの二人だが、この酒場のマスター
はあのガルカだ。しがないソムリエ兼調理担当の自分には勝手に看板を変える権限
は無いし、あのガルカの事だから一度決めた事は覆るまい。
これ以上看板について悩むのは無駄だと、物置に鍵をかけながらタルタルは思考
を切り替えた。
―そうだ、そういえば朝昼に酒場を担当する二人の従業員から氷のクリスタルが
見つからないと泣きつかれていたのだった。氷の代わりになるかと思って砕いたら
爆発した何て言えないし、何と説明したものかと黒魔導師のINT120の頭脳を
フル回転させてタルタルは再び思案に暮れた。ちなみに、先程のガルカの左手は
そのせいで霜焼けになっている。
思考の海に沈み、いっそ、「サーセンwwwww」で済ませてしまおうかと考え
はじめたその時、タルタルの背後を運悪く通りがかった男がいた。いつの時代にも
間の悪い人間は居るものだ。
232 :
既にその名前は使われています:2006/12/08(金) 20:53:21.75 ID:2SntSGHD
通行人Aは、通路の真ん中で何か悩んでいる傍から見ればかなり怪しいタルタル
に気づくと、親切なことに自分も困ったときに唱える魔法の呪文を教えてあげる事
にした。――残念なことに、この男の辞書には「君子危うきに近寄らず」という
言葉は無かったようだ。
「倫理的におk」
「いや、あかんやろ」
実力指数頭打ちの冒険者のスナップの効いたツッコミが、罪も無い一般市民の向
こう脛にクリティカルヒットした。
そのせいかどうかはわからないが、掛けられたばかりの看板――― 一度割れた
ものを無理にくっつけた為か、元は「保守」と書かれていたものが微妙にずれ、その
時に汚れたのか妙な模様が所々につき、それがクエスチョンマークのように見えなく
もない為「保守?」になってしまっている―――は再び地面に還り、今度こそ粉々に
砕け散った。
1乙も皆さんこだわってらしたし、折角だから保守に蛇足(が精一杯)でもつけるかと
気楽にはじめたけれど、思った以上に短くならなくて無駄に容量食ってしまう・・・
緑茶さんの1レス小説は本当神なんだなぁ。キリがいいからこの辺で普通の保守に戻ろう。
濃いキャラばかりのLSメンバーに、この場を借りてお礼申し上げます。
引き続き、皆さんのお話にわっふるわっふる。
233 :
既にその名前は使われています:2006/12/09(土) 00:24:46.53 ID:Nk5R1cdb
戻らないで今の保守のままでいいよ!
234 :
既にその名前は使われています:2006/12/09(土) 01:22:41.77 ID:mwNYE8+K
お許しこた!これでかつる!(何に!?
(358)
さて、こうなってみると改めて今までの出来事を解釈し直す必要がある。
南サンドリアの一件は、ヒロを狙った赤鎧を俺たちが協力して倒したつもりでいた。
しかし、俺たちの情報を自分たちとは対立する派閥にリークして、逆に俺たちに処分させたとは考えられないだろうか。
バストゥークへの移動に関しても、ヒロとマルトを陸路で向わせたのに対し、俺たちは移動速度を優先させてルテのクリスタルから向った。
それはアルテパで起こっていた事件を解決させるためにわざわざアルテパを経由させたとも考えられる。
ルテで移動して追いかけるようにフルキフェルに言っていたのは、確かヒロだ。
しかし、ヒロがバストゥークに先行したのが赤鎧による情報提供だった場合、それも説明が付く。
わざわざ俺たちに急ぐ理由を与えた訳だ。後発の俺たちは最短ルートを行く他に選択の余地はない。
つまり、少なくとも爺さんが所属する一派にとって俺たちは処分対象ではなく都合の良い駒という事になる。
癪に障るが、これは思ったよりも悪くないかも知れない。
ただ、そこで分からなくなるのは例の黒髪、シュムサザという男の立場だ。
ヒロが襲われた一件を見れば、爺さんと対立する立場の連中がバストゥークに既にいるのは間違いない。
しかし爺さんの言い方であれば、シュムサザという男はその中には含まれない事になる。
当然、その「危険な物」を直接回収できない辺りを見ても、爺さんの側でもない。
敵の心配をするのもどうかとは思うが、ある意味一番奇妙な位置にいるのは奴ではないだろうか。
(359)
視線を天井に移しながら、一つため息をついた。
「で… 他には何をしてくれるんだ?」
はて、と言って爺さんが首を傾げる。
「俺達だけで事がうまく運ぶとは限らない。何か手を用意してるんだろう?」
「これは… ご明察でございますな。直接的ではありませんが、いくつか支援策をご用意しております」
ここまで来ると馬鹿にされたような気がする。口にも顔にも出さないが、本当に不快だ。
だが利用できるものは利用しておかないと、今の状況は好転しない。
「なら、ちょっと考え直さなきゃならねぇな」
「さて… 何を、でございますか?」
片方の口角だけを引き上げて無理矢理笑顔を作り、その言葉に答える。
「ヒロとフルキフェルの件さ。あいつらにヤバイ橋を渡らせる理由がなくなった」
俺がそう言うと、爺さんはなにやら難しそうな顔をして考え始めた。手遅れ、とでも言いたいんだろう。それは俺も分かってる。
「何も追い返そうって訳じゃない。だが、最終的にケツを拭かなきゃならないのは俺と爺さんだって事だよ」
「なるほど… 左様でございますか。確かに、その通りでございます」
爺さんは得心顔でそう頷き、地図に目を落とした。
「ならば、開始地点はここですな」
そう言って地図のある地点を指差し、俺に向ってまた頷いて見せた。
終了age
今年は暖冬って言うけど寒すぎだろう… 常識的に考えて…
238 :
既にその名前は使われています:2006/12/09(土) 02:58:30.35 ID:i0OfSNsL
大阪ではいきなり10度くらい昼間の温度が下がったんだが?w
239 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/12/09(土) 10:22:12.93 ID:mRauYLmf
おはようございます。上げさせていただきます。
240 :
既にその名前は使われています:2006/12/09(土) 14:49:10.31 ID:2tlS/fhI
あげるんだぜ?
241 :
既にその名前は使われています:2006/12/09(土) 18:08:27.28 ID:Nk5R1cdb
ネタも無いのに保守ageだって?
悪いかっ!ヽ(´Д`;)ノ
>>232 1レス小説が神だと言われても、天邪鬼な私が今日投下するのは2レス話です。
と言うわけで、『帰りたい男』の四回目を投下しますです。
それはちょっと考えてみれば、当たり前のことであり、何も特殊なことではなかった。
俺はこの世界の住人ではない、ヴァナ・ディールと呼ばれるファイナルファンタジー11というゲームの中の世
界に気が付けば居たのだ。ゲームの中の世界と言っても、衣食住は事足りているし、この世界に住む人とのコ
ミュニケーションも何ら問題なく取ることが出来た。
そう、俺は少し油断していたのかも知れない。
昨日もこの世界から元の現実世界に帰るために、海へ潜ってある物を探していた。
結論からいうと、ある物はガセネタで、いつものように骨折り損の草臥れ儲けだったわけなのだが、それ事自体
は気にすることでもなかった、迂闊にも濡れた体のまま疲労に身を任し眠りについてしまった事を除けば。
頭痛に発熱、咳が止まらず体がだるい。察しの良い方は既にお気づきだろう、俺は風邪をひいたのだ。
モグハウスと呼ばれる冒険者用の居住区のベッドで寝ている俺の視線は、ゆらゆらと揺れるランプの光だけを
追っていた。その静寂を壊すように入り口の扉が騒々しく叩かれる。……やめてくれ頭が割れる。
「あっそびにきったにゃー!」
意せずして、俺の頭痛を更に酷くした彼女は、ゲームの中のキャラクター、猫耳とお尻についた尻尾がチャーミ
ングなミスラと呼ばれる種族のその子供だ。
彼女は日ごろから俺に付きまとって遊んでいる。この世界において異質な俺に、孤独という闇に落ちないように、
笑顔を与えてくれる大切な存在でもある。だが流石に今日は、流石に今日だけは勘弁してくれ。
「むむむ!どうしたにゃ?元気ないにゃ〜」
「あぁ、そうなんだ。ちょっと風邪をひいたみたいなんだ、今日はそっとしておいてくれ……ッゴホ」
「カゼ……それは病気の事かにゃッ!?」
俺が頷くと、彼女は「お薬もってくるから、ちょっと待ってるにゃ」と、踵を返して街へと戻っていった。
薬か、ゲームの世界には万能薬と呼ばれる何にでも効くアイテムがあった、風邪にも効くのだろうか?
子ミスラが去った後の俺は相も変わらず、空ろな目で天井にあるランプの光を仰いでいる。人は病気にかかると
弱気になる。俺は元の世界に戻れずこのまま衰弱して死んでしまうのではないか。風邪が治っても下らぬ事で命
を落とし一生を終えてしまうのではないか。そんな思考が頭を過ぎる。
しばらくして、再び扉が開き、薄暗い室内に光が差し込む。
彼女だ、子ミスラが薬を持って戻ってきたのだろう、風邪に苦しむ今の俺には彼女の存在は正しく天使だ。
すがる気持ちと、安堵のため息と共に彼女の姿を確認すると――。
白衣の天使とはよく言ったものだ。彼女は小さいその体にフィットする白いナース服を着ていた。
「その格好は一体……どこから持ってきたんだ?」
「この服は、連邦看護制式衣にゃ!看病するなら、これを着ていけと言われたにゃ!」
「さいですか……いや、それよりも、その肩に担いでいるそれは……」
聞くまでもない、俺はそれを知っている。病院などでよく使われている、針を刺して液体を体内に注入する医療器
具。注射器だ、黄色い液体が中に見える。が、デカすぎる、物理的にアレに刺されたらやばいだろ。
「もちろん中身は万能薬にゃ!シャントット博士が、これを使えば一発で回復って言ってたにゃ!」
"ニヤァ"と口の端がつりあがる不敵な笑みと共に、注射針の先端がキラリと光る。
その日、街中に響き渡るほどの絶叫がモグハウスの一室から聞こえたことは言うまでもあるまい。
――翌日、俺のベッドの中には寄り添うように子ミスラが可愛らしいパジャマ姿で寝ていた。
「むにゃむにゃ……おはようにゃ、寒そうだったから暖めてあげたにゃ」
俺の為に親身に……だが、彼女という誘惑に負けず俺は現実世界へ戻るのだ、俺は心の中で泣きながら言った。
「その手には乗らないぞ!ヴァナ・ディール!」
245 :
緑茶 ◆vUu2nK2xdY :2006/12/09(土) 21:10:32.33 ID:iYLPt9A3
帰りたい男4回目でした。
そんなわけで皆様、この季節、風邪をひかないよう気をつけましょう。
ちなみに私は一足先に今年の風邪を堪能していました。
看病してくれる可愛い子ミスラ【どこですか?】
自分で書いてて、この話の主人公が羨ましすぎる……。
246 :
既にその名前は使われています:2006/12/09(土) 21:54:31.98 ID:mwNYE8+K
ツンデレさんめ!だがそれがいい!
子ミスラなんて抱いてモフモフするしかないじゃないか!
帰りたい男・・・・・・絶対帰れないなw
今年の風邪は腹にくるらしい。
お気を付けあそばせ。
兄弟の叱責に、くわえていた煙草を離す。彼がそんなことを言うのは珍しい。
「・・・あいつも随分、こっちに慣れてきたな」
遠くから眺めて、ふぅっと息を吐く。
エルヴァーンに紛れてちょこんといるヒュームの少年が、彼に剣の構え方を指導されている。
筋のいい少年だ。すぐに誰からも一目置かれる存在になるだろう。
「頑張るねぇ」
「お疲れ様」
言って、ジュースとタオルを渡してやる。
「疲れた・・・」
「その割にノリノリだったじゃん」
「・・・最近、ちょっと楽しくなってきた」
「体育会系にはなりたかねーなぁ」
兄弟の言葉に眉をひそめる。端整な顔立ちの彼がするその仕草は、一種演技じみていた。
「また煙草吸ってるし・・・」
『保守』の字に並べられた吸い殻を眺めて溜息。
「お前の前では吸ってないだろ。仕事の時も」
「やだ。煙草くさいッ」
あがった文句に、彼は肩をすくめた。
251 :
既にその名前は使われています:2006/12/10(日) 10:19:36.85 ID:oRXnrV0M
―あぁ、もう駄目なのかな。周りが真っ暗で何も見えないや。
ふわふわとした感覚と、自分を呼ぶ人の声だけが五感で感じる全てだ。
―ごめんね、お母さん最後まで一人前の冒険者にはなれなかったみたい。
やがて、かすかに聞こえていたその声も感覚も、ぷつりと、途絶えた―――
「スマ?!おいスマ!返事しろよ!・・・お袋!っ畜生!!!!」
倒れ伏したエルヴァーンの体を、シックなアクトンに身を包んだエルヴァーン
が抱き起こし、悲痛な声で呼びかけている。
その横で冷静に傷を調べていたもう一人のエルヴァーンが、はたと手を止めて
首を捻った。
「どうした?リコたん・・・もしかして、相当悪いんか?」
ボサボサ髪のタルタルが、今にも泣きそうな顔で見上げて問う。ピクニック
気分でロランベリー耕地の蜂に手を出したが、まさかこんな事態になるとは
思わなかった。
「いえ・・・それが、その」
エルヴァーンは言いにくそうに口ごもると、小さな声で「外傷が見当たりません」
とぽつりと呟いた。
「「へ?」」
タルタルと、ウォーアクトンの男の声が見事にハモった。
252 :
既にその名前は使われています:2006/12/10(日) 10:20:11.08 ID:oRXnrV0M
「・・・恐らく、巨大な蜂を見て気を失っただけかと思われます」
安心したような、なんなようなで脱力するエルヴァーン。
同じく呆けてしまったタルタルは、人騒がせなエルヴァーンの手元に、指で書かれた
文字があることに気がついた。
「よく考えてみれば、アーティファクト装備のエルヴァーンがロランの蜂で致命傷
って無いやんな」
「ですね」
「・・・ダイイングメッセージ残すって、かなり余裕あったんやな」
「・・・ですね」
「保守」と書かれたメッセージが何を示しているのかは、書いた本人のみぞ知る。
253 :
既にその名前は使われています:2006/12/10(日) 14:48:01.40 ID:DHw3msB4
最近は保守ネタも凝ってるんですね…
時々、保守ネタ書き終わったのか投下途中なのか判断に困る時がありますw
そしてネタもなくage(´∀`)
254 :
既にその名前は使われています:2006/12/10(日) 17:08:53.67 ID:oRXnrV0M
ご迷惑をおかけして申し訳ないですorz
自分は2レス内完結目標で、メモ帳から貼り付けているので
2分以内に何も来なかったら終わりになります。
=ここまで=みたいなのを次回からつけてみます!
でも割り込みは歓迎です!次のネタにします(ж´∀`)
255 :
既にその名前は使われています:2006/12/10(日) 17:44:25.99 ID:QC/5SHVT
名無しの保守は大いにいいが、
ストーリーの作者は分別したほうがいいという目的だけでつけられた
名前アリで空揚げされると何故かムカつく。
開いたらトリップがあって、新作キタワー!と見てみたら
違うかった事があるという可愛いツンデレさんと見ました!
257 :
既にその名前は使われています:2006/12/10(日) 19:48:54.71 ID:DHw3msB4
>255
ごめんねごめんね(つд`;)
皆様、投下乙でございます。
休日は下がるのも早い。保守上げいたします。
彼我の距離はまだ遠すぎるとはいえ、一歩、また一歩と縮まっていく。
「あのガルカさん、どっかヘンです」
メイミィが困惑を抑えきれないまま、小声でつぶやいた。
彼女が感じた違和感こそが、来訪者や管理者がまとう雰囲気、とでも言えばいいか。
敵を“見分ける”ために必要な、その感覚が彼女にも育ってきているようだ。
(合計18人。相手になんかしてられるか。チョコボを奪って逃げる)
彼女にTELLで伝えた直後、ゾクリと震えが走った。あるいは電気ショックだったかもしれない。
恐怖? もちろん。
だが、恐れよりも大きなうねりで湧き上がる、この昂揚感はどうだ。
心臓の鼓動が激しい。聴覚は澄みきっているのに、幻聴が聞こえる。
コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ
俺の体じゅうを切り裂きながら、黒い炎が噴き出した。
熱い。焼ける。燃える。焦げる。肺腑をえぐるような絶叫。いや、すべて幻覚だ。
「マガシキノロイ」
黒炎は禍々しい呪いの紋様を形作り、身体じゅうを這い回る。くまなく覆い尽くす。
ダブレットからむき出しの腕や素顔が、真っ黒な模様で埋め尽くされているのが見えているかもしれない。
少なくとも、力に溺れないだけの理性は最後まで手放すな。当然だ。自信はないが。
俺は、己の意思で、目の前の敵を―――。
「リードさん、黒い模様が・・・」
俺の横に並んでついてくるメイミィにも、変化が見えてるらしい。
余裕で呪文が届く距離にまで、じわじわと彼我の距離は近づいていた。
両側は建物だ。進むしかない。前へ。腰間の剣はいつでも抜ける。
(状況 動い ら、走れ。奴は、俺がブッ す)
あと三歩。
ここまで近づいておいて、ガルカに特別の動きはない。
幾人かの冒険者たちが忙しそうに、鎧の音を響かせながら走り抜けていく。
あと二歩。
俺とガルカ。互いに目も合わせない。
斜め後方から、アフディーンと助手のマーシャルが立ち話しているのが聞こえる。
あと一歩。
ガルカの歩調に乱れはない。いいだろう。よく躾られているというわけだ。
それだけで呪いをかけられそうに殺気を放っているのは、むしろ俺のほうだ。
ゼロ。
俺たちは何事もなかったかのように、すれ違った。
武器を抜くでも、呪文を唱えるでもなく。
きっとアドレナリンのせいだ。時間がゆっくり進むような錯覚を覚える。
ガルカの巨体が視界から消えたことで、見晴らしが良くなった。
おかげで武具屋の方に、ハイプリースティス配下の一人、いや二人の姿を確認できた。
いまだにジュノ上層の時間が止まる気配はない。
「YO・・・!」
俺は自分からガルカを呼び止めた。
言葉は短かったが、意外なほど深く響いた。
ザリッ。
無言のまま、石畳を蹴っていた重々しい靴音が止まる。
俺たちは互いに背中合わせで立っていた。
拳が届く、至近距離。剣で戦うには窮屈な空間。
「・・・・・・」
「お前らのお姫様はどこだ?」
その言葉を合図に、俺たちはバネ仕掛けの機械のように弾けた。
同時? 否。
俺が速かった。
262 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/12/10(日) 23:37:23.13 ID:ZdLSUafj
今夜は以上です。
263 :
既にその名前は使われています:2006/12/11(月) 01:53:28.46 ID:QQqTUqpX
hosyu
RP前提のリンクシェル作ったんだが誰か一緒にやらないか?芝鯖で
パスも発行するぞ
265 :
既にその名前は使われています:2006/12/11(月) 08:11:49.36 ID:oufCsBdq
おはよう保守。投下乙です
>>264 どういう趣旨のRPをやるかによっては気になるかも。
てか、このスレに何を期待してるんだw
266 :
既にその名前は使われています:2006/12/11(月) 12:26:48.94 ID:UBdO2EYZ
あげるんだぜ?
267 :
既にその名前は使われています:2006/12/11(月) 16:19:06.35 ID:X3T8zjoU
揚げるんだぜ?
268 :
既にその名前は使われています:2006/12/11(月) 18:20:26.87 ID:QQqTUqpX
挙げるんだぜ?
中華鍋の中をじっと見つめる。じゅわじゅわとキツネ色に変わりつつあるそれは、彼にとって楽しみのひとつだった。
そう言えば、中華の存在しないこの世界でも中華鍋と言うんだろうか。みんな『鍋』としか言わないけど。
カリッと揚がったそれを見て、おお〜と声があがった。
「こ、これはもしや・・・」
「うん、作ってみました」
胸にモーグリのアップリケがあるエプロンの前できちんと両手をそろえてにっこり微笑む。
「ヴァナ風カレーパンです。レッドカレーをベースに、隠し味に白蜜を加えてみました」
「さすが調理師範・・・」
どこからつっこめばいいか分からないけどさすがだ。アツアツのカレーパンを割ると、スパイシーな香りがあふれる。
「どれ、いただきます」
一口。
「・・・何だ、この死体は」
テーブルに突っ伏した男を見て呻く。犯人は、悲しげに首を振った。
「・・・倒れる寸前、彼は『保守を』と・・・それが最期の言葉でした」
つまりあまりの辛さに気絶したと。そういうことか。
下手人の手元にあるパンを見て、げんなりとした。
270 :
既にその名前は使われています:2006/12/11(月) 21:35:39.02 ID:06OogMyv
「なぁロロ・・・ルルのしたこと、間違ってたんかな」
’店を朝まで貸し切りにして欲しい’そう言ったヒュームの少女
の席には代金と自分が出したつまみ、空のワイングラスが一つ。
そして、隣の席には並々とウィスキーが注がれたまま手の付けら
れていないショットグラスが置かれていた。
それは、まるで亡くした仲間を弔うかのように
「さぁな・・・おいらにはわからん」
この世界に来たとき、リンクシェルの方針として帰還を目指す事を
決めた。けれど、帰還を目指すということはその過程で危険な目にも
会うかも知れないということ。戦いを拒み、平穏を望むメンバーも
当然居た。
自分は、去って行く彼らを止めなかった。無理に引き止める権利は
持っていないと思っていたから。
それから、彼らからの連絡は一度も無い。誰一人からも。朱雀に聞
いて見たけれど、首を振るばかりで何も教えてはくれなかった。
今にして思えば、この酒場を開いたのもそんな中の漠然とした焦燥
感からだったのかもしれない。朱雀を説得する時、随分困らせたのを
覚えている。
言葉が詰まってしまったタルタルを急かせるでもなく、ガルカは
グラスを磨いていた手を止め、息を吐きかけると指で文字を描いた。
271 :
既にその名前は使われています:2006/12/11(月) 21:36:14.59 ID:06OogMyv
程なく完成した「保守」という字を眺めると、軽く首を振って乱暴
に曇りを拭い、今にも泣き出しそうになっているタルタルを抱き上げた。
冬の訪れで雪混じりの風に吹かれ、真新しい看板が壁にぶつかって
立てるカラカラという音が静かな夜に響いていく。
それはまるで、小さなタルタルの嗚咽を隠してやろうとしているか
のようだった。
40数人も居ると人間色々。去って行った人達は不用意な行動で見つ
かって殺されたり、殺される位ならと寝返って洗脳されたりしている予定。
―ここまで―
272 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/12/11(月) 23:48:16.74 ID:1nyD9VH4
空揚げいたします。
振り向きざま、ズボンのポケットから拳を抜き放つ。
握っていたのは、食塩。
猛スピードで飛散した真っ白な粉末が、ガルカを襲う。
たったそれだけの事で、奴が用意していた空蝉は霧散した。
「ッ!?」
この程度で消え失せてしまう、常識の裏の盲点。
展開済みの術に反応対象の選別など不可能な事くらい、知っておくべきだ。
ガルカは動揺を押し隠し、ふところから術の触媒を取り出した。
太い指に摘まれた、人型の紙兵。
攻撃から身を守る己の分身を生み出すべく、念を込めはじめる。
そう。空蝉が消えれば、次の空蝉を展開する。俺の読み通り。
“普通ならそうする”
俺はすかさず、紙兵を捧げ持つガルカに手を伸ばした。
手首を掴む。
―――キッ、ペキパキッ。握り潰す。
ひねり上げる。
ガルカの巨体が、浮いた。
間髪いれず、体制を崩したガルカを、ぐッと力任せに引き寄せた。
―――至近距離では剣が抜けない? 笑止。
引くと同時に“ミフネ式”で剣を逆手に抜き放つ。
ゼロ距離。
首筋に白刃を当てた。
「・・・ァ・・・ァ・・・ァ!」
大きく開けた奴の口には、舌がなかった。
断末魔の叫びは何の言葉も成しえなかった。
関係ない。ハイプリースティスのやることなど、俺の知ったことではない。
研ぎ澄まされた刃を深く食い込ませ、そのまま一気に掻き切った。
押す力と引く力で倍化した勢い。
丸太のようなガルカの首が、パックリと半分ほどに切開された。
ひと思いに落ちなかったのは、巨体に見合った頚椎のおかげか。
ブンッ。
腕で唸りを立てつつ、投げ捨てた。
すでにガルカはただのクソ袋だった。それも切れ目が入った、クソ袋。
生死は一瞬で決した。
俺はもう次の標的を視界に捉えて、石畳を蹴り飛ばした。
一撃で「黙らせる」べく、走りながら手首を返して剣を握りなおし、しなやかに力を込めた。
ぴゅるるるル・・・・・・ど、ぱぁぁン。
文字にすれば滑稽な音だ。
俺が穴開きクソ袋を振り投げた先は、畏れ多くも教会の建物だった。
切り裂かれた喉から肺気と搾り出し、ぴゅるると深紅の放物線を描いて飛んだ。
勢いよろしく、堅牢な石壁に激突。
その拍子に、奴の身に仕込まれた爆薬のスイッチが入った。
巨大サイズの肉体は、あっけなく、粉微塵に吹き飛んだ。
命が終わるにしては、意外にも軽くおざなりな、聞き慣れない炸裂音が通りに響く。
何事かと振り返る通行人。
いつもの駆け足をとめる冒険者。
昼前のひと稼ぎを思案していた商人。
皆、その惨劇の有り様を目にして絶句した。まるで、時が停止したかのように押し黙った。
「キャァァアァァアァ!!」
突然、女性の金切り声が辺りにこだまして、我に帰る。
彼女は運悪く道の反対側で立ち話をしていて、赤黒い内臓と血しぶきを頭からかぶっていた。
今夜の投下は以上でございます。
書き手の皆様の投下を、楽しみにしております。
277 :
既にその名前は使われています:2006/12/12(火) 03:04:10.05 ID:t+t0SXMk
上げておく
278 :
既にその名前は使われています:2006/12/12(火) 04:03:43.37 ID:YuZ2hE93
なんでこの板では
コロセコロセコロセと書くと斜めに見えるんだろう…。
279 :
既にその名前は使われています:2006/12/12(火) 10:16:14.74 ID:mxuZBosH
やっぱり
リードさんは
バトルだ
な
280 :
既にその名前は使われています:2006/12/12(火) 13:24:38.14 ID:JWlOFsAT
何故僕はこの世界に来たのだろうか?
まだその答えはわからないが、
今自分にできる事をしようと思う。
保守
281 :
既にその名前は使われています:2006/12/12(火) 14:55:09.52 ID:YuZ2hE93
三船敏郎のアレか・・・おっちゃん発見。
でも西洋剣でアレできるのか?
282 :
既にその名前は使われています:2006/12/12(火) 16:47:59.49 ID:9xjaQXvA
ふぅ。と溜息をつく。
「・・・あの、」
膝を抱えた少年は、ぴくりとも動かない。
「村人Aでも・・・多分、きっと、もしかしたら、何かできることはあると思います」
「どこまで自信がないんだ、お前は」
慰めるはずの言葉に、シャポーでバシッと叩かれる。その後ろで、金髪の少年が思い耽るように俯く。
「いるだけのトループ以下か・・・まあ、それでも何か役割くらいはあるかと・・・」
「お前もトドメをさすな」
睨むが当然効果はない。
と。不意に、うずくまっていた少年が声をあげる。
「畜生、畜生ッ・・・村人Aとかいるだけとかトループ以下とか役立たずとかちっこいとか好き勝手言いやがって!!
実家に帰らせていただきますッ!!」
「待て、誰もそこまで言っていないし、第一どこの実家に帰るつもりだ?・・・おい?」
「あーあ・・・」
両手で顔を覆って泣き出した相手に、もはや何か言う気もなかった。
「そのうち機嫌を直すだろうから、何か菓子でも用意しておけばいいだろうか」
「ですねっ」
「・・・お前ら・・・」
283 :
Valiente290 ◆JMUNf1M.LE :2006/12/12(火) 18:24:35.63 ID:vqm46s2E
赤鎧は無防備なまま地面へと落下した。鈍い衝突音がその場に響き渡った。
恐らくもう立ち上げる事はできないだろう。
「はぁ…」
一息つき魔力による強化を解いた。途端、これまでの負荷が体に圧し掛かってくる。
その場に立っている事すら出来ず、思わず地面に膝をついた…。
「終わった…の…?」
後ろに下がっていたベアトリスが此方に駆け寄りながら不安そうに問いかけてきた。
「一応はな…」
とりあえずの決着はついた、だが止めを刺さなければならない。
必死に力を振り絞って立ち上がる。
「一応? 貴方の勝利でしょう? どうみても」
ベアトリスは俺の言葉に疑問を感じたのかその場で首をひねるようなしぐさをしていた。
そんなベアトリスの横をよたよたと通り過ぎる。そして、赤鎧が倒れこんでいる所に辿り着く。
「…ヴァリエンテ?」
俺はあえてベアトリスを無視して剣を振りかぶった。
284 :
Valiente290 ◆JMUNf1M.LE :2006/12/12(火) 18:24:58.70 ID:vqm46s2E
「やめてぇぇぇぇぇ!!!」
剣を振り下ろし首を刎ねようとした瞬間、ベアトリスが赤鎧との間に割り込んできた。
「そんな事しなくても貴方の勝ちよ!! だからもう止めて!!」
「邪魔をするなベアトリス、こいつはここで殺しておかないとならない」
ここでこいつを逃したらまた俺の命を狙ってくる。逃がしたらその代償を自分が払う派目になる、そんなのは御免だ。
「お前だって見ただろう? 俺がこいつに斬られたのを!! こいつの息の根を止めなければ俺が殺されるんだよ!! お前はもう一度こいつに殺されてしまえと、そう言いたいのか?」
「ちがうわ、そんな事思ってるわけないでしょ、私は貴方に生きて欲しいわ! でもそれだからって他人を殺して良いなんて事にはならないわ!! 殺されそうになったから殺すなんてことが許されるわけないでしょう!!」
「そ、それはっ…!」
「お願い、貴方は本当は優しい人でしょう? 首を刎ねて人を殺す事なんて出来る人じゃないはずよ!!」
ベアトリスの言葉が心に響く…、確かにそうだ…、殺されかけたから殺すなんて事は許される道理はない。しかし、今回ばかりは事情が違う。ここで殺さなければ自分が殺される、だから殺さなくちゃいけない…。
「うっ…、だ、大丈夫だから、もう平気。庇ってくれてありがとうね、ベアトリス」
「え…、わ、私、そ、そそんなつもりじゃ……」
うろたえるベアトリス。
だけどもう遅いよ、だから言ったのというのに…。
285 :
Valiente290 ◆JMUNf1M.LE :2006/12/12(火) 18:25:19.22 ID:vqm46s2E
想像しうる中で最悪のパターンだった。
ベアトリスへの怒りや、一瞬戸惑いを持った自分に対する憤りを乗せて、剣を横になぎ払った。
「強化もしてない一撃で私を倒せると思ってるの!? 馬鹿にしないでよね!!」
なぎ払いは何の効果も発揮しなかった。それどころか、素手で掴み取られ剣をへし折られてしまった。
だから言ったというのに!!
だから殺すべきだったのに!!
こんな事態になっては行けないから!!
「さぁ? どうする? 見たところ貴方にもう強化をする余力はないみたいだね。 まぁ、別に強化しても良いけどね、さっきは油断してやられかけたけど、次はそうはいかないよ。もう手加減は止めで全力で殺すわ」
「っち、さっきまでは本気じゃないっていうのかよ」
赤鎧の言葉は恐らく本当だ、それほどまでに威圧感が先程までとは違った。
「そうね、貴方に合わせてたのよ、そういう意味では貴方はよくやったわよ? 手を抜いてたとはいえ、さっき躊躇わないで首を刎ねていたら私は死んでいたのだから」
愉快そうに笑いながら此方を見つめてくる赤鎧がいた。
「そうかよ、でも俺も責任を果たすまでは死ねないからな、余力があろうがなかろうがやるしかないんだよ!!」
精一杯の力を込めて叫び、自らの体を奮い立たせた。
286 :
Valiente290 ◆JMUNf1M.LE :2006/12/12(火) 18:26:10.19 ID:vqm46s2E
今回は以上です。
少し行間のとり方を変えてみました、読みやすくなってれば幸いです。
それではみなさんの投下にわっふるです。
287 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/12/12(火) 21:28:20.41 ID:MmR65NJU
勝ったと思った後の思わぬ大ピンチ。
最っ高に燃える展開ですね(゚∀゚ ∬ワクワク
皆様、本当にお久しぶりです。
一本、元短編・・・膨れに膨れて結局中編になってしまった話を投下します。
話の続きを楽しみにして下さっていた方には申し訳ありませんが、
これからヴァナのユリフィナ達がどうなるかは想像におまかせします。
私のわがままですが、あれこれ書いて結論を出したくはないので・・・
というか、そもそも続きの話はスレタイに反してしまいますしw
なので、これ以降に投下する話は、終盤の魔法が完成するまでの期間の話として書こうと思います。
それでは、長くなりましたが、テンプレの後に投下します。
ヒロさんへ、アリア編を書くと大口を叩いたものの、未だに感動の結末が思いつかず全然筆が進んでいませんorz
申し訳ないですヽ(´Д`;)ノ
288 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/12/12(火) 21:29:18.63 ID:MmR65NJU
初出: 1スレ19
PC(仮)名: ユリフィナ/ 中の人: ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ
種族フェイス: タルタル♀F5(茶髪のポニーテール)S
ジョブ&Lv: 白魔道士70
特記事項: エロモーグリ、レズエルヴァーン、サポ暗両手剣ナイト、ヒゲサブリガの詩人、フェローのリポケケと濃い連中にもまれてます。
活動エリア:ウィンダスが中心となっています。
あらすじ: ヴァナディールはもちろん嫌いじゃない。
でも、知ってる人が誰もいないこの世界はすごく寂しい・・・。妹の由佳は私がいなくなってどうしているだろうか?きっと、私が突然いなくなって寂しくて泣いてるよね・・・。モグハウスにはエロモーグリ、
帰る手がかりはまるでなし、リアルとの接点は由佳の銘入りリラコサージュのみ・・・。
それでも私は帰ってみせるから・・・待っててね由佳・・・!
他キャラとの接触:フルキフェルさん、リードさん ヒロさん、ルーファスさん
独自レギュレーション: 特になし
289 :
新!護衛の報酬_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/12/12(火) 21:30:25.09 ID:MmR65NJU
もともと私にはカレンダーを見るという習慣がなかったので、
私がヴァナディールに来てからどれほどの時間がたったのかはわからない。
けれども、タルタルの体にもすっかり慣れ、ヴァナディールの娯楽を床に寝そべり、
クッキーをポリポリと嗜みながら、のんびりと堪能する余裕ができるくらいは長く滞在しているのは間違いない。
「ユリ〜、もう昼過ぎクポ。せめてパジャマくらい着替えるクポ。」
家事はできるがエロもできる、スーパーモーグリモグタンが呆れたように私、ユリフィナにこう言う。
「モグタンったらお母さんみたいなこと言うのね。別にいいじゃない、出かけるわけでもなし。」
私は「正ぎの力!輝く聖剣!トリオン王子奮闘期!」という賢者ライファルという人が描いた
マンガのページをめくりながら口を尖らせた。
なんでも、このマンガは賢者ライファルという人が来訪者が持ち込んだマンガという文学に
強い興味を持ち、自分も描いてみたくなったので敬愛するトリオン王子をモチーフに自伝として描いたそうだ。
ここで注目したい事は表紙の大事からして「正義」の「ぎ」の字がヒラガナなこと、
「奮闘記」の「記」の字が「期」の字になっていること、そして、他人をモチーフにしているのに
自伝であること。もうお分かりだろう。このマンガは間違いだらけなのだ。
とんだ賢者もいたものだと思う。しかも、たまに判読不能なほどへたくそな文字もあるし・・・。
ヴァナディールのマンガ文明はお先真っ暗だ。でも、擬音にメメタァとかドグシャァとか使っている点は好印象だ。
290 :
新!護衛の報酬_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/12/12(火) 21:30:41.03 ID:MmR65NJU
「ユリ、生活習慣はちょっとしたずれがきっかけでどんどん悪くなるものクポ。
出かけないからいいやはしだいに出かけるまではいいやになり、
そしてやがてそれはたいした距離じゃないしいいやになり・・・」
「あーもう!お説教はやめてよ。着替えるわよ!着・替・え・る!」
ヴァナディールのマンガの未来に絶望している私にクドクドとお説教をするモグタンがわずらわしくなり、
私はパンッと音を立ててマンガを閉じて半ば逆切れ気味に言い返し、パジャマに手をかけた。
「あ、でもぉ・・・。」
私はパジャマにかけた手を止めてニヤリと不適に微笑みながらモグタンを半眼で流し目を送って意地悪く続けた。
「モグタン的にはぁパジャマのほうがいいんじゃないのぉ?生地薄くて。」
「はい、服クポ。いいから、すべきことはやるクポ。」
心底呆れたといった様子で腰に手を当てて私を見下ろすモグタンがグイッと着替えを押し付ける。
「・・・ありがと。」
エロモーグリの予想外の反応。私、そこまでだらけてたかな・・・。なんだか、軽く傷ついた。
私はほほを膨らませながら着替えを受け取り、手早く着替えてパジャマをモグタンの手にグイと押し付け返した。
「もう、これでいいでしょ。」
「それでいいクポ。」
291 :
新!護衛の報酬_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/12/12(火) 21:30:57.88 ID:MmR65NJU
ムスッとしたままつまらないマンガを再び手に取る。
・・・つまらない。マンガもつまらないけれど、あのエロモーグリに正論でお説教をされたのはもっとつまらない。
「ねーモグタン。なんか面白いことない?」
「・・・何むくれてるクポ。」
「べっつに〜。」
私はコロンとマンガを手に取ったまま床を転がる。
「・・・そうクポね〜。」
しばらく考え込むモグタンをほっといてぱらぱらとマンガをめくる私。
めくってもめくっても金太郎飴の切り口のように同じようなトリオン王子のアップばかりだ。
烈火烈火烈火烈火烈火烈火烈火烈火烈火の如し!!と叫び続けながら
モンスターを切りまくるコマ等からいったいどの漫画が持ち込まれたのか容易に想像が出来る・・・。
「ユリフィナ!護衛の報酬やらせて!」
突然リンクパールから明るい、というよりは豪快な声が飛びだし、私たちの会話に割り込んできた。
パールには私と同じ茶色い髪をポニーテールにしている、肉食獣のように獰猛な印象を与える
鋭いつり目をしたタルタル、ユファファのニッコニコした顔が映っていた。
「ね、護衛の報酬!いいでしょ?」
「えーと・・・それは私よりも港区の倉庫にいる人に言うべきじゃない?」
いまいち彼女の言葉の意味がわからずあいまいに答えると、彼女の後ろから紙切れを持った
シャントット様のそっくりさん、私のフェローのリポケケが一枚の紙切れを広げてみせた。
292 :
19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/12/12(火) 21:32:18.24 ID:MmR65NJU
以上になります。
年末で忙しいとは思いますが、一読者として皆様のお話を楽しみにしています。
293 :
既にその名前は使われています:2006/12/12(火) 22:38:19.89 ID:H5jUeIh0
ユリフィナさんこた!これでかつる!
>>286 演出効果じゃなくて、見やすくする為ならセリフと
擬音、もしくは強調させたい一文の前後の行を空けると
いいかもしれない、と全くあけてない自分が言ってみます。
ただこれすると場面転換で2行空けないと混じってしまうのと
セリフは出来るだけ描写で補って削らないと空きまくりに
なってしまう諸刃の刃ですorz
さながら黒い暴風だ。
女の悲鳴を遥か背後に聞きながら、俺は駆けた。
目に映る標的は二人。
長ったらしい詠唱を始めた黒ローブと、続けざまに魔力を放とうと身構えた赤ハーネス。
俺は後者を選んだ。
一足一刀の間合いには、まだ遠い。両手で構えて水平に剣先を向け、突進した。
赤ハーネスは、ここでやらねば後は無いと悟ったのだろう。
己が魔力を振り絞り、瞬時に編み上げ連続的に解き放つ。
不可視の圧力が俺を襲った。真正面から、プレッシャーを間断なく叩きつけられた。
“停まれ! 停まれ! 停まれ! 停まれ! 停まれ! 停まれ! 停まれ!”
それがどうした。
俺は歯を剥き出しにして抗い、スピードを緩めなかった。
その顔は、笑っているようにも、威嚇しているようにも見えただろう。
身体で脈動する黒炎が、襲い来る外敵をはしから焦がしては、呑んだ。
「ひぃ・・・ッ」
ついに目前まで迫った暴力に、赤ハーネスがひるみ、浮き足立った。
おや、こいつには舌があるのか。
度胸試しは俺の勝ちか。
十分すぎるほどに速度を乗せた、刺突の一撃。
深々と剣先を抉りこんだ。
胸骨を抜き、心臓を潰し、背骨を砕く。
ぬめりを帯びた切っ先が、ハーネスの背からのぞいた。
ここは教会前の十字路だ。ここで逝って、手間が省けたというもの。
光彩を失い、ぽっかりと開いた瞳に一瞥をくれた。
次。
俺は、一心不乱に詠唱を続けていた黒ローブに意識を移した。
一足飛びで仕留められる間合いにいるのは先刻承知。
詠唱時間を見越して後回しにしたとはいえ、一瞬でもタイミングが狂えば大魔法で丸焼けだ。
「むん」
赤ハーネスに突き刺した刃を引き抜―――抜けなかった。
想定以上に勢いがつき過ぎたか。もしくはせめてもの抵抗で、筋肉を締めて逝ったのか。
足蹴にして剣を抜くにせよ、それで時間を費やすのは致命的だった。
赤い戦装束に身を包んだデュエルが、すかさず黒ローブを行動不能にする。
女豹のようにしなやかで、素早く迷い無く、いつも的確に俺をサポート。
それは昔の記憶とも幻覚ともつかない、走馬灯のようにおぼろげで鮮やかなイメージだった。
ちらりと見やれば、メイミィが出遅れてこちらに走って来ているのが見えた。あの距離では・・・。
今夜の投下は以上でございます。
皆様、わっふるわっふるでございます。
297 :
既にその名前は使われています:2006/12/13(水) 02:27:20.86 ID:9X4B2quY
ホシュ!ホシュ!
298 :
既にその名前は使われています:2006/12/13(水) 08:39:04.32 ID:9l4gtgTC
ほっしゅほっしゅ
「蒸留水?そのまま飲むわけないだろ、石入れて一晩置いたやつを飲んでる。」
まさかそんな細かいことを指tくぁwstgfふきぉlぷk@; 小ネタ投下です。
リアルではレモン入れたりするそうですが伝説の果実だからなぁ…果汁だと腐りま。
>>167 そういやバスもあるんだよなぁ…NPCよく知らない…、まぁ大分先だからいいや(おい
>>171 俺のところではタルタル年齢はだいたい解るようになってます。
シャントット博士? まぁそこはいろんなこと考えてますよん。どうやら実際の設定をひん曲げることになりそう。
>>194 まぁ教えてくれたのは感謝するが自分の身を守るためBLにぶち込んで起きますねwwwwww
>>276 狐狸ナントカだったら両刃の剣では自分の手がスッパと切れるな…リードさんの剣技はどんなですか?
なんだかんだでリードさんが一番投下してます。嫉妬ちょっと憧れ9割な感じです。
>>292 モグタン…場をわきまえるようになったのね…おかあさんとっても嬉しいです。(ぇぇっ
ユリフィナさんcomebuck!!year!!
結構書いたのにその間の物語が出来ていないので投下できないぞぉあ!
300 :
既にその名前は使われています:2006/12/13(水) 14:54:03.70 ID:iwhfHW2m
>>299 鉈みたいなもんなので(トロルにぶん殴られても生きている防具のある世界では)真似だけなら手袋してりゃ問題ないかと。
西洋剣は重さで切るんで。あの斬り方で斬れるんか?肉は斬れる?のか?
某特別番組によると三船敏郎のアレは0.6秒位で斬る。
そういうのんじゃなくて純粋に剣の長さとかが。長い。重い。殴り切る武器だから勝手が違う。
ヴェドゴニアのごとく手が伸びてるんなら話は別だが。
しかしエルは普通にガルやオークより怪力だし、
物理法則無視して自重の三倍の重さのオークをブン投げるSSもあったりするから、
どうでもいいのかもしれない。
西洋剣は重さで斬るので、抜刀、構える。ぶん回す。余計な動きは盾でサポート。
居合いは、抜く、構えるのを省略して斬る。だから居合い知らない人間には強い。
三船敏郎のアレは本来右手で左腰にある刀を抜くところを、左手で抜いて右手で剣の峰を支えてきりあげたような気がする。
確かに自分の手がアブナい。
しかし俺は特別番組を見たのはドエライ昔なので覚えてない。俺が昔古武術やってたとき習った別の居合いの技だったかもしれん。
ところでそろそろこのスレを黒歴史ノートに収める時だと思うのだけど
まだ続ける気なのか?
見るのをやめれば良いだけだよ
304 :
既にその名前は使われています:2006/12/13(水) 16:22:31.59 ID:pZh/euHn
たたきあげ
305 :
既にその名前は使われています:2006/12/13(水) 18:23:23.84 ID:OkJYdDqa
保守してる人が居るってことは、続きが気になる人が居るって事だと
思います。自分含め。
「暗黒奥義・・・シャドウっ!」
漆黒の鎧に身を包んだ男が叫び、鎌を振り下ろすと、まるで空蝉で分身
したかのようにもう一つの鎌が同じ軌跡を描く。
そう、かのように、だ。そもそも分身に攻撃させる事が出来るのは忍術
の本職、忍者の散華だけだ。
一見分身した己の影が攻撃しているように見えるが、インビジで隠れていた
全く同じ容姿の男が合わせて攻撃しているだけである。ウェポンスキルと
呼ばれる両手鎌での連撃が二重の螺旋を描き、程なくして力尽きたエレメン
タルが「パリン」と甲高い音を立てて砕け散った。
「あーあ・・・冒険者にも教えてくれねぇかなこれ。ザイドだけとかずりぃ」
漆黒の鎧に身を包んだ男が両手鎌をしまい、代わりに常に背負っている
両手剣を留め金に留めると、どかりと座り込んだ。全く同じ容姿のもう一人
の男も着慣れない鎧をくつろげて少し離れた所にある崩れた塀に腰掛けている。
「’向こうの世界’で実装されたら、こっちにも実装されるんじゃないか?
それにしても、『黒衣の亡者、忌まわしき冥界の使徒、其が差し伸べたる
は狂わしき嫉妬』のうち半分削っても威力そのままで発動するなんてなー
もしかしたらアブゾだけじゃなくて他の魔法ももっと詠唱短縮出来るかもしれん」
306 :
既にその名前は使われています:2006/12/13(水) 18:23:49.35 ID:OkJYdDqa
「俺そういうのパス、魔法関係さっぱりわかんね。使うので精一杯・・・」
両手剣を背負った男が手を振って顔を背けると、視線の先に何やら文字
が書かれているのに気がついた。
「安心しろ、後でスパルタで叩き込んでやる―・・・ん、どうした。これか?」
指で地面の文字を指すと、男はうんうんと頷いた。
「まだ残ってたんだな、スマイルさんのダイイングメッセージ」
「ダイイングメッセー・・・へっ!?」
素っ頓狂な叫びをあげた男を尻目に、「保守」とこの世界の物ではない
文字で書かれたそれをそっと爪先でかき消した。
アブゾ魔法短縮記念。全く関係ありませんが、ほんのりバッドエンドの雰囲気
漂う保守話の兄弟さんの行く末とかフェイスとかが気になってしょうがありませ
=ココリコ=
307 :
既にその名前は使われています:2006/12/13(水) 20:03:45.88 ID:VFbBQgi8
あぐる
お兄ちゃんたちは何が目的でこの黒歴史を書き綴ってるの?
309 :
新!護衛の報酬_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/12/13(水) 22:09:30.59 ID:9l4gtgTC
「こんにちはっ!こんなものが最近出回ってんだよっ。ユリフィナのところにはきてないの?」
こんなもの、もとい彼女が広げた紙切れにはでかでかと『来訪者狩り、及び初心者狩りにご注意を』と書かれていて、
その下に細かい文字でだらだらといろいろな事が箇条書きにされていた。
えーとなになに、『最近、レベルに見合う実力のない高レベルの来訪者がアイテムやギルを目当てに狙われています。
また、一部の来訪者は異世界から持ち出したアイテムを使用し、初心者を襲う場合もあります。
このような事態を黙認することはできないので、冒険者の皆様には来訪者及び初心者の護衛を依頼しようと思います。』
あとはクエストのオファーの仕方、報酬の受け渡し、護衛期間などの取り決めなどが事細かに書いてあった。
報酬・・・ミラテテ様かぁ。結構おいしいクエストみたい。
「このお知らせ、うちにも来てたクポね〜。」
モグタンがどうでもよさそうにさらりと爆弾発言。
「ちょっと!こういう大事なものは私にも見せてよ!」
そんな恐ろしいことが起こっていたなんて全く知らなかった。そんな事があるって知ってたら
一人で出かけないでモグタンを連れて行ったのに!もしも来訪者狩りなんかにあってたらどうしてくれるの!?
「モグは見せたクポ!ユリが『クエなんて今の私には無理無理。』って言って何も聞かずに突っ返しただけクポ!
クエじゃないって言ったのに『ふ〜ん』なんて言って本を読んでたクポ!
三回も突っ返したクポ!三回目には『し・つ・こ・い!』なんて言ってお知らせを丸めてモグにぶつけたクポ!」
・・・あー・・・そういえばいつだったかそんなこともしたような・・・。
「反論があったらどうぞクポ?」
腰に手を当て私のことをジトッと見下ろすモグタン。
310 :
新!護衛の報酬_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/12/13(水) 22:09:43.30 ID:9l4gtgTC
「・・・ごめんなさい。」
謝ることしかできなかった・・・。今日はモグタンに怒られてばっかりだ。少し、生活を改めようっと・・・。
「もういいかなぁ〜?」
退屈そうに前髪を指で弄んでいたユファファの呆れ顔をでかでかと映していたパールがしゃべる。
「え!?あ、うん!ごめんお待たせ。」
「で、ユリフィナの護衛を私とリポケケでオファーしてきていい?」
「うん、もちろん!私からお願いしたいくらいだよ!」
もともと白魔道士はあまり殴り合いには向いていない。
だから万が一性質の悪い人に絡まれたとしても身を守りきる自身もなかったし悪い話ではなかった。
「それじゃあ、今からウィンダスむかうよ〜。また後でね〜。」
リポケケが笑顔で手を振りどこかへととてとてと走っていった。
「手続きとかは私が全部済ませておくからユリフィナはモグハウスで待っててね。」
そしてユファファも一度ニッと笑ってからパールから姿を消す。
「護衛かぁ・・・。具体的には何をするんだろうね。」
私はリポケケとユファファのお茶菓子とお茶の用意を始めながらなんとなくモグタンに聞いてみる。
「一緒にいて、護衛対象に大きな怪我をさせなければいいだけクポ。」
「じゃあ、時間までみんなとモグハで話しているだけでもいいわけね。」
戸棚をガサゴソ漁りながら、なんて楽なクエストなんだろうと思う。
もしかしたらこのくらいおいしい報酬で冒険者を釣らないといけないくらい事態は悪いのかもしれないけれど・・・
311 :
新!護衛の報酬_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/12/13(水) 22:10:03.10 ID:9l4gtgTC
「そういえばさ、アリアちゃんとかオヤジさんは来ないんだね。珍しいね。」
「アリアさんは忙しいみたいクポ。なんでも依頼されていた論文の事をすっかり忘れていて、
修羅場だから誰にも会いたくないって言ってたクポ。」
ふと思いついた疑問にあっさりと答えるモグタン。ちなみにアリアちゃんは、
エルヴァーンの学者でありながらモンクでもある、私が元の世界に帰るためのキーアイテムを持っていて、
さらにはその使用方法まで調べてくれている美人で知的ででも色々と人間として間違っているところもある人だ。
「なんで知ってるの?」
「アリアさんとは趣味が合うからよく遊びに行ってるクポ。」
「へ、へぇ。」
うん、趣味は合うだろうね。歪んだタルタル愛を持つもの同士として。
この二人が結託したらとんでもない被害が私やリポケケ達に、多分一番の被害者になるのは経験上、
私なのだろうがとにかくみんなに困った事が降りかかりそうだ・・・。
「修羅場だと人に会いたくなくなるものなんだね。やっぱり、集中できなくなるからかな?」
「多分・・・純粋に見られたく無いだけだと思うクポ。」
見られたくない?モグタンが言っている言葉の意味がいまいちつかめず、
「どういうこと?」
と聞き返すと彼はしばらくの間腕を組み、何かを考え込んだ後ゆっくりと口を開いた。
「誰にも言っちゃダメクポ・・・。」
「・・・うん。」
312 :
新!護衛の報酬_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/12/13(水) 22:10:38.73 ID:9l4gtgTC
モグタンの雰囲気に呑まれ思わずつばを飲み込む。
「目の周りがすごい腫れて、黒インクと極太ペンで描いたかのようなとんでもないクマを装備していたクポ。
声はいつもより2オクターブ程低く、唇もお肌もガサガサ、髪の毛はボサボサで美人は台無しだったクポ・・・。」
「う、うわぁ・・・。」
エルヴァーンという種族の特徴なのか、動作一つとっても優雅で美人オーラ全開なアリアちゃんが
そんなとんでもないことになっているだなんてにわかには信じる事が出来なかった。
「『寝てないクポ?』って聞いたら『三日ほど』って・・・見てゴメンナサイって感じだったクポ。」
「そ・・・そう・・・。」
こっちは聞いてゴメンナサイって感じだ・・・。学者も大変なんだねぇと妙に軽いおちゃっぱ入れの缶を開きながらしみじみと思う。
缶を開けると広がるさわやかなお茶の香り・・・はしなかった。空っぽ。
「モグタン、ひょっとしてお茶切れてる?」
「あ、そういえば昨日ので最後クポ・・・。」
「じゃあ、近所だしさっさと買ってきちゃうね。」
戸棚から掻き出したものをもう一度戸棚に詰め込み、ポーチつきのヒーラーブリオーをいそいそと着込み、
あっちこっちにはねたい放題の髪の毛に櫛だけ通してポニーテールは作らずちゃっちゃと玄関へと向かうと、
モグタンが何かを放り投げた。それをパシッとキャッチ。呪符デジョンだった。
「近所でも万が一って事があるクポ。すぐ逃げれるようにもって行くクポ。」
「ありがとう。いってきま〜す。」
「いってらっしゃいクポ。」
呪符デジョンをポーチにねじ込んで水の区のサルタバルタ特産品売り場へと、いつもより少しだけ足早に向かった
以上となります。
たまにレストランなんかでお冷に輪切りのレモンが入っていたりしますよね
話は変わりますが、最近あめパッチばっかりで逆に怖くないですか?w
きっとそのうちホーリーの威力アップとかも・・・ないかw
投下乙でございます。
>>299 レスありがとうございます。
戦闘シーンでは、スピード感や迫力を狙って一言ごとを簡潔にしています。
どのような技だったのか、あえて事細かに解説はしておりません。
わかりにくい場合もあろうかとは思いますが、ご想像にお任せいたします。
サンドリア流(というものがあるとして)剣術にリアルの知識を編入しつつ、
実戦での経験を踏まえて状況に応じた柔軟な運用をする剣技・・・なのでしょう。きっと。
>>313 「気をつけよう、うまい話とあめパッチ。世の中そんなに甘くない」
お前ら12月にもなって黒歴史か
何ヶ月にもわたってやり続けるなんてちょっと人としてやばいと思うよ
大体もうクリスマスなんだし家族や恋人といい思い出の一つでも作ったらどうですか?
イタい厨房の巣食う板の中でも群を抜いてヤバいスレで正論を吐くだけ、無駄。
ゲームをやってる時点で人としてちょっとやばいしキモい扱いなんだから。
何とか認めてもらえるのはウイイレとかパワプロとか、そういうのだけ。
だからここから立ち去ってよ。空しいでしょ?壁に向かって話すような作業は。
んまーそうかもね
何ヶ月も黒歴史綴ってきて感覚おかしくなっちゃった人たちには時期とか関係ないか
中には途中で目が覚めて続けるのやめた人が居るみたいだけどみんなも早く目覚めるといいね
まあ喧嘩すんなよ
話を書き続けることに理屈なんかないよ 行き着くとこまでいけばいいさ
走れなくなったら消えるだけだし 休憩入れる事だって自由だし
ということで保守。
今スレになってからネタ絡めて保守してくれる人も多いんで、内容のなさにちょっと恐縮
まあ別にけんかしたいわけじゃないから許してくれよ
やりたいならもう別に好きにやるといいさ後で悲しい結果しか残らないと思うけど本人がそれで良い思うならもうそれでいいや
何言ってんだか。
ってか、君の一連の発言がいずれ黒歴史になるぞw
心配してくれてありがとう
でも俺の書きこは黒歴史にはならないよ
恥ずかしい妄想を物語ってるわけじゃないし
俺もたまには妄想するけど脳内で済ますから黒歴史にならないけど
ここでそれをぶちまけてる人らはすごいね
黒歴史になっても良いと思って書き込んでるんだものある意味尊敬しちゃうね
絶対真似できないよ俺
「・・・よい、しょ」
箱を動かす。
「これで終わりか?」
「一応ね」
メモを手に頷く。
荷物を動かす役目を任された彼は、指示をしていた黒髪の兄弟のいる場所に気づいて、溜息をついた。
「何でそんなとこにいんだよ」
「見晴らしいいよ、ここ。高いし。絶景かな、絶景かな」
「エルオスなんだから身長あるだろ、常識的に考えて・・・」
箱の上に腰掛けている兄弟に首を振り、肩を鳴らす。ほどよく疲れた。
「これさ」
ふと言う。
「倉庫番ってゲームあったよね」
「ああ?」
「形になってる」
「どんな?」
「えっとね」
敬礼するように右手を掲げ、うーん、と唸る。
「・・・保・・・守?」
「・・・そんなに荷物あったのか」
光速の異名を持ち 重力を自在に操る高貴なる女性騎士
な自キャラ登場はまだですか?
325 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 01:43:52.15 ID:cOTOFH85
上げるってレベルじゃねーぞ!
>>318 こだわるとこまめに保守できなくなるので(容量食ってしまう)
これはこれで困りますorz
>>323 テイルズの伝統ミニゲームきた!
327 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 02:33:46.90 ID:sPPf/JGg
まぁまぁ。
キモいからこそあえて書いてる行動そのものをネタとしてる確信犯もいるし、
自分で読者なんか要らん。オナニーだといって書いてる奴もいる。
やっぱりつき亜鉛と逃げた奴もいるし、面倒になって辞めたやつもいるし。
普通に書きたいから書いてる奴もいるしそれは普通かと。
それにネトゲ実況板自体が…。まぁそう言う板だから住んでるんだがな。俺は。
うーん。このままかっとばしてアニメ化したらそれはもう黒歴史を通り越えてるんじゃね?
漫画化は普通に出切るし。
ただ、漫画やアニメにすると設定、時間軸を統一しないといけないので監督は大変だが。
このスレのキャラ、時間軸的にはテレポーテーションしまくってるから。
328 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 02:34:37.67 ID:sPPf/JGg
アニメといえば、以前出てきたOPムービー案はアニメにしやすそうだな。具体的だし。
※ギターイントロ (意味ありげにドアップの魔法陣や電子回路のカットの後、タイトル表示)
軋んだ想いを吐き出したいのは 存在の証明が他にないから
(荒野に立つマジ顔の赤猫。吹きすさぶ風に赤AFの羽根帽子がたなびく。遠くに後ろ姿のエルモ)
掴んだはずの僕の未来は
(荒野に立つ二枚目エルモ。己の拳を握り締める。遠くに後ろ姿の赤猫)
「尊厳」と「自由」で矛盾してるよ
(背中合わせのエラント姿カッパエル。表情は優しい/暗い、二人ともそっくり)
※間奏
(リアルの風景。キャンバスですれ違う学生、スパナを持って爽やかに汗をぬぐう青年、携帯で話すスーツ、道場で瞑想する青年等々)
歪んだ残像を消し去りたいのは
(暗い牢獄で剣を抱え、小さな鉄格子から月を見上げる悪人顔エルナ)
自分の限界をそこに見るから
(明るいモグハウスで衣類をたたみながら、窓から月を見上げる忍猫)
自意識過剰な僕の窓には
(ヤグードのお面をつけた猫が高いところに腰を下ろし、下界を見おろす)
去年のカレンダー、日付がないよ
(モーグリがセクハラ。思いっきり手を振り上げる白タル。ブチ当たる寸前で画面が次に)
※ギター (かき鳴らすのに合わせてアップになっていく)
(整列する赤い鎧たちの中央・最奥で大仰に手を広げたノータイ黒スーツの青年。隣に無表情なゴスロリ美少女)
(青年と少女にアップ)
(少女の顔にドアップ。口の両はしが、にぃっと釣り上げる)
消してリライトして くだらない超幻想
(エルモと赤猫とカッパエルVS赤い鎧の戦闘シーンをダイジェストで)
忘れられぬ存在感を
(二人乗りした自転車が画面を横切っていく。“とんかつLOVE”と書かれた横断幕をたなびかせながら)
起死回生!
(銀髪猫が手を振りかざすと大爆発。バイクが吹き飛ぶ)
リライトして
(エルメスF6さん、鎌タル、フェイトの皆様の集合イラストカット)
意味のない想像も
(ゴブリンとゴブナイトとゴブ赤が必死に駆け抜ける。その後を突進する超巨大なアマルテア先生)
君を成す原動力 全身全霊を!
(エルナと赤い鎧の一騎打ち。刃が打ち合わされてスパーク、画面が白く飛ぶ)
くれよ 〜 ギターで締め
(遠くにみんなが先に歩いている。カメラを振り向いていた赤猫が踵を返し、決意の眼差しで歩き出していく)
(カメラが彼らの頭上にPAN、青空を、太陽を映してEND)
ぁふ、と欠伸をする。
肌寒さと早起きから来る眠気は、どうにも回避しようがない。
かと言って、料理を作る気力はなし。コンビニやファストフード店のありがたみを思い知る。
「グラコロの季節だよな〜・・・」
「え?」
書き物をしていた黒髪の兄弟が、眼鏡をはずして彼を見る。
「何だって?」
「だからさ、グラコロの」
「・・・なに?」
訝しげに眉をひそめる。
その意味は分からなかったが、話を続ける理由もない。切り替えた。
「・・・なに、やってんだ?」
「日記を、・・・読み返してた」
ペンを置いて、困ったように笑う。
「参ったな。自分が書いたものなのに意味が分からない」
傍らのメモには、『スレッド』『保守』と記されている。後で調べるつもりなのだろう。
「・・・参ったな」
もう一度繰り返す。
兄弟の、今は黒い髪を、彼は優しく撫でてやった。
>>330 俺を殺す気か。ソレは一人では無理だ。画面転換が多すぎる。
ぱーと脳内でイメージ動画を作ってみたが・・・360度視点で回転とかすると絵がいくらあっても足りん。
アップとかはソフト次第だが簡単なほうかも。
複数人で作るならちょっと変わるが、誰かが絵コンテ書いて全体のイメージとタイムテーブル統一しないと。まぁ俺も素人なのだが。
(FFのゲーム録画しての動画は作ってます)
限界でヒロさんのEDの奴だな。アレはひたすら絵を描くだけで解決する。幸い俺絵も描ける。
動きも多いようで少ない。(あるいは簡略化可能)
一枚3時間(セピアにして色をつけない上ラフ画っぽくなら40分-1時間)かかるとして、
動きは眉とかを別勘定にして簡略化するとしても・・・うわ。考えただけで鬱だ。
簡単なのは一枚絵統一のシティハンターEDだな。コレは素材揃えたら作れる。
掻き鳴らせ存在を ここにいると 新たな旅が
(ドアを開けると薄暗い部屋 机にある電源の切れたディスプレイに徐々に近づいていく)
今始まる
(突然ディスプレイが光り輝く 速度を上げ画面に突入 タブナジアの上空)
wow wow wow....(通常よりもちょっと長め)
(来訪者が笑顔で両手を広げ画面に次々イン 中には空中で回転するミスラもいる 全員が下に降りた辺りででタイトル表示)
変わり行く季節の中を 生き抜く度に僕ら
(南サンドリアの広場木陰で青空を見上げるエルメス 黒マントと格闘するエルモンク)
知恵と強さを手に入れたけど
(リードさんとこの爺さん 城壁に囲まれたところで隊列を組む赤鎧達 思い思いのポーズで岩場に集まるフェイト面々)
just looks like a survival game
(ジャグナー森林でお茶を沸かしている男女 「geme」辺りで気づいたように男がこちらを向く)
流れてく時間の中に 置き去りにした思いを
(バスの街の中を歩くガルカ 周りが変化していく 斜めに背中合わせのそっくりのエラント姿カッパエル)
忘れた事すら忘れていた
(荒野を歩く黒タル 突然十数匹のヤグードが崖から襲ってくる 迎え撃つ黒タル)
崩れかけた時 孤独を知って
(雨降りしきるヨアトル大林で悲しそうに上を見上げるミスラ 監獄の中で蹲るヒュム♂)
出会えた僕ら
(ピッタリ背中を合わせた微笑む白タルとモーグリ )
一人じゃない
(振り向く全種族を次々と 最後に八分割した画面に振り向いた瞬間を捉える)
曝け出せ感情を 万丈の思いを
(赤い鎧の戦闘シーンをダイジェスト)
涙目が運命を変えて行く
(次には涙目になりながらも戦う(もしくは満身創痍になりながらも叫ぶ)来訪者を次々と)
闇に打ち鳴らせ鼓動を きっと会えるよ
(爆発シーン多々 魔法やら建物が巻き添えを食う)
同じ痛みの旗の下で
(全種族と同じ数の赤鎧が対峙 武器を構えぶつかった瞬間に画面が白く輝く)
wow wow wow....
(よく晴れた青空の下にある何処までも続く芝の上を歩く来訪者たち ときたま振り向いてる面々(おどけてる者も)がちらほら)
(来訪者たちの集合写真 あり得ないほどの大人数 皆傷だらけだが笑っている)
じゃこんなんどうでしょうか?
結構幅広く活躍しているように見え
かつ個人個人で思い思いで想像できる箇所も残しました。
つかFLOWってずっとこんな調子でアニメの主題歌歌っていくのかいな…
337 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 15:51:18.90 ID:sPPf/JGg
うーん・・・いけそうだが、それだとスレたつごとに紹介フラッシュつくったほうがいいかも。
>>98とかアルルさんとか名作でも知らない人いる。保守キャラでも俺が大好きなナナシ様が出てこないし。
(ナナシ様。たまにはでてきて糞怪しさと人権の欠片も認めないセクシーさを魅せてください)
そのつど旬のキャラを出したほうがいいかと。
枚数いるのは、紙(素材)そろえばいけます。絵が動くのは大変です。
ヴァナのキャラで演技してくれるならかわってくるけど、同期取るのが大変だね。
ちなみに俺が作るとフラッシュ作るソフトの勉強しないと行かんので、現状メディアプレーヤー形式になります。
そろそろフラッシュにチャレンジの時期か!!!
>>302 ・・・どうだ。ここまできたら黒歴史を越えて超オタク伝説にできるぜ!!lololololol
でも、電車男みたいに俺らに収入はないから微妙だな!!!
338 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 15:59:56.80 ID:IFAXBPWc
/^o^\アサオキタラフジッコノオマーメサーン!
339 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 18:40:17.30 ID:Y9blixP3
ナナシ様。たまにはでてきて糞怪しさと人権の欠片も認めないセクシーさを魅せてください
↑kwsk!スレッド13くらいからの新参者なんだorz【興味があります】!11
340 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 18:57:49.99 ID:Ylf2i1JF
まとめの103 ◆GrSNq4TwII 氏(作者別作品リストからどぞー)を読みつつ、
6〜7スレ目あたりの保守小ネタを眺めてみると幸せになれるかも知れないぞ。
341 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 18:58:23.28 ID:Y9blixP3
ちなみにヴァナキャラで演技〜はシャキーンとかどうだろう。
任意の装備・種族・性別でモーションが出来て、任意のタイミング
で止められ、スクショ撮影もおk。NPC複数同時表示とかかなり色々
出来たと思う。ただ、PC版FFはいってないと駄目だったと思うorz
もしそのままその画像でフラッシュ作るなら切って貼って縮小拡大とか
加工しては必須だけど(´・ω・`)プライマルアーツとかリードさんの鎧
とかどうしよう
342 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 18:59:16.33 ID:Y9blixP3
>>340 ありがとう!早速読んで幸せになってくる!
「時にマイブラザー」
伸びかけの黒髪をいじりながら、兄弟が言う。くわえ煙草の銀髪の兄弟は、電プレを読みながら応えた。
「ぁん?」
「私たち、いつもフェイスとか語られてないね」
「今だって保守出張だしなぁ。大体髪の色くらいしか言われないし。
>>206でばっさりやってるけど」
「・・・不器用じゃない、苦手なだけです」
「それを不器用と言うのだよ、ワトスン君」
「むぅ・・・」
「まあ、カッコいいエルナ様が実は不器用ってのも萌えポイントじゃね?」
「・・・萌えか・・・それは萌えなのか・・・」
「そんなことよりミスr」
「本編進めろって?」
かっこいいエルナがミスラっぽくしゃべったら萌えると思います!
「れっかのごとしにゃー!」とか・・・w
フラッシュと聞いて真っ先に神聖魔法の方を思い浮かべた私はもうダメポ
それでは投下します
万が一。つまり一万回に一回とかそういう意味だ。簡単に言うと、普通は起こらないような事とも言う。
でも、一万回に一回『ある』のであって0ではない。何が言いたいかというと、
「ねぇお兄ちゃん。痛い目見る前に出すもの出したほうがいいと思うんだけどさぁ。」
まさにチンピラと言った言葉遣いのブリガンダインの若いエルヴァーンの男と、
「俺たちさぁ、あんま気が長くないのよ。な、いいから財布だしなって。」
ニタニタ笑っている狩人のアーティファクトの帽子をかぶっているひょろりとしたヒュームの男と
「スコハーが欲しいのよスコハー。でも貧乏なんだよね〜。」
思わず濃ッ!と叫びたくなるほど彫りの深い顔のこちらもブリガンダインを着たガルカの三人が、
お茶っ葉を買った帰り道に近道をしようと人気の無い道をかけていたら、
うっかり気弱そうなガルカを薄暗い路地裏で囲んでいるのに気づいてしまった。
・・・なんで気づいちゃったかな私。三人とも私よりレベルは低そうだけど、三対一では勝ち目がないし、
いや、一対一でも勝てないかもしれない。でも見捨てるわけにもいかないし・・・。・・・でも怖いし。
「た、助けてください!!!」
そうこうしている間に絡まれていたガルカさんが私に気づき、さらに今の声でチンピラ三人組も私に気づいた。
『あ?』
ジロリと6つの目で睨み付けられ思わずビクリとする。彼らの目は私を値踏みするようにジロジロと見つめた後、
しばらく三人で顔を見合わせた後、狩人帽子のひょろひょろ男がニヤニヤしながらこちらへ近づいてきた。
「おねーさんさぁ、ここは見なかったことにしてくれる?いくらLV70のベテランさんでも三対一じゃ怪我は免れないでしょ?」
ごもっとも。でも、まさかここで『うん、そうですね。それじゃあ私はここで失礼します・・・。』
なんてのはさすがにみっともなさ過ぎる。怪我をしたくないのはむこうも一緒だと思うし、
ここはガツンと言えば・・・。
「あ、あの・・・こういうことはやめたほうがいいと・・・思い・・・。」
弱っ!私弱っ!!声のボリュームはどんどん下がっていき
「あぁ!?おねーさん、ボクは耳が悪くてよく聞こえねーんだけど!!」
ひょろ男に上書きされた。
「だ・・・だから・・・その・・・。」
どうしよう、後には引けないけどあの人を見捨てるわけには・・・。ああ!もう自分の声は鼻声だし!
なんか涙は出てくるし!やっぱり見なかったことにすれば良かったよ!!
「おねーさん、ちょっとボクとお話しましょうよ!!」
一瞬で腕をひねり上げられ激痛が走る。
「やだ!痛い!離してください!」
グイッと引っ張られ私まで路地裏に引きずりこまれ、ガルカさんのそばの壁に力任せに投げ捨てられる。
軽い体は簡単に宙に浮かび上がり、地面に落下した後も慣性で数十センチ地面をすべったあと、背中を壁に強く打ち付ける羽目になる。
売った背中をひねられていなかった左手でさすりながら威圧的な雰囲気がする上を見上げると、
三つのガラの悪い顔が空をバックにお日様代わりに視界に入る。
なんだろうこの構図・・・どう見ても私まで狩られる側に入ってしまったようにしか見えない。
もう、ガルカさんには悪いけど私も逃げなくちゃ・・・。
「ひ、ひぃぃ!お助けぇええ!!!」
ガルカさんの体が黒と紫のオーラに包まれたかと思うと消える。呪符デジョンだ。
「・・・・・・」
私とチンピラ達は一瞬あっけにとられ思わず呆然としてしまう。
「ちょっとおねーさんさー!この落とし前どうつけてくれるわけ!?逃げられちゃったじゃねーかよ!!あぁ!!!」
「ご、ごめんなさい・・・。」
わ、私も呪符デジョン使わなくちゃ・・・。ポーチ、ポーチ・・・。腰の後ろのほうを必死に右手で弄るが
右手はヒーラーブリオーの裾以外を触ってはくれない。あ、あれ・・・ポーチがない?
いや、あった。ブリガンダインの濃いガルカの後ろに・・・。
どうせ1000ギルくらいと呪符デジョン、後はお茶以外入っていないポーチだしあきらめて、
デジョンを唱えて逃げるしかないかも・・・。身長差がすごいから走ってもすぐに追いつかれそうだし。
ううん、詠唱を止められる可能性があるから隙をついてポーチを拾って呪符を使うほうが確実かな?
そっちにしよう・・・!ガルカにフラッシュをしてその隙にポーチを回収して呪符。
「おねーさんさぁ、慰謝料って知ってる慰謝料?」
私の顔の横にドンと手を突きつけ顔をグイッと近づける若いエルヴァーンの男。
「痛ってぇえ!さっき逃げられたときに骨折しちまったよ!おねーさん何とかしてくださいよぉ!」
大げさに腕を押さえニヤニヤしている特濃ガルカ。私は思い切ってエルヴァーンの男の鼻っ面に頭突きを食らわせ、
「誰か助けてくださあああああああああああああああい!!!!!」
叫びながらフラッシュをガルカに放ちすばやくポーチに向かって駆け出し・・・駆け出せなかった。
まるで足が地面と一体化しているようにどんなに力を入れても少しも動かす事が出来ない。
以上になります。
ワクテカしながら皆様の投下をまっています
そしてフラッシュの投下も( ・∀・)
350 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 22:18:53.39 ID:sPPf/JGg
いまフラッシュソフトのサイトからフラッシュソフト落としてリンク先の使用法講座みながらさいたまさいたま動かしてるとこですんで…Orz
メディアプレイヤー式で止め絵ならいけそうだけどねえ…。
邪気眼に対抗するにはより強い邪気眼で、撃退するしかない!!!!wwwww
と、いって余計濃いことを開始する。これがネ実住民の本領よ。
新しいことをはじめるにはそれなりの勉強時間がいるのですよ。そして私にはセンスが無いのでかっこいいのはつくれないかと。
みんなも同じお題で作りましょうwww
351 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 22:19:58.66 ID:sPPf/JGg
先月6人くらいに似たような状況で襲われたが、頭をひたすらぶん殴ればそんなに苦戦しないなぁ。
と、いうか友人と親父の二人に喧嘩うるより楽だった。
352 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 22:58:49.88 ID:awJIHYSK
つ身長差
353 :
既にその名前は使われています:2006/12/14(木) 23:04:01.97 ID:awJIHYSK
皆様、投下乙でございます。
小説以外の形で作品が出来上がったら、
それはすごい事だし、とても素敵なことですね。
楽しみです。
>>353のリンクは、ようつべで見つけた作品です。
356 :
既にその名前は使われています:2006/12/15(金) 00:19:05.17 ID:VXpfZ75y
いや、リードさんも作りましょうよ。みんなで作れば楽しいですよ。さいたまさいたまー♪
ttp://parafla776.jog.buttobi.net/ ←ここみながらやってます。
簡単といっても結構絵が多いなぁ。改善案。
まぁ潰れない程度にボチボチ練習していきますよ。
煽り煽られ、自作自演して馬鹿にして馬鹿にされ、
自演を見ぬいたり見ぬかれたりして遊ぶのがこの板だしな。
要するに最初は誉められたいとか思ってても、徐々に怒らせようが、泣かせようが、楽しませようが、
なんでもいいから無名の誰かの反応を引き出したくて仕方が無くなってくるんですよ。
SSも書けば、FF動画も取るようになり、AAに手をだして、しまいにはフラッシュも作ってる。
ミエミエの自演を書いて見ぬかれて反応を見てニヤニヤしたりしてたら、
気がつけば役に立たない駄文だけじゃ満足しなくなってくる。
もっと怒らせたい。もっと笑わせたいと思いだす。
それはそれで邪気眼だけど、もっと上を目指すことが出来ていいんじゃねぇかな。
まぁ俺の邪気眼に当てられて荒氏は去ったが!!!wwwwwwwwwwww
>>356 自分は、「書く」ことしか出来ないものですから。それすら満足に出来ていない。
でも、映像関係も面白そうではありますね。
間に合わない。
あと三秒と読んだ。
串刺し赤ハーネスの遺骸を乱暴に蹴り飛ばした。
御立派な教会の前まで、バウンドして転がっていく。
アナタに楽園の扉が開かれますように。
間髪いれず、自身に癒しのイメージを描いた。
いつも通り、複雑な魔術理論の過程をすっ飛ばす。
ヴァナ・ディールに直接コマンド入力し、ダイレクトに事象の結果を得るやり方。
ネイティブ住人には不可能な力の使い方だ。
ゴオオオオオオオッ!!!
黒マントの呪文が完成した。
マナで編まれた真紅の業火が野蛮な咆哮を上げた。
渦巻く灼熱が、あらゆる対呪防護を焼き尽くし、全身を包みこむ。
生きたまま焼かれる、あまりの苦痛。
背中に忍び寄る死の臭いを感じながら、俺は吼えた。
無慈悲な炎は肉を炙り、皮膚を焦がし、エーテルを燃やしてごっそりと体力を奪っていく。
それでも、耐え切った。
半瞬後には、崩れ落ちそうな体力が補われ、重度の火傷も癒された。
ダブレットの端々に燃え移った残り火をそのままに、俺は一歩、踏み出した。
纏っていたのがあの鎧だったなら、例えゴジラの放射能でも耐えられただろうに(というのは大げさだが)。
ともかく、お気に入りの普段着が焦げてしまった。
溜め息を一つ。
だが、口から漏れたのは「ぐるるるる・・・」という獣の唸りだった。
理性が、飛びかけている。
気を抜けば即、あっち側に呑まれてしまいそうだ。
「なんでだよ!」 黒ローブがわなないた。「きいてない・・・ッ」
―――なにが。
剣を握りなおし、腰を落として力を溜めた。
背中に追いつきつつあるメイミィを二秒だけ待つ。
一撃で決める。
「マガシキノロイで、アンタは、まともに動けるわけ、ないのに!」
さあな、とぶっきらぼうに応えた。
そんな事を俺が知るわけがないし、お喋りをしたいわけでもない。
「仕様が変わったんだろう」
皮肉のつもりだった。ニヤリと口端を上げて、鮫のように笑う。
「た、たすけッ・・・」
黒ローブは俺に背中を向け、脱兎のごとく逃げ出した。
おいおい・・・。
360 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/12/15(金) 01:03:26.06 ID:JGbBeBDE
今夜の投下は以上です。
わっふるわっふる。
敵に背を向けて逃げると後ろから撃たれることがあるので危険
逃げるときはバック走しながら逃げるといいんだよね!!ばっちゃんが言ってた!
362 :
既にその名前は使われています:2006/12/15(金) 01:21:13.28 ID:Vh9fSJDL
よく訓練されたばっちゃんだな
363 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/15(金) 01:25:26.60 ID:nhBkQ/uL
>>361 全力でバックで走って逃げる黒ローブと、それを笑いながら追いかけるリードさんを想像してしまった・・・
想像の中のリードさんは、とてもとても楽しそうでした。
・・・おかしいな、どこでイメージが切り替わったんだろう・・・
途中まで、眠れる野獣とそれを起こしてしまった哀れな獲物の構図のイメージだったのに。
そんなイヤな想像はさておき、続きを少々。
364 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/15(金) 01:29:23.63 ID:nhBkQ/uL
他国へ行ったことのある冒険者なら、誰でもレンタルハウスを借りた経験があるだろう。
冒険者証明証をガードに見せ、手続きを済ませれば他国民用のレンタルハウスが借りられる。
普通は。
「手続きができない?」
私の問いに、ベリーショートのガードは困りきっていた。
こんなことは彼女も初めてらしく、どう対処すべきか悩んでいる。
「参ったわね。・・・あなたは本当に、サンドリアに所属している冒険者なんですね?」
「だって、証明証もあるし・・・」
プレートを示す。シグネットがかけられた冒険者証明証は、薄く輝いている。
ガードは困り果て、少し待つように言って離れた。
「・・・大丈夫かなぁ」
「さて」
独白にミガイフォングが気楽そうに応えた。
「まあ、何かあっても気にしない、気にしない」
「・・・気になるよ」
今だって何かありすぎだよ。
そうしていると、ガードが戻ってくる。大統領府とサンドリア領事館に確認しに行っていたそうだ。
領事館職員の話では、私は『特殊な立場』のため、一般の冒険者とは扱いが違うのだと言う。
そのため、レンタルハウスの貸し出しはできない。代わりに、他の冒険者との相部屋を認める、と。
『特殊な立場』とはずいぶん便利な言葉だ。『一身上の都合』くらい。
365 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/15(金) 01:38:50.37 ID:nhBkQ/uL
恐らくあの面倒くさがりの領事館職員が適当にあしらったのだろうけど、そういうことで決着がついたなら文句は言えない。
って言うか、ガードもよく納得できたな。
「それも含めて、もう一度話し合う必要がありそうですね」
ミガイフォングがタオルを手に言う。
モグハウス・レンタルハウスのあるエリアには、共同浴場があった。いわゆる銭湯だ。
元々バストゥークには共同浴場があったが、元来は市民ではなく炭鉱労働者たちの間での風習なのだと言う。
ある冒険者が共同浴場の冒険者への解放を提案し、試験的にやってみたところ、交流や情報交換などに役立っているそうだ。
今では一般用の共同浴場も計画されているらしい。
ロッカーの鍵を受け取る。タオルは貸し出しと買い取りがあり、私は買い取りの方を選んで入浴料と一緒に払った。
「・・・更衣室ってさ」
風呂に入るには脱がなければならない。至極当然のことだ。
・・・脱ぐんだよね。水着禁止だよね・・・
「まあ、女湯へ行って叩き出されたいのなら別ですが」
さらりと言って『男』と書かれたドアを開ける。のれんじゃないのがちょっと寂しい。
そしてその向こうにいる人々は当然、半裸か全裸の男たち。・・・ああ、ガルカの胸板が眩しい。
「・・・逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ・・・」
「覚悟を決めてください。男同士の裸の付き合いも楽しいものですよ」
笑って、ミガイフォングは私の頭をくしゃりと撫でた。
ちっとも状況が改善されませんッ!!
366 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/15(金) 01:43:26.86 ID:nhBkQ/uL
「そもそも、」
浴槽に寄りかかりながら言う。
華奢な顔立ちのくせに、マッチョではないけど引き締まった体で、精悍に見える。
・・・でも、前衛職ならみんなそうなんだろうなぁ。なんて、年齢相応程度の自分の体を見て思った。
体が男なのは・・・もう、諦めた。心は諦めきれないけど。
「あなたは、本来この世界にいるべきではない。そうですね?」
「・・・うん」
浴槽の段差に腰掛けて、私は頷いた。
面白いことに、この共同浴場の浴槽はリアルでのそれによく似ていて、ピラミッドか凸を逆さにしたような形だった。
ヒュームやエルヴァーン、ガルカは大きな浴槽に、タルタルは小さな浴槽にと分けられている。
確かに、タルタルなら足がつかなくて溺れそうだ。私も一番深いところは座れない。
もっとも、浴槽の段差の一番浅いところならタルタルでも大丈夫らしい。何人かはそこできゃあかゃあ騒いでいた。
少し熱いくらいのお湯を何となくすくう。白濁しているのはそういう性質のお湯を引いているから。
と、入る前に見た掲示物に書いてあった。『魔法使用禁止』とか『ペット持ち込み禁止』とかの貼り紙も。
浴槽に入る直前、ミガイフォングは、私の手からタオルを取り上げた。
掲示物の中に、『浴槽内にタオルを入れないように』とのお達しがあったから。
・・・誰だ。こんなお達しを出したのは。
頭にタオルを乗せたガルカから取り返そうとがんばるタルタルに、私は浴槽そばの棚に置かれた私のタオルを思った。
367 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/15(金) 01:50:03.40 ID:nhBkQ/uL
「ん・・・と。キーゼルに会ったことがあるんだよね」
「ええ。あなたではない彼に会いました」
「・・・どんな感じだった?」
「不思議な方だと思いました。いつもどこかを見ていて、こちらの話を聞いていないように思えましたね」
「そんなに長い間一緒だったの?」
「ほんのわずかですよ。ミザレオの滝からタブナジアまでの距離です」
「・・・ふぅん」
そのほんのわずかで、彼はキーゼルに不思議な印象を持ったのだろう。
そんなに特徴的だったんだろうか。
「笑い方が」
ふと。
「とても、ぎこちなかった。愛想笑いでもない。嘲るようでもない。無理をしているような、そんな笑みでした」
寂しげに言う。
伏せたまぶたの裏に誰を浮かべたのか、そっと首を振る。
「彼とシオンは少しも似ていない。あなたとシオンなら間違えてしまうかも知れません。
しかし、彼とあなたとなら、私には分かりかねます」
苦悩、ではなかった。悲しくすらある声。
・・・シオンは似てないのに、シオンに似てる私は?
「あなたはやはり、シオンでありながらもキーゼルなのでしょうね」
ぽつりと言った。
368 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/15(金) 01:57:21.16 ID:nhBkQ/uL
ぽんぽんと私の頭を撫で、ミガイフォングはまた表情を改める。
こうして見ると、彼は普段軽薄そうに装っているが実際にはもっと深いのだと知る。
・・・こちらが気を抜けば、私の頭を撫でようとしてくるけど。
「未練を残して死んだ人は、魂が解放されないと言いますよね」
「・・・まだ死んでない」
私は地縛霊ですか。
けれど彼は茶化さずに私を見た。
「何か思い残したことがあるから、あなたは『キーゼル』ではないのですか?」
問いではなく、確認に似た言葉。
思い残したこと。何か、彼に未練がある?
私が離れた時、何かやり残したことがあっただろうか。
・・・分からない。すべて清算したはず。
確かにミッションやクエストをすべてこなしたり、あるいはジョブを極めたりなどはしなかった。
けれどそれは未練になり得ない。私にはこだわるほどのことじゃなかった。
強いてあげるならフレとの関係だけど、戻ってきた以上惜しむこともない。
・・・それに、未練を抱くほど親しい相手がいたわけじゃない。
だとしたら、私は彼に何の未練を抱いているのだろう。こだわるほどの何かがあっただろうか。
初めてヴァナに降り立ち、一緒に世界を見て回った彼に。
369 :
既にその名前は使われています:2006/12/15(金) 02:00:22.69 ID:VXpfZ75y
死ぬまで戦うのが俺の戦い方だが敵前逃亡も戦術のうちなのである。
眠れる野獣と思ったら昔の中国のようにタダの豚だったりすることもあるので要注意だ。
そんなことよりさいたまさいたまー。結構楽しいな。このソフト。
>>360もともと漫画家志望だったのですよ。
が!!元来の面倒くさがりから、絵を描くのが面倒になって(おい!)すぐ結果が出る小説に・・。
で、小説書き崩れになってネ実住民になってあおり煽られでもまれてると、
人をより効果的に馬鹿にするため(馬鹿にされるため)いつのまにやらAAに挑戦してみたりSS投稿してみたり、他人煽って遊んでみたり、
ばればれの自作自演で遊んでみたりと普通にネ実住民ライフをエンジョイし、
気がついたら絵も描く動画も作るフラッシュにまで手を出す。スカイプでネカマ?もこなす。
飽きっぽいわやる気はないわで何をやっても身につかないのにここ数年で役に立たない特技が妙に増えた・・・。
履歴書にはかけんぞ・・・「ゲーム動画を録画して動画にできます!!!www」Orz
370 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/15(金) 02:01:39.43 ID:nhBkQ/uL
キーゼルはもういない。アカウント自体もう解約してしまっている。
あのアカウントでやり直すことはもうない。もうヴァナ・ディールに来ることはないと、あの時そう決めた。
・・・結局、戻ってきてしまったけど。
もちろん、しばらくはデータとしてサーバ内に残っていただろう。
でも、そのデータが変わってしまうなんてことがあるだろうか。
私の分かれ身だったKieselは、どこに行ってしまったんだろう。
そしてこの、キーゼルは誰なんだ?
「・・・分からないことばっかりだ」
くらくらする。目眩に額を押さえ、首を振った。
そして私は、
「・・・大丈夫ですか?」
突然倒れ込んだその体を抱き上げる。何事かと集まる視線に何でもないと仕草で返した。
「どうかしたかい?」
髪をきっちり撫でつけたエルヴァーンが声をかける。
ミガイフォングは苦笑し、意識を失った少年を抱き寄せる。
「長湯しすぎたようです。お騒がせしてしまいすみません」
「ああ、問題ない。お連れさんお大事に」
「ありがとう」
371 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/15(金) 02:15:11.81 ID:nhBkQ/uL
今回は以上です。
しばらく保守ばっかりだったので、少しでも本編を進めないと(つД`)
でも投下するのは野郎の入浴シーン・・・ウホッ
>>369 お邪魔してしまってすみませんです。
自分も履歴書に書くほどでもないスキルばっかり持っています。メモ帳でHP作成とか。
工業数理なんて、設計や開発なんかの現場以外のどこで使えばいいんだろうw
でも、意外な場面で結構役立ったりするわけで(´∀`)
>>369 ホントワナビは自分語り好きだよなー
まぁ人事じゃないんだけどさ
374 :
既にその名前は使われています:2006/12/15(金) 07:47:30.51 ID:AUD8Qr1e
>野郎の入浴
その場所は奴らが10スレ前に通りすぎた場所だッッ
もとい、わっふるわっふる。
376 :
既にその名前は使われています:2006/12/15(金) 11:13:36.34 ID:O3sa/Wdt
うほっ!ガルカだらけの大入浴大会!
ブルンブルンもあるよ
>>337 もう作成作業にはいってるならば下記文面は無視
作者ごとのフラッシュをつくると物凄い作業量だと思うんだ。
まぁ「かんけぇねぇ!!俺に任しやがれ!!」っていうんなら止めはしない。
その代わり期待しますよ?
378 :
既にその名前は使われています:2006/12/15(金) 14:20:07.38 ID:nhBkQ/uL
作者ごとは無理でも、主要なストーリーごとに分ければそんなに・・・
・・・ごめんなさい、自分でやりもしないで勝手な意見を。
ただ、作者ごとよりは楽じゃないかなぁ。と思ったので。
全部をひとつにまとめるのも大変ですけど、少しずつなら・・・とか。
379 :
既にその名前は使われています:2006/12/15(金) 17:33:27.78 ID:AUD8Qr1e
期待age
>>337で言ってた様にスレ16に本編出た人限定にしたら楽にならないかなぁ。
例えばキーゼルさんのなら温泉抜き出し(なんでよりにもよってソコを)
ルーファスさん組は全員揃ってる会議を静止画でスクロールしてルーファスさん
だけ最後にアップでウィンクとか。
メキさんとレグナスさん・リードさんとメイミィさんそれぞれ同じコマに
入れて、お話の主人公以外のキャラカットしてもまだきつそうだけれど・・・
PC版FF買ってきてちまちまやってみようかと思うけれど、スレ関係の出来ると
したら半年後位になりそうだ。
381 :
既にその名前は使われています:2006/12/15(金) 20:25:53.01 ID:kpWiPtuF
視界が、紅い。ちかちかして、くらくらする。
咄嗟に思い浮かんだ感情は、これだけだった。
「ぁ、ああ・・・ぁああぁあああああああ!!!」
遅れて眼に入る、肩から先の無い自分の腕。痛みは感じはしないのに生への執着心
が、無様な悲鳴をあげさせる。
ただ焼ける様に熱くて、怖くて
のたうち回って、手を差し伸べようとした方を殴ってしまった気がする。
正気に戻った頃には、自分の腕を吹き飛ばした「丁度いい強さ」のオークはこれま
で殺してきたモンスターと同じように光となって消え、辺りには血生臭い残り香しか
残っていなかった。腕も、まるで何事も無かったかのように元の位置に収まっている。
けれど、視界の端に転がるポケットに入れたままになっていたモルァの飾りと、紐
に「保守」と書かれた、千切れて四散したストラップが、あれが夢などではない事を主張
していた。
この腕は元の腕をくっつけたのか、それとも生えてきたのか。どちらにせよ自分の
物ではないようで気味が悪い。それでも、自分よりも周りの皆の方が顔面は蒼白で
今にも泣きそうなとんがり帽子のミスラがしがみついて来た。
舌を噛まない様に銜えさせてくれたらしい布切れを外し、安心させようと礼を言おう
としたが掠れてヒューヒューという音にしかならず、聞こえぬ程度の小さな舌打ちを
して鞄のやまびこ薬を飲み干した。蜂蜜が枯れた喉に染みる。
382 :
既にその名前は使われています:2006/12/15(金) 20:27:21.68 ID:kpWiPtuF
「もう大丈夫です、自分の力不足でご迷惑をおかけし申し訳ない。」
帽子を外し、頭を撫でながら語りかける。
自分は忍者。ヴァナ・ディールでは一番死に近いパーティの盾とされるジョブ。
最早モンスターを殺すことへの躊躇いも消え、体を欠損したのも初めてではない。
直に、何とも思わなくなるだろう。実際二度目の今回は立ち直りが早かった。
――記憶の侵食こそ無いものの、これも立派な精神の侵食ではないのか?
帰還出来たとき、自分の心は冒険者になっているのではないだろうか。
自分の奥底にある天秤がゆらゆらと傾き、生と心が諮りにかけられる。
それでもきっと、自分は前者を選ぶのだろう。心の為に今死ぬよりは、生き抜いて
いつか還ると
立ち上がって軽く土埃を払うと、乱戦で乱れた紅いキモノ系装備――甲賀鎖帷子を
直し前衛達の方へ歩み寄った。戦闘経験が、圧倒的に足りない。
遥か橋の向こう側のオークを視認すると腰の刀を確認し、人形の紙切れを一枚懐から
出して銜え、エルヴァーン独特の構えを取った。
戦闘訓練中ですの図。心はキャパを超えてシャットダウン(気絶)しようとしている
のに、経験豊富な体は死に繋がるソレを許さない。何度も繰り返してたら先に頭がおか
しくなりそうだだだ =カカリコ=
丁寧に、丁寧に、生地をこねる。
「・・・ん」
レシピを確かめてからボウルに移し、寝かせるために濡れ布巾をかける。
「クリスタル合成をすればいいのに」
揶揄ではない声にふっと息をはいた。
「クリスタル、魔法、アビ・・・そんなもんには慣れたくないもんだな」
反論を受け、黒髪の兄弟は俯いた。彼はその力を扱うことに抵抗がない。
分かっているからこそ、厳しくさえある調子で言ったのだ。
けれど。
「・・・悪い」
謝罪を口にしたのは銀髪の彼だった。
やりようにも、今の彼にはできない。それが『普通』なのだから。
騎士として剣術だけでなく魔法も扱うことを日常的にしている彼には、むしろそれが必要だった。
そして、その頻度に比例してか、彼からリアルの記憶が薄れていくのが顕著になっていた。
「・・・悪かった」
黒髪の兄弟もそれを口にし、ふいと出ていった。
もう、どうしようもないのか。このまま引き離されてしまうのか。
もどかしさに、レシピを書き留めたメモの中から『保守』と短く記された一枚を取り、力任せに破り捨てた。
少し前に、アニメ化したら声優は誰がいいか、という話題がありましたね。
乗り遅れた感はありますが、自分が希望するならこの人たちに、というのを考えてみました。
リード=中田譲治
チャリオット=若本規夫
ハーミット=家弓家正
デュエル=田中敦子
アビス=水樹奈々
ハイプリースティス=井上麻里菜
イッチ=田村ゆかり
メイミィ=矢島晶子
ルーファス=山寺宏一
ヒロ=緒方恵美
フルキフェル=石田彰
386 :
既にその名前は使われています:2006/12/16(土) 03:52:30.03 ID:9WCMwtTo
一部渋いキャスティングだな…
387 :
既にその名前は使われています:2006/12/16(土) 10:54:04.43 ID:3UlLfIUL
若本!若本!
音律を紡ぐ。祈りにも似たそれは、悲しくさえある。
傷付き息が乱れたエルヴァーンの少年は、それでも詠唱を完成させた。
「く・・・」
己が切り伏せたオークの死体を睨み、しかしそこで糸が切れた。膝を突き、地に伏せる。
否。
「立て」
黒髪の騎士が言い、崩れ落ちかけた体を支えた。
「私の前で死ぬ気か。立って、その足で帰れ。棺に入って遊ぶ趣味がないならな」
突き放した言葉とともに、治癒の柔らかな光が少年を包む。この騎士は、音律を自己流に組み替えて操る。
力を取り戻した少年は頷くと、取り落としていた剣を手にした。
「丘側制圧完了しました」
ヒュームの少年が、彼に短く伝えた。
退路は得られた。負け戦を興ずる意味もない。
「損害は?」
「ありません」
大言を、と笑う者はいない。その任には彼ひとりがあてられ、そして彼ひとりが帰ってきた。
「我々は、死ぬのが任務ではない。傷付き疲れた剣たちの安寧の地を保守するためにある」
「は」
溜息にも似た応えに、彼は傷付いた騎士たちを眺めた。
389 :
既にその名前は使われています:2006/12/16(土) 16:25:13.81 ID:9WCMwtTo
そうして皆、戦いに馴染んでいくのだなぁ
俺がバナに行っても絶対戦わんね
ていうかむしろミスラとラミアさんのハーレムを作るために活動するね
391 :
既にその名前は使われています:2006/12/16(土) 18:29:11.33 ID:9hL4Cy9e
きっと、使用(馴染む)前→ユリフィナさん
使用(ry)後→リードさん
392 :
既にその名前は使われています:2006/12/16(土) 22:53:52.68 ID:8g36MnoJ
馴染まざるを得ないのだよage
393 :
既にその名前は使われています:2006/12/16(土) 22:57:38.70 ID:ClgDRFAV
おまえらキモッ
394 :
既にその名前は使われています:2006/12/16(土) 23:36:16.76 ID:8k5Pu13v
_,,_
( ・д・)ノ"
ノ(へωっ)へ
395 :
既にその名前は使われています:2006/12/16(土) 23:36:37.27 ID:8k5Pu13v
なんでこのタイミングで規制解除されるんだ・・・orz
396 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/16(土) 23:49:52.64 ID:FeQWw/ZV
だが、それがいい。
いや、知らないですけど。
1ヶ月くらいパソコンに触っていなかったら、まとめWikiに載っていました・・・まとめの中の方、ありがとうです。
読み返すと至らぬところがありすぎで、そっとブラウザを閉じてみたり。
まとめられたものを見てみると、間の取り方の拙さがはっきり出てますね。
とにかく読み辛い・・・
今更投下したものに手を入れるのは筋違いなので、見なかったことにします。
397 :
既にその名前は使われています:2006/12/17(日) 00:45:39.78 ID:HBV6EH88
まぁ俺も自分のを読み返すとアレだが・・・
邪気眼使いは振り向かないぜっ
「おねーさんさぁ、影縫いってご存知ぃ?」
軽く錯乱して動かない脚とポーチを交互に見ながら必死にもがいている私に、
ボウガンを撫でながら愉快そうにニタリとしている狩人が、少しヒリヒリする赤くなった私の額をどついた。
あっさりとバランスが取れなくなりその場に尻餅をつく私。
これは・・・逃げられない上に相手も怒らせちゃって最悪なケースって奴ですか?
「ってめぇ・・・よくもやりやがったな・・・このクソアマが・・・。」
頭突きを食らったエルヴァーンさんは大層お怒りのようで鼻血を垂らしながらも・・・目が血走ってます。
その抜き身の片手剣は何ですかぁ・・・?
「がぁあ目が!目がぁ!!生肉にされて食われてぇのかてめぇはよぉおおお!!!」
ガルカさんは目を押さえたままふらふらしながら物騒なことを口走っています。
がむしゃらに短剣を振り回さないでください。本当に危ないです。
「おねーさんさぁ、これから起こるのは正当防衛だから。恨むなら自分を恨みな。」
ヒュームさん、なんかすごい楽しそうです。きっとこの人は真性S。間違いないです。
私?泣きそうです。いや、もう泣いてます。
「た・・・助けて・・・。」
「言われなくても!」
明るいハスキーボイスと共に鞘に入ったままの両手剣を振りかざし、ガルカの肩口にそれを何者かが叩き付けた。
ガルカはうめき声と骨が砕ける音を立ててその場に崩れ落ちる。
「ユリフィナ・・・護衛を始める前に捕まってるってどういうこと?」
「ユファファ〜・・・怖かったよぉ・・・。」
私と同じ茶色い髪をポニーテールにしているナイトのアーティファクトに身を包んだ釣り目のタルタルに思わず飛びつくと、
彼女は私を軽々振りほどき、後ろに回るように手で合図をした。
「な、誰だてめぇ!」
「騎士様。」
それだけ言うと何かを詠唱しようとし始めていたエルヴァーンにスタンを放ち、
弓に矢を番えていたひょろひょろ狩人にフラッシュをすばやく唱える。
動きが完全に止まったまま動けないでいるエルヴァーンのわき腹の辺りにめり込むほどの勢いで剣を叩き込み、
振り返り様に矢をあさっての方向に放った目を押さえている狩人の鳩尾に突きを入れる。
「ち・・・畜生・・・覚えてやがれ・・・。」
苦しげにそれだけ言うと狩人は呪符デジョンを使いいずこかへと消えていった。
10数秒で二人のチンピラを地面に沈め、一人を追い払ったユファファは剣を背負いなおすと呆れ顔で私を見つめた。
「まったく、何やってるんだか・・・。」
「ユファファ〜!ガードさん達呼んできたよ〜!」
とてててと走りながらリポケケがガードを引き連れてこちらに向かってやってきた。
「ナイスリポケケ。こっちは片付いたよ。」
そう言って近くに転がっていたエルヴァーンのわき腹、つまり先ほど両手剣を叩き付けた場所をつま先で蹴っ飛ばす。
痛々しい悲鳴を上げながら地面を転がりまわるエルヴァーン。・・・さ、さすがにやりすぎじゃ。
彼らを縛り上げた後、ガードが最初にやったことはレイズだった。
「それじゃ、手続きとか済ませてくるからとりあえずリポケケ、ユリフィナをモグハウスまで送ってくれる?」
あっさりお縄となった置いていかれたエルヴァーンとガルカが連行されているのを見送った後、
鞄からはみ出しているしわくちゃになった護衛の報酬のチラシのはしっこをつまみながらユファファが言った。
「うん、わかった〜!ユリフィナ、もう大丈夫だからね〜。」
ほんわかとした無邪気な笑みを浮かべるリポケケにこちらも微笑み返す。
「ありがとう、リポケケがいたら安心だよ。」
実はまだちょっと怖くてまだ膝が笑ってたりするけど・・・。
あの時二人が来てくれなかったらと思うと背筋が凍りつく。
「最近、ああいうことがあっちこっちで起きてるのかなぁ・・・。」
ついには口から不安がこぼれてしまった。
「あっちこっちで起こさないための護衛だよ〜。あたし達がいる時は大丈夫!」
リポケケはそういってポンと軽く胸を叩いた。
「だから、今日一日はもちろん、これからも呼んでくれればいつでも護衛するよ〜!」
そう言って彼女が取り出したシグナルパールの輝きは、私をとても安心させてくれた。
「本当に、いつもいつもありがとうね。」
お礼しか言えない私に、リポケケは微笑んで静かに首を横に振った。
以上になります。
タルタルの声ってどんな感じなんでしょうね・・・。
保守ネタがどんどんバッドエンドへとヽ(´Д`;)ノ
使用後になったらどうなるのか、自分でも想像がつきませんw
ヴァナではよく片手棍を振り回しているから臼に・・・?w
402 :
既にその名前は使われています:2006/12/17(日) 02:43:22.25 ID:oaztngZn
使用後のユリフィナさん、どうしてもリードさんばりの軽くスプラッタバトルアクション
しか思い浮かばないので出来ればいつまでも癒し系のままでいて下さい・・・!
新しいことを始める以上、すぐには開始はできんが、
今必死でフラッシュの作り方を勉強している。どうしても画像表示の優先順位が狂う・・・。
純粋にネトゲ実況板のいつもの煽りやジョークの延長でやっているのだが、
結構真剣にのめりこめて楽しい。
マトモに「自キャラスレのフラッシュです」と胸を張って作れるのは、多分数ヵ月後になるだろうがみんながんばってくれ。
配役はすでに決めている。
リード=スターリン
チャリオット=ムッソリーニ
ハーミット=東条英機
デュエル=西太后
アビス=マリア・テレジア
ハイプリースティス=田島陽子
イッチ=紫式部
メイミィ=楊貴妃
ルーファス=山本五十六
ヒロ=金正日
フルキフェル=アドルフ・ヒトラー
404 :
既にその名前は使われています:2006/12/17(日) 08:04:46.71 ID:wrsZoW21
ヒロはスティーブン・ホーキングがいいなぁ(´∀`)
...| ̄ ̄ |
/:::| ___|
/::::_|___|_
||:::::::( ・∀・ )
||::/ <ヽ∞/>\ 光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女騎士はまだかね?
||::| <ヽ/>.- |
_..||::| o o ...|_ξ
\ \__(久)__/_\
.||.i\ 、__ノフ \
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\
.|| ゙ヽ i ハ i ハ i ハ i ハ |
.|| ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜|i~
406 :
既にその名前は使われています:2006/12/17(日) 12:31:14.28 ID:WoFkwS0J
>>403 !?(; д )
フルキフェルさんは、フランクリン・ルーズベルトがいいでs
「セオドアとわざわざ分けるなんて、分かりにくいネタをしますね。チャーチルに泣かされるんですか。
それにしても・・・使用前・使用後か」
面白そうな声が口にする。
ぺたりと座り込んで声の主を見上げる少年と、相手を見つめ楽しげに微笑む少年は、双子のようによく似ていた。
「つまり・・・使用前はきみ、使用後は俺、ということなんでしょうか」
「・・・知りません。と言うか、むしろあなたはキレた後な気がします」
「きみは村人Aですしね。時に何か特技とかありますか?壁を走れるとか」
「うーん・・・そんなビックリ人間なことはできないけど」
「けど?」
「・・・オムライスを作るのが得意です」
「・・・家事に長けているのですね」
407 :
既にその名前は使われています:2006/12/17(日) 17:01:36.68 ID:oaztngZn
「70点と40点だな」
「じゃ、あっちは?」
「60」
アトルガン皇国、白門の大通り2階。手すりに乗り出すようにして大通りを
眺めるエルヴァーンの男が二人。
漆黒の鎧の男の問いに、シックなアクトンを着込んだ男が簡潔に点数のみを
答えていく。指差す先には、様々な種族の女性の冒険者がせわしなく行き交って
いた。勘のいい方は何の点数か気づいた事だろう。
「ホネさん点数きびし・・・」
「友子以上の女は俺の中では居ないからな」
「惚気かよ〜」
漆黒の鎧の男がじと目で睨む。アクトンを着込んだ男は涼しい顔で受け流すと
一人の女を指さした。ブレストプレートに映えるロングの黒髪が眩しい、魅力的
と言えるエルヴァーンの女。
「カナメ、あれは?」
「どれど・・・100点!!!あの変な盾さえ持ってなければ120点なのに
モッタイナイ・・・何だあの保守ってでかでかと書いてある紋章」
すっかり忘れてかじりつく男を横目に、アクトンを着込んだ男は遠い目をすると
知らず呟きが漏れた
「笑って話せる日が来るなんて思わなかったな・・・」
408 :
既にその名前は使われています:2006/12/17(日) 17:02:28.79 ID:oaztngZn
置き去りにしてきた、最愛の人。残して来た者がいるのは自分だけじゃないの
も頭ではわかっていたから、ずっと話題にするのを避けていた。
「ん、何か言ったか?」
「何も?」
何気なく見上げると沈み行く夕日が目に入り、小さく息を吐く
―綺麗な夕焼けだ。きっと明日も、こういう所だけは元居た世界に似ているこの
異国は晴れるのだろう。
肩を竦めると、アクトンを着込んだ男は飽きたとだけ言って脇の階段に足を向けた。
(この階段を降りきったら、いつもの家路に立っていればいいのに)
淡い希望は叶う事無く、異国の石畳の上に「コン」というやや高い靴音が響いた。
「ホネさん」
「ん」
手すりに凭れた男が、こちらを見下ろして呼びかける。見上げる首が少しだけ痛い。
「ウフフ、呼んでみただけ♪」
一見只気色悪いだけだが、二人ともこれが行き過ぎない励ましなのだと知っている。
ひとしきり笑いあった後、背を向けて、少しだけ感謝の気持ちを込めてひらひらと
手を振ると’この世界での家’に向けてゆっくりと歩き出した。
=じゃがりこ=
>>406 出先で料理が出来るというのは、結構なアドバンテージだと
飯盒炊爨でご飯を焦がした者が言ってみる。
410 :
既にその名前は使われています:2006/12/17(日) 18:25:12.53 ID:F2OWUR0a
(360)
爺さんとの打ち合わせは、結局日が昇る頃まで続いた。
部屋を後にする頃には爺さんにも疲れの色が濃く見て取れた。恐らく、俺も同じ様な顔をしているだろう。
「必要なのは"速さ"でございます。何者にも付け入る暇を与えぬ事が、我々にとって重要なのでございます」
ドアに手をかけた俺に、爺さんが声をかける。
「我々ってのは、どの我々だ?」
振り向かず、しかしドアから一度手を離して直立したまま、そう聞いてみた。
返答はない。
「…まぁ、何でも良いさ。作戦の目処が立ったんだ、贅沢はこれ以上言えないよな」
「申し訳ございません」
この老人にも葛藤というものがあるのだろう。
「栓のない事を聞いた、忘れてくれ」
「は…」
そのまま、ドアを静かに開けて廊下に出た。
自室に戻ると、一つのベッドではラディールが寝息を立てている。
もう一つのベッドに潜り込み目を閉じるまでが、その日の記憶の最後だった。
(361)
目を覚ますと、既に隣のベッドは整然と直されていた。
部屋には陽光を取り込む窓がなく、廊下の窓からもれてくる日差しで昼に近いことがわかる。
だとすれば、この宿で寝ているのは俺とフルキフェルくらいなものだろうか。
身支度をして部屋を出ると、丁度この宿の女将が通りかかった。
「おはようございます、お連れ様は皆さん出かけられたようですよ」
「全員?」
俺が驚いたように聞き返すと、女将は不思議そうな顔をしながらもそれに頷いた。
「えぇ、もうお昼ですからね」
そう言って、忙しそうに俺の横を通り越して奥の部屋に入っていった。
宿から出て、バストゥーク特有の乾いた空気を一杯に吸い込んでから領事館へ足を向けた。
表通りに出ると流石に人通りは多い。石の上に砂が溜まっているのか、時々ザリっという砂の音も聞こえる。
足音がよく反響する商業区へのトンネルを抜け、石橋の先に大工房がくっきりと見える。
天気もよく、非常に気持ちの良い朝だ。
さっきのザリッという砂の音を含んだ足跡が、ずっと俺の後ろから聞こえてきている事を除けば。
(362)
俺を付け回す理由がある奴は限られる。
だが、こうもあからさまな方法に出る連中となるとまったく心当たりがない。
少し考えて、しばらく様子を見る事にした。
どちらにせよ彫金ギルドを左に折れる時点で背後は確認できる。
かくして彫金ギルドの前を左に折れて、その動作の中で一瞬だけ背後を確認する。
足音の主は、すこし猫背気味に背をかがめたミスラだった。
なるほど、足音を消そうとして忍び足をしてみたものの、石畳の上にうっすら積もる砂をザリザリ鳴らしてしまっていたらしい。
そのまま何食わぬ顔で階段を登り、噴水広場を掠めるようにして一路大工房へと向う。
足音が相変らず付いてくるということは、俺が後ろを確認した事はバレていないらしい。
大工房の内部のリフトの辺りに来ると、その足音が徐々に近づいてきた。
リフトに乗り込み、今度は堂々と振り向いてみせる。
マルトよりも一回り小さなミスラが、俺が振り向いた途端に目を逸らして口笛を吹きだした。
あからさまにこちらを意識している。
一瞬赤鎧の一味かとも思ったが、芝居が下手にも程がある。こんな間の抜けた奴が相手ならいっそ楽なのだが。
投下終了age
名前入れ忘れましたが、
>>410も私です…
414 :
既にその名前は使われています:2006/12/17(日) 21:36:19.43 ID:x6IQ5zoT
ホシュホシュ
投下人の皆様方、乙であります。
年末商戦で多忙の中暇を見つけて読んではいますが…追いつかない。
っていうか自分の分の続きが書けませんorz
今週が超の付くほど山場なので、ここさえ乗り切れば……!
目が覚めたらクポクポうるさい小動物が目の前に居た。
今は冬だからいいけど年中資源の無駄遣いしてる暖炉もある。
あまりにも見飽きた風景…ヒュム♂白魔。
何故か俺はヴァナディールにやってきていた!
「イィィィィヤッホーーーー!!」
喜び勇んで外を駆け回るといきなり見つめられまくった…><
LSとか念話なのかよ、迂闊に喋れねーな。
とりあえず町の外に行ってみようとして……
いきなりへばった。ハァ、ハァ…普通にこの速度で走るなんてマラソン選手かよ。
一般人ナメんじゃねーぞ…
と、そこにフレからtellが。テレポして欲しいとの事。モグ前で集合し呪文の詠唱を
はじめる。
「寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利の水魚水行末雲来末風来末食う寝るところに…
ゲホッ、ゴホッ、グハッ…」
息が続かなかった。前から思ってたけど白魔は全員モラウ師匠並の肺活量してんのか。
一般人ナメんじゃ(ry
何度目かの詠唱の後、無事ザルカに着いた時、俺は酸欠で死にかけていた…
「忙しいなら無理しなくて良いよ?」
テレポ石の側にヘタり込んで動かない俺にフレが話しかけてくる。
「い、いや、ちょっと余所見してただけだから。じゃ、行こうか」
フレ達はLSで狩AF3に来ていたのだ。仕込みは終わっててNM倒すだけ
というので気軽に手伝おうと思ったのだが…
数分後俺は猛烈な後悔に襲われていた。最初は息を整えるのが精一杯で
気付かなかったがここは極寒の地なのだ。しかもいつの間にか天候は吹雪。
普段はあまり着用しないAF頭をつけてなお寒くて死にそうだ。
白AFでさえこのざまなのに、戦士のフレに至ってはAF胴にサブリガ…
見るだけでこっちが寒い、雪山をナメるなといいたかった。
結局戦闘自体は余裕だったが、NMを倒すまで俺は寒さに震えまくっていた。
「ありがと、助かったよ。黒居ないからルテいい?」
「お゛、お゛げぇ〜」
寒さでかみ合わなくなった口を懸命に動かしなんとかそれだけ答える。
「じゅヴげむ゛じゅヴげむ゛ごごヴの゛ずりぎれ…」
寒さと酸欠でテレポルテを唱え終わった時俺はパトラッシュと天に還ったネロの
気持ちがわかったような気がした。
418 :
既にその名前は使われています:2006/12/18(月) 00:32:46.45 ID:3LYsDFMb
「まあ、後衛はこっそりバブリザラとかブレスパとかかけてる事が多いです」
「スパイク系は夏場の蚊避けにもいいらしいですよ」
一週間、投下してなかったら200レスも進んでいたとは。
なにやら色々と新しい展開があるようですが――私はマイペースに投下するのみです。
というわけで、『ヘキサガンの女』9回目を投下しますです。
世界にとって異質なものは忌み嫌われる、ヴァナ・ディールという世界に置いてもそれは同様で、その意識は
暗闇の中で、孤独は恐れず、ただ退屈という理由で己を手にする人を待ち続けました。
――それはある晴れた昼下がりの事でした。男と女のある会話が聞こえてきます。
「勧誘されないように一人用のリンクシェルが欲しいって? どう使うのかは勝手だが……安くはないぞ?」
「ええ、これぐらいしか手持ちがないんですけど……足りないですよね?」
「ちょっと足りねぇなぁ。……あぁ、あまり勧めないが曰く付きので良いなら、それでも売れるな」
「じゃあ、それでお願いします。耳に付けられれば何でも良いんで」
「そうかい? あんたも大変だねぇ、ヘキサガンの通り名は勧誘も伊達じゃない……ってか?」
どうやら、その忌み物にも陽の目が当たる時が来たようです。
「じゃあ、これ。御代は普通の半分で――使い方は分かるな? この魔法の貝を開封して耳につけるだけだ」
リンクシェルとは、現代世界でいう無線機とそのコミュニティのエンブレムの役割を果たすもので、その世界では
多人数コミュニケーションツールとして使われています。しかし、今日彼女は彼女一人だけを表すエンブレムとして、
そのリンクシェルを購入したのでした。なぜなら彼女は本来その世界の住人ではなく、また世界の住人らとの会話
に興味がなかったからです。
彼女は曰く付きのリンクシェルを開封し、その中にあるパールの一つを耳に付けながら独白しました。
「やれやれ、これで色々な勧誘を簡単に断れる……かな。昼食抜いた分ぐらいの働きはしてくれよ?」
すると、聞く相手のいないはずのパールから返事が返ってきます。
『おう、任せとけ。泥舟に乗ったつもりでいてくれや。へへへ』
それが海賊のような帽子を被った彼女と、<Carcinogen>と名づけられたリンクシェルとの最初の会話でした。
――それはヘキサガンと呼ばれた彼女の頭を悩ませた、ある晴れた昼下がりの事でした。
まぁ、なんといいますか。
財布の紐を緩めて買ったものに意もしない付加価値がついていたのはいいけれど、
それが全然必要ないっていうか、むしろ要らないものだったり。
都会の喧騒が嫌で、田舎に帰ったら目の前で派手に工事してて帰った意味がなかったり。
とか、そんなよーな感じの話だった……のか……な?w
久しぶりに戦闘シーンを書いてみたかったり、
折角なのでそろそろクリスマスネタを書いてみたかったり、
そんな今日この頃なのでありました。
「そう言えば、うちの末っ子は今何をしているやら」
明日の天気を語るような気楽さで口にする騎士に、彼はおや、と唇をへの字に歪めた。
「あの、淡い金髪の?」
「そう。騎士になれそうな見込みがないからって親父がさっさと教会にぶち込んだ弟」
随分な言い種だったが、実兄が言うとまた意味も変わる。
「あんたのチョコボをかっぱらって家出したんだっけっか」
「そうそう。ウィンダスのレストランで働かせてもらってるって話は聞いたけど」
「適材適所。向かないことをやらせるより、好きなことをやるのが一番だ」
「あの子の作るロランベリーパイは絶品だったんだけどなぁ」
大仰に溜息をつき首を振る男は、暗黒騎士の彼を忌避せず友人として振る舞う数少ない存在だった。
「ソルニエも家出、リュシアンも家出。ついでにヴォーシェルはグレた。まったく、大した貴族だよ」
「へいへい、悪うございましたね。うちは地味な騎士の家だけど」
「双子のおかげで名前が知れるようになったじゃないか」
「あいつのおかげだろ」
落ちていた紙切れを何となしに拾う。『保守』と書かれたそれを一瞥すると丸めて放る。
「・・・そう言えばあの子、家出するしばらく前から少し様子がおかしかったな」
「女の子みたいにおとなしいのが家出するんだ、そりゃおかしいだろ」
「言ってたんだ。『ここは違う。戻らないと。ここはぼくの居場所じゃない』って」
その言葉はすぐには理解できず、しかし意味に気付くと、彼はわずかに唇を噛んだ。
「・・・教会に押し込められたのが嫌だったんだろ。あの子はあんなところに収まるほど陰気じゃない」
423 :
既にその名前は使われています:2006/12/18(月) 12:56:43.82 ID:UdXr3g4W
家路ははるか遠く、またどこにあるとも分からない。
けれど、歩き出さないことには始まらない。
424 :
既にその名前は使われています:2006/12/18(月) 16:26:21.33 ID:1gVboWo4
ソロをしているとパールでもいいから話し相手になってほしくなる
425 :
既にその名前は使われています:2006/12/18(月) 18:12:12.56 ID:z5BMkmhN
召喚獣戦の会話を覚えている人は居るだろうか。
『そも、どちらが現し世で、どちらが夢か』
’大いなるもの’の呟きを聞いた筈だ。
たかがゲームのクエストひとつと聞き流した?
じゃぁ、そのゲームの元となる世界があったとしたら?
しがない、ゲーム会社に勤める三十路も近い男―――おれの故郷はそんな
世界だった。
目覚めて暫くは、随分戸惑った。あちらでは当然のように使えていた白魔法
も、鍛え抜かれた弓の腕も全て失い、知り合いも居ないこの世界に放り出され
代わりにあったのは見たことも無いような謎の箱―――こちらでのおれが食い
扶持にしてたらしいパソコン―――と、それに関する専門書の山だった。
おれは、必死になってこの世界の事を学び、やがて疲れ果てて泥のように
眠り込み、気づけば元の世界に戻っていた。最初は夢でも見たのかと思った。
けれど、再び眠るとそこはやっぱりパソコンのある世界で、眠る度におれは
二つの世界を行き来した。それから暫くは良かった。こちらの世界は命がけで
戦わなくても生活費が稼げるし、このまま永住してしまっても良いとさえ思った。
―仕事に没頭する余り、どんどんこちらでの睡眠時間が減っていって、故郷で
の暮らしが短くなり、やがて・・・眠っても故郷の’夢’を見なくなるまでは
426 :
既にその名前は使われています:2006/12/18(月) 18:12:49.33 ID:z5BMkmhN
このゲームを作ったのは、そんな時期だったと思う。比較的新参者のおれの原案
が何故通ったのかは知る由も無いが、ゲームという形でおれは再び故郷の地に触
れる事が出来た。家の私物のパソコンでひっそりとプレイもし、意識せぬうちに
元のおれと全く同じジョブを、全く同じレベルにまで上げ、その過程で友達と
呼べる人も出来た。仕事で殆どログイン出来ないおれの手伝いを、嫌な顔ひとつ
せずに引き受けてくれて、実は本物で死にかけた事もあるモルボルに一緒に絡まれ
て逃げ惑ったり、色々な所を見て回った。本格的に仕事が忙しくなって引退する時
は、その友に自分の持っていた全てを託した。
今は・・・どうしているだろう。自分の託した物は役に立っただろうか?今も
おれの作った故郷に似た場所に居るだろうか。もう引退しているだろうか。
それとも・・・
嫌な考えが頭によぎり、払うように頭を振って、ペンをとって真っ白のままの
企画書に向き直る。もし、おれの故郷にこちらの記憶しか持たぬ人が居るとしたら
せめてこのゲームがその旅の手助けになればいいと思う。
そして・・・友と、名も知らぬ不運な人々の無事と幸せを、只、願う。
427 :
既にその名前は使われています:2006/12/18(月) 18:13:23.01 ID:z5BMkmhN
保守話の人がヤケに最初から強いのは、元々ヴァナでの夢がこちらの世界で、こちら
での夢がヴァナという世界で、本当は世界が切り替わったら記憶もそちらの世界のに
切り替わるのに、切り替わらない上にこちらの世界の夢も見なくなっちゃったぞ!な人だ
ったという、これまでの小話のオチっぽい話でした。
優しいヴァナ世界の人も居るといいないいな。
そして、文中に保守を入れる代わりに保守派の人の話を書こうと思ったら、どう見ても
只の穏健派です本当にありがとう御座いました。
というわけで保守!
>>424 オートマトンに話しかけてしまった事がある末期患者がここに居ます。
ちょっと紛らわしかったから補足!勿論自分です!
彼女は強いね、と誰もが評した。彼女もまた、強くあろうとした。
この世界に来る前からも、来てからも、彼女は常に弱みを見せることを恐れていた。
けれど、それを許さない男がいた。
「あまり無理をしないようにしてくださいね」
頭上から振る言葉に顔をしかめる。
彼女は赤魔道士だ。多少の無理は常にある。
「聞いていますか?」
「・・・分かってるよ」
ぶっきらぼうに言い返し、歩調を早め引き離す。
しかし、身長の差は歩幅の差につながる。すぐに追い付かれた。
ちょんとシャポーの羽根をつままれ、彼女は声を荒げる。
「何がしたいんだ!?」
「あなたの心配を」
にっこり微笑む。
それはまるで告白にも似ていて、彼女は言葉を失い、それから持っていた本で思いっきり叩く。
「ちょっ・・・何をするんですか、いきなり」
「うるさい!!」
真っ赤になった顔をシャポーで隠して。
八つ当たり気味に、店先の『保守』と書かれた立て看板を蹴飛ばした。
皆様、投下乙でございます。
年末で忙しい時期でもあります。ご自分のペースで、わっふるわっふるでございます。
なぜ逃げる?
疑問が脳裏をよぎった。
危険を感じて逃げるのは、普通の反応だ。あくまで普通の。
ハイプリースティスが見ている前で、奴らが敵前逃亡などありえない。
しかも押し寄せてくるはずの配下たちが、いない。
状況が始まってからほんの僅かの時間しかたっていないとはいえ、妙だ。
「そうか・・・」
俺は呟いた。
それまで沸き立つようだった興奮が、すっと引いていく。理性が戻ってくる。
畳み掛けるような状況の変化に息を切らせながら、メイミィが追いついた。
「リード、さ、フレア、怪我・・・!」
「罠だ」
イメージが閃いた。
調子に乗せて厩舎に誘い込む。潜伏包囲させていた多人数で、一気に押し潰す。
俺ならそうする。
ならば、どう返す。
ガガガガガガガガガガッ!
頭上の教会から、正しくは“女神聖堂”の屋根から、けたたましい破壊音が響いた。
それは、不敬にも女神の家の屋根を次々に踏み割っていく音だった。
黄金の疾風が矢のように駆け抜け、力強く跳躍した。
狙い澄ましたかのような、その着地点は―――。
ベシッ。
まさに今、俺に背を向け逃げ出そうとした男の直上に、チョコボは降り立った。
文字通り男の身体は「く」の字から二つに折り畳まれた。
無理もない。
軍用をしのぐタフな体躯。地上の何者よりも速く疾駆する生物の脚に、加速付きで踏み潰されたのだ。
心なしか誇らしげに、チョコボがチラリと俺を見た。
その目が「乗れ」と言っているようだった。
また、こいつに助けられたか。
躊躇なく、俺は跳び箱の要領で鞍に飛び乗った。
待ち遠しげに、ダッ、とチョコボが何も待たずに走り出す。
おいっ! メイミィがまだだ!
片手で手綱を握ると空いた手をまわし、メイミィを抱き上げ、そして背後に移した。
「きゃぁぁぁぁ!?」
「こいつでジュノを抜ける!」
二人乗りをものともせず、チョコボは一気に高速域までスピードを上げた。
434 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/12/18(月) 23:11:03.63 ID:Q1GMkVrH
今夜の投下は以上です。
435 :
既にその名前は使われています:2006/12/19(火) 01:18:43.51 ID:C5xJbxJw
寝る前にage
436 :
既にその名前は使われています:2006/12/19(火) 01:19:09.86 ID:9OHXht38
そこでまさかあのでっかいチョコボ再登場とは…
保守保守
437 :
既にその名前は使われています:2006/12/19(火) 04:13:56.77 ID:fOdhZ10q
>>433がブロンド様ネタだと思い込んで吹いていた俺はネ実末期症状。
コツコツ…石畳に自分の靴音が響く。
「ふぅ…」やっとトンネルを抜け、目の前の広場を目指す。まだまっ昼間の光が俺を照らした。
「何度来てもいいな、こんないいところがあるとは知らなかったけど。」
円形のドーム型に巨石を積んで作られた6階建てのモグハウスの集合体の真ん中の広場に今俺は立っている。
四角く形作られた芝と石を交互に並べた模様の地面に立ち上を見上げるとまるい空が見えた。
「さて、っと。」左側にある階段に向かい上がっていく。三階までたどり着き石の通路を進んでいく。右手には先ほどの広場が見えた。
上の階ほど部屋数が少なくなっているのか窄まっており、さながら巨大プリンにみえるモグハウス集合体は居住区に5つある。
見た目マンション形式でそれぞれは地下のトンネルで繋がっている。総部屋数は軽く7000はありそうだ。
共同銭湯なんてものはなくトイレが各階に数箇所ある程度。が、力いっぱい石造りなのに息苦しさは感じない。魔法の類なんだろうか。
やがて俺のモグハウスまでたどり着いた。カバンにお土産を入れて。
がちゃと扉を開ける。「ただいま…」と
「クポオオオオオオっ!!!!」なにやらクローらしきものを両手に装備しているフリートが叫んだ。
「性懲りもなくまた戻ってくるとは笑止千万!!今度こそ止めをさしてやるクポオオォォおおっ!!??」
フリートが固まっている。「?…どうした?」「お、おお、お…」すごい勢いで後ろの壁にすっ飛んでいく。「お化けクポォ!!!」
「まてぇい!!」俺に背を向けてプルプル震えている。「ご主人が…ご主人がお化けになって僕を呪いにきたクぽぉぉ…」
おい、なんか言ってることが無茶苦茶だぞ。まぁ確かに頭から垂れた血がまた俺の顔を汚していたが。
「…よくみろ、俺は生きてるってば。」フリートに近づいて肩を叩く。人のこと言えないであろう気持ち悪い色に染まった顔が、
恐る恐る俺のほうを向いた。「ほ、本当にご主人クポ?」どっからどう見ても俺だろう。斜め45度に抉りこむように読んでも俺だろう。
「じゃ、じゃあなんでそんなに血まみれクポ!?どうしたクポ!?」「ああ、これ?これは…」フリートがハッとした。
「ま、まさか僕が心で念じたりなんかしたりした『剣の山々』とかに落ちたクポ!?」
「いやぁ普通に死ぬだろう。ってそんな所あんのか?ヴァナに。」
「じゃ、じゃあボスディン氷河でツンドラタイガーとかに頭から齧られたクポ!?」
「いやぁそれも死ぬだろう。ってボスディン氷河から帰ってくるの俺早くね?」そういやデジョンは何故か唱えられないんだよな。
「やっぱりボスディンに落ちたクポね!!」おい話聞けよ。「僕は、僕は!!!」明後日の方向に向く。
「ご主人になんってことぉぉぉぉ!!!!!!」無言で頭の綿毛を掴んで引き寄せ両手でフリートの顔を前面に固定した。
「取りあえずちゃんと話を聞きたかったら黙ろう。な?な!?」「ごッポ!ごッポ!!」
「…ご主人と同じ『望まぬ来訪者』が見つかったクポ!?」「ああ、サルタバルタでな。」
後ろの水場でざっと洗った体を拭く。「そう、クポ、か…。」「何だよ?イヤなのか?」シアーを着つつ聞いた。
「い、いや!!嬉しいクポよ!!」「? 変な奴だな。」フリートが水場の栓を抜く。汚れた水が流れていく。
流れきったのを確認したあと隠されたコックを捻る。さっきまで止まっていた水がザバァッと流れ出した。
「で」にやりとフリートが笑った。「ヒュームの女性?クポ?ご主人のい、ろ、おとこぉぉ!!」
「なんだよ…。」「その女性を助けるためあっという間にヤグードを倒すご主人!!シびれるクポねぇっ!!」
あ、そうだ。脇においていたカバンを開け、より安定感がある底にあった小箱を取り出す。
「『やぁ、大丈夫だったかい?』『ああッ助けてくれてありがとう!!好きよ!!』『俺も、さ。』『嬉しい!キスして!!』」
突っ込みどころ満載の一人芝居を演じ中のフリートにその小箱を渡した。「ほらよ。」「?? なにクポ?」
ガサガサと包みを剥ぐ。「!!!!!!!」フリートが振るえて机に置いたものが部屋の光に煌く。
「ば、ばばば!!バーミリオンゼリー!!!!ど、どうしたクポ!!」「買ったんだよ、競売所で。」
「嘘クポ!!万年ビンボーのご主人が買える代物じゃないクポ!!」「一言多いし、それをねだったお前はなんなの?」
「じゃ、じゃあ、どうしたクポ?」「ん。それがな…」
「これからどうするの?」「う〜ん、とりあえずこの頭どうにかしないと。」「ふふっ、そうだね。」
早く落とさないと髪が染まるな。…あ、そうだ。「ちょっといい?」「?うん。」
右の通路を進み、チョコボ厩舎を通り過ぎて坂を下った。目の前には競売所がある。『冒険者』がいた。自然と声を抑える。
「なにか買うの?」「フリート…うちのモーグリに頼まれたものがあるんだ。」「へぇ…ってバーミリオンゼリー!?」
品物取引金額照会依頼書を横から覗いたサニーが声を上げた。「まぁ、食いたいって言うもんだから…。」「うわぁ、金持ち…」
「違う違う、ぶっちゃけこれ買うとすっから…って、いい!!??」渡された競売履歴をみてびっくりした。
XX/XX Bob → Mike 3000000
の落札以来、ずっと固定されている。ええ予想GUYです。
…な、なんで十万も値上がってるんだよ!! この名前だと業者? じゃないよなぁ…。
う〜ん値下がるまで待つわけにもいかないし、買おうにも所持金は25万、どう転んだって買えない。
「手持ちのもので売るもの…、いやいやそうだと数日かかるし…売れるかもわかんないし…」
「…足りないの?」「う〜ん、ちょっと…」「代わりに買ってあげよっか? 私。」「!! ダメ!! そこまで甘えられない!!」
半ば強引に押し付けられたシアー一式(HQ)の上にこんなもの買ってもらったら男としてさて如何なものか。
「気にしなくてもいいよ。必要なんでしょ?」「いや、しかし、あれですね、それは、どうも、ご遠慮させて…」
「男がグダグダ言わないの!! あ、これお願いしますぅ。」「ちょ、なにやってんだよ!!」落札しようとするのを慌てて止める。
「彫金師範な私の財政力を舐めないことね。ウフフフ。」「いや!なに勝手に負けず嫌いになってんだよ!!」
「は〜い、もう出しちゃいました。取り消しは不可能よ♪」「…お、おーし、そっちがその気なら」窓口に全財産をドンと置いた。
「とりあえずこれ前払いね。」「な!?」サニーのほうを向いて「払ったもん勝ち。にひひ。」「〜!〜っ!!〜っ〜〜〜〜!!!」
「残りは後日払っ…」むんずと後ろ襟首を掴まれる。「おわぁっ!?」
「すいませんっ、そのお金は返して彼にっ! お金は私が…」「だからいいって言ってんだろ!!この手を放せ!!」
「分割払いなんて格好悪いこと、ここヴァナでもやるつもり? あなた。」「リアルで分割なんてやったことねぇよ!全部一括だ!!」
「どうだか。コンビニでもやってたんじゃない?」「!!! 言わせておky…
ゾワァァァっ!!!!!
二人堪らずその場で昏倒した。見てる見られてる見られているものそ見られている無茶苦茶見られているスッゴイ見られている。
思いっきり競売所でSayを垂れ流している俺たちに不振を抱いた『冒険者』の視線が次々に突き刺さる。
「わかったんじゃ貸してそういうなら貸して」「うんわかった貸すすぐ貸す今すぐ貸すから」
這いつくばってカタカタ震えるサニーから〆て三十万ギルしっかり貸して頂きました。 (ちゃりーん
「そのヒュームの女性もたいしたものクポね……。」「『も』ってなんだ『も』って。」「ふ、深い意味は無いクポよっ?」
じゃ、なんなんだその汗。フリートは自分の荷物から白い小皿を取り出しそれにバーミリオンゼリーをあけた。
「クポァ〜、キレイクポぉ〜……」光にかざすそれは確かにまぶしくきらめいて美しかった。上から垂れるフリートの涎を除けば。
「さっさと食えよ。温くなったゼリーは美味いんでもないだろ。」「そ、そうクポね!!」
またも自分の荷物からスプーンを取り出したフリートはゼリーをすくった。そのまま口に運ぶかと思いきや、
「…なにやってんの?」俺の目の前でそのスプーンを引いたりかざしたりしている。「い、いや、なんとなく…」
ハァッと思わずため息をつく。「おまえ、よく『意地が悪い』とかいわれないか?」「ど、どうして知ってるクポ!?」
……、まぁいいや。「そのゼリーはフリートのために買ったものだから全部フリートのもの。全部食っていいぞ。」
「……な、なんか気持ちわるいクポねェ…。」「意地の悪さはそれくらいにしていい加減さっさと食え。」
「ク、クポ…。」フリートがもうひとつ一回りちいさい小皿を取り出しそれにバーミリオンゼリーを二すくいのせた。
「ご、ご主人…、ど、どうぞクポ!!」無理矢理渡された。「あのなぁ、さっき言ったようにいらないってい…」
「ぼ、僕は!!」フリートがどもる。「ご主人の!!モーグリだから!!ご主人よりもいい物食べちゃダメクポ!!」
なにやら手話見たく必死で左手を振っている。「だから!!ご主人も!!食べるクポ!!」「いや、だから俺がいいって…」
「なにより!!」俺が喋るのを抑えるように大声で言った。
「ご主人を殴ったり!!デジョンで飛ばしたり!!それで死ぬような目に遭わしたり!!」…フリートの目尻に涙が浮かんでいた。
「あまつさえ!!帰って来た時『おかえり』も言わないで!!本当にもしかして二度と会えなかったかもしれなかったのに!!」
今はもうボロボロと涙を流していた。それを拭おうともしないで。
「大切なご主人を!!死んでしまうようなことをしたフリートはこのゼリーを食べる資格なんて無いクポォ!!!」
いきなり右手に持っていた大きな塊のほうのバーミリオンゼリーを水場に叩きつけるように投げた。派手に水飛沫をあげる。
「ぼ、僕は…モーグリ失格…ううん…最低なことした…最低な…生きてる価値…クポゥ…。」
うずくまるフリートにゆっくりと近づく。「ご主人…」涙目で俺を見上げるフリートの胸倉を引っつかんで水場に
投げた。
「何勿体無いこと、してんじゃぁぁっ!!!」「クポォォォ!!??」そのまま落ちずに壁に激突したままズズッと水場に落ちた。
肩で息をしつつフリートが沈んだ水場をみる。ザバッ!! すぐさま水場からフリートが上がってきた。「ご、ご主人!!な、」
「それらひっくるめて許してるからここに帰ってきてゼリーをお前に買ってきてんだろうがぁっ!!」
フリートがぽかんと口を開けている。なんでか鼻がツンと痛みのどの奥に小石が詰まったように感じた。
「あれだ!もしお前が俺を殺っちまっても怨んで化けてでてきやしねぇよ!!俺はお前がここにいるだけでもうれしいんだから!!」
フリートがいなけりゃ本気で潰れていたかもしれない。このヴァナ世界でたった一人でいることに。
「あ〜あ、勿体無いことしやがって。…あれ?ないかな?溶けちまったかな?」水面に時々見える小さな水沫は見なかったことにする。
「ない、ないぞ。これしかないじゃん。ほれ。」さっきフリートが渡した皿を返す。「クポぉ…。」
「言っとくが俺は食わないからな、絶…」「…食べなきゃまた投げるクポよ?」「おんまぇ…」フリートがにやりと笑った。
なんでまだ泣いてんだよ。「…わかったよ。」「クププ!」
さて「いっただきま〜すクポ!!!」
パクっ!! ×2
…
……
………
/\ /\
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丿 ::.__ .::::::::::::: __ ::::ヽ_
/ /。 ヽ_ヽv /: /。ヽ ::::::ヽ
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| ::: | |⊂ニヽ| | :::::| \
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/ / \: ト--^^^^^┤ 丿 \\\ \\\
投下終了
あ、ヅレタヨ… orz
続きもあるんでそれは夜中投下します。
449 :
既にその名前は使われています:2006/12/19(火) 11:03:43.66 ID:KH//hWoK
ほせ
450 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/19(火) 14:04:06.37 ID:Q6bW7RWx
鼻歌混じりに泡立て器でボウルの中身をかき混ぜる。
その隣では、チョコレートクリームをスポンジケーキへ慎重に乗せていた。
「あ、あ、ダメですダメです!クリームはちゃんと平均的に乗せないと、あとで足りなくなっちゃいます」
「・・・料理は難しいんだな」
まだあどけなさの残る顔をしかめて、指先についたクリームを舐めた。
任されたのは、ただクリームを塗るだけなのだが。
と。
「ちょっ・・・シオン!!その濡らしたタオルで何をするつもりですか!!」
「顔に乗せてやるだけだ」
「駄目です!!」
遠くから悲鳴が聞こえた。
「・・・保守に力を入れすぎだって、怒ってましたね、そう言えば」
「・・・・・・」
もうクリスマスイベントの時期ですね。
リアルのスマイルブリンガーさんは大変な時期でしょうか。
そんなわけで続きを少々。
451 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/19(火) 14:11:36.42 ID:Q6bW7RWx
風がそよぐ。
心地よい、柔らかな風。
そっと目を開けると、シオンがシャポーで私を扇いでいた。
「・・・あれ、」
「のぼせたんだって?」
私を覗き込み、いたわるような、あるいは呆れたような声が言う。ほんのりと石鹸のにおいがした。
そこでようやく、私は自分が横になっていることに気付いた。
「長湯が苦手なくせに、何をやっていたんだか」
「・・・話していただけだよ」
一応の反論を試みながら体を起こす。随分ゆったりした服を着ていると思ったら、サイズが合っていない。
「ミガイフォングが着せていた。着替えくらい自分で持ち歩け」
「・・・着替えばっかり持ち歩いているきみが言うわけ?」
私が知る限り、彼女は上着だけで常に5着は持ち歩いている。・・・持ちすぎだと思うのは気のせいだろうか。
「大体、人の多いところでするような話だったのか?」
「それは、・・・ん」
ふさわしい場所だったかと訊かれると、頷けない気がする。
危機感が足りないと叱られ、私は布団と寝起きの気だるさから叩き出された。
452 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/19(火) 14:17:35.32 ID:Q6bW7RWx
「そもそもお前は、何もできないのに無防備すぎるんだ」
髪をとかしながら、苛立った言葉を丁重にいただく。私だって、好きで無能なんじゃないんだけどなぁ。
けれどシオンにしてみれば、私の無防備さが気に食わないらしい。
そう言えばずっと、誰かに守ってもらってばかりだ。誰もが、私の無力を知っているから。
「・・・じゃあ、どうすればいいんだろう」
「・・・なに?」
私の独白に、眉をひそめる。
何も分からないままここにいる。何をすればいいのかも分からないのに、どうして、何かをしろと言うのか。
彼らはこの世界に生きていて、彼らなりにやることを持っている。
でも、私は?
漠然とした、目的とすら呼べない『戻る』という意識しか持っていない。
『戻る』にしたって、
「シオン、いい?」
部屋のドアを開けて、カイが顔を見せる。シオンは顔をしかめながらも頷いた。
「ごはんの仕度できたよ。キーゼルさんは?」
「まだ生きている」
「・・・殺さないでください」
冗談なのかさっぱり分からない。多分、きっと冗談だろう。・・・多分。
「たくさん作ったんです。もしよかったら、一緒に食べませんか?」
にっこり笑っての招待を私は拒否せず、丁重に受入れた。
453 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/19(火) 14:22:45.49 ID:Q6bW7RWx
今回は以上です。
バレさんのモーグリ、おいしすぎるw
でも、もったいないことをしたらダメですね・・・
食べ物を無駄にしたら、もったいないおばけに叱られます。ハイ。
454 :
既にその名前は使われています:2006/12/19(火) 19:06:04.00 ID:g3MiXeBd
勿体無いお化けって懐かしいなおい
投下乙でございます。
たしか、「もったいない」は世界で通じる言葉だと聞いたことがあったような、なかったような。
エコロジー関係だったかも。
一秒でも早く、ジュノを出なければならない。
上層は、突然の出来事で大騒ぎになっていた。
無理もない。
安全だと思われていた街中で、それも白昼堂々。
路上で斬り合いが始まった直後、片方が爆発。
炎の竜巻が巻き起こり、そしていま、チョコボが大通りを暴走しているのだ。
警備隊がやってくるのも時間の問題だろう。
悲鳴と怒声が上がり、通行人が逃げ惑う。その真っ只中でも、チョコボは速度を緩めなかった。
よどみのないフットワークで、右へ左へと、立ちすくむ人の群れを走り抜ける。
さながらサッカー選手を思わせた。
「しっかり掴まっていろ!」
あんぐりと口をあけたままのルトを視界の端に捉えつつ、俺は声を張り上げた。
後席のメイミィは、うっかりすれば振り落とされそうだった。
ぎゅっ、と俺の腰に回された手に力が入る。
モンブロー医院の前を素通りし、時計塔を右手に見ながら、チョコボは駆けた。
厩舎付近を俯瞰して、俺は自分の予想が当たっていたことを確信した。
潜伏している奴らの姿が、上からは丸見えだった。
あのハイプリースティスの配下にも関わらず、統率がおそまつな理由までは計りかねたが。
「―――!」
逃げようとする人ごみ。
一人だけ、流れに逆らって飛び出したエルヴァーンがいた。
そんな奴は二種類しかいない。正義の味方か、悪党だ。
その男は外套をかなぐり捨てた。
身軽な黒革鎧の姿で大剣を肩に担いだまま、人外の脚力でチョコボに迫る。
「追いつかれそうです!」
メイミィが風圧に負けじと叫んだ。
分が悪い。
いくらスピードが出ているとはいえ、チョコボの前方は障害物だらけ。
対して、追っ手はそれらが逃げうせた後の平地を疾走すればいい。
道端でうずくまる怯えたコレット嬢の頭上を飛び越し着地した時点で、両者は並走していた。
いつまでもつかは知らないが、相手の息切れを待つほど余裕はない。
しかも利口だ。たとえ俺が騎上で長剣を抜いても、届かない距離を保っている。
ならば。
俺は弓を降ろし、弓手に構えた。
いまの膂力を十二分に生かせるほどに、剛弓と呼べるシロモノだ。
まさか街中で使うとは思ってもみなかったが、念のため出る前に弦だけは張っていた。
問題は、ただ一つ。
「・・・当たるのか?」
458 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/12/19(火) 23:36:32.30 ID:I+ABihId
今夜の投下は以上です。
みなさまの投下、とても精力的で頭の下がる思いでいっぱいです。
普段は眺めてばかりですが、私、とても楽しませていただいております。
私も拙い文章ですが、久しぶりに投下しようと思います。
船には私以外に3人の冒険者が乗っていて、暢気に釣りをしていた。
船乗りたちも手馴れているようで、さっさと荷造りを終えると各自の持ち場に戻っていった。
一人が私へ手招きをする。仲間が指をしたたかに挟んだらしいので治してくれとのことだった。
それくらいの傷でわざわざ魔法に頼るのは魔法があるからなのだろうか?
女神さまも大変ね、と見当違いな同情をしながら指を挟んだという男のケガの様子を見た。
指が本当に潰れているのがよくわかった。このままだと切り落とさなければ危険なのだろう。
よくみると私を招いた男の手も、指の1本が満足な長さではない。荷物運びも大変だ。
私が白魔法で治療を終えると、男たちは私にとても感謝していた。普段は直らないそうだ。
悪い気はしなかったが女神の力なので女神に感謝しておいてね、と諭してお茶を濁した。
持ち場に戻る男たちの一人から、船乗りとしては女を乗せるのは反対だった、と教えられた。
なんでも迷信の中に、女性に酷い目に合わされるのが色々とあるらしい。
私は男女差別は好きでは無いけど特に気にする方でもないので、頷くばかりだった。
3時間ほど経過して「大物が釣れた!」と冒険者の一人が大喜びしていた。
見せてもらうと、たしかに迫力のある大きな魚だった。滅多に釣れないそうだ。
私はヴァナディールでも現実の世界でも釣りには興味は無かったが、素直に「おめでとう」と言った。
マウラにつくころになっても海賊は出なかった。私は賭けに勝ったような気分だった。
帰りのことを考えると少しうんざりしたので、船員に帰りはいつかを尋ねると、明日だと言われた。
日帰りだとばかり思っていたので騙されたような気分だ。
船長は船員と同じ宿を取ることを提案したが、私は自腹で個室に止まることにした。
とても腕の良い料理人がいるらしく、宿の料理の味は最近の料理では最高の味だった。
私は満足して寝た。途中で昼間に治した船員がお礼を言いに来た。悪い気はしない。
その船員の話だと明日の積荷は少し高価な品や危険な品が多いらしい。
海賊が来るかもしれないので、その時はよろしく頼む、とのことだ。
私は刃物の扱いは料理以外はさっぱりだし、運動は昔から得意ではない。
この『魔法』という得体の知れない力は人並み以上にありそうだけど、それより他に頼るものはない。
もし海賊が来たらやれるだけのことはするつもりだ、というと、船員は満足そうに帰っていった。
私に何ができるのか、私自身がよくわからない…。
次の日の朝、朝食を済ますと船はマウラから出向した。
昨夜の船員の言うとおり、昨日とはうってかわって空気がピリピリしていた。
仕事をしていたころも何度か味わったことのある空気だ。こういうときは黙っていた方が良い。
1時間、2時間…ゆっくりと船は進んでいく。1秒1秒が、とても長く感じる。
3時間が過ぎた頃、船員の一人が遠くを指差して大声で叫んだ。
「ボロ船が近づいてくる!海賊だ!海賊が、こっちへ来るぞ!」
私は、気持ちの良い青空と日差しの下で嵐にあったような気分になった。
この場を切り抜けられるならどんな神でもいい…無事に帰れることを祈らずにはいられない。
以上です。ちっともスタイルが繁栄されて無い気もしますが…
クロニクルが発売されましたね、と一部の人にしかわからないことをいって失礼します。
私は買ってません…Dも、もうずっと遊べてませんし。
>>453 純粋に寝ながら女の子の顔を見上げるというシチュエーションは羨ましい限り。
つかバレ(俺の本編の主人公として指す)は既にそれ叶えてるんだよな…。
よしじゃ不幸のどん底とかに叩き落そうかいやなに獅子は自らの子を千尋の谷に落として鍛えr(ry
勢いでやってしまったりその裏に事情があるならもったいないお化けも許してくれると信じてる。
>>458 >>逃げようとする人ごみ。
一人だけ、流れに逆らって飛び出したエルヴァーンがいた。
そんな奴は二種類しかいない。正義の味方か、悪党だ。
いや、財布落としたりなんかしたうkk(ry
失礼しました。
>>463 海賊…か。もおそれはばっちりですよ!!(何が?
んでは投下させて頂きます。
FF11をプレイしていると辻褄が合わないことに遭遇する。その一つが『エリア間の空白』だ。
地図で見ると確かにある無視できないはずのその『空間』。通常、プレイヤーはその空間には何故か入れない。
例えば個々のモーグリハウス入室までのタイムラグ。
例えばバルクルム砂丘〜ラテーヌ高原間の切れ目、又はロランベリー耕地〜パシュハウ沼間の切れ目。
例えばジュノ入国直前の長い長い橋。
ヴァナ全体を全てを把握してるわけじゃないから本当はもっとあるかもしれない。
もちろんそれは処理能力の限界を緩和させるためであり『あるはずの空間』をハショってサーバーの容量を節約しているからなのだが。
CGのリアルさを追求するとその分処理がガチガチになる、
その『丁度いい具合』のところを例外を除き常時保っているFF11は結構どころかかなりすごいかもしれない。
だけどそのあるはずの『空間』は確かに存在し、ヴァナ住人は普通に行き来している。
だから、この世界に取り込まれた俺たちもそのリアルの事情云々関係なく『その空間』に入ることができる。
そして俺たち『来訪者』にとって『安全区域』にもなるのだ。
〜ウィンダス連邦内『森の区〜ウィンダス港間』 そのエリア空白空間〜
「ウィンダスって結構…広いねぇ…」壁に寄りかかって座っているサニーは息をついていた。
結構どころかとんでもなく広い。各区のモグハウス前にいるカーディアンにウィンダス連邦全体図を見せてもらえば分かるのだが
各区の移動通路は長い、本当に長い。こんなの「ME知らなかったyo!!」ってくらい長い。
じゃあ、「冒険者」はどうしてるのかというと軽く「ワープ」みたいなものをしているらしい。本当にこのエリアを無視しているような。
そうだとするとどうか?
じつはこれ、結構有難い話なのだ。
街中で話をするとどうしても近くを通る『冒険者』に話の内容を聞かれてしまう。
チャットモードを自在に変えることが出来ないから当然といえば当然なのだが、そうなるとマズい話になってしまう。
初期の頃『say』(自分を中心とした一定距離の円形範囲に居るプレイヤー全員に聞こえるメッセージを発信するチャットモード)で
話すということはあまり特別なことではなかったらしいが、昨今この『say』で話すことは大抵の場合気に入られていない。
ログの消費を嫌う人が増えてきた、
話の内容が話す人寄り、
話したきゃ『tell』(相手と直接話す)『LS』(リンクシェルと呼ばれるアイテムで会話する)で話せ!!etc...
人それぞれの主張事情状況気分などは『say』を使っている本人には関係ないから嫌う人がいるのは事実。
で、運が悪いと変に親切な人が注意をしてくる。「sayで話さないで下さい」と。どうやって? 普通に話しかけてくる? 違う。
『tell』で詰問するのだ。
またこの『tell』で話かけられると相手がどこにいるか把握できないばかりか、頭の中に響くためあんまり気分がいいものではない。
だからといって無視は出来ない。繰り返し『tell』を送ってくるのは解りきっている。その選択肢は俺たちにはないのだ。
じゃあ、それに答えるために俺たちはどうするか?
『tell』は使えない。あのチャットモードはテレパシーにも似たものらしい代物でどうしても俺たちには使えない。
『say』で返すしかない。そうなると「親切すぎるそいつ」らは『say』をするなと注意をしているのに
『say』で返しやがった! 失礼千万!! だと思うに決まっている。そうするとどうなるか?
『調べら』れる。体全体をねめまわすような恐怖すら感じるあの視線。ゲームプレイ中の気分の悪さとは比較にならない。
それでなくとも話の内容が一般的に普通に『アブナい』内容のため、普通に調べられる確率は普通よりも跳ね上がる。
それ以前の問題、日常的に『調べ』る可能性のあるプレイヤーがいるエリアにはあんまり居ていたくはない。
結果論、一般プレイヤーが立ち入れない『空白空間』は俺たちにとってモグハウスの次に重宝する『安全区域』になるってわけだ。
「…や、こんなところでなにしてんだ?」一人のタルタルが話しかけてきた。おおきなカゴを背負っている。
「いや、ちょっと疲れちゃって…」「『冒険者』は丈夫だと聞いていたが? ハハッ、まぁここは静かだからな。」
グッとカゴを背負いなおす。中のものが揺れる。ふと香りが漂った。「もしかしてウィンダス茶葉ですか?」サニーが聞いた。
「ああ、サンドリアに送るものでね。土壇場になって量が足らないったもんだ。追加分だよ。」
「そうか、大変だな。」「まったくだ。…おお、急がないと送れちまう、じゃあな。」俺たちの前を通り過ぎる。
(あ、そうだ。)なにげに背に声をかけた。「『川に気をつけて』。」カゴ背負いが振り返ってニヤリと笑った。
「冒険者に言われたのは初めてだな。『ありがとう、川に気をつけるよ』。じゃな。」
「…なにか意味があるの?さっきの言葉。」カゴ背負いの後姿が消えるまで見送ったあとサニーが聞いた。
「ああ、港の船までにいくのに途中、川を渡らないといけないんだけどその川の名前が『紅茶川』っていうんだ。」
「?どういうこと?」「それが昔さ…」
サンドリア王国、狩王ドルミリックの時代に空前の紅茶ブームが起こる。王が茶道なるものを愛したからだ。
当時周辺で茶葉が栽培されていたのはウィンダス連邦のみ。必然的に茶葉の価格は高騰することとなる。
サンドリアの貴族たちはタブナジア候国経由のウィンダス原産の葉によって作られた紅茶を絶えず楽しむことができたが、
茶葉不足によりウィンダス庶民は緑茶を飲めないようになってしまった。
そんな中、高騰する茶葉に目をつけたタブナジア候国は南方の諸国の茶園と契約し茶葉の大量生産に着手。
当然の如く価格は暴落。ウィンダスには捌ききれないほどの大量の紅茶の在庫ができてしまい、破産する茶園も出てきた。
ここにきて緑茶が飲めない庶民と破産した茶園の怒りが爆発。徒党を組み「緑茶を知らない王に紅茶を語る資格はない」と歌い、
王室献上用に大切に醗酵させた高級茶葉を全部モモロ川に投げ込んでしまった。
それを伝えた聞いた王は彼らに謝辞し以後ウィンダス産を高級茶葉と認定、大切にさせたといわれる。
さて、そのとき紅茶を投げ込まれたモモロ川はしばらくのあいだ紅茶色に染まったままだったといわれる。
このことから、この川はモモロ川改め『紅茶川』といわれるようになったそうな。
「そのことから、あの川を渡る茶葉が『二度と』川に落ちないようにああやって注意していくのが広まってんだ。」
「へェ…」関心したような顔したような顔した後、サニーがニヤ二ヤと笑った。「…なんだよ。」
「なんかウィンダスの人たちと馴染んでるなぁって。」「…それって褒め言葉?」「当たり前じゃない。」
腕を前に伸ばしながら「だからかな、なんかバレの傍にいるとホッとする。」「………」
ニコッと笑った。「ホント子供みたいで!」(…へーそうですかい…って俺23って前言ったよな?確かに言ったよな?)
まぁ、そっちのほうが『ある意味』助かるんだが。
――――――
「…なぁ、サニー」「なに?」サニーの前に座りなおす。「俺たち、今どこにいるんだろう?」
「どこって…ヴァナ・ディールでしょ?」首を振った。「違う、現実世界から見てこの広大な世界はどこにあるんだろう?」
「ゲーム…の中の世界はどこにあるか?ってこと?」
もし仮に『現実世界で』この手の質問されたら俺はこう答える。「ヴァナ・ディールはweb上全体に薄く広がっている」と。
ヴァナ・ディールは■eが所持するサーバーに存在するのではない。それは世界を支えるいわば『柱』。
古代インドの天空図みたく地を支える象や蛇、亀みたいなもので崩れればその世界は崩壊するが、それ自体が世界ではない。
プレイヤーの持つPS2やPCにインスコされたデータもヴァナを構成するものの一つだ。
故にヴァナはインターネット全体に広がっているともいえる。だがそれはあくまでここに来るまでの『答え』。
いまは違う。
一息つきまっすぐサニーを見た。
「…ここはゲームの中の世界ではないかもしれない。」
サニーが息を飲んだ。
その理由ひとつ、ゲーム画面中では『存在しなかった』ものがたくさんあること。
ふたつ、NPC(操作する人がいない、謂わば抜け殻のキャラ)が表情豊か且つ行動的だということ。
みっつ、今いる『空白空間』や入れないはずの場所に俺たちが入れること。
どれもプレイしているときにはなかったことだ。そして現実問題としてあり得ないことばかり。
ぶっちゃけ本気で危ない考え。ゲームはゲーム、いくらCG技術が発達しリアルの極限まで達したとしてもそれはあくまで『作り物』。
現実世界とは相容れないものであり、ファンタジー世界とごっちゃにしようとするのはそれだけでリアルでは一般的に
『危ない人間』だと認識される。だからこそ俺たちは一般プレイヤーに事を明かさない。
冗談と受け取られるだろうし(よくてRPと捉えられるだろう)、度が過ぎるとBL追加、下手をするとGM通報。そして
垢バンされるかもしれない。
それはつまり、俺たちが『消える』かもしれないことを意味する。
確信はない。俺たちは『生きている存在』で『PC上のデーター』ではない。■eの一存で消されるなんて笑えない冗談だ。
が、またそれにも確信はない。情報が少なすぎる。俺たちが『どこかにあるヴァナの世界に降り立った』のか、
『■eが作ったゲームの仮想世界に取り込まれたのか』、そのどっちかで俺たちの運命は大きく変わる。
だけど俺がこれまでに、ここで経験した事柄を色々踏まえるとどうも『どこかにあるヴァナの世界に降り立った』
という可能性をどうしても否定できない、そしてそれを肯定してしまうんだ。
「…ちょっとそれ、矛盾していない?」「へ?」
「もし仮にここがゲームの世界じゃないと仮定して、なんで一般プレイヤーがわんさかいるのよ?
■eが作った世界じゃないならプレイヤーがいるはずないし、そもそもアカウント剥奪なんて心配ない。
ここはゲームの中の世界だという証拠じゃない?」
「だったら、NPCの存在はどうやって説明するんだよ?俺あんなに流暢に話す奴ら見たことないぞ!」
「AI(人口知能)でしょ?今の技術ならある一定の受け応えにきちんと答えられるAIはあるし、もっと高度な…」
「その高度なAIを■eが開発して、たかがオンラインゲームに告知なしに何時の間にか実装してたっていうのか?」
「誰も■eが開発したなんて言ってないじゃない。外部の機関なんかが開発…あのね、バレ。」
「…なんだよ」
「ヴァナの住人がまるで生きているかのように話すようにするのは決して不可能なことじゃない。限られた話題で会話する限り、
AIは生きている人間のように振舞うことができるのよ。」
「その話題を外れたとしたらどうするんだよ?一発でわかるぞ。」
「オウム返しすればいい。」「オウム?」サニーは頷いた。
「相手の文脈やログ(記憶)よんでそれをオウム返しするみたいに返すこと。そうすると相手がね、
後で勝手に話を続けてくれるから、AIはそのまま話に合わしていけばいいのよ。」
「!!」
『あんたこの前確かここで乾燥マジョーラム買っていったよね』
「…心辺りがあるでしょ?ここは間違いなくゲームの世界よ。」
「……」「お腹すいたね、なんか食べよっか。」
「…そうだとしても辻褄が合わないことがある。」ゴソゴソと自分のカバンを探しているサニーの手が止まった。「…なに?」
「ゲーム上の設定とは違うことがヴァナ住人に広まっている。…クリスタル大戦は20年前に終ったんじゃない。」
彼女が一瞬虚を突かれたような顔をしたがすぐに元に戻した。
「当たり前じゃない。ゲーム中の24倍速の時間がここでも適用されるなんて考えないわよ。ええとサービス開始直後の設定だとしたら…
うん、23年前でしょ?」
「違う。大戦が終ったのはもっと前…8年前なんだよ。」
「え…?」
心なしか風が強く通路を吹きぬけた。
〜数日前 ウィンダス連邦 水の区 Ensasa's Catalyst Shop〜
「ねぇ、あんたら『冒険者』ってなんなんだい?どこから来たんだい?」
ウィンダス茶が入っているコップからゆっくり顔を上げた俺の目の前にはキセルを手に真剣な眼をしたエンササさんがいた。
自分で改行ウゼェと思ったが後の祭り。
読みやすくしようと思ったのに…。
さぁ!!皆さんも自分の世界を切り開いて謎を解き明かそう!!
わっふるわっふる
481 :
既にその名前は使われています:2006/12/20(水) 02:24:27.95 ID:MI0dw/mI
age
482 :
既にその名前は使われています:2006/12/20(水) 08:18:11.92 ID:RE3JNCbn
age
ざ。と足払いを食らい、わずかに姿勢を崩した。その隙を打って剣が首筋を掠める。
「勝ちだ」
黒髪の兄弟に微笑み剣を収める。周囲の見習い騎士たちからは、驚嘆と畏敬の視線がふたりに向けられていた。
模擬戦と言えども、開始の合図も終わりの合図もない。剣を抜けば開始で、相手を『倒す』のが終わりだ。
相手が構えるのを待つお上品な戦いばかりに慣れた見習い騎士たちには、いっそ卑怯に見えただろうか。
だが、こちらが支度を終えるのを待つ敵もいまい。
兄弟が剣を収めるのを確かめ、さて見習い騎士たちに指示を出すかと踵を返したその時。
「ッ!?」
不意にタックルを食らい、姿勢を崩して地に伏せる。一瞬、誰かが白墨で記した『保守』の落書きが見えた。
「お前はもう死んでいる」
「・・・お前な」
鞘に収められた剣を背に当てられ呻く。
確かに彼は王手をかけたが、『倒した』というチェックメイトは宣言していない。
・・・でも、これは反則じゃねぇか?
不満はあったが、けれどぽんぽんと頭を撫でられ、まあいいか、と思い直した。
ずっと無表情だった兄弟が、笑っている気配がした。
保守ネタとは関係ないけど、『もったいない』は2004年のノーベル平和賞を受賞した方が掲げる理念だそうです。
『もったいない』という意味の言葉でなく、そのままMOTTAINAIを使っているとか。
484 :
既にその名前は使われています:2006/12/20(水) 11:15:24.70 ID:b/lWvI9L
さすがに気持悪い。
他人のクソ垂れ流しスレなんて見るんじゃなかった。
485 :
既にその名前は使われています:2006/12/20(水) 11:23:40.89 ID:RE3JNCbn
お気の毒。
このスレはあと一年くらいたったら確実に黒歴史ノートになる
そこがいいんじゃねーか!
487 :
既にその名前は使われています:2006/12/20(水) 16:12:39.71 ID:gfxeAEu+
ものっそい勢いで保守
488 :
既にその名前は使われています:2006/12/20(水) 18:32:26.48 ID:uGBWif5f
「じんぐるべ〜る♪じんぐるべ〜る♪」
舌足らずに歌う少女を一瞥する。一節ごとにしっぽがピコピコと揺れていた。
「おねーさんのおうちのくりすとふ?って、どんなのかにゃ〜?」
「クリスマスだ。面白くも何ともないぞ。男が女にものをねだられるだけだ」
「にぅ・・・プレゼントですかにゃ?」
「多分な」
あくまで、女性はもらう側。な気がする。同僚はレストランのグレードやもらうものの値段を気にしていたし。
・・・私はもらったことなんかないけどね。仕事はよく押しつけられるけど。
自嘲気味に笑い、少女の耳をちょんとつまむ。
『保守』の刺繍がされたリボンをつけたしっぽがぴくりと跳ねた。
「おねーさん、どうかしたにゃ?」
「いや」
同じリボンをつけた手首を撫で、シャポーのつばをつまんでさげた。
「はいですにゃ♪」
不意に差し出されたクッキー。
「おねーさんに、すとらいふのプレゼントにゃ〜♪」
バレリアーノ一座で売っているものだ。今は期間限定で赤と緑のリボンをつけている。
それは彼女が少女に買ってやったものだったが。
「クリスマスだ。・・・ありがとう」
微笑み、包みを受け取った。
>>453 クリムゾンゼリーみたいな高級品をおじゃんにしたら不意だまヘきシャでカカッとバストア海にしずめる自信があります
>>458 相変わらずスピード感があって読んでてワクワクします
うちの鈍足チョコボは野菜を食べるばかりでホイッスルを使っても歩いているようにしか・・・orz
>>463 海賊がきたら白にできること・・・そこでテ・レ・ポですよ!!!w
>>480 ええと・・・つまり・・・・・・犯人はカゴを背負ったタルタルですね!!
続きが気になります(*´д`*)
では、私も投下します
この世には厄日というものがある。例えば今も思い出す一番の厄日は高校二年のある雨の日だ。
強風にあおられ傘は複雑骨折し、濡れながら登校。保健室にタオルを借りに行くと先客達でごったかえしており、
濡れたタオルしかないという状況だった。購買部の名物パン、プリンパンは売り切れていて、
ロッカーに入れておいた置き傘は何者かにパクられ、凹みながら帰ると車に水溜りの水をぶっかけられ、
さらには濡れた階段で足を滑らせ尻餅をついたあげく足を捻り、
痛みに耐えながら家に帰ると誰も家に帰っていない。
そんな日に限ってキーホルダーを忘れていて玄関で凍えながら30分ほど待ちぼうけを喰らい、
翌日には見事に肺炎になって人生初の入院を体験する事になったあの日・・・。
ああ、さらには夕飯が苦手なカキでご飯とお味噌汁と野菜だけの夕飯だったんだっけ・・・。
何故こんな日のことを思い出したのかは分からないが、正体不明のモヤモヤした不安が妙に心をざわつかせた。
「それじゃあ、あたしはユファファと一緒にオファーに行ってくるね〜。モグハウスで待っててね〜!」
「うん、行ってらっしゃい。」
「ユリの事は任せるクポ〜!」
リポケケが私をモグハウスまで送り届けた後、そう言っていずこかへ行くのを見送って、
私はモグタンとテキパキとお茶の準備を始めた。
バンッと荒々しく扉が開いたのはそれから数十秒とたたないうちだった。
「・・・ユファファ?」
失礼な話だとは思うけれどこんな男らしいドアの開き方をするのは彼女しか思いつかなかったので、
彼女の名前を少し驚きながら口にして玄関に目を向けた。
玄関に立っているのは顔の左上から右下にかけて巨大な傷跡がある、筋肉でゴツゴツした高齢のガルカだった。
そしてその影には見覚えのあるひょろりとした男。先ほどユファファにのされた狩人がいた。
「な、何のようですか!?」
あわてて手近にあった武器になりそうなもの、おたまを握り締め二人を睨み付ける。
失礼な行動だとは思ったけれど、言葉では上手く説明できない『悪意』というものがヒシヒシと伝わってくる。
「モグタンの知り合いの方ですか?」
「モグにはあんなごっつい知り合いはいないクポ!」
どうやら違ったらしい。分かってはいたけれど。
「お嬢さん。どうやら俺のファミリーにずいぶんな事をしてくれたぁらしいじゃねぇかぁ・・・。」
ゴツゴツしたキズモノガルカ・・・ちょっと問題があるかなこの言い方。傷ガルカが私をギロリと睨み返した。
ずいぶんな事をしたのは私じゃなくてユファファなんだけどな・・・。
そう思ってもそんな事は言えないし、相手はとても面と向かって話せるような穏やかな顔もしていない。
私は睨み返され思わず視線をそらし、近くでパタパタと羽ばたきながら汗を垂らしているモグタンに目を向けた。
「・・・モグタン、どうしよぉ。」
「モグに聞かれても困るク・・・ユリ!!危ないクポ!!」
ドン!とモグタンに突き飛ばされ、ゴン!と音を立て彼に押し倒されるような形で床に倒れこむ私。
後頭部を強打して一瞬意識が別の世界へと飛んで行く。
「モ・・・モグタン?」
上半身だけを起こしながら、彼を抱きかかえるとぬるりとした温かい何かが手の平をぬらした。
思わず手の平を見る。血で濡れていた。
彼の背中には一筋の血の後があった。まるで何か鋭いものがかすったかのような。
「モグタン!大丈夫モグタン!?モグタン!!!!?!?」
ぐったりとした彼にほとんど悲鳴に近い声をかけ、必死にゆする。ゆすってもゆすっても、
彼は動かない。息はしているのに、温かいのに少しも動く事は無い。
「モグタン!・・・モグタン?・・・モグ・・・タン??」
まさか・・・モグタンが・・・死・・・違う!絶対違う!!モグタンは絶対死なない!!絶対に、絶対に!!!
「・・・うへへへへ〜ええじゃないかええじゃないかクポ〜。」
間の抜けた声が涎を垂らしている彼の口からほわほわと漏れる。
「モ・・・モグタン?」
不意打ちで幸せそうな寝言を捕らえて思わず思考が停止してしまう信号を脳に送った長い耳が、
かすかな寝息のようなものも捕らえた。
「いいモーグリじゃぁないかぁ・・・。主人をかばって怪我をするだなんて。」
やれやれといった表情で、指の関節をバキボキ鳴らしながら大またで傷ガルカが私に近づいてくる。
「あなた達がっ!あなた達が怪我させたんじゃないですか!!白々しい!!!」
怒りのあまり頭の中が真っ白になった私へ言葉を投げかけるかわりに、
カシャンという乾いた機械音が響き、肩の辺りに衝撃が走った。
痛みはあまり感じなかったけれど、何か柔らかい物で頭を殴りつけられたような感覚と酷い眠気が私を襲った。
意識を失う直前に目に入ったのは、傷ガルカの後ろでボウガンにスリプルボルトを装填しているニヤついた狩人の姿だった。
なんだか、今日は嫌な事ばかり起こりそうな、気が滅入る予感がした。
以上になります
迷惑だとは分かっているけれど、保守ネタ見たさにsageておきますw
495 :
既にその名前は使われています:2006/12/20(水) 21:10:04.67 ID:7TtjcTQF
「装備変更がしたい?」
紅いキモノ系装備を着込んだ男が問い返すと、漆黒の鎧に身を包んだ
全く同じ容姿の男が頷いた。
「あぁ、こっちではどうやったらいいのかさっぱりで・・・」
「それなら簡単だ、冒険者端末のメニューからマクロの項目を選んで
着替えるマクロを作ればいい。便利な物だな、自動で支給品の鞄から装備
を転送して入れ替えてくれるらしい」
「ほほー」
ぽちぽちと適当にいじっていた男が、「保守」とタイトル付けたマクロの
ショートカットボタンをぽちりと押した。
「――――で、だな・・・支給される物には全て意味がある。わかったか」
「はい・・・」
部屋の中央に、トランクス一丁の男が正座している。男は支給品の肌着を
「ダサイ」という理由で身に着けていなかったため、装備品の転送が上手く
いかず丸裸となっていた。
「絹を裂くような男の悲鳴!事件か!?」と叫びながら一階に居たらしい
リンクシェルの俗に言うユウナフェイスのヒュームの女性が飛び込んできたり
もしたが(ここはリンクシェルメンバー共同の住処なので、割としょっちゅう
ある)、彼らは無かったことにしたいらしい。まるで映画かドラマのテイク2
496 :
既にその名前は使われています:2006/12/20(水) 21:11:26.06 ID:7TtjcTQF
のように、突入前にもしたこの問答をやり直した。
「うぅ・・・もう嫁に行けない・・・」
「行くつもりだったのか、というかそれはワタシのセリフだっ!!」
キモノ系装備を着込んだエルヴァーンの拳骨が、今は丸裸の男の頭蓋に鈍い
音を立ててクリティカルヒットした。
そろそろ、フルキフェルさんたちの保守も見れないかとwktk。
何だこのスレは
邪気眼力5万・・・13万!
上昇してるだと?!馬鹿な!
このスレの住人は邪気眼力を自由に操作できるというのか!!
498 :
既にその名前は使われています:2006/12/20(水) 21:29:13.06 ID:MI0dw/mI
V / / _,, ァ=ニニ:} _
.V /,.ィ"f= <r'ニ三{ |_ ┐ _l_ l
'vf^<''" 弋z.ミ'テtフ |_ Х □_ 匚 L | У
〉!ト _ i{ ´ ̄r' =|'
./ェ゙‐ェi. 、__`_ヤ ( その通りでございます )
./iュ.Hヽ.、 ゙,ニ/
-^ ー'-.、,i._`ヽ,.仁リ
ー - .、 /、
最近流行のサルベージ
>>497 お前はこのスレで目にした邪気眼の数を覚えているか?
501 :
既にその名前は使われています:2006/12/21(木) 00:54:29.73 ID:QgqIAXqA
これが普通の状態だろ "ボウッ" これが超邪気眼
そしてこれがさっき見せた超邪気眼を超えた超邪気眼・・・超邪気眼2ってとこかな
そして・・・・・これが・・・・・ さ・・・さらにそれを超えた・・・・・・・・(中略)・・・・・
・・・これが超邪気眼3だ
時間がかかってすまなかったな まだこの変化に慣れてないんだ・・
俺に乗馬の経験はない。ひるがえせば、騎乗といえばチョコボしかない。
古来より武を以って覇を唱えてきたサンドリアのそれは、騎乗戦闘の技術をも含む。
全力で走るチョコボから矢を射るすべも、当然叩き込まれている。
無論その技術は、一朝一夕で身につくほど生易しいものではない。
と、いいつつ、誰でも得手不得手はある。
俺は騎乗には自信があるが、弓術の腕前は並のレベルだ。
「数撃てば・・・だ」
わざわざ合わせるまでもなく、俺とチョコボのリズムは一致している。
激しく上下左右に揺さぶられる体の動きを、さらに鐙で踏ん張り安定させた。
それぞれの指の間に矢を掴む。
横射ちに構えた剛弓に、計三本の矢をつがえた。
キリリリリ・・・ッ。
渾身の力で引き絞り、弓が、弦が鳴いた。
無茶は承知。
チャンスは一瞬。
決死の意識を集中することで、ピタリと射軸が止まったように感じる瞬間がある。
どんな悪条件下であろうと、その時、矢は自然に弓から放たれる。
かつて、俺はそう叩き込まれた。
503 :
既にその名前は使われています:2006/12/21(木) 01:24:55.40 ID:Nl9+QNuU
==_/ _,, ァ=ニ⌒: つ +
っ .V ,.ィ"f= <r'ニV =? イ [ コ 「 ̄フ
== 'vf^<''" 弋z.ミ'テtフ I フК 寸 ̄
〉!ト _ i{ ´ ̄r' =|'
./ェ゙‐ェi. 、__`_ヤ ( 保守でございます )
./iュ.Hヽ.、 ゙,ニ/
-^ ー'-.、,i._`ヽ,. リ
ー - .、 /、
サイクス=バストゥーク:フェイト ドライ
(天晶暦???-)
僭越ですがリード様。
正々堂々を正面突破を是とするサンドリアの騎士には、
砲術はまだしも個人携帯の飛び道具のスキルはありませんよ?
あるとしても私のような卑しい赤魔道士や傭兵だけですね。
当たるはずがないと読んだのだろう。
仮にこのまま懐に入られても、無意味に弦から手を放せば酷いことになる。
黒革鎧のエルヴァーンは、変わらぬ速度で並走しつつ、じりじりと間合いを詰めてきた。
チョコボは民家の建ち並ぶ区画を通り抜けようとしていた。
男を挟んだ通りの向こうには、マーブルリッジの酒場が見える。今日は何の限定だろう。
街の終端を示す見上げんばかりの石門まで、そうはかからない。
歯を食いしばった。
身体を這うように刻まれた黒紋が、苦痛を伴いながらその存在を増していく。
引きかえに全身を駆け巡る、限界を超えた膂力。
常人なら引くだけで精一杯の剛弓が完全に形を変えるほど、さらに、さらに反発力を蓄える。
刹那。
己と、的と、世界が止まったように感じた―――放つ!
ドン!
およそ弓矢には似つかわしくない、衝撃波のような音がこだました。
三本の矢が、横並びに、しかし予想外に軌道をズレつつ放射状に飛翔した。
ぱっ、と、あたりに赤い霧が舞う。
男の体が、疾駆した勢いそのままにもんどりうって石畳を転がった。
右上半身が、跡形もなく消えていた。
505 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/12/21(木) 01:51:52.13 ID:cgiYceJU
今夜の投下は以上です。
>>464 財布を落とされただけのうっかりさんが、大変な事になってしまいました。
書き手様それぞれの世界観に、わっふるがとまりません。
続きを楽しみにしております。
>>489 ありがとうございます。
このチョコボは一体何者で、どうしてここまで忠実なのでしょうね。
ジンジャーと蜂蜜を入れた茶をカップに注ぐ。
洞の隅を見やると、毛布にくるまった少年が、うつらうつらとしていた。
ラテーヌ高原は雨が多い。分かっていたはずなのに、軽装でよいと判じたのは彼の誤算だった。
さらに間の悪いことに、オークに襲われチョコボを失し、その際に怪我を負ってしまった。
サンドリアまでは遠くはない。だが、夜と言うこともありしばらくは動けないだろう。
「・・・・・・」
少年の唇から小さな声がこぼれた。頬が赤く、呼吸も少し荒い。
幸いここまでは獣も来ない。火を焚いても難がないのは幸いだった。
衣服を乾かすにもちょうどよい。濡れた黒髪を手荒く払う。
しばらく事務屋に専念して勘が鈍ったかと自責していると、
「・・・を」
譫言を口にする。
「保守、を・・・」
ややハスキーな声がかすれて繰り返す。
溜息をつくと、手甲をはずして少年の頬を撫でてやる。熱に浮かされているその頬はひどく熱かった。
カップに口を付けると、熱い塊が腑に落ちていく。
雨はまだ、やみそうにない。
E・D・F!E・D・F!
うおーい!!スレにレスついてねえ思ってたらこんなとこにミスしちゃテルヨオオオオオオオオ!!!
やっと木曜日来た!
魚親ああいまからかいいくぜこんちくしょうめが!まってろよミドリメ、ボコボコにしてやんよ!
510 :
既にその名前は使われています:2006/12/21(木) 12:01:47.13 ID:7y6vAiFA
考えてみたら、ラテには駐留している隊が・・・保守ネタでミスるな自分orz
>>507-509 まあ、その・・・落ち着いて(´・ω・`)
落ち着け俺
512 :
既にその名前は使われています:2006/12/21(木) 16:22:31.64 ID:iXcKRLYr
ぼじゅ
513 :
既にその名前は使われています:2006/12/21(木) 16:39:09.34 ID:AmNgdw6v
うめ
514 :
既にその名前は使われています:2006/12/21(木) 17:18:30.73 ID:iXcKRLYr
はやっ
515 :
既にその名前は使われています:2006/12/21(木) 21:15:36.32 ID:G4K/wcZd
ほっしゅ
(363)
取りあえず、気にしない振りをして領事館へと足をすすめる。
ドアに手をかけようとしたあたりで、足音が遠くのほうで止まったのに気が付いた。
「こんにちは!サンドリア領事館へよ… って、ルーファスじゃない」
ラディールの声を聞きながら、ドアを閉める間際に後方を確認する。石塀の影に、先ほどのミスラがこちらを見ているのを確認できた。
そのままドアを閉めて、ラディールに軽く手を上げて挨拶する。
「よぅ、おはよう」
「おはようじゃないわよ… もう昼だって言うのに」
俺が軽くニヤリとして見せて、それに返すように彼女が両手を挙げる。それから目配せで奥に用がある事を伝えてから受付の裏側へと回った。
そこには案の定公務に勤しむ爺さんと、椅子に座ったままのほほんと紅茶を啜っている領事の姿があった。
爺さんは俺の姿を認めると立ち上がって一礼し、また席について書類を処理し始める。
「今日のところは、君に与える仕事はないと言ったはずだが」
そう言ったのは領事だった。
「えぇ、一応ご挨拶に伺っただけです」
返答が不満だったのか、領事はつまらなさそうな顔をして手元のカップに視線を落とした。
申し訳ないが、昨日の今日でさらにこの人の暇つぶしに付き合うつもりはない。
(364)
領事に一礼をして、そのまま来た場所から反時計回りに移動しつつ爺さんの方をポンと叩く。
爺さんは何の反応もせず、俺はそのまままた受付側に回ってラディールに微笑みかけてからドアを開ける。
ドアを開ける音に反応するように奥で椅子が動く音がした。
石塀の影に相変らず先ほどのミスラがいるのを確認して、玄関口を降りてから敢えてそれに背を向けて立つ。
やがて、爺さんがドアから出てきてこちらに歩み寄ってきた。話が早くて本当に助かる。
「どうかいたしましたか?」
近くで見てみると目元に若干の疲れが見えるような気がする。如何な爺さんと言えど流石に堪えているはずだろう。
「視線を動かさずに聞いてくれ。岩壁からこっちを見てるミスラ、見覚えはあるか?」
「…ございません」
少し考えるような仕草をしてからあっさりとそう言う。だが、その後に難しい顔をしてからこう繋げた。
「いやしかし、これはもしやすると坊ちゃまの策が当たったのやも知れませぬな」
黙ってその言葉に頷く。
やや間が空いて、俺は少し大きめの声で辺りに聞こえるように口を開いた。
「これからちょっと紅茶でも飲みに行こうと思うんだが、一緒にどうだ?」
「かしこまりました。では少しばかり時間をいただいてまいります」
爺さんがそう言って再び領事館へ入って行ったのと、背後の気配が消えたのが同時だった。
518 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/12/21(木) 21:55:06.22 ID:2FJlQbma
以上ですage
年末で随分落ちるのが早いですね…
>>510 駐留してる場所からも遠いのだろうと勝手に脳内変換してたのでノープロブレム。
保守お疲れ様です。
残り二本の矢は豪速の勢いそのままに、あらぬ方向へと飛んでいった。
一本はあさっての方角へ、どこまでも上昇し続け、空のかなたに消えた。
もう一本は、マーブルリッジの古びた樫の扉に激突した。轟音とともに粉砕された破片が吹き飛ぶ。
エルヴァーンの男だったモノは、呻き声すら上げられず、残った手足をただガクガク、ガクガクと痙攣させた。
それらすべてに一瞥すらくれず、チョコボは駆けた。
ただまっすぐに、街の出口を目指して。
「止まれ!」
ジュノ警備隊員が、制止の声を張り上げた。ガシャリと帯剣を抜く。
凛々しい鋼鉄鎧で常に門近くに待機している彼は、騒ぎを聞きつけて駆けつけたのだろう。
警備隊員の振るう剣は、公的権力の行使を意味する。
彼らに逆らうことは、すなわちジュノ大公国を敵に回すことと同義。
「と、止まれッ!」
重ねて、彼は警告を発した。
これで停止しなければ、その剣は制裁の力として容赦なく振り下ろされるだろう。
そんな人間の事情など意に介さず、ぐん、とチョコボは姿勢を低くして―――跳んだ。
あっけにとられた警備隊員の、頭上を軽々と飛び越す。
一息で門の外へと踊り出た。
もはや邪魔するものは何もなかった。
目の前に続くのは、バタリア丘陵に繋がる真っ直ぐに長い橋の道。
やや潮の匂いが残る海風を頬に感じながら、俺たちはジュノを脱出した。
今夜は1レスのみですが、これにて。
>>506 私は、むしろ矛盾にこそドラマを感じてしまう人間ですね・・・。
保守乙でございます。
521 :
既にその名前は使われています:2006/12/22(金) 00:37:41.73 ID:dpxsME4J
「なぁ俺さ、鍋奉行って資格なんて要らねぇじゃんって
思ってたんだけどさ」
「うむ」
「これ見たら、納得したわ」
「奇遇だな、ワタシもだ」
むさ苦しいデカイ図体の男達が並んで座っているテーブル。
その中心で修羅の如き動きで小鉢に次々と野菜や肉を盛り付け
て配りながら、火の通り具合を管理し、他の鍋奉行の資格を持つ
者たちに主導権を握られぬよう、タルタルの特権とも言える小さな
体で鍋の横に仁王立ちして鍋奉行の立場を保守―――もはや死守
に近い―――しているボサボサ髪のタルタル。
その光景を横目に、自分の所に回ってきた小鉢に有り難くありつく
全く同じ容姿の男二人。
何やらビシージのアナウンスが聞こえる気もするが、来訪者の
アトルガン皇国生活は平和です。
ゲームのヴァナに取り込まれたと思っているので、ビシージは
NPC(だと思っている人々)任せ。戦闘不能になったら自分達は
どうなるのかもわからないので、基本的にビシージには参加しなか
ったり。
ぽかんと口を開けて見上げる。
「ふぇ・・・」
「これは・・・」
飾り付けられた巨大な樹とノマドモーグリの競り合い。
商業区の噴水前で繰り広げられるその奇妙な戦いは、どうやらモーグリの敗北で終止符が打たれたようだった。
「・・・すごいね」
「・・・俺が初めて見たのは、暴走したトレントでしたが」
眉をひそめ唸る。
「モーグリたちは、何を考えているやら」
トレントのリボンに刺繍された『保守』の字を見ながら首を振る。それは誰もが思っていたに違いない。
まったく、毎年毎年賑やかなことだ。
「あ」
不意に言う声に、ぎくりと身を強ばらせた。
「サンタ帽かわいいなぁ〜。私もほしいな」
「きみも・・・ですか?」
何しろ彼らは双子のようにそっくりで、彼にしてみれば、自分を見ているような気分だろう。
「そう言えば、なんか売ってるモグがいたね。ゴーゴーですよ」
「・・・はぁ」
金は・・・持っていないんだろうな。とすると、俺が払うのか・・・
溜息をつき、財布の中身を思い返した。
523 :
既にその名前は使われています:2006/12/22(金) 10:01:57.28 ID:vyILIkxa
age
524 :
既にその名前は使われています:2006/12/22(金) 15:00:23.22 ID:3f+xepvk
前スレからの続きが書けんまま、もう325kbか…。
ともかく保守。
525 :
既にその名前は使われています:2006/12/22(金) 19:59:26.53 ID:vyILIkxa
ネタもないのに保守とな?
526 :
既にその名前は使われています:2006/12/22(金) 19:59:55.96 ID:ov5h42TZ
保守
527 :
既にその名前は使われています:2006/12/22(金) 22:53:47.38 ID:MONgH6sr
「さて、と」
ひと抱えもあるオニカボチャをまな板に乗せる。
「ハロウィンは終わっただろ?」
「・・・お前はハロウィン以外にカボチャを食べないのか?」
黒髪の兄弟からの間の抜けた問いに呆れて応え、下ごしらえを手早くすます。
ジンジャーを摺って、あれは・・・よし、これで代用だな。そしたらこれを、・・・・・・
ひとりごちながらさっさと事をすませていく銀髪の兄弟に、彼は首を振ってキッチンを離れた。
「ほい、できあがり」
テーブルに置かれたのは、オニカボチャの煮物。ボスディン菜のおひたしにサーディンの竜田。
今日の夕飯はそれに加え、ふっくら炊いた白米にカロットとポポトイモの吸い物が添えられた、純和風。
しかもどこから調達してきたか、漆塗りの食器で揃えられていた。
「今日、冬至なんだってさ。道理で寒いわけだよ」
「・・・へぇ」
縁に『保守』と金箔で描かれた汁椀に口をつけながら応える。
もうその記憶はないのに、ひどく懐かしい味がする。
食後のデザートは、カボチャのタルトだった。
528 :
既にその名前は使われています:2006/12/23(土) 02:24:38.43 ID:hei/KjgD
上げておこう
530 :
既にその名前は使われています:2006/12/23(土) 15:36:06.59 ID:3+ZIm2Zg
落ちそうage
531 :
既にその名前は使われています:2006/12/23(土) 19:12:43.90 ID:z+0i8bav
もうすぐ年を越すのかと思うと、なんだかすごいな
532 :
既にその名前は使われています:2006/12/23(土) 23:50:26.60 ID:hei/KjgD
ずいぶん長いな…
533 :
既にその名前は使われています :2006/12/24(日) 01:23:26.76 ID:dBgUnxVn
朝起きたら自キャラになってヴァナにいた。
1日がとても短い。
着替えはマクロで一瞬だったり、一日一食か、もっと食わなくて済むのは有難いのだが。
PTに入ると不眠不休なのが辛い。
「俺はガテン系じゃないんだ、寝かせてくれ」と言っても、PTメンは笑うだけ。
氏ね、廃人が。
そう思っている内に夜は明け、詩人は又敵を釣ってくる。
うんざりした俺はからくり士を始め、やっと安住の地を確保出来た。
今まで忍で調子こいててすまなかったと、涙ながらにマトンと1日を過ごし、目を覚ますと、現実に戻っていた。
俺は又忍に戻ったが、鞄にはいつも、ストリンガーを忍ばせている。
その後、俺の心の友であるマトンをバシバシ叩くアフマウを見て、殺意が沸いたのは言うまでも無い。
がッ、とテーブルを拳で叩く。
「・・・畜生ッ!!」
舌打ちは、まだ陽も昇らぬサンドリアの一角で起きた。
「ターキー」
ぽつり。
「スシ。ソーセージ。スープ。サラダ。チーズ。クラッカー。ケーキ」
「・・・てめぇ、執務の間に全部それ揃えろってか」
拳を握り締め、黒髪の兄弟に唸る。しかして彼は、ツリーに飾る星の位置を考えるのに余念がない。
元々わがままな奴だったが、こちらに来てからは余計にわがままになった気がする。
支度するのはオレなのに好き勝手言いやがる。畜生、こいつにまともな料理の腕があれば。
銀髪の男にがつがつと殴られるテーブルの上には、ささやかな食事が並べられていた。朝食だ。
時計とディナーのメニューを睨む。今のうちから支度を始めれば、何とか間に合いそうだ。
夕頃のディナーを同僚に知られたら、サンドリアの騎士にあるまじき野蛮さで戦いが繰り広げられるだろう。
親しい付き合いのある知人を招こうか。そう言えば騎士団で礼拝があったな。その時にこっそり声をかけるか。
考えながら、かけていたエプロンを外す。
黒髪の兄弟は器用にも、雪代わりの綿を引き裂いて、ツリーに『保守』の文字を飾っていた。
「ケーキは、チョコのがいいな。サンタの飾りがついているやつ」
「・・・わがまま言うのもいい加減にしてくれ」
まとめサイトに、スレのFlashがアップされていますね。
何度かFlashが話題に上りつつも、実際に作られたのはこれが一番最初ではないでしょうか。
103@管理人氏、GJでございます。
536 :
既にその名前は使われています:2006/12/24(日) 16:09:11.43 ID:abCIQNls
出先だから見れないけど保守
537 :
既にその名前は使われています :2006/12/24(日) 19:27:27.93 ID:g8meOxmz
リアルより豪華な食事が用意されていた
538 :
既にその名前は使われています:2006/12/24(日) 23:15:49.30 ID:abCIQNls
ヴァナのケーキも、リアルのケーキとそう変わらない味がした
539 :
既にその名前は使われています:2006/12/25(月) 02:29:33.99 ID:Km1FpbS8
ageますか?
ageます!!
>>529 執筆の基礎云々よりも作家の卵さんたちの物語を読めるのが最高!!
文章力をつけるためには他の小説をたくさん読むこと。
誰が言ったのか忘れたけどなるほどなと思います。
540 :
既にその名前は使われています:2006/12/25(月) 08:11:52.02 ID:VWTO78Tv
タル♀スレの乱立スゴス。保守
541 :
既にその名前は使われています:2006/12/25(月) 13:25:03.20 ID:efMjEwM9
微エロのSSに微妙な投げやり感を覚えたのは俺だけだろうか
542 :
既にその名前は使われています:2006/12/25(月) 18:20:54.87 ID:efMjEwM9
年末ゆえの停滞か、はたまた…
543 :
既にその名前は使われています:2006/12/25(月) 20:18:42.76 ID:7S8HAOSm
メリークリスマスだバカヤロウ!
544 :
既にその名前は使われています:2006/12/26(火) 00:05:44.54 ID:8AW1/eM8
ヴァナではメリースターライトと言うべき
…もう日付変わったけどw
545 :
既にその名前は使われています:2006/12/26(火) 01:37:22.24 ID:cd/CXCp9
悪夢のようなクリスマスは終った…
546 :
既にその名前は使われています:2006/12/26(火) 08:58:02.04 ID:pj3sJG30
ホシュホシュ
547 :
既にその名前は使われています:2006/12/26(火) 11:45:07.85 ID:H+UI74ij
年末保守
怒声が響く。周囲の騎士たちは何事かとそちらを見た。
「ッいい加減にしろ!!」
振りおろした拳をそのままに銀髪の騎士が声をあげた。黒髪の騎士は口の端を伝う血を拭わず無言で相手を睨む。
普段から仲のよい双子であるのに、彼が手をあげたのは、誰もが初めて目の当たりにした。
ふたりはしばらく対峙していたが、ふいと銀髪のひとりが背を向ける。
退室していくその姿を、黒髪の兄弟はただ無言で見つめた。
「苛立っているようね」
隻眼の女騎士に、彼は苦笑で返した。
「せっかくの日に仕事をしたのが気に食わないって言われれば、誰だって腹が立ちますよ」
「かわいいじゃない。みんなで祝いたかったんでしょう?」
「仕方のないことです。祭り騒ぎにいちいち乗っていたら、騎士の役は務まりません」
「そうね。でも、彼はそういうイベントには律儀だわ。バレンティオンにはお菓子を配ったり」
「根っからの祭り好きですからね」
笑って、透き通るロランベリーワインのグラスを傾ける。そう言えばあいつ、こっちでも酒が駄目だな。
「サンドリアの栄光と安寧の保守。それが我々の任と判じています」
「あなたが守りたいのは、本当にそれだけかしら?」
含みのある笑みに、一瞬言葉を失い、それからそっと微笑んだ。
549 :
既にその名前は使われています:2006/12/26(火) 17:43:53.73 ID:DCgnUFNn
守りたいものが在ることは幸いなのか
何も背負わないことが幸いなのか
550 :
既にその名前は使われています:2006/12/26(火) 20:11:03.28 ID:DCgnUFNn
怖れを振り捨て、忘れ得ぬ故郷を追い求めるか
忘却に任せ、まやかしの安寧に融けていくのか
DCgnUFNnは自キャラスレにいるより精神科にいくほうをお勧めする。普通にキモイ。
552 :
既にその名前は使われています:2006/12/26(火) 21:58:00.63 ID:wBnHBW/Z
【】
脱アナル宣言
みすった
555 :
既にその名前は使われています:2006/12/27(水) 00:48:55.91 ID:75/nOh67
最近このスレみっけて読み始めた
おもしれええええええええええええええええええ
作者さんGJ
レップの作者、10スレ以降更新されてないみたいだけど忙しいのかねー
いらっしゃい。
確かに忙しくて執筆やめちゃった人も多いねぇ。
よかったらあんたの話も聞きたいな。
いや、ちゃんとした物語仕立てじゃなくてもいいんだ、読みたい話を読み終えて、
その後もしあんたも旅に出たくなったなら、その顛末でも聞かせておくれよ。
まあ、保守。
現スレの執筆陣もさすがに年末は動きが止まってるからな…正念場ですなw
消毒薬をたっぷり含ませた綿でつんつんとつつく。わずかに声がこぼれた。
「男の子なんだからガマンしなさい」
銀髪の友人が演技がかって言うと、黒髪の騎士はわずかに眉をひそめる。
「顔殴られた挙げ句棚にぶつかって落下物で怪我するなんて、なんて喜劇だ」
溜息に、銀髪をきっちりと撫でつけた騎士団長も苦笑する。
「まったく。それにしても、仮にも神殿騎士ともあろう男が、些末なことにこだわるものだな」
「閣下は御存知ではないでしょう」
ふたりの騎士の揶揄に、いつにも増して無表情に言う。
その言葉のあまりの冷たさに顔を見合わせたふたりの前で、彼は青灰の瞳を泣きそうに細めた。
「私は世界から隔離されてしまう」
「・・・世界?」
反芻に応えはない。す、と差し出したその手に、日記帳があった。
「記したのは私なのに、私にはその記憶がない。だから私は、記録をなぞる・・・」
挟まれたしおりを指で撫でる。
若草色に金で[entretenir]と記されたそれは、こちらに来てからずっと愛用しているにも関わらず、色褪せはしない。
「私はここにいる」
「守るために」
片割れと同じく[ficelle]と記されたしおりを見つめ、銀髪の兄弟が短く呟いた。
558 :
既にその名前は使われています:2006/12/27(水) 13:24:21.29 ID:SoCS/0d9
あげ!
まぁ、そのなんだ、保守
560 :
既にその名前は使われています:2006/12/27(水) 17:10:04.29 ID:2+DNZ3AQ
乱立すげーw
561 :
既にその名前は使われています:2006/12/27(水) 20:09:56.29 ID:LK7+BBc5
落ちるの早っwwwというわけで【保守】
早く仕事納めが来て欲しいな
563 :
既にその名前は使われています:2006/12/27(水) 21:31:55.13 ID:C3Ibi+bB
:既にその名前は使われています :2006/12/27(水) 19:06:02.96 ID:C3Ibi+bB
FFvs信長
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1166587783/l50 ID:gn3bZOaU=ID:QSEjza0dは 信オンw信者装った
ファンタジーアースの基地外でした^^
怨めしそうにいつもFFスレ眺めてるんだなw
未だにスレで荒らし続けてるYO
てことで、ファンタジーアース関連スレネ実から追い出そうぜぇ
あいつらには小規模がお似合いだw
■□つ旦ファンタジーアースエルソードvol.17(B鯖)_▲_
345 :既にその名前は使われています[sage]:2006/12/26(火) 00:36:57.20 ID:gn3bZOaU
■□つ旦ファンタジーアースエルソードvol.17(B鯖)_▲_
376 :既にその名前は使われています[sage]:2006/12/26(火) 01:37:39.52 ID:gn3bZOaU
■□つ旦ファンタジーアースエルソードvol.17(B鯖)_▲_
379 :既にその名前は使われています[sage]:2006/12/26(火) 01:39:37.87 ID:gn3bZOaU
保守のみにて失礼。
多忙のため、なかなか続きを書けずにいます。
565 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/28(木) 00:52:47.93 ID:B41RBxNx
たくさんと言うよりは、私をあわせてちょうどよい量の食事を並べての話の内容は、主に私のことだった。
サンドリアからここに来るまでの出来事を、私は思い出しながら話す。
朝起きたら『キーゼル』になっていて、モグハウスにいたこと。
ふらついていたらハルヴァー宰相に呼び出され、自分や『来訪者』についての話をしたこと。
カインとケイン・・・双子の騎士の世話になったこと。
コンシュタットでカイに会い、一緒にバストゥークへ来たこと。
それから、シオンに会ったこと。
・・・あと何かあったかな。
「来訪者・・・か」
ふとシオンが口にする。
「最近、この世界ではない場所から来たと言う人々の話が冒険者の間で広がっているな」
「他にも、来訪者がいる?」
「ああ」
串焼きから肉を丁寧にフォークで抜き取りながら、しかし何かを考えるように自らの行為を見つめる。
「ただ、あまりにも情報が断片的すぎる。『来訪者』が一体どんな存在なのか、正確に知る奴はいないだろうな。
いるとすれば各国のトップに近い立場だろうけど」
その言葉に私は、なすの肉詰めを切ろうとしていた手をとめた。
それは、記憶にあった。あの静かな部屋での、あるいは穏やかな食事の席でのこと。
彼らは知っていた。私と話した。『こちら』ではありえない話を。
566 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/28(木) 01:08:14.69 ID:B41RBxNx
「『真世界』」
カイが名を口にした。
「神々の住まうその地は楽園と呼ばれる。来訪者は、その使者であると・・・噂ですけど」
「随分大袈裟な話だな。人が神を名乗れば災いを為す」
よくあるチープな話を一蹴し、フォークを肉に突き刺す。
「大体、そんな『神』はそこら中にいるだろう。
ちょっと何かに秀でたくらいで過信し、愚かにも特別視する。安易なことだ」
確かに安易な話だ。・・・でも、じゃあ、真世界って?
かつてにも来訪者があり、それを神格化したとすれば?
来訪者には、私とは逆に強大な力を持つ人もいる。異端視され神と崇められることはおかしいことじゃない。
「・・・ん〜」
でもそれって、飛躍しすぎかな?そもそも『世界』はサービス開始前から存在していたのに。
するとミガイフォングが私に、教え子に対するそれのように言う。
「超人的な存在を神格化するのはよくある話です。そしてそれを崇敬することも。
でなければ信仰は存在しません」
・・・ああ、大魔神神社とか。同意してくれる人は貴重だ。
まあ、来訪者が『神』になるのはおかしいか。どう考えても話の順序が逆だし。
神話になぞらえてそう呼ばれるっていうほうがまだ納得できる。
それに、あくまで噂だしね。
ナイフとフォークを置いて、私はかしかしと頭を掻いた。
567 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/28(木) 01:21:33.81 ID:B41RBxNx
「来訪者が本当に神の使いかはともかく、さ。他の来訪者はどうしているんだろう」
「さあ・・・何しろ、本物の来訪者に会って長く行動を共にした話は聞きませんから。
私も、彼らを詳しく知るわけではありません」
ということは、来訪者を騙る偽物もいたってことか。やれやれ。
でも、『本物』の来訪者が下手に目立つことをすれば、あまり穏やかなことにはならないだろう。
偽物だから、話題になるだけですんでいる。
スレの話が本当なら、何もしなくても命を狙われて、存在を消されてしまう。
つまり、
来訪者は、
コロされる。
意識しないでいたのに、それは冷たく私の背に触れた。
抗うにも、その力はない。
「狙われるなら、」
きっぱりとシオンが言う。
「倒せばいい。それだけだ」
迷いのない言葉。・・・どこからそんな自信が出てくるんだろう。
568 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/28(木) 01:34:52.11 ID:B41RBxNx
彼女は強い。その華奢な体のどこにあるのかと思うほどの力を持っている。
私にはない。
「・・・強いね」
「は?そんなことより、これからどうするんだ?」
直球の問いが私にデッドボールを食らわせた。
そうです、すっかり忘れてました。シリアスモードから叩き出してくれてありがとう。
シオンに会えたのはいいけど、これからどうしよう?
「とりあえず、・・・どうしよう?」
これからどうすればいいんだ?・・・何をしたいんだっけ?
何か目的があった気がする。でも、何だかはっきりしない。
それは間違い探しの違和感。
「おや、お茶がもうありませんね」
不意にミガイフォングが口にした。
お茶のポットは確かに空で、他に用意もない。
「競売で買ってきましょうか。キーゼル、あなたも一緒にどうです?」
さり気なく振られてきょとんとすると、彼はにっこり微笑む。
つまり、ふたりきりで話がしたい、と?
569 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2006/12/28(木) 01:37:28.71 ID:B41RBxNx
今回は以上です。
あ、なんかずれたっぽい?
ケータイからだとプレビューが見れないのがきついですね・・・
ここしばらく、本編を投下しようと思っては、うまくまとまらず。
八つ当たり気味に保守に徹してしまいました。
どうにかこうにかまとまった気がする。・・・多分。
570 :
既にその名前は使われています:2006/12/28(木) 05:27:51.50 ID:oPzXeMhI
これ置いていきますね>(・ω・)ノ【保守】
571 :
既にその名前は使われています:2006/12/28(木) 10:17:26.06 ID:91F3jOnv
ホシュホシュ
572 :
既にその名前は使われています:2006/12/28(木) 12:12:20.25 ID:iQSXDgAs
hosyu
573 :
既にその名前は使われています:2006/12/28(木) 14:11:33.16 ID:3wbNuRhW
落ちるのはやいな…
574 :
既にその名前は使われています:2006/12/28(木) 16:34:47.03 ID:B41RBxNx
ネタもないのにからあげとな?
まさに外道!
576 :
既にその名前は使われています:2006/12/28(木) 19:40:47.13 ID:iQSXDgAs
577 :
既にその名前は使われています:2006/12/28(木) 20:45:42.63 ID:B41RBxNx
すいません、ちょっと保守しますよってに。
落ちるの早い・・・
578 :
緑茶 ◆vUu2nK2xdY :2006/12/28(木) 22:00:21.33 ID:E/nwleZN
やっと年始年末の休みがキタワー。
というわけで、しばらく書いてなかった長めのお話に取り掛かっていたりします。
1投下で完結させずに続き物を書く苦しみも味わうのもまた一興かなーと思ってみたり。
っていう近況報告を兼ねた保守なんです。
579 :
既にその名前は使われています:2006/12/29(金) 00:58:27.38 ID:Lyqg8EKp
つ【保守】
580 :
既にその名前は使われています:2006/12/29(金) 01:43:01.86 ID:GIzjK3TM
早漏どもがタル♀スレ乱立させやがって…
許さん!絶対に許さんぞーーーー!age
108スレほんとに立ったらとんでもないことだね
くわばら、くわばら
582 :
既にその名前は使われています:2006/12/29(金) 09:57:17.13 ID:tOYNe1cR
ぴんち
583 :
既にその名前は使われています:2006/12/29(金) 11:38:49.62 ID:8phWmzJD
あげるんだぜ?
584 :
既にその名前は使われています:2006/12/29(金) 13:58:15.53 ID:Lyqg8EKp
ageなんだぜ?
585 :
既にその名前は失われています:2006/12/29(金) 14:38:29.83 ID:5hJrrN8V
昔々の加工品がフォルダにあったのでまとめサイトにUPっておきました。
こんな奴も居たなぁ程度にどうぞw(実機FF11のSS加工なので権利等は■e帰属
完結はさせたいけど前ほど話が浮かばないので再開目処未だ立たず。
妄想が減って喜ぶべきなのか、現実で手一杯という現状を悲しむべきなのか複雑なリタイア者の愚痴。
初期からずっと書き続けてこれてる人達は素直に凄いと思います。色々見習いたい。
もしワタシが再び起きる事があったら、ご迷惑をおかけしますが、よろしくおねがいします。
知らない方々&元々当方を嫌いな方々の皆様、BL不可な形でお目汚し失礼しました。ついでに保守age
586 :
既にその名前は使われています:2006/12/29(金) 18:00:39.21 ID:cklZoC0J
蒼いシーフのAF2に身を包み、金髪を高い位置でまとめた、エルヴァーンの男がいた。
『中の人』は、軽快で明朗な青年。プレイスタイルもジョブも彼に酷似しまた彼独自。
そして彼は、ダイスを転がすロールプレイが好きだった。
要するに彼は、演じるのが好きなのだ。
飄々としたシーフを演じる彼は、しかし、『世界』までは演じてはいなかった。
けれど、彼はこの世界が好きだった。
(其は偽りの器、虚ろにて過たば)
言葉が紡がれることに気付かない。当然だ。BGMとSE、後は多少の音以外、『世界』にいなければ聞こえない。
(其は綻びを繙く鍵を保り守る器)
すぅ、と影が彼の側に寄る。
その時彼は、新しく実装されたミッションの攻略方法を考えていた。
差し出す手に、淡い揺らめきがある。
アルファベットと数字の羅列が踊るそれをつつき、彼は笑った。
「焦るなよ。器はいくらでもある」
588 :
既にその名前は使われています:2006/12/29(金) 21:16:59.34 ID:Lyqg8EKp
保守せな保守せなヽ(´Д`;)ノ
589 :
既にその名前は使われています:2006/12/30(土) 00:27:07.96 ID:NKka762p
('A`)ノ【保守】
590 :
既にその名前は使われています:2006/12/30(土) 03:18:31.24 ID:HzxrEK/h
ホシュホシュ
気になる幕開けです。
世界のありようが見えているのか? それとも…。
トリがあると同じ筆者さんの話でわかりやすいので、
続きがあるならば是非是非。
ってことで保守。
592 :
既にその名前は使われています:2006/12/30(土) 10:48:57.81 ID:rR2f6EsV
保守です!
┃
スー ■
― = ≡ ´`Y ⌒ヽ^ヽ
f, .ル从从) )
~''( ^(∞)^)< ちょっと通るブヒッ
― = ≡ (゚。ヽy/。゚)
<,,ノ∞ヽ,,>
.― = ≡ ( # # # # # # )
~~~~~~~~~~~
594 :
既にその名前は使われています:2006/12/30(土) 14:59:51.60 ID:8H9ci69c
保守ッ
595 :
既にその名前は使われています:2006/12/30(土) 18:58:39.21 ID:rR2f6EsV
保守だっ!
596 :
既にその名前は使われています:2006/12/31(日) 00:05:48.02 ID:rS3mjN+I
ageます。
(365)
「君はアレか、私が淹れた紅茶は不味くて飲めないとでも言うのか?」
隣を歩く領事がそう言う。後ろには、その会話を聞きながらクスクス笑っているラディールと爺さん。
「いや… サンドリアティーは俺には甘すぎるので…」
「それは不味くて飲めないというのと、どう違う?」
「いや、その… 甘くないウィンダスティーの方がいいかなぁ、なんて…」
領事は両手を高々と上げて、それでも君はエルヴァーンなのかと嘆くように言った。
そもそも俺は爺さん一人を呼んだのに、何故領事館にいた全員が来ているのか。
ちなみに領事館のドアには、
『所要により留守にしています。急用の場合は蒸気の羊亭まで』
という、軽く職務放棄とも思えるふざけた掛け看板がぶら下がっている。これでいいのかサンドリア領事館。
延々と続く領事の小言にやや閉口しつつ、大工房をでたところですばやくあたりを見回す。
案の定例のミスラが視界に入ってきた。真正面にいるところを見ると、特に隠れる気も無いらしい。もしくはバレていないと自信を持っているのかもしれない。
やっぱり、作戦が当たったんじゃなくて何か別口の用事じゃないだろうかと思ってしまう。
小さくため息をついてから、足をバストゥーク港へと向けた。
598 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/12/31(日) 01:29:59.58 ID:PFpTqMl1
ちょっと最近投下できなかったので保守代わりに1レスだけ…
保守してくれてる皆様お疲れ様でございますage
599 :
既にその名前は使われています:2006/12/31(日) 06:53:51.18 ID:XXq5z914
ホシュホシュ
投下おつです!
600get
601 :
既にその名前は使われています:2006/12/31(日) 19:03:55.77 ID:sztMoWdz
ピーンチ
602 :
既にその名前は使われています:2006/12/31(日) 20:28:16.64 ID:XXq5z914
ホシュホシュ
603 :
既にその名前は使われています:2006/12/31(日) 22:50:34.90 ID:KWVr4k0K
良いお年をage
604 :
既にその名前は使われています:2006/12/31(日) 23:56:21.56 ID:KWVr4k0K
そして、今年最後の【保守】!
空を見上げる。相も変らず夜空に星が勝手に瞬き遊んでいる。私の境遇も知りもしないで。
横に目をやる。相も変らずに彼が夜空を仰ぎ見ている。周りの喧騒を気にもしないで。
「…ルルデの庭にでもいったら? ここよりも星がよくみえるでしょ?」意地が悪い質問だとわかっていたが微笑みながら
見上げている彼が気にいらなかった。「…日付が変った瞬間に騒ぎ出す奴らのど真ん中にでもいろっていうのか? 冗談じゃない」
リアルではあんたもそうだったんでしょ? 思っても言わなかった。言う気になれなかった。ふたたび空を見上げる。
―――――もうすぐリアルの何回かの、ううん何千回も繰り返された年と年との間を渡る。いわゆる年越しっていうやつが起こる。
私たちにはリアルの時間感覚なんてわからないが周りの雰囲気でなんとなくわかった。もうすぐカウントダウンだ、と。
そんな時、リアルに帰る手段を探す旅で偶然にも出合ってしまった彼(悪名高いヒュームF4)が突然に「ジュノ港で年越さないか?」
なんて誘ってきた。なんていう味気が無い誘い方。なんていう味気が無い場所。
でその味気が無い場所に、味気が無い彼と、味気が無い年越しをおくろうとしている味気が無いわたし。「…はぁ…」
「なんだそのため息。嫌なら自分で好きなところ行けよ、ルルデなり三国なり空とかよ」「誘っておきながらなにその言い草、最悪」
「だったらどっかいけよ、うぜぇ」「あんたこそどっか行きなさいよ、うざい」いつもと変らない会話。どうってことはない会話。
「…現実世界で年越ししたかったなぁ…お蕎麦…おせち…お雑煮…」「…食い意地がはってんな、しょうがないだろここに来ちまっ…」
「あんたに言っていない。」「っ!!」
突然上層から叫び声が聞こえた。「おお、日付が変ったらしいな。」
なにその味気が無い台詞。日付なんて毎日変ってるっての。
…ともかくまた年が過ぎた。いつになったら帰れるんだろ?
こんな死が付き纏う生活におさらばできるの?…なんでか急に泣けてきた。(なにこれ…惨め過ぎるっての…私がなにしたっての…)
いまにもこぼれそうな涙を湛えた目がなにか捕らえた。「ふぇ?」「ほらよ」…ラベルに『寿』とあるヤグードドリンクだった。
…味気ないぃっ!!「…」「なんだよ?」「…ありがと」「そっか」そして、
あけましておめでとう。見上げる星空がいっそう瞬くように見えた。
607 :
バレ【1-898】 ◆i2zvqkiQWY :2007/01/01(月) 00:08:21.20 ID:xMAXm0cN
はい、いいとこ取りぃ!!です。
今年もよろしくスレのみなさん、ヴァナで出会う全ての人々。
そして全ての生きし生ける人たち、物たちに。
608 :
既にその名前は使われています:2007/01/01(月) 03:19:55.26 ID:sGER80YQ
あけおめage!
609 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/01(月) 06:57:28.80 ID:7z+UbIB7
「あ、わ」
ふたりのエルヴァーンの前で、私は危うくお皿を落とすところだった。ひとりが私を、もうひとりがお皿を支える。
「大丈夫ですか?」
「うん。・・・ありがと」
「皿は私が持っていきますね」
言葉を交わす向こうで、ヒュームの少年とミスラの少女がテーブルに料理を並べていた。
ヴァナでもリアルの料理は作れるものだなぁ。栗きんとんも作れるし、伊達巻きもうまいこと作ってしまった。
強いて言うなら、数の子とかこんにゃくとかも欲しかった・・・シブい趣味でごめんなさい。でも好きです。
「そうそう、こちらにもお雑煮のレシピがあるんですよ。お魚と鳥を使った」
「ほんとに?・・・でも、お雑煮は山菜のが好きだなぁ」
「どんなのですか?」
「ん〜とね、ゼンマイとダイコンとニンジンが入ってるの。お肉はなし。おつゆはね、」
「話はそこまで。早くテーブルへどうぞ」
用意が終わったらしい。エスコートするようにヒュームの少年が示した。
それぞれに席に着くと、みんなの視線が私に集まる。・・・うぅ、期待されてる・・・
「・・・えっと。あけまして、おめでとうございます」
「「「あけましておめでとうございます」」」
声が重なる。ん、誰か言わなかった気が。まあいっか。
姉貴、あけましておめでとう。不肖の妹は、どうやら今年もヴァナ・ディールで過ごすことになりそうです。
610 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/01(月) 07:00:58.57 ID:7z+UbIB7
そんなわけで、あけましておめでとうございます。
昨年、興味本位でレスしたのが元でこのスレに居着いた新参者ですが、今年もよろしくお願いいたします。
願わくば、皆さんにとってこの一年がよい年になりますように。
皆様、あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
612 :
既にその名前は使われています:2007/01/01(月) 15:27:50.55 ID:xwxsX+hM
新年初保守
613 :
既にその名前は使われています:2007/01/01(月) 15:51:25.81 ID:plfQBmKd
エ ク ス カ リ バ ー ゼ ロ age
, '´ ̄ ̄` ー-、 -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ 〃" `ヽ、 \ / /" `ヽ ヽ \ -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ / ハ/ u \ハヘ //, '/ u ヽハ 、 ヽ / /" `ヽ ヽ \
|i │ l |リ\ /}_}ハ. 〃 {_{\ /リ| l │ i| //, '/ u ヽハ 、 ヽ
|i | 从 ● u ●l小N レ!小l● ● 从 |、i|〃 {_{\ u /リ| l │ i|
|i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ | レ!小l● ● 从 |、i|
| i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒) /⌒ヽ__|ヘ u ゝ._) j /⌒i ! ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
| ヽ ヽx>、 __, イl |::::ヽ/. \ /:::::| l>,、 __, イァ/ ./⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
| ∧__,ヘ}::ヘ三|:::::/l| |',:::::ハ ./:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、_..\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
| ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''´ .`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
( rー¬、_,ノ るコ'´ ̄ ̄` ー-、
`'l \ / 〃" `ヽ、 \
ヽ、 \ / / ハ/ \ハ
`'ー--< |i │ l |リ、_, /}_}ハ
|i | 从l;;;j l;;;jl小N
|i (| ⊂⊃ , ⊂li|ハ\
| i⌒ヽ j __, ノi|__/⌒)
ヽ ヽx>、__ ,イl |::::ヽ/.\
∧__,ヘ}::ヘ::::::/l| |',:::::ハ \
ヾ_:::ッリ :::∨:/::::`ヽ''´ \
r'´ / ノ \
/ ⊂| / イ\
/ / / / ミ ゝ
〈 / ! \ `ヽ
>! | ヽ、! アビス
゙〜ヾ、 | // (天晶暦???−)
|`゙ヾ、_,ノ、______ノ/
| /゙〜〜〜ハ'ーヘ イ´
なかなか難しいものだな。JISアートと言うものは。
616 :
既にその名前は使われています:2007/01/01(月) 23:26:10.41 ID:o9zY5Aq0
保守age
617 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/02(火) 05:28:29.44 ID:dshrebW9
外はすっかり暗くなっていた。日が落ちてから気温も下がり、チュニックを通して寒さすら感じる。
それでも競売所が休むことはなく、冒険者たちもまた目録と睨み合っていた。
「競売で買い物をしたことは?」
訊かれて、私は首を振って応えた。
サンドリアであるけど、実のところ、どう手続きをしたのか覚えていない。それほど無意識で、自然な行為だった。
ミガイフォングは受付に置かれていた用紙とペンを取り上げ、目録をめくりながら言う。
「出品されるものは常に変化していますが、逐一手でチェックするわけにもいかないので、こうして管理されています」
食材の欄を見る。また高くなったな、と呟いた。私はよく分からず、眉を寄せている彼を何となしに見た。
目録を指でなぞり、確かめながら用紙に記入していく。他のページにも目を通し、いくつか記入する。
「勢い余って金額を間違えることもあるので、気を付けましょう」
・・・肝に銘じておきます。
貨幣を渡して品物を受け取る。食材以外にも、何か買ったみたいだ。
「ほら」
半ば押し付けられるように渡されたのは服だった。その上に、指輪とピアスをいくつか乗せる。
「・・・え、これ、」
「装備が何もないのは問題ですよ」
そう言えば、服はあるけどアクセサリーの類は持っていない。
左の耳たぶに触れ、右にも触れると、片方しか開けていないはずのホールは両耳にあった。
乳白色のピアスと、青いい石の指輪を付ける。普段指輪はしないから少し違和感がある。
手をかざして指輪を眺めていると、頭を撫でられた。
618 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/02(火) 05:43:16.38 ID:dshrebW9
エルヴァーンは総じて背が高い。見上げると、彼は私を見ていた。
「前を見ても、道があるとは限りませんよ。後ろにも、横にも、道はあるものです」
暗喩とも直接ともとれる言葉が言う。
よく分からなかったけれど、多分、慰めてくれたのだろう。
・・・ずっと、難しく考えてばっかりだ。少し気を抜かないと。
何もできないのに、ひとりで考えていたって、どうにかなるわけじゃない。
『来訪者』なんて言ったって、私は何もできない。それでも、・・・・・・。
「・・・あの、ありがt」
「さて、ザルクヘイムの特産品店は港でしたね」
礼を遮られ、私は引きずられるように連れていかれた。
・・・あの、襟を掴むのはやめてください・・・
ザルクヘイムの特産品店で、ミルクを少し多めに買った。
・・・好きだから。
背は低いけど、好きなんです。
「背を伸ばすのに、ミルクを飲むだけでは意味がないでしょう?」
さらりと言われて、私はその背中を思いっきり叩いた。
そんなこと分かってますッ!!
619 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/02(火) 05:54:04.63 ID:dshrebW9
今回は以上です。
620 :
既にその名前は使われています:2007/01/02(火) 06:46:40.15 ID:H6CAKQVg
目覚めるとガルカ(ハゲ)になっていた。
とりあえづそのまま出勤した。服については聞くな。
しっぽが邪魔で電車の席座りにkiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!!!!!!!!
ガルカが街中に出現したら通報か捕獲。
ミスラならマニアに拉致され、
タルタルならじじぃであっても幼稚園に連れて行かれるぞ!!
首…は、どうだろ?
623 :
既にその名前は使われています:2007/01/02(火) 11:57:12.04 ID:OGzHscKu
エ ク ス カ リ バ ー ゼ ロ age
, '´ ̄ ̄` ー-、 -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ 〃" `ヽ、 \ / /" `ヽ ヽ \ -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ / ハ/ u \ハヘ //, '/ u ヽハ 、 ヽ / /" `ヽ ヽ \
|i │ l |リ\ /}_}ハ. 〃 {_{\ /リ| l │ i| //, '/ u ヽハ 、 ヽ
|i | 从 ● u ●l小N レ!小l● ● 从 |、i|〃 {_{\ u /リ| l │ i|
|i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ | レ!小l● ● 从 |、i|
| i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒) /⌒ヽ__|ヘ u ゝ._) j /⌒i ! ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
| ヽ ヽx>、 __, イl |::::ヽ/. \ /:::::| l>,、 __, イァ/ ./⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
| ∧__,ヘ}::ヘ三|:::::/l| |',:::::ハ ./:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、_..\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
| ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''´ .`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
624 :
既にその名前は使われています:2007/01/02(火) 12:03:25.03 ID:dPpEsCS0
>>621 ニュージーランドからホームステイしに来たLotRマニアの友人です、
と姉に口裏をあわせてもらう。
>>622 首じゃない、エルヴァーンだ。
気に障った方すいません。
627 :
既にその名前は使われています:2007/01/02(火) 19:04:38.35 ID:OGzHscKu
エ ク ス カ リ バ ー ゼ ロ age
, '´ ̄ ̄` ー-、 -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ 〃" `ヽ、 \ / /" `ヽ ヽ \ -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ / ハ/ u \ハヘ //, '/ u ヽハ 、 ヽ / /" `ヽ ヽ \
|i │ l |リ\ /}_}ハ. 〃 {_{\ /リ| l │ i| //, '/ u ヽハ 、 ヽ
|i | 从 ● u ●l小N レ!小l● ● 从 |、i|〃 {_{\ u /リ| l │ i|
|i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ | レ!小l● ● 从 |、i|
| i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒) /⌒ヽ__|ヘ u ゝ._) j /⌒i ! ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
| ヽ ヽx>、 __, イl |::::ヽ/. \ /:::::| l>,、 __, イァ/ ./⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
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| ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''´ .`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
周りが暗い。半ば目を閉じかけているからか? それとも意識を失いかけているからか?
どっちだっていい。目の前で白い息をハァァァ…と吐いているどす黒い怪物を睨みつける。
前足で地を抉るようにかいている。これまでの経験からするとあと5秒でこっちに向かってくるはずだ。
右手のなかにあるものを強く握る。武器ではない。殺したら元もこうも無いからだ。
俺の欲しいものは唯一つ。奴が、ヴァナで唯一奴だけが所持している「もの」。それだけが目的だ。
奴が動いた。地響きがまわりに響く。(…気圧されるな!!)俺も地を蹴る。
「ぁぁあああああぁっ!!!!」自分を奮い立たせる為に叫ぶ。
右手のなかにあるそれを迫る奴のど真ん中に叩き込む……。
さて今年開催真っ只中の「瑞獣祝(ずいじゅういわい)」
何を勘違いしたのか出現地域でもないのに元気にブガードがいろんなところで走りまくっている。
あれが今年の干支? あれが「猪」? 冗談じゃない、どう見ても異生生物だ。怪獣だ。怪物だ。
嘘だと思うんなら奴らの鼻先に立ってみればいい。猪みたく鼻なんか突き出してない。こめかみから突き出した牙(らしきもの)の間に、
目鼻口がどん。この顔がまた気持ち悪い。思いっきり裂けた口にさっき正面ストレートを受けたような潰れた鼻、そして無駄に鋭い目。
あれが猪かよ? とフリートに云ったが「??僕は知らないクポよ??」ってほざきやがった。じゃなんだその額の大量のあs(ry
あ、そうそう、確認するのは一般プレイヤーだけでいい。来訪者だともれなく吹っ飛ばされます。さらばぁ〜ちky(ry
…でこのヴァナ版イノシシに何らかのアイテムをトレードすると「オトシダマ」を貰えるらしい。
ええがんばりましたとも踏みつけられようが吹っ飛ばされようが噛み付かれようが雷のクリスタルの塊を奴らの口に押し込みましたよ。
で右往左往しながらやっと手にいれた胡鬼板。なにこれ? あんなに頑張ったのに所詮羽子板? もっとイイ物下さい!! スクe(ry
…とにかくこの胡鬼板改め羽子板にすごい勢いで興味を持ったのが我らウィンダスが他の国々に誇る魔法学校「の」先生方。
話の発端はそこからだった。
羽根突き(はねつき)
日本の正月によく行われる伝統的な遊戯のひとつ。
和服姿の女性や子供たちが興じる姿は正月の風物詩としてニュース番組などにしばしば登場する。
バドミントンに似て、基本的には1対1の2名で行われる。
まず2人のプレーヤーは向かい合って立ち、それぞれ羽子板(はごいた)とよばれる木製のラケットを持つ。
そして羽根(はね。木製の小球に数枚の鳥の羽をさしこんだもの。)を打ち合う。
ネットや定まった大きさのコートなどはないが、打ちそこなった場合は失点とされ顔に墨でバツ印などの落書きをされる罰が与えられる。
「ほおおお、これが噂に聞く…」「装飾が奇抜だのぅ…」「これ売ってk」
好奇心剥きだしで羽子板を弄くりまわすのをハラハラしながら見ているしかない俺。
(ああ!!なに飾りを取ろうとしてんだ!それ取るのにどれだけ苦労、ってブッ千切ってんじゃないかぁぁっ!!)
さてガ系でも放とうかと思った頃「で、これどうやって遊ぶの? 東方の伝統的な遊具なんでしょ?」
遊び方を説明した迂闊な俺。
まさか国際交流の授業をしたいから生徒全員の羽子板を取って来いなんていわれるとは思わなかった。
(あれ? なんで俺、現実に帰る方法を探さずにこんなところでなニヤッテンダ…ロ…ウ?…)
開いた右手から離れた「それ」が空に浮く。俺も吹っ飛ぶ。頭が朦朧としていた。
意識が薄れゆく中「それ」を俺の眼が捕らえた。なんだ? ああそうか、競売で買った「靱皮紙」だ。
何故か異常に高かったのだが何故だろう。…どうでもいいか。
そして靱皮紙の真ん中に小さく「保守」を読むこともなく今度こそ意識の沼に深く深く沈みこんでいったのだった……。
「えっ? 死亡フラグ?」
初めての保守ネタ。
こうですか?わかr(ry
早く本編書けよと自分責めです。
634 :
既にその名前は使われています:2007/01/03(水) 00:00:04.59 ID:dshrebW9
「あけまして」「おめでとうございます」
黒と銀の兄弟が、正座をして深々と頭を下げる。
双方まとうのは藍の東方装束、厳かな表情も同じでただ違うのは髪の色。
ここずっと黒髪の兄弟から、伊達巻きがないだのきな粉のおもちが食べたいだのと騒がれることはなくなっていたが、
「・・・お年玉はやらねーぞ」
毎年しっかりと差し出される手を叩いて立ち上がり、裾をさばいてテーブルへ着く。
兄弟も顔には出さないが渋々とテーブルに着き、モーグリが差し出すトレイから茶碗を受け取った。
「去年は角松やっただろ。祭りの出店で売ってるようなのを欲しがりやがって」
「・・・ツリーの左右に置いたら、いいんじゃないかと思って」
「季節感がないだろ、常識的に考えて・・・」
考えてみれば、こいつはツリーも角松も、ついでにランタンも金魚鉢も一緒くたに飾っていた。
考えろと言うほうが無理だったか。
「ったく・・・」
モーグリが差し出した小さな紙袋にペンで『保守』と記し、それに何かを収める。
「ほら」
「ん」
受け取り、真っ先に開けようとし・・・トレイで頭を叩かれた。
「痛い・・・」
「食べ終わるまで待ちなさい」
頭を抱える兄弟に、彼は雑煮に口をつけながら言った。
635 :
既にその名前は使われています:2007/01/03(水) 07:48:47.50 ID:u1GWoJBL
age
636 :
既にその名前は使われています:2007/01/03(水) 14:18:40.44 ID:r+BBebyE
そういえばヴァナにはお雑煮ってないですな。
あるとすれば……
雑煮 180min HP+10 MP+10 VIT+1 hHP+7 hMP+7
追加効果:時々餅を喉に詰まらせる
……ないな。
今回のver.upで実装されたぞ。
使うのはジズの肉だがw
638 :
既にその名前は使われています:2007/01/03(水) 16:00:32.86 ID:qijALO24
ありますよ〜。
炎+ジズの肉+ラケルダ+タイガーコッド+サンドリアカロット+スティッキーライス+トコペッコの野草+岩塩+蒸留水。
上限27でHQは雑煮改。スープ扱いです。
細かい効果は忘れましたが、HQでHP+20 MP+20 DEX+2 STR+2 AGI+2 VIT+2 180Minだったような。
hHPなどはよく分かりません。
639 :
既にその名前は使われています:2007/01/03(水) 17:59:23.79 ID:ork+wVIE
続きなどうpできないのでせめて保守
640 :
既にその名前は使われています:2007/01/03(水) 19:46:59.67 ID:3li06QEc
雑煮改ってすごい名前だな。
未だかつて現実世界の食品やメニューで「〜改」ってついた食べ物は、
少なくとも記憶の中では食べたことも見たこともないな。
せめて「こだわり雑煮」とかに出来なかったものか。
641 :
既にその名前は使われています:2007/01/03(水) 21:40:50.36 ID:goI5GoI3
開発チームは、新アイテム実装したら自動的にHQを生成するツールを使ってるんじゃないかとすら思ってしまうね
カタカナの名前なら"+1"、漢字の名前なら"・改"って自動的に名前つけてデータベースに入れてくれるようなのw
642 :
既にその名前は使われています:2007/01/04(木) 02:12:48.52 ID:8DfRxAK1
保守であります。
643 :
既にその名前は使われています:2007/01/04(木) 09:56:26.52 ID:GHSX/Fkf
ホシュホシュ
644 :
既にその名前は使われています:2007/01/04(木) 16:01:27.02 ID:U+/Smjd+
ほし
645 :
既にその名前は使われています:2007/01/04(木) 21:50:00.42 ID:hlI6htV0
あぶにゃい
646 :
既にその名前は使われています:2007/01/05(金) 01:45:57.35 ID:372u8V7p
hoshu
647 :
既にその名前は使われています:2007/01/05(金) 02:21:56.81 ID:nUIync9a
エ ク ス カ リ バ ー ゼ ロ age
, '´ ̄ ̄` ー-、 -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ 〃" `ヽ、 \ / /" `ヽ ヽ \ -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ / ハ/ u \ハヘ //, '/ u ヽハ 、 ヽ / /" `ヽ ヽ \
|i │ l |リ\ /}_}ハ. 〃 {_{\ /リ| l │ i| //, '/ u ヽハ 、 ヽ
|i | 从 ● u ●l小N レ!小l● ● 从 |、i|〃 {_{\ u /リ| l │ i|
|i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ | レ!小l● ● 从 |、i|
| i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒) /⌒ヽ__|ヘ u ゝ._) j /⌒i ! ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
| ヽ ヽx>、 __, イl |::::ヽ/. \ /:::::| l>,、 __, イァ/ ./⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
| ∧__,ヘ}::ヘ三|:::::/l| |',:::::ハ ./:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、_..\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
| ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''´ .`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
648 :
既にその名前は使われています:2007/01/05(金) 02:36:05.93 ID:E9qUltT3
朝起きたら自キャラになってた
寝たら治った
649 :
既にその名前は使われています:2007/01/05(金) 10:41:44.51 ID:X7RHfSRb
つ【保守】
朝起きたらSGGKになってたんだけどどうすれば良いかな?
そのままネタに生きろ。ガルなら女にモテモテだぜ!
652 :
既にその名前は使われています:2007/01/05(金) 17:21:31.02 ID:qD8NdLGq
エクスかリバーゼロは知らんが、
コテつけてる奴がきた!とwkwkしてみたら「保守」と書いてるのが一番うざい。
>>651 > そのままネタに生きろ。ガルなら女にモテモテだぜ!
スーパーがんばりのほうでした
本当にありがとうございました
姉さん。ぼくはヴァナ・ディールにいるわけで。
「……っ!!」
が、と重い衝撃を盾で受ける。見た目ほどには……すみません、ものすごく痛かったです。
対峙するのは青白い肌の男。AAHMとか呼ばれる兄さんですよ。
視界の隅で、AATTが力を失い倒れているのが見えた。プリケツじゃないのが残ね……いやいや。
「ぼけっとするな!!」
叱責に、慌てて意識を戻す。
その時には、目の前に青白い肌のミスラがいて。
「……あれ?」
ベッドからずり落ちて、ぼくはそれが夢だったと知る。やけにリアルな夢だったなぁ。
でも、まさかねぇ。なんで神威やってる夢なんか見たんだろ。いよいよ廃人予備軍かな?
壁に立てかけられた盾に彫刻された『保守』の文字を何気なく眺めて、ぼくはぐぅっと伸びをした。
…………って。
「ちょっと待ったァ!!」
「クポ!?」
植木鉢に水をやっていたモーグリが驚いてじょうろを落とす。水がベッド方面にぶちまけられた。
つまり当然、ベッドにいるぼくも濡れるわけで、ぐっしょり濡れたボディスが冷たい。
姉さん、ぼくはまだ夢を見ているようです……
655 :
103 ◆81bNqc9AjU :2007/01/06(土) 00:09:22.15 ID:tNTy4E4A
久しぶりに本スレにカキコします。103です(・ω・)
過去ログサイトに新しいFLASH設置しました。
保守ネタ代わりになれば幸いです
656 :
既にその名前は使われています:2007/01/06(土) 02:06:46.38 ID:J5bmhU+9
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
657 :
既にその名前は使われています:2007/01/06(土) 05:50:37.01 ID:8HuqOJcb
>>655久しぶりの光臨か。相変わらず何でも出来る男だな。英語の音声はどうしたのだろう。
感動した。続きなかなかかけなくて申し訳ないです
これはすごい
660 :
既にその名前は使われています:2007/01/06(土) 17:18:55.81 ID:ijSCMeHA
ゼロゼロいって煽ってたがここまでやられちゃ黙るしかねーな
エ ク ス カ リ バ ー ゼ ロ age
, '´ ̄ ̄` ー-、 -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ 〃" `ヽ、 \ / /" `ヽ ヽ \ -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ / ハ/ u \ハヘ //, '/ u ヽハ 、 ヽ / /" `ヽ ヽ \
|i │ l |リ\ /}_}ハ. 〃 {_{\ /リ| l │ i| //, '/ u ヽハ 、 ヽ
|i | 从 ● u ●l小N レ!小l● ● 从 |、i|〃 {_{\ u /リ| l │ i|
|i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ | レ!小l● ● 从 |、i|
| i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒) /⌒ヽ__|ヘ u ゝ._) j /⌒i ! ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
| ヽ ヽx>、 __, イl |::::ヽ/. \ /:::::| l>,、 __, イァ/ ./⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
| ∧__,ヘ}::ヘ三|:::::/l| |',:::::ハ ./:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、_..\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
| ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''´ .`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
662 :
既にその名前は使われています:2007/01/06(土) 18:00:07.09 ID:ijSCMeHA
まさかマジで釣られてくれるとは思わなかった。反省している。
663 :
既にその名前は使われています:2007/01/06(土) 21:23:19.05 ID:8HuqOJcb
ぜろぜろぜーろの♪ こーるさいん♪
どこかで だれかが 呼んでいる♪
緊急辞退のはっせいだ♪
まっはーで とびだーせ♪いちごうき♪
いそげー ぼーくらのぜろてすたー♪
ちきゅうを まもれ♪ ぜろてすたー♪
ちからの かぎり たたかえば♪
ちきゅうに へいわが やってくる♪
664 :
既にその名前は使われています:2007/01/07(日) 00:31:21.56 ID:LAnZOODc
続きが書けないけどage
665 :
既にその名前は使われています:2007/01/07(日) 00:33:22.94 ID:haPKPI7p
エ ク ス カ リ バ ー ゼ ロ age
, '´ ̄ ̄` ー-、 -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ 〃" `ヽ、 \ / /" `ヽ ヽ \ -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ / ハ/ u \ハヘ //, '/ u ヽハ 、 ヽ / /" `ヽ ヽ \
|i │ l |リ\ /}_}ハ. 〃 {_{\ /リ| l │ i| //, '/ u ヽハ 、 ヽ
|i | 从 ● u ●l小N レ!小l● ● 从 |、i|〃 {_{\ u /リ| l │ i|
|i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ | レ!小l● ● 从 |、i|
| i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒) /⌒ヽ__|ヘ u ゝ._) j /⌒i ! ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
| ヽ ヽx>、 __, イl |::::ヽ/. \ /:::::| l>,、 __, イァ/ ./⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
| ∧__,ヘ}::ヘ三|:::::/l| |',:::::ハ ./:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、_..\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
| ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''´ .`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
正月になれば門松を飾る。それはヴァナ・ディールでも同じ事らしい。季節のイベントがあるおかげで時の流れ
を感じ取ることが出来る。この世界へ来てどれくらいが経ったのだろうか、俺は現実世界へ帰りたいのに……。
――帰れないでいる。それどころか、あるもので拵えたコタツの所為で……。
「あったかいにゃー。ぬくぬくにゃー。もう出たくないにゃー」
今日も子ミスラがコタツの中に入って丸くなっている。もちろん俺も此処から出て、現実世界へ帰る方法を探し
たいのに――この宇宙最強の暖房器具とも言われるコタツの誘惑の前に屈している。
「ところで……年末の時も少し思ったんだが」
そう、年末にモグハウス内の大掃除をしたときに気が付いたことがある、本当ならもっと早く気づくべきなのだろ
うが、放り出された現実……いや、非現実の前にそこまで頭が回らなかったのかもしれない。
「にゃにゃにゃ? 部屋が汚いのはコタツさんが外に出してくれないからにゃ」
「いや、まぁ、それはそうなんだが。そうではなく……」
実際モグハウスの中はコタツの中から手が届く範囲にモノやゴミが散乱している。これを誰が片付けるか――
俺、子ミスラ、そしてモグハウスの名前の由縁、モーグリであるはずだが、そのモーグリが。
「なんでこのモグハウスにはモーグリがいないんだ?」
「にゃッ! 気づかなかったにゃッ! なんでにゃッ!?」
コタツから子ミスラが飛び出して聞き返して来たが、分かるわけがない。うん、聞いた俺が悪かった。ってぇ!
「その格好は一体……そしていつ着替えたッ!?」
「これはハレギというやつにゃ! ……フリソデだったかにゃ?」
振袖とは独身女性の正装で、晴着として、晴れがましい席で着用するもので、この子ミスラもいつかはお嫁に
……いや、どこぞの馬の骨とも知れない奴の手にいくならば、この俺が……いや、そうじゃない。
「普通の振袖は、そんなミニスカ風ではないッ!」
ではないけど、それでも良い気もするが、伝統衣装を乱すというか、この華奢な生足も……ううむ。
「こっちのがコタツの中でも動きやすくていいにゃ。それに、これからエトと追いかけっこするにゃ」
エト? 干支のことか。そういえば年始にヴァナ・ディール内の至るところに干支を模したモンスターが徘徊する
イベントがあったな、今年の運勢が占えるとかなんとか……おみくじみたいなものか。
「いつまでもコタツの中に居るわけにもいかないし。いっちょ行ってみるか」
「いっやたーにゃー! 一緒にいくにゃー!」
今年の干支は――亥のはずだが……どうみてもブガードなものと壮絶な追いかけっこをした挙句に出た結果が。
――『去年と同じくらいの運勢でしょう』
それはあれか、今年も現実に戻れないってことか、そうなのか? と、途方に暮れながらも帰路についた時に目に
止まったのはモグハウスへ通じる入り口に飾られた門松、そしてモグハウスの管理を任されているミスラ。
もしや、もしかして、レンタルハウスからの移動手続きをしてないからモーグリがいないのか? そういえば、こっち
の世界に来てから、あのミスラと会話した記憶はないな……ということはやはり。
「どうしたにゃ? いっぱい遊んだから、あとはコタツで一緒にぬくぬくするにゃ!」
「ん……あ、ああ、そうだな」
もう少し、この子ミスラと二人だけの正月気分を味わうのも悪くはないか……いつ現実世界へ戻って永久の別れが
来るかもしれないのだから、せめて正月ぐらいは――。
そして、いつもと変わりなく晴れ渡っているサルタバルタの空を仰いで俺は世界に向かって年始の挨拶をした。
「今年もよろしく! ヴァナ・ディール!」
少し遅れましたが、あけましておめでとうございます。
今年もこのスレにお世話になります。
てなわけで「帰りたい男」の5回目でした。
クリスマスに季節ネタをやりそこねたので、正月ネタを書いてみました。
ちなみに、羽子板まだ取ってません。
(それにしてもブガードはないだろっ)
子ミスラたんと姫はじめage
670 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/07(日) 16:57:35.39 ID:CMoVhlLp
温かいおこたと暖かい子ミスラ。両方とも計り知れない強さです。
離れられるわけがないですね。
うちのミスラさんはちっとも暖かくありません。
続きを少々。
呼ぶと、恐る恐る私を見た。
「キーゼルを知っているな?」
「・・・うん」
カイは私に何を言われるかと警戒し身構える。まだ、何もする気はないのだけど。
「キーゼルさんは・・・ぼくがまだサンドリアにいた頃お世話になった人で、」
「あいつに?」
「・・・あの人じゃないよ。本当の、本物の、キーゼルさん」
本物。・・・何だって?
私の視線を受け、彼はエビの殻をいじりながら、ゆっくりと話す。
「キーゼル・ソルニエ。寄る辺なき姫騎士。・・・彼はどちらの騎士団にも所属しなかったけど」
それはまるで、下手な歌だった。
「大袈裟な言い方だな・・・サンドリアはみんなそんな言い方をするのか?」
「ううん。ソルニエは姫騎士と、そう呼ばれるんだ。あ・・・ソルニエって、騎士の家系なんだけど」
「随分有名なんだな」
何気ない私の言葉に、カイはぶんぶんと首を振った。
「有名だなんて・・・『死の舞踏』と称されるあのミレイユ様は、一度知ったら死ぬまで忘れられない」
・・・ちょっと待て。
ソルニエは騎士の家系だろう?
『鉄壁』だの『難攻不落』だのの呼び名ならともかく、『死の舞踏』?
見たことのないその人物は、私には想像もできなかった。
理解できないのは、と小さく口の中で独白する。
彼女は何も知らない。そもそも彼女は、『キーゼル』の生い立ちを知るはずがないのだ。
あくまでも、彼女の記憶は彼女のものでしかない。だのに『彼ら』は『キーゼル』を強いようとしている。
本来『こちら』にあるべきではない存在である彼女にとって、『こちら』の過去がどう作用するのか。
「・・・大体、何で私がそんなことを考えなければならないんだ」
まったく面倒だ。そもそも私は、
・・・・・・私は?
つぅ、と冷たいものが背筋を駆ける。
「シオン?」
カイが私を見る。
何てことだ。何てこと。
私は、いつから、あいつを意識しだした?
私は何故、会ったこともない『キーゼル』を知っている?
私には存在しないはずの記憶が確かに存在している。
「・・・ッああ!!ったくあのバカ、何をやっている!?」
まだ戻らない相手に、私は怒鳴った。びくりとカイが身をすくめる。
「ん・・・と、なに、してるのかな。遅いね」
取り繕うようなカイの言葉を遮るように、モグハウスの扉を八つ当たり気味に開けた。
673 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/07(日) 17:24:58.90 ID:CMoVhlLp
今回は以上です。
カタナかチャクラを持っていそうだわ、ミスラさん・・・
674 :
既にその名前は使われています:2007/01/07(日) 21:59:21.14 ID:LAnZOODc
age
「ふ、ふふ…」
ぐいっ
「さすが800万のサブリガだぜ… よく伸びる!」
おもむろにサブリガを頭に装着
「お、おぉぉぉ!やっぱり思ったとおりだ!ヴァナの衣服は着た部分にフィットする!」
さらに、履いているサブリガを左右に大きくずらして伸ばす
「さ、さすがだ… これは… これは間違いなくイケる!」
そのまま頭を左右ともにくぐらせる
「フ…フォォォォォォォォォォォ!エクスタシィィィィ!!」
そのまま怯えるモーグリをよそに外へ駆け出す
その日からウィンダスには、困ったときに白い仮面とほぼ全裸という自称正義の味方が現れるようになったという。
皆様、投下乙でございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
そして103氏、フラッシュ製作グッジョブでございます。
>>652 あ…俺です、すいませんでした…
保守より本編を書けと。
コテ付けるんなら本編書けと。
こういうわけですね。
むぅ、ネ実のルールなるものを知っとかないと。
新年に入って初めて拝見させてもらいました、
作者の皆さん何かと忙しいかと思いますが
更新楽しみにしてます。。
“忘れ去られた天空の城”で、俺は死んだ。
どんな人間だろうと、死ねばそれまで。例外はない。
そのはずだった。
死者の領域、エルディーム古墳。
本来ありえないはずの再スタートは、ここバタリア丘陵の地下に広がる墓地からだった。
またこの場所に戻ってきてしまうとは、何の因果かと無用な勘繰りをしてしまう。
俺は薄暗いドーム状の高い天井を見上げた。
いまにも頭に崩れ落ちてきそうなほど朽ちた、石造りの古いシェルター。
荒涼としたバタリアのいたるところに、このような半地下の祠が大小様々に存在する。
いくつかは何十人も中に入ってなお余裕のある大型のもの。エルディームの入口も備えている。
時折、地下への階段からやけにすえた臭いのする風が、シェルターの外へと吹き抜けていく。
いやがうえにも、陰鬱な気配は否めない。
俺は外套を敷いた上で、石壁に寄りかかるようにメイミィを座らせ、自分も隣に腰をおろしていた。
「まだ、顔色が悪いな」
メイミィの頬にそっと触れてみたが、熱はないようだ。
精神的なショックが強すぎたんだろう。
無理もない。
だが、俺たちにゆっくり休んでいる時間はなかった。
ひとまず1レスにて。
続きは、可能ならば今夜にでも。
682 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/08(月) 16:36:59.24 ID:8nWfUuNI
今ここに、もっとも期待されていないコテの私が来ましたよ(・ω・)
他の方はどうか分かりませんが、自分にとって、保守は息抜きとか気分転換とか、そんな感じです。
多分にネタバレ要素が含まれているのは気のせいです。
本編を投下しろよと思われるのはもっともなんですが、煮詰まってしまって停滞してしまうこともあるんです。
コテきた!これで(ryとwktkしたら保守だった・・・というのは確かにorzですけど。
コテ持ちは本編しか投下しちゃいけないとか、そんな決まりはないんだから、あんまり難しく考えなくても。
と思います。
そしてリードさんたちの愛の逃避行の行方は・・・ごめんなさい、言ってみたかっただけです。
では、続きを少し。
683 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/08(月) 16:40:27.47 ID:8nWfUuNI
きらきらと淡い光を含むそれ。
「結構小さいね」
「これでも充分力を持っています。大抵のことには使えますよ」
エメラルドグリーンのクリスタルを手に言うミガイフォングは、黄色い羽根を取り出してみせる。
包むように広げた手の中で、羽根は小さな風の刃で切り刻まれ、矢羽根に変わった。
「クリスタル合成に必要なのは、力を引き出すこと。またそれを行うためのイメージです」
よっしゃ、ばっちこーい。
実物は見て覚えた。後はそれに至る経過。見よう見まねでやってみる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・あれ?」
羽根は形を変えない。クリスタルもそのままだ。教えてもらったのは裁縫の素人レシピ、チョコボの矢羽根。
「クリスタルが反応していませんね・・・レシピは合っているはずですが」
ギルドに所属していないから?いや、そんなことは関係ないはず。
そもそも、私はクリスタルから何の力も感じなかった。
684 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/08(月) 16:55:55.56 ID:8nWfUuNI
「参ったなぁ・・・」
これはいよいよもって村人A確定鉄板か?いやでも、気と魔力は誰にでもあるってどっかで聞いた気もする。
・・・うーん・・・?
結局、私はクリスタルからマナを引き出すことができず、合成を行うことができなかった。
それだけでなく、一切の魔法が使えなかった。
ケアル、ストーン、ディア。白、黒、赤ならLv.1で使える魔法だ。けれどそのどれもが効果を成さずに終わる。
歌はよく分からないから試さなかった。召喚も、神獣と契約する概念が分からず断念。
「・・・むぅ」
本当に、私は何もできないらしい。
やっぱりジョブとしては戦士だからなのかな。でも、それだと合成もできないことは理由にならない。
「もしかすると、あなたはこちらの干渉を受けないのかもしれませんね」
「でも、ケアルはちゃんと効いたよ」
「ふむ・・・とすると、あなたが行う行為にだけ影響がある、ということでしょうか」
もうさっぱりだよ・・・でも、彼女なら分かるのかな。彼のことも知っていたみたいだし。
「教えてよ、シオン・・・」
685 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/08(月) 17:01:20.72 ID:8nWfUuNI
今回は以上です。
ギャグ9割:シリアス1割くらいで書けたらいいなぁと思う今日この頃・・・
村人Aからヤスくらいにはレベルアップしたい今日この頃でもあります。
686 :
既にその名前は使われています:2007/01/08(月) 18:26:49.65 ID:zGP83tfM
ヤスだと黒幕になっちゃうぞキーさんよ
…ハッまさか!?
687 :
既にその名前は使われています:2007/01/08(月) 18:43:50.97 ID:sF42Q990
いやいや、最近のヤスはハゲでドラマーで弁護士なんだぜ?
ククルゥ。
チョコボがひと鳴きして、こちらを見つめた。
置きっぱなしだった俺のバックパックをくちばしで開けようと、何度も試しては失敗した末での哀願だ。
あからさまに、ハラが減った様子だった。
「食べますか?」
メイミィが自分の荷物からリンゴを差し出すと、チョコボはヒョイッとくちばしでリンゴを受け取った。
いったん床に置き、シャク、シャク、と器用に突き崩しながら食べていく。
かわいい、とメイミィの表情がほころんだ。チョコボもつぶらな瞳で愛想を振りまく。
ジュノでメイミィを待たずに走り出そうとしたくせに、まったく現金なやつだ。
「追っ手が血眼で捜すだろう。ここも時間の問題か」
俺はメイミィにいたわりの言葉も吐けないまま、剣を鞘から抜いた。
血糊はまだ乾いておらず、あらかた拭い取るだけなら造作もなかった。
ほんのわずかにも刃こぼれがないことを確認して、安堵した。
しかし鞘のほうは、このまま使うことははばかられた。血塗られた剣を無造作に収めたせいだ。
「ラバオに行くなら、テレポルテで飛ぶのが一番早い・・・が」
俺もメイミィも、直接アルテパまで飛ぶ手段がない。
OPテレポも考えたが、俺はサンドリア所属でメイミィはウィンダス。
ばらばらに本国に帰ったところを、各個撃破されては目も当てられない。
「チョコボで、バストゥークまで走るしかないな」
俺は、石枠で四角く切り取られたように小さく浮かぶバタリアの青空を見上げた。
もう午前というより昼に近い。
バスゥークからツェールン鉱山、コロロカの洞門を抜けて、アルテパ砂漠だ。
途中、コンシュタットのデム遺跡辺りで別のチョコボをもう一羽、借りる必要がある。
いつまでも二人乗りでは、さすがのこいつにも負担が大きい。
なにより、メイミィに休息が必要だ。
「わたし、テレポできますよ?」
―――は?
俺は一瞬、狐につままれたような表情をしていたのだと思う。
そんな俺に笑いかけて、よいしょっ、と彼女は立ち上がった。
「なにかサポートできるようにって思って、今朝サポ白にしてたんです」
だからデムまでなら飛べますよ、と。
「あ・・・ありがとう。助かる」
何が“ありがとう”なのかわからないが、とにかく俺の口からこぼれ落ちた。
そうとなれば、さっそく出発だ。
「チョコボとは、ここでお別れだな」
なんだ乗らないのか? と不満げな表情を見せるチョコボ。
すでにメイミィのリンゴを三つも平らげて、元気が戻ったようだ。
「ありがとうね。また乗せてね」
そう言って彼女は首筋を撫でた。黄色い羽毛がふわふわと揺れる。
ククゥ・・・。
すりすり、と頭をメイミィの柔らかな胸にこすりつけて甘える。
―――このツンデレエロチョコボめ。
そんな様子を横目にしつつ、俺は外套を切り裂いた。
長剣の鞘代わりに布を幾重にも重ねて巻き、革紐で縛って背中に据える。
不恰好でも仕方ない。あとで鞘は用意しよう。
血まみれの鞘には油で火をつけ、エルディーム入口階段の先へと投げ入れた。
追っ手にはせいぜい、俺たちは古墳に潜ったとでもミスリードしてもらおう。
下に通りすがりの誰かがいたら、まぁ申し訳ないが。
「じゃ、飛びます・・・。初めてなので、失敗したらごめんなさい」
何気に恐ろしい事を言いつつ、メイミィはぎゅっと目を閉じた。
691 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2007/01/08(月) 21:50:48.91 ID:IfeeYJRV
今夜は以上です。
>>682 あ・・・愛の逃避行・・・って(焦
スレを見てたらオレも創作意欲が沸き、メモ帳にズラズラと書いてみた
ナニコレ( ゚д゚ )
UPるまえにきがついてよかったな
黒歴史をさらけ出してしまう前にこのスレのログごと記憶を消すんだ
>>692 ぜひ見たいです。ちょっと投下してみませんか?
>>694 父ちゃんボク頑張る(;ω;)
ちょいと、誤字脱字修正しつつ投下準備してきまつ
696 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/09(火) 00:39:54.16 ID:IxZG0CnC
>>686 にやりw
>>687 中の人も外の人も、そんなに大きくないです。
できる楽器は主に木管です。
>>リードさん
え、違いました?Σ(´□`;)
>>692 You投下しちゃいなよ〜です。wktk。
しかし、来る者拒まず去る者ゲッチュなヴァナだなぁ・・・
697 :
既にその名前は使われています:2007/01/09(火) 00:52:43.37 ID:6lNj6SpP
>>691-695に限らず。エクスカリバーゼロage煽り。
てか
>>1-1000まで全部俺の自作自演ってやつなんだけどな ∧_∧
∧_∧ (´<_` ;) ・・さ、流石だな、リードさん。
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ / ィ | |
/ ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/
__ _/ Prius // FMV // VAIO // Mebius // LaVie /____
\/_/ ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/
_ /ThinkPad //WinBook//DynaBook//Libretto // Presario/
\/_/ ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/
_ / Inspiron //Endeavor//InterLink // Evo //Let'sNote/
\/____//____//____//____//____/
│ │ │ │ │ ┌─┐
└────┴────┴────┴────┴───────コ.│
>>697 回線一つだと全部ID同じになるわけだが
699 :
既にその名前は使われています:2007/01/09(火) 01:41:42.62 ID:6lNj6SpP
保守ついでのギャグにマジレス想定外。
コレでいいだろ?
______________
__||__л||___|| л__||_
∧_∧_U__| _U|____||_
( ) | | ∧_∧ |\
i ⌒ \ лл ллл ( ) л\
| | | UUUUU / \ U
>>691-695に限らず。エクスカリバーゼロage煽り。
てか
>>1-1000まで全部俺の自作自演ってやつなんだけどな
・・さ、流石だな、リードさん。
700 :
既にその名前は使われています:2007/01/09(火) 01:43:29.99 ID:6lNj6SpP
てか。
>>698氏の冷静な突っ込みに笑ってさっと作ったつもりで1時間か。
結構大変なもんだな。創作と言う奴は。
サルベやってたらこんな時間に(・ω・)
では、投下させていただきます
702 :
鈴木 ◆JzFX/vrGZg :2007/01/09(火) 02:48:05.27 ID:3kbxyMmw
ってID変わってるるるるるる
鳥testついでにage
朝起きたら目の前に白いのが居た
「ギャーーーーーーーッ!悪霊退散ッ!!」
ドゴォッ!!
「クポァァァァァァッ!!」
「何事だこりゃ?」
白いのを張り倒し、周りを見てみると知らな・・・・いやモグハウス?に居る
って事はコレFF11の世界?就職活動から開放された?
確か昨日はFFの倉庫整理をして、エロゲやりつつネ実を見ながら寝たはず・・・
「落ち着けオレ、落ち着いて素数を数えるんだ
2・3・6・8・10・・・・」
「それは偶数クポ」
「ΩΩΩ<ナ、ナンダッテー!」
「そんなことより痛いクポ」
「というか、誰てめぇ」
「ご主人様・・・痴呆・・・(´,_ゝ`)プッ!」
「必殺!見様見真似・・・空鳴拳ッ!」
ドスゥゥゥゥゥゥッ!
「クルッポァァァァァ!!」
「っと、こう言う時は状況確認だ!ってばっちゃが言ってた」
自分の格好を見てみる
ジーパンにシャツ、上着に・・・携帯・ジッポ・煙草・サイフ
うん、いつもの通りだ
オレの名前は鈴木、大学3年で20歳・童貞、趣味エロゲ・ネ実チェック
よし、大丈夫だ
倉庫の中を漁ってみる、横で白豚が倒れてるけど(゚ε゚)キニシナイ!
セージ・ウネウネ動く物体・青龍刀チックな武器・大量の蜂の巣
大量のギル・オイル・水晶玉・キラキラ輝く粉・・・・
「どう見ても錬金の物だらけです、本当にありがとうございました
って、ど〜すろっちゅーね・・・・って、ん?」
確か、ネ実にこんなスレがあったよな?
携帯でチェックする・・・携帯でサーセンwwwwwwwwww
「あ、あったあったコレだ・・・ってマテ、何で見れる
てか電波バリ3じゃねーか、電話かけて見るか」
ツッツッツッ・・・現在その電話は(ry
「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!!」
気を取り直して、スレチェック完了
「ふむ、オレ以外にも何人かココに来てるみたい・・・だな
倉庫もヒュームだしフェイスF4の茶髪だし、リアルとかわらねー・・・、
さって、出会う事を祈り外に出てみるか・・・その前に自分の情報でもチェックするか」
金属カードの冒険者証明書を見てみる
氏名 Suzuki
Job Gakusei
Lv 1
ランク 1
「ねーよwwwwwwwwwwwwwww
倉庫にリアルの名前なんてて良かったのか悪いのか・・・
そもそも、学生って何?イレギュラーだから何でもおk?あー、もう!取り合えず、外だ外!」
白豚を踏みドアを開け外に出ることにした
「お〜、でけー跳ね橋だな」
外に出てみると、飛空挺が空を飛び跳ね橋が上がったり下がったりしてる
どう見てもバストゥークです、本当にありがとう御座いました
見ててもしゃーないので、跳ね橋を渡り商業区の方へ行く
オレの格好が珍しいのかチラチラと視線が痛い・・・
ミスラ見て「ウヒョー!はいきた!ミスラきた!これで勝つる!!」っと叫びつつ南グスタへ
何かミスラがモグを抱えてヒュームが敬礼していた
「なにコレ?カメラあんの?」っと言いつつスタスタとコンシュ方面に歩いていく
「スキスキスー♪フワフワフー♪こんな気持ち〜♪・・・っと、グゥダフだ
武器持ってきてないので、某戦車張りに退却〜」
と、後ろを向いたらグゥダフが居た
「(´∀`)ゝ<絡まれました」
「って、うぎゃーーーーーーー!!!オレの後ろに立つなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
武器ねーよ!ハッ!四次元ポケット事道具袋に何かあったはず!!!」
ごそごそ・・・・
「ポショーン(´・ω・`)
って痛い痛い!!殴るなクソ亀!!!」
HPが減ってるような気がするので走りながらポーションを飲む
___
/⌒ ⌒\ ━━┓┃┃
/(  ̄) (_)\ ┃ ━━━━━━━━
/::::::⌒(__人__)⌒:::: \ ┃ ┃┃┃
| ゝ'゚ ≦ 三 ゚。 ゚ ┛
\ 。≧ 三 ==-
-ァ, ≧=- 。
イレ,、 >三 。゚ ・ ゚
≦`Vヾ ヾ ≧
。゚ /。・イハ 、、 `ミ 。 ゚ 。 ・
「飲めるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!意識飛ぶっつーの!!
クソ・・・バスまで遠い・・・こうなったら戦うしかねーなぁ!!通信空手の力見せてやる!!!」
ソレっぽく構えて、モグに使ったあの技を撃つ
「見様見真似!空鳴拳ッ!!」
ドスッ!!
「・・・効く訳無いよね(;´ω`)」
「グキャーーーーーー!!」
「ヒィィィィ!!オレの怒りが有頂天モード!?コンチキショーーーー!!死んでたまるかぁぁ!!」
キュピーンッ!!何か稲妻の様な物が脳天に駆け抜けた
「ハッ!!確か倉庫は錬金術スキル96・・・錬金・・・?いやいや、アレは漫画だぞ?」
「グガーーーーーッ!!」
ブンッ!!
「のわっ!!あぶねぇなぁ!!
クッソ、一か八かだ!!」
パンッ!!
両手を叩き、両手を地面へつける
体は剣で出来ている・・・訳は無い
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!大学生を・・・舐めるんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!」
「グガァァァァァッ!!」
ギィンッ!!
「っと、親父から習った剣道も役に立ったなぁ・・・うるぁッ!!」
ザシュッ!!
手に持った刀の様な物でクゥダフを斬り、尻餅を付く
しかし、クゥダフは倒れずオレに鉄の塊を投げてきた
「んがっ!!!」
鉄の塊が頭にぶつかり意識が朦朧とする
そして、オレは思った
「次作るなら・・・ミスラの倉庫・・・よん?」
ここで、オレの意識はブラックアウトした
取り合えず、メモ帳大流出
オナヌー小説ですが、通学時間にチマチマ書いて行きたいと思います(・ω・)ゝ
初出: 16スレ703
PC(仮)名:Suzuki / 中の人:鈴木 ◆JzFX/vrGZg
種族フェイス:ヒュームF4 ジーパンにシャツ・上着とリアルの格好
ジョブ&Lv:学生Lv1
特記事項:錬金術スキル師範
活動エリア:バス周辺
あらすじ:まだ、無し
他キャラとの接触:色々とあるようで
独自レギュレーション:ハガレンのアレが使える
携帯電話でスレチェックが出来る
ポーション飲むと吹く
それでは、皆様また明日ー(・ω・)シ
711 :
既にその名前は使われています:2007/01/09(火) 11:41:56.67 ID:F9tAuVyC
よし保守だ。ようこそヴァナへ
>>703-
>>710 な、なんか最初ッから最後まですごいテンションですなぁ…
勢いに負けて笑ってしまったじゃないですか。
リアルそのまんまで来てしまった始めての来訪者ですね。け−たい使えるのか…。
しかしクリスタルもなしに錬成?…しかもリアル服?でjobが学生??
うわ、フェイト・赤鎧戦が楽しみだ…。
713 :
既にその名前は使われています:2007/01/09(火) 14:45:31.43 ID:ycGOFt9G
,イ ,/ ./〃/ / | / .リ/ //イ|.リ
// //ノノ //゙ ノ'////|.リ/
´彡'゙,∠-‐一彡〃 ト.、,,,,,,,,,,,レ゙ エクスカリバーゼロage
二ニ-‐'''"´ /`二、゙゙7
,,ァ''7;伝 ` {.7ぎ゙`7゙
ゞ‐゙'' ,. ,. ,. l`'''゙" ,'
〃〃" ! |
! l
! (....、 ,ノ !
j `'゙´ ,'
ー--===ァ /
_ _ ./
\ ` ̄ ,/
` .、 /
714 :
緑茶 ◆vUu2nK2xdY :2007/01/09(火) 16:21:57.40 ID:KVFdY7Td
勢いのあるお話ですな。
最後に「また明日ー」て毎日このボリュームで書き続けるのは体力いりますぜ。
あまりムリはせずマイペースで頑張ってください。
話に勢いがあるから気にしなかったけど、ハガレンのあの錬成陣のポーズは
知らない人には、なかなか説明しずらい行動ですな。
鋼の小説とかだと、初出の時どうやって表現してるのでしょうな。
715 :
既にその名前は使われています:2007/01/09(火) 19:06:41.20 ID:IxZG0CnC
何だったかな・・・普通に、両手をあわせる、って表現だった気がします。
DVDも小説もコミックスも持っているのに、雑誌掲載分しか知らない(;´ー`)
保守でございます。
>>710 投下乙でございます。
緑茶氏の仰るとおり、勢いがありますね。
それに、どことなく初期のヒロさんのような雰囲気・・・。どこかで化けるかもしれませんね。
わっふるわっふる、でございます。
保守するお
バイト終わって風呂入って飯食って、栽培チェックしてたらこんな時間だぜlol
それでは、投下させてもらいますおー(´∀`)
ここは、バストゥークのある民家
「・・・ファー…ブルスコ…ファー…ブルスコ…ファ・・・」
「起きろ」
ドスッ!!
「モルスァ!!!」
「ふむ、起きたようだな」
「ココはだれ?あなたはどこ?ていうかヒンヌーですね」
ドゴォ!!
「ok・・・ナイス鉄拳・・・・」
目の前には黒髪のポニーテールで赤い甲冑を着ていた
オレのスカウターが反応する
ピピピピ・・・
20000・・・30000・・・40000・・・な!?まだ上がるだと!?
ボンッ!
何ィ!?スカウターが壊れただと!?
「おめでとう、あんたの戦闘(美人)力は【計り知れない強さです】、であんた誰?」
「はぁ・・・起きたと思えば・・・私はミスリル銃士のアヤメ、ココは私の家 貴方は?」
「オレ、鈴木 K大学の3年」
「K大学・・・?それに見たことの無い格好・・・って、最近噂の異世界から来た人か?」
「あ〜、それそれ 同じような人が居ないか外に出てみたらクゥダフに襲われたんだ」
「なるほど・・・それであんな所で倒れてたのか」
「って、アヤメさんが助けてくれたのか・・・ありがとう、あのままじゃ死ぬところだったよ」
「いや、気にすることは無い それで、君・・・いやスズキはこれからどうするのだ?」
「ん〜・・・どうしたもんかね・・・帰る方法も検討つかないし・・・まぁ、色々歩き回って帰る手がかりでも探すさ」
「そうか・・・っとすまない、連絡が・・・」
アヤメは大きい真珠の様な物を持ち、眼を閉じている
あれは・・・・リングパールか、なるほどミスリル銃士のパールか
「むう・・・これから任務でセルビナへ行く事になってしまったんだが・・・
それと、スズキの事を聞いてみたのだが、私が護衛につくらしい」
「へ?アヤメさんが?ミスリル銃士ってそんな事までするのか・・・」
「えぇ、ナジにも可愛いミスラさんの護衛についてるらしいのでな」
「あ〜、あの門番?」
「そう、あの門番だ」
所変わってバスの大工房、ミスラと門番が鍛冶ギルドで作業をしていた
「うぇっくしッ!!」
パリーンッ!
「にゃーーーーーーーーッ!割れたにゃ!!ナジの阿呆だにゃ!!」
「う〜・・・すまん、誰かがオレの噂でもしてんのか?」
「知らないにゃ!合成中に気をそらす様な事をするにゃ!お仕置きにゃ!」
「って、うわあああああああ!!!!」
某ミスラ ナジ
∧_∧ ∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ);:)ω;).,,';
(っ ≡つ=つ ⊂ ⊂)
/ ) ババババ ( \
( / ̄∪ ∪ ̄\_)
元に戻りinアヤメの家
「今なんか声が聞こえた様な」
「私もそんな気がする・・・・
っと、取り合えずセルビナに行くのだが、一緒についてきてもらう事になるが平気か?」
「あぁ、どうせ行くアレもねーしな足手まといになるかも知れないが・・・よろしく頼む」
「なに気にするな、早速セルビナに向かうのだが大丈夫か?」
「あぁ、問題ない タイムイズマネー、時は金なりだ
よろしくアヤメさん、頼りにしてるぜ」
「うむ、それと"さん"は付けなくて良い、アヤメで結構だ」
「む、おーけー んじゃ改めてよろしくなアヤメ」
こうしてアヤメとセルビナに向かうことになった
チョコボなんて当然乗れないので二人してグスタを歩く
「ところで、スズキ見たところ手ぶらの様だが武器は大丈夫なのか?」
「あ〜、そういえばあの時は練成ができたよなぁ・・・
ん〜む・・・練成が出来たなら、アレも出来るんじゃねーか?」
「アレ?アレとは何だ?」
「ちょっと、待ってな・・・アヤメの刀を貸してくれないか?」
「ん?構わないが・・・」
鈴木はアヤメの刀を余すところ無く見る、自分の記憶の中に刻むように
「うっし!いっちょやってみっか!
ほい、サンキュ!返すぜ それじゃ・・・いくぜ!うおおおおお!
,ィ
//
ト、/ | ト、
| ヽ.';`::、 ノ
' ヽ 〔//
, ト、.:" <
|ヽゝ ,( ゚ω゚) / ,ィ
\ <( )> 7_//
| < > / 」
トレース .オン
「―――― 同調 開始」
頭の中に刻んだアヤメの刀を思い浮かべる・・・
「む・・・?これは魔法・・・?いや・・・こんな魔法は見たことが・・・」
徐々に鈴木の手にアヤメの刀が構築されていく
そして、一振りの刀が鈴木の手に完成した
「・・・ふぅ、やればできるもんだなぁ」
「スズキ・・・今のはいったい・・・」
「ん〜、気にしたら負けかなっと思ってる」
「そ・・・そうか、まぁ何にせよ武器があるなら何とかなりそうだ」
「おう!これでクゥダフがでても
∧_∧ ぼこぼこにしてやんよ
( ・ω・)=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
/ ) ババババ
( / ̄∪ 」
「はは、それは頼もしいよ」
そして、二人は歩きながらこの世界の事、鈴木の世界の事を話しながらセルビナへ向かうのだった
それはそうと、鈴木が現在状態を確認したところLv12になっていた
ビバ、イレギュラー ゲームでもこんなに簡単に上がりたいものである
ちゅーわけで、アヤメとの出会いまで完了
そろそろ、フェイトやらださないとなぁ・・・・
それでは、明日も学校なのでココで〜(´∀`)シ
726 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/10(水) 03:57:59.73 ID:vEr4hxTN
ちょwwwww鈴木さんテラスゴスwwwww
なんだかいろいろと超越しすぎて、どこからツッコんでいいか分からないくらいにステキすぎます。
よーしパパ対抗しないぞ〜。
ということで続きを少し。
727 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/10(水) 04:07:44.02 ID:vEr4hxTN
「・・・シオン」
無邪気さの欠片もない声が私を呼ぶ。緊張していると聞いただけで分かる。
「どうして、誰もいないんだろう」
バザーをしている者も、競売を覗く者も、宅配に荷物を預ける者も、冒険者ではない人々すらいない。
ああ、まったく面倒だ。私は、私には、それが何を意味するのか『スレ』で知っていた。
「あらぁ・・・かわいらしい子猫ちゃん。お相手してくれるのかしら?」
艶のある言葉が向けられ、私は腰の剣に手をかける。
今の私はとてもとても不機嫌だ。洒落に構うつもりは毛頭ない。
「いい加減にしないと、わたくしぶちきれますわよ?」
相手を視界に入れ、私は舌打ちした。
ふっ、と力がなくなる。
体を支えていることもできずに、私はとっさに差し出された腕に抱かれた。
抱かれているはずなのに、触れている感覚がない。目を開けているのか、閉じているのかすら分からない。
私の名を呼ぶその声に応えることもできず、眠りにつく数瞬前のような闇に、意識を預ける。
728 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/10(水) 04:11:29.38 ID:vEr4hxTN
名前?
・・・・・・私の名前、何だっけ?
729 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/10(水) 04:26:47.99 ID:vEr4hxTN
あのねぇ、と溜息。
「だからね、女の子ですから」
「いや、ネカマでしょw」
いつものやりとり。アルザビの競売エリアは人が少ないからよくみんなで集まる。
ビシージの時は・・・まあ、察してください。
「あんたは女の子らしくないからねw」
ノーブルを着たヒュームの女性に小突かれ、私は何とも納得がいかない。あなたこそネカマじゃないですかッ。
まあ、最初のキャラは男だったんですけどね。その印象が強いんだろうけど。
私だって、一応女の子なんですけど。ってかLSでオフやったじゃないですか。私がビールダメって話もしたし。
口調が男っぽいのも認めますけど。
「仕方ない、 に女の子らしさを求めるほうが間違ってる」
さらりと言う。・・・うぅ、納得がいかない・・・
「・・・も〜、怒りますよ」
「あははw」
軽い笑い。・・・人の気も知らないで。
ふてくされて、耳たぶに触れる。
ピアスをいじるのはほとんど癖だ。つけていなくてもついついいじってしまう。
ぴん、と引っかかるような感覚とともにピアスが私の手の中に落ちてきた。
キャッチはずれたかな?と見てみると、それは、緑の石のついた、フックピアス。
730 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/10(水) 04:35:52.14 ID:vEr4hxTN
何だっけ、これ。見たことある気がする。確か、・・・確か。
反対の耳たぶに触れると、そちらにもピアスがある。黒い石のフープピアス。
私は、ピアスホールは片方にしか開けていない。それに、フックタイプのピアスは持っていない。
・・・あれ。
何かが引っかかり、帽子を取ってわしゃわしゃと髪をかき回す。
何だろう。この違和感。
分からないのが気持ち悪い。でも、分かったら不安が現実になりそうで。
一団から離れ、何となく水路を覗き込む。
そこに映っていたのは、
私。
731 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/10(水) 04:44:10.94 ID:vEr4hxTN
今回は以上です。
ようやく話が進展しそうですw
ただ、シリアスメインになるのが嫌ですねぇ・・・常にギャグメインでありたいものです。
(やばい寝過ごした!何で鳴らないんだこの目覚まし!)
時間を見ようと目覚ましの方に手を伸ばす。
(あれ?確かこの辺りに・・・うわ!なんだ!手みじか!)
驚いて起きようとしたがなかなか起き上がれない。頭が重い。
違う、頭が重いのもあるが体が小さい。
俺はタルになっていた。意識がはっきりしてくると、ちょろちょろと水の音がする。
モグハウス・・・しっかりとモグも浮いてる・・・
恐怖に震えた。俺は降り立ってしまったんだ。
リアルヴァナ・ディールに・・・
そうか、しかしこれは運命
タルとして生まれ変わったならやることは一つ
パ ン チ ラ !
まずは港のエサやりミスラだ!
ε==ヽ(`Д´)ノ フォーーーーー!
おまえさんが魚のえs…おっと、何でもない。
ともかく、気を付けてなw
734 :
既にその名前は使われています:2007/01/10(水) 18:02:48.53 ID:YqDnlwak
保守るよ!
735 :
既にその名前は使われています:2007/01/10(水) 23:13:33.15 ID:YqDnlwak
保守るよ!
久しぶりに来たが昔からこんな過疎ってたっけか・・・
736 :
既にその名前は使われています:2007/01/11(木) 01:40:58.54 ID:TnbwKN24
age
737 :
現実から夢、そして現実へ:2007/01/11(木) 06:46:21.24 ID:kNkzmZm+
差し込む日の光で目が覚める
「うぅ、、灰になる、、」起き抜けに馬鹿なことを呟いてみる
「何朝からおかしなこと言ってるのよ、ほら起きて!今日はお出かけ!」
そうだった、今日は買い物に行くんだった
今日は12月31日、年末に必要なものの買い出しだ、一日歩き回ることを覚悟しつつ僕達二人は家を出た
「ヴァー、やっと我が家〜」
もう体はふらふらだ、生きてるのもふしぎ!
「あなた、おつかれさま、すぐにお風呂とご飯の用意するね」
、、、僕の体力のなさを嘆きつつ、妻を手伝いながら夜は更けていった
時刻はPM11時40分、もうすぐ年が明けて新しい年が始まる
「あーなーたー!おきなさーい!寝たら死ぬわよー!」
「あ、、大丈夫だって、毒薬飲めば寝ないぃぃ」
「何言っちゃってんのよ!」
うぅ、やばい、朦朧と、、あと十五分がま、、ん、、、
738 :
現実から夢、そして現実へ 終:2007/01/11(木) 07:00:40.26 ID:kNkzmZm+
、、、目が覚めた
「、、、また夢か」
辺りは森、火を起こしながらいつのまにか寝てしまっていたようだ
「起きたタル」
「ここは敵地、気が緩んでないか?」
小さい子供のような人と体の大きい岩のようなやつが傍にはいた
「大丈夫だ、夢を見ていた」
「遠く、懐かしい夢を」
あれからどれだけの月日がたったろう、目を覚ませばモグハウスにいて理解もできず発狂、受け入れるまで長い時間を要した
だが、寝ても覚めても変わらぬ今を生きると考えるのはそう遅くなかった
「夜が明けたら行くぞ、今日こそ目的を達するのだ」「はやく帰りたいタルー」早く帰りたい、そう、俺も帰らなきゃならない
今生きる場所での帰るべき場所に
「二人は寝てくれ、僕が見張っていよう」
そう言って二人を寝かせたあと、僕は改めてこの世界に目を向けた
〜自己万終わりww寝ますwwww
739 :
既にその名前は使われています:2007/01/11(木) 14:40:03.16 ID:QJdU6FlP
紙を前に、膝を折る。東方で『正座』と呼ばれる座り方だ。
この姿勢は背筋が伸びて気持ちがよいくらいなのだが、如何せん次第に足が痺れてくる。
作法なのか拷問なのか、いまいち判断がつかない。
「一年の計は元旦にあり、だそうだ」
「元旦って、お前今日はもう・・・」
「正月イベントは15日までだから問題はない」
「いや、あるだろ常識的に考えて・・・」
黒髪の兄弟に溜息をつきつつ、ペンを取る。毛筆じゃないのかよ、とは言わなかった。
「えー・・・と」
何にすっかな。
とりあえず、思い浮かんだ言葉を記す。『克己』。うん、これでいいや。かつみじゃないぞ。
ふと兄弟のほうを見やると、彼は思いのほかさらさらと書いていた。
どれどれ?
「・・・お前・・・」
やけに堂々とした『保守』の文字に、もう一度溜息が出た。
「一年の計?」
「一年の計。」
彼は銀髪の兄弟へ、無意味に自信たっぷりにうなずいた。
740 :
既にその名前は使われています:2007/01/11(木) 17:13:52.17 ID:3KjUpQ7z
保守るよ!
この保守小話の流れは誰が作ったんだ・・・?
741 :
既にその名前は使われています:2007/01/11(木) 20:03:32.87 ID:QJdU6FlP
(ぎくっ・・・
え、えーと、多分、保守小ネタは
>>84さんが最初かな?
便乗と言うか何と言うか、自分もずっと書いてます・・・
742 :
既にその名前は使われています:2007/01/11(木) 20:24:09.67 ID:3KjUpQ7z
>>741 にゃるほどね!
私も久しぶりに保守小話書こうかな・・・。前回は雪山で死んだが・・・
(366)
魔法屋を右手に見ながら、バストゥーク港へと伸びる橋へと歩く。
領事は話し疲れたのか遠くを見ながらぼんやりと歩いている。喜ばしい事だ。
このバストゥーク港にエルリッドと、黒髪の赤鎧が潜んでいる。
そう思うと、橋から見える飛空挺の大きさやそれを迎え入れるための巨大な跳ね橋も俺の興味を引くものではなかった。
旧港区と言うと、今いる商業区から港区へ渡されている橋からはずいぶんと距離がある。
昨日の夜爺さんが自室で広げていた地図によれば、むしろ居住区に近い。
バストゥークの居住区は石造りの建物がところ狭し立ち並び、見通しは極めて悪い。
隠密裏に移動するには都合が良いとも思える。
もっとも、ここまで来てそれも今更な話だという気もする。
バストゥークに着いてからの俺達の行動はほとんど筒抜けだろう。
最初から隠れる気も無かったし、なにしろバストゥークではエルヴァーンなんて隠れようも無いくらいに目立つ。
それに、爺さんの事も考えるともはや隠れる意味も無いような気がしてくる。
しかし、そうするとヒロが襲われたと言う一件は何だったのだろう。
爺さんの話を聞く限り、俺達の利用価値が消えない限りは直接襲われる理由は無い様に思っていた。
もしかすると、黒髪の赤鎧の手元にあるものを行方不明にしたい事と関係があるのだろうか。
(367)
橋を渡りきったところから階段を上ると、前方に蒸気の羊亭が見えてきた。
近辺にあるどの建物よりも大きく、またそれに見合うだけ客も来る。客層も様々だ。
ついでに言えば、俺の事を勝手に弟子と呼ぶ困ったオッサンもここの常連だったりする。
「爺さん、後ろの様子は?」
「相変わらずですな。見通しの良い場所ではさすがに距離を置いておりましたが、階段のあたりですぐ背後に」
ふぅん、と首をかしげたのはラディールだった。
「あのミスラの子、もしかしてずっと付いてきてるの?」
こう言いつつも振り向かないあたり、すっかり心得たものだ。
「ま、連れ出して捕まえるために外に出てきた訳なんだがな…」
「成る程、そういうことなら蒸気の羊亭という選択は悪くないな。あそこには常に数人密偵を忍ばせている」
領事も領事で、遠くを見てボーっとしていると思えばこういう事には気が付いているらしい。
大きな扉を開けると、昼間だと言うのに騒がしい気配がしてくる。
俺が中に入る前に、領事が先に立ってつかつかと店主と思われるヒュムに話しかけ、そのまま2階の席に上っていく。
後を追うように上っていくと、眼下に全ての席が見渡せるテーブルに領事がどっかりと座り込んでいた。
「なるべく目立つ席がいいだろう?」
そう言いながらも、視線は下の席へ送られている。それに反応するように見上げる人物が1人2人… いや、なんかたくさんいる…
ふと領事が視線を上げてこちらにウィンクしてきた。どうも、ここにいる人間のほとんどが密偵らしい。
745 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/01/11(木) 21:33:45.02 ID:TnbwKN24
また随分間が開きましたが、続きです…
1月って何かと忙しいですよねぇage
「寒い・・・」
白く覆いつくされた大地に点がひとつ。ゆっくりと動いている。
「クソ・・・。なんで死体処理なんて・・・。俺の役目じゃないのに・・・。クソ・・・」
点が文句を言う。よくみるとそれは緑色の帽子に黒いマントを羽織った男。
「さっさと回収して城にもどらないと・・・ぶえっくしゅーん!!!」
大きなクシャミが銀世界に響く。
ここは呪われた北の地。ズヴァール城前の光る谷。
男は上司に命令されてこのクソ寒い吹雪の中ここに来た。
「人使い荒いよ・・・。早く出張おわんねーかな・・・」
足を止めて回りを見渡す。デーモンがうろうろしてたりするが気にしない。
少し歩く、足を止めるを何回か繰り返す。地面はどこを見ても白い。
「ここだな・・・」
そういうと突然地面に手を突っ込む。
ぼこっと音がして出てきたのは人の腕だった。
「当たり・・・」
それからが難航した。
俺が煤焦げたダブレットを脱ぎ、小奇麗なガンビスンへと着替え終わるほどの時間が経っていた。
メイミィは、「ん〜ぅ、あ〜ぅ、む〜ぅ」と、眉根を寄せ、テレポデムを懸命にイメージする。
が、うまくまとまらないようだ。
なかなか、発動しない。
「・・・あっ」
それまでうなっていたメイミィが、唐突に小さく呟いた。
その瞬間、俺たちは光に包まれた。
何度体験しても慣れない感覚が俺を襲う。
全身がまるごと崩れつつ浮遊するような、そんな気味の悪さだ。
再び視界が開けたとき、俺の身体は薄赤く光る魔法陣の上に在った。
いつも見るコンシュタットの風景。
背後には、身の丈をはるかに越えるゲートクリスタルが浮かんでいる。
テレポデム、成功だ。
「わぁ・・・。ホントにできちゃった!」
発動させた当の本人が、一番驚いていた。
コツさえ掴めば、次からはもっと早くできるはず。
グッジョブと言わんばかりに、クルゥル! と隣に立つチョコボがひと鳴きした。
「・・・・・・チョコボ!?」
今夜は以上です。
749 :
既にその名前は使われています:2007/01/12(金) 07:59:20.71 ID:oKmXpoi4
朝起きたら……遅刻しそうだった。
750 :
既にその名前は使われています:2007/01/12(金) 10:45:13.72 ID:9BH3DN3E
全然関係ないが朝起きたら息子が別物になってた。
俺の息子は、この界隈では名の知れた男だ。
普段からの大人(たいじん)振りに加え、危急の折には幾多の死山血河を築きながらも潜り抜けてきた猛者である。
しかし、物臭なところが玉に瑕だ。短絡的で気が短いのもある。
だが、まあ、追々変わっていくだろう。そうでなければ、この家を継ぐに値するとは到底言いがたい。
この時も俺は、息子を呼びつけていた。
「タケシ!!早く起きないと遅刻するよ!!」
「今起きたよ、かーちゃん!!」
慌ただしい声が応えた。風邪でも引いたか、いつもよりも低く聞こえる。
また遅くまで起きていたか?
その懸念は杞憂だった。
自室から現れた息子は、筋骨隆々とし盤石が如き胸板を持つ、身の丈七尺はあろうかという大男になっていたのだ。
こうですか?わかりません><
752 :
既にその名前は使われています:2007/01/12(金) 15:54:54.11 ID:PjhoVrmr
もし2chがガチでなくなってしまうのだったら
続きはwikiに直接あげたほうがいいんだろうか
趨勢が決まる前に切りのいいとこまで書ける気がしないよママン
>>752 もし本当に閉鎖された場合は、
『続きはwikiで!』な可能性が高いと思いますよ
ただ、実際本当に閉鎖されるかどうかは
その時が来るまでわからないところですが…
書きやすい形として今の掲示板のようなものを希望される方がいましたら、
そのときは避難所スレか、もしくはこちらで用意しますから( ´ω`)b
754 :
既にその名前は使われています:2007/01/12(金) 18:04:27.39 ID:fvnc6V2c
とりあえず避難所があるし、今これといった対策する必要はないんじゃないかと。
>>751 一人称が『俺』のかーちゃんスゴスw
埋まっているのは確かエルヴァーンのモンクだったはず
男は死体が壊れないようにゆっくりと身体を引っ張り出そうとした時違和感を感じた。
「柔らかい・・・? 既に死んでいるのなら固くなっててもおかしくないのだが・・・」
背筋に寒気が走った。反射的に死体から離れる。
次の瞬間、爆発するかのように大量の雪が舞いあがった。
「生きてる・・・?」
雪煙で見えないが確かにそこにはなにかがいる。
ヒトの形をした何かがこちらを見ている。
756 :
既にその名前は使われています:2007/01/13(土) 03:50:01.13 ID:Q+u6y1q9
エルモさん復活きた!?これでかつる!
やがて舞い上がってた雪煙が晴れた。気付けば吹雪もやんでいる。
さっきまでいた場所にはエルヴァーンのモンクが立っていた。
所謂白カッパモンク。上司の言ってた死体だ。しかし生きている。
腹部が赤くなっている以外は特に外傷もなさそうだ。
モンクは親の仇でも見るようにこっちを睨んでいる。今にも飛び掛ってきそうだ
男は片手を前に出して言った。
「君と戦いに来たわけではない。話し合いしに来た。君だって傷が深いだろ。
ここはひとつ抵抗しないで俺の言うとおりにして欲しい。そうすれば痛くないように殺すから」
その言葉を聞くや否や飛び掛かってきた。真っ直ぐ男のほうへ。
男もそれを予測していたので横に飛んで攻撃を避ける。
と同時にモンクの影に向かって矢を放つ。
758 :
既にその名前は使われています:2007/01/13(土) 15:56:56.04 ID:wNPtaRQw
・・・多分息子とは「ちんこ」の意ではなかったのか。
イヤマジデ。
35歳会社員もそうだが、メディアも捏造記事、ゴシップ記事かけなくなるぞ・・・コレ。
759 :
既にその名前は使われています:2007/01/13(土) 21:39:28.01 ID:7qRqubzA
それじゃあストレートすぎるさ。
あくまでスレに沿うように解釈したと思われ。
まあ、言うまでもないんだろうけどw
魔道球の中に、ジュノ上層のシーンが映し出されている。
それを何度も繰り返して眺めては、喜ぶ黒スーツの青年。
「どうしてリード君はあんなに元気なのはなぜ?」
「知りません。仕事してください。」
「マガシキノロイ、かかってたよね?」
「知りません。」
「チョコボ超つよいなぁ。あれ、ハイプリースティスはどこ行ったの?」
「さっきズヴァールに戻ってきたじゃないですか。」
「え、なんで?」
「デュエル様と新人をこっちに帰還させるためです。」
「デュエルかぁ。じゃ、しかたない。」
「いいから仕事してください。」
「で、君のほうはどうなの?」
「なにがですか。」
「君のお仕事。歌で仕様が変わっちゃったエリアのほうは、代替空間とつながった?」
「それとこれとは関係ないじゃないですか。」
「ん〜ふふふっ」
「キレていいですか?(半泣)」
久しぶりの休日を明日に控えて今日は何か書くかなーっと。
それだけじゃ何なんで保守がてらに駄文でも。
…425kBまで来てて1000が先か容量オーバーが先か微妙なラインですな。
自分でも書いてて、他の人が書いてるのを読んで――プロの人の本を読んだりすると、
プロの人は長期連載の場合にどこまで先を考えて書いてるのかな、と考えたりします。
大まかな流れだけは決まってて、細かい部分はその場その場なのか、
はたまた、完全にストーリーが決まってるか、その逆か。……まぁ、人それぞれか。
で――ある小説のあとがきに「作家は時として喩えを先に作って、あとから内容を作る」とか、
そんな話がありました。もし内容を作らずに喩え話だけだったら……
読んだり聞いた人の解釈の仕方によって全然違う結末、というか内容になりそうだなぁと。
抽象絵画とか、抽象的な言葉とか、人によって受け止め方が違うのに、
内容を作らないまま世に出すのはどうなんだろうなぁと、思ってみたり。
『美しい国、日本』て結局なんだよ?wwwみたいな。抽象表現好きだけどね!
って、駄文でとりあえず保守しようと書き込みする前にリロードしたら保守話が投下されてたw
762 :
既にその名前は使われています:2007/01/14(日) 05:38:41.85 ID:RidW9wlz
/ ̄フ/) 、
/ r-、 ̄、_フ //
,ヘ(●ノ > / /_
(_l_"フ_く_/) // <パカッ!
___
│ヰ│ <・・・・まったく。死んだフリや親友の援護も楽じゃないな。
│+│ あ。誤解するなよ。最後は勝手に暴走した鎧とお前との戦いだったから今度は普通にやりたいだけだ。
` > 之 とりあえずお前に派手に破壊された身体を治すためこのなかで療養してるからがんばれ。
` >  ̄フ、 、、>
(" ( フ_>
ヽ \、、_フノ
\__、、ノ゛
}ニ}ニ}
_/ニ/ニ/
∠|∠|ニ>
764 :
既にその名前は使われています:2007/01/14(日) 06:56:55.88 ID:RidW9wlz
コメントはやらんがAAなら作る。
765 :
既にその名前は使われています:2007/01/14(日) 07:10:19.24 ID:RidW9wlz
/)⌒;;;;;L
mこm
し , ri
;;; ;ノ己
::::::;
X
プログの絵を・・・極小で作ろうとして途中で投げた。
他にも色々作るぞ?出来は期待するな。
766 :
既にその名前は使われています:2007/01/14(日) 07:20:08.49 ID:RidW9wlz
/);;;;;;;;;L
/ mこm
kklしお ,のri
kkl ;;; ; ノ己
::::::;
臼⌒X⌒ 暗
\
ノ段々似てこなくなったな・・・どうも寝不足らしい。今からでも寝とくわw
>>765 マジで何だかわからないw
もしかしてTopのミスラの方?
768 :
既にその名前は使われています:2007/01/14(日) 11:44:25.36 ID:cCGkQ0Mc
>>763 ブログに書いてある話をそのままこっちにコピペした方が、
このスレの住人のコメントは返ってくると思う。
もう遅いがブログがあるということを言わずに貼っていくと良かったのかも。
>>768 それも考えたけど
俺が書くのってダラダラと長ったらしいんだよね
だからブログにしようかと
このスレ過疎ってるから投下しちゃいなYO!
771 :
既にその名前は使われています:2007/01/14(日) 15:43:10.53 ID:Z8GkYqRX
そもそも話の方向性すら見あたらない私は・・・orz
マップやマクロなどのメニューの扱いは、やっぱり人それぞれなんですね。
FFでは当然に使っているのだからヴァナでも。という方が多いんでしょうか。
私の場合、ゲームの中と言っても『クリスクロス』よりも『アヴァロン』みたいなのかな、と思ったので、
メニューコマンドの類は一切表現していないです。
もし前者風なら、またちょっと変わった書き方になっていたかも。なのかな。
と、何となく自分語りしつつ保守。
投下するのは本編でなく保守小ネタばかりでは、あまりよいものじゃないですね・・・
772 :
既にその名前は使われています:2007/01/14(日) 16:36:15.17 ID:0QZ9CbHG
>>771 小ネタの方がここ向きだと思うよ
書くとクドく長くなる俺としてはうらやましい
773 :
既にその名前は使われています:2007/01/14(日) 18:44:52.32 ID:0QZ9CbHG
日課のNPCエル♀のおケツでも眺めるべく港へ
主観視点で細かに位置取りを開始もうちょっと前か?もうちょっとか?
プニュ
あ、お尻顔に当たっちゃった、テヘ・・・あれ?
プニュ プニュ
なんだこれー!本物やんけ!俺タルになっとるやんけ!
しかしそれでも止まらないMy Heart
「アハハハハ!アハハハハハハハハ!!」 プニュッ プニュ
・・・・・・
( + ) <なぜここに呼ばれたか分かりますか?
「ピギャァァァアアアァァァーーーー!!!!!!」
と短編の練習でもしてみる(・ω・)
>>732 >>773 だからなんでタル♂がエロエロにするなと何度もいってるのにおまえらはこのやろぶkk(ry
公式もタル♂を真面目に書こうって気がないな…アルザビのからくりタル、あれ何よ?
って真面目なタル♂ってカラハバルハしか思いつかない。
まぁ明日か明後日辺りに続きを投下するかもと予定を告知。
ヨランオラン、コルモル、味丸・・・
言っててこいつらまともじゃないような気がした
776 :
既にその名前は使われています:2007/01/14(日) 23:31:28.55 ID:AxjmfoTs
「まともな」タルタルなど存在しないということだ
777 :
既にその名前は使われています:2007/01/14(日) 23:46:21.30 ID:0QZ9CbHG
私の名はメーテル…いえ、エル♀…
今西サルタの丘でお昼寝しているの…
いえ…正確には倒れてる…
そう…あれは小一時間ほど前…
ジュンチョーにイモムシを叩いてたら後ろからヤグが…
簡単に倒されて「やっちゃったー」と目を閉じて横になったら…
そのまま気を失って気がついたらこの世界で倒れてたの…
鉄郎…このまま時間切れまで寝ていようかしら…
あら、イモムシさん…再POPしてきたのね…
でもそこは私の上なの…重いわ…
ていうか…息できないわよ…
動いて…どいて…息できないわ…
イヤ…マジでお願いします…
車掌さん…意識が遠のいてきたわ…
早くこのイエローイモムシ発車させてくれるかしら…
だめ…うは…もうだめぽ…
さようなら鉄郎…銀河鉄道の皆さん…
778 :
既にその名前は使われています:2007/01/15(月) 03:49:26.76 ID:A96Thejw
ぜい、と荒い息を吐く。手にした剣が重い。一時間近くも戦い続けていた。
「そこの傭兵!!」
叱責に意識を向ける。真紅の装束をまとった男が鎌を振るってプークを切り捨てる。
「ぼうっとするな、邪魔だ!!」
「・・・ッ、あ・・・」
男の髪を濡らすそれを知り、怯む。だって、こんなに重いなんて。
小さなタルタルの白魔道士が、男に回復魔法を唱える。見る間にその傷は消えた。
ビシージ。スキルあげや経験値稼ぎ程度にしか思っていなかったのに。
戦わなきゃ、やられる。・・・やられるって、やられたら、どうなる?
倒れ伏した皇軍兵士が視界に入る。懸命に詠唱される回復魔法も効果はないようだった。
やられたら、ああなる。
今の自分は、NPCと同じなのだ。
・・・・・・死にたくない・・・!!
ぎりっと歯を食いしばり、いつの間にか取り落としていた盾を拾う。
盾の内側に刻まれた『保守』の文字を確かめ、今まさにこちらへ向かってこようとする敵を睨んだ。
戦う。戦う。後込みしている余裕はない。怯めば・・・待っているのは、死。
負けるわけにはいかない。
小さく呟くと、剣を構えた。
あげとくよ
780 :
既にその名前は使われています:2007/01/15(月) 18:40:18.22 ID:A96Thejw
勇猛果敢で鳴らす騎士たちの悲鳴が響いた。
「・・・おいおい、何だぁ?」
所用から戻った銀髪の騎士は、逃げ惑う騎士たちを追い回す黒髪の兄弟に気付く。
いつもどおりの無表情。だが、目が据わっている。
・・・誰だ、あいつに酒飲ませたバカは?
舌打ちし、ついでに床で伸びていた友人の襟首をひっ掴んで端にやった。このバカだ。
「高くつくぜ、リュシアン・・・」
溜息をつき、今の獲物らしい少年を救うべく兄弟に軽めのタックルをかました。
「っ・・・」
バランスを崩し倒れ、呻き声が小さくこぼれる。だが、そのまま床に押しつけた。
「おいたはそこまで」
「・・・うるさい」
ぽんぽんと頭を撫でると、彼にしては珍しくも抗議した。
おや、と組み敷いたままの兄弟を見やる。熱に浮かされたように、虚空を見つめていた。
「・・・守るんだ。ただの保守もできなくて何が騎士だ」
もはやそれは独白だったが、彼は兄弟に話しかけた。
「守って、どうする?」
「守って・・・戻、る・・・」
言葉が消える。どうやら意識を失ったらしい。・・・やれやれ。
「・・・戻れりゃ、どんなに助かるか・・・」
>>757の続き
男を通り過ぎた後、モンクの動きが止まる。
「影を縫った。降参しろ。お前に勝機はない」
男がモンクの背中に言い放つ。事実勝ち目はないだろ。
「諦めるわけにはいかないんだ・・・。俺はリアルに帰るんだ!」
そもそも影縫いは痛みで解けてしまうもの。だからこの間は狩人は攻撃しない。
しばしの間の安全が約束されたアビリティ、だったはずだった。
モンクは自分の顔を右手でぶん殴った。こっちが痛くなるくらい思いっきり。
「なっ・・・!」
一瞬の油断を突いてすばやく懐に潜り込む。
「負けるものかああああぁぁぁ!」
モンクの拳は男の腹を捉え、男は宙高く飛び背中から雪に落ちる。
「戻ってやる・・・。絶対に!」
782 :
既にその名前は使われています:2007/01/16(火) 01:48:10.07 ID:vFRJkRcv
age
夕暮れにはまだ少し早いジュノと呼ばれる国のとある酒場に一人の女性がやってきました。酒場の主人は「い
らっしゃいませ」と軽く会釈をしてグラスを拭く作業にまた戻ります。彼女はカウンターテーブルの前に座ると、腰
に下げたヘキサガンと呼ばれる六つの銃口がついた武器をテーブルの上に置き、それを分解し始めました。
「大丈夫とわかっていても、たまにはメンテナンスをしたくなるのさ」
と、店主が尋ねる前に彼女は答えました。すると店主は少し驚いたあとに微笑んで言います。
「さすがに世界を渡り歩いている冒険者さんだけありますね。勘が鋭いのは見聞が広い証ですよ」
「そんなことはないさ、あなたも色々な客から世界の色々な話を聞かされているんだろう?」
謙遜して訊き返すも彼女の手は止まらず、そして店主の方も、それを気にすることなく答えます。
「そうですね。先日もこんな話を聞きましたよ。――東方の果てにある国の王様が『美しい国にする』とスローガン
を打ち立て、それを実行に移したそうです。冒険者さん、具体的に何をしたか分かりますか?」
彼女はとぼける様に「んー、国民全員で掃除をしたり、環境整備でもしたりしたのかな?」と応えました。
「そういう事もきっとしたのでしょう。ですが、聞き及んだ話によると、まず言葉使いを美しくしたそうです」
「それは……つまり、???????とか????な??????????とか言うと――?」
「極刑だそうです、死刑です。そして、美しい言葉を使う人しかいなくなると、次は容姿が宜しくない人に美容整形を
勧めたそうです。この時点で王様が整形に失敗して過去の人物になったそうです。それから――」
「いや、もういいよ。メンテナンスも終わったし……その話のラストはきっと――『そして、国に誰一人としていなくなり、
原生林の広がる美しい国になりました』とかかな?」
「さすが冒険者さん、勘が鋭い。まぁ、全てはここで聞いた眉唾物の酒の肴話ですが……実を言うと……」
「実を言うと、あなたは以前その話の国に居たんだろ、よくある話さ」と、言い彼女は店を出て行きました。
それからしばらくして、その日も昨日と変わらない夜の帳がジュノの街に下りたのでした。
というわけで「ヘキサガンの女」10回目でした。
今回の内容FFかんけーねーじゃんとか思いましたが、
一回チャットフィルターネタをやってみたかったのです。
ちなみに、内容自体は
>>761で書いた駄文がネタですた。
首相発言批判の意図はありませんw
そろそろ長めの話も投下したいですが、
今から始めるとキリが悪そうなので次スレになったらやろうかな。
1レスだと詰め込むのも限度がw 酒場いったんなら何か頼めよ、とかね。
785 :
既にその名前は使われています:2007/01/16(火) 03:20:20.70 ID:VrmEHXkr
無粋なツッコミを入れさせてもらうと、その『美しさを求める国』は実在しているのですよね・・・
容姿に関しては、女性の半数以上が整形をし、男性も整形が当然となりつつある。
あるいは子供の小学校だか中学校だかの卒業祝いに整形手術の費用を贈る。
言葉に関しては、外来の言葉を排除し自国の言葉のみを用い、それによって語彙が乱れた。
支配され続けた歴史に不満を抱き、他国にまで偽りの歴史を強要する。
どんなに飾っても心根は変わらないので、基礎や中身よりも上辺ばかりを気にかける国民性。
どこの国とは言いませんが、愚かしいものですね。
786 :
既にその名前は使われています:2007/01/16(火) 03:34:20.95 ID:UqJYSUQ7
削除される板にそんなことかいてもなぁ・・・。いつ閉鎖だったっけ。2ちゃん・・・。
煽り煽られ、ミエミエの自演をし合ってバレタバレナイを楽しみ、AAの作り方、フラッシュの作り方を習い・・・。
・・・色々得たなぁ。
787 :
既にその名前は使われています:2007/01/16(火) 07:51:28.98 ID:0RV0UhfI
>>785 解説しちゃ、らめぇ。
いやまぁ、自分でも無粋って言ってるからわかっているんだとは思うが。
緑茶氏は「美しさを求める国」の間違った方向性への警鐘を鳴らしているんだから、
実際にあるかどうかを問題にしてるわけじゃない気がする。多分な。
んでもって、スレ的解釈するなら、
ヴァナの東にそんな国は取り敢えずないし、この店主も来訪者なんじゃないかと。
何ていうか。おはよう。
788 :
既にその名前は使われています:2007/01/16(火) 09:30:41.27 ID:kO/CJUmx
789 :
既にその名前は使われています:2007/01/16(火) 10:51:50.89 ID:nNcoE02t
>>788 読んできた、結構面白かったぞ
エロ路線はやめたほうがいいかもね
それほど面白くなかった
まぁエロ表現上手くなりたいなら続けてくのも有りだけど
恋愛路線のは展開って言うか会話が面白かった
更新したらまた報告くれ
コメント書くのは面倒だからここで書くよ
ま、頑張れ
790 :
既にその名前は使われています:2007/01/16(火) 15:06:47.17 ID:UqJYSUQ7
絵をかけと言われても他人の作品のイラストは描いた本人や回りが絶賛しても作者がマジギレしだしたりするんで描くほうは苦悩する。
例。「クルセイド」の絵師。
作:ヒンヌーガキンチョキャラ萌えー!!
絵師:…趣味とイメージ重視でムスリムだけど全裸巨乳にした。
読者:【よくやった!】
作者:気に入らないからネットから素人の画家雇った。
791 :
既にその名前は使われています:2007/01/16(火) 15:10:58.29 ID:aJQc/WrT
いきなり何の話だ
>>790 仕事じゃないし
そこまで本気になる必要ないんじゃね?
>>786 マジレスすると閉鎖はネタなのになんでいつまで閉鎖閉鎖言ってるわけ?
これが情報弱者か
こういうやつがソニーに騙されてPS3とか買っちまうんだよな
794 :
既にその名前は使われています:2007/01/16(火) 21:57:28.66 ID:VrmEHXkr
あ、なんか・・・大変?Σ(´□`;)
ageときますね。
>>781の続き
男・・・いや、俺が起きたところは自分の部屋の白いベットの上だった。いつの間にか服も着替えてある。
あの後・・・。モンクに一撃もらった後、俺は狙い撃ちでスリプルボルトを当て
寝てるモンクの頭をカルバリンに込めたヘヴィシェルで頭を打ち抜いた。
さすがに頭を吹き飛ばせば死ぬだろう、と判断したからだ。来訪者だし念のためということもある。
しかし上司の命令は「死体を破損なく持ってこい」であり頭を吹っ飛ばした俺に上司の鉄拳が飛んできた。
そして現在に至る。まったく部下の仕事も楽じゃない。
俺はベットから起き上がるとチェストから文房具セットを取り出した。
書くものは決まっている。遠い地にいる家族に宛てた手紙だ。
『遠い地にいる家族へ 元気ですか? 俺ははやくそちらへ帰りたいです・・・
796 :
既にその名前は使われています:2007/01/17(水) 01:30:35.09 ID:ZTCTliIt
ageage
797 :
既にその名前は使われています:2007/01/17(水) 08:43:20.92 ID:BcK63UZW
カッパさん…(つД`)
798 :
既にその名前は使われています:2007/01/17(水) 17:22:57.46 ID:Nv7K+Oqj
>>788 読んでみた感想は面白……くなるのかも。ぐらい。
書き続けていくとネタぎれしたり、仕事が忙しくて書けなくなったりするから。
連続モノとして読むなら、それを乗り越えて書き続けられれば
これからの展開次第で面白くなりそう。
あと絵はないほうが良いと思う。
台詞や/emを色分けするぐらいなんだから、絵じゃなくてスクリーンショットのが
まだ似合うような気がする。
正直なところ、絵やSSに凝るぐらいなら本文や内容を凝った方が良いと思うけどね。
煙草をくわえる。ノーグから持ち込まれた紙巻きのそれは、彼が好んだものよりもきつい。
畜生。舌打ちをする。
渋面の彼が睨んでいるのは、サンドリアに所属する『来訪者』のリストだった。
mortの単語をなぞり口にする。またひとり、帰れないまま逝った。
サンドリアですらこの数だ。バストゥークやウィンダスを加えれば一体どれほどになるのか。
いや、そもそも来訪者はどれだけいるのか。報告のない者も少なからずいるに違いない。
「・・・sur le chemin du retour・・・」
帰る途中に、
帰る・・・どこに帰るというのか。あれほど渇望した場所は、最早うっすらとしか覚えていない。
そういや、名前、何だったっけな。
ずっと呼ばれていない。本当の自分の、本当の名前。
ああ、畜生。覚えているのはあいつの名前だけだ。いつもオレの前を歩いていたあいつ。
今では、・・・いや、今も変わらないか。もうあの名前で呼んでも応えないだけで。
ただひたすら、『守る』ことだけを考えているけれども。
「え?」
不意の名。顔をあげると、黒髪の兄弟が不安げに彼を見ていた。
「今・・・」
「・・・何だろう、聞いたことのある名前のような気がした」
おそらくそれは、彼自身も理解していないのだろう。けれど敢えて口にはしない。
ただ、しっかりと兄弟を抱きしめた。
800 :
既にその名前は使われています:2007/01/18(木) 00:46:05.83 ID:D1aSFFmW
もういい加減帰れよw
801 :
既にその名前は使われています:2007/01/18(木) 06:33:17.41 ID:6Iel6U5p
朝、いつものようにに学校に行く途中、怖そうな人にぶつかった。
やばい、赤ネームにしちゃった!
それが俺の初夢。
802 :
既にその名前は使われています:2007/01/18(木) 09:51:54.21 ID:D5kr0tAt
1年前の話でアレだが、俺の去年の初夢は自キャラのタルタルがVIP Starを歌うPVだった。
お前その初夢でいいのか? それが目が覚める直前に聞こえた。現実と虚構の区別が・・・
803 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/18(木) 13:36:16.18 ID:b/K/JPZK
帰りたい、帰れない・・・と歌ったのは『無言坂』。
帰れと言われても帰れないのが来訪者。
ごめんなさい、オチはないです。
少し続きを。
すぅっと、脳の奥が冴えていく。
何故か私は、切れた。と理解した。別に私がキレたわけではないけれど。
「・・・用件を聞こうか。事と次第によっては断る」
「聞く気もないのに訊くとはね。礼儀がなってないんじゃない?」
苦笑が返る。その肩に、片手斧を担いでいた。
「単刀直入に言えば、消えてもらうわね」
明日の天気を語るような気軽さでウィンクをする。
こいつは敵だ。
相手を見据える。ヒュームだ。金属鎧を着込み、戦う以外のつもりはないと物語る。
顔にペイントを施したその様相は、どこか原始秘術にも似ていた。
・・・しかし。
その低い声といい顔立ちといい間違いなく男なのに、何故女のような言い方なのだろう。
「・・・気持ち悪い・・・」
「・・・・・・・・・・・・。」
カイの言葉に私は無言で同意した。
こちらに向かって投げキッスなんてするな!!気色悪い!!
「遊ぶなよ、ロア」
別の声が言った。
気付くと、蒼いシーフのアーティファクトに身を包んだエルヴァーンの男が、ゆっくりとこちらに歩いてくる。
「俺たちの仕事は、鍵の確保。騎士はどうでもいい」
「あら、つれないわね」
ロアと呼ばれた男はしなを作り、わざとらしく溜息をつく。・・・あああ、鳥肌がッ。
「鍵は?」
「こいつじゃないの?」
私を示す。だがシーフは首を振った。
「騎士・・・?いや、これも鍵なのか?」
・・・何を言っている?いや、何を知っている。
ふとカイを見ると、青ざめて男たちを見ていた。
何事かを呟きながら。
「・・・・・・まだ、・・・」
小さな声が聞こえた。恐らくは何かを知っているらしいが、聞ける状態ではなさそうだ。
舌打ちし、カイを背にかばう。
彼は私よりも未熟で、満足に戦えない。白魔道士としてのサポートなら叩き込んだけれど。
「カイ」
「あっ、はいっ!!」
怯えた声が応えた。
「行け!」
「・・・!!」
どこへと言わずとも察したらしい。あるいは元から『分かって』いたか。
応えはなく、ただ足音が遠ざかろうとする。それに男が反応した。
・・・私たちだけが狙いではない?
「逃がすか!!」
なよなよとした仕草とは裏腹に、俊敏な動きでカイを追う。
カイは白魔道士、それも半人前だ。いかにエルヴァーンと言えども、前衛にはかなわない。
間に合わない・・・!
転瞬。
「っ・・・!?」
紫雷が走り、男が動きをとめた。疑問を抱くより先に、私は連続魔を発動させる。
音律よりもより原始的で、故に操ることが難しい、意識だけによる魔法の発動。
思いつく限りの弱体魔法をひとまず入れる。スリプルは入れなかった。レジストはしていないように見える。
「男の尻を追いかける趣味があるなんて変わってんなぁ」
揶揄する声に、私は何が起きたか理解した。
禍々しくさえある装飾を施された漆黒の鎧を着た男が、巨大な刃を持つ鎌を肩に担いでそこにいる。
去りゆく足音は遠ざかった。
「く・・・暗黒騎士か」
ぎり、と歯を軋らせる音が聞こえた。スタンから回復したらしい。
強化魔法を私と彼にかける。カイが彼女たちと合流できれば、少なくとも安全のはずだ。
もし彼女たちに何かあっても、ミガイフォングならふたりを守れるだろう。守れないとは言わせない。
もちろん、彼女は問題外として。
ただ、騒ぎになれば銃士隊が動くかも知れない。あまり事を大きくすると厄介なことになるだろう。
幸いに、奴らの態度からして、これ以上の伏兵はいないようだ。
敵はふたり。上等だ、相手をしてやろうじゃない。
相手の技量の程は分からないが、せめて。
「やってやろうじゃないか」
「ああ」
私の独白に、彼が応えた。
808 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/18(木) 14:07:56.92 ID:b/K/JPZK
今回は以上です。
む、なんかいきあたりばったりな感じがしなくもなく。
朝起きてベットから下りて服を着替える。いつも通りの日常。ポストには新聞しか届いていない。
家族からの手紙が楽しみでならない・・・。そう思いつつ『週間魔法パラダイス』を開く。
『ヴァナディール・トリビューン』よりかこちらの新聞のほうが面白いので定期購読している。
椅子に腰を掛けて、合成で作ったチャイを飲みながら読む。サンドリアティーもいいがチャイもうまい。
見出しには「戦慄! 英雄の家が壊れた原因!」の文字が躍っている。
「壊れたのか・・・。英雄の家・・・。原因は・・・魔法フレアを誰かが撃ったか」
フレアと言えばこちらの言葉で言うと高位な黒魔道士が使える魔法か・・・。
最もあちらで言うレベル六十を高位と言うのかどうかは定かではないな・・・。しかし誰が・・・。
そんなことを思案していると部屋がノックされた。飯を作れの合図だ。
飲みかけのチャイを一気に飲むと新聞とエプロンを片手に部屋から出た。今日もいい一日であることを願って
「むー・・・」
上司が目の前の物の状態を目にして唸っている。
「むー・・・。難しい・・・」
「そんなに難しいですか? これって・・・」
「難しい。夢想阿修羅拳のほうがよっぽど簡単」
「比べるものを間違ってますよ・・・」
「うるさい・・・。ここだ!」
パチッと軽い木の音がする。
「それでは私はここに・・・」
「むっ。角が・・・」
ウィンダスティーを手にとってすする。上司との将棋対決。
仕事の合間。そんな日常のひと時。