1 :
既にその名前は使われています:
2 :
既にその名前は使われています:2005/08/10(水) 21:33:12 ID:r08k9+vc
はいはい、バルスバルス
3 :
既にその名前は使われています :2005/08/10(水) 21:36:55 ID:7EnnurzX
2
4 :
既にその名前は使われています:2005/08/10(水) 21:41:01 ID:gjw1XCW1
金持ち喧嘩せずだ な?w
5 :
既にその名前は使われています:2005/08/10(水) 22:10:09 ID:b9pPIU9e
ザリガニに雷クリをあてると…!
いや、このスレタイじゃさすがになんだかわかんないだろww
ザリガニで盛り上がらないLSは潰れるな
ザリガニは崩壊しねーよwwwww
9 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 12:46:43 ID:0qmHHPqZ
何のスレかわからんわ…
10 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 12:49:01 ID:ipCjEzfa
とうとうスレタイまで乗っ取られたのなw
ザリガニ(´・ω・)コワス
11 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 12:51:20 ID:6i7EPgWI
俺は白いザリガニ家で飼ってるw
12 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 13:16:30 ID:O7uG3MV6
うはwwwwwwマジでザリガニスレになってるwwwww
ピコワロスwwwwwwwww
13 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 13:17:48 ID:vpA8qWPb
まとめると
タコ糸、スルメを準備して狩場に。
プロシェルしてスルメをつけたタコ糸で釣り(リンク上等)
釣ったらすみやかに雷クリ。
スルメと分解後のザリをコンバートしてスルメを食しながら狩り続行
これでいいか?
14 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 13:21:01 ID:GdlKm5vt
なにこのスレとか思って前スレ検索してみたら途中からマジでザリガニスレになっててワロスwwww
15 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 13:21:51 ID:O7uG3MV6
16 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 13:23:04 ID:g0NQ0bYJ
ザリガニって臭くないか?
小学生のころ、ザリガニが好きでいっぱい飼ってるやつがいたんだが、
そいつの家に行くといつも異臭が漂ってたんだよ。
ちゃんと世話してやれば臭くないのか?
17 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 13:23:40 ID:O5Tq7cZM
少ない数を広い入れ物でちゃんと世話してやればにおわない
18 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 13:33:24 ID:JDMd00Zm
死ぬとかなり臭うからそれかもしれん
放っておいても共食いするから本体は消える
19 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 13:34:40 ID:g0NQ0bYJ
>少ない数を広い入れ物
なるほどな〜。
そいつは小さな水槽に大量のザリガニ放り込んでたからな・・・
水も替えてなさそうだったし、腐臭が漂ってたw
20 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 13:41:47 ID:Wh8GsIJB
ザリガニはどんな飼い方しても水代え怠ったら死ぬほど臭くなる
家の中なら1日怠れば耐えられない臭いになる
21 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 13:59:55 ID:JDMd00Zm
なにがそんなに臭うんかな
食べるとそうでもないのに
22 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 14:23:19 ID:Wh8GsIJB
大抵のザリガニ水槽では濾過システムが存在していないため
そしてザリガニは肉食であるため、排出されるアンモニア量は魚とは比べ物にならない。
そのアンモニアを亜硝酸、硝酸塩に分解するバクテリアも水の少ないザリガニ水槽では繁殖が難しくかつ臭いので繁殖する前に水を代えられてしまう
真のザリガニ飼いは水槽に水をたっぷりと張り、酸素供給を欠かさない
当然濾過は強力な外部フィルターで固めたザリガニ水槽にスキはなかった
23 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 14:26:26 ID:g0NQ0bYJ
sugeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!!!!!!!
24 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 14:51:35 ID:1GJ745ym
25 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 14:53:40 ID:JDMd00Zm
少女時代のオレにも教えてやりたいぜww
26 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 15:23:14 ID:DoOVmdLX
本格派キターwwwwwwwwwwwwwww
ザリガニめ、釣るのは簡単なのに育てるのは難しいんだな!
というか面倒なんだなッ
あんまりおいたが過ぎると風クリあてっぞ
28 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 15:48:13 ID:dMJN4qaq
育てるのが難しいなら食べればいいじゃない
29 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 16:26:39 ID:Wh8GsIJB
>>24 俺のザリガニ水槽もすごいが本当にすごいのはPスキル
がきんちょの頃、よく大量にザリガニ釣った後
そのバケツを風呂場に放置して置いたなぁ
自分で始末(飼う・捨てる)した記憶がまったく無い
かーちゃんがこっそり捨てていたんだろうか?
1:風呂場から逃げて下水道に
2:かーちゃんが晩飯にリサイクル
2に10アメリカザリガニ
ViiV
34 :
既にその名前は使われています:2005/08/12(金) 23:43:37 ID:daeLoR6Z
ザリガニといえばアメリカザリガニ。名前からしても外来種だよな。
全国的にザリガニ釣り経験者少なくなさそうだし、ものすごい繁殖力だな。
35 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 03:21:54 ID:Luv/xD44
オマイラにいいことおしえてやろう。
シュリンプルアー縦に半分に切ってみ?
36 :
道民:2005/08/13(土) 03:29:42 ID:F8xA7yvF
北海道の阿寒湖に巨大ザリガニがいるというので捕りに行った。
友人が手で大きさ表現した感じでは50cmくらいあるらしい。
しかし実際に捕れたのは25cm程度だった。
色は青っぽい、オマールエビみたいな色だった。
37 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 04:02:22 ID:Rg06uIZB
25cmでも俺のザリガニ観からすれば異常な大きさだがw
マッカチンて何?
39 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 04:06:02 ID:kYl6h9c6
>>38 アメリカザリガニの別名だお
このスレではむしろ常識(・∀・)
マッカチンがアメリカザリガニをさすのは知っているが・・・
どこの言葉なのかいまだに知らない
41 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 15:50:17 ID:Acf2Ns3K
マッカチンは関東語
日本を占領したアメリカザリガニを
占領軍のマッカーサーとかけている
42 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 16:21:48 ID:C1QU9wn1
LS崩壊秘話関係なさすぎでワロスwww
だが、それがいいw
【問題】
ザリガニ釣りで最高のエサは?
45 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 17:10:37 ID:oHGndkTL
豚肉に1票
46 :
タルタルさん ◆xjqL/RagnE :2005/08/13(土) 17:15:11 ID:WjcAjK0C BE:252829875-
ザリガニは釣るもんじゃなくてつかんで取るもんだとばかり、、、
軽く滝になってるような所のある川でよくとってたな。
でもとっても意味無いんだよな。意味もなく体ばらばらにして川に捨てるくらいか?
47 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 17:16:51 ID:O1sqYbgc
48 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 17:22:37 ID:PBFw474y
エサは やっぱスルメかメダカかグッピーだろうな
スルメとか煮干とかを使うのは勿体ない
パンの耳でも十分に食いついてくるし
カエルを現地調達して餌にすることが一番多かったな。
51 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 18:32:20 ID:Rg06uIZB
52 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 18:33:35 ID:3FwO70Ek
俺はよっちゃんイカでつってたよ
53 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 18:36:22 ID:wZuP5tf2
ざりがにを釣竿で釣る→人
ざりがにを手で取る→猫
ざりがにを水ごと手ですくう→岩
ざりがにをこっそりと後ろから網ですくう→樽
ざりがにを正々堂々と正面から網ですくう→首
54 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 18:36:29 ID:nWA06RZM
意外とタクアンで釣れることは知られていない。
55 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 18:37:23 ID:H10J+AWb
鯖で釣ろうぜ鯖で
56 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 19:17:13 ID:rASrfsX1
もまえら過去ログ嫁
ザリガニのエサで一番いいのはザリガニだよ
飼う時の注意
エーハイムの外部濾過装置
エアレーションをかねてテトラのスポンジフィルター
ウィローモスを巻きつけた流木も忘れるな
命を大切にね
58 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 19:59:35 ID:6bBi9QX3
59 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 20:34:14 ID:Acf2Ns3K
ちなみにザリガニは攻撃範囲内に入った食い物には条件反射で攻撃してくるからエサのよい悪いはない
60 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 20:37:58 ID:HJX+k3jC
ザリガニがザリガニ食うってので思い出した。
ニワトリって卵好きだよね。
子供のころ学校の小屋で卵割ったらニワトリがものすごい勢いで集まってきた。
61 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 20:38:25 ID:wZuP5tf2
ぶっちゃけエサを捕獲してるんじゃなくて敵を攻撃してるだけだから食べられないものでもよい。
餌になるかどうかはそのあとの話。
62 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 20:43:51 ID:wZuP5tf2
ざりがにとハムスター戦わせた事あるやついる?
63 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 20:50:03 ID:c3b1UIxo
なんだその異種格闘技戦wっwwwwwっw
はむ☆スター強いのか?
65 :
既にその名前は使われています:2005/08/13(土) 21:29:50 ID:H10J+AWb
ハムスターよりモルモットのほうがなつくしかみつかないし大きくて触りやすいし寿命8年くらいと長いし
何よりかわいらしいから飼うならモルモットがお勧め
後モルモットは和名てんじくネズミね
すごいだろてんじくだよてんじく
毛色や毛の種類もいっぱいあってマジ最高にかわいい
すげぇ、経典とか食いちぎりそうなほどカッコイイ
〜☆バハムートサーバー要注意人物リスト☆〜
こいつらを誘ったらPT崩壊 !
Alzee Anubisu Arsenals Azunaburu Boonzu Deathscythehell
Ingram Jecht Judea Kenz Luon Ohide Rihaku Sanctuary
Schwarzwald Smokey Soldo Urudo Worldx Xanken Zan
68 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 01:35:36 ID:a0eV/85i
逃げたザリガニが庭の水道のとこに隠れててびびったとかないか?
ザリガニかぁ。昔はよく釣ってたなぁ。
最初の一匹だけは素手で取って、そいつをバラして餌にして釣ってたもんだ。
元手もなにもいらずに暗くなるまで遊べてたw
余談だけど体長30センチくらいの亀も釣れてびびったことがあるw
70 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 02:09:51 ID:kBcVx0QV
最近の子供はムシキングらしいという情報は古いですか?
71 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 02:16:06 ID:XnADN0k0
ローソンにムシキング設置されててワロタw
72 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 05:49:13 ID:qHl1ULfJ
お前の蟲キングと俺のザリキング戦わせようぜ
つかザリガニばらすとかぼつぼつ意見あるけどプロニートのおれには恐ろしくてできんなぁ。
ひきこもりっぱなしで潔癖症になりつつあってフツーに今 触れないかも。
引っ越す前 田舎に住んでたころは近所の親戚と、よくドブの辺り駆け回ってザリガニ釣ったけどなぁ
ニートじゃねーけど残虐行為手当ての出る行為に抵抗あるかも
昔はトンボ裂いたり出来たが今は無理だな
ザリガニか・・・
子供のころザリガニ釣って、お湯かけたり地面に埋めたりして八墓村(だっけ?)的残虐行為してたな。
後はカッターで背中を割いてそこにダンゴ虫とか埋めたりしてたなw
今はきもくてザリガニ触れないと思う(´・ω・`)フシギダ
76 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 18:42:11 ID:zHJD6Zt/
BGMが少年時代なスレですね
77 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 18:45:53 ID:akdXQ1VU
そういや昔友達が家の塀に止まってるトンボを指くるくるやって捕まえて
それから羽を半分(根本の近くだけ残して)引きちぎって短くして放してた
頑張って羽ばたくんだけど半分しか羽がないから、パワーが足りずにグライダーみたいに落ちる
で、落ちたらまた持ち上げて上のほうで放して…ってのを繰り返してた
子供心にあれはさすがに残酷だと思ったな…みんなもやったのかこういうの?
78 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 18:49:15 ID:ikGwLNHO
羽むしり取ったあと、胴体と顔引き裂いたっけ
子供の頃って結構残酷な事したなぁ
カエルの口に石詰めて放って、泳げなくなったの観たり、
バクチク詰めて爆破もしたなw
79 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 18:56:46 ID:ltEG9Ev0
おいおい、トンボと言ったらあれだろ、
捕まえてから尻尾にススキの小さいのみたいなの刺すんだよ。
そうすると抜けないでそのまま飛んでいこうとするんだけど、
ススキminiの重さによって遠くまで飛べたり飛べなかったりするんだよな。
子供的にはそのでかい尻尾の生えたドラゴンフライがカコイかったりしたっけな。
うまくそのトンボの実力に合わせた重さのススキを刺すのがむつかしいのさ。
軽いとどっかいっちゃうし、重いとろくに飛ばない。
終わった後にちゃんと開放できるから裂くより健全だぞ!
俺はカエルをロケット花火に括りつけて「有人飛行」とか
ケツから空気送って「ディグダの刑」とかやってたけど
こういう残酷な遊びってさ、訳もなくやってたような気がする。
釣ったザリガニを蹴りながら家に帰るまで生きてるかどうかとか
ザリガニvsバッタvsヒラタクワガタvs猫とかやってたな。
今思い返すとすげー残虐超人だったんだな
俺も運動会のグランドとかで小学校の先生の話がつまんねー時に
ありんことか近くにいるモンス虐殺してた
女子にざんこくぅ〜…って言われてへこんだ
子供って色々と残酷だよな。
飼育係やってて、メダカとかを友達ととりまくってたんだが
ザリガニはクサイから持ち帰らずにオモチャにして遊んでた・・・
自転車で轢いたり空中に放り投げて蹴りでバラバラにしたりとか
仕掛け籠のエサ用とはいえ、ごめんよ・・・
84 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 21:54:36 ID:A5T7uf/X
>>80 >こういう残酷な遊びってさ、訳もなくやってたような気がする。
うむ、幼児特有の無邪気な残虐性ですな。
しかし最近のお子様は歪んだ感情を持ってこういうことをするから困るw
85 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 22:02:23 ID:DW+UINQC
アリの巣にお湯注ぎ込んで全滅させた俺がきましたよ!
86 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 22:24:56 ID:ltEG9Ev0
87 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 22:26:43 ID:A5T7uf/X
19XX年、アリの巣は煮え湯に包まれた・・・。
しかしアリは死に絶えていなかった!
88 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 22:29:59 ID:CEczUVEb
ワロスw
89 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 22:56:09 ID:ltEG9Ev0
19XX年、アリの巣は煮え湯に包まれた・・・。
しかしアリは死に絶えていなかった!
辛くも窮地を逃れた黒アリのラフィーナは仲間を求め、真夏の太陽に熱せられた灼熱のアスファルトの上を三日三晩のあいだ彷徨い続けた。
そしてついにたどり着いた場所は、轟音の駆け抜ける遊歩道。見渡す限りどこまでも続く灰色のコンクリートジャングルにはラフィーナの求める黒色の土などただの一滴も見あたりはしなかった。
すでに手足の感覚が麻痺していたラフィーナ。次の曲がり角まで行けばと、ただそれだけを心の支えに這い進んできたものの、もうその気力も限界だった。
絶望と、そして大切な巣のみんなの命を奪ったヒュームへの憎しみだけを抱きながら、ラフィーナは漆黒の闇にその意識を奪われていった。
ラフィーナは夢を見ていた。大好きな巣の中間達が「どうしたんだい」と部屋に倒れているラフィーナの元に寄り集まってきた。
「少し、疲れたみたい」
ラフィーナはそう言うと目を閉じた。中間たちがラフィーナの手足をさすると、ふっと疲れが逃げるように消えていった。ああ、みんなのおかげで楽になったと、ラフィーナはそのまま死んだように眠りに飲まれていった。
90 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 22:58:26 ID:Dh/YzKcQ
生き残った蟻が革ジャンとモヒカンになって人を襲うんか
91 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 23:00:31 ID:A5T7uf/X
>>90 胸に七つの傷を持つ北斗蟻拳の使い手が、巣穴に煮え湯を注いだ
>>85に復讐する物語。
92 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 23:01:08 ID:ji154rdL
ザリガニ高いね
あほくさ
93 :
既にその名前は使われています :2005/08/14(日) 23:17:46 ID:7xJSDXKi
炎天下で8時間アリの巣を観察してて、日射病で倒れた私がきましたよw
砂糖やお菓子など、アメを与えた後、細い枝をつっこんだり、水、お湯、
フマキラー、フマキラー火炎放射・・・・子供って つー;
94 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 23:30:29 ID:EZ4Yr3Sv
え・・・ザリガニ・・・?
95 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 23:31:03 ID:A5T7uf/X
一瞬ザリガニかガリザニかわからなくなる
96 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 23:32:44 ID:kiH0dTWq
ガリザニじゃなかったっけ?
サブリガだろ
99 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 23:38:12 ID:EZ4Yr3Sv
__,,,,_
/´  ̄`ヽ,
/ 〃 _,ァ---‐一ヘヽ
i /´ リ}
| 〉. -‐ '''ー {!
| | ‐ー くー |
ヤヽリ ´゚ ,r "_,,>、 ゚'}
ヽ_」 ト‐=‐ァ' !
ゝ i、 ` `二´' 丿
r|、` '' ー--‐f´
_/ | \ /|\_
/ ̄/ | /`又´\| |  ̄\
皇太子様がこのスレに興味を持ったようです。
100 :
既にその名前は使われています:2005/08/14(日) 23:42:58 ID:kiH0dTWq
101 :
既にその名前は使われています:2005/08/15(月) 01:21:46 ID:tGtdoBRF
次のスレタイ
★蟻の巣崩壊秘話3★(LS)
こんな漢字かな
102 :
既にその名前は使われています:2005/08/15(月) 01:24:30 ID:K+hZ+cGO
さすがに蜂の巣にイタズラはしなかったなぁ^^;
アンティカ観察は何故かはまる
エサやったり行列散らしたり・・・
>>102 古株や木の節穴に巣を作るタイプの蜂の巣にドロ団子投げつけて遊びましたが?
ええ、当然の如く大リンクしました。
スズメバチの巣にパチンコでクラッカーを打ち込んだりしたけど
びくともしないどころか、反撃されそうになってチャリで必死に逃げたな〜。
「害虫駆除は正義」みたいな感じで蟻、蜂には色々やったね。
親父とザリガニ釣り行ったら一匹目は尻尾あたりを千切って餌にすると乱獲ウマーだって教えてくれたから
近場の生物を捕まえようみたいな授業で実践したら教師にスゲー怒られて俺は涙したよ・・・
107 :
もづいてみた:2005/08/16(火) 01:31:28 ID:JuvCNVry
ラフィーナが目を覚ますと、そこは知らない土壁の部屋だった。
周りにはもちろん親しい仲間などいないし、自分が始めて掘った巣の中のように程よい湿り気もなかった。
なにか知らない匂いにつつまれているその部屋は容易に他のアリの棲家であることを想像させた。
「私だけ、生きてるのね」
身を起こそうと手足に力を入れるラフィーナだったが、針で刺されたような痺れが関節から爪の先まで走り抜け、ラフィーナの自由を否定する。あれだけ酷使されたのだから無理もない。
もう少し休まねばならないだろうが、ここが安全だという保障もなかった。
ふと何かの気配に気付き、部屋の中を見渡すラフィーナ。するとその姿を観察してでもいたかのように、どこかから声が響いてくる。
「もう目が覚めたのかい、身体よりも意思の方がずいぶんと一人歩きしてるみたいだねぇこの娘は」
その声はこの部屋にたったひとつしかない狭い入り口の向こうから聞こえていた。やがてそこから姿を現す、年老いた一人の大蟻。
茶単色のボロ布に穴を開けただけのローブと古ぼけた装飾品に身を包み、しわだらけのまぶたの下からラフィーナをすっと見据えていた。その姿はただ物量的なものよりもよほど大きく見えて、ラフィーナはしばし圧倒されていた。
「巣は、どこから来たんだい?」
その言葉に、同じ立場の者としてラフィーナは直感した。この大蟻はこの巣の女王なのだろう。おおかたワーカーが力尽きたラフィーナを見つけてこの巣まで運んできたといったところか。
ラフィーナは悲鳴を上げる上半身を無理矢理に起こし、自分の衣服が倒れる前と同じであることを確認してワーカーたちのエサにも慰み物にもされていなかったことに安堵した。
「巣は、わかりません。随分遠くまできてしまったようですし」
「ただの迷子なら送り返してやらないこともないけどねぇ」
ラフィーナの姿を流し見て、大きく息をつく女王。
108 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 01:37:06 ID:JuvCNVry
「ボンクラのワーカーどもが迷子になるならともかく、こんな小娘が巣作りの旅に出るにはまだ若すぎるね。巣になにかあったのかい?」
言われて俯くラフィーナ。あの時、あの悪魔のヒュームが世界中に降り注ぐ太陽の光を集めて沸かしたように熱く煮えたぎった濁流で、瞬く間にラフィーナたちの巣を地獄に染め上げたのだ。
ほんの一瞬のうちに仲間の半分以上が肌を焼かれて絶命だけをラフィーナたちの耳に残して死に絶え、残った蟻たちもなおも散発的に流れ来る熱湯からラフィーナを助けるために慣れない爪で壁を砕いて防壁を造り、
最後にはその壁を突き破った濁流に焼き尽くされてラフィーナの他にはだれも地上へ出てこれる者はいなかった。
突然の出来事に何もかもが信じられず、ただ誰一人として這い出てくる者のない巣穴の入り口に呆然と立ち尽くしていたラフィーナ。
その時、彼女が顔を上げた時に見たものは、ワーカーたちが最も多く出入りする別の穴の上に山のように座り込んでいるヒュームだった。
そのヒュームはなにか面白い遊びに夢中になっているように二度、三度と手に持った丸くてくちばしの付いた艶光りする物体を傾けていた。その度に、くちばしの先から熱湯が溢れて巣穴へと降り注いでいた。
血と悲鳴に支配され、思い出と希望の全てを焼き払われ、今まさに死の沈黙が支配しているであろう巣穴の内側に向かって、何度も、何度も……。
「なにか悪いことを聞いたみたいだね」
俯いたまま恐怖と憎悪の入り混じった感情を振りまいているラフィーナにそっと声を掛ける女王。現実に戻って首を振る彼女の肩に優しく手を掛ける。
「これからどうするんだい?」
女王の問いかけに、もはや迷わず、はっきりと答えるラフィーナ。
「巣に戻ります、それからのことはそこで考えますから」
身体は未だにまともに動かなかったが、頭だけはしっかりとしている。巣に戻るという絶対の意思をラフィーナは固めていた。
109 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 01:38:13 ID:JuvCNVry
「そうかい、じゃあちょっと待っていな」
突然女王の口から波動のようなものが発せられた。それは声、ラフィーナの知らない声をその女王は持っていた。
それに呼びかけられてか、しばらくして一匹の雄蟻が部屋に入ってくる。
癖の弱い顔立ちで、体つきの割には力のなさそうな風体をしていた。そのくせ女王よりよっぽど立派な服を着ていて、育ちのよさが悪い意味で目に付く男だった。じろじろと半寝の自分を眺めてくるそいつが、ラフィーナはどうも好きになれそうではなかった。
「こいつはうちの男でウォルフって言うんだけど、こいつを好きにしていいよ」
「どうも、ウォルフガングと言います」
軽い言葉だけ投げて頭を下げてくるウォルフガング。
ラフィーナが困ったようにウォルフガングを見返していると「どうしたい?」と女王が察してくる。
「いえ、巣への道中では男を養う余裕もありませんし、ワーカーでしたらともかく……」
「ほむ(´・ω・`)」
女王は一息つくと、話を続けた。
「巣に連れて行く必要はないよ、しばらくここにいればいい」
「え? いえ、私は……」
「もう、ないんだろう? 帰る巣は」
心の底に押し隠していた事実をまさぐられ、苦渋に口を閉ざすラフィーナ。
110 :
タルタルさん ◆5PkELTRNJw :2005/08/16(火) 01:38:48 ID:9Kz1V59b BE:303396067-
夏になるとそこら辺飛んでるススメバチをテニスラケットで叩き落す遊びをしてたな。
叩き落したときの快感がたまらねぇ
叩き落されてもがいてる奴にはとどめの踏みつけ。
我々人間がこの地球上で頂点に立っていると言うことを実感させてくれる。
それがススメバチなのかもしれない。
111 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 01:39:19 ID:JuvCNVry
「だったらしばらくここにいて、立派な王女になって子供を宿してからそこに帰って新しい巣をつくればいいさ、それには雄蟻が必要だろう。それとも、このウォルフガングが相手じゃ不満かい?」
言われてウォルフガングの顔を見直すラフィーナ。もともとラフィーナにとって興味をそそるような相手ではなかったし、何よりも、訳知らず顔でへらへらとしているそのことが今はえらく気に障った。
「不満かと言われればそれはもちろん不満ですが、でも別にそういう理由ではなく……」
「はは、正直だねこの娘は」
ラフィーナの口上に苦笑いする女王と、頭を掻いて一歩下がるウォルフガング。
「現状についてはわかっているつもりですが、私は早くあそこに帰りたいのです。その先がどうなるかはわからなくても、とにかく……」
「わかったよ、じゃあ今日からウォルフガングはあんたのワーカーだ」
「え、本当ですか?」
男として生まれ、今まで大事に育てられてきたウォルフガングにワーカーの仕事が勤まるかどうかははなはだ疑問ではあったが、それでも今のラフィーナにとって、一人のワーカーはその白髪と交換してでも手に入れたいものであった。
「あのぉ、でも俺じゃ無理っぽいんですけど」
やはりウォルフガング自信も否定しているが、その頼りなさがまた雲行きを案じさせる。
「いいから、あんたはちっと外の事を学んできなさい」
「はぁ……」
母親でもある女王に触覚を小突かれて、仕方なしにうなづくウォルフガング。
「じゃあ、まあ、よろしくおねがいします……」
そう言ってラフィーナに向き直るウォルフガング。
「ええ、私は黒蟻ペリの娘のラフィーナ。よろしくねワーカーのウォルフガングさん」
わざわざラフィーナがワーカーとつけてウォルフガングを呼ぶことが女王にとっては尚更面白いらしく、高い笑い声を上げては巣の中の蟻たちのざわめきを呼ぶのであった。
113 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 07:48:46 ID:SKhcoMvx
つづきまだーーーーー
まじできぼんぬー
ついこないだ小蟻が家の中に突然大量に沸きだしたのを思い出した。
潰しても潰しても一向に減らず、
掃除機で吸ったりして、いなくなったと思うとまた違うところに、
うわああああああああああって感じで湧き出す。
正直怖かったが蟻コロリみたいなのを買って設置したら速効でいなくなった。
115 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 08:59:37 ID:lh/fJGy6
だがしかし・・・・
116 :
既にその名前は使われています :2005/08/16(火) 09:29:57 ID:7Hw80Fou
小蟻「まだだ、まだ終わらんよ」
117 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 10:22:35 ID:wwtWNS16
白蟻「蟻とは違うのだよ!蟻とは!」
118 :
sage:2005/08/16(火) 10:38:14 ID:1mSVYcdf
>>117 白蟻はゴキブリの仲間ってのをどっかで見た気がする。
119 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 12:44:14 ID:pRN0x9oQ
蟻vsザリガニはまだですか?
120 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 13:11:49 ID:xHSCYyeK
前スレより伸びが速いのがすごい・・・・
誰も疑問を感じず普通に語ってるのもすごいw
【Kabutomusi】Ψ VS ∝【Kuwagata】
これで勘弁してくれ。
2年程前、古い旅館でセクースしようと思って
ゴムつけたんだけど、うまくいかなくて1回はずしたんだ。
んでそれを枕元らへんに置いて、新しいのをつけなおして
無事終わったんだけど、最初のゴムの事は忘れて
寝てしまった。
翌朝置きっぱなしのゴムに気づいて捨てようと手に取ったら、
中から大量の蟻が・・・・・!!
ゼリーは甘いのか?w
123 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 19:41:15 ID:wwtWNS16
なんかの小説で生理の血がついたパンツをほかっておいたら
蟻が群がってびびるシーンがあったような気がする。
なんだっけ・・?
124 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 19:44:03 ID:gNVIDaV1
ザリガニってドブとかじゃなくて、ちゃんとキレイな所で育ったやつは食えるのか?
前に何かでザリガニ料理なるものを聞いたような気がするんだが。
125 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 19:47:39 ID:+xqwrWy6
揚げれば食えるっていうよなー
126 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 19:52:19 ID:h2YxlEJe
127 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 19:52:58 ID:gNVIDaV1
まじか!
128 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 19:53:43 ID:vY2l8pGd
エビといっしょだよ
寄生虫さえいなければ、そのまま刺身で食べれるはず
まあ、普通にスーパーからエビ買ってきたほうがいいと思うけどねw
なんかどっか綺麗な北海道の湖産のザリガニはンマーイって話だな
ドブ臭い原因は細菌や藍藻類が繁殖してるからなんだな。
普通の河川(都市部を除く)や田んぼ(農薬が怖いが)は
そうした生物が増えすぎない程度にバランスが取れてるので、そこで育ったヤツなら臭くない。
処理前の生活廃水が流れ込むコンクリの用水路とか、
イトミミズや藍藻がこびり付いてるような場所のザリガニはキツいだろう。
131 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 20:19:42 ID:IfMLR9mW
アメリカザリガニってもともと食用養殖する目的で輸入されてるんじゃなかったか
雷魚、台湾ドジョウなどと同じ目的
それが台風かなにかで養殖池が氾濫して外に逃げ出した。
んで、日本古来種の日本ザリガニがどんどん駆逐されていなくなってしまった
132 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 20:20:03 ID:N9zPmLpo
蟻の巣に爆竹さしてた私がきましたよwwww そのほかにロケット花火逆さに差し込んだりして遊んだなぁ〜 ザリガニはてっきり竹輪で釣るもんだと思ってました!
133 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 20:20:38 ID:+xqwrWy6
俺は輸入材木に張り付いてきた奴が勝手に増えたと聞いた
元は動物のえさとして輸入
前スレでアメリカさんと日本のは違う生態系に生息してるから駆逐には関与してない、とか書いてあった気がする
137 :
ありのもづき:2005/08/16(火) 22:47:08 ID:/EKZIbTL
程よく木陰になっていて土も冷たく、風も通る公園の一端に立ち尽くすラフィーナ。
遠くではヒュームの親子連れなどが陽気の中に戯れていたが、特にラフィーナやその足下にある巣穴に興味を持っている様子はなかった。
「準備できた?」
巣から出てきたウォルフガングの気配に振り向き、開口一番にそう問いかけるラフィーナ。
「おう、準備完了!」
言い放ったウォルフガングの右手にはワーカーが好んで使う繊維槍が握られていた。
「なにそれ、ちゃんと扱える?」
もともと雄蟻であるウォルフガングのその不恰好を見て怪訝そうに尋ねるラフィーナ。そうと口にする本人の腰には先日ラフィーナが床を出られるようになった時に女王から渡された細い石刀が提げられていた。
ウォルフガングがこうして槍を用意しているのも、仮にも女王となる身であるラフィーナに、そのワーカーたるウォルフガングが守られていてはあまりにもなさけないからとの計らいだろう。
138 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 22:48:26 ID:/EKZIbTL
「じゃあそれ、そこにあるの持って。早いうちに出発しましょ」
ラフィーナが指差す先には土壷に詰められた食料や日用品の数々。女王からラフィーナへと送られたものだったが、それを見て目を丸くするウォルフガングに、これまた呆れるラフィーナ。
「なにしてるのよ、そのくらい運べるでしょ」
「いや、でもなぁ」
愚痴るウォルフガングに痺れを切らせて近寄っていったラフィーナが、その土壷を担いで強引にウォルフガングの背に乗せる。
「う、ぐあっ」
「ほら、さっさと……」
まだまだ病み上がりで少々身体が重いものの、常日頃からワーカーたちに混じってその仕事を手伝っていたラフィーナにとってこの程度の荷を持ち上げるのは造作もなかったが、
ウォルフガングの方はそれを背に乗せることすらもたまらず潰れて地に伏してしまった。これにはさすがにラフィーナも驚いた。
「役立たず……」
あきれ果てて呟くラフィーナ。仕方なくその荷物の半分を土壷から取り出して自らの背に担ぐのだった。
139 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 22:49:52 ID:/EKZIbTL
覚えのある石地の感触を足の裏で踏みしめながら歩くラフィーナ。
「なあ、本当にこっちでいいのか? 何もないじゃないか」
先ほどから白いぬり壁と黒いアスファルトばかりが続いているせいか、後ろから愚痴をこぼすウォルフガング。
「ええ、間違いないわ」
先日ラフィーナが倒れてしまった遊歩道の前までの道を女王に教えてもらい、あとはヒュームから逃げてきた時の道をそのまま戻っている。記憶は確かだったし、ラフィーナが途中で道を間違えたわけでもなさそうだった。
「食べ物もあるし、順調なら二日で着くでしょう」
「二日!? そんなに歩くのかよ」
それを聞いた途端にへろへろと石地に座り込むウォルフガング。こうなるとその腰を上げさせるのも大変だ。
ふとラフィーナの触覚に新しい風が吹いてきた。湿り気のある生暖かい風だ。
「雨、……来るわ」
「え? なんで分かるの?」
ウォルフガングの世間知らずにも、もはや慣れてしまったラフィーナは淡々と説明する。
「この暖かい風が冷たい風と交わるところで雲が出るの、ワーカーなら誰でも知ってるわ、この風は雨が来る前兆よ」
「そーなのか」
言って自分の触覚をしよしよと撫でるウォルフガング。
「降るまでわからなかったらみんな雨で溺れてるわよ。ここじゃ危ないわ、急ぎましょ」
「お、おうよ」
土壷を背に乗せてなんとか立ち上がるウォルフガング。ラフィーナはそれに振り向くこともなく前にここを通った時の記憶を読み返しながら歩いていた。
140 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 22:51:35 ID:/EKZIbTL
ラフィーナの覚えていた通りに、しばらく歩くと道の端にあった高い石壁の下のわずかな切れ目から沢山の青草が生えている場所にたどり着く。
ラフィーナたちはその下に潜りこんで荷を降ろし、雨宿りがてら束の間の休息を得ることになった。
「ふあ〜、つ、疲れたー」
土壷を下ろしたそのまま、そこにへたり込んでしまうウォルフガング。ラフィーナはそれを気にする様子もなく、座ったまま手に顎を乗せてぼんやりと考え事をしていた。
その顔を横から覗き込むウォルフガング。口うるさく自分をせっつくラフィーナが黙っているのだからか、声をかけてその気をそらすようなつもりはないらしく、その横顔をただぼうっと見つめたまま自分もそれと同じように押し黙っていた。
ラフィーナたちが草むらに駆け込む寸前に振り出した雨は、石地や草にぶつかり無数の水滴となって煙のように風に踊っていた。そのいくつかがラフィーナの髪の端に掴まっていて、まん丸の透明な髪飾りをつけているようだった。
思い出したようにラフィーナが頭に手をやると、その雫が白髪を離れて静かな風に飛んでゆく。
それを残念そうに眺めるウォルフガング。
「違うほう向いてて」
突然にラフィーナが口を開いたので驚いて飛び上がりそうになったウォルフガングだが、別にラフィーナのことを見ていたのに気付かれたわけでもないらしいことを察してなんとか平静を保つ。
141 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 22:52:47 ID:/EKZIbTL
「後ろから、何か来てたら嫌だから」
そういうことならばと、ウォルフガングは納得してラフィーナと背中あわせに座りなおす。途中少し気になってラフィーナの方を振り向くウォルフガングだったが、特に変わった様子もなく何事かを考えふけっているようだったので結局正面を向いて見張りをするしかなかった。
そうして、どれくらいの時が過ぎたか思い返すのもおっくうになるほどの単調な瞬間が続く。
草の陰をぼうっと見ていたウォルフガングはその向こうになにかてらてらした光りを見たような気がしたが、それもまばたきをして目をこすってみると何もないように見える程度のほんのかすかな光だったため、大したものではないだろうとそのまま見過ごしてしまった。
142 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 23:07:10 ID:gNVIDaV1
もう読んでないからいいよ。おつかれ。
143 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 23:11:26 ID:trs81DHb
じゃ寝ればオヤスミ。
144 :
既にその名前は使われています:2005/08/16(火) 23:28:16 ID:SKhcoMvx
俺はよんでるからつづきよろしっくるむーん
私も読んでるー
今でもアリの行列ってついつい辿りたくなるんだよね。
潰したりはしないけど。
ていうかメモ帳に保存してる俺。
アリ最近見ないなぁ・・・
道がもうコンクリだからかな
147 :
ありひきもづき:2005/08/18(木) 04:15:24 ID:+uW1c5gz
しばらくして、思いのほか近い場所で草の擦れる音がしたので驚いてそちらを向くウォルフガング。
それと同時に振り返ったラフィーナの目に映ったのは、先ほどウォルフガングが見たものと同じ、闇色に光るぬめぬめとしたふたつの光だった。
「立ってッ! 逃げて!!」
ラフィーナが叫ぶが早いか草むらを掻き分けて一匹のトカゲが突き進んできた。そのまま一直線にウォルフガングの方に向かって鋭い吐息と共にその大口を開く。
反応すらできずにいたウォルフガングを突き飛ばすラフィーナ。トカゲはその場に残された土壷を獲物と見たのか、そのまま両顎の牙で見事に噛み砕いていた。
「つっ、痛ぁ」
地に転がってうめくウォルフガングに目もやらずに、腰の石刀を解き放つラフィーナ。それを足下の石板に叩きつけると鋭い音が響き、トカゲの頭がそちらを向く。
口に入った土壷の破片や荷物をがちゃがちゃと石面に吐き出してから、ゆっくりとラフィーナの方へ身体を傾ける。
トカゲの体長はゆうにラフィーナの五倍はあるが、しかしそれでもトカゲにしてはかなりの小物だ。ラフィーナやウォルフガングを仕留めたとしても一飲みとはいくまい。
148 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 04:16:19 ID:+uW1c5gz
戦うべきか、逃げるべきか、依然として雨は衰えを見せずに振り続けており、今この草むらから飛び出したとしても命を捨てるような無謀な行為とは言わないが危険なことには変わりない。
逃げたところでトカゲが追ってこないとは思えなかったし、なによりトカゲの脇で震えて息を殺しているウォルフガングを見れば、早々にこの場を立ち去ろうというのもラフィーナには無理な相談に思えた。
やるしかない。そうラフィーナが覚悟を決めた時にはトカゲの前足が動き出した。
一度動き出したトカゲが止まる理由などなかった。目の前に獲物がいて走り出したのなら、その後の動きはひとつ。
ラフィーナは羽織っていた皮マントを首元から引きちぎってトカゲの視界をさえぎるように放る、そしてできる限りの序動作をはぶいてトカゲの上へと飛んだ。
視界をさえぎられたトカゲはそのまま目の前にあったマントにその奥にいるはずだったラフィーナもろともを捉える勢いで噛み付いていた。
ラフィーナはその頭上で座り込むようにして股の下から石刀を突き出し、そのまま全体重をかけてトカゲの背中に落ちていった。
刃が堅いものと柔らかいものを同時に切り裂く感触が伝わってきて、トカゲの皮膚を裂くと同時に同じ勢いで赤い体液が噴出してくる。
精霊のように神秘的な雨露の滴っていたラフィーナの髪に、こんどはおどろおどろしい赤いしぶきが降りかかる。
片目だけ閉じてそれをやり過ごし、さらに両手に力を込めるラフィーナ。
149 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 04:19:28 ID:+uW1c5gz
トカゲは意識を直接切り裂くような鋭い叫び声を上げながら激しく身体を振ってそれに抵抗する。
石刀につかまったままトカゲの背で耐えていたラフィーナだったが、トカゲの体力が衰える前に石刀のほうがその力に耐え切れず、ラフィーナの掴んでいた手元で堅い音を立てて折れてしまう。
ラフィーナは石面に投げ出されるが、受身をとったまま身体を転がしてウォルフガングの足下で持ち主に手放されていた繊維槍をすくい上げるように手に取る。
立ち上がると同時にトカゲの頭部に槍の先端を突き出すラフィーナだが、薄茶色の鱗にふれるか触れないかのところでそれを引っ込めては、またほんの少し強く突き出す。
それが威嚇であることは戦いについてまるきり無学だったウォルフガングにも理解できた。
トカゲの背に刺さった石刀からは今でも血が溢れ出し、石面にぽたぽたと赤い錯乱模様を描いていた。
こうしている合間にも、トカゲがその体力を奪われているのは明らかだった。
150 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 04:20:51 ID:+uW1c5gz
何度目かにラフィーナが槍を突き出すと、それが偶然にもトカゲのまぶたに当たり、トカゲはそれを嫌がるように顔をそらす。
ラフィーナはそこですかさずトカゲの背後に回ると、尻尾の付け根を槍の柄で力強く叩く。
鞭で弾いたような派手な衝撃音が響いて、それと共にトカゲは向いていた方向に一目散に走り出した。
赤いなめくじ跡を残してその姿が草むらの奥に消え、無数の雨音が戻ってくる頃になって、やっとラフィーナは構えていた槍を降ろす。
「す、すげー、なんであんなことできるんだよ……」
ラフィーナが振り向くと同時に、心底感心しきった様子で声を上げるウォルフガング。
「あれが子供だったからよ、ひとりでトカゲに勝ったのなんて私だって始めてよ。それよりあなた、男だからって見張りもできないなんて」
先ほどから同じ場所に腰を抜かしたようにへたりこんでいるウォルフガングを一瞥し、片手を腰に当てたまま溜息をつくラフィーナ。
「いやなぁ俺にだって、巣に帰れば男として、得意な事のひとつやふたつあるけど……」
「いい、聞きたくない」
ぴしゃりと言い切るラフィーナに、さすがにウォルフガングもその続きを言うのをやめる。
151 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 04:21:42 ID:+uW1c5gz
ラフィーナは石刀を提げていた腰紐を外して、それを繊維槍の首に結び付けてそのまま肩に背負う。
「槍、返してくれないのかよ……」
「あなたが持ってたって意味なんかないでしょ」
それはそうだが、と口の中でぶつぶつ呟きつつもはっきりとした反論はしないウォルフガング。
「あのトカゲの巡回路だと思えばここが安全か。他に休める場所があるわけでもないし、雨がやむまでまたしばらくここにいましょ」
ウォルフガングには視線を戻さず、折れた石刀の柄を拾い上げて眺めるラフィーナ。根本から逝っていて刃の部分はトカゲの背中に刺さったままなので、もはやナイフとしてすらも機能することはなさそうだ。
「これはもうだめね、ここに置いていくしかないか」
「もったいない」
「武器なんて消耗品よ、生きて帰ったらまた作ればいいわ」
「つめたいかんじがする」
「なに?」
「いや、別に……」
曖昧に口を閉じるウォルフガング。
ラフィーナは自分の髪に手をやって、指先についた赤い雫を確認する。
「血、雨で落としてくる」
そう言い、雨際まで出て行って跳びはねる雫に全身を晒し、首を斜めにして手ぐしで濡れた髪をすくラフィーナ。
「槍、あとで返してくれよな……」
水浴びでもするかのようなそのラフィーナの姿を眺めながら、いじけるように呟くウォルフガング。届いていない言葉の返事を待つように黙ったままうずくまり、トカゲが吐き出して残骸となった土壷の前に座り込んで食料を引っ張り出していた。
★
どうでもいいわよ・・もう
153 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 04:39:14 ID:tGKJrWW1
俺が昔所属してたLSはリーダーがモロにジョブ差別するせいで
だんだん不遇ジョブが来なくなって消滅したよ・・・
俺が誘われた時もPTにいた中で俺と詩人だけパール持ってなくて
詩人を熱烈なアタックで誘った後で、ついでのようにパール渡されただけだった
154 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 04:41:03 ID:8AWKJMzW
長い
155 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 05:15:04 ID:WIeL/fmJ
つめたいかんじがするワロスwそこで絡ませるのかよw
まだ読んでるよ〜でもスレ違いならチラシスレ行きで
156 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 14:41:11 ID:hvO9YFg+
かなぶん(緑色)の首に紐括って飛ばす遊びとよくやってた。
紐括る時に力が入りすぎて、首がちょんぎれたんだが、すごい勢いで
前2本足と首だけが走って行って、胴体と4本足が妙にゆっくり
直進してた。
怖いからオナヌーして寝た。
まさか君はそんなものをオカズにしてたんじゃないだろうね?
158 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 14:44:06 ID:YgSzIjZw
>>44 遅レスだが
ザリガニ釣りで最強の餌はガムだと思ってる
何度でも使えるし噛んであればハサミがあれにくっついてつりやすいのよ
159 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 14:46:38 ID:PJZHOA28
>>156 おまえそんなものでオナニーってヤバいだろw
犯罪者予備軍だぞw精神のほうのw
160 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 16:40:50 ID:7rEz1BOx
つーか
幼少期の小動物虐待スレになってきますた
161 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 16:53:19 ID:mP96qHdW
伊集院のラジオで、ザリガニ釣り大会やったの覚えてるヤツァいねーが。
一番漁獲が少なかったヤツに、6人が必死で上げたザリを押し付ける(リリース厳禁)と
言う鬼ルールだったんだがよ。
一番のエサ?トロだよトロ。
162 :
既にその名前は使われています:2005/08/18(木) 16:53:27 ID:hvO9YFg+
かなぶんが異常にくっついてる木の実(でかい)があって、
そこからかなぶんを30匹位とってきて30cm位のくわがた入りの虫かごに
入れた事があったんだけど、最初はくわがたも張り切ってかなぶん分断
してたりしてたが、翌々日位にはくわがたが死んでた。
たぶんストレスかなんかだったのかなって今にして思うよ。
その夜は、堀江しのぶポスターみてオナヌッた。
163 :
ちょっとグロい部分もあるかも:2005/08/19(金) 03:17:42 ID:V56aY6Fq
それから順調に二晩の行程を経て、ヒュームに襲われてラフィーナが逃げ出したあの巣穴にまで戻ってきた二人。
ヒュームの居住である巨大な箱のふもと、小さな砂漠のような黄色の土にやや斜めに穿たれたその入り口は、見た目だけでは数日前、まだワーカーたちがせっせとここから出入りしていた頃と変わらぬようにラフィーナには思えた。
「ここか? ラフィーナの巣って」
不自然に生き物の気配のない周囲を警戒するように首を振りながらのウォルフガング。その言葉に対して黙って頷き、そのまま巣穴へと踏み込むラフィーナにあわてて続いてゆく。
入り口こそ狭かったが、中に入れば通路はラフィーナやウォルフガングが直立してまだ余裕のあるほどの高さがあった。奥に進むにつれ足下の土がじんわりと湿り気を帯びてきて、同時に鼻を突く腐臭が漂ってくる。
その臭いの出所を想像して気分でも悪くしたのか、何かを吐き出すように喉を鳴らすウォルフガング。
地中深くまで降りて地上からの明かりがほとんど射さなくなったところで、正面になにか障害物があるのが二人の目に見えてくる。あと数歩でそれを踏みつけるところまでいってラフィーナが足を止める。
164 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 03:18:44 ID:V56aY6Fq
それは、半身を泥に覆われて息絶えている二匹の蟻。
そのことに気付いた瞬間、ラフィーナの頭の裏に毒のような感情が湧きあがってきて喉や涙腺を刺激し、思わず顔を押さえてその場にうずくまってしまう。
それはこの巣の最後の日、ラフィーナを先に逃がしてこの場で熱湯をせき止める防壁を作ると言い残した、二人の雄蟻たちだった。
本来なら壁となって湯をせき止めるはずだった土はその場にこらえ切れずに押し流され、二人の身体の上に泥の小山となって積もっていた。
両手を投げ出して万歳の姿勢でいる二人の表情は泥に埋もれて見えなかったが、ラフィーナの頭の中ではその顔がいつも巣の中で語りかけてきていたように笑っていた。
それなのに、なんで死んでいるのに笑っているのかが申し訳なくて自分がここに生きていることすら許せなかった。
「これ、知り合いか……?」
当たり前の事を、さもそれしか聞くことのないかのように口にするウォルフガング。ラフィーナが黙ったままうずくまっているのを仕方なしに見ないようにすることしかできそうになかった。
「これ……、私付きになるかもしれなかった男の人たち……」
どうしてこの二人の言うことを信じて先に出て行ってしまったのか、自分なんかがこの二人が命をかけてまで助けるような価値があったのか、もし神様がこれを見ていたら間違いなく自分には罰が与えられるのではないか?
いや、そうなるべきだとラフィーナは頭の中で繰り返しながらうずめた顔を上げられずにいた。
「なあ、なんだかラフィーナらしくないだろ……」
165 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 03:19:33 ID:V56aY6Fq
「うるさいっ!」
返事と同時にウォルフガングに飛んできたのは、ラフィーナが勢いよく地に拳を打ちつけて弾かれた泥粒だった。
「たった数日一緒に歩いてきたくらいで私の事知ったような口利かないでよ!」
言いがかりだった。言っている当のラフィーナもウォルフガングにもそれは分かっていたが、誰にも止めようのないものだということもまた同時に悟っていた。
「私は今までずっとここにいたのよ、数日前からしか生きてなかったみたいなこと言わないで!」
嗚咽のような息を吐いて地に突いた拳に力を込めるラフィーナ。
「何も、何もなくなってなんかいないんだから!」
かなしい嘘が狭い洞穴に反響する。
ウォルフガングが声を掛けられずにいる間に、すっくと立ちあがってそのまま前に歩き出すラフィーナ。
「おい、待てよ」
もうこれ以上に巣の中を見る必要はないだろう、というその言葉も、結局は飲み込んでその後を追うウォルフガング。
ラフィーナが歩く先、何人もの蟻の屍を乗り越えてたどり着いたところは、ウォルフガングも自分の巣で見たような作りの大きな部屋だった。
「女王の間、かよ……」
呟いて首を小回りさせるウォルフガング。
166 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 03:20:10 ID:V56aY6Fq
先ほどからもう果実を腐らせて放置したようなすっぱい、そして無知識にでも死を連想させる濃い臭いが充満していて、それが喉にこびりついてきて息のひと吹きすらも節約したくなるほどだった。
ラフィーナの目には、その部屋の奥に佇んでいるひとつの塊りが映っていた。一歩一歩、それに向かって踏みしめるごとに瞳からは涙が溢れ、その塊りが足元に来る頃には正面がまともに見えなくなって服の裾にぽたぽたと黒い染みが垂れていた。
それはラフィーナはもとより、この巣に住んでいた全ての蟻の母親である女王の亡骸だった。
大きな腹には虫に食い破られた穴が空いていて、その中では甲虫や小さなダニが枯れ果てた体からさらに血を吸い上げているかのようにひしめいていた。
「ただいま、母様……」
ラフィーナはひざまずき、無造作に投げ出されていた女王の枯れた手を自分の両手指でゆっくりと包み込み、霞んだ声で挨拶をする。
生まれて初めて女王の顔を見た時のこともラフィーナは覚えていた。いや、今この瞬間に思い出したのかも知れなかった。乳白色の卵の膜の切れ目から、小さなワーカーたちが右往左往する中で、女王がラフィーナに近づいてきたのがとてもゆっくりに感じられた。
初めての娘だった自分を優しい手で卵から取り出し、そして名前をつけてくれた。『ラフィーナ』と、そのとき呼ばれた声が今になって頭の中に反響してくる。
そうして卵を出てからは、見分けのつかなかったワーカーたちの顔の一つ一つが判断できるようになって、その一人一人が大切な家族になって、そして一緒に働くようになって。そして……。
167 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 03:20:22 ID:y3iL7Otk
長いで〜す
168 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 03:20:47 ID:V56aY6Fq
ラフィーナの思索が今につながり、涙だらけでろくに見えない瞳を開かせた。
涙を手で拭くと、そこにはあの優しかった女王のなれの果てが容赦なく横たわっていた。そして、それが受け入れざるを得ない現実。
ラフィーナは一度拭いた瞳をもう一度こすると、しっかりと背を伸ばして立ち上がる。
「母様、また来ます……、少しだけ我慢していてください」
心ばかりの一瞬の黙祷をささげ、ウォルフガングの方に向き直る。
「誰か生きている人がいないか巣の中を探すから、手伝ってちょうだい」
「ん、あぁ」
多少気まずそうな様子で返事をするウォルフガング。ラフィーナの醜態を見ていたことをなにやら負い目のように感じているようだった。
「あぁ、それと」
思い出したように口にするラフィーナが瞳だけをウォルフガングに向ける。
「さっきはごめん、また、よろしく」
ウォルフガングがその言葉を理解した瞬間には、また足早に先を歩き出していたラフィーナ。
ウォルフガングはそれに苦笑しながらも、いい加減慣れたような足取りでその後を追うのだった。
★
169 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 03:21:54 ID:y3iL7Otk
こんなの書いてる暇があるんならメリポのひとつでも稼いでたほうがいいと思いま〜す
170 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 05:45:52 ID:4Snf0EUA
GJ!!!!
ID:y3iL7Otk
感受性低いなぁ。もちっと余裕持とうぜ
早くこのクソスレ下げて
LS崩壊スレ立てようぜ
172 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 07:45:07 ID:3sfwnIFS
続きはよるくらいにUPですか?
何言ってるんだ?
このスレの次は「蟻の巣崩壊秘話3」だろw
174 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 07:47:38 ID:3sfwnIFS
ところでこの話のラフィーナさんはウィンダスのラフィーナにありんこの触覚がついてる感じなのでしょうか
175 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 07:55:58 ID:tjGFSf+u
イメージ的には大体あってると思う
第1回チキチキ・ザリガニ釣り対決に負けて×ゲーム中ってのが今までの流れ
176 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 10:15:52 ID:lKVVhWvD
(V)o\o(V)
(V)o\o(V)
( )
(三)
△
178 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 11:40:20 ID:7ps5Gf/1
ザリガニAAがすごくステキなんだが・・・
実際ここ以外のどこで役に立つのかさっぱり分からんw
|
|
|
|
j
(V)
(o\o(V)
( )
(三)
△
うお!進化してるし!!
|
|
|
|
j
(V)
(o\o(V) そんな餌に釣られてたまるかザリー
( )
(三)
△
|
|
|
|
j
>> XXX
(V)
(o\o(V) こんな餌アンカー切ってやるザリー
( )
(三)
△
|
|
|
|
(V)
o\o(V) そんな餌では釣られないザリー
( )
(三)
△
お前ら応用力ありすぎだw
別のスレにコピペしてきたんだが尻尾入れ忘れたwwwww
>>18 6
(V)
(o\o(V)
( )
(三)
△
188 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 12:44:48 ID:3sfwnIFS
蟻冒険記のつづきまだー?
189 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 17:43:59 ID:3sfwnIFS
ほしゅ
190 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 18:06:07 ID:4JNyY+Lg
小学生の頃、『生物は環境にあわせて進化する』みたいな知識を得た俺。
近所のドブ川で捕まえたカエルを海に投げ込んだ事がある。
何匹目かに元気良く沖に向かって泳ぎ出したカエルがいたが、あっと言う間に海鳥に捕まり、実験は幕を閉じた。
>>190 海鳥に捕まらなかった場合、浸透圧の関係でシワシワに干からびると予想。合掌。
|
|
|
|
j
やべwザリガニAAカワイイwwwwww
ペット板・アクアリウム板に貼り付けて回りたいくらいだwww
ほしゅ必死だなww
クソスレだから進みようがないよw
195 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 20:44:30 ID:3sfwnIFS
あり物語よめればまんぞく
ウォルフガング→ . .
↑
ラフィーナ
197 :
既にその名前は使われています:2005/08/19(金) 23:05:59 ID:3sfwnIFS
199 :
夜おそくてごめんねー(つд・):2005/08/20(土) 02:52:01 ID:+N5jgAMP
ほとんどが溶けてぐずぐずになった通路に足をとられないように進み、幾つ目かの部屋にたどり着くラフィーナとウォルフガング。
「この部屋は?」
「子供部屋……」
ラフィーナの言う通りに、部屋にはまだ幼い子供たちが互いに身を寄せ合うようにして倒れていた。ラフィーナはその一人一人の名前を呼び、頭をなでて、堅くなった姿勢を正してやっていった。
熱湯がじかには届かなかった場所でもその高温で蒸し焼きにされたのか、やはりどの部屋にも生きた蟻の姿は見当たらなかった。
「苦しかったわよね、ごめんね……」
ラフィーナが誤っても仕方ないのにと、その姿から視線をそらしていたウォルフガングが奇妙なものを見つける。
「おい、あれ」
指差す場所には、こんもりと土の盛られた上に薄い板切れが刺されていた。そこにはつたない、それこそラフィーナが一から教え直したくなるぐらい下手な泥文字で『アプルルさまのはか』と書かれていた。
「ア、アプルルの!?」
「誰だ、アプルルって?」
「私の、妹の一人よ」
近づいて墓標をなでるラフィーナ。
簡素ではあるが悲しみを思わせる手作りの墓。墓標のたもとにはアプルルが食べやすいようにと細かく千切られた食べ物の供えもしてある。
200 :
既にその名前は使われています:2005/08/20(土) 02:52:43 ID:+N5jgAMP
「でも、どうしてアプルルだけ……」
不意に意識もしていなかった別の土山がもぞもぞと動くと、薄い壁を突き破り、そこから芋虫のように這い出してくる小柄な生き物がいた。
瞬間的に背中の槍に手を伸ばすラフィーナ。
「ラフィーナさま!」
短い両手でもがいて必死に自分の顔から土をどけるその生き物がラフィーナの名を口にする。もちろん、ラフィーナもその姿に見覚えがあった。
「アジド、無事だったの?」
小走りにそこに駆け寄って、その生き物の両手を掴んで穴から引っ張り出してやるラフィーナ。
それは身長がラフィーナたちの腰ほどまでしかない、小さな一匹の蟻だった。
「よかった、ラフィーナさまよかった」
半泣き笑いの表情でラフィーナの足下にへばりついてくるアジド。
「アジド、あなた生きてたのね」
信じられないといったような口調で返すラフィーナ。その場に立ち膝で座り込み、アジドの頭を抱えこむようにして撫でる。
何が彼をそうさせるのかはわからないが、喜んでいいのかを迷うような様子で二人を眺めるウォルフガング。
「うっ……ごめんなさい、アプルルさまは……」
嬉しそうに笑っていたかと思えば、急に声を詰まらせて泣き出すアジド。
201 :
既にその名前は使われています:2005/08/20(土) 02:53:21 ID:+N5jgAMP
「仕方ないわアジド、あなただけでも生きてて良かった」
言いながらアジドの丸いほっぺたを流れる涙を指先で拭うラフィーナ。
「ごめんなさい……うっ、そうだ、いいものがあるんですよ、ラフィーナさまこっちに」
ラフィーナの手を無理矢理に引っ張っていこうとするアジド。
「あ、ちょっと待って」
そう言って、逆にアジドの体を軽々と持ち上げてウォルフガングの目の前に持っていくラフィーナ。
アジドはラフィーナやウォルフガングと比べるとまるで子供のように見えるが、これでも立派な成体であるし、それなりに力もある。
「ここのワーカーなのか?」
目の前に置かれたそれを石粒のように見下ろすウォルフガング。
「ええ、アプルルの世話役をしてたアジドよ」
ラフィーナの足下でぴたっと止まり、じっとウォルフガングの方を見つめるアジド。
「アジド、こっちは私を助けてくれた女王様の息子で、ワーカーの仕事を手伝ってくれるウォルフガング」
紹介のされかたに不満でもあるのか、言われて鼻を掻くウォルフガング。
「そうですか、ワーカー見習いですね。それじゃあ今日から私の下についてもらっていいですね」
自信満々で胸をはってウォルフガングに言い放つアジド。
「なっ、なんで俺が……」
「ふふ、じゃあしばらくはそれでいいわね」
そうしてラフィーナに目の前で笑顔を見せられて、不承不承その場を収めるウォルフガング。
202 :
既にその名前は使われています:2005/08/20(土) 02:54:01 ID:+N5jgAMP
「じゃあ、こっちです、来てください」
話がつくと、放たれた羽虫のように勢いよく部屋を飛び出して行くアジド。途中で泥に足をとられ、歩いてついて来たラフィーナとウォルフガングにあっさり追いつかれる。
「ねえアジド、あなたの他にこの巣で生きている人はいないの?」
アジドの足を泥から抜き出すのを手伝いながら尋ねるラフィーナ。
「トリオンさまだけは無事だったようです、お会いしましたから」
「トリオン!? あの人無事だったの、今はどこに?」
トリオンとはラフィーナやアジドの兄弟であり、この巣にいた雄蟻の一人だった。
アジドはなにか嫌なことを聞かれたように下を向いてから続ける。
「この巣はもうなくなったから、居ても仕方ないと言って」
「そう……」
確かに、ワーカーであるアジドと雄蟻であるトリオンだけがここに残っていても、それが巣としての要を成さないただの棲家でしかないことはラフィーナにも理解できる。
生き延びたトリオンが、ただここに残って無為な一生を終えるようには、彼についてそれほど深く知っているわけではないラフィーナにも想像できた。
「トリオンさまのことですから、男である身分は捨てて流れのソルジャーとしてでも生きて行くつもりなのではないでしょうか」
トリオンもラフィーナのように昔から武術については多くを修めていたため、働き蟻として自分の身を守りながら一人で生きて行くことも、兵隊蟻の一員となることすらも可能だろう。それを他の巣の蟻が許せばだが。
203 :
既にその名前は使われています:2005/08/20(土) 02:55:17 ID:+N5jgAMP
「そう、どちらにしてももうここにはいないのね」
アジドの足をマントの裾で拭って、先を歩かせるラフィーナ。
「でも、ラフィーナ女王が無事だとわかればきっと戻ってきてくれますよ」
「……、そうね……」
内心、女王と呼ばれたことに驚きを覚えるラフィーナ。いずれそうなるものだという理解はしていたものの、これまで女王だなどとは呼ばれたことがなかった。
アジドの笑顔がラフィーナを新しい女王だと認識しているが故のものだという現実が、軽くラフィーナの肩にのしかかってくる。
「ここですよ、どうぞ」
アジドに案内された部屋は、入り口近くに新しく掘られたラフィーナの知らないものだった。
その狭い部屋の奥には、うずたかく詰まれた蝶に芋虫、小さな甲虫……、どれもがワーカーが巣の外で拾ってくる蟻たちの食材となるものであった。
それも途中に食料庫でラフィーナたちが見てきた湯にやられて腐ったようなものではなく、地上からもってきて乾燥させたいつでも調理できるものだ。
204 :
既にその名前は使われています:2005/08/20(土) 02:56:35 ID:+N5jgAMP
「これ、全部食べ物なのか……?」
ウォルフガングは部屋の片隅で、アジドの言う『いいもの』について、さもこんなものかという顔をしている。背負っている食料もまだまだ残っているため、肩の荷が余計に重くなるような気でもしているのだろう。
「これを、あなた一人で?」
ラフィーナの言葉に、にこにこと得意顔で頷くアジド。詰まれた山の大きさはかなりのもので、これだけの量があればアジド一人なら何ヶ月でも食べていけることだろう。それをたった一人で数日のうちに地上から集めてきてしまったのだ。
きっとそれはアジド自身のためではなく、帰ってくる可能性など本当に考えられないくらいに低かったラフィーナたち巣の主のためなのだろう。
もしアジドと同じ境遇の百人のワーカーがいたとすれば、そのうち九十九人は巣の中で決して帰ってくることのない主人を待ち続けることになっていただろう。永遠に減ることのない食料を集め続け、そのうちに老衰して仲間たちの元へ旅立つその時まで。
「ありがとうアジド。あなたは本当に働き者ね」
女王が帰ってきたんだという、そんな喜びの表情がアジドには満ち溢れていて、ラフィーナは嫌がおうにでも自分自信は女王を失った身のままであることを忘れざるをえなかった。
全てを喜べるわけではない、でもこれでいいんだとラフィーナは自分を納得させて、誇らしそうな顔を自分に向けてくるアジドの頭をそっと撫でてやった。
205 :
忘れ物:2005/08/20(土) 02:57:03 ID:+N5jgAMP
★
続き、楽しみにしてます〜
208 :
働き蟻=タル 兵隊蟻=ガル という感じで。:2005/08/21(日) 05:02:55 ID:+4ZFbZIM
元の巣から少し離れたところに、新しい巣穴を掘り始めるラフィーナたち三人。先の巣と同じ悲劇を繰り返さないようにと通路を横に長くとり、丸一日かけてふたつの部屋を完成させる。
ひとつは食料庫で、もうひとつはラフィーナたちが暮らすためのとりあえずの居住スペースとなるワーカールームだ。
新しい食料庫へ食材を移し替え、次なる仕事を探そうとするアジドを押しとどめてワーカールームに腰を降ろすラフィーナ。
「これで一段落にして、ウォルフガングを呼んで少し休も」
「はい、じゃあ奴を呼んできて食事の準備をしますね」
一人ではなくなったことが余程うれしいのか、次から次へと仕事を見つけてはこなそうとするアジド。ラフィーナもその笑顔を見ていると、逆に彼を押し留めることの方が酷に思えてきて、苦笑いを見せながらも結局は頷いてしまうのであった。
そうしてアジドが巣の見張りがてら外に出ていたウォルフガングを呼びに行こうとしたところで、逆に入り口の方の通路からあわただしく駆けてくるウォルフガング。
「おい、外見てみろよ、知らない奴等が来てるぞ」
「知らない奴等? ……行くわ」
行って早速立ち上がり、槍を手に取るラフィーナ。
「な、なな何か巣に攻めてきましたか?」
「わからないから呼びに来たんだろ、入り口の傍まで来てるから見つからないように気をつけろよ」
209 :
既にその名前は使われています:2005/08/21(日) 05:04:20 ID:+4ZFbZIM
ウォルフガングに付いて巣の入り口まで出て行くラフィーナとアジド。
入り口から恐る恐る顔を出すと、そこには他の蟻種のソルジャーが長い列を作って目の前を横切っていた。その腕にはどれも、白くてアジドの頭ほどの大きさの卵が抱えられている。
ソルジャーは体の小さいワーカーとは違って、大きな上半身と逞しい二本の腕が印象的な戦闘用のいわゆる兵隊蟻だ。もちろん元のラフィーナの巣やウォルフガングの巣にもソルジャーはいる。
ソルジャーは見た目のイメージにたがわず、ほとんどの蟻種においてワーカーよりもはるかに強い力を有している。
多くの場合、ソルジャーは地道な食料探しには借り出されずに外敵との戦いのために体力を温存している。
それが大河のように列を作って並んでいるのだから、かわいらしいワーカーたちの行列ならいざ知らず、それは世間知らずなウォルフガング以外から見ても異様な光景だった。
「侍蟻たちの、奴隷狩り……」
ラフィーナがぽつりと呟いた可能性に震え上がるアジド。
「ど、奴隷狩りってこれがですか? わ、私もさらわれてしまうんでしょうか」
奴隷狩りとは一部の蟻種に見られる、他種族のワーカーを巣からさらって自分たちのものにしてしまうという略奪行為だ。
「いえ、侍たちがさらうのはワーカーの卵だけだし、私たちのことを奴隷として選ぶことはないはずよ」
実際、奴隷狩りとはラフィーナたちよりも一回り小さな蟻を対象に行われるものであり、ラフィーナたちの種族が奴隷狩りにあうことはない。
210 :
既にその名前は使われています:2005/08/21(日) 05:05:37 ID:+4ZFbZIM
「あの卵は、どこの巣からさらわれてきたんでしょう?」
「なんにしても、少し静かにしておいた方がいいみたいだな」
アジドの言葉に、自分の巣から出てきた頃から比べると別人のように冷静に呟くウォルフガング。
「そうみたいね、……! あれは」
それを肯定するラフィーナの瞳に映る、小さな影。
卵を抱えた禿げ頭のソルジャーの腕に取り付いて、そのまま一緒に運ばれてしまっている小黒蟻のワーカーだった。
「それはワーカーの卵じゃないって言ってるだろ、俺の妹なんだから離せよ、いらないだろ」
必死に禿侍に向かって語りかけているが、まったく無視されている。このままでは卵と一緒に侍たちの巣にまで連れていかれてしまうだろう。
しかし、いい加減に頭に来たのか、空いている方の手でその小黒を掴んで地面に叩きつける禿ソルジャー。力なく地面に叩きつけられ、空気の塊りを声にできずに吐き出す小黒。
「生まれてもいないのになんでそんなことが分かる? 生まれてみてワーカーじゃなかったら返してやるよ、一人で巣まで帰れればいいがな」
略奪種らしい残忍な笑みで締めくくる禿ソルジャー。
小黒は震えるほどの怒りをあらわにし、そのまま禿ソルジャーの足に飛びかかって筋に強く噛み付く。
「うおっ!?」
驚いて足を振り上げる禿ソルジャーに、あっさりと振り落とされて再び地面に転がる小黒。どこかを痛めでもしたのか憎しみの瞳だけを向けて立ち上がれずにいる。
211 :
既にその名前は使われています:2005/08/21(日) 05:07:17 ID:+4ZFbZIM
その騒動に列を崩したソルジャーの仲間たちも、ただそれを笑って見ているだけで、誰も止めようとも騒ぎ出そうともしなかった。
「お前んとこの女王みたいに黙ってれば、誰も卵以外にゃ手出しなんてしないって言ってるのによ」
言って、その大きな足を小黒の小さなお腹の上に振り上げる禿ソルジャー。
「お前も巣に帰れないようにしてやるよ!」
小黒が現実そのものを恨むように目を閉じて顔を背けたところで、ツバメのように飛んできた一本の槍が踏み下ろされようとしていた足の裏の皮をかすって地面に突き刺さった。
その突然のできごとでソルジャーたちが一瞬の戸惑いを見せているうちに、倒れている小黒をさらい上げて三飛びの距離をとるラフィーナ。
やがて止まっていた時計が動き出すように禿ソルジャーの足が振り下ろされ、ぱぎりと地に刺さっていた槍をへし折る。
沈黙と不信の空気がその場に舞い降りる。
やってしまったかと顔を抱えるウォルフガングに、ただその足下で巣に入り込んで震えているだけのアジド。いざ争いごととなるとウォルフガングよりもよっぽど意気地がないようだ。
212 :
既にその名前は使われています:2005/08/21(日) 05:08:00 ID:+4ZFbZIM
「なんだ、お前……」
懐疑的に口にする禿ソルジャー。
「わざわざ殺すこともないでしょ、この子が邪魔なら私が預かっておくからそのまま巣に帰りなさいよ」
挑発的なラフィーナの物言いにやや不満げな表情を見せる禿ソルジャー。
「なんだよ、さんざん俺たちの邪魔してくれたんだから、それなりの見返りくらいあってもいいんじゃないのか?」
「……」
なにか楽しい事でも始めるのかと言いたげにラフィーナを遠巻きに囲むように集まってくるソルジャーたち。
「あなたたちが数日食べていけるだけの食料があるわ。それで、見逃して」
「はあ? 随分と大振る舞いだな」
「残念だけど、それ以外にあなたたちにあげられるものは何もないの」
213 :
既にその名前は使われています:2005/08/21(日) 05:17:14 ID:+4ZFbZIM
大勢あつまってきたソルジャーの中には、ラフィーナの背後にウォルフガングとアジドのいる巣穴があるのに気付いている者もいるだろう。これで乗って来ずに襲い掛かってくるようであれば、ラフィーナにも小黒と二人を連れて逃げおおせる自信はなかった。
「いいぜ、持ってこいよ」
意外にも、上機嫌とすら思える様子で言う禿ソルジャー。それなりに餌の報酬が気に入ったのか、そこにはラフィーナを騙してやろうという様子も表面的には見受けられなかった。
まだ安心はできないが、これならばいざという時でもウォルフガングとアジドに声をかけて逃げる準備を整えておくことくらいはできそうだ。
「……ありがとう、そこで待っていて」
心にもない言葉を吐き出しながら、自分の腕の中でいつの間にか気絶していた小黒の姿に目をやって軽く安堵するラフィーナだった。
★
214 :
既にその名前は使われています:2005/08/21(日) 07:27:21 ID:Xhf1ULTC
今度は誰がモデルなんだ
215 :
既にその名前は使われています:2005/08/21(日) 17:17:43 ID:Xhf1ULTC
ほしゅ
216 :
既にその名前は使われています:2005/08/21(日) 19:45:58 ID:ZnoZXVxG
保守age
hoshu sage
218 :
蟻の巣がこの先生 きのこるには:2005/08/22(月) 05:43:51 ID:Gduaq/al
「お、起きたみたいだぜ」
ワーカールームに寝かされていた小黒を覗き込んでいたウォルフガングが声を上げる。
それに驚いたのか、目が覚めた途端に上半身をばっと起こし、がたがたと顎を振るわせて尻餅をついたままあとずさる小黒。その背中が突き立っていた柱のようなものにぶつかり、恐る恐る上を向く。
「大丈夫よ、ここはあいつらの巣じゃないから」
直立のまま足下の小黒に向かって優しく微笑むラフィーナ。小黒がぶつかったのはラフィーナの揃えられた両足だった。
「あ、さっきの……」
ラフィーナのことはかろうじて覚えているらしく、安堵の表情を見せる小黒。
「あなた、名前は?」
「……タライヒ、あいつらはどうなった?」
とんがった金髪の頭を振るって、記憶を呼び覚まそうとするタライヒ。
「あなたが寝ているうちに帰ったわ。卵は、ごめんね……」
さらわれたタライヒの兄弟たちの卵がどうなるのかを考えると、それは死んでしまうよりももっと惨酷な事なのかも知れなかった。
彼らは何も知らずに侍たちのワーカーとして働かされるのだ。生まれてきた理由をすりかえられてしまったことにすら、気付くこともなく。
「あれって、奴隷狩りだよな?」
横から口を出すウォルフガング。
「そうだよ」
タライヒは一見アジドと似たように見えるワーカーだが種族が違う。ラフィーナやアジド、ウォルフガングたちは奴隷狩りにあうことはないのだ。
答えるタライヒの表情は、ウォルフガングたちにその気持ちが分かるわけがないと言いたげだ。
219 :
既にその名前は使われています:2005/08/22(月) 05:44:49 ID:Gduaq/al
「お前たちはラフィーナみたいに戦わないのか?」
「ラフィーナって?」
ウォルフガングの言葉に首をかしげるタライヒ。
「私よ、よろしくね。こっちはウォルフガング、あとアジドっていうワーカーもいるの」
簡単に紹介を済ませて、続きをうながすラフィーナ。
「戦おうとはしてるよ、卵がとられちゃうから外からソルジャーを集めたり、巣のつくりを変えてみたり……、でも、いつもなにかあると女王様が戦っちゃだめって言うんだ」
「そう、女王が……」
女王ならば女王なりに、なにか考えることがあってそう言っているのだろう。
しかし、ああして目の前で兄弟たちをさらわれておきながら何もできないワーカーたちの気持ちをそのままにしておいてよいのかについては、ラフィーナには疑問が残る。
「女王の名前はなんてんだ?」
「アヤメ様です」
「アヤメ女王の巣の者ですか!?」
驚いた声を上げたのは、網籠に少々の食べ物を載せて丁度ワーカールームに入ってきていたアジドだった。
女王アヤメの名前についてはラフィーナも聞き覚えがあった。敵対関係にない他の蟻の巣については、縄張りがら巣の名前や規模くらいは互いに伝え合うものだ。だが、アジドの驚きようはそういったものではなかった。
「アジド、なにか知ってるの?」
「いえ、アヤメ女王本人についてではなくて、トリオンさまが旅に出る時、まずそちらの方に向かうと仰っていたんですよ」
「トリオン? 外からきたソルジャーがそんな名前だったっけなぁ」
トリオンの名を聞いて、曖昧に首をひねるタライヒ。
220 :
既にその名前は使われています:2005/08/22(月) 05:45:23 ID:Gduaq/al
「ほんと? まだその巣にいるの?」
「多分ね、侍たちと戦うのを手伝ってくれるって言ってたから」
最初に尋ねた巣でいきなりに手助けを申し込まれ、断るに断れないトリオンの姿がラフィーナにも目に浮かぶようだった。
「そう。……ねえ、あなたの巣に私たちを案内してくれないかな? そのトリオンに少し話があるからさ」
「いいけど、あの人連れてっちゃうの?」
ラフィーナたちの事情を察したようで、残念そうに漏らすタライヒ。あの侍たちと本当に戦う気であれば、トリオンを巣に置いておきたいと思うのは当たり前だろう。
「わからないわ。でも、伝えるべき事は伝えておきたいから。アジド、ウォルフガング、あなたたちも来るでしょ?」
「もちろん、行きますよ」
元気よく答えたアジドに、こころなしか表情を曇らせるウォルフガング。
「ウォルフガング、留守番してる?」
「いいよ、行くって」
「ありがと」
お礼の言葉に、心ばかりの笑顔を添えるラフィーナ。それに照れてでもいるのかすぐに顔を背けるウォルフガング。
トリオンの件がウォルフガングには関係のないことだとはわかっているラフィーナだが、それを認めてウォルフガングだけを特別扱いすることにもなぜだか気が進まなかった。
221 :
既にその名前は使われています:2005/08/22(月) 05:46:01 ID:Gduaq/al
女王からもらった武器も失い、アジドが集めた食料も侍蟻に渡してしまい、わずかな食料のみを袋に詰めるだけの支度を終えてアヤメの巣に向かうラフィーナたち四人。
タライヒの言うところによると、昼から歩いても日の沈まないうちに帰れる距離らしい。
ヒュームの作った巨大な石壁づたいにタライヒを先頭に黙々と歩いていたところで、ラフィーナの隣にいたアジドがぽつりと漏らす。
「トリオンさまは、戻ってきてくれるでしょうか?」
「……わからないわ。だけど、喜んでくれるといいわね」
正面を向いたままのラフィーナを、横からちらりと盗み見るアジド。
「ラフィーナさまの事ですか?」
「違うわ。帰る巣がちゃんとあるってことよ」
ラフィーナの言葉に妙に納得したのか。そのまま返事も返さずに笑顔を独り占めしているアジドだった。その後ろで、複雑な表情をしているウォルフガングがいることも知らずに。
★
223 :
既にその名前は使われています:2005/08/22(月) 18:33:51 ID:LQfSTDNN
保守
ほっしゅ
(V)o\o(V)
( )
(三)
△
226 :
アヤメとカエデを間違えるところだった:2005/08/23(火) 07:05:12 ID:fcBewNNF
青々とした葉を茂らせ、上空を流れる風を音として感じさせてくれる一本の巨木、その根本にタライヒたちの巣はあった。二股に分かれた根の間に日陰と日向を行き来しながら控えめに口をあけている。
入り口でタライヒと別れ、番兵につれられて巣の中へ案内されるラフィーナたち三人。壁の一部が木の根となっている巣の造りに感嘆しながらも深くへと降りてゆく。
そして、やがて天井からいくつもの根が生え降りている広い部屋に出る。
この巣の女王の間のようで、奥には壮年のワーカーと、土床に横たわるこの巣の女王であろう蟻の姿が見受けられた。女王はラフィーナたちに笑いかけると、手近な岩の椅子に座らせる。
「タライヒを助けて頂いたそうですね」
儚げな表情に艶やかな髪の似合う神秘的な印象を持つ女王だった。しかし、美しい容姿とは裏腹にその首元には毒々しい紫色の斑点が浮き上がっている。それを見しまい、つい目を逸らすラフィーナ。
「そんなに痛々しい顔をなさらないでも」
「あ、いえ、すみません」
いたたまれない気分になって顔を下ろすラフィーナ。
女王は病気だった。床に縛り付けられたように横たわるその姿はまさに末期と呼ぶにふさわしい重々しさを感じさせる。
次なる産卵を間近に控えているらしく、大きく膨れたお腹を抱え込むようにしている。それも彼女がベッドから降りられずにいる理由のひとつだろう。
「ありがとう。私にはお礼くらいしか言えないけど、巣の者たちがもてなしの準備をしているらしいので、よろしければ少しこの巣に居ていただければと思いますが」
「いえ、こちらこそ準備もなく突然押しかけてしまって、お気遣いありがとうございます」
これから巣に帰るとなると日が暮れる頃にはなってしまうだろう。この巣に停めてもらえればありがたいなどと、
口には出さずにいることまでも読み取られているのではないかと思えるほど女王の瞳はまっすぐにラフィーナを見つめていた。
227 :
既にその名前は使われています:2005/08/23(火) 07:05:53 ID:fcBewNNF
「ごめんなさいね、私はもうすぐまた眠らなければならないの」
出産を控えた女王にとって、それもまた大事な仕事である。つくづく間の悪い時に尋ねてしまったものだ。
「いえ、あの、ひとつお尋ねしたいのですが」
「はい、なんでしょう?」
「この巣に、トリオンという者がいると聞いたのですが」
「トリオン?」
思い当たるふしのなさそうに返すアヤメ。
「兵隊長たちが迎え入れたソルジャーの事でしょう、詳しくは兵舎の者あたりが詳しいと思いますが」
隣にいた壮年のワーカーが補足する。
「そうなの。あなた、この方たちを兵舎の方に案内してあげて」
無言で敬礼して受領の意を表す番兵。
「ではまた会いましょう。……あなた、名前は何というの?」
「ラフィーナです、アヤメ女王」
「そう、あなたならきっと素晴らしい女王になれるわね」
笑いかけながらそう言うアヤメの言葉が、今のラフィーナにはどうしても褒め言葉には思えなかった。まるでラフィーナの中にある黒い心を見透かして、それをたしなめているようにすら聞こえるのだった。
228 :
既にその名前は使われています:2005/08/23(火) 07:07:16 ID:fcBewNNF
「いた、トリオンさま!」
案内された部屋に入ろうとしたところでその姿に気付き、こらえ切れなくなったように声を上げるアジド。
ラフィーナやウォルフガングよりもさらに一回り大きな体に、相手を萎縮させるような鋭い目つきを持った一匹の雄蟻。
いつかラフィーナが巣の中で会った時のような、とっつきにくく、気難しそうなトリオンそのままの姿で部屋の中を通り過ぎようとしていた。
こんなところでアジドに会ったことや、とりわけそこにラフィーナの姿があったことにひどく意表を突かれた様子のトリオン。
「ラフィーナ……、何のためにここに来た?」
「あなたがいるって聞いたから、無事だったって伝えようと思ってね。私たち、またあの場所に巣を作ることにしたから」
「その話をしてるんじゃない……」
「え?」
ラフィーナがトリオンの意図をくみかねていると、近くにいた白髭の老ソルジャーが親しげにトリオンの横に回って肩を組む。
「トリオンにも仲間のお迎えが来たってわけか。侍たちと戦うためにはここにいて欲しかったが、自分の巣のためだっていうならしょうがない。一晩の付き合いで勘弁してやるよ」
「お前たち、本当に侍蟻と戦う気なのか?」
ウォルフガングが明朗なその老ソルジャーに向かって尋ねる。先日見た侍蟻とこの老兵は同じソルジャーだが、年齢は抜きにしてもその体躯には明らかな差がある。
例えこの巣に侍蟻たちと同じ数のソルジャーがいるとしても、勝ち目があるとは到底思えない。
「そんなこと言ったって、あんた女王に会ったんだろ? どう控えめに見たって次の産卵が限界だ。その卵まで持っていかれるようなことがあれば、世継ぎのいないこの巣はそこで終わりだよ。嫌でも無理でも戦うしかないのさ」
老ソルジャーのはっきりさばさばとした現実を直視している言葉に、部屋内のソルジャーたちにも暗く重い沈黙が降りる。
229 :
既にその名前は使われています:2005/08/23(火) 07:08:56 ID:fcBewNNF
「その……、戦うっていうんなら、俺たちにもできることってあるよな」
なにやら照れくさそうな、もうしわけなさそうな様子で提案するウォルフガング。
「そうね、私たちもお手伝いします」
「駄目だ」
声は意外なところから飛んできた。それまで口を閉ざしていたトリオンがそう斬り捨てていた。
「駄目って……、なんで」
「どうしてもというなら俺は残るが、お前はその男とすぐに巣に帰れ」
「なんでよ、いくらトリオンだって悪いけど邪魔になるとは言わせないわよ」
部屋の中央でトリオンをにらみつけるラフィーナに、それを静かに見守るソルジャーたち。
二人の間をさえぎるように、老ソルジャーが重々しく口を開いた。
「トリオンの巣になにがあったかはここにいるみんな知ってるんだよ、こっちのことはいいからお嬢さんは巣に帰りな。トリオンも今晩ぱっと祝ったら返してやるからよ」
230 :
既にその名前は使われています:2005/08/23(火) 07:09:41 ID:fcBewNNF
「そういう気遣いはいりません、今巣に帰っても誰かが待ってるわけじゃありませんし」
強気に言い切るラフィーナに、蓄えていた顎鬚に手をやって含み笑いをもらす老ソルジャー。
「へっ、トリオンも大変だよなぁ」
「なっ!?」
鼻で笑われて怒りを荒げようとするラフィーナに、足下からアジドがしがみついてそれを止める。
「分かってないのはあんただけさ、早く巣に帰ってアヤメ様みたいに立派な女王になるこった」
「それしか、できないと言いたいんですか?」
「こいつ、また借りてくぜ」
ラフィーナの言葉には答えず、トリオンの肩を抱いたままぐるりと回って背を向ける老ソルジャー。
「ちょっとっ!」
「行ってくる、ラフィーナ、あまり怒るなよ」
いつまでも冷静なままのトリオンの言葉に、ラフィーナだけがさらし者のようにその場に残されるのであった。
★
231 :
既にその名前は使われています:2005/08/23(火) 20:06:19 ID:wBo3Yek8
ほす
オナニースレ
233 :
既にその名前は使われています:2005/08/23(火) 22:00:22 ID:wBo3Yek8
だが保守
だらだら長くなって来たらアンチしたくなるんで、
適当な所で一旦オチつけてくり。
>>23 4
(V)
(o\o(V)
( )
(三)
△
236 :
それがなかなか(´・ω・) あと1/3:2005/08/24(水) 05:22:51 ID:rqG0E6jG
「ごめんなさい、ラフィーナさま……」
巣に戻ってきたアジドが大事な落し物でもしてきてしまったように泣きそうな顔で、ワーカールームに揃ったラフィーナたちの前で沈んでいた。
女王アヤメの巣で一晩のもてなしを受けたあと、揃ってもとの巣に帰ってきたラフィーナやトリオンたち。
集めてあった食料も侍蟻に渡してしまっていたため、新たに食べ物を集めようと巣を出たアジド、それが今朝のことであった。
「遅いから心配してたのよ、いいわよ無事なら」
もうとっくに日は落ちて地上では虫たちの鳴き声のみが世界を支配していたが、帰ってきたアジドの薄汚れた両手には石ころひとつの成果も握られてはいなかった。
「この巣がなくなったのを知って他の蟻が縄張りを広げたのかも知れないな、しばらくは仕方あるまい」
部屋の壁にもたれて座っているトリオンが言い、さきほどから床に寝転がって腹が減ったとぼやいてばかりいたウォルフガングも今は黙っている。
「もう一度外を見回ってきますので、朝までにはきっとなにか見つけてきますから……」
「だめよ、アジドも少しは休まないと。明日まで待てないんなら代わりに私たちで行きましょ」
「そうだよなぁ、ここで待ってるよりはよさそうだ」
言ってウォルフガングもだるそうに体を持ち上げる。
「ラフィーナ、お前は待ってろと言ってるだろ」
釘が刺し足りないかとばかりに声を荒げるトリオン。
「だからなんでよ!」
「外の事はアジドに任せよう、ラフィーナは巣の中のことをしてればいい」
「そんなこと言ったって、アジドだけ寝ないでずっと働いてたらそのうち倒れちゃうわよ。そうでなくたってこんなのないわ」
トリオンの主張に真っ向から反発するラフィーナ。無表情なままのトリオンに罵声の如く言葉を浴びせる。
「あなたアジドより強いでしょ? 働けるでしょ? それなのになんで動こうとしないのよ!」
それに一歩も引かずラフィーナを睨み返すトリオン。
237 :
既にその名前は使われています:2005/08/24(水) 05:23:37 ID:rqG0E6jG
「子供も産まない女王のために餌を運び続ける事がワーカーの仕事だとでも言うつもりか? ワーカーはお前や俺の奴隷じゃない」
「だからそんなのわかってるわよ!」
「いや、わかってないな。アジドはこんなにお前に尽くしているのに、お前はアジドのために何よりもするべきことをしようとしない」
ラフィーナの言葉を跳ね除けてきっぱりと断言するトリオン。
「一晩の我慢もできずにお前が外に出て行って何かあってみろ、ヒュームに焼き殺された仲間たちがそんなことで喜ぶとでも思ってるのか? ワーカーが足りないなら、俺かそこの男のどちらかを今すぐそれに充てればいい、お前が決めろ、ラフィーナ」
「なっ、なんで、私が……」
トリオンの有無を言わさず詰めようとする言葉に気圧されるラフィーナ。
「なら俺が決める。明日から産卵室を掘って俺とそこに篭れ」
「な、そんなことを勝手にっ!」
「だったら俺がアジドと共に食べ物を探してこよう、その代わりにお前にはそいつといてもらう」
冷たい視線をウォルフガングに向けるトリオン。
「なあ、ラフィーナはまだ若いんだし、そんなにすぐ話を進めなくてもさ」
と、のんびりとした様子のウォルフガング。
「明日アジドに何かあったら、ラフィーナが養生しているあいだ誰がワーカーの仕事をする? それに、早ければ早いほど一人で働いているアジドの危険も減るのだぞ」
「今日は、外見て来る……」
かすれたような声で呟いて、部屋の出口に身を滑り込ませるラフィーナ。
「あ、ラフィーナさま、私もいきます」
それを追いかけ、続けて部屋を出ていくアジド。
238 :
既にその名前は使われています:2005/08/24(水) 05:24:29 ID:rqG0E6jG
ワーカールームに向かい合った形で残されるウォルフガングとトリオン。
「俺はもうこの巣は死んだものと思っていた、もしも生きているものならすぐにでも帰りたかったさ。……ラフィーナが生きていたのは、まるで仲間たち全員の命を拾ったような気分だった」
「それにしたって無茶を言いすぎだろ、もう少し待ってからだって」
「お前は余裕がありすぎる。自分の巣が滅びてみればわかるさ」
もしも、自分の巣が滅びたなら。女王や他の蟻たちのいる自分の巣が一日で滅びてしまうことなどウォルフガングには想像できなかった。想像できなかったからこそ、その次の言葉を口にすることができなかった。
巣を出たところで、風を浴びるように背を伸ばして直立していたラフィーナ。
それを追いかけてきて、モグラのように巣の入り口から顔を出すアジド。
「ラフィーナさま? 私はラフィーナさまたちがいなかった間に比べれば、今のほうがずっとしあわせですよ」
反応のないラフィーナの背中に語りかけるアジド。
「いくら食べ物を見つけてきても、巣がないと誰も喜んでくれないんです。沢山の食べ物があつまればあつまるほど、なんだか悲しくて食料庫に入りたくなかったんです。どうしてアプルルさまを助けに行って死ななかったのかって、ずっと巣の中で悔やんでました」
「でも、ラフィーナさまがきてくれた、私が集めた食べ物で私や他の蟻を救ってくださった、だから今は餌を探しにいくのがとても楽しみなんです。
もしかしたらまた何も見つからないかもしれないけど、ラフィーナさまは待っていてください、もしまたいなくなったりしたら、いくら食べ物なんて集まっても意味がないんです」
239 :
既にその名前は使われています:2005/08/24(水) 05:25:05 ID:rqG0E6jG
よいしょっと入り口から這い上がるアジド。両脚についた土ぼこりをぽんぽんと両手ではらうと、ラフィーナの背中ににっこりと笑いかけてから闇の中に走り出し、そのまま溶けるように消えていった。
しばらくして、今度はウォルフガングが巣の入り口に顔を出す。
「私だって、もう一度この巣に子供たちの笑い声が響くようになって欲しいとは思うの、ただ……」
振り返らずに、背中のまま一人語りをするラフィーナ。
「今のままじゃあ怖いのよ、また、すぐに同じようなことになるんじゃないかって。私たちの巣を滅ぼした、あのヒュームがいる限り」
ウォルフガングも黙ったままでただそれに耳を傾ける。
「巣から逃げる時ね、ずっとあのヒュームに復習する事だけ考えてたの。どうしたら、あのヒュームを仲間たちと同じように熱湯の底に沈めて殺してやれるか、ってね……。怖い女でしょ?」
大きく息を吐いて、俯くラフィーナ。
「でも、あのヒュームはきっと私たちを怖いなんて思ってないの、また、同じことを繰り返すのよ……」
★
読んでる人もいるんだろうが
他の書き込みが止まってしまってツマラナス
俺?読んでない。発言パートが多すぎて
描写が少なくて読む気しない。
つーか、スレに書き込むなら改行とか気をつけて多めにしないと読みにくいっす
面白いつまらないの前に文字つまり過ぎてると読む気にならないから要注意っす
紙に書くのとはまた違うんだよねぇ
ちょっと横に長いかもね。
読む気にならないってほどでもないけど。
面白いので、私は続き楽しみにしてます。
244 :
今度書くときに参考にしてみる(`・ω・´):2005/08/25(木) 06:58:49 ID:+Tie5X8l
ワーカールームで天井から吊り下げた糸で朝露を溜めたテーブルほどの大きさの石椀に腰掛け、その端に刃を当てて石刀を研ぐラフィーナ。
慢性的な食糧不足は続いていたが、巣の部屋数もそれぞれの個室を用意できるほどに増え、武器の手入れにも怠りはなかった。
しかし、ラフィーナの胸中からあのヒュームの存在が消えることはなかった。それゆえに巣の形状も利便性を追求できず、いつまでも横長の入り口ひとつで出入りをせざるをえなかった。
どんなに刃を磨いたところで、こんな細くて短い剣であの巨大なヒュームを突き倒すことなどできるわけがない。たとえ毒を塗ったところで、足の皮を貫くことすらできずに折れてしまうのが関の山だ。
ラフィーナが石刀をかざして溜息をついていると、なにやら入り口の方から騒ぎ声のようなものが聞こえてきていた。
「帰れ、今この巣にはそのような余裕はない」
「なんだよ、この前は助けてくれるって言ってたくせに」
巣の入り口で言い争っているのは、トリオンと先日ラフィーナに助けられた小蟻のタライヒだった。
「どうしたのよ? あらタライヒ、こんにちは」
「よかった、話の分かる人がきた」
飛び上がって喜ぶタライヒの横で、苦々しげにラフィーナを見るトリオン。
「侍蟻たちがまた来たんだよ、女王様が卵を産んだのを知ったみたいで奪いに来たんだ。いまみんなが巣の中に篭って戦ってるから、姉さんたちも手を貸してよ」
一息にまくし立てるタライヒ。息継ぎも荒く、ここまでずいぶんと急いで駆けつけてきたのであろうことがうかがえる。
245 :
既にその名前は使われています:2005/08/25(木) 06:59:49 ID:+Tie5X8l
「わかったわ、私でよければ力になるから」
「ほんと!? やった!」
「おい、ラフィーナ! そうやってまた仲間の遺志を無駄にするようなことを」
「無駄なことじゃないわよ、誰かが止めないと侍蟻たちはいくらでも勢いづくわ。この巣だって邪魔になったら攻め落とそうとするかも知れない、もう場所は知られてるんだから」
諦めたようにうなだれて、首を横に振るトリオン。
「……生きて帰ってくるつもりはあるんだな?」
「もちろんよ。私にはどうしてもやりたいことがひとつ、残ってるんだから」
いつでも戦えるように武装して巣を出る五人。結局トリオンだけでなく、戦えるかどうかも疑わしいウォルフガングとアジドもラフィーナが行くならばとそれについてきた。
もうすぐで女王アヤメの巣に着くというところで、大きな群れの通った跡がラフィーナたちの目の前に現れる。
「随分と大人数みたいね、今回は……」
「みんなが抵抗したから仲間を呼んできたんだと思う。正面はもうあいつらが集まってると思うから、裏に回ろう」
タライヒの言われるままに大樹の裏手に周るラフィーナたち。
樹の根元に落ちていた枯葉をどかすと、アジドの背丈ほどもある石が土に半分埋まっていた。タライヒはその石をどかそうと力を込めるが、すぐに諦める。
「ねえ、これ動かしてくれない?」
「なんだよ、一人じゃ巣に帰ることもできないのかよ」
愚痴りながらも石に手を添えるウォルフガング。二人で力をこめているとやがて石が傾き、その下にぽっかりと小さな穴が顔を出す。
「隠し通路というわけか」
「元々は普通の入り口だったんだけどね」
ラフィーナたちは次々と巣の中に入り、最後にタライヒが内側から石を閉める。
246 :
既にその名前は使われています:2005/08/25(木) 07:02:06 ID:+Tie5X8l
産卵を終えて身軽になった女王は、悲しげな表情でラフィーナたちを迎えてくれた。
「ラフィーナ、来たのね……」
「ごめんなさい、戦況がかんばしくないと聞いたものでつい連れてきてしまいました」
内心悪びれてはいないのだろうが、タライヒはそう言って女王に頭を垂れている。
巣にいるほとんどの蟻たちが女王の間に集まっているようで、ソルジャーたちが軍議を開きながら、その横ではワーカーが食事の支度をして子供たちをあやしているといった風である。
「女王様、私たちも微力ながらお手伝いさせて頂きます」
ひざまずくラフィーナに、アヤメは一振りの刀を差し出す。
「これは?」
それを受け取りながら困惑するラフィーナ。それは普段ラフィーナたちが磨いている石刀とは違った輝きを放っていた。きっと材質そのものが違うのだろう。
「ラフィーナ、これからのあなたは今の私などよりもよっぽど沢山のことができるのですから、死なないで下さいね。戦いの間はこれで身を守って」
「はい、ありがとうございます」
ラフィーナがその刀の柄を握り締めると、不思議と夜光虫のように刀身がにぶく発光して見えた。
「女王様、こちらから打って出る策は整いましたが……」
女王の意向を計らうようにして横から発言する、先日の老ソルジャー。
「いいのよ、向こうが攻めて来ないというのなら無理に死者を出すことはないから、しばらくは様子を見ていて」
「はあ、わかりました」
不服そうな様子を見せながらも、素直に下がっていく老ソルジャー。
「せっかく来てもらったけれど、やっぱり戦うことなく済めばいいと思ってるのよ。私も、歳をとったのかもしれないわ」
そう言って力なく笑う女王。その瞳には何かを諦めたような曇りと共に、まだ何かを迷っているような虚ろが込められていた。
247 :
通常のザリガニ崩壊秘話も引き続きお楽しみください:2005/08/25(木) 07:03:22 ID:+Tie5X8l
★
248 :
既にその名前は使われています:2005/08/25(木) 07:12:42 ID:DjiSZcF4
この話しようのスレ立てるけど
ログ移してくれますか?
249 :
既にその名前は使われています:2005/08/25(木) 08:56:34 ID:j70e4M55
キモオタ消えろ
>>248 あと3分の1程度で終わるそうだが
LS崩壊っていうかどうかわからんが
リーダーがあんまりログインしてこないLSってどうなの
メインはとっくに抜けたが倉庫で貰ったやつをまだ捨ててないのでたまに覗くんだが
いつもメンバー1人か2人しかいねーでやんの
よくいつまでもいられるなぁと思った
まぁ俺今1人LSなんだけどな?
251 :
既にその名前は使われています:2005/08/25(木) 20:18:30 ID:pmqPvo+H
ところでザリガニになに食べさせてる?
俺の小さい頃は、「かまぼこかちくわでも食わせとけ!」だったんだけど
最近のかまぼこは混ぜ物が多いから悩んでる。
252 :
既にその名前は使われています:2005/08/25(木) 20:28:49 ID:6c++KpjD
子供の頃はパンを与えていたような気がする・・・
アレは今思えば水も汚れるしいい事無かったw
253 :
短めー:2005/08/26(金) 07:25:25 ID:1H82/ag0
「あいつら穴を掘り始めたんだってよ」
「ここに直接来るつもりかな?」
「まさか、そこまで内部に詳しい奴はいないだろ、適当に掘ってるんだよ」
若いソルジャー二人が戦局について語り合いながら通路に出て行くのを女王の間のすみに腰を降ろしてぼんやりと眺めるラフィーナ。
女王の間への避難生活は続いていて、今日でラフィーナたちが着てから二日になる。
入り口あたりでの小競合いで負傷者は出ているものの、老ソルジャーたちの果敢な働きで侍蟻たちの巣内部への侵入は未だ許していなかった。
倉庫には半月ほどの食料の備蓄があるが、それが尽きる前に外にいる侍蟻の方が諦めるか何らかの行動を起こすだろうと思われていた。
おおかたの予想通りに侍蟻たちはこの巣の近くに幅広の穴を掘りだし、そこから直接地下に向かって兵を送り込んでくるつもりらしかった。彼らとて巣から何日も離れて野ざらしの生活を続けるのは酷なものだろうし、雨でも降れば溺れる者も出るだろう。
一度、侍蟻たちが諦めて巣に帰れば、何度また攻めてきたところでこの巣の蟻たちは同じ方策をとるだろう。ここではっきりと結果を出しておきたいのは互いに譲れないところだ。
ラフィーナは目をつぶる。部屋の中の蟻たちのざわめきを耳から追い出すと、土中を渡る冷たい音が迫ってくる。鋭く尖ったとても細い音がいつものように反響している。
その中に混ざる、さくさくという土を掘る音。規則正しくくりかえされるその音が、部屋の空気の中に漏れ出した。
ラフィーナが目を開くと、今まさに女王の間の壁の一角が外側から突き崩されているところだった。
砕けてはらはらと土の落ちる穴の向こうには、目を細めて笑うソルジャーの瞳。
254 :
既にその名前は使われています:2005/08/26(金) 07:26:16 ID:1H82/ag0
「空いたぞ!」
侍蟻のソルジャーが歓喜の声を上げるのと、ワーカーの悲鳴が上がるのが同時だった。混乱は一瞬で伝播し、逃げ惑うワーカーたち。
聞いたところでは今朝がたに侍蟻たちが穴を掘っているのを見張りが確認したらしかったが、巣の最下層である女王の間までたったの一日たらずで掘り当ててしまうなどいくらなんでも早すぎる。
考える間もなく、腰元に置いてあった刀を手に取って走るラフィーナ。開通した穴を中心に放射状に散開するワーカーに逆流して穴の前に立つ。
「止まりなさい、それ以上一歩でも踏み込んできたら斬るわよ」
ラフィーナの呼びかけにも答えず、体当たりで穴を広げるように部屋の中へ入ってくる侍蟻のソルジャー。
それに刺激されたのか、まだ若いこちらのソルジャーが雄叫びを上げて槍に全身を乗せて突撃していった。
明らかに侍蟻のソルジャーの方が場慣れしていたようだったが、足場も悪くまだ穴から出きっていなかったため避けられず、槍はソルジャーの右腕の付け根を串刺しにする勢いで突き刺さる。
傷口は紫色に鬱血してぴくぴくと痙攣し、握られていたスコップ代わりの平石刀が死んだようにするりと手から落ちる。
255 :
既にその名前は使われています:2005/08/26(金) 07:28:02 ID:1H82/ag0
自分のした事に恐れおののくかのように槍から手を離してあとずさる若いソルジャー。
あの右腕は放っておいてももうだめだろう、ならばと体を横に倒して回転させ、手負いのソルジャーの脇下へ斬撃を繰り出すラフィーナ。刃が振りきられた勢いのまま腕の根本に衝突、両断して派手に赤い血液をぶちまける。
獣のような咆哮を残してうずくまったソルジャーの首元に濡れた刀身をあてがうラフィーナ。
「今すぐ手当てをすれば助かるわよ、投降しなさい、早く!」
しかしその後ろにいた別のソルジャーたちは、仲間の惨状に怯むどころかそれまでの何倍にも猛り狂い、武器を振り上げてきた。
全員を殺さなければならないのかと、ラフィーナの頭に凄惨な血の海に横たわるこのソルジャーたちの姿が浮かぶ。あるいは、最後にそこに倒れているのは自分たちなのかも知れない。
★
256 :
既にその名前は使われています:2005/08/26(金) 19:04:49 ID:Faa+uf4O
おわり?
257 :
既にその名前は使われています:2005/08/26(金) 19:18:39 ID:6Aqh3Gpq
なぁ、長ったらしい文章書くなら別のスレ立ててくれないか?
ザリガニの話がしたいんだよ、俺たちは
まあまあ、そんなにめくじら立てんでも、
アノお話はスレ違いかもしれんが、
ここでね主題も板違いの希ガス
いやザリガニって
260 :
既にその名前は使われています:2005/08/27(土) 07:00:05 ID:rYNJLbJG
ほしゅぴたる
261 :
またちょっと悲惨ぽい:2005/08/27(土) 15:06:18 ID:41g830hO
ラフィーナが女王の間でソルジャーとの戦いをくり広げている間、その奥の産卵室には世話役のワーカーたちに囲まれたアヤメが卵たちを慈しむように部屋の中央に鎮座していた。
「さわがしくなってきたようですね、女王様」
「そうね……」
争いの喧騒はここまで届いていたが、それでもアヤメは自らやその側近たちをそれへ狩り出そうとはしなかった。ただ沈痛な面持ちで、戦うべきか、降伏するべきかの答えを待ち続けていた。
そして、遠くで聞こえる騒ぎがここまでたどり着くことを待つまでもなく、決断の時はやってきた。
部屋の壁の一部が崩れ、待ち構えていたかのようにその先から数人の侍蟻のソルジャーたちが荒々しい足取りでなだれ込んできた。手に手に武器を構え、ぎらぎらとした瞳で部屋を見渡す。
室内に敵のソルジャーがいないのを確認すると、じりじりとアヤメたちににじり寄ってくる。
その中の頭の禿げた一人のソルジャーが、極度の緊張から硬直して動けなくなっていたワーカーに歩み寄り、その襟元をつまみ上げる。
「はづ、やめて……」
空中に吊り下げられたまま短い手足をばたつかせて抵抗するワーカー。
「待ちなさい! もう卵は持っていっていいですから、その子達は放してあげて、戦うのはやめにして」
禿ソルジャーはアヤメの言葉を聞くと根の歪んだ笑みを見せ付けてから、ワーカーを放して代わりに卵を抱え上げる。
そして、両手で包み込むように持ったそれを、軽々と、ボロ布を搾り上げるようにして握り潰す。軋む音、そして次にはじける音がして両手の指の隙間から血液が滝のように流れ出す。
262 :
既にその名前は使われています:2005/08/27(土) 15:07:00 ID:41g830hO
「う、ぐっ……」
目を口を押さえ、必死でそれから顔を背けるワーカーたち。
アヤメはその惨劇に大きく目を見開き、瞳が焼けるのではないかというほどに見つめ続けていた。
禿ソルジャーはアヤメの目の前にその卵の残骸を投げ捨てる。
水っぽい音を立てて地面に打ちつけられる命の廃棄品。
外膜は引きちぎられて、その中では焼け爛れたかのように赤く小さい手が宙を掻くようによろよろと彷徨い、やがてそれも外膜からわずかに出たところで力尽き、地の池へと倒れ落ちて動かなくなる。
「卵なんざいらねぇんだよ、小蟻のワーカーなんていくら食っても足りないくらい巣に余ってるんだからな。ここを攻めるのは見せしめなんだよ、わかるだろ、なあ?」
「あなたたち、私の子供を、食べたの……?」
彫像が口を動かすように凍りついた声を出すアヤメ。
「もしかして、連れてかれた卵がまともなワーカーとして働けるとでも思ってたのか?」
「答えて」
「ああ、やせ細ってて、まずい奴らばっかりだったがな」
禿ソルジャーは得意そうな表情すら浮かべて、はっきりとアヤメにそう答えた。
263 :
既にその名前は使われています:2005/08/27(土) 15:07:56 ID:41g830hO
「くそっ、どうなってるんだよ!」
「俺に聞いて分かるものか」
暗く狭い通路を目測なしで駆け抜けるウォルフガングとトリオン。先ほどまで背後から聞こえていた戦いの音もなくなり。あるのは二人を追いかけてくる侍ソルジャーたちの密かな気配だけだ。
ラフィーナたちと離れて、巣の上部で前線の見張り部隊に配していた二人だが、突然の後方からの敵ソルジャーの奇襲により仲間はバラバラになり、なんとか敵のいない通路を探して巣の奥へ奥へと逃げていた。
「この道狭いし、なんとか戦えないのか?」
「無理だな、敵に囲まれた状況で戦って有利になる見込みなどない、一度仲間のところまで逃げなければ無駄死にするだけだ」
一言の息も無駄にできないとばかりに口を閉ざす二人。ふと前方から自分たち以外の足音が聞こえてくることに気付く。一人か二人、そう多い数ではない。
「やるぞ」
ためらいなく言い切るトリオン。ウォルフガングがそれに異を唱える理由があるはずがなかった。
一人の侍ソルジャーの姿が二人の目に飛び込んできた。駆け寄りざまに抜き身の鉱剣を突き出すトリオン。
しかし、相手の反応はトリオンが予想していた以上に早かった。太身の石刀を横に構える。
264 :
既にその名前は使われています:2005/08/27(土) 15:08:50 ID:41g830hO
明らかに軌道を読まれていた、このまま突けばあの石刀でさばかれるかもしれない。もしそうなった場合、トリオンが体勢を立て直すまで二人の命が無事である保障はどこにもなかった。一瞬の間を置き、踏み止まるトリオン。
間合いを取り、冷静になって聞こえてくるのは敵の後ろからのさらなる足音。
このソルジャーを抜けたとして、あと何人の壁があるのか。この先が敵の占領下である可能性は充分に考えられる、だとしたらもう逃げ場はない。
トリオンの背筋を冷たいものが走る。それはまさに背に切り込まれるであろう刃そのもののように思えた。
先に動いたのは侍ソルジャーの方だった。焦るように振るう雑な太刀筋をトリオンが受け流したところで、そのソルジャーが背中からひれのように派手な出血をして倒れる。
その後ろにいたのは、返り血すらもほとんど受けていない真っ白なラフィーナだった。
「よ、よかった……」
その姿を見て、安心してへなへなとその場に座り込むウォルフガング。
「ラフィーナか……、女王の間の守りは大丈夫なのか?」
「大丈夫、と言えるかどうか……、今アヤメ女王が」
265 :
既にその名前は使われています:2005/08/27(土) 15:09:09 ID:41g830hO
女王の間には、息をするだけで咳込みそうになるほどの濃い血の霧で満ちていた。
侍蟻は侵入口に詰まれた味方の遺体で身動きが取れなくなっている。その正面で血団子をからませた一振りの槍を構えているのは、病床と産卵前の養生で細々と生き長らえていた頃とは似ても似付かないアヤメの姿だった。
仲間の遺体を押しのけ、アヤメへと飛び出す一人の侍ソルジャー。しかし、それも手にした石刀を振り上げる間もなく、その冷徹な眼差しのような心無い一突きで胸を穿たれ、アヤメの足下に沈む。
ラフィーナと会った頃には首元までだった病による紫の斑点は頬の辺りにまで達し、今しもその全身を食らい尽くそうとアヤメの顔面を這い昇っているようにすら見える。
「ずっと、取り返しのつかないことを続けていたのね。……私も、あなたたちも」
人知れずソルジャーの亡骸たちに向けて呟くアヤメ。地獄の住人を思わせるその躯たちの中にはアヤメの言葉を拾える者も、ましてや返事を返せる者など一人として存在してはいなかった。
★
266 :
既にその名前は使われています:2005/08/27(土) 21:41:23 ID:0zf9l8da
ほすひうま
267 :
既にその名前は使われています:2005/08/28(日) 02:13:54 ID:ZipoWlNs
ほすひかゆ
268 :
既にその名前は使われています:2005/08/28(日) 10:47:41 ID:ATwFzX+H
ほじん対はんひん
269 :
既にその名前は使われています:2005/08/28(日) 12:40:59 ID:q/c90h1Y
だれかキャラ毎のイメージ絵描いてw
ちびっと毛の生えた蟻になりそうだなw
そこにさっそうと、旅のガルカ戦士があらわれた。
『これはちょっと手ごわいけど、いけるかな。』彼はそう言って
ポケットから、乾燥マージョラムと涙のマスタードを取り出すとアヤメに塗りたくった。
「何をする。止めるんだ。」とろうばいするラフィーナ
トリオンも「無謀だぞ!」と叱責する。
しかし、まったく意見を聞かずにガルカは
『お昼なのでいただきま〜す。』
アヤメを一口で飲みこんでしまった。
・・・・・・こうしてヴァナディールの平和は守られたのだった。
272 :
既にその名前は使われています:2005/08/28(日) 15:10:59 ID:NMv9EnMJ
ほすゆ
273 :
既にその名前は使われています:2005/08/28(日) 22:09:35 ID:8b9hDQMf
ほっす
274 :
既にその名前は使われています:2005/08/28(日) 22:15:53 ID:NMv9EnMJ
あゆす補完森
<pos>
276 :
既にその名前は使われています:2005/08/29(月) 12:30:18 ID:aBc2fTBv
<pso>
277 :
既にその名前は使われています:2005/08/29(月) 13:55:18 ID:ZAItP/FA
278 :
既にその名前は使われています:2005/08/29(月) 17:43:05 ID:aBc2fTBv
イメージ描けってか任せとけ
キモイ小説とおっさんの昔話。
FFに関するレスが逆に場違いに感じる
ザリガニスレだし。
281 :
既にその名前は使われています:2005/08/31(水) 12:59:49 ID:0LkH0/Pf
age
282 :
既にその名前は使われています:2005/08/31(水) 20:23:19 ID:0VTEi+5h
あああ
283 :
既にその名前は使われています:2005/08/31(水) 20:30:11 ID:+8T1BLYO
ザリガニはざく味
終わったのに反響なさすぎワロス
285 :
(・∀・):2005/09/02(金) 11:18:07 ID:DTzz9oFi
ラフィーナたちが女王の間に戻ると、赤い池のほとりで沢山のワーカーやソルジャーたちに囲まれてアヤメが寝かされていた。
人をかきわけてアヤメのもとに屈むラフィーナ、するとアヤメが薄く目を開く。その全身の斑点からは血が滲み出てきて、さらには戦いで傷だらけとなっていて息をしているかもわからないほど静かに横たわっていた。まるで、首から下は既に生きることを諦めているかのように。
「アヤメ女王……」
ふがいなさに唇を噛むラフィーナ。いずれにしろ病により助からぬ身とはいえ、また一人の女王が目の前で息を引き取ろうとしている。一体、あと何度こんなことが繰り返されるのか。
「ラフィーナ、無事で良かった、あなたに頼みたいことがあったの」
アヤメのかすれた声を聞き取るために、誰もが息を止めた。
「この巣には跡を継いでくれる娘が居ないの、ラフィーナ、この巣のみんなの女王になってあげて」
「私が? ……でも、私はこの巣の蟻じゃないし、まだ女王には……」
覚悟ができていない、というのが正直なところであった。それに女王としての勤めを考えれば、今のラフィーナはその資格を持ってすらいない。
「俺からも頼む」
そう言って地に頭をつけたのは先日ラフィーナを嘲り笑った老ソルジャーであった。
「あんたは女王には向いてないってのは今でも思ってる、だけど今はあんたが必要なんだ、気に入らなければ俺をどうにでもしてくれ、だから頼む」
286 :
既にその名前は使われています:2005/09/02(金) 11:18:50 ID:DTzz9oFi
ラフィーナは周囲の皆を見渡す、誰もが懇願するような瞳をラフィーナに向けていた。それはラフィーナと再会したアジドの向けてきた視線に似ていた。従える相手が欲しい、集まる理由が欲しい。
今ここで集まらなければ侍蟻たちに根こそぎ全てを奪われるだけだ。誰でもいいのだ、誰でもいいにも関わらず、それは今ラフィーナにしかできないことなのだ。
「わかりました、アヤメ女王。あなたの墓は私たちが守ります」
「ありがとう。……女王は辛いわね、どうすればいいのかなんて誰にも分からないのに、それでも決めなくちゃいけない」
「はい……」
「みんなが生きてさえいればいいと思ってたの、生きてさえいれば無駄じゃないって。でも、それすら与えてあげられなかった」
さらわれた仲間たちの無念に、自分自身の愚かさを笑うように語るアヤメ。
「あなたは頑張ってね。ふふ、でもきっとうまくはいかないわよ」
それきり、蟻たちの沈黙に答えるものはなかった。
アヤメの手を取り、胸の上に乗せて組み合わせるラフィーナ。
「敵は?」
立ち上がったラフィーナの言葉に、禿ソルジャーが答える。
「ここにいた者はほとんどが戦意を失って地上に逃げたようです、他の入り口から来ていた敵も引いています」
「まだ上にいるわね、あいつらを巣まで追い返すわよ」
ラフィーナが言って刀を抜くと、その場に残っていた蟻たち皆がそれに続いた。
★
トリップ付けてくれ小説書いてる人。NGワードに入れるから。
ここは(V)o\o(V)スレ
288 :
既にその名前は使われています:2005/09/02(金) 19:00:53 ID:zLgvSo+6
フォフォフォフォフォすれですか
289 :
既にその名前は使われています:2005/09/02(金) 20:15:40 ID:tUCsEQeA
誰かリアルで
ザリガニの塩茹で
を作成&食す、猛者はおらんのか?
290 :
既にその名前は使われています:2005/09/02(金) 21:49:49 ID:+ztuwkrD
このスレは最近絶好調のリューサンがトカゲスレとして乗っ取る。
292 :
既にその名前は使われています:2005/09/03(土) 01:11:48 ID:yYEGsviY
(V)o\o(V) < フォフォフォフォフォ
( )
.(三)
△
293 :
既にその名前は使われています:2005/09/03(土) 01:25:25 ID:uULJx4YH
ザリガニはバルタン星人のパクリ
295 :
あと2、3回、長かった。:2005/09/04(日) 14:53:04 ID:eLSIUu+H
地中に広く走り抜ける巣の真上には、戦意を失って寄り集まる侍蟻のソルジャーたちと、巣穴を駆け上って彼らを追いかけてきたラフィーナたち巣にいる全ての蟻たちが睨み合っていた。
「若いな、あの女か?」
隊長蟻らしき一際大きな侍蟻のソルジャーが、ラフィーナを見てかたわらにいた部下に尋ねる。
「いえ、違います」
川辺に生える草のように距離をとっていた中から、ラフィーナが一歩踏み出す。
「今すぐ自分たちの巣に帰ってもらいましょうか、でなければ永遠に戻る機会を失うわよ。この土の下にいるあなたたちの仲間みたいに」
「お前は?」
「この巣の女王よ」
隊長蟻の言葉に即座に答えるラフィーナ。
「抵抗をやめて巣を明け渡せば帰ろう」
「卵は渡さないわ、欲しければ力尽くで奪えばいいのよ」
不快な顔をあらわにする隊長蟻。その部下のソルジャーや、ラフィーナの後ろで控えているトリオンやウォルフガングたちが武器を構える。
「これからは私たちを一人殺すごとに、あなたたちも一人ずつ死んでいくのよ。どう? 素敵でしょ」
「なんと無益な」
苦虫を噛む隊長蟻。ソルジャーの数だけならさほどの差はないだろうが、ワーカーまでもが集まっている分ラフィーナ達の方が明らかに圧倒していた。
296 :
既にその名前は使われています:2005/09/04(日) 14:53:22 ID:eLSIUu+H
「確かに、あなたたちにとっては無益でしょうね。でも、私たちにとっては仲間を守れる唯一で、すばらしい方法よ」
もちろんラフィーナとて戦いたいわけではない。しかし侍蟻たちにこちらの決意を思い知らせておかなければ、何度でも同じように攻めてくるだけだ。自分一人の命とは言わないが、もう逃げていられるほど軽いものでもなかった。
「だからといって、我々もこのままおめおめ帰れるわけがな、っ!」
隊長蟻の言葉を理解した瞬間に、ラフィーナは刀を振るっていた。
赤いつるが誰の目にも見えるのろしのように真上に上がった。隊長蟻の左腕は肩から先がなくなってぼとりと地面に落ちていた。
侍蟻たちに団結の隙を与えるわけにはいかなかった。後戻りはできない、ラフィーナは自分のしたことの重さを背に感じていた。
「行くぞ、ラフィーナを死なせるなよ」
後ろでトリオンがすかさず叫び、武器を振るって士気を鼓舞する。
なだれとなった蟻たちがラフィーナの横を駆け抜けて侍蟻たちに群がっていった。
それに侍蟻たちが背を向けて逃げるのを認めて、初めて安堵の溜息をつくラフィーナ。自業自得とはいえ、逃げ遅れて殴り潰される侍蟻たちに複雑の感情をいだくのであった。
★
297 :
既にその名前は使われています:2005/09/05(月) 14:16:46 ID:wfCg9faO
: : : 、: : .,,,,,,,,,iiiiiiiiiliiiiillllll、.: : : :
: : : : : |,lli,,、 : ,,,,,,iiiilllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll,丶<Age!
: : ゙llllllli,,.._,,,,,iiillllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll,i´: :
: : '゙lllliilllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!lllllll゙゙゙,:': : :
: .,,,,iiilllllllllllllllllllllllllllllllllll!!!l゙゙゙ ,": : :
,,,,illllllllllllllllllllllllllllll!!l゙゙ : ./: : :
,i,lilllllllllllllllllllllll!!!゙゙'" ,″
: ,!,llllllllllllllllllllll! : ..,/: : : : : : : : : .:
::::::::::::::: : : : : : : : ::j,illllllllllllllll!!゙° .._,、ヽ ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::: jllllllllllllll!゙° : : .._.,,,,iiiiiiillll:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::, lllllllllllil!°._,,、-−'"^ i, llllllllllll゙,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::, llllllllll!゙/"` |llllllllll!,i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::|l!!!lll,:': : : : : : : : : : : : ', llllllllil゙::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::: °:l゙: : ::::: ::::: : : : : : : ::゙lllll゙゛: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
298 :
既にその名前は使われています:2005/09/07(水) 12:48:52 ID:/cYNySSl
ここまできたら最後まで読みたい
つーわけでage
299 :
既にその名前は使われています:2005/09/07(水) 13:22:18 ID:UjTAlc/0
うざいって言っちゃったけどもう最後まで頑張れ
ザリガニたべちゃったエロゲのヒロインがついにでましたよ!!!
けされなかったんだ
302 :
既にその名前は使われています:2005/09/07(水) 16:10:21 ID:GY2pyK6D
んじゃおれは端っこで ザリガニの良さと、ザリガニに対する情熱を一人で語ってるね
303 :
既にその名前は使われています:2005/09/07(水) 21:38:09 ID:4KQdxwp4
ほうしゅ
304 :
おそくてごめんね(⊃д⊂)次で終了ー:2005/09/08(木) 07:12:37 ID:wHAiF1fE
侍蟻たちを巣に追い返し、束の間の平和を得たラフィーナたち。
以前の女王の間はアヤメや戦いで亡くなった者たちの墓となり、新しく掘った狭い女王の間で石机に向かいながら執務にあたるラフィーナ。
「西口の食料庫をもう少し広げられないかしら? あそこは居住区に近いから、日持ちするものだけ奥の倉庫へやって他はまとめられればいいんだけど」
「でも、あれ以上広くすると東口の入り口とぶつかっちゃうんです、そうなるとまた何かが攻めてきたときに防衛上よくないかと」
上級ワーカーの言葉に首をひねるラフィーナ。
「そう? もう少し掘っても大丈夫だと思うけど。……まあいいわ、こんどまた西から東まで歩いてみる」
「いえいえ、わざわざ女王が歩かなくても、一度穴を掘らせて確認させましょう」
「そうね、ならそうしてちょうだい」
「はい、それと……」
言いにくそうに口をもたつかせるワーカー。
「雄蟻の方達からすることがないと苦言が上がってまして」
アヤメの巣には総勢二十名に及ぶ雄蟻たちがいた。アヤメが亡くなってラフィーナが女王となってからは、まともに相手にしてもらえないため不満をつのらせているのだ。
ラフィーナもそんな雄蟻たちの気持ちを分かってはいるのだが、やはり彼らを満足させるためだけの付き合いに時間を割くつもりはなかった。
ただでさえワーカーの数も足りないのだし、できるのならば今すぐ全員を徴集してしまいたいくらいだ。
「そのへんは、なんとかあなたたちの仕事の簡単なやつを分けておいてあげて、ね?」
305 :
既にその名前は使われています:2005/09/08(木) 07:13:25 ID:wHAiF1fE
「なんっかごちゃごちゃしてるよなぁ」
食料庫でひとりぼやつきながら食べ物を漁っているウォルフガング。すると突然、倉庫の土壁をぼこっと突き破って顔を出すアジド。
「うわ、な、なんだよお前」
特に悪いことをしていたわけではないが、なんとなく後ろめたくなってあわてるウォルフガング。
「やっぱり、ラフィーナ様の言う通りだ」
穴から顔と両手だけを出したままきゃっきゃと騒ぐアジド。
「なんだ、ラフィーナ今度は巣の設計までやってるのか」
言ってアジドが穴から出てくるのを手伝ってやるウォルフガング。
「おーいっ! 大変だぞ、下にこい」
突然、遠くで誰かが叫ぶ声がした。怪訝な顔を見合わせる二人。
ウォルフガングとアジドが巣の最下層にある新しく掘られていた区画に向かうと、そこは既に行き詰まった蟻たちでごった返していた。
「おい、なにがあったんだよ」
手近なワーカーのひとりに尋ねるウォルフガングだが、奥で何が起こっているのかは誰にも分からないらしく、ただ曖昧な返事が帰ってくるだけだった。
306 :
既にその名前は使われています:2005/09/08(木) 07:13:59 ID:wHAiF1fE
「通して、お願い」
蟻たちを掻き分け、報告を受けた部屋へとたどり着くラフィーナとトリオン。そこには数人のソルジャーに槍を突きつけられた、白くて大きな芋虫のようなものが土の中から体半分を出していた。
ソルジャーたちはまるでその白いものが幽霊ででもあるかのように怯えきっていて、槍を突きつけると言うよりも、そこから下がる事ができずにいるようだった。
この何かの幼虫のようなものが一体どうしたのかと、それに歩み寄るラフィーナ。
『あなたがこの巣の女王ですか?』
すると突然にどこからか響いてくる言葉。音ではなく、目の前に現れた絵のように頭に入ってきた。
内心背筋に凍りつくようなものが走るラフィーナだったが、周りの皆を動揺させまいと強気に語りかけてみる。
「あなた、私たちの言葉は知ってるのね、聞こえる?」
『ええ、土の中にいるとあなたたちとはよく会いますから』
「そう」
話ができるならばなんとかなるだろうと、軽く安堵するラフィーナ。
「お前は何者なんだ? ただの幼虫ではあるまい」
ラフィーナの横からトリオンが語りかける。
『ただの幼虫ですよ、少し珍しい種類ではありますが』
その真っ白い顔からは表情も感情のかけらも伺う事はできず、この幼虫の言っていることが皮肉なのかどうかもわからなかった。
「あなたはなぜここに来たの? できれば別の場所に移って欲しいのだけど」
『ずっとここにいましたよ。たまにあなたたちがこの深さまで巣を掘ってくることがありましたが、これまではあなた方にご遠慮してもらっていました』
あらかじめこの巣の者と共生していたというのなら、危害はなさそうだ。これより下がこの生き物の縄張りだというなら、むやみに冒すこともないだろうと考えるラフィーナ。
307 :
既にその名前は使われています:2005/09/08(木) 07:19:26 ID:wHAiF1fE
ふとしたところで、ラフィーナが腰にかけていた刀が、吊るしていた糸が切れたように地面に落ちる。そして、なめくじのようにずるずると地面を這ってその幼虫の元に向かっていった。
『その刀は昔、私があなたがたの女王に渡したものです。かえしてもらっていいですね?』
その刀は幼虫の力で動いているようで、その足下に着くと白い霧を放ちだし、ラフィーナたちの目の前で金属質の異臭を残して溶けて消えてしまった。
濃い汗がラフィーナの横顔を流れる。
「……あなたは、アヤメ女王と知り合いなの?」
『アヤメという名ではありませんが、あなたたちの巣の女王でしたよ。ずっと昔の話です』
「わかったわ、またここを元通りに埋めておけばいいのね?」
『ええ、ですがこのままでもかまいません。私ももうすぐ羽化するので、わざわざ地上まで穴を掘るのも面倒ですし。ただとは言いませんよ、またあなた方になにかしらの協力をしましょう、昔からこの場所を守ってもらっていたわけですから』
「そう、わかったわ。……じゃあ、その話はあとになったらしましょ」
この幼虫が羽化したらどれほどの存在となるのだろう。幼虫の持つ不思議な力に恐怖しながらも、ラフィーナはそれを貴重なものだと考え始めていた。
「それじゃあ部屋はこのままにしておきましょう。みんな、あんまり騒ぐと危ないから、ゆっくり元の持ち場にもどってちょうだい」
皆に声をかけて下がらせるラフィーナ。まだ興奮気味の蟻たちではあったが、次第に落ち着きを取り戻しながら徐々に巣穴を上っていった。
トリオンに入り口の見張りを任せ、女王の間に戻ろうと通路を登り始めたラフィーナに向かって、皆の頭の上を転がるようにして逆流しながらアジドがやってきた。
「どうしたのアジド、何かあった?」
「卵が孵化しそうなんです! 来てくださいラフィーナ様」
308 :
既にその名前は使われています:2005/09/08(木) 07:21:03 ID:wHAiF1fE
アジドに言われラフィーナが産卵室に入ると、寝台に寝かされた卵から今まさに卵膜を突き破って小さな頭が顔を出すところだった。まだ何も知らない純真な輝きでそこに集まった一同を見渡す、小さな体の大きな瞳。
「女の子ね。良かった、これでアヤメ女王の娘に後を継がせられる」
集まった蟻たちの所々から歓声のような声が聞こえる。
その幼子を抱き上げるラフィーナ。
「ラフィーナ様、お名前を」
近くにいたワーカーの一人がラフィーナに進言する。
「ええ、この子の名前はアプルルよ」
「えっ……」
ラフィーナの言葉に、目を丸くするアジド。
「アジド、世話役はあなたに任せるわ。今度こそ、後悔のないようにアプルルを守ってあげてね」
ラフィーナからアプルルを手渡されるアジド。その両手に降りてきたずっしりとした重みと暖かみをぎゅっと抱き締める。
「ありがとうございます、ありがとうございます……」
そう言って涙を流すアジドを不思議そうに見上げているアプルルだった。
★
なにこのすれ・・・
310 :
既にその名前は使われています:2005/09/08(木) 12:34:21 ID:YtY8hZW7
ざりがにすれですがなにか
311 :
既にその名前は使われています:2005/09/08(木) 12:36:08 ID:YtY8hZW7
ありの話があっても気にせずにザリガニ語ればいいんだよお前ら!!
新番組
熱砂の戦士アンティ仮面武零度 開始!
そういえば外国産ザリガニの飼育が禁止されるようになるらしいね。
ザリガニプリンって調理で実装されないかな・・・
材料:ザリガニ×12 土クリ 錆びたバケツ
314 :
既にその名前は使われています:2005/09/09(金) 12:20:20 ID:6weN0Syz
バケツプリンage
もうURL忘れたけど
前に見たバケツプリンを食すHPはすごかったな
315 :
既にその名前は使われています:2005/09/09(金) 12:41:46 ID:/SE4ee5W
317 :
既にその名前は使われています:2005/09/10(土) 14:01:03 ID:PLvdBxwp
ほしゅ
318 :
既にその名前は使われています:2005/09/10(土) 14:11:05 ID:cWk/TmJG
プリンワラタw
319 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 16:57:14 ID:77yDRypg
ぷ
プリン崩壊wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>308 最後で泣いた。
歳だな…。
上手いとは思わんが、乙。精進なされ。
あれ 次で終了ーて書いてあったから
もう1コあるのかと思ってたww
322 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 06:36:29 ID:AHnlvGwC
んじゃそろそろUchinoLSの崩壊原因語っていい?
323 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 09:50:32 ID:BfycwrO/
324 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 10:16:30 ID:kiwpp1gs
>>322 スレ違い。
ここは昨日からプリン崩壊スレ。
325 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 10:17:33 ID:BfycwrO/
プリンより給食に出てたムースのが好きだなあれどこに行けば買えるんだか
326 :
既にその名前は使われています:2005/09/12(月) 09:39:07 ID:1n+he57+
327 :
既にその名前は使われています:2005/09/13(火) 00:26:04 ID:lFiyfs93
>>325 以前デイリーヤマザキで買ったことがある
60円くらいで細長い長方形のパックに入ってた気がする
328 :
既にその名前は使われています:2005/09/13(火) 21:59:15 ID:lFiyfs93
最終回マダー?
最終回待ち保守
330 :
長くなったのであと一回orz:2005/09/15(木) 10:30:58 ID:JQCxyJcK
夜空の静けさは土の中までも染みていた。
ワーカーたちも身体を休める真夜中、巣の最下層にある芋虫部屋への通路を下るラフィーナ。ふと、その足が止まる。部屋の入り口にいる人影に気づいたのだ。
「トリオン、休んでていいって言ったじゃない」
「休めと命令されたわけじゃない、それとも俺がここにいるとまずいのか?」
通路の端に座り込んだままのトリオンの指摘に、苦虫を噛むラフィーナ。
「……いいわよ、聞いてても」
「もう自分一人だけの身ではないということを忘れるなよ、俺たちの巣も、まだあの時のままだ」
それだけ言うと立ち上がり、ラフィーナが降りてきた道を登ってゆくトリオン。
「ごめんね、私はあなたの望む女王にはなれないのかもしれない……」
トリオンの消えていった道に向かって呟き、それに背を向けて部屋へ踏み込むラフィーナ。
部屋の奥には、白芋虫がかわらぬのっぺらぼうで壁に半分身をうずめて収まっていた。
「起きてる? 話があるんだけど」
『ええ、なんでしょう』
返事は思いの他早く帰ってきた。やはり見た目からこの芋虫の内情を量ることはできそうにない。
「昼間の話、私たちに力を貸してくれるって言ってたわよね」
『できる限りならお力添えしましょう』
331 :
既にその名前は使われています:2005/09/15(木) 10:31:46 ID:JQCxyJcK
焼けた自分の巣を思い出し、唇を噛むラフィーナ。
蒸し焼きにされて動かなくなった百の蟻たち。
百人の、命の重さ。
「ヒュームを、殺す方法はない?」
芋虫はラフィーナの言葉に驚いているのか呆れているのか、それとも考え込んでいるのかは外見からは分からなかったが、しばらく黙った後、静かに言葉を続けた。
『あなたが本当にそうしたいのならば、ひとつ私にできることがあります』
「なに、教えて」
『私は、あなたをヒュームにすることができます』
「私を? どういうこと」
『あなたはヒュームを恨んでいる。私たちには生きるために培ってきた呪映の法があります。これによってあなたをヒューム自身の影にすることができます』
「……できるのね、そんなことが」
『ええ、呪いのようなものですよ。ただしそのヒュームの本体を殺すと、影となったあなたも同時に死ぬ事になるわけですが』
「そう……わかったわ、どうすれば」
「なんだよそれっ!」
ラフィーナの言葉をさえぎって叫び声が上がる。部屋の入り口でラフィーナと白芋虫を睨んで立ち尽くすウォルフガングのものだった。
332 :
既にその名前は使われています:2005/09/15(木) 10:32:43 ID:JQCxyJcK
「なんでそんな無駄なことのためにラフィーナが死ななきゃならないんだよ、お前その白いのに騙されてるぞ」
「無駄なんかじゃないわ」
目を細めてきつい眼差しでウォルフガングを睨み返すラフィーナ。
「あなたこそわかってないのよ。前触れなんてないの、ある日突然あなたが一番好きな人に会えなくなるのよ」
「う、な、なに言ってるんだよ……」
たじろいだ様子でラフィーナからふっと顔をそらすウォルフガング。
「そうなってから思うのよ、ほんの少しでもそれを防ぐ可能性があったならって、もし時間がもどるならって」
ラフィーナは未だに夢を見る、もしも皆が生きていたならばと。それはラフィーナにとってあまりに幸せな夢だった。今の生きた自分が持っている全てのものよりも。
「今がそうなの、まだ間に合う時なの。あのヒュームに二度と同じことはさせない」
「決心はできているようですね」
突然、部屋のどこかから声が聞こえた。思念ではなく、何者かの肉声だった。
ラフィーナとウォルフガングは咄嗟に部屋を見渡すが誰もいない。
芋虫の頭から白く光の筋が発しているのに気がつくラフィーナ。それは見る間に大きな亀裂となり、そこから一本の白い腕が生えてきて皮を押しのけ、銀色の白いもやのような衣を纏ったひとりの蝶が這い出してきた。
その蝶が背を伸ばすとしおれていた羽根は途端にぴんと伸び、銀色の光を放ちだした。
333 :
既にその名前は使われています:2005/09/15(木) 10:33:52 ID:JQCxyJcK
「おめでとう、綺麗よあなた」
呆気に取られた顔でその姿を見上げるウォルフガングと、羽化した蝶をじっと見つめて観照的に語りかけるラフィーナ。
「ありがとう。では、行きましょうか」
言ってすっとその白い手を差し出す蝶。
「おい、やめろラフィーナ!」
少しだけウォルフガングの方を振り向いてから、しずかに手を伸ばすラフィーナ。
「アプルルやみんなのことお願いね。私、あれからずっと疲れてたのかも。……さようなら」
ラフィーナの手が蝶のそれに触れると、蝶の身に纏っていたもやの服が大きく広がってラフィーナと蝶を包み込んでひとつの大きな繭のようになる。
ウォルフガングは咄嗟に手を伸ばすが、しかしそれももやの手前で止まり、繭はそのまま小さくなって霧のように消えてしまった。
「……そ、それだけかよ」
もやの消えた後の部屋には、ウォルフガングと分厚い皮の芋虫の抜け殻だけが交わす言葉もなく残されていた。
★
334 :
既にその名前は使われています:2005/09/15(木) 10:43:12 ID:I8jDpOuZ
ボキャ天
ウォルフガング
夜の玩具
11キャラの名前だから面白くないんだな、名前を漢字に変えてしまえばリアル鬼ごっこ
見たいな出来栄えになっていいと思うYO!