1 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :
2 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
3 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
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:::::::::.夏の夕暮れ 陽は落ちて . . . . . . . . .
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:;.:. .: .: . . . . 百の蝋燭 灯るとき
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此方と彼方の境目に
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静かな言の葉連なりぬ
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4 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
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言の葉異形をいざないて
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闇が満ちゆく 夏の夜に
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語りし紡ぎ手いずこへか . . . . . .: .: .:.::
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. . . . . . .消えしことすら誰ぞ知らん.:.:.:.:.:::::::::
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5 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
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2ちゃんねる オカルト板 百物語 2013
開 演
- ‐ ‐─────一━━━━━━━━━━━━━
◆ygcFPa2oZQさん、第一話をお願いします…
これは自分が、小学5年生も終わりに近づいた2月か3月の時の話です
その頃小学校が終わるとダッシュで帰宅し、当時ハマってたSFCのFF5を夕食までプレイするのが日課でした。
ある日いつものように友達と遊ぶこともなくダッシュで帰宅すると、家には誰もいません
『じいちゃんもばあちゃんも近所にお茶でも飲みに行ってんだろーなー』と、特に気にすることもなく2階にある自室に行き
FFの続きを夢中でプレイしていました
当時母親は昼間仕事をしており、だいたい6時半頃帰宅〜夕食準備〜7時頃夕食〜夕食最中に父親帰宅
というのが我が家のパターンで、その日も必死でレベル上げをしてると6時半頃になり、ガラガラっと玄関の開く音がして母親が帰ってきました
「ただいまー」
「おかえりー」
「またゲームー?」
「おーう」
「じいちゃんとばあちゃんはー?」
「知らーん、また近所でお茶じゃない?」
階段下からの母親の呼びかけに適当に返事をすると、「ふーん」とか言いながらパタパタと台所に入っていく音がしました
再びゲームに没頭していると
「おーい、ご飯ー」
時計を見ると7時を少し過ぎたところ、今日はここまでかーと、セーブをして部屋を出ようと扉を開けた瞬間
ブーーーーンブーーーーーン!!って、耳元にアブでも飛んできたかのような凄い音がしました
「うわあ!!」っと、声を上げて必死に頭の周りを手でパタパタしてると音がピタッと止んで
ガチャン
誰もいないはずの後ろ、つまり部屋の中から音がして消し忘れた部屋の明かりが一つ小さくなりました
??!・・・自分の部屋の灯りは昔からのガチャガチャ式で、本体の下に50センチ程の紐がぶら下がっています
つまり、いま自分の部屋で自分以外の誰かが明かりを消した・・自分のすぐ後ろで
ガチャン、ガチャン
続けて二回音がして部屋が真っ暗になりました
「うあああああああああああああ」もうね、パニックです。転がるように階段を下りて真っ暗な廊下をぶつかりながら走って「おかあああん!おかあああん!」って
(続く
続き
台所に飛び込むと、真っ暗、
「??」とりあえず何が起こってるのかわからない
台所はシーンとしてて明かりが点いてない、シンクに食材も無い
母親は帰ってきていない。
足元から頭の先まで鳥肌が立っていくのを感じました。
そのまま台所横の勝手口から外に飛び出して、母親が車を止めてる駐車場に行き半ベソをかいていると
7時半頃に母親が車で帰宅
どうやらその日は急な残業で一時間ほど帰るのが遅れたそうです。
結局自分の部屋の明りを消した『何か』も、母親のフリをして会話をした『何か』も、その時は分からずじまい
その現象はその後自分が中学に上がるまで3、4回ありました。
今、自分も大人になり人の親になって、「あー・・・もしかしてあれって・・・」と思うところはあるけど蛇足になるので伏せておきます
(了)
8 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
1本目の蝋燭が消えました・・・
◆ygcFPa2oZQさん、ありがとうございました
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わたくし ◆O0RKwPn0UQR0さん、第2話をお願いします
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語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
9 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第二話】 わたくし ◆O0RKwPn0UQR0 様 『墓行き』
(1/2)
わたくし、帰途に就くのは徒歩が多いんですね
こう、とっとこ、とっとこ、やって参りますってェと、
「あ、おい、やだね……え、なんだって墓地の脇に出ちまうんだろうね……この道」
なんて、道路に文句言っても仕方が無いんですが、
あの路地に入ると墓地の脇に出てしまう、そんな道順が一本だけある
この、道というのが、木々が空を覆っておりまして、何より灯りが少ない
また両脇が塀になっておりますから、月が隠れてしまうと、夜は大変な暗さです
ぅう、こんな道ですから夜は人通りも少ない……お誂え向きな道でございますな
さて、
降り出しそうな空気ン中でもって、わたくしは帰り道を急いでおりました
お勤めを終えて……ぅう、酒席の後でしたから深夜でございます
で、わたくし、お酒が入ると物覚えが悪くなる、ま、元から好くはないんですが、
これに輪を掛けて悪くなるってんで、うっかり例の路地に入っちゃった
そうしますと一本道ですから、墓地の脇に出てしまいます
「あ、また、なんだってココに出ちまうン……」
なんて、思ったところで、わざわざ戻るのも馬鹿馬鹿しいですから、
点々とする灯りが恐いけれども、ぅう、もう、行くしかございません
10 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
(2/2)
ぇえ、いつ雨が降って来てもおかしくありませんでしたから、
つっつ、つっつ、つっつ、つっつと、早足で暗がりを進みます
程無くして一本目の電燈が近付いて参りまして……二本、三本……四本……
「ぅうッ」
喉の奥から妙な声を出して立ち止まった
四本目の電燈の、灯りの範囲より少ゥし手前に、何か落ちてる
風が吹いているんでしょうか、その、白っぽいのが動くんですね
灯りの外なのも手伝って、ざわつく影が生きてるように見える
「ぅう、え、嫌だなァ……」
なんて心地で、こう、ふぅっと上を見上げますと、
青白い顔した人達がずらーッ……と、塀の上から顔を出して、見下ろしておりました
ぇえ、あの、道に落っこちてたのは、コンビニ袋でございましたね
青白い方々の、えー、その中でもって特別にひょうきんな方が、
「ご趣向だよ、いいか、生身の奴があれに驚くよ、ね、で、ひょいと上を見るってェと……」
こんな話でもって置いたンでしょうな、え、怪談のね、この、遊びの心を知ってますよ
お馬に乗らないでお盆前に歩ってきた方々ですから、ぅう、生き生きと、こう、人をおちょくりますよ
きっと言ってましたよ、あン時、わたくしが上手い事引っ掛かったもンだから、
「いいねェ、おい、おいッ、いいよ、あれァ……ええ、どうもこりゃ、へっ、はかゆきが良いよォッ」
【了】
11 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
2本目の蝋燭が消えました・・・
わたくし ◆O0RKwPn0UQR0さん、ありがとうございました
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希望女♪ ◆LDJ.nSAcooさん、第3話をお願いします
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語り部希望は【企画スレ】へ
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規制中の方は【避難所】へお願いします。
12 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第三話】 希望女♪ ◆LDJ.nSAcoo 様 『尿夢』
(1/2)
蒸し暑い夏の夜。
部屋で缶ビールを一気に飲んだ。続けて麦茶500mlを飲み干してから寝た。
朦朧とする意識の中で下腹部に重さを感じた。
早く起きないと寝小便してしまうぞ。ムックリと起き上がりトイレに入った。
我慢したせいで尿道が狭くなっているのだろう。チョロチョロとしか出ない。
やがて尿が太い線となり迸り流れ始めた。ふぅ〜気持ちいいなぁ、そう思った時
「危なかったですねぇ、なんとか間に合ったようです」
男性の声でアナウンスが流れた。
なんだこのアナウンスは?こ、これは夢ッ!
ハッとして起き上がると、幸いにも公園のトイレが目に入った。急いで駆け込むと、放尿を開始。
至福の一瞬が訪れた。しかしなんで公園にいるんだ?
こっこれも夢ッ!
ウワッ!と思いようやく目が覚めた。
膀胱がパンパンに張っている。
あわててトイレに駆け込む。
勢いよく尿が出始めた。
膀胱にそうとう溜まっていたらしく、尿がなかなか止まらない。
10分経ち20分経ち遂に1時間経過した。
1時間も小便が出続けるかバカ。これも夢かい?
ドンッドンッ!
激しくドアを叩く音でようやく目が覚めた。トイレで用をたしてる間も、ドアは激しく叩かれ怒声まで聞こえてきた。
13 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
(2/2)
ドアを開けると二人の警察官がなだれ込んできた。
「おとなしくしろ、抵抗するな!」
あっという間に組伏せられた。
顔を背けると、ぐったりと横たわる幼女の姿が目に入った。なんで僕の部屋に幼女がいるんだ?
僕は何も知らない。そうだ、これは夢だ、夢に違いない。
夢ならば永遠に続けばいいのにと思った。【完 】
なんだこのショボイ小説は?
作者の名前を見てやれ見てやれと思った。
文庫本をしげしげと眺めたが、作者の名前が文字化けしてどうしても見えない。
見えないはずだよ、これも夢じゃないか!
漏れちゃう、漏れちゃう。
ジタバタした挙げ句、やっと目が覚めトイレに駆け込んだというお話。
【了】
14 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
3本目の蝋燭が消えました・・・
希望女♪ ◆LDJ.nSAcooさん、ありがとうございました
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妖場K◆ws148WRg2Aさん、第4話をお願いします
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語り部希望は【企画スレ】へ
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規制中の方は【避難所】へお願いします。
15 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第四話】 妖場K ◆ws148WRg2A 様 『ガサガサ』
<1/2>
母がまだ若い時、友人と二人で旅行へ行ったそうだ。
泊まったのはとある旅館。日中は温泉に買い物にと大騒ぎだったので早めに就寝することになった。
電気を消してから暫く経った頃。
??…??……
と、小さく耳慣れぬ音がした。
せっかくうとうとしていたのに、と寝つきの悪い母は腹が立ったが、気にせずまた眠ることとした。
暫くしてまた
??…??……
さっきより大きい音。
一度気になってしまうと中々無視できないもので、
母は何の音かしら、どこから聞こえてくるのかしら、とぼんやり聞いていたらしい。
???、???
あら、何か変ね。
?????????
それにこの音、この部屋で聞こえない?
ガサガサガサガサガサ!
16 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
<2/2>
枕元で一際大きいガサガサが聞こえた瞬間、母は飛び起きて電気を付けた。途端、音は止んだ。
明かりで目が覚めたのか起き出してきた友人に問うと、夢うつつにそんな音がした気がする、とのこと。
こうなっては正体を突き止めなければ眠れやしない、ねずみでも居るのならば気持ちが悪いと、家探しを開始した。
しかし見つからない。
「ねえ、あの音、この辺からしてたよね。」
ふと呟いた友人の目線の先には、貴重品を入れる備え付けの金庫があった。
わざわざ出し入れするのも億劫だからと、使っていなかったために存在を忘れていたのだ。
ゆっくりと金庫を開くと、内側いっぱいにびっしりと貼られたお札が……。
【了】
17 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
4本目の蝋燭が消えました・・・
妖場K◆ws148WRg2Aさん、ありがとうございました
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雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、第5話をお願いします
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18 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第五話】 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『お岩様』
後輩の話。
大学生の時分、彼は警備会社でバイトをしていた。
不思議なビルが一件あったのだという。
真夜中にそこで定時の見回りをしていると、廊下に場違いな物が鎮座して
いるのを発見した。
注連縄を巻かれた、大きな岩の塊。
そんな物がデンと置かれている。
とても人が抱えられるような代物ではない。
どこからこんな物を運んできたというのか、思わず驚愕してしまった。
慌てて管理室に連絡すると、警備の先輩は一言だけ注意してくれた。
「お岩様に粗相のないようにな」
そこは雇われ者の哀しさ、言われた通り、触らないようにして見回りを
続けたのだという。
帰りにもう一度覗いてみると、あの大岩は綺麗さっぱり消え失せていた。
「アレって一体何だったんですかね?
会社の人でも、偉い人達は知っていたみたいですけど」
その後も二回ほど、彼はそのお岩様に相見えたのだそうだ。
【了】
19 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
5本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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林◆gw0BWXAi52さん、第6話をお願いします
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《川を渡る怪異》
1/6
小学生の頃の話です
家の近くに○○大橋という橋があって、その下の川原で僕らは子供の頃よく遊んでいた
小学3年の夏休みのある晩、友達とその川原で花火をして遊んでいて、夜11時を過ぎた頃
ひとりが突然「あれ何だと思う?」と川の方を指差した。
見ると川から何かが岸に上がってきており、みんな一斉にそっちに注目した
初めは動物かと思ったが明らかに違う
全身が青白く、二股に分かれた大根のようで、その二本足で歩いている、不気味な姿だった
そいつは僕らの前をとぼとぼと歩き、道路の方へ登って行って、そして消えてしまった
今のは何だったのか、明らかにマトモなものではない
高さ60センチくらい、立って歩いていたが人間にしては小さすぎる体
夜で暗くて10mほど離れていたためそれ以上はわからなかったが、みんな怖くなって
後片付けもそこそこに花火を終わらせて帰った。
2/6
翌日になって僕は俄然、アレが何だったのか興味がわき、昨日の花火の時の仲間で当時特に
仲の良かった中嶋の家に行った
期待した通り中嶋もアレに興味を示しており、二人でアレの正体を調べようと意気投合した
アレはきっとまた夜に現れる−僕も中嶋もそう考えた
もう一度夜に大橋の下の川原へ行って調べよう、ということになった
2日後、僕は10時過ぎにこっそり家を抜け出して中嶋と合流した(中嶋の家は夜間外出OKだった)
二人で石投げや棒倒しをしながら夜を待つ
しかし現れない・・・
やっぱダメか?と諦めかけていた所へ中嶋の弟が自転車でやってきて1kmほど下流の御影橋の
近くにこの前のやつがいると言う
僕も中嶋も慌てて自転車に乗って御影橋まで駆けつけたが既に何もいなかった
中嶋が弟に何でしっかり見張っておかないんだ、とやつあたりしてたが、僕らでも怖い物を
小学1年の中嶋弟には無理な相談だっただろう
3/6
次の夜、僕と中嶋は大橋と御影橋の間を手分けして見張った
11時頃、やや御影橋よりの川の中に中嶋が遂にアレを見つけたのだ
真っ暗な川だったが、ぼうっと薄く光って見える、僕も中嶋も興奮したが、何か変である
アレが川の向こう岸に動いている
僕らは川の右岸にいるのだが、アレは左岸に進んでいるのだ、しかも水の中とは思えない速度
何であっちに行くんだよ、とボヤくが仕方がない、今から追いかけても速度的に間に合いそうにない
と僕は思ったが、中嶋の方は自転車をこいで御影橋から回り込んで必死に向うの岸まで追いかけた
右岸からずっと見ていた僕はアレが左岸に上がったあと素早く斜面を登り、急に消えたのを見た
消えたあとに白い光が小さく見えたがそれもふらふらしてやがて消えた
そこに自転車の中嶋が駆け込んできたが、僕は大声で「もういない」と言うしかなかった
汗だくで戻ってきた中嶋が悔しそうに言った
「アレはきっと川のあっち側とこっち側を毎晩行き来してるんだ」と
いったい何のために? もしその予測通りなら明日はこっち側にくるという事になるけど
4/6
ここに来て連日のもどかしさから中嶋が、人数を増やしてケリをつけると言いだした
友達に三谷というのがいて顔が広く、こいつを引き込んで翌日夕方には10人ほど集まった
この人数で大橋と御影橋の間をくまなく探し、見つけたらみんなで捕まえる作戦だ
夏休みの小学生の妙な集団を周囲の通行人が不思議そうに見ている
夜になり、初めはあちこちでデマや空騒ぎが起こってウンザリしていたが、11時過ぎ
大橋のやや下流の川の中でアレが見つかった、こっちに向かってくる
こっちに来たのは良かったが、全員あらためて異様な怪異にすくんでしまった
たれか突撃かけないかな〜とか思っているうちにとうとうアレは上陸してきた
以前見た時と同じ姿、不器用に見えるが意外と滑らかな動きだ
僕らは遠巻きに見ていたが、アレは道路の前で不意に消えた
すぐ上に白い球のようなものが浮かんでいる、昨日見た白い光はこれだと思い
僕は「あの玉だぞ」と叫んだ
5/6
相手が逃げそうに思うと小学生は俄かに元気が出てわぁわぁ言いながら追いかけまわす
一度は見失ったが結局、アレは近くのS神社の森に入った
僕らは大興奮で神社の塀を乗り越えたて突入を試みたが、神社の人が気付いたようで
ここでやばいと思った中嶋がみんなを解散させた
翌日も僕らは当然やる気満々だった
しかし神社から学校に苦情が行ったらしく、僕らは学校に呼び出されて2時間ほど説教
そのうえ僕は夜中の外出がばれて家でも親から説教された
これにより前夜までのような行動は不可能になった
中嶋はその後も単独で夜に川へ出かけ、本人が言うには あの白い玉が左岸からは近くの
N神社に飛ぶ事を調べた
夏休みが終わると中嶋はアレはきっと神様だ と言いだした
バチが当たるとヤバいから俺はこれ以上調べない、と言いだす
正直、僕も含めてみんな中嶋の報告に期待したので失望した
しかしアレが神様なのか
6/6
学校から強く叱られたことと中嶋が降りたことで、2学期になってアレの事はみんな
急速に冷めてしまった
しかし10人以上が同時に見たのだから間違いのない話だ
−−最近の話−−
最近知ったがS神社とN神社はどちらも春日神社で、つまり同じ神様を祀っている
もしかしたら本当に神様が双方の神社を1日おきに訪れていたのかもしれない
しかし春日神社にあんな神様が祀られているのだろうか
その後、中嶋は東大に進み僕も関西の某国立大に進んで今は県外にいる
中嶋とももう長いこと会ってない
あの時の事は懐かしい思い出になってしまった
今でもアレは夜の川を毎日渡っているのだろう
−完−
26 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
6本目の蝋燭が消えました・・・
林◆gw0BWXAi52さん、ありがとうございました
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成◆0ute.wyqdYさん、第7話をお願いします
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27 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第七話】 成 ◆0ute.wyqdY 様 『キャンプの夜』
(1/2)
私は昔から怖がりなんだけど、幸いまだ怖い体験はしたことがないんだ
でもひとつ、子供の頃の不思議な体験を思い出したから、それを投稿することにする
私の家は裕福ではなかったから、旅行に行くことは滅多になかった
毎夏、二泊か三泊くらいのキャンプに行くのが唯一の家族での泊りがけのお出かけ
それ以外はほとんど遠出もしなかった
その年は、たまたま父の仕事の都合がついてゴールデンウィークにもキャンプに行った
5月の北海道はまだまだ寒くてね
風が強く、曇りがちだったそのキャンプ場の温度計は、ときたまマイナス1度を指していた
そんな中、夏しかキャンプをしなかった私たちの装備で耐えられるわけもなく、子供ら三人は車で寝ることになったんだ
後部座席を倒した車のトランクで毛布を敷いて、末っ子長女の私を真ん中に、兄妹三人川の字で眠りについた
いつもと違う場所、いつもと違う状況
眠れなくてもおかしくないのに、何故かすんなり私は寝入った
多分兄二人も、そうだったんだと思う
夜中、ふっと私は目が覚めた
風の音が酷く不気味に聞こえたことを覚えている
寝る前に差し込んでいたはずの街灯の光が妙に弱い気がして、何気なく窓の外を見た
窓の外、街灯の光を背に、誰かが車を覗き込んでいた
思わず大声を上げそうになったけれど、よくよく見ればそれは母の顔だったんだ
何だ、と少し拍子抜けをした
子供らだけで寝ていたものだから、様子が気になりでもしたんだろう
28 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
(2/2)
起きていこうかと少し思った
でも車のドアを開けようにも、両脇に兄が寝ている
だから私はただ母の顔をじっと見返した
母は何も言わず、ただじっとこちらを覗き込んでいた
街灯の光で、私が起きていることには気づいていたろうに、母はぴくりとも動かなかった
私はそのうち、また眠気が襲ってきて眠ってしまった
次に目覚めたのは朝だった
コンコンと窓をノックする母
何か違和感があったけれど、よくわからなかった
みんなでテントで朝食を食べた
「昨日風強かったね」
そう言ったら、父は笑って
「昨日はテントが飛ばないように母さんとずっと押さえてたよ」
と言った。
父のその発言そのものは、多分冗談だったんだろう
そういうことを言って子供をからかうのがすきな人だから
でも、私は『母さんは夜中様子を見に来てたでしょう』とは聞かなかった
だって、ふと思いだしたんだ
逆光の中に立っていたあの人は、母よりももっとずっと背が高かったってことを
【了】
29 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
7本目の蝋燭が消えました・・・
成◆0ute.wyqdYさん、ありがとうございました
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NAO◆vC.kHTi4REさん、第8話をお願いします
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語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
30 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
NAO◆vC.kHTi4REさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
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のん鬼◆rXpNDG7vbEさん、第8話をお願いします
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31 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第八話】 のん鬼 ◆rXpNDG7vbE 様 『黒い木刀』
(1/2)
会社の後輩のT 君が帰宅途中、子猫を拾った。
翌日、会社から戻ると子猫が部屋からいなくなったのだという。
窓もドアも鍵が掛かっていた。子猫が潜り込めるような穴など、部屋にはない。
まさに密室で子猫が忽然と姿を消したのだという。
T 君が一緒に探してくれないかと頼ってきたので、会社帰りにT 君の自宅へ向かうことになった。
T 君の自宅は木造六畳のボロアパートだったのだ。
部屋に入り一通り探したが、子猫が逃げ出せるような穴は発見できなかッた。
「T 君、このアパートはペットの飼育は当然禁止だよね?」僕が尋ねると、禁止ですとT 君が答えた。
「子猫の存在に気づいた大家さんが、君が留守の間に合鍵を使って部屋に侵入、子猫を持ち去ったんじゃないのか?」
それはあり得ないとT 君が反論した。
「大家さん自身、猫を一匹飼っていて、猫好きです。
大家さんは不法侵入するような短気な人ではなく、温厚な老人です」
32 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
(2/2)
だったら子猫は何処へ消えたのだろう?
お手上げ状態でふと上を見ると、天井近くの棚に木刀が飾ってあるのが見えた。
普通の木刀ではない。先端にいくほど太くなっている、宮本武蔵が佐々木小次郎との決闘で使用したとされる櫂木刀だ。
それは蛍光灯の光を反射して、黒光りしていた。
「T 君、君は剣道でも習ってるの?」
「いいえ、なんでそんなことを聞くんですか?」
「だってそこの棚に黒い木刀が飾ってあるから」僕が棚を指差すと
「やだな先輩、あれは木刀なんかじゃないですよ」
そういうとT 君が木刀を棚から下ろし、首の後ろに当てた。いきなり黒い木刀がΩの形にグニャリと曲がった。
僕がビックリして見ていると、T 君が笑いながら言った。
「半年前に買った時は30cmほどだったのに、凄い成長力ですよ ‥‥‥
‥‥‥アナコンダはッ!w」
今まで後輩だとばかり思っていたT 君が、人の形をした得体の知れない闇のように思えた。
赤い舌をチョロチョロ出す木刀を尻目に、急用を思い出したと嘘をついて、僕はT 君の部屋を後にした。
ほどなくして T 君は会社を辞めてしまった。
彼が今どうしているかは知らない。
【完】
33 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
8本目の蝋燭が消えました・・・
のん鬼◆rXpNDG7vbEさん、ありがとうございました
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雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、第9話をお願いします
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34 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第九話】雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『隣を見てごらん』
友人の話。
彼がまだ小学校に上がる前の話だ。
夜、母親の運転する車に乗っていた。
助手席でうつらうつらしていると、誰かが耳元で囁いた。
「よく暢気に寝ていられるね。
ほうら、隣を見てごらん」
寝惚け眼で運転席を見ると、そこにはハンドルを握った化け物が座っていた。
黒くてザラザラの皮膚、曲りくねった角の生えた頭、目は真っ赤に血走っている。
悲鳴を上げて逃げだそうとし、ドアを開けようと暴れ回った。
「何してるの、危ないじゃないっ!?」
大きな怒声に我に返ると、狼狽した表情の母親が、彼を真上から覗き込んでいた。
いつの間にか、車は路肩に停められていた。
「寝てたと思ってたら、アンタいきなり暴れ出してドア開けようとするんだもん。
慌てて車を停めたけど、チャイルドロック掛けといて本当に良かったわ」
そう言って安堵の息を吐く姿は、いつも通りの優しい母だったという。
「母さんが化け物に見えていたってことは、本人には話していない。
ただ悪い夢を見ただけって、あの時はそう説明して押し切ったよ。
あの時の気持ちはよく覚えていないけれど、多分色々と怖かったんだろうな。
口に出しちゃうことで現実になったらどうしよう……っていう感じね。
しかしあの声って、一体全体何だったんだろう?」
そう言って彼は顔を顰めた。
【了】
35 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
9本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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デルモンテ針山◆CoudB9M4c2さん、第10話をお願いします
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36 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第十話】 デルモンテ針山 ◆CoudB9M4c2 様 『首なし峠の由来』
そこは峠なんかじゃなかった。
土手へと続くただの細い路地だった。
首なし路地だとかっこ悪いので、誰かが峠と言い始めたのだろう。なんで首なしというのかも分からなかった。
首なし地蔵もないし、首なし遺体が発見されたこともない。それなのに首なし峠と昔から呼ばれていたらしい。
小学生の時、その首なし峠で蝉を捕っていた。
すると土手のほうから背広を着た男性が歩いて来るのが見えた。
夏だというのに背広なんか着て、暑くないのだろうかと奇妙に思った。
その男性、何が楽しいのかニコニコ笑いながらこっちに向かって歩いてくる。でもなんか変だった。
その男性は胴体の上に頭が浮いたように付いていて、首がない。首があるはずの空間からは、後ろの景色が見えている。
その景色の中に白いモノが現れた。
それは蝶のようにヒラヒラと舞い、男性の胴体と頭の間にある空間をすり抜けて僕のほうへ飛んで来る。
それは蝶なんかじゃなかった。
真っ白いエイのようなモノで、体を波打たせながら、真っ直ぐ僕の顔面めがけて飛んで来た。
うわぁぁッ!
僕は腕で顔面をガードしながら、尻餅を着いて倒れた。
立ち上がった時、首なし男も白いエイのようなモノも消えていた。
自宅へ逃げ帰って母親にそのことを告げると
「命の短い蝉を捕ろうとするから、バチが当たったんや」と言って母親に叱られたのです。
「完」
37 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
10本目の蝋燭が消えました・・・
デルモンテ針山◆CoudB9M4c2さん、ありがとうございました
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死◆eodXldT6W6さん、第11話をお願いします
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38 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
死 ◆eodXldT6W6さんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
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50 ◆4gJVpc7IXさん、第11話をお願いします
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規制中の方は【避難所】へお願いします。
39 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
50 ◆4gJVpc7IX. 『バイト先の話』
(1/3)
カラオケ店というのは心霊現象がよく起こる場所だと言われる。
その理由は、土地に対する部屋割りの効率を上げる為に廊下が入り組んでいるため、
迷い込んだ霊が出て来れないからだとか、電気機器が大量にある為影響を受けやすいだとかがよく言われる。
「つくり話だろ」なんてよく言われるけど、正直実際に現場で働いている人間からしたら
「ああ、あそこの店舗も居るんだ?」
と普通に会話にあがってくるほどよくある話だ。
僕の働くカラオケ店でも、系列の店で「出ない店」を探すことの方が難しいくらい出る店ばかりだし、当然僕の店でも出る。
僕の勤める店には女の子の霊が居て、物陰から覗いていたり、
閉店後で誰もいない筈の2階で、ドタドタ走り回る音がしたり、
何も揚げていないフライヤーで「ジュワーーッ」といかにもポテトを揚げ始めましたと言わんばかりの音がなる。
それが昼夜問わず起こるものだから、女の子は大概悲鳴を上げて辞めていってしまう。
今でこそ、本職を別に持っていて、休日の忙しい時間帯にしか働いていない僕だけれど、
3月まではフリーターとして小さなこの店舗を1人シフトで回していた時期があった。
女の子のいたずらが頻繁に起こったのはそんな時期だ。
ちなみに、僕がこの店舗に入ったのは1月なんだけれど、最初から苦手と感じるルームがあった。
2階の角にある13番のルーム、といういかにも幽霊に出てくれと言わんばかりのその部屋。
なぜか、その部屋に入ると息が出来なくなるのだ。
ただ、換気が悪くて息が出来なくなる、というだけならわかるのだけど、明らかに誰かに
胸を圧迫されるような息苦しさなのだ。
僕自身がよく「土地に拒否される」体質で、同じ息苦しさを感じることがよくあったので
「ああ、いつものやつか」と気にもとめていなかった。
幸い、部屋で感じる息苦しさも勤務時間が増えるのに反比例してと薄らいでいたので、「許してくれたのかな」と安心していた。
40 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
(2/3)
自分に初めて心霊現象とおぼしき現象が起こったのはバイトを初めて3ヶ月が経とうとした頃。
手始めは、早朝に閉店した後、掃除も終え帰りの準備をしていた時に聞こえた階段を降りる音だった。
平日の閉店は1人で行うため、店内には自分以外に誰もいない。
噂には聞いていても、初めて聴いた「たったったっ」っという足音は本当に怖かったため、その日は逃げるように帰った。
それから、上記のような現象が起こりだしたのだけれど、他にも別のスタッフと一緒に居た時には、誰もいない筈の厨房で「パーンッ!」とはじけるような音がして、
慌てて見にいったら落ちている筈のない場所に、フードを運ぶお盆が落ちていた、なんてこともあった。
そんなある日のこと。
その日の僕は早番のオープン担当で、9時頃店に入った。
一度店に入ってタイムカードを押し、その後野菜なんかの在庫を確認して買い出しにいくのだ。
何故かその日に限って、僕の心はざわざわしていた。
正直店の鍵を開ける前から、このまま開店せずに帰りたいぐらいの気持ちになっていたのだけれど、
これも仕事と割り切ろうと思った。
冷蔵庫を確認したところ、料理に使うネギとレモンが切れている。
「買い出しにいかなくちゃなぁ」と裏口を振り向いたその瞬間、
41 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
(3/3)
「わっっっっ!!!」
自分の耳元で息づかいとともに、大きな声が響いた。
「うわぁぁぁ!!!」
今までの現象と今日の気分で溜まりに溜まっていた恐怖が爆発し、僕は猛ダッシュで外に出ると
「頼むからそれだけは止めてくれ!!!」
周りに人が居れば思いっきり引かれるほどの大声で扉に向かって叫んだ。
その日の仕事中、料理の仕込み作業で厨房にいた僕の後ろでは、今まで聴いたことの無いような大きな音で
「ジュワーーーーッ」
女の子が何かを揚げる音が延々とし続けていました。
その後も、プライベートで遊びに行ったときに窓の外から覗かれたり、
しまいには黒い影として部屋の中に入り込んで来ていたり、
色んな悪戯はありますが、叫ばれたのはそれが最初で最後です。
見える人曰く悪意は無く、純粋に構ってほしいだけの霊らしいので、
毎日のように店にいた僕に遊んで欲しかったのかもしれません。
霊にあってみたいという方がもしいらっしゃいましたら、
僕は真っ先にカラオケ店でのバイトをオススメします。
僕の店ではたまにしか起こらないけれど、お客の居ない部屋からフロントに電話がかかってきたり、
信じたくないような現象も結構頻繁に起こりますから。
[了]
42 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
11本目の蝋燭が消えました・・・
50◆4gJVpc7IXさん、ありがとうございました
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わたくし ◆O0RKwPn0UQR0さん、第12話をお願いします
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女子割礼ってな、クリトリス切除するんだぜ
44 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
【第十二話】 わたくし ◆O0RKwPn0UQR0 様 『蝋燭』
(1/3)
百物語といえばズラーーーッと並ぶ蝋燭が思い浮かびます、んン、まァ中には、
「蝋燭なんて邪道だィ、え、百物語は灯心だよォ、油でもって、ぇえ、これをグゥーっと……」
なんて、自分の胃に油を注いじゃったりしてンですね
もう半分、もう半分で100L飲んでるン、ねぇ、化物ですよ、ううン
まあ、蝋燭、ぅう、この、若い方には馴染みが薄いンじゃないでしょうか
バースデーケーキに刺さってたり、聖歌隊が持ってたり、あれはキャンドルってンですか
そういうイメージが強いと思いますが、ぇえ、わたくしが子供ン頃は違いました
白熱灯でもって照らすのは居間、と、あとは土間くらいですから、廊下なんかは真暗ですよ
そういう時に蝋燭……ぅう、350ml缶程度の大きさですが、これは大変に重宝致しました
で、また、蝋燭で暗ァいところを歩くっていうと、まぁ、雰囲気がありますよ
足元を照らすようにして歩きますから、ぇえ、廊下の奥まで灯りが届かない
夜になって戸締りをすると、これはもう、表の方が明るいという事になります
さて、
わたくしの幼い頃、ま、当然ですが実家に住んでおりました、山奥の古ゥいお家でございます
ぅう、江戸の世から建ってるってンですから、土地の使い方が贅沢ですね
何かってェと湯やご不浄なんかは外にあったン、あぁ、ご苦労様でございますな
45 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
(2/3)
ぇえ、子供っていうと、夜中に目が覚めてご不浄に……なんて事は滅多にありません
ゴロンと横になるってェと、こう、すとーーーんっと眠りに落ちて、朝まで起きませんから
ただ、んン、やっぱり日本地図を書くのは嫌いですからねェ、起きる時は起きるン
起きてしまうと、昼間とはまるっきり勝手が違います、こう、全然違う家になってる
ぇえ、目が覚めますと真暗です、ぅう、真暗ですが、どうも、その、もじもじっと来てる
隣で寝ております弟や従兄弟は熟睡してますから、揺すっても煩がるだけで、これは起きません
仕方が無いってンで、枕元の蝋燭に火ィ灯して、暗い廊下を一人ぽっちで歩きます
ぎしっ、ぎぃっ、ぎぃっ、ぎしっ……この軋む音が嫌なんでございますが、
ぎぃっ、ぎしっ、ぎぃっ、ぎぃっ……と、先を睨むようにして歩きます
そうしますと廊下の突き当たりが来る、L字に曲がってるんですね
L字カーブってのは大人でも怖いですよ、先に何があるか曲がるまで分かんないですから
ですから怖い、ぅう、怖い、けども、迷ってる時間はほとんど無い
意を決して……ひょこ……と、ね、L字の先を覗きますってェと……
だァれも居ない、当たり前です、夜の夜中ですから誰も居ないのが真っ当です
「あーあ、怖かったァ」
なんて意気揚々と歩ってって、無事に用を足せた訳でございますな
46 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
(3/3)
ぇえ、すっきりした顔でお家に入ります
するってェと月明りも遮られちゃって、もう蝋燭の灯りだけですから……お家ン中はやっぱり暗い
もう無性に怖くなっちゃって、土間の上がりに腰掛けて朝まで待とうかしらってンですね
どれほど経ちましたか……ふ、と風が吹いた
蝋燭の灯りが消える、並の蝋燭じゃありません、ただで消える筈が無い、でも消えた
「ウううううッ」
壊れた赤べこみたいに目を走らせますってェと……何か立ってる
廊下のL字から半分だけ見える、もう、怖いんだけども、目を離す事が出来ない
段々々々暗がりに目が慣れてきます、相手の形が闇ン中に浮かんでくる
するってぇと茶色だか紺色だかの浴衣を召してる、んン、男性のように見えた
「あ、お父さんかなッ」
てんで、タターッと近付こうとしますと、男性の手がするっと胸元まで上がった
その手でもって、こう、おいで、おいで……おいで、おいで……おいで……ってやり始めた
もう怖くて怖くて、大声でもって泣いちゃったンですな
大人達がバタバターッと土間の方に走ってくる気配がする、パラッと居間に灯りが点く
「どうしたのッ」
ぇえ、これは母だったように思いますが、わたくしを抱えて心配そうに聞いてくる
わたくしはもう顔中ぐしゃぐしゃにしながら、
「頭の無い人がそこに立ってたの」
この話は今もって、もう、ずうぅぅっと覚えてる事なんですがね
子供ン頃の話だってェと、えらい馬鹿にされますよ、まあ、お気持ちは分かります
ぅう、ですから話さなくなりました、でも、今夜はちょっと話したくなった
それでは、蝋燭の火を消しましょっか……フッ
【了】
47 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
12本目の蝋燭が消えました・・・
わたくし◆O0RKwPn0UQR0さん、ありがとうございました
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〈| 'J |! }j :}
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`ー--─'"
鉢鉢◆7dc6rjLZUgさん、第13話をお願いします
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つまんねえ話ばっか
49 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
鉢鉢◆7dc6rjLZUgさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
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`ー--─'"
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第13話をお願いします
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50 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『トイレ入道』
友人の話。
彼は早くから、一人で夜のトイレに行けるようになっていたそうだ。
そんなある夜、いつものように一人でトイレに向かったところ。
トイレの扉を開けると、すぐ目の前に誰かが腕を組んで立っていた。
天井に頭が届きそうなほど背が高く、坊主が着るような黒い服を身に纏っている。
しかし何よりも子供心に恐ろしかったのは、その男がスキンヘッドだったことらしい。
友人がポカンと口を開けて見上げていると、大男はジロリと見下ろしてきた。
「すいません!」慌てて謝罪の言葉を口にし、扉を閉める。
閉めてから漸く「…今の誰!?」と思い至った。
再び大慌てで扉を開いたが、そこには誰も居らず、いつもの便器が鎮座している。
首を傾げながらも、用を足して寝床に戻ったのだという。
「その後も何回か、そのスキンヘッドさんは現れたよ。
すぐ消えるんだけど、何故かいつもトイレにだけ現れてたな。
僕は密かに“トイレ入道”って呼んでた」
そのトイレ入道は、実家がリフォームされてトイレが新しく水洗になってからは、
まったく姿を現さなくなったということだ。
【了】
51 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
13本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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〈| 'J |! }j :}
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`ー--─'"
妖場K◆ws148WRg2Aさん、第14話をお願いします
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52 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
【第十四話】 妖場K ◆ws148WRg2A 様 『行進』
(1/3)
「山は怖いよ。」
そう語る叔父は、数年前まで車がなければ何処へも行けない程の田舎に住んでいた。
特に、職場から自宅までは山を越える必要があった。
冬のことだ。
いつものように帰宅する途中、山道を車で走っていた。雪が散らつきはじめていて、辺りももう薄暗い。
積もる前に、と急ぎ始めた矢先、急に車が止まってしまった。
何度かキーを回してみるものの、エンジンが掛からない。
後部座席に転がしていた懐中電灯を手に取ると、叔父は車外へ出た。
まずは工具が先かな。
工具はトランクに積んである。車の後方をライトで照らした。
ふと、道路の先に何か動くものが見えた。
誰かいるのだろうか。
影の見えた辺りにライトを向ける。
赤ん坊であった。
裸の赤ん坊が、こちらにハイハイで向かって来ていたのだ。
驚いて思わず懐中電灯を落としてしまう。
転がった懐中電灯が、その赤ん坊の更に後方を照らした。
何十、何百という裸の赤ん坊が列を成すようにして続いていた。それが、わらわらと叔父の方に向かってくるのである。
その余りに異様な光景に、慌てて車内に逃げ込んだ。震える手で、ロックを掛ける。キーを回す。エンジンはまだ掛からない。
53 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
(2/3)
おんぎゃー、おんぎゃー。
無数の赤ん坊の泣き声。
そして、
ぺた、ぺた、ぺた、ぺた。
四方から音がする。
窓の外に、たくさんの赤ん坊が張り付いていた。
うるさい程泣き声がこだましているのに、なぜかその顔は皆笑顔だ。
ぺたぺたぺたぺた、どんどんどんどん、おんぎゃー、おんぎゃー。
赤ん坊が這い回る音が、車の上を歩く音が、泣き声が、叔父を取り囲む。
目が、合った。
54 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
(3/3)
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
完全にパニックになって、無茶苦茶に手を振り回した。
と、何かが指に絡み付いて落ちた。
お守りだ。
交通安全のお守りをバックミラーの下に付けていたのだが、手を振り回した拍子に外れたらしい。
すがるような気持ちでそのお守りを握り締めた。
「来るな、来るな来るな。波阿弥陀仏波阿弥陀仏……」
座席の下に潜り込んで、目を閉じて必死で念仏を唱え続けた。
それからどのくらいの時間が経ったのだろうか。
余りにも帰りが遅いことを心配した家族が迎えに行き、雪に埋もれた叔父の車を発見した。
叔父はいつの間にか気を失っていたらしい。
「赤ん坊が……」
叔父はうわ言の様に繰り返したが、もちろん赤ん坊など一人もいなかったし、車も異常なく動いた。
ただ一つ、降り積もった雪の上に何者かが這いずり廻った様な跡が残っており、それは遠く山の中の方へとずっと続いて消えていた。
【了】
55 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
14本目の蝋燭が消えました・・・
妖場K◆ws148WRg2Aさん、ありがとうございました
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雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第15話をお願いします
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語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
56 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
【第十五話】 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『ミルクと炒り子』
(1/2)
親戚の話。
彼女が勤めている幼稚園では、時々子供たちが妙なことを言い始めるらしい。
着席するように号令すると、「この子の椅子がありませーん」と皆が訴えてくる。
「えっ、どの子の椅子が無いの?」と聞き返すと、
「この子の椅子が無いでーす」と言って、子供らは揃って教室の一角を指し示す。
しかし、彼女を含め先生方には、そこに誰の姿も確認できないのだそうだ。
大人と子供が「見える」「見えない」で押し問答をしている内に、
その見えない子は教室から出て行くのだという。
「あ、出て行っちゃった」と子供が口に出すと、それからやっと普通に授業が
始まるのだとか。
最初は悪戯かとも思っていたのだが、これが頻繁に起こるようになると流石に
先生方も気に掛かり、近くのお寺さんに頼んで御祓いをすることにした。
御祓いが終わると、お寺さんは帰る前にこう述べた。
「子供とお爺さんが一人ずついましたよ。
まぁ、これで静かになるでしょう。
でももし次にこんなことが起こったら、そうですな、その時はミルクと
炒り子(鰯煮干し)をお供えしてあげてください」
57 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
(2/2)
お坊さんの言う通り、その日以降、見えない子は現れなくなった。
そして一年が過ぎた頃、また子供らが「この子の椅子がありませーん」と
口にするようになったという。
お坊さんの言葉を思い出し、ミルクと炒り子をお供えしてみた。
すると、見えない子はぱったり現れなくなったそうだ。
「それからも、大体一年周期でこんなことを繰り返していますよ。
でも、なんでミルクと炒り子なんでしょうかね。
ミルクが子供の分で、炒り子はお爺さんの分なんですかね」
そう笑いながら彼女はこの話を教えてくれた。
「いやそれって本当は、子供やお爺さんとは違うのじゃないかな」
そんなことを私は考えたが、口に出しては言わなかった。
【了】
58 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
15本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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阿修羅◆qbNb6Ma0MYさん、第16話をお願いします
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59 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
阿修羅◆qbNb6Ma0MYさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
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KMT ◆nqnJikEPbM.8さん、第16話をお願いします
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60 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
『幽霊の見え方』
N市では、ある廃墟が有名な心霊スポットとして知られている。
小さな二階建ての廃屋で、外壁は白く塗られており、窓が抜け落ちている。
近くの海岸線に車を停める所もあるため、夏には肝試し目当ての連中で賑わうのだそうだ。
そこには確実に幽霊を見る方法がある、と地元で噂されている。
その方法と言うのは、明りを消して4人が部屋の四隅に一人ずつ立ち、全員で部屋の中央を指差すのだという。
大学生の四人組がそこを訪れ、実際にその方法を試してみたことがある。
その中にAさんがいた。
半信半疑だったAさん達は冗談を飛ばしながらいっせーのーせっ、と部屋の中央を指差した。
いい加減腕がだるくなってきた頃に、全員が一斉に息を呑んだ。
最初は暗闇に目が慣れて、対面にいる相手が見えたのかと思ったが、それは良く見ると老婆だった。
誰かが叫んだのを皮切りに先を争うようにして窓から飛び出した。
全員が車に乗り込み、すぐさま出発する。
口々に、見えた? お前も? 俺も見た! と確認しあった。しかし、どうも話が合わない。
Aさんの対面にいた奴は、中年の男が見えたという。
Aさんの右隣にいた奴は、子供が見えたという。
Aさんの左隣にいた奴は、若い外国の女が見えたという。
なんやかんやと言い争って、車中にふっと沈黙が訪れた。
赤信号で停車した時に運転していた奴が、そういえば、あの幽霊、お前のこと指差してた、とAさんに言った。
今度は誰も異論を唱えず、そうだ、Aを差していた、と口々に皆が言った。
「真正面にいたのは俺だけですから、俺しか見えなかったと思うんですけど……」
Aさんに見えていた老婆は、顔を歪ませ、満面の笑みを浮べていたそうだ。
【了】
61 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
16本目の蝋燭が消えました・・・
KMT◆nqnJikEPbM.8さん、ありがとうございました
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鳥◆51rSCuJ4NAさん、第17話をお願いします
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62 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
【十七話】 鳥 ◆51rSCuJ4NA 様 『やばいぞ』
(1/2)
あれはちょうど、数年前の夏休みの日の出来事です。
当時学生だった私は、毎日部活に明け暮れる日々で、夏休みなど遊ぶ暇がなかった気がします。
そんな夏休みが終わる頃、私は友達3人を肝試しに誘いました。
ちょうど部活が同じであった、A君、B君、部活は違えどクラスメートだったC君です。
私が誘ったのは大きな看護学校(廃校になっている)
いつも部活の帰りに目にする、大きな建物です。
この建物、私が物心ついた時から廃校であり、廃校のまま綺麗な状態で建っているという、
なんとも不思議な学校でした。
私としては、前々から何か不穏な、何か不気味なものを感じていました。
肝試し当日は、夜の10時(学生ですから)に集まり、侵入できそうな窓を探し、そこから入りました。
外から見たイメージと変わらず、中も綺麗な状態でした。
中に入ってからは4人で探索し、11時頃まで粘ったのですが、何も起こらず、
次の日、部活だったので帰ろうと思っていました。
するとクラスメートのC君が、
「何も起きないと面白く無いから、一人ずつ中に入って、二階に行って手をふろう」
と提案しました。
私は若干反対だったのですが(時間が遅かったため)他の二人はC君に煽られ、一人ずつ行く事は決定しました。
A君、C君、B君、僕の順番となり、早速A君が一人で学校の中に入っていきました(その間私達は外にいました)
3分も立たない内にA君は二階の窓から顔を出し、余裕そうな表情で、
「おーい、楽勝だぞこんなの」
と笑顔で手を振ると、すぐに、
「じゃ、もう降りるわ」
と言い、窓から顔が消えました。
64 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
(2/2)
私達は、何も起きなかったことに、少々落胆していたのですが、
A君が消えてからすぐに、
「やばいぞ」
というA君の声がしました。
私達3人は顔を見合わせ、爆笑していたのですが(A君がビビったと思って笑っていた)
それから数分立っても、彼は帰って来ることはなく、
彼に心配した私達は、ついに中に入りました。
中は先ほどと何ら変わりはなく、私達は懸命にA君探しました。
10分程が経った頃でしょうか、私達の中で、
「彼は私達を驚かせるためにやった」
という考え出て、私達は帰ることにしました。
翌日部活に行くと、A君くんの姿はありませんでした。
夏休みが明けても、A君の姿はありませんでした。
心配になった私は、担任の先生に聞いたのですが、
ただ「病気で入院している」と言って、
その後は詳しく教えてくれませんでした。
それからA君は卒業するまで学校に来る事はありませんでした。
A君の身に何があったのでしょうか。何がやばかったのでしょうか。そしてあの出来事と彼の入院はなにか関係しているのでしょうか。
数年経った、今でもその事が頭をよぎります。
終
65 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
17本目の蝋燭が消えました・・・
鳥◆51rSCuJ4NAさん、ありがとうございました
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わたくし◆O0RKwPn0UQR0さん、第18話をお願いします
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66 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
わたくし ◆cbf9TNtBlc 様 『幕間の物売り』
えぇ、おさーけェ、あるよォッ、お酒ッ、おさーけェ、冷ェーたお酒ェーッ
坊ちゃん嬢ちゃんにァ、ラムネがあるン……っとっと、はいはい、えぇ、お酒、あい、まいどッ
えぇ、おさー……はいはい、えっ、はぁ、はいはいはい、んン、飲みもンしかないよォ
何だって、ええ、何ですか、はぁ、はばかりが近くてしょうがねェ……あ、はいはい、そうでしょうなァ
あなた、さっきからね、まァ何杯呑んでるか知りませんけど、えぇ、大層呑んでらっしゃるン
うっふっふ、いーいじゃありませんかァ、ぇえ、ご趣向ですよ、これもォ
ねェ……あなた、こォんな明るい部屋でもって、ね、
「あぁ、なんだァ、あんまり面白くねェやァッ」
なんて言ってらしたでしょ、えぇ、あたしゃね、影でちゃあんと聞いてましたよ、うっふ
いや、いやいやいやいやッ、それが悪いってことァありません、んン、怖いしと、怖くないしと、ぇえ
これが混ざってね、ゴッチャゴッチャ、ヌッタヌッタしてンのが、これ、怪談会ですから、ねェ
あのォ……御不浄はねェ、ううン、ちょいと暗いンですよ、うっふ、うん、まァッくらなの
そういうところでもって、えぇ、思い出すンですねェ、不思議と、えぇ、うふふ
面白くないなァ、なんて思ってた話が、暗がりでもって、すーッと背筋を登ってきますよ
ね、そんで、ああ、早く出たい早く出たい、ぇえ、ちょっと怖くなってきた、なんつってるン
怪談ってのァ、怖いの、不思議なの、悲しいの、気色悪いの、理不尽なの……ま、色々ありますがね
どれも暗ァい場所に入るってェと、ね、動き出すもンだから……ぇえ、だから、御不浄は真暗なの
ところで旦那、もう一杯、いかがです?
【了】
67 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
18本目の蝋燭が消えました・・・
わたくし◆O0RKwPn0UQR0さん、ありがとうございました
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イエロー◆C24hL2JS8gさん、第19話をお願いします
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314 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2013/08/07(水) NY:AN:NY.AN ID:CRChHvRzO
却下じゃ、出直してこい
↑死ね
69 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
イエロー ◆C24hL2JS8gさんの心に平穏が訪れることを
心より願っております
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雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、第19話をお願いします
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70 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『orz』
友人の話。
休日にノートパソコンで某掲示板を見ていると、まだ幼い娘さんが覗き込んできた。
色んなAAをまとめていた書き込みがあったのだが、それを見ておかしなことを言う。
「コレってね〜、○○ちゃんのお家の二階にもいるんだよ〜。
階段上がった所で、ホントにこんな格好しててね〜。
でもぴくりとも動かないの、とっても変なの〜!!」
娘が元気良く指し示したのは、「orz」のAAとその解説だった。
○○ちゃんというのは娘と仲の良い友達で、親同士の付き合いもあるご近所さんだ。
家族揃って皆良い人である。
そこのお宅の二階には、一体何がいるというのか。
言うべきなのか、それとも黙っているべきなのか、友人は現在悶々としている。
【了】
71 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
19本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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ザーボンさん◆F42ggkL5EUさん、第20話をお願いします
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72 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
ザーボンさん◆F42ggkL5EUさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
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ヤプール◆v0h8dExI/ytYさん、第20話をお願いします
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73 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第二十話】 ヤプール ◆v0h8dExI/ytY 様 『自称霊感のない兄』
(1/3)
私の実家は、隣に墓場があり、周りは竹やぶに囲まれた、霊体験するにはうってつけの場所にある。
実際私も何度かそういった体験はしているのだが、私の兄は「自称」霊感がないらしく、
一度もそういった体験はしていない、と言い切っている。
なぜ「自称」かというと、私はこの兄と一緒に霊体験をしているからだ。
中学生の頃、私たちは二人で一つの部屋を使っていた。
夏休みのある日、兄は受験勉強、自分はゲームに熱中し時刻は既に午前1時を回っていた。
そろそろ寝るか、と電気を消して目をつぶると、何やらカタカタと音がする。
音のする方に目を向けると、机に取り付けてあるスタンドライトが揺れていた。
地震などではない、周りのものは一切揺れておらず、体も揺れを感じていない。
兄も異変に気付き、「なぁ、これって…ポルターガイストってやつ?」と震えた声で言った。
しばらくすると揺れは止んだが、また眠ろうとするとカタカタと揺れ始めた。
気になって仕方がなかった兄は、スタンドライトを動かないように固定してしまった。
すると今度は、棚に陳列してあったフィギュアがいっせいに揺れだして崩れ落ち、
さらには部屋の隅に置かれた水槽は水も溢れんばかりに激しく揺れだした。
揺れは更に、本棚へ、洋服ダンスへと伝染していく。
しかしやはり、地面は一切揺れていない。
74 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
(2/3)
我々が恐怖のあまり固まっているうちに、しばらくして揺れは収まった。
一応テレビをつけて地震速報を確認したが、しばらく待っても流れなかった。
この時の兄は初めての霊体験に若干興奮気味だったが、ひとしきり片づけをしたあとはすぐに寝てしまった。
私は怖くてしばらく寝付けなかったが、その後何も起きずにいると安心して寝てしまったらしい。
翌日、私は昨夜寝付けなかったこともあり11時すぎに目が覚めた。
兄はすでに起きていて、寝起きの私にこう言った。
「なぁ、なんか俺のガンプラめちゃめちゃになってんだけど、何かあった?」
私は愕然した。覚えていないのだ。あれだけ興奮していたのに。
さらに兄は続けてこう言い放った。
「もしかして昨日大地震に合う夢見たんだけどホントにあったのかな?」
どうやら兄の脳内では昨日の出来事は夢として補完されてしまっているらしい。
しかし、不自然に固定されたスタンドライトが、バラバラになったフィギュアが、水量の減った水槽が、
昨夜の出来事が事実であることを物語っていた。
75 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
(3/3)
人間の脳というのは不思議なもので、その人物にとって都合の悪い出来事は頭の中で都合のいいように変換してしまうらしい。
霊に関しても然り、霊などいないと思い込んでいる人は、たとえ怖い体験をしても無意識になんでもない出来事や自分とは無関係の出来事に変えてしまう。
それは「夢を見た」という形だけでなく、「誰かに聞いた」とか「自分で作った」という形にもなり得る。
あなたが今宵、百物語のために作ってきた話、本当に「作り話」ですか?
終
76 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
20本目の蝋燭が消えました・・・
ヤプール ◆v0h8dExI/ytYさん、ありがとうございました
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X◆RJMz5okYkIさん、第21話をお願いします
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77 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
X◆RJMz5okYkIさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
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かいじゅうのこども◆dfdZ2nn4QEさん、第21話をお願いします
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78 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第二十一話】かいじゅうのこども◆dfdZ2nn4QE 様
子供のころ、祖母の家に泊まったときのことです。
祖母の家は古い木造の二階建ての家屋で、都会のマンション住まいだった僕は、ぎしぎし音をたてる急な階段、木の匂い、特に濡れた雑巾で拭いた後の、静かな中の虫の声、遠くの道路を走る車の音、、、祖母の家が、大好きだった。
夜は、一階に布団を敷いて、子供たちだけで寝ます。いとこたちと語り飽きたあと、みんなが寝静まった後の時間が、何よりも好きでした。
祖母の家は、これは木造にはよくあることなのでしょうか、、、天井が、ぎしぎしと音を立てる。僕にはその音が、別のものに聞こえていたのです。
それは、死んだ人たちの声でした。戦争で死んだ人たちの。遠くの海で、誰にも知られず、朽ちていった人たちの。
もしかしたら、幻かもしれません。
けれど、僕は確かに聞いていた。
確かに……。
[了]
79 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
21本目の蝋燭が消えました・・・
かいじゅうのこども◆dfdZ2nn4QEさん、ありがとうございました
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米屋◆YZbG3mcRGIさん、第22話をお願いします
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80 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第二十二話】米屋◆YZbG3mcRGI 様 『上』
(1/2)
私は5階だてのマンションの2階で1人暮らしをしている。
ある明け方、ふと目が覚めた。
暑くて、窓も開けっ放しだったけれど、外が非常に騒がしかった。
起き上がって窓の外を見たけど、いつも通り、公園の木々しか見えない。
しかし木々の向こうの芝生の広場から、子供達の何十人もの声がした。とても楽しそうにはしゃいでいて、まるで小学校の昼休みのグランドのようだった。
時間を見た。朝の4時過ぎ。
まさか。
こんな朝早くに子供がこんな大勢で遊ぶかな?ましてこんな時間に大騒ぎじゃクレームになるはず。
一体どこのバカ親が騒がせてるんだ。
イライラしながら窓を閉め、布団にもう一度入った。
が、やはりうるさい。
怒鳴り込んでやろうかな、、
なんて考えていたら突然
「かーなーこーちゃん☆」
私の名前を呼ばれた。
薄目を開けて窓をチラリとみた。
逆光のように顔は見えないが、窓枠に頬づえついたシルエットが二つ見えた。
鍵をかけ忘れた。
窓を勝手に開けられた。あー最悪だークソガキめ。
そう思った瞬間、気絶しそうになった。
81 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
(2/2)
窓の外にはいっさい足場がない。どうやってここまで来たの?
そう思っていると、かわいい声で
「かなこちゃん、寝てるね」
「かなこちゃん、起こす?」
「かなこちゃん、本当に寝てる?」
「わかんない、寝たふりだったらどうする?」
「うふふふ。どうしようかな」
「ねーかなこちゃん、どうしようかな?どうされたい?ねえ」
震えないように、気付かれないように、とにかく私は寝たふりを続けた。怖くて気を失いそうだ。
ポンっと私の足に何かが当たった。多分窓際のぬいぐるみを投げているんだろう。
ポン、ポン、ポポン
次々と飛んでくるけれど、絶対に動かない私。
「えーやっぱり本当に寝てるんかな?」
「つまんない」
絶対に動かない私。
突然、ガラリと窓があく音がした。
「うるさい!何時やと思ってんのや!」
ピシャリ!と閉めたと同時に、
「だれ?」「上だ」「あー上かー」
そんな会話をした後、気配がなくなった。
広場の喧騒の中にも
「上だって」「上だよ」「上か」
そんな声が混じっていた。
あの日以来、特に変な出来事もない。
しかし、二ヶ月に一度
ガラガラ「うるさーい!」ピシャリ!という音は聞こえる。
3階か4階か5階のうちの誰かが言ってるんだろうけど、私にはもうあのガヤガヤや女の子の会話は一切聞こえないので、特に気にもしていません。
[了]
82 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
22本目の蝋燭が消えました・・・
米屋◆YZbG3mcRGIさん、ありがとうございました
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雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、第23話をお願いします
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語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
83 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第二十三話】雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『留守番メッセージ』
知り合いの話。
大学生の頃、仲間数人で、とある有名な廃墟へ肝試しに行ったという。
少し経ってからその内の一人、ある女の子が奇妙なことを言いだした。
あの肝試しに行ってから、彼女の携帯の留守番メッセージに、
変な唸り声が入るようになったというのだ。
声は途切れ途切れだが、制限時間目一杯入っているので、
最後まで聞くことなどせずに消していたらしい。
発信先が、なぜかいつも文字化けを起こしていて確認できなかったので、
一体誰からのメッセージなのかまったくわからない。
当の彼女は単なる悪戯だと思っていたそうだ。
しかし終に我慢が出来なくなったようで、
「今晩も入っていたら、最後まで聞いてやる!」と大学の学食で宣言していた。
その翌日から彼女の姿は見えなくなり、気が付けば、いつの間にか大学も辞めていた。
友人が実家へ電話してみたが、親御さんからは「入院した」とだけ告げられ、
その内連絡も付かなくなったという。
その後、彼女がどうなったのかは不明のままである。
【了】
84 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
23本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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葛◆PJg/T8DlUQさん、第24話をお願いします
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85 :
葛 ◆PJg/T8DlUQ :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:V8agdtj5O
【第二十四話】
「忘れ物」1/2
夏の終わり、先輩が入院したと聞いて見舞いに行った
薄暗い病室で、底抜けに明るく、人前だとちょっと調子に乗りすぎてしまうお調子者の先輩は、ひどく憔悴しきっていた
どうしたのかと問うと、やがて先輩はぽつりぽつりと答え始めた
お盆のある日、先輩はバイト仲間の友人たちと連れ立って、肝試しに行ったそうだ
しかし、藪を掻き分けてまで辿り着いた小さなお堂にはこれといった怪異も無く、次第に先輩たちは退屈紛れにお堂を荒らし始めたそうだ
そのうち先輩は、友人たちの目もあるし、酒の勢いもあって、持っていたカッターでお堂の柱に名前を彫ったのだそうだ
途中でカッターが折れ、さすがにやりすぎた気になった先輩たちは、そのままお堂を後にした
「その帰りにファミレスに寄ったらさ、グラスが1個多いんだよ。その時は皆で、きっと肝試し帰りと思われる客を脅かすサービスじゃないか、って笑ってたんだ」
それ以来、先輩の周りでは奇妙なことが増えたのだと言う
グラスが多く置かれるのは当たり前、友人からは「後ろの女は誰だよ」とからかわれる…そして
「夜に部屋の中でさ、足音がするんだよ…部屋中を歩き回っているような足音…それがオレのベッドの隣で止まるんだ…でも誰も居ないんだよ…」
そんなことが続いたある日、先輩はお神酒を手にお堂にお参りに行ったそうだ
「でも、足音が消えないんだよ…ちゃんと謝りに行ったって言うのにさあ…」
力無くそう言って、先輩はうなだれた
「それでさ、こないだふと『足音がするなら足元を見てみよう』と思って、ベッドの隣で足音が止まった時に、下を見たんだ…」
そこには、足首から上が透けた足があった
86 :
葛 ◆PJg/T8DlUQ :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:V8agdtj5O
「忘れ物」2/2
「その瞬間、足首から下しか見えないのに、何故か女が立ってオレを見下ろしているのが解って」
ぶわっと総毛立ち硬直する先輩の耳に、ボソボソと小さな声が聞こえたそうだ
「『………ですよ、……………ですよ、………ですよ』って、何か同じ言葉を言っているのは解ったけど、よく聞き取れなくて」
次第に腹が立ってきた先輩は、恐怖を振り払って声を張り上げた
「『何言ってんのか解んねーよ!もっとハッキリ言えよ!』って。そしたらさ、一瞬沈黙があってからヤケにハッキリした声が耳元で」
「 忘 れ 物 で す よ 」
気が付けば目の前に、お堂で折れたハズのカッターが突き出されていたという
一通り聞き終えてから、
「……とにかく、命が無事だっただけ良かったじゃん」と言うと、先輩は泣き笑いの表情を浮かべて、病室の床の一点を指して首を振った
「………まだそこに居るんだ」
終
87 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
24本目の蝋燭が消えました・・・
葛◆PJg/T8DlUQさん、ありがとうございました
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雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第25話をお願いします
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88 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第二十五話】 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『墓地裏の窓』
友人の話。
彼女が今住んでいるマンションは、裏側で小さい墓所と面している。
特に彼女の部屋は、窓を開けるとすぐ下に墓石が見えるのだそうだ。
「いや、これまで生きてきて、幽霊なんか見たこともないし、
霊関係で怖い思いをしたことも無いしね。
この部屋を契約した時も、あまり悩まずに済ませちゃった。
何よりも他所に比べて安かったし、静かだし」
それがつい最近、ちょっと気味悪い出来事があったのだという。
「夜に部屋で寛いでいるとね、ふと冷たい風が通り過ぎるのを感じたの。
窓を見ると、網戸以外が全開になっていたから、閉めたのよ。
それからしばらくして、また頬に風を感じたのね。
視線を上げると、つい先程閉じた窓が、少しだけ開いてた。
『あれっ、確かに閉めたはずなんだけどな?』って怪訝に思いながら、
再び閉めに行ったんだけど……」
窓の前まで行き、閉めようと手を伸ばしたその目前。
いきなり窓がガラッと開いて、そしてその直後、ピシャッと閉められた。
誰も手を触れていないのに。
現在そこの窓は、常に鍵を閉めて動かなくしてあるのだという。
「出来れば引っ越して、ここから出たいんだけど、先立つものがねぇ。
でもまぁ、アレ以外には怖いことなんて起こっていないんだけどさ」
苦笑いしながら、彼女はそう言っている。
【了】
89 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
25本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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血豆◆UsAvvu311kさん、第26話をお願いします
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90 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
血豆◆UsAvvu311kさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
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KMT◆nqnJikEPbM.8さん、第26話をお願いします
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91 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:1Ytbuggr0
『待つわ』
(1/3)
もう三十年近くタクシーを走らせているベテランの運転手Aさんが、
「後にも先にも、あんなに怖い目にあったのはあれだけだよ」と話してくれた。
バブル絶頂期のその日、Aさんは県外までタクシーで客を送り、上機嫌で帰路に着いた。
たった一人の客を送るだけでその日のノルマは達成。そのお客も感じのいい人で道中も全く苦ではなかった。
深夜帯の仕事だったため、高速道路には後にも先にも車は走っていない。
まるで自分だけの貸切だな、とAさんは呟き、気持ちよく車を走らせていた。
最初は楽しんで飛ばしていたものの、段々と単調な光景に飽きてくる。
眠気を覚まそうと、ラジオのスイッチを入れた。
ザーーー、というノイズの奥で、何かが囁くような声がした。
チャンネルを合わせようと何度かツマミをひねるが、一向にクリアな声は聞こえてこない。
「普通、ここだと聞こえるんだけど、あれぇ? おっかしいなぁ?」
ひとしきりチャンネルと格闘したが、やがてAさんは諦めてラジオのスイッチを切った。
調子良く走ってきただけに、なんだか水を差された気分だった。
高速道路の脇には幾つもの道路灯が並んでいる。
ふ、と前方にある道路灯に目がいった。
道路灯の煌々とした明りに照らされて、その下に何か赤い物があるのが分かった。
「え、あれ、人かぁ?」
距離が近づくにつれて赤いドレスを来ている女だった。
カクテルドレスというのか、地面に付きそうな長いスカートは下に行くにつれて大きく広がっている。
「うわぁ、気味悪いなぁ……」
無視して通り過ぎることを決めたが、やはりなんとなく気になる。
Aさんは車がその女とすれ違う瞬間、チラリと女のほうを見た。
92 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
(2/3)
女はAさんを見ていた。
直立不動で、身じろぎ一つしないが、その女の目は見開かれ、Aさんを凝視していた。
「おいおいおい、なんだよ、あれ……」
Aさんの背筋に冷たいものが走る。
ルームミラーで後方を確認すると、女はまだ道路灯の明りの中に立っていた。
その姿が見えなくなって、Aさんはようやく息を吐き出した。
ザザッ、ザザザッ、ザーーーーッ、という激しいノイズとともに、ラジオが入った。
Aさんは叫んで、ハンドル操作を誤りそうになったが、慌てて立て直す。
『ま………いつ…で…ま………』
Aさんは必死でラジオをスイッチを叩くが、一向に止む気配が無い。
『ま…わ…いつ…でもま…わ…』
もう半狂乱になりながらAさんはラジオのスイッチを叩いた。
しかし、Aさんの願いも虚しくラジオのノイズ音がじわじわと収まり、その代わり、声がクリアに聞こえてくる。
『まつわ…いつ…でもまつわ…』
“あみん”の『まつわ』だった。
ただ、それは普通の調子ではない。ただワンフレーズだけを狂ったように繰り返していた。
『まつわ…いつまでもまつわ…まつわ…いつまでもまつわ…』
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
耐え切れなくなったAさんの口から絶叫が漏れた。
同時にグイッとハンドルが助手席側に回された。
ハンドルを掴むAさんの手とは別の手が助手席から伸びていた。
高速道路脇の壁に突っ込む寸前にAさんが見たものは、
助手席に座ってAさんをじっと見つめながら、
引きつった笑みを浮べる赤いドレスの女だった。
93 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
(3/3)
「目を覚ましたら、病院だった。
壁に突っ込んだ後、何とか自分で車から這い出たのまでは覚えているけど、その先はサッパリ」
話を終えたAさんが茶をすすって一息ついた。
一体なんだったんでしょうねその女、と問う俺に対して
「なんだったかは分からないけど、車から這い出た時、高速道路の壁の脇に花束が置いてあった。
普通、高速道路で事故が起きても献花なんて出来ないと思うけど……あれは確かにあったんだよ。
それで、関係あるかは分からないけど、その花束、赤い包装紙に包んであった。
事故の衝撃か、それとも元々そうなってたのかは知らないけど、それが上下さかさまになっててさ……」
気を失う直前のAさんは、それを見て、まるで赤いドレスのようだ、と思ったそうだ。
【了】
94 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:OTe42AgX0
26本目の蝋燭が消えました・・・
KMT◆nqnJikEPbM.8さん、ありがとうございました
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成◆0ute.wyqdYさん、第27話をお願いします
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95 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:ME+Mw9fw0
【第二十七話】成 ◆0ute.wyqdY様 『おとうさん』
(1/2)
中学の頃からの親友が結婚したときのゴタゴタの話
彼女の父親は、彼女がまだ小学校に上がる前に亡くなった
ということになっていた
というのも、彼女はそれが母親の嘘だと知っていたのだ
そもそもお墓も仏壇も位牌の類いもなく、それらがないのは父実家との不仲のせいという話自体、
聞くばかりの私にしても嘘臭く思える
年に一度、父親は彼女に会いに来たそうだ
8月の暑い盛り、彼女の誕生日に
決まって母親のいないとき、近所の公園でのこと
いつも、内緒だと微笑みながら頭を撫でてくれたという
プレゼントだとかお小遣いだとか、そういうものはなかったそうだけど、
普段写真でしか父親の姿を見ることのなかった彼女にとっては一年に一度だけの楽しみだった
結婚が決まったとき、勇気を出して彼女は母親に聞いたという
「ねえ、お父さんの住所教えて?」
母親は呆気にとられたように彼女を見つめたそうだ
「お父さんは死んじゃったのよ?何で今さらそんなこと言うの」
少ししてからそう言った母親に、彼女はひどく苛立った
もういい、とだけ言って、彼女は実家を飛び出した
それが結婚式の一年前の話
96 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
その次の誕生日、彼女は近所の公園で父親を待った
いつものように現れた父親に、結婚の話をする。
父親はとても驚いて、でもとても喜んでくれて
だけど少し寂しそうに見えた
「お母さんったら酷いのよ?お父さんは死んじゃった、なんて」
子供のように膨れる彼女を父親は苦笑しながら撫でたそうだ
「……ごめんな」
ぽつりと呟いて、式には出られない、と父親は続けた
理由を聞いてもはぐらかされ、父親はそのまま去っていったそうだ
追いかけてみても、公園を出てすぐに見失ってしまったらしい
彼女には、母親が嫌がるからだとしか思えなかった
だから余計に母親へ反発する気持ちが強まってしまった
母親に相談せずに父親の住所を調べようとした彼女は、戸籍を取り寄せた
そこに書かれていたのは、変わらず筆頭者となっている父親の名前
そして、17年前に死亡したという事実だった
以来、誕生日が来ても彼女が父親に会うことはなかったそうだ
【了】
97 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
27本目の蝋燭が消えました・・・
成◆0ute.wyqdYさん、ありがとうございました
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切子◆DjSl2E7hcsさん、第28話をお願いします
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98 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第二十八話】切子 ◆DjSl2E7hcs様『山のお祭り』
(1/2)
私がぜんぜん覚えていなかった話。
私が中学生のときに、母方の祖母が亡くなりました。
そのとき私は初めて田舎の祖母の家に行きました。
祖母の家は関東にしては相当な田舎で、田んぼや丘(山というほどではない)に囲まれた場所でした。
暑い夏の盛りで、学校の制服がひどく蒸れたのを覚えています。
それまでは一度も祖母の家には行ったことがなく、盆や暮れにも母だけが祖母の家に帰っていました。
私と三つ下の妹、それと父は留守番をしていたのです。
ですから、最近までずっと父と祖母があまり仲がよくなかったのだろう、などど漠然と思っていたのでした。
今年、祖母の法要があり、ふとそのことを母に話してみました。
すると母は少し意外そうな顔をして、それからこの話をしてくれました。
99 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
私が幼稚園に通っていた頃、実は私達一家はそろってお盆に祖母の家に行ったことがあったそうです。
まあ、私はぜんぜん覚えていなかったのですが。
そのときのことなのですが、母が妹を昼寝させているところに私がやってきて言ったそうです。
「お祭りにいきたい」と。
そんなのどこでやってるの、と母が聞き返すと、私は母を外に連れ出して少し離れた丘の一点を指差したそうです。
母が見た限りそこで祭りらしいものをやっている気配はなく、ただ森があるだけでした。
〜〜〜〜〜〜
それでも執拗にせがむ私に、そんなのどこにもないわよと言うと、私は事細かに様子を説明しだしたそうです。
どんな人がいるのか。
どんな様子なのか。
まるで実際にそこでなにかお祭りを見ているかのように。
なんだか薄ら寒いものを感じた母は、私を連れて祖母にそのことを話しに行ったそうです。
すると祖母は驚いた顔をした後、少し考えてから言ったそうです。
この子はここにつれてきてはいけないかもしれないねえ、と。
そんなわけで、その後は私を連れて祖母の家に行くことはなくなったのだそうです。
それだけで、なぜ私を連れてきてはいけないのかまでは母も知らないということでした。
また、その場所になにかしらいわくがあるとか、お寺や神社、お墓などがあるというような話もないそうです。
そもそも母もそこで育ったわけですから、おそらく何もないのは間違いないのでしょう。
だいたいあんたは昔から物覚えが悪いから・・・と、母と、一緒に聞いていた妹には笑われました。
ぜんぜん覚えてなかったのが悪いんだけど。
(了)
100 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
28本目の蝋燭が消えました・・・
切子◆DjSl2E7hcsさん、ありがとうございました
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名無しさん、第29話をお願いします
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101 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第二十九話】名無し 様 『マンション』
これは小学五年生の頃の話。
当時住んでいた場所は一言で言うと小池真理子の『墓地を見おろす家』って
感じのロケーションで、八階建てのマンションとその駐車場を挟んだ裏手に
墓地が拡がって見える、そんなところだった。
で、ある夏の日にこのマンションの二階に住んでる同級生二人と肝試しを
やろうってことになったんだけど、どういうわけか次第に話が大きく
なっちゃって、しまいにゃあマンション中の住民を巻き込む計画になっていたんだ。
当日、アポなしで一軒一軒インターホンを鳴らして「肝試ししませんか?」
なんて馬鹿なこと聞いて回ってさ。
でも住民たちは意外にも真面目に取り合ってくれたりして、結果的には
かなりの人数が集まったんだ。
肝試し自体はシンプルに墓地を一周して備え付けのお堂にお参りしてから
駐車場まで戻って来るって感じで当たり障りなく無事に終わった。
余韻に浸りながら同級生の家の前で別れの挨拶をして帰る時だった。
一人は角部屋だったんだけど、その手摺りの向こうに誰だかのお父さんが
居たんだ。
周りは結構人が居たしそれも不思議じゃなさそうだったんだけどね。
ほんの束の間、振り返った時に一瞬だけ見えた気がするそのお父さんの
顔が今でも瞼に焼き付いている。
やっぱり派手なことをすると見易くなったりするのかな。
【終わり】
102 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
29本目の蝋燭が消えました・・・
名無しさん、ありがとうございました
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bear熊◆8eK43Dg0Mさん、第30話をお願いします
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103 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第三十話】 bear熊 ◆8eK43Dg0M 様 『足りない』
俺が母校にいった話。
その日同窓会があった俺は、酔った挙げ句、母校に行かないか という話になった。
メンバーは俺と仲良しだった4人。 時刻はPM9:00。こんな時間に行く馬鹿がいるんだと思いながら道を歩んでいた。
その途中、Aが怪談話をしてきた。
それは、
『夜に理科室の人体模型が喋る』というものだった。
要約すると、
・夜、理科室行くと、人体模型の心臓とか腕とかがバラバラになっている。
・それを直すと、「足りない」と聞こえるというとの事だ。
俺等はその話を鵜呑みにはしなかった。皆、嘘だ嘘だといっていた。
するとAは、じゃあ行ってこいよ、といったのだ。皆、渋々賛成して、じゃんけんをして、負けた2人を行かせる事にした。
負けたのは、俺とB。Bが実行役、俺は撮影役だった。
学校につき、門を飛び越え、入口へ行った。鍵を盗んでいたCが扉をあけ、理科室へ直行した俺とB。
理科室のドアもCから鍵を借りて、中に入った。
人体模型を探してると、ゴツンと音が聞こえた。頭部が転がっていたのだ。
俺はBに「ヤバイヤバイ。帰ろうぜ!」と言うと、彼は
「ん?あと頭部だけなんだが……それ以外になにが足らねぇんだよwww」と笑っていた。
確かに、俺もそこが疑問だった。
人は、 脳,臓器,血液、骨, 肉があれば最低限生きられるハズって聞いていた。
あの模型には、腕,足,顔のパーツもそろっているのに…
そう思い自分の体を触っていると、一つ気づいてしまったのだ。
あの模型には皮膚がない、と。
その時、不気味な声が聞こえたと思うと、Bに絡み付く人体模型が言った
『足りない』と。
その後の捜査によると、Bの姿はなく、人体模型だけがあったという。
まだ『足りない』は続いている。
了
104 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
30本目の蝋燭が消えました・・・
bear熊◆8eK43Dg0Mさん、ありがとうございました
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皆様、お楽しみ頂けておりますでしょうか?
相次ぐ神隠しに運営共々お困りになってらっしゃいませんでしょうか?
申し訳ございませんが、ここで15分ほど休憩を入れさせて頂きます
再開は、こちらでの呼び出しを合図とさせて頂きますので
しばしの間スレが止まることをお許しくださいまし
オカルト板百物語2013 雑談スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/22553/1377252507/
105 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
それでは、再開させて頂きます
これからもお見苦しいところがあると思いますが
最後まで、お付き合いくださいませ
ヨサック ◆skAMDOCpdQさん、第31話をお願いします
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雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
106 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第三十一話】ヨサック ◆skAMDOCpdQ 様『作業服の男』
母がある朝、台所でゴミ出しの準備をしていた時の事。
「おはようございます」の声と共に、台所の窓がガラッと開いた。見ると、水色の作業服を着た人物が立っている。
朝日が逆光になり見えづらいが、中年男性のようだ。
何故か作業帽の左右がへこみ、三角帽の様に尖っている。母は違和感を感じたという。
「どちら様ですか?」
尋ねても、男はニヤニヤするばかりで答えない。
「何のご用ですか?」
やはり男は答えず、しきりに家の中を覗き込む。
「…あんた何なの!?」
男はにやついたまま、窓枠に手をかけ、身を乗り出してきた。家の中に入ろうとしている。
慌てた母は男を止めようと、勝手口から外へと飛び出した。その間2秒もなかったろう。
しかし、外に出ると男はいなかった。
(外に出るまで、男の姿を見ていたのに…?)
奇妙に思いながら台所に戻ると、窓が閉まっている。鍵もかかったままだ。
そして…台所の窓には、防犯用の格子が付いていたのを思い出した。
窓から身を乗り出すなんて不可能じゃないか…
そう気づいて初めてゾッとしたという。それでも幽霊かどうかは半信半疑らしい。
「朝だし姿形は普通だし、あまりに脈絡がない感じがして」
怖がりの母は幽霊だと認めたくないのだろうけれど、母の感じた違和感。
「男の作業帽の左右がへこみ、三角帽の様に尖っていた」って…頭の形がおかしい気がする。
頭部損傷で亡くなった方かもしれない。
【終】
107 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
31本目の蝋燭が消えました・・・
ヨサック◆skAMDOCpdQさん、ありがとうございました
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妖場K◆ws148WRg2Aさん、第32話をお願いします
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108 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第三十二話】妖場K◆ws148WRg2A 様『振り向いた顔』
私が小学校低学年の頃の出来事です。
日曜日の早朝、ふと目が覚めてしまいテレビでも見ようかとリビングへ行くと、テーブルの前にこちらに背を向けて正座をしている女性の姿がありました。
お祭りの時に着るような白地に青の浴衣姿で、髪は肩くらいまでの三つ編みだったと思います。
姉かと思い声を掛けました。
「おねえちゃん?」
その女性がゆっくり振り向きます。
知らない人でした。
急に恐怖がこみ上げ、這うようにして部屋に戻りました。
隣の姉の部屋とはふすまで仕切っているだけで、そのふすまには穴が開いていましたので、念のため覗きこみます。
ぐっすりと寝ている姉が見えました。
やっぱりお姉ちゃんじゃない。じゃああの人は誰?
布団を被り、母が起こしにくるまでずっと震えていました。
家族が起きてから玄関を確認しましたが、鍵もチェーンもしっかり掛かっており、住んでいたのはマンションの三階だったため窓から入ることも不可能でした。
それより不思議なことは、なぜアレが姉だと思ったかです。
姉は6歳年上で当時中学生。ショートカットでしたし、活発で浴衣姿など見たことはありませんでした。
そして、振り返った女性の顔。
確かに、知らない人だ、と判断できる程に見つめたのにも関わらず、全く思い出せないのです。
まるで、顔なんて元々なかったかのように……
【了】
109 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
32本目の蝋燭が消えました・・・
妖場K◆ws148WRg2Aさん、ありがとうございました
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キツネ◆8yYI5eodysさん、第33話をお願いします
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110 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第三十三話】 キツネ ◆8yYI5eodys 様 「戸を開けるな」
(1/4)
幼い頃に祖父の家に泊まりに行くと、祖父は毎夜、
「夜中に戸を開けたらいかん」
そう言って床に着いたものでございました。
一度、従兄弟たちと夜中に家を抜け出そうとした時などはどえらい怒られたもんです。
普段は温厚な祖父でしたが、この時ばかりは鬼のような形相で怒鳴られたのを覚えております。
あまりにもしつこく言われるので、ある晩酔っ払った祖父になんで玄関の戸を開けちゃいけないのか訊いてみたところ、
「夜中に玄関を開けるとムカデが来る」
「ムカデが来て山に引き摺りこむ」
そう言ったっきり黙り込んだ祖父は、心なしか青褪めた顔で再び焼酎の入ったコップを傾け始めました。
この話を聞く数日前にムカデに咬まれ、足をパンパンに腫らしていたことも相まって恐怖したものでございました。
そんな祖父が倒れて病床に着いたのは数年前。
当時、他県に住んでいた私は数度しか見舞いに行けませんでしたが、その度に、
「玄関の戸は閉まっとるか」
「夜中に誰も入れてないか」
と、自分の病状よりも自宅の戸締りについて心配しておりました。
後に訊いた話では、他の親戚が見舞った際にもしきりに同じことを言っていたとか。
111 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/4)
私は祖父の最期を看取ることができませんでしたが、亡くなる間際も
「夜中に絶対に玄関を開けちゃいかん」
息も絶え絶えにそう言っておったそうでございます。
その祖父の通夜は祖父の自宅で営まれました。
夕刻には親族が集まって参りました。
大人たちは祖父の思い出を語りながら酒を酌み交わし、幼い従兄弟や甥っ子、姪っ子たちは無邪気に遊びに興じ。
夜が更けるにつれて話題は身内の誰彼がどうしたといった近況に遷り。
深夜を回る頃には話題も尽きたのか、皆静かに、時折ぼそぼそと話すといった具合でございました。
ちょうど深夜。
確か、座敷の古びた柱時計がボーン……ボーン……と不気味に響いていた頃合い。
ふと、庭先から物音が響いて参りました。
ざざっ……ズズズ、ざざっ……ズズズ
と、庭の砂利を引き摺るような物音が。
その音に気付いたのか、親族の何人かがきょろきょろとと見回し。
叔父の1人、入り婿だった叔父が「お義父さんが帰って来た」と呟き立ち上がりました。
亡くなる前、祖父は半身麻痺で不自由な足を引き摺って歩いておりました。
その祖父が庭先を歩く姿を思い浮かべたのでございましょう。
そのまま座敷の障子を開けて玄関に近付いて行きます。
ざざざざっ!……ズズズズズ!ざざざざっ!!
庭先の引き摺りまわるような音も玄関に近付いて参りました。
112 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(3/4)
そのまま叔父が玄関の戸を開こうとした時でした。
ダメッ!!と幼い従妹が玄関を開けさせまいと戸を押えました。
それに続くかのように親戚が開けちゃいかん、と口々に叔父を非難します。
祖父の言いつけを思い出したのか、はたまた祖父が入院している頃から祖父の家で好き勝手にしていた叔父への非難からか。
そんな親戚たちの様子に口元をひきつらせながら、
「あれはお義父さんだ!家に入れてあげないと可愛そうじゃないか!」
と吐き捨てた叔父は従妹を乱暴に押し退け、ガラガラガラ、と玄関の戸を開け放ったのでございます。
……絶対に開けるな、と言われていた戸を。
その瞬間でした。
まず始めに従兄の抱いていた赤ちゃんが泣き喚き。
びたん!びたんびたんびたんびたん!!と、何かが座敷のあちこちを跳ね回る音が響き。
そして、何かが座敷の畳や壁を引っ掻きまわるような音がし。
気付けば、叔父がお座敷の奥に尻もちをつき、呆然としておりました。
なぜかつい先刻まで玄関先にいたはずの叔父が。
後で聞いた話では、
ある親戚は、叔父が見えない何かに引き倒されたのを見た、だとか。
また別の親戚は、叔父の両足に何かに掴まれたような鬱血の跡があった、とか。
そして……玄関を開けまいとしていた従妹が言うには。
玄関から沢山の人、それも何十人もの≪黒い人≫が連なって入って来たのを見たのだそうです。
後ろの者が前の者の足にしがみ付き、その者がまた前の者の足にしがみ付き。
老若男女、痩せこけた者や血塗れの者、顔が潰れた者が連なって這い回っているのを見た、と。
そして最後に従妹が言った言葉が印象的でした。
「―――まるでムカデみたいだったの。あれ」
113 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(4/4)
そんな事があっても祖父の葬儀は無事に終わり。
叔父が祖父の跡目を継ぎ。
叔父が祖父の家に住み続けていたある日。
今度は叔父が亡くなったと聞かされました。
近くの山で亡くなっていたのを近所の爺さまが見つけたそうでございます。
そして。
発見された時には叔父の身体を何十匹ものムカデが這い回っていたのだそうです。
叔父はいったい何を家の中に引き入れてしまったのでしょうか?
もしそれが祖父の言った≪ムカデ≫だったとしたら……
叔父はムカデに山に引き込まれた、という事なのでございましょうか?
よく、通夜や葬儀の晩に故人が帰ってきて足音や畳を引っ掻くような音が聞こえた、という怪談話があります。
それは本当に亡くなった故人なのでしょうか?
はたまた別の『何か』なのでございましょうか?
この話を読んでいる皆様、外から物音が聞こえても気軽に戸を開けない方がよろしいかと。
迂闊に開けると……何かを招き入れてしまうかもしれませんから。
【了】
114 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
3本目の蝋燭が消えました・・・
キツネ◆8yYI5eodysさん、ありがとうございました
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ヨサック ◆skAMDOCpdQさん、第34話をお願いします
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115 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第三十四話】 ヨサック ◆skAMDOCpdQ様 『作業服の男』
母がある朝、台所でゴミ出しの準備をしていた時の事。
「おはようございます」の声と共に、台所の窓がガラッと開いた。見ると、水色の作業服を着た人物が立っている。
朝日が逆光になり見えづらいが、中年男性のようだ。
何故か作業帽の左右がへこみ、三角帽の様に尖っている。母は違和感を感じたという。
「どちら様ですか?」
尋ねても、男はニヤニヤするばかりで答えない。
「何のご用ですか?」
やはり男は答えず、しきりに家の中を覗き込む。
「…あんた何なの!?」
男はにやついたまま、窓枠に手をかけ、身を乗り出してきた。家の中に入ろうとしている。
慌てた母は男を止めようと、勝手口から外へと飛び出した。その間2秒もなかったろう。
しかし、外に出ると男はいなかった。
(外に出るまで、男の姿を見ていたのに…?)
奇妙に思いながら台所に戻ると、窓が閉まっている。鍵もかかったままだ。
そして…台所の窓には、防犯用の格子が付いていたのを思い出した。
窓から身を乗り出すなんて不可能じゃないか…
そう気づいて初めてゾッとしたという。それでも幽霊かどうかは半信半疑らしい。
「朝だし姿形は普通だし、あまりに脈絡がない感じがして」
怖がりの母は幽霊だと認めたくないのだろうけれど、母の感じた違和感。
「男の作業帽の左右がへこみ、三角帽の様に尖っていた」って…頭の形がおかしい気がする。
頭部損傷で亡くなった方かもしれない。
【終】
116 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第三十四話】ヨサック ◆skAMDOCpdQ 様 『オシラサマ』
(1/2)
曾祖母の実家では昔、オシラサマを祀っていたそうだ。
曾祖母がまだ幼い頃、この家の息子(曾祖母の兄)が日露戦争に召集され、家族皆でオシラサマに「息子を守って下さい」とお願いした。
息子が出征してから間もなくのある晩。家族で居間にいると、廊下の方から音がする。
コトリ、ちりん。コトリ、ちりん。
何事かと様子を見に行くと、廊下側の障子に月明かりで影が映っている。
小さな二つの影。
それが玄関の方へ少しずつ移動しており、動く度に音が鳴るようだ。
オシラサマの御神体は、桑の木に幾重にも着物を着せてあり、鈴が付いている。そして二体一対だ。
「これはオシラサマが息子を守って下さりに出掛けるのでは」
家族皆で障子の影に手を合わせたという。
息子の出征中、その様な事が度々あったそうだ。
117 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
34本目の蝋燭が消えました・・・
ヨサック◆skAMDOCpdQさん、ありがとうございました
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雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第35話をお願いします
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118 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第三十五話】 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『ケラケラさん』
(1/3)
知り合いの話。
彼女が小学生の頃、河川敷で仔犬を拾った。
残念ながら家で飼ってはくれなかったので、橋の下に毛布を入れた段ボール箱を置き、
そこでこっそり面倒を見ることにした。
放課後になると、給食の残り等を持参して世話をしていた。
仔犬の方も、彼女にとても懐いていたという。
そんなある日、いつものように河原で犬と遊んでいると、声が掛けられた。
「まああ、本当に可愛いワンちゃんだわぁ」
吃驚して顔を上げると、知らない小母さんがニコニコとしながらこちらを見ていた。
「ねぇ、この仔ってあなたの犬なの?」
そう話を続けながら側まで寄ってくる。
「そうしたいけど、そうじゃないんです。
飼っちゃいけないってお母さんに言われたから……」
そう返答すると、小母さんはおかしなことを言い出した。
「そっかぁ、見ていない間、ワンちゃんのこと心配だもんね。
よし、オバちゃんがその心配を無くしてあげよう!」
119 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/3)
何を言っているんだろうと首を傾げていると、小母さんは仔犬を指差して、
甲高い声で頭を前後に振りながら笑い始めた。
ケラケラケラケラ……
楽しくて仕方がないという表情なのに、その目だけが全然笑っていない。
小母さんはそんな怖い顔をしながら、少しも途切れず笑い続ける。
薄気味悪くなって逃げ出そうかと、彼女が考えた矢先。
突然、足元の犬がぶっ倒れた。
ひどく痙攣をしたかと思うと、そのまま泡を吹いて動かなくなる。
慌てて手を伸ばしたが、仔犬は既に死んでいた。
「良かったねぇ! これで心配することなんか無くなっちゃったよ!」
小母さんはそう言うと、鼻歌を歌いながらどこかへ去って行った。
彼女はしばらくの間、そこで立ち竦んでいたそうだ。
後で友達に聞いた話では、件の小母さんはその地域ではかなりの有名人で、
「死神ババア」とか「ケラケラさん」などと呼ばれて恐れられていたらしい。
指差してケラケラと笑うことで、小さな動物をよく死なせていたという。
120 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(3/3)
小母さんはその後、大きなペットショップの中でとある騒ぎを起こし、
それきり姿が見えなくなった。
遠方の親類に引き取られたとも、病院へ入れられたとも噂されたが、
真相はわからない。
知り合いはその時の光景がトラウマになったそうで、犬を飼うということが
出来なくなった。
「飼いたいんだけどね。
でもどんな犬でも、その死んだ姿が頭に浮かんできちゃって」
そう言う彼女は本当に寂しそうに見えた。
【了】
121 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
35本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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122 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第九十二話】 妖場K ◆ws148WRg2A 様 『縁の下の悪意』
(1/3)
転勤族であるA夫妻は、ある年S県に引っ越しをしたそうだ。
社宅扱いで格安で一軒家に住めることになり、当初は喜んでいたのだが、段々嫌なことが起こりはじめたらしい。
身体がやけに重い、怠い。
最初は引っ越し疲れかと思っていたのだが、日を重ねても良くなるどころか悪くなる一方だった。
それに部屋もなんだか薄暗いし、湿っている。
カビ臭い。
食べ物がすぐに傷む、腐る。
虫が多い。
絶えずどこかしらに怪我か痣を作る。
一つ一つはとても小さな事なのだが、それらが幾つも重なるにつれ無性にイライラして喧嘩ばかりする様になった。
ある日、妻は家の中で羽蟻が飛んでいるのに気が付いた。
その時はすぐに処理して気にも留めなかったのだが、次の日も次の日も羽蟻が部屋の中に飛んでいるのを見つけ、A夫に相談した。
夫は、白蟻がいるのかもしれないと駆除会社に電話をしてくれて、業者が入ることとなった。
123 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
失礼致しました、只今お送りのお話は【第三十六話】でございます。
(2/3)
約束の時間ぴったりに業者が来た。おっさんと若い男の二人組だった。
説明を受け、まずは検査をしますと言うことで、作業着姿のおっさんが縁の下に入りこんだ。
写真を撮り、該当箇所を確認していただきますと若い男が補足をする。
しかし、おっさんが潜ったきり戻ってこない。
「Kさん? どうしました?」
残った男が声を掛けたその時、
「おああああああああああああああ!!!!!!」
絞り出すような叫び声が響いた。
直後、ごとごとと音が近づいたかと思うと、おっさんが転がるようにして飛び出して来た。
顔を真っ赤にして大量の汗をかき、喉元に手を当てつつぜいぜいと息をしている。
「どうしたんですか」
恐る恐る聞くと、おっさんは物凄い形相で夫に掴み掛かった。
「どうしただ? とんでもないもん見せやがって! ふざけんじゃねーぞ!!! 」
124 :
代理投稿:2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/3)-2
怒鳴り散らすおっさんを引き剥がし、なんとかなだめる。
しかしおっさんは怒りが収まらない様子で、
「悪いけど、この仕事なかったことにしてくれ」
と、吐き出すようにして言い放った。
「あんた、ここ持ち家か? 」
ふと、おっさんが尋ねる。A夫妻が違うと返答すると、
「じゃあ、すぐ引っ越した方がいい。縁の下は見るな」
とだけ言い、帰ろうとする。
慌てて皆で引き止めた。
とにかく何があったのか、聞かなければ話にならない。
おっさんは中々口を割らなかったが、A夫妻がこのままなら訴えるぞ、と半場脅すようにしてようやく話をしてくれた。
縁の下に入って検査をしながら段々奥の方へ進んだら、ライトの明かりに反射する物が見えた。
近づいて見ると、それはハサミだった。
ハサミが地面に刃を向けて突き刺さっていた。
それは、恐らく百本以上あったと思う。
そこら一帯にハサミが突き刺さっていて、異様な空気だった。
かなりの時間そこで呆けていたようだが、試しに一本だけ引き抜いてみた。
持ち手の所に長い黒髪がごっそりと巻き付いていて、思わず放り投げてしまった。
とにかく一旦外に出ようとしたら、足を掴まれて転んでしまった。
振り向いたら、長い髪の女がのし掛かって来て首を絞められた。
もう駄目だと思った瞬間、同僚が自分を呼ぶ声が聞こえ、とっさに近場のハサミを引き抜いて女の顔に突き刺した。
そうしたら、その女は目の前でどろりと蝋が溶けるようにして消えてしまった。
後は必死に逃げ出して来た。
125 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(3/3)
俄かには信じられない話だった。
しかし、おっさんの首元を見て納得せざるを得なかった。
そこには、赤黒く手形が残っていたのだ。ちょうど首を絞められた様に。
業者を見送ると、A夫妻は引っ越しの準備を始めた。
そして夜は知人宅やホテルを泊まり歩きながら転居先を見つけ、逃げる様にしてその家を去った。
現在もその家はS県にある。
【了】
126 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
36本目の蝋燭が消えました・・・
妖場K◆ws148WRg2Aさん、ありがとうございました
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可部 ◆7vU/OMinzsさん、第37話をお願いします
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『京都のアパートで』
(1/2)
大学時代、京都にいた頃の話です
入学したての頃のこと、当時は白川通り沿いにアパートを借りて住んでいたのですが
夜中の12時くらいになるとドアのノブが外からガチャガチャと回す音が聞こえるようになりました。
はじめは酔っ払いか何かと思っていましたが一週間ぐらい連続でこれが続くので少々うんざりしていました。
ある日、やはり12時頃に、ガチャガチャっと音がしたので、すぐに玄関に行ってみた、するとそこには
ドアノブの音は止んで、今度はスチョン・・・スチョン・・・と妙な音が鳴っていた
ドアの鍵(サムターンという楕円形のやつ)がびくびくと動いているのです
よく見ると郵便受けの方から白い異常に細長い腕のようなものが伸びてサムターンに触れており
その白くて長い腕によってサムターンが開錠の方向に回りそうになって、途中で力尽きてまたもどる、
このとき、スチョン・・スチョン・・という音がしいていたのです。
白い腕は何ものなのか、誰がドアの向こうにいるのか、その時の私には怖すぎてそれを考える余裕は
全くありませんでした。
ただドアノブをガチャガチャ回していたやつが、鍵がかかっていて開かないので今度は鍵を開けようと
している!!!
そう理解した私は思わず大声をあげてしまいました。
すると白い腕は消え、サムタ−ンの動きは止まりました、が、私は朝までドアを見張っていました。
(2/2)
次の日から私は普段掛けなかったチェーンロックも掛けるようにしました。
その日は夜に何もありませんでしたが、その翌日の深夜12時、私は不意に妙な音を聞き増した
ガラン、と玄関の方で音がしたのです
チェーンロックが外れた音だ! 私は慌てて玄関に突進、するとそこには先日同様、白い長い腕と、
スチョン・・・スチョン・・・と音を立てて動くサムターンが
今にも90°回転して解錠しそうになっているサムターンを見て私は大声で「誰だ!」とわめきました
するとサムターンは動きを止めました。
私は翌日から同じアパートの2つ隣の先輩の部屋に転がり込んで寝起きし、また不動産屋に
新しい物件の紹介を頼みました。
引っ越しが翌日に迫ったある日、深夜の12時ころ先輩と一緒にコンビニで買い物をして来たのですが
ドアを開けたまま先輩としゃべっていると、私の元の部屋のあたりから、ガチャンと音が
誰かが今、ドアをあけて、夜中の12時に私の部屋に入ったのだ
先輩も本気で怖くなり、その日は二人で飲んで朝まで騒ぎました。、
翌日は引っ越し屋に荷物の運び出しも全部やってもらって(入ってすぐなので殆ど荷物はない)
その部屋には二度と入りませんでした。
先輩とはその後、卒業までその話をすることもありませんでしたが、京都のあのアパートは絶対に
何かいたと思います。
部屋のいわくとかは不明です
【了】
129 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
37本目の蝋燭が消えました・・・
可部 ◆7vU/OMinzsさん、ありがとうございました
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濡れ鼠◆B3nPnRjnc6さん、第38話をお願いします
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語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
130 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第三十八話】濡れ鼠◆B3nPnRjnc6様【自販機】
(1/4)
自販機。
人が住んでいる場所には大概ある文明の利器。
現代においてはむしろ見かけない場所を探すほうが難しいかもしれない。
でも中には何でこんな場所に、と思うような場所にも佇んでいる事がある。
山奥、人気の無い道沿い、トンネルの近く等々。
買う人間なんているのか?という場所に置いてあるのを見ても、そこは余りに見慣れたもののせいか不思議がる人は少ない。
ある夏の晩だった。
車で遠出したはいいものの、細い山道に入り込んでしまい迷っていた。
煙草を蒸しながら地図と睨めっこするが、現在地が皆目分からない。
付近に民家も無ければ、車で通る人もいない。
途方に暮れていると少し先に自販機が見えた。
喉も渇いたし丁度いいや、と硬貨を投入してコーヒーのボタンを押すがうんともすんとも言わない。
返金レバーを捻っても反応なし。
131 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/4)
「冗談だろ?おい!」
幸いにも自販機に連絡先の電話番号があったのでかけてみると、対応した相手は始終申し訳なさそうに謝ってきた。
どうやらすぐに来てくれるそうだ。
ついでに大通りに出る道でも教えて貰えないかな〜、などと虫のいい事を考えながら煙草を蒸している時だった。
「やだぁぁぁぁぁああああああ!!!」
耳を劈く様な叫び声が聞こえてきた。
ぽとりと煙草を落として慌てて周囲を振り返るが誰もいない。
気のせいか、と再び煙草に火をつけようとした矢先。
「かえして・・・・・・かえしてよう・・・・・・」
今度は暗闇の中で耳元に誰かが話しかける声。
ヒュっと声にならない悲鳴を上げて、無意識のうちに明るい方へ。気が付くと自販機に背を預けてへたりこんでいた。
暗闇からスーッと白い、細い何かが伸びてくる。
その暗闇からは尚も
「ねえ・・・・・・かえ、して・・・・・・」
という背筋がざわつく様な声。
132 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(3/4)
ファーーーーーーン!
そんな大音響と光が山道に飛び込んできたとき、ふっと息が軽くなったのを感じた。
一台の車、自販機にジュースを補充する時に見かけるようなトラックのライトがこちらを照らしていた。
「大丈夫ですか?」
慌てて運転手が駆け寄ってきて抱え起こしてくれた。
何分経ったのかは覚えていないが、こちらが落ち着くのを見計らって運転手が
「自販機からお金が出て来ないって聞いてきたんですが」
と切り出してきた。
実は、と説明をすると運転手は申し訳なさそうに謝って、すぐにガチャリと鍵で自販機を開いてくれた。
何気なく自販機を覗き込んで、ぎょっとした。
自販機の裏。
そこにはびっしりと御札が貼り付けてあったのだ。
その後、運転手はお金を渡しながら、大通りへの道順を丁寧に教えてくれた。
そして別れ際に、ここは出る所だから近付かない方がいい、とも。
133 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(4/4)
後で知ったのだが、昔、その自販機から少し入った山の中で女の子の遺体が捨てられていたのが見つかったらしい。
乱暴されて殺され、見つかった時には獣に食い荒らされていたのだという。
皆は人が通らないような場所で自販機を見かけた事は無いだろうか。
そんな自販機を見つけたら注意した方がいい。
それはもしかするとジュースを売るためではなく、別の目的で置いてあるかもしれないのだから。
[了]
134 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
3本目の蝋燭が消えました・・・
濡れ鼠◆B3nPnRjnc6さん、ありがとうございました
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ヤプール ◆MY/4W00M4Mさん、第39話をお願いします
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135 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第三十九話】 ヤプール ◆v0h8dExI/ytY 様 『卒業アルバム』
小学校6年の冬休み明け、当時学級委員だった私は卒業アルバムの作成に携わっていた。
修学旅行で撮られた写真を集め、ある程度大まかな配置が決まった時のこと、一枚の写真に異変があることに気付いた。
高台から望む景色をバックに取られた写真。生徒の脚と脚の隙間に、見覚えのないヒゲの生えた男が顔を覗かせている。
地面から直接生首が生えているような不自然さ。
例によって後ろは崖っぷちで、人が立つ場所なんてなかったはず。
これはきっと写っちゃいけないものだ、と思った私は、写真を変更するように言った。
他の生徒は気づいていなかったため、怖がらせるのもアレなんで理由はごまかして。
その写真を入れ替えたのを最後に、修学旅行のページは完成となった。
しかしその後、完成したアルバムを見てギョッとした。
全く別の写真に、またあの男が写っている。
場所は修学旅行…ではなく、普通に学校で撮られたもの。
全身写っていたため心霊写真とは一概に言い難いが、学校にそのような人物はもちろんいない。
しかし何より怖かったのは、両方の写真に共通して写っていたのが自分だけだったということだ。
【了】
136 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
39本目の蝋燭が消えました・・・
ヤプール ◆MY/4W00M4Mさん、ありがとうございました
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さて、先程神隠しにあった三十四話『オシラサマ』ですが
無事に戻ったようでございます。
再度神隠しに会わぬように、さっそく紹介させていただきましょう
ヨサック◆skAMDOCpdQさん、お願いいたします
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137 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第三十四話】ヨサック◆skAMDOCpdQ『オシラサマ』
(1/2)
曾祖母の実家では昔、オシラサマを祀っていたそうだ。
曾祖母がまだ幼い頃、この家の息子(曾祖母の兄)が日露戦争に召集され、家族皆でオシラサマに「息子を守って下さい」とお願いした。
息子が出征してから間もなくのある晩。家族で居間にいると、廊下の方から音がする。
コトリ、ちりん。コトリ、ちりん。
何事かと様子を見に行くと、廊下側の障子に月明かりで影が映っている。
小さな二つの影。
それが玄関の方へ少しずつ移動しており、動く度に音が鳴るようだ。
オシラサマの御神体は、桑の木に幾重にも着物を着せてあり、鈴が付いている。そして二体一対だ。
「これはオシラサマが息子を守って下さりに出掛けるのでは」
家族皆で障子の影に手を合わせたという。
息子の出征中、その様な事が度々あったそうだ。
138 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
やがて戦争が終わり、息子は無事に帰って来た。
息子の話によると、戦場は203高地だった。日露戦争最大の激戦地として有名になる場所で、息子も何度も死を覚悟したという。
ところが「これは絶対に当たった!」と思う様な軌道の弾丸も、何故か当たらない。周りの戦友が次々と倒れる中、自分の体だけ弾が避けて行く様だった。
そして、そんな時には必ず鈴の音が聞こえたそうだ。砲弾の雨の中不思議な程鮮明にちりん、ちりん、と。
あぁオシラサマだ、と息子は思ったという。
その話を聞いた家族は何とありがたい事だ、とオシラサマに手を合わせた。
しかし、よく見るとオシラサマの様子がおかしい。
神棚から御神体を下ろしてみると、幾重にもなったオシラサマの着物全てに、焼いた鉄串で刺した様な小さい焦げ穴が、無数に開いていたそうだ。
【終】
139 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
無事34本目の蝋燭が消えました・・・
ヨサック◆skAMDOCpdQさん、ありがとうございました
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それでは続いて
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、40話をお願いします
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140 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第四十話】 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『ウツボカズラ』
(1/2)
知り合いの話。
彼女は一人暮らしをしているのだが、ある時酷く体調を崩してしまった。
それまで病気らしい病気などしたこともない超健康体だっただけに、皆が驚いた。
久方振りに病院へ行ってみたが、どうにも原因が特定出来ない。
その内に出歩くことさえ億劫になり、今でいう引き籠もりみたいになってしまった。
そんなある日、見舞いに来た友人の一人が、奇妙なことを言い始めた。
「これが凄く怒ってる。体調悪いのも、多分それが原因」
そう言って指差したのは、ウツボカズラの鉢だった。
昔、観賞用にどうぞと貰った物だ。
種類はよく知らないが、一つだけ付いている大きな捕虫袋が枯れかけている。
「そう言えば、しばらく世話が雑になっていたわ」と思い出す。
「この個体、とても個性が強いというか、普通は無い力を持っているみたい。
世話を欠かさないようにして、機嫌を取って」
言われた時は「変なことを言うものだ」と思ったが、どうせ今は部屋で寝てばかりだ。
素直に従い、食虫植物の世話を厚くしてみた。
141 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
捕虫袋の状態は目に見えて回復していったが、不思議なことに、それに歩調を併せる
ようにして、彼女の具合もぐんぐんと回復していった。
「へー、あの子の言ってたこと、本当だったんだ」
不思議なこともあるものだと、感心したのだという。
話を聞かされてやはり感心する私に向かい、
「でもね。今、ちょっと困ってる」と彼女は打ち明けた。
あれ以来、少しでも袋の調子が悪くなると、連動して彼女の具合も悪くなるように
なってしまったのだそうだ。
「アレで抗議のやり方を憶えてしまったのかなぁ。
旅行とかで家を空けた時なんか、ほんの数日で覿面に身体が不調になるの。
もう今は、ウツボカズラの健康状態が気になって遠出も出来ないし、毎日のように
ご機嫌伺いしている状態よ。私じゃなくて、あっちが御主人様みたい」
当時に比べて倍近く成長した捕虫袋の写真を見せてくれながら、彼女はそう嘆いた。
【了】
142 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
40本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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50 ◆4gJVpc7IX.さん、第41話をお願いします
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143 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
大雨の先に。
(1/3)
僕の友人Aは色んなものを見る。
運転していたとき、目の前に飛び出されたとか
元働いていた職場が霊道になっていて、店内を色んなものが通るとか。
僕も僕で家が神社に仕えていた家系らしく。
たまに変なものをみたり、声が聞こえたりする。
これは、そんな2人で出かけたある夜の話。
その日は、新年度も始まってすぐ。
地元から2時間ほど離れたホールに演劇を観に行った帰りだった。
そのホールに向かう道路には2つの大きな国道がある。
1つは、一度海側に出て海沿いをひたすら走る国道。
もう1つはひたすら山の中を走っていく国道。
地元が山で、海沿いの国道よりも山沿いの国道が近いし渋滞に巻き込まれることもないとあって、
僕ら2人でホールに行くときは、たいがい後者の国道を使うことが多かった。
ただし、その国道は道沿いでの心霊の噂も絶えないような道でもあった。
144 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/3)
演劇を2公演観たあとということで、帰りの時間はすっかり夜になっていた。
さらに運の悪いことに、その日はとてつもなく天気が悪かった。
春の嵐よろしく雨風が吹き荒れ、ホールの出入り口から目の前に駐車した車に乗り込む
たった数十秒でさえ全身びしょ濡れになってしまうほどの悪天候だった。
視界も最悪。
いつもなら山沿いの道は街灯も少なく、道も細い。
天気が悪くておまけに夜ときたら怖くて、遠回りでも海沿いの国道にわざわざ遠回りするのだけれど、
何故かこの日だけはしなかった。
今思えば、その時点で何かに呼ばれていたのかもしれない。
とりあえず、真っ暗な道を僕の運転でひたすら進む。
視界は相変わらず最悪、車内にも雨が車に叩き付けられる音が響いている。
道中は酷かったけれど、その時の僕らは演劇の興奮が覚めやらぬ状態で、
外の悪天候なんて気にもしていなかった。
ホールから車を1時間ほど走らせた頃、Aと遊ぶときの恒例で、演劇の興奮は
いつしかどこどこで何を見た、とか、僕のバイト先に出る女の子の霊の話だとか
心霊話にすり替わっていた。
外は、先ほどまでの大雨はどこに行ったのだろうと思えるほどましになり、
逆に気温が下がったのか霧が少し出始めていた。
そんな頃、昔からの住宅街の細い道を抜けた先にあるカーブにさしかかった。
そのカーブを曲がった所に交差点があるのだけれど、少しXのように斜めに交差している。
周りは田んぼで見通しがよく、信号はこちら側が青。
ほどほどにスピードを保ったまま交差点に進もうとした。
そう、「した」のだ。
そこまで、楽しく話していた2人が同時に固まった。
目に見える光景が信じられなかったのだ。
そこには道が無かった。
145 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(3/3)
いや、正確にはあった。
ただ、自分が記憶していた方向とは明らかに違う方向に伸びた道だった。
僕「えっ?!」
A「え、っちょ、えぇ?!」
僕は思わず交差点の真ん中で急ブレーキを踏んだ。
明らかにXの形の交差して出来たくぼみの部分に道が伸びていたのだ。
本来ある筈の道は目を凝らさないと見えないほどだった。
数秒凝らして本線を確認すると、ようやく徐行運転で交差点を通過した。
通過したあと、
A「何か伸びてたよね?あんなところに道なんてあったっけ???」
僕「ないないない」
A「見たらダメなものをみた気がする…」
僕「同じく…」
さすがに怖くなり、いつもより早い段階でもう1つ下に伸びる明るい県道へ降り
その日はなんとか無事に家に帰りました。
後日談だが、この日の事をAと話していた所、
A曰く「実はあの時、本当の道が全く見えてなかったんだよね」
あの道が伸びていた方向には、かなり大きく頑丈な看板が1つ立っていて、
もし運転していたのがAで、もし気付かずあのスピードで突っ込んでいたら。
その可能性を想像すると本気で怖くなる。
機会がなくて最近はあの国道を通っていないのでまた道が見えるのかはわからないし
あの道の先に何があったのかも知ることは出来ない。
ちなみに、「なんとか」無事に帰った、というところでも、
実はその道を見たあとの道中で、Aの体の一部が麻痺したり、
僕が脚だけが横の歩道を歩いているのをみたりなんて色んな不思議現象もあったのだけれど。
これはまた別の機会に。
[了]
146 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
41本目の蝋燭が消えました・・・
50 ◆4gJVpc7IX.さん、ありがとうございました
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葛 ◆PJg/T8DlUQさん、第42話をお願いします
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雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
147 :
葛 ◆PJg/T8DlUQ :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:LMkZGz9sO
【第四十二話】
「約束」1/2
近所に若い夫婦が引っ越してきた
若いながらもしっかりした2人で、5歳になる娘をそれはそれは可愛がっていたが、ある時重い病気にかかった娘が亡くなってしまった
娘は死の間際両親に、「もう一度パパとママの子供になりたい」と告げ、夫婦は涙ながらに「もう一度パパとママの子供に生まれてきてね」と答えたという
夫婦は娘を失ったショックからしばらく放心状態だったが、2年後に娘が生まれ、それから更に5年後には息子も生まれ、どうにか立ち直ったように見えた
…が、それからしばらくして、夫婦の態度がどうも娘に対してよそよそしいようだと噂になった
それどころか、娘に対して怯えているようにさえ見えると
それはきっと、一度娘を亡くした負い目からだろうというのが周囲の見解だった
やがて娘は成長し、大学に合格して家を出て行った
そんなある日、祭りの準備で地域の住民が集まった中に、珍しく酔いつぶれた父親の姿があった
「珍しいですね」
そう水を向けると、べろんべろんに酔っ払った父親は赤い顔でこちらを見た
「…今日は娘が帰ってくるんですよ」
それなら尚更早く帰ってやればいいのに、と言うと父親は泣きそうな顔で首を振った
「……娘が、怖いんです……」
普段ならそんなことを口にしないであろう父親のその言葉に、今まで感じていたことは気のせいではなかったのだと、少しばかり好奇心がわいた
祭り前の喧騒を避けるように小さな声で問う
「一体どうして、そんなことを…?」
しばらく沈黙があってから、父親は重い口を開いてぽつりぽつりと話し始めた
148 :
葛 ◆PJg/T8DlUQ :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:LMkZGz9sO
「約束」2/2
それは、娘が5歳の時だったという。突然娘が母親にこう告げたのだそうだ
「約束通り、もう一度パパとママの子供に生まれてきたよ!」と
それを聞いて感動のあまり泣き崩れる夫婦に、娘は笑顔で続けた
「本当はね!弟が来るハズだったんだけど、代わってもらったの!」
「代わってってお願いしたの?」
そう問う母親に、娘は笑顔のまま、
「ううん!殺したの!」
凍りつく夫婦に、娘は無邪気な笑顔でにっこりと告げる
「だからママ、今度は弟を生んであげてね!」
「…実際妻は、妊娠初期は男児だろうと言われていたのに、誤診だったとかで途中から女児だと言われていたんですよ」
父親は重い息を吐いた
「…その後すぐに妻の妊娠が判明して。それが男の子だったんですよ……」
そして、と父親は続ける
「…生まれてきた息子は、姉である娘に対して異常に怯え、小さい頃なんて娘の姿を見ただけでひきつけを起こすほど泣いていたんです…」
父親は残った振る舞い酒を飲み干し、疲れたように立ち上がった
「私たちは罪深い。私たちが娘にあんなことを約束したばかりに、私たちは二人も子供を殺してしまった…」
「……二人?」
どういう意味か問うと、父親は小さく笑った
「……息子は、双子だった筈なんですよ」
終
149 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
42本目の蝋燭が消えました・・・
葛 ◆PJg/T8DlUQさん、ありがとうございました
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◆YOr6NlCbD6さん、第43話をお願いします
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雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
150 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第四十三話】 ◆YOr6NlCbD6 様 『彼女』
友達が東京に隣接するある県の古民家?を借りた
遊びに行ったら土間のある平屋だった
「ここの一番いい所は土間に単車入れられるのさ」と自慢していた
「俺ここ借りてから彼女できたんぜ」
ふーんうらやましいなおい酒飲む前に買出し行こうぜと
近くはないコンビニまで走ってアルコールを購入
つまみも買おうと言ったが「彼女に任せろ」と自慢された
でもレモンをかけたシラスが好きなのでそれを買った
その晩彼女は現れなかった
友達とは今だにツーリングで会うがあの日から彼女は帰ってこないらしい
【了】
151 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
43本目の蝋燭が消えました・・・
◆YOr6NlCbD6さん葛 ◆PJg/T8DlUQさん、ありがとうございました
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キツネ ◆8yYI5eodys、第44話をお願いします
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152 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第四十四話】 キツネ ◆8yYI5eodys 様 「指差し」
(1/4)
皆様は町で変な人を見かけて指差した事はございませんか?
その時に「人を指さしちゃだめでしょ!」と親からこっぴどく怒られたことはございませんか?
もしもこれまでに人を指差したことがある方はご注意くださいませ。
次は……貴方の番かもしれませんので。
先日、友人が遊びに来た時の事。
その日、友人は約束の時間よりも大幅に遅れてやって来ました。
なにやらひどく怯えた様子の友人。
ひとまずは落ち着かせようと缶ビールを渡し、私もグビリと喉に流し込みました。
何分経ったのか、友人はようやく口を開いてくれたのでございます。
人が飛び降りるの見ちゃった、と。
それから友人はビールを一口飲み、ポツリ、ポツリと語り始めました。
事の発端は友人が大学のサークルの先輩から聞いた話だそうで。
合宿で後輩を怖がらせて楽しんでいた先輩の話に「指差し」という話があったといいます。
先輩曰く、人を指差した者は人から指差された時に死ぬのだそうです。
その時、指差す者は必ず瞳の部分が白く濁っているとか。
153 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(2/4)
そのサークルの何代も前の先輩の話。
その先輩が山道を運転中に指差した先で、対向車がいきなり崖から転落したそうです。
それからしばらく経った講義中のこと。
彼は教授から質問に答えるよう指名された時。
指差された彼は急に身体をガクガクと痙攣させて倒れ、そのまま亡くなってしまったそうでございます。
同じ講義を受けていた学生の何人かが言うには、「指差した教授の目が白く濁っていた」と。
また、別の学生が友人と旅行した時の話。
仲間内の1人がデジカメで写真を撮った時に変なものが写っていたそうで。
それは見知らぬ女で、白く濁った目でニタァ、と笑ってカメラを指さしておりました。
それから程無くして、写真を撮った彼女は旅行先の海で溺れ死んでしまったのだそうでございます。
彼女の友人が言うには、彼女は旅行のしばらく前に誰かを指差していたのを見たのだとか。
そしてその際……彼女の目がドロリ、と白く濁ったように見えたとも。
こんな話もございました。
ある先輩がとあるアニメを見ていた時の事。
ふと、画面を指差して仲間と話していた次の瞬間、アニメの中のキャラが首から上を食い千切られて死んでしまう。
それから数日経って、その先輩は部屋で亡くなってしまった。
亡くなった彼の机の上にはとある推理マンガが置かれており。
犯人を指差すコマ、ちょうど読者を指差すような構図のコマの主人公の目が、白く塗り潰されていたのでございます。
友人の聞いた話を集約すると、
1.誰かを指差した時に目が白く濁る
2.1を満たした者は白い目の誰かに指差されると死ぬ
3.二次元、三次元を問わない
……という事のようでございます。
154 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(3/4)
そんな話を聞かされた友人は、聞いた当初は全く信じておりませんでした。
ですが、つい先日の事。
友人が大学の構内で仲間と駄弁っていた時でした。
友人は構内に住んでいた1匹の猫を指差したそうです。
どうも友人はそんなつもりは無かったらしいのですが、
仲間から「あの猫がどうしたんだ?」と訊かれて初めて、自分が猫を指差しているのに気付いたのだとか。
そして……その目が白く見えた、ニタニタと笑っていた、とも聞かされたのだそうでございます。
ここまで話して、友人は2本前の缶ビールを開けると、
「実はさっきまで、警察から色々聞かれててさぁ」
そう切り出して、また、ポツリと話し始めました。
数時間前、友人は私の家に向かって歩いておりました。
友人の家から私のアパートまでは歩けば数分の距離。
ふと、酒のツマミでも買って行こう、と逆方向のコンビニに向かうことにしたそうです。
さて、コンビニに入ろうとした矢先。
店内から出てくる若い女性がすーっ、と前触れもなく友人を指差しました。
―――瞳が膜を張ったように白く濁っている!
そう気付いた瞬間、友人はバッ!と後ろを振り返りました。
猫の一件で神経が過敏になっていたのでございましょうか。
さながら、指を差されたのは自分じゃない!とばかりに思いっきり振り返ったのだそうです。
そうしてふり返った先。
バタン、ともズドン、ともつかない大きな音と共に、人の身体がコンクリートに頭からねじくれて叩きつけられるのを見てしまったのだそうでございます。
155 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(4/4)
「で、コンビニの店員が通報して、さっきまで警察に色々聞かれてた」
そう締めると、友人はグビリと喉を鳴らしてビールを呷りました。
以上が、先日友人から聞かされた「指差し」に纏わる話でございます。
これを読んだ皆さま。
これまでの人生で誰かを指差した事はございませんか?
指差した事があるのでしたらご注意を。
もしも白い目で誰かを指差していたとしたら。
次に指差されるのは貴方かもしれません。
―――白い目で見られ、ニタニタ笑われながら指差されることがございませんよう、ゆめゆめご注意くださいませ。
【了】
156 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
44本目の蝋燭が消えました・・・
キツネ ◆8yYI5eodysさん、ありがとうございました
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妖場K ◆ws148WRg2Aさん、第45話をお願いします
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157 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第四十五話】 妖場K ◆ws148WRg2A 様 『ヘッドホン』
(1/2)
高校時代、バンド組んでたことがあった。
ある日、メンバーと練習スタジオに入ったんだが、ギターのNがケーブル忘れたんだよね。
で、ちょっと借りてくるって出て行って、戻ってきたNの手にはケーブルとなぜかヘッドホン。
どうしたんだよって聞いたら、どうもパクって来たらしい。
本当はケーブルもレンタル代払わなきゃいけないんだけどさ、顔なじみの受付の兄ちゃんに言ったら、
忘れ物のヤツなら内緒でタダで貸してやるって落し物ボックスごと渡されたって。
それでごそごそ探ってたら底の方に埋まっていて、
兄ちゃん電話中で見てなかったからこっそり服の下に突っ込んで持ってきたと。
そのヘッドホン、買えば2万はするプロ用のやつでさ、
やべーよとか、俺に寄越せとか一悶着あったんだが結局Nは返さずに持ち帰った。
それからなんだよね。Nがおかしくなったのは。
どこに行くにも持ってくるようになったのはまあいい。
その内、会話中だろうがなんだろうが常に耳から外さなくなってきた。
音は消してたみたいだけど、さすがに不愉快だから止めろって言ってもニヤニヤするだけで聞きやしない。
遂には学校の授業中にすら外さなくなってさ。
先生方も怒って無理矢理取ろうとするんだけど、Nはもう金切り声で泣き叫んで暴れるもんだからどうしようもなくてさ、
底辺高校だったし、そのまま黙認されてたんだわ。
だけど、期末テストの日、テスト中は何が何でも外せって先生と口論になって、
生徒もうるさいしイライラしてたもんだから早く外せよってそれに乗っちゃったんだよね。
で、先生がコード引っ張った途端、ヘッドホン差し込んでたMDプレイヤーが落ちて開いた。
158 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(2/2)
中身なかったわ。
Nはいつも何聞いてたんだよ。
周りがドン引きしてるその隙に、Nは先生の手振りほどいてどっか走って行っちゃった。
その後すぐだったよ。パーンというか、ドーンと言うか、窓の外で衝撃音がした。
N、屋上から飛び降りてた。
もう騒然だよ。即死だった。
頭からいったみたいで頭部は原型ない程潰れてたらしい。
でさあ、ヘッドホンは壊れて吹き飛んでたんだけど、両耳が千切れて中に残ってたって。
それ聞いて思ったね。
あ、持ってかれたな。
【了】
159 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
45本目の蝋燭が消えました・・・
妖場K ◆ws148WRg2Aさん、ありがとうございました
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かーん ◆UiIW3kGSB.さん、第46話をお願いします
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160 :
かーん ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第四十六話】
『営業妨害』(1/2)
私が中学生の頃の話です。
振替休日や長期休暇、クラス替えの前やクラスが変わった後など何かにつけてよく遊園地に行っていました。
ジェットコースターが苦手で何回も連続して乗れない私の一番の楽しみはお化け屋敷でした。
オカルトが好きな皆様なら分かると思いますが、お化け屋敷って割と脅かしポイントが分かりやすいですよね。
機械仕掛けなら尚更。
あの頃の私はそういうポイントが来る前にフライングで驚いた声をだし一緒に悲鳴を上げた後
何もないと安堵した連れが本来の仕掛けに更に驚くのを見るのが好きで…今思えばかなり性格悪いですね。
それも何回も繰り返せば、本当に怖いのが苦手な子は私と一緒に行きたがるようになっていました。
私が悲鳴を上げた後目を瞑っていれば何も見ずにすむからでしょう。
折角のグループデートだったりしてもお化け屋敷に入る時、私の周りは女子ばかりでした。
その日は転校してしまう子のお別れ会で遊園地に来ていました。
基本アトラクションは全制覇するものと決めている私達は大人数で順番に乗り物を制覇していきます。
勿論お化け屋敷もです。流石に人数が多いので3〜4人一組で順番に行くことに。
私も3人を連れてお化け屋敷の中に。後ろと両隣からガッチリホールドされながら先へ進んでいきました。
今回も例に漏れずフライングで驚いてみたり意味ありげに立ち止まって後ろを凝視してみたり…
だんだんと強くなっていく彼女達の力に痛い痛いなどと言っていたら
もうルートも終盤なのかこちらがフライングする暇もない程仕掛けがラストスパートをかけてきます。
出口が見えてきたところで地面が振動する仕組みになっているこのお化け屋敷。
立ち止まらせるような仕掛けがされていて、彼女達の握力も最高潮に。
もう痛いと言っても力を緩めてくれません。
一番辛いのはフードでした。もう先に行きたくないのかぐいぐいフードをひっぱってきます。
首がしまって苦しいけど両腕はホールドされてて何も出来ず、
散々驚かしていた手前ここで倒れたら洒落にならないと3人を引きずってなんとか外へ。
161 :
かーん ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(2/2)
先に出発していた組を合流して安心したのかもうフードも引っ張られず両腕も自由になったので
存分に急き込んだ後にフードは勘弁してよ〜死ぬかと思ったって後ろにいた子に言ったんです。
そうしたら私の右腕をおもいっきりつねっていた1人が変な事を言うんです。
「○○(私の後ろにいたはずの子の名前)なら途中から私の横にいたよ」
するともう1人も
「だから4人並んだら狭い!!って言ってたのか。××(私)と一緒に驚かそうとしてるのかと思った」
「だって後ろに1人って怖いんだもん。無理無理」
確かに、通路せまい!!なんて騒いだりしていました。でもそれは割と序盤だった気もする。
じゃあ誰が、あんなに強く私のフードを引っ張れるのか、どう考えても後ろには誰かがいた。
そう思うともう恐怖はぬぐいきれません。
散々驚かせてきた前科がある為当たり前ですが、
誰かにフードを引っ張られてて息が出来なかったの!!と言っても誰も信じてくれませんでした。
それから何度かそのお化け屋敷に行く機会があったのですが、変な事は起こっていません。
私も脅かしポイントの予想や、一緒にいる人を驚かすなんてことはその日からやらなくなりました。
驚かされる側が驚かすなんて事やったらダメですね。営業妨害もいいところです。
皆さまもどうぞお気を付け下さい。
【了】
162 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
46本目の蝋燭が消えました・・・
かーん ◆UiIW3kGSB.さん、ありがとうございました
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葛 ◆PJg/T8DlUQさん、第47話をお願いします
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163 :
葛 ◆PJg/T8DlUQ :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:LMkZGz9sO
【第四十七話】
「夏」
大学入って知り合った先輩が偶然同じアパートということで、急速に親しくなった
先輩は入学と同時に生活費のためと始めたパチンコ屋でのバイトが性に合っていたらしく、上からも気に入られ、「まさに天職」とよく言っていた
そんなある冬の日、インフルエンザが蔓延していたこともあって駐車場整理の人手が足りなくなり、急遽先輩がそちらを手伝うことになったそうだ
雪のちらつく中、これでもかと防寒対策をした先輩は、通路に立って車の誘導を始めた
特に問題なく仕事をしていたが、そのうちやけに暑くなってきたそうだ
汗が吹き出て喉がひりつくように渇き、最初先輩は「熱でも出たんじゃないか」と思ったそうだ
しかし寒気もない。体の内側が暑いのではなく外が暑いと思った先輩は、慣れない仕事をして緊張しているせいだろうと、上着を脱いだ
それでも、雪が降っているというのに涼しくならない
喉の渇きが限界に達した先輩は、ジュースを買いにその場を離れた
最初はそうでもなかったが、自販機の前に着く頃には寒くて寒くて仕方がなかったそうだ
でも持ち場に戻ると暑い。次第に先輩は暑さでぼーっとしてきたのだという
暑い…暑い…と譫言のように繰り返しながら、少しでも涼を取ろうと服を脱ぎ始めた先輩の異変に気付き、同僚が駆けつけて来たそうだ
「…俺は覚えてないんだけど」
そう前置きし、先輩は言った
先輩は同僚の腕を掴み、
「あつい…あついよ…たすけておかあさん…」
と言ったのだという
救急車で運ばれた先輩の病名は、熱中症と脱水症状だった
「今は駐車場作り直して通路になってるけど…やっぱり、うちの店になる前にあったらしいよ、車内放置」
それ以降、あれほど天職だと言っていた先輩はパチンコ屋のバイトを辞め、小さな企業に就職した
先輩は、今でも時々あの暑さを思い出すという
終
164 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
47本目の蝋燭が消えました・・・
葛 ◆PJg/T8DlUQさん、ありがとうございました
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ヤプール ◆MY/4W00M4Mさん、第48話をお願いします
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165 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第四十八話】 ヤプール ◆v0h8dExI/ytY 様 『一夜限りの守護霊』
(1/3)
今までで一番命の危機を感じた話。
私の家は昔農家をやっていて、その時使っていた倉庫をとある会社に貸していた。
4年ほど前、この倉庫で事件が起こった。
その倉庫を借りていた会社は、まぁ従業員は全部で4人しかいないのだが、だいたい6時頃には仕事を終えているのが普通だった。
しかしその日は、9時頃に自分が倉庫の前を通った時にも電気がついていた。
「電気の消し忘れかな?」と思い、合鍵を持って倉庫に入ると、中では一人の従業員が重そうな荷物を抱えていた。
なんでも掃除をしていたのだとか。
こんな時間にひとりで掃除?と少し不思議に思ったものの、「ちゃんと後始末しておいてくださいね」とだけ伝えて家に戻った。
その日の夜、時間にして0時半くらいだったと思う。
ふと目を覚まし、何かの気配を感じて窓際のカーテンを見るとかすかに揺れた気がした。
窓は締め切ってエアコンもつけていないのに。
そして正面を向いた瞬間、明らかに生気を失った顔をした長身の女性と目があった。
服が現代的なことを除けばいかにもな幽霊。
女性はこちらを見下すように睨みつけており、私は恐怖で体が動かなかった。
金縛りだ。頭のてっぺんから指の先までピクリとも動けなくなってしまった。
166 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/3)
すると今度は、廊下の方から足音が聞こえてきた。
ギシ…ギシと、ゆっくり、だが確実にこちらに何者かが迫ってくる。
そして私の部屋の前で立ち止まり、ゆっくりと扉を開けた。
が、扉はすぐにしまってしまい。今度はやや足早に去っていく足音が聞こえた。
気づけば金縛りも消え去り、あの女性もいなくなっていた。
一体なんだったのかと思いつつも、とりあえず身の安全が確保できた音に安堵し、その日はそのまま寝た。
翌日、仕事から帰ってきた私は倉庫の周りに警察が集まっているのを目にした。
なんと、あの倉庫の中で、死体が見つかったそうだ。
そして容疑者として捕まったのが、あの時倉庫に残っていた従業員。
じゃああの時の荷物は…なんて考えていると、警察の人が
「なんでも昨日、あなたの家にも侵入したそうですが、何かお気づきになりましたか?」
と聞いてきた。
そう、あの夜聞いた足音の主はあの従業員だったのだ。
死体を隠す現場を見られたと思い、私を「後始末」しに…?
167 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
3/3
では、なぜ彼は私の部屋の前まで来て引き返してしまったのだろうか?
警察いわく、今朝早く自首しに来たらしいが、ひどく怯えていてしばらくまともに話せなかったとのこと。
おそらく、彼も見てしまったのだろう。あの夜私が見た女性の幽霊を。
いや、見ただけならまだマシか。最悪の場合は…。
翌朝、新聞で見た被害者の顔は、あの夜見た幽霊に瓜二つだった。
終
168 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
48本目の蝋燭が消えました・・・
ヤプール ◆MY/4W00M4Mさん、ありがとうございました
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たまおさん、第49話をお願いします
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169 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第四十九話】たまお様「モンキーダイブ」
(1/2)
僕が小学生のときの話。 近所に坂があった。
坂を10メートルほど上ると橋が架かっていて、橋を渡ると隣町だった。
橋とガードレールの隙間から斜面に降りると、すぐ地上に出ることができた。
逆に斜面から橋の袂へよじ登ることもできた。
その斜面は、 体が小さい子どもならではの近道だったのだ。
ある日、友達とその斜面に行くと、日本猿の死骸が捨ててあった。まるで通せんボをするように仰向けに倒れていた。
まだ夏だったので腐敗が早く、すでに胸からは蛆が涌き肋骨が見えていた。
やがて死骸は完全に白骨となり、3ヵ 月ぐらいで その骨も風化して自然に消えていった。
あの斜面に入ると猿の呪いがかかる。子供たちの間でそんな噂が広がった。
子供たちにとって斜面は、近道から穢れ地になってしまったのだ。
しばらくして、友達の葉山君があの斜面に行こうと僕を誘った。葉山君は活発で気の強い子供だった。
斜面まで来ると、「呪いなんかあるか、見とけよ」葉山君はそう言うと、立ち小便をはじめた。
かつて猿の死骸があった位置から、アンモニア臭のする湯気が立ち昇った。
数日後、葉山君と橋を渡っていた。そう、あの穢れ地の上にある橋をだ。
170 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
「キッキィィ〜〜ッ!」後ろから何か動物の鳴き声のような音がした 。
ビックリして振り返ると、葉山君がドリフターズのいかりや長助の顔まねをしていた。
白目で唇を下に突きだし、歯を剥き出している。
「なんで、いかりや長助の真似なんかしてるの?」
奇妙に思い葉山君に訊ねた。
「キィ━━━━━━━━━━イッ!!!」
野生動物のように鋭く葉山君が鳴いた。
とても人間が出せる声とは思えなかった。
葉山君がいきなり跳ねた。
まるで器械体操の選手のように、鮮やかなバク転をみせた。
葉山君の体は綺麗な弧を描き、ユックリと橋の下へと消えていった。
恐る恐る橋の上から下を見ると、葉山君は仰向けに倒れていた。
少し平べったくなった葉山君の胸からは、肋骨が突き出ていた。
即死だった。
葉山君は事故死ということになった。
葉山君のお葬式で、葉山君のお母さんのすすり泣く声だけが静かに響いていた。
その声が今も耳から離れない。
【完】
171 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
49本目の蝋燭が消えました・・・
たまおさん、ありがとうございました
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米屋◆YZbG3mcRGIさん、第50話をお願いします
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172 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第五十話】 米屋◆YZbG3mcRGI 様 『婆さんの予知夢』
ここ10年、婆さんが予知夢を見ているという事が発覚しつつある。
うちの婆さんは、学校の成績が常にトップで都会で働くのが夢だったが、婆さんの親が婆さんを田舎に置きたがったため断念。
婆さんは都会で働きたかったと今でも言う。
ただ憧れのあまりか、婆さんは夢の中で都会の会社で働く夢を度々見るようになったらしい。
その夢の内容が、
「キレイな部屋に皆が小さな画面に向かってパチパチと叩いてる。多分高級なタイプライターで二つ折りに本みたいに畳める。」
「夜遅くでも中々帰れない日が続いて、上司に訴えたらハケ?とかいう人を雇ったと言った。珍しい名前だと思った。」
「同僚がパナハラ?パワハナ?とかいうものでノイローゼになった。皆で相談しようとか録音しようとか言う。
その録音機がすごく小さくて驚いたわ」
「シマホはどれがいいかと語り合った。シマホは電話なのに、ビデオも見れるものらしい」
これらの夢の話は、私の母が子供の頃から聞かされていた。45年以上も前。私も聞かされていた。
ハケン?は恐らく派遣社員。折り畳みのタイプはノートパソコン。パワハナはパワハラ。シマホはスマートフォンだろう。
未来の社会の片鱗を、夢を通じて覗き見していたのだろうか。
ちなみにノートパソコンを買って見せた時は、夢と一緒!と大喜び。
いまだに婆ちゃんは夢の話をしてくれる。
最近はシートピーシー(?)とやらをクリアファイルに挟み、、とか、ゼリーの冷蔵庫(??)という話がよく出て来るが、
予知夢かどうかわかる日が来るかも。
【了】
173 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
50本目の蝋燭が消えました・・・
米屋◆YZbG3mcRGIさん、ありがとうございました
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成 ◆0ute.wyqdYさん、第51話をお願いします
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174 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第五十一話】 成 ◆0ute.wyqdY 様 『上の階の住人』
(1/2)
友人は築十何年という古い木造アパートの一階に住んでいた
そんな彼女が引越しを決めた顛末のお話
ある日のこと
彼女はふとのどが渇き冷蔵庫を覗いた
あいにく飲み物の類は切らしており、仕方なくコンビニにでも行こうかと外へ出る
少し歩いてから、何気なくアパートを見上げた彼女は、ぞっとした
彼女の住む真上の階、真っ暗な部屋の中から、こちらを見る人影があったのだ
その影は彼女が見ているのに気付いたように、すっと姿を消した
それからもたびたび彼女はその影を見た
決まって夜外出するとき、見上げた窓の向こうに
だらしなく伸びた長髪と痩せた身体
男なのか女なのか、伸びすぎた髪に隠れて顔立ちまではわからなかった
いい加減不気味に思えてきた頃、たまたま彼女は外で大家さんとばったり会った
ちょうどいいからと、彼女は真上の部屋について聞いてみることにした
「私の上の部屋の人って、どんな人なんですか?……電気がついているところ、あまり見かけないんですけど」
尋ねると、大家さんは不思議そうに首を傾げる
「あなたが住み始める前からずっと、その部屋は空き家のはずだけど……?」
ぞわぞわとした悪寒が背を上ってきた
彼女は不審げな大家さんを無理やりに引っ張って、その部屋に入ってみることにした
175 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
大家さんがかちゃり、と鍵をひねる
中からどたどた、と足音がして、顔を見合わせた
慌てて扉を開けると、締め切っていたはずの部屋からふわりと風が吹いた
家具もない、がらんとした部屋
ベランダのガラス戸が開いている
その手前の畳の上、不釣合いな機械が並んでいた
音響機器のように見えるもの
小さな何台ものモニター
それを見て、彼女は息が止まるような気がした
モニターに写っていたのは、どれも見覚えのある景色
彼女の部屋の様子だったからだ
モニターの前に落ちたヘッドホンに、長い髪が絡みついていた
ヘッドホンが繋がった音響機器らしきものから伸びるコードは畳の下に続いていて、
床下に向けた大きなマイクと繋がっていた
耳を寄せると、知らない声が言った
「ずっと、見てたよ」
真ん中のモニターに、こちらを見る影
にやりとわらった、長髪でやせぎすの男の姿があった
【了】
176 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
51本目の蝋燭が消えました・・・
成 ◆0ute.wyqdYさん、ありがとうございました
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◆YOr6NlCbD6さん、第52話をお願いします
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177 :
本当にあった怖い名無し:2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:h7cKEBsj0
178 :
177:2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:h7cKEBsj0
ああ本当にごめん誤爆
179 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第五十二話】 ◆YOr6NlCbD6 様 『+1(プラスワン)』
某SNSのコミュでツーリングに行く話になった
話は進み関東圏のメンバーでSA集合鰻が有名な県まで行く事になった
知らない人ばかりだったので緊張したけど
同じ趣味の人だから温泉で大はしゃぎした
夕食は個室貸し切りだったけどお膳が一つ多い
でも誰も疑問に思ってない空気
隣の人にこっそり聞いたら「駐車場見て来な」と小声で言われた
見に行ったら単車の数とお膳の数が同じだった
【了】
180 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
52本目の蝋燭が消えました・・・
◆YOr6NlCbD6さん、ありがとうございました
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妖狐 ◆YEG17px67.さん、第53話をお願いします
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181 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第五十三話】 妖狐 ◆YEG17px67. 様 「稀少な幽霊」
大学生の頃の話です。
私は当時、学生専用のアパートで一人暮らしをしていました。
ある秋の晩、夜中に友人と呑みに行った帰りのこと。
その友人は私とは別の学生アパートに住んでいたのですが、そのアパートのある場所は大通りから少し外れた街頭の少ない入り組んだ細い道に建っており、
一年以上住んでいる友人ですら「帰り怖ぇ…」と言うほどの嫌な雰囲気がありました。
その日も「帰りマジ怖いから近くまで一緒に帰らないか」というので、「大通りまでならどうせ一緒だしいいよ」と軽く承諾しました。
私のアパートはその細い道を通り抜けても帰れる立地でしたし、小さい頃からその手のモノは人間と見間違う程よく遭遇していたので、何だかもうどうでも良くなっていたのです。
怖いけど出る時ゃ出るんだから仕方ねぇわ、という一種悟りのような諦めのような心境。
おわかりいただける方も、今宵の参加者の中には少なくないと思います。
そして、帰り道。
出ました、案の定。幽霊が。
それは電信柱の下で顔を覆ってしゃがみこんでいたのですが、私は別の意味で驚きました。
普通に現代的な服装をしたチャラそうな男の幽霊なのですが、白黒とかではなく、透けているわけでもなく、色がないのです。
そして距離感も遠近法も無視して、大きさも今ひとつ判然としない。
顔はブラックホール状態でわからない。
しかもユラユラしてるだけで全く動かず、何がしたいんだかすらまるで分からない。
初めて見るタイプのモノだったので、思わず凝視する私。
「何だアレ!アレの横通んのヤダ!!」と愚図る友人。
それでも何のアクションも起こさない無色幽霊。
アレの横通らないと帰れないんだから見えない振りして通り過ぎろ!と友人に言って早足で通り抜けましたが、何度か振り返ってもソイツは角を曲がって視界から消えるまでしゃがみこんでいました。
その後あの珍種の幽霊に遭遇する事はありませんでした。
正体も全くもって不明。
しかしそれより何より、アレを見た瞬間私に抱きついて来た友人に恐怖して悲鳴が出かけたことの方が、なぜか友人間でのウケが良いのは釈然としません
182 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
失礼致しました。
[了]
でございます。
183 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
53本目の蝋燭が消えました・・・
妖狐 ◆YEG17px67.さん、ありがとうございました
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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第54話をお願いします
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184 :
◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第五十四話】 キツネ ◆8yYI5eodys 様 「乗り合い」
(1/4)
バイト先の先輩に、とても良い先輩がいます。
その人は面倒見が良く、どこかに行く際にはちょくちょく車を出してくれるんです。
一度、よくドライブしたりするんですか?と訊いてみた事がございます。
その時、先輩はニカッと笑って答えました。
「いやいや、1人で車に乗るのは好きじゃないんだ」
意外な答えに首をかしげる私に先輩は続けます。
「人を乗せるのが好きなんだよね」
そう言って笑う先輩。
なんて良い人なのでしょうか。
これはそんな先輩に纏わるお話でございます。
先輩が車を購入したのは2年前。
バイト代をコツコツ貯めて買った中古の軽自動車でございました。
買った当初は1人で遠出しまくったもんだよ、と。
ではなぜ先輩は1人で車に乗るのが嫌いになったのでしょうか?
―――先輩が言うには、先輩の車には「出る」のだそうでございます。
185 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(2/4)
先輩が初めて幽霊の類に出くわしたのは、ある山道を走っていた時の事。
大好きなDragon Ashの曲をかけながらノリノリで走っていたそうです。
とある県境に差しかかった頃。
急にカーステレオが止まってしまいました。
どこか変なボタン触ったかな?と思った先輩は車を止めてステレオの操作盤を見ますが、
表示にも音量にも異常は見られません。
ですが、音が出ない。
帰ってから修理に出すか、と思い車を発進させた時でした。
車内のスピーカーから何かが聞こえて参りました。
き……ら、き……ら、ひ……かっ、る……
しばらく耳を澄ましていた先輩は、そこでようやく女の声だと気付きました。
歌っているのは童謡の「きらきら星」。
それを息も絶え絶えに、時折呻きながらか細い声で歌っているのです。
その事に気づいた瞬間、先輩は背筋に悪寒が走ったと言います。
そして、山道を飛ばす先輩がチラリとルームミラーを確認した時でした。
またもや先輩の背中を悪寒が走りまわります。
ルームミラーの中。
後部座席。
そこには、血塗れの長い髪を全身に張り付かせた女が、子供を抱きすくめる様にして座っていたのでございます。
―――ああ、この母親?が子供に歌いきかせていたんだな。
かすれた歌声と呻き声がスピーカーから流れる中、先輩はそんな事を考えていたのだそうです。
186 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(3/4)
また、ある時の事。
その日、先輩が1人で夜釣りに出掛けていた時の事でございます。
最初の方こそ張り切っていたものの、その日は全く釣れず。
諦めて帰途に着いた先輩は海岸線沿いの道を走っておりました。
ふと、助手席に置いたタバコを取ろうと手を伸ばした矢先。
ズルリ、
と、何かに手を突っ込んだ感触。
助手席に視線を向けたところ。
そこには腐乱して身体がブヨブヨに膨らんだ何かの姿。
視線を上げると、髪が頭皮ごと剥けてぶら下がり、パンパンに膨らんだ顔。
ようやくソレが人の姿だと気付いた先輩は、叫びながら無我夢中で車を走らせたそうで。
どこをどう走ったは覚えておらず、気付いた時には路肩に車を止めて、シートを倒して寝ていたのだそうでございます。
……なぜか、深夜の総合病院前の路肩に。
それ以降、そのブヨブヨと膨れたモノを車の中で見ていないとか。
先輩が言うには、目的地と全然違う場所に車を止めてしまうことが多々あるようで。
そんな時は、車に乗った幽霊の類がいつの間にか居なくなっているとのこと。
また、なかなか降りないのもいるようで。
ある時、トランクに老婆が寝転がっていたのを見た時の事。
真夏で暑いだろうと思った優しい先輩は、トランクを開けておこうとしたそうです。
が。
老婆にひどく睨まれた瞬間、勝手にドアが閉まったそうでございます。
187 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(4/4)
「あのお婆さんだけは今もトランクに引きこもってるみたいなんだよね」
そう言って、先輩はチラリとバックミラーを見ます。
今でもその老婆以外は入れ替わり立ち替わり、違う誰かが先輩の車に乗っているそうで。
時には複数の人影がバックミラー越しに見えるのだそうでございます。
「でも、不思議なんだよね」
先輩は続けます。
「いやさ、誰か他に人が乗ってると、幽霊出ないんだよねえ」
先輩が車を停車させました。
気付くと私のアパートの前。
送ってくれたお礼を言って、私は降りました。
その時、フッ、と生温かい風が先輩の車に吹き込んでいった気がいたしました。
あ、先輩今は1人で車に乗ってる……
ということは、すれ違いに誰かが乗ったのでございましょうか?
今なら先輩が言っていた意味が分かります。
―――人を乗せるのが好きなんだよね
そう、『人』を。
これを読んでいる皆様の車は大丈夫でしょうか。
バックミラー越しに誰もいませんか?
ひょっとして。
見えていないだけで、停車する度に≪何か≫を乗せていたりはしませんか?
【了】
188 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
54本目の蝋燭が消えました・・・
キツネ ◆8yYI5eodysさん、ありがとうございました
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雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、第55話をお願いします
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189 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第五十五話】 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『ホテルの地下に』
友人の話。
彼が高校の修学旅行へ行った時のことだ。
最終日に泊まったホテルは、綺麗だが、どことなく古びた印象を与える建物だった。
風呂上がりに地下へ続く小さな階段を見つけ、そこに居合わせたメンバーで下りてみた。
長い長い階段の先にあったのは、コンクリート造りの牢獄だった。
それも一つや二つではなく、明かりの届かない奥の方まで、鉄格子がずらっと続いている。
慌てて上階へ駆け上り、ロビーにいた先生を呼んで、もう一度あの階段へ向かう。
地下に下りる階段は失くなっていた。
ただ、階段があった筈の壁に、何かを塗り込めたかのような痕が見受けられた。
しかしそこが塗られたのは随分と昔のようで、短時間で成せるものではない。
まるで何かに化かされたような気持ちになったという。
旅行から帰って数週間後、あの時の先生からおかしな話を聞かされた。
「修学旅行で使ったあのホテルな、どうやら大昔は病院だったらしいぞ。
それも精神科の。地下に隔離する特別病室があったということだけど……。
あの夜お前らは、うっかりと変な空間へ迷い込んだのかもしれんな。
まぁ今回は何事もなくて良かったが、今後、勝手な行動は慎むように」
先生は話の最後を、そう説教に変えて締めくくった。
「あのまま、ずぅっと奥の方へ行っていたら、どうなっていたんだろうな」
そんなことを考え、ちょっとだけゾッとしたのだそうだ。
【了】
190 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
55本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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米屋◆YZbG3mcRGIさん、第56話をお願いします
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191 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第五十六話】 米屋◆YZbG3mcRGI 様 『電車の中で』
ガラガラの電車に乗っていた。
ドアの傍で、中学生くらいの女の子が、ニコニコしながら隣の女の子に何やら立ち話している。
「そしたらね!〜君がね、」
「あの時の先生はさー」
とか、他愛もない話だった。
聞く気はないけれど、大変いい声だったので、何となく心地よかった。
しかし、隣の子は一生懸命友人が話しているにもかかわらず、漫画を読んでいる。返事すらしない。
喧嘩でもしたのかな??
そう思いながらチラチラ見ていた。
ムスっとした女の子は、隣の子の耳に向かって「おーい」「ねえねえ」なんてやりだした。
うわぁ、ちょっとしつこい子だなと思った時、女の子が「ねーこれでも聞いてないの〜??」
と隣の子の首を両手で締めてカクカクっと揺らし始めた。
オイオイ、、と思ってたらなんと今度はボディブローまで入れ出した。
「(ボスン)聞けよー!(ボスン)聞こえてんだろーがー」隣の子はさすがに堪えたのか、ううっと呻いてその場に座り込んだ。
すると、近くに座ってた中年女性が「あら?あなた大丈夫?お腹いたいの??このイスに座れる?」とその子に駆け寄った。
心の中で、お腹痛いの?どころじゃないだろう。と突っ込みをいれた。
「大丈夫です、うう、、」
「くっせーババアが!ジャマすんなよー!!」
「次の駅ちょっと降りようか?ね?」
「はい、、、すみません」
こんな異様な光景にもかかわらず、誰もうるさい女の子には気にも留めない。
「あー誰か聞こえてるやついねーのかよー死ねよまじ」と言いながら女の子は隣の車両へ行った。
そっと周囲を見回したら、唖然としたイケメンと目が合った。
何か言いたげだったが、私が小さく首を横に振ったら、ぎこちなく頷いた。隣の車両からはまだ女の子の声が聞こえていた。
私とイケメンは次の駅で降り、次の電車を待った。
昨日の出来事である。
【了】
192 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
56本目の蝋燭が消えました・・・
米屋◆YZbG3mcRGIさん、ありがとうございました
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通りすがりの名無しさん、第57話をお願いします
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193 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第六十五話】 通りすがりの名無し 様 『小峰峠の女児の幽霊』
(1/2)
こんな噂が、多摩一帯で囁かれたのは、昭和63年の事である。
八王子から五日市に抜ける秋川街道を走っていると、小峰峠という峠に至る。
昼なお暗き、この峠に女の子の幽霊が出ると評判になったのだ。
何人かの目撃者によると、女の子の幽霊は必ず黄色の帽子を被ってうつむいているらしい。
何故か暗闇でも女の子の姿は鮮明で、繰り返されるカーブの度に女の子は姿を現した。
「そう、何度カーブも曲がっても、何回カーブを曲がっても、女の子が立っているんだよ」
ある証言者は額に深いシワを寄せて、そうつぶやいた。
また、ある目撃者によると、女の子の手首から先が無く、その手首の無い手を車にむけて振ったり、
トンネルの中では
「助けて 助けて」
という女の子の悲しげな声が聞こえたという。
またある目撃者によると、トンネルの上から青白い女の子の手や足が、
「だら〜ん」
と何本かぶらさがっている事もあったという。
現地での騒ぎが大きくなり、昭和63年10月2日についに地元あきる野市の新聞が報道するに至ってしまった。
こうなるともう噂はとまらない。多摩だけではなく、関東全域いや日本中から見物客が押し寄せる心霊スポットになってしまったのだ。
194 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(2/2)
そして、あの事件が起きる。
宮崎勤の連続幼女殺害事件である。
宮崎は昭和63年から平成元年にかけて4人の女の子を殺害している。
そして、4人目の犠牲者の女の子を殺害、バラバラに切断した上、この小峰トンネルの山頂に遺棄した。
つまり、地元多摩で評判となった「黄色い帽子の女の子」は、宮崎勤の犠牲者の霊であった可能性が高い。
また、そうなると、女の子の幽霊の手首から上がな無いのは、手首から先は宮崎勤が食べてしまったからである。
更に恐怖の連鎖は続く。
地元の新聞紙に、"この女の子の幽霊騒動を掲載した記者"は、皮肉なことに宮崎勤の父親であった。
のちに宮崎家は地元の名士だったが、父親は自殺し一家離散となった。
終わり。
195 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
57本目の蝋燭が消えました・・・
通りすがりの名無しさん、ありがとうございました
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ヤプール ◆MY/4W00M4Mさん、第58話をお願いします
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196 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
大変失礼致しました
今のお話は第五十七話になります
197 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第八十七話】 ヤプール ◆v0h8dExI/ytY 様 『猫の神隠し』
(1/2)
去年のお盆の出来事。
お盆初日、墓参りを済ませ提灯の火を神棚の蝋燭に移した時、
後ろの方で飼い猫の鳴き声と、ガシャーンという何かにぶつかったような音がした。
その猫はまだ一才にもなっていないやんちゃ盛りで、よく何かに驚いてはいろんなとこにぶつかるせわしないやつだった。
なので特別驚きもせず、音的に網戸か何かにぶつかったのかな、
と思って音のした方に向かってみたが、すでに猫の姿はなかった。
まぁどこかに隠れてるだけですぐ出てくるだろうと思い特に探さなかった。
しかし、いつまでたっても姿を現さなかった。
外に出ちゃったかな?とも思ったが、網戸含め全て鍵をかけていたため、
家中どこを探しても外に出られるようなところはなかった。
一応外も一通り見回ってみたが、鳴き声も、鈴の音すらしない。
結局その日は諦めて、玄関を開けっ放しにしておくことにした。
少し無用心かもしれないが、猫というものは出入口さえつくれば自分で帰ってくる。
事実、今まで脱走された時もそうすることで事なきを得ていた。
しかし、結局猫はお盆の最中ずっと行方不明のままだった。
198 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
(2/2)
お盆最終日、送り火を済ませ家に戻り玄関の鍵を開けると、家の中から聞き覚えのある鳴き声が。
行方不明だったはずの猫は、普段と変わらない姿で出迎えてくれた。
いつの間にやら外から戻ってきた?いや、玄関は閉めて行ったのでそれはない。
しかも数日間行方不明だったとは思えないほど元気で、体も全く汚れていなかった。
やっぱり外に行っていたんじゃなかったのか?だとしたら今までどこに?
と、ここまで考えてふと思い出した。
そういや、うちの爺さん猫とか駄目、というかアレルギーだったんだっけ?
終
199 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
58本目の蝋燭が消えました・・・
ヤプール◆MY/4W00M4Mさん、ありがとうございました
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おらんじ◆blqBYWd5vcさん、第59話をお願いします
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200 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
【第五十九話】 おらんじ ◆blqBYWd5vc 様 「黒い影」
夜中、ふと目覚めた時のことです。
人の気配を感じたので暗闇に目を凝らして見ると
部屋の隅に、黒い人影が立っていました
私は驚き逃げようとしましたが金縛りにあって体が動きません
うわあああ、と思っていると なんともう1つ人影が…
その人影はゆーっくりゆーっくりと私のほうに近付いてきます
そして、ついに私の真横まで…
(早く消えてくれ…!)と思った瞬間、今度はじわじわと顔を近づけてきました
すうーっと顔が近付いてきて、
ぴと…
私の顔にひっつきました
生温かい吐息が「ハアー…ハアー…」
この間も部屋の隅の影はずっとそこに居ました
本当に恐ろしくて、気持ち悪くて心の中で(消えて消えて消えて…)と唱えていましたが
??と気付いた時には朝になっていました
あれは夢だったのか?
しかし、頬に残ったあの生温かさが確かに夢ではないことを物語っていました
【了】
201 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
59本目の蝋燭が消えました・・・
おらんじ◆blqBYWd5vcさん、ありがとうございました
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可部◆7vU/OMinzsさん、第60話をお願いします
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『夜の墓地』
(1/2)
私が子供の頃住んでた家の近くのお寺は、西側が墓地になっていた
夜になると寺は閉まるが、墓地には裏手の壊れた垣根からいつでも入る事ができたため
時々、夜の墓地に入って肝だめしをする者もいた
私が小学生の頃、友達と一緒に夜の9時ごろそのお寺の墓地に探検に行った
初めは怖かったが、特に何も出てこないので、調子に乗ってワイワイ騒いでいたら
寺の裏から一人のお坊さんが出てきて注意した
友達がお坊さんに「お化けとか出ないの?」と馬鹿な事を言ってしまったが、お坊さんは
そんなものはおらん、わしは昔からこの墓地を管理しているけど、そんなものは
一度だって見た事はない、と言う
それよりも夜によく人が入って来るから困る、この前もひどいのがいた
先週、見回ってたらそこの灯籠の所に気配がしてな、何かと思ったら
夜中に誰かが灯籠に抱きついとったんだよ
わしは叱ってやろうと思い、灯籠の後ろに回ったてみたら、体だけで顔が見えなくて
おかしいと思ってもう一度正面に回ったら、そいつ灯籠の穴から顔だけ出してた
しかも気味の悪いくらいのニコニコ顔してたんだよ
頭のおかしい浮浪者みたいでな、放っといたらいつの間にかどこかへ行ってしまったよ
お前達もそんなおかしなやつに会わんうちに早く帰りなさい
(2/2)
私はそこにあった灯籠を見ましたが、穴はどう見ても直径が20センチもないもので
ここから顔を出せる人間がいるだろうか? 出したとしても今度は首が長すぎる
どう考えてもそれは頭のおかしい浮浪者なんかじゃなくて、
もっと別の、恐ろしいモノだったんじゃないかと思いましたが
頭のおかしい浮浪者だと平然と決めつけるお坊さんの方に、逆にコワい物を感じた私たちは
早々に退散したのでした。
【了】
204 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
60本目の蝋燭が消えました・・・
可部◆7vU/OMinzsさん、ありがとうございました
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〈| 'J |! }j :}
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50◆4gJVpc7IX.さん、第61話をお願いします
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205 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第六十一話】天狗のご加護
怖い話の途中ですが、ここで僕の最も温かかった不思議体験を。
これは、この4月、友人と3人で京都に行ったときのお話。
このときのメインは義経が幼少期を過ごしたことでおなじみの鞍馬山。
道中に観ていたDVDのおかげで、異様なテンションでの入山でした。
とりあえず車を止め、山道をひた登る。
高いヒールでやってきた友人2人はかなりキツそうでした。
本堂へたどり着き、お参りをすませて下山…
っと思ったところである看板を発見しました。
「奥の院→」
いつものテンションならきっと行かなかったでしょう。
しかしこのときの僕たちの答えは
「GO!!!」
…完全に気が狂っていたと思います。
しかし、そんな勢いも、5分後には後悔の嵐へと変わりました。
鞍馬の奥の院への道は、そのまま貴船神社へとつながる参道で、
当たり前ですが舗装なんて全くない山道です。
ヒールの2人も辛そうでしたが、スニーカーの僕でさえ途中脚を捻るほどでした。
206 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
すみません。
(2/2)
腫れた様子はありませんでしたが、歩く度に痛みは増します。
なんとか聖域である不動堂までたどり着き、お参りを済ませ、
さらに貴船神社の方へと向かいます。
不思議な現象が襲ったのはそんなときでした。
その山道は、木が深く生い茂っており、春の陽気も届かなくて寒いくらいだったのですが、
何故かだんだんと背中だけが温かくなってきたのです。
まるで、誰かが背中から包んでくれているかのように。
それと同時に、あんなに痛みを発していた足首も痛くなくなりました。
そうなって初めて、僕は自分の目の端々に、黒い影がちらちらしていることに気付いたのです。
そんな時、少し後ろに居た友人から声がかかりました。
「ねぇ、私の後ろ、誰か居ない??」
どうやら彼女も同じ体験をしていたようです。
その後どんどん疲れていく筈の体は軽くなり、無事貴船神社までたどり着くことができました。
あの影が本当は何者なのかはわかりません。
ただ、私たちの中では「天狗が守ってくれたのだろう」
と思っております。
今度秋に鞍馬へ行く予定ですが、その際はお礼に天狗の好きな光り物を持ってお邪魔しようと思っております。
もちろん、友人にヒールは履かせません。
[了]
207 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
61本目の蝋燭が消えました・・・
50◆4gJVpc7IX.さん、ありがとうございました
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飛び入り ◆kT8a8E4J7sさん、第62話をお願いします
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208 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【六十二話】 飛び入り ◆kT8a8E4J7s 様 「占い師の予言・将来」(1/1)
友人の話。
彼女は、遠い昔、気まぐれに占い師に占ってもらったことがあるという。
「その人に言われたの。
あなたは、世界を飛び回るような人と結婚する。
そして、とても幸せな生活をするって。」
実際、その占いは当たった。
彼女は現在パイロットと結婚し、裕福な生活、子どもたちにも恵まれている。
「でもね、その人が言ったの。
あなたは想像もできないくらいむごたらしい死に方をするって。
私、いったいどういう死に方をするんだろうね?」
彼女はそう言って目を伏せた。
(了)
209 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
62本目の蝋燭が消えました・・・
飛び入り◆kT8a8E4J7sさん、ありがとうございました
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飛び入り◆kT8a8E4J7sさん、第63話をお願いします
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210 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【六十三話】飛び入り ◆kT8a8E4J7s様 「占い師の予言・結果」
知人の話。
良く当たるという占い師のところに行ったら、あなたの夫は指を切り落とすだろうと言われた。
それは困る、と訴えたところ、
占い師は「指を切り落としたくなければ指輪をはめておくように」と言った。
彼女は家に帰り、夫にそれを伝えた。
夫は信じていないようだったが、作業中も結婚指輪をはめておくことを約束してくれた。
それから1週間くらいで、夫は不注意からある機械に指を巻き込んだ。
指は切り落とされ、残ったのは左の薬指、結婚指輪をしたその指だけだった。
彼女は占い師のところに駆け込み、占い師をなじった。
すると占い師は平然とこう言った。
「もし10本の指に指輪をしていたら、指はなくならなかったでしょう。
でも、あなたたちは私の占いを当たらなかったというでしょう?
私は、伝えるべきことはちゃんとあなたがたに伝えたのです。」
(了)
211 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
63本目の蝋燭が消えました・・・
飛び入り◆kT8a8E4J7sさん、ありがとうございました
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わたくし◆O0RKwPn0UQR0さん、第64話をお願いします
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212 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【六十四話】 わたくし◆O0RKwPn0UQR0 様 『通う人』 (1/3)
こう、怪談が好きな方々で集まって、お話をしておりますと、
「霊が訪ねてきても、戸は開けちゃいけないよ、ね、開けると入ってくるからね」
なんて脅しを掛けてくる方が、まぁ、一人はお出でになりますね
ま、わたくしはそういう体験がありませんから、
「そういうもんか、怖いねぇ……ところで、あいつら、壁は抜ける癖に変なところで律儀だね」
なんて、怪談牡丹灯篭の伝統を、こう、絶えさせてしまうような事を考えたりも致しますが
さて、
大雨の日でありました
カンカン、コンコンッと、雨粒が辺りを叩いておりまして、なァんとも清々しい
お家に居たというのもありますけども、ぁあ、濡れない雨音ってのは良い気持ちですよ
「気分が良いな、気持ちが良いな」
なんて思いながらベランダに出ます、あんまり良い心地だもんで煙草をやろうかしらってンですね
ベランダに出てみますと足にしずくが掛かって、これもまた、懐かしい思いが致しました
火をつけて、すーぅと、こう、口と鼻から吸い込みますと、空気の匂いも腑へと落ちてきます
煙草をやられる方の、その、作法も色々とありますが、わたくしはこれが一等好きです
すーぅ、ふぅー、と、ゆっくりやるのが、雨の日のやり方ですから、つい長居を致しますね
そうやって、そろそろ一本目も終わろうかという時に、
「キン、コーン……」
不意に、玄関のチャイムが鳴った
「はぁい」
ベランダから応じます、煙草を揉消して玄関へ急ぎますってェと、
「どちら様でしょうかあ
213 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/3)
返事が無い、怪訝に思って覗き穴から外を窺いますと、
……立ってる、ぅう、ご婦人が一人で立ち尽くしておりました
(居るんじゃないかよ、ぇえ、不景気な女だな、おい)
容姿というよりもご婦人の雰囲気が、その、えらい不景気だったんですな
ご婦人の周りだけみょーォに暗い、顔なんかも上手い具合に見えないってンですから、
(……気色悪い)
芯から思いました、失礼な話ですけれども、本当に、気味が悪い
「どちら様でしょうか」
扉越しに呼び掛けます、返事が無い、覗いてみる、やっぱり立ってる……どうも暗い、気味が悪い
まぁ、いつまでも初心なお見合いをやってる訳にもいきませんから、意を決して戸を開けた
やっぱり立ってる、俯き加減でもって、こう、不幸の上から不幸を塗り固めたような形をしております
で、わたくしも警戒しておりますから、低い声で、戸も半開きにして伺いを立てますが、返事が無い
その後、二、三回は何か話し掛けたような気が致しますが梨の礫、とうとう戸を閉めちゃった
(なんだろうね、あの女は、ぇえ、気味が悪い、畜生)
内心で散々に悪態を撒き散らしておりますと、
「キンコーンッ」
またチャイムが鳴った、先程よりも忙しない音でございました
返事をする前に覗き穴から見ると、あのご婦人が立っている
馬鹿にしやがって、と、無視を決め込んでおりますと、
「キンコーン、キンコン、キンコキンコーンッ」
狂ったようにチャイムを鳴らし始めたもんですから、
「警察呼ぶぞッ」
バーーーンッと戸を開けて一喝して……ですが、そこにご婦人の姿はありませんでした
214 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(3/3)
疑うよりも先に、
「嫌な奴が消えたよ、良かった」
ってェ思って戸を閉めますと……気配がした
何だろう、と口内で呻いて、覗き穴に目を付けますと、
「うぅうッ」
引き攣ったような声でもって、玄関口に尻餅を突いてしまった
さっきのご婦人、これが、何ともいえない妙な笑い顔で、覗き穴を覗いておりました
で、警察ではなく友人に連絡を入れたってンですから、どうも、小さい男でございます
ぅう、それから幾日か過ぎますと、わたくし、気付いた事があった
雨の日、わたくしがお家に居る時……ぅう、時間にして、大体、昼の三時頃でしょうか
その時間になると決まって、
「キン、コーンッ」
チャイムが鳴る、はぁい、どちら様でしょうか……返事が無い、覗く、あの暗ァいご婦人が立ってる
山を張って、チャイムが鳴り終わる前に戸を開けようとも、そこにご婦人の姿は見えないんですね
開けたら入ってくる、これは、いつの昔から言われ始めた事でございましょうか
ですが、扉の前でもって、こう、妙な笑いを浮かべて、ただチャイムを鳴らすだけの方も居るようですよ
目的が分からないってのは、これは、人にしろ何にしろ、ひどく、その、宜しくない気が致しますがね
決して、無害では有りませんよ、ぇえ、悪戯も度を越しますと病の元でございますから
ところでわたくし、ぅう、何度かそのご婦人をしかと見ておりますが、
不思議なことに彼女のお顔の造形……これが、雨に滲んだお習字みたいに、はっきりしない
【了】
215 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
64本目の蝋燭が消えました・・・
わたくし◆O0RKwPn0UQR0さん、ありがとうございました
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狗◆NikuJ1/fzkさん、第65話をお願いします
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216 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第六十五話】 狗◆NikuJ1/fzk 様 (1/3)
私が以前勤めていた会社にいたOは、いわゆる「よく視える」タイプの人種だった。
昔から急に足の先が痛くなる持病があったのだが
入社した2日後、残業しているときにまた痛みが再発してきたとき
向こうの席からトコトコと歩いてきて
「まあ、入ったばっかの、そんなにアレな感じな人にいうのもあれだけど
・・・その足にしがみついてるのがいるからだ、って知ってる?」
と、話しかけてきたのが、そいつとの付き合いのはじめだった。
そんなOに、今まで一番怖かった経験ってなに?と聞いたことがある。
Oは考え込み、
「うーん・・・人に話すと、全然怖くないって言われるけど
俺的には一番怖い話はあれだよな。」
と話し始めた。
・・・・
Oが小学校の頃、一番嫌な時期が夏休みだった。
元々父親と離婚していて、なおかつ母方の実家ともあまり仲が良くなく
普通夏休みなら田舎に帰ったり、遊びに連れて行ってもらえたりするが
そんな家庭環境だとそうもいかず、休み中は暇になることが多かった。
特にお盆の時期だと皆が帰省して遊ぶ相手がいなかったとの事。
217 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/3)
ただ小3の、その年はいつもよりも帰省する人が少なかったのか
このご時世不景気だからなのか、いつもの集合場所の公園に行くと
友達が待っていることが多かったそうな。
だからその年の夏休みは充実していて楽しく
近所の川で遊んだり、裏の森で探検ごっこしたり
昼から集まり、暗くなるまで遊んで、最後は公園でバイバイ。
「また明日遊ぼうな」「じゃあまた明日ね」
そして次の日もまた公園に集まり・・・・
まわりから見るとそうでもないかもしれないが
Oにとっては物凄く充実した、楽しい夏休みだったそうだ。
さてそんな夏休みを経て新学期
学校に登校してクラスに入って、クラスのみんなの顔を見て
夏の思い出を話そうとしたとき、ふと思い出す
「俺、誰と遊んでいたんだっけ?」
218 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(3/3)
遊びに行った場所も覚えているし、遊んだ内容も覚えている
そして遊んでいた奴らの顔も名前も覚えていた
さっき、教室に入るまでは。
でも、今は何も思い出せない。
そしてそんな奴らは、
このクラスにも、学校にも、近所にも、どこにもいない
・・・・
「な、みんなそんな微妙な顔してたよw」
確かにおどろおどろしい内容でもない。けどなんとも言えない気味悪さはある。
「でもその時を境に色々見えるようになっちゃったから思い出深いんだよな」
『誰のことも思い出せないの』
「さっぱり。顔も名前も声も何人いたかも性別も。なんもかんもさーっぱり
でも遊んだ内容も話した内容も全部覚えてるんだぜ。
遊んでた友達の事だけが完全に記憶から消えてる。本人からしたらゾッとするよw
・・・・でも一番怖いのは」
『怖いのは?』
「独りで毎日あんなにはしゃいでる俺の姿を見た人の、気の毒そうな視線が怖いな、とw」
本当にこいつが怖いと思っているのかは、疑問だ。
【了】
219 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
65本目の蝋燭が消えました・・・
狗◆NikuJ1/fzkさん、ありがとうございました
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葛◆PJg/T8DlUQさん、第66話をお願いします
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220 :
葛 ◆PJg/T8DlUQ :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:LMkZGz9sO
【第六十六話】
「車」1/2
それは、就職して一人暮らしを始めた頃の話だった
会社から紹介された1kのアパートは、少し古臭いが家賃が安いこともあって、すぐに気に入った
…それに気付いたのはいつだったか。いつからか、毎晩午後10時頃にアパートの駐車場から爆音が響いてくるようになった
運悪く駐車場は自分の部屋の真下、加えて自分は耳がいいときた
音が響いてきて駐車場でしばらく停まってから遠くへ去っていく。誰かを迎えに来ているのかとも思ったが、ドアを開閉する音は聞こえない
それなのに律儀に、毎晩毎晩やってくる。うるさいなあ、普通暴走ならもっと遅い時間じゃないの?…そんな感想を抱いていた
ある日、地元出身の同僚に「毎晩毎晩うるさいんだ」と軽く愚痴ったら、同僚の顔色が音を立てて青ざめた
「それ、絶対に運転席見ちゃダメだよ!!!!!」
悲鳴のような声にこちらの方が驚いた。同僚の声に、他の社員が集まってくる
「何だ何だ」「どうした」と声をかけてくる社員に同僚が説明する。どうやらその車は、地元では有名な話らしかった
20年近く昔、アパートの近くにまだ田んぼが多かった頃
乱暴な性格のため村八分になり、挙げ句隣県の暴走族に入って暴走行為を繰り返していた若者が居た、と
その若者は深夜の暴走のため夜10時頃にこちらを発っていたが、ある日峠道で運転を誤り、帰らぬ人となったそうだ
221 :
葛 ◆PJg/T8DlUQ :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:LMkZGz9sO
「車」2/2
「…それからだよ、町の中をうろつく車が見られるようになったのは」
「霊感のある人か…死期の近い人にだけ見えるみたい…目が合ったら連れて行かれちゃうんだって」
口々に話す同僚たちの顔は、真剣そのものだった
「目が合わなきゃいいんなら、部屋から見ても大丈夫?」
「絶対ダメ。だって噂では、首が上向いてるって話なんだよ」
「首が、上???」
「180度折れてるらしいの。その姿勢で亡くなってたんだって」
そこまで聞いてから、ふと気付いた
「しかし幽霊だったなら、一体誰を乗せてるんだろう?」
「……え?何ソレ」
「だって毎晩うちの部屋の真下に車停めて、誰かを待ってるみたいだったよ?」
「え?今までそんな話聞いたことなかったケド…?」
「………え?」
翌日には退職願を提出し、荷物を纏めた
彼は今もあの町をさまよっているらしい
終
222 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
66本目の蝋燭が消えました・・・
葛◆PJg/T8DlUQさん、ありがとうございました
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飛び入り ◆kT8a8E4J7sさん、第67話をお願いします
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223 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第六十七話】 飛び入り ◆kT8a8E4J7s 様 「占い師の話・正体」
知人の話。
よく当たる占い師がいるという。
黙って座ればピタリと当たる、というやつで、いろいろなことを言い当てる。
世の中にはあいまいなことを言ってお茶を濁す占い師も少なくないが、
知人は、座っただけで大学受験の受験校とその合否をすべて言い当てられたという。
「それが3千円なの。ぜひ行ってみて。」
それは行ってみなくては、と思っていたが、
その話をよそでしてみたら、こんな話を聞かされた。
「あの占い師さん、前は普通の勤め人だったの。
でも奥さんが死んでね。それ以来占いを始めたんだって。もう3年くらい?
その占い師さんがいうには、死んだ奥さんが隣でなんでも教えてくれるんだって。
それで当たるの。すごいわよねえ」
え?じゃあ占い師の奥さん、ずっと成仏してないってこと?
死人が囁く占い。
もうそこに行く気はなかった。
(了)
224 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
67本目の蝋燭が消えました・・・
飛び入り◆kT8a8E4J7sさん、ありがとうございました
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おらんじ◆blqBYWd5vcさん、第68話をお願いします
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225 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第六十八話】 おらんじ ◆blqBYWd5vc 様 「瓦礫の中の自分」
これはつい先日体験した話です
私はホテルで働いているのですがちょうどそのホテルの廊下を歩いていた時
突然めまいが…そしてその瞬間、
ぶわああああああああああああああああああああ
っと意識が窓の外へ飛んだのです
そして見える、悲惨な景色
変わり果てた街、瓦礫の中にぽつんと立っている自分の姿
??と我に返るとさっき見た恐ろしい景色がフラッシュバックしました
あの景色は何だったのだろう
もしかしたら、これから起こる何らかの災害に見舞われた街を、垣間見てしまったのかもしれない
【了】
226 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
68本目の蝋燭が消えました・・・
おらんじ◆blqBYWd5vcさん、ありがとうございました
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ヨサック◆skAMDOCpdQさん、第69話をお願いします
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227 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第六十九話】 ヨサック ◆skAMDOCpdQ 様 『流れ星』
私が4歳位の時の話。
夜、祖母と銭湯に行った帰り、駐車場を横切ろうとしたら空中に何かがある。
4階位の高さに、バスケットボールより大きい、真ん丸で白く光る何か。
とても眩しいそれは、左右にゆっくりと振り子運動をしていた。
口を開けてただ見入るしかない私に祖母は一言
「変わった流れ星だねぇ〜」
な、流れ星!?あれが!??
幼心にも違うだろうと思ったが、祖母は有無を言わさず私の手を引いて、その場を離れた。
私が振り返り見ている間ずっと、その光は揺れていた…
数年後、UFOの動き方に振り子運動がある、と知った私は「あれはUFOだったんだ!」と納得し、友人にも「UFO見た事あるよ〜」と自慢げに話していた。
その後祖母が亡くなり、通夜の晩、母と思い出話をしていると例のUFOの話題になった。
「あれね、お祖母ちゃん火の玉だって言ってたよ」と母。
「お前が帰って来て大騒ぎするから、お祖母ちゃんに訊いたら、火の玉だと思うって震えてた…」
そう言えばあれを見た駐車場の隣は廃病院だった。何で今まで気付かなかったんだろう。
祖母の必死の誤魔化しのお陰か。誤魔化し下手すぎて、強烈な思い出になっちゃったけれど。
その夜は「変わった流れ星」を思い出して、母と笑って、少し泣いた。
【終】
228 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
69本目の蝋燭が消えました・・・
ヨサック◆skAMDOCpdQさん、ありがとうございました
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妖狐◆YEG17px67.さん、第70話をお願いします
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229 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【七十話】 妖狐 ◆YEG17px67.様 「双子」
(1/2)
一年ほど前、母と体験した話です。
最初に事が起きたのは、私が二階の自室でゲームをしていた時の事です。
一階の居間にいた母がノックもせずに私の部屋に入って来て「あんたさ、今起こしに来た?」と突然聞いてきました。
「いや無理だし、ゲームやってんじゃん」と言うと、怪訝な顔で「いや、耳元であんたが呼んだから起きたんだけど…やだねボケてんのかね私」と言って部屋から出て行きました。
その時は私もただの寝惚けか、と納得。
しかし、二度目は私が外出中、母は台所で料理中。
この時もやはり私の声で呼ばれたのだそうです。
帰宅してからその事を聞いたものの、やはり気のせいだろうということで終わりました。
そしてついに三度目。
私は自室で寝ており、母は夜食を楽しんでいた時のことでした。
また、聞こえたのだそうです。
私と全く同じ声のトーンと口調で「お母さんっ!」と。
私は叩き起され、興奮気味に「聞こえたんだって本当に!」と何度も言う母を相手にしながら、2つの可能性をぼんやり考えていました。
230 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
1、ついにボケた。
2、バニシングツイン。
2番目の言葉は御存知ない方もいらっしゃると思います。
文字通り、「消えた双子」です。
私は、中学生の頃に左腕に腫瘍が出来て手術を受けたことがあります。
何か二の腕が腫れているな、とは思っていたのですが、ある日突然ひっくり返るほどの激痛が走り救急車で病院に運ばれ、即手術となりました。
切除した腫瘍の中からは、魚より少し太い骨や細い髪の塊などが出てきたそうです。
あまりにショッキングなものだったので今は亡き父しかその実物を見ていないのですが、話はよく聞いていました。
母が私を妊娠した時には確かにいたのにすぐ消えてしまった、もう一人の母胎内の同居人の事を。
2人で産まれるのが困難な場合、どういう訳かどちらか一方が消え、片方に産まれる権利を渡すのだそうです。
通常は母親の胎内に吸収されて消えるのですが、稀にもう一人の方に吸収されてしまう事があるそうで、私達はそのパターンでした。
そんなこともあり「あの双子の子、かな?」と何となく口に出してみました。
少し母の顔が曇ったのを見て、若干後悔のようないたたまれなさを感じましたが、母はボケるにはまだ早すぎるし、私自身口に出した瞬間、その答えが不思議と一番しっくり来たのです。
母は少し笑いながら「そうかもしれないねぇ」と言ってまた居間に戻りました。
その後、母がもう一人の私に呼ばれることはなくなりました。
本当に私を生かしてくれた双子の声なのか、今もはっきりとした答えは出ていません。
でも、私にはどうしてもあの子が忘れられるのが嫌で母を呼び続けていたのではないかと思えてなりません。
【了】
231 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
70本目の蝋燭が消えました・・・
妖狐◆YEG17px67.さん、ありがとうございました
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おらんじ◆blqBYWd5vcさん、第71話をお願いします
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語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
232 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【七十一話】 おらんじ ◆blqBYWd5vc 様 「虫の知らせ」
これは、私が小学生の時の話です
その日は祝日で、家族全員がリビングでくつろいでいました
その時突然
ジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と、時計から変な音が鳴り出し、針が止まってしまいました
その時計は昔から置いてある古い時計です
家族みんなで「ついに壊れたか」と話していると電話が…
親戚のおばさんが亡くなった、という連絡でした
おばさんが亡くなった時間を聞くと時計が止まった時間と同じで
私達家族の間では、「虫の知らせ」ということになりました
その時計は暫くの間放置していたのですが、気付いたら普通に動いており
今でも元気に働いてくれています
【了】
233 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
71本目の蝋燭が消えました・・・
おらんじ◆blqBYWd5vcさん、ありがとうございました
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可部◆7vU/OMinzsさん、第72話をお願いします
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規制中の方は【避難所】へお願いします。
子供の頃に遊んでいた神社に御神木とされる木があり、立派なケヤキの大木だったが
中には、この木に触れるだけで祟りがあると恐れている子もいた。
小学校の夏休みのある日、うちのクラスのSというのが、この木にセミが鳴いていたので
取ろうとしたが、鳴き声はするけど蝉の姿が見えないのでイラついてしまい
両手でやっと持てるほどの大きな石を持ってきてそれを御神木に向かって おーらよっと放り投げた。
石は御神木の茂った葉っぱに突っ込んだが、それきりどこにも落ちてこない
セミも相変わらず鳴いている。
「どうなってんだろ?」奇妙に思ったSは、御神木の幹を何度も蹴とばした
しかし木はびくともしない、と思った瞬間 Sの頭上に先ほどの大石が突然落下してきた。
石はSの頭に直撃しSは頭から血を噴いて病院へ直行となった。
夏休みが終わるとSの頭が五分刈りになってうて、頂上付近に丸いハゲができていたので
クラス全員で思いっきり笑った
事情が知られると「祟りのハゲ」といわれて更に笑われ、卒業まで言われ続けた。
御神木の祟りは覿面(てきめん)だったのだ!
−おしまい−
235 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
72本目の蝋燭が消えました・・・
可部◆7vU/OMinzsさん、ありがとうございました
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成◆0ute.wyqdYさん、第73話をお願いします
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236 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【七十三話】 成 ◆0ute.wyqdY様 「清水寺」
そういえば、高校で京都に修学旅行行ったときのはなし
怪談ではないかも
その日は雨が降っていたのだけれど、そのさーっと降る雨が金閣寺のまわりをぼうっと包んでとても幻想的で綺麗だった
上がったテンションのまま、清水寺へと向かった
清水の舞台の実物を見るのも、すごく楽しみにしてたんだ
坂の下の駐車場にバスが停まって、みんなで歩いて坂を上った
私は何故だかどんどん気が重くなっていった
坂の上についたころ、私は少し具合が悪いくらいだった
ガイドさんの説明を受けて記念撮影をした後は自由時間だったのだけれど、私はそのままバスに戻ってぐったりとしていた
そのとき撮った集合写真を見ると、笑えるくらいに生気がない
みんながたっぷりと楽しんでバスに戻ってきて、また出発する頃には、私の体調も戻っていた
不思議ではあったけれど、その翌日は一日自由行動だったから、そんな些細な体調不良のことはすぐに忘れてしまった
あとから、あの辺りは昔死体の捨て場だったのだと聞いた
墓場とかで具合が悪くなったことはないから偶然かもしれないけれど、もしかしたらあのとき、私は何かを感じ取っていたのかもしれない
【了】
237 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
73本目の蝋燭が消えました・・・
成◆0ute.wyqdYさん、ありがとうございました
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狗◆NikuJ1/fzkさん、第74話をお願いします
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238 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
【第七十四話】狗◆NikuJ1/fzk様
(1/5)
「よく視えて」しまうOには困ったものだった。
仕事柄、帰れなくなりよく仕事場で仮眠をとることがあった。、
ある夜いきなり人の布団に入ってきて、ビックリして文句を言うと
「だってあっちで寝てるとアレがずっとしゃべりかけて来て寝れねーんだよ!」
といってそのまま一人で眠りについたり
イライラした顔で喫煙室に入って来たので理由を聞くと
「足元ゴロゴロされると気が散って集中できん!」
『なにが?』
「生首が!」
と事も無げにいう奴だ。
一緒に働く身にもなって欲しいものだ
まあ私も霊体験のようなものは多少あったが、そのころにはほぼ何も感じなくなっており
基本的には彼が視えているだけだから構わないが。
だが一度だけ、彼のその体質に巻き込まれたことがあった。
239 :
代理投稿 ◆UiIW3kGSB. :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:8Pjhrnqs0
(2/5)
あいも変わらず残業続きの夜。
残りの仕事の終わり見え、とりあえず今日はあがろうという事になり
最後の私とOで戸締りをして帰ることにした。
火の元も確認をし、戸締りをし
さて2人で帰ろうか、とエレベーターホールで下を押して待つが
一向にエレベーターがやってこない。
仕事の終わりも見えてきたので、ちょっと機嫌のよかった私たちは
「たかだか5階だし。んじゃ、健康の為に歩いておりますか」
と横の階段で下まで下りよう、という話になった。
Oと私は趣味が合い、よく映画やマイナーな音楽の話をしていた
その日もOがレンタルで借りた映画の話で盛り上がりながら階段を降り始めた。
その時いきなりOが「・・・ん」と一瞬声をあげた。
「でさ、その映画の何が凄いってさ〜」
が、そのまま何事もなく階段を降り始める。
まあその映画は俺も好きなので、話を続ける。
だが、階を降りるごとにちょっとだが、ピク、ピクッと体が振れる。
あ、こりゃなんかあるな。
その頃になると、Oの反応で何かがあるのが判るようになっていた。
ただ、そういう場面でも、大体過ぎ去った後に
「あそこに立ってたんだよね〜」と話すし、
本当にまずい場所だったりすると「ちょっと他の道から行こうぜ〜」と誘導してくれる。
奇天烈な奴ではあるが、一応周りにも気を使ったりする事もある男だった。
240 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
(3/5)
なので、口に出さない以上はたぶん大丈夫だろう。
そんな風に思っていた。
「で、日曜に買った新譜がさあ〜」
なるべく気にしないフリをしながら二人とも階段を降りてく。
「今度見に行くつもりの映画だけどさ〜」
「え、あのアーティスト肯定しちゃうわけ?」
「デートでその映画選択はどうよw」
他愛ない会話が続く。
だが、ある所でOの足がピタリ、と止まる。
後ろからの姿だが、さっきまでとはさすがに様子が違う。
明らかに体がこわばっている。
『おい、O』
さすがに心配になったので一声かけてみる。
「・・・まあ、いいか」
時計をみてから息を吐くと、また歩き出す。
なんだ?なんなんだ?
気にはなるが、Oは後ろの俺に振り返ることもなくズンズンと階段を降りていく。
おいていかれるのはさすがに怖い。
俺も足早にOを追いかけた。
241 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
(4/5)
「ふう」
階段をおりきりホールを抜けてエントランスを出ると、
Oはちょっとほっとしたような感じになり早足で歩き始める。
『おい、なんかあったんだろう?』
Oについていきながら話しかける。
「うん、まあねえ・・・」
『何が見えたんだよ』
「えっと・・・ねえ」
Oは歩みとは別にゆっくりとしゃべりだした
「さっきの階段の所にね、へーんなオッサンが角に立ってるのよ。
あ、君には見えなかっただろうけどね」
確かに俺には見えてなかった。
「まあいつものことかなあ、ってそこの横通り過ぎるとね、しゃべりかけてきたのよ
【1】、ってね」
「で、気持ち悪いから通り過ぎたけどさ。また階段下りると、同じように角に立ってるのよ
おんなじオッサンが。
でね、またおんなじ感じにしゃべりかけてくるのよ。【2】って」
「まあだからどうした、って気分になってまた降りるんだけどさ、
1回りするとまたいるわけよ、同じ角にさw。で、またいってくるわけよ。【3】って」
「もうなんか途中でどうでもよくなってきてさ、あんまり気にしなくなったけど
もう降りるたび降りるたび、ずーっとカウントしてるんだよね」
背筋にゾクりと悪寒が走る。
全くそんなことは知らなかったし、何も気づかなかったがそれを今聞かされるとさすがに焦る。
「でもね、最後の所に行ったらさ、【次が最後】って言うわけよ。
242 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
(5/5)
だからちょっとさすがにビビっちゃってね。足止まっちゃったわけ。
最後って、じゃあ次の角にはなにがあんだよってw
でも、下りてみたらなんもなくて無事ゴールインでよかったよかった、とw」
『よかったよかった、って・・・・お前、なんかあったらどうするつもりだったんだよ!』
Oは歩みを止めて、いきなりこう言った
「時計見てみてよ」
時計を見て俺は愕然とした
会社を出たのは覚えている。11時過ぎ。
部屋は5Fのフロア
そして今は・・・・11時30分まえ・・・
「気が付かなかったっしょ。ずーっと歩いてたんだよ、俺たち。」
『う、そ・・・』
「俺たちずーっと話してたじゃん。ウチの会社5Fだよ?
1F下りるのにそんなに時間かかると思う?」
確かにくだらない話をずーとしていた。その記憶はある。
でもまさかそんなに時間がたっているなんて…
「だからね、もう行くしかないかな、と」
『でも、大丈夫だったからよかったけどさ・・・』
「まあいつもいるって感じじゃなかったし、そんなにヤバいって感じでもなかったし。
それよりさ、これ以上遅くなるのは流石にマズイ、とおもったんだよね」
一息ついてこう言った
「これ以上遅れると、電車の間隔20分ごとになるんだよね、俺んち」
【了】
243 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
74本目の蝋燭が消えました・・・
狗◆NikuJ1/fzkさん、ありがとうございました
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50◆4gJVpc7IX.さん、第75話をお願いします
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244 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第七十五話】「猫が居る」
僕が赤ん坊の頃の話だ。
よって僕に記憶は無く、これは母から聞いた話。
今、僕が住んでいる地元は、母の実家のある町だ。
だが僕が生まれたころ、僕の家族は父の仕事の都合で近くの市街地にある市営団地に住んでいた。
僕の父の仕事は工場勤務で忙しく、夜の帰りも遅く、休日もほぼ出勤。
結婚1年目の母は、幼い僕とほぼ2人で生活を送っていた。
僕の首が据わり、一人遊びをするようになった頃。
僕は部屋のある一点を見つめニコニコとするようになったという。
何度他の方向を向けても、必ずその方向に戻りニコニコとするのだ。
たまに、バイバイがしたいのか、手を振ったりもしていたそうなのだが、赤ちゃんの1人遊びと思い、母は気にも留めなかったという。
しかし、僕の行動はだんだんとエスカレートしていく。
少しずつ言葉を発するようになった頃からは、
「あ〜、う〜、ぶぁあう」
っと、誰かとおしゃべりをするような声を発し、時には楽しそうに笑ったりしだしたそうだ。
この時に違和感を感じたものの、そんなに気にはしなかった。
そんな生活が続き、僕が言葉をしっかりと話すようになったある日、
ついにその日は来た。
245 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
「おかーさん、ねこがいるよ、ねこ」
拙い言葉で呼ばれた母は、ベランダの外にでもいるのだと思ったのだろう。
しかし、僕の指差した場所は違った。
「ねぇ、ねこ!ねこがいるよ、おかーさん」
僕が指を指していたのは、寸部違わず、かつて赤ん坊の僕が楽しそうに見つめていた壁だった。
さすがの母もぞっとし、その後しばらくは僕と2人で部屋で過ごすのが怖かったそうだ。
今でこそ「あの時おばあさんが居るとか言われなくて良かった」と笑い話ですんでいる話だが、
当時、訳のわからないことを喋る初めての子どもと2人きりで過ごした母の気持ちを推し量ると申し訳ない気持ちもある。
その団地は自分が幼い頃に引っ越してしまったため、僕に全く記憶が無いのが残念だ。
あの壁に何が居たのか、もう知る術はない。
[了]
246 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
75本目の蝋燭が消えました・・・
50◆4gJVpc7IX.さん、ありがとうございました
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葛◆PJg/T8DlUQさん、第76話をお願いします
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247 :
葛 ◆PJg/T8DlUQ :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:LMkZGz9sO
【第七十六話】
「祖父の話」
峠の四つ辻に居る小僧に話しかけられても、応えてはいけないよ
小さい頃、祖父母から口を酸っぱくして言われていた
曰く、峠の頂上のお堂に住み着いている小僧は一つ目で、夕暮れ時に通りかかる人や、お堂で雨宿りしている人に
「ひとっつやるからふたっつおくれ」と楽しそうに話しかけてくるそうだ
うっかりそれに返事をしてしまうと、返事の内容が何であろうと目玉を一つくり抜かれてしまうのだという
声を掛けられたらひたすら無視しろ、たまについて来てしつこく声を掛けてくることもあるが、それも峠の下までだからと何度も言われた
それでも心配な時は柊や松、山椒など尖った木の枝を振り回せば退散するという
「…じいちゃんもそうやって追い払ったの?」
かつて一つ目小僧を撃退したと豪語していた祖父。何の気なしにそう問うと、祖父はニヤリと笑った
「儂か。儂はな、『ふたっつやるからみっつおくれ!!』と怒鳴ってやったのさ。そうしたら、それ以来儂の前に姿を見せなくなりやがった」
そう言って、祖父は心底残念そうに舌打ちしたのだった
終
248 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
76本目の蝋燭が消えました・・・
葛◆PJg/T8DlUQさん、ありがとうございました
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ヤプール◆MY/4W00M4Mさん、第77話をお願いします
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249 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
【第七十七話】 ヤプール ◆MY/4W00M4M様 「本物の主演女優」
1/2
私は大学時代、いわゆる映画研究会のようなサークルに所属していて、定期的に作品を撮っていた。
夏のある日、そろそろ季節的にもホラーもの撮ろうぜ、ということになった。
といっても、一本のストーリーものではなく、あるスポットに肝試しに来たら偶然撮れちゃったという体の、
いわゆる「呪いのビデオ」の捏造品。
ビデオの主役たる幽霊役に抜擢されたのは、まだ入部して間もない1年のKさんという女の子。
長い黒髪、スラッとした体型、ゆっくりとした動作、美人だがどこか儚げな、ストレートに言えば幸の薄い顔立ち、
まさに幽霊役をやらせるのにはうってつけだった。
さすがに初主演で幽霊役やらせっるのはどうかと思ったが、意外なことに彼女は快諾。
「幽霊だって主役ですもんね!頑張らないと!」
と、何故か妙に張り切っていた。映るのは一瞬なんだけどなぁ…。
そして夜9時過ぎくらいに撮影は開始された。
長い髪を前に垂らし、白い服を着て、どうせ映らないであろう細部まで幽霊メイクをした彼女は、
もはや、ザ・幽霊とも言えるくらいリアルだった。
撮影の流れとしては、車で山の中腹にある廃墟まで肝試しに行く道中、カメラを回していたら霊が映り込む、
というごくありふれたもの。
250 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
2/2
指定されたポイントに来ると、Kさん扮する霊が突然車の目の前に飛び出してきた!
そして、そのまま坂を上り、カーブの死角へと消えていった。
彼女がそんなスタントじみた演技をするとは思わずリアルに驚いたが、結果それが自然な演技につながった。
その場で映像をチェックすると、霊の方もかなり自然に映っていた。
映像を見ながら盛り上がっていると、
「ちょっと私も入れてくださいよ〜」
と、幽霊役のKさんが坂を上ってきた。
そして映像を覗き込むと、「えっ?」っと言って口を押さえた。
メイクのせいで顔色は分からないが、体は小刻みに震えていた。
皆は、
「ちょっとKちゃん体張りすぎだよ〜」
「あんま無茶すんなよ、初主演が遺作になったら笑えんから」
などといって名演をたたえたが、当の本人は「は、はい…」と力なく答えるだけだった。
そして撮影はこれでお開きということになり、山を下って帰路へ。
道中、具合の悪そうなKさんを見ながら思った。
…みんなホントに気づいてないのか?この違和感に。
が、結局この時の映像は満場一致でお蔵入りになり、
その後夏が来るたびにホラーものの企画が持ち上がるが、その場にいたメンバーはみんな反対していた。
…なんだ、みんな言わないだけで結局気がついていたのか。
お わ り
251 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
77本目の蝋燭が消えました・・・
ヤプール◆MY/4W00M4Mさん、ありがとうございました
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KMT◆nqnJikEPbM.8さん、第78話をお願いします
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252 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
『自殺の名所』
F県には観光の名所としても、また自殺の名所としても良く知られている崖がある。
その崖の近くに住むT君から聞いた話だ。
T君一家はずっとそこに住んでおり、T君の父親はその地元の自警団に属していたらしい。
しかし、自殺の名所の近くと言うこともあって、見回りをするよりも自殺者の引き上げに借り出されることの方が多かったと言う。
その日もT君の父親は声がかかり、早速死体の引き上げに向かったそうだ。
その死体が上がったのは海流が入り組み、崖に打ち寄せる危険な場所だったそうだ。
出来る限り船を近づけ、岩壁に打ち上げられた死体に向かって鉤付きロープを投げる。
グッ、と手応えがして、死体に鉤が食い込んだ。
「よし、引けぇ!」
合図に合わせてロープの先を持った男達が一斉に引っ張る。
一瞬の抵抗の後、死体が岩壁からズルリ、と動いた。
「その死体、な。3人分だったんだよ。海流の関係か何かは知らんが、毛糸球みたいに絡まりあってな…
お前も、ここでだけは死ぬんじゃないぞ?」
T君の父親は、この話をいつもこう言って締めくくっていたそうだ。
【了】
253 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
78本目の蝋燭が消えました・・・
KMT◆nqnJikEPbM.8さん、ありがとうございました
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ヨサック◆skAMDOCpdQさん、第79話をお願いします
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254 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
【七十九話】 ヨサック ◆skAMDOCpdQ様 『隣室の前』
深夜12時に帰宅すると、マンションの隣室前に、オレンジ色のブードゥー人形が置いてあった。
「落ちていた」という感じではなく、ドアの真ん前5cm程の所に、室内から見ると大の字になる向きで「置いて」ある。
しかも紐部分が取れて無い。人形本体のみ。
午後7時半頃、出掛けた時には無かったのに。
そういえば、今までも隣室前には、度々変な物が落ちていた。
大きな甲虫が1週間毎日とか、
泥だか糞だか判断しかねる物が3日連続とか、
ビニール袋に入ったグレーの布(に包まれた何か)とか。
ブードゥ人形が置いてあって以来、隣室前に妙な物が置かれるのは無くなった。
しかし3ヶ月程たった頃、隣人は夜逃げしてしまった。亡くなったという噂も囁かれたが、真相は分からない。
借り主のいなくなった隣室に清掃業者がやって来た。
その様子を見ていたマンションの住人によると、窓と言わず換気扇と言わず、全ての穴や隙間が塞いであり、まったく換気されないせいで部屋中黒カビで酷かったと言う。
最近はほとんど外出もしていなかったらしい。
何かに怯えていたかの様な隣人の様子に、あのブードゥ人形を思い出さずにはいられなかった。
【終】
255 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
79本目の蝋燭が消えました・・・
ヨサック◆skAMDOCpdQさん、ありがとうございました
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50◆4gJVpc7IX.さん、第80話をお願いします
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語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
256 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
峠の主
(1/2)
これは先ほどの天狗に出会った日の、帰りの道中でのこと。
京都から僕の地元へ帰る道は2つある。
1つはひたすら高速を使い帰るルート。
もう1つは、途中まで高速を使い、途中で降りて峠越えをするルート。
この峠は、最近新しくトンネルが出来て行き来がかなり楽になり、
高速料金が安い、渋滞に巻き込まれないなどの理由で峠ルートを利用することの方が多かった。
その日の帰りは、いつもより早く、20時頃に峠を越えるような時間帯に帰ってきた。
峠独特の何か嫌な感じもなく、何より京都観光を満喫した僕たちは意気揚々と帰路を地元に向かい走っていた。
やがて峠に入り、新しいトンネルに突入。道は下りになったが、他には何もなく、前後の車もなく、ただ僕らを乗せた車が走っていく。
何の前触れも無かった。
だから正直、自分の目に映ったものが信じられなかった。
トンネルも終わりにさしかかった頃、前の道を大きな影が横断していったのだ。
この中に夏目友人帳を読んだことがある方は居るだろうか。
その中に、家の中に入り込んでしまった、大きな黒い影のような妖怪が登場する回があるのだが、
まさしくあれそっくりな影だった。
257 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
まるで、いつもの日常の様に行われた行為に、そしてあまりの違和感の無さに、
最初はスルーしてしまいそうな勢いだった。
だが違う。何かがおかしい。
そのとたん、運転していた友人(色々見える、41話のA)がブレーキを一気に踏み込んだ。
影が横断したポイントも通り過ぎ、峠も降りきるまで、誰もなにも喋らなかった。
やっと地元の県道に出た所で、僕が一言。
「なぁ、なんか横断したの見た?」
案の定、Aの返事は
「見た。なんか黒い影。だからブレーキ踏んだんじゃない」
だった。
ちなみにもう1人の友人Bは全くそういうものは見えない子で、やはり見えていなかった。
その峠の途中にあるキャンプ場では、ネットで名前を検索すると
地元の僕たちでさえ怖くなるような心霊体験の投稿が残っている。
正直、その黒い影のことを最初は怖いものだと思っていた。
だけど違う。
何も前触れが無かった、の言葉通り、嫌な気配も何も無かったのだ。
あれの正体は未だに謎だけれど、僕とAの間では
『峠に生きるデイタラボッチ的何か』
ということで自分たちを納得させている。
[了]
258 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
80本目の蝋燭が消えました・・・
50◆4gJVpc7IXさん、ありがとうございました
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さて、空がしらじらとしてくる頃合いでございます。
大丈夫でございますよ、まだ暗くても・・・
夜が明けるまで、まだ少しお時間を頂きます。
10分程休憩の後、皆様と夜を追いやる作業を再開いたしましょう。
259 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
それでは、再開させて頂きます
東の空は白みつつも、
まだそこかしこに影はただよっているようです
どうぞ最後までお付き合いくださいませ
可部 ◆7vU/OMinzsさん、第81話をお願いします
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『堀のヌシ』
1/3
小学校時代に知り合いに聞いた話です。
自分の地元には大手掘という堀があって、そこにはヌシが住んでいると言われていた。
知り合いに主を見た事のある者はいなかったが、噂では白い蛇、とも黒い大魚、とも
言われていた。
小学校5年の時、自分のクラアスメート3人(A、B、Cとする)が大手掘に釣りに行った時も
そんな噂を面白半分に話しながら現地へ向かったという。
堀につくと3人は釣り糸を垂れ釣り始めた、目的は魚でなくザリガニだったらしい。
3人ともなかなか釣れないので、またヌシの話を始めた。
ヌシが掛かる時は昼でも急にあたりが暗くなり、生臭い風が吹くという
ヌシを掛けてしまった者は、たとえ糸を切り離しても呪われて半年以内に死ぬという
また、ヌシを完全に釣りあげた者は未だ誰もいないという
3人は、間違ってヌシが掛かったらどうしようとか冗談交じりで話していたのですが
途中でAがトイレに行きたくなり、竿を岸辺の岩に固定して近くの公衆トイレまで行ってしまい
BとCが取り残されました。
それからしばらくして、なぜか急にあたりが暗くなり、どこからともなく生臭い風が吹いてきて
そして、BとCの竿にほぼ同時に引きが来たのでした。
BとCは本当にヌシが掛かったんではとパニックになり、そこへAも戻ってきたのですが
Aは他人事だと思って「どっちかにヌシが掛かっとるな」とか言って面白がってる
碌でもないやつである
2/3
こわごわとBが竿を上げると、強い引きだった割に小型の鮒だった
残ったCは半泣きになって目をつぶって竿をあげたが、こちらは木の枝が引っ掛かって
いただけだった
2人ともホッと安堵したが、そのときBがあることに気付いた
岩場に固定してあるAの竿にも引きが来ていたのだ
指摘されたAは蒼ざめてしまい、3人一緒に引こう、などと調子のいい事を言いだすが
残りの2人は当然拒否で、結局Aは意を決して「わーっ」と大声をあげつつ竿を上げた
ソレは一瞬だけ水面に顔を見せた、でかくて赤い魚だった、
すぐに針が外れてしまい、一瞬で水中に戻ったが、あれがヌシかどうか3人で言いあいに
なり、その日はケンカ別れでとっとと帰ったという。
3/3
その後、黒い魚でも白い蛇でもなかったんだからあれはヌシじゃない、
と強弁していたAだったが、数ヵ月後に入院、白血病だったようで、しかしAは回復し
同じころBが交通事故で死んでしまった。
自分がこの話を聞いたのはAが学校に復帰した翌年になってからだった。
大手掘のヌシって小さい鮒だったのか??
と思ったが、6年になったAが得意げに「俺は呪いを他人に転化する方法を教わったんだ」
と言いながらこの話をしてくれたのだった
さすがに真偽が疑わしいが、Aも死にたくなくて必死だったらしい
大手掘りのヌシはとりあえず大きな赤い魚ということとなった
【了】
263 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
81本目の蝋燭が消えました・・・
可部 ◆7vU/OMinzsさん、ありがとうございました
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明け方の通りすがり ◆ba.9piYOfgさん、第82話をお願いします
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264 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第八十二話】明け方の通りすがり ◆ba.9piYOfg様『Yちゃん』
(1/2)
小学校高学年の頃、私のクラスにYちゃんという女の子がいました。
Yちゃんは物静かでおとなしい、クラスでも目立たない存在の女の子でした。
しかし、月日が経つにつれ、Yちゃんは徐々にクラスの輪の中心に立つようになっていきました。
何がきっかけで、という具体的なエピソードは覚えていないのですが、その当時学校で流行っていたこっくりさんを初めとするオカルト遊びが原因だったと思います。
Yちゃんは霊的なものと会話ができるらしく、Yちゃんが参加するこっくりさんはいつも大成功をおさめていました。
クラスのみんなはYちゃんに相談事をお願いしたり、刺激的な体験を求めたりするなど、Yちゃんの周りにはいつも人が集まるようになっていたのです。
しかし、ある時そんな日常を一変させる出来事が起こります。
日ごろからYちゃんの催す心霊イベントに参加せず、Yちゃんのことをどこか訝しげに見ていたガキ大将の男の子が初めてはっきりとYちゃんに難癖をつけてきたのです。
放課後、いつものようにYちゃんを中心にこっくりさんを行っていると、その男の子が急にこちらへ近寄ってきて机の上の紙や硬貨を思いっきり手で払いのけました。
男の子はYちゃんのことを「目立ちたがり屋の嘘つき女」、「霊なんて本当は見えてないんだろ」と一方的に罵り、周りにあった机や椅子を思い思いに蹴飛ばしていきます。
ガキ大将の男の子が言うことです。他の男子も同調してYちゃんを嘘つきよばわりし、女子はYちゃんを庇ってそれに応酬する等、教室の中は一瞬にして怒号が飛び交う地獄絵図のような光景になりました。
265 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/3)
やがて、騒ぎを聞きつけた先生がその場を一旦収めてくれたのですが、この事件は大事になり翌日の全校集会で校長からオカルト遊びと放課後の無用な居残りを禁止するお触れが出されるまでに至りました。
お触れの効果は絶大で、程なくして我が校のオカルトブームは終焉を迎え、Yちゃんも元の目立たない地味な女の子へと戻ってしまいました。
私もあの日起こった騒ぎのことはあまり気に留めずにいたのですが、一つだけ何となく心の中にひっかかっていることがありました。
それは、先生が場を収めた後、みんなが渋々帰宅しようとしているときに、Yちゃんだけがその男の子の方をジッと見つめぶつぶつと呟いていた姿です。
独り言なのか何かと会話しているのかわかりませんが、目を真っ赤に腫らし、青白い血の気の引いたYちゃんの形相はまさに夜叉を思わせるような不気味な顔つきでした。
数年後、私は私立の中学校に進学し、そんな出来事もすっかり忘れていたころ、地元の友達からガキ大将の男の子が亡くなったというメールが届きました。
あまりに晴天の霹靂の出来事に初めは事情が呑み込めなかったのですが、詳しく話を聞いてみるとその男の子は日ごろからガラの悪い連中と夜遅くまで遊び歩いていて、その日も車を持った先輩たちと夜中からドライブをしていたそうです。
ハメを外し過ぎていたのか、スピード超過の軽自動車はカーブを曲がりきれずにそのまま電柱へと突っ込み、助手席に乗っていた男の子はほぼ即死状態の無残な姿で発見されました。
若気の至りが引き起こしたよくある事故と言えばそうなんですが、少し気味が悪いなと思ったのはその男の子以外はみんな無傷だったということです。
人間だけではありません。ピンポイントに助手席だけがベコッと凹んでいて、その他の部分は本当にきれいなまま。まるで、その男の子だけを狙いすましたかのような奇妙な衝突の仕方だったそうです。
それを聞いた私は何故かふとYちゃんの事が気になり友達に彼女の近況を尋ねてみました。
すると、友達はちょっと驚きながらも「Yちゃんはちょうど事故があった日の翌日から学校に来ていないよ…。」と答えたのです。
266 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(3/3)
結局、放課後の事件と男の子の事故に関係性があったのか、Yちゃんがどうして事故の翌日から学校に来なくなったのかは未だにわかりません。
Yちゃんはあれから一度も登校してこなかったそうですが、精神病院に入院したとか自殺したとか根も葉もない噂が広がるばかりで、誰もYちゃんのその後を知る人はいませんでした。
今でも時々地元の友人に会うと亡くなった男の子の話題が出ることがありますが、私はその度にYちゃんのあの恐ろしい顔が頭をよぎり背筋が少しゾクッとします。
「人を呪わば穴二つ」
私の心配が杞憂であればいいとは思うのですが…。
[了]
267 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
82本目の蝋燭が消えました・・・
明け方の通りすがり ◆ba.9piYOfgさん、ありがとうございました
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ふーわさん、第83話をお願いします
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268 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第八十三話】ふーわ様 『ホットスポット』
(1/1)
我が家の2階にあるフローリングの床の一部。
畳4分の1ほどにも満たないスペース。
このスポットがなんだか不思議なんです。
そこに耳をあて昼寝すると、かなりの確率で何かが聞こえる。
雑踏の中にいるようなざわざわした音だったり、人声だったり…。
それらは怖くは感じないし、何故か心地良い。
最初は1階や近所の音を拾ってるだけなのかなって思ってたんだけど、
あるとき聞こえたのが、鳥のさえずりやせせらぎの音。
マイナスイオンたっぷりなとても気持ちのいい自然環境音。
もちろん1階にそんな自然が存在するはずもなく、
我が街は、近隣に自然なぞ残っていない住宅街。
家中のテレビやラジオなどの音の出る物は全てオフ状態。
一体何の音なんだろう?
それにしてもあの自然環境音は心地良すぎる。
あんなの今まで現実の自然の中でも、テレビですらも聞いたことがない。
もしかして、あれこそが「あの世(天国)」の環境音なんじゃ?
そうだとしたら、あの素晴らしい心地良さも納得できる。
…なんて思ってたら、
そう言えば、その床の部分は壁に近く、家具などの配置の都合で
そこに耳を当てるにはどうしても北枕になる。
ってことに気づいた。
北枕って風水的には浄化の作用があると言われてるのも
まんざらじゃないなぁ。
【終わり】
269 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
83本目の蝋燭が消えました・・・
ふーわさん、ありがとうございました
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ヤプール ◆MY/4W00M4Mさん、第84話をお願いします
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270 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第八十四話】ヤプール ◆MY/4W00M4M 様「なかにいる」
1/2
私が以前付き合っていた彼女は霊感こそないものの、私以上のオカルト好きで、
よく心霊スポットに行っては写真を撮りまくっていた。
ある日、私の運転で自殺名所でといわれる崖に二人で出かけた。
心霊スポットにデートとか冷静に考えるとおかしなやつらだが…。
曲がりくねった山道を進み、最終的に着いた先は2時間ドラマでよく見る断崖絶壁。
景色もよく、海風も気持ちよく、廃墟やトンネルにはない開放感があり、心霊抜きにして満喫した。
一方彼女はひたすら写真を撮りまくっていた。
いつもならそれだけ撮れば1枚くらいは不可解なものが写っていたのだが、結局何も撮れずそのまま帰った。
その帰り道、山道を走っていると、あるトンネルが目に付いた。
スピード注意! とか 事故多発! などの看板が入口に大量に置いてあるトンネル。
来るときにはこんなものは見なかったはずなのに…。
先程にスポットで何も撮れず消化不良だった彼女は、中を探索してみよう!と言い出した。
トンネルは、出入り口ともに見通しもよく、道路も山道にしては真っ直ぐで、道幅も広かった。
正直、事故が起きそうな要素はひとつもない。
それでもあの看板があるってことは、やはり何かあったのか?
献花やお札の一つでもあれば確信に迫ったかもしれないが、それすらない。
271 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
2/2
何もないから帰ろっか、と車に乗りドアを閉めた直後、
コンコン、とフロントガラスを叩く音がした、気がした。
彼女は聞いていないといったので、そのまま車を走らせると今度はバンバン、と
平手でフロントガラスをたたくような音がした。
流石にこれは彼女も聞いており、怖くなったたしは出口まで一直線に走った。
そして出口に差し掛かったとき、
バンバン!バンバン!バンバン!バンバン!
音は一層激しさを増した。
しかし、トンネルを出てすぐに音はしなくなった。
が、フロントガラスは手垢でべっとり。
不気味だったが、近くにちょうどガソリンスタンドがあったので拭いてもらうことに。
店員も最初は手垢に驚いていたが、さっさと拭いてください!と伝えるとすぐに拭き始めた。
が、2往復ほど拭いて、すぐに窓ふきをこちらに渡して、こう言った。
「その手垢、内側に付いてるみたいですね」
お わ り
272 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
2/2
何もないから帰ろっか、と車に乗りドアを閉めた直後、
コンコン、とフロントガラスを叩く音がした、気がした。
彼女は聞いていないといったので、そのまま車を走らせると今度はバンバン、と
平手でフロントガラスをたたくような音がした。
流石にこれは彼女も聞いており、怖くなったたしは出口まで一直線に走った。
そして出口に差し掛かったとき、
バンバン!バンバン!バンバン!バンバン!
音は一層激しさを増した。
しかし、トンネルを出てすぐに音はしなくなった。
が、フロントガラスは手垢でべっとり。
不気味だったが、近くにちょうどガソリンスタンドがあったので拭いてもらうことに。
店員も最初は手垢に驚いていたが、さっさと拭いてください!と伝えるとすぐに拭き始めた。
が、2往復ほど拭いて、すぐに窓ふきをこちらに渡して、こう言った。
「その手垢、内側に付いてるみたいですね」
お わ り
273 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
重複失礼いたしました。
274 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
84本目の蝋燭が消えました・・・
ヤプール ◆MY/4W00M4Mさん、ありがとうございました
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妖狐 ◆YEG17px67.さん、第85話をお願いします
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275 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第八十五話】妖狐 ◆YEG17px67様「再会」
(1/1)
私の父が亡くなったのは一年半ほど前なのだが、未だ骨を墓に入れて居らず、居間の隅っこの母の枕元にドーンと骨壷が置かれたままである。
それでも特に文句を言いに化けて出ても来ないのだから、なかなか物分かりの良い親父だ。
…と思っていたのが先程まで。
私が自室で今宵の百物語を楽しんでいたところ、居間にいる母から電話が。
別に怪奇現象が起きたのでも何でもなく、単に夜更かしにも程があるという文句の電話だ。
パソコンでゲームをしている人に言われたくねぇよ、とは恐ろしくて言えずハイハイと右から左へ受け流していたのだが。
途中から、何かブツッという音と男性の声がする。
ゲームの音ではない。
「あのさ、テレビつけてんの?」一応聞いてみた。
言ってる間にも聞き覚えのある誰かさんの声がする。
「いや、つけてない」
答える母の声に被さるフガッという声。
モソモソして聞き取れないが間違いない、親父だ。
しかも何かキレている。確実に。
どっちも何やっとんねん、と文句でも言っているんだろう。
清々しいほど怖くないが、とりあえず2人(?)に謝って相変わらずこの百物語を楽しんでいる。
皆さんの周りでは、おかしな事は起きていませんか?
この百物語のおかげで、大事な人との感動的な再会を果たせた人もいるかもしれませんね。
ちなみにこれを打っている今、私の部屋ではラップ音が飛び交っています。
間違いなく親父です。迷惑です。
感動的な再会とは程遠いですが、百物語ってやっぱり降霊術なんだなぁ、としみじみ実感しております。
皆さんは…大丈夫ですか?
[了]
276 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
85本目の蝋燭が消えました・・・
妖狐 ◆YEG17px67.さん、ありがとうございました
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狗 ◆NikuJ1/fzkさん、第86話をお願いします
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277 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
大変失礼いたしました。
うつろう暁に世話役のリストもうつろってしまったようです。
改めまして、
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おんなのな ◆mAiK1/MgTcさん、第86話をお願いします
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278 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第八十六話】狗 ◆NikuJ1/fzk様
(1/3)
「よく視えて」しまう男、Oにはヘンな持論があった
「俺は視えているわけでなく、たまにキチガイになっているだけだ」
これを説明するときに、こんなことを言い出した
ある日、スーパーで買い物にいって品物を物色していると
目の前に外人の小さな女の子がこっちを見てニコニコしていたらしい。
へー、なんだろうと見つめ返していたが、不意に少女が大声を出して振り返り去っていった
するとその背中には大きなナイフが刺さっていて、
その走り去る足元に大量の血がこぼれている。
そしてその血がドンドンと自分に近づいてきて、叫びそうになった瞬間に・・・
目の前からすべてが消えていた。
「な、キチガイの妄想だろ?」
『・・・それだけじゃ説明にならないだろ』
「だからさ」
奴の説明はこうだ
・まず日本のスーパーに外人の少女の霊ってのがありえない。
・背中に刺さってるのが外人の癖に普通の出刃包丁だった。
・何か大声を出していたが、英語だったはずなのに聞き取れなかった。
「な?」
『な?っていわれてもさ・・・アレにそういう合理性を求めても』
「それにね、リアルすぎんのよ」
奴曰く、アレは現実に比べてあまりにも存在感がありすぎて、
でも細部に関しては微妙だったり細密だったり。
ようは自分の頭の中で作り上げた幻想がぱっと白昼夢のように出来上がり
それが瞬時に網膜上で合成されている、と考えた方が間尺に合うらしい。
道化恐怖症 (1/3)
世界中に結構多いんだよね。道化(ピエロ)恐怖症。
大抵はなんらかのきっかけがあって、あのメイクを怖いものと認識するようになったんだろうけど。
ホラー映画とか。
自分の場合は人形だった。
物心ついた時から親兄弟みんなで寝ていた寝室。
そのベッドの上、天井の隅にぶら下げられていたピエロの人形。割とリアル系。
ボロボロのつぎはぎだらけの服。赤と白のボーダーの長袖Tシャツにサスペンダーで吊るされた
黒いスボン。つま先の膨らんだ黒い靴。
これまたつぎはぎの当たった黒いチューリップ帽子から、金髪がこんもりとはみ出ている。
白塗りの顔に赤くて丸い大きな鼻。顔の下半分は髭の剃り跡のように灰色に塗られている。
微笑みの形に大きく赤く塗られた唇。
ダイヤ型に目の周りを縁取った、その左目の下に、水色の涙模様。
小さい頃はそれを時折眺めては「なんでボロボロの服なんだろう?」「なんで笑ってるのに
泣いてるんだろう?」などと考えていたが特に怖いと感じる事は無かったと思う。
数年後家を改築し両親の部屋、子供部屋と分かれ、あのピエロ人形もどこへいったのか、
見る事は無くなった。
そして時は流れ…と言いたいが、多分せいぜい1年か2年という程度。
まだまだ無邪気で愛らしかった小学校低学年頃だろう。
夜中に目覚めた。
ふと顔を上げてみた。
子供部屋のドアは開け放ち、その向かいにあるリビングのドアも開けられていたので、
顔を向けるだけでリビングが見える。そのリビングに。
280 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/3)
「大体にしてさ、首が半分ちぎれてこっちを見ている奴が渋谷の交差点の中で歩いていたりさ
運動会やってる中で生首をサッカーボール代わり蹴ってる奴がさ、例えば霊だとしてもさ
あんだけの衆目の前にいたとしたら、俺以外にも誰かには絶対見えてる奴が一人はいるはず。
でも、誰も反応をしていないってことは、やっぱり俺の頭の中の幻想なんだよ。
大体がそういうものなんだって。」
変なところで頑固な男だった。
でも、「大体が」というだけあって、
やっぱりOがキチガイだ、というだけでは説明できないものもそうだ。
・・・・
Oが部屋で音楽を垂れ流しながらゴロゴロしていると、マンションの外から子供の声が聞こえた。
1階には子供広場があるので、休日だと子供たちの遊ぶ声が良く響いてくるそうだ。
だがその日はちょっと違って、みんなで遊んでいる声ではなく、
多分だが、一人だけでクスクス、ケラケラ笑っている声が聞こえたそうだ。
それも近くに
確かにちょっとおかしい。
部屋にかけた音楽はそれなりに大音量。
でもその子供の声だけはやけにハッキリと耳に届く。
それが段々と、近くによって来るのが分かる。
窓の近くだ
さすがになにか、通常のではない、「何か」の感じが漂うのに気づく。
声は窓の外でクスクス、ケラケラ
小さい声。でも耳にはハッキリと聞こえてくる。
281 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(3/3)
すると窓に、ペタ、っと何かが張り付く。
「なんだ?」気味が悪いが気にもなる。ゆっくりと近づいて窓を凝視すると
手形
子供の手の形をした手形。それが窓についていた。
次の瞬間、窓に向かって無数の手形がダダダダッと叩きつけられ
部屋中に子供たちの叫ぶような笑い声が響く
そしてその音が一瞬に部屋の外に飛び出し、部屋の外の右手側に消えていった
その光景に声を上げたものの、さすがにそういう事象には慣れている。
直ぐに我にかえって家を飛び出して、声の消えた方を見たがそこには誰もいない。そして姿がないことを確認して、ああ、と思った
「こりゃアレの仕業だよな・・・・」
家を出て通路の右側は行き止まり。
そこに人影がないなら、それは、人の仕業じゃない。
・・・・
「その後窓の外からその手形調べたらさ、泥でつけた手形だったんだよね。だからさ、これに関しては物理的に証拠がある以上、なにかしらの物理現象は起こったわけだから俺の頭がキチガイになったから、だけじゃ説明はつかないんだよね」
『ほらやっぱりあるじゃないか』
「でも可能性としてはさ、手形を付けた後、子供たちが全員通路からダイブして・・・」
『ねーよ』
「・・・まあ万が一、そうやって子供たちが消えたとしてもさ
もう一つだけは絶対に人間業じゃない証拠があるんだよね」
『なに?』
「一番最初の手形があったんだけどさ、
それだけは部屋の内側から擦り付けてあったんだよね。
これだけはどう説明しても・・・・」
そこでふとOが黙り込んだ。
『どうした?』
「もしかして、その瞬間俺の脳がスパークしている間に狡猾な子供が家の施錠を外し部屋の中に乱入。
放心する俺を尻目に内側から・・・」
どうしても霊を否定したいようだ。
[了]
282 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
86本目の蝋燭が消えました・・・
狗 ◆NikuJ1/fzkさん、ありがとうございました
世話役に霊波による混乱が生じたようです。
ご迷惑をお掛けしました。
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おんなのな ◆mAiK1/MgTcさん、第87話をお願いします
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語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
283 :
おんなのな ◆2uEeM5k78XaD :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:cicgCVLH0
道化恐怖症 (1/3)
世界中に結構多いんだよね。道化(ピエロ)恐怖症。
大抵はなんらかのきっかけがあって、あのメイクを怖いものと認識するようになったんだろうけど。
ホラー映画とか。
自分の場合は人形だった。
物心ついた時から親兄弟みんなで寝ていた寝室。
そのベッドの上、天井の隅にぶら下げられていたピエロの人形。割とリアル系。
ボロボロのつぎはぎだらけの服。赤と白のボーダーの長袖Tシャツにサスペンダーで吊るされた
黒いスボン。つま先の膨らんだ黒い靴。
これまたつぎはぎの当たった黒いチューリップ帽子から、金髪がこんもりとはみ出ている。
白塗りの顔に赤くて丸い大きな鼻。顔の下半分は髭の剃り跡のように灰色に塗られている。
微笑みの形に大きく赤く塗られた唇。
ダイヤ型に目の周りを縁取った、その左目の下に、水色の涙模様。
小さい頃はそれを時折眺めては「なんでボロボロの服なんだろう?」「なんで笑ってるのに
泣いてるんだろう?」などと考えていたが特に怖いと感じる事は無かったと思う。
数年後家を改築し両親の部屋、子供部屋と分かれ、あのピエロ人形もどこへいったのか、
見る事は無くなった。
そして時は流れ…と言いたいが、多分せいぜい1年か2年という程度。
まだまだ無邪気で愛らしかった小学校低学年頃だろう。
夜中に目覚めた。
ふと顔を上げてみた。
子供部屋のドアは開け放ち、その向かいにあるリビングのドアも開けられていたので、
顔を向けるだけでリビングが見える。そのリビングに。
284 :
おんなのな ◆2uEeM5k78XaD :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:cicgCVLH0
(2/3)
奥のほう、キッチンの窓から差し込むうっすらとした月明かりの中、誰かが立っていた。
身長も横幅も大きな体格の、黒いシルエット。
父も割と大柄なのだが、それより大きいし明らかに父とは違う。
妙にダボッとしたズボン。禿げてツルッと丸い頭の耳の上辺りから横に丸く大きく膨らんだ髪。
ゆっくり、ゆっくり、フワリフワリとした歩調で、あちらを見ながら、そちらを見ながら
歩いている。否、歩いて来る。
リビングのドアの横にある棚。そこを上から下、下から上、と眺めていたその視線が、頭部が、
こちらを向いた。
その顔はあの、寝室に吊るされていたピエロと同じメイクをしていた。
『人形だ!でも人間だ!』『見られた?!』『起きている事気付かれた?』
『なんで人形が?』『見ていたのを気付かれた?』『こっちを見た』
『こっちを見ただけだろうか?』『自分を見たんだろうか?』
一瞬の間に様々な考えが頭の中を駆け巡る。
急いで顔を伏せた。
『気付かれてたらどうなる?』
『見付かったらどうなる?』
『こっちまで来たら』
その疑問の答えを考える間も無く、恐怖が頂点に達し、気を失った。
翌日だろうか、それとももう少し、いやもっと後だろうか。
母親に「あのピエロ人形ってどこやったの?」と尋ねてみた。
改築の後、屋根裏にしまい込んだと言う。
『しまい込まれたピエロが出てきた!!』
『閉じ込められたと怒って出てきた!!』
頭の中では、ダンボールの蓋をこじ開けベタリベタリと這い出て来た人形がズモモモモと
大きくなって…という映像が出来上がってしまった。
285 :
おんなのな ◆2uEeM5k78XaD :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:cicgCVLH0
(3/3)
それ以来ピエロが怖い。人形全般が怖くなったが、ピエロは絵でもダメ。
なのにうちのカーチャン、人形大好きピエロ大好き。
あのピエロ人形はしまい込まれたままだけど、他のピエログッズが徐々に増えていく。
紙粘土でピエロの飾り作ったり。
知り合いの人形師にでっかい80cmくらいの女の子人形2つも作ってもらったり。
それがあの(元)子供部屋に(またしても)ぶら下げられてるんだけど、この人形達、
いつの間にか俺の座ってるほうにぶら〜んと向いてくるんだ…。
気のせいかと座る場所を反対側にすると、やっぱりいつの間にかこっち向くんだ。2体とも。
すごいよ。なんでそっからほぼ180°回転してこっち向くの?って。
実家離れて久しいが、帰省する度にピエログッズとこっち向く人形2体に囲まれて、
もうどんな拷問だよって感じ。
とはいえ前回2月に帰った時は、人形はぶら下がったままこっち向かなくなっていて、
ようやく魂でも抜けてくれたのかと、ちょっと安心したけど。
…なんか微妙に話が主題からずれ気味だな。
まぁそんなこんなで、別にピエロ人形が復讐しに来たとかではなかったみたいだけど
20年以上経っても、例えあれが夢だったと証明されたとしても、一旦根付いた恐怖は消えず、
「アレがキャラクターだとか、マクドナルドマジキチだろ」と周囲に吼え続ける
道化恐怖症のひとりなのでした。
【終わり】
286 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
87本目の蝋燭が消えました・・・
おんなのな ◆mAiK1/MgTcさん、ありがとうございました
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赤パンダさん、第88話をお願いします
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287 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第八十八話】赤パンダ様「UFOが見ている」
(1/1)
僕が小学生だった夏休み。夜の7時30分から放送されていたUFOロボ・グレンダイザーを見終わった僕は、自宅横の土手に上って涼んでいました。
すると上空を光が飛んで来ました。最初、飛行機のテールランプかなと思いました。しかしその光が空中で突然停止したのです。
【第八十八話】赤パンダ様 『UFOがみている』
空中で停止できるのはヘリコプターのはずですが、けたたましいプロペラ音などせず、無音なのです。
いくら耳を澄ましても何の音も聞こえません。
でも光点は確かに空の一点に停止している。
次に光点がすーと横に移動して停止しました。しばらくすると、またすーと移動してもとの位置に停止。
これが10分ぐらい続いたのです。
相変わらず何の音もしません。
こ、これは間違いなく本物のUFOだッ!!!
感動して見とれていました。
ふいにUFOからの視線を感じたのです。
僕がUFOを見ているのではなく、UFOが僕を見ている、観察している?
それになんだか光が最初より大きく見える。つまりUFOがこっちに接近している?
急に怖くなりました。
あわてて土手から逃げるようにして、自宅に戻りました。
自宅に戻るまでの間、背後からグングンUFOが迫ってきているかのように妄想を抱きました。
あのまま土手にいたら、僕はどうなっていたのでしょうか‥‥完。
288 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
88本目の蝋燭が消えました・・・
赤パンダさん、ありがとうございました
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通りすがり丸さん、第89話をお願いします
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289 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第八十九話】通りすがり丸様「深夜の公園」
(1/1)
僕が夜勤の仕事をしていた頃の話。
午前12時が食事休憩だった。
深夜、誰もいない静かな公園で食べるコンビニ弁当は格別に旨かった。
弁当を食い終わり煙草をふかしていると、遠くのほうで怒鳴り声がする。見ると公園の入口近くの薄暗いベンチに人影があった。
てめえ、人の縄張りに勝手に入ってくんな
ブッ殺すぞこの野郎ッ!
なんだ、ホームレスどうしで喧嘩してるのか?。
ホームレスの世界も厳しいなと思った。
仕事場に戻ろうと入口に向かって歩きだした 。その薄暗いベンチの前を通ったとき、そこにはホームレスらしき中年男性が1人で座っていた。
てめえ、さっきから入ってくんなって言ってるだろうがぁッ!聞こえねぇのか、ブッ殺してやるッ!
ホームレスどうしの喧嘩と思いきや、僕に怒鳴っていたのである。ホームレスの顔をマジマジと見たら、目の焦点が合っていない。まるでヒラメのような目だった。
ホームレスが紙袋から何か細い棒のようなモノを取り出したので、慌てて逃げた。
振り向くと、街灯の光を反射して、その棒のようなモノが一瞬ギラッと光った。完
290 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
89本目の蝋燭が消えました・・・
通りすがり丸さん、ありがとうございました
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コナン ◆b6WVFwBLKoさん、第90話をお願いします
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母が言ってた話なんですけど。
母が寝ていたら、急に目が覚めたらしいんですねそれで、今、何時だろうと横に置いてある時計を見ようとしたら、体が動かない。
金縛りかと思い、かろうしで目だけは動くみたいで時計に目をやると、ちょうど三時。
その時、何か気配を感じて目線をずらすと寝室のドアの所に見知らぬ女がいて、ずっと母を睨みつけながら立っていたそうです。
怖くなり、一緒の寝室で寝ていた父を起こそうにも、体が動かなければ、声も出ない。
どうしようもなくなり、目を閉じて、必死に心の中でお経を唱えたらしいです。
南妙法蓮華(ry
どれくらい唱えたか分からなくなった頃
ボソッと耳もとで
「そんなもの効かないよ」
と聞こえたそうです。
その瞬間に金縛りが解けて、周りを見回したけど女は消えていたそうです。
ふと時計を見ると、ちょうど三時。
その金縛りの間、時間が止まっていたんです。
金縛りはよく、幻覚の症状が出るといいますが、時計の針も女の声も幻覚又は幻聴だったのでしょうか
「完」
295 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
90本目の蝋燭が消えました・・・
コナン ◆b6WVFwBLKoさん、ありがとうございました
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50 ◆4gJVpc7IXさん、第91話をお願いします
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規制中の方は【避難所】へお願いします。
296 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
[合宿所]
(1/2)
僕が高校1年の時に部活の合宿で起こった話。
僕の高校は、何故か夏の合宿でかなり遠いところまで行く。
しかも、今時一切電波のはいらない圏外の山の中で3泊4日。
高校生には地獄だった。
そんな合宿所での2日目の朝、同級生が言い出した言葉が全ての始まりだった。
「あそこで人が首を吊ってる」
外での朝練の途中、森の中を指差して言うのだ。
正直、僕には変な空気の揺らぎしかわからなかった。
だがそこで、先輩の中にも見えるという人が現れた。
最初はそれで済んでいたのだが、だんだんそれは他の人にまで広まっていった。
2日目の夜には、僕でも感じる気配がヤバいと感じるほどになっていて、空気の揺らぎはいつしか黒い靄にの集まり、そして、人の集団のような形になっていた。
それに、明らかにこちらへの干渉をしたがっている気配があり、
目撃情報が部員内を練習中に飛び交うようになり、
ついに、集団ヒステリーの状態になってしまった。
297 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
顧問は合宿で練習が成り立たなくなったことにカンカンだったけれど、
正直あれは止められなかったと思う。
何かあった訳じゃないけれど、それほど、むこうから感じた感情には嫌な感情があった。
大人になってふと思い出した頃、合宿施設について調べてみた。
合宿施設の前には大きな湖があったのだけれど、
そこの湖は、県内でも有数の自殺の名所につながる湖だった。
今はもう行くことのない合宿所だけれど、もう二度と行きたくなくなったのは言うまでもない。
[了]
298 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
91本目の蝋燭が消えました・・・
50 ◆4gJVpc7IXさん、ありがとうございました
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ヨサック ◆skAMDOCpdQさん、第92話をお願いします
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299 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第九十二話】ヨサック ◆skAMDOCpdQ様
『予言の電柱』
小学生の頃、通学路途中のとある電柱が噂になった。それに開いた穴を覗くと未来が見える、と言うのだ。
皆こぞって覗いたが、誰も未来を見る事は出来なかった。飽きっぽい小学生の事、そんな噂はすぐに忘れられた。
中学生になった頃、恐らくは夕刻だったと思う。久々にあの電柱の側を通った私は、懐かしくなり電柱の穴を覗いてみた。
…あれ?穴なのに明るい?昔こんなんだったっけ…?
不思議な感じで目が離せなくなり、尚も穴を覗く。
景色が見えてきた。大きな道路に路線バス。
あぁ、お母さんが仕事に行く時に乗ってるやつだ…
と思った瞬間、バスの左手から白い乗用車が突っ込んで来た!
うわっ、と思わず穴から目を離す。あれ?ともう一度覗くも、もう何も見えなかった。
嫌な予感がした。母に明日バスに乗らないでと言ってみたが、当然ながらそれは無理よ、と言われてしまった。
翌日。母の乗ったバスに、左手から白い乗用車が突っ込んで来た。電柱の予言通りに。
ただしぶつかる直前に止まった為、事故にはならなかった。
その後私は、あの電柱を覗く事は無かった。悪い予言がとても恐ろしく思えたからだ。
最近側を通ったら、電柱の穴は塞がれていた。
【終】
300 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
92本目の蝋燭が消えました・・・
ヨサック ◆skAMDOCpdQさん、ありがとうございました
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葛 ◆PJg/T8DlUQさん、第93話をお願いします
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301 :
葛 ◆PJg/T8DlUQ :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:LMkZGz9sO
【第九十三話】
「峠道」
深夜、某県の有名な心霊スポットである峠道を走行していた
新道だし、怪談だって所詮大袈裟に尾鰭のついた噂だろうと自分を鼓舞しながら、首筋に触れる生暖かい風に何とはなしに身震いする
それは、取り立てて怪異に遭遇することもなく峠を登り終え、下りに差し掛かった時だった
喉が渇いたので助手席に置いたペットボトルに何の気なしに伸ばした手が、何かひんやりしたものに触れた
「!?」
驚いて傍らを見ると、運転席と助手席の間から、白い腕が伸びていた
その腕は、まるで気付いて貰えて嬉しいというように手をひらひらと動かしながら、
おもむろにサイドブレーキを引いた
急な減速にハンドルを取られ、車が滑る。車内にはクスクスと楽しそうな女の笑い声が響き渡る
耳障りな笑い声は、峠を降りるまで続いていた
後日、ボンネットを開けると内側に無数の手形がついていたが、あの笑い声との関連は解らない
以来、あの峠道は使っていない
終
302 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
93本目の蝋燭が消えました・・・
葛 ◆PJg/T8DlUQさん、ありがとうございました
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広島生まれのTさん ◆1Kjm5Bjng.さん、第94話をお願いします
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303 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第九十四話】広島生まれのTさん ◆1Kjm5Bjng. 『地元で有名な心霊スポット』
(1/2)
父から聞いた話。
父がまだ若かった頃深夜に友達とドライブに行くことがよくあったそうだ。
その時同乗していたのは父の高校の同級生二人だった。
その時父は助手席に座っており、友人の片方が運転しもう片方が後部座席に座っていた。
若気の至りかその当時は怖いもの知らずといった様子で、車の少なくなってきた県道をとばしていたという。
深夜のテンションからか話題はその県道にあるトンネルへと移った。
どうもそのトンネルというのが心霊スポットなのだという。
話によると、トンネル内でライトを消すと女の幽霊が出るというものだった。
父はそのことは初めて聞いたらしくどんなものなのか興味津々だった。
暗い夜道をライトで照らしながら走っていると、遠くにぼつんと明かりが見えた。
その明かりが徐々に大きくなってゆく。
それが噂のトンネルであった。
友人は面白がって車のライトを切った。
薄暗いトンネルの中を車が進んでゆく。
後部座席の友人が手をだらんとさげて冗談を言っている。
運転している友人もはははと笑っていて、幽霊などこれっぽっちも恐れていない様子だった。
父もどちらかといえば心霊の類はあまり信じていないほうだった。
確かに心霊スポットだと言われればそう感じるような薄気味悪さは感じられる。
女の幽霊が現れる想像をするとなんだか不気味に思われたが、その姿は見えない。
やっぱり噂は噂だなと思った。
ついにトンネルの出口の手前まで来てしまい、父と友人はお互いになんだという気持ちになった。
アクセルを踏み、ライトをつけた。
そのライトに照らされて、おかしなものが目に飛び込んだ。
それを目の当たりにして父があっと思った瞬間体が大きく傾いた。
友人が思い切りハンドルを切ったのだ。
後ろに乗っていた友達も動揺している。
友人たちもそれを見たようだ。
車内は混乱の中、逃げるように人明りの灯るコンビニにまで向かった。
304 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
コンビニまで到着し、お互いに少しづつ冷静になった。
そしてお互いに何を見たか言い合った。
それは三人とも同じ答えだった。
「仏壇」
トンネルが終わった直後の急カーブのガードレールの先に皆それを見たそうだ。
後々話に聞くと、そのカーブでは事故が絶えないそうだ。
事故を起こすのは皆若者で、夜中の事故が多いという。
事故車の多くはライトがついていないのだそうだ。
亡霊が噂となり、その仏壇に仲間を呼び寄せようとしているのだろうか。
その県道は福山グリーンラインという。
(了)
305 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
94本目の蝋燭が消えました・・・
広島生まれのTさん ◆1Kjm5Bjng.さん、ありがとうございました
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通りすがり丸さん、第95話をお願いします
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306 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第九十五話】通りすがり丸様 「蝉」
小学生だった夏休みの時の出来事。
8月も終わりに近づいていた。
そこらじゅうに蝉の死骸が転がっていた。蟻が蝉の羽を巣へ運ぶ。雀が蝉の骸を啄んでいる。
蝉は他の小動物にとって夏の終わりのご馳走なのだなと思った。
みょんみょん〜♪
音程の外れた蝉の声がした。
草むらから猫が一匹出てきた。クチから蝉の羽がはみ出している。猫に喰わえられてるから羽を自由に動かせず、音痴のように鳴いているのだと分かった。
突然、透明人間に首を捕まれたかのように、猫が立ち上がった。二本の前足で空中を蹴る動作をしている。
この猫はいったい何をしているのだと思った瞬間、猫の頭がまるで扇風機のように、残像現象を伴い激しく回転したかと思うと、猫の頭部が地面に転がったのだ。
何が起きたのか分からなかった。僕がその場に立ち尽くしていると、猫のクチからモゾモゾと蝉が這い出てきた。その蝉は体が真っ赤で目玉が黒い、見たこともない種類だった。
真っ赤な蝉は、ヘリコプターのように垂直に浮かび上がると、僕の頭の高さに停止した。
そしてあっという間に空へと飛び去ってしまった。
あとには首の千切れた猫の骸だけが残った。【完】
307 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
95本目の蝋燭が消えました・・・
通りすがり丸さん、ありがとうございました
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KMT ◆us44GcCt4k、第96話に参ります
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語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。
308 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
『ふ、ふ、ふ、ふ、ふ』
J君の実家には奇妙な祠がある。
庭の片隅にひっそりと奉られているそれは、誰が手入れしているわけでもないのに、埃が付かないそうだ。
「絶対に誰かが手を入れているに違いない」
そう思ったJ君は、ある日、一晩寝ずに見てやろう、と思ったと言う。
草木も眠る丑三つ時。襲い来る眠気に舟をこぎ始めたJ君の耳に奇妙な音が飛び込んできた。
『ふ、ふ、ふ、ふ、ふ、ふ』
笑い声のようだが、違う。
耳慣れない、しわがれた嫌な音だったと言う。
暗闇の中、音の出所を探る。
僅かな月明かりで照らされた祠に、身長50cmほどの人間がへばり付き、必死に息を吹きかけていたそうだ。
その祠は、今もJ君の庭の片隅に鎮座している。
【了】
309 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
96本目の蝋燭が消えました・・・
KMT ◆us44GcCt4kでございました
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葛 ◆PJg/T8DlUQさん、第97話をお願いします
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310 :
葛 ◆PJg/T8DlUQ :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:LMkZGz9sO
【第九十七話】
「狐の嫁入り」
仕事で山へ入った時、朽ちかけた林道の先で小さなお堂を見つけた
そういったものに目が無い自分は、腐りかけた賽銭箱に500円玉を放り込み、手を合わせてお参りした
1日仕事をし、さて降りるかとなった時、急に空が曇り始めた
分厚い雲で陽は翳り、遂には足元さえ見えないほどになった
程なくして叩きつけるような大粒の雨が降り出し、ほうほうの体でお堂まで辿り着いた
夕立と違い、すぐ止みそうに無い低く垂れ込めた空を恨めしげに見上げていると、不意に傍らから声が響いた
「もうし、もうし。そこのお方。キラキラ光るものを持っちゃおらんせんか、キラキラ光るものを持っちゃおらんせんか」
見ると、一匹の狐が二本足で立ち、器用に前足をすり合わせていた
これはきっと夢だな。そう思っていると、狐は賽銭箱を手で指した
「あの箱に入れた、キラキラ光るものです、キラキラ光るものです」
言われて財布を取り出し、50円玉と100円玉、それと1枚だけ新しい10円玉を差し出すと、狐は押しいただくように受け取った
紙幣を見せたが、それには狐は首を振る
「キラキラ光るものを何に使うの?」
好奇心の赴くままに尋ねると、狐は少し得意そうにピンと髭を伸ばした
「今日はうちの娘の嫁入りです。今日はうちの娘の嫁入りです。キラキラ光るものを簪に飾ってやるのです」
「ご祝儀にしては少ないなあ…そうだ。小銭では簪に飾りにくいだろうから…」
携帯のストラップのトンボ玉を渡すと、狐はぺこりと頭を下げて去っていった
茂みに隠れる直前、思い出したように狐が振り向く
「そうそう。雨はまだ降りますが、もうじき晴れますよ」
狐が去ってすぐに、あれだけ分厚かった雲が切れ、陽が射し始めた
本音を言えば止むまで待ちたかったが、狐も雨はまだ降ると言っていたので、諦めてお堂を出て林道を下る
人里まで降りて、それにしても奇妙な夢だった、と苦笑して財布を見ると、いつの間にやら小銭入れに木の葉が何枚も入っていた
それを頭に乗せて変身出来ないか試してみたのは内緒の話
終
311 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
97本目の蝋燭が消えました・・・
葛 ◆PJg/T8DlUQさん ◆1Kjm5Bjng.さん、ありがとうございました
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わたくし◆O0RKwPn0UQR0さん、第98話をお願いします
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312 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第九十八話】わたくし◆O0RKwPn0UQR0様
『からんころん、からん』
(1/3)
下駄の音といいますと、若い方は、この、夏祭りを思い浮かべるそうでございますね
花火大会やなんかでもって、若い恋人同士が、浴衣でチャーンチャーンって、ね、可愛いもんです
ま、あの、下駄履きに、こう……ねェ、爪に色塗って歩くのは、んン、似合いませんが
この、下駄の中には、PTAなんかがうるさそうな、ぽっくり、という名前の物があります
ぅう、その、船のオモチャみてェな、台形の短い方を下にしたような下駄でございますな
昔は高級品だったようですが、今では、お祝い事なんかでも使われている、ま、可愛い下駄ですよ
あとァ……ああ、そうそう、あの、ゲゲゲの鬼太郎なんかもそうですね
あれは駒下駄ですか、下駄って言ったら「あれかっ」ってなもんで、一発で分かりますからね
下駄っていう形してますよ、あれは、ねェ、駒下駄、駒下駄……んン、下駄ですな
足から飛ばせばお天気も占えます、飛ばして失くして、ね、家に帰ったら雷ですから、ううン
さて、
わたくしの郷里には、いまもって下駄をつっかけて暮らしておられるご長老方が居ります
その方達は、ぅう、ご老人の癖みたいなものでしょうか、色々なお話をして下さいました
……昔々、ある晩の事、お爺さんが母に言われてお使いに出たそうです
何か宴会でもやっていたんでしょうか、足りなくなったお酒を、買いに行ったってンですね
昔も昔、百物語に集まった方々が影も形も無いような昔の事ですから、のんびりしてますなァ
それだけ昔となりますと、もう、舗装がどうの、電気がどうのは無かったンでございます
ひたすら真暗な道を下りて、下りて、また下りて、ようやく酒店について、今度は戻るわけです
313 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/3)
ぇえ、ですが、来るときは何となァく見えていた道が、不思議と見えなくなってきた
なんだァ、って上を見てみると月が隠れていて……ついでに雨まで降り出してきたから大変です
土の地面ですから、光という光をほとんど吸収しちゃって、何も見えないンですな
夜中に雨が降ってしまったら、もう、いけません、何がどこで、どこで何かなんて分かったもんじゃない
さて困った、早く持ってかないとな、なんて、しょぼくれていると、
「からん、ころん……からんころん……」
下駄の音がした、それがどうも、自分が元来た道から聞こえてくるらしい
「あ、人が来た!」
ってんで、その、隣近所のお付き合いが盛んな時代でしたから、
ちょっと近付いてみて、ね、知り合いだったら一緒に歩ってこうってンですね
下駄の音を頼りに、真っ暗闇を進むます
ですが、どうも下駄の音に追いつけない、先に、先に、ちょっと小走りになると、もっと先へ
なんとも小馬鹿にされたような、まるで追いかけっこだった、と言っておりましたが
たまァに、チラッ、チラッ、と地面のあたりを滑るように赤い下駄が見えたそうでございます
さて、暫くそうやっていると、
「ちぃ坊、ちぃ坊……」
不意に呼ぶ声がした、彼は末っ子でしたから、小さい坊主、ちぃ坊って呼ばれていたそうです
「ちぃ坊、ちぃ坊……」
声が向こうから聞こえてくる、と、
「からん、ころん……からんころん……」
下駄の音も向こうに歩いていくもんだから、
「ねえちゃーん、ここだよーゥ」
大声を張上げたってんですね、自分を呼んでいたのは、彼のお姉さんだったようでございますな
314 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(3/3)
「ちぃ坊、こっちだよ」
「ねえちゃん、どこだよーゥ」
「こっちだよ、こっち」
声はすれども、下駄の音が聞こえども、なかなかお姉さんの姿が見えない
はて、おかしいな、でも声がするしな、あっちかな、こっちかな……お爺さんは声を頼りに歩いてみる
「ちぃ坊、こっちだよ、うん、まっすぐおいで」
下駄の音と、お姉さんの声に導かれて、するすると道を進んでいくと、
「あッ」
家の明かりが見えてきたってンで、後はもう知れた事、タターッと駆け上がってお家に帰れた訳です
お家では彼の事を心配していて、今まさに彼の父が出ようというところだったそうで、
「あ、ちぃ坊か、お前、よく無事に帰って来たなァ、道ィ見えなかったろ」
「うん、見えなかったよ、でも、ねえちゃんが案内してくれたんだ」
返事をするってェと、
「ねえちゃん、って、どこのねえちゃんだい」
「おかしな事聞いてらァ、ねえちゃんって言ったら、あたいの姉ちゃんに決まってるだろ」
彼の父は何か言ったような、言わなかったような、不思議な顔をしていたそうです
「で、ねえちゃん、どこに居るの、父ちゃん」
堪らずに父も母も、また集まっていた村の男衆も、ふ、と鼻を啜ったてンですね
「俺の姉さんはな、もう、とっくの前に死んでいたんだよ」
と、お爺さんは締めくくりしました
お姉さんは、女一人男四人の兄弟の中では二番目でしたが、末のお爺さんを特に可愛がっていたそうです
そして嫁入りが決まり、準備も済ませて、後は嫁ぐだけ、と……その時に亡くなったンでございますな
何故亡くなったかは存じません、聞きもしませんでしたし、また、語られてもおりませんから
ただ、嫁入りの、塗り下駄の赤いぽっくりは、死の間際まで、大切にしていたと、教えて、頂きました
【了】
315 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
98本目の蝋燭が消えました・・・
わたくし◆O0RKwPn0UQR0.さん、ありがとうございました
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ヨサック ◆skAMDOCpdQさん、第99話をお願いします
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316 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
【第九十九話】ヨサック ◆skAMDOCpdQ『音の正体』
(1/2)
高校の時美術部に所属していて、放課後は他の部活の友人を待ちながら、美術室で絵を描いたりしていた。
ある日、ブラスバンドの友人を待ちながら絵を描いていた。美術室には私一人。夕闇も迫り、そろそろ電気をつけようか…と考え出した頃。
パンッ
床が鳴った。学校の床が鳴る事はまま有る事なので、気にも止めなかったが、
パンッ パンッ
床は場所を変え次々と鳴る。よく聞いてみると、私の周りを廻っている様だ。
気のせい気のせい、と無視して絵を描き続けていると、
バ ン ッ !!
今までにない大きな音が、油絵道具箱からした。耐えきれなくなった私は、美術準備室へと逃げ込む。
パンッ パンッ
まだ床の鳴る音がする。
時々、美術準備室の入り口まで音はやって来るが、それ以上は入って来なかった。
しかし私は選択を誤った。美術準備室から出る扉は美術室へと通じる物一つしか無い…
317 :
代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
ブラスバンドが活動する音楽室から美術室は見えるが、私の状況までは分からないだろうし、部活中は携帯禁止だ…
1時間程、準備室に入って来ようとする(としかもはや思えなかった)音に怯えていただろうか。ふいに廊下がざわつき出した。ブラスバンドの活動が終わったらしい。
意を決した私は暗い美術室を通り抜け、廊下に飛び出した。
明るい階段の方へ走ると、丁度ブラスバンドの友人がやって来た。
半泣きの私は一緒に美術室に行って、と頼んだ。
美術室の電気をつけると、道具箱の中にあった絵の具が床に散らばっていた。それだけで泣きそうだった。
恐々と絵の具を拾う私に友人が尋ねる。
「あの踊ってた人は帰ったの?」
話を聞くと、音楽室から美術室で踊る女生徒が見えたらしい。
「あの人モデルなの?ずっと踊ってたよねw」
友人は笑って話すが、明かりひとつ無かった美術室で踊る女生徒が、明るい音楽室から見える訳もなく…
その後、美術室で独りきりになる事は絶対にしなかった。
【終】
318 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
99本目の蝋燭が消えました・・・
ヨサック ◆skAMDOCpdQさん、ありがとうございました
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50 ◆4gJVpc7IX.さん、第100話をお願いします
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319 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
[僕のこと。]
(1/2)
今度の話も、先に語ったデイタラボッチ的何かを峠の話。
だけど、今度は僕としてはあまり気持ちの良くはない話だ。
僕と友人Aはそんなこんなで色んな経験を一緒にしていたりするのだけれど、
この日のきっかけは、僕がとある店にコーヒーを飲みにいきたいと言い出したのが始まりだった。
いつもは地元の喫茶店で営業時間の24時ギリギリまで居座ってコーヒーを飲みながら話すのが通例なのだけれど、その日の僕は、峠を越えた先にあるお店のオレンジクリームが使われたコーヒーがどうしても飲みたかった。
だがしかし、1人で運転して峠を往復するのは怖い。
ということで誘ったのがAだった。
お互い仕事の終わった20時半頃に出発。
お店には21時過ぎくらいには着く。
夜も浅かったせいか、行きはなんの問題も違和感も無かった。
そうしてお店に着き、お目当てのコーヒーを飲みながら話に花は咲き。
さあ帰ろうとなったのは11時半ごろだった。
峠にさしかかった時にはもう12時。
この峠の、地元とは反対側には大きなダムがある。
昼間はとても綺麗で、冬は雪化粧した姿がとても綺麗なのだけど、
正直浮世離れしていて気持ち悪いところだ。
そんなところを真夜中に越えようとしたのが間違っていた。
320 :
50 ◆YJf7AjT32aOX :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:hqzLBEKk0
(2/2)
ダムが見え始めたころから、バックミラーの向こうがモヤモヤとしだした。
もちろん真っ暗なので姿はわからない。
ただ、何者かが僕の運転する車の後ろをおいかけてきていた。
隣にいたAはあまり感じていないようだったけど、逆に彼女は彼女で、
とちゅうから腕が痛いと言い出した。
どうやら何かがAに影響をあたえたらしく、家に着くまで痛がっていた。
追いかけていた何者かは、トンネルの手前でいなくなった。
結局Aは腕のピリピリ、僕は何かに入られたのか、腸が腹痛とは全くちがう気持ち悪さに襲われ、
散々なお茶会となってしまった。
この話には続きがある。
丁度一昨日、Aと会って話していたこと。
最近Aのバイト中に耳元で男の声やざわざわした音が聞こえるという話が話題に上がっていたのだが、丁度この前の日曜日、僕のバイト中でも同じことが起こったのだ。
そこから知った事実なのだが、2人が全く同じ時期に深呼吸が出来ずみぞおちで詰まるようになっていた。
そして、全く同じ時期に全く同じ症状での不眠に悩まされ始めた。
もともと不規則な生活をお互い送っているため、気が付かなかったのだが、いくつも共通点があったのだ。正直、2人で体験した直近の心霊現象は峠でのできごとだけだった。
今、自分たちの身に何が起こっているのか正直わからない。
が、もう一度鞍馬山に行ってそれでもだめなら…しかるべき場所に相談に行こうとAとは話している。
皆さん、僕は身を以て忠告させていただきます。
今日この場にいらっしゃった皆様にも、いつ何時、何が起こるかわからないものです。
もしかしたら、この百物語を読み終えたあなたの後ろに、
何かが笑顔で待ち構えているかもしれません。
[了]
321 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
百本目の蝋燭が消えました・・・
50 ◆4gJVpc7IX.さん、ありがとうございました
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これにて今年のお話は全て語られました……
今宵の宴に、幕が降ろされようとしています。
322 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
323 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
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百のともし火消えうせて
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丶 闇が現る その前に
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ィケ ト、
/{'⌒'} `━━━━━━━━━━━
ヽiノ 夜は白々と明けぬれば
,r'┴'ヽ..━━━━━━━━━━━
. ,イ::''n::::,f'
i:: ll::iYll! . ━━━━━━━━━━━
!:: :l:: : :l .彼方への扉閉じられん
l::l l:: l ll ━━━━━━━━━━━
{i l:: . l!
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呼び集められし異形ども
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l...::::::..ll
.. .:.:. -- . ━━━━━━━━━━━
r''"´:;:;:;:;:;' , 帰る扉はすでになく
`丶、:.:_ .:;:;:; ━━━━━━━━━━━
......:.:.`ヾ" '' :.:.―---―.:.: '' 7"´
. . .:.:.:.:.:.:::::::::::::丶、::::::::::::::::::::::::::::::ノ:::::.:.:.:.━━━━━━━━━━━
: : : :.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.静かに影に沈み行く
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324 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
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またひととせを隠れ逃れ
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KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:kFPsVjJM0
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.扉が開く その日まで
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326 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:Cp9q5G/y0
2chのみんなへ
/⌒ヽ
( ^ω^)/ ̄/ ̄/
( 二二つ / と)
| / / /
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いつもばかやってけんかしたりしたけど
/⌒ヽ
( ^ω^)/ ̄/ ̄/
( 二二つ / と)
| / / /
|  ̄| ̄ ̄
閉鎖してもお前らとはいつまでも友達です
/⌒ヽ
( ;ω;)/ ̄/ ̄/
( 二二つ / と)
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328 :
本当にあった怖い名無し:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:ZGJO7o000
>>147 人間の頭の悪さを凝縮させたような話だな
こういう駄作を書ける奴の精神構造は幼稚園児以下のだろう
お前みたいなアホは死ね
第1話「母親」
その後、同じ現象が3、4回起こったというのは蛇足
1回だけのほうが怖い
第2話「墓行き」
落語怪談ですね
わたくしサンの普通語りの怪談も読んでみたい
第3話「尿夢」
怪談じゃないけど、面白かった
第4話「ガサガサ」
怪談の王道
第5話「お岩様」
見たのは1回だけのほうが怖い
第6話「川を渡る怪異」
川から出てきた大根人間が最後は玉になって神社の方へ飛んでいった
それを友人たちと目撃したという話ですね
話をまとめてコンパクトにすれば
さらに怖くなるでしょう
333 :
本当にあった怖い名無し:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:1bub/8gk0
この人今年も出て来たのか…
第7話「キャンプの夜」
最後のオチで恐怖がくるというのは素晴らしい
去年の「魚影」を思い出す
第8話「黒い木刀」
お化けじゃなくて、異常者系の怪談
平山夢明みたいで良し
第9話「隣を見てごらん」
隣にいたのがレディガガだったらさらにビックリ
第10話「首なし峠の由来」
意味不明系の怪談
いいとか怖くないとかはわかるとしても、「〜〜のほうがいい」とか
創作話じゃなければそうはいかないだろと
家庭用VTRですら45年以上前に出てた
業務用ならもっと前から
第11話「バイト先の話」
幽霊に遭遇し過ぎ
誰も居ない部屋からフロントに電話がかかってきた話を中心に語ればよかった
第12話「蝋燭」
落語怪談、内容は定番の怪談
第13話「トイレ入道」
トイレ入道に遭遇するのは1回だけのほうが怖い
第14話「行進」
赤ん坊がおんぎゃあ、おんぎゃあ
足音がぺたぺた、犬がワンワン、カラスがカァ〜カァ〜とかいう
単純な擬音を使わないで表現すれば
さらに怖くなる
第15話「ミルクと炒り子」
1年周期で繰り返すと、お化けの希少価値がなくなるので
1回ポッキリのほうがいい
第16話「幽霊の見え方」
ひとりは子供が見えたと言い、もう一人は男性が見えたと言い、あとの一人は外人の女が見えたと言った
だが最後は三人とも同じことを言った
自分が見た幽霊はAを指差して笑っていたと。完
こんな終わり方も乙なモノ。
第17話「やばいぞ」
いっそのことA 君は消えっぱなしにしたらどうだろう
担任にA 君のことを訊ねると、うちにはそんな生徒はいないと真顔で言われたとか何とか
第18話「幕間の物売り」
落語怪談
今年も嫌がらせかよ
相当膿んでるなコイツ
第19話「イエロー ◆C24hL2JS8g」
314 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2013/08/07(水) NY:AN:NY.AN ID:CRChHvRzO
却下じゃ、出直してこい
↑死ね
イエローの執念深さが怖いw
第19話「orz」
_ノ乙(、ン、)_z ZZ ←座敷わらしをリストラされたモノノケでしょう
第20話「自称霊感のない兄」
後半が単なる説明になってる
第21話
なんか切ない怪談
第22話「上」
幽霊が喋り過ぎ
幽霊はまだカナ子ちゃんの部屋にいるのか
上の部屋に移ったのか気になる
第23話「留守番メッセージ」
17話の「やばいぞ」と内容が似ている
当事者が入院してしまうという、呪い系の怪談
別名、嫌怖。
感想の人、やけに「1回ぽっきりがいい」「1回ぽっきりのほうが怖い」って
くり返さないことにこだわっているけどさ。
「1回」だけ体験したことなんて、体験者自身も「寝惚けたかな」みたいに
考えるだろうから、そのうち忘れちゃって人に語ることもないと思うぞ。
それに、くり返さないより、くり返したほうが怖いことも多いんじゃねーの?
去年に比べて劣化してるぜ、がんばれよ。
第24話「忘れ物」
「その帰りにファミレスに寄ったらさ、グラスが1個多いんだよ。その時は皆で、きっと肝試し帰りと思われる客を脅かすサービスじゃないか、って笑ってたんだ」
そういうサービスをするファミレスは存在しない
「それ以来、先輩の周りでは奇妙なことが増えたのだと言う
グラスが多く置かれるのは当たり前、友人からは「後ろの女は誰だよ」とからかわれる…そして」
友人は後の幽霊をハッキリ目撃しているので、からかいで済まない
心臓が止まるほど驚かないと不自然
不自然な部分を削除すれば、リアリティが増す
全体的に優れた作品、最後のオチで怖がらせるのは高度な技
確かに去年より熱が入ってない気がする
第25話「墓地裏の窓」
平凡な怪談
でも読みやすい
第26「待つわ」
(後にも先にも)と(這い出した)がダブっている、同じ表現が重ならないように注意しよう
料金がかかるので客を乗せてないタクシーは普通、高速道路を利用しない
リアリティを大切に
第27話「おとうさん」
おとうさんが幽霊だというのが先に読めてしまうので、バレない工夫を
第28「山のお祭り」
前半は必要ないのでバッサリ省くと良し
第29話「マンション」
小学五年生が部屋を一軒ずつ回り、胆試しに誘うというのはリアリティに欠ける
第30話「足りない」
理科室の鍵をどうやって手に入れたのか?
B さんを残してなんで皆逃げたのか?
リアリティを大切に
第31話「作業服の男」
ガソリンスタンドの従業員などは作業帽を被ってる。工事現場の作業員ならヘルメット
第32話「振り向いた顔」
顔が無いことに対して、すぐに怖がって欲しい
第33話「戸を開けるな」
祖父がムカデに足を噛まれて寝込んだ
寝込んでいるうちに頭がボケてきて
ムカデで来るから戸を開けるなとうわごとをいいながら死亡
次に叔父さんが亡霊の群れを目撃するという普通の展開にしたほうがよい
叔父さんを殺す必要なし
玄関から部屋の中央に瞬間移動とかはやり過ぎ
リアリティを大切に
第34話「オシラサマ」
怪談の王道
第35話「ケラケラさん」
そんな呪念能力者が町にいたら、マスゴミが取材に来るはず
ケラケラさんは初対面で正体不明にしておいたほうがリアル
第36話「縁の下の悪意」
白蟻退治の業者のオッサンを主人公にしたほうがよいのでは?
襲われたのはオッサンだから
第37話「京都のアパートで」
鍵を内側から開けようとするのは、あきらかに物理的パワーを持ってるわけで
妖怪か宇宙人ということになりますね
近所の人たちがUFO を目撃したと騒いでいた
そんなある日、玄関からスチャンスチャンという音がする‥‥
こういう展開もありかと。
第38話「自販機」
夜、業者がお金を返しに来るというのはない、次の日の朝とか昼に来る
自販機への苦情の電話を入れると、携帯から水、水をちょうだいという声が流れてきて‥‥
こういう展開もありかと。
第39「卒業写真」
泣きながら千切れば更に良し
第40「ウツボカズラ 」
補食袋は虫の死骸が溜まると枯れて落下し
地面の養分になります
第38話「自販機」は、自販機自体が御札になっていて霊を鎮める役割を担っているという発想は凄い
第41話「大雨の先に」
道がなかった
正確にはあった
(*_*)どっちなの?
余分な部分はバッサリ削除して
読みやすい文章にしませう
> しませう
なんだこの、半端無い大昔のヲタ臭…!
オッサン?BBA?いくつ?
第42「約束」
怖い娘が大学生になった話から、また過去のエピソードに戻ると
時系列が狂って読みにくい内容になるので
娘を五才のままにするか、大学生に成長した娘が語ったというストーリーにすると良し
今さらなにやってんだ
第44話「指差し」
リングの影響を強く受けているようですな
第45話「ヘッドホン」
まさに怪談
読みやすく、内容も怖い
第43「彼女」
彼女になにかしら怖いことを
させて欲しかった
第46「営業妨害」
お化け屋敷で後からフードを引っ張ってたのは
友達じゃなくてお化けだったという話
無駄な箇所をバッサリ削除して、読みやすくなるように心掛けましせう
あまりにも強く引っ張るので意識が遠のきそうになり死にかけたが
出口の明かりが見えた途端、引っ張るチカラがふっと消えて助かった‥‥
こういう展開もありかと。
第47話「夏」
時系列にそって語っているので読みやすく
内容もなかなか怖い
これぞまさに怪談
第48「一夜限りの守護霊」
幽霊に襲われたと思いきや
実は助けられていたというのは
かなり斬新
これもまさに怪談
第49話「モンキーダイブ」
時系列にそって語っているので読みやすく
内容も怖い
これぞまさに怪談
第50話「予知夢」
ほのぼの感があって良し
やっと半分オワた
(= ̄Д ̄)y─┛~~
>>373 コテつけてくれるとまとめて読めるから助かるんだけど
>>374 情報流出してる真っ最中なので
コテは付けられない
(= ̄Д ̄)y─┛~~
>>375 了解した「話」で抽出する
てかお疲れな
残り半分頑張ってくれ
●持ちじゃなきゃ関係ねーだろ
もしくは感想専用でコテればいいだけだろ
コテ一個じゃなきゃなんてないんだからさ
>>377 ●餅だし水子も憑いてるし
(= ̄Д ̄)y─┛~~
去年のレスで特定できるね。
第51話「上の階の住人」
内容は怖い。怪談というより短編ホラー小説という感じ。
音響機器を残したまま逃げた犯人は
経済的に打撃を受けてますね。
犯人はどうやって合鍵を手に入れたのか?
不自然な部分を改良してリアリティを出そう
第52話「+ワン」
幽霊が単車を運転してきたか、人間が一人消えたのか?
気になるところではある
第53話「希少な幽霊」
白黒でもなく、透明でもないのに色がないというのは
イメージしずらいですね。
第54話「乗り合い」
時系列にそって語っているので読みやすい
内容はママ怖い
第55話「ホテルの地下に」
もう少し話を長くすると怖くなると思われ
第56「ガラガラの電車の中で」
作り話丸だしなので、リアリティを持たす工夫を
第57話「小峰峠の女児の霊」
これは逆にリアル過ぎて鬱になるので
オブラートに包んでね
第58話「猫の神隠し」
>そういや、うちの爺さん猫が苦手‥‥
そういや、うちの【死んだ】爺さん猫が苦手‥‥
1番大切な単語が抜けてる
第59話「黒い影」
よくある怪談
第60話「夜の墓地 」
お坊さんじゃなく、自分の体験として語ったほうがよいのでは?
墓地の塀の穴から寺に侵入すると、灯籠に誰かが抱きついていたのです。和尚さんかな?見つかったら怒られる。
僕と友達は身を伏せました。
それにしても、なんで灯籠に抱きついているんだろう。
男性をよく見てみると、建設現場の作業員のような服を着ていたのです。ホームレスかな?‥‥‥
こんな感じで
第60話「夜の墓地 」
もしくは和尚さんを主人公にして語らせる
知り合いの和尚さんから聞いた話。
和尚さんが夜、寺の庭を巡回していると
灯籠に抱きついている男を発見したという。
「コラッ!何をしてるッ!」
和尚さんに一喝されても、その男は微動だにせず灯籠に抱きついている
どろぼう?それとも変質者か?
和尚さんはユックリと男に近づいていった‥‥
という感じで。
評価の中の人
話毎にえらく温度差がありすぎるってばよwww
>>336と
>>382じゃ内容も行数も違いすぎるだろwww
それにレディーガガはないっしょwww
何でNGさせない様に書いてるの?
そんなに「オレの話しを聞け!」なの?
オカルト会の重鎮とか?
今、全部読み終わりました!お疲れ様です!
自分もカラオケ店で変な事あったので、カラオケの話読んでちょっと怖くなりました
今日も暑いな
第61話「天狗のご加護」
>僕の最も温かかった体験を‥‥
最初にネタをバラスとシラケるので
この書き出しは蛇足
第62話・第63話 「占い師の予言」
後味が悪い怖さ
予言とは神の言葉であり、絶対に外れない
預言とは人間の予知能力で、外れることもある
だから正しいタイトルは「占い師の預言」です
第64話「通う人」
朗読用に適した文体
通ってるのは人ではなく、霊だからタイトルを変えほうがよい気がする
>雨に滲んだお習字のようにハッキリしない
この比喩は上手いッ!
【第六十五話】
タイトルがないので「夏休み」とでもつけときましょう
【私が以前勤めていた会社にいたOは、いわゆる「よく視える」タイプの人種だった。
昔から急に足の先が痛くなる持病があったのだが
入社した2日後、残業しているときにまた痛みが再発してきたとき
向こうの席からトコトコと歩いてきて
「まあ、入ったばっかの、そんなにアレな感じな人にいうのもあれだけど
・・・その足にしがみついてるのがいるからだ、って知ってる?」
と、話しかけてきたのが、そいつとの付き合いのはじめだった。
そんなOに、今まで一番怖かった経験ってなに?と聞いたことがある。
Oは考え込み、
「うーん・・・人に話すと、全然怖くないって言われるけど
俺的には一番怖い話はあれだよな。」
と話し始めた】
ここまでバッサリ削除しましょう
会社の同僚のOから聞いた話‥‥
書き出しはこんな感じで
>>390 感想大変な所、水を差す様で申し訳ないが
予言→未来の出来事を見通して言う言葉
預言→神の言葉を預かって話す事(特にユダヤ・キリスト教)
だから、「占い師の予言」で間違ってないと思う
>>390 >予言とは神の言葉であり
>預言とは人間の予知能力で
逆だよ
預言が神の言葉を預かったもので、予言は人間の予知能力
395 :
本当にあった怖い名無し:2013/09/01(日) 02:22:02.85 ID:mH0NpwFW0
預言と予言は同義です。
預言は設計図の受け売り
予言は恣意が入る
同じとは思えない
397 :
本当にあった怖い名無し:2013/09/01(日) 03:02:33.62 ID:Fe4r/V+QO
しょーもな
不細工同士で
398 :
飛び入り:2013/09/01(日) 03:05:37.92 ID:KldaoeT30
67話の評価が終わってからというのがスジでしょうが、
今見たらちょうど評価してくださってたので。
>>390 作者の「飛び入り」です。
正直、「オチをつけろ」的なコメントがつくだろうと思っていたので
嬉しい誤算です。
62話、63話、67話とも、私の投稿は全部「実話」です。
他の方は創作ばかりなのかな。
67話を投稿した時点で、全部「占い師の話」というタイトルにすべきだったと思いましたが、
すでに後の祭りでした。
感想、ありがとうございました。67話も楽しみです。
そりゃ実話の人間もいれば創作の人間もいるだろうよ
その一文必要か?
>>394 仰る通りです
「占い師の予言」のままで正解です
m(__)m
第66話「車」
車に注意しよと外に出た瞬間、エンジン音が止んだ
車に近づくと男がハンドルを握っているのが見えた
ただし、男の後頭部はフロントガラスのほうを向き、顔は後部座席に向いていた‥‥
このパターンもありかと。
第67話「占い師の正体」
語り部には勇気を出して占い師に会ってほしかった。
新第67話「死蛍」
よく当たるという占い師のところへ行ってきた
そこは古い木造のアパートで、まだ昼だというのに
隣りのビルの陰に隠れて薄暗かった
占い師だという男性は陰気臭い初老の男だった
しかし、その占い師は僕が昨日体験したことを
ピタリ、ピタリと当てたのだッた
どうして分かるんですか?僕は興奮して占い師に訊ねた
「あんたには見えんだろうが、ワシの周囲を無数の死霊が飛び回っておるんじゃ、まるで蛍のように
その死霊たちが何でも教えてくれるんじゃよ
特に最近死んだワシの女房が、詳しく教えてくれるんじゃ
死んでも働き者だから重宝しておるよ
あんたにも一匹、分けてやろうか?」‥‥‥
このパターンもありかと。
第68話「瓦礫の中の自分」
もう少し話を長くすると怖くなるかも
第69話「流れ星」
UFOか火の玉か分からないという話が
新耳袋に数話ありましたね
第70話「双子」
もの哀しい話ですね
第71話「虫の知らせ」
怪談の定番
オリジナリティを出せればGJ
第72話「御神木」
大石が頭に落下すると頭蓋骨折で即死しますので
拳大の石のほうがよいと思われ
第73話「清水寺」
思い過ごしかも知れない
第74話
これは本当に体験したことで
明日、あなたにも同じことが起こるかもしれませんと
読者に思わせてこその怪談
リアリティを大切に
第75話「猫がいる」
隣の家に
尻尾だけ黒い
白猫が怨念。
あと25話か‥‥‥
フゥーッ (*ΦωΦ)y??~~
話によって温度差ありすぎわろた
第76話「祖父の話」
中国で六歳の男の子が両目を抉られる事件が起きたよ
現実は怪談よりも恐怖なり
折角だから、自分の文章の寸評に対する寸評を書こう
>>360 >近所の人たちがUFO を目撃したと騒いでいた そんなある日、玄関から
UFOに乗ってやってくるような宇宙人がアパートの扉に何日も苦戦するかっての
チェーンロックは外せるがサムターンのばねはなかなか押しきれない程度のパワーの怪しいやつということで
>>381 実は従兄に聞いた話だ
自分がこの話を聞いた時、心に残ったのは 目の前の怪異を全く理解せず(動揺しないのではない)
ただのバカと平気で断定する お坊さんの訳のわからない豪胆さだった
だからその部分を中心に書いた
>>405 これは全く目の前で起こった実話
大きな石と言っても、小柄な小学生が投げたんだから、長さ15cmくらいの石で
頭上50cmくらいの枝の茂みから落ちてきたわけ
まあそれでも当りどころによっては危ないかもしれないけど、拳大の石が自然落下してもタンコブが関の山
※あと去年の百物語でおまいが最低点つけた私の話だけど、某所では人気あったらしいぞ ヽ(´A`)/
第77話「本物の主演女優」
━━━( p゚∀゚)q━━━━Gj ッ!!
第78話「自殺の名所」
怖いけどオバケが出てこないね
第79話「隣室の前」
一目でブぅドゥ人形と分かるとは
さすがオカルトオタ
第80話「峠の主」
夏目友人帳のチカラを借りないで描写できれば
1段と文章力がアップする
主と遭遇した後の説明が長い
さっと自然に終わらせるのが良し
第81話「堀の主」
赤い魚
白血病
交通事故死
呪いを転化する方法
怖いネタ盛り込み過ぎ
ズボンの前、モッコリし過ぎ
第82話「Yちゃん」
タイトルからほのぼの系かと思いきや
怖い、脳にジワジワくる嫌らしさ
>>412 まだ気づかないのかい?
おめぇは1度死にますた
その命をどう使うかは
こちらの勝手だおという理論だす
下瞼に地獄針を張り付けますだ岡田
目を閉じると眼球に食い込むド
不眠不休で怪談を
書いておくれ鳴らしてウクレレ♪
レッツらGoッ!
第83話「ホットスポット」
( ≡∇≡)b ホンノリ♪
>>399 武士の一分という映画があったよ
キムタクが主演のやつ
>>399 武士の一分という映画があったよ
キムタクが主演のやつ
第84話「なかにいる」
いつか、どこかで、読んだ気がする
第85話「再会」
怖い現象が起こるほどの怪談を
書いて欲しいな読みたいな
天まで昇れ 鯉のぼり
第86話
心霊は存在しないと言い張るバカな友人の話で
怖い要素がない。自分で幻覚だと自覚してるのならば
人に話す必要はない。不自然な部分を削除して
友人がオバケに襲われる話を書いて欲しい
第87話「道化恐怖症」
オバケに遭遇した後のエピソードが長い
サラッと短く終わらせたほうが良し
あの道化の人形はどこにあるのかと母に訊ねたら
物置にあると言います。
物置を探しましたが、あの道化の人形を見つけることは出来なかッたのです。完
こんな感じで
第88話「UFO が見ている」
やっと語られた本格的なUFO憚
まま怖
第89話「深夜の公園」
平山夢系の怖い話
なかなかの怖さ
第90話
新耳袋によく似た話がありましたね
第91話「合宿所」
コンサートで失神するのは女
コックリさんでヒステリーを起こすのも女
男の脳はそういうのを起こさない
だから主人公は女にしたほうがいい
あと何グラブか書いて欲しい
黒い人影が自分に干渉しようとしていると思ったのは何故か描写して欲しい
427 :
本当にあった怖い名無し:2013/09/03(火) 17:52:21.56 ID:6T2DefqL0
第92話「予言の電柱」
穴を覗くと、みたこともない綺麗な花が咲き誇ってるのが見えた
その花畑の中に白いポンチョのようなものを着た人の集団がいる
みなニコニコと笑っている
その笑顔を見ているとなんだかこっちまで幸せな気分になってしまった
その集団の中に去年死んだはずの叔父さんの姿があった
そんなバカな?一旦穴から目をはなし、再度覗くと
穴は真っ暗でもう何も見えなかった‥‥
こういうパターンもありかと。
第93話「峠道」
サイドブレーキを引っ張るとは悪いお手手ですね
ロビンの仕業かもしれません
ルフィに注意してもらいましょう
第94話「地元で有名な心霊スポット」
怪談の王道
第95話「蝉」
怪談というより、クトゥルーみたいですね
なかなか怖い
寸評厨のボキャブラリの無さ小学生並ww
これが大人が書いた感想かよww
怪談の王道()ww馬鹿じゃねえの?
433 :
本当にあった怖い名無し:2013/09/03(火) 18:42:49.39 ID:UiZo2Mku0
>>432 あなたの書き込みした内容のほうが恥ずかしいですよ。
カス死ね、馬鹿
これが大人が書いた文章ですかねww
第96話「ふ、ふ、ふ」
庭に祠があれば、庭の持ち主が普通は掃除する
だから実家の近くの祠にしたほうがリアリティがある
第97話「狐の嫁入り」
お堂の中で雨宿りをしていると
ついウトウトしてしまった
↑これが抜けている
ホンノリ系の怪談
第98話「からんころん、からん」
落語怪談、もしくは怪談落語
その人に対する感想そればっかだなお前wwwwwww
>>432 自分で怪談の1つも書けない可哀想なやつなんだろ
だから寸評()とかで溜飲を下げるしかないんだ
ほっといてやれ
感想はありがたいけど書けない奴がダメ出ししたって説得力ないよな
なんの感想もないと
寂しいからね
とっておきの怪談を
2ちゃんなんかに晒さないよ
掌怪談とかに応募するさ
>なんの感想もないと寂しい〜
これで来年度のわたくしさんは消えたなww
その調子で雷鳥さんはじめ常連参加者も消せばお望み通り百物語企画が潰えるぞwww
【第九十九話】ヨサック ◆skAMDOCpdQ『音の正体』
(1/2)
【高校の時美術部に所属していて、放課後は他の部活の友人を待ちながら、美術室で絵を描いたりしていた。
ある日、ブラスバンドの友人を待ちながら絵を描いていた。美術室には私一人。夕闇も迫り、そろそろ電気をつけようか…と考え出した頃】
時間潰しの場所として美術室を利用してもいいのかな?
顧問の先生や他の美術部員はどこに?
>パンッ。床が鳴った。
ミシッのほうが良いのでは?
>美術準備室へと逃げ込む。
幽霊はドアをすり抜けてくるから、外に逃げたほうが安全では?
【ブラスバンドが活動する音楽室から美術室は見えるが、私の状況までは分からないだろうし、部活中は携帯禁止だ…】
この部分は別に必要ないので削除したら?
第99話「音の正体」
美術部員のわたしは、放課後いつものように美術室へいきました。不思議なことに、いつまで経っても顧問の先生も他の美術部員も来ないのです。
しょうがないので、わたしは一人でもくもくと絵を描くことに集中していました。
気がつくと辺りは薄暗くなっていました。
部屋の灯りをつけようと立ち上がった時、ミシッ
床を踏むような音が響いたのです。
ミシッミシッミシッ
床を踏む音が、わたしの周囲から円を描くように鳴り響きます。
堪らず美術室の外へ逃げると、ブラスバンド部の同級生がちょうど通り掛かったのです。
その同級生が妙なことを言うのです。
「あのバレリーナの女の人は誰?」
どういうことか訊ねると、同級生はバレリーナの衣裳を着た女の人が、躍りながら美術室へ入っていくのを見たというのです‥‥
こういうパターンもありかと。
いや、本気でそれはねーわ
さて、いよいよ100話の寸評だ
その前に発見したことがある
それは、幽霊はバカだということだ
なぜなら幽霊は自分が死んだことに気がつかないからだ
そして同じ場所で、同じ行動を繰り返す
何年も何十年も
北斗のケンシロウに「お前はすでに死んでいる」と注意してもらえば
成仏するのだろうか?
さて、いよいよ100話の寸評だ
その前に発見したことがある
それは、幽霊はバカだということだ
なぜなら幽霊は自分が死んだことに気がつかないからだ
そして同じ場所で、同じ行動を繰り返す
何年も何十年も
北斗のケンシロウに「お前はすでに死んでいる」と注意してもらえれば
成仏するのだろうか?
99の改訂した方が劣化してる件
上のご高説ではありがちな擬音は使うなって言ってたのに
ミシッwww
ありがちな擬音全開だな
そもそも「バレリーナ」だけで女だと表現してるのに「女の人」と重複表現になってる
こんなバカが他人の文章をああした方がいいこうしたらどうかと評価するんだからな
>>449 ワロタ
それプラス、バレリーナに改悪しちゃうと自分には音だけが聞こえてたってのと矛盾するんだよねw
バレリーナって足音なるべく立てないように訓練するもんだから
元の話だと女生徒が踊ってたってことだから音だけしてたってのは成立するんだが
さて、いよいよ100話の寸評だ
その前に発見したことがある
それは、幽霊はバカだということだ
なぜなら幽霊は自分が死んだことに気がつかないからだ
そして同じ場所で、同じ行動を繰り返す
何年も何十年も
北斗のケンシロウに「お前はすでに死んでいる」と注意してもらえば
成仏するのだろうか?
99話まで寸評が終わった
いよいよ最後の百話めだ
しかしなんだな
幽霊って哀れな存在だな
自分が死んだことに気がつかないで
同じ場所で、同じ行動を
繰り返しているんだからね
何年も、何十年も‥‥
北斗のケンシロウに
【お前はすでに死んでいる】って注意されたら
成仏するのかな?
それでは各賞の発表とまいります
最も多くの怪談を投稿された方に贈られます
お憑かれ様賞の発表です
9作品を投稿された雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ様に決定いたしました
(/ ̄ー ̄)/‥∵:*:☆*゜★。::*☆オメデトォー!!
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ様には、流したてホヤホヤの
水子の霊を三人分お憑けいたします
大切に供養してやってください
つづきまして
怖い話ばかりだと心臓に悪いよね
という要望から生まれました
ホンノリ賞の発表です
【第二話】わたくし◆O0RKwPn0UQR0様『墓行き』
【第二十七話】成 ◆0ute.wyqdY様 『おとうさん』
【第五十話】 米屋◆YZbG3mcRGI 様 『婆さんの予知夢』
【第八十三話】ふーわ様 『ホットスポット』
【第97話】葛 ◆PJg/T8DlUQ 様『狐の嫁入り』
★⌒☆⌒★〓☆ 祝 ☆〓★⌒☆⌒★
この五名様には、子なき爺型リュックサックをお憑けします
足腰鍛えて来年の百物語に備えてください
つづきまして、これぞ怪談ともいうべき
怖い話に贈られます怪談賞の発表です
【第四話】妖場 ◆ws148WRg2A様『ガサガサ』
【第七話】成 ◆0ute.wyqdY 様『キャンプの夜』
【第三十四話】ヨサック ◆skAMDOCpdQ 様 『オシラサマ』
【第四十四話】キツネ ◆8yYI5eodys 様 「指差し」
【第六十七話】飛びり◆kT8a8E4J7s 様 「占い師の話・正体」
【第七十七話】ヤプール◆MY/4W00M4M様「本物の主演女優」
【第九十四話】広島生まれのTさん ◆1Kjm5Bjng.『地元で有名な心霊スポット』
(゚∀゚ノノ"☆パチパチパチ(゚∀゚ノノ"☆パチパチパチ
以上の皆様には、開けてはならぬパンドラの蓋無し箱を
お憑けします。
来年もご参加のほど、宜しくお願いします
さていよいよ2013年度【百物語大賞】の発表です
◎第24話「忘れ物」 葛 ◆PJg/T8DlUQ様
◎第45話「ヘッドホン」妖場K◆ws148WRg2A 様
この二作品に決定ッ!
彡^・∋/゚・:*【祝】*:・゚\∈・^ミ彡^・∋/゚・:*【祝】*:・゚\∈・^ミ
葛◆様と妖場K ◆様には金が出るか邪が出るか
不安定な小槌をお憑けします
来年のご参加に期待いたします。
結局100話目の寸評はどうなったんだ
総評
雷鳥一号さんとキツネ◆さんは毎年多数投稿しているだけあって
文章が読みやすく、内容も怖い
唯一の落語文体で投稿しているわたくしさんの作品は
気分転換になるので来年も参加して欲しいです
総評
これぞまさに怪談ッ!と思わせたのは
第34話の「オシラサマ」でした
総評
強烈に怖いと思ったのが
無数の赤ちゃんがハイハイしてくる
第14話の「行進」
濁った目で指を指されると
人が次々に死んでいく第44話「指差し」
指が切断される第63話「占い師の予言・結果」
総評
総合的に完成度が高いなと思わせたのが
第24話「忘れ物」
第45話「ヘッドホン」
でした
第19話イエロー ◆C24hL2JS8g
314 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2013/08/07(水) NY:AN:NY.AN ID:CRChHvRzO
却下じゃ、出直してこい
↑死ね
これを読んで、やっぱり生きている人間の
怨みの念が1番怖いなぁと思いましたね
遅ればせながら田中特別賞は
【第三十四話】ヨサック◆skAMDOCpdQ様『オシラサマ』に決定です
才×〒"┝_〆(´∀`●)
ヨサックさんには三本足カラスの
唐揚げをお憑けします
総評
怪談は、これは実際に起こった話だと
読み手に思わせないとダメなんです
だからリアリティを大切にしなければなりません
ライトノベルの悪影響を受けている話が
多々有りました
468 :
本当にあった怖い名無し:2013/09/07(土) 23:17:00.76 ID:IDsxCQH10
総評が長い、というか多い
言いたいことはすっきりまとめて一回で終わらせてくれ
総評
新耳袋、超怖い話、稲川淳二の本を
よく読んで練習すれば
怪談ぐらい誰でも書けます
小説は無理だけど
自分が体験したことをできるだけ正確に書くのが怪談ではない
1の体験を100に膨らませて、面白ろ怖く語るのが怪談
要するに怖けりゃ何でもいいんです
1000までネチネチ
寸評を続けようぜ
ハードッコイショードッコイショ
ハイソーランソーラン
ヤーレン♪
ヤーレン♪
そういう
いまさらなネタをアホみたいに何度も繰り返すの
やめようよ
この前、電車に乗っていたら不思議なことが起こった
476 :
本当にあった怖い名無し:2013/09/16(月) 03:31:15.90 ID:tFHMXIvrP BE:1751751465-PLT(23386)
何
477 :
本当にあった怖い名無し:2013/09/16(月) 13:28:31.43 ID:H655xyx+O
え?何なん!?
電車のドアがひとりでに開いて
そして閉まったんだ
479 :
本当にあった怖い名無し:2013/09/16(月) 21:52:50.61 ID:gzLDDnXi0
ひぃぃ・・・
最近、エレベーターに乗るたびに女の声が聞こえる。
一緒に女が乗ってるから
その女とはよくエレベーターで会うのだが
俺は9階、女は6階で降りるのだ
女がなん号室に住んでいるのかは知らない
483 :
本当にあった怖い名無し:2013/10/03(木) 09:19:39.54 ID:SFMBjwwt0
もう10月か‥
484 :
本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 13:44:33.24 ID:j8x8hB3/0
ちょっとした怖い話ていうか奇妙な話、自分が小1の時に一階の渡り廊下の隅っこに女の子がいてなんかこっちの方みてニヤニヤしてて気持ち悪いなーておもってて
よく見たら鏡でした
鏡の外のわたしは、やがて小学校を卒業していきました
わたしはいまでも小1のままです
わたしは待っています
いつまでもいつまでも待っています
いつかまた、鏡の外のわたしが
小1のままの姿で現れてくれるような
そんな気がするのです
488 :
本当にあった怖い名無し:2013/10/18(金) 16:41:34.87 ID:1cT2znha0
山本
松井
加藤
鈴木
本田
489 :
本当にあった怖い名無し:2013/11/01(金) 20:29:13.83 ID:plLhi5bVi
保守しとくか
保守
ほしゅ
保守
493 :
本当にあった怖い名無し:2013/12/22(日) 01:26:35.48 ID:7foU9gcn0
素朴な疑問。自動ドアが誰もいないのに開く時
みんなはどう思いますか?
494 :
本当にあった怖い名無し:2013/12/22(日) 01:33:58.48 ID:Fs1i/cBw0
さすがに叔母の通夜の時、葬祭場の自動ドアが突然開いたのは何かあるんだろうなぁと思った
一体何が何をどうすればそうなるのかはもちろんわからんが
ってニュー速で見てたスレと間違えたわ!
百物語スレで素朴な疑問とかかましてんじゃねーよ!!
496 :
本当にあった怖い名無し:2014/01/05(日) 05:01:28.21 ID:ch5N5zYDi
るー
ほしゅ
ほす
ほっす
501 :
本当にあった怖い名無し@転載禁止:2014/04/07(月) 19:56:27.36 ID:KIbcfSJ3i
保守ついでにageれば、宣伝にもなると思うの。
502 :
本当にあった怖い名無し@転載禁止:2014/04/24(木) 00:11:50.26 ID:IC0wqkn50
このスレ、今年の百物語まで残ったりして
レス
>>510あたりから「2014百物語」が始まるの
もう5月か…
504 :
本当にあった怖い名無し@転載禁止:2014/05/14(水) 16:34:58.05 ID:RXHu/dtx0
ニューヨークカフェオレ炭鉱労働米国人問題
ニューヨークカフェオレ炭鉱労働米国人問題
ニューヨークカフェオレ炭鉱労働米国人問題
>>502 ありえそうだw
だが、その場合は、開始前の連絡所として機能させればいいんじゃないのか?
506 :
本当にあった怖い名無し@転載禁止:2014/05/17(土) 00:58:10.77 ID:J6hkbE9z0
>>505 もちろんそれでも良いけど、私は語り手にも進行係もしないだろう。
今年の係りの人達に任せるしかあるまいw
今年人集まるのかね
保守
保守
去年はなかなか集まらなかったけど
今年はどうなるんだろうね
512 :
本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2014/06/16(月) 09:40:23.43 ID:I+/hGtjc0
新スレ立てるのか、ここを継続利用か?
とりあえずageてここで相談始めるか
2014年、金曜日は
7月は4日、11日、18日、25日
8月は1日、8日、15日、22日、29日です
継続でいいんじゃないかい
ついでに使いきるくらいで丁度いい
去年は8/23だけど合わせるなら8/22かね
準備期間も含めて7月って選択肢はない気がするが
本番前の打ち合わせはともかく、本番は流石に2014年版のスレ立てなきゃマズイだろ
ホントなら打ち合わせだってちゃんと新スレ立てた方がいいぐらいなんだから
本番は新スレ立てるに決まっとろうが
忍法帖確認しようと思ったらBeってなんじゃい
怪しげなリンクは踏めないw
俺LV低いのは確定しているので忍法帖生きているのなら誰か企画スレ立ててくり
俺も建てられなかった
夏コミが15日からだから外した方が無難かな
乙
ほしゅ