696 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/01/28(日) 01:27:24 ID:epkcJh7U0
儂の名は毒島。闇医者なんて稼業で食っている老いぼれよ。
往診の帰り道に公園に差し掛かると女が悲鳴を上げて逃げていきおった。
トイレから出てきたようじゃが、ちょっと見てきてくれんかぃ?
儂は助手にトイレの中を調べてもらうことにした。
いやなに、いくらこの歳でも女子トイレの中に入るわけにはいかんからのう。
「センセ、こんなものが落ちてましたわ。」
暫くすると助手は手に人形を持って出てきおった。
それはリカちゃん人形という奴じゃな。ほう、足が3本もありよる。
そして人形は儂と助手をぎろりと睨みつけると不吉な言葉を喋りだしたんじゃ。
「わたしリカちゃん。呪われているの。わたしリカちゃん。呪われているの。」
ほうほう、そうかい。先ほどの娘はこれで逃げていきおったわけかい。
ま、ちょっと待っておれ。確かこの鞄の中に…おお、あったぞ。
昔、記念に撮っておいたものじゃが、どれ人形よ、これを見てみい。
「わたしリカちゃん。呪わ…ひっ」
儂が写真を見せると人形は助手の手を振りほどいて逃げていきおった。
ククク、これに懲りてもう悪さはせんことじゃな。
「何を見せたんです?センセ。」
儂が一人でほくそ笑んでおると助手が覗き込んできおった。
ほれ、お前も見てみるか?世にも珍しい85本足の蛸じゃよ。
そんなに悲鳴をあげるほどのものかい。可愛いのう、ヒッヒッヒ。
697 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/01/28(日) 01:28:08 ID:epkcJh7U0
俺の名は近藤、刑事一筋ン十年の男だ。
今日はついに長年追い続けていた臓器売買組織のアジト壊滅の日だ。
まったく尻尾を掴ませない謎の組織だったが、とうとうボロを出した。
都内のある大通りに面したホテルの地下で謎の失踪事件が起こった。
シャワーを浴びていたはずの男が消えてしまったというのだ。
これが行きずりの男と女なら、表には出てこない事件だったのかも知れない。
だが諦めきれない恋人も居る。家族も居る。
そんな想いが、ついに俺たちの元に届いたようだ。
話しを聞いてすぐピンときた。
都内で多発している失踪事件、潰してきた裏の取引、見つからない組織。
すべてが繋がりそうだった。
肝心の“どこで手術をしているのか”という謎が解ける。
こんなにも令状が降りるのが待ち遠しかったことは無い。
今日こそ悪党どもにひと泡吹かせてやろうじゃないか。
この日のために用意された緊急対策本部室の中は異様な熱気に包まれていた。
そして、出動の時は来た。
ホテルの周囲を警官隊で固め、捜査一課の精鋭を連れて俺は内部へと乗り込んだ。
証言にあった地下の客室へと進み、壁にカモフラージュされた扉を見つける。
危険は承知の上だ。だから行くんだ。
俺は一番に扉の中に身を躍らせた。これが、俺の仕事だ。
698 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/01/28(日) 01:30:06 ID:epkcJh7U0
699 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/01/28(日) 01:34:25 ID:epkcJh7U0
見ちゃったよ…グロいな
俺現物見たことある……
そんときは鳥羽水族館の入り口近くに瓶が出してあったのよ
意外に「うはwこれテラキモスwww」ってなノリで平然と見てた記憶が。
702 :
本当にあった怖い名無し:2007/01/30(火) 00:34:30 ID:98cCAFLi0
なんかサンシャインにも似たようなのが居たような記憶があったなぁ…
平然と見れた701は凄いな
704 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/01/30(火) 22:32:15 ID:piwfuCY+0
>>703 見ちゃったよorz
自分でネタ振っておいてアレだけど、動いていたところ見たらコレ絶対トラウマになるなぁ
保守age
705 :
本当にあった怖い名無し:2007/01/31(水) 23:07:24 ID:82T9iCf9O
保守
俺の名前はジョージ。商店街の入り口で小さな探偵事務所を開いている。
事務所は駅から5分とかからない最高の立地だ。
建物もちょっと古くて少しガタがきているが、造りはしっかりしている。
俺はここで長年暮らしているし、俺にとっちゃ最高の事務所だ。
が、
「いい加減にしろ!」
俺は耐え切れず、とうとう声を荒げて餓鬼どもを追い出した。
まったく、最近餓鬼の遊び場になって本当に困っている。
子供が苦手なわけじゃないが、毎日毎日遊びに来られてもな。
近所の小学校に通う4人組みだ。
いつも赤い顔をしているリーダー格の餓鬼が一番背が低くて、
その子分に太った大柄の子供。そして女の子が一人。
俺と同じこのアパートに住む青い目の子供という構成だ。
話しを聞いてみたらどうやら流行りの探偵団気取りらしい。
しつこく昔の話しを聞かせろだの、何か怪事件をよこせだの。
まったく、どんな躾をされてやがるんだ。
俺は餓鬼の居なくなった部屋で冷めたコーヒーをひと口含んだ。
静かになった部屋に、風呂場へと非難していた三毛猫が顔を出した。
だが、静かだったのは一瞬のことだ。
パソコンを覗き込んでいたマコトが「依頼ですよ。」と顔を上げたからだ。
依頼内容の欄は簡潔に、ストーカーを退治して欲しいとだけ書かれていた。
707 :
鬼 2/8:2007/02/01(木) 10:02:58 ID:C+LB+8vU0
二日後、俺はマコトを連れてある駅で依頼人を待った。
依頼はメールでも受け付けるが、実際に受けるかどうかは会ってからだ。
これは譲れない。
待ち合わせの駅に時間通りに現れた依頼人は地味な女だった。
化粧すらしていない。髪も爪も短い。
主婦でもOLでもない、小奇麗さと翳。
俺はこの手の人種を知っている。
自分の身体を切り売りしているタイプの女だ。
仕事の内容を聞かせて欲しいと頼むと、女は事件について喋りだした。
事の起こりは誰かが部屋に侵入した形跡がある、と感じたことだ。
直して出たベッドのシーツが少しだけ乱れている。
下着が足りないような気がする。
気のせいかも知れない、そんな些細なことがきっかけだった。
「それだけ?」とマコトが口を挟むと女の表情にさらに翳が落ちた。
ある日“仕事”から帰ってくると机の上になんと花束が置いてあった。
ハッピーバースディのメッセージカードを添えて。
彼女の25回目の誕生日の朝だった。
最初は“店”の誰かだと思った。
生活は管理されている。事務所の人間は鍵を持っている筈だ。
だが違った。
それが誰からの贈り物でもない事が判明したのは、夜出勤してすぐのことだ。
708 :
鬼 3/8:2007/02/01(木) 10:03:35 ID:C+LB+8vU0
「流石に気持ち悪くなって…はい、花束はすぐ捨てました。」
女の言葉遣いは丁寧で流暢だ。持っている“顧客”もさぞ多いことだろう。
俺がタバコを吸っていいか?と聞くとすぐにライターが出てきた。
その姿に俺は苦笑するしかなかった。
結局、俺はこの嫌がらせ対策の依頼を受けることにした。
話しを聞いている間に何度か知り合いの名前が登場したからだ。
こんな仕事をしている関係上、彼女の“事務所”がらみの知り合いも多い。
あの人が絡んでいるならば、そんなちっぽけな理由だった。
彼女の部屋に花束が置かれていたのは先月のことだ。
それからひと月あまり、犯人の行動は加速度的にエスカレートしているらしい。
捨てたはずの花束がテーブルの上にあった。
さらに捨てると、また戻ってきた。
しかも、今度は褪せた花びらに血のようなものが付いていた。
部屋の鍵を変えたが効果がない。
事務所の人間が見張りに付いたが、その日だけは現れない。
そして数日が経ち、もう現れないだろうと警戒を解いた日の朝。
テーブルの上に枯れた花束が戻ってきていたのだ。
花束は、まだ新しい血で赤く染められていた。
彼女は精神的に追い詰められていた。警察へは“行けない”
そして悩んだ挙句、事務所の人に許可を貰い俺の所へ来たのだった。
709 :
鬼 4/8:2007/02/01(木) 10:04:33 ID:C+LB+8vU0
調査を開始したのはさらに二日後のことだった。
機材のレンタルに少し手間取ったからだ。
複雑な機械を操りながら部屋をうろうろと歩き回るマコトに、
依頼人の女が怪訝そうな表情を向ける。
「あ、これはですね。盗聴器の電波を探しているんですよ。」
と、マコトが笑顔で説明してやっと納得してもらえたようだった。
換えたばかりの鍵穴にもピッキングの跡が残っていた。
簡単な指紋採取をしてみたが、当然、それらしいものは出てこない。
話しを聞いている間にも感じたことなのだが、
嫌がらせをしている犯人はかなり頭の良い、慎重な人物らしい。
ドアの鍵は電子ロックへと変更。発見された2個の盗聴器も撤去。
逆に小型の監視カメラを設置してテーブル周辺を撮影することにした。
まあ、盗聴器が撤去された時点で部屋への侵入はまずありえない。
これで撮影されてくれるような犯人なら苦労は無いのだがな。
部屋の中は最低限の家具と荷物しか置かれていなかった。
今時珍しい“訳あり”の女だ。
初めから用意されていたであろうダブルベッドだけが豪華で、
あとは安物のパイプハンガーに僅かな衣服がかかっているだけだった。
やはり似ているな。
俺の脳裏にいつか見た光景が重なる──
嫌がらせをしていた犯人への対策は一通り終わった。
だが、何も解決したわけではない。結局はその犯人の意識次第だ。
俺は女に、一日も早く犯人を捕まえると約束して部屋を後にした。
710 :
鬼 5/8:2007/02/01(木) 10:07:48 ID:C+LB+8vU0
暫くは何事も無い日々が続いた。これは予想されたことだった。
犯人は彼女が興信所に依頼したことも、部屋に対策を施したことも知っている筈だ。
彼女は仕事を続けているが、送り迎えには事務所の人間が就いた。
俺は彼女に次の行動を指示していた。
恐らく“客”の中に犯人は居る。
怪しい素振り、言動、隠しカメラなど、“店”の監視だけでは賄えない部分を
彼女に観察してもらうつもりだった。
だが、何も手掛かりを掴めないまま一週間が過ぎようとしていた。
「はい、ジョージさん。」
マコトがポットから紙コップにコーヒーを注いでくれた。
愛車の窓は少し曇っている。俺たちの張り込みも一週間になろうとしていた。
「ストーカーかぁ。なんか変な気分ですよね。」
マコトは紙コップを両手で抱えながら、それでも視線をマンションから逸らさず
静かに話しを続けた。
「結局は“好きになった”だけなんですよね…ただ、好きなだけなのに…
好きになって、受け入れて欲しくって、相手のことが知りたくなって、
何かを送りたくなったり、相手の持ち物が欲しくなったり、触れたくなったり、
それって、そんなに変なことなんでしょうか?
え?僕はもちろんしませんよ、相手の迷惑になりますから、けどね、
その行き場の無い気持ちだけは…なんかわかる気がするんですよね。」
711 :
鬼 6/8:2007/02/01(木) 10:08:43 ID:C+LB+8vU0
現場には2台の救急車が停まっていた。
依頼人の女の勤める“店”、そこから数人の怪我人が運び出されている。
予測を大きく上回る展開に、俺は暫し呆然としていた。
犯人は“店”に現れた。
やはり顧客の一人だった。
気の弱そうな、中年のサラリーマン風の男だった。
彼女の手を取り「ここから逃げよう。」と持ちかけた。
彼女は抵抗したが男の力には敵わない。
引き摺られるままに部屋を出たところでスタッフが駆けつけた。
中には単なるアルバイトも居たが、ほとんどは事務所の息がかかっている
喧嘩慣れした男ばかりだ。簡単に取り押さえられる筈だった。
そんな男たちが4人も揃って、手も足も出なかったらしい。
もしも“鬼”というものが居たとしたら、きっとその男の姿だったのだろう。
大の男を4人も振り回し、植木もガラスも滅茶苦茶に叩き壊し、
“鬼”は彼女を残して夜の街へと逃げていったという。
マコトの言う行き場の無い気持ちが、男を鬼に変えたのだろうか。
彼女への情愛と欲望が、男を鬼へと変えたのだろうか。
現場に駆けつけた警官に、ただの喧嘩ですよ、と説明する店員の後ろで、
俺の依頼人がタオルで身体を隠し、怯えて蹲っていた。
そうだな、彼女の行き場もこれで無くなったんだからな。
712 :
鬼 7/8:2007/02/01(木) 10:10:08 ID:C+LB+8vU0
彼女は“訳あり”で“店”に勤めていた。
勤務できないとなれば別な方法で金を稼ぐしかない。
事務所、いや“組”の方針はシンプルだ。
遠く売られてゆくか。
身体の一部を高く引き取ってもらうか。
そのふたつにひとつ。選択は彼女の自由だ。
海外の市場へ売られてゆけば、例え借金を返したとしても二度と
自由になることはないだろう。
だが身体を切り刻む恐怖よりはまだ懸命な選択なのだろうか。
深夜、晴海埠頭に降り立った彼女の表情は暗く沈んでいた。
俺の予想は本当に大きく裏切られた。
俺は犯人をもっと頭の良い、狡猾な人物だと思っていた。
彼女の仕事、部屋の様子から推測すればこうなることはわかるはずだ。
それが、想像以上に“想い”は素直に表現された。
俺達の対策は男にとってあまりにも完全過ぎたらしい。
行き場を無くした彼女への愛が悲劇を呼ぶとは皮肉なものだ。
俺はタバコに火をつけた。
立ち上る煙の先に、白く輝く月が浮かんでいた。
潮風は重く、身体に張り付くように流れていた。
713 :
鬼 8/8:2007/02/01(木) 10:11:09 ID:C+LB+8vU0
「来ましたよ、予定通りですね、探偵さん。」
俺と様子を見ていた若頭の言葉に、俺はオペラグラスを取り出した。
この男は物腰も柔らかく言葉遣いも丁寧だが、いつも冷静すぎる。
彼女はちょうど車を変えたところだった。
一般車に男3人と乗り込み、ドアを閉めた。
その時、埠頭に獣の雄叫びが響き渡り、一つの真っ黒な影が車に取り付いた。
俺が聞いた犯人の姿と現実は随分と違っていた。
身長170cmほど、痩せ型と聞いていたサラリーマンの後姿は、
2mを越えた大型の熊のような姿に見えた。
取り押さえようと飛びついた組員は振りほどかれ、跳ね飛ばされ、
まるで子供のようにあしらわれた。
そして驚くべき事に大人四人が乗った車を、男は傾けだしたのだ。
逃げよう、と声が聞こえた
だが、そこまで
そこまでの想いも伝わらない
遠く聞こえる悲鳴と咆哮は、拒絶と悲しみ
「探偵さん、そろそろ見ないほうがよろしいかと思いますが。」
若頭に言われて俺はオペラグラス外し、帽子を目深に降ろした。
月光の中、銃声は本当に小さく、一瞬、聞こえただけだった。
714 :
エピローグ:2007/02/01(木) 10:14:31 ID:C+LB+8vU0
報酬は初めの予定よりかなり多く振り込まれた。
マコトは不思議がっていたが、俺は特に説明をしなかった。
こいつがこの仕事を続けていくならば、
そしていつか一人立ちをする日が来るならば、
手を汚すことも、裏の世界のことも教えなければならないだろう。
だが俺の相棒でいるうちは知らなくていい。知らずにいて欲しい。
俺はマコトに嘘をついた。
愛に狂った“鬼”にも、嘘をついた。
彼女が外国に売り飛ばされる予定など初めから何処にも無い。
すべて、俺とあの若頭が仕組んだ狂言だ。
だが男は予想通り、彼女を助けに現れた。
一点の曇りも無く、あまりにも純粋に、想いのままに。
窓から見下ろす風景の片隅で、子供たちが遊んでいる。
ふと気付くと一人足りない。
と、思って振り返ると事務所のソファにふんぞり返っている姿があった。
リーダー格の糞生意気な餓鬼だ。
いつにも増して赤い顔をしていると思ったら、本当に酒臭い。
まったく、こいつの親はどんな躾をしてやがるんだ。
「そうだな、鬼は嘘をつかないのにな。」
相変わらず生意気な口調の餓鬼に、俺は苦笑いを返すことしか出来なかった。
>>714 肩に黒い猫又を乗せてる、大男が出てきそうな気がしてきたよw
乙
716 :
ぽんぽん:2007/02/02(金) 03:07:12 ID:q/fvEhdg0
今から投下。元ねた
順番に「青いレインコート」
「オムライス」
717 :
ぽんぽん:2007/02/02(金) 03:08:48 ID:q/fvEhdg0
俺の名前は悟、こうやって紹介するのも久しぶりだな。
冬が深まるにつれこの部屋の人口も増えていく。まあ人じゃないものもいるけどな、今いるのは俺、クロ、涼子先生
そしてたった今何らかの包みを持って入ってきた里崎先生だ。包みの中身は何だろな、部屋のみんなが気にしていた。
どうやら開くつもりは無いらしい、まあそりゃそうだ。今日は飲み会だからな、最後に取っておけって奴だろう。
宴会が始まるとまず最初に飛び出すのは「乾杯」だ、その後は皆の愚痴を聞かされる羽目になる。
ちなみに今日一番愚痴を言っていたのは誰であろう、里崎先生だ。
どうやら最近子供たちが言うことを聞いてくれないのと付き合ってちょっと経つ彼女から連絡が無いから寂しい、
そんな不満を泣きながらぶちまけていた。なぜかなだめているのはクロだ、背中を叩いている。
面白い光景だ、そう思っていたときドアを叩く音がした。クロは相変わらず慰めているし涼子先生はちびちびと飲んでいる
どうやら俺以外気づいてないらしい。
ドアを開くと青い召し物をした子供が立っている。「ボランティア」とか言っていたが生憎子供の来るとこじゃない、
そう言い放ち俺は扉を閉めた。ったくおかげで酔いが覚めた。
再び戻ると里崎先生がクロにお酒を飲ませている。普段なら怒るところだがまあ大目に見よう、寂しさは俺もわかることだからな。
どうやら里崎先生とクロは気が合ったようだ。
面白い奴らだ、覚めた分飲みなおさないと、と、そのとき腹に負荷を感じた。
驚いて下を見てみると涼子先生が腰に手を回して腹に顔をうずめている。結構酔っているようだ。
「悟しゃ〜ん、う〜、腹筋かた〜い。ぐりぐり〜」
まさか此処まで酔っているとは、他に見られてないか、そう思い見渡すと大丈夫だった。他の奴らはもう寝ていたからだ。
しかし変わっていたのは追い出したはずの男の子がこっちを見ていたことだ。
なるほど、「ボランティア」か…今度あったときはチョコでもあげよう。ああ、涼子先生、いや涼子、あっちで寝ようか。
一人食った。次は保険の先生だ。そういえば里崎先生、何を持ってきたんだ?とりあえずおきたら聞くか。
718 :
ぽんぽん:2007/02/02(金) 03:10:31 ID:q/fvEhdg0
私の名前はサオリ。主人の遺したアパートの管理人です。
私はオムライスが好きだったわ、もちろん作る方も、そして今も好きだけど。
自分では自信があったからよくアキヒコさんに作った、あの人はいつも首を傾げてたわ。「ん?」みたいにね。
不味いところでもあるのかな?それを聞いても特に無いって答えるし。だから工夫しようも無かった。
だからずっと同じような味だった。ずっと首を傾げてたけどね。
だからあの人が逝ってしまった時は大泣きしたわ、ずっと添い遂げることが出来なかったのと、
オムライスの良くないところがわからなかった、いや、別の料理でも同じようなことが有ったかも知れない。
そんなときにあの人のアドバイスを受けられないと思うと…。だから3日間は半ば欝気味だった。
その後は何とか一人でやっていこうとがんばってきた。オムライスはジョージ君や悟さんやミキさんに食べさせて
比較してもらって何とか改良しようとした。でも皆「美味しい」「アキヒコも贅沢だ」「言うことないわよねえ」
と、高評価だった。教えてアキヒコさん、どこがいけないの?
何もわからないまま月日が経っていきました。今日の献立を決めようとしていると、急に玄関のチャイムが鳴りました。
だれ?そう思ってドアを開けるとなんとアキヒコさん。私は声も出ませんでした。彼は
「久しぶり」
とまるで暫く合っていなかったかのように振舞うとビニール袋を提げたまま部屋の中に入っていきました。
そこから先は覚えていません。ふっ、と力が抜けてしまったのですから。
再び目を覚ますともうアキヒコさんはいませんでした。何も言わないで勝手に言ってしまうなんて、
ちょっと怒りながら周りを見渡すとキッチンをつかったようです。そして机にはアキヒコさん作らしきオムライス。それと「すまない」
と言う置手紙。なんだかんだ言って易しいのね。
その日はちょうど一周忌でした。その後オムライスは更に高評価を得ました。隠し味?教えません。
tes
720 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/03(土) 00:00:53 ID:gaBSs9hH0
ぽんぽんさん乙です
721 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/02/03(土) 00:09:43 ID:gaBSs9hH0
お、書けた^^
投稿したのが仕事行く寸前で、元ネタはあとで〜とか思っていたら規制くらいましたorz
ブログのタイトルには書きましたけどね。
元ネタは「酒呑童子」です。
>>715さん
私も“ミスター仙人”大好きでしたよ^^
“西新宿のせんべい屋”も好きでしたねぇ、最近読んでいませんけど。
言われてみれば私の文体ってかなり影響受けているかも。
>ぽんぽんさん
サオリの話、面白かったですよー
隠し味知りたいですけどねw
で、青いレインコートのほうが見つからないので出来れば出所を教えてくれませんか?
洒落怖まとめサイトでいろいろ検索したのに発見できませんでしたorz
Part○○とかわかれば教えてくださいー
722 :
ぽんぽん:2007/02/03(土) 05:01:16 ID:yLu39O3J0
あ、すいません。上に書いたいずれの話はどちらも新耳袋からのものです。
「青いレインコート」はyoutubeでもいいのですが、たしか第七か第八夜だったと思います。
「オムライス」も同様です。はっきりしなくてすいません。
723 :
ぽんぽん:2007/02/03(土) 06:00:14 ID:yLu39O3J0
俺の名前はジョージ、背中が煤けた探偵さ。
今日は特に何もすることが無い、抱えていた件も何とか解決した。よって今日は休みだ。
マコトも暇な所為かいびきをかいて寝ている。
「佐々木さんですか?」
唐突にそう言われて俺は驚いた。声を聞くと女だ、しかしこのタイミングで来るとはな。
命を狙われることはあっても事務所まで突き止められた覚えは無い。おそらくこの女、振り向かせて「違います」って言ったところを…くそ。
呼びかけるのはフェイクだ、相手は相当のプロだろう、おそらく清掃員に扮しているに違いない。
俺は懐の拳銃を引き抜き、後ろの女に突きつけた。二人を隔てるのはガラス窓、ちなみに防弾ではない。
すると女は消えていた。此処から見えるのは道路の向こう側のビルと青い空模様だ。
逃がしてしまった…くそ、俺一人ならまだしもこいつらに迷惑をかけてしまうとはな。
元ねた洒落〜Part59「佐々木さんですか?」
724 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/03(土) 21:48:28 ID:kgGQ3/I+0
を、
>>723上手くなってきた。拳銃は勘弁願いたいが発想は面白かった。
>>706は感動した。最高にクールでほろ苦い。長編で一番好き。
伏線や「鬼は人を〜」を見ても酒呑童子とは気付かなかった。
ttp://www.tetsusenkai.net/members/0061ikuseikai/syuten.htm あたりが短くまとまってる。ピンとこなかった人はどうぞ。
以前出てた次スレテンプレの話は、主に新参作者&読者用でおk?
「オススメ作品集」と「人物相関図」と「元ネタはここで探せリンク」なんてどうだろう。
作者諸氏には前二つが作り辛いだろうから、
しがらみのない読者がこれまでの感謝を込めて労務提供させてもらう。
まず「勝手に相関図」案。
MS P ゴシック 12ptで作ったがズレてたらお手上げ。
**********************相関図***********************
<人物相関想像図>
注、職人諸氏の意図とは異なる場合があります
悟
↑ ┌愛情・助力―――近
マコト―見習・尊敬 ┐ 悪友|┌尊敬・感謝―→藤
│ | | |│ ↑
世話 ↓ ↓ ↓│ 尊敬・上司
↓ ┌―→ ジョージ |
ミケ――居候―┘ ↑|↑|↑ 岡島
|||||
||||└―知己・好意→サオリ
||||
毒―施術・利用―┘||└―得意先・警戒―→ミ
島――助力―-――┘└――利用・愛情?――キ
*********************ここまで**********************
次は「勝手におすすめ作品集」案。
初見の人をつかめるように、
有名な元ネタ&質激高作品&キャラ紹介&ふいんき(何故か(ry
と欲張ったつもりだが、レスアンカー大杉と叱られた。
一人だけではなんなので、他の読者もぜひやってみて。
いい作品多すぎで絞りきれなかったんよ。
*****************読むべし作品集********************
<読者が勝手にオヌヌメ作品集>
8 すれちがいざま「よくわかったな」
12 コトリバコ
28 リカちゃん
31 自己責任
53 キュルキュル
54-55 ろくろ首
186 お前だ
265-266 置いてけ堀
337 下男
530 ホームの下の男
542 ホープダイヤの呪い
567-568 夏の朝
*********************ここまで**********************
>>724 「人物相関図」良いですね。
ジョージ→ミキ 警戒してました?
なんとなく分かるような気もしますが。
728 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 00:02:47 ID:vK1BesDX0
<読者が勝手にオヌヌメ作品集>
112-115の「放送禁止」
147の「かしまさん」も好きだな
アンカーはブログにリンクすれば大丈夫かな
あと28はメリーさんでは?
729 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/02/06(火) 13:02:46 ID:z/1ZMrtI0
ぽんぽんさん乙です。
確かにただの探偵が拳銃持ってるのはまずいですよ(汗
持っていてもおかしくないくらい“裏”との繋がりもありそうですけどね^^
<読者が勝手にオヌヌメ作品集>
>58 リンフォン(名無しさん作品)
>92 トミノの地獄(名無しさん作品)
>103-105 オルゴール(ぽんぽんさん作品)
>112-115 放送禁止(名無しさん作品)
>125 ぼく ごろう(送り狼さん作品)
>186 リョウメンスクナ(同上)
>337 下男(偽さん作品)
>381-382 てめえじゃねぇ 続き(名無しさん作品)
>527 おつかれ(519さん作品)
>530 ホームの下の男(同上)
>535 ほのぼの光景(同上)
私も参加
自分が書いたものでは初期のテケテケとか、あとは…orz
730 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/02/06(火) 13:17:47 ID:z/1ZMrtI0
お、成功した。>←1つなら安価多くても怒られないようですね。専ブラなら関係ないし。
でもDAT落ちした時のことを考えるとブログへのリンクにしましょうか。
またいつアクセス規制食らうかわからないので、いまのうちに書けることは書いておきますね^^;
>>724さん人物相関図乙でした。
専ブラでちょっとずれていたので直してみようと思ったのですが…
うまくいかないなぁ…IEの方が綺麗に出ますね。
次スレ建てたら入れてみようと思います^^
あと次スレタイトル案なのですが
【改変スレ】ジョージと愉快な仲間たち2【別館】
【改変スレ】心霊探偵ジョージの事件簿2【別館】
【心霊】ジョージと愉快な仲間たち2【探偵】
など考えて見ました^^
他にも案があればご意見よろしくお願いします
731 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/02/06(火) 13:23:14 ID:z/1ZMrtI0
732 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 13:34:03 ID:z/1ZMrtI0
最後に、「元ネタはここで探せリンク」ですが、洒落怖まとめサイト、ようつべ、Wikiへのリンクは
ブログの作品の後ろのほうに少しずつ載せていくようにします。
ヒマを見つけてののんびりした作業になりそうですが^^
個人のHPは勝手に転載するのも悪いので許可いただけるまでしません。
特に2ちゃんねるにURL載せるのは控えたほうがいいかと思います。
長編ネタとかは有名どころですので、ググっていただければすぐ出ると思うのですが…
pDOG氏
【心霊】ジョージと愉快な仲間たち2【探偵】に一票!
734 :
ぽんぽん:2007/02/06(火) 22:13:35 ID:/dwCpqcr0
俺も【心霊】ジョージと愉快な仲間たち2【探偵】かな。
愉快な仲間ってところがほのぼのとしてて良いし。
735 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 22:41:49 ID:ValD0uw/0
俺も【心霊】ジョージと愉快な仲間たち2【探偵】に一票
>>725のアンカー
>>28と
>>186がズレてるな。
別の作品と間違えてない?
こうなってくると投票システムとか欲しくなってくるが・・望みすぎか
736 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/02/07(水) 00:00:01 ID:orghwWFx0
おk
【心霊】ジョージと愉快な仲間たち2【探偵】
でいってみましょうか
テンプレは
>>686-687でいいですかね。変更点あれば今のうちにご意見よろしくです
で、その後相関図&オヌヌメ作品で
737 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/02/07(水) 00:11:17 ID:up6bDHpX0
皆さんの意見を待っている間に…亀ですが
>>724 騙して討つ展開と最後の「鬼は〜」が書きたいだけで「酒呑童子」を選びました(滝汗
解らないのも無理は無いですorzすみません
もう既に反撃なんて考えてないからなぁ、私(オイ
>>726 さら怖スレにも行ってみたいのですが…とにかく今はジョージだけで手一杯ですね。
つか、ジョージが既にクールに反撃という型に囚われてな(ry
怖い話も書いて見たいのでそのうち挑戦させていただきたいとは思います。
テンプレOKなら建てに行って来ますが…
で、これで建てられなかったりアクセス規制食らったりしたら笑っちゃいますね。
そしたらどなたかよろしくお願いします。
738 :
ぽんぽん:2007/02/07(水) 05:58:53 ID:SK7zCsYY0
私の名前はクロ、部屋でぬくぬく、まさに温室で育てられた犬です。
私の目の前にいるのは飼い主の悟さん、なにやら机の上のチョコらしきものを見て頭を抱えております。
ちょっと目を離せば食べてしまうのに、私のマスターはそんな暇さえ与えません。
「赤い目…?赤い手…?一体何なんだ?」
この台詞を十分に一回は言っている、悟さん時間掛けすぎですよ、仕事はいいんですか?
ん?ドアを誰か叩いてる、あ、この香りは涼子先生だ。撫でられると気持ち良いんだよな、安らぐから。
あれ、先生どこ行くんですか?あ、先生の隣ですね。最近なんかあったんですか、そんなにぴったりとくっついて。
ところで悟さんを見るのはかまいませんが合間になんでチョコ見てるんですか?
「美味しそうですね、このチョコ。じゃあもらいます」
そう言うと口の中にチョコを放り込んだ。あっけに取られる私とマイマスター、僕だって食べたかったのに。
まあ、でもこれで悟さんの疑問も解決しそうですね。僕は欲求不満ですが。
「悟さん、このチョコ…」
さあ何でしょう、何なんでしょう。
「体がぽかぽかしていい気持ちですね」
へえ〜なるほど、徐々に温まっていくんだ〜、犬にはわからないな、毛に覆われてるから。
あれ?涼子先生もう帰るんですか?また来てくださいね〜。
「まさかさっきのチョコ…ガラナ?だからか〜、へ〜。可愛いな、先生」
悟さん、ガラナって何ですか?教えてくださいよう。
「ああクロ、犬が食うもんじゃないぞ。ほら、ぺディグリーやるから」
教えてくださいよう。噛み付きますよ。
元ねた、洒落コワpart5「チョコ」
739 :
ぽんぽん:2007/02/07(水) 05:59:45 ID:SK7zCsYY0
俺の名前は悟。昼は女子の世話係、夜は女の世話係さ。あ〜ちょっと恥ずかしい。
ちょいと前に知り合った女の子から「家に来てね」とメールが来たのが仕事中の午後5時。
よって仕事はいつもより速く終わらせた。
その子の名前はマイちゃんと言った。今は大学生で一人暮らしだ、その割にはけっこうなマンションに住んでいる。
なんでも最近は残しておいたケーキが無くなったり、部屋が少し荒らされていたりと、誰かいる気がして怖い、と言う。
更にお近づきになれるチャンス。俺は早速彼女の家に上がらせてもらった。
家の中をちょっと見回してみると実に女の子っぽいつくりになっている、ぬいぐるみ等可愛いものもたくさんだ。
しかし寝室だけは違うようだ。ちょっと大人の、ムーディーなとでも表現すればいいのだろうか、そんな感じだ。
アロマが良い香りだ。
その後は一緒に夕飯を食べ、夜のお楽しみの前の儀式をしていた、あんな良い香りで出来るなんて…。
鼻歌交じりでシャワーを浴びていると部屋から男の声がしてきた。ん?男の声?
「うん、風呂に入ったわ、後は手はず通りでグーよ」
「毎度毎度えげつない事やってるな、マイ。」
「だまされる方がバカなのよ。あのおじさん、ああごめんおじいさんだったかしら?」
「まあ、奪ったお金で楽しもうぜ」
最後の方は何を言っていたか聞いていなかった。バスタオル一枚で出て行った俺は二人に折檻の限りを尽くした。
ごめんなさい?聞こえねえよ!このやろう、折角仕事をがんばって終わらせたのによう!
やっぱり身の丈にあった幸せがいいな、行きずりなんてこりごりだ。
元ねた洒落コワPART5「下男3」
740 :
ぽんぽん:2007/02/07(水) 06:00:47 ID:SK7zCsYY0
私の名前はミキ。一応弁護士と言うものをやってるわ。
仕事の後の一杯は美味しいけど相手にも寄るのよね、ちょうど今はそんな感じだわ。
氷が溶けてグラスに当たる音と私のため息が重なる。全く、何でこんな男に捕まっちゃったのかしら。
その男は私の隣でスコッチを飲んでいる。しかし、何杯も飲んでいるのに全く酔ったそぶりは見えない。
”あなたのその姿に惹かれました。すいませんが少し時間を取らせていただけませんか?”
ナンパの文句としては物凄く丁寧な部類に入るだろう、たいていの女ならば少しの時間は取らせてしまいそうだ。
私も取られてしまった。失敗だった…。
その男はノブヒロと言った。年齢は50と言ったが白髪がなく、髪も生え揃っている所為か年齢を感じさせない。
職業は画家と言った、まあどうとでも偽ることが出来るからね、職業なんて。
”とりあえずアトリエに来てくれませんか?”どうやらそれが本題らしいね。でもごめんね、私はそれほど暇な身じゃないの
まだまだ仕事が入ってくるんだから、これでおさらばするわ。
なに?まだ言いたいことがあるの?悪いけどこれ以上は時間を取らせられないの、言いたいことがまだわからないの?つまり
「『てめえ』に興味のある女『じゃねえ』!!」
こう言いたいわけなの、じゃあさよならね、御代は此処においていくから。
数日後、その男が別の女をナンパしていた。なあに、別にどうとでもないわね。
元ねた。怪談新耳袋第七夜『ノブヒロさん』編
>>737 いくら何でも早すぎるだろ。
このスレのスピードなら、980踏んだ人が建ててちょうど良いんじゃないか。
742 :
pDOG ◆MjRkBb/jUw :2007/02/07(水) 08:56:26 ID:nTwFZFFR0
悟
↑ ┌愛情・助力―――近
マコト―見習・尊敬 ┐ 悪友|┌尊敬・感謝―→藤
│ | | |│ ↑
世話 | | |│ 尊敬・上司
↓ ↓ ↓ ↓│ |
ミケ――居候――→ ジョージ 岡島
↑|↑|↑
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||||└―知己・好意→サオリ
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毒―施術・利用―┘||└―得意先・警戒―→ミ
島――助力―-――┘└――利用・愛情?――キ
スレの残りを使ってちゃんと表示できるかtest
出来た
全角挟めば半角も認識するのか…
と、いうわけでこのスレは500kBを越えると思います。
書き手の皆様、読み手の皆様、応援してくれた皆様
ありがとう^^