2 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/25(火) 11:47:10 ID:8CHDS8AGO
2?
3 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/25(火) 11:48:40 ID:q9Hst0XBO
3げと
ID:az6DCdMC0さん、ありがとう!!
たまには真面目に考えてみよう。
メリーさんの元ネタがなんなのか、
以前、エミリーの赤い手袋を挙げたが、
こないだ、角二で「魔王」バージョン書いた時、
どうも、「エミリー」と同じ匂いを感じた。
もしかすると、ゲーテが全ての発端なのだろうか・・・?
ではまた夜に。
では、新スレということで、ただいま、継続中の物語のあらすじを・・・。
☆ 傭兵派遣部隊黒十字団後援の「メリーさん認定試験」、
南のセントメリー諸島の小さな小島に、世界中の少女達が集まってきた。
ヒンドゥー教の女神官カーリーやネロ、マルコ、ルキといった指導員の元、
厳しい修行が行われる。
多くの少女が脱落していく中、
最終試験直前に、世界の秘密警察を自認する騎士団の兵士達が島を急襲する。
人形遣いのラブゥ、アサシン・メィリィは辛くも切り抜けが、
騎士団最強の男ガワンによって、ナターシャには致命の一撃が・・・。
そして、シェリー、ローズの運命は?
また、食人鬼カンニバル・メリーとの対決は?
てなことでお願いします。
・・・あらすじだけだと短くて済むなぁ・・・。
でははじまりぃ〜。
息を切らせながら、機関銃を肩から掛けたマルコがたどり着いた。
ガワンはすぐさま反応し、ナターシャのカラダを足蹴にして斧を引き抜く。
・・・途端に大量の血が噴水のようにあふれ出した・・・、
彼女のカラダが草むらに沈む・・・。
「てぇんめぇぇぇ〜!」
もしかするとガワンの判断ミスだったかもしれない。
ナターシャという障害物がなくなった今、マルコは何の躊躇いもなく機関銃を乱射する!
「うおおおおおおッ!!」
あっという間にガワンのマントに穴が開いていく。
勢いでガワンのカラダは後ろによろめき、ついに腰を落としてうずくまってしまった。
「ナターシャーッ!」
ガワンが崩れ落ちるのを見て、マルコは彼女の元に駆け寄った。
「・・・お、おい!」
すでにナターシャは指一本動かせない・・・。
呼吸だけで手いっぱいで、顔の筋肉ぐらいしか動かせないのだ・・・。
「・・・な、なんだ よ、 アンタ、戦わないんじゃ・・・」
「・・・どーでもいいよぉ、そんなコタァ・・・。」
どうあがいても、この状態ではナターシャは助からない、
マルコとて多くの死体を見ているので、そのぐらいの事は容易に判断つく。
「どこの誰かもわからねぇヤツらに、オメェの綺麗なカラダを晒すんじゃやりきれねーだろぉ、
・・・オレが看取ってやるよ・・・、オレで良ければだがな。」
「フ・フフ ・・・ハ、そん なガラか い、アタシ は ノーマル なんだからね・・・でも あり が と・・・」
マルコはナターシャの手を握り締める・・・もう力は感じられない。
「オメェならノーマルでも十分だぁ、・・・全くこんなトコじゃなかったらよぉ・・・。
昨日の晩もカーリーに邪魔されちまったけど、オメェのことを・・・。」
・・・ナターシャの目が動かない・・・手に力を込めても一切反応すらない。
マルコの最後の言葉もどこまで聞いていれたのだろうか・・・。
マルコはナターシャの瞼を閉じてやると、機関銃を投げ捨て、
何十発もの弾丸を喰らったはずのガワンに向かって話しかける。
「・・・待たせちまったか? ・・・もういいぜ!」
その言葉と共にガワンが何事もなかったのかのように立ち上がった・・・!
彼が立ち上がると同時に、ガワンのカラダから弾丸がバラバラ落ちる。
「どうなってんだ? 機関銃が効かねぇってんじゃないだろうな?」
「・・・フ、完全防弾ではないがな、このマントは三重に編み合わせた鋼線を縫いこんである。
角度や銃弾の種類によっては貫通する場合もあるが、通常弾では大体弾くか止めてくれる。」
「ハァ!? ちょっと待て、オメェそれ全身覆ってるじゃねーか?
・・・重量や肩にかかる負担は・・・!?」
「ム? もちろん、これを纏って普通に移動できるのは私ぐらいのものだ、
特注品というヤツだな。
・・・それよりこっちも聞かせてもらえるかな?
どうして、私が無事なのがわかった?
それにしては、彼女とのやり取りには余裕があったようだが?」
マルコは唾を吐いて捨てる。
「ヘッ、おめえの部下が攻撃してこねーじゃねーか!
おめぇのカラダから血もでねーしな。」
「そして・・・万一、攻撃してきたとしても・・・
その女のカラダを盾にできる・・・というわけか?」
しばらく沈黙の時間が流れたが、マルコはニタァっと薄笑いを浮かべた・・・。
「・・・その通りだよ・・・、どうせ死んじまう女だしなぁ?
だがよ、この女に言ったセリフも嘘じゃねぇ・・・、
いい女だったんだぜ? 死体じゃねぇ・・・生きてるうちに一発やりたかったんだがよぉ!?」
ガワンはマントを払い両手斧を構える。
「・・・なるほど、下種めが・・・、そして貴様が黒十字団から派遣された者というわけだな?」
「おっと待ったァ、オレは黒十字団とは何の関係もねぇ・・・団は規律が厳しいもんなぁ?
ただ、党首サマと協力関係にあるだけだ、・・・血を見るのには不都合ねぇし・・・な!」
「では、最後に聞こう、こんな離れ小島で殺し屋を育成してどうするつもりだ?」
「さぁてねぇ? 党首サマにでも聞いてくれや?」
「・・・そうか、では聞くことはもうない、南洋支部支部長、ガワン・・・参る!」
二人のカラダが接近する!
重量級同士の戦いだ!
マルコの腕には巨大なサバイバルナイフがあるが、どう見てもガワンの斧に打ち合えるはずもない。
案の定、ガワンの大斧に弾かれるが、スピードはややマルコに利があるようだ、
すぐに体勢を立て直しに反撃する。
だが、先程のナターシャ同様、このマルコでさえも、ガワンの実力に驚愕する事になる。
マルコにしてみれば、武器の特性上、接近戦に持ち込まなければ不利である。
また、まともに打ち合ったら最後、ガワンのパワー+大斧の重量でナイフか腕ごと弾き飛ばされる。
もちろん、ガワンが振りかぶったスキがあればそこにナイフを叩き込むのがベストだが、
そうそうガワンも隙を作らない。
互いに牽制しあう時間が過ぎていく。
だが、静寂を破るはガワン!
いきなり大斧を槍のように突き出して突進、
彼のパワーなら、断ち切るというより敵を破壊するための使い方だ。
当然、マルコはそれをかわしながら、がら空きのボディにナイフを叩き込もうとする。
しかし、ガワンは自分の武器の利点も欠点も知り尽くしていた。
彼は斧を両手で握っていたのだが、この時は最初から左手を自由に動かせるように、
最初から浅く握っていたのである。
・・・そして狙い通り、マルコはガワンがわざと作った隙から攻撃してきた。
ガワンの左手が、彼の目前でマルコの右手首を止める!
その瞬間、雄たけびと共にガワンはカラダを捻り、マルコのカラダを投げ飛ばす。
「うおおおおっ!?」
ネコのように着地には成功したものの、マルコは今、自分が投げられた事が信じられなかった。
何故ならマルコの体重は90kgを越える。
しかも、柔道技とか、自分の勢いを利用して投げられたわけではない。
完全に力づくで投げられたのだ。
「な・・・なんなんだァ、テメェはァ!?」
ガワンは顔色一つ変えずに近づく・・・。
「私のデータはないのかね? 騎士団最強の男と?」
「・・・人間のパワーじゃねーだろーがぁッ!!」
「知らんのなら教えてやろう・・・この私は大空に『太陽』が輝くとき、神の祝福を得られる!
その時湧き出る力は人間の限界を超えるッ、それ故に『太陽の騎士』とも呼ばれるのだ!!」
ようやくマルコは昨日のルキの言葉の意味が判った。
それに、世界の秘密警察を自認するだけのことはある、他にはどんなヤツらがいやがるんだ?
・・・戸惑うマルコを他所にガワンはゆっくり近づく・・・。
そしてこれまでのぶつかり合いで、マルコにこれ以上の武器はないと判断したのか、
ガワンは片手でマントを外した。
・・・鈍い音と共にマントが草むらに落ちる。
ガワンの腰には拳銃が備え付けてある、マルコが背中を見せたらいつでも撃ち抜くつもりだろう。
マルコはそれらを判断して一つの決断を下した。
「・・・なぁーるほど、オレも出し惜しみしてる余裕はないってわけか・・・!」
ガワンの足が止まる・・・。
「何を言っている? 状況を把握できないのか?」
「へッ、ご心配なく! ・・・いいもん見せてやッからよ!!」
そう言うとマルコは両足を広げ腕を交差して震え始めた・・・。
何をしようというのだ?
だが、ガワンはすぐに背中を丸めたマルコのカラダの異状に気づいた・・・。
体毛が急に伸び始めた!?
それだけではない、震えてるのは筋肉に余計な力を込めてるだけかと思ったのだが、
筋肉が収縮と蠕動を繰り返すたびに肉体が肥大化してゆくのだ・・・!
交差した腕の隙間からは形相だけでなく骨格までもが変化してるようにも見える、
メキメキと音をたてて・・・!
「な、なんだ、貴様は!?」
「・・・へ、ヘヘ・・・フフハハハハハァッ!!」
・・・獣人化現象(ゾアントロピー)!?
カラダの変化が収まったかの様に見えた瞬間、
毛むくじゃらの獣は大地を滑るようにしてガワンに襲い掛かる。
ガワンも大斧で反応するが、マルコは斧の柄を自らの腕で受け止めた!
その掌には鋭い爪が伸びている・・・もはやナイフなど必要ない。
そして今度は完全にパワーは互角だ!
初めて最強の男、ガワンに焦りと動揺の色が見えた。
「き・・・貴様化け物だったのか!? ウェアウルフ? まさか・・・実在したとは・・・!!」
「フヘヘ! 何言ってやがる! てめぇも十分バケモンだろうがぁッ!!」
☆ 今日はここまでです。
オヤジ達の決闘などむさいだけでしょうから、明日にはローズ編に突入させます。
・・・書けるかな?
そしてネタバレ集。
マルコ=シァス
赤い魔法使いバァルの名に聞き覚えのある方は、マルコの名にも思い出すものがあるのでは?
今回、変身させたのは、もう、モデルのイメージをそのまま・・・。
次スレ確認記念パピ子!
ではー
wktk〜
パパ、wktkしてないで続き…
角二の魔王ネタ、れでぃサソだったなんて気づかなかったorz
>>14 おう、いぇーす!
そのうち、「魔王」の現代メリー版書こうと思ってます、・・・短いヤツね。
・・・すいません、続きが進行してません、今日はちょっと・・・。
夜、時間あったら、努力しますのでご容赦を・・・。
冷静に観察すれば、マルコの顔は人間としての顔つきはなんとか保ったままだ、
だが、目は血走り口からは細かい泡が付着し、
その形相は先程までの人物と同一人物にはけして見えない。
破壊力やリーチの利点ではいまだ、ガワンが上回るが、
スピードと反射神経では確実に獣人化したマルコに分が有るのだ。
二人は距離をとりながら、互いの隙を窺う・・・。
マルコは獣のような前傾姿勢で歯をむき出しにして威嚇する。
・・・既にガワンは動揺を打ち消していた・・・、
精神面においても彼は最高の戦士だ。
不測の事態にも対処できる図太い神経を持っているのだ。
「・・・黒十字団は関係ないと貴様は言ったが・・・。」
「・・・ああん?」
「党首ルードヴィッヒの黒い噂は間違いないようだな・・・!
・・・忌むべき悪魔崇拝者!
ヒンドゥ教の黒い女神の巫女カーリーもその繋がり・・・。
叩けばさらに驚愕の事実が明るみになるだろう・・・。」
「だからオレは知らねぇって、大体俺らから見りゃ、おまえらもおんなじなんだぜぇ?
世界中に監視の目を伸ばして何するつもりなんだぁ?
第一、太陽の下で強くなるぅ?
そりゃあ祝福なのか? 実は呪いなんじゃねーのかぁ!?」
ガワンが激しくいきり立つ。
「我らを愚弄するか!? 神を恐れぬ邪悪な者どもよ!
・・・良かろう、一切の慈悲も必要あるまい!
貴様を地獄に送り返してやろう!!」
「・・・ハッ、幸せだよな、おまえらは・・・、
ここが地獄だってことがわからねーんだからなぁ!?」
・・・ここで、彼らの争いは途中ではあるが・・・、時間を日の出前までに戻してみたい・・・。
まだ薄暗い・・・、例え5メートル先でも互いの顔が見えない夜明け前・・・。
一人の少女・・・13歳の女の子、ローズは島の内部の森の中で息を潜めていた・・・。
騎士団から隠れるためではない・・・、食人鬼を見つけるためだけにだ・・・!
以前も驚異的な聴力をメィリィたちの前で披露して見せたが、
ローズの感覚機能は常人のそれをはるかに上回る。
視力とて例外ではない、
・・・それは幼い頃から生まれ育ったお屋敷の周りの森で、
両親から英才教育を施されていたからである。
暗闇での行動の仕方、気配の消し方、障害物だらけの森の中を移動する術・・・。
それらに教育の全てを注いだ結果、ローズには世間の常識まで身につけさせることは不可能だった。
・・・いや、彼女の両親は、あえてローズに一般教育を施さなかっただけなのかもしれない・・・、
闇の世界に生きるバンパイアハンターに、既成概念はいらない、
常識に囚われていては、彼女達の獲物に止めを刺すことは不可能だからだ。
13歳の少女なら、精神的にもませてくるころだろう、
だが、未だにローズが子供っぽいのはそれらのせいに違いない。
・・・今、彼女は感覚機能をフルに働かせ、森の中で異常な動きをする者がないか、
レーダーのような敏感さで全てを分析していた・・・。
東の空は明るくなっている・・・、鳥たちの目覚めの声・・・、
地を走る小動物・・・、虫たちの飛び跳ねる音・・・、
時には自らも移動し、それらに反応する者がないか、自分の動きを追う者はいないのか・・・、
まさしく野生動物のように、森の中に潜んでいた。
普通に考えれば、いかに小さい島とは言え、獲物・・・カンニバル・メリーに出会えるかどうかは、
確証があるはずもない。
ローズにある確信としては、
「もう2日間、アイツは何も食べてない、昼間の講義中はアイツは襲ってこない」
・・・はっきりいえばこれだけの根拠しかなかったのだ。
建物が少ないこの島で、彼女が身を休める場所などそうそうない。
ならば、このうっそうと茂った森や林の中のどこかにいるはずだ!
そしてついに陽が上り始めた・・・、
薄暗がりと夜明けでは、ローズとカンニバル・・・どちらにとって有利だったのか、
他人にはわからない・・・。
だが、ローズの耳は、自分のやや後方遠く離れた所で、
風が巻き上がるような奇妙な気配を感じた・・・。
☆ すいません、これだけで・・・。
19 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/07/27(木) 02:33:59 ID:D+qJo9950
やんや!やんや!wktk!!!!!!!!
126氏、出現率が増えてきたね、完全復活までもう少しか・・・?
鳥や獣などではない・・・。
まるで小さなつむじ風が移動していくかのような・・・。
かすかな音さえたてないようにして、ローズがその方向を見るが、
多くの木々に邪魔されて肉眼では確認し得ない。
「それ」は普通に移動している気配はない。
突然、気配が消えたかと思うと、またしばらくして、少し離れたところでまた風が巻き起こる。
・・・近づいてきてる?
ローズの背中に緊張の糸が走る。
怖れや怯えではない。
その集中力は熟練した猟師のものである。
ローズは適当な高さの木の枝の上に座り込んでいたが、
移動する奇妙な気配を掴む事に全集中力を注ぎ込んでいた。
・・・いつの間にか、気配はピタリとやんだ・・・。
向こうもローズの気配を感じているのであろうか?
何分・・・いや、何十分もローズは同じ姿勢で物音一つ立てなかった。
アレは気のせいなのか?
それともどこかへ行ってしまったのだろうか?
・・・いや、違う、近くに必ず、何かが息を潜めている。
ローズには根拠があった。
・・・先程から周りに鳥の気配がないのだ。
昆虫や虫程度の動きは、夜明け前と大差ない・・・むしろ活発になっている。
だが、近くを羽ばたく鳥の姿がない。
まるで、いつの間にか、この地を恐れて逃げ出して行ったかのようだ。
ローズはウェストのポーチの中に左手を這わせる・・・。
その小さな手にしっくりなじむ冷たい金属の感触・・・。
風が出てきた・・・。
少しずつ強くなっている。
・・・そういえば、あの晩も・・・パパとママが殺された日の夜も、こんな風が吹いていた・・・、
その時は、あんなことになるなんて・・・。
急に風が強さを増した!
ほとんど同時にローズは嫌な物を感じ、体勢を崩して振り返った。
その途端、黒い大きなものがローズのカラダをかすめて飛んでいく。
途中の木々の枝を折りながら、それは数メートル離れた大きな木の枝に留まる。
現われたのだ・・・!
・・・スカートを切り裂かれていた。
今の襲撃でローズはもう少しで殺される所であった、
しゃがんでたローズの細い足が露わになる・・・。
恐らく、あと、0コンマ数秒遅れていたら咽喉をザックリと狩られていたであろう・・・。
だがローズはひるまない。
完全に戦闘態勢をとり、目前にいる黒づくめの長い髪の女をにらみつける。
「カンニバル! ・・・あなたね!?」
「それ」はゆっくりとしたモーションだった・・・。
「彼女」は着地の態勢からゆっくりとカラダを起こし、
そのままの緩慢な動作で後ろを振り返った・・・。
・・・笑っている。
その女は前髪を眉まできれいに揃え、朝日に映える美しい髪を有していた。
光の反射で、髪の所々が七色に煌めく・・・禍々しいほど。
黒づくめという意味ではカーリーも一緒だが、「彼女」の皮膚は異様に白い。
顔もどことなく東洋系だ。
細長い唇は血の様に赤い・・・。
ローズが叫んだのは、「彼女」への問いかけではない・・・、
自らへの覚悟の決意だ。
ローズのその姿を確認すると、
「彼女」・・・黒髪の女は肩を震わせて笑い始めた・・・。
うふ、うふふふふ、
すごいわぁ、気づかれたの初めてぇ・・・
試験前だったら見逃しあげても良かったけどぉ、
もう最終日みたいだし、あなたを最後の食事にしちゃおぉうー?
☆ ええ、もう、こんなペースで。
怖ぇえよカンニバル!!
(つд`)
れでぃサソ、いつもGJです
楽しみにしてますけど、無理せずにね
パパの復活も待ってますけど、無理せずにね
変態サソvsメリータソの続きも
ヽ(´ー`)ノ
>>24 ひゃい! てか、昨夜、ノリが良かったんでローズ編、無事下書き終了!
今日からはしばらくさくさく行きます!
薄い笑い顔を貼り付ける食人鬼にローズは声を張り上げる。
「あたしの名はローズ!
敬虔なるエクソシスト・マルローと、誇り高きバンパイアハンター・アシュリーの娘!
答えなさい!
一年前、あたしのパパとママを食べたのはあなたっ!?」
・・・ローズの問いかけに彼女は反応しない、
いや、もしかすると、攻撃に転じない事が「彼女」にとっては反応の証なのかもしれない。
ローズはしびれを切らして再び叫ぶ。
「答えなさい! どうなのっ!?」
すると、「彼女」は一度、髪をすきあげ、急に思い出したかのように喋り始めた・・・。
一年前・・・、エクソシスト・・・バンパイアハンター・・・夫婦・・・?
ああ、 思い出したわ! あの童話に出てくるような綺麗なお屋敷に住んでいた夫婦ね?
静かな森に囲まれた・・・。
・・・そう、娘さんがいたのね・・・、
それは可哀想なことをしたわ、あなたみたいに可愛い子供がいたなんて気づかなかった・・・、
一緒に・・・
食べてあげれば良かったわねぇぇ!
その時「彼女」の口が大きく横に開いた。
・・・その瞬間、ローズは見た!
「彼女」カンニバル・メリーの般若のような白い牙を!
犬歯のみではない、通常の前歯も小粒だが、綺麗に尖った歯が並んでいる。
「・・・絶対に許さない! あたしはあなたを殺すためにここへ来たの!
メリーの力を手に入れて・・・!
まさか、こんなに早くあなたに会えるとは思わなかった!
覚悟なさい!!」
・・・まぁ 怖い、・・・いいわ
大好きなパパとママに会わせて上げる・・・
あたしのカラダの中でね!!
カンニバル・メリーの黒いカラダが飛ぶ!
事前の気配はない。
喋り終わったと同時に跳んできた。
それでもローズはかわす!
空間把握能力はローズも天性の物を持っている。
目で確認しなくても、既に周りの木の配置は把握しきっていた。
木々の間を飛び跳ねる!!
そして着地点を目視する事もなくカラダを捻り、反撃の態勢、
ローズの左手に光る銀色の金属物!
長さ20cmほどの釘・・・いや、杭だ!!
カンニバル・メリーも最初の着地点からさらに飛翔し、ローズの後を追う!
地上4メートル程の高さで二人が交差する。
・・・ローズの服がまた破られていた・・・。
それだけではない、腕に熱い痛みを感じる、
カンニバルの鋭い爪で切り裂かれたようだ。
だが、着地でしくじるほどのものではない・・・。
一方、カンニバルも白い頬に一筋の線が彫られていた・・・、
薄く血がにじみ出ている・・・。
恐らく痛みはあるまい、だが「彼女」はローズの武器が自分に届いた事は気づいたようだ。
自分の頬に指を当て・・・、そおっとなぞるとそのままおいしそうに舐めあげる・・・。
男性の視線で見れば耐え難いほどの魅惑的な仕草だろう。
彼女が人食いと知らなければの話であるが・・・。
驚きだわぁ、ママより身軽じゃない?
そんなに小さいカラダだものね?
その銀の杭はママの遺品かしら?
でも、当然、力は足りない・・・。
私の皮膚には届いても、
骨や内臓に届くのかしらぁ?
挑発的なカンニバルの言葉にローズは右手をポーチに突っ込む。
取り出したのは、小ぶりのハンマーだ。
恐らく、杭と同じ銀製の一対の武器だろう。
そういえば杭の形も異様だ。
アルファベットの”T”字型で、いまローズの握りは、
一般的な釘の持ち方ではなく、横に広がった杭の頭の部分を握り、
人差し指と中指の間から釘身を露出させていた。
恐らく「突き刺す」という行為のみでしか、殺傷力は与えられまい。
それとも、ハンマーを取り出したということは、
通常の持ち方に直して、杭をカンニバルに打ち付けるつもりだろうか?
アーハッハッハ・・・
ハンマーを出したからどうなの?
眠っている吸血鬼でも倒すつもり?
私が大人しくその杭を打たれると思ってるのぉ?
それはそうだ・・・、杭を彼女に打ち付けるには、
完全に「彼女」カンニバルの動きを止めなければ不可能だ、
ローズはそこまで考えているのか!?
カンニバル・メリーは遊んでいた・・・。
マルコとガワンの戦いのように互いに隙を探っているわけではない、
目の前にある新しい玩具を、どういう風に料理しようか算段している最中なのだ。
だからこそ、ローズは跳ぶ!
今度はこっちの攻撃!
だが、余裕あるカンニバルには、驚く程のことでもない。
ヒラリと上空に舞い上がり、ローズの頭上を制する。
そこに、凶悪な鎌の動きを思わせる、カンニバルの五本の爪がローズの首を狙う。
ところがローズは跳んでいる体勢にも関わらず、猫のようなカラダの柔らかさで反転!
右手のハンマーと杭(いつの間にか正常な持ち方になっている)の頭で、カンニバルの爪を止めたのだ!
(へえ?)
カンニバルは本気で感心した。
空中でこんな動きが出来るなんて・・・。
それはいいが、空中でカンニバルの動きを止めたために、
支えが効かずローズのカラダが墜落してしまう!
バサバサバサッ ドガッ!!
「あうっ!!」
途中の枝に背中を強く打ち付けてしまう、
そしてそれを見逃すカンニバルのわけがない。
ローズが顔を苦痛でしかめながら上空を見上げると、
既に嬉しそうに大きな口を開けたカンニバルが舞い降りてきていた。
ガシッ!
今度は爪ではない、
いや、爪は攻撃のためではないというべきか。
カンニバルの両手は鷲が獲物を押さえつけるように、
ローズの両肩を押さえ掴んだ!
「ッ!」
肩にカンニバルの爪が深く食い込み、そのレースの服には血が滲み出す・・・。
そして、その熱い痛みのために声すら出ない。
この状態では、杭にしろハンマーにしろ攻撃などできやしない。
ローズの顔から血の気が失せてゆく・・・、
絶体絶命・・・!?
片や、カンニバルの優しげにも見える余裕の微笑みは、
赤い唇の中の牙の露出と共にどんどん狂喜の風貌に変化していった。
・・・このまま、ローズの咽喉笛に噛み付く気だ!
ローズ!
だが、見る見るうちにカンニバルの顔・・・いや、顎が震えるローズの首元に近づいていく。
必死になって首を左右に振るが、そんな抵抗など何の気休めにもならない。
いいえ! 肘から下は動く・・・!
最後のチャンス・・・右掌に隠し持っていた「これ」を・・・!
☆ 今日はここまでです。
れでぃサソたら、またいいところで止める!
続きはCMの後…みたいな
くっそぅ気になるぜ
ヽ(´∀`)ノ
33 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/07/29(土) 01:13:58 ID:5WaGwVhg0
みんなありがと!
でも今は静かにwktk
NPO法人とか作っちゃったからね
忙しいのよwww
そのNPOのマスコットキャラ、又はイメージガールは当然、
メリーなんでしょうね?
違うというなら刺客を送る。
メィリィ「出前? いてくるよ!」
35 :
本当にあった怖い名無し:2006/07/29(土) 02:14:17 ID:VMUvMEJtO
6:00 電話が鳴る眠い「もしもし私メリー」「人違い!」
7:30 朝食中又電話「もしもし私メ」 ガチャン!飯ぐらい食わせろ
8:15 出勤準備中電話が鳴る 電話線引き抜く
9:30 出社しメールチェック中携帯が鳴る「もしも…」邪魔だ
10:00 企画のプレゼン
12:00 昼食中携帯を見たら不在着信が40件 …またアイツか
13:00 営業中携帯が鳴るキレて出ると部長からだった…
16:00 会社で部長に社会人とはなんぞやを説かれる
17:00 泣きながら残業開始
17:30 携帯が鳴るがシカト
18:00 余りにも携帯がやかましい電源を切るが、デスクの電話から来る
19:00 退社
20:30 自宅に戻り、電話を待つ
21:00 …電話が鳴る、相手が解った途端、脅迫全開
23:00 何事もなく就寝
たーまやー・・・!
・・・あ、今日の分行きます。
・・・ぷしゅうー・・・
「!? ・・・ゲホっ!?」
二人の顔の間に赤い霧状のものが噴出する。
「ゲホッ、ゲホッ!!」
「・・・ぅっ? こ、ゲホッな、なに! ゲホゲホッ!!」
たまらずカンニバルがよろめきながら離れる。
さすがに舞い上がる事も飛ぶことも出来ないらしい・・・、
ローズは何をやったのか?
さっきはハンマーだけを取り出したわけではない・・・、
ある物を取り出すことを隠すために、ハンマーをカモフラージュとして取り出しただけなのだ。
・・・携帯用チカン撃退スプレー・・・、
しかもローズがこの島へに来る前、
あの、「ウェールズの魔女」フェイ・マーガレット・ペンドラゴンに作ってもらった特注品・・・、
唐辛子&ニンニク成分入りの小型携帯スプレーだ。
別に食人鬼だからと言ってニンニクが効くわけではない、
だが、これを喰らったらどんな者でも只ではすまない。
場合によっては皮膚がただれる事もある。
直撃しなかったローズですら、その効き目に苦しんでる。
「ケホッ! 効き すぎ・・・! うぇケホッ!」
涙と鼻水が止まらない、
命のやり取りをしているこんな時なのに、場違いにもローズの頭には、
いつかのカーリーの言葉が浮かんでいた。
(メリーに必要なのは美しさです!)
「う・・・うつくケホ、しく・・・ないよねぇケホ!」
そんなことを思い出している場合じゃない!
カンニバルの方がダメージはでかいはず、・・・涙をこらえながらローズはカラダを起こす。
まだカンニバルはこちらに注意を向けるのがやっとで、戦闘態勢をとれていない。
チャンスは今が最後だ!
ローズの小さなカラダが跳ぶ!
パパ! ママ!!
ローズの視界は、カンニバル・メリーの姿でいっぱいになっていく!
彼女のカラダに左手の銀を打ち込み、右手のハンマーで止めの一撃・・・!
それで全てが終わる!!
・・・だがカンニバル・メリーはいきなり消えた!
ローズの眼前には、最後まで苦しむ表情の彼女の姿があった。
それが、急に消失してしまったのである。
ローズは着地した後、訳がわからず後ろを振り返る。
誰もいない・・・どこへ!?
そこへ再びあの強い風が吹いた。
その時、研ぎ澄まされたローズの聴力は、真上から「あの女」の咳き込む音を聞き逃さなかった!
カンニバル・メリーはギリギリで上空に舞い上がり、
今また今度こそ容赦なくローズを仕留めに掛かっていたのだ。
空を見上げるローズ!
カンニバルは一直線に急降下している!
ローズも最後の力で地面を飛び立ち、近くの木の幹で角度を変え、
・・・いや、ローズはそれ以上跳ばない!
そのまま木にしがみついて、「彼女」の襲撃をやりすごし、
カンニバルが地上に落ちるのを待つつもりだ。
そして「彼女」がぎりぎり着地する寸前を狙って、今度はローズが上空から襲う。
もう避ける時間はない、カンニバルの足が地につくか、ローズの杭が「彼女」に突き刺さるか、
ほぼ同時のタイミング・・・!
・・・ならば!!
カンニバルは空中で反転・・・先程のローズを思わせる!
そして自らの着地を犠牲にしてでも、その禍々しい腕をローズの首に走らせた!
二人の同時の攻撃は、彼女達のカラダが地面に激突した直後となった。
その衝撃のため、互いの攻撃が有効となったのはどちらかか・・・!
カンニバル・メリーは腰の骨を折っていた・・・、
だが、その右腕はローズの咽喉笛に、見事、爪を食いこんでいる。
とはいえ、最後の衝撃で、そのまま咽喉を掻き切るまでには至っていない・・・。
もちろん、あと一瞬、・・・手に力を込めるだけでいいのだが。
そして、片やローズは、左手の杭を、カンニバルのわき腹に突き刺していた。
恐らく肝臓のあたりだろう・・・。
この瞬間のダメージだけでは、カンニバル・メリーの方が被害が大きい。
だが、命の与奪権を握っているのは、紛れもなく、カンニバルのほうだ。
・・・もう、ローズに反撃する余力も手段もない・・・。
だが、二人は動かない・・・。
ローズは既に観念していた。
やるとしたら、命を失う最後の力にかけて、左手に力を込めるだけである。
それによって、「彼女」に致命傷を与えられるかどうかは、わからないが、
かなりの深手を与えられる事は間違いない。
・・・もうそれしかない・・・。
・・・天国に行ったらパパとママに会えるかな?
また頭を撫でてくれたり、肩車をしてもらったり・・・。
幸せだったあの時に帰れるのかな・・・?
だが、ローズがそんな事を考えている時、カンニバルは片手をゆっくり差し出し、
人差し指をゆっくり振ってみせた。
ローズの考えを見越して、たしなめるかのように・・・。
この距離だ、「彼女」の言葉はそのまま直に聞こえる。
「・・・ローズ・・・だったわね、
ゲホッ、・・・少し聞きたいことがあるわ・・・いい?」
何を今更・・・、
とも思ったが、ローズは黙って「彼女」の言葉を待った。
「いいわ、そのままで、・・・あなた、私が憎い?」
「くっ・・・当たり前じゃない・・・、でも、憎くなくてもあなたを倒すわ!
あたしはパパとママの娘だから・・・!」
二人とも相手のカラダにかけた手は如何ほどにも緩めない。
その気になれば一気に決着がつく・・・。
だがカンニバルは言葉を続ける。
「そう、ご両親の意志を継ぐ・・・ということかしら?
でも、この状態を考えて?
あなたの死は免れない・・・あなたは相打ちに持ち込もうとしているようだけど・・・
私に致命傷を与える事は出来ないわ。
そうなれば、あなたの意志はここで完全に消えてしまう・・・。」
「・・・それで?」
「私の能力は知っているでしょう?
人間の血肉を喰らう事により、尋常ではない再生能力があることを・・・
でもね、さすがにこれ以上深手を負うと、この後が厄介なのよ・・・。
あなたにも聞こえるでしょ?
この島の騒ぎが・・・
騎士団が上陸して暴れ始めたわ。」
「どうしようというの?」
「うふふ、ローズ、私の役目を教えてあげましょうか?
私もカーリーによって雇われたこの島の試験官の一人・・・
ルキやマルコとはまた違った、今回限りの契約と役割よ・・・
最後はこんなことになっちゃったけど。
受講生の一人と因縁があるなんて思いもよらなかったわ・・・。
カーリーは大事な事はいつも話さないからね
まぁ あの人は私が死んでも気にしないでしょうけど・・・。」
「え? じゃあ? 先生は 講師を殺しても・・・合格といったわよ?」
「そう、そのとおり、でも合格基準はそれだけではないわ。
まずは、この後カーリーに会って御覧なさい?
これでも、私はあなたにとっては仇かもしれないけど
メリーとしては先輩になるのよ?」
「・・・・・・。」
「私を殺したければいつでも殺しに来なさい・・・?
でも、今のままでは返り討ちよ・・・ 同じ手は二度と効かない・・・。
私がメリーとなって、この牙と爪を手に入れたように、
あなたも新しい武器を手に入れるべきだわ。」
☆ 今日はここまでです。
明日は「メリーさん認定試験」の裏側がちょっとだけ明らかになります。
☆ おまけ。
ライラック 「・・・マーゴ、またそんな恐ろしい物を作って・・・。
チカン撃退スプレー? ・・・待ってくれ、それはどう見てもケミカル・ウェポンだぞ!?」
マーゴ 「だーいじょーぶぅ! 分量も少しだし、他にも用途はあるの!
気にしない、気にしない!」
ライラック 「・・・下手すっと俺たちもテロリストの仲間入りに・・・、ああ・・・。」
では、花火、行って来ます。
猜疑心をありありと見せながらローズが答える。
「このまま・・・、あたしが杭を抜いたら、そのまま咽喉を貫かれるかもしれない・・・。」
「ええ、そうね、そう思うならこのまま肝臓を貫きなさい?
私も痛いし残念だけど・・・。」
しばらくそのまま時間が過ぎていく・・・。
ローズの耳にも騎士団の襲撃の音が近づいてきているのがわかった・・・、時間がない。
でも悔しい・・・!
あれだけ憎んでた仇を前にして!!
これ以上、何もできない・・・!
パパ・・・ママ・・・
ローズは首を押さえられて頷けないので、杭を持つ手の握りを変えた・・・、抜きやすいように・・・。
そのことでローズの意思を認識できたので、カンニバルは嬉しそうに微笑んだ・・・。
杭が引き抜かれた・・・。
それとともに、カンニバルもローズの咽喉から手を放す・・・。
ローズも苦しかったのか、地面に手をついて必死にむせぶ。
その姿を見下ろしながら、カンニバルはローズに語りかけた。
「ローズ? 私からの講義よ・・・。」
ローズは顔を上げる・・・、
・・・?
・・・カンニバルは微動だにしない。
「あのね、ローズ・・・、カーリーの言ってたことね、魂の救済とか、信仰とか、美しさが必要とか・・・、
全部嘘って言うか、どうでもいいことだから・・・。」
カンニバルは笑い始めた、・・・ローズは当然、きょとんとしか反応できない。
「全部、はったりよ・・・。
真実は、試験に合格したら黒十字団の開発した武器や呪具を得られるだけ・・・。
うふふ、おかしいでしょう?
あの女ったら、全部作り事なのに、真面目に演技してるんだから。
とりあえず、覚えておきなさい、私からは・・・ローズ、いい?
『花はあるがままに咲くから美しい』・・・のよ、ローズ。
あなたには他の名前がある?
ローズ、あなたがあなたでいることが・・・メリーの証になるの・・・、それが私からの授業・・・。」
カンニバルは辺りを見回した、この場を去るつもりのようだ・・・。
わき腹の傷は再生し始めているみたいだが、
腰骨は難儀しているようだ。
いまだ、うずくまっているローズに振り返って言う。
「・・・もちろん、私もあるがままに振舞うわ・・・。
人を食べるのは私の性(さが)・・・。
あなたがバンパイアハンターを目指すなら、私との対決は避けられないでしょう、
次に会うときには、決着をつけてもいいわよ?
それからあなたには教えてあげる。
私は食人鬼・カンニバル・メリー・・・、
でもね、本当の名前はね・・・あざみ・・・っていうの。
それじゃあ、またね・・・ローズ・メリー・・・!」
・・・その言葉を最後に、彼女は森の中に消えていった・・・。
ローズに追いかける体力はもう、残っていない。
そして、一度戦意を喪失してしまった以上、戦う気力はもう、残っていなかった。
すぐそこまで、騎士団はやってきているようだ。
このままでは時間の問題で見つかるだろう。
マーゴには忠告を受けていた。
どっちにしろ、捕まれば、新たな力を手に入れる望みは叶えられない・・・。
ピピピピピピピピ・・・
ポーチから音が聞こえる・・・?
慌てて手を突っ込むと、中には試験前に貰ったポケベルが入っていた。
試験終了の合図である。
・・・でもあたしは?
誰も殺してない・・・不合格?
現実のショックにめげていると、どこからか小さいモーター音が聞こえてきた。
見上げると、すぐそこまで真っ黒い機体の大型ヘリが近づいていた。
・・・どうも消音装置つきのヘリらしい。
ボディには、赤いい縁取りに黒十字のマーク・・・。
<ローズ! 梯子を下ろす! 早く乗り込め!!>
スピーカーからネロの声だ!
ローズを回収しに来たのだ!
急いでヘリの下まで駆け寄り、上から下ろされた縄梯子によじのぼる。
うんしょ、うんしょ!
風と慣性でカラダが流される。
「わぁ〜ぁ!」
この期に及んで少し楽しいらしい、
さっきまでの落ち込みはどこへ行ったのだ?
<早く登るんだ!>
「・・・はぁ〜い・・・。」
ローズの返事など中に聞こえるわけもないが、
ネロに怒られて急いで上に昇る。
・・・ヘリの扉から女の人が顔を出して・・・
「メィリィ!!」
「無事だったネ! ほら、もうちょっと!」
昇降口の側まで昇ると、風で髪を乱れさせたメィリィが、笑って腕を差し出した。
がしっ!
そして一気にローズのカラダを引き上げる。
メィリィは尻餅をついてローズと抱き合った。
途端にローズの目から涙が出てくる。
「う・・・うわぁぁぁぁん、め、メィリィィィ 」
「ローズ?」
なんだかんだで13歳の女の子だ、
カンニバル・メリーとの対決は、精神的にもとてつもない重圧だったのだろう、
緊張の糸がほどけて、ついに感情が溢れてきていた。
昇降口が閉められた後もしばらくローズは泣いていた。
優しいメィリィは何も言わず、ローズの肩を抱いてやる。
「ヒック、ヒック・・・」
ようやく落ち着いたローズは、不思議そうにヘリの中を見渡す。
向こうには人形マーヤを抱えたラブゥも座っていた。
「ラブゥも無事だったんだ! さぁっすがぁ!!」
ラブゥは大して表情も変えず、親指を立てるだけだ、
・・・一応、彼女なりにローズの無事を喜んでいるつもりらしい。
メィリィは心配そうにローズの傷を見る・・・、
服は所々破れ、咽喉には何箇所もの爪の後が・・・。
「ローズ・・・食人鬼は・・・。」
それを言われると、ローズは悔しそうにうつむくしかない。
「ダメだった・・・、傷を負わせることまではできたんだけど・・・。」
「それだけでも大したものヨ、・・・アナタはまだこれから・・・!」
「うん・・・ありがと、メィリィ・・・。
は・・・、それより他の人は? ナターシャやシェリーは!?」
操縦席からネロが首だけ振り返る。
「これからカーリー様達を迎えに行きます! 後の話は、カーリー様にお聞き下さい!」
ヘリは機首を旋回させ、管理棟のある方向へと飛んでいく・・・。
ガワンとマルコの戦いの行方はどうなったのであろう?
☆ ローズ対カンニバル・メリーの対決はここまでです。
えーと、カンニバル・メリーの登場は3スレ前の終わりだったっけ? 2スレ前?
確か、最後の方が見えなくなってしまったスレだと思ったけど。
126氏に「食人メリー」と呼んで貰いましたが、
あざみちゃんて名前にしときました、・・・三日くらい前に・・・。
では。
ローズタソどうなるの(つд`)
あざみタソにも興味が…
(゜Д゜;≡;゜Д゜)
管理棟は完全に制圧されてしまった・・・。
もう抵抗する者はいない。
だからこそ、試験終了の合図は鳴らされたのである。
アキレウス部隊及びヘクトール部隊のほとんどは、建物内を捜索するか、
生き残りの捕虜への尋問を開始していた。
今や、通信装置を回復させ、沖合いに停泊している部隊をも増援し、
島の隅々までの捜索を開始し始めた。
・・・未だ戦闘状態にあるのは、
ガワンとマルコ・・・、
そして、不測の事態に対処するため、
ガワンの背後に残った数人の部隊が戦いの行方を見守っていた。
ガワンが敗北する事などありえないが、過信は許されない。
いざとなれば、獣人マルコを蜂の巣にしてみせる。
・・・あれから何度となく斧や爪が振り回されるが、
互いに致命傷を入れられない。
その気になれば、マルコもガワンを肉塊にするだけのパワーを備えているのだが、
一撃でケリをつけないと、必殺の間合いから斧が振り下ろされる。
マトモに喰らったら、斧で真っ二つだ。
一見、マルコが押してるように見えるが一瞬たりとも気が抜けない。
(ちくしょう! どう見てもコイツは中年だぞ!? スタミナも化け物なのか!?)
自分も獣の姿をしているくせに、ガワンを化け物呼ばわりしたのは彼の本音である。
太陽の下ではガワンの全てのパワーが増大しているのだ。
マルコの息のほうが上がり始めた。
実際、フルスピードで動き続ければ、いかに獣人であろうと体力が持つものではない。
対してガワンは、重い大斧を持つせいもあるのだが、走ったり飛んだりはしない。
最低限の動きでマルコをじりじり追い詰めようとする。
ガワンもマルコの爪や打撃を何箇所か喰らっていて、
カラダ中に裂傷や青あざを作ってはいるが、未だ自分が敗北するなどは微塵も考えない。
だが、お互い一瞬でも油断は命取りだ。
・・・マルコは何度目かの距離をとった・・・息を整えるためもある。
休ませる暇を与えない、
というのも一つの戦術ではあろうが、ガワンは一気に追い詰めない。
あくまでも一歩・・・また一歩とプレッシャーをかけていく。
ここでも二人の差が明らかになる。
経験と老獪さだ。
マルコも各地の戦場を渡り歩いた身分であるが、修羅場のくぐり抜け方が違うのだ。
好き放題やらかしてきたマルコと、例え自分の意志にそぐわぬ作戦だろうと、
上官の命令に従ってきた叩きあげのガワンでは、性根からして子供と大人の差があるのだ。
もはや、気の短いマルコはやけになっていた。
一気にケリをつけることはできないものかと考える。
・・・それには利き手を封じるべきか?
ガワンが一歩近づくたびに、次の行動をシュミレーションする。
・・・やる・・・やってやる・・・
あと、二歩前に来い・・・!
そうだぁ、
あと一歩ぉっ・・・!
マルコが一か八かの賭けに出ようとしたまさにその時、
ダダダダダダッ!
二人の間の草むらが激しい音と共に土ぼこりが舞い上がった!!
両人とも気勢を削がれて銃声の聞こえてきた方へ頭を動かす、
・・・上空だ!?
そこでガワンは信じられないものを見た・・・。
な、なんだ・・・あれは・・・!?
黒ずくめの女性が機関銃をこちらに向けている・・・、
それはいい・・・それはともかく、何故
「空中に浮いている」のか!?
正確には女性は、後ろからサングラスをかけた男性に抱きかかえられている。
だが、どう見ても噴射装置も翼もない・・・。
林の南洋植物より高く、ただ、そこに浮いているのだ。
「き・・・貴様達は!?」
黒ずくめの女性・・・カーリーは、ゆっくりと礼儀正しくガワンに話しかけた・・・いつものように涼やかに・・・。
「はじめまして・・・、こんな所から失礼いたします。
本当に申し訳ありません。
他に・・・あなたたちの戦いを停める術を存じ上げないもので・・・。
騎士団・・・南洋支部支部長「剛勇の騎士」ガワン様ですね?
あなたのご高名はかねがねお聞きしております・・・。
私が・・・この島の責任者「黒の巫女」・・・カーリーです。」
ガワンは警戒心を保ったまま構えを変える・・・。
マルコを見れば、不機嫌そうに戦闘態勢を解いている。
いま、突進すればヤツを倒せそうだが、上空の機関銃から逃れる術もなさそうだ。
今一度、空を見上げ、胸に手をあてるガワン。
「これはご丁寧な挨拶を。
はじめまして、お美しい貴婦人殿、
・・・それでカーリー殿、今まで隠れていたあなたが今になって現われるとは、
如何なる心境の変化なのですかな?」
彼も騎士である。
敵とは言え、礼儀を重んじる相手にはそれなりの対応をとる。
「一応、お断りさせていただきますが、
あなたの後ろで銃を構えている部下の方々に、まず。
私たちの隙を突いて撃とうとしたら・・・おわかりですね?
誇り高き騎士が一名、この世から永久に消え去るという事を・・・。
もう、マントで銃弾を防ぐ事はできませんしね・・・。」
「だが、私が一度命令さえすれば、私の命を無視して彼らは攻撃するぞ?」
「・・・ガワン様、お互い無益な事はやめましょうではないですか、
もともと、私たちはあなた方には敵意を抱いてはいない・・・、
今まで騎士団に敵対行動をとったことがありますか?
そんな相手を攻撃するのに、最強の騎士を失うなど馬鹿馬鹿しくはないのです?」
「・・・フン、うまいいい訳だな。
それでお前たちはどうしようというのだ?」
「別にどうも?
試験が終了しましたので、残った者達で無事にここから帰りたいだけですわ。」
「そうはいかん、目の前でこんな化け物を見せ付けられて、
お前たちを見逃すわけにはいかん。
私たちの役目ぐらい知っているであろう?
世界の秩序と平和を守るため、おまえたちのような怪しげな者達など放っておけん!」
マルコの目が再び敵意の炎を燃やす。
それに引き換え上空のカーリーはいきなり笑い始めた。
「何がおかしい!!」
「ウフ ウフフ、オーホッホッホ・・・、ごめんなさいね、
だってあんまり可笑しくて・・・。
世界の秩序と平和を守るですって?
・・・あなた達に何の権限が?
あなた達に如何なる資格があってそんなことを?
だれがあなた達にそんなことをしろと頼んだの?
裁判も弁護される機会も与えられず、あなた達に蹂躙された者たちの尊厳は?
あなた達のやってることはマフィアにも劣るんじゃなくて?」
ガワンのもっとも嫌う事は、帰依する騎士団を侮辱される事だ、
マルコとの戦いではけして見られなかったほど顔が激しく紅潮する。
「ふざけるな!!
我らは神の教えに忠実に従っているだけだ!
自己の欲望や利益のために活動しているわけではない!
母国の国益ですら我らを拘束しない。」
その言葉にカーリーの表情が一転した・・・これまでにない厳しい表情で。
「神の教え・・・?
それが笑わせると言ってるのよ、
そのお題目で、今まで何億の民を殺してきたのです?
神の声を聞いたのは誰? その姿を見たものは?
ただ単に、年寄りがそう言ってる・・・周りのみんながそう言ってる・・・、
たったそれだけの根拠で、神の意志を体現する?
それこそ神の名を騙った詐欺師どもよ!
そしてこれから、神に従わぬ者たちを何億人殺せば気が済むというの!?」
☆ようやく終わりが見えてきました。
今週中には終わるでしょう。
「確かに過去には行き過ぎた争いや不幸な歴史がある。
・・・それは認める。
だからこそ、我々は厳しい戒律を持ち、剣の使いどころには慎重な判断を下してきた。
少なくとも、我ら騎士団は神の名を汚すような事などはしない!」
「二言目には『神の名』ですって・・・。
ククッ・・・本当に愚かな・・・、救いようがないわ・・・。
ガワン様、あなたは60年前、世界中からコテンパンに叩き潰された東洋の島国をご存知です?」
「60年前・・・? 島国? 日本のことか?」
「ええ、国名なんかどうでもいいんですけど、
敗戦して占領された国民が、敵の司令官に向かって、なんて言ってたかご存知?
『占領してくれてありがとう』ですってよ?
ついこないだまで、自分達を苦しめていた相手を・・・、
多くの同胞を虐殺した相手に向かって、拍手と歓声を以って彼をお見送りしたそうよ?
外から見てた白人達は、
自分達の洗脳の成果を称え、島国のサルたちをバカにしていたそうだけど・・・、
自分達も同じ目に遭ってることには全く考えが及ばないのよね・・・?」
「・・・何を言っている・・・何を言ってるんだ貴様はッ!?」
「あなた達の言う『神』が、私たち人間に対して、
今まで何をしてきたか知らないというんじゃないでしょうね?
聖書の記述ぐらい知らないあなた達じゃないでしょう!?
人間が「禁じられた木の実」を食べただけで楽園を追い・・・、
ソドムとゴモラの町を灰燼に帰し・・・!
バベルの塔を粉々に砕き、それまで築き上げた文明を消失させっ!
地上を大洪水で覆っては、人間を滅ぼしかけたッ!!
そんな狭量で・・・冷酷な・・・悪魔のような存在が・・・『神』であるはずないでしょうっ!?」
「ばかな! それは我々の祖先が罪を犯したからだ! 愚かだったからだ!!」
「ウフフ・・・そうね? 東洋の島国の人たちも同じことを言ってたらしいわ?
我々が愚かだったんですってよ?」
「き・・・貴様ぁっ!!」
ガワンの顔は怒りで沸騰しそうだ、・・・もしかしたら血管でも切れるかもしれない・・・。
「ガワン殿!! 落ち着いてください!」
後ろの声に振り向くと、「忠節の騎士」李袞がやってきていた。
「もしかすると、あなたを怒らせる事が目的かもしれません・・・、
熱くなっては相手の思う壺です。」
李袞の助言は的を得ていた。
後ろでハラハラして見ていたアキレウス部隊の部下達も、ホッと胸を撫で下ろす。
ガワンもようやく正気に返ったようだ。
カーリーも元の涼しげな笑い声に戻った。
「あら? あなたが李袞様ね? 別にガワン様を怒らせるつもりはなかったんですよ?
でも、あなた達をよこした騎士団本部の人選は見事ですね、
本部にはさぞかし、的確な判断力をお持ちの方がいらっしゃるんでしょうね。」
先程の激しいやり取りが過ぎ去ったせいか、マルコが口を挟む。
「・・・あー、カーリーさんよ、もしかして、これでお開きってことはないよ・・・な?」
「マルコ! 後であなたにはゆっくり話したい事があります!!」
どうもマジで怒ってるようだ。
「あ・・・ああ、あ、悪かったぁ! でも、こいつとは決着を・・・せめて・・・ダメ・・・!?」
「いい加減になさい・・・! それに残念ですが、あなたとガワン様は二度と会うことはありません。」
その言葉尻に、そこにいる全員が緊張の糸を張る・・・、
解釈次第でいかようにも取れる発言だからだ。
カーリー自身、自分の言葉の波及効果に驚いてしまったようだ。
「あらあら、ごめんなさい。
・・・深い意味はありませんの。
ただ、初めてガワン様を拝見した時・・・あなたの上に『死』のビジョンが見えましたの・・・。
近い将来・・・あなたは命を落とすわ・・・是非、気をつけてくださいね・・・。」
「ほう、この私が殺されるとでも言うのか?
面白い、夜道に気をつければいいのか?
それとも飛行機事故か?」
カーリーは首を振る。
「いいえ・・・あなたは真正面から剣によって貫かれます。
明るい・・・午後の強い日差しの下で・・・。」
もう、たばかれやしない、ガワンは完全に平常心に返っていた。
「ハッハッハ、言うに事欠いて太陽の下で殺されるだと? このガワンをか!?
そんなことは我が軍のランスロットやライラックにも不可能だ!
ここにいる狼男ですら、私を劣勢に追い込めなかったではないか!?」
マルコが即座に反応したが、上空の視線が気になったようだ、
彼は口を開かない。
「ウフフ、信じろとは言いません、さて、そろそろお暇しましょう・・・、
マルコ! 例の地点へ向かいなさい、ネロがヘリを飛ばしています。
ここは私たちが抑えてますからその間に!」
最後までガワンを睨んでいたようだが、マルコはうなり声を上げながら林の中に姿をくらませた。
何名かの兵士が追おうとしたが、上空の機関銃を警戒していた李袞にたしなめられる。
そのままマルコの逃走時間が十分と判断したのか、
カーリーは別れの言葉を告げる。
「・・・さて、長話に付き合っていただいて有難うございました。
お別れの前にもう一度申し上げておきますわ?
私たちは・・・黒十字団含めて、あなた方『騎士団』と戦うつもりはありません。
どうか、本部の方々にも伝えておいて下さいませ。
・・・ルキ、お願いします。」
その時、ガワンが彼女を呼び止めた。
「待て! 最後に一つだけ聞こう!
先程、お前は我らが神を否定したな・・・?
ならば・・・お前たちの信奉する者は・・・『悪魔』なのだな!?」
カーリーは既に、この場にいる者には自分達を攻撃する意図を持っている者はいないと判断したのか、
機関銃は既に銃口をガワン達から外し、ルキともども、カラダの向きを変えていた・・・。
首を振り返って大地を見下ろす・・・。
「悪魔・・・?
いいえ、とんでもない、・・・私たちが信ずるものは、
ノアの大洪水という人類全滅計画から人間を救った・・・この世界の本物の『神』よ。
その為に、あなた達の神・・・天空の者達に永久の罰を与えられた・・・ね・・・。
もう、・・・お話しすることはありませんわ・・・御機嫌よう、お元気で・・・。」
それを最後に、ルキに抱えられたカーリーは、そのまま見えなくなるほど遠くの空へと去っていった・・・。
消音ヘリなんだろうか…
ヘリが浮いたままで会話しているようだけど…
それとも特殊な耳と声を持っている連中ばかりなんだろうか…
なんだか光景が目に見えません;;
あぁ、そうか、002と009状態なのか…
・・・自分で読んだら、最後の行に「赤いい縁取り」って書いてあったのに気づいた・・・orz
いや・・・その前に話がそこまで進んでなかったな。
>>58-59のレス全て無効! なにやってんだオレ。
えーと。
>>56さん、
ヘリはここでは飛んでません。
>>49の下の方から読んでください。
ヘリの中の会話はこれから投下します。
(今日の分をすでにうpしたつもりで、それに対して突っ込まれたのかと思った・・・。)
ヘリって言われて、つい・・・。
そして、当然、
>>43のとおり、あんまり機内はうるさくないです。
では。
・・・そしてそれから・・・
ルキに抱えられたカーリーは、騎士団の捜索部隊の動きを透視(スキャン)し、
彼らに位置を探られないように、ルキにどこを飛べばいいか指示を与えて飛行させていた。
・・・これはネロについても同様だ。
カーリーはこの島で展開する部隊の動きを全てをネロに発信していたのだ。
順番としてはマルコが先にヘリに乗り込んだ。
・・・ここでまず一騒ぎが起こる。
「きゃああああ!!」
この叫び声はローズ、
もう、完全に精神状態は平穏モードなので、恐ろしい姿をしたマルコが誰なのかもわからない。
しかも伝説では、狼男はバンパイヤの下僕とされることもある。
すぐさま食人鬼こと「あざみ」が、やっぱり追っ手を差し向けたのかとまで思ってしまっても無理はない。
メィリィ、ラブゥも腰を抜かしそうになったが、必死に戦闘態勢を取ろうとする。
「おっ、おい! 待て待て待て待て待てぇっ!!
おっオレだ! マルコ=シァスだァ!」
何がビックリしたかといえば、狼人間が縄梯子を登って来て、さらに直立して人語を喋る・・・、
これだけでも何回気絶すればいいか、わかったもんじゃない。
しかも、その口から知ってる名前が飛び出てきた。
3人とも次にどうすればいいか、判断できず固まったままだ。
操縦席で笑いをこらえてるネロが大声で叫ぶ。
「マルコ様! このままカーリー様をお迎えしますので、扉はそのままで!
落ちないように気をつけて下さい!!」
「おっ、おう!!」
ローズ、メィリィ、ラブゥは一斉に、操縦席のネロに視線を送り、
彼が全く動じてないので、やはりマルコは本物なのかと判断した、・・・いや、そう思うしかできないか。
「マ、マルコの・・・おじさん?」
「そうともよ、ローズ! こんな姿でも正真正銘、ナイスガイ、マルコだぁ!!」
「ローズ・・・匂いは・・・間違いないカ・・・?」
「あ、・・・さっき、とんでもない匂い嗅いじゃったから・・・鼻がバカになっててムリ・・・。」
「でも・・・こんな毛むくじゃら・・・他にいないよ、ね?」これはラブゥ。
「おじさん、狼男だったの?
バンパイアの手下?」
「ちげーよ!
オレはオレだぁ、誰の手下でもねぇ!
ま、びっくりさせて悪かった、そのうち元に戻るからよ・・・お、毛が抜けてきた!」
ローズ達にはわかるわけもないが、マルコの獣人モードは戦闘時から元の姿に戻りつつあった。
表情も人間に近くなっている。
そうこうしてるうちにヘリは向きを傾け、カーリー達を回収する体勢に入った。
空を飛んでる彼らに縄梯子なんて必要ない、
扉が開いていればそれでいい。
彼らが空を飛んでるのに最初に気づいたのはラブゥだ。
「わおっ! イッツクール! 空、飛んでやがる・・・!」
二人は危なげなくヘリに平行に並び、すぐに搭乗口に近接して機内に乗り込んだ。
ローズの目のキラキラはお星様の輝きだ。
「す、す、すってきぃ〜!!」
ルキが扉を閉めるのを確認して、カーリーは機内を振り返ってにこやかに微笑んだ。
「あなた達、素晴らしいわ、よく頑張りましたね!」
この島で見る、カーリーの一番の笑顔だ。
他にも言いたそうだったが、ひとまず操縦席のネロの元に向かう。
これからの進路だろう、
一緒にルキもついていく。
「・・・ルキ、長時間ごめんなさい?
重くなかったかしら?」
「・・・ええ、あのぐらいなら軽いもんですよ、
私の空中浮揚の能力はまだまだ余裕です。
むしろ、余計な事を考えないようにするのが大変でした・・・あ。」
カーリーの冷たい視線がルキを襲う。
・・・だが、あの状態ではムリもあるまい。
ルキがあの時間、懸命に煩悩を封じ込めていたのは確かなので、それ以上は追求しない。
一応カーリーも、男性の本能まで責めたりするほど鬼ではないのだ。
「カーリー様・・・全部、マルコが悪いってことで・・・。」
「そうですね、まったくその通りです、
帰ったら、きつく叱ってもらいましょう・・・。」
後ろでマルコが罰の悪そうな顔をしている、
自業自得だ。
彼らの打ち合わせは、比較的早く終わった。
カーリーは再び、ローズ達の元へやってきた。
ローズは待ちきれないように叫ぶ。
「・・・先生! シェリーやナターシャは!? 他の人たちは!?」
ローズの目は真っ直ぐカーリーの黒く大きい瞳を見つめている。
しばらくカーリーは、ローズの目を瞬きもせず受け止めていたが、
悲しそうに首を横に振った。
「・・・残念ながら他の人たちは・・・。
ナターシャも奮戦しましたが、よりにもよって騎士団で最強といわれる男に向かって行って・・・。
シェリーは捕まって拘束された模様です・・・。」
「う、嘘っ! ナターシャが!? ・・・シェリーは助けられないの!?」
「・・・ローズ、初日からの私たちの対応を思い出して御覧なさい?
悲しいけど、メリーになる資格のないものには私たちは手を差し伸べません。
・・・それにシェリーなら心配いらないわ。
あの子なら、騎士団に逆らう事はしないでしょう・・・。
恐らくしばらく尋問されるでしょうけど、命の危険はないわ。」
メィリィは再び泣き出しそうなローズの肩をつかんでやる。
メィリィにしても、別にこの短い期間、彼女達を本当の仲間と認識してたわけではない。
ローズだって「残酷さが大事」とまで言ってたではないか。
感傷的になる必要はない・・・。
・・・判っている・・・判ってはいるが、ナターシャや他の受講生の死ぬ間際の無念さを考えると、
熱い物がこみ上げてくる。
割り切るんだ・・・、
強い心を手に入れなければ・・・。
・・・ローズは下を向いて顔を上げられない・・・。
泣くのはこらえている様だ・・・、
恐らく彼女も自分の感情と戦っているんだろう。
しばらくしてローズは顔を上げたが、目が赤くなっているものの、涙は流していないようだった・・・。
黒衣のカーリーは、彼女達の心の落ち着き具合を見計らって、ゆっくりと話し始めた。
「・・・それでは、改めて・・・おめでとうを言わせて貰います。
ラブゥ・・・メィリィ・・・ローズ、
あなた方三人が合格です!」
一番驚いたのはローズだ。
「ええっ? 先生、あたし、誰も殺してないよぉ?」
「・・・フフ正直ね、あなたの武器を見せて御覧なさい?」
言われてローズはカンニバル戦で使った銀の杭を取り出す。
・・・先っぽにはまだ血のりがべっとりと付いている・・・。
「・・・彼女・・・食人鬼に深手を負わせたんでしょう・・・?」
「あ・・・うん、一応は・・・。」
ローズは上目遣いでカーリーの顔を見る・・・。
そして、武器の観察をしているカーリーに、ローズは質問をする。
「・・・あの人・・・あざみもメリー試験を受けたの?」
「うふふ、名前も聞かせてもらったのね?
そうよ、もう5年も前かしら?
場所はここじゃないけど、元々、彼女は普通の人間じゃないですしね、
トップの成績・・・というか、合格したのはその年は彼女だけなのですよ。
今回は無能な受講生、食べ放題という条件で契約させてもらったの。」
ウゲェ・・・あまりのえげつなさにメィリィがしかめっ面をする。
良かったァ・・・狙われなくて・・・。
・・・そういえばあの魔除けの護符は結局、効果があったのかな?
「・・・というわけで、ローズ、あなたは合格とあざみから連絡をもらっているわ、
心置きなく喜んでいいのよ?」
「ほんと!? やったぁ!!」
☆ 今日はここまでです。
では。
66 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/08/03(木) 00:34:55 ID:XLcICgTf0
やんや、やんや!
wktk
もうちょっとで終わりますからねぇ〜。
他のうp主さんたち、あとはたのんますよぉ〜。
あ!
>>66 そんなとこに!
メィリィとローズはようやく明るい笑顔を見せ、肩を組んで喜び合った。
ラブゥが不思議そうに言う。
「・・・じゃあ、こないだ私を襲ったのは・・・。」
「ええラブゥ、あなたが無様な対応をしたら、食べられてましたわ。
あなたの術に感心してたわよ、ラブゥ。」
「そいつはこのヘリに乗せなくていいのか?」
「彼女ならなんとかするでしょう、・・・その気になれば捕まった振りをして・・・ね?」
それも想像するだに恐ろしい。
彼女を捕まえたはずの騎士団の兵士が、船内で夜な夜な食われていく姿もかなりのホラーだ・・・。
ローズは今更ながらに自分が助かった事に驚いている。
・・・確かに負けるつもりもなかったし、自分のコンディションも最高の状態だったが、
また再び出会ったら勝てるだろうか・・・。
それに最後まで不思議な印象だった。
・・・何と言っていのか・・・。
そんなローズの心を読んだのか、カーリーが涼しく笑う。
「ウフフ、あざみは優しかったでしょう・・・?」
そう・・・!
ローズはまさしくそれを感じていた・・・。
だが、あれだけ自分を憎んでいたローズに何故、あんな態度がとれる?
単純に子ども扱いされただけだったのだろうか?
「いいえ、ローズ、
確かに彼女は食人鬼ですが、無闇やたらに人を食べてるわけでもありません、
あなたのご両親を食べたのも、
あなたのお母様が元々敵対的な職業に就いていた為・・・。
実社会では一月に人一人、食べるか食べないかの質素な生活ですよ?」
・・・いや、人間食べるのを質素って言われても・・・。
「あなた達もいずれわかると思いますが、
メリーと言えども人間です。
孤独では生きられません・・・。
誰か・・・心の拠り所になる者か、信ずるものが必要なのです・・・。
あの子ももう、長い年月、世界中を彷徨ってるとは聞きましたが・・・きっと淋しいのですよ・・・。」
「ちょ・・・ちょっと待って欲しいヨ、
アタシはどんな化け物か見てないけど、そのカンニバルって人間?」
メィリィでなくともそれは聞きたがるであろう、
ラブゥだってこの話題から耳をそらすことができない。
「そうですね、ちょうどいいですわ、
あなたがたに先輩のメリーのお話をしておくべきですわね、
いいですか、3人とも・・・。
この世に化け物なんて滅多にいませんわ・・・。
もちろん、迷信深い大昔ならともかく・・・
現代科学ではある程度説明できるのですよ。
後ろの野蛮人を見て御覧なさい?
アレは体内ホルモンと甲状腺の異常分泌からああなってしまってるの。
マルコのすごい所は、それを自分の意志でコントロールできること。
もちろん、一種の病気ですから、
それなりの投薬や研究で症状を抑えることも可能です。
・・・あえてしてませんけどね。
あれでも、この後、副作用とか大変なのですよ?
・・・それから、
血を吸うだけのバンパイアと、
『あざみ』のような食人鬼も似たり寄ったりですが、やはり遺伝的な病気の一種です。
他人の血や人肉を求める事は、麻薬中毒患者の渇望に近いものがあります。
彼女達の種は、その『食事を』行う最中、性的な快感に近いものを感じるそうです。
・・・これは遺伝ですと、治療法はないと言う事になるのですが、
衝動を抑える薬はあるそうです。
私も彼女達の種に会ったのは『あざみ』だけですが、あえて薬で抑えるようなことはしたくないと、
言ってました・・・。」
「それは・・・どうして・・・?」
メィリィが続けて聞く。
実を言うと、ここまではある程度、ローズには知ってる知識でもあるのだが、
この後カーリーから聞く話は、ローズにはそれまで考えたこともない意外な内容であった・・・。
「・・・一つには、彼女達の遺伝子には特別な因子が混ざっており、
それは共食いを行う事で、常人では分泌できない脳内物質が代謝されます。
その状態になると、瞬発力や再生能力、免疫能力などが活性化されて、
いわゆる超人状態になるのです。
また、この習慣を長く続けてると、老化のスピードが極端に遅くなり、
普通では考えられないほど長寿になるとか・・・。
もっとも、天寿をまっとうできるものなどいないそうですが・・・。
・・・それと、彼女があえて、その能力と生態を封じないのは・・・誇りからだと言ってました・・・。」
「誇り?」
「ローズ、ラブゥ、メィリィ・・・あなた達は出身も、動機も様々ですが、
ある日、いきなり、いまのようなあなた達になったわけではないでしょう?
ご両親や、祖父母や・・・祖先から受け継いだものを守ろうと・・・
そしてその為にメリーの力を得ようとしたのでしょう?
・・・なら・・・カンニバルの気持ちはわかるはずだわ・・・。
確かに彼女達は人を食う・・・、
でも、彼女達の長い歴史の中には、
一般社会と共存しようとしたり・・・、人間と関わらないようにしたり、
時には自らの食性を封印しようとしたりして生きながらえてきた・・・。
でも、当たり前でしょうけど、そんな事はいつの時代・地域でも結局は許されなかった。
・・・時には騙されて、裏切られて・・・信ずる者を失って・・・。
それでも必死になって、彼女の祖先たちは自分達の子供を守って生きてきた。
時には自分の命を犠牲にしてまで・・・。
彼女は・・・そんな祖先たちを誇りに思っているのよ・・・。
だからこそ、自分が現代社会に追われることになろうとも、
祖先から受け継いだ力を封印する事は、祖先に対する侮辱と裏切りだと考えているの・・・。
ローズ・・・、もちろん、あなたのご両親とは相容れない存在だわ。
だから『あざみ』も、あなたと仲良くしようとか、謝罪しようとかはこれっぽっちも考えてないはずです。
ただ、ご両親の意志を継ごうとするあなたに・・・
敬意を表したんだと思います・・・。」
ラブゥもメィリィも・・・そして当然ローズも真剣にカーリーの話を聞いていた。
彼女たちは全員、『あざみ』の生き方に共通する者を持っていたのである。
人種差別・・・貧困・・・民族浄化・・・居場所を奪われる悲しみ・・・。
そしてさらに・・・この話をしているカーリーこそ・・・、
神話において、栄光の座を奪われた人間達の本当の神のために働いているのだ・・・、
もっとも・・・「それ」が本当に神と呼べる者なのかどうかはまた別の話である・・・。
「あらあら、重い話になっちゃいましたね?
でも、あなた方が会う確率は極端に低いですから、そう気にされなくてもよろしいと思いますよ?
バッティングすることなど、まずありませんから。
・・・けれどローズ、あなただけは他人事ではないでしょう、
今日明日でなくて構いません、次に会うときまで・・・
あなたは彼女と真剣に戦う覚悟と力を創り上げるのです!」
「・・・はい、・・・わかりました。
『花はあるがままに咲くから・・・美しい』・・・あの人はそう言ってた・・・。」
「そうよ、ローズ、でもあなたはまだつぼみにもなってないわ、
焦らず、じっくり自分を見つめるのよ・・・!」
「・・・はい!」
カーリーはようやく自分がローズの武器を握りっぱなしだったのに気づいて、
申し訳なさそうに返却する。
「ごめんなさい、私としたことが熱中しちゃって・・・!
でも、よく、これだけで『あざみ』と渡り合ったわね?」
「あっ? うん、でもあと秘密兵器も使ったよ?」
「秘密兵器?」
「そう、ネット友達のマーゴって人に作ってもらったの、チカン撃退スプレー!」
明るく、例のスプレー缶を取り出したローズと反対に、
カーリーは『マーゴ』という名前に著しく反応した・・・。
(マーゴ・・・? まさか!?)
恐る恐るローズからスプレー缶を受け取ると、カーリーは反射的に霊能力サイコメトリーを駆使して、
付随情報を読み取ろうとした。
・・・!
途端にカーリーの顔が険しくなる。
「ロ、ローズ! このスプレーお借りしていいかしら!?」
「え? いいけど、もう入ってないよ?
それに、出たとしてもかなりひどい匂いがするから、危険だよ?」
「わかりました、気をつけます。」
そう言ったかと思うと、カーリーは急いで操縦席のネロのところに向かう。
「ルキ、ちょっと操縦をネロと代わっていただける?
・・・ええ、ありがとう、ネロ・・・これなんだけど・・・。」
カーリー達は小声で会話を続ける、
ローズ達には何を話しているかは聞こえない。
だが・・・、何か機材を使って調べているようだ・・・。
「・・・カーリー様・・・!」
「ネロ、どうですか!?」
「やはり、間違いないようです・・・。
ノズルの根元に極小のタイマーが・・・!」
「それは・・・何の為の・・・。」
「発信機です・・・。もちろんただの発信機なら私が見つけたでしょう・・・!
ですが、これは恐らく、一日のうちに一回か二回・・・その時だけ所在地を発信するタイプ・・・。
それ以外では電波を発信しないために、発見する事ができなかったと思われます。」
「では・・・ここが騎士団にばれたのも・・・ローズがそれと知らずにこのスプレーを持ち込んで・・・?」
二人とも顔を見合わせて「やられた・・・!」という表情になっている。
さすがのテレパシスト、カーリーも、スキャンする対象本人が知らないことまで見通せるわけがない。
もちろん、マーゴもカーリーの能力を知っていたわけではないはずだ。
だが、結果的に黒十字団を出し抜く形になったのである。
カーリーは思わずつぶやく・・・。
「やはり警戒すべきは、騎士連中よりも・・・『ウェールズの魔女』・・・よっぽど厄介ですね・・・。」
カーリーはその後ローズに対し、危険とか匂いがきついといった適当な理由をつけて、
スプレー缶をヘリから捨てさせてしまった。
・・・このまま持ち運んでいたら、隠れ家全てが明るみになってしまう・・・!
☆ すいません、5話になってしまいました。
一応、カンニバル・メリー「あざみ」の設定はまず、こんなところで。
またいつか、彼女の話を作るかもしれません(予定はないですが)。
明日はLady メリー最終章その後・・・じゃなくて、シェリーのその後です。
では。
凄いよマーゴタソ
(*´Д`)
次回はシェリータソの出番なのですね
wktkして待ってます
れでぃサソのお話すべて読み直したいなぁ
特にゆりこサソの。。
>>74 いつもご声援ありがとうございます。
携帯だといちいち過去スレ見るの大変ですよね。
で、一応明日以降の話の前に、何気に定番登場集団の騎士団について書いときます。
メリーとは直接関係ないですが、これまでのあらすじ気分で目を通しといてくださいませ。
騎士団・・・発祥英国・・・キリスト教系の秘密結社
総司令官ウーサー・ペンドラゴン・・・今回の物語で名前だけ登場、娘と息子がいる。英国空軍の実力者。
騎士団本部・・・一切の合議や決済を行う長老達と、騎士の称号を得たメンバーによって運営される。
長老達は原則として第一線を退いた騎士たちによって構成される。
騎士団本部戦士長(本部長)
湖の騎士ランスロット・・・Lady メリー最終章のラストで登場。騎士団内で最高の実力を持つとされる。
以降、年齢的な序列はあるが、基本的には全員同格。
勇敢なる騎士ケイ・・・Lady メリー最終章で登場、南欧支部支部長、ウーサーの弟。
剛勇の騎士ガワン・・・今回登場、南洋支部支部長、別名太陽の騎士、最強の戦闘能力を持つ。
忠節の騎士李袞・・・今回登場、亜細亜支部支部長、形意拳の使い手。
豪剣の騎士ライラック・・・Lady 最終章登場、北欧支部支部長、ランスロットと並ぶ実力者。
獅子の騎士イヴァン・・・Lady 第4章で名前だけ登場、ロシア支部支部長。
愚者の騎士日浦義純・・・Lady 第4、最終、セカンドストーリー登場、極東支部支部長、探偵所所長。
高潔なる騎士ガラハッド・・・Lady 最終章登場、ランスロットの弟、最年少、騎士団本部所属。
神射の騎士モードレイユ・・・東欧支部支部長、この後、名前だけでます。ウーサーの甥。
その他・・・北米支部支部長リッチー、長老会ベリノア、本部クローバー
そして・・・ウェールズの魔女フェイ・マーガレット・ペンドラゴン・・・愛称マーゴ
騎士団のメンバーではないが、総司令官の娘として強大な影響力を持っている。
現在、学生の弟がいるらしい。
今のところ、誰からも突っ込まれてませんが、全部、あの有名な古典から丸ごと使ってます。
李袞や日浦なんか元の名前の面影まるでないなー。
・・・おい、
聞こえるか・・・?
・・・おい、目を覚ますんだ・・・!
「・・・あ・・・ここ・・・は・・・?」
眩しい・・・、
目も開けられないほどの強い光が辺りを覆っている・・・。
頭もガンガンするし、吐き気がする・・・気持ち悪い・・・。
・・・シェリーは重い瞼を開いた。
ここはどこだろう・・・、知らないベッドだ・・・。
フラフラと上半身を手で支えて、声が聞こえた方を向く。
・・・だるい。
狭い部屋・・・扉のところには無表情な七三分けの東洋人が立っている。
背筋が張っていて軍人のようだ・・・。
あ・・・、 そうだ、 私は兵隊達に捕まって・・・。
「・・・気分はどうだね? お嬢さん?」
「あ? ・・・え、は、はい、すごく・・・気持ち悪い・・・です。 ・・・ここは?」
「まだ、意識がはっきりしてないかね?
だが、そのうち、全部思い出すし、体調もよくなる。」
シェリーは頭を抱えながら必死に思い出そうとした・・・。
そうだ・・・、この人たちに尋問されて・・・、
メリー認定試験で私の知ってることを全て喋らされて・・・それで・・・。
「私、・・・薬を打たれて・・・。」
部屋に入ってきた男、亜細亜支部支部長李袞は済まなそうに頭を下げた。
「申し訳ない、自白剤を併用させてもらった・・・、あまり時間がなかったのでね。
おかげで、君の証言に嘘はないことがわかった。
捕虜は、もう一人捕まえているが彼女は口が堅くてね、
少々手荒な尋問になっている・・・覚えているかね?
君と一緒に連れてこられた・・・。」
「ああ、ルキ班の・・・。 そうだ、私は・・・このあと・・・どうされるんですか?
・・・処刑されてしまう・・・の・・・?」
李袞はまさかという表情で首を振った。
「とんでもない! 君が我々に対して敵意がないとわかればすぐに開放するさ。
ただ、ここは洋上だし、君のカラダも衰弱している・・・。
条件が整うまで休んでいる事だ。」
シェリーはぼうっとしながら、視線を部屋の片隅に向けたまま、独り言をつぶやいた。
「私ぃ、メリーには・・・なれなかったのかぁ・・・。」
「確か・・・人形と共に攫われたお姉さんの謎が知りたいと・・・言ってたね?」
「私・・・そんなことも喋ったんですね・・・?
もう・・・どうでもいいですけど・・・ね。」
李袞はベッドの足元の方にある冷蔵庫を指差す。
「何か口に入れたほうが良さそうだ、・・・飲み物や果物がそこに入っている。
食事がしたければ、内線電話で注文すればいい。
要望は聞けないが味については保障する。
・・・なんなら、今、注文してもいいぞ?」
シェリーは力なく首を振った。
「いえ、・・・今はいりません・・・。」
李袞はしばらく彼女を観察してたが、落胆している彼女のそばに寄り、一通の大きな封筒を手渡した。
「あの・・・これは・・・?」
「君には尋問の間に、奇妙な事件を聞かされたのでね、何か関係あるかと思ったんだが・・・。」
彼の言葉に不思議そうにシェリーは封筒の中身を取りだした。
・・・写真?
メガネはベッドの脇のテーブルに置いてあった。
すぐに、顔にかけて印刷された写真を見始める。
「・・・!?」
気味が悪い・・・ボロボロの人形・・・顔がなかったり、頭が飛び散ってたり・・・。
シェリーは顔をしかめながら李袞の顔を見上げた。
「何ですか、これは・・・?」
彼は入り口近くのイスにもたれてタバコに火をつけた。
「失礼するよ・・・、君の尋問では、植物状態のお姉さんが亡くなったのは・・・今から三年前の12月・・・、
と言ってたが間違いないかね?」
「は、はい、それが何か・・・?」
「・・・いや、関係ない話だとは思ったんだが・・・時期が一致してたのでね・・・。
先程、本部から送ってもらったんだ・・・。
そこに写っている写真は、ちょうど3年前の12月に撮ったものだ。
顔や頭部を破壊したのは私たちの仲間がやった・・・、やらざるを得なかった・・・。」
3年前の12月・・・!?
急にシェリーは反応を変化させ、食い入るように写真を見比べ始めた。
何枚目かの写真を見ているうちに、突然彼女の動きが止まる・・・。
李袞は黙って、シェリーを見守っていた。
「こ・・・この人形の衣装は・・・!?」
頭が破壊されている・・・。
だが、その写真に写っている人形の衣装は、紛れもなく、
かつて姉とケンカして取り合ったアンティークの人形だ・・・!
「こ、これを・・・どこで!?」
李袞は煙を吐いた後、タバコの火を灰皿に押し付けた。
「まさかと思ったが・・・やっぱりそうか・・・。
昔・・・人の命を弄ぶ人形遣いがいてね、
我々もそいつを追っていたんだが、ようやく3年前にそいつを仲間が発見してね。
ヤツは自分の好みの女の子を見つけると、秘術を使って、人形の中に魂を封じ込めていたのさ。
・・・にわかには信じがたい話だが・・・。
事の真偽は今となってはわからんが、
その人形達が生き物のように動き出して、我々の仲間を襲ってきたのは間違いないんだ。
たまたまその時、助言をしてくれた人がいてね、
器を破壊すれば魂は開放されると聞いて、ここまで徹底的に破壊したんだそうだ・・・。」
シェリーは再び写真をみつめていたが・・・、
しばらくすると目元から一筋の涙を流していた・・・。
「・・・お姉ちゃん・・・!」
その写真に幾滴もの涙が落ちてゆく・・・。
こんなところで・・・あの忌まわしい事件の真相を手に入れられるなんて・・・。
「あ・・・あの、魂が開放される・・・というのは、つまり・・・私の姉は・・・。」
「むう、私はそういう方面には知識がないのだが・・・、
想像で言わせて貰えば、
君のお姉さんの魂は、赤い魔法使いという邪悪なる男によって、
その人形に魂を封じ込められた・・・。
そしてその間は、本人の意識とか意志はなくなっているのか、操られたままの状態だった・・・。
だが、術士を倒し、人形を破壊した事によって、魂はこの世から消え去る。
・・・お姉さんが亡くなったのは偶然じゃないのだろう、
魂が消え去ったと同時に・・・肉体の命も天に召されたんじゃあ・・・ないのかな・・・。」
シェリーは李袞の話を黙って聞いていたが・・・、
しばらくすると、写真を見つめたまま動かなくなってしまった・・・。
どのぐらい時間が過ぎ去ったか、李袞は席を立った。
扉を開けて出てゆこうとする李袞にシェリーはあわただしく声をかける。
「あ・・・あ、あの・・・!」
振り返る李袞に、シェリーは一生懸命、泣き声にならないように声をつむぎ出す。
「ど、どうもありがとうございます・・・。
なにか、心の中の、重いものが・・・なくなったような、気がします・・・。」
李袞はにっこりと笑った。
「・・・そうか、それは良かった・・・、
なら、普通の生活に戻れるように・・・努力するんだな・・・。」
「は・・・はい!」
扉は閉められた。
船内の廊下を歩く李袞に、次の角でガワンが待ち構えていた。
「李袞よ、やはりあの少女はバァルの犠牲者か・・・?」
「そのようです、・・・ま、これで彼女も呪縛から解放されたようです、
もう、こんな世界には足を踏み入れないでしょう。」
「フン、一件落着みたいなセリフを吐いている場合か?
結局、肝心な目的はわからずじまい、首謀者達は全員逃がしてしまった・・・!
本部になんと釈明すればいい!?」
「しかし、あの島で行われている事については、指令どおり叩き潰しました。
・・・あとは黒十字団と表立って矛を交えるのかどうか・・・本部の決定待ちではないでしょうか?」
「・・・だとしても、次は我らの出番ではないだろうよ、
エリア的にはケイの管轄だ。
・・・ただ、奴らの規模から行って、本部からランスロット直々に出向くことは間違いあるまい。
あとは東欧支部のモードレイユ・・・、ガラハッドの若造辺りか・・・。」
「若い連中にも経験を積ませませんと・・・。
いずれは騎士団の中核を担う者達です。
我らは、その踏み台でいいではありませんか?」
「フン、・・・李袞よ、お前は人間が出来ているな?
まぁいい、総司令官ウーサー・ペンドラゴン殿のご子息も成長されたと聞く・・・。
確かに・・・そろそろ世代交代の時期なのだろうな・・・。」
「さて、我らは報告書でもまとめましょう・・・。
マーガレットお嬢様から矢のような催促の来ないうちに・・・。」
「・・・そうだな、全くあのお嬢様は誰に似たのか・・・。
あのご子息と血が繋がっているというのが、騎士団最大の謎だな・・・ハッハッハ・・・。」
すでにローズに持たされていた発信機が、洋上に投棄された事は、彼らは知っていた。
従って作戦行動は全て終了して、あとは本部に帰還するのみ。
・・・だが、まだこの時点で、
忠節の騎士李袞も・・・剛勇の騎士ガワンも・・・、
騎士団がこれから向かう恐ろしい運命を知りうることはない・・・。
カーリーによるガワンの死の予言も・・・、
でたらめでも、動揺を誘うためのペテンでもない。
全てこれから起こる、破滅という悲劇の一幕に過ぎないのである・・・・。
そう、
すでに彼らの知らないところで・・・最初の幕は既にあがっていたのだ・・・。
日本の・・・東京で・・・。
☆ 長々とごめんなさい。
ようやく明日で最終回です。
・・・うわあ、セカンドストーリーの倍の長さ・・・。
227KBだって。
ゆうに一スレの半分近くの量・・・。
もう、長いのはしばらくよそう・・・。
ではまた。
Ladyさんお疲れさんでした!
れでぃサソお疲れさまです
次回で終わり…って思うと悲しくなるな
でも東京!?
頭の中でいろんな妄想が膨らんでおります
超wktk!!
皆様ありがとーございます!!
>>82 あと一日あ〜る!
>>83 >でも東京!?
いきなりの話ではありません。
過去のどれかの作品の中でほんの少しだけ言及しております。
デ○ヘ○メ○ーさんあたりかな?
詳しくは明日をお待ち下さい。
きょうこちゃん…
(´A`)
>>85 すんませんなぁ、今回は出番ないですねん。
・・・それにしても最近はカルカッタじゃなくてコルカタって言うのね。
知らなかった。
では最後いってみます!
・・・ここはインドのカルカッタ・・・。
カーリーの実家はインドでも有数の資産家だ。
いくつもの別荘やビルを国内に持っており、その内の一つを黒十字団の活動拠点の一つにしている。
もちろん合法的に正規の事業も展開しており、
一般企業にもオフィスや倉庫も提供している。
・・・セントメリー諸島の戦いから逃れ、彼女たちはローズ達を引き連れたまま、
ヘリから船、セスナ機を乗り継いで、カーリーの所有する別荘に招かれていた。
「・・・それでメィリィ、何であそこで料理なんかしてたの?」
ローズはすっかり元の調子に戻っていた。
切り替えの早さも彼女の特徴だ。
「んん〜、あいつらを油断させるつもりもあったけど、
なんだかんだで、あの島でみんなに料理振舞う機会なかった・・・、
だから、戦闘終わったら、みんなにご馳走したかった・・・。」
「そおだー、あたしもメィリィの料理食べるつもりだったのに!」
「でもカーリー、厨房使っていい、言ったね、今夜、ここでパーティやるよ!」
「ほんと!? じゃあ、ラブゥや先生達と一緒に食べよう!」
二人は、ふかふかの絨毯が敷き詰められただだっぴろい客間で会話をしていた。
向こうにはトラの剥製もある。
ここがかつてのサルタンの居城だと言われても、なんの疑問も湧かないだろう、
それぐらい豪勢な部屋だ。
そうこうしているうちにラブゥがやってきた。
「・・・あいかわらず呑気な会話してるね・・・・?」
「あ、ラブゥ、中華好き? メィリィがおいしいもん作ってくれるって!」
しばらくラブゥはそのまま考え込んでいた。
いや、彼女もけして食事は嫌いじゃない。
素直にウンと言えないだけだ。
「・・・あー、中華料理か・・・、あまり食べた事ないんだ。
でも、ちょうどいい機会だから、良ければ・・・是非・・・。」
「オーケー、腕によりかけるネ!」
「・・・それよりさ・・・カーリーが呼んでる、次はメィリィ・・・。」
「あたし? ラブゥ、カーリーと面談だったカ?」
「ああ、今、終わった・・・、これからどんな武器を手に入れるかの相談。
私の能力や適正と黒十字団の製造技術などを検討して、
作りこまれることになるって・・・。
物によっては時間がかかるものもあるが、費用は全額向こう持ちだ。
さすがにあれだけの試練を乗り越えたことに対する褒賞はたいしたもんだ・・・。」
「おお、それは凄そうね、アタシは何がいいのか、悩むネ、・・・まぁ行って来るよ。」
「メィリィ、青竜刀置いてきちゃったんでしょ? 新しいのは!?」
メィリィは笑いながら立ち上がって、ローズに答えた。
「ハハ、あれは目立ちすぎるネ、もっと得意なのは暗器だから誰にも見せれないよなモノ、
頼んでくるよ。」
・・・実際、彼女達が新しい武器を手に入れるのは、
この短くも激しいイベントが終わり、それぞれの母国へ戻った後の話しになる。
メィリィやラブゥは、一見、以前と同じ暮らしを始めるように見えるが、
既に彼女達の戸籍は消滅しているので、その存在は幽霊にも等しい。
その彼女達が生きていくには、闇の世界に身を投じねば生きていけるものではない・・・。
・・・それが黒十字団の巧妙な罠なのだが、今はその話は置いておこう。
果たしてこれから、ローズ、メィリィ、ラブゥ・・・そしてあざみ・・・。
彼女達がいかなる冒険を始めるのか・・・はたまたいかなるトラブルを巻き起こすのか、
それは誰にもわからない・・・。
いずれまた、どこかで彼女達の活躍が見れるまで、しばらくご自宅で待っていただきたい。
あなたの元に何がやってくるかは運次第。
注文してもいない冷やし中華が届けられるかもしれないし、
不気味なブードゥ人形が送られてくるかもしれない。
部屋の中を無邪気に暴れまわる女の子がやってきたらラッキーだが、
黒髪の物静かな女性に狙われたら最後だ・・・、あなたの生きる可能性は・・・ゼロである。
さて、
最後に、
この世界の運命を暗示するエピローグで、
この長かった物語を幕としよう・・・。
トルルルルルルル、 トルルルルルルル、 カチャ
「・・・ルードヴィッヒだ・・・。」
・・・薄暗い・・・陽も当たらないオフィスビルの一角・・・。
天井の照明もつけず、窓もない部屋で、彫りの深い顔の男は電話をとった・・・。
ロマンスグレイの髪に、大量の口ひげを蓄えた男は、黒十字団の党首である・・・。
デスクランプの光のみが、受話器を手にする彼の姿を背後の壁に映し出している・・・。
「カーリーか、ご苦労だったったようだな?
うむ・・・ネロから大体は聞いた。
なに、謝る事はない・・・3名も合格者を出したのだろう・・・十分だよ。
彼女達の使い道は・・・これから考えればいい・・・。
舞台はできあがりつつある・・・。
そうそう・・・君がいない間にいい知らせが届いているんだ・・・。
まず一つ・・・。
イギリスに送った・・・メリー・・・、
ベアトリチェ・メリーがやってくれたよ・・・。
そう、ウーサー・ペンドラゴンの思想改造に成功したようだ・・・。
もう、あの男は彼女の思いのままだ。
形のないものを盲信する者ほど扱いやすいものはない、という事だな。
そう遠くない時期に・・・騎士団は暴発するだろう。
キチガイに刃物とはよく言ったものだ・・・。
彼らが全世界で軍事行動を起こせば、再び混沌が世に訪れる。
全く愉快な話ではないか?
神に仕えるはずの彼らが・・・皮肉にも我々の望みを果たしてくれるのだからな・・・!
・・・んん?
ああ、そうだな、警戒すべきものはいる。
あの・・・『あの時も邪魔をした』極東の青年は、騎士団本部に逆らってでも反対するだろうが、
所詮、本部の決定には逆らえない・・・。
そうそう、極東で思い出した・・・もう一つのいい知らせだ・・・。」
「騎士団にいる我らの同調者・・・モードレイユという若造だが・・・、
その『愚者の騎士』の目を盗んで・・・日本の東京に潜入したそうだ。
・・・ああ、あの女は・・・もうこの世にいない。
ガス爆発を装って家ごとふっとばしたということだ。。
緒沢家発祥以来、最高の神童と呼ばれた美香は、天井の下敷きになって死んだそうだよ、
・・・弟をかばってね。
フッフッフ、意外か?
だが、これでいいんだ、
もう騎士団を止めれるものはいない。
大丈夫だ・・・、まだ血筋は残っている。
そう、あの出来損ないと呼ばれた弟だよ・・・!
かつて地上を支配したという古代神の血脈は、確実にあの弟にも流れている。
想像してみるがいい、恐らくお前にも未来は読めないはずだ。
あの弟・・・緒沢タケルが怒りに狂い、騎士団の精鋭たちと戦ったらどうなるか?
緒沢家に伝わる秘宝・・・、神剣天叢雲と、
騎士団内でも選ばれた者にしか扱えない聖剣エクスカリバーが激突したらどうなるのか?
そうだ・・・お前にも言ってなかったな。
代々秘密とされていた緒沢家の本当の使命・・・、
あの緒沢美香の本当の役割は、
破壊と嵐の神・・・古えの咆哮する邪神を、その遺伝子の中に封じ込め続ける事・・・、
彼らの遺伝子に眠る邪神の因子を、ありとあらゆる秘術を以ってこの世に発現させない事、
それこそが彼女の本当の使命だったのだ・・・!
その封印が解けた時・・・果たしてどんな神が生まれるのか・・・楽しみではないか・・・!
フッハッハッハ・・・ハァーッハッハッハッハァ! 」
笑うルードヴィッヒの影が壁で揺れていた・・・。
だが、その影の姿は人間のものではない・・・、
部屋の壁面には、彼の頭部から生えている、老山羊のような不気味な角が映っていたのである、
まるで・・・中世絵画に描かれる 邪悪な魔王のような姿を・・・。
(南の島のメリーさん達 おしまい)
☆ 以上です。
伏線とか続きとかは予定してません。
ガワン達を登場させることは比較的、早く考え付いてましたが、
結末や黒十字団党首の登場は、物語中盤で頭に浮かびました。
ただし設定は、例の如く、はるか昔に創り上げていた物です。
・・・まぁ、物語中、カーリーが適当な事を言うのと同様・・・
一神教の世界と言ったり、天空の神々と言ったり、邪神と言ったり、悪魔と言ったり・・・、
化け物なんてそうそういないとか言ったり・・・
物語の背景はぼやかしたままにしときますね。
なんてったって「神様にだま・・・ゲフン、ゲフン!」
ぅぉぉおおお!!
やっと気になってた美香姉ぇの事が…
ヽ(`Д´)ノ
れでぃサソのワールドが好きでした
また書く事があったらお願いします
ここで待ってます
他の話はどの板で書いてるんですかー?
>>92 今回の物語は最初、ほとんどレスがなかったのでヤケになってましたが、
途中からコメントをいただきすごく勇気付けられました。
どうもありがとうございました!
>物語を書いてるのはここだけですよ。
半角は時々。
人減った感もあるけど、住人もSS師サソ達も皆忙しくてロムにまわってるのかな
でも始めからロムに徹してる住人もいるだろうしね〜
そんな俺も元ロム派
PC買った書き込みをしたら、れでぃサソにお祝いAAをいただいた者ですw
って覚えてないですよねw
てっきり他でも何か(メリー話以外)書いてるものと思ってました
おつかれ
読むほうにせんねんしてましたよ
>>94 覚えてるよ〜。
他でも何か書いてる?
そんな湯水のようにアイデアでない〜!
>>95 126パパ、さんくすこ!!
あとよろしくぅ。
わたし、メリーさん、いまあな
誰もいない…?
覚えていてくれたとは…
(・∀・)ノシ
そっかぁ〜じゃあまた何か書きたくなったらココ、もしくは場所教えて下さい!
ヽ(´ー`)ノ
私メリーさん、いま、小雨がパラついてきたの。
私メリーさん、いま、雨足が強くなってきたわ。
私メリーさん、いま、土砂降りよ。
私メリーさん、いま、雨風で家がギシギシいってるわ。
私メリーさん、いま、落雷が隣家に直撃したの。
私メリーさん、いま、川が氾濫したわ。
わ、私メリーさん、いま、向こうの家が流されてゆく・・・。
私メリーさん、裏山が崩れて何軒もの家が下敷きになってるの・・・。
わ、わ、わ、私メリーさん、地割れが村を呑み込んで行く・・・!
私メリーさん、・・・あああ、津波よ! 水平線があんなに高く・・・!!
私メリー・・・ きゃああああああああっ!!
小ネタでもいいから書き込みがあると嬉しいね
ヽ(´ー`)ノ
わ、私メリー
私は別に嬉しくなんかないんだからっ!!
私メリーさん、かわいいは正義よ。
え・・・いや、前の奴の部屋の漫画に書いてあったのよ・・・
べ、別に影響受けやすいわけじゃないわよ!!
主人公、安倍晴明はどこにでもいる普通の高校生、ある日彼は「メリーさん」電話を受けてしまい
メリーさんに命を狙われてしまう。
逃げ惑う晴明に呆れたメリーは言い放つ
「仕方ないわね、命だけは助けてあげる。その代わり私の下僕になりなさい!」
こうして晴明とメリーのドタバタ同居生活が始まるのであった。
ぼくの同居人はメリーさん
テレビ埼玉などで木曜26:30から絶賛放送中!
「見ないとあなたの家に行っちゃうぞ♪」
原作・監督 あかほりさとる
シリーズ構成 黒田洋介
美術監督 海野よしみ
音響監督 鶴岡 陽太
音楽 スターチャイルドレコード
アニメーション制作 XEBEC
(C)日本メリー評議会
うち、霊界チャンネルは映らないんですが…
昼食時も終わり、ごった返していた店内も少し収まり始めていた中華料理店”高飛(タッピ)飯店”
に電話の呼び出し音が響いた・・・。
「はいモシモシぃ♪出前迅速!味サイコー!の高飛・・・」
『なぁ御穣ちゃん・・・もう機嫌は直ったかい?』
その声を聞いた途端、電話を取ったアルバイトの少女は何気にムッ!とした表情になった。
「ウチは注文以外の電話は御断りしてるアル!では失礼ぃ!」
『ああぁ〜〜ちょ、ちょちょっと待ちぃ〜ってメィリィ!もう殺生やでぇ・・・』
少女が電話を強引に切ろうとするとその電話の主が大慌てで食い下がった。
「ナぁ〜ニが殺生あるか!アンタがもっとしっかりしてたら、カレシさん危ない目に遭わずに
済んだアルよ!!」
『だぁ〜から、あの時も言ったやないかぁ〜もう・・・あん時はオーヤマさんが一人で戻る言
うて仕方無かったんやって!もぉ良ぇ加減に機嫌直してぇな。』
「黙れバカモノー!!あの時ワタシが行かなかったらカレシさん大ピンチだったアルよ!!?」
『だからスマンって!今度から気ぃ付けるって何回も言ってるやんかぁ!』
「謝って済んだら警察全不要アルよ!いつまでウジウジ泣いてるヒマあったらカレシさんをし
っかり御守りするアルよ!!分かったらサッサと電話切るアル・・・分かったか!?」
店内全体に響き渡る大声で怒鳴ると少女=メィリィは、それこそ電話が粉々になるんじゃない
か?と思えるぐらいの勢いで受話器を叩き付けた。
「そ、そそんなぁ〜・・・コレで20回目やでもう。あぁ〜あ〜・・・折角デートの約束まで漕
ぎ着けたのに・・・トホホ(泣)」
大山が聞き込み言ってる間、車の運転席ではメィリィに振られて見事に”轟沈”したチャーリ
ーが携帯を片手に途方に暮れていた・・・。
ようやくと言うか・・・ぼちぼちと再開し始めましたSSの予告も兼ねて今回
、投下させていただきます。
とは言え・・・再開と言っても、まだ3,4行ぐらいしか出来ておりませぬが
<(;^O^)ナハハハハハ
PS2専用ソフト ぼくの同居人はメリーさん〜暗殺予告は突然に〜
バンダイ
通常版 6800円
初回限定版 28000円
あの「ぼくの同居人はメリーさん」が遂にゲーム化!ゲームのために書き下ろされた
完全オリジナルシナリオでアニメと同様のドタバタ劇が繰り広げられる。
初回限定版はエプロン姿メリーフィギュアとスペシャル特典DVDが付いて28000円
今日はメリーの発売日、俺は予約していたソフトを買うべくワクテカ気分で
ゲームショップに小走りで向かった、買うのは勿論28000円の初回限定版だ、
事前情報によればフィギュアのエプロンが着脱式でそれだけではなく、何と
服まで着脱式なのだという、つまり裸エプロ!jpay@pらt@あえあ@あせふじこ
小走りでゲームショップに着いた俺はレジの前で店員にクールにこう言った
「ぼくの同居人はメリーさん〜暗殺予告は突然に〜を予約してたんですが。」
すると店員は「少々お待ちください」と言ってレジの隅にある予約商品を確認
し始めた。しばらくすると店員が「あの〜」と困惑した表情で俺に話しかけた、
何か問題があったのか、まさか予約ミスか?と不安に駆られていると、店員は
「4個ってなってますが数合ってますか…?」なんだちゃんと予約できてる
じゃないか、俺は胸を撫で下ろした。そう、俺は初回限定版を4個予約した
28000×4で112000円だ、1つ目は観賞用2つ目は保存用3つ目は遊ぶ用。
そして4つ目は衣服のパーツを全て取り払いメリーたんを生まれたままの
姿にして俺のミルクをぶっかああああああああああ尾@あ@p−うい@ふじこ。
その為なら112000円など安いもの、水と調味料だけの生活になろうが耐えられるというものだ
…嘘です、流石にキツイです。
ともかく俺は4個で間違っていないことを伝え、初回限定版のBOX4個を
担いで途中通行人から奇異の目で見られながら家路に着いた。
家に着いた俺は大急ぎで服を脱ぎ捨て箱を開けてフィギュアを取り出した、全裸で
だが、その瞬間俺は戦慄した。
出てきたのは奇怪な人形だった、不吉な目、薄気味悪い表情、不気味な笑み
恐らく出荷時に梱包するフィギュアを間違えたのだろう、よりにもよって
こんな人形と間違えるとは腹立たしいにも程がある。
俺はメーカーに抗議すべく説明書に書かれているサポートセンターの番号を探した。
だがフィギュアの説明書に書かれていた真実を見て絶句した
フィギュア製作:エンターブレイン
電撃メリー氏・・・期待してるぜ!
・・・そういえばチャーリーは騎士団所属だったけか?
あの島での事件のあと、どんな出会いをしたのだろう・・・か?
それともあのとき戦った兵士の中に・・・?
>>111 ドキドキ・・・
ほっしゅほっしゅ
保守
ふう・・・やっと日本に帰ってこれた・・・
ひどい目に遭ったよ、
ああ、髪もべとべと・・・服も潮臭くなっちゃって・・・。
はやくシャワー浴びたいけど・・・
(ぐぅ〜)
おなかすいたな・・・
誰か・・・手ごろな人間いないかしら・・・ね?
うふふ・・・
あざみタソ?
ばれたか
保守
〜糸冬了〜
しちゃいや
124 :
本当にあった怖い名無し:2006/08/16(水) 15:50:29 ID:69xdfi+F0
メリー!
父:「つとむ! すぐ病院へ連れて行ってやるからな!?
頑張れよ!
・・・まったく、なんでこんなに熱が出るまで放って置いたんだ・・・!?」
母:「だって・・・! あなた、夕飯の時はあんなに元気だったのよ・・・!
それが・・・こんなに熱が・・・。」
父:「今更、何を言っても始まらない・・・。
それにしても、こんな日に限って・・・近くの救急病院はベッドが塞がってるなんて・・・!
ええい! 信号も邪魔だ!
救急車を頼んだ方が良かったかな・・・?」
子:「・・・お・・・父さん・・・ 」
父:「大丈夫か!? つとむ!!」
子:「・・・お・・・父さん、女の子がいるよ・・・、さっきまで一緒にいたんだ、あの子・・・。」
父:「・・・? つとむ?
おい、おまえ、つとむは誰かと遊んでいたのか?」
母:「い・・・いえ? 家にはわたしとつとむだけよ?
・・・あなたが帰ってくるまで、今日は誰も来なかったけど・・・。」
道路は片道一車線で、カーブが多い。
なるべくスピードを上げたいがこんな夜道では危険が伴う。
風も強く、街路樹のゆれが激しい・・・橋を渡るときなど、車体にもろに横っ風があたる・・・。
子供は薄ぼんやりと目を開き、息も絶え絶えに運転席の父の方を見つめている、
・・・いや、高熱で焦点などあってないのだろうが・・・。
子:「・・・お 父さん・・・、あの子が 呼んでる・・・、
声が 聞こえない・・・?
後ろから 僕たちの後をついてきてる・・・。
あの子・・・メリーさんが・・・。」
新作ディスカー(・∀・)ー!!
新作と言うか・・・世界名作劇場その4の「2」・・・かな・・・。
つづきは、余裕が出来た時に・・・。
うはw
待ってまーすヽ(´ー`)ノ
たわし、メリーさん!
・・・ゴシゴシ!
よぉーく洗わないとね!
・・・アレ!?
父:「つ、つとむ!?」
父はまさかと思いつつも、バックミラーを何度も見るが、
制限速度をオーバーして走ってる車に追いつける者などあるわけがない。
後続は車もバイクも走っていない・・・。
父:「(幻覚でも見えてしまってるのか・・・、高熱のせいか・・・ああ。)
つとむ、誰も後ろにいないよ、病院に着くまで寝てるんだ・・・!」
子:「お 父さん、ハァハァ・・・、
お父さんも・・・お母さんにも 見えないの?
街灯の下を通るたびに、・・・あの白い顔が鏡に映ってるのに・・・。」
父:「・・・? それは・・・街灯の光に車のボディが反射してるだけだよ・・・。」
車は坂道を登る・・・。
風もあるせいかやけに重い・・・。
まるで車の中に6〜7人ぐらい乗ってるかのような感触だ。
・・・父親もなにか異様な感じを受けている。
だが、今は病院へ急ぐ事が大事だ。
突然、子供は母の懐から身を乗り出し、後ろを振り向く。
母親もうろたえることだけしかできない。
子:「すぐ後ろにいるよ!
メリーさんが! ぼくを見下ろしている! 」
追いかける女:
「・・・つとむくん、どこ行くの?
さぁ、遊びましょう、あなたのやわらかい頬や、つぶらな瞳をかわいがらさせて。」
(*´▽`){wktk)
中学の音楽の教科書に載ってた「魔王」を思い出すな〜。
うん、それが世界名作劇場その4の「1」ね。
半角に投下したヤツ。
というわけで「2」は現代版。
女「ハァハァ・・・ボクぅ、お姉さんと楽しい事しない?・・・ハァハァ・・・」
136 :
本当にあった怖い名無し:2006/08/22(火) 00:50:41 ID:FmtymcIe0
私、メリーさん!
あなたが後ろにいるの!
・・・アレ?
「私、メリーさん今貴方の後ろにいるの」
「ねーよwwwwwwww」
ボコッ!!
父:「な!? なんだ! 今の音は!?」
母親も音の聞こえた方を振り向いたが何も見えない・・・。
車のトランクの上辺りから音は聞こえていた、
まるで、車体の上に何かが乗っかってでもいるかのように・・・。
子供はもはや高熱で真っ赤な顔を小刻みに震わせながら、
濁った目をリアウインドウの上の方に視線を合わせている。
母親は必死に子供の視線と音の原因を探ろうとしても、何の手がかりも得られない。
父:「お・・・おい、どうなってるんだ!?」
母:「わからないわよ!? ・・・わたしにだって・・・、何がなんだか!?」
彼らの会話を無視して、子供が声を絞るように叫ぶ、
子:「お父さん、お母さん・・・!
僕には 聞こえる!
メリーさんが 車の上に立っている!!
メリーさんが僕に 手を差し伸べている!
メリーさんの人形みたいな顔が・・・笑ってる!
・・・でも! でも!
・・・白い顔には目玉がないよぉ!!」
追いかける女:
「つとむくん・・・!
あたしと踊って!
一緒にお歌を歌いましょう!
二人で手と手をつないで・・・
いつまでも・・・いつまでも!!
さぁ! こんなちっちゃな車から引きずり出してあげるわはははぁキャハハッ!」
139 :
本当にあった怖い名無し:2006/08/23(水) 00:20:19 ID:3+ksHLRI0
その途端、子供の容態が急変した!
震えは痙攣のようにガクガクと体を揺すり始め、
口からは大量の白い泡を吐いてゆく。
もう、目はどこにも焦点をあわせていない。
母:「あなたーぁ!!
つ! つとむが・・・つとむがぁーッ!!」
父:「もう、病院は目の前だ!
おれが入り口に停めたら、おまえはつとむを抱えて受付に向かえっ!!
・・・つとむぅ! 頑張ってくれぇ!!」
すでに目的の病院には連絡を済ませていた・・・。
いま、車は門をくぐり、「夜間救急受付」と書かれた案内にあわただしく着こうとしている。
非常識だが、父親はクラクションを鳴らして入り口の真ん前に急ブレーキをかけて車を停車させた。
ちょうど、偶然、看護婦がそこを通りかかったようだ、
車から降りてくる、子供を抱いた母親に、視線を合わせ、落ち着いて対処・・・しようとしていた・・・。
看護婦:「先ほど、電話された方・・・」
母:「はい! お願いします!!
もう意識もなくなって!! 早く先生に!!」
看護婦:「わかりました、こちらへ・・・!
車の方はご主人様ですか? では受付はあの方にやっていただいて・・・!」
他に患者はいなかったのか、患者側には永遠にも感じられる長い診察時間だったが、
比較的すぐ当直の医師が子供の診察に応対した。
・・・だが・・・もう、手遅れだった・・・。
劇症型の感染症らしい・・・大人はほとんどかかることのない病気だが、
抵抗力のない老人や子供がかかると、時として命を奪うほどの強力なバクテリアによるものだったそうだ。
・・・しかし、恐ろしい事実はそれだけでなかったのだ・・・!
>>139 看護婦:「わかりました、こちらへ・・・!
車の方はご主人様ですか? では受付はあの方にやっていただいて・・・!」
↑
看護婦さんにはメリーさんが見えてたのかgkbl
わたしメリーさん。今、あなたのごみをあさってるの。
わたしメリーさん。今、あなたの洗濯物をあつめてるの。
わたしメリーさん。今、あなたの歯ブラシを(ry
すまん・・・、
>>140 「あの方」は車を運転してたご主人のことです、・・・わかりづらかったか・・・orz
まぁ、確かに看護婦には、彼女の姿が(ry
では、あと、もう少し・・・。
両親の姿は見るに耐えないものだった・・・。
母親は院内に響くような大声で泣き喚き、
父親は放心状態で、目の前の現実を受け入れることができずに、
目は虚ろのままだ。
当直の看護婦・・・比較的年配の婦長と、先ほど彼らを出迎えた若い看護婦が、
絶望している夫婦に見かねて声をかける。
婦長:「この度は・・・まことに・・・。」
だが、若い方の看護婦は、彼らの元を離れ、駐車場の父母の車に向かった・・・、
診察の間に、父親が所定の駐車場に移動させていたのだ。
・・・どういうわけだか、看護婦はその車のトランクや、リアウインドウをしげしげと見つめている。
彼女は・・・何か見つけたのか・・・眉間にしわを寄せて・・・、
そこからすぐに
逃げるようにして院内に戻ってきた・・・。
婦長:「どうしたんです、こんな時にいきなり・・・?」
看護婦:「す・・・すみません、
言い出せなかったんですけど、先ほど信じられない物を見てしまって・・・!」
婦長:「・・・信じられない物・・・?」
看護婦「・・・あ・・・あの患者さんがやってきたとき、
車の上にボロボロのドレスを着た気味の悪い女性が立っていたんです・・・!
そのまま、入り口まで車は走ってるのに、何事もなく立っていたんですよ!
車が曲がろうと・・・急ブレーキをかけようと!
・・・しかも・・・しかも、その腕に、この・・・亡くなったつとむ君が・・・
どういうわけか、お母さんに抱かれてる姿とそっくりな・・・
もう一人のつとむ君が、彼女に抱かれてたんです!!」
婦長:「・・・何をバカな事を・・・!?」
・・・看護婦は、見間違いでも、無論、嘘を言ってるわけでもない・・・。
実際、次の日の・・・つらい朝を父親が迎えたとき、
彼は自分の車のトランクや、リアウインドウに、
自分の子供のものよりも大きい・・・無数の手形があちこちにベタベタと残されていたのを見つける。
・・・それはまるで、何か得体の知れないものが・・・、
車体の下から・・・段々と上へ上へと這い上がっていくかのような残され方だった・・。
そして、ちょうど・・・つとむが昨夜いた位置に向かって、
何度も何度も叩き付けたかのように集中的に手形はつけられていた・・・。
この手形は・・・つとむがうわごとのようにつぶやいていた・・・メリーさんと関係があるのかどうか・・・、
それは 誰にも 判らない・・・。
だけど、・・・もし、こんな声が聞こえてきたら・・・
女:「・・・私、メリーさん・・・
あなたも・・・こっちへいらっしゃい・・・
さぁ・・・
来たくないなんて言うのなら・・・
私・・・ メリー さん
あなたの 処に ね アハ! アハハハハハハハァッ !
原作ゲーテ・改編Lady メリー・世界名作劇場第四話の2・タイトル「魔王」
その1はー?
ぉお、角二のあれか
れでぃサソありがとう
>>146-7 たしかクールに反撃スレで、それのE.YAZAWAバージョンが有ったのを見たことがある。
(;^_^)y-~~
>>148 先、越されてたか・・・!
>>149 いえいえ、ありがとうございます。
・・・あとは・・・同じく半角で書いたメリー・ゴーアラウンドと、リターンオブあざみちゃんを書きたいが、
ついに再就職してしまった。
もう、考える時間などほとんどないです、ヒーン。
専業主婦やめたんですか
主婦じゃあないやい。
ぃゃ、でもめでたいじゃあないですか
頑張れれでぃサソ
>>153 ありがとな、なんかネタ浮かんだらいつでも書き込むさかい、待っとってな?
今日は休みや! そんでサンバカーニバル見てきたんや、
思ったんやけど、メリーのコス着て、鎌持って踊ってる一団いたら楽しいやろぉなぁ?
犬:「おいらも参加できますかね?」
構わんけどな、例のパフォーマンス頼むで?
犬:「・・・勘弁して下さいぃぃぃ!」
「もしもし? 君メリーさん? いま、君の町にいるよ。」
「・・・は?」
「もしもし? 君メリーさん? いま、君の家の近くなんだぁ。」
「ちょっと、あ、あなた誰!?」
「もしもし? 君メリーさん? ああ、マンションなんだね? 建物の下にいるよ・・・!」
「やめて! 警察を呼ぶわよ!!」
「もしもし? もう、玄関の前なんだ、早く君の顔が見たい・・・。」
「お願い、帰って! わたしはメリーさんじゃないの!」
・・・
(電話がない・・・? 鍵はしまってるし、玄関の前にいるのかしら? ・・・今のうちに警察に・・・!)
携帯をとろうとした瞬間、またもや携帯がなる・・・。
「・・・もしもし・・・」
「ああ! メリーさん! いま、君の家の中だ! さぁ、これからいいことをしよう!!」
バターン!!
風呂場のドアが開いた!!
血走った目の全裸の男が飛び出してくる!!
「キャアアッ!!」
ザクッザクッザクッ・・・!
翌日の夕刊に事件のことが載る・・・。
「マンションで若い女性、惨殺さる。
ナイフでめった刺しか?
携帯の着信記録、
共通の手口、今月に入って全国で5件目・・・。」
恐すぎる…orz
閑話休題 きゃっするおぶめりー!!
今日子 「ちょっとちょっと聞いたァ? 若い女の子ばっかり狙われるんだってぇ!?」
マザーメリー 「・・・手口が・・・メリーと逆なんですってね?」
今日子 「こっわ〜・・・、ねぇ後ろのあなたはどう思うの?」
振り返る今日子・・・そこにはテーブルで一人、ブラッディマリーを飲む黒髪の女性・・・、
あざみ 「・・・もしかしたら、メリーそのものが狙われてるのかしら?」
今日子 「マジ・・・マジマジマジィ!? やーめぇてよぉ〜!?」
あざみ 「私には関係ないと思うけど、
普通の人間に近い生活をしているあなたは気をつけたほうがいいわね?」
今日子 「・・・最悪・・・。 指名されたらどうしよう・・・。」
マザーメリー 「ここなら安全ですけど?」
今日子 「んん〜そうは言っても、恵まれない男の子達に夢を与えるのがあたしの仕事だしぃ・・・。」
・・・いつから!?
うりぃ 「ウチも設定年代違うから、関係あらへんなぁ?」
マザーメリー 「・・・もし、真正面からぶつかることになるとすると・・・。」
タイミングはバラバラだが、彼女達の視線は、
もう一つのテーブルでワイングラスを持つ「彼女」に注がれる・・・。
銀色のウェーブヘアーと瞳を持つ人形に・・・!
だが、「彼女」は無表情に首を振ると・・・、
黙ってグラスを飲み干して、キャッスルオブメリーを出て行った・・・。
うりぃ 「そういやぁ・・・、あざみの姉ちゃんは、ここにいてだいじょーぶなんか?
ろーずっちゅうお嬢ちゃんに狙われとるんやろ?」
あざみ 「うふふ、ここは非戦闘地域よ、・・・なにかあっても、ね?」
マザーメリー 「ハイ、私が皆さんのエネルギーを吸い取ってますので、
ローズさんが乱入しても強制的に戦闘不能になります。」
今日子 「・・・相変わらず怖っ・・・!」
考える時間、ないとか言って、なにやってんねん・・・w
うーん
あまりにもオナニースレだったんで、しばらく遠ざかっていたんだが
読んでみるとSS面白いんだよね
キャッスル・オブ・メリーいいね
>>159 あじがとうございます。オナニー状態は重々承知・・・。
いろんな投稿者さんたちと競合状態が理想なんですが・・・。
ちなみにいつもどおり、この後の展開は何も考えてませんので。
161 :
本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水) 22:44:51 ID:zsgThwFC0
メリーさん、メリーさん、
大変だよ大変だよ
162 :
本当にあった怖い名無し:2006/08/30(水) 23:19:14 ID:E87Rgsq4O
どうした?
どうした?
ゴジラでも出たかっ!?(;・_・)ゴクリ!
にしこり<呼んだ?
メリーさぁあんッ!!
ドッガァァンッ!!
天井裏から全裸の男が泡を吹きながら転げ落ちてきたッ!!
だが男は何事もなかったかのように笑いながら起き上がる・・・!
ああああ・・・!! メリーさんだぁっぁぁ!!
男は異様なまでの、甲高い渇いた声で叫ぶと、
驚愕のために身動きできなくなったその部屋の住人の上に襲いかかった!
・・・「またもや一人暮らしの女性襲わる、
全身52箇所滅多ざし!
部屋は血の海と化していた・・・」
全裸の男、イメージ
・・・体の線そのものは細い・・・
その割には毛深い・・・マルコほどではない。
関節の動きがやけに機械っぽい・・・。(パントマイムのイメージに近い)
目がいっちゃってる・・・
ヤギの鳴き声のような声を発する・・・
会話が成立しない(一方的に話しかける・・・今後どうなるかはまだわからないけど)
・・・笑い声もヤギっぽくしとくか・・・
「ンェェェェェ・・・!」
メリーに異様な執着を抱いてる
手に凶器を植えつけている(どんなものかは考慮中)
・・・このスレは毎日、20回はチェックしてる・・・。
・・・ホントにいたらどうしよう・・・。
「くそう・・・歌では俺はただのメリーさんの愛玩動物扱いかよぉぉおおッッ!!!」
名前はカルロスにでもしとこうかな? (嘘です!)
羊さんの、あまりの怨念と愛情の裏返しが、異形の化け物へと化生させェッ・・・!
・・・すいません、この書き込みはなかったことに・・・。
新シリーズ?w
・・・だといいけどねぇ・・・。
メリー人形ほしいなあ
「・・・ああ、疲れたなぁ、たっだいまぁ、・・・アレ? メリーさんは?
メリーさぁん!」
「私メリーさん、いま、お台所にいるの!」
「ああ、そこにいたんだ、いま、帰ったよ!」
・・・メリーさん人形、名前を呼ぶと、自分の今いるところを喋ります!
他にも簡単な会話機能と歩行機能を備えた優れもの!
オプションの鎌をつけると、目の前で動く者を切り裂くこともできます!!
あなたもメリーさんと暮らしてみませんか!?
>>175 買う(*´Д`)
俺は普通の高校生、平穏な生活を送っていた。
この日までは。
夜12時、一本の電話がかかってきた、「私メリーさん、いまあなたの部屋にいるの」
幼い少女の声、何の電話だ?
気のせいか薄ら寒い感じがした
少し気になったが昨日徹夜したままブッ通しで眠いので寝た。
だがこの判断を後悔する事になった。
翌朝、いつもと変わらず目覚まし時計に起こされる
だがいつもと違うことに気づいた、俺の横に何かがある、
柔らかい感触、布団とは違う、
見ると俺の横に全裸の少女が寝ていたのだった。
>>176 続きwktk!!
・・・さて、この後、書き込んじゃって大丈夫かな・・・?
178 :
メリーさんを追う者:2006/09/04(月) 00:59:11 ID:rrtT1bnH0
トルルルルルルル・・・トルルルルルルル・・・ガチャ
「はい、伊藤です。」
「・・・・・・。」 受話器からは何も聞こえてこない・・・。
「・・・もしもし?」
電話に出た女性は訝しがりながら、無言の電話の相手に聞きなおした・・・。
「・・・あのぉ・・・、」
「もしもし・・・君メリーさん?」
ようやく相手の男の声が聞こえてきた、
だが、その発言は突飛であり、声質も普通には考えられないぐらい高い・・・。
電話に出た女性・・・麻里は眉間にしわを寄せながら応対しようとする。
・・・とっとと切ればいいのに・・・。
「あのー、私メリーじゃくてマリーなんですけど・・・。」
「・・・メリーさん、マリーさんじゃあダメだ! メリーさんだよねぇ?」
「あたしはエミリーです!」
突然、女性の方の口調が変わった、
普通なら相手側も戸惑うだろう。
「・・・・・・。」
実際、その相手も次の反応に移れなかったようだ。
ガチャ・・・!
プーッ、プーッ、プーッ・・・
「・・・変なの?」
絵美里は首を捻りながら受話器を置いた。
そばで、制服に身を包んだ女の子が声をかける・・・。
「なに? 間違い電話?」
「えっとね、ヤギみたいな声の気持ち悪い電話、『君メリーさん?』だってさ!」
中学生になった麻衣は気味悪そうに肩をすぼめた・・・。
「なにそれぇ? 変な人が多いから気をつけてね、絵美里ちゃん、麻里ちゃん。」
二つの名前を呼ばれた女性は、甘栗色に染めた髪をいじりながらテーブルに戻る・・・、
「うーらーらー。」・・・口癖も相変わらずらしい・・・。
トルルルルルル、トルルルルルルル・・・ガチャ
「お電話ありがとうございます、ヌルヌルねばーランドです!」
新宿二丁目でも十分通用する店長のハスキーボイスが電話に出た。
「・・・もしもし? 君・・・メリーさん・・・?」
こちらもハスキー・・・とはまた違うがヤギのような甲高い声だ・・・。
・・・彼も電話口の相手に面食らっている・・・。
「・・・? え・・・と、ご指名でございますか? お客様は当店のご利用は初めてで?」
「ンェェェェェッ! メリーさんがいるんだぁぁッ!?」
・・・相手はいきなり狂乱状態だ・・・、さすがに店長も、このヤバさは危険と判断した。
・・・それに・・・。
「・・・あのー、メリーちゃんは退職しました、他の子はいかがですか?」
「嘘だぁッ! メリーさんを出せぇッ!!」
「なんなら私ではいかがでしょう? アブノーマルなプレィもオッケーですが?」
「違うぅぅ! お前はメリーさんじゃないぃぃ!!」
ガチャッ!
・・・電話は切れてしまった・・・。
ギィ・・・、店長は椅子ごと後ろを振り返った・・・。
「・・・メリーちゃん、今、あなたのご指名があったけど、もしかしたらこないだ言ってた・・・ 」
青ざめる今日子の顔・・・。
「ま・・・マジっすか!? ・・・ホントにいるのかよ・・・!
どんな感じっすか!?」
「ん〜、声も喋り方もイッちゃってる感じよ、クスリかしら?
関わらない方がいいわ、適当にあしらったから、もうかかってこないと思うけど・・・。」
「あ〜ん、ジョセフィーヌ店長さっすがぁ! 頼りになるぅ! 大好きぃ!!」
「ンもう、あたしを褒めたってなんにも出ないわよ!
それより気をつけてね、あなたが一人のときはあたし、何もできないわよ?
前、あなたが言ってた昔の男友達は・・・?」
今日子はうつむいて口調を変える・・・。
「・・・いえ、自分のことは自分で・・・、それにあたしもメリーですし・・・!」
メリーさん、見ぃーっけ!
「やれやれ・・・だ・・・。」
事務所の椅子にドッカリ!と座り込むと、男は溜息混じりにボソリとこぼしながら額に手を当てて椅子
に大きくもたれ掛かった。
「散々だったぜ全く・・・まさか刑事辞めてまでドンパチやる羽目になるとは。」
そうボヤきながら男は昨晩の出来事を思い出して・・・っと彼がブツブツとこぼし始めた横から背もた
れに掛けた上着のポケットから携帯の呼出音が聞こえた。
「はいもしもし・・・こちら大山探偵事務所。本日は臨時休業で・・・」
『もしもし私メリーさん。いまビルの前に居るの。』
聞こえて来たのは聞き覚えのある声。そう、この声は確か昨晩のドンパチの際に助けた少女の・・・。
「あんさぁ、今時そんなの流行らんし、悪いジョークは止めてとっとと・・・」
『やかましわ!オッチャンようも私の事・・・死なせてくれなんだなぁ!』
そういうと”プチッ!”という音とともに電話の主は一方的に通話を切った。”やれやれ”
大山は再び溜息を吐きながら手に持った携帯をデスクの上へ・・・っと暫くすると、また呼出音が。
「はい、こちら大や・・・」
『もしもし私メリーさん。いまビルの階段を上ってるの。』
「頼む・・・いい加減にしないと・・・」
『オッチャン喋らんでエェ!ホンマ・・・ウチは恨むで!一生恨み抜いたるで!!』
「じゃあ何?あそこで俺がオマエを見殺しにすりゃ良かったって?冗談じゃない!それこそ・・・」
『うるさいわい!こうなったら一生困らしたるさかいなぁ!!』
捨て台詞の後また通話は一方的に切れた。”こりゃ三度目も有るかな?”
気がつけば大山は椅子に座ったまま入口に背を向け、事務所の窓から灰色の空を何をするでもなくボ〜
っと眺めていた。
年の頃は、そう・・・16,7、そういや彼女どっかで見た事が・・・っと彼が昨晩助けた奇妙な少女
の事を回想していると、思った通り、またもや携帯から・・・。
「前置きは良い。ったく、そんなに恨んでるならチマチマせずに一気に・・・」
『うっさいわい!今ウチはオッチャンの事務所の前に居る。』
「ほ〜〜、そりゃ凄い。っで?どうやって困らせるって云うんだ俺を。」
『知りたいか?なら教えたる。オッチャンが油断した隙に思いっきりHなイタズラしたるねん!』
「へぇ〜〜、そりゃ楽しみだ・・・できるもんなやってみろよ・・・御穣ちゃん。」
そう云うと今度は大山の方から通話を切った。っと程なくして、何度目かの呼出音が・・・。
「今度は何処まで来てる?」
『決まってるやろっ!?今・・・オ ッ チ ャ ン の 後 ろ や !!!』
っと次の瞬間!目の前の窓ガラスに薄っすらと映る白い影に気付き驚いた大山が振り返り、そこに立っ
ていた少女の姿を目にした途端、思わず”ワッ!!”という叫び声を・・・・。
これが迷(?)コンビ誕生の瞬間だった・・・。
「おっ!おっ、おおおま!おまおまオマエ!競泳用水着って・・・ホントにやるかよヲイぃ〜(困)」
「へっへぇ〜んだ!驚いたか!!ザマぁ〜見さらせ♪」
すみませぬ・・・本編の展開で煮詰まってる横で↑の様な小ネタばっか思い付
いております。m(_ _)mスミマセヌ・・・。
因みに彼女(電撃メリー)が着てる競泳用水着は・・・赤(光沢アリ)のハイ
レグでございます。(;^。^)つ)))コレコレ
うらやましい・・・・・・
いいよぉ〜、電撃氏すごくいいよぉ〜、
小ネタでもいいから、どんどんいってねぇ〜!
・・・それから、
126氏、名無し氏、カボチャ氏、どこだ。
始まり氏、おれはあなたのたてた「怖い話リレー」も保守してたんだがあれも消えてしまった。
いま、どこで遊んでるんだ?
まさか皆メリーさんに…
やられたな
メリーさんが上に乗っかったのかな?
そっか皆メリーサソに…
俺はまいチャソがいい。
じゃあ俺はのぞみちゃんで
「さぁさぁ、お立会い!
あなたの望みを叶える魔法の小箱!
この箱を開けたものには、
天女が訪れ、あなたの願いを叶えると言う!
古来より伝わる伝説の小箱だ!
さぁ、どなたかご所望される方はおらんかね!?」
・・・そして私はその箱を手に入れ、
妖しげな天女を呼び出すことに成功した・・・。
「私メリーさん! あなたの望みを叶えてあげる!!」
>>189 いま、「メリーさんを追う男」で誰を主人公にするか悩んでます。
まいちゃん、出すかもしれません。
>>191Lady殿
イキナリで堪忍ですが現在・・・また小ネタができたんですが、ただそれが実は
「メリーさんを追う男」シリーズ(?)への乱入となってしまいますがイカガな
もんでしょうか?(汗)
もし許可を頂ければ明日にでも投下いたします。
え? おれもまだ設定・展開・考えきってないのに?
・・・え〜そんな〜・・・だってぇ〜、うっそぉ〜
でもやってみてちょ。
読む人は別のモノとして認識するかもしれないし・・・。
どーせ、しばらくはおいら、まともな話は作ってるヒマないし・・・。
了解しました(・。・)ヾ
では明日の夕方・・・遅くても夜半には投下いたします。
「ハイハイ〜♪こちら出前迅速!味サイコー!!の高飛(たっぴ)飯店あるヨ♪」
いつもの如く電話注文を受ける店の看板小町ことメィリィ(李冥々)の、はつらつとした元
気な声が店内に響く・・・っが、その電話の相手は・・・。
『・・・・・・。』
「あ、あの・・・もしもし?」
無言のまま何も話そうとしない電話相手にメィリィが戸惑っていると
『もしもし・・・君メリーさん?』
「ハイぃ?私メィリィあるヨ!?」
『い、いいや君・・・メリーさんだろ?なぁ・・・メリーさん・・・』
「だから私の名前はメィリィある!!注文以外の御電話はお断りあるぅっ!!!」
そんなやり取りが数分間に渡って続いたかと思うと突如!まるで痺れを切らせたかの様に
電話の主が、その凶暴な本性を顕にした。
『いや違ァァァァーうっ!!オマエはメリーさんだァァァァーーーっ!!!』
受話器から狂ったかの様に叫ぶ男の声が聞こえるや否や突然!店の天井を突き破り、全裸
の男がメィリィの前に姿を現した。
静まり返る店内。突然の出来事に凍て付く客たち・・・だが、その場で凍て付いたのは全
裸の男も同じだった。
なぜなら当日の高飛飯店は台湾からの団体ツアーによる旅行客達によって、ほぼ貸切状態
になっていたからである。
「い、いや・・・あのぉ〜・・・これはそのぉ〜・・・」
客達から自分に注がれる無数の視線に戸惑う全裸の男・・・っと次の瞬間!!
「嫌ァァァァァァーーーーーっ!!!是変態っ!!!!」
絹を引き裂く悲鳴とともにメィリィが繰り出したハイキックが、茫然自失となっていた全
裸男の顔面を直撃し、その衝撃で彼は弧を描く様にして数mは吹っ飛ばされ、そのまま中
央のテーブルに派手な音を立てながら叩き付けられた。
「ま、ままま、まだだぁ〜・・・メェェェェェリィィィィィさぁぁぁぁん・・・。」
その口や鼻から真っ赤な血をダラダラと垂らしながらも全裸の男がテーブルの上で体を起
こし、再びメィリィに襲い掛かろうと立ち上がり掛けた時である、近くのテーブルに居た
ツアー客達の中から一人、ナイフの様に鋭い目付きをした少し年配の女性が椅子からスッ
ク!と立ち上がり全裸の男を指差しながら大声で何事かを言い放った。
っと、それを聞いた他のツアー客全員が”オォォォッ!!!”という怒声を上げながら一
斉に立ち上がるや否や、未だ中央テーブルの上に居た全裸の男に向かって、凄まじい勢い
で猛然と襲い掛かって来た。
言葉こそ判らなかったものの遠退いて行く意識の中で全裸の男は、あの鋭い目付きの女性
が何を言い放ったのかを、それとなく理解した。その言い放った言葉とは・・・
「彼奴!変態的姦淫鬼!!総員要行動、完殺!!!!」
(訳=アイツ変態の強姦魔だ!!皆で殺っちまいなぁっ!!!!)
数時間後、市民からの通報によりサイレンを鳴らしながらパトカー数台が到着した時、現
場となった中華料理店前の路上に文字通りボロ布の様な姿になった全裸の男性が一人、瀕
死の状態で放置されていたのが警察官達によって確認された。
事件を目撃した店主の証言によると、その全裸の男性は突如として店内に押し入り店の看
板娘であるアルバイト店員(17歳)に襲いかかろうとした所を、当時店内を訪れていた台
湾からの観光客達(約二十数名)によって取り押さえられ、その際に男性が何処からか取
り出した刃物によって観光客の中の数名が負傷した為、それに激怒した他の観光客達によ
って男性は長時間に渡り殴る蹴る等の暴行を受けていたとの事。
また助けられたアルバイト店員の話によれば暴行に加わっていた観光客達の中に「キサマ
ァ!抜け駆けは許さん!!」やら「くっしょぉぉぉ!!オレ何て!オレ何てなぁぁぁ!!」
等といった私的感情を剥き出しに鉄拳を振るう者も居たとか居なかったとか・・・。
尚、加害者から一転して被害者となった男性は警察官達によって身柄を確保され、後から到
着した救急車で近くの警察病院へと収容された・・・もちろん全裸で。
だが事件から数日後、収容先の警察病院で全治六ヶ月と診断されたにも関わらず男性は病院
から人知れずヒッソリと姿を消したという。
関係者の証言によると失踪当日、その全身を包帯でグルグル巻きにされた男性が一人、松葉
杖を付きながらギプスで固めた両足を引きずる様にしヨロヨロとした足取りで裏口から病院
を後にする痛々しい姿が看護士数名によって目撃されたとのこと。
・・・終劇(~人~)ナムナム
198 :
電撃メリー・・・あとがき:2006/09/08(金) 21:44:36 ID:idA80zJ50
こんな感じに仕上がったワケですが・・・
>>193Lady氏
イカガでしたでしょうか? (;^_^)y-~~
・・・いま、読み終わった・・・。
全裸の男「んぇぇぇ! そいつはおれじゃないぃぃぃぃぃぃ!!」
だが、血をダラダラ流すまでは良い!
笑いながら・・・ニタニタ笑いながら痛みなど感じることなく・・・!
そしてかなり参考になった! ありがとう!
いつか、作品を完成させたい!
登場人物に、外伝で評判の良かった「彼」も出演させたいし・・・!
しかし時間がない。
電撃氏、今後もネタを放出してくれぃ。
おいはメリーどんでごわす。
今ぬしの後ろに居ごわす。
ヒタ ヒタ ヒタ・・・、
何かの気配を感じる・・・背後のほうに・・・。
時々後ろを振り返ってみるが、別に怪しい人影はない・・・。
空は薄暗くなってきたが、まだ電柱の明かりがつき始めるには早い・・・。
気のせいかな・・・?
さっきまで帰り道が一緒だったなつきちゃんはだいじょうぶかな・・・?
制服に身を包んだ麻衣は何度か後ろを気にしてるが、一見、辺りはいたって平和である。
麻衣の尋常ならざる勘の良さだけが違和感を告げているのだ。
この子の・・・隠された真の力を使えば、あるいはその奇妙な違和感の正体を掴めたかも知れない、
だが、それには多大な精神集中を要求する。
道端でそれをやるには、無防備すぎて、いろんな意味で危険の方が大きいのである。
結局、麻衣は現実的な対応策として足早に帰ることを選択した・・・、
実際、現実的な方法だろう。
家までは数分で着く。
パパは帰りが遅いが、家には麻里ちゃん・絵美里ちゃんがいる。
頭数としては一人の計算だけど・・・。
むしろ、家に着けば精神集中を、人目に気にせず行えるので、
人形になってしまったママやおばあちゃんに連絡をつけることも可能だ。
・・・そうこう考えてるうちに、いつのまにか家に着いた・・・あっけなく。
テレビを笑いながら見ていた麻里&絵美里に、自分の感じたことを報告すると、
百合子のカラダに宿っている麻里のほうがでてきてこう言った。
「・・・最近、なんかおかしくない? こないだも変な電話あったでしょ?
パパさんにも言ったら?」
麻衣はちょっと考えたが消極的だ・・・。
「・・・パパには心配かけたくないなぁ、ママには伝えてみるけど・・・、後はぁ、日浦のおじさんかぁ・・・。」
辺りは薄暗くなっていた・・・、街角の暗がりで一人の男が不気味な笑い声を漏らしていた・・・。
「・・・んぇぇぇぇ・・・。」
「メリーさぁんッ!!」
「・・・ああッ! だめぇっ! ハァンッ・・・!!」
・・・はぁー、はぁー、はぁー、はぁー・・・
ぜー、ぜー、ぜー、ぜー、
「おー、メリーさん・・・今日も素晴らしかッタです、福音を感謝シマス・・・。」
「・・・ステイーブもすごいうまかったよ・・・、今夜も呼んでくれてありがとね?」
デリヘルメリー・今日子の数少ない顧客、モ○モン教徒のスティーブがベッドに横たわっている。
「実はさぁ、スティーブ、ちょっと頼みごとがあンだよね?」
「オゥ・・・?」
彼は首だけ動かしてメリーさんを見る。
こんなことを他の人間に知られれば、破門されてもおかしくない。
アメとムチを巧みに使い分ける今日子に、彼が逆らえる事はない・・・。
「最近、若い女の子が斬殺される事件が増えてんじゃん?
どうも、メリーさんを狙っているヤツの仕業みたいなのよ・・・、
被害者はとばっちりで殺されたのか、あたしたちをおびき寄せるつもりなのかは判らないんだけど・・・。」
「おおぅ、なんと恐ろしい事が・・・、神はお許しにならないでショウ・・・、
それで私に何を・・・?」
「なんだかんだで、あなたたちの組織は日本中にあるでしょ?
適当な理由つけて情報を集めらんないかなぁ?
事件は東京中心だから、エリアはそう広くとる必要はないと思うけど・・・。」
「・・・不審者情報・・・デスカ?」
「例えば勧誘する時に、それっぽい人間に声をかけるとか、会話に『メリー』の単語を入れるとか・・・、
やれることは多いと思うの。」
「しかたがありまセーン、あなたのためにやってみマス!」
今日子は布団の中に一度潜ってから、再びスティーブの顔の近くに現われて、
チュッ、・・・と湿ったキスをした。
「ありがと、スティーブ・・・!」
えろす
「なつきちゃん!!」
麻衣が大声を上げた!
突然の叫び声に絵美里達もビックリしたが、事の重大さは彼女達にもすぐにわかった。
「・・・麻衣ちゃん! まさか!?」
・・・麻衣は瞑想を解くと、今にも泣きそうな顔で絵美里たちを見上げた。
「なつきちゃんが危ない・・・! 変な人があの子の後を追いかけてるぅ・・・!」
どうすればいい?
警察になんて話せば?
パパに連絡したって間に合わない!
麻衣は携帯を持ってないが、なつきちゃんは持ってたはずだ、
急いで電話番号を書いた手帳を引っ張り出して電話をかける・・・。
トルルルルルル、トルルルルルルル・・・
呼び出し音がやけに長く感じられる・・・、
後ろで絵美里が騒ぎ出す。
「麻衣ちゃん、あたし達が助けに行こうか!?」
受話器を持ったまま、麻衣は慌てて振り返る。
「・・・ダメ! 今の絵美里ちゃんたちは普通のひとよ! 危険が大きすぎる!」
その時、麻衣のクラスメィトであるなつきちゃんが電話に出た。
「もしもしー? 麻衣ちゃーん? どしたのー?」
「・・・あ、えっと・・・(どうしよう?)あ、あのね?
さっき事件があったんだって! 変質者がこの町に出てまだ捕まってないの!
すぐに家に帰って! 走るかタクシー捕まえるか、もし、なんならコンビニに走りこんで、
家の人に迎えにきてもらって!?」
「ええー? そうなのー? こわーい 」
のんきに聞き返すなつきちゃんに、麻衣は大声で怒鳴って言う事を聞かせようとする。
もし、これが原因で仲が悪くなったって、そんなことは大した事じゃない。
「わ、わかったよー、次の角にコンビニあるから、そこに寄って・・・よ」
電話口で、なつきちゃんの言葉が何かに遮られた・・・。
まさか!?
「キ ャ ア ア ア ッ!!」
205 :
ピー術師 ◆lrx2MXizyY :2006/09/11(月) 17:16:44 ID:uayGAjZ20
wktk
うわぁぁあぁ!
しまったぁぁぁっぁ!
・・・まあ、みてるから!がんばってね!
またくるよ・・・。
わろす
ちょっと来れない間にまいチャソシリーズ始まってたぁぁああ!!
日浦のオヂチャソもいいけど、ゆりこサソも出して〜!!
で、ピー術師サソはだぁれ?w
ピー術師さん、かもぉぉん!
遠慮せずにどうぞぉ!
>>208 どうせ、大して進みません・・・ゆっくりです。
次はいつか・・・な?
キャラもねぇ、いっぱい出すと収集つかなくなるし、
かなり絞りたいんだな、実は。
全然ぉkですよ
れでぃサソのお話好きなので、れでぃサソのおもむくままに♪
お仕事無理せずに〜
(・∀・)
211 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/13(水) 22:46:01 ID:1HQKLg0z0
あちきはメリーさんどすえ。
いま、あんたはんの後ろにおりんす。
クールに反撃!!
・・・ザシュ!
あうぅ!
・・・み、見てておくんなはれ・・!
いまにきっと強ぉなってもどってきますさかいにな!
覚えときなはれやー!!
212 :
ピー術師 ◆lrx2MXizyY :2006/09/15(金) 18:10:40 ID:264Pn6AM0
はーははははは
私の名は、ピー術師、
今催眠状態に誘導して、おぬしの心の内側にいるぞ!!!!
はーははははは
おびえるでなーーーーい!
わろすw
う〜ん・・・
ちょっとアレだな・・・
・・・麻衣となつきちゃんは小学校が同じである。
しかし、クラスは今まで一緒になったことはないので、
仲良くなったのは中学で同じクラスになってからだ。
もともと、リーリトの血を引いている麻衣は、あまり友人が多い方ではない。
リーリト達は、概して13〜5才でその一族たる事を自覚するので、
ちょうど一般の人間の思春期の時期に、その人格が確立する。
しかし、寿命が人間をはるかに上回る分、その肉体はまだ幼さを残す。
普通の人間の因子が極めて大きい麻衣も、その点は大差ない。
麻衣と、他のリーリト達の異なる点はその精神性だ。
社交的ではないのは同様だが、取り立てて自分のカラに閉じこもったり、排他的な性質を持たないのだ。
・・・もちろんそれは、既に自分がリーリトである母と、一般の人間の父の中間にいる存在だと、
麻衣なりに理解したうえでの生き方と言えよう。
なつきちゃんにしても、「親友」というほどでもないが、普段一緒に遊んだり、行動する仲良い友達だ。
どちらかというと、麻衣とは逆で、活発で背伸びしたがるお年頃の女の子だ。
携帯で出会い系サイトを覗いてみたり(まだ行動に移れるほど勇気はない)、
時々、渋谷にも遊びに行く。
来年だと二人の仲はどうなっているか・・・?
とにもかくにも、学校内では二人は共に長い時間を過ごしているのは間違いない。
ましてや、尋常ではない過去を経験している麻衣に、この友達の危機を見過ごせるはずもない。
・・・だがこの状況で・・・いったい、麻衣に何ができると言うのか・・・!?
リーリト?
メリーとなった母の娘?
でも、自分はただのちゅーぼーだ・・・。
頭の中に声が響いてくる・・・。
・・・「麻衣、リーリトは自分の命を守ることしかできないんだ・・・
他人の命を救うなんて大それた考えはお止め・・・ 」
おばあちゃん・・・!
一方、当のなつきちゃんは、
まさにその危険な状況に陥ってしまっていた。
麻衣と電話をしている最中、背後に何かを感じ、反射的に後ろを振り返ったときだ、
・・・!
そこにいた。
ヤツがいた・・・!
1メートル後ろから自分の姿を嬉しそうに見下ろす得体の知れない男が・・・!
まだ秋の始めだと言うのに、全身を覆う長いコート・・・裾から脛毛の生えている素足が覗いている・・・、
靴下も履いていない・・・。
いや、そんなことより、無精ひげをはやしたこの男は、今にも自分に向かって手を伸ばしてきそうだ!
これがたった今、麻衣ちゃんから聞いた変質者!?
「キャアアアッ!!」
驚愕と恐怖の感情が彼女に湧き上がる!
反転して角のコンビニに逃げようとするが、慌てて携帯を落っことしてしまう。
あっ、ケータイ・・・
で、でもそれより逃げなきゃ・・・
うそ、あ、足が動かない!
誰か! 誰か助けて!?
急激な恐怖に晒されて力が入らない・・・足がもつれてその場にペタンとしゃがみこんでしまう。
腕だけが自由に動くがバタバタ這うだけで、大して進めるわけもない。
視界に数人の通行人が見える・・・
彼らは、自分の悲鳴に気づいてはいるが、あまりの突発的な出来事に指一つ動かせる気配はない。
なつきちゃんは、背後・・・いや、まさしく自分の頭上で、乾いた・・・ヤギのような笑い声を聞く・・・。
「ンェェェエエエッ!!」
「・・・メリーさん・・・、メリーさんの毛皮・・・、毛皮・・・毛皮・・・。」
コートの男は嬉しそうにぶつぶつつぶやきながら、なつきちゃんのほうへかがんだ・・・!
コートのポケットから細い・・・骨ばった左腕がゆっくりと伸びてくる。
「・・・やぁ・・・イヤアアア!」
・・・男は右半身を引いている・・・、右腕もポケットの中だ・・・
まるで大事なものでも隠しているかのように・・・。
一方、その左腕は、なつきちゃんのツインテールにされた頭をガッチリと掴まえた!
「ヤダァァ!!」
必死に頭を振り回し、その掌をほどいたまではいいが、この状況では時間稼ぎにしかならない。
ところが、今一度前方を、わらにもすがる勢いで首を戻した時、
・・・一人の小柄な少年が目の前に立っていた・・・。
いつの間に・・・?
「・・・た、たす けて! 助けてください!!」
ほんの2〜3メートル先にいるこの少年は、この状況にも驚いている気配はない。
でも・・・華奢な体格のこの人に、自分を助けてくれる事が出来るだろうか?
・・・ヘタをすると二人とも・・・。
でもいま、自分を助けれる位置にいるのはこの人しかいない!
彼女が必死になって、この高校生くらいの少年の下へ近づこうとした・・・、
お願い! 行かないで!!
・・・少年はこの異様な状況にも関わらず、涼しく笑いながら、なつきちゃんのほうに近づくと、
優しく、その倒れこんでる頭を撫でた。
・・・そのとき背後で突然、狂おしいほど気味の悪い叫び声が聞こえてきた。
「メリーさぁん!? どこだぁぁぁ!? どこへ行ったァ!?」
今度は何事かとまた後ろを向くと、コートの男は自分を見ておらず、
何かを見失ったかのように、せわしなく頭を振り回していた・・・。
? 自分はここにいるのに?
この事態を呑み込めないでいるなつきちゃんの後ろで、きれいな顔した少年がゆっくりと話しかけてきた。
「・・・もう大丈夫、彼には僕らが見えていない・・・。」
そして彼女の姿を見失ったのはコートの男だけではない。
状況を遠隔透視していた麻衣も、
なつきちゃんの姿を、その透視映像から消失されてしまっていた・・・。
「・・・もしもし!? なつきちゃん!? どこにいるの!?」
・・・すでに携帯はなつきちゃんの手の中にない・・・。
こんなことは初めてだ。
かつて結界に閉じ込められたLady メリーすら発見できた麻衣の能力が、消えてしまったかのように・・・。
いや、相変わらず不審者と、さっきまでなつきちゃんがいた辺りの様子は、ぼんやり視えたままだ。
透視の照準を不審者に合わせてもいいのだが、会ったこともない人間に合わせても精度が落ちるし、
何より怖すぎる。
・・・万が一だが、相手にテレパス系の能力があればこちらの正体までばれてしまう。
それはなんとしても避けたい。
そのうち現場では、すでにヤギ声の男が泣き叫ぶような声をあげ、
人間とは思えぬスピードでその場を走り去ってしまっていた・・・。
「メリーさぁん! どこにいるんだよぉおお!?」
通りでは一時騒然としたが、結果的に何の事件も起きた訳ではなく、次第に辺りは沈静化していった・・・。
なつきちゃんは少年に差し出された手を握り締め、ようやく自分が助かった事が理解できた。
「立てるかい?」
「あ・・・ありがとうございます!! 助かりました!!」
改めて少年の顔を見たなつきちゃんは、その少年の端正な顔にあっというまに引き込まれてしまった。
・・・きれい・・・!
身長は160〜165? 確かに背は高くない・・・、
でも目がキラキラして・・・(なつきビジョン)、顔つきもハーフっぽい・・・、
服装は今風ではないけれど、かといって清潔感よく着こなしていて・・・こう・・・シックなカンジ?
何より美形だ! 肩まである黒髪、小さい顔・・・涼しげな口元・・・。
なつきちゃんは引っ張りあげられた力を利用して、
「きゃ(ハート)!」
と黄色い声で少年の腕にしがみつく・・・麻衣ちゃんだったらこんなリアクションはとれまい!
そして少年の胸に必要以上に近づいて、うるうるした瞳で少年の顔を見上げた。
「あ、あの・・・! なんとお礼を言っていいか・・・!?」
「気にしなくていいよ、・・・たまたまだし・・・、 それより帰り道は気をつけるんだね・・・。」
少年の反応は思ったよりそっけなかった・・・。
表情は柔らかいままだが、少年の澄んだ瞳は何の感慨もなさそうである、
肩ぐらい抱いてくれてもいいのに・・・。
やむなくちゃんと立って、カラダを離さざるを得ない。
制服の汚れをはたきながら、なつきちゃんはもう一度アタックしてみる。
「・・・あ、あの改めてお礼したいんですけど、お、お名前は・・・?
学校はどこの人なんですかぁ?」
・・・だが少年は興味がなさそうだ・・・。
「これ、君の携帯でしょ?」
「あ! そ、そうです、すいません!」
・・・いつのまに?
少年の手の中にあった携帯は、まさしくなつきちゃんのだ。
・・・自分がコートの男に振り向いてた時に拾われたのかな?
そんなことを考えているうちに、少年は先ほどの問いに答えてくれた。
「僕はこの辺の者じゃないからね、お礼も必要ない、
・・・それより、君の友達が心配してるんじゃないのかい?
早く連絡してあげたら?」
あ、そうだ! 麻衣ちゃんが電話してきてくれたんだ!
・・・通話はすでに切れていた、
どうしよう、今はこの人と・・・アレ?
・・・なつきちゃんが顔を携帯から起こしたとき、彼女の前から少年は姿を消していた・・・。
なつきちゃんは顔をきょろきょろ動かすが、彼の姿はどこにもない。
アレェ・・・!?
・・・一方、麻衣の透視映像には、再びなつきちゃんの姿が映し出されていた・・・、
まるで夜空のお月様が、今まで雲にでも覆い隠されていたかのように・・・。
そして夜は更けていく。
☆ 今日はここまでです。
・・・あ〜あ、ついに「少年」出しちゃった・・・。
彼を「初めて読んだ」と言う方は、「私メリーさん【二人目の犠牲者】」を参照してください。
レス番520辺りから・・・。
すいません。このあと、少し脱線してから元の話に戻しますね。
明日の脱線先は、キャッスルオブメリーと騎士団南欧支部が舞台ということで・・・。
224 :
Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/09/18(月) 02:25:09 ID:JYXUwJSG0
225 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/18(月) 11:25:23 ID:Tz0WQXfs0
【7:46】メリーさんからの着信で起床。「家の前にいる」等とほざいてやがる。
おかげで寝起きが悪い。
【8:02】朝食で使った油の容器にゴキブリが入ってた。気にせず捨てた。
今まで気がつかなかった事に腹が立つ。
【8:36】出勤。ダルい。家を出るときに電話が鳴る。うるせぇシカトだ。
【9:07】車で走っていると、後ろからババアがダッシュで追いかけてくる。
アクセル全開で振り切る。あくびが出た。
【9:30】デスクに向かっている。下を見ると白い手がオレの足をつかんでいる。
ふりほどき蹴りをいれる。大人しくなった。
【10:39】窓際に立ち空を眺めていると、女が落ちてきて目があった。この不細工が。
【12:24】交差点を歩いてて、すれ違う時に男が「よくわかったな」と言ってきた。黙れ池沼が。
【14:26】携帯に着信記録16件。かけてみる。「わたしメリーさ…ブチッ…ツーツーツー」
【16:12】外回りをしているとマスクをした女が声をかけてきた。
「わたしきれい?」右ストレートをいれる。
うずくまったまま動こうとしない。こっちは急いでるんだよ。
【17:30】公衆便所に行くと人形が落ちている。
「わたしリカちゃん。呪われているの」うるせぇ黙れ。
【20:32】車で走行中、バックミラーを覗くと上半身だけの女がついてきている。
急ブレーキをかけてバンパーにぶつける。もう着いて来ていないようだ。
【21:25】帰宅、着信記録が49件。またアイツか。
【21:42】ベッドの下に男がいたのでボコっておいだした。大の男が泣くな。
【22:10】メリーさんからの電話に出る。
「わたしメリーさん、今あなたの後ろにいるの」後ろは壁だ。
【23:34】着信が鳴り響く。電話線を抜いた。
【0:12】就寝。今日一日でかなり疲れた。
【2:40】急に目が覚める。金縛りのようだ。
女が天井にへばりついている。睡魔には勝てない
>>222 勇気出して見てみたら可愛いメリーちゃんのらくがきだた(´∀`)
ではここで、今日もいってみよう!
・・・すいません、脱線は騎士団のほうだけにしときます。
キャッスルオブメリーはまた近いうちに・・・。
連続でやるとしらけるだろうと思われますので。
・・・ここは騎士団南欧支部・・・、
勇敢なる騎士ケイのもとに、いま、ある報告がなされようとしていた・・・。
「サー・ケイ!
例のご依頼の件ですが、
フランスの移民居住区で、去年発見された身元不明の老人の遺体・・・、
間違いないようです・・・、
以前、マーガレットお嬢様が探索していた老人、ブレーリー・レッスルと断定されたようです・・・。」
ケイは目を見開いて、提出された書類を食い入るように見つめる。
「・・・真か・・・!
老いていたとは言え、以前会ったときはまだ生気あふれる印象だったが・・・。
それで死因はどうなってる?」
「・・・死因は不明です。
スラムの道端で眠っているかのように倒れていたとのことですが、
病気でもなさそうですし、暴行された痕跡もないようです。
・・・ただ発見者が、日本からの旅行者で、その町に似つかわしくない姿の少年・・・とのことでしたが。」
「フム・・・、それは気にしなくていいだろう、
しかし、信じられん・・・まさかLady メリーの転生に安心して成仏したか・・・、
それとも、また別の人間に生まれ変わったとでもいうのか・・・?」
「・・・ですがそれだと、もう追跡する事は・・・。」
「不可能だろうな・・・、
あの男もだてに長い間、人生を渡り歩いているわけでもない・・・、
ことによると、我らに利用されるのを避けたつもりだったのかもしれん・・・。」
「・・・そのために自分の命を?」
「想像でしかないがな、・・・まぁいい、仕事が一つ減ったと考えよう、
・・・もっと難儀な仕事が山のようにある・・・。」
ケイはため息をつくと、後ろの窓から町並みを見下ろし、
・・・そして苦悩の表情で独り言を言う・・・。
「ウーサー・・・本気なのか・・・お前の気持ちはわかるが、本気で世界を変えるつもりなのか・・・!?
マーゴ・・・お前も実の父を止めないのか・・・!?」
・・・彼は静かに、意味もなく、眼下の、賑やかな車の流れを眺め続けていた・・・。
「だーかーらー、そのお兄さんがすっごいかっこ良かったの!」
「なつきちゃーん・・・、それ、もう4回目ぇ・・・。」
なつきちゃんは帰宅して、麻衣と電話をしているところだ。
麻衣としては、彼女が変質者から、無事に逃げられた事を喜んであげたいのだが、
当のなつきちゃんは、そんなことはどうでもいいらしい、
・・・のんきすぎるっ。
それにしても、あの場にいったい誰が現れたと言うのか?
麻衣には全く見当もつかない。
「それで、そのかっこいいお兄さんて、急にいなくなっちゃったの?」
「そぉなのよぉー!! この辺の人じゃないって言ってたけど、
また会いたいぃー!」
だめだ・・・当分、なつきちゃんからはこれ以上、会話が進展しない・・・、
とりあえず、何事もなかったことだけで満足しよう。
電話を切ると、食事の仕度をひと段落つけた麻里が話しかけてきた、
・・・ちなみに麻里は料理が得意だ、現代調理器具になれた今では、ほとんどの食事は彼女が作る。
「やっぱりダメ?」
「・・・うん・・・もう、わかんないことだらけ!
あの変質者もどこに行ったんだか・・・?」
「麻衣ちゃん、ママには連絡しないの・・・?」
ママとは言わずと知れた百合子のことである・・・、大昔に作られた人形に転生した・・・。
麻衣はその言葉を聞いて、
・・・目の前の母親のカラダに抱きついた・・・。
今や母親のカラダではないとは言え、せめて昔を思い出して甘えたいのだ・・。
麻里もそこのところは十分すぎるほど理解できる・・・、
黙って麻衣の頭を撫でてあげた・・・。
リーリトの一族は自立心が強いが、まだ麻衣は子供なのだ・・・。
麻衣はゆっくりと、優しい目をした麻里を見上げる。
・・・ママとは違うが、柔らかい眼差しだ・・・。
麻里も、生前エルマーという弟がいたし、永い間いろいろな人の負の感情に晒されてきた・・・。
そしてその分、彼女は誰よりも優しく他人の心を受け止めることが出来る。
「・・・実はね・・・。」
麻衣は見上げながら麻里に話しかけた・・・。
「うん?」
「この事件がニュースになってからママには連絡してあるの・・・、
こないだ、麻里ちゃんが変な電話を取ったときも・・・。」
「それで・・・ママはなんて・・・?」
麻衣はカラダを離して、ゆっくりとダイニングのイスに座る。
「・・・麻里ちゃんや絵美里ちゃんはわかると思うけど・・・、
ママはもう、あのお人形のルールどおりにしか動けないんだって・・・。
殺された人たちの感情は、恐怖と驚愕が大きいけど、
時間的にはほんの一瞬で・・・、お人形のカラダが動くほどのエネルギーが溜まらないんだって・・・。」
「・・・じゃあもし、その変質者がママと直接会うことになっても・・・。」
「うん・・・今の状態じゃ、ほとんど力が出せない・・・、
もっと、憎悪とか・・・無念さとか・・・怒り・・・悲しみがないと・・・。」
改めて人形の業の深さが感じられる言葉だ・・・。
麻里は湖から引き上げられた時からと計算しても、百数十年もその感情を身に受けてきたのだ・・・。
「・・・あ。」
麻衣は思い出したかのように、電話機の近くの住所録を広げた・・・。
ハ行に名刺が貼ってある。
・・・日浦総合リサーチ・・・。
正式な依頼ならお金が必要かもしれないし、パパにもわかっちゃうだろうけど、相談だけなら・・・。
麻衣は勇気を奮い起こして電話をかけてみた。
あの事件の後始末以来、日浦のおじさんとは会う機会はない。
パパは時々連絡してるのだろうか?
・・・トルルルルル、トルルルルル、トルルルルル・・・、
誰も出ない・・・、留守番電話にすらならない。
もうこの時間では誰も営業所にはいないのだろうか・・・。
麻衣は諦めて電話を切った。
・・・実は日浦はこのとき、騎士団から緊急招集を受けて、既に日本にはいなかったのである・・・。
彼もまた、騎士団内部で、かつてないほどの苦境に陥っていたのだ・・・。
そして・・・、麻衣やなつきちゃんの家からそう遠くない、東京西部の郊外で、
また今夜も事件は起きてしまった・・・。
その女性が、アルバイトから誰もいないはずの自宅に帰ったとき、
部屋の扉を閉め、鍵をかけた瞬間、異様な雰囲気に襲われた・・・。
・・・なに、この匂い!?
慌てて、電気をつけると、ワンルームの自分の部屋が荒らされているのを目撃してしまう。
「・・・やだ! 泥棒!?」
洋服ダンスの中身がぶちまけられてるし、食器や調理器具がキッチンに散乱してる。
金銭目的か、それとも下着ドロか?
急に女性はパニックに襲われたが、とりあえず判断したのは、
この部屋に泥棒がまだ残っているのか?
・・・ということ。
ざっと見渡す所、隠れている気配はなさそうだけど・・・。
どっから出てったんだろう、窓かな・・・!?
それだけ確認すると、次に警察を呼ぶことを考え付いた。
おぼつかない手で携帯のボタンを押す・・・。
えーと・・・市外局番から押すんだっけ・・・?
ぜろ・・・よん・・・
その時!
携帯の着メロが鳴った。 ・・・こんな時に誰!?
誰かはわからなかったが、彼女は反射的に電話に出てしまう・・・。
「もしもし!?」
多少、焦りとイラツキを隠さず電話に出た彼女に、あの・・・甲高いヤギのような声が語りかけてきた・・・。
「・・・もしもし・・・君メリーさん!?」
「ハァ? 間違い電話ですよ!」
「間違いじゃあない! 君こそメリーさん!!」
ドバァーン!!
部屋のクローゼットが突然開いた!!
「あああ!! 毛皮だ!! メリーさんの毛皮を刈るんだぁぁぁぁ!!」
きゃああああああああああッ!! ザクッ ザクッ・・・!!
☆ 今日はここまで。
とゆーわけで、今回は日浦のおじさんは出しません。
レッスルのおじいちゃんもお亡くなりになりました。
後は・・・。
また休日に投下します・・・。
233 :
落書き丸:2006/09/18(月) 19:58:22 ID:Gu+dzXBWO
>>226 わーい、ありがとう!
すごい不安だったの!
また描いてもいいのでしょうか?
少年出てた―(゚∀゚)―!!
れでぃサソ…ワクテカですよ☆
レッスルのおぢちゃんはどこでどんな人に転生してるのだらぅ…
爺さんの人格は、もうこの世に存在しておりません・・・。
その理由は・・・たぶん「少年」がそのうち語ってくれるでしょう・・・。
おぢちゃん…(つд`)
翌日・・・事件現場の近所は騒然となった。
警察のパトカーが何台も停まり、立ち入り禁止のロープが張られる。
この手口は全国ですでに8件目となっていた。
・・・しかも最近はエリアが集中してきた様でもある、
まるでだんだん目的地に迫ってくるかのように・・・。
麻里と絵美里は野次馬のように、この騒ぎを見物に来ていた。
といっても、もちろん興味本位などではない。
ことによるとこれらの事件は、自分たちとも繋がりがあるかもしれないからだ・・・。
もっとも、見に来た所で何らかの手がかりも得られるわけもない。
今の麻里&絵美里は、一応普通の人間であるわけだし。
とは言え、絵美里が何度か現場検証してる捜査員に話しかけようとするのを、
麻里は必死で抑えることもある。
・・・この一人プレイは端からどう見えるんだか・・・。
案の定、周りの人間の注目を浴びてしまったので、
麻里が強引にカラダの主導権を握り、恥ずかしそうにその場を離れようとした時だ、
彼女たちは、ずっとこっちを見続ける一つの視線を感じた・・・。
恐る恐るそちらを振り向くと、一人の外人がこちらを覗いてる・・・。
まだ若そうだ・・・。
Yシャツにスラックスだけのその外人は、彼女達と視線が合ったのに気づくと、
おどおどしながら近づいてきた・・・。
「あ、あ〜・・・。」
「はぁい?」 今度は絵美里が応対する。
普段だと、初対面の相手には麻里が応対するのだが、さっき麻里に、
自分の登場をさえぎられてしまったために、今度は自分の番だと言いたいようだ。
二人は相手が外人だろうと、気にもしない。
当然だ、麻里も絵美里もヨーロッパ育ちなのだから。
その気になれば、英語だろうがドイツ語だろうが(かなり古めかしい言葉遣いだが)自由に操れる。
ここでは当の相手は日本語を使おうとしているみたいなので、それにあわせてあげるけど・・・。
さて・・・男はそのまま言葉を続けた・・・。
「あー、私、スティーブと言いマス、あなたはぁ神の存在をー信じマスかぁ?」
なんでこんなところで勧誘行為を行うんだ!?
普通の人間ならそう突っ込むところだろうが、
いまだ絵美里&麻里にはそこまでの現代人感覚はない。
「神様? 信じてるよー?」
絵美里は真面目に受け答えしてしまう・・・。
「おお! それは素晴らしいことデス。
良ければ私とお話しませんカ?」
「いいーよー?」と言いかけた所で、麻里が絵美里を遮る・・・。
・・・以降、心の中でのやりとり・・・。
”ちょっと、エミリー!
ダメよ、知らない人についてっちゃダメってパパさんや麻衣ちゃんに言われてるでしょ!?”
”ええーっ、でもこの人、そんな悪そうじゃないよ、マリー・・・?”
”あのね、この人に悪気はなくても、厄介ごとは極力避けるのっ。
とくにナンパや勧誘とかで騙されるってよくあるのよ?
あなただって昔、悪い人に騙されたんでしょう?”
”う〜ん、そっかぁ〜・・・”
さすがはしっかり者の麻里、好奇心旺盛の絵美里をうまく説得する。
結局、絵美里は表の顔でスティーブの誘いを断ろうとした。
「・・・ごめんなさい、家に帰らなきゃいけないの・・・。」
だが、スティーブはこんなことを言う。
「あ、ああー、待ってくだサイ、あなたからは不思議なオーラを感じマス!
・・・もしかして、この事件になにか心当たりがあるのではないデスカ!?」
「!?」
彼の意外な一言は、麻里&絵美里の足を止めた・・・。
「あなた、誰・・・!?」
「わたしは神の教えを広めルただの宣教師デス、
これらの忌まわしい事件を止めたいと思ってるのデス、
協力してはいただけないでしょうカ・・・?」
果たしてこのスティーブという外人は何を知っているのか?
麻里&絵美里は彼の話を聞いてみる事にした・・・。
事件現場近くのファミレス・・・このあたりなら顔見知りに見られることもないだろう、
一応、このカラダは主婦である百合子のものなので、近所の人間に見られたら、
それはそれでややこしい噂も立ちかねない。
麻里はそういうことや、周りの目を気にしながら、カラダの主導権を絵美里に任せ、
自分は警戒や周りの観察に専念することにした。
そして絵美里はいきなり核心に迫ろうとする・・・。
「お兄さんは、この事件になんの関係があるの?」
話の順番を無視する唐突な質問に、スティーブは戸惑いながら、
なんとか不自由な日本語を頭の中で組み立てて答えようと努力した。
「・・・えっとデスね、あー、どうしよう・・・、
神の教えに反する行為を止めたいって言うのが・・・表向きの理由なんデスが・・・、
私の友達が狙われているかもしれないんデス。」
・・・彼もバカ正直だ・・・何も考えていないのかも・・・。
だが、ヘタに口実を考えるより、麻里&絵美里には受け入れやすい答えだった。
「女の子?」
「は・・・はい・・・。」
「可愛い子?」
「そ、そうデス・・・ベリープリティ・・・。」
「その子のこと、好きなんだぁ?」
「え・・・や、そ、その・・・ハイ・・・。」
”エミリー、からかっちゃかわいそうよ!” ・・・と麻里・・・。
「(ちぇ〜・・・)なんでその子が狙われてると思うの?」
「・・・『メリー』だから・・・デス。」
絵美里の目が見開いた・・・、
もちろん麻里にしても驚きは同様だ。
何の関係もない人間なら、このスティーブの言葉に反応するはずもない。
彼女達の反応は、まさしく彼女達がメリーの関係者である事を示すものだ・・・。
そしてスティーブにもそれが判った・・・。
「やはりあなたも・・・!?」
絵美里は大げさに手を振って否定した。
「ちっがうよー、ただ、知り合いにそーゆー名前の人が・・・」
と言いかけて麻里がストップをかけた。
・・・考えてみればなんでこの男はそんなことまで知っているのだ?
・・・まさか!?
途中まで言いかけた絵美里の言葉に、スティーブは身を乗り出す。
「そ、その方には会えるのデスか!?」
「え? ううん、行方不明・・・。
でもどうしてあなたがそこまで知ってるの!?
あなた、もしかして・・・!!」
絵美里にもすぐに麻里の懸念が伝わった、
この外人がもしかしたら、一連の犯罪の関係者か・・・ヘタをすると実行犯か・・・!?
絵美里の反応で、スティーブはすぐさま自分が疑われている事を察知し、
彼もまた手を振って思いっきり否定する。
「ととと、とんでもありまセン!
え、えと、その、じ、実は私の知り合いは、ある職業柄、
偶然、この事件の情報を手に入れて・・・。」
「・・・どんな職業よ・・・?」
「あ、あ、えーそのー、こーる・・・がー・・・る ゴニョゴニョ・・・。」
「こーるがーる?」
絵美里は言葉の意味が判らず怪訝そうな顔をしつつ、
同時に心の中で麻里に問いかけた。
”ねぇねぇマリー、こーるがーるって何?”
”そ、それはー、アレよ、男の人と一緒に寝てお金を貰う女の人の事よ・・・!”
”・・・それって、いやらしいことをする人のこと・・・?”
”・・・そうよ・・・!”
基本的に麻里と絵美里は同じカラダを共有してるので、外界からの情報は同時に記憶してるはずだ。
だが、その情報の意味や解釈はそれぞれ、独自に行ってるので、しばしばこういうことがある。
絵美里はそして、不潔なものでも見るような目でスティーブをにらんだ・・・。
「うわ、・・・やっらっしぃ〜・・・!」
ステイーブはすっかり小さくなってしまった。
恥ずかしくて顔も上げられない・・・。
彼を軽蔑のまなざしで見つめるのは麻里も同様だが、
今は情報を得るのが先決なので、この件はとりあえず棚上げしよう・・・。
”エミリー、エミリー? それより話を進めましょう?”
”オッケー、マリー!”
「それで・・・!」
「は、はい!」
「その女の人はどうやって情報を手に入れたの?」
「は、はい、彼女・・・メリーさんの相手をしたお客さんの中に、警察の人がいたそうデス・・・。
タマタマなのか、捜査の一環なのかわかりまセンが、
メリーさんを指名して、プレイの間にこの件の話が出たそうデス。
一連の被害者の共通事項に、殺される時、携帯電話が通話中であることや、
近隣住民が『メリーさん』という乾いた叫び声を聞いていることから、
犯人がメリーさんに異常な執着を持ってるのは間違いないそうなのデス・・・!」
「・・・ひぇ・・・、でも被害者の人は『メリーさん』と何の関係もないんでしょ?」
「・・・そのようデス・・・。」
てことは、犯人は本物のメリーさんに出会うまで犯行をやめないということなのだろうか?
そうこう考えてるうちに、スティーブは絵美里からも情報を聞き出したいようだ、
「あ、あのー、そう言えばアナタのお名前ハァ・・・?」
「あ、あたし? あたしはエミリー、時々、マリーとも名乗るわ。」
「おぅ? え、エミリーさんで良いのデスよね・・・?
それで、あなたのほうのメリーはこの事件に巻き込まれる危険はありそうデスか・・・?」
「・・・わかんない・・・。
でも、この事件は名前がメリーに関わらず、多くの人が殺されてるんだから、
一刻も早く捕まえるべきよ!」
「そ、そのとおりデシた! ただ・・・何か手がかりをと思って・・・!」
「・・・昨日はウチの近所の中学生が襲われそうになってたし・・・。」
とりあえず、絵美里は昨日の出来事をスティーブに教えてやった・・・麻衣のことは勿論省いて・・・。
スティーブは絵美里の話を熱心に聞いている。
彼も「一応」神に仕える身として、このような事件をほおって置くわけにはいかないと、
考えてるのは本心からのようだ。
また、絵美里のほうも、こういった猟奇殺人は、彼女の最も忌み嫌うものでもある。
・・・自分の前世を思い起こしてしまうからだ・・・。
本来ならこの手の話題を口にしたくもないのだ。
麻里の方は、二人の会話を聞きながら、これからのことを考えていた・・・。
犯人の本当の目的はナンなのだろう?
そいつが狙う「メリー」とはLadyのことなのだろうか? だとしたら、なぜ、この町に現われる?
今現在はどうだか知らないが、Lady メリーとしてこの町近辺で暴れた事はない・・・。
自分たちや今の百合子以外のメリーを狙っているのか?
なつきちゃんを襲った人間と同一だとするなら、犯人は人形メリーを追っているわけではなさそうだし・・・。
しかし、犯人の手口はLady メリーを髣髴とさせる。
・・・そして、犯人を捕まえようとする人間が増えるのは歓迎すべきなのだが、
目の前の男に何ができるだろう・・・、とりたてて強そうにも見えないし・・・。
そうこうしてるうちに、絵美里は夕飯の準備の時間である事を思い出した。
それを言うと、スティーブは残念そうに、名刺を取り出した。
「何かわかったら、こちらに連絡してくだサーイ、
あ、そうそう、一つ言い忘れマシタ、私の友人のメリーさんが警察から聞いたことで、
ある事件の隣の部屋の住人が、奇妙な叫び声を聞いたそうです・・・。」
「叫び声・・・?」
「はい・・・聞き様によっては泣きながら歌ってるようにも聞こえたとか・・・。」
「なんて?」
「『だーれが殺した、この羊! それはメリーさん! メリーさんが殺した、この僕を!!』
・・・又聞きですから正確ではないかもしれまセンが・・・。」
絵美里は・・・いや、麻里も、どこかで聞いたことがあるフレーズのように感じた・・・。
Lady とは全く関係のない・・・どこか別の場所で・・・、何度も何度も・・・。
二人は互いに記憶の底を覗こうとしたが・・・明確な答えは得られなかった・・・。
この件は留保しつつ、静かに店を出た・・・、
後ろのテーブルに、あの不思議な「少年」が座ってたことなど気づきもせずに・・・。
243 :
Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/09/22(金) 00:52:40 ID:gEtf3X7z0
☆ パパンがパン、あっそーれ!
まったりしつつも一気に投下。
だんだん設定がまとまってきました。
クライマックスシーンも頭の中に浮かび上がりつつあります。
でも・・・そこまでどうやってたどりつくか・・・、
ラストはどうするか?
それぞれのキャラに進展があるし・・・。
頭いた・・・。
うむ・・・またもや本編放ったらかしで別の小ネタ(でも結構長ぁ〜い^^;)を思い付
いてしまいマスタ・・・しかも全く別の。<(;^O^)ナハハハハ
掻い摘むと↓な感じです。
「暴走する大型トラック・・・」(~O~;)!!
「迫り来るカギ十字の軍団・・・」這(~O~;)!!
「少女の窮地を救う謎の男・・・」這這(~O~;)!!
「そして・・・禁断の秘宝・・・」這這這(~O~;)!!
「果たしてメリーさんの運命は・・・」(・_・;)ゴクリ!
っということで今現在執筆中の他スレ向けSSをやっつけ次第はじめますので。
(;^_^)y-~~
ここには何人居るのだろうか
ノシ
>>245 さては半角と比べる気だな?
電撃氏カモ〜ん!
>「迫り来るカギ十字の軍団・・・」
・・・あ、黒十字じゃないのですね・・・ほっ・・・。
メリー(あざみ)
見つけた・・・、見つけたわ、そんなとこに!!
必ず、こっちの世界に引きずり戻してあげるからね!
さっさと家族に別れを告げるがいいわ!!
・・・126パパ!!
>>247 >さては半角と比べる気だな?
比べる気はないんです・・・
自分的にはメリースレは二つで一つだと考えてるから、全体的に何人居るのかな。って
本気でここを覗いてる人は少なそうですな・・・。
まぁ、何日かおきでもいいとは思うけど・・・。
新人さんでも来ないかしら?
>>249 毎日楽しみに此処のメリースレだけを、拝見させて頂いて居ります。
投稿楽しみですわ。
>>250 わぁ! ありがとうございます!
・・・実はアレ以来、話が書けない・・・。
いや、進展しないと言うべきか・・・。
でも、読んでくれる人のために、
ちょこっと・・・。
まだ急展開とはいきませんが・・・。
さて、・・・当然と言うか当たり前の事だが、
出版社に勤める伊藤にも、近隣で起きている連続殺人の話は耳にする事になった。
麻里、麻衣、絵美里の三人は相談して、
パパには「メリーさんが狙われている」ことを黙っておくことにした。
もしかしたら、伊藤独自の調査で「そこ」にたどり着いてしまうかもしれないが、
彼がそれに気づいたら、またもや首を突っ込む事は間違いない。
日浦と連絡が取れない以上、パパを危険にするわけには行かない!
・・・というわけで、麻衣たち側からはこの件に触れないことにした。
どうせ、今、伊藤の出入りしてる部署は、血生臭い事件を扱ってる編集部ではない。
恐らく、彼が何も言ってこないということは、気づいていないだろう・・・。
あくまで、伊藤の頭では、「変質者による猟奇殺人」と考えてるはずだ。
それを示すかどうかはわからないが、
伊藤は、麻衣と麻里&絵美里に携帯電話を買ってきた。
何かあったらいけないので、緊急用としてだ。
・・・これはこれで麻衣たちには嬉しいプレゼントだ。
教育上、麻衣にはまだ早いと考えていたのだが、そうも言ってられない。
伊藤は一番しっかりしてる麻里に、「使いすぎないように注意してあげてくれ。」
とは、言っといたが、麻里自身うれしくて舞い上がっている。
・・・しばらくは3人でお互いを撮り合ったり、着メロをいじったり、忙しいだろう、
あああ、麻衣はなつきちゃんに電話かけ始めた・・・。
果たしてこれで良かったのかな・・・?
伊藤は父親として、自分の行動が正しいのか悩みまくる・・・。
百合子がいたら、なんて言うだろうか?
・・・密かに麻里は、昼間もらったスティーブの連絡先を保存しておいた。
麻衣にも、あの青年の話は伝えてある。
不思議な叫び声の話については、麻衣は「メリーさんの羊?」としか反応できなかった・・・。
その歌自体は、麻里も絵美里も知っているのだが、それだと、後のセリフが繋がらないのである。
いったい、変質者は何を求めているのだろうか・・・? 復讐? 羊が?
・・・まさかね・・・。
))249
僕も楽しみに見ているよ!
ノシ
どもども!
・・・でパパの続きは?
もう、前回までのあらすじが必要だと思うけど・・・。
・・・さて、伊藤のほうは伊藤のほうで、この時、面白いニュース扱っていた。
いや・・・、面白いというのは不謹慎か。
何日か前、府中市の製薬工場で爆発と火事が起き、操業停止になる事故がおきた。
死者は幸運にも出なかった・・・。
負傷者は工場員・・・と言うか研究員らしきものが数名、そして警備員達だ。
出火は夜中なので、人的被害は少ないということだが、
警察の捜査状況から不審な点がいろいろ浮かび上がって来ていたのである。
・・・工場のはずが、何故、夜中に研究員がいたのか?
焼け跡から何十体もの、無届の動物の焼死体が見つかった事・・・、
重傷の警備員達には殴打された傷跡や刃物によるもの、
また、夜中この火事の現場から、
二人組みの男たちが去っていくのが目撃された事(そのうち一人は若い大男らしい)、
など、怪しい情報がいくつも入っていたのだ。
・・・そして一番の不審な点は、
警察がその続報を流さなくなった事だった。
今までの怪しい情報は、全て勘違いや出所の不明な情報だと結論付けられ、
それまでの姿勢を180度転換してしまったのだった・・・。
伊藤の働いてる編集部も、そこの不自然な警察発表に対してチームを編成し、
真実を明らかにすべく、行動を起こしていた。
・・・もっとも、結論から先に言ってしまえば、彼らの努力は何の成果も得られなかった。
政府レベルで上層部から警察現場に圧力が掛かったらしい事、
製薬会社は、数年前に外資系企業に買収された企業で、出資企業は軍事産業にも手を染めている・・・、
記事に出来たのはそれぐらいで、
その工場には地下があり、
表に出せないバイオロジカルな実験を行っているという可能性までには気づけたのだが、
想像の域を超えるだけの情報を、手に入れることなどできやしなかった・・・。
・・・いずれにしろ、この事故の真相がわかったところで、
いま、麻衣たちが気にかけてる不審者の問題を解決できるわけでもない。
皆さんは、この事件を忘れてもらっても構わない・・・。
ただ・・・「愚者の騎士」日浦義純が日本を離れたのは、この事件直後の事だと言うだけの話だ・・・。
カラ〜ン・・・。
ナイトラウンジ、キャッスルオブメリーの店の扉が開いた・・・。
機械的にカウンターのマザーメリーが声をかけようとする。
「いらっしゃいま・・・ 」
・・・そのアニメ声は途絶えた、
メリーさんしか入れないはずのこの店に、完全に無関係の少年が入ってきたからだ。
肩までかかる美しい黒髪の少年は、店内を見渡し、壁に掛かっている様々な武器を見入っていた・・・。
「へぇ、いろんなものがあるねぇ、
・・・アラベスク文様の鎌が見当たらないね?
いま・・・現在、使用中・・・かい?」
「お前は誰!? ここから出て行きなさい!」
マザーメリーはカウンターから飛び出し、その壁に掛かっている幅広の斧を掴んだ!
長い黒髪とワンピースが揺れる・・・!
「キ リ リ リ ィ ヤ ァ ァ ァ ァ!!」
マザーメリーは仮面を外し、その醜い左右非対称の顔を露出させた。
いま、彼女は再び殺戮モードに入る!
その巨大な斧は、無防備の少年のカラダに襲い掛かった!
・・・だがマザーメリーは全く意外なことに、その斧を空振りさせてしまう・・・、
バカな・・・?
少年が避けた気配もない・・・、
彼はその場を動いていない・・・、
何事もなかったかのように静かに立ち尽くしているだけだ・・・。
振り返るマザーメリーに、少年は肩をすぼめて笑いかける・・・。
「ああ、気にしなくていいよ、すぐに帰るから・・・。
・・・それにしても『あの男』は、自分の気まぐれが原因で、
ここまで事態が大きくなっている事を自覚しているのかなぁ?
・・・それとも全て、計算ずく・・・なのかな?」
マザーメリーは彼の言葉に反応しない・・・、
この少年の不思議な言動を分析しようと試みるだけだ・・・。
かといってこのままではラチがあかない。
攻撃が不能とは言え、なんびとも侵入できないはずのキャッスルオブメリーに、
こんな簡単に出入りされては女主人の役目を果たせない。
「どうしてここに入ってこれたの・・・!?」
少年はにこやかに振り返る。
「ん? どうやってだって? 普通に扉を開けてだけど?」
「ふざけないで! ここはメリー以外には見えないはずよ!!」
「・・・変な事を言うね、だってここは実際に存在してるんだろ?
カメラで撮れば写真に写るし、扉をくぐれば店内に入れる・・・。
何も問題はないよ。」
「・・・あなた、結界を破る能力でも・・・!?」
少年は、やれやれ、とでも言いたげに、そばのテーブルに行儀悪く座る・・・。
「能力・・・? そんなたいしたもんじゃない、ただ、君たちの能力とやらは人間相手限定だろ? 」
それは・・・この少年が人間ではない・・・ということを意味するのか・・・?
「ではなにしにここへ来たの!? あなたの目的は?」
すると少年は笑い出した・・・。
「ハハハ、逆だって、目的を知りたいのは僕のほうさ・・・君らの主人のね・・・。」
「そんなものはいないわ・・・!」
「ふぅん、そお? だが、あの人形・・・Lady メリーを作ったのは誰だい?
キミが首を切り落とした少女が何故、生きている?
リーリト? イブと何が違うってんだい?
・・・まぁ、人工知能のキミに言ってもしょうがないか・・・、
騒がせて悪かったね、メリーのみなさんによろしく・・・、じゃぁ、僕は帰るよ・・・。」
そう言うと、少年は来たときと同じように、何事もなく店を出て行った。
少年は店の前で、ポツリと独り言をつぶやく。
「・・・本当は『アイツ』・・・もう復活しているのか?
封印されているフリをしているのか・・・?
いったい、どこまで・・・『僕ら』を・・・いや人間をも欺くつもりなんだい・・・?」
そして、彼は次の目的地に向かってゆっくりと歩き出す・・・。
☆ ようやく話が進展しそうです。
・・・もっともペースはゆっくりのままですが。
次回からいよいよ・・・?
れでぃサソ
おもしろくなってキターヨ!!
(・∀・)
ワクワクテカテカ
きーんこーんかーんこーん・・・
きーんこーんかーんこーん・・・
「麻衣ちゃん、かえろー?」
なつきちゃんが声をかけてきた。
「うん、ちょっと待っててねー?」
麻衣は帰り支度を整えながら、携帯をチェックした。
「・・・さっそく使いまくってるねー?」
なつきちゃんが冷やかしてきたが、麻衣はマジである。
麻里&絵美里から緊急連絡がないかどうか確かめているだけである。
・・・一々遠隔透視なんてやってたら身が持たないし!
さて、問題はこのあとだ、
今は明るい・・・。
帰り道は安全なのだろうか?
「・・・なつきちゃん、怖くないの?」
「こんな時間ならだいじょーぶでしょ? それにもしかしたらまたあのお兄さんがー?」
早く帰りたがってるわけはそれか!
麻衣はため息をつきたくなった・・・。
もっとも、確かに変質者が昼間に事件を起こした事はない。
少なくともニュースになってるのは一人暮らしの女性だけだし、
一昨日のは、たまたまか・・・いや、もしかすると品定めだったのかも・・・。
実際、第三者から見れば麻衣の方が心配しすぎなのかもしれない。
街中でいきなり襲われる確率は低いのではないかと・・・。
だが、「メリー」の関係者である麻衣からしてみれば、
「メリー」に異常な執着を持っているという変質者は、危険極まりない存在だ。
いつ何時、自分や麻里&絵美里に目をつけられるかわかったもんじゃない。
麻衣は怖がってる振りをしつつ、「アンテナ」を張り巡らせながら下校をする・・・。
自分の周りに「害意」を放つ存在があれば、麻衣の関知能力が反応するはずである。
・・・今日は不審な気配はない・・・。
二人とも今日は無事に帰宅したのだが、
着いてみると、いつも家にいるはずの、麻里&絵美里の姿がどこにも見えない・・・。
☆ 土日に書き込んだものはこれだけです。
キャッスルオブメリーはこないだ予告しておいたやつだけど・・・。
平日は文章考えるヒマがないので、
次の土日まではまず、うpできない・・・と思います・・・。
昨日は自分でセカンドストーリー、読み直してました。
・・・戦闘シーン多かったなぁ・・・また書けるかなぁ・・・もうムリだろうなぁ・・・。
メリー「 迎 え に き た よ 」
263 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/27(水) 00:50:10 ID:OQ6FFLFN0
ネタがわりに懐かしの・・・。
アラベスク文様の死神の鎌の成分解析結果 :
アラベスク文様の死神の鎌の43%は勇気で出来ています。
アラベスク文様の死神の鎌の41%は魔法で出来ています。
アラベスク文様の死神の鎌の6%は鉛で出来ています。
アラベスク文様の死神の鎌の3%はカルシウムで出来ています。
アラベスク文様の死神の鎌の2%はカテキンで出来ています。
アラベスク文様の死神の鎌の2%は波動で出来ています。
アラベスク文様の死神の鎌の2%は世の無常さで出来ています。
アラベスク文様の死神の鎌の1%は気合で出来ています。
えーっと・・・
ニコラ爺さんの魔力と、
鉛と、
人の骨と、
物理的科学力と、
無常さ・・・って?
あとは・・・持つ者の精神力・・・。
ヴォーダンの理解不能の力・・・
これで・・・斬れるのかなぁ・・・?
ニコラ爺さんの魔力だけで
充分斬れるとオモ
魔法の比率43%か・・・、確かに結構高いな。
さぁ、どうやって・・・演出させよう?
ああ、もちろん成分分析は中身、違いますから。
43じゃねーよ・・・
41だよ・・・ orz
「もしもし、私メリーさん。今、あなあなあなあなァ〜〜〜ア〜ァ〜〜〜アーーーっ!!?」
何時もの様(?)に狙いをつけた相手に携帯を掛けながらキメ台詞を言おうとしたメリーは、突如として彼
女の足元を襲った凄まじい揺れに足を取られ、そのまま派手に尻餅をついて転げてしまった。
「ったたた・・・イッた〜い!もぉ〜どうなってんのよ一体・・・。」
少し愚痴っぽく呟きながら辺りを見回した途端、彼女は目を白黒させながら今自分が置かれている状況
を前に愕然としてしまう。
「な、な何よココはぁ!・・・ってココ・・・トラックの荷台ぃ!?」
彼女が驚くのも無理は無い。今メリーが居るのは何と、かなり年季の入った幌付の大型トラックの荷台の
中だったからだ。
しかも足元の揺れ具合から察して、そのトラックの運転手は酒でも飲んでハンドルを握っているのか時折
では有るが車体が左右に大きく揺さ振られていた。
その為に足元が覚束無いばかりかメリーの身体は右に左にと床の上を転げ回りそうになり、悲鳴をあげな
がら彼女は荷台の中央にロープでしっかりと固定された、かなり大き目の木箱にしがみ付く。
「あぁ〜そうだ!ハァハァ・・・この携帯って昨日の晩、水溜りに落っことしたんだっけ。もぉ〜ヤダこんな・・・」
そんな泣き言がメリーの口からコボれ出した時である、彼女は荷台に張られた幌が一部、それも運転席寄
りの左側が大きく裂け、そこから中に外の強い日差しが差し込んできている事に気が付いた。
時折だが外から吹き込む土煙に咽返り、その小さな身体を低くしながらメリーは、床を這う様にして破けた
個所へと近付いていったのだが、その裂け目から見えた風景は・・・渇き切った大地と見渡す限りの岩山が
広がる広大な峡谷だった。
そう彼女を荷台に載せたトラックは今、峡谷の岩棚を削って引かれた粗末な、でもかなり広い車道を時速
80k以上で時折、大きく蛇行しながら暴走していたのだ。
「うっ、うぇ〜〜・・・・これって一体どうなってんのぉ!?・・・・キャッ!!」
もっと状況をよく確かめ様とメリーが、幌の裂け目から顔を出そうとした時である!空気を切裂くようにして
彼女の鼻っ先を数発の銃弾が掠めて行く。
突然の事に肝を潰しながら一度は顔を引っ込めるメリーだったが、少し間を置いてから今度は少しだけ顔
を覗かせながら後方を確認すると彼女の目に、重機関銃を搭載した大型ジープが一台、土煙を上げなが
ら猛スピードでトラックに迫って来るのが見えた。
しかもジープに乗っている軍服姿の男達は、またメリーが顔を覗かせている事に気付くや否や再びトラック
に向けて猛烈な機銃掃射を浴びせて来る。
”何とか運転席へ・・・でないと、このままじゃぁ・・・っ!?”
そんな今まで自分が感じた事の無かった”焦り”と”恐怖”という感情に戸惑いつつもメリーは、それこそ必死
の思いで運転席へと乗り移れる機会を伺っていた。
っと、そのチャンスは意外なほどに早く訪れた。それというのも彼女が何度目かに幌の裂け目から顔を半分
覗かせた時、何と追手の重機関銃が弾詰まりを起こすのが確認できたのだ。
その時を見計らってメリーは、すぐさま幌の裂け目から身体と乗り出すと、またもや蛇行運転を始めたトラッ
クから振り落とされまいとして剥き出しになった幌の骨組みに死の物狂いでしがみ付きながら、蛇行運転が
収まるのを待ってタイミングを計りながら運転席のドアへと飛び移った。
すると運良くドアの窓ガラスが全開になっており、そこからメリーは幾分か苦労しつつも小柄な身体を運転
席へと滑り込ませる事に成功した・・・っが!そこで彼女が目にしたのは何と、大の男が二人それも運転そ
っちのけで取っ組み合いの大喧嘩をしている様子だった。
当然の事ではあるが運転するものが居ないとなればハンドルは・・・
「何やってんのよ全く!死にたいワケぇ!!?」
思いがけずメリーは成り行き上ではあったが運転席に座ってハンドルを握る羽目に・・・っがトラックはおろ
か良くて自転車ぐらいしか乗ったことの無い彼女にとって正直な話、ブレーキがどれかアクセルがどれか等
と言う事が解る筈も無く、とどのつまり彼女に出来る事と言えばハンドルをしっかりと握ってトラックが崖から
飛び出したり、あるいは反対側の土手に乗り上げて引っ繰り返ったりしない様に真っ直ぐ走らせる位しか出
来なかった。
「ちょ!ちょ、ちょちょちょっとオジサン方ァー!!ケンカすんのはオジサン方の勝手だけど運・・・ッ!?」
堪り兼ねたメリーが取っ組み合いを続ける二人組みに何とか話し掛けようとするが、その間にも男達は死に
物狂いで格闘し遂には、そのとばっちりは運転席でハンドルを握る彼女にも及んでしまった。
「って痛ァァーーーーいっ!!モォー何て事すんのヨォォーー!!!!」
メラメラと燃える怒りが爆発寸前にまでなったメリーの怒声が車内に響いた時である、男の一人・・・皮ジャケ
ット姿に中折れ帽を被った男が彼女に向かって大声で怒鳴った。
「ジョーンズだ!!”ジョーンズさん”だ!!オジサン何て・・・ブヘッ!クソこの野郎ぉよくもこのォ!!!」
「エェッ!?何ィっ!?もっとちゃんと言・・・」
「だからオジサン何て呼ぶんじゃ無ェェーー!!ちゃんと”ジョーンズさん”って呼べ・・・グぁ痛ェ!!ってウ
ガァァァァァーー!!コイツもう勘弁なら無ェェェェェーーーー!!!!」
ジョーンズと名乗った男は返事はしたものの、その内容は、まるで話にならず呆れたメリーは何とか脱出す
るチャンスを伺いつつも結局はハンドルを握る羽目に・・・。
だが突然!フロントウィンドウが粉々に砕け、飛び散ったガラス片が運転席に雨の如く降り注いだかと思うと
彼女の目に車内から放り出されボンネットの上を転がって行くジョーンズの姿が見えた。
「エッ!?何々!!?どうなってんのっ!!!?」
訳も分からぬまま大声を出すメリー・・・っが、そんな彼女に新たな危機が迫っていた。
そう、さっきまでジョーンズと格闘していた軍服姿の大男が今度は、ハンドルを握るメリーの方へと迫って来
たからだった。
チョッ!ちょっと何よオッサン!!何ジロジロ見てんのヨっ!!」
必死で強がりながら大声で怒鳴るメリー・・・だが軍服の男は彼女に向かって、何やら話し掛けては来るのだ
が聞いたことも無い外国語の為かメリーには、その内容がさっぱり分からなかった。
そうしてる内にも男は突如メリーに向かって腕を伸ばして来る。
「何すんのッ!触んないでヨ!!このヘンタイ!!!」
そう叫ぶやメリーは男の腕を払いのけ、そして自慢(?)の鎌を取り出そう・・・とはしたのだが、なにぶん片手
でハンドルを握りながら無理をして取り出そうとした為か、気が付けば男はいとも簡単に彼女の手から鎌を取
り上げ”チッチッチッ”と舌を鳴らしながら首を横に振ると、取り上げた鎌をガラスの無くなったフロントからボン
ネットの上へポイッと投げ捨ててしまった。
「アァ〜〜アァ〜〜!何てことするのヨォッ!!あれは私の大事な・・・・・・・・ッ!?」
そう怒鳴ってメリーが文句を言いかけた次の瞬間である!軍服の大男がゴツイ手で彼女の両肩にガバッ!
と掴み掛かって来たのだ。
その眼を飢えた獣の様にギラつかせ下卑た笑いを浮かべて舌なめずりをしながら大男は、また異国の言葉
で彼女に向かって何かを話し掛けてくる。
湧き上がる恐怖と嫌悪感に苛まれ、身を竦ませるメリーの眼に男が着ている軍服の胸ポケットの上に刺繍さ
れた紋章・・・鉤十字のマークと、その上で翼を広げた鷲を模った紋章が目に入り、そして遂にメリーは今ま
でで彼女にとって一番、屈辱的な悲鳴を上げてしまった。
「初めてなの!!乱暴にしないでェッ!!!イヤァァァーーーーーっ!!!!!」
果たして!追い詰められたメリーの貞操・・・・いやいやいや(もとい!^^;)メリーの運命や如何に!!?
(次回へ続く・・・)
っと云う事で残りは明日または明後日ぐらいに・・・
何分いざ書き出したら思った以上に長文となってしまいましたので、止む無く
二回に分けて投下せざるを得なくなってしまいますた。(~へ~;)y-~~ウ〜ン・・・
> 「初めてなの!!」
・・・そうなんだ・・・。
きょーこ:
「あたしも、あたしも!」
タケルルル:
「・・・っざっけんじゃねェーぞぉぉ、コラァァ!!」
>>270からの続き
ついに彼女にとって最も屈辱的な悲鳴を上げてしまったメリー・・・。
っと、その時である。彼女が上げた恥ずかしい(?)悲鳴にドン引きしてしまったのか、メリーの両肩にガッ
シリ!と食い込んでいた大男の両手が不意に彼女の肩から離れた。
恐怖の余りに両の瞼を硬く閉じていたメリーが、ゆっくりと目を開いた時に見たものは何と!先程フロントガ
ラスを突き破って放り出された筈のジョーンズの姿だった。
そう彼は放り出された後、トラックから落ちまいとグリル部分に必死でしがみ付いていた所へ、軍服姿の大
男がメリーから取り上げボンネットの上に投げ捨てた鎌が落ちてきたのを受け止め、それをフック代わりにし
て死に物狂いで運転席に戻って来たのだった。
そうして取っ組み合いが再開された横でメリーはというと、またもや必死になってハンドルを握る羽目に・・・。
「ちょっとオジサン方ァ!せっかく戻って来たんだからサッサと決着を・・・・っ!!?」
突如メリーが陣取る運転席に向けて凄まじい機銃掃射が・・・。
気が付けば先程の大型ジープが後方から猛スピードでトラックの左側にピッタリと貼り付くようにして平行し
ながら迫ってきており、そしてジープに乗っている重機関銃の射撃手が今正に銃口をハンドルを握るメリー
に向けて狙いを定め様としていたのだった。”もう・・・ダメ!”
観念したメリーが思わず両目を閉じた瞬間、彼女以外の誰かがハンドルを思いっきり左へグイッ!と回すと
トラックの車体が左へと大きく振られ、そして迫っていた大型ジープが道路から弾き出され、そのまま目も眩
む様な高さの断崖から真ッ逆様に落下して行く・・・乗っていた兵士達のあげる断末魔の叫びとともに・・・。
気が付けばトラックの運転はジョーンズに代わっており、そしてメリーはというとキョトンとした表情で何が起
こったのか分からぬまま助手席に座っていた。
「ネェ!あのロリヲタ軍人はァ!?」
「アイツか!?あの野郎なら運転の邪魔になるんで車から降りて貰った!」
そっけなく答えるジョーンズの言葉を聞いてメリーが何気に車内を見回すと、助手席側のドアが無くなって
いるのが見えた。
「降りたって・・・これトラックから放り出・・・・・・・・・ッ!!?」
彼女がまた文句を言いかけた時、今度は何とトラックの前方から二人を目掛けて銃弾が飛んでくる。
ハンドルを握ってる時には気付かなかったが、見ればトラックの前を少しレトロなデザインでは有るが黒い
オープンカーが一台、二人が乗ったトラックとは幾分か距離を置いて走っており、その後部座席から背の
高い制服姿の男が一人、大声で何かを喚きながら拳銃を乱射しているのが見えた。
「死にたくなかったら頭を下げろッ!!」
そう云いながらジョーンズは有無を言わさずメリーの頭をグイッ!と助手席の下へと押し込むと、ギアを3速
に入れながらペダルが床に着くまでアクセルを思いっきり踏み込んだ。
すると何かに衝突したのか、それこそ車体がバラバラになるのでは?と思える程の凄まじい衝撃でトラック
が何度も揺さ振られ、それを何度か繰り返すうちに前方の方から車のブレーキ音が聞こえた。
「もう良いぞ御嬢ちゃん。ほらサッサと頭を上げろ!」
ジョーンズの言葉を聞いてメリーが助手席の下から顔を出すと、さっきまでトラックの前を走っていた黒塗り
のオープンカーは何処にも見当たらなくなっていた。
「このバカモノがァ!!この様な失態を総統閣下に何と言って御詫びするつもりだァッ!!!!」
「すっ!す、すすすすんまっしぇ〜ん!ぐぁ、ぐぁんばりまぁ〜〜っす!!」
トラックが走り去った後、道路の右脇に有る茂みに突っ込んでエンストを起こしたオープンカーの上では、
制服姿の男が大声で怒鳴り散らしながら運転手を何度も殴り付けていた。
「大佐・・・ディートリッヒ大佐。もう八つ当たりはお止めなさい全く・・・みっとも無いったら・・・」
「黙れベロック!!この役立たずの底抜け教授めがッ!!!!」
その様子を横で見ていた初老の紳士が堪り兼ねたのか止めに入るも、それでも制服の男=ディートリッヒ
大佐の怒りは収まるどころか益々激しくなり、とうとうその紳士にまで当たり始める。
「覚えておけ!今度また我々の足を引っ張るような真似をしてみろ、その時は貴様とて容赦はせん!!そ
のドテッ腹にスプーンを突っ込んでグチャグチャの!ギッタギタに引っ掻き回してくれるわ!!」
大佐が怒鳴る聞くに堪えぬ罵声に顔をしかめながらも初老の紳士=ベロック教授は話を続ける。
「あのォ大佐・・・何故にそのぉ〜、スプーンなのですかな?」
「決まっておろうが!!スプーンで抉った方が痛そぉーーだからだ!!分かったかァ!!!!」
唾を飛ばしながら怒鳴り散らす大佐に辟易しながらベロック教授は嫌々ながらに小さく頷いた。
そして大佐はというと散々に怒鳴り散らした挙句に今度は車の上でスック!と立ち上がるや否や、有らんば
かりの大声を張り上げ遠ざかっていくトラックの後姿に向けて恨みの言葉を吐いた。
「おのれ覚えておれジョーーーンズッ!!!これで終わったと思ったら大ォーーーー間違いだ!!!」
その横でベロック教授は少し茜色に染まり始めた空を見上げながら、ゆっくりと呟いた。
「やるじゃないかジョーンズ坊や。御蔭でベロックおじさんは完敗だ・・・フッ!」
そして二人を乗せたトラックの中ではと言うと・・・。
「っでオッサン!これから何処へ行くつもり?」
「だから”ジョーンズさん”だ!オッサンなんて呼ぶな全くもぉ〜〜・・・・」
「だから何処へ行くつもりなのか聞いてるんじゃないヨォ!!」
今度は膨れっ面でムクれているメリーを相手にジョーンズが苦戦を強いられていた。
「そぉ〜〜だな。まずは港に行ってだな・・・奴等から取り戻した秘宝を知り合いの船に積んで貰って、その
後は地元の警察から君の国の大使館へ連絡を・・・」
「ちょ!ちょ、ちょっと待・・・ケーサツ!?大使館ッ!?冗ォーーー談じゃないわよオッサン!!!」
「”ジョーンズさん”だろッ!!全く、どんな教育受けてんだか・・・(小声で)とことん嫌なガキだ・・・。」
「聞こえたわヨッ!!(小声で)もォ腹立つなァ〜〜このオッサンはァ・・・。」
そうして二人を乗せたトラックは奪い返した秘宝を積んで夕暮れ時の中、一路モロッコの港を目指した。
その後・・・メリーは、この冒険家ジョーンズとの出会いを切欠に”都市伝説の妖怪”としての自分を返上し、
そして何時しか少女トレジャーハンターとして活躍するようになり、単独で最初に行った冒険の際に知り合
ったキャットと名乗る考古学好きの少女を相棒に、場合によっては謎の秘密結社と対決しながら世界中の秘境
という秘境を渡り歩き、そして後に”冒険王メリー”として、その勇名を世界に轟かせる事に・・・。
っという話は・・・・いずれまた別の機会に。(+ ̄ー ̄)y-~~
【声の出演】
メ リ ー ・・・・斎藤千和
ジョーンズ・・・・小山力也
ディートリッヒ大佐・・・若本規夫
ベロック教授・・・羽佐間道夫
運転手・・・・岩崎ひろし
【音楽】byジョン・ウィリアムス (;ー。ー)つ)))ナンデヤネン!
なお・・・
後日ですが今回のエピソードの”オマケ”を投下する予定なんで・・・
お楽しみに(ニヤリ)
>>272 >きょーこ:「あたしも、あたしも!」
・・・・知らなかった・・・・・。(;^。^)つ)))マテヲイ
278 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/09/30(土) 20:53:19 ID:NHaw+Hop0
落ちたらいやなのであげておくね!
GJGJ!
・・・さすがは電撃氏、
アクション映画張りのスピード感というか、ハイテンポというか、
ノリノリというか・・・。
こんだけボリュームあると賑やかだわぁ。
・・・こっちはどうしようかな・・・、少しは作れたけど、まだ見直しすべき部分があるんだよな・・・、
それが済めば、きっと投下できるかと・・・。
280 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/01(日) 04:31:37 ID:ILGz6DlDO
死ね
麻里ちゃん、絵美里ちゃん?
二人の姿はどこにもない・・・。
夕飯の買い物だろうか・・・、いや、いつもならこの時間だったら、家に戻ってるはずだけど・・・。
麻衣はさっそく携帯で確かめようとしたまさにその時・・・、
・・・メールの着信・・・
誰・・・、相手は・・・?
パパぁ!?
”麻衣へ、パパでーす。
こないだの火事の件で、今日は泊まりになります。
戸締り気をつけてね、明日は早く帰れると思うから、
いい子にしてるんだよ、
じゃあ〜ね〜、
何かあったら、パパに連絡してください!”
・・・タイミング悪いよ、パパァ・・・、
それにしても、本当はパパのほうが携帯、嬉しがってるんじゃ・・・。
だめ! 今はそんなことより麻里ちゃんたち!!
・・・何かあったらパパに?
できるならそうしたい・・・、でもきっとパパは・・・また。
麻衣がいろいろ理屈を考えていても、結局は独立心旺盛なリーリトの血がそうさせたのかもしれない。
今の自分にできること・・・
麻里たちに電話をかけても電波の届かない所らしい・・・、まさか電源切ってはいないよね?
メールは送ったが、ちゃんと届いただろうか・・・?
最後の手段で・・・透視を行ってみたが・・・、
まただ・・・、
彼女達の姿が完全に消えている・・・。
時間を過去に遡らせてみると、この家の応接間で、麻里達に一本の電話がかかってきたのが視える・・・。
やっぱり能力そのものはいささかも衰えていない・・・。
何らかの原因で、ある特定の条件下でだけ能力が無効化されているのだ。
・・・そして過去の映像では、麻里たちは慌ててどこかへと出かけていったのが確認できた・・・。
そこから先の彼女達の行方は・・・ダメだぁ、何の光景も映らない・・・。
そうこうしているうちに日が沈みかけてきた・・・。
家の電気をつけないと、部屋の中も薄暗い。
麻衣は明かりをつけて考える・・・。
・・・どうしよう?
誰に頼ればいい・・・?
こうなったら・・・おばあちゃんに・・・。
もっとも、おばあちゃんも、伊藤や麻里&絵美里に好感は持ってないのは知っている。
おばあちゃんは典型的なリーリトだし・・・。
人間社会から姿を消し、闇の世界に生きるおばあちゃんと、実際に会った事はない。
それでも、昔から夢や母親を介在してお話しする機会はしょっちゅうある。
自分がお願いすれば、なんとか・・・。
・・・おばあちゃんとの交信は無事に成功した・・・。
もちろん、おばあちゃんは麻衣には親身になってくれるが、
現実の事件の解決には消極的な態度を見せる。
麻衣がおばあちゃんから手に入れた情報と言えば、
今回のような、感知能力の不具合に関してだ。
結論から言えば、自分たちと同じような能力者を関知する時は、
もやのようなガスだったり、曇りガラスのようなイメージだったり、
数年前の赤い魔法使いのような白い空間に阻まれることが起こりうると言う。
・・・だが、今回のようなケースは考えられないそうだ。
リーリトの能力でさえ超えられないような次元の狭間にでも飛ばされたとしか・・・、
そういうものが存在すればの話だそうだが・・・。
結局おばあちゃんは、麻衣に深入りして欲しくないようだったが、
これまでの麻里&絵美里と麻衣の関係について、おばあちゃんはある意味、あきらめというか、
麻衣の気持ちを理解はしていたので、麻衣に励ましと注意をして交信を終わらせた。
・・・多少は麻衣も気がまぎれたが、そこへ不意に、
麻衣の感知能力が、家に近づく何らかの気配を感じ取った・・・。
首だけを後ろに向けてカラダを固める麻衣・・・。
・・・ゆっくり、ゆっくりとそれは近づいてくる・・・。
耳に聞こえる音ではないが、イメージとして、重い・・・何かを引きずるような気配。
・・・ズルッ ズルッ ・・・
麻衣の本能は危険を感じ取る・・・!
殺意や害意を撒き散らすものではない・・・。
だが・・・なんと表現すれば言いかわからないが、
今まで感じたことのない異質なもの・・・。
それが家の外の道を、間違いなく伊藤家に向かって近づきつつあるのを麻衣は確信を持って受け止めた。
・・・背筋の皮膚が泡立つこの感覚・・・。
麻衣は意識をカラダから分離させる。
一般人には理解できない感覚だろうが、
カラダと精神をずらしたまま、同じ場所に存在させるという表現が適切なのだろうか?
同じような能力者がその現象を目撃すれば、
麻衣のカラダの映像が二重に、重なってるように見えるはず・・・。
麻衣が肉眼で見ている光景は、意識の底に落とされ、
精神で見る映像が、クッキリ脳の中に再現されていく・・・。
全ての物質は透けて見えていき、その眼から何者も逃れうる事は出来ない。
・・・それでも近づいてくる存在は何も視えない・・・!
そのことが麻衣の恐怖を倍化させる・・・。
なに!?
ズルッ・・・ ズル ル・・・・・・
「それ」は家の前で止まった・・・。
今、それは玄関の前にいる。
麻衣はカラダと意識をずらしたまま、うまくカラダを操って(この状態だとカラダを動かすのが難しい!)、
台所から包丁を用意する・・・。
・・・消火器の方がいい!?
何なのっ? なんであたし一人しかいない時なのに・・・!!
怖いよ、パパァ・・・!!
・・・気配は動かない・・・。
玄関の前から動く様子はない・・・、
何をしてるの!? ただ、突っ立ってるだけ!?
ちゃらららら〜ん♪
そしてその時、麻衣の携帯が鳴った・・・!
反射的に麻衣は携帯に意識を落とす。
・・・着信・・・麻里ちゃんたちだ!?
だが、今の状況で電話に出ることなど出来やしない・・・!
っ!?
ところがだ、意識を再び玄関に戻した時、あの得体の知れない「何か」の気配が、
何の痕跡も残さずに消えてしまっていたのである。
どこへ?
麻衣はしばらく周囲をすみずみまでスキャンしたが、あの異様な気配はない。
やむなく、麻衣は意識をカラダに戻し、警戒しつつ電話に出る。
「もしもし!?」
だが、電話はノイズが酷い・・・どこからかけているんだ?
「・・・(ザザ)衣ちゃ・・・めん・・・さい、いまあな の・・・いるの・・・ぃーぶ・・・ がね? 」
「もしもし・・・絵美里ちゃん? 今どこ? 無事なの!?」
「聞こ・・・る? (ザザザ・・・) けど・・・ 」
「ダメ、聞こえない・・・! 一度切ってメールを送って・・・ 」
「・・・ばんわ、・・・リト・・・。」
・・・あ? 誰!?
ノイズのせいで絵美里の言葉を聞き取る事が出来ない、
だが、携帯のスピーカーからは、絵美里とは違う・・・なんと、別の人間の声まで聞こえてきたのだ・・・。
若いが落ち着いた男性の声・・・携帯電話で混線なんてするのだろうか・・・?
絵美里の声は相変わらず途切れ途切れで聞こえるが、彼女の方には男性の声は聞こえてないようだ、
互いの声を意識している気配はない・・・。
それよりも、段々と男の声の方がはっきり聞こえてきた。
「・・・二人はキミ 学校に るよ・・・、
ある男 捜し ね、
会ってみた・・・はないかい? 彼は・・・端だが、メリー・・・ 興味深い・・・だ。」
なに? この人!?
麻衣はさっきから続く異常な事態のせいで、気分が悪くなっていた・・・。
吐き気がする・・・。
まるでこの男の人の言葉は、自分たちがここ数日遭遇している異常事件の、
当事者だとでも言わんばかりの内容じゃあないか・・・?
☆ 今日はここまでだす!
そういや学校を舞台にした事はなかったなぁ・・・。
(中略)
「もしもし、私メリーさん…今貴方の後ろにいるの」
ゴゴゴ…
丞太郎「なんだとっ!?前の電話では確かに〇〇小学校にいると奴はいった!」
「そして!小学校からここまで来るまでに約10分はかかるはずっ!」
「奴のスタンドか!?どちらにせよ………」
メリー「貴方の命…もらったわ…」
丞太郎(振り返る)
「スター・プラチナ・ザ・ワールド!」 「時は止まる…」
「ふぅ……間一髪だったな…」
「む…奴がメリーの正体…以外だが………放っておけば俺が殺される」
「叩かせてもらうっ!」
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!
「終わりだ…時は動き出す………」
メリー「ぐぅわぁぁぁ!!?」(ば、馬鹿な!?)
(今!一瞬の内に!何が起きたというの!?)
(一瞬の内にオラオララッシュを入れられたっ!)
(私も手加減は出来ないようねっ!)
メリー「くっ………いいわ!丞太郎!今まで他人には見せた事のない私のスタンドをっ!!特別に見せてやるわっ!」
丞太郎「なっ、なにぃ!?」
メリー「ミルキング・ウェイ!!」
ドドド……………
丞太郎「奴の!メリーのスタンドが姿を発現した!」
メリー「このミルキング・ウェイの能力は…………ミルキング・ウェイが触れている物全てを!液体に変える!!」
丞太郎「なんだと!?」
「触れている物全てだと!」「だとしたら…この酸素も例外ではないはずっ!」
「…非常にやばい状況だ…」
メリー「ミルキング・ウェイ!丞太郎の半径5b以内の酸素を水に変えろ!!」
丞太郎「ゴバァ…」
(くっ…まさか水に溺れる事になるなんてな……だが!)
(スター・プラチナ・ザ・ワールド!!)
ドーン!!
(水から抜け出す)
丞太郎「ミルキング・ウェイか…………危険な能力だな……」
「時間が動き出す前に……仕留めるっ!」
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!
「全弾全て顔面に命中だ……再起不能だ…!」
「…時は動き出す…」
メリー「ぐがぁぁ!!」
(馬鹿なっ!また私の知らぬまにっ!)
(何が起きたの!?)
丞太郎「メリー…お前は人を殺しすぎたんだ………」スター・プラチナ!!
メリー(いけない!このままじゃ殺される…!)
(逃げなければ!)
メリー「ミルキング・ウェイ!大地を液体に変えろぉぉ!」
丞太郎「なっ!?地面が!!」
(奴の能力に射程距離はないのか………!)
メリー「ミルキング・ウェイ!私を引っ張ってそのまま500b泳げぇ!」
メリー「ふふっ!残念ね!丞太郎!!私のスタンドを破ったのは貴方が初めてだったわ!」
丞太郎「…野郎…メリー……………!」
ゴゴゴゴ…
続く
スタープラチナのオラオララッシュを喰らっても無事なの!?
・・・そっちのほうがすげぇ!!
メリーさんはそんなに貧弱貧弱ゥ!!ではないのだ!
MERYYYYYYYYYィッ!!
「あっちゃ〜!こりゃ本気でヤバいわ・・・」
ジメジメと苔むした壁に囲まれた遺跡の通路の中で少女は、その入口からコッソリ
と外の様子を伺いながら苦々しげに呟いた。
「やっ、ヤバいってそんなぁ〜。私こんなの聞いてないよぉ〜・・・ウルウル。」
彼女の隣では銀縁の丸メガネに薄らとしたソバカスと、赤毛のポニーテールが印象
的な少女が今にも泣出しそうな顔をしながらピッタリと寄り添っていた。
今、彼女たちが居るのは南米アマゾンの奥地、そこで探し当てた古代遺跡の正面に
ある出入口の中・・・だが、その出入口の手前に広がる玄関前広場には約50名近
く居るであろう武装ゲリラ達が各々強力な銃器を手に、遺跡の中から二人が出て来
る瞬間を今か今かと待ち構えていた。
「もぉ〜、どォーすんのよメリー!このままじゃ私達って・・・」
「ちょ、ちょっと大声出さないでよキャット!そんな大声で喋ったら外の連中に聞
こえちゃうでしょうが!」
今の状況に怯える余り自ずと大声で彼女の名前を呼ぶ相棒を、何とか宥めようと苦
戦しながらも、脱出の手立てを必死で考えるメリー。
そう今やスゴ腕のトレジャーハンターとなった彼女メリーは、以前の優雅なゴスロ
リ衣装だった服装をスリムで機能性を重視したジャンプスーツに変え、加えて優雅
に束ねていた長髪も思い切ってバッサリと短くした事もあって、まるで逞しい少年
の如く精悍な姿へと変貌していた。
「よぉリトル・メリー!そこに居るんだろ!?居るんならサッサと返事しろよ!!」
外の中央広場から武装ゲリラの指揮官らしき男がメリー達に向かって大声で呼びか
けて来るのが聞こえた。
「カルロス!その声はカルロスね!?こんな所までご苦労さん!!」
「いやいや、どォーいたしまして御嬢様!へッへッへッ・・・それより御宝は見つ
かったのかい!?その分だと滅法デカい宝を掘り当てた様に見えるがな!!」
「アンタには関係ないでしょ!?第一見つけたのはアタシ達なんだからねぇ!!」
「そぉ〜は問屋が何とやらだ!こっちだって高い報酬貰ってだな、このクソ忌々し
いジャングルん中を突破して来たんだ!頂く物は頂いて帰るぜ!・・・ついでに
”お楽しみ”もな!・・・ヘッヘッヘッ。」
下卑た笑い声を交えながら呼びかけて来るカルロスの言葉を聞き、思わず下唇を噛
みながら遺跡通路の中から中央広場を睨み付けるメリー。
今、彼女が持つショルダーバッグの中には数々のトラップを必死で潜り抜けてたど
り着いた、遺跡奥の隠し部屋で見つけた伝説のエメラルド”チャチャポヤンの女神”
が妖しい輝きを放っていた。
「も、もう良いよメリ〜・・・今回は渡しちゃおぉ〜よ、その宝物。そうすればあ
の人達だって私たちの事を・・・」
今や完全に逃げ腰となったキャットが半泣きになりながらメリーに話しかける。
「それ本気で言ってんのよ!?そんな事したって奴等が見逃してくれるワケが無い
じゃない!ヘタすれば二人揃って慰み者にされて殺されんのがオチよ!!」
「だったらどーーすんのよっ!?今だって充分アブないじゃない!!」
今にもパニックを起こしそうなキャットの喚き声を聞きながらメリーは、今居る場
所から何とか脱出できる方法は無いかと思案し始める。
しかし手持ちの弾薬は底を底を尽き始め、オマケに自慢(?)の山刀も派手に振り
回し過ぎた為か刃毀れを起こしボロボロとなっていた。
「でもさァ・・・そう悪い事ばっかじゃないと思うけどネ♪」
「エッ?なんか良い方法でも思いついたの!?」
彼女の言葉に少し表情を明るくするキャットの質問にメリーは、取り出したリボル
バーの弾倉を開いて見せながら答えた。
「残りは三発、アンタと私とで丁度お釣りが・・・」
「縁起でもない事言わないで!!!アァ〜もうダメ、私達ここで死ぬんだわぁ〜。
きっとケダモノみたいな奴等に手篭めにされて・・・この身体を汚された挙句こ
の誰も来ないジャングルの中で人知れず死んでいくのねぇ・・・ヒぃ〜〜ン。」
メリーの話した投げやりな言葉を聞いたキャットが遂にパニックを起こし、まるで
滝のように大量の涙を流しながら今世との別れの文句をダラダラと話し始める。
「お父サマお母サマそれに神様キリスト様キリストの御ッ母ァ〜〜さァ〜ん!私は
不肖な娘でした。どうか先立つ不幸せをお許し下さ・・・・」
「もォォー、イィー加減になさい!!アンタのその”超!”が付くマイナス思考に
は流石のアタシも・・・頭・・・に・・・くる・・・・・・っ!」
メリーが延々と泣き言を喋り続けるキャットを怒鳴り付けようとした時、彼女の頭
の中で閃きが・・・。
「そうだ・・・そうだよ!私達にはまだ”奥の手”が有ったんだ!なぁ〜んだ、す
っかり忘れてたよぉ〜♪」
「ヘッ?お、奥の・・・手・・・ってナニ?」
彼女の言葉を聞いて泣くのを止め、キョトンとした表情になったキャットの顔を見
つめながらメリーは、いきなり甘ったるい猫撫で声で話し始めた。
「あのねぇ〜キャットちゅわ〜ん♪アタシねぇ、ヒトツお願いが有るのぉ〜♪」
「ナッ!何なんですか気持ち悪い!いきなりナニ言い出すんですか!」
メリーの突然の変わり様に思わずドン引きするキャット。
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜♪アタシお願いがあるのぉ〜♪」
「だから!そのお願いって言うのは何なんですか!?」
「だからねぇ〜、少しの間だけ外して欲しいのぉ〜♪・・・メ・ガ・ネッ♪ウフッ」
「じょっ!じょ、じょじょ冗ォォーーー談じゃないわヨッ!!!!!」
メリーの言う”お願い”を聞いた途端!キャットは顔を耳まで真っ赤にしながら、
これまで以上の勢いで怒鳴り始めた。
「何でいつもいつも最後の最後になると私のメガネばっか頼りにするワケぇっ!?」
「だから少しの間だけで良いから・・・」
「イヤァァーーッ!!イヤイヤイヤ絶ェーーー対に嫌ァァァーーーっ!!!」
断固としてメガネを外すのをキャットに業を煮やしたのか遂にメリーは、駄々を捏ね
るキャットに襲いかかるや強硬手段に出た。
「てぃッ!!神妙にしろいキャト助ぇ!!!」
「嫌ァァーー!止めてぇ〜、これ以上メガネ取ってたら私御嫁に行けなくなる!!」
「そん時はそン時!いざとなったらアタシが貰ったげるからぁ〜♪デヘヘ〜!」
「そんなムチャクチャなぁーーー!!!!」
メリーに馬乗りされながらもメガネを取られまいとして、必死に抵抗するキャットだ
ったが遂にッ!?
「エェーーイ!無駄な抵抗は止めてとっととメガネを取りやがれいッ!!!」
「イヤァー!神様キリスト様キリストの御ッ母ァ〜さァ〜ん!どうかお助けェ!!」
同じ頃、遺跡前の中央広場では・・・。
「おやおや流石の名コンビも解散の危機と相成ったのかな?クックックッ・・・」
遺跡の中から聞こえてくる二人の争う(?)声にカルロスは、不気味にほくそえみな
がら周りに控える部下達へ突入の指示を出す。
すると指示を聞いた武装ゲリラ達が遺跡の門に向かって一斉に行動を起こし始めた。
だが、いよいよ突入と言う時になった時に突如として、それまで中から聞こえていた
騒ぐ声が急に途絶えてしまう。
無気味な静けさが辺りを包み込み、ピーン!と張り詰めた緊張感が漂い始める中、ゲ
リラ兵達は思わず歩みを止め仲間同士で顔を見合わせながら場の状況を伺った。
「何ビビってんだ全く!相手は女のガキが二人だけだぞ!!サッサと中に入ってガキ
どもを締め上げて来いッ!!!」
カルロスの檄が飛ぶや否や出入口の一番近くに居たゲリラ兵4人が、静まり返った遺
跡の中へと足を踏み入れていく。
っと突然!遺跡の中から数発の銃声が轟き、何者かが踏み込んだゲリラ兵達と争う物
音が聞こえたかと思うと、すぐに途絶えて再び辺りを沈黙が支配する。
しばらくして遺跡の中から広場に向かって、何か大人の拳ぐらいの大きさの物が1つ
投げられるのが見えた。
それをカルロスの近くに居たゲリラ兵が思わず片手で受け止める・・・っが!それは
何と安全ピンが抜かれ”シュー!”という音を立てながら煙を上げる手榴弾だった。
「ばっ!バカモノ!!早く捨てんか!!!」
カルロスの怒声が飛ぶや、受け止めたゲリラ兵の手の上で手榴弾が爆発し、辺りには
黒煙がモウモウと立ち込める。
周囲のゲリラ兵達がパニックに陥る中、立ち込める煙に咽ながらもカルロスが顔を上
げると、その黒煙を掻き分けるようにして現れる人影が見えた。
それは燃え上がる炎を思わせる様な真っ赤な長髪にナイフの如き鋭い眼光を湛え、そ
して先に倒したゲリラ兵から奪った大型のB.A.R(ブローニング自動小銃)を両肩に担
いだ正に!野獣の如き女狂戦士の姿だった。
「よぉオッサンども!このワイルドキャットを本気にさせたわねェッ!!全員まとめ
て腹を括って覚悟しやがれィッ!!!」
彼女の雄叫びが遺跡中いやジャングル中に木霊し、その鬼迫に圧されたのか数で勝っ
てるはずのゲリラ兵達は完全に度肝を抜かれ中には、その場を逃出す者まで出る。
「にっ、逃げるなバカどもが!撃て!撃て撃てェ!!サッサと殺っちまえっ!!」
驚いたカルロスが声を張り上げて檄を飛ばす中、何とか踏み止まったゲリラ兵達が突
如として現れた女狂戦士に対して一斉に攻撃を開始する。
そして戦場と化した遺跡前の広場で数え切れぬ程の銃声が響き渡り無数の銃弾が飛び
交い始める中で”ワイルドキャット”は、そんな状況を物ともせず両腕に構えたB.A
.Rを乱射しながら向かって来るゲリラ達を次々と血祭りに上げていった。
「おぉ〜おぉ〜♪やってるやってるぅ〜・・・」
混乱に乗じて一足先にコッソリと遺跡から抜け出していたメリーは、少し離れた小高
い丘の上で今や修羅場と化した遺跡前の広場を丁度見渡せる場所にあった木陰に、ゆ
っくりと腰を下ろし、そこからゲリラ軍団を相手に心行くまで大暴れする相棒の孤軍
奮闘ぶりを眺めながら高みの見物を決め込んでいた。
「がんばれキャット♪しっかり〜。今夜のディナーは私の奢だからネェ〜♪」
【声の出演】
メリー・・・・斎藤千和
キャット・・・能登麻美子
カルロス・・・山路和弘
【音楽】byハンス・ジマー(;^。^)つ)))マテコラ!
っと言うワケで・・・
前回の”オマケ”を投下させていただきました。
でも・・・しばらくは”映画ネタ”ばっか思いついてますので
どうかご勘弁を>>ALL m(_ _)mヒラニ
メリーさん=ベッキー(ぱにぽに)か
ナイスチョイスだ
300や!!
「メリーさんを追う男」の前回は
>>284やさかいにな!
内容覚えてたら、そのまま次を読んでってや!!
・・・そういや、メリーさんを追う男って、誰のことなんや・・・!?
・・・麻衣が一瞬、意識が遠のいたような気がしたが、
いつの間にか電話が切れていたことに気づいた。
・・・今の電話の声は・・・、
学校・・・?
あたしが通ってる中学校の事・・・?
麻衣はためらっていた・・・。
今に至るまで、リーリトの能力をむやみやたらに使った試しはない、
極力、その力に頼らないようにしていた。
・・・だが、ここのところ、その使用頻度が極端に上がっていた。
気分が悪くなったのはそのせい・・・?
だけど、他に方法もない・・・。
意を決して麻衣は意識を学校に向ける・・・。
やっぱりそうだ・・・!
学校全体が感知できない・・・!
何かが麻衣の透視能力を干渉できないようにさせているのだ。
・・・範囲は信じられないほど広大だが、それはおそらくなつきちゃんが襲われたときと同様の物だろう。
あの、気味の悪い不審者とは、直接関係のない・・・?
なつきちゃんは、あの時、かっこいいい高校生くらいのお兄さんに助けられたと言っていた・・・。
・・・高校生くらいの男の人・・・?
さっきの電話の声も、それぐらいの年頃の人なんだろうか・・・。
麻衣のカラダがダイニングの椅子に力なく沈み込む・・・。
やっぱり、能力を使いすぎているのだろうか・・・、
くたびれた・・・。
今、何時・・・? でも、・・・行かなきゃ・・・。
麻里ちゃんや・・・絵美里ちゃんが危ない・・・。
きっと今回は予知能力も働かないだろう・・・。
でも、ママや、レッスルおじいちゃんにも、二人の事はよろしくと頼まれてるんだし・・・、
あたしがなんとかしなくちゃ・・・!
麻衣はけだるいカラダを無理に立ち上がらせ、
勇気を振り絞って、制服姿のまま自らが通う中学校へ向かった・・・!
一方、麻里と絵美里の状況はどうなっているだろうか?
少し時間を遡って見てみたい・・・。
夕飯の食材や、日用品を買って帰ったところまでは、麻衣の透視したとおりである。
彼女たちは、紅茶を入れて夕飯の調理方法を二人仲良く検討していた。
そこに一本の電話が入ってきたのである。
・・・スティーブから・・・。
電話に出たのは絵美里だ。
「はぁーい? スティーブ元気ぃ?」
「あ・・・、すみまセン、エミリーさんですね、
実はトンでもないことがわかったのデース・・・!」
「・・・トンでもないこと?」
「そぅデス、私は今、○○町に来ていマス、実はこの町にアイツが潜んでるみたいなのデス・・・!」
「うっそぉ・・・!! それってあたし達が住んでる町よ!?」
「オーゥ!? 何て事! もし近くなら出られまセンか!?
電話では詳しく話せないのデス・・・!」
さすがに、それは麻里&絵美里は渋ったが、
正義感の強い彼女たちは、スティーブの誘いを受けることにした。
待ち合わせ場所を決め、電話を切る。
麻衣ちゃんは、今、学校だから、
あとで連絡をしておこう・・・。
二人は身支度を整え、街道沿いのファミレスへと向かった。
・・・スティーブはよくファミレスを使うらしい、
そんなことはどうでもいいのだけど・・・。
それより、落ち着いていれば、いや、または現代社会に慣れていれば、
彼女たちは一つの不思議な事実に気づく事が出来ただろうか?
携帯にスティーブの連絡先を入れたのは彼女たちである。
だから、携帯に彼の名前が表示されるのは不思議はない・・・。
だが、何故、スティーブが彼女達の電話番号を知っていたのか・・・。
二人は最後まで、それに気づかなかった・・・。
「スティーブ!」
ファミレスの店内で絵美里達はスティーブの姿を見つけた。
「あ、あ、エミリーさん、わざわざ済みまセン・・・。」
おどおどしながら、スティーブは絵美里の姿を見て嬉しそうに微笑む・・・。
実年齢より若く見える百合子のカラダは、若いスティーブにはさぞ魅力的に映るだろう。
・・・ちなみにスティーブは、
目の前の女性が、中学生の娘を持つ既婚の人妻だとは夢にも思っていない。
自分より少し年上の大学生かOLぐらいにしか思っていなかった。
百合子がまだこのカラダの主人だった頃は、ジーンズか膝丈のタイトスカートがメインだったが、
二人がこのカラダに住むようになってからは、
主に透け感のある白のフレアースカートを好んではくようになっていた。
麻里が主導権を握っているときは、
トップスはカラダに吸い付くキャミやカーデガン・・・いわゆるフィット&フレアーファッションが多い。
絵美里はゴテゴテした素材の粗いものや、重ね着スタイルが好きなので、
自然とカジュアル色傾向が強い。
そんなわけで、今は編地の厚いフレンチスリーブの下に、
袖口がゴムになってる七部袖のハイネックカットソーを着込んでる。
・・・そしてフリンジのついた重そうなストールをぐるぐる巻きつけた格好だ。
「・・・で、トンでもないことって何!?」
今回も絵美里は単刀直入に聞く。
まだ注文もとってないのに・・・。
実は、スティーブは「今日もお綺麗デスね・・・!」と言おうと思っていたのだが、
完全にタイミングを外されてしまった・・・。
・・・このエロ外人め!
「じ、実は、私の友人のメリーさんが、また恐ろしい情報を掴んできたのデス・・・!」
「例の、いやらしい女の人から・・・!?」
「あ・・・や、まぁ、そんな・・・、そ、それで、相手は中学校の先生だったそうデスが、
宿直の番に、校舎で背筋が凍るような笑い声が聞こえたと言うのデス・・・!」
それにしても・・・、今日子の相手は、宣教師だったり警察官だったり教師だったり・・・、
この国のモラルはどうなっているのだろうか?
「・・・学校・・・?」
「ハイ、その先生の言うには、守衛さんもその声を聞くとの事で、夜の間だけなんだそうデス・・・。
でも、校舎を見回りに行っても、いつも何も見つけられナイ・・・。
だから、学校の外から聞こえてくるのかもしれナイけど、
それだったら、実際、警察に住人が通報したりスルだろうから、
やっぱり、学校の中なのかもしれナイと・・・。」
「・・・中学校ってどこの学校なの・・・?」
「この近くデス・・・、場所は調べて来ました。
私はこれから行ってみようと思うのデス・・・!」
「・・・まさか、麻衣ちゃんの・・・。」
「ハ? 今、なにかおっしゃいまシタ?」
「ううん、・・・こっちのこと! それより場所を教えて!?
あたし達も行ってみる!!」
あたし達・・・。
絵美里の決断は、麻里と相談した上での事だった・・・。
麻衣の友人のなつきちゃんが襲われそうになったこと、
この町付近に事件が集まり出した事、
そして、未だに警察に見つからない事、
等を考えると、学校みたいな所に潜んでいる可能性は高そうに見えたからだ。
・・・それに夜の間だけ、そこに潜んでいるならば、麻衣が気づけないのも当然だ。
そして、麻里がしっかりしてるとは言っても、あくまで絵美里に比べたらの話である。
自らが殺された事のある経験、魔女フラウ・ガウデンとの邂逅、
Lady メリーとして数多くの修羅場をくぐり抜けた過去・・・、
それらが麻里から「恐怖」という感情を喪失させていたのも確かだった。
だが、今や彼女達にはLady メリーのような武器も力もない・・・。
果たして、今の状態で、あの恐ろしい殺人鬼の待ち構える場所に行って、
二人・・・いや三人は無事に生きて帰れるのだろうか?
日が沈み、完全に夜空が暗くなった時、彼女たちは目的の中学校の前にいた・・・。
「・・・この学校は、やっぱり麻衣ちゃんの通ってる中学校・・・。」
麻里と絵美里は、閉ざされた学校の門から、校庭と、そして三階建ての校舎を見上げてつぶやいた・・・。
☆ ほな、またな!
スティーブ!!
wktk
307 :
ピー術師 ◆lrx2MXizyY :2006/10/04(水) 01:26:49 ID:rBPpCfoV0
はーはははははは!
GJGJ!
じょせふぃーぬ店長
「ピー術氏さんキターッ!!」
がちゃ・・・
デリヘルメリー
「・・・たっだいまですー・・・!。」
じょせふぃーぬ店長
「あーら、メリーちゃん、お疲れ様っ!
・・・今日のお客さん、どうだったぁ?」
メリー
「ん〜、悪い人じゃなさそうだけど、ヤボったいな、
・・・終わってから、ベッドの中で話してくれた怖い話は面白かったけど・・・。」
じょせふぃーぬ店長
「・・・ランクはBくらい?」
メリー
「今日のところはねー?
でも聞いて聞いてー? その人、中学校の先生のくせに、
JKコースであたしに制服着せたんだよぉ?
・・・世も末だょ・・・、
ん? ・・・店長、何見てんの?」
じょせふぃーぬ店長
「ああ、これね、ヒマだったから、
ちょっと2chに書き込みを、ね。
・・・でJKコースの調子はどう?」
メリー
「ちょっとその気になれるかも・・・?
今日なんか、『メリー!? お前はこんな問題もわかんないのか!?』
て、ゆーから、
下向いて、『は、はい、わがりません・・・』 ってあわせたのね、
そしたら、『メリー、・・・この中に脳味噌がはいっているんだろ? ちゃんと考えるんだ!』
『せ、先生? あの、そ、そこは頭じゃありませんっ!』・・・て。」
・・・カチャカチャ・・・書き込み・・・。
「 ぬるぬるネバーらんどでは、秋の新コースを開設いたしました!
お客様たちの強い要望の中から、女子校生コースができました!!
女の子の指名を問わず、どの女の子でも対応いたします(予約制)。
料金は今までと変わらない安心価格!!
制服はセーラー服(紺、白、水色)、ブレザー(紺、グレー)
リボン、スカーフ各種
ソックス(黒、白)、ルーズ
その他ベスト、セーター有り
7人のホットな女の子達が、貴方からの電話を待ってます!
『 ね ぇ ? 一 緒 に お 勉 強 し よ っ !!』 」
じょせふぃーぬ店長
「・・・営業、営業と・・・さ、送信。」
メリーさんで予約したいのですが
「ご予約ありがとうございます!
メリーちゃんは、ご指定のお部屋に着く前、
4〜5回お電話をさし上げて、だんだんとそちらさまに近づいていきます。
できましたら、お部屋の鍵を開けておいて下さいませ。
さもないと、お風呂場やトイレや、天井裏やら、
あらゆる侵入可能スペースからお邪魔することになりますので。」
(電話の向こうで・・・)
”あたしは『柱の男』かぁ!?”
”あーら? こないだ、狭いところで興奮したとか言ってなかった?”
”あ、と、トイレでやっちゃった時? ・・・そ、それはね・・・、いきなり閉じ込められて、さ・・・”
業者乙
土曜日に続き投下しますね。
314 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 23:04:51 ID:ynul3ayxO
>>313 では漏れは(日)に投下した方が良いですかな?
( ・_・)y-~~ウィ?
お好きなときにどうぞぉ!
☆ では行きます。
学校突撃!
学校の正門は閉められている。
スティーブは門に手をかけ、鍵の仕組みと、建物への入り口を確かめた。
絵美里はスティーブを横目に、正門と同じ材質で出来てる隣のノブつきドアを見つけ、
いともあっけなく開けてしまった・・・。
「あっ・・・、そっちは鍵が掛かってナイんですね?」
絵美里はヘヘンといった顔つきで中に入る。
まだ時間は7時だ・・・、職員も何人かいるのだろう。
教室らしき部分は、明かりがついてないが、1階の端にあるやや広めの部屋は明るい。
たぶん職員室だ。
他にも正面の奥の小部屋・・・守衛室?・・・からも明かりが漏れている。
真っ直ぐ進んでいけば、その部屋の前を通らざるを得ないようだ。
「・・・見つかったら、追い出されマスかね?」
スティーブの一言に、絵美里は一瞬考え込む・・・、
いや、麻里と相談したのだ。
”エミリー、あたしが出るわ!”
瞬間、百合子のカラダは硬直し、目を閉じたかと思うとあっというまに再び目を見開いた。
「エ・・・絵美里さん?」
スティーブの呼びかけに彼女は反応して振り向く・・・。
そして、軽く首を傾けてイタズラっぽく笑った。
「はじめまして、スティーブ、マリーと申します、よろしく。」
「!?」
鳩が豆鉄砲食らったかのようなスティーブのマヌケ顔、
まぁ、無理もない。
顔やカラダつきは勿論変わらないが、口調・表情・そしてカラダの動かし方全てに変化が現われたのだ。
「あ・・・あ、あ、あの?」
「昨日、エミリーが言ったでしょ? ・・・マリーと名乗る時もあるって。
私がマリーよ。」
二重人格?
スティーブの常識感覚では、そう考えるしかないだろう、
実際、当たらずとも遠からずだ。
麻里は、硬直してるスティーブを無視し、しゃなりと反転、入り口へ向かう。
ようやくスティーブは我に返った。
「い、いけまセン、呼び止められますヨ!!」
小声で叫ぶ彼に、マリーはスカートを揺らして振り返る。
暗がりでも白いスカートは目立つ。
「実はね、スティーブ、
私の『娘』がここの生徒なの、
もし、呼び止められたら、まだ、子供が帰宅してないので学校に残ってないか、心配で確かめに来た、
って言えばいいのよ。
あなたは私の友人ということにしてね?」
「ハ、ハイ、それはかまわな・・・
ええっ? 娘さんがここの生徒・・・って
エエエエエッ!? エミ・・・いや、マリーさん? 娘さんがいらっしゃるンですかぁぁぁ!?
しかも中学・・・、
ええ〜えええええ!?」
さぞショックなことだろう、めげるなスティーブ。
「マリーさん・・・あの、今、おいくつなんデスか・・・?」
マリーは眉をしかめた。
「Ladyに年齢を尋ねるの・・・?」
「ああ、ごめんなサイ、失礼しました・・・!」
実際、マリーもエミリーも年齢を聞かれたらどう答えていいかわからない。
また、百合子の正式な年齢は把握してるが、
彼女達の転生前の年齢は、今の百合子よりも全然下である。
・・・なので、それを上回る百合子の実年齢を言うのには抵抗があったのだ。
ゆっくり、校舎の中に入る麻里達・・・。
守衛室以外は暗いままなので、下駄箱付近ではお互いの顔もよく見えない。
脇の事務室兼受付のようなところはもう閉まっている。
守衛室は奥が当直室のようになっており、扉が開いていた。
・・・誰かいるかな?
見たところ、誰もいない。
麻里は部屋の中に声をかけてみた。
「あのー、」
静かだ・・・。
「すみませーん、どなたかいらっしゃいませんかー?」
返事はない・・・、
麻里はスティーブの顔をのぞいた。
「なんで誰もいないのかしら?
無用心じゃない?」
「巡回? だとしたら早すぎじゃないデスかね?
それか、単に洗面所か、職員室みたいなトコに用があったとか・・・?」
麻里は腕組みをして考える・・・。
首を傾けるのはクセだ。
「・・・しょーがない、いないならいないでいいや、
で、スティーブ、
もし、途中で職員の人とバッタリ出会ったら、さっきの話でよろしくね?
で、会話の合間を見て、例の奇妙な笑い声の件を聞いてみて?
それが不安で、わざわざ、学校までやってきた理由も強調できるし・・・。」
「お、オーゥ、その通りデスねぇ?
マリーさん、頭の回転がトテモ速いデス!!」
うふふっ!
麻里は褒められると単純に嬉しい。
微妙に歩き方がリズミカルになったようだ。
前を歩き始めた麻里に、後ろからスティーブが声をかける。
「それより、マリーさん、どうします?
校舎内を我々だけ調べますか?
それとも、明かりがついてる職員室で誰かに断ってから・・・?」
「・・・だって、校舎内を調べるったって、まだ何の手がかりもないんでしょ?
なら、誰かに聞いたほうが手っ取り早くない?
あなたの言ってるコールガールさんは、何て名前の先生から聞いたの?」
「さすがに名前まではー?
デスが噂にくらい、なってまセンかね?」
使えないヤツめ、だったら今日子にでも電話で聞いてみたらいいだろうに・・・、
教えてくれるかどうかはわからないが。
・・・二人は職員室へ向かって歩き出した。
といっても大した距離でもない、
20秒もかからないだろう。
・・・それにしても静かだ。
生徒はもう誰もいないんだろうが、教師達すらもう残っていないのか?
途中、水道の音らしきものがすぐそばから聞こえてきたが、ここはトイレのようだ。
誰かが使ったと言うより、定期的に流れる洗浄の水流だろう。
廊下は電気をつけておらず、薄暗い。
火災報知器の赤いランプや天井の非常出口を示す電灯だけだ。
行く手の左側の部屋から明かりが漏れてくる。
建物の外側からも見えた職員室だ。
・・・ここには誰かいるだろう、
二人は、ゆっくりと中を覗いてみた・・・。
さすがに明るい。
今まで暗い廊下を歩いていたので余計にそれを感じる。
教師達の机が並び、机の上には書類や教材が所狭しと散乱してる。
時々、きれいな机もある。
「・・・やっぱり誰もいなぁい・・・。」
麻里はつまんなそうにぶーたれた。
実は麻里も絵美里も学校と言うものに通った事がないので、こういった場所には憧れを抱いていた。
普段、街中を歩いていても、学校を見るとついつい、校庭や音楽の授業に注意をそそられてしまうのだ。
一方、スティーブの胸中では「何かがおかしいのではナイか?」
と思い始めていた・・・。
外側からは他に電気のついた場所は見えなかった・・・、
なのに何故、誰にも会わないのか?
・・・その時・・・。
・・・二人の視界に小さな光が飛び込んできた。
窓の外だ。
校舎は”鉤括弧”型の建物で、職員室の先をずっと行くと、途中で折れ曲がっている。
職員室の窓際に寄ると、その先の教室(特別教室)が見えるのだ。
今の光は、その教室から一瞬、こちらを照らしたようだった。
「・・・懐中電灯・・・、見回りに行ってたみたいデスね?」
「あたしたちのことも見られた?」
「どうでショウ? 光は一瞬でしたし・・・、
たまたまカラダの向きを変えたときにこっちを照らしたんではナイでしょうか?」
「・・・とにかく、今の人は警備か先生よね?
行ってみましょう?」
「ハイ、そ、そうしますカ・・・。」
スティーブは自信がなさそうだった。
外人の自分が、身内がいるわけでもない学校に訪ねて、職員に怪しがられないわけがないと、
内心ビクビクしていたのだ。
とはいえ、麻里の前で気弱な姿を晒すわけにもいかず、
やむなく先陣を切って、部屋を出て行こうとした。
リン・・・!
麻里とスティーブは後ろを振り返る。
たった今、誰もいないことを確認した職員室から金属音が・・・。
リリリリリリリリン!
電話・・・?
リリリリリリリリリン、リリリリリリリリリリン
二人は顔を見合わせる・・・。
こういう場合、部外者は電話にはでないものだろう、
だが、4〜5回目のコールの後、麻里は何も考えずに電話をとってしまっていた・・・。
「・・・もしもし?」
だが、その時聞こえたのは、忘れようのないあの、羊かヤギを思わせる乾いた声・・・。
その瞬間、麻里の背中にたいものが走る・・・。
『・・・メリィさぁぁんっ、見つけたぁっ!!』
☆ ・・・ああ、眠い。
とりあえず、こんだけ・・・。
326 :
ピー術師 ◆lrx2MXizyY :2006/10/07(土) 23:53:31 ID:dJhENeY30
GJGJ
ぅああ〜!!
れでぃサソGJですよ!!
>>326-327 ありがっとございます!
そして何気に今日も投下!
そしてさらに、いきあたりばったりはなおも続く!
未だに先の展開が決まらない・・・。
各場面のアイデアはあるが、どの順番でどうつなげるかがまったくわかんねぇ。
各キャラに勝手にセリフを吐かせてればなんとか・・・ならないかなぁ。
「ひゃぁっ!?」
あまりのショックに麻里は受話器を落としてしまう。
「ど、どうしまシタ!?」
慌ててスティーブが床に転がった受話器を拾い上げて、それを耳に当てる・・・。
ヤギ声のセリフはスティーブの耳にも同様に聞こえた、
「・・・メリーさんのいくところ、ぼくはどこでもついていく! ついていく! ついていく!!
アハハハハハッ ・・・いま、そこに行くよぉっ!!」
男のスティーブでさえ、あまりの気味の悪さに顔が青ざめている・・・。
電話はすぐに切れてしまったが、二人は顔を見合わせた。
「い、今のが・・・もしかシテ・・・。」
「こないだも家にかかってきたわ、今の声・・・、その時はすぐに切れちゃったけど・・・。
ねぇ、スティーブ、何て言ってた・・・?」
スティーブは受話器を置いて、自信なさそうに視線を落としてつぶやいた。
「・・・あれは・・・『メリーさんの羊』のアレンジかも・・・
音程はつけてなかったケド・・・。」
「? ・・・前もそんなこと言ってたわね?
その時は別の歌だったんでしょ?」
「・・・デスが直接聞いたわけではないので・・・、
それより・・・こっちに来るって言ってマシタ・・・!」
冗談じゃない・・・!
にわかに危機的状況が現実なものになってきた。
相手は電話先がこの学校だと知っててかけてきたのか?
偶然、いまこの時に!?
麻里はすばやく携帯を取り出して麻衣と連絡を取ろうとする・・・!
・・・その麻衣からメールがいつのまにか入っていた・・・。
時刻はちょうどスティーブと出会った頃だ。
・・・そういえばマナーモードにしてたっけ・・・。
メッセージの内容は、麻里たちを心配している内容だったが、
現状は、それよりさらに切迫したものである。
麻里は電話をかけた・・・。
・・・もっとも、この段階で絵美里のほうが興奮していたようだ、
”マリー! あたしが出る出る!!”
と譲らない・・・。
状況は絵美里も当然、理解してるので、ここで主導権をめぐって争ってもしかたがない、
麻里は素直にカラダを明け渡した。
・・・目をつぶった後、選手交代・・・チェーンジ!!
ちょうど、そのタイミングで麻衣が出る。
『・・・もしもし!?』
「もしもし! 麻衣ちゃん!? 連絡遅れてごめんなさい!
今、あなたの学校にいるの!
あのね? スティーブに呼ばれたんだけど、学校の中にあの男がねっ!?」
絵美里はそこまで言いかけて、電話先の麻衣の慌てぶりに気がついた。
『もしもし・・・絵美里ちゃん? 今どこ? 無事なの!?』
・・・まるでこちらの声が聞こえてないようなのだ。
「・・・? あたしの声聞こえる!? こっちは麻衣ちゃんの声がわかるけど・・・!」
ダメだ・・・! 麻衣にはこっちの声が聞こえてないらしい。
その後も絵美里は、自分たちが学校にいること、
そこにあのヤギ声の男が近づいてる事を受話器に向かって叫んだが、
やはり麻衣に聞こえてる気配はない。
やむなく絵美里は電話をあきらめた・・・。
・・・でも、麻衣ちゃんならあたしたちがここにいることを透視できるかも・・・。
それは普段なら十分考えれる事だったが、今、なぜか学校そのものが麻衣には透視できない状況にある。
もちろん、絵美里も麻里もそんな事は知らない。
・・・ただ、麻衣はその時、全く別のカタチで・・・絵美里達が学校にいることを確信していた。
奇妙な電話の混線・・・、
偶然じゃない・・・なにか想像すら出来ない誰かの意志を感じて・・・。
だが・・・、いま、絵美里達はもはや麻衣に知らせるどうこうの段階ではない。
とりあえず、校舎内にいるさっきの見回りの人と合流しよう・・・、
人が多くなればそうそう、襲ってこないだろう。
受話器を置いた絵美里に、スティーブが不安そうに話しかける・・・。
「マリーさん、・・・今の電話は娘さん・・・デスか?」
彼女は首だけクルッ・・・と上げて、
「ごめんね、あたしエミリー! またチェンジしたの!」
「エ、エエエエエッ?」
そろそろスティーブの性格にも慣れてきたので、からかってあげたい所だが、もうそんな余裕はない。
絵美里は何か武器になるものはないかと、職員室全体を見回し、
恐らく数学の教師のものと思われる机から、鉄でできた授業用の直角定規を掴んだ・・・。
長さは一メートル・・・、何故、そんなものを選ぶのか・・・?
絵美里はほとんど意識してはいなかったのだが・・・
やはり、メリーだったころの記憶だろう、
まるで鎌でも持つかのように、定規の長いほうの端を両手で掴んでいた・・・。
「スティーブ! さっきの懐中電灯の人はこの階の奥よね?
行って、今の電話の事、話そ!!」
有無を言わせずスティーブの手を腕を引っ張る。
・・・強引に人妻に引きずられて、スティーブに逆らえるわけがない。
彼はそのまま、後ろについていく形で職員室を出た・・・。
「・・・こっちよね!?」
絵美里は一度立ち止まり、スティーブの手を放す。
その視線は廊下の奥に向けられたが、あの懐中電灯の光は見えない・・・。
電話してる間に階段でも登ってしまったのだろうか?
大声をあげてもいいが、万一ヤギ声の男にも聞こえたら・・・。
「・・・スティーブ、前、歩いてよぉ!」
「わっ、私がデスかぁ!?」
「あったりまえでしょ! ホラ早く!!」
・・・廊下には非常灯の明かりと、校庭の外からの街灯の光が薄く差し込んでいる・・・。
教室の扉の窓によって遮られる部分もあるので、歩いていると、
カラダが明るく照らされることもあれば、陰に溶け込んでしまう場合と交互にやってくる・・・。
それにしても、さっきの懐中電灯の人はどこにいったのだろう?
もし、この階にいなかったら、二階に昇るべきだろうか・・・?
そう思ってる間に、二人は廊下の角にまで到達していた。
このまま左に曲がれば、先程の光が動いていた特別教室のはず・・・。
☆ 電撃氏、後は任せた!
「もしもし私メリーさん。今、貴方の家の近くに居るの。」
夕闇が迫り夜風が木々を揺らす音と共に無邪気な少女の声が、薄暗い森の
中で静かに響いた・・・。
そこは湖畔に立つ二階建ての白い家を囲む様にして広がる森の中、その森
の白い家が見える場所に少女が一人・・・優雅なゴスロリ衣装を実に纏い
片手には携帯電話・・・。
そして今宵、その白い家の主・・・地元の検事局では野心家と知られるエ
リート検事・・・その男が彼女の”獲物”だった。
「もしもし私メリーさん。今・・・」
彼女は尚も冷酷なまでの無邪気さを湛えた微笑を浮かべながら携帯に向か
って呼び掛け続ける・・・っが、しかし
『何か御用ですか?お嬢ちゃん・・・大変申し訳ないが今この家の主は取
り込み中なのだよ。』
通話口に出たのは幾分か年配の男性・・・だが、その声を聞いた途端、彼
女の顔から微笑が消える。
それは少女にとって、その声は聞き覚えのある声・・・忘れたくとも忘れ
る事の出来ぬ声だったからだ。
「知ってる・・・私・・・貴方の声知ってる!」
『今晩はメリーお嬢ちゃん。私の事を覚えててくれて有難う・・・とても
嬉しい限りだ。それに君の声を聞くのは随分久し振りになる。』
「何故なの?・・・何故、貴方がそこに居るの!?答えなさい”H”!!」
『おや何か気に障る事でも?いや実を言うと今夜ここの主の為に私が”晩餐
会”を開こうと思ってね。それで準備をしている真っ最中なのだよ。』
穏やかな口調で、それでいて淡々と語りかける”H”の声はメリーの耳を通
して、その心の奥へと響いていく。
彼”H”が、どんなに彼女の事を気遣って優しく語りかけようとも、その声
の中から滲み出す”狂気”は拭い去れなかったからだ。
「何・・何を・・”H”!そいつは・・・そこの主は私の”獲物”よ!!」
『ならば君も、ここに来ると良い。今なら君の分の席も用意できるよ?』
「お断りよ!そんなの・・・そんな手に乗るもんですか!!」
『それはまた心外な事を。私は、ただ今夜の”晩餐会”に君もお誘いしてる
だけなのだよ?なにせ、とても珍しい事だからね・・・また君とこうして
御話ができるということは・・・。』
物静かで、それでいて饒舌に語りかける”H”の声から紡ぎ出される”純粋
な狂気”は、いつしか電話回線を通して彼女メリーの精神(こころ)と魂を
、まるで酸の様にジワリジワリと侵食していく。
「分かってる!分かってるのよ私・・・貴方の正体!貴方が何者で・・・」
『おっと失礼。どうやら今夜の”来賓”が目を覚ましたようだ・・・君とは
もっと御話をしたいのだが、そろそろ準備を済ませなければ。』
メリーの言葉を遮り強引に会話を終えようとする相手に対し気持ちの治まら
ぬ彼女は、しぶとく食い下がろうとするのだが。
また住宅周辺を捜索していたSWAT隊員が、犯人に囚われていたと思われるF
BI所属の女性捜査官を発見し無事に保護した。
加えて彼女の証言により以前から検事局、及び政財界との癒着が噂されていた資
産家が所有する大牧場を捜索したところ、その敷地内に有る牛舎にて使用人数名
とともに当の資産家が死亡しているのが確認されるも、その遺体は氏が所有して
いたと思われるイノブタによって食い散らされていた為に鑑識は、その死因を特
定するのは困難との見解を示した。
今回の、この凄惨な事件の犯人でありFBIでも最重要指名手配犯として本部に
登録されている連続殺人鬼ことH・Lは現在も逃亡中であり、しかも犠牲者の一
人であるエリート検事の切り取られた前頭葉が現場はおろか、その周辺でも発見
することが出来なかったのは犯人の俗称が”人食いH”と呼ばれていた事からも
、その理由は自ずと察することが・・・。
”ポ〜ン♪”『本日はJ○L国際線を御利用いただき有難うございます・・・』
その機首を少し北東に向けて飛ぶ旅客機747の機内に穏やかな女性の声でアナ
ウンスが流れる中、そのエコノミークラスに座る乗客の一人、左手首にギプスを
はめ包帯で幾重にも巻いた初老の紳士が手荷物の中から何か、ゴチャゴチャとし
た小物を詰めた箱を一つ取り出した。
その中身は・・・キャビアやフォアグラといった高価な食材の缶詰、そして鮮や
かな色彩のセロファンや包み紙で包装されたチーズやクラッカーといったスナッ
ク類の詰め合わせだった。
『また君とお話が出来て、とても楽しかったよ。バイバイ、メリー♪』
「待って・・・待ちなさい!まだ話は・・・待ちなさいハンニ・・・っ!?」
何とか”H”引き留めようと携帯に向かって大声を出すメリーだったが、叫び
ながら目線を再び白い家へと向けた瞬間!彼女は思わず声を飲み込んだ。
なぜなら、その家の一階の隅にある窓からメリーが今、その身を潜ませる森を
見つめる者が居る事に気付いたからだった。
それは初老の男性、それも少し小柄でありながら、ガッシリとした体格を持つ
白髪混じりの紳士がメリーに向かって微笑みかける姿だった・・・。
”見ていた!?まさか私の居場所が・・・”
今ならば、すぐにでも家に飛び込んで行けば”H”に横取りされる事なく自分
の”獲物”を横取りされずに済むかも知れない。
だがメリーには、そんな勇気も力も有ろう筈がなく今は風が一段と強く吹き始
めた森の中で言い知れぬ恐怖に、一人その身をガクガクと震わせていた。
そう今や目の前に建つ白い家の中は、彼女にとって決して足を踏み入れる事の
出来ぬ世界へと変貌しつつあったからだ。
その身体の内に不浄なる魂を宿した本物の”魔王”が統べる世界へと・・・。
そして明け方近く、FBI本部に掛かって来た一本の電話により急行したFBI
並びにSWATの合同チームが現場となった住宅へと突入し、そこのキッチンで
住人であるエリート検事を発見するも彼は頭部を切開され、その脳の前頭葉の殆
どを切り取られた状態で放置され既に死亡していたとの事。
すいませぬ!!>>ALL
気がつけば(3)を抜かして投下してしまいましたm(_ _)mスミマセヌ・・・
読みにくいのは、どうかご勘弁を・・・
では残りは後日・・・
すると、それらの品が余程珍しく目に映ったのか年の頃は4,5歳ぐらいの、お
洒落に着飾った東洋人の少女が一人、不思議そうな顔をしながら紳士の側へとや
って来るのが見えた。
「おやおや、これはまた可愛いお客様だ。何か御用ですかな?」
少しおどけた口調では有ったが紳士が穏やかな物腰で少女に挨拶をするも、彼女
の関心は彼の前に置かれた詰め合わせの箱へと向けられていた。
「これかね?これは私のお弁当だよ。どうも機内食とか言うものは何とも好きに
はなれなくてね。それで、こうして自分の為のお弁当を用意したんだよ。」
そう語りかけながら紳士は、にこやかな微笑を絶やすことなく詰め合わせの中身
について少女に説明し始めた。
「でも大抵の人は子供の時に親から、こういって叱られたはずだ。”好き嫌いを
してはイケません!”とね・・・お嬢ちゃんのママはどうかな?」
彼の質問に少し考え込んだ後に少女は、やや躊躇いがちに小さく頷いた。
「フフ・・・やはり君も言われたみたいだね。だが困った事に私はね・・・好き
な物を我慢することが出来ないのだよ。」
そう言うと紳士は鋭く光る紅い瞳で少女の眼を真っ直ぐに見据え、それに驚いた
のか彼女は怯えた表情を見せながら少し後ずさりをする。
「おっとっと、これは申し訳ない。こんな素敵なLadyを怖がらせてしまうと
は、何とお詫びをして良いやら・・・。」
怯えた少女を見て少し慌てた様子で紳士は、彼女に頭を下げて謝罪した。
「ではお詫びといっては何だが、このお弁当の中から君が選んだものを一口ご馳
走することにしようか。さぁ好きな物を選びなさい。」
そう言いながら紳士が詰め合わせを差し出すと、それまで怯えていた少女の顔に
再び笑顔が戻った。
どれもこれも珍しい物ばかりなのか詰め合わせの品々を彼女が一つ一つ眺めてい
ると、その中で小さなタッパーに盛られた奇妙な物・・・例えるなら雲丹(ウニ)
に似た”何か”へと少女が興味を示した。
「これが良いのかね?では早速・・・」
彼女の希望に答えて紳士はタッパーの物をスプーンで一すくいすると、それを少
女の口元へと運んだ。
「初めての経験というのは、とても貴重な事なんだよ。ほら、アーンして。」
そうして彼女がスプーンに乗せられた物を、ゆっくりと頬張った時である、紳士
が座っている座席から9,10列目ぐらいは後ろの席から別の少女が一人、口元を
押さえて”ウッ!”と呻きながら立ち上がると、後方のトイレに向かって足早に
走っていく姿が見えた。
その様子を紳士が、それとなく伺いながら再び目線を前に向けると彼が差し出し
た”お詫びのご馳走”が余程に気に入ったのか目の前の少女が嬉しげに顔をほこ
ろばせているのが見えた。
「お味はお気に召したかな?」
「ウン。なんだかチーズみたい♪」
「それは良かった。さぁ自分の席にお帰り・・・君のママが心配してるかも知れ
ないよ。」
そう言って紳士が少女を送り出すと彼女は、少し残念そうな顔をしつつ彼に向か
って小さく手を振り”バイバイ”しながら自分の席へと戻っていった。
戻っていく少女の後姿を見送りながら紳士は再びタッパーの物をスプーンですく
うと今度は、それを自分の口元へと運んで静かに味わい始める。
「そうだメリーお嬢ちゃん・・・”ゲーム”は既に始まっているのだよ。フッ」
”ザァー!”という激しい水流音が狭い室内を満たす中、その意の中身を全てト
イレへと吐き出し、その場にうずくまる様にして膝を着く少女=普段着(?)姿
のメリーは苦しげにゼェゼェと息をしながら、まだフラつく足で何とか立ち上が
ると直ぐ横の洗面台の前に立ち、その蛇口から出る冷水を自分の顔に何度も何度
も浴びた後そのまま、ゆっくりと顔を上げ目の前の鏡に映る自身の姿を真っ直ぐ
に見詰めた。
「分かってる、分かってるよ”H”・・・もう始まってるんだよね・・・。」
そう呻く様にして呟くメリーの顔は、今しがた紳士=”H”が垣間見せた狂気の
戯れを目の当りにしたが為に、その時の恐怖からか今まで以上に蒼白となり、そ
の小さな唇をワナワナと震わせていた。
だがしかし、その眼光は以前にも増して鋭く、そして妖しいまでの輝きを放って
いた・・・それは、これから起こるであろう血も凍る様な惨劇に対し、決して逃
げたり目を背けたりしないと言う彼女の悲壮な決意を象徴するが如く・・・。
「だけどね”H”、ひとつだけ言わせてもらうわ。私この”ゲーム”・・・負け
る気がしない!絶対にね!!」
【声の出演】
メリー・・・久川綾
”H”・・・石田太郎
少 女・・・金田朋子
【音楽】byハンス・ジマー&クラウス・バデルト
今回は途中で投下する順番を間違えてしまいまして(3)と(4)が入れ替
わってしまったことを深くお詫びします>>ALL m(_ _)mコラエテツカァサイ・・・
>>れでぃ殿
今回も”また”思った以上に長い話になってしまいまして・・・
というか最近は何か他スレ向けでもSSを創ると何気にドンドン長い話にな
ってしまう傾向がありまして。(^h^)カンニンデシ
キャラを引き立てようとするとどうしても長くなる・・・。
あちきも同じですじゃ。
おいらの今やってるヤツも・・・最初の投下は8月か・・・。
終わりはいつなんだろう?
・・・つーか、いつのまにか、メリースレ開設一周年過ぎてたんだね。
ちょうど、わしがメリースレに立ち寄ったのが、ちょうど、九月末くらい?
初カキコが
「つづきは・・・?」
だったかな?
「私、メリーさん。今、あなたのアパートの前にいるの。」
窓から外を覗くと確かにアパート前の公衆電話にメリーさんがいる。
俺は急いで公衆電話に向かった。
ガチャ
メリーさん「わ、私メリーさん。今あ・・」
俺「あたぁっ!!」
メリーさん「わわわ私メリー・・・」
俺「経絡秘孔新伏免を突いた、一歩でも動いたら・・・ボン!だ。」
メリーさん「・・・・」
俺は部屋に戻った。
プルルルルル・・・ガチャッ
「私メリーさん。今あなっ・・あなっ・・・あわびゅっっ!!!」
北斗神拳は無敵だ。
祝!1周年www
346 :
Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/10/09(月) 22:54:57 ID:SPKoYxLo0
一周年記念なので、
よくわかんないけど、ニュー速にあったの貼っておきますね?
, ‐ ' "´ ̄ ̄ ̄ 丶、
, '´ _r─'´ ̄`ー-、_ ヽ
r‐ ''" ノ´ ※ ※ ヽ 丶
| ..::::-┴´ ̄` ̄` ̄`ー、_ `ヽ ヽ
Y'´ : : : : : : : : ヽ ※ ヽ '、
∧ / / : : : : l : :ゝ、 l. ',
/: : /: / :/ : l : : ヽ ※ヽ ',
l: : /: : /: : /: /: ハ : : :ヽ { '、
{: l!: :⊥、/: : /.:/. /|: : .l ヽソ ハ
.l: |l: :l :トリ_`ー':^/: {、 ヽ: : : | : : |_,..ィ'´ ̄
人:弋 じぇ、"´ 、 `丶、_ヽ.:l: /: : l|:. |
ム `ト `"'゙ '^ぅテォ-テ/./: /: /l.:..:.| mixiはお前の日記帳ですぅ!
∧ 八 , ヾジ /.イ: :/. /: .l : | 秘密にしてる事とか
/ こ}※ \__ トー‐、 __ ノ_ .イ//_:_:_l..| バンバン書いちゃえですぅ!
ノ 匸l/⌒ 、 )ヽ___ノ _ .. イ ̄※ ノ厂兀l.|
/ て/ ´ ヽ`三/ ┴、 / ノし }: : l|
/ (_{ }{"´ ヽ |〃_. イJ´ l: : : |
::/ /(\ _ ノ)ヽ___、._丿「 /勹 l: : : :|
{ /三\ / ヽ几_厂|/し、__兀r '" ヽ | : . : |
347 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/09(月) 23:05:05 ID:gWDNihavO
自分の事を"さん"付けしてるのが既にオカルト。
彼女たちの視界には、特別教室の入り口が映っている。
・・・扉は開けっ放しだ・・・。
そういうものなのだろうか?
多少の違和感を覚えつつ、もはや誰もいないのではと、
一応、確認のために中に入ると、
すぐに彼女たちは床に転がる一筋の光に気づいた・・・。
懐中電灯・・・? それが床に・・・!?
絵美里にもスティーブにも、それが何を意味するかすぐにわかったようである。
二人は薄暗い教室で顔を見合わせる。
暗さのためと、危険を感じるせいか、二人の距離は近くなった・・・。
スティーブには、互いの心臓の音さえも聞こえるように感じるほどだ。
絵美里が足を踏み出す・・・。
スティーブも男なのだろう、彼女の危険を案じて、左腕で絵美里の動きを制する。
そして、自ら、ゆっくりと光の正体を確かめようと歩き始めた・・・。
背中に絵美里の体温を感じる・・・ちょっと嬉しい。
だが、そんな余裕は数秒後には粉々になる・・・。
いくつかの机が邪魔だ・・・。
絵美里はスティーブの後ろにピッタリとくっついてる。
だんだんと光源に近づき、
・・・この机の向こう・・・ !
スティーブの足が止まった。
彼の顔には恐怖と驚愕が浮かび上がる!
絵美里にも見えた、
机の陰から二本の足が力なく横たわっているのを。
ほんの数秒だったのかもしれないが、二人の動きは止まっていた・・・。
絵美里が先に行動に出た。
・・・そうとも、絵美里・麻里・・・二人ともこんなもので臆するような過去は持っていない!
定規を握りしめ、いかなる角度からの襲撃にも備えられるように、カラダの力を抜き、
ゆっくりと、その「物体」の正体を確かめんと、机の下を見下ろした。
・・・そこには全身、血まみれの中年男性が・・・やはり滅多刺しか・・・静かに横たわっていた・・・。
絵美里はスカートを汚さないように、膝の後ろに手を入れてしゃがみこむ・・・。
暗くて判らないが、どうせ、床は真っ赤な血でいっぱいだろう・・・。
「エ、エミリーさん・・・?」
スティーブの声を無視して彼女は死体に手を当てる、
やはりまだ暖かい・・・たった今、殺されたのだ。
絵美里は自分に言い聞かせるかのように、・・・麻里にも語りかけるかのように、
声に出して一人つぶやいた・・・。
「・・・殺された時の声は聞こえなかった・・・、
背中に大きな傷がある・・・これが最初の一撃? そして致命傷?
あとは・・・動かない死体に向かってただ背中や顔を何度も何度も・・・
服には鉤裂きみたいな跡がある・・・。」
絵美里はそのまま、硬直している死体の手から懐中電灯をむしりとる。
直角定規を膝に抱えたまま、上体をひねりスティーブにそれを差し出した。
「持って、スティーブ。」
「あ、ああ・・・ハイ・・・!」
彼の手は震えていた・・・。
曲げた腰を戻した時など、足元すらふらついている。
しょうがないから、絵美里は立ち上がって、彼の腕を押さえてやる。
情けない話だが、先ほど職員室で絵美里に手を引っ張られた時と言い、
スティーブには、絵美里の指の感触が生々しく残っている。
・・・若干の快感と共に・・・。
それが、多少なりともスティーブの恐怖心を薄める効果を発揮していた。
「あ、あの、絵美里さん、警察に・・・。」
絵美里や麻里もそれは悩む所だが、既に死人が出ている以上、それを止める事も憚られた。
無言で対応する絵美里に、スティーブは持っている携帯で警察に電話をかけた。
・・・だが。
「・・・もしもし!? もしもし!? ヘァロー!? ・・・シィット!!」
絵美里は振り向いて眉をしかめる。
「・・・スティーブ?」
「・・・だめデス!! 何か雑音が酷すぎテ・・・ アンテナは三本立ってるノニ!?」
350 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/09(月) 23:42:50 ID:a3zESVuuO
先ほど、麻衣に携帯をかけたときと同様なのか?
何らかの原因で携帯電話が使用不可能になっている・・・。
どの道、麻里も絵美里も警察など当てにはしていない、
いや、冷静に考えれば、今度の事件を自分たちだけで解決できるわけもないのだが、
彼女たちにはどうしても「他人任せ」にすることができないのだ。
・・・いつも二人は悩んできた。
”エミリー、あなたはどう思う?
パパさんは優しいし、麻衣ちゃんもあたしたちに気遣ってくれる・・・、
でも、本当なら私たちは・・・。”
”わかってるマリー、
あたしだってそんな子供じゃない・・・!
それはたしかに・・・パパさんは好きよ、まるで本当のパパみたいに・・・、”
”あなたの気持ちもわかるわ、エミリー、
でもこのカラダはパパさんの愛しい百合子さんのカラダ・・・、
パパさんの愛してる百合子さんの顔・・・、
本当は・・・私たちと接する時・・・とてもつらいんだと思うの・・・。」
”・・・でも、でも!
じゃあ、マリー、あたしたちはどうすればいいの!?
あたしたちはどこにも行く事が出来ないのよ!!”
・・・そうして二人はいつも結論が出せないでいたのだ。
もちろん、家事はすすんでやるし、この三年間、本当の家族のように暖かい生活をしてきた。
・・・これ以上、自分たちは何も望むものなんかない・・・!
もし、百合子がカラダを返せと言って来たら、いつでも明け渡すつもりだ。
・・・あの人たちはそんな事は考えないだろうけども・・・。
だからこそ、伊藤親子の幸せを阻むものは絶対に許せない・・・!
いまや、絵美里も麻里もLady メリーではない・・・、
だが、今まで多くの邪まな者達を切り刻んできた記憶はある。
今、自分たちにできること・・・
「彼女」は武器を持つ手に力を込め、・・・確たる決意を秘して教室の出口に向かって歩き始めた・・・。
「「うぅ らぁ らぁ、・・・私は矛を取る・・・小さな家族を守るため・・・。」」
☆ 休み中はこんなとこで・・・、
また、週末には、一気に・・・。
予定ではヤギ声の男との第二種接近遭遇まで・・・!
では漏れは・・・その間に”キャッスルメリー”にでも乱入いた
しましょうか(;^_^)y-~~
こちらからの登場キャラは・・・見てのお楽しみ(ニヤリ)
って、そんなのナイナイ<(;^O^)ナハハハハ
マザーメリー
「クスクス、どぉぞぉ・・・でも、メリーさんじゃなかったら・・・
バッサリ行くわね?」
356 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/10(火) 14:04:02 ID:PJnhSl6vO
「私メリーさん、今あなたの家の前にいるわ」
ガチャ!
「メリーさん、おかえりー」
「な、なんで確認しないで玄関を開けるの!?」
「だってアイホンついてるもん!」
あかいくつー、はーいてたー、おーんーなーのーこー
(あ・・・あたしのこと・・・?)
こくじんさんにーいーれらーれーて
(え? え!?)
イーッちゃーったーぁ(高音・力強く)(低音・ドゥワップ調)
(////!!)
つーか、一スレに一回は書き込まれるよね?
同一人物?
360 :
344:2006/10/13(金) 20:12:59 ID:P+49hPTVO
俺は今回が初めて
一周年と聞いて思い出したんだYO
361 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/13(金) 23:40:47 ID:U5eIqKAf0
メーリさんのちつに!
ちつに!
ちつに!
かわいいなぁ♪
いきます・・・。
「エ、エミリーさん? どこへ!?」
慌ただしく携帯をしまいながらスティーブが後ろから追いつこうとする。
絵美里は・・・いや、もはや麻里とも意識は重なりつつあったが、
ゆっくり・・・そして振り返って小さく、はっきりした口調で言葉を発した・・・。
「戦うわ・・・、どんな理由からかは知らないけど、
メリーを狙ってる者がいるのなら、放って置く訳にはいかない・・・!」
「そんな!? 逃げまショウよ!
これ以上は危険すぎマス!
・・・いったい、アナタは・・・!?」
「・・・あなたは帰っていいのよ、スティーブ、
あなたは狙われる心配はないもの。
でも、私たちは・・・私たちの家族は違う。
この機会を失ったら、いつどこで襲い掛かかられるか全くわからなくなる。
・・・今しかないの。」
スティーブはすぐに何か言い返そうとしたが、一度、言葉を呑み込んだ。
そして、絵美里の言葉に納得したのか、興奮したまま覚悟を決めたようだ。
「いえ! 私にもトモダチのメリーさんがいます!
彼女を守るためにもヤツを捕まえないといけまセンね!」
絵美里はその言葉を聞いて、何も言わず前へ再び歩き始めた。
あせって追いかけるスティーブ。
「・・・で、でも、絵美里さん、怖くないんデスか!?」
絵美里は黙って廊下の曲がり角までで止まった・・・。
すぐ右手に二階に昇る階段がある。
踊り場だけ蛍光灯が辺りをうすく照らしている。
絵美里は職員室のある廊下と、この二階への階段を窺いながら、今のスティーブの問いに答えた・・・。
「怖い・・・? 死ぬことなんか怖くないわ・・・。
大いなる主の下に召されるだけ・・・今度こそ・・・。
でも、理不尽に他人の命や幸せを奪う事だけは・・・絶対に許せないの・・・!」
二人はゆっくり階段をあがる・・・。
特に物音は聞こえてこない。
スティーブは結局、絵美里の後について、せわしなく懐中電灯をあちこちに向ける。
踊り場でカラダの向きを変えると、二階が見えてきた・・・。
やはり廊下は暗い・・・。
ヤツはどこにいるのだろう?
すぐ先にある非常扉の後ろに隠れてやしないだろうな・・・?
そういえば、自分も昔、あそこに隠れてた事もあったっけ。
・・・二人とも意識して静かに歩いていたが、
どうしてもわずかな足音と、衣擦れの音は消すことが出来ない。
ヤツは音に敏感だろうか?
二階へと昇りきった・・・。
左後ろは三階への階段・・・前は左右に廊下がある。
左はやはり特別教室、右が長い廊下だ。
絵美里は一度、スティーブの懐中電灯を消させた、
ヤツから、こちらの存在がすぐに見つかってしまうからだ。
そして、絵美里はゆっくり、慎重に歩を進める・・・。
扉の後ろにはいない・・・。
開ける視界の中にも誰もいない・・・、
右にも・・・左にも・・・そして天井にも・・・。
さて、どちらに向かおう?
やはり特別教室をチェックしてから長い廊下に向かうべきか・・・?
その時、二人の耳に異音が聞こえた・・・上?
いや、辺り一帯から?
・・・キュイイイン
これは・・・スピーカー? 校内放送のノイズ・・・?
歌だ・・・あの乾いたヤギ声がスピーカーを通して歌を歌っている?
<メリーさん 塀に座った、 メリーさん 転がり落ちた!
王様のお馬を集めても! 王様の家来を集めても!
・・・メリーさん もう、再び動かす事はできない!!>
・・・放送はすぐに切れてしまったようだ・・・。
二人は顔を見合す。
「・・・スティーブ・・・今の歌って・・・。」
「聞いたことがあるような気がしマスね・・・。」
「ヤツは放送施設のある部屋にいるの?」
「・・・恐らくそうデショう、方向としては、正門側じゃないデスかね?
一階か二階か・・・。」
すると右側に向かうのが正しいのだろうか?
それにしても、なぜあの男は変な歌ばかり歌うのか?
・・・それも替え歌臭い・・・。
何か共通点でもあるのだろうか?
二人が薄暗い廊下を再び歩き始めた時、
絵美里は、足元から廊下の先に点在する白いゴミのようなものに気づいた・・・。
廊下の窓から差し込むわずかな光でもかなり目立つ・・・。
何だろう?
それと同時に、踏み出したつま先の下にも何か異物感を感じた。
「・・・きゃ・・・?」
「エミリーさん?」
無言で真下を見つめる絵美里は、硬直したままスティーブに頼み込む。
「・・・ねぇ、スティーブ、足元を照らして?」
ピカッ
光の束が廊下に走る、
すぐにその光は絵美里の足元を浮かび上がらせた。
そしてその瞬間、二人は息を呑み込んだ。
小さな顔・・・頭? 小さな生き物らしき死骸だ・・・、
まわりにヌルヌルした液体がまとわりついている、
これは胎児というか・・・いや、孵化する直前のヒナじゃあないか?
では、廊下の白いモノは卵の殻なのだろうか?
懐中電灯の光が再び廊下の先を走ると、やはり卵の殻らしきものが所々落ちているのがわかる。
そしてスティーブは呻くように言葉を搾り出した・・・。
「卵・・・? 歌・・・、さっきの歌は・・・もしかしてハンプティ・ダンプティ・・・!?」
☆ ではでは。
最近、色気が足りないのでオマケを置いときます。
若い男がラクダを連れて1人で砂漠を旅していた。
彼も若者、砂漠にいるとはいえ欲情するときもある。
しかし彼は1人、欲情を満たす相手もいない。
そこで彼はラクダを相手にすることを思いついた。
ラクダの後ろから近づき、怒張したモノを入れようとすると ラクダは前へトットット。
何度挑戦してもラクダは前へトットット。 彼は不満ながらも欲望を満たすことをあきらめた。
そして旅を続けていると、なんと前方にメリーさんが倒れているではないか。
「私、メリーさん、今、砂漠で倒れてるの。」
彼が女性に近づくと、メリーさんは「お水が欲しいの。」と言う。
見るとメリーさんは若くて魅力的、男は下心を抱きこう言った。
「オレの言うことを聞くなら水をやろう。」
メリーさんがうなずくと、彼は水を与えた。メリーさんがのどの渇きをいやすと、
男は興奮気味に言った。「では、オレの言うことを聞いてもらおうか。」
メリーさんが静かに「わかりました・・・」と言うと、男は言った。
「ちょっとラクダを押さえていてくれないか。」
・・・メリーさんは砂漠の武器、三日月刀シャムシールに手をかけた・・・。
おまけその2
若い男がラクダを連れて1人で砂漠を旅していた。
彼も若者、砂漠にいるとはいえ欲情するときもある。
しかし彼は1人、欲情を満たす相手もいない。
そこで彼はラクダを相手にすることを思いついた。
ラクダの後ろから近づき、怒張したモノを入れようとすると ラクダは前へトットット。
何度挑戦してもラクダは前へトットット。 彼は不満ながらも欲望を満たすことをあきらめた。
そして旅を続けていると、なんと前方にメリーさんが倒れているではないか。
「私、メリーさん、今、砂漠で倒れてるの。」
彼が女性に近づくと、メリーさんは「お水が欲しいの。」と言う。
見るとメリーさんは若くて魅力的、男は下心を抱きこう言った。
「オレの言うことを聞くなら水をやろう。」
メリーさんがうなずくと、彼は水を与えた。メリーさんがのどの渇きをいやすと、
男は興奮気味に言った。「では、オレの言うことを聞いてもらおうか。」
メリーさんが静かに「わかりました・・・」と言うと、男は言った。
「ちょっとラクダを押さえていてくれないか。」
メリーさんは「ラクダ」と聞いて、何を勘違いしたのか、彼の股間の大きなコブを凝視した。
「これ・・・ですね。」
「あっ、ちょっ!?」
彼は予想外の事態に身をよじるが、メリーさんは言われたとおり、真剣な表情で彼の股間を押さえ続ける。
メリーさんは大きな瞳を瞬かせて「これですね? これですね?」と連呼する。
メリーさんは表情一つ変えず、男の果てるのを、砂の上で正座しながら見届けた・・・。
そしてその間に、ラクダはトットットと去ってしまっていた・・・。
二人のこの後の運命や、如何に?
だれもなにもかきこみゃない・・・、連投は気が引ける・・・どうしよう・・・。
いいや、やるか・・・。
ハンプティ・ダンプティ・・・?
絵美里の記憶にもそれはある。
「それって・・・『鏡の国のアリス』・・・?」
「私も詳しくはありまセンが・・・そんな歌がありまセンでしたか?
・・・『不思議の国・・・』の方デシたっけ?」
二人ともそれ以上は追求できなかった・・・、
別にその歌がわかったからと言ってどうなるわけでもないし・・・。
スティーブは明かりを消し、足元の卵の殻を目印に二人は進み始める。
右手に教室が並んでるが、誰かいる気配はない。
卵は数メートル間隔で、ほぼ一定の割合で割られている・・・。
光で照らせばべとついた跡も確認できるだろう。
それにしても、こんな孵化直前の卵なんてどこで仕入れてきたのだろうか?
しかも何のために!?
そのうち、卵の殻はある部屋の前で途切れていた・・・。
顔を上げるとそこは教室ではない・・・「放送室」・・・。
ヤツはこの部屋にいる・・・!
二人は顔を見合わせた。
絵美里は直角定規を握りしめる・・・、
しかしこの定規は実際、武器として役に立つのだろうか?
スティーブは扉に手をかけた。
片手には懐中電灯を持っている。
中は電気がついていないので、もしいきなり光を浴びせれば、目を眩ませることはできるかもしれない。
二人は息を合わせ、互いにうなづきあう・・・
せーの・・・
ガラララッ!!
スティーブが電灯を部屋の中に向ける!
絵美里が槍のような素早さで前傾姿勢から突撃する!!
えぃっ! あ、あれ!?
・・・いない。
どこにもいない・・・。
スティーブが懐中電灯を、狭い部屋の隅々まで照らすが、ごちゃごちゃした機材だけで誰もいない・・・。
「・・・誰もいナイ・・・?」
絵美里は電気をつけた。
放送用の機材は使い方がわからない、
だが、いろんなスイッチがべっとりと濡れている・・・。
そういえば足元には例の卵の殻が散乱している。
だが、ここにヒナの死骸はない・・・。
「もしかして・・・孵化直前の生卵が・・・夕飯なのかしら?」
あからさまにスティーブが拒否反応を示した。
絵美里は麻里と「相談」しながら部屋を観察した。
どこから出てったんだろう?
廊下に出たのなら、暗いとは言え自分たちも判るはず。
窓・・・鍵が掛かっている・・・。
部屋の上部に通風孔・・・。
Lady なら十分通れる隙間だが・・・相手が成人男性なら絶対不可能だ。
スティーブは一度、部屋の外を確認した・・・。
もし、その辺にいて入れ違いになってたら・・・。
ガラガラガラバタァッン!!
何!?
絵美里が首を振り返ると、いきなり部屋の扉が閉められていた。
「スティーブ!?」
『うわぁぁぁああッ!!』
「スティーブッ! どうしたの!?」
廊下からスティーブの絶叫が響く、
ほとんど同時に何か、鈍く床を転がる音、争うような物音、
そして絵美里が扉に向かう直前・・・、
まさにその扉からも、ガチャガチャ音が聞こえた・・・。
扉が・・・っ?
開かない! ・・・いくら力を入れても、ガタガタ扉が揺れるだけで絵美里の力ではどうにもならない。
・・・そしてすぐ扉の向こうから気味の悪いあの歌声が・・・!
<ンェェェェ! 鍵を受け取り閉じこめろ! 閉じこめろ!
鍵を受け取り閉じこめろ! 僕の愛しいメリーさん!!>
この扉の向こうにヤツがいる!
だが、外側から鍵をかけてどうするつもりなのだろう?
絵美里は扉の隙間に定規を差し込むが、途中で何かに引っかかる。
・・・ダメだ、断ち切れない!
スティーブも心配だが、どうにかここから出なければ・・・!
絵美里はもう一度辺りを確認する・・・、
窓から出よう・・・!
窓は内側から鍵が掛かってるだけ、すぐに外せる!
絵美里は慎重に窓ガラスを開けた・・・、
身を乗り出すと、眼下に狭いが足場もある。
ヤツは扉を開けて襲ってこないだろうか?
先回りして隣の教室に待ち構えてたりしないだろうな?
・・・こういうとき、絵美里・麻里のコンビは便利だ。
一人が一つの作業に集中してる間、もう一人は別のことに気を配れる。
絵美里が足元と隣の教室へと、
そして麻里が後ろの放送室からあいつがやって来ないか注意、・・・完全に分業する事ができるのだ。
「・・・うんしょ、うんしょ・・・!」
絵美里は片手を壁にくっつけ、不恰好な仕草で隣に向かう。
万一、落ちても二階なら、捻挫ぐらいで・・・それとも、骨折くらいは覚悟するか?
”冗談はやめて”と麻里がわめく、
足が使えなくなったら勝ち目は全くない。
だが、どうにかそのまま隣の教室まではたどり着けた。
・・・問題は・・・やはり鍵が掛かっている。
どうする?
足場にうまく手をひっかけて、そのまま校庭に落ちれば、恐らく大したケガはすまい、
それとも、このまま窓を破壊して・・・!
”エミリー! やるわよ!!”
”・・・マリーならそう言うと思ったよ・・・。”
絵美里は直角定規を振りかぶる・・・!
ガシャァァン!!
二人ともLady の頃のノリを思い出している。
もちろん、スピード・体力・感覚機能・関節の動きなどはどうやっても再現などできやしない。
「あの頃だったらどう行動してたかな?」という記憶を頼りに動いているのだ。
ただ、行動の選択はやはり二人それぞれの性格がにじみ出る。
・・・いや、Lady メリーのころも、意識せずとも二人の性格は反映されていたのだ。
一見おしとやかだが、実は強気のマリー、直情的だが自由な発想をするエミリー・・・、
もっとも、エミリーはまだ子供・・・、それがこの後の猟奇的な恐怖に対応できるかどうか・・・。
・・・教室の中はやはり暗い、
ガラスの音は当然ヤツにも聞こえているはず。
だが、廊下への扉が開く事はない・・・。
まさかすでに潜んでたりはしないよな?
”ねぇ、マリー、やっぱり一度下に降りようよ?”
教室の静けさがマリーを冷静にさせた。
”・・・そうね、このまま廊下に出たら、狙い撃ちよねぇ?”
”それにすぐに上がっていけばアイツの裏もかけるよ、きっと!”
そうと決めたら、決断は早い、
絵美里はまたすぐ外に出て、一度、定規を口に咥えて、足場にぶらさがった。
ここから落ちれば安全・・・えいっ!!
どざぁッ!!
「あ、いたたぁ!!」
足とお尻に熱い痛みが走る・・・でも大丈夫・・・歩ける・・・いたた・・・。
一応、カラダは無事のようだ、
すぐに最初、入ってきた正門の下駄箱入り口から再び二階を目指す。
階段はここにもある。
慎重に階段を昇り、先ほどスティーブと離れ離れになった廊下を・・・。
ヤツはどこだ!?
廊下? それとも絵美里達が一度、足を踏み入れた教室に? それとも・・・?
・・・廊下には、
懐中電灯が無造作に転がってるだけだった・・・一筋の光を発したまま・・・。
ヤギ声の男はおろか、スティーブすらいない・・・!
いったいどうしてしまったのだ?
絵美里は慎重に歩を進める。
一歩、歩いては立ち止まり前後左右を確認する。
また一歩・・・。
放送室はもう、入る気はしない、
絵美里はゆっくり足元の懐中電灯を拾う・・・。
”マリー、どうしよう・・・?”
”私もどうしよう? さっきの教室は?”
”行くしかないか・・・?”
懐中電灯を再び消した。
もう、ヤツに気づかれてるんじゃないのか?
絵美里はそのままさきほどの教室の前に立ち、
扉を開けようとはせず、少し考え事をした・・・。
”エミリー・・・?”
”ごめん、マリー、少し気になることがあって・・・。”
”何を・・・?”
”さっきのあいつの歌・・・。”
”「メリーさんを閉じ込めろっ」て歌?”
”・・・うん、それもそうなんだけど、他にもハンプティ・ダンプティとか、メリーさんの羊とか・・・。”
”なにか判ったの・・・!?”
”あと、昨日、スティーブが言ってた「だぁれが殺した」って歌も全部そうなんだけど、
きっと、あれはナースリーライム・・・。”
”ナースリーライム・・・?”
”マリーの故郷ではなんて言うの? 日本ではわらべ歌、とか、
アメリカじゃマザーグースって言うらしいわ?”
”・・・ああ、それは聞いたことがあるわね、私の故郷では総称した言葉はなかったわ、
おとぎ話はいろいろあったけど・・・、でもそれがどんな意味を?”
”・・・ごめん、そっから先はあたしにもわかんない、
・・・ごめんなさい、マリー、気にしないでね、・・・じゃあ、扉を開けるよ・・・?”
・・・絵美里はしゃがんで、ゆっくり扉を開けた。
教室の扉はわずかな音が立つ・・・。
もし、教室の中にヤツがいれば気づかれるか・・・!?
・・・だが、反応はない。
そのまま扉を開けるが部屋の中は何かが動く気配すらない・・・。
先ほど、自分たちが割ったガラスが散乱してる。
手前にも、机の陰にも何もいない。
教壇の机の後ろには隠れる事ができそうだが・・・。
今のところ、誰かが隠れるとしたらそこだけか・・・。
絵美里はゆっくり立ち上がり、そのまま窓まで歩いていった。
まさか、あたし達の動きに気づいて、ヤツもまた、下に降りたなんて・・・?
麻里はその間、教壇を中心に、注意をおろそかにはしない。
もちろん、視線は絵美里の見ているものと共有せざるを得ないが、聴覚と空気の流れを感じる皮膚感覚、
床を伝わる振動などに万全の注意を払っていた。
チャリ・・・、
絵美里がガラスの破片を踏んだ。
そのまま窓の外をにらむ。
下にも・・・左右・・・上も勿論、いない・・・
”エミリーッ!! 後ろッ!!”
マリーが何かに反応を示した!
背筋の毛を逆立てながら、絵美里が戦闘態勢をとって振り返ると、
・・・?
”何よ、マリー・・・、誰もいないじゃ・・・”
いや、いる!
視界の端に・・・教室に入ってきた入り口とは反対側の入り口付近の机に誰か座っている陰が見える。
さっきは気づかなかったのに・・・!?
だが、それは動く気配はない・・・。
絵美里は恐る恐る懐中電灯を「それ」に向けた・・・。
・・・懐中電灯に照らされたのは・・・涼しい顔をした一人の「少年」だった・・・。
乙
ここも過疎ってきたな
ここな一日一回誰かがメリータソに中田氏して報告するという某スレで流行ったdat落ち回避方法で(ry
377 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/17(火) 09:05:55 ID:rpj2AI4/O
子供たちの歌声が聞こえる・・・
・・・でん とぅっく あん あっくす
・・・ーでん とぅっく あん あっくす・・・
あまりに過疎化が進んでるようなので、エールを送りに。
>作者のみなさん
おいらのようにROMってるだけのヤシも、まだまだたくさんいるはず。
書き込みが少ないからと物怖じせずにガンガン書いてくだちゃい。
>Ladyさん
孤軍奮闘に思えるかもしれませんが、大勢の援軍がROMっているのを忘れずに!
続きwktk。
>>378 ほ・・・ほんと!?
ありがと・・・うれしいわ・・・。
正直・・・反応ないと方向性に迷うのよね・・・。
ま、続きはまた土曜か日曜だと思うけど、待っててくださいませ。
「少年」〜麻衣ちゃんまで出すつもりですので。
誰かのレスに反応して、小ネタ書くかもしれないけど・・・。
>>376 なんか書こうと思ったがムリだった・・・。
なんかわしが書くと近親相姦しているようで・・・。
「嫌がる足を無理やり拡げ・・・」
で、カキコミ画面を閉じてしまった・・・。
380 :
126 ◆dNexSJi1ew :2006/10/18(水) 09:13:02 ID:2WoP+DIz0
僕もまだ見てますから!
がんばってね!ニヤリ
381 :
電撃・・・:2006/10/18(水) 14:31:56 ID:iOLb+vn20
漏れも現在・・・新ネタSSを執筆中ですので御安心(?)をば・・・
↓な感じの
「っで、頼んだ物は在った?」
カウンターに座る客に向かってマザーメリーが尋ねると、その客は脇に置いていたショルダ
ーバッグから翡翠で出来たミニチュアの壷のような物を取り出した。
しかも、その壷の蓋は凡字のような物が書かれた護符で厳重に封印されており、蓋の中央に
は消えかかった文字で”龍精”と書かれていた。
「これで良かった?・・・言っとくけどコレ見つけるのに苦労の連続だったのよ。」
「凄い・・・ホントに在ったんだ♪」
それを見たマザーメリーは思わず嬉しげな声を上げながら、その小壷を受け取ろうとする。
「流石!やるじゃないリトル・メリー♪やっぱアナタはトレジャーハンターの方が性に合っ
てたのよきっと♪」
「おっとっと!その前に・・・何か忘れてない?」
「分かってるわよ・・・これでしょ?」
その言葉を聴いてマザーメリーは、カウンターの下から綺麗に折りたたまれた古い紙片を取
り出すと小さな壷と引き換えにリトルメリーへと手渡す。
「それで何枚目?」
「モチ!これで最後・・・ハァ〜、これでやっと宝の地図が揃ったよ・・・。」
れでぃサソGJGJです
俺もいつも楽しみにしてますよ
ゆりこサソ好きな俺は舞チャソ話も嬉しい
SSは面白いけど如何せん
書き込みにくい雰囲気ではある
雑談してもいいんジャマイカ
ただいま、帰宅しました。
雑談、いいねぇ、そういや、硬く考えずに適当に・・・。
>>382 ありがっと! ご期待にそえるようがんばります。
>>381 きたぁ、マザーメリー出してくれるかぁ!!アニメ声でたのんます!!
>>380 あ〜い、あちきには萌えがないんで、パパなんか投下してぇ。
>「雑談、いいねぇ、そういや、硬く考えずに適当に・・・」 ・・・×
↓
「雑談、いいねぇ、硬く考えずに適当に・・・」 ・・・○
何を書こうとしてたんだ、オレ・・・。
書き手の皆様〜
あまりレス入れてませんが実は毎回楽しみにしています^^
続きをお待ちしていますよ〜
みなたまがんがってくれたまへ
うひゃははははははははははひはひひゃひゃはひひひはは
忙しくない時に超見てるから。マジでちょぉぉぉうじっくり凝視してるから。
388 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/20(金) 21:29:13 ID:BX1VigKOO
私、メリーさん、
今あなたのことを凝視してるの。
10センチからの至近距離で。
メリーさんがあなたのことを凝視しています。
どうしますか?
ニア ・両肩を掴んで布団に押し倒す。
. ・にらめっこの勝負を挑む。
. ・そっと抱き寄せてキスをする。
. ・「しゃぶれ!」
. ・両肩を掴んで布団に押し倒す。
. ・にらめっこの勝負を挑む。
. ・そっと抱き寄せてキスをする。
. ・「しゃぶれ!」
ニア ・ 華麗にヌルーして長時間放置プレイし、
泣き出しそうなところをそっと抱き寄せてキスする
391 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/21(土) 02:16:21 ID:0nv6DVWC0 BE:117573942-BRZ(1000)
. ・両肩を掴んで布団に押し倒す。
. ・にらめっこの勝負を挑む。
. ・そっと抱き寄せてキスをする。
. ・「しゃぶれ!」
・ 華麗にヌルーして長時間放置プレイし、
泣き出しそうなところをそっと抱き寄せてキスする
ニア ・釜を渡してお米を炊いてもらう
メリー「はじめちょろちょろなかぱっぱっ!!」
>>393 メリー「
>>393貴方誰?最近の釜は自動でホックリ御飯を炊いてくれるの。
出来たらお知らせしてくれるの」
通話時間概算:647585753667375分
395 :
釜メリー:2006/10/22(日) 04:04:46 ID:eBJaJ0SB0
私の釜に炊けないものはない
とりあえず二話だけ投下します。
夜には続きを出せると思いますが・・・。
えー、絵美里達が「少年」と遭遇したシーンからです。
では!
ついに絵美里達の前に姿を現わした「少年」・・・、
だが、もちろん、彼女たちはその「少年」の正体を知らない。
懐中電灯の光を浴びせられても、「少年」は眩しがるそぶりすら見せない。
ジーンズと白いフード付きトレーナーを着て、興味深そうに絵美里を見ているだけである・・・。
「あなた誰っ!?」
当然のことながら、絵美里は「少年」を警戒する。
こんな時間にたった一人で、暗闇の教室へ・・・。
しかも見た感じは高校生ぐらいだ、中学生という雰囲気ではない・・・。
この男の子が例の連続殺人犯・・・?
そう、思って片手で定規を構えると、ようやく「少年」は席を立ち上がって口を開いた。
「ハハ、おどかしてゴメンよ? キミに害意は持ってないから安心していいよ?」
ホッ・・・、安心できそう、かな?
この柔らかい声は、あの甲高いヤギ声ではない。
少なくとも変質者ではないようだ・・・。
改めて少年の顔を見つめているうち、麻里が絵美里を呼びかけた。
”エミリー、エミリー、そろそろいいでしょ? あたしと換わって!”
”・・・えっ、別にいいけど何で今・・・?”
その問いに答える間もなく、百合子のカラダは麻里が主人格となった。
麻里は定規をおろしてから、一度、服の胸元を正して少年に笑いかける。
・・・何かマリーの様子が変・・・。
「あ、あの、あなたは? ここの学校の人?」
・・・少年はすぐには答えず、教室の扉までゆっくり移動すると、入り口にある電気のスィッチをつけた。
あっ、そんなことをしたら、「アイツ」にすぐ・・・!
「・・・大丈夫だよ、今、この部屋はアイツに認識できちゃいないから。」
麻里も絵美里も、その少年の言葉の意味をすぐには理解できない、
だが、この少年がどうやら、この校舎の中の異常事態を理解している事だけは間違いないようだ。
麻里の近くまでやってきた少年、
緊張し気味の麻里に気を遣ったのか、かすかな笑みが爽やかだ・・・。
彼は思い出したかのように・・・、
「・・・ああ、僕かい? ・・・うんまあ・・・、この学校のモンじゃない、
じゃあ、なんでここにいるかと言うと・・・、キミ達とは別の理由で『ヤツ』を追っている・・・。」
麻里は改めて、まるで西洋絵画から抜け出てきたような、少年の優雅な顔つきに心を奪われる。
”・・・うわぁ・・・!”
”・・・ちょっと? マリー? マリーってば!?”
”ねぇねぇ? すっごぃかっこ良くない? エミリー、どう思う?”
”か、かっこいいかもしんないけど、マリー、い、いま、そんな事!?”
絵美里の指摘でようやくマリーは我に返った。
やっぱり・・・女の子だからねぇ・・・。
「あ、あの、それで、あなたは今、ここで何が起こっているのかご存知なのです?」
「うん、ま、大体は・・・ね。」
「では、教えてください! 一体、あの気持ち悪い声の男は何者なのですか!?」
少年は少し間をとってから、とぼけた表情を顔に浮かべた。
「・・・んー、身も蓋もない言い方すると、ただの頭のおかしくなった異常者だよ。
そうなった原因は・・・興味をそそられるかもしれないけど、
君たちはそこまで気をまわす必要はないと思うよ?」
ここで麻里は、少年の言い回しの奇妙さに気づいた・・・、「君たち」・・・?
まさか絵美里とカラダを共有してるなんて、初対面の人間がわかるはずも・・・、
あっ スティーブのことかしら!?
「えーと・・・、もしかしてそこの廊下で、外人の男の人を見ませんでした?
暴漢に襲われたかもしれないんですけど・・・。」
「ああ、彼なら助けたよ、今は一階の保健室にいるはずだ、
ただ、僕がそこを出てからは、彼が無事かどうかは保障しかねるけどね。」
「そうですかぁ、ありがとうございます、・・・とりあえずは良かったぁ・・・。」
・・・じゃあ、あとは、彼からいくつか情報を聞きだして、と・・・いろいろな情報を・・・ふふっ?
”もしもしぃ、まぁりぃ〜・・・”
”わかってるわよ、エミリー!”
「あのー、あなたはどういった方なんですか(できればまずお名前からぁ)?」
少年がその問いに口を開きかけた瞬間、麻里たちの耳に、早足で近づいてくる足音が聞こえ始めた。
タッタッタッタッタ・・・! この足音は小柄な・・・女性?
ガララッ!! 教室の扉を開けて現われたのは、制服姿の麻衣だ!
麻衣は息つくヒマもなく、麻里に向かって大声で叫ぶ。
「麻里ちゃん! その人から離れてっ!! その人・・・、人間じゃないっ!!」
なんか、このスレの上に
「本 当 に 人 間 か !?」
なんてタイトルがあるなぁ・・・なんか気になるなぁ・・・まぁいいや、
残り、行きます!
!?
麻里も絵美里も最初、麻衣が何を言ってるのか理解できなかった。
「その人が危険」とでも言われれば、素直に少年の近くから離れただろうが、
「人間じゃない」と言われても、目の前のその姿は・・・。
麻衣がここにやってこれたことには不思議はない。
聞こえていたのかどうか自信はなかったが、さっきの電話で伝えていたし、
緊急事態なら、麻衣の透視能力でこの場所も認知できるだろう、
それにいま、この教室だけ明かりがついている。
麻里はそこまでは判断できた。
だが、麻衣は何を感知してこんなことを言い出したのか?
彼が、「リーリト」のような人間の亜種だとでも言うのだろうか?
麻里は少年と麻衣の顔をキョロキョロと見比べる。
真剣な表情の麻衣とは対照的に、少年の顔は柔らかい笑顔のままだ・・・。
「麻里ちゃん、信じて! その人には・・・魂がない!
カラダは人間なのかもしれないけど、魂がない人間なんて存在できるはずがないの!
正体はわからないけど・・・とにかく危険なのよ!!」
ようやく麻里は麻衣の言いたいことがわかった。
確かに、こんなことを言われて、少年の表情に変化がないのはおかしい。
普通なら、否定するか、
さもなくば「何を言ってるかわからない」、とでもいうような対応をとるのではないだろうか?
・・・ようやく、麻里は事態を深刻に受け止め始めた・・・。
懐中電灯はもう必要ない・・・。
麻里は机の上にゆっくりそれを置き・・・、
一、二歩下がりながら、再び定規を両手で握りなおして、戦闘態勢をとる。
”マリー、大丈夫!?”
絵美里が心配するが、麻里はもう心を切り替えてる。
”大丈夫よ、エミリー、・・・勿体無い気もするけど・・・。”
”(・・・ほんとにだいじょーぶ・・・?)”
不安を隠せない絵美里を他所に、麻里は、先ほどとはうって変わった態度で少年に詰問した。
「・・・改めて聞きなおしますわ・・・、あなたは何者なんです!?」
少年はしばらく彼女たちのやり取りを興味深く見守っているだけだったが、
戦意を以って自分に対峙する麻里を今一度見つめると、
突然朗らかに笑い始めた。
「何がおかしいのですか!?」
「・・・アハハ、ごめんごめん、笑うのは失礼だよね?
ただ、リーリトとやらの力もそこまでか・・・と思ってね、
それに・・・麻衣ちゃんだっけ?
『人間じゃない』ってセリフは、この僕の目の前にいる女性が人形だった時に、
まさに今、彼女たちが間借りしているカラダの持ち主に向かって言ったセリフじゃなかったっけ?」
麻里と麻衣に衝撃が走る・・・!
どうしてそんなことまで・・・?
「・・・できれば私たちの最初の質問に答えては貰えないかしら・・・!?」
麻里は凄みを増した。
この目の前にいる少年は只者ではない、
それこそ、この学校の教師やスティーブを襲った男よりも、危険な存在かもしれないと思い始めたのだ。
「オーケー、わかったよ、だが、僕が何者かは、まだ言えない。
別にもったいぶってる訳じゃないよ、
君たちに理解させるのは時間が掛かるだろうと思うだけなんだ。
ただ、誤解は解いておきたいな?
まず、僕は君たちの敵じゃない・・・さっきも言ったよね?
それから、麻衣ちゃんは僕のことを『魂』がないなんて言ったけど、
それも間違いだ。
君たちが『魂』と定義するもの・・・それは僕にもちゃんと存在する。
君が言ったように、『魂』がない知的生命体など確かに存在しないだろうからね、
ただ、麻衣ちゃん・・・君の能力では僕の『魂』を確認する事が出来ない・・・
それだけの事なんだ・・・。」
超常感覚を有していない人間には、どう理解すべき説明なのか全く見等もつかないだろう。
話の次元は異なるが、
光のあるところで影のない人間など存在しない、
という話と同じぐらいあり得ない問題だと思ってくれればいいのかもしれない。
一方、ここまで自分の能力を見くびられた麻衣は心中ただ事ではない。
別に誰に自慢する気もなかったが、
かつてレッスルお爺ちゃんにも絶賛されたリーリトの能力が、
ここにきて不調なばかりか、こんなどこの誰とも知らない男に、一蹴されてしまったからだ。
「・・・何よ! 黙って聞いてれば言いたい放題!
なんで初対面のあなたにそんなこと、言われなきゃならないの!!」
麻衣が怒るのも珍しい、
だが、先ほどの自宅での不思議な体験や、今度の事で、
身体的にも精神的にも疲労が重なっているのだ。
感情の起伏が激しくなるのも仕方のないことである。
ここで、例のヤギ声の男に乱入されれば、一歩も動けずにその凶刃の餌食になるかもしれない。
今は、少年の「この教室はヤツに認知できない」というセリフを信じるしかないだろう・・・。
「ん〜、確かに君が怒るのも判るけど・・・、
君が入ってくるなり言った『人間じゃない』発言よりかは失礼じゃないと思うけどなぁ・・・。」
・・・そう言えばそうだ。
はたからでも分るように麻衣の顔は紅くなっていく。
「そ・・・それは、あの・・・ごめんなさい!
で、でもどういうことなの!
あなたはあたしの力を上回る能力者だとでもいうの!?」
興奮する麻衣を抑えようと、麻里がゆっくり後ろに下がる。
こういうときは、やはり彼女が、一番お姉さん役としてピッタリなのかもしれない。
少年はそんなことはどうでもいいようだが、麻衣をなだめるように話しかける。
「いやいや、能力の優劣の問題じゃないんだ。
・・・次元が違う、とでも言うのかな?
君もここのところ、自分の能力が完全でないことは気づいているんだろう?」
「あなた・・・まさか?」
「一応、これでも、君の友人を助けたりとか、友好的な態度を示したつもりなんだけどねぇ?」
「・・・じゃあ、なつきちゃんの言ってた高校生ぐらいの人って・・・、あなた!?」
「そういうことになるかな?」
そうなると、全て合点がいく。
あの時も、そして自宅から学校を覗こうとした時も、
そして今、このときも、麻衣の透視能力にはこの少年の姿が全く映らないのである。
しかも、彼本人だけに留まらず、その不覚視領域は、時として、触れた人間相手から、
彼が存在する建物一帯にまで拡大できるみたいなのである。
その反結界とでも言えばいいのか、その中に立ち入った今では、
再び透視能力は発揮できるようだが、相変わらず少年本人は探知できない。
・・・つまり「魂」を確認できないのである。
「もっと分りやすく言おうかな?
一般的に人間が認知できるものは、ほんの狭い領域だけだ。
例えるなら地を這うナメクジが前方だけしか見ることが出来ないように・・・。
ところがリーリトみたいな特殊な能力を持っている君みたいな子は・・・、
そうだな? その首を動かし、前後左右360度認識できるとしよう。
・・・でも、ここまでなんだ。
空高く飛んでいる鳥の姿を捉える事が出来ない、例え、その目に影を映すことが出来たとしても・・・。」
「あなたが・・・その鳥だとでもいうの? そんな・・・リーリトを上回る能力なんて・・・。」
少年は「やっぱり」とでもいうように首を振る。
「だからね、能力の優劣の問題じゃないんだ・・・、『存在する次元』が違うんだよ・・・。
あと、そうそう、僕は君たちと同じ人間だよ、少なくともこのカラダはね・・・。
だから君たちにも僕の姿が見えるわけなんだけどね?」
麻衣は余計に混乱してきた。
そこで、二人のやり取りを聞いていた麻里が、会話に参入する。
「では・・・あなたが何者かは知らないけど・・・、
その高校生ぐらいの男の子に取り憑いている・・・ということなのかしら?」
顔を麻里の方に向けた少年は言う。
「ハハ、自分の境遇と重ね合わせたかい?
でもね、僕は人間の母親から生まれたときからこのカラダに住み着いている。
取り憑いている、なんて表現はされたくないな、
・・・そうだ、僕に似た境遇の人を知ってるよ、君たちもよぉく、ご存知の人だ。
こないだ、フランスの貧民街で、その生命活動を終了させたみたいだけど・・・、
名は・・・ブレーリー・レッスル・・・だったね?」
☆ 今週はここまでぇ。
あ〜説明が長すぎるぅ。
ヤギ声の男が「オレを出せぇ」と耳元で喚く・・・。
もうちょい待ってなぁ、
次回はレッスル爺さんの最後を・・・。
書けるかしら・・・?
まだ、ラスト、決まらないんだよね、
一応、物語の最後の方か後日談的なところで、
「メリー」を二人ほど少し競演させるつもりなんだが。
イギリスで・・・。
GJ
だめだぁ〜、今度の風邪は悪質だぁ・・・、
のどが腫れ上がって、飯も食えねぇ・・・、夜は唾液が溜まって飲みこもうとすると痛みが走る・・・。
もう2日連続で寝てねぇ・・・。
だめだ、朝一で都立の救急病院に行こう・・・。
救急室にはヤローの医者とメリーさんがナース服を着て働いていた。
え・・・どうして、こんなとこにメリーさんが?
「あら? Lady メリーの作者さんでないですか? 御からだ、つらそう・・・どうぞ、横になって?」
いかん、幻覚まで見えるようになったか、
かなり重症だ。
ヤローの医者は、オレの鼻に咽喉を見るスコープを三回も入れなおしやがった。
ピントがあわねぇ? レンズが曇る? 素人か、てめぇはぁ! 苦しぃんだよ!!
その後、点滴をつなげられ、メリーさんはストレッチャーにオレを寝かせつけてくれた。
ああ、メリーさんの掌がオレのカラダに・・・。
彼女は優しく布団をかけてくれる。
「声が出ないみたいですから、さっきみたいにオーケィサインかジェスチャーで答えてくださいねぇ?」
こんな体調じゃ、性欲が湧き上がらないのは幸運なことなのだろうか、それとも不幸なことなのだろうか?
オレは眠る事は出来なかったが、昨晩と同じように、
半覚醒の状態でうつらうつらしてその時間を過ごした。
時々、「だいじょーぶですかぁ? いま、二人っきりですよぉ・・・。」
と声をかけてくる。
妄想でも構うもんか。
しばらくして、オレは耳鼻科に移送された。
メリーさんはおれに別れをつげた。
新しい先生は女性だがメリーさんではない。
オレに、「もう少しで命に危険が及ぶ所です、今は喉頭蓋が食道を覆ってるだけだけど、
これが悪化したら、気道を塞いでしまいます。危険を感じたらすぐに救急車を呼んでください」
だと。脅かすなよ・・・。
最後に先生は「入院か通院を選べ」と言われた。
そ・・・そんな大げさな・・・。 おれ、再就職してまだ二ヶ月目なのに・・・。
やむなく通院を選ぶ。まぁ一日12時間以上働く所だ。体を休めるにはいい口実だ。
407 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/24(火) 22:28:11 ID:rxOnAS2E0
診察そのものは時間がかからかなった。
が、先生は最後までおれを脅かし続けた・・・。
「最悪の事態になったら、咽喉に外側から穴を開けることになります・・・!」
やめてって!
そして、そのあと、点滴を別なものに変えるため、
再び簡易個室でベッドに寝かせられた。
あ・・・さっきのメリーさん!?
「うれしい! また私に会いに来てくれたのね!?」
ああ、そうだ、そのセリフも初代スレ以来だね?
確かあの時は、誰かのSSに便乗して、主人公はメリーさんに・・・。
メリーさんの両手には病院でよく見かける、ありきたりの工事用の巨大な削岩機が握り締められていた。
彼女は「フン!」
と気合いを入れると、俺の咽喉元に暗い穴を掘るべく絶望的な一撃を・・・!
んん、・・・まぁ、これも妄想なんだろうけどね・・・ンゲハッ!!
さて、週中ですが、自宅で療養してる身なので、
少し書き上げました、投下します。
レッスルお爺ちゃん!?
・・・今、彼は何て言った?
「生命活動を終了させた・・・」?
死んだ・・・ってこと な の ・・・?
リーリトにとってもそれは重要な意味を持つが、
麻衣には個人的な繋がりの方が重要だ。
ショックで口を開く事もできない・・・。
そして、ブレーリー・レッスルのもう一つの名前に気づいている麻里にとっても、
それは信じられない事実だ・・・。
三年前の百合子とのカラダの交換のとき、
レッスルは麻里に過去の自分の正体を明かさなかった・・・。
だが、後日、愚者の騎士・日浦と意見交換したときに、
麻里達はレッスルのもう一つの名前に気づいたのである。
なんで、教えてくれなかったの・・・ニコラお爺さん・・・。
きっとそれを知ったら麻里は、レッスルの胸元に泣き崩れていたであろう。
もう一度、出会ったら、必ずお礼の言葉を言うと決めていたのに・・・。
お父さんやお母さんがその後、どう暮らしたのか、
フィーリップやトーマスがどんな青年になったのか教えてもらおうと思っていたのに・・・!
またきっと、どこかで会えると思っていたのに・・・なんで・・・! どうして!?
「あなたが殺したのっ!?」
その教室を切り裂かんばかりの金切り声で「マリー」が叫んだ!!
あと一つ、何かきっかけがあれば、まちがいなく彼女は少年に向かって飛び掛る・・・!
もちろん、「ああ、そうだよ?」という肯定の言葉一つでも。
絵美里とて、あの赤い魔法使いバァルから自分を救い出してくれたお爺ちゃんを覚えている、
麻里を止める理由など何一つない。
・・・ところが次の瞬間、彼女たちは己が目を疑わざるを得ない光景に直面する。
少年の顔がうつむいたかと思うと、突然、少年の体が液体のように溶けて崩れ始めたのだ!
だが、それもつかの間、すぐに崩れた体は、ビデオの逆再生のように元に戻り始める・・・!
しかし、その元に戻った姿は少年の体ではなく、三年前の、あの小汚い片目の浮浪者、
ブレーリー・レッスルが、少年にとってかわってその場に立っていたのだ・・・!
「・・・ハッハッハーッ、早とちりはいかんぞぅ、マリー?」
レッスル爺さんはお決まりの「ニヤッ」とした笑みを浮かべていた・・・。
思わず、手に持っていた定規を床に落としてしまう麻里・・・。
・・・こんな・・・そんな? どうして?
ニコラお爺さん!!
あと二、三秒で麻里は、爺さんの下へ駆けつけたであろう・・・、
だが、目の前の爺さんは、その寸前、悲しそうな表情をして首を左右に振った。
「・・・残念だけど・・・。」
レッスル爺さんの口からは、さっきの少年の声色がした・・・!
固まる麻里・・・。
「この爺さんは全てに満足して死んでいったよ・・・。
僕も大勢の人間の死を見てきたけど・・・、
彼ほど、幸せそうに死んでいった人間はなかなかいない・・・。
そして僕と出会ったことが、確かに彼の死のきっかけになったのかもしれないが、
太古の支配者、大地の王、百獣の神、死者を統べる者・・・、
あの忌まわしき反乱者が、復活の準備に入ったいま、
その分身レッスルが本体に還って行くのは必然の事。
彼にとっては、全て予定通りということなんだろうね・・・。」
そして、レッスルの姿は再び少年に戻る・・・。
「彼、ブレーリー・レッスルは自ら命を捨てたんだ・・・!」
麻里も麻衣も、彼の言葉を信じていいのかどうかわからない・・・。
突然、聞かされた衝撃の事実を受け入れる術がないのである。
少年の方も、涼しげな笑みを消していた・・・。
無表情にも見えるが、彼女たちの狼狽振りを見て、あまり笑顔を見せるのは逆効果と判断したのだろう。
彼はしばらく無言のままだったが、一回、廊下側を一瞥した後、話題を変えた。
「・・・ショックなのは分るけど・・・、今の状況は分ってる?
他に優先すべき事があるんじゃないのかい?」
そうだ・・・! ヤギ声の男!!
「彼はまだ、校舎内で君たちを探しているよ。」
麻里は無言で床の定規を拾った後、少年を再びにらみつける。
「なら・・・あなたが何故、猟奇殺人犯を追っているのか、教えてくれます・・・!?」
「・・・面倒だからさっきの話と繋げるよ?
僕がレッスル爺さんと似たような存在と言ったのは、
爺さんと同じような使命を持っているからなんだ。
人間のカラダを使いつつも、人間世界に影響を与えてはならない・・・。
ただ、監視する事だけが使命・・・。
違うのはお互いの立場だ。
だから、ぼくはその辺りにいる異常殺戮者が誰を殺そうと気にもならないし、
戦うつもりもない。
気まぐれで個人を助ける事もあるかもしれないが、そんな義務感は持ってない。」
麻里はさらに聞き返す。
「ただ見てるだけ? とてもそんな風には見えないわ?
第一、見るだけだったらなんで私たちに・・・。」
話ながら麻里は何かに気づきそうだった。
会話を聞いていた麻衣も同じ事を感じたらしい、ここで麻衣が口を開く。
「まさか・・・あなたが『監視』したいのは・・・本当は変質者じゃなく・・・。」
そこで少年の顔が明るく輝いた。
「そう! 気づいてくれた!?
君たちは、自分たちが与えられた役割を自覚しているかどうか知らないけど、
あの、『太古の支配者』の息が掛かっている存在だろ?
その君たちが、今度のことでどう動くのか、どんな結果になるのか、
それが知りたいんだ!」
明るい少年の態度とは裏腹に、今度は遠慮なく怒りまくる麻衣。
「じゃあ何・・・!? 全部あなたが仕組んだことなのね!?」
「ああ! また・・・、違う違う。
僕はこの学校を舞台として用意してあげただけだよ。
彼だって、僕とは無関係、彼は彼なりの理由でメリーを追っている。
僕が何もしなくても、いつか彼は君たちにたどり着くだろうし、
逆に君たちだって、彼を追おうと思ったら、手がかりを得るのに時間が掛かるだろう?
その間に、大勢の無関係な人が死ぬよ? そっちの方が良かった?」
「何て身勝手な・・・!
警察に教えれば済むことじゃない!!」
「ああ、彼を捕まえるにはそれで十分だけどね、
それじゃ、君らの活躍が見れないし、第一、
彼を捕まえればそれで済むとでも?」
「・・・どういう事!?」
「そこから先は自分で調べるんだね、教えてあげる義務は僕にはないよ、
何、麻衣、君の能力なら簡単だ。
ヤツを捕まえて、サイコメトリーで彼の心の奥底を覗いてみればいい。
ただ、これはサービスで忠告。
あまり覗きすぎると、奥底に引きずりこまれるからね!?」
少年はそこで麻衣たちに背を向けた。
教室の前の出口から廊下へ出てゆこうとする。
「待って!」
麻里が呼び止めると少年は無表情に後ろを振り向いた。
「・・・なら、私たちがヤツを捕まえたら・・・ニコ・・・いえ、レッスルお爺さんの最後を教えて!」
「ああ、いいよ、・・・ただ、僕たちの会話には、『人間』に伝えてはならない部分もあるから、
そこは省かせてもらうけどね、
まぁ、ヤツを捕まえたご褒美として約束してあげるよ。
それと、僕がここを出たら最後、この教室も再び彼に認知される。
後は、麻衣・麻里・絵美里・・・君たちの力で・・・頑張ってね、期待してるよ・・・。」
そして彼は出て行った・・・。
足音がだんだん遠ざかっていく・・・。
麻里と麻衣は顔を見合わせたが、互いに言葉を出すことが出来ない。
お互いこれからどうすべきかは分っているのだが、
行動に出る踏ん切りがつかないのである。
・・・あれだけ衝撃的な話を連続で聞かされたら・・・。
一方、少年は既に人間の視覚からも認知できない存在となっていた。
実体はその空間に凛として存在しているにも関わらず・・・、そして独り、誰もいない空間へ向かって呟く。
「さぁ、Lady メリー、やってくるかい? それとも・・・。」
☆ 今日はココまでざんす。
次は・・・
少年と爺さんの回想シーンを作っちまうか、
それとも、いよいよヤギおクンとの第三種接近遭遇にするか・・・、
どうしましょう?
爺さんが少年にいけない悪戯をするシーンで
れっする「・・・まぁ、こっちへ来るんじゃ・・・おう、若い男の子のにおいがするのぅ?」
しょーねん「な? なにをいいだすんだ? 待ってくれ、そんなところを触る必要が、あ、あるのかい?」
れっする「ハッハッハ・・・、余裕のある振りしてても、まだまだ子供じゃのう、
こんなテクニックは『お前たち』の間では禁忌の業・・・なのじゃろう?」
しょーねん「うっ!? やめろ! な、なんだ? この感覚は!? 人間にはこんな機能が!?」
れっする「人間を理解した気になるには千年早いわ! さぁ、この悦楽地獄に身を落とすが良い!」
しょーねん「なななんだ、このこみあげてくるあついものは!?あ・・・あああっ!」
れっする「うほっ!!」
しょーねん「アーッ!!」
・・・れっするの死因・・・腹上・・・いや背上死?
でも、確かに少年はそれっぽいキャラだ・・・。
しょーねん「アッー!!」
のほうがよかった
ハゲワロ(禿げるほど笑ったの意)
>>416 ごめんね、・・・そっちの世界は私の未知なる世界・・・。
さて、このまま互いの顔を見続けていても仕方がない、ようやく部屋を出ることにお互い同意したが、
その前に、麻里が首を傾けて麻衣に質問した。
「・・・ねぇ、麻衣ちゃん、あの男の子・・・いったい何者なの?
レッスルお爺さんと似たような目的って・・・
じゃあ、レッスルお爺さんの目的は?
私には、お爺さんはただの魔法使いだと思ってた・・・。」
麻衣はしばらく麻里の顔を直視することが出来ず、下をうつむいていた。
「麻衣ちゃん・・・。」
「麻里ちゃん、ごめんなさい、
そのことは・・・お祖母ちゃんやママの一族が伝えてきた重要な秘密なの・・・。」
麻里は悲しそうな顔をした後、諦めて下を向いてしまった。
「そう・・・なんだ、いいわ、わかった・・・。」
・・・沈んだ麻里の顔を見て、思い直したのか、麻衣は真剣な表情で麻里に抱きついた・・・!
「ううん、ごめんなさい! 話す!
きっとお祖母ちゃんもママも分ってくれる・・・!
でも、麻里ちゃん、これだけは・・・。
あのね? 麻里ちゃん・・・お爺ちゃんを悪い人だと思う?」
とんでもないという顔をして麻里が首を横に振る・・・。
「麻里ちゃん、じゃあ・・・レッスルお爺ちゃんが悪魔の使いだとしても・・・?」
「ええ!? ・・・そんなことが・・・嘘よ!!」
「もちろん、そうよ! でもね、人間の長い歴史では・・・
お爺ちゃんは『悪魔の使い』と言うことになってしまうの!」
「じゃあ・・・その悪魔の使いと同じような存在だと言うあの男の子は・・・?」
「確証はないけど・・・きっと、
『神々の使い』・・・おばあちゃんなら、知ってるかもしれないけど、
今、この学校の中じゃ、外にいる人と交信できない・・・!
それもあいつの能力のせいだと思うんだけど・・・。」
「じゃあ、麻衣ちゃん、もしそうなら、お爺ちゃんとあの男の子は敵同士!?」
麻衣は頭を抱え込んだ・・・。リーリトと言えども麻衣はまだ新米だ。
彼女たち一族の深い謎については、未だ知りうる立場ではない。
・・・第一、リーリトの伝える歴史が・・・本当の真実の歴史とも限らないのだから・・・。
とにかくも二人は部屋を出ることにした。
麻里は懐中電灯を拾い上げ、それを麻衣に手渡した・・・。
明かりはとりあえず消させておいて・・・。
二人は部屋を出て左右を見渡す・・・。
何の気配もないが、先ほどの卵の割れた後の廊下が、さらに汚れが酷くなっている・・・。
足跡らしきものも大量に残っていた。
もしかしてヤツが何度もこの廊下を往復していたのだろうか?
これだけ廊下を汚すヤツが、足音を消すことまで気を遣ってたとは思えない。
教室の中では、麻衣の接近の足音しか聞こえなかったが・・・、
それもあの少年の仕業なのだろうか?
互いを感知できないように・・・。
だが、それは過ぎたこととして・・・、
次にどこへ向かえばいい?
かなりの時間が経ってる筈、一度確認した部屋にも、もう一度戻ってるケースもあり得るだろう。
それでも・・・3階に上ってみるのがいいのかもしれない。
麻里は小声で話しかける。
「麻衣ちゃん・・・透視を・・・お願いできる?」
「う・・・うん・・・。」
麻衣の消極的な返事に、麻里は違和感を感じた。
「どうしたの? 何か問題でも・・・?」
「あ・・・、じ、じつはさっきっから、立て続けに能力を使い続けたんで・・・
ちょっと、集中力を切らしちゃって・・・でも大丈夫・・・やってみる!」
「そうなの? じゃあ、ダメよ! 見通しのいいところではやらなくていいわ!
階段を昇る直前とか、部屋に入る前とか、瞬間的にサーチするだけなら?」
「ごめんね、それでだいじょーぶ? 麻里ちゃん・・・。」
「上等よ。」
麻衣は、自宅での異様な気配の事も、今になっては少年の仕業と考えていた。
一見、中立的な態度を見せていたが、少年は、
ヤギ声の男と麻衣達の戦力を均一化しようとしたのではないだろうか?
ヤギ声の男に、感知能力がなければ、こういった探り合いでは麻衣たちが圧倒的な有利のはず。
だが、能力を制限されては、楽観的に物事を見ることなど出来やしない・・・!
二人は、廊下を特別教室方向に向かって歩いた。
相変わらず、廊下は静かなままだ・・・。
麻里は前方を・・・麻衣は後方・・・そして絵美里は感覚を左右天井に向けて移動していた。
途中、麻里が口を開く。
「こういうときこそ、歌でも歌えばいいのに・・・!
あ、私じゃなくて、あの気味の悪い男ね!」
一応、一緒にはされたくないらしい。
「あ、麻里ちゃん、そういえば歌についてはなんかわかったの?」
二人は足を止めて、途中のトイレの手洗い場の陰に隠れた・・・念のためだ。
「あ、うん、あいつが歌ってるのはナースリーライム・・・マザーグースだってエミリーが言ってた。
・・・都合よく改変してるみたいだけど。
麻衣ちゃん知ってる?」
「マザーグース? キラキラ星とか、10人のインディアンとか?」
「そう・・・らしいんだって。 だからメリーさんの羊とか、割れた卵のお話とか、
誰が殺したなんとかを・・・って歌ばっかりなのよ?」
「最後のって、♪だぁーれが殺した、くくろびんってやつ? あれ、マザーグースなんだ?
ママと昔、一緒に見たアニメの歌かと思ってた・・・。」
麻衣に話しても一向に議論は先に進まない。
リーリトとはいえ、ただの中学生なんだから仕方がない。
やはり何か謎があるようなのだが・・・。
二人はそのまま、歩き始め、3階に続く階段の前までたどり着く。
麻衣は「やってみる」と一言言うと、目をつぶって透視を始めた。
麻里はその姿を見ているうちに、麻衣の額から汗がにじみ始めているのに気づいた。
そんな状態は初めて見る・・・、やはり能力の限界に来ているのだろうか?
そのうち、麻衣はゆっくりと目を開いたが、足元がふらついてる・・・。
「麻衣ちゃん!?」
「あ・・・だ、だいじょーぶ、一応、階下と3階の昇った付近を視たけど・・・誰もいないみたい・・・。」
捜索範囲もかなり狭まっているようだ・・・、
麻里の方でも、これはかなりまずいのでは、と思い始めていた。
そして、この先、麻衣にも麻里にも、完全に予想外の事態に襲われるのである・・・。
二人は左側の特別教室・・・いや、図書室から攻めてみることにした。
扉は開いている・・・。
だが、この部屋は身を隠すところが多い・・・。
本棚の陰・・・厚いカーテン・・・貸し出しカウンター・・・。
二人は互いに身を寄せ合いながら辺りを捜索する。
いないようだ・・・。
だが、ところどころ、本棚から本が抜き取られ、床に無造作に散らかされている。
「なに、これ?」
麻衣が光をこぼさないように、ライトのスィッチを入れる。
「あ・・・マザーグース・・・か。」
他には、 !?
「中世の魔女・・・ヨーロッパの疫病・・・人柱の歴史・・・なんでこんなものまで・・・?」
二人は顔を見合わせたが、さっぱり見等もつかない。
普段なら、本をいちいち棚に戻してやりたいが、そんな余裕もない。
やむなくその辺に置いて、図書室を出ることにした。
扉のところで後ろを振り返るが、何も変化は・・・
・・・! 何か動いた?
いや・・・気のせいか・・・。
そのまま二人は階段の辺りまで戻ってきた。
上は屋上・・・。
まずはこのフロアーを先に通り抜けよう。
ンェェェ・・・
!?
今の声は・・・前方から!?
暗くて分らないが確かにこの長い廊下の先から聞こえてきた!!
真正面から・・・!
思わず麻衣がライトのスィッチを入れなおして明かりをその声の方向に向ける・・・。
・・・そしてついに光の束は、薄ら笑いを浮かべた小さな顔を浮かび上がらせた・・・!
ンエエエエエ!!
その叫び声は、疑いようのない狂おしい歓喜の感情を露わにしていた。
男は両手を万歳しながら、まるでグリコのようなポーズで、麻衣たちに向かって走り出したのだ!!
☆ いよいよ、クライマックスを!
・・・迎えるのだろうか?
れでぃサソGJGJGJ!!
麻衣チャソ達も気になるけど、れっする爺さんも気になる…
っていうか、れでぃサソ具合大丈夫?
>>424 あああああ、だいじょぶです、だいじょぶです!
薬の副作用でお腹が膨れてますが、バッチシです!
自然体の麻里は、両手に持った定規を斜に構え、接近する男を迎撃できる態勢をとった・・・!
来るなら来てみなさいっ!!
・・・ところが、男が廊下の中ほどまで近づいてきたとき、
急に、麻里のカラダが異常反応を示したのだ!
頭からバケツの水をぶっ掛けられたようなショックが・・・!
・・・えっ!?
”きゃあああああああっ!?”
”エ、エミリーッ!?”
そう・・・、麻衣が照らしていたライトの光は、向かってくる男のカラダのほぼ全身を収めていた。
・・・素っ裸の男を!
彼女たちは・・・特に絵美里が悲惨なのだが、
見たくもないのに近づいてくる男の・・・へその辺りまで隆起している男性器を目撃してしまったのである。
暗がりの廊下の先から、大声を叫びながら一直線に、全裸の男が自分に向かって突っ込んでくる、
こんな現実に誰が平素のままでいられるだろう?
麻里と絵美里は、その性格の違い・・・いや、前世での経験の差が、ここでまずい形ででてしまったのだ。
もっとも麻里なら、相手が汚いものをおっ立てて、自分の前に現われたなら、
なんの躊躇いもなく切り刻む! 切り刻むったら切り刻む!
事実、そのつもりだった!!
だが、生前、バァルに性的虐待を受け続けた絵美里には、
再び目の当たりにした忌まわしい恐怖を、克服などできようはずもなかったのだ。
百合子のカラダを主導してるのは現在、麻里だが、
あまりに強烈な絵美里の拒否反応は、カラダを動かそうとする麻里の意思の障害にしかならない。
”そんなっ! カラダを動かす事が出来な・・・! エミリーッ!?”
見る見るうちに男は接近する、
高らかな笑い声を響かせながら・・・!
麻衣は、百合子のカラダに何が起きたか、その感知能力で察する事が出来たが、
どうすべきかもわからず、固まったまま・・・!
いけない! ・・・このままじゃっ!?
すでに麻里は、発声すらおぼつかない、
ギリギリで彼女が下した決断は・・・
”麻衣ちゃん! 下がってッ!!”
「ンェエエエエッ!! メリーさん! やっと会えたぁ!! 僕だけのメリーさぁんっ!!」
目を血走らせた男が、ついに麻里たちを射程圏内に捕らえた!
麻里はなんとか、今来た道を戻るべく、必死の思いで体勢を変える。
”エミリー! 気をしっかり!! 大丈夫! 戻るわよ!!”
声も満足に出せない今、麻里が麻衣に自分の意志を伝えるには、
麻衣の感知能力で自分の心の声を読んでもらうしか手段はない。
そして早く、エミリーを落ち着かせなきゃ・・・ほんの・・・ほんの一瞬でいいの・・・ッ!!
必死の思いで、麻里がカラダを反転させることに成功したとき、
たった一瞬だが、ようやく絵美里の拒否反応が鎮まった、・・・カラダが重い鎖から解き放たれた瞬間・・・。
・・・間に合うのッ!?
姿が見えなくても、けたたましい叫び声で位置はわかる・・・!
今の今まで慌てふためいていた私が取るこれからの行動を・・・、あなたは予測できるっ?
殺傷能力は無いかもしれないけれど、この武器なら、かつて何百人となく切り刻んだあの「死神の鎌」と、
ほぼ同様の使い方が出来るのよッ!
・・・麻里は反転した勢いから、さらに足を一歩、後ろに戻し、
さらなる遠心力を加えて頭の背後にいるであろう、見えない位置の男に向かって、
思いっきり両手の定規を振り払った!!
「きゃああっ!?」
麻里と男の交錯を目の当たりにする麻衣。
・・・彼女が見た光景は、男の右手が麻里の頬をかすめて伸びている姿・・・、
なんと、右手の甲から金属の突起物が生えているではないか・・・。
そして一方、麻里の両手は、既に目的の動作を終え、
しゃがみこんでいる麻里の、腰元の白いスカートの上に落ち着いていた・・・。
辺りの時間は、その時、まさに凍り付いていた・・・、男の叫びもやんでいる・・・。
だが、しばらくすると・・・、男の両の眼(まなこ)は、震えながらだんだんと中央に寄っていき、
そして突然、鼻の辺りから大量の血液をまるで滝のように溢れさせ始めたのだっ!
「ん・・・んへぇえええ! い、いひゃぃぃいい!! の゙ぉして、の゙ぉしてぇぇぇッ!?」
「・・・麻衣ちゃん! エミリー!? 行くわよっ!!」
彼女たちは一目散に階段を駆け下りる。
万全の状態であったなら、このまま、ヤツにトドメを刺したいところなのだが、
武器がこれでは致命傷も与えられず、なにより絵美里を落ち着かせないと・・・。
幸い、ヤツは追ってこない。
二人は息を切らせながら、一階まで降りると、そのまま麻衣の先導で廊下を走り出した。
「あっ・・・麻衣ちゃん、保健室にスティーブが・・・!」
「保健室? ならこっち!」
明かりのついたままの、職員室の隣の部屋が保健室だった。
いつの間にやら、その部屋も明かりがついている・・・。
麻里は、頭上の「保健室」の表示を確認すると、
扉の隙間から小声で叫ぶ。
「・・・スティーブ? いる?」
反応がない・・・。
麻衣と視線を合わせた後、部屋の扉を開ける・・・。
明るい。
だが、どこを見渡しても誰もいない・・・。
隅のベッドには誰かが寝ていた形跡がある・・・、ほんのりと暖かい。
スティーブはこの部屋から出て行ってしまったのだろうか?
・・・一方、3階の廊下では、いまだ裸の男が、血だまりの中で泣きじゃくっていた。
麻里の定規は正確に鼻骨を粉砕し、一時的にヤギ声の男を行動不能に陥れていた。
「いらいよぉぉ・・・! ママァ! ンママぁあああ!
・・・ごんなにぃ、ごんなにメリーざんを大好ぎなのにぃぃ、の゙ぉじでぇぇぇ!?
・・・ヒック・・・ヒック
そうだね、ママ・・・、僕をあいじでるがらなんだね?
だがら、僕を殺したんだ・・・
みんなで僕を食べたんだ・・・、
パパもママも家族みんなで僕を・・・!」
男は、そう言いながら、自らの右手に埋め込まれた鉤状の金属物を天井にかざす・・・。
「・・・ぼーでんとぅっくあんあっくす・・・りじーぼーでんとぅっくあんあっくす・・・ママァ・・・。」
麻衣たちは保健室でカラダを休ませていた・・・。
スティーブもいないならしょうがない、
それにヤギ声の男にもかなりのダメージを与えたはず・・・。
いま、彼女たちにはようやくゆとりが生まれ始めた。
麻里は、心の中で絵美里に気を遣った。
”・・・どう? もう落ち着いた? エミリー・・・。”
”ご、・・・ごめんなさいマリー、まさか、あんなヤツだなんて・・・。”
”私も迂闊だったわ、でも、また出くわしたら・・・エミリー、平常心を保っていられる?”
”・・・うん・・・、きっと、いえ、今度こそ! いつまでも昔のあたしじゃないわ!”
折角生まれ変わっても、かつてのトラウマを抱え続けては何の意味もない、
強くならなくちゃ・・・!
麻衣も絵美里の様子を心配する。
「絵美里ちゃん・・・だいじょぶ?」
実を言うと、麻衣もショッキングなものを見て動揺しているのだが、
絵美里のほうが大変そうなので、幾分冷静さを取り戻していた。
「エミリーは落ち着いたわ・・・、考えてみればLady のころは感情が麻痺してたから、
あんなものが現われても気にならなかったけど、
心が戻った今じゃ、そうはいかないものね・・・。」
ところがその言い方に、麻衣は何か引っかかったようだ、
無言で麻里を見詰める・・・。
「麻衣ちゃん・・・?」
「ねぇ、麻里ちゃん、『麻痺』してたのはお人形さんだったメリーのころだけ?
今は・・・!?」
「・・・えっ?」
麻衣ちゃん、何を言い出すの・・・?
「麻衣ちゃん? ・・・あの、ほら、私は男の人のあんな状態になったの見るの、別に初めてじゃ・・・」
「そぉじゃなくてぇぇ!
・・・さっきよ! 一歩間違えばあたしの目の前で、グサリってやられるとこだったんだよ?
どおして、そんなに落ち着いていられるの? 怖くないの!?」
怖い?
今更なにを・・・? 今まで大勢の人間を殺してきた自分に、命の危険なんて何の意味がある?
「麻衣ちゃん・・・、私は・・・。」
「いつまで麻里ちゃんは、復讐者のつもり? いつまで闘い続けるの!?
なんでママは麻里ちゃんたちにカラダを預けたと思ってるの!?」
その時、麻里は保健室に備え付けてある壁の鏡に、自分の姿を見つけた・・・、
頬に一筋の赤い跡がある・・・。
「ごめんなさい、麻衣ちゃん、あなたのお母さんのカラダに傷を・・・。」
「違う!! そんなことじゃないの!!
麻里ちゃんや絵美里ちゃんのすることは戦う事じゃないでしょ!?
どうして当たり前みたいに武器を握ってるのよ!?
レッスルお爺ちゃんがそれを望んでいたとでも言うの!?」
・・・麻里にも、麻衣の言いたいことは分っていた・・・。
麻衣の言い分は筋が通っている、そんなことは分りきっている。
・・・でも、麻里たちにしてみれば、今更、安穏と暮らすなんて虫が良すぎるとしか思えないのだ。
若い女性として幸せに暮らす?
学校にもいけない、友達も作れない、ましてや百合子のカラダを使って恋愛なんてするわけにもいかない。
そして、自分たちは今の暮らしだけでも満足すべきどころか、
なんとか伊藤たちに、少しでも恩を返さないと自分たちの立つ瀬がないのである・・・。
・・・今や、麻衣も、麻里も絵美里も・・・幼い子供ではなく、
一人の人格を持った人間として、暮らし続けているのだ。
本来、互いの関係の中で、矛盾や衝突が起きるのが当たり前なのだ。
・・・それでも・・・。
麻衣が本来、怒りたいのは麻里に対してではない。
改めて、今までの出来事を整理し始めて、あの、「少年」が企んでいることに対して、
ムカムカと怒りがこみ上げている自分に気づき始めたのだ。
せっかく普通の生活を送っている自分たちに対して、いったい何をさせようというの!?
何様なの!? 絶対に許せない!!
「・・・麻衣ちゃん、あたしたちは・・・ 」
なんとか、麻衣には自分たちの気持ちもわかってもらいたい・・・。
麻里はうろたえながら、麻衣に自分の言い分を聞いて欲しくて声をかけたが・・・、
「あ・・・ごめんなさい、麻里ちゃん・・・言いすぎた・・・。」
先に麻衣の方が頭を下げてしまった・・・、麻衣だって実はわかっているのである、
彼女たちの本当の気持ちなど・・・。
彼女たちがいかに伊藤たちに気を遣って暮らしているのか・・・。
さっきだって、自分の命より百合子のカラダを気にして・・・。
だから余計に、麻衣は言わずにおれなかっただけなのだ。
「それよりさ・・・?」
麻衣は申し訳なさそうに話を切り替えた。
麻里の方も、本音を話してしまえば、麻衣はきっとまた怒るであろうことは想像に難くなかった、
ここは別の話題に移ったほうがきっといいのだろう・・・。
「それより?」
「うん、これからどうしよう? ・・・警察には・・・、」
と、いいかけて、保健室の電話で外部との連絡を試みるが、やはり無駄な行為だった・・・。
「麻里ちゃんには戦うなって言ったけど・・・。」
「麻衣ちゃん、あなたの気持ちはわかったわ・・・、でもこの状況じゃ・・・。」
「やっぱり、あのトレーナー着た人の言うとおりにしなきゃ、いけないのかぁ・・・。」
麻衣は心底、悔しいようだ。
・・・あんまり場の空気は変わってないか・・・、
麻里はちょっと、気を利かせたつもりで、自分のほうでも話題を変えてみた。
「それにしても、こんな事になるんだったら、エミリーにもうちょっと、馴れさせておくべきだったかしらね?」
最初なんの事か分らなかった麻衣だが、二・三秒、間を置いてから、麻里のトンデモ発言に目を丸くする。
「そ・・・それって、だ、誰の・・・!?」
「ああ、そうかぁ、パパさんのってわけにもいかないかぁ。」
「きゃあ! やめてやめて、想像したくなぁい!」 麻衣は頭を抱えて首をブンブン振り始めた。
「・・・? でも、麻衣ちゃん、子供の頃とかお風呂で見たことない?」
「忘れたよぉ、そんな昔の事ぉ! 第一、『あんな』状態のものなんて・・・
て、 麻里ちゃん、なんてこと言わせるのぉっ!?」
☆ そろそろ、結末に向けて準備をしないと・・・。
いま、進行中の物語は、あくまで「メリーさん」の物語・・・。
そして、同時に過去の登場人物たちの間でも、物語が続いています。
そちらはメリーさんと、直接関係ないものとして、ここでは短く言及するにとどめます。
ただし、それらは無関係ではありません・・・。
「語られない物語1」
騎士団極東支部支部長・日浦義純の元に、緒沢美香の死亡の報告が舞い込んできたのは、
まだ、蒸し暑い残暑の頃であった。
彼はあらゆる角度から、その死亡が事故なのか、何者かによる意図的なものなのか、
必死で調べたが、いかなる証拠も見出す事ができなかった・・・。
・・・そのうち、日浦は、あるとんでもない考えに陥る事となる・・・、
きっと、彼も冷静さを欠いていたのかもしれない・・・。
それは、美香が総代を務める秘密結社「スサ」の内部分裂による暗殺ではないのかと・・・。
順列から行けば、美香亡き後、総代を継ぐのは、世間知らずと言われた弟ただ一人。
もし、彼らの内部の権力者が弟に近づけば、スサの財力・権力はその者の思いのままとなるであろう、
それが事実なら、日浦個人にとっても、騎士団全体にとっても、好ましい事態ではない!
そしてさらに、彼は、日浦以外では決して思いもつかないような行動に出る。
「美香の弟・・・彼を騎士団にスカウトする・・・!」
ある日、日浦はその弟に近づいた・・・。
美香の死の疑惑を問いかけるため・・・、
世界を守る騎士団の役割を伝えるため・・・、
そして弟がどんな人間に育ったのか調べるために・・・。
府中市にある製薬工場・・・そこは、外資系企業によってカモフラージュされた秘密実験施設・・・。
日浦はそこへ、その弟・・・タケルを連れて侵入した。
この世界がいかに汚れているのか、彼に知らしめるために・・・!
(関係する話は
>>255に)
美香姉ぇ…
タケルルル…
あーもう、れでぃサソのお話には引きずり込まれる!!
今までのお話は最初から全てつなげて考えてるんですか?
それとも後付け?
どっちにしてもれでぃサソの話は深いなぁ
>>434 毎度どおもぉ〜♪
えーとですね、
子供の頃、考えたストーリーがですね、
いろんな神話や伝説を交えて膨らんでってしまいまして、
まぁ、本気で小説家や漫画家やる根性も才覚もありませんし・・・、今まで眠らかしてたわけでごぜえます。
基本的に「私」めのオリジナルストーリーは現代二つと近未来一つの三部作で構成されてます。
そして現代二つは、ほぼ時間軸は一緒なんですが、別世界のパラレルワールド・・・、
しかし、世界観と登場人物はほぼ重なり、なおかつ、近未来の物語につながっていく・・・。
そんな流れでございます。
それぞれ、「修羅の章」「天使の章」「人間の章」とまではテーマがあるんですが、肝心のタイトルは未定。
なんか、ええアイデアがあったら、どなたか名付け親に・・・。
ま、舞台は出来上がってるので、そこにメリーさんを小さじに少々入れて、とろ火にかけて出来上がり、
・・・と、うまく仕上がればいいんですが、なかなか。
対人物関係もかなりいっぱいいっぱいで、
みなさんに、各キャラをちゃんと区別してもらってるかどうかが、かなりの不安だったりします。
ちなみに、今、進行中の話は、ようやく、この土日で、テーマが見えたというか、
最後の結末をイメージすることができたと言うか、そんな程度です。
あ、あと日浦とタケルの工場襲撃は、第一部の初っ端、三つ目ぐらいのエピソードです。
(お〜、まだそんなもんなんだ・・・。)
私メリーさん、
いまオカ板の下のほぉ〜
にいるの!
437 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/31(火) 19:32:23 ID:AsbWgPaB0
繁栄age
「・・・ヒソヒソ・・・、ろーず、ハロウィン過ぎたんとちゃうか?」
「誰も気にしてないわよ、うりぃちゃん、行こっ!」
・・・せーの、
(ローズメリーとうりぃめりーの和洋ゴスロリデュエット)
♪ さぁー
ぼっくたっちのよっるだぁー
じゃっくらんたーんにひをともせー
まっちにひそんでるゆーれーも
さーけんでーにげるー(出演ヴィルダーヤークトの皆さん)
(うりぃソロ)いっちばんこーわいかっおっでえー
(ろーずソロ)いちっばんこーわいこっえでー
ひきずるシーツをたぐりよせー
「とりっくーおーぁとりーと!」
ときどきめのはしをよこぎるなにか
きんいろのめでにらみー(出演ふらう・がうでん)
すっるどいきばであいさつするのさハロウィンデェイー(あざみちゃん挨拶、ローズににらまれてすぐ退場)
♪ さぁー
こっどっもだっけのよっるだぁー
おばっけたっち、ついてこーいー(いぬ・さる・きじぃ! ついてこんかぁい!)
あっつめたおかしをここでー
わーけてーあげるー
きーれいなアメをどーおぞー
おいしいガームをめしあがれー
だっかっらこっれからよるにーはー
おーどかーさないでー?
・・・(ゆっくりとマザーメリー接近、甘ったるい声で・・・)
「・・・いたずらしちゃうぞぉ?」
子供の頃から…
すげぇ(´Д`;)
今さらだが南の島のメリーさん達読み始めた
幼女がいっぱいでイイネ
442 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 02:08:00 ID:58B8Qsr1O
週末にむけてアゲ
>>441 お恥ずかしや・・・
「南の島のメリーさん達」は、いくぶんこちらの話にも絡んでくるので、是非お読みくださいませ。
では
>>432の続きです。
どぉぞ!!
興奮している事には変わりはないが、確かに場の雰囲気は一変した。
麻里は、自分の目的が達成できて満足げである。
・・・フフン?
それに引き換え、麻衣は、まるで苦いものでも口に入れてしまったかのように、
口を曲げ、早く記憶から今のやり取りを消去したい様子だ、
・・・今も「うぇぇぇぇぇ」って小さい悲鳴を漏らしてる。
もっとも、今はそんな余裕はないんだってば、
すぐに次の行動に移らないと・・・。
口火を切ったのは、今まで麻里の意識下に隠れていた絵美里だ。
先ほどの失態により落ち込みからようやく立ち直り、
今、自ら苦難を克服しようと決意したのだ。
”・・・マリー! あたしにいかせて! ”
”エミリー・・・、だいじょうぶ? ムリをしなくても・・・、最悪、私の中で眠っていてくれたら・・・。”
”いいえ、お願い! ・・・これは、生まれ変わったあたしの試練なの!!”
そうまで言い切る絵美里の気持ちも分る・・・、
麻里は優しく彼女を見守るべく、カラダの主導権を絵美里に預けた・・・。
チェーンジ!!
麻衣には、彼女たちの意識交代の様子は、完全に理解できている。
「だいじょぶ、絵美里チャン?」
「ごめんね麻衣ちゃん、 次に会ったらちょん切ってやるつもりで・・・やるんだから!」
「あ・・・ああ、う、うん、そ、その意気・・・だよ、ね、
そ、それで、絵美里ちゃん、これからなんだけど・・・。」
「うん?」
「別にアイツを殺すのが目的じゃないわけだし、やんなきゃいけないのは捕まえる事でしょ?
縄かロープを手に入れたいの。」
「そおねぇ? どっかにあるの?」
「体育館の用具室・・・に、たぶんあると思う。
ここから、正面玄関の先が体育館、そこに・・・!」
「おっけー! じゃあ、麻衣ちゃん、急いで行きましょお!」
そうと決まれば話は早い、二人は慎重に保健室の扉を開き、・・・廊下を右に曲がり、
正面玄関の下駄箱付近を通過しようとする・・・。
その時、絵美里は、隣の麻衣の様子がおかしい事に気づいた。
立ち止まって横を振り向く絵美里・・・。
「麻衣ちゃん・・・?」
麻衣もその言葉に一瞬、反応するが・・・すぐに落ち着きなく首をキョロキョロ動かしはじめる。
絵美里には、麻衣が何を気にしているのか、とんと見当もつかない。
「ねぇ・・・! 麻衣ちゃん!?」
そこでようやく、何か言いたげに、麻衣は絵美里を凝視した・・・、
何度か口をパクパクさせていたが、
落ち着いたのか、どうにかその口から声がこぼれ出てきた・・・。
「あ・・・あのね、ここ、正面玄関なの・・・よ。」
「・・・うん、そうみたいね? あたしたちもここから入ってきたわ。」
絵美里はまだ事態が飲み込めない、
だが、次の麻衣の一言で、いま、自分たちがどんな状況下にあるか、
絵美里は完全に理解する事が出来た・・・。
「じゃ、じゃあさ、絵美里ちゃん、この玄関から外に出れる!?」
「え・・・っ? そんな、そこのガラス扉を・・・えっ・・・ない!?」
おかしい?
ここは玄関だ・・・間違いなく・・・。
だが、外へ通じる扉が一つとして周りに存在していないのだ。
「どっ、どういうこと!? あたし達はさっき、確かにここから!? 道、間違えた!?」
「間違えてなんかないよ!? ここは玄関だもん! でも、
何故か学校の中身が微妙に変化してしまったような・・・!」
麻衣は言いかけて、一度、口をつぐんでしまった。
「麻衣ちゃん・・・?」
「絵美里ちゃん、・・・さっきあの二階で会った男の人の話を覚えてる・・・?
こんな風に言ってなかった?
『この部屋はあの男に認識できちゃいない』って・・・。」
「あ、うん、聞こえてたよ? それって・・・?」
・・・麻衣はしばらく黙っていた・・・、
自分の考えがあまりにも想像しがたい現実なので、言葉にする自信がなかったのだ。
だが、どう考えても結論は一つしかない・・・。
閉じ込められている・・・。
それも物理的に鍵を閉められたとか、出口を塞がれたとか、そんなレベルではない。
外への出口自体が完全に消失しているのだ。
「あいつ・・・、あたしたちに出口を認識できないようにさせてしまったの?
「ええ!? それって結界みたいなもの?
麻衣ちゃんでも見破る事が出来ないの?」
麻衣は透視能力を駆使しようと試みたがすぐに諦めた。
これまでの経験から、あの男の能力を打ち破るのは不可能に近いであろうし、
透視を行う間は、ほとんど無防備になる。
この場所は危険が大きすぎるのだ。
「・・・きっと、あいつの能力は結界と言うよりも、
他人の知覚機能を完全に支配する能力なのかもしれないわ・・・。
でも、電話とかも制御できるところを見るとそれだけじゃないみたいだし・・・。
今は、あの素っ裸のヤツをどうにかしないと、きっと外には出られないと思う・・・。
あああ、くっやしいっ!!」
麻衣はイラつきを抑えられない。
・・・だが、この麻衣の感情は、何も彼女のパーソナリティによるものだけではない・・・。
彼女自身、まだ気づいていないが、それはリーリトとしての本能から来る怒りなのだ。
リーリトの本能は、あの少年を憎むべき「敵」として認識していた・・・。
「つまり、麻衣ちゃん、あの男の子は、・・・さっきの露出変態男とケリをつけないと、
あたしたちをここから出させないつもり・・・ってことなの?」
「そう・・・いうことなんだと思う・・・。」
しばらく二人はお互いの顔を見合わせていた。
麻衣は元より、絵美里にも事の理不尽さが理解でき始めていた。
自分と麻里は最初から、変態と一戦交える覚悟はあったが、あくまで自分たちの意志でだ、
どこの誰とも知らない他人にお膳立てされていたとなると話が違う。
・・・しかし今更、自分たちのとるべき行動を変更するわけにもいかない。
二人はどちらが先に・・・というわけでもなく、諦めて体育館に向かう・・・。
麻衣はこの時、心の中で、半分本気でこう思っていた、
もし、あたしたちが殺されたら、ママ・・・、あの男の子をターゲットにしてね?
☆ ではまた。
お次は体育館が舞台です。
麻衣は体育館の重い扉をゆっくり・・・ゆっくりと開けた。
中は非常灯の明かりだけがついていて、お互いの顔も良くは見えない。
ただ、麻衣は毎日のように見慣れてるので、どこになにが設置されてるのかは大体把握している。
「麻衣ちゃん、どこを探せばいいの?」
「うーん、まず右手の奥におっきい扉が見えるでしょ?
あそこにマットとか跳び箱とかの道具が置いてあるんだ、
・・・そこになければ、正面の扉を開けると、地下への階段があって、
降りると先生たちの控え室があるの、・・・ただ、そこは鍵が閉まってるかも・・・?
どっちかにはあると思うんだけど・・・。」
「・・・じゃあ、まずはそこから行きましょお?」
二人は体育館の中をゆっくりと歩く・・・。
広いだけに、気をつけていても靴の足音が響く・・・。
端っこを歩いていてもいいのだが、真ん中が一番、外の様子を掴みやすい。
絵美里は、ドキドキ警戒しながらも、体育館の設備に目を向ける。
あれがバスケットボールのネット・・・、右手には一段高くなった講演台?
天井にはなんだか細い鉄のパイプみたいのが並んでる。
明るい所で見てみたいが、今は照明をつけるわけにもいかず、
懐中電灯の光も向けられない。
二人はすぐに用具置き場に着いた。
まさかとは思うが、一応用心して、ここの扉もゆっくり開ける。
静かなだけに、扉を開ける音も、大きく聞こえる。
・・・ヤツは今、どこにいるのだろう?
そういえば、ヤツは裸足・・・足音を消すにはあたしたちよりかは有利だ。
用具置き場の扉を閉めて、麻衣は懐中電灯の光をつけた。
その光に、跳び箱やらバスケットボールの籠やらが浮かび上がる・・・。
・・・ないかなぁ・・・。
あ! これ!?
麻衣は、円筒状に巻かれたバレーボールのネットを見つけた、
こいつをヤツに巻き付けちゃえば、きっ
( ガチャーンッ !!)
なに、今の音!?
・・・少し離れた所から聞こえてきたように感じるが、
体育館の外だとしたら、こんなはっきりとは聞こえないんじゃ・・・。
麻衣はしばらくじっとしていていたが、
バレーボールのネットの上に座って、目をつぶった、
・・・そしてそのまま絵美里に話しかける。
「絵美里ちゃん・・・やってみる、
透視する間、動けなくなるから、周りに注意しててね・・・!?」
麻衣ちゃん、平気なの!?
と、言いかけたが、既に麻衣は瞑想状態に入っていた。
もはや邪魔するわけにもいかず、絵美里は黙って辺りの警戒に注意を払わざるを得ない・・・。
・・・基本的に麻衣の遠隔透視には二つのパターンがある。
エリアを対象に絞るやり方・・・そこから移動することもできる・・・それと、
特定の人物に絞るやり方・・・ただし、これは相手のことを知っていないとほぼ不可能だ。
任意ではなく、不意に遠くの出来事が脳裏に浮かぶ事も時々あるが、
これは、リーリトの能力が不安定な時や、身体や精神面で疲れているときに起こりやすい。
かつて、レッスルが懸念したのも、そういう事態が最悪の影響を精神面に及ぼす場合である。
今や、自分の能力をほぼ使いこなせるに至った麻衣は、
自分の能力の限界に挑戦するのは今しかない、とも思っていた。
・・・そしてスキャン対象はあの、裸の男・・・。
視たくないがしかたがない。
もはやエリアスキャンで、時間をかけて透視できる精神力はもう、残ってない。
直接、ヤツを探すだけだ・・・!
麻衣の脳裏には、先ほどの男の姿が浮かぶ・・・、
今、どこに・・・!?
・・・視える! ヤツだ! 真っ暗な映像の中に、顔面を血だらけにした男の姿ある。
相変わらず素っ裸で、背中を曲げて移動しているようだ。
あとは透視映像を広げ、ヤツの背景までがわかるようになれば・・・!
麻衣の顔からは汗が大量に流れ出し、頬を伝った汗は、ネットの上や体育館の床にポタポタ落ち始める。
カラダもブルブルと小刻みに震え始めた・・・!
恐らく顔色も青ざめているのだろう、
明るい所なら、唇が紫色に変化しているのもわかったかもしれない。
それでも、麻衣は透視を続ける・・・!
ここはコンクリの通路・・・
アイツはあの腕から生えてる金属の突起物を振りかざして・・・
窓を割った!?
ここは体育館の裏側!?先生の控え室に繋がっている外側の通路!?
・・・体育館へ入るには、自分たちが通ってきた正面玄関から曲がってくる道と、
校庭から地下に降りる階段を通って、トイレやら控え室・更衣室なんかがある廊下を通って、
また階段を上がって、この場所に来る道と、二通り方法がある。
ヤツはもう一方の道を使ったのだ!
・・・そして麻衣が驚いたのは、
自分の能力が限界いっぱいのせいなのか、今見た光景は、
先ほど聞こえた衝撃音の映像である事だとわかったことだ。
無意識にスキャンする対象に、先ほどの音が混入してしまい、
スキャンしたものは現在の光景ではなく、少し時間が遡った過去の映像になってしまっていたのだ。
・・・すでにヤツは体育館の中にいる!!
もはや、これ以上、透視でヤツを追うのは危険だ!
視てる間に襲われてしまう!
麻衣の透視映像の中で、裸の男は顔を歪めながら、けたたましい笑い声をあげた・・・。
ンェェエエエエ!!
メリーさん、 ここだよぉ・・・、
僕は正気だぁ・・・さっきはどうにかしてたんだぁ
だから、君の毛皮を41回、はがせておくれぇ・・・!
男はそう言って、窓から侵入した控え室のドアを開けた・・・!
そこは体育館の地下通路・・・。
麻衣は目をかっと見開いた!
ゼーッ、ゼーッ、ゼーッ・・・、
目は空の一点を見つめ、肩で息をしている。
既に制服の背中や、鎖骨の辺りは汗でびっしょりだ・・・。
「麻衣ちゃん、だいじょぶ!?」
心配して絵美里は後ろから麻衣に抱きついた・・・、
ああ、こんなに冷たく・・・!
体温が異常に低下してしまった麻衣は、母親のカラダを暖かく感じるが、
もう、そのぬくもりを味わっているヒマはない・・・!
「・・・はぁ、はぁ、絵美里ちゃん・・・はぁ、もう、ヤツはこの建物の中にいるわ・・・!
気をつけて!!」
麻衣は自分のカラダにかかった母親の掌だけを握り締める・・・、今はそれだけでいい!
そして、麻衣と絵美里は最後の賭けを選択する。
二人は、この用具室に立て篭もるのは不利だと判断して、
決死の思いで、部屋から広い体育館のフロアに躍り出た・・・。
よし・・・まだヤツはここにいない・・・。
麻衣は重いバレーボールのネットを抱えて、苦労しながら体育館壁際の梯子を登る・・・。
つらいけど・・・、あとひと踏ん張り・・・!
そして絵美里は、地下へと続く扉の真ん前で、片手で定規を構えて仁王立ち。
・・・もう片手には懐中電灯を。
どこから来たとしても、目立つのは絵美里だけだ、
さっきも、ヤツは絵美里(百合子のカラダ)を狙ってきたし。
・・・麻衣がなんとか二階へと登りきった。
二人の作戦は、男が絵美里に襲い掛かるときに、
頭上から麻衣がネットを落とし男を絡めとるというものである。
完全に行動不能にする必要はない。
男が諦めて観念すればそれでいいのだ。
その気になれば、殺傷能力の無い定規とて、「目玉に突き刺す」と言えばかなりの脅しになる。
・・・だが、この作戦で本当にいいのか?
絵美里はすでに万全の決意で、閉ざされた扉に向かって叫んだ。
「裸のひとぉーっ!! あたしは・・・、メリーさんはここにいるよーっ!!」
☆ あと、二、三日でケリはつくと思います・・・ヤギ声の男に関しては・・・!
もう少しおつきあいくださいませ。
「語られない物語2」
セキュリティシステムを次々と解除してゆく日浦がタケルに見せたのは、
数々の不法動物実験や、
細菌兵器の研究・・・そして研究所最深部にあった人体実験施設・・・。
まるで手品の種明かしを次々と見せられるようなタケルが最後に見たものは、
誘拐されたり、非合法に売買されてきた赤子や胎児の人体実験だった・・・。
目が三つある子供や、異常に頭部が膨れ上がった赤子・・・これでも生きているのか!?
ショックを受けるタケルに、日浦はこの世界の闇の部分を伝える。
そこへ武装化した警備員達がタケルたちを襲う。
タケルと日浦の戦闘力に、警備員は全滅・・・。
しかし、研究所の隠匿を絶対的な目的とする所員たちは、最終手段として研究所の爆破を選んだ・・・。
・・・実験動物も全て焼却された・・・。
ただ、一人・・・羊の脳を移植された男だけが・・・そこを抜け出していたのだが・・・。
後日、タケルの騎士団推薦、及び美香の事件追及の意志を騎士団に伝えた日浦だが、
騎士団本部は、彼の意見に消極的であった。
それどころか、緊急会議があるからと、本部は日浦をイギリスに召還した。
その緊急会議の内容は、日浦の提出した議題など、吹けば飛ぶような、
重大かつ、危険極まりないものであったのだ。
彼は全力で、騎士団が向かう危険な方向を阻止しようとしたが、
もはや彼の力を以ってしても、転がり始めた大きな岩を止める事はできなかった・・・。
そ、そこでつながるか…
すげぇ…
騎士団の最後も気になる…ボソッ
まだまだつながりまっせー!
そう言えば、あれから電撃氏どうした?
忙しいのかにゃ?
さて、本編はいよいよ熱くなります!!
今日は5話行きます!
絵美里の叫び声が体育館全体に響く・・・。
麻衣、絵美里、麻里・・・三人とも神経を張り巡らせ、
如何なる音や気配をも逃すまい、と待ち構える・・・。
・・・しばらく何の変化もないように思われたが、
ガン!
・・・ガンガンッ!!
正面の扉を力強く叩く音が聞こえ始めた・・・。
そこにいるのね・・・!
絵美里は懐中電灯の光を落とした。
扉が開いた瞬間、ヤツに向けて光を当て目を眩ませる。
勝算はある!
不安定要因があるとすれば自分の心の弱さだけ・・・!
・・・だけど・・・。
”・・・エミリー、わたしがいっしょについてるからね!”
自分のそばに常に見守ってくれる優しいマリーがいる・・・。
こんなに心強いことはない・・・!
バァルに囚われた時、助けを呼んでも誰も助けに来てくれない絶対の孤独・・・完全なる絶望・・・、
もう、そんな気持ちになることは決してありえないのだ。
幼少の頃、家族の愛に恵まれなかった絵美里にとって、
共にメリーの人形のカラダで永い時を過ごした麻里は、
もう一人の自分であり、最大の友人であり、そして姉であり母でもある・・・。
人格が完全に分裂してからは、時々意見対立もあるし、口喧嘩(?)もある。
だけど、最後にはいっつも仲直りして温かい紅茶を愉しむのだ。
あの時とは違うんだから!!
”マリー! ありがとう! ・・・ホントに・・・今までホントにありがとう!!
あなたと一緒のカラダに入れて、あたしとても良かったっ・・・!”
”何、言ってるのエミリー、それはこっちも一緒よ! ・・・だけど、これで最後みたいな言い方はやめて?”
”そう、・・・そうだよね、そしてこれからも一緒だよね!!”
そうだ、・・・やっぱり怖いものなんか何もないのだ!
「さぁ! 来なさい! 変態男ぉ!! エミリーとマリーは別人だけど・・・、
二人で一人のメリーさんよっ!!」
ドッガッァァァン!!
力いっぱい横開きの扉が開かれた!
ヤツが襲ってくる!
案の定、黒いものが飛び掛ってきた。
絵美里はカラダを回り込ませながら、腕をいっぱいに伸ばしライトを男の顔に当てる。
これでこっちの正確な位置はつかめまい・・・!
あとは待ち構える麻衣の前まで誘導し、ネットを落とせれば・・・!
だが、その瞬間、絵美里は意外な姿を目の当たりにする。
襲ってきた男はそのまま地面に崩れ落ちたのだ・・・、
何もしてないのに!?
しかもライトに照らされたカラダは服を着ている・・・これって・・・、
血まみれになった初老の男の人・・・警備員の人っ?
「ンエエエエエエッ!!」
いっぱい食わされた!
ヤツは殺した警備員をたてに、時間差で襲い掛かってきたのだ!
むしろ、懐中電灯を掴んでる絵美里は、ヤツの格好の標的だ。
男の凶悪な右手が絵美里に向かって伸びてくる。
もはや懐中電灯は必要ない。
絵美里は電灯を床に落とし、両手で定規を握りしめる。
ギリャンッ!
なんとかヤツの攻撃を払う事が出来たが攻撃に移れるほどの余裕はない。
・・・負けるもんかッ!!
男も、さっき麻里に鼻を砕かれた事など忘れたかのように、絵美里のカラダに凶器を突き刺そうと、
笑いながら何度も何度も腕を伸ばす。
何とか足を止めないと・・・!
絵美里は定規の内側の角で、どうにかヤツの金属の鉤を引っ掛けることに成功した、
・・・だが力勝負では・・・!?
男は「ンエエエ!」と笑いながら力を込めてくる・・・!
いくらこっちは両手とは言え、非力な女性のカラダである。
・・・いつまでも堪えきれるわけでもない!
「どぉしてっ・・・!?」
絵美里は力いっぱい抵抗して叫ぶ・・・。
「どおしてメリーさんを狙うのよッ!?」
男はそのまま手の力を抜くことなく、目を真ん丸く見開いた・・・!
「ンエエ! どおして? 決まってるだろう!?
メリーさんの羊はメリーさんの行く所、どこへでもついていくのさぁ!!」
「そ、それはマザーグースでしょぉッ!? ・・・なんであんたが・・・!?」
「ンヘェ!!」
「きゃあっ!!」
ついに男のパワーは絵美里を上回った!
後ろの壁際に尻餅をついた彼女に、今度こそはと男は下半身を隆起させる・・・!
よほどこの瞬間を待っていたのだろう、
男は一瞬カラダを硬直させ雄たけびをあげた。
すぐさま男は倒れた絵美里に馬乗りになろうと、四つんばいで覆いかぶさろうとする。
・・・この位置なら・・・!
タイミングはここしかない! 二階の手すりから麻衣が叫ぶ!!
「こっちを見なさーい!!」
「んえ?」
男は勿論、麻衣の存在に気づいていなかった。
男が上を見上げた瞬間、麻衣はネットを広げたまま真下に落下させた。
絵美里は男と刃を交えてる最中、できる限りにとカラダを壁の近くに移動していたのだ。
男の方も、暗がりの為、上から降ってくるものがナンだか分らず、
鉤爪のついた手を振り回しただけで、モロにネットの網をかぶってしまった。
「ンエエエエ!?」
そしてそれを確かめると、床に落ちたネットの端を掴んだ絵美里は、
電光石火の素早さで、男の周囲をグルグルとまきつけてしまう。
計算どおりよ!!
男も自分の状況が分ったのか激しく抵抗するが、
勢いあまって床に倒れてしまい、網から抜け出すことが出来ない。
これで勝負は決まったも同然だ!
「やったね!!」
麻衣は嬉しさの余り、梯子を降りて絵美里に近づいた。
未だ網から抜け出そうと、男が暴れてるので、そばには寄れないが、
少なくともこれで一安心。
「こらーっ、さっきのひとーっ!!」
麻衣は体育館の暗闇に向かって大声をあげる。
「あたしたちの勝ちよーっ!! 早くあたしたちを解放してーっ!!」
・・・しかし辺りは何の変化も反応もない・・・。
床に転がった男がもがいてうめき声を上げているだけである。
確かにこのままでは、どうにもならない。
ネットを巻きつけてるだけでは不安だし、かといって、この状態で、こいつの息の根を止めると言うのも、
一般人の取るべき行動とは言えないだろう。
早く警察に任せたいんだけど・・・。
「麻衣ちゃん、さっきのマットで巻いちゃえば完璧にコイツ、動けなくなるんじゃない?」
「そうだねー? でも、あれ持ってくるのキツイんだよねー?」
・・・その時二人は間違いなく油断をしてしまっていた・・・。
床に転がっているヤギ声の男は、ネットの隙間から手を伸ばし、
不用意に間合いの中に入っていた絵美里の足元を切り裂いた!!
「アっ!!」
その瞬間、絵美里のカラダから一気に力が抜けていった、
百合子のカラダを二人で酷使していたのだから当然かもしれない。
一方、ヤギ声の男は、相変わらず自由には動けないものの、
彼女たちの隙をついて「ンエエエエエエ!!」
と叫びながら立ち上がった・・・!
彼は、ネットの隙間から右手を伸ばすことに成功していたのである。
この時点で、麻衣も絵美里も、既に作戦や策などもう残っていなかった・・・、
そして体力も・・・。
先ほど絵美里が尻餅をついたのは作戦のウチではあったのだが、
もう、演技ではない。
このまま上に乗っかかれてしまえば、もう抵抗する手段はない・・・!
男は不器用に一歩ずつ近寄りながら、絵美里を見下ろして涎を垂らしていた・・・。
なんとか上半身を起こして定規を構えるも、
立場の逆転に気を良くした男は、平然とその右手を振り回す!
「あぐっ!?」
手首ごと、定規を弾かれて、たった一つの武器が向こうに飛んでってしまう。
勢いあまって再び男は倒れるが、動けない絵美里の足をガシっと掴んで放さない・・・!
「絵美里ちゃん!」
麻衣もなんとか、絵美里を助けようとするが、簡単に男に弾き飛ばされて倒れてしまう。
彼女も、もう・・・限界なのだ。
「ンェェエエエッ!」
男は再びヨレヨレと立ち上がった。
素っ裸で、バレーのネットをカラダじゅうに巻きつけ、顔は大量の出血で薄汚れてしまっている・・・。
だが、その顔面は歓喜の笑みを浮かべて歪んでいた・・・!
・・・悔しい!
もう手は残ってないの!?
せっかく新しい人生を手に入れたのに!
レッスルお爺さんと、百合子ママにもらったこのカラダと命を・・・!
こんなところで・・・!
それに・・・、もしあたし達がやられたら、麻衣ちゃんは!?
男はゆっくりと右手を振りかぶった・・・、今にもその手が振り下ろされる事だろう・・・!
そのとき・・・
ガチャアアアンッ!!
二階の窓が割れる音がした!
ほとんど同時に空気を切り裂いて近づく何かの音が・・・!
…ブンブンブンブンブ ン・・・ドガァッ!!
ちょうど・・・絵美里と、麻衣の中間ほどの地点に・・・黒光りする金属製の何かが床に突き刺さった・・・!
もちろん、男もその何かに視線を奪われ、彼の攻撃も一時やんでいる・・・。
黒光りする細長い金属・・・、アレは・・・
見覚えのあるアラベスク文様・・・長い柄・・・あの禍々しい形状・・・あれは、ああ、あれは・・・!!
どうしてここにこれだけが・・・!? Lady メリーの忌まわしき武具・・・「死神の鎌」っ!!
「ママァッ!?」
☆ はい、今日はここまでぇ!
こっから先をどうするか、最近までホント悩みまくったんだよなぁ・・・。
>>256の辺りでは、既に「死神の鎌」の出現シーンは頭に浮かべていたのだけれど・・・。
やっべー…
なんか…もぅね…
れでぃサソ俺泣きそうだよ…
(つД;){ゆりこサソ…)
キャッスルオブメリーに少年が入ってきた時の事だって…
アラベスク模様の鎌が使用中=ここでゆりこサソがなんて…
感極まってる&続きが楽しみだけど、少年の言葉も気になって仕方がないよ!!
ウワーン
>>461 ・・・ハッ! ようやくレスが!
ありがとうございます、 反応ないんで、泣きながら少年とレッスルのやりとり作ってました。
そっちはまた次の日、うpするとして、
今日の分、遅くなりましたけど、投下します。
また、明日、読んでくださいねぇ。
その時、一瞬とはいえ、確実に体育館の時間は凍っていた。
誰もが、圧倒的な威圧感を持つ、そのアラベスク文様の鎌から目を離す事が出来なかった・・・!
・・・この鎌がここにあると言う事は、
お人形になってしまったママがそこにいるということ・・・!?
でもどうしてこの「死神の鎌」だけが・・・?
やはり、現在のメリーでは戦うだけのエネルギーが溜まっていないと言うの?
・・・きっとあたし達を助けるための、出来うる限りの行動がコレ・・・?
でもどうしてっ!?
この「鎌」を誰に使わせるつもりなの、ママ!?
あたし?
絵美里ちゃん? 麻里ちゃん?
確かにこの鎌の攻撃力なら、ヤギ声の男なんか一たまりもないよっ、
リーチもその攻撃方法も、きっとコイツには対応できないよ。
でも、あたしはすでにふらふらだよ!?
せっかく人間に戻ろうとしている絵美里ちゃんたちに、今更これを見せてどうするの!?
・・・そして何よりも・・・
この「死神の鎌」は・・・普通の人間には持てないんでしょ!?
その地にある負のエネルギーを吸収して力に変える「死神の鎌」の恐ろしい特性は、
感情や心のある人間の精神を破壊してしまう・・・!
二人分の精神力を持つ絵美里ちゃんたちなら?
感情がないはずのリーリトの力を持つあたしなら?
・・・ダメに決まってる!
そんな事ぐらいで、この見ているだけで力を奪われそうになる鎌の魔力から逃れられる筈はない!
・・・リーリトにだって感情はある・・・、特にパパの子供でもあるあたしには・・・!
でも・・・でも、もしリーリトになりきるなら!?
人間の因子を捨て、感情を捨て、男の人を愛する事もなく、
命を永らえ、禁じられた能力を手に入れようとするのなら?
ママはあたしにそれを選べって言うの?
あたしに・・・ママができなかったそれを選べって言うのっ!?
お願い! 答えてよママっ!!
・・・そして絵美里たちにも、この鎌の耐え難い誘惑から逃れられるはずもなかった・・・。
150年の長きに亘って使い続けてきた愛用の武具・・・。
それは彼女たちのカラダの一部とさえ言って差し支えない・・・。
・・・これさえあれば全て解決する!
肉体は昔のカラダでないものの、その重み・・・感触・・・敵を切り裂いた時の手ごたえ・・・、
全てが昨日の事の様に生々しく思い出される。
今や、絵美里は、
かつて熱い恋に落ちた恋人が帰ってきたかのように、
地面を這いつくばりながら必死にその手を伸ばそうとする。
・・・心が壊れる?
それが何だというの?
そんなものは昔もなかったじゃない!
いま、あたしたちがすることは、麻衣ちゃんを守ること!
あたしたちにぬくもりをくれた・・・
あの・・・永遠に拡がる何もない白い世界から・・・
何も変わらない・・・何も起きない無限の時間が流れる虚ろの世界から助けてくれたのは麻衣ちゃん・・・、
それにパパさん・・・!
百合子ママがいなくなって寂しいはずなのに、
愛しい人のカラダを・・・あたしたちが占拠してしまったのに、
二人は一度もあたしたちに、つらい言葉をかけなかった・・・!
・・・それどころか
本当の家族のように・・・
”マリー! ・・・引き返せないかもしれないけど・・・”
”ええ、エミリー! その先は言わないで! あたしたちはどこまでも一緒よ!”
今や、絵美里と麻衣は、磁石に吸い寄せられたかのように、
自分こそ先にと競って「死神の鎌」を掴もうとその手を伸ばす!
そして片方の手がその柄を掴もうとした時・・・
・・・こぉーら、お嬢ちゃんたち? それに触れてはいかんぞぅ・・・
・・・
・・・今の声は!?
それは彼女たちの頭に直接響く声だった・・・。
麻衣にとってはさして珍しい現象でもなかったが、
それができるのは、同じリーリトであるおばあちゃんと百合子ママだけ・・・。
それ以外の人間の声など、不意に聞こえるはずなどない・・・。
・・・だが、今の声は・・・聞き覚えのある・・・懐かしい・・・、
そう、麻里や絵美里にとっても、絶対に間違うはずもないあの温かいお爺さんの声・・・!
レ ッ ス ル お 爺 ち ゃ ん !!
でもいったいどこから!?
彼女たちは、まるで憑き物が落ちたかのように、「死神の鎌」を掴む直前でその行動を止めていた。
だが、改めて現状を確認するに、絶体絶命の事態は何も変わっていない。
ヤギ声の男も再び行動を開始し始めた。すでに充血しきったこの男の眼球には絵美里しか映っていない。
「ンエエエエエ! リジー・ボーデン トゥック アン アックス!
斧を手にしてお父様を
なんと40回も滅多打ち!
自分の犯した恐ろしさに
我に返ったリジー・ボーデン!
今度はお母様を41回滅多打ち!!」
・・・男はマザーグースの一節を歌う、 ・・・まるでその詩をなぞらえるかのように!
もはや絵美里も麻衣も、その視界には凶悪な姿の男しか映っていない。
その為、男が腕を振り上げた時、床に突き刺さった鎌を掴む、太い腕に気づく者は誰もいなかった・・・。
・・・暗い体育館に黒い光が煌めいた・・・
「ンエエエエエッ!?」
その光は麻衣にも絵美里にも見えたが、何が起きたか分らない、
突然、ネットグルグル巻きの男の腕から大量の血が噴出したのだ!?
なんで!?
何が起きたか確かめるために、絵美里が顔を起こしたとき、
そこには長い四肢を持つ、身の丈二メートルもあるのでは?
と、思えるほどの、粗く長い髪を有した大きな男が、「死神の鎌」を手にしてそこに立っていた・・・!
一方、ここは学校の屋上・・・、
屋上には二メートルのほどのフェンスがあるが、
そのフェンスの上に一人の少年が座って眼下の体育館を見下ろしていた・・・。
「・・・フーン、あのメリーとかいう人形が来るかと思って、
外からは誰でも入れるようにしといたけど・・・、
まさか『アイツ』直々においでになるとはね?」
・・・そして、そのフェンスの下には、ワイシャツ姿の外人が立っている・・・。
スティーブ・・・。
「あ、あの、天使サマ、エミリーさん、マリーさん? ・・・は無事なのでショウか?」
スティーブの質問に、少年は子供っぽく首を傾ける。
「・・・ああ、安心していいんじゃないかな?
まだ覚醒してないようだけど、あの『男』にまともにぶつかって勝てる人間なんかそうそういないよ、
そろそろケリ着くんじゃない?」
「オー、それは良かったです、私は使命を果たし、みんな助かる・・・、これで肩の荷が下りマシタ。」
「はは、ご苦労さんだね、君には、彼女を誘い出してもらったり、
お水の女の子に近づいてもらったり、いろいろやってもらったもんね?」
「勿体ナイお言葉です・・・それで大いなる計画の方は・・・。」
「ああ、支障はないよ、・・・もっとも僕は監視するのが役目だから?
決定は上の方で決めるんだろうけどね・・・。」
「おお、恐ろシイ・・・、
果たして約束された地へ辿り着けるのはいったい、どれぐらいの人々なのでショウか?」
「スティーブ・・・それは君たち次第だよ・・・、
僕ら天使の側につくか・・・、それとも一万年前と同じように・・・『あの男』と同じ道を選ぶのか・・・。」
「私、頑張りマース、一人でも多くの迷える子羊を救えるように・・・、エミリーさんもメリーさんも・・・!」
「ああ、そうだね、今後もよろしく頼むよ・・・。」
そして少年は再び視線を体育館に向ける・・・。
「さて、とりあえずは一件落着・・・かな? だが、メリーどうする?
今後も同じことが起きないとは限らない・・・、相手は既に死んでるんだ、メリー、君は死人と戦えるかい?
・・・全く人間の心ってヤツは・・・ホント厄介な『贈り物』だよ、・・・ねぇ、ヴォーダン・・・。」
467 :
Lady メリー ◆MERRY.VeEM :2006/11/06(月) 02:36:58 ID:t87cw/qF0
☆ ではここまでで・・・。
ヤギ男はあと一日分でケリつくかと思うんですが、明日はレッスルを先にうpしますね。
あと、スティーブが人のオーラを見えたり、エミリーたちの携帯番号知ってたりしたのは、
こういったわけであるとご了解下さいね。
そしてさらに、今回、マザーグース関連調べてて、
どっかの人が書いた絵があったんでリンク貼っときます。
http://www8.ocn.ne.jp/~kaneyo/lizzie01.html リジー・ボーデンだそうです。
468 :
ラビン ◆0jWT6fJoYY :2006/11/06(月) 02:47:33 ID:WxgmMpVIO
>>467 >>461さんも見てるし、自分も毎日元気にROMってるので、
御話続けて頂けると嬉しいです。
>>469 わーい、ここにも読者の方が。うれしい!!
でももうじき物語りは終わりですよー、
あと、いくつかのエピソードで・・・。
まずはフランスからぁ。
それにしても、また余計な伏線張っちまった・・・
>>466 そんな余裕も予定もないのに・・・。
さて、話は佳境ではあるけども、ここで時間を一年ほど過去に遡ってみたい・・・、
場所はフランスの貧民街・・・。
夢を持ってフランスに移民したはいいけれど、外国人に対する差別はこの国も例外ではなく、
とくにアフリカ出身者、イスラム教徒はなかなか職にもつけずに、
吹き溜まりのようなこの町で、その日限りの暮らしをしている者が殆どだ。
若者は犯罪や暴力を繰り返し、五体満足でないものや年寄りは、人目を避けるように、
ゴミ拾いをしたり、レストランの勝手口から残飯を漁る・・・。
どこの国でも大差はない。
ここにも一人・・・。
空は厚い雲に覆われたグレーの町並み・・・。
わずかなチーズと瓶底に残ったワインを手に入れた高齢の浮浪者は、道端のベンチで横になり、
ある意味、幸せそうに口を動かしていた。
服はボロボロだが、何枚も重ねてあまり寒そうには見えない。
ベンチの下には愛用の杖が転がっている・・・。
もともとこの辺りで商売してる者などほとんどなく、低所得者や無職のものが安アパートに住んでたり、
勝手に住み着いてたり・・・。
故に人通りなんて滅多にあるものではない、・・・歩いてたとしてもろくなヤツではない。
ちょうど、ベンチで横になってた片目の浮浪者は、ワインの瓶を逆さまにして、
口の中に滴り落ちる最後のワインを愉しんでいた。
すると彼は、通りの向こうから静かにやってくる、この街にはそぐわない格好の少年に気づいた・・・。
年のころは15、6・・・。
性別に関係なく着れるような、ダークグレーのロングカーデを白いシャツの上に羽織った小奇麗な少年。
よく見れば男性だと判断できるが、小柄な体格と端正な風貌は女性と見間違っても不思議はない。
・・・ここにくるまでよく無事でいられたものだ・・・いろんな意味で。
少年は首を傾けることもなく、真っ直ぐと老人の横たわっているベンチに近づいてくる・・・、無表情のまま。
すでに老人の顔と視線は、近づいてくる少年に固定されていた。
ピクリとも動かない・・・。
そして少年が眼前で足を止める頃には、その眼球だけを移動させ、少年をじっと見据えていたのである。
先に口を開いたのは老人だ・・・。
「フン・・・お早い『お目覚め』じゃの・・・、もっとそのカラダでゆっくり眠っていればいいものを・・・。」
そこで初めて少年は涼しく笑った。
「・・・できればそうしたかったんだけどね、
ここのところ、君の周辺がにわかに慌ただしくなってるみたいだしね、
それに・・・ようやく『誰が彼の新しい肉体なのか』判別がついたところさ・・・。」
少年の意味深なセリフにも老人は動ぜず、
掲げたワインの瓶を振って未練がましくワインを味わおうとする。
・・・もう落ちてこない。
ついに残念そうに諦めた老人は、瓶を地面に置いて、半身を起こしベンチの上に普通に座った。
「そうかね? それでお前さんはその人間のカラダを使って何かするつもりなのかね?」
「いいや、僕の使命は『地上の魔』を監視することだけ・・・、
君や人間達が古の契約を犯さない限り、地上の人間達の間に溶け込んでるつもりさ。」
「フン・・・! まさしく天地ほどの開きのある者達が結んだ一方的な契約か・・・、
モノは言いようじゃの・・・?」
「それも君が望んだことだろう? いや、君というより、君の本体すなわち『彼』がさ・・・、
それに僕たちから見れば、君や人間達の方が余程脅威さ・・・。
本来、一万年以上前に絶滅するはずだった人間がなぜ、これほど繁栄しているのか?
大地の奥底に幽閉したはずの彼が、分身とは言え何故地上に出現できるのか?
・・・手玉に取られているのは、実は僕たちじゃないのかい?」
「・・・天使と言うものはしばらく見ない間に随分殊勝になったもんじゃのう?
それとも、人間のカラダに潜んでおるうちに、考えが変わっていくものかな?
なぁーに、お前さんがたの天空での権勢は揺ぎ無いものじゃよ、
わしの本体が何を考えてるが知らんが・・・、もう少し人間のカラダを楽しむといい。」
「あいにく、僕は君や人間達を過小評価も過大評価もするつもりはない、
人間に何が出来るのか、出来ないものはなんなのか、
それを見極めるのも僕の仕事でね・・・。」
そると老人は高らかに笑い出した。
「ハーハッハッハッハ! だからこそ、その人間のカラダを愉しめとゆーておるんじゃ、
お前さん、たかだか15、6年で人間の何たるかを理解したと言うのかね?」
老人は指を曲げて少年の顔を突っつくふりをする。
少年が答えないうちに老人は更に言葉を続ける・・・。
「お前さん、今までそのカラダで天使の精神を眠らせていたんじゃろう?
それでも、人間としての人格は少なからず天使の影響を受けたはずじゃ、違うかね?」
「・・・その通りだ、おかげで中学まではまともな人間関係を作れなかったな、
作る必要もなかったけどね・・・。」
「だから『目覚めが早い』とゆーたんじゃ、
それにお前さんの使命は『魔を監視する』・・・?
イヤイヤ、そうではあるまい、それだけなら天空の彼方からでも十分地上を監視できるじゃろう、ンン!?
おまえさん達が一番恐れているのはワシやヴォーダンではあるまい・・・!
お前さんたちに最も理解できないもの・・・『心』じゃろう!!
かつて人間がエデンと呼ぶ場所において、
ヴォーダンが人間に与えたもの・・・『心』、
故にお前さんたちは、人間がどのように進化するのか全く予想することが出来なくなった、
ならば、『心』すなわち『魔』を手に入れた人間達を滅ぼしてしまえと!
ところが・・・それすらも叶わぬ・・・となれば・・・!」
「フン、さすが神々をも欺く魔王の分身だね・・・、
『彼』や人間を滅ぼすのは今でも容易い・・・だが我らにはそれが出来ない・・・。」
「・・・言っとくが、その件ならわしゃ知らんよ、ヴォーダン本人がお前さんたちの秘密を握っておるからの、
ま、『心』を理解するために、人間に転生するのは賢明じゃとわしも思うぞ、
だが、お前さんはまだ人生の愉しみを何も知らん・・・!
家族のぬくもりは? 苦楽を共にする親友はおるのか?
人を愛したことなどあるまい? 子供を持つことは!?
・・・それらをせず、人間のカラダを借りた所で何の意味もない・・・!」
少年は老人の言葉を真剣に受け止めていた・・・。
老人の指摘は一々的を得ており、少年の今までの人生に思い当たる節が多すぎたのである。
・・・だがその言葉を素直に受け入れるわけにもいかない、
なにしろ、この男レッスルの本体は、
過去から現在にまで神々を騙し続ける、彼らにとって史上最大の詐欺師なのだから。
近い将来、ヴォーダンや人間が神々の最大の脅威にならないと言う保障はどこにもない。
だからこそ、人間の本当の姿を理解するために、少年は人間のカラダに送り込まれたのである。
一方的に老人に説教かまされたカタチの少年は、落ち込むことも悔しがることもなく、
冷静に老人の言葉を理解しようとする。
「いや・・・、そういうことか、なるほど、いい勉強になるな、
だが、君のことだ、話半分で聞かせてもらうよ。」
老人はこけそうになる・・・馬鹿馬鹿しくなったのか、片手で頭をボリボリ掻いた。
「・・・仕方ないのぉ? ま、こんなこともあるだろうと思って既に手を打っといたわい。」
「なんだって!?」
初めて少年に動揺が見えた。
老人、レッスルには予知能力は無いと分析していたのに・・・!?
「おっと、誤解せんでくれ? おぬしの為じゃ、人間の心を知りたいんじゃろう?
ある知り合いの女性に、お主のプロフィールを紹介したんじゃ、
・・・超心理学的な手段での。
天使と恋仲に陥れると言うのなら、喜び勇んでおったぞ、ま、障害は多いじゃろうが・・・。」
少年はしばらく無言だったが、そのうち呆れたように口を開いた・・・。
「・・・ちょっと待ってくれ、
最近、人間として使ってるメアドにやたらと、メールを送ってくるマーガレットという女性は・・・。」
「おほぉ、相変わらず積極的じゃの、派手な格好しとるが、気立てのいい女性じゃ、
まさか天使様がつれない言葉は吐かんじゃろうな?」
少年は頭を抱えた・・・、一応こういうとき、どういうアクションをとるべきかは学習しているようだ。
「・・・恐ろしい・・・本当に恐ろしい存在だよ、お前は。
この世から消してしまいたいぐらいだ・・・。」
それを聞いてレッスルはニヤッと笑う。
「本音かの? まぁ、安心するが良い、いずれにしろ、この時代では、もうわしの役目はない、
かつてから胸につかえていた後悔もいまはない・・・。
このカラダの寿命を待っとっても良いのじゃが・・・。」
「フン、しらばっくれるのはよしたらどうだい・・・、ヴォーダン復活には多くのエネルギーがいる・・・、
お前の命も例外では・・・あるまい。」
「・・・ホホ、ご名答じゃよ、さて、それでは、いい機会じゃ、とっととこの世からおさらばするかの?」
「待ってくれ・・・、一つ聞きたい。
お前は・・・ヴォーダンは完全復活をするつもりなのか、この現代で!?」
・・・老人は再びベンチに横たわる。
一度、少年の問いに、顔を横に向け、質問には真っ当には答えずはぐらかす・・・。
「安心するがよい・・・、
『彼』もまた、進化の途中じゃ・・・、
悩み、苦しみ、怒り、悲しむ・・・。
お前さんたちから見れば馬鹿馬鹿しく見えるかもしれんが、
人は母の胎内で、過去の進化を繰り返す・・・。
そうやって産声をあげるのじゃ・・・、
そして、それは個人の話ではない・・・。
人は何度も何度も間違え、愚かな行為を繰り返し、祖父母の代から父母、子供、そして孫へ、
未来永劫繰り返していくのじゃ・・・、
そして・・・ヴォーダンにも寿命はある・・・。
わしにはわからんが、既に『彼』のヴィジョンには、自らの死の未来が写っている筈じゃ、
そして、その後は人間がどう世界を作っていくかじゃ、
老兵は去るのみ・・・、
新しい世界は新しい世界に住むものが作っていくべき・・・お前さんたちはそうは思わんかね?」
「・・・・・・。」
老人は顔を戻して、たった一つだけ開いていた目を閉じる・・・。
両手は胸の上に組まれていた・・・。
まるで眠るかのように・・・。
「少年」はその姿を見て、何故かいらつきを覚えていた・・・。
人間の感情など沸き起こるはずもないのに。
そのいらつきとは、自分で「心」をコントロールできないことによるものである。
ときどき・・・湧き上がるこの衝動・・・、いったいなんだと言うのだ!
・・・もうここには用はない、少年は反転し・・・もと来た道を帰ろうとする。
途中、たちの悪いごろつきの二人組みが、身なりのいい少年に絡んだ・・・。
「はぁい、ぼっく〜! どこから来たのぉ? お兄さん達といいこといしないいぃぃ!?」
「お財布があったらおいってってくれるだけでもいいよぉぉぉ!?」
だが、少年は彼らを一瞥すると、鼻を鳴らして無視して通り過ぎようとする。
「ちょっとぉぉ、待ちなさいぃ? 人が話しかけてるのにその態度はなぁにィ?」
一人が小柄な少年の肩に手をかけた。
・・・その手をにらむ少年。
彼は、すぐに手をかけた男の顔に向かって口を開く。
「・・・放せ、人間・・・。」
ごろつきたちは互いの顔を見つめて笑い出した。
「あっはっはぁ!!『放せ人間』ですってぇぇ! こっわぁぁい!!」
「きっと照れてんだよぉぉ、たっぷり可愛がってやろうぜぇ?」
少年はため息をついて、首を元に戻す。
「放せ、と言ったはずだ・・・。」
ごろつきたちはさらに下品な行動に出ようとしたが、
突然、自分のパートナーのカラダに異常が起きるのを目撃した。
・・・互いのカラダが見る見る化け物の姿に変わっていくのだ!
少年はなんともないのに!?
二人の目には、今の今まで仲間だった者が、眼球が浮かび上がり、
口からは凶悪な牙が伸び始め、皮膚はボコボコと膨れ変色していく!
それぞれが悪魔の使いのような醜悪な姿に変貌していく姿を捉えていた・・・。
もはや仲間でも知り合いでもない!
自分の身に起きた変化より、目の前の正体不明の化け物から身を守らなくては!!
二人は刃物を取り出し、叫び声をあげながら互いのカラダを切り刻み始めた!
痛みは感じてないらしい・・・、
ただパニックを起こしたまま、互いの命が尽きるまで殺し合いを行っている・・・!
いつの間にか、少年はその場から姿を消していた・・・。
後に、地元警察は、
ベンチで死んでいるレッスルと、少し離れた道端でケンカがエスカレートしたのか、
二人のごろつきの流血死体を発見する・・・。
少年が老人と話している姿、また、
この少年が二人のごろつきに絡まれている姿を目撃した情報はあったが、
複数の証言の一致から、事件として扱われたのは、二人のごろつきの仲間割れだけとなった・・・。
これが・・・一年前、フランスの移民居住区で起きた出来事である・・・。
☆ 長くなっちゃってすいません。
次回はついにあの方が・・・!
・・・てなわけで、あと、三回ぐらいで終わる・・・?のかなー?
ぉぉ、レッスル爺ちゃん満載だ(喜
あんな冷静沈着な少年の『心』を動かす爺ちゃん…さすがだ
スティーブの謎はそういう事か…納得
>>469サソとともに…
続き(・∀・)ワクテカ
どうでもいい話ですが…
れでぃサソに影響されまくりで、ゆりこサソが大好きで、ゲームとかで名前つける時に『リーリト』の名前をもじったりしてる俺…キモw
479 :
378:2006/11/07(火) 05:39:10 ID:RRNIKAue0
Ladyさん、ぐゎんばれ!
見てますよ〜!泣いてますよ〜!(w
>>478 だいじょうぶ、おいらも、昔FF4やったとき、
主人公をタケルにしたし、
ロマサガ2では最終皇帝ミカだったし・・・
メガテンでは名前かぶりまくりでとてつもなく混乱したし・・・。
>>479 ありぐゎとうございます!
では行きます!
さて、舞台を現在の日本に戻してみよう。
体育館のフロアーでは、麻衣も絵美里も、全く心当たりのない闖入者に目を白黒させていた。
百合子ママでも、スティーブでも・・・ましてや「少年」でもない。
それこそ、巨人とも見まごうばかりの長身の男・・・、
暗がりの中だが、その出で立ちは、そこら辺のフリーターとさして変わりないのは分る・・・。
だが彼の体格は、それこそテレビの格闘番組でもないと、お目にかれないような逞しいそれである。
唯一、奇妙な点は、彼の体格はプロレスラーにありがちな肉の鎧を纏ったというものよりも、
寧ろ細身の、まるで飢えた狼が人間の格好になったかのような、
無駄な贅肉をそげ落としたタイトなものである。
・・・そのせいか、いやに手足が長く見える・・・。
その彼が「死神の鎌」を持つ姿は、それこそ「死神」かカマキリを連想させてしまう。
・・・それより・・・どうして、この人は「呪われた鎌」を持って平気でいられるのだろう?
確かに、一般人なら滅多に見るはずがない巨大な凶器を珍しそうに扱ってるが、
それ以上の危なげな反応は全く見せない。
絵美里は四つんばいのまま、背中を見せる巨躯の男に話しかける。
「あ・・・あの、あなたは?」
男はそれに反応したが、今は目の前の変質者が先だと判断したのか、前方へと歩を進めた。
一方、ヤギ声の男の右手首はスッパリとなくなっていた・・・、
その辺に鉤状の突起物を生やしたまま転がっている。
自分の目的を完全に邪魔された男は、ようやく我に返り、
半狂乱になって目前の大男に飛び掛った。
「ンェアアアアッ!!」
だが、大男は動じない・・・、
片手で鎌を携えたまま、もう一つの手で、残るヤギ声の男の左手をガッシリと掴むと、
高い身長を生かし、そのまま力を込めてねじ伏せようとする、
・・・圧倒的なパワーだ・・・!
それを見ていた麻衣の身体にも、不可思議な現象が起きていた・・・、
彼の姿を見ているうちに、背中がぞくぞく・・・、
恐怖ではなく、熱い興奮のような何かがカラダの端々から湧き上がってくるのだ・・・。
この人は!? ・・・あたしの、あたしのカラダの中の血が騒ぐ!?
ヤギ声の男は甲高い叫び声を発して暴れ続けるが、もう勝負にならない。
腕を完全に押さえられて見る見るうちにカラダが折れていく・・・!
そして大男も力を緩める気配はない、
麻衣たちには、ヤギ声の男の骨のきしむ音が今にも聞こえてきそうだ。
大男はうなり声を上げる・・・。
「・・・っら〜ぁぁぁあああああああ〜ッ!!」
バキッ!!
鈍い嫌な音と共に変態ヤギ男の左腕は完全に粉砕された!
彼の悲鳴は、最大限の音量で体育館全体に響き渡る。
もはやコイツには逃げる事しか選択肢は残されていないはずだが、
グルグルのネットで思うようにカラダをコントロールできない!
・・・大男は最後に、死刑宣告でもするかのように静かに語りかけた。
「・・・おめーの境遇には同情するがよ・・・、
無関係の人を殺しすぎたよな・・・?」
彼は「死神の鎌」を振りかぶった・・・。
次の瞬間、目にも留まらぬ速さと勢いで、ヤギ声の男に向かって繰り出された!!
ンエエエエエエエエエエッ!!
袈裟切りだ・・・!
左の肩口から鎖骨と胸骨を全て粉砕して内臓をも破壊する・・・!
ヤギ声の男はまさしく断末魔の悲鳴をあげて体育館の床に沈みこんだ・・・。
・・・終わった・・・? 助かった・・・の?
麻衣は力なく、よれよれと歩きながらも、這いつくばってる絵美里のそばに寄ると、
ガシっと彼女のカラダを抱きかかえた・・・。
絵美里ちゃん・・・、麻里ちゃん・・・! 終わったんだよ!?
・・・絵美里も、麻衣のカラダに手を回す・・・。
あたしたち・・・みんな、無事? 助かっちゃったの?
二人の顔は疲労困憊だが、緊張が全て解け、別に笑うつもりもないのだが、
勝手に顔がほころび始めた。
そこで、大男は振り返って、鎌をそのまま床に突き刺した、
彼女たちを心配して、這いつくばってる絵美里に手を差し伸べる・・・。
「あ・・・あの、大丈夫・・・っすか?」
・・・今までの緊張感からは考えられないほどのギャップがあるふっつーのセリフだ、
ちょっと呆気にとられた絵美里だったが、勿論その手を拒絶する理由はない。
「は、はい、だいじょーぶ・・・です、・・・アイタタタ!」
そういえば、足を切られたんだ・・・。
大男はどうしていいか、わからずオロオロする・・・、
え・・・と、保健室に運べばいいのかっ・・・?
彼は絵美里をまるで空気のようにヒョイと抱きかかえると、(きゃ♪)
麻衣を見下ろして、気弱そうに尋ねる。
「え、あー、君、妹さん? この学校のコ? 保健室へはどうやって? あ、救急車の方がいいの?」
思わず噴出す麻衣。
「絵美里ちゃん、だいじょぶ? (男に向かって)ごめんさない、ここで調べないといけない事が・・・、」
「そ、そうかい? なるべくなら離れた方がいいと思うけど・・・。」
男はゆっくり絵美里を下ろした。
絵美里は絵美里で、初めて安心して抱かれる逞しい胸にドキドキしている・・・もちろん麻里もだ。
いちど、麻衣は変態男を振り返った・・・まだ息がある?
すでに虫の息だったが、彼女は恐る恐る男のほうに近づいてみた・・・。
「おい、おい、お嬢ちゃん・・・?」
変態男の息は途絶え途絶えだ・・・、目は見開いているが、麻衣の姿はもう映ってないかもしれない・・・。
「何か・・・しゃべってる・・・?」
ほんの・・・蚊の泣くような小さな声だったが、男は最後の歌を歌った・・・、
不気味な・・・予言めいた歌を・・・。
「・・・ロンドン橋落ちる・・・落ちた・・・落ちる
ロンドン橋落ちるよ・・・僕の メリー さ ん」
同時刻・・・イギリス・・・そこでは未曾有の大惨事が起きていた・・・。
何者かによる連続大爆破テロにより、列車、道路は寸断され、首都機能はマヒ・・・
数時間後の緊急ニュースでは、数千人を越す死者が出たと報道される・・・。
だが、そしてこれ以降、イギリスのみならず、世界各地でテロ、内戦が頻発し始めるのである。
いや・・・、これも重大事件ではあるが、この物語とは、直接関わりのないお話・・・。
ヤギ声の男が最後に歌ったのは、ただの偶然だったのかも・・・しれない・・・。
ヤギ声の男は絶命した・・・。
このまま、こいつの頭に手を当て、この男の過去を読みとってもいいが・・・。
麻衣が振り返ると、絵美里が興味津々と男に質問をしようとしていた。
「あ、あの、あなたは?」
その答えを確かめてからでもいいや・・・。
「あ、オレ? 名乗るもんじゃないですって、
それに、お互いあんまり知らない方がいいんじゃ・・・?
警察にいろいろ聞かれたら・・・その、いろいろ面倒で・・・。」
確かにそれはこっちも同様だ・・・。
「じゃあ、あなたはどうしてここに?」
「・・・話すと長くなるんだ、
実はこの辺に、人体実験やってる奴らがいて・・・っつっても信じられない・・・よね?
まー、こいつはそっから逃げ出してきたんだよ。
オレも良く知らねーんだけど、何でも羊の脳の一部を移植されたんだって。」
「羊の脳を? 何で!?」
「分らない、知り合いの話じゃ、羊のように従順な兵士を育て上げるのが目的じゃないかって、
一度命令があれば、周りの人間の命を奪うようにプログラムされたらしい、
研究は未完成っていうか、こいつはおかしくなっちまったみたいだけど・・・。」
「じゃあなんで、マザーグースを?」
「マザーグース? なんすか、それ?」 ・・・彼にはそういう教養はないらしい・・・。
「あ・・・、じゃあいいです・・・。」絵美里は苦笑しながら、自分の髪に手を入れる。
今度は麻衣が聞く。
「えと、この場所へはどうやって分ったんですか?」
「ああ、何でか知らないけど、こいつ、卵が好きなんだって、あと、金もないだろーし・・・。
それで色々張ってたら、この辺りの小学校の鶏舎からニワトリの卵が盗まれてるって聞いてね、
地図で調べたら、被害に遭った学校の中心にこの辺りがあったのさ、
そしたら、なんか変な声が聞こえてきただろ? ま、偶然と言えば偶然だろうなぁ・・・。」
なるほど、そーゆー調べ方があったんだ・・・、ま、でも卵の事は分らなかったんだから仕方ない。
それより男は外が気になるらしい、
警察が来ないかどうか随分と気にしている・・・。
「・・・あ、あのオレ悪いけど、ホントに行くよ?
お姉さん、ほんとにだいじょぶ?
そこまで運ぶだけだったらするけど、時間的にこれ以上は・・・ちょっと・・・。」
でかい図体して変な所で気が弱そうだ、
絵美里も麻衣も笑うしかない。
「あ、大丈夫です、本当にありがとうございました!」
「あ・・・そう、じゃ、じゃあ、帰り道、気をつけてね!?」
男はそそくさと帰ってしまった。
体育館では、麻衣と絵美里・・・そしてヤギ声の男の死体が残されている・・・。
体育館の外では、大男が辺りを気にしながら、校庭から金網を越えて逃げ出そうとしていた・・・。
もう、結界は張られてないようだ・・・。
男が金網から地面へ着地した時、彼は木陰に誰かがいる気配に気づく。
「!」
だが、襲ってきたり敵意は感じない・・・。
暗い木陰から、黒いドレスの裾と、粗いメッシュのタイツが見える・・・、
通りの向こうの街灯が、そのドレスの柄・・・薔薇の刺繍を浮かび上がらせていた・・・。
「・・・誰かいるのか?」
男が尋ねると、木陰にいる女性は、顔も見せず、ただ、ゆっくりとした言葉を男に向かって投げかけた・・・。
「私は・・・あの子・・・達の母親です、本当にありがとうございました・・・。」
男は少し違和感を感じたが、あまりそんな事を追求する余裕はないようだ。
「ああ、そんな・・・、それより、一人、足にケガしてるみたいだから、早く行ってあげたほうがいいスよ?」
「はい、どんなにお礼を述べればいいか・・・」
「いやぁ、たいしたことじゃないですってば! ・・・あの、オレもう、行かないといけないんで、じゃっ!」
挨拶もそこそこに、男は再び逃げるように去って行く・・・。
・・・薔薇の刺繍のドレスを纏い、人形の白い顔をした百合子は、石膏の手を組んで、
いつまでも去り行くタケルの姿を追っていた・・・。
「ああ・・・レッスル様、いえ、大いなる我らが父よ・・・、貴方様の愛を感じずにはいられません・・・、
『力』に変換することはできませんが、・・・人形のカラダでも、憎しみや悲しみだけでなく、
愛の心を感じることはできるのですね・・・。」
☆ はい、ここまでです。
次回はまた週末になるかと思います。
あとはヤギ声の男の最後の謎と、
後日談と、
語られない物語その3
くらいで、今回の話は終わるかと・・・。
何か今までで「?」と思ったところは遠慮なく言ってください。
敢えて謎にしてる部分以外はお答えしますので・・・。
では。
Ladyさん、いつもROMってますが、楽しく読ませてもらってます!
何章も前の話の謎が解けていく爽快感が好きです。
そして、新たに増えてゆく謎に思考をめぐらせ…。
続きもwkwkしながら待っています!
Ladyさん、いつも楽しみにしてますよ〜
しかし、毎日書くの早くて凄い!遅筆な私に爪の垢を……
れでぃサソGJですよー!!
麻衣チャソ達を助けた男は…ルルル?
なんで鎌を持って大丈夫なの?
この辺は触れちゃいけないとこかな…
とにかくまた泣きそうですよ!!
ぁあ〜百合子サソ〜
(つД`)スキダ…
今、家に着きました。
わぁぁ、みんなみんなありがとう!
コメントを頂くと、早く次を書かなきゃ!
という思いに襲われます。
・・・まぁ、そうすぐにはできませんが・・・。
>>487 結構、話の前後に矛盾はないか、綱渡り状態で書いてます!
>>488 どこかで何か、書いてらっしゃるんですか?
もし、メリーネタなら、是非ここに!
>>489 >なんで鎌を持って大丈夫なの?
・・・そ・れ・は・ですねー?
ヒント Lady最終章で、レッスル爺さんがブンブン鎌を振り回してたのと同じ理由でございます。
防具で似たような事例はあるんですが、メリーの物語では今のところ・・・。
いつか機会があれば、美香姉ぇですら目をそむけた闇の防具、「ルドラの鎧」のお話を・・・。
491 :
ラビン ◆0jWT6fJoYY :2006/11/09(木) 01:46:39 ID:xk8D/zVQO
>>490 乙ですー
>>488書いたものですが…改変スレ専門だったりします^^;
メリーネタもそっちに投稿しています。
番外編もwktk
>>493 ァゥチ…なんでそこだけ見逃してたんだ
(´A`)ゴメンナサイ
レッスル爺ちゃん鎌振り回してたねぇ!
よし、過去ログ過去ログ…
しかも途中送信…orz
ルドラの防具!?
機会あったら(なくても)是非!!
(つA`)ミカネェ…
さて、初代スレから読み直してくるか
そ・・・そう言えば外伝「白いリリス」にあの神様の名前を・・・。
ヤベ・・・。
結構、外伝に出てくる少年がいっぱいばらしてますな・・・。
さ、早く、続き書かなきゃ・・な。
関係ない話だが・・・今日の夜にも2人目が生まれるかも知れない・・・
どきどきだわ
関係ない話すまん・・・。
おお! その時は是非ご一報くださいませ!!
またまた・・・申し訳ない!
無事生まれました!
ありがとう!
男の子です!
Ladyさんいつも楽しく読んでいますからね!がんbんばってね
お〜め〜で〜と〜お〜!!
おおっおめでとう〜♪
時間ないけど、三話だけ投下!
・・・さて、
体育館の中では、まだ、興奮さめやらぬ・・・といった雰囲気で絵美里が上機嫌でいた。
麻里とさっきの男の人の話を繰り返している・・・。
なつきちゃんといい、麻里ちゃんたちといい・・・、
”マリーったら気が多すぎっ! さっきまであのちっちゃな男の子の方にごしゅーしんだったクセに!”
”何言ってるのエミリー? あの男の子は顔が綺麗だなーって思っただけよ、
性格は嫌味っぽいでしょう? でも、今の人は面白そうなカンジだし・・・。”
麻衣の能力では、絵美里達の心の会話をいちいち読み取れるわけではないが、
だいたい、何で揉めてるかは想像に難くない・・・。
「・・・あのー・・・お二人さま・・・。」
彼女たちを現実に引き戻さないと。
「なぁに? 麻衣ちゃん!」
「あの男の人には・・・あんまりそういうことを期待しない方がいい・・・と思うよ?」
「どうしてぇ? あ! もしかして麻衣ちゃんもあの人のことを・・・!?」
「ちーがーうーよー! ・・・そうじゃなくってー、えー、なんていうかー?
・・・あの人は初めて会ったんだけど、・・・たぶん、あたしたちリーリトに関係がある人なんだと・・・思う。」
「えっ? ・・・どういうこと? リーリトって女の人だけじゃないの?」
「そう、リーリトは女性だけ・・・、でも・・・ね。
うーん・・・ごめんなさい・・・まだ、自信がないの。 今度、おばあちゃんかママに聞いてみるから・・・、
今は、コイツのことを・・・!」
ようやく彼女たちはヤギ声の男を注視した・・・、
完全に死んでいるようだ。
麻衣は男の頭の後ろに正座して、彼の顔を覗き込んでみる。
これでもさすがはリーリトの子だ、死体一つで大騒ぎするほどやわではない。
・・・ま、いまさらか・・・。
「麻衣ちゃん、・・・そいつの過去情報を読み込むの?」
「うん、さっきの人の羊の話はわかったけど・・・それだけじゃなさそうでしょ?
あの白いトレーナーの人も・・・なんか意味ありげなこと言ってたし・・・。」
「カラダのほうはだいじょぶ?」
不思議な事だったが、さっきの大男に会って以来、麻衣はわずかと言えど、心の力が回復していた・・・。
あと、一回ぐらい自分の能力を使用しても、大丈夫そうな自信がある・・・。
「うん、なんとかやってみるよ。」
絶好調とは言いがたいが、成功率は高い気がする。
問題は、この男の精神がイッちゃってると、
サイコメトリーで読み取れるものが、かなり雑然としたものになってしまうと言う事だ。
麻衣は正座して男のこめかみに両の手を添えて静かに目を閉じた・・・。
既に死んでいるが・・・、男の残留思念からはいろいろなものが読み取れる・・・。
それが役に立つ情報か、意味のない記憶かは、選ぶ事も出来ないが・・・。
麻衣の意識は暗い映像で占められた・・・、
暗闇に何か見える・・・動いてる・・・移動してる?
白い・・・ああ、羊さんたちの行進だ・・・。
どこからともなく歌が聞こえる・・・、
メ〜リ〜さんの羊、羊、羊!
・・・やはりこの辺りがキーワードなのだろうか?
歌はいつの間にか、クックロビン・・・
じゃなくてムクドリの歌に変わっている・・・。
これもマザーグース?
恐らくこの男の深層心理には、マザーグースが染み付いているのだろう・・・、
連想ゲームのように、麻衣が一つのトピックに意識を向けると、
その件に関連した情報が、次々と麻衣の意識に流れ込んでくる。
想像でしかないが、羊の脳を移植された時に、「羊」というキーワードをきっかけに、
マザーグース全体を呼び起こしてしまったのだろうか?
・・・少し歌の感じが変わる・・・この歌は?
どこか遠くで、たくさんの子供達が合唱してる・・・。
りじーぼーでんとぅっくあんあっくす りじーぼーでんとぅっくあんあっくす・・・
この歌は・・・さっきあの男も歌ってた・・・。
歌ってる子供の一人は、あのヤギ声の男の子供時代だ・・・それはわかる。
麻衣がこの歌に意識を向けたとき、
またもや連想シーンが別のものに変わった・・・。
ここは・・・どこだろう・・・?
広い草原・・・その中にある大きな一軒家・・・遠くにはなだらかな山々・・・、日差しが強い・・・真夏?
太陽がじりじりと照りつけている・・・。
セミがたくさん鳴いてるが、知っている種類の泣き声ではない、
風景も、家の種類も日本のものではなさそうだ・・・、
アメリカかオーストラリアか、・・・そんな広い土地がある国・・・。
その草原にポツンと建っている家の庭は、手入れのされていない雑草でぼうぼうだ・・・。
でも、無人の家ではない、
申し訳程度に掃除されてる部分もあれば、門の周りは草が刈られている・・・。
この男の実家だろうか・・・?
いや、違う・・・!
この風景は男の記憶ではない。
誰かの記憶が混じりこんでる?
まさか羊の・・・なんてことはないだろうに・・・。
麻衣が意識を向けている景色は、この男の他の記憶とは完全に一線を画す風景だ。
「りじーぼーでん・・・」の歌とリンクしているこの情景を見ていると、
何か異様な圧迫感のようなものを感じる・・・。
麻衣は残留思念の中の、その家の近くに近づいた。
・・・何だか嫌な気配がする・・・。
りじーぼーでんって何? 人の名前?
とぅっくあんあっくす? えーと、ティクの過去形・・・あっくす・・・斧!?
そういえば、こいつは日本語でも歌ってた・・・、
確か、父親と母親を斧で殺したって・・・?
誰が?
この男?
それともただの歌の中の出来事?
・・・ギ ャ ア ア ア ア ア ア!!
何、今の悲鳴!?
家の中から誰かの絶望的な叫び声がした。
麻衣は思わず、門をくぐりぬけ、その重い扉をガチャリと開く・・・。
☆ まだ、結構長いや・・・まだみんな油断しないでね。
では・・・また夜・・・。
・・・チック、タック チック、タック・・・
家の中には正面に立派な柱時計がある・・・。
玄関は泥で汚れている・・・その辺に長靴やスコップなんかが無造作に並べられている・・・。
叫び声は二階から聞こえてきたような・・・。
・・・もう、この時点で、麻衣が行ってるのは、
「物」や「人」から付随情報を読み取る「サイコメトリー」の領域の境界を超えていた・・・。
これはもはや、自分のカラダから精神を遊離させ、他人の意識下に潜る・・・いわゆる「サイコダイブ」だ。
もちろん、その能力はサイコメトリーより遥かに高度な能力で・・・そしてさらに危険な能力だ・・・。
その訳は・・・。
麻衣はゆっくり階段を上がった・・・。
調度品は立派な・・・いや、本来立派なものが多かったんだろうが、
汚れてたり、所々破損してたり・・・向こうの窓ガラスはひびが入ったままだ・・・。
階段の途中で何か聞こえる・・・。
シクシク・・・ウウ ウッウッ・・・
誰かが泣き続けてる・・・そんな声だ・・・。
くぐもって聞こえる女性の声・・・。
麻衣が階段を上がりきった時には、その泣き声は完全にはっきりと聞こえていた。
・・・この廊下の向こうの部屋・・・。
(ウッウッ・・・どうして、どうして? 何故こんなことに? パパ、パパァ・・・!)
奥の部屋の扉の、さらに奥にその女性はいる・・・。
扉は少し開いていた。
麻衣はそおっと、扉の隙間から覗く、その光景・・・。
一人のうずくまった女性が、涙を流しながら、床に転がっている何かに向かって語りかけていた・・・。
・・・あれは死体!?
酷い・・・、顔というか頭部は原型を留めていない・・・。
手足も正常な角度でくっついてないし、何しろ部屋の床は大量の血でびしゃびしゃだ・・・。
うずくまった女性はようやく泣き止んだようだ・・・、
死体は彼女の父親だろうか?
部屋の中のその女性は、ふらふらと立ち上がった・・・、
しばらくうつむいたまま動かない。
だが、彼女が部屋の出口に向かって振り返ったとき、
この部屋で何が起こったのか、麻衣は完全に理解した!
その女性の服には大量の返り血がこびりついていたのだ!
・・・そして右手には無骨な柄をした古めかしい斧が・・・!
彼女がこっちに来る!
・・・これはヤギ声の男の残留思念であり、現実の出来事ではない。
それはわかっていても、ついつい身の危険を感じ、階段の下へ駆け下りて隠れてしまう。
ゴツ・・・ゴツ・・・
ゆっくりその女は部屋を出て、一歩、そしてまた一歩と確実に階段を下りてくる。
麻衣の位置からはその女性の姿が見える・・・。
肩パットの入ったブラウスに、バルーンスカートを着た、ややふくよかな印象の女性・・・、
しかし、パチクリとした目は、強すぎるほどの意志の光を帯びていた・・・。
女性は階段を下りきると、そのまま一階の奥の部屋に向かう。
いったい血だらけの斧を掴んだまま、どこに向かおうというのだろう?
女は一階の角部屋の奥に消える・・・、
ところがすぐに、バタバタと慌ただしい音が聞こえてきたのだ。
(ンン! リジィッ! ゴギャッ ヘルッ・・・ンハッ グゲ・・・ゲボ ドガッグシャァッ)
・・・悲鳴・・・いや、悲鳴なのか嗚咽なのか、
カラダをグチャグチャに破壊してる音なのかは判別しようがない・・・。
ただ、悲鳴だとしたら、その被害者はやや年老いた感じのする女性のものだ。
この時点で麻衣は、完全にあの歌の内容が、事実を元に作られたものであることに気づいていた。
この斧を手にした女性こそ「リジー・ボーデン」に違いない。
いま、自分が目前に見ている光景は、夢でも妄想でもない。
遠い過去において、実際に起きた猟奇殺人、そしてこの事件が世間に広まった事により、
マザーグースの一つの童謡に取り上げられたのだろう。
その女性・・・リジー・ボーデンは、自らの父親を斧で殴り倒し、
いままた、母親をもその手に・・・!
麻衣は勇気を出して、その奥の部屋に近づく・・・。
きっと、
この女性のしでかした事件こそが、ヤギ声の男に多大な精神的影響を与えたんだ・・・。
・・・部屋を覗くと、その女性・・・リジー・ボーデンは、既に動かなくなった母親の残骸を、
今もなおその斧で破壊し続けている。
しかも、なかば狂喜じみた笑みを浮かべ執拗に斧を振り下ろすのだ。
一体どんな理由で両親を殺そうと言うのだろうか?
リジーボーデン、斧の手に取り父さんを、40回と滅多打ち、
我に返ったリジーボーデン、今度は母さんを、41回滅多打ち・・・
しばらくその恐ろしい姿を観察していた麻衣だったが、
この後さらに信じられないような出来事が待っていたのだ・・・。
・・・女はようやく満足したのか、息を落ち着かせながら斧の動きを止めた・・・。
腕が疲れたのか、斧を真下の人間に突き刺したまま、うつむいている・・・。
だが、口はもごもご何かつぶやいているようだ。
しばらくそうしていた後、
なんと彼女は突然、部屋を覗いていた麻衣に向かってニタァ〜っと笑いかけたのである!
「・・・なぜ・・・?
どうして、あなたはパパを殺さないの!?
さぁ、私と一緒に行きましょう?
貴方の大好きなパパを殺すの、手伝ってあげるわ!!」
麻衣のカラダに戦慄が走る!
この瞬間、麻衣は初めて恐怖を覚えた。
その恐怖とは、過去の映像の中の登場人物が、
観客者である自分に話しかけてきたという、驚愕の事実からくるものだけではない。
「愛する者を殺す」事を本能に組み込まれたリーリトには、抗しがたい禁忌の誘惑なのだ。
隙を見せればあっという間に、自分の心の奥底に眠る殺人衝動が湧き上がってくるに違いない!
・・・もしそうなったら?
ママが殺せなかったパパを・・・あたしが!?
ダメ! これ以上ここにはいられない!
そしてこいつ・・・! 全てはこの女性が元凶なのだ!
麻衣は必死の思いでこの場から離れようとした、
家の外に・・・
家の外?
出口は? 出口がない!!
慌てて後ろを振り返ると、リジーボーデンが薄ら笑いを浮かべながら近づいてくる!
でも狂気の色を浮かべた目は、不気味な光をたたえ、真っ直ぐ麻衣に焦点をあわせている・・・!
どうして!?
これは過去の映像でしょ!?
あいつに捕まったらどうなるの?
まさかあたしも操られてパパをっ!?
誰か! 誰かここから出して!!
・・・マイ マイ・・・ 麻衣っ!!
どこからか、自分を呼ぶ声・・・これは
・・・懐かしい声がする! ママだ! ママの声が聞こえる!
「麻衣!! こっちよ、早く!!」
少し離れた壊れてる窓ガラスから百合子の声が聞こえてきた。
麻衣は全速力で窓に向かってカラダを突っ込ませる。
ドサッと草むらに落ちたが、過去の映像なのだ、痛くもなんともない・・・それより早く!
早く現実世界に戻らないと・・・!
後ろからは、この世の終わりを告げるようなけたたましい笑い声が聞こえてくる。
聞いてるだけで頭がおかしくなりそうだ・・・。
振り返ってなんかいられない、
麻衣は百合子の声に従って、自分のカラダに還る道を見つけた。
このまま真っ直ぐ行けば・・・!
そしてようやく麻衣は、精神を元通り、自分のカラダに戻すことに成功した・・・。
だめ、
もう・・・げん・・・か い・・・。
「・・・ちゃん! 麻衣ちゃん!!」
カラダは汗でびっしょりだ・・・。
絵美里が心配して麻衣のカラダを抱きしめている・・・。
「麻衣ちゃん! ・・・良かった、気がついた? だいじょぶ!?」
「マ、ママが助けてくれたの・・・、それよりわかったよ・・・、」
「わかった? もう麻衣ちゃん限界よ!? 早く帰ろうっ!?」
「・・・そうだね・・・でも、ああ、気が遠くなりそう・・・、
今のうちに聞いて・・・?
特に・・・麻里ちゃん・・・。」
絵美里は目をパチクリした。
「ああ・・・変わんなくていいよ、あたしの声、聞こえるでしょ・・・。
あのね・・・麻里ちゃん、前に話してくれたでしょ・・・?
自分が死んだ時のこと・・・。
幽鬼になるか・・・悪霊になるか、
際どい状況だったって・・・。
この男にはね・・・、物凄い・・・それこそ麻里ちゃんの死んだ時の怨念の、
たぶん何倍ものエネルギーを持った悪霊がくっついてたの・・・。
きっかけは、
メリーさんの羊だけだったのかもしれない・・・、
でも、そこから、別の歌につながり・・よりにもよって、
この男は、悪霊のエネルギー体への回路を開いちゃったの・・・、
そして・・・まるで水道管を水が流れるように、
この男の心に・・・リジーボーデンって女の人の怨念が流れ込んでしまったの・・・。」
「その人はもう、死んでいるの!?」
「うん・・・生きてる時にも怨念は出せるけど・・・
生きてる時ってのはいろいろ、心理状態は変わるでしょ?
だから、そんなに強いエネルギーは出せないの、
・・・でも死んでしまうとその思いは固定されてしまうので、
時々・・・今回みたいな強い念が残ってしまうの・・・」
そう、あのヨーロッパの深き森で殺されたマリーも、
一歩間違えば、他人に害なす悪霊の仲間入りをする所だったのだ。
だが、今、麻衣が体験した亡霊・・・リジー・ボーデンは、
マリーより・・・遥かに・・・そしてリーリトをも脅かすほど、
凶悪な悪想念をばら撒いていたのだ・・・。
その死後、百年以上経った現在も・・・!
ガンガン!
体育館の扉が叩かれた!
仰天した絵美里が振り返ると、
少しして、体育館の扉が音を立てて開いていく・・・。
一体、誰・・・!
そこに現われたのはワイシャツ姿のスティーブ・・・!
「スティーブ! 無事だったの!?」
「オーゥ! エミリーさんもご無事で!? えみ・・・マリー・・・さん? どっち!?」
「エミリーよ! でもどっちでもいいわ、ねぇ手を貸して!
麻衣ちゃんを家まで運びたいの!!」
「そのキュートな女の子が娘さんデスかぁ!?
お安い御用デス! では今すぐに!!」
既にもう、麻衣は力を使い果たし、絵美里の腕の中で意識を失っていた・・・。
だが、これで、今回のヤギ声の男事件は、全て終わりを迎えるのだ。
これ以上、犠牲者は出ないし、事件も起きない・・・
「ヤギ声の男」事件については・・・だが。
今はただ、この先の恐ろしい運命を知るのは、
体育館にただ一つ残された、黒光りする「死神の鎌」だけなのかも・・・しれない。
☆ うえ! 長すぎ! こんなに後を引くとは・・・!
とゆーわけで、
ヤギ男から始まった今回の物語・・・マザーグースネタでやろうと思ったら、
マザーグースにこんな大物がいようとは!?
調べていくうちに、実在の親殺し殺人鬼リジー・ボーデンの姿が・・・、
ある意味、もう一人のメリーさんに見え始めてきてしまったような気もします。
今までのメリーシリーズは、どことなくゲーテの世界観やグリムを意識してましたが(意識するだけ)、
マザーグースの世界にも、彼女は存在してるのかもしれません・・・。
それで・・・物語で書き忘れたことはなかったかな・・・?
あとは・・・後日談と、「語られない物語」・・・か。
明日はメリーさんが二人出演します(予定)!
だれもいないっすかー・・・?
いませんねー・・・
まぁいいか、
で、すいません、今日で物語、ラストにしようと思ってたんですが、
伸びる伸びる!
今日中には書ききれねぇ・・・!
しかも、構成・セリフ・表現、自分で納得できないし・・・!
クレームは後日受けますので勘弁してやって下さい。
では後日談はじまり。
「ま、麻衣! 具合はどうなんだっ? ・・・
できればパパがついていてあげたいんだけど・・・!」
翌日、昼前に父親の伊藤が帰ってきたが、麻衣は熱を出して寝込んでいた。
顔が真っ赤だが、大騒ぎするほどでもない、
今はつらいけど、一日寝ればたぶん、楽になるだろう・・・
「・・・うー、いーよー、・・・麻里ちゃんたちいるし、だいじょぶー・・・」
「そ、そうか、本来ならこのまま休みなんけど、
ロンドンで同時多発テロが起きたんで、部外者のオレまで刈りだれることになっちゃったんだ・・・、」
「あたしなら、へーき、だから、会社・・・行って、」
そう言われると余計、ここに残りたくなる。
会社、さぼっちゃおうか?
どうせ、非常勤だ。
麻衣もそろそろ、思春期のせいか、リーリトのせいか、最近、そっけない態度の方が多い。
・・・ここらで父親の愛を再確認させないと・・・。
そこへ麻里が濡れた手ぬぐいを取替えにやってきた。
「パパさん? 看病は女性同士のほうがいいわ、
携帯ももらったんだし、何かあったら病院に連れてくし、パパさんにも連絡するわ。」
「そ、そうか、しかしだな・・・。」
手ぬぐいを取り替えた後、麻里は落ち着かない伊藤の眼前ににじりよった。
「あたしたち、・・・って、麻衣ちゃんやパパさんの・・・なぁーに?」
麻里はいたずらっぽく、伊藤に詰め寄る。
伊藤は一瞬戸惑いながらハッとする。
「エエッ? ・・・そりゃお前たちは ・・・いや、おれ達は・・・家族だ!」
その言葉に、絵美里は伊藤に抱きつきたくなったが、
さすがにそれは百合子に悪い、麻里は絵美里を制止する。
”でもあたしも気持ちは一緒よ、エミリー”
麻里は伊藤の腕だけ掴んで、嬉しそうに微笑んだ。
「なら、あたし達に任せて? いってらっしゃい、あたし達のパパ!」
もう、ここまで言われたら、何も言えない、
布団の中で麻衣も、満足げな様子だし・・・。
「わかった! 任せるぞ、麻里、絵美里! 麻衣はゆっくり眠るんだ! じゃあ行って来ます!」
そして伊藤は家を出た。
昨晩、麻衣たちがとんでもない目に遭ったことなど知りもせず・・・、
近くに最愛の百合子が現われた事も知らないまま。
もう、
・・・彼ら家族が再会することはないのだろうか・・・。
昨晩、スティーブが麻衣たちを運んだ後、
取り残された「死神の鎌」はすでに百合子が回収していた。
すぐにまた、「これ」を使うときが来る気がして・・・。
すでに、百合子は、娘・麻衣からこぼれ出たリジー・ボーデンの怨念を感じ取っていた。
その、怨念は誰か特定の個人を対象にしたものではないし、
その性質上、
Lady メリーのボディを動かす種類の念ではなかったが、
相手が肉体を持った人間でないのなら、
人形を動かすのに、多大なエネルギーを使うまでもない・・・。
悪霊リジー・ボーデンと対峙する事になるとしたら・・・、の話なのだけれど。
もし、その時が来るとしたら、
このアラベスク文様の「死神の鎌」で、
彼女の怨念を切り裂く事ができるだろうか・・・。
今は・・・いや、まだいい、
今は事の成り行きを、ただ、見守ろう・・・。
再び、伊藤宅、
麻衣は熱のために意識が朦朧としてて、
寝てるのか起きてるのかよくわからない状態だった・・・。
麻里も、ずっとそばにいても仕方ないので、廊下や部屋の掃除をしている。
時々、麻衣の部屋を開けて、様子を何度も窺いながら・・・。
麻里は今、麻衣の部屋の扉を、廊下側からきれいに拭いていた。
その時、彼女の耳に、誰か女の子の声が聞こえてきた・・・。
あら? 誰か何か歌ってる? 麻衣ちゃん?
・・・いとーまいちゃん、
包丁手にして、まりちゃんを
42回とめったざし
自分の犯した過ちに
我に返ったまいちゃんは
愛しいパパを
なんと43回めった突き
麻里の耳には、その歌のセリフはよく聞き取れなかった、
麻衣の部屋の扉を開ける・・・。
「・・・麻衣ちゃん? 何かしゃべってた?」
「んん・・・? んーん、何も・・・言ってないよ、麻里ちゃん・・・。」
「・・・そう? 何かして欲しいことがあったら言ってね?」
「んー、今は眠るよ・・・。」
「そうね、それがいいわ、ゆっくり眠ってね・・・、おやすみ。」
「んー・・・。」
そしてこの人たちは・・・。
「ハァーイ、ちょっとお時間、よろしいデスかぁ?
あなたハァ神を信じマスかぁ?」
・・・スティーブは今日も布教活動に余念がない。
神に仕える宣教師として、真面目にナンパ・・・いや、女性中心に声をかけている。
・・・どうも「少年」のお墨付きをもらったらしい、
お墨付きと言うか、「少年」にとってはどうでもいいことなので、
スティーブが何を懺悔しようが知ったこっちゃない。
「私は肉の罪を犯しマシたぁ」と言われても、
適当に「いいんじゃない?」
と答えてただけなんだけど・・・。
・・・ただこういう場合は彼も慌てる・・・。
「・・・げ。」
「あ! メ、メメメメリーさん!」
「・・・おー、朝から頑張ってるねェ、スティーブ、
・・・でも、随分、ケバいねーちゃんに声かけてねーか?」
「そそそそ、そんな事はありまセン! ただ、あの人から怪しげなオーラを感じて!!」
「あー、あたしも感じるわ、ありゃー、あたしの同業者だよ、・・・そぉかー、そろそろ乗り換えられる・・・かぁ」
「待って下サイ! 違いマス! 誤解なんデスっ!!」
「いいって、いいって、おまえも男だもんな? しょせん男なんてそんなもんだもんよ・・・?」
「そんな! 私はメリーさん一筋デス! 本当! 信じてくだサァ〜い!!」
「そっかー? じゃあ、今晩指名、よろしくな!!」
「・・・え、あ、あ、あ、あの、今月はもう・・・懐が・・・ちょっと寂シイ、かなー、なんて・・・」
「あー、そう、あたしに対する愛はそんなもんか、その分じゃ神様への信仰心も、どーだかなぁー?」
「・・・待ってッ、行かないデッ、メリーさんっあ、あ、ああ〜! メリーさぁんッ!!」
そしてビルの屋上では、「少年」がヒマそうにあくびをして、その様子を眺めていた・・・。
別に彼は、メリーさんがどうなろうと、自分たちを崇める者がどうなろうと、
リーリトの事なども本当はどうでもいいのだ、
彼は、人間達が「互いに殺しあう」様子を観察しているだけなのだから。
そしてさらにまた・・・海を越えたイギリスでは・・・。
☆ ではまた。前作のメリーさん、次に出ますからね。
スコットランドヤード、ロンドン市警共に、今回の大規模テロは、
イスラム過激派でも、アイルランド民族戦線いずれの組織も関係がないと判断するに至った。
一般人が潜入できない場所への爆弾の取り付け、
爆弾の性能、威力、どれも通常のテロ組織のものではありえないのだ。
まるで一国の最先端の科学技術でも持ってないと・・・。
そしてまだ、悲劇の混乱から覚めやらぬうちに、
追い討ちをかけるようにさらなる非常事態に発展する。
正体不明の爆撃機が国内を飛び始め、国の重要施設を破壊し始めたのだ!
そしてそれは、フランス・・・スェーデン、ポーランド、ロシアでも!
イギリス政府は戒厳令を発したが、
軍の中でクーデターまでもが起こり、
イギリス建国以来かつてないほどの混乱がこれから訪れようとしていたのだ・・・。
ここは上院議会・・・。
国会は紛糾し、怒声が飛びかう・・・。
軍の不祥事を理由に緊急喚問された、空軍参謀総長ウーサー・ペンドラゴンが証人台に上がる・・・。
証人の言葉を待つため、議場は多少静かになったが、いまだ各席からヤジが飛ぶ・・・。
「・・・皆様!」
議長による証人への形式的な質問の後、
その熊をも思わせる恰幅のいい初老の男、ウーサーは口を開く。
「皆様、今回の軍のクーデター、及び、一連のテロ事件・・・
それに対して、空軍参謀総長として、女王陛下からここにおいでになる議員の方々、
そしてもちろん、国民の皆様に対し、深く・・・深くお詫びしたいと思います!」
場内からはさらに罵声が響く・・・。
だが、ウーサーはひるまず言葉を続ける。
「そして皆様に、さらにお伝えしなければいけないことがございます・・・!
これらの事件は、・・・実は全て私が命令したことでございます!」
途端に場内は沸き返る・・・誰もが想定すらしない言動が、
空軍を統括する責任者の口から流れ出たからだ。
「お静かに! だが、事件はこれだけで終わりません、
むしろ始まりなのです、
既に世界各地で同様の事件が起きてるはずです・・・。
別に私は気が狂ったわけでもありませんよ、
命令したのは私ですが、同じ志を持った仲間が世界各地に散らばっておるのですから・・・!
なぜ、こんなことをしでかしてしまったのか、
死に行く皆様はそれだけでもお知りになりたいでしょう、
・・・振り返ってみてください、
自分たちの過去の振る舞いを・・・、
皆様、一人一人は大した罪をお持ちではないとは思います、
ですが、人が集まり、民族、宗教、国になったとき、我々人類はいかに罪深い行いをしてきたか、
身に覚えがあるはずです!
自らの悦楽のために動物を殺しまくり、森林を焼き払いし、大地を掘り起こし、地球を核で汚す!
人間同士ですら互いを殺し合い、隣人とも血で血を洗う・・・!
人類は・・・罪を犯しすぎました、
これ以上・・・、これ以上如何なる罪を負うつもりでしょうか?
もう、良いではありませんか、
多くの平和主義者、祈りを奉げる者がいつの時代もおりましたが、
・・・彼らが何を為したのでしょう?
何も出来ないではありませんか!!
さぁ・・・、一度全てを元に戻してしまいましょう・・・、
もう一度、人間は最初からやりなおすべきなのかもしれません・・・、
いいえ、我々はその新しい世界に安住するつもりもありません、
いかなる大義名分を抱えようと、我々のやってることは、殺人であり許されるものではありません・・・、
自分の罪の深さ、恐ろしさは覚悟の上です・・・、
我々は、天国の主の下にたどり着くことは出来ないでしょう・・・、
願わくば、我々の手に掛かった犠牲者達が、主の哀れみと慈しみの恩恵に預かれるように・・・、
それだけを真に願うものです・・・
私は責任者・・・私の罪が一番大きい・・・、
それを述べるためだけに、この証言台に参りました・・・
それで・・・思い残すことはございません・・・一足お先に・・・地獄の炎に焼かれてまいります・・・!」
それだけ言うと、騎士団総司令官ウーサー・ペンドラゴンは証人台の机の下から、
短銃を取り出した・・・!
既にその準備を事前にしていたのだろう、
彼は何の迷いもなく、
銃口をこめかみに当て、
目から一筋の涙を流した跡、
いとも簡単にその引き金を引いた・・・!
すぐにその巨体は、
議場の床に、大きな音を立てて崩れ落ちた・・・。
そしてこの様子はテレビで生中継されており、
イギリス全国民にその一部始終が知らされることになったのである・・・!
ここにも二人の女性が・・・その様子をテレビで眺めていた・・・。
いや、眺めていたと言う表現は正しくない・・・。
その内の一人がつぶやく・・・。
「アイム メァリ ラブゥ・・・お送りするはブゥードゥーマジック・ソウル プロヴィデンス・・・。
グッナイ、ベィビー・・・。」
そして・・・、もう一人、レースとフリルのメイド服を着た魅惑的な白人女性、
その少女は隣の黒人女性に向かって微笑んだ・・・。
「お見事ですわ、任務完了ですね?
術の対象者の隠された本心を引きずり出し実行させる・・・そんな術なんでしょうか?」
「アンタも見届け役をこなしたってことだね、
しかもずうっと、あの男にメイドとして仕えてたんだろう、
マインドコントロールを完全なものにするために・・・。」
「まぁ? そんな大した事じゃございませんことよ?
女性なら、男の人を意に従わせるなんて・・・誰でもやってることでしょう?
あなたに渡す髪の毛を拾うのも簡単だったし・・・。」
「しかし、会った事もない人間にまで、術が効くとは・・・、黒十字団が作った人形の効果は凄いな・・・。
どうやって作るんだ、こんなの?」
「あまり余計なことは詮索しない方が、お互い身のためですわ、
ビジネスはビジネス、割り切っていきましょう?」
「ああ、なら、気づいてると思うけど、
あの男、わたしの術で本心を強化させなくても・・・たぶん自分で引き金を引くつもりだったよ・・・。
心の中は、罪の意識と自分を責める心情でいっぱいだった・・・。
でも、報酬はちゃんと頂くよ・・・。」
「もちろん、どうぞ、別にわたくしが払うわけじゃございませんですし、
わたくしもわたくしの仕事をしただけですもの。」
「・・・ドライだね、あの男には、アンタに対する恋慕の情もこびりついてたみたいだけど・・・?」
「まぁ! 気持ち悪いですの、あんなお爺さん、仕事でもなければ近づきたくもないですわ。」
「・・・そういうわたしも似たようなもんか、世界がどうなったって知ったこっちゃない・・・。」
「うふふ、そうですよ、メリーさんはメリーさん、誰かに自分の人生を干渉されるなんてまっぴら。
自分のやりたいようにやるだけですわ。」
「アンタも・・・か、
そういえば、名前は聞かなかったな、一応覚えておこうか?」
「わたくしですか? わたくしはベアトリチェ・・・
ベアトリチェ・メリーよ、
今後ともよろしくお願いしますね、メァリ・ラブゥさん?」
この後、全世界に騎士団の侵攻が始まっていく・・・。
同時に、各国の反乱軍やテロ組織がそれに便乗して、混乱に拍車がかかるのだが、
破壊と暴走を止めるために立ち上がった一人の男、及びその仲間たちによって、
騎士団の狂気に走った野望は打ち砕かれる事となる・・・。
それは・・・「語られない物語」で、その物語の一端を明らかにしよう。
・・・最終話できたけど・・・、
誰もいないかにゃ・・・?
占有するのも気が引けるし・・・、もうちょっと待とう・・・。
>>527 Ladyメリー氏、毎日ROMしてますよ。
日頃の感謝の意味も込めて良い鳥探してますが、最悪9桁正規表記は19世紀待って貰わないといけませんがorz
>>528 どんなトリを探そうとしているんだろう!?
>>529 LadyMerry
(´・ω・`)
Lady・・・・・・
Merry・・・・・
・←ランダム
は幾らでも見つかるんですけどね。
因みに他人の鳥クラは304世紀掛かるそうですw
なんてむちゃを・・・。
以前「Lu○ifer」でやろうとして私は諦めたのに・・・。
そんな長いトリを・・・。
>>526 それって多分・・・全米で放映されたファンタジー物のTVシリーズ『10th
KINGDAM』からの映像では?
だとすれば・・・実は4,5年ぐらい前に輸入盤のみですが、そのシリーズ
のサントラCDが発売されてましたよ。(*^。^)y-~~マジデシ!
>>532 あたり!
わしはビデオ屋さんでレンタルしました。
現代の「ラプンツェル」が主人公なんだっけ?
最初聞いて、「こ、この曲は!」
と思ったんですが、わしの大好きな歌手が歌ってるのは、それこそ日本では発売してないので・・・。
海外から取り寄せるのもなぁ・・・。
てか、電撃氏、作品うpまだぁ?
じゃ、そろそろ行きますね。
最終回・・・語り手は彼女に任せます!
みなさん・・・
みなさん、はじめまして! 麻衣です!
・・・あ、はじめましてじゃないのかな?
ま、いっか・・・。
物語はこれで終わりです。
長い間、読んでいただいてありがとうございました。
一まず、あたしたちもお休みいたします。
え? この後また、何か事件が起きるんじゃないかって?
何かやな予感がする?
うーん、今のところ、あたしの予知夢にはひっかかってこないなぁ・・・、
でも・・・、昨日、ずーっと夢でうなされてたんだけど、
あれは予知夢だったのかなぁ・・・過去に起きた出来事を透視したのか、
不思議な夢を見たんです。
遠い・・・遠い世界の出来事・・・、
すごく綺麗な女の人が出てきて、どことなく・・・
お人形さん、メリーに似ていたわ・・・。
そばには、これまた古めかしい衣装に身を包んだ長身の髭を生やした男の人・・・。
二人は恋人同士なのか、ちょっとロマンチックな雰囲気だった・・・。
でも、また夢の中の光景は飛び飛びで・・・、
そう、あいつが出てきたの!
「少年」!
今、考えてみると変なの。
アイツのことは、あたしの能力じゃ「視れない」はずなのに・・・。
もしかしたら、誰か他の人が視た映像が・・・あたしの夢に流れ込んできただけなのかも・・・。
あ、それでね、あたしの夢にでてきた少年は、あたし達が会った彼とは、少し様子が違ってて、
・・・なんか、どっかの偉い人みたいな服装・・・白い法衣みたいなのを纏ってた・・・。
まわりは戦争してた・・・。
今みたいな機関銃とかじゃなくて、古い時代の? 槍とか弓とか・・・、あ、でも大砲がある・・・。
いつの時代なんだろ?
それで、
「そこ」は戦場を見渡せる小高い丘、
草むらには「少年」と・・・誰だろう、腰に剣を指した白人の将校みたいな人がいる・・・、
どこかで会ったかな・・・?
いや、誰かに似てる・・・?
外人さんの知り合いなんて・・・マーゴお姉さんに似てるのかしら?
二人は言い合い・・・っていうか、一方的に将校の人が興奮してる・・・。
怒鳴ったり・・・悲しそうな顔になったり・・・。
相変わらず少年は冷静だけど、
あたしたちに会ったときみたいに、嫌味っぽい態度は見せない・・・。
すごく静かだ・・・。
あ!
将校の人が短剣を抜いて!
・・・危ない!
えっ!?
・・・刺された・・・。
少年が刺された!?
どうして!?
あの人の力なら簡単に避けられただろうに・・・。
・・・一番戸惑ってるのは、刺した人だ・・・。
あの人も、こんな簡単に「少年」を刺せるなんて考えなかったのかも・・・。
でも、まだ・・・「少年」が何か将校の人の耳元に語りかけている・・・。
なにか、とんでもないことを話したの?
将校の人は大声を叫びながらその場から逃げ出したわ・・・。
泣きながら、全てを放り出すかのように・・・まるで父親に叱られた子供みたいに・・・。
あ!
空から強い光が彼を!?
・・・消えた・・・
将校の人は地上から消えた・・・蒸発しちゃった・・・。
「少年」は!?
・・・お腹から血を出してうずくまってる・・・。
ほんとに刺されたの!?
声・・・聞こえる、少年の声・・・。
「○○○○(人の名前? さっきの人?)、
・・・人間とは弱い生き物だな・・・、
私が人間だった時の・・・○○(誰?)の・・・お前の心の弱さが、
こんな戦争を起こしたようなものだ・・・、
何故、『アイツ』は・・・『人間』に・・・『こんなもの』を・・・『心』を与えたのだろうな・・・?
天使である私に すら・・・影響を・・・。」
・・・消えていく・・・。
「少年」の姿がどんどん透けていって・・・。
あ・・・、
いなくなっちゃった・・・、
まさか・・・死ん・・・じゃった、の・・・?
・・・また、
光景が変わる・・・。
この人は?
凄く背が高い、金髪の人・・・
あ・・・、
わかる・・・
顔や体つきは違っても・・・
この人は・・・レッスルお爺ちゃんや、昨日あたし達を助けてくれた大きいお兄さんと同じ「匂い」がする・・・。
誰かに語りかけている・・・。
未来・・・。
「・・・私の運命を教えようか・・・?
天空の神々が恐れているのは私の『未来を見通す力』・・・そして人間の『心』・・・。
だが、私の命も残り少ない・・・。
いずれ人間は進化し・・・その父親の力も追い抜くであろう・・・。
父親とは・・・!?
そう、『人間を創り上げた』私のことだ・・・!
ギリシア神話を知ってるかね?
天空を支配していたウラヌスは、その息子クロノスに、
そのクロノスは更にその息子、ゼウスに取って代わられる・・・。
いま、天空を支配しているのは、ま、名前なんか人間が勝手につけたものだが・・・、
ゼウスとしておこうか。
そして私もその親殺しの連鎖からは逃れられない・・・!
遠い過去において、自らの似姿である人間を造った私は・・・!
自分の育て上げた人間達に殺されるのさ・・・永久にね・・・。
生き返ることも復活することもない完全な死・・・。
それが、私の・・・運命・・・。」
・・・。
この人は・・・
私たちリーリトの生みの親・・・。
まさか・・・?
今の言葉は・・・どういうことなの・・・?
あ!
場面がまた・・・。
また綺麗な女の人・・・、
でも最初に見た人とは違う・・・
綺麗な黒髪と、ダークグレーの瞳・・・
どこかの王女様みたいな・・・時々甲冑に身を包んで・・。
? どうしたの? 磔にされてる・・・!?
あ・・・足元に火がつけられた・・・焼かれる?
火炙りにされてる・・・!?
どうして?
この女の人が何をしたの?
イブ?
魔女?
やめて!
その人を殺さないでッ!!
・・・男の人が苦しんでる・・・
彫りの深い・・・髪の毛は白髪が多い・・・。
まだ若そうなのに・・・。
さっきの火炙りにされた女の人のことで苦しんでるの?
どうして・・・
自分で・・・
自分で彼女を殺しておいて!?
・・・なぜかそれがわかるわ・・・、
アダム?
「後から全てを知る者」エピメテウス?
さっきっから、なに?
何なの!?
頭に人の言葉が流れ込んでくる・・・。
あなたは・・・
あなたは誰なのっ!?
あれは・・・
あなたは・・・
「人形」
メリー・・・
ママ・・・?
違う・・・ママじゃない・・・。
人形メリーだけど、ママじゃない・・・。
といっても麻里ちゃんでも絵美里ちゃんでもない・・・。
また、誰か別の人が入ったの・・・!?
あなたは・・・一体!?
「私は・・・見届ける・・・運命の鎖から弾かれてしまった者・・・、
夢を見ている可愛い子・・・、
あなたは私と同じ時代にいるのかしら?
それとも過去の世界にいる子?
それとも・・・遠い未来から、私たちの世界を覗いているの?
私がヒトの姿をしていた時の事を・・・。」
ねぇ! どうしてあなたはその人形に住んでるの?
ママはどこにいったの?
・・・
ねぇ!?
答えてよ!
あなたは誰なの!?
あ・・・
薄くなってく・・・
消える・・・!?
夢から醒めてく・・・。
ねぇ、あなたは・・・
あなたは誰なのっ!
メリーっ!!
・・・
・・・
てな、感じでずーっとおかしな夢、見てたのね。
あたしの場合、ただの夢か、そうでないのかは、
もう、経験上、わかるんだ。
でも、少なくとも、うなされながら視たこの光景は、
近い未来に起きる予知夢でないのは確実みたいだし・・・。
とりあえず忘れちゃってもいいのかもしれません。
今は、あのリジーボーデンの濁った怨念が、
誰か他の人か、一度でも視ちゃったあたしに変な影響を与えないか心配するだけです。
・・・そう言えば、あの「少年」が『覗きすぎると奥底に引きずりこまれる』って言ったのは、
あーいうことだったんだ・・・。
だいじょぶかな・・・。
あ、あと少年で思い出したけど、レッスルお爺ちゃんの事は、あとで教えてもらいました。
ご丁寧にテレパシーで頭の中に、そのやりとりを送ってきました。
・・・でもいきなり頭の中に送ってくるなんて、
これってプライバシーの侵害とか、個人情報保護法に反しないのかしら?
・・・すいません、じょうだんです・・・。
では、そろそろ、お別れの時間です。
この後、どんな事件が起きるかは(あたしはこりごりです)、
作者さんに任せます。
何かイメージがあるらしいんだけど、
あたしは当分パスです。
では、みなさん、さようなら、
お元気でいてくださいね、ばいばーい!!
・・・麻衣。
☆ はい、おしまいです。
今回もやりたい放題させていただきました、ごめんなさい。
読んでくれるヒトには頭が上がりません、
本当に有難うございました。
「語られない物語」は日を改めてやりますね。
2レス分で終わります。
では!
Ladyさん、礼を言うのはこっちですだ。
紫煙レスが付かなくても安心して書いてくだちぃ。
みんなwktkでLadyさんの投下を待ってるだけだから。
というわけで、壮大なLady Worldが完結するまでは
途中でやめたりしないで書き続けてくだちぃ。
>>542 むう、そーはゆーても、コテ占有状態は、
わしの出身板でも思いっきりスレ削除対象だしなぁ・・・、オカ板は知らないけど・・・。
>壮大なLady Worldが完結するまでは
ムリムリムリムリムリィッ!!
全部書こうとしたら大変な事になるぅぅ!
たぶん三国志や水滸伝より長い!
とりあえず、ネタが浮かんだら書くから堪忍してくんろ!
でも嬉しい・・・。
Ladyさん、相変わらず面白いです!
麻衣ちゃんがリジーボーデンの怨念を見ている時はドキドキしたし、
ラブゥが出てきた時はおお!と思ったし…
>たぶん三国志や水滸伝より長い!
いいよ、どうぞ書いちゃってください!
分厚いファンタジーは大好物ですから♪
545 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/14(火) 13:21:23 ID:ySHE3ttS0
(つД`)やっと書き込めるようになった
アクセス規制でレス書けませんでした。
あまりレス書いてませんが、毎回楽しみにしてましたよー
とりあえずお疲れ様でした。完結おめです。
いいラストですね^^
続きももちろんお待ちしております〜
>>544 そんなに言ってくれて嬉しいです。
次は初心に戻るって言うか、今度こそ短いヤツで・・・
また、長くなるんだろうな・・・。
>>545 規制かかってたんですか、
でも有難うございます、
こっちは気にせず、書けるのならがんがんメリーネタ、書いてくださいね。
ちなみに、皆様の書き込みをヒントに物語が生まれる事もあります。
>>546 行って来ますか・・・。Lady 第二章でも投下してくっかな・・・。
さ、こっちは、「語られない物語」・・・。
みんな悲しまないでね。
その為に、「メリーさんを追う者」と分けたのだから・・・。
「語られない物語」3
緒沢タケルは正式に「スサ」の総代の地位に迎えられる。
「スサ」とは、世界各地に伝わる古代の英雄神の末裔達が、
共通の価値観を共にして集合した新興組織・・・。
だが、その殆どのメンバーは、王族出身であったり、強大な権力を手にしていたり・・・、
騎士団とは組織の性格自体が違うが、
騎士団に優るとも劣らない経済力と政治的影響力を有していた。
・・・だが、姉・美香の死、及び日浦の「内部犯行説」をも捨てきれないまま、
タケルは総代の地位に就いてしまった。
・・・本当なら、もっと時間をかけて組織になじむのだろうが、
タケルは、自分がどうしていいか、わからないうちに、騎士団が世界に宣戦布告をしてしまう。
時間はない。
・・・そして、ついに、
騎士団極東支部支部長、日浦義純との対決は避けられないものとなっていく。
インドのクリシュナ家が伝える呪われた防具「ルドラの鎧」と、
緒沢家門外不出の剣、神剣天叢雲を手に入れたタケルは、
「スサ」の戦闘部隊の最前線に就いた・・・。
自衛隊、及び在日米軍の主力を破壊した騎士団ユリシーズ部隊と、スサの全面激突・・・。
そして・・・最後に日浦義純とタケルの一騎打ちが・・・。
経験で優る日浦だが、タケルのパワー・スピード・戦闘センスに次第に押されていく・・・。
そして何よりも、この戦いに最後まで反対していた日浦には、タケルを倒そうと言う気概すらもない。
一方、都市や多くの人命を奪った騎士団に、やはり姉の殺害への疑いを抱いたタケルの怒りは凄まじく、
もはや、誰にも彼を止める術はなかった・・・!
「てめぇは気づいていたのか!?
姉貴がてめぇにどんな気持ちを抱いていたのかっ!?」
日浦は反論すらしなかった・・・、そしてついにタケルの剣が日浦の胸を貫く・・・。
「スサ」の勝利・・・ユリシーズ部隊は降伏した・・・。
だが、日浦の部下は、戦闘終了後、タケルに切り出す・・・。
「・・・支部長こそ、美香殿に特別な気持ちを抱いていました。
あなたはご存じないかもしれませんが、支部長は美香殿にかつて命を救われたのです・・・。
お二人が互いに特別な感情を抱いていたのは我々も知ってました・・・。
ですが、二人の立場は、決して結ばれることのない運命。
みんな・・・敢えて、その件には触れないようにしていたのです・・・。
そして、今度の世界侵攻にも、最後まで反対していたのが日浦支部長です・・・。
あなたと・・・戦う事を本当につらそうに、していました・・・。」
「はぁ? そ、そんな・・・なんで、なんでそんな事を一言も言わねぇんだっ!!
だったら、オレ、・・・オレ達・・・戦わなくても!?」
「いえ、タケル殿・・・、支部長は、もしかしたらあなたに・・・殺されるために・・・わざと・・・。」
だが、全ては手遅れだった・・・。
もう、失った命は戻ってこない・・・。
日浦総合リサーチの事務所に、もう、マンデリンの芳しい香りが、
漂う事は・・・
ない。
騎士団極東支部支部長・・・「愚者の騎士」日浦義純・・・
戦死・・・。
ネクストバトル・・・騎士団亜細亜支部支部長「忠節の騎士」李袞 対 緒沢タケル・・・
体調崩しててこられなかったら…
麻衣チャソ!!
ボーデンの怨念に取り込まれないのか!?
美香姉ぇ!!
切なすぎるよ日浦のおぢちゃん…
れでぃサソ俺まぢで泣いてるんですけど…
(つA`)
すげーよれでぃサソ…(泣)
SS師サソ達が皆投下出来ない状況なんだから、独占とか気にしないで下さいな
何より住人皆楽しみにしてるんですから
これからもれでぃサソの世界のお話を楽しみにしてます
遅くなったけど…
>>126パパおめ〜!!
(・∀・)ノ
>>550 お体、無事ですか?
>ボーデンの怨念に取り込まれないのか
これね、
いんふるえんざうぃるすみたいなもんなのね、
だからね、
この後、麻衣ちゃんが発症するかどうかは、
・・・どうだろう?
というか、どうしよう?
お大事にどうぞ・・・。
Ladyさん、GJです!
うっ…美香姉ぇ…日浦サン…うぇっぐ…ぐすん
切ねぇっす…(つДT)
>>552 ありがとう・・・。
そういえば・・・、昔、「ツクール3」で、タケル主人公の物語、作ったなぁ・・・。
後輩にプレイさせたら、
ゲームそのものはやりやすいが、
誰が何、喋ってるかわからんと、言われた・・・。
字数稼ぐために、
フキダシの前に、名前入れなかったからなぁ・・・。
今度の休みに久しぶりにやってみっか。
多少、印象は違うが、
美香の最後も、中ボス、日浦との決闘も描いた筈・・・。
ツクール3はシリーズ最高作
>>554 PS2のはダメなんだ?
だれか、メリーさんネタで作った人、いないのかしらん?
「ツクール」で。
どんなゲームにすればいいのか想像もできないけど・・・。
かつてツクールでエロゲをつくろうとして断念した俺がきましたよ
>>556 あなたなら、メリーさんゲームでどんな展開にする?
平凡な日々を過ごしていた主人公
ある日電話がかかってくる
「わたし、メリーさん
いま、あなたの家の前にいるの」
!!
これは、有名な都市伝説のメリーさん!
「わたし、メリーさん
いま、あなたの
(略)
「わたし、メリーさん
いま、あなたのうしろにいるの」
途中送信してしまったorz
続き
死を覚悟した主人公
しかし、何か様子がおかしい。
おそるおそる振り返ってみると
そこには白いフリフリのドレスを着た
人形のような美しい少女が立っていた。しかも何か困惑しているようだ。
主人公はその少女に一目惚れしてしまう。
思い切って話しかけてみる。
(中略)
どうやら彼女の武器である鎌の力が無くなってしまったらしい。
主人公はこの現象の原因を突き止めるため、少女と共に旅立つのだった。
どっかで聞いた話だとか厨房くさいストーリーだとか言わんでくれ('A`)
その釜の力は私が戴いたのだ
書き込んでから気がついた…
釜まだ引っ張ってるよ漏れorz
主「遅刻遅刻〜!」
ドン
「キャッ」「うわっ」
メリーさん「ちょっとアンタ!何処見て歩いてんのよ!」
主「ゴメン!!今遅刻しそうで急いでるんだ!!」
ダッ
〜学校〜
主「そういえば今日から転校生が来るらしいな」
先生「え〜、転校生を紹介する。
今日からこの学校に通う事になったメリーさんだ。」
メリーさん「はじめまs・・・・あーっ!お前は朝にぶつかってきたやつ!!」
主「げっ」
さてと、俺は精神的に疲れてるみたいだからもう寝るわ
「みんな、はじめまして、
今日からあなた方の担任となったメリーです。
担当は英語を受け持ちます。」
「せ・・・せんせい、
そ、その左手のものは・・・?」
「ん? これ?
ああ、気にする必要はないわ、
ただの鎌よ、
見るのは初めてなのかしら?」
「な、なんで、学校の先生がそ、そんなモノを?」
「大丈夫よ、真面目に授業を受けるのなら、
これを使う必要もないもの・・・そうでしょ?」
「え? て、てて、事は・・・!」
「きゃあ!!!
そ、その鎌
血がついてるわ!!!」
「ああ、これ? さっき校舎裏でタバコを隠れて吸ってた生徒がいたの、
みんなはそんなマネ・・・しないよね?
・・・しないわよ・・・ね!?」
>>568 りょーかい。
じゃぁ、Lady メリーの続き投下してくる。
ついにLadyメリーのHPが!
572 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/22(水) 23:40:16 ID:Mv70WjwQ0
ホシュ
573 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 00:35:30 ID:mgbLNmpOO
私、メリーさん?
なんか、使える画像ないかな?
メリーさんズバリでなくても、物語にマッチした風景やコスチュームやイラスト・・・。
なるべく著作権に引っかからないもので・・・。
いろいろ探してはいるが方向性がちがっていて・・・。
>>576 ん・・・んん! 情報さんくす・・・!
こ、これは、方向性としていいのだろうか・・・。
確かに共通点はあるような気もしないでもないかもしれないような気もするけど・・・
幻想的なものと恐怖的なものの中間ぐらいなものが理想・・・わがまま?
「さぁ、Ladyメリーの登場です!
薔薇の刺繍のドレスを纏い、
か細き腕には、一振りの鎌
この世と別れる覚悟はできたのですか?
Uoo La La〜、
私は見つける、法を犯した者、
そして私は知らせる、足音を響かせて、
そして私は近づく、逃げる事も叶わぬように、
そして私は準備する、命を切り裂くその時を、
そして私は恐怖を与える、罪を後悔させるため、
そして私は鎌を振るう、汚れた命を絶つために・・・」
第一話
船は大西洋上を航海していた。
船は今で言うスペインの辺りを出航し、かつて新大陸と呼ばれていた未開の地域に向け、
一路、西へと進んでいた。
もともと、この大きな船も、商業船や貿易船とも言いがたい。
何しろ、新大陸には何があるかわからないのだ、
今の国々にはない、高度な都市文明が栄えてるかもしれないし、
人間が住めないような、荒れた土地が広がっているだけなのかもしれない。
その途中の海域にすら、海賊が跋扈している可能性だってある。
そのため、この船は甲板に大砲が取り付けられ、船員達も戦闘訓練を積んでいる。
はっきり言えば、この旅はバクチである。
国のお偉いさんたちの気まぐれが発端な訳だが、
この遠征にかかる費用を取り戻せるだけの収穫があるかどうかもわからない。
貧乏くじを引いたのは、田舎の領主、ユージンだ。
家柄、戦功、経済力、全てが三流の彼にとって、この遠征は、魅力的なギャンブルだが、
その費用の大半を自分で賄わなければならなくなり、十分な収穫がなければ、
彼の家は破産してしまうのは、確実と見られてる。
果たして、めずらし物好きの彼の性格は、この旅で吉と出るか凶と出るか・・・?
「・・・船長、・・・オブライエン船長・・・!」
操舵室では幾人かのクルーと共に、ガッチリした体格の船長がコーヒーをすすっていた。
今は、波も落ち着いて、順調な時期らしい。
だが、若いユージンにとっては退屈以外の何物でもない。
「やぁ、ユージン男爵、いかがなさいました? コーヒーでもいかがですか?」
「・・・ああ、それは頂くよ・・・、だが、島にはまだつかないのかい?
もうずーっと二週間も船に閉じ込められっぱなしで気が狂いそうだ!」
「・・・そうですね、過去の記録もないような島への旅ですからな、
言い伝えどおりなら、この方角で間違いないのですが、
どのくらいとなると、船の性能やスピードの問題もありますので・・・、
ま、無事につけるのなら良いではありませんか?
嵐や海賊に出会うよりマシですよ・・・。」
第二話
ユージンは大仰な手振りで不満そうなジェスチャーをとる。
「そりゃあね、安全ならそれに越した事はないけど、
可愛い貴婦人もいないし、舞踏場も楽団もない、
男だらけのバーでお酒を飲んでもうまくもなんともないよ。」
「ハハッ、お若いですな、さすがはユージン男爵だ、
・・・そうですな?
では退屈しのぎに面白いものをお見せしましょうか?」
いきなりユージンの眼が輝く、よほど刺激に飢えているらしい。
「何だい!? 手品? 財宝? それとも海の奇怪な生き物!?」
「んん・・・ある意味、全てにおいてあってるかも・・・いや『海の』だけは違いますな?」
「ええ? じゃ、じゃあ、手品で財宝で生き物ってな、な、なんだい!?
早く見せておくれよ、っていうかそんなものがこの船のどこに!?」
船長は腰を上げた、やれやれ、とでもいいたげに・・・。
「しかたありませんな、ただし、一つ約束してもらえますかな?」
「な、なんだい! 早く言ってくれよ!」
「・・・この船で見たことは、本国に帰っても誰にも言わないでいただけますか!?」
なるほど、法に触れるのかもしれない、ということか。
「お・・・おっけー、わかった、約束するよ。」
「それと・・・!」
「まだあるのかい!?」
「約束ではありませんが、『アレ』に不用意な発言は慎んでください、命を保障しかねます。」
「『アレ』? 『発言を慎む』!? お、おい、それって・・・まるで人間に・・・、ええ!?」
船長は部屋に残る船員達に指示をだし、ユージンとともに操舵室を出た。
二人はどんどん船の下層へと下りてゆく・・・。
この下は資材置き場のはずだが・・・。
船長はランプを片手に、ユージンを案内しながら、簡単な説明を始めた。
「二週間前、船が港を出る前に、私はとんでもないものに会いました、
それまで、見た事も聞いた事もないものです・・・。
それは私に対してあることを要求しました・・・、『この船に乗せて欲しい』・・・と。」
第三話
揺れる船の中でユージンは驚いた。
「え!? てことは密航者かい!? 困るよ!?
第一、何で僕に報告をしないんだ!?」
「報告をしなかったのは謝りますが、あなたが困る事は何もありませんよ?
何しろ、『アレ』は水も食料も必要ありませんからな。」
「・・・えっ?」
二人は船の一番下までやってきたようだ。
船長はジャラジャラと鍵を取り出し、ユージンにランプを預かってもらうように頼む。
その部屋には厳重な鍵がされており、簡単に出入りするようにはなってない。
・・・何があるのだろうか?
ガチャリ!
鍵が開いた・・・。
船長は再びランプをとると、その重い扉をゆっくりと開けた。
中は薄暗くてよく見えない。
気がせいて覗こうとするユージンに、船長は一言たしなめた。
「そうそう、あまり驚くのも興奮するのもよくありません、
これも命が危険です・・・。」
「ちょっと・・・! 脅かさないでよ! 何なんだい? 猛獣? 人間?
早く見せてくれよ・・・!」
船長は黙ってランプをもう一度、ユージンに手渡した、
今度は自分で見ては? ということだろう。
はやる心を抑えて、ユージンはゆっくりとランプを掲げた・・・。
船室の奥を照らす・・・。
何もない部屋・・・いや!
アレはなんだ!?
船室の奥に華やかな衣装を纏った女性が膝をかかえてうずくまっている。
顔は膝にうずめているため、銀色のウェーブヘアーしか見えないが・・・。
「オブライエン船長! どういうことです!?
女性をこんな暗い船室に閉じ込めていたんですか!?」
第四話
激しくいきり立つユージンに船長は「とんでもない」という風に両手をあげる。
「待ってください、ユージン男爵。
アレが女性に見えますか? いや、女性には違いないのか、な?
なぁ、メリー・・・。」
メリー!?
急いでユージンが首を戻すと、
そのうずくまっているはずの女性は顔を起こしていた・・・。
女性・・・?
いや、女性と言うか・・・人間?
あれは人形・・・。
人形が・・・人形が動いたぁ!?
不思議な光景だった・・・。
部屋の入り口には、落ち着いた船長と、
ランプ片手にあまりの衝撃に固まったままのユージン。
そして部屋の奥では、女性のカタチをした人形が、
無機的な動きで立ち上がろうとしていた・・・もちろん無表情のまま。
「あ、あ、ああ、あああ・・・。」
ユージンは、声は出るが言葉は出ない。
一方、人形はゆっくりとだが、ゴッ、ゴッ、とハイヒールの音を響かせて近づいてくる。
光り輝く銀色の髪、
薔薇の刺繍の黒いドレス、
そしてあまりにか細いその両腕・・・、
さらに何者をも拒むような神秘的な白い顔・・・。
最初、その人形は船長を見ていたようだったが、
彼らの手前まで来ると、若きユージンに向けて、瞳をグルッと動かした。
そしてその口からは・・・小さく、しかしはっきりとした声までもが・・・。
「こんにちはオブライエン船長、船は港についたのですか? こちらの方は?」
「こんにちは、メリー、船はまだ海の上だ、こちらはこの船旅の出資者、ユージン男爵だ。」
「それははじめまして、ユージン男爵、私はメリー・・・今、あなたの前にいるわ・・・。」
☆ ああ、またやっちまった・・・。
この先、何にも考えてないのに・・・。
続きがあるかどうかも・・・。
584 :
K。:2006/11/24(金) 03:40:28 ID:6aAZZ4p60
Lady メリーさん、続き楽しみにしています。
触発されて書いてみました。
少々お借りいたします。
585 :
K。:2006/11/24(金) 03:41:04 ID:6aAZZ4p60
「kyrie eleison」
慌しかった家は静まり返り、かつて子供部屋だった場所に乱暴に人形が投げ捨てられていた。
それは、この家の初めての子の為に買われた端正な顔立ちのビスクドールだった。
しかし、今や絹糸のような髪は鳥の巣のように絡まり、透き通るように白かった顔も埃で黒くくすんでいた。
カーテンの外された窓から西日が差し込み、その光が映りこんで人形のガラスの目にゆっくりと涙がたまった様に見えた。
不意にその斜陽が何かにさえぎられた。それは人形の上に黒い影を落として言った。
「───望みはあるか?」
人形の瞳の中の光が揺らいだ。
その光を愉しむように、影は言葉を続けた。
「望みを叶えてやろう。その代わりお前から少しだけ貰いたい物がある。良いな?」
586 :
K。2/4:2006/11/24(金) 03:41:53 ID:6aAZZ4p60
そう言うと影は人形を覆い隠した。そして、その暗がりの中からかつて人形だった少女がゆっくりと立ちあがった。
縺れていた髪はしなやかに体に沿って揺れ、陶磁器のように白い肌には人形であった頃の球体関節はなかった。手には装飾のついた漆黒の短剣を持ち、ぎこちなく首を巡らせる。
そして、焦点の定まらない瞳を黒い影に向けた。
形の整った赤い唇がゆっくりと動く。
「ワタシハ・・・・」
影は嬉しそうに嗤った。
「メリー、私の可愛いお人形よ。私はお前を祝福するよ!その短剣でそれを殺してごらん。」そう言うと、影は瀕死の鼠をメリーと呼んだ少女の前に投げ落とし、促した。
彼女は虚ろな瞳のまま、その言葉に従った。
587 :
K。3/4:2006/11/24(金) 03:42:50 ID:6aAZZ4p60
深々と切先が飲み込まれた次の瞬間、メリーの瞳に光が宿った。
短剣から手を伝って流れ込む鼠の魂に彼女の頬が薄っすらと色付き、恍惚とした表情を浮かべ小さく震えた。
一方の瀕死のそれは目を恐怖に見開き、魂が漆黒の短剣に啜られる恐怖に慄きながら息絶えた。
「メリー、私の美しいお人形よ。魂を啜る異形よ。自由に望みを叶えるがいい。」
影はそう呟くと、夕暮れの闇に溶け込んでいった。
588 :
K。4/4:2006/11/24(金) 03:44:46 ID:6aAZZ4p60
打ち捨てられていた家を後にして、メリーは人形だった頃の楽しかった思い出を反芻していた。
自分と少女が繰り返し遊んだ、電話を掛けて少しずつ近くに来ていると告げる遊びを。
そして、最後、何をするのかを思い出そうとしていた。
しかし、その記憶は影が唯一、メリーから奪って行ったものだった。
メリーは手話で電話をするような仕草をした。
「私、メリーさん。今、家を出たの。遊びに行くから待っててね。」
fin
ついに待ちに待ってた新しい書き手の人が!!
続きもよろしくおねがいねぇ!!
あのスレのスレタイがまた変わります
まだ立っていませんが
ではノシ
ぉっほー!!
(゚∀゚)
れでぃサソ新章スタート!?
新しい書き手サソも!?
お二方ともGJですよ〜
是非続きを…
(´∀`)ノ
592 :
K。:2006/11/25(土) 20:33:21 ID:k+EBmS+70
ありがとうございます。
お言葉に甘えて、続きを少々。
「kyrie eleison」
とある高層住宅の前にメリーは立っていた。
超自然的な力を得た彼女は電話をかける仕草で思う所に電話をし、
その相手のいる場所を正確に知ることが出来た。儀式のように電話
で居所を告げることがメリーには堪らなく嬉しい事だった。もうす
ぐ会えると思うと、自然と笑みがこぼれた。
しかし、移動を繰り返す度にメリーは違和感を感じていた。初め
は羽のように軽かった自分の体が、自分の物ではないように重く感
じられるのだ。
逆に、闇の色の短剣はほんのりと熱を帯びて震えていた。
心が躍るのとは裏腹に、体の重さで喘ぎながらメリーは耳元に手
を持っていった。
「私、メリーさん。今エントランスにいるの・・・」
がちゃん!
593 :
K。2/4:2006/11/25(土) 20:34:21 ID:k+EBmS+70
陶器のような蒼白な顔は薄っすらと赤みが差していた。メリーの
継げる言葉を乱暴に打ち切る電話の音すら、メリーには嬉しく聞こ
えていた。フリルで飾られて、黒いリボンで編み上げられた胸元が
期待と喜び、そして得体の知れない息苦しさで小さく上下して揺れ
ていた。
その姿を影から伺っていた者があった。
非現実的な美しい少女を見つけ、しかも喘ぎながら歩いているの
を見過ごすことが出来なかったのは如何なる者でも非難できないだ
ろう。
だが、彼は胸に邪な想いを持って、彼女を狙っていた。メリーが
エントランスに入るのと同時に住人を装い彼女の後ろついてエレベ
ーターに共に乗り込んだ。
パニエで緩やかに膨らんだスカートから真っ直ぐに足が伸び、ひ
ざの少し上で揺れるレースとリボンが邪な者の目を捉えた。
594 :
K。3/4:2006/11/25(土) 20:35:13 ID:k+EBmS+70
本能と言うよりも反射で彼はメリーに抱きついた。
華奢で小さな少女はすっぽりと男の懐の中に納まった。
メリーは驚いた。訳がわからず、身を捩らせたが男の手を払うこ
とどころか弄られるままになるより他なかった。
胸のリボンが乱れパニエは託し上げれその中に手がねじ込まれ、
はぁはぁと言う息遣いがしきりに頭の上から不快に聞こえていた。
『短剣を突き立てろ』
右手に持っている短剣がドクンと脈打ち、メリーの頭に声が響い
た。
595 :
K。4/4:2006/11/25(土) 20:36:17 ID:k+EBmS+70
その声にしたがって、夢中で短剣を突き立てた。
男は小さく呻いて手を緩めた。
「糞、このガ・・・・」その後の言葉を男は言う事が出来なかった。
短剣が男の太ももから彼の魂を啜り始めていたのだ。そして、そ
の魂はメリーの腕へと伝っていた。
メリーは男の太ももに突き立てた短剣の柄を両手で握り、恍惚の
表情を浮かべた。
体の中に力がみなぎって来る快感で瞳が輝き、薄く開かれた唇か
ら小さく吐息が漏れた。
メリーが小さく震え、恐怖で見開かれていた男の目が色を失った。
そして、男はそのままエレベーターの床に倒れ、動かなくなった。
ゆっくりと短剣を引き抜き、その刀身にメリーは接吻した。漆黒の
剣はそれに答える様に鈍く輝き、震えた。
『メリー、私の憐れなお人形。お前の不完全な体は魂を留め置くこ
とが出来ないのだよ。他人の魂を啜り、垂れ流しながら自由を楽し
むがいい。』
それは、メリーに話しかけた影の声だった。楽しむように声はメ
リーの頭に響いたが、彼女はその言葉の意味するところを理解でき
なかった。
今はただ、羽のように軽くなった体で、遊ぶことを考えていた。
耳元へ手を持ってゆく。
「私、メリーさん。今、玄関に居るの。」
fin
きゃあほう!
いいねぇ、オカルトっぽくていいねぇ!
黒いわぁ!
>>591 ・・・新章・・・? 新章、・・・新章だよ、なぁ?
設定はできつつあるが、おもしろいかどうかは・・・。
昔からLady メリーを読んでる方には違和感があるかも・・・。
そういう風に書くつもり、です・・・。
>>590 いま、行くわい、そっちのスレはどうなってんの?
メリーさんのスレをハケーン・・・
でもROMする勇気が今はないっすorz
Ladyメリーさん発見。
いやはやコテ探し続けて3ヶ月。
未だに見つかりませんorz
コテじゃなくて酉だったorz
>>600 無理しないで?
どのみち、トリは自分で探して自分で使うほうがいいと思います。
☆ メリー現況
新作は少しずつ書き始めてます。
長いのは書く気ないので、イントロダクション的なものにしようと思ってます。
12〜16話ぐらいでおさまんないかなぁ・・・?
それで・・・このスレ埋めれるくらい?
あと、このスレにこないだから顔出してる、
ラビン&スナフキンさんのとこにも、メリーの過去作品を投下してますので。
(´ー`)y━・~~~~~~
過去作品を投下しても、ROMできるかどうか・・・
わずかしかない勇気を、振り絞らなくては・・・
第五話
「しゃべったぁぁ!!」
ようやく喋れたのはユージンのほうだ。
オブライエン船長は、ユージンの反応を見て、予想通りとでもいう風にほくそえんでいる。
人形はあまり反応がない、
当然と言えば当然だが。
ユージンは、一人興奮してわめき散らす。
「ちょっとちょっと! こ・・・ここっこれkっここれ、いいいい生きてるの!?
そ、っそれとも中に人が?
い、いやっ入るわけないか? あ・・・さっき手品って言った!?」
すぐにそれを否定する船長。
「いえいえ、手品・・・なのかもしれませんが、
少なくとも私にはそんな単純なものではないと思いますよ?」
「ちょっと・・・詳しく話してよ! こんな人形の事なんて古今東西聞いたことないよ!
まさか・・・、これから行く新大陸の産出品とか!?」
実際、この人形を本国に持ちれば、それだけで船出の出費を賄えるだろう、
咄嗟に切実な願いを頭に浮かべたユージンだったが、
次にはもう、俗な考えを露わにしていた・・・。
この息をも呑むような美しい顔立ちはなんだ・・・?
全てを見透かすかのようなグレーの瞳・・・、
高貴さをうかがわせる、キメの細かいバラの刺繍をあしらったドレス・・・、
・・・少し間を置いてから、船長は説明を始めた。
「出航前夜、私が積荷のチェックをしてた時にですな、
暗がりの中を動くものを見つけて、調べようとした所、突然彼女が現われて・・・、
そぉりゃ私も最初は腰が抜けるかと思いましたよ?
それで私が船長だと言うと『この船に乗せて欲しい』と、言うんでね、
こっちも退屈しのぎになるかと思って乗船させたのですよ。」
「そ それだけの理由で!?
い、いや、まぁ確かに凄い貴重な存在だし、こんなものを手に入れられるのなら、
城、一つ分・・・いや、国が一つ丸々買える様なシロモノだが・・・
いったい、こんな人形を誰が作ったんだ・・・?」
第六話
「彼女に聞いてみたほうが手っ取り早いですよ、
おい、メリー、キミを作ったのは誰だ?」
人形は終止、船長とユージンの会話を黙って聞いていたが、
ここで船長に質問されてようやく会話に参加した。
「・・・さぁ、このカラダを作ったのは誰かだなんて・・・、
言えることは、この人形の姿は私が自分で選んだ姿だと言う事・・・だけ・・・。」
凄い・・・凄すぎる、ちゃんと会話にもついてこれるなんて・・・!
ユージンは興奮しすぎて、質問の答えなんてもはやどうでもいいようだ。
「あ・・・ああ、メ、メリーと言ったっけ?
ちょっと、その場でグルッて回ってみてくれないか?」
少し間を置いてから、言われたとおりメリーは背中を見せて一回転する。
完璧だ・・・!
ランプに照らされたその姿は、ユージンがこれまで見てきたどんな彫刻品や人形よりも美しい。
「な、なぁ! オブライエン船長、この人形の事を知ってるのは貴方だけなのかい?
そういえば、さっき口外禁止って言ってたもんな?
とりあえず、この人形を私の部屋に移動させるよ!?」
「知ってるのは、数名の部下だけですが・・・
貴方の部屋に移動させるのは・・・。」
「何を言ってるんだ?
この航海で得たものは僕に帰属権がある。
第一、貴方じゃこんな高価なものの管理も出来ないだろう?
・・・こんな暗い船室に閉じ込めて・・・。
さぁ、おいでメリー? 私の部屋で楽しいひと時を過ごそうじゃないか?」
だが、メリーはユージンを見つめたまま動こうとはしない。
「メリー? 何してる? さぁ・・・」
彼がメリーを誘おうと、その垂れた銀色の髪の房に手を入れようとしたとき、
バネが弾けたように、突然メリーの腕がユージンの顔面に向かって突き出された。
「ヒィッ!?」
メリーの人差し指がユージンの眼球直前で止まる・・・あと2〜3センチで突き刺さるだろう。
第七話
ゴトン!
いきなりの事で、ユージンの手からランプが落ちる。
オブライエン船長は慌てずに、ゆっくりランプを拾い上げると、
固まったままのポーズの、ユージンとメリーの顔を照らし映した。
のけぞったユージンには、狼狽と恐怖の色がその顔に浮かび上がっている・・・、
一方、表情のないメリーにはその心のうちを顔に出す術があるはずもないが、
上目遣いに睨んだそのナイフのような視線が、全てを物語っている・・・。
気安く触らないで・・・!
そしてメリーは、ゆっくりと、真っ直ぐに伸ばした右腕を引っ込める。
「・・・ユージン様・・・でしたね?
私はただの人形ですが・・・、
私は、召使でも奴隷女でも・・・ましてや玩具でもありません。
私には、明確な意志と目的と・・・そして人格があります。
この船に乗せて貰った代わりに、私にできる事があるのなら、多少は協力いたしますが、
貴方の所有物になるわけには参りません・・・!」
ユージンの顔に汗が垂れてきた・・・。
どうなってるんだ? おれの言う事を聞けないってのか!?
「き、きさま私を誰だと・・・!」
言いかけるユージンをメリーが制する。
「ご覧の通り、私は人形です。
あなたがあなたの国で、如何なる権力をお持ちか存じませんが、
私には権力も財力もいかなる力にも拘束されません。
・・・ただ、だからと言って、私の都合で周りを騒がすのも本意ではありません。
それでこのような人目のつかないところでじっとしていたのです。
ですので、極力私に構わないでいただけますか?
もし・・・それが叶わぬなら・・・!」
そこで、船長が割って入った、
・・・これ以上、事態を険悪にさせるわけにはいかないと判断したのだろう。
「ユージン様、最初に言ったでしょう、不用意な発言は慎んでいただくようにと・・・。
これ以後、彼女と接する機会がないわけではありません、今夜は一まず・・・。」
第八話
仮にも貴族のユージンがそれで納得できるはずもない。
・・・だが、人形の言葉遣いから、
彼女のセリフが本気である事も疑いようがないことだけはわかった。
しぶしぶと、その薄暗い部屋から退出するしかない・・・。
船長は扉を閉める前に、もはや真っ暗になりかかっている船室で、
一人立ち尽くす暗い姿の人形に声をかけた。
「邪魔をしたな、メリー、また何かあったら声をかけるかもしれないが・・・。」
「ええ、どうぞ? 私の方には気を遣う必要はありませんわ、
おやすみなさい、船長。 そしてユージン様?」
「ああ、おやすみ、メリー。」
そういって一度、船長はたじろぐユージンに目配せをしてから扉を閉じた。
ユージンは挨拶どころではなかったらしい、プライドを酷く傷つけられたせいだろう。
やむなく、帰りしな、船長に食って掛かる。
「どういうことだよ? なんだいあの無礼な人形は!?」
身分は勿論ユージンの方が上だが、年齢も人生経験も船長が上回る。
若きユージンをなだめることなど造作もない。
「これは失礼を・・・・、ですが面白いものを見れたでしょう?
それに、ユージン様は感じませんでしたか?
人形メリーはいかなる権力も気にしないと言ってましたが、
あの『人形』そのものに高貴な雰囲気が・・・。
まるで貴族のスタイルを身につけているような・・・。」
「えっ!?」
そう言われてユージンは後ろを振り返った・・・、そう言えばあの物腰は・・・。
しばらくして、二人はそれぞれ自分の部屋に戻った・・・。
その夜・・・いや、空が白み始める薄暗い船上の甲板・・・。
交代で寝ずの番をしていた船員が叫び声をあげる。
「か、か・・・海賊だぁ、海賊が現われたぞぉぉーッ!!」
☆ではまた!
K。さん、「kyrie eleison」て何?
人の名前?
Ladyさんの新作に新しい作家さん・・・う〜ん、激しくwktkです
お2人とも頑張ってくださいね〜!
ROMってますからね〜!
611 :
k。:2006/11/28(火) 20:33:13 ID:8RdWBDpT0
>>Lady メリーさん 凄い!映像が見えるようです!!
>>609さん
駄文を読んで頂きありがとうございます。
題の「kyrie eleison」とは
「憐れみの賛歌(キリエ・エレイソン)」
憐れみ深い神への賛歌、あるいは罪人が憐れみをと言う意味です
新しいメリーサソは高貴なオーラプンプンですな
(*´Д`)コノ後ドーナルノ!
れでぃサソ、語られない物語はもうあれ以上語られないんでしょうか?
ルルル…
kサソもGJですよ〜!
オカルティックな雰囲気にゾクゾクです
続きもぜひ!
>>611 ゆっくりでもいいから、どんどん書いてね。
500KB過ぎたら、新スレ立ててみるし。
もし、今回も規制かかってたら、また誰かに頼むかもしれないけど・・・。
>>612 ・・・大好き。
やりたいけど時間がなぁ・・・。
>>613 今までにない戦闘シーンを企んでます。
イントロダクション以降は章立てにしないかも・・・。
「語られない物語」?
う〜ん・・・、予定としては、今の物語をある程度進めて・・・、
この世界がどうなってるか、明らかにしたとこで、
再び現代世界に舞い戻った時に・・・
なんて考えてはいるものの、先はどうなるか、わからんとです・・・。
616 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/29(水) 22:33:24 ID:mbZ+Vo+m0
○
(( (ヽヽ パコパコ
>_| ̄|○
>>615 ごめんね、メリーさん、うpした次の日にはアクセス過多で、サーバーぶっ飛んだらしいです。
でも、ここと、角二と、召還先のスレにしか貼ってないから、
ぼ、ぼく、ぼくのせいじゃないよっ!!
618 :
K。:2006/11/30(木) 11:34:45 ID:SLJgnVEB0
お邪魔します。
>>585-588、
>>592-595に続く「メリー帰還」の最終回です。
「kyrie eleison」
メリーが電話をかけている相手──若い女性は電話を叩き付ける
ように切ると、電話線を引き抜いた。
「何で・・・知っているの?」
彼女は電話台の前に立ち尽くし誰に言うともなくつぶやく。
ただの悪戯に決まってる。メリーなんてよくある名前だし、たま
たま電話が繋がっただけ。今、玄関のに居るなんて嘘だ。
彼女は必死に自分の中の恐ろしい考えを否定していた。だって、
ありえない。人形が電話をかけるなんて!
しかし、その考えを裏切るように、電話が鳴った。
彼女の手には引き抜かれた電話線が握られている。鳴るはずのな
い電話が鳴っていた。
619 :
K。2/4:2006/11/30(木) 11:36:14 ID:SLJgnVEB0
緊張で引きつりながら受話器を、耳に当てた。
「私、メリーさん。今・・・あなたの後ろに居るの」
声は嬉しくて堪らない様に弾んで、電話の向こうと彼女のすぐ後ろから聞こえる。
「・・・・メ・・・メリーさん?貴女は本当に・・・メリーさんなの?」
うふふふ。と楽しそうな笑い声が背中に聞こえる。彼女は深く息を吸い、意を決して振り返った。
そこには、かつて人形だった少女が立っていた。絹のように細い亜麻色の髪。
透き通るような白い肌。黄玉の瞳に喜びの色を、真紅の唇に笑みをたたえて。
しかし、完璧な美しさを包む漆黒のゴシックドレスは乱れて、妖しさを際立たせていた。
620 :
K。3/4:2006/11/30(木) 11:37:41 ID:SLJgnVEB0
「メリー!!・・」
彼女は大きな声を上げて泣き崩れた。
メリーはキョトンとしてその泣き崩れる女を見た。
楽しく遊ぶはずなのになぜ泣くのかメリーにはさっぱりわからなかった。
それよりも、メリーは次第に重くなっている体の不快さを振り払うように明るい声で言った。
「ねぇ。遊びの最後が思い出せないの。どんな楽しいことをしたか教えて?」
「私は、あなたと遊んだことなんかないわ!遊んだのは姉よ!メリー!あなたがいたから・・・・!」
彼女は涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔で叫んだ。
「だから!あなたを捨ててきたのに!姉さんはあなたのせいで壊れてしまったのに!」
そう、叫びながら、彼女はメリーに掴み掛った。華奢なメリーはその勢いで女もろ共、床に転がった。
621 :
K。4/4:2006/11/30(木) 11:42:40 ID:SLJgnVEB0
「メ・・・・」
衝撃でメリーの持っていた剥き出しの短剣が相手の胸に突き刺さった。
震える漆黒の短剣から魂と共に彼女の記憶がメリーに流れ込んできた。
幼い双子の姉妹がどちらが人形で遊ぶかと争うのも、
メリーとばかり遊んでいる姉に嫉妬する妹も甘美な思い出として魂と共にすすり上げていた。
嫉妬、憎悪・・彼女の負の感情は、漆黒の短剣にとっても喜ばしいご馳走のようであった。
歌うように震える短剣を両手で握り直してメリーは息を弾ませた。
陶酔感が全身を満たしていた。
素敵!メリーはその快感のなかで思った。
なんて素敵!電話でお話が出来て、お家に遊びに行けるって、なんて楽しいことなの!
その上、この黒い短剣は力をくれるだけじゃなくて、楽しかった思い出も吸い上げて教えてくれるなんて!
その喜びに反応するように黒い剣は声のない声でメリーに語った。
『胸を突けば記憶と共に魂をすすろう。他の場所なら魂だけを啜り取ろう。そして報酬としてお前に力を与えよう。』
怒りと悲しみに満ちていた女の瞳から光が消えた。メリーは小さく震えると深く息を吐いた。
かつて人形だったメリーには人間の人間らしい感情も、死も到底理解できなかった。
「もお、遊ばないの?」
メリーは色なく倒れている女に声をかけた。
むろん、返事はない。
「つぎは、誰と遊ぼうかな・・・」
メリーは電話をするような仕草をした。
fin
お付き合い、ありがとうございました。
おおおおお〜、すっげぇぇぇぇ、
続編もよろしくお願いします!!
黒い短剣の来歴とか、
メリーの今後とか・・・。
そう言えば126氏の『黒の鎌』の話はどうなったんでしょう?
名無しさんも元気かな・・・?
623 :
K。:2006/12/01(金) 04:44:52 ID:5p3AaYxN0
お言葉に甘えて、失礼いたします。
『kyrie eleison〜人形作家の男の話〜』1/3
「都市伝説だとおもうでしょ?でも、違うんですよ。本当の話なんです。」
彼は穏やかに語り始めたが、私はレコーダーをいじるフリをして彼から目を反らした。
狂人とは狂気を内に深く秘める者と言うのは本当の様だ。
彼は狂気の欠片も感じさせない穏やかな笑みを浮かべていた。ごく普通の青年のそれの様に。
「繰り返しになりますが、貴方の体験を聞かせて頂けますか?
その・・・・都市伝説の少女との出会いについてお願いいたします。」
私は視線を落したまま質問を続けた。リノリウムの床に窓格子とカーテンの影が落ちている。
彼は自分に向けて語るように、小さく頷くと話を始めた。
あの日、僕は持ち物全てを壊してゴミに捨てて、ビルの屋上に立っていました。
絶望の果てに自分自身をも捨てようとしたその時、電源を切った筈の携帯が鳴りました。
「私、メリーさん。今貴方の後に居るの。」
ポケットの携帯と僕の背後からほぼ同時に声がしました。
僕は思わずその声の主の方へ振り返りました。
そこには幼い人形の様な少女が立っていました。
絹糸の様に細い亜麻色の髪、陶器の様な白い肌、そして淡い薔薇色の唇、漆黒のゴシックドレス。
そして、しなやかに伸びる白い腕に握られてぶら下る壊れた人形の首。
「貴方の思い出を見せて?」
メリーと名乗った少女は無造作に人形の首を落すとパニエで膨らんだスカートの腰から漆黒の短剣を抜き、
その幼い容姿に反して妖艶で魅惑的な微笑を浮かべました。
「メリー?説明はしてくれないのか?」
「聞いてもいいよ。」
間抜けな質問にメリーは拍子抜けするくらい簡単に返事をすると鈴の様な声で笑いました。
624 :
K。:2006/12/01(金) 04:46:39 ID:5p3AaYxN0
『kyrie eleison〜人形作家の男の話〜』2/3
「なぜ、僕の元へ来たんだい?」
僕はブロックに腰を下ろしてメリーと視線を合わせ、黄玉の様な色の大きな瞳を見つめました。
「なぜ?貴方が捨てたこの子の為なの。寂しいって云ってたから、連れて来たの。」
メリーは無造作に人形の髪を掴んで僕の前に差し出しました。
それは、僕が一番愛した人形でした。僕の人形作家としての人生は全てその人形から始まっていました。
でも、その人形が僕を苦しめる原因でもありました。
「ねぇ、何回も電話して居場所を教えたからワクワクしたでしょう?それとも、こわかった?」
楽しそうにメリーが言いました。でも、その言葉とは裏腹にその声には力が無く、心なしか顔が青ざめて見えました。
僕は彼女の質問の内容よりそのことのほうが気になって仕方ありませんでした。
「顔色が悪いけど…どこか悪いのか?」
メリーはいきなり人形の顔に短剣を突き立て
「大丈夫。もうすぐ貴方の魂を貰って元気になるから心配しなくていいよ。」
そう云うと、優雅な微笑を浮かべて人形の顔から短剣を引き抜きました。
闇のように黒い短剣は彼女の手の中で急かす様に、歌う様に震えていました。
「僕のこんな魂でよければ幾らでもくれてやるよ。でも・・」
取引が出来る様な状況で無い事はわかっていましたが、
戸惑いながら僕はメリーを見た瞬間から抑えていた思いを口にしました。
625 :
K。:2006/12/01(金) 04:48:58 ID:5p3AaYxN0
『kyrie eleison〜人形作家の男の話〜』3/3
「・・・でも、その前に君の体に触れさせてくれないか?」
その申し出にメリーは目を見開いて息を呑みました。彼女の手の中の短剣も不満げに唸り声を上げました。
「疾しい気持ちで云っているんじゃないんだ。ただ、あんまりにも綺麗な肢体だから…。」
まったく疾しい気持ちが無いわけではありません。でも、少女にしては完璧すぎる美しい関節を見て、
僕の人生の大半を占めてきた人形造りへの情熱が、どうしてもその関節の感触を確かめたいと欲しました。
メリーは不満げに左腕を差し出しました。
「いいよ。終わったら魂、貰うからね。」
彼女の手はひやりとして柔らかい陶器の様でした。
小さな掌、手首、そして肘へと僕は丹念に手を滑らせました。
次にフリルとリボンの付いた靴下の上からそっと、膝に触れました。
「素肌に触れても良いかい?」
メリーは小さく頷きました。
ベルベットのリボンを解き、貝殻の様な膝に直接触れました。
そのまま靴下を下ろしながら脹脛を撫で、足首を経て踵、爪先を撫でました。
メリーは小さく吐息を漏らしました。見るとほんのりと頬が色づいていました。
「くすぐったい?」
爪先を両手で包んだまま訊ねると、メリーは首を横に振りました。
「もう人形を造る事は無いけど、歪みの無い美しい関節に触れることが出来て嬉しかったよ。ありがとう。」
僕はそう云って目を閉じました。
彼女の持つ短剣が低く唸る様な、あるいはすすり泣く様な音を立てました。
「あーあ。貴方の魂は要らないって。この人形が、貴方をいらないって。つまんないの。」
僕は慌てて目を開けたましたが、そこにはメリーの姿はなく、壊れた人形の首があるだけでした。
「・・・・これでメリーの話はお仕舞いです。」
斜陽の中で彼は微笑んでいた。私はその話の異様さにゾッとした。
自分の妻を殺した骨で人形を作ったこの青年は、その人形と共に自分自身の精神を壊してしまったのだ。
壊れてもなお、彼は自分を許す物語を語り、人形を造り続けてここに居るのだ。
私は取材した事を後悔しながら病院を後にした。
fin
それにしても、どっちに投下しようか?
四話分ならこっちでも十分なんだよな・・・。
過疎ってるこの状態で、残り10KB、結構埋めるの大変な気が・・・
AAでも貼るか・・・。
と、思ったけど、スレ違いで申し訳ないが、
昔作った、「ツクール」の一場面を流してしまおう。
ストーリー展開はあんまり変わらん・・・。
「語られない物語」別世界編
メタリックな建物の内部・・・大きなテーブルを囲む将軍達・・・。
その内の一人が静かに発言する・・・。
剛勇の騎士「ガワン」
「義純に続いて李袞も倒されたようだ・・・。」
獅子の騎士「イヴァン」
「ただの世間知らずの坊ちゃんだと思っていたがなかなかやるな・・・。」
勇敢なる騎士「ケイ」
「・・・緒沢美香が『事故』で死んだと聞いたときには、チャンスと思ったものだが・・・。」
神射の騎士「モードレィユ」
「そんな事より、次はどうする? 誰が行く・・・?」
その時、激しく席を立つ男が一人・・・
豪剣の騎士「ライラック」
「オレが行く!! 義純の仇はオレがとる!
オレとアイツはまるで兄弟のように育った・・・このオレが緒沢タケルを倒す!!」
だが、熱くなったライラックを制する静かな声が・・・。
湖の騎士「ランスロット」
「ライラック・・・、私と並ぶ剣才を持つ君の実力は誰もが認める・・・、
だが、君にはまだ北欧地域を制圧する任務が残っているはずだ。」
悔しがるライラック。
「くっ・・・、では誰を!?」
ゆっくり立ち上がるランスロット・・・。
「私が行く! この湖の騎士ランスロットが!
そしてモードレィユ! 君にも来てもらおう!!」
議場を立ち去るランスロットに、若きモードレィユは無言でそのあとを追う・・・。
閑話休題キャッスルオブメリー!
パァン!パンパン!
いくつもの派手なクラッカーが鳴らされた。
「おつかれ〜!」
「ごくろーさまぁ!!」
恒例楽屋落ちだ。
今日は、ナイトラウンジ・キャッスルオブメリーに、「メリーさんを追う者」の出演者の一部がやってきている。
マザーメリーの真ん前に、麻衣・マリー・エミリーが座っている。
麻衣:「あ、あの、あたし、ここにいていーんですかっ?」
うりぃ:「かまへん、かまへん、未成年なんやから酒、飲まなきゃえーだけや!」
エミリー:「あ・・・あたし、このカラダ・・・?」
マザーメリー:「良かったですね、今晩は元のカラダが使用できるみたいですよ、
自分のカラダ覚えてます?」
マリー:「うっわー、すっごい久しぶりぃ! これ・・・私のカラダぁ!?」
麻衣:「すっごい・・・ねぇ? これも神様の力?」
うりぃ:「作者や・・・!」
あざみ:「うりぃちゃん、それ言っちゃ(笑)・・・。」
麻衣:「でもちょっと恥ずかしい・・・、しばらく出演パスとか言っといてすぐに・・・。」
今日子:「いーんじゃねーの? どうせ、こっちはノーギャラでしょ?」
一同:「「「わぁ〜わぁ〜わぁ!!」」」
どうも禁句だったらしい。
今日子が頭抱えて「わりぃ」って言ってる・・・もう遅いけど。
今日子:「・・・あー、そんでさ、あなた達、アイツに会ったんだろ?
どうだった・・・?」
麻衣:「え・・・? どうって・・・。 なにが・・・ですか?」
今日子:「・・・いや、あらたまれると・・・そら、元気そうだったとか・・・バカっぽかったとか・・・。」
マリー:「あっ、あのおっきな男の人、
今日子さんのお友達なんですって? すっごいかっこよかったですよ!」
今日子:「そ、そぉかぁ? まぁ、ケンカは強いから、いざって時は役に立つだろうけどさぁ・・・。」
少年:「相変わらずバカっぽかったよ?」
今日子:「ああ、そりゃあしょうがないんだよ・・・って、あんただぁれぇぇぇぇ!?」
マザーメリー:「あっ! また呼んでもないのに勝手に入ってきて!!」
少年:「そんな意地悪しないで欲しいなぁ? ちゃんと飲んだもののお金は払うし・・・。」
うりぃ:「あんたが天使はんか!? 確かに顔は美形やなぁ?」
といいつつ、少年の顔を指で引っ張るうりぃ。
その気になれば、よけられるんだろうが、うりぃに殺気がないので少年はされるがままだ。
麻衣:「はぁ〜、クラスに一人はいるのよねぇ〜、
女の子の集団に一人で混じろうとする変な人・・・。」
少年:「・・・まぁ歓迎されてない事ぐらいはわかるよ・・・い、痛いいたいイタイ・・・!」
うりぃ:「おー、すまんかった、ちゃあんと人間並みの感覚はあるんやな?」
少年:「だから・・・僕のカラダは人間のカラダだって言ってるだろ?
違うのは魂だけ。 ・・・君らのご主人と一緒だって・・・。」
マザーメリー:「またはじまった。」
あざみ:「また?」
うりぃ:「そりゃー、神さんのことか?」
少年:「まぁそんなとこ、名前はどうでもいいけど・・・。
そんなことより、麻衣・・・君は大丈夫なのかい?
随分、思わせぶりな終わり方をしてたみたいだけど?」
麻衣:「・・・あなたに『思わせぶり』なんて言われ方されたくないです。
でも、今後の事はまだ、何も聞いてないので・・・。」
エミリー:「なんかいきなり、別の物語、始まっちゃったね?」
あざみ:「あれ、だぁれ? マリーさんじゃないの?」
マリー:「ううん、違います。」
麻衣:「あたしの最後の夢に出てきた人みたい・・・。」
うりぃ:「どうせ、アンタは知っとるんやろ?」
少年:「それはもちろん、一度殺し合いした仲だし・・・。」
今日子:「はぁぁぁぁぁ!?」
少年:「ああ、ごめんごめん、それは別世界の話だった。
・・・こっちじゃどうなんだろ?」
麻衣:「知りません。」
あざみ:「嫌われてるのね。」
少年:「仕方ない、リーリトの一族には特に嫌われてるし。」
うりぃ:「そーいや、百合子はんはここには・・・。」
麻衣:「なんか・・・アメリカに行くみたい・・・。」
エミリー:「えっ、またなんで!?」
マリー:「まさか・・・。」
マザーメリー:「もしかして・・・決着をつけに行くんですか?」
麻衣:「・・・ママ、無事に帰ってきて欲しいけど・・・。」
今日子:「大丈夫だよ、無事に帰ってこれるさ?」
麻衣:「はい・・・ありがとうございます、
また、あの人に守ってもらえないかな・・・。」
少年:「あまり彼には期待しない方がいいよ。」
麻衣:「言われなくても分ってます。」
うりぃ:「ああ、一応ご主人様の手を煩わせるわけにはいかん、ちゅーこっちゃな?」
少年:「・・・いや・・・そういうことじゃなくてさ、
リジーの苗字を聞いて、みんな何も感じないの・・・!?」
麻衣:「えっ!?」
マリー:「あっ!?」
今日子:「おおおおっ(何のことか分らないけど驚いたフリ)?」
マザーメリー:「ちょっと、こんな席でなに爆弾発言してるんですかァ!?」
少年:「ああ、じゃあ仮にそうだったら、誰が仕組んでるんだろうなぁ・・・とでも思っていてくれよ。
さて・・・嫌われ者は帰るよ、
でもね? これでも結構、人間の感情も身についてきてるんだぜ?」
麻衣:「あのー?」
少年:「なんだい、麻衣?」
麻衣:「人間の・・・ご家族はいるんですか?」
少年:「・・・勿論、いるよ・・・、どうして?」
麻衣:「その人たちのことを、大事に思ってます?」
少年:「・・・家族の事をどう思うかなんて・・・人間だって千差万別の答えになるだろ?
あんまり意味のある質問だとは思えないけどね・・・。
ま、その他の人間よりかは・・・大事かな・・・ほんの少しだけだけどね・・・。」
・・・一同意外そうな声をあげる・・・。
ここでうりぃのツッコミが入る。
うりぃ:「そーいや、マーゴの姉ちゃんに追いかけられとるんやってぇ?」
麻衣:「えええええっ?」
少年:「・・・どうも、そうらしい・・・。」
今日子:「その気になればいつでも振り切れるんでしょ? なぁんでまた?」
少年:「『アイツ』にはめられたんだよ!
『アイツ』は僕が生まれる前から、僕の両親に、
『僕がこの世ですべき事』を予言していきやがったんだ。
マーゴも一緒だよ、僕と一緒になるのを『運命』のように受け入れちゃってるから・・・!」
あざみ:「ごめんなさい? よくわからないわ? それがどうして?」
少年:「そういう風に、もう、世界は動き出してしまってるんだ。
僕は人間界に、極力影響を与えないように行動する事を義務付けられている。
なのに、生まれる前からそんなレールを引かれてしまっているから・・・。
今更そのレールをはみ出したら、人間界に与える影響は計り知れないものになる。
だったら、そのレール通りに行動するしかないんだよ。」
マリー:「意外と天使ってつらいお仕事なんですね?」
少年:「・・・いや、・・・仕事っていうか・・・もう、どうでもいいや・・・。 帰る。
ご馳走様、お代はここに置いとくね、じゃぁ、あとはみんなで仲良くやるといい・・・。」
エミリー:「そういえば天使様のお名前はなんていうんですかぁ?」
少年:「あー、もういいよ? 今更ってカンジだし・・・
どっかで機会があれば知ることになるよ、きっと、・・・じゃあ、ごめんね、みんな。」
カラ〜ン
そして少年は店を出て行った・・・。
外は雨が降っている。
ふと見ると、キャッスルオブメリーの脇の路地に、白い肌の女性が立っている・・・。
少年:「やぁ、中はこれから盛り上がるみたいだよ? 入ったらどう?」
百合子:「・・・前にお会いした事があったかしら・・・、 天使さん?」
少年:「さぁ? どうだったけね?
それより、無事にご家族全員、帰還したと言うのに、やけに暗い顔だね?
なにか・・・良くない未来でも見てしまったのかい?」
百合子:「余計なお世話よ・・・。
それより、麻衣もあなたの未来を透視したそうよ?
あまり・・・他人事じゃないんじゃないのかしら?」
少年:「・・・へぇ、そう? あいにく天使には未来を予知する能力は備わってなくてね、
ただ・・・、娘さんが僕の未来を見たんじゃないだろう?
リーリトごときに天使の姿は視る事は出来ない・・・、
誰か・・・他の人間の見た記憶・・・いや、僕が意図的に見せた映像かもよ?」
百合子:「どうでもいいわ・・・、私たちの問題に干渉しないのなら・・・。
観るのが仕事なら・・・黙って私たちの舞台を見てるといいわ・・・。」
少年:「そうさせてもらうよ・・・君たちの主人『ヴォーダン』の創り上げた壮大なドラマをね・・・。」
そして少年は、小雨の振る中、夜の闇の中に消えていった・・・。
百合子が店に入ろうとしたとき、駆け足で店に入ろうとする小さな少女に抜かれてしまう。
「ひゃあ〜、ごめんなさぁい! 先入りますねぇ!?」
カラ〜ン
ローズ・メリー「こんばんわぁ! はじめましてぇ! ローズでーす!!」
店の中から大きな声が聞こえてきた・・・。
賑やかになりそうだ。
そして・・・その予想をさらに裏切る怒鳴り声・・・。
ローズ:「あざみぃぃぃ!! こんなところにいたぁぁぁぁ!!」
あざみ:「あらあら? 意外と早く再会したわね? でも・・・
わたしの相手にはまだ・・・10年早いわぁ!」
今日子:「だぁぁぁ!! こんなとこでェェェおまえらぁぁ!!」
うりぃ:「やったれ!! そこやぁ!!」
マリー:「麻衣ちゃん、エミリー、早く避難するわよ?」
麻衣:「ああ〜ん、まだママに会ってないのにぃぃ!?」
エミリー:「ええ〜? おもしろそうだから見てきましょうよぉ!?」
・・・店の外で百合子は、珍しくクスっと笑って、ゆっくり扉を開けた・・・。
カラ〜ン
マザーメリー:「いらっしゃいませぇ!!」
・・・そしてまだまだ続くLady メリーわーるど・・・!