【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その3

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PART1:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】
http://curry.2ch.net/test/read.cgi/occult/1030468085/
PART2:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その2
http://curry.2ch.net/test/read.cgi/occult/1034309472/
 このスレは、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』三部作に
オマージュを捧げる小説スレです。
もしくは、『ゾンビ』好きの人が小説をうpするスレです。

小説のお約束
・基本的にsage進行。
・スレタイに「ホームセンター」と入っているが、とりあえずこだわらない。
 (PART1スレの1氏への感謝と検索し易さを考えてつけました)
・ゾンビの設定は、一応、映画『Dawn Of The Dead:ゾンビ』を使用。
・舞台は日本。できるだけ身近な場所をモチーフにするとよいかと思われます。
・主人公は、できるだけ普通の人にとどめておいたほうが無難の模様です。

今のところは、こんな感じです。
お気づきの点がございましたら、付け加えのほどをお願いいたします。
スレ立てたけど、前スレからリンクが張れない。激しく欝
全く、前スレの>>790は、何をやっているんだよ。
>>だれか次スレ〜
お前が立てれば問題ないだろう。
前スレの最後の部分使い切りやがって。
おかげで、暫くの間前スレの住民は暫く難民状態だぞ。
反省汁。
 名無し@錆取り中 ◆590pmBHwDI さま、
スレ立て、激しく乙カレーさまです。ありがとうございます。

>>3 さま、
 前々スレのことを思い出し、耳が痛いです。

>サイズが496KBを超えています。512KBを超えると表示できなくなるよ。

この「512KBを超えると」ってのがクセモノで、
「512KBまでは書き込める」と思い込んでしまうんですよ。
実際、私はそう思い込んで前々スレを使い切ってしまいました。
5あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/08 11:18
「ん・・・くぅ」
瑠璃ちゃんは僕の顔の上にまたがり、いつものようにあそこを舐めさせている。もう3人とも
衣服は一枚もつけてなかった。激しく反り返ったペニスは真由美姉さんの口の中で今にも爆発
しそうだ。
「くぅ・・・でる」
真由美姉さんは寸前で愛撫を止める。
「ふぅ・・・」
迫っていた射精感が遠のいていく。僕は完全にタイミングを見切られていた。
「そろそろいくわよ」
真由美姉さんはあそこを指で開く。べっとりと愛液で濡れたあそこがぬらぬらと
てかっている。姉さんはもう片方の指で僕のペニスを導くと、ゆっくりと腰を
腰をおろしていった。真由美姉さんのあそこはかなり狭く、きゅうきゅうと僕を締め付けてくる。
「うう。もうだめ」
僕はあっさりと射精してしまう。どくどくと精液が真由美姉さんの中に流れ込んでいく。
「だめ、まだだめえ」
真由美姉さんは身体を上下に激しくゆする。精液と愛液のミックスが結合部分から溢れてくる。
一度はなったにも関わらず、僕のペニスは全く勢いが衰えない。
「んん。んんんぅ」
瑠璃ちゃんも絶頂が近いようだ。僕は瑠璃ちゃんのおしっこ攻撃に備える。いつのまにか瑠璃
ちゃんのおしっこを飲み干すのが快感になってしまっていた。
「ああ、お姉ちゃああん」
瑠璃ちゃんはひときわ大きな声をあげた。いつもは回りのゾンビに気づかれないように声を抑え
ていたのだが、僕が自衛隊が周辺を掃討したのだろうという言葉に安心してか、今夜は姉妹とも
まったく声を抑えていない。
「瑠璃・・・瑠璃ぃぃ」
真由美姉さんも負けじと妹の名を呼ぶ。
その瞬間、
6はずかしいにゃ:02/11/08 11:19
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
叫び声とともに、僕らの部屋の上から天井をぶち抜き全裸のゾンビが降ってきた。
大量のエロ本やエロゲーやエロアニメやその他のエログッズとともに。
こいつは・・・尚也じゃないか。
「おい、尚也。俺だよ。わからないか」
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
尚也ゾンビはうなり声とともに、真由美姉さんを弾き飛ばした。凄い力だ。壁に頭をぶつけた
真由美姉さんは気を失った。ゾンビのどこにこんな力があったのだろう。
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
尚也ゾンビは僕の顔の上で動けないで固まっている瑠璃ちゃんをつかんで、そのまま押し倒した。
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
瑠璃ちゃんの股間に顔をうずめるとびちゃびちゃと音を立てて激しく舐めはじめた。
「くそっ。おい尚也。やめろ。やめるんだ」
僕は瑠璃ちゃんのあそこにむしゃぶりついている尚也ゾンビを引き剥がそうとした。
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
こっちを振り向いた尚也ゾンビは、僕をどんっと突き飛ばす。
「うわっ」
僕も真由美姉さんと同じように吹き飛ばされ頭をぶつけてしまう。
だめだ・・・気が・・・遠くなる・・・
7はずかしいにゃ:02/11/08 11:19

「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
尚也ゾンビは邪魔者がいなくなったので、再び瑠璃ちゃんのあそこを愛撫しはじめた。
「いやぁぁぁぁぁ」
瑠璃ちゃんはぽかぽかと尚也ゾンビの頭を殴りつけるが、無論そんなことではびくともしない。
「あ・あ・あ」
瑠璃ちゃんは恐怖のあまり失禁してしまう。尚也ゾンビはうれしそうにじゅるじゅると
おしっこを飲み干す。
「いやぁぁぁぁ。助けて。お姉ちゃん。お兄ちゃああん」
おしっこを飲み干したゾンビは桜色の可愛い乳首に舌をはわす。尚也ゾンビの口の中で瑠璃ちゃんの
サクランボがもてあそばれる。瑠璃ちゃんは恐怖のあまり身体が硬直してしまったようだ。
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
乳首で充分楽しんだ尚也ゾンビは、瑠璃ちゃんの唇をうばおうとずるずると身体を寄せてくる。
尚也ゾンビが口をあーんとあけると腐った肉の臭いがつーんと瑠璃ちゃんの鼻を突いた。
「ひ・・・ひぃぃぃ」
必死に逃げようと後ずさる瑠璃ちゃんだが、すぐに壁につかえてしまう。
尚也ゾンビの身体に巣くっていた小さいゴキブリどもが現れて、ぞわぞわと瑠璃ちゃんの身体を這い
回る。ゴキブリは水分に飢えていたのか瑠璃ちゃんのあそこにへばりつき、おしっこと愛液をちろ
ちろと舐めている。やがてゴキブリは瑠璃ちゃんのあそこの中処女膜の隙間からするすると
入っていってしまった。そして尚也ゾンビは瑠璃ちゃんの顔を片手で押さえつけると、
ぶちゅうっと瑠璃ちゃんの唇をうばった。尚也ゾンビの干からびた舌が瑠璃ちゃんのみずみずしい
唇をべろべろと舐めている。瑠璃ちゃんは唇をぎゅうっと閉じてせめて舌の侵入を防ごうと健気な
努力をしていた。尚也ゾンビは瑠璃ちゃんの鼻をもう片方の手でつまんだ。息ができなくなった
瑠璃ちゃんは、やむなく息継ぎのために唇をちょっとだけ開いた。
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
一瞬の隙も逃さぬ尚也ゾンビはすかさず瑠璃ちゃんの口の中に舌を侵入させた。
8はずかしいにゃ:02/11/08 11:21
ぴちゃ、ぴちゃ、といやらしい音が部屋に響く。瑠璃ちゃんはもう抵抗できなくなっていた。
ひとしきり中学生の身体を堪能した尚也ゾンビは、干からびてはいるがしっかりと怒張した股間
の一物を瑠璃ちゃんに見せつける。
「いや・・・あ・・・や・・・。まだお兄ちゃんにもさせたことないのに・・・」
瑠璃ちゃんは両足を閉じて必死に処女を守ろうとする。
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
尚也ゾンビは瑠璃ちゃんの足をつかむとがばっと開かせる。
「や・・・ひぎゃああああああああ」
尚也ゾンビは一気に貫いた。真紅の液体が瑠璃ちゃんと尚也ゾンビの結合部から垂れてくる。
瑠璃ちゃんのあそこに侵入していたゴキブリは瑠璃ちゃんの膣壁と尚也ゾンビのペニスとで
すりつぶされていた。すりつぶされたゴキブリは膣壁とじゃりじゃりとこすれあって瑠璃ちゃん
に痛みと快感を与える。
「ひぎゃあああ。助けてええええ」
自分の欲望を満たすためだけに激しいピストンを繰り返す尚也ゾンビ。裂ける寸前の瑠璃ちゃん
のあそこが痛々しい。
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
ついに尚也ゾンビは瑠璃ちゃんの膣に射精した。冷たい精液が瑠璃ちゃんの子宮にびちゃびちゃと
たたきつけられる。
「う・・・ひい・・・」
尚也ゾンビはしばらく射精の余韻に浸っていたが、再び瑠璃ちゃんの上で
ずんずんと腰を送りはじめる。死んでるくせにとんでもない回復力だ。
9あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/08 12:38
>>1
完全にスレタイが間違っていると思うのは、漏れだけだろうか?
[ゾンビ]死霊との交わり[ゾンビ]

最初から煩悩全開、アフターバーナ状態ではないか。
10あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/08 13:11
今後トリップのない 発言及び書き込みは あぼーん致します。
11エロ基地 ◆fHUDY9dFJs :02/11/08 13:20
ジュニア

あれからどれほどの月日が流れたのだろうか。
ウイルスの流行は下火になり、完全なワクチンはまだ出来ていないものの症状を押さえ込む治療が発見された。
一方、日本全土の人口は半数近くまで減り、政府は感染者の隔離と治療、荒れ果てた町の再建などに頭を悩ませていた。
幸か不幸かウイルスは世界には広まらず、早速アメリカを始めとする諸外国が日本に援助を申し出でた。
しかし、アメリカなどがこの機会に日本を併合しようとしているという噂も広まっていた。
また、近隣のアジア諸国も国力の衰えきった日本を虎視眈々と狙っていた。
皮肉にもウイルスワクチンが出来上がっていない事実が外国から日本を守っていたのだ。

何故、僕は生まれてきたのだろう。
武はベットの上でごろごろしながらぼんやり考えていた。
岡田武はほとんど毎日この事について考える。
もちろん答えが出るはずも無い事はわかっていた。
しかし、部屋の隅に張られている自分の母親の写真を見るたびにどうしても考えてしまう。

母、岡田良子は感染した父と交わって僕を身ごもった。
なぜ、母は僕を産んでしまったのだろう?
なぜ・・・。
12エロ基地 ◆fHUDY9dFJs :02/11/08 13:21
出産後、すぐに武は隔離センターに引き取られ、そこで育った。
感染していないことが確認されたが、感染者の子供の前例が無いために武がセンターから出ることは許されなかった。
センターの中は外の世界よりもはるかに過ごしやすいことは事実だったが、武はセンターの中で様々な実験に参加しなければならなかった。
研究者が注目していたのは武が凶暴化した感染者とコミュニケーションが取れるということだ。
感染者は薬が切れると凶暴性が出てきて自分をコントロールできなくなる。
武は感染者が上げる唸り声に似た声を上げ、感染者をコントロール出来たのだ。
行動を細かくコントロールすることは出来ないが、感染者を目的の場所まで誘導するくらいのことが出来る。
「すばらしい!素晴らしい能力だ!」
研究室長の室井は目を輝かせて叫んだ。
「私達は君のお母さんに感謝しなくてはいけない。君という素晴らしい人間を残してくれたのだから。」
「・・・・・・」
大げさな室井のはしゃぎっぷりに武は少し辟易していた。
そして、そのとき武は、嬉しそうに笑う室井の目の中にある危険な輝きを見逃してはいなかった。
13エロ基地 ◆fHUDY9dFJs :02/11/08 13:21
「それの、どこが素晴らしい能力なのか具体的に教えてもらいたい」
本土復旧委員会会長の大田は受話器から聞こえてくる室井のはしゃぎまくった声にうんざりしながら言った。
こっちは今復旧作業で忙しいんだ…。
イライラする大田の神経を逆撫でするかのように室井の声は楽しげだった。
「ええ。ですから、感染者を自由に動かせるんですよ。凶暴になった後でもね。」
「で、それがなんの…」
「ですから。日本がこれから直面する危機を考えてみてくださいよ。」
「 ・……?」
「日本が復旧作業に手を焼いている今、外国が何をたくらんでいるかみえみえじゃないですか。」
大田の眼光が鋭くなった。
自分の部屋なので人に聞かれる心配はないはずだったが大田は声を落とした。
「つまり、…感染者で国を守ると…?」
「決して死なない軍隊です。どうです、面白いでしょう?」
面白いわけがない。だが・・・
確かに、確かに今一番の問題はそこなのだ。
復旧作業だけなら時間がかかってもいい。
しかし、アメリカがいる。アジア諸国がいる。
みんな日本を落とすチャンスをてぐすね引いて待っているのだ。
大田は自分の心があっという間に魅力的な提案に引きずり込まれていきそうになるのを感じた。
「だが、感染者を兵器のように扱って只では済むはずがなかろう」
「別に自国の人間でなくてもいいのです。戦場で敵の兵が感染したら、そのときから彼らはこちらの軍隊になるのです」
相手の軍を飲み込みながら大きくなっていく死なない軍隊。
大田はそれを想像してかすかに震えが起きるのを感じた。
これを実行すれば間違いなく全世界にウイルスが蔓延する。
しかし、日本を他国から守ろうとするなら、今はこの策しかないのではないか。
国会が正常に機能していない今、最終決定権は本土復旧委員会が持っていた。
「感染者の子供はこれからも生まれてくる予定です。今とりあえず15人ほどが…」
相変わらず嬉しそうにしゃべり続ける室井の声を聞き流しながら大田はじっと窓の外を見つめていた。
14エロ基地 ◆fHUDY9dFJs :02/11/08 13:22
「母さん。ついに戦争になるみたいです。」
武は部屋の写真に向かって呟いた。
あの時、室井の顔をみたときからこうなることはなんとなく予想がついていた。
武は同じような境遇の青年10人とともに感染者を動かす訓練を受けていた。
まもなく、アメリカの中心都市で15.6年前に日本で起きたようなゾンビ騒ぎが起こるだろう。
だが今回は前回よりもさらに被害が大きくなるのは確実だ。
武たちが的確に感染者を誘導し、確実に人を襲わせるから。
アメリカはほぼ壊滅的なダメージを受けることになるだろう。
「このままだと、日本が危ないからやるしかないらしいんだ。
これから僕がやることが正しいことなのかそれはわからない。
ただ、僕の生きている意味が、今はそこにしか見つからないんだ。」
武は寂しそうに笑い、写真を壁からはがすとパスポートとともに鞄に放り込んだ。
もうすぐ空港行きの車が出ることになっていた。
「初めての外出が戦場とはね。」
罪悪感と使命感、希望と不安、様々な感情がごちゃ混ぜだったが武は無理やり笑顔を作り部屋を後にした。


=osimai =
>>11-14 エロ基地 ◆fHUDY9dFJs さま、
 前作(前スレ609-610)の続きパートですね、乙です。
主人公「武」のおかれた救われない状況に、胸をうたれました。
死なない兵士、自己増殖する軍隊の運用というのは、
為政者とっては魅力なのかもしれませんが、その内部に組み込まれることを考えると、
やはり、かなり救われないものがあります。
『DAY OF THE DEAD:死霊のえじき』のオリジナル脚本をふと思い出しました。
ゾンビがさ迷う世界の話であっても、結局のところ、
ドラマの主体は「人間とゾンビ」ではなく、「人間と人間」に落ち着くんですよね・・・。
16PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 16:48
名無し@錆取り中 ◆590pmBHwDI さま。スレたて乙Curryです。
 では3話ほど行きます。この話は番外編です。
 はずかしいけれど ◆QF0ypwgJ42さんとのシェアードワールドものに便乗させてもらいました。

 街道を走らせる間、死者の姿を見ることは無かった。
 住民の退去が早かったのか、制圧作戦が成功したのかは街路の様子から判断できた。
 落ちている薬莢も、壁に弾痕も無い。大抵の住民は別の場所に逃げたのだろう。
 ガソリン、水、食料、そして弾薬は十分あった。もともと複数の拠点を利用していたため、備えは万全だ。
 最も食料に関しては各種ビタミン剤と干し肉にチョコ、そして各国の戦闘レーションが主だ。
 イタリア製のレーションが尽きたら、後は泥のようなタイプばかりだ。
 いささか潤いに欠けるが、問題は無い。安全こそ最良の調味料と考える尚也だった。

 しばらく進むと、フェンスに囲まれた駐車場が見えてきた。ホームセンターのようだ。
 近隣の様子からして人が立てこもっている可能性は高い。ただ、どういう人間たちかだ。
 尚也は車を停車させて、双眼鏡で内部の様子を探った。
 ある程度の数がいる場合や、負傷者がいるならば当然無視するつもりだった。
 情報は手に入れなければいけないが、そのために怪我を負うのは本末転倒だ。
 成人男性二人に、成人女性一人、少女が一人。
 銃器らしきものを持ってはいるが、その様子を見ると重量があるようには見えない。
 となるとグロックか。いや気軽に扱うところを見ると護身用のガス噴霧タイプだろう。
 危険性は少ない。そう判断すると、駐車場に車を進めた。
 出迎えたのは快活な青年ときれいな瞳をした少女だった。
17PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 16:49
 情報を得たらすぐに立ち去るつもりだったが、出てきた青年の意外な押しの強さに食事を共にすることになった。
 とはいっても青年と少女の二人とだけだ。残る二人は早々に席を立っていた。
 久しぶりの落ち着いた食事は悪くなかった。食後にコーヒーを楽しむことも最近無かった。
 不必要な品物は負担になるだけと嗜好品の類は積み込まなかったのだ。最もたとえ用意していたとしても、一人でとる食事にコーヒーをつけることは無かったろう。

 ここに来るまでの経緯を聞いてとるべき進路は絞れた。
 確認するべきことは後ひとつだけだった。
「このまま行けると思うか?」今後の進路をどうとるのか、そこに興味があった。
 逃走手段はしっかりと用意してあった。ガソリンもあるようだし、車が複数あるなら故障も問題ないだろう。
 ただ、武装は話にならなかった。懐のふくらみから38チーフぐらいは持っているのだろうが、ゾンビや興奮した暴徒相手では気休めにもならない。
 別段青年と少女がどうなろうと知った事では無かった。
 情報は交換し合った。食事も招かれたものだ。
 ただ、コーヒーは美味しかった。久しぶりの人の食事だった。
 代価として、レミントン・ライアットと弾入りケースで支払うことにした。

 次の日、早朝にそこを離れる事にした。自分が不和の元になることは分かりきっていた。
 走り去るこちらを見つめる少女の瞳が記憶のどこかを刺激した。

 しばらく走ると、死者たちの群れが視界に入った。
 いつもなら無視していく。むやみに戦闘をしないのがサバイバルの鉄則だ。
 今回も無視するつもりだった。そいつらが別の方向に進んでいるならば、通り過ぎただろう。
 ゾンビたちはホームセンターへと向かっていた。
18PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 16:49
 車をゾンビの500mほど手前で停車し、ドアをバリケード代わりにしてM16ライフルを構える。
 これはゾンビに喰われていた米兵が携行していたのを頂いたものだ。
 距離が350mを割った時点でトリガーを引き、榴弾を群れの中心の前方よりに着弾させる。
 尚也はM16A2ではなく、その下部に備え付けたM203グレネードランチャーを使用したのだ。
 爆発で感覚器が使えなくなったゾンビたちは上半身だけで街路を這いずり始める。
 後は簡単だった。引き金を引くたびに、ゾンビの頭部が爆ぜていく。5分としないうちに、戦闘は終了していた。

 戦闘終了後、余裕があったので地面に落ちた薬莢を回収してから車に乗り込んだ。
 自分の装備を知られるのは面倒の元でしかない。
 今までの経験から、自分の武装が明らかに突出していることが判明している。
 警察の押収した武器は当然チェックしていた。非常事態となれば必ず流出する。現場で使う者も増える。初めから武装するつもりで自衛隊や在日米軍の活動地域を偵察もした。
 大抵の相手から危険視されるのは目に見えている。
 
 尚也は車を走らせながらふとあることを想像して、口元に小さな笑みを浮かべた。
 あの二人はレミントンのケースに隠したメモとチョコに気づくだろうか。
 メモには尚也が利用したいくつかの拠点を記しておいた。
 どれも燃料電池やガス、警報の他に持ち運びに適してない食料や弾薬を置いてある。
 戻るつもりの無い尚也にとっては不要のものだが、あの二人の助けにはなるだろう。
 最も無事そこにたどり着けるかどうかまでは、尚也の関知するところではない。

「……あのコーヒーは良かったな」
 ただ、あのコーヒーの香りを思い出すと、二人の無事を祈ってもいいような気がした。
19PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 17:18
 以上、番外編でした。
 ちなみにイタリア軍は歴史上名を残すほどヨワヨワな軍隊です。
 ただ、軍用レーションの美味しさはトップクラスです。
 
 さすが、砂漠での作戦行動中にパスタを毎食茹でたせいで水不足を起こしただけのことはあります。

 さて、次からは二人目との邂逅が始まります。
 まずはさわりの二話ほどどうぞ。
20PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 17:18
 朝、同じ衣服を身に着けた死者の群れがそろって歩道を歩み続けていた。
 ところどころ背広をまとった姿も見える。
 チャイムが鳴り響くと、一様にみな歩みを速めるところは昔と変わりが無い。
 鳴り止むと同時に、校門のそばにいたジャージ姿の死者が門を閉め始める。
 通過中の女生徒が挟まれるが、今ではたいした問題ではない。体育教師には今のほうがやりやすいのかもしれない。
 
 彼らは生前の習慣どおりに学校に向かい、日暮れとともに家路につく。
 いじめや校内暴力など無くなった分、ある意味平和だ。
 ただ、昔と変わらない点がひとつだけある。
 自分たちと違うものへの排斥の感情は、いまや呪いと言えるまでに膨れ上がっていた。

 一人の少女が、締め切られた赤黒い鉄柵を見つめている。
 胸のプレートには「光清高校二年 千堂日向」と彫りこまれている。
 日向は街路樹の陰から学校の様子を伺い、何度も校舎へと足を向けようとして、同じ回数だけ躊躇っていた。
 制服の襟は汚れ、袖も裂けてはいるが外傷は負ってないようだ。無論死者ではない。
 なぜ生きている人間が、死者の群れの中に向かおうとしているのか。
 
 理由は単純なものだった。
 親友の少女が、憧れの先輩を追って校舎へと侵入していったからだ。
 もともと学校には救助を求めた生徒と教師たちが立て篭もり拠点としていたが、増え続ける死者に飲み込まれるのは火を見るよりも明らかだった。
 それでも一部有志は秩序の具現たる学校を守り抜こうと必死の努力を続けていた。
 親友が憧れた先輩も、そんな有志の一人だった。
21PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 17:18
 外部へと食料を求める姿が絶えた三日後、日向の親友は手持ちの食料を抱えて学校の門を通り抜けた。
 日向は必死で説得したが、少女の決心は固かった。

「駄目だよ!ゾンビに食べられちゃうんだよ。今まで頑張ってきたのにどうして!」
 半分泣きながら説得する日向に、親友は微笑んで答えた。
 きれいな微笑なのに、なぜか日向の背中に氷柱を差し込むような笑顔だった。
「うん、頑張ったよね。でも先輩もそうなんだよ。だから差し入れしてあげなくちゃ」
「差し入れって……」親友の笑顔に呪縛されて声がだんだんと小さくなる。
「いつもしてたじゃない。きっと先輩部活でお腹空かせてるから、早く行ってあげなきゃ」
 日向は理解した。なぜ親友はこんなにもきれいで、こんなにも恐ろしい笑みを浮かべられるのか。
 声が出せなかった。今目の前にいる少女はすでに別人だ。ココロが昔とは違う。
 
「じゃ、行って来るねヒナ。ヒナはまだ来ちゃ駄目だよ」
 それが最後に聞いた言葉だった。
 
 数日後、校庭のトラックを延々と回り続ける人影とスタートラインで見守り続ける親友の姿があった。
 
 何日も何日も、日付の感覚を無くして見続けるうちに、いつしか日向の足は校門へと向かうようになっていた。
 だが、その歩みはいつも記憶の中に残った言葉によって押しとどめられた。
 
「ヒナはまだ来ちゃ駄目だよ」そう親友は言い残したのだ。
 
 千堂日向は紛れも無く境界線、デッドラインに立っていた。
「も・・・やだ・・・」
何度射精されたのだろうか。既に瑠璃ちゃんの子宮は尚也ゾンビの精液でぱんぱんに膨れ上がって
いる。白目をむいて放心している瑠璃ちゃん。尚也ゾンビが動くたびに瑠璃ちゃんの下腹部がぼこ
っぼこっと動き、子宮に入りきれない精液と破瓜の血が交じり合って流れ出す。普段は死肉しか食
らわない気味の悪い蟲どもも、おもわぬ御馳走に大喜びで、溢れこぼれ出す精液と血液の混合をすす
っていた。そんな尚也ゾンビの精力には限りがないように思われたが、とうとう限界が来たようだ。
尚也ゾンビの動きがこれまでになかったほど激しくなる。子宮も壊れよとばかりに瑠璃ちゃんの
小さい体を突き上げる。ぶちっという音がすると限界まで広げられていた瑠璃ちゃんの膣がとうとう
裂けてしまう。吹き出た鮮血がペニスにまとわりつくが、尚也ゾンビはそんなことなど意にも介さない。
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイ」
最後にひときわ大きい叫び声をあげると、尚也ゾンビは思い切り大きく瑠璃ちゃんを突き上げた。
これまでとは比べものにならない大量の精液が、奔流となって瑠璃ちゃんの子宮に向かう。だが、
瑠璃ちゃんの子宮は既に精液で一杯でこれ以上受け入れる余裕などまったくない。そのため、
結合部分からどくどくと精液があふれ出て来る。それを感じた尚也ゾンビはペニスを引き抜くと
ぴゅるぴゅるとまったく射精の勢いを失わないペニスを握り立小便の用に瑠璃ちゃんの全身にか
けていった。こぼれた蜜を啜っていた蟲どもは、ペニスが抜けたあそこに入り込もうとむらがる。
競争に勝ち抜いた何匹かの蟲はずるりと瑠璃ちゃんのあそこの中に入っっていく。
入り損ねた蟲は、瑠璃ちゃんのおなかに、乳房に、顔に、全身のあらゆるところに張り付き
白濁を啜りはじめる。放心した瑠璃ちゃんの口の中に入り込む蟲すらいたが、瑠璃ちゃんは
もはやそれを気にも留めていない。征服感を満たした尚也ゾンビは、干からび腐った顔ににんまり
とした笑みを浮かべた。
23PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 19:39
……厳しいなぁ。
あとがき
とりあえず 第一部 終了です。
だらだらとした文章にお付き合いください下さった皆様
有り難うございました。
 
PIP ◆dve/1Ebaqs 様 見事なサイドストーリー有り難うございました。
 猟銃をいただくと言う勝手なストーリーにも快く同意頂き感謝です。
鞄の中のメモについては こちらも想定しており次回から活用するつもりでした。
やはり尚也は、私の想像と合致するような人物像ですね。
 
しかし尚也の「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイ」
これはヒドいですよね(苦笑) アニメファンですか?

次回から 僕とルリルリの 愛の逃避行編 執筆?予定です
 お目汚し お許し下さい。
:はずかしいにゃあ・・・ほんとにごめん 様
僕は そんなに軽くないです 車の直結や運転ぐらい出来ますよ(シクシク)
25山好き@ ◆U0WxN8c4sc :02/11/08 20:21
>>1 名無し@錆取り中 ◆590pmBHwDI様 スレ立て乙です。
錆取り中さん、新作はまだですか?。前前スレで1、前スレで2ですよね。

>>エロ基地 ◆fHUDY9dFJs様
新作、いいです。自己増殖を続けながら負ける事の無い軍隊。
虫唾が走りますね。
しかし、前作がいいと、後が続けやすいですね。

>>マテリアルさん ◆EkzNU3ykSU 様
>ドラマの主体は「人間とゾンビ」ではなく、「人間と人間」に落ち着くんですよね・・・。
そうですね。最終的には、「人間と人間」さらに人間の敵は同様に他の人間ということでしょうか。

>>PIP ◆dve/1Ebaqs 様
前スレから継続でお疲れ様です。
でも生前の記憶を残すゾンビというのも、考えさせられます。
ゾンビになってまでも、通学、通勤をこなすのかと考えると一寸欝ですね。
こうまで描写されると、人類の進化した形がゾンビとも言えなくもないですね。

>>はずかしいにゃ ◆S9tbNjDp0s 様
煩悩、本能丸出しで全開ですね。頑張って下さい。
僕が意識を取り戻したとき、尚也ゾンビは僕を見下ろしているところだった。こいつ、僕が意識を取り戻すのを
待っていて・・・それから食べるつもりなのか・・・
「な、尚也。僕だよ」
逃げようにも頭がふらふらして動けない。やむなく説得に入る僕。あの母親ゾンビが姉妹を食べなかったんだか
ら、こいつも僕のことに気づけばもしかしたら・・・でも、尚也ゾンビはにやにや笑ったままだ。
人差し指を口の前にもっていくとチッチッチと指を振る。こいつ・・・僕が分からないのか。
「ま、待ってくれ、尚也。僕だよ。大学の時の友人の○○だよ。食わないでくれ。昔、飯もおごってあげたし、
エロビデオもエロゲーもたくさんコピーさせてやったじゃないか」
だめだ、全然効果が無い。
「尚也、思い出せよ。あの亀頭の先端をなでなでしこしことかいうアニメの女の子のフィギュアに金を
使い切った時、金を貸してやったじゃないか。今度は僕を助けてくれえ」
尚也ゾンビの動きがぴたっと止まる。よし、いけるぞ。あのアニメの女の子には尚也はずいぶんご執心だったか
らな。僕のことも一緒に思い出したんだろう。やはりこの話を出したのは良かったな。ほっと一息つく僕。
でも・・・どうしたんだろう。尚也ゾンビの様子が妙だ。こみ上げる怒りをこらえるかのようにぶるぶる震えて・・・・
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
尚也ゾンビは突然ぶち切れた。一体どうしたんだ。何かまずいことでもいったのか。
「ルリルリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ
ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲバカニィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイスルナァァァァァァァァァァァ」
「補足」

車を走らせながら考えていた、どこに向かう?自衛隊がピストン輸送している港?
もしくは適当なところでの籠城?
しかし結論はすぐに出た、この少女との二人の籠城には少し無理が有るだろう。
少々の危険を冒しても、最寄りの港湾に行くべきだと・・・
車のナビを確認する、近くても分岐ルートが少ない場所は却下だ。
一本道で立ち往生してしまったらもう終わりだ。たとえ遠くても迂回路の有る方が賢明だ尚也からもらった銃が何よりも心強かった。
しばらく走ると見晴らしの良い場所に出たので一旦車を止める。
「どうしたの?」不思議そうに尋ねてくる。「降りておいで」「うん」
後部座席から銃を取り出す「?!」 使い方を教えておかなければ・・・
一通り扱い方を示した後、彼女に手渡す。「やっぱり重いね・・でも私が使えるの?」
「良いかい?操作は簡単だ、この部分を前後にスライドして引き金を引くだけだよ、
引くと言っても絞る感じでね!分かるかい?」「うん、でも高く持ち上げられないよ」
「大丈夫腰で支えて相手のお腹あたりをねらうんだよ 反動で跳ね上がるだろうから
ちょうど良いな」撃つ前はセフティの解除忘れちゃだめだよ。
しかし尚也も良いものをくれた、レミントン・ライアット しかもピストルグリップだ
ゾンビにも暴徒鎮圧にもどちらにも使えるし、ショットガンという特性はルリルリのような初心者でも照準の心配がいらない。
僕の所持している銃を持たせても意味が無いだろうし、最高のプレゼントだった。
弾の装填はね・・言いながら鞄を見ると メモとチョコレートが出てきた。
アウトドアで使う耐水紙に、地図と目録が書いてある・・・・
一瞬目頭が熱くなった、補給地と精神安定用のチョコレート!
「生き残れる可能性が格段に上がったぞ!!」はしゃぐ僕の横でショットガンを抱えた
少女がにっこり微笑んでいた。 
PIP ◆dve/1Ebaqs 様 
いただきましたショットガンは大事に使わせて頂きますね。

名無し@錆取り中 ◆590pmBHwDI様 スレ立て有り難うございます
 挨拶が遅れて申し訳ありませんでした。

はずかしいにゃ ◆S9tbNjDp0s 様
亀頭の先端をなでなでしこしこですか?
ものすごいセンスです!!敬服いたしました。
「僕」もルリルリとえっちした〜い!!
29PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 21:56
はずかしいけれど ◆QF0ypwgJ42さん、喜んでいただけて幸いです。
ただこのままだと、尚也がまともないい奴だと誤解されてしまいますね。

彼は「社会不適合者」で、感染しているとはいえ一家皆殺しができる奴です。

というわけで、彼の性格の一端が知れるよう本編を二話投下します。
一人目の同行者、「過去」を担当する少女「千堂日向」と尚也の邂逅です。

なお、まったくの予断ですが、尚也の顔のモデルは「ユウシロウ」です。
あれに丸眼鏡をつけてやってください。

そしてあの性格。空気を暗くすること間違い無し。

さて戯言はここまでにしてまずは邂逅編序盤二コマ、お楽しみいただければ幸いです。
30PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 21:57
 秋の長雨が空中の腐臭を絡めとり、街路の汚れを流す。
 死者の歩みは常と変わらず、俯いた姿は巡礼の群れとも見えた。
 響き渡る始まることの無い始業を告げる音は、陰鬱な雨の元では弔いの鐘としか聞こえない。
 今日も日向は、街路樹の陰で校庭を見つめていた。
 生前の習慣か傘や雨具を身につける死者もいるというのに、日向はただ濡れるに任せていた。
 唇は紫を通り越し青黒く、頬はこけている。
 濡れた髪が纏わりついた様は、門を抜けずにして死者の仲間入りをしたかのようだった。
 
 死者が学校へと入り、門が閉ざされる。そこまではいつも通りだった。
 門が閉じてから30分ほど経ったときだった。通りにいくつかの影法師が生じていた。
 ゾンビの小集団だ。おそらく雨の影響で到着が遅れたのだろう。
 疲労のため感覚が鈍っていた日向が気づいたときには、三方をかつての同窓生に取り囲まれつつあった。
 日向はゆっくりと後ずさりながら、軽く後ろの様子を窺う。
 そこには校庭の中央で寄り添いながら日向を見つめる姿があった。
 一瞬、本の一瞬だけ脳裏に過去の思い出が浮かぶ。
 親友から先輩への気持ちを打ち明けられたのは、新年度が始まってすぐのことだった。
 驚きと微かな痛みを飲み込み、親友を応援すると約束した。
 親友の告白は、少し離れて見守るつもりだった。なぜか先輩の視線が向けられるのがつらくて、俯いていた。
 そして、今。二人は同じ場所に、同じ存在となって立っている。
 それなら、自分は。
 ついに死者たちが永遠の飢えと苦しみを満たすために、いまだ生きる少女へとその手を伸ばしだす。
 振り返る前の日向ならば、むしろ甘んじてそれを受けただろう。
 だが、今の少女はそんな気は毛頭無かった。
 放たれた矢の如く、死者へと駆け寄る。死者の指が触れる寸前、その姿は忽然と消失していた。
 布の引きちぎれる音と共に、路面を滑り込んで少女は囲みを脱していた。
31PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 21:57
立ち上がり、再度走ろうとした日向の上体が止まる。
 最後列にいたゾンビがその長い髪を掴んでいた。
 日向の判断は素早かった。忍ばせておいたナイフで、一気に切り裂き、難を逃れる。
 ゾンビの手元には黒くつややかな髪が残されていた。
 
 前方にゾンビの姿は無い。脱出は成功したかに思えた。
 だが、死の手は彼女を逃すつもりは無かった。
 50mほど駆けたところで、彼女の体が宙を泳ぎ水溜りへと倒れる。
 道路のくぼみが見る見る間に、朱に染まっていく。
 滑り込んだ際の出血と栄養の不足が力を奪っているのだ。
 ゆっくりと歩み寄るゾンビたちを見据えながら、日向はなおも必死に後ずさり続けた。
 ただ、校庭へと焦点は合わせない。今の状態で二人を見たら、死の誘惑を跳ね除ける自信は無かった。
 救いは鼓膜を圧する響きを伴って訪れた。
 街路の脇道から飛び出した車が日向の脇にタイヤの軋みと共に急停止する。
 ゾンビと日向を遮るようにドアが開き、黒ずくめの長身が降りたった。
 青年は日向を眼鏡の奥の感情の無い目で見下ろすと、一言不思議と響く声で問いかける。
「生き延びたいか」
 死にたくないかでも、助かりたいかでもない。
 生き延びたいか、と青年は少女へと問うた。
 少女ははっきりと頷き、生存の意思を示す。
 それに対する青年の答えは過酷なものだった。
「なら、撃て」
 短く告げ、少女にグリップを向けて拳銃を差し出す。
 さらに青年は、迷いを見せた少女に「時間は無い」と迫るゾンビを指差して見せた。
 青年の指差す方向には確実に近づくゾンビと、校庭から一直線に伸びる視線があった。
 少女の震える手がグリップを握り、銃口をゾンビたちへと向け、そして。
 
 そして少女は引き金を引いた。
もう駄目だ。逃げようとするが、体に力が入らない。ここまで来て食われて死ぬなんてあきらめきれない。
僕は瑠璃ちゃんと真由美姉さんに助けを求めようとした。
「うふ・・・うふふ・・・こんなに・・・すごいの・・・」
放心している瑠璃ちゃんは頼りにならない。真由美姉さんは・・・あれ・・・姿が見えない。よかった、
せめて真由美姉さんだけでも逃げたんだな。僕たちを置いていくのはひどいと思ったけど状況が
状況だし仕方がないや。でも、それは思い違いだった。もう覚悟を決めた僕があきらめて目をつぶる。
あれ、痛みがこないや。どうしたんだろう。うっすら目を開けるのとほとんど同時にどごっというにぶい音がした。
見ると、尚也ゾンビがひっくり返っている。全裸の真由美姉さんが怒りで顔を真っ赤にしている。どうやら
真由美姉さんが尚也ゾンビの後ろに忍び寄り、背後から殴り飛ばしたらしい。
ひっくり返った尚也ゾンビはばたばたと手足を動かしている。真由美姉さんは怒りに任せて尚也ゾンビの腹部
を思いっきり踏みつける。ごぼぉっと音がすると尚也ゾンビの口から腐敗物が吹き出る。飛び散った腐敗物は周囲に
散らばっている、尚也のエロ雑誌やアニメ雑誌やエロビデオやエロゲーなどにべちゃっとかかる。
飛び散った腐敗物の一部は真由美姉さんの足にもかかった。それを見た真由美姉さんちょっと眉をひそめると、
「こおのび・ち・ぐ・そがぁぁぁぁぁぁぁぁ。小汚ねえものを吐き出してんじゃねえぇぇぇぇぇぇぇ」
いきなり切れました。どかどかと尚也ゾンビの手足を、腹を、顔面をけりつける。尚也ゾンビも必死に反撃
しようとするが、真由美姉さんの素早い動きにとても追いつけない。
「くたばりやがれええええ。この、オタヒッキー無職ゾンビがああああああああああ」
尚也ゾンビがちょっと可哀想になりました。真由美姉さん激しく尚也ゾンビを罵倒しながらけり続けます。
蹴飛ばすたびに真由美姉さんのあそこが丸見えになるんですが、姉さん全然気にしません。
「このブサヨク公明在日創価ちょんゾンビ!!」
ドカッ。真由美姉さんの蹴りに耐え切れなくなった尚也ゾンビの左足がブチっとはじけとんだ。もともと腐りかけて
いたこともあるんだろうけど、恐ろしいパワーだ。尚也ゾンビの切断面からは、蟲がわらわら出てくる。気持ち
悪いぃぃ。怒り狂った真由美姉さんそんなの気にしません。蟲どもを
「ロンダ高専!!TOEIC780!!」
バキッ。今度は右足がブチ切れました。ところで姉さんなんでそんなこと知ってるんですか?
「くずゾンビがああああああ、せいぜいボンベと戯れてやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
ブシュッ。ああ、左手が吹き飛びました。だから姉さん尚也の職業が燃料の供給業だってなんで知ってるんですか?
「このバンダイのプラモデルがあああああああ!!」
グシャッ。右手も千切れ飛びました。もう訳分かりません。
34PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/08 22:52
……(-_-)ウツダシノウ

                      ズドゥーン
          ∵・(-_-) __ -,,,::;:'''"´"'''  ,,______Cニ))ニ)д゜)
                  ´"''''- ''"  ~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`A---l__l-1| y|)
                                        Г L

……シバラクタビニデテイイデスカ?
        ,. --:、 _/--、ヽ i i / ,.--、   ヽ
      /    `ヽ.三,E≡ミ/__   `、゙```ヽ.
     /"二ニ=:、 ヽ/~l゙∨' ,, \  `、   `ヽ
    //    ,..二ミ、゙ヽj/ /彡、  \  \-、  ゙:i
  //    /ミミミミヾ、//////彡、  \ \゙ヽ、 |
 ,r //    ,;'`````゙゙        ゙i   ゙、ヽヽ ヽ|
 | 〃,;'   | ;';'             ゙i   `、ヽ.゙i  ゙ヽ
 j" .|    | ||         v:、____ `、   ゙、ヽ |ヽ、 ゙i
i´ ;'; |   :| |:|   _,;="^     ,,;''"`ヾ|、ー- ゙iヽ | `、゙i
! ;';' :|   :| |:| ,r=''、ヾ      ".i_,ノ;i ゙ll、_  |ヽ:| ゙、 ゙、:|
゙、;';' |   || |:|,〃 i ,j;;;i       「l;;;;;| ,!'"``ー|:-+i ゙、゙、|
 ゙i  |. ___||,..+|l|  「.!;;;|,.       ’--'- |    | ;' | ゙、゙、|
  |  |   | |  |` 、,.!-''         ,:,:,: |    || |゙、 ゙、 ||
  ヽ | :|  | ゙、 :| ,:,:,:     、!       |    | .| ゙、 | ||
  ヽ | |  | :|、 |                 /|   | :| ゙i | ;'
   ヾ. :|  | | !:、      ==   ,/ |   :| :|i  l /
    ゙i :|  | |゙、 l ゙ヽ..、_   '''''  ,/| l :|   :| /|  |/
     ゙i ゙. ゙、 ゙、`、、 | l `i`ー- -''´  |=ヽ|   | /,.!__/
     ゙i l  ゙、 ゙、,-、/-'"/|       | j |  ;'-、'";; \
    ,./゙:、゙: ゙、 ゙、ヽ/  |,. |       !;' |  / ,ノ /   `ヽ
   i' ,.、 ヽヽ ゙、:゙、.\  ゙、j         ;' ;' / //     ,、'
   ,.!'  .\ `、 、ヾ、 \ `、      ,/ ;' ///    / .゙:、
  / ,.、   \`ヾ、 ゙、:、 \ ゙、-    ´/ //'"/   _,.:'´  ,..''゙i
 .〃´ \   \``ヽヽヽ、 \:、.   / //-'´  .,.: '´  ,.: ''´  |
 {      `ヽ  \  ` ``ヽ=:、 ,./'"  __,.-7"  _,. '     :|

    こんな子と一緒に逃げたいじょ〜♪      
俺なら速攻で犯すな。会った瞬間にパンツ脱がす。マッハで脱がす。
手足がちぎれ、だるまのようになった尚也ゾンビ。既に抵抗をやめ、時折体をびくびくと震わせるだけだ。
真由美姉さんの攻撃はそれでも緩むことはない。激しい罵倒を浴びせながら体に蹴りを入れ続けている。
恐怖と驚きで硬直していた僕はようやく動けるようになると、真由美姉さんを止めにかかる。生きてる時は
友達だったんだし、必要以上に傷つけられていくのはあんまりいい気持ちじゃない。
「もう、いいだろ。気が済んだろ。こいつを楽にしてやろうよ」
真由美姉さん無言で僕の股間に蹴りを加えます。ぐぐぐぐうと痛みでうずくまる僕。真由美姉さんはまた蹴りを入れ
はじめます。ひどい・・・これはあんまりだ。いや僕じゃない。尚也に対して酷すぎる。尚也は只の被害者なんだ。
彼は何も悪くない。尚也ゾンビに襲われ恐怖に震えながら自宅で立てこもっていたんだ。好きなエロ関係の品々とと
もに。それだけのことなんだ。死んだ後まで暴力にさらされるなんて理不尽すぎるよ。僕は尚也の人生を想う。
尚也・・・彼は優しい男だった。小さい女の子にはいつも必要以上に優しかった。あまりの優しさに勘違いされ警察
を呼ばれたこともあるほどだ。赤い羽根募金のときにはかならず寄付していた。それも駅ごとに。羽をつけてもらう
ときに股間がふくらんでいたような気がしたが、それは僕の見間違いだろう。ああ、尚也・・・僕が思いを馳せていると
突然頭の中に声が響く
「○○・・・君か・・・君なのか・・・」
この声は尚也!!尚也なのか。僕は尚也ゾンビの方を見る。心なしか顔がこちらの方を向いている。既に眼球は
真由美姉さんのアタックではじけ飛んでいたけど、尚也ゾンビと視線が合ったような気がした。でも、真由美
姉さんにはこの声は聞こえていないらしく、まだどかどかと尚也ゾンビに蹴りを入れている。
これは一体どういうことだろう。いぶかしむ僕に声は再び語りかけてくる。
「僕と君とは同じ趣味を持つものだからだ・・・君も・・・ロリだろう・・・」
問題発言です。
「同じ嗜好を持つもの同士が共感して引かれあう・・・ホモが・・・同類を・・・見分けるように・・・
 僕と君の持つ魂の核(カーネル)が今・・・接触してるんだ・・・」
そんな接触正直遠慮したいです。
パート1の元祖エロ基地を思い出すな。
他の香具師のキャラをここまで壊すのってさ、荒し?
他の人よく黙ってるよね

>他人の作品の乗っ取りは良くないですよ。オリジナル作品で行きましょう。
前スレでも言われてるでしょ!?
>>39
楽しんで読んでます・・・。
名前借りてるだけです。正直一番最初はちょびっと荒らしてやろうとか思いましたが、
今では荒らす意図は全くありません。
>>PIP ◆dve/1Ebaqs 様
>>はずかしいけれど ◆QF0ypwgJ42 様
が不愉快に感じられるようでしたら止めます。ご面倒でしょうがそのときは
「やめてちょ」と おっしゃって下さい。
     , __ ノ)
    γ∞γ~  \
    |  /从从从) )                            (巛ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡)ミ彡ミ彡)ミ彡)
.   ヽ | |  l  l│〃                       人ノ゙ ⌒ヽ       彡ミ彡)ミ彡)ミ彡)''"
    `wハ~ ワノ)                  ,,..、;;:〜''"゙゙       )  从    ミ彡ミ彡)ミ彡,,)
   √(_ _)||~☆~|| )         ,..、;;:〜-:''"゙⌒゙          彡 ,,     ⌒ヽ        彡"__∧ あ゛〜
  |   (__||□【〔ロm=====<|:::::::゙:゙                    '"゙          ミ彡)彡'>>41)
  |__/ミ ミ \         ``゙⌒`゙"''〜-、:;;,_              )   彡,,ノ彡〜''"  ,,ミつ つ
     / |   |  ヽ                  ゙⌒`゙"''〜-、,,     ,,彡⌒''〜''"人 ヽノ,,ミ  人 ヽノ   熱いよ〜
     / |  |  /                          "⌒''〜"し(__)  し(__)"''〜し(__)助けて〜
     \|___|_/     
    ミ /_/ | |
      \)   l二⊃
43山好き@ ◆U0WxN8c4sc :02/11/09 06:02
>>39
>>他人の作品の乗っ取りは良くないですよ。オリジナル作品で行きましょう。
これ、書いた本人が言うのも何だけど、楽しんでます。
よくも他の方の設定で、ここまで書けるなと。

>が不愉快に感じられるようでしたら止めます。ご面倒でしょうがそのときは
 「やめてちょ」と おっしゃって下さい。
このように、おっしゃってますし。原作者の方がNGであれば意志表示すれば
いいのでは?
いや、PIPさんは少し不愉快に思っているはず・・・。
45 ◆dve/1Ebaqs :02/11/09 13:51
仕事の合間なので、投稿だけ。
 少女の予想に反して、固く握り締めた銃からは轟音も衝撃も発生しなかった。
 再度引き金を引いても、何の反応も起きなかった。
 何をどうしたらいいのか迷っていると、青年の手が伸び銃を取り上げる。
 途方にくれて青年のほうを見るが、その顔には変わらず何の表情も浮かんではいない。
 いや、先程までとはひとつだけ変わっているものがあった。
 自分を冷たく見据えていた瞳が、少し違う色をたたえている様に感じられた。
 一体どう違っているのかと思わず凝視すると、青年はゾンビへと向き直ってしまい確認することはできなかった。
「車に乗って耳をふさげ」
 変わらぬ調子で告げられ訳の分からぬまま素直に従う。
 手のひらで覆っても、鼓膜を揺るがす銃声は防ぐことができなかった。
 フロンドガラス越しに、制服姿の死者たちが次々と倒れていくのが見える。
 青年は前面のゾンビらを始末すると、車に乗り込みバックさせてある程度の距離をとった。
 後ろの様子を確かめようと振り向く視界の隅に、青年が何かを投げつけるのが映る。
 一体何を投げたのかを確かめようと学校のほうへ向き直ると同時に、爆音とともに死者たちが吹き飛ぶのが見えた。
 その後の青年の行動は、少女には流れ作業をこなしている様にしか思えなかった。
 再度車を止めてアスファルトの上に降り立った青年の体が、銃声に併せわずかに揺れる。
 そのたびに最前面のゾンビが頭部を破裂させて地に伏していく。
 日向は一方的な虐殺を、目をそらすことなく見据えていた。
 なぜ、青年の行動が流れ作業のように思えたのか。
 その答えが目の前にあった。
 ――この人は私の代わりに、ゾンビたちを殺している。
 だから目をそらしちゃいけない。
 少女の視線は最後の死者が倒れるのを見届けると、その先へと自然と向かっていた。

 変わらず立ち続ける姿へと、自然と向かっていた。
46 ◆dve/1Ebaqs :02/11/09 13:51
 日向はもう二人から、死の誘惑を感じなかった。
 そこにあるのは二人の亡骸、帰らぬ日々の幻でしかないのだとはっきりと認識していた。
 胸の痛みはいまだ強く、思い起こした記憶を照らす光は優しかった。
 それでも日向は、寄り添う二人から目をそらさなかった。
「お願いです、あの二人を撃ってください。私にできることは何でもします。だから」
 視線はそのままで、青年へと願いを告げる。青年の返事は、予想の範囲だった。
「何でも、か。その意味が分かっているのか。ここで抱かせろと言うかも知れないぞ」
「もしそれが望みでしたら、構いません。その、そういう経験は無いですけど、がんばります。でも――」
「――でも?」どこか苦笑を滲ませて先を促してきた。
「でも、死ぬことだけはできません。親友との最後の約束だから」
「……約束を破っても相手はもう怒れないから、か」呟きに、微かに頷いて答える。
「分かった。あの二人を眠らせてやる」
 銃声が二度響き、校庭に立つものはいなくなった。

 尚也は車を黙ったままターンさせ、しばらく街道を走らせた。適当なところで停車し、前方を見つめたまま少女へと声をかける。
「後ろの座席に着替えがあるから風邪をひかないようにするんだな」
 学校を離れる際に、足の手当ては済ませてある。同時にタオルと毛布を渡しておいた。
 もっとも毛布は雨に濡れたままの制服の上から羽織っているため、少女の体は少しでも熱を上げるために震えたままだった。
 最強にしてあるヒーターをすべて少女のほうへと向けてある。
 少女は黙ったまま後部座席に移る。尚也は黙ってヒーターをすべて後部へと向けた。
 水分を含んだ布地が、床に落ちる音がする。体力を失っている状態で寒さは大敵だ。
「……準備できました」後ろからか細く返事する。体力が落ちているのだろう。
「体を温めないと危険だ。拠点に戻れば暖かい飲み物ぐらいはあるからいいが――」
 尚也の忠告は、後ろを振り向いた瞬間に途切れた。

 そこには全身を朱に染め、肩に毛布をかけただけで少女が立っていた。
>>46

一寸疑問
>そこには全身を朱に染め、肩に毛布をかけただけで少女が立っていた。
主人公が乗っているのは高機動車だよね。

高起動車の室内高って、少女が立てるだけあったけな?


>>PIP ◆dve/1Ebaqs さん
いきなりのピンチなんですかね?これ。ドライな感じの作風が気に入ってます。
49PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/09 16:20
「気をつけよう、仕事合間で、2チャンに夢中、画面に映るは、鬼上司」

>>47さん、ナイスな突っ込みです。
実は基本の幌付き高機動車は後部にそれだけの車高は無いんですよね。
んなもんで、尚也が使ってる幌は実は通信車タイプです。
ちなみに通常高機動車にはクーラーもありません。
つまり士官が通信用に乗るものを「パチッタ」というわけです。
ゾンビをこれで轢き殺さないのは、ちと柔だからです。

>>48さん、ピンチです。
ですがピンチにもいろいろ種類がありまして。
尚也と日向の会話を繋げて考えると今どういう状況なのか推測しやすいと思います。

では、また後で。
本日は7:00〜15:00勤務なのにまだ残らないと駄目っぽいです。
明日が7:00〜22:30なので早く帰りたいです。

家で続きを書きたいのに。
>>PIP ◆dve/1Ebaqs さん
お仕事お疲れ様です。
便乗質問ですが 尚也の乗る高機動車はメガクルーザーですよね?
自衛隊配備品はタイヤ空気圧調整機能つきでしたっけ?
災害地救援仕様となってますが あのサイズでは走れない道多すぎだと
思うのですが・・・・ まぁ牽引などには無敵でしょうけれど。
M16出てましたが 整備大変ですよあれ・・・
日本の自衛隊もステアーにすればいいのにね!!
52山好き@ ◆U0WxN8c4sc :02/11/09 17:01
>>PIP ◆dve/1Ebaqs 様
いいな、
>「気をつけよう、仕事合間で、2チャンに夢中、画面に映るは、鬼上司」
私の職場は2chは、アク禁だからな。2chからくらってる訳でなく、
アクセス禁止サイトとして2chが登録されてます。
53PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/09 18:53
ようやく開放されました。
>50はずかしいけれど ◆QF0ypwgJ42 さん
>>自衛隊配備品はタイヤ空気圧調整機能つきでしたっけ?
一応地方自治体で抱えてるのにも空気圧調整機能が付いてるのがあります。
>>M16出てましたが 整備大変ですよあれ・・・
その通りですね。
まあフルオートタイプよりはまだましですが、それでも一般人には手が出せません。
一応ツアー会社でやってた(実話)M16の取り扱いと分解・組み立て学習ツアーに
ガンマニアの人間に付き合って(通訳のバイト)講習は受けているという設定です。

一応この話の設定として、ゾンビの感染の原因となった国は二つあります。
ひとつは中近東、もうひとつは日本から小型の漁船であっさりといける距離にある国です。
その結果、在日米軍の装備強化が行なわれているということにしてます。
ですので、道端に良い物が落ちている確率が上がっております。

まあ、なぜ尚也が移動を開始した初期に車や武装をすぐ手に入れられたのかは
今後都合があえば書くつもりです。
勘の良い方なら、尚也がサンプルを回収しているくだりで想像がついてるかもしれませんね。
作者が入れ替わり始めたね。

初期の頃のPART1からの作者もいるけど、ROMが多いようだ。
それを見ていた人達から新たな作者が出てきている。
多分、こうやって作者代わりしながら進行するのだろうね。
(1)
 「ゾンビは制圧終了!」
 とりあえず、中隊本部に報告は送った。そこには、どす黒い血を撒き散らした、ゾンビが転がって
蠢いている。軽機関銃の射撃により、両手両足はミンチと化しているので、這う事意外は不可能だ。
本部の命令で、まだ止めは刺していない。研究所に持ち帰って調べる必要がある。

 ここは北海道。日本で唯一ゾンビ化せずに人間が支配している地域。昨冬は流氷上をゾンビが渡っ
てくるという事態もあったが、何とかしのいできた。

 事の発端は、一件の110番通報。市中でゾンビが徘徊し、通行人を襲っていると。幸い先のゾン
ビ禍で、市民の間にはゾンビの存在と危険性は認識されていたので、噛まれるという被害はなかった。

 現在、道民全てに腕時計位の大きさの、生死判別装置の装着が義務付けられている。これは、血流が
止まったのを感知すると自動的に電波を発信するものだ。一度死んだ者が蘇生して人を襲う前に、処置
を施す必要があるからだ。装着の義務化には強い抵抗が予想されたが、誰もゾンビの恐怖が身に染みて
いたようで、大きな反発は無かった。110番通報の少し前に死亡通報電波を受信したので、駆除班が
出動した矢先だった。

 しかし、おかしい。今、足元に転がっているゾンビもやはり左腕に生死判別装置の残骸を付けている。
死亡してから、ゾンビとして活動を開始する時刻が早過ぎる。

蠢いているゾンビを検証中の駆除班長の高野二曹が、
「赤城准尉殿、これを見て下さい。」

高野二曹が指差した所には、古傷だが噛まれたような傷後があった。私は下野曹長に
「曹長。ゾンビの素性は?。」
(2)

下野曹長は、ゾンビの左腕に付いている、生死判別装置の番号をハンドヘルドパソコンに打ち込んで
いる。暫くすると、下野曹長は
「隊長、こいつは、氏名は山下 幸之助、年は28。病歴はありませんね。」と報告してきた。

私は、再度部下に時間経緯を確認させた。駆除班の高野二曹は、メモを見ながら報告を始めた。
「15:10に死亡通報電波受信。」
「15:15に駆除班出動。」
「15:18に110番通報有り。これは公衆電話からの通報でした。」
「15:25に駆除班、現着。ゾンビであることを確認の上司令部に報告。」
「15:28に司令部より、止めを刺さずに無力化せよとの命令でしたので、手足を狙って
 無力化しました。以上です。」

「早過ぎる。」下野曹長が呟く。「隊長、死からゾンビになるまでの時間が、5分も無いですよ。」
「こんなに短いと、とてもでは無いが対応出来ない。」と高野二曹も誰にということなく呟いた。
死からゾンビへの移行は、今までの最短で約4時間。遅いと1日というのが通例だった。
   
 とりあえず、司令部からの命令が喧しいので私は小隊に命じて、ゾンビを籠の中に突っ込み、研究
所に届けるため、現場を後にした。
なんか、軍オタというか、ミリタリーオタクが多いのか、このスレは。

>>名無し@錆取り中 ◆590pmBHwDI は自衛隊オタクか(w
58PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/10 00:20
>57さん
>なんか、軍オタというか、ミリタリーオタクが多いのか、このスレは。
さあ、どうでしょうか?
私は実はそういった方面の知識は薄いので、なるべくぼろを出さないように戦闘の描写はあっさりさせてます。
ただあっさりさせすぎてるので他の方に比べて、ゾンビとの殺し合いに緊迫感が無いなと悩んでます。

本当はもっとゾンビの腐敗状況や、それに合わせた戦闘時の描写とかしたいんですけどね。

さて明日はたぶん、夜22:30以降で何話かあげると思います。

ようやく女の子がレギュラーに入ってきました。
それにかこつけて皆さんからアイデアを募りたいと思います。

「尚也と日向にこんな状況になって欲しい」という希望のシチュがありましたら、書き込みよろしくお願いします。
全てかなえられると保障はできませんが、物語の整合性を保てる範囲内でリクエストを受けたいと思います。
あわせて、日向の外見の希望がありましたらそちらもどうぞ。
実はアンケートとりたくて外見の具体的な描写は避けました。
いつもはROM専門の方もお気軽に希望を出していただけたら、と願っています。

うざかったら無かったことにしてスルーしてください。
では。
  / : :/: : : : : : : ://: : : : : : : : : : : : : : : : / ;';'"  \: : : : |: : ::|: : :`、: :
 / : : |: : : : : : : :l | : : : : : : : : : : : : : : : / / :l     \: : :| : : |:、: : : : :
 |: : : |: : : : : : : :|::|: : : : :/  : : :  : ::/ /  l      \: |: : :| ヽ: : : :
 | : : |: : : : : : : :| :| : : :/  : :  /  :/:/   l       `ミ:|: : :|: :`、: : :
 |: : ::|: : : : : : : :|:'|: : : :/ : :  /: : :/:/  /        `:|: : :|ヽ: `、: :
 .|: : :| : : |: : : : :|::|: : :/ : : : : : : :/:/  /     ___,.    | : : h |: : `、
  |: : :l: : :|: : : : ,'i: : : :|: : : : : :{≡ヽ、_,.'-一'''"_,,,,,,,,;;:'"  ,..| : : |/.|: : : :
  ゙i: : ヽ: :| 、;,;,,|_|;,;,;,-|彡': : : : :/ ̄_,.'-‐,,,,,;;f'''''" ̄`ヽr´ .| : : |. ,!: : : :
  'l: : : : :|: : : :|,,_!,,,,,,,l_ : : /   .,.::''^、;;;;;;;;;;j,..-'O  |  | : : |/: : : : :
   ヽ : : : l: : :"l!'"`l;;;;;;;、ヽ.  _{   -一'''"    _,ノ  | : : |ミ、__
    `i、、、ヽ、::! r 、ゝ-''''  ヾ  ヽ 、.___,...--'''"    | : : |ヽ、\
     | : : : lヽ.゙、 ̄。 ____,..-'"|           o   || : : |   7 ̄
    /: : : : l: : : :\ ̄    j                  | |: : :|   /
    | : : : : |: : : : : \    '              ,!イ : : !  /
    | : : : : |: : : : : : : ヽ.      `=ニ=-       ,/| | : : |  ./
    .|: : : : : |: : : : : : : : ::|`ヽ、      =       /:: | |: : :| ./
    |: : : ,/|: : : : : : : : : |   `ヽ 、       _/::::  | |: : :| ./
   .| ;/   |: : : : : : : : : :|      ``ヽ、 __,. ' ::::::::  | .|: : :|/
  ,/    /: : : : : : : : : : |          |::::    _,.|-|: : ::|
 i"、    ./: : : : : : : : : : :|          .|-一'''"´  |│: : :|
>>59
「でも、死ぬことだけはできません。親友との最後の約束だから」
>>名無し@錆取り中 ◆590pmBHwDI さん
なんとなくガメラ2とかの自衛隊を思い出しました。この後どうなるんでしょうか?
気になります。
>>PIP ◆dve/1Ebaqsさん
状況、というわけではないですけど日向には一人でサバイブできるようになって欲しいです。
こう、成長していく過程みたいなものが見たいです。
(3)

 私は、運転手の横井士長と共にランクルに乗って研究所に向かった。ランクルの荷台には例の、
達磨になったゾンビを載せている。研究所に行くのに小隊御一行様は、不要なので下野曹長に命じて
小隊員は帰隊させた。
 しかし、このランクルはぼろい。先のゾンビ禍で出動した際に、車両の損害が相当なものであった
ので、道内に残存している古い4輪駆動車を掻き集めたのだが、何もここまでのボロを集める必要は、
あるまい。走りながらもどんどん軽量化している。錆で。私の足元のパネルも一度錆で欠損してたの
で、とりあえず、コンパネで塞いでいる有様だった。

 研究所は、人里離れた山奥に存在していた。元は学校と聞いている。先のゾンビ禍で道内も人口
が減り、廃校となった施設を転用したものだった。
ただ、ゾンビを研究する施設ということだけあって、警戒は厳重である。ここは道内で唯一、ゾンビ
を動態保存しており、腐敗して正視に堪えない連中の顔が拝める唯一の所だ。

 研究所のゲートの前で警備兵の停車命令に従い、ランクルを停止させた。警備兵は敬礼をしながら
 「准尉殿、ご苦労様です。ご用件は?」
 「司令部からの命令で、市中で確保したゾンビを届にきたよ。それにしても寒いなここは。」
 警備の一士は、詰め所内の電話を取り、内部に連絡を取っている。電話を置くと遮断機を上げる
スイッチを押したようで、目の前にあった遮断機が上に上がっていった。一士は私に向かって、
 「いつものところに、渡辺研究員がお待ちしてるそうです。ではお気をつけて。」と言いながら
敬礼をよこした。私は軽く答礼して、横井士長にランクルを発進させた。
(4)
 ランクルを、研究所の建物の出入り口に止めさせた。入り口には渡辺研究員と数人の助手が出てい
いた。横井士長が荷台から、籠に突っ込んだ達磨のゾンビを助手達に引き渡している。渡辺研究員は、
何度会っても暗いやつだと内心思ってた。このままゾンビになっても何の違和感も無いだろう。こちらと
しても、お荷物を渡せば用済みなので、とっとと渡してサヨナラを決め込んだ。私は研究員に
「渡辺さん、受領書にサインを頂けますか?」
と書類を渡した。研究員は書類の内容を改める訳でも無く、受領書にサインをして放ってよこした。
私は研究員い敬礼して、横井士長に車を出すように促した。私は横井士長に
「あの、おっさん相変わらず暗いな。何考えているんだか」と言うと、横井士長も
「ゾンビばっかり研究してるからじゃないですか?」
「私だったら、女の子の研究の方がいいですよ。ところで赤城准尉殿は、あちらの方はどうですか?」
なんて聞いてきたので、「もう駄目だ。赤い玉は出ちまったよ。」と軽く受け流しておいた。
横井士長は「まーた、何言ってるんですか、今晩キャバクラ行きましょうよ。タ イ チ ョ ウ!」

 横井士長の運転で、ランクルは市内の詰め所に帰隊した。
(5)
 詰め所内では、小隊員達が待機している。間もなく夕刻の7時。あと1時間もすれば、次の当番者
に勤務を引き継ぐ時間帯だった。
 横井士長は、仲間達に今晩行くつもりのキャバクラの選定にとりかかっている。こいつは仕切り
に誘ってくる。給料なんかはとっくに使い果たしたようで、目的は私では無く、私の財布のようだ。
 その時、部屋のサイレンが鳴り出した。駆除班長の高野二曹が、部屋の隅に置かれていた、死亡
通報電波受信機に駆け寄る。高野二曹は、私の方を向いて、
「仏さんが発生しました。どうもY町のようですね。」と報告してきた。私は、高野二曹に
「ご苦労だが、行ってくれ。」と言った。高野二曹は、班員に
「こらぁぁぁぁ。行くぞ。仏さんは待ってはくれんぞ。出動!出動!、給料分は働けよ。」と怒鳴り
ながら、装備を身に付け詰め所から出て行った。その後を班員が、あわてふためきながら追随して
いった。

 出動に関して、大して心配もしていなかった。人は死ぬもの。病気もあれば事故もある。ただ、
ゾンビになる前に処置してしまえば、恐ろしくともなんとも無い。

 暫くすると、中隊本部からの連絡が入った。Y町でゾンビ発生。至急出動し制圧せよとの命令だ。

私は、待機中の2個制圧班に出動を命じた。
「下野曹長、Y町に出動しゾンビを制圧しろ。」下野曹長は、敬礼し「了解しました!」と答え、
部下に「行くぞ、急げ急げ。早くせんとゾンビが攻めてくるぞ。」と怒鳴りながら出動して行った。

−−−−−−−−−−−
多分続くと思います。(w
はずかしいにゃぁさん降臨きぼんぬ!
>>57

>>名無し@錆取り中 ◆590pmBHwDI は自衛隊オタクか(w
オタクと言う訳でも無いですよ。PART1の時に書きましたが、
10年程前に北海道の陸自を退職しました。それで多少知ってるだけです。
退職って言っても定年ではありません。

>>61
>なんとなくガメラ2とかの自衛隊を思い出しました。この後どうなるんでしょうか?
>気になります。
さあ、どうなるでしょう。骨組みだけは出来てるのですが・・・。
肉つけは悩むことしかりで。
>>65

私もはずかしいにゃぁさん降臨きぼんぬ!
はずかしいけれど&はずかしいにゃの二名は激しく不要。
面白くも何とも無いし、激しくアニヲタ臭くて嫌だ。
>>68
そして誰もいなくなりました。
てめぇが書け!このリア厨が!!
だいたいゾンビ好きな奴は多かれ少なかれ武器オタ、アニメオタと
相場は決まってる、オマエは蒲田行進曲でも読んでなさいってこった。
>>69
アニヲタは巣に帰れよw
スレの維持担当者が早速仕事に取り掛かったようですね。
すみません。これから連続で4つ行きます。他の投稿者さんとダブりませんように。
(6)
 詰め所の壁に設置されている広域用スピーカーからは、中隊本部から他の小隊への指示、中隊本部
への返電等が断続的に流れてくる。スピーカから中隊長の声が響く。隣のB市の第三小隊への命令の
ようだった。
「B市D町において、ゾンビ発生。第三小隊は速やかに出動し制圧せよ。」

 今日の出動を思い出していた。「早過ぎる・・・」呟いた声が、横井士長に聞こえたようだ。
横井士長が「隊長、早過ぎるって?、何ですか?」
私は、「ああ、昼間の出動した例のゾンビだが、死からゾンビ化の変異時間が早いだろ。」
「隊長、そういった奴もいた、ということではないでしょうか。」
「まあ、そう考えれば、簡単だな。でも、今出動中のY町の奴も早い。」

 出動した駆除班長の高野二曹からの報告が入ってきた。
『隊長、Y町に現着。ゾンビを確認しました。尚、ゾンビによる被害は、旦那とその子供が襲われ
 負傷しました。指示願います。送れ!』
「高野二曹へ。ゾンビは速やかに無力化を図り、確保しろ。尚、ゾンビによる負傷者も確保し、
 研究所に送致しろ。送れ!」
『了解!』

 遂にゾンビによる二次被害が発生した。噛まれた連中には気の毒だが、研究所に送るしか選択の
余地は無い。そこで、人間としての意識がある間に事情聴取するのだ。

 更に高野二曹から報告が来た。
『隊長、ゾンビの確保完了。尚被害者と共に、これから研究所へ送致します。送れ!』
「ご苦労さん。よろしく頼む。以上。」
(7)
 部下からの報告が来た。幸い部隊に損害は発生していない。私は、もう一度今日の出動を振り返った。
どう考えても早過ぎる。死からゾンビへの変異時間が短すぎるのだ。もし今後、このようなことが続く
のであれば、出動方法自体を改変しなければ、ならないだろう。

 ふと、昼間の光景が頭に浮かんだ。確か昼間のゾンビには、古傷だったが噛まれたような傷跡が
あった。
 「もしかしたら・・・」頭の中に光が一閃したような感じがした。

 私は、研究所へゾンビ及び被害者を送致中の高野二曹を無線で呼び出した。
「高野二曹。研究所に着いたらゾンビの体に昼間のゾンビにあったような、古い噛み傷が無いか
 調べてくれ。それと、被害者にもゾンビが生前に他のゾンビに噛まれてないか、確認せよ。送れ!」
『了解しました。あと10分程で研究所なので、調査次第報告します。』

 私は、不安を感じていた。もしかしたら
 ・ゾンビに噛まれた連中の中で、100%全部がゾンビ化はしなかったのでは、無いのだろうか。
 ・エイズウィルスを持っていても、発病しない保菌者がいるように、ゾンビ化する何らかの因子
  を持ったまま、市民生活を営んでいる人がいるかもしれない。
 ・ゾンビ化する因子が、何らかの事由により活動を始めれば、今回発生している事態も説明出来る
  かもしれない。

 私は中隊長に報告したい気分になった。が高野二曹の報告があるまではと思い、その衝動を押えて
いた。そんな時、卓上の電話が鳴った。電話は高野二曹だった。
『隊長。今研究所です。まず確保したゾンビの体には、古傷ですが噛まれたような傷があります。』
『尚、ゾンビ化した奴の旦那から事情聴取しましたが、ゾンビになった奴は、以前のゾンビ禍の時
 にゾンビに噛まれていたそうです。でも何故かゾンビ化せずに、今まで普通に生活していたそう
 です。』
(8)

 私は、高野二曹に渡辺研究員に電話を代われと伝えた。渡辺研究員が電話に出た。
「夜分、ご苦労様です。ゾンビ化した奴は、そこにいると思いますが、高野二曹から聞いたとは、
 思いますが、ゾンビになるのに、今回のように時間がかかるというのは、あり得るのでしょうか。」
『さあ、はっきり言って分りません。というより、何故ゾンビになるのかさえはっきり分って無い
 ですからね。』
「そうですか。・・・ そこにいる、新たな被害者ですが、どれ位でゾンビになるか分かったら
 教えて下さい。あと高野二曹には帰隊するように伝えて下さい。では失礼します。」

 私は、詰め所に待機中の土居三曹に
「昼間のゾンビになった奴の家族に問い合わせろ。以前のゾンビ禍の時に襲われて、負傷してない
 かだ。急げ。」

 土井三曹は、電話に飛び付いた。しばらく問い合わせの声が聞こえる。
「隊長。昼間の奴も以前、ゾンビに襲われ負傷していた模様です。でもゾンビにならなかったので、
 家族は安心していたそうです。」

 この答えを聞いた途端に私は、中隊長への直通電話を取り、事態を報告した。
『分かった。他の小隊にも確認する。今晩はご苦労だが待機してくれ。』
「了解しました。」と答えた。
(9)

 待機中に判明したことだが、現在発生しているゾンビはいずれもが、先のゾンビ禍の時に、ゾンビ
に襲われ負傷したにも、関わらずゾンビ化することなく市民生活を送っていたそうだ。

 今まで、ゾンビ化しなかったのは、その人に何らかの抗体があったか、それとも潜伏期間の長い、
菌種だったのだろうか。今現在、何の確証も無い。研究施設でも何でゾンビになるか分かってない
のだから。でも確証が得られる頃には手遅れになりそうな予感がしていた。

 しばらく思案にふけっていると、広域スピーカから他の小隊への出動命令が下命されている。
出動命令は止ることが無かった。命令は全て「××町においてゾンビ発生。制圧せよだ」

 そのうち、当小隊にも出動命令が下命された。壁に設置されている状況表示盤には、ゾンビの
発生点を示す、赤い輝点が凄い勢いで増えていくのが分かった。

 私は、残っている制圧班に出動を下命した。私も弾帯を身に付けながら、壁の状況表示盤を見た。
そこには、周辺の市町村でゾンビが発生しているのが、一目で分かった。それも凄い勢いで増加し
ている。状況表示盤の赤い輝点は血のように真っ赤に見えた。まるでこれからの運命を暗示して
いるようだった。

 詰め所を出る時に、ここに戻ってくることが再びあるのだろうか。そんなことを思いつつ装甲車
に向かった。

−−−−−−−−−−−−−−−− 終わり −−−−−−−−−−−−−−−−
77PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/10 23:32
仕事から解放されマスタ。
名無し@錆取り中 ◆590pmBHwDIさん、新作乙curryです。
潜伏期間は怖いですね。

「ゾンビ禍」ですか。
始めてその単語を見たときはドキッとしました。
何故かはないしょですが。

日本の最北での守護をされてたんですか。
経験者から見たら私の愚作にどんな穴があるのかと((;゚Д゚)ガクガクブルブルしてます。
続きを楽しみに待たせていただきます。

明日昼番なので、今から書き進めようと思います。
筆が進めば明日の朝までには話を進めたいです。

>59はずかしいけれど ◆QF0ypwgJ42さん
眼鏡ッ娘希望ですか?
尚也が眼鏡ッ漢(めがねっこ)ですが、それだけでは足りませんでしょうか?
>61
日向には精神的な面でのサバイブを担当してもらうつもりです。
やっぱアレですか、「エスキモーの○○○は冷凍○○○」とか言わせながら走らせないと駄目ですか?
78あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/11 03:28
ageとりあえずage!
しかし、このスレはよくここまで化けたな。
良スレじゃん。
良スレから廃スレになりかけておるのです。
一部の心なき人の書き込みで、新人作者さんも敬遠されておられるようです。
あからさまな中傷は止めないと>>80さんの言うとおりになりますよ。
「ゾンビ」という括りだから飽きてくるんだよね。それがこのスレのテーマだから仕方ないんだろうけど…
スレ立ての>>1だって、投稿は久しぶりでしょう?
part1で1、part2で2、それも後半は投稿してなかったし。

新人作者さんが、入って来ないと本当に廃スレだよ。
尚也とのロリ好き同士のコンタクト(以下ロリコン)は続き、尚也がなぜ逃げなかったのか、
どうして死んだのか。またどうして、ゾンビと化した後このように会話が出来るように
なったのかを僕は理解することになった。
「どうして逃げなかったんだよ。君の家族はみんな無事なんだろう?君だけ何故」
「逃げられなかった。僕に妹がいることは無論君のことだからチェック済みだね?」
正直こいついちいちうるさい。
「実は彼女がゾンビに襲われたとき助けようとして噛まれた。ほどなくゾンビになることは
わかっていたから、自衛隊の艦艇がきても残らざるを得なかった。逃げてもゾンビになって
被害を増やすだけだからね」
「それで、家で死ぬことにしたのか」
尚也は、淋しげに答える。
「そう。どうせ死ぬなら生まれ育った自分の家で死にたかった。屋根裏に閉じこもったのは、ここでなら
ゾンビになっても外に出て迷惑をかけることもないと思ったからだ。それに・・・怖かった。いずれ仲間
になるとはわかっていても、食われて死にたくはないものな。せめて安らかに死にたかった」
「なんで・・・僕と話ができるんだよ」
「そう。最も重要なのはそこだ。僕はゾンビになったときわかったんだ」
「教えてくれよ」
尚也はくくっと笑う。心なしか、微笑んでいるように思える。
「君も死んでみればいいよ」
「ふざけないで教えてくれ」
「わかった。まず話は15年前にさかのぼるんだが・・・」
「それちょっとはしょれないか」
話が長いのは勘弁だ。僕は理解力があるほうではない。
「ふう、相変わらず気が短いんだね。わかった。なるだけ簡単に説明してやるよ」
そして尚也は語り始めた。語るといっても、頭の中に言葉が流れ込んでくるような感じだ。
ときにはイメージさえ伴ってくる。
85PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/12 00:12
 割り込みじゃないですよね。遅れました、続きです。

 車内は奇妙な沈黙で満たされていた。
 狭い運転席から後ろを眺める。乱雑に拭いた髪から雫が滴り落ち、眼鏡のふちを伝う。
 眼鏡の奥の瞳は何の色も見せず、少女の裸体など見えていないとしか思えない。
 対する少女も、ある意味負けず劣らずの無表情といってもいいだろう。
 あまりに紅潮しているため、その顔から羞恥以外の感情がまったくつかめないからだ。
 車内を天使が通り過ぎる。絶え間ない雨が音を消し、世界は沈黙を保ち続ける。
 実際には数回呼吸を繰り返すだけの間だったのだろうが、日向には数時間とも感じられた。
「……下手をすると風邪を引「クシュッ!」くぞ」
 尚也の言葉にくしゃみで返事をしてしまい、日向は何事かモゴモゴと口の中で返事をすると、足元にひいておいた着替えを身につけ始めた。
「あの、着替えましたけど……」
 尚也の予備のシャツとズボンを身につけて、後ろから前に身を乗り出す。
「……下着はどうした」
 尚也は目の前で自己主張する胸の突起を見た後、視線を移してどこか疲れたように言った。
「えーと、濡れてました」尚也の横に座りながら、日向が返す。
「やっぱりそうですよね、ちょっとあそこだと寒いから風引きそうだなーとは思いました」
 尚也は無言のまま車を走らせる。日向は窓の外をきょろきょろと見ている。
「えーと、どこにいくんですか」
「寝泊りしている場所がある。薬も置いてある」
 尚也のせりふに、日向はエッと驚いたような顔をする。
「こういうときの基本だ。薬は万が一のときのために備えておくんだな」
「き、基本なんですか、そういうのは」なぜか尚也から少しずつ離れながら聞く。
「あの、できれば初めは普通がいいんですけど」
「普通?ああ、そういうことか。別に医療用とかじゃない。市販品だから副作用は無いと思うが、体質で合わないものがあるのか」
「体質というか、どちらかといえばノーマルだと思うのでちょっと」
「……何をするつもりだ?」尚也は訳が分からずに返す。
「ナニをするんですよね?」日向も不思議そうに返した。
 先ほどとはまったく質の違う沈黙が車内を支配する。
 尚也はため息と共に息を吸い込んだ。
「事の発端は15年前カナダで起こった。ある大学の発掘隊がおよそ6000万年前の地層から信じられないものを発見した。
それは異様なまでに肥大した頭部を持つ恐竜の化石。かなり高度の知性を持っていたようだ。同時に石造りの
建築物なども見つかったからね。その化石だが一つのところで固まって発見された。どうやら何かの理由で一気
に絶滅したらしい。その理由はそのときはだれも分からなかった。その発掘のとき、一人の発掘隊員が小さな
青色の結晶を見つけた。隊員がそれを確認しようと掌に乗せたら、掌の上ですうっと解けてなくなってしまったんだ
隊員もそのときはそんなこと気にもとめなかった。15年後自分が交通事故で死ぬまでね」
尚也は一気に語った。ちょっと待て。尚也は家で死んでから一歩も外に出てないはずだ。なんでそんなこと知ってるんだ?
それに知性を持った恐竜なんて見つけたら大発見じゃないか。でも今までそんなこと聞いたことも無い。
僕はその疑問を尚也にぶつけた。
「なんでそんなこと知ってるのかって?聞いたんだよ。その発掘隊員に。知性を持った恐竜がいたなんて報道が
なされてなかったのは、社会的影響の大きさからだろう。日本はそれほどじゃないけど、アメリカでは原理主義が盛んだろう?
人間が唯一の知性を持った生き物じゃないなんてことがわかったら、その影響は大きいからね。もっとはっきりしたことが
わかるまで発表はさけていたんだ」
どういうことだ。発掘隊員に聞いただって。尚也にそんな知り合いがいたなんて初めて聞いた。
「ああ、繋がってるんだよ。僕らは。全員ね」
尚也はわけのわからないことを言う。不思議がる僕に、
「話の途中ですまないけど、彼女を止めて欲しいんだ。僕の意識のある部分がこわれてしまう・・・」
真由美姉さんはまだどかどかと尚也の死体をけり続けている。僕は真由美姉さんに事の顛末を話した。
半信半疑だった真由美ねえさんも僕が本気なことをみると、蹴るのをやめて瑠璃ちゃんの世話をはじめた。
「彼女には・・・すまないことをした。止められないんだ。自分の体が勝手に動いて彼女を陵辱するのは嫌だった。
意識ははっきりしているんだけどね。動かせないんだ。脳に意識があるわけじゃないから制御できない」
「ふうーーーん」
僕はなんとなく流したが、すぐ尚也の言葉に気がついた
87PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/12 01:07
えーと、こういうのも割り込みなんですかね。

「何か勘違いしていないか。俺は風邪を引かないように着替えろと言ったつもりだが」
 尚也の言葉に、日向はきょとんとした後「えー!!」と叫んだ。
「だ、だって言ったじゃないですか、抱かせろって」
「ここで抱かせろと言うかも知れないとは言った。抱かせろとは言っていない」
「あの、それはもしかして遠回りなお断りなのでしょうか」
 予想外の返事に言葉が詰まる。
「……こっちは覚悟を決めてたのに。潔くないと思います、そういうの」
 ぶつぶつと日向は文句を言い続ける。が、尚也の呟きに声を止める。
「覚悟か」尚也の口調が変わっていた。
 重く冷たいものを漂わせる声に、日向は息を呑む。
「俺に抱かれた後どうするつもりだった」
 返事を待たずに尚也は続ける。
「体と引き換えに望みをかなえる。それはいい。ただ、本当にその覚悟があるのか?」
「一時の感情に身を任せてどうなる。生き残りたいのなら、自分の手段が有効なのか見極めろ。体を売るのはいいが、必ず相手が代価を払うとは限らん」
「でも、何でもすると約束しました。それに他に払うものがありません」
 日向が弱い声で抗弁する。膝に置いた手は握りこぶしを作っている。
「守って不利になるような約束など捨てておけ。それに代価はすでに受け取っている」
 尚也の声から冷たさが消える。
「引き金を引いただろう。それが代価だ」
「でも、弾は出ませんでした。それが代価なんですか?」
 日向が不思議そうに返す。
「俺が求めたのは生きようとする強さだ。君はあそこでそれを見せた。だから助けた。死に抗おうとするのは容易い。だが、死の誘惑を跳ね除けるのは何より難しい」
「初めて君があそこに通うのを見たときは、自殺したいのかと思った。通うたびに死に誘われてるのが分かった。それでも君は生き延びることを選択した」
「だから助けた」
「脳じゃないって・・・どこにあるんだよ。それに繋がってるってなんだよ」
「順番に答えるよ。質問その一の答え。僕の意識は胸腺というところにある。正確にはそこにある青色の結晶の中だね。
質問その二の答え。ゾンビになった人間の意識と繋がっている。ゾンビになった地球上の全員とだ」
僕は信じられないと目を見開く。そんなことはありえない。
「信じられないようだね」
「あたりまえだ」
尚也は物分かりの悪い奴だなあという感じで、僕に説明を続ける。
「まあ理由は詳しくはわからないけどね。繋がってる中には当然学者もいて、その人はEPR相関がどうとかいってたよ。
なんでも結晶の中に常温で超伝導を起こす物質が混ざっててクーパー対の・・・」
「もういい」
僕はおなかいっぱいになってしまっていた。信じられないことばかりだ。呆けたような顔をする僕に尚也は
「まあ、要点はこういうことだ。死んだ人間の意識は胸のところにある結晶に移る。その結晶は他の全ての結晶と繋がっている
距離は関係ない。結晶に移るのは人間の意識の中でも高度な部分で食欲、性欲などといった部分はそのまま脳に残るようだ。
ゾンビが人間を襲う理由はそれだね。人によって残り具合に若干差があるようだけど。いずれにしろ脳に残ったのは残りかす
だから、高度な判断は無理だね。おまけに意識の残った結晶からでは体を制御できないんだ。意識が残ったまま自分の
家族や友人にに襲い掛かるのは・・・つらいね。止められないんだから」
「ふううーーーん」
うなずくしかない僕。理解力を超える話が続く。
「生きた人間をおそう理由は簡単でね。本能で熱を感知してるだけだ。結晶にはインジウムアンチモンの化合物が含まれてい
て、これが熱を感知して脳に送る。要は赤外線センサーだね」
「ふむふむ」
「結局、結晶がなんなのか?それはまだ・・・分からない。生物学者の意識はこれはウイルスなんじゃないかとも言っている。
意識に寄生し、それを媒介にして自分を成長させるウイルスだね。ウイルスは恐竜を滅ぼした後、冬眠していたんだ。次に
自分が寄生できる、高度な意識をもった生物が現れるまで。発掘隊員は感染した後、そうとは知らずに世界中にウイルスを
ばら撒いていた。そう・・・15年間の間ね。君もあの姉妹も感染しているよ。そして・・・胸腺で育ってる。
ゆっくりとだけど、確実に。君の意識を媒体にしてね。そして最も大きい結晶を持った人が死んだとき・・・世界中が
こうなったんだ」
ゾンビのくくりだと飽きるとか言う人もいたから方向性かえます。
91PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/12 02:06
今度こそは割り込みじゃないはずだ。いやそうだとも。そうであってたまるかぁ!
……そうだったらやだなぁ。

 いくつかの通りを抜けたところで、少女は口を開いた。
「……そんなのじゃありません。そんな立派な気持ちじゃないんです」
 尚也は無言で車を止めると、その先を促す。
「初めは彼女のことが気になっていたんです。もう死んでいる先輩のところにいくなんて。 もし、助けられるならそうするつもりでした。それが無理ならせめて最後まで見届けようとも思いました。でも、校庭で一緒にいる二人を見ているうちに羨ましくなったんです」
「彼女は死んだ後も先輩と一緒にいる。私は毎日それを見ているだけ」
「独りでご飯を探して。独りで隠れて。独りで逃げて。独りで怯えて。いつも独りで!!」
「死のうと何度も思った!死ねば先輩と一緒になれると思った!でも死にたくなかった!怖かった!」
 感情の箍が外れ、心の奥の叫びを発する少女を尚也は黙って見つめる。
「私だって好きだったのに!……好きだったのに。でも、死ねなかったんです」
 日向は涙を流しながら、まるで許しを請うかのように尚也にすがりついた。
 尚也は黙って、日向の背中に手を回す。
「あの時、彼女を見た時、心の底から生きてやろうと思いました。死んでやるものかって」
「私は生き延びて、そして生きてる相手を好きになろうって思ったんです。思い出はきれいでも、形は無いから。だから生きて、生きて、生き抜いていくって決めたんです」
 背をさする手の暖かさに心が熱くなるのを感じながら、日向は尚也の胸から顔を離す。
92PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/12 02:06
「すいません。変な話ししちゃって。その、助けられたとき思ったんです。強い人だって」
 恥ずかしさに俯いた日向は、尚也の顔に刹那の間浮かんだ表情に気づくはずも無かった。
 それは深い羨望だった。
 日向が顔を上げたとき、瞳に映るのは常と変わらない無表情な尚也だった。
「だから、その、そういう方に考えちゃったんです」
 尚也は背中に回した手を戻しながら、自分を見つめる瞳から目をそらした。
 そこに映る自分の凍った瞳を見たくなかった。
「生きるつもりがあるのなら、手助けはできる」
「それって、連れて行ってくれるんですか!」日向が声を弾ませる。
「まずは一度、拠点に戻る。今後のことはそこで決めよう」
「はい!」微笑む少女が、尚也には眩しく見えた。
 そういえば、あの二人は、ホームセンターの青年と少女は元気だろうか。
 あの二人も生きようとする意思で輝いていた。だから助けようと思ったのだと、尚也は初めて気がついた。
 自分より、彼らのような人間こそが生き延びるべきだと尚也は強く感じていた。
93PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/12 02:25
あれっすね。
前スレでやったみたいに、まとめて書いた後で何話投下するのか予告してからのほうが
今回みたいな事故を防げますね。

はずいにゃあ ◆S9tbNjDp0sさん、ちょうど方向転換していたとこで割り込んでしまいました。
正直スマンカッタ。

というわけで一応分かりやすいようにまとめますと、
>16-18が番外編。
>20-21、>30-31>、45-46>、>85、>87>、91-92が本編。
みんな2チャンネルブラウザ使ってるからこれでいいよね。

んでようやく日向が合流シマスタ。えっちぃ展開期待していた人はスマソ。
次は尚也が拠点に日向を連れ込むところと、日向の汗まみれで(*´д`*)ハァハァしているあたりを書くと思います。

明日夜勤なんで、もしかしたら明日投下できるかも。

  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 |なんつったりして
  \
   V ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ∧ ∧ヘ∧
  (,,゚Д゚*゚ー゚)
  ./    |   \
 (__ノ(__ノ
/        \
94PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/12 02:28
ミスった。
>16-18が番外編。
>20-21、>30-31>、>45-46、>85、>87>、91-92が本編。
です。

では皆様おやすみを。
「なんとか・・・ならないのか」
「なにがだい?」
「この惨状だよ」
「惨状?」
えい、じれったい。僕は怒るように尚也に言った。
「死人が歩いてるし、そいつらは生きた人間を食う。お前だって僕を食おうとしたじゃないか。結晶だか
ウイルスだか知らないけど、これがまともな状態じゃないことはわかるだろう」
「ああ、これならもうすぐ終わるよ。混乱していたんだ。結晶がね。けど・・・もう大丈夫。彼らと僕たちは
話し合った。もうすぐ全てのゾンビは活動を止めるよ」
それはめでたいが・・・彼らってなんだろ。
「結晶だよ。ウイルスでもなんでもいいけど。彼らは知性があるよ。人間のものとははるかに異質で僕
たちの意識の代表団も接触に苦労したみたいだけどさ。彼らは恐竜の失敗に学んだんだ。宿主を滅ぼ
しちゃあ意味がないだろう。今回は過ちに気がついたんだ。君をはじめ僕たちと接触できる人間にはこ
のことは伝えてある。ゾンビが活動をやめたあと、胸を開いて結晶をとりだせばいいだけだよ」
「でもさ、それで君たちの意識は平気なのかい?」
「ああ。問題ないよ。結晶を取り出した後適当なとこにおいておけばいい。日当たりのいい場所がいいかな」
植木鉢みたいだ。そのあとも僕は尚也と様々なことを話し合った。
「さっきからなにぶつぶつ言ってるの?」
真由美姉さんが話しかけてきた。そういえば真由美姉さんのこと忘れてた。僕は尚也の変わりに要約
してあげた。真由美姉さんは尚也とコンタクトできないもんな。尚也の言い方を借りれば、魂・・・いわゆる
意識の核がちがうらしい。尚也は血液型みたいなものだって言ってた。でもきっと死ねばわかりあえるん
だろうな。
「じゃあ・・・もしかしてお母さんの意識も・・・」
あ。そうかもしれない。真由美姉さん理解が早いなあ。僕は尚也に伝えてみる。
「ああ、姉妹の母親だね。さっき接触が終わったよ。世話してくれてありがとうって言ってる。
それから淋しいけどどうせすぐに会えるんだから、あななたちは精一杯生きなさいだってさ」
僕はその言葉を姉妹に伝える。姉妹は泣きじゃくっている。瑠璃ちゃんはいまにも自殺しか
ねない勢いだ。
「いやーーー。お母さんのとこにいくーーー」
尚也は追加する。
「ああそれから、結晶は腐らないし風化もしない、保存しておけばずっと持つよ。たとえ・・・
何億年でも。エネルギーは太陽から供給できる。太陽電池の役目も兼ねてるんだ。
ほんとにうまくできてるよ。人類は不死を手に入れたんだ。」
不死だって!それはすごい。でも結晶の中じゃつまんないだろうな。真由美姉さんともエッチで
きないし。肉体を持たないもの同士のエッチってどうだろう。いいのかな、それともいまいちなの
かなあ。などと妄想を繰り広げる僕に、尚也は
「それと残念だけど・・・もうすぐコンタクトはできなくなる。生者は生者の、死者は死者の世界に
あるべきだと、僕らは決めたんだ。さようなら・・・○○」
尚也の声がかすれていく。
「もう、行っちまうのか。おい!尚也!尚也ああああ!」
呼びかける僕。
「・・・君は本当にいい友人だった・・・さようなら・・・いつかまた、時の環の接するところで会おうよ。
・・・ああ・・・刻が・・・見える・・・」
こいつやっぱりアニオタです。尚也の声が薄れ、やがて消えた。僕は今までのことも
全て姉妹に伝える。
瑠璃ちゃんは良く理解できなかったようだけど、真由美姉さんはそれがどういうことかすぐ
分かったらしい。
「やっぱり、お母さんのとこにいくーーーお母さんのとこがいいよーーー」
「瑠璃、駄目よ。生きるの。お母さんにはすぐにあえるわ。瑠璃が生きて、好きな人と結婚して、
赤ちゃんを生んで・・・やがてそのときがきたら・・・お母さんにあえるわ。だから、それまで頑張ろうね」
一週間後、活動をやめた尚也の胸を開いて結晶を取り出す。指先に乗るくらいの大きさだった。
生きてるときは電子顕微鏡でもないと見えないけど、死ぬと育って一週間くらいでその大きさ
になるらしい。
「大切に扱ってくれよ」
尚也の声が聞こえるような気がする。
「わかってるって」
僕たちはその結晶を落としたりしないように小さな瓶にいれて、港に向かった。港に向かう間
活動しているゾンビは全く見かけなかった。港には既に自衛隊の艦艇がきている。もう話は伝
わっているらしく、自衛官も僕の持っている結晶に視線を向けさえしなかった。避難してきたほ
かの人たちにも、結晶を持っている人がいる。きっと家族や友人や恋人の結晶なんだろうな。
「おにいちゃーーん。ほらあそこーー鳥がいるーー」
海鳥を見つけた瑠璃ちゃんの明るい声が響く。僕の傍らには真由美ねえさんがぴったりと寄
り添っている。
「瑠璃ーーー気をつけなさーーい」
瑠璃ちゃんに優しく声をかける。そんな真由美姉さんをみながら僕は思う。不死かあ。
不死もいいけどこの一瞬にはとてもかなわないだろうな。好きな人のぬくもりと優しさを感じる
この瞬間こそ無限の時間よりもはるかに価値あるものなんだろう。
98PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/12 17:43
ID取得。
しかし初めてクレジットカードで買ったものが2chのIDとは……

まあ過去ログすぐ読めるからいいか。

現在資料用の本を注文中なので、本編はちょいとお休みになるかもです。
番外編やまったく関係ない短編を書いて気分転換でもしようかな。
pipウゼー
厨設定キモイ
PIP ◆dve/1Ebaqsのスレ主のような書き込みもうざい
>>100
>>99
ひがみ根性爆発だね!!
もう、このスレ終りだよ。よく3まできたもんだ。
常連投稿者が全く来ないじゃん。
マテリアルさん、山好きさん、ご降臨ギボン
>>102さん
まあまあ・・・
気持ちはわかるけどサ!
これでいいんじゃない?2ちゃんだし(w
ここまで育ってきたら大丈夫だよ。
逆にマンセーなレスばっかだと続かないと思うのは俺だけ?
耐性つけた作者さんたちの逆襲きぼんぬ!
104数学屋 ◆Z62ETnTQww :02/11/13 00:01
   1/4

 俺は見慣れたゾンビに目をやりながら、日付を確認した。
 リュックから缶詰を取り出すと、今日の食事を始める。
 辺りの腐臭がきついが、こんなものは馴れの問題だ。未だに馴れていないという者はとっくに死んでいるか、どこか安全なところに避難しているんだろう。
 ゾンビが呻く。
 俺の目の前には4体のゾンビがいる。どれ一つとして俺を襲う気配は見せない。
 それどころか4体とも、地面に座り込んだまま立ち上がる気配もない。時折俺の方に顔を向けるが、俺の存在に気付いているのかどうかはわからない。
 ただ、静かに呻いているだけだ。
 俺がここに来てから三日、ゾンビ達はただ座って呻いているだけだ。

 三日前、俺は空き家に入り込んだ。頑丈な鍵をかけられる場所なら、しばらく休んで様子を見ようと思っていたのだ。
 しかし、そこには先客がいた。
 寝室の隅、ベッドの上に抱き合うようにして固まっているゾンビが4体。
 俺は咄嗟に猟銃を構えたが、ゾンビが襲ってくる様子がないことはすぐにわかった。
 座り込んだまま、立ち上がろうともしないのだ。
 俺は猟銃を構えたまま、近づきすぎないようにしてゾンビを観察した。
 残った衣服から見て、ゾンビは女だった。
 そして、4体とも、妊娠していた。
 
105数学屋 ◆Z62ETnTQww :02/11/13 00:02
   2/4

 妊婦ゾンビが出産しようとしている。

 それが、俺の結論だった。
 例え妊婦がゾンビ化したとしても、無事に出産が出来るものなのかどうか、科学的なことは俺にはわからない。
 ただ確実に言えるのは、そこに4体の妊婦ゾンビが安静にして座っていたことだけだ。
 俺は、ゾンビの観察を始めた。
 どっちにしろ、行く当てはない。生きるだけ生きて、適当なところで自殺できるならそうするつもりだった。
 俺の好きだったモノは全部、ゾンビ発生前の世界にある。この世界にはない。今更新しいモノを見つける気にもなれない。
 だからといってすぐに死にたいわけでもないが、世界に対する未練はない。生きていく理由も何もない。
 だが、ゾンビが出産できるなら、新しい世代を曲がりなりにも生み出せるなら、それを見届けていくのもいいかもしれないと、その時は思っていた。
 今は、その時の決心をやや後悔している。
 考えてみれば、いつまで待てばいいのかわからない。出産予定日をゾンビに聞くわけにも行かないだろう。
 三日間、ゾンビはただ呻くだけ。俺はただ、缶詰を食べてじっとしているだけ。
 手の届く範囲から離さない猟銃も、ベルトにぶち込んだままの鉈も、ここでは一度も使っていない。
 不思議と、他のゾンビはこの家には近づかない。この4体とのテリトリーだと認識されているのか、それともこの4体のせいで俺の気配が消えてしまうのか。
 とりとめもなく考えながら食べ終わりかけたとき、ゾンビが今までにない様子で呻き始めた。
106数学屋 ◆Z62ETnTQww :02/11/13 00:02
   3/4

 生まれるのか?
 俺はリュックからデジカメを取り出した。
 世紀の瞬間だ。
 呻きが甲高い不気味なモノに変わる。
 それに反応しているのか、自分たちも出産が近いのか、残る3体も同じように呻き始めた。
 波のように上下する呻き。
 呻きが何度目可のピークを迎えたとき、1体のゾンビが突然立ち上がった。
 俺は咄嗟に猟銃を構えたが、それはゾンビの出産の瞬間だった。
 ぶすっ
 障子紙を破ったような鈍い音ともに、腐臭を伴った茶色の液体が股間から流れ落ちる。
 その流れの中にぶら下がっているのは、間違いなく赤ん坊だ。
「産まれた・・・」
 思わず呟いたとき、残りの三体も次々と立ち上がり、破水を迎えていた。
 俺は近づこうとした。ヘソの緒を切る必要があると思ったのだ。
 力を使い果たしたかのように座り込むゾンビたちに、俺は無意識に微笑みかけていたと思う。
 最初に子供を産んだゾンビは、自分の子供を抱えていた。
 そしてそれが、ゾンビに残された母性本能の最後のかけらだった。
 ゾンビは、赤ん坊を囓った。
107数学屋 ◆Z62ETnTQww :02/11/13 00:03
   4/4

 俺は絶叫を上げて猟銃を撃っていた。
 母性本能を失ったゾンビは、ついに俺を認識し、よろよろと立ち上がる。ヘソの緒でぶら下がった赤ん坊をそのままに。
 俺は泣きながら銃を撃ち、鉈を振るった。
「馬鹿やろう! 馬鹿やろう!」
 ゾンビを責めながら、俺は泣いていた。
 4体のゾンビか肉塊となったとき、生きていたのは一人の赤ん坊だけだった。
 俺は赤ん坊を抱き上げた。
 ゾンビから生まれた子。もしかすると、この子もゾンビなのかも知れない。
 それとも、人間か。
 俺は、泣き止まない赤ん坊を優しく抱きしめる。
 これで、生きていく理由が出来た。俺は、この子を育てる。
 この世界で、この子と一緒に生きていく。
 俺は決意した。
 この子のために、生きていこう。
 まずは、俺の言葉遣いを直そう。
 母親が「俺」なんて言ってちゃ、子供に正しい言葉は教えられない。
  

                        終
108数学屋 ◆Z62ETnTQww :02/11/13 00:09
 ゾンビチャイルドネタを考えていたら先を越されてしまいましたので、
ちょっと毛色を変えてみました。
 これの延長上で、次の話考えています(続きという意味ではありません)
 
99=100=102
話がゾンビじゃなくなったのでもうやめます。今まで汚してごめん
111 ◆dve/1Ebaqs :02/11/13 02:44
はう!マジっすか!

はずいにゃあ ◆S9tbNjDp0s さん、「やめます」ってのは今のシリーズをやめるってことですよね?
それで次からはまたどーんと別の話を書いていただけるんですよね?

漏れみたいにきもいだのウザイだの言われても、カレー食べれば忘れる奴もいるんです。
感想スルーされてる奴が残って、降臨キボンされてる人がいなくなるのって寂しいですよ。

大丈夫です。そのうちまた色々書きたくてたまらなくなりますって。
112102:02/11/13 06:05
>>109

違うよ。少なくとも99と100は私では無い。

都合が悪くなると、全て同一人にしようとするのは、やめた方がいいよ。
見苦しい。
113あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/13 07:19
糞スレ
114 :02/11/13 17:58
作家の皆様、いつも楽しく拝見させて頂いております。
煽りなどに負けずがんがってください。
某作者です。
スレ活性化したかったら、作品に対する批評をしたほうが、いいですよ。
別にマンセーにする必要はないです。
前スレで山好きさんが、批評を求めるといったような書き込みをして、かなりの作者さんが同意してましたね。
その後、短いながらも批評するということがされてきましたが、
新スレになってからさっぱりですね。
短くていいのですよ。ただ面白かったではなく、
どういうところが面白かったか、とか面白くなかったけど、こう感じた等、何らか書いて貰えると有り難いですね。
結局、感想を書いていただける事が、作者にとってのガソリンになります。

宜しくお願いします。
批評と煽りは別だけどな
>>115
却下だ、そんなこと認めればスれが荒れる。
批評と称して、荒らしや叩きが跳梁するのが目に見えてる。


このスレは、作品を発表のみ。批評、感想は叩きや荒らしの誘因の元だから、一切禁止。
>>117
君が荒らしてる本人なんだろうけどね。
みなの続きが読みたい。終わらないと気持ちが悪い。
リョウスレニンテイシマスタ
ミナサンガンバッテクダサイ
121山好き@ ◆U0WxN8c4sc :02/11/14 09:04
なんか、コテハンが出されているようですね。

>>115 某作者様
某作者でなく、コテハン+トリップ付きの方が、いいですよ。
まっとうな意見ですし。

前スレで荒れた時に、前スレで588がスレかスレッドの削除依頼出した事がありましたね。
http://curry.2ch.net/test/read.cgi/occult/1034309472/588

それに対する削除人の対応は、
http://qb.2ch.net/test/read.cgi/saku/1027074258/124 でした。
>また、職人の煽りに関しては、それだけでは削除対象外なので、
>完全無視して「まともな感想」によって相殺するのが創作系スレの常です。
>つまり、放置するだけではなく感想を付けるのも対策です。

私も、感想をもらえた方がうれしいですよ。
作品を投稿する立場からすると、何の反応も無いと萎えますね。
良スレ化は、作者さん達の「作品」と読者さん達の「まともな感想」で
出来るのでは?

偉そうな事書いて申し訳ないです。
>はずいにゃあ ◆S9tbNjDp0s さま、
 お話終結、乙であります。
「青い結晶」ときましたか。SFっぽい設定がナイスです。大昔、『スターログ日本版』
というSF専門雑誌で、映画『DAWN OF THE DEAD:ゾンビ』が高い評価を得ていた
のをふと思い出しました。自由な発想というのは、なんにしろ強い力を持ってますね。
しかし、壮大な話になってるなぁ。こういう話になるとは正直思っていなかったです。

>PIP ◆dve/1Ebaqs さま、
 いつもお話をありがとうございます。美味しくいただいております。
人間の「生きようとする意思」というのは、まさにドラマです。
絶望の淵で足掻く人間の姿というのは(尚也のそういう姿が作品上で表現されないだけに)、
絵になり――というと語弊がありますが――人の心を惹きつけます。

>数学屋 ◆Z62EtnTQww さま、
 これは・・・、えらく考えさせられました。
>>107 4/4で猟銃を撃ちまくる「俺」の気持ちに自分の気持ちもシンクロしたのですが、
そこで、はたと思ったですよ、「母親ゾンビはまさしく本能のままに行動しているのに、
なんで読んでいる自分(私)はゾンビの行動に憤りを感じるのだろう」って。
それと、赤ん坊を齧るのが母親ゾンビの本能ならば、本能ってなんだろう?、と。
それはさておき、絶望が大きいだけに、最後に残った希望が輝いていて、ほっとします。


 年末進行突入中。感想のみにて失礼申し上げまつ。
123あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/14 21:01
糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞ス
レ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞
スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞ス
レ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞
スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞ス
レ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞
スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞ス
レ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞
スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞ス
レ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞
スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
124あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/14 23:17
本当に糞と呼ぶのにふさわしいスレだな。
>>124
本当に糞と呼ぶのにふさわしいレスだな。(藁
126PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/15 23:45
いまから3つほど投下します。
付近の方は爆撃に巻き込まれないようにしてください。
127PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/15 23:46
 途中で日向の衣服などを調達しながら、市街地の丘に立つ一戸建てに到着する。
「きれいなお部屋ですね」
 日向は部屋に入った第一声で、感嘆の声をあげた。
「尚也さんて、お金持ちなんですか。こんな良いお家に住んでるなんて」
「俺の家じゃない。モデルハウスだからきれいなのは当たり前だ」
 尚也は少しあきれたように返事をする。
「え?でも、鍵持ってましたよね」
 小首をかしげる日向に、尚也は指で鍵を回しながら答えた。
「不動産屋に行けば、鍵くらい置いてあるさ」
「……それって犯罪ですよね」
「本気で言ってるのか。そんなことより、さっさと風呂に入って寝るんだ」
「へ?」日向は目を丸くして、尚也を見つめる。少しばかり頬が赤い。
「その間、こっちは用意しておく。風邪引くなよ」
「はい!しっかりきれいにしてきます!」
 日向は尚也が差し出したバスタオルを受け取ると、回れ右をして浴室へと軽い駆け足で向かった。
 尚也は食事の準備に台所に向かうと同時に、何者かが廊下を駆けてくる音がする。
 カウンターを盾にして、廊下に向けてコルトパイソンを構える。
「な、尚也さん!お湯が出ます!ッてアレ、撃たないで!」
 リビングに飛び込んできた日向は、尚也が銃を構えていることに気づくと両手を上に上げる。
「……お湯ぐらい出る。そうでなきゃ風呂に入れなんて言わない。それと前ぐらい隠せ」
「っわっわっわ。すいませんでしたー」転進しながら謝る声が、リビングに響く。
「フー、はしゃぎすぎだ」
 尚也は軽くため息をつきながら、作業に戻った。
「それも仕方がない、か」
 今までの日向の境遇を想像すると、強くも言えない尚也だった。
128PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/15 23:46
「お風呂空きました」
 久しぶりのお湯を堪能した日向を、テーブルの上に並べられた湯気立つ食事が迎える。
「うわー美味しそうですね。尚也さん料理できるんですね」
 芋粥、コーンスープ、ほうれん草のおひたし、鰯の煮物などがテーブルに並べられている。
「レトルトと缶詰に手を加えただけだ。長かったな。様子を見に行こうとしてたところだ」
 尚也は緑茶を入れながら、日向に向かいの席に座るよう促した。
「久しぶりのお湯だったんで、たっぷり浸かっちゃいました」
「流行の電化住宅というやつか」
「はい、電気が来なくなってからはずっとお水で洗ってました。乾燥機もあるのはびっくりしました」
「この家はプロパンだから、燃料には困らない。電気も燃料電池があるから問題ないしな。まあ大抵の一戸建てなら、車に積んだ予備の燃料電池も使える」
「へえ、そうなんですか。あ、すいません。食事にしましょう」
「急いで食べるなよ。胃腸が持たないからな。昔の兵糧攻めだと、投降した後に急いで食べ物を詰め込んだせいで死んだという話があるぐらいだからな」
「……はい。危なかったです」
 食事の挨拶と同時にスプーンに伸びた手を止めながら返事をする日向だった。

「ご馳走様です。あ、後片付けはやります」
 席を立とうとした日向を、尚也はお茶を注ぎながら制した。
「いい、久しぶりの食事の後はゆっくりしろ。内臓に負担がかかる。どんなときも体の調子を整えることを考えるんだ」
 日向は席に座ると、礼を言いながらお茶をすする。
「今日と明日はとにかく休んでもらう。疲れを癒して、体を健康にするんだ。いろいろ教えられることはあるが、それも体が付いてこないと意味が無い。無理をしても失敗しては何にもならない」
「はい」日向はすなおにうなづく。 
「さて、落ち着いたら底のソファに横になって待っててくれ」
「はい!」先ほどより大きな返事をする日向だった。
129PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/15 23:49
 ソファに横になった日向のそばに座り、尚也はいくつか質問を始めた。
「今まで、大きな怪我をしたことは?入院したことは?アレルギーがあるならそれも教えてくれ」
「怪我は無いです。入院も。アレルギーは花粉症ぐらいです」
 日向はどこか不満そうに返事をする。
「ゾンビに傷つけられたことは?体液を浴びたことは無いか?今体に怪我はあるか?」
「ゾンビからは逃げてました。体液って、そんなことされてません。怪我は足ぐらいだと思いますけど、背中とかは分かりません。あの、見ます?」
 尚也は軽くため息をつくと、日向にうつ伏せになるように促す。
「体液は、唾液・血液のことだ。あいつらが写生できるかどうかは知らない。背中を見せてもらうぞ」
 日向はうつ伏せから体を軽く浮かせて上着を捲り上げた。
 見たところ怪我をしている様子は無い。少し赤くなっているのは、風呂で擦り過ぎたせいだろう。
「背中に傷は無いようだな」尚也は首筋にかかった髪をかきあげて確認しながら言う。
 その声を訊いた日向は、次にズボンに手をかけ脱ぎ始める。
「下は無理しなくていい。そこぐらい自分で確認できるだろう」
 尚也は目をそらしながら、日向に服を着るように言う。
「その、大事なことなんですよね。だったらちゃんと調べてもらったほうが、安心できます」
 日向は下をひざまでまくると、尚也に続きを促した。
 尚也は日向のもっともな台詞に、下半身に目を向けると傷の有無を探す。
 覚えの無い怪我は、ゾンビのうろつく今、かなりの恐怖をもたらすのだろう。
「大丈夫だ」いつもより感情の無い声で告げる。
 日向は尚也を軽く見つめた後、服を元に戻し指示通り仰向けになる。
「軽く採血をする。血液でいくつか調べられることがあるからな」
 尚也は日向の白い腕から血をとると、用意した試験管の中に注入し結果を待つ。
 陽性反応が現れないことに、尚也は我知らず安堵の息を漏らした。
130PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/15 23:56
連続投降規制恐るべし。

まずは尚也と日向の隠れ家での生活の始まりです。
日向だけでなく、尚也も久しぶりに会う人間に少しはしゃいでるようですね。
日向が少し無防備すぎますが、無意識のうちの尚也に媚を売ってるということで。
危機的状況での生存本能が異性を求めているというのもありますが。

次からは尚也の新兵訓練日記が始まります。(嘘を嘘と見抜ける人で無いと以下略)
資料が明日の10:00に711に届くので早ければ明日の夜には書けるかな?
明日の早番がどのくらいに終わるかにかかってそうです。

以下、おまけの没バージョン。

「下は無理しなくていい。そこぐらい自分で確認できるだろう」
 尚也は目をそらしながら、日向に服を着るように言う。
「その、大事なとこですよね。だったらちゃんと調べてもらったほうが、安心できます」
 日向は下をひざまでまくると、尚也に続きを促した。
 尚也は日向のもっともな台詞に、下半身に目を向けると傷の有無を探す。
「変じゃないですか?」日向が恐る恐る聞く。
 覚えの無い怪我は、ゾンビのうろつく今、かなりの恐怖をもたらすのだろう。
「大丈夫だ」いつもより感情の無い声で告げる。
「その、変な形じゃなかったですか?」
「……どこを調べたと思ってるんだ」
131PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/16 00:00
五時じゃなくて誤字とミスいっぱい。

流行の電化住宅というやつか
       ↓
自宅は流行の電化住宅というやつか

底のソファ
  ↓
そこのソファ

ほかにもあるなー。
推敲に一日ぐらいかけるべきか……
PIP ◆dve/1Ebaqsさんお帰りなさい。
尚也えらく素直になりましたね(w
燃料電池のフォロー少ししてほしいかも・・・
保守
134あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/17 10:20
オカルト板の代表的な糞スレ。住人も同様に糞。
 ♪糞でも3スレ目〜〜♪
 え、なに? 悔しいの?(ウププ)
 君のいるスレはさぞかし良スレで10スレくらい続いているんだろうね〜(藁
 
136 ◆dve/1Ebaqs :02/11/17 13:44
お久しぶりです。
仕事中だというのに、隙を見て三発投下開始します。
楽しんでいただければ幸いです。
137 ◆dve/1Ebaqs :02/11/17 13:47
 二日後、日向の体力が回復しつつあることを確認すると、訓練が始まった。
「さて、始めはまずはゾンビについての講習だ」
「銃の撃ち方とかじゃないんですか?」
 質問は即その場でするように言われているので、日向は遠慮することなく聞いてみる。
「それはもう少し体力がついてからだ。筋トレも必要だ。その前に相手のことを知らないと基本的な対処ができない」
「おれたちがゾンビと呼んでいる者、あれはウィルスの感染患者だ。感染経路は患者の体液を媒介にする。
感染後体力が極端に低下するか、死亡することによって発病する。
初期は空気感染し、感染能力も高かったが人に適応するに応じて体液感染に変化した。感染能力も低下している。
このあたりが救いといえば救いだな」
「噛まれてもすぐにはゾンビにならないんですか?」
「ああ。ただ近親者が発病したときは要注意だ。染色体構造を模倣するせいか、罹患者と遺伝構造が似ている場合はほぼ確実に発病する。
発病後は五感の低下、大脳新皮質の劣化が見られる。ああ、原生生物や菌類にも発症しない。動物相の一部、現在は人間のみが発症する」
「あの、感染と発病は違うんですか」首をかしげながら質問する。
「感染していても発病するとは限らない。潜伏期間もある。HIVがいい例だ。感染後発病して初めて症状がでる。
発病後は本能に従って捕食を繰り返す。人を襲うのは、感染後に遺伝構造が崩壊していくのを補うためらしい。この当たりはよく分からないな」
「記憶とかも無くなっているんですか。あと、本能で動くんですよね。食欲以外の本能もあるということになりますよね、それだと」
 日向の質問に、尚也は目を細めて記憶をたどる。
「記憶はおぼろげにあるように思えるな。学校に通うところを見ると習慣は残っているようだ。睡眠と性欲か。考えても見なかった。
食欲が満たされた状態ならそれもあるか」
138 ◆dve/1Ebaqs :02/11/17 13:48
 尚也が感心する様子に、日向は照れて「えへへ」と笑ったが続く言葉に固まる。
「そうなると、気をつけたほうが良いな。性犯罪はほとんど男が起こすからな」
「うー、ちょっとお断りしたいです。あのぬるぬるぐちゃぐちゃに触られたら気絶します」
「そういった意味じゃ、生きてるやつらもそう変わりは無い。今までもよく見かけたよ。
ゾンビから守る代わりと言って年端もいかない少女を弄んでる奴とかな」
 尚也のせりふは平坦で、何の感情も伺えない。日向はそれが不満だった。

「……さて、ざっとこんなものだ。ひとまずまとめてみてくれ」
 講習の最後の締めくくりに、日向に自分の口からまとめさせる。
「体液感染をするので、傷には気をつけること。確実に倒すためには脳組織を破壊すること。何より戦闘は避けること。感染者は早めに……」
「早めに?」口ごもる日向を促す。
「……処理すること。可能であれば死体からの感染を防ぐ処理もすること」
 ゾンビが感染患者ということを教えられたせいか、日向の口は重い。
「生き延びたければ、食料と安全の確保をためらうな。自分の手を汚したくないというのなら誰かかわりにやってくれる人間を探すことだ」
 尚也は冷たく言い放つ。彼にとっては当たり前のことでしかないからだ。
「助けられないんですか、絶対に。原因が分かっていても」
「対症療法ぐらいはあるかもしれない。だが、今手元に無いのでは意味が無い。試みた奴はいたが失敗した」
「誰です。その試みたという人は。もっと研究を続けてもだめなんですか」
「続けようが無い。施設や人員が不足している」
「知っている人ですか。ずいぶん詳しいですね」
「しばらく一緒にいる間、実験台にされたからな」
「実験台って、尚也さんゾンビに噛まれたんですか!」
 驚愕して、思わず日向は席を立つ。ロフトにいすが倒れる音が響いた。
139 ◆dve/1Ebaqs :02/11/17 13:49
「さてな。噛まれてはいないが、初期に空気感染していてもおかしくは無い。……なんて嘘だよ」
 日向のあわてる様子を見て、くすくす笑う。邪気の無い笑いに日向は顔を真っ赤にして抗議した。
「ひどいです。そんな嘘をつくなんて。やっぱり研究が失敗したというのも嘘ですね」
「いやそれは本当だ。実験台にされたのもな。嘘は感染しているというところだけだ」
 尚也は席を立って、冷蔵庫から包みを取り出しながら続ける。
「これが感染しているかどうかを調べる試薬だ。あまり数は残っていない」
 発泡スチロールの箱を開けると、中には小分けにされた試験管が整列している。ボールペンほどの太さで、長さは5pも無い。
「これに採取した血液を混ぜて調べる。何の反応も無ければ問題ない」
「反応したときは、どうするんですか」日向の声はかすかに震えていた。
「状況による」あっさりと尚也は告げる。
「その相手が負傷していて足手まといになるのなら隙を見て処分する。怪我が無く意識を保っているのなら別れる」
「そんな、まだ発病しても無いのに。それに、」
「それに?」
 目の前の青年があまりにも当然のように話すのを聞いて、日向は胸が痛んだ。
 この人は今までどんな目にあってきて、どうしてこんな考え方をするようになったのだろう。表情を変えない顔が仮面のようで痛々しかった。
 平然とした様子が、いっそう心の闇を際立たせている。
「それに?」再度尚也が促す。そこにあるのはただ確認しようとする意思だけだ。
「生きていれば助かるかもしれないじゃないですか。もしかして誰かが治療方法を見つけているかもしれません。でも、死んだらそこまでです。そこで終わってしまうんです」
 説得するつもりは無かった。希望を捨てて欲しくないとの思いが日向を突き動かしていた。
「助かれば良い。そうでないときは人を襲うようになる。誰もが抵抗する手段を持っているとは限らない。いや、はっきりと言おう。こちらに危険が生まれるなら殺す」
 体験から生み出される言葉は硬く冷たかった。
「好んで戦いはしない。だがおとなしく殺されてやるつもりは無い」
「そして一人で生き続けていくつもりですか。そんな寂しい生き方、辛いです」
140PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/17 13:52
「……いつまでも生きていけるとは思っていない。いつかは死ぬだろう。それにこれは俺の考え方だ。君が従う必要は無い」
 尚也は設置したモニターへと視線を向けながら言った。瞳には無人の風景が写っている。
 日向は静かに立ち上がるとリビングの出口へと一歩踏み出す。
 ――怒らせたか。仕方が無い。
 尚也はモニターに顔を向けたまま、心の中で独白する。
 予想に反して日向は部屋を出て行かなかった。
 振り返ろうとした尚也の肩を暖かいものが包み込み、首筋に柔らかい絹糸が纏わる。
 黙ってそのまま好きなようにさせる。耳朶をすすり泣く声が打つ。
 しようと思えば抱きしめる手を振りほどくことも、冷たく止めるように言うこともできた。
 そうするつもりだった。そうしようとして、結局できなかった。
 小さな嗚咽がリビングの空気の中に消えていく。
 日向は尚也のために泣いていた。
 尚也は少女の重みを肩に感じながら、ただ無人の風景を見つめ続けていた。

以上です。
本文が長すぎますと文句が出たので分割しました。
3つのはずが4つに。
あれっすね。もっと短い区切りにしないとだめみたいですね。
それと投稿する時は
1/3PIP◆dve/1Ebaqs, 2/3PIP◆dve/1Ebaqs
て分数表示した方がいいでしょうか?
141PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/17 14:05
……(三点リーダー)の表示がおかしい。
何で下付に小さく表示されるんだろ?

テキストだと普通に出てるのに。
お知りの方がいたら、教えていただけませんか。

それとも私のPCだとそう見えるだけなのかなぁ。

>>132さん
燃料電池については私の設定では既築家屋の3割弱、新築の4割弱に配備されてるという設定です。
直也が持ち運んでいるのは水素を使用するタイプです。というわけで水素ボンベも持ち運んでます。
各家庭に多いのは都市ガス改質型で、リン酸型PAFCです。
京都議定書等の環境規制から優遇税制対象という設定にしています。
またある程度以上の人口がいる都市なら水素ステーションも設置されつつあります。
車でも燃料電池車が、新車で300万円ぐらいで発売されているぐらいの近未来と思ってください。
>>141
PIP ◆dve/1Ebaqsさん
ありがとうございます>燃料電池
なるほど、電力関係も工夫次第でクリアできる状況ですね。
極限のサバイバルも緊迫感が有って良いですが、
この状況も、いろいろと妄想が膨らんで面白そうですね。
この先の展開に期待しています。
143PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/17 23:02
読み返すと日向と尚也、仲良くしすぎたなぁ。
訓練中はスキンシップもあるからさらに親しくなりそうだなぁ。
ちょいとプロット修正しないと。

             (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
            ( ホントはこのあたりでもいがみあってる予定だったなんて言えないよなぁ。
          O  (
        ο    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
        。
___∧_∧__
   ( ・∀・)
――(    )―┘、         アキラメテイイヒトニナレ!!    
‐――┐ ) )――┐         ≡≡∧,,∧   ≡≡∧ ∧
    (__ノ__ノ    . |         ≡≡ミ,,>∀<ミ ≡≡(,,・∀・) マワリニヤサシイ、ショクギョウアンサツシャハイル!!
                     ≡≡ミ_u,,uノ  ≡≡ミ_u,,uノ
                   "~"    """  :::     "~""~"
                """    :::          ""
144あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/18 06:46
3スレ
保守
146PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/19 03:22
スレ数587だけど保守。


数学屋◆Z62ETnTQwwさん。
新作乙彼( ゚Д゚)ノ旦です。

どこからどこまでが生存本能で、どこからが母性本能なのか考えると面白いですね。
胎内にいるときは自分の一部として知覚するのかな?
免疫系も絡めるとさらに話が膨らみますね。


他の作者さん忙しいのかな。
私はもしかすると数日書き込めないかもしれません。
次来た時に他の方(もちろん新人の方も)の作品が並んでることを期待しています。
では。
完全に寂れているな…

PIP ◆dve/1Ebaqsさん、対照的な二人のその後を期待してます。
完全にスレ止まった・・・
あの頃が懐かしいよな・・
みんな青春を謳歌してたあの頃がさ・・・
俺は一体どこで道を踏み外してしまったんだろう・・・
149数学屋 ◆Z62ETnTQww :02/11/19 22:22
 純粋な疑問質問です。
 「寂れている」と「スレ止まる」は、どの程度の期間レスがない状態を指すんですか?
 個人的には、荒らしが来ないなら二.三日くらいレスなくてもいいと思うんですが。
 2ちゃんだと、その程度の頻度って異常なんですか?
>>149
ちょっと前までは結構盛況だったからね…
その頃にくらべると、どーしても寂しく思えるのよ…。
151PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/19 23:54
残業中。帰りたい。帰らしてー。ていうか(・∀・)カエル!!

まあ前までは結構作品と作品の間に感想が書き込まれていましたから
それに比べると今は廃れているように見えても仕方がないかと。

保守代わりに軽く感想やリクエスト、一発ネタがあればいいんですけどね。

んじゃ上司がうるさいんでこれで。
(ヘタレ上司、ゾンビウィルスが流行したら真っ先に食いついてやる!!)
PART1の500スレ位から、この形式で始まったが、
PART2の後半では、勢いは衰えていた。
PART3は出来たものの、もう勢いは無い。
多分、気付かないうちにdat落ちするのだろうな。
つーか、くくりがゾンビである以上いつかはネタが切れてしまうということだ
>>153
スレタイ自体がゾンビなのだから、しょうがない。

スレタイと中身が合わないスレもあるが・・・

「秩父で幽霊を見た」とか
>>151
ヘタレ上司と篭城して、色々あって最終的には頃す
コメディタッチのをキボンヌしていてみるテスト。
156あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/21 10:36
age?
157PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/21 18:42
>>155さん
>ヘタレ上司と篭城して、色々あって最終的には頃す
>コメディタッチのをキボンヌしていてみるテスト。

そ、そんな仮にも相手は上司ですよ?
自分の人生棒に振るまでの価値もない奴なのに。
ん、まてよ。

ゾンビ大増殖
   ↓
会社で篭城ということは外もいっぱい
   ↓
緊急避難措置(この板は俺のだ!!)
   ↓
やむなく上司αβοοη..._〆(゚▽゚*)
   ↓
  ( ゚Д゚)ウマー

……ちょっと時間を空けて書いてみます。
158158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 11:59
1)
いつもと同じ朝のはずだった…
7時15分に起床しシャワーを浴びる。雲一つ無いすがすがしい朝だ。
タオルで頭を拭きながらおもむろにテレビのスイッチをオンにする。
いつもと違う日はここから始まった…
テレビではこの時間は昨日のスポーツ情報やのんきな視聴者のリポート等をやっている時間帯のはず。
しかしテレビでは緊急ニュースとして緊迫した表情でアナウンサーが原稿を読み上げていた。
「昨夜未明から今朝にかけて全国のあらゆる場所で一斉に暴動がおこっている模様です。
暴動は各地繁華街から住宅地にまで及び多数の死傷者も出ている模様です。
ただ今取材班が総力をあげ情報を収集しておりますので視聴者の皆さんは安全が確認されるまで自宅で待機されるようお願い致します。
繰り返します…」
…何なんだ?暴動?全国各地?一斉に?断片的かつ抽象的過ぎる情報に一瞬困惑したが楽天的でポジティブな性格なのでさほどニュースの内容は気にとめなかった。
159158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:00
2)
会社まで通勤時間はバイクで20分。都心のやや外れの1K。家賃は6万。駅から歩いて15分ほどだがバイクか車があればさほど気にはならない。
ここで一人暮らしをはじめて早5年。
人並みの大学を卒業し合コンで知り合った彼女と付き合って3年。
そろそろ結婚の話もちらほら出てきている。
貯金もある程度貯まったので今度のクリスマスあたりにアッといわせる演出で彼女にプロポーズでもしようかなと考えている。
今日は金曜日で彼女と久々のデート、絶対に仕事を早く切り上げて帰ってやる。
そんな意気込みで家のドアをいきよい良く開けた。
いつもの通勤風景がそこにはあるはずだった。
しかし俺が見た光景は普段の景色とは若干違っていた…が、まだその時は気づかなかった…
160158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:01
3)
マンションの1階に降りバイクを置いてある駐輪場へと脚を向けた時に街中にあまりにも人がいない事に気づいた。
(おかしいな、普段なら通勤、通学途中のサラリーマンやOL、学生が駅に向かって歩いているはずなのに…今日は誰もいない…
まさかみんな暴動とやらを危惧して本当に自宅待機しているんじゃ?…)
「まさかな…」
自分でも無意識に言葉に出てしまった。
まるで不安な自分に楽天的な自分が言い聞かせるように…
バイクにまたがりヘルメットを装着しマンションを出る。会社に向かう途中で道がやけに空いている事にまたも不安になる。
そういえばマンションを出てから今日人をみかけない…異常だ…というか異様だ…
平日の出勤時間帯にもかかわらず人がいないなんて!!
初めて不安と焦りが募ってきた。バイクを止め携帯電話を取りだし会社に電話する。
時間は8時10分、早出の人が既に会社にはいるはずである。
でない…と言うか電話が繋がらない…話し中?…嫌な汗が流れてくるのがわかった。
161158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:01
4)
地球上には今自分しかいないのではないか?…
変な妄想まで頭の中を駆け巡る。
そんな時人が20m程先の横道からヨタヨタと歩いて出てきた。
人だ!! 何故か安堵感が一気にこみ上げ思わず「おぉ!…」とため息のような叫び声を出してしまった。
その声に気づいた様に前の人がこちらに振り向く。
ゆっくりとした足取りでこっちへ向かってくる。
何かが変だ…動きに精彩がないというか…のろいというか…しかし顔は俺の方1点だけを見つめて視線をそらさない。
俺もその人の異様な動きから目が離せない…というか動けない…恐怖?…脚がすくんでいる…
だんだん近づいてくるとその人の顔色が尋常ではない事に気がついた。
青紫色なのだ…
「人間じゃねぇ…」
またも思わず呟いてしまった、ふと我に返る。
(逃げなければ!!)
携帯をポケットにしまいメットを被りバイクのエンジンをかけてUターンする、たったこれだけの動きが非常に長く感じた。
162158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:02
5)
今日のテレビで言っていた暴動と言うのがさっきの奴なのか?何だったんだ奴は?ドッキリか?
とりあえず家に戻りもう1度テレビをつける。どこのチャンネルも暴動の話題で持ちきりだ。
あるチャンネルでコメンテーターの1人がこう言った。
「ゾンビですよ」
ゾンビ…そう!ゾンビだ!!まさしくゾンビだよ奴は!!さっきの奴…青紫色の顔、あのヨタヨタした歩き方。
俺は映画でゾンビを見ていた。知っていた…しかしそれが現実の世界にいるなんて…ポジティブ思考の俺でも考えられなかった。
窓に近づき外の景色を眺めると道には先程のゾンビと思われる男がゆっくりと歩いている。
その先にもう2〜3人だろうか?…ヨタヨタと力無くさまよい歩いてる。
163158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:03
6)
そうだ…会社は?彼女は?親は?友達は?…また一気に不安が押し寄せてきた。
携帯電話と家の電話両方使ってかけてみる。しかし繋がらない、電話が使えない…
「何なんだよ畜生!!」
思わず叫んでハッとした。今の声…奴らに聞かれていないだろうか?
窓の外を見るとさっきの男がこっちを見ている…目があった気がした…くそう…見つかった。
ゆっくりとした動きでマンションに入ってくる…
だがここは4階、奴らの映画のパターンを見ているとそう簡単には上がって来られないはず…階段には防火扉がついていて閉まっているし。
ゆっくり対策を考えるか…この状況でもまだ楽観的な自分が少し怖かった。

164158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:03
7)
奴らの弱点は頭だ。1人1人の強さは大した事は無い。噛まれなければいいんだ、その前に頭を破壊してしまえば良いんだ。
とりあえず武器となるものを見つけなければならない、俺の家の中で武器になるもの…
ハンマー?男の一人暮らし、日曜大工品なんてわるわけがない…
バット?俺は高校、大学とサッカーをやっていたのでそんな物も無い…
部屋の隅々を探してあったのは殆ど彼女しか使わない包丁だけだった。
とりあえずここを出よう。篭城しても埒があかない。誰か人のいる場所にいかなければ…

165158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:04
8)
ライダースを着込みズボンは2重にはき手袋、ヘルメットをつけたまま家のドアを開ける。
まだゾンビはこの階に到着していないみたいだ。
部屋を出てエレベーターの前で階段を使っていくかエレベーターで降りるか考えた。
階段のドアを開けて声を出しゾンビが上がって来ている間にエレベーターで下りるのがいいだろうと考えた。
意を決してドアを防火扉を開ける。そして「バカヤロウ!!」と叫ぶ筈だった。
開けた瞬間に2人のゾンビがなだれ込んできた。
「2人!?」
計算違いだ…何故2人に増えている?
冷静に考えている場合ではないのだがこんな時に限って冷静に考える。2人の勢いに押され思わず倒れこむ。

166158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:04
9)
この世にいる者とは思えないほどの尋常ではない彼らの表情
口をコレ以上無いくらにこれでもかと広げてマウントポジションから顔を近づけてくる
「をぐりゃぁ!!!」
言葉にならない叫び声を上げて俺は包丁を奴の大きな口の中に刺しこんだ。
(グジュパキクチュ)
今までに体験した事の無い音と感触が伝わってくる…上に乗っていた奴の動きが止まり俺にのしかかってきた。
その瞬間右足に激痛が走る。
「ぐあぁ!!」
食われた!…もう1人に…
1人倒した事によって安心してしまったのかもう一人の存在をすっかり忘れていた。

167158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:14
10)
あまりの激痛に飛び起きた…
ん?飛び起きた?俺は寝ていたのか?…なんだったんだ?夢か?…
暫く動きが止まった。
夢…だったのか…はは…そう、夢…全て夢だった。
安心して泣きそうになった。
嫌な夢だった。今でも胸くそ悪い…動機がとまらない…やけにリアルだった。
今日のデートで彼女に話してやろう…きっと怖がるんだろうな…
そんな事を思い、いつもの朝にちょっとだけ嬉しく思ってシャワーを浴びる。
風呂から出てテレビをつけるとアナウンサーがニュースを読んでいた。
「昨夜未明から今朝にかけて全国のあらゆる場所で一斉に暴動がおこっている模様です…」

「嘘だろ?」
またも呟いてしまった…
168あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/22 12:15
つづきキボンヌ
169158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:15
皆さんに比べ文章も下手だし全然話しが出来なかったんですがとりあえず
書いてみました。
乱文ですみません。
170158 ◆xuDTfQ0BoE :02/11/22 12:17
>>168
ごめんなさいとりあえずこれで打ち止めです。m(__)m
また書いたらうpします。
>158 ◆xuDTfQ0BoE さま、
 夢の中の災難が現実で繰り返されるというのは、結構精神的に厳しいです。
言うなれば、仕事をしている夢を見て、その夢から覚めて、仕事に出かける、
というような状態でしょうか(仕事は災難じゃないけど)。
いや、もう、自分が今そんな状態なんで
>>167のオチを見た瞬間、なんか身につまされました。
保守。
糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞ス
レ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞
スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
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 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞ス
レ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞
スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 糞スレ 
174PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/23 22:37
では6つほど投下します。
これはあくまで(* >ω<)=3ヘックション!であり、現実とはそこはかとなく関係があるように見える恐れがあります。
18歳未満の方は保護者の許可を得てからご鑑賞ください。


「何で、何でこんなことになってるんだ!!」
 三十代半ばの男が目の前でわめく。うるさくてしょうがない。
「チクショウ。ナニ人事みたいな顔してんだよ!こういうときぐらいは働けよオメー、使えねえんだからよ!」
 やれやれ、日ごろから肝の小さいやつだと思っていたけどね。まさかこんな非常事態になってまで先輩面しますか。
 こちらより十年程年上でしょ。だったらその分落ち着いてくれないものかな。少なくともこちらに比べて十年分は未練が少ないだろうに。
「西門と東門のどちらの方が進入数は多かったですか?」
 わめき声をさえぎるために質問をする。
「はぁ、何言ってんだ?入ってきた奴どうにかする方が先だろ!」
 ……ここまで考えが回らないのか。制御室の周りを囲んでいる「侵入者」がどちらから入ってきたかによってこの都市の現状が予測できるんですけどね。
 西門は国道に、東門は裏の倉庫部と社員寮につながっている。今日は日曜日で両門ともしまっているはずだった。
 だったが、東門は目の前の先輩が工場に出社する際に開けたままで、西門は午前出社のマネージャーが開けたまま帰っていった。
 おかげでどこからともなく現れた「侵入者」に制御室は囲まれているというわけだ。
 二階がオペレーターの作業室でよかった。でなければもう進入されていただろう。
 話を戻そう。国道方面から入ってくる数が多ければ都市部にも影響が多い。そうでなければ裏手の閑散とした地域方面から発生していると推測できる。
 警察に電話すれば状況はつかめるだろうに、目の前の先輩がそうさせてくれない。こんな状況で責任云々を気にしているのはたいしたものだ。
「少し周りを見てきます」
 外部情報を再確認するために見回りにでる。
175PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/23 22:38
「すぐ戻って来いよ!」必死な顔で命令してきた。
 戻ってきて欲しいのならそのバット貸してくれませんか?素手は厳しいんですけど。
 よほど一人でいたくないのか、それとも逃げ出されると思っているのか。本当に気の毒なほど器が小さい。
 答えずに戸を開けて外の通路に出る。制御室は二階にあるため、階段が南北に二つついている。
 そこは今地獄への急階段になっている。
 
 もちろん保安のために監視カメラはある。正門と西門、東門に各一個。
 そこを監視しておけばここまで状況は悪化しなかったのに、先輩はこちらがプラントを巡視している間お昼寝していて気づかなかったそうだ。
 もちろんそれを反省するどころか「お前がしっかり巡視していなかったせいだ」とヒステリーを起こしたのは言うまでもない。
 小雨振る中巡視させといてそれですか。明日は晴れるといいなぁ。
 階段に張り巡らせたワイヤーのため途中から上れないでいる「侵入者」を観察しながら我が身の不運を嘆く。
 「侵入者」は口元と両手を赤黒く染めて、こちらを見上げている。巡視中に見つけたときは思わず「キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!」と叫んでしまった。
 ゾンビ映画を見慣れていたせいか、話しかけずに即方向転換して制御室に駆け込んだのは正解だった。
 でなければ今頃ゾンビの仲間入りだもんね。
 あの小者をなだめる苦労を考えるとその方がよかったような気がしないでもないけど。
 状況を説明している間にゾンビは増えて、監視カメラを見ると門が二つも開いている。
 急いで階段にワイヤーを張って応急処置をしたおかげで、少なくとも当面の安全は確保できた。
 もっとも僕一人なら逃げていたね。先の見えない状況で篭城を選ぶほど馬鹿じゃない。
 仕事中じゃなくて、建物に一人も残っていないのなら、逃げ出していた。
 見かけたゾンビの数が二桁の大台に乗っていたら、逃げ出していた。
 残念なことに僕は仕事中で、制御室には一人先輩がいて、見かけたゾンビは8人だった。
「四捨五入すれば大台に乗るから逃げればよかったんだ」
176PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/23 22:39
 ついつい非生産的に愚痴をこぼす。このままストレスがたまると吐血しそうだ。
 僕は脳裏にステンレスのシンクに広がる血だまりを思い浮かべた。去年のあれは、今部屋で震えている先輩からのストレスが原因だった。
 だめだ、だめだ。日ごろの恨み辛みを思い起こすのはやめよう。
「人としてだめだよね、生餌にしてその隙に逃げるなんてさ。就業時間中はしっかり仕事しないと。許されるのは見捨てるまでだし」
 いや許されますよ?ホントニ。何とかデスの板って奴で。……バルトアンデルス?

「どうにもこうにも、30%セールしても残るぐらいにいますね。って何やってるんです?」
 部屋に戻って現状を報告する。先輩は部屋においてるソファーベッドをドアの前に備え付けようとしていた。
「見て分からねーのか、バリケードだよ。ほら、手伝えよ」
 必死になって東西のドアをふさごうとしている。
「で、助けはいつ来るんです?」
 ため息をつきながら聞く。
「はぁ?助け?知らねーよ、んなもの」
 こちらを睨みつけて吐き捨てるように言う。
「篭城の際の常識ですけどね、救援と備蓄を確保するのは。立て篭もるつもりなら外部に連絡取ったんですよね」
 答えは分かりきっていたが一応聞く。まあ、期待はしていないけど。
 やれやれ、呆然とした顔しないでくれます?やる気がそがれて殺る気が出てきちゃうんですけど。
 遅すぎた救援の電話をかける上司は放っておくことにして、監視カメラを確認する。
 ゾンビたちはもうそこには映っていない。すべて工場内に入ってきたか、若しくは別の場所へと移動したか。制御等を囲む数から考えて、前者と思ってよさそうだ。
 すると階段の奴らの気をそらせれば、後は楽だろう。車は社用車を使えばいいや。
 手早く計画をまとめる。ゾンビの気をそらした後で、うまく一階に飛び降りれば助かるね。
「変な奴らが工場を囲んでるんですけど!早く助けに来てください!え、手が回らないって!ふざけんな、こっちは税金払ってんだぞ。良いから早く来いよ!」
 馬鹿ですね。ここの場所と囲んでいる人数を言わずに救援求めてどうするんでし
ょうかね。税金は警察の方も払ってますよ。
177PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/23 22:39
 聞くに堪えなくて、受話器を奪い取り情報を収集する。
「もしもし代わりました。こちら○○町の○○製造所です。現在工場内に20名ほどの侵入者がいます。近づくと噛み付こうとしてきます。
致命傷と思しき負傷をしているものも確認しましたが、苦痛を感じることなく動いているようです。映画のゾンビに酷似していますね。はい、そうです」
 冷静に現状を告げる僕を無能な上司は口を空けてみている。そんな暇があるなら周囲を警戒してほしいなぁ。
「えーと落ち着いてください。伝染病との恐れは不明ですか?そうですか。ちなみに市全域で発生している現象でしょうか、それとも一部から広がってますか?近隣の市町の状況は確認済みですか?」
 対応している婦警さんがパニックを起こさないように努めて冷静に聞く。
「はい、分かりました。それと正当防衛はどこまで適用されますか。相手が噛み付くだけだったらこちらも噛み付くまでですか?って冗談ですよ。婦警さんになら噛まれても良いですけどね。一応携帯の連絡先を090…」
 相手をリラックスさせるために下手な冗談を言って、連絡先も伝えておく。
 携帯の番号を伝え終わると同時に、傍にいた先輩が受話器を奪い取る。
 そんなに早口で番号伝えても婦警さん書き取れませんよ?それにアレだけ文句いってきた相手に連絡取ると思いますか?
「もしもし、もしもし、畜生切りやがった!!」
 そりゃキレルでしょうね、あなたみたいなのを相手にすると。
「で、どうします。犠牲者もああいう風になるとの通報はあったみたいです。被害は都市全域規模。近隣との確認はとってないそうです」
 加えて救援は望めないとのこと。これは精神安定のために伝えないでおく。
「そんなことより助けに来んのかよ!それを訊いたんだろ!」
 どうやら気遣いは無駄だったみたいです。
178PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/23 22:40
「逃げる方法はないのか、お前考えてんだろうな」
 貧乏ゆすりをしながら何度も同じことを聞いてくる。
 せっかくコーヒーを楽しんでいるのに無粋だなぁ。
「初期の段階ならいくらでもありましたけど、少なくとも後10分はないですね」
 時計を見ると当直終了まで後10分。
「10分?馬鹿かオメー、次の二直のやつらが来るわけねーだろ。ボケてんのか」
 少なくともあなたよりはボケてないと思いますよ。こんな状況で協力者に向かって罵詈雑言は吐かないですし。
 聞くに堪えない悪口を聞き流し、就業時間の終わりを待つ。
 まあ、多くて後3分我慢するだけだからいいか。
 時計の針が当直終了時間を告げると同時に立ち上がる。
 驚いて身構えるゴミを無視して、勤務表にハンコを押す。
「ナニやってんだよ、こんなときに」
 訳が分からないと言った顔をしている餌に、監視モニターを見るように促す。
「見えます?あれ警察ですかね」
「マジか!どこのモニターだよ!!」
 食い入るように並んだモニターを見つめる肉塊。 
 さて、ではフルスイング。
 頭蓋の砕ける感触はそう悪いものじゃなかった。
 うつ伏せに倒れた馬鹿の首を軽く踏み抜く。これで抵抗不可能だね。
 後は簡単だった。
 仮眠用のソファーベット二組を一階に投げ下ろし、布団をその上に落とす。
 階段に集まっているゾンビに、痙攣している血袋を投げ与える。
 呻き声は小さいが相変わらず耳障りだった。
179PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/23 22:49
「さて、本日の勤務終了。言ったでしょ後10分だって」
 足取りも軽く緊急用においてある社用車に乗り込む。
 会社を出てすぐに携帯に電話が入ってきた。
 相手は先ほどの婦警さん。どうやらゾンビに囲まれた警察を逃げ出したようだ。
「じゃあ○○橋のあたりで拾います。泣いてちゃ駄目ですよー」
 軽口を叩いて車を走らせる。
 明日は晴れるといいな。


以上です。
あくまでも洒落ですよ。
PIPは現実にゾンビが出たら、時速30`ほどで逃げます。
一部上司に限り見捨てます。
道で泣いてる女の子は助けます。女の子がゾンビ化したら、多分食べられます。

158 ◆xuDTfQ0BoEさん、新人さんキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
夢の後の夢、覚めない悪夢ですね。
恋人との逃避行キボン、とねだってみるテスト。

マテリアル ◆EkzNU3ykSU氏のコメントが付くとうれしいですね。
作品を冷静に分析しての言葉、参考になります。
では次は日向の「恐怖のフルメタルジャケット。新人教官はED?」でお会いしましょう。
>>179
リアルタイムで初めて見れた!
そして(^ー゜)bΣ グッジョブ! 
うちの親父がこの話の上司のよーな感じなんでなんかスカっとした。
そして勤務時間を守る姿勢がブラックでワロタ。

>ステンレスのシンクに広がる血だまり は
ゾンビより((;゚Д゚)ガクガクブルブルですが…
婦警さんと二人で逃走する続編キボンヌ。
182あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/23 23:55
つまらん。駄スレだ。サーバーの負荷軽減の為、廃スレに汁。
>>182
サーバーの負担考えたら自分が書き込まなきゃ良いんじゃん?プッ
184PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/24 02:45
荒らし、煽りは完全無視していきましょう。
ロメロゾンビと差しで話し合おうとするようなものです。

>>181さん。
>婦警さんと二人で逃走する続編キボンヌ
リクエストは本気で嬉しいのですが、基本的に番外編は本編が詰まったときに書いてます。
本編が詰まるまで待っていただけますか?
185PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/25 00:09
では3つほど投下します。

 結局、初日の訓練は取りやめることになった。
 日向の情緒がいまだ不安定と判断したからだ。
 精神安定の手軽な方法は日向を抱くことだったが、尚也はそうするつもりはなかった。
 それでは日向が自分に依存しすぎるようになるからだ。
 この過酷な状況で他者に依存するということは、あまりに危険すぎる。
 自分が行動不能に陥ったとき、日向が共に死を選ぶようでは助けた意味がない。
 尚也は最終的に、ゾンビ化しつつある自分の頭を撃ち抜き、装備を奪ってサバイバルを続けるぐらいまで日向を訓練するつもりだった。
 かといって、いきなり突き放して鍛えても、失敗するのは分かりきっている。
 そこで尚也は日向を落ち着かせるために、自分の今までの生活を話すことにした。
 聞いてるうちに、自分が人に好かれるに値しない男だと分かるだろうと思ってのことだ。

「3ヶ月ほど前に俺は友人に呼ばれて、そいつの勤めている研究所に出かけた。そこで、その頃世間を騒がせていた関西の暴動がウィルスによるものだと教えられた。
遺伝により感染確率が異なるということから、一応検査を受けた。本来なら許可の出ないことだが、俺のためにそいつは自分の能力を盾にして取引したらしい」
「仲が良かったんですね。その人と尚也さんは」
「ああ。お互い変わり者だったせいか、気があった。検査の結果は良好だった。良好すぎたと言っても良い。俺の血液はウィルスの感染力を大幅に弱めることができた。
結果として俺はそこにとどまることになった。表向きは研究の協力者だったが、実態はモルモットだ。最も生活に不自由はなかったし、銃器や格闘訓練も受けられた」
「銃器ですか?でもそこは研究所、ですよね」
 日向が不思議そうに聞く。それはそうだろう。
「多分、良人はその頃から最悪の事態を予測していたんだろうな。研究所の警備員達は明らかに軍務経験者だった。おそらく、在日米軍と何らかの取引があったんだろう」
186PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/25 00:10
「身柄を拘束というのも、俺の身の安全を確保するための理由に過ぎなかったのだと思う。俺はそこで休み無く訓練を受けることになった。装備の大半はそこで手に入れたものだ」
「その人が、検査薬を作った人ですか?」
「そうだ。結局それしか成功しなかった。ワクチン開発は途中で止まったままだ。俺はそこを出てから、できる限りの血液を調べて、抗体を持っている奴を見つけようとした。
だがいまだに見つかっていない。もしかしたら死んだ奴の中に抗体を持った奴がいたのかもしれないが、今となってはどうしようもないな」
「先ほどの検査薬で調べられるんですか、免疫を持っている人は」
「ああ、だが、見せたとおりそう数が残っているわけじゃない。後はどこかで検査薬を量産するしかないが、そんな施設が残っているかどうか怪しいもんだ」
 尚也は肩をすくめ、冷めたお茶を飲み干す。
「結局、今まで俺が調べてきたが、結果は弾を消費しただけだった」
 どこか笑いを含んだ台詞に、思わず日向は非難した。
「そんな風に言わなくても。弾を消費しただけって、もう少し別の言い方は無いんですか」
「死は死だ。変わる事は無い。いずれゾンビとなって人を襲うのであれば早めに処理したほうが効率が良い。それが寿命だったというだけだ」
――まずい。失敗した。
 尚也は日向の瞳に涙が浮かび上がるのを見て、言い過ぎた事に気づいた。彼にとってはあまりにも当たり前なことなので、自然に口を出てしまったのだ。
 日向の瞳から涙がこぼれ、肩が震えだす。
――仕方ない。こうするしかないか。
 決心すると椅子を静かに立ち、非難と同情の混ざった視線を見つめながら近づいた。
187PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/25 00:10
「悪い。言い過ぎた。俺も死にたくなくて必死なんだ」
 謝りながら日向の肩に手を置く。日向は立ち上がり、尚也の胸に頬を当てると背中に手を回す。
 細い肩の震えが徐々に収まっていくまで、尚也は日向の背をなで続けた。
「すまない。だが、もう甘えていられる状況じゃない。それだけは分かって欲しい」
 子供に言い聞かせるように囁く。尚也としては駄々っ子を相手にしているようなものだ。
「……分かっています。だけど――」
 続く言葉を遮るように、尚也は日向を抱く手を強める。
「分かってくれればいい。さっきも言った。俺のいうとおりにしろとは言わないし、望みもしない。それが望まない結果であれば自分で覆せばいい。
ただ、訓練が終わるまでは不満があっても飲み込んでいてくれ。今の君は自分を守ることもできない。だから覚悟だけはしておかないとこの先持たない」
 しばらく日向は黙っていたが、胸元で小さく、だがはっきりと頷いて身を離した。
「分かりました。いろいろ甘えてすいません。その、これからよろしくお願いします」
 大きく息を吸い込むと、はっきりと宣言しぺこりと頭を下げる。
「分かった。まずは外にでて軽い運動からだ。どの程度体が動くか確かめる」
「はい!」元気よく返事を返す。
「ただし、無茶はするな。きつい事をさせるが、体が持たないと思ったらすぐ言うんだ。医者のいない今、怪我は絶対に避けることが重要だ」 
「はい、分かりました」
「では外にでる前に、モニターと窓から安全を確認する。今後外に出る前、家に入る前のそれぞれ安全確認をすること。忘れた場合はそのたび腕立て伏せをしてもらう」
「は、はい!」
 返事と共にモニターを食い入るように確認し始めた姿を見て、尚也は苦笑した。
……少なくとも熱意は十分だな。
 脳裏に訓練計画を浮かべながら、尚也は日向に安全確認について教え始めた。
188PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/25 00:22
以上です。
ようやくここまで書けた。
後は日向に銃の使い方と人体の急所、それに簡単なロープとナイフの使い方あたりを教えれば良いかな。
方角の確かめ方と地図の見方も必要?
んで本番こなしてようやく中盤に入れる。
まだ長いなー。

まとめますと、
>16-18が番外編。

>20-21、>30-31>、>45-46、>85、>87、>91-92
>127-130、>137-140、>185-187が本編。

>174-179が別の話です。

では皆様おやすみを。
>PIP ◆dve/1Ebaqs さま、
 氏の作品を拝読させていただいて、毎回思うことなのですが、
「なんて文章のテンポがいいんだろう」と。
話が話なのに読む者にまるで嫌悪感を持たせずに、
爽快さすら感じさせるストーリー運びはさすがです。今回も美味しくいただきますた。
>>176

>やる気がそがれて殺る気が出てきちゃうんですけど

にはモニターの前で思わず笑ってしまいました。


 なんか感想ばかりで申し訳無いです。ネタはあっても書く時間が・・・。


しまった、感想を書いていたら新たな作品が投下されてしまった。
190あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/25 23:43
俺にとっては面白いスレなんだけどナー
つうことで何気なくアゲ

そろそろ作品が投稿されそうなヨカーン
191PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/26 01:53
一発だけ行きます。ちょっとギャグ気味かも。


 安全確認後、尚也はスポーツジムへと車を向けた。
 元は自分の体力維持をかねた拠点にするつもりだったが、その後でモデルハウスを見つけたために生活環境は整えていない。それでもこんなときには持ってつけの場所だった。
 
「基礎体力、筋力ともに問題ないな。何か運動をやっていたのか?」
 尚也は一通りテストを終えたところで、クールダウンをしている日向に声をかけた。
「水泳と弓道をやってました。うっ、……あ、あん」
 額に珠のような汗を浮かばせた日向は、軽く息をはきながら開脚前屈をする。
 両足はほぼ180度まで広がっていて、さらに倒した体が無理なく床についている。
「おまけに柔軟も問題なしか。怪我はしなくてすみそうだな」
 開脚側屈を始めた日向を見て、尚也は感心したように言った。
「しかし水泳と弓道か。ずいぶんと方向性の違う組み合わせだな」
 尚也は壁際にウレタンマットを並べ始める。射撃訓練の的にするつもりなのだろう。
「うーん、普通そう思いますよね。実はそれなりに関係あるんですけど」
 日向も柔軟を終わりにして、マットを並べるのを手伝う。
「よし、これで良いだろう。よく分からないな。水泳と弓道にどんな関係があるのか」
 尚也は日向にタオルを渡しながら小首をかしげる。
 日向は額の汗を拭うが、紅潮した体からは汗が流れ続ける。
「汗がすごいぞ。熱があるならすぐ言ってくれ。無理はして欲しくない」
 スポーツドリンクを渡して、日向の様子を窺う。ちなみにドリンクは備え付けの自動販売機から無料で手に入れたものだ。
「大丈夫です。この汗は病気とかじゃなくて。えっと、なんと言うか、イヤー照れるッス」
 意味不明の言葉を返しながら、尚也が渡したタオルに顔をうずめる。
「?無理をしていないなら良い。次は銃の訓練だから落ち着かないと危険だぞ」
192PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/26 02:03
というわけで、ようやく銃火器の訓練に移ります。
銃の使い方云々というより、心構えや覚悟を中心において訓練を行なうと思います。


で、おまけの没バージョン。
 
「水泳と弓道をやってました。うっ、……あ、あん」
 額に珠のような汗を浮かばせた日向は、軽く息をはきながら開脚前屈をする。
 両足はほぼ180度まで広がっていて、さらに倒した体が無理なく床についている。
「それよりも聞きたいんだが、何でスクール水着と体操着の上なんだ?」
「スポーツジムと言ったらレオタードですよね。一応代用品のつもりなんですけど。ブルマのほうがよかったかなぁ」
 
「汗がすごいぞ。熱があるならすぐ言ってくれ。無理はして欲しくない」
 スポーツドリンクを渡して、日向の様子を窺う。ちなみにドリンクは備え付けの自動販売機から無料で手に入れたものだ。
「大丈夫です。この汗は病気とかじゃなくて。えっと、なんと言うか、イヤー照れるッス」
 意味不明の言葉を返しながら、尚也が渡したタオルに顔をうずめる。
「あっ、水泳と弓道の関係知りたいですよね!笑わないって約束してくれるなら教えてあげます。実はですね、水泳は胸筋を鍛えますよね。で、弓道も上半身を使いますよね。
胸筋を鍛えるということはAがBに、BがCになるということで、垂れるのを防いで姿勢も良くなる効果があるんです。揉んでも膨らむだけで大きくはならないんです」
 拳を握り締めながら力説した後、「ナイショデスヨ」と背伸びして尚也の耳元に囁く。
「でも形とか感度のほうが重要だと思うんです。( ゚д゚)ハッ!尚也さん手に余るぐらいの方が好きなんですか!」

……駄目だ。つい日向をギャグキャラにしてしまう。これも尚也が冗談のひとつも言ってくれないからだ。
193181:02/11/26 02:14
>PIP ◆dve/1Ebaqsさん
婦警編キボンヌした181です。
すいません。単なるワガママです。
毎回楽しく読んどります。気にせずマターリ執筆して下さいな。
194あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/27 12:39
よッこらしょっと。ただいま、ばあさん。
え、なんだい、今日は嫌に帰りが早かったって?
なんだか町の方はすごいことになっとってよ。
テレビで言っていた暴動だっけか?町ん中人はまばらにしかいないし、
店のガラスが割れていたり、血の痕みたいのがあってな。
わしゃ、怖くなって恵子の店よって行くのやめて重のとこまっすぐ行ったんだよ。
へ、恵子の店ってなんだ、って?いや、ほら、あれだ。なんだ、重のとこに妹にいたろ、恵子ってのが。
なに、重の兄弟男だけだ・・・。・・・ま、まあ、いいじゃねえかそんな細かいことはどうだって。
・・・そんな怖い目で睨むなよ。
只でさえシワの多い顔がもっとシワくちゃになって目がどこだかがわかんなくなんぞ。
あー、なんでもねぇ。
195あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/11/27 12:40
でだな、重んとこいったらいねぇんだよこれが。
玄関あいてたから中覗き込んで呼んだけど誰もでてきやしねぇ。
しょうがないから置いてきたけどありゃなんだ?
わらじだぁ!おめ、そんなもの届ける為にワシに4時間かけて町まで往復させたのか。
あ、なんだ、たけ坊が明日学校で使うって?ん、ならしゃないな。
でよ、家出たら女が立っていてよ。・・・だから、恵子は関係ねぇって。
そいつがなんかふらふらしてるんで、声かけたらよ、なんかしがみ付いてくんだよ。
で、ひょっと顔見たらな目が変なんだよ。ほら、信松のとこのばあさん白内障ってのになったろあんなかんじ。
なんか顔も赤黒いし、怖くなって、わりーけど引き剥がして帰ってきちまったよ。

そうそう、信松、どうなった?柱に縛り付けられたまま暴れてるって?まだ駄目か。
あいつも自分の年考えておとなしくしてりゃいいものを篤んとこの娘襲おうとしやがって。
そうやあいつも目が変だったけど町でヒロポンでも流行ってんのか?。
なに、町は怖いって?なぁに馬鹿なこといってんだ、明治時代のばあ様じゃあるまいし。
ロケットは月行くし、光うんちゃらってもんで世界中が繋がってるって時代だぞ。
こないだ重のとこでパスコンってのみたろ。
あれにインタネットってのが入っててそれをどうこうすると世界中がみれるだよ。
それくらい覚えとかないと馬鹿にされっぞ。
そうだ忘れてた。女ぁ、振り払った時、腕引っかかれちまっってよ。
あんま血出てなかったから忘れちまってたんだけど、ちょっと赤チンとってくれ。
なんだよ、だから恵子のところは行っていな・・・関係ないって。
いいからとって来い。
194-195
どういうわけかワロてしまた
197PIP ◆dve/1Ebaqs :02/11/28 02:16
イーヤッホォウ!新作!
>194-195
面白かったです、この話。
やっぱり一人称のほうが早く話をまとめられますよね。

>で、ひょっと顔見たらな目が変なんだよ
そうですよね、ゾンビをまったく知らない人も大勢いるし、
情報収集手段も人それぞれですからこういう家庭もありますよね。

しかし、おじいさん年取ってそうなのに元気ですね。
こういう世代の人ってゾンビが来ても平気で対処しそうですね。
国と未来のために戦争に行った世代には、やはり「もののふ」が多いのでしょう。


現在進行度40%。明日の昼くらいには次の話を出せそうです。
昨日の夜から「はじめての拳銃〜すごい、こんなにかたいの?〜」編を書いてます。
なお予告と本編は若干異なる恐れがあります。
(でもアレですね。まったく色気の無い話を書いていると、つい「あ、うくぅ……」とか言わせたくなるのは困ったものです)

        ΛΛ
      <(*゚Д゚) アハン ?
        CC >
      へ△ノ
        く
198どうだろう?:02/11/28 10:06
>>194,195
ワラタ
じーさん、ばーさんって俺らよりは確実に修羅場を経験してるはずだから
(実戦も経験してる人多数だし)
もしゾンビ出て来ても戦いそうなんだよね。

PIP様
楽しみに待ってます。
始めはゾンビに襲われた
逃げ込んだ先では飢えた男共に襲われた
男共から逃れた山の中では野犬の集団に襲われた
そして祐美子は自らゾンビとなって襲う側へまわることを決心した
保守
201PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/01 00:53
すいません、忙しくてちょいと進んでいません。
(現在忙しすぎて14にいます。ってこのネタ分かる人いないだろうなー)
明日から休みなのでその間にまとめて出すつもりです。

洗濯物や仕事はためてはいけませんね。
ちりも積もれば山になりますし、山が積もればもうお終い。
202あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/12/01 13:23
保守age
保守ピタル
204PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/03 01:25
「まず初めに言っておく。銃は万能じゃない。だから過度に頼るな。銃は最後の手段と考えろ。銃の扱いを覚えたからといって、逃げればすむのに戦うことを選ぶのは本末転倒だ」

 事務室から用意したテーブルに並んで座り、尚也は基礎的なレクチャーを開始する。
「しかし一度使うと決めたら、迷うことなく確実に撃て。躊躇するな。迷ったら自分が死ぬことになる。障害になるもの、その全てを考えるな。ただ目的のために――」
 尚也は軽く言葉を切ると、日向の瞳を見つめた。その穏やかな眼光に、日向は息を呑む。
「――殺せ」
 尚也の言葉には何の気負いも無い。
「それができなければ、銃を扱おうとしないことだ。料理をせずに包丁を持っていても無駄だ。道具は使うためにある。そして銃は殺すため、ただそのために存在する道具だ」
 言葉を切り、傍らに置いたケースをテーブルの上へと置く。
「どうする。嫌なら別にいい。使わないですめば、それに越したことは無い。俺が教えられるのは護身ではなく殺人のための使い方だけだ。それに、無理に教えても上達はしない」

 銃器や格闘などの軍事訓練はそのほとんどが反復練習となる。興奮状態で脳がパニックを起こしても行動が行なえるように、習慣となるまで同じ動作を繰り返すのだ。
 そうなると重要なのは、意欲をいかに保つかだ。特に日向のように個々で訓練を行なう場合、集団訓練のように同一体験をするものが周囲にいないために、意欲が低下しやすい。
 注意力が低下した状態で銃器を取り扱えば、何が起きるかは分かりきっている。

「人を撃つ覚悟はできています。あの時、引き金を引いたときから。だから撃てます」
 日向のはっきりとした返事に尚也は頷き、ケースを開ける。
――まだ、殺すとは言えないか。いや、だからこそ助けた意味がある、か。
 
「訓練はこの銃で行なう。GLOCK26。護身用だから、それほど反動はきつくない。まずは各部の名称から説明していこう。この握りの部分はグリップ。握り方は後で教える――」
205PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/03 01:34
す、すいませんだ。お代官様。
今年は脳みそが不足な上に、働き手が「盗る猫」なんてものにハマッテしまって
年貢はこれしか納められネエだ。

だども、明日には必ず、きっと必ず納めるで、どうか容赦してくだせえ。


本当のこと言うとね、外伝書いてたの。
尚也が一人でいるときに、補給のお礼に少年達を37564する話。
ちょっとR15というか、Xレイテッドな感じなんで書いては直して、直しては書いての繰り返し。
いわゆる時間の浪費だね。


……ST-2000ピストルマンの資料が集まらない。
まあわからないとこはぼかして書くから良いか。
206:02/12/03 09:57
PIP様
いやぁ、ほんと頭がさがります。
無理せずほどほどにがんばってください。
おもしろいです。
本当に寂れているなぁ
PIP様。のんびりと楽しんで書いてください。
209PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/04 00:42
一応日付上では明日の罠。
でもホントは一時間前ぐらいまでにあげたかった。
では外伝のホンのさわりです。
制限かからないように3つで行きます。


 暦の上では秋になっていたが、太陽は衰えることなくうだるような暑さが続いていた。
 寂れた街道沿い。目立つ建物といえば小さなガソリンスタンドがあるだけだ。
 ガソリンスタンドに客は無く、大小二人の老人がテーブルを挟んで将棋に励んでいる。
 テーブルの上には汗をかいたグラスと数本の串焼きも置かれている。
 足が不自由なのか、小柄の老人は杖を傍らにおいている。のどかな夏の午後だった。
「武ちゃん、そいつはマッタ」
「弘ちゃんまたかい。毎度毎度待ってらん無いよ。こちら老い先短いんだからさ」
「老い先短いって、武ちゃん俺より三日早く生まれただけだろう」
「んだからさ。俺のほうが弘ちゃんより三日先にお迎えがくんだよ」
「何馬鹿なこと言ってんだい。そんなこと言ってるとオキヌちゃんが呼びに来るよ」
「あーそりゃねえよ。あいつぁ、本当に方向音痴でな。極楽から来るにも迷うだろうさ」
 いつもと変わらぬ会話。その平穏を平淡な声が破った。
「すまないが、ガソリンを分けてもらえないか」
 その声に、二人はゆっくりと道のほうを眺めやる。
 全身黒尽くめで荷物を背負った青年がそこに立っていた。眼鏡が陽光を反射して時折光る。しっかりとしたブーツ。腰にはショットガンとおぼしき銃を下げている。
 武ちゃんと呼ばれた老人が、テーブルの下の棚に自然に手を置きながら聞き返す。
「ガソリンかね。欲しければそいつを使えばいいだろうに」
 老人は青年の腰に下がった銃を見つめながら言う。
 その視線を受け、青年は腰の銃をはずし、ゆっくりとコンクリートの床に置く。
「そんなつもりは無い。交換できるものといえば食料と薬、後は弾薬ぐらいだがどうだろうか。ガソリンを分けてもらえれば、車に積んであるものでも支払えるのだが」
210PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/04 00:43
「なあ武ちゃん。分けてやっても良いんじゃないか」
「そうだな。なあ若いの。そんな暑いとこにいないでこっちの日陰で休め。その間に詰めといてやらあ」
 老人は威勢良く言い、立ち上がって店の奥に入っていく。
 青年は銃の筒先を持って拾うと、日陰に入り、また床に銃を置いた。
「なあ兄さん。別に良いよ、持ってても。どうせいつお迎えが来るか分からん爺いだ」
 弘ちゃんと呼ばれた老人が、自分のグラスに水をついで青年に渡した。
  
「しかしまあ、この炎天下に良くそんな格好で歩けたもんだ」
 青年に再度水をついでやりながら、呆れたように言う。
 それもそうだろう。青年はかなり大きなバックパックを背負っている。それで黒ずくめで炎天下の中を歩いたのだ。感心する前に呆れるだろう。
「いったい何キロぐらいあるんだいそいつは」
「20キロほどだと思う」
 青年の返事に老人を天を仰ぐ。
「そんだけ担いでこの暑さの中歩いて来たのかい。たいしたもんだ」
「いや、昨日までは昼を避けて夜の間だけ歩いていた。途中の市街地で感染者の不意打ちを避けたかったから、今日は昼歩いてきた」
「昨日までって、あんた車はどこにあるんだい?」
「隣の町の山道でガス欠になった。距離はおそらく100キロほどだと思う」
211PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/04 00:50
「ひゃ、100キロ!何でまたそんな山道でガス欠なんかになったのかね」
「……」
「弘ちゃん、ほら一昨日の娘っ子。あの娘達がいってた人じゃないかね。山道で親切な人が助けてくれたって言ってたろう」
 店の中にも会話が届いていたのだろう、容器を持ってきた老人が言う。
「ああ、じゃあんたが尚也って人かい。そういや全身真っ黒の眼鏡で、娘っ子みたいな顔してるって言ってたなぁ。いやーあんたが助けた娘さん達、本当に感謝してたよ」
「別に助けたわけじゃない。交代で見張ったほうが安全だからだ」
 尚也は平淡な口調で返すが、老人二人は顔に笑みを浮かべている。
「照れんでもいい。おっと、あんたの名前を知っておいてこっちのほうが黙ったまんまじゃいかんな。わしがここのオーナーの坂本武。んでこっちのちんまいのが鈴木弘明じゃ」
「誰がちんまいのがだ。そっちが無駄に背がでかいだけじゃろうて。しかし感心したぞ。自分の分まで水や食料を分けてやって指一本触れんかったそうじゃな」
「おまけにガソリンを分けて、自分は徒歩でここまで歩くとは。よし、わしが車を出す。あんたの車のとこまで送ってやろう。と、その前に休むとええ。疲れてるじゃろう」
 尚也としても申し出を断る理由は無かった。

ここまでがさわりです。
>206>208さん、お気遣いありがとうございます。
でも本来怠け者なので、そういわれるとますます遅くなってしまうという罠。
>207さん、ではいまこそあなたが新作をあげて盛り上げましょう!!
そうすれば新作読めて私もうれしい、スレも盛り上がってあなたもうれしい。
さらに!刺激を受けてROMってるほかの作者様も新たな新作を。
これぞ三方一両得。

話は変わりますが、こんなシチュにしてーと言うリクあったらどうぞ。
今回の話も>>198さんの書き込みにアイデアを受けたものですし。
保守の代わりに雑談があったほうがいろいろネタが浮かびやすいんですよね、私の場合。
んでは。
続きはうまくいけば今日の夜に上げられるかな?
久しぶりに来て見たらずいぶん作家さんが入れ替わったみたいだね。
でも書きたい人が書き込む限り、このスレはなくならないね。
それと、漏れみたいなROMが保守し続ける限り。
みんながんがってね。
213PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/04 17:45
鯖の移転がありましたね。
マターリ続けていきましょう。
面白い作品も気の利いたレスもつけれないが、
それでも保守位は出来るので保守。
ところで、ココはsage進行?
>PIP ◆dve/1Ebaqsさん
外伝も(・∀・)イイ!!
でも、尚也ってなんかすげーイイ香具師w

車で送ってくジイさんの展開がおもろそうなヨカーン。
では、期待して待つてます。
とりあえず、維持保守

下手すると、データ落ちしかねないな。このスレは。
217PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/07 23:56
お待たせいたしました。
番外編の続き、おそらく3ついきます。

なかなか話が進みませんが、そこのところはご容赦を。
2181/3PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/07 23:57
 仮眠の途中で聞きつける、かすかな異音。
 それが聞き覚えのない靴音だと判断する前に、瞳は開き右腕は銃を抜き放っている。
 今まで閉ざされていた黒瞳にはすでに鋭い光が宿っていた。
 視線の先には、まだ状況の掴めていないであろう女性が立っている。
 Tシャツ一枚で下はホットパンツにサンダルと軽装だ。手には日傘を掲げていて武装はしていないようだ。
 年は尚也と同じかやや上ぐらいだろう。髪をアップでまとめていて活動的だ。
「あれ?お客さんですか。あの、お祖父ちゃんはどこでしょうか」
 コルトパイソンを向けられているのに、女性の声は間延びして穏やかなものだった。
「ここのGSのオーナーなら店の裏にいると思う。親戚だったらすまないことをした」
 老人の足音が近づくのを聞き、銃口を下ろしながら尚也は謝る。
「まあ、こんなご時世じゃ、どっちが悪いとも言えんなあ。葉月も気をつけんといかんぞ。もしこの人が強盗だったら今頃どうなってるか分からん。おや、今日は歩きか」
 店の裏手から出てきた武老人が、女性をたしなめた。
「こんにちは、お祖父ちゃん。途中まで原付に乗ってたんだけどガソリンが切れちゃったみたい。日傘を用意しててよかったわ」
 GSの屋根が創る影の下で、葉月は日傘を回しながらおどける。Tシャツが汗で透けて下着の線が出ているのも気にしていない。
「こんにちは、強盗じゃない方。お祖父ちゃんのお茶のみ友達にしてはお若いですね」
 葉月は尚也のそばに来ると、軽く覗き込みながら微笑む。あまりに無防備な様子に、老人がため息をついた。
「俺は単なる客だ。ガソリンの代価を払ったらすぐ消える」
 尚也は葉月と瞳を合わせずに呟く。
「お客さん?車もバイクも見当たりませんけど。あ、あなたもうっかりガソリン切らして歩いてきたんですね。だめですよ、万が一に備えて日傘ぐらい持ってないと」
 尚也と老人はそろってため息をつく。それを葉月はくすくす笑いながら人事のように見ていた。
2192/3PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/07 23:57
 尚也は自分のおかれている状況が理解できなかった。今まで自分を見失ったことなど数えるほどしかない。常に冷静に状況を分析し、最良の方法を模索してきた。
 眠っていても物音が立てばすぐに飛び起きるし、安全を幾重にも確かめた場所以外では気を抜いたことが無い。それが当たり前になっていたはずだった。
 だが、今、自分の身に何が起きているのかまったく掴めなかった。
 頭が重く、全身を悪寒が襲っている。指先まで隙間無く鉛を詰められたかのようだ。絶え間ない脱力感と、極度の疲労。手を持ち上げるだけの力も無い。
 ベッドのようなところに寝かされて、体には柔らかい布がかけられているのは分かった。
 どうやら防弾着は脱がされていて、全身を覆うのはかけられた布だけらしい。
 体を動かそうにも、あまりの疲れに屈しそうになる。
 すさまじいまでの精神力を振り絞り、瞳を開ける。
 見覚えの無い天井。
 顔を横にすると、革張りのソファーとそこに座っている女性が眼に入る。
――誰だ?見た覚えがある。そうだ、確か葉月と呼ばれていた女だ。
 そこまで意識した瞬間に、尚也はあることに気がついて心臓を凍らせた。
 見知らぬ人間の前で意識を失っていた!
 もし相手に悪意があれば、濡れた布で顔を覆うだけで自分は死んでいる。
 慄然とする尚也に、起きた事に気づいた葉月が声をかける。
「尚也さん、気分はどうです。どこか痛いところはありますか」
 まるで熱を出した子供にでも話しかけるように、葉月は容態をうかがう。
「……ここはどこだ?いったい何が起きたんだ」
 かすれた細い声が喉から滑り落ちる。尚也は左手を上げて額に張り付いた髪をかきあげようとしたが、腕を持ち上げてるだけが精一杯だった。
2203/3PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/07 23:58
 葉月は尚也の手をそっと握ると毛布の中に戻し、尚也の代わりに額にかかった髪をかきあげて汗をふき取る。
「憶えていないみたいですね。尚也さんは車を取りに行ったところで倒れたんですよ」
 車。
 そうだ。確か弘明老人に留守を任せて、GSのオーナーとその孫と一緒に、自分の車を止めたところまで向かって行った。車は隣町の山道に入ってすぐにところに隠しておいた。
 太陽の日差しを浴びているというのに、妙に寒気がしていた。
 車に給油している時点で、ずいぶんと酷い顔色をしていたのだろう。葉月に言われて、道端で休むことにした。道端に座ると寒気は徐々に収まったが逆に酷く眠くなった。
 その後、葉月が近くの川にハンカチを濡らしに行ったところまでは思い出せる。
「ハンカチを濡らしに行ったあの後、俺は倒れたのか?」
「いえ。記憶がはっきりしていないのね。川でゾンビたちに襲われた私を助けてくれたのは尚也さんなんですよ。私が悲鳴を上げたあと、すごい速さで駆けつけてくれて」
「悪いが憶えていない。そのあたりから意識がはっきりしていなかったみたいだ。すまない。流れ弾に当たらなかったのは運が良いとしか言えない」
 尚也は目を伏せて、自己嫌悪に陥る。暴発させなかったのは単に運の問題に過ぎない。
「そんなこと気にしなくて良いのに。第一、尚也さん銃なんか使いませんでしたよ」
「冗談だろ。あの時持っていたのは、銃の他はナイフが何本かだけだ。まさかそれで複数のゾンビと渡り合うはずが無い。そうだとしたら俺も無事ではすまない」
 言い終えてから、尚也は表情を無くす。
 もし、本当にナイフで感染者と戦闘したというのなら。しかも複数の相手と。
 考えられる結果は一つしかない。
 感染。死亡後、発症。いや、現状の体力の衰えを考えるとこのまま発病する確率もある。
「葉月さん。すまないがいくつか頼みたいことがある」
「なんですか。喉が渇きましたか」
「上着のポケットに入っている注射器と試験管を持ってきて欲しい。一緒に銃も頼む」
2213/3PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/08 00:09
以上でございます。
とかく尻切れトンボではありますが、別に次回への期待を高めようとしたわけではなく
純粋にネタと時間が無くなった結果です。

>>214さん。
保守ありがとうございます。
過去にあらされた経験があるので、広告を避ける意味でもsage進行で良いと思います。

>>215さん。
尚也はいい香具師というよりは、それぞれの責任はそれぞれが負うという考えを持っていて
その結果「こいつはこんな目に合うような理由はない」と思ったら助けているだけでつ。
判断基準が個人の価値観なので、そこのところは危ういかな。

>>216さん。
新鯖に移った時にいくつかスレが立ちましたから、前よりdat落ちの可能性は上がりましたね。
hobby鯖の圧縮はスレ数512以上になったときでいいのでしょうかね?
500超えるまでは特に保守は無くてもいいかもしれませんね。
もっとも何も書き込みが無いととても寂しい雰囲気で、廃れていってしまう罠。

ではこんなところで。
pipさん乙。
直也の行く末はどうなるのか、楽しみにしてます。
ところで、天然系の女性がタイプ?
.
224PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/09 20:33
>>222さん。
純天然限定ではなくて、「手のひらで転がしてくれる」様な相手がタイプです。
天然で「あらあら」とか言われて包み込まれるようなものも(・∀・)イイ!!
計算しつくしていて「クスッ、子供みたいね」ってあしらわれるのも(・∀・)イイ!!
ま、一緒にいてのんびりマターリできるのが一番ですね。

さて番外編の続き二つほど行きます。
2251/3PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/09 20:35
 乾いた風が室内を巡り、茹だるような熱気を払う。
 壁のカレンダーや周囲に置かれているものから、おそらく武老人のガソリンスタンドの一室かと思われた。
 壁の時計は午後一時過ぎを指しているが、それが正しい時刻なのか判断もできない。
 狂った体内時計がかろうじて、日没までの時間を指し示す。 

「やー、起きたか。いきなりぶっ倒れるから心配したぞい。ほれ、これじゃろ」
 武老人は長身をかがめながら扉をくぐり、ベッドの向かいのソファーに腰をかけると試験管と注射器を差し出した。
「薬かね、こいつは。持病があるならもっと早く言っておかんと。いつでも手当てが間に合うとは限らんぞ」
 尚也は何気ない振りをして注射器を受け取り、未開封なことを確かめてから左腕に突き刺す。震える腕で採血しているというのに痛みをほとんど感じない。
――感覚の鈍化。発病前の症状のひとつと一致するな。
 小さな筒の中を赤い液体が満ちていく。それを見つめる尚也の眼差しは酷く乾いていた。

 心配そうに見つめる老人に血液を試験管の中に注入するように頼み、尚也は全身の力を抜く。これでできることはした。あとは結果次第だった。
「これは薬じゃなかったのかね。一体何を調べとるんじゃ。できれば教えてくれないかね」
 試験管を見つめる尚也に、老人はためらいがちに訊ねる。
「俺はゾンビの体液に触れた可能性がある。もしこの試験で陽性が出たら、また一人ゾンビが増えることになる。その前に頭を吹き飛ばしておかないといけない」
 何気なく帰ってきた内容に、老人は思わず腰を浮かせる。
「だから銃を持ってくるように頼んだのか!馬鹿もん!命を粗末にするものじゃない!!」
 怒気に顔を朱に染め、激しく吼える。その声の大きさに、葉月が室内に飛び込んできた。
「ただ他人を襲い、その血肉を糧とする。何も作り出すことなく捕食を繰り返すのは生きているとは言わない。それは人の生き方じゃない。第一、俺は殺されるつもりは無い」
「人に殺されるのは嫌でも、自分で死ぬのはかまわんとでも言うつもりか。そんなもん誇りでもなんでもない。ただ生きることから逃げ出してるだけじゃ」
2261/3PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/09 20:36
「尚也さん。死ぬってどういうことですか。恩を返す前にそんなことさせません」
 状況を察した葉月も説得に加わる。乾かしておいた尚也の服を握る手にも力がこもる。
 まるでそうすることで、死に向かう尚也を繋ぎ止めようとでもしているかのようだった。


 暑い。
 まるで砂漠にでも置き去りにされたかのように、全身が熱を持っている。
 尚也はあまりの暑さに目を覚ました。
 全身を覆っていたけだるさは、ずいぶんと引いている。
 眠りに着く前に比べると日差しは和らいでいる。ただ、カーテンを閉めているのに室内は明るい。そのせいで今が朝か、日暮れ前なのか判別が付かない。
 壁の時計を見ると、三時を回ったところだ。
――あれから二時間ほどか。ずいぶんと体が楽になってる。軽い脱水だったようだな。
 耳に届く他人の呼吸音。向かいのソファーでは葉月が寝息を立てていた。
 
 結局、検査の結果は陰性だった。
 老人は安堵して部屋を出て行ったが、葉月は「体が動かないのに」と言って、尚也の反対を無視して全身の汗を拭き、おまけに下着から服まで着せた。
 尚也が軽く死を口にしたために、銃やナイフは服からはずされ手元に戻っていない。葉月がそばについているのも、看病というよりは看視のためだろう。
 尚也は、熱帯夜の中でも平然と眠っている葉月に少し感心する。
 規則正しく上下する胸、白い肌。首筋に光るのは汗だろうか。
 我知らず見入っていることに気づき、尚也は視線を逸らした。
 体温がさらに上がり、体が疼く。
 体中の汗を拭かれ服を着せられたときに感じた、葉月の手の感触がよみがえる。
 暑い。暑い。暑い。
 暑くておかしくなりそうだ。
――このままだとおかしくなる。体の熱を思いっきり吐き出したい。
 ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ――
 呼吸が荒くなっている。
 一息ごとに、体内の熱が上がっていくようだ。
――乾く。いや、違う。
 全身を覆う熱に耐えられなくなった尚也は、ベッドを下りると体の求めるまま行動することにした。
227PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/09 20:39
1/3って(・ω・ )モニュ??
突っ込まれる前にセルフで優しく突っ込んでおきます。

これでこの番外編の中盤は終わりです。
後4つか5つぐらいで終盤を終わらせて、本編に戻る予定です。

そういやですね。
他の方に比べて私だけ分が長いんですよね。
一行何文字ぐらいが読みやすいのでしょうか?

もし希望があった教えてください。

では。
>>227
乙カレです。
自分的には今のままでも平気です。
と言っても、そんな自分の愛読書は司馬遼太郎なので
あまりにアテにはなりませんが(w

あと、現在のこのスレの位置が非常に(・∀・)イイ!! 感じです(w
229山好き@hzj77lx:02/12/09 23:26
PIP ◆dve/1Ebaqs様 乙彼様です。

PIP様のお話は読んでいて、面白いし早く続きギボーンと思います。

>>228
>あと、現在のこのスレの位置が非常に(・∀・)イイ!! 感じです(w
いいんですが、探した時にもう落ちたかと思いましたよ。
こんな下で生存しているスレも無いでしょうね。

長期出張の間にお話は作ったものの、会社にMO忘れた。激しく欝
明日会社に行ったら、また長期出張の予感。結局投稿できなさそう。

では、PIP様続きを期待しております。
230あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/12/10 17:24
>228
残念だったね
あげとくよ
231PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/10 22:41
 星と月のきれいな夜だった。
 わずかばかり満月には満たない月だったが、地上を照らす光は十分だった。
 あまりに豊富な月光に、道に出るまで今が深夜だとは思えなかったぐらいだ。
 照明の絶えた店内もまるで昼と変わらずに見え、そのおかげで物音ひとつ立てずに外に出ることができた。
 時計は正しかったようだ。
 午前三時過ぎ。丑三つ時をやや過ぎた時間。
 コンクリートから道端に出て、全身に月の冷たい光を浴びると、我慢の限界に達しそうだった熱気がすこしづつ消えていくかのように感じる。
 優しい。
 尚也は蒼天から地上を覆う光をそう感じた。
 太陽を憎む者はいても、月光を愛さない者はいない。そんな言葉を思い出した。
 尚吹き抜ける風を全身に浴び、かすかに目を細める。
 月明かりの下、尚也は重い足をひきづりながらある場所を目指して歩き始めた。

 先ほどまで全身を覆っていた熱と、泥のようにわだかまった疲労が抜けていく。
 その感触に、尚也は思わず悦楽の吐息を漏らした。
 周囲を覆うのは鬱蒼とした樹木の他は、虫の音色と風に触れた枝葉の作り出す囁きのみ。
 ガソリンスタンドに程近い小さな社の中で、尚也は直に地面に横たわり涼をとっていた。
 あれほど強かった疼きもかなり治まっている。
 冷えた大地の与えてくれる癒しに、道具があれば埋まりたいぐらいだった。

 どれほどの時間がたったのか、尚也は何かしなやかなものが近づく音で目を覚ます。
 かすかに空が白くなっているところから、二時間ほど眠っていたのが分かった。
 足音の主は、この社を縄張りにしているのであろう大型の野犬だった。
 現在、多くの動物が人を恐れなくなっている。
 原因はゾンビの増加だ。人の形をしていながら道具も知恵も使えない存在の増加は、多くの動物達に餌を供給すると共に、人に対する恐怖の減少に繋がった。
 特に大型の狩猟犬から見れば、人など脆弱な獲物に他ならない。
 まして満足に体を動かせない尚也は、これ以上はない獲物だった。
232PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/10 22:46
ども、みなさん。
PIP@詩的魔人と会談中です。
最近の流行に乗って、風邪をひいてみました。

どうやら熱があるみたいです。
36℃ばかり。
ちなみに計測誤差は10%ぐらいにしておいてくだたい。

頭が痛くて我慢できないので、水垢離でもして神様に風邪を治してくださいとか頼みそうです。
ついでに宝くじが当たるようにと祈っておきます。
世界平和あたりを祈るのは他の人に任せマツ。

んだば。
>>232
とにかく医者行け!医者へ!
234あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/12/12 01:52
保守age
PIP氏の快復とこのスレの回復を祈りつつ保守。
236PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/14 02:24
風邪がなかなか回復しませぬ。
おかしいですね。
汗をかくのがいいと聞くので、会社で一生懸命冷や汗かいてるのに。

後、万が一のときに備えて治療費を稼ぐために今日も残業シマスタ。
明日もいっぱい働きます。早朝7:00〜23:00まで仕事です。
ただ不思議なことに給料明細の労働時間の欄に残業時間が記入されてません。
ちゃんとサービス「残業」してるのに。
おかしいですね。

さてもう寝ます。
明後日には多分続きがあげられると思います。
熱が上がらなければ。
では。
>>236
いや、もう本当医者行けって…
来週は有馬記念
240●PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/16 15:56
何とか快復シマスタ。
これもひとえに会社の上司のおかげです。
「こいつより先に死んだたまるか」
そう思ったら気合と根性炸裂して乗り切れました。
というわけで短めなところをひとついきます。
241●PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/16 16:00
 ブラインドを通して差し込む朝日のまぶしさに、老人は目を覚ました。
 額の汗をぬぐうと、枕もとの水差しから直接水を呷る。寝起きの喉には生ぬるいぐらいのほうが刺激がなくてよかった。
 窓ガラスに近寄り、まずブラインドの隙間から外をうかがう。今日も剣呑な来訪者はいない。ゾンビもこう暑くては外出する気にはならんのだろうか、ふとそんなことを思った。
 顔を洗おうと洗面所に向かおうとして、カウンターに置かれたメモに気づく。
「近くの神社に涼みに行く  尚也」
 老人はメモを読むと、少し考えたあとで奥の仮眠室を開けて中の様子をうかがった。
 中にはまだ眠りについている孫娘の他には誰もいない。
「おい、葉月起きんか。朝だぞ」
 老人の声に、葉月は目を開いてあくびをひとつしてから伸びをする。
「ん、うーん。おはよう、お祖父ちゃん。あれ、尚也さんももう起きてるの」
 目をこすり軽くあくびをしてから隣に置いたベッドが空なのを見て、質問する。
「わしが起きたときにはもう居らんかった。ほれ、神社に出かけとるらしいが、その分だといつ出て行ったか分からんか」
 渡されたメモを見て葉月は記憶をたどったが、物音がしたような覚えは無かった。
「涼みに出たのなら、もう帰ってきてもおかしくないよね」
 額に浮かぶ汗の玉を拭いながら、時計を見る。
 日が昇ってから二時間といったところで、朝の爽やかさも終わりつつある。
「あの神社のあたりには野犬が多い。少し様子を見てくるから飯の用意をしておいてくれ」
「分かった。ご飯は三人分でいいよね」
「ああ、消化のいいもので頼む。まだ病み上がりだからな」
 老人は旧式の拳銃一式をそろえると、麦藁帽子をかぶり強くなりつつある日差しの下へと歩いていった。

本当は神社のシーンで迎えに来た老人との会話から始めるつもりだったんですが、
冗長になるとは思いながらもあげてミマスタ。

体調を気遣ってくださった皆さんのご期待にこたえるためにも、先をなるべく早く書いていきたいと思います。

……まあ、吉里/kagの使い方を習得しようとしてるから次までは少し間が空くかもしれませんが。
では。
>>240
実は既にゾンビ化していたりして…(w
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルガツガツムシャムシャ
   ↓
( ;   ゚Д゚ )フトマシクウマー
保守ピタル
245PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/21 23:48
 古木に囲まれた神社は早朝の清涼な雰囲気をいまだにとどめていた。
 武老人は涼やかな風に一息つくと、境内を見渡して尚也を見つけようとした。
 狭い敷地なので、軽く首をめぐらすだけで敷地は見渡せる。
 だというのに、どこにも青年の姿は無かった。

 裏手かと思い敷地に足を踏み入れた瞬間、獣の低いうなり声が発せられる。
 あわてて声のほうを見ると、注連縄の巻かれた御神木の根元に野犬が見えた。
 かなり大きい。
 四肢に力をみなぎらせ、老人を見据える眼には強い光がある。
 武老人は右手をゆっくり銃へと動かそうとしたが、かすかに動かした瞬間、獣が身を軽く沈めたのを見て思いとどまった。
――厄介じゃな。銃が何なのかを知っておる。相手にするには危険極まりないて。
 老人は緊張に汗をにじませながら、獣の様子を観察する。
 普段なら相手にする必要も無かったが、尚也がここにいるとメモを残しているからには退くわけにはいかなかった。少なくともここにいないことを確かめなければ帰れない。

――どうした?いきなり伏せおった。
 先ほどまで互いに睨み合っていたのに、獣はいきなり伏せて敵対の意思を消す。
 不思議に思い様子をうかがう老人に、獣から聞き覚えのある声がかけられた。
「すまない。心配をかけるつもりは無かった」
 見ると野犬のそばに目的の青年が寝そべり、軽く手を上げて挨拶をしている。
――馬鹿な。先ほどまでは見えんかった。犬に気を取られ過ぎていたということか。
 尚也は立ち上がり、老人へと歩み寄る。野犬もおとなしく追従している。
「もう少し早く帰るつもりだったが、寝過ごしてしまったようだ」
 青年からは昨夜までの憔悴が嘘のように失せ、しっかりと回復しているように見えた。
「体の調子はよくなったようじゃな。ずいぶんと心配したぞ。――ところでこの犬はどうしたんじゃ。ずいぶんとなつかれておるが」
 もっともな問いに、尚也は軽く眉をひそめて答えた。
「俺にもわからない。ただ、何となくだがこいつの考えていることが分かるような気がする。多分、こいつもそうなんだろう」
246PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/22 23:35
人がいなくなっちゃいましたね。
今年は後一回書いて終わりだと思います。

暮れとお正月の三が日はネットにつなぐことすらできないので、
その間の保守は他の方におながいします。

年末年始は勢いだけの駄スレが立ちやすいのでよろしくお頼み申し上げます。
247 :02/12/23 09:47
>>246
毎日チェックしてますよー。
保守はお任せください( ´∀`)
249あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/12/23 20:41
オマイラ、ゾンビ手帖・完全版は買いますか?
>249
それなぁに?
>249
ホ、ホスィ… (;´Д`)ハァハァ

>250
こんなのらすぃ
ttp://www.rr.iij4u.or.jp/~django/MAIN-L.html
保守ピタル
253あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/12/25 22:15
>>249
ほしいかも〜。
254PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/25 23:41
ゾンビ手帳( ゚д゚)ホスィ…
後金曜ロードショーの日本語吹き替え版のバタリアンも( ゚д゚)ホスィ…
誰かダビングかPCに取り込んでくれないかなー。

テレビ局に電話したらダビングさせてくれるかなー。

あ、明日には番外編の最後まであげるつもりです。
もっと早く書くつもりだったのに、ゾンビものでサウンドノベル作るのにはまってるせいでなかなか進まんです。

設定と基本の流れはできたので後はシナリオを書いてます。
シナリオが終わったらkagのタグ憶えなきゃ。
255 :02/12/26 10:23
ゾンビ手帖持ってるけど、マジ良いよあれは。
ゾンビがらみの本としては、死霊たちの宴も最高。
256あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/12/27 22:33
一旦age
257グランドクロス ◆XXXAXAQILI :02/12/27 22:43
このスレの趣旨を教えてくれ。
258PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/28 00:26
グランドクロス ◆XXXAXAQILIさん、お初です。
スレの趣旨は>>1のとおり、ゾンビ好きが高じてゾンビを題材にした話を書いていくというものです。

ちなみに慢性的な作品不足が最近は続いています。
よろしければ感想など書いていただけるとありがたく存じます。




あれ、おかしいな。
いつの間にか28日になってる。
おかしいなぁ、一日って96時間無かったかな?
259グランドクロス ◆XXXAXAQILI :02/12/28 15:58
>>258
72時間ですよ
260PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/28 18:24
では今から5つ(6つになるかも)連続で張っていきます。
途中で止まった場合は連続規制かPIPがいきなり足を吊ったかです。
2611/5PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/28 18:25
「旅に出て、色々なものを見てきた。どこに行っても、怖いと思ったことはなかった。何を見ても、恐ろしくなかった。要らないものばかりで、欲しいものは見つからなかった」
 尚也は淡々と語り続ける。
「久しぶりに帰ってきたら、君は病に臥せっていた。こうしている今も、君の体は少しずつ冷えていく。怖い。震えが止まらない。お願いだ、目を開けてくれ。もう馬鹿なことは言わない」
 周囲に座した人影は、言葉もなく聞き入っている。
「若者が祈り続けると、恋人の体は少しずつ温かくなり、ついにその目を開きました。こうして恐れを知らなかった若者は怖いと思うことを知り、恋人と幸せに暮らしました」
 最後の一文を読み終えると、尚也は手元の本を閉じた。それと同時に、周囲に座っていた子供たちが次々に言葉を発し始める。
「ねえ、お兄ちゃんは何が怖い?」
 かしましい声を要約するとそうなった。
「怖いものか。そうだな……今は特にない」
 その言葉に、子供たちは順々に質問を浴びせてくる。
「本当?ねえ、ゾンビは怖くないの?」
「銃がある。それに相手にしないのが一番だ」
「じゃあ、怪我とか病気は」
「なってから心配しても仕方がない。なる前から怖がるのも無駄だ」
 途切れることなく続く質問に、尚也はよどみなく答え続ける。だが、少女の何気ない質問に、初めて言葉が途切れた。
「じゃあね、お話の若者みたいに、好きな人が病気になっちゃったら?」
 初めて口ごもる尚也に、子供だけでなく葉月の視線までが集中する。
「……怖かった。でも、それより何も気づかなかった自分に腹が立った。さあお話はここまでだ。昼寝の時間だ。寝なさい、大きくなるには夢が必要だ」
2622/5PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/28 18:26
「あんなに素直に寝付いたのは久しぶりです。尚也さん保父の素質がありますよ」
 縁側に座り、銃の手入れをする尚也にお茶を入れながら、葉月は感心したように言った。
 朝食のあと、葉月に仕事を手伝うように頼まれて同行した尚也だったが、行き先が保育施設と分かるとかなり渋った。
 子供を怖がらせるだけだという尚也を葉月は「大丈夫です」と押し切り、犬がいっしょだとまずいだろうとなおも抵抗すると「別に噛む訳じゃないし、イヌのほうがしつけができてるぐらいです」と取り合わなかった。
 結局、昨晩放置した原付に給油して走り出した葉月を追うことになった尚也だった。
「それに来るまではあれだけ反対していたのに、バリケードや壊れていた戸も直してくれたし、菜園の手入れもしてくれたじゃないですか。何のかの言って子供好きと見ました」
 可笑しそうに笑う葉月の足元では、巨躯の大型犬が寝そべっている。
「食事を出すなら、ここの番をしても良いそうだ」との尚也の言で、彼はここの番犬に就職が決まっている。すでに尚也は簡単な命令を決めて、葉月たちに教えていた。
 命令はいつも同じ言葉でしないと混乱するからだと尚也が言ったが、葉月たちから見れば尚也と獣の間には意思のやり取りがあるようにしか見えなかった。
 ちなみに犬は園児から「ロボ」との名前をつけられ、壁に名札もかけられている。
 ふとロボは立ち上がると、尚也の方へと視線を向けた。
 尚也も手入れの終わった銃を腰の後ろのホルスターに入れ、ライフルを持つと立ち上がった。一人と一匹の視線は庭の先、保育施設の入り口の柵へと向けられている。
「おや、尚也さん。暑い中どうしたね」
 やってきたのは小柄な老人、鈴木弘明だった。
 尚也とロボは再度視線を交わすと、元の姿勢に戻る。
「手伝ってもらってるんです。弘お爺さんの仕事もすませて貰っちゃいました」
2633/5PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/28 18:27
「そりゃ、申し訳ない。しかし良いのかね、旅の途中じゃなかったのかね」
 縁側に並んで腰をかけながら、弘明老人は訊ねる。尚也たちの様子から危険はないと判断したのか、足元の獣を警戒する様子はない。
「ガソリン代だ。別にただ働きじゃない。ほかに手伝っている人間は何人いる?」
 話題を変えるために、話を振る。
「儂の他にはあと四人おる。どっちも農家の年寄り夫婦じゃ。米と野菜に卵は何とかなるといったとこじゃな。たまに武ちゃんが魚を釣ってくるから食うもんはなんとかなっとる」
「街には人と物資は残っていないのか」
 尚也は保育所の備蓄を思い浮かべながら聞いた。塩や砂糖といった調味料の類に余裕がないのはともかく、長期的に持つ食料は全くといって良いほど無かった。
「人も物もあるが、どうにもこうにもな。人がいない方が何ぼかましと言ったとこかのう」
「暴徒か」
「まあ愚連隊と言った方が正しい。ああ葉月ちゃん、子供たちと昼寝しときなさい。体力が持たんぞ」
 老人の言葉に、葉月は素直に席を離れる。
「何かあったのか」
 尚也は老人と葉月の様子から見当をつける。
 老人はため息をつき、こぶしを握る。微かに震える手が、内心の激情を物語る。
「さらわれたんじゃよ。ここにはもう二人若い保母がおった。街に食料を取りに行ったきり帰ってきておらん。武ちゃんと儂が取り戻しに行ったときはもう手遅れじゃった」
 老人の目から零れ落ちるものがあった。
「不甲斐無い。若いもんが死んで、年寄りが無駄に生きてしまっとる。せめてここの子供たちだけはあんな目にはあわせちゃいかん。そう思って生き恥を晒す事にしとる」
 情けない、そう老人は繰り返す。尚也は黙って話を聞くだけだった。

 日が落ち、夜の帳が十分に広がった深夜、尚也は高機動車のエンジンを動かす。
 車に乗り込む前に、振り返るとロボが見送っているのが見えた。
「もし俺が出かけている間に襲撃があったら、そのときは頼む」
 獣は軽く頭を振り、了承の意を伝える。
 静かに走り出す車を、ロボと、物陰から弘明老人が見送っていた。
2644/5PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/28 18:28
「アレー、おじいちゃん。今日のご飯は多いね。あっプリンもある!どうして?」
 子供たちの前にはいつもより多めのおかずと、今まで出たことの無かったプリンが並んでいる。どの子も大喜びではしゃいでいる。
「神様がな、いい子にしていたからご褒美をくれたんじゃないかな。さあ手を洗って来なさい。ご飯にしよう」
「うん。あれお兄ちゃんは?ご飯なのにいないよ」
 園児たちが、丸眼鏡のきれいな顔立ちをした青年の姿を探し始めた。
「お兄ちゃんはね、お仕事があるからもう出かけたの」
「エー!何でー。昨日お兄ちゃんと約束したのにー」
 子供たちは口々に不満をこぼす。中には泣き出しそうな女の子までいた。
 葉月は「はい、先生のお話を聞きましょう」と大きな声で告げ子供たちを静める。
「お兄ちゃんは約束を破ったりしてないわ。ほら、みんなの分玩具を作ってくれてあるわ。それにね、今日いっぱいご飯が食べられるのもプリンが出たのもお兄ちゃんのおかげなの」
 葉月は、箱から手作りの笛を取り出すと子供たちに見せた。

 扉の修理をしていた尚也のそばに、ひとりの男の子が立っていった。
 尚也が腰をかがめて目線を合わせ、べそをかいている男の子に「どうした」と声をかけると、子供は黙って手を差し出した。
 手のひらに、一本の古びた笛があった。手にとって見てみると亀裂が入っている。
「こわれたのか」
 尚也の言葉に、男の子のべそが深くなる。
 尚也は補修に使った材木を手に取り、懐から取り出したナイフを奔らせた。
 見る見るうちに材木は形を変え、一本の棒になった。
 尚也は棒の側面に穴を穿つと、ナイフの代わりに取り出した鋼芯を棒の中心に突き刺して貫通させる。鋼芯を抜き出した時には、笛が出来上がっていた。
「拭いてみなさい」
 木屑を払ってから子供に渡す。
 恐る恐る子供が加えて、頬をくぼませると、笛からはきれいな音色が飛び出した。
 音で気づいたのだろう。子供たちが近寄ってきた。笛をもらった男の子から話を聞くと、次々に自分たちにもと、手作りの笛をせがみ始めた。
 尚也は苦笑して柵の材料から竹を取り出すと、節を抜き雑巾を棒に巻いて水鉄砲を作り、
それでその場を切り抜けた。
2655/5PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/28 18:29
 早朝、帰ってきた尚也を向かえた老人は高機動車に牽引された車の中身を見て目を丸くした。そこには食料品、日用雑貨、子供用の衣服にキャンプ用品の類まであった。
 尚也は老人といっしょに荷物を運ぶと、用意した材木を削り始めた。
 しばらくして、水鉄砲に笛、竹とんぼ、竹ひごを使った凧を作り終えると尚也は黙って車に向った。

「行ってしまうのかね。もう少し休んでいったらどうかな。子供たちも喜ぶ」
 引き止める老人のほうを振り向かず、尚也は返事をする。
「街にいたごみは掃除した。それとさっきの荷物がガソリン代だ。そう伝えておいてくれ」
「分かった。ひとつ聞かせてくれ。ゴミとやらはどうなったんじゃ」
「手足の腱を切って、まとめてワイヤーで縛って街道に吊るしてある。あとは好きにしてくれ。放っておいて欲しければそうする。目障りだというのなら下水にでも流しておこう」
 尚也は何の感情も込めない声で淡々と告げる。
「……すまん。どうしてそこまでしてくれるんじゃ。あんたにとって何のかかわりも無いというのに。よければ教えてくれないかね」
「別段理由というほどのことは無い。ただ子供たちには苦しむ理由はない。誰にだって、さらわれて犯された挙句にゾンビの餌になる理由も無い。ただそれだけだ」
 尚也は言い終えると車に乗り込み、エンジンをかける。
 北へと走り去る姿が見えなくなるまで、老人は見送りその無事を祈っていた。


「さあさあ、お兄ちゃんが持ってきてくれたご飯だ。冷めないうちに食べないと。食べ終わったら、じいちゃんといっしょに作ってもらったオモチャで遊ぼうな」
 子供たちはオモチャを眺めると、いつも以上の勢いで朝食を平らげていく。
 それを葉月と弘明老人は目を細めて見つめていた。
2661+1/5PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/28 18:29

 尚也が去ってから三日後、武老人のスタンドに風変わりな二人連れが訪れた。
「あのー、凶悪犯を追ってるんですが、この顔に見覚えありませんか」
 婦警が差し出した写真には尚也が写っていた。
「さて?一体何をしたんですか」武老人はとぼけて答えた。
「美女侮辱罪です。この私の色気を無視して逃げていきました」婦警の鼻息が荒い。
「ああ、気にしないでください。熱でやられてるんです。通報シマスタって言っておけば収まります。助けてもらった礼が言いたいならそういや良いのに」
 いっしょにいた若者は心底疲れたように見えた。
「まあ、とにかくここは暑い。奥で話をうかがいましょう」
 老人はひとまず話を聞くことにした。少なくともしばらく暇はしなそうだった。
267SB5/8PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/28 18:36
以上です。

おかしいなー。
初めは尚也がビルに立てこもった一般人を一人ずつしとめていく
サバイバルホラーアクション小編のはずだったのに。

こう、後ろからいきなり口をふさいでのどを切り裂くとか、
腎臓にアイスピックを射しておくとか、
椅子に縛り付けられた仲間を助けようと動かした瞬間にブービーとラップ発動とか
そんな感じの話だったのに?

いつの間にかご隠居爺さん世直し漫遊記になっとる。

まあその分、本編をスプラッタなエログロぐちゃぐちゃにすればいいか。

んでは、次に話を上げるのは来年になると思います。
乙です。
スプラッタなエログロぐちゃぐちゃに期待してます(w
そして、良いお年を。
269あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/12/28 23:44
良かった!
感動した!
来年も宜しく頼む!
270グランドクロス ◆XXXAXAQILI :02/12/29 00:02
来年は記念すべき2003年だ!
激しく感動した!
保母さんをさらいにいってきまつ。
一応保守ピタル
273あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/12/31 00:51
一旦age
274PIP ◆dve/1Ebaqs :02/12/31 07:08
今年最後の保守。

新年は雪のちらつく田舎で過ごしますので、ネットへの接続ができません。
その分書き溜めておきたいと思いますので、皆様保守の方よろしくお頼み申し上げます。

では、新年が皆様にとって良いものでありますように。
まだこの糞スレやってたの?いい加減消えるか他いけや。
276グランドクロス ◆XXXAXAQILI :02/12/31 20:12
ゾンビー?ゾンビ?
277あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/01 00:12
さて、新年の乱痴気騒ぎに流される前にage。
そして、PIPさん、あけおめ。今年もよろしくです。
278ぞんば:03/01/01 00:42
ゾンビ映画で最も輝くシーンは、
一緒に戦ってきた仲間がゾンビ化し、自分に襲いかかってくる時だ。

撃たなきゃやられる!でも撃てない!
あけましておめでとう!
ゾンビ

280あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/02 08:49
age
281あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/03 00:40
age
282あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/04 09:16
age
283あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/05 14:07
age
保守
285山崎渉:03/01/06 12:35
(^^) 
286PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/06 12:41
皆さん、新年明けましておめでとうございます。

では軽くひとつあげます。
ようやくの本編なのにたった一つですいません。
一応これからは前のようにコンスタントに書いていけると思いますので、
楽しんでいただければうれしいです。

それと保守を続けてくれた皆さん、ありがとうございます。
287PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/06 12:41
「注意する点を再確認する。まず指示が出るまでグリップは握らず、トリガーに指もかけないこと。弾が出なかったとしても銃口は覗かず、物を落としても自分では拾わないこと」
 一直線に張られたテープの前に立ち、緊張した面持ちで正面を見つめる日向に、尚也は一つ一つの注意をゆっくりと繰り返していく。
「言い換えれば訓練時以外の射撃は厳禁。射撃訓練をしているときはそれ以外の動作はしないということだ。注意しすぎるということはない。そしてあわてる必要もない」
 硬く返事をする日向に深呼吸をさせている間、尚也は機器のセッティングを進める。
「さて、はじめようか。チェンバーチェック、マガジンチェック開始」
 まず、弾丸が装填されていない状態であることを確認させる。
「よし、弾が入っていないことを確認できたらリロードだ。銃は標的に向けたままだぞ」
 日向はマガジンを取り出すと、グロックにゆっくりと装填していく。その際に人差し指で弾丸がマガジンに入っていることを確認することも忘れていない。
 スライドを引きそして離す。これで引き金を引けば弾が出るという危ない状況になった。
「今の状態で引き金を引けば弾が出る。ではアンロードだ」
 日向は標的に銃口を向けたままの状態で、マガジンをリリースして左手に受け止める。台の上にマガジンを置いてからイジェクトポート(排莢口)に左手を被せる。
 銃を反転させてスライドを引き、初弾を抜く。弾はマガジンの横に置く。
288PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/06 12:45
「よくできた。まずは今の動作を繰り返して、安全確実に行なえるようにする。弾を安全に装填することと排出することができなければ、銃を使い捨てることになるからだ」
 尚也は再びリロードとアンロードを繰り返させる。腕の筋肉が疲弊した状態でも自然に動かせるようになるのが目標だ。そのことはあらかじめ言ってあるため、日向も真剣だ。
 台の上に並んだ弾丸が増え、マガジンが空になると、今度はマガジンに弾込めを行う。
 日向の指の力では全弾をそのまま入れるのは難しく、クイックローダーを使わなくては最後まで入れるのに時間がかかる。それでも尚也は自分の指で入れさせた。
 常に道具があるとは限らない。理想から言えば、弾を使い切る前にことを済ませることだ。それが無理ならば薬室内に最後の一発が入った時点でマガジンを換えるべきだろう。
 常にさまざまな状況を想定し、それに対処する方法を考えること。
 常日頃からそうしておけば、いざというときにパニックにならずにすむ。
 そのために尚也はわざわざ道具の使い方を教えながら、それを使わせない。
 日向もそれが分かっているため、一つ一つの手順を試行錯誤しながら進めていく。こういった場合は、時間よりも確実性を重視しなければ訓練の意味がないからだ。

長いようなので二つにしました。
日向の初めての訓練です。

訓練中に手取り足取りだの、触れ合う手だの、みつめあう眼と眼なども考えましたが、なるべくそっけない内容にしておきました。
エッチなシーンは訓練後の次の街で出そうかなとも考えてますが、訓練に8週間は長いですかね。
どの程度訓練を続けるのが適当なのかいまいちつかめてません。
さてどうしたらよかんべ。
乙です。(そしてあけおめ。)
映画のレオンとかを参考にされてはいかがでしょう?>訓練
そしてッ! エッチなシーン期待してます(w
新年一本目乙。
訓練ならフルメタルジャケットとかの戦争ものもあるよ。
でもレオンの方が合ってるね。
この板IDが無いの?

もしかして>286-290は自作自演かも。
      ミ・д・ミ  <ほっしゅほっしゅ!
      、ヾ''""ツノ,
     ミ ・д・ 彡  <ほっしゅほっしゅ!
     "ミ,, , ; ;;::ヾ
     ,,;;"""'''''"" "";;.,,,
    ミ  ・ д ・  ミ <ほっしゅほっしゅ!
     '';;;;.,,   ,,,,;;;;;''''
       ''''''''''
(*゚д゚)ノ
保守
295グランドクロス ◆XXXAXAQILI :03/01/08 15:46
あげとくか
296あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/09 19:26
一旦age。
アムロ「相手がゾンビなら人間じゃないんだ!!僕だって!!」
ゾャア「ゾンビの差が戦力の決定的差で無いことを見せてやる!!」
298あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/09 19:41
>>297
つまらないよ君
保守

保守新党
301第14号駆潜艇:03/01/14 18:01
保守
3021/3PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/15 01:34
 破裂音が連続して響き、そのつど壁際を移動する標的たちが震える。
 標的の頭部と胸部に穴は集中していた。
 標的は何種類か用意されていた。
 女性、子供、老人、成人男性、そしてゾンビ。さらには武装の有無。
 射手の少女はさらに数度引き金を引いたあとで、マガジンを排出し薬室に装填されていないことを確かめてから銃をホルスターに収める。
「ミスは無し。民間人への誤射も無い。後半集弾率がやや落ちているがこれは続けていればカバーできるだろう。合格だ」
 黒髪、眼鏡の青年が手元のディスプレイを確認して告げる。
 画面には集弾率のほかに一発ごとの照準の動きや、反動でぶれた銃口の軌跡まで表示されている。ノプテルST2000という射撃分析・訓練装置だ。
 赤外線発光ダイオードと、反射光検出装置と音響センサーからなるシステムは訓練の効率を大幅に高める。
 もっとも実際に射撃訓練を始める前にはいろいろとトラブルが続出していた。
 弾丸の装填、銃口の向き、残弾の確認、etc。
 ハリウッド映画やドラマの誤った知識があるせいで、日向は何度も失敗を繰り返した。
 そのたびに尚也は日向に腕立て伏せを命じ、繰り返し起きうるトラブルとその防ぎ方を教えていった。
 各部の名称からリボルバーとセミオートの違いに始まり、口径や弾丸の構造を教え、一通り説明した後にドライファイアを開始した。
 立ち方、銃の握り方、反動の制御、照準、トリガーコントロールをすませるとマガジンに装填させた。
 チェンバーチェック、マガジンチェック。リロード、アンロードを繰り返させる。
 射撃訓練は一日おきに行い、毎日装填した銃を構えたまま保持させて体に感覚を覚えさせることを繰り返した。銃を扱わない日は格闘訓練を行い、常に刺激を与え続けた。
 都市部での戦闘を想定した訓練に重点を置き、対人戦闘も欠かさなかった。むしろゾンビより人間を脅威と想定している内容だった。
3032/3PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/15 01:34
「銃の基本的な訓練については以上だ。後は実際に使っていくしかない。ただ弾薬には限りがあるし、故障の可能性もある。冷静に狙わなければ当たらないと考えるべきだ」
「たとえば、複数の相手が君をレイプしようとしている。相手は三人、一人は銃で二人はナイフで脅してきた。さてどうする?」
 尚也はこともなく、年頃の少女に過酷な事例で問う。
「まず銃を持った相手を撃ちます。そうすれば残る二人への威嚇にもなります」
 日向は少し考えてからはっきりと「人を撃つこと」を口に出した。
「ちがう。相手に脅されてからでは意味がない。まずは近づかせない。理想は相手が対処できない距離のうちに逃走するべきだ。それが不可能なら、近づかれる前に撃て。
組み伏せられたり、下手に近づかれては銃の持つ有利さが失われる。とはいってもハンドガンの有効射程距離は短い。結局は、相手が対処できる前に撃ち殺すしかない」
「でも、間違ってるかもしれないですよね。近づかれる前に撃つより、威嚇したほうがトラブルにならないんじゃないですか?もしかしたら助けになるかもしれませんし」
 日向は素直に疑問を口に出す。
 間違えて撃てば、何の咎も無い人間を殺しかねないのだ。抵抗は強いだろう。
「間違っていないときのほうが致命的だ。一度のトラブルでも死ねばそこまでだ。それに銃で威嚇するということは、相手にこちらの手の内を見せることでもある。
俺がショットガンを目立つように腰に下げているのは、相手への威嚇もあるがそれ以外の手を隠しているからだ。ではもうひとつ問題だ。俺は今いくつの攻撃手段を持っている?」
 尚也は日向から少し離れた位置に、両手を下げた自然な状態で立つ。
 日向は尚也の上から下までをじっくりと観察した。
 淡い青のロングジャケットに白のパンツ。アイボリーのシャツをつけている。
 脇の膨らみはすぐ分かるが、あとは目では確認できない。
「脇の下と腰の後ろに銃を持ってます。袖にはナイフを隠していると思います。あとは分かりません」
3043/3PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/15 01:35
 尚也は黙って脇の下と腰の後ろから銃を取り出すとテーブルの上に置いた。
 次に手のひらにナイフをすべり落とすとそれも並べる。
「さて、このほかにいくつ武装しているかというと、まず襟と袖に投擲用の針がある。ナイフはジャケットの背中と足首にもつけている。スタングレネードもある」
 他にもワイヤーや、ナイフ自体にも仕掛けがあるものもあるが、尚也はそれは告げなかった。鉛球や靴の踵にしまった刃物についても日向には教えなかった。
 これは別に日向を信用していないのではなく、そこまでの武装をしているものがいないだろうと判断したからだ。変に知っていては実際の対応に迷いが出る。そう思ったのだ。
「手や足、そして歯も当然武器になる。結局ぱっと見ただけではどの程度武装をしているか判断することは難しい。眼に見えているものだけが全てではないということさ」
 尚也は出したものを一つ一つ、日向に分かるようにしまいながら言った。
「重くないんですか。それだけいろいろもっていると肩もこりますよね」
 日向は眼を丸くしながら、ふと気づいたことを口に出す。
「良い所に目をつけた。もし足場が柔らかければ、足跡も判断材料になる。実際、歩幅と深さで相手の身長や体重を推測することもできる。そのあたりはおいおい教えていこう」
 
 射撃訓練終了から二十分後、二人は街を走っていた。
 日向のひざの上には、尚也が渡したトランクケースが乗っている。中身は訓練に使っているグロックと弾薬一式だ。
 尚也は車に乗ると、それを日向に渡してこう言った。
「残りは街中で訓練をする。俺がするのは標的の指示だけだ。あとは自分で好きに判断して撃ってもらう。質問は無し。標的を撃ったら家に戻る。今日の訓練はそれで終わりだ」
 それから尚也は一切口を開かず、車内は沈黙が支配し続けていた。
 尚也は市街地に入る前の、見通しのいい道端に車を止めるとフロンとガラスの先にあるものを指差しただ一言だけ言葉を発した。
「撃て」
 そこにいるのは幼い少女のゾンビだった。
305PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/15 01:42
随分と間が空いてしまいました。
一週間以上かかってこれだけとは、なんとも筆が遅くなったものです。

おそらく、たぶん、もしかして、ひょっとすると原因はTOD2にあると言えるかもしれません。
他には、別のスレでいやらしいショートストーリーを書いていたこともあるかもしれないです。

後ちょっとだけで日向の訓練は終わりです。
ここは書きにくい部分だったのでモチベーションが随分と下がりました。

次はようやく書きたかったシーンに入れます。
尚也の血みどろスプラッタアクションと日向のちらりエロリアクションです。

すいません、上に書いたことは一部嘘です。
どこが嘘かはご想像にお任せします。

では、戯言もこの辺で。
PIPさん乙です。
次回のアクション物も期待しております!

あなたが泉に落としたのは幼女のゾンビですか、それとも少女のゾンビですか?
ここは見捨てられた職人しかいないインターネットですね
見ててもつまんないしウザい
本気で書きたいなら文芸スレいけ
馴れ合いぬるま湯スレきもい
キモイなら来るなよ。
>>309
ハ、どこがウザイか指摘もせずに愚痴だけたれるか。
どうせスレの流れも見てない低能だろ。
甘えてないで、さっさと氏ね。
>>311
違うよ
彼は読者代表というHNで前スレに頻繁に登場していた奴だよ。
そういやそんな遺物もいたような気がしないでもないような?
正直、記憶にござんせん。

こんな話題よりも新作を( ゚д゚)クレ
もっとゾンビが( ゚д゚)ホスィ…
315山崎渉:03/01/19 05:09
(^^)
保守
ホシュ
保守
保守ピタル
320PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/22 17:05
 荒廃した街道で、動くものは数えるほどしか見当たらない。
 まして自らの意志で動くものなど二人の人間、自分と日向しかいないだろう。
 ……いや、違う。
 ……自分の意思を持っているのは日向だけだ。俺はただ、死んではいないだけだ。
 尚也は沸きあがる自己嫌悪を抑えず、そのまま放っておく。
 少女は指示をどう捉えたのだろう。
 こちらとゾンビの方を何度も交互に見やる。
 手元のケースは渡してから一度も開けられていない。
 この訓練にはいくつかの意味を持たせたつもりだった。
 武器弾薬の確保。
 生き残るためにはできる範囲で装備を整えなくてはならない。渡されたものが一体何のか自分で確認するのも当たり前だ。
 情報収集。
 質問は無しと言ったが、それと情報の収集は別だ。生存のためには異議を唱えて情報を引き出すべきだ。それをしないのなら周囲の状況から推量しなくてはいけない。
 動く目標の処理。
 訓練でも、障害物の間を動き、ランダムに出現する的を撃たせたが、それと実戦は別物だ。相手はこちらの思惑通りには動かない。反撃もしてくる。そして何より人型だ。
 日向は初めて会った時に、生存の意思を敵対者の排除を選択することで示した。日向自身は考え付かなかっただろうが、あの時は車の中に逃げ込むという選択もありえた。
 それもひとつの選択だ。むしろ柔軟な考え方といってもいい。素人の自分が銃を手にするよりも、慣れてるであろう相手に任せるほうが確実だからだ。
 逃げることは恥ではない。無駄な戦闘を避け、効率よく危険を避ける。単に戦うよりもはるかに高度な判断力を要し、その分生存確率も高い。
321PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/22 17:05
 重要なのは交戦と撤退のどちらを選択するかだ。
 今、彼女はどちらを選択するだろうか。
 有利なのは逃走だ。少女のゾンビが近づくまでまだ時間がある。十分に逃げ出せる。
 さらに言えば日向はまだ銃を用意していない。
 無論、今から即時銃を用意しながら距離をとり、その後に殲滅を行うという選択肢もある。それはそれで問題ない。今の自分と日向の関係ではそちらを選ぶのは当然だ。
 偏った判断ではあるが、冷静な対応と技術を実証することになる。それに幼い姿をしている人型の存在を撃てるということは、今後生き延びていくのに重要となるだろう。
 淡々と尚也は観察を続ける。無論、周囲の状況を窺いながらだ。車はすぐにエンジンをかけられる状況にしてあるし、周囲には遮蔽物や狙撃に適した場所は無い。
 ようやく気づいたのか、幼い少女の姿をした伝染者はゆっくりと車のほうに向かって歩き始める。
 近づくにつれて、その惨状が見て取れるようになる。
 服のところどころを染める赤黒い染み。うつろな表情。汚れた手。そして下半身を申し訳程度に覆う布切れ。元はスカートだったのだろう。破れたそれが意味するのは明らかだ。
「ひどい。あんな小さな子なのに」
 日向がつぶやく。
「最悪なのは立て篭もった場所内での階級の発生だ。人々の不満の矛先は例外なく身体の弱いものへと向けられる。特に女性は恐怖でおびえる獣にとっては餌食でしかなかった。
立て篭もった末に崩壊していったコミュニティーをいくつも見てきたが、大抵少女は、性欲のはけ口に利用された挙句、ゾンビの気をそらすために使われていた。
自分の身を守るために、娘を差し出す母親もいた。娘を一晩弄ばせて、母親は食料と寝床を得ていた。自暴自棄になり周囲の女性を犯し続けた奴もいた」
 返す尚也の言葉はひどく凄惨なものだった。
 平坦に台本を読むかのような調子だったが、日向はそれを咎めようとはしなかった。尚也は感情を揺さぶられるほど、表に出すまいとする。そのことに日向は気づいていた。
 特に悲しみや憎しみ、怒りといった負の感情ほどその傾向が強い。
 自分の前では感情を表してほしい。そう願う日向だった。
322PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/22 17:10
今回はここまで。出来れば感想プリーズ。

実際の話し、全国各地でばらばらの時期にゾンビが発生したとしたら
自衛隊が対応して終わりでしょうかね?

いつどこで発生するかもしれないゾンビ禍。
治安は不安定になり、外国人による暴動の発生や重犯罪の増加。

首都圏が飲み込まれたら一気に状況が激化しそうですね。

では。
323あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/22 20:07
age
>>外国人による暴動の発生

 は? 違っていたら謝るけど、アンタそういう人だったの?
>>324
いや、さっきも外国人による強盗殺人のニュースやってたし、PIP ◆dve/1Ebaqsさんが
不安に思ってもおかしくないでしょう。
朝鮮有事とかになったらどうなるか分かりませんよ
スレ違いさげ

PIPさんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

で感想としては、(ベタな感想ですが)尚也が日向にどう心を開いていくか、
エロ抜きで興味があります。
あと
>自分の身を守るために、娘を差し出す母親もいた。
>娘を一晩弄ばせて、母親は食料と寝床を得ていた。
>自暴自棄になり周囲の女性を犯し続けた奴もいた」

の時、尚也はどうしていたのか、そしてどうしたのか。
あまり群れるのを好まない尚也が、そういう所に居るのは不思議な感じがしたので。
それでは。
327PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/23 08:42
>>324さん
えーと、お約束から言いますとこの物語はハックションであり現実とは以下略)です。

んでもってネタバレ気味に答えますと、
ゾンビ各地で発生

そのつど警察官αβοοη..._〆(゚▽゚#)

自衛隊(゚∀゚*)ウィホー

一部議員と新聞が反対運動

紆余曲折の末、国民総番号制で対応

非日本国籍には保護は無い (´Д`ノ)ノヒイィィィ!

暴動ハセーイ

(・A・)イクナイ!!

つまり、有事において国に余裕がなくなったので、
保護や援助が非合法に滞在している人間にまでは届かなくなった結果
権利を求めて行なった集会が激化したというわけです。
328PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/23 08:52
>>326さん
実は尚也は研究所から出てすぐに、避難生活者の集まったコミュニティーに滞在しています。

もし時間があったら書いてみるつもりですが、大まかな流れを言いますと

研究所から出て途方にくれる。

中学時代の同級生(女の子)ハケーン

誘われてコミュニティへ

実は彼女は生きるために体を使っていた

さらに尚也への食料を都合するためにもっと多くの男の相手をした

尚也、漏れのこの手が光って唸る

脱出の際に彼女はαβοοη

以後、尚也は力無い者を助けることで代償行為を果たし続ける

と、まあトラウマになるような出来事があったわけで。
その後も、情報収集のためにもちょくちょくホームセンターのように人が集まるところには立ち寄っています。
彼の過酷なスタンスは、自分の限界を知らされてるところからきているのでしょうね。
面白いよ!感想にすらなってないけどね。頑張って
330PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/26 00:45
>>329さん
感想を書いてくれるのが一番うれしいですが、反応があるだけでもやる気が違います。
無視されるのが一番こたえますね、やっぱり。
文章書きは、文を書きたいというのと感想を欲しいという二つの欲求で成り立っていることが多いものですから。


明日の夜までには一本あげて新章に入りたいなー。
ちなみにここへあげるのが遅くなったときは大抵半虹の
某女モンスターでどーのこーのというところに(エロモノを)あげてます。

つまりエロを書くとゾンビが書きたくなり、ゾンビを書いているとエロを書きたくなるという
よく分からないスパイラル構造な訳ですな。

んでは。
331あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/26 01:24
面白いです。
ヤパーリ中学時代の同級生は尚也に惚れてたんかな。
a
あ、ずっと直リンしてて見失っていたから
このスレ落ちたとばっかり思ってた。

>PIP ◆dve/1Ebaqs さま、
乙です。
継続は力なり、であります。頑張ってくださいませ。
今、ちょっと仕事中なんで、感想はまた後日にでも書きやす。
(つうか、読んでる時間すらなかったりするので、多分、長い後日に)
334PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/27 02:11
203.138.177.126/cgi-bin/user/bakubaku/up/view/bakubaku-1086.txt

今まで書いた話をまとめたものを爆爆アプロダ2にあげました。
まとめて読みたい方は適当に落として、お使いのテキストビューワーでどうぞ。
>>PIP様 乙です。

でスレ立ての1何でお前は出てこないのか。
336あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/28 20:55
スレ違いだけど、
バイオオンラインのが近い感じ
http://www.dengekionline.com/news/200301/25/img/bhol03.wmv
てす
ホームセンター・・・こわいよぅ


339あなたのうしろの名無しさんが・・・:03/01/30 01:38
>1
でてこいよ〜
340あなたのうしろの名無しさんが・・・:03/01/30 02:09
ホームセンターにゾンビが出るの?

今こそおのれにホームセンターの真髄を見せてやるわ!!
ハハハ〜!! 見ろォ〜この俺様の速い突きがかわせるかァ〜ッ!!
342あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/30 18:26
鼻につく異臭、薄暗い空間。

ここが俺の仕事場である。下水道処理場で働く俺は、その日もいつもどおり仕事をこなしていた。

昼に処理場に戻って昼飯を食って以来夕方五時まで薄暗い下水道で働き続けた。

「もうそろそろ上がりっすね。」同僚の孝志が俺につぶやいた。

この男は以前は土木関係の仕事についていたらしいのだが、上司ともめ仕事をクビになりこの下水処理場にやってきた。

いわいる厄介者なわけだが、なぜか俺にだけはなついていて俺のことを慕ってくれていた。

「そうだな、そろそろあがるか。」そう言って俺たちは処理場に戻った。

「孝志この後暇だったら呑みに行かねぇか?」俺がたずねると。

「あっ、今日はまだ事務所で始末書書かなきゃなんないんっすよ」と申し訳なさそうに答えた。

仕方がない、疲れてるし帰ってさっさと寝るか、そう思い俺は一人帰ることにした。

「そんじゃあな、お先!」と言うと、孝志が軽く会釈した。

俺は愛車のバイクにまたがり家路を急いだ。そのときはまだ、町の異様なまでの静けさに気づかなかった。
343あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/30 18:27
家に帰った俺はいつもどおりテレビをつけ、ビールを取りに冷蔵庫に向かおうとした。

何気にテレビに目をやると、そこに信じられない光景が写った。

「なっなんじゃこりゃ!!?」人間が血まみれになっている、いや人間が人間を食っている?

明らかにありえない映像に俺は、目を離すことができなくなってしまった。

数十人の人間が警察隊を襲い、そして食している、そんなバカな・・・。

固まっていた俺に半ばパニック状態のニュースキャスターの声が聞こえてきた。

「信じられないことが起こってしまいました。暴徒が人間を襲い、人間を食しています。」

「警察の調べによると、暴徒は脈もなく、呼吸もしていない状態で、医学的にはすでに死亡しているという発表がありました。」

「また、暴徒に噛まれた警察官が心拍停止後、起き上がり人間に襲いかかり暴徒化したという発表もありました。」

「政府は、新種の伝染病である可能性があるとして、自宅待機令を出しています。」

俺はやっと正気に戻り、「このままではヤバイ、このぼろアパートが暴徒に襲われたらひとたまりもない」と思い自宅から逃げることにした。

行くあては・・・とりあえず県警にでも逃げ込もう、あそこが一番安全だろうと考え、愛車のバイクにまたがり走り出した。
344あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/30 18:28
町は異様なまでに静まり返っていたが、幸い暴徒の姿は見えず隣町の県警本部には順調な道のりかと思われた。

そして隣町につながる橋に指しかっかたとき、なぞの「重低音」が聞こえた。

「エンジン音?」そう思ったが、その「重低音」はだんだん大きくなってきた。

そして、橋の真ん中まできたとき、「重低音」が「うめき声」に変わった。

橋の反対側から、押しおせる数百、いや数千を超える人影。それらが放つ「重低音」に心の底から恐怖が押し寄せてきた。

「ダメだ!隣町に行くなんてもってのほかだ!」そう思い、バイクをUターンさせもときた町に引き返した。

「どっちにしろ自宅には戻れない。」行くあてが考え付かなかったが、そのときふと思いついた。

「そうだ!処理場!あそこなら鉄製のシャッターもあるし立て籠もることくらい可能だ!」そう思いついた俺は、急いで下水処理場へ向かった。
345あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/30 18:28
処理場に着くと、シャッターが開け放しになっていたため容易に中に入れた。

そして大急ぎでシャッターを閉めようとすると目の前に人影が立っていて。

一瞬で凍りついたが、その人影は孝志だった、孝志はあわて顔で「先輩!だいじょうぶでしたか?」とあわてふためいている。

「どうにか無事だ、それより早くシャッターを閉めよう」二人がかりでシャッターを閉めてとりあえず事務所で一息ついた。

この処理場はシャッター以外の入り口はないので、とりあえず難は逃れたものの、食料は大人二人が立て籠もるのには余りに少なかった。

孝志以外の同僚も全員帰宅したらしく、残業していると事務所のテレビから今回の騒ぎを知ってあわててシャッターを閉めに行ったら俺が立っていたそうだ。

二人は話し合った結果、とりあえず粘れるまでは今ある食料で粘り、食料がなくなれば脱出を試みることを決めた。

食料が尽きるまでの間、なるべく多くの情報を集めることにし二人は次第に大きくなる「重低音」に耳を塞ぎながら床についた。
水処理施設に立て籠もり三日が過ぎた。

事態はさらに悪化し、警察は全滅、自衛隊は一部を除き壊滅状態、日本の政治ストップし、メディアも徐々に情報が途絶えてきた。

新しくわかった情報といえば、暴徒は頭を破壊されると活動が止まること、暴徒を殺しても罪を問われないことだけである。

処理場の周りはといえば、すでに暴徒が取り囲み一歩も外には出れない状態、食料も底を尽き、俺たちはついに追い込まれた。

このまま飢え死にかと考えてたとき、孝志があることを思いついたのだ。

そう、下水道の中から逃げるのだ。

幸いここには下水の地図をはじめ、懐中電灯や武器になるスコップなどもある、何より下水道は俺たちが慣れ親しんだ場所だ。

そうと決まれば行動は早かった、必要な物のみを持って俺たち二人は下水道に降りた。

行き先は、ここから車で約二時間のところにある自衛隊基地、かなり長い旅路になりそうだが命には代えられなかった。

空腹といつゾンビが襲ってくるかわからないという不安感の中の下水道はいつもとは違う湿った空気が漂っていた。

一時間ほど歩いたであろうか、下水が先日の雨で増水し通れなくなっており、他の道もないことが判明した。

「どうする・・・。」行き先をなくした二人は絶望の淵に立たされていたが、やがて地図を眺めていた孝志が口を開いた。

「先輩ここから三十分くらいのところにホームセンターがあります、とりあえずそこに行って食料を補給するってのはどうっすか?」

こうして二人はホームセンターがあると思われるところの下水道に向かった。
二人は目的地に着くと、ホームセンター内部につながるマンホールを探した。

「先輩ありました!」俺より先に孝志がマンホールを発見し、そのマンホールを二人がかりで持ち上げホームセンター内部に潜入した。

辺りを見渡した、ボイラー室のようだ、当然のことながら誰もいない。

「どうやら、地下のボイラー室のようだな。」とりあえずボイラー室から出て売り場に向かおうとドアを開けた瞬間、血の気が引いた。

地下の廊下にはところ狭しと人間が立っていた、俺は思わず後ずさりした。

「しまった!暴徒がこんなところにまで!」俺は急いで逃げようとした、そのとき人ごみの中から声が聞こえた。

「あ・・あんたら人間か?どっ、どからきたんだ?」俺以上に血の気の引いた青い顔の中年の男が声を発した。

「あっ・・・暴徒じゃなかったのか。」俺はやっとそのことを理解し、ツバを飲み込んでから男に今までのいきさつを一通り話した。

「ところでなんでこんなところにこんなに大勢、上の売り場はどうなっているんだ?」俺が聞くと男は少し悩んだあと答えた。

「売り場はゾンビに占拠されている、バリゲードを作ろうにもすでにかなりの数のゾンビが中にいるため不可能なんだ。」

「ゾンビ?」聞きなれない言葉に孝志が反応した、男の説明によると先日ラジオで暴徒の原因である伝染病はゾンビウィルスと名づけられ、感染者をゾンビと呼ぶという発表が政府からあったそうだ。

「ゾンビか、昔映画にあったな、そのゾンビから取ったのかな。」そんなことを思いながらこれからどうするか考えた。

「とりあえず、このままでは埒が明かない、何かいい方法がないか話し合うのが先決だ」俺は中年の男や数人の男と孝志とでボイラー室を使って話し合いをすることにした。
小一時間ほど話し合った、この中年の男は松村健史と名乗りこの生存者の中で中心的人物であることがわかった。

「とりあえず、このままでは全員飢え死にだ、ゾンビと戦うことが先決じゃないか?」俺は思っていることを、そのまま述べた。

すると松村は、「何人かの男が挑戦したが結局全員殺られちまった、まず入り口を塞がないことには何もできない・・・。」

ゾンビが中にいなければバリゲードを築くくらいわけないのだが、中にゾンビがいたのでは捨て身もいいとこだ。

俺たちはついには誰もいい案が出なくなり黙りこんでしまった。

「あ・・あの・・・」沈黙を破って孝志が口を開いた、「ゾンビと戦う人とバリゲードを作る人と二班作るというのは・・・」

名案だった、これ以上待ってもこれ以上の案は出ないと思った。

「やりましょう!どうせ死ぬならそれくらいあがいてみるのもいいじゃないですか!」皆が一致団結した。

生存者は俺たち二人を含め男18名、女11、子供3名の全員で32名である、バリゲードを作ることを志願してくれた女性を含め総勢26人で作戦を開始することに決定した。
349あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/30 18:31
一部の女と子供を地下に残し、作戦は開始された。

攻撃班は俺、松村さんを含めた15人、バリゲード班は元土木関係に勤めていた孝志を含む11人である。

武器といえば、スコップ、鉄パイプ、ハンマーなど、バリゲードは店内に置いてある売り物の角材などを使う。

覚悟を決めた俺たちはついに店内に突入した。

ざっと見ただけで数十人の暴徒、いやゾンビ達が食事を見つけてこちらに歩き出してきた。

幸い動きはかなり遅い、俺たち攻撃班はバリゲード班を守る形に位置取り攻撃を開始した。

最初こそためらいはあったが、内蔵を引きずる片腕のない生き物を人間として見なくなるのにさほど時間はかからなかった。

俺はスコップで的確に頭ばかりを狙いゾンビを始末していった。

何度か危なかったが、周りにも助けられどうにか難を逃れ、二時間以上攻防戦は続いた。

さすがに意識が薄れてきたが、大まかバリゲードは完成しあとは内部のゾンビ共を始末するだけだった。

狩られる側から狩る側へ・・・俺たちは内部をくまなく調べゾンビ共を一掃した。

同時にバリゲードの補強も終わり、このホームセンター内の安全がとりあえずは確保された。

が、この作戦の犠牲は大きかった、死者5名、負傷者8名という惨事になってしまった。

俺たちの表情はたちまち暗くなってしまった。
俺たちは二つの処理に追われていた。

ひとつは、ホームセンター内にあるゾンビの屍を屋上から投げ捨てる作業。

これから自分たちの住居となるホームセンター内を手分けして大掃除していた。

このとき、作戦で死亡した生存者の遺体も一緒に埋葬されることになった。

当然残っていた遺族に確認をとった上なのだが、埋葬と言っても屋上から投げ捨てるだけというなんともやりきれない作業だった。

数時間かけてホームセンター内を掃除し終わり、俺たちはもうひとつの処理を行わなければいけなかった。

ゾンビに噛まれた負傷者をどうするか、おそらくあと数時間以内で彼らもゾンビになってしまうだろう。

負傷者の中には松村さんもいた。

「負傷者の間で話し合った、俺たちはいずれゾンビになっちまう、その前に俺たちを人間として死なせてくれ・・・」松村さんは言った。

俺は首を横に振った、「それはできません、ゾンビを殺すことにも一瞬ためらった俺に人間を殺すなんて無理です。」俺はいつの間にか涙が流れてた。

生存者全員と話し合った、みんな涙を流して話し合った。

答えは出た、俺たちにゾンビは殺せても人間は殺せない。

負傷者は全員ホームセンター二階の事務室に集め、鍵をしめるというものだ。

負傷者たちは、遺族との最後のときをすごし、俺は事務室の中の負傷者に一礼し鍵を閉めた。
二階の事務室につながる廊下はひとつだけ、この廊下は屋上にもつながる廊下である。

もう屋上へあがることもないだろう、そう思い俺は事務室のドアに簡単なバリゲードを築き売り場から廊下へ続くドアも封印することにした。

売り場に戻ると皆が泣いていた。

「俺が死んだあとは、君がみんなをまとめてくれ。」松村さんの最後の言葉を思い出していた。

「みんな、泣いてたって始まらん!これからここに救助が来るまでの間生活できるだけの準備をしよう!」俺は皆に言った。

本来俺は人をまとめたりする人間ではない。

けれど、死んでいった人たちの為にも俺が皆をまとめないとと思った、なによりいつまでもこうしてはいられないのだ。

食料や衣服に困ることはまずないだろう、問題は救助、救助が来るまでの間できる限りの情報を集めなくてはならない。

俺はテレビ、ラジオなどあらゆる情報源を常に身の回りに置き、俺たちのホームセンター内での共同生活が始まった。
三ヶ月の月日が流れた。

ホームセンター内の様子はもちろんのこと、世界の様子は何一つ変わらなかった、いや、むしろ悪化していた。

ゾンビの数は依然として減る傾向を見せず、ゾンビ共の体が腐った腐乱臭がホームセンター内に流れ込み、俺たちはそれを避けるように暮らしていた。

「下水処理場で働いてたといえ、この臭いはひどいもんだ。」そんなことを思っていたある日、途絶えていたメデァからの情報がラジオから聞こえてきたのだ。

みんな、急いでラジオの周りに集まってきた。

「・・・ガ・・ガガッ・・こ・・ら北・・海道の・・・・」

「こちら北海道放送局です、この放送が本土の生存者の方々に届いてることを祈ります。」

「北海道は自衛隊により、ゾンビの脅威から救い出されました。」

「現在北海道は以前の生活への復興が進んでおり、自衛隊も本土への救出作戦を開始する模様です。」

「各地区の自衛隊基地のほうに北海道から自衛隊の救出ヘリが送られるということです。」

「本土の生存者の方々にこの放送が届いていたなら、すぐに各地区の自衛隊機地に向かってください。」

「もしそれが不可能なら、建物の屋上などに上がり救助ヘリが通るのを待っていてください。」

「繰り返します、こち・・ら・・北・・・・・」

「救助が来る!」みんな驚喜の声をあげた、俺たちは助かるのだ!!
353あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/01/30 18:34
「すぐにでも脱出の準備をしよう!」俺たちは必要最低限の荷物をまとめ希望という酒に酔いしれていた。

皆荷物をまとめて屋上に向かう、先頭の孝志がうれしそうにはしゃいでいる。

「これでやっと心の底からほっとできる、ゾンビ共がバリゲードを叩く音も、ゾンビ共のあの鼻につく腐乱臭からも開放される。」

「・・・・?」

「何かを忘れている、何か大切なことを忘れている気がする・・・。」

「腐乱臭・・・、なぜ二階のここまでにおっているんだ?なぜにおいがきつくなっているんだ?」

孝志が屋上へ続く廊下があるドアに手をかける、「ダっ・・・・ダメだ!!!!」

ドアノブが回された瞬間、中から異臭を放ち変わり果てた松村さんが孝志の首筋に噛み付いた。

噴きあがる血、悲鳴と叫び声、あとから次々と廊下から出てくる元生存者たち。

「なんてことだ・・・あと少しでみんな助かったのに・・・。」

俺は近くにあったパイプ椅子を握り締め、逃げ惑う人々をかき分けて孝志の首筋に噛み付いている松村さんの頭を叩きつけた。

松村さんは床に倒れたまま動かなくなった。

俺には松村さんは殺せなかった、だけどゾンビになった松村さんは殺してあげることができた。

俺はやっとのことで孝志を助け出すことができた。
孝志の傷は深かった、何よりゾンビに噛まれたということはそのまま死を意味する。

「孝志・・・。」俺は言葉に困った。

「せ・・・先輩気にしないで下さい・・、そんなことより早くここから脱出を・・。」孝志が途切れ途切れの声を絞り出す。

「屋上にはもう行けない、おそらくまだ数体のゾンビがいるだろう。」俺は絶望しきった顔でそう答えた。

「先輩、下・・下水道から逃・・・げて下さい、あそこならまだ安全なはずです・・・。」

「増水して通れなかった場所も今なら通れるはずで・・・す、早く自衛隊機地まで逃げて・・・・。」血まみれに孝志が言った。

「そうかその手があったのか、」俺はそう思い孝志を担いで、皆を連れてボイラー室に向かった。

ボイラー室に着くと、俺は慣れた手つきでマンホールの蓋を開け皆に下に降りるように命じた。

「せ・・・先輩・・俺はここにおいてってください・・・・。」孝志が俺の背中でつぶやいた。

「そんなことできるわけねぇだろ!!お前も一緒に逃げるんだ!!!」俺は叫んだ。

「先輩・・・そ・・それはできません、すいません・・・。」孝志が涙を浮かべながら答えた。

俺は背中から孝志を下ろした、涙を抑えることがどうしてもできなかった。
俺はマンホールを降り始めた。

上を見上げると孝志が笑顔で見送っていた。

俺は泣きながら叫んだ、「孝志、すまない!!許してくれ!!!すまない・・・・!!」

そうすると孝志は、一番の笑顔を見せ最後の力を振り絞りマンホールの蓋えを閉めた。

「・・・・・・・・」

下水道に降り立った、俺は皆をまとめて自衛隊機地まで無事連れて行かないといけない

それが死んでいった仲間や孝志の為であり、俺の使命であると思った。

ここには、ホームセンターのような華やかな光も、外からにおうゾンビたちの腐乱臭もない。

鼻につく異臭、薄暗い空間、なぜか懐かしい空気に居心地のよささえを感じた。



END
読みやすくしたつもりが長くなりすぎたスマソ
初投稿でしょぼいが全部読んでくれた人ありがとう
357PIP ◆dve/1Ebaqs :03/01/30 18:56
>>356さん
>>342-355長編お疲れ様です。

下水処理場!地下道!
全然考え付かなかったです。
そうですよね、ゾンビが下水道に入るわけ無いですし(マンホールが開けられない、人がもともといない場所)
都市部ならかなりの範囲をカバーしてますし。

あとかなり「やられた」と思ったのは『重低音』という表現です。
大量の死者の呻き声が風に乗って届く!
これは本気で怖いですね。

>読みやすくしたつもりが長くなりすぎたスマソ
テンポよく改行されてますし、間に一行入れているのでかなり読みやすいですよん。
今後も面白い作品を楽しみにさせていただきます。
しかし、何で作者達は北海道ばかり助ける想定をするのだ。

そもそも、北海道を助ける想定をしたのは、本スレの1がPART1で書いた時に、
北海道を助ける事を書いていた。名無し@錆取り中 ◆590pmBHwDIが、その設定を
継続発展させるならともかく、その後の作者達は軒並み、その想定を引き継いだ。
本当に盗作だよ。独自の想定で書けないのかね。
>>342
おおっ、新作が!
ちょっと日本語がヘンは部分がありましたが面白かったです
(生意気いってスマソでもマンセー意見だけだとアレなんで)
舞台がホームセンターという原点に戻った作品ですた
限定された空間での緊迫感がもちっとあるともっと良い作品になるでしょう
というわけでまた新作お願いします
(・∀・)イイヨ(・∀・)イイヨ〜
361あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/01 14:23
(・∀・)ダメヨ(・∀・)ダメヨ〜
 >358
その想定が納得できたからだろ?
その程度で盗作なんて騒ぐなよ。馬鹿らしい。
だったら、北海道以外で「単独に生き残れる場所」ってどこがあるか言ってみな?
>>362
358では無いが、硫黄島。というのもありかも。
海上自衛隊の航空基地のみが存在し、民間人は一切いない。
住民は全て自衛官。確固たる命令系統はあるし、武器も揃っている。
「単独に生き残れる場所」としては十分に要件を満たしているよ。
>>363
硫黄島は食料等を本州からの輸送に頼ってるから余りもたないんじゃないかな。
武器あっても食料が切れると。。。
やっぱり北海道しか「単独に生き残れる場所」は無いかと。
365PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/02 02:35
>>363
情報提供ありがとうございます。
硫黄島はそういうところなんですか。

やっぱり島が安全なんでしょうね。

新規の作者さんに負けないように、私も続きを書かなければッ!
366あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/02 02:39
北海道は自衛隊も強いし、人口も都市部に集中してるからな。
自衛隊が活躍出来そうだ。
>>363 >>364
硫黄島は、海上シーレーン防衛の要の島ということで、装備等は増強されて
いたと思います。
さらに、弾道弾やミサイル等で滑走路が破壊されても、暫くの間持ち堪えられる
ように食料品等の備蓄も相当あったような記憶があります。

数年は無理としても、一年位なら。でも生鮮食料には飢えるわな。全部缶メシになるし。

これ以上書くと軍事板に相応しくなっちゃうので略。
元海自隊員より。
368PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/02 19:39
いまさらながら、軍事知識豊富な方々がスレを見ていると思い知って
(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク。

多少の粗は、この物語は「ハックション」なので見逃しておいてくだたい。
軍オタはうざいが、元自衛官あたりだったら許せるかも。
実情も知ってるようだし。
前スレ読んでみたいが、どこかに無いのかな
一応フルーツ類は、栽培というか自生というかバナナ程度は生えているらしい
魚影も可也濃いそうな。
流石に野生生物は居ないだろうけれど、戦前は極楽島と呼ばれてかなりの島民か
住んで稲作もされていたそうだから、その気になれば耕作も可能だろうね。
人口希薄地が候補ならば南鳥島(マーカス)も良いかもしれない。
>>370
以下にPART2をUPしました。
http://ame.dip.jp/upload/1044/276393.htm
373PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/04 00:35
>>372さん過去ログありがとうございます。

うっ、初投稿時の割り込みの悪夢が。
一回リロードしても反応無かったんで安心したらああなってしまいました。
今となっては懐かしい思い出です。

しかしですね。
昔いた作者の方が、今はいらっしゃいませんね。
板移転時に見失われてしまったのでしょうか?
それを考えるとageたほうがいいのかな?
ネタスレ系は、通常じゃ作者はどんどん入れ替わって栄えるはずなのだが、
ここは、PART2で一気に花が咲いて散ってしまった。
保守
376あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/07 23:36
保守。
保守
保守
379保守:03/02/11 21:29
これじゃ悲しいのでなんか書きます
基本的に読み飛ばし推奨ですが
つなぎにでもなれば幸いです
380保守:03/02/11 22:01

「おいおい。」
「なんですか?」
「なんか変な音聞こえねぇか。」
「ぼくはなにも。」
「あんたはどうだ。」
「私も聞こえない。」
「俺もだ。」
「しっ!」
「ほら聞こえるだろ?」
「聞こえませんよ。」
「聞き間違えだろ。」
「む、今聞こえたような・・・。」
「ほらみろ!」
「奴らか!?」
「落ち着いて下さい。まだ遠くです。」
「おいアレ出せ。」
「あぁ。」
「このホームセンターに入ってから3日間。安心してたが遂に来たか。」
「大丈夫こっちは4人。武器もある。」
「武器って行ってもここにあったものや持ってきたバットだけだろうが。」
「静かにしてください。来ますよ。」
「ちっ、やるしかねぇか。」
381あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/11 23:37
いい加減に沈めてしまえよ。このスレ。

作者が一人では、どうにもならんよ。
作者が一人で頑張っているスレもあるけどね。

ゾンビしかネタが無い以上、こうなるのは必至。
俺も>>381に賛成だな。
383あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/13 15:46
>>381-382
保守書き込みありがとうage
>>383
保守に協力した訳では無いがな。

スレ発展を望むならROMしている人達も、何らかの作品を作って投稿
してみた方がいい。
作者が常時10人程度いれば、他の作者の話がヒントになってさらに、
新作が出来るかもしれない。
あとは、投稿された作品に対するレスをした方がいい。
スレ荒れの原因と捉える方もいるが、真っ当なレス付けが作者の創作意欲に
火を付けることは間違いないです。

>>382
確かにソンビに限られているので、ネタが尽きて来るのは確か。
PIP様はよく続いてると思う。

385PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/14 01:19
 交戦か撤退か。
 尚也は徐々に近づく感染者の様子をうかがいながら、日向の選択を待つ。
 考えられるなかで最悪な対応は、感染者の攻撃を受けるまで決断をしないことだろう。
 日向は生存の意思をすでに示しているため、その可能性は低いが無いとは言い切れない。
 おそらく、有効射程距離に入った時点で感染者を撃つだろう。
 尚也はそう予想していた。
 問題はどこを撃つかだ。
 心臓がベストで、次点は脚部を撃ち機動性を奪うことだろう。
 頭部に命中させられるなら言うことは無いが、的が小さいため確実性に欠ける。
 胴体部分なら範囲が広いし、少女相手ならグロックでも十分に動きを止められるだろう。
 少しずつ、虚ろな瞳をした死者が近づく。
「尚也さん、車から食べ物を出してください」
 戦闘と逃亡。
 日向の選択はそのどちらとも違うものだった。
「タイプは?」
「出来ればすぐ食べられるもので」
 尚也は何のためかも問わずに、真空パックされたローストチキンを取り出して渡す。
 日向はチキンの袋を破ると、少女の目の前に駆け寄り、汚れないように気をつけながら地面に置く。
 屍者は目の前にきた獲物に手を伸ばそうとしたが、反応したときにはすでに逃げられている。
 仕方なく、足元の肉をつかみ貪りはじめた。すでに日向たちのことは眼中に無いのだろう。一心不乱に鶏肉を咀嚼し、飲み込んではまた噛りつく。
 凌辱の果てに死の安らぎすら手に入れられなかった少女。
 久しぶりに得た肉を、ひたすら胃に詰め込んでいくその姿は、何よりも現実の過酷さを物語っていた。
「これで彼女は危険じゃありません。撃つ必要は無いですよね」
「……ああ。合格だ。帰るとしよう」
 車の走り去った後、そこにはいくつかの食料が置かれていた。
 尚也は、包装を解いて食料を地面に置く日向に何も言わなかった。
http://page.freett.com/dat2ch03/030214-1030468085.html
PART1
作ってもらいました。
387PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/14 23:45
 街道を一台の車が走り続ける。
 かつては渋滞するのが当たり前だった道も、今では止まることなく走り抜けることが出来る。これならバイパスという名が偽りではない。
 車を運転するのはまだ免許を交付されていない少女だ。
 必死で前方を睨みながら運転している。これで車がミッションだったら確実にエンストを起こしているだろう。
 免許を所持し、本来なら運転をしてしかるべき青年は助手席で眠りについていた。
 その呼吸はかすかに荒く、全身を覆う毛布が単なる休憩ではないことを物語っている。
 移動途中、尚也が体調を崩していることに気づいた日向の勧めで立ち寄ったドライブインで、同じく移動中の男女から活動中の拠点の情報を得ることが出来た。
 彼らはその拠点で数日休憩を取ってから南に移動している最中で、ちょうど尚也たちと情報を補完しあえるのが幸いした。
 彼らから得た情報によると、現在自治能力を保っているのは北海道と硫黄島のような自衛隊駐屯地のほかは人口がもともと少なかった離島ぐらいのものらしい。
 離島に関しては南の方ほど食料が得やすいため、移動を選んだ生存者たちは北海道を目指すか、南の離島に向かうか、もしくは山間部の過疎地を選ぶかしているとのことだった。
「戦前に生活できていた場所が狙い目だね。過疎地ならゾンビも来ないだろうし。夢だった田舎で田畑を耕す生活がこんな形で出来るとはね」
 日に焼けた青年は側の恋人に笑いかけ、尚也たちの無事を祈ってくれた。
「もし、この先の○○市に立ち寄ることがあったらここに行くといい。まだ物が残ってるかもしれない。ただ先住者がいる可能性は少なくない」
 尚也は交換情報として自分が使ってきた拠点を教えた。彼らは尚也の行動力に目を見張り、良ければいっしょに行動しないかと同行を申し出てきた。
「悪いが俺にはやることがある。それが終わるまでは先のことは考えられない」
 尚也は同行の申し出を断ると、日向が席を離れた隙に彼女を連れて行ってはくれないかと持ちかけた。
「彼女には生き残るのに役に立つ技術は教えた。必要なら武装も渡す。俺といるよりは安全だろう。俺にはやることがあるが、それに日向が付き合う必要はない」
388PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/15 00:34
「やることというのは?」
 しばらくしてから男が口を開く。
「この騒ぎの原因となったウィルスの抗体を見つけることだ」
「そんなものがあるのか!だったら俺たちも手伝うぞ。何も一人でやることはないだろう」 目を輝かせて突然の希望に二人は飛びつこうとする。
 尚也はそれをあっさりと打ち砕く。
「年端もいかない子供を犠牲に出来るか?なら手伝ってもらおう」
「子供を犠牲にするだって。どういうことなんだ」
「抗体を見つけるには感染させるのが一番だ。免疫系の出来上がっている成人より、幼い子供のほうが抗体はできやすいだろう。場合によっては赤子も使う」
 平静に話す尚也に、二人は気圧されて口を閉じる。
「それは最終手段としても、感染者に接触する機会は増える。戦わなくてはいけない場面は必ず出てくる。感染する危険性は跳ね上がるだろう。こんなことに彼女が付き合う必要などどこにもない」
「……君がそれをする必要だってないんじゃないのかい。どうしてそんな危険なことを」
「誰かがやるべきことだ」
「それが君だとでも」
「少なくとも日向でも君たちでもない。彼女は生きようとする意志を持っている。失ってきたもの大切さを知っている。それは彼女を支えていくだろう」
 語る尚也の顔には羨望が溢れている。おそらく二度と会うことのない彼らだからこそ、胸中を語ることができるのだろう。
「俺にはそれはない。あるのは現在だけだ。昨日も明日も望まない。こんなやつについてきてどうなる。最後に巻き添えにするのは眼に見えてる」
「だから別れるのか。君はそれでいいのだろうけど、彼女の了解は得てるのかい。そもそも彼女がどう考えてるのかを聞いてみないことにはどうしようもないことだろう」
 もっともな反論に尚也は顔をしかめる。
「第一それって態のいい別れ話じゃない。男のわがままよね。そう思わない、日向さん?」
 いままで黙っていた女の言葉に、尚也は呼吸を止める。
 感覚の鈍化。かつてガソリンスタンドで経験した謎の病魔が尚也の体に再来していた。
389PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/15 00:43
今回はこれまで。
ようやく拠点に立て篭もる場面がかけます。
今まで移動を続け一時の宿のみをえていた尚也が、謎の体調不良のために立て篭もり拠点へと入ることになります。
明日の昼ぐらいには続きを書き終えて話を進めたいものですがどうなることやら。

>>380さん、続きぷりぃず。
ゾンビを、一心不乱のゾンビを。

>>384さん。
レスは欲しいですね。誰も読んでないと思うと一気に書く気が失せますから。
ゾンビでも結構ネタはあるんですよ。
むしろどこまでが正当ゾンビネタなのかで迷うしだいで。
尚也のこの話にラノベであるような魔術とか出したら引かれますでしょうか?
あとは女の子が月に数日だけゾンビ化する「あの日」なんてばかなネタを考えたりもしてます。
390PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/15 18:04
 尚也はゆっくりと後ろを振り返り、日向がそこにいることにはじめて気が付いた。
 常なら足音や空気の動きなどといった兆候を見逃さない尚也だが、いつの間にか自覚症状がないまま五感の機能が低下している。
 かつて立ち寄ったガソリンスタンドで発症した時よりも症状が進んでいる。あの時は微熱と悪寒などの初期症状の後、記憶の断絶と五感の低下が現れた。
 今回は多少の悪寒と疲労感以外は自覚症状がなかった。ドライブインに立ち寄ったのも、日向が休憩しようと言い出したからだ。
 自分を見つめる日向の表情から、彼女が休憩を取ろうと強く言い出した理由がようやく納得できた。
「俺はいつからおかしかった?」
「朝から。なんとなくぼんやりしているように見えました。それに朝ふざけて抱きついた時にも手を回してからようやく反応したから、風邪でもひいてるのかなって心配でした」
「助かった。俺一人では気づかなかった。ついでに頼みたいことがある」
「……感染の検査ですか?」
 尚也は頷き、懐から検査キット一式を取り出して日向に差し出した。
「感染って。まさか!」
 尚也たちの会話を見守っていた二人が、腰を浮かして尚也を見つめる。
 日向は黙って尚也の腕の血管を探り、消毒をする。
「一気にやっていい。今なら痛みは感じない。空気は入れないでくれよ」
 尚也の腕に注射針が刺さり、真空に保たれた筒内に血液が流れ込む。次に試薬を封入したガラス管のを繋げて検査を始める。
「尚也さん。銃を渡してください」
 尚也は自分を注視する二人の様子を確かめてから、日向に銃を差し出す。当然相手にグリップを差し出し、銃口は下を向けてだ。 
 日向が右手でグリップを握った時だった。尚也は銃身を動かし、銃口を自分の眉間へと動かす。そのまま尚也は瞳を閉じた。
「尚也さん?まさか……」
「一番簡単な方法だ。それが出来ないのなら、一発だけ弾を残しておいてくれればいい」
391あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/15 18:49
ん・・・?感染したの?だから日向は銃を渡せって言ったのか?
それと尚也が2人の反応を確かめた理由は?銃を奪われる可能性があるか注意しただけ?
読解力なくてすいません。頑張ってください。
面白い!マジで。
漏れも書きたくなって来た。






・・・けど期待しないでね。
393PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/17 08:54
>>392さん。
>期待しないでね
イヤです。
期待します。
かなり期待しております。

まあ長編には手を出さないほうが無難かと。
私のように自分の首に縄巻きつけた上に、屋上から川にダイブするようなハメになりますので。
設定が決まりすぎてると書きたいシーンがなかなかかけませんです。
>>393 :PIP ◆dve/1Ebaqs様

>イヤです。
>期待します。
>かなり期待しております。
新作家候補さんにプレッシャーかける必要は無いでしょう?。
気持ちは分かるけど。
395さんげりあ:03/02/17 23:50
漏れもちょっと書かせてくらはい。
タイトルは
「悪魔の死ね死ねゾンビーズ ゾンビ軍団逝ってよし! ユキヒロ大地に立つ 主役の名前はヒロユキぢゃないよ、ユキヒロだよ (仮題)
でつ。
みなさんみたくうまく書けんけど許してくれろ。

『1』

「よし・・・クリアだ」
ユキヒロは思わず呟いた。
グゥ〜ッ。
同時に腹の虫が鳴いた。
思えばずっとぶっ通しでゲームをやり続けて、睡眠はおろか食事もしていない。いったい何時間ゲームをやっていたのかさえ良くわからない始末だった。もっとも、ユキヒロにとっては新発売のゲームを徹夜でやることはそう珍しいことではなかったが。
「なんか喰うものあったっけ?」
冷蔵庫をあけてみたがめぼしいものはなかった。何時買ったのかさえよく覚えていないヨーグルトやら、干からびたキャベツやらしか入っていない。棚を見るが、封の開いた食べかけのポテトチップが一袋というありさまだった。
「ちぃ・・・買いに行くか。めんどいなぁ」
396さんげりあ:03/02/17 23:53
外は夕暮れ時だった。ゲームを金曜の朝一で買ってプレイし始めたので今日は土曜だろう。まさか日曜ではないはずだ。自分がクリアにそんなに時間がかかるわけがない
などと考えながらコンビニの前に着いて、ユキヒロはようやくあることに気づいた。
「なんだよ、ふざけんなよ」
コンビニは閉まっていた。
「どうなってんだ? つぶれたのか?」
なんとなしにあたりを見回す。
何かがおかしかった。
人が少ない。というより、いない。車も通らない。おまけに夕暮れ時だというのに電気のついている家がほとんどなかった。静寂があたりを包み込んでいた。
「・・・静かだな、なんか・・・」
ユキヒロは急に不安になった。もしかすると他に人がいないのではないかという妙な感さえ持ちはじめつつ、いそいそと道を進む。
少し行った所にもう一軒別のコンビニがあるはずだ。そこまでいけば確実に人がいる。そうすればこの馬鹿げた感覚から解放されるはずだった。
途中で一台の車が猛スピードでユキヒロの横を通り過ぎていった。
「なんだよ、アブねぇなぁ。ドキュンドライバーめ、逝ってよし!だな」
毒づきながらも少しホッとするユキヒロだった。決して車が通らないわけではなかったのだ。当たり前のことだが他に人はちゃんといたのだ。
ただなんとなく気になったのは今の車の片側が随分と汚れていたことだった。そう、まるで赤黒いペンキを浴びせかけられたかのように。。。

つづく
397さんげりあ:03/02/17 23:54
しばらく歩きユキヒロは目的地に着いた。
「おおっと、開いてるじゃねぇのよ、ちゃんとサ」
今度のコンビニはちゃんと営業していた。その証拠に電気が付いている。なんだかうきうきしながら店に入るユキヒロだった。
「ひっ!?」
ユキヒロが店に入ると同時に店員が小さい悲鳴をあげた。
「なんだよ」
思わず呟くユキヒロ。
「あ、あ、いえ・・・い、いらっしゃぃませ・・・」
かすれた声で店員が挨拶した。
ユキヒロはムッとしつつも弁当やらパンを適当に選んでレジにもっていった。
「お弁当はあたためますか?」
「ああ、やって」
ここでユキヒロは店員の態度が店に入ったときと随分違うことに気づいた。さっきはビクビクしていたのに今は妙に明るい。気になったのでユキヒロは声をかけてみることにした。
「あのさぁ、なんかさぁ、あったの?」
「は?」
「いや、なんか、さっきすげぇキョドってなかった? それにここに来るまでに全然ひと見かけなかったし、車もまるで通んねぇしさ、なんかあったのかな〜とか思ってサ」
「え・・・? 知らないんですか?」
「なにが?」
「ホントに知らないんですか!?」
店員は本気で驚いているようだった。
398さんげりあ:03/02/17 23:55
「いや、だからなにが?」
「おとといの木曜の夜に新宿の辺りで暴動みたいなのが起きたんですよ。
昨日はどんどん暴動の地域が広がって、今朝からはテレビで外出しないように呼びかけたり、あと、地域によっては非難勧告までしてたんですよ」
「・・・は?なにそれ・・・」 
あまりにも突拍子も無い話にユキヒロは自分の頭が混乱し始めるのを感じた。
「マジな話、それ?ホントに?」
「ほんとですよ。この辺りの人もけっこうみんな家に閉じこもってるか逃げちゃって、今日なんてお客さんぜんぜん来ないですもん。
僕もはやく家に帰りたいんですけど、交代の時間はとっくに過ぎてるのに店長が来ないし、おまけに連絡もつかなくて・・・・。
もし暴徒が来たらどうしようかドキドキしっぱなしでしたよ」
「そうだったんだ・・・」
『それでさっきはビクついてたのか。それにしても、なにが起きてんだ?』
ユキヒロが頭の中を整理しようとしたそのとき、自動ドアが開いて入り口から数人がゆっくりと入ってきた。
思わずそちらに顔を向けたユキヒロは思わず息を呑んだ。入ってきたのは明らかに普通とは違う様子の連中だった。

つづく
399さんげりあ:03/02/17 23:56
「な、なんだこいつら・・・」
「ひぃっ・・・」
店員のほうは凍りついたように固まってしまっている。
「アァウゥゥゥ」
唸り声とも嗚咽ともつかない低い呻き声をもらしつつ、ゆっくりと男たちがユキヒロ達のいるレジに向かって歩いてくる。
「・・・暴徒・・・なのか?」
男たちの様子は暴徒と呼ぶにはあまりに異様なものだった。
普通、暴徒というものはノロノロとした動きなどではなく、何より殺気立っているし、棒やらなにかを手にしていることがほとんどである。
だが、目の前の連中は何も手にせず、あたかも夢遊病者のような動き。その肌は見ると紫色に斑になっている。
その眼は虚ろなどという生易しい表現では足りず、白濁して茶色い液体が涙のようにダラダラと流れ、口から洩れる呻き声とあいまって救いを求めて涙ながらに祈る地獄の亡者を思わせた。
それは暴徒というよりはまるで病人。いや、そんな言葉よりももっとしっくりする言葉がある。そう、それは「死人」のようだった。
ユキヒロの頭にひとつの言葉が浮かんだ。
「・・・ゾンビ・・・」
思わず口をついた。
次の瞬間、先頭にいた男が両手を差し出しながらユキヒロにしがみついてきた。ぞっとする冷たさの手がユキヒロの両肩を掴んだ。
「は、離せ・・・!」
「ァアアァァァゥゥ」
男の顎が大きく開かれ、異臭を放つ液体がボタボタと床に落ちた。

多分つづく
400あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/18 14:59
>>397-399
面白くない。
駄作。
逝ってよし。
401さんげりあ:03/02/18 17:53
ついでだからもちっとだけ書かせてくらはい。
402さんげりあ:03/02/18 17:53
「くそったれがぁっ!」
ユキヒロは渾身の力で男を振りほどいた。
ガシャーン。
男はお菓子を陳列した棚に頭から突っ込んで倒れこんだ。
「はぁはぁはぁ・・・」
荒い息でユキヒロは後じさりしていった。背中が壁にあたったことさえ意識できなかった。
ユキヒロの眼は完全に男に釘付けだった。
「なんなんだ、なんなんだ、なんなんだ、こいつは・・・・」
「アゥウゥゥ・・・」
呻きながら男はのろのろと立ち上がり、また両手を差し出しながらゆっくりとユキヒロに近づいて来る。
男の右手は手首から先がなくなっており、赤黒い液体が流れ出して床に染みをつくっている。
ユキヒロは肩に妙な重さを感じた。目線を落とすとそこには妙な形の物体があった。
「・・・!? う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
自分のシャツに貼りついているものが男の右手首だと気づいたときユキヒロは悲鳴をあげてそれをむしりとった。
ブチュッ。
いやな音を立てて男の手首は床をころがった。
視線を戻したときには男は既にユキヒロの眼前に迫っていた。
「ォオォォ・・・」
「・・・!!」
ユキヒロの頭の中は恐怖で真っ白になった。
腐臭がユキヒロの顔に吹きかかる。
ユキヒロは指一本動かすことができなかった。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ・・・!」
403さんげりあ:03/02/18 17:54
ユキヒロは遠くに悲鳴を聞いたように感じた。
男の肩越しにレジの様子が、2体のゾンビに首筋を噛まれる店員の姿が見えた。
鮮血がほとばしり天井にまで飛び散るのがひどくゆっくりと、あたかもスローモーションのようにユキヒロの目に映った。
『死にたくない!』
店員の悲鳴と血しぶきがユキヒロの呪縛を解いた。
「ぎこにゃはぁーんっ!!」
ユキヒロは自分でもわけのわからない叫び声をあげながら男を突き飛ばし、一気に出口に駆け出した。
自動ドアの開くほんの一瞬の時間がひどく長いものに感じられた。
振り向くと男がまた立ち上がりはじめていた。
レジからはぶちぶちと肉の裂ける嫌な音が聞こえてくる。
2体のゾンビが一心不乱に店員の身体に噛り付いているのが見えた。
『はやく!はやく!はやく開けよ!はやくっ!!』
ガァーッ。
ドアが開ききらないうちにユキヒロは外に飛び出した。肩がガラスに当たったが痛みを感じるゆとりさえなかった。
「・・!?」
道路の向こう側から集団が歩いてくるのがユキヒロの目に映った。集団はざっと見て30人以上いるだろうか。
「なんてこった・・・」
集団の歩き方はのろのろとしたぎこちないものだった。どいつもこいつも呻き声を発しつ歩いている。
そしてそれがどういうことなのかユキヒロにはすぐに理解できた。
「なんてこった・・・なんてこった・・・なんてこった・・・」
ユキヒロは呪文のように繰り返しながらゾンビの集団から背を向けて走り出した。


404さんげりあ:03/02/18 17:55
どこをどう走ったのかよく覚えていなかった。なんとかユキヒロは自宅のアパート近くまで戻ってきていた。
自宅に戻ってどうなるものでもなかったがなぜか自然と足は家に向かっていた。人間の帰巣本能というものだろうか。
「はぁはぁはぁはぁ・・・」
全力で走ったのなどユキヒロは高校卒業以来、数年ぶりだった。
頭がくらくらし、ノドが痛み、心臓が内側から胸を叩いているかのように凄い勢いで鳴っている。
辺りには今のところヤツラの姿はない。だが、ユキヒロは恐怖のため走るスピードを落とすことができなかった。
「あっ!?」
アパートの目前の十字路を曲がろうとした瞬間、バイクが突っ込んできた。
キキキ――――ッ!
ガシャ―ン!!
バイクはユキヒロを避けようとして電柱に激突した。ライトの破片が宙を舞う。
「だ、大丈夫か!?」
あわててユキヒロはライダーに駆け寄った。
「うぅ・・・」
「おい、しっかり!」
そのとき、すぐ目の前の家の玄関が開いた。ひとりの中年女性がのそのそと外に出てくる。
「ちょうど良かった。お願いだ、救急車を呼ん・・・」
ユキヒロは言葉を呑んだ。
玄関から出てきたのは明からにヤツラの仲間だった。
「ゥゥウウゥ」
女ゾンビの低い呻き声がユキヒロの全身の毛を逆立たせた。
405さんげりあ:03/02/18 17:56
「アァァウゥウゥゥ」
女のゾンビは呻き声をあげつつユキヒロ達に近づき始めた。
ユキヒロはライダーの腕を掴んだ。
「はやく立つんだ、逃げないと!」
手を貸して立たせようとする。
「痛っ! あ、足が・・・」
「足!?しっかりしろ、さあ!」
ユキヒロはライダーに肩を貸しながらアパートを目指した。ほんの10メートルもない距離だったが
恐ろしく遠く感じられた。
必死の形相でアパートの階段に辿り着く。
カンカンカン・・・。
鉄製の階段を2階に上がっていく二人。
「カギ、カギ、カギ・・・」
ポケットをまさぐり部屋のカギを探す。
「あった!」
カギ穴にカギを差し込みつつ目線を移すと女のゾンビが階段まであと少しというところまで来ていた。
『やばい、やばい、やばい』
ドアを開けライダーと共に中に入り、慌ててカギを閉めるユキヒロ。
「くっ・・・」
ライダーは左足を押さえて玄関に座り込んだ。
「大丈夫か!?」
「大丈夫かじゃないわ。誰のせいだと思ってるのよ。
折れてるわけじゃないと思うけど・・・・」
話しながらライダーはフルフェイスのヘルメットを外した。
ファサッ。
豊かな黒髪が肩口に流れ落ちた。
406さんげりあ:03/02/18 17:57
こんな事態だというのにユキヒロは一瞬見とれてしまった。
ヘルメットを脱いだライダーは美人だった。歳は二十歳前後といったところだろうか。
「女だったんだ・・・」
「あら、男みたいな声に聞こえた?」
苦痛に顔を少し歪めながら女は応えた。
「あ、いや、そんなことはないけど」
ユキヒロは自分がそんなことさえわからないほど気が動転していたことに気づいて恥ずかしくなった。
「さっきのあれが暴徒?」
「ああ」
ユキヒロは頷き、だが一瞬後に首を左右に振った。
「・・・いや、暴徒なんて生易しいもんじゃない、あれは・・・」
ドン、ドン、ドン!
ユキヒロの言葉を遮るかのようにドアが叩かれ始めた。
407さんげりあ:03/02/18 17:57
「もうきやがったのか!」
「さっきの暴徒?」
ユキヒロは女の質問に答えなかった。いや、答える余裕がなかったというのが実際のところだった。
「よし、こっちに」
「え!?でもブーツが・・・」
ユキヒロは女に肩を貸すと部屋の奥、窓際に連れて行く。
女の方は土足のままだということを気にしている様子だったがユキヒロはそんなことを気にもとめなかった。
そんな場合ではなかったからだ。
ドン! ドン! ドン! ドン!
その間もドアはゆっくりと、だが確実に叩かれ続けていた。
「くそっ」
ユキヒロは冷蔵庫や本棚をドアの前に押していき、バリケードを作り始める。
とはいえ、もともと家具の少ない部屋のため作業はすぐに終了してしまった。
明らかにバリケードとしての強度に不足している。
「どうする? どうする? こんなんでいつまでもつ?」
パリ―ン!
ガラスの砕ける音が響いた。
「え!?」
目の前のドアにはガラスなどない。だが、間違いなく音はすぐ近くから聞こえた。
「まさか・・・」
ざぶざぶという水音が聞こえる。それがユキヒロの推測の正しさを裏付けていた。
ユキヒロの部屋の玄関脇は風呂になっている。そして今、ゾンビは風呂の窓を割って侵入してきたのだ。
しかもドアを叩く音はいまだ続いている。それは風呂だけでなくドアの外にも依然としてゾンビがいることを
如実に物語っていた。
408さんげりあ:03/02/18 17:58
最低でも2体いる!
いつの間に増えたのかはわからない。だが、ひとつだけわかっていることがあった。
『はやくこの部屋から逃げなければ・・・!』
ユキヒロは窓にダッシュした。
「くそっ!」
アパートと二階建ての隣家との隙間はあまりに狭く、飛び降りるスペースとして不十分だった。
おまけに、すでに道路にも何体ものゾンビが徘徊していることが見える。
「立って!」
ユキヒロは女に手を貸して立たせると窓枠に足をかけた。そして隣家の屋根によじのぼった。
「はやく!」
女の手を引っ張って上に引き上げようと渾身の力を込める。
女の背後にずぶ濡れになった男のゾンビが迫りつつあるのがユキヒロの目に映った。
409さんげりあ:03/02/18 17:59
間一髪だった。もうあと一瞬遅れたら女はゾンビの餌食となっていただろう。
屋根の上でユキヒロは荒い息をととのえた。
女は屋根によじ登ったせいで痛めた足に激痛が疾ったらしく左足を抱え込んでいる。
「見ろ・・・」
ユキヒロの言葉に女の目が道路に向けられ、そのまま凍りついた。
「・・・!?」
屋根からの景色はまるで地獄絵図だった。
今や数え切れないほどのゾンビが道という道に彷徨っている。
悲鳴をあげながら家を飛び出した男があっという間にゾンビ共に引き倒されその姿を消した。
そこかしこでガラスの割れる音、悲鳴、怒号が響き渡り始めている。
そして風に乗って聞こえてくる生者を呪うかのような無数の唸り声。
没する直前の紅い夕日が町を照らし、あたかも町全体が血の海に染まっているかのようだった。
「な・・・なんなの・・・あれ・・・。あれが暴徒なの? あれが・・・」
「あれは・・・ゾンビ・・・だ・・・たぶん」
「・・・!?」
「・・・やつら・・・人を食い殺してる」
女はユキヒロの目を凝視した。そして、ただただ首を横に振った。
だが耳に届く全ての音が、そして今さっき見た全ての光景がその言葉に同意を示していた。

夜が辺りを包み込み始めた。
ユキヒロも女もこのまま闇に飲み込まれ二度と陽光を目にできなくなるのではないかという
恐怖がじわじわと心に染み込んでくるのを感じていた。
410さんげりあ:03/02/18 18:00
スレ汚しスマソ
逝ってきま〜
411PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/18 19:36
さんげりあさん、乙カレーです。
ゆきひろさんは平安顔でツカ?

噛まれた上に行き場のない屋根の上ってのはいきなりピンチですね。
確かに一軒家だとアパートやマンションと違って、逃げられる場所が限られてますよね。
ちなみに私は小学生の頃よく県営住宅(5F)の屋上までベランダを伝って登っておりました。

スレ汚しなんてとんでもない。
作品こそがここの主役なんですから。

続きにせよ、新作にせよ次回作も楽しませていただきますので、今後ともよろしくです。

>さんげりあ
展開の希望を言えば、一旦夜明けを持ってきて辺り一面の墓場の様な情景を思う存分描写して欲しいぞ!
昼間はゾンビも鈍重なので何とか郊外のショッピングセンターまで辿り着いて立て篭もるとかだとなおイイ!
寂れてることだし、初心に返ってロメロゾンビをクラシックに堪能したいのであ−る
413あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/18 21:45
>>「ぎこにゃはぁーんっ!!」
ワラタ
414あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/18 21:49
自作自演共和国

   旗
   顔
   城
415あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/18 21:49
糞馬鹿ダヌル・ウェブスターは早く死ね!
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416さんげりあ:03/02/19 11:21
こんなんでもいいんでつか?
なんとなく「武器なし、体力なし、足手まといありの普通以下の条件の
兄ちゃん」の生き残りを
想像したくて考えますた。
続きは書くにしても夜明けはまだまだ先でつ。
だってユキヒロの人生で一番長い、そして最悪の夜だから。
ここからが「夜」のはじまり。
明けることのない夜の中でもがいて足掻いてってのが「ゾンビ」映画かな
〜なんて思ってるでし。

ちなみに女の方は事故って足を痛めてるだけで噛まれてはいないでつ。
でもユキヒロは平安顔 (藁

ためしに ↓ こんなのもうpしてみるでし。
「ロメロ」じゃないけどね。
417さんげりあ:03/02/19 11:21
「おい、知ってるか? 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』って映画はな、
実話なんだぜ」
「ぶっ、ぶははははは」
思わず俺は大笑いしてしまった。こいつ、斎藤は昔から突然とんでもなく
バカバカしいことを言い出すが、今回のこれはホラー好きの俺のツボに
みごとにハマって大ウケしてしまった。
「ひ〜っ。は、腹がイテェ・・・。それ、知ってるよ、あれだろ、『バタリアン』
の台詞だろ?」
ふと見ると手にもったグラスからビールをこぼしてしまっていた。まったく、
斎藤のせいでせっかくの酒が・・・。
「そうか、鈴木、おまえやっぱり『バタリアン』知ってたか」
「当たり前だろ」
答えながら俺はテーブルにこぼれたビールを拭いた。
「実はな、『バタリアン』てな・・・実話なんだぜ」
「わ、わははははははは」
腹がよじれるってのはこのことか。笑いすぎて本当に苦しい。
「いいかげんにしろ、俺を笑い死にさせる気かよ」
418さんげりあ:03/02/19 11:23
「いや、マジだぜ」
そう言って俺の顔を見つめる斎藤の顔がさらに俺の笑いをさそった。
「は〜、苦しかった。わかった、わかった。お前のボケにはホント笑せて
もらうよ」
「おいおい、冗談なんか言ってねぇぜ、俺は」
「なんだよ、酒の飲みすぎでおかしくなったか?ヲタ話もほどほどにし
とけよ」
こいつは本当に学生時代からこうだ。
「あれも実話をアレンジしてるんだがな、ホントに本当にあった話なんだ
ぜ」
だが、斎藤は俺の気などおかまいなしに話を続ける。
さすがにしつこい。悪ノリしすぎだぜ、斎藤よ。
「あの『バタリアン』のもとになった事件の後、アメリカはゾンビ入りのカ
プセルをな、ある場所に保管するようになったんだ」
「はいはい、それで?」
俺は軽く聞き流すことにした。こうなった斎藤は止まらないことを良く知
っているからだ。
「アメリカ国内でまた事件になったらたまらないってんで、やつらはな、
なんとカプセルを日本にある在日米軍基地で保管するようになったん
だぜ」
「・・・・」
「自分の国じゃヤバくて保管しとけないなんてしろものを他人さまの国
に持ち込むなんて、アメリカはとんでもねぇぜ。
お前もそう思うだろ、鈴木?」
ここまでくるとくだらなさすぎて笑えない。
「いいかげんにしとけよ、斎藤。しつこすぎて笑えねぇよ」
419さんげりあ:03/02/19 11:23
「ばかやろう、俺が作り話をしてると思ってるのか、お前」
いかん、斎藤の奴、目がすわってる・・・。
「鈴木ぃ、お前、俺が冗談でこんな話をする奴とでも思ってるのか?」
いや、思いっきりそうだろ。
「アメリカはなぁ、よりにもよって横須賀基地に保管してるんだぜ。あぶ
ねぇと思わんのか、鈴木。
もしカプセルが開いてみろ、東京なんてあっという間にゾンビだらけに
なっちまうんだぜ?」
仕方ない、もう少しだけつきあってやるか。酔った斎藤が怒ると手におえ
んからなぁ。
420さんげりあ:03/02/19 11:24
「そうだな、許せんな」
「そうだろう、そうだろう」
「でも、なんでカプセルを処分しなかったんだ?」
「バカだな、お前、映画見たんだろ?焼くとヤバいから処分できなかった
んだよ。
処分はできない、国内に置いとくにはヤバすぎる、そこで日本に置いと
くってことになったのさ」
ここで斎藤は一気にグラスに残った酒を飲み干した。
「俺ぁこの話を知ったとき、夜眠れなかったぜ」
はぁ、もういいかげんにして欲しいよ、マジで。
「いいか、鈴木! もし横須賀近辺で暴動とか事故とかいう報道があっ
たらすぐに東京から逃げるんだぞ、
ゾンビが溢れてくるからな」
「へいへい。わかったよ」

その晩、俺は3時近くまで斎藤のヨタ話に付き合わされた。
421さんげりあ:03/02/19 11:25

翌朝、二日酔いで痛む頭を押さえながらテレビをつけた俺の目に飛び
込んできたニュースは
『昨夜未明 横須賀にて暴動発生!』だった。

・・・・まさか・・・・な。

二日後、俺は死に物狂いで街を逃げ回ることになるのだった。

ひょっとすると つづく・・・
422さんげりあ:03/02/21 20:27
ヾ( ゚д゚)ノ゛ モウ一本ウpシテミルヨ シナチクー
423さんげりあ:03/02/21 20:28
「奇病」が発生して八ヶ月が経った。
もはや日本は明らかに壊滅状態だ。
政府が初期のうちに手を打っていればこんなことにはならなかった。
だが、動いている以上それが「死体」などという認識をお偉いさん方が持ち、
「処理」を命ずることなどある訳もなく、あれよあれよという間に「暴徒」は増
加の一途を辿り、ようやく「お上」が俺たち自衛官の出動、兵器の使用を認
めた頃には既に取り返しのつかない状況になっていた。
その頃には誰も「奇病」だの「暴徒」だのという言葉は使わなくなっていた。
皆は呼んだ。。。「ゾンビ」と

今日もまた俺はヘリに乗る。
どこにいるかもわからない篭城している市民を探し出し、救出するために。。。。
「捜索・救助」それが俺たちに与えられた任務だから。

眼下には廃墟と化した街並みが広がるばかり。
この光景に完全に慣れてしまった自分が嫌になる。
424さんげりあ:03/02/21 20:28
「いつまでこんなこと続けんのかな・・・」
隣に座っていた高田がぼそりと呟いた。
俺は聞かなかったふりをした。が、後ろに座っていた新垣にも聞こえていたらしく
「ずっとだろ、上から中止の命令があるまでな!」
と、いまいましげに吐き捨てた。
「だってよ、ばかばかしいじゃないか」
「仕方ねぇだろ、俺たち駒は命令に従うだけなんだよ!」
新垣は高田の言葉にかなりイラついている様子だった。
「それに・・・助けたっていいこと無いし・・・」
高田の言いたいことは俺にもわかる。
捜索に出るたびに燃料はどんどん減っていく。
時にはゾンビと交戦することもあり、貴重な弾薬、それだけならまだしも人員まで
が減ることもあった。
さらに、救助後もまた問題が起きることが多かった。
助かりたいがためにゾンビから受けた傷を隠したまま救助を受ける者もいたから
だ。
そのため基地に帰ってから発症、基地内部でゾンビ騒動が起きて犠牲者が出る
こともあった。
燃料も、弾薬も、人員も、そして士気も、すべてが減る一方だった。
さらに、収容する避難民が増えるにつれ、基地の食料は加速度的に減少して
いる。
食いぶちが増えるのだ、それは当然のことだった。
もはや、あらゆる面で限界に来ていた。
425さんげりあ:03/02/21 20:28
「あ〜あ、せめて助けたネェちゃん達がヤらせてくれたらなぁ」
「なんだ高田、お前、それが本音だろ?」
新垣がニヤニヤしながら言った。
「だって、こっちは命がけなんだぜ。それぐらいあって欲しいよなぁ」
「おい、神崎、このバカになんとか言ってやれ」
新垣が俺にふってきた。
「そうだな・・・」
俺は気の無い返事をするだけだった。

前方にホームセンターが見えた。
屋上からは一筋の煙があがっていた。
生存者の信号らしい。
どうやら今日もまた忙しくなりそうだ。


俺たちは「救助」を続ける。
だが、最近ふと思う。
『誰かが俺たちを「救助」してくれる日は来るのだろうか。。。』



::::完:::::
426さんげりあ:03/02/21 20:38
ヾ( ゚д゚)ノ゛ 誰カ書イテヨ シナチクー
427あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/21 20:38
糞馬鹿ダヌル・ウェブスターは早く死ね!
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428さんげりあ:03/02/21 20:38
ヾ( ゚д゚)ノ゛ ヒトリボッチダヨ シナチクー
429さんげりあ:03/02/21 20:39
ヾ( ゚д゚)ノ゛ マトモナ書キ込ミシテヨ シナチクー
さんげりあさん、お疲れです。
処で、ロメロゾンビは頭を破壊すれば倒せるけど、バタリアンの倒し方ってありましたっけ?
431PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/21 22:56
実は無いんだよね。
バタリアンだとすでに解剖されてた標本まで動くから。

ンでもって明後日が夜勤なので、明後日には新しいが書けると思います。
いきなり速度が落ちた原因はNOCTURNEにあるかもしれませんが、たぶん気のせいです。

最近は作者を騙る人もいなくなったからトリップ無くてもいいかな?
432さんげりあ:03/02/21 23:25
ヾ( ゚д゚)ノ゛ ヒトガ来タヨ シナチクー

ヾ( ゚д゚)ノ゛ ウレシイヨ シナチクー

ヾ( ゚д゚)ノ゛ バンザイダヨ シナチクー

ヾ( ゚д゚)ノ゛ マタ ショートショート一本ウpスルヨ 
       シナチクー 
433さんげりあ:03/02/21 23:26
ひとりの男が暴徒の集団の前に立ち塞がった。
男は今、人生最大の喜びを感じていた。
「やっと・・・やっとこの日が来た」
男は上着を脱ぎ捨てた。隆々たる筋肉が盛り上がる。
男はゆっくりと構えを取った。いちぶの隙も無い見事なまでの構え。
そう、男は武術家だった。

来る日も来る日も毎日それこそ血の滲むような修行を続けてきた。
だが、どんなに腕を磨こうとも、どれほど強くなろうとも、決して男は
満足できずにいた。
なぜなら、男が磨いていたのは古くから伝わる必殺の拳だったからだ。
ひとたび使えば必ず相手を死にいたらしめてしまう、試合にも喧嘩にも
使うことのできない数々の殺人技。

「使いたい! 思う存分、この拳をふるってみたい!」
どれほど切に願ったことか。
だが、平和な世ではそんな願いは叶うはずもなかった。
もはや太平の世は殺人拳など必要としていなかった。
男は悶々とした日々を送っていた。
434さんげりあ:03/02/21 23:26
そんなある日突然の暴動事件が発生した。
暴徒たちは一般市民を集団で襲い、あろうことか食い殺すという世にも
残虐非道な所業を繰り返していた。
「ここまでイカレた連中相手ならば、この拳をふるったとしても・・・」
男は決意した。
「そう、これはあくまで正義のためなのだ!」
暴徒たちのあまりの勢いに警察さえもが壊滅状態になったとき男の我
慢は限界に達した。
警察に逮捕される心配がないという事実は男がそれまで押さえに押さ
えていた欲望を解き放つのに充分だった。

「ふおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・」
男は呼吸を整え、
「止まれ。それ以上進むのならば、この先に避難している人々を護るた
めにお前達にこの鉄拳をお見舞いすることになる」
最初で最後の警告。
もちろん形式上一応言ってみただけだ。
男の願い通り、暴徒たちは止まらなかった。
男はそれを確認するとニンマリと笑い、そして暴徒の群れに突進した。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
435さんげりあ:03/02/21 23:26
「おぁぁっ!」
男の必殺拳が暴徒に炸裂した。
ついに、ついに何の遠慮もなく思う存分禁じ手を使えるその時が来た
のだった。
これまで何度夢に見たことか。
次々と暴徒たちの骨が砕け、肉が裂け、臓腑が飛び散る。。。
はずだった。
だが、しかし。。。

「ば、ばかな・・・」
男は愕然とした。
なぜか男の技は暴徒にまったく通用しなかった。
半生をかけて身に付けた己の技は一体なんだったのか?
呆然とする男の全身に暴徒たちの牙が立てられた。
血まみれになりながら男は呟いた。
「俺の・・・俺の北斗神拳が通用しないなんて・・・
・・・そんな馬鹿な・・・・今までの修行はいったい・・・・」

その日、伝説の暗殺拳の伝承が途絶えた。


:::::めでたし、めでたし:::::




ヾ( ゚д゚)ノ゛ ゴメン 怒ナナイデヨ シナチクー
ゾンビより人間の黒い部分を書いた作品かと思いきや…

 た だ の 北 斗 ヲ タ じ ゃ ね ー か !
ちょとワロタよ。
437さんげりあ:03/02/22 17:39
男1 「どこもかしこもゾンビだらけで嫌になるアルよ」
男2 「そんなにゾンビが嫌いか?」
男1 「な、なにアルか、お前!?」
男2 「ゾンビの文句は俺に言え〜」
 ドガッ! バキッ! ビシッ!
男1 「ぐふっ! な、ないアル、ゾンビに文句なんてないアルよ」
男2 「あるのか、ないのかはっきりしろ!」
 ズドッ!
男1 「ないアルないアルないアルないアル・・・あべしっ!」
 ボン!


修羅の国 編 完

438さんげりあ:03/02/22 17:40
元ネタわかる人はヲタでつ。

スマソ・・・次はまともなの書くよ。
439 ◆Z62ETnTQww :03/02/22 22:00
 1/2

 ゾンビ発生の公式発表から数日。
 康男は、一人で街を歩いている。身の危険を感じいていないわけではない。
 その証拠に、きょろきょろと辺りを見回しながら慎重に歩いている。
 昨夜、康男はホームセンターから追い出されたのだ。
 食料が足りない。それが理由だが、康男はそれが嘘だと知っている。
 鬱陶しいから捨てられた。それが本当の理由だ。
 康男にとってゾンビ騒動は有難かった。苛められるために学校へ行くことが無くなったからだ。
 殴られるか、笑われるか、無視されるか。それが康男の学校生活の三択だった。
 だが、避難先でも状況は変わらなかった。
 考えてみれば、避難してきたのは近所の人間ばかり。つまりクラスメートだ。状況は変わっていなかった。
 そして、康男は捨てられた。
 食料を配るとき、完全に無視されていた。
 しかし、口減らしを捜すときは全く無視されなかった。
 立ち止まる康男。
 ゾンビが死体を食っている。康男は震えだした。
 足が動かない。震える身体がいうことを聞かない。逃げられない。
 ゾンビがこちらに気付いた。叫ぶ康男。助けはない。


 
 

 
  
440 ◆Z62ETnTQww :03/02/22 22:01


 数日後。
 彷徨う康男はようやく気付いた。
 自分は、ゾンビにすら無視される人間だと…。
441さんげりあ:03/02/22 23:17
>Z62ETnTQwwさん

ヾ( ゚д゚)ノ゛ ツヅキ ハヤクー 
モット モット カイテー
442あほ:03/02/23 02:43
つまらんネタ、初投下しまつ


○月×日
「あの日」からどれほどの月日がたったのか。
一年近くはたっただろうか?
・・・いや。
もはや、日付など意味をなさないものになっているのだ。
この世界で人が人として生き、そして死ぬことを拒否された「あの日」から・・・


「あの日」・・・私はいつものとおり、学校へ行った。
太陽がまぶしくて、とても素敵な気分であった事を覚えている。
教室に入った私を待っていたのは、いつもの仲間たち・・・
もう今はいない、懐かしき友・・・
くだらない馬鹿話をさんざんしたあと、朝のホームルームが始まり、先生がやってきた。
・・・先生は、何故か腕に包帯を巻いていた。
聞けば、昨日の夜、暴漢に噛みつかれたのだそうだ。
「全くひどい奴よね〜基地外だわ、基地外!」
怒った様子であっけらかんと話す彼女を、皆あきれてみていたものだ。

あれは・・・その日のお昼前だっただろうか。
何故かその日はパトカーや救急車がよくサイレンを鳴らす日だったが、しかし、皆はそんな事も気にしていない様子だった。
その中の一つが、こちらに向かってくるまでは・・・。
けたたましいサイレンと、すさまじい衝突音を立て、一台の救急車が正門に衝突して停止した。
「事故だ!」「すげぇ、救急車が事故ってるの初めて見た!」
それまで静かだった教室は騒がしくなり、皆が窓際に集まりだした。
「お〜、すげぇ、ほんとだ〜!」
先生まで・・・
443あほ:03/02/23 02:44
その2

皆、特に何をするでもなく、2階にある教室から事故の様子を眺めていた。
いきなり目の前で事故が起きたときの人間の反応など、そんなモンだろう。
そうしているうちに、救急車の後部ドアが開き、中から人が出てきた。
見た瞬間重傷だとわかるその人は、苦しそうにうめき声を上げながら、よろよろと運転席の方に向かった。
おそらく、運転手を助けようと言うのだろう。
「おい、助けないでいいのか?」
誰ともなく、そんな声が挙がり始めた。
しかし、誰も動く事はなく、成り行きをただ見守るだけしかしなかった。

数分後。
事態に気付いた教師たちが、校舎から飛び出て救急車へと走る。
ちょうどそのころ、救出しようと試みていた「人」は、無惨にもひしゃげた運転席のドアを開けたところだった。
「やった!開いたぞ!」「早く出してあげて!」
無責任な生徒たちから歓声が上がる。
しかし。
何故か救出者は運転手を救出しようとはしない。
「何か、話かけてるのか?」
私はそう思っていた。
救出者は、運転手に顔を近づけ、何かしている。
そこへ教師たちが駆けつけた。
だが、不思議な事に教師たちはその場に立ちすくし、動こうともしない。
救出者は、運転手に語りかけるのを止め、非常に緩慢な動作で教師たちの方へ向き直った。

最初私は、何が起きているのか理解できなかった。
おそらく、それは他の皆もそうであったろう。
その場面を目の前にして、いったいそれが何なのか瞬時に判断できる人間など、いやしない。
「人が、人を食べている」
444あほ:03/02/23 02:45
その3

それをこの目で見て、頭で判断するのにいったいどれだけの時間がかかった事か。
救出者・・・いや、その「もの」は、運転手を「食べて」いたのだ。
向き直ったその顔には、どす黒い血がべったりと付着していた。
そして両手をさしのべ、ゆっくりとした足取りで教師たちの方へ向かう。
「いけない。逃げろ!」
何故かは知らないが、私の中でそんな声がしたように思え、同時に口にしていた。
ただ、嫌な予感がしていたのだ。

図らずも、私の予感は的中した。
呆然とその異常な状況を見つめていた教師・・・
あれは、教頭先生だっただろうか。
彼が、犠牲となった。
その「もの」が、彼の首筋に噛みつき、その肉を引きちぎった。
噴水のような鮮血と、校舎全体を揺るがすような絶叫が周囲を飲み込んだ。
倒れ込む彼に、「もの」は覆い被さった。
そして、「食事」が始まった。
腹を割き、内蔵を取り出し、美味そうに。
私、いや他の全ての者が、その様子を凝視していた。
彼は、断末魔の悲鳴を上げ続ける。
それすら聞こえないような、異常な状況。
私は、ただ見ているだけだった。

それが、全ての始まりだとは知らずに。
445あほ:03/02/23 02:46
らすと〜

「あの日」以来、全てが変わった。誰もが、常に死の恐怖を味わいながら生きている。
私がいるこの部屋の外では、あの「もの」たちが闊歩している。
ここを出れば、私も仲間入りする事は必至だろう。
だが・・・
ここで生きながらえる事に、なんの意味があるのか。
もはや、私の見知った人達はもういない。
私はたった一人だ。
こうして体験した事を書きつづったところで、何になる?
空しくて仕方がない。しかし、そうでもしなければ生きていけない。
狂ってしまいそうだ。

まあいい。今日はこのくらいにして、もう寝よう。
時間なら、捨てるほどある。
446あほ:03/02/23 02:51
いや〜、酔っぱらって適当に書いたんで
何も考えずに書きましたが。
ほんとつまんねぇな、これ。
逝ってよしですか?そうですか・・・
活気がやや戻ってきてよろし。正統派なのがうれしい。
ところで、ダン・シモンズの短編にゾンビに教育する
おばさんの話がある。なかなかいいようだぞ。
タイトルは、「最後のクラス写真」
1998年のSFマガジンにのっている。
449PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/23 23:30
はずいにゃあさんキターヽ(゚Д゚)ノヽ(Д゚ )ノヽ(゚ )ノヽ( )ノヽ( ゚Д)ノヽ(゚Д゚)ノー!!
んでもって新人さんいっぱいキタ━━━━ε==(ノ゚∀゚)ノ (=゚∀゚=) ヽ(゚∀゚ヽ)==3━━━━!!!
450巡査物語:03/02/24 14:31
 それは久しぶりの温かい朝食だった。
ふっくらと湯気さえ出ている、熱いご飯と今では貴重品の菜っ葉と油揚げの味噌汁、
そして鯵の開き・・・。
美味しかった、今迄何気なく流し込んでいたごく当たり前の
献立だった、細かい出来具合に不満さえ持った事もある、そんなありふれた
献立だが多分は一生の中で最高の味かも知れない。
手を尽くして材料を揃えてくれた同僚に心の底から感謝した。
忙しい合間に、作ってくれた看護婦さんに心の底から感謝した。
そうして、これまた今や貴重品のお茶を飲んだ、それは安物のティーパックだった。
451巡査物語2:03/02/24 14:32
・・・1ヶ月前・・・。
 普段勤務する警察署の会議室に静かな、しかし威厳のこもった一言が響き渡った。
 「辞令! 須藤正輝君を巡査長に任ずる。
  なお一層の責任感を持って、この重任に辺り地域の治安の維持に努べし」
その日の夜は忘れられない一生の思い出だった、上司や同僚等の皆が祝ってくれた
その中には、決して超える事の出来ない偉大な壁である親父の姿もあった
普段厳しい顔で、捜査の指揮を取る親父が忙しい中で時間を作り中々見る事の出来ない
嬉しそうな顔を出してくれた。 
 「治安を守り、人々の安全を守る仕事はとても大切だ、お前も遂に部下を持つ
その重任は人に使われる身よりも数倍重い、その責任を絶対忘れるな!
ところで正輝、お前は警察官としての責任は十分に果たしていると父さんは誇りに
思うのだが、何時になったら須藤家の責任を果たしてくれるのだ?母さんは心配しているぞ。」
そう言って、また一昨日設置された捜査本部に帰って行った。
残った悪友のやっかみと、からかいの嵐の中、それは最高の夜だった。
452巡査物語3:03/02/24 14:33
忘れもしない あの日は普段の勤務に更に追加したパトロールをしている最中だった。
張り切り隊長の息が何時切れるのかと、ウンザリしている部下を急き立てて、自転車を
転がしていた時に携帯受令機が鳴った。
「西新宿1丁目交差点付近、連続通り魔事件発生、犯人は現在も通行人を襲っている模様
 犯人の特徴は20代前半髪の長い女性でエンジ色のワンピース、付近警戒中の警官は
 至急現場に急行せよ」
「了解、西新宿3丁目交番、須藤巡査長他2名は現場に急行します」
「あっ須藤君?現場は凄いことになっているみたいよ、気を付けてね」
「了解、ありがとう純ちゃん」
「やだぁ、でも本当に気を付けてね、通報者の内容が尋常じゃないみたい、人を食べているとか・・
 完全な錯乱状態ね、今 良子が宥めているよ」
「了解、必死にペダルを踏んでいるよ」「でもPCが先ね、行き着いたって」「・・了解。」
チッ1分遅かったか、あの角の向こうだ・・・、話さずにかっ飛ばせば良かった。
その時、発砲音が響いた、最初に1発・・続いて3発。
うっ嘘だろう???そんな状況なのか??
「急ごう!」部下の篠崎巡査と西沢巡査を促した。
角を曲がって、、角を曲がって凍り付いた。
453巡査物語4:03/02/24 14:34
先行した2台PCが停車していた、血だらけの若い男性がしがみ付いて来るのを
振り解こうと警官が格闘している、服を破かれて転がっている負傷者とピンク色の
臓物が呼吸に合わせてピクピク動いている、血の泡を膨らませつつ
自分の内臓を押し戻そうと掴んでいる、紺色の制服が血で黒く変色しゆっくりと広かる。
殺人犯は髪の長い女ではなかったのか?
血飛沫が空中を舞う、絶望的な悲鳴が空しく空間に吸い込まれる。
警官が2人がかりで襲われた同僚から男性を引き剥がし地面に叩き付けた
血に染まった手に黒い物体が見える、発砲! 乾いた銃声が立て続けに聞こえた。
手足から着弾の小さい血飛沫が上がった、血だらけの物体はそれでも起き上がってきた。
新しい連続した発砲によって腹が割け、内臓らしき物が見えた。
それでも動き続け目を剥き出して、恐怖と驚愕で混乱した警官にゆっくりと再び確実な
動きで襲い掛かっていった。
ざっと見た限り、そんな感じの人間が8人近く見えた、付近の壁や電柱には新しい血糊が
数え切れない程見えた、中には道端に倒れている者をしゃがんで何かしている者も居る。
「食べている、、人を??」篠崎巡査が呻くように呟いた。
あの時はどう判断したら、良かったのだろう、目前で戦う同僚に加勢して助けるべきではないか?
しかしそのまま突入する事は危険だった 自分1人ならばいざ知らず今は部下が居る。
454巡査物語5:03/02/24 14:35
掴み掛かられ破れた肩口から、白と赤黒い色をおりまぜ血に染まった拳銃に装弾しながら
現場指揮官らしき、警官が正気と狂気の狭間をさ迷うかのような声で叫び続けた。
「全責任は本官が取る、撃ち殺せ! 平泉巡査長 状況を所轄本部に連絡、応援を呼べぇ」
自分と同時に昇進した、堤巡査部長だ、、。
制帽を飛ばしつつ、一人の警官がPCに乗り込もうとし残った者が援護する。
揺れるPC、、弾切れの叫びにそのPCから予備弾薬が手渡される。
そこまで来て、やっと自分の行動を決断した。
「西沢巡査は交番に引き返し、予備弾薬を携行して次の指示を待て、篠崎巡査は俺に付いて来い」
殺人事件に一番経験の少ない部下を帰し、1人だけ連れて加勢することにした。


・・・・続きは これから考える・・・
保守上げ
保守のため上げます
457さんげりあ:03/02/24 17:36
ヾ( ゚д゚)ノ゛ イイチク〜 モット皆カクチク〜

458さんげりあ:03/02/24 17:37
ちと おふざけものを連発したので
これから真面目なの逝きます。

タイトルは 『 Lost 』 でつ。

 ヾ( ゚д゚)ノ゛ デワ スタート チク〜
459さんげりあ:03/02/24 17:37
『1』

「うおぉぉっ!」
俺は渾身の力を込めて金属バットを振った。
なんとも言えない気持ちの悪い感触が伝わってくる。
目の前の男は糸の切れた人形のように崩れ落ちた。

「あなた!」
妻の声にとっさに振り返るとまた別の奴が掴みかかろうとしていた。
「さがってろ!」
フルスイングでそいつの顔面にバットを叩き込む。

「いそげ、香澄ッ!」
俺たちは再び走り出した。
妻の胸では異常に気づいた娘が大声で泣き続けている。

奴らが娘の泣き声に引き寄せられてどんどん集まってくるのがわかる。

俺たちの後方にはかなりの数の集団がせまりつつあった。
前方にまた二人。。。いや、二体の「奴ら」が現れた。
奴ら。。。ゾンビ共が。


・・・神よ・・・。
460さんげりあ:03/02/24 17:38
『2』

そう、あれは数週間ほど前のことだった。

複数の大都市で同時多発テロが起きた。
東京、大阪、神戸、名古屋・・・計11都市、40本以上もの列車内でそれは起
こった。

テロリストたちは叫びながら小さなボンベからガスが噴出させたらしい。
満員電車内にいた乗客全員が病院に担ぎ込まれることになった。
最初は意識のはっきりしていた被害者達だったが数日後には意識不明となり
その後、突然意識を取り戻したかと思うと周囲の人間に襲い掛かり噛み付く。
噛み付かれた人間も数日後には意識不明となり同様の発作を起こす。
奇病は凄まじい勢いで広がっていった。
日本全土はこの奇病に震撼した。

悪いことにこのテロ行為は日本だけではなくアメリカ、イギリス等の海外でも起き
ていた。
もっとも、テロ件数、被害の規模は日本が最大だったが。

ネットのある巨大掲示板では「アメリカに追い詰められた某国がアメリカとその追
従国に復讐を行った。彼らの撒いた細菌兵器は人間をゾンビ化する」などととささ
やかれていた。

ゾンビ?。。。ばかばかしい。
俺は最初そう思っていた。


461さんげりあ:03/02/24 17:39
『3』

事件からニ週間後、俺はその認識を改めた。
否、改めざるを得なくなった。

病院から抜け出した患者たちが市民を襲い始めたのだ。
ニュースが始まった。
テレビの光景はまるで昔見た映画のようだった。
モザイクこそかかっていて肝心な部分は見えないが、明らかに患者たちは
人間を食い殺していた。
彼らの姿はまさしく映画で見たゾンビそのものだった。
隣では妻の香澄が青ざめた顔で画面にくぎづけになっていた。

じきに都市機能が麻痺し始め、俺たちは家に閉じこもらざるを得なくなった。

会社にも行けなくなった。
もっとも、ある意味これは嬉しいことではあった。
もうじき2歳になる娘の知沙と妻の香澄。。。不動産関係の仕事に就いてい
た俺は休みも少なく帰宅も遅かったため、これまでは家族と一緒の時間をあ
まりすごすことが出来なかった。

一日中愛する妻の顔を見て可愛い娘と遊ぶ。
娘が生まれてからは忙しさもあってごぶさた気味だったが毎晩妻を抱いた。
「子供、もうひとりつくろうか?」
462さんげりあ:03/02/24 17:39
『4』

不謹慎だが、俺はこの状況を神に感謝してしまった。

あたかも人生の夏休みが来たかのように感じてしまっていた。

その頃まだ俺はひどく楽観視していた。
ニュースに映る光景もどこか他人事のように思っていた。

心の片隅で、自衛隊もあるし政府がそのうちなんとかしてくれる、そう思っ
ていたのだ。
電気、ガス、水道、電話、テレビ、ネット、ライフラインのすべてがまだ生き
ていたことも俺の安心の理由だった。

どうせ、しばらくすればすべて元通り、それまではこの幸せを噛みしめてい
たい。。。
俺はそんなことを思っていた。。。。後に起こることも知らずに。。。。
463さんげりあ:03/02/24 17:40
とりあえず今日はここまででつ。

まだまだしばらく主人公の回想モードが続くでつ。

ヾ( ゚д゚)ノ゛ ツヅキハ 明日 バイバイ チク〜
464巡査物語6:03/02/24 20:35
自転車を置いて、周囲を警戒しつつ警棒を握り締め小走りに現場に近づいた。
体中を返り血で、真っ赤にした堤巡査部長がこっちを見て叫んだ
「遅い! 西沢巡査はどうした?」判断状況を説明しつつ警棒を接近する中年の婦人に向ける。
PCの向こう側に、予想を超える血塗れの物体が居た。
その半分程度が、絶叫を上げて道端に転がる負傷者に襲い掛かり”食事”をしていた。
「堤さん なっ 何ですか?こいつ等は?」信じがたい、地獄の光景に解答見込みの無い質問をした。
「知るか!着いて見たら、この有様だ!報告に有った髪の長いお嬢さんはおろか付近に転がってた
 被害者迄もが襲い掛かってきた、野次馬は全て逃げた、逃げ切れん連中があそこに転がっている
 そこで被害者喰っている奴が判るか?2丁目パン屋の洋子ちゃんだ!!」
言われた先を見ると、大崎商店で看板娘の洋子ちゃんの変わり果てた姿があった。
信じられぬ気持ちで近づくと制止の声が堤巡査部長から響いた。
「近づくな!その子はもう駄目だ、射殺しろ!頭部を狙え」
乾いた銃声が響き、可愛らしい元アイドルは倒れた、、食事中の被害者の腕を握り締めつつ。
PCから声がした、平泉巡査長の声だ「所轄本部より撤退の指示です、各地で暴動が発生しました
至急、署に帰還の上で次の指示を待てだそうです!」
「この状況を、このまま放置しろと言うのか!!」と思わず叫んた所に堤部長の平手打ちが飛んだ
「馬鹿野郎!この上、此処で俺たちに何が出来る、平泉巡査長は了解したと伝えろ、他の者はPCに
 乗り込め、動けない負傷者は俺が処置する、須藤と篠崎も乗れ交番に寄って降ろしてやる」
必死の形相で車に乗り込む警官を助けつつ、最早助かる術も無い部下に一言二言耳打ちしてから
額を打ち抜いた。
465巡査物語7:03/02/24 20:36
全てが夢の様であった、交番へと向かう短い時間の中で興奮した頭を冷静に整理しようとして
自分を見失わない様に勤めた。
「全員身体を確認しろ!負傷状況を報告」との巡査部長の声に改めて見ると左腕に中年婦人が
掴みかかった際に引っ掻かれた爪痕と、引き裂かれた袖があった。
傷が掠り傷であった事を報告し、部下の篠崎巡査の無事を確認して漸く安堵の息をついた。
交番で下ろされ、血塗れの2台は去って行った。
交番では篠宮巡査と西沢巡査が待っていた、取り合えず情報収集を開始したが状況は最悪の一途を辿っていた
全く理由も判らず暴動が発生し、暴徒は辺り構わず周り中の人間に襲い掛かっていると言う報告が次々と寄せられた
緊急出動した警官の被害も相次いだ、特に撤退命令に逆らった班は全滅した・・・堤巡査部長の判断の正しさが証明されていた。
駐車場のPCに給油と予備燃料、その他資材の積み込みを指示し保管庫から予備実包を取り出して部下に配布した。
暴徒鎮圧用の防具を身に付け、盾を構えた西沢巡査の緊張しきった表情が見える。
466巡査物語8:03/02/24 20:38
間も無く到着した交代要員に業務を引き継ぎ、署に戻ったが説明された状況は更に深刻だった。
各地で発生した暴動は、短時間の内に拡大し現場に向かった警察官とレスキュー隊は次々と倒れた。
恐慌した避難民から無秩序に110番がかけられたが受ける方にも限界があった。
一般天災の訓練通りに非難指定地である公民館や公園に避難する者も居たが、同時に奴等を呼び寄せる事になった
こんな事態に対応する、用意も訓練も全く存在しなかった。
病院や区役所等の施設に避難した者は、比較的気の利いた者達だったが都市部から避難し山間部に向かった者が
一番正しい選択をした様だった、これは戦時を経験したお年寄りを含むグループのようだ。
何にしても、素早く状況を判断して行動した者はかなりマシな連中だ、この事態になって未だ状況を把握出来ない者が
大勢居たし彼等は次々と、奴等の餌食になり奴等の仲間になって行った。
各地で孤立し、必死の救援要請が飛び交い救出に向かったが、それ以上の対策は未だ無い。
テレビ局がヘリを飛ばし、普段なら放映禁止の地獄絵図を画面に映し出し、ラジオ局は
何処かから
避難民の安全な誘導先を誰も指示出来なかった、その避難民の中からも奴等は現れた。
やがて各地の警察署と交番の維持が急務になり、そして困難になって行った・・。
全てが1日すら経たない短時間の間に進行していった。

467巡査物語8訂正:03/02/24 20:48
下三行
削除:何処かから

追加:緊急対策本部から流され、次々と変更される避難誘導先を流した。
巡査物語様、さんげりあ様 乙です。

凄い、作品の中に取り込まれて自分が中にいるように感じました。
続きを期待しています。

それにしても、作者さん達が増えてきて良かった。
一時期はPIP様しかいなくなって、どうなることやらと。
469PIP.Jr ◆dve/1Ebaqs :03/02/25 09:10
>>468さん。
まったくですな。PIP如きにスレを任してはおけませんからな。
それはさておき花粉で眼が痒くて文字を打つのもつらいでふ。はたしてゾンビには免疫機能が残っておるのでしょうか。

「はっくしょーい、べらぼーめぇ」
山中に響くくしゃみをしてしまい、慌てて周りを見る。
よかった。あいつらはいないようだ。
久しぶりに山登りを楽しんでいたら、おかしな奴らに出くわしてしまった。
清流のそばで車座になり何かを食べている姿に、つい声をかけたのが運の尽き。
でもまさかゾンビたちがハイカーを踊り食いしてるなんてねぇ。
「んを!女子大生の集団!運命の出会い!これぞ山の醍醐味にしてハイキング本体!!」
と喜び勇んで近づいてしまった。
性欲は第六感や背後霊のおばあちゃんの忠告すら超えるのだ。
あとは御決まりどおり、「たぁすけてくれよぉー!」と走り回って、あらここは何処でしょうと言う訳だ。
荷物は投げ捨てたから食料はおろか地図すらない。
ポケットに入れておいたコンパスを眺めてみても、北枕防止ぐらいにしかならないね。
「がさ、がさがさがさっ」
来たよ、来た来た、来ましたよ。
ひいふうみいの合計六人。髪振り乱して真っ赤な口紅をした女の子たちが。
ああ、天国にいるお父様お母様。もうすぐあなたの息子は独身のままそちらに参ります。
せめて来世はもう少しましな顔に生んでください。
ってあれ?せっかく覚悟を決めたのに近づきゃしない。
ゾンビレディすら寄せ付けないパーヘクトヒューマン。そこまで女運が無いのですかボクは。
半分泣きながらも様子を見るとあいつらみんなくしゃみを始めている。
ようやく気づいた。僕が逃げ込んだのは放置された杉の群生地域だったんだ。

数ヵ月後。ボクは「対ゾンビ特効薬(花粉症の方は使用定の注意を〜)」で資産を築き、英雄として表彰されていた。
でもまだ奥さんは見つかっていない。誰かボクと結婚しませんか?
470さんげりあ:03/02/25 18:19
>>468殿
>一時期はPIP様しかいなくなって、どうなることやらと。

ヾ( ゚д゚)ノ゛ ソウ 思ウナラ 自分モ 書ク チク〜


     ヾ( ゚д゚)ノ゛ デワ ツヅキ 逝ク チク〜
471さんげりあ:03/02/25 18:20
『5』

毎日、情報だけはチェックしていた。
まあ、他にこれと言ってやることがなかったこともあったが。

ある日、ネットを覗くと掲示板にこう書かれていた。
「都心は地獄だ」
「都内から溢れたゾンビが外に向かっている。避難するなら早いほうがいい」
一件や二件ではなかった。同様の内容の書き込みが多数されていた。

同時にテレビも急に映らないチャンネルが増えた。
映るところも状況の悪化を示すばかり。

ここにきてさすがに俺も事態の深刻さを感じ始めた。

俺は妻に相談してみた。
意外にも妻はあっさりと避難に賛成した。

ただ問題があった。
俺は車を持っていなかった。
電車も飛行機もすでにほとんどが動いていなかった。
そして、なにより行く当てがなかった。
避難しようにも親も親戚も九州や北海道。
あまりにも遠かった。
だからこそ今まで家に閉じ篭っていたのだ。
そのため最初から立て篭もれるように食料や水やらを用意したのは不幸中の
さいわいだったが。


472さんげりあ:03/02/25 18:20
『6』

「どうしようか?」
妻と延々と話し合った。
答えはなかなか出なかった。

夜中、突然電話が鳴った。
『藤田か? 俺だ、荒井だ』
電話は大学時代の友人からだった。
『頼みがある。今、家族と車で近くまで来てるんだ。泊めてくれないか』

しばらくして荒井と奥さんの加奈さん、4歳になる息子の湘太くんが家に
来た。

荒井たちはやはり例の奇病患者の集団から逃げてきたということだった。
話によると相当な数がこっちにせまってきているらしかった。
「藤田、やばいぜ、ありゃ絶対ゾンビだ」
荒井はだいぶ興奮していた。
加奈さんと湘太くんはすっかり脅えきっていた。
「お前もはやく逃げたほうがいい、じきにここいらにも来るぜ」
「車がないんだよ」
「なに? なら一緒に逃げようぜ」
俺と妻は荒井の申し出に快諾した。
まさに渡りに船だった。

俺はこの幸運を神に感謝した。


473さんげりあ:03/02/25 18:21
『7』

しかし問題があった。
荒井の車はガス欠寸前だった。
だからこそ家に寄ったのだ。
「どっかこの辺りで開いてるスタンドはないのか?
途中どこも閉まってたんだ」
スタンドだけでなく、すでにほとんどの店は営業していなかった。
都心に近い地域ほどそれは顕著だった。

地図を広げ家から近いスタンド全ての位置をチェックして、翌朝出発する
ことにした。

荒井の車はワゴンだった。

俺たちは家にあった食料やら荷物を積み込んで俺たちはさっそく出発し
た。
荒井はかなり疲労がたまっている様子だったことと、この辺りの土地感が
なかったので運転は俺がすることにした。

一軒目はやはり閉まっていた。

二軒目も同じく閉まっていた。

三軒目。。。

四軒目、ついに開いているスタンドを見つけた。
474さんげりあ:03/02/25 18:21
ヾ( ゚д゚)ノ゛ ツヅク チク〜
475巡査物語9:03/02/25 21:39
救助要請の対応に避難誘導と、人間の限界を超える激務の中で次第に焦燥感が支配した
殉職した警察官による最後の報告や、民間提供による情報に本部等の組織情報が寄せられたが
現場を経験した者に取っては、目新しい情報は何も無かった。
曰く、暴徒は暴徒と言うよりは動く死体即ちゾンビと言ってよく動物性の肉類の捕食を目的として
行動している、活動を停止させるには頭部の破壊以外には方法が無い、行動に秩序だった動きは無いが
右へ倣え的な習性がありその為一見組織的にも見える行動をする。
攻撃を受けた結果致命的な被害を受けて死亡すると被害者もまたゾンビになる、変化までの時間には
ばらつきがあるが平均して短い等である。
476巡査物語10:03/02/25 21:40
発生理由等は事件解決に結び付く重要な鍵であるが、特別捜査本部の発生地特定作業と研究機関の
病理学的見地による科学捜査の結果待ちであり、現況では待っていられる状態では無かった。
署の周辺の治安すら危機的速度で悪化し、本来は防護障壁等の無い場所に車両等を利用した
急造バリケードでゾンビの襲撃を防いでいる状況である。
各地域に孤立した、避難民の救助要請を受けると言うよりも状況の確認を取るといったところで
積極的な救援活動をするには、最早装備も人員も不足していた。
各交番勤務の要員も撤収の指示を出していたが、途中ゾンビの集団に遭遇したり交番自体が重囲に
陥って脱出不可能になっている所もあった。
477巡査物語11:03/02/25 21:41
こういった救助見込みの無い者からの最後の断末魔とも言える、連絡や報告を受ける職員の心労は
壮絶の一言であり、遂には戦場神経症に陥り窓から飛び降りる職員も現れた。
バリケードを超えて進入を試みる、元人間には親しい地域住民もありこれを撃ち殺すのも忍びなければ
飛降り自殺を図り、アスファルト上に呻く婦人警察官の頭部を撃ち抜く作業も人としての精神の限界を
超えていた、誰もがこの絶望的な戦いの中で拳銃を振りかざしバリケードを乗り越えたい衝動を感じた。
重い焦燥感を一層際立たせるのは、オレンジ色に輝き傾き続ける太陽であった、日没まであと1時間半程度・・・・。
立て篭もる職員による必死の管理でインフラ設備は未だ生きている。
電気も水道もそして電話も使える、場合によっては無線による連絡も可能だしヘリも飛ぶ。
しかし、刻々と近づく夜の帳は作業の困難を加速度的に悪化させるであろうし、人々の恐怖感を掻き立てるには
十分であった。
478巡査物語12:03/02/25 21:43
そんな中に希望の星とも言える朗報が入った。
首都防衛、第一師団展開準備完了、各駐屯地より首都中枢地域に接近しつつあり!!
当該地域には練馬駐屯の第一普通科連隊より1個中隊他、通信小隊が19:20頃に到着の見込み
バリケードを守る者も、関係職員も幹部も避難していた民間人さえも、感激の涙を流し歓声を上げた。
刻々と送られている派遣部隊接近の連絡に沸き返る頃、署の一角で、最早聞き慣れた、しかし尋常でない
連続した、発砲音が聞えたのは部隊到着の見込みが付いた夜7時を回った頃だった。
堤巡査部長を含む初動捜査員、一斉拳銃自殺! 報告は署内を衝撃と涙で響き渡った。
初動捜査時に負傷した職員の中でも、重傷者は隔離され署内の資材倉庫に横たわっていた、理由は言うまでも無かった
そこへ、堤巡査部長が噛まれた等の軽傷者十数人を連れて訪れ暫くの後に発砲音が響き渡ったそうである。
駆けつけた職員の話に寄れば、寝ている重傷者の傍らに湯飲みと数本の日本酒が散乱し
重傷者には、其の侭の姿勢で額を、巡査部長含む軽傷者は纏まった状態で夫々こめかみを撃ち抜いていた。
身動きの出来ない重傷者には、警察官の誇りと尊厳をかけて上着が掛けれられ胸には制帽が置かれていたそうである。
新作者さんいっぱい。
それも正統派。
乙。
480さんげりあ:03/02/25 23:12
ヾ( ゚д゚)ノ゛ ツヅキ 逝ク チク〜




『8』

最初はなにが起こったかまるでわからなかった。

湘太くんをトイレに連れて行った加奈さんがしばらくして戻ってきた。
だが、その後ろには若い男がふたり立っていた。

男たちの手にはナイフが握られていた。
そして、店員の態度が一変した。
「車から降りろ!」


店員、いや、店員のふりをしていた男とその仲間のふたりは荒井の車に
乗り込むと俺たちの視界から消えていった。
俺たちは荷物も食料もすべてを奪われてしまった。

「ちくしょう! くそガキどもめ!」
荒井は怒り狂っていたが、もはや後の祭りだった。

「加奈さんと湘太くんが無事で済んだだけでもよしとしよう」
俺の言葉に荒井は多少冷静さを取り戻してくれた。
実際へたをすれば殺されていたかもしれなかったことを考えれば不幸中の
さいわいと言えた。


481さんげりあ:03/02/25 23:13
『9』

「あなた、これからどうするの?」
妻が不安げに訊いてきた。

歩いて家に戻るには少し距離があった。
それに荒井のいう通りなら今まさに患者が大挙して押し寄せつつある地域に
ある家にわざわざ戻るのは自殺行為だった。
これから戻ればまさに飛んで火に入る夏の虫というやつだった。
できれば一刻も早く遠くに行く必要があった。
かといってこれ以上どうやって進めばよいのかはわからなかった。

連中が俺たちから車を奪うだけあって何時間待っても車は一台も通らなかっ
たからだ。
時間だけが過ぎていった。
俺たちは途方にくれた。

「わたしのせいで・・・」
ようやくショックから立ち直った加奈さんがひたすら自分を責めていた。
482さんげりあ:03/02/25 23:14
て、ことで続きます。

おやすみやさい
483さんげりあ:03/02/26 18:03
ヾ( ゚д゚)ノ゛ デワ 今日モ 逝ク チク〜
484さんげりあ:03/02/26 18:04
『10』

「藤田、さっき向こうにショッピングセンターみたいのがなかったか?」
おもむろに荒井が言った。

「たしかにホームセンターがあった。でも、それがどうかしたか?」
「行こう。歩いてもなんとかなる距離じゃないか?」
「たぶん閉まってたと思うが・・・」
「それでもいい。このままここにいてもらちがあかんだろ」
「そうだな・・・このままここにいるのはヤバイな」

すでに日が傾き始めていた。
「最悪、忍び込む形になってもいいから、とにかく逃げ込める場所が必要だ」
「それはそうだが・・・」
ニュースの映像が俺の脳裏に浮かんだ。
患者の集団はどこまで迫っているかはわからなかった。
ひょっとするとこっちには来ていない可能性もあった。
だが、もしこちらに来ていたらと考えると妻と娘のことを思えば安全を確保する
必要があった。

「藤田! ゾンビが来たらこんな場所じゃひとたまりもないぜ! 俺は家族を
守りたい」
「・・・たしかにな・・・。 わかったよ、行こう」
485さんげりあ:03/02/26 18:04
『11』

店が開いていればそれでよし。
開いていなければ忍び込む。
それで警察がもし来るようなら、それはそれである意味安全の確保ができる
と考えれば決して悪い案ではないと言えた。

それに途中で他に開いている店かなにかがあれば、そこに入れてもらって逃
げ込むこともできる。

そうと決まれば善は急げだ。
すでに辺りはだんだんと暗くなり始め、あまり時間があるとは言えなかったか
らだ。


妻と加奈さんは不法侵入することになるのには反対したが、もしかすると開い
ている可能性もなくはないという説明に俺たちはとにかくホームセンターに向
かうことにした。


風が気味の悪い音をたてていた。
486さんげりあ:03/02/26 18:05
『12』

パーン パーン

遠くで乾いた小さな音がした。

「やばいぜ、藤田、今のはたぶん銃声だ。ゾンビども、もうこの近くまで来や
がったみたいだ」

荒井の話では昨日同じ音を聞いたらしかった。
それは警官が発砲した音で、その後奇病の患者の集団が街中に溢れて荒
井たちは街から逃げ出したということだった。

「ちくしょう、やつらなんでこんなに移動が速いんだ!? 走ってるわけでもな
いくせに!」
「荒井、お前はあれをゾンビだと言ってたな。もし本当にそうなら、疲労もなに
もないから一日中歩き続けてるってことなんじゃないのか?」

俺の言葉に荒井は妙に納得していた。

「とにかく急ごう」

俺の推理が正しいかどうかは問題ではなかった。
問題なのはすでに危険が間近に迫っているということだった。

風の音に混じって悲鳴らしきものがかすかに聞こえ始めていた。
487さんげりあ:03/02/26 18:06
『13』

少し歩くと俺たちはようやくホームセンターの近くに着いた。
だが、遠目からでも予想通りセンターの電気は点いていないのがわかった。

「どうする、やっぱり忍び込むか?」
夜目にも荒井がやる気まんまんなのが見て取れた。

「あなた、あれは?」
妻が指さす先、ちょうど大通りを挟んでセンターの斜め前辺りには病院が建っ
ていた。
病院の方には電気が点いていた。

荒井はセンターに行くべきだと主張したが結局は加奈さんと妻との意見で俺た
ちは病院に向かうことにした。
荒井は最初渋ったが病院とセンターの距離が近いこともあり折れたのだった。

やはり人が多いところに行きたいのが皆の本音だった。


風に乗って聞こえてくるのはやはり悲鳴と怒号だろうか?

それは確実にさっきよりも大きくなっていた。
488さんげりあ:03/02/26 18:06
『14』

病院の前まで来ると、ちょうど人が数人外に出てくるところだった。
「あなた、ほら、ひとが」
妻が嬉しそうに駆け寄ろうとした。

「だめだ! 香澄さん!」
突然の荒井の強い言葉に妻は驚いていた。

「どうしたんだ、荒井?」
「藤田・・・逃げるぞ。
さあ、香澄さん、はやく戻って!」

病院から出てきた連中が一様に両手を前に差し出しながら妻の方へと歩み寄
っていた。
連中の歩き方は足取りのおぼつかない妙なものだった。
そして、連中の顔を見たとき、俺は荒井の言葉の意味を理解した。
そいつらの口は鮮血で真っ赤に染まっていた。

「病院には近寄らない方がいい」
「大都市から脱出したはいいが、襲われて傷ついた人間が逃げた先の病院で発
症することも多い」
「テロのあった大都市だけでなく病院を拠点にして奇病は日本全国に飛び火して
広がりつつある」
 
いまさら俺はネットで見た情報を思い出していた。
489さんげりあ:03/02/26 18:07
『15』

あれだけ毎日情報をチェックしておきながらすっかり忘れていた自分が嫌になっ
た。

俺は妻に駆け寄るとその腕を掴み逃げ出した。

前方では荒井が道にあった電光看板らしきものを持ち上げているところだった。
次の瞬間、荒井はそれを一軒の閉まっている店のショーウィンドーに叩き込ん
だ。
派手な音が響き渡った。

荒井がなにかを掴み、俺のほうに放り投げた。
「使え!」

それは金属バットだった。

俺はバットを拾い上げた。
振り返ると病院から出てきた連中がこちらに迫ってきていた。
しかも、その後方、病院からは次々と人影が出てきていた。

「あなた・・・」
妻がぎゅっと俺の腕を掴んだ。

「香澄、逃げるぞ・・・」
いい感じになってきた!
新作者のお二方と、過疎状態でも書き続けて下さった
PIP氏には尊敬の念を覚えますよ。
>>490
禿同。

これに、昔の作者さん達も戻ってきてくれたら。

>>448 には
はずいにゃあ ◆S9tbNjDp0s さんがご降臨されてるし

>>384 には
昔のある作者 ◆U0WxN8c4sc = 山好き◆U0WxN8c4sc  さんもご降臨されてる。
トリップからすると間違いないと思われ
492さんげりあ:03/02/26 22:22
ヾ( ゚д゚)ノ゛ サラニ ツヅキ 逝ク チク〜


『16』

「藤田、やはりホームセンターに逃げ込もう!」
言うが早いか、荒井は加奈さん、湘太くんを連れてホームセンター目掛けて走り出
した。
たしかに他に立て篭もれそうな場所はこの付近にはなかった。

俺と妻は荒井たちの後を追った。
妻の胸の中では娘が泣き始めていた。



「くそっ!」
ホームセンターに辿りついたが当然のことながら入り口にはシャッターが閉まってい
た。
「裏だ! 裏口を探そう」

後ろを確認すると、ゆっくりと、だが、確実に奴らが俺たちの後を追ってきていた。
さっき見たときよりも数がかなり増えていた。

俺たちは建物に沿って進み角を曲がって裏に回った。
そこは商品搬入口らしかった。

だが、ここもやはりシャッターで堅く閉ざされていた。

「あれは!?」
少し離れたところにドアがあった。
ドアには従業員通用口と書いてあった。
493さんげりあ:03/02/26 22:23
『17』

「ちくしょう! ここもダメだ! 閉まってる!」
「どうする!?」

突然、加奈さんが悲鳴をあげた。
見るとニ人の患者、いや、ゾンビが建物の陰から姿を現していた。
最初に病院から出てきた奴らだった。

「くそがっ!」
荒井が突進し先頭の奴の頭にバットを叩き込んだ。

俺も荒井の後を追い、もう一体の脚目掛けてバットを振り下ろした。

俺にはまだためらいがあった。
本当にこいつらは死人なのか?
もしもまだ生きている人間だとしたら。。。。
いや、たとえゾンビだとしても許される行為なのか?

だから脚を狙った。
だが、そいつはまるでひるまずに襲い掛かってきた。

「あなたっ!」
妻の悲鳴にも近い声が聞こえた。
494PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/27 00:38
んでは二つ行きまーす。


 室内には暗くよどんだ空気が立ち込めていた。
 壁にかかっている時計の秒針が規則正しく時を刻む。その音がなければ、時間の流れすら固着しているように感じられるだろう。
 
 日向は先ほどから銃を動かそうとするのをやめていた。
 今の尚也の握力ならば振りほどくのはたやすくできそうな気がしたが、万が一の暴発の危険性を考えるとそれは安易にできることではない。
 
「尚也君。馬鹿な真似は止めるんだ。今までいっしょに生き延びてきた相手に自分のことを撃てだなんて、一体何を考えてるんだ」
「そうよ。彼女の安全を気づかって私たちに連れて行ってくれなんて言っておきながら、そんなことをやらせようなんて。冷静になりましょう」
「日向。撃てないなら銃を返してくれ。自分の始末は自分でつけることにする」

 尚也は瞳を閉じたまま、何気ない調子で告げる。二人などまったく相手にしていない。
 緊張している様子は微塵も無い。それどころか、なぜか安らかな笑みすら浮かべている。
 その表情に、説得を続けようとする二人は次に言うべき言葉を失ってしまう。
 死を覚悟したものの平穏。そしてその底にある狂気。
 言わば死の呪縛。
 その重さが室内を支配している。
495PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/27 00:38
「尚也さん。結果も出ていないのに何でそういうことをするんですか」
 いままで尚也の表情をうかがっていた日向が、試験管を確認して静かに問いかける。
「迷わないためだ。結果は二つしかない」
「その結果が出ていないのにどうしてって言ってるんです、私は」
「陽性反応が出たあとで発症するまで考える。君が言っているのはそういうことだな」
「……」
「無駄だ。発病患者の生命維持能力の高さは何度も見てきたはずだ」
 
 尚也は他人事のように淡々と告げる。
 いや、実際に他人事なのだろう。
 尚也は感染したものを人型の局地災害として扱ってきた。
 それだけなら珍しい考えではない。
 ただ、尚也の場合はそこに例外がないのだ。
 
「日向。常に最悪の事態を予測し、とるべき行動を考えておくんだ。迷った時は死ぬ時だ。生き延びるんだろう?だったらこんな些細なことで迷っていてどうする。自分で始末すると言ってるんだ。手間も省ける。どこに選択の余地がある」
 
 日向は答えない。ただ尚也を見つめている。
「人として死なせて欲しい。そう願――」
「弱虫」
 鋭く、短く、そして予想もしなかった返事に尚也はのどを詰まらせた。
 驚きに開いた瞳に、日向の悲しみに歪んだ顔が映る。
「はっきり言ってください。死にたいって」
 日向は尚也を睨みつけながら、はっきりと続ける。
「死にたい。生きていくのがつらい。でも死ぬのは怖い!無駄死にはもっと怖い!だから殺してくださいって!!はっきりそう言ってください!!!」
496PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/27 00:55
中盤入る前のクライマックスシーンでございます。

おかしい。
こんなシーンはプロットになかった!
なのに手が勝手に……

まいっか。
このあたりでヘタレ主人公の気合入れといたほうが次の場所の落差が生えるし。

そんなわけで、尚也の強さに見せかけた弱さの暴露です。
実際にゾンビ禍が発生したらたぶん尚也みたいに傍目に強い人間は増えると思うんですよね。
でも内心は後悔と絶望で一杯で、だからこそあきらめたもの特有の落ち着きで物事に対処できると。
実際にはつらい時にも前を見据えて前進できる人こそが「強い」人間なんだと思います。
まあ、全員が強くある必要も無いんですけどね。

では続きはまた後日。

はずいにゃあさん、山好きさん、はずかしいけれどさん、マテリアルさん、
数学屋さん、錆取りさん、362さん、モスモスさん、鳥さん、青田さん、カスケードさん。
前スレを支えて盛り上げていただいた方たちです。
もし戻ってきていただけたら。そう願っております。
作品だけでなく評論もお待ちしておりますので、気が向いた際にはお願いしますね。
では。
497巡査物語13:03/02/27 03:25

予定時間より、1時間近く遅れて部隊は到着した。
到着までの間に奴等との遭遇が相当回数あり、全体の一割強の損害も発生していた。
ただ、事前に警察情報が知らされていた関係で警察側の初動捜査の損害に比較すれば
相当にマシと言えるものだった、また戦闘経験に寄って彼等なりの戦闘体系を得たようだ。
「奴等が密集しているところをね、火炎放射器でね延焼に注意しつつ焼き払うんですよ
 そうするとね奴等逃げはしないんですけどね、視界や筋肉にダメージ受けて動きが
 取れなくなるんですよ、後は銃剣で刺そうが踏み潰そうが簡単に始末できます
 まぁ延焼避けるので、一網打尽とは行きませんし何よりおっかないので銃を使いますがね」
全てを悟ったような暗い目で、そんな事を名も知らない陸士長が語ってくれた。
未だ1日すら経っていないのに、我々は人権とか人名とか、そんな世界から決別してしまった。
あの懐かしい日々は、もう戻っては来ないのだろうか?
このまま彼等と戦い、恐怖と緊張の時を過ごし、そして最後を迎えるのだろうか。
いいや考えるのは止そう、今は守るべき部下が居る、果すべき責任がある。
臆病は伝染する、どんな時にも部下には悲観的な顔は見せられない・・・・・。
多分自分はあの自衛官と、同じような目を今はしているのだろうと思いつつ対策本部に
戻っていった。
498巡査物語14:03/02/27 03:26
対策本部に戻ると、合同特別捜査本部より本事件の概要に関する第一報が届いている旨を知らされた。
荒々しくホチキスで留められた、薄い報告書のページを捲って見た。
事件は国際空港を有する大都市の殆どで発生していた、これは本事件が病理的理由に因るならば
海外からもたらされた災害であることを意味した。
関東地域では東京都の他、神奈川県横浜市を中心として大規模な発生が見られた。
都内に関しては、新宿区と渋谷区に集中しており、初動捜査の段階に置いては江戸川区や葛飾区等に
比較して20倍以上の発生件数に上っていた。
初期発生関する加害者の性別に特異性があり、76%迄もが若い女性との結論が出された。
また、この為付近の者が介護や制止を目的として対象者に接近し被害の拡大要因となったようだ。
これは病理的見地によれば保菌者との性的接触による体液交換の可能性があるとの医学所見が付加されていた。
499巡査物語15:03/02/27 03:27
更にページ捲ってみた。
こちらは被害者?に関する医学所見等の病理学報告書だった。
対象者は24歳の女性、渋谷区表参道交差点付近で事件に遭遇し、16〜19歳前後の女性が暴れているのを
目撃している所で、二次感染者と思われる男性に友人が襲われ、これを救助しようと接近した所で、
同男性に右大腿部を噛まれ重傷、この際事件を目撃していた多数の者がパニック状態になり大半が逃走したものの、
同女性が自力で加害者男性を突き飛ばし脱出した為、数人の男性に救助され119番通報により三友記念病院に搬送された、
尚 この女性の友人はその後同男性に再び襲われて死亡したものと思われる。
搬送された病院では、約400ccの輸血と緊急手術を行ったが止血に失敗し1時間後、急性失血によるショックで死亡が
確認された、この時何故か止血剤等の薬剤が効かずに切開の上で血管結紮を血の海の中で行った旨併記されていた。
この後、次々と搬送される同様の負傷者の応対に追われ隣室に放置されていたが約40分前後に活動を開始し自分でドアを
開けて廊下に出てきた所を看護婦が発見、蘇生したと誤認し接近した所で襲い掛かり右側より頸部に噛み付かれ同看護婦は
動脈切断により2分後死亡が確認された(ほぼ即死状態)、また同女性は看護婦による絶叫とも言える悲鳴により駆け付けた
男性医師3名により取り押さえられ精神病患者用の拘束衣を着せられた状態で再検査されたが、活動している以外は
生存を示す兆候は確認されず警察病院に転送されるに至った、また同病院はその後に次々と同様の事態が発生した上場所が
事件多発地域だった為、壊滅的被害を受けて全滅した。
生存者は屋上に脱出し消防庁防災ヘリで救出した、男性医師2名と看護婦5名に止まった。
こんばんは、もう殆ど睡眠中で読まれている方は居ないと思いますが・・・。
感想その他殆ど反応も示さずに黙々と書き続けています。
このまま書き切るまで行こうかと思っていたのですが、ちょっとご報告。
警察官の責任感主題とした、私の観点からリアルに描写した進行目指しました
但し、あくまでフェクションであるわけですから文中に出現する、地域名や
施設名は意識して違う名称を使いました(知らずに的中された方ごめんなさい)
リアルさを目指す余り、組織等に付いては検索出来る範囲で簡単に調べて利用しました。

ところが、この次なに当たる16番を書いている際に被疑者の死亡確認手続きで
実際の死亡記録や医学所見に司法解剖記録等参考に書き始めたのですが
とある資料を利用した時に突然コンピューターが異常動作を起しました、40分位前の話です。
若い女性の病理解剖の記録でしたが、突然全く触れていないのに当該箇所に対してBSがかかり
タイプ記録を消し始めたのです(現在もガクガクぶるぶるです)
矢張り恥かしかったのでしょう、可愛そうな事をしてしまいました、悪かったです。
心の中でお詫びしまして、該当箇所を完全消去してから資料を全て破棄しました。
この箇所は資料に頼らずに独創で書く事として、取り合えずをアップする事にしました。

序に続きを書くべきかどうかも、悩む所です。
新作がどんどん出てきて面白いです。
巡査物語様、是非続けてほしいです。
しかし、怪奇現象?なんですか?

さんげりあ様
新鮮でおもしろいです。
ホームセンターにこもるのか?
また、以前の作者の方の展開と
どう変えていかれるのか
今後に期待してます。

PIP様
才能に脱帽です。
プロの方なのかな?とか
想像してしまいます。

とにかく、ゾンビのように復活した
このスレ、目がはなせません。
502さんげりあ:03/02/27 09:49
>PIP殿
>でも内心は後悔と絶望で一杯で、だからこそあきらめたもの特有の落ち着き

個人的にはなんとも身につまされる話です。私自信このタイプだったもので。。。
私の場合はお恥ずかしい話ですが、もちろん人生そのものに対してですが。
傍目から明らかに絶望的な程ひどい状況の中、文字通り休みなく毎日朝から晩まで
働いて周囲から「サイボーグみたい」「そこまでひどいのになんで諦めずに頑張れる
の?」「自分なら逃げ出してるよ」と言われまくっておりました。
周囲からは強い人間と思われていたようなのですが、正直私の心は人生そのものを
諦めていました。自殺も嫌、このまま惨めに生きるのも嫌、でも何もかわらない、変え
られない。。。それで心を殺して生活していただけなのですが、それが他の人には強
い人に見えていたようで心外でした。

へんなこと書いてスマソです。



>巡査物語殿
。・゚つД‘)゚・。 うわ〜ん、こわいよ〜。
そ、それはかなりのガクブルものです。

お話 楽しませていただいていますです。
続き是非期待しております。
でも、やばそうなので解剖とかその辺りはぼかした方がよさそうですね。
その点は軽く触れるだけでさらっと流して戦闘やら他のシーンをかわりに力を入れて
書き上げるがよろしいかと。。。
503さんげりあ:03/02/27 09:50
>>501殿
感想サンクスでつ。
この後の展開は・・・・・・・・・・・・・・

ひ・み・ちゅ
504さんげりあ:03/02/27 09:52
でわ、今日も続きを逝きます。

もうじき回想モード終了。
最初の『1』のバット振り回しシーンの続きになります。




『18』


次の瞬間、俺に掴みかかろうとしていた奴は地面に倒れ込んでいた。

「藤田、大丈夫か!?」
荒井が後ろからそいつの頭にバットを叩き込んでくれたのだとわかった。

「死にたくなかったら頭を狙え!」
荒井の言葉に俺はただだまって頷くだけしかできなかった。

「やばいぜ・・・」
そう言って荒井が顔を向けた先にはかなりの数の集団が迫っていた。

「荒井、ドアを破って中に入ろう!」
俺は従業員通用口のドアノブにバットを叩き込んだ。

一発。。。
二発。。。。
三発目。。。。ついにドアノブが落ちた。
505さんげりあ:03/02/27 09:53
『19』

俺はドアを押した。

だが、ドアは開かなかった。
びくりとも動かなかった。

「なんでだ、どうなってる!?」
「中から押さえられてるみたいだ!」

どうやら中に誰かがいるらしく、ドアは内側からバリケードで封鎖されている
ようだった。

「くそっ、くそっ!」
「荒井、他の入り口を探そう!」

そうこうするうちについに建物の陰からゾンビの集団がその姿を現した。

「逃げるんだ!」
俺たちは壁沿いに走った。

角を曲がった。
少し先に非常階段、そしてドアが見えた。
506さんげりあ:03/02/27 09:54
『20』

「あれだ!」

だが、前方には3。。。いや4体のゾンビがこちらに進んできていた。
さらにその後ろ、少し先にも7、8体ほどが散在してこっちに向かってきているの
が見えた。

背後からは数十体のゾンビどもが迫っていた。

考えてみれば俺たちは逃げ回るうちにホームセンターの周囲をほぼ一周近くし
てしまっていた。
いつのまにやら挟まれる形になったのは当然の結果だった。
ずいぶんと間抜けな話だ。

だが、それはとても笑えなるものではなかった。
巡査物語さんの作品のリアルさがすごい・・・
さんげりあさんのも面白くなってきましたね
元締めのPIPさんのような長編は続られるのが凄いと思います
しかも面白いし
皆さんガンガってください




新規参入したいけどいいのかなぁ。。。
スレ立ての1です。今更のこのこ出てきました。トリップは合ってるのかな?

昨年末あたりから、年末商戦に続いて年度末の数字の積み上げに四苦八苦してます。
そこらへんから、ご無沙汰になりました。

>PIP様
スレ維持ご苦労様です。話のネタが豊富ですね。アイデアが続々涌いてきてるようで、
羨ましいです。

>サンゲリア様
まだ続きですが、展開にはらはらどきどきですね。
この続きが早く読みたいって気にさせられます。

>巡査物語様
凄いリアルな作風です。頑張って継続して下さい。

>>507
書いてみたいと思った時こそ、投稿してみるべきだと思います。
新規参入は、このスレの住人の皆さんは歓迎なさると思います。
私もど素人ですが投稿した時は、皆さん暖かく迎えてくれました。
一寸した短編から始めるのが、いいとは思いますよ。

ところで、マテリアルさんはご降臨されてないのかな?

いっそ、ゾンビにでもなって数字とは関係無い世界に逝きたい(w
職場の成績棒グラフ見るたびに(激しく欝
509 ◆Z62ETnTQww :03/02/28 00:06
釣られて登場(笑)

思いついたらまた描きます。
長編はしんどいので短編で出来れば。

皆様ガンバってください。
新規参入を考えておられる方。私の経験からいうと、参入するのは楽しいですよ。かなり。
510数学屋 ◆Z62ETnTQww :03/02/28 00:07
 あ、また名前つけるの忘れた…
おっ!!!!!!
以前の作者様達が、次々にご光臨でつ。
新作者様と合わされば、スレの活性化の予感。
警察病院に収容されたこの女性に関する検査結果は、死亡状態を再確認させるものばかりだった
対象者は活動しているものの、チアノーゼ反応が見られ
瞳孔は散大して光に対する反応はマイナスで水晶体は白濁化していたが、検査員を認識している様だ
脳波測定では脳幹部に置いて顕著な反応が見られたが、大脳部分に置いては微弱な反応しか見られなかった。
心肺は停止状で体温は室温より低かった、血圧は測定不能であった。
意識は有るが、人格は完全に崩壊している、しかし調査の為衣服を脱がせる際には嫌がる素振りらしき行動をとり
抵抗らしき反応が見られた、これらの行動は人格が有った頃の残滓とも取れるので検査機器に僅かに反応が見られた
脳波がこれに当たると思われる。
513巡査物語17:03/02/28 14:17
この段階で、本事件に緊急性を帯びて来た為に超法規的措置により特別許可を求め裁可を持って司法解剖と病理解剖を行った。
腹腔内に置いては、消化器官は各器官とも機能が完全に停止状態であった、最後の食事は11時頃と思われる。
膵臓腎臓等も全く機能は停止状態であり、膀胱内には暗褐色の尿12mlが検出された。
胃臓には肉片約10gの他に衣服と思われる繊維が少量検出されたが、これを消化するに相当する量の消化液は検出されなかった。
これは最初の搬送先で看護婦に噛み付いたものと思われる、各器官が機能停止の状態に置いて嚥下動作は取れているようだ。
各臓器を摘出し各器官を除去しつつある中で、対象者は活動を続けその動作は解剖開始前と全く変化が無かった。
痛覚に関する神経は完全に機能停止状態のようだ、また薬物に対する反応も極めて低かった、特に麻酔等の神経を抑制させる
薬剤は全く反応が無く、どの様な強力な薬品を使用しても反応は無かった。
試しに神経細胞を切断して見たが、筋肉は動き続けていたので神経とは別の系統によって活動していると思われる。
解剖が進み脳幹部の切除にいたって、初めて活動は停止された。
514巡査物語18:03/02/28 14:18
血管内と筋肉組織内からは多数の変異細胞が検出された、この変異細胞は他の何らかの細胞との接触により変異したものと思われるが
付近には原因物質は見られなかった、が骨髄髄液中と脳幹付近に発見された、特に脳幹付近では1cm程度(小豆大)のコロニーを形成していた。
結論を言えば該当者は既に死亡しており、現在はこの異常細胞に身体を乗っ取られている状態といえる。
ただし、どの様なプロセスを経て身体を乗っ取られる経過を辿ったのか、また現在はどの様な構造によって乗っ取った身体を動かしているのか
更には、何故通常の感染者のように一定の潜伏期間を経てから発症するという経過を辿らずに、一斉に発症者が発生したのかは今後の研究を待たれる
ただし、最後の項目に付いては防疫学指導主任教官の仁科教授(京大:植物防疫)が植物の休芽と発芽の関係に似ているとの話が出ており
非常に狭い範囲に置ける、何らかの条件が重なった結果一斉発症が行われたとの仮説が立てられている。
現在はこの異常細胞が本事件の解明の鍵を握るとして、遺伝子情報の分析が急がれている、採取検体情報とサンプルは、
つくばの遺伝子分析センターと、アメリカのCDC疾病管理予防センターに緊急輸送の準備が整えられているが。当警察病院内にも
搬送患者の発症と、既に発症し暴徒となった者の襲撃を受け、非常に危険な状況下に陥り状況解明作業の継続は困難に成りつつある。
515巡査物語19:03/02/28 14:19
最後のページには、こう記されていた。
政府発表
政府は事態収拾を優先事項とし本事件に対して殺人罪の適用を除外する、感染者並びに発症者は憲法の定める所の基本的人権項目からは除外される。
感染者と発症者は感染者をZ感染者/発症者をゾンビと呼称を統一し、他の一般疾病患者と呼び分ける。
関係諸機関には、Z感染者と健常者の隔離を行うと共に要救助者の救出を優先課題とし、またゾンビの駆除殲滅を要請する。
・・・2時間前のレポートか、政府も大して当てには出来ないな、検査方法も確立していないのにゾンビは未だしも感染者はどうやって隔離するんだ?
無意味な混乱を招く中央の無茶な発表に失望しつつファイルを閉じて部下達の集合場所に歩いていった、成すべき仕事は山積している。
いゃ どうも店番しながら書いています、花粉症辛いですね杉林なんぞ叩切って仕舞えと過激な事を考えています。
さんげりあ様
楽しく読ませて頂いております、切迫感溢れる内容に続きを期待しています。
私の方は、いやマジで本当に怖かったです、日中なら未だしも深夜にエグイ文面から単語を貰いつつ
集中して書いていたら、ボロクソ古い古時計がボーンボーンボーンと3回鳴って、おわっもう三時かも思いつつ
折角書き始めたからと16話の大半を書き切って人体解剖の手順を確認しつつ一部をコピペしかけたら・・
突然キーボードをはねのけるように、ミスタイプ時に出る警告音が2回鳴りつつBSで16話を片っ端から
消し始めました、信じられん事態に慌てて文章保存をして終了をしようとしたが全く利かずにガンガン消してゆくので
最後は電源落としました、電源スイッチを画面が消えるまで押し続けた時なんか、愛子さんの写真集宜しく消えた画面に
恨みの顔でも出てこんかとマジで心配しました。
一旦布団を被ってガクガクブルブルした後に此の侭ではイカーンと謝罪しつつ(賠償は出来んが)電源を入れ直して資料を
破棄して、16話の残存文章の大半を破棄して顛末記を書いた後寝ました、カラスが鳴いていた(^^;
あの時はプラズマ現象と言い切るだけの精神的余裕は無いですねぇ(引き攣った笑
てな訳で16〜17は書き直しです、念仏唱えて読んで下さいませ。

その他、名無しの各位の皆様は呪われん様に注意して下さいませ。
517さんげりあ:03/02/28 17:01
南無、南無〜。
南無観世音菩薩〜。
南無阿弥陀仏〜。

と、まずは女性のためにお祈り。

でわ、続き逝きます。
518さんげりあ:03/02/28 17:05
『21』

俺と荒井は突進し、ゾンビどもの頭に金属バットの一撃を叩き込んだ。
背後の集団がどんどん迫ってきていた。
とにかく正面の奴らを蹴散らし、非常階段に辿りつくしか俺たちに残された道はな
かった。

非常口は開いているだろうか?
あそこもまた中から封鎖されているのだろうか?
なにもわからなかった。

あと十メートルぐらいか?
その決して遠くはないはずの非常階段までの距離は恐ろしく長く感じられた。

「うおぉぉっ!」
俺は渾身の力を込めて金属バットを振った。
なんとも言えない気持ちの悪い感触がバットを通して手に伝わってくる。
目の前のゾンビが糸の切れた人形のように崩れ落ちる。

「あなた!」
妻の声にとっさに振り返ると別の奴が掴みかかろうとしていた。
「さがってろ!」
フルスイングでそいつの顔面にバットを叩き込んだ。

「いそげ、香澄ッ!」
519さんげりあ:03/02/28 17:07
『22』

俺たちは走った。
妻の胸では娘が大声で泣き続けている。

娘の泣き声に応えるかのようにゾンビ共がどんどんこちらに向かって来る。

背後には数十体の集団が迫っていた。

前方にはまだ2体のゾンビが、そしてその後ろにもまだ5、6体が残っている。

・・・神よ・・・

「おらあぁっ!」

・・・神よ・・・力を・・・

「あなた!」

・・・神よ・・・俺に力を・・・・!

「うおおぉぉぉっ!」

・・・神よ・・・俺に妻と娘を護らせてくれ・・・!!

・・・神よ・・・!!

俺は力の限りバットを振るった。。。。愛する家族を護るために。。。
520さんげりあ:03/02/28 17:07
てことで、よーやく回想モード終了、『1』に戻りますた。

ヾ( ゚д゚)ノ゛ ツヅク チク〜 
521あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/28 17:21
沈下速度が速い為保守上げ
素人なので見苦しいですが一心不乱でゾンビですw。


「コンクリート製の建物に住んでて良かった。」
心底そう思ったのは初めてだった。
5階建ての建物の2階に住んでいるのは今や宮部、東野、杉山、
の男ばかりの共同生活者たちとうめき声を上げる腐った異常者達だけだった。
523PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/28 19:13
あげなくとも保守になりますよー。
というわけで保守サゲ。

まあスレの数が500突破するまでは保守しなくても大丈夫ですけど、
何らかのカキコがあると得した気分になりませんか?

さんげりあさん乙です。
意欲的にしかもいろいろなパターンのゾンビモノを次々と書いていけるのはすごいですね。
読むのがなかなか追いついていきません。
平安顔の青年の活躍も楽しみにしております。

巡査物語さん、本当にリアルですね。
カメラワークがすごい丁寧で、そのまま映像が頭に浮かんできます。
単に消化しないと書かずに、胃の中の肉片や腎機能不全を描写するところに深く感じ入っております。
資料はどちらのほうで入手されたものでしょうか?
当方田舎暮らしなものでなかなか面白い資料に出会えません。

夢は東京神田に住んで、暇な時は国会図書館めぐり。
現実はウナギと餃子の街にすんでの三交代勤務で、大きな本屋にあこがれる毎日でございます。
では。
524PIP ◆dve/1Ebaqs :03/02/28 19:24
>>522FD‐R@新規参入者 ◆c45Tuf4FKkさん。
新規参入おめでとうございます。
コンゴトモヨロシク

ゾンビを!
一心不乱のゾンビを!
続きを激しく待ちわびておりますので、焦らしちゃやあよ。
525巡査物語(書く前):03/02/28 21:35
PIP様
いゃ実際的なリアルさは全く無いと思いますが、それっぽい雰囲気を
付ける為に難しい単語を探しては使っています。
知識がある人にはボロでまくりです。
語り口をドキメンタリー風にした以外は、ノンフェクション戦記の感じも使っています。
実際に人肉食事件が発生したフィリピン戦やニューギニア戦の目撃証言は参考になります。
機器とか小道具は知識が無いので適当にボカしています、がもっともらしく書く為に関係機関の組織図は見ました。
526巡査物語20:03/02/28 21:37
自衛隊の到着に因って、組織の再編や指揮権の確認等が会議室で話し合われているが、当面の活動に付いては
拠点の確保という防衛的な性格から付近のゾンビ掃討等の積極的な行動に変わってきたのは大きな前進だった。
これらは非常に歓迎すべき状況であったが、警察幹部に取っては国論を2分した安保闘争時代や銃弾飛び交った
浅間山荘事件等の重大事件を、警察機構だけで解決してきた自負があり、本事件でも初動捜査指揮等の貢献そして
犠牲を省みるにどうしても全体の指揮権を引き渡すには抵抗があった、されどこの緊急事態に際して縄張り争いの
果て協力関係を維持しえず、個別に当たるなどは絶対に避けなければ成らない問題であり、現在はそれだけの実力が
無い事も良く認識していた。
自衛隊側もまた、その事は良く認識していたのであるが指揮権という組織が持つ一番重要な問題を安易に妥協で
解決するには本事件は余りにも重大性が大き過ぎた。
取りも直さず警察側が先任であるという事と、現在の所では自衛隊側には地誌等に付いて不慣れであるという事で
警察側の指揮下に入り、先ずは警察署周辺地域の治安回復とゾンビ掃討作戦を行い共同作業に慣らすという事になった。
527巡査物語21:03/02/28 21:38
夜明け前の朝焼けが始まる4時過ぎ頃、概ね9時頃までに完了の予定で作戦は開始された。
下級指揮官の甚大な損害による不足という理由で、巡査部長代理(階級は巡査長)という立場になり7名2班を受け持って
本隊指揮官の飛島巡査部長の8名と合計16名に自衛隊1個小隊程の部隊と共にバリケードを乗り越えて作戦に参加した
150メートル程度の前進で、30人前後のゾンビと遭遇したが火炎放射器で焼き散らした後に片っ端から頭部を
撃ち抜くといった感じで、初期のゾンビとの戦闘に比べると余りにもあっけなく簡単な作業を思わせた。
概ね署を中心として半径1キロ程度に存在する集団を殲滅し、改めて戦闘集団である自衛隊の火力と戦闘力を確認した。
また、この間に家屋に潜んでいた健常者3名の救助に成功した、事態は少しずつ明るい兆しを見せ始めていた。
この間初動捜査から一緒に行動していた、篠崎巡査の連絡により戦慄すべき光景を目撃する事になった。
それは、恐らくは脱出に失敗したカップルが乗る小型軽自動車で車内には予備食料や雑貨等がぎっしり詰め込まれ
助手席正面のスペースには、可愛らしいクマのぬいぐるみが、ちょこんとつぶらな瞳を投げかけていた。
528巡査物語22:03/02/28 21:39
しかし、中に居る人間の残骸とも言える存在は酸鼻を極めた。
叩き割られたフロントやサイドガラス付近には、肉片と頭髪がこびり付き車内は既に乾き始めた血がべっとりと張り付き
その血塊ともいえる血の海にもたれ合うように、ひと塊になって、それは居た、、。
助手席には引き毟られ巻き散らかされた長い頭髪の塊となって、体全体を齧り尽されしゃぶり尽くされた物体があった
手足はおろか頭部や顔面に至るまで、肉片をそぎ取られ肉片の残滓が真っ赤な切片として白い骨の隙間に垣間見えた
撒き散らされた消化器官からは最後に食したであろう物体が、水っぽい焦げ茶色の汚物として滲み出ていた。
脱出の最後の努力が試みられたであろう半ドアになった、運転席側の物体も同様で顔面の頬肉すら齧り取られ
眼球の消失した眼窩からは赤黒い穴が見えた、足元付近には無数とも言える歯形を残しつつまだ肉が残っていた。
若いカップルだったであろうが年齢を特定する事は困難で、男女の区別さえ辛うじて衣服の残骸から感じ取る事が出来た
そして、、その様な状態にあってなを、我々を感じ取り我々を襲おうと筋肉はおろか肉片すらない腕を持ち上げようと
体を揺すっていた、、或いは助けを求めているのか?
表情の作りようの無い赤い骸骨は、窪んだ眼窩を此方に向け唇の無い口を開け、外見からは想像も出来ない
綺麗な口内を見せていた。
念仏を3回唱えつつ頭部を撃ち抜く時、西沢巡査のすすり泣く声が空しく風に流れていた。
皆さんごめんなさい、sageと入れた積りがsagrに成っていました。
序にsageと入れ直したのに馬鹿コンピューターがsagrに書き直していました。
ゾンビになって心を入れ替えます。
深夜の製作は怖いので、今宵はこれまでにいたしとうございます。
2
「そろそろ出ないとやばいんじゃないか?。」
東野が言った。
確かにここに篭城して既に1週間あまりが経過し、
食糧も尽きかけ、外部からの情報も途絶えていた。
何より暇だった。
「そうだな。しかし・・・。」
そう、問題は武器だ。
理想は金属バットだったが野球をたしなむ者が居ないのでもちろん無い。
あるのは防犯用の木刀と宮部君が椅子を作ると言い出して買ってきた角材と金槌だけだ。
宮部君は飽きっぽいので角材はそのまま残っていた。
(はたしてこれで戦えるかな?)
「おい、これなんて使えるんじゃないか?」
東野は台所から持ってきたフライパンを片手にニコニコしていた。
531巡査物語23:03/03/01 12:40
4車線の大通りの歩道を若い女性が歩いていた。
動作はとてもゆっくりとして、左足をやや引きずるようにしながら、ひたすら前にと歩いていた。
金髪と言うよりは茶髪のショートカットは滅茶苦茶に掻き毟られ、左耳にピンク色の可愛いピアスが揺れていた
白いブラウスは半分程がひき毟られ半身には噛み千切られた、無数の歯形があり胸の乳房の跡地には白い肋骨が
見えていた、比較的無事な半身には小さな膨らみがあり、そこに鮮血の極彩色が黒い染みと成っていた。
スカートは履いておらず、剥き出しの下着が残骸となってこびり付くようにぶら下っていた。
元々人生に生きる目的など無かった彼女ではあったが、今では存在理由すら自分では見出す事は無かった。
彼女の記憶は有ったとすれば昨日の午前11時頃で途絶えていた。
家出3日目の高校2年生だった彼女は、その日は前日知り合ったばかりの男性と新宿のラブホテルに居た。
何の目標も無い上に暗い世相を反映して、無気力に全てに反発しての家出だった、何かをするあても無く
気力も無い彼女が10時過ぎに目覚めた時は、既にパトカーのサイレンが響き渡っていた。
532巡査物語24:03/03/01 12:41
何かがおかしい?と感じつつも気だるい時間を過ごしていた時、男が何気なくテレビのスイッチを入れて
事の真相が判明した。
信じられない事態の中で、その中心地にいる恐怖感が全てを支配し急いで身支度をした、最早男になぞ
構っていられる状況ではなかった。
未だに呆然としている男を突き飛ばして、出口に向かう背後から窓の外を覗き絶望的なうめき声を上げる
男の声が聞えたような気がする。
周りの部屋も騒然となり始め、恐慌状態のなか半裸で逃げ出そうとする女性に取り縋る男性の姿も見えた
狭いホールでは既に身支度を整えたカップルがエレベーターを待っていた。
乗りきれるだろうか?一抹の不安が過ぎる中で、エレベーターが到着した、狭いエレベーターに無理やり
押し込める様に乗り込み、階下に着く時間の中で初めて自分が昨夜一緒に過ごした男を見捨てた事実に
気が付いた、軽い懺悔の気持ちを持ちつつ、エレベーターが到着し扉が開いた。
全ては理解の限界を超えていた、最初に悲鳴そして怒号けたたましい騒音の中で全てが行われた。
大勢の人の手で、半ば引きずり出される様にしてホールに出た彼女の最後の言葉は何であっただろうか?
533巡査物語25:03/03/01 12:41
何はともあれ、そんな過去の事とは全く無関係に、そして相変わらず無気力に彼女は歩いていた。
テメェの事しか考えていない、くそやくたいも無いセンコーも恩着せがましく押し付けがましい両親も居ない
明日の事すら考える必要も無い、無政府主義者が陶酔する夢のような完全な自由を彼女は満喫していた、
勿論それを知覚する事は無かったが、、、。
今、歩道を歩いているのも別に理由なんて全く無い、でたければ車道に出たって構わないのだが車道に出る
理由すらない、唯なんとなく生前の習慣みたいなもので歩道を歩いていた、理由なんて知覚する事すらなかった。
そんな彼女がフト足を止めた、遠くで騒がしい何かがある、、、別に認識した訳でも無いのだがここ数時間
何の刺激も無い状態の中で得られた新鮮な刺激に対して、彼女は歩き始めていた。
通りの向こう側に、紺色の人間と緑色の人間が見えた、、、何となく噛付きたい衝動が体を駆け巡った。
同じように数人の仲間?が向かって行く、下半身を失い上半身だけで芋虫の様に体を引きずって行くのも居た。
それらに対して、紺色と緑色はしきりに腕を向けては小さな炎と大きな音を出していた。
その中の紺色が1人こちらを向いた、腕を突き出す手に黒い何かがある、直後に激しい衝撃を受けた・・。
星野良子17歳の詰らない無気力な人生は、そこで初めて終止符を打たれる事になった。
また、紺色の人間−須藤巡査長は付近のゾンビ掃討を対策本部に機械的な声で報告していた。
534さんげりあ:03/03/01 17:45
おおっ!? また新作者さまが。
しかも長期連載を予感させる作品。
PIP殿だけが孤軍奮闘、スレ維持されている状態から、なんとか以前のように再び活気あるスレに
戻って欲しくて無理やりにあれこれ何本も駄作を投下した自分としては今のこの状態は非常に嬉
すぃデス。

でわ、今日も続きをば

 ヾ( ゚д゚)ノ゛ 逝クチク〜
535さんげりあ:03/03/01 17:46
『23』

神に祈りが通じたのだろうか?

俺たちはかろうじて非常階段に辿りつく事が出来た。

「香澄、加奈さん、子供たちを連れて今のうちに階段を上ってくれ!」
俺は目の前のゾンビのこめかみにバットを叩き込みながら叫んだ。

1階の非常口はここもまた中から封鎖されている可能性が高い。
それにたとえ中なら押さえられていなかったとしても妻たちをかばいながらドアノブを
破壊してこじあけるのはとても無理だからだ。
ゾンビはどんどん押し寄せてきている。

俺と荒井は階段の半ばでゾンビ共を相手した。
このスペースなら一斉に襲い掛かられることはない。

だが、そういつまでも持ち堪えられそうにない。

すでにバットを握る俺の手は限界に来ていた。

ちょっとでも気を抜けばバットが手からすっぽ抜けそうだ。

一振りごとに腕も肩も、筋肉という筋肉が悲鳴をあげていた。
536さんげりあ:03/03/01 17:46
『24』

「藤田、ここは俺が食い止める!
お前は先に上に行って、ドアを!!」
荒井が突然叫んだ。

俺は荒井の言葉に一瞬迷った。
いくら狭い階段内とは言え、果たして荒井一人で押さえられるのか?

だが、他に方法はない。
ふたりがここにいてはドアのカギがかかっていないなどという奇跡でもないかぎり
香澄たちは中に入ることは出来ない。
このままふたりでここでゾンビを相手してもじきに力尽きてしまうだろう。
そうなれば階上の妻たちも間違いなくゾンビの餌食になるだろう。。。

「わかった。・・・すぐに戻る!」
「いいから行け! はやく!」

俺は階段を駆け上がった。
荒井の雄たけびが聞こえた。

「かかってこい、このくそゾンビども! 妻と息子には指一本ふれさせねぇぞ!」

・・・・死ぬな、荒井・・・。
537巡査物語26:03/03/01 22:42
さて、若い男(っても40は行ってる)が手にしたのは、なんと、毛皮の手袋
だった! ちょっと以外だね、当然バイブかディルド、ひょっとして電気マ
ッサージ機かな、とも思ってたんだが(あとで聞くと電マッサージ機は個室
タイムまで禁止なんだって、簡単にイッちゃうからね)やはりツウの世界だ。

男は毛皮の手袋を右手にはめると、毛足の長い手の甲の方で、両手を真上
にのばして見張りの男からブラ下がってる女の頬へ・・・。あ、その前に
支配人に汗を全身の汗を拭かせた。毛皮が濡れると効果半減だからね。

「あ・・・あ・・・ンん・・」頬から首筋、首筋から乳房、乳首を通り
こして臍…尾てい骨のあたりの肉がグッ、と窪んだかと思うとちょっと
痙攣したりして、股には触れずにモモ、くるびぶし、足の指・・・。
足の反応が見事だよ。綺麗にペティキュアした足の指が開いたり、閉じた
り、たぶんマン○もそうなってるんだろう、と想像させる動きだよ。

おもむろに足を持ち上げると指を一本一本嘗め始めた。どうもこれが男
の「得意技」らしいんだ。「イヤッ、そんな…こ…と」なんだよ、この
トシになるまで足指も嘗められたことないのかよ・・・・。
538巡査物語27:03/03/01 22:43
目を閉じてた女が目をむいて男の方を見て、足をひっこめようとする
んだけど、男が両手で足首握ってるからどうにもならない。また内股
の筋肉がきしむように筋を立てるんだけど、この細さがそそります!

男は得意気に指をなめつつも、足の裏とか、甲とかをなでる。時に
は内股の、股関節のあたりを「揉む」カンジ。ぜったい性器には触れない。
これは勉強すべき技だと思ったね。女の足の指が反り返って、お、指ナメ
だけでイクか! と思ったあたりで、支配人が「10分ですよ」と静かに。

男は足を離すと、はじめてピンクロータを持ったね。で、「固定」して
いる見張りに、「今度は足を押さえて」とリクエストする。見張りはうつ
ぶせになるカンジで女の足首を押さえる。そこへまたがって男が、
「では、まず、一回めの絶頂をお見せします」一体、どうするんだ?
539巡査物語28:03/03/01 22:44
瞳ママ(女、でいいよ)女はあらためて拘束されたんだな。
いわゆるエックス形の拘束スタンドにさ。
で、二人めが、ローター持ち出したとこまで書いたっけ。
ところが、支配人が、その男といろいろ打ち合わせしたみたいでさ。
いわゆる「アプローチタイム」といわれる時間になったんだな。

まず最初に、例の電気装置持ち出して、女にうむをも言わさず首筋にあてた
「あああああ!」30秒くらいだったかな、悶絶して気をうしなったんだよ。
で、「黒」とかいわれてる、いわゆるスケコマシ系の、身長185くらいの、
チョコボール向かいを細面にしたような男が、登場して、拘束具を外して、
女を抱き抱えて連れてていった。客たちの前には100インチくらいのプラズマ
  テレビが用意されてね、ここからしばらくは、覗き鑑賞ってことみたい。
540巡査物語29:03/03/01 22:45
別室の、フツーにフトンを敷いてある部屋に女を寝かせて、軽くゆすぶって
気をつかせる。
「黒」が「大丈夫? 君が気を失ったんで、ショーは中止になったよ」みたい
なことを言う。女は朦朧としながらも、安堵の色を見せた感じだな。でもまだ、
ちゃんと手だけは後ろに縛ってあるんだけどね。
女が意識がしっかりしないうちに、ちょっと気付薬みたいなのを飲ますんだけ
ど、ま、ちょっと強めのアルコールみたいな感じで、意識が戻りきらないらし
いんだ。
で、「黒」が愛撫を始めるんだけど、またこれが勉強になるよ!
長い長いキス、目をじっと見つめる、また長い長いキス。で、その下が目とか
頬とか、耳とか。あ、耳のとこは長かったな。何か延々と囁いてるみたいなん
だけど、それはさすがにモニターまでは聞こえない。
左手はずっと、髪とか首筋あたりを往復してるんだけど、右手がなかなか忙しい
のな! 乳首から臍、臍から太股。そうだね、途中で小説風に書いてたヤツの想像
の通り、そうとうのジラシテクだな。ホントにオマ○コには一切触らないんだよ。
  そのうち、足首をもって上に引っぱる。
>>巡査物語 様。
やはりトリップ付けましょう。
↑は巡査物語様のでは無いですよね。
内容は別として、文体が異なるので。
542巡査物語(仰天中):03/03/01 23:29
???? 初めてコテハン騙られた、吃驚です。
意図は何なのだろう? 
読むに耐えないから、止めろという事なのでしょうか?
しかし 内容の一部を読むだけで、悪意が感じられて
薄気味が悪い人ですね、、、。
543PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/01 23:41
FD‐R◆6N371.108Eさん新トリップですか。
なにやら座標のようなトリップですね。
男同士でなぜ一週間立て篭もっていたのかなどいろいろ気になる次第です。
ぜひ続きをお願いします。

>>542巡査物語さんスルーしておきましょう。
こういうのは気にしないこととレスをつけないことです。

気にしてもどうしようもないことですし、レスをつければ削除されません。
それにうまくいけば前スレの恥ずかしいにゃさんのように、新機軸の物語を書かれる作者へと変貌を遂げる可能性もあります。


花粉症がきつくてなかなか書き進められません。
こうなったらスキー用のゴーグルを買ってきて装着するか、ノートPCといっしょに入浴して書くしかなさそうです。

出来れば明日の昼ぐらいまでには新しいのをあげておきたいですね。
>>537-540はPART1にあったエロ小説と全く同じ。
545さんげりあ:03/03/02 14:05
ふ〜む・・・・とりあえず放置ということですね。

でわ、続きいきます。

『25』

「くそっ!」
俺はバットでドアノブを破壊したが、2階の非常口もやはり予想通り中から封鎖されていた。
いくら押してもドアはまるで動かない。

俺は妻たちを連れて3階に上がった。

ここもまたバットでドアノブを叩き落とす。

開いた!
ここは中から封鎖されていない!

中に入るとひとりのやせぎすの男がいて目があった。
次の瞬間、男は手に持っていたダンボールか何かを落とすと背を向けて逃げ出し
てしまった。

さっきの男はゾンビではなかった。
あいつが妻たちに危害を加えることは・・・?
わからない・・・。
だが、少なくともこのまま外にいるより安全だということは確かだった。
そして、これ以上、荒井を放ってはおけない。

「香澄、加奈さん、中で隠れていてくれ!」

俺は階下に急いだ。

荒井・・・。
546さんげりあ:03/03/02 14:06
『26』


階段の隙間から荒井の様子が見えた。
荒井は今まさにゾンビに食いつかれようとしていた。

俺は階段を駆け下り、勢いを乗せたバットをゾンビの顔面に思い切り突き込んだ。
そいつの歯が飛び散り、派手に後ろに倒れこんだ。
おかげで将棋倒しが起こり、ゾンビどもの勢いが弱まった。

逃げるなら今しかない。

「荒井っ! 無事か!? 3階のドアが開いた!」
「おう!」

俺たちは階段を一気に駆け上がった。

ドアの内側に身体を滑りこませる。

俺たちは素早く辺りに散らばっているものをドアの前に積み上げた。
だが、パリケードというにはあまりに少ない。
これではすぐに破られてしまう。

妻たちが姿を現した。
「あなた、無事だったのね、よかった・・・」
「ああ、それより何かここに積めそうなものを!」

じきに俺と荒井が押さえるドアが外から叩かれ始めた。
547さんげりあ:03/03/02 14:07
『27』

「あんたら・・・人間か・・・?」
廊下の奥から声が聞こえた。
さっきの男だった。

「ああ、人間だ! それより、あんたも手伝ってくれ!」
「なにかバリケードにできるものを! はやく!」
俺と荒井は叫んだ。

ドアがすごい力で押されてくる。

ゾンビがドアを叩くたびにドア越しにその振動が全身に響いてくる。

ゾンビってこんなに力が強かったのか!?

ちくしょう・・・だめだ・・・開いちまう・・・。

そのとき、後ろから腕が伸びてきた。

見ると、さっきとは別のがっちりした男が俺たちと一緒になってドアを押さえていた。

さらにガラガラと後ろから何かが近づいてくる音がした。
548さんげりあ:03/03/02 14:07

『28』

台車に載せられたそれは冷蔵庫だった。
俺たちは冷蔵庫を勢い良くドアの前に落とした。

「まだ足りん、もっとだ!」
「いそいでくれ!」

俺たちは今度は冷蔵庫ごしにドアを押さえた。
ドアはまだぐいぐいと押されている。

しばらくするとまた台車に載った冷蔵庫が来た。
それもまたドアの前に落とす。

その次は洗濯機、また洗濯機。

なんでも良かった。
とにかくドアの前に積み上げていった。

悪戦苦闘のすえ、俺たちはかろうじてバリケードを作り上げることに成功した。
549FD‐R ◆6N371.108E :03/03/02 21:13
いよいよ一心腐乱のゾンビ戦です

3
「でも、ここから出てどこへ行くんだ?」
「そりゃぁ・・・。」
「ここから近くて、尚且つ篭城ができる場所といったら・・・うーん。」
「おっ!」
「どうした?」
「なんかありました?」
「ホームセンターがあるじゃないか!」
「ふむ、なるほど。」
「あそこなら武器も山ほどあるし、大きい建物だから人も集まっているだろうよ。」
「いいですね。」
「そうだな。」
「決定だな。」
「ここからホームセンターまでは、えーと、まず通りを抜けて坂をのぼって・・・。」
「考えても仕しょうが無い。行くぞ!」
勢い付いた三人は各自武器を持つとすぐさまバリケードをどけてドアを開け、
外に飛び出した。
「臭っ!!」
外は腐臭で息もできないほどだったが一番の脅威は臭いより臭いのもとだということは
みな承知していた。
「来たぞ。5人くらいかな。」
「このやろっくらえ!」
ぐちゃぁブシュげちょげちょ
木刀で胴を払ってみたもののとても悲惨な状態に。杉山は一瞬怯んだ。
550PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/03 02:29
 日向はなぜ自分がこうまで昂っているのか分からなかった。
 何かが引き金になったということは直感できた。
 いったい何が口火を切らせたのだろうか。
 胸中にわだかまっていたものを吐き出すと、自分の中が急に虚ろになったように思えて、ただ尚也の反応を待つことしか出来なくなってしまう。
 
「死は恐るるに足るものじゃない。それに俺は死を求めたことなどない」
 尚也は瞳を閉じたまま、わずかに顔を向ける。
「だったら、何でこんなこと。嘘!死にたがってるだけです!!」
 あまりにも死を軽く扱う尚也を、日向は許せなかった。
 死は全てを終わらせてしまう。
 今まで続いてきた昨日は途切れ、明日は完全に失われる。
 死は究極の暴力で、あまりに理不尽だ。
 それなのに、この青年はいともあっさりそれを求めている。
 
「単なる優先順位の違いだ。今大切なのは、君が生き延びることに必要なだけの意志を持っているかだ。体調不良の足手まといの命などよりよほど貴重なものだ」
「そんな言い方って。やっぱりごまかしとしか思えないっ」
 尚也はようやく目を開くと、波一つ無い湖面のような瞳で日向を見つめる。
「……日向。俺は死を求めない。死にすがることは無い。俺の旅路は死の影に溢れている。それでも俺に死の平穏はない。それは俺以外のものに降り注ぐだろう」
 語る言葉は静謐に満ち、穏やかな表情とあいまって信者へと言葉をかける神父のようだ。
 仕える神の名はやはり「死」という名の運命だろうか。
「どうして……どうしてそんなに簡単に全てを捨てるんですか。どうして諦めるの。生きてるのに、生きてきたのにっ。今まで頑張ってきたのにッ」
「俺に過去はない。あるのは死への道だけだ。俺に未来はない。今を歩くことしか出来ない。俺に赦されているのは今だけだ」
551PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/03 02:29
 背筋に氷柱を差し込まれる感触。体が震え鳥肌が立つ。
 それは一気に気焔を吐き出したあとのわずかな隙間から精神に入り込み、日向を凍てつかせていく。
 叫んだ言葉が意識の表層まで昇りつき、意味となった瞬間に日向は呪縛されていた。それでも黒く深い瞳から視線は逸らさない。
 今まで気づかなかった。いや、気づこうとしなかった。
 そうだ。自分は気づいていたのだ。
 そしてその事実に気づこうとしなかった。
 日向の全身が叫んでいる。
 この男は、眼前の存在は「死」そのものだ。それゆえに、死を語りながらこんなにも静謐を保った瞳をできるのだと。
 だからこそ瞳をそらさなかった。
 相対するためではない。理解し、受け入れるためだ。

「誰にだって歩いてきた道があります。尚也さんにだって思い出はあるはずです」
 もう一つ気づいたことがある。
「俺には思い出せるものはない」
 なぜ私はあそこまで昂ったのか。
「私と過ごした時間もですか」
 それは。
「……」
 名前を呼ばれたから。
「思い出したくないことが多いのなら。これから思い出したくなることを見つけましょう」
 それだけのこと。
「……俺は」
 でも、大切なこと。
「一緒に、いきましょう」
 死を望む言葉といっしょに呼ばれたくなかったから。

 尚也は答えなかった。ただ、その手は銃身から離れていた。
 それが答えだった。
552PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/03 02:34
うっひゃぁ!
背筋が痒い!

なれない場面を書くのにずいぶんと時間がかかってしまいました。
これでようやっと場面を移せる。

日向が尚也を説得しました。
これで対等の立場です。
「連れて行く」だったのが「いっしょに歩いていく」になりました。

次回以降のプロットを手直ししないと。
んでは。
(・∀・)イイ!!ね。ところでひょっとして、FF6持ってます?
554PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/03 13:16
シャドウですね。
そういえばあっちにも犬が出てきましたね。

Σ(゚Д゚;)
ということは、尚也は最後にみんなと分かれて!
死んでしまうのか!?
死んでしまえ。
糞スレも、作者も皆死んでしまえ。
 ↑ まさか、「読者代表」まで復活したのか?(藁
558巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/03 21:01
付近の掃討によって、大規模襲撃の危険性が薄れてきた為に比較的近距離の地点救出に向かった班もいた。
新宿あかねマンションに向かった平泉巡査長のグループもまたその一つであった。
ここは署から約400メートルの距離に位置した、1年位前の新しいマンションで近年多発する凶悪犯罪を
意識したセキリュティ重視型のマンションであった為に立て篭もり易く、生存者が篭城している確立は高かった
通信に付いては、深夜に発生した障害によりこの地域では通話不能であったが電気に付いては現時点では
電力会社の不断の努力により維持されていて、本日3時現在の視察報告では照明を付けている箇所がある
との報告であった。
大通りから15メートル程を、自衛隊共用の通話セットを装備して平泉巡査長は3人の部下と共に慎重に進んだ。
「本部、本部、こちら第6班、平泉巡査長、大通りより15メートル前進、目標まで10メートル」
「了解、付近に人影又は異常痕跡はありますか?」改めて辺りを見回す、大通りの銃声と比べて一見平穏に感じられた
「こちら平泉、異常はありません、ゾンビとの争いの痕跡も見当たりません」「本部 了解」
吉田巡査が慎重に付近を伺いつつ話しかけてくる。
「平泉さん、大通りと違いここいらは随分静かですね、各戸毎の個別調査はしないのですか?」
559巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/03 21:02
「27」
通話を切って吉田巡査を振り返る、長時間の緊張で顔色が良くない。
「あぁ この付近の住民は大半が署の方か、1キロ先の親愛小学校に避難しているので空き家が多いはずだな
 完全に空家とは言い切れないが、こっちに余裕が無さ過ぎる」
無念やるせない表情で高田巡査が応じた
「まだ、非難指定拠点との連絡も出来ていないですからねぇ、玄関が見えてきましたね」
目標のあかねマンションを注意深く観察する、とりあえず外観には異常は無い
「そういう事だ、向こうから応答が無い限り捜索に時間は掛けられない、こっちですら大通りの自衛隊さんの
 援護が無ければ、こんな路地方怖くて入れたものではない」
初動捜査の惨劇が瞼に浮かぶ、、、噛まれた同僚、無表情に人を食べ続けるゾンビ、絶叫と悲鳴と
苦痛の大合唱に発砲音の伴奏と緊急車両のサイレンが響き渡り、これに極彩色の絵の具で彩られた
見事な芸術祭だった、題名は<地獄>、この最低最悪の芸術祭に生き残りを賭けて参加している自分が居る。
何時まで続くのか?まだ1日しか経っていないのに1年近く戦っているような気がする、、こんなにまでして
生きているのが良いのか、それともいっその事、、、、全身を血で染めて指揮を取り続けた堤巡査部長は
最後まで責任と誇りを貫いて逝った、ある意味羨ましさを感じる。
560巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/03 21:03
「28」
ともすれば悲観的な感情に陥りそうな自分を振り切る様に軽く頭を振った。
「俺も疲れているな」声に出せない声を心の中で呟く。
「高田巡査と浅井巡査は周囲警戒、吉田巡査は援護、行くぞ!、、浅田ぁ不用意に建物に近づくなぁ!!」
マンションから離れて向かいの塀に囲まれた民家に近づきかけた浅田巡査に鋭い警告を送る。
警察官として日が浅い浅田巡査は、緊張感の維持が難しいらしく理解しているのだがミスが多い。
浅田巡査が慌てて道の中央に戻ろうとした・・・と、その民家の門が動いた?
「ひぃっ でっ出たぁ」浅田巡査が必死に逃げて来る。
まだ10才かそこいらの少年がフラフラと引き摺るような足取りで現れた。
「むっ・・惨い」初動捜査には加わらず、夜間戦闘後に参加していた高田巡査が呻いた、、。
喉笛を食い切られ、顔面の肉をそぎ取られた血塗れの、その顔には辛うじて幼さが見えた
キャラクター物のシャツは血で真っ黒になり破れた箇所からは内臓が露出していた。
少年が息絶えるまでの間にどれだけの苦痛が与えられたのか、、、、。
561巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/03 21:04
「29」
「吉田巡査、正照準で頭を狙え!用意、、発砲」銃声が少年を安らかな世界に誘った。
「高田、浅田、周辺警戒を強化しろ!奴等音を聞き付けてやってくるぞ!」
 言い終らない内に、ぞろぞろと付近の民家からゾンビが現れた。
「各個に応戦しろ!」と命じつつ通話セットのスイッチを切り替えた。
「こちら第6班平泉、現在、大通りから30メートル、あかねマンション付近ゾンビ出現、
 支援願います」
「本部受信、数は何体か?」、「8体前後、吉田巡査が1体と交戦、その後に出現」
「本部受信、支援小隊から1分隊送る」、「了解」
スイッチを切りながら状況を確認する、取り合えず危機的状況とは言えないようだ。
「高田、正確に狙え! 浅田、むやみに発砲するな。吉田は左側大通り方面の確認をしろ
 自衛隊から援護が1個分隊到着する」
次々に打ち倒されて行き、自衛隊が到着する頃には全て撃ち終わっていた。
ちょっと慎重すぎたかな?と思いつつ玄関付近の確保を依頼して、内部に侵入することにした。
562巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/03 21:04
「30」
玄関からエレベーターホールまでの間に、かなり丈夫な自動ドアが存在していたが署に避難していた
住民から借りた鍵で自動ドアは簡単に開けることが出来た。
管理人室はからで、退避したようだ。
郵便受けコーナーの反対側にエレベーターが見える。
「吉田巡査は管理人室の捜索、全館放送に関係する設備が無いか調べろ、高田巡査は鍵制御パネルから
 各戸に応答を確かめろ、浅田は周辺捜索、、十分に警戒しろよ」
部下に指示して振り向くとエレベーターが動いていた。
「高田巡査、エレベーターが動いている 発砲準備、むやみに撃つなよ」
緊張しつつ到着を待つ、、3.2.1、エレベーターから離れつつ拳銃を構える。
「たっ助かった」「上に未だ人が居ます」「4回に皆で待っていました」
悲鳴とも付かない、錯乱ぎりぎりの声を張り上げながら4人の男女が現れた。(危うく撃つ所だった)
4人を取り合えず玄関ホールに待機させ、浅田巡査と高田巡査に任せて4階に上がる。
563PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/03 22:57
巡査物語 ◆B6gHTT4PmEさん、新作読みました。

凄いです。
平泉巡査の緊張が文面から直接伝わってくるようです。

文を読むと同時に場面が頭に浮かぶ。
これには本当に感心させられます。
きれいな文章をお書きですが、何か文筆業に携わってられるのでしょうか。

さんげりあさん。
どんどん追い詰められていく中、妻のことを思う藤田さんがとても人間としての魅力を感じます。
男女平等といってもこういうとき、やっぱり男としては体を張りたいものです。

FD‐R ◆6N371.108Eさん。
仲のいい友人同士で立て篭もれると安心できますね。
外にゾンビ、中で疑心暗鬼では気が休まらないですから。
無事にホームセンターに到着できるのか?
今後の展開を楽しみにしています。

ちなみにPIPが最近書いたものは
>387-388、>390、>494-495、>550-551です。
564名無しゾンビ:03/03/04 13:09
どれもおもろい つづきはやくしてクレ
565名無しゾンビ:03/03/04 13:40
PIPさんのは小説買って読んでるみたいでイイ! 90点
566巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/04 15:03
>>563
PIPさん
いゃどうもです、PIPさんの会話と説明のバランスに感服しています。
ストーリー構成のバランスも良く、随分参考とさせていただいています。
自分は全くの素人で輸入雑貨の小売店主の暇潰しです、作文なんぞ10年来です。
状況の説明に集中し過ぎて、会話が途切れていましたので文体を直しています。
説明がくど過ぎるのではないかと自分では思っています。

さんげりあさん
緊迫感と読みやすい改行が素晴らしく感じますし感情の込め方が上手いです
ガンガン生きましょう。

FD‐R ◆6N371.108Eさん。
会話のやり取りの細かい描写表現が素晴らしいですね。

それでは話のわき道を絨毯爆撃で行きます(未だ平泉巡査長を殺せん。)
567巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/04 15:05
「31」

4階では、先の4人から教えられた部屋に8世帯21人が息をひそめる様に集まっていた。
その殆どが比較的若い女性で恋人や夫が、帰宅するのを待っている内に孤立してしまったとの事だった。
他にも年配層の世帯が数世帯居たそうであるが、絶望的な状況に失望して自殺の道を辿った。
生存者はリーダー格で平沢という老人が、上手くまとめて居た為に一応の平静を保っていた。
平泉巡査長の訪問に、状況に対して冷静すぎるとも言える応対があった。
「随分近くで射撃音が聞えたのでな、こりゃ若しかしたら救援が来たのかと思って若いのを様子見に行かせたのだよ」
ご苦労さん、と労いの言葉に救援部隊の規模を聞かれて、平泉巡査長は応えた。
「警察側では本官を入れて4人です、他に自衛隊が12名ほど支援に来ています」
想像していたよりも、救援の人数が少ない事に軽い失望を感じつつ平沢老人は感謝の言葉を述べた
「ここに来るまでに大分、苦労をされた様じゃな、兎に角来てくれて助かった、あそこで震えとる奥さん方が
 仏さんに喰われるかと思うと、不憫で不憫で仕方が無かったよ」
奥を覗くと、恐怖の一夜を過ごした真っ青ですがる様な表情をした女性達が肩を寄せ合うようにしていた。
「長い時間の確保は困難です、ここに居る吉田巡査が誘導致しますので急いで避難してください」
突然の解放に腰が抜け切ってしまった彼女達を、介抱しつつ吉田巡査の誘導で数人ずつエレベーターで
階下降りてゆく、避難作業が順調に進んでいよいよ自分達が避難する段階に差し掛かった時、平沢老人が居ない事に
気が付いた、奥を除くと老婦人と一緒に仏壇に線香を立てている所だった。
568巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/04 15:05
「32」

仏壇には30代の男性と女性に、その子供と思われる3人の家族が納まっていた。
「息子夫婦だよ、6年前に他界した、交通事故だった、、」
なんとも言えない雰囲気が静かに漂っていた。
「、、、避難は順調です、我々が最後ですから急いで下さい」言わなくても次の言葉が分かるような気がした。
「わし等はもう良いですから、お先に行きなさいワシは、こいつとここで最後まで残りますから、、」
説得不可能を思わせる、全てを悟り切った澄んだ目をして老人が言った。
「馬鹿な事は言わないで下さい、本官が責任を持って安全に送り届けますから、どうか避難してください」
「良い目をしているな、、責任感と若さに燃えた良い目をしている、昔はそんな目をした奴が大勢居た、
 ワシもその1人だった、、」すうっと老人の目が細くなり何処か遠くの彼方を見ているようだった。
569巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/04 15:06
「33」

数十年の彼方を超え、目の前にいる責任感あふれる青年の目が遥か彼方の戦友にだぶる、、心は遠く時間を超え
其処にはテニアン島防衛歩兵第50連隊大隊本部付き、指揮小隊第一分隊長の平沢軍曹が居た
「軍曹殿! 平沢軍曹殿!、、」橋本伍長の切羽詰った煤けた顔が其処に有った。
「艦砲射撃で大隊本部は壊滅しました、小隊長の山田少尉は先ほど戦死されました小隊は10名を割っています!」
市街は既に陥落し、島内で唯一の水源地マルポも陥落した時だった、、あの時も全く絶望的な状態の中にいた。
風景が変わって、深夜になる、8月初め連隊は最後の総攻撃を敢行していた。
米軍から打ち上げられる、絶え間ない照明弾で辺りは青白い光を受け人々は幽鬼の様に前えと進んでいた。
激しく降り注ぐ巨弾に、人々は肉塊と成って飛散した、スコールの様に注がれる銃弾は人々を将棋倒しに打ち倒し
火炎放射器の炎は突進する将兵を焼き払う地獄の壁となって前進を阻んだ。
この戦いで生き残った将兵は、以後の戦闘で組織的行動が困難になり光輝ある皇軍から敗残兵へと転落していった。
激しい暑さの中で水源地を失った生存者は、戦死した戦友の遺品を漁り僅かな窪みに残されたスコールの恩恵に
群がり、兵も民間人も浅ましい争奪戦の中で戦友の血で汚れた水溜りを啜った、絶望的水飢餓が日本軍支配地域に
蔓延していた。
570巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/04 15:07
「34」

それでも僅かな希望に胸を抱いて平沢軍曹は残り少ない部下を引き連れて後退していた。
カロリナス台地へ、カロリナス台地へ、、珊瑚礁の隆起によって複雑な地形と無数の洞窟があるカロリナス高地は
天険の要害となって米軍の、特に戦車の侵入を阻んでいた、、島内で唯一の生存が可能な地域を求めて
部隊は、避難民は後退して行ったが、そこは決して彼等が求める安全な楽園ではなかった。
「敵襲!!」洞窟の中に響き渡った怒声と共に、手榴弾が投げ込まれた
毎日が絶望の日々の中で次々と崖から飛降り、海に到達し得ない者がドサッっと砂袋を落とす陰惨な状況の中で、
それは突然起こった。
爆発の轟音が立て続きに起こり、避難の間に合わない者の手が、足が、肉片が飛んで来た。
火炎放射器が洞窟内に注ぎ込まれ、酸欠状態の者が耐え切れずに飛び出し炎に巻き込まれてゆく。
次々と壕内に爆薬が投げ込まれ、日本軍最後の拠点は崩壊していった、そんな中でも生き残った者には
新たな試練が待ち構えていた。
571巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/04 15:07
「35」

「野郎!撃ち殺してやる」橋本伍長が怒りで真っ赤に喚き散らした。
「何だ如何したんだ?」との問い掛けに橋本伍長が答える
「隣の壕内に居た、鈴木って野郎が攻撃の最中でテメェの命惜しさに自分の娘を殺しやがった!」
今では当然のように聞かれる話に、未だ怒りを感じる橋本伍長の人間らしさが感じられた。
「それで、、今如何している?」、一瞬の沈黙の後で橋本伍長が悲しげに応えた。
「野郎、自分で絞殺しておいて今では娘の遺体抱えて泣いてやがる」
怒り狂う伍長を抑えて話のあった洞窟内に入っていった、奥に男が1人小さな遺骸の前で嗚咽していた。
「可哀想な事をしたな、、」
問い掛けには答えず、男は涙を流しながらゆっくりとこちらを見た。
「済んでしまった事は諦めろ、それより娘の遺体を海に流してやれ、早くしないとまた艦砲が来るぞ」
男がおずおずと懐から何かを取り出して言った
「兵隊さん、マッチを1本頂けませんか?、今迄持って居たのですが火が無くて出来なかったのです」
飛行場拡張用に使っていた、ダイナマイトが手に握られていた、、マッチを渡すと感謝しつつ
男は洞窟を出るように促した、数分後に壕内で新しい爆発が轟いた。
572巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/04 15:08
「36」

ふと意識が現在に戻る、あの橋本伍長も今は居ない、、同じ目をした若い警官に言い知れない懐かしさを感じた。
「巡査さん、あの若い人達を宜しく頼みます、わし等はもうこれ以上逃げ回るのは嫌なんです
 どうかそっとして置いてください」
固い決意の澄んだ目で応える平沢老人に、説得不能を感じて平泉巡査長は老夫婦を置いて出て行く事にした。
扉を閉める老人に、静かな敬礼を送った、、閉められた扉は軽い音と共に内側から鍵がかけられた。
踵を返してエレベーターホールに急ぐと、階下の高田巡査から通信が入った。
「避難民は自衛隊の小型車両で退避中です、我々は階下で待っています急いで下さい」
1階に戻りエレベーターホールを出ると、ちょうど自衛隊車両が避難民を乗せて走り去る所だった。
焦りまくった浅田巡査の引き攣った表情と、吉田巡査の実直な報告が平泉巡査長を迎えた。
「平泉さん、随分遅かったですね、第3班の方で30人規模でゾンビとの交戦があり自衛隊が支援に向かっています
 我々には退避命令が出ました」「高田巡査は?」
「退避方向の確保で大通り方面を視察しています」
急ぎましょうと急かす浅田巡査を先導にマンションを出たところで高田巡査が迎えた。
走り去った自衛隊トラックを追いかけるように平泉巡査長は部下を促した。
>巡査物語さん
ほんと素晴らしい文章力ですね!
毎日楽しみにしてます。
頑張ってください!

他の作者さんも頑張ってください!!
574名無しゾンビ:03/03/05 11:32
巡査物語さんのは目の前で光景が繰り広げられてるみたく感じる。例えるなら優待離脱して現場見てる感じ。
575名無しゾンビ:03/03/05 11:34
さんげりあさんのは自分が主人公の感情にリンクしてる感じ。知らないうちに主人公を応援してる自分を発見。
576巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/05 16:11
余りおだてんで下さい、調子に乗って電信柱登ったら大変です。
序に皆さん、恥しがらずに自分のスタイルで書くニダ〜〜〜〜!
会社の報告書や大学の論文等ここで書き捨てて練習すれば役に立つ!(カモシレン)
ゾンビ物語なんて非現実的な設定で好きな事が出来るなんてチャンスは
そんなには無いと思うぞよ〜〜〜〜 にんな、ガンガレ!

では2個投下! 思わせぶりで済まんが、明日は忙しいので続きは明後日以降です。
577巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/05 16:12
「37」

平泉巡査長は全員が良く見えるグループの最後尾に占位して、退避の指揮を取った。
「走るな浅田、意識を前方だけでなく周囲に向けるんだ、気持ちを抑えて確実で迅速な行動を取れ。」
走り去った自衛隊に追い付こうと必死の浅田巡査を抑える、こういう時は決して焦ってはいけない
焦った結果に殉職した例を平泉巡査長は、今回の事件以外でもいくつか知っていた。
部下を決して失いたくない平泉の強い義務感がはやる気持ちを抑え、着実に部下を指揮していた。
「大通りに出るぞ、吉田巡査は先行して退路の確保、高田巡査は周囲警戒、浅田巡査は高田巡査の後に付け」
いきなり飛び出しては、交戦中の緊張した自衛隊の射撃を受けかねないので実戦経験が豊富な吉田巡査に
先行を命じて、一番経験の少ない浅田巡査を押えることにした。
そして大通りにでる直前に道幅1.5メートル程度の間道を横切る、、、何かが動いた。
高田巡査に必死に付いてゆく浅田巡査は全く気が付かなかったようだが、経験豊富で優秀な平泉巡査長には
それが白いブラウスを着た人であると直感した、距離は7メートル程で近い。
瞬間的に平泉は迷った、人か?ゾンビか? 大通りの反対側では第3班がゾンビと交戦中で自衛隊の
銃撃音が激しく響く状況下で判断ミスは死に直結する、自分だけなら未だ良い、しかし部下が、、。
578巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/05 16:13
「38」

短い時間の中で実戦経験を積んだ平泉巡査長だったが、それよりも長い警察官としての経験は
心の葛藤に悩んだ、警察官は治安の維持に全力を尽くし、善良な市民の安全と生命を守るべし!
市民の生命と安全!、、呪わしい呪縛。
一瞬の間に悩み悩んで遂に決断した、確認しよう、見捨てては置けない、ここは大通りに近い、
ゾンビなら先ほどの戦闘時に出て来るか自衛隊に向かっていた筈だ・・・・。
今見捨てれば絶対に助けられない現実が警察官としての平泉巡査長の決断を突き動かした。
「吉田巡査、今路地方で人らしき者が動いた、本官が確認するので貴様は高田巡査と浅田巡査を
纏めて退路を確保しつつ現状で待機しろ!」
吉田巡査が狼狽した表情で振り向く。
「平泉さん、、きっ危険すぎます、本官が援護に、、」
心の決算が付いた平泉巡査長は怒鳴った。
「馬鹿野郎!上官の命令には従え、貴様は浅田巡査が飛び出さんように注意しろ。」
言い捨てて、路地方に侵入して行った。
ちょっと来れなかったうちにすごい進んでてビクーリでつ。

巡査物語殿
おつかれサマンダムです。

それから、こんな漏れのに感想くださった方々サンクスでございますだ。
でわ、つづき逝きます。
『29』

あいかわらずゾンビどもは外からドアを叩き続けている。

だが、どうやらなんとか俺たちは安全を確保できたようだった。

あの状況で俺たちは全員無事で済んだ。

それはまさに奇跡と言えた。

ほんの少し前まで新品だった、今は、赤黒い血と肉がべっとりとこびり付き、ところ
どころヘコんだ金属バットがそれを物語っていた。

知らぬ間に俺は大きく息をついていた。

「あんたらは?」
俺はふたりの男に尋ねた。

やせぎすの方が黒田、がっちりした方が阿部というらしい。

ふたりはもともとここの警備の仕事をしていた同僚で、数日前に店の責任者であ
るマネージャーが来なくなり、店は閉店状態に。
そしてゾンビを恐れたふたりは相談して、逃げるよりも家族を連れてここに立て
篭もることを選んだ。
もちろん勝手に。 当然違法だ。
中に自分たちがいることがばれないよう電気も点けず息を潜めて、せっせとバリ
ケードを作っていた。
そこに俺たちが逃げ込んだらしい。
『30』

ふたりの家族の隠れている3階の休憩室に俺たちも入れてもらった。

黒田は明らかに俺より年上だが独身らしく、年老いた母親がひとり、そして阿部の
方は奥さんと小学校高学年くらいの女の子と幼稚園くらいの男の子という家族構
成だった。


黒田たちの話によるとこのセンターは地階が食料品売り場、1階が日用雑貨、2階
が衣料品、3階が家電製品、屋上がプレイランドという造りになっていた。

北側の正面入り口と南側・裏の商品搬入口はシャッターで完全に閉鎖してあり、南
側には他に従業員通用口があるが、これも中から封鎖してある。

東側は1階には窓もドアも全く無く、2階に保安室と事務室、3階にロッカールームと
休憩室があって、これらは窓があるが地上からは届かない高さだ。

西側はさっき俺たちの上がった外付けの非常階段があり、1階から3階まで各階に
非常口のドアがあるがこれも全てバリケードが造ってある。
非常階段は屋上まで続いているが屋上部分にはチェーンのかかった格子扉がある
のでここも破られる心配は無い。

南側の2階と3階にはトイレがあり窓もあるが、これも保安室等と同じく高さがあるの
でゾンビが侵入することはまずない。
『31』

この説明を聞いて俺は安心した。
ある意味で要塞のようだ。

ただし、まだはっきりとは確認していないが食料に関しては納品がストップしがちだった
状態から数日前に営業が停止してしまったため肉、野菜、魚などの生鮮食品はほとん
どないということだった。
その代りにパンやお菓子、レトルト等の保存のきくものは売り場にあるらしい。
もっとも、これも納品が途絶えがちだったところに閉店前に買占める客も多数いたため
通常の営業時と比べるとかなり少ない量しかない。

だが、それはあくまで数千人分の客を基準に考えればの話なので、現在ここにいる人数
から言って、あまりある程だろう。

これなら救助が来るまでの間、充分に立て篭もることができそうだ。
『32』

「電気をつけた方がいいんじゃないか?」
闇は恐怖感を増大させる。
外の状況を考えれば薄暗い室内で立て篭もるのは一層の恐怖を皆にもたらすはずだ。
それに阿部と黒田の言うとおりなら既にバリケードを造り終えた今、電気を消しておく必
要はあまりないだろう。
「そうだな・・・」
阿部が答えて部屋の電気のスイッチを入れた。

そのとき、外から悲鳴が聞こえた。

窓から下の様子を覗く。
男が二人、ゾンビに襲われていた。

どうやら他にもこのセンターに逃げ込もうと考えた人間がいたらしい。
だが、無情にも今すべての入り口は完全に封鎖されている。
開くことの無いドアを必死に叩き続けながら二人はゾンビどもの陰に消え、すぐに悲鳴は
途絶えた。

悲鳴が止んでからも皆ずっと耳を塞いでいた。
『33』


「他にも逃げ込んでくる人達がいるかもしれない。なんとかしよう!」
俺は提案した。

だが、
「冗談じゃない!ドアを開けたりしたら、こっちまで危ないじゃないか!!
だいたい他に逃げ込んでくる奴がいるとも限らないさ!」
黒田が激しく怒鳴り異議を唱えた。

「窓からロープを下ろすとかいろいろあるだろう!? みんなで考えて協力すればなんとか
できるはずだ」
俺は食い下がった。
俺の横では荒井が黒田を睨み付けている。今にも殴りかかりそうだ。
なぜこんなことで、こんなところで言い争いをしなければいけないんだ・・・。


「そうだな・・・たしかに見殺しにはできないな」
阿部だった。
どうやら黒田は当てになりそうもないが阿部の方は頼りになりそうだ。

阿部が賛成派に回ったため黒田もしぶしぶ頷いた。
「わかったよ。だけど、いったいどうやって助けるって言うんだよ?」
『34』

「とにかくロープとか梯子とかを用意して、それから・・・」
何か聞こえる。。。

今度は車の音だった。

どうやら考えている時間もないらしい。

俺たちは女性と子供をその場に残し2階に向かった。


保安室の窓を開けて外を見ると一台の車が裏口に回ろうとしていた。

「まずいぞ、裏口を捜して入ろうとしてるみたいだ」
裏の従業員用入り口を見つけて中に入ろうすれば、間違いなく開かないドアの前で
ゾンビに取り囲まれ車にも戻れずに全滅するだろう。


俺たちは大急ぎで南側、トイレに駆け込んだ。
窓から下を見ると車から人が5人程だろうか、今まさに降りようとするところだった。

「車に戻れ! そのドアは開かない! はやく!」
586PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/06 22:26
 騒動のあとで、日向は青年たちの案内で街まで車を取りに出かけた。
 日向は尚也を一人で残すことを不安に思ったが、やっておくことがあるとの言葉に押し切られる形になった。
 
「いいの?彼一人残して」
「尚也さん、約束は守ってくれますから」
 助手席の女性の心配そうな言葉に、日向ははっきりと答える。
 緊張が解けた反動で、二人と日向はずいぶんと打ち解けていた。
「さっきまでの喧嘩が嘘みたいね」
「ウーン、アレは喧嘩って言うよりは意見の違いだと思いますけど。あの人頑固ですけど、ごまかしとかはできない人ですから大丈夫だと思います」
 先ほど尚也が頼みごとをしてきた時の顔を思い出すと、自然に頬が緩む。

「日向ちゃん、ずいぶん嬉しそうじゃないか」
 バックミラーで見たのだろう、青年がからかう。
「それはそうよ。好きな男が頭下げて頼ってきたら、かわいくって仕方ないじゃない」
「俺ん時は、頼り無いだの意気地がないだの、ずいぶん言われた記憶があるんだけどなー」
「そうだっけ?ひがまないの。結局はあなたについてきてるでしょ。がんばってよ旦那様」
 シフトレバーに置かれた青年の手に、女性の右手が添えられる。
 
「いいですね、二人とも仲が良くて。うらやましいなぁ」
 日向は軽いため息をつきながら羨望の言葉を出す。その右手にはグロックが握られていて、瞳は車外の様子を探っている。
 ここまででゾンビは一人も見ていない。
「この辺りはゾンビが少ないみたいですね」
「ああ。拠点の連中が巡回しているんだってさ。ここ一月ほどの話だけどね」
 
――車も見つかったし、拠点までは安全に行けそう。
 ドライブインに戻ると男が路上に倒れこんでいた。
 
 尚也だった。
587名無しゾンビ:03/03/07 12:13
イイ! つづき早く。
これゃ
もっと芸のあるレスをつけんかい!
漏れが例を出してやる。
「もっとぉ〜 もっと多くの作品ヲォォォ」


589名無しゾンビ:03/03/07 14:48
あぁん、はやくしてぇ もっとぉ もっとぉん もっとたくさん ちょうだい はやくぅ
590名無しゾンビ:03/03/07 14:49
どう? これでいい?
>>589
なんか、荒し君を呼び込みそうなレスだな。

やっぱり足りない。作者さんの数が。
PART2の時の最盛期のように、常時十人程度はいて欲しい。

という訳で、現在の作者は作成速度を早めるように。仕事なんぞ、そっちのけでいいから。
それから、時々来ている以前の旧作者も作品を作って投稿汁。
>錆取り中:スレ立ての責任を取ってさっさと投稿するように。
>数学屋、山好き:おまえ達も覗いているだけで無く投稿汁。
マテリアル、青田、エロ基地、その他も投稿汁。
そうすれば、沢山楽しめるぞ。
592巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/07 17:42
そういうチミも書くニダァ〜〜

それでは絨毯爆撃開始です。
593巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/07 17:43
「39」

「確かこの辺りのはずだが・・・」
恐らくは宗教的な理由であろう、玄関の方向を無理に変えた為に出来た空間ともいえる小さな庭
この生垣の向こうにチラッと見えたのだ。
御影石を積み上げて、その上に軽く柵がしてある、間に2段程度の階段と小さな門があった、
表札には長田と書いてあり、インターホンが設置されていた。
呼び鈴を押そうか?一瞬考えたが実際の所、呼び鈴押して待っている余裕なんて全く無い。
門を開けて中に入る、この段階でそれらしき人影は無い。
奥に入り、玄関に立つ、建物に侵入する必要が発生した事に対して矢張り吉田巡査か高田巡査を
連れてくれば良かったと軽く後悔した。
建物に侵入する際は支援は絶対に必要なのである、扉を開ける際には片手を使ってしまうし
路面と違って階段等に高度差の不利が発生し、狭く入組んだ内部の何処から襲撃を受けるか
知れたものではない、相手は建物の構造を熟知しているがこっちは分からないのである。
594巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/07 17:44
「40」

拳銃を耳の近くまで持ち上げ直ぐに構えられるようにして、そっと扉のノブをひねった
鍵は掛かっていない、、、そのまま静かに開けて少し後ろに下がりつつ玄関の正面に立つ。
玄関からは靴脱ぎ場が見え、其処から廊下が右手に折れて奥までは見えなかったが向かって
右手側の斜め方向に階段が見えた。
非常時なので失礼と思いつつ土足で玄関に入る、拳銃に力が入る、奥に続く廊下側とは
反対側の壁にピタリと背中を合わせて少しずつ姿勢をずらし、奥を覗こうと試みる。
奥はガラス戸を隔ててリビングで、その右手側に和室らしきふすまが見える
・・いた、、丁度ガラス戸を開けて中に入ろうとしているところだ。
矢張り女性だった、すらっとした黒く長い髪と白いブラウスにピンクというよりも
桜色といった感じのフワフワしたスカートで、季節的にはチョッと早いが初夏を思わせた。
「警察の者です、この付近は避難勧告が出ています、急いで避難して下さい、他にご家族は
 いらっしゃいますか?」何処か現実感を狂わせる雰囲気を振り払って声をかけた。
女性はとても静かに落ち着いた雰囲気で振り向いた。
顔立ちのスッキリした、どこか清楚な雰囲気すら伺える20代前半の女性だった。
やや薄く化粧した中には濃い目の赤い唇が印象的だった。
すらっとした白系の衣服と相まって、状況に対して余りにも場違いな雰囲気だった。
595巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/07 17:44
「41」

その女性がすっとこちらに向かって歩いて来た、ゾンビの様なぎこちなさも飛散した血痕も無い
平泉巡査長は拳銃をホルスターに納めて女性に近づき右手を取った。
「急いで下さい、ご家族の方はいらっしゃいませんか?」
念を押した平泉巡査長の問い掛けには応えず、女性は手を握り返してきた。
「!!!!?、、」女の手とは思えない、物凄い力に平泉巡査長は我を疑った。
慌てて振り解こうとしたが、しっかり握られてしまって離せない。
助けを呼ぼうにも、距離が遠すぎる、、残った右手で拳銃を抜こうとした時、骨が軋んだ
メキッと言うかバキッと言うか兎に角、体に左手が砕けた衝撃が走った。
「ギギッ」痛みを堪える歯軋りを自分で感じた、早く、、早く拳銃を抜かなければ、、
遂に女ゾンビに組み付かれた、必死に抵抗するが両手で組み付かれてしまって離れられない
左手は自由になったが手の甲が潰れて激痛が走っている、恋人と抱き合うような格好で
ギリギリと締め上げられた、「がぼっ、」バキッと肋骨が折れる感じがして血が
口からこぼれた時、乱暴に首周りのワイシャツを掻き毟られ肩口に激痛が走った。
かっ噛まれた、、、絶望的な事実と肺に血が進入した為の呼吸困難で膝が耐え切れずに
倒れ込んだ。
596巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/07 17:46
「42」

そのまま2人揃って倒れ込ん後で、肩口の肉を噛み千切られる感触が激痛と共に伝わった。
女ゾンビが振り向いて顔があった、頭の中で何かが閃いた、この顔に見覚えがある、、。
激しい激痛に襲われながらも思考を巡らし思い出した、忘れもしないあの瞬間。
「止まれ、止まらんと撃つぞ!」同僚の引き攣った青ざめた顔、苦悶のうめき声を上げつつ
生きたまま解体される被害者、ゆっくりと血塗れの手を上げて襲い掛かるゾンビ達
あの血の惨劇の向こうに見えた髪の長い女性、あの時は赤いワンピースを着ていた筈だ。
きっ着替えていたのか、、それが女の本能か?それとも別に理由があるのか初動捜査の最初に
いた、この事件の主犯の1人とも言える発生原因の女ゾンビがそこに居た。
何か吹っ切れたような不思議な開放感が激痛の中で感じた、ふっコイツ俺の返り血を
気にしてやがる、、女ゾンビは平泉巡査長から溢れ出た赤い血がブラウスに付いたのを、
不快気に手でこすって居た、平泉巡査長は右手の人差し指に力を入れた。
597巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/07 17:47
「43」

路地の入り口付近で吉田巡査は平泉巡査長が入っていった家をはらはらしながら見ていた。
入ってから未ださして時間は経っていないが、非情な長さを感じる、矢張り本官も行った方が、、
その家から発砲音が1発だけ轟いた。吉田巡査は間髪入れずに決断した。
「浅田巡査は現状待機、退路を確保せよ、高田巡査は本官の援護に回れ、行くぞ!!」
急角度に危機感を感じつつ、平泉巡査長が入った家に突入した。
半開きになった玄関は、高田巡査を援護に蹴り開けて中に踊り込んだ。
「!!!!!平泉さん!!」絶望的な悲鳴とも取れる声を上げて吉田巡査は呼びかけた。
2人抱き合うような感じて廊下に倒れ込んだ周囲には平泉巡査長の血痕が点々としてこびり付き
女ゾンビがこちらに気が付いて、平泉巡査長を押しのけようともがいていた。
高田巡査と2人で連続的に発砲し、女ゾンビは倒れ込んだ所を蹴り飛ばすように平泉巡査長から
引き離した、浅田巡査が堪らず駆け込んでくる。
一見して傷は肩口の噛み傷の様だが、呼吸の度に口から溢れ出る血液が肺に重大なダメージを
与えている事を物語っていた、、助からない、、吉田巡査は絶望感の中で直ぐに
追い掛けなかった事を激しく後悔した。
598巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/07 17:48
「44」

「すっ直ぐに救護要請を!」余りの事に混乱した浅田巡査が高田巡査の肩を掴んだ。
「ムッ、無駄、ゴボッ」溢れる血を吹き出しながら平泉巡査長が制止した。
拳銃を離した手で胸の辺りを弄るような仕草をする。
吉田巡査が軽く頷いて、胸のポケットを開けて警察手帳を取り出した。
反対側の内ポケットから予備実包も取り出す、作戦開始時に平泉巡査長から言われていた
「この戦いは長く続く、俺が死んだら状況が許す限り予備実包と拳銃は回収するんだ!」
ふぅっと全身から力を抜いた平泉巡査長が吉田巡査に軽く会釈した、最早、痛みは感じなかった
吉田巡査も頷いて血塗れの平泉巡査長の拳銃を構えた、背後では高田巡査が敬礼していた。
額を打ち抜かれた、平泉巡査長の制服を整えて手を組ませ、制帽を胸にのせる
背後で浅田巡査の嗚咽が聞える、遺体を回収してやりたいが深刻な状況がそれを許さなかった。
遺品となった平泉巡査長の警察手帳を、胸のポケットに仕舞いつつ吉田巡査は立ち上がった。
「急いで本部と合流する、高田巡査は最後尾に付け、浅田巡査は本官の後ろ、周辺警戒を
厳重に、遅れるな!」最後に背筋をビシッと伸ばし殉職した平泉巡査長に敬礼した
振り向いた吉田巡査の頬には一筋の光が流れていた。
>>591
今でも十分と思われ。
他の板じゃ小説スレは大抵作者1人だし。
600巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/07 18:38
「オマケ(本編とは関係ない)」

ハイ! カット
監督の声に皆ほっと息をついた。
「よぉ 平泉くん 迫真の演技だったね」スタッフの声が飛ぶ
血だらけの平泉君がむっくり起き上がってきた、おぉゾンビだゾンビだぁぁ(^^)
「えへへ、もうちょっと抱き付いて居たかったなぁ〜 美子ちゃん結構、胸あるね」
これまた血だらけの美人がはしゃぎ回った。
「やだぁ〜 それってセクハラですぅ〜♪」、緊張感の欠片も無い黄色い声が響く
「でもぉ 今回セリフが無いからぁ、ちょっと不満、次はセリフ下さいね♪」
口中と言わず、顔中血だらけにしてニコッと笑う、そういう笑顔はシャワー浴びてから汁!
血塗れの美人と、これまた血塗れの警官が仲良く手を繋いで控え室へと消えていった。
監督の声が飛ぶ、「次!シーン「45」 須藤巡査長!張り切ってゆけぇ」
新しい緊張に心を入れ替えて、カメラを向けた、、。
『35』

「・・!?」
彼らは意味を理解したらしく慌てて車内に戻った。
その車にどんどんゾンビが群がっていく。
車内からは悲鳴があがり始めている。

「どうする?」
「このままだとまずいぞ・・・」

考えろ。。。何か手があるはずだ。。。

考えるんだ。。。

。。。。。。! そうだ!

「阿部さん、黒田さん、何か外にアナウンスできるような物ってないか?」

「う〜ん・・・・店内放送の他にアナウンスができるものというと・・・そうだな・・・・・
店外アナウンス用の外付けスピーカーがあるが・・・あとは・・・・」
「それでかまわない。とにかく彼らにこっちの指示を出せれば充分だ。
 あと、売り場に物干し竿はないか? それと、もちろんロープ」
「ロープならいいものがある。避難用の縄梯子だ。
 それにしても・・・・物干し竿???」
『36』

俺は三人に案を説明した。

俺の考えた作戦はこうだった。

店外アナウンス用スピーカーで車の連中にはこちらの作戦を伝え指示を出す。

車の方はゆっくりとホームセンターの周囲を回る様にして移動させる。

2階・休憩室の窓から縄梯子を下ろし、こっちは救助の準備を整える。それも、できる
だけ窓から姿を見せずゾンビを刺激しないように。

その反面、ここトイレの窓から大声を出して一体でも多くのゾンビをこの真下に集める。
ちょうど今すでに車の周囲に集まってきているうえ、わざと車をセンターの南側でゆっく
り移動させるので、相当数がこの辺りに集まるはずだ。

そしてその分ゾンビが少なくなる東側・休憩室下に車を一気に移動させる。
そこを梯子で素早く救助。

さらに、俺たちが窓から物干し竿でゾンビの顔面を突いて牽制し、彼らが縄梯子を上る
援護をする。

単純だしうまくいくとは限らないが、今のところ俺にはこれくらいの事しか思いつかなか
った。
『37』

「よし、とにかく急ごう、藤田!」
「なかなかいい案だな・・・。それでやってみよう」
「ち・・・わかったよ、やればいいんだろ? やればよ・・・」
三者三様の答えの後、俺たちは作戦を実行に移した。


車がこちらの指示通り休憩室の真下に停車したときには周囲にはゾンビは数える程しか
いなかった。
思った通りゾンビの行動は非常に短絡的でわかりやすい。

梯子を上る途中に襲われそうになった者もいたが、窓から物干し竿でゾンビの顔面を突い
て事なきを得た。
思いつきだったが2階からの物干し竿というのは思いのほか役に立つと知った。

数分後、車に乗っていた連中は全員無事にセンター内に逃げ込むことができた。

ひとりの犠牲も出さずに済むとは思ってもみなかった。


そう、予想以上に作戦はうまくいった。
『38』

だが、予想と違ったのはそれだけではなかった。

センターの照明を点けたこと、そして何より外部スピーカーの放送を使ったため、この付近
を逃げ惑っていたらしい人達が続々とここ、ホーセンターを目掛けてきたのだ。

どこに逃げればよいのかさえ分からずに慌てふためいていた人々にとって、こここそが今
唯一の安全な避難所に思えてしまったとしても仕方のないことだった。

走って逃げてくる者、自転車、バイク、車、とにかくこの近辺にこんなに人がいたのかと思う
ほど次々とこのホームセンターに集まってきた。

そして当然、それを追うゾンビどもも。

すでにセンターの周囲にいたゾンビと追いかけてきたゾンビに挟まれ、センター周辺は瞬く
間に阿鼻叫喚のるつぼと化した。

悲鳴。 怒声。  絶叫。 泣き声。  呻き声。

車の者はなんとかセンター周囲に辿り着けたが、それ以外の人の多くはどんどんゾンビども
の餌食になっていった。

センター周囲に辿り着けても梯子を上りきれずに死んでいく者も多かった。

助けた者も一緒になって手伝ってくれた。

俺たちは手分けして全ての窓から縄梯子を下ろし、必死で救助を続けた。
『39』

「お願い、開けて! お願いっ!!」
開かないドアを必死で叩き続け命を落とす若い娘。

「いやだ! まだ死にたくない! わしはまだ死にたくない!!」
血まみれで逃げまどう老人。

「だれか・・・だれか・・・」
壁の前で胸に抱いた赤ん坊を守りつつ食い殺される女性。

「た、たのむ・・・この子を・・・」
全身をゾンビに噛まれながらも必死で我が子を窓に押し上げる男性。

「ちくしょう! やめろ! やめてくれぇ!」
引き倒され喉笛を噛み千切られる青年。

「ママー! ママー!」
死んだ母親にすがりつく女の子。

「痛いよぉ! 痛いよぉっ!」
腕を噛み切られ泣き叫ぶ少年。

見渡せばそこかしこに死、死、死・・・・どこを見ても死だけが俺の目に映った。

ほんの数メートル目の前でも何人もの人間が死んでいく。

悪夢だ。。。

いつ終わるともない悪夢。。。
FD−Rさん かも〜ん! 続き、ぷりーず!
607巡査物語(仰天中):03/03/07 21:23
うぉ 遂に阿鼻叫喚の地獄絵図シーンに突入しましたね。

次の展開にはらはらドキドキ、、ワクワク。。(^^;

FD−Rさん
戦友よ、共に戦おう!!
608FD‐R ◆6N371.108E :03/03/07 22:46
はい、どうもこんばんは。

巡査物語さんのオマケで一気に現実に戻されたようで後味が良かったです。
さんげりあさんもいよいよゾンビ小説の醍醐味にさしかかって来たようで。
ではみなさん楽しんで頑張りましょう!
ということで

4
「おら!」
ぐじゃ
「死ね!」
ぶしゅ
「来んなこのやろ!!」
ばきっどしゃっ

すっかり大量殺人者気分だ。
「警察に捕まったら俺たち死刑になるんじゃなかろうか?」
「警察がまともな状態だったらな。」

三人は最寄りのホームセンターに向けて全速力で駆けていた。
しかし、週末に買い物に行く時の道程はこんなに長かっただろうか?

「うわっ!ひゃっ!」
「おりゃ!」
「大丈夫か!?」
「サンキュ。心配すんな!」
「ふぅ・・・。いや、だいぶ落ち着いてきたね。」
「油断するな。」
「あとどのくらいだ?」
「ふむ、あと少しだろ。」
「おっ!またお出ましのようですよ。」
「くそっ!皆殺しだ!」
609FD‐R ◆6N371.108E :03/03/07 22:50
5
「はぁはぁ・・・。」
「ゼーゼーゼー。」
「オラ!しっかりしろや!」
「やっとついたぜ!」
「中に人はいるのか?」
「できれば腐ってない人がね。」
「腐った人がホームセンターにいてどうするんだよ。」
「まぁ一番怖いのは体が腐った人よりも、心が腐った人だという罠ですな。」

と、唐突にホームセンターの2階の窓が開けられ、丸い顔が現れた。
「おいお前ら!!生きてるんだろ!!」丸顔は目をむいて絶叫した。興奮気味のようだ。
「あっ・・・あぁそうだよ!!」
「シャッター開けてやるからすぐ入れ!!遅れたらしらねぇぞ!!」
「おぉ頼んだ!!」
610PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/09 00:13
「尚也さん!」
 日向は車を止めて脇目も振らずに駆け寄り、うつぶせた尚也を抱き上げる。
 眼の周りには幾筋かの赤い雫が張り付いていた。目尻から流れた痕がまるで涙のようだ。
 体を見回したが、出血や服の破れなどは見当たらなかった。
 口元に手をかざすとわずかに吐息が感じられる。
 そのまま額に置いた掌に、異常な発熱が伝わってくる。背に当てたもう一方の手からも高熱を感じ、日向は全身を粟立たせた。

 カチャリ。
 小さな音に目を向けると、アスファルトの上に割れた眼鏡が転がっている。
 普通に転んだのなら、反射反応で手をつき身をかばう。
 だが尚也は顔の傷からしても、何の受身を取ることすら出来ずに倒れ付したのは明らかだった。
 
「どうした!」
 あとから駐車場に入ってきた二人も、状況を見て取ると走りよってきた。
「わかりません、車から降りて周りを見たら尚也さんが倒れていて。熱射病かもしれないです」
 日向が二人の方へと顔を向けた拍子に、がくりと尚也の顔が俯く。
 それが糸の切れた人形を思わせ、日向は慌てて盆の窪に手を添えながら抱きかかえるようにして尚也を横たわらせた。
 
「尚也さん、聞こえますか!」
 手持ちのペットボトルの水でハンカチを濡らし、出血部分を拭う。
 傷口にガラスが残っていないことを確かめると、乾き始めた血を拭ってきれいにする。
 傷は深くないが唇まで届く程度には出血していた。

「……日向?」
 額にハンカチを乗せると同時に尚也の目蓋が微かに開いた。
611PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/09 00:15
ゾンビの出ないゾンビ小説とはこれ如何に。

近所のビデオ店に久々に行ったらゾンビモノが一つもありませんでした。
(´・ω・`)
ゾンビの出ないゾンビ小説。。。

そは香を楽しむが如きものなり!
ゾンビ臭(ゾンビがイパーイの世界や状況)の中での人間同士の争いやいがみ合い、
サバイバルなど

そに対し、肉料理とは
ゾンビとの戦闘、襲われて阿鼻叫喚の図など

をマタ―リと楽しむもの。

と ヾ( ゚д゚)ノ゛ 言ッテ ミル チク〜
『40』

いったいどのくらいの時間が過ぎたのだろうか・・・・?
窓の外に動くものは、もはやゾンビのみとなっていた。

みんな助けたかった。。。。みんな。。。。

だが、助けられなかった。。。。


いったいどのくらいの数の人間を救うことが出来たのだろう?

この室内だけでも十数人、いや、20人くらいいるだろうか? 

いったい廊下には何人いる?
他の窓からはいったいどの程度の人間を救えたのだろうか?
このホームセンターには今いったい何人の生きた人間がいる?


早急に確認する必要があった。
いや、早急に事を運ぶべきなのはそれだけではない。

傷を負っている者がいる。

彼らの傷がここに逃げてくるまでに受けたものか、それともセンター内に逃げ込む際に
受けたものか、それはわからない。

ただ、はっきりしているのは彼らはじきにゾンビとなるということだけだ。
早く手を打たなければ間違いなくセンター内部でゾンビが発生してしまう。
『41』

俺がネットで得た情報が正しければ、ゾンビに噛まれた者は半日もしないうちに意識
を失い、数日以内に死亡する。
そして死亡した者は数時間後にはゾンビと化す。
事実、外を徘徊するゾンビの中にはすでに助けられなかった者たちの姿が、俺の目の
前で死んでいった人達の姿が混じっている。

問題は致命傷を受けた者が助けた中にいるかどうかだ。
もし彼らが死亡すれば数時間後にはゾンビとなる・・・。

いや、もしかすると中には既に死亡し、今まさにゾンビと化す者がいるかもしれない。
もしその数が多かったならば。。。。
そうなったらさっきの地獄の光景が今度はこの中で再現されかねない。

急がないと手遅れになる・・・。

俺は室内を見回した。

一緒に救助を手伝ってくれていた連中も明らかに疲れ切っている。
みな休息が必要だった。

手伝ってくれた人達以外も、壁際の床に座り込みただひたすら泣いている者、放心状態
の者、怯えて震えているばかりの者。。。。。
彼らにも休息が、落ち着く時間が必要だった。
『42』

だが、時間がない。
この室内にいるだけでも傷を負っている者が何人もいる。。。。

俺たちは手分けして生存者の負傷の有無の確認を始めた。

無事な人間には協力を求めた。
もっとも錯乱している者やただひたすら泣き叫ぶ者、傷ついた家族に付っきりに
なる者の方がはるかに多かったが・・・。



皮肉なことに悪い予想ほど的中するものだ。

センター内に逃げ込んだときには致命傷を受けていたのだろう。
ゾンビ化した者がいた。

気づいたときには二人犠牲になっていた。
ひとりは喉を噛まれてほぼ即死、もうひとりは腕を噛まれていた。
そして、このゾンビとの戦闘でひとりが傷を負ってしまった。

また別の場所でもゾンビ化した者が現れた。

しばらくすると、さらにもう一箇所でも。

そして、さらに。。。。

そのたびに犠牲者が出た。

ようやくセンター内で発生したゾンビ全てを始末した頃には夜が明けていた。
616PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/10 00:30
FD-Rさん、そろそろホームセンター到着ですね。
先住の方は人がよさそうですが、今後どう関わっていくのか楽しみです。

さんげりあさん。
うーむ。血の惨劇と出てしまった犠牲。
これこそゾンビもののカタルシスですね。
助かった。そう思った次に待ち受けている悲劇。
目の前で変貌していく大切な人。
頭で分かっていても、心は受け入れることが出来ない。
くぅーっ!これですね!!

ンでは二つほど投下します。
周囲の皆様。
まったくゾンビが出る気配すらないので、避難する必要はないと思われます。
617PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/10 00:30
 充血し朱に染まった瞳の中で、瞳孔が狭まる。
 焦点がぼやけているらしく、尚也はどこか遠いところを見ているような目をしていた。
「何が、あった。ここは……」
 見当識障害を起こしているらしく、状況の把握ができていない。
「ドライブインの駐車場です。車を取ってきたら尚也さんが倒れていたんです」
「車……。そうだ、車だ」
 尚也はうつろな瞳のまま片手を上げて、胸元を探る。
 何度も往き返りしてから、指先はようやく目的の物を取り出した。
 折りたたまれた耐水紙。何か書き付けてある。
 日向の手のひらにそれを押し付けると、尚也の意識は再び閉ざされてしまった。

 深い眠りについた尚也をとりあえず車に寝かせたところで、渡されたメモに目を通す。
 内容は至極そっけないものだった。
『ドライブインの裏手に車を隠した。鍵は車体の下に貼り付けてある。
 武装はドライブインの裏手を入ってすぐの床下にまとめてある。
 俺にかまう必要は無い。好きにしてくれ』

 自分が行動不能に陥ることを予見していたのだろう。
 治療手段を探すよりも今後のために武装と移動手段を優先するのが、如何にも尚也らしかった。

「これで、よしと」
 顔の傷跡を消毒し絆創膏をしっかりと留めて、自分のバッグに使った薬品を戻した。
 救急用具一式は互いの荷物に入れてある。
 尚也のバッグを開けるのが気恥ずかしかったのもあるが、それよりも自分の手持ちのもので手当てをしておきたかった。
618PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/10 00:30
「どうするんだい、これから」
「とりあえず、さっき聞いた場所まで行ってみます。お医者さんもいるんですよね」
 尚也の首筋の汗をふき取りながら、折りたたんだ地図を取り出す。
「ああ。薬もそろってるようだし、医者も何人かいたから、尚也君もすぐ良くなるだろう」
「ずいぶん大きな集まりみたいですね」
 この時期、薬の生産は当然行なわれていない。
 朝ひげを剃った痕が化膿しても抗生物質や消毒液すらないこともある。
 尚也は可能な限り薬を集めていたが、それは簡単な怪我の処置ができるぐらいで、当然だが何かあった場合に専門医の知識に及ぶものではない。
 だから尚也は、怪我には特に気を配っていた。
 いや、怪我だけではない。
 同性と久しぶりに話して気づいたことがある。
 日向は尚也に同行することになってから、衣食住だけでなく薬の類まで不自由していなかった。
 ゾンビ禍の前までがそうだったので当たり前のように感じていたが、生理用品や痛み止めの類だけでなく、簡単な化粧品やウェットティッシュなどまでも常に揃っていたのだ。
 もちろん尚也が必要とするものではない。
 日向は、常にさりげなく自分を覆っていた優しさに今となってようやく気がついた。

「尚也さん、今度は私の番です。絶対にあなたを守ります。だから……」
 日向は助手席に横たわる尚也へと上体をかがめる。
「ちょっとだけ、勇気をください」
 初めて触れた唇はひどく熱かった。
 
「無事でいて欲しいな」
「そうね。さ、私たちも出発しましょう」
 緊張してハンドルを握る日向を見送り、二人は逆の方向へと車を進めた。
 いつになるのかも、そんな機会が来るのかも分からなかったが、いつか平和になった時にまた会いたい。
 二人はそんな思いを抱きながら、南へと走り出した。
619PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/10 00:36
病院でゾンビ発生した場合、外科のお医者さんは大変ですね。

耳鼻咽喉科や整形外科なんかは被害にあう前に逃げられそうな気もしますね。
小児科はちょっと危ないかな?

ゾンビ発生後はうっかりひげも剃れそうにないですな。

新作を続々書き上げる皆さんにおいていかれないようがんばりたいと思います。
まずは今から借りてきたDVDでも見て雰囲気をつかまねばっ!
面白そうなスレだな。
折れも書いてみたいが・・・ムズカシソウダ
>>620
簡単だよ。誰でも作者になれる。
622数学屋 ◆Z62ETnTQww :03/03/10 22:36
 お久しぶりです。
 短編投下します。
 PIP様、さんげりあ様、FD-R様、巡査物語様。
 みなさん乙です。
 途中ほとんど一人で書いていたPIP様のおかげですね、スレが残ってこうして復帰できるのも。
623数学屋 ◆Z62ETnTQww :03/03/10 22:37
 1/3

 ああ、ああ、うんうん。水、水一杯。
 ぷはっ。はぁ、もう一杯。
 んぐっんぐっ。
 はぁ、はぁ、あ? ああ、ありがとう。はぁ、大変だねぇお互い。
 見たところ、結構な数残ってるじゃないの。
 へえ、ホームセンターに籠城とは考えたね。確かに防犯設備に工具に揃ってるわな。
 食料さえあれば…、え? ここって食料も取り扱ってる店だったの? そりゃあんたらラッキーだよ。
 いやぁ、俺もここに来るまで色々見たけどさ。悲惨な所も多くてさ。
 ゾンビ一匹入れないガッチガッチなところに籠城したはいいけれど、食料が尽きて、結局籠城したメンバーで殺し合いになったところとかさ、もう悲惨以外のなにものでもなかったね。
 他のところじゃあ、まだ年端の行かない女の子が、ビスケットひとかけらのために男に身体いいようにさせられてて…、もうなんというか、最低だったね。
 え? そいつら?
 ここだけの話だぜ。……ゾンビおびき寄せて食わせてやったよ。
 お、何。拍手? いや、照れるね。
 でも、そうだよな。そんな奴らこそ食われて当然だよな、そうそう。
 俺? 俺はもうこの騒ぎの当初から逃げまくり。逃げて逃げてようやくここ。
 今までもいくつかのグループとは合流したんだけど、離れたり壊滅したりでね、ここで何件目かなぁ…。
 ん? そりゃあ苦労したよ。一人でここまで生き延びるってのもね。ま、俺にゃあちょっとした特技があるんだけどな。
 いやいや、簡単には教えられねえよ。と言いたいところだが、兄ちゃん達には一宿一飯の恩義があるわな。
 よく聞けよ。実は俺、ほんのちょっとだけど、ゾンビと意思疎通できるんだよ。
624数学屋 ◆Z62ETnTQww :03/03/10 22:38
  2/3
 あ、なんだその顔。信じてないな。本当だよ。
 俺が食わないでくれって言えば食われなくて済むんだよ。
 本当だよ。
 あ、駄目。それは駄目。前に試したんだけど、どうもこの力ってかなり必死にならないと駄目なんだよ。だから俺以外の人を食うなって命じたら俺が食われちまう。二人は駄目らしいんだわ。自分一人限定の能力なんだよ。
 そりゃそうだ。俺は避難する必要ないよ。
 でも、気ぃ抜いたら食われちまうんだ。四六時中は念じてられねえよ。第一、寝てる隙に襲われたらひとたまりもない。
 おお、だから、外に出る仕事は任せてくれ。一人なら大丈夫だからさ。そうそう、ねぐらと食い物だけ用意してくれたら役に立つぜ、俺は。
 助け合おうぜ。世の中ギブアンドテイクってやつだよな。
625数学屋 ◆Z62ETnTQww :03/03/10 22:38
  3/3
 オッケー。じゃあ早速外の様子見てくるよ。上手いモノ用意しといてくれよ。

 よぉ。今帰ったところだよ。何驚いてんだよ。
 え? こいつら? 見て解るだろ。あんたらも見飽きたゾンビさ。
 なんだよ、昨日言っただろ。
 俺はこいつらと意思疎通できるって。
 あ? 馬鹿言うなよ。世の中ギブアンドテイクってやつさ。
 はぁ? お前らから欲しいモノなんてないよ。
 俺はゾンビに肉を提供する。
 ゾンビは俺を食わない。
 これがギブアンドテイクってやつさ。
 なんだよ、面白い顔してるな。
 ああ、悔しいのか。
 俺は面白いけどな。ほら、そこで食われてるのお前の彼女だっけ?
 早いなぁ。もう足ないし、ああ、あんたも両手が無くなっちゃったね。
 なんだよ。
 わめくなよ。
 泣くなよ。
 あんた、面白いなぁ。食い残されてゾンビになれたらまた会おうな。
 あはは。あはは。はははははははははははは。
 ははははは。
 ははははは…
>>数学屋
や、なかなか面白いタッチで楽しませてもらいますた

なんか2次創作SSな雰囲気(悪い意味じゃなく)で、好き
627626:03/03/10 23:09
ゾンビ騒ぎが始まって3週間と2日、コンビニに立て篭もった

店内の5人ではあっさりと食料が尽きた

ガラス窓とドアを腐ったゾンビが力の入っていない手で叩く

10m向かいにホームセンター

あそこに逃げようみんなで、あそこならまだ沢山食料がある

店を出る、ゾンビが肉を求めて寄ってくる

走る、走る、ハシる

入口についタ

入れテくれ

俺はニンゲンだ

ナカでコエがキこえル
ゾンビダ、ゾンビダ

チガウ、オレハニンゲンダ、イレテクレ、ニクヲクレ

ウメキゴエ シカ デナクナッタ
628626:03/03/10 23:10
数学屋さんに憧れて…(´−`*ウットリ

しょぼくてスンマセン
629Memory ◆u8O5.ptsa. :03/03/10 23:11

スットコドッコイ
スットコドッコイ

(3。3)
630PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/10 23:16
>>620さん
まずは短編を書いてここにあげてみてはどうでしょうか。
掲示板に書き込みしないとなかなか見えてこない部分もありますし。
楽しいですよ。

>>数学屋◆Z62ETnTQwwさんキタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
こいつはブラックですな。

確かに意思が通じるのなら交渉が出来る。

交渉は強いほうとするのが道理。

ゾンビイパーイ。漏れはゾンビと交渉シル。

(゚д゚)ウマー

いやヾ(;゚д゚)ノ゙ コウサーンかな。
アイデアに感服です。

>>626
バタリアンだと自分の意思がありましたね。
リターンズはゾンビモノとしてはダメダメでしたけど、そのあたりの表現は良かったと思います。
でも人としての意識が残ったままだと料理なんかしたりして。
山で畑を耕して暮らすゾンビ。
シュールですね。
631626:03/03/10 23:22
>>PIPさん
感想どもです
たまぁにスレ読んでて、みんなすげぇとおもてますたですよ
バタリアンもリターンズもなんにもわからないド素人でスイマセン

ゾンビのお料理…
「おまいら!晩メシできますた」
「メニューキボンヌ」
「女の尻肉の血煮」
「神」
正直、何時からここにいるのか分からない。
この屋根裏部屋に立てこもってから随分と時間が経ったように思う。
排泄物を処理することができないので部屋中に臭いが充満して気分が悪い。
だが、屋根裏よりもひどい悪臭は主に下の階から発生していた。

この家の住人である。そう、ここは私の家ではないのだ。
誤解のないように言っておくが私はこの住居に不法侵入したわけではない。
きちんと許可をとってあがらせてもらったのだ・・・ある事情で。
ただ、私の説明が遅れたせいで犠牲者を増やしてしまったのはまずかった。
よりによって敵の数を増やしてしまったのだから。

数時間後、理性を失い本能のままに私を襲おうとする住人から身を守る為に
死に物狂いでこの屋根裏部屋を見つけた。
知能のない彼等にはここまで移動する術は持たない。
下から聞こえるうめき声をよそに私は深い眠りについた。

逃げる際に缶詰めとペットボトルをもっていってたし
何よりこの部屋にも食料や水が備蓄されてたようなので生活には困らなかった。
しかし、それも水が底をつき始めたところで先が見えてきた。
そろそろ身の振り方を考える必要がある。


彼等の仲間になるか、人としての尊厳死を選ぶか。


今日は疲れたので眠らせてほしい。
・・・この選択はいつでもできるのだから。
633632=620:03/03/11 00:24
あ、舞台がホームセンターじゃないわ。
スマソ
634PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/11 01:03
ε=ε=ε=ε=ヾ( ゚д゚)人( ゚д゚)ノ゙新規参入イパーイ!
漏れ頑張ってよかったよぉ。・゚・(ノД`)・゚・。

>>620さん。
参入していただけましたか。

>今日は疲れたので眠らせてほしい。
>・・・この選択はいつでもできるのだから

板子一枚下は地獄という言葉がありますが、呻き声が聞こえてくる中の深い眠り。
はたして彼は起きることを選択するのか、起きたところでどうするのか。
味わい深い余韻を漂わせる終わり方、楽しませていただきました。

ゾンビが街に溢れるようになったら何とか武装しておきたいですね。
生き残る手段であり、また最後の瞬間は人として終われるように。

手近な場所で物品や食料があり、シャッター等で遮断も出来る。
こういった理由からホームセンターを選ばれる方が多いですが、別に強制ではありません。

私なんかしょっちゅう移動させてます。
ようやく次のシーンで拠点内の話になるとこですから。

>>626さん。
いえいえ、別に分かって無くてもいいことです。
ちなみにバタリアンで出てくるゾンビは話せるし、人間並みの速さで移動もします。
フライングボディーアッタクやダンスもするし、ジョークまで飛ばせます。
ちなみに頭を吹き飛ばしても、首を切断しても動きが止まらないのが欠点です。
バタリアンリターンズはその続編で、主人公のガールフレンドが人としての意識を保ったままゾンビ化していきます。

……バタリアンの1と2は金曜洋画劇場の吹き替えが最高でした。
誰か持ってないかなぁ。
635あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/11 12:10
期待あげ。
俺は今にも泣きだしそうな気持ちを勇気にかえて走った。愛しい京子の家へ…。彼女は俺の気持ちを知っているが、友達としか見てくれない。俺はヒーローになりたかった。この死臭漂う腐った街から彼女を救い出し、彼女だけのヒーローになりたかった。
ヾ( ゚д゚)ノ゛ 人ガ イパーイ ビックリ チク〜

ヾ( ゚д゚)ノ゛ 皆 ガンガン 書ク チク〜 

ヾ( ゚д゚)ノ゛ デワ 今日モ 逝ク チク〜
『43』

俺たちは死体を屋上プレイランドに運び、売り場にあったオイルを使って燃やしてい
った。

だが、まだ終わりではなかった。
まだまだすべきことが山積になっていた。

傷を負った者の中には既に意識を失っている者もいる。
彼らはいつ死亡しゾンビ化するかわからない。
彼らを隔離する必要がある。

疲れて眠っている人間と傷を負って意識不明の人間を見分けるのは困難だった。
ひとりずつ起こして確認するしか手はなかった。

そうこうするうちに、それまでは意識のあった傷を負っている者もひとりまたひとりと
意識を失っていく。

意識不明になった人間が死亡していないかどうか一時間おきに呼吸と脈を確認した。
そして、死亡が確認された時点でその人物に家族がいれば早々に最後の別れを済ま
せてもらい、死体を屋上で燃やしていった。
だが、自分の家族が死亡したことを隠す者や遺体の引渡しを拒む者も少なからずいて、
その結果ゾンビ化したかつては家族だったモノによって命を失うという悲劇が多々あっ
た。

最悪なのが、脈の確認や死体を運ぶ最中などにもゾンビ化する場合があることだった。
そこでもまた犠牲者が出てしまう。

犠牲になった者たちもやがて意識を失う。
『44』

出口のない迷路にでも迷い込んでしまったかのようだった。
まるでキリがない。。。。

果たしてこの作業に終わりはあるのか?

だが、続けるしかなかった。。。。生き延びるために。。。。そして、家族を護るだめに。。。

それは文字通り気の遠くなるような、そして気のおかしくなるような作業だった。
睡魔と狂気が重く重くのしかかってきた。
作業をすればする程、それはより一層強くなっていく。

実際、作業を放り投げてしまう者、突然わめき出す者、それどころか窓から外へ身を投
げてしまう者までいた。

外からは絶えずゾンビどもの唸り声とドアや壁を叩く音が聞こえる。

気が狂いそうになるのを感じながらも俺はひたすら作業を続けた。

妻と娘の存在だけが、ふたりを守りたいというその気持ちだけが、俺の心を正気に繋ぎ
とめてくれていた。

俺は諦めない。。。絶対に。。。

俺は休みなく作業を続けた。

それが家族への愛と自分の生の証であるかのように。。。。
『45』

死んでいく。。。死んでいく。。。死んでいく。。。。

いったいいくつの死を俺は目の当たりにしたのだろう。。。。

俺たちがここに逃げ込んでいったいどのくらいの時間が過ぎたのだろうか。。。

まだ2日目か? 
それとも3日目なのか? 
もしかするともう4日目になっているのだろうか?

既に俺は今日で何日目なのかさえよくわからなくなっていた。
時間の感覚さえ消え去っている。

朦朧とする意識の中、なにかが俺の頬を押しているのを感じた。

これはなんだ?
なにが触れている?
なにが・・・?

・・・!
まさか。。。。。ゾンビ!?

はっとした俺の目に映ったそれは・・・・

「ぱぁぱ、おっき。
 あそんで、ぱぁぱ」

娘の知沙の顔だった。
641620:03/03/11 22:38
>>PIP様
自信なかったけど感想ありがとう、がんがって書くよ。
まずは妄想開始ニダ。
642620:03/03/11 23:20
幸子は今まで生きてきた人生の中で最大のピンチを迎えていた。
この状況に置かれてからはや一日、助けは誰もこない。
下は瓦礫に蠢く亡者の群れ、上は真っ暗な新月。
そして幸子は宙に浮いていた・・・串刺しにされたまま。

一ヶ月前に起きたゾンビ事件によって町は混乱に陥り、多くの者が建造物に逃げこんだ。
ゾンビ達の動きから階段などの段差のある場所は登れないと判断したからだ。
事実、ゾンビ達の襲撃からは身を守れたものの、それは同時に退路を断つ結果となった。

予想通り、持参した食料は数日で喰い尽し残ったわずかな食料を巡り争いが繰り広げられた。
上でも下でも阿鼻叫喚の地獄が展開されたその時、それは起きた。

マグニチュード7を越える大地震である。建物は瞬く間に倒壊し、皆が死の谷へ堕ち
亡者の餌食となった。幸子もバランスを崩して落下した。
しかし幸子を待ち受けた運命は他の者とは異なった。
彼女は運良く鉄骨に掴まったのだ。自らの身体を貫通させながら。

幸子は激痛を予想したが不思議と痛みを感じなかった。神経に傷はつかなかったのだ。
それでも血はとめどなく流れていく。
セーラー服は赤黒く変色し、白の靴下も真紅に染められた。
さらに悪いことに鉄骨が幸子の重みを支えきれず、今にも折れそうだ。

幸子は必死に思った。今までロクなことがなかった。
最後の死に様ぐらい、自分で決めさせて欲しい。
ゾンビになるくらいなら誰かに殺されたほうがマシだと。

地面が揺れた。また地震が発生したのだ。もう駄目だ、と思った幸子の目前に
尖ったコンクリートの瓦礫が迫っていた。
自らの頭蓋が割れる音を聞きながら幸子の意識は闇にのまれた。

救われた。
643巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/12 16:32
ちと目の具合が悪くて、書き込み辛いです。
20日の病院を予約して先生に、注射打ってもらいます。
それまで、あんまり投稿できましぇん スマンです。
戦友諸氏、宜しくお願いいたします。

1個投下・・。
644巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/12 16:32
付近の掃討作戦は思ったより順調で、被害も予想よりは少なく進展は早かった。
が、全般的な状況の悪化はもっと早かった、、。
「親愛小学校より緊急救援要請!!」
明治時代より続く歴史のある学校で、この為に校舎こそ近代的建築物だったが
厚みのある壁が全周を囲み、年月により崩れた箇所も鉄筋ブロック塀で補強が成され
ゾンビに対しては十分な障壁となっていた。
ここには、数千人規模の避難民が集まり、その為に相当数の職員と警察官が
自警団の協力の下で保護に当たっていた。
ここのバリケードの一部が突破され、急傾斜で危機的状況下に成っていると言うのだ。
それにもまして、あそこには西宮純子巡査がいる。
オペレーターの、斉藤良子巡査による一言が全てを決めた。
「須藤君、早く助けに行ってあげて、、、」
須藤巡査長は指揮下の班を一時的に本部に預けて、救出部隊に志願することにした。
620殿
ゾンビがイパーイになったら人間として死ねるならその方が本望ですよね、やっぱり。
十分おもしろいので今度はもちっと長いのに挑戦されてみてわ?

しかし地震ネタ・・・・やられてしまいますた。
このしばらく後の中盤からのストーリーで使おうと思ってたもんで・・・。
仕方ないので暗〜いストーリーになるという理由でボツにした方のネタに戻しちゃおう。

巡査物語殿
大丈夫ですか?
無理はせず、ゆく〜りと休んでください。
でも、休みすぎて永眠&ゾンビ化して復活だけは勘弁してください。
『46』

「あなた、大丈夫? もう少し寝ていた方がいいわ」
「・・・香澄・・・」
・・・・?
眠っていた・・・?
俺は眠ってしまっていたのか!?

「香澄! 俺はどのくらい寝ていた?」 
「え・・・ほんの20分か30分くらいよ」
「いまどうなってる? 荒井は!? 阿部は!?」

「少し落ち着けよ」
後ろから声がした。

「荒井・・・」
荒井がドアの前に立っていた。
ひどい顔だった。
明らかに睡眠不足で、血走った目の下にはっきりと黒いくまができている。
学生時代にでも見たら即「パンダ」というあだ名をつけられて呼ばれそうなくらい
ひどい。

おそらく俺も同じか、いや、もっとひどい顔なのかもしれない。。。

「交代で休むよう指示したお前がそれでどうするよ?」
指示・・・?
俺にはそんな指示をした記憶さえ残っていなかった。

「もうちょっと寝てろ。お前が一番寝てないんだからな」
 俺は3階の方を見てくるよ」
そう言い残すと荒井は姿を消した。
『47』

「待ってくれ、荒井」
俺は部屋を出て荒井に追いついた。

「おいおい、マジかよ? 寝てろって」
「いや、大丈夫だ」

そうは言ってみたものの頭はくらくらするし、身体は鉛のように重い。
突然、酷使し続けた両腕の筋肉はぶるぶると痙攣している。
膝ががくがくと震えてうまく歩けない。
まっすぐ歩いているつもりなのに。。。。

休みたい。。。眠りたい。。。
だが、まだここの安全を確保できていない。
眠るわけにはいかなかった。
ここの安全を完璧にするまでは呑気に休んでなどいられない。
妻と娘の身の安全を思うと、どうしてもこのセンター内をはやく安心できる状態にしたい。
そう、一秒でもはやくだ。

3階に上がると老人と年配の女性が負傷者の脈の確認をしていた。

「ホッ、もう起きたんかい? 少しは休まんと死んじまうぞい?」
老人が脈を調べながらこちらに顔を向けた。
神崎さん、元医者だ。

「神崎先生のおっしゃるとおりだよ? あんたら働きっぱなしだろう?」
 とくに、そっちのあんた」
そう言って年配の女性、吉沢さんが俺を指さした。
この吉沢さんは現役の看護婦だ。
『48』

この状況で俺たちにとって、このふたりの存在は大きかった。
ここには救急箱くらいしかなかったが、それでも医療技術を持つ人間がいることは
ただそれだけで本当に心強い。
なにより、このふたりのお陰で意識を失った負傷者の生死の確認は大きくはかど
った。
本当はもうひとり看護婦の女性がいたのだが、そのひとは途中でゾンビ化した奴
に噛まれて死亡してしまったのが残念だ。。。。

「あと、何人残ってますか?」
「ホッ、それは確認してない患者かの?
 それとも、負傷者の数かの?」

「確認ならこの時間はちょうどこれで最後だよ。
 負傷者は残り6人さね」
吉沢さんだ。
「あとは亡くなっちまった仏さんが2人さ。
遺体は、えぇと、ほら、なんて言ったっけか、あのゴツイの・・・」
ゴツイっていうと。。。
「阿部さんですか?」
「そうそう、それそれ。阿部たちがさっき屋上に運んだよ」
「そうですか・・・」
「ホッ、そういうわけじゃ、お前さんらはしばらく寝ときな」
「ほらほら、わかったらとっとと休みな。身体休めるのも仕事のうちさね」
俺はいつものように眠りについた…。神経が落ち着いた頃、ふと気付く。
『騒がしいな…』
昼間の喧騒とはなにか違う。そこかしこで犬が鳴いてるし、耳を澄ませば人の叫び声や泣き声のようなものまで聞こえてくる。
『マジかよ…』
一旦そう認知してしまうと
650620:03/03/12 22:26
>>さんげりあ様
地震ネタ朴って申し訳ない、おとなしく謝罪します。
しかし地震バージョンも読みたいニダ。

長編はまだまとめきれる自信がないのでしばらくは短編でおながいします。
長編ネタはそろえてあるんですが構成がまだ・・・連続投下の方法も知らんし。
>>620様、乙です。地震ネタは怖いですね。
折角篭城出来ても、地球までがゾンビの繁栄に手を貸すなんて。

連続投下の前に予告を出せば、他の投稿者とのダブりは防げると
思いますよ。
652FD‐R ◆6N371.108E :03/03/12 23:26
暇さえあれば
ゾンビのネタを考えているぼくは異常ですか?
この前考え事の最中に友人に話しかけられてとっさに
「ゾンビだね。」とこたえてしましました。
620殿
はうぁっ!? 謝罪なんてトンデモないですよ。
朴でもなんでもないんですから。
こちらこそなんかいらぬ気を使わせてしまうようなことになってすみませぬ。

地震はなんというかどーしてもこの後の話の展開のキッカケに何かが必要だったとき
に第一候補として考えてただけです。
ホントは最初に考えていた第二候補の方がゾンビ物のストーリーとしてはふさわしか
ったのですが、結構暗いストーリーになるのでいったん没にしたのですけど結果的に
は地震物よりもお好きな方にはいいカンジのストーリーになるはずなので良かったか
な〜と思ってますです。
やっぱり天災より人災による悲劇と犠牲の方がゾンビ物にはぴったりなはずなので。

短編でいかれるなら投稿ごとにす〜こしずつ長めにして台詞もいれていくと
後々長編にチャレンジするときやりやすくなっていいかもしんないですね。
>>652殿
それはゾンビ症候群といい、とても感染性の高い病です。
私もここを覗くようになって症状が悪化しますた。
これにはゾンビ化と同じく治療法はありません。
『49』

どうやら、あと少しで一段落しそうだ。
いま意識不明の6人が死亡し、その死体を無事処分できれば、とりあえずこのホー
ムセンター内の安全は確保できる。。。。。おそらくは。

「荒井、生き残りはどのくらいいる?」
「さあな、よくわからん。うろつく奴が多くて数えにくいし、なにより、数えてる途中で
すぐ減っちまうからな・・・」

そう、センター内でも死人が続々とでている。
ゾンビに噛まれ死亡する者はもちろんだが、それ以外にも自殺する者が少なからず
いたからだ。

トイレで首を吊る者、屋上から飛び降りる者、窓から突然外に飛び込む者、売り場に
あった包丁で手首や喉を切る者。。。。
そして自殺者を目の当たりにした者がまた自殺することもあった。

精神的に耐えられなくなった者は次々と命を絶っていった。

家族を失った悲しみ、ゾンビに噛まれた自分の末路に対する絶望、あまりの過酷な
現実からの逃避。。。。
理由はさまざまだ。
ただひとつ同じなのは彼らの死という事実だけだ。

「まぁ、たぶん40人・・・もしかすると50人くらいいるんじゃないか?」
「そうか・・・」
『50』

おそらくそれ以上、それこそ、もしかすると倍以上の数の死体が屋上で燃やされたこ
とだろう。
屋上の一角には火力不足で燃えきらなかった死体の残骸がうずたかく積み上げられ
ている。
墓さえつくれない現状では、それがそのまま死者たちの墓標と化していた。

墓標からは常に煙があがっていた。

それは死んだ者たちの無念の想いなのだろうか?

それとも死者たちの魂が天へと昇っている証なのだろうか?

わからない。

俺にわかるのはひとつだけ。

俺には妻と娘がいる。

俺の命が尽きるまで、ふたりを護り続ける。。。それが俺の生きる意味。。。生きる証。

。。。それだけだ。。。。
『51』

ここまでなんとか生き延びることができた。

ここまでふたりを護ることができた。

ひょっとすると。。。。本当に神が味方してくれたのだろうか?

大丈夫。

妻のぬくもりが、娘の笑顔があれば、俺は戦い続けることができる。

大丈夫。

きっと神が味方してくれる。

大丈夫。

きっと大丈夫。

。。。。

。。。。。。

。。。。。。。

だが。。。

俺は、運命が、神がとてもきまぐれで、そしてひどく残酷だということをたっぷりと
思い知らされることになる。

658620:03/03/12 23:43
真夏の熱い日差しの中、道を走っている男がいる。
眼を血走らせ、右手には金属バットを持っていた。
男はあるアパートの前で立ち止まった。

「まだここにいるんだよな、あいつら・・・ぶっ殺してやる・・・」

この金属バットの男、順平は今年の春、彼女の美加にふられた。
理由は他に好きな男ができたからだそうだ。
しかもその相手が順平の無二の親友である悟であった。
もともと美加を俺に紹介したのは悟なのに・・・!
俺とは唯の遊びだったのか・・・?あいつらグルで俺から金を巻き上げたのか!?
順平は怒りに打ち震えながら二階にある美加の部屋まで来た。
アパート全体が妙な臭気を発していたことなど気にもとめなかった。

「出て来い、美加ァッ!悟ぅ!
 居るのは分かってんだぞ!死にたくなけりゃドアを開けやがれ!!」
ドアのノブをガチャガチャ回しながら順平は怒鳴った。
周囲の住人が何事かと様子を見にきたが、順平が凄みを効かせるとすぐに引き上げていった。
二人が出てくる素振りもないので順平は金属バットでドアをブチ壊して侵入した。

二人は行為の真っ最中だった。シーツを被っているせいで詳しくは分からないが
身体を互いに動かしあい、クチュクチュと淫猥な音まで聞こえる。そのことが順平を激怒させた。
「いつまでやってんだてめぇら!本気でぶっ殺すぞ!!」
怒りに身を任せた順平がシーツを剥ぎ取ると二人の姿があらわになった。

削げ落ちた肉片、剥き出しの筋繊維、腹部から突き出したろっ骨・・・
二人は共食いをしていた。お互いの肉という肉を喰らっていたのだ。
唖然とする順平を一瞥すると美加と悟は身体を起こし、ずるずると近寄ってきた。

「・・・あ・・・いや、何でもないんだ、悪かった。それより怪我がひどいぞお前ら。
 すぐに病院にいったほうがいいんじゃ・・・あ・・・ひ、やめ・・・ぎゃああああああ!!」
659PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/13 00:24
 尚也の体調は急速に悪化した。
 発熱、感覚低下、知覚異常、意識障害、見当識障害。
 混濁する意識の中、尚也は離散していく意思をかき集めて忠告をした。
「日向。焦るな。気負うことも、無い。八割の、力で、できることだけを、やればいい」
 全力を出し続ければ必ずどこかに歪みが出る。今できることを積み重ねていけばいい。
 訓練を受けたときに何度も繰り返された言葉が、日向を落ち着かせる。
 眠りについた尚也の手を一度握り締め、日向は拠点への移動を開始した。

 地図上ではさほど距離の無い目的地だが、実際に近づくのは困難を極めた。
 ゾンビという最大の妨害者は現れないかわりに、路上に放置された車が街路を複雑な迷宮へと変えてしまっていたからだ。
 加えて住民たちの築いたバリケードが袋小路を形成し幾多の行き止まりとなって、自動車の運転に慣れない日向の神経をすり減らしていく。
 さらに日向が考えてもいなかった到着を妨げる要素があった。
 電力の供給が耐えて久しい今、夕方以降世界は闇に包まれる。
 蒼い闇が徐々に世界を包んでいくに至って、ようやく日向は自分が夜間の運転を甘く見ていたことに気づいた。
 安全確保のため夜間の運転はできず、落日の気配と共にその日の仮の住まいを探さなくてはいけない。
 路上に駐車し、その中で眠ることはたやすい。
 だが尚也が動けない今、そんな危険は到底冒せるものではなかった。
 複数、かつ自分で管理できる出入り口を備えた建物はそう多くない。
 あったとしても隣接する建物の安全性が問題になる。
 見つけた後はゾンビや先住者の存在を確認しなければいけない。
 運転中に居眠りするのを避けるためには十分な休養を取らないといけないが、寝入っているときほど危険な状態は無い。尚也の容態も放っておけない。
 考えた末に日向は放置されたプレハブ二階建ての消防施設を選んだ。
660620:03/03/13 22:29
>>651
アドバイスありがとうございます。
しかし折れは板に来てから書いているので
割り込み発生率が高そうで激しく鬱(;´Д`)

>>さんげりあ様
どんなゾンビ映画でも、一番怖いのは人の業ですね。
これからの恐ろすぃ展開を堪能させていただきまつ。
661FD‐R ◆6N371.108E :03/03/13 22:31
>>660さん!!
ぼくも板で書く派(割り込みに怯える派)ですよ〜


662620:03/03/13 22:38
>>661
同志ハケーン!!
というより、単に技術を知らんだけなんだろうな折れ。
663PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/13 23:00
初カキコが割り込みだった私が言うのは説得力0ですが、
掲示板に直書くよりはメモ帳にでも書いて貼るほうが良いですよ。

まあ私はそれでも誤字はなかなか減らないので困ってますが。
わらくしはメールに書いて、それを連続コピペするという形でやってます。
一番困るのは投下のときに改行が多すぎますとか文が長すぎますとかエラーが出ること。
最初それで失敗したので今は短めに区切って投稿してます。
でも、まぁ楽しければいいので割り込みになってもなんでもいいんじゃないですか?
作品どんどん出してスレに活気があって見てる人が一人でも多く楽しんでくれればOKと
個人的には思ってまつ。
あばうとすぎかな???
『52』

俺たちがホームセンターに立て篭もって7日目。

今やもう負傷者はひとりもいない。
残っているのは全員無傷の者だ。
もっとも、無傷なのは肉体の話で精神面は別だったが。。。

生存者は今のところ38名。
状況を考えれば、立派な数だ。。。数だけは。。。。
だが、内容はというと、子供を庇って負傷、死亡した者が多かったため年端もいかな
い子供が多い。
中学生まで含めると、子供だけで生存者の四割以上を占めるだろう。
しかもその多くが両親とも失っている。

せめてもの救いは生き残りの大人の中に現役の保母と小学校教師の二人の女性が
いて、彼女たちが親を失った子供達の世話をしてくれていることだった。
二人とも若い娘でまだ二十代前半か、せいぜい半ばくらいだろうにしっかりしていて、
子供達もよくなついるので助かる。
妻が食事当番などで忙しいときには娘の知沙も世話になることがあり、特に保母の方
松村亜弥という名だが、彼女には随分となついていた。

生き残りの大人には若い男が少ないことも問題だった。
センター内でのゾンビを処理するときに犠牲になった者が多かったため、今では二十代
三十代の男性は全体の二割にも満たない。
四十代、五十代を含めても三割いかないほどだ。

ここの戦力はかなり低い。
何かあったとしても、これではここから脱出するのは難しい。
救助を待つしかない。。。
『53』

俺は屋上にいることが多くなっていた。
理由はいくつかある。

まず、遺体の焼け残りをなんとかしたかったからだ。
本当は骨になるまで焼いてあげたかったが火力が足りない。
だからじっくり時間をかけてせめてできるだけ焼いてやる。。。。これが死んでいった
人達にできるせめてものなぐさめだろう。

そしてもうひとつ、救助の問題。
ゴミや不要そうな物を燃やし、できるだけ煙を出した。
妻が見たら「ダイオキシンが出るでしょ!」と怒られそうだがプラスチックやビニールも
どんどん燃やした。
誰かがこの煙に気づいて救助に来てくれることを切に願って。。。。

まだ一週間しか経っていない。
だが、おそろしく長い一週間だった。
おそらく、これからはもっと長く感じることだろう。

俺たちはいつまで持ち堪えられるだろう?
精神的にはもちろん、食料を考えても、救助はできるだけはやい方がいい。

確かに最初より自殺者は減った。
なにせ昨日は自殺者がひとりも出なかったぐらいだ。
それは、ここに立て篭もってはじめてのことだった。
でも、限界は目に見えている。

だれか。。。この煙に気づいてくれ。。。はやく。。。はやく。。。

667620:03/03/14 00:29
20年前のゾンビ事件で私は最愛の妻を失った。
そしてまた愛するものを失おうとしている。
かつて亡者と化した妻の腹から取り出した一人息子、幸一を・・・。

職場で幸一が突然倒れたことを聞いた私はすぐに大学の研究室から飛び出した。
幸一の容態は予想以上に悪く、最初に担ぎ込まれた病院では
医療施設が充分でなく、たいした治療を行なえなかったらしい。

病院から救急車に合流した私は
幸一を乗せた担架に付き添いながら、必死に声をかけた。
「幸一、大丈夫か!気をしっかり持て!すぐに大きな病院に連れていってやるからな!」
幸一は苦痛に顔を歪めながらも頷いた。まだ意識はある。
「ここから一番近い病院は?」
「1.5km先に県立病院がある、そこなら間に合うだろう」
救急車はサイレンを鳴らしながら県立病院へと向かった。

病院まで後200m程度のところで救急車は予想だにしない足止めをくらった。
道路を暴走族の集団が占拠していたのだ。
救急車が警告を発しても連中は意にも解さず、蛇行運転を繰り返していた。
幸一の容態は悪化の一途を辿っていた。私はたまらず飛び出していった。

「頼む、道を開けてくれ!息子が・・・息子が
 死にそうなんだ!暴れるならせめて救急車を通してからにしてくれ!!」

私が叫んだ途端、彼等の動きが止まった。私の言ったことを理解してくれたのか
と思ったが違った。彼等は私を羽交い絞めにするといきなり殴りつけてきた。
そして救急車から隊員を引きずり降ろすと、よりによって幸一が乗っているにも関らず
車を横転させた。

・・・しばらくして警察が駆けつけたが、暴走族はすでに去っていた。
そして幸一は・・・死んだ。
668620:03/03/14 00:29
「・・・残念ですが、ご臨終です」

全てが終った。私の人生が終焉を迎えた。今まで手塩に掛けて育ててきた
息子を暴走族に殺された・・・なんの苦労も知らない餓鬼どもに!!

思えば不憫な子であった。母親の愛を知らず、私の職業柄から実験材料だと
いじめられたりして自殺未遂を繰り返したりした。大学に入学してようやく
人生が楽しくなったと語った矢先であった。

気が付くと私は病院近くの公園にいた。手にはロープが握られている。
・・・自殺でもする気なのか?どうせもう生きる目標もないのだ、それもいいだろう。
私は木の枝にロープをくくりつけ、首を吊ろうとした。その時、奴等は現れた。
幸一の命を奪ったあいつらが・・・

「ゴルァ、爺!!てめ、サツに通報したろ?おかげでひでえ目にあったぞ!
 今すぐ埋めてやっから覚悟しろや!!あ!?」
どうやら幸一を殺したことについては全く反省してないらしい。
私は苦笑した。どうしてこんな馬鹿者ばかりが増えたのか?せめて息子への手向けに
こいつらの内、誰か一人でも道連れにしてやろう。
私は奴等に飛び掛った。

だが世の中は甘くなかった。私は瞬く間に取り押さえられ、殴る蹴るの暴行を受けた。
激しい腹痛がする。内蔵破裂を起こしたのかもしれない。
最早これまで、と死を覚悟したその時、公園の入り口付近に人影が見えた。

・・・幸一?

幸一とおぼしき人影は暴走族の側まできた途端、奴等の中から悲鳴が聞こえた。
そこで私が見たものは、暴走族の腕に噛み付いている幸一だった。
669620:03/03/14 00:48
「こ、この野郎!何しやがる!?」
噛まれた仲間を引き剥がしながら奴等は鉄パイプを持ち出した。
「あ、危ない!幸一、逃げろ!!」
鉄パイプをもろに喰らった幸一はもんどりうって倒れた。
連中が再度鉄パイプを振り下ろそうとしたその時、またもや悲鳴が聞こえた。
先ほど幸一に噛まれた奴が仲間に歯を立てていたのだ。

幸一によって引き起こされた惨劇を目の当たりにしながら私は考えた。
・・・この状況はどこかで見たことがある。それも20年も前に。
ゾンビ・・・そんな馬鹿な・・・。

いつの間にか公園は静寂を取り戻していた。入って来た時と違うのは
周囲に血肉や臓物が散乱していること、生前に暴走族と呼ばれた風体のゾンビが
佇んでいることだった。

私は幸一のことが心配になり駆け寄った。もしかしたら喰われるかもしれないと
思ったが、息子の糧となるならばそれも本望と自らを納得させた。
ところが幸一は私の手を跳ね除けると私を澄んだ目で見つめた。

親父・・・分かってくれよ

そんな言葉が頭の中に響いたかと思うと幸一は一声吼えて去っていった。
ゾンビ達も新しい主に従い、消えていった。

私は痛みに耐えながら起き上がると幸一の身体から剥がれ落ちた
肉片を採取した。ゾンビを越えた新たな敵を研究しなければならない。
20年前に悲劇を繰り返させるわけにはいかない。
例えそれが息子の存在を消滅させる結果になろうとも・・・。
670カスケード:03/03/14 10:59
age+α
不思議な交通事故だった。いや、交通事故自体は不思議なものではない。
ある平日の午前中、変質者が女性を追いかけて赤信号を飛び出し
ダンプに轢かれたのだ。変質者は轢かれた際、頭をタイヤに巻き込まれ即死状態であった。
問題は検死の結果、死亡推定時刻が事故の6時間ほど前だったことである。

持ち物から死んだ変質者の名前は溝口○平26歳、某大手貿易会社のサラリーマンと判明。
同僚や、恋人によると昨日から体の不調を訴え会社を休んでいたらしい。
常に人より一歩先を行くような性格で、人望も有り有能で将来を有望視されていたらしく、
皆口々に何かの間違いではないかと証言した。

一方、ダンプの運転手の処置は混乱を極めた。
とりあえず、業務上過失致死の容疑で身柄の拘束はしているが
何しろは死んでいるはずの人間が人を襲い、それををひき殺した(?)のである。
死人をだから殺人ではない等、喧喧諤諤の議論の末、検死の結果はまだどこにも
漏れていない、皆が溝口が動いているところを見ている、轢いたことは事実だ、
訳判らない、といった諸々の理由から、検死の事実を隠滅し、運転手を
業務上過失致死で検挙をするくだりとなった。

世間にゾンビ騒動が起こる2日前のおはなし。
おおっ、またひとが増えた。

ヾ( ゚д゚)ノ゛ 嬉スィ チク〜
『54』

屋上で火の番をしながらバットを振るのが俺の日課になっていた。
まぁ、日課といっても始めたばかりだったが。

もちろんバットを振るといってもそれは野球の素振りなどではなく、身体を鍛えるため、
戦闘能力を高めるためだ。
片手で自由にバットを扱ってゾンビどもをブチのめすことができるくらいにならなければ
とてもじゃないが、もしまた何かあったとき妻と娘を護ることができそうにない。
もっとも、そんなものは気休めだが。。。

屋上から見える風景が、例え俺がどんなに戦闘力を高めても、そんなものはまるで役に
立たないことを如実に物語っている。
センター周辺だけでも数百体のゾンビが徘徊している。。。。『餌』を求めて。。。
これだけの数を目の当たりにすると、自分のこの行為がどれだけ役に立ちそうもないか
嫌というほどわかる。

だが、やらないよりはいい。
それに、自分の精神を安定させる意味でもやらずにはいられなかった。



「あのぅ・・・藤田さん・・・?」
背後から女の声がした。
そこにいたのは保母の松村亜弥だった。

「なにか用かい?」
もちろん、用があるから来たに違いないが。。。。

「ちょっと・・・お話しがあります」
『55』

「なにかな?」
「美貴さんと話し合ったんですけど・・・」

・・・美貴?
ああ、亜弥と一緒に子供達の面倒を見ている小学校教師のがたしか辻本美貴という名前
だったはずだ。

「子供達をここで遊ばせてあげることってできないでしょうか?」
「・・・ここで?」
「子供達にお日様の光をあびさせてあげたいんです」

たしかに、ここ屋上は一角を遺体の焼却に使っていたため、その必要以外の人間、特に
子供達は立ち入り禁止にしていた。
そのため子供達は建物の中に閉じ篭りっぱなしだ。

「だめ・・・ですか?」

俺としても子供達をいつまでも屋内に閉じ込めておきたくはない。
遺体の焼却も一段落している。

「・・・わかった。なんとかするよ」
「ありがとうございます!」
亜弥はにっこりと微笑んだ。

「いや、礼を言われるようなことじゃないよ。 ただ・・・」
俺は『火』の方に目をやった。
「あれを子供たちには見せたくない。
 囲いか何かを作るから、1日か2日待ってもらえるかな?」
『56』

「もちろんです! そのためにお願いに来たんですから」
「そうか・・・。それと囲いを作って見えないようにはするけど、できれば子供達が遊ぶのは
向こう半分側のスペースで頼むよ」
「はい」
「それと、君たちだけでなく、他にも何人か大人が一緒にいるときだけにして欲しい。一応、
念のため、ね」
「はい。じゃあ、そのときは藤田さんにお願いしちゃおうかしら?」
「ははは、いいよ、俺でよければ」
「よかった〜。 じゃあ、お願いしますね」
亜弥は深々と頭を下げると去っていった。

「あ、そうそう、藤田さん」
入り口あたりで亜弥がくるっと振り返った。

「香澄さんから聞いたんですけど、明後日は藤田さんと知沙ちゃんの誕生日なんですよね?」
「ああ、そうだよ」

そう、俺と娘の誕生日は同じ。
娘が生まれたとき、俺はまさに神からの賜物だと思ったものだ。
特に難産だったのでその喜びはよけいに大きなものだった。

「わたし、何かプレゼント用意しますね」
「ありがとう」
「じゃあ、これで失礼します」
俺は亜弥の後姿を見送った。

強い娘だ。。。俺も負けずに頑張らないとな。。。。

>>670 カスケードさんが来た。
PART2以来ですね。

やっぱり、みんなゾンビスレに戻ってくるのかな。
作者様、今後も力作期待してます。
サンゲリア様からオマエモ書けよ言われそうですが、
ネット接続も数日に1回なので、継続出来ませぬ。ご容赦下さい。
おまけに日本にいないので。
『57』

亜弥と入れ替わるようにして荒井がやって来た。
なんかニヤニヤしてやがるな。。。

「おいおい、浮気はいかんぜ、藤田ぁ」
こいつ・・・やっぱりそれか。。。 
「香純さんに言いつけるぞ〜」
「ば、ばかやろう」
「冗談、冗談」

たとえ冗談でも言われたらたまらん。
香澄はけっこう・・・いや・・・かなり嫉妬するタイプだからな。
前にひどい目にあったこともあるし。。。

「さ、下に来いよ。昼飯にしようぜ」
「わかった」

食事が終わったら荒井に手伝わせて囲いを作るか。。。
湘太くんのためでもあるから断わりはしないだろう。

「行こうぜ」
「ああ」

俺たちは屋上をあとにした。

風がすこし吹いていた。
『58』

階段を下りて3階にさしかかったときだった。

・・・?
なんの音だ?

「荒井、なにか聞こえなかったか?」
「ん? ・・・別に」

いや、何か音がする。。。。
壁の向こうか?
ちょうどすぐ近くに売り場とストックルームを分けるドアがある。

「ちょっと調べてみよう」
「おいおい、空耳じゃないのか? ここにゾンビなんているわけないぜ」

俺はドアを開けた。
目の前にもうひとつドアがあり、その中は在庫用の小さな倉庫になっている。

この中か・・・・?

ドアノブに手をかけると鍵がかかっていた。

「おかしいぞ、鍵がかかってる」
そう、万が一の場合に備えてセンター内の鍵は全て開けておいたはずだ。

「誰か中にいるのか?」
『59』

ドアに耳を当てると押し殺したようなくぐもった声と、床を踏みならすか叩くかしている
ような音が聞こえた。

「おい、誰かいるのか? いるんだろ?」
返事はない。
だが、人の気配はする。

「おら、返事しろ」
荒井がドアをドンドンと叩き始めた。

「荒井、お前はここをたのむ。俺は2階の保安室に行って鍵を取ってくる」
「ああ」

あの中はどうなってる?
自殺でもしようとしているのか?
中でなにが起きている?

わからない。。。。
とにかく、鍵だ。

俺は鍵を手に取り、急いで3階に引き返した。

「荒井、鍵だ!」
俺は鍵を荒井に投げてよこした。
『60』

ドアを開けた俺たちの目に飛び込んできた光景は。。。。

「な・・・!?」

両腕をガムテープでグルグル巻きにされ、口もテープで塞がれた半裸の女性。。。
いや、少女と言ったほうがいいだろう。。。。
大粒の涙を流す少女に覆い被さり小柄な男が腰を振っている。。。

その男の顔は。。。。

「黒田!」
センターの最初の住人、黒田だった。

「なんだよ・・・さっきからうるせぇな」
腰の動きを止め黒田が俺たちの方に血走った目を向けた。

「黒田、お前なにしてる! やめろ!」
俺たちは少女から黒田を引き離した。
その拍子に少女の内股からわずかに朱の混じった白濁した液体がだらだらと流れ落ちた。

なんてことを。。。。

俺は少女の口を覆っていたテープを剥がしてやった。
少女は俺の胸にしがみ付いてただただ嗚咽をもらしていた。

俺には少女にかけてやれる言葉が見つからなかった。
『61』

「黒田ぁッ! 貴様ッ・・・!」
荒井の拳が黒田のアゴに叩き込まれた。

「痛ぇな・・・なにしやがる。
 へ・・へへ・・・なに怒ってるんだよ・・・。なにが悪いってんだよ・・・・。
 お前らもヤりたいのか? ヤれよ・・・」
こいつ何を言ってるんだ。。。

「こいつらを助けたのは俺たちだ! ちょっとくらい礼をしてもいいだろう!」
「貴様ぁっ!」
「なんだよ! どうせ・・・どうせ、みんな死んじまうんだ! 最後くらい楽しんだっていいじゃないか!
 だいたいなんだ、お前らは! 後から来たくせに偉そうにしやがって! 
 ここは俺のだ! 俺が最初にいたんだ!! ここにあるのは全部俺のもんだ!」
こいつ。。。。

「このゲス野郎が!」
荒井が黒田に飛びかかった。
「くそがっ! くそがっ!くそ野郎がっ!」
何発も何発も黒田の顔面に拳を叩き込む。

「やめろ、荒井! それ以上やると死んじまうぞ!」
「ちっ・・・」
荒井は床に唾を吐き捨て、ようやく殴るのをやめた。

騒ぎを聞きつけたのだろう、ドアの外にはすでに人だかりができていた。

どうして。。。どうしてこんな。。。。

せっかく、ようやくみんながすこしだけ落ち着いてきたっていうのに。。。。
681626:03/03/15 23:02
とある小さなホームセンターの一角で、私は怪我人として横になっている。
私はゾンビに噛まれたずだ。
しかし、ゾンビ化の兆候は一向に現れない。
衛生班も首を傾げている。
それだけなら幸運の一言で済むであろうが、
ある変な噂が広がっている事で、私は地獄を見る。
682626:03/03/15 23:03


「あいつはゾンビにならずに済んだ」
「あいつは特殊な血を持っていて、ゾンビにならない」
「あいつの血を使えばゾンビウィルスの抗体が出来る」
「あいつの血を飲めば、ゾンビにならない」
周囲の眼が、私に集まる。ゾンビの恐怖によって極限状態になった、おぞましい、狂気の視線が。

隣にいた男が、わたしに寄ってきた。
「血を、くれないか、血を」
683626:03/03/15 23:05
絶望に疲れた光の無い目が、私の首筋を見た。
「お前の血で、助かるんだ」
この殺気だった一言で、周囲の人間の理性が飛んだ。
私に、たかる、たかる、狂気の人達が。
私は、腐敗した元人間と、この人達の区別が付かなかった。
私の血は、残らず生に飢えた喉達の中を通っていった。
684620:03/03/15 23:52
・・・ピッピッピ、朝8時です、起きなさい・・・

センター内部に響く目覚ましで由紀は目覚めた。気だるい朝だ。
どうせ起きたところで何もすることもないのに、と思いつつも朝食の支度をする。
昨日の朝はパンに目玉焼きだったので今朝は和食でかためることにした。
食後は食器の後片付けと軽い運動、ラジオの情報を聞きながら備え付けの雑誌を読む。


ピピピピッ、ピピピピッ・・・昼12時です、お昼の時間です。

餌の準備に追われているといつの間にか昼になっている。
時間が経つのが早い。もうすぐ彼等がくる時間だ、急がねば。

・・・バンバン・・・ガラガラガラ・・・

音がしたのでシャッターを開ける。彼等は手に手に荷物を持って由紀に手渡す。
中身は食料や水、その他にいくつかの本や雑誌が入っている。・・・ご苦労様。
適当に昼飯を作って食べさせてやる。


ピッピッ、ピッピッ・・・午後9時です、お休みの時間です。

夜の9時で眠る奴などいるわけもなく、由紀は先程の男の中から一人見繕うと
自室へ通した。1時間後には完全に由紀の虜となる。
そして彼等もやってくる。腹が減って餌を求めてセンターまでくる。

バンバン・・・ア〜・・・ウゥ・・・

彼等のご到着、早速シャッターを開けて上客を招きいれる。
由紀の姿を確認すると歓喜の咆哮をあげる。まるで主人を見つけた犬のように。
昼から仕込んだ餌を食わせてやると彼等は満足気に唸る。
餌を食い終えると皆、センターを後にする。あとには餌の残骸のみ。
685620:03/03/15 23:53
・・・・・・・・・

深夜1時、さすがにこの時間になると目覚ましは鳴らない。
由紀は一人起きるとある男の部屋に入る。外の住人に噛まれて負傷した人物だ。
意識を失い、昏睡状態に陥ってる。

由紀は男の頭を優しく撫でてやるとセンター内の工具売り場にあったノコギリで
頭を叩き割る。男の頭部がパックリと割れ、中から血と脳髄がこぼれる。
そのまま部屋で男を解体すると、肉片を袋の中に次々と詰め込む。
残った骨は数日間かけて粉末状にした後、屋上からばら撒く。
最後に部屋に鍵をかけて証拠隠滅。魅了された男どもには分からない。

全部の処理が終った時には午前6時を回っていた。
今日は少し遅くなった。が、そのおかげで一週間は餌に困らない。
黙っていても餌は勝手に寄ってくる。


つまらないけど誰にも襲われるでもなし、生活も楽、ほんの少し
気配りをしてやるだけで内外から慕われる。

ある意味天国よね、と死者がはびこる地獄で由紀は一人思った。


・・・ピッピッピッ、朝・・・

由紀は欠伸をしながら起きると男達を食料調達へ追いやり、自身は朝食の支度をする。

今日も女神の平凡で退屈な一日が始まる。
どっちもいいカンジにブラックなお話ですなぁ。
しかも作者様のお名前が620と626だからなんか兄弟っぽい。なんてオモテしまいますた。
わが身のためなら他人様の生き血でも狙うってのはたぶん現実に起きそうでコワイでつ。
そして、女神さまの方はなんか女神は女神でも黒の女神って感じ。。。おばかな男どもは今日
も釈迦の手のうえの孫悟空状態。。。
『62』

黒田はそのまま倉庫に閉じ込めることになった。

少女は吉沢さんが面倒を見てくれている。
だが、そのショックが相当なものなのは言うまでも無い。

俺たちは皆でこの一件について話し合った。
そこで出てきた意見は耳を疑うようなものが多かった。

「殺すべきだ」
「外に放り出そう」
「生かしておけん」
「命で償わせるべきだ」

俺たちにそんな権利はないし、そんなことは許されることではない。
たとえ黒田の行為がいかに人道を外れたものだったとしても。。。。

殺すべきか、殺さざるべきか。。。意見は真っ二つに分かれた。

黒田の母が必死になって息子の命乞いをしていた。

だが、死刑派の中心。。。そう、少女の父親は絶対に許さない。
父親は少女以外の家族を全て失っていた。
残された唯一の希望を踏みにじられた彼の怒りが収まるわけなどなかった。

結局、その日1日ずっと議論が続いたが結論は出なかった。
『63』

翌朝のことだった。 
少女は自ら命を断った。

それは一瞬のことだったらしい。
吉沢さんがほんの少し目を離した隙に、少女は持っていたシャープペンシルを
自分の喉に突き立てたのだ。

すぐに神崎先生が呼ばれた。
だが、ここには医療器具も薬も何もない。
手術はもちろん、ろくな手当てすらもできない。
当然のことながら少女はじきに息を引き取った。

少女の父親は号泣していた。



死は少女を救ってくれたのだろうか?

少女は悲しみから解放されたのだろうか?

わからない。。。。

俺は荒井、阿部とともに少女の遺体を屋上に運び荼毘に付した。

そこに少女の父親の姿はなかった。
『64』

気づいたときには遅かった。

3階のトイレ前が大騒ぎになっていた。
騒ぎのする方へ向かった俺たちが見たのは、死刑派の連中とそれに取り縋る
黒田の母の姿だった。

「息子を・・・息子を返しておくれ」
「うるせぇ、ババァ!」

すぐにわかった。
連中は黒田を殺すつもりだ。

「ばかな真似はやめろ!」
俺は声をからして叫んだ。

だが、間に合わなかった。
トイレの中から一瞬悲鳴が聞こえ。。。。そして静かになった。

俺が中に入ったときにはトイレに黒田の姿はなかった。

連中は窓から黒田を放り出したのだった。
放り出す前にかなり痛めつけたのだろう、床には血痕と折れた歯が転がっていた。

「息子が・・・アタシの息子がぁ・・・・」
黒田の母が廊下で泣き崩れていた。
「よくも・・・よくも息子を・・・。
 許さない・・・・アタシはお前達を絶対に許さない・・・!」
690あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/16 11:45
駄スレだな。
またこのスレがバカに見つかったよ
692むにむ(626:03/03/16 16:04
>>さいげりあさん
感想どもです〜
短編しか作る能力の無い俺は
ダーク調じゃないとゾンビもの作れません(w
未熟ながら、短編ならではの奥深いSS目指します

さいげりあさんもガムバってください、楽しみにしてます
>>689
ダークで(・∀・)イイ!!
694あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/16 18:26
>>691
駄スレを駄スレと書いて何が悪い?
そんなに、こっそりやりたいのなら、秘匿サイトでやればいいだろう。
駄スレ駄スレと言いつつすでにこのスレに2回も来ている>>694でした。
>>691 >>695
スルーしろ。レス付ければ喜ぶだけだ。
>>695
了解

大人な695さんありがとう
作者様へ。

間もなくスレの限界が近づいてきてるので、新スレ移行も視野に入れて
書かれた方がいいかと思います。
現在466KB。496KBで警告メッセージ出力。512KBでアボーンです。
従って1000取りは出来ません。PART1〜2は全て512KBの制限で
終わってます。
毎回スレを使い切ってから新スレ立てるので、その度に難民が発生しています。
496KBの警告メッセージ出力と同時に新スレ建立がいいかと思い松。
699FD‐R ◆6N371.108E :03/03/16 21:52
そういえばぼくも
前スレで難民になった覚えがあります
ぼくとしては
496KBに達する前
つまり、もう新スレに移行した方が言いと思われます。
なんならぼくがたてますので
みなさんの意見を聴かせてください。
>>699 FD‐R ◆6N371.108E様
新スレ立てお願いいたしまつる。
丁度作者様達も区切りのいい所でしょうから。
当スレは作者様方への感想とか書いて沈めるということではいかがでしょうか。
701FD‐R ◆6N371.108E :03/03/16 22:39
なるほど
しかし
PIPさんをはじめとする他の作者様方にもご意見を伺わなくてはなりませんので
少々お待ちを。
702むにむ:03/03/16 22:44
俺は構いません、むしろやるなら早く…

ってなに新人が偉そうに…(´Д⊂
前スレでは、496KBの前に警告が出ていたが、
それでも誰も新スレ立てずにアボーンしている。
作者の方々も残容量を気にしながら書くのも大変でしょう。
だったら制限の無い新スレに移行した方がいいと思う。
新スレ立てて、本スレからリンク張れば難民は出ないで済むしね。
704PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/17 00:22
実は480K越えた時点で新スレ立てを呼びかけようと思ってました。
FD-Rさん新スレ立てられるのならよろしくお願いします。
新スレへの移行の件 了解です。

 よろしくおながいします。
706巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/17 18:27
木曜日になって目に注射打ったら復帰しますので
誘導ほど宜しゅうお願いします。
707FD‐R ◆6N371.108E :03/03/17 19:01
無念
ぼくのホストではスレが立てれないようです。。。
どなたか下の文章を参考に立ててください。

タイトル:
【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その4
内容:
PART1:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】
http://curry.2ch.net/test/read.cgi/occult/1030468085/
PART2:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その2
http://curry.2ch.net/test/read.cgi/occult/1034309472/
PART3:【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その3
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/occult/1036704369/
 このスレは、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』三部作に
オマージュを捧げる小説スレです。
もしくは、『ゾンビ』好きの人が小説をうpするスレです。

小説のお約束
・基本的にsage進行。
・スレタイに「ホームセンター」と入っているが、とりあえずこだわらない。
 (PART1スレの1氏への感謝と検索し易さを考えてつけました)
・ゾンビの設定は、一応、映画『Dawn Of The Dead:ゾンビ』を使用。
・舞台は日本。できるだけ身近な場所をモチーフにするとよいかと思われます。
・主人公は、できるだけ普通の人にとどめておいたほうが無難の模様です。
その他
・496KBで警告メッセージが出力され。512KBでスレッドが削除されます。
 なので、450KBを過ぎた時点で新スレッドへの移行の話し合いを開始すると良さそうです。
今のところは、こんな感じです。
お気づきの点がございましたら、付け加えのほどをお願いいたします。
名無しでしたが、立ててしまいました。

新スレ
【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その4
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/occult/1047896148/

スレの余りはどう使いましょうか?
709FD‐R ◆6N371.108E :03/03/17 19:22
>>708
ありがとうございます!!
>>708
新スレたてちゃったのね。
出来ればPIP様に立てて欲しかった。
PART1は別として、PART2からは作者さんが立ててたから。
PART2は、マテリアルさん
PART3は、名無し@錆取り中さん

新しいスレは、PART3を維持発展させたPIPさんにこそ1になって
欲しかったです。

ということでPIP様、PART4が終わったらPART5のスレ立て
お願い致しまつる。

PART4
711PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/17 20:17
新スレたちましたね。
思えば長いパート3でした。
後半はさんげりあさんの頑張りで一気に盛り上がったのがとてもいい感じです。
この勢いのまま次も楽しめるといいですね。

さて一体誰が新スレの処女作品カキコをするんでしょうか。

実は昨日から何度もリロードかけてマスタ。
新スレの2に作品を貼って2ゲットなんて考えてたりして。

仕事中なので帰ってから続きを貼ります。
う〜ん、実を言うと今日投下予定の分、既に書き上げているのですが、
できれば新スレの初作品投稿はPIPさんにやっていただきたいところ
です。
PIPさんが今夜投稿されるならなおさら。
て、ことでわらくしは明日の夜くらいに続きを逝きます。

今後、こちらはゾンビ好きの変人・・・もとい、紳士淑女のみなさまの
マタ―リ広場ってことで良かでつか?
713PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/17 23:16
新スレに投下シマスター

改めて>>708さん乙。んでもって今まで読んでくれている皆さんも +激しく+ 乙!
皆が期待してくれたのでここまで書いてこれマスタ。

私は皆さんが言うようにスレの維持には役に立ちましたが、発展の方となると自信がありません。
感想の中に小説のようだとあってとてもうれしかったのですが、逆に言えば掲示板に向いてない書き方でもあります。

さんげりあさんや巡査物語さんやFD-Rさんに>>620さん>>626さんの作品は掲示板にあった書き方で書かれています。
カスケードさんや山好きさん、錆取りさんといった方々も短編の占める割合が多いです。

対して私のは小説を断片化したものです。
新規参入に迷っている方は読んで「難しそう、大変そう」と思われるでしょう。

軽快に読めて、しかもまとまっている。面白いのは言うまでも無い。
さんげりあさん以降一気に新規の作者の方が増えたのは、皆さんがこういった作品を書かれているからだと思ってます。

でもPIPはこのままでいくつもりですけどね。
一人くらいはこういうのがいたほうがいいんじゃないかな勝手に思ってますから。


こういった話しがしやすいのもスレの最後ならではですな。
714620:03/03/17 23:19
>>708
乙カレー

新スレができたので難民にならなくてすみました。

ゾンビスレの益々の発展を期待する二打。
715あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/20 17:17
保守
716PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/20 21:29
ぬー、書き込みがナイのねコッチ。
新スレ立ったんだからこっちは結構好きなことかいていいと思うけど。

「こういう題材で書いて」とか、「こういった展開はどう?」とか。
好きなゾンビ映画の紹介とか見所でもいいと思うし。

ンジャ適当な戯言を。
「好きな人しかか食べないゾンビ」VS「ベジタリアンしか食べないゾンビ」
あなたはどっちを選ぶ?
>>713 PIP ◆dve/1Ebaqs様
お疲れ様でした。時折スレを見てましたが、
PIP様のご健勝と、ゾンビに対する創作意欲満々なのが感じとれました。
これからの益々のご発展をお祈りしています。

スレ立てはしたものの、仕事の方で忙しさが増すにつれ足が遠のきました。
今は、年度末で営業成績の向上目指してふんばってます。新年度はまた書いて
みたいと思ってます。

>カスケードさんや山好きさん、錆取りさんといった方々も短編の占める割合が多いです。
短編が多いというより、短編を中心にしてました。
PART1の頃は、長い作品が多かったです。それでも巡査物語様やサンゲリア様のような
長さではありませんでしたが。私の処女作もPART1当時では長かったほうだと
思います。書いている最中に読者の方から批評をいただいた後に短編中心に切り替えた
次第です。
短編だと、普段のちょっとした生活の中から、この場面をゾンビ化してみたら
どうなるかな?と結構楽しめる物もあります。

無責任な”1”でした。
718むにむ:03/03/21 04:34
今作ってる物語、
ちょとふぁんたじぃ入ってるかもしんないんですけど、
スレ違いですかね?
別に剣と魔法はないですけど(w
719 ◆vD/mVzI6b6 :03/03/21 04:36
う〜ん凄いここまで続いてたんですね
久しぶりに覗いたら色々読めて楽しかったです。
720 ◆vD/mVzI6b6 :03/03/21 04:39
ごめん久しぶりに書き込んだからsage入れるの忘れてた。
721620:03/03/21 12:54
>>むにむ様
>>◆vD/mVzI6b6様
(・∀・)キニシナイ!
722巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/22 20:17
ふぅ 疲れた、久し振りに画面を睨んだら目が痛くなった。

ところでふと思ったのですが、ゾンビって冷たいんですかねぇ
人間の発熱って、筋肉の摩擦熱だってどこぞで聞いたのだか
まぁ 内臓は活動停止している訳ですから、多分平熱では無いでしょうけど・・。

あとゾンビって血の色何色だと思います?
書いた後で気になったのですが、酸素との結合が無いのだから
多分、黒に近い暗褐色だと思うのですが・・・。
どうも真っ赤ではないような気がするんですよねぇ。
723むにむ:03/03/22 22:16
>>体温
そういえば生ものが腐るときはなんか温度が上がるとか聞いたことありマス。
腐敗が進んだゾンビほど体温高くて動きが俊敏?
あ、筋肉腐ってるか…(w

>>血
緑で。

そういえば、ゾンビさんは犬とか動物は噛まないのかな?
724巡査物語(自宅):03/03/22 22:54
あっレスありがとうございます。

私の設定ですと、ゾンビさんは未だ腐っていませんが
筋肉も腐った状態でどうやって動いているんでしょうね
何か想像上の物体でも、説明するのが難しい不思議な物体ですね。

みっミドリっすか?
体中腐り果てて、緑色の液体・・・もう血じゃなですね。
バタリアンゾンビは、動物も襲っていましたね。
ネズミまでゾンビ化したら、マジで収拾付きませんね。
わらくしは茶褐色だと思ってまつ。
ソースみたいな色。
で、どろどろ。
どくどくとは流れない。
うみまじりでくちゃい。

以上。
726PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/25 09:14
スランプで先が書けなくて雑談しか参加できないっす。
拠点の中で何を書くか決まっているのに、日向がなかなか着いてくれない。
こうなったら一気に飛ばして拠点到着直前から書いてしまおうか。


あっしの設定ではゾンビはまだ生きているので、血は赤いし体温もあります。

動物も一部のゾンビは食べるでしょう。
どれだけ脳の情報が保持されてるかで個性が出ると設定してますので。

バタリアンのように脳を食べると痛みが和らぐというのもありますね。
7273-620:03/03/25 13:59
代休あげ
>726
PIPさんは長いから途中を縮めたほうが読みやすいかもね
これでもくらえ!
必殺ゾンビーム!!!!!
必ずヌッコロシタあとでゾンビにするの?
(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク
書いてみたい、でも時間が無い!
7323-620:03/03/28 20:23
>>731
短編でいいから書いてみるニダ。
割り込みでも構わんYO!

漏れのような稚拙な文でもなんとかやっていってるから安心しる。
どうも、始めまして。
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/occult/1029607127/l50
わたしゃ、上記スレでサウンドノベル作成をやっておるんですが、
CD-Rだけで配布というのも味気ないので、一緒に添付する同人誌を
冬頃完成を目指して作ろうと計画しておりまして。
SSや短編の執筆をして下さる方を募集中です。
もし宜しければ、いかがなもんでしょうか?
734PIP ◆dve/1Ebaqs :03/03/31 03:06
ラブクラフトは好きなんですが、あまり知らないんですよねぇ。
ラブクラフティアンの方から見たら笑われるようなものしかかけませんよ。

単にホラーというならまた話は別ですけどね。
735巡査物語 ◆B6gHTT4PmE :03/03/31 10:40
うむ、漏れもラブは無理だな。
昨日の投稿が今、現実の気持ちだから・・・。
まぁ、リアルな訳だよな現実世界を頭に浮かべて
書いているのだから・・・(苦笑
>>734-735
どもレスありがdです。
スレはクトゥルフなんですが、発行計画中の本はノンジャンル何でもアリアリで逝く予定であります。
というわけですので、宜しかったら是非是非ご検討くださいまし。
御礼らしい御礼は出来ないと思いますが、無事に本を発行出来ましたら御送りするです。
737PIP ◆dve/1Ebaqs :03/04/01 00:08
糞のコテハン君 ◆qEHPLs0wOAさん、出来れば一ページの文字数やフォントを指定しておいたほうがよろしいかと。
一行の文字数にあわせて文章を区切らないと見栄えが悪くなりますので。

ノンジャンルとのことですが、ある程度の縛りか方向性が無いと逆に書きにくいですね。
エロやらグロの程度も決まっていたほうが混乱しないで済みそうです。
>>737
早速ありがとです。
ワード文章でのデータ入稿を考えていまして、フォントはMS明朝同等で
ページについては、A5版で縦書き2段組み、文字数は25字×25行を想定してます。
エログロは、あっても良いですが、それが主役とならない程度にといった感じでしょうか。
ジャンルに関しては、ホラーってことでおおまかに括っても良いかな?と思ってますです。
要望さりましたら、極力沿う方向で進めたいっすので、ドシドシよろしこでつ。
739むにむ:03/04/01 12:00
文体ついでに…
俺の作品って、なんか文章微妙な気するんですよね。。

「表現力ねえ!」「感情移入できねえ!」
とかありませんかね?
今後のために意見ほしいです

こういう前スレの使い方も(・∀・)イイ!かな?
age
sage
742PIP ◆dve/1Ebaqs :03/04/03 23:49
>>739
読みやすくていい文章だと思いますけど、私は。
掲示板の文章だとなかなか表現部分に量をまわせないので、何より読みやすさが重要だと思います。
限られた行数の中で重要な部分のみ描写をするというのが、書くほうにとってもやりやすいのではないでしょうか。


ンナ偉そうに言って、自分の文章に萎えとります。
文としてはよくても、音読するとすごく「汚い」んですよね。
おかげで細部まで決まってるシーンがまったく書けません。
明日の昼までには何とか進めてみたいものですが。
誰か漏れの奴も評価プリーズ。かなり煮詰まってます。
743むにむ:03/04/04 02:48
>>PIPさん
どうもですー。
読みやすいですか。良かった〜。
文字制限で、泣く泣く削った部分数知れず(w
キリのいいとこで仕上げたいですし。

PIPさんの文も、読み易い、と俺は感じます。あと主人公の心理も感じれて。
それで独特の悲しい空気が伝わると。
ただ、たまに情景の描写のタイミングが気にかかる時もあるかな?
…俺なんか情景書き切れてませんが(苦笑
744FD‐R ◆6N371.108E :03/04/04 13:46
むにむさんの最新作の『拘束』怖かったです。
ゾンビじゃなくても。人間でも怖いことする人いますからね。

むにむさんの文章はサクッと読めるんで結構好きです。

ぼくのなんて文章と呼べるようなもんじゃ(ry
745むにむ:03/04/04 21:48
>>FDRさん
ありがとうございますー。
拘束はなんというか別視点からのゾンビものを狙ったというかなんつうか。
ただ、最近の悩みとして新しい視点・アイデアを考え過ぎて
あまりにもゾンビから離れている気がして…
ゾンビ小説なのに
ゾンビという設定が脇役みたいな。
なんだかなあ。。
7463-620:03/04/05 00:21
漏れはストーリー以前に誤字脱字が非常に多くて鬱です。

カキコのタイミングを計ろうとすると必ず切断されてしまう・・・。
何かいい方法はなかろうか?
747FD‐R ◆6N371.108E :03/04/05 17:56
ところでみなさん
どのくらいの頃からこのスレに常駐していましたか?
ぼくは2スレの中ごろからです。
あのころはマテリアルさんや錆取りさんが全盛期だったんですよ。。。

それと読者代表とかいう荒らしもいたなぁ。。。
今となっては懐かしいですね。
748むにむ:03/04/05 20:42
俺はひと月…(w

たまぁにスレはみてたんですけどね。
>>747
作者が入れ替わりながらもスレが続く。
これで、いいじゃないですか。
マテリアルさんや錆取りさんも、スレの発展に貢献したようですし。

数学屋さんも出戻って来てますし。

>それと読者代表とかいう荒らしもいたなぁ。。。
そんな奴いましたね。

750FD‐R ◆6N371.108E :03/04/07 22:00
>>749
確かにその通りですね。
これからも発展していけばいいなぁと思いましてね。

読者代表らしき名無しがたまに本スレに降臨しているようなので気をつけましょうね。
その3の後半から来てないようだけど。。。
油 断 大 敵
7513-620:03/04/08 23:12
緊急浮上しる
保守
753 ◆xj1.P3Pk9s :03/04/11 23:54
あげ
754 ◆6N371.108E :03/04/13 22:19
まるでホームセンターに立て篭もっているかのように
抵抗を続けるおれたち。
755PIP ◆dve/1Ebaqs :03/04/15 23:57
一人飛び出して本日のサパーと化す盛れ。

まるかじりはいやー
せめて醤油をつけて〜
保守
757山崎渉:03/04/19 23:32
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
758山崎渉:03/04/20 01:45
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
759PIP ◆dve/1Ebaqs :03/04/20 14:52
ゾンビはいいね
下げ
761PIP ◆dve/1Ebaqs :03/04/22 17:47
埋め立ててさっさと過去ログ化してもらったほうがいいのかな?
そういえば補完というかまとめたページ作るという話もあったよね。
保守
下げ
下げ
765あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/04/25 03:52
( ´_ゝ`)y-~~ ・・・・で?
↑上げるなよ。
767PIP ◆dve/1Ebaqs :03/04/26 12:41
いろいろ書いて推敲中。
尚也がどんどん壊れていく。
人としてダメダメ。
768ネオ:03/04/26 21:37
私は、第三部隊、ネオ隊長である。
今からゾンビを全滅させにいく。
君達も来てくれ。
とりあえず、作ってしまいました。作品集。
間違い等ありましたら、鋭く突いてください。

で、しょっぱななんですが、自分のコテハン間違えてる。

更にUPしてから気づいた事。
 お話が完結してない物は、完結まで待とうと思ってました。
 でも、そうするとサンゲリア様や巡査物語様やPIP様も完結してないので、
 載せられないという事になってしまいます。
 方針転換して、PART3分は完結してなくても含めました。
 そうすると、PART1とPART2で完結してない、お話も載せなければ
 ならない事に気づきました。近日中に載せるよう努力します。
770PIP ◆dve/1Ebaqs :03/04/27 23:17
非常に乙です。
私は適当な区切りごとにアプロダに上げますので、それを使っていただけると助かります。
771 ◆6N371.108E :03/04/28 22:58
乙カレー

で、みなさんスカラー波とゾンビの関係は(以下略
sage
保守
774 ◆6N371.108E :03/05/01 21:56
最近ゾンビ界隈もなかなか大規模なコミュニティーになってきたような気がする今日この頃です。
本スレが存続の危機に立たされてますよ!!
あのあのー、本スレ684と685を書いた者なのですが、
やっぱりああいう感想書き込みも「読者代表派」??とかの荒らしと
見なされてしまうのでしょうか。。。?
だとしたらロムに徹しますが、もし気に障った作者さんがいらしたら
お許し下さいでした。。。。
777444 ◆444eggQ6So :03/05/04 18:04
777(σ゚д゚)σゲッツ!
778776:03/05/04 18:08
あ、444さん、777ゲットおめでとう(w

それとですね、向こうの697さん(多分銃について発言した方と同じ?)
の発言は、お気になさらないほうがいいと思います。
物語の中では様々な「制約」があって、作品の雰囲気を壊さずにどこまで
的確に状況を描写できるかは難しい問題ですが、パソコンの取説じゃ
ないんだし、ただ
「状況がわかり易く説明できていて、論理的整合性があればいい」
ってものではありません。

文章やその構成、各キャラクターの個性、状況描写、(うう、うまくかけない)
どれを取っても、それぞれの作者さん独自の表現が追求されていて、
とてもよいと思いますし、そもそも小説を読むということは、
(あえて効果を狙って、もしくは作風にそぐわないために省略された、
あるいはミステリーの手法で謎解きの面白さを残すため徐々に解明
されていく、などの諸事情から)
文中で「説明されていない部分」を、読者側が脳内保管する形で「共同で
完成してゆく」行為ではないか、と私は思っています。。。

とはいっても、
読者がどの辺まで「それ」を読み取る努力をしてくれるかは、相手任せ。
やみくもに批判された作者さんたちは、歯噛みする想いでいらっしゃるでしょうが、
でもでも、
「注文の多い料理店」じゃないですが、ああいう相手はいかにも自分も創作に
関わっているようにみせて、実は最初から料理を出す(作者として作品を提供
する)気はなく、皆様が持参したお弁当を横取りして汚く食べ散らかそうという
狙いでしていること。

名コックの皆様がたは、そんな食い逃げ野郎のことなどお気になさらず、
おいしいお料理作りの研究に励んで下さいませ。

お邪魔しました。。。
779FD/R ◆6N371.108E :03/05/04 21:55
どうもこんにちは
『読者代表派』というのはぼくの造語でして。。。
えーと詳しく説明すると『読者代表』というのは、長く続くこのスレのパート2のあたりに(あの頃ぼくは名無しでした)
変な煽りでスレを荒らしまくった奇妙なコテハンさんのことです。
彼はジサクジエンと煽りを駆使してスレを荒らしまわった後。ある日突然に姿を消しました。
その人物が名無しとしてまだこのスレに潜伏しているおそれがある(たまに彼の文体によく似た煽りが入る)ので
まとめてそう呼んでいます(ぼくだけ)

変な造語で不安を煽ってすいませんでした。
>>779 FD/Rさん、詳しいご説明いただきありがとうございます。
   謝っていただくようなことは何もありませんです。
   皆様がお作りになられたこのスレのすてきな雰囲気を壊さぬよう、
   私も十分注意して楽しませていただこうと思いますです。
781PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/05 15:30
ここも使い切って過去ログ化してもらわないトナー。

PART4の勢いはすごかったね。
一時はもうだめかと思っていたスレがここまでになるとは。
希望を言えば、もう少し感想が増えてくれるといいかな。
結構ROMの人が多いのは一連の流れで分かったし。
782FD/R ◆6N371.108E :03/05/05 18:27
>>780
あっ、どういたしまして。

とは行っても基本的にはマターリなスレなので気楽に行きましょうw
783あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/06 11:03
>>779
当時は名無しの嵐だった訳ね。
784PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/06 16:52
皆さんいろいろ設定考えてらっしゃいますなぁ。
漏れは矛盾を少なくするためになるべく設定は表に出さんようにしております。

あとひょっこりひょうたん島が面白いです。
ついついひょうたん島ゾンビ編なんぞ考えてニヤニヤしたりしてます。


ぶふぶはー、みなさーんおとなしく私に噛まれてぇですな、なかよく、ゾンビになろうじゃあーりませんか。
>>776殿
ちょっとレスが遅いので読まれてないかもしれませんが。。。
もしや荒らしと思われる?とのことですが、
そんなことはないので心配ご無用ですよ〜。
間違っても荒らし扱いなどはないですから、ご安心を。
>>784 PIP殿
漏れは設定考えすぎてて他の皆さんの作品と互換性がないでつよ。。。
せっかく普通ならはずかしいけれど殿とストーリー絡めれるところだったのですがね。。。
787FD/R ◆6N371.108E :03/05/06 21:31
>>789
うん。で、今は名有りのry
788FD/R ◆6N371.108E :03/05/06 21:42
ごめんなさいageてますた。。。
789PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/06 22:03
設定をしっかりすると書きやすくはなるんですけど、ただ途中での路線変更がしにくいのですよね。

ひょうたん島のように孤島のゾンビはめちゃ怖いですね。
今ゆっくりとゾンビもののサウンドノベル用シナリオ作ってます。
いつになったらできあがるのやら。
790PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/07 19:41
移転がありましたね。
一瞬落ちたのかと思いマスタ。
保守
維持
【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その5
http://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/occult/1052060297/

落ちてます、誰か新スレを立てねば
>>793
落ちてませんよ、鯖が移転したのです。
【ゾンビ】ホームセンター攻防扁【ゾンビ】 その5
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/occult/1052060297/
795c?A?L:03/05/09 23:03
カオ
796PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/13 11:24
民間伝承の屍鬼の地域ごと違いをネタにして短編を書いてみたいなー。
797PIP ◆dve/1Ebaqs :03/05/15 00:30
ローカルルール案
1.sage進行
2.他者を不快にさせる言葉遣いを慎みましょう
3.AAは控えめに
4.批評と批判と非難は違うものです。
5.作品は全てフィクションです
6.マターリやっていきましょう
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