【懐かしい】昔話はオカルト満載・第2話【語れ】

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952猫いらず:03/02/26 23:30
思いがけない出来事に張賛は仰天した。
翌日、張賛は李客にこのことを話した。
すると、李客は、
「それはきっと鼠じゃなかったんでしょう。でたらめを言いなさんな」
と取り合わなかった。

張賛がさらに猫いらずを買い求めようとすると、
「もう品切れでしてな」
と言って、店じまいをしてしまった。

張賛が仕方なく父に鼠の残した猫いらずを服用させてみたところ、手足がしゃんとした。
今まで寝たきりだった父は履(くつ)をつっかけて元通り歩けるようになったのである。

その後、李客の姿を見かけた者はいないという。
953あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/27 00:01
954トンガの昔話:03/02/27 00:27
955あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/01 01:44
次スレは?
956好爺:03/03/01 02:15
『座頭、変化の物と頭はり合うの事』―曾呂利物語より―

奥州の戸地の里に高隆寺と云う山寺があった。この寺へ座頭が常に出入していたが、いつの事から
行方知れずになるようになった。その後、二、三人の座頭が立ち寄ったが同じ様になってしまった。
四、五日ほど経って行方知れずになることから、その後は座頭がくる事はなくなった。
ある日、“りうばい”と云う座頭がこの事を聞きつけ、近くの人に逢って、
「私をその寺に案内してください」と言った。
「いやいや、この寺にはしかじかの事があってからは、座頭が行かない所なのでやめなさい」と言ったが
さらに頼んできたので、彼の思うようにしてあげた、
このりうばい云う人は背丈が高く、筋肉が太く、力は四、五人分はあった。兜の形をした石の鉢を持ち、
大斧を柄を短くして、琵琶箱に入れて、件の人に案内してもらって、高隆寺へ行って、住職にその話を
云うと、住職はたいそう喜んで、すぐに対面して
「この寺は昔からいかなるいわれか知らないが、座頭が来ては帰ることは無いと言い伝えられている。
それは、昔の事で、今はそのような事はありません。りうばい殿は安心していてください。
愚僧がいるからには何の問題もないであろう。久しく平家物語を聞いていない。一句お願いします」
と言った。「心得ました」といって平家を三句ほど唄うと、夜も更けて、案内してくれた人は帰っていった。
957好爺:03/03/01 02:16
…続き
りうばいは「話でも致しましょう」と言って、夜になっても物語などをしながら、寝はじめた。
住職は、あたりを囲ってしまって、「今夜は一緒に過ごすことになって、なにかして楽しみましょう。
お互いに頭を叩き合って遊びませんか」と言った。
「それは、面白そうですね。ではどちらから叩きますか」と暫く思案したが、住職は
「まず、愚僧を殴りなさい」と言った。「いや、それは恐れ多いので私から殴ってください」
すると「では、私から」と住職が拳を握っている間に彼は、石の鉢を兜のように持った。
「えいや」と言って殴ったが、兜越しではあったが、地に打ち倒されてしまった。
暫くは、目が定まらなかったが、ようやく気を取り直して
「されは、物凄い拳ですな。恐れながらも私も一度当ててみましょう」と言った。
「ならば、起きて待っていましょう」と言って起きてまっていた。座頭はつくづくと思った。
いやいや、この者はどう考ええも人間ではないであろう」たとえ何者であっても
このような化け物を生かしておいたらよくは無い。と思って、彼の大斧をそろりと持ち出し
「えいや」と叫んで、力いっぱい打ち据えて、ただ打ちに打って打ち殺した。
さて、夜が明けるまで待ち明かして、内より戸を叩いてみんなを呼べば、この寺の沙弥達が出てきて
これを見ると、小牛ほどの大きさの大猫であった。口は大きく裂けて、尾は数多く分かれて
恐るべき姿であった。以前の坊主をも食べて、猫が住職に化けていたのに違いなかった。
958銅鑼衛門:03/03/01 02:23
959ラッキーアイテム:03/03/01 17:18
960好爺:03/03/01 17:48
『見越し入道を見る事』―宿直草より―

これは、ある侍の語った話である。
私の若い頃、犬をつれて狩りに出たが、その夜は獲物に出遭う事がなかった。
一里ほど道を越えているのでもう帰ろうかと思って、山の頂に休んでいると、吹く風も乱れが
激しく、天の川も横たわって、昴星をかすく露もなかった。落ち葉にて道はふさがれ、蜘蛛も
その糸を乱していた。この山、西から東に峰が続いていたが、北に向って立つと前の渓谷よりも
なんと大きな物が立ち上がっていた。その形はぼんやりとして見分けがつかなかったが、
立ち上がってしまうとそれが、化け物である事が分かった。しばらくして身構えて座っていると
向うの山の頂よりもその背は高かった。星の光に透かして見ると大きな坊主であった。
さては、古狸などが化けた、見越し入道という者であろうと思った。
961好爺:03/03/01 17:48
…続き
はばかりながら、射止めてみようと、弓を取り直して素引きして、猪の目を透かし彫りを
施した雁股のの矢を取って、彼の坊主の面を目も離さずに睨んでいると、ひたすらに高くなり
後には見上げるようになって、結った髪の襟に着くまでになった。
もはや、充分だと思って弓を引き絞って狙ってみたが、あまりに大きくて矢の狙いを定める事が
出来ずに、思案している間に、ふっと消えて、その形はなくなった。この時に今まで見えていた
星の影も無くなり、俄かに真っ暗くなり、前後も分からなくなった。何の害もなかったが、
まるっきり道も見えず、目指すものも何も無かった。行くべき方法がわからずに、悔しく思ったが
どうしようもなかった。連れていた犬を呼ぶと、犬の首に鉢巻を結わえ、自分の帯の端に
これをつけて、行っているのか、帰っているのかその方向もわからなかったが、犬にまかせて帰ると
ひとつの家が見えた。その時、安心したら暗さも止んでもとの星月夜となった。
見つけた家は自分の家であった。その後は友と一緒出て行くことにして一人ではでなくなった。
962閲微草堂筆記:03/03/01 19:43
胡宮山という年老いた医者がいた。
いかなる人物なのか、その経歴は詳らかではなかった。
一説によると本姓は金といい、呉三桂配下の間諜であったが、三桂が敗れた後に名を
変えて市井に隠れた者だとも言われていた。

しかし、真相は誰も知らなかった。
963閲微草堂筆記:03/03/01 19:45
胡宮山はすでに八十歳余りになっていたが、その身ごなしは猿のように敏捷で、武術の腕前は絶妙であった。
その技量を証明するような事件があった。

胡宮山の乗った舟が夜、盗賊の襲撃を受けた。
この時、胡宮山は完全に丸腰で手許には煙管が一本あるだけであった。

彼は慌てず、驚かず、煙管を風のような素早さで振るった。
煙管は七、八人もいた賊の鼻の穴を直撃し、またたく間になぎ倒した。
964閲微草堂筆記:03/03/01 19:46
胡宮山はこれほどの強者でありながら、幽鬼を異常なほど恐がった。
その恐がりようは、夜、一人で眠ることができないほどであった。
965閲微草堂筆記:03/03/01 19:47
本人の言によると、少年の頃、夜道で僵尸(キョンシー)と出くわした。
渾身の力をこめて僵尸を殴りつけたのだが、まるで木石を殴るようでびくともしない。
そうこうする内に僵尸に捕まえられそうになったが、幸い、相手の隙をついて樹上に逃げることができた。
胡宮山をとり逃がした僵尸は悔しがって、歯がみしながら樹の周りをグルグル回っていた。
やがて夜が明け、僵尸は樹にしがみついたまま動かなくなった。
966閲微草堂筆記:03/03/01 19:47
人が行き交い始めてから、樹からようやく降りることができた。
僵尸は全身白い毛に覆われ、目は赤く爛々と光っていた。
何より恐ろしいのは鉤(かぎ)のように曲がった指と、唇の間からは刀のように伸びた鋭い牙であった。
豪胆な胡宮山でさえも恐ろしさのあまり卒倒しそうになったそうである。
967閲微草堂筆記:03/03/01 19:48
またある時、山間の旅籠に泊まった。
真夜中、布団の中でモゾモゾと何か動く気配がする。
鼠か蛇でも入り込んだのかもしれないと思っていると、突然その動きが波打つように大きくなり、枕元に何かが飛び出してきた。

それは素っ裸の女であった。
968閲微草堂筆記:03/03/01 19:49
女は両手で胡宮山の体をきつく抱きしめた。
その力強いことまるで縄で締め上げられるようである。
女は締め付けるだけでなく、こちらの唇に己が唇を押し付けて息を吹き込んできた。
生臭さが鼻をつき、胡宮山は気が遠くなった。
969閲微草堂筆記:03/03/01 19:49
翌朝、胡宮山は意識を失った状態で発見された。
手当てのおかげで息を吹き返すことができた。

このようなことがあって以来、胡宮山はすっかり肝がつぶれてしまい、日没後は風の音や月の影にも脅えるようになった。
970あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/02 01:37
あげ
971
972好爺:03/03/03 20:18
『丹波の国さいき村に、生きながら鬼になりし人の事』―諸国百物語より―

丹波の国さいき村という所に貧しい者がいた。親孝行で、ある時に薪を取りに山に行った。
その時に喉をが乾いて、谷に下りて水を飲もうと、水中を見ると、大きな牛の横たわったような
物があった。不思議に思って、よくよく見ると、年々、山から流れ落ちて固まった漆であった。
これは、ひとえに天の与えたものだと思って、この漆を取りに通って、すぐに京へ持っていき
売り出した。暫くすると、大金持ちになった。
この隣に大悪性な男がいて、この話を伝え聞いて、どうしても彼の者がこの場所に来なくなり
自分一人で取ってしまおうとくわだてて、大きな馬面(竜に似た仮面)をかぶり、しやぐま
(赤く染めた熊の毛で武士の兜の装備)を着て、鬼の姿となって、水の底に入って、彼の者を
待っていた。いつものように、彼の者が漆を取りに来て見ると、水の底に鬼がいた。
恐ろしくなって逃げてしまった。この悪性者は「やりおおせたぞ」と喜んで、水の中から
出ようとしたが、動く事が出来なくなってしまった。そのなりのまま死んでしまったという。
973あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/03 23:18
>972
このパターンって、結構おおいですよね。
絵とか語りによって、かなり怖かったりするんだけど、
マンガ日本昔話で見てみたい。
974あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/03 23:56
とゆうかこれはマンガ日本昔話でありますた。
975あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/03 23:59
やっぱり
976あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/04 00:05
ロング ロング アゴウ

アント二オ猪木がいました。
977あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/04 00:06
たしか記憶では鬼のところが龍だったような・・・
それにつけても全話収録のDVDがほすぃー(泣
978あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/04 00:33
確かに欲しい。
キッズチャンネルでやってくれないものか
979好爺:03/03/04 08:08
『ばけ物に骨を抜かれし人の事』―諸国百物語より―

京都の七条河原の墓所に化け物がでるとの言伝えを聞いた若者達が賭けをして、その中の一人が
その墓所に夜半時分に出かけ、杭を打って、そこに紙を貼って来る事になった。
そこに出向くと、年の頃は八十歳ばかりの老人が、その男目がけて追いかけてくる。
その姿は、白髪だらけの髪をして、その背丈は、八尺(2.4m)ではあるが、
顔は夕顔のように白くやつれ、手のひらに眼があって、前歯が二つ牙のように剥き出していた。
男は肝を冷やし、この辺りの近くの寺に逃げ込むと、御僧に助けてくだされと頼むと
僧は、長持を開け、ここに隠しておいた。すると、その化け物が追いかけてきて、あたりを見渡すと
帰ろうとしたが、その長持のそばに行くと、犬の骨をかじり食べる物音がし、呻き声も聞こえた。
僧もあまりの恐ろしさに、しゃがんで怯えていたが、やがて化け物は帰っていった。
ならばと、長持から出してやろうと蓋を開けて見ると、先ほどの男は骨を抜かれ、皮だけになっていた。
980あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/04 23:01
>977
全話収録のDVDってないんだっけ?
981あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/04 23:33
とりあえず前スレだけでも読みたいな
982好爺:03/03/05 10:43
『水の精が人の顔をなでる話』―今昔物語より―

冷泉院のお住まいにになったところは、二条からは北、西の洞院からは西、大炊の御門からは南
油の小路からは二町ほど東に当たっていた。院がお亡くなりになった後には、その冷泉院の小路
は一般に開放されたので、北の町は人家に鳴り、南の町には池などが少しばかり残っていて、
池のほとりにも人が住んでいた。
夏のある日のこと、そこに住む人が涼しい西側の縁側出寝ていた。すると、背の高さ三尺ほどの
小さな老人がどこからともなく現われ、寝ている人の顔を撫でた。ぎょっとなったけれども、
恐ろしいので知らぬ顔で寝たふりをしていると、老人はそろそろとその場から遠ざかった。
星明りに後姿を見ていると、池のほとりまで行ってかき消すように消え失せた。
その池は、池さらいもをしたこともないので、浮草や菖蒲などがびっしりと繁り、見るからに
気味が悪い。そこでこれはてっきり池に住む魔物でもあろうかと、恐ろしく思った。
その後も毎晩のように現われては、顔を撫でるので、聞いた人は誰しも顫えあがった。
そこに腕自慢の男がいて
「人の顔を撫でるその怪しい奴は、俺がきっと捕まえてやる」と広言してただ一人、縄を持って
その縁側に、縄を持ってその縁側に横になった。
983好爺:03/03/05 10:43
…続き
宵のうちはいっこうに現われないので、夜中過ぎてから出るのだろう、と思ううち、待ち
くたびれて少しうとうとした。と不意に何やら冷たいものが顔に触った。たと眠っていても
心に覚悟を決めて待っていたゆえ、びっくりするのと同時に跳ね起きて掴まえた。
縄でぐるぐる巻きににすると、欄干にくくりつけた。
そこで人を呼んだから、物見高いのが大勢集まって灯を点してみると、背の高さ三尺ばかりの
小さな老人が、浅葱の上下を着て、死んだようになって縛られている。目ばかりしょぼしょぼ
させている。人が何を聞いても返事をしない、しばらくしてから気がついたように少し笑い
左右をみまわし、わびしげな細い声で、
「盥に水を入れてくれませんか」と言った。
そこで、大きな盥に水を入れ、その前に置いてやると、老人は頸を延ばして、盥に写った影を見ながら
「自分は水の精である」と言うや、ざんぶりと水の音がした。と思う間に、その姿が見えなくなった。
盥の水が増えて、縁からこぼれた。縛った縄は結び目があるままでその水の上に浮いている。
老人は水になって溶けてしまったのである。見ている人は皆びっくり、その盥の水をこぼさないように
担いで行って、池の中に流した。そののちは老人が現われて人の顔を撫でることもなくなった。
これは確かに、水の精が人に化けたものだと人々が噂し合った、という話である。
984好爺:03/03/05 10:51
まんが日本昔話の全資料集は↓にあります。全放送作品が載ってます。
http://home.catv.ne.jp/dd/miyoshi/mks-4.html
985あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/05 23:31
>>984
thxです。
アイヌの話です。

パナンペがいた。ペナンペもいた。
ある日、海辺に出たパナンペは皮袋をみつけた。
「こりゃいい。」さっそくとろうとすると手にくっついてしまう。もう一方の手で
とろうとするとその手にもくっつく。右足でとろうとすれば右足に、
左足で取ろうとすれば左足にくっついてどうしようもない。
パナンペがもがいていると、鬼が現れた。
「ほう、こんなりっぱな人間がとれたぞ。」鬼はパナンペを袋からはずし、縛り上げて
鬼の家に運び込んだ。
「晩には汁にして食うからな。よっく見張っているんだぞ。」
鬼は子供たちにそういうとまた食い物探しに山へ駆けて行ってしまった。

いろりの上につるされたパナンペは鬼の子たちに話し掛ける。
「おまえたち、弓矢が欲しいだろう。縄をほどいてくれたら作ってやれるんだがなあ。
それを聞いた鬼の子たちは喜んでパナンペの縄を解いた。
「弓矢を作る前に、親父の宝物を見せてくれ。」
鬼の子たちは鬼の宝物、皮の船、刀、黒と白の糸玉をもってきた。
「よし、背にあった弓矢を作ってやる。みんなならべ。」
一列に並んだ鬼の子たち。パナンペは宝の刀でさあっとなで斬りにした。
鬼の子たちの首が転がった。
パナンペは鬼の子を切り刻んで鍋一杯に汁を作り、自分はいろりのおき火に化けて
様子をうかがっていた。やがて鬼が帰ってきた。
「やあ、腹がへったわい。」見ると鍋に汁がある。これはいいと食うわ食うわ、
とうとう鍋を空にして底までなめた。
ところがそのひとなめでみるみる険しい顔になり、
「や、俺の味がする、俺の味がする。どういうこった。」
みると子供は1人もおらず、宝物も空っぽだ。
「うーむ、パナンペめ、やりおったな。」鬼はそういうとおき火の数をかぞえだした。
見つかる!もうすぐかぞえ終わるというところでパナンぺは灰に化けた。
ところが鬼は灰の数をかぞえだした。パナンペはあわてて壁の茅の1本に化けた。
こんどは鬼は壁の茅をかぞえだしたからパナンペは正体をあらわして大川まで逃げだした。
宝の皮の船で逃げるパナンペを鬼は泳いで追っかけてくる。パナンペは宝の糸玉を取り出して
黒いのを鬼のほうへ、白いのを前のほうへ投げた。
すると、鬼の目の前には真っ黒な雲がもくもくと湧いてきたではないか。
一方、パナンペの目の前はひろびろと明るかったので船はパナンペの家にすぐに着いた。
鬼は真っ暗な中を西も東もわからず、泳ぎつづけてくたばってしまった。

さて、パナンペは宝の船で漁に出て宝の刀で魚や鯨をしとめ、毎日たらふく食っていた。
その様子を見てうらやましくなった隣のペナンペはわけを聞きに来た。
パナンペが詳しく教えてやると、
ペナンペは「そんなことなら教えてもらわなくともできるやあい。」と
悪態をついて家の入り口をうんことしっこで汚して逃げていった。

ペナンペは海辺へ行くと皮袋を見つけた。手をとられ、足を取られてもがいていると
鬼がやってきてペナンペを連れて行った。
パナンペの言ったとおり、やったとおり。おき火に化け、灰に化け、茅に化けて
逃げ出した。皮の船に乗ったが、黒の糸玉を前に、白の糸玉を後ろに投げてしまったので
ペナンペは真っ暗で何も見えず、鬼は明るくてよく見えたからあっというまにペナンペは
食われてしまったとさ。
世界中のペナンペたちよ、パナンペにはさからうな。ペナンペはそういったとさ。

990ペナンペ:03/03/06 01:24
書いてみましたが、ちょっと場違い?な雰囲気みたいですね。
まあ、スレ埋めということでご容赦ください。
991好爺:03/03/06 02:50
『狐をおどしてやがて仇をなす事』―曾呂利物語より―

ある山伏が大峰より駆け出て、ある野を通り抜ける時に、狐が昼寝をしているのを見つけた。
そこで、そばに立ち寄って耳のそばで法螺貝をしたたかに吹いた。狐は肝を潰して、行方が
分からないかのように逃げ去った。
その後山伏は、なおも道を急いだが、まだ羊の刻(午後2時頃)ばかりだと思っていたのに
空はかき曇り、日が暮れてしまた。不思議に思って道を急いだが、野原の真ん中で泊まるべき
宿もなかった。ある墓地についたので火葬場の天井に上がって眠った。
その時に何処ともなくかすかに光が見えた。次第に近づいてきて、よく見るとその墓地への
葬式の行列だった。おおよそ、二三百人も有るかと思うほどの行列で、その様は美しく、
引導などが過ぎてやがて死骸に火をかけ、各々帰っていった。
992好爺:03/03/06 02:50
…続き
山伏は、折りしもこのような時に来た者だと思っている頃に漸く焼けてきた時に
死人が火の中から身震いして飛び出してきて、あたりを見わたすと山伏を見つけて
「誰か分かりませんがそこにいらっしゃる方。死後の道を一人で行くのはおぼつかない
ので私と一緒に行きましょう」と山伏に飛びかかった。山伏はそのまま気を失った。
やや、暫くして漸く気を取り直すとまだ昼の七ツ時分(午後4時頃)にて、しかも
墓地すらなかった。さては、法螺貝に驚いた狐の仕返しと思った。
993好爺:03/03/06 10:53
『万吉太夫、化け物の師匠になる事』―諸国百物語より―

京上立売に万吉太夫と云う申楽がいたが、能が下手であったため、身代は衰えて、大阪に下った。
枚方の出茶屋で茶をのんで休んでいるうちに日もそろそろ暮れてきたので、
「此処に一晩泊めては下さいませんか」というと、茶屋が言うには
「別に構いませんが、此処には夜な夜な化け物が来て、人を取ってしまうというので私たちも
此処には泊まりません」と語った。
万吉はそれを聞いて「それでも、構いませんよ」と言って、その夜はそこに泊まった。
案の定、夜半頃、川向いより人の渡ってくる音がした。見れば、背丈が七尺ゆたかな坊主であった。
994好爺:03/03/06 10:54
…続き
万吉はこれを見てやがて声をかけ
「いやいや、お前の化け方は良くはないな。まだ未熟者だな」というと、坊主は聞いてきて
「その方はいかなる方なれば、左様に云われるか」と言った。
万吉はそれを聞いて「私は京の化け物であるが、此処に化け物が住んでいると聞いて、逢って見て
上手か下手か試してみて、上手であったら師匠になってもらおう。下手ならば弟子にしてしまおう
と思って此処に泊まっていた」と言った。坊主は
「さらば、その方の化け方の手際を見せてくれ」と言った。万吉は
「心得た」と言って、つづらより能の装束を取り出して、鬼になって見せれば、坊主は驚いて
「さてさて上手だな。女に化けられよ」と望んだ。
「心得た」といって、又、女になった。坊主が云うには
「驚くほど上手かな。今から後は、師匠と頼み申す。我は川向いの榎の木の下に住むきのこです。
数年この所に住んで人を悩ませていました」と語った。
995好爺:03/03/06 10:55
…続き
万吉はそれを聞いて「その方は何が禁物だ」といった。
「私は三年物の味噌の煎じ汁が禁物です」といった。
「あなたの方は」と聞いてきたので、万吉は
「私は大きな鯛の浜焼きが禁物で、これを食べるとそのまま命が終ってしまう」とお互いに語って
いるうちに、夜はほのぼのと明けてきた。坊主も暇乞いして帰った。
万吉太夫は枚方、高槻あたりの人に語り聞かせると、みんな申し合わせて、太夫の言うように
三年者の糠味噌を煎じて、彼のきのこにかけると、たちまちじみじみとなって、消えていった。
その後は化け物は出て来なくなったという。
996好爺:03/03/06 11:18
『京東洞院、かたわ車の事』

京東洞院通りに、むかし方輪車という化け物があった。夜な夜な下より上へ(南から北へ)
のぼると言われた。日暮れになるとみな人は恐れて往来する事はなかった。
ある人の女房はこれを見たいと思って、ある夜格子の内より伺っていると、
案のごとく、夜半過ぎのころ、下より方輪車の音がしたのを見ると、牛もなく人もいないのに
車の輪ひとつが回ってくるのを見ると、人の股の引き裂かれた物を提げていた。
彼の女房、驚いて恐れおののけば、彼の車、人のように物を云った。
「いかにそこにいる女房よ。我を見るよりは、内に入ってお前の子供を見よ」と言った。
女房は恐ろしく思って、内にかけ入れば、三つになる子供が型から股まで引き裂かれて
片股は、何処へ行ったものか見えなくなっていた。
女房は嘆き悲しんだがもとにはもどらなかった。
彼の車にかかっていた股は、その子の物であったという。
女の身にてあまりに物を見ようとした為のことであった。
997好爺:03/03/06 11:52
『熊野にて百姓、我が女房を変化にとられし事』―諸国百物語より―

熊野の片隅に住む百姓、年貢を払うことが出来ずに、妻子を引き連れて行き先も決めずに
土地を捨てて逃げ出した。暫くして道に行き暮れ、とある堂の中に一夜を明かしていると
何処からともなく女が一人きた。
「あなた方は、この所に何処からこられましたか」と言った。
百姓も道連れが出来たと思い、嬉しく感じて
「私はこのあたりの者ですが、このような様子にて立ち退く事にしました」というと、
かの女
「しからば此処に住んで、木の葉などを木の葉などを拾って焚き火などしてもらえますか」
と言うと、百姓は嬉しくなって木の葉を拾いに入った。その後に百姓の女房をかの女が
引きさらっていった。百姓が立ち返ってみると、女房は見えなかった。
998好爺:03/03/06 11:54
…続き
山の上に女房の泣き叫ぶ声が聞こえたので、さては、変化の物がさっきの女に化けて
我が女房を掴んで行ったと思って、声をたよりにかなたこなたと尋ねたが、山深くて
尋ねあてることができなかった。とかくする間に、その夜もほのぼのと明けてきた。
いよいよ、ここかと尋ねてみると、二丈ばかりの高い杉の木の枝に女房を二つに
引き裂いてかけ置いていた。百姓はこれをみて嘆き悲しんだ。そこへ男が一人来た。
「その方は何を嘆いているのだ」と問いかけたため、くだんの様子を物語ると
「さては、不憫な事であるな。そのほうが差している大小を、我にくれれば、死骸を
木から下ろしてやろう」と言った。
999好爺:03/03/06 11:55
…続き
百章は喜んで刀ばかりをわたして
「脇差はわたせません」と言った。
「さらば、下ろしてはやれぬ」といって、木の上へつるつると登り、百姓の女房を引き裂き
食らいつつ、からからと打ち笑い
「脇差をくれたならば、ここまではしなかったものを」と言って虚空に消えて見えなくなった。
百章はあまりの不思議さに、あたりの人に尋ねると
「この堂は女人結界のてらであるので、このような事もなるのだろう」と言った。
百姓が差していた脇差は、三条小鍛治が打った銘の入った名刀であったという。
1000あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/06 11:55
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