>>768つづき
判示したとおりであるから,放送をスクランブル化するという方法が検討に値
するものであるとしても,現在の制度が著しく不合理であることが明白である
ということにはならない。したがって,原告の主張は採用できない。
4 以上によれば,衛星放送をカラー受信することのできる受信設備を設置した
者に対し,衛星放送を視聴する意思の有無にかかわらず,カラー契約から衛星
カラー契約への契約変更を義務づけることは,契約自由の原則の例外として許
容されるというべきであり,また,信義誠実の原則に反して消費者の利益を一
方的に害するもの(消費者契約法10条)ではないというべきである。よって,
かかる義務を規定した放送法32条及びこれに基づく放送受信規約は有効であ
るから,原告は,被告との間で衛星カラー契約を締結する義務(カラー契約か
ら衛星カラー契約へ契約変更する義務)を負う。
5 以上の次第で,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文
のとおり判決する。
大阪地方裁判所堺支部第1民事部
裁判長裁判官 谷 口 幸 博
裁判官 徳 田 祐 介
裁判官 国 分 貴 之