日常生活の中には多くの統計学や確率論が転がっている。子供のころに遊んだゲームや大人になって
ハマるギャンブル。もしかしたら男女の恋愛だって統計学に当てはめてみれば、変わった見方ができる
かもしれない。『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社刊)の著者で、いま最も注目を浴びる
統計学者の西内啓氏が、その魅力とカラクリについて語る。
* * *
――西内さんが統計学から見出したゲームの法則などありますか?
西内:子供のときに、じゃんけんをして勝って人が階段を進むことができる「グリコ遊び」をしたことが
ある人は多いと思います。あれにも負けない法則はあります。普通に考えれば、グーなら勝っても3歩しか
進めず、負ければ相手が6歩進むから少し損な気がします。チョキだと勝って6歩、負けても相手は3歩しか
進めないから有利。パーは勝っても負けてもプラスマイナス6歩なので中立。
こう見ていくとチョキで勝つのがいちばんいいと思いますが、実は最適解はチョキをたくさん出すこと
ではありません。これは単純な確率計算ですが、理論上負けない手は「グー:チョキ:パー=2:2:1」で
出し続けること。これに気付いたのは高校生のときです。
――確率論に強い西内さんだけに、パチンコに行けば勝率も高いのでは?
西内:パチンコは過去に1回だけやりましたが、そのときに勝って以降、二度と行っていません。やはり、
平均的には店が儲かるようになっていますし、行けば行くほど成績は平均値に近づきます。おそらく2度3度
と行けば1回目ほどの成功を収め続けることは難しくなるでしょう。
>>2以降に続く
ソース NEWSポストセブン 2013年5月3日
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0502_3945.html