【文化】「すごっ」「寒っ」…関西の”形容詞”言葉が全国的に広まる 会話に角立たず [12/07]

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1きのこ記者φ ★
「お笑い」から広まる言葉が増えている。
文化庁の調査で全国的な浸透が浮きぼりになった「すごっ」などの言い回しも一例と見られ、
ギャグに通じる短くインパクトのある表現が目立つ。背景を探った。

今年実施した「国語に関する世論調査」で初めて対象となった「形容詞の語幹を使った言い方」。
日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」では、10年以上前から同種の言い方が登場している。
「守衛のおっさんぐらい」の大きさのゴリラを預かった、とトボけ続ける松本人志に浜田雅功が大声を上げる。 「でかっ」

お笑い芸人のトークで、「高っ」「早っ」「長っ」「短っ」「気持ち悪っ」なども驚きを伴って、よく使われてきた。
尾上圭介東京大大学院教授(日本語文法論)は漫才のボケとツッコミの関係で解説する。
「『でか過ぎるやないか』とツッコむと、ボケる側は何らかの対応が必要。『でかっ』は目をむくようなもので
 無視しても話を進められる。展開の自由度が高く、会話を勢いづける便利なツッコミ語なんです」

■関西で古くから
歴史もある。江戸と上方の文化の違いに触れた19世紀初期の滑稽本「浮世風呂」に「さむ」、
大坂の言葉を記した「浪花聞書」には「さぶ」「ねぶた」の記述が残る。
方言が東京言葉に与えてきた影響に詳しい井上史雄明海大教授(社会言語学)は
「驚きを示すなら『あっ』でもいいが、関西では現象まできちんと単語で表す慣習があり、古くから『熱っ』のように言っていた。
 主に関西で発達した表現法がお笑い芸人を通じ、現代の東京に入ってきたのでしょう」と話す。

文化庁の調査でも、最も使うのは近畿の人との結果が出ている。
「関西流の会話の本質が潜んでいます。標準語でこれこれの理由だからあなたは軽い人間です、
 と言うとトゲがある。でも『軽っ』なら『半分本気で半分冗談』。言いたいことを口にしつつも、
 面白みを醸して角はたてない高等戦術です」
と佐竹秀雄武庫川女子大言語文化研究所長(言語行動論)は言う。

>>2以下に続きます)
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201112060269.html