いよいよ、鳩山退陣が秒読みになってきた、と大マスコミはほくそ笑んでいることだろう。
普天間は現行案回帰の“時間稼ぎ”決着だったし、
頼みの「他県への訓練移転」も容易ではない。
国会ではぶっ叩かれるだろうし、そうなれば、重要法案も通らない。
そこに小沢のカネだ、赤松の不手際だとかが絡んでくるのだ。
恐らく、支持率はまた下がる。参院のマニフェストでもモメる。
党内から「鳩山辞めろ」の悲鳴が上がる。
文字通り、ボロボロになりそうだが、こうした政治の現場面だけをとらえて、
「民主党政権はダメだ」と結論付けるのは絶対におかしい。
鳩山民主党が挑んでいるのは脱官僚主導なのである。
そりゃ、これまでの自民党政権のように、官僚にすべてお任せで、
答弁書まで書かせれば楽チンだ。
大臣はいい気分だし、その裏で官僚はせっせと天下り法人に税金を流せる。
お互いハッピー。しかし、それをやめたから、鳩山政権の苦悩、迷走、混乱がある。
普天間のスッタモンダも、外務省や防衛省の実務経験者に頼らなかったため、
米国や地元の情報が混乱した。鳩山の無能、理解力不足、調整能力のなさを
あげつらうのは簡単だが、これまでの案をひっくり返そうというときに、誰が前任者に頼るものか。
混乱は当然で、脱官僚の証左とも言える。つまり、今後も鳩山政権には、
この手の混乱、不手際は無数に出てくる。これが政権交代なのである。
「混乱はない方がいいに決まっていますが、それを理由に、鳩山政権を否定したら、
有権者は自己矛盾に陥る。改革に混乱はつきものだし、覚悟の上で政権交代を選択したわけですからね。
http://thumbnail.zasshi-online.com/thumbnail.aspx?pid=Nikkan_Gendai_Kanto1100525&s=l 日刊ゲンダイ 2010/05/25
>>2以降に続く