・簡易宿泊所が建ち並ぶ山谷(東京都荒川区)。大阪・釜ケ崎と並び日雇い労働者の街と
して知られる。だが、時代の流れの中で労働者は高齢化し、生活保護受給者が半数以上を
占め、ここ数年街は活気を失っている。ネットカフェなどで夜を明かす若者が話題になる中、
山谷にも若い労働者が集まりつつある。“元祖労働者の街”に集まる若者の背景を追った。
夕刻、JR南千住駅から山谷へ向かう人波の中に、2人組の若い男性がいた。茨城県出身の
男性(24)は、3月下旬に職を求めて上京した。派遣先の食品工場で、アパートの更新料を
払えず途方に暮れる群馬県出身の男性(26)と出会い、ネットで安宿を探して山谷へたどり
ついた。日給は7000円で宿代は1人1泊2200円。金をため、共同生活を目指しているという。
地域間の格差が広がる中、求人の少ない地域から職を求めて来る若者もいる。東北出身の
男性(25)は、持ち帰りの豚肉いためライスと缶ビール片手に簡宿へ向かった。高卒時に
就職先が見つからず、バイトばかりの生活に見切りをつけ上京した。工事現場で知り合った
高齢の労働者から山谷の方が仕事が見つかると聞き3カ月を過ごしている。派遣会社に登録し、
携帯電話に連絡をもらう携帯派遣の日給は6000円。男性は「ここだと1万円以上もある。
田舎は本当に安い仕事しかなかった。宿代も安いししばらく稼ぎたい」と疲れた顔に笑顔を見せた。
山谷はバブル崩壊後、日雇い仕事が減り、野宿者が急増した。
サッカー・ワールドカップ開催以来、外国人バックパッカーが増えた。パソコン設備などを完備
した1泊3000円程度の簡宿の新規建設も相次ぎ、ビジネスマンも増えた。
1泊2200円の「七福」では数年前から、若い労働者が泊まり始め、滞在は1週間から
数カ月までさまざま。組合加盟店の稼働率は87%で、労働者でにぎわっていたころと
変わらないという。田村理事長は「生活保護の受給者も、今後は減る。外国人旅行客や
ビジネスマンとともに、フリーター層が、新たな市場になる」と予測する。(一部略)
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/news/20070522k0000e040076000c.html ※前:
http://news22.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1179848903/