>>213 楽しく山を散歩していたら、いきなり人間に捕獲されたクマタン…。
首に訳の分からない鉄の輪を付けられた上、
ピリピリするスプレーを顔一杯に浴びせられたクマタン。
「イタイよう、目にしみるよう…」
人間たちに背中を蹴られ、泣きながら山に帰るクマタン。
「もうあんなコワイ目に遭うのはこりごりだ」
そう思うクマタンでしたが、首の周りの冷たい鋼鉄の縛めが、
そのことを忘れさせてくれません。
しかも成長するにつれ、徐々にその輪が首を締め付けてきます。
「イタイよう、取って欲しいよう…」
自分の爪で必死にひっかきますが、それは自分の首を傷つけるだけでした。
もう我慢できなくなったクマタンは、もう一度だけ里に降りる決心をしました。
「取ってよう。もう里に降りないから、この首輪をはずしてよぅ…」
しかしクマタンを見た人間たちは、すぐに汚い罠にかけて捕獲し、
毒入りの肉を与えたのでした。
「いまからこの首輪をハズしてくれるのかな? 待ってる間にこの肉を食べてもいいのかな?」
何の疑いもなく、肉に手を伸ばすクマタン…。
「あれ…どうしたんだろう…。なんだか目が霞んできたよ…。ママン…」