産経新聞連載記事
深層 朝銀事件−−北朝鮮の影を追う
1.総連との攻防
http://news.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1008582379/577-580n 2.現れた工作員
http://www.sankei.co.jp/databox/paper/0112/21/paper/today/itimen/21iti003.htm 3.永田町の動き
http://news.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1008582379/594-596n 産経新聞12月24日紙面
4.暗躍する不審船
東シナ海で海上保安庁の巡視船と銃撃戦になった不審船は北朝鮮の工作船の可能
性が高まっている。この海域は過去「北の工作船」が何度も出没していた。
目的は不明だが、人、モノ、カネの運搬のいずれかである。日常的に行われてい
るとされるこうした「工作船」を使った北朝鮮の対日活動に、在日本朝鮮人連合会
(朝鮮総連)関係者が直接関与したケースが今夏、摘発されている。
事件は、昨年8月、神戸市長田区の貿易会社社長(52)が福島県いわき市の小
名浜漁港に所属していたイカ釣り漁船(130トン)1隻を北朝鮮に不正輸出した
として今年6月、外国為替管理法違反(未承認輸出)容疑で警視庁公安部と海上保
安庁に逮捕されたというものだ。
社長らは無罪を主張、現在、東京地裁で審理が続いている。
この事件が注目されたのは、日本の公安当局が不正輸出の漁船について日本近海で
不審な動きを繰り返す「偽装工作船」として再利用されている疑いが強いとみてい
るためだ。
そして、逮捕された会社社長は父親の代から朝鮮総連に深くかかわる人物で、現
職の朝銀兵庫(すでに破綻)理事、兵庫県朝鮮学園理事でもあった。
公安当局の分析や関係者の話を総合すると、中古漁船を発注したのは北朝鮮・朝
鮮労働党作戦部直轄企業「ポンス」(旧称)だった。また、代金の送金などにも党
作戦部の直轄企業が関与していたとされている。
漁船の不正輸出で逮捕された社長の貿易会社は、平成8年にも事件を起こしてい
た。輸出が規制されているフッ化水素などの化学薬剤を北朝鮮に不正輸出、兵庫県
警に摘発されたのだ。薬剤はウラン精製やサリンの材料にもなる物質だった。
会社社長の人生はその大半が朝鮮総連とともにあった。
昭和38年に貿易会社を設立。平成元年、朝銀兵庫(当時)の理事に就任した。
朝銀の幹部人事は総連の承認事項であることから、社長のそれまでの総連への「貢
献度」がうかがえる出世といえた。
さらに平成10年には西神戸初中級学校教育会の副会長、同12年、兵庫朝鮮学
園の理事に就任。朝鮮学校と朝銀は総連の2大組織である。社長は両方の幹部とな
った。そして今夏の摘発−−。
「朝鮮総連の若手活動家当時、資金力や行動力を見込まれて北朝鮮の工作機関か
ら一本釣りされたようだ。愛国心もあるだろうが、工作機関相手に商売をするうち
に経済的に組み込まれたのだろう」(公安当局者)