国外追放された野党指導者のシャリフ元首相が予告する10日の帰国を控え、
パキスタンで緊張が高まっている。
政敵の帰国は、求心力が低下するムシャラフ大統領にとって脅威。政府は
シャリフ氏が帰国すれば逮捕する意向とされるが、そうなれば支持者の
反発は避けられず、混乱がさらに拡大する恐れがある。
シャリフ氏は8日、滞在先のロンドンで記者会見を開き、予定通り空路で帰国
すると明言した。これに先立ち同氏の亡命を受け入れたサウジアラビアなど
関係国の高官は8日、帰国を思いとどまるよう呼びかけた。
シャリフ氏が率いるパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派、最大野党で
イスラム原理主義を掲げる統一行動評議会などは7日、各党の指導者や
活動家が空港で出迎えることを決めた。
8日付英字紙ドーンは、政府がシャリフ氏の到着を待って逮捕する方針だと
報じた。さらに反テロ法廷は7日、一緒に帰国予定の弟シャバズ氏の逮捕状
を出した。
パンジャブ州首相だった98年、司法手続きなしでイスラム神学生を警察に
殺害させた疑いだ。
11月の任期切れ後も政権を維持するため、ムシャラフ氏は海外亡命中の野党
指導者、ブット元首相の協力を得たい。
しかし、与党内からは不満が噴出。「総選挙を控え、多くの与党議員は
シャリフ派に寝返る」(地元記者)との見方も出ている。
ニュースソース:朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/0909/TKY200709080282.html