【コラム】2つのイスラムに引き裂かれるパキスタンの現実=藤田 宏之 [9/7]
1 :
◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7cφ ★:2007/09/07(金) 09:52:32 ID:???
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070905/134072/ パキスタンを二分するだけでなく、世界を引き裂きかねない亀裂があるとすれば、それは
首都イスラマバードの西27キロメートルにあるマルガラ峠だろう。峠の南東には、インドの
豊かな農業地帯が広がっている。一方、峠の西と北は中央アジアの荒涼とした山岳地帯で、
馬に乗った男たちが家畜を追い、他部族を襲う。彼らが畏れるのは唯一の神アッラー。
「敵は捕虜にせず、その場で殺す」――それが掟だ。
パキスタン中央部にあるマルガラ峠の崖で、西部の山岳地帯とインダス川渓谷が出合い、
まったく異なる2つの古い文明が衝突する。また、ここでは2つの相矛盾するイスラム信仰が
ぶつかる。比較的戒律がゆるく、寛容なインドのイスラムと、アフガニスタンとの国境地帯の
原理主義的なイスラムだ。
今のパキスタンでは、この2つの拮抗する勢力がぶつかりあって不穏な“揺れ”が起きている。
パキスタンで生じたその揺れは余波となってロンドン、ニューヨークにまで及ぶ。イスラム
穏健派と過激派の対立は、本質的にはこの2つの文明、2つのイスラムの対立であり、
世界のムスリム(イスラム教徒)を引き裂く、より大規模な対立の縮図といえる。
建国から60年、人口1億6000万人の97%がムスリムであるにもかかわらず、平和な国として
まとまったことは一度もない。たび重なるインドとの戦争、パルベズ・ムシャラフ大統領率いる
現政権などの歴代の軍事独裁政権に翻弄されてきた。また、パンジャーブ人、シンド人、
バローチ人、パシュトゥーン人など多様な民族をもつパキスタンでは、民族間の抗争も絶えない。
国家をまとめるために、歴代の政府は莫大な軍事費を投じてきた。その結果、パンジャーブ人
中心の軍上層部が特権階級となって腐敗政治が横行し、公正な裁判、医療、教育や安全、
そして将来への希望という国民の基本的な欲求が放置されてきた。こうした現状に対する
不満が噴き出す中、軍事政権に批判的な弁護士などは、文民政権による民主的な統治への
回帰を求めて抗議行動を繰り広げている。
一方、2001年9月11日に米国で起きた同時多発テロから6年が経ち、イスラム過激派は、
国家の将来像をめぐって、国民の多数を占める穏健派に挑戦状をたたきつけている。
隣国アフガニスタンを実効支配していた武装勢力タリバンの残党がパキスタンに逃げ込んで
勢力を伸ばした。
今年はパキスタンの5、6都市で相次いで自爆テロが発生、建物が炎上し、通りが血に
染まることもあった。アフガニスタンとの国境に近い北西部のワジリスタンの山岳地帯では、
国際テロリストのネットワークであるアルカイダの戦士たちが巡回して、米軍のスパイと
おぼしき人物を、片っ端から殺害している。
パキスタンの人々は「夜の手紙」と呼ばれる警告文におびえている。夜間に何者かが
「娘たちは全身を覆い隠すブルカを着用し、学校には行くな。さもなければ殺す」といったビラを
公共の建物に貼り出すのだ。「イスラムに反する罪」を犯したとして、教師や医師、人権活動家が
脅迫、殺害される事件も増加している。そうした中でも、熱っぽく殉教を語る22歳の女性ウンメ・
アイマンのエピソードが、この国の不穏な空気を最も雄弁に伝えてくれる。
>>2に続く。
2 :
◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7cφ ★:2007/09/07(金) 09:53:04 ID:???
彼女は黒いブルカで顔を覆い、目も隠していたが、メガネをかけた若い女性だと分かった。
短い文章の英語で、一方的に言葉を投げつけるように話す。彼女を含む200人ほどの宗教学校の
女子学生たちは、政府が、過激派の宗教指導者のモスクを建設許可を得ていないとして
取り壊したことに抗議し、イスラマバードの公立の児童図書館を占拠した。拳銃を装備した
警察の機動隊が図書館を包囲し、退去を命じたが、アイマンらは応じなかった。
「私たちは学生です。テロリストではありません。イスラムを世界に広めたいのです。米国が
イスラムをつぶす気なら、信仰を守るために死ぬ覚悟です。親しい人たちにお別れも言ってあります」。
女子学生たちは、図書館の丸いテーブルを囲む子供用の小さな椅子に座っていた。児童書が
並ぶ本棚の間に、「アッラーは、不信心者ではなくムスリムを守る」と書かれたプラカードが掲げてあった。
立てこもりを始めてから数週間。図書館の向かいでは、女子学生の親たちが心配そうに事態を
見守っている。アイマンは、「私たちの運命はアッラーがお決めになります。でも、政府が私たちの
要求をのむなら、問題はありません」と話した。彼女たちの要求の内容を聞くと、「モスクを再建し、
パキスタンをイスラム国家にすることです」と答えた。ブルカで顔を隠した数人の女性がうなずいた。
この抗議行動では女子学生が前面に出ていたが、児童図書館の隣のモスクにいる宗教指導者たちが
陰で糸を引いているのは明らかだった。図書館の数メートル先には、過激派のモスクとしては
パキスタン屈指のラル・マスジード(赤のモスク)があり、剣や自動小銃などを手にし、黒いターバンを
巻いた数十人の若い民兵たちが、図書館の周りに配置されていた。
指導者の中には、あご髭をはやした体格のよい元議員もいた。9・11テロ後にパキスタンで逮捕さた
テロ容疑者数百人の弁護を担当して釈放を勝ち取り、「アルカイダの弁護士」との異名をもつ
ジャビード・イブラヒム・パラチャだ。
パラチャは、女子学生を殉教に駆り立てる背景をこう説明した。「政府は完全に国民の信頼を失っている。
ムシャラフ大統領は、国民の目には米国の傀儡と映る。米国に尻尾を振って、同胞のムスリムを平気で
敵に回すような男だ。ムシャラフ側近の軍高官たちは私腹を肥やしているのに、国民は貧しくなる一方だ。
職もなく、活路も見いだせず、国民は希望を失いつつある。この現状を変えなければならない。
もう待ったなしの状況だ」
1週間後、政府がモスク再建に着手することに合意したため、こう着状態は表面上は終息した。児童図書館の
書棚からは、非イスラム的とみなされた本はすべて排除され、女子学生たちが図書館を運営することになった。
首都の大統領官邸から車でわずか10分ほどの所で、イスラム原理主義が勝利を収めたのである。
パキスタン国民の大多数は当時も今も穏健派だ。国民気質なのか、伝統なのか、大半のムスリムは、
バレルビー・イスラムと呼ばれるインドのイスラム慣行と神秘主義のスーフィズムが融合した、色づかいが
派手で神秘的な儀式に親しんでいる。パンジャーブ人にとって、原理主義のモスクでコーランを朗唱するより、
スーフィーの聖者廟前で音楽に合わせて旋舞を踊る托鉢僧を眺めるほうが、心が満たされるのだ。
国民の多くは、ジア政権に抵抗することはなかったが、他の多くの国と同様、イスラム化政策を
歓迎してはいなかった。
この国には、何千人という献身的な医師や弁護士、教師、ソーシャルワーカー、人道活動家がいる。
中には政府で働く人たちもいて、自国を少しでもよくしようと頑張っているが、活動の場をどんどん
奪われている。
議会は先頃、ムシャラフ大統領の提案を受けて、NGO(非政府組織)と人権擁護団体の活動を規制する
法案を採択した。大統領は「啓蒙的な穏健主義」を掲げているにもかかわらず、権力乱用の実態を
宣伝してパキスタンの面目をつぶし、国益を脅かしているとして、こうした団体を目の敵にしているのである。
(藤田 宏之=『ナショナル ジオグラフィック日本版』編集長)
3 :
七つの海の名無しさん:2007/09/07(金) 09:53:21 ID:8siO1wu2
スライムに引き裂かれる…
ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
4 :
七つの海の名無しさん:2007/09/07(金) 09:57:25 ID:f9HOn1F1
偉そうなこと言ってるが、こういう連中も政権取ると汚職三昧なんだよねー。
5 :
七つの海の名無しさん:2007/09/07(金) 10:31:03 ID:a3lJCq6Z
どうでもいいが、富山県の不良パキスタン人をどうにかしてくれ!
別に北部の連中はそこまで原理主義じゃないけどな。
アルカイダかタリバンか中国かインドかどこが口入れしたのか知らないけど、
次の政府を構築するための思想近代化はずっと続いてる。
なんつーか「テロリスト」ってレッテルを貼りたいだけのような気もする。
7 :
七つの海の名無しさん:2007/09/08(土) 16:15:06 ID:wUt9pOmG
まあ外交に失敗した政権ってこんなもんでしょ。
>>5 どうでもいいのにどうにかしてくれとは、これ如何に
9 :
七つの海の名無しさん:2007/09/09(日) 06:29:39 ID:kpwzeHLg
【パキスタン】シャリフ氏、パキスタンに帰国か 「政府逮捕」の報道[09/08]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1189268592/l50 国外追放された野党指導者のシャリフ元首相が予告する10日の帰国を控え、
パキスタンで緊張が高まっている。
政敵の帰国は、求心力が低下するムシャラフ大統領にとって脅威。政府は
シャリフ氏が帰国すれば逮捕する意向とされるが、そうなれば支持者の
反発は避けられず、混乱がさらに拡大する恐れがある。
シャリフ氏は8日、滞在先のロンドンで記者会見を開き、予定通り空路で帰国
すると明言した。これに先立ち同氏の亡命を受け入れたサウジアラビアなど
関係国の高官は8日、帰国を思いとどまるよう呼びかけた。
シャリフ氏が率いるパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派、最大野党で
イスラム原理主義を掲げる統一行動評議会などは7日、各党の指導者や
活動家が空港で出迎えることを決めた。
8日付英字紙ドーンは、政府がシャリフ氏の到着を待って逮捕する方針だと
報じた。さらに反テロ法廷は7日、一緒に帰国予定の弟シャバズ氏の逮捕状
を出した。
パンジャブ州首相だった98年、司法手続きなしでイスラム神学生を警察に
殺害させた疑いだ。
11月の任期切れ後も政権を維持するため、ムシャラフ氏は海外亡命中の野党
指導者、ブット元首相の協力を得たい。
しかし、与党内からは不満が噴出。「総選挙を控え、多くの与党議員は
シャリフ派に寝返る」(地元記者)との見方も出ている。
ニュースソース:朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/0909/TKY200709080282.html
10 :
七つの海の名無しさん:2007/09/16(日) 06:38:08 ID:9gFK/LHW
11 :
七つの海の名無しさん:2007/09/18(火) 20:31:22 ID:5a1AXXxO
12 :
七つの海の名無しさん:2007/09/21(金) 21:05:30 ID:GUgLxghM
【パキスタン】大統領選投票は10月6日に決定……選管当局[09/20]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1190291171/l50#tag2 パキスタンの選挙管理委員会当局者は20日、次期大統領選の投票を
今年10月6日に実施すると述べた。正式発表は20日の見通し。
立候補申請の書類提出は9月27日が期限となっている。
再選を目指すムシャラフ大統領が立候補するのは確実。1999年の
軍事クーデターで実権を握った同大統領の現任期は11月15日に
切れる。大統領の任期は5年。
ただ、ムシャラフ氏はこのところ、内政で地盤沈下が目立ち、権力固め
の一環として有力野党指導者で亡命生活を送るブット元首相との連携を
模索している。
しかし、同氏は再選支持の条件としてムシャラフ氏が兼務する陸軍参謀長
の即時辞任を要求、共闘の最終合意は成立していない。
この中で、大統領陣営は最近、ムシャラフ大統領が再選を果たせば辞任
するとの方針を明らかにし、ブット元首相、野党側の懐柔に乗り出して
いる。同国では年末に総選挙も予定している。
憲法は公職兼任者の大統領選立候補を禁止しているが、選挙管理委員会
は17日、選挙規則を改正し次期大統領選の適用除外を決めていた。
ただ、最高裁はムシャラフ氏の大統領選での立候補資格も審理する見通し
で、選管の決定が覆り、同氏が出馬出来ない事態になる可能性もある。
ニュースソース:CNN
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200709200022.html
13 :
七つの海の名無しさん:2007/09/23(日) 05:32:45 ID:6KbW6R64
14 :
七つの海の名無しさん:2007/09/23(日) 22:07:38 ID:6KbW6R64
15 :
七つの海の名無しさん:
【パキスタン】イスラム保守派の反大統領デモ、警察と衝突に[09/24]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1190630175/l50#tag2 パキスタンのイスラマバード(Islamabad)で24日、再選を狙い、陸軍参謀長
を兼任したまま大統領選挙への出馬を目指しているペルベズ・ムシャラフ
(Pervez Musharraf)大統領に対し、イスラム保守派による新たな抗議行動
が発生し、機動隊との衝突で約20人が逮捕された。
同日、最高裁判所へ向かってデモ行進をしていたイスラム系の政党連合、
統一行動評議会(Muttahida-Majlis-e-Amal、MMA)の活動家らを機動隊が
阻止して衝突が発生した。
逮捕された約20人は、機動隊によって警察車両に押し込められて連行された。
デモ隊は旗を振りながら機動隊に投石し「米国の友人は裏切り者」などと
スローガンを叫んだ。
最高裁では現在、10月6日に実施予定の大統領選に対する異議申し立てや、
ムシャラフ大統領が軍職を兼務したまま立候補することの正当性について
審理が行われている。
MMAなど野党は連名で申立書を提出、ムシャラフ大統領には立候補資格がなく、
大統領と陸軍参謀長の職務兼任は違法だと主張している。
裁定は、数日以内に出る見通しだ。
野党連合は、大統領選までに最高裁前で抗議集会を行うと明言しているほか、
25日にムシャラフ大統領が立候補届けを提出すれば、近くの選挙管理委員会
への通行を阻止するとしている。
ムシャラフ大統領は、国会および州議会による大統領選投票で再選された場合
には、11月15日までに軍職を辞任する考えを表明している。再選された場合の
任期は5年。パキスタンの大統領選は国民全員が投票する普通選挙ではなく、
2002年10月に復活した国民議会および国内4州の州議会による間接選挙制。
ニュースソース:AFP
http://www.afpbb.com/article/politics/2288052/2175193