パキスタンのカーン外務次官は26日、イスラム武装勢力のアフガニスタンへの
越境を防ぐため両国国境にフェンスや地雷地帯を設ける考えを明らかにした。
武装勢力タリバンの越境取り締まりを求めるアフガン政府の要求に応えたもの
だが、アフガン側は「十分な対策ではない」と「反対」を表明。
活動を激化させているタリバンを巡る両国の反目は、さらに強まる様相を見せている。
カーン次官は記者会見で、国境地帯の一部にフェンスや地雷地帯を設けると発表。
「武装勢力の越境防止のための措置だ」と説明した。
これに対しアフガンのアフマド大統領報道官はAFP通信に「フェンスも地雷も実際的
な方法ではない」と、反対を表明した。
「遠回しにではなく真の方法でテロと対決すべきだ」とも語り、暗にパキスタンの対タリバン
の取り組みが不十分だと非難した。
パキスタンは以前にも国境にフェンスを設置する方針を明らかにしたが、実際には
約2400キロに及ぶ両国国境を完全に封鎖することは極めて困難だ。
しかしアフガンに配慮して行った提案がアフガン側に即座に否定され、パキスタンの
アフガン政府に対する不満が高まるのは必至だ。
カルザイ・アフガン政権には「パキスタンがタリバンを支援している」との不信感が強い。
しかし国境地帯に8万人の兵士を配置して武装勢力の掃討に当たっているパキスタンは、
「カルザイ政権は自身の治安維持の失敗を責任転嫁しているだけ」(外務省幹部)と
反発する。
アフガン政府は今月19日、同国東部でパキスタン情報機関員をスパイ容疑で逮捕した
と発表した。
一方でパキスタンは20日、西部バルチスタン州でアフガン兵士がパキスタン国内に越境
しパキスタン兵士を拉致したと発表するなど、両国間のトラブルが続いている。
両国は、米国の下で「テロとの戦い」の同盟国の立場にあり、直接に武力衝突することは
ありえない。
しかしアフガン国内や国境地帯の治安改善には両国の実質的な協力が不可欠で、両国
の反目は地域の深刻な不安定要素になっている。
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ニュースソース:
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20061228k0000m030030000c.html