パレスチナ自治政府のマハムード・アッバス(Mahmoud Abbas)議長は19日、
自身が率いる「ファタハ(Fatah)」と、イスラム原理主義組織「ハマス(Hamas)」
に対し、停戦の尊重を呼びかけた。
停戦合意の2日後に出されたこの声明は、ガザ地区(Gaza Strip)で双方の戦闘
が激化し、死者5人を出す事件が発生したことを受けたもの。
■履行されない停戦合意
政権与党ハマスの支持者とファタハ系武装組織との間では、数週間にわたって対立
が深まっており、17日の停戦合意も履行されていない。
自治区の崩壊を避けるため、アッバス議長は声明で、戦闘および殺人行為を停止
するよう全パレスチナ人に要請。
ファタハ、ハマス両派に停戦順守を呼びかけると同時に、戦闘停止のため、
パレスチナ治安部隊の現地展開を要請した。
イスマイル・ハニヤ(Ismail Haniya)首相も19日中に、平静を呼びかける声明を発表
する予定。同首相の側近が明らかにした。
直近2件の衝突では、ファタハ、ハマス双方で5人が死亡、少年を含む少なくとも19人
が負傷している。
さらに、ガザ地区北部のジャバリア(Jabalia)では、武装した多数のハマスメンバーが
ファタハ本部を包囲した。
■収拾のつかない現状
パレスチナ自治区では16日、アッバス議長が自治評議会(国会)選挙の前倒しを発表後、
ファタハ、ハマス両党派間で衝突が激化。
これまでに10人が死亡、数十人が負傷しており、事態が双方の勢力争いから、全面的
な内戦状態へ移行することへの懸念が高まった。
衝突の発生原因については、紛争当事者の双方が互いを非難しあっている。
ガザ市(Gaza City)では、黒の覆面にアラビア文字の入った緑のバンダナを着用し、
武装したハマスの戦闘員が街頭を行き来して、緊張感が高まっている。
市内では同日、死亡したファタハ側の治安部隊員の葬儀が営まれていた。
ニュースソース
http://www.afpbb.com/article/1188128 (関連スレは
>>2-10あたりに)