エジプトの首都カイロにあるイスラム教スンニ派の最高学府アズハル大学の学生で、
イスラム教根本主義組織「ムスリム同胞団」に所属する18人が10日、同大学構内で
武装、ナイフや鎖を使用して示威行動を行ったことが17日、明らかになった。
エジプト日刊紙アル・アクバルなど各紙が同日、一斉に報じた。
報道によると、学生らは、車で校門を突破後、構内で黒の覆面で顔を多い、揃いの
ユニフォームを着用、ナイフと鎖を振り回しながら、学生及び教授らを脅し、「自分達は
強靭で影響力を所持しており、全てのことを管理運営できる状態にある」、と宣言したと
いう。
ナセル元大統領、サダト前大統領時代、武装闘争を行って弾圧を受け、現在は路線を
転換して穏健派ぶりをアピールしてきた同同胞団が、再度、武装闘争路線に転換した
ことを宣言するのが目的だったのかどうかは不明ながら、エジプト国民と政府に対し
一大衝撃を与えたことは間違いない。
エジプト治安当局は同事件に関連した学生及び、同胞団活動家、同胞団指導部など
約180人を大量拘束し、そのうち40人を釈放した。
裁判所は16日、残る139人の拘留期限を15日間延期することを決定、調査を続けている。
今回の事件の背後には、イラク問題で手間取る米国を尻目に、パレスチナ自治政府を
掌握したハマス、レバノンで対イスラエル闘争を持続したイラン系イスラム教シーア派
根本主義過激派武装組織ヒズボラなどの反米活動に刺激を受けた可能性がある。
同胞団系議会議員数は、先回の総選挙で17人から88人と大量増員した。
同胞団員は、各種職能組合や、大学の学生組織に着実に浸透し、「イスラム法導入による
イスラム国家建設」という、イスラム教徒共通の目標を設定することによって組織の拡大を
図っている。
職場や大学などでスカーフの着用運動をしている主体もムスリム同胞団だ。
このまま行けば、現政府を脅かす一大勢力に発展する可能性があり(事実、実質第一野党
の立場になっている)、政府はその対応を迫られそうだ。
人民議会は17日、ムスリム同胞団系学生による武装パフォーマンスへの危機感を募らせる
各種団体や議員団からの要請を受け、議会内での議論を開始した。
アズハルのタンタウィ総長はじめとした大学関係者も相次いで衝撃を受けたことを表明、
イスラム教が過激派や政治団体に利用されることへの警戒感を顕にした。
ニュースソース
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/061218-213949.html 関連スレ
【エジプト】政府、イスラム原理主義組織・ムスリム同胞団の幹部の一人を拘束[12/14]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1166108748/l50