■露ガスプロム 欧州政府介入で火花 供給削減の構え
欧州のエネルギー企業買収をめぐり、ロシアと欧州各国の関係が悪化している。天然ガス世
界最大手、露国営ガスプロムが進めている英社買収に英国が介入したことにガスプロムが反
発。欧州向けガスの供給削減も辞さない構えだ。(黒川信雄)
▼大きな混乱懸念
ブルームバーグによれば、ガスプロムのミレル社長は今月十九日、欧州連合(EU)各国の
駐露大使らとの会合で「ガスプロムの活動を政治的観点から束縛すべきではない。米国や中国
も天然ガス購入を希望している事実を忘れないでほしい」と述べた。
欧州メディアなどによると、同社は欧州地域内での事業展開拡大に向け、英ガス大手、セン
トリカやドイツの電力会社買収を検討。このうちセントリカ買収をめぐっては、英国政府が関
連法案の改正による買収阻止を検討している。
ミレル社長の発言は、欧州各国の政府がガスプロムの企業買収に介入すれば、対抗手段とし
て欧州向けガスの供給を削減するという恫喝(どうかつ)とみられる。ガスプロムは、世界最
大の天然ガス生産国ロシアのガス輸出を一手に担い、欧州で消費されるガスの25%を供給し
ており、同社によるガス供給の削減は大きな混乱をもたらす。
▼調達元分散化
英紙フィナンシャル・タイムズによれば、欧州委員会の広報官はミレル社長の発言にふれ、
「燃料の輸入元を分散化すべきとする欧州の姿勢が正しいことが証明された」と述べ、ロシア
へのエネルギー依存度引き下げが急務との見解を示した。
ガスプロムをめぐっては、今年一月に、同社のウクライナ向けガス料金の改訂をめぐる話し
合いがこじれた影響で、欧州向けガス供給が一時途絶。欧州全域がパニックに陥った経緯がある。
このため、欧州各国はエネルギー調達元をロシア以外の国に分散させる検討を進めているも
のの、全消費量の25%もの代替エネルギーをただちに調達するのは困難で、ロシアからの燃
料輸入なしでは欧州経済が事実上立ち行かない。
▼中・印の台頭
一方では、中国、インドなど新興経済国がガスプロムからのガス輸入拡大を強く希望してお
り、ガスプロムとの関係で、欧州は圧倒的に不利な立場に置かれている。フランスは、同国向
けガスについては供給を安定的に続けるよう、単独でロシア側との協議に入った。
親露派のドイツ政府は、ロシアと欧州との中傷合戦は「何の利益ももたらさない」として関
係修復に乗り出したものの、欧州各国の対露不信は強まるばかりだ。
出典:FujiSankei Business i.
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200604250008a.nwc click here to learn more:
【ロシア/エネルギー】ガスプロム 米国向け海底ガス田の開発企業発表へ[06/04/25]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1145952213/l50 【ラトビア】カルビティス首相、ロシアから欧州に向かうガス・パイプライン計画に懸念表明[04/12]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1144857218/l50 【ドイツ/ロシア】シュレーダー独前首相 ロシアの広告塔に転身 ガスプロムに天下り[06/04/06]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1144305439/l50