■シュレーダー独前首相 ロシアの広告塔に転身 ガスプロムに天下り
□天然ガス通じ欧露協力に一役
【モスクワ=内藤泰朗】欧州における親露派政治家として知られるドイツのシュレーダー前
首相はこのほど、何かと評判の悪いロシアのプラス面をPRし、対外的なイメージを改善する
新機構を両国間で立ち上げることを提案した。同氏は、露国営の天然ガス世界最大手、ガスプ
ロム関連会社の会長に就任、「公私混同だ」と非難の集中砲火を浴びていたが、ロシアの広告
塔として活躍する道を選んだ。
三月三十日、モスクワのガスプロム本社で、ロシアの天然ガスをバルト海海底を経由してド
イツに直接運ぶ独露合弁企業「北欧パイプライン」の出資者による初の株主委員会が開かれ、
シュレーダー氏はその代表に選出された。反対は、ゼロだった。
有力日刊経済紙コメルサントによると、同氏はこれに先立ち、ロシアの天然ガス産地である
北極圏のヤマル地方にあるガスプロムの施設を視察。記者団に、ドイツとロシアが今後、協力
を一層進展させるために「相互理解を深め、ロシアへの警戒心を解くよう推し進める機関がド
イツには必要だ」と述べた。
ただ、同氏がプーチン大統領に対し、ロシアの対外イメージ改善を目的としたPR会社をド
イツに設立するよう提案したとの報道については、一切のコメントを避けた。
同氏の「北欧パイプライン」社の役員報酬は、当初、年間百万ユーロ(約一億四千万円)と
言われていたが、四分の一の二十五万ユーロ(約三千五百万円)に収まった。ただ、賞与部分
がこれに含まれるのかどうかは不明だ。
このパイプラインは総延長千二百キロ、総工費百五億ユーロで、二〇一〇年末の開通を目ざ
している。バルト諸国やウクライナなど反ロシアに転じた諸国を経由せず直接、天然ガスを運
べるため、欧州との政治、経済面のつながりを強化できる。プーチン政権にとっては、戦略的
にも最重要案件。それだけに、自ら積極的に天然ガスを通じ欧州に親露派ロビー形成に動く
シュレーダー氏の存在は大きいのだ。
しかも、ガスプロムから巨額の報酬を得て、欧露協力の広告塔になるシュレーダー氏は一昨
年には、プーチン大統領の出身地、サンクトペテルブルクの孤児院からビクトリアちゃん(5
つ)を養女にし、個人的にもロシアとの関係を深めている。
ドイツ首相から自らが設立したロシア系企業に天下りし、批判されるシュレーダー氏は、そ
れでも「ドイツの国益のためだ」と強調している。日本でも、歴史的な石油バブルで好景気の
ロシアからのおこぼれに預かろうと、領土問題を棚上げし親露ロビーをつくろうという動きが
政財界に出てくるかもしれない。
ソース: FujiSankei Business i. 2006/4/6
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200604060001a.nwc 関連スレッド:
【ロシア】ベラルーシへのガス価格値上げ打診 エネルギーをカードにした交渉戦術か[060401]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1143893693/l50