■“謎” タイ、92年の映像一斉放送 国王意向?首相辞任促す?
【バンコク=岩田智雄】タクシン首相の辞任を求める運動が続いているタイで、テレビ各局
が十二日夜、一九九二年にプミポン国王が政府側と反政府側の対立を仲裁した際の映像を一斉
に放送した。政局が混迷する中、平和的な事態解決を望む国王からのメッセージではないかと
受け止められている。その一方で反タクシン派は、放送は首相の辞任を促すものだとしてデモ
を継続している。
タイでは九一年、スチンダ陸軍司令官(当時)らによる軍事クーデターが発生、翌年、同司
令官が首相に就任。これに対し、現在はタクシン首相の辞任を求める市民グループの指導者に
なっているチャムロン氏らが民主化要求運動を主導し、軍・警察と市民・学生グループが衝
突、四十四人が死亡する事態となった。
この後、プミポン国王はスチンダ、チャムロン両氏を呼んで「問題解決のためには争わずに
向き合うように」と勧告。スチンダ首相は辞任し、総選挙が行われ、民主党のチュアン党首を
首相とする連立政権が発足した。十二日放送された映像は、国王が和解を勧告している約十五
分間の様子を収めたものだ。
タクシン首相は十三日、「(放送の指示は)政府ではなく国王秘書官室によるものだ」と明
らかにした。地元メディアは、国王が統帥権を持つ陸軍傘下のテレビ局が放送を各社に命じた
としている。放送が誰の指示で行われたかははっきりしないものの、国王の意向が働いた可能
性もある。
タイではタクシン首相の辞任を求める抗議運動が激しさを増す中、デモ隊と治安当局や首相
支持者との衝突への懸念がくすぶっている。陸軍幹部は十三日、地元メディアに「事態が話し
合いにより平和的に解決されることを望む」と述べ、放送が衝突の回避を目的としたものであ
るとの見方を示唆した。
一方、反タクシン派指導者でメディア・グループ創設者のソンティ氏は、国王の勧告でスチ
ンダ首相が辞任した事実を指摘、映像放送はタクシン首相も辞任すべきだという意味だとしている。
ソース:(産経新聞) - 3月14日2時58分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060314-00000011-san-int 拡大写真記事:(EPA=時事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060314-04319380-jijp-int.view-001 関連スレッド:
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