http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h17/jog378.html ■1.前代未聞の感謝デモ■
イラクでは噂が伝わるのが速い。昨年12月14日の自衛隊
の派遣期間が終わりに近づき、またロケット砲が打ち込まれる
という騒ぎが起こると、「自衛隊は帰るのか?」という懸念が
瞬く間に広まった。
すると140人の老若男女からなるデモ隊が「日本の支援に
感謝する」と自衛隊宿営地に詰めかけ、口々に「帰らないで」
と懇願した。同時に「自衛隊の滞在延長を願う署名運動」が展
開され、2日間で1500人もの署名が集まった。[1]
実は感謝デモはこれで二度目だった。4月に2度、自衛隊宿
営地そばに迫撃砲が撃ち込まれると、サマーワ市民による百人
規模のデモ行進が行われた。スローガンは「日本の宿営地を守
ろう」というものだった。さらにいろいろな人が宿営地に来て、
「申し訳ない。あれは一部のはねっかえりで、イラク国民の意
思ではない。どうか帰らないでくれ」と陳情した。[2]
前代未聞のデモに、英米オランダ軍も驚いて、自衛隊に矢継
ぎ早に問合せをしたほどだが、迫撃砲を撃ち込んだテロリスト
達もこれでは逆効果だと思っただのろう。その後、派遣期間終
了の近づく11月まで動きはなかった。
もっともこうした事実は、日本のマスコミはほとんど伝えな
かった。逆にパレスチナ自治政府のアラファット前議長の死去
を受けてサマーワで行われた「パレスチナ支援デモ」では、
20本ほどの横断幕のたった一つに「自衛隊は撤退すべきだ」
と書かれていただけで「反日デモ」などと報じた新聞があった。
偏向報道もここまで来れば、確信犯という他はない。