101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
どうすりゃ回避出来んだこれ
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:25:04.28 ID:q4/4kImj0
さるか?
103 :
雷電 ◆l.AdlVTAC3Bm :2012/04/18(水) 19:25:38.64 ID:N2UVKFIC0
恐怖
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:30:47.89 ID:Dezd04L60
支援
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:31:23.90 ID:q4/4kImj0
さるだな。支援支援
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:33:12.96 ID:doHgPGx30
なにこれ怖い
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:38:48.49 ID:doHgPGx30
猿避け猿避け
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:40:19.10 ID:q4/4kImj0
おい作者
スレは落とさせんから焦らないでさる直せ
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:41:05.96 ID:tfAG87r+0
さるか支援
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:42:14.46 ID:q4/4kImj0
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:42:41.78 ID:DapQ/PDX0
さるされ
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:42:56.05 ID:doHgPGx30
もいっちょ支援
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:44:07.85 ID:hc7RgyNg0
猿回避は他のスレに一回書き込んでから500秒オーバー放置したれ
114 :
さる避けありがとうございます!すいません:2012/04/18(水) 19:50:32.84 ID:/rIZkdAZ0
そう
例え違う誰かが悪夢に飲み込まれようとも、この2人だけは絶対に。
インコが飛び去っていった方向を、なるべく見ないようにして
ワカッテマスは他の2人を急かしながら、暗くなりつつある家までの道を帰った。
後に、自分のとったこの選択が深い後悔と絶望を生むことも知らず。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:51:23.19 ID:doHgPGx30
不穏すぎる……
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:51:35.80 ID:/rIZkdAZ0
++++++++++++++
もうすぐ日が暮れる。
( ´_ゝ`)「……」
カチ コチ カチ コチ
秒針の針が規則的な動きで時を刻み
静寂に包まれた空間の中で唯一自らの存在を主張している。
やけに大きく聞こえる音と共に、機械的な時間の経過が紡がれる中。
どこか虚ろな瞳で暗闇を見つめる、この部屋の主は
まるで自分自身も家具の一部になってしまったかのように
もう長い間一切の動きを止めてしまっていた。
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:52:46.38 ID:q4/4kImj0
復活支援
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:53:14.93 ID:/rIZkdAZ0
カチ コチ カチ コチ
毎日誰かがドアの前へとやってきて、部屋から出てくるよう呼びかけるものの
彼の中で凍り付いてしまった秒針が、再び時を刻もうと動き出すことは無い。
( ´_ゝ`)「……」
今日も学校に行けなかった。
母も父も弟も姉も。
実際に起こってしまった現実を受け止め、ちゃんと前へと進んでいる。闘っている。
それなのに自分ときたら、あの日からずっと、目を、耳を塞いだままだ。
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:54:27.83 ID:/rIZkdAZ0
いつまでも此処でこうして、現実から目を反らす訳にはいかない事は分かっていた。
ただ、今まで当然のように自分達を照らしてくれていた
あの太陽のような存在が、夏の向日葵のような輝かしい笑顔が
永遠に失われてしまったなんて、信じられなくて、受け止められなくて。
何よりあの雨の日の光景が未だに頭から離れてくれず
フとした瞬間に目の前に現れては、いつまでも兄者を苦しめていた。
今まで見た事が無いくらいおかしな方向を向いた足が。
血が雨に流されて排水溝に吸い込まれていく様が。
血と涙でグシャグシャになった、妹の顔が。
( _ゝ)「――ッ」
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:55:53.49 ID:/rIZkdAZ0
きっと心細くて、肩を震わせながら一人ぼっちで泣いていたのだろう。
自分がもっと早くに妹を見つけて、泣いてる妹を抱きしめてあげていたら。
そもそもあの日、妹から目を離さなければ。
( ;_ゝ;)「ぐ……うっ、ぅ……!!」
もうずっと長い間、何度も何度も繰り返した後悔と自責の檻の中に
兄者は自分自身を閉じ込めたままでいた。
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:55:55.70 ID:q4/4kImj0
だから投下早いて
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:56:45.97 ID:hc7RgyNg0
また捕まるよ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 19:58:42.13 ID:/rIZkdAZ0
もうすぐ日が暮れる。
そろそろ弟が学校から帰ってくる頃だ。
そして、今まで何度もそうしたように
返事もしない不肖の兄に向かって、外に出るよう根気強く呼びかけるのだろう。
ドア越しにも分かるくらい、疲れきっている様子を気遣いの裏に押し隠して。
弟者だけじゃない。
みんながみんな、声だけでも分かるほど、悲しみと疲労に打ちのめされているというのに
それでも毎日現実と向き合って、押し寄せる絶望と、逃げることなく戦っている。
それなのに自分一人だけが、いつまでも駄々をこねて、みんなに迷惑をかけているなんて。
こんな有様じゃあ、妹者にも悲しい思いをさせてしまうな―――
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:01:10.11 ID:DapQ/PDX0
ぞわぞわ
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:01:15.69 ID:q4/4kImj0
兄者は目の前で見てたから余計にな
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:03:00.74 ID:/rIZkdAZ0
( ´_ゝ`)「……」
このままではいけない事は痛いほど分かっていた。
そろそろ自分自身に巻きつけた重たい鎖を解いて、この檻から出なければ。
自分はこの家を守っていかないといけない、流石家の長男なのだから。
妹者の―――弟者の、兄なのだから。
……明日から学校に行こう。
母者や父者、みんなに謝らないといけない。
そして今日はみんなでご飯を食べるんだ。
ほんの小さな事だったけれど、兄者は今の現状から一歩踏み出す決意をした。
―――その時だった。
carvipでしょそれ
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:03:33.21 ID:q4/4kImj0
なんだなんだ
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:06:11.26 ID:/rIZkdAZ0
( ´_ゝ`)「……え?」
微かに、小さな子供の声が聞こえた気がして、ハッと顔をあげる。
外でどこかの子がはしゃいでいるのが聞こえたのではない。
もっと近くから、静かに、脳に直接染み入るように、その声は響いたのだ。
そして兄者は見た。
閉めきられたカーテンの向こう。
小さな子供の影が、沈みゆく太陽の微かな光に照らされて、薄っすらと映るのを。
( ´_ゝ`)「……妹、者?」
何日もまともに話していないので、すっかり掠れてしまった声。
頼りない動作で立ち上がり、カーテンをゆっくりと開ける。
そこには
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:06:59.82 ID:Dezd04L60
ああ……
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:07:17.71 ID:u1zjrbuM0
ひぃぃ
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:07:28.73 ID:/rIZkdAZ0
l从^∀^ノ!リ人
ガラス戸の向こう 7、8歳くらいの女の子が
後ろに手を組んで、こちらを見上げながらにこにこと笑っていた。
133 :
雷電 ◆l.AdlVTAC3Bm :2012/04/18(水) 20:07:50.39 ID:N2UVKFIC0
ぎゃあああああああああああ
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:08:08.36 ID:DapQ/PDX0
あぁ・・・
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:08:34.86 ID:/rIZkdAZ0
从^∀^ノ!リ人
『妹者に決まってるのじゃ。
おかしなおっきい兄者なのじゃー』
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:09:35.45 ID:u1zjrbuM0
声だけじゃないのか
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:10:22.58 ID:/rIZkdAZ0
(´<_` )「……ただいま」
弟者は兄者の事が心配だった。
あの大雨の日、妹者が事故で死んだ最悪の悲劇からもう3週間。
運悪く妹者が車に撥ねられる光景を直視してしまったらしい兄者は
食事もろくに摂らないようになり部屋に引篭っている。
家族からも笑顔が消えた。
前はあんなに明るかった我が家の光景なのに
あきらかに、以前はあった大切な何かがポッカリと消失していて
後に残ったのは、まるで巨大な鉤爪でえぐり取ったかのような深い深い傷痕と
少しつつけば崩れてしまうような、歪で不安定な日常の姿だけだった。
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:11:33.86 ID:/rIZkdAZ0
(´<_` )「はぁ……」
みんな疲れた顔をしている。
きっと自分も。
兄者の顔はもう何日も見ていないが
きっとやつれて目の下に隈でも作っているに違いない。
部屋にカバンを置いて服を着替え終わった後、
重い足取りで兄者の部屋へと向かうのが最近の弟者の日課となっていた。
今日こそ返事くらいしてくれればいいのだが、と扉の向こうの相手に淡い期待を抱きながら。
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:13:50.29 ID:/rIZkdAZ0
「―〜―、あ゙▲×※ガ“※アァ゙※□〜〜――ッッ!!!!」
(´<_`;)「っ!?」
弟者が自分の部屋のドアノブを、重い溜息と共に回したその時。
兄者の部屋の方から悲鳴とも奇声ともつかぬ叫び声が聞こえてきた。
何を言っているのかは聞き取れないが、それが尋常なもので無いことはすぐに分かる。
嫌な予感がして、弟者は兄者の部屋へと走った。
(´<_`;)「兄者!どうした!?」
ドアを強く叩く。中からは依然、ただならぬ叫び声が続いている。
生まれてから今までずっと一緒に育った兄だが、こんなに鬼気迫る声は聞いたことがなかった。
完全に異常事態だ。兄者の身に何かが起こっている。
ドアノブをガチャガチャと乱暴に捻っても、内側から鍵がかかっているため開かない。
仕方なく、弟者は強行突破に出ることにした。
何度目かの体当たりで開いたドアから、そのままの勢いで部屋へと飛び込む。
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:15:20.88 ID:q4/4kImj0
兄者あああ
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:16:32.90 ID:j3Q4MAg90
気になる
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:16:43.25 ID:DapQ/PDX0
あにじゃぁ・・・
143 :
雷電 ◆l.AdlVTAC3Bm :2012/04/18(水) 20:17:02.56 ID:N2UVKFIC0
緊迫感
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:18:04.18 ID:/rIZkdAZ0
(´<_`;)「兄者!!」
廊下から差し込んだ光でぼんやりと浮かび上がる部屋の中
兄者はひっそりと、こちらに背を向けて座っていた。
(´<_`;)「!?あに……」
ゆっくりと、兄者が振り返る。もう奇声はあげていない。
こちらに振り返った彼は、予想外な事に満面の笑みを湛えていた。
もう何日も見ていない兄者の笑顔。
やつれてはいるが、心の底から嬉しそうな、子供のような笑みが顔面に溢れている。
しかし弟者は、どこか現実離れした兄者のその様子に薄ら寒い恐怖を感じた。
そしてそんな兄者の口から発せられる、普段よりも興奮気味の高い歓声。
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:19:20.73 ID:/rIZkdAZ0
(*´_ゝ`)「弟者、弟者!妹者が帰ってきた!帰ってきたんだよ!!」
それは、声の調子とは対照的に、脳の奥がずしんと重くなる衝撃を弟者に与えた。
( <_ ;)「……」
ああ、やはり無理矢理にでも部屋から連れ出し
もっと早く現実を受け止めさせるべきだったのだ。
灯りもつけない暗い部屋で長いこと一人篭らせて
精神に支障が生じる可能性は充分考えられたではないか……。
あー、「やらないか」って書き込みたかったのにw
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:21:23.17 ID:/rIZkdAZ0
(*´_ゝ`)「ほら!」
弟者を襲う後悔の念をよそに、兄者が部屋の奥を指差す。
薄緑色のカーテンの向こう。ベランダへ続くガラス戸が僅かに開けられているようだった。
隙間から風が吹いて、カーテンが揺れている。
しかし当然、妹者はそこにはいない。
いる筈が無いのだ。
( <_ ;)「……あ……兄者……」
弟者が、残酷で重い現実を喉の奥から搾り出す。
(´<_`;)「……兄者……、妹者は……」
『ち っ ち ゃ い 兄 者 』
(゚<_゚;)「ッ!?」
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:22:54.33 ID:q4/4kImj0
にげてええええええええええええええええ
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:24:33.08 ID:/rIZkdAZ0
幼く可愛らしい声が、静かに、だが明瞭な響きをもって弟者の鼓膜を震わせた。
夜風にカーテンがはためき、その向こうの夜空が見える。
そして視界に入ってきたのは、ぼんやりと浮かび上がる小さな小さな影。
(´<_`;)「な、なんだ!?」
小さな-――そう、手の平に収まるほどの大きさの。
(´<_`;)「……鳥?」
そこに留まっていたのは、こちらをじっと見つめて佇む、一羽のインコだった。
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:25:25.03 ID:/rIZkdAZ0
狼狽する弟者の前で、インコが大きく嘴を開く。
『ちっちゃい兄者』
l从^∀^ノ!リ人
『ちっちゃい兄者』
l从゚∀゚ノ!リ人
『ちっちゃい兄者ちっちゃい兄者ちっちゃい兄者ちっちゃい兄者きゃははははははははははははははははははははははははははははははははは』
(゚<_゚;)「ひっ」
インコが、開いたガラス戸の間から部屋へと入ってきた。
空中で翼を羽ばたかせ、不気味に喚き散らしている。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:25:49.45 ID:q4/4kImj0
さよなら流石兄弟…
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:26:52.93 ID:DapQ/PDX0
うわあああああああ
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:30:53.77 ID:DapQ/PDX0
528 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] :2012/04/18(水) 20:29:08.19 ID:/rIZkdAZ0 (15/15) [PC]
誰か呼んでるようですの作者です。どなたか伝言お願いします。
またさるりました。そして30分ほど席を外します。
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:30:59.76 ID:tfAG87r+0
さるよけ
投下ゆっくりしたがいいんじゃない
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:32:45.59 ID:ZH16/yLU0
さるよけ これはいいホラー
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:36:14.34 ID:j3Q4MAg90
良い雰囲気
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:36:28.99 ID:tfAG87r+0
さらにさるよけ
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:36:43.97 ID:q4/4kImj0
余計なお世話かも試練が2、3分間隔を置いて投下した方がいいぞ
それでもさるは来る時は来るが
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:44:23.80 ID:q4/4kImj0
ほ
も
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:47:07.18 ID:32Of4psN0
す
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:49:00.10 ID:u1zjrbuM0
れ
さるよけー
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:53:25.05 ID:DapQ/PDX0
よけるぞー
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:55:21.83 ID:q4/4kImj0
さるよけ
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 20:58:35.17 ID:isXr3ds9O
追い付いたー
Missingの月子さん思い出した
167 :
戻りました。ありがとうございます:2012/04/18(水) 21:01:37.11 ID:/rIZkdAZ0
(´<_`;)「なっ、なんだ、こいつ!?」
それも妹者の声でだ。
妹者の声で鳴くインコが妹者の声で喚き散らし妹者がしたように呼称で自分の名を呼んでいる。
だがそれは、愛する妹の声でありながら
本来のものとは似ても似つかぬ不快感とおぞましさを伴わせ部屋中に響いていた。
何が起こっているのかまったく分からず、ただ異様な光景に恐怖を覚え混乱する弟者。
だが、それでも弟者がまだ冷静でいられたのは
依然笑みを湛え虚を見つめている兄者が視界に入っていたからだった。
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:04:36.75 ID:/rIZkdAZ0
『ギィギィッ ギャハハハッ ちッチャぃあニ ア あああアぁアアぁぁぁぁぁァアア
ギャハはははハハハッ!!ギャああァハハハハ!!!』
(*´_ゝ`)「ふ、ふふ……あはは……」
(´<_`;)「くっ……!」
間違い無く兄者の様子がおかしいのはこのインコのせいだ。
ならば、早くこの異常の原因を取り除かなければ。
混乱する頭の中、それだけを意に決めると
弟者は無我夢中でインコに向けて腕を振った。
(´<_`;)「く、くそッ!あっち行け!」
『ギィギィッ』
弟者の腕が当たらないよう距離を空け、それでも尚まとわりついてくるインコ。
弟者はそのからかうような動作に恐怖と怒りを覚え、より激しく腕を振り回す。
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:07:12.95 ID:/rIZkdAZ0
しばらくして天井へと避難した小鳥は、妹者の声で一声二声鳴くと
開いたガラス戸の隙間から、日の落ちた空へと飛び去っていった。
(´<_`;)「やった!」
荒く息をつきながら、急いで戸を閉めるためベランダに駆け寄る。
暗くなった空には、既に小さな悪魔の姿は無かった。
―――だが。
(´<_`;)「え」
慌てて戸にかけた腕を、強い力で掴む者がいた。
( ゚_ゝ゚)
(´<_`;)「兄者……?」
先ほどまでの表情とは一変して、見開いた目でインコの飛び去った方向を見つめる兄者だ。
弟者が止める間も無く、兄者は弟者を押しのけて戸を開け放つと
ベランダへ走り、日の沈んだ空に向けて力の限り手を伸ばした。
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:10:40.08 ID:j3Q4MAg90
兄者ああああ
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:11:05.67 ID:q4/4kImj0
らめえええ
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:11:36.40 ID:/rIZkdAZ0
( ;_ゝ;)「妹者!妹者っ!行っちゃ駄目だ!!
帰ってきてくれよおぉ!妹者あああ!!!」
(´<_` )「……あ」
全ては一瞬の出来事だった。
突き飛ばされた弟者が我に返った時、既に兄の姿はベランダから消えていた。
何が起こったのか分からず呆然と夜の空を見つめる弟者の耳に
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:13:33.35 ID:/rIZkdAZ0
ぐ
し
ゃ
ッ
重く、鈍く、そして一生忘れられないような音が
はるか遠くから やけにはっきりと響いた。
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:13:51.05 ID:75aceif20
しえ
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:14:42.84 ID:q4/4kImj0
兄者…
176 :
やり直し:2012/04/18(水) 21:15:02.08 ID:/rIZkdAZ0
ぐ
し
ゃ
ッ
重く、鈍く、そして一生忘れられないような音が
はるか遠くから やけにはっきりと響いた。
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:15:57.53 ID:j3Q4MAg90
そうか8階だったか
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:18:26.96 ID:l7Bp2uzZ0
流石兄弟って何となく一戸建て住まいのイメージがあるんだが
今回はマンションか……
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:18:37.26 ID:isXr3ds9O
うわぁ…
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:18:50.70 ID:/rIZkdAZ0
++++++++++++++
(`・ω・´)「……というわけで……昨晩、流石兄者が亡くなった。
マンションの8階にある、自分の部屋から飛び降りたらしいが……」
(*‘ω‘ *;)「……」
(;><)「そんな……」
从'ー';从「うっそー……」
('、`;川「やっぱり……妹さんの事が……」
(`・ω・´)「……詳しい事は警察が捜査中だ。
みんなもショックだと思うが、あまり気落ちしすぎないように……」
ざわざわと、重い空気と動揺が教室内を支配する。
つい何日か前まで一緒に笑い、喋り、騒いでいたクラスメイトが死んだのだ。
それも、クラスの大半は何も言わずとも確信していることだが
恐らくは愛する妹の後を追っての飛び降り自殺。
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:21:16.48 ID:/rIZkdAZ0
教師が出て行った後も不安なざわめきの絶えない教室には
当然のように弟者の姿も無かった。
(*‘ω‘ *;)「……なんでこんなことに……」
(;><)「兄者君……」
いつも強気なちんぽっぽまでもが、動揺し青冷めた顔をしている。
ふと、今だ自分の席についたままのワカッテマスの様子がおかしい事にビロードは気づいた。
(;><)「……?ワカッテマス君?」
(;<〇><〇>)
(;><)「ワカッテマス君?……どうしたんですか?」
ワカッテマスは、傍らで狼狽するビロードの声も耳に入らないようで
血の気の失せた顔に目を見開かせ、明らかに尋常では無い様子で何か呟いていた。
(;<〇><〇>)「……私の…い……私のせいだ……!」
支援
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:23:34.82 ID:/rIZkdAZ0
(*‘ω‘ *;)「?ワカ?……大丈夫かっぽ?」
(;<〇><〇>)「私が、私があの時……!!」
そう。昨日、放課後の帰り道。
偶然見つけてしまったインコが飛んでいった方向は
兄者達の住むマンションの方角だった。
いくら見て見ぬフリをしようとしても、嫌な考えは拭えなかった。
妹者があのインコに殺された。
だが悪夢はあれで終わりでは無いのではないかと。
ワカッテマスはあのインコに、死を感染させるような不吉な何かを感じていた。
あの時。インコを見つけた時。
見て見ぬフリなどせず、兄者達の住むマンションへと走り、何か対策を講じていれば
こんな結果にはならなかったのではないか。
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:27:08.59 ID:/rIZkdAZ0
(*‘ω‘ *;)「ワカ?どうしたっぽ?」
(;><)「大丈夫ですかワカッテマス君、顔色が……」
だが自分は逃げてしまった。
何より大事な親友2人にその災いが降りかかる事を恐れて。
-――いや、違う。
本当は、自分がもう二度とあんな恐ろしい思いをしたくなかったからだ。
だから見捨てた。幼馴染の親友2人と、同じくらい大事な友人を。
そして我が身可愛さに保身に走った結果がこれだ。
自分が放棄した責任の重さ。
そして仲の良い友人の死に混乱するワカッテマス。
その頭は、これから起こり得る最悪の結論へと辿り着く。
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:34:01.04 ID:isXr3ds9O
しえん
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:35:18.27 ID:q4/4kImj0
ワカッテマスは悪くない
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:40:50.39 ID:EEJlyPbBO
いいね
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:41:40.55 ID:/rIZkdAZ0
あの大雨の日に妹者が死に、そして昨夜兄者が死んだ。
どちらも自分はインコの姿を目撃している。
ならば、次にあのインコに殺されるのは……?
(;<〇><〇>)「――弟者君!」
(*‘ω‘ *;)「え?」
(;><)「お、弟者君は、休みですけど……」
いきなり立ち上がり、大声をあげたワカッテマスに教室中の視線が集まる。
(;<〇><〇>)「早くしないと……!」
(*‘ω‘ *;)「わ……ワカ!?どこ行くっぽ!?」
だが彼の目にはそんなクラスメイト達の視線も、困惑する幼馴染の声も耳には入らない。
ざわめく人波を、机を押しのけ、我武者羅に教室から飛び出して行った。
(;><)「ワカッテマス君!!」
(*‘ω‘ *;)「……!?」
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:44:24.87 ID:/rIZkdAZ0
(;<〇><〇>)「はぁっ!はぁっ!」
走る。走る。
校門を飛び出し、道行く人々にぶつかりながらも、ただひたすら弟者の住むマンションを目指して。
何度も転びそうになりながら、曲がり角を曲がり、歩道橋を超え
ついにマンションが見えてきた。
その周りに停まるパトカーが数台、そして警察官が何人か立っているのも見える。
目を血走らせ、もつれる足でマンション内に駆け込もうとするワカッテマスの尋常では無い様子に若い警察官が慌てて彼を止めに入った。
(-@∀@)「おい君、待ちなさい!今このマンションに勝手に入ってはいけない!」
(;<〇><〇>)「離して下さい!弟者君が危ないんです!!」
(-@∀@)「!弟者?……君は流石弟者君の友達か?」
(;<〇><〇>)「弟者君が危ないんです!弟者君も殺される!!」
(;-@∀@)「な、なんだって?一体なんの事だ?」
(;<〇><〇>)「兄者君は自殺したんじゃない、殺されたんです!次は弟者君が……!!」
(‘_L’)「おい、どうした?」
近くで待機していた初老の警官が、騒ぎを聞きつけ2人に近づく。
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:46:57.45 ID:/rIZkdAZ0
(;-@∀@)「あ、先輩。いえ、彼がいきなり……。
流石弟者の知り合いらしいんですが、言ってる事が滅茶苦茶で」
(;<〇><〇>)「お願いします、弟者君に会わせて下さい!」
(‘_L’)「落ち着きなさい。今君を流石弟者に会わせる事は出来ない。
彼には今、他の家族と共に、警察署にて事情聴取を受けてもらっている」
(;<〇><〇>)「時間が無いんです!早くしないと弟者君も殺される!兄者君みたいに!!」
(‘_L’)「……君は流石兄者の死について何か知っているのか?」
(;<〇><〇>)「兄者君は殺されたんです!!」
(‘_L’)「なに?……誰か、思い当たる人物がいるのか?」
(;<〇><〇>)「それは……」
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:49:06.35 ID:q4/4kImj0
ワカッテマスがんがれ
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:54:44.18 ID:q4/4kImj0
さるかな
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 21:58:44.58 ID:isXr3ds9O
でも弟者もインコの存在に気付いたしなぁ
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 22:01:19.30 ID:/rIZkdAZ0
……言えない。
言ったところで毛頭信じてもらえない。
いくら普段の冷静な判断力を失い、錯乱状態のワカッテマスでも
目の前の警官にそんな事を口走ったところで、頭を疑われ事態を悪くするだけだという分別はあった。
(;<〇><〇>)「……弟者君に会わせて下さい。弟者君に伝えなければ……」
(‘_L’)「……駄目だ。事情聴取を終えるまで、第三者との接触は警察によって制限されている。
それに、どの道今の状態の君と彼を会わせる事は出来ない。
最悪、捜査に混乱が生じる可能性があるからな」
(;<〇><〇>)「弟者君が危ないんですよ!!殺されるって言ってるでしょう!?」
焦りが極限に達し、思わず警察官の襟元に掴みかかった。
(;-@∀@)「こ、こら!やめるんだ!!」
慌てて、眼鏡をかけた若い方の警察官がワカッテマスを引き離した。
ただならぬ様子に、周囲で待機している警官達にも緊張が走る。
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 22:02:46.99 ID:Dezd04L60
がんばれワカッテマス
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 22:03:58.67 ID:/rIZkdAZ0
(;<〇><〇>)「離して下さい!僕は、僕は……!!」
若い警官の腕から逃れようと、尚も喚き、暴れるワカッテマス。
そんな彼を宥めるように、初老の警官は静かに言葉を紡ぐ。
(‘_L’)「……。君は今、友達の死で動揺しているんだ。
流石兄者の死亡原因については、現在我々警察が詳しい捜査を行っている。
万が一流石弟者、及び家族に危険がせまるような事実が発覚したとすれば、
警察全体で彼らを警護し、万一の事態が起きないよう万全を尽くすから安心するんだ」
(‘_L’)「だから、君はもう帰りなさい。これ以上ここにいても、周囲に混乱を招くだけだ」
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 22:08:03.00 ID:/rIZkdAZ0
(;-@∀@)「……なんだったんでしょうね。彼、様子が尋常じゃなかったですよ。
それに、流石兄者は殺されたって……。
参考人としてでも、話を聞き出しておかなくて良かったんでしょうか」
(‘_L’)「大分錯乱している様子だったからな……。どっち道、まともな話は聞けなかっただろう。
それに、流石兄者の自殺は現時点でほぼ確定だ。
遺書等は無かったが、動機も見つかっているからな」
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 22:10:04.77 ID:u1zjrbuM0
ワカッテマスは弟者がインコに気付いてるか知らんだろ
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 22:11:05.30 ID:EEJlyPbBO
ワカッテマス…
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 22:12:50.52 ID:/rIZkdAZ0
(;<〇><〇>)「……ああ……」
何を言っても信じてもらえない。冷静に宥められ、追い返されてしまった。
弟者の身に危険が迫っているというのに、自分にはどうする事も出来ない。
またも自分は同じ過ちを繰り返してしまうのか。
あのインコの正体を知っているのは自分だけなのだ。
これ以上犠牲者が出ないうちに、なんとかしなければ。
手遅れにならないうちに、早く……
既に心神喪失しているワカッテマスの足取りは、どこへ向かうでも無く元来た道をふらふらと辿る。