1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
たったらオナニーする!
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:37:25.34 ID:/FtnvKdX0
小鳥「ちゅっちゅ・・・・・・・・・・ぺちゃぺちゃ・・・ぺろぺろ・・・・しょっぱくておいしーい」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:37:33.23 ID:O1jxOs0g0
0721うpはよ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:37:41.76 ID:BsMEVlm90
みんなー、
>>1のオナニー小説が、はーじまーるよー!!
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:38:10.12 ID:hrKY6LB/0
こんにちは! あたし……あ、いや、わたくしは765プロダクションという芸能事務所で事務員をしております、音無小鳥と言います。
今日は、いつもテレビや雑誌で活躍するみんなの日常を記録して、皆様によりたくさん!
765プロのアイドルたちの魅力を伝えていこうかと思います!
「おはようございます、小鳥さん! って……あれ?」
今日の一番乗りは、天海春香ちゃん。
通勤するのに結構時間かかるのに、春香ちゃんはいつもみんなより早く事務所のドアをくぐります。
彼女は一生懸命な努力家で、気が付いたらみんなの中心に立っている、そんな存在ですね!
歌やダンスだけでなく、いつか舞台にも挑戦したいっていうお話もあって、今後はもっと活躍の幅が広がっていきますよ〜。
だけど……。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:41:14.56 ID:R3uBSGJR0
遊戯王じゃねーの
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:42:36.90 ID:hrKY6LB/0
「小鳥さん、ビデオカメラで何を撮って、って……うわぁあああ!?」
がっしゃーん。
あらあら。ちょっとドジで、すぐ転んじゃうところは、初めてここに来たときから今でも変わらないみたいですね。
……すごい音したけど大丈夫、春香ちゃん?
「っつぅ〜……。あははは、大丈夫です……あ、プロデューサーさんも! おはようございます!」
「いま気付いたのか……おはよう、春香」
この人は、我らが765プロの敏腕マネー……じゃなくて、敏腕プロデューサーさんです!
まだまだ新人さんで、ちょっと頼りないところもあるけど、いつもアイドルたちのために頑張ってくれています!
彼はとっても優しくて、みんなのことを家族同然に大切にしてくれて、あと、えっと……そ、それに……。
「ちょ、ちょっと洒落にならない言い間違いですね……ははは」
――それに、あたしは……彼に、恋をしていました。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:46:08.49 ID:hrKY6LB/0
「って、俺を撮るのはだめですよ。はい、没収」
ああ! まだ始まったばっかりだったのに……ん、あれ?
どうしてプロデューサーさんがカメラを構えているの? それはあたしの仕事では……。
「春香、やれ」
「はい! え〜、この方が! 先ほどまでカメラマンを担当しておりました、765プロの事務をしてくださっている音無小鳥さんです!
いつでもやさしくて、みんなの頼れるお姉さんなんですよ! ほらほら小鳥さん。笑顔ですよ、笑顔!」
「ちょ、ちょっとあたしのことは撮らないでよ〜」
や、やだわもう。まあ、あとで自分で編集するからそのときカットすればいっか……。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:47:28.70 ID:OLT1FLi0O
国語の教科書思い出したわ
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:48:49.63 ID:luzZA5VZO
ぴよぴよ
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:49:39.10 ID:hrKY6LB/0
「音無さ〜ん、カメラ回ってますよ〜? なんか喋ってくださ〜い?」
もじもじしているあたしに対して、彼はそんなことを言うけど……あ、あたし何を喋ったらいいのかしら。
前だったら、にこやかにうふふふ〜とでも言ってのけたけど……なんだかそんな余裕は今はないわ。
う、うぅ……カメラ越しに、彼がこちらを見ている……。
……ま、まあ? あとで消すとはいえ、やっぱりあたしも女ですもの。カメラ写りは良くありたいわよね。
お化粧大丈夫かしら? 前髪は問題ない? 小じわは……
って何考えてるの、全部問題ありありよ!!
さっきまで彼が話してたのは誰? 春香ちゃんよ! 若くてお肌もぷるぷるしててかわいくて、アイドルなのよ!
その後にあたしのことなんて、見ないで〜!!
――2×歳にして、あたしはわりと、ガチな片思いをしていたのです。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:49:52.39 ID:aVzDVY4U0
ああ、犬が死んじゃう話ね
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:54:08.30 ID:hrKY6LB/0
――――――――――――
――――――
―――
「ふぅ〜〜……さすがに、重いわ。疲れたぁ……」
今日の仕事がやっと終わって、あたしはひーこら言いながら家に帰ってきました。
スーパーで買い込んだ大量の安売り食材とお酒はレジ袋の中に眠ったまま、テーブルの上に置きっぱなし。
放置プレイを決め込んでやります!
そして、着ている服もろくに脱がずにベッドにダイブして、今日の出来事を思い出していました。
「……うへへ……プロデューサーさん……」
前言撤回。今日の出来事じゃなくて、今日の彼とのやりとりを、です。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:54:18.13 ID:8eQLS1CI0
上るがガチで読めなかった
真美の話とリンクしてんの?
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 20:57:25.23 ID:hrKY6LB/0
『アイドルたちのプライベートシーンを撮影してファンの方に届けるのは良いアイデアですけど、
このカメラ完全に音無さんの私物ですよね』
『え、そ、そんなのは持ってないですよ……』
『こないだ一緒に買いに行った俺の前で白を切ると? 散々悩んで、何件も店回ったじゃないですか』
『え!? 一緒に買い物!? ど、どういうことですか! 小鳥さん! プロデューサーさん!』
『ん、あーそれは音無さんがカメラ欲しいんだけどよくわからないって言うから』
『ち、違うのよ? 決して勇気出してデート誘ったとかじゃなくて……ピヨピヨ』
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:01:10.13 ID:luzZA5VZO
ピヨちゃん可愛いよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
18 :
>>15ちょっとだけ……:2012/03/13(火) 21:01:54.90 ID:hrKY6LB/0
やがてあたしはむくりと立ち上がり、鞄の中をごそごそ。目的は先ほどのビデオカメラです。
“アイドルのプライベートもあたしのものよ作戦”は途中で失敗したけれど、
メモリの中には短いながらもバッチリ春香ちゃんの姿が記録されています。
かわいいなぁ、春香ちゃん。転んじゃう姿もまた……くぅ。
「あ……プロデューサーさん……」
プロデューサーさんがあたしに話しかけてくれているわ。
……か、顔はまあ、普通よね。可もなく不可もなくって感じ?
身長は高めだし、それなりにお値段はってそうなスーツもばっちり着こなしてるけど、まあ、うん。
「う〜〜……。どれだけ何を考えようと、やっぱ……かっこよく見えちゃうわよ」
それになんだか……見ていると安心する。
う、うぅ。こうやってビデオに写った彼を見ていると、なんか覗きみたいで、悪いことをしている気分だわ……!
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:05:25.85 ID:hrKY6LB/0
「うへへへぇ……。っと、うわ、こっからはあたしか……あとで編集しなきゃ……」
……ほんと、いやだなあ。こうして客観的な視点から見ると、春香ちゃんとあたしとの差がすごいわね……。
なんで春香ちゃんはあんなにお肌綺麗なの?
化粧水一本しか使ってないって言ってたけど、そんなの嘘よね? 嘘だと言って……。
あたしは化粧台の上に無造作に置かれている大量のお肌ケアグッズを見ながら、時の流れの早さを恨みました。
「いつか春香ちゃんもこうなるのよ、そうよ……ぐすっ」
oh…ちょっと悲しくなってきたゾ
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:08:42.19 ID:hrKY6LB/0
『や、やめてください、いまは撮らないでぇ〜! ちょっとお化粧しなおしてきますから〜!』
『大丈夫ですよ、音無さん。そんなのしなくても全然問題ないですって』
『え、ほ、ほんとですか? ……ってプロデューサーさん、うしろ――』
ぷつん。最後にあたしのにやけ顔を映して、録画は終了してしまいました。
あたしのカメラはお怒りの律子さんによって本当に没収されてしまったのです……およよ。
なので今日の仕事が終わるまで、あたしは他の子を録画することもできませんでした。
これはやり方を変える必要があるわね……。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:12:13.83 ID:hrKY6LB/0
「プ〜ロデューサーさぁん……そんな、問題ないよ、だなんて。小鳥はそのままでもかわいいよ、だなんて。うひひ……」
もう、もう! お上手なんだから!
あたしは若干の脳内補正がかかった記憶を、枕に顔を埋めながら思い出していました。
足は自然とバタバタしています。いいじゃない、妄想は恋する乙女の特権よね!
……あら? いまなにか動くものが目に入ったような。
「…………」
ふと横を見ると、いい年こいて恋してはしゃいで調子こいてる二十代後半らしき女の姿が、大きな姿見に映っていました。
……なにが乙女よ。年を取ると、現実に戻るのもこれで一発になるってもんです。はいはいべんりべんり……。
23 :
以下、名無しにかわりましてHBKを愛しています:2012/03/13(火) 21:14:22.35 ID:SCuqs0Gp0
お前のオナニーおもろいな
支援
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:16:07.15 ID:hrKY6LB/0
――――――――――――
――――――
―――
彼に最初に惹かれたのは、暑かった夏も終わりを迎えようとしている時期のこと……だったと思います。
正確には覚えていません、気が付いたらこの気持ちはあたしの中ですっかり大きくなっていたからです。
とにかく、あの夏。
その頃あたしたちの事務所では、今後を左右するくらいの大事件が起こっていました。それは……。
「竜宮小町、ですか」
765プロのもうひとりのプロデューサーである、秋月律子さんプロデュースのユニット『竜宮小町』の結成です。
この件に関して、あたしは以前から社長と律子さんに聞かされていたことなので驚きはしませんでした。
しかし彼は、あまり顔には出しませんでしたが随分大きな衝撃を受けていたようです。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:20:07.61 ID:hrKY6LB/0
「なにやってんだろうな、俺は……」
あの有名な歌番組に出演してから、竜宮小町の知名度は一気にはねあがりました。
彼はきっと、あの頃焦っていたんだと思います。
律子さんに負けないように頑張るんだけど、いろんなことがうまくいかなくて、こんな風に落ち込んでる姿を何度も見せていました。
なんだかこっちまで元気がなくなっちゃうほどのへこみようだったので、あたしはとても彼の姿を見ていられませんでした。
そこで、なんとか力になれたら……と思ったのです。
しかしながらあたしはただの事務員ですので、仕事面で力になれる場面はなかなかありません。
あたしに出来ることはただ、疲れた姿で事務所に帰ってくる彼を笑顔で迎え、お話を聞いてあげることだけでした。
やっぱり誰かを元気づけるには笑顔! ですものね。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:23:43.27 ID:hrKY6LB/0
「おかえりなさい、プロデューサーさん」
「ただいま戻りました……」
「今日も大変でしたね。お疲れでしょう、いまあったかいコーヒーを淹れますね」
「ありがとうございます、音無さん。いつもいつも、遅くまで残っていてくれて」
「ふふ、あたしもたまたま仕事があっただけですから気にしないでください。それより、今日は何があったんですか?」
「……それがですね、あの局のあのプロデューサーが――」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:25:32.87 ID:luzZA5VZO
ぴよ
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:27:35.13 ID:hrKY6LB/0
「……すいません、音無さん。今日はなんだか愚痴っぽくなっちゃって」
「いえいえ。落ち込むときはがっつり落ち込んで、誰かに言うのが一番ですよ。
よかったらこのあと、気晴らしにぱーっと飲みにでもいきませんか?」
あたしと彼が少しだけ仲良くなり、今のようにお話するようになったきっかけは、このときの飲みですね。
やっぱりいつまで経ってもお酒が人生の分岐点なのでした……。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:28:37.11 ID:KH17TQA0O
事務員ネットやる暇あるなら仕事しろ
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:28:58.68 ID:luzZA5VZO
いいペースだがさるさんくらいそうで怖い
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:30:52.70 ID:hrKY6LB/0
『でぇすから〜、ちはやちゃんとやよいちゃんがぁ〜、わかりますう?
ちはやよだけじゃなくてぇ、やよちはも中々味わい深いものがあるんですよぉ!』
『はい、はい! 実によくわかります! そこにいおりんも加わると、またこれがなかなかどうして
良いスパイスになるんですよね!』
『そぉ〜おなんです! でもあくまでいおりちゃんは主役じゃないから、涙目? みたいなぁ〜!
そぇがまたかわいい〜!』
『わかります! でこちゃんには涙目がよく似合うんです! 愛おしさすら感じます!』
『えっへへ〜、ぷろでゅーさーさん話せるじゃないですかあ〜! ん〜、じゃあ改めましてぇ……』
『『かんぱーい!!』』
最初に飲み会をしたとき何を話していたか、あたしは酔っていたのであまりよく覚えていません。
きっと765プロがこれからどうなっていくのかとか、アイドルたちのプロデュース方針とか、
そういう真面目な話だったんじゃないかと思います。はい。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:37:01.96 ID:hrKY6LB/0
これをきっかけにその後も一緒に食事をすることがあって、あたしたちの親睦は深まっていきました。
そしてある日。
あたしは……恋に落ちたのです。
そうそれは、月が輝き星が歌う、そんな夜のこと。……もう少し地上にズームインして言うと、
「ん、んぷ……うげぇえ゛ええろろろろろ……!」
「大丈夫ですか音無さん……」
あたしがたるき亭の前で、銀河を駆ける流星のように胃の中のものを吐いている、そんな夜のことでした。
え、うそ!? この日だったかしら!?
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:37:25.98 ID:luzZA5VZO
保守
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:38:45.19 ID:tGn840Fl0
さるさん
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:39:55.59 ID:C2TgGbb40
すごく良い
支援
遊戯王じゃなかった……
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:42:46.09 ID:hrKY6LB/0
「ご、ごべんなざい……あはは、でももうだいじょうぶですよ! えへへぇうぷぷぷ」
「おぉおおお!? ス、スーツが!!」
当時のことを思い出すとあたし、死にたくなりますね。
これが恋のきっかけとか、このアラサー女子()は本気で言ってるの?
いやあたしのことなんですけれども。なんかもう妄想する気力もなくなりそうです……。
「はい。ミネラル・ウォーターです。音無さんあんまりお酒強くないんだから……」
「す、すみませんでした……」
彼はそんなあたしに対して、いつも通り優しくしてくれました。
普通ドン引きするでしょう、どれだけ懐大きいんですか。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:42:48.35 ID:tGn840Fl0
ぴよちゃんの吐瀉物回収したい
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:45:34.22 ID:wxnhqLYZ0
恥ずかしいところ見せたらもう何も怖くない
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:45:53.02 ID:9nnL3jYJ0
出来れば直飲みしたい
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:45:59.91 ID:1CWcvRzC0
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:47:05.69 ID:hrKY6LB/0
「ははは、そういう姿を見るのは初めてじゃないし、全然気にしませんよ」
「え、あたしプロデューサーさんの前で吐いたの初めてだった気がしたけど……」
「それはきっと音無さんの意識が保たれてる中では、という話ですね」
「…………ぐすっ」
記憶を失って気が付いたら自宅で寝ていたということは何度かありましたが、
無意識のままげーげーしちゃってるとはそのときまで知りませんでした。
あ、だからスーツを急に変えたりしてたんだな、と思ったものです。クリーニング出してたのね、なーるほど。
あはは、よくよく考えたらこんなあたしが恋するなんてなんの冗談?
寝言は夢から覚める前に言いなさいって思います。うう……。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:52:07.12 ID:tGn840Fl0
支援
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:52:38.13 ID:luzZA5VZO
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:53:08.05 ID:W1N7QP3Z0
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:53:43.65 ID:hrKY6LB/0
「ちょ!? 音無さん、どうしたんですかいきなり泣いて」
「だってぇ……あたし、年上なのに……なんかあ、なさけなさすぎてぇ……えぐっ、えぐ」
こんなんだから彼氏いない暦=年齢なのよ。美希ちゃんにもあんな顔されちゃうのよ。
あーあ、もういやになっちゃう。
「泣かないでくださいよ……音無さんは、笑顔が一番かわいいんですから」
「……え?」
……え? ちょ、ちょっと今のところ、もう一回再生してもらえますか……か、かわいいって聞こえたような。
「あ、いやそのなんと言いますか……すいません、ちょっとへんなこと言っちゃいました」
「…………ぴよ」
ちょっと! 当時のあたし! ピヨピヨ言ってないで追求してよ! も、もう一回だけでいいから……!
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:56:13.19 ID:tGn840Fl0
変態だから素晴らしいSSをかけるのか、素晴らしいSSをかけるから変態なのか?
どっちだ?
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:57:05.33 ID:hrKY6LB/0
「ただ、音無さんが笑顔じゃないと……俺まで悲しくなるから、だから笑っていてほしいかなーって」
「…………」
……顔赤くしてないで。さっきの、さっき何て言ったかって、彼に聞いてよ……当時のあたし。
これ以上先は……。
「……ははは」
「……あたし、そういうの、いままで言われたこと、なかったです……」
……これ以上先は、聞いちゃだめよ。
「えっと……俺がいままで音無さんのこと、禄に褒めてこなかったってこと……ですか」
「……ちがいます。ほかのどの男性からも、ってことです」
「ほ、ほかのって……」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 21:57:07.39 ID:luzZA5VZO
ピヨちゃんはほんと可愛いな
小鳥が小島に見えたせいでよしおかと思った
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:01:36.87 ID:hrKY6LB/0
「かわいいとか! そういうの! 今まで男のひとから直接言われたこと、なかったから! だから!」
「う、うれしい……うれしぃよお……えへへ……」
「!」
急ににやけ始めた酔っ払い女の顔を見て、当時のプロデューサーさんはどう思ったんでしょう。
あたしはそんな彼の顔を、なんだか恥ずかしくて直視できないでいました。
薄ら笑いを浮かべてちらちらするだけです。どう見ても気持ち悪いです、本当にありがとうございました。
でも彼は、そんなあたしに……。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:01:38.96 ID:w8ermDvr0
いいSSだ
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:03:58.87 ID:luzZA5VZO
しかし無意識下でも自分の服にかからないように吐くとはこのピヨちゃんやりおる
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:05:13.37 ID:hrKY6LB/0
「……やっぱり、かわいいです。音無さん。俺、アイドルの子たちの笑顔はたくさん見てきましたけど……
音無さんのいまの笑顔が、一番だって言えます」
「!!?」
〜〜〜!! もう! 思い出すだけで、もう! まーた足がバタバタし始めるじゃない! きゃー!
あたしたちの仕事上、こ、こういう言い方ってずるくないですか!? そりゃあきゅんきゅんしちゃいますよ!! もう!!
……とにかく、あたしはこのときようやく、はっきりと自覚したのでした。
ああ、あたしは、彼に恋をしているんだと。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:08:07.25 ID:w8ermDvr0
本当に片思いなのか
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:11:44.83 ID:hrKY6LB/0
――――――――――――
――――――
―――
「ねえねえ、ピヨちゃん」
「なにかしら、真美ちゃん?」
「ひっ!! なんかピヨちゃん、笑顔が不自然だよ……隈もあるし、寝不足? だいじょうぶ〜?」
あの日、年甲斐もなく胸をときめかせ恋に落ちてから、今日まで。
あたしはなるべくいつでも笑顔でいようと努めました。
もちろん笑顔がかわいいってプロデューサーさんが言ってくれたからです。
よく考えたらそりゃあお世辞に決まっているんでしょうけど……
それでもあたしは、少しでも彼に良い印象を持たせようとして必死なのでした。
P完全に落としにかかってるじゃないですかー
ところで小鳥さんのアニメ内で一番エロいシーンは「私」の春香にココアを渡すときの後ろ姿だと思う
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:13:52.87 ID:luzZA5VZO
ぴよ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:13:53.03 ID:jHbJ10050
4
ふむ。真美の奴にちょっとでもリンクしてると、考えると…
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:16:11.33 ID:hrKY6LB/0
「さっきのカメラマンごっこは終わっちゃったの? 昨日もはるるんにやってたらしいけどさ。
真美、まだインタビュー受けてないよ!」
「あ〜、二日連続でやって律子さんに怒られちゃったから、きっとしばらくできないわねぇ……」
「え〜! ずるい! ピヨちゃんは真美といっちゃん仲良しじゃんよ!」
「ふふ、ごめんね、真美ちゃん。お詫びに、一緒にちょっと甘いものたべにいかない? パフェくらいならおごるわよ」
「ほんと!?」
この子は、双海真美ちゃん。いつでも元気いっぱいな双海姉妹のお姉ちゃんです。
あたしは765プロのアイドルの子たちみんなと仲が良いけど、特にこの子は特別で、本当の妹のような存在なのです。
最近では、亜美ちゃんのことでなんだか思うところがあるみたいなんだけど……。
あ、亜美ちゃんっていうのは真美ちゃんの双子の妹のことで、
先月律子さん率いる『竜宮小町』でデビューした、うちの期待の新人アイドルです!
ふたりともちょっと……いや、かなりいたずら好きなんですけど、とってもいい子たちなんですよ!
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:19:50.71 ID:hrKY6LB/0
――――――――――――
――――――
―――
「それで、真美ちゃん。何かあったのかしら?」
「もぐもぐ……な、なにかって〜?」
真美ちゃんはパフェをつついているばかりでなかなか話を切り出そうとしないので、こちらから振ってみました。
それでもまだ言い出さないので、あたしは今度は直球で攻めてみることにします。
「亜美ちゃんとケンカした?」
「ぷふぅっ!!」
どうやらストライクのようです。
真美ちゃんが「仲良しじゃんよ〜」って言ってあたしにくっついてくるとき、だいたいそれは誰かとケンカしたときなのでした。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:20:47.82 ID:luzZA5VZO
ぶっちゃけ真美のやつがどうのと言われても間違いなく読んでないので興醒めでござる
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:23:30.46 ID:hrKY6LB/0
「ピヨちゃんはなんでも知ってるね……」
「あはは、さすがになんでもは知らないわよ」
知っていることだけ……彼の心の手に入れ方も、あたしは知りません! 誰か教えて!
「ケンカした……ってわけじゃないよ。たださ、なんだか最近、あんま亜美と話してないな〜って思って」
「ふうん……。寂しい、ってこと?」
「そりゃあさみしいし、つまんないよ。一緒に兄ちゃんをいじることも少なくなっちゃったしさ〜。
真美だけだと、なんかさ……兄ちゃんにも、どう絡んだらいいか、最近よくわかんなくなっちゃって」
66 :
真美のやつとは直接の繋がりはないので、あれは読まなくて大丈夫です。長いし:2012/03/13(火) 22:27:56.19 ID:hrKY6LB/0
「なるほど……」
あたしは神妙な顔つきのフリをして、真美ちゃんの表情の変化を読みます。
この表情は……見覚えがあるわね、鏡で毎日見ているもの。
あ、いやあたしはこんなかわいくはないけど、ほら。言いたいことはわかるでしょう?
たぶんいまの真美ちゃんにとっては、亜美ちゃんのこともあるけど、プロデューサーさんのことも同じくらいもやもやしているんですね。
真美ちゃん、それはきっと……。と言おうとしたところで、あたしはやっぱり教えてあげないことにしました。
こういうことは誰かに教えてもらうんじゃなくて、自分で気付くのが一番なのよ。どうしてもどうしようもなくなったら、そのときにね。
ということで、目下のもうひとつの問題である亜美ちゃんのことを、もっと掘り下げてみようかしら。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:29:17.12 ID:tGn840Fl0
すまんかった。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:29:20.57 ID:luzZA5VZO
支援
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:30:30.57 ID:hrKY6LB/0
「ねえ真美ちゃん。竜宮小町のこと、どう思う?」
「う〜ん……すごい、と思うよ。今じゃテレビいっぱい出てるしね」
そうきたか……ならもう少し、突っ込んだ質問してみましょう。
「じゃあ、メンバーについては?」
「…………」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:30:50.50 ID:o4ZPjay+0
C
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:34:04.91 ID:hrKY6LB/0
「……いおりんはなんだかんだ言って、みんなをまとめるオーラ? があると思うよ。リーダーって感じ」
「あずさお姉ちゃんは、他のふたりとは全然タイプちがうよね。ほんわかしててさ、優しさがにじみ出てる。
もし違う人が選ばれてたら、今の竜宮小町みたいな人気は出なかったと思う。バランス悪すぎだもん」
「亜美は……よく、わかんない」
まだ自分が何をどう悩んでいるのか、それがよくわからないのね。
しかたないわねぇ、と内心微笑みながら、あたしはちょっと意地悪な質問をしてみます。
「よくわかんないって、亜美ちゃんのいいところなんて思いつかないってこと?」
「そういうことじゃないよ! もちろん良いところいっぱい知ってる。双子だもん、真美がいちばん知ってるよ。でもさ……」
と言うと、真美ちゃんは一生懸命眉間に力を入れて、なんだか難しそうな顔をしてしまいました。
何かを考えているみたいです。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:37:29.17 ID:hrKY6LB/0
「……ピヨちゃんも知ってるっしょ? 亜美と真美、前は変わりばんこでアイドルやったりしてたんだ。だから……」
「だから、真美ちゃんと亜美ちゃんの違いがわからないってこと?」
「……うん。たぶん、そう。律っちゃんがなんで、竜宮小町に亜美を選んだのか、真美にはわかんないんだ。
バランスで選んだ、って律っちゃんは言ってたけど……」
だったら、真美でもいいじゃん……と言うと、なんだか真美ちゃんの目はうるうるし始めてしまいました。
あ、だめだめこれじゃああたしが泣かせたみたい! 真美ちゃんの泣き顔なんて見たくないのに……。
「ぐすっ、泣いてなんかないよ! コドモ扱いしないで! 真美はもう、中学生なんだよ!」
その台詞は、オトナの台詞じゃないわねえ。かわいいんだから。
「またそうやってからかって……これだから、オトナはやだよ……ふんっ」
「じゃーあ、中学生の真美ちゃんに宿題を出します!」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:38:38.60 ID:jHbJ10050
4
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:40:38.73 ID:hrKY6LB/0
「律子さんはね、このユニットを組むにあたってメンバー決めをほんとに一生懸命悩んでたの。
名前が水に関係してるからとか言う人もいるけど、あれは実際たまたまね」
「……悩んだ末に、真美じゃなくて、亜美を選んだってこと?」
「そう。そして、バランスで選んだという律子さんの言葉に嘘はないわ。竜宮小町は、あれで本当に完璧なのよ」
みんなを引っ張っていけるリーダー、水瀬伊織ちゃん。
いつも元気! みんなのムードメーカー、双海亜美ちゃん。
そして……優しくて、ときにみんなのお姉さんでいてあげられる、三浦あずささん。
客観的に見てバランスが取れているのはもちろんのこと。
彼女たちにとってもきっと、このメンバーなら自然と100パーセントの力が出し合える。
竜宮小町は、そんなユニットなのよ。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:42:36.97 ID:tGn840Fl0
さるよけ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:45:46.97 ID:hrKY6LB/0
「……律っちゃんにとって、真美は、何がだめだったのかな」
「だめ、とかじゃないのよ。律子さんは本当に最後まで、亜美ちゃんか真美ちゃんかで悩んでいたけれど……
結局決め手になったのは、タイプの違いだったみたいね」
「タイプって……それこそ、亜美と真美は一緒じゃん」
「そりゃあ双子だもの、見た目は一緒に見えるわ。でも本当に大事なのは……心よ」
「こころ?」
「そう、こころ。真美ちゃん。あなたたちの心はとっても違っているのよ、だからよく考えてみてね」
「それが宿題? う〜、よくわかんないよ!」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:49:51.22 ID:hrKY6LB/0
「うううん……とりあえず、パフェごっつぁんです、ピヨちゃん」
いじいじしている真美ちゃんを連れて、あたしはファミリーレストランをあとにしました。
真美ちゃんはあたしが出した“宿題”について一生懸命考えてるみたいです。
でもきっと、答えを出すのは難しいわよね。
彼女はまだ13歳の女の子で、いちばん心の変化が大きいお年頃なんだもの。
昨日まで思っていたことが今日違う、今日決意したことが明日やめたくなる。
気が付いたら自分という存在が自分でよくわからなくなる。
そんな……思春期なんですもの。
根をあげてきたらもういっこヒントあげようかしら。
まあ、あたしですらはっきりとした正解なんてものはわからないんだけどね。
自分で自分のことを考える、ということが何より大事な宝物になるのよ。
乙女よ、存分に悩みなさい!
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:52:23.62 ID:1CWcvRzC0
ダメだやっぱり思い出すと死にたくなってきた
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:53:23.68 ID:hrKY6LB/0
――――――――――――
――――――
―――
ついに! ついに決まりました! 何がって? んっふっふ〜、ライブですよ、ライブ!
……なんて、ついちょっといろんな子の口調が混じっちゃいましたけど、それくらいあたしにとっても嬉しいことなんです!
765プロ感謝祭ライブの開催がついに決定したのです!
みんなで一緒に大きな舞台に立てるお仕事は、これが初めてですね。
竜宮小町の活躍や、芸能人事務所対抗運動会での優勝、ほかにもたくさん!
今までこつこつ積み重ねてきたみんなの努力のおかげなんです!
……あら? なにやらピアニストの方がぼそぼそと話しかけてきているわ……。
「小鳥ちゃん、嬉しいのはわかるけど、宣伝してないでちゃんと歌ってよ〜」
「あ、はい。あはは……では、改めまして」
今あたしがどこにいるのかと言うと、各界の大御所さんたち御用達のシックなピアノ・バーです。
まだ事務所のみんなには内緒だけど、あたしはこうして、ときどき人前に立って歌を歌わせてもらっているのです。
プロデューサーさんにも内緒。だって恥ずかしいじゃないですか……。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 22:59:13.78 ID:hrKY6LB/0
――ひとつ、生まれた種……弱く、小さいけれど……――
歌は、本当にだいすきです。あたしの人生にとって、歌は常にそばにあるものなのです。
あたしのお母さんは、いつもあたしに歌を歌ってくれていました。
なんでも昔、いまで言うアイドルのように、社長さんたちにプロデュースされていたらしいけれど……
詳しくは知らされていません。
ただとにかく、それに加えてその他もろもろの縁があって、あたしは今の仕事に就いているんですね。
あたしが歌手としてデビューしかけたなんてことは、みんなには本当の本当に秘密です……。
――深く、根を歩ませ……強く、今を生きてる……――
……いつか、この歌のように。
あたしの思いも……彼の心に花咲く日が、くるのでしょうか。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:01:53.38 ID:wxnhqLYZ0
Cピヨ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:05:34.84 ID:tGn840Fl0
さるよけ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:08:25.45 ID:hrKY6LB/0
――――――――――――
――――――
―――
「兄ちゃん! もう! 信っじらんない! なんであんなことするの!?」
「いやぁ……すまん、すまんって、真美……」
なにやら穏やかな雰囲気じゃありませんね。
プロデューサーさんと真美ちゃんがケンカしているようです。
……というか、真美ちゃんが一方的にご機嫌ななめになっているみたいですね。
まわりのみんなもはらはらしながら聞いて……あら、別にそうでもないわね。
最近ではいつものことだからかしら。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:11:55.26 ID:hrKY6LB/0
「もう、もう……なんで、勝手に覗くかなぁ……」
どうやらケンカの発端は、彼が真美ちゃんの秘密トレーニングをこっそり見ていたことらしいです。ああ……なるほど。
765プロ感謝祭ライブに向けて、近頃ではみんな歌にダンスに猛練習の日々が続いています。
最初はくじけそうになっていた雪歩ちゃんも、今ではとても良い表情で練習に打ち込むようになりました。
そんな中、真美ちゃんもほかのアイドルたちに負けないように内緒でひとり特訓をしていたようなのです。
……あ、ついに逃げ出しちゃったわ。
「あ、ちょ、真美!?」
「プロデューサーさん、真美ちゃんはあたしがなんとかしますから。あなたはじっとしていてください」
別にプロデューサーさんが悪いわけじゃないんですけどね。
でも真美ちゃんの気持ちもわからないでもないから……ここはあたしにまかせといてください。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:15:14.58 ID:hrKY6LB/0
――――――――――――
――――――
―――
「真美ちゃん、大丈夫?」
「うぅ……ピヨちゃあん……」
真美ちゃんは案の定、屋上にいました。こっそり泣くにはここがいちばんですものね。
あたしはその小さな体をぎゅっと抱きしめて、彼女が泣き止むのを待つことにします。
しばらくして、少しばかり落ち着きを取り戻した真美ちゃんは、ぽつりぽつりと話し始めました。
「兄ちゃんにさ……」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:18:59.06 ID:hrKY6LB/0
「兄ちゃんに……真美が頑張ってる姿を、なんか……見られたくなかったんだ。でも……」
「真美……なんであんなこと言っちゃったんだろ。ほんとは、怒ったりするようなことじゃないって、わかってるのに」
「最近、兄ちゃんの顔を見てると……なんだかもやもやー! ってしてくるんだ……この、ここのあたりがすごく痛くなる」
そう言って、真美ちゃんは小さな手で胸のあたりを押さえつけました。
彼女にとってそれが何を意味することなのか、まだ自分でよくわかっていないようです。
こんな風に苦しんでいるこの子の姿はいままで何度か見てきましたが……
いまだあたしは、その気持ちの正体を……彼女に教えてあげられずにいました。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:19:55.06 ID:luzZA5VZO
支援
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:20:06.49 ID:8sozClQY0
ピヨちゃん幸せになるんですかこれ
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:21:16.05 ID:biF3ExLn0
俺の勘違いでなければピヨちゃんは幸せになれるはず
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:24:00.63 ID:hrKY6LB/0
――真美ちゃん、それはきっと、プロデューサーさんのことが好きになっちゃったのよ。
真美ちゃんはいま、初めての恋をしているの。
そう言ってあげれば、きっと彼女の気持ちは大きく変化するはずです。
感情のベクトルが、一気にいい方向に向くようになるはずです。
しかし、そのときあたしはひたすら黙ってばかりで、彼女のことを助けてあげることができませんでした。
あたしは、とても弱かったのです。
真美ちゃんが自分の恋心に気付いたときに……。
あたしはこれまで通り、いつも通りの顔をしていられるのか。
今までみたいに、あの人に思いを寄せていられるのか……。それが、わからなかったのです。
自分の気持ちには自分で気付くのがいちばんだから、なんて言い訳はもうしません。
正直に言って……あたしは、妹のように愛するこの子とライバル関係になるのが、怖かったのです。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:29:01.44 ID:XW3p0bh/0
C
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:30:36.67 ID:gDvLiT6b0
真美編のURLは無いのかね
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:31:28.45 ID:hrKY6LB/0
「んっふっふ〜……ピヨちゃんのおっぱいは、なんだかほっとするね……」
「あら、そう? ふふ、ならいくらでも貸してあげるわよ。だから、安心してコドモに戻りなさい……」
真美ちゃんはもうすっかり落ち着いて、ちょっとだけ笑顔を取り戻したようです。
でもそんな顔を見ながら、今度はあたしのほうが泣きたくなってしまっていました。
でも……泣きません。
この子の前では、あたしは頼れるお姉さんでいなければならないのです。
真美ちゃんが安心すると言ってくれたこの胸の中に宿る、あたしの大きな恋心も……
きっとこの先、この子に打ち明けることはないでしょう。
そんなことができる強さは、今のあたしにはなかったのです。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:33:51.65 ID:gDvLiT6b0
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:35:13.79 ID:hrKY6LB/0
――――――――――――
――――――
―――
「ほら、真美ちゃん」
「う……に、兄ちゃん。さっきは……ごめんなさい」
「……そんなこと、気にするな。それより、真美が元気になったみたいで、本当によかった」
そう言って、プロデューサーさんは真美ちゃんの頭をやさしく撫でました。
真美ちゃんは少し恥ずかしそうにしていたけど、その顔はとても嬉しそうです。
さっきまでの笑顔とは違う、まったく別の意味を持った笑顔を浮かべていました。
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:35:48.37 ID:ZYcy0+Vi0
成長物語ときいて!
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:38:29.63 ID:C2TgGbb40
お願いだから小鳥さん幸せになってくれ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:38:42.01 ID:hrKY6LB/0
「音無さん、ありがとうございました」
「いいんですよ。真美ちゃんのことならおまかせあれです!」
プロデューサーさんは鈍感だから、あたしと真美ちゃんの仲が特別良いということにきっと気付いていません。
ふふ、女同士の秘密、ですね。
いまのプロデューサーさんは本当に安心しきった顔をしています。
あたしたちが帰ってくるまでの間、きっと真美ちゃんのことが心配で心配で仕方なかったのでしょうね……。
なんだか……ちょっと、妬けちゃうかも。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:39:09.58 ID:nEUCgcnU0
ぴよ主役なの?最初から読んでくる
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:41:16.36 ID:w8ermDvr0
真美の話ってどれの事?最近アイマスSS増えすぎて見当もつかない。
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:41:58.48 ID:vw25qv3wO
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:42:35.46 ID:hrKY6LB/0
「さあ、明日からまた頑張りましょう!」
あたしはそう言って、必死に笑顔を浮かべながら彼の背中を叩きました。
いま彼に直視されたら、この仮面が剥がれてしまいそうで怖かったからです。
だからこんな風にごまかしたのです。
そのあとあたしは、顔をなるべく上げないようにしながら、ひとりでさっさと自分のデスクへと戻っていきました。
だから……
「ほんと……がんばらなきゃ。笑顔、笑顔で……いなきゃ……」
こんな風にひとりごとを言っているあたしのことを、彼が知ることはありません。
ライブはもう目の前。
あたしたちには、自分の気持ちを隅に置いてでもやらなきゃいけないことが、たくさんありました。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:45:52.33 ID:6J7LmgwlO
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:47:26.15 ID:e71/m8ERO
>>100 ログはないんだが
P「真美が、俺にキスをねだってくる……」
これか?
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:47:48.99 ID:hrKY6LB/0
申し訳ないんだけど、ちょっと書き溜め直してきます。
ちょいちょい書き足してくうちにこんな展開になるとは……
今晩中に終わらせるつもりだけど、落ちたら今度また改めてスレおったててオナニーするね
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:49:13.40 ID:JDT8sf870
ふむ。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:49:26.04 ID:C2TgGbb40
なんだと
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:50:18.16 ID:w8ermDvr0
>>105 公開オナニーとは大胆なやつだ。
全力で保守
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/13(火) 23:52:39.36 ID:JDT8sf870
これで、3作目?
たいしたもんだ。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
あと、ちょいちょい話出てたけどこれは以前投下した
P「真美が、俺にキスをねだってくる……」
というSSの前日談みたいなものです。
読んでくれたひと、覚えていてくれた人いっぱいいて、嬉しさのあまりカウパー出ました。ぴゅっぴゅ
でもあれはえらく長いし、直接関係ないので読まなくてもはなしつながるはず!