1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:24:27.33 ID:O3WLne8a0
ビシィッ
3 :
代行ありがとうございました:2011/10/31(月) 00:25:13.74 ID:6p2Lm2Cr0
クリス「黒玉の写真をとっておくべきだったわね、明日三階にいって写真をとってきましょう」
岡部が不思議そうにクリスに言う
岡部「どうして明日なのだ?今からいけばいいだろう」
そういわれるとクリスはたじろいでいった
クリス「べっ別に明日でもいいんだろ。それに暗いと危ないからな、電気がつくかわからないし」
岡部「びびってるのかクリスティーナ?」
クリス「びびってない!それなら岡部がいけばいいじゃない」
岡部「だが断る」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:27:26.98 ID:6p2Lm2Cr0
話を進めるうちに、写真の人間が誰なのかということに争点が移った
クリス「とりあえずほかの人物の所在が気になるわね」
岡部「何か共通点があるかもしれないしな」
二人が相談していると、まゆりがひそめた声で言った
まゆり「あの〜、すみませんが、まゆしぃはそろそろ帰宅のお時間なのです」
岡部「それじゃあとりあえず今日の会議はここまでにしよう。俺はまだラボに残るが」
クリス「そうね、私ももうちょっと残るわね、シーユーまゆり」
まゆりは玄関口で靴を履き終えて
まゆり「シーユーなのです、クリスちゃん、オカリン。オカリン、クリスちゃんに変なことしちゃダメだよ」
岡部「なにもするわけないだろうがっ!門限が過ぎるぞ」
まゆりは笑って手を振ると階段を下りていった。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:28:39.01 ID:SCCjB8D60
ss速報にあるのとは内容違う?
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:32:08.18 ID:6p2Lm2Cr0
冒頭部分を試験的に書いたもので誰も見ていないと思ってたのですが見てる人がいてうれしいです
加筆修正をして書いていきます。内容は異なりますが大まかな骨子だけでよければ読み飛ばしてくだされ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:34:49.25 ID:6p2Lm2Cr0
ジリリリリリリ
ラーメンタイマーがなるのを確認して、
カップめんのふたを開ける
日が落ちて明かりのついたラボには
岡部とクリスが二人で、
カップメンとドクペで軽い夕食をとっていた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:37:41.65 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「ふむ、ふむ、シーフード麺もなかなかいけるな」
クリス「そうね、あと塩も敬遠しがちだけど意外と味がしっかりしてるわよ」
クリスはプラスチックのフォークでカップ麺をすくいながら言った
クリス「やっぱりマイフォークがほしいわね」
プラスチックのフォークを見てそういった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:40:11.42 ID:6p2Lm2Cr0
クリス「それで、あの金属球はやっぱり世界線変動の影響なの?」
カップ麺を食べ終わって、クリスが岡部に聞く。
岡部「わからん、確かに前の世界線ではあんな部屋もなかったし、あんな金属球もなかったのだ」
さらに続ける
岡部「しかしそれがどこまで重要なものなのかはわからん。あれは機関の陰謀かもしれないし、単なる変人の道楽かもしれん」
クリスは少し考えてポツリといった。
クリス「まゆりは、死ななくてすむかしら」
岡部はうつむいて、カップから立ち上がる湯気を見つめながらこたえる
岡部「・・・わからん」
ラボに沈黙が下りる
岡部「・・・前の世界線では四日後になんらかの事件が起こってまゆりが死ぬ」
まゆりが死ぬ、いつからかこの言葉をいうことにまったく抵抗感がなくなってしまっている。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:43:36.05 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「そのときが来るまではなんともいえない、もしかしたら何も起こらないかもしれないし、もしかしたら、また何かが起こるかもしれない」
クリスはカップに目を落としてつぶやいた
クリス「そう・・・」
再び沈黙
クリス「ねぇ岡部、あの金属球の表示はなにかしら?」
岡部「表示?あの数字のことか?」
クリス「そう、まるでラーメンタイマーみたいだったわね」
岡部「ラーメンタイマー?ふむ、たしかに時計に見えなくもなかったが」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:46:33.77 ID:6p2Lm2Cr0
岡部は机においてあるラーメンタイマーを見て続けた
岡部「だが右から秒数、分、時ともう二つ0が並んでいただろう?タイマーにそんな表示はない」
クリス「じゃあ日にちとか?それともバッテリーの残量を表示してるのかしら」
岡部「それもなんとも言えんな、明日詳しく見てみるか、ほかにも何かあるかもしれんしな」
そういってさらに続けた
岡部「だがあの金属球に何か意味があるとは限らん。俺達の目的はまゆりの死を退けることであり、金属球のなぞをとくことではない」
クリスもうなずく
クリス「そうね」
そして続ける
クリス「まゆり、守れるといいわね」
岡部「ああ」
岡部は右手に持ったドクペのゆれる水面を見つめた
岡部「ああ、そうだな」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:48:41.95 ID:6p2Lm2Cr0
夕食をすませて一時間後
岡部はPCでネットを見ていた。
世界線の変動による変化をネット上で観測するためである。
観測したニュースサイトや@チャンネルでも多少の差異はあるかもしれないが
大きな事件や変化というものは認められないように思われる
岡部がさらに調べていると、突然後ろでガタンッと音がして
クリス「な、なんぞこれ〜!?」
とクリスの叫びに似た声を聞いて驚いて振り返った
その光景に岡部は言葉を失った
クリスがソファから立ち上がってあわてている。
しかしそのあわてるクリスの頭が、なかった。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:51:49.58 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「く、クリスか?」
そう呼んだクリスと思われる人間の頭がなかった
そしてそれだけではなく、その体が上からさらに消え続けている
空間がゆがむような強烈な違和感、
何が起こっているかわからない
そしてクリスの体が腹部まで消失したころ
自分の頭も消失しはじめていることに気がついた。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:54:15.03 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「ああっ、何!?なんだこれっ!?」
あわてて消失した頭をまさぐろうとする。
しかし頭に向かう手はどんなに力を入れてもまるで手と頭の間にガラスでもあるかのように頭にふれることができない。
岡部「ああっ、はぁっ!?」
心臓の音が耳に突き刺さるように脈打っている。
頭の消失部が目を通過しようとしている。
何が起こっているんだ?すでに完全に消失したクリスはどうなった?混乱しながら疑問が渦巻く
消失部が目を半分覆うと視界の上半分が別の景色を映し始めた。
消失部が目を完全に通過する。混乱する岡部の視界に、ラボとは別の部屋が飛び込んでくる。
岡部「はぁっ!はっ!へぇっ!?」
消失部が首元を通過すると自分が別の部屋を見ていて、そこではまゆりと、はしだ、そしてクリスが自分を心配そうに見つめていることに気がついた。
未知の部屋に足先まで完全にあらわれると、岡部は完全に脱力して尻餅をついた。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 00:56:57.51 ID:6p2Lm2Cr0
暗い部屋の中で岡部は気も失いそうなほど脱力していた。
ドキンドキンと心臓の音が耳を打っている。
混乱する岡部にまゆりが声をかけた。
まゆり「オカリン、オカリン、だいじょうぶ?」
心配そうにするまゆりに橋田が言う
はしだ「大丈夫なわけないっしょ?まゆしぃ。あんなんなったら誰でもびびるって」
岡部はまゆりとはしだをゆっくりと交互に見つめる
岡部「まゆり、ダル、・・・どこなんだここは?」
そうたずねると二人の間からクリスの姿を見ることができた。
はしだ「俺とまゆしぃはそうでもないけど、オカリンと牧瀬氏はそーんな移動してないみたいだお」
クリスは何かを見つめている、彼女の視線の先に目を移すと、そこには巨大な金属球を見て取ることができた。
岡部「あの黒球・・・じゃあここは・・・?」
岡部がろうばいして二人を見ていった
はしだ「そゆこと、俺達が昼に来た三階の部屋。ラボの真上だお」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:00:14.41 ID:6p2Lm2Cr0
カーテンのない窓の外から薄明かりが差し込んでいる。
部屋には10人の人間が散らばっており、その中央には巨大な黒い金属球が鎮座している。
やっと平静を取り戻した岡部はクリスに呼ばれて黒球をのぞいた
クリス「岡部、ここ見て」
クリスの指さきに視線を移すと、そこに例の写真があった。
クリスが岡部を見つめて言う
クリス「この写真の人たち、全員ここにいるわ」
そう言われて岡部が部屋を見回すと確かに自分達以外に6人の人間がいた。
女子高生と男子高校生は部屋の隅で座っている
部屋の窓には巻き髪の金髪の外国人男性が外を見ている
別の隅ではガラの悪そうな男達が三人で座っていた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:03:47.88 ID:6p2Lm2Cr0
再び黒球に目を落とすと、写真のしたの数字はすべて0になっていた。
クリスに呼びかけられて顔を上げる
クリス「岡部、あの窓を見て」
窓を見ると、金髪の男性が窓をつついていた。
いや、窓をつついているのではない。窓の鍵をあけようとノブに手を伸ばしているのだ。
しかしノブには手が届かず、ひっかくように何度も空を切っている。
「オーゥ、やっぱりつっかめっまセーン」
金髪の男性が頭に手をやってうめいた。
それを見た岡部は無言でクリスを見た。
クリスは首を振って
クリス「本当に鍵がつかめないの、それどころかまどや壁には触れないわ。玄関へのドアは開くけど、玄関のドアもダメ、触れない」
岡部は確認するように窓の前に歩いて行き窓に触ろうとした。
しかし手はスカッ スカッと宙を切る。
まるでまどと手の間に見えないガラスがあるかのようだ。
隣の男性を見ると、男性もこちらをみて困ったようなジェスチャーをして苦笑いした。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:07:03.09 ID:6p2Lm2Cr0
まゆり「玄関もさわれないのです。まゆしぃ達、閉じ込められちゃったの?」
まゆりが岡部を見上げ、心配そうな顔でたずねる。
橋田はボーっとしたように薄暗い部屋を見回している。
そのとき、部屋の隅のガラの悪そうな三人のうちの一人が立ち上がり、叫んだ
***「誰か見てんだろオラァ!!さっさと出せやぁっ!!殺すぞコラァッ!!」
叫び声が部屋中に響く、まゆりがビクッと震え岡部の影に隠れた。
隣の隅の男子高校生が叫ぶ男に言った
***「何度さけんでも一緒だって、誰かが見てて何もアクションがないんだから」
ガラの悪い男は虫が悪そうにすると床にベッと唾を吐いて再びすわった。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:09:37.29 ID:6p2Lm2Cr0
しばらく身体をしめつけるような沈黙が続いた。
***「とりあえず、自己紹介しまセンカ?」
金髪の外国人の男性が言うと先ほどの男子高校生が答えた。
***「わかった、とりあえず全員の素性を明らかにしよう。ほら、夜空もこっちに来いよ」
男子高校生に促されるままに女子高校生も中央の周りに集まる。
ガラの悪い三人組は部屋の隅に座り込んだままだった。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:12:51.42 ID:6p2Lm2Cr0
男子高校生が続けた。
***「じゃあ俺から、時計回りにいこうか、俺の名前は羽瀬川 小鷹こいつと同じ高校に通ってる。まぁ高校生だな」
隣の女子高生が少し戸惑っていたが
***「三日月 夜空だ、こだかと同じ高校に通っている。以上だ」
無愛想に言う。
時計回りだと、次はガラの悪い三人組の番である。
しかし三人組は何も言おうとはしない
こだかという青年が三人組に顔をやって声をかける。
こだか「あんた達も一応自己紹介しなよ。こんな状況なんだしさ、苗字だけでもいいから」
青年がいって、しばらくするとポツリと小野寺、石田、亀田とそれぞれ苗字だけ名乗る
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:15:41.02 ID:6p2Lm2Cr0
***「次はワタシのバーンです。ワタシの名前はジョージ・マッカートン。見てのとおり、アメリカ人デース 。
でも、日本文化ダイスキ、日本には観光できマーシタ」
これで四人以外の名前はとりあえずわかった。やはり黒球の写真と一致している。彼らと自分達に共通点はあるのだろうかと岡部は思った。
次にまゆりが立ち上がり右手を挙げる
まゆり「私の名前はしいなまゆりです。高校生でかわいいものが大好きです。秋葉のメイド喫茶メイクイーンニャンニャンでアルバイトをしているのです」
はしだ「はしだいたる。大学生」
はしだが自己紹介を終えると、次は岡部が立ち上がる。
岡部「フッフッフッ・・・」
岡部は低く笑うと両手を高々と掲げ
岡部「俺は機関による世界の支配構造を打破し、世界をやみと混沌で覆わんとする狂気のマッドゥサイエンティスト!」
バッ バッ
岡部「ふぉーおういーん・・・」
バッ バッ さらにポージングして体の前で腕を組む
岡部「きょーうまだ!!」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:19:12.86 ID:6p2Lm2Cr0
あた〜らし〜いあ〜さがきた〜き〜ぼ〜のあ〜さ〜だ〜
自己紹介が終わってしばらくすると中央に鎮座する黒球から音が聞こえてきた
それぞれ10人が視線を中央に集める。
外国人の男性が黒球をしげしげ見つめて言った
ジョージ「みなさーんコッチにもーじが出てマース」
男に言われて、おのおのは黒玉の玄関側に回って黒玉の表面を見た。
見るとそこには薄くぼんやりと光る文字が書かれていた
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:22:12.23 ID:6p2Lm2Cr0
オマエタチハシニマシタ。ソノイノチヲドウツカオウト
ワチシノカッテナワケダヲ(笑)
カタカナで書かれた文字を見て
コダカ「なんだ?これ」
夜空「勝手に殺されてるぞ」
二人は怪訝そうにしているが。ジョージが何か思いついたように言った。
ジョージ「ワターシはここに来るマエーに、交通事故を起こした夢をミマーシたが、そのことデショーか?」
男に言われて高校生二人も思い出したように
コダカ「そういえばなんか恐い夢を見た気がするけど」
夜空「偶然だな、ワタシも火事にあって死んだな、夢の中では」
ガラの悪い三人組も何か話している。何か心当たりがあるようである。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:24:34.19 ID:6p2Lm2Cr0
岡部がそれぞれ発言する6人の男女を見ていると
クリスが怪訝そうに岡部を見つめていることに気づく。岡部も違和感を感じていた。
クリスもそう思っているのだろう。そう、俺達は死んでないのだ。
二人はお互いにラボにいて、岡部はクリスが消失するのを目にしている。
あれが死んだということなのだろうか?それでは自分も死んだということだろうか?しかしあれが死とも思えなかった。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:26:59.25 ID:6p2Lm2Cr0
黒玉に映された文字が消え、別の画面があらわれた。
コイツヲタオシテクダチイ
小野寺「なんやぁコレ?」
ガラの悪い男が機嫌が悪そうに言った。
画面には写真といくつかの文面が映し出されていた
名前:ゴリラ星人
特徴:力が強イ
好きなもの:レバー
口癖:ウホ ウホ
その横にゴリラの写真が映っている
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:29:56.00 ID:6p2Lm2Cr0
おのおのが何も言わず黒球に映された文字と映像を見ている
はしだ「倒すってどういうことなん?ゴリラ星人って、どこにおるん?」
はしだが辺りを見回す。
そうしていると、突然ガコンッ!という音とともに黒玉の両わきが開き、
変形して開いた黒球のパーツの中は棚になっていて、
そこにはさまざまな機械と、箱がしまわれていた。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:32:10.72 ID:6p2Lm2Cr0
クリスが黒球の棚を見回し、1m四方ほどのケースを取り出す
クリス「なにかしらこれ、なにか名前が書いてるわよ。私たちの」
クリスのいったとおり、10個の箱にはそれぞれここにいる10人の名前が書かれていた
外国人の男性がケースを開けてつぶやく
ジョージ「なんでーすかこれ、タイツですかぁ?」
箱の中身はゴムのようなものでできた黒いタイツのようなスーツだった。
小野寺「なんやこれ、これ着ろいうんか?着れるかいんなもん」
夜空「コダカに似合うんじゃないか?着てみるといい。笑ってやるぞ」
コダカ「はなから笑う気マンマンじゃねーか!」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:35:32.90 ID:6p2Lm2Cr0
黒球の棚を調べると、
ほかにもいくつかの機械のようなものがある。
石田「小野寺さーん。これなんっすかねぇ」
ガラの悪い男は棚から銃のようなものを取り出すとためしにトリガーを引いている。
しかし、何度引いても銃口のように見えるところからは何も出てこない
もう一人のガラの悪い男が言う
亀田「こっちもなんもでないっすね。それにこれ、刀っすかね」
小野寺「刀ぁ?んなもん刀身あれへんやん、刀身なかったら刀ちゃうやん」
男のいうとおり刀らしいものは柄と鍔があるだけで刀身がない。
小野寺がしょもーなっといって黒玉をガンッとけって部屋の隅に戻ると、
ほかの二人も部屋の隅に戻って座った。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:40:41.33 ID:6p2Lm2Cr0
まったく、これじゃあコスプレだな。
岡部がけげんそうにスーツを手にとっていると。
まゆりが岡部にかけよってきて声をかけた。
まゆり「オカリンオカリン」
岡部「どうしたまゆりよ。まさかこのスーツを着てみたいとか言うのではあるまいな?」
まゆりは笑って右手を上げて
まゆり「オカリン大正解なのです。今からクリスちゃんと玄関の部屋で着替えるので、ドアの前を見張っておいてほしいのです」
岡部は懐疑的な表情でまゆりに言う
岡部「大丈夫か?こんな怪しげなものを」
まゆりは笑顔で答える
まゆり「ブラックウーパーが言ってるんだもんきっと大丈夫だよー。それじゃぁ着替えてくるね」
まゆりが玄関の部屋に向かうと、クリスもまゆりのあとに続きながら言った
クリス「まぁ、着てみるのもいいんじゃないかしら、こういう状況だし、ある程度の柔軟性は必要だと思うし」
はしだ「牧瀬氏もあれきるん?」
クリス「ワタシはちょっとノーサンキューね。まゆりの着替えを手伝うだけ。それじゃ見張りお願いね」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:43:14.03 ID:6p2Lm2Cr0
カーテンのない窓からかすかな光が差し込む中央に金属球が鎮座する薄暗い部屋で、
岡部は玄関の部屋に続くドアの前に立っていた。
ドアの後ろではまゆりとクリスの声が聞こえてくる
はしだはコダカと夜空という男女と金属球を調べている。
ガラの悪い男三人は部屋の隅でなにかしゃべっているように見える。
金髪の外国人男性は窓の外をしきりに気にしていた。
はしだ「オカリン、オカリンちょっとこれ、見てくれ」
はしだが岡部を手招きする
岡部「なにかあったか?」
はしだの目は開いた金属球の内部を向いている。岡部もそちらを見て、驚愕した。
岡部「だ、誰だこいつ?」
はしだ「オカリン、こいつをどう思う?写真にも写ってないやつだお」
金属球の内部には一人の人間がおさまっていた。
服はきていない。金属球内部から延びたコードが体中にはりつけられ、人間は眠っているように見える。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:45:27.59 ID:6p2Lm2Cr0
夜空「ひゃぁっ、男じゃないかこいつ」
しげしげとみていた女子高校生が体つきからか裸体の人間が男だと気づいて視線をそらす。
コダカ「こいつもさわれないみたいだ。こいつがこんなことをしてるのか?もしもーし、もしもーし」
金属球の男は呼びかけにこたえない。目をつぶって寝ているようにも見える。
小野寺「どないしてん、ちょっとどけやおまえら」
騒ぎを見て三人組が金属球に近づいていた。
そのとき玄関の部屋の扉が開いた。
まゆり「とぅっとぅるー、オカリーン、どうどう?まゆしぃのコスプレは似合っていますか?」
玄関からクリスとあらわれたまゆりは
全身が真っ黒のゴム質のタイツに身を包んでいた。
ところどころに白い円状のふたのようなアタッチメントがついている。
全身をピッタリと包んでいて、体のラインが浮き出ている。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:47:59.71 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「まゆりよ、本当に着たのか。お前の適応力にはときどき驚かされるな」
まゆりのあとに続くクリスを呼ぶ
岡部「クリスティーナよ、ちょっとこっちにきてくれ、新しい発見があった」
クリス「どんなこと?」
岡部に呼ばれてクリスが金属球に近づいているとき、再びあの消失がはじまった。
薄暗い部屋がざわつきはじめる。
亀田「小野寺さん、頭が消えてます!」
小野寺「んなんやコレェ!!とめろやボケがぁ!!」
ガラの悪い男たちが騒ぎたてる
男子高校生が周りに叫ぶ
コダカ「みんな落ち着いてくれ!たぶん死ぬわけじゃない!大丈夫か夜空?」
夜空「ああ、でもいやな感じだ。また別の部屋にいくのか?」
外国人の男性は消失する頭の部分をさわろうとしながら触れずあわてている。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:50:12.26 ID:6p2Lm2Cr0
岡部、クリス、はしだ、まゆりの頭も消失しはじめていた。
さっきと同じだな、またどこかにあらわれるのか?
まゆり「オカリン」
気がつくとまゆりが不安そうに岡部のそばにたっていた。
岡部「まゆり、大丈夫だ。おそらくまたどこかに移動するだけだ」
まゆりの肩に手を置く。
クリスは両腕を体にまわしただ身を硬くしている。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:52:41.44 ID:6p2Lm2Cr0
消失が目を過ぎようとしている。
岡部は上部から切り替える視界で薄く光る黒玉の画面を見た。
そこにはさきほどのゴリラの写真が写されていた。
こんどはどこにあらわれるんだ。
消失が目を過ぎ去り、別の光景が目に映る。
35 :
>>21:2011/10/31(月) 01:54:42.33 ID:6p2Lm2Cr0
静まり返ったあたりを見回してフッフっと笑う岡部の隣でクリスが言った
クリス「私は牧瀬クリス。大学生で、研究員をしています。ちなみに隣のバカは岡部倫太郎。大学生で厨二病を患っているからあまり怪しまないでね」
岡部「違う!断じて俺は岡部倫太郎などという平凡な名前ではなくほうおういんきょうまだ!」
はしだ「岡部だお」
まゆり「オカリンはオカリンなのです」
ジョージ「オーウ」
金髪の男性が言う
ジョージ「みなさんよろしくオネガイしマース。オカベさんもヨローシク」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 01:58:39.35 ID:6p2Lm2Cr0
気がつくと、10人は広い空き地にいた。
サッカーグラウンドほどある広い空き地である。
真夜中で、明滅する電灯が弱くあたりを照らしている。
10人はそれぞれあたりを見回した。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 02:03:34.23 ID:6p2Lm2Cr0
小野寺「なんやねんここ。ここ外ちゃうん?」
石田「そうみたいっすね小野寺さん。ほら、あそこから道に出られるみたいっすよ」
グラウンドほどの空き地には二つの出口があり、男は片方の出口の道を指していった。
ジョージ「おーう、ここどっこですカァ?ワタシ帰り道わっかりまっせーん」
夜空「さっきの部屋はなんだったんだ?コダカ、さっきの部屋を覚えているか?」
コダカ「ああ、部屋の真ん中にでっかいボールがある部屋だろ?なにか集団幻覚みたいなものだったのか?俺達は何かしてたのか?」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 02:10:13.99 ID:6p2Lm2Cr0
岡部は薄暗いあたりを見回しながら考えた。
集団幻覚?確かにその線は悪くない。悪くないが、ラボで相談をしていた岡部とクリスは黒玉の部屋に行くまでの経緯がはっきりしている。
何かに気づいたはしだが岡部に声をかける
はしだ「オカリンオカリン、俺この場所しってるかもしれん」
岡部「ああ、ここはおそらく秋葉の空き地だ。ラボから300mくらいの場所だ」
クリス「集団幻覚?それはちょっとないわね。それなら私たちはまだ幻覚状態にいることになるし」
岡部はそういうクリスに目をやるとクリスのとなりのまゆりが目に入った。
まゆりの服装は全身が黒で、ラバー状のタイツがピッタリとくっつき、体のラインを浮き立たせている。
まゆりはあたりを見回していた。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 02:20:21.76 ID:6p2Lm2Cr0
小野寺「あほらしっ かえろかえろ」
三人組が石田という男が指した道に向かって歩き出す。
三人が向かおうとしている出口から続く道を、一人の人間が通りかかった。
通りかかったのではない、人間は歩道を曲がると、グラウンドに入ってくる。
小野寺「んなんやあいつ」
電灯の影になって見えなかったが、近づいてきた人影が薄暗い電灯に照らされると、それは人間の姿ではないものだとわかった。
亀田「ゴリラ、こいつゴリラっすよ小野寺さん」
広いグラウンドの真ん中にポツンと集まっている10人のほうに歩いてくる人影は、見かけはゴリラの姿をしていた。
背は2mほどで、全身に黒い毛が覆っている。しかし遠めに人影に見えたのは、ゴリラが人間のように直立して歩いているからである。
直立歩行してるだけではなく、ゴリラは上半身にTシャツを着て、ハーフパンツをはいていた。
半そでの腕口から、毛むくじゃらの腕がのびている。
その直立ゴリラが広いグラウンドの中央にいる10人のほうへ歩いてきている。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 02:22:38.43 ID:3fhKYIBx0
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 02:33:04.96 ID:6p2Lm2Cr0
ジョージ「オーゥ、ゴリラ人間でース」
外国人の男がゴリラ人間に駆け寄る。すると、ゴリラ人間が立ち止まった。
ジョージ「すばらしいデース。かなりリアルでースヨ」
ジョージはゴリラ男の前に立ち概観をしげしげとながめる
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 02:42:00.50 ID:6p2Lm2Cr0
クリス「岡部、あれ・・・」
クリスに聞かれて答える
岡部「ああ、金属球の映像に映ってたやつだ」
まゆり「じゃあじゃあ、あの人がゴリラ星人さんってこと?」
はしだが首を振る
はしだ「いやいやまゆしぃ、きぐるみっしょ。大体ゴリラ星人ってイミフだし」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 02:53:06.53 ID:6p2Lm2Cr0
ジョージに続いて、小野寺が険のこもった表情で人間ゴリラに詰め寄る
小野寺「なんやねんワレェ?きぐるみかいコレ?」
ジョージ「オウッ!」
小野寺が振り向くと、ジョージが崩れ落ちていた。
地面に横たわるジョージはオウオウとうめきながらピクピクと追撃している。
瞬時に緊張し、小野寺はポケットをまさぐる
小野寺「なんじゃオドレェ!!」
ポケットからナイフをとりだし、2mの巨体にナイフをつきつけて叫ぶ
ドゴッ
小野寺「ウゴォッ」
小野寺は腹部に違和感を感じ、腹部を見てみると、人間ゴリラの毛むくじゃらの腕が自分の腹に突き刺さっていた。
小野寺は口をパクパクと動かして地面に崩れ落ちた。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 03:04:38.23 ID:6p2Lm2Cr0
岡部の場所からは遠くてよく見えなかったが
人間ゴリラのそばのジョージと小野寺が崩れ落ちたのはわかった。
そして人間ゴリラが小野寺の体をまさぐり、小野寺の体がビクンビクンと引きつるのが見えた。
石田「なにしてんだコラァっ!!」
亀田「殺すぞボケェっ!!」
二人の男がナイフを取り出し人間ゴリラにつめよろうとする。
そのとき、人間ゴリラの後ろには、さらに二つの影が近づいていた。
片方の影は人間ゴリラと同じ2mくらいの巨大な影で、もうひとつは1,5mほどの小柄な影だった。
ただ、その腕が異様だった。
人間のような肩口から伸びる腕は、途中で大きく肥大化し、肘からこぶしにかけて、
まるでドラム缶のような巨大な腕を引きずるようにこちらに近づいてくる。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 03:15:00.66 ID:6p2Lm2Cr0
岡部がなんだあいつはと思っていると、そのドラム缶の腕の影がいきなり走りだした。
ダッダッダッダッダッ
小さい影が電灯に照らされると、やはり服を着たゴリラだった。
小野寺をまさぐる巨大なゴリラをすぎさり。
巨腕のゴリラはナイフを持って向かってくる石田と亀田に走ってくる。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 03:23:42.39 ID:6p2Lm2Cr0
亀田「死ねやオラアアアアアァァァァ!!」
亀田は叫び、走ってくる巨腕のゴリラにナイフで刺しにかかる。
巨腕のゴリラはドラム缶のような左腕をかざし、ナイフを受ける、
ガッと音をたてて、ナイフは刺さらず、はじきとばされる。
ナイフがささらず驚く亀田。
巨腕のゴリラはドラム缶のような右手を後ろまで大きく振りかぶると、
すさまじい速さで亀田のわき腹に打ち込む。
バァン!!と音を立てて亀田が吹き飛ぶ。
亀田の体はきりもみし、血を撒き散らしながら空き地のすみまでゴロゴロと吹き飛んだ。
夜空「き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 03:35:15.60 ID:6p2Lm2Cr0
暴力行為が行われていることに気づいた夜空が悲鳴を上げる。
石田「オアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
石田がナイフを頭上に振りかぶって、1.5mの巨腕のゴリラに突き刺そうとする。
巨腕のゴリラはナイフが突き刺さる前に、ドラム缶のような腕を下の方向に振りかぶり、
下から石田にアッパーを打った。
バアアァァン!!とすさまじい音がして、石田の体がすさまじい速さで打ち上げられる。
石田の体は血を撒き散らしながらビルの10階ほどの高さまで打ち上げられた。
空中できりもみしながらくるくると舞い、7秒ほどしてドチャッと地面に落下する。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 03:44:11.89 ID:6p2Lm2Cr0
岡部たちの目はその光景に釘付けだった。
目は見開かれ、心臓はバクバクとなっている、
口からなにかがせりだしてくる感覚がきもちわるい。
オッオェェェエエエエエ!!!!
コダカという青年が胃の残留物を吐き出した。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 03:51:19.41 ID:/8BNWug9O
書いてて辛くはないかい?
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 03:52:48.85 ID:6p2Lm2Cr0
巨腕のゴリラは空き地のはしまで飛んでいった亀田に向かって歩き出した。
巨大な人間ゴリラのほうを見ると、ジョージが助けを求めていた。
ジョージ「た、助けて・・・助けてくだサーイ」
そのジョージに三人目の巨大なゴリラが近づき
ジョージの胸の辺りを指差す。
ジョージ「い、いや、殺さないで・・・ド、、ドンキル・・・」
ゴリラの人差し指がゆっくりとジョージの胸に吸い込まれる
ジョージ「オッオオオオアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
ジョージの体がビクンビクンと追撃した。
51 :
>>49 うーん:2011/10/31(月) 04:01:10.29 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「見るな!まゆり!!」
その光景に釘付けとなって震えるまゆりの目を手で覆う。
覆った手からはまゆりがカタカタと震えるのが伝わってきた。
オオオオオオウウウェッ!!!
はしだも胃の残留物を吐き出した。
ブチブチッブチブチッ
小野寺をまさぐっていた一人目の人間ゴリラが
小野寺の体から何かを取り出す。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 04:12:48.10 ID:6p2Lm2Cr0
クリス「岡部、アレ・・アレ・・・うぷっ!」
その光景を見たクリスが口を押さえる
人間ゴリラがとりだしたのは小野寺の肝臓だった。
明滅する弱い電灯で赤くてらてらと輝いて見える。
人間ゴリラははいているパンツをまさぐる。
そして、パンツのポケットからビンを取り出すと、
ふたをあけて小野寺の肝臓にサッサッと中の粉をかけた。
粉がふりかけられた肝臓を口もとに運び、食べた。
ムチャッムチャッムチャッムチャッ
そこまで見て岡部は目をそらした。
真夜中、薄い電灯がてらすグラウンドでは、猛獣による人間の捕食が行われていた
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 04:21:00.23 ID:6p2Lm2Cr0
再びブチッブチブチッと音が聞こえてくる。
岡部は目を伏せておそらくジョージの体があばかれているのだろうと想像した。
そこで思い出したように気がついた。
今10人のうち4人が捕食されているがそれで終わりではないのではないか?
当然?自分達もやつらにとっては、捕食対象なのでは?
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 04:32:16.53 ID:6p2Lm2Cr0
ジョージのほうを見ると、
小野寺の肝臓を食べ終えた巨大ゴリラがこちらを見ていた。
岡部「あ、ああ・・・」
コダカと夜空もビクッとする
コダカ「に、逃げるぞ夜空・・・」
夜空「に、逃げ・・・」
声も出ず、ずりずりと後ろにあとずさる。
クリス「お、岡部・・・」
岡部「あ、あああ・・・」
クリス「岡部ぇ!!」
クリスに叫ばれ、はじかれたように体を動かす。
岡部「まゆり!ダル!逃げるぞ!」
コダカと夜空も人間ゴリラたちが来たほうと逆の道路に向かって走りだしている。
四人が振り返って走り出すと、後ろの歩く足音が走る音になったのが聞こえた。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 04:32:26.45 ID:1i4b3aay0
さるった?
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 04:33:40.86 ID:/8BNWug9O
連投するから……
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 04:38:28.85 ID:1i4b3aay0
支援が少ないときは投下間隔を少しあけて、一時間に10レス以上投げないように気をつければおk
あともしさるっても、毎時00分に解除されるよ
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 04:40:55.92 ID:6p2Lm2Cr0
ダッダッダッダッダッ!
6人の男女が薄暗い道を全力で走る。
こんな夜中だからか、どこにも人がいない。
コダカ「た、たすけてええええええええええ!!!」
走りながら青年が叫ぶが、なんの反応もない
6人は道の角を曲がって走り続ける。
岡部が走りながら後ろを振り向くと、
さっきまがった角から黒い影があらわれるのが見えた。
岡部「うっうおおおおおおおお!!」
ゴリラ星人!?あれがゴリラ星人なのか!?
岡部は黒玉の部屋のことを思い出して思った。
ゴリラ星人を倒すって、あいつらを倒すのか!?
走りながら後ろから走る足音が大きくなっていくのが聞こえる。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 04:48:07.74 ID:6p2Lm2Cr0
できない!不可能だ!!
巨体のゴリラだけでもそもそも2mの人間を倒すだけでも難しいのに
人間に人間の肝臓を素手でとりだす力などない。
巨体ゴリラの足音がさらに大きくなる。距離をつめられているのだ。
それに巨腕のゴリラのほうはもっと悪い。
人間をグラウンドのはしまで殴りとばし、
そして10m以上上空に吹き飛ばすなど、いったいどれほどの腕力があれば可能なのだ?
あのドラム缶の腕で殴られたら、即死はまぬがれない。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 04:54:41.65 ID:6p2Lm2Cr0
クリス「まゆりっ!!」
クリスの叫び声で気がついた。
振り返ると、数メートル後方で転んだまゆりがこちらを見ていた。
黒いシルエットのまゆりの後ろには、巨体のゴリラが腕を大きく振りかぶっている。
岡部「あっ、まっ、まゆっ」
視線がまゆりに釘付けにされ、体が硬直する。
まゆり「くっ、きゃああああああああああああああ!!」
ゴリラの腕が振り下ろされ、まゆりの背中を激しく殴りつけた。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 04:56:28.56 ID:1i4b3aay0
まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:00:31.43 ID:6p2Lm2Cr0
まゆり「きゃああああああああああああっ!!」
岡部「まゆりっ?」
岡部は強烈な違和感に襲われた。
ドキンドキンという心音と、風景がねじまがってしまいそうな感覚、そしてそれとは別の違和感である。
まゆりは叫び続けている。
しかし一度強力に殴られればあんなふうに叫び続けることはできないのではないか
ゴリラはなおもゴッゴッとまゆりを殴り続ける。
まゆりは叫びながらゴリラのほうに両腕をつきだした。
まゆり「こないで!!」
突き出した両腕がゴリラの胸を押し、
ゴリラの巨体が浮き、後方に吹き飛ばされる。
まゆり「えっ?えぇっ?」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:06:17.87 ID:6p2Lm2Cr0
混乱するまゆり。
そして吹き飛ばされた巨体ゴリラの後ろから、
あの巨腕のゴリラが走ってくる。
ダッダッダッダッダッ
まゆり「いやあああああああああああこないで!!」
まゆりはまた走ってくる腕ゴリラに両手を突き出した。
腕ゴリラはドラム缶の腕を走りながら振りかぶり。
まゆりを突き出した腕ごと殴った。
バァンッ!!!
轟音をあげ、まゆりが吹き飛ばされる。
激しく吹き飛ばされ、ゴロゴロと岡部たちのところまで転がってきた。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:12:27.64 ID:1i4b3aay0
支援
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:13:15.06 ID:6p2Lm2Cr0
クリス「いやあああああああああ!!!まゆり!!!まゆりぃいい!!!!」
クリスがまゆりにかけよる
岡部も一緒にまゆりのほうにかけよる
コダカ「いくぞ夜空!!逃げないと!!」
男女の二人が走り出した。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:19:57.46 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「まゆり・・・?まゆり・・・?」
岡部が呼びかけると、まゆりは目を開いた
まゆりがうつろな目で岡部に焦点を合わせる
まゆり「オカリン?あれ、まゆしぃ、生きてる?」
岡部「まゆり、お前はいったい」
まゆりの体を見ると黒いラバー状の全身タイツの白い円状のアタッチメントの表面から
ドロっとした液体が流れ出している。
まゆり「あのね、こないでって突き出したら、すごい力が出たの」
そういって手を突き出してみせる
まゆり「でも・・・今は力が出ないみたいなのです」
岡部「いや、いい。とにかく逃げるぞ」
四人は先に走りだした二人の後ろを再び走り出した。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:25:13.46 ID:6p2Lm2Cr0
クリス「だ、だれか!だれかああああああああああ!!」
逃げながら助けを求めるが、まるで街から人がいなくなったみたいに誰もいない。
ダッダッダッダッダッ
再び後ろから人間ゴリラが走ってくる。
夜空「コダカ!こっちだ!!」
先を走る二人が道のT字路を曲がる。
岡部「クリス!ラボに向かう!」
あとに続く四人が道を直進する。
ダッダッダッダッダッ
一番先頭のゴリラがT字路を曲がって二人の男女を追いかける
コダカ「なんでこっちなんだよおおおおおおおおおおお!!」
曲がり角からそう叫ぶ声が聞こえた。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:32:09.64 ID:6p2Lm2Cr0
岡部が走りながら後ろを見ると、
二体目の腕ゴリラもT字路の角を曲がって二人を追った。
そのとき曲がり角のさきからキャアアアアアアアアアと叫び声が聞こえた。
クリス「三匹目がこっちに来てる!」
三体目の巨体ゴリラがこちらに走ってくる。
岡部「まゆりのスーツだ!ラボの三階にいくんだ!!」
ダッダッダッダッ
空き地からラボへは300メートルと少しほどである。
四人の目前の角を曲がればラボがある建物が見える。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:43:01.21 ID:6p2Lm2Cr0
橋田「はっはっはっ、あのスーツでどうするん!?」
岡部「おそらくそういうことなんだ!あの金属球の部屋にいってからこうなった!
きっとあのスーツを着てゴリラ星人を殺せということだ!」
クリス「スーツ!?スーツをきたらどうなるの!?」
岡部「まゆりを見ただろう!?あのスーツには対衝撃性と動増強性がある可能性がある!!」
クリスが岡部の発言を瞬時に理解し、分析する
クリス「そんな!ありえない!!」
ダッダッダッダッダッ
巨体ゴリラが近づいてくる
岡部「ありえないことならさっきから見てきた!とにかくそれしかない!!このままじゃ全員やられる!!」
さっきから人影が見えない。そしてこのままではラボにつく前にゴリラに追いつかれる。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:49:14.22 ID:6p2Lm2Cr0
クリス「わかった」
クリスは立ち止まると、走ってくるゴリラに向き直る。
岡部「クリス!立ち止まるな!」
叫ぶ岡部をクリスはじっと見つめる。
クリス「私が時間を稼ぐわ、これでも多少の格闘技の心得がある」
それを聞いてまゆりもクリスにかけよる
まゆり「まゆしぃもクリスちゃんと戦うのです。ちょっとくらいなら足止めできると思います」
岡部はまゆりのスーツを見た。白い円状のアタッチメントから流れ出る液体。明らかにスーツに異常がある。対衝撃性が発動しない可能性があった。
岡部「まゆり・・・ダメだ・・・」
クリス「時間がない!行け!岡部!!」
はしだ「ガチガチガチ、俺のことはいいから先にいけオカリン!」
歯を鳴らしながらはしだが言う。
岡部は何も言わずラボに走った。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:53:08.50 ID:6p2Lm2Cr0
カンカンカンカンカン
階段を登り、ラボの上の三階の部屋の玄関を開け、中に入る。
そこにはやはり、巨大な黒球があった。
なんのためにこんなものを
思いながら、急いでスーツを探す。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 05:56:14.74 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「あった」
岡部と名前の書いてあるケースをあけると
まゆりの着ていた黒いラバー状のスーツがあった。
急いで服を脱ぎ、スーツを着る
着ながら横目にケースのふたの裏に書いてあるものを見つける
セツメショ(笑)
と書いてある字の下に
図で右腕の上腕部が青く塗られていた。
ためしに右腕をまさぐってみると
スーツの右腕上部が青白く光り始める
セツメショ?説明書ということか
だが悠長に説明を聞く時間はなかった、
岡部は急いで部屋を出た。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 06:00:04.20 ID:6p2Lm2Cr0
ダッダッダッダッダッ
さっきまでは想像だったが、このスーツの動増強性は確かだとわかった
さっきまでより移動速度がかなり速い。
道の角を曲がると、
三人の姿と道の前後で三人を囲む二体の巨大ゴリラの姿が見えた。
クリスが両腕を前方に構え、2mの巨体からビュッッビュッと放たれるゴリラの腕をかわしている。
岡部のほうの巨体ゴリラはまゆりのスーツを警戒してか、距離を保っている。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 06:06:09.37 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「クリス!!おまえらこっちだああああああ!!!」
岡部は叫び、全力で走る。
前方の巨体ゴリラが振り返って岡部のほうを向いた。
後方でクリスがもう一体の巨体ゴリラの腕をよけると
もう片方の腕がクリスに伸び肩を掠める
ゴッ
クリスはきりもみして回転し、はしだの足元まで転がった
クリス「うっ・・・くっ・・・」
クリスが痛みに眉を寄せる。
クリスを殴ったゴリラがクリスに近づく。
岡部の前方ではもう一体の巨体ゴリラが腕を上げ構える
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 06:12:37.33 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」
岡部が足に力をこめると、スーツの脚部がメリメリと音をたてて
血管のような繊維が浮かび上がる。
岡部は地面を蹴りアスファルトを割ってジャンプした。
岡部「おおおおっ!?」
ジャンプした岡部自身が驚いたほどだった。3mほど上空まで体が浮かび、
下を見ると目の前にいたゴリラが過ぎ去っていく。
岡部の体は大きく放物線を描き、前方のゴリラの上方を飛び越え、
後方の巨体ゴリラと倒れたクリスの間に着地した。
スーツの足部が衝撃を吸収し、ブシュウウウウゥゥゥゥゥ!!!と音を立てる。
岡部はスーツの性能に驚くとともに、
目の前の巨体のゴリラに集中した。
バッ
2mの巨体に向かって片手をかざす。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 06:19:21.89 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「蛮行はそこまでだゴリラ星人よ」
片手をかざして言うものの、実際はこれでこの2mある巨体のゴリラが殺せるのか疑問だった。
右の腰には黒い刀を下げてきていた。柄のボタンを押すと刀の刀身が伸びることを確認している。
岡部の目前の巨体ゴリラが右腕を岡部に振りぬく。
ゴンッと鈍い音を立てる。
岡部は左腕で巨体ゴリラの腕を受ける。
受けた左腕に痛みはない
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 06:25:59.37 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「おおおおおおおおおっ」
岡部は右腕を振りかぶる。
右腕を覆うスーツがメキメキと音をたてて擬似筋繊維を浮き上がらせる
右腕を振り切る
ボキィッ
骨が折れるような音を立てて、岡部の右腕が巨体ゴリラのわき腹に突き刺さる
巨体ゴリラはウゴォっとうめき声をあげて倒れた
はぁっ、はぁっ
岡部「や、やったのか・・・?」
クリス「後ろ!岡部!!」
クリスの声ではっと振り返るともう一体の巨体ゴリラが
両腕を頭上であわせて、一息に岡部に振り下ろした
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 06:32:33.46 ID:6p2Lm2Cr0
岡部は両腕を頭上でクロスし、
打ち下ろしを阻む
巨体ゴリラの両腕に押し下げられ、
岡部は体ごと両足をアスファルトにまりこませる。
岡部「あああああっ!!」
叫ぶと、押し込んでくる巨体ゴリラの腕を振り払い、再度ゴリラが腕を振りかぶる前に
腰の刀の柄をとり、ボタンを押す。
刀の柄からシュンッと刀身があらわれる。
それを両手で持ち、体全体に力を込め、メキメキというスーツの音とともに下から逆袈裟斬りに打ち上げる。
ガガガッ
刀は巨体ゴリラの右腋から心臓部までを切り裂き、体に刺さったままとまった。
巨体ゴリラの体から浅黒い血が噴き出し、巨体は倒れた。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 06:39:03.40 ID:6p2Lm2Cr0
黒く塗りつぶされた夜の狭い通りで、
四人の男女と、倒れた人間ゴリラの巨体があった。
クリスがおそるおそる岡部にかけよる
クリス「岡部、岡部、・・・そのスーツ、本当なの?」
岡部「はぁっ・・・はぁっ・・・」
岡部はしばらく息をついて、答えた。
岡部「ああ、信じがたいことだが・・・」
そう言って前方の暗闇を見つめる
岡部「だが、まだだ」
岡部の見つめる先にはドラム缶のような腕を引きずる
1.5mほどの巨腕のゴリラが口を赤くベトベトにして、
こちらに歩いてきていた。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 06:45:41.74 ID:6p2Lm2Cr0
ヒタッヒタッヒタッ
腕ゴリラが四人のいるほうに近づいてくる
あの腕だ、あれが危ない。ドキンドキンと打つ鼓動の音をわずらわしく感じながら思った。
途中で腕ゴリラの足が止まる。
ドラム缶のような腕がプランと揺れたかと思うと、
突然腕ゴリラの姿が消えた
そして次に腕ゴリラの姿を見たとき
すでに岡部の眼前でドラム缶の腕を下方に振りかぶっていた。
岡部「おおおおおおっ!?」
驚いて体をのけぞらせる、巨腕が岡部の鼻先をかすめ、
轟音とともに突風が吹き荒れる。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 06:53:23.96 ID:6p2Lm2Cr0
目の前には腕を上部に伸びきらせて上体をそらせる腕ゴリラ
岡部「ああああああああああああっ!!」
岡部は右腕を振りかぶり、スーツの擬似筋繊維がメキメキと音をたて、
腕ゴリラの腹部に殴りかかる
ブン
腕ゴリラは体をそらし、突き出された岡部の右腕を避ける
岡部はそのまま前のめりになる。
腕ゴリラは、ドラム缶の腕を振り上げ、
前のめりになっている岡部をめがけて振り下ろした
岡部「ひいっ・・・!」
岡部は足を前に出して踏みとどまり横にそれた。
ガァンッ!!!
あたりに轟音とアスファルトが飛び散る。
見ると、ドラム缶のような腕が半分ほどアスファルトにめり込んでいた。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 06:56:50.90 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「はぁっ!はぁっ!はぁっ!」
ドキン! ドキン! ドキン!
視界が赤く染まり、心臓の音が耳を打つ。
腕ゴリラを見ると、自販機の明かりに照らされた巨腕のゴリラは、クリスたちのほうに向き直っていた。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 07:01:00.26 ID:6p2Lm2Cr0
急速に心臓がしめつけられる
岡部「うおおおおおおおおおおおお!!」
叫びながら腕ゴリラに突進すると、腕ゴリラははじかれたように
岡部のほうに向き直りドラム缶のこぶしを放つ
ビュンッ
岡部はしゃがんで巨腕をかわす
そしてアッパー気味に右腕を腕ゴリラに突き刺す
ガッ
手ごたえが合った、だが岡部の右腕が打ちぬいたのは腕ゴリラのもうかたほうの巨腕だった。
まるで鉄を殴ったような感覚。恐ろしく硬く、ナイフで突き刺せないはずだと思った。
そして岡部の右腕を受けた巨腕のもう一方の腕が、岡部を右側から殴りつける。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 07:07:48.96 ID:6p2Lm2Cr0
バァァァァン!!!
世界が爆発した。
岡部は吹き飛ばされ、ガァンッと凄まじい破壊音をたて自販機に体をほとんどめり込ませた。
混乱しながら考えをめぐらせる
食らった!?スーツは大丈夫か!!?
スーツが壊れては勝つ見込みがなくなる。岡部は指先に力を込める。
するとスーツの擬似筋繊維がメキメキと音を立ててこたえた。まだスーツは使える。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 07:14:29.93 ID:6p2Lm2Cr0
岡部がめり込んだ自販機から起き上がる。
腕ゴリラを見ると、ヒタヒタとクリスたちのほうに歩いているのが見えた。
岡部「やめろ・・・」
岡部はたたらを踏みながら腕ゴリラのほうにかける
気がつくと、腕ゴリラは岡部の懐に入っていて、
下から打ち上げた巨腕が岡部の腹部に突き刺さる。
バアァァァァン!!!
岡部の体の下方でダイナマイトが爆発したように岡部の体が上空に打ち上げられる。
岡部「はっ・・・はぁっ・・・!!」
地上10数メートルを滞空する岡部の目の前には深い藍色の空が広がっている。
体中がきしむ、スーツはまだ動くようだが、スーツの耐衝撃性を貫通して岡部の体に衝撃が走っていた。
迫る地上をみて、岡部の目がさらに見開いた。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 07:20:22.90 ID:6p2Lm2Cr0
腕ゴリラが、岡部の落下地点でドラム缶の巨腕を大きく振りかぶっている。
振りかぶった腕ゴリラの筋肉がメリメリと浮き上がっている。
あれは、スーツが持たない。落下しながら冷静に分析が進む。
このままじゃ死ぬ!何かないか!
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 07:26:47.82 ID:6p2Lm2Cr0
あたりを見回すが、岡部の回りには何もない中空が広がっているだけである。
ふと自分の右腕が青白く光っているのが見えた。
右腕の上部から画面が浮き上がり、さまざまな文面が並んでいる。
説明書?黒球の部屋の文字が頭に浮かぶ
あわてて文面を読む岡部の目に
ぼーぎょ
という文字が映る
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 07:33:41.99 ID:6p2Lm2Cr0
ぼーぎょ・・・防御!
わらにもすがろうという思いでどうにか操作を進めようとする
右腕上部に移った画面を触ると、タッチパネルのように操作できることがわかった
ビュウウウウウウウウウウウウウウッ
地面が迫る
防御メニューを押し、操作すると
右腕の前方が青白く発光しだした
岡部が地面を見ると、巨腕のゴリラが眼前に近づいてくる
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 07:40:19.38 ID:6p2Lm2Cr0
上空10数メートルに打ち上げられた岡部が落下してくる。
巨腕のゴリラはドラム缶のような巨大な腕を大きく振りかぶり
筋肉をメリメリと隆起させ、
岡部の落下にあわせて全力で振りぬく
凄まじい破壊力が振りぬかれる
バジバジ!!!!バジバジバジッ!!!!!!!
岡部の足部が落下の衝撃を吸収し、ブシュウウウと音を立てる。
腕ゴリラが放った渾身の巨腕は、
岡部がかざした右腕の前方の青白い発光の前でプラズマを発しながら制止していた。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 07:46:34.07 ID:6p2Lm2Cr0
次いで爆発音
ボオオオンッ!!
岡部の右腕の前方でプラズマを発してブルブルと震えながら制止していた巨腕が
すさまじい爆発音を立てて跳ね上がった、跳ね上がる巨腕に引っ張られ、
腕ゴリラが後ろにのけぞる。
助かった!だがなにが起こった!?防御機能!?
混乱する岡部の目の前にノーガードの腕ゴリラが映る。ここしかない!
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 07:51:11.46 ID:qyRlTeNI0
詠矢以来の黒歴史ktkr
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 07:54:09.18 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおああっ!!!」
岡部は全身に力を込めて、スーツの軟体性外骨格が震え、擬似筋繊維がメリメリと音を立てて隆起する。
岡部は腕ゴリラの懐に飛びこみ、渾身の力を込めて右腕を打ち込む
岡部が放った右腕が腕ゴリラの腹部にめり込む、
攻撃は一撃で終わらない。
さらに左腕を振りかぶり、
左下から腕ゴリラの腹部を打ち抜く
オゴォッ!!
腕ゴリラがうめき、たたらを踏んでよろめく。
そのよろめく腕ゴリラのアゴを、岡部の右腕が打ち抜く、
ベキベキ音をたてながら宙に打ち上げられた腕ゴリラは、放物線を描いて10メートル後方まで吹き飛ばされた。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:05:49.77 ID:6p2Lm2Cr0
はるか前方に腕ゴリラがドサッと落下し転がる
岡部「はぁ・・・はぁ・・・」
ドキン!ドキン!ドキン!
心臓が鐘のように頭に響いている
やったか?これでいいのか?
腕ゴリラを見ると、
腕ゴリラはピクピク震えて、よろめきながら立ち上がろうとしていた。
岡部は振り返り、ゆっくりとクリスたちのほうに歩いていき、
巨体のゴリラに突き刺さった黒い刀を抜いた。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:10:59.51 ID:v3sMw5jb0
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:12:02.08 ID:9sb64zZR0
黙って見てろよ
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:12:36.32 ID:6p2Lm2Cr0
ダッダッダッダッダッ
腕ゴリラが一直線に走ってくる
岡部は腕ゴリラの正面に立ち、
刀を両腕で持ち上げた。
岡部「おおおおおおおおおおおああああああっ!!!」
叫び、全身に力を入れる。
両腕を上げた岡部を包むスーツがビシビシ音を立て
筋繊維を浮き上げさせていく。
眼前の腕ゴリラに全力で刀を振り下ろす。
腕ゴリラは巨腕を持ち上げて防ごうとする、
その腕が損傷ですばやく上がらない。
刀が腕ゴリラの脳天をとらえ、ザザザザザッと
腕ゴリラを縦一文字に切り裂く。
巨腕のゴリラは縦に真っ二つに切り裂かれ、二手に分かれながら仰向けに倒れた。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:15:01.29 ID:0MCkbhTJ0
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:19:54.42 ID:6p2Lm2Cr0
強く刀を握りながら足の力が抜ける
クリス「岡部っ!」
脱力してへたりこむ岡部にクリスとはしだとまゆりがかけよる。
岡部「ああ助手よ、肩は大丈夫か?」
クリス「たいしたことないわ、それよりあなたよ。そのスーツ・・・」
クリスはそういうと岡部の着ている黒いラバー状のスーツをしげしげと眺める。
岡部「ああ、いったい誰がなんのためにこんなことをしているのかはしらんが」
右手を上げて見つめる
岡部「こいつはいいものだ」
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:26:59.14 ID:6p2Lm2Cr0
まゆり「私たち助かったんだよね?ね?オカリン」
ダル「あんた、漢だったぜオカリン」
ダルが親指を立てる
岡部はあたりを見回す。
息たえた巨体のゴリラが二体。目の前には真っ二つの巨腕のゴリラ。
電灯が明滅し、そばの自販機は人一人ぶんがおさまるくらい破壊されている。
ゴリラ星人はこれで全部なのか?ほかにもいないとは限らない。もしそうだったら
あたりを見回していると、再び四人に消失が起こり始めた。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:33:22.20 ID:6p2Lm2Cr0
四人があらわれたのは、黒球の部屋だった。
明かりはついておらず、暗い部屋にカーテンのない窓の外から薄い光が差し込んでいる。
クリス「助かった?・・・助かったのね私たち」
はしだ「いったいなんだったん?ここラボの上の部屋っしょ?」
息をつく岡部にまゆりが抱きつく
まゆり「オカリイイィィン!恐かった!まゆしぃはとても恐かったのです!」
岡部に抱きついたまゆりは声を上げて泣きはじめた。緊張が解けたのだろう。
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:40:10.09 ID:6p2Lm2Cr0
四人のほかに、部屋には誰もいなかった。おそらく助からなかったのだろう。
岡部「とりあえず今日は帰ろう。ダル、まゆりをラボに連れて行ってやってくれ。クリスティーナは俺と残ってくれ」
ダル「オッケー。ほらまゆしぃ、なきたいならいくらでも俺の胸で泣くといいぜ?」
まゆりはダルと一緒に三階の玄関を出た。
クリスは部屋の中央の黒球を見つめる
クリス「実に興味深いわ。今まで見た技術、明らかに現代科学を超越してる・・・」
クリスは黒球を見つめて言う。黒球に触ろうとはしない
クリス「一体誰が何のためにこんなことを・・・」
クリスは岡部のほうをむいた
クリス「ねぇ岡部、これって世界線の変動と何か関係があるのかしら?」
岡部「ふむ」
岡部はうつむいて考え込んだ。
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:47:08.07 ID:6p2Lm2Cr0
事件から四日後、
岡部とまゆりは二人ラボで過ごしていた。
まゆり「ねぇオカリン、オカリンもからあげを食べませんか?」
からあげをほおばりながら雑誌を見ていたまゆりが岡部に声をかける。
岡部は床に座り込み、床に置いたPCの画面を見ていたが、まゆりの声に気がつき、時計を見ると、立ち上がって、冷蔵庫を開けてドクペをとると
まゆりが座るソファの向かいのイスに腰掛けた。
岡部「では少々いただくとしよう」
まゆり「クリスちゃん遅いねぇ、女の子が夜遅く出歩くのは感心しないのです」
そう言ってため息をつくまゆり
岡部「クリスティーナは特別なミッションを受けているのだ、すぐに来るから心配するな」
まゆり「ごめんね、まゆしいが食料を食べ過ぎたのです。反省してます」
岡部「いやいい、食料の量を計り違ったこちらにも非があるのだ。主にじょ〜しゅぅにな」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:54:04.03 ID:6p2Lm2Cr0
まゆり「ところでオカリン?今日のラボはものの配置がちょっと変なのです」
岡部「うむ」
まゆりが見渡したラボ内はPCが床に置かれ、いつもは棚の上にあるものが
すべて床の低い位置に下ろされている。
岡部「これは組織の陰謀と関係がある極秘機密だ、いかにまゆりといえど明かすわけにはいかないのだ、すまんな」
まゆり「オカリンには秘密が多いねー」
まゆりはそう言うと、ふと自分の胸元に視線を落とす
まゆり「あれ?」
驚くまゆり、岡部の視線はまゆりの胸元に掲げられた懐中時計をとらえていた。
まゆり「あれー、まゆしぃの懐中時計、故障しているのです。おかしいなぁ、最近修理したばっかりだったのに」
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 08:57:07.05 ID:i6rYv/nW0
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:00:07.85 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「まゆり、これからお前に最重要命令を下す」
岡部の声にまゆりはハッとしたようにこたえる
まゆり「はっ、ハイ」
岡部「今すぐ俺がいいというまでソファにうつぶせになって目をつぶっていろ。俺がいいというまで絶対だ、いいな」
まゆりは言われるままにソファにつっぷした。こもった声で岡部にたずねる
まゆり「こ、これでいい、オカリン?」
そのとき、ラボの玄関がバンッと開き、マシンガンで武装した覆面が三人飛び込んできた、
覆面達が岡部とまゆりにむかって銃を構える。
そのとき、覆面達は違和感に気づいた
***「うっうわあああああああああっ!?」
覆面が悲鳴を上げる、覆面たちが自分の腕を見ると、それぞれの肘から先が消失し、
その消失部分から激しく血を噴き出していた。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:06:11.30 ID:6p2Lm2Cr0
覆面の仲間が玄関から突撃したのを見ていたほかの覆面たちが異常に気づく
そしてさらに異変、崩れ落ちる三人の男達のほうから、
棒状に閃くなにかと、プラズマをまとったかげろうがこちらに接近してくる。
ヒュンッヒュンヒュンヒュンヒュンッ
ラボの玄関から建物の入り口にかけて、
棒状の閃光とプラズマのかげろうが数名の覆面の男達をすり抜けて通り過ぎると、
覆面の腹部は切り裂かれ、ズトッと腕が落ち、
次々に覆面たちが悲鳴を上げ始める。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:12:40.95 ID:6p2Lm2Cr0
「ひあああああああああああ!!」
「手がっ・・・あああああああああああっ!」
建物の外に待機していた十数名の覆面たちも建物の中からあがるいくつもの悲鳴に気づく
建物の入り口が陽炎でゆがんだかと思うと
道路の真ん中で陽炎がゆがんだ
バチチチチッバチチチッ
何もない空間が陽炎にゆがみ
そこから人影が、
全身を黒いラバー状のスーツでぴったりと身をつつんだ牧瀬クリスが、
青白く閃く黒い刀を肩にかけて姿を現した。
クリス「おっとナイフに持ち替えたほうがいいんじゃないかしら?仲間に当たるわよ?」
目に見えて動揺する覆面の男達に
あいたてをつきだし人差し指をたてて横にふる
クリス「チッチッチッ、お楽しみはこれからなんだぜ?」
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:19:12.19 ID:6p2Lm2Cr0
ラボの室内で玄関でもがき、息絶えた覆面たちに目をやり、外から立て続けに聞こえる断末魔の悲鳴を聞いて、
始まったか、と岡部は思った。
まゆり「なに?なになに?オカリン?もういい、もういいの?」
岡部「まだだまゆり」
岡部はそういいながら、向かいの窓を見つめていた。
向かいの窓にいくつもの人影が見える。
バリィンッと音をたてて窓ガラスが割られる
窓からはいくつものマシンガンの銃口が伸び、
岡部の後ろでソファに伏せるまゆりにむけられていた。
ガガガガガガガガガガガッ!!!!
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:25:14.17 ID:6p2Lm2Cr0
いくつもの銃口から数十発の弾丸が吐き出される。
窓から岡部をはさんでまゆりに銃弾が向かう
岡部は窓の覆面たちに向かって右手を突き出す。
岡部の前方が青白く発光しはじめた
バジジジジジッ バジジジッ
窓のいくつものマシンガンから放たれた数十発の銃弾は、
岡部の突き出した右腕の前方で完全に静止していた。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:31:22.23 ID:6p2Lm2Cr0
青白い発光が終わると、ザラザラザラと床に銃弾が落ちていく。
岡部「フッフッフッ」
右腕を突き出しながら岡部が笑う
岡部「歓迎しよう機関の戦闘員どもよ」
バッバッ
両手を上にかかげ、クロスし、横に突き出す
岡部「だがむべなるかな、この地獄のムァ〜ッドサイエンティスツ、ふぉうおういんきょ〜うまがじきじきに相手をしてやるぅぅぅおぅ!」
ポーズをとったままニヤリと笑った
覆面の男達は混乱しながらも
ナイフを抜いて窓から侵入してきた
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:37:52.67 ID:6p2Lm2Cr0
ラボの外ですべての覆面をした人間を切り落としたクリスはラボからの銃声と、
岡部の大声を聞いた。
そしてラボがある建物の向かいの建物の屋上に目をやる。
歩きはじめ、じょじょに加速していく
ダッダッダッダッ
向かいの建物に走り
ダンッ
上空に飛んだ
クリスの体が上空に飛翔し、放物線を描いて
向かいの建築物のコンクリートの屋上に着地する
屋上に着地したクリスは大声で叫んだ
クリス「岡部!準備完了!!」
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:44:05.23 ID:6p2Lm2Cr0
岡部の眼前に覆面の男が突進してくる
岡部はスーツの筋繊維をメリメリ緊張させラボの奥に蹴り飛ばした。
次に突撃してきた覆面のナイフをかわし、上からこぶしを打ち下ろして
覆面を床に叩きつける。二人の覆面はおそらく即死だろう。
その間にラボには覆面たちが7人、窓から侵入してきていた。
岡部はまゆりのほうに後ずさる。
クリス「岡部!準備完了!!」
クリスの声を聞いて岡部は叫んだ!
岡部「かまわん!やれ!オペレーションヴァルキュリアスを発動せよ!!」
そういうと岡部は急いで床に突っ伏した。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:47:47.63 ID:pXFr9X0m0
立て直したのにスレタイそのままなのはわざと?
ウーパーじゃなくてウーパだからな
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:49:36.95 ID:pXFr9X0m0
既出だったか
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:51:05.52 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「オペレーションヴァルキュリアスを発動せよ!!」
岡部の声を聞いて、
クリスはラボの向かいの建物の屋上から、
ラボのほうを見て刀を構える。
刀を水平に構えて、柄のスイッチを押す、
シュイイイイイイイン
すると刀がどんどんと伸びていき、水平に10mほどにまでの刀身になった。
クリス「ほおおおおおおおおおおおおおああっ」
クリスが全身に力を込めクリスをつつむスーツがメリメリと音を立てて筋繊維を浮き上がらせる
両手でもった刀が、すさまじい力で振られ、10mの刀身が
ラボの向かいの建物からラボの真ん中を横一閃に切り裂いた
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 09:57:29.00 ID:6p2Lm2Cr0
ザザザザザザザザッ
ラボの内部、床から1m上あたりを黒い刀身が一瞬で水平に切り裂いていく
鋭い刀身が7人の覆面たちの腹部を真っ二つに切り裂き、
覆面たちは血液と腸を撒き散らしながらドサドダと上半身と下半身を別々にして崩れ落ちる。
ドサドサという音を聞いて岡部は顔を上げる。
そこには14個の上半身と下半身、そしておびただしい血液の池ができあがっていた。
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 10:04:31.05 ID:6p2Lm2Cr0
岡部「これはひどいな」
岡部は振り返ってまゆりを見た。
岡部「まゆり、まゆり?生きてるか?」
まゆりは動かない
岡部「まゆり?」
岡部は静かにまゆりに手を置く
まゆり「オカリン、もういい?まゆしぃはちょっと恐くなってきたのです」
生きている、まゆりが生きている、
岡部は意外なことがあったような、混乱した感覚で
まゆりを抱きしめた
まゆり「ひゃっ、どうしたのオカリン?」
岡部「ぐすっ、まゆり、よかった。うぐ、まゆりぃ」
嗚咽を漏らしながらまゆりを抱きしめる岡部に、
まゆりは何度ももう目をあけていいかと聞いていた。
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 10:11:40.44 ID:6p2Lm2Cr0
ラボの襲撃事件から二日後、
岡部は一人ラボの建物の三階の部屋に座っていた。
目の前には黒い金属球が鎮座している。
薄暗い部屋の中にカーテンのない窓から陽光がさしている。
岡部「まゆりは今も生きている。ダイバージェンスの壁を越えたのは間違いじゃなかった」
黒球の前で岡部は続ける
岡部「この黒球がいったいなんで、だれがどんな目的でここにおいているのかわからないが、今まゆりを死なせずにすんだ。俺にはそれがすばらしい」
岡部は手に持った黒いラバー状のスーツを黒球の前に置いた。
岡部「誰か聞いているか?これはあなたに返す。もう使うこともあるまい」
岡部はしばらく黒い球を見つめると、スッと立ち上がり
部屋をあとにした。
ガチャとドアをあけ、玄関から外に出る。
玄関のドアが閉められ、部屋には黒い金属球だけがのこった。
薄暗い何もない部屋、その中央で黒い球は何も言わずにただそこにあった。 END
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/31(月) 10:17:45.67 ID:6p2Lm2Cr0
冒頭から書くといったな? あれは嘘だ
<⌒/ヽ___ < 寝 る !
/<_/____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
なんで地の文使ってるのに肝心の表現がムチャムチャとかズザザザッなのはどうして?
シュイイイイイインwwwwwww