1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
・原作未プレイアニメ視聴済
・設定考証が大変gdgdです。生暖かい目で見てもらえるとありがたいです
・猿回避うれしいです
シーワシワシワシワシワ
秋口に入った窓の外で時期をはずしたセミの音が聞こえる
研究所の外はすでに夏の気温は過ぎてすでに肌寒くなってきている
岡部はスーパーマーケットで買った荷物をクリスと分け、
ラボへの帰路をスタスタと歩いている。
クリス「まーたたくさん買い込んだものね。今日でこんなに食べれるのかしら」
クリスは自分の買い物袋を覗き込んで嘆息をつく、
もともと彼女は大食ではないことと、几帳面な性格から、
買い込んだ食糧と消費量を計算して心配しているのだ。
岡部「フッフッフ、甘い、甘すぎるぞ助手よ。今宵は狂乱の宴・・・供物が食べきれるとか食べきれないとかそのような小さいことなど問題ではないのだ」
岡部は半ばあきれたような顔で静かにクリスを諭す
クリス「誰が助手かっ!まぁそこまで気にすることもないかもね、でも岡部はドクペ買いすぎ。冷蔵庫に入れておけばいいけど、運ぶ労力は比例するのよ」
岡部「フン、些細な問題だな。途中で切れるよりはいいだろう。それにいざとなれば、無限吸引能力、インフィニティフォーリングを発動するまでのこと」
クリスが怪訝そうな顔をする
クリス「岡部ってそんなに大食漢だったの?その華奢な体からはとてもそうは思えないわね、ほんとにこれが全部食べられるわけ?」
岡部「ああ、この程度の食料を食べることなど造作もない」
岡部はフッと息をつき斜め上を見上げていった
岡部「まゆりにとってはな(フッ」
ラボの入り口が見えてきた。
ガチャッ
ラボの扉を開けると
二人をラボメンが迎える
まゆり「おかえりなので〜す。オカリン、クリスちゃん。外は暑くなかった?」
ラボの中は窓から夕日を入れて、影を交えながらオレンジ色に染まっている。
岡部「うんむ、さすがにもう秋だからな。闇のマッドゥサイエンティストとしては、このくらいの季節を常に維持しておきたいところだ」
クリス「一般人の私としても、このくらいの気温が好ましいわね。大体日本の夏は湿度が高すぎるわ。あの湿度がなければ夏だって嫌いじゃないけどね」
まゆりはニコニコと笑う
まゆり「ラボにお泊りなんてずいぶんと久しぶりなのです。オカリンはちゃんとからあげ買ってきてくれましたか?」
岡部「もちろん抜かりはない。さすがのまゆりでも食べきれるかどうか」
まゆり「これくらいなら全然食べきれるよ。今日はからあげ祭りですねっ」
クリス「まじかっ?まゆりって意外とフードファイターなのね。でもスタイルだってきれいだし、ちゃんと運動してるとか?」
まゆりは首をふると
まゆり「うーうん。まゆしぃはからあげでは太らないのです。だからいくら食べても大丈夫なんだよ」
クリスは大仰に目を見開くと
クリス「oh・・・それはうらやましすぎるぞまゆり。まぁいいわ、でもからあげだけじゃなくてほかにもチーズやらチョコやらいろいろ買ってきたわ」
冷蔵庫にドクペを入れながら続ける
クリス「それになんだったら私が何か作ってもいいしね」
岡部「その必要はない」
ピシャリと否定する
クリス「なによ岡部。頭ごなしに拒否するわね。あなた私の手料理、食べたことあるの?きっとそこそこおいしいはずよ」
「おいしい『はず』」という文言がすでに怪しいし、岡部は彼女の手料理でひどい目にあったことがあった。
もっとも、それは彼女の記憶にはないことだったが
まゆりのブラックルーパー…
つまりフタナリまゆりが鈴羽やルカとにゃんにゃんするんだな!
岡部「い、いやぁ本当にいいんだ。それにだなクリスティーヌ。日本ではホームパーティをやる場合、手料理は基本的になしだ。そしてそれはこのラボでも踏襲しているしきたりだ」
クリス「そ、そうなの?それじゃあ仕方ないわね、結構自信あるんだけど」
岡部は幾度にわたるクリスとのやり取りで、彼女の手料理を阻む極意を会得していた。
彼女は日本の事情にはかなり疎く、適当にでっちあげたしきたりでもそれなりに効果があるのだ。
まゆりは二人を見て特に何も言わずにいたが、おそらくまゆりもそんなしきたりがあったのかとでも思っているのだろう。
あとで訂正しておくか、岡部は頭の隅でそう思った。
日も落ちきったころ、橋田が帰ってきた
ダル「たっだいま〜。フェイリスちゃんとキャッキャウフフしてきたお〜」
まゆり「おかえりダルくん。あっダルくん何か買ってきたのですか?」
橋田はビニール袋をおろしながら言った
ダル「そうそう、メイクイーンの帰りにいいPCパーツを発見、迅速に保護したのだぜ、キラッ」
彼はクリスに気づいた
ダル「やぁやぁ牧瀬氏、この時間にラボにいるとかめずらしい。どうかしたん?」
岡部「ああそれなんだがなダル」
岡部は部屋に上がろうとする橋田を押しとどめるように言った
岡部「実は今日ラボで暗黒の会合、ダークソウル・セッションを行うことになったのだ」
橋田は机の上の袋を見て顔を輝かせた
ダル「おー、いいじゃん、いいじゃん。じゃぁ今日はお菓子を片手にPCのチューンナップと洒落こみますかぁ〜」
岡部「そこなのだがな、ダル」
ダル「ん?どうしたんオカリン?」
岡部は沈痛な面持ちで続けた
岡部「今日の会合はクリスティーヌを主賓とした懇親会でな、前々から性別的に孤独だったまゆりとクリスティーヌが仲を深めようという趣旨にのっとっている」
橋田「うんうん、思えばまゆしぃには寂しい思いをさせてきたぜ。そして俺はそういう怪しい関係も大歓迎!」
よからぬ妄想に心を弾ませる橋田に岡部は続ける
岡部「それでダルよ、ほかにも出席者が何名かいてな」
橋田「そうなん?オカリンはそんな友達いないから、牧瀬氏の友達?じゃあその子らもおにゃの子なん?うー、みなぎってきたあああ」
岡部「それでキャパシティオーバーでな。すまんダル、今日は帰ってくれ」
橋田は笑顔を硬直させ
橋田「なん・・・だと・・・?」
エロマダー!!
クリス「橋田ごめん、申し訳ないけど今日はそういうことなの、またみんなでおとまり会はやるから了承してもらえないかしら」
怪訝な顔をする橋田
橋田「牧瀬氏、ちょっと聞きたいことがある件」
クリスは後ろめたさもあって促した
クリス「なにかしら?大体のことは答えるわよ、ただし変な質問は禁止ね」
ダルが続ける
ダル「牧瀬氏、本当に友達おるん?」
クリス「なっ」
クリスは狼狽を抑えながら答える
クリス「もちろんいるわ、私にだって友達の一人や二人いるわよ。疑ってるの?」
クリスを覗き込む橋田の目には懐疑心が宿っている
ダル「だって牧瀬氏日本にきてまだ間もないっしょ?そんなにアクティブにも見えないし、本当にお泊まり会するような友達おるん?」
痛いところを直撃されて言葉を失う。確かにクリスはもともと積極的に友達を作るタイプではない
狼狽したクリスの空白を埋めるように岡部がいった
岡部「あ、あ〜あ本当だとも。俺も直接話しをしたことがある。すまんダル、選択の余地はないのだ」
橋田は依然として懐疑的な表情をしている。
しかし何かを思いついたような顔をした。
クリス「わかってくれた?」
橋田は怪訝そうにアゴに手をやると、玄関からまゆりを見つめる、
まゆりは雑誌を読んでいたが橋田の視線に気づき不思議そうに笑った。
次にクリスに視線をやる、クリスはなにかやましいことがあるかのように目線をそらした。
そして岡部に目をやる・・・
橋田は何かに気づいたように大きくうろたえた。
ダル「お・・・オカリン・・・まさか・・・」
橋田は稲妻に打たれたようによろめき、ニ、三歩後退した。
岡部「すまんなダルよ、わかってくれ」
岡部はすまなそうにうつむいて言った。
ダル「オカリン・・・俺達、ずっと童貞でいようなって約束した仲だったじゃない!」
感きわまった発言に岡部は不思議そうに顔を上げる
岡部「ん?それとこれといったいどう関係があるのだ?大体そんな約束をした覚えはないぞ」
橋田は顔をそむけてさらに二、三歩下がると
橋田「いい、いいんだオカリン・・・でも」
うつむいたまま続けた
橋田「避妊だけは・・・するんだぜ」
しぼりだすようにそういうと、橋田は外に走って出て行った。
タッタッタッタという足音にまじってしばらくしたあとリアじゅう爆発しろと遠くから聞こえてきた。
岡部「あいつは何を勘違いしてるんだ?」
岡部は怪訝そうな顔を浮かべて橋田を見送るとラボの扉を閉めた。
外は日が落ちてすっかり暗くなり
ラボの窓からはカーテンの裾から電灯の光が漏れている。
まゆり「それでね、オカリンがルカちゃんにすぶり百回だ〜っていって、木刀を振らせるのです」
クリス「なんで神社にケンドーが必要なのかわからないけど、不思議な文化ね」
まゆり「別に日本の文化ってわけじゃないんだよ。でね、ルカちゃんは体力がないので、まゆしぃが10回にしてあげようってかけあうのです」
電灯に照らされた部屋の中で
まゆりとクリスはソファーに陣取り会話を弾ませていた
岡部は部屋の奥でドクペを飲み、PCを触ってたまにまゆりの声にうんうんと相槌を打っていた。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:00:53.41 ID:vf/UUSf+0
まゆり「そしたらオカリンはちょっとなやんで、まゆしぃの頼みをきいてくれたのです。ねぇオカリン?」
岡部「ああ確かそうだったな。そもそもよくよく考えればルカの体力では100回も木刀を振ることはできんしな」
クリス「そのルカって子もよく付き合うわね。どんな子なの?」
まゆり「ルカくんはね〜、とっても美人さんなのです。いつかルカくんにコスプレしてもらうのがまゆしぃの隠れた野望なのです」
岡部「ルカ子はあまり乗り気ではないようだがな。確かにあいつは華奢だし気配りもいい、少々気が弱いがそこいらの女よりよほど端麗な容姿をしている」
クリス「まぁ岡部にあわせられるならよほど気配りができる子なのね。私も仲良くできるかもしれないわね。今度紹介してくれない?」
岡部「そうだな考えておこう、だが・・・」
岡部とまゆりは二人して深刻な顔をする。
岡部「だが男なのだ」
まゆり「だけど男の子なのです」
クリス「えっ、そうなの?話的にてっきり女の子だと思ってたわ」
まゆり「そこが問題なのです。きっとコスプレした姿はとてもかわいいのに、男の子だって全然乗り気になってくれないのです」
岡部「ルカ子が男なのは神のいたずらだな、だが安心しろクリスティーナ。ルカ子とまゆりの会話する姿はどこからどうみても女子だ。お前とも仲良くできることだろう」
相槌を打ちながらいつかそのときがくることがあるのかという疑問がよぎった。
時間が過ぎるにつれてクリスはたまに岡部に目配せを送っていた。
時計の針は9時を過ぎている。
岡部は折を見計らってクリスにいった
岡部「クリスティーナよ。少しいいか?すまないがまゆりよ。ちょっと席をはずさせてもらう」
まゆり「わかったのです。でもあんまりクリスちゃんを独り占めにしないでね。まゆしぃはまだまだ喋り足りないのです」
クリス「えぇ、わかったわ。ごめんねまゆり、すぐ帰ってくるからちょっと待ってて」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:08:42.56 ID:tZ2mKhUd0
支援
岡部はクリスを呼び、ラボの屋上に二人で出ていた。
屋上といってもたいした高さもない。
夜空は街の明かりに照らされ、薄い藍色に染まっている。
クリス「岡部、もう9時だけど・・・」
沈んだ声で岡部に尋ねる
岡部「ああ、あわてるな助手よ。100%の確立で来訪は起こるだろう。今まではそうだった」
岡部は淡々とした口調で答えた。
まゆりは殺される。それも一度ではない。
何度も殺される。何百回と殺される。
そして岡部はほとんどそのすべてを目撃し、
そのたびにタイムリープを繰り返してすべてをまき戻した、
そしてそのたびにまゆりは生き返り、そしてそのたびに死んでいったのだ。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:14:06.80 ID:tZ2mKhUd0
支援
岡部「最終確認をしよう」
クリスは無言でうなずく。
岡部「セルンの連中は必ずラボに強襲する。時間はほぼ10時前後だ」
岡部は屋上から外の道路を見下ろして続けた。あたりは静まり、薄暗い闇が降りている。
岡部「目安としてやつらが強襲してくる直前に、まゆりの懐中時計が止まる、これも必ず起こる。セルンの連中はラボを強襲し、まゆりを殺すだろう」
クリス「そんなことはさせないわ」
岡部「そう、俺達が何もしなければだ。俺達はそれを阻止する」
まゆり「ずいぶん早かったねぇ〜。どんな話をしていたのかなー」
ラボに戻るとまゆりが明るい表情で二人を迎えた。時計は9時15分を指している。
岡部「ふっふっふまゆりよ、これは最高機密事項でな、いかにラボメンといえども明かせない情報なのだ。悔しければ早くラボメンランクを上げることだな」
まゆり「ぶー、それなら仕方ないのです」
まゆりは初耳のラボメンランクなるものをスルーし、クリスとの談笑を再開する。
まゆり「ねぇクリスちゃん。このコスプレとこのコスプレどっちがいいかな〜」
クリス「そうね、うーん。こっちなんかいいんじゃないかしら、リボンがかわいいわね」
まゆり「お〜っ、クリスちゃんはけっこうかわいい趣味をしているのです」
少しぎこちないクリスの声を聞き流しながら、岡部はドクペを一口飲むと再びPCの文面に目を落とした。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:19:10.82 ID:tZ2mKhUd0
支援
時計は9時45分を回り、まゆりとクリスはあきもせず談笑を続けている。
岡部はPCの時計を見つつ、時間を確認すると何気なく白衣のポケットをまさぐった。
クリス「岡部」
クリスの呼びかけに振り返る
岡部「どうしたのだ〜助手よ。俺は今重要な機密情報の分析を行っているのだ」
クリス「うん、そうね」
クリスはぎこちない風で言葉を続ける。10時が近づいて気がはやっているのかもしれない。
まゆり「オカリンせっかくクリスちゃんが来てくれてるんだから今日くらい話の輪に積極的に参加してほしいのです」
クリス「それにしても、まゆり、すごいわね。本当にこれだけ食べるなんて、一体どういう体機能をしてるのかしら」
まゆり「まゆしぃはからあげが大好きなので、いくらでも食べられるのです。クリスちゃんももっとからあげを食べて一緒にからあげファンくらぶになりましょう」
岡部「やめておけまゆり、からあげで太らないのはお前くらいだ」
クリス「そうね、私ももう肉ものはノーサンキューよ。岡部、ドクペとってもらえるかしら」
岡部「助手の分際で俺をアゴで使おうとはいい度胸だな。まぁ今夜は特別に見過ごしてやるとしよう」
岡部はそばの冷蔵庫を開けてドクペを取り出すと、クリスに手渡した。
まゆり「あれ〜?クリスちゃん今日は優しいねぇ。いつもならこんなときは誰が助手か〜って言うのに」
クリス「え、そうかしら?まぁ今日くらいは大目に見るわよ」
まゆり「うんうん、みんな仲良しなのはいいことだねぇ。ねぇこれを見て、このコスプレはね〜」
まゆりの呼びかけに応じて、二人は雑誌に目を落とした。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:25:14.55 ID:tZ2mKhUd0
支援 これsageた方がいいの?
まゆり「この衣装はねぇ。魔法少女=アバン・ギャルドっていう変身もののコスプレなんだよ〜」
クリス「へぇ、かわいいわね。でも私はこんなフリフリの衣装は似合わないわね」
まゆりの進行でコスプレ談義が進んでいた。こういうのはきっとルカ君に似合うとまゆりは想像を膨らませる
まゆり「あれ?」
まゆりは胸元に目を落とすと懐中時計を手に取った。
クリスは懐中時計を見ると、驚いた風で息を呑んだ。
クリス「まゆり?どうしたの?」
まゆり「まゆしぃの懐中時計、止まっちゃってるのです」
二人の会話を聞いて、岡部は立ち上がった。
まゆり「おかしいなぁ、この前修理したばっかりなのに・・・」
クリス「岡部・・・」
岡部「助手よ、覚悟を決めろ」
岡部はラボの玄関のほうに向き直り、クリスも玄関を向いた。
クリス「岡部・・・本当に・・・」
クリスが言いかけたとき、ラボの玄関が突然バンっと開いた。
31 :
よくわからないのですがどちらでもおkです:2011/10/30(日) 19:30:15.77 ID:QqhfwYeP0
扉がバンっと開き何者かがラボに侵入してきた。
何者かは顔に覆面をしていて性別はわからない、手には銃を持った人間が三人、
ラボに突入してきたのだ。
ガウゥン!!
あたりに銃声がとどろく
ガタンっと音がして、覆面をした人間が崩れ落ちた。
覆面の額には穴が開き、体がビクンビクンと追撃している。
銃弾は岡部の右手に握られた拳銃から発射された。
数日間苦労して手に入れた拳銃だった。
覆面たちは一瞬狼狽している。
岡部は次の覆面に照準を合わせようとしていた。
覆面はそれに気づいて反射的に岡部に銃口を向けようとした。
そしてそのとき自分の懐の近くまで近づいた影に気づいた。
クリス「あああああああああああああああああああああっ!!!」
クリスは叫ぶと左の覆面に突撃した。
突撃された覆面はビクっと体を震わせた。
腹部に異常を感じ、見ると、クリスの手に握られたナイフが深々と突き刺さっていた。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:33:55.36 ID:TOa7o2aH0
このスレちょっと浮いてない?
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:35:31.01 ID:QqhfwYeP0
二人目の覆面が倒れる。
今部屋にいるのはラボメンの三人と覆面の三人、覆面の二人は倒れている
三人目の最後の覆面はナイフを持ったクリスに向かって銃をむけ、
標準を合わせようとした。
しかしクリスはすでに懐に入っており、
覆面は銃身でクリスを押しとどめる。クリスのナイフが宙を切る。
そのとき、岡部の銃から発射された銃弾が三人目のコメカミをうちぬき、覆面は崩れ落ちた。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:37:01.29 ID:tZ2mKhUd0
支援
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:37:56.75 ID:QqhfwYeP0
クリスはハァハァと息をつくと
玄関から外をのぞいた。
***「二人は殺すなぁ!」
そこには覆面が7、8人いた。そして奥からそう声が聞こえる。
クリスは顔を引っ込めると、
ガガガガガガ!!玄関先を銃弾が掠める。威嚇射撃だ。
岡部も玄関までつめる。
まゆり「オカリン、クリスちゃん、えっえっ?」
何がなんだかわからずあわてるまゆり
岡部「まゆり!静かにしてろ!お前は守る!」
作風がニトロ…
つまりエロはある!鈴羽ぺろぺろ!!
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:40:04.24 ID:QqhfwYeP0
ガゥン!ガゥン!
岡部が玄関から数発うつ、覆面には当たらなかったものの
影まで後退した。
少しして覆面たちが玄関に向かって突撃してきた。
岡部が銃口を向けたとき、
バリーンとガラスが割れる音がした。
岡部が振り返ってみると、ラボの窓が割られ、
窓の外には覆面が5、6人、窓から銃身が伸びている。
そして、その銃身は、まゆりに向けられていた。
岡部「やめろ・・・」
小さいこえでつぶやく
まゆりはソファから窓の銃口を正面に見据え、
大きく目を見開いた。
まゆり「あ、・・・」
ガガガガガガガガガガ!ガガガガガガガ!
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:42:43.14 ID:QqhfwYeP0
窓から伸びた銃口から、銃弾が吐き出され、
窓の反対側のまゆりにつきささった。
岡部「やめ・・・ろ・・・」
何度も見た光景である。
もう慣れた冷たい感覚が頭から体へと降りてくる
クリス「まゆりっ、まゆっ、まゆっ、あぐっ!!」
クリスの悲鳴を聞いてクリスに向き直る。
見るとクリスは倒れ、彼女の太ももにはナイフが突き刺さっていた。
覆面が玄関から進入し、岡部に銃口を向けた。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:44:26.84 ID:tZ2mKhUd0
支援
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:45:27.72 ID:QqhfwYeP0
***「銃をよこせ」
クリス「おっ・・うぐっ・・・岡部ぇ・・・まゆりが・・ぐすっ・・・」
銃を覆面のほうに放り投げる。
クリスはナイフを取られ、太ももを押さえながら涙を流していた。
その涙はまゆりの死を目の当たりにしたからか、太ももの痛みからなのか。
銃口をつきつけられながら岡部はそう思い、まゆりのほうを見た。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:47:36.29 ID:QqhfwYeP0
まゆりはすでに事切れていた。いくつもの銃弾がまゆりの体につきささり、
ソファにうつぶせに倒れていた。
じっと倒れたからだからはいくつもの傷口から出血し、
血液が服に花のような模様を浮かべていた。
まただ、またまゆりが死んでしまった。
岡部は落ち着いた風にクリスを見下ろした。
クリス「おかべぇ・・・まゆりが・・・ぐすっ・・・」
かわいそうに、同情的な気持ちになっている岡部に覆面の一人が言った。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:49:48.31 ID:QqhfwYeP0
***「岡部りんたろう、牧瀬クリスだな」
男の声が確認する。
岡部「ああ、そうだ」
ひどく落ち着いた、かすれた声で答える。
***「橋田至はいないようだな、そいつも連れて行く。お前達には一緒に来てもらう。選択肢はない」
岡部「ああ、わかった」
岡部は答えると、振り返り部屋のPCに向かった。
後ろでは死体を処理しろという声が聞こえる。
PCの前まで行き、イスに座る、
岡部は起動したままのPCに向かい、キーボードを操作する。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:51:43.95 ID:tZ2mKhUd0
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:52:31.26 ID:QqhfwYeP0
カチカチ、カチ、カチカチカチ
後ろではクリスの泣きじゃくる声が聞こえた
彼女に悪いことをしたな、少し後悔を感じる。
岡部はあたまにヘッドホンのようなものをセットした。
エンターキーを押すと、PCの右手においてあるレンジが起動した。
オレンジ色に光ると、ついで青白く光る。
そして青い放電を走らせ始めた
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:54:36.79 ID:QqhfwYeP0
バジジ、バジジジジ
あたりが白くそまっていく、
岡部は落ち着いた気持ちで目を閉じた。
視界が幾度もフラッシュし、次第に暗く、白と黒が交じり合っていく
戻るのだ、平穏な世界に回帰する
あたりが崩れていった
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:55:58.67 ID:cJFCvJzp0
支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 19:57:06.22 ID:QqhfwYeP0
岡部が意識を取り戻したとき、
彼は窓から夕日が入るラボにいた。
彼はうつろな目であたりを見回してみる。
窓は割れていない、PCはつけっぱなしのままだ
ソファに目をやると、まゆりとクリスが雑誌に目を落として会話していた。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:00:01.60 ID:QqhfwYeP0
岡部「まゆり」
岡部に呼ばれて、まゆりは顔を上げ、ニコリと笑った。
まゆり「なに?どうかしたのオカリン?」
岡部はふっと心を軽くしあわてて訂正した
岡部「いーや、なんでもない、楽しそうだな」
岡部の様子にクリスが怪訝そうな顔をする
クリス「どうしたんだ岡部、あなたもコスプレに興味あるの?あまりオススメしないけど」
まゆり「オカリンは白衣のコスプレをしてるんだよね」
クリス「白衣はコスプレじゃないわまゆり、それにそれだと私までコスプレをしてることになるじゃない」
岡部はイスに座り、会話をする二人の声を聞きながら、思索に沈んだ。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:02:42.30 ID:QqhfwYeP0
まゆり「じゃーねオカリン、クリスちゃん、まゆしぃはそろそろ帰宅のお時間なのです」
クリス「えぇ、私はもうちょっとこの論文を読みたいから残るわ。シーユー」
まゆりがラボを出て、ラボには岡部とクリスが残った。
岡部はPCの画面を見つめ、クリスは論文のページをめくる
ペラッ・・・・・・ペラッ・・・・・・・
岡部「じょ〜しゅよ〜」
クリス「誰が助手か、なに?」
岡部「すまなかったな」
クリス「なに?どういうこと?」
岡部「いや、いいのだ」
クリスはまた論文に目を落とし、ページをめくりはじめた
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:03:53.72 ID:cJFCvJzp0
支援
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:04:46.82 ID:QqhfwYeP0
ペラッ・・・・・・ペラッ・・・・・・・
岡部「クリスティーナよ〜」
クリス「牧瀬クリスだ。で、何?」
岡部はPCを見つめながら続ける。
岡部「少し出てくる。留守を頼むぞ」
クリスは時計を見上げた
クリス「そうね、私はもうしばらくいるから、いいわよ」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:06:36.88 ID:04GDnAuS0
SS速報のと同じまま?
あと一応ウーパーじゃなくてうーぱだって言っとく
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:08:20.87 ID:QqhfwYeP0
誰も読んでないと思ってましたが読んでる人がいてうれしいです
冒頭部分を試験的に書きました
とりあえず加筆修正して最初から書いておりまする
55 :
レスありがてぇありがてぇ:2011/10/30(日) 20:10:36.95 ID:QqhfwYeP0
これで何度目だろうか。
オカベは何度もまゆりの死を目のあたりにし、
何度も世界を再構築し、その回数を数えるのはとうにやめていたが
毎回そう思うのだった。
あの日の10時、まゆりとラボにいると必ず襲撃が起こり、まゆりは死ぬ。
苦労して手に入れた拳銃も無意味だった。
警察を呼ぶことも何度も試したが無駄だった。
ラボを連れ出してもなんらかの事故が起こり、やはりまゆりは死ぬのだ。
どうすればまゆりを死なせずにすむのだろう。
56 :
レスありがてぇありがてぇ:2011/10/30(日) 20:13:02.52 ID:QqhfwYeP0
目の前の信号が赤に変わる、岡部は立ち止まり、ドクペを一口飲んだ。
炭酸がのどを刺激し食道を下っていく。
まゆりを海外に連れ出すか?いや、空港に行きつくことができない。
どこかに隠れれば、それも無駄だった。
次の手を考えているうちに、岡部は神社の境内についていた。
神社の巫女服を着た人が岡部のほうに歩いてくる。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:15:05.21 ID:QqhfwYeP0
ルカ「岡部さん、来てくださったんですね」
岡部「うんむ、ルカ子よ、組織の陰謀を打ち砕く方法を思索するうちに、自然にな」
ルカは相槌を打って笑った。
岡部「それはそうと修行にはたゆまず励んでいるか?」
ルカはうつむいて答えた
ルカ「ええ、毎日がんばって素振りしています。よければ岡部さん、稽古をつけていただけますか?」
岡部「ふむ、かまわん」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:16:38.88 ID:1HsbEXPjO
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:18:03.77 ID:QqhfwYeP0
ブンッ ブンッ
ルカが木刀を振る、岡部は境内のベンチに腰掛け、腰を入れろ、とか、握りが甘い、とか注文をつける。
何度と行ってきた習慣である。
ルカ「岡部さん」
岡部「・・・」
ルカ「岡部さん?」
ルカの呼び声にハッとして見上げる
ルカ「素振りし終わりました。どうでしたか?僕、上達しているでしょうか」
岡部「ああ、悪くない。妖刀も近くお前の鍛錬に答えることだろう」
ルカ「ありがとうございます。あの、隣に座ってもいいでしょうか」
岡部に促されて、ルカは隣に腰掛けた。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:20:23.61 ID:QqhfwYeP0
境内は陽光に染まっていた。
セミが弱弱しく鳴いている。
岡部とルカはベンチに腰掛けて、
どちらが喋ることもなくくつろいでいた。
ルカ「岡部さん、何か悩み事ですか?」
岡部「うむ」
あまりに素直に肯定されたので、ルカは少し驚いた。
ルカ「あの、僕がこんなことを聞くのは変かもしれないですが、大変なことなんですか?」
岡部「うむ」
そう答えて、二人は黙り込んだ。
セミの鳴き声があたりに立ち込める。
ミーン ミーン ミーン
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:22:00.40 ID:tZ2mKhUd0
支援
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:22:56.00 ID:QqhfwYeP0
岡部「機関の力があまりに強大なのだ。俺に打ち砕けるのかどうか」
岡部は赤く染まる空を見上げてつぶやいた。
ルカ「そうですか」
ルカはうつむいてつぶやいた
ルカ「岡部さん、どんなに大変でも、がんばってください。僕、応援してます」
ルカはそういうと、もういかなきゃといって歩いていった。
岡部はもうしばらくベンチで思索にふけり、そうだな、とつぶやくと再び歩き出した。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:25:46.64 ID:QqhfwYeP0
ラボの玄関を開けると、ラボには明かりがついており、
ソファではクリスが論文のページをめくっていた。
クリス「おかえり、早かったわね」
クリスが論文に目を落としたままで迎える
岡部「まったく早くないぞ。もう二時間は経過している」
そう聞くとクリスははっとして時計を見上げた。
クリス「本当だわ、時間が過ぎるのが早いのね、でもいいところだから、もうちょっと」
そういってまた二時間くらい没頭するのではないかと岡部は思った
そしてまたクリスに声をかけた
岡部「クリス、ちょっといいか」
呼ばれて、クリスは顔を上げた
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:26:44.09 ID:B05h6cDe0
SS速報から出てきたのか…レス乞食め
全く同じだったら許さないとだけ言って置く
頑張れ
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:29:30.90 ID:QqhfwYeP0
ラボの玄関を開けると、ラボには明かりがついており、
ソファではクリスが論文のページをめくっていた。
クリス「おかえり、早かったわね」
クリスが論文に目を落としたままで迎える
岡部「まったく早くないぞ。もう二時間は経過している」
そう聞くとクリスははっとして時計を見上げた。
クリス「本当だわ、時間が過ぎるのが早いのね、でもいいところだから、もうちょっと」
そういってまた二時間くらい没頭するのではないかと岡部は思った
そしてまたクリスに声をかけた
岡部「クリス、ちょっといいか」
呼ばれて、クリスは顔を上げた
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:31:41.61 ID:QqhfwYeP0
二人はラボの屋上に立っていた。
岡部は数度目になるクリスへの事情の説明をすませたところだった。
クリス「じゃぁ、まゆりは死んでしまうということ?とても信じられない」
そういうとうつむいて少し考えると
クリス「でも岡部がタイムリープしてるっていうのは疑いようがないわ」
クリスが話をだいたい把握したところで、岡部はクリスに機器を見せた
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:33:52.53 ID:tZ2mKhUd0
支援
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:34:16.26 ID:QqhfwYeP0
それは木の台にヒューズのような数字を表示するガラスケースがいくつも連なった
時計のような機械だった。クリスはそれが何かたずねた
岡部「ダイバージェンスメーターだ。この世界線の変動率を示している。この数字はどう見える?」
クリスは怪訝そうに数字を覗き込む
クリス「どうって・・・0.000176ね」
岡部「そうだ、この数字は変動したか?」
クリス「変動って、確かにそれがラボにあったのは見かけたけど、特に意識はしてなかったわね」
岡部「ふむ」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:36:30.41 ID:QqhfwYeP0
岡部は説明を続けた、タイムリープを繰り返すごとにこの数値が変動すること、その数値の変化は岡部にしか把握できないこと、
そしてこの変動率を1以上にすることで、世界線を変動させまゆりの死を回避できるかもしれないということ。
クリス「把握したわ、つまりこのメーターの数値を1以上にするようにタイムリープをするってことね」
岡部「そういうことだ。しかしダイバージェンスメーターは容易には変動しない」
クリスは思案げな表情をする
岡部「俺も何度も実験したが、基本的には0.000001単位でしか変動しない、つまりこの数字の右端が変動するだけだ」
そんな、というクリスをさえぎって続ける
岡部「しかし一度だけ0.000150の変化値を観測したことがある」
クリス「興味深いわね、その行動を分析すればそのダイバージェンスメーターの変動機構を確立できるかも」
そういうことだという岡部にクリスはさらにたずねる
岡部「ダイバージェンスアルゴリズムを使う」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:38:42.36 ID:QqhfwYeP0
クリス「ダーバージェンスアルゴリズム?」
クリスは不思議そうにうつむく、
そしてちょっと考えてから顔を上げるとさらに続けた
クリス「なんぞ、それ?」
岡部「うむ、タイムリープを繰り返すうちにある数列を打ち込むとタイムリープする感覚に違和感を感じてな、
その数列を抽出しそれをいくつか重ねてタイムリープを発動してみた。そしたらこうなったのだ」
そういって0.000176の数値を示すダイバージェンスメーターを持ち上げた
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:41:07.65 ID:QqhfwYeP0
クリス「なるほど、興味深いわね、いったいどんな構造でメーターの変動値になったのかしら、数式が変換された電波信号になんらかの規則性があるのかしら」
岡部「残念ながらそこまでは判明していない。この数式を三つつなげることで世界線の変動率が0.000150前後変動する」
クリス「その数式をまた勝手にダイバージェンスアルゴリズムとか厨二設定で名づけたわけですねわかります、で、その数式を打ち込むわけね」
岡部「うむ、三つつなげた数式で0.000150メーターが推移する」
クリス「6667個の数式を打ち込む?」
岡部「そういうことになる」
クリス「それで変動率を1以上にできるの?それに危険性が大きすぎる」
岡部「世界線は一度変動しているのだクリスティーナよ。そしてこれ以外にまゆりを救う方法があるとは思えない」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:43:38.26 ID:tZ2mKhUd0
支援
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:44:00.50 ID:QqhfwYeP0
カタカタカタカタ
キーボードを打ち込む音がラボに響く
ある程度数式を打ち込むとそれをコピーアンドペーストしていく
岡部「完成だ」
暗いラボの中でただひとつの光源である
PCの画面には規則的な数式がズラリと並んでいた。
クリス「目がチカチカするわね」
岡部「これで世界線が変動するはずだ」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:46:11.34 ID:QqhfwYeP0
少し悩んでクリスが岡部にたずねた
クリス「ねぇ岡部、あなたは今まで何回タイムリープを繰り返して、この世界を繰り返して、何回まゆりの死を見てきたの?」
岡部「幾度となく、だ。数えるのも億劫になった」
そしてクリスにそう聞かれるのも数度目になる、それは言わずにおいた
岡部「では、押すぞ」
岡部はエンターキーに手をやる
クリス「岡部」
呼びかけにクリスのほうを向く。
彼女は笑顔で親指を立てた
クリス「グッドラックなんだぜ、岡部」
彼女の励ましに岡部は小さく笑ってこたえた。
岡部「ああ、世界線の向こうでまた会おう」
エンターキーが叩かれた
岡部の周りの景色が崩れ始める。いつもとは違う、タイムリープの違和感が体を襲う
世界が再構築されていく
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:46:24.97 ID:tZ2mKhUd0
支援
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:48:59.91 ID:QqhfwYeP0
気がついたとき、青い光が飛び込んできた
どこだ?ここは
どこかの屋上にいるようで、岡部はフラつきながら
目の前の屋上の端まで行って下を見おろす。
だいぶ高い、15階くらいの高さがある。ここには見覚えがあった
岡部「ラジ館の屋上か」
ダイバージェンスメーターはもっていないようだった。
世界線は変動したのだろうか、岡部は思った。
もし変動していればまゆりの身には何も起こらないに違いない。
もし変動していないのであれば、再び四日後にまゆりに死の危険が迫ることになる。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:50:30.46 ID:tZ2mKhUd0
支援
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 20:51:17.56 ID:QqhfwYeP0
まゆり「オカリ〜ン」
まゆりの呼びかけに岡部は振り返った。
まゆりが満面の笑みを浮かべて岡部に駆け寄ってきている。
オカベ「ああ、まゆり、きていたのか」
オカベの返事にまゆりは首をひねった
まゆり「おかしなことを言うオカリンなのです。まゆしぃがオカリンを誘って一緒にラジ館に来たんだよ?」
オカベはタイムリープ後の軽い混乱にいつものように対処する
オカベ「ああ、そうだったな。あー、どうしてラジ館にきたんだったっけ?」
まゆり「もー、ウーパーのガチャポンがここにしかないから、オカリンと一緒に来たんだよ」
岡部「すまんすまん、そうだったな。それで首尾はどうだった?」
まゆりは悲しそうにしている
まゆり「残念ながらレアウーパーは出なかったのです。このウーパーはクリスちゃんにあげるのです」
79 :
この世界線ではウーパー:2011/10/30(日) 20:55:26.41 ID:QqhfwYeP0
タイムリープが発動したということは、なんらかの変化があるはずだ。
そう思っている岡部の目が、まゆりの後ろのものを捉えた。
それはラジ館に突き刺さった人工衛星だった。
なぜここに人工衛星がある?
人工衛星は二つ目の世界線で起こった固有事項だ、
もし世界線が一つ目に移行したとすれば、ここに人工衛星があるハズがない。
岡部はさらに考えをめぐらせた。
となると世界線は移行しなかったか、もしくは第三の世界線に移行したことになる。
何も言わずに衛星を見つめる岡部を不思議そうに見つめるまゆり
まゆり「じゃーメイクイーンに出発なのです。ダル君とクリスちゃんは先にいってまってるって」
岡部「あ、ああ」
岡部は生返事をして、二人は屋上の出口に向かった。
世界線は変動したのか?何か変化したとしたら、何が変化したんだ?
まゆりの死は避けられるのか?
80 :
この世界線ではウーパー:2011/10/30(日) 20:58:12.34 ID:QqhfwYeP0
メイド喫茶・メイクイーンの片隅にダルとクリスが座っていた。
クリス「ハローまゆり、岡部」
クリスが手を上げて挨拶をする
まゆり「クリスちゃん、ダルくん、トゥットゥルー」
まゆりも手を上げて答える
クリス「トゥットゥルーまゆり」
まゆりと岡部は席に座って難しい顔をしている橋田に言った
岡部「ダルよ、また悩んでいるのか。もうメニューを取るがいいか?」
橋田「うーん、うーん、よし。せっかくだから、俺はこのドリームオムレツを頼むぜ」
まゆり「ダル君いっつもそれだねぇ」
橋田「メイクイーンのオムレツは何回食べてもレボリューションなんだお!」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:00:21.80 ID:QqhfwYeP0
メニューを取って、たわいない会話が続いた、ウーパーのこのタイプがかわいいとか、
オムレツに書く絵柄はどうするとか、
しばらくして岡部が話題を挙げた
岡部「ところでだ、もし仮にタイムリープした人間がいたとしたら、その人間が速やかにタイムリープしたことを証明するとしたらどうする?」
悩むまゆり
まゆり「うーん、素直に言ったらいいんじゃないかなぁ、私はタイムリープしてきた未来人なのです」
クリス「それじゃあ何の証明にもなってないわまゆり、相手にとってはあくまで可能性でしかないわね」
スパゲティを飲み込んで、水を飲んだクリスが言う
橋田「んー、たとえば未来のニュースを先に言うとかでいいんじゃね?新聞の内容を先に当てるとかさぁ」
ダルはオムレツに書かれたハートをよけながらオムレツをほおばりながらいった
岡部「なるほど悪くないな、しかしタイムリープによって事象が変動している場合や、迅速性という点では少々不適当だな」
82 :
この世界線ではウーパー:2011/10/30(日) 21:02:28.93 ID:QqhfwYeP0
クリス「でもやり方としては悪くないわね、やはり未来でしか知りえないことを話すのがいいと思うわ」
岡部「ふんむ、それもある特定の個人についてならばもっとやりようはあるかもしれないな。たとえばその個人しか知りえない情報を未来で習得しそれを伝えるなどの方法が挙げられる」
まゆり「なるほどねぇ」
まゆりはメロンソーダのアイスフロートをつつきながらストローを吸った
岡部「たとえば、未来でその個人が『私が今一番ほしいものはマイフォークである』と言っていた、とかだな」
スパゲティをくるくると巻くクリスの手がピクッととまる。
橋田「いや〜それはありえないっしょ。今日びマイフォークほしい人なんてネットでも聞かないお」
まゆり「そうだねぇ、私ならマイカップとかならほしいかな〜」
クリス「岡部ちょっといい?」
クリスが席を立った
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:03:37.72 ID:cJFCvJzp0
支援
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:04:51.52 ID:QqhfwYeP0
メイクイーンの一角で
岡部とクリスが向き合っていた
店員や客とは離れた場所で、客の喋り声や雑音でこちらの声が聞こえることもないだろう。
クリス「周りくどいことするわね」
岡部「わるいなじょ〜しゅよ〜。俺から切り出すとお前が素直に同意するとも思えなかったのでな」
岡部はマッドサイエンティストの表情でフッフと笑みを作る
クリスはハァ、とため息をついた。
クリス「岡部、タイムリープしてきたわね」
岡部「そのとおりだクリスティーナよ、世界線は変動したのか?」
岡部は事情を説明し始めた。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:07:20.70 ID:QqhfwYeP0
喋り声と店員の声でざわざわと雑音に包まれた店内で
クリスは状況を把握してたじろいだ。
クリス「わ、私がよくそんなこと了承したわね。でもラジ館に衛星は落ちたし、ルカ君も男の子ね」
岡部「ふーむ」
クリス「確かに何か変動したの?」
岡部はうなずいて言った
岡部「Dメール送信後に世界の再構築が発生した。なんらかの変動は確実に起こっている」
クリス「それにしたって、ナンセンスね。そもそも岡部以外に変動を確認できないわ」
岡部「そのとおりだ、しかし一人で考えるより二人で考えるとまた違った見方もでてくる」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:09:27.00 ID:tZ2mKhUd0
支援
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:09:39.25 ID:QqhfwYeP0
クリス「え、そう?まぁそうね、こればっかりは私も積極的に協力するわ」
まんざらでもなさそうにするクリスに、岡部は思いついてたずねる。
岡部「そういえばクリスティーナよ。ラボにダイバージェンスメーターはあるか?」
クリスはちょっと思案げにして答える
クリス「あああのおかしな時計のこと?確かにあったわよ。たしか、PCの机の下においてたんじゃないか」
岡部「その数値を覚えているか?一の位だけでもいい」
,-∧,,∧-- 、
/ (-ω-` ) /
r-くっ⌒cソ、 / ん、聞いてるよ? 大丈夫起きてるよ。
ノ '、 , 、 _, ' / / ちょっと横になるだけ。ちょっと目を瞑るだけ。
.(_,. ././ セクロスに入ったら起こし…
,(.,_ `'ー-、_,,..ノ/
~`''ー--‐'
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:12:17.21 ID:QqhfwYeP0
クリスはうーんと悩んでいる
クリス「いや、ちょっと待って、確か特徴的な数字だったから覚えてるわ」
クリスは続けてうなっている。
もしダイバージェンスメーターの一の位が1であれば、それは世界線の変動を意味する、
まゆりの死は回避できるかもしれない。
クリスが思いついたような表情になった。
クリス「確か、9.99999だったわね、全部9だったわ」
岡部「なっ、なに・・・」
驚愕した顔の岡部を見て驚いたクリスが言う
クリス「確かだと思うけど、何か問題があるの?岡部?岡部?」
岡部はしばらく答えなかった
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:14:55.68 ID:QqhfwYeP0
四人はラボの帰路についていた。
もう少し談笑したいというまゆりと、
しぶるダルを説得して急いで帰りの道についたのである。
道の角を曲がって、ラボのある建物が見えてきた。
岡部は建物を見て、その建物の姿に違和感を覚えた。
岡部「おい、ダル」
橋田「もっとフェイリスたんとキャッキャウフフしたかったお〜、どしたん?」
岡部「うちのラボがあるビルは何階建てだった?」
橋田「何階建てって、そこにあるじゃん?三階建てとあと屋上だお」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:17:37.55 ID:QqhfwYeP0
橋田の言うとおり、歩きながら近づいているビルは三階建てだった
一階は家主がテレビ店を経営していて、二階はラボとして借りている、
三階は、なかった。タイムリープ以前は。
岡部「あの三階は誰が使ってるんだ?」
まゆり「今日はちょっとおかしなオカリンなのです。あそこはミスターブラウンさんが、誰かが借りてるらしいけど使用はされてないっていってたよ?」
岡部「それだけか?」
橋田「俺らが知る限り、まったく音沙汰なし。ちょっとミステリアスだよね〜」
四人はラボへと続く階段を登った
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:20:36.33 ID:QqhfwYeP0
まゆり「とぅっとぅる〜。ただいまなのです」
まゆりが一番にラボに入り、ソファに腰掛ける
それに続いて岡部が入り、PCの机の下を探る
橋田「よーし、二次元の女の子と戯れるお〜」
クリス「ちょっと橋田、わかってると思うけど健全なものにしてよね」
三人の声を後ろに岡部は机の下を探り、ダイバージェンスメーターを見つけた。
その機械が示す数字は、確かにクリスの言ったとおりだった。
9.999999
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:23:30.30 ID:QqhfwYeP0
橋田「なにいってるの。わかってるってば〜。おれはこれでも立派な変態紳士なんだお?」
クリス「信用していいのかいけないのかわからないことを言うのはやめてくれる?」
まゆり「ダルくんはエッチだけど、マナーをわきまえたエッチなのです」
会話を続ける三人を背に、
岡部はダイバージェンスメーターを見て目を見開き固まっていた。
さまざまなタイムリープをして0.000001単位でしか動かなかったダイバージェンスメーターが、9.999999を示している。
示しているというより、振り切れているといったほうがおそらく正しいだろう。
1の位が変動しているので、世界線は変動したと言ってもいいだろう。
それが振り切れるほどに世界線変動率は推移した。しかし回りに大きな変化は確認ができない。
ラジ館に衛星は落ちてきているし、ルカは男だし、メイクイーンではラーメンは売っていない。
変わったことといえば、ラボの上に新たな建造物ができているということくらいである。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:27:09.42 ID:tZ2mKhUd0
支援
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:27:50.66 ID:n+9kHGzd0
シエン
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:33:48.96 ID:tZ2mKhUd0
支援
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:34:51.75 ID:tZ2mKhUd0
さるに引っかかったか・・・
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:38:28.22 ID:tZ2mKhUd0
支援
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:42:26.22 ID:tZ2mKhUd0
支援
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:47:05.33 ID:tZ2mKhUd0
支援
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:49:43.38 ID:n+9kHGzd0
支援
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:50:05.18 ID:QqhfwYeP0
岡部は立ち上がり、玄関へと歩き、靴を履き始めた。
それに気づいたはしだが声をかける
橋田「あら、オカリンどっかいくん?」
岡部は振り返らずに言う
岡部「ああ、ちょっと三階に行ってみる」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:51:17.00 ID:tZ2mKhUd0
サルよけは他スレに書きこむとかでも結構行けるらしいな
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:52:10.44 ID:QqhfwYeP0
四人は三階の扉の前に立っていた。
扉はもちろん閉まっていて、物音はしない。中をうかがうことはできないし、
電気メーターは動いていない。
はしだ「だから誰もいないって〜。天王寺のおっちゃんも言ってたじゃん『誰も使ってないみたいだしずっと鍵もしまってる。でも家賃だけはしっかり振り込まれてるんで問題ない』ってさ」
まゆり「私たちも何度か来たけどやっぱり鍵がしまってて門前払いだったのです」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:54:48.91 ID:QqhfwYeP0
岡部「ふんむ」
岡部は少し考えるとドアノブに手をかけた
クリス「ちょっ、オカベ」
クリスが制止する。
まゆり「鍵がかかってるのです。オカリン、泥棒はダメだよ?」
ガチャリ
扉が開いた
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:57:57.79 ID:tZ2mKhUd0
支援
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 21:59:19.97 ID:QqhfwYeP0
はしだ「あ、あれ〜?どういうことなん?」
不思議そうにするはしだとまゆり、岡部は小さく開いたドアを開き、
中を見てみる。
クリス「中に誰かいるの?」
一人タイムリープの事情を知るクリスは岡部の様子に気づき、
あかずの間であった三階の内部を気にしている。
ドアの中は玄関と左手に廊下があり廊下の突き当たりに右に扉があった。
ここからでは中の様子はほとんどわからない。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:01:44.20 ID:QqhfwYeP0
岡部「ど、」
岡部はドアから首だけ差し込んで声をかけてみる
岡部「どなたかいらっしゃいますか〜?」
返事はない
まゆり「オカリン?だいじょうぶ?」
心配そうにする三人、
岡部も平静でいるわけではない。
しかし世界線の変動を確認する必要がある。
岡部はまゆりに目をやり、意を決すると
玄関に足を踏み入れ不法侵入を慣行した。
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:05:56.95 ID:tZ2mKhUd0
胃炎
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:06:15.47 ID:QqhfwYeP0
玄関に入って、靴を脱ぐ、
左手の廊下を歩いて、右手のドアを開ける、
ギーと音をたてて、ドアは開いた。
ゆっくりと部屋を覗き込んだ岡部の目には誰も確認することはできなかった。
人間は誰もいなかったし、部屋にはひとつを除いてなにもなかった。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:08:30.80 ID:QqhfwYeP0
なんだ?これは?岡部は率直に疑問に思った。
まゆり「誰かいた?」
後ろからまゆりが顔を出す。その物体を捉えてまゆりは驚いたふうでいった
まゆり「わーおっきいねー」
引き寄せられるようにまゆりが部屋に入っていく。
岡部「ちょっとまてまゆり」
一緒に岡部も部屋に入った
それは巨大な玉だった。全体が黒塗りで、鈍い光沢を放っている。
直径はまゆりの身長ほどある、巨大な玉がそこにあった。
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:09:28.54 ID:+F3rhupEO
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:10:34.26 ID:1HsbEXPjO
ガンツみてーだな
支援
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:10:35.00 ID:QqhfwYeP0
まゆり「うわー、こんなの、どこに売ってるんだろう。あ、硬い」
クリスも部屋に入ってきて、黒い玉を見ていった
クリス「ワオ、なにかしらこのボール、どこにも継ぎ目がないみたいだけど、このサイズじゃドアからじゃ入らないわよね」
岡部「確かにそうだな、大体なんのためにこんなところにあるんだ?これを保存するためにこの部屋を借りているのか?」
まゆりは黒い玉をなでながら言った
まゆり「決めました。まゆしぃはこれをブラックウーパーと名づけたのです」
クリス「ブラックウーパーって、あのガチャガチャの?」
まゆり「そうなのです。そしてこのメタル仕様、メタルブラックウーパーといってもいいですね。でもそれじゃあ長いので、ブラックウーパーなのです」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:12:37.46 ID:QqhfwYeP0
うれしそうにするまゆりを横目にしながらたずねる
岡部「ダルはどうした?」
クリスはドアのほうを気にしていった。
クリス「橋田は玄関の外ね、なんだかおっかないっていって入ってこなかったわ」
岡部「ふむ」
そういってまゆりにブラックウーパーと名づけられた黒球を見下ろした。
おっかないといえば、これはおっかないな、ボーっとそう考えた。
ダイバージェンス9.999999の数値、変動した世界線で現れた部屋、そこにある巨大な玉
これらはなにか関係があるのか?それともなんでもない誰かの道楽かなにかか?
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:15:15.16 ID:B05h6cDe0
うーぱやっちゅーに
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:17:00.20 ID:QqhfwYeP0
岡部は黒球に手を当てた、金属の手触りが伝わってくる、ひんやりとしている。
まゆり「冷たくってきもちーのです」
まゆりは黒玉に抱きついて、頬ずりをしている。クリスがそれを制して言う
クリス「まゆり、あんまり触るのはちょっと危険よ、汚いものじゃなさそうだけど、えたいが知れないし他人のものよ」
まゆり「そうだったのです、ごめんねブラックウーパー」
まゆりがさみしそうに黒玉から離れたとき、ブンッっと音がした
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:19:42.64 ID:QqhfwYeP0
黒球に手を置いていた岡部がまわりを見回していると、まゆりが言った
まゆり「あ、ブラックウーパーに写真が写ったのです、オカリン、見て見て」
まゆりに促されてまゆりのほうに行くと、確かに黒球の表面に画面が浮かび上がっていた
クリス「なにこれ?」
彼女のいうとおり、どういうことかわからなかった
黒玉には複数の写真が写っていた。
写真は全部で10まいある、そして誰かしらない写真に混じって
岡部の写真があった。
岡部「なんで俺が写ってるんだ?」
岡部は窓の外に振り返る、窓の外には空が広がっているだけだった。
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:22:23.64 ID:tZ2mKhUd0
支援
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:23:11.68 ID:QqhfwYeP0
まゆりの言ったとおり、黒球には岡部、まゆり、クリス、橋田の写真があった
ほかの四枚は、学生らしい男が一人、女が一人、金髪で巻き髪の男性外人が一人、あとはガラの悪そうな男が三人だった。
ほかに何かないか?岡部は黒球に近づいて、黒球をコンコンたたきながらよく見ると、
写真の表示の下に時計のような表示を発見した。
数字は00:04:28:36と表示されていて、大体一秒の感覚で一番右の数が一ずつ減っていっている。
クリス「岡部、これって・・・」
世界線の変動の影響か?と続けたいのだろう
まゆりは見知らぬ女の写真を見てコスプレが似合いそうだとはしゃいでいる
岡部「クリス、まゆり、いったんここを出るぞ、ラボに戻る」
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:27:15.16 ID:tZ2mKhUd0
展開的にまだまだ続きそうだな 支援
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:28:56.58 ID:QqhfwYeP0
三階の玄関から出て二時間後
二階のラボで岡部がPCのイスに座り
まゆりとクリスがソファに腰掛けていた。
クリス「はしだを返してよかったの?」
岡部「ああ、特に急を要する話じゃないし、ダルはそもそも恐がっている。事情を説明する上でも、すこし相談してからのほうがいいだろう」
クリス「ええ、まぁ、そうかもしれないわね」
事情の説明とは、世界線の変動を含めた説明である。
それによく事情を説明しないと外に情報が漏れる可能性がある。
たとえ非力なデブで、二次元に嫁が数百人いようとも
橋田はそう口が軽い男ではない
だがやつはメイクイーンの店員、フェイリス=ニャンニャンに対してはザルである。
ラボの情報は大体ここから漏れる。
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/30(日) 22:30:59.72 ID:QqhfwYeP0
クリス「そもそもなぜこの建物の三階に誰もいない部屋があって、そこに大きな金属球があるのか」
岡部「そしてなぜその玉に俺達の写真が写っているのか」
あの映像は今も三階の無人の部屋で黒玉に映し出されているのだろうか?岡部はそう考え、少し背筋が寒くなった。
クリス「ほかの人物は誰か?写真のしたの数値は何か」
まゆり「きっと誰かが私たちにブラックウーパーをプレゼントしてくれようとしてるんじゃないかなぁ」
まゆりがそういうとクリスはふぅと息をつく
クリス「ノーサンキューね。それにあんな大きなものどこにも置く場所がないわ」
まゆりは思いついたように
まゆり「あっ、本当なのです。ブラックウーパーかわいいのになぁ」
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
支援