聖なる夜にむりやり小説ゲームは来ませり

このエントリーをはてなブックマークに追加
1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
携帯用リンク
>>100>>200>>300>>400>>500>>600>>700>>800>>900

このスレでは
作家さんが要所要所キーワードとなる部分を空白にして小説を書き、
その空白をレス番指定された人が埋めていって小説を完成させるという
読者参加型小説ゲームを行っています。
(例)
   18 名前: 作家さん 投稿日: 2009/09/01(火) 00:00:00
      主人公「よし、朝ご飯に>>20を食べよう」

   19 名前: 参加者 投稿日: 2009/09/01(火) 00:00:08
      シュールストレミング

   20 名前: 参加者 投稿日: 2009/09/01(火) 00:00:10
      ダイヤ

   21 名前: 作家さん 投稿日: 2009/09/01(火) 00:02:40
      主人公「硬いよ…」

と言う感じで書き込んでいきましょい!


2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 19:47:30.04 ID:nhm1iiaQ0
まとめ
http://www.geocities.jp/neetgundam/matome/
http://www.geocities.jp/yardoramatome/
http://www.geocities.jp/qxybb760/top.html
http://nozomi.eco.to/muriyari/

避難所
http://jbbs.livedoor.jp/computer/32524/

○募集○
・まとめサイトの人が持っていない過去ログをupしてくれる人
・他にまとめサイトを作ってくれる人
・過去の作品をまとめてくれる人

【タイムスケジュール】
http://kmix.dabits.net/ts/
(その時に予約されているスケジュールが書かれています)
※予約・確認にはタイムスケジュールスクリプトをご利用ください。(予約は随時受付中)
※開始時間より2時間前には予約するようにしてください。
※押す可能性が多々あるので、かなり長めに時間指定しておいてください
※予約する際は、前後の予定を考慮し、1人あたり2時間は確保できるようにして下さい。
※様々な都合で時間を指定出来ない作者さんもいらっしゃるので、
 譲りあったりなどのご協力もお願い致します


3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 19:48:15.42 ID:nhm1iiaQ0
■注意点
・作品進行中に、他の話を展開するのはやめましょう。
・むりやり小説ゲームはタイムスケジュールの予約を優先しています。
 様々な都合で時間を指定出来ない作者さんもいらっしゃるので、譲りあったりなどのご協力もお願い致します。
・次スレはレスが900を超えた辺りから立て始めましょう
 作家さんの話のスムーズな進行のためよろしくお願いします
・ツッコミはないよりあった方が雰囲気もよくなります
 面白いものは素直に面白いと感じましょう
・アンカー内容はなるべく食傷気味にならないよう
 同じネタは程ほどに。 版権ネタも程ほどに。
・作家もそうですが、アンカー側も話を左右するという意味では共に作品を作ってる事になります。
 時には貴方が話を進めてやる勢いでアンカーを取ると作家はきっと喜びます。
・最近、小説の進行を妨害する荒らしが出没していますので、NGワード指定等で対処して下さい。
 荒らしがアンカーを取った場合は↓にするか作家の判断ということにしましょう。
・参加している誰もが楽しめる雰囲気を作り出せるのがベストです。
・スレを立てるときは検索しやすいように接頭に「むりやり」をつけ、
「小説ゲーム」や「物書きゲーム」など文章を作るスレであることが分かるようにしてください
・進行中の作者以外のコテは自粛してください
・アンカーの連続ゲットは、三連続ゲット内でそれ以降は自粛の方向でお願いします。
 作品は一人で作るものではないからです。


4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 19:49:12.65 ID:nhm1iiaQ0
【12/24 (金) 17:01時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/24 (金)
  20:00〜/満月 ◆MOON69mNOA氏 - 時間繰り上げますの
  23:30〜/十六夜 ◆16moonQpow氏 - 規制解除なクリスマス短編 時間変更します
12/25 (土)
  18:00〜20:50/サンタ ◆Vk2GTiq8mE氏 - サンタなんていない!
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 19:52:59.99 ID:JwdUNlsC0
>>1
6満月 ◆MOON69mNOA :2010/12/24(金) 20:02:10.11 ID:q8LTee670
めりー>>1乙マス

無理があるところで、ぼちぼち始めさせて貰いますー。
ちょっと早めに切り上げる予定です。多分。

では例のアレの特別編という事で、もう暫くお待ち下さい……。



ケーキ食べたいあ
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:08:02.71 ID:q8LTee670
〜これまでの登場人物紹介〜(といっても今回殆どの人が出てきません)

【城ヶ崎 悠】(一条 悠斗)
本編主人公の軟弱男。起きたらびっくり輝石『フルムーン』を埋め込まれた人造人間女の子に大変身。
【霧島 加奈】
本編のヒロイン的な存在一号さん。復帰後は微妙にどころかとんでもなく病んでいたようです。
【早乙女 渉】
主人公の男時代の親友。男だろうが女だろうが主人公にベタ惚れ。言い寄ってくる娘すらどうでもいいようです。
【城ヶ崎 智和】
主人公を自分好みの人造人間に仕立て上げたイケメン男。踏まれると快楽に感じる程度のドM。
【一条 佳澄】
主人公の姉。男になったり旅館の若女将に就任したりと大変な女子高生。
【安川 安治】
主人公のクラスメイトであり、口癖が「ッス」と付けるどこにでも居る人。どうせ只のチョイ役。
【沢渡 琴音】
女となった主人公に初めて出来た女友達。くだらない事を調査するのが大好き。
【佐々原 亜理紗】
早乙女に片思いしている様子の女子高生。八方美人系ツンデレのようで実は病んでた。
【多摩野 カンナ】
クレープ屋でバイトをしている女子高生。おせっかい関西弁娘。これもまた病んでた。
【城ヶ崎 亜莉栖】
五話から登場したニコイチ娘。主人公の妹分として彼女を守る役割。妄想大好きなようです。
【小野寺 鞠華】
旅館『銭形警部』で料理人として働く事になった女子高生。しかし料理は出来ない良くあるオチ。
【二条 瞳】
学園の魔術師の異名を持つ女子高生。炎を放ったり氷を撒いたりと多芸なお嬢様。
【宮内 理子】
学園の奇術師の異名を自称する女子高生。将棋の駒をロボットにしたり暗黒の炎を出したり大変です。
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:09:03.01 ID:q8LTee670
――ひーろー千期 7.5話的な特別編 『シュワキマセリって何語?』

気が付けば冬が来て、気が付けば一年が終わりそうで、
気が付けば天皇誕生日という日がやって来ていて。
コタツで丸くなりながら、僕はテレビをだらだらと見ていた。

「明日は今年一番の冷え込みとなるでしょう」

天気予報のお姉さんはそう言ってにっこり笑顔を見せてくれている。
明日は今日より寒いのか、と思うとつい体が震えてしまう。
その様子を見た姉がニヤリとして一言。

「誰と予定があるの?」
「い、いきなりそんな事聞かれても……」
「一年で一番ビッグなイベントなんだよ? 聞きたくなるモンでしょう。特に姉としてはビシっと聞いておかないと!」
「そういう訳じゃないよ……。ちょっと、誘われただけで」
「だれだれ? だぁれぇぇぇ!?」
「……霧島さん、だよ。女同士だから別に……」

姉は更に口元を歪ませ、>>9を持っていくと上手くいくよ、なんて言って来るのだった。
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:12:51.86 ID:nhm1iiaQ0
松茸
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:18:12.96 ID:o7YfT5OjO
>>9
いやいやいや
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:19:54.25 ID:q8LTee670
姉は更に口元を歪ませ、松茸を持っていくと上手くいくよ、なんて言って来るのだった。
既に旬は過ぎてしまっているし、何より学生には非常に高価な物。
挙句、姉の表情から察するに、卑猥な感じに捉えてしまうのは仕方が無い事。

「あのさ、お姉ちゃん。松茸をイヴの日に持って、どうして上手くいくの?」
「そりゃぁ、悠って付いていないわけだし?」
「やっぱりそっち方面の発想か……」
「実はさぁ、松茸たくさん余ってるんだよね。使っていいよ」
「アレ、旅館に宿泊する予定のお客さんに出すつもりだったんでしょ? それをそんな事に……」
「いーからいーから。どうせウチは年中お客さん皆無ですよおーだ!」

姉はそうそっぽを向いた。そう、この旅館『銭形警部』は相変わらず宿泊客が居ない。
温泉も然程話題にならず、未だに下火傾向が続いていた。
果たして、この旅館はこの先生きのこれるのか。と溜息ばかりの姉。

その頃、テレビで地元の話題が取り上げられていた事に気付き、つい画面を見つめてしまう。

「毎年現れる、不思議な歌声……?」
「あれ、知らない? あ、そっか。悠人の時は引き篭もっていてクリスマスなんて無かったもんね!」
「酷いなぁ……。で、どういう話なの?」

「それがね、イブの日にだけふらっと女の子が現れるんだって!
 しかもその歌声を聞いた人は……>>12状態に陥るらしいよ」
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:20:47.40 ID:o7YfT5OjO
雌豚
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:20:53.34 ID:Q3/TsIyo0
自分の書き込んだ安価の日付欄をじっと見て、今日が何の日かを嫌でも自覚してしまう
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:26:55.23 ID:q8LTee670
「それがね、イブの日にだけふらっと女の子が現れるんだって!
 しかもその歌声を聞いた人は……雌豚状態に陥るらしいよ」
「つ、つまりどういう事だってばよ……?」
「私をスキにしてぇ〜なんて言っちゃうカンジ? 実際聞いた事ないから知らないケド」

と、姉はみかんを頬張る。それにしても、ニュースになるくらいだから、
やはりそれなりに有名なんだろう。今まで知らなかったのは、もしかしたら僕くらいなのかもしれない。

どんな歌なんだろう。僕は何故かその事が気になり、夜も中々寝付けずにいた。

――霧島さんは、相変わらずというのか、それとも何時も通りの完璧さと言うのか。
彼女を見ると安心し、その度に羨ましくも思い、そして、やはりドキッとしてしまう。
待ち合わせ場所の市立公園、そこで彼女と落ち合い、じゃあ行こうと歩き出す。

「今日は何処へ連れてってくれるのかな?」
「え、何も考えてないよ……?」
「ええっ? たまには悠ちゃんがエスコートしてほしいな」

と、踊るようにこちらに振り向いて、少し意地悪するような顔をしてみせる。
参ったな、昨日はあの歌を歌う少女の事ばかりを考えてしまってたせいで、何処へ行くかなんて……。

ポシェットに松茸がある以上、>>15に行くべきなのだろう……!
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:27:55.66 ID:Q3/TsIyo0
料亭
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:29:27.92 ID:o7YfT5OjO
>>15
持ち込みとな
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:32:23.62 ID:q8LTee670
ポシェットに松茸がある以上、料亭に行くべきなのだろう……!

「そうだ、料亭に行こう!」
「どうして、料亭に?」
「実は……僕、今日こんな物を持ってきてて、というか、持たされてきてて……」
「松茸……? クリスマスイヴに、松茸……」

霧島さんは僕の持ってきた松茸をじぃっと見つめて、暫く考え込んでいた。
もしかして、僕は引かれてしまったのだろうか、と見せた事を後悔したが、
直ぐに霧島さんはOKサインを出してみせた。基本、何でも良かったのかもしれない。

「でも、何処の料亭に行くの? 私、流石に知らないよ?」
「実は、僕も……」
「じゃあ、困った時のガイドブックね。コンビニか本屋さんに行ってみよ?」

こうして、僕達はこの松茸を調理してくれる料亭を探す事になる。
果たして、たった一本の松茸を持ち込み、振舞ってくれる場所があるのだろうか。
僕が良さそうな所をピックアップし、霧島さんが携帯で問い合わせるという作業が始まった。

そして、最終的にどうなったかと言えば>>18
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:33:32.60 ID:o7YfT5OjO
THIS IS IT をレンタルしにいく
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:39:05.78 ID:q8LTee670
そして、最終的にどうなったかと言えば、THIS IS IT をレンタルしにいく事に。
要するに、そんな料亭無かったのだ。あっても、結構なお値段だった為、諦める形となったのだ。

霧島さんは、やや落ち込み気味で「アルバイトしようかな」とポツリ。
僕がいけなかったんだ。僕が、こんな貧相な松茸を持たされてしまったから。
こんな物、何処かへ投げ捨ててしまえばいい。そう思い、僕は松茸を握り締め……。

「ポォーゥ!!」
「……悠、ちゃん?」
「はぁ、スッキリしたぁ! さ、THIS IS ITを借りに行こうよ」
「ダメ。食べ物を粗末にしちゃダメだから。私、怒るよ?」
「うぅ……ごめんなさい。拾ってきます……」
「分かればいいの。私も一緒に――何だろう、あれ」

どうやら、僕が松茸を投げた方向のようだ。
その松茸を拾い上げてくれた人がいた。その人は、一言で言えば、ミニスカサンタな娘。
とりあえず、返してもらおうと近づくが、彼女はそれをマイクのように持ち……。

「なんか、歌いだした、よ……?」
「もしかして、あれ……噂のイヴの子じゃないかな……」
「噂って、アレが……?」

松茸を握り締め、何故か小指を立てて歌う少女。しかしそれは、何だか不思議な言葉。
そしてそれを聞いていた僕は……>>20
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:40:52.40 ID:Q3/TsIyo0
無性に霧島さんのおっぱいを見たくなって、揉みたくなって、むしゃぶりつきたくなった
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:46:56.45 ID:q8LTee670
松茸を握り締め、何故か小指を立てて歌う少女。しかしそれは、何だか不思議な言葉。
そしてそれを聞いていた僕は……無性に霧島さんのおっぱいを見たくなって、揉みたくなって、むしゃぶりつきたくなった。
徐々に霧島さんの方へ手が伸びていく。ダメだダメだと、頭の中では理解している筈だ。

「あれ、クリスマスによく歌われる賛美歌ね」

しかし、手は伸びていく。そして、ついには僕は彼女の胸を掴むようにしてしまっていた。

「え、ちょ、悠ちゃん急にどうしたの!?」
「霧島、さん……僕、我慢が……はぁ、はぁ……」
「な、何でまた急に!? こ、ココじゃ、やだ……んっ……」

意識はハッキリとしているし、眼球は自由に動かせる。
しかし、口は息を荒げる事に必死となり、手足は完全に言う事を聞いてくれない。
まるで、これじゃ本当に盛りの豚じゃないか。だが、手は霧島さんの胸を強く揺らしては離れない。

「悠ちゃん、お願い、だから……んんッ、ぁ……」
「ダメ、なんだ……。手が、勝手に……!」
「もしかして、あの歌声のせい……?」

いつしか、周囲には多数のカップルがその歌に聞き惚れては、僕のように互いに発情しあっている。
それを止めようと霧島さんは動き出すが……>>22
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:49:03.63 ID:Q3/TsIyo0
逆に彼女もその歌の虜になってしまった
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:49:37.71 ID:tmfYA3zt0
そこで警察が突入を開始
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:55:25.92 ID:q8LTee670
いつしか、周囲には多数のカップルがその歌に聞き惚れては、僕のように互いに発情しあっている。
それを止めようと霧島さんは動き出すが……逆に彼女もその歌の虜になってしまった。

「悠、ちゃん……。私も、何だか、もう……」
「霧島さん……」
「もっと、触れて……。抱きしめて……」
「僕も、触られたいよぉ……」

きっと、霧島さんも頭では分かっている筈なのだ。いけない事なんだと。
しかし、彼女の手は僕の腕を這い、そして僕の小さな乳房に触れて、覆うように包んでしまう。
コートの上からでも、彼女の掌の熱が伝わってくる。その熱さに、僕は更に刺激されてしまっていた。

「霧島さん、もっと、強く……!」
「私のも……ううん、もう、胸だけじゃ、イヤ……」
「じゃあ……」
「お願い、先に……キス、して。そして、私の身体、いっぱい弄って……!」

互いに自我が崩壊しそうな中、ほんの一瞬だけ歌声の主と視線が合った。
何やら祈るように歌っていたその少女は、僕と視線を合わせた時、明らかに言ったのだ。「シュワキマセリ」と。

その言葉を聞いた時、>>25
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:55:49.41 ID:tmfYA3zt0
いきなり目の前のカップルの身体が切り裂かれる
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:56:54.69 ID:o7YfT5OjO
自我が全面的に白旗無条件降伏した
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:59:49.69 ID:o7YfT5OjO
>>25
こわーい
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:01:52.80 ID:tmfYA3zt0
>>27
なんかいいきなりエロ展開きたから見ててつまらないじゃない
ここらで山場がほしいわ・・・

安価なら↓
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:02:45.38 ID:q8LTee670
その言葉を聞いた時、いきなり目の前のカップルの身体が切り裂かれる。
一組、また一組とそれらは切り裂かれるように二つに割れて、鮮血の海を築き上げていく。
辺り一帯が血の海と化した時には、既に僕と霧島さんしか周囲には居ない状態となっていた。

例の少女は、歌を奏でながらこちらへゆっくりと歩み寄ってくる。

「シュワキマセリ……シュワキマセリ」
「あ、あれ、さっきまでの感じが無くなった……?」
「……悠ちゃん、離れて! この子の声は輝石によるモノだわ!」
「大丈夫だよ霧島さん。これでも、早乙女との特訓でだいぶ強くなったんだ。今ならきっと……」

互いにそう言い合う中、その少女は既に僕達の手が届く範囲内にまでやって来ていた。
真っ赤なブーツは赤黒く染まり、膝まで血で塗らしたその少女は、僕達を見上げるようにする。
このままだと、原理は分からないが、僕達も切り裂かれてしまう。

だからこそ、僕は一歩前へ出て、早乙女に教えて貰った技を放とうとする。

「これが、アイツに教えて貰った近距離キャノン攻撃――って、あれ?」

僕も、霧島さんも彼女は攻撃の意思があるものだと思っていた。
が、どうやら僕は主に認定されたらしい。その証として、少女は>>30
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:04:43.18 ID:JwdUNlsC0
サンタに変身(服は血染め)
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:04:49.40 ID:tmfYA3zt0
跪いた
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:05:24.33 ID:o7YfT5OjO
ハクション大魔王チックなしゃべり方で自己紹介を始めた
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:06:49.67 ID:o7YfT5OjO
>>30
元から赤けりゃ返り血浴びてても大丈夫だよね!
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:09:38.03 ID:q8LTee670
僕も、霧島さんも彼女は攻撃の意思があるものだと思っていた。
が、どうやら僕は主に認定されたらしい。その証として、少女はサンタに変身(服は血染め)。
しかし元々コスプレをしていた彼女は、ただ付け髭が加わっただけである。

「……プレゼント」
「え、っていうかこれ、松茸なんだけど……」
「道に落ちていたから……あげる」
「あ、ありがとう……?」

僕は自分で持ってきた松茸を、再びプレゼントという形で貰い受けてしまっていた。
その松茸によって齎された出来事に絶句する中、霧島さんは冷静さを取り戻していた。
すかさず背後に回っては、その少女の両腕を捕らえてしまう。

「どこの組織の者なの? 答えなさい。さもないと、この細腕、確実に折るわ」
「……組織なんて、知らない」
「嘘よ。答えないのなら、最悪命だって奪う。既にアナタは何人もの命を奪ったのだから、問題ないわよね?」
「知らないものは、知らない……」
「ね、ねぇ、霧島さん。この娘、嘘を言ってるようには思えないよ……?」

少し困った顔をする霧島さん。僕は、彼女が嘘を言っていない事を証明しようと、ある事を尋ねてみた。

それは、>>35。するとこの少女は、>>36と返すのだ。
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:11:55.47 ID:o7YfT5OjO
一番好きなMS
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:17:48.62 ID:A0YzhHq+O
ローソクと荒縄
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:23:39.46 ID:q8LTee670
それは一番好きなMS。するとこの少女は、「ローソクと荒縄」と返すのだ。
それはモビルスーツじゃなくて、SMだ! と突っ込みそうになったのだが、
あまりにも真顔で答えられた為、僕は素直にそうなんだと返してしまう。

一方、霧島さんは更に複雑そうな顔をして、結局は拘束を解いてしまった。そして問う。

「どうして毎年この日に歌を歌っていたの?」
「そう、言われたから」
「誰に?」
「サンタさん……」
「えーと、その人は今何処にいるの?」
「お空……」
「ダメね。まるで話にならない……」
「まぁまぁ霧島さん。彼女、ちょっと震えてるし、余り詮索するのは……」
「キオクが……無いの……だから、余り分かんない……」

いつしか肩を震わせるこの少女に、僕は何故かそっと抱き寄せてしまっていた。
多分、分からないけど、この娘は悪い娘じゃない。でも、簡単に人を殺してしまった。
きっと、何か理由が……と思う僕は甘いのかもしれない。

霧島さんは、これ以上この場に居るのは不味いからと、>>38に場所を移す事を提案した。
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:24:09.70 ID:o7YfT5OjO
>>36
それはSMでんがな!
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:27:10.55 ID:o7YfT5OjO
マジごめんなさい…↓で
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:27:58.72 ID:nhm1iiaQ0
当然の如くラブホ
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:30:49.32 ID:q8LTee670
霧島さんは、これ以上この場に居るのは不味いからと、『それはSMでんがな!』に場所を移す事を提案した。

そこは異様に怪しい雰囲気。灯りなんて、蝋燭によって齎されるのみである。
飾りには、妙な小道具が揃っている。定番の鞭から、なんと五寸釘まで。
そして、縄による不思議なアート……絵なのだろう。ますます意味が分からない個室喫茶店にやって来ていた。

「霧島さん、どうしてこんな奇妙な場所、知ってるの?」
「え、ええっと……ちょっとマズっちゃったな……」
「い、今なんて……?」
「なんでもないよ。たまたま通りかかったら見つけただけだよ?」
「こんな裏路地にある場所、普通通りかかるかな……?」
「これ以上詮索する子って、嫌われると私思うな〜」

霧島さんは明らかに動揺している様子である。きっと、これも彼女の趣味の一つなのかもしれない。
そう思うと、彼女と結ばれたい気持ちのある僕は、将来こういうプレイを覚えなければならないのか。
周囲を見渡し、やや戦慄しながらも思う。こういうのは二次元だけで簡便だと。

しかし、例の少女は目を輝かせているところを見るに、やはりこの子もSMプレイが趣味の様子。

「ところでアナタ、名前は?」
「……イヴ」
「24日歌うからイヴなんてオチなの?」
「そう名付けられたから……」

イヴはそう話しながらも、蝋燭を用いて>>42の真っ最中である。
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:35:15.00 ID:nhm1iiaQ0
シャドーボクシング
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:41:23.42 ID:q8LTee670
イヴはそう話しながらも、蝋燭を用いてシャドーボクシングの真っ最中である。
火を灯し、消さないように拳を打ち付けるその眼差しは、一言で言えば狂気染みている。
やはり普通のどこにでも居るような子じゃない。それだけは間違いないのだが……。

「で、悠ちゃん、どうするつもりなの?」
「どうするって……?」
「この子の事。家まで送ってあげるつもりなの?」
「そうだね……そうした方がいいかもしれないね。きっと両親も居るだろうし……」
「私とのデートは?」
「え、えっと……その後、で……」
「ねぇイヴちゃん。アナタ、家は何処なの?」
「……ダンボール……」

僕達は互いに見合わせた。何を言っているのかと言う感じに。
しかし、実際はダンボールのように作られた家、という意味だったらしい。
そこで一人でどうやって暮らしていっているというのか。
色々と尋ねようとするが、彼女は急にシャドーボクシングを止め、僕に視線を向けた。

「イヴの主はもう決まったの。ユウちゃんだって」
「主って……言われても……」

「だから、一緒に……>>44
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:45:14.42 ID:o7YfT5OjO
でぃす いず いっと狩りに行こう?
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:50:16.21 ID:q8LTee670
「だから、一緒に……でぃす いず いっと狩りに行こう?」
「THIS IS ITを借りに……?」
「そう言えば、すっかり目的が変わっちゃってたわね。借りに行く?」
「そうだね……行こっか」
「じゃあ、コッチ……」

どうやらイヴがその場所まで案内してくれるらしい。
きっとレンタルショップの会員カードだって持ってる筈。
あれ、何気に新規で作るの大変だし、面倒くさいんだよなぁ、とイヴに頼る事にした。

「コッチ、コッチ……」
「変ね。この付近にレンタルショップなんてあったかしら」

霧島さんは首を傾げる。一方、僕は知らない場所に来ている事もあり、そわそわとしてしまっていた。
日も暮れ始め、周囲にはいよいよとカップルが増え続けていく。

その中を暫く歩き、人気の無い方へ進み、イヴは足を止めた。

「でぃすいずいっと、狩りの時間」

着いた場所は>>46である。そして彼女は>>47
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:53:14.85 ID:NzfWFm7y0
エロビ屋
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:55:15.49 ID:PLnp010q0
聖夜にエロビデオなんか借りに来た寂しい男たちの股間のイチモツをもぎる
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:57:52.73 ID:nhm1iiaQ0
>>47
外道が!!
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:01:57.73 ID:o7YfT5OjO
>>47
いやぁ
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:03:37.75 ID:q8LTee670
着いた場所はエロビ屋である。そして彼女は聖夜にエロビデオなんか借りに来た寂しい男たちの股間のイチモツをもぎる。
実際、数人程男性客は居たのだが、それら全てが犠牲となる。
勿論、店員の男も股間を捻じ切った。その悲鳴は、僕にとって痛切なものである。

男にとってそれがなくなると言う事は、エロゲをプレイしてもどうしようもないという事ではないか。

「い、イヴ、やめるんだ!!」
「そうよ! こんなろくでもない男共のモノをもぎっても仕方が無いわ!」
「……狩りの時間なのに」
「と、とにかく、救急車を……!」
「いいえ、逃げるわ。イヴは私が連れて行くから、悠ちゃんは付いて来て!!」
「えぇぇ……! いくらなんでも、それは酷――って、待ってよぉ!!」

すっかり空は暗くなり、僕達は再び市立公園にまで戻ってきてしまっていた。
イヴは男のアレを捻じ切った事により、ストレスを発散させたのか、ややご機嫌である。
霧島さんはどこかげんなりとした表情だった。かくいう僕も、どうしてこうなったのかと思い耽ってしまう。

「しゅわきませりぃ〜しゅわきませりぃ〜……もうすぐ、時間になっちゃう……」

イヴはふと寂しそうな顔をする。霧島さんが時間について尋ねた。

「主は決まったのに、時間が来ちゃう……帰らなきゃ……」
「散々カップルを虐殺し、挙句ピーーをもぎ取ってお家に帰るって、よく出来た子ね……」

「違うの……帰りたくないの……でも、帰らないと>>51
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:04:51.08 ID:JwdUNlsC0
SMができない
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:06:01.98 ID:o7YfT5OjO
>>51
鬼畜変態娘だなぁ
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:09:32.79 ID:q8LTee670
「違うの……帰りたくないの……でも、帰らないとSMができない……!」
「そう。じゃあ、帰りなさい。子供は帰って寝る時間。……おかげで私と悠ちゃんの時間が――」
「でも、帰りたくないのぉ……!」
「あぁもう、どっちなのよ! 悠ちゃん、この子何とかして……」
「え? え、ああ……うん。そうだね」
「悠ちゃんは悠ちゃんでぼけっとしちゃってるし、もぉ……」

――こうして、僕達は半ば強引にイヴを家に送り届ける事になる。
ダンボールみたいな家と言っていたが、いざ実際に見てみれば何とも豪華な家である。
門が付いていて、庭には噴水が付いており、更には誰が乗るのやら、リムジンまで停められている。

「こ、これがどうしてダンボールなんだろ……」
「知らないわよ……私、疲れちゃった……」
「霧島さんが弱音を吐くなんて、雪でも降りそうだね……」
「もう降ってるじゃない……ほら……」

24日は今年一番の冷え込み。と予報であった通りである。
冷たい風に紛れて、微かに白い粒が見受けられた。雪だ、とつい空を見上げてしまう。

その真っ暗な空に赤い光が灯されたと思ったら途端、この庭に>>54が落ちてきた。
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:11:43.82 ID:o7YfT5OjO
ツインテールわふぅこと早乙女
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:12:12.77 ID:/Y6IXhAi0
隕石
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:17:49.36 ID:q8LTee670
その真っ暗な空に赤い光が灯されたと思ったら途端、この庭にツインテールわふぅこと早乙女が落ちてきた。
何故わふぅ状態なのか。そして、早乙女を見た途端、霧島さんはふらふらっと座り込んでしまう。

「もう……もう、いやぁぁぁぁ!!!」
「き、霧島さんが壊れた! お前のせいだ早乙女!!」
「は? 何で俺のせいなんだよ。俺はサンタの格好をした刺客と戦ってただけだぞ……!?」
「じゃあなんで、わふぅ状態なんだよ!」
「キャノンはお前との修行中で卒業しただろう。てか、なんでキレてんだよお前」
「あ……パパだ……」

イヴがそう言って空を見上げる。
赤い光の正体は、なんとトナカイの鼻であり、そりに乗ったそれは、紛れもなくサンタクロースだと思われる存在。
それをパパと言い放つイヴは、このサンタクロースの娘なのだろうか。

「ほう、イヴが主を見つけて来たのか」
「おいジジイ! まだ戦いは終わってねぇぞ!!」
「くどっちはまだ戦う気力が残っているようだが……、今は戯れている暇は無い。
 娘が主を見つけて戻ってきたのだ。早速SM乱交と行こうではないか」
「な、何言ってんだテメェ!?」
「そして、契りを交わし……その主は、虐殺の神へと昇華する!」

早乙女がどうしてこのお爺さんと敵対しているのかは分からないが、
発言からして、この人は色々と危うい。そう思った僕は、>>57
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:19:46.18 ID:PLnp010q0
介護施設の紹介パンフレットを投げつける
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:21:38.41 ID:o7YfT5OjO
>>57
まぁ、手厳しい…
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:25:46.36 ID:q8LTee670
早乙女がどうしてこのお爺さんと敵対しているのかは分からないが、
発言からして、この人は色々と危うい。そう思った僕は、介護施設の紹介パンフレットを投げつける。
ポシェットに入っていたものだ。どうしてこんな物が入っていたのか、それは姉に尋ねたい。

そのパンフレットを手に取ったサンタクロースらしき格好の人物は、途端号泣する。

「ついに、ついに……この時が来てしまったのかぁぁぁ……!!」
「何言ってやがるこのジジイ……。テメェとの勝負はまだ終わっちゃいねぇ!!」
「ううん、早乙女、もう終わったよ……。僕から、この人への最期通知だ……」
「いや、つうかお前このジジイとどういう関わりだし……」
「関わりは……無い!!」
「うわー……キリッと言い放ちやがった……」

この人物、やはりというか、元々組織の人物だったらしい。
そして、イヴ自体は元々拾い子であり、組織で改造されてしまった後、この娘を連れて逃げてきたと言う。
この人物とイヴは、最初こそは人に幸せを送りたいという一心で、お爺さんはサンタの真似事を。
イヴは無心でこの日にだけ歌を人前で歌う事を許されていたという。

「しかしな……人と言うのは実に愚かで醜い。見果てたワシは、イヴに>>60を仕込んだのだよ……」
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:26:55.89 ID:Q3/TsIyo0
ワシが童貞を卒業するためのダッチワイフ機能
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:29:52.09 ID:o7YfT5OjO
>>60
やだー。鬼畜GUESS野郎じゃないですかー
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:34:38.14 ID:q8LTee670
「しかしな……人と言うのは実に愚かで醜い。見果てたワシは、イヴにワシが童貞を卒業するためのダッチワイフ機能を仕込んだのだよ……」

詰まる話、SMが趣味なイヴは、そういう方向で出来上がったらしい。
そして彼女は変わっていく。表向きはSMという性癖を愛してしまい、心の奥底で人を忌み嫌う。
幸せそうなカップルを虐殺したり、男のイチモツを捻じ切ってしまうという出来事は、そこから来ているようだ。

「……つまりは、こういう事だ。そして、手に負えなくなったワシは、
 イヴの歌を聞いても平気だった奴を主にしろと、暗示を掛けた」
「貴方は……自分の連れ子を娘と愛し、人を幸せにしようと誓ったんじゃないんですか……?」
「分かっておるわ。だからこそ、このパンフレットを見た時悟ったよ。終わりだと」
「貴方は……最低です……!」

話を聞いて、これが僕に言える精一杯だ。これ以上、僕は何も言う気はしない。

「イヴの前から消えてください。そして、二度とこのような事をしないで下さい。
 でないと、次は……僕が……手を下します……!」
「良かろう……。だが、その望みは、キサマがワシの実力を超えていると判断した後に受けようではないかッ!!」

サンタクロースのお爺さんは、突如手を振りかざし……>>63
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:35:53.37 ID:o7YfT5OjO
オーロラサンターアタック
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:41:27.80 ID:PLnp010q0
>>63
なんか聖闘士星矢っぽいなwww
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:43:01.73 ID:q8LTee670
サンタクロースのお爺さんは、突如手を振りかざし……。

「オーロラサンターアタック!!」

確かに上空にオーロラが出来たと思えば、何やらサンタの顔のようなモノが生成され、
それが隕石のように落ちてくるではないか。
一瞬の出来事にかろうじて避けた僕に、第二波が落ちてくる。

「ガハハハ、所詮キサマでは実力が足りなかったようだなァ!?」
「悠、今だ、アレを使うんだ――!!」
「分かってるよ早乙女……。全てを打ち砕く砲弾の拳……!!」

サンタの顔が落ちてくる。それを打ち砕くだけ。何も難しい事じゃない。
そう自分に暗示を掛けては、猫じゃらしでくすぐられる感覚を思い出し、それを放つ。

「月光砲――!!」

巨大なサンタの顔は砕け散り、その破片はお爺さんの後頭部に命中し、意識を奪うことになる。
割と恥ずかしい名前を口にした僕は、やや恥ずかし気に早乙女の方へ振り向いた。
わふぅ早乙女はガッツポーズをして見せて、何故か気絶する。やはり破片が命中していたらしい……。

イヴは、僕を見て透き通るような瞳に涙を浮かべながら言う。

「パパ、居なくなったら、イヴは、どうすれば……」

どうすれば良いんだろう>>66
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:43:56.92 ID:Q3/TsIyo0
霧島「よし、あなた早乙女君のダッチワイフになりなさい」
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:51:53.63 ID:q8LTee670
どうすれば良いんだろう。と思っていれば霧島さんが、
「よし、あなた早乙女君のダッチワイフになりなさい」と、投げ掛けるではないか。
それではまた逆戻りじゃないかと僕は言った。

「でも、ダッチワイフはダッチワイフだもの」
「霧島さん、投げやり過ぎというか、その……。僕の好きな霧島さんは、そんな事言わない……!」
「何それ。……悠ちゃん、私に何を求めてるの?」
「……おかしいよ。霧島さんが、こんな事言う筈が……」
「これが私よ。そう……私が、イヤになったんだ?」
「違う! そうじゃなくって、その……!」
「……ごめんなさい、私、どうかしてる。……先に帰るね」

霧島さんは、そう言って背を向けて歩き出していく。
呼び止めようとする。手を伸ばす。でも、声が出ない。手は届かない。
彼女が完全に去り、膝を突いた僕を、イヴが支えてくれていた。

「イヴ、ダッチワイフになるから……サオトメって人のダッチワイフに、なるから……。
 ケンカは、ダメ……」
「いいんだ。イヴは、もう自由なんだから、そんな事しなくて良いんだよ」

僕はイヴを抱きしめて、優しく彼女に囁く。
こうして、僕にとって初めてのとなる幸せなクリスマスイヴは過ぎてしまった。

その後、イヴは結局>>68となる。
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:53:06.90 ID:nhm1iiaQ0
どっかの施設行き
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:54:51.43 ID:PLnp010q0
>>68
ですよねー
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:55:33.29 ID:o7YfT5OjO
>>68
ペロッ。このビターさは…トゥルーエンド!
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:00:56.97 ID:q8LTee670
その後、イヴは結局どっかの施設行きとなる。根回しは、やはり霧島さんがやってくれた。
僕は最初は反対したが、結果的にそれで良かったのかも知れない。
彼女一人でどうするの、と言われた時、一緒に暮らせばいいと考えた。
けれど、イヴもそうすると望んだ道だ。これ以上強くは言えなかった。

この一件により、僕と霧島さんは話をする事が無くなった。視線すら合わせなくなってしまう。
こうして、25日は一人、部屋でパソコンのモニターを眺めて過ごす事となる。

僕はあの時の出来事を、何度も思い返していた。

「また何時か歌いに来るから……主の為にシュワキマセリって、歌うから……。
 イヴの事、忘れないで……」
「違うよ。それは、主は来ませりって言うんだ……」
「シュワ、キマセリ……?」
「次に会う時にはきちんと言えるように! 待ってるからね」

その時見せた彼女の笑顔。イヴはまだ笑える娘だったんだ。

冬休みに入ったという事もあり、色々とあり辛くなってしまった僕は布団の中で呆けてしまっていた。
そして、携帯が煩く鳴り響く。メールが届いていて、その相手は……霧島さんだ。

何でも、>>72だそうだ。
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:02:25.28 ID:o7YfT5OjO
たか!とら!ほっぱー!
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:11:01.71 ID:q8LTee670
何でも、『たか!とら!ほっぱー!』だそうだ。
彼女から来たメールに返信する事は無かった。きっと、僕自身が拗ねてしまっているせいだ。
でも何より、意味が分からなくて返信のしようがなかったりもした。

――大晦日。
僕は早乙女と遊びに行く事になる。傍から見れば、それはデートになるのだろう。
それは、早乙女が塞ぎ込む僕を励まそうと誘った事であり、その気持ちは素直に嬉しかった。

「まだ霧島とケンカしてんだって? イヴにも言われたんだろう? ケンカはダメだって」
「でも、霧島さんと上手く顔向け出来なくて。なんて言っていいのかも分からないし……」
「お前、一応元は男だろう? もっとガツーンといけ、ガツーンと! お、この蕎麦美味ぇ!」

蕎麦屋で一人美味しそうに蕎麦を食べながら僕に言う早乙女は気楽なものだ。
と、考えてしまう僕は相当捻くれた人間だ。
彼は、結局手付かずの僕の蕎麦すら平らげた。

「よし、年越し蕎麦完食っと。……お前、マジ立ち直り遅いのは直ってないんだな」
「……ごめん。たか!とら!ほっぱー! の意味を考えてて……」
「お前、何言ってんだ……。それ、暗号だぞ……!?」
「え、でも、霧島さんから、そんな風にメールが来て……」

蕎麦屋の中で怒号が響き渡る。そして、僕は彼から真実を聞かされる。

『彼女は 私が 殺しました』

僕の頬から、涙が一筋流れ落ちた。


――とくべつへん? おわり
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:12:34.14 ID:nhm1iiaQ0
何が何だか…
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:13:01.47 ID:q8LTee670
って事で後半失敗しまくりなのですが、コレで終わります。
後味が悪いのはとりあえず仕様という事にしておいてくださいな。

いつものアレは時間も押し気味なので無しという事で、
次回八話をよろしくお願いしますのです。

お付き合いありがとうございましたー!


おかしい。ほのぼのとしたかった筈なのに……?
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:13:42.45 ID:JwdUNlsC0
乙…
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:14:04.99 ID:o7YfT5OjO
ひたすら乙っした!
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:14:21.01 ID:/Y6IXhAi0
……?
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:16:47.37 ID:nhm1iiaQ0
【12/24 (金) 17:01時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/24 (金)
  23:30〜/十六夜 ◆16moonQpow氏 - 規制解除なクリスマス短編 時間変更します
12/25 (土)
  18:00〜20:50/サンタ ◆Vk2GTiq8mE氏 - サンタなんていない!
80十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/24(金) 23:19:15.25 ID:PLnp010q0
せつなさの残るいいEND……これが聖夜なのか
満月氏乙でした!


さて、みなさんお久しぶりです
Sturm und Drang GLITTER 終了直後から規制を喰らい早1か月……こうして書きこむのもずいぶん懐かしい感じがしますね
一ヶ月何も書いてなかったので文章力が落ちてないかどうか心配ですが、しばしお付き合いよろしくお願いします

……大雪の中薄着でゴミを捨てに行ったら凍え死ぬかと思った
81十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/24(金) 23:20:14.97 ID:PLnp010q0
ジャンル:クリスマス的短編
主人公名>>83
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:22:26.03 ID:/Y6IXhAi0
雪沢 クリス
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:23:05.55 ID:JwdUNlsC0
サタン・クロウス
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:23:38.78 ID:o7YfT5OjO
サタン=X
85十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/24(金) 23:29:01.10 ID:PLnp010q0
年の瀬が迫り、耳をふさいでも世間の騒がしい声が嫌がおうにでも入ってくるこの時期。
12月24日――クリスマスイヴも終わろうとする深夜に、俺は家路に着いていた。
足で踏みつける新雪の感触が、強い反発力を持って俺の靴の底へと伝わってくる。昼過ぎに降り出した雪は留まるところを知らず、気付けばもう10センチ近くも積もって来ていた。
世間ではホワイトクリスマスだの何だのと騒いでいるが、冗談じゃない。一人身で今年のクリスマスも惰性で過ごす俺にとっては、こんな雪なんて迷惑でしかなかった。
おそらく明日は雪かきの作業に追われることだろう。今日もアルバイトだったし、まったくクリスマスなんてものには無縁な一年だった。

「……ただいま」

自宅の玄関のドアを開け、雪を払って中に入る。
家の中は暗い。今日は家には妹しかいないはずだが、おそらく寝ているか……そうでなければどこかに出かけていることだろう。
あいつも年頃だしな。そろそろ彼氏の一人でも連れてくるかもしれない。今日連れてこられたら殴り返していたところだが。

「温かい風呂に入って寝るとするかな……」

そう呟きながらキッチンに入ると、>>87
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:31:07.04 ID:/Wc5O8RC0
妹が裸エプロンで踊っていた
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:31:17.14 ID:Q3/TsIyo0
「えへ、えへへへ、ぐへへへへ……」と不気味な笑い声を上げながら、妹がシチューを作っていた
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:32:34.35 ID:o7YfT5OjO
>>87
毒でも入れてそうだなぁ
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:33:03.07 ID:/Wc5O8RC0
そこは唾だろう キチガイ的な意味で
90十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/24(金) 23:45:38.31 ID:PLnp010q0
「えへ、えへへへ、ぐへへへへ……」

そこにいたのは、真っ暗闇の中、不気味な笑い声を上げながらシチューを作る妹――>>91だった。
普段は快活で誰に対しても優しい妹なのに、この不気味さはいったい何なのだろう。
照明のスイッチを入れてキッチンの明かりを点ける。蛍光灯の下に照らされたその顔は、やはり俺の良く知る妹のものだった。
……ただ一つ、その表情がやたらと恍惚としている点を除いて。
照明を点けたことで俺に気付いたのか、妹はくるりと首をまわして俺の方を向き、

「あ、サタン兄ぃおかえり。今日もバイトだったの?」
「あ、ああ……それよりお前、」
「22にもなって彼女の一人も作らずにクリスマスをバイトに費やすなんて、よく出来た奴隷だね。来年にはきっといい社畜になれるよ♪」
「…………」

黒い。いやもう、黒いというか怖い。
おかしい……普段はこんなブラックジョークなんて言わない優しい子だったのに。どうしてこうなった?

「でも、そんな惨めなサタン兄ぃをこの世で唯一気づかってくれる女の子が一人だけいるんだよ。誰だと思う?」
「………………………………。……お前?」
「ぴんぽーん。よかったねサタン兄ぃ、こんな女の子を身内に持てて。今日だって正解のご褒美に私のお手製シチューをプレゼントしちゃいます」

妹はシチューをかき回していた鍋を掴み、俺の目の前まで持ってきた。
じゃーん、という効果音と共に蓋を開けると、そこには>>93
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:46:21.14 ID:/Y6IXhAi0
メフィス
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:46:51.96 ID:o7YfT5OjO
セイヤー
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:49:17.74 ID:Q3/TsIyo0
ビーフシチューを作ろうとして挫折したらしく、
デミグラスソースの茶色とクリームの白がマーブル模様になった妙なシチューが
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:49:42.41 ID:/Wc5O8RC0
……その後のことはよく覚えていない
95十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/25(土) 00:01:29.41 ID:CJgoqYcK0
芽衣子はシチューをかき回していた鍋を掴み、俺の目の前まで持ってきた。
じゃーん、という効果音と共に蓋を開けると、そこにはビーフシチューを作ろうとして挫折したらしく、デミグラスソースの茶色とクリームの白がマーブル模様になった妙なシチューが。
なんだろう、こんな感じのスープをどっかちゃんとした店で見た気がする。それとは似ても似つかない贋作だが。
しかしひどい。あまりにもひどすぎる。料理が壊滅的に下手な女の子なんて所詮創作の世界の中の存在でしかないと思っていたのに、この残酷な現実は何だ。
料理なんて料理本見て書いてある通りに作ればとりあえず失敗はしない。俺は今日この時までそう信じていたし、これからも信じていくつもりだった。
だが――現に目の前にあるシチュー鍋からは不気味な色合いのシチューが圧倒的な存在感を放ち、五感全てに無慈悲な攻撃を仕掛けてきている。
しかしそれでいて、芽衣子は屈託のない笑み(ただし目に光がない)を俺に向けてきている。
一点の罪悪感も感じられない純粋な感情。ただ、俺に料理を食べさせてあげたいという気持ち。それが芽衣子の視線とシチューから伝わって来ていた。

「美味しそうでしょ。さ、早く食べようね♪」
「あ、ああ……」

拒絶の隙を与えられる暇もなく、俺は椅子に座らされテーブルに置かれた皿にシチューを並々と注がれた。
その間も芽衣子は鼻歌を歌いながら気分上々といった様子。逃げるに逃げられない。

「はい、あーん」
「…………」

スプーンに掬いあげられたマーブル模様の液体を、芽衣子は俺の口へと運ぶ。
やたらと献身的なこの姿勢を断るわけにもいかない。覚悟を決め、俺はそのシチューを一口すすった。
すると>>97
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:03:54.37 ID:dqGsAVxK0
  . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        Λ_Λ . . . .: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:ニート:ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ おえええ……
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:03:57.24 ID:ewCMRJGU0
触覚が消え、嗅覚が消え、味覚が消え、視覚が消え、聴覚が消え、
意識をつかさどる第六感までも消失してしまった。
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:04:10.30 ID:+/l8iTsm0
無味無臭だった
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:05:09.41 ID:13T+V8XCO
川の向こうで父母が「目を閉じておいでよ」を熱唱している幻影を見た
100十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/25(土) 00:18:08.61 ID:CJgoqYcK0
スプーンに掬いあげられたマーブル模様の液体を、芽衣子は俺の口へと運ぶ。
やたらと献身的なこの姿勢を断るわけにもいかない。覚悟を決め、俺はそのシチューを一口すすった。
すると触覚が消え、嗅覚が消え、味覚が消え、視覚が消え、聴覚が消え、意識をつかさどる第六感までも消失してしまった。
何も見えない、何も聞こえない真っ暗やみの中に放り込まれたようだった。上下左右もわからず、いま俺座っているのか倒れているのかすらもわからない。
傍らにいたはずの芽衣子の存在も、何をどうやっても感じ取れなかった。生きた屍と化した俺はもはやただの植物人間としか言いようがない。

(………………)

だが。
六感全てを閉じたことで、俺の中の何かが目覚めて行くような――そんな気がした。
身体の中の何かが熱く燃えたぎる。そう、俺の中の小宇宙が光を放ち、燃え始めているのだ。
その瞬間。途端に、傍らにいる芽衣子の存在が感じ取れるようになった。これはきっと六感を超えた第七感――セブンセンシズに違いない。

(えへへへへ……これでサタン兄ぃは永久に私のものだね。待っててね、すぐに防腐剤を塗布して抱き枕にしてあげるから)

芽衣子がそう言っているのが、聴覚からではなく自然と理解できた。これが第七感なのか。
しかしこいつ……俺をいったいどうするつもりだ。客観的に見ればかわいいとはいえ、実妹の抱き枕にされるなんて死んでも御免だぞ。
なんとかしてやめさせないと……。こうなったら>>102
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:20:43.56 ID:13T+V8XCO
聖剣乱舞(エクスカリバー)をお見舞いするしか…
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:20:50.35 ID:+/l8iTsm0
幽体離脱
103十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/25(土) 00:36:07.66 ID:CJgoqYcK0
なんとかしてやめさせないと……。こうなったら幽体離脱するしかない。
肉体に依存することで六感が断たれているというのなら、肉体を捨てて魂魄の状態になるまで。きっとそれで六感が戻るはずだ。そういえば霊体に触覚も何もないよな。
そうと決まれば話は早い。身体を浮遊させる感覚を保ちつつ、俺は自らの肉体を切り離すイメージを作り出した。
その瞬間――俺は天井から、自身の抜け殻と恍惚とした表情の芽衣子を見下ろしていた。どうやら幽体離脱には成功したようだ。
しかし俺は、そこでショッキングな光景を目にすることになる。
俺の意識がないことをいいことに、芽衣子は俺の抜け殻に唇を重ね、その身体をぎゅっと抱きしめていた。

「はぁ……、サタン兄ぃ」

放っておけば一日中そうしているんじゃないかと疑いたくなるくらい、芽衣子は俺に夢中になっていた。
身体中をいじりまわし、あちこちにキスをして思う存分自分の身体を押しつける。
もはや病的とまで言っていい。通常の精神じゃない……今すぐにやめさせないと。
いい年こいた女の子が自分の兄に夢中になるなんてどうかしてる。こいつだって、もっとマシな男と付き合うべきなんだから。
そう思って霊体の俺は芽衣子と俺の身体を引き離そうとするが、>>105
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:40:27.66 ID:ewCMRJGU0
勢いあまって芽衣子の霊体を肉体から引き離してしまった。てへっ
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:40:34.67 ID:DxFSmz6xO
うっかり芽衣子に乗り移ってしまった
106十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/25(土) 00:49:46.28 ID:CJgoqYcK0
そう思って霊体の俺は芽衣子と俺の身体を引き離そうとするが、芽衣子の身体に触った瞬間、その肉体に引き込まれるようにして俺は芽衣子に憑依してしまった。
気がつくと視界には俺のみが映っていて、その光景が俺が芽衣子に乗り移ってしまったのだと自覚させた。
身体に目をやると、そこそこいい感じに膨らんだ胸や、すらっと伸びた太ももが視界に飛び込んできた。
いつも一緒にいて気付かなかったが、こいつこんなにいいものを持っていたのか。
ぺたぺたと身体を一通りいじりまわした後、俺はそこでふとアイデアを思いついた。
そうだ、仕返ししてやろう。さんざん俺の身体を弄りまわしてくれたんだ、この代償は高くつくぞ。
黒い意志と共に決意を露にした俺は、俺の抜け殻となった身体のズボンのチャックをおろすのだった……。



なげやりな感じに終わり
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:51:10.09 ID:+/l8iTsm0
ハッピーエンド乙!
108十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/25(土) 00:51:51.24 ID:CJgoqYcK0
うーん……どうしてこうなった
というかなぜ毎回毎回クリスマスはエロになってしまうのか……反省が必要ですね
構成力が足りないのかー

またしばらく短編でやってみようかな
ではではまた次回。十六夜でした
明日はサンタ ◆Vk2GTiq8mE氏です!
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:52:05.14 ID:ewCMRJGU0
ええー乙
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 01:01:37.49 ID:+/l8iTsm0
【12/24 (金) 17:01時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/25 (土)
  18:00〜20:50/サンタ ◆Vk2GTiq8mE氏 - サンタなんていない!
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 01:15:29.90 ID:MhDfW53U0
遅くなった乙ー
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 02:30:23.84 ID:+/l8iTsm0
保守
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 04:04:06.72 ID:DxFSmz6xO
保守
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 06:07:27.34 ID:DxFSmz6xO
保守
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 09:08:12.21 ID:13T+V8XCO
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 09:10:57.11 ID:13T+V8XCO
age忘れた
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 11:02:38.47 ID:DxFSmz6xO
保守
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 13:00:28.56 ID:+/l8iTsm0
保守
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 14:32:49.86 ID:DxFSmz6xO
保守
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 15:00:40.12 ID:QGXFWA9z0
ほしゅ
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 15:48:03.05 ID:13T+V8XCO
今日はXmasだ↓
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 16:26:45.95 ID:QGXFWA9z0
だが、親も飲み会、妹はオフ会で、まさかの一人ぼっち↓
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 16:55:25.66 ID:QGXFWA9z0
ピンポーン、とインターフォンが鳴り、僕の元に誰かがやってきてくれたようだ。↓
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 17:21:24.01 ID:+/l8iTsm0
そして僕は黒づくめの男たちに毒薬を飲まされ↓
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 17:37:46.99 ID:QGXFWA9z0
みるみるうちに女の子にモッテモテ!宝くじにも当たり、人生ウハウハに↓
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 17:50:50.43 ID:+/l8iTsm0
なったところで

【12/24 (金) 17:01時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/25 (土)
  18:00〜20:50/サンタ ◆Vk2GTiq8mE氏 - サンタなんていない!
127サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 17:53:52.67 ID:QGXFWA9z0

 俺にとって、クリスマスはいつも憂鬱だった。

 皆が明るくて暖かい部屋にいる中、俺達だけは寒空の下でプレゼント配りをしなくちゃいけないからだ。

 だから俺はサンタというものがイヤだった。

 プレゼントだけを頂戴する奴らばかりだからだ。感謝なんてしていない。ただ物欲をかなえてくれるから、好きだという人ばかり。

 ……俺はもう、サンタなんてやりたくなかった。


「サンタは絶対にいるよ!」
「……そうか」
「ウチには一度も来てくれたことないけど、それでもサンタは絶対にいる!」

 息まいてそんなことを話す少女がいた。

「偉いよね、みんなにプレゼントを配って歩いているんだから」

 歩いてはいない。サンタは次元移動装置を使う。そうでなくては、全国・全世界を飛び回ることなんて不可能だからだ。

「本当にサンタさってすごいよね?」

 しかし、そんな彼女はもういない……。


 † この世にサンタクロースなんていない † 
128サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 17:59:59.65 ID:QGXFWA9z0
 12月の寒さの厳しくなる月末。
 イルミネーションが煌くこの街中で一人面白く無さそうに歩く少女がいる。
 伏し目がちに開いた瞳はとてもおぼろげで、生気はまるでない。
 化粧もしていないのか、瞳の下にクマが出来ていた。

「何がクリスマスよ……」

 誰にも聞こえないようにぼやき、少女は金色に光る商店街を走って駆け抜けた。
 数分も走ると、彼女は木造のボロ屋に辿り着く。少女はポケットから鍵を取り出すと、鍵穴に差し込んで施錠を解いた。
 家の中は閑散としており、四足のテーブルが一つあるだけ。
 いや、テレビはあるのだ。ただ、ブラウンカンの画面の部分にはヒビが入っていて壊れていた。
 食器棚は存在しているが、中身は空だ。掃除だけはしているのか埃すら存在していない。
 肝心の食器は台所に洗って置かれていた。
 少女は立ててあったまな板を横にすると、冷蔵庫から取り出した野菜を切り、調理を始めた。
 包丁はすっと野菜を切り刻む。
 少女の指先を軽く切るが、彼女はそれを意に介さず、野菜を切っていく。
 それはとても少量で、彼女は塩もこしょうもかけず、ただ簡単に炒めただけで、調理を終え、更に乱暴にかき落とす。
 それを無言で食し、食器の後片付けを終えた。
 そんな彼女の携帯がピピピ……と電子音を鳴らす。
 少女は表情を一つも変えずに、受信したメール内容に目を通した。

>>130へ  クリスマスに>>132やるんだけど、お前もどうだ?』

 メールの最後に『お前元気がないけど、一体どうしたんだ?』と付け加えられていた。
 少女は唇を噛むと、苛立たしさを隠しもせず、携帯を閉じた。
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:04:52.92 ID:+/l8iTsm0
チコリン
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:05:09.25 ID:13T+V8XCO
愛しのマイハニー
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:07:20.14 ID:13T+V8XCO
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:09:26.32 ID:DxFSmz6xO
300人301脚
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:11:16.33 ID:13T+V8XCO
>>132
ドンだけ集めたんだよ!
134サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 18:14:05.07 ID:QGXFWA9z0
「今年はぜってー、サンタはやんねーからな!」
 青年は家の机をバンと叩いて、そう宣言した。
「何を言い出すんだいきなり。バカなことを言うんじゃない。ウチはサンタの家系に生まれてきたのだから、やるのは当たり前のことだろうが」
「そうよ、お父さんの言うとおりよ。みんなサンタさんを待っているんだから」
 恰幅の良い40歳後半のヒゲを生やした男性と、楚々とした様子を見せる女性が青年を諭そうとする。
「毎年毎年面倒なんだよっ! だいたいこんなことしたって、喜ぶのは子どもじゃねぇ、その親だ。
 しかもその親は、子どもが欲しかったものじゃないとクレームまでつけてきやがる始末だ。
 そんな相手に誰が尽くそうとするもんか!」
「確かにそういう人が増えてきたのは事実だ。しかし、お父さん達の仕事は子ども達の笑顔を見るための、重要なお仕事なんだよ。分かってるだろう?」
「そうよ。毎年そう言ってるじゃない。どうして分かってくれないの?」
「うるせえよっ! 今年はやらないからな! 俺はダチとパーティに行くって約束したんだから」
「こら、お父さん、そんな勝手は許さんぞ!」
「早くそのお友達にパーティには行けませんってメールしなさい」
「なんてメールすんだよ? ええ? サンタクロースのお仕事があるから行けませんって言うのか? んなバカなこと言えるかっ!
 だいたい、毎年毎年用事で断ってたらこっちの友人関係にヒビが入るんだよ! こっちの事情も察しろ!」
 青年はそう言い捨てると、話はまだ終わってないと憤る父親の言葉を無視して、居間を出た。
 階段を上り、自分の部屋に戻ると、パーティのメンツを思い出す。
(……思い出し切れない。だが、ここはもう少しメンバーを増やそう。そっちの方が盛り上がるだろうしな)
『愛しのマイハニーへ  クリスマスに300人301脚やるんだけど、お前もどうだ?』
 そう茶化したメールを送った。
 しかし、返事は無かった。
「あいつなら、すぐに返して来ると思ったんだが……」
 そう言えば、俺がこっちに戻ってきてから俺はアイツとあまり喋っていなかったような気がする。
 前はあっちから聞きもしないことをペチャペチャと喋っていたのに。
 それを俺は、精神年齢が上がってあまりおしゃべりしなくなったものだと思ったのだが、もしかしたら別の何かがあったのかも知れない。
「…………仮に何かあったとして、俺はそれに対してどうするって言うんだ?」
 そう気付いて俺は電話を置く。

 空を見上げると、ひらひらと舞い降りてくるものがあった。純白の、穢れ無き象徴。俺がもっとも憎むべき季節の風物詩、『雪』。
 なぜ、雪が嫌いか……それは、>>136
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:18:59.58 ID:DxFSmz6xO
まずいから
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:21:22.50 ID:+/l8iTsm0
まるで全てを塗り潰してしまう様だから
137サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 18:26:32.94 ID:QGXFWA9z0
 少女がうなされていた。
 それはある男の子との別れの日のことだった。
「どうして? どうしてなの? いっしょにクリスマスしてくれるって言ったじゃない」
「ごめん、どうしてもダメだって、お父さん達が……」
「ちょっとくらいいいじゃない。だいたい、>>140君が一度もパーティしたことがないって言うから誘ったのに」
「おれだってクリスマスパーティしたいさ! だけど、ダメなんだよ」
「なんでダメなのよ?」
(い、いや……こんな夢、見たくない……)
 夢だと分かった少女。
 これは昔の夢であった。実際にあった1年前の出来事。
「それは……さっきも言ったけど、お父さん達の用事に付き合わなきゃいけないんだよ。だからダメなんだ」
 少年は立ち去っていく。
 その年はとても寂しかった。両親がいなく、一人でケーキを食べた。
 手作りの砂糖を多めに入れたケーキ。
 しかし、そのケーキは口にすると、とてもしょっぱくて、悲しい味がした。
 無言のパーティが終わる。
(ううっ……夢でしょう……夢なんでしょうっ……早く覚めてっ!)
 少女は虚無になった心を偽るようにして、拳を握り締める。
 ちょっとだけ甘い期待をしていた中学3年生のクリスマス。両親もいない日、ちょっと気になる男の子と2人だけの夜。
 たとえ何かがあったとしてもなかったとしても、年頃の少女にとっては刺激的な出来事だった。
 それが、理由もわからずに断られ、一人ぼっちのクリスマスを過ごすハメになり、怒りが湧き上がる。
 しかし、その拳はどこに向けられることもない。
 少女はブラウン管に写る笑い合う芸能人達が目障りになり、テレビの電源を落とすと、一人寝室へと戻った。
 そして少女は……夢の続きを最後まで見ることとなる。
138サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 18:27:11.32 ID:QGXFWA9z0
 目覚めはもちろん最悪だった。
「……どうして、まだ消えないの」
 あの日の思い出がいつまでも消えない。
 外を見ると雪が積もっていた。
「雪は嫌い」
 あの日も雪が降っていた。結局、彼にクリスマスパーティを断られたあの日以来、彼に会うことは無かった。
 だけどつい最近、またこちらに戻ってきたようだった。
 しかし、そんなことはどうでもいい。
「……クリスマスなんて、無くなっちゃえばいいのに……」
 少女は思いつめた表情を浮かべて、台所へと向かう。
 キッチンには昨日使った包丁が輝いていた。
「そうだ……パーティをムチャクチャにしてやろう……」
 昨日のメールは実にうってつけだ。

『分かったよ。』

 そして、最後にこう一言を付け加えた。

>>142
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:29:54.16 ID:13T+V8XCO
三太郎
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:33:20.12 ID:DxFSmz6xO
玉助
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:35:41.48 ID:+/l8iTsm0
ゴール前で盛大にコケてやる
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:37:44.08 ID:13T+V8XCO
サンタクロースの恰好していくね!(b^ー°)
143サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 18:40:24.19 ID:QGXFWA9z0
「うーー、随分積もってるなー」
 靴がずっぽりと埋まってしまうほどに、雪が積もっていた。
 これだから豪雪地帯はイヤになる、と玉助はボヤいた。
 大地に芽吹く花も、綺麗な景色も全て白く塗りつぶしてしまう様だから。
 白いベールに隠されてしまったモノが忘れ去れてしまいそうだから。

 ガッコに向けて歩いていると、携帯電話がブルブルと振動を始めた。
 メールが届いたらしい。
 そこに目を通すと、愛しのハニー(仮)に送ったメールの返信だった。

『分かったよ。









 』

 そのメールには改行がやけに多かった。

『サンタクロースの恰好していくね!(b^ー°) 』

 その文章を見た時、玉助は目を疑ってしまった。
(ははは……アイツらしいな……)
144サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 18:45:45.41 ID:QGXFWA9z0
 玉助が教室に辿り着くと、少女は既に教室に来ていた。
 面白くなさそうに教室の外を眺めている。表情は読み取れなかった。
「よお、玉助。おはよう」
「おはよう、八百屋の大根」
「大介だ! 人の名前を略して呼ぶのはやめていただきたい!」
「は? どう略したらそんな名前になるんだよ?」
「大介の巨根」
「死ね。ホーケイが」
「ぐっ……ズルムケがいい気になるなよ? 将来黒くなって若奥様をうっとりさせていればいい」
 朝から高校生特有の性欲に満ちた下の話に花を咲かせている。
「なあ、ところで、アイツって前からあんな感じなのか?」
 玉助はサンタの格好してくるらしい、少女に視線を向けて、大介に尋ねていた。
「ん? ああ、そうだけど? なんで?」
「もっと明るいヤツじゃなかった?」
「男はこの高校に来てからしか知らないから、前がどうだったかなんて知らないがアイツは最初からあんな感じで暗いヤツだったぜ。
 もしかして、アイツに惚れたか?」
「パーティに呼んだんだ」
「…………マジで」
「いや、だって明るいヤツだって思ってたから、サンタの格好して来るって言ってたし」
「その話本当かい!?」
 飛びついてきたのは、同じクラスの>>145。二次元ドリームを愛するオタク少年だ。
「だとしたら、>>147の用意は必要だな……」
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:47:52.84 ID:+/l8iTsm0
裏御伽 死衣蔵
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:49:08.57 ID:13T+V8XCO
トナカイの全身タイツ
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 18:53:30.30 ID:DxFSmz6xO
大天使ミカエル
148サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 19:01:17.47 ID:QGXFWA9z0
◇◇◇◇
 男子達が賑やかに話していた。その中には玉助も混ざっている。
 この高校で知り合った男子生徒達と賑やかに話していた。
(その楽しそうな笑顔をブチ壊してあげるわ……貴方達のクリスマスもメチャメチャにしてあげる)
 心の底でほくそ笑みながら、ただ少女は外を眺める。

 雪が降り積もる日。
 何もかも失った日。
 それが雪の降り積もる日だった。
 その日を境にして全てを失ってしまった。
 友達も、ぬくもりも、現実感も。
 だから、この日がやってくることがこんなにも辛いとは思わなかった。
149サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 19:01:38.48 ID:QGXFWA9z0
「その話本当かい!?」
 過去のことを追想していると、ふと『裏御伽 死衣蔵』(うらおとぎ しえぞう)の声が聞こえてきた。
「だとしたら、大天使ミカエルの衣装は必要だな……」
 彼は小麦色に焼けた肌に白い歯を輝かせながら喋る。
「お前は何を言っているんだ、怨爺」
「裏御伽 死衣蔵と呼んでくれ。実は彼女、前からいいなって思ってたんだよ」
「そうなのか、美しい魔闘家鈴木?」
 彼の言葉に玉助が疑問符を浮かべていた。
「裏御伽 死衣蔵だ。でも、今はあんな感じで完全に壁を作っちゃってるだろ? だから誘うに誘えなかったんだよ」
「何があったか、知ってるのか? 強い妖戦士田中」
「裏御伽 死衣蔵と呼んでくれて構わないよ。実は彼女の両親が殺されたんだよ。クリスマスの日に、サンタクロースに」

 !?

「サンタクロースにっ!?」
「サンタクロースなんているわけないわ……だって、あれは>>151
 少女はそう呟いた。
「…………っ!」
 玉助は目を見開いた。
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:04:14.35 ID:+/l8iTsm0
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:04:20.41 ID:13T+V8XCO
見るからに返り血だったもの
152サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 19:12:01.71 ID:QGXFWA9z0
◆◆◆◆

「実は彼女の両親が殺されたんだよ。クリスマスの日に、『 サ ン タ ク ロ ー ス 』に」


「サンタクロースにっ!?」
(殺された!?)
 玉助の脳裏に父親の姿が思い浮かんだ。
 それと同時に昨晩の会話が思い出される。
『お父さん達の仕事は子ども達の笑顔を見るための、重要なお仕事』
 子ども達の笑顔を見るために、親は殺したっていいっていうのか?
(残された子どもはこんなにも変わり果ててしまっているじゃないか。
 それなのに、何食わぬ顔して今までずっと生活していたのか?)
 そう考えただけで、玉助の中に抑えきれない程の怒りが湧き上がってきた。
「サンタクロースなんているわけないわ……だって、あれは見るからに返り血だったもの」
 それだけを言って、少女は教室から出て行った。
「どこに行くんだ?」
「トイレ? ご一緒するつもり」
「よろこんでっ♪」
「「行くなっ!」」
 シッポを振って付いていきそうな裏御伽をしばいた。

 玉助も席を立つ。
「お前ももしかして、トイレって言わないよな?」
「俺は、ちょっと>>154へ……。やっておきたいことがあるんだ。パーティには参加する」
「分かった。頑張って代返してやるぜ」
「高校にそんなシステムはねぇよ」
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:16:31.05 ID:+/l8iTsm0
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:20:21.12 ID:+/l8iTsm0
暗黒街
155サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 19:23:01.10 ID:QGXFWA9z0
◇◇◇◇
 教室を出て私はトイレへと向かった。
 用を足したいわけではない。
 気分が悪かったのだ。
 今朝の夢が鮮明に思い出される。


 あの日もたくさんの雪が降っていた。
 記録的な降雪量の日だと、数日後に分かった。
 世間的には素敵なホワイトクリスマスになったのかも知れない。
 しかし、彼女にとっては最悪のクリスマスだった。

 一人寂しくクリスマスパーティを済ませた彼女は、ベッドで眠っていた。
 真夜中にふとトイレで目を覚ました少女は、1階へと降りてくる。
「もしかして、サンタさんっ♪」
 当時は純粋な感情を持っていた少女は、何の疑問も浮かべずにそんなことを口にしていた。
 ゆっくりと近付こうとすると、玄関のドアが開く音が聞こえた。
「ただいまー」
 父親と母親の声だった。
「あ、お父さん、お母さん! 今、サンタさんが……う゛」
 そこまで言った瞬間、脳が激しく揺れて目の前がまるで雪原のように真っ白に染まった。
 固い床をベッドにして、私は眠ってしまった。
 目が覚めたら、そこには血だらけになって散乱した居間。
 激しい乱闘があった、ということが分かった。
 そして、その日、私の両親は姿を消した。もちろん、サンタだと思った人もいなかった。
156サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 19:23:18.14 ID:QGXFWA9z0
「ううぅ……」
 自然と目が熱くなる。感情が溢れて、止まらなくなってしまっていた。
 ポロポロと溢れ出る悔しさに、声を押し殺した。
(だから私はクリスマスが嫌い……プレゼントはとびきりの不幸だったのだから)
「絶対に、パーティをめちゃくちゃにしてやる……」
 そのために、彼女は>>158をすることを心に決めた。
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:24:40.77 ID:AWajYRnk0
壁に落書き
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:24:55.35 ID:13T+V8XCO
針入りと間違うほどのタバスコを入れたケーキ作り
159サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 19:34:08.88 ID:QGXFWA9z0
◆◆◆◆
 玉助は暗黒街へと向かっていた。
 そこは父親がクリスマス日意外で、勤めている会社がある場所だ。
 1秒でも早くこのことを問い詰めたかった。

「おやじぃぃぃいいーっ!!」
 ズンズンと蟹股で会社に入り込む玉助。
 ぎょっとした様子でそれを見つめる会社員達。
「どうした、玉助。そんな怖い顔をして」
「ちょっと話がある」
「ただごとじゃないようだな。分かった。少し待ってろ」

 屋上にやってくる。
「それで話って……!?」
「このクソヤローーがぁっ!!」
 玉助はいきなり父親に殴りかかっていた。
 強く握り締められた拳が父親の顔面に直撃する。
「ぐああっ」
「何が人を幸せにするだ? 何が子ども達のためだ? てめぇが一体何をしたか分かってるのかっ!?」
「い、いきなりどうしたんだ、玉助?」
「どうしたもこうしたもねぇ! てめえが人殺しだからだろうが」
「人殺し……なんのことだ?」
「とぼけるんじゃねえ、なんであんな変な時期に引っ越したのか、ようやく分かったわ」
「……なんのことか分からないな。お父さんに分かるように説明してくれ」
「てめぇは警察の包囲網から逃げるために、わざとあの日に引っ越したんだろう? それなのに、よくもぬけぬけとこの町に戻ってこれたもんだな」
「いい加減にしなさい、お父さん、お前に人殺しと言われるような真似は一切していないぞ」
「偽善者ぶりやがって。そりゃサンタやってりゃ、すぐに逃げられるよな。だからって、人殺しは正直幻滅した。もうお前となんて家族じゃねえよ」
「玉助。お父さんもお前に言っておこう。>>161
「そりゃどうも。じゃあな」
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:38:33.72 ID:13T+V8XCO
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:39:08.83 ID:+/l8iTsm0
もしも私の考えている通りなら『彼女』を絶対に一人にしてはいけない。恐らく次は……
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:39:15.78 ID:AWajYRnk0
黒いサンタに気をつけろ
163サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 19:43:51.83 ID:QGXFWA9z0
◇◇◇◇
 放課後になると、少女はケーキ作りの材料を買いに商店街に出ていた。
 材料には牛乳と生クリームと……そしてタバスコ。
「そうだ、鶏肉料理もいいかも知れない……」
 少女は小さく呟いて、買い物の続きをすることにする。

 彼女はお気に入りの白いワンピースを来て、台所に立つ。
 悲鳴を上げる動物の声。
 片手でそれを掴むと、少女はもう片方の手に持った包丁を振り下ろした。
「勢いよく飛び散るものなのね……」
 両親の最期に重ねて胸糞悪くなる少女。
 しかし、その気持ち悪さを憎しみという原動力に変えて、指を動かす。
 手馴れた動きで、去年作った感情と真逆の感情を込めてケーキを作る。
 それは針入りと間違うほどのタバスコを入れたケーキだった。
「このケーキを食べて、苦しむといいわ」
 陰湿な笑いを浮かべて、少女はケーキを包んだ。
 そして、パーティ会場の>>165へと歩みを進めた。
「もうすぐ、サンタクロースが不幸を届けにやってくるわ……」
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:45:43.37 ID:AWajYRnk0
魔城パンデモニウム
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 19:50:40.58 ID:DxFSmz6xO
つぶれる寸前のホテル
166サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 19:57:43.21 ID:QGXFWA9z0
◆◆◆◆
 玉助はパーティ会場に向かっていた。
「なにが、『もしも私の考えている通りなら『彼女』を絶対に一人にしてはいけない。恐らく次は……』だ。思わせぶりなことを言うんじゃねぇよ」
(何もかも他人がしたことのように言いやがって……)
 パーティ開演の時間まであと数分……なんとか会場に到着していた。
 そこはつぶれる寸前のホテルだったので、最後の思い出ということで学生達に気前よく貸してくれたようだった。
「なんとか間に合ったみたいだな。大介」
「よお、玉助。これでなんとか300人301脚が出来そうだな」
「マジでやるつもりだったの?」
「…………まだ、彼女が来てないな」
「誰が来てないって、恐怖の大王エクソダス鶴田」
「裏御伽 死衣蔵だよ。玉助君。キミは家を知っているんだろう? 丁度いいから、探してきてくれないかな?」
「……今日は走ってばっかりだな……しかたねぇ」
「授業をサボった報いだと思いねぇ。おれ達はその間にパーティ楽しんでるからよ」
 ガックリとしている玉助を大介が励ます。
 玉助は再び外に出ようとすると、彼女がそこにいた。

 『真っ白なワンピースを着て』

「どうしたんだ、上着も着ないで……!?」

 彼女の服の異変に気付いて、玉助は言葉を失う。
 真っ白なワンピースは血がべっとりと張り付いていた。

「メリークリスマス……玉助君。サンタの衣装だよ……」

 パーティに参加した人たちからは、悲鳴が上がる。ちょっとしたパニックだった。
 玉助はその場をなんとかしようと、叫ぶ。

「大丈夫、これは>>168!」
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:02:52.45 ID:13T+V8XCO
マイハニーなりのXmasジョークさ!ね、そうだろ?
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:03:08.73 ID:+/l8iTsm0
タバスコだよほらその証拠に舐めうわ辛っ
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:07:48.06 ID:13T+V8XCO
>>168
健気だなぁ…
170サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 20:12:57.61 ID:QGXFWA9z0
「大丈夫、これはタバスコだよほらその証拠に舐めうわ辛っ!」
 玉助君がそっと私の服に指を滑らせ、舐めるしぐさをして、顔をしかめる。
 それを見て、パニックになりそうだった人たちは落ち着きを取り戻した。
「いいから、その格好じゃちょっとまずい、ちょっとこっちに来い」
 私は玉助君に、別の部屋へと連れて行かれた。
171サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 20:13:11.83 ID:QGXFWA9z0
 赤く染まったフクに、白いソデ……。
 私はカワイイカワイイ、サンタクロース。
 ミナサンニ、『シアワセ』を分けてアゲル……!
「フフフフフフ……ねえ、玉助君。一緒に祝いましょう? 今日という命日を」
 確実に私の両親はあの日に死んでいた。
 死体が発見されたのは5月の話。
 両親は殺された後に、雪の中に捨てられていたのだ。
 なぜ、犯人が彼女のみを残したのかは謎だ。
 しかし、事件は何の手がかりもないまま、捜査は早々と切り上げられた。
 情報があまりにも少なかったからだ。
(別に構わない……だけど……だけど……みんながシアワセなのはユルセナイッ!)
 少女は自宅から持ってきていた包丁を取り出した。
 もしかしたら、私は……もう生きることに疲れているのかも知れない。
「どうしたんだよ、お前……」
「何が分かるの? ずっと信じていたサンタに裏切られた私の何が分かるの?」
「私はずっとサンタを信じていた。誰かが親だと言っても私はサンタを信じていた。
 たとえ私の元に一度もサンタがきていなかったとしても、サンタを信じたかった。
 でも、サンタは来なかった。私の大事なもの全て奪っちゃったから、サンタはもう私の元には来なくなっちゃったんだよっ!」
 少女自身はどうして、玉助にこんなことを喋っているのか分からない。
 でも、恐らく誰かに聞いて欲しかったのだろう。心の苦しみを。
 その心の苦しみを聞いて、玉助は迷った表情を浮かべていた。
「……サンタはいる」
「嘘っ! いるわけがない」
「だったら、証明してやるよ、サンタがいるって!」
「どうやって!」
>>173だ!」
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:17:14.70 ID:+/l8iTsm0
肉弾幸
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:18:28.74 ID:13T+V8XCO
俺の両親に挨拶に行って
174サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 20:25:06.64 ID:QGXFWA9z0
「だったら、証明してやるよ、サンタがいるって!」
「どうやって!」
「俺の両親に挨拶に行ってだ!」
「……結婚してくれるの、嬉しい? でもね、それじゃサンタの証明にはならないよ?」
「じゃあ、どうやってサンタを証明すればいいんだよっ!?」
「私が一番欲しいもの……ちょうだい」
「欲しいものって……なんだよ?」
「サンタなら、分かるよね……?」
 小馬鹿にするような瞳で玉助を見る少女。
「…………分かった。それをあげることが出来たら、サンタがいると認めてくれるんだな?」
 玉助は駆け出した。
 またも駆け出した。
 今日は何度も駆けてばっかりだが、それも運命と思って駆け出した。
 だけど、今はそんな運命を呪う気分ではない。
(彼女を救いたい。
 彼女の笑顔が見たい)
 そんな気持ちが芽生えていたからだ。
(そのためには、俺がサンタにならなきゃいけないんだ!)
 自宅に戻り、部屋の中から、サンタの衣装を見つける。
 それを大急ぎで身に着けた。
 慌てて階段を下りると、そこには玉助の親父がいた。
「……お前は今年、サンタにならないと言ったんじゃなかったのか?」
「親父……」
「私利私欲のために、サンタ行為を行うのはサンタ条例違反だ。今すぐそれを脱げ」
 父親が厳しい瞳で玉助をにらみ付ける。
 子ども達に愛される柔和な父親の表情が今は熊をも殺しそうなほどの強面になっていた。
「……頼む、この衣装を使わせてくれ」
「ならぬっ」
「どうしてっ!?」
「お前は>>176だからだ」
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:32:29.72 ID:+/l8iTsm0
だか
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:34:43.10 ID:DxFSmz6xO
大器晩成
177サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 20:37:26.88 ID:QGXFWA9z0
◇◇◇◇
 一人、ホテルの一室に取り残された少女。
「馬鹿な玉助。私の欲しいものなんてもう無いのに……」
 欲しいものがない私に、欲しいものを持ってくるなんて不可能。
 だからサンタの証明なんて不可能。
「誰かにこのケーキ、食べて貰わないと」
 家から持ってきたケーキを持って、少女は部屋を出ようとした。
 人影が部屋の中に急に入ってくる。
「おっと、みんなの前には戻ってくれるな。このチャンスをずっと狙っていたんだからね」
「…………」
 目の前の人物に少女は僅かにまゆを歪ませた。
 それは記憶の中に僅かに残っていた声だったから。
178サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 20:37:49.73 ID:QGXFWA9z0
◆◆◆◆

「ならぬっ」
「どうしてっ!?」
「お前は大器晩成だからだ。今のお前ではロクなサンタとしての力を使うことはかなわぬ」
「そんなの関係ない!」
「それにお前はサンタに今年、絶対にサンタにならないと言った! それが突然、手の平を返すとはどういう了見だ?」
「そんなの関係ねぇだろ? 俺はどうしてもサンタにならなきゃいけないんだ!」
「人を殴り、人殺し呼ばわりし、散々侮辱した上で、その言動……お前は何様のつもりだっ!」
「すまない、親父っ……!」
 玉助は父親に向かって土下座していた。
「……あ?」
「親父を殴ったことも、侮辱したことも全て謝る。今、どうしてもサンタの力が必要なんだ」
 床に額をこすりつけて、懇願する玉助。
「一つ聞いていいか?」
「なんだ」
「お前がサンタをしたい理由はなんだ?」
 玉助の脳裏に少女の顔がよぎる。その表情は今にも壊れそうで、思い出すだけでもせつなさで胸が締め付けられた。
「それは>>180
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:42:41.71 ID:DxFSmz6xO
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:43:40.84 ID:13T+V8XCO
子供の夢を叶える親父ならいうまでもない
181サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 20:52:32.19 ID:QGXFWA9z0
◆◆◆◆
 赤い衣装をまとった玉助が白い袋を抱えて、空へと消えていく。
 次元移送を行ったのだ。
「いいんですか、お父さん。行かせてしまって」
「仕方ないじゃないか。あんなことを言われてしまったんじゃ……」
 親父は先ほどの言葉を場面を思い出す。
 
「お前がサンタをしたい理由はなんだ?」
「それは……」
 玉助はまっすぐに父親の目を見てこう言った。
「子どもの夢を叶える親父ならいうまでもない」
「…………これは一本取られたな」
 子ども達の希望を叶えてやるのがサンタの仕事。それは自分の子どもとて例外ではない。
 今、本気でしたいと言っていることを反対するのはサンタとしても、そして親としてもよくないだろう。
「そんな俺にサンタをする資格があるのか分からない。
 だけど、どうしても『俺は』彼女にプレゼントをしたいんだ。『サンタはいるんだ』って!」
「行きなさい、玉助。そして、彼女に最高のプレゼントを渡してあげなさい」
「親父っ! ありがとう」
「サンタの力、見せてあげなさい」
182サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 20:56:40.90 ID:QGXFWA9z0
◇◇◆◆
「お前の臓器は買い手がいなかったからな。この年になるまで待っていたんだよ」
 あの日、少女の家にやってきた犯人:裏御伽 死衣蔵が赤く濡れたワンピースにナイフを突き刺す。
「っ……」
 ずぶっと白い雪原から赤い泉が湧き出た。
「なんだ、その目は……? もっと恐怖に怯えた顔をしろよ。つまらねぇヤツだな」
「生きていても仕方ないもの……」
「そうかよ。じゃあ、もう少し趣向を変えてみるのもいいかもな」
 鋭利な刃が少女の服を切り裂いた。
 左右に引き裂かれた服の下には、若干のやせ気味ではありながらも、有り余る若さが漲る肉体があった。
「…………」
「つまらない下着だ。今日くらい、もっと男を喜ばせる下着をつけたらどうだ?」
「あなたを喜ばせる理由はないわ」
「やっぱりあの時、1年前にしておくべきだったな」
「後悔先に立たずよ」
「うるせえっ! てめえ、自分の立場が分かってねえようだな」
 裏御伽の拳が少女の顔面をとらえる。
 拳が触れる瞬間、その手が何者かに止められた。
「っ!?」
「メリークリスマス☆」
 ひどく陽気な声が部屋に響き渡った。
「だ、誰だてめぇ? どこから入った?」
 部屋の中に突如現れた赤い服を着た白ヒゲの男に、驚く裏御伽。
「誰って、そりゃ決まっているだろ? サンタクロースさ」
「サンタだと、ふざけやがってっ! 俺の邪魔するな」
「お前には、これをプレゼントしてやるよ」
 サンタクロースは白い袋の中から、>>183を取り出し、裏御伽に投げつけた。
「な、なんだこれは?」
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 20:57:15.13 ID:6RXiaoU80
幼女
184サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 21:08:21.83 ID:QGXFWA9z0
「お前には、これをプレゼントしてやるよ」
 サンタクロースは白い袋の中から、幼女を取り出し、裏御伽に投げつけた。
「な、なんだこれは?」
「幼女だよ、知らないのか? お前が一番欲しがっていたものじゃないか」
「キヒヒッ、アタシ幼女。よろしく、オニーチャン」
「幼女たん、ああ、幼女たんはぁはぁ……!」
185サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 21:09:15.59 ID:QGXFWA9z0
「な、何……どうしたの?」
「なぁに、サンタの力で幸せな夢を見てもらっているだけさ」
「幸せ……私には無いものよ。夢の中を探しても幸せなんて無かったわ」
「所詮夢だ。夢が幸福であればあるほど、現実に戻った時の反動は大きい。覚めない現実が幸せな方がいいさ」
 サンタクロースは少女に向かって微笑みかけ、帽子を取った。
「おい、大丈夫だったかっ!?」
 素に戻り、慌てたように少女の心配をする玉助。
「玉助君……」
「良かった、ここに来たらいきなりお前がハンター山崎に襲われていたからびっくりしたぞ」
「し、心配してくれるの……?」
「当たり前だろう? それに、一緒にクリスマスパーティやるって言っただろ?」
「う、うん……。でも、どうしてここに?」
「それは……俺がサンタだからさ」
「ぷっ……何それ。おととしはあんなにサンタの存在を否定してたのに……」
 少女は軽く笑った。
 その笑みを見て、玉助の心は温かくなる。雪が解けて春が訪れたように。そして、何かが芽生える。
「そうだ、プレゼントをあげなくちゃっ……えっ!?」
 袋の中に手を差し入れる玉助。
 しかし、袋の中からは何も出てこない。
「どうしてだよっ!? なんで何も出てこないんだよっ!?」
(俺が大器晩成型だからか? くそうっ!)
「どうしたの?」
「どうして、お前の欲しいものが取り出せないんだ」
「!」
「やっぱり、俺のサンタとしての力が足りないからなのかっ」
「ふふっ……欲しいものならここにあるよ……。だって私の欲しいものは>>187だから」(ラスト)
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:14:39.49 ID:M2w/X33D0
あなたのラブ
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:16:10.35 ID:pa1m3FQFO
お前の生き血
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:16:49.36 ID:6RXiaoU80
貴様の命
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:16:56.42 ID:QGXFWA9z0
>>187
ギャーーーー!
190サンタ ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 21:20:13.79 ID:QGXFWA9z0
「やっぱり、俺のサンタとしての力が足りないからなのかっ」
「ふふっ……欲しいものならここにあるよ……。だって私の欲しいものはお前の生き血だから」
「えっ……」
「メリークリスマス……」

 ある少女はサンタを強く望んでいた。
 だけどそれはある日、不幸の色に染められた。
 それを知った本物のサンタさんは、彼女を可愛そうに思い助けました。
 よくある御伽噺だと思う。
 でも、目の前で泣いている女の子に手を差し伸べるのは当然の行為だろう。
 それが好きな女の子なら尚更。
 ただ、それがちょっとドラマチックになってしまっただけさ。
 それに幸せは、通り過ぎた道に作られていくもの。
 雪についた足跡、それが幸せの道しるべ。
 ただ、耐えられなくなってしまったのかも知れない。


「サンタはなんていない……もういない」


 fin
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:21:09.67 ID:+/l8iTsm0
どうなったんだ?
192佐々原海 ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 21:23:00.27 ID:QGXFWA9z0
あとがき
 こんばんは、佐々原海です。
 久々の3時間枠なのに、平気でぶっちぎってしまってごめんなさい。
 とりあえず、やりたいことやらせていただきました。
 まあ、例年、クリスマスはシリアス投下してるんで、半分くらい予想がついたとは思いますが。

 後半になって時間が足りないことに気付いて、急ピッチに話を進めてしまい、
 とんでもないことになってるんじゃないかと怖い怖いです。
 ……あれ、とんでもないバッドエンド? クリスマスなのに?
 まあ、タイトル通りっちゃータイトル通りなんですけど、(・3・)あるぇーーーーー?
 これがむりやり小説の魔力──!

 というわけで、お付き合いしてくださった皆様、大変ありがとうございます。
 来年もどうかよろしくお願いします。
 年内、あともう1回くらいやるかもしれませんけど。

 あと、ハッピーエンドなら、このBGM流そうと思ってた。
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm12734847

 皆様乙!

◆ピックアップー
「お前がサンタをしたい理由はなんだ?」
「それは>>180
>>180 子供の夢を叶える親父ならいうまでもない
 目からうろこでしたヨ!
193佐々原海 ◆Vk2GTiq8mE :2010/12/25(土) 21:24:31.96 ID:QGXFWA9z0
>>191
nice boat ライクなエンドですヨヨヨ。
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 21:27:41.66 ID:QGXFWA9z0
【12/25 (土) 21:04時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/27 (月)
  20:00〜23:00/十六夜 ◆16moonQpow氏 - たんぺん!


 曲名が『サイレント・ヒル』(※コナミのホラーゲームと同名)の時点で間違いだったのかも知れないなー。w
 月曜日は十六夜さんのたんぺん!です。
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 22:22:59.77 ID:+/l8iTsm0
【12/25 (土) 22:06時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/26 (日)
  14:30〜18:00/満月 ◆MOON69mNOA氏 - またお昼に頑張ってみるのです という訳で第八話
12/27 (月)
  20:00〜23:00/十六夜 ◆16moonQpow氏 - たんぺん!
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:16:30.04 ID:QGXFWA9z0
もしもサンタが幼女趣味だったら……
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:17:47.17 ID:6RXiaoU80
世界中の男の子は損をするであろう
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:29:46.22 ID:QGXFWA9z0
サンタ「うほ、いい幼女♪」
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:57:18.22 ID:DxFSmz6xO
幼女たちはまるで吸い寄せられるようにサンタのもとへと…
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:23:00.04 ID:nSMlT/790
幼女「おじーちん、ちょぉだぁい♪」
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:53:25.64 ID:nSMlT/790
サンタ「ふっ、どうやらワシの本気を知りたいようだな」
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:10:35.31 ID:nSMlT/790
こともあろうに、サンタのお爺さんはズボンから本気棒を取り出しました。
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:25:44.95 ID:J5RvUprFO
次の瞬間男の子たちが幼女を救おうとサンタに飛び掛かりました
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:01:47.28 ID:nSMlT/790
サンタ「おやおや、キミはもしかして、○○ちゃんが好きなのかな?」
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:20:18.53 ID:nSMlT/790
男の子「ち、ちげぇよ、お前が悪そうだからやっつけようとしてるんだ」
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:49:58.03 ID:nSMlT/790
サンタ「もし、私の味方をしてくれるというのであれば、好きなオモチャをやろう」
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 04:00:10.10 ID:nSMlT/790
男の子「じゃあ、ぼくPSPが6000個欲しい!」
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 04:23:45.26 ID:nSMlT/790
自分達の危機に気付いた幼女達は国家権力の召喚を始めました。サンタさん大ピンチ。
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 05:02:55.45 ID:J5RvUprFO
そしたら悪魔が召喚されてしまいました
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 07:44:52.91 ID:UHkbEnwH0
 
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 09:16:46.47 ID:L+wd5Lc7O
静寂…!ただひたすらに静寂!
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 11:23:13.64 ID:nSMlT/790
にらみ合うサンタと悪魔、それはやがて大怪獣の戦いへと進化していきました。
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:00:24.44 ID:UHkbEnwH0
幼女への欲望のパワーで巨大化したサンタは口から火を吹き
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 12:40:33.19 ID:nSMlT/790
男の子への欲望パワーで巨大化した悪魔は、口から放射能を吹き対抗、結果
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:00:50.38 ID:OQwLVnp80
北海道が沈没したどー!
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:27:13.89 ID:nSMlT/790
シベリア鉄道の中で、にやりと笑うロシア大統領。サンタと悪魔は
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:41:24.60 ID:J5RvUprFO
世界最強の男ミスターサタンに倒されて世界に平和が戻りましたとさ
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:44:35.51 ID:TNj7Vz0W0
第2話 新たなる敵
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:45:56.73 ID:nSMlT/790
ミスターサタンの前に現れた最大の敵、幼女! あの日、サンタが求めていたものは、幼女が求めていたものでもあった!
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:59:50.13 ID:nSMlT/790
幼女「ミスターサタン、貴様に世界最強は名乗らせない」
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:10:09.52 ID:J5RvUprFO
とここでネタばらし
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:10:51.91 ID:TNj7Vz0W0
ミスターサタンの頭はすでにメロンパン入れに変貌を遂げていた
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:11:26.54 ID:OQwLVnp80
なんとサタンがサンタでサンタが世界最強だったのだ
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:18:56.52 ID:nSMlT/790
幼女「ならば、サンタを倒して私が世界最強になる」
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:25:52.38 ID:nSMlT/790
そして、幼女の戦いは始まった・・・

−完−
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:26:33.31 ID:nSMlT/790
【12/25 (土) 22:06時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/26 (日)
  14:30〜18:00/満月 ◆MOON69mNOA氏 - またお昼に頑張ってみるのです という訳で第八話
12/27 (月)
  20:00〜23:00/十六夜 ◆16moonQpow氏 - たんぺん!
227満月 ◆MOON69mNOA :2010/12/26(日) 14:32:30.04 ID:OQwLVnp80
幼女が大人になったらどうなるのっと。

性の6時間は終わったのだ……もう、性夜とは言わせない……!
ていうか、もう幾つ寝るとお正月ですよ……!

では、もう暫くお待ち下さい。


しかし、まさかスレが二日も存続するとは。
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:35:20.45 ID:nSMlT/790
世間は冬休みだしねー
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:39:11.34 ID:OQwLVnp80
〜主要人物紹介〜
【城ヶ崎 悠】(一条 悠斗)
本編主人公。元々軟弱男だったが、人造人間の少女となり、様々な出来事に巻き込まれてしまう。とにかく優柔不断娘。
【霧島 加奈】
霧を扱ったり他人の弱点を見破ったりと、様々な能力を持つ何でも出来ちゃう優等生。しかし実は残虐的な怖い娘。
【早乙女 渉】
主人公の親友。主人公にべた惚れであり、下心も満載の変態的人造人間。変身能力を持ち、謎のキャノンマニア。
【城ヶ崎 智和】
主人公を自分好みの改造人間に仕立てたイケメン。変態でドMで毎回踏んだり蹴ったりだが、実は色々と凄腕科学者。
【城ヶ崎 亜莉栖】
五話から登場したニコイチ娘。主人公を守護する役割を担うが、暇があったら妄想する変態妹。

〜脇役その他の方々〜(あまり登場しない方々とも言う)
【一条 佳澄】
主人公の姉。現在は若き女将として奮闘しているようですが、成果はさっぱりのようです。隠れエロゲーマー。
【沢渡 琴音】
こっそり主人公とレズ展開を夢見るクラスメイト。表向きは優しく良く気が付く娘なのですが……。
【安川 安治】
主人公のクラスメイトであり、口癖に「ッス」と付ける三下。しかし何気に男子代表になったりする。
【多摩野 カンナ】
クレープ屋でバイトをしている女子高生。おせっかい関西弁娘。最近登場しません。
【佐々原 亜理紗】
早乙女に片思いしている様子の女子高生。八方美人系ツンデレ。これまた最近(ry
【小野寺 鞠華】
旅館『銭形警部』で料理人として働く事になった女子高生。しかし料理は出来ない良くあるオチ。
【二条 瞳】
学園の魔術師の異名を持つ女子高生。炎を放ったり氷を撒いたりと多芸なお嬢様。
【宮内 理子】
学園の奇術師の異名を自称する女子高生。将棋の駒をロボットにしたり暗黒の炎を出したり大変です。
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:40:15.00 ID:OQwLVnp80
〜 ひーろー千期 第八話『亀裂』 〜

――時は十一月半ば。学園祭が終わり、早乙女に誘われ、結局志願する形となった僕は、
この日から皆に内緒で二人で特訓をするようになった。
それは、筋力を鍛えたり、持久力を鍛えたりと、肉体改造を行うようなものではなく、
僕の中に眠る輝石を、今以上に強く引き出し、一人でも戦えるようになるという目的である。

「ん……ぅ、こ、これ以上は、うぅん……!!」
「まだ始まったばかりだろう。今は耐えるんだ」
「け、けど、声が……漏れちゃう……」
「敏感なんだな。その顔、悪くないぞ……。けど、これからが本番だぜ?」
「や、やぁ、そんな激しくされたら、僕、おかしくなっちゃうぅ……!」

猫じゃらしでひたすらに擽られる僕は思う。普通にくすぐったいだけだと。
以前もこんな風にすれば、力を引き出せるといって、一度だけ成功した覚えはあるのだが、
それはまだまだ微力であり、本来の力を引き出せていないという訳らしいのだ。

「早乙女ぇ……まだ、続けるの……!?」
「当たり前だろ。それに、アイテムは猫じゃらしだけじゃないんだぜ?」

そして彼にとって僕の能力を引き出す秘密兵器、>>231を取り出したのだ。
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:42:59.22 ID:UHkbEnwH0
ぬいぐるみ
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:43:50.55 ID:nSMlT/790
覚醒剤
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:48:25.90 ID:OQwLVnp80
そして彼にとって僕の能力を引き出す秘密兵器、ぬいぐるみを取り出したのだ。
それは今流行のイラックマという、見れば何故か苛々する、そんな表情をしたくまのぬいぐるみ。
これを僕の目前に出した早乙女は、なんと指でくまのぬいぐるみをいやらしく握るではないか。

「いいか、このイラックマはつまり今のお前だ!」
「な、何で僕がイラックマなの!」
「とにかく、そう置き換えておけ。そして、お前がこんな風に尻尾を握られ、擦られて……!」
「尻尾なんて付いてな――んぁ……!!」

僕が突っ込めば、猫じゃらしによるお仕置きが飛んでくる為、
早乙女がイラックマを弄ぶ様子を、黙って見つめるしかなかった。
イラックマは時折顔をしわくちゃに歪めながら、早乙女の指で身体を虐められていく。

「ほぉら、お前、凄く気持ち良さそうな顔してるぜぇ?」
「だ、だからそれは只のイラックマで……!」
「とは言うが実際のお前、結構顔が赤いぞ」
「そ、そんな事……!」

まるで暗示を掛けられたような気持ちだ。早乙女が指でイラックマの身体を弄る様を見ていた僕は、
次第に身体が熱くなっていき……>>234
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:51:38.04 ID:CGs6pRkI0
ブリッジの体勢のまま跳躍
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:52:22.82 ID:nSMlT/790
咳が出て、風邪を引いていることを自覚した。
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:57:00.00 ID:OQwLVnp80
まるで暗示を掛けられたような気持ちだ。早乙女が指でイラックマの身体を弄る様を見ていた僕は、
次第に身体が熱くなっていき……ブリッジの体勢のまま跳躍。
この際、飛んだ事はもう済んだ事。問題は着地に失敗して、早乙女をクッション代わりにしてしまった事だ。

「ぐぉぁ……お前、意外と重いぞ……!」
「う、うるさいな! これでも、女になってから食べる量は減ったんだぞ……!」
「けど、尻の感覚がまたまた、むちむちとして堪らんなぁ……ぐへへ」
「な……!」

慌てて飛び退いた僕は、きっと更に顔を赤くさせてしまっているだろう。
普通に考えれば、気持ち悪いと感情を抱くはずなのに、今は何故か胸を妙に高鳴らせてしまっている。
そんな様子の僕に、早乙女は先程の出来事を勝手に推測しはじめる。

「ちょっとまだ訓練が足りないな。慣れていない。 で、なんでお前はブリッジしたんだ?」
「わ、分かんないよ。しかも、気が付いたらジャンプしてた……」
「その意味不明な行動、嫌いじゃないぜ!」
「その言動が意味不明だから。……でも、こんな事で本当に僕、戦えるようになるのかなぁ?」
「安心しろ、俺が何とかしてやる。だから、俺に付いて来い! この早乙女師匠に!!」

この師匠に付いていった結果が>>237だよ。
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:00:40.38 ID:nSMlT/790
村一番の錬金術師
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:02:32.45 ID:L+wd5Lc7O
余計にドキドキが加速
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:07:36.86 ID:OQwLVnp80
この師匠に付いていった結果が村一番の錬金術師だよ。

何故僕達はゲームに興じてしまっているのだろうか。
しかもそれは、人気のアトリエシリーズの同人ゲームであり、とりあえずこれをやっとけ、といわれた僕は、
今ではすっかりその同人ゲーム『ムラサのアトリエ』にどっぷりである。

一方早乙女は、僕に夜食を作ってくれている真っ最中だが、時折聞こえてくる「ぐへへ」という笑い声に恐怖を覚えていた。

「早乙女、何作ってるの?」
「知りたいか、知りたいのかぁ!?」
「……一応、知りたいような」
「だが教えん! しかしお前、何だかんだでそのゲームに夢中だな」
「だって、この幼女ムラサちゃん可愛いんだもん……!」
「ほう、つまり俺がペドリャフカになれば、お前は俺を愛してくれるんだな!?」
「あ、それはまた別の話だから」
「つれねぇな。しかし俺は誓った。いつかお前を振り向かせるとぉ!! という訳で、磨れ」
「何コレ……。乳鉢に、ひまわりの種?」

今日からお前は錬金術師になるのだ、と訳の分からない事を言われた僕は、
とりあえず乳鉢に入れられたひまわりの種を磨り潰してみた。

するとあら不思議。>>239が出来上がったじゃないか。
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:11:46.11 ID:L+wd5Lc7O
人体錬成失敗したハム太郎
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:19:35.95 ID:OQwLVnp80
するとあら不思議。人体錬成失敗したハム太郎が出来上がったじゃないか。
やったね! とはとても言えない。普通にハムスター……とは呼べない姿のネズミが出来上がる。

「……なんか出てきた事の方が不思議だけど、早乙女……これは……」
「いやいや、お前は色々可能性があっていいなぁ! 俺なんてキャノンを生やせる程度の能力だからな」
「そういう問題じゃ……。この、手足だけ人間のハムスター、どうするの……」
「お前のペットになるんだろう。ほらみろ、ゴキブリのように這い回ってるぜ」
「うわぁ……気持ち悪い……」

名前を勝手に太郎と名付けた早乙女は、それを面白そうに見つめている。
一方、僕は太郎に飛びつかれ、寝そべったまま太郎に顔を舐められていた。

「ちょ、気持ち悪……ん……変な感じ……」
「太郎にまで発情するとは中々やるなお前」
「だって、変に舌遣いが上手くて……!」
「まぁそのまま聞いてくれ。お前はこうして様々な訓練を積んできた。
 そして、人体練成にまで成功したお前に、必殺技を授けよう!!」
「って、結局ゲームしてただけじゃないかぁ!!」

「ふふん、だが、今のお前なら放てよう。さぁ、その状態のまま感情を放出させるんだ!!」

そんなの無茶振りだ。と思いながらも僕はそれを試みて……>>242
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:21:29.05 ID:TNj7Vz0W0
全身から闇の力を放出した
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:24:08.57 ID:L+wd5Lc7O
>>242
黒い、黒いよ!
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:30:56.23 ID:OQwLVnp80
そんなの無茶振りだ。と思いながらも僕はそれを試みて……全身から闇の力を放出した。
真っ黒な煙のようなそれは、僕の身体から溢れ出し、太郎を飲み込んで消滅させてしまう。
何が起こっていて、僕は何て事をしてしまったんだ。と気付いたときには、早乙女のアパートは崩れ落ちていくのだった。

「お、俺のPS3が……XBOXも、同人ゲームも、全て無くなっちまった……!!」
「ごめん、早乙女……。こんな事になるなんて」
「お前、そいつはちょっととんでもねぇぞ。てっきり<<フルムーン>>とか言うくらいだから、月明かりをイメージしてたんだが」
「しかも、溶かしちゃうような能力だよこれ……。太郎、ごめんね……」
「とりあえず、感覚は少しは掴めたな。だが、多用はしない方が良さそうだ。
 出来れば犠牲者は太郎一匹に留めておきたいだろう?」

十二月に入り、訓練漬けの日々も疲れただろうと、早乙女は気分転換を提案した。
それは彼なりに言わせれば「デートしようぜー」という話であり、
たまには、二人でゲームセンターに行くのもいいかもと、あっさり引き受けてしまった。

「どうだ、俺の考えた月光砲って必殺技は。使いこなせるようになったか?」
「闇と光が交わって最強に見えるのは良いんだけど……。名前、もう少し何とかならなかったの?」
「バッカお前、キャノンは最強だ。キャノンこそ至高! キャノンは正義!!」
「僕は、幼女の方が正義だと思うけど」
「お前の性癖はおかしい。誰が聞いてもおかしいぞ」

と、二人で駄弁りながらもゲームセンターにやって来たのだが、
早乙女はゲームにあまり乗り気では無さそうで、ウルトラキャッチャーで遊ぶ僕を冷めた目で見つめていた。

僕がどうかしたのかと尋ねれば、>>245
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:33:22.85 ID:nSMlT/790
「だって、それ18禁プライズキャッチャーだぜ。まっさきにそれかよ」
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:33:41.81 ID:L+wd5Lc7O
クレーンゲームやってるとお前のおごったクレープ思い出す
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:33:48.69 ID:CGs6pRkI0
今月残りの食費つぎ込んだ挙句一個も取れてない
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:38:04.55 ID:OQwLVnp80
僕がどうかしたのかと尋ねれば、「だって、それ18禁プライズキャッチャーだぜ。まっさきにそれかよ」と返す。
ぺどわふたーのフィギュアがあるんだ。そりゃ、取らなきゃ駄目じゃないかと思ったのだが、
早乙女はどうやらもっと違う事を考えていた様子なのだ。

「じゃあ、どうすれば良かったの?」
「普通にぬいぐるみを取ろうとして、あーん、取れないよぉ、って言ったりとか、
 二人でガンシューティングで遊んで、えっへんって威張ったりとか、
 一緒にプリクラ撮ろうと言って、互いに顔を寄せて恥ずかしがったり、とか?」
「ギャルゲーのやり過ぎだと思うよ。病院に行こうっか」
「俺はな、デートって言ったんだ! デートがしてぇんだよぉぉ……!!」

と、唸る早乙女。何だか見ているこっちが恥ずかしくなってしまう。
仕方ないなぁと息を吐いた僕は、彼の妄想に乗る事にした。
訓練でお世話にもなったし、それくらいは霧島さんだって許してくれるだろう。

全て早乙女の奢りで、彼の妄想に付き合った僕はすっかりへろへろとなってしまい、
早乙女はというと、財布は気にしながらもご機嫌の様子。常ににやけた顔がやや怖い。

「で、次は僕とどんなデートがしたかったの?」

「そりゃ、ゲーセンと来たら次は>>249がギャルゲーの王道だろうよ!」
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:41:06.15 ID:L+wd5Lc7O
またまたクレープ屋
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:41:30.25 ID:CGs6pRkI0
全日本カバディ選手権の観戦
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:41:43.80 ID:nSMlT/790
京都
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:47:30.32 ID:OQwLVnp80
「そりゃ、ゲーセンと来たら次はまたまたクレープ屋がギャルゲーの王道だろうよ!」
「またまた、なの?」
「そうだ、たまたま、またまたであって王道だ!」
「まるで意味が分からない……。これが、若さなのか……!」

――相変わらず市立公園にあるクレープ屋の屋台は繁盛している様子だった。
特に女子に人気のそのクレープ屋の周囲には、男だった時なら僕でも少しは食いつきそうなくらい花が咲いている。
やはりというか、早乙女もその女の子達に反応するが……。

「いや、俺には悠という女が居るのだ。自粛しなければ」
「もし僕が純粋に女の子だったら、その台詞を聞いたらドン引きすると思うんだ」
「まぁー細かい事はいいじゃないか。クレープ一緒に食おうぜ! 二人で一個な!!」
「はぁ!? どうして僕がそんな間接キスみたいな事を!」
「でも、俺とお前、キスしてんだぜ? だから、そんな細かい事はいいじゃないか」

早乙女は豪快に笑う。そして、僕はその当時を思い出し、赤面する。そうだった。僕と早乙女は何度かキスしてしまっていたんだ。
改めてその事を思い出してしまった僕はすっかりクレープ屋の前で固まってしまっていた。
すると、何やら鋭い視線が僕の方へ向けられている事に気付く。

「おーい、カンナ。クレープくれ。タダで」
「それよりなによ、あの娘。アパートの壁破られたときに懲りたんちゃうの?」
「え、あー……懲りてます懲りてます。だからクレープくれ。タダで」

と、にやつく早乙女に、バイト中の多摩野さんは>>253
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:50:25.70 ID:nSMlT/790
そっとエプロンを外し始めた。
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:50:38.20 ID:CGs6pRkI0
大食いチャレンジの見てるだけで気分悪くなる巨大クレープを出した
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:57:34.36 ID:OQwLVnp80
と、にやつく早乙女に、バイト中の多摩野さんはそっとエプロンを外し始めた。
純白に幾つかクリームの跡が付いているそれを、風に乗せるように取った多摩野さん。
次の瞬間、早乙女は首を背後から絞められる形となってしまっている。

「この軽い口があるから、次々と女の子に手をだすんやね。舌、切り抜かなあかんなぁ?」
「ひ、ひぃ! 許してくださいカンナ様ぁぁぁ! もうしませんから、今日だけは許してぇぇ!!」
「だいたい、あの娘も何なん? ウチの事も知ってるくせに、堂々と一緒に街中歩いて!」
「悠は悪くない。俺が悪いんです。だから今日だけはぁ……!」
「白々しいわ! 今日の今日こそ許さへんで!!」
「ひぎゃあああぁぁぁ、死ぬ、死ぬゥゥゥ――!!」

ある意味平和だなぁ、と、僕は他人を見るようにその二人の様子を眺めていた。そして、多摩野さんは早乙女の耳元で何かを囁く。
その後に開放された早乙女の首には、強く締められた跡が残ってしまっていた。

「ハァ、ハァ……勝ち取ったぜ、クレープを! タダで!!」
「随分な代償だったね……」
「アイツに見られない場所で、二人で食おうぜ。そうしようぜ」

疚しい顔つきなのは、誰が見ても明白だろう。そんな彼に付いて行き、公園の隅の木陰でそれを食べる事に。
草原の生い茂った人気の無い付近。そこは何気に、カップルがこっそりちょめちょめする場所としても有名だった。

そこでクレープを僕が一口、早乙女が一口、と交互に食べていき……>>256
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:00:17.19 ID:L+wd5Lc7O
最後の一口を双方からかじり合う姿勢になってしまいましたよ…
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:00:50.95 ID:CGs6pRkI0
賞味期限切れの材料を混ぜられたのか仲良くお腹下してトイレに直行
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:06:43.64 ID:OQwLVnp80
そこでクレープを僕が一口、早乙女が一口、と交互に食べていき……、
最後の一口を双方からかじり合う姿勢になってしまいましたよ……。
互いに見つめ合った一瞬、早乙女のほうが動きが早かった。最後の一口を、僕の唇を銜えるように食べてしまう。

「んんぅッ!?」

前のキスもそうだったけど、早乙女ってキスする時は目を閉じるのだ。先に閉じちゃうなんて、卑怯だ。
おかげで僕はこのままで居ないといけない気分になってしまうじゃないか。
クリームの味が口中で広がっていく。そして、妙に緊張した唇は、きっと震えてしまっている。

少しの間だった。早乙女はスッと唇を離し、僕の口元に付いていたクリームを指で掬っては舐めてしまう。
その一連の行動に気持ちが落ち着かない中、早乙女は照れ臭そうに言うのだ。

「お前のクリーム、美味いなぁ」
「あ、あのさ、いきなりそういう事するのは……!」
「なら、事前に承諾を貰えるのか?」
「それは……。でも、訓練に付き合ってくれたし、それくらいなら……うん……」

俯いてそう言った僕に、今の早乙女がどんな顔をしているのか分からない。

だからこそ、アイツが>>259と言って僕の心臓は飛び出しそうになってしまう。
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:09:44.62 ID:UHkbEnwH0
近々最終戦争が起こる
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:14:39.65 ID:nSMlT/790
>>259
なにぃぃぃいxx
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:17:34.50 ID:OQwLVnp80
だからこそ、アイツが近々最終戦争が起こると言って僕の心臓は飛び出しそうになってしまう。
突然、こんな雰囲気で、早乙女は何を言い出すんだ、と思ったのだが、
あの時多摩野さんに耳打ちされた内容とは、詰まる話この事だったようなのだ。

「裏の連中が一つに纏まっちまったらしい。そして、世界を終わらせようとしてんだとさ。
 いや、そこまでは以前も話したな。いずれこうなるだろうと」
「……でも、それが最終戦争って、どういう事?」
「それくらい分かるだろう。奴等はお前の輝石を奪い、世界を終わらせようとしてるんだ。
 要するに、俺にとっても奴等といずれ、決着を付けなきゃならない。それも、近い内に」
「でも、今の僕なら自分の身を守ろうと思えば――」
「相手がどんなヤバイ連中だと思ってる!! それに、俺はお前が好きなんだ。愛してるんだ。失いたくない」

そして、学園祭の時に襲ってきた二条先輩達も連中の一味だろうと早乙女は言う。
学園内にも敵が居る事に改めて警鐘を鳴らす早乙女は、更に恐ろしい事を言い始めた。

「奴等、既に宙の輝石とかやらを持つ人造人間を作り上げたらしい。
 それに、太陽の輝石とかいうのも手に入れたとカンナは言っていた」
「でも、それくらいならまだ大丈夫なんじゃないの……?」

「既に、水面下で>>262という行動を起こしているっていう情報も入ってる。これは、最終戦争の前触れだな……」
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:21:00.58 ID:CGs6pRkI0
朝のラッシュ時に仮病を使ってわざと電車を止める
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:21:54.89 ID:L+wd5Lc7O
>>262
なんて恐ろしい事を…!
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:25:11.65 ID:nSMlT/790
>>262
やめてくれーー!
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:30:22.23 ID:OQwLVnp80
「既に、水面下で朝のラッシュ時に仮病を使ってわざと電車を止めるという行動を起こしているっていう情報も入ってる。
 これは、最終戦争の前触れだな……」
「……最終戦争って言う割りに、意外とショボい前触れじゃない……?」
「これの何処がショボいと言うんだ! 朝のラッシュ時だぞ! 社会人、学生達にとって、遅刻になってしまうという事は致命的だ!!」
「でも早乙女も僕も、結構な頻度で遅刻してるけど」
「それはそれ、これはこれ。環状線を停めてしまうなんて、連中、何を企んでるか知らないが……」

何やらブツブツと呟く早乙女だったが、僕にはとても危機感を感じられないでいた。
別に死ぬわけじゃないんだし、その程度で世界が終わる前触れ〜とか言われても、それで終わってしまう世界が見てみたい。
そんな簡単に解釈し、楽観的な僕がどこかおかしいのだろうか。と思う中、早乙女はふと顔を上げた。

「まぁ、お前だけは絶対守ってやる。例え俺が死のうとも、だ」
「それ、なんていうギャルゲーの台詞なの?」
「自作。ていうか、割と真面目に言ったつもりなんだけどな」
「うん、じゃあ守ってもらうよ。これでいい?」
「ああ。まぁ、良しとしとこう。さて、クレープも食べ終わったし、イチャイチャするかぁ」
「な、なんでそうなるの! ってか何処触ってるのさ!!」
「いいじゃないか、いいじゃないか」

とりあえず抵抗する僕だったが……>>266

266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:32:13.75 ID:L+wd5Lc7O
佐々原さんが妙にソワソワしながら歩いている…
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:41:28.59 ID:OQwLVnp80
とりあえず抵抗する僕だったが……。おや、佐々原さんが妙にソワソワしながら歩いている……。
早乙女の手が、僕の胸に伸びては触れようとした瞬間、佐々原さんは動き出した。
一瞬の出来事である。彼女の前蹴りが早乙女の顔面にヒットし、早乙女は仰向けに倒れてしまった。

「ちょっと隙を見せたら、直ぐこうなんだから……! アナタもアナタで、簡単に身体を触らせて、このビッチ!!」
「えぇぇ……。僕、こう見えても結構純粋なつもりなんだけど……」
「ま、それは置いといて。この馬鹿……じゃなくて、早乙女君は連れて帰らせて貰うわね。
 そうそう、アナタも気をつけなさい。アナタを罠に嵌めようと企んでる連中が居るみたいだから」

そう話しては、早乙女を担いではどこかへ去ってしまう佐々原さん。
早乙女が、彼女に僕の事を話したのか、なんだかんだで僕の身体の秘密は結構皆に知られてしまってる様子である。
それにしても、罠に嵌めようとしてるって、どういう事なのだろう。当時の僕は首を傾げては、夕陽を見つめていた。

――気の早い年越し蕎麦を食べ終えた僕達は、そのまま新年を迎える事になる。
本来なら、さぁ今年こそ頑張ろう、と気合を入れる場面なのかもしれないけれど、今の僕には到底不可能だ。
何かに心を引き裂かれたような感覚を抱きながらも、僕と早乙女は神社でお参りをする。

「悠、ところで何を願ったんだ?」
「別になにも……。そういう早乙女は?」
「俺か、俺はお前と今年こそ繋がるようにだな……!」
「……ネタでも気持ち悪いよ……」

ここ最近、環状線が強引な停止の仕方をした話は入っていなかった。
が、僕達が神社を出て、散歩でもして帰ろうかと話している際に、それは起きた。

今度は、>>268が停止している……!!
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:47:14.44 ID:UHkbEnwH0
内燃機関
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:47:47.14 ID:nSMlT/790
心臓
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:47:51.60 ID:L+wd5Lc7O
>>268
死んじゃう!
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:57:34.01 ID:OQwLVnp80
今度は、内燃機関が停止している……!!
自動車の全てが機能を停止。そして後に全ての乗り物が一斉に停止した事を知る。
当然の如く、各地で事故が多発し、それによる死者は相当の数となるらしい。

それは、乗り物だけには限らない。早乙女はそう漏らしていた。

「どういう仕組みだ……。どうして、大規模でこんな事をやれるんだ……!!」
「これ、どうなっちゃうのかな……」
「次々に機能がダウンしていくぞ。ほら見ろ、信号機だって動かなくなった」
「本当だ……。これって……」
「発電所が機能を停止した証拠って訳か。奴さん、ついに本格的に動き出したって事だな。
 最悪、人の命すら止めてしまったりな……いや、可能性としてはあり得るのか」
「そうだ、こんな時こそ、霧島さんに連絡を……!!」

そう僕が彼女の名前を出した途端、僕はそれ以上何も言えなくなってしまう。
僕は彼女が変わってしまったと思っている。そのせいで、彼女を嫌悪し始めている。
例えその行動が正しくても、僕には分かりたくないという一心でいる。単なる我侭なのかもしれないが。

早乙女は、意を決したかのような顔をしては、僕にこう言った。

「悪い、今まで黙っていた事だ。実は……>>272
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:58:09.11 ID:TNj7Vz0W0
俺はロボットなんだ
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 16:59:24.22 ID:L+wd5Lc7O
>>272
ハハッ!何を今さら
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:07:58.75 ID:OQwLVnp80
「悪い、今まで黙っていた事だ。実は……俺はロボットなんだ」
「それってつまり、僕もロボットって事だよね。人造人間なんだし……」
「お前とは違う部類だ。いや、寧ろお前達が人間らしすぎるって言うべきなのかな」

以前に重症を負った早乙女は、城ヶ崎の研究所で治療を受けた筈だった。
しかし、彼が言うにはあの時既に、助からない状態に陥っていたらしい。
その中で、城ヶ崎は早乙女に腕だけでは無く、ほぼ完全なる機械化を薦めたらしいのだ。

「俺が俺だった部分なんて、この皮膚と脳味噌だけだ。後の部分は、全て機械で作られてるんだ」
「そんな……。城ヶ崎が、そんな事を……」
「でもこうして助かっただけでも、儲けモンなんだぜ。だから、ヤツを責めるな」
「でも、でも……! それじゃあ、このままだと早乙女も……!!」
「まぁ、俺みたいな部類の連中から真っ先に命を落とすかもしれないな」

小さく、そして乾いたような笑みを浮かべる早乙女だったが、コイツだって死にたくは無い筈だ。
なんとかしなきゃ。そう思った瞬間、やはり僕は彼女の顔を思い浮かべてしまう。
今まで散々頼ってきて、勝手に一人で見限って、またこうして頼ろうとしている自分が醜いとも感じていた。

携帯は既に機能を停止させてしまっている。だからこそ、僕は一度早乙女を置いて、霧島さんの住まいに駆け出していた。
しかし、荒らされた部屋の惨状を見て僕は絶句する。何が起こったのかと……。

その中で、僕は>>275を発見する。
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:08:55.92 ID:nSMlT/790
浮遊大陸
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:09:40.41 ID:L+wd5Lc7O
昨日停止寸前の妹と霧島さん
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:15:06.99 ID:OQwLVnp80
その中で、僕は浮遊大陸を発見する。だがそれは、どう見ても模型である。
精巧に作られた模型の殆どは崩れ落ちているが、その部分だけはしっかりと残されていた。

「何だろう、これ……」

触ってみたり、睨みつけたりと、色々手を施してみたが、所詮は模型。何か動作をする訳でもなく。
その他に、どうして部屋が荒らされているのか調べてみたが、やはり僕に警察の真似事なんて向いていなかった。
彼女は居ない。連絡手段も無い。そして、早乙女の命が危ない。

「もしかして、この都市模型……この浮遊大陸みたいな場所が、あるのかな」

何か手掛かりが欲しい僕は、その場所に向かってみる事にした。
全力を出して疾走し、時間にしてほんの数分で、その場所に辿り着く事は出来た。
目印としては、妙な形をした台座にモニュメント。そして、その付近が浮いている筈である。

が、その場所は当然の如く地にあり、空を見上げても何かが浮いている様子は無い。

「……誰も居ない……。霧島さん! 霧島さぁん!!」

彼女の名を呼んでみるが、やはり反応は無い。しかし暫くして、>>278
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:18:35.24 ID:L+wd5Lc7O
何かカクカクした動きで介添人を連れた早乙女が追ってきた。
…あれは霧島さん?
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:26:12.76 ID:OQwLVnp80
何かカクカクした動きで介添人を連れた早乙女が追ってきた。
…あれは霧島さん?
しかも、早乙女に限っては新郎のような姿でいるじゃないか。どういう事なんだ。

「……結婚式、挙げようぜ。花嫁はお前だ」

何故か早乙女はそんな事を言い出す中、僕は霧島さんを見つめる。
普通に僕に笑顔を投げ掛けてくれる彼女に、ある意味救い舟を出して貰いたかった。
しかし、現実は考え通りにいかない。彼女はウエディングドレスを僕に着せようとするではないか。

「ちょ、ちょっと待ってよ! 今はそれどころじゃ……!」
「今こそ、そういう時じゃないかな」
「そんな、霧島さん! このままだと、早乙女は……!!」
「俺はいいんだよ。どうせ、どうにかしようったって、敵の正体が分からないんだ。どうしようもねぇ。
 それに、これはただの真似事だ」

諦めた顔をした早乙女を見て、僕は大人しく指示に従う事にした。
木陰で着替える事になり、その手伝いを霧島さんがしてくれる事になる。
その際に、僕は彼女に問いかけた。どうして、あんなメールを僕に送ったのかと。

すると霧島さんは、>>280
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:27:46.00 ID:nSMlT/790
貴方には重大な秘密があるのよ、と嘘を吹き込んできた。
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:30:25.56 ID:L+wd5Lc7O
>>280
嘘のような違うような
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:37:40.17 ID:OQwLVnp80
すると霧島さんは、貴方には重大な秘密があるのよ、と嘘を吹き込んできた。
それは、僕が勝手に嘘だと信じて、本当に何か秘密があるのかもしれない。けれど、僕には信じられない。

「じゃあ、どうして……殺したなんて、暗号文を!」
「暗号文? 暗号を送った覚えなんて……」
「それも嘘だ! ……霧島さん、一体何を知ってて、そして考えてて……」
「それよりも、着付けが終わったわ。さぁ、行きましょ」

手を取られた僕は、再び早乙女のほうへ向かう事になった。
やや苦しそうな顔をしているようにも見える早乙女は、僕の姿を見て、大きく目を見開く。
口から漏れる感嘆の声。そんなに、僕のドレス姿は良い物なのだろうか。出来れば自分で鏡で見てみたい。

「さぁ、始めましょう。汝、新郎の早乙女渉は――」

どうしてこうなっているのだろう。進行の全ては霧島さんが担い、僕が早乙女にどういう事かと尋ねたくてもそんな空気では無い。
台座のような所にモニュメントが飾られている広場で、僕達はこうして真似事の結婚式を執り行う。
そして、誓いのキスをするようにと、霧島さんがさらっと言うのだ。

「……悠、顔を上げて」
「早乙女……ほ、本気で、するの?」
「ったりめーだ……ここまで来て、今更引き下がれるか」

何度か口付けを交わしてしまっていた僕達は、厳かな雰囲気となってしまったこの広場で、またキスをする。
それは想像していた以上に短いキスとなり、それら一連の流れが落ち着いた時である。

突然>>283が起こった。
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:41:48.64 ID:J5RvUprFO
女神転生
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:51:15.74 ID:OQwLVnp80
突然、女神転生が起こった。
何故か、僕の身体が反応し、モニュメントが妙な光を放っていく。
その光は、地に呼応しては地響きを起こし、そして光は一瞬の間、視界を完全に奪ってしまうのだ。

まるで夢にいるような心地だ。僕は地に足が付いていないような感覚で辺りを見回す。
真っ白で、そしてどこか真っ黒な世界。誰かの名前を呼んでも言葉にならず、
手足を動かしても、その場で浮遊するような感覚に結局どうしようも出来ないでいた。

薄らと声が聞こえる。それは、徐々に僕に聞き取れるような声と化していく。

「貴女は、全てを終わらせる勇気はありますか?」

そんなまさか、全てを終わらせるってどういう事だ。
どちらにしても、答えはNOだと、僕は言葉にしようとする。それはやはり口に出せない。
が、意思はどうやら声の主に伝わったらしい。その女性の声のようなものは、更に続けた。

「では、どうして女神転生を行おうと?」

知らない。僕はただ、気が付いたらこうなっていただけだ。

ならば、と、声の主は僕に>>285という使命を課した。
そして目を覚ました時、周囲は>>286という風に化していた。
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:54:40.90 ID:L+wd5Lc7O
愛するモノドモを守り抜け
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 17:58:20.60 ID:nSMlT/790
夜が支配する世界
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:06:39.10 ID:OQwLVnp80
ならば、と、声の主は僕に愛するモノドモを守り抜けという使命を課した。
そして目を覚ました時、周囲は夜が支配する世界という風に化していた。
そこに光は無い。そして、駆け抜ける風はどこか悲しさを物語るような、そんな冷たい風。
モニュメントも光を失い、完全に機能が停止したと思わせるような静けさ。

「僕が、こんな風にしてしまったのか……!」
「年が明けて、その時が来ただけなのよ」
「そんな……。これじゃまるで世界が死んじゃったみたいじゃないか!
 それよりも、早乙女は……!?」
「そこで気持ち良さそうに眠っているわ」

この暗闇の視界にようやく慣れてきたところで、僕は眠っている早乙女に気付き、抱きかかえる。
眠っている? 嘘だ。呼吸すらしていないじゃないか!
機能を停止させてしまっているような彼の死に顔は、本当に気持ちの良さそうに眠っている様子。

「真似事とはいえ、彼にとって良かったのかもしれない。こんな風に死ねたのだから」
「……嘘だ。嘘だ嘘だ。全て……嘘だ!!」
「嘘じゃない。全て、実際に起こっている事よ」

それでも嘘だと言い張る僕の顔に、霧島さんの手がすぅっと伸びて……>>288
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:08:27.26 ID:UHkbEnwH0
僕の背後に迫っていた謎の怪物を撃ち抜いた
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:16:34.68 ID:OQwLVnp80
それでも嘘だと言い張る僕の顔に、霧島さんの手がすぅっと伸びて……僕の背後に迫っていた謎の怪物を撃ち抜いた。
眩しい光は一瞬にして収束する。それは、とてつもない程の熱を帯びていた。

「霧島さん、今の……」
「さっきの怪物は、全てを終わらせる為に生み出されたモノ」
「怪物……。どうして、そんなのが急に!?」
「それが彼らの望む世界の終わりの最終手段。そして、悠ちゃん、貴女は女神転生を行った。
 全ての道を切り拓けるとするならば、貴女、只一人」

愛するモノドモを守りぬけ。その声が再び聞こえたような気がした。
それは、僕にとって大事な人々を守り抜く事と同義とするならば、既に一人失われている事になる。
再び早乙女の顔を眺め、気が付けば僕は大量の涙を流してしまっていた。

「何で、先に死ぬんだよ……。僕を守るって言ったじゃないか……!
 これが、僕を守った事になるの……!? 答えろよ、早乙女ェェ!!」

瞳を閉じ、すっかり冷たくなった身体に、本来の薄らとした温もりは無い。
指一つ動かさなくなったその胸元で、僕はひたすら泣き叫ぶ。霧島さんも、それを止める事は無かった。

ただ、僕は早乙女との思い出を、繰り返し、繰り返し思い浮かべていた……。


――つづくのですか
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:19:46.66 ID:OQwLVnp80
〜〜次回予告〜〜

全てが終わろうとする中で、彼女は使命を受け動き出す。
それは、仲間を求め、愛する人々の為に戦い、世界に光を齎そうとする希望。
人々はそんな彼女を見て一様に言う。人類のヒーローと。

次回、第九話>>291 お楽しみに……ぃ?」
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:21:33.24 ID:L+wd5Lc7O
目を醒ませ!悪に堕ちた親友
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:23:52.60 ID:nSMlT/790
>>290
乙〜〜
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:26:15.54 ID:OQwLVnp80
次回、第九話『目を醒ませ!悪に堕ちた親友』 お楽しみに……ぃ?

なんと生き返ってしまうのですか!
今回で更にどうしよう……的な空気が漂っております。どうしよう!
とりあえず、第一部完的な雰囲気なのは間違いありません。ぼくたちのぼうけんは(ry

という事で以上で終わります。お昼にお付き合いありがとうございましたー。

明日のお昼も保守頑張るぞー
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:28:54.92 ID:00Pdxdjg0
乙!
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:30:24.88 ID:L+wd5Lc7O
>>293
乙っした!
そこはもう安価と満月氏とむりやり様にお任せするしか…
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:32:27.20 ID:nSMlT/790
【12/26 (日) 18:31時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/27 (月)
  14:30〜18:00/満月 ◆MOON69mNOA氏 - ヒーホー千期 第九話『目を醒ませ!悪に堕ちた親友』
  18:00〜20:00/佐々原海 ◆E9LrjYYP.A氏 - HappyEndを探して 無理矢理ねじ込む短編
  20:00〜23:00/十六夜 ◆16moonQpow氏 - たんぺん!


長時間、お疲れ様です。
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 18:52:06.39 ID:OQwLVnp80
ある日おじさんは散歩をしていましたのですが
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:07:58.22 ID:L+wd5Lc7O
痴漢免罪でブタ箱にぶちこまれやがりましたです↓
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:34:45.75 ID:00Pdxdjg0
――断崖絶壁、四方を海に囲まれた孤島
  移動手段は一か月に一回の船か、ヘリコプターによる移送のみ
  犯罪者の中ではこの名前を聞いただけで絶望に打ちひしがれるという
  通称「ブタ箱」と呼ばれる収容所であった ↓
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:45:07.47 ID:UNbzhA6c0
しかしおじさんは希望を捨てなかった ↓
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 19:54:50.83 ID:OQwLVnp80
時折わかめを頭に乗せ、「私キレイ?」と独り言を呟きながら↓
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:12:28.49 ID:L+wd5Lc7O
「君は〜薔薇より〜美し〜いぃ」
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:22:23.31 ID:nSMlT/790
と、同じく冤罪でブタ箱に入った、ムッキムキな親父と力を合わせて、脱出を画策、↓
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:54:42.78 ID:L+wd5Lc7O
芽生える友情、弾ける汗、飛び散る涙↓
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:57:13.19 ID:TNj7Vz0W0
今日、この日まで積み上げてきた毎日が俺にはある!
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 20:57:34.76 ID:r+M1tUFe0
時を重ねるごとに膨らんでいく憎しみがやがて愛しさへ変わり悲劇を呼ぶ↓
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 21:27:45.13 ID:nSMlT/790
「この拳がまた一つ悲劇を生むことになってしまう。だが、封印するのはこの戦が終わった後だ……」
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 22:05:22.21 ID:nSMlT/790
「その拳の強さが更なる悲劇を生むとなぜ分からぬ?」
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 22:26:03.82 ID:00Pdxdjg0
「力無き正義など役に立たない!悪を滅するには、純然たる強さが必要なんだ!!」
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 22:45:27.47 ID:UNbzhA6c0
「世の中に善悪などない。敵か、敵ではないか、というだけだ」
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 22:47:40.18 ID:nSMlT/790
(やだ……おやじ達の会話なのに、超カッコイイ……)
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 22:56:43.40 ID:L+wd5Lc7O
世間知らずな十代の小娘。俗に言う初恋である↓
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 23:12:50.74 ID:nSMlT/790
「ふっ、この拳が砕けるまで、そしてオレの偽りの罪が消えるまで戦い続けてやる……それが男の戦いだ」
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 23:35:53.54 ID:UHkbEnwH0
さっきからなんか難しい台詞が延々と聞こえてくるが全く興味が無いし眠いので無視する看守A
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 23:50:40.94 ID:nSMlT/790
逃げるチャンスだと、判断したオヤジとその友人。牢屋を自慢の拳でこじ開け、脱走を始める。だが、↓
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 00:28:46.15 ID:P9QAE7Lj0
その前に立ち塞がる看守の親玉。クズを見るかのような下品な笑みを浮かべて、ムチをペチペチしている。↓
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 00:29:25.31 ID:xDYM3IdIO
謎の小娘が二人の後をコッソリついてきてる事には全く気付いていなかった
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 00:45:52.99 ID:k1IKdBbZ0
それは一瞬の出来事だった。謎の小娘は看守の親玉の脳天を打ち抜いたのである。
これにはオヤジも苦笑い。
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:10:36.32 ID:YUvqIm6r0
少女が看守の死体を片づけるとおやじ達の牢に足を進めた
次の瞬間、銃口はこちらの眉間を狙っていたのだ
大ピンチである
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:50:36.94 ID:P9QAE7Lj0
「拳よりも強いものはいくらでもあるのよ……オジさま?」
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 02:46:25.84 ID:k1IKdBbZ0
しかしオヤジ達の鍛え上げられた肉体の前には弾丸など通用しなかった
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 05:10:01.44 ID:DJ8kTmVc0
しかし彼等は犬には弱かった
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 09:00:55.92 ID:0Rl8KjVr0
しかも犬は瞬く間に101匹に増えていた
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 09:54:16.40 ID:APms0FxKO
その名は101。彼女はエージェントなのだ!↓
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 10:23:43.13 ID:P9QAE7Lj0
少女「このブタ箱は腐敗に満ちている! 粛清しなければならない!」
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 11:10:38.45 ID:P9QAE7Lj0
「私達を殺そうと言うのか?」と問うオヤジに対して、少女は静かに首を振り、↓
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 11:43:23.34 ID:xDYM3IdIO
少女はおもむろに服を脱ぎ始めたのだ
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 12:13:18.72 ID:P9QAE7Lj0
少女の身体は傷だらけだった↓
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 13:03:23.84 ID:k1IKdBbZ0
看守B「あの七つの傷は…もしや伝説の…!」
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 13:34:37.97 ID:P9QAE7Lj0
少女が気合を込めた雄たけびを上げると、バリバリバリと服が破けていく……↓
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 13:56:08.65 ID:APms0FxKO
「きゃー!」
野郎三人の黄色い悲鳴がこだました…↓
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:28:56.01 ID:DJ8kTmVc0
「これが、これが初恋の味……ゴクリ」
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:36:00.10 ID:0Rl8KjVr0
【12/26 (日) 18:31時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/27 (月)
  14:30〜18:00/満月 ◆MOON69mNOA氏 - ヒーホー千期 第九話『目を醒ませ!悪に堕ちた親友』
  18:00〜20:00/佐々原海 ◆E9LrjYYP.A氏 - HappyEndを探して 無理矢理ねじ込む短編
  20:00〜23:00/十六夜 ◆16moonQpow氏 - たんぺん!
334満月 ◆MOON69mNOA :2010/12/27(月) 14:37:06.49 ID:DJ8kTmVc0
こうして少女はオヤジ連中を飼いならしたんだとさ ―完―


って事で時間が来ちゃいましたのでそろそろ……誰も居ない!?
とりあえず登場人物紹介は>>229を使いまわす方向で、
もう暫くお待ち下さい……。


ちょっとメギドラオン使いたいんですけど。
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:39:55.14 ID:APms0FxKO
わー開幕メギドラオンとか鬼畜ー
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:46:12.19 ID:DJ8kTmVc0
――ひーろー千期 第九話『目を醒ませ!悪に堕ちた親友』

こんな状況になっても、雨は降るものなのか。
空は闇に包まれたような暗さの中から、大量の雨が降り出したのは、僕が落ち着いた時だった。
それでも、心に大きな傷が出来てしまった事を感じていた僕は、まだこの場から動き出せずにいる。

「そろそろ、行きましょう」

同様に雨に打たれながらも、じっと僕の事を待っていた様子の霧島さんが、口を開いた。
その言葉に僕は反応しようとはしなかった。したくなかったのか、出来なかったのか、すらも分からない。
暫くの沈黙。そして、霧島さんがもう一度同じ事を繰り返した時。

「霧島さんとは、一緒に行けないよ」
「どうして?」
「僕は、一人で行く。……決めた事なんだ」

彼女は、どんな顔をしていたのだろう。雨足が更に強まり、周囲は雫が跳ねる音で満たされていく中、
微かに足音が遠退いていくのを確かに聞いた。それでも、僕は振り返ろうとしなかった。

「また……会いましょう。絶対」

霧島さんと僕は、こうして互いに距離を取る形となった。僕は、これで良かったんだと思っている。

そして、早乙女の身体を埋めるべきか、或いはこのまま一緒に旅をするか、
今度はそれでまたまた考え……>>337する事に決めた。
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:47:45.38 ID:0Rl8KjVr0
フリーズドライ
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:48:01.31 ID:sD5QB+aC0
ビックリマンを大人買い
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:48:46.01 ID:APms0FxKO
城ヶ崎に引き取ってもらう
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:52:20.18 ID:DJ8kTmVc0
そして、早乙女の身体を埋めるべきか、或いはこのまま一緒に旅をするか、
今度はそれでまたまた考え……フリーズドライする事に決めた。
問題は、その手段。僕の能力では、とてもそんな事は出来ない。

「……町並みは変わっていないんだ。きっと、人は居る……。
 なら、方法だって見つかる筈……」

僕は早乙女の身体を抱え、ゆっくりと歩き出す。
彼を失ったという精神的な疲労感は想像以上で、何度も転びそうになりながらも、
僕は一歩、一歩、ゆっくりと前へ歩き出していた。目的地は……とりあえず、あそこに行ってみよう。

「ちょっと待っていただけますかねぇ……。その身体、どこかへ運ばれると困るのですよ」

その時だ。どこからか男の声が響き渡り、僕は立ち止まり確認する。
目が慣れてきたとはいえ、やはり周囲は暗闇だ。どこに、誰が居ても遠距離では分からない。

「私をお探しですかね。まぁ、見えないのも無理はありません……。
 その身体と、貴女の輝石、両方頂きますよ……」

声が近づいてきている! そう感じ取った瞬間、僕は既に>>341という状態に陥っていた。
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:53:04.27 ID:APms0FxKO
全てを奪われた
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:53:52.55 ID:sD5QB+aC0
周りを忍者服の男たちに囲まれている
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:00:36.48 ID:DJ8kTmVc0
声が近づいてきている! そう感じ取った瞬間、僕は既に全てを奪われたという状態に陥っていた。
感覚の全てが失われている。何も聞こえないし、何も話せない。嗅ぎ取る事も出来ないし、勿論動き出す事も出来ない。
そこにやってくるのは恐怖という感情のみ。僕は、このまま何も出来ずに殺されてしまうのか。

いつまでこの感覚が続くんだ。違う、僕がそれを打破しなければいけないんだ。
僕は決めたのだ。愛するモノドモを守れと言われたんだ。僕にはまだ、大事な人がいっぱい残っている。

脳裏に浮かんだ様々な思い出。そして、出会ってきた人達。大事な人、そして、嫌な思い出。楽しい思い出。
それらを糧にし、心に力を入れる僕の身体の失われた感覚は、徐々に取り戻されていく。

「ハァ……ハァ……!!」
「抜け出したのですか。やれやれ、もう少しだったのですがねぇ……」
「さ、早乙女の……返せ……!!」
「その目、好きですよ。けれど返す事は出来ません。もう一度無に落ちて頂きましょう……!」

二度も同じ手は食うもんか、と身構えようとするが、力が入らない。
挙句、この長髪の男がどのような手段で僕の感覚を奪ったのかすら想像出来ない。

「……行きなさい」

そこへ飛んできたのは>>344。なんだか見覚えのあるようなペットでもあった。
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:02:45.34 ID:yUtD8wK+0
茶碗蒸し
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:02:45.93 ID:P9QAE7Lj0
触手が何本も生えたドラゴン
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:03:26.11 ID:0Rl8KjVr0
ペット…?
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:03:39.19 ID:P9QAE7Lj0
>>344
茶碗蒸しがペット……だと!?www
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:03:46.00 ID:sD5QB+aC0
蘇った太郎
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:06:00.43 ID:APms0FxKO
マテマテ、空飛ぶ茶碗蒸しモンスターかもしれない
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:08:28.79 ID:0Rl8KjVr0
>>349
だからソレは何なんだよwwwwwwwwwwww
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:10:50.22 ID:DJ8kTmVc0
そこへ飛んできたのは茶碗蒸し。なんだか見覚えのあるようなペットでもあった。
それは、明らかに鳥だ。だが、ほぼ原型を留めていない。
身体は勿論大きくなり、鋭い嘴は最早何でも飲み込めそうなくらい大きくなり、
羽は少し広げれば、簡単に風を巻き起こしそうな程優雅で、そして巨大で。

「あのハヤブサは、妄想のおかげでこんなに立派に成長しました」
「こ、これ……茶碗蒸しだったの!?」
「お姉ちゃん、遅れてごめんなさい。こんなにボロボロになって……」

亜莉栖の泣きそうな顔を見たのは、この日が初めてだった。
その泣き崩れそうな顔はほんの一瞬。直ぐに敵の方へ向いては、彼女は茶碗蒸しに攻撃命令を下す。

「アイツを、食べて」

一つ鳴いた、元ハヤブサの茶碗蒸し。長髪の男は怯む事は無かったが、聊かやり辛そうな顔をしている。
これはチャンスかもしれない。僕も、あの必殺技を打てば、この場を切り抜けられるかも……!
そう思ったのだが、感覚が奪われていた事もあり、思うように足が動かない。

「魔物と化した野鳥ですか。面倒くさいものを扱っているものだ……」
「逃さない。お姉ちゃんを虐めたヤツは、絶対に」
「これは怖い怖い。どうしましょうか、撤退しても良いのですが、このまま逃げるのも癪ですからねぇ」

と、頬を歪める敵は、置き土産に>>352
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:12:28.37 ID:P9QAE7Lj0
300Gと4200の経験値
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:14:29.88 ID:APms0FxKO
>>352
日本円じゃないの!?
354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:19:13.73 ID:DJ8kTmVc0
と、頬を歪める敵は、置き土産に300Gと4200の経験値をくれた……?

「茶碗蒸しはレベルアップした。旋風という技を覚えた。あたし達の勝利」
「……レベルアップって、何だかなぁ……って。早乙女の身体は!?」
「あの男に連れ去られた。死んでるみたいだったから、助けるべきなのか分からなかった」
「そんな! アイツは死んじゃってるんだ。安らかに眠らせてあげようと……くそ、くそぉぉぉ!!!」

雨で濡れた地面に拳に打ち付ける。あの男は、早乙女の身体に一体何をしようって言うんだ……。
それに、僕の事を知っている風にも思えた。間違いなくアイツは敵なのだ。
悔しい。何も出来ない自分が悔しい。今まで皆に頼ってばかりで、そして今も、亜莉栖に助けられて。

何度も拳を打ち付ける行為を、亜莉栖が止める。
気が付けばまた、僕は大量の涙を零していて、亜莉栖は黙って僕を抱きかかえるように包んでくれるのだった。

「……お姉ちゃんなんだから、もっと強くならなきゃ、だね」
「あたしが守る。守ってあげる……」
「大丈夫だよ……、今はまだ無理かもしれない。けど、亜莉栖の事を、僕が守ってあげるって言えるように、絶対に……」

――すごーい、飛行機よりはやーい。
なんてレベルじゃない。この茶碗蒸しに乗れると亜莉栖が言うから乗ってみれば、その速度は半端無く……。

僕達は>>355という良く分からない所にやって来てしまっていた。
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:19:57.63 ID:sD5QB+aC0
国立コサックダンス教室
356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:19:58.18 ID:k1IKdBbZ0
浮遊大陸
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:20:57.01 ID:APms0FxKO
アルターの森
358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:21:09.29 ID:yUtD8wK+0
ラブホテル街
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:22:32.21 ID:APms0FxKO
>>355
おろしや?
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:26:30.96 ID:DJ8kTmVc0
僕達は国立コサックダンス教室という良く分からない所にやって来てしまっていた。
目的地は城ヶ崎の居ると思われる研究室だった筈だ。なのにどうして……というか、県すら跨いでしまっている気がする。

「この茶碗蒸し、結構バカだから。……許してあげて」
「それよりも、どう見てもこれ、学校だよね……」
「多分、そう」
「一応、生きてる人がいるかもしれない! って、そう言えば亜莉栖は生き残ってる人、見た?」
「化け物に食べられてる人なら、たくさん見た」

やはり、あの時霧島さんが打ち抜いた怪物もそうだし、この茶碗蒸しもそうだし、
色々と異変が起こっているのは間違いない。きっと、動物が魔物になったりとか、そんな類なんだろう。
じゃあ人は大丈夫なのだろうか、と考えて……そこで思考を止めた。恐ろしくなったのだ。

校内、といってもそれはビルのような建物。そこのロビーに人気は無い。荒らされた形跡も無い。
エレベーターは当然の如く停止してしまっている為、僕と亜莉栖は階段で上の階に向かう事になる。

「お姉ちゃん、そう言えば何も食べてない……」
「言われてみれば、お腹空いたかも……。何か食べ物が落ちてないかな……なんて」
「コサックダンス教室で食べ物が落ちてるなんて、シュール」

それ以上にシュールな出来事が、僕達の目の前に立ちはだかる。
微かに光が灯っていた教室内で、>>362が行われているのだ。
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:27:35.40 ID:k1IKdBbZ0
バレエのように優雅なコサックダンス
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:27:57.47 ID:APms0FxKO
ロシア名物ボルシチパーティ
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:28:05.87 ID:0Rl8KjVr0
建国記念
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:34:48.23 ID:DJ8kTmVc0
それ以上にシュールな出来事が、僕達の目の前に立ちはだかる。
微かに光が灯っていた教室内で、ロシア名物ボルシチパーティが行われているのだ。

ただ、パーティが行われている訳ではない。コサックダンスを踊りながらボルシチを食べている連中が居た。

――それから暫くして、僕は楽しくダンスを踊りながらボルシチを平らげてしまっていた。
お腹が空いては戦は出来ないのだ。今の僕には、大量の栄養が必要だ。

「中々キレのあるコサックダンスに、その食べっぷり。惚れちゃうわねぇ」

と、僕に話しかけるのは明らかにオカマさん。彼……いや、彼女と呼ぶべき存在が、このパーティの主催者らしい。
何でも、避難民も交えて、皆で食事を摂ろうとなったらしい。
そして、この暗い雰囲気でただ黙って食事をするのも気が滅入る。という事で、ダンスを踊ろうとなったらしいのだ。

亜莉栖は遠くから僕の方を見つめている。だがあの様子は、関わりたくないという感じだった。
その彼女と僕と交互に見つめるオカマさん、チョバートフ長谷部さんは言う。

「アナタ達もこの状況から逃げてきたのね。大変だったでしょう」
「確かに大変っていうか、色々ありました。けど、何だか元気が出てきました!」
「やだぁ、凄く良い子じゃない……。惚れたわ、もっとたくさん食べちゃいなさい!」

そのパーティは、亜莉栖にとっては若干苦痛であったかもしれない。
けれど、僕には癒しにもなり、そして英気を養う事にもなり、楽しい時間が流れていた。

しかしそんな時間は、今の状況で長くは続かない。>>365が押し寄せてくるのだ。
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:35:24.87 ID:yUtD8wK+0
大津波
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:35:40.16 ID:P9QAE7Lj0
ガチホモの集団
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:41:31.13 ID:DJ8kTmVc0
しかしそんな時間は、今の状況で長くは続かない。大津波が押し寄せてくるのだ。
その轟音に気付いた亜莉栖は、僕に茶碗蒸しに乗って逃げるよう急かす。
が、この室内に一体何人の人が残っていると言うのだ。皆、パーティの際には楽しそうな、安堵の笑顔を見せていた。
そんな人達が、突然やって来た津波に飲み込まれて死んでしまうなんて。

「……僕だけ、助かるなんて出来ないよ」
「お姉ちゃん。言う事を聞いて。逃げないと――」
「駄目だ。皆を助ける。……僕に考えがあるんだ」
「ちょっと悠ちゃん、アナタ一体何をするつもり?」
「ちょっと、あの大津波を止めてくるよ」

どうせ死ぬのなら、僕も死ぬ。そして、この程度で死ぬような存在ならば、僕は所詮その程度の存在。
早乙女の身体を取り戻す事が出来ないのと、霧島さんに強くなった僕を見せられない事が残念だが。
ビルの入り口では、茶碗蒸しが羽ばたきながら津波を威嚇する。僕は茶碗蒸しに助力を求めた。

「さっき覚えた旋風、放ってくれないかな」
「ギャース!!」
「なんで鳴き声がギャースなんだろう。まぁいいや……いくよ。ボルシチパワー全開!!」

大津波に早乙女伝授の技、月光砲を放つつもりだ。それで大津波を止められるのなら、儲けものじゃないか。
拳に全身の力を込め、気持ちを一切消す。そして、大津波を睨み――放つ。

そしてその結果は……>>368
368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:42:11.41 ID:0Rl8KjVr0
崇められた
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:47:52.51 ID:DJ8kTmVc0
そしてその結果は……崇められた。大きな穴を開けた大津波は規模を縮小させ、その場で崩れ落ちていく。
その周囲は津波によって飲み込まれてしまったが、国立コサックダンス教室は無事であった。

「やったね、茶碗蒸し!」
「ギャース、ギャース!!」
「……喜ぶときは二回鳴くんだ……」

再びパーティの部屋に戻った僕は、目を丸くする事になる。
そこには三十人以上の人々が居た。その皆が、一斉に僕に歓声を投げ掛けてくれるのだ。
よくやった。ありがとう。助かったんだ。そんな声が次々と舞う中、僕は何かに浸ってしまっていた。

「これが、人を助けるって、キモチ……?」

しかし、その皆の表情とは一転、長谷部さんの顔は曇っている事に気付く。
他に何かあったのかと僕は尋ねたが、長谷部さんは少し間を置いて、僕にだけ聞こえるように言った。

「アナタ、人造人間だったのね」
「その事を知っている人、なんですか……?」
「少なくとも、輝石についてはプロフェッショナルだった。と言うべきかしらね」

コードネーム『ウォッカ』。その人物は、自分の行っている事を憎み、悔やみ、
こうして国立コサックダンス教室を開いたという経歴を持つ。が、実際組織から逃げ出した理由は、>>370だ。
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:49:24.05 ID:yUtD8wK+0
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:49:38.09 ID:APms0FxKO
人体改造の失敗によってオカマにされた
372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:50:37.23 ID:0Rl8KjVr0
ジンも出てくるのか?
373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:55:33.27 ID:DJ8kTmVc0
コードネーム『ウォッカ』。その人物は、自分の行っている事を憎み、悔やみ、
こうして国立コサックダンス教室を開いたという経歴を持つ。が、実際組織から逃げ出した理由は、恋だ。

「そう、恋……。アタシは、ジンを愛してしまったのよ」
「……一応聞きますが、ジンって、男の人ですよね」
「そうなの。イケメンで、人造人間を作り上げる手腕はまさにクリエイターと呼ばれる存在に相応しかった。
 まぁ、そんな名の輝石を使っての事なのだけれどね」
「イケメン……なんですか」
「そうなの。彼も組織を抜け出し、フリーでやっていく事を決めたらしいけれど、暫く連絡は取れていないのよ」
「へぇ……。今でも、その、好きなんですか?」
「勿論、愛しているわ。けれど、会う事はしないつもり。だって、ねぇ……男同士の結ばれない愛だもの」

それは、ジンと呼ばれる人物もこの長谷部さんを好いていたら言える話なんじゃないだろうか。
しかし、まさか此処でそんな大物と出会う事になるとは思わず、僕も心なしか身構えてしまっていた。
そんな僕の方をぽんぽんと叩いた長谷部さんは、豪快に笑い出す。

「なぁに、襲うつもりはないし、S級の輝石を持つ娘に叶うハズもないんだから」
「は、はぁ……S級て……」
「それよりも、アナタ、これからどうするつもり?」
「人を探してるんです。しかも、いっぱい」

なら力を貸してあげようと、長谷部さんは>>374という能力を持つ輝石を僕にくれた。
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:56:23.00 ID:k1IKdBbZ0
動物と話せる
375以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:03:17.93 ID:DJ8kTmVc0
なら力を貸してあげようと、長谷部さんは動物と話せるという能力を持つ輝石を僕にくれた。
使い方は簡単、スロットに嵌めてください。と長谷部さんは言うが、僕はそんなタイプではない事を告げる。
すると長谷部さんは顔色を変えて、色々と僕について話を聞いてくるではないか。

「……城ヶ崎智和。それが、彼の名前なのね」
「はい……。あの、まさかと思うんですが、やっぱり……なんですか?」
「彼の才能なら、次世代型を必ず成し遂げると思っていたのだけれど、まさか、アナタみたいな娘を造ってしまうなんて」
「あの変態ドMのオッサンが、この人の相棒だったなんて……」
「ねぇ、どうだったの。まだイケメンだったりするのかしらぁ?」
「……ご想像にお任せします。何なら、これから会いに行く一人でもありますから、一緒に来ます?」
「それは……止しておくわ。未練が残るもの」

長谷部さんとは、こうして別れることになった。
また、何か困った事があれば会いに来なさい、という長谷部さんを、亜莉栖は嫌っている様子。

「あのボルシチ長谷部って人、あたし嫌い」
「チョバートフ長谷部さんだよ……。どうして嫌いなの?」
「なんか、臭い。きな臭い感じがする」
「確かに、ちょっと体臭キツかったね……」

茶碗蒸しに乗り、今度こそ再び学校へ。と……その前に例の輝石を使って茶碗蒸しと話をしてみよう。
別に体内に埋め込まなくても、多少ならば扱う事は出来るだろう、なんて言っていたけれど……。

そう思い、輝石を掲げてみる。すると茶碗蒸しから、>>377って言ってる声がする。
376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:05:29.10 ID:DJ8kTmVc0
はぁ〜ハワイアンな彼女ほっしいっすわぁ〜
377以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:09:21.48 ID:0Rl8KjVr0
新しい血族が支配する新しい生態系…
378以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:16:17.46 ID:DJ8kTmVc0
そう思い、輝石を掲げてみる。すると茶碗蒸しから、「新しい血族が支配する新しい生態系…」って言ってる声がする。
何を言ってるのかと亜莉栖が尋ねる。僕はそのままを彼女に返すのだが……。

「あたしの妄想癖が移ってしまった」
「あんたのせいかぁぁぁ!! ……ええっと、茶碗蒸し、聞こえる?」
「我の眠りを妨げる汝は何者ぞ……」
「……さっきから起きてるじゃないか」
「ギャース! 我とした事が、とんだ失敗をしたものだ。ギャハハハ」
「……話、出来なくても別に良いかもしれない、コレ……」

そんな妄想気味の茶碗蒸しに僕は城ヶ崎の研究所に向かうよう、改めて指示をする。
確かにこのハヤブサ、馬鹿だ。何度場所を言っても分かってくれないならまだ良いのだ。

「おぉ、あんな所にぎゃるのぱんちぃ〜が落ちておるわ。愉快、愉快ぞぉ!!」
「だから、一々拾いに行かなくていいんだってばぁ!!」
「だがしかし、ぎゃるのぱんちぃというモノにも命が宿っているのではないかな」
「何その危ない精霊……。そんな事よりも、早く城ヶ崎に会わなきゃいけないんだ。急いでよ!」
「やれやれ、ご主人よりもせっかちなヤリマン娘だ……これでは新しい血族が――」
「誰がヤリマンだこのアホウドリ!!」

城ヶ崎はジンという肩書きを持ち、僕を生み出しても尚、裏組織に貢献していたのだろうか。
だとすれば、この事態を引き起こしたのは彼の所業だって言える訳なんだ。
それに、彼はいつも惚けている様子だったが、やはり色々な事を知っている筈なんだ。

それから数時間後。ようやく例の研究所に辿り着いた僕達が見たものは、>>379
379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:17:42.67 ID:APms0FxKO
研究成果を全て盗まれ脱け殻の城ヶ崎
380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:25:39.12 ID:DJ8kTmVc0
それから数時間後。ようやく例の研究所に辿り着いた僕達が見たものは、研究成果を全て盗まれ脱け殻の城ヶ崎。
丸裸で仰向けに倒れて、魂を抜かれた様子を見た僕は、ついつい吹き出してしまっていた。

が、事態はそんな楽観的な問題ではないらしい。彼が意識を取り戻し、股間を葉っぱ一枚で隠しながらも、
僕達に何があったのかを教えてくれた。
突然訪れた、各地での機能停止事件。その後、暫くして闇が訪れたという中、彼はいよいよこの場所を引き払うかと重い腰をあげた。

が、いい加減彼に多額の金を払うのも嫌気が差したのか、はたまた違う理由があったのか。
結果的に彼は闇に乗じてやってきた何者かにより、様々な資料やサンプルを奪われてしまうのだ。

「おかげで、キサマのサンプルも奪われてしまった……。いずれ、お前みたいな敵が現れるだろう」
「僕のサンプルって、体細胞やら遺伝子レベルで僕を生み出したって言ってたけど……」
「奴等の技術も中々なものでな。俺はただ、それを短期間で生み出せるというだけの能力しか持ち合わせていない。
 が、積み上げてきたものが奪われた今となっては、ただの歳相応のオッサンとなってしまったな」

珍しく、城ヶ崎は失望したような笑みを見せる。いつもなら、野心の塊といったような顔しか見せない癖に。
僕は言った。また、いつもみたいに変態的な発言をしてみろ、と。しかし、彼にそんな気力は残っていない。

「そうだ、僕、ウォッカって人に会ったよ! チョバートフ長谷部ってオカマさんになっていたけれど、
 まだ城ヶ崎の事を愛しているんだって!!」

その事を聞いた城ヶ崎は>>381
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:28:56.12 ID:0Rl8KjVr0
「知らなかった…」
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:34:56.32 ID:DJ8kTmVc0
その事を聞いた城ヶ崎は「知らなかった…」と漏らし、気絶した。
余程ショックであったらしい。泡すら吹き出した彼を、僕は茶碗蒸しに乗せて亜莉栖と相談する。

「とりあえず、馬鹿一人を確保しました。妹さん、これからどうしましょう!?」
「他に救い出したい人を思い浮かべるべき」
「うぅん……お姉ちゃんはなんだかんだで、僕と同種の存在だし、案外しぶといからまだ大丈夫として……。
 そうだ、同じクラスの沢渡さん! 彼女は一般人だし、襲われたらきっとひとたまりもない!」
「じゃあ彼女の家に向かうべき」
「でも家を知らないし……。そうだ、学校……あそこに、皆避難しているかもしれない!」

こうして、僕は沢渡さん達を探しに、学校へ向かう事になる。
研究所から然程距離は離れていないにも関わらず、このバカ茶碗蒸しはやはり無駄な時間を過ごしてしまう為、
結局目的地に着いたのは一時間後となった。歩いた方が早かったと、僕は後悔する。

早乙女と、いつも面倒臭そうに通っていたその学校は、闇に包まれ異様な空気を放っている。
中に誰かいるのだろうか。いや、誰も居ない確率のほうが高そうだ。それでも、一応確認しておかないと……。
そう思った僕が校庭に一歩足を踏み入れた途端、以前、霧島さんが僕の為に植えた地雷が反応したのだ。

「うわぁっ!!」

その爆発音に反応し、一つの影が迫る。あれは……>>383
383以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:35:07.95 ID:VWtcsUN40
ようかんマン!
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:43:14.87 ID:DJ8kTmVc0
その爆発音に反応し、一つの影が迫る。あれは……ようかんマン!?
おのれ、幼女をたぶらかし、毎度のように襲っては幼女を鳴かせる悪党め。今日こそは許さない!

「ようかんマン、今日こそ年貢の納め時だ!!」
「はぁ〜、幼女以外興味ないんスけどぉ〜」
「何だと! 貴様、幼女を苦しめるなんて絶対に許さない!! いくよ!!」
「う、うわぁぁ〜幼女以外来ないで欲しいッスゥゥ!!」
「……ど、どこかで聞いた事のあるような口調だな……」
「俺ッスよ、俺、安川ッスよぉ!!」
「なんだ安川じゃないか……。でもなんで、安川がようかんマンなんかに?」
「これには色々事情があるんス。それよりも、学校ではもっと大変な事が起こってるッスよぉ!!」
「あの中で、もっと大変な事……?」

亜莉栖と僕、そしてようかんマン安川と共にいざ校舎へ入れば、突然襲い掛かるクマーに似た存在。
今度は何でこんな存在が、と思えば、そのクマーは手を止めて僕に向かって言うのだ。

「やぁ、キミに会えるとは思ってもいなかった」
「……その声、生徒会長の峰岸さん!?」
「分かってくれて嬉しい。……本当は、気持ちの悪い熊だと言われるんじゃないかと思っていた」

峰岸さんや、安川がこんな姿になった理由は、>>385
385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:43:30.80 ID:VWtcsUN40
魔法
386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:44:45.19 ID:APms0FxKO
>>385
またぶっとんだなぁ
387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:51:52.37 ID:DJ8kTmVc0
峰岸さんや、安川がこんな姿になった理由は、魔法だと言うのだ。
はて、魔法……? ついに輝石という存在は、魔法すら操ってしまうのか、と、僕は嘆く。

「で、その魔法使いって、まさか学園の魔術師!?」
「いや違う。彼女はこの学校に避難してきていない。その使い手は――」

その存在は、僕の教室に居た。呼吸を整え、僕はその教室の扉を開きその名を呼ぶ。
沢渡さんは、僕の机に座りながらこちらを見て、いびつな笑みを見せるのだ。

「アハハハハ、来ちゃった。来ちゃったんだぁ? 悠って、やっぱり私が欲しいんだぁ?」
「沢渡さん、一体何を言って……」
「だって、私達繋がってるんだもん。でしょう? けど、最近素っ気無くて、私、寂しかったんだよぉ?」
「どうしちゃったって言うんだ! 沢渡さん、元の沢渡さんに戻ってよ!!」
「沢渡沢渡って煩いな……。琴音って呼んでって言ってるでしょうがッ!!」

次の瞬間、彼女は掌から不思議な色合いの光を放つ。直ぐ傍にあった椅子が、なんとやる夫的な存在に変化していくではないか。

「ねぇ、そんな置物みたいになりたくないでしょ。なら、私のモノになるべきだよ……?」

きっと、彼女は輝石によって操られてるに違いない。なら、その輝石を潰さないといけない。
しかし、輝石は一体何処にある。腕か、足か、はたまた、内臓に埋め込まれていたりするのだろうか。

この状況を打破しようと僕は教室内を見渡す。ん、あれは……>>388。これは使えそうだ。
388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:53:52.33 ID:APms0FxKO
全裸喫茶の記念写真
389以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:56:58.68 ID:P9QAE7Lj0
国家権力
390以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:00:34.43 ID:DJ8kTmVc0
この状況を打破しようと僕は教室内を見渡す。ん、あれは……全裸喫茶の記念写真。これは使えそうだ。

――全裸喫茶でおもてなしをする事になった僕は、何だかんだで逃れたい一心でいた。
霧島さんは乗り気だし、沢渡さんは珍しく彼女に同調するし、結果的に僕は看板娘として担ぎ上げられる事になる。
そして、いざオープンとなるのだが、沢渡さんは僕を困らせるような事を言う。

「ねぇ、記念写真撮ろうよ。折角の学園祭なんだし!」
「あら、いい提案ね。沢渡さんとは珍しく意見が合ったわ」
「そうね、私も霧島さんとはほんと、珍しく意見があった気がするわ」

二人、妙な火花の散らし合いの後、クラスの女子皆で撮った写真が一つ。
そして、彼女は隠れて僕の一枚絵を写してしまっていた。それは、紐ブラが上手く結べず、胸が露になる瞬間の写真。

楽しかった日々の一つになったその写真が何故落ちているのか、僕はそれを拾い上げる。

「動かないで! それ以上動くと、本当にアスキーアートに変えてしまうから!!」
「……沢渡さん。この日、凄く楽しかったよね。僕はハラハラドキドキだったんだけど……」
「写真……? そんなモノを見せて、どうするつもり?」
「どうもしないよ。ただ、昔話をしたくなっただけ……。あの時沢渡さん、必死に全裸喫茶を推していたよね」

昔話を始め、彼女に変化が無いか様子を伺ってみると、>>391
391以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:00:48.88 ID:VWtcsUN40
怒っている…
392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:08:37.38 ID:DJ8kTmVc0
昔話を始め、彼女に変化が無いか様子を伺ってみると、怒っている…なんで?
全裸喫茶の話題は止めだ。そうだ、あの時の昔話をしよう。

「そういえば、一緒にカラオケにも行ったよね。あの時、お姉ちゃんが沢渡さんが欲しい〜なんて言ってたんだ。
 びっくりだよね。男装までしてさぁ……アハハ」
「……はぁ?」
「え、ええっと。そうだ! お昼休みを独占された時、いつもお弁当作って来てくれたよね。
 アレ、苦くて卵焼きとか丸焦げで、美味しかったなぁ……。あーん、とかされちゃったりしてさ。アハハ……」
「茶番ね。だから何?」
「ぼ、僕は昔の沢渡さんに戻って欲しくって……」

それは嘘だ。ただ、彼女が動揺して隙を作ってくれれば、と思っていた。
けれど、実は本当だ。僕が説得して沢渡さんが元に戻ってくれれば、勿論その方が嬉しい。

「昔の私に、ねぇ……。フフ、アハハハ。これが本当の私って言ったら、悠はどうするの?」
「違う! 僕が知ってる沢渡さんはそんな人じゃ……!!」
「私は、こんな娘なの。何もかもが欲しくって、でも力が無くて、それでも貪欲で。
 だから、悠、アナタが欲しいのよ……。滅茶苦茶にしてやりたいの!! そう、私って凶暴……」

僕の説得は無駄になった。彼女の魔法による攻撃は僕の足元で弾け飛ぶ。

「私のモノにならないのなら、死んで」

冷めた目でそう言い退けた彼女は、とうとう大魔法>>393を唱えてしまう。

393以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:09:06.83 ID:VWtcsUN40
アブラカタブラ
394以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:12:16.72 ID:P9QAE7Lj0
エターナルフォースブリザード
395以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:19:11.83 ID:DJ8kTmVc0
冷めた目でそう言い退けた彼女は、とうとう大魔法アブラカタブラを唱えてしまう。
途端、僕の周囲から酸素が無くなっていくような感覚に陥ってしまう。
息が出来ない。苦しい。何処へ動こうとも、僕は金魚のように口をぱくぱくとさせてしまう。

「アハハ、死ぬよ、死ぬんだよ。悠は、私の手によって……死んじゃうんだ!」
「ぐ……はぁ、沢渡、さ……ん……」
「そんな事、させない」

後ろから、追いついてきた亜莉栖が沢渡さんを狙おうとする。が、彼女は瞬時にアスキーアートに変えられてしまう。
その光景を見た僕は、以前ならもう駄目だと諦めていたのだろう。
けれど、約束した。誓ったんだ。皆を守り抜くと……。だから。

「な、何をするつもり!? そんな事をしても、私が呼吸を止めることはないわ!!」
「……沢渡さ、ん……。僕の、大事な、とも、だち……」
「何を変なことを言って、身体を触って――」

ココだ。こんなトコにあったんだ。
輝石の微かな熱が僕の掌に伝わってくる。その部分を、僕は意識を失う前に、貫いた。
沢渡さんの苦痛の声と共に、僕の意識は失われていく。

――真っ暗な保健室って不気味だ。
目を覚ました僕は起き上がる。そしてふと隣のベッドを見ると、そこに沢渡さんは眠りに落ちていた。

彼女は魔法が扱える代償として、>>396を支払っていた事に僕は気付いてしまう。
396以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:19:25.65 ID:VWtcsUN40
397以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:20:10.27 ID:sD5QB+aC0
叔父さんの預金
398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:25:20.38 ID:DJ8kTmVc0
彼女は魔法が扱える代償として、魂を支払っていた事に僕は気付いてしまう。
元に戻った峰岸さんがやって来たのは、そう気付いた直後の事である。

「一連の流れを見ていたが、キミは一体」
「……こういう存在です。ところで、僕が取り出した筈の輝石は……」
「コレの事か。砕こうとしたようだが、簡単には割れないモノらしいな」
「それを……元に戻してあげたいんです。そうしないと、彼女はきっと、永遠に目を覚まさない」
「しかしそれは、彼女を再び暴走行為に走らせるのではないのか?」
「……僕が何とかします。だから……城ヶ崎、居るんでしょ。……何とか出来ない?」

僕がそう呼ぶと、彼はスゥっと影から姿を見せる。まるで覗いていたみたいで、趣味が悪い。
そんな彼は、峰岸さんと同じ台詞を繰り返したが、それでも構わないと僕は頷いた。

「少し時間が掛かる。器具が揃っていないからな。しかし……彼女は次世代型だ。
 はてさて、誰にこう改造されてしまったのか」
「世界がこんな風になる前は、彼女は普通の女の子だった……」
「さて、準備に入るので他の皆様は出て行ってくれないかな。しかしやれやれ、保健室で改造手術か……」

――彼女が目を覚ますまでの暫くの間、僕達は>>399で時間を過ごすことになる。
399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:28:52.52 ID:sD5QB+aC0
NASA
400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:29:17.32 ID:P9QAE7Lj0
ちょっと世界を救ってくること
401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:37:58.48 ID:DJ8kTmVc0
――彼女が目を覚ますまでの暫くの間、僕達はNASAで時間を過ごすことになる。
それは、アメリカ航空宇宙局という訳ではなく、僕達が機能を失われた学校を含めた本拠を、こう呼ぶ事にした。
『なんとしても 暗黒の 世界に 安息を』と名付けた僕は、えっへんと胸を張る。
が、安川や峰岸さんには非常に不評となり、亜莉栖は少し周囲を見てくると、茶碗蒸しと時間を過ごしてばかりだ。

「でも、いつかこの学校から宇宙へ飛び立てるとしたら、ちょっと素敵かも」
「城ヶ崎って、結構ロマンチストなんスねぇ」
「そうだな。意外と……いや、根っからかもしれないぞ?」
「えぇっ、僕ってそんな風に見えるのかな……」
「たまぁに根暗に見えるのは間違いないッス」
「うるさいな」
「い、痛てぇッス、脛を蹴るのは反則ッスよ!!」

こうして、皆で食料をかき集めては、その場を凌ぐ事一週間。沢渡さんは無事目を覚ますことになる。
その城ヶ崎の手腕だけは未だに衰えていない。そして、頭に残っている理論は、最早常人の域には留まらない。

「沢渡さん、気分はどう?」

僕と面会した沢渡さんは、最初こそきょとんとした表情をしていたが、>>402
402以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:38:53.03 ID:DJ8kTmVc0
あ、すいませんこれでラストにしますー↓
403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:40:27.61 ID:0Rl8KjVr0
輝石の副作用で記憶を失っていた…






フリをしていたがすぐにバレた
404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:40:45.81 ID:APms0FxKO
お姉ちゃんだあれ?
405以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:40:49.53 ID:sYNROhmPO
いつの間にか僕を憎悪の目で見ていた
406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:53:25.43 ID:DJ8kTmVc0
僕と面会した沢渡さんは、最初こそきょとんとした表情をしていたが、輝石の副作用で記憶を失っていた……。
慌てた僕が涙してしまったからだろうか、沢渡さんは僕の名前を呼び、ハッと口を塞ぐ。

「なんだ、記憶を失ったフリだったのか……」
「な、何よぉ……だって、私、色々と凄い事を……」
「ごめんね、痛い思いをさせちゃって……。けど、大事な友達が戻ってきてくれて、嬉しくて……」
「友達……? 私って、友達程度の存在なの?」
「え、ええっと、それって……」
「私、悠の事が好き。女同士だからとか、どうでもいい。好きなものは、好きなの」

そう見つめられて、告白されて、またあの時のように口をぱくぱくとさせてしまう僕を見た沢渡さんは小さく笑う。

「そうね……今の所は、冗談という事にしておいてあげる。その代わり――」

沢渡さんは、隙だらけの僕の頬に、ほんの一瞬だけ短いキスをする。
少しだけ顔を赤らめた彼女は、またクスッと笑い、僕は恥ずかしい気持ちもあり、頭をついつい掻いてしまっていた。

「親友、せめて、それくらいのポジションに置いてよね」

彼女はこうして、再び僕の前で元気な姿を見せてくれるのだった。
407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:54:47.67 ID:DJ8kTmVc0
――長髪の男を追ってきた私は、ようやくその男と対峙する事が出来た。
けれど冗談じゃない。神経を奪うなんて能力なんて扱うソレに、対抗する手段が見つからない。

「しかしまぁ、貴女も中々しつこい人ですねぇ」
「……悠ちゃんを殺そうとした人は、私が殺すわ」
「いやいや、中々彼女想いな方ですね。あんな風に態度を急変されても、尚もその娘の為に身体を張る。
 随分と美しい愛情の持ち主ですね」
「まるで、色々と監視してきたような言い方をするわね」
「ええ、罠を張り巡らせたのも、この私ですから。勿論……、思惑以上に彼女は成果を挙げてくれました。
 一人孤立したあの娘の輝石を奪うつもりでいたのですが、貴女というしつこい女に付け狙われた。
 おかげで、予定が滅茶苦茶です……」

黒い糸のようなモノを指先で遊ぶように揺らし、私に真相を打ち明ける長髪の男。
そして、その背後からもう一人、同じくらいの髪の長さをした女が現れる。
その女を、長髪の男はこう言った。

「これが、あの女……城ヶ崎悠のクローンです。そして間も無く、あの身体を使った第三次人造生命体が誕生する……!!」
「……貴方は……!!」

私の普段使っている能力は、その男に及ぶ間も無く全てを絡みとってしまう。ならば、と私は最後の輝石の力を解放させた。
それがどれだけ負担になろうとも、私は必ずあの娘を守り、この世界を彼女の為に在るべき姿にしてみせるのだ――


――つづくのです
408以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:55:36.24 ID:0Rl8KjVr0
乙!
409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:55:38.30 ID:DJ8kTmVc0
〜次回予告のこーな〜

NASAでの活動楽しいな、楽しいな!
あれれぇ? 何だか僕に似た女の子がボロボロになって倒れてるよ?
……おかしいな、なんだか胸が疼くよ……。

次回第十話『>>409』  お楽しみにぃ?
410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:56:28.65 ID:DJ8kTmVc0
↓〜時間がひぃぃ!
411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:57:14.69 ID:sD5QB+aC0
準決勝開幕! 中山兄弟の脅威!!
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:57:30.25 ID:APms0FxKO
ドッペルゲンガーと罪と罰
413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:57:44.84 ID:DJ8kTmVc0
ではでは、タイトルも決まりました事で。
皆様お付き合いありがとうございましたー!

って中山って誰ぇぇぇぇ!!!
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:58:51.09 ID:APms0FxKO
おちゅっした!
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:58:52.00 ID:P9QAE7Lj0
>>413
乙〜〜
416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:59:35.59 ID:sD5QB+aC0
乙カレー
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:59:53.56 ID:k1IKdBbZ0
乙!
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:00:02.97 ID:0Rl8KjVr0
【12/26 (日) 18:31時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/27 (月)
  18:00〜20:00/佐々原海 ◆E9LrjYYP.A氏 - HappyEndを探して 無理矢理ねじ込む短編
  20:00〜23:00/十六夜 ◆16moonQpow氏 - たんぺん!
419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:01:29.08 ID:P9QAE7Lj0
むりやり小説スレの皆様、連日お疲れ様です。
昨日買ってきたアイスを部屋の中に放置して、自然解凍してしまった佐々原海です。
先日は見事なバッドエンドをかましてしまったので、ハッピーな感じのヤツを書きたいと思い、僅かな時間に入り込みました。
十六夜氏の前座として、お付き合いいただけるとありがたいです。
満月氏の後はちょっと緊張します〜〜。

▼BGM カッコよく決めようぜ
ttp://www.nicovideo.jp/watch/nm12257013
 6連譜(かな?)がひたすらカッコいい。

〜HappyEndを探して〜

 クリスマスの日、俺に人生で初めての彼女が出来た。
 それはもう突然の出来事だったさ。

 だって、前々から気になっていた女の子からの告白だったんだから。

 しかし、彼女にあんな勇気があったなんて知らなかった。
 毎年飾り付けられる商店街のクリスマスツリーの前に行ったら、いきなり『>>421』(告白的な感じでお願い)って。
 そりゃまあ、メールで呼び出された時から期待していなかったワケじゃないけどさ。

 こうして、俺『>>423』と『>>424』は、付き合うことになったのである。
420佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 18:01:52.94 ID:P9QAE7Lj0
鳥忘れ 取ったら↓
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:06:26.90 ID:0Rl8KjVr0
私に味噌汁を作らせてください
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:06:45.98 ID:sD5QB+aC0
ベイブレードやろうぜ!
423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:07:23.78 ID:APms0FxKO
トイレの仙人
424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:08:15.15 ID:sYNROhmPO
市川海老蔵
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:08:38.06 ID:DJ8kTmVc0
示談とトイレとか酷いwwwwwwwww
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:09:00.13 ID:sD5QB+aC0
なんという組み合わせwwwww
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:14:14.62 ID:VWtcsUN40
カオスwwwww
428佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 18:15:13.22 ID:P9QAE7Lj0
 しかし、彼女にあんな勇気があったなんて知らなかった。
 毎年飾り付けられる商店街のクリスマスツリーの前に行ったら、いきなり『私に味噌汁を作らせてください』(昭和的な感じで)って。
 そりゃまあ、メールで呼び出された時から期待していなかったワケじゃないけどさ。

 こうして、俺『御手洗(トイレ)仙人』と市川海老蔵こと『海老蔵イチカ』は、付き合うことになったのである。

 彼女が出来た1日目、世間では冬休みになったことによって、俺達は自由だった。
 今日は一緒に、冬休みの宿題をやろうということで、>>に来ていた。

「こ、こんにちは、御手洗くん」
「や、やあ。海老蔵さん」
「…………」

 あれ? 反応してくれない?

「海老蔵さん」
「…………」

 またも反応してくれない。
 いきなり怒らせるようなことしちゃったかな?

 心当たりがあるとしたら、今日の待ち合わせに>>430くらいかな?

429佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 18:15:54.22 ID:P9QAE7Lj0
ぎゃーーー、今日も絶好調orz

今日は一緒に、冬休みの宿題をやろうということで、>>に来ていた。
   ↓
今日は一緒に、冬休みの宿題をやろうということで、>>432に来ていた。

430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:17:46.93 ID:k1IKdBbZ0
味噌汁は持って来るなと言った
431以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:18:17.51 ID:sYNROhmPO
ラブホ
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:18:27.77 ID:sD5QB+aC0
講談社
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:22:37.16 ID:APms0FxKO
講談社とは…自由研究かなんかか?
434佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 18:24:14.17 ID:P9QAE7Lj0
──講談社前

「海老蔵さん」
「…………」

 またも反応してくれない。
 いきなり怒らせるようなことしちゃったかな?

 心当たりがあるとしたら、今日の待ち合わせに味噌汁は持って来るなと言ったくらいかな?

御手洗「海老蔵さん、そんなに味噌汁が重要だったのかな?」
イチカ「ち、違うの」
御手洗「じゃあ、なんで……」

 海老蔵ちゃんは言おうか言うまいか、悩んだ後、小さくこう言った。

イチカ「……イチカって呼んで。じゃなきゃ、ヤダ」

 ちょっと頬を赤らめ、潤んだ瞳で俺を見つめて、答えを待つ。
 な、なんと可愛らしい反応! 恋する女の子がかわいいとは聞いていたが、確かにこりゃかわいい!

御手洗「イチカちゃん」
435佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 18:24:35.36 ID:P9QAE7Lj0
イチカ「呼び捨てで」
御手洗「イチカ」
イチカ「はい……」

 名前を呼ばれ、嬉しそうに頷くイチカ。最初から心臓がバックバクである。恐ろしい、デートイベントで俺の脈拍数がバンバンアップしてしまう!

イチカ「まずは、宿題……しよっか?」
御手洗「あ、ああ……」

 俺達は講談社の中に入ると、ワークデスクが並ぶ広間に入り込む。
 そして、編集中の社員を押しのけて、イチカは座った。
 彼女が荷物を置くと、視線を俺に向ける。その瞳は「どこに座るの?」と尋ねているみたいだった。
 俺は彼女の期待に応えるように、>>437に座った。
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:29:17.28 ID:0Rl8KjVr0
ノストラダムス
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:31:28.68 ID:sD5QB+aC0
編集者の上
438佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 18:36:13.73 ID:P9QAE7Lj0
 彼女がワークデスクの上に荷物を置くと、視線を俺に向ける。
 その瞳は「どこに座るの?」と尋ねているみたいだった。
 俺は彼女の期待に応えるように、編集者の上に座った。

編集者「う、うーーん……頭が重い……」
社員「編集のし過ぎっすよ。オレも編集者の上に若い男が見えてて……疲れてる証拠っすね」
編集者「そうだな、年末進行で厳しいからな。だが、正月休みたいからな、一生懸命働くぞ! まだまだ若い者には負けられないからな、ハハハハ」
社員「ハハハハハハ」

 笑顔が絶えない職場の雰囲気を楽しみつつ、勉強をする俺達。
 しかし、恋人になったのに2人でただ黙って勉強しているのも恋人らしくないよな?
 ここは何か話題を振らないと。

御手洗「ねえ、イチカちゃん」
イチカ「あの、御手洗君」

 顔を上げるタイミングまで一緒だった。
 バッチリ目が合ってしまうと、それが逆に恥ずかしくて、思わず顔を反らしてしまう。

御手洗「え、えっと……何かな?」
イチカ「御手洗君が先でいいよ」

 周りの社員がゴッホゴッホと咳場合をしている。どうやら風邪が流行っているようだ。
 だが、俺達2人の世界に関係あるのはエイズくらいだ。
 ウイルスだって、2人を結ぶ赤い糸になる。
439佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 18:36:30.71 ID:P9QAE7Lj0
御手洗「その、今日のお昼はどうしようか? 好きな食べ物とか、苦手な食べ物とかある?」
イチカ「そ、それなら私……その、迷惑じゃなければ、だけど……作ってきたの」
御手洗「え?」
イチカ「>>441
御手洗「そ、そうなんだ……」
イチカ「……迷惑だった?」
440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:39:05.18 ID:APms0FxKO
エビカレーなんだけど…
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:40:32.44 ID:0Rl8KjVr0
田楽
442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:43:11.70 ID:APms0FxKO
>>441
渋っ!
443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:43:16.26 ID:YUvqIm6r0
渋いな……味噌田楽おいしいけどさ
444佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 18:46:18.26 ID:P9QAE7Lj0
御手洗「その、今日のお昼はどうしようか? 好きな食べ物とか、苦手な食べ物とかある?」
イチカ「そ、それなら私……その、迷惑じゃなければ、だけど……田楽を作ってきたの」

 そういいながら、味噌田楽を取り出した。
 弁当いっぱいに。

御手洗「そ、そうなんだ……」
イチカ「……迷惑だった?」

 不安そうな瞳で見つめてくるイチカ。
 編集者が立ち上がり、その首の仰角は高いものとなる。
 しかし、編集者の体力は続かなかったのか、ガクンと膝を折る。

社員「編集っ、編集ぅぅぅーーーーーーーっ!!」
編集者「私はだ、大丈夫だ。それに、家には妻と娘が帰りを待っているんだ……。こんなところで、倒れて、たぁまぁぁるぅぅかああぁぁっ!!」

 裂帛の気合を見せる編集がまるで北斗を思わせるような叫び声を上げて、立ち上がった。
 社員がその編集に方を貸す。

社員「編集っ、もういいですから。後は俺達が頑張りますから、とりあえず休んで下さいっ!」
編集者「わ、分かった。あとは、若い者に任せるとしよう」

御手洗「……>>446

 俺は田楽に対しての感想を伝えた。

イチカ「本当?」
御手洗「ああ、嘘なんかじゃないさ」
445以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:49:47.56 ID:k1IKdBbZ0
田楽がシャッキリポンと、舌の上で踊るわ!
446以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:50:42.09 ID:APms0FxKO
田楽嫌いなんだよね…
447佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 18:56:02.16 ID:P9QAE7Lj0
御手洗「……田楽嫌いなんだよね…」

 俺は田楽に対しての感想を伝えた。

イチカ「本当?」
御手洗「ああ、嘘なんかじゃないさ」
イチカ「良かったぁ……よく友達に、アンタは趣味が渋いから、最近の男の子を喜ばすことなんて出来ないって言われたから不安だったの」
御手洗「えっ?」

 確かに味噌田楽を作ってくるなんて夢にも思わなかったけど……。

イチカ「これ、田楽じゃないよ。ほら、これはレアチーズケーキ。オレンジソースが上にかかってるの。御手洗君、もしかして目が悪い?」
御手洗「え、そ、それは……」
イチカ「私の顔、このくらいまで近付かないと見えないかな?」

 そう言ってイチカは顔をぐいっと俺に近付ける。

御手洗「いつも作ってるの?」
イチカ「うん。お料理は自分で作るんだ」
御手洗「家庭的なんだね」
イチカ「そんなこと……ないよ。当たり前のことだもん」
御手洗「俺なんて全部、親にまかせっきりだけどなぁ……」
イチカ「一緒に住むようになったら、全部お世話してあげる」

 おおおおお、本当にいい子だぁぁぁぁ。

御手洗「ところで、イチカはさっき、何を言おうとしてたの?」
イチカ「う、うん……御手洗君に>>449って言っておきたくて」

 イチカは顔を近付けたまま、そう仰った。
448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:00:20.49 ID:APms0FxKO
どんな味噌汁が好きか二千字以上で答えて
449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:03:31.08 ID:YUvqIm6r0
くいんだ
450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:06:23.25 ID:0Rl8KjVr0
何故なんだ…
451佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 19:07:55.26 ID:P9QAE7Lj0
御手洗「ところで、イチカはさっき、何を言おうとしてたの?」
イチカ「う、うん……御手洗君にくいんだって言っておきたくて」

 イチカは顔を近付けたまま、そう仰った。

御手洗「えっ? だって、イチカは俺のこと好きだって……」
イチカ「貴方のことしか考えられなくて、にくいの……もうどうしようもないくらいっ」

 イチカのその言葉を聞いて、俺の胸は熱くなった。

御手洗「あ、ああ……ありがとう、イチカ」
イチカ「うん……」
ガードマン「あーーーーっ、ところで君達。この会社の者かね?」

 ガードマンが俺達を睨み付けている。
 あまりに堂々と入ってたから気付かないと思ったが、ついに気付かれてしまったようだ。

イチカ「講談社から『ザ・味噌汁』『味噌汁の全て』『世界の味噌汁百選』『味噌汁・アンダーグラウンド』『味噌汁ファンタジー』を書いた、
    海老蔵・ワ・イチカです。今日は講談社の編集さんと『オレンジページ』に載せる季節の味噌汁について、話に来ました」
ガードマン「え、あ、ああ……そうなんだ……。だけど、編集さんはさっき倒れたらしくて……参ったなぁ……」

 ガードマンは困ったように鼻の中に指を突っ込みながら、思案する。

社員「あ、海老蔵さん、もういらしていたのですね。ぜんぜん気付きませんでした。編集の代わりは私が勤めます。では、味噌汁について会議しましょう」
イチカ「ええ」
写真「あの……そっちの彼は?」
イチカ「>>453よ」
452佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 19:08:43.02 ID:P9QAE7Lj0
×写真  ○写真

orz 取ったら↓
453佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 19:09:27.87 ID:P9QAE7Lj0
×写真 ○写真→×写真 ○社員

修正すら間違えたのは初めてだ。↓
454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:09:47.56 ID:APms0FxKO
味噌汁に一番重要な素材です
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:14:26.28 ID:0Rl8KjVr0
>>454
怖えよ( ゚Д゚)
456佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 19:16:13.40 ID:P9QAE7Lj0
社員「あ、海老蔵先生、もういらしていたのですね。ぜんぜん気付きませんでした。編集の代わりは私が勤めます。では、味噌汁について会議しましょう」
イチカ「ええ」
社員「あの……そっちの彼は?」
イチカ「味噌汁に一番重要な素材ですよ」
御手洗「御手洗です。よろしくお願いしま……素材っ!?」
社員「今日はよろしく」

 社員は気の毒そうな瞳で俺を見つめていた。

イチカ「一番重要な素材……それは、『愛』……だから……」

 社員は黙ってネクタイを緩めると、苛々した様子で俺にぶつけてきた。

社員「こんな真冬なのに、暑いですね。へっくしょんっ!」
御手洗(嫉妬丸出しカッコ悪い)
社員「では、部屋に案内します」

 社員に案内されてやってきた部屋は、キッチンスペースだった。
 実際にここで料理を作って、写真を撮るのだろう。

イチカ「今日はどのような味噌汁を作ればよろしいですか?」
社員「はい。『>>458味噌汁』だそうです。まさに、今日にピッタリのお題ですね」
イチカ「分かりました。この味噌汁の魔術師と呼ばれた私の実力をしっかりと見せてあげます」
457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:19:19.03 ID:APms0FxKO
458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:23:32.09 ID:xDYM3IdIO
フルーティ
459佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 19:25:51.74 ID:P9QAE7Lj0
イチカ「今日はどのような味噌汁を作ればよろしいですか?」
社員「はい。『フルーティ味噌汁』だそうです。まさに、今日にピッタリのお題ですね」
イチカ「分かりました。その程度、この味噌汁の魔術師と呼ばれた私の実力をもってすれば、LV99の勇者がスライムを屠るに等しい。
    思う存分と見せてあげましょう」

 社員の前なのか、発言がちょっと中二臭いがなんとなくイチカが頼もしかった。

社員「お、おおおっ……まさか、海老蔵先生の実力を直にお目にかかれるとは……」

 イチカはお鍋に適量の水を入れ、コンロに電源を入れる。(IHだから)

<おいしい味噌汁の作り方>
1:おいしい味噌汁は、ただお湯に味噌を溶くだけではいけません。
  まずは、お湯に>>460でダシを取ります。
2:火の通りにくい具(>>461・ジャガイモ・大根など)を入れます。
3:味噌を溶く時は>>462すること。
5:味噌を入れた後、沸騰寸前まで煮込むのが美味しい味噌汁を作るコツとなります。

イチカ「出来ました……この料理の名前は『フルーティ味噌汁』……」
460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:27:19.67 ID:APms0FxKO
ドリアン
461以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:33:11.02 ID:0Rl8KjVr0
マクワウリ
462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:33:22.47 ID:YUvqIm6r0
カボチャ
463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:37:00.91 ID:APms0FxKO
>>462
何かの略称…?
464佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 19:37:26.13 ID:P9QAE7Lj0
<おいしい味噌汁の作り方>
1:おいしい味噌汁は、ただお湯に味噌を溶くだけではいけません。
  まずは、お湯にドリアンでダシを取ります。
2:火の通りにくい具(マクワウリ・ジャガイモ・大根など)を入れます。
3:味噌を溶く時はカボチャすること。
5:味噌を入れた後、沸騰寸前まで煮込むのが美味しい味噌汁を作るコツとなります。

イチカ「出来ました……この料理の名前は『フルーティ味噌汁』……」

 イチカは真顔でその怪しげな料理を俺の目の前に出した。
 おわんの中には黄土色の液体に、ふわふわと黄緑色の欠片が浮いている。

社員「さあ、御手洗君食べて下さい。そして感想を下さい」
御手洗「えっ俺なの? こういうのって、社員の方が食べて正直な感想を言うもんじゃないの?」
社員「キミは知らないかも知れないけどね。あの頑丈な編集者が今日倒れたんだ。インフルエンザも拳で跳ね返すあの人が倒れたのはなんでだと思う?」
御手洗「…………」
社員「海老蔵女史が火山灰皿味噌汁を飲ませたからだよ。それに自分まで倒れるわけにはいかないからね」
御手洗「……どうしてこうなった?」
社員「大丈夫。キミが彼女を愛しているなら害はないハズだ。多分……あとリア充、爆発しろ」

 おいこら、最後、本音がポロリ。

イチカ「さあ、食べて、御手洗君♪」

 俺は意を決して食べた。その直後、口に広がった味は……。

御手洗「……>>466」(ラスト)

 信じられなかった。味噌を溶く時にカボチャを祭って怪しげな儀式していたのに……。
465以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:40:39.66 ID:k1IKdBbZ0
まさに混沌
466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:41:40.09 ID:0Rl8KjVr0
人類が決して辿り着く事の出来ない神の英知
467以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:41:53.37 ID:sD5QB+aC0
は、早く俺から離れるんだ!!
468佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 19:46:56.98 ID:P9QAE7Lj0
イチカ「さあ、食べて、御手洗君♪」

 俺は意を決して食べた。その直後、口に広がった味は……。

御手洗「……人類が決して辿り着く事の出来ない神の英知」

 信じられなかった。味噌を溶く時にカボチャを祭って怪しげな儀式していたのに……こんな味を出すことが出来るなんて……。
 社員は俺の言葉を一期一句聞き漏らさぬよう、メモ帳にカメラを仕込んで待っている。

御手洗「これは味噌汁の革命だっ! こんな味の味噌汁、味わったことがない。天才だ! まさしく天才だ!」
イチカ「本当っ! 良かったぁ……思いつきで作ったんだけど」
御手洗「思いつきでこんな味が出せるなんて……すごいよイチカちゃん。これはもう明日から、いや今日から毎日俺の家で味噌汁を作ってくれ!」
イチカ「えっ……そ、それって……その……あの……」
御手洗「そういうことだ。イチカ。キミの苗字も御手洗に……」
社員「うわー。この味噌汁沸騰してるー」(棒)
イチカ「う、うん。たとえ夫婦別性の法律が強行採決されようとも、私は御手洗君の……ううん、仙人君の苗字を名乗るわ」

 こうして、一つの味噌汁の話は終わった。
 俺達はお湯と味噌が混ざり合うように、結ばれたのだ。
 時が経てば底で深く混ざるように、俺達の愛も時が経てばうわべは普通になるかもしれない。
 だが、愛はますます深くなるだろう。

 −完−
469佐々原海 ◆E9LrjYYP.A :2010/12/27(月) 19:48:07.67 ID:P9QAE7Lj0
あとがき
 ということで、イチャイチャものが、何故か味噌汁の話になってしまいましたが、
 終了です。良かった時間オーバーしなかったヨ!
 お楽しみいただけたでしょうか?
 少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 みんな、乙ーっ!
470以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:48:55.90 ID:APms0FxKO
非常に乙っした!
471以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:49:07.16 ID:sD5QB+aC0
乙味噌汁
472以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:49:05.85 ID:k1IKdBbZ0
乙!
473以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:49:44.21 ID:P9QAE7Lj0
【12/27 (月) 18:09時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/27 (月)
  20:00〜23:00/十六夜 ◆16moonQpow氏 - たんぺん!
12/28 (火)
  14:30〜18:00/満月 ◆MOON69mNOA氏 - 三連続で1000目指すぞープロジェクト 第十話


次は十六夜氏です!
474以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:49:57.75 ID:DJ8kTmVc0
乙だ蔵ー
475以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:50:14.93 ID:0Rl8KjVr0
乙でした!
476十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 19:59:30.70 ID:zCpqrba10
佐々原氏乙でした!
デレデレの女の子に料理をさせるとどうしてもヤンデレに変身してしまうんですかどうしましょう

さて、たんぺん!とは言ったものの何をしようかはあんまり考えてないです
とりあえず主人公名を>>478に放り投げてみたり
477以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:00:04.97 ID:APms0FxKO
はんぺん
478以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:00:11.91 ID:0Rl8KjVr0
十五夜お月
479十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 20:08:00.46 ID:zCpqrba10
帰宅早々、十五夜雄月は肩についた雪を払うことも忘れて、自室のデスクトップパソコンの電源に指を伸ばした。
慌てなくても別に何も逃げはしないのだが、そうでもしないと彼は自分の中にある好奇心と言うものを抑えきれなかった。
パスワードをいち早く入力し、手に持ったCD-ROMをパソコンの中に押し込む。
特段何が変わっているわけでもない、そのCD-ROMは、雄月が街の骨董屋の店頭で偶然目にしたものだった。
年末の大掃除をしているらしかったその骨董屋の店頭で、一つだけ場違いな違和感を放っているその近代科学の産物に、なぜか雄月は心を惹かれ、そして気付けばそれを手に取っていた。

「………………」

CD-ROMを挿入して数秒。
フォルダーを表示する画面が開かれ、CD-ROMに書き込まれていた情報が表示される。
そこにあったのは>>481
480以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:10:26.73 ID:P9QAE7Lj0
絶対に見てはいけない恐怖の16物語
481以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:10:31.15 ID:Sxcy13rE0
宇宙創成の真実
482十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 20:20:20.18 ID:zCpqrba10
そこにあったのは――宇宙創成の真実だった。

「なっ、なんだこりゃ……ッ!?」

文字化けした大量のテキストが、何もしていないのに勝手に上から下へとスクロールされ、画面に次々と文書――否、文字の羅列を映し出す。
それらの文字一つ一つには何の規則性もなく、文章としてすら成り立っていないにも関わらず、雄月にはなぜかその文書の『内容』を理解することができた。
その内容こそ、宇宙創成の真実。
アカシック・レコード――あるいは阿頼耶識などとも呼ばれるその圧倒的な『知』の情報に、雄月は破裂しそうな脳を手で抑えつけながら、しかしじっと画面を見続けた。
媒体としているものこそ違えど、このCD-ROMは紛れもなく一つの魔術的道具。――――魔術書、だった。

「………………ッッッ!!」

そして、雄月は全ての文字に目を通し終わった。もう他に文字はない。
全てを読みとおした雄月の脳には、全ての情報があった。
人々が魔術と呼称するモノの使い方。人類が未だ見ぬ自然科学の発明。失われた歴史の記録――それら全てが、雄月の頭の中に宿っていた。

「はぁ……はぁ」

宇宙のすべての知識を得た雄月は、もはや神と呼んでもいい存在となった。
何事でも成し遂げられる。そう悟った雄月は>>484することにした。
483以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:22:28.51 ID:P9QAE7Lj0
学校の校庭で大きな魔方陣の作成を
484以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:22:41.59 ID:0Rl8KjVr0
メイドロボを製作
485十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 20:31:15.46 ID:zCpqrba10
宇宙のすべての知識を得た雄月は、もはや神と呼んでもいい存在となった。
何事でも成し遂げられる。そう悟った雄月はメイドロボを製作することにした。
機械の身でありながら人間と同等の知性を宿し、限りなく人間に近い無生物の存在。それが人類のかつて夢見た、そして恐れたロボットの究極形態だった。
全知識を身に付けた雄月にとって、人格一つを創造することなど児戯に等しい。材料さえあればものの数分で完成させられることだろう。
そしてその材料さえも、雄月は創造することが可能なのだ。

「よし、絶対に俺だけに従順でかつメチャクチャ可愛いメイドロボを作って見せるぜ!」

彼がその知識を使って犯罪に走ることなく、ある意味アホな行為に打ち込んだのは人類最大の幸福と呼べるかもしれない。
その気になれば地球を何度でも滅ぼせるレベルの知識を全てメイドロボにつぎ込んでいるのだから。
そして数分ののち。雄月の目の前には、どこからどう見ても人間にしか見えない、メイド服を着た美少女の姿があった。
目を瞑ってたたずむ彼女に、雄月は声をかける。

>>487(名前)、目を開けて」

ゆっくりと>>が目を開ける。
そして開口一番、彼女は雄月に返答した。

>>489
486以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:35:10.79 ID:P9QAE7Lj0
大車輪 火炎
487以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:38:31.45 ID:NyAzmO/u0
ゾディアック大五郎
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:38:36.39 ID:YUvqIm6r0
ネームレス
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:39:11.92 ID:P9QAE7Lj0
問おう、貴様がマスターか?
490以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:40:22.55 ID:0Rl8KjVr0
>>487
男の名前じゃねーかw
491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:43:15.03 ID:YUvqIm6r0
あと6人分くらいはロボットの名前考えとか無いとナ\\\ \\\
492以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:48:50.23 ID:P9QAE7Lj0
別にかわいいとしか言ってない。
男女は問われてなかったハズだwwww
493十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 20:49:03.95 ID:zCpqrba10
「ゾディアック大五郎、目を開けて」

ゆっくりとゾディアック大五郎が目を開ける。
そして開口一番、彼女は雄月に返答した。

「問おう、貴様がマスターか?」
「ああ、今日から俺が君のご主人様だ。これから君には身の回りの世話や下の世話をしベヘァッ」

バチン、とゾディアック大五郎の掌が雄月を頬をはたく。
機械だけあってその力はかなり強力だったようで、雄月は部屋の壁まで跳ね飛ばされた。
突然自作のメイドロボにビンタされた雄月は頬を押さえ、?マークを浮かべながらゾディアック大五郎へと向き直る。

「何がゾディアック大五郎だ。それが自分の女につける名前か。ましてや自分の理想を凝縮させた結晶だぞ」
「…………はい」
「だいいち、こんな冴えない男が私のマスターだと? ふざけるのも大概にしておけよ。マスターに仕えるメイドロボの身にもなれ」

だいぶ勝ち気……というかボーイッシュなメイドロボが出来上がってしまったようだ。ゾディアック大五郎なんて男っぽい名前をつけてしまったからだろうか。
茶色っぽい長髪に釣り目の美少女と、見た目は雄月にとって理想的なのだが……性格がこれではあまりにも理想とかけ離れてしまっている。

「ま、名前はいい。それよりも貴様、そのツラさげて私に下の世話なんてさせる気か? 冗談は顔だけにしておけよ」
「くっ……」
「私が貴様のためにしてやれることなんて>>494くらいだ。それ以外はやらないからな」
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:50:36.17 ID:YUvqIm6r0
ユーラシア大陸占領
495以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:50:54.07 ID:NyAzmO/u0
貴様がいずれ宇宙へと旅立ち、別の惑星を訪れることになった時……
その星のウルトラ怪獣図鑑にお前が「地球星人」と記述されることになるんだから、
どんな卑怯な手段を使おうとも『強敵』と書かれるように努力させること
496以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:51:55.33 ID:0Rl8KjVr0
>>492
>メイド服を着た美少女の姿があった
>目を瞑ってたたずむ彼女に
>そして開口一番、彼女は
497以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:53:29.62 ID:P9QAE7Lj0
>>494
十分過ぎる。wwww

>>492
Σしまった、彼女って書かれてた!
498十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 21:04:03.15 ID:zCpqrba10
「私が貴様のためにしてやれることなんてユーラシア大陸占領くらいだ。それ以外はやらないからな」
「……あの、もしもし。戦争でもおっぱじめるつもりですか?」
「? 当たり前だろう。貴様はそのために私を造ったのだろう?」
「…………」

雄月は絶句する。何をどこでどう間違えたのか、雄月の造ったゾディアック大五郎はメイドロボはメイドロボでも戦闘用のメイドロボだったのだ。
たしかにその体つきを見る限り、とてもじゃないが性処理に使えるような身体ではない。一応機能的にはできなくはないようだが……。

「貴様の持つ宇宙創成の真実、その全てを凝縮して造られた私は貴様の手足となってこの世界を掌握する。……つもりなのだが」
「だぁァ――ッ、違う! 違うんだ! 俺は世界征服とかどうでもいい、ただお前と一緒にこれからずっと過ごせて行けたらいいってずっと思ってただけなんだよ!!」
「…………」
「つか、そんなことしたらお前が傷ついちまうだろうが! 俺がそんなの見て喜ぶとでも思ってんのか!?」

ゾディアック大五郎は顔を伏せる。
そして数秒ののち、彼女は口を開いた。

「……そう、か。大事に思ってくれているんだな」
「当たり前だろ。お前は俺の女なんだぞ」
「でも……私は戦闘しか能のない機械なんだぞ。そんな兵器を愛せるわけが――」
「そんなことない」

ゾディアック大五郎の肩を掴み、雄月はゆっくりとその唇を重ねる。
軽く触れただけの優しいキス。すぐに唇を離して、雄月は彼女に告げた。

「お前がどんな存在だろうが、お前は俺の造った一番の女なんだ。愛せないわけがないだろ」
「う……」
「これから一緒に暮らしていこうな、ゾディアック大五郎」

ゾディアック大五郎はその言葉に顔を赤くして、恥ずかしさのあまり>>500
499以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:06:38.50 ID:NyAzmO/u0
半径500Km以内の気温を90℃にまで上昇させてしまった。
500以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:07:45.31 ID:k1IKdBbZ0
全弾発射
501以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:07:51.43 ID:P9QAE7Lj0
デジタルメガフレア
502十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 21:20:14.44 ID:zCpqrba10
ゾディアック大五郎はその言葉に顔を赤くして、恥ずかしさのあまり全弾発射。
幾多ものミサイルが屋根を突き破り、白い尾を引いて遥か天空へと飛び立っていった。


――某国――

「尊敬する偉大なる同志にして全人民の敬愛する将軍閣下!」
「なんだ鬱陶しい。いま喜び組と遊んでるところだぞグヘヘ」
「そ、それが……日本からミサイルが数千発飛来してきています! このままでは首都を直撃します!」
「アイゴー!?」

その日、某国の独裁体制がついに打倒されたという……。


――日本――

「う……うぅ……」

顔を赤くしたままフリーズしたゾディアック大五郎の頭部から、ブスブスと煙が立ち上っていた。ミサイルのおかげで吹っ飛んでしまった天井部分からはいい天気が見えている。
ゾディアック大五郎の持つ全ての兵器は発射され尽くした。これで彼女の戦闘力は無力化されたと言っていい。
これで、彼女は普通の女の子……のロボになったはずだ。

「ほ、本当に私を愛してくれるのか? ただの機械じゃなくて……女として」
「ああ。大好きだよ、ゾディアック大五郎」
「……////」

名前のせいでいま一つムードには欠けるものの、ゾディアック大五郎の体からは緊張感が消え失せ、態度もどこかしおらしくなっていた。
ゾディアッ大五郎は雄月に身を委ねようとする……が、そのとき>>504
503以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:21:38.68 ID:P9QAE7Lj0
インターフォンが鳴り響く
504以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:22:26.92 ID:NyAzmO/u0
ゾディアック大五郎の口から後頭部にかけて亀裂が入り、
そこからアゴの間接部を基点としてガパッとオープン、
そしてその中から小さいオバサンが。
505以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:26:27.20 ID:0Rl8KjVr0
>>504
絶望した!
506十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 21:35:34.82 ID:zCpqrba10
ゾディアック大五郎は雄月に身を委ねようとする……が、そのときゾディアック大五郎の口から後頭部にかけて亀裂が入り、そこからアゴの間接部を基点としてガパッとオープン、
そしてその中から小さいオバサンが。

「…………」
「…………」
「……いやっ! こっち見んといてぇなスケベさん!」
「…………」
「いややわ〜、お兄さんこんな娘がえぇんかいな! えぇ趣味してはんなぁ」
「…………」

潰してぇ……と一瞬強く思った雄月だったが、しかし握り拳を握るだけに留めておいた。
よくわからないが、もしかしたらこのオバサンがゾディアック大五郎のパイロットなのかもしれない。
ここでこの小さいオバサンを潰せばもうゾディアック大五郎は動かなくなるかも……そう考えた雄月は、小さいオバサンを中に押し込めることに。

「いやっ、何しはるの!? そんな押さんといてぇな贅肉がつっかえてまうわ!」
「うるせぇとっとと消えろババァ」
「あっ、ちょっいやっ――OxC-007Z ゾディアック大五郎起動!!」

ゾディアック大五郎の顔が閉じ、その眼に光が戻る。
キョトンとした表情のゾディアック大五郎を見つめながら、雄月は激しい息切れを起こしていた。

(い……今のは何だったんだ? 今のが本体? ははっ、まさかな……)
「どうしたのだ雄月」
「い、いや何でも……」
「そういえば、そろそろ腹が減ってきたな。雄月、>>508を持って来い」
「……なんで俺が」
507以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:36:58.51 ID:k1IKdBbZ0
軽油
508以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:37:04.07 ID:P9QAE7Lj0
包丁とまな板
509以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:39:30.96 ID:0Rl8KjVr0
>>508
料理出来るのか?
まあメイドだしな
510以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:39:37.68 ID:NyAzmO/u0
私の『女』をつかさどる電子頭脳である大五郎オバちゃんが好きなせんべいと、
『メイド』をつかさどる電子頭脳のZodiacのエネルギー源であるプルトニウム
511以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:42:39.11 ID:pEBmVXytO
渋谷にいれば若返るかな 頭宝塚にしてファッショナブルになろうかな
都電OLではありません
512十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 21:47:42.89 ID:zCpqrba10
「そういえば、そろそろ腹が減ってきたな。雄月、包丁とまな板を持って来い」
「……なんで俺が」
「せっかくこの私が料理してやると言っているのだ。さっさと持って来いったら」

と言われたものの、包丁とまな板だけで料理ができるわけがないので、雄月はゾディアック大五郎をキッチンへ連れて行くことに。
色とりどりの調理器具に一通り見とれた後、ゾディアック大五郎は包丁を掴み食材を切り始めた。
……やっぱり元が戦闘用メイドロボなだけあって、包丁を持っているときの彼女はずいぶんと楽しそうだ。というか、恍惚としている。
そのまま暴れ出さないよな……と内心震えながら、雄月はゾディアック大五郎が作る料理が出来上がるのを椅子に座って待った。

「やはり何かを切るというのは楽しいな。できれば生きた生物を切ってみたいものだが……」
「……今度鯛の活け造りのやり方教えてやるからそれで我慢しろ」
「あと何かを撃ち抜けたら最高に楽しいな」
「そんな料理ねぇよ」

と、与太話を挟むこと数分。
ゾディアック大五郎によって作り出された料理は>>514
513以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:49:55.87 ID:P9QAE7Lj0
☆☆☆レストラン級
514以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:50:33.76 ID:0Rl8KjVr0
恐怖の味噌汁
515十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 21:58:42.63 ID:zCpqrba10
と、与太話を挟むこと数分。
ゾディアック大五郎によって作り出された料理は恐怖の味噌汁だった。
黄土色の液体に黄緑色の物体が浮いた謎の水溶液からは、何とも言えない風味の香りが漂ってきている。

「……もしもし、ゾディアック大五郎さん。これは何から作ったのですか?」
「ああ、ドリアンでダシを取り、マクワウリ・ジャガイモ・大根を入れて味噌を入れるときにカボチャしたフルーティ味噌汁だ」
(それ果たしてフルーティと呼んでいいのか……)

もう見るからに失敗作確定な感じの味噌汁だが、ゾディアック大五郎の表情はなぜか自信満々。
初めてマスターのために作った料理だ。そこに込められた愛情もひとしおだろう。
ここで無下につっ返すわけにもいかない。覚悟を決めて、雄月はフルーティ味噌汁を飲み干した。

「……――ッ!!」
「ど、どうだ雄月?」
>>517
516以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 21:59:54.53 ID:P9QAE7Lj0
石灰水と精液を足して2で割った味がする
517以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 22:02:57.48 ID:NyAzmO/u0
不味い。



……と言うほど不味くもないけど、美味いと言うほど美味くもない。
518十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 22:11:02.06 ID:zCpqrba10
「……――ッ!!」
「ど、どうだ雄月?」
「不味い」
「!」
「……と言うほど不味くもないけど、美味いと言うほど美味くもない。ま、初めてにしては上々なんじゃないのか……な……」
「そう、か……」

一瞬意識が遠のきかけたが、ここで気絶しては実は不味かったのがバレてしまうと思い、雄月は耐えた。
ゾディアック大五郎の表情は暗い。初めて作った料理があまり美味しくなかったのが少し堪えたようだった。

「そんな顔するなよ。味なんてどうだっていいんだ。お前が料理作ってくれたこと自体が嬉しい」
「……でも、」
「なに、料理なんてこれから練習していけばいい。今よりもっと美味くなったお前の味噌汁、楽しみにしてるからな」
「あ、……ああ」

そう言って、ゾディアック大五郎はうつむく。少し照れているようだ。
初めはとっつきにくい性格なのかと思ったが、どうやらそうでもないらしい。
戦闘用メイドロボ故に、その感情表現が不器用なだけなのだ。

「そ、それじゃ、食後に……」
「?」
「食後の運動に、>>520しよう」
519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 22:12:37.27 ID:P9QAE7Lj0
料理の練習を
520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 22:16:46.07 ID:xDYM3IdIO
SEX
521十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 22:26:03.46 ID:zCpqrba10
「そ、それじゃ、食後に……」
「?」
「食後の運動に、SEXしよう」
「ぶッ!?」

思わず雄月はフルーティ味噌汁を噴き出してしまった。
顔を真っ赤にして、ゾディアック大五郎は続ける。

「そ、その……貴様は、私を戦闘用メイドロボとしてではなく……世話をするためのメイドロボとして作ったのだろう?
 だったら、やっぱり……その期待に応えられなければ、メイドロボの名が廃る」
「そ……そうだけど、なんでいきなり……?」
「貴様は、思った以上に優しい奴だ。見た目はアレでも、私を想ってくれる気持ちには嘘偽りのないものを感じる。
 ……お前が下の世話をしてほしいと言ったなら、当然それは実行すべきだろう」

顔を赤らめたまま、ゾディアック大五郎は雄月に身体を寄せた。
あまり起伏のない身体が雄月の肌に触れる。体温まで忠実に再現できるメイドロボの身体からは、少女のぬくもりと、そして鼓動が伝わって来ていた。

「なんでも……していいぞ」

そう言われて、雄月は>>523
522以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 22:28:04.90 ID:NyAzmO/u0
あらかじめ組み込んでいた発情プログラムを起動させた。
523以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 22:30:16.71 ID:ueu9LyGMO
さむそんともりもりんが懐かしいなぁ。
524十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 22:38:36.98 ID:zCpqrba10
「なんでも……していいぞ」

そう言われて、雄月は……

「さむそんともりもりんが懐かしいなぁ」
「……え?」
「懐かしいな……懐かしいなぁ」
「雄、雄月? 雄月!?」

雄月は滂沱の涙を流し始めた。
思春期のころから夢見ていた、自作のメイドロボにご奉仕してもらうという夢が叶ったのだ。
もう思い残すことはない。ゆっくりと、その意識が遠のいていく。
宇宙創成の真実という莫大な量の情報に脳を圧迫され、挙句フルーティ味噌汁にトドメを刺された雄月には、もはや生きるだけの力は残されていなかった。

「さむそん……もりもりん……俺やったよ……」
「雄、雄月! 頼むから返事してくれ……雄月ぃいいいいッ!!」

ゾディアック大五郎の腕に抱かれながら、雄月は目を閉じた。
夢にまで見たぬくもりの中で、彼は望みを叶えたのだった……。



さむそんともりもりん おわり
525以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 22:40:30.58 ID:0Rl8KjVr0
えー…





526十六夜 ◆16moonQpow :2010/12/27(月) 22:41:33.68 ID:zCpqrba10
というわけで終わりです。
魔術書を読んだら悪魔に魂を売らなければならない。何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない……というお話なのかも
……考えすぎか

新年から新しい長編始めようかなぁ
長編にするかどうかもまだ決まってませんが

ではではまた次回。十六夜でした
明日は満月氏です!目指せ1000!!
527以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 22:41:42.23 ID:P9QAE7Lj0
>>524
まさかのフルーティ味噌汁乙〜。w
528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 22:42:09.10 ID:k1IKdBbZ0
乙…
529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 22:42:56.22 ID:NyAzmO/u0
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 22:46:38.08 ID:0Rl8KjVr0
【12/27 (月) 18:09時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/28 (火)
  14:30〜18:00/満月 ◆MOON69mNOA氏 - 三連続で1000目指すぞープロジェクト 第十話
531以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:25:15.59 ID:YUvqIm6r0
乙!
532以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:59:42.31 ID:APms0FxKO
遅ればせながら乙&ほしゅ
533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 00:23:19.15 ID:fjBv6spS0
ほっしゅっしゅ
534以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:02:30.24 ID:l/Ato6RN0
かつて、ある所に
535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:09:32.18 ID:fCRhpK+LO
アルトリコーダーが
536以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:37:54.96 ID:CIW4Sn760
聖槍として奉られていたそうな
537以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:30:59.06 ID:p6AQdNAPO
聖槍とくれば聖杯だろうと
538以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 04:05:45.34 ID:fCRhpK+LO
その場に七つあった器のどれを聖杯にするかで悩んでいました
539以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 07:51:00.59 ID:HI3dkGN40
「こっちの灰皿にしようか…いやこっちのタン壷も捨てがたい……」
540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 09:34:33.98 ID:p6AQdNAPO
悩み悩んではや四千年…
541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 09:40:41.07 ID:smYuycKF0
灰皿「私達のために争うのはやめて!」
542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:37:51.67 ID:smYuycKF0
タン壷「そうよ、自由に選んで! 私を思う存分選んで!」
543以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:41:20.64 ID:mkz8hbEJ0
ててて
544以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:44:18.99 ID:uCLEhT9H0
あまりに長く考えすぎ、痺れを切らした灰皿とタン壷の攻撃は股間に直撃し
545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 12:23:44.40 ID:f2W+1ePe0
息子が悲鳴をあげた
546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:16:45.91 ID:p6AQdNAPO
ナウい息子
547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:18:02.37 ID:fCRhpK+LO
その悲鳴を合図に開始されたのだ…【聖杯戦争】が!!
548以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:19:04.15 ID:smYuycKF0
こうして……聖杯戦争は幕を閉じようとしていた。
549以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:54:49.07 ID:uCLEhT9H0
そして……成敗戦争が起きてしまった。
550以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:26:22.83 ID:HI3dkGN40
せいせいしたぜ!
551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:27:02.88 ID:f2W+1ePe0
__
    ̄ ̄ ̄二二ニ=-
'''''""" ̄ ̄
           -=ニニニニ=-


                          /⌒ヽ   _,,-''"
                       _  ,(^ω^ ) ,-''";  ;,
                         / ,_O_,,-''"'; ', :' ;; ;,'
                     (.゙ー'''", ;,; ' ; ;;  ':  ,'
                   _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'  ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'     d⌒) ./| _ノ  __ノ
552満月 ◆MOON69mNOA :2010/12/28(火) 14:34:32.67 ID:uCLEhT9H0
悲しい物語だったね……!

という事で時間が来ましたので、ぼちぼちと〜。
ではもう暫くお待ち下さい。

にしても、やっと500台なのか……。もう、ゴールしてもいいよね!
553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:35:28.83 ID:HI3dkGN40
いいんじゃね?
554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:35:41.02 ID:p6AQdNAPO
ダメだよ満月ちん!
555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:45:18.70 ID:uCLEhT9H0
――ひーろー千期 第十話『準決勝開幕! 中山兄弟の脅威!!』

相変わらず真っ暗な空。しかし、時間の概念は空に薄らと現れる事を、沢渡さんが教えてくれた。
何でも、微かに色合いが違うらしい。それは、太陽による陽射しが影響しているのかまでは分からないながらも、
今は朝かも、今は夜かも、その程度なら何となく分かるらしい。

「と、まぁそんな感じ、かなぁ」
「よく気付いたね沢渡さん。じゃなかった……。琴音、ちゃん」
「へぇ、親友に対して呼び捨てで呼べないんだぁ。情けない悠には、お仕置きのアブラカタブラを――」
「やめてやめて、死んじゃうから!!」
「ふふ、冗談だよ。それより、旅館が家だったなんて知らなかったなぁ……」
「ううん、前は普通の一軒家だったんだけど、火事で燃えちゃって、それで……」
「それで温泉旅館? なんか凄いのね」

食料の確保という目的も勿論あるのだが、姉や他の皆は無事だろうか、僕は確かめておきたかった。
しかし、僕がいざ家に戻ってみようと学校を出ると、一人じゃ危険という事で付いて来た沢渡さんは、
何かに付けて呼吸を止めてしまう魔法で僕を脅してくる悪女振りを見せてくれている。

「で、あのボロボロになってる旅館が、もしかして悠の家だったりするの?」
「本当だ……どうして、こんな酷い事に」

旅館は既に果てた状態となっており、中に入ってみると……>>556
556以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:47:03.41 ID:HI3dkGN40
核シェルターへの入り口になっていた
557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:53:10.69 ID:uCLEhT9H0
旅館は既に果てた状態となっており、中に入ってみると……核シェルターへの入り口になっていた。
こんなの何時出来たのやら。いや違う、旅館がこうなる事を想定して、一部の部屋を丸々シェルターにしておいたのか。
だとすると、こんな旅館を残した母は何処まで先を見据えていたのだろう。

「これ、開ける事出来そう?」
「や、やってみる……」

当然、簡単に壊す事なんて出来ないようになっているそのシェルター。入り口には、パスワードが必要だ。
適当にパスワード四桁を打ち込んでいくが、毎回の如くエラー音が鳴る。
頭を掻きながら唸る僕に、沢渡さんは「やってみたい」と、手を伸ばし――ロックを解除してしまった。

「ど、どうして!? なんて打ち込んだの!?」
「えーっと……。四桁で、エッチな数字?」
「四桁で、エッチな……うう〜ん……」
「言葉くらい知ってると思うけど……。もしかして、悠って頭固い?」
「なはは……良いんだ、頭が固くても、きっと生きていける……」

扉はゆっくりと開かれる中、僕はちょっぴりショックで中をきちんと確認しようとはしなかった。
そのせいもあり、誰かに不意打ちを喰らってしまう。どうやら、>>558で服を斬り裂かれたようだ。
558以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:55:49.48 ID:p6AQdNAPO
服を溶かす液体を出す触手
559以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:01:33.22 ID:uCLEhT9H0
扉はゆっくりと開かれる中、僕はちょっぴりショックで中をきちんと確認しようとはしなかった。
そのせいもあり、誰かに不意打ちを喰らってしまう。どうやら、服を溶かす液体を出す触手で服を斬り裂かれたようだ。
溶かされた、というほうがしっくりくるかもしれない。しかも、それは硫酸のように強烈なモノのようだ。

「い、今の何!?」
「下がって琴音。僕がやるから……!」
「ふぅん……そうやって、いつも悠って私に隠れて戦ってたんだ?」
「え、えと、どういう意味?」
「城ヶ崎さんから色々聞いたんだ。そして、あの人、応援もしてくれた。だから、此処は私が頑張る番!」
「ちょ、ちょっといきなり何を――」

次々と影から伸びてくる触手のようなソレを、彼女は次々とアスキーア−ト風の人形に変えていってしまう。
そこまではまだ良かったのだが、ついに本性を現した怪物は、なんとイカの化け物ではないか。

「酸を出すイカ……!?」
「これがイカ娘ならまだ可愛いんだけど」
「琴音って、そのアニメ見てたんだ……」
「〜〜〜!! ち、違うの! 偶々見てただけでアニオタって訳じゃ――ひゃぁぁ!!」

名付けて大王イカは空気を読む出来るイカだ。あっという間に琴音の制服を溶かしてしまった大王イカは、
なんと彼女を縛り上げ……>>560
560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:04:24.02 ID:HI3dkGN40
能力の説明がわかり辛いとツッコミを入れた
561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:08:27.26 ID:p6AQdNAPO
>>560
そういや言葉わかるんだったね
562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:14:40.99 ID:uCLEhT9H0
名付けて大王イカは空気を読む出来るイカだ。あっという間に琴音の制服を溶かしてしまった大王イカは、
なんと彼女を縛り上げ……能力の説明がわかり辛いとツッコミを入れた。
しかし肝心のツッコミを入れたのは、そのイカではなく、聞いた事がある声だった。

「その声……鞠華ちゃん!?」
「え……やっぱり、悠さんだったのですか!?」
「ちょっと、知り合いなら放して、放してってばぁ〜〜〜!!」

中には、ウメさんも、トメさんも、ゲンさんも、旅館で働いてくれていた人皆が無事でいた。
しかし、姉の姿は見当たらなく、鞠華ちゃんに尋ねる。すると、食料を調達しにほいほいと出て行ってしまったらしい。

「突然、このイカさんに襲われたんです。そして、旅館は壊れちゃいました。
 その後佳澄さんがこのイカさんにお説教したんです。そしたら、お仲間になっちゃいまして」
「てか、このイカってまさか旅館で飼ってたあのイカ……?」
「はい、その通りです!」

イカが突然変異すると、こうなってしまうのか。と僕は大王イカを見上げる。
何やら胸を張ってる様子にも見えるそのイカは、アスキーアートに変えられた触手を嬉しそうに振っていた。
時折、ちっちゃいおっぱい可愛いと、沢渡さんの方をじろじろと眺めて呟く声が聞こえなくもない。

「それよりも、あの女の能力、何なんですか! 説明不足で全く判断が尽きません!!」
「あーえっと、本人は魔法だって言い張ってるんだけど……詳しいことは、何にも」

すると沢渡さん、魔法は何でも出来るので、>>563だって出来ると鼻を鳴らす。
563以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:17:49.80 ID:l/Ato6RN0
Wメテオ
564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:19:09.68 ID:p6AQdNAPO
ブラジルの人の様子を知ること
565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:26:32.05 ID:uCLEhT9H0
すると沢渡さん、魔法は何でも出来るので、Wメテオだって出来ると鼻を鳴らす。
実際、彼女は多分適当な呪文をぶつぶつと唱え始め……小さな隕石が大王イカに直撃してしまう。

「そう、魔法使いは正義なの!」
「何でも出来るってある意味凄いけど……。小さなメテオだったね……」
「こ、これは、多分修練不足! もっと頑張れば、こーんな大きいのだって生み出せるわ!」

と、やはり胸は丸見えの状態でさらっと話す彼女は、まだ自分がどれだけ恥ずかしい事になっているのか気付いていない。
仕方なく僕が指摘して、ようやく可愛らしい悲鳴と共に胸を隠しては屈み込むのだった。
それよりもと、鞠華ちゃん達をNASA本部へ避難するように促す。

「NASA、ですか? 宇宙へでも逃げ出すのかな……?」
「違うよ。正式名称、なんとしても暗黒の世界に安息をだよ!」
「ださ……いえ、何でもないです。素敵なお名前ですね!」
「……いいんだ、ダサくても……。という訳だから、今からでも一緒に――」
「それは出来ないです。佳澄さんが戻るまで、わたし達はここで皆と一緒に居ます。その後ならば……」
「そっか。そうだね。それにしても、お姉ちゃん何処に行ったのやら……」

僕がそう呟いた時、姉は「大量、大量」と片手には大量の食糧を。そして、もう片手には女の子を担いで、シェルターへ帰ってきたのでした。
その姉は、女の子を拾ったと嬉しそうにしている。しかし、彼女の身体は火傷のような傷跡が残っており……。

急いで>>566しないと死んでしまいそうだ!
566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:28:03.00 ID:p6AQdNAPO
身体検査…グフフ
567以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:34:32.20 ID:uCLEhT9H0
急いで身体検査…グフフな事をしないと死んでしまいそうだ!

――NASA本部、とはいえ実際はただの学校の校舎を使っているだけの場所。
そこの保健室にその傷だらけの女の子を連れ込んだ僕は、人払いしてはその娘をじっと見る。

「……誰かに似てる……って、誰かじゃないな。僕に……? なんだろう、変な気持ち」

そう一人呟いては、気が付けば彼女を丸裸の状態にしてしまっていたのだ。
美しい肌が、蝋燭の光に照らされる中、その多数の傷を治療している際である。
痛みのせいなのか、彼女は途端ぱちりと目を覚ましたのだ。

「あ、起きたんだ。大丈夫だった?」
「……全裸……?」
「え、あ、これは怪我の治療であって、別に身体検査がしたかった訳じゃ……」
「検査は慣れてるから、続けてくれてもいいよ……?」
「そ、そうなんだ……。って、言われてもなぁ……」

不思議だ。目も、髪も、この肌も、そしてこの声も。まるで僕にそっくりじゃないか。

余りにも僕に似ているその長い髪の娘を様々に凝視し、身体検査した結果、>>568
568以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:41:49.56 ID:f2W+1ePe0
し、死んでる
569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:42:18.12 ID:p6AQdNAPO
>>568
なっなんだってー
570以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:48:17.13 ID:uCLEhT9H0
余りにも僕に似ているその長い髪の娘を様々に凝視し、身体検査した結果……。

「し、死んでる!?」
「……死んでるの?」
「え、ううん、おかしいよね。……でも、心臓の鼓動が聞こえない。僕でも確かに……」

その肌はそこまで冷たいわけじゃない。けれど、胸の部分に触れてみて気付き、
改めて脈をとってみるが、血液が循環している様子が無いのだ。
死んで、それでも尚生きているなんて、人造人間の類に間違いない……けれど。

「ねぇ、キミは何処から来たの?」
「何処から……あれ、おかしい……な……」
「他に誰かと一緒に居た?」
「分かんない……。思い出せない。思い出せないよぉ!」

途端、僕に抱きついて小さく嗚咽する彼女は、何か辛い事でもあったのだろう。
まだ、これからゆっくり色々と聞いていけばいい。急ぐ必要はないのだから。
彼女をそっと抱き寄せる僕の胸が、何だか少しだけ痛む。変だな……。何で、ズキッとしたんだろう。

一時的な記憶喪失だろう、と城ヶ崎は見解を述べた。が、彼は僕に「アレには関わるな」と強く念を押してきた。
どうしてかと尋ねれば>>571
571以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:49:54.58 ID:f2W+1ePe0
答えてあげるが世の情け
572以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:57:18.03 ID:uCLEhT9H0
一時的な記憶喪失だろう、と城ヶ崎は見解を述べた。が、彼は僕に「アレには関わるな」と強く念を押してきた。
どうしてかと尋ねれば、彼は珍しく哀愁を漂わせるような顔をした後……。

「答えてあげるが世の情け」
「何いきなり時代劇風になってんの!?」
「アイツは、お前だ。以前言っただろう……。お前のサンプルを奪われていると」
「そ、そうなの……!? でも、襲撃されてから、まだそんなに日にちは……」
「元々、肉体は完成に近い状態で保持していたのだろう。が、ヤツは間違いなくお前そのものと言っていい」
「じゃあ……あの娘は、敵?」
「記憶が戻れば、きっとそうなるだろう。その前に何処かへ捨てておけ。厄介な事にならん内にな……」

彼は白衣を翻し去っていく中、僕はあの娘をあんな状態で捨てろだなんて、出来ないと自答していた。
出来れば助けてあげたい。けれど、あの娘は恐らく敵。もし、このNASAに避難してる人達の身に、何かあれば……。

――数日だけ彼女の様子を見たが、特に変わった様子は見られない。
他の人達と気分転換にボール遊びをする中、彼女一人運動神経の無い部分が見受けられる。
まるで、昔の僕みたいだ。けど、ボールが直撃しそうになると、信じられない速さでそれを避けるところを見ると、
やはり彼女も僕同類、いや、そのものなんだろうと感じてしまう。

そんな彼女は、僕の方を見ては手を振り、>>573と言っている。
573以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:58:25.98 ID:smYuycKF0
子・作・り・しまっしょ
574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:58:38.68 ID:p6AQdNAPO
ママもおいでよ〜
575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:59:34.89 ID:p6AQdNAPO
>>573
いやいやいや
576以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:00:01.21 ID:f2W+1ePe0
>>573
/(^o^)\
577以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:04:22.27 ID:uCLEhT9H0
そんな彼女は、僕の方を見ては手を振り、子・作・り・しまっしょと言っている。
赤面する僕に、彼女はいつしか僕の隣に座り込み、顔を覗き込んでいた。

「カオ、赤いよぉ〜?」
「え、だって、突然子作りしましょ、とか言うんだもん……」
「変かなぁ。それよりも、しようよぉ〜」
「あのさ、それ以上言われると、僕の身が非常に危険なんだ……。ほら、あそこに怖い人達が約二名」

沢渡さんにも睨まれ、何故か亜莉栖にも睨まれる僕のハラハラした気持ちなんて感じ取ることも無く、
彼女は僕の手を取り、校舎の教室の方まで連れて行くではないか。
多数ある中の教室は、最早授業に使われる事は無くなった。そんな静けさと、闇の中、彼女は僕を椅子に座らせる。

「子作りの仕方、分かる?」
「それくらい知ってるけど、冗談でしょ……?」
「ん〜ん、冗談じゃないもん。いっぱい、子供作るのが夢なんだぁ」
「って言いながら服脱いじゃダメだからぁぁ!!」
「ほら、ゆーちゃんと同じおっぱいの大きさ。見てみてぇ!」

この娘、ソラは最近ではに人懐っこい一面を見せてくるようになった。甘えたい願望があるのかもしれない。
けれど、その甘えたい願望が何故子作りに発展するのか、推測するのも難しい中……。

彼女の指は、僕の>>578に入っていく。
578以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:04:55.12 ID:f2W+1ePe0
あなる
579以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:05:05.25 ID:zb2lQjU30
動力炉
580以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:05:38.08 ID:smYuycKF0
>>578
度し難いwwww
581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:06:02.62 ID:p6AQdNAPO
のどち○こを挟み込める位置
582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:11:57.51 ID:uCLEhT9H0
彼女の指は、僕のあなるに入っていく。
地味な下着をいとも簡単に貫いてしまった彼女は、小さく微笑んだ。
その感覚に体を震わせる僕は、当然の如く指を抜くように言う。しかし、彼女は聞く耳を持たない。

「少し、キツいかもぉ」
「い、痛い、痛いよ! お願いだから抜いて――」
「や〜だ。ゆーちゃんと子作りするんだもん」
「そんな事をしても、子供は出来ないよ……んぁ!!」
「うぅ、これ以上奥には入らないっぽ〜い」

ソラは、今度はいきなりに指を引き抜いてしまう。僕の身体は小さく跳ねる。
息を荒くしてしまう僕のまん前で、彼女はその引き抜いた指をしゃぶるように舐めとってしまうのだ。
恥ずかしい、いや、そんな域を超えて、ちょっと死んでしまいたいとも思えてしまう。

「んふふ〜、おいしいっ!」
「そ、そんな事したら病気になっちゃうよ!」
「え、ソラはいつもこうして一人で遊んでるよ?」
「……ちょっと、教育しなおす必要があるね……」

彼女の知識は間違っている。アナルオナニーなんて人の手に負えるモノじゃない!
だからこそ、僕は>>583という知識を教えることにした。勿論、エロゲの受け売りだ。
583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:12:28.75 ID:f2W+1ePe0
セックス
584以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:13:34.75 ID:p6AQdNAPO
>>583
どうやってだよ!
585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:19:00.05 ID:uCLEhT9H0
彼女の知識は間違っている。アナルオナニーなんて人の手に負えるモノじゃない!
だからこそ、僕はセックスという知識を教えることにした。勿論、エロゲの受け売りだ。

「いい? 女同士の場合は貝合わせて絶頂を迎えるのが一般的で――って、アレって本当に気持ちの良いモノなのかな」
「かいあわせ〜?」
「クソッ、こんな時電気が通っていて、エロゲーが出来ればそれを見せる事で教えてあげられるんだけど……!」

しかし僕にレズ知識は余り無い。ならば、と、僕は半ばヤケになった状態で琴音を連れてきた。
最初こそ、「一体どうしたの?」と戸惑う彼女だったが、僕が教室に連れ込み事情を話すと、彼女は顔を真っ赤にする。

「子作りだかなんだか知らないけど、ゲームの知識をそのまま教えるなんておかしいわよ!」
「そ、そうだよね……ごめん」
「っていうかアナルプレイとか、私がしてみたいって言うのに……んもぅ」
「え、い、今なんて……?」
「何でもないわッ! それより、ソラに正しいレズの知識を教えるってどうなのよ……」
「琴音ならどうにかしてくれるって信じてる! ほら、親友だし?」

卑怯、と彼女は小さく漏らすのだが、このままソラが変態的行動を取り続けるのも危険だという事で、
琴音はセックスという知識に囚われず、無駄に>>586まで教えてしまっていた。
586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:19:44.91 ID:p6AQdNAPO
ハードSM
587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:20:02.73 ID:HI3dkGN40
暗殺術
588以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:20:53.86 ID:smYuycKF0
>>586
教え過ぎww
589以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:21:17.39 ID:p6AQdNAPO
うーん安価取っといて何だが捕らわれてるような…
590以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:21:19.87 ID:f2W+1ePe0
>>586
将来\(^o^)/
591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:23:48.66 ID:4Fk/6j8e0
ハードレズSM・・・だと・・・
592以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:25:24.77 ID:uCLEhT9H0
卑怯、と彼女は小さく漏らすのだが、このままソラが変態的行動を取り続けるのも危険だという事で、
琴音はセックスという知識に囚われず、無駄にハードSMまで教えてしまっていた。
その聞いていていかにも痛そうだと思える内容に、ソラの目つきが少し変わっていることに気付く。

その彼女の様子は、話が終わった所でまた普段通りの丸い瞳に戻っていた。

「はぁ……。実践させろって言われてちょっと困っちゃった」
「お疲れ、琴音。はい、これ」
「何時の間にコーヒーなんて。でも、ありがとう」
「あのさ、ハードSMの話してたじゃん……。あの話がどうでもいいとか、それは置いといて……」
「や、やっぱり、変だったのかな……?」
「そうじゃない。ソラ、顔つきが少し変わったんだ。まるで、残虐性に満ちた目つきっていうか……」
「気のせいでしょ。だって、あんな風にして遊んでる姿は、まるで子供みたいじゃない」

と、彼女が作り上げたクマーを指でズッタズタに貫いては、掌で殴り倒して笑うソラ。
アレが普通? とはちょっと思えないのだが、顔は確かに楽しそうに笑っている。

琴音が言うように、気のせいなんだろうか……。
いや、僕にはちょっとそうは思えない。確認するために>>593
593以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:27:08.94 ID:f2W+1ePe0
目からビーム
594以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:27:21.63 ID:smYuycKF0
ロウソクがいいか、ムチがいいかを訊ねる
595以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:27:33.43 ID:4Fk/6j8e0
プロレスのデスマッチの試合のDVDをみせてみる
596以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:27:50.43 ID:zb2lQjU30
僕に搭載された機能のうちの一つ、目から催眠誘導波を使ってみよう
597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:28:10.37 ID:f2W+1ePe0
正直すまんかった
598以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:32:41.70 ID:uCLEhT9H0
琴音が言うように、気のせいなんだろうか……。
いや、僕にはちょっとそうは思えない。確認するために目からビームを出してみよう。
再び僕はソラの前に躍り出る。そして、指で目を覆い、指を開いて僕は言う。

「目からびーむッ!!」
「ん〜? 何それ子作りなのぉ?」
「……やっぱり、出ないや。アハハ……」
「変なゆーちゃん。あ、そうだ、さっきハードSMっていうのを教わってね〜」
「め、目からびーむッ!!」
「んも〜、またそれ〜。何も出てないのに〜!!」

教わった知識を試したい、といううずうずとした動きを見せるソラだったが、
話してみてやはり気のせいだったかと僕は安堵する。ただの勘違いだったみたいだ。
じゃあ今度は一緒に目からビームを出す練習をしようと、路線を変えてみたところ、彼女は素直に乗ってきた。

「じぃっと、ソラの目を見てね」
「うん、見てるよ。ソラの瞳、凄く綺麗――」

目からビームが出た訳じゃない。ただ、吸い込まれたという感覚に陥った。突然の事に戸惑う僕の周囲は、闇に覆われている。
まるで浮いているような感覚。そして、次第に何か光る物を見つけていく。

「これは……>>599?」
599以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:33:16.87 ID:HI3dkGN40
プリキュア
600以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:33:49.97 ID:smYuycKF0
輝石!? 取らなくちゃ! てりゃ!
601以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:41:13.72 ID:uCLEhT9H0
「これは……プリキュア?」

きっと、琴音なら色々と言えるのだろう。けど、エロゲ専の僕にはどれがどれだか、さっぱりだ。
しかしどれも微妙に衣装が違う。というより、それはまるで……。

「い、今の、何だったんだ……!?」
「どうしたのぉ? ぼーっとしてたよ」
「プリキュアを見て……あれ、おかしいな。全く違う場所に居たような気がしたんだけど……」
「ゆーちゃんは、ずうっとココにいたよ!」

どうやら、僕も疲れてるんだな。と、気休めに肩を揉んでいた。
その様子を見たソラが、何故か僕の肩を叩いてくれる事になり、彼女に任せることにした。
その間、僕はさっき垣間見た景色を再び思い出していた。あれは、プリキュアみたいな……女神みたいな、そんな感じ。

「ソラは、女神様が本当に居ると思う?」
「めがみぃ〜? めがみだから、めがてんになっちゃう!」
「無理やりだなぁ。でも、メガテンは良ゲーだったんだよ。早乙女なんて全てをやり込んだと言って――」

アイツの身体、今どうなってるんだろうな。そんな話をして、ふと思い出してしまう。
いつか、見つけてあげないと。そして、きちんとフリーズドライしてあげないとな……。
僕がそうアイツについて思い更けてしまっていると、直ぐ背後から別の声がしたのだった。

「さて、探し物も見つかった事だし、バトルコロシアムの一回戦をおっぱじめようか」

振り返る。そこには、>>602といった兄弟らしき男二人が、気味の悪い笑顔を浮かべていた。
602以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:41:33.25 ID:f2W+1ePe0
兄者
603以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:41:58.27 ID:smYuycKF0
まるで、もやし
604以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:48:53.50 ID:uCLEhT9H0
振り返る。そこには、兄者といった兄弟らしき男二人が、気味の悪い笑顔を浮かべていた。
さて、どっちが弟者なのだ。どっちも兄者っぽくて、一切検討がつかない。

「ちなみに、メガテンつったら、所さんの目が点だろうが」
「ったく、素人はこれだから困るんだよ。さて、バトルコロシアム、開幕だ!!」

突然一人の兄者が僕の方へ突っ込んでくる。その動きに対応出来なかった僕は、顔に強打を受けてしまう。
その間、もう一人の兄者がソラの身動きを奪ってしまった。

「はぁ〜まだ一回戦だからな。全然本気出してないんだぜぇ?」
「く、くそ……こんなの、平気なんだからな!」
「へぇ、強がってるぞコイツ。どうする、兄さん」
「消せ。ついでに、この校舎も破壊しておこう。俺はターゲットを確保した事だし、先に――」
「させるかぁぁぁぁ!!」

僕の必殺技である月光砲は、校舎を貫いてしまった。それは、この際仕方の無い事だった。
が、寸前で避けられたらしい。元居た場所を変えてソラの身動きを止めたままの兄貴分と思われるその存在は、またにやついた。

「お〜、怖ぇぇ。今の喰らったら一溜まりも無かったぜ」
「兄さん、二回戦に切り替えようよ。もっと本気を出したいよ」
「いいや、一気に準決勝を開幕させよう。そうすれば、>>605を扱えるようになるからな……!」
605以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:49:25.02 ID:f2W+1ePe0
魔法
606以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:49:36.84 ID:NjtfsXAU0
ビーダマン
607以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:49:55.25 ID:p6AQdNAPO
魔神転生
608以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:56:41.09 ID:uCLEhT9H0
「いいや、一気に準決勝を開幕させよう。そうすれば、魔法を扱えるようになるからな……!」
「何おかしな事を言ってるんだ。堂々と、僕と勝負しろ! そして、ソラを返せ!!」
「はぁ〜、何か空気読めない台詞言っちゃってるぜ、兄さん」
「まぁ、実際魔法を放って見せれば良い話。そして、さっさと消してしまえば良いだけさ」
「そうだね兄さん。さぁ、地場を形成して」
「ククク……私の地場は凶暴です――俺、一度こういう風に言ってみたかったんだぁぁ!!」

途端、教室内が一転して景色も変わってしまう。夜の闘技場のような、そんな景色に移り変わり、
今度は弟らしき人物が奇声を発する。途端、黒い塊のようなモノを上空に作り上げていた。

「コレ、何か分かる? 重力。某ゲームで言えば、グラビガくらいかなぁ?」
「たったHPが1/4になる程度じゃないか!!」
「それって結構痛いと思うけど? ハハッ、まぁいいや。――喰らえやぁぁぁ!!!」

要するに、あの兄の男が地場というフィールドを形成し、弟を強化させ、
その影響を受けた弟が重力を発生させる事が出来るという訳だ。
この場を何とか切り抜けて、このフィールドを破らないといけない。と、迫り来る黒い塊を避けようとした。

あれ、何だか様子が変だ。まるで、>>609に陥ったみたいな感じだ。
609以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:57:15.70 ID:smYuycKF0
禁断の恋
610以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:57:27.05 ID:p6AQdNAPO
エロゲで抜きまくった
611以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:06:13.33 ID:uCLEhT9H0
あれ、何だか様子が変だ。まるで、禁断の恋に陥ったみたいな感じだ。
胸が苦しい。そして、そのいけない恋愛劇に僕自身が浸ってしまい、自分を慰めてしまっているような感覚。
僕は悲劇のヒロインだ。そして、そんな自分が愛おしくて、そして、禁断の恋に溺れて……。

「し、しまっ――」

胸を押さえ、ふと意識が飛んでいる間にもその球体は間近に迫っていた。
直撃してしまう、と目を閉じる。そして、一瞬その球体に押し潰されるような感覚に陥って、ふっと身体が軽くなる。

「さっき……準決勝とか言ったわね。彼女は決勝の相手よ。先に私を倒してみなさい」
「誰だこの天パ女ァ!!」
「はーい、私ブチ切れました。さっき、魔法とか言ったわね……。片腹痛いって、こういう事なのね」
「テメェ、人の重力波消しといて、訳分かんない事くっちゃべってんじゃねーぞ!!」
「それはコッチの台詞。本当の魔法っていうの、見せてあげるわ。……覚悟しなさい、天然パーマ扱いしたことを!!」

気付けば亜莉栖もこの場に駆けつけては、僕を庇うように身体を覆ってくれていた。
また助けられたなんて、ちょっと情けないな。と、皮肉っぽく僕は笑ってしまう。
その気持ちを察したのか、亜莉栖が言うのだ。

「助け合うのは、悪いコトじゃない……」
「亜莉栖がそんな事言うなんて、思わなかったよ……」
「見て。お姉ちゃんを助けようと、彼女はあんなに頑張っている」

兄者風の兄弟の弟と、琴音の戦況は……>>612
612以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:07:26.57 ID:f2W+1ePe0
琴音圧勝
613以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:07:30.11 ID:NjtfsXAU0
琴音がバラバラにされていた
614以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:07:33.13 ID:p6AQdNAPO
琴音の惨敗でマワされる寸前
615以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:07:33.47 ID:HI3dkGN40
ひどく地味だった
616以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:08:04.97 ID:4Fk/6j8e0
ハリトーノフ対シュルト戦ばりの悲惨な光景に
617以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:15:16.30 ID:uCLEhT9H0
兄者風の兄弟の弟と、琴音の戦況は……琴音圧勝である。
同じような技で対抗しようとした琴音。どう考えても奴は重力を得意としている。不利だ。
と思ったのだが、弟分の男の身動きを、重力で止めてしまうのだ。

「き、キサマァ……何をしたァァ!!」
「同じチカラで動きを止めてみただけ。これで身動きは出来ないのも同然ね」
「ふざけんな! この程度で俺が――」
「上、見てみなさい。ほら大きな隕石が二つ落ちてきてるでしょう? あれに潰されて、貴方は死ぬの」
「な――兄さん、助けてくれ! 兄さ――!!」

弟分の男は、人間を簡単に押しつぶしてしまうようなその二つの隕石を受けて、直後の爆発により消え失せてしまう。
この様子に、突如地場と呼ばれていた闘技場のような景色は戻り、本来の教室の姿を取り戻す。

「何だと……。俺達、中山兄弟を退けるとは……!!」
「天パ呼ばわりしたコト、後悔させてあげるわ。貴方達は準決勝で敗退よ!!」
「この俺が、地場を形成するだけの能力しかないと思うな――!!」

途端、中山と名乗る兄は>>618
618以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:16:23.50 ID:smYuycKF0
全力疾走し始めた
619以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:16:43.88 ID:4Fk/6j8e0
殴りかかったところをカウンターあわせられて大会史上最短時間KOを記録
620以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:16:44.27 ID:f2W+1ePe0
大爆発
621以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:17:03.94 ID:NjtfsXAU0
バスケットボールを取り出した
622以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:21:55.99 ID:uCLEhT9H0
途端、中山と名乗る兄は全力疾走し始めた。しかも、明後日の方向へ。
これは完全に負けを認めて逃げ出すパターンだ。ともあれ、襲撃は乗り切ったのだと胸を撫で下ろしたのだが……。

「逃す訳には行かないわ!」
「も、もういいじゃないか琴音! ソラは置いていってるし、これ以上――」
「アイツを逃して、NASAの事が知られたら、皆が危険に晒されちゃうのよ!?」
「……そうだった。追おう! 亜莉栖!!」
「分かってる。おいで、茶碗蒸し……!!」

街中を疾走する中山兄。それを茶碗蒸しに乗った僕達が追う。
速度差は流石にハヤブサだった鳥の茶碗蒸しの方が上回っていた。あっという間にヤツの上空に迫る事が出来た。
そこから、なんと琴音は隕石を落とそうとする。それは命を奪う行為だと、僕は止めた。が……。

「奴等は人殺しよ。それに、私ももう、人を殺すことに抵抗なんて無い!
 こんな時にそんな事で躊躇ったら……自分の命を差し出すのと一緒なの!!」

琴音は隕石をやはり二つも降らせてしまう。それは、確実に中山兄に直撃するだろう。
確実に彼は潰されるだろうと、僕は目を閉じてしまう。そして……>>623
623以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:22:46.76 ID:NjtfsXAU0
僕は土砂に潰された
624以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:22:59.28 ID:p6AQdNAPO
中山弟が隕石を容易く砕いた
625以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:29:05.24 ID:uCLEhT9H0
琴音は隕石をやはり二つも降らせてしまう。それは、確実に中山兄に直撃するだろう。
確実に彼は潰されるだろうと、僕は目を閉じてしまう。そして……僕は土砂に潰された。
隕石の爆風は、想像以上に広範囲に広がったのだ。僕も、琴音や亜莉栖も、茶碗蒸しから投げ出されてしまう。

これは、確実に死んだかな……。
まさか、こんな所で死んでたまるか。僕は強くなって、皆を助けて、そして……世界に平和を……!!

土砂を強引に月光砲で投げ払った僕が見た物は、やはりというか、建物が焼け崩れていく様子だった。
そして僕が居る付近は完全に土砂で完全に埋もれてしまっていた。
酷い事になってしまったものだ、と項垂れる僕の足首を掴む一つの手。

「お、お前……生きていたのか!!」
「キサマを葬れば、俺はまだチャンスが残っている……。更に力を得るチャンスが……!!」
「く……これ以上抗っても死ぬだけだ! 僕にはまだ余力が残ってる!!」
「では、見せて貰おうか……その余力とやらを――ガハァッ!!」

突如、胸元を槍のような得体の知れない武器により、中山兄は絶命した。
恐る恐る僕は空を見上げる。そこに一人の少女が浮遊しながら、僕を見下ろしているじゃないか。

>>626の格好をしているけど、間違いないんだ。彼女は……早乙女だ……!!
626以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:29:54.48 ID:HI3dkGN40
怪盗キッド
627以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:30:03.88 ID:4Fk/6j8e0
びんぼっちゃま
628以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:30:09.99 ID:p6AQdNAPO
ブラックロックシューター
629以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:34:49.43 ID:p6AQdNAPO
>>626
女体化したのにキッドとな?
630以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:36:36.01 ID:uCLEhT9H0
怪盗キッドの格好をしているけど、間違いないんだ。彼女は……早乙女だ……!!
僕には分かるんだ。こんな姿をしているけれど、早乙女は動いている。

「早乙女、聞こえるんだろう。早乙女!!」
「…………」
「なんで、返事してくれないのさ。僕を助けてくれたんだろう? 言ってたじゃないか。僕をいつでも助けてやるって……!」
「……黙れ」

今度はカードのような武器を投げてくる。それが僕の足元に刺さった瞬間、とてつもない規模の爆風が起きる。
まるで、キャノンを放ったような威力を受けた僕は、再び崩れ落ちる土砂に流されてしまう。
それを逃さないようにと、槍をいつしか拾い上げていた早乙女は――僕に向かってそれを放った。

「早乙女……僕、は……!!」

胸が熱い。焼け焦げてしまいそうなくらいに。
息が出来ない。窒息してしまいそうだ。
視界が霞む。まだだ、まだ僕は早乙女に言わなきゃいけない事が……。

今までごめんって謝りたい。早乙女を守れるようになりたいって言いたい。そして、早乙女にありがとうって……。

槍を引き抜いた早乙女は、僕の身体を更に腕で貫いた。そして彼は輝石を手に入れたのだ。
最後に僕を見た早乙女の顔は……>>631というような表情だった。
631以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:38:54.98 ID:p6AQdNAPO
蔑むような愛しいような
632以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:41:10.50 ID:smYuycKF0
(・ω・)
633以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:51:40.69 ID:uCLEhT9H0
最後に僕を見た早乙女の顔は……蔑むような愛しいような、というような表情だった。
暫く月が輝くような眩しい石を眺めていた早乙女は、背を向けてゆっくりと歩き出すのだった。
それが、僕が最後に見た光景、そして、僕は力無く志半ばで倒れるのだ。

――白くて、眩しい世界だ。これが、死後の世界なのかもしれない。
ふわふわとした感覚。そして、何か暖かいモノに包まれて、心地が良いのだ。
この感覚を味わうのは二度目だ。そして、この声を聞くのも、二度目となる。

「貴女はどうして再び此処を訪れたのか、ご存知ですか?」
(うん、知ってる……死んだんだ、僕は)
「貴女は間違いなく絶命しました。女神転生を行いながらもです」
(……よく分かんないや。でも、疲れちゃった。眠りたいかも……)
「輝石に頼りすぎた貴女は愚かな存在だったのでしょう」
(そうだね……。けど、それが僕の限界だったんだ)
「ですが、貴女はこの世界に光を照らす存在とならなければなりません」
(知らないよ、そんなの……けど)
「愛する者共を守ると誓ったその勇気――もう一度見せてください。そして、貴女に、光を」

土砂が再び流れ落ちていく。その動きに早乙女は気付き、足を止める。
振り返り、少しだけ瞳に動揺の色が現れた。そこに居たのは、ただの人間ではない――。

彼女は再び力を帯びたカードを投げるが、それは光によって簡単に浄化されてしまうのだった。

「まだ……終わりじゃない」

辺り一帯が吹き飛んでいく中、僕は早乙女を見据え、手を翳していた。


――なんぞこれーって事でつづきますの
634以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:52:46.24 ID:uCLEhT9H0
――次回予告のこーなー

月の女神の寵愛、それは主人公に更なる力を与えることとなり、
早乙女は排除しようと、無言で立ち向かおうとする。
その様子を影から見つめる男は、その見た事も無い戦いに戦慄を覚える事となる。

次回、>>635 お楽しみにぃ?
635以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:53:12.34 ID:NjtfsXAU0
さらば、地球!!
636以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:54:06.99 ID:smYuycKF0
>>635
一気に宇宙規模ww
637以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:57:17.66 ID:uCLEhT9H0
次回、『さらば、地球!!』 お楽しみにぃ?

ちょい待てぇぇぇ!! 地球無くなるんですかぁぁ!?

って事で時間が来ましたので以上で終わります。
もうどうにでもなっちゃえーみたいなトンデモ展開ですし、地球が無くなっても良いかもしれない!
ちなみに、五話くらいから能力については既に付いていけてません。こんな頭で大丈夫か?

ともあれ、お付き合いありがとうございましたー!


1000はまだかー! 明日までしか頑張れそうになひ。
638以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:58:32.85 ID:NjtfsXAU0
乙!
639以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:58:37.26 ID:p6AQdNAPO
>>637
おちゅ!
他の面々は描き起こさないのかな?かな?
640以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:58:58.09 ID:l/Ato6RN0
乙!
641以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:59:38.84 ID:4Fk/6j8e0
642以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 18:01:24.47 ID:smYuycKF0
>>637
乙乙〜
643以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 18:05:21.37 ID:uCLEhT9H0
>>639
近い内に駆け足止めてって感じで……いやぁ中だるみって言わないでぇ!的にしたいかな、と。
まぁ色々と考えてみます。

という訳で明日も同じ時間にお付き合い下さればこれ幸い。ふひひ……!
644以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 18:06:17.11 ID:p6AQdNAPO
>>643
改めて乙を。
無理しないでね!
645以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 18:21:35.67 ID:HI3dkGN40
【12/28 (火) 18:06時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

12/29 (水)
  14:30〜18:00/満月 ◆MOON69mNOA氏 - ヒーロー千期 第十一話『さらば、地球』 1000までイキたいの!
646以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 19:14:52.90 ID:smYuycKF0
「ふあああぁ……眠い」
そう思いながら、私は街の中を歩いていた。
目的は先日発売されたMHP3を手に入れるため。
もちろん、それだけじゃない。
ほかにも月末発売のアレとかソレとかを買いに、秋葉原へとやってきていた。
647以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 19:58:08.40 ID:p6AQdNAPO
あれとかそれ、つまりは…
648以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 20:18:30.14 ID:smYuycKF0
エロゲとかエロ本とかエロ同人誌である。
私はエロと呼ばれるものであれば、例え東京都が許さなくても手に入れたい衝動に駆られ、
その誘惑に負けてしまう人種なのだ。
だが、安心して欲しい。リアルには興味がない。
今日も、秋葉にエロを求めて彷徨っていた。
649以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 20:44:30.51 ID:zb2lQjU30
さて……それでは色んな店を巡って、同じ商品の値段比べといきますか
650以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 21:21:55.91 ID:smYuycKF0
特にエロゲの値段は、店舗の特典もあって、値段が上下する。
ましてや中古の場合だとプレミアがついたりして、新品以上の値がつくこともあるから要注意。

そう思いながらぷらぷらと電気街口から出ると、私に声をかけてくる命知らずがやってきた。
651以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 21:45:26.49 ID:fCRhpK+LO
「長文乙」
652以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 22:29:13.20 ID:smYuycKF0
言葉短く話しかけてきた男を私は、スカートから伸びるカモシカの様な足で蹴飛ばし、
夢とロマンとエロ本がぎっしり詰まったリュックで殴りつけた。
ここいらで、店員以外で私に声をかけてくる人間なんてもういないと思ってたのに。
「あ、そうだ、この本はまんだらけかブックオフに売りに行かないと」
「ま、待って、キミ」
殴りつけられた男は私を呼びとめる。
653以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 22:55:21.09 ID:l/Ato6RN0
「もっとぶってくれ!」
654以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 23:34:10.09 ID:smYuycKF0
目を輝かせて頼み込んでくる男に冷たい視線を送ると、私は無遠慮に自分の趣味の買い物に移った。
「あ、貴方様は、そのような本がたくさん欲しいのですか?」
「ん? そうよ、だから何?」
「私が協力しましょうか? お金、たくさん稼げる方法をお教えします!」
655以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 23:42:10.54 ID:p6AQdNAPO
「へ、変態だー」
656以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:18:40.59 ID:aOQd+ktW0
「わ、私は変態ではありません。わたくしはこういうものです!」
そう言って命知らずな男が差し出してきたのは、テレビ局の名刺だった。
「ただいま、失踪中のアイドルを探している最中なのですが、時間がないので、もう貴方でいいの出て欲しいのです」
「は? なに言ってんのアンタ?」
「番組は生放送、ほかの出演者様の都合もありますので、どうか私を助けると思って」
657以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:09:29.20 ID:9Nsk5+Th0
ギャラは高く付くぞ
658以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
「ええ、こちらといたしましても、緊急事態なものですから、できうる限りのお礼をしたいと思います」
男は揉み手を繰り返しながら、こちらの様子を伺っていた。
日記のネタにはなるかも知れない。しかし、内容は不明。
「生放送って、ドコでやるの」
「アルタで」
「アルタ……? 生放送……? もしかして……お昼休みはってヤツ?」