キョン子「ま、魔法少女ハァハァだたいま参上…はぁ」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
なぜ開いた…
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 14:10:13.44 ID:uB9WR+crO
WKTK
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 14:10:42.17 ID:oRbBLzag0
杉田ボイスで脳内再生余裕でした
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 14:55:59.75 ID:xFo81qnGO
ハルヒならやりかねん
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 15:09:54.83 ID:8r0j3QdwO
早く誰か書きやがれ書かないなら死ね
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 15:10:38.07 ID:1Mby7xGWO
続きマダー
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 15:54:52.79 ID:8r0j3QdwO
落とさせるものか・・・!
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 16:04:59.55 ID:VILP7rVm0
なぜ開いた……。
そうだ、俺はなぜ開いてしまったのだろうか。
『コレ』を開くことが何を意味しているのか、
それについては長門や古泉に加えて、
朝比奈さんからも説明を受けていたというのに。
「なぜ開いちまったんだよ」
後悔とともに頭を抱えて呟いたとき、ふと違和感をおぼえた。
他でもなく自身の声にだ。
むしろ俺がおぼえた感覚は違和感というより、
恐怖というものに近かったのかもしれない。
……ひょっとして俺の耳がイカれちまったのか?
確認のためにも再度呟いてみるべきだ。
「もしもし。大丈夫か、俺? これは俺だよな?」
一語一語発するごとに焦りが募りゆき、
耳を疑ったすえに姿見の前に立ったところで、
今度は眼を疑うべきなのかという疑問と立ち眩みに襲われた。
「なんてこった」
勘違いなんかじゃねえ。
俺の声が俺の声ではなくなっている。
正確には男であるはずの俺にとっては、
あまりにも不似合いな代物と化していたのだ。
いや、それだけじゃない。
姿見に映っている俺自身は、どう見ても――。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 16:12:18.55 ID:SBJw86iL0
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 16:47:54.25 ID:ZGGNesCMO
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 16:50:29.06 ID:bDvdF/WbO
続きマダー?
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 17:01:26.11 ID:VILP7rVm0
「キョーンく〜ん」
間延びた声と軋む階段。
扉の向こうからだ。
時間的にみれば夕食のメニューを報せるために、
親の命をうけた妹が早馬役を担ったのだろう。
逡巡している暇はなかった。
室内の明かりを落とすなり、ベッドへと潜り込む。
「あれー? 寝てるのー?」
扉が開かれたのはそれと同時だった。
俺は暗がりにあることを利用して頭まで布団をかぶると、
できるだけ息をひそめるようにと努める。
呼吸音すらをも気取られるのはまずいと考えたからだ。
頼むから去ってくれ、妹よ。
「ねえねえ寝てるの?」
ああ、俺は疲れて眠っているんだ。
だからあっちへ行ってくれ。興味を持たないでくれ。
俺の姿を晒させないでくれ。
「ねえってばー!」
のっしのっしと床が踏まれ、声が俺の頭もとから降り注いできた。
物陰に潜む暗殺者に監視でもされているかのような居心地の悪さ。
強迫観念に近い恐怖に身が震える。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 17:04:40.64 ID:VILP7rVm0
「…………」
やがて扉は閉められ、妹は階段を下っていったようだ。
戦々恐々、布団から顔を出してみた。室内には誰もいない。
安堵したことで全身から汗が噴き出してくる。
素肌に衣服が纏わりつくのが不快で堪らない。
しかしそれを押してでも先にやらなければならないことがある。
俺は携帯電話を取り出してやつへと繋げた。
「助けてくれ、ヘマをこいちまった」
捲し立ててみるが、向こうからの返答は芳しくない。
『すみません、どちらさまでしょうか』
「俺だよ俺、オレオレ!」
冷静に考えてみれば、これじゃ出来の悪い詐欺だ。
俺は一旦言葉を切り、情報を整理してから事由を伝えた。
念のために『俺』の氏名や年齢、所属クラス諸々で証明を済ませると、
相手もこちらの状況を信用してくれたのか手早く提案をよこしてくれた。
『……なるほど、わかりました。すぐに迎えにあがりましょう。
ただしひとつだけ留意していただきたい点があります。
僕がそちらに向かうまで、その姿を濫りに衆目へは晒さないでください。
あなたが取った行動と一般的概念から推察して、それがベストだと考えます』
これは期待
そうだ
おまえは間違っちゃいない
やればできる子なんだ
続けるんだ
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 17:23:44.45 ID:VILP7rVm0
携帯電話が古泉の到着を知らせる。
俺は閉め切っていたカーテンの隙間から、
外に停まっている黒塗りの高級車を認めた。
『窓から飛び降りてください。
ついでに外出に見せかける必要性もあります。
例の物は勿論のこととして、携帯電話や制服と学用具、
加えて何着かの私服、財布などは決してお忘れないように』
「無茶いわないでくれ。飛び降りるなんてタダじゃすまないだろ」
『では御家族の方々の眼を盗んで玄関までこれますか?』
……無理だ。そっちのほうが怖くて堪らない。
『ならば選択肢はないようですね。窓からどうぞ。
最悪、下から僕が受け止めますので怪我の心配はありませんよ』
気持ち悪いことを口にする古泉。
けれどもこの状況下ではやつに頼る以外の道はない。
俺は手短に荷物類をまとめるとそれを窓から放った。
ついで窓際に立ってみる。
地面までの距離は数メートルほど。
骨折はしないだろうが、下手を打てば捻挫くらいはする高さだ。
だったというのに……俺はなんの躊躇すらも感じずに飛び降りていた。
地面に足跡を残すこともなく、ふわりと、
まるで背中に翼でも生えているかのように、気づけば地に足をつけていた。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 17:26:26.01 ID:0IhCN5HVO
期待せずにはいられないな
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 17:37:57.86 ID:VILP7rVm0
俺を抱き止めようとしていたのだろう。
雨乞いでもしているのか、という古泉のポージング。
傍からみれば滑稽以外の何物でもない。
だがやつも本分を思いだしたのか、すぐに平時通りに繕い、
「車内へどうぞ。足音は立てずにね」
静かに指示をくれた。
俺はそれに従いスムーズに車内へと乗り込む。
そこで手落ちに感付いた。
「悪い、靴を忘れてきちまった」
「問題ありません。ですよね、新川さん」
運転を担うのであろう新川さんが、肩越しに俺の靴を示す。
手際の良さは流石というべきなのだろうか。
「では参りましょう。まずは分析を行うべきでしょうからね。
こういう場合には頼れるべき相手へと頼るのが定石です」
やがて恙無く走りだした黒塗りの車。
夕闇に染まる街中を、俺たちは静かに運ばれていく。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 18:06:37.61 ID:HZi2/5u/0
念のため保守
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 18:14:00.82 ID:VILP7rVm0
車内は静寂に満ちていた。
静音仕様の車体に、防音仕様の車内。
運転手は口を開かず、俺や古泉も同様に黙る。
何より窓に張られた遮光フィルムが、多大な安心感を与えてくれる。
深々とした時間の流れ。
眠りに落ちる寸前のような充足感。
しかしそれも唐突にして破られてしまう。
車外にいた通行人と俺の視線がカチあった瞬間だった。
「――っ!」
燃え盛る炎に直肌で触れ、生体反射が起きたときのように、
俺は慌てて身を潜め、手近にあったバッグで頭を隠した。
自分の行動が理解できなかった。なのにそうせずにはいられなかった。
そんな俺に、いまの今まで顎に手をあてて黙考していた古泉が言った。
「厄介なルールですね。ですが車内と車外は完全に断絶されていますよ。
そう過敏になられることもないんです。ところであなたは彼、なんですよね?」
「こっちが訊きたい。俺は誰なんだ」
「いえ、すみません。あまりに驚いてしまったものでして」
古泉が再び考え込む。
こいつにすら俺が『俺』であることが通じないのだから、
あのとき姿見で映ったアレは間違いなく現実の『俺』だったのだろう。
どうも気分が悪くなってきそうだ。この視線恐怖症にも似た強迫観念はなんなんだ。
ハルヒの所業によって精神病とかにでもやられちまったのか、俺は?
「違うと思います。少なくともそういうものではないようですね。
現に僕の前におられるあなたは、紛れもなくあなたではない。
どこからどう見たって別人のようですし、そればかりか根本的に……」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 18:16:41.39 ID:VILP7rVm0
すまん
片手間でやってるからペース遅い
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 18:30:30.34 ID:Ujc2JXiKO
これは期待
紫煙
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 18:36:25.75 ID:VILP7rVm0
言葉を切り、指を立てる古泉。
「確認させてください。
あなたの行動を見た限り、あなたは他者の眼を酷く気にしている。
先ほどから落着きがないのもそのためなんですよね?」
お前の言う通りだ。
理由は知れないがどうにも気になって仕方がない。
「ではどうしても僕には連絡をよこされたのでしょうか。
また、その際になにか恐怖などの感情は抱かれましたか?」
特にないと思う。
不思議とお前や長門、それに朝比奈さんらには何も。
「ふむ。早合点なのかもしれませんが、
僕の直感も捨てたものではないようですね。
隠密に行動したことが良い方向へと働いてくれたようです。
さて、ここで共通項から推察してみましょう。
僕や長門さん、朝比奈さんらは一般人ではない。何らかの秘密を抱えている。
けれどもあなたが怯えている相手は、その総てが一般と思しき人です。
恐らくそれらがひとつのルールとなっているのかもしれません」
解り易くたのめないか。
「端的には、あなたの正体を一般人に暴かれてしまうのは禁則だということです。
そして僕などの近づくことを許されている人物は、概ね補佐ってところでしょうか。
あくまで当て推量ですがね。ともかく長門さんに訊ねるのが最善でしょう」
古泉がちらりと外を覗うと、そこには長門が佇んでいた。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 18:48:23.57 ID:KUlP0SS30
見てます
期待保守
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 19:04:42.03 ID:8r0j3QdwO
ほしぅ
キョン子スレにはorzタワー荒らしが現れない法則
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 19:45:23.88 ID:DTDouid20
ほしゅ♥
ここで終わり?
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 20:03:51.31 ID:VILP7rVm0
長門が俺の隣へと乗り込み、変わっての古泉が助手席へと移る。
言葉もないまま決まっていたことのように再発進する車。
長門は何も言わない。
じっと、俺の瞳を覗きこんでくるだけだ。
「どうすりゃ、いいんだ?」
段階的推論すらも忘れた俺の問いかけ。
長門は答えず、その代わりに俺のバッグを漁りはじめ、
暫くすると『ボロボロの石箱』をとりだしてから首を傾げた。
どうして開けたの、と訊かれているような気がする。
「その、なんだ。どうせ開かないだろうと思ってて。
それで暇つぶし程度にと触ってたら落っことしちまって」
「気づいときには開いていたと?」
古泉の合いの手に、俺はうなづく。
それだけで長門は把握できたのか解説をはじめた。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 20:16:12.53 ID:VILP7rVm0
「相互間物質転位装置。起動条件は、これの開放だと推測される」
いきなり意味不明な単語がでてきた。
だがこういう時には古泉が頼りになるようで、
噛み砕くのが本分だとばかりに口をはさんでくれた。
「箱型のワームホールのようなもの、と解釈してよろしいのでしょうか?」
「便宜上それでも構わない。けれどもあくまで転移するのは物質とみられる。
細部に不明な点が多いものの、少なくとも今回の件に絡んでいるのは間違いない。
先日の調査では何らかの方法によって完全に密閉されていたはず。
わたしやあなた、涼宮ハルヒや古泉一樹、朝比奈みくるが手にした所で、
開閉は不可能だったことからもそれは疑いようのないこと。
けれども現在はこれが開かれている。そして、あなたはそうなっている。
道筋は不明でも結果は現状のとおり。関連性は十分だと考えられる」
俺はどうなる、このままなのか?
せめて体だけでも何とかできないのか?
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 20:27:19.93 ID:VILP7rVm0
「あなた自身の体はいま現在、当該時空間上には存在していない。
あなたの意識と記憶だけを残し、全くの別個体へと書き換えられている。
もし強制的にあなたの姿を修復するとした場合、
あなた自身を原子レベルから再構成しなければならないことになる。
つまりはゼロから新しく個体を造りだすことと同義。
不可能ではないが、推奨はできない。身体的にみても危険。
それ以上に、本来の肉体と解離された状態にある意識や記憶に、
致命的な障害が発生する可能性が否めない」
所々理解できないが一筋縄では元に戻れないということらしい。
どうして俺がこんなことになっちまうんだろうか。
それもこれもハルヒがモロに噛んでいることは俺だって解っちゃいるし、
その場に俺自身も立ち会い、半強制的とはいえ箱を預かったのも俺だけど、でも……。
もはや言葉も見つからず頭を振っていた俺に、古泉が付け加えてくる。
「勝手な推測で申し訳ないのですが、その箱を開くべき人物は、
実のところあなたではなかったのかもしれません。
でなければ何故、その……あなたの性別までもが挿げ変えられたのか、
という点についての説明がつけられませんからね。
なので本来は女性が使うべきものではなかったのかと。
いや、それにしても。
予め何かが起こるかもしれない可能性を知りながらも、
それを放置していたのは僕の責任でしょう。申し訳ありません」
古泉の語調から伝わってくる微妙な気遣いが辛い。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 20:43:12.91 ID:VILP7rVm0
すべての発端は数日前に遡る。
俺たちはこの街から遠く離れた山のなかを歩いていた。
その動機は実に端的なものであり、
団長様の一声で行楽シーズンのピクニックと銘打たれ、
例によって例の如く古泉が適当な場所を見繕ってきたからである。
ただ一つ特別な点を挙げるとするならば、
その場所とは化石だかなんだかしらんが、
趣味で発掘を行っている人たちにとって有名な場所だったってことだ。
ここまで言えば後のことは語るまでもないだろう。
ちょうど、俺たちが通りかかったときにそういう人達を目にしたハルヒが、
「トリケラトプスでも埋まってんのかもしんないわっ!」
などと零し、俺たちまでそれに付き合わせられるはめになり、
どうせ徒労に終わるだろうと考えていた俺は木陰で寛いでいたのだが。
「なんか出てきたから、雑用係のくせにサボってたあんたが預かっておくように」
ぽんと手渡されたのが例の箱。
当然、ハルヒを除くSOS団員は警戒したさ。
あいつが掘り当てたのだからパンドラの箱くらいの代物かもとな。
だからこそ連日に渡って長門たちが調べていたというのに……。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 20:54:41.54 ID:VILP7rVm0
長門や古泉たちでさえ開けなかった。
終いには単なる四角い石ころなのではと言われるようになり、
団長の意向に沿う意味でも保管を頼まれた俺が所持するという形になっていた。
なのに現状はどうだ。
あれだけ開かなかった筈の箱が、こうも簡単に開いてしまった。
何故、俺には開けられたんだ?
「…………」
ふと、古泉の視線を感じた。
「何かわかったのか?」
「いえ、なにも」
古泉はツイと視線を逸らし、今度は長門をとらえる。
「長門さん、他になにかしらの発見はありませんか?」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 20:58:49.46 ID:LLpyS6Yz0
はんこ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:13:58.55 ID:VILP7rVm0
いまだに石造りの箱を眺めていた長門は、
魅入られでもしたかのように底のほうをじっと見つめ続けている。
「……長門?」
呼びかけると、緩慢な動作でこちらへと向き直った。
俺は何か不可解なものを覚えたのだが、
それを俺が訊ねるよりも早く長門は口をひらいた。
「この箱は不完全で不均衡な状態。
歳月によって損壊したなどという詳細は、現時点において不明」
そして古泉。
「なるほど。いずれにせよ、欠けている状態ということですね。
足すべき要素がほかにある。それを補うのは――」
俺、とでもいいたいのか。
「さあどうでしょう。
しかし、それが誰かによって作られた装置だとするのならば、
普通は逆方向に働く機能というのも備わっているはずでしょう?
例えば部屋の電灯にしたって、スイッチを入れれば明るくなりますし、
逆にスイッチを切れば機能は停止し、暗くなります。そういうことです」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:18:00.14 ID:NgFkOog4O
期待
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:31:35.74 ID:VILP7rVm0
箱を開いたことによって起きた変化を、
箱を閉じることによって鎮めるということなのだろうか。
確かに、道具としての機能面から考えればそうなるのかもしれないが。
「繋がった」
長門がつぶやく。
古泉と話していた俺がそちらを向くと、
長門が掌サイズの石箱のなかへ腕を突っ込んでいた。
「何やっているんだ? というよりそれ、どうやってんだ?」
返答なし。奇術にしちゃあ上出来すぎるその様。
そうこうしている間にも、長門は肩ほどまで腕を突っ込んでいく。
ガタガタと震える石箱との格闘。
やがて長門は何かを掴んだのか、一挙に引き抜くと、
まるで魚でも釣り上げたといわんばかりに何かぶっといものを手にしていた。
棒状の何か、というのはわかる。
今の俺が両手を広げたサイズ以上に長く、円周は握れるくらいであり、
片方の頭となる部分には、欠けたのか折れたのか刺々しい装飾が施されているようだ。
といっても全体が錆びついているのか泥に塗れているのか汚らしい。
「そりゃなんだ」
祭事に用いる杖のようにもみえるが。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:35:18.75 ID:hTeRsbU00
支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:46:03.26 ID:R198DxI8O
ほ
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 21:53:26.65 ID:VILP7rVm0
「車内では狭そうですね。降りましょうか」
古泉が言う。
車外の風景も、いつのまにか閑散としている。
というより鬱蒼としている。ちょっとした雑木林のようだ。
つくづく手際の良い奴である。
「大丈夫のようです、辺りには人気がありませんから」
古泉の言葉で後部座席のドアが開かれた。
丁寧なことに靴まで用意してくれている。
エスコートでもされている気分だな。
「おっとと、少し待ってくれ」
俺は外に降り立とうとしたのであるが、ぶかぶかの衣服が邪魔となり、
足元をロールアップして無理やり着こなすという作業に手間どってしまう。
そうこうしているうちにも陽が落ちてから冷たさを増した外気が、
車内との気温差も相まって俺の体温を奪っていく。
「やたら寒いのは気のせいか?」
「そうでしょうか。僕には程よく思えますが」
「服のサイズが合ってないせいかな――と、よし」
靴のサイズも合っていないが歩けないことはない。
「それで今から何をするんだ?」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:00:12.69 ID:NgFkOog4O
しー
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:02:43.28 ID:seDdPx550
魔法少女ハァハァたんハァハァ
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:18:04.62 ID:hTeRsbU00
sien
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:24:31.92 ID:mXWcKxbfO
今、キョン子ノーブラじゃね?
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:25:03.97 ID:VILP7rVm0
俺の問いかけに長門が回答する。
「可能な限り復元を試みる」
言うなり、何かを唱えだした。
言葉とは思えないテープの早回しのように口が動き、
それに応じるように汚らしかった杖が仄かな青光りに包まれる。
折れていた頭の飾り部分にも、熊手を思わせる爪が生えていく。
植物が成長する様子を20倍再生くらいにすればこうなるんだろうな。
で、待つこと六秒か七秒ほどだったのだろうか。
「終わった」
化学反応じみた光が消え失せ、辺りは再び鬱蒼とした暗がりに落ちた。
100年以上、雨ざらしにしていたような杖も、
今では鈍い赤銅色の柄を持ち、爪の部分はガラスのように透き通った、
イミテーションとしてそれなり値が付けられそうなくらいにはなっている。
それを差し出してくる長門。
よく観察してみると、先ほどよりも柄の長さが伸びている。
さらに柄の部分には蛇のようなものが巻きついている、エンボス加工のような装飾。
「やけに気味の悪い杖だな」
やや受け取るのには躊躇したのであるが、
長門の手が一向に引かれることはなかったので仕方なく手にすることにした。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:32:57.24 ID:hTeRsbU00
支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:48:42.85 ID:hTeRsbU00
ほ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 22:54:53.38 ID:VILP7rVm0
手にした瞬間。
ぱちんと何かが弾けた。
ゆらりと視界が滲んだ。
体の感覚が遠くへ吹き飛んでいくような虚脱感。
夜にしてはあまりにも昏く、
山にしてはあまりにも鎮かな場所。
だけどここって――。
「だいじょうぶ」
長門の声が耳元で聴こえた。
はっとして、俺は弛緩しきっていた両足に力を込める。
「悪い、立ち眩みだ。すまない」
抱きとめてくれいたのであろう長門から身を離す。
古泉も驚いているのか表情からは微笑が消えている。
不自然なことに一瞬完全に意識が飛んでいたのに、
杖だけはしっかりと俺の右手に握られていたままだった。
RPGでいうところの呪われた装備なのかもしれない、とふと思う。
クラクラと酸素欠乏症に似た頭を支えようと手をやり、そこで変化に気づく。
下半身が心もとない。
なんだこりゃと思って確認する。
それが解ってまたも立ち眩みを覚えた。今度は精神的な意味でだ。
氷解したぜ、古泉の驚いていた理由が。
「なんで俺がスカートなぞを穿いているんだよ」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:02:24.11 ID:fg3zvE2CO
さくらちゃんかよ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:04:43.65 ID:hTeRsbU00
キョン「レリーズ!」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:05:24.84 ID:L1pi5VdqO
キョン「ほえ〜」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:11:59.43 ID:VILP7rVm0
長門がいう。
「あなたが手にしているデバイスの効能。
それにより時空間座標の相互固定化が促され、物質転移を助けた。
一部分でしかなかった肉体の転移も、第二段階へと移行している」
「それで髪型も変わられたのですね」
古泉がさらりと重大なことを付け足したので、俺は慌てて身なりを確認した。
といっても鏡がないので触診だ。
頭に手をやってみると、なんだか髪が凄いことになってる感触がある。
それにプラスして後ろ髪が腰ほどまでに伸びているような。
というかちょっと待て。
「お前たちは俺を元に戻すために何かしらの作業をやってくれていたんじゃないのか?
なのにどうして俺がファッションショーじみた真似をしなきゃならないんだ」
「お綺麗ですよ」
「あまりふざけないでくれ、こっちは死活問題なんだ」
「勘違いなさらないでください。こちらとて死活なんです。
あの石箱が不完全だというのはお話ししましたよね?
ということは段階的に機能を取り戻していくのは致し方ないわけです」
どこか納得がいかない。
「それよりどうですか、なにか身体的な変化などは?」
爽やかなに笑う古泉。
腹がたつが、やつの言うことにも一理あるのだと自分自身に言い聞かせる。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:16:31.02 ID:L1pi5VdqO
性転換とか懐かしいな
とっくに廃れたと思ってた
キョン子の小説は昔書いたなぁ・・・ナツカシス
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:36:31.61 ID:VILP7rVm0
身体的な変化なんて数時間前から腐るほどあったさ。
そしてとうとう女装までしちまったわけだからな。
これ以上なんの変化があるっていうんだ――って、
「ここらの気温って急激に上がりでもしたのか?」
「いいえ、特に変わりは」
古泉が手を広げ、長門も首を振る。
「寒さが吹き飛んでいるような。
それだけじゃないな、春の日差しのなかにいるような温かさを感じる」
まるで羽衣にでも包まれているような気分だ。
そういえば体も軽い。
一番初め、窓から飛び降りたときのように自重を全く感じない。
あれだ、あらゆる不快な感覚というものが完全にシャットアウトされ、
完璧なコンディションに保たれ、かつ体の芯から瑞々しい活力までもが湧いてくる。
悪い気分ではないけれど、それゆえに恐い。
「まさかとは思うが、妙なクスリみたいな効果があるんじゃないのか」
「そういうものではないと思――」
古泉の言葉を最後まで聞いているのが面倒だった。
じっとしているのが辛い。
酷く勿体なく思えてしまう。
今すぐにでも町内中を走りまわりたい気分だ。
俺は気持ちのやり場がわからずに杖を眺めた。
初めこそ気色悪いと思っていたはずのそれは、
改めてみると地球よりも美しい造形のように思えた。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:39:02.12 ID:hTeRsbU00
支援
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/20(日) 23:50:38.73 ID:hTeRsbU00
ほ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:00:17.03 ID:VILP7rVm0
握りしめる。杖を。
握力だけでへし折ってしまうくらいに、強く、強くだ。
両手で杖のなかほどを持ち、捩じ切るように捻る。
カシャリ、と小気味いい駆動音が聴こえた。
杖の頭を飾っていた三枚のガラスのような爪が、
気づけば二枚、今度は左右対称に生えていた。
ツルハシのような形状。
「古泉一樹、離れ――」
誰かの声が聴こえた。
それを聞き取り理解するのも面倒だった。
両手でつかんだ杖が、強風に煽られているかのように震えだす。
それを腕の力で強引に抑え込む。
されど絶え間ない衝動までもは抑え込めそうにない。
叩き込みたい、振り抜きたい、ぶち壊したい、そんな律動。
ドクリドクリと心臓が脈打ち、リズムに合わせて意気が昂っていく。
決めた。
目の前でいい。
目の前にある鬱蒼とした雑木林が気に入らない。
標的を定めるなり腰溜めに構えた杖に、全神経を集中させる。
一気に振り抜いてやろう。フルスイングでだ。
確かな狙いをつていく。
同時進行で両手に力を込める。
杖に絡まっていた蔦がブチブチと千切れいくような感触が走った。
それが異常に心地いい。
「そんなもの――」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:01:19.86 ID:VILP7rVm0
魔法か性転換か本筋かのどれかに絞るべきだった
難しい
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:03:17.78 ID:cuaVa2j2O
即興とかあたまおかしい
最初の方でどんな服を着ていたのかがさっぱり理解出来ない
(゚ν゚)ニホンゴムズカスィネー
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:17:15.45 ID:QpyfQEtCO
谷口です
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:17:50.67 ID:DJVR9ppzO
敢えて言おう
面白いから続けろ
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:39:57.78 ID:YNJtxNs1O
し
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 00:41:03.28 ID:L7VwxDznO
マジカルキョン子保守
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:04:51.95 ID:LMGpbsKY0
追いついたと思ったらとまってたでござるの巻
え?続きは?
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:21:24.79 ID:KoH9CFuX0
ほ
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:21:42.97 ID:e69GsA2K0
全力で、何かを叫びながら振り抜いたはずだ。
自分でも何を言ったのか解らなかったはずだ。
ただ煩かったのだけは憶えている。
分厚い金属板を鋭利な刃物で斬り捨てるような、
悲鳴といっても差支えのない響きに耳が鳴ったのだから。
きっとそれは空間を切り裂く音だったのだろう。
杖を振り抜いてからも見据えていた。
眼前で暗澹たる雰囲気を醸していた雑木林をだ。
緩やかに隆起したような地形。
それの木々が薙ぎ倒されていく様を。
様相を喩えるなら素麺の山だった。
お椀一杯山盛りの白飯に、茹でてもいない素麺を数十本突き立て、
弱々しく茂っているそこを目掛けて渾身の力で包丁を振り抜いたかのように。
木々が飛び、枝葉が乱れ、土が舞い、山は消えた。
「ハァハァ……」
どさりどさりと地面に横たわってくる木々によって、
地面がひとつ揺れるたびに優越感と充足感が満たされていく。
代わりに、湧き上がってくるような衝動もなりを潜めていく。
杖の鳴動も、自身の鼓動も、抑えきれない律動も。
そのすべてが平時のバイオリズムへと戻りつつあるのを感じる。
そして目の前に拡がっていた光景を再認識してから、はたと我に返った。
所々で炎が燻っている、山火事あとのような惨状にだ。
「これ、私がやったのか?」
訊ねるべく、二人を探して振り返ると。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:26:31.20 ID:ZHiNhUQ4O
続けて
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:30:44.94 ID:d+pEXjrJ0
カードキャプターキョン子
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:34:18.98 ID:4U2mR1HIO
古泉「カードキャプターキョン子の誕生や!」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:45:58.17 ID:e69GsA2K0
「武器を収めて。チャージングモードを解除して」
長門から片掌を向けられていた。
古泉は長門の後ろに隠れているようだ。
やれやれ、こっちとは4〜5メートルは離れているんだから、
そんな危ないやつを監視するかのように警戒しなくともいいだろうに。
ところでなにやら言われているようだが、どうすりゃいいんだ。
「先ほどと同じように杖を操作すればいい」
「操作ってどのようにだ?」
「それはわたしには判らない。杖はあなたにしか扱えないもの。
あなたが思うように扱えば、あなたが思うように働きかけるはず」
アバウトにもほどがあるだろうと思いつつも、
ついさっきの高揚感のなかで杖を捻っていたことに思い当たる。
なるほどそれかもしれないな。
てなわけで、適当に捻ってみると。
「おっと」
カシャリ、という駆動音と共に爪が内部へと引っ込んだ。
それとともに全長も半分ほどになったので、
公園などでジイさんに渡せば普通の杖としても重宝されることだろう。
さってと。
「これで何か新しい発見があったんだろう?
だったら早いところ、私を元に戻す方法を探ろうぜ」
……あれ?
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 01:49:37.17 ID:G7zsQdScO
支援
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:00:14.33 ID:V2Ezao95O
だってウサギの耳は長いんだもん支援
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:00:31.42 ID:e69GsA2K0
ちょっと前から何かが変だ。
杖を振り抜いたあたりから記憶も飛び飛びだしな。
それで、えーと。
そうだ、一人称だ。
「俺、俺……私じゃなくて、俺……」
よしよし、これで元通りだ。
危ない危ない、これも体が変わっちまった弊害だろうか。
以後注意しておかねばな。
「まったく派手にやらかしたものですね」
長門の陰から古泉がでてきた。
右腕を押さえている。
「どうかしたのか?」
「とばっちりを食ってしまったようです。
長門さんのお陰で大事には至らなかったようですがね」
するりと、ようやく長門が手をおろした。
安全だと判断したのだろう。古泉と長門が言葉をかわし始める。
「しかしどうしましょうか。雑木林が更地になってしまいました」
「こちらで手配はしておく。けれども次回のテストは場所を変えるべき」
「同感です。そうなると、おあつらえ向きの場所に心当たりはあります」
俺は蚊帳の外だ。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:13:34.53 ID:V2Ezao95O
wktk
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:16:26.70 ID:e69GsA2K0
古泉が向き直る。
「さて、本日の所はここらにしておきましょうか。
現状は2.5段階目というところですし、上々だと思われます。
初日から飛ばしすぎるとあなたも疲弊してしまわれるでしょうし、
こちらとしても辺り一帯を荒野にされては困りものですからね。
ところでその杖についてですが、固有名詞が欲しいところです。
名前というものがあったほうが、後々の判別で困らないでしょうし」
どうですか、と俺へ訊ねてくる古泉。
名付け親にでもなれというのか。
「そうだな」
ポチ、じゃ犬だし、ジャミセン、じゃうちの猫の亜種だ。
ネーミングセンスにはあまり自信がない。
なら、こういう場合は状況から取ってつけるに限る。
この杖を発掘したのはハルヒで、それが石箱の中からでてきた。
箱、箱。オーパーツじみた意味不明な能力を持つ、箱。未知数。
「パンドラってのはどうだろう」
我ながら、なかなかにスマートだと思えた。
「……ふむ、そうきましたか。ふふっ。
まさに箱を開けたあなたが持つに相応しい名前だと思います」
くっくっく、と古泉は何がおかしいのか一頻り笑い声をあげ、
俺は自身のネーミングセンスが拙かったのだろうかと気恥ずかしさに苛まれた。
続けて
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:31:57.37 ID:rAi2ZMMJ0
早くエロシーンを
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:32:48.59 ID:sWWnX6l60
これは素で面白いw
リアルな人間らしさのある登場人物の設定が良い。
そして読者の感情の揺さ振り方やSSスレに有りがちなキャラの性格とは非対称に早期に成りやすいカオスもない。
そしてこの
>>1は人間観察を良くしており、客観的にも主観的にも思考できるスキルがあると言える。
これは稀に見る良スレ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:38:25.63 ID:C6Mpt7bP0
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:39:12.07 ID:e69GsA2K0
ところで、夜の蚊帳も降り切っているわけであるが、
俺はふと、自宅へ連絡を入れていなかったことを思いだした。
ということで二人へ解決策を求めたところ、古泉があっさりと答えた。
「既にあなたの携帯電話から外泊するという旨で、
御両親のもとへとメールを送っておきましたよ。
いやー便利なものですね、送信者が僕でも簡単に偽れて」
余計なことをと言いたいが、今回は助けられたな。
気が動転していて俺はまともな判断力も失っていたのだし。
俺の両親ならハルヒの突発合宿でさえスルーなのだから、
割と適当な理由でも暫くは問題なくやりすごせることだろう。
「で、実際の俺はどう過ごせばいい?」
「僕の所で……と言いたい所ではありますが、
今のあなたは曲がりなりにも女性なんですし、
また様々な諸問題の際にいち早く対応できる人の傍がいいでしょうね」
「となると?」
ぴっ、と古泉が隣を指差す。
「わたし」
なるほどね。確かに長門ならば安心できそうではあるが。
でも本心をいえば複雑だ。他人からみりゃ俺は女なんだろうけどさ。
「ふふ、あなたが覚悟すべきは夜が明けてからでしょうね。
その体をどう偽りつつ、学校へ通うのかというのは見ものです」
よし長門、明日の天気を外出不可の台風にでもしてくれないか。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:43:56.56 ID:jv2/8i8u0
キョン子かわいいよキョン子
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 02:56:08.83 ID:oDEl9+ca0
これ即興?
ワクワクしてきたぜ
キョン子がマンセーされてたり周りが変態化されてたりしないのがいいな
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 03:33:47.68 ID:4U2mR1HIO
保守
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 03:55:53.96 ID:V2Ezao95O
保守
保守は任せた
俺は寝る
描こうと思いSAIを起動したが服装がおもいつかんかった…ねよう
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 05:14:59.14 ID:2b+YC50F0
ほ
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 06:35:25.25 ID:NZ95z9pUQ
し
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 06:58:26.85 ID:EP45kU+BO
の
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 07:16:09.12 ID:QB2CWxTzO
こ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 07:45:25.97 ID:u4BlZlmzO
ま
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 08:25:36.87 ID:qGgECw+m0
ん
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 08:44:37.41 ID:dwyd2rUTO
ぼ
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 08:44:51.81 ID:XPCSPqPSO
脳内変換は
キョン子+さくら
で
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 08:45:52.19 ID:XPCSPqPSO
あ、済まん
空気嫁んでなかった
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 09:23:34.94 ID:MFDgBkwiO
保守
星の子マンボ(歌・キョン子)
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 10:17:17.32 ID:qhQelbKGO
ほし
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 11:08:10.79 ID:qhQelbKGO
保守
魔法少女ハァハァ堕胎魔とはアバンギャルドな名前だなと
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 11:11:54.55 ID:YZKJU4VWO
キョン子「キョン子怪獣じゃないもん!!」
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 11:46:33.40 ID:vlwVTg6nO
カービィ楽しい
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 12:02:40.03 ID:YZKJU4VWO
保守続きはまだかい?
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 12:33:34.39 ID:tCkLSczuO
保守
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 13:16:38.35 ID:IKkJ19vq0
ほ
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 13:28:04.77 ID:UKATVZNe0
おいまだか
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 13:49:06.98 ID:KoH9CFuX0
age
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 14:20:19.06 ID:KoH9CFuX0
ho
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 15:06:50.29 ID:QpyfQEtCO
ぬう
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 15:58:19.33 ID:DJVR9ppzO
ほし
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 16:36:01.80 ID:QpyfQEtCO
なんとなく
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:03:08.99 ID:V2Ezao95O
>>108 キョンとキョンの妹の年齢と性別が入れ替わるのか
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:13:59.31 ID:G7zsQdScO
ほし
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:25:39.89 ID:ofo6KCo0O
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:34:27.45 ID:GyZAk2TY0
>魔法少女
この文字列だけでもう・・・ふう・・・
キョン子の声は沢城
異論は認めん
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:39:17.61 ID:1Vb9zyKoO
なんかリミットブレイクの同人思い出した
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:48:20.63 ID:4U2mR1HIO
妹「お前が歩くだけで、まるで怪獣が闊歩してるみたいだな」
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17:50:29.93 ID:ZHiNhUQ4O
キ
ヨ
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18:07:19.96 ID:2EXk/aqX0
ン
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18:07:37.32 ID:VDsmgk6y0
子
は
ID:e69GsA2K0はもう帰って来ないのか誰かSSの続きかいてよ〜
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18:41:08.67 ID:ZlS0ZBhrO
チンチン(・∀・*)っ/凵⌒マダァ
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18:47:59.21 ID:e69GsA2K0
昨日のアレが夢オチだった。
なんて儚い期待は、朝日が東から昇るくらい当然の如くに裏切られた。
外出不可の台風にでもならんかという、淡雪のように儚い期待までも裏切られ、
本日は憎々しいほど晴れ渡った空模様である。
俺は長門が用意してくれた、非常に日本人らしい朝食をありがたく頂きながら質問した。
「なぁ……本当に学校に通わなくちゃいけないのか?
というか、このまま学校に行ったら変質者扱いにされたりしても、
なんら不思議じゃないとさえ思えるんだが」
「必要」
必要なのは、なんとなく分かる。
このまま引き篭もり生活した所で何の解決にもならないと、さすがの俺にだって理解できる。
だがな……この女子生徒の制服を着なけりゃならん俺の心情も少しは察して欲しい。
そう。なんと俺は現在、長門と同じ、北高の女子生徒の制服を身に纏っているのだ。
「なぁ、長門。さすがに女子の制服はマズいんじゃないか?」
「問題ない」
いや、問題ありまくりだろう。女という事がバレたらジ・エンドなのだから。
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19:07:16.36 ID:GyZAk2TY0
きたわぁ?
いや、眠いんで続きは他の人どうぞ
141 :
>>84:2009/09/21(月) 19:24:06.22 ID:e69GsA2K0
夜のドライブも散開の刻が近づいているようで、
遮光フィルム越しの風景も見慣れたものへと変わってきている。
その移動中に杖や状況から推察して解ったことであるが、
俺が手にしている俗称パンドラには、様々な機能が内包されているようだ。
現在のように爪が引っ込んでいる状態では俺の着衣に関する異相転換、
とかいう衣装交換状態も元へと戻るようで、髪の長さも背中ほどとなり、
現在の俺は元々身につけていたブカブカな男性服へと身を包んでいるわけだ。
それらについて納得できないでいた俺に、古泉が茶化すような解説をくれやがった。
「いわゆるの変身というやつですね。
杖を手にすることで事を為すのに向いた衣装へとドレスアップするわけです。
我々人間だって登校する際は制服ですし、自宅では私服、
仕事へと赴かれる方々は作業着やスーツなど多様性に富んでおります。
あなたの姿が変わるのも、そういうルールと似たようなものなのでしょう」
だったら姿形も完全に、元の俺へと戻ればいいのに。
「杖はあくまで衣装やエクステンションに関する補完扶助装置。
となれば恐らく、肉体転位は『石箱』が受け持っていたんでしょうね。
生憎その石箱が不完全なままなのでスイッチをオフにすることはできませんが。
ほら、変身少女ものでドレスアップする際には必ず道具が必要でしょう?」
俺はそっちの話にゃ疎いんだ。ついてはいけないね。
「力をもつ杖を手にした少女。一般的呼称では魔法少女ってところですかね」
珍しく愉快そうな表情を露わにする古泉を、俺は無視することにした。
無言で窓外を眺めていると、通行人を見かけるたびに冷汗が流れるのも相変わらず。
やがて俺たちを運んでいた車が停まった場所は、長門が住む高級分譲マンション前であった。
おかえり。
シエンタ
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19:47:42.67 ID:e69GsA2K0
「長門さん、護送は頼めますよね」
古泉が指示らしきものを下して先に降車する。
俺は長門をうかがった。
部屋まで行くにしても他人の眼に対する恐怖が拭えない。
けれどもやはり、こういう状況での長門は頼りになる。
「わたしの手を握っていて。フィールドを展開する」
フィールド。ずっと前の世界事変時に経験したのと似たものかな。
いずれにせよ俺に選択権はないようだけど、
差し出された長門の手、それを掴むのは、なんかこう。
「離してはだめ」
「……了解」
見かねたのか長門の方から掴んできた。柔らかい。
周りからみれば仲の良い友人って関係なのだろうが、まあ、うん。
さて、身体的な変化は特にないが、視界が僅かに彩られている気がする。
シャボン玉の膜を通して景色を見ているような状態。
「奇妙な光景だな」
俺が言うとドアを開こうとしていた長門がそれを中断させ、訊ねてきた。
「みえてる?」
「ああ、薄い膜みたいなものがな。それがどうかしたのか」
「…………」
黙り込んでしまった長門に引かれ、俺も車を降りる。
キョン子が触手にぬっちょぬっちょにされる展開はありますか
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:00:54.44 ID:e69GsA2K0
杖の効果か外気の暗い冷たさも感じない。
俺が辺りの風景を見まわしていると、古泉が片眉をあげた。
「彼女はお隣りでしょうか?」
「わたしの隣」
「さすがは長門さんですね。それならば問題もないことでしょう」
それから執事なみに馬鹿丁寧なお辞儀をし、
「僕の役目はここまでです。
あとは担当の者へ引き継がせてありますので。
長門さん、彼女をよろしくお願いしますね」
では、と車内へ戻っていく。
引際のいいやつである。
いつの間にか俺の代名詞が彼女になっているのに対し、
ひとつ抗議でもしてやりたいと考えていたのに。
まあいいか、肉体が妙なことになってから助けられたのは事実だ。
「サンキュー。マジで感謝してるからな」
「いえいえ、これも役目ですから」
車が走り去る直前、古泉は華麗にウィンクを残したので、
俺は寒気とともに前言を撤回するべきかを本気で悩まなければならなかった。
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:08:33.56 ID:XPCSPqPSO
お
キテター
支援しますぞ
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:28:49.56 ID:e69GsA2K0
長門の部屋を目指す道中、マンション管理人や通行人、計二人とすれ違った。
そのたびに襲われる、まるで眼前1ミリメートル先に、
アイスピックでも向けられているような本能へと訴える恐怖。
そんな俺が眼を閉じているあいだにも、長門がそそくさと先導してくれる。
部屋についたらまず謝ろう。
握っていた長門の手には、きっと跡が残っているのだろうから。
しかし俺の算段も、長門の部屋に足を踏み入れた瞬間吹き飛んだ。
「お待ちしておりました。
古泉に引き続き、わたしが身辺のお世話を担わさせていただきます」
メイド服の端をちょいとつまむ、この人は――、
「森さん、でしたよね」
「さようでございます」
本職メイドと見紛うような柔らかい笑み。
古泉のやつ、引き継ぎってこういうことかよ。
「勇み足かもしれませんが、さっそく必要物品類の説明に移りたいと思うのですが。
なにせ明日までの時間もそうないようですし、
あなた様もかのように不安定な状態では過ごしにくいかと推察します」
森さんが宣言するなり俺はあれよあれよと部屋の奥へと連れ込まれ、
今から何がはじまるのかと不安がっていたところ、
森さんは至って真剣な様子で用意していた女物の衣服を着せてくる。
ついでに、同時進行での採寸も兼ねているのか、
あーだこーだと着せ替え人形よろしく俺は弄ばれ続けるはめとなった。
覚悟はしていたが、これから先が思いやられそうだ。
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:29:01.93 ID:HRQsaXBRO
紫煙
採寸の描写をもっと詳しくすべき。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:50:46.41 ID:igvn1aOh0
支援
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:50:52.62 ID:e69GsA2K0
ひと段落がついたのは、小一時間後のことである。
組んず解れつな格闘をようやくして制した俺は、
森さんが用意してくれた夕食にしては遅すぎるそれを前に座っている。
もちろん長門もだ。
森さんは別で食べていたのか、システムキッチンにいらっしゃるようであるが。
「いただきます」
一般家庭では口にできないであろう豪勢な食事。
その味は、かつての旅行劇のさなかにも味わい、保障されていた――はずなのに。
「どうかなさいましたか?」
俺の箸が止まっていたのを気にしたのか、森さんが声をかけてくる。
「いえ、その。そうですね。
失礼なことを訊ねるのかもしれませんが、味付けはどのように?」
俺の質問に嫌な顔ひとつせずに森さんはスラスラと答えていき、
それらの要素から連想できる料理の出来栄えを俺も脳裏に描いていく。
しかしそれは、どう考えてもこの料理の味には繋がらなかった。
どうしてこうも、この料理には味がないのだろうか。
柔らかいはずなのに食感がない。コクがあるはずなのに水よりも淡泊。
無味乾燥。それだけで筆舌に尽きる夕食。
「すみません。ちょっと疲れているみたいで、入りそうにないです」
申し訳ないと俺が森さんに頭をさげるなか、
長門は不思議な顔をしながら、それを平らげていった。
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20:54:17.90 ID:DJVR9ppzO
非常に面白い
ふむ
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:05:48.73 ID:igvn1aOh0
保守
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:07:42.21 ID:e69GsA2K0
結局、添えつけの卵スープだけを啜って夕食終了。
俺としては食べ物を粗末にするのは憚られるのであるが、
喩えるなら満腹状態の人間に無理やりフランスパンを食わせているように、
俺の胃袋が、俺の身体が、それを受け付けることはなかった。
スープだけでもと啜ったのは、あくまで森さんに対する体面のためだ。
たったそれだけでも既に苦しい。吐き気すら感じる。
「お気になさらず。身体が慣れていないのでしょうから」
森さんは素気なく言って手際よく皿を片付けはじめ、
その途中でもう一言を付け足した。
「お風呂も沸かしてありますので、お疲れを流されてはいかがでしょうか」
そうですね、と答えようとして思いとどまる。
ちょっと待て、俺はこのアレでソウしろってことなのか?
確かに何度も冷汗を掻いていたので汗を流したいのはやまやまではあるが。
「あの」
「駄目ですよ。女の子なんですから、ね?」
長門、俺はどうすればいい。
「不潔にしておくのは推奨できない。はいるべき」
……はい。
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:10:22.18 ID:LtBcaHqDO
キョン子の声がリトバスの鈴で再生される俺が来ましたよ
おのれ流ちゃんめ
風呂の描写はkwsk
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:26:43.90 ID:e69GsA2K0
ひょっとすると森さんってそういう世話が好きな人なのだろうか。
と、俺は手渡された女物のネグリジェや下着類を眺めつつ考えている。
押し込まれるように風呂場へと閉じ込められてしまえば、
このまま踵を返したところで無限のループを繰り返すだけにしかならない。
「やれやれ」
なんだよこの、ヒラッヒラした下着は。パンツは。俺に着ろってのか?
首を振った俺の視界の隅に、ちらと鏡が映りこんだ。
いかに長門の部屋には調度品がないといえど、
こういう場所には必要不可欠なようで、
バスルームにはしっかと大きな壁鏡が備え付けられている。
心臓が高鳴ってくる。
少々、恐い。そして恐いものみたさという好奇心に心が揺れる。
思えば俺は、自分の姿をまじまじと観察する機会に恵まれなかった。
一番初めに異変に巻き込まれた直後の自室では恐慌状態だったし、
それからあとは鏡がない場所ばかりを移動したというのに加えて、
夜の帳が降り切っているという非常に視野が利かない状態であった。
だが、すぐそこには鏡。
それを脱衣所のランプが橙色に照らしている。
足が竦みそうになる。
自分が自分でないと理解したとき、平静でいられるだろうか。
「だいじょぶだいじょぶだいじょぶだいじょぶ……」
男なんだろ俺は。
覚悟、決めなきゃな。
し
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:30:54.65 ID:5wAr9GuZ0
腐ジャンルと言われようと性転換ものは大好きです
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:32:04.32 ID:ya0QZoWm0
支援
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:40:20.33 ID:2EXk/aqX0
C円
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:41:05.70 ID:igvn1aOh0
支援
お前ら俺が飯食ってくる間に落とすんじゃねえぞ!
うむ
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:54:56.24 ID:e69GsA2K0
そろりそろりと歩を進める。
鏡の端に肩が映った。明らかに『俺』という男の身長ではない。
もう一歩だけ進める。
鏡の端に髪が映った。明らかに『俺』という男の長さではない。
さらにすり足で進める。
鏡の端に輪郭が映った。明らかに『俺』という男の硬さではない。
「俺は、俺だっ!」
そして一挙に躍り出る。
鏡に映り込んだ見慣れぬ姿も、覚悟を決めたのか対面してきやがった。
睨みあい。
服装だけ見れば、いつもの俺だった。
カジュアルなコートに今でこそロールアップしているボトムス。
けれどもどう見ても、それは、俺ではなかった。
一連の騒ぎで乱れたのであろう髪は背中ほどまで伸びており、
ほっそりとした輪郭や、小さな唇などはどう穿ってみても女性のそれ。
どこか幼さがあるせいか、朝比奈さんに似た緩い包容力すら感じられる始末。
加えて俺の困惑した表情がそうさせるのか、
冷たそうな眦は、相反した大人っぽさを湛えている。
何より全体的に整った顔立ちが、俺には絶大的に似つかわしくなかった。
「お前……誰だよ、誰なんだよ?」
応えちゃくれない。
鏡のなかの『彼女』も、俺へと同じ疑問を投げかけてくる。
わかっちゃいたが、この邂逅は相当にショックだった。
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:59:35.35 ID:ewy2AvYA0
冷静になってよくみると案外可愛い自分自身に欲情
なんてことあるのかな
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:59:37.55 ID:iOius9IZO
保守乙
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21:59:40.21 ID:kt8+KrjlO
文句があるなら運営行ってこい
すべてのパートスレに専用板行けと言わないのかw
良スレ
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:00:23.44 ID:qGgECw+m0
キョン子たんのポニーテールをなでなでよしよししたい!!!!!
キョン子たんのだるそうな目つきでずっと見つめられていたい!!!!!!
キョン子たんのカーディガンをクンカクンカしたい!!!!
キョン子たんを朝優しく起こしてあげたい!!!!!!
キョン子たんの寝癖でぼさぼさになってしまった髪の毛をとかしてあげたい!!!!!!
キョン子たんのポニーテールを結ってあげたい!!!!!
キョン子たんの寝ぼけてボーっとしている顔をずっと見ていたい!!!!!
キョン子たんに「さっきから何見てんだよ…」って言われたい!!!!!
キョン子たんと一緒に北校で学園生活送りたい!!!!!!!
キョン子たんと机合い向かいにしてお弁当食べたい!!!!!
キョン子たんに卵焼きアーンってして「やめろよ恥ずかしい…」って言われたい!!!!!
キョン子たんの授業中うたたねしてるのを後ろからつついて起こしてあげたい!!!!
キョン子たんのカーディガンとニーソをお持ち帰りしたい!!!!!!!
キョン子たんと一緒に帰りたい!!!!!!
キョン子たんとあいあい傘して帰りたい!!!!!!!!!!!
キョン子たんと一緒にお買い物行きたい!!!!
キョン子たんと一緒に街中でぶらぶらダラダラとデートしたい!!
キョン子たんに「もう…恥ずかしいだろ…」とか言われながら手をつないで歩きたい!!!!
キョン子たんにぶかぶかのセーター買ってあげたい!!!!
キョン子たんと喫茶店に入って他愛のない話しながら過ごしたい!!
キョン子たんの別れ際にどことなく寂しそうにしてる素振りを見ていたい!!!!
キョン子たんと一緒にコタツでグダーってしていたい!!!!!
キョン子たんがそのまま寝てしまったのを見ながらなでなでよしよししたい!!!!
キョン子たんをお嬢様抱っこしてベッドに寝かしつけてあげたい!!!!!!
キョン子たんのポニーテールを解いてなでなでよしよししたい!!!!!!!!
キョン子たんのベッドで一緒に寝たい!!!!!
キョン子たんの寝顔を見ながらギュってしたい!!!!!!!!
キョン子たんに「ん…苦しいなぁ…」て言われたい!!!!!!!!
キョン子たんの香りを嗅ぎながら一緒に寝たい!!!!!
そしてまた明日もキョン子たんといちゃいちゃだらだらしたい!!!!!!!!
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:07:11.38 ID:XPCSPqPSO
タワーけぇーれ
うっといんじゃ
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:07:49.61 ID:VDsmgk6y0
>>181 それだけ良スレってことだ
嫉妬してんだろwwwwwwwwwwwwwwwwwww
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:09:57.02 ID:aUXz4l7C0
ほ
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:10:18.62 ID:kJN8F+uDO
勃起してきた
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:15:26.91 ID:YMsnn2gdO
携帯しか手段ないからタワーの鬱陶しさが倍増した
コピペが張りたいならAA板とか行けばいいのに・・・・。
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:17:37.51 ID:e69GsA2K0
「背中、流しましょうか?」
背後の扉を隔てた先から森さんの声が聴こえた。
あれから暫く放心状態に陥っていた俺は、
「結構です! 自分でできますからっ!」
慌てて返答し、脱衣所の鍵を確認した。
扉のむこうからは楽しげに微笑む声が漏れている。
もしかすると俺のことを気遣ってくれているのかもしれない。
「はぁ」
溜息がもれる。
考えても仕方がないか。
パンドラなりパンドラボックスなりが直るまでの辛抱だ。
そこまでの肉体。それまでの付き合い。
長い人生という観点から思案すれば、偶にはこういうこともあるだろうさ。
宇宙的規模で考えてもみろ。
俺なんて塵のような太陽系の片隅の地球という星の一国のさらに――。
俺はスケールのでかいことを考えてショックを紛らわせることにした。
一通りの論理展開で心を落ち着けると、いそいそと服を脱ぎ始める。
自分の身体なせいか、或いは順応してきているせいか、
自分自身の裸体にドギマギするって感情はあまり湧かなかった。
胸が控えめなせいなのかもしれないけどな。
それでもやっぱり自分ではない自分を見るのは辛すぎて、
風呂場に備えつけられていた鏡にはタオルを掛け、何も映り込まないようにした。
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:21:26.46 ID:ewy2AvYA0
そうでもしないと自分に欲情してしまうんですね。わかります。
あぼんばっかになってきたな
残り370kb
支援。お風呂ハァハァ(*´д`)
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:41:51.12 ID:e69GsA2K0
長髪には慣れないせいか背中に触るそれが鬱陶しい。
洗うにしたって毛量が多いせいで作業が捗らず邪魔くさい。
そして自分自身と格闘すること十数分。
ようやく身体まで洗い終わり、湯船に浸かることができた。
やや熱めのお湯が、疲れをじかに吸い取っていく解放感。
俺はヘリに腕と顎を乗せてから、今日の出来事を回想していく。
ハルヒが発掘した謎の石箱。
調査段階では密封されており、決して開かなかったという箱。
最初こそ警戒されていたものの、やがては無害認定を受けた箱。
周りにまわって俺が受け取ることになった箱。
やがて紆余曲折の末に開いてしまい、俺はこうなってしまった。
開きっぱなしとなった石箱は現在も閉じられることなく、
さらには何処か異次元に繋がっているのか、長門が腕を突っ込んで探り。
「でてきたのが、パンドラか」
俺の独り言ちが風呂場特有のビブラートを孕んで降り注いでくる。
当然ながら、その声も全くもって馴染みのないものであった。
一般的には、自分の声を自分で正しく評価するのは難しい、
と言われているようではあるが、今回については100パーセント断言できる。
こんな透き通った声は俺の声じゃない。
例え裏声を使ったところで、絶対的に男にゃ無理な声質だ。
俺は湯船に顔を突っ込んだあと、蛇口を目一杯捻った。
どぼどぼと揺れる水面と、ごうごうと唸る水道管の音は、
室内の雑音や俺の呼吸音、果ては渦巻く葛藤を吹き飛ばしてくれるようだった。
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:51:17.50 ID:XPCSPqPSO
未だタワーおらぁ
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22:53:22.47 ID:ya0QZoWm0
KA☆E☆RE
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:01:12.75 ID:e69GsA2K0
風呂をあがるなり森さんに訊ねた。
「すいません、下着がたりてないみたいなんですが」
「はい? 手落ちがありましたでしょうか?」
「あのー、ほら……」
口にするのがつらく思え、自分の胸元を指差す。
すると把握してくれたのか森さんは明るく笑った。
「寝るときはつけないものなんですよ、一般的にはですけれどね。
そうですね、喩えるのなら靴下を履いたまま眠るようなものなのでしょうか。
勿論それはわたしなどがそう思うだけであって、必要であらばお出ししますが」
なら結構です、と俺は手を振った。
男のときには真裸でも気にならなかったのに、
コレになってからはどうしてこうも胸元が心許なく思えるんだろね。
と、森さんがハサミを手にしていることに気づく。
床には新聞紙が広げられ、その上には椅子というセッティング。なにをされる気で?
「髪を整えるべくと思いまして。伸びっぱなしでは勿体ないですからね」
「誰の?」
「あなた様のです」
……へ?
「身辺のことについて幇助するのが、わたくしめの責務ですから」
「まさかそれ、古泉の差し金なんかじゃないでしょうね」
「守秘義務というものもありますので、お答え致しかねます」
この時俺は、本気で自分が着せ替え人形なのかもしれないと思い始めていた。
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:04:15.79 ID:jA9Sxc9F0
最近無駄にorzタワー使うやついるな
>>206 連休にどこにも連れて行ってもらえない消防か厨房だろ
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:06:27.38 ID:ewy2AvYA0
やはりキョン子はいいな
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:16:41.43 ID:e69GsA2K0
「希望される髪型がありましたらお申し付けください」
との質問に対して咄嗟に答えることのできなかった俺は、
しかしこのまま黙っていると古泉色に染められるのではという危機感を覚え、
「ポニーテールで」
とだけ答えた。
俺の好みを自らで実践するとは妙なもんである。
「では全体的に梳いて整えますね」
「おねがいします」
目を閉じる。
ちゃきりちゃきりと規則正しい音には眠気を誘われてしまう。
風呂あがりの心地いい感触も相成れば尚更である。
思えば、今日は実にいろいろなことがあったのだ。
そろそろ限界というものが訪れてもいい頃合いだろう。
という、ある程度の認識はあったのだ。
そういう眠いなという認識は。
だが、俺が次に目を開いたとき、その場所は布団の上だった。
俺がボヤけている視界のなかで状況を見取ろうとしたところ、
長門と森さんらの心配するような眼差しが目にとびこんできた。
なにかあったのだろうか?
急展開wktk
そして俺も長門に心配されたい
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:22:30.39 ID:igvn1aOh0
カレーチャーハンうまかったww
しかし面白いなこのSSは
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:24:00.42 ID:kJN8F+uDO
しえ
即興なのにLVたけぇ
キョン子可愛いよ支援
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:27:20.22 ID:e69GsA2K0
「だいじょうぶ」
長門からの抑揚なき問いかけ。
「ああ、問題ない」
いまいち状況がわからない。
俺は瞬き数度のあとで身を起こした。
されどその動作が非常に辛く、異様に重かった。
杖を手にしていた時とは真逆、自重が数倍かかっているような感覚。
「……身体が鉛のように重い」
呟く俺に森さんが教えてくれた。
「先ほど髪を整えていたのは憶えておいででしょうか。
その途中からあなた様が眠られたようなので、
わたしは構わず作業を続けていたのですが、
それらが終わったことを伝えようとして肩を揺すりましたところ」
倒れた、ってわけか。
言われてみれば鬱陶しかった前髪も、
梳いてくれたお陰でさっぱりとしている。
「これを」
溜飲がくだらないでいた俺に長門がそれを差し出してきた。
いまでは全長1メートルほどとなっている、例の杖をだ。
wwwktk
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:36:07.51 ID:VDsmgk6y0
即興でこれだけ書けるとかホントうらやましい
ガッテム
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:44:46.47 ID:e69GsA2K0
俺は、受け取った。
手にした途端、真夏の日差しのもとを吹き抜ける、
涼やかな風に包まれていくような心地よさを感じた。
重かった身体も、熱かった体温も、
その他すべての劣悪な体感覚が遥か彼方へと吹っ飛んでいき、
代わって日曜の早朝のようにゆったりとした気分が湧きあがってきた。
そうだ。たった一瞬で。
コンディションは万全に整えられた。
「へいき」
長門の質問に首肯する。
「そう」
それだけで終わりかと思えば、いきなり解説が加えられた。
「あなたは、あなたではない。
今のあなたは意識だけが別個体と噛みあった全く別のあなた。
本来ならば意識は固有の身体と共にあって然るべきもの。
けれども今のあなたは、それがなせてはいない状態。解離。
そして杖とは相互間物質転位を助ける扶助装置。
現在、石箱を通した『あちら』には、あなた固有の肉体が収められている、
と推測することができる。つまりは杖に触れるというのはそういうこと。
定期的にあなたは杖に触れ、本来の肉体とリンクしなければならない。
これらは、あなたに『彼女』を受け入れるだけのキャパシティが不足していることが原因」
ちょっと待ってくれ。咀嚼解説役の古泉がいないので時間をくれ。
やはりキョン子はいいな
うむ
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:48:41.73 ID:4U2mR1HIO
ポニテはいいな
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:55:45.21 ID:7fOdoydHO
タワーやるんならパート化してるやつにしれ
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:57:45.95 ID:kJN8F+uDO
さくら、AA貼ってるおじさんが何をしたいのかよくわからないよぉ〜
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:58:47.26 ID:4U2mR1HIO
いい加減スルーしろよ
10回書かせてあげれば猿さんになるのに…
とりあえず酉は・・・・いらないか、即興でここまで書ける奴はそういない
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:59:45.12 ID:aMfQOgKy0
貼り始めてから30分立つのに落とせないのかよ
VIP終わったな
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 23:59:57.74 ID:XPCSPqPSO
作者ーー
タワーに負けるなーーー!!
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:00:02.89 ID:2svmxe7C0
個人的にはツインテも見てみたい
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:04:20.79 ID:b5pepmXt0
「となりますと目下のところは杖を手放さないほうがよい、
との解釈でよろしいんでしょうか? あまりに大雑把ではありますが」
森さんが古泉役を担ってくれるようだ。
立ち場を判断した俺は、その森さんに訊ねる。
「長門のいうキャパシティとかは……?」
古泉が相手ではないので些かやりにくいが、森さんは構わず解説する。
「喩えればそうですね。
何世代も前の真空管コンピュータを御想像ください。
そこに最新式のオペレーティング・システムをインストールするとしましょう。
この場合にどういう結果が招かれるのかというのはお解りになりますでしょうか」
動かないでしょうね。
「まさしくその通りでございます。
古泉のほうからの連絡でしか存じてはいないのですが、
御話によればあなた様は先ほど山を吹き飛ばしになられたのですよね?」
はい、あまり自覚しちゃいませんが。
「そのような所業、一般の人間には到底不可能なことなんです。
けれどそれをあなた様は可能とされている。紛れもなく自身の身体でです。
問題はあなた様が有しておられる意識のほうが一般人という部分であって、
つまりは不釣り合いで、かつ肉体と精神が不安定だという状態も重なって、
現在のように倒れられたということになります。だからキャパシティが足りていない、と」
お粗末な読解ですが、と森さん。
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:06:51.36 ID:YJB1HhjqO
女体化は苦手だがこれはなかなか
つC
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:09:38.54 ID:r2CUginp0
支援
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:18:52.22 ID:b5pepmXt0
俺は手にした杖をじっと眺めた。
相互間物質なんたら機能を持ち、
それによって変身だかなんだかをも可能とする杖。
その変身ってのが遠くにいる何か、ないし誰かと交代しているわけで、
しかし中途半端な状態なのでこんなことになっている――ってことは、
「今の俺は異世界人ってことになるのか?」
懐かしきキーワードを口にすると、
「便宜上は極めてそれに近い」
長門がこくりと頷く。
とうとう俺も一般人ではなくなっちまったのか。
いや、俺ではない俺なのだからギリでセーフともいえる。
で、異世界への扉、仮称パンドラボックスを開いたのが俺。
硬く閉ざされた扉を開く……『鍵』か。この俺が。
でも、どちらかというとヒーローにしてくれりゃあ良かったのに。
「俺はどうすればいいんだ?」
割りかし切なる願いをこめた質問。
残念なことに、長門は答えちゃくれなかった。
恐らく答えることができなかったのかもしれない。
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:31:22.69 ID:b5pepmXt0
沈黙が生じる。
それを破ったのは森さんだった。
「深刻な事態なのかもしれませんが、
深く考え込みすぎるのは良くないことです。
焦ったところでよき方向へと転がることなんて、
わたくしめの経験上一度足りともありませんから」
失礼、ですぎたことを申しました、との森さん。
彼女をみているとムードメーカーとしても一流だなと思えた。
俺もふっと息を吐く。
考えたってしょうがない、なるようになれだ。
「よいしょっと」
俺は布団から立ちあがった。
二人が動揺したようにもみえたが、
俺が平気だとわかるなり何も言わずに口を閉じてくれた。
さてと、森さんのお陰で首筋を刺していた髪も、
さらりと柔らかい流れるようなものへと変貌しているわけだ。
気分も上々。こういう立ち位置も悪くはないさ。
「すこしばかり杖を調べてみる。なにか解るかもしれないしな」
そして俺は、パンドラを捻った。
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 00:53:40.93 ID:2svmxe7C0
支援
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 01:14:07.18 ID:2Xq3r2J+O
おやすみ
支援せずにはいられないな
ほ
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 02:01:07.02 ID:VxuC8jjg0
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 02:12:24.98 ID:VxuC8jjg0
さすがに3スレを手動で荒らすのはしんどくね?
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 02:21:06.30 ID:VxuC8jjg0
>>271 ありがと
何がこいつを駆り立てるんだwww
エロシーンはいつごろですか?
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 02:42:13.91 ID:gaajSJ220
森さん可愛いよ森さん
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 03:05:37.15 ID:2svmxe7C0
支援
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 03:51:17.21 ID:U2zy3a4tO
保守
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 04:49:14.71 ID:NZisi2Z3O
ほ
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 05:29:10.98 ID:fGPk6H0P0
も
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 06:58:53.51 ID:HXvaK1ydO
もっと!
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 07:00:51.83 ID:V9AYd66cO
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 07:34:32.93 ID:SWOZ8h+t0
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 08:31:22.67 ID:HXvaK1ydO
いただいた
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 09:01:27.03 ID:O7NBKCjNO
ぬ
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 09:02:22.72 ID:O7NBKCjNO
る
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 09:04:09.81 ID:O7NBKCjNO
ぽ
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 09:32:27.93 ID:ftBc+3sQ0
ガ
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 09:35:48.41 ID:SWOZ8h+t0
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 09:54:54.17 ID:O7NBKCjNO
あと少しで30分だったのにw
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 10:23:07.33 ID:Q3neFwx6O
ほ
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 10:55:58.55 ID:2Xq3r2J+O
し
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 11:07:28.75 ID:ftBc+3sQ0
ぶ
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 11:24:25.27 ID:Jt+f91r00
ど
る
はやく触手にまさぐられるシーンをだな
それよりもさくら風キョン子をみたい
>>308 みさくら風に見えた
ちょっと吊ってくる
触手にウネウネされるとか最高なので俺も希望する
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 12:18:43.52 ID:QC/EPDpcO
VIPは女体化アンチが多いと思ってた
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 12:39:49.56 ID:SWOZ8h+t0
この自動保守機もそろそろうざったいな
まーたタワーか
レスしなければ猿さんになるんじゃ…
よし、猿さん狙うか
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:37:04.49 ID:O7NBKCjNO
ほしゅ
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 13:41:04.64 ID:O7NBKCjNO
ぬるぽ
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:01:06.52 ID:FbkZcH9wO
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:17:21.31 ID:CC2JPVLbO
だっふんだ!
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:36:06.19 ID:i4LIJgdt0
今北
キョン子かわいい
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 14:39:10.14 ID:CC2JPVLbO
まぁ落ちてもまた立てればいいし
し
450kbくらいになったら新スレたてとく
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:14:10.28 ID:CC2JPVLbO
ほ
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 15:46:46.96 ID:Err2asLJO
ほ
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 16:34:39.07 ID:eoV0DT7S0
しゅ
ほ
ん
ば
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/22(火) 17:23:44.10 ID:2svmxe7C0
ほ
う
ぬるぽ
ガッ
ゴッ
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
まーだー?