きっと文才の足らない小説にも……

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ここはお題をもらって小説を書き、筆力を向上させるスレです。


◆お題を貰い、作品を完成させてから「投下します」と宣言した後、投下する。

◆投下の際、名前欄 に『タイトル(お題:○○) 現在レス数/総レス数』を記入。
 (例:『BNSK(お題:文才) 1/5』) ※タイトルは無くても構いません。


※※※注意事項※※※
 容量は1レスは30行、1行は全角128文字まで(50字程度で改行してください)
 お題を貰っていない作品は、まとめサイトに掲載されない上に、基本スルーされます。

まとめサイト:各まとめ入口:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/
まとめwiki:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/
wiki内Q&A:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?Q%A1%F5A
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:29:02.54 ID:QQs7rSLF0
▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい

▽保守について
・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です

▽規制されている方へ
>>1から辿って行けるまとめ板に、規制者スレがあります。
 そちらの方に投下していただければ、心ある人が転載してくれます。

▽その他
・作品投下時にトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます
・ただし、作品投下時以外のトリップは嫌われる傾向にありますのでご注意を

▲週末品評会
・毎週末に週末品評会なるものを開催しております。小説を書くのに慣れてきた方はどうぞご一読ください。
 wiki内週末品評会:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?%BD%B5%CB%F6%C9%CA%C9%BE%B2%F1
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:30:25.11 ID:QQs7rSLF0
「約束、守ってくれるって言ったよね……?」

      第161回週末品評会お題
 
          『指きり』

規制事項:5レス以内
投稿期間: 2009/5/2(土) 00:00〜2009/5/3(日) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外になります。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※
投票期間: 2009/5/4(月) 00:00〜2009/5/5(火) 24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:32:00.92 ID:QQs7rSLF0
273 名前:セピアノネイロ 0/3 ◆pxtUOeh2oI [] 投稿日:09/05/03(日) 17:51:24 ID:520KHtUg
転載おねがいします。
3レス。
品評会の奴です。
5セピアノネイロ 1/3 ◇pxtUOeh2oI:2009/05/03(日) 19:33:48.03 ID:QQs7rSLF0
 夜の団地に足音が響いている。まだ起きているだろうか。藤代はゆっくりと進みながら、愛しい我が子のことを考える。
普段なら嬉しいはずの起きて待っていてくれるという状況も今は少し憂鬱だった。仕事の疲れも溜まっている。
「ピアノを習いたい」
 少し恥ずかしそうな顔をして言った忍の顔が浮かぶ。それを思い出して溜息を吐いた。
 まさかそんなことを言うなんて考えてもいなかった。どうしようか。藤代は足取りを重くさせつつ進む。
だけどどんなにゆっくり歩こうと、進んでいる限りは辿り着くのだ。気付けば目の前には錆びた緑の扉がある。
 この扉の向こうで忍が待っているかもしれない。そのときは何て言おうか。
「うちにはお金がないから、できないんだ」
 そう、言うことは簡単だ。きっと納得もしれくれる。事実、お金の余裕があまりないことは確か。
今、着ているコートだってずっとよれよれのままの五年物だ。だけど、本質的には嘘になる。本当はもっと別の理由があるのだ。
 迷いつつも鍵を外し、扉を開ける。眼に入ってきた室内は暗く、そして静かだった。寝ているのか。よかった……。
 何も解決されていないことはわかっていたが、藤代は安堵する。そのとき、ある情景を自然に思い出した。

 寂れた音楽室、夕焼けで赤くなった硝子窓に、笑顔でピアノを弾く少女が映っている。名前は伊藤綾子。
綾子は放課後、ここに来てピアノを弾くことが日課だった。
 朱色の硝子窓に、いつでも綾子の楽しそうな笑顔が浮かんでいる。音楽室にははずむような音楽がずっと響いていた。
どの曲も元は有名な作曲家が作った格調高いものばかりだが、厳粛な曲らも綾子が奏でるとやわらかく
子犬が遊ぶような旋律に変えられていく。
 楽しいから、そんな気持ちが音楽に反映されていくんだろう、と思う。
 いつでも笑顔でピアノを弾いている。指先だけでなく、手だけでもなく、小さな身体を全身使って演奏していた。
足鍵を踏み込むときなんかの様子が硝子窓に映ると、大変そうな顔をしていたが、それでも楽しそうだった。
「なんでそんなに楽しそうなの? もっと普通の遊びとかしたくならない? みんなみたいにさ。
毎日、毎日、練習ばっかでバカみたいじゃん。ねえ、遊ぼうよ」
 そう呟いたこともある。演奏中。何を思ったか声に出してしまった。硝子窓に映る綾子の笑顔にムカついたのだ。
毎日、音楽室に閉じこもって、親の期待に応える為に練習して、そんなのって嫌じゃないの?
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:36:23.51 ID:pCeTGqEtO
>>1おつさる
7セピアノネイロ 2/3 ◇pxtUOeh2oI:2009/05/03(日) 19:36:26.89 ID:QQs7rSLF0
 演奏は途切れなかった。笑顔もずっと続いている。返事の声はなかった。ただ聞こえる音楽がより明るくなった。
嫌じゃない。楽しいよ。好きなだけ弾けるんだもん。そう言っているような旋律だった。
 だけど、きっと歪みが生じ始めていたんだろう。
 でも、そのときは、それが本心だった。
 嫌じゃない。楽しい。だからピアノを弾いているはずだった。

 背後で扉の閉まる音。目の前は暗闇。思い出すことを途中で止めた藤代綾子は、右手を伸ばして、手探りで明かりを付けた。
廊下に光が入る。伸ばした右手が光に照らされて、指に無数の傷が刻まれているのが嫌でも眼に入った。
 右手を抱え込み、左手でさする。左手には、人差し指の二本の傷しかない。何度も傷付けた右手では、それが限界だったのだ。
 高校生の頃、周りのからの期待に負けて、付けた傷。彫刻刀で泣きながら手を痛めつけた。普通になりたい。その一心だった。
 藤代は居間へと進む。鞄を床に放り出して、椅子に身体を下ろした。さあ、どうしよう。
今ではピアノとの縁なんてまったく切れた。夫と死別するなんてこともあって悲しかったけど、普通に暮らしてる。
忍と二人で幸せだ。そう思っていた矢先のあの台詞だった。忍はこの傷の理由を知らない。
だけどまさかピアノをやりたいなんて言うとは思わなかった。
 藤代は右手を蛍光灯にかざす。何度目だろう、こうやって傷を見るのは。辛くなると何故か見てしまうんだ。
余計、辛くなるのに。あの頃を思い出して、泣きたくなるのに。誰も助けてくれないのに。
 指を傷付けて、まともにピアノを弾けなくなったとき、母親はまともに口も聞いてくれなくなった。
藤代は手を目の前に近づける。あの人にとって、私の価値はこの指先が持っていたんだろうってわかった。
悲しくないと言ったら嘘になるが、揺らいでいた期待を捨てることができたからか、落ち着いていられた。
 普通の大学に入って、普通に遊んで、普通に就職した。今はもう、あの人とまともに連絡もとっていない。
結婚すると伝えたときも何も感じていないようだった。
 右手を下ろすと、横にニムがいた。黒猫のニム。いつもはてんで自由気ままに動いて、
飼い主のことなんてまったく気にも掛けない癖に、そのニムが指の傷を舐めてくれていた。
「どうしろってことだよ」
 左手でニムの頭を撫でる。ニムはひと鳴きすると、もう仕事は終わったとどこかへ行ってしまった。
 私にとって、忍の価値はなんだろう、と藤代は思う。考えたこともない。ここまで普通に生きるのだって
大変だったのだから。ただ、あの人のように自分の感覚を押しつけるのだけは嫌だと思って育ててきた。だけど……。
8セピアノネイロ 3/3 ◇pxtUOeh2oI:2009/05/03(日) 19:39:33.07 ID:QQs7rSLF0
「お母さん、おかえり」
 声に驚き振り返ると、眠そうな忍が寝間着姿で立っていた。男らしさの欠片もない女の子みたいな体つき。
「ただいま、忍」
「あのね、この前のピアノのことだけど、もしお金がなくて無理なら諦めるよ」
 そうじゃない。もっと勝手な理由だ。
「あんまり、練習ばかりでつまらないかもとか思ってきちゃったし……」
 忍が笑顔で言った。笑顔だった。笑顔だったけど、作り笑いだ。何年、母親をやっていると思ってるんだろう。
そんな嘘、わかるに決まってるじゃないか。
 それに……。
「やりたいんでしょ」
 そう言うと、一拍おいて忍は申し訳なさそうに頷いた。
「じゃあ、やりなさいよ。お母さんが教えてあげる」
「えー、お母さん、ピアノ弾けるのー」心の底から驚いている顔だ。
「当然でしょ、お母さんにできないことなんてある?」
「不器用で料理下手で、自分が飼いたいって言ったニムの世話も全部、僕に押しつけてるのに?」
 それとこれとは話が別である。
「ピアノは得意なの。本当に、本当」
 ピアノを弾くように指を動かした。手は傷なんてないかのように軽やかに動き、身体も自然にはずんだ。
耳には聞き慣れた音色が届く。幻だけど、忘れることのできない繰り返し奏でた旋律が体中に響く。
涙に濡れて雨ざらしでくすんでしまったようなもの悲しさ、それでも懐かしい音色に心が踊る。
「ね? 本当だってば」
「嘘だー」
 忍の顔に本当の笑顔が戻った。その顔は、夕焼けの硝子窓に映る少女の笑顔によく似ていたように思う。  <了>
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:49:16.51 ID:QQs7rSLF0
279 名前:イモートビュアーANIKI 0/5 ◆POW10cJRR. [sage] 投稿日:09/05/03(日) 19:42:01 ID:ntwqc+29
品評会「指きり」作品投下します
10イモートビュアーANIKI 1/5 ◇POW10cJRR:2009/05/03(日) 19:51:42.61 ID:QQs7rSLF0
 高校生活二年目の春が過ぎ、そろそろ制服も夏服へと変わっていく時期。日差しは日に日にその威力を増して、
テストという影はゆっくりと背後に忍び寄ってくる。クラスには五月病のウィルスが蔓延し、次第に人生から脱
線し始める者も見受けられる今日この頃。
 俺は一ヶ月前、超能力に目覚めた。
 遠隔視、リモートビューイングとは、その場所にいながらにして、遠く離れた物を見れる、超能力の一種であ
る。千里眼、クレアボヤンスという名称もある。また、この超能力を備えている者をリモートビュアーと呼び、
よく奇跡体験なテレビに出演したりする。
 そう、俺が目覚めた超能力とは、リモートビューイングの一種だ。目を閉じ、少し集中すると、そこに無いは
ずの景色がぼんやりと見えてくる。霧がかかったような視界は次第に晴れていき、俺の目の前にあるのは、滑ら
かな長い髪を束で纏めた背中。短いスカートは俺を必要以上にハラハラとさせ、振り向けば、華奢な身体に控え
めな、二つの胸の膨らみ。真っ白な絹のような肌には汚れ一つなく、くるんとしたまつげの上にはぱっちり二重
が乗り、少し紅潮させた頬は幼さを見事に演出する。わが最愛の妹、その端麗な姿が見える。
 俺には、文字通り妹しか見えない。俺の目覚めたリモートビューイングは、いつも妹しか映さないからだ。
 この素晴らしき能力に名前を授けよう。「イモートビューイング」つまり俺は、イモートビュアーだ。
 授業中、俺は先生の講釈もそっちのけで、イモートビューイングに勤しむ。腕と足を組み、目を瞑ってにやに
やとする俺の事を、クラスの皆は変人だと呼ぶ。この能力に目覚めてからというもの、授業はおざなり、信用は
無くし、もちろん成績は落ちたが、俺はそれでも構わない。何せ目を瞑ればそこに妹がいるのだ。これ以上の幸
せがあるのだろうか。
 妹は小学六年生。「ドストライクだ」と言った友人はこの手で屠った。そういう種類の人間がいるから、俺は
おちおち安心して学校生活を営む事も出来ないのだ。俺の高校は妹の小学校とは逆の方角にあり、登下校を共に
するにはかなりの労力が必要となる。と言いつつ先月までは送り迎えをしていたが、「友達に見られると恥ずか
しいからやめて」との叱咤をもらい、俺がこの超能力に目覚めた事もあって、防犯グッズ一式をもたせる事だけ
で今は我慢している。とはいえこの世界は変質者で溢れている。いつ何時、妹に魔の手が伸びるか分かった物で
はない。何せ妹は世界一かわいいのだから、危険が迫る可能性も世界一高いはずなのだ。
 俺は目を閉じ、妹の様子を伺った。妹の学校では、二時間目がちょうど終わった所だった。俺の記憶の中にあ
る妹の時間割だと、三時間目は体育のはず。即ち、着替えをする事になる。
 ここでまず最初に断っておきたいのは、俺は決していやらしい気持ちで妹の着替えを見たい訳じゃないという
事だ。ただ俺が妹から目を離す時間はなるべく少なくあるべきだし、ましてや着替えなどという隙だらけで襲わ
れやすい瞬間は、いつにも増してきちんと見張って無くてはならないはずだ。それに俺は言わずもがな妹の実の
兄。仮にただ着替えが見たいだけだとしても、何の問題があるのだろうか。
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:54:21.98 ID:XU6crpb+O
>>1おつ、そしてさる
12イモートビュアーANIKI 2/5 ◇POW10cJRR:2009/05/03(日) 19:54:33.30 ID:QQs7rSLF0
 しかしながら困った事に、俺の超能力は、妹の着替えの瞬間を映してくれない。俺の心の中にある最後の良心、
もとい一欠けらの罪悪感がそうさせるのか、心にやましい物がなければ見えるはずなのだが、まだまだ修行が
足らないという事なのか。そして恐らく同じ理由で、トイレ、お風呂などの濃密にプライベートな時間もイモー
トビューイングは発動しない。しようとすると、目の前にはテレビの砂嵐のようなノイズが現れ、しばらくとん
でもない頭痛に見舞われる羽目になる。だから俺は最近、頭痛薬を常備している。
 妹が友達と談笑しながら、服を脱ごうかという瞬間、俺は両目に力を込めて妹を凝視した。冷や汗が額を伝っ
て落ちる。だが妹の服が捲れると同時に、バツン、という音を立てて視界がきれた。俺は授業中という現実に引
き戻される。
「……小林、どうした」
 先生が俺の名を呼んだ。クラスメイトの皆が俺に注目している。気づくと俺は自分の席から立ち上がり、両手
を握りこぶしにして、中腰の前傾姿勢で滝のような汗をかいていた。
「トイレか?」
 と先生が俺に尋ねたので、俺はこう答えた。
「いえ、着替えの方です」
「何を言っとるんだお前は」
 しばらくの間を置いて、俺はイモートビューイングを再開した。最近の小学校がブルマではないのが残念で仕
方ない。ブルマは良い物だ。俺が将来ユネスコの幹部になったら、ぜひとも世界遺産に認定して保護したい。肝
心の妹は準備体操をしながら、友達と楽しそうに笑っている。
「小林さんってお兄ちゃんいたよね?」
「え、いるけど?」
「いいなー、かっこいいお兄ちゃん」
「そ、そんなんじゃないよ」
「またまた、ほっぺが赤くなってるよ」
「も、もうやめてよ、ともみちゃん!」
 というような会話をしているに違いない。無論、イモートビューイングはあくまでも透視の一種であり、あち
らの会話が聞こえる訳がないから、今のは俺の幻聴である訳だし、ともみちゃんも本名かどうかは分からない。
 俺は引き続き、妹の頑張る姿を見学する。この超能力に目覚めてからというもの、毎日が授業参観のような物
だ。大きく助走をとって、五段の跳び箱を跳び越える妹が見える。五段を跳べたのは初めてなので、友達とハイ
タッチをして喜んでいる。出来る事ならば、すぐにでも駆けつけて頭を撫でてやりたいが、今は出来ない。俺は
想像の中の妹の頭に手を伸ばし、優しく優しく撫でてあげた。
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:55:59.35 ID:DhBLf71E0
うきー
むきゃー
笹うめー
14イモートビュアーANIKI 3/5 ◇POW10cJRR.:2009/05/03(日) 19:57:34.67 ID:QQs7rSLF0
「……あ?」
 と野太い男の声が聞こえた。俺がゆっくりと目を開くと、前の席に座ったスキンヘッドの男と目があった。
「何してんだ?」
 男は確か同じクラスの、空手三段、遠山君。今にも制服が破れそうな、パワフルな筋肉を身につけている。ふ
と気づくと、俺は右手を前に突き出し、遠山君のつるつるの頭を愛しそうに撫でていた。クラスの空気が、凍り
ついていた。なるほど、俺は今ピンチらしい。ピンチに陥ると、人はまともな思考回路が働かないらしい。
「いやー良いテカリだ。ミラーボールのバイトがあるんだけど、やってみます?」
 俺は機転をきかし、そんな冗談を言いつつ作り笑いをした。すると、授業中にも関わらず体育館横の道場に拉
致され、またそれを先生やクラスメイトも止める事はなく、一時間後、席に戻ってきた時には俺の顔は痣だらけ
だった。
 そんな災難があっても尚、俺は今幸せの絶頂だと言い切れる。なぜなら、目を閉じればそこに妹がいるからだ。
 妹は帰りの支度を始めていた。どうやら今日は、午前中授業らしい。この前まで俺は、学校便りを愛読してい
たが、「どうしてうちの妹が絵で銀賞を取った事をもっと大々的に取り上げないんだ」などの苦情がよく寄せら
れている為、兄弟には見せないようにとのお達しが出たらしく、妹の学校の予定を事前に知る事が出来なくなっ
てしまった。全く、どこのどいつがそんな苦情を出したのだろう。
 そんな訳で今日は、俺も午前中授業にした。早速目をつぶりながら、今日も使わなかった教科書を鞄に詰め込
み始める。妹の学校では帰りの会が始まった。俺は学校を飛び出し、家路につく。妹の小学校よりも俺の高校の
方が家からの距離が遠く、それでも自転車が使えれば同じくらいに到着できるのだが、目をつぶって運転してい
るとなぜかいつも事故に合ってしまい、乗る自転車が無くなった。なので今は、妹が無事に下校しているかを見
守りながら、音を頼りに俺も徒歩で下校している。目をつぶりながら歩く俺の事を、友人は指差して「病気だ」
と言うが、かわいい妹とこの超能力を持てばこのくらいの苦労はして当然。あって然るべき物だと言えるだろう。
 っと、妹の方に変化が起きた。何やら、下駄箱の中に手紙を発見したようだ。妹は周りに人がいないのを確認
してから開いた。俺は目を凝らし、文面を読み取る。
『同じクラスの山田です。前からずっと君の事が好きでした。付き合ってください。放課後、体育館の裏で待っ
てます』
 こ、これは……。俺は思わずうろたえながら、横断歩道のど真ん中で両膝をついてしまった。クラクションが
鳴ったので仕方なく立ち上がり、渡りきった後ガードレールに手をついて妹の様子を伺う。妹は手紙を丁寧に畳
むとポケットに入れて、少し小走りで走り出した。行くな! 俺は心の中で叫んだ。そいつはロクな奴じゃない
! いや会った事はないがそうに違いない! 男の癖に下駄箱にラブレターなんて方法を使うのはクズだ! と
にかく殺せ! 軍を動員しろ! 俺の頭の中で警鐘がけたたましく鳴り響く。
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:59:01.59 ID:XU6crpb+O
サルサ
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:00:33.05 ID:CLl3UNyPO
17イモートビュアーANIKI 4/5 ◇POW10cJRR:2009/05/03(日) 20:01:08.19 ID:QQs7rSLF0
 そうしている間も妹は止まらず、やってきたのは体育館の裏。妹と対峙するのは、山田という少年、もとい糞
野郎。俺は唇をかみ締めながら、一部始終を見守る。
 山田は照れくさそうにしている。そして……妹も。何かを喋っているが聞こえない。しかし、断っている感じ
の空気ではない。痛い。心臓が痛い。針が血管を流れているようだ。医者を呼んでくれ。
 次の瞬間、あろうことか、山田が妹の手を握って笑った。俺の両目からはとめどもなく血涙が流れ、髪がどん
どん白髪になっていった。引き起こされる脱水症状。死のう、そう決心した。
 ふと、目を開いてみると、俺の周りを青い制服に身を包んだ方々が囲っていた。
「付近の住民から、『大声で叫びながら暴れまわっている人がいる』って苦情がきてますから、ちょっと近くの
交番までご同行願いますか?」
 言われるがまま、俺は国家権力に屈した。
 家に帰ったのは、それから三時間程経ってからの事だ。その間、俺は一度もイモートビューイングを発動させ
なかった。見るのが怖かったのだ。二人はきっと付き合い始めたに違いなく、もしも万が一、妹が山田とキスを
している場面でも目撃してしまったら、仕掛けられてもいない自爆装置が起動しそうで怖かったのだ。
「妹よ」俺は枯れた声で妹に声をかけた。
「うわっ、どうしたの。服ボロボロだし、顔の方もボコボコ頭の金魚みたいになってるけど」
 俺は首を振り、諭すように問いかける。
「山田君の住所教えてくれないか」
 妹は驚きながら、俺にこう言う。
「ど、どうしてお兄ちゃんが山田君の事知ってるの」
「お兄ちゃんは何でもお見通しなんだよ」と俺は微笑む。
「何で住所なんか知りたいの?」
「ちょっとね、山田君に話があるんだ」
 俺の口調は和やかだったが、ポタポタと握りこぶしから血が流れ出ているのを見て、察しの良い妹は勘付いた
ようだ。
「ちょ、ちょっと待って。誰から聞いたのかわからないけど、何か勘違いしてる?」
「いや、してないよ。一撃で人を殺す時は頚椎を狙うんだ」
「……山田君は、私に告白したんじゃないよ?」
 え? 俺の身体に魂が戻ってきた。
「私の下駄箱の、一つ上の下駄箱と間違えたみたい。それで、その子と私友達だったから、今度それとなく山田
君の事聞いておいてあげるよって言ったら、私の両手を握って喜んでたの。それだけだよ?」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:01:25.58 ID:IUv9jB6E0
>>1おつ
19イモートビュアーANIKI 5/5 ◇POW10cJRR:2009/05/03(日) 20:05:18.87 ID:QQs7rSLF0
 背中はしゃきっと伸び、髪は黒くなった。生きる気力が、湧いてきた。
「なんだそうだったのか! あはははは! もう一度警察のお世話にならなくてもいいんだ!」
 俺は高らかに笑った。しかし妹の手を握った山田君の両腕だけは切り落とそうと思った。
「ところでお兄ちゃん、さっき学校から電話あったよ」
 両腕を広げ覚醒する俺に向かって、妹は続ける。
「『最近小林君の様子が以前にも増して変なので、ご家庭の方でもきちんと指導してください』だって。今日も
空手部の人にいっちょもまれたんでしょ?」
 俺はうろたえつつ、気まずく頷くと、妹はため息をついた。
「もう、いい加減にしないと、本気で怒るよ?」
 口を膨らませ、人差し指をつきたてる妹を、俺は敬愛の眼差しで見つめていた。口からは、俺の意思とは無関
係に、「ふぁい」という返事が零れ落ちる。
「ちゃんと聞いてるの? あ、そうだ、約束しよ」
 そう言って、妹は右手の小指を俺の前に持ってきた。そして目をつぶって、ハキハキとした口調でこう述べる。
「授業はちゃんと受ける事。警察のお世話にならない事。それから山田君には迷惑かけない事。約束ね?」
 俺の右手の小指は、何かに吊られているかのように浮かび上がり、妹の小指と交差した。
「ゆーびきった!」
 妹は天使のような笑顔で俺を見て、踵を返すと、お風呂の方へと向かった。
 そう、俺はこれをされると弱いのだ。俺は決して妹との約束を破る事はできない。指きりをしたのだ。瞬間、
それは誓いになる。何物にも代えられない、俺と妹の絆なのだ。多分俺は、妹との約束を守る為ならば、宇宙の
果てまで大根を買いに行くし、時空を超えた腹話術を披露するだろう。妹との約束を守る事が、俺にとっての最
重要事項だからだ。
 きっと妹も超能力者に違いない。兄を自由自在に動かせる、「アニキネシス」の使い手と見た。
 俺はやれやれとため息をつき、明日からはもう少し、周囲にも気を配ろうと決心した。妹に心配かけていたら
兄失格だ。
 そして俺はゆっくりと目を閉じた。そろそろ妹がお風呂に入ったであろうと思ったからである。
 とんでもない頭痛が俺を襲ってきたのは、それから少し経ってからだった。

20お題:案山子:2009/05/03(日) 20:06:48.83 ID:IUv9jB6E0
 前スレ?のお題 案山子 折角書いたので投下

S山には案山子がいたるところにあることで有名だ。しかし、あまりにも有名なために誰も論文にせずにいた。
まぁ、あの「御大」のせいでもあるが。
 山にはいると、草木が生い茂っているため昼でも薄暗く、まだ経験の浅い私は道に迷ってしまった。
 とりあえず位置確認のため地図とコンパスを見ていると、目の前の草むらがガサガサ音を立て始めた。
もしやクマでは、と思い後ずさると目の前から「おっかぁ!」という声と一緒に一人の少年が飛び出してきた。
少年は毎日山中駆け巡っているようで、ぼさぼさの髪、動きやすそうな服、日に焼けた肌をしていた。
 少年は私が母親ではないことがわかるとまた草むらに飛び込もうとした。それを必死にとめ、
今道に迷っていることを説明し、道案内を頼むと快く引き受けてくれた。
 道中、少年になぜS山で母親を探していたのかを聞いた。要約すると、母親が突然いなくなり、
どこに行ったか父親に聞くと、S山に行けば会える、と聞いたかららしい。
 地元の人間でないとわからないような獣道を案山子に見守られながら歩き続けること数十分、
視界が開けたかと思うと舗装された道路に出た。この道を下ると街に出る、と少年が教えてくれた。
 一緒に街に行こう、と誘うと少年は首を横に振った。
 「おっかぁにもう一度会ってくる」そう言うと少年は草むらに飛び込んで行った。
私は気づいてしまった・・・ここはS山・・・「御大」の論文のタイトルは・・・「案山子伝説」・・・

21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:10:36.26 ID:pCeTGqEtO
>>20
読んだ。最後の文でナポリタン思い出したナポリタン。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:12:06.79 ID:XU6crpb+O
転載おつでし
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:12:22.74 ID:QQs7rSLF0
さるたちよ。ありがとう

>>20
読んだ。うん読んだ。読んださ。
ぶっちゃけ意味わからん。ナポリタン?
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:12:56.44 ID:6SlWTNP20
>>1
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:13:11.35 ID:IUv9jB6E0
>>21
ありがとう。ラスト行き詰ったのでパロディを使ったんだ
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:14:10.14 ID:pCeTGqEtO
案山子とクネクネ組み合わせたら面白い話できそうな気がする
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:21:02.42 ID:IUv9jB6E0
>>23
案山子→山を案内する子ども
案山子→かかし→かかぁ(かーちゃん)死
という二つの超安易ダジャレから書きました
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:34:19.82 ID:QQs7rSLF0
ところで
>>5>>7>>8

>>10>>12>>14>>17>>19
はそれぞれ品評会のNO.2とNO.3でいいのか?
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:38:50.45 ID:6SlWTNP20
>>28
いいと思うけど……どうだろう
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:39:08.58 ID:QQs7rSLF0
違うみたいだね
まとめさん乙
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:39:35.58 ID:XU6crpb+O
>>28
前スレで他に二つ投下されたと思うから、4、5になると思います
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:41:21.03 ID:QQs7rSLF0
指きりで花魁の話し考えてたけど
いろいろハードル高くて無理だったんで
代わりにお題ください
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:41:48.44 ID:XU6crpb+O
おや、まとまっていたのか。おつです
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:43:18.97 ID:W9tgA9Z80
週末品評会161th投稿作品まとめ 『指きり』
http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1241244903/

No.02 指きり ◆2l9Bo9.Cik氏
No.03 五月最初の月曜、渋谷にて ◇ID:8dWr0r29氏
No.04 セピアノネイロ ◆pxtUOeh2oI氏
No.05 イモートビュアーANIKI ◆POW10cJRR氏

以上5作品転載完了。
確認よろしく。

>>1
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:43:22.28 ID:pCeTGqEtO
>>32
娼婦
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:43:22.83 ID:6SlWTNP20
>>31
そういや指きりの最初って遊女が小指を切って渡すところだっけ?
と言うことで「踊り」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:44:09.16 ID:6SlWTNP20
>>36ミスった
>>32だった
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:44:42.89 ID:W9tgA9Z80
何が5作品なの?
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:50:57.66 ID:DhBLf71E0
>>38
自分にはお前がまとめた5作品が全て見えています
なにがいいたいかというと乙
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:53:01.94 ID:QQs7rSLF0
>>38



>>35
人の話を聞けwww
>>36さまの「踊り」とあわせて焼きなおしてみる
41指きりディシンフェクト 0/5 ◆IPIieSiFsA :2009/05/03(日) 20:58:50.28 ID:W9tgA9Z80
ということで品評会作品投下します。
お題:指きり
5レス頂きます。
42指きりディシンフェクト 1/5 ◆IPIieSiFsA :2009/05/03(日) 20:59:30.75 ID:W9tgA9Z80
 放課後の図書室は静かで、彼女が紙を繰る音と俺がキーボードを叩く音がやけに耳につく。
 図書の貸し出し統計と資料整理。
 その作業を俺と彼女は、終始無言で行っていた。彼女からプリントを受け取り、俺がデータを打ち込んでいく。
けれど俺たちは、視線を合わすこともなく、機械的に作業を続けていた。
 言葉にすると、仲が悪くて気まずいのかとも思えるこの雰囲気も、実際にはもっと別の空気が漂っている。そ
の理由は、一週間前に遡る。

『図書室の利用者なんて少ないから暇だろう』そう思って図書委員を選んだけれど、それは間違いだった。図書
委員は図書室が閉まるまで――つまりは下校まで受付にいなければいけない。救いはそれがローテーション制で、
二週間に一回だという事だろうか。
 兎にも角にも一週間前のその日、俺は図書室の受付に座っていた。彼女――斎藤春佳と並んで。
 図書室を利用する生徒は多くはない。試験前ともなれば別だが基本的には数人程度で、その日も二人が本の貸
し出しと返却に来ただけで閑散としていた。
 冷静に考えてみると、一つの部屋に女子と二人っきりでいるという状況に少し緊張していたのだろう。だから
何かきっかけになればと思って、斎藤に話しかけたのだ。何のきっかけなのかは知らないけれど。ちなみに、こ
れまで数回あった受付当番は全部、男子とペアだった。
「斎藤ってさ、何かお母さんみたいだよな」
 その時の俺はきっとバカだったのだ。しかし自分の発言を後悔していた俺を他所に、斎藤は「……どうして?」
と聞き返してきた。少し顔を赤くして。
 聞き返されたからには答えなければいけない。当然、俺としても何の脈絡もない事を言った訳ではないので、
斎藤にそう思った理由を説明した。だいぶ、しどろもどろになりながらではあったけれど。
 そんな恥をまた晒すのはどうかと思うので、要約するとこういう事だ。
 授業も終わって帰ろうと廊下を歩いていると、隣のクラスが掃除をしていなかった。掃除をしようとしている
のだが、男子が遊んでいたわけだ。それに対して女子が文句を言ったりしていたのだがその時、「ほらほら。掃
除を終わらせないと、いつまでだっても部活にも行けないし家にも帰れないよ。早く掃いて掃いて」そんな声が
聞こえてきた。声の主はもちろん斎藤で、言いながら自分は率先してホウキで床を掃いている。すると、遊んで
いた男子も床を掃いたり机を動かしたりと、掃除を始めたのだ。その様子を見た時に俺は、『扱いが上手いなー』
と感心していた。俺が知る限りこういう時の女子というのはキンキンと怒鳴るだけで、余計に男子の掃除意欲を
削いでいると思っていた。だから斎藤の聞き分けのない子供を諭すような、そんな言い方をお母さんみたいだと
思ったのだ。
43指きりディシンフェクト 2/5 ◆IPIieSiFsA :2009/05/03(日) 21:00:11.05 ID:W9tgA9Z80
 何とか説明を終えた俺に対して、斎藤は小さく笑った。
「私ね、歳の離れた弟と妹がいるの。それがなかなか言う事を聞かないから、そういう子たちの扱いは確かに慣
れてるわ」
 なるほど、と納得した俺に斎藤は続けた。
「でも、お母さんって言うのはどうかと思うけどね」
 そして悪戯っぽく笑う。俺はというと顔を赤くしてそっぽを向くのが精一杯。さらに照れ隠しの為に傍にあっ
た雑誌を手に取ったが、「痛っ」指先に走った痛みに思わず声が出た。
 見ると、右手の人差し指の先からじんわりと血が滲み出してきた。こういう時に、とりあえず舐めてみるとい
うのは何故なのだろう。唾液による消毒を実践しているのだろうか。よくはわからないが、俺は自然に人差し指
を舐めていた。微かに血の味がしたのを覚えている。
「どうしたの?」
 心配して尋ねてくる斎藤に人差し指を見せるというのは、自然な事だった筈だ。誰だってそうするだろう。け
れど、それが問題だった。
「指切ったんだ? あー、血が出てるね」
 後半を少し眉根を寄せて言った斎藤は、おもむろに俺の右手を掴むと、人差し指を咥えた。
 指先が暖かく包まれて、固柔らかく少しざらつきのある何か――もちろん舌だ――が指の腹に当てられている。
 突然の事に俺は言葉も出せず、ただただ俺の指を咥えている斎藤を眺めるだけだった。
 と、不意に視線を上げた斎藤と目が合い、その瞬間、彼女の顔が真っ赤に染まった。慌てて指から口を離し、
「ご、ごめんなさい! つ、つい、弟たちにやってりゅのと、同じことしちゃって!」噛みながらも謝ってきた。
 しかし俺にとってはその言葉よりも、濡れた指先が外気に触れて冷たかった事の方が鮮明に記憶に残っている。
 さらに斎藤は言葉を続け、「あっ、あの! もう、すぐ下校時間だから、私、先に帰るね? ほ、本当に、ご
めんなさい!」それだけ言うとカバンを手にとって図書室を飛び出してしまった。彼女の最後の謝罪は、どっち
に対してのものだったのだろう。
 図書室に取り残された俺は時計を見て『確かにもうすぐ下校時間だな』と納得した後、右手の人差し指を見た。
 指の先は濡れて、蛍光灯の光を受けてテラテラと光っている。
 鼻先に近づけてみると、臭かった。
『そういえば、俺が先に舐めていたのを斎藤が舐めたんだから、間接キスだよな?』などという考えに至った俺
は、目の前にある人差し指を舐めるべきかどうか、悩みに悩み抜いた。舐めればさらに間接キス成立。しかしそ
れは斎藤の残り香を失くしてしまうという事でもある。自分が舐めた指先などに意味はない。だがこのまま残し
ていれば、しばらくはこの匂いを嗅げるわけだ。俺は変態か。
44指きりディシンフェクト 3/5 ◆IPIieSiFsA :2009/05/03(日) 21:00:51.66 ID:W9tgA9Z80
 結局答えが出ないまま下校時間を告げる放送が鳴り、俺は右手の人差し指を使わないように図書室を施錠。鍵
を返して帰路に着いた。
 家に帰った後も迷っていた俺は、人差し指なしでは箸を使えないことに気づき、少し口に含んでから手を洗っ
た。よく、もっとアレな事をしなかったものだと思う。

 とまあ、そんな事が一週間前にあったわけだ。それ以降、クラスの違う斎藤と顔を合わせる事は無く、姿を見
かけたら隠れるという生活を続けていた。けれど今日、別のクラスの図書委員――もちろん斎藤とは違うクラス
だ――から当番を代わってくれと頼まれた。一瞬『斎藤と一緒になるんじゃないか』と思ったけれど、一週間前
に当番をしているからそれはないだろうと思い直し、快く引き受けた。
 けれど放課後、俺が図書室に入るとそこには斎藤がいた。
 入って来たのが俺だと気づいた彼女は目を丸くして口を小さく開けて驚き、次第に顔を赤くしていった。きっ
と俺も同じだったと思う。
 お互いに何か言おうと口を開くものの、一週間前の出来事が思い出されて何も言えなくなる。かろうじて斎藤
が「資料整理をするように言われた」とだけ口にし、俺が「俺がパソコンに入力するよ」と返しただけだった。
 そして今に至る。
 しかし、今日は仕事が与えられていて本当に良かった。これでまた何もする事が無く、下校時間まで斉藤と二
人っきりでいるなんて事になっていたら、俺はきっと図書室を飛び出していただろう。
 ディスプレイの時計で下校時間が近い事を確認した俺は、一息入れるためにキーボードを叩く手を止め横目で
斎藤の方を見た。と、偶然にも彼女もこちらの方を向いた。
 一瞬、視線が合い、すぐにどちらも顔をそむける。
 俺はディスプレイを睨みながら、斎藤の方に意識を集中させると、机をトントンと叩く音が聞こえた。多分、
束ねた紙を整えているのだろう。
「っ!」
 小さなうめき声みたいなものが聞こえ、再び彼女の方に、今度はしっかりと顔を向ける。
 斎藤は自分の人差し指を見つめていた。その指先にはうっすらと赤い線が見える。
 彼女は俺の視線に気づくと、口元に笑みを浮かべて俺と目線を合わせたまま、自らの人差し指を咥えた。一分
を越えていただろうか。指を咥えたままで俺を見つめていた斎藤は、音を鳴らして指を引き抜いた。指先が糸を
引きながら彼女の唇から離れていく。艶めいた指先がゆっくりと俺に近づいてきて、柔らかく、唇に触れた。
 俺が斎藤を見つめると、彼女は目を細め、微笑んだ。
 それだけで十分だった。
45指きりディシンフェクト 4/5 ◆IPIieSiFsA :2009/05/03(日) 21:01:32.08 ID:W9tgA9Z80
 口を開き、彼女の指を咥える。指に舌を這わせると、まるで嫌がっているかのようにくねくねと口内で動く。
頬の内側を、歯茎を、舌の根元を、彼女の指に蹂躙される。俺は舌を絡ませようと、彼女の指を追いかける。け
れど指の動きに舌の動きがついていけるはずも無く、彼女の指を舐める事しか出来ない。
 舌を動かすことに集中していた俺はふと、右手を斎藤に掴まれている事に気がついた。舌の動きを止め彼女に
目で問いかけると、彼女は舌先を指でノックしてきた。その意味を即座に理解できたのは、全身にみなぎる高揚
感と斎藤との一体感の所為だろうか。何にせよ俺は、右手の人差し指を彼女の唇に触れさせた。
 斎藤は小さく開かれた口元から舌先をのぞかせると、俺の人差し指を下から上へ、丁寧に舐め上げ始めた。指
の根元から指先まで、言い知れぬ感覚が伝わってくる。一分ほど丹念に舐めまわされ、十二分に濡れそぼった人
差し指を、斎藤はゆっくりと咥えこんでいく。指先が暖かさに包まれる。しかしそこで止まらない。斎藤の口が
俺の指を根元まで飲み込んでいく。指先に、彼女の喉の奥が触れたような気がした。根元まで咥えた指を今度は
先端まで引き抜いていく。ゆっくりと引き上げられる唇が指の先から僅かに離れて糸が光り、斎藤はすぐにまた
根元まで咥えこんだ。この動作をゆっくりと何度も繰り返す。その間も、彼女の指は俺の口内を自由に動き回る。
俺はもはや、斎藤になされるがままになっていた。
 どれだけそうしていただろう。既に斎藤の行為は俺の右手全体に及んでいる。人差し指を、中指を、薬指を、
小指を、親指を、そして手の平を、すべてを丹念に舐め、しゃぶり、俺の右手に彼女の匂いを染み込ませていく。
俺も、彼女に倣ってその右手を味わっていた。この最中、俺達は一度も視線を外すことは無かった。
 斎藤の瞳は潤み、熱を帯び、幻想を見ているかのようだ。彼女の瞳に見つめられているだけで、興奮が鎮まる
事はない。その瞳が一瞬、細められたかと思うと、彼女は俺の右手から唇を離し、俺の唇から右手を引き離した。
そして自らの右手を俺の右手に絡める。指の股と股を擦り合わせ、お互いの唾液を混ぜ合わせる。粘り気のある
小さな音が断続的に響く。もう、どっちがどっちの手なのかわからない程に、俺たちの右手が混ざり合った。
 それが当たり前のように斎藤がゆっくりと顔を近づけてくる。扇情的な目でこちらを見つめながら、唇はぬら
ぬらと艶やかで、口の端から涎が垂れている。
 俺もゆっくりと顔を近づけ、唇が触れるかどうかの瞬間に、目を閉じる。
「図書委員! まだ残ってるのか! もう下校時間だ、早く帰れ!」
 ドアの開く音と、教師の怒鳴る声が図書室に響いた。
 俺たちはビクンッと身体を震わせて、顔を離す。全力で百メートルを走ったよりも、速く強く鼓動する心臓が
うるさい。俺は呆然と教師の姿を見ていた。うちの学年とは関係が無いので名前も知らない。そんな事よりも一
瞬前までの状況を見られたのかどうか、それだけが心配だった。
「すみません。すぐに帰ります」
 斎藤が答えた。それを聞いて教師は「早くしろよ」とだけ言って図書室を後にした。
46指きりディシンフェクト 5/5 ◆IPIieSiFsA :2009/05/03(日) 21:02:12.53 ID:W9tgA9Z80
 俺がまだ放心状態でいると、斎藤が耳元に唇を寄せて「もうちょっとだったのにね」と囁いてから立ち上がっ
た。いつの間にか、俺たちの右手は離れていた。
「ほら、早く帰ろう」
 促されるままに俺はパソコンの電源を切り、先を歩く斎藤について行った。
 図書室に鍵を掛け、職員室に返す。下駄箱で靴を履き替えて校門を出るまで、俺たちの間に言葉はない。
「右手、臭いね」
 斎藤は右手を鼻にくっつけて、顔をしかめていた。
 俺も匂いを嗅いでみる。この前とは比べ物にならない、強烈な匂いがした。
「どうして今日も当番だったの?」
 彼女が顔をこちらに向けて尋ねてくる。その表情に、先ほどまでの面影はまったくない。
 俺が当番を代わった旨を伝えると、彼女も「私もなの」と言って何故か喜んだ。彼女の場合は一週間前の当番
を他の人の代わりにしたそうで、今日が正式な当番の日だったそうだ。
 さっきまでの事が無かったかのように、俺たちは普通の会話をして「また当番が一緒だったらいいね」「ああ」
という言葉を交わして別れた。
 家に着いた俺はすぐに自室に篭り、図書室での事を思い出して右手をフル稼働させた。興奮がよみがえり、瞬
く間に果ててしまったけれど、斎藤があの右手をどうしたかを考えるだけで、何度でもイケそうだった。
                           ―完―
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:03:07.71 ID:W9tgA9Z80
はい、完了。
それでは引き続き保守したりお題を貰ったり小説書いたり雑談したり保守してください。
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:05:47.68 ID:W9tgA9Z80
はい、セルフ転載完了。
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:07:20.78 ID:6SlWTNP20
品評会作品が書き終わらねえ……
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:21:15.83 ID:6SlWTNP20
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:21:44.83 ID:/6H9x5L90
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:24:04.57 ID:DhBLf71E0
>>50-51
この人たちホモです!
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:25:42.11 ID:QQs7rSLF0
それの何がいけないんですか!
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:38:48.24 ID:W9tgA9Z80
おっぱいが……
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:44:27.74 ID:IUv9jB6E0
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:54:14.58 ID:6SlWTNP20
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 21:55:11.95 ID:DhBLf71E0
>>55-56
この人たちホムです!
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:03:18.70 ID:QQs7rSLF0
さすがにそれは引く、人としてどうよ
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:05:48.04 ID:XU6crpb+O
ホムを、ホムを差別しないであげてください><
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:21:38.18 ID:W9tgA9Z80
穂無
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:22:54.64 ID:W9tgA9Z80
転載する。
62すばらしき結婚記念日1/4 ◇cwf2GoCJdk:2009/05/03(日) 22:23:45.19 ID:W9tgA9Z80
 肌寒さもすっかり消え去るころ、中原夫妻の三十回目の結婚記念日がやってきた。彼らはこの日をずいぶんまえから心待ちにしていた。節目の回数である今年は例年よりもそのよろこびをかみしめ、互いの信頼を深めようと話し合われたのは半年前だ。
 いつも控えめな彰子夫人はなにも特別なことをしなくとも、と渋っていたが子供たちの熱心なすすめもあって、しだいに冷蔵庫のカレンダーを見る回数が増えていった。家の中はそとの陽気に負けないほどあたたかな空気に満ちていた。
 中原夫妻は朗らかな笑みを絶やさずにタクシーで空港に行った。子供たちは玄関前で見送るさい、旅行のあいだずっとそうであればいいと思ったものだ。理絵子は旅行鞄がすくないのではと感じ、一基は多いのではないかと感じた。
 しばらく家を留守にする中原夫妻の唯一の懸念は子供たちだったが、空港のテラスで飛び立っていく飛行機を見る段になると不安は消えてなくなっていた。ともかく旅行をたのしもう、彼らはしっかりしている。
 それはきっと正しかった。理絵子と一基は両親を見送ってから三時間はそれぞれ部屋にこもりきりになり、リビングルームでキスしはじめたのはさらにその一時間後だったからだ。
 結婚記念日からしばらくのうちにやっておかなければならないことがひとつある。彼らはどうしても二階の奥の部屋が気になっていた。
 といってもその部屋自体は本棚やタンスがじゃまして中にはいれないだけでなんの魅力もない。気になっているのはその部屋からつながっている屋根裏部屋だった。なにが理由かはわからないものの、中原夫妻は子供たちが屋根裏部屋にいくことを禁止していた。
 まだ小学校に入学してしばらくのころ、理絵子が一基をさそって屋根裏に行こうとして天井の梯子をおろそうとしたとき、たまたま定時前に帰宅した父に見つかって信じられないほど叱責されたものだ。
 父がそれほどまでに怒ったすがたを見たのはそのときだけで、それ以来一基は二度と近よりもしなかった。理絵子は説教のあいだずっと涙を流していたくせに、それが終わると何事もなかったかのように涙を拭いて長い髪を手で整えていた。
「見つかっちゃったのは失敗ね。もっと音に注意しなくちゃ。なに怖がってるのよ。だいじょうぶよ、約束を信じ切ってるんだから。ゆーびきーりげんまん、ってね。あの人たちったら、それが魔法の呪文とでも思ってるみたい。そう思わない?」
 だが、その家の子供になって数ヶ月もたっていない一基はそう思えなかったし、これからもそれは変わらないだろうと子供心に感じていた。事実そのとおりだった。
〈二階の奥の部屋〉は一基にとって両親を裏切った忌まわしい場所であり、もはや好奇心の対象でもありえなかった。結局はなにもないことはわかりきっている。
 そこが禁止されているのはプライベートな事柄があるから、あるいは中原夫妻にとって神聖な場所だからで、それをいたずらにひっかきまわすのは許されることではない。そののち、理絵子に何度誘われても彼は応じず、理絵子もやがて興味を失ったようだった。
 しかし今回無防備な家の秘密を前にして、ふたたび好奇の火が点った。理絵子は巧みな弁舌で義弟を懐柔した。
「このチャンスを逃したらきっともう何十年もわからないわよ。なんだかんだいって気になってはいるんでしょ? あんたの神だってそんなこと気にしちゃいないはず。考えても見て、今回を逃したらあたしは恐ろしい考えを抱くようになるかも。
 つまり、父さんや母さんが死んでしまえば……なんて。ああ、口にするのも恐ろしいわ。義姉にそんな気持ちでいてもらって、あなたはいいの? 義娘にそんなふうに思われる親の気持ちはどうかしら?」
 彼女の言葉の脅迫めいた響きに一基はいやけがさして「わかったよ」とだけいった。小声で神に許しを請いながら。
 ふたりは緊張した足取りで二階へつづく階段をのぼった。理絵子が笑っているのが背中越しにわかる。
 床板がきしみを立て、両親の寝室と雑貨置き場をとおりすぎて目的にたどりついた。一基は不安を感じ、この家にきたときのことを思い出した。いまはしかし、迎えてくれた人たちはいない。目の前の理絵子をのぞいては。
 理絵子がとまっていた。肩が小刻みに動いているのを見て、一基は理解した。
「開かないのか」
「なんかひっかかってるみたい。いらない物だらけなのに片付けないからよ」
 脇越しにほとんど腕がはいるだけの空間を確認した。
「ああ、むりだね。これは」彼は安堵の表情を浮かべた。「あきらめよう」
63すばらしき結婚記念日2/4 ◇cwf2GoCJdk:2009/05/03(日) 22:24:41.69 ID:W9tgA9Z80
「ばかいわないでよ」
「でもこれじゃはいれないだろう? 神のお召しだよ」と笑った。
「あんたの神ってそんな安っぽいわけ。見てよ、ちょっと棚が引っかかってるだけ。簡単にどけれるでしょ、こんなの」
「それはぼくにいってるのかな。やれ、と?」
「もちろん」理絵子は絶妙な笑みをつくった。彼女の得意技だ。彼が逆らわないのが彼女にはわかってる。
「わかったよ。じゃあせめてあしたにしてくれ。きょうは父さんたちが行ったばかりだし、やることがあるだろ」
 やることなんてないのだが、彼女は了承した。一基はなにかのまちがいで明日の朝、両親が帰ってきてくれることを祈った――できればわるい事故などが起こらずに。
 つぎの日、先に教室についたのは一基だった。理絵子はおそらく始業ぎりぎりか遅れてくるだろう。あとで彼女の怒りを買うことになっても、寝起きの不機嫌さに矢先にたつのはごめんだ。
 ただし、目覚ましはたいへん楽観的な時間に設定されていたので、精一杯の親切心からそれに手を加えて彼女の枕元に置いた。たぶんそれは鳴った瞬間に投げ飛ばされたのだろう。結局理絵子がきたのは数学の授業が終わる直前だった。
 クラスメイトの雑談に耳を傾けていると、それがクラスメイトの、特に女子の話題ならばかなりの確率で理絵子の名前があがり、そのたびに一基は不快感とちょっとした優越感を得ていた。
「いいなあ、いっしょに住んでるんだろ?」
 何十回目のこの質問はいつも彼をうんざりさせた。きみは前にもまったくおなじことをいったけれど、そのときのことをおぼえていないのかな。もし答えたことを思い出せないのなら、つぎからはぜひメモしてほしい。くだらないことで時間をむだにしないためにも。
「そうだよ。だけど、思ってるほどいいもんじゃないと思うぜ。顔がいいからわかりにくいけどね。本性を知らないんだよ」彼はそっけなくいった。
 そういったあと、彼は気づいた。理絵子がこっちを見ている。長い髪、涼しげな目元。いたずらっぽい笑み。理絵子の本性なんてものは、自分だって知らない。
 昼になると担任の谷川先生に呼び出された。理絵子も同伴とのことだったが、彼女は拒否した。その若い女教諭がきらいなのだろう、と一基は推測した。適当ないいわけを用意して、ひとりで指定された教室に向かった。おそらく仕事をしていたのだろう。
 机に向かっていた谷川先生は自分の生徒を発見すると、立ち上がって中に招き入れた。一基は女教諭よりも自分の身長が低いことを意識しながら、うながされるまま座った。
 話の内容は両親が家を留守にしていることについてだった。念のため、旅行前に中原夫妻が話を入れていたらしい。主に食事や家事のことなんかを話しているものの、ほんとうにいいたいことはほかにあるようす。笑いを浮かべて一基はいった。
「先生はもっとべつの心配をしているのでは?」
「べつの心配?」彼女は知らぬふうを装っている。
「ぼくと理絵子が〈不当な行為〉に及ぶとか」
「ああ、わかってたの」彼女は力を落とした。「当然か。でも、だいじょうぶよね。あなたは思想的にそういうのを受け入れないでしょうし、こんな考えばかげてるわよね」自分に言い聞かせているようなくちぶりだった。
 まるでつまらない反応だと一基が感じたのは、触れてほしくないことを彼女がいったからだ。
 彼は亡き親から教え込まれたカトリックであることに一種のうしろめたさを感じ、幼い頃からの思想的な背景をいまでも引きずっていることは知的に怠惰なところがあるのではないかと思っていた。
 子供じみた反発心から、彼はいった。
「どうですかね、先生。ぼくにだって生殖機能はあるし、それに理絵子は客観的に見て魅力的ではないですか? 妙に頭のいいところがあるし、たぶん二十歳だといえばついてくる大人の男は数多くいるでしょう。
 ぼくは毎日彼女と夕飯をともにしているけれど、それでも彼女のことはよくわからない。果たしてぼくは誘惑されたら、あるいは彼女を犯そうと考えたら、その欲望に耐えられるでしょうか?」
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:25:31.11 ID:QQs7rSLF0
豊臣秀吉は本当に六本指だったのか
65すばらしき結婚記念日3/4 ◇cwf2GoCJdk:2009/05/03(日) 22:26:02.70 ID:W9tgA9Z80
 谷川先生は目をまるくして、しばらくだまってからいった。
「そっか、きみがそんなふうに考えてるのは意外だったな。そうね、強姦は論外だけど、もしどうしてもそうしなければならないと――状況的にも感覚的にも――感じたら、避妊はしないとだめよ。あとで自分が困るから、このことはおぼえておいたほうがいいわ。
 だって我慢できなくなったらしょうがないものね。なにいったって。でもなるたけ我慢したほうがいいよ。なにかのときに気まずくなったりしたら目も当てられない。これからさきもいっしょに暮らすんだから、そういうことも考えなくちゃね」
 やや早口のそれは、まったくいつもの谷川先生らしいことばだった。その後どちらともなく何度か冗談をいって笑いころげ、チャイムが鳴った。
 下校途中彼らは(校則に違反して)寄り道してクレープを買い、食べ終えるまではゆっくり歩いた。それによって彼女の饒舌を緩和したいという彼のささやかな抵抗だったが、ほとんど意味をなさなかった。
 理絵子の罵倒は止まらず、彼は彼女の右斜め前の席の彼女を気の毒に思った。顔もよく思い出せなかったが。
 強くて暖かい風を合図に、彼女は話題を変えた。
「谷川先生となに話してたの?」
「べつに。親がいなくてたいへんだね、といわれただけだよ」彼はふくみのある言い方をした。「気になるならくればよかったのに」
「あの女とは話したくないの。ほかには? なにか変なこといわれなかった?」
「まるで保護者のような口ぶりだね」
 飛んできた葉が理絵子の顔にくっつき、それにいらだちを見せてから、彼女はだまった。彼女はよほど気にくわなかったらしく、紙のゴミを拳の中で丸めていた。それをその場で捨てないでくれてよかった、と一基は内心で思った。
 部屋の外から中の家具を移動させる作業にしばらく没頭したのち、買い置きのインスタント食品で夕飯を済ませ、ようやく扉を開くことができた。中は一昔前のインテリア家具が雑多に配置されている凄惨たる情景で、物置のスペースと化している。
 彼らは通り道をつくる必要があった。理絵子が妙な声をあげた。
「梯子がないんだけど」
「この部屋にはいったのは一回だけだからよくおぼえてないけど、天井から下ろすんじゃないかな。ほら、あのあたりに筋っぽいのがあるだろ? なにかそういう器具がいるんじゃないかな。フックのついた棒みたいなやつ。
 この中から探すのは骨が折れると思うんだけど、疲れたしやめにする?」
「きょうはね」といって、理絵子は階段を下りていった。
 それから、彼らは何日もの間家じゅうを探し回り、ときにはなくしたはずの懐かしい思い出の品が見つかったりはしたものの、いまだ屋根裏には行けなかった。
 実をいうと一基はひとつの方法を思いついていたのだが、理絵子がそれに思い至るまではだまっているつもりだった。気づかないことを指摘されたとき彼女は悔しがるものだし、そもそも理絵子が遠回りで不確実な選択をしているのが彼には意外だった。
 とうとう整理整頓も尽きて、数時間後の両親の帰りを待つだけになった。
「お風呂はいってくる」と理絵子はひとりごとのようにいった。
 水の音がリビングまで聞こえてくる。一基は慎重に二階にのぼった。奥の部屋にはいり、天井の継ぎ目を見上げると、手頃な棚に足をかけて取っ手を握った。すこし引っ張ると、なにかが外れる音がした。簡単な作業だった。
 ゆっくり手を下ろしてゆき、あっけなく階段ができあがった。そして彼は、理絵子になんていおうか悩んだ。つまり、そこにはなにもなかったのだ。小さな本棚と、ほこりかぶった古い文学作品が数冊とをべつにして。すこししたあと、濡れ髪の彼女もそれを確認した。
 一基は彼女が失望の色を見せるものだと思っていたが、まるであっけらかんとしていた。一方で彼はしかし、数年前の約束を破ったことへの罪悪感がだんだん強くなっていた。
66すばらしき結婚記念日4/4 ◇cwf2GoCJdk:2009/05/03(日) 22:26:45.26 ID:W9tgA9Z80
「気にすることないよ。あんな子供のころの約束、いわれなきゃおぼえてないもの。『もう二度としない!』なんて。だいたいここにはいじられて困るような物はないんだし」
「あのね、結果どうだとかじゃなくて、倫理の問題なんだよ」
「そうはいっても、やってしまったことはしかたないじゃない。ここにたとえば父さんの大昔書いたラブレターがあってそれを誤って読んでしまった、とかのほうがよかった?
 どうせ好奇心に負けたのはおなじなんだから、いまのほうが罪が軽いと思わない? そんなややこしく考えてどうするの」
 一基は呆れた。わかっていたことだが、彼女に罪の意識はまったくないようだった。
「そうだね、きみがそういうならそうだよ、きっと」
「あら、すなおじゃない。よろしくてよ。キスでもする?」
 屋根裏は暗く、本を読むのには適していなかった。小さな本棚から取り出した本に授業で読んだときは感じなかった読みにくさを発見したが、それが文章のせいではないことは明らかだった。
 そろそろ両親が帰ってくる時間であることと、彼女があんまりそばにいると読書に集中できないことを告げて帰ろうとした瞬間、視界が低くなり、腰と左足に鈍い痛みが走った。理絵子が笑っている。
「あら、だいじょうぶ?」
 一基は見上げた。そこいらじゅうに薄い梯子の段の残骸がちらばっている。
「気をつけておりろ。どうやらこの階段は危険だ。もろくなってる。子供に使わせないわけだ」
 彼女は飛び降りたので、その危険にさらされることはなかった。
「あぶないな」
「平気よ。なにか踏みつけたらあぶなかったけど。ところで、これどうするの? 隠す? あとあと上に用ができたとき、たぶんびっくりするわよ。ひどいことするわね」
 鍵の開く音がした。かすかに会話が聞こえる。彼らが帰ってきたのだ。子供たちは残骸に対してとりあえずの応急処置をした。
 そろって階段を下りてきた子供たちを見るとすこしだけふしぎそうな顔をしたのち、初老の夫婦はたのしそうに旅行の思い出を語り出した。
 その日の夜、理絵子はしあわせそうな両親をうらやましく感じたことを話し、一基は彼女の甘ったるい口調の中に含まれている意味を察して、ひとつ重大な約束をした。彼は神に誓うことはせずに、指切りをした。

67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:29:39.26 ID:W9tgA9Z80
週末品評会161th投稿作品まとめ 『指きり』
http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1241244903/

No.07 すばらしき結婚記念日 ◆cwf2GoCJdk氏

まとめ転載完了。
確認よろしく。
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:31:36.13 ID:6SlWTNP20
>>67

絶対、絶対品評会間に合わせてやる!
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:31:38.62 ID:W9tgA9Z80
さるかんしゃ
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:31:41.35 ID:pCeTGqEtO
てんさいおつ
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:36:36.33 ID:XU6crpb+O
転載&まとめ転載おつです


うーん終わんない
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:42:40.13 ID:DhBLf71E0
自分今回の品評会で優勝したら次回のお題「ホム」にするんだ
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:48:58.40 ID:r/ul+WLEO
か6
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:50:39.64 ID:XU6crpb+O
>>72
M館行き最終フラグが立ってしまったわけだが
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:58:49.86 ID:6SlWTNP20
セーフか!?

品評会作品、投下します
76歪んだ約束1/5 ◆YtPcthKo0A :2009/05/03(日) 23:00:45.59 ID:6SlWTNP20
少年はその日、一人の少女と約束をした。
「樹君、大きくなったら結婚しよう? そしてみんなでお祝いしよ?」
ほんの九つか十ばかりの二人が交わした、些細な約束。でも、二人にとっては大きな約束。
対して、少年は満面の笑みで言った。
「じゃあ、指きりしよっか」
その屈託のない笑顔は、まだ何もわかっていない少年だからこそ成せるものである。
そしてそれは、少女にとっても同じであった。
「うん!」
二人は小指をからめる。絶対に、離れないと誓うようにきつく、硬く。
この二人が交わしたものは、あの時はまだかなうかもしれなかった約束。
今では、決して叶うことのない、約束――
次の日、少年はこの村を去った。まだ見ぬ、不安と期待の塊のような都会へ。
少女には、少年が遠くへ行ってしまうことの悲しさがあった。
だが、遠くへ行ってしまうのは、少年ではなかった。
そしてそれを、うすら高い煙突が、申し訳なさそうに眺めていた。
――次の週、その村は地図からその名を消す。住民の九割と共に。
生き残った村人は、怒りと、安堵と、悲しみと、絶望と――激しい憎悪と共に、散り散りになった。

それから、十年後。
「ひっ、やっ、やめっ、やめてっ、くれっ」
すっかり人も消えうせた路地に、一人の中年男性の声が響く。
「お、おおおお前はなんだ? いったいななな何者だ!?」
中年男性は目の前の人影に問うが、返事はない。
「お……俺を誰だか知っているのか!? かの有名な――」
そんなことを言ったところで、この場がどうにかなるわけがないだろうに。
「あああれか!? お前、最近聞くピンキーハンターとか言う――え? やめ、やめろやめてやめやがれやめなやめ、やめろって言っ」
暗い中に響く鈍い音。そこで、世界から音が消えた。

二つの事件は、私たちに歪な繋がりを見せる。
77歪んだ約束2/5 ◆YtPcthKo0A :2009/05/03(日) 23:02:58.41 ID:6SlWTNP20
「んー……眠い……」
時折吹く風が心地よい午前中、俺、樹は大学の敷地内を歩いていた。
「なんで朝ってこんなに眠いんだろう。寝起きだからか? あれ、でも夜も眠いよな? いやいや、授業中も眠いぞ?」
一人自問自答しながら歩くその姿は、他の人が避けて歩くには十分すぎる理由になっていただろう。
「……深く考えるのはよそう。眠いし」
俺は思考を変え、腰をかけようとベンチへと向かった。
ふいに、後ろから誰かが来るのがわかった。足音が聞こえてきたからだ。
「いーくーん! おはよー! 元気ー?」
「……朝から元気だね、鈴」
来たのは子供のときからの友人の、音ヶ夜鈴。「リン」ではなく「スズ」だ。
言ってしまうと、俺があの村にいた頃の友人。つまり、あの村の数少ない生き残りの一人。
そして彼女の傍らには、背の高い男が一人立っている。
「よぉ、相変わらず眠そうだな。それでこそお前だ」
「……なんで朝から俺のことを再確認するんだ?」
男は井畑宏平。こっちは高校時代からの悪友である。
「だって、お前が朝から元気ハツラツだったらこええよ。それこそピンキーハンターみたいに」
「おいおい、あれと怖さのレベルが同じってヤバイだろ」
――ピンキーハンター。名前を聞くだけでぞっとする。
近頃、巷では奇怪な連続殺人事件が起こっていた。
ある会社の関係者が次々と殺害されているという、明らかに同一人物による殺人事件。
そして異様なのが、全員が刃物で惨殺されているのに加えて、小指が無くなっているというものだった。
人は呼ぶ。その精神異常者を『小指を切り取る者(ピンキーハンター)』と。
「昨日も死者が出たらしいぜ。例の会社関係の家族が2つ……かな」
宏平の口調のトーンが下がる。それもそのはず、彼の父親はその会社の元重役であったのだ。
その事件の関係性がわかるにつれて、多くの人がその会社を去っていった。宏平の父親もその一人だ。
「……だ、大丈夫。お前には関係ねえって」
「そうだよ。宏君は大丈夫! 安心しなよ!」
「……ありがとうな」
痛々しいほどの作り笑いだったが、それでも元気は出たようだ。
俺はホッと胸を撫で下ろす。今思えば、これから宏平に来る恐怖の前に、少しでも安心しておくためだったのかもしれない。
78歪んだ約束3/5 ◆YtPcthKo0A :2009/05/03(日) 23:04:12.12 ID:6SlWTNP20
二日後の夜。コンビニに行った帰り、俺は暗い路地を歩いていた。
アパートからコンビニまで徒歩十分。それすら面倒に感じたのだが、さすがに明日の朝食が何もないのはヤバイ。
「あ、樹じゃん」
暗がりからの声に、内心かなりびびった俺だが、その声の主を見てすぐに安堵した。
「なんだ、宏平か……驚かすなよ」
「なぜびびる」
「誰だって驚くわ。こんな暗い中いきなり声掛けられたら」
とりあえず宏平と肩を並べ、アパートへと戻ることにした。
しばらく歩くと、右手に大きな公園が見えてきた。その前をゆっくりと進む。
「なぁ、俺さ、やっぱり殺されんのかな」
ポツリ、と呟く宏平。
「はぁ? 何言ってるんだよ」
普段強気で余裕な態度の宏平がこれだけまいっているのを見ると、どうやら『やつ』の影響は相当らしい。
「お前には関係ないだろ? 堂々として」
「なんで? なんで俺には関係ないんだよ、あるだろ」
急に宏平の口調が変わった。先程よりもその目には、焦りと恐怖の色が強くにじみ出ている。
「親父が……あいつが、あの会社の重役だったから、だから俺だって……」
ヤバイ。宏平のやつ、壊れ始めてるんじゃないか? そういえば……なんでこいつ、怖がってるのに夜に出歩いているんだ?
「お……おい、宏平?」
「俺は悪くない。悪いわけがないだろう、俺が何やったっていうんだ」
そこで、俺は気付いた。宏平の服が、赤いのに。
「お前、まさか親父を……」
そこまで言いかけて、人の気配を察知した。
「……鈴か? 待てよ」
そこにいた鈴の手には、真っ赤な血が滴るナイフが握られていた。
「次は、君の番だよ、宏平」
79歪んだ約束4/5 ◆YtPcthKo0A :2009/05/03(日) 23:06:05.05 ID:6SlWTNP20
「う、うわあああぁぁあぁああぁぁぁあ!!!!」
宏平は、めちゃくちゃな悲鳴と共に元来た道を走り出した。
「待て、待てよ宏平!」
樹もすぐに後を追う。買い物袋も投げ出して。
そして――宏平は、先程の公園の中で捕まえることが出来た。
「落ち着け、宏平! 鈴も!」
樹は、錯乱状態の宏平と後を追ってきた鈴に声を掛ける。のどが張り裂けそうな勢いだった。
しかし、それでも鈴は近づいてこようとする。
「待てって言ってるだろ、鈴!」
そこでようやく、鈴の動きが止まる。しかし、ナイフは持ったままだった。
「おおおおお前、鈴!? なんで、ナイフ――あ、お、お前、まさか――」
宏平が言葉にならない言葉を紡ぐ。どうやら、自分を追っているのが鈴だったと今気付いたようだ。
樹は、暴れる宏平を押さえつけながら言い聞かせる。
「ちょ、落ち着けよ、宏平」
「なんでお前は落ち着いていられるんだよ!? あれ、ピンキーハンターだろ!?」
その言葉は鈴に投げかけられたものだったが、鈴ではなくて――樹が反応した。
「……ピンキーハンター、か」
「……あ?」
そこで、ようやく宏平は気付いた。宏平も十分おかしかったが、樹が、もっとおかしいことに。
「い……いつ、き?」
「おもしろいよな、それ」
笑い出す樹。それは、宏平の知っている樹ではなくて――
「そいつ、こうやって小指を切り落とすんだろ?」
そう言って、樹はどこから取り出したかわからないハサミを宏平の小指にあてた。
まるで、精神異常者と聞くピンキーハンターのように。
80歪んだ約束5/5 ◆YtPcthKo0A :2009/05/03(日) 23:07:04.66 ID:6SlWTNP20
「お、お前何言ってるんだ? う、うそ……だろ?」
震える声は、確実に宏平の心境を表していた。
「うそ? 俺、うそなんてついてたか? あぁ、ついてたな、『お前には関係ない』だっけ?」
淡々とまくし立てられる言葉は、全部と言っていいほど狂喜に満ちていた。それに、鈴も加わる。
「ごめんな、関係なくはなかったな。関係――大有りだ」
「宏平のお父さんの働いてる会社、いや働いてた会社がやった事件、知ってる?」
「十年前な、ある工場が犯した爆発事故、あれで一つの村が消えたんだ」
「それ、私と樹が住んでたとこだったんだけどね。私たちはたまたま助かったんだけど」
「もちろん、工場がその会社のものだったのさ」
「あとは――わかるよね?」
二人のかみ合っているようでかみ合っていない言葉の押収は、そこでいったん途切れた。
そして、声を揃えて――
「ばいばい、宏平」
宏平は、そこで思った。俺は、本当に何も関係ないだろ、と。

「ちゃんと樹の言うこと守ったよ?『待て』ってやつ」
「べつに何も言ってないだろ」
「……あぁ、また夜更かししちゃったね。明日も樹は眠そうだろうな」
「だろうな。安易に想像できるよ」
「樹、あの時の約束覚えてる?」
「あぁ、もちろんだ」
「でも、みんなでお祝いはできないね」
「そうだね。でも、そこはほら、他のみんなに責任とって貰おうか」
「うん。じゃあ――指きり、しよ?」
「あぁ、しようか」
ゆーびきーりげーんまーん……

END
81歪んだ約束  ◆YtPcthKo0A :2009/05/03(日) 23:08:58.43 ID:6SlWTNP20
以上です
変な時間に投下してしまい申し訳ないです
急いでいたのでもしかしたら投下の手順でおかしいところがあるかも……

品評会作品として、です
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:10:42.45 ID:W9tgA9Z80
ということで11時を回ったのでこれより先の投下は予約をお願いいたします。
予約は、レス区切りなどが終わり速やかに投下できる状態でお願いします。
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:13:44.75 ID:W9tgA9Z80
週末品評会161th投稿作品まとめ 『指きり』
http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1241244903/

No.07 No.08 歪んだ約束 ◆YtPcthKo0A氏

まとめ転載完了。
確認よろしく。
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:17:32.28 ID:6SlWTNP20
>>83
あざっす
85 ◆VrZsdeGa.U :2009/05/03(日) 23:22:07.04 ID:QwyJuQrv0
予約します
86ここのつ0/1 ◆ik6i89RqMo :2009/05/03(日) 23:22:29.52 ID:QQs7rSLF0
予約します
1レスです
>>35>>36に感謝
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:23:11.66 ID:W9tgA9Z80
◆VrZsdeGa.U氏どうぞ



順番
◆ik6i89RqMo氏
88【品評会】少年の日の指きり 1/4 ◆VrZsdeGa.U :2009/05/03(日) 23:24:43.51 ID:QwyJuQrv0
自分で言うのもなんだが、かつて私は人との約束をきっちりと守るこどもだった。相手からにせよ、自分からにせよ、
一度結んだ約束は果たさねばすまないという信念が、そのころ確固としてあった。誠実であれ。
そう親から厳しくしつけられたおかげであり、それに従うのが当然だと思っていた。
 しかし、それは時にいさかいを起こす原因にもなった。約束を守らない友人に対しては、とても厳しく当たった。
まだ小学生にもならないころ、友人に一週間後返すという条件でゲームソフトを貸したときのことだ。
「どうして持ってこなかったんだよ、約束違反だぞ!」
 いつまで経っても家を訪れない友人にたまりかね、私は彼の家に電話をかけたのだ。
「わすれちゃったから仕方ないだろ、明日かならず持っていくから」
「だめだ、今から持ってこい。約束を破るなんて、ともだちとして最低なことなんだからな!」
 結局彼は大急ぎで私の家を訪れてくれたのだが、あの時の友人の顔は不機嫌に見えた。まるでにらむような目を向け、
ゲームソフトを私に渡したのだ。約束を破ったのはそっちなのに、なんていやなやつだ。夕暮れに包まれながら
帰っていく姿を見て、私はそう思った。
 今思えばそれは誠実ではなく、頑固にすぎなかったのかもしれない。大人同士の約束ならともかく、私はもう少し
おおらかになるべきだったのだ。そして、それに気付くのがもっと早ければ。悔やんでも仕方ないのであるが、
どうしても気にかかるのだ。

 小学校に入った頃、私のクラスに約束をなかなか守らない女の子がいた。友達同士の集まりにも遅れ、
借り物もなかなか返さず、学校の宿題も忘れてくる、ルーズな女の子だった。
当時まだ頑固が抜けきらなかった私は、その子を見るたびにいらだちを募らせていた。
こどもにとって自分と相反するものを受け入れるのは、難しいことなのだ。
 ある日学校にて、数人の男女で放課後公園で遊ぼうと話し合っていた時の事だった。
「私も行っていいかな?」
 そうルーズな女の子は話しかけてきた。私たちは女の子に対して一様にうとましげな目を向けた。
「でも、あやのちゃん約束守らないし……」
「そうだよ。サッカーするんだぜ、人数合わせとかたいへんなんだから」
 サッカーにこだわる必要はなかったし、時間に遅れるくらいで遊びに混ぜないという道理はない。
しかし、こどもは心に寛容など持ち合わせてはおらず、一度ついた印象はなかなか拭いきれないのだ。
「き、今日はちゃんと守るよ」
「よし、じゃあこうしよう」私は強く言った。「みんなで指きりしよう。それであやのちゃんが約束破った時の罰を決めるんだ」
89【品評会】少年の日の指きり 2/4 ◆VrZsdeGa.U :2009/05/03(日) 23:25:31.43 ID:QwyJuQrv0
 私たちは全員、彼女と指きりをした。指きりげんまんうそついたら針千本のます。
一人、また一人と指きりを交わすたびに、女の子の顔は曇りを帯びていった。
「本当に針千本飲んでもらうからな、ぜったい時間通りにこいよ」
 私としてはあくまで約束を破ることがどれだけいけないか、理解してほしいとの意図で提案したつもりだった。
脅迫といったおおげさな考えはつゆもなかった。

 学校の授業が終わるころになると空の雲行きが怪しくなった。黒く分厚い雲が空に垂れこめ、昼間までさんさんと輝いていいた
太陽が姿を見せなくなったのである。そして、私が数人の友人と学校を出るころには細かい雨がぽつぽつと降ってくるようになった。
「おい佳明、どうする? これじゃ公園で遊べないよ」友人の一人がそう話しかけてきた。
「しかたないな、今日はやめだ。女子たちにも電話でいっといて」
 そう言って私は計画を取りやめた。家に帰ると雨はだんだん強くなり、夕方には地面をたたきつける音が
部屋にも聞こえてくるようになった。窓からのぞく雲は暗みを増し、家々のひさしが大きな雨粒を垂らすのが見えた。
夕食を食べ終わった時だったと思う。家に一本の電話が届いた。
「えぇ、はい、はい……」電話を取った母親の声からは、深刻そうな色がうかがえた。「じゃあ、うちのこどもにも聞いてみます」
 母親は子機を持ちながら私の許へやってきた。
「あなたのクラスのあやのちゃん、家に帰ってこないんだって。何か覚えてることとか、ない?」母親はそう訊ねてきた。
「あやのちゃん? ……あ、今日公園で遊ぶって約束したよ。でも、雨が降ったから公園で遊ぶ前にやめるってことになって……」
 私がそう言うと、母親はしばらく考えてからおもむろにこう言った。
「……もしかして、あやのちゃんに連絡がいってなかったんじゃないの?」
 その勘は当たっていた。約束をした友人に電話したところ、彼女の家にだけ連絡がつかなかったことがわかったのだ。
彼女の親が公園に行ってもその子の姿はなかったという。結局、その日のうちに女の子が見つかることはなかった。
90【品評会】少年の日の指きり 3/4 ◆VrZsdeGa.U :2009/05/03(日) 23:26:11.88 ID:QwyJuQrv0
 翌日女の子は学校を休み、担任が事情を説明することとなった。
「あやのさんは昨日の夕方、公園で大人に連れさらわれてしまいました」
 唐突に発せられた担任の言葉を聞いたとき、クラスはざわつきを見せた。
「皆さん、静かにしてください」担任はゆっくりと、こどもにもわかる簡単な言葉を選びながら話を続けた。
「あやのさんを連れさらった大人は、警察が捕まえてくれました。あやのさんも無事家に帰ってきたそうです。
あやのさんが学校に来ないのは、ショックを受けてしまったからだそうです」
 担任の話を聞くうちに、私の心は落ち着きを失っていった。自分があんな無理な提案をしたばかりに、こんなことになってしまった。
悔恨の念が私を立ち上がらせようとした。立ち上がって、それは自分のせいだと謝りたくなった。だが、私は立ち上がらなかった。
謝ったところで教室にその女の子はいなかったし、何よりそうすること自体ためらわれたのだ。きっかけを作ったのは私だが、
決して直接の原因ではない。連絡が行かなかったのは仕方ないことで、雨のなか馬鹿正直に待っていた彼女が悪いのだ。
幼いながら、卑怯にも私はそんなふうに自分を正当化していた。
「今回は無事済みましたが、皆さんはくれぐれも一人でどこかに出歩くようなことはしないでください」
 結局担任から昨日の件が話されることはなかった。思い返せば、もしかしたら彼は知っていたのかもしれない。
大人の判断で私に罪はないとされたのか、それとも生徒のせいにするのは間違いだとしたのか。
いずれにせよ、担任の口からそのことが話されなかったのは、私の心にいいようのないもどかしさを生んだ。
 その後母親から聞いたところによると、彼女は公園でずっと私たちが来るのを待っていたのだという。
そして三十分ほど待ったころ、公園を通りかかった男に連れ去られたそうだ。私は雨に包まれた公園で、一人寂しく佇む
彼女を想像した。そして、その寂しい思いから見知らぬ男にその身をゆだねたのだと思うと、より後悔の念は強まっていった。
幼い私は、その思いを上手く処理することが出来なかった。
91【品評会】少年の日の指きり 4/4 ◆VrZsdeGa.U :2009/05/03(日) 23:27:04.83 ID:QwyJuQrv0
 それから一週間ほど経つと、クラスに突然の報告がもたらされた。
「突然ですが、あやのさんが転校することが決まりました」
 担任がそう言ったとき、あちこちから驚きの声が上がった。担任がその後何を話したのか。私はいまだに思い出せない。
ただ呆然とするだけで、担任の言葉はまともに耳に入ってこなかったのだ。転校の原因は誘拐のショックによる心の病気だとか、
両親の配慮によるものだとか、確かそのようなものだったとおぼろげに記憶している。
その後、彼女はいつの間にか転校してしまっていた。お別れ会どころか、別れのあいさつすらなかった。
 女の子が転校したのち、私のクラスにある推測が話題に上るようになった。女の子がなかなか約束を守らなかったのは、
両親が共働きだったからではないのか、というのである。家を空けるわけにもいかず、一人で寂しく家にいるため宿題もまともに出来ない。
ゲームなどをなかなか返さなかったのは、そうした一人で遊べるものを長く持っていたかったからではないか。
クラスの中ではしばらくいろいろなことが話されるようになったが、全てが突拍子もない話だった。
だがそれは、まるで私を責めているように聞こえてきた。もしかしたら女の子は忘れ癖があっただけなのかもしれない。
しかし、私はそこでも思いきれず、後悔の念に苦しむようになった。無言の圧力とでもいおうか。
明確な言葉よりも、時には何も語られないほうが大きく威力を発するときがあるのだ。
まるでそこにいないはずの女の子が、私に恨み節をぶつけているような感覚。私はしばらくそれに苛まれ続けた。

 今も私は、極力人との約束は順守するように心がけている。だが、人と約束を結ぶことはめっきり無くなってしまった。
約束とは、人を縛りつけるという強い威力をもった手段なのだ。それを自覚するようになってからは、
約束するのが怖くなってしまった。世間には今日も多くの約束が溢れている。
簡単な口約束から膨大な契約まで、種類は多くあるが、はたして約束の大事さを分かっている人間はいるのだろうか。
約束をとりつけるほうは相手を縛り、取り付けられるほうは相手に縛られるのだ。それはややもすれば、
他人を自らの運命に組み込むことにもなりかねないのである。人と人が約束を結ぶというのは、そういうことなのだ。
 私は極端なことを言っているのかもしれない。ただ、私の経験を記すことで、人々の約束に対する考えを変えられないだろうか。
ささやかながら、そう思ったのだ。そして、結局何も言えなかったあの女の子に、この場を借りて謝罪の言葉をつづりたい。
自分がもう少し寛容になっていれば。約束の持つ力にいくらか気を払えたならば。
今更であり、許されないとは知りつつも、私はここに謝罪の念を示したい。申し訳なかった、と。

92 ◆VXDElOORQI :2009/05/03(日) 23:27:29.68 ID:mJ+Fv5hd0
予約
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:28:03.00 ID:W9tgA9Z80
お疲れ様でした。

では◆ik6i89RqMo氏どうぞ。



順番
◆VXDElOORQI氏
94ここのつ1/1 ◆ik6i89RqMo :2009/05/03(日) 23:28:18.27 ID:QQs7rSLF0
 ここのつは一本足りない。かむろの頃にはもう足りていなかったから随分と前からなかったことになる。普通は
死人のものを送りつけるものだから、馬鹿正直に自分のものを送りつけるなんて他にも何か足りていない。
 そんなだからなじみの一人もなく、たまに来る他人のものなら何でも欲しがるような物好きたちも、ここのつの
ゆるい空気にあてられて、通いも辞めて外で身を固めたりするものだから茶屋のやり手も頭を抱える始末だ。


 ところがこの、ここのつ芸事はからきしなのに囲碁とそろばんだけは誰にも負けない。なじみを盗られる事
もないから姉女郎たちにたいそう重宝がられ可愛がられた。ここのつに任せておけば店もごまかしが効かない、
元よりごまかすつもりのない店の方も、ここのつに任せておけば煩わしい事もないし何より娘たちに受けがいい。


 噂が噂を呼んで尾ひれがついて、最近では他の店の娘からも依頼が舞い込む。どの店がここのつを番頭新造
にするか、どこそこの店は目の飛び出るような給金まで準備しているなど、まだありもしない話までもが噂の肴に
のぼった。粋と気風の花咲く町だ、煙が火をおこすのもさほどかからぬだろう。


 どことなく太鼓持ち風味。お師匠さんまでもが口元を隠す。下手の横好きを地でいく踊りの稽古、ここのつ
が肌身はなさず袖の中に仕舞った朱理桜の寄木細工がからりからりとはやしたてる。もう年季も明けようかと
いうのに、かむろの頃と変わらぬ天真爛漫さで手練手管の渦巻く世界にあって、ここのつだけは海鳥のように
渦の上の海とは違う青いところで踊っている。


 朱理桜の寄木細工は、今日もここのつの袖の中でからりからりと鳴っている。

       了
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:30:26.59 ID:W9tgA9Z80
お疲れ様でした。

では◆VXDElOORQI氏どうぞ。


23時30分を回りましたので締め切らせていただきます。
96右手の上のお姫様 1/5 ◆VXDElOORQI :2009/05/03(日) 23:30:38.58 ID:mJ+Fv5hd0
「貴方の人差し指。素敵ね」
 そう言って僕の右手に住みだしたエリザは、今日も僕の右手の上にいる。
「ねえ。人差し指を伸ばしてちょうだい?」
 エリザが小さな青い瞳で僕を見上げてそう言った。
「かしこまりました。お姫様」
 僕はなにかを指差すときのようにすっと人差し指を伸ばす。僕の人差し指と同じくらいの大きさの
エリザは、小指のほうから器用に手をよじ登り、第一関節と第二関節の間にちょこんと座る。
「ありがとう」
 もう一度僕を見上げて、エリザは微笑む。僕はため息を吐く。ウェーブのかかった金色の髪が揺れ
る。エリザは僕は見つめたまま、不思議そうに小首をかしげる。
「エリザ。君がそこに座っていると、僕はなにもできないんだ」
「そんなこと気にしないでいいわ」
「気にするよ」
「私が指に座っているのがメーワクだというのね」
 エリザは頬の膨らませ、そっぽを向いてしまった。
「そういうわけじゃないけど……」
 僕は口ごもる。エリザはこうしていつも僕を困らせる。エリザはまだそっぽを向いたまま。僕はも
う一度ため息を吐く。
「エリザ。ごめん。許してよ」
「許さないわ」
 まだそっぽを向いたまま。
「お昼にホットケーキ作るからさ」
 ホットケーキ。その単語にエリザはピクリと反応する。だけどまだそっぽを向いたまま。
「メイプルシロップ。たっぷりかけるからさ」
 ここでようやくエリザは僕を見てくれた。ふくれっ面のままで、エリザは僕を三秒見つめる。大げ
さなため息を吐いて、また僕を見る。もうふくれっ面じゃない。そして、少し嬉しそうにいつもの台
詞を言った。
「今回だけ特別に許してあげるわ」

「出来た」
97右手の上のお姫様 2/5 ◆VXDElOORQI :2009/05/03(日) 23:31:19.22 ID:mJ+Fv5hd0
「遅いわ」
「ごめん」
 出来たホットケーキをお皿に乗せて、テーブルへと運ぶ。エリザ用の小さなお皿の用意もバッチリ
だ。ホットケーキを焼いてる間中、エリザはずっと「まだ?」「まだなの?」としつこい。よほど、
ホットケーキが好きらしい。
 一枚のホットケーキを二人で分ける。と言ってもほとんどは僕が食べる。体の大きさが違いすぎる
から当たり前だ。エリザの分を切り分けて、それをエリザのお皿に乗せる。エリザはよく食べる。今、
切り分けたホットケーキも、エリザの体と同じくらいの大きさだ。それをペロリと食べきる。
「ねえ」
 エリザが僕を見る。なにかを訴えかけるような目だ。
「ああ、ごめん」
 僕はホットケーキにメイプルシロップをかける。エリザはうれしそうにその様子を見つめる。エリ
ザはメイプルシロップがたっぷりかかったホットケーキが好きだ。だからたっぷりかける。かけおわ
ると、エリザが不満そうに、頬を膨らます。
「足りないわ」
 もう一度メイプルシロップをかける。
「まだよ」
 メイプルシロップをかけ続ける。
「いいわ」
 その言葉でメイプルシロップをかけるのをやめる。琥珀色のプールにホットケーキが浮かんでいる。
 流石にかけすぎなような気がする。そんなことを考えていると、エリザが振り返った。
「これがホットケーキなのよ」
 どうやら僕の考えなんて、エリザにはお見通しらしい。僕は苦笑するしかなかった。

 お昼が終わったら、散歩に行くのが僕たちの日課だ。散歩と言っても歩くのは僕だけだ。エリザは
ずっと僕の人差し指の上に座って、あっちに行きなさい。こっちに行きなさいと僕に行き先を指示す
るだけだ。僕はエリザの言う通りに歩く。エリザの指示通りに歩いていると、毎回はじめての場所に
たどり着く。長いこと住んでいる場所なのにとても不思議だ。
 今日もエリザはいつものように、あっちこっちと指を指す。僕はそれに従って、裏路地や、塀の上、
ときたま人の家の庭などを通り抜け、歩く。そんなところを歩いても、エリザは僕の人差し指に座っ
98右手の上のお姫様 3/5 ◆VXDElOORQI :2009/05/03(日) 23:32:03.99 ID:mJ+Fv5hd0
たままだ。いつも絶妙なバランス感覚で、ちょこんと座り続けている。
 裏路地を抜けるとやっと普通の道に出た。
「今度はあっちに行きましょう」
「はいはい」
 僕はエリザの指差す方向に歩く。ありふれた一軒の民家の前を通り過ぎようとすると、いきなり犬
に吼えられた。僕は驚いて、思わずのけぞる。
「きゃっ」
 エリザの小さな悲鳴が聞こえた。慌てて右手人差し指を見ると、エリザが人差し指からぶらんとぶ
ら下がっていた。両手で人差し指をつかんで、なんとか体重を支えていた。
「早く助けなさいよ!」
 その声で、僕は慌ててエリザの下に左手を差し出す。左手に着地したエリザは深呼吸を一回して、
僕を睨む。
「気をつけなさい。落ちてしまうでしょう!」
 怒っているエリザを僕はまじまじと見つめる。赤い靴を履いた足。すらりとした白い足。ひらひら
のスカート。ふくらみのない胸。朱色の唇。青い瞳。金色の髪。一通り見る。そしてもう一度、視線
を足に戻し、見返す。
「ちょっと。聞いているの?」
「エリザ」
 僕はエリザの質問を無視する。
「……なにかしら?」
「少し太ったんじゃない?」
 僕の言葉にエリザは絶句する。
 見た目の変化は少ない。エリザの身体が小さいこともあり、その変化は本当にほんの少しの変化で
しかない。だけど、確かにエリザの身体は太くなっている。その証拠にエリザはバランスを崩した。
今までエリザがバランスを崩したことなんてない。塀を乗り越えても、屋根に登っても、片足をドブ
に突っ込んでも、エリザは平然と僕の人差し指に座っていたのだ。だけど、今日はただ犬に吼えられ、
少しのけぞっただけで、バランスを崩した。今まではありえないことだ。体重が増えたせいで、バラ
ンス感覚に狂いが生じたに違いない。
「エリザ。太ったでしょ?」
 僕はもう一度エリザに聞く。単純にそう思ったから聞いた。
99右手の上のお姫様 4/5 ◆VXDElOORQI :2009/05/03(日) 23:34:08.25 ID:mJ+Fv5hd0
 エリザの顔がどんどん赤くなっていく。身体も少し震えている。そして小さな声でなにかを呟いた。
僕はそれが聞き取れず、聞きなおす。すると今度ははっきりと言った。
「おろしてちょうだい」
 僕はエリザの言葉に従って、エリザを地面に下ろす。アスファルトの上に降り立ったエリザは、と
んとんと赤い靴のつま先で地面を叩く。そして歩き出した。初めてのことだった。エリザが地面を歩
いているところを見るのも、エリザは僕の手の上からいなくなるのも。初めてのことだったんだ。僕
はただ呆然と歩き続けるエリザの後姿を見ていた。そしてエリザは壁の小さな隙間に入り、見えなく
なった。そこでやっと僕は気がついた。ここは僕んちの裏だ。見覚えがある。これも初めてのことだ
った。
 三時間くらいエリザを待った。だけど帰ってこない。追いかけることも出来なかった。隙間は小さ
く、壁は高かった。日も暮れてきた。僕は一旦家に帰ることにした。ひょっとしたらエリザのほうが
先に帰っているかも知れない。そう思ったから。だけど、エリザはいなかった。部屋は真っ暗で、エ
リザの気配はない。どうしたらいいのか、わからなかった。部屋で呆然と突っ立ていると、不意に僕
のお腹がグーと鳴った。ご飯作ろう。

 フライパンにベーコンが一切れ。卵の殻を左手で割る。卵はフライパンに落ち、音を立てる。手間
のかかる料理を作る気力はなかった。油がはねる。思わず右手をかばう。だけど、そこにはエリザは
いなかった。はねる油がエリザにかかる心配はする必要はないということを思い出す。そういえば、
僕はここまでずっと左手だけで料理をしている。もう右手も自由に使えるというのに。
 エリザがいなくなって軽くなった右手。エリザのお気に入りだった右手人差し指ももう自由に使え
る。もう片手だけで作業することもない。僕は右手をじっと見つめる。なんの変哲もない手だ。だけ
ど、どこか違和感がある。僕の手なのに、僕の手じゃない。そんな違和感。特に右手人差し指の違和
感が酷い。指がなくなったみたいだ。人差し指が軽すぎる。エリザがいなくなったからだ。エリザが
来てからずっと手の上にいた。違和感があるのは当たり前のことだった。
 味のしないベーコンエッグを食べて、ソファに座りエリザの帰りを待つ。思い返せばあれは、女の
子に対して言う言葉じゃなかった。誰でも気付くことだ。僕は馬鹿だ。エリザが帰ってきたら、謝ら
ないと。エリザだって、女の子なのだ。

 気がつくと、窓の外が明るかった。朝だ。どうやらソファに座ったまま眠ってしまったらしい。
「やっと起きたのね」
100右手の上のお姫様 5/5 ◆VXDElOORQI :2009/05/03(日) 23:35:06.75 ID:mJ+Fv5hd0
 エリザが、僕のひざの上に立っていた。髪はぼさぼさで、服も汚れている。
「大変だったのよ。猫やカラスに追いかけられて」
 言葉が出なかった。エリザの姿が少しかすんで見える。僕は泣いているのだろうか。
「元に戻っているでしょう?」
 エリザは腰に手を当てて、むんと胸を張る。そうか。わかった。エリザは痩せるために、一晩中歩
いていたのだ。僕の言葉を気にして、一人で、暗い中を。
「どうなの?」
 僕はぶんぶんと首を縦に振る。涙でよく見えないけれど、首を振る。それを見て、エリザは満足そ
うにうなずいた。
「ねえ。エリザ。ごめんね。僕、無神経なこと言っちゃった」
「許さないわ」
「朝ごはん。ホットケーキにするからさ。メイプルシロップもたっぷりかけるよ」
「メイプルシロップはしばらくいいわ。その代わり、約束して。私をちゃんと女の子扱いすること。
いいかしら?」
 僕は首を縦に振る。
「約束するよ」
「じゃあ、小指を出して」
 僕は言われるがままに、エリザの前に右手の小指を差し出す。エリザは顔を小指に近づける。そし
て小指の先に触れるだけのキスをした。
「指きりの代わりよ」
 エリザの顔は真っ赤に染まっている。僕の顔も同じように真っ赤になっているだろう。そして、エ
リザはそれを隠すようにそっぽを向いてから、言ったのだ。
「これで今回だけ特別に許してあげるわ」

おしまい
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:35:32.20 ID:W9tgA9Z80
皆様お疲れ様でした。


現在、週末品評会161thの投票受付中です。今回の品評会お題は『指きり』でした。
投稿された作品は■まとめ http://yy46.60.kg/bnsk/ -週末品評会161th- にてご覧頂けます。
投票期間は2009/05/05(火)24:00:00までとなっております。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
投票には以下のテンプレートを使用していただくと集計の手助けとなります。
(投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません)

******************【投票用紙】******************
【投票】:<タイトル>◆XXXXXXXXXX氏
【関心】:<気になった作品のタイトル>◆YYYYYYYYYY氏
     <気になった作品のタイトル>◆ZZZZZZZZZZ氏
**********************************************
― 感 想 ―

携帯から投票される方は、今まで通り名前欄に【投票】と入力してください。
たくさんの方の投票をお待ちしています。 
時間外の方も、月曜中なら感想、関心票のチャンスがあります。書いている途中の方は是非。
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:37:52.87 ID:W9tgA9Z80
週末品評会161th投稿作品一覧


No.01 「約束」 ◆I8nCAqfu0M氏
No.02 指きり ◆2l9Bo9.Cik氏
No.03 五月最初の月曜、渋谷にて ◇ID:8dWr0r29氏
No.04 セピアノネイロ ◆pxtUOeh2oI氏
No.05 イモートビュアーANIKI ◆POW10cJRR氏
No.06 指きりディシンフェクト ◆IPIieSiFsA氏
No.07 すばらしき結婚記念日 ◆cwf2GoCJdk氏
No.08 歪んだ約束 ◆YtPcthKo0A氏
No.09 少年の日の指きり ◆VrZsdeGa.U氏
No.10 ここのつ ◆ik6i89RqMo氏
No.11 右手の上のお姫様 ◆VXDElOORQI氏



では皆様御機嫌よう。
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:38:02.99 ID:DhBLf71E0
参加者、運営、雑談組みんな乙
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:38:49.10 ID:6SlWTNP20
みんな乙
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:39:47.71 ID:QwyJuQrv0
おつであります>>101-102
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:40:33.13 ID:QQs7rSLF0
おつかれさまです
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:46:12.84 ID:XU6crpb+O
皆おつ。運営一人舞台でしたねおつおつ
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:47:57.82 ID:xmU3qxZrO
最近何をしても楽しくないよ
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:49:36.12 ID:6SlWTNP20
>>108
あれだな、五月病
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:04:12.66 ID:XkEbaxp40
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:05:35.97 ID:+Xi1Zl/oO
殺鬼病
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:07:24.43 ID:OxWtNQPM0
2年ぶりに来たけどまだ品評会とかやってたのか、凄いね
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:08:09.53 ID:3b57bFk0O
集計待ち
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:08:10.75 ID:IpBxxr5q0
どれ、品評会も終わったしお題もらおうか
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:09:35.71 ID:1qMmNROs0
変わったこともたくさんあるのかも知れないけど、
それでも本質は何も変わっていません

もしよろしければいつでもまた参加してくださいね
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:10:12.78 ID:OxWtNQPM0
>>114
ビール
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:10:21.26 ID:1qMmNROs0
>>114
シスター
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:11:02.28 ID:Dc4TWD860
おれにも御代
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:11:21.70 ID:vRj6aAUOP
お題を頂きたいです
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:11:56.98 ID:DQaK9iPe0
>>118
ブラック

>>119
ブラ
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:11:57.58 ID:1qMmNROs0
>>118
静かな夜
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:12:40.58 ID:Dc4TWD860
はい把握
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:14:03.76 ID:XkEbaxp40
さて、品評会作品も無事投下できたしお題ください
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:15:02.56 ID:1qMmNROs0
>>123
冥王星
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:15:25.98 ID:OxWtNQPM0
>>115
最近はちょっと人が減ってきてるのかな?

>>123
左遷
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:16:19.11 ID:vRj6aAUOP
ブラ把握
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:17:00.61 ID:DQaK9iPe0
292 名前:全感 ◆pxtUOeh2oI [] 投稿日:09/05/04(月) 00:14:45 ID:5CY8sEcd
転載おねがいします。
128全感 ◇pxtUOeh2oI:2009/05/04(月) 00:17:54.00 ID:DQaK9iPe0
全部、思いっきり主観的なものなので、あまり気にしないでください

No.01 「約束」 1/5 ◇I8nCAqfu0M
視点が揺れまくりで、話にまったく入れなかった
誰がどんなキャラなのかつかめない
なんでこんなに指切りに拘るのかもちょっとわからなかった

No.02 指きり 1/4 ◇2l9Bo9.Cik
これも何をやってるのかわからなかった
セリフが多くて、絵が浮かばない

No.03 五月最初の月曜、渋谷にて 1/5 ID:8dWr0r29
文章がなんだか大げさな気がした。
話は普通。特に興味を持つような部分はなかった。

No.04 セピアノネイロ 1/3 ◇pxtUOeh2oI
自分の。タイトル先に考えてたら、丁度いいお題が来た。

No.05 イモートビュアーANIKI 1/5 ◇POW10cJRR
イモートビューイングという命名はおもしろかった。
あとは単純に好みじゃない

No.06 指きりディシンフェクト 1/5 ◇IPIieSiFsA
これなんてエロゲ?

No.07 すばらしき結婚記念日 1/4 ◇cwf2GoCJdk
横に長いのでパスします
129全感 ◇pxtUOeh2oI:2009/05/04(月) 00:18:34.37 ID:DQaK9iPe0
No.08 歪んだ約束1/5 ◇YtPcthKo0A
視点がよくわからない。
話もよくわからなかった。

No.09 少年の日の指きり 1/4 ◇VrZsdeGa.U
誘拐は別にいらなかったような
偶然性が高すぎるし
単純に子供の視点での話だったら好みだったかもしれない
大人の視点からだと、なんか違和感
悪いところはあまりないと思うが、これといって特筆すべきようなとこも感じなかった

No.10 ここのつ 1/1 ◇ik6i89RqMo
上手いのか下手なのか、俺には判別がつかない
なんとなく思うことは、リズムがないようなことと
現代の文と古い言葉が混じったもののように感じたこと

No.11 右手の上のお姫様 1/5 ◇VXDElOORQI
自分と同じぐらいの大きさのものを食ったら、
バランス崩壊なんて当然じゃないか、太ったとかのレベルじゃなく
話は好みじゃないけど、よかったもののように思う。

******************【投票用紙】******************
【投票】:なし氏
【関心】:No.09 少年の日の指きり 1/4 ◇VrZsdeGa.U氏
     No.11 右手の上のお姫様 1/5 ◇VXDElOORQI氏
      ――感想――
     どちらも好みから外れてたが、普通に読めた
**********************************************
次点で6。全体的にお題の「指切り」がとってつけたようなのが多かったように思う
子供が普通に主役でほのぼのとしたのが読みたかったみんな天の邪鬼だな
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:19:28.12 ID:1qMmNROs0
ぜんかん乙
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:21:34.17 ID:XkEbaxp40
>>124
>>125
把握
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:21:49.09 ID:3b57bFk0O
全巻おつ

さっき集計待ちとか書き込んだが、投票がまだだったな
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:23:08.83 ID:1qMmNROs0
>>125
ここ最近は品評会作品の数は10作前後が多いですねー

でも、きっと一過性のものでそのうちまた参加者も増えたり
減ったりするのではないかと思っています
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:24:28.79 ID:IpBxxr5q0
うおう、他のスレみてるうちに忘れちまってた。
>>116-117
把握
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:29:10.89 ID:OxWtNQPM0
>>133
もっと増えてくれればいいですねー

というわけで御代ください
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:30:56.79 ID:XkEbaxp40
>>135
ドア
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:31:06.19 ID:1qMmNROs0
>>135
3つの部屋
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:32:47.86 ID:OxWtNQPM0
>>136-137
把握。
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:50:37.08 ID:XkEbaxp40
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:01:26.51 ID:rdta6DCHO
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:04:29.11 ID:WtAeLWxj0
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:12:04.88 ID:XkEbaxp40
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:13:02.99 ID:rCrYEU+10
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:27:39.72 ID:WtAeLWxj0
ほむをむゆ

謎のメッセージだ意味が判らない
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:51:33.25 ID:szSCbzJbO
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:57:37.38 ID:rTKJuVCn0
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:01:05.96 ID:lmXHqoS00
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:28:43.37 ID:rCrYEU+10
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:30:45.35 ID:l14ldrtrO
ほしゅしたいなあ
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:51:28.93 ID:WtAeLWxj0
そうだねえ
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:30:41.97 ID:ikbl4ygmO
風呂の中で寝てしまっていた…
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 04:04:52.45 ID:rTKJuVCn0
俺が書き終わるまでは保守
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 04:41:51.57 ID:rTKJuVCn0
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 05:23:36.75 ID:rTKJuVCn0
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 06:40:15.49 ID:rTKJuVCn0
やっと書き終わったんで投下します。
156お題:プロポーズ 1/2:2009/05/04(月) 06:42:15.87 ID:rTKJuVCn0
「なぁ祖父ちゃん。祖父ちゃんのプロポーズってどんなだったんだ?」
 ぽかぽかと暖かい日差しが差し込む縁側で、俺は祖父ちゃんとお茶を飲みながらそんな事を切り出した。
 祖父ちゃんは最初ちょっと驚いた顔をしていたけど、すぐ昔を懐かしむような顔をして話し出してくれた。
「ワシらの頃は今みたいに自由に結婚できるとかでは無かったからのぉ」
「でも祖父ちゃんは恋愛結婚だって聞いたけど?」
「今思えば何であんなことをしたのか、ようわからんのじゃ。ただ……」
 祖父ちゃんはそこで言葉を一旦区切る。俺は「ただ……?」と聞き返す。
「ただ祖母さんと別れたくなかった。
 明日死んでしまって永遠に離れ離れになってしまうかもしれない。それが怖かったんじゃ」
 俺はただ黙って祖父ちゃんが続きを話してくれるのを待った。
「だからワシは周りに爆弾が落ちる中で告白したんじゃな。何を言ったかは夢中で覚えてないがの」
 そこまで話してから祖父ちゃんはお茶を一口飲んだ。
 すると背後からこの話をどこかで聞いていたのか「あらあら、私はちゃんと覚えてますよ」と言いながら祖母ちゃんが現われて、俺達の側に座る。
 その言葉を聞いた祖父ちゃんは少しうろたえながら「止めとくれぃ」と照れる。
 なんだ祖父ちゃん覚えてるんじゃんか。
 俺が「聞かせてよ」と話の続きを促すと祖母ちゃんは話してくれた
「爆弾がどんどん落ちてくる火の海の中で『何があっても離れたくない。
 だから僕と一緒になってくれませんか?』そう言ってくれたじゃありませんか」
 そう言われた祖父ちゃんは、弱ったなぁといった感じで頭をぽりぽり掻いている。
 そんな仕草がちょっとかわいい。
「あの時の真剣な眼を私は死ぬまで忘れませんよ。
 あれから色々ありましたし、まだまだ何かあると思いますけど。
 そりゃあもう、あっちの世界まで一緒に行きますよ」
 そう言って祖母ちゃんは笑った。いつも思っていたけど祖父ちゃん達は仲が良い。
 二人が一緒に居ると周りが暖かくなる。まるで今居る縁側みたいに。
「しかしなんでこんな事をいきなり聞きたいと思ったんじゃ?」
 照れていた祖父ちゃんは顔をあげて俺にそう聞いてくる。
 最初から祖父ちゃんに相談したいと思っていた俺は正直に話す。
157お題:プロポーズ 2/2:2009/05/04(月) 06:43:08.05 ID:rTKJuVCn0
「俺、好きな娘が居るんだ。皆に反対される事はわかってる、それでも俺はその娘が好きなんだ。
 一緒になりたいと思ってる、でもどうしたらいいかわからなくて……」
 そこで俺はなんて言ったらいいかわからなくなってしまった。
 そんな俺の様子を見てか祖父ちゃんはタバコに火をつけながら言う。
「一番大事なのはな……。周りがどうとかじゃないんじゃ」
 それは慎重に言葉を選んでいるからか、ゆっくりゆっくりとした言葉だった。
「あの時祖母さんには結婚する約束をした相手が居た。まぁ親に決められた結婚だったんじゃがな」
「だけどワシは、そんないきなり現われた奴に負ける気なんかしなかったのぉ……」
「誰よりもワシが祖母さんを大事に出来る、そう思っておった。誰にも渡したくなかったんじゃ……」
 気持ちが溢れ出したのか祖父ちゃんの言葉が加速する。
「そんな事を考えていた時、空から爆弾が降ってきた。もうこれで死んでしまうかもしれない。
 そう思ったらどうしても言わずには居られなかった。言わずには死ねなかったんじゃ」
「だからワシはあの爆弾が降りしきる中で祖母さんに告白したんじゃ。
 まぁ後悔を残して死にたくないってのもあったがの……」
「その後は大変だったがのぉ。火が消えた後に親父さんに殴られるわ、村八分にされるわ」
「だがワシはその事に後悔はしなかったのぉ。だからお前も後悔だけはするんじゃないぞ」
 祖父ちゃんの言葉はそこで終わった。そして俺の回答待っているようにじっと俺の顔を見ている。
 俺は祖父ちゃんの言葉をじっくりと身体に浸透させてから口を開く。
「わかった。俺も祖父ちゃんみたいに後悔しない道を選ぶよ」
 その言葉に祖父ちゃんは満足したかのように頷いて「しかしあの小さかったお前がこんな事を相談しに来るとはのぉ……ワシも年を取るわけじゃ」そう言って笑った。
 それから俺は祖父ちゃんと将棋指したり、くだらない話をして過ごした。

「多少の事は大丈夫だからね。昔の私たちみたいに明日には死んでしまう命では無いんだし。
 じっくり考えて結論を出しなさい」
 別れ際に祖母ちゃんはそう言ってくれたけど、祖父ちゃんの言葉を聞いた時に俺の心は決まっていた。
 家に帰ったら妹に真っ先に言おうと。
「何があっても離れたくない。だから俺と一緒になってくれませんか?」って。
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 06:45:51.08 ID:rTKJuVCn0
ごめんなさい、おしまい入れ忘れてた。
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 07:32:26.62 ID:6lIAKcaZ0
お題下さい!
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 07:51:54.28 ID:q1wsdlvj0
>>159
沸騰!
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 08:57:03.86 ID:ikbl4ygmO
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 09:33:11.75 ID:hne2TTHh0
>>158
まあきっと祖父ちゃんにも反対されるよね。
このオチをどう狙って作者は書いたのだろうか。
単純に絶対に反対される存在として書いたのか。
それとも「妹かよ」といったようなツッコミを狙って書いたのか。
まあ、両方かもしれないが。
何にせよ、それまでがいい話で綺麗にきていただけに、最後で肩透かしを食らった感じがした。
落ちているといえば落ちているんだろうけど、これは違うだろう、みたいな。
もっとも、どうすればよかったのかなんてのはわからないけど。
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 09:55:28.14 ID:WtAeLWxj0
ばあちゃんが反対しなそうで困るw
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 10:08:37.94 ID:lyJM/GRA0
>>156
じいちゃんの喋り方がとても不自然
全体的に作られた話・登場人物というのがミエミエでリアルさが感じられない

オチがオチなので故意にそうやっているのかもしれないけれど、
それにしても祖父ちゃんのセリフは酷い
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 10:39:27.69 ID:3b57bFk0O
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 11:00:32.33 ID:l14ldrtrO
保守
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 11:44:39.42 ID:l14ldrtrO
保守したい
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 12:19:36.51 ID:l14ldrtrO
保守
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 12:39:23.78 ID:CINKVM1b0
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 13:00:17.54 ID:CINKVM1b0
誰もいないのか
お題くれ
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 13:10:02.97 ID:l14ldrtrO
パンク
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 13:19:01.13 ID:CINKVM1b0
>>171
把握
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 13:49:40.73 ID:aw/vBDS60
雛屋
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 14:11:22.35 ID:IpBxxr5q0
外出前に保守
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 14:32:38.15 ID:CINKVM1b0
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 14:54:19.81 ID:npPnXIBEO
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 15:29:25.24 ID:JffIFGjjO
さあて保守でもしようかね
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 15:34:49.09 ID:lW6A5dKx0
お題ちょうらい!
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 15:36:29.44 ID:npPnXIBEO
密会
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 16:00:38.54 ID:lW6A5dKx0
>>179
把握!
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 16:15:29.06 ID:c5tbselNO
お題ください
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 16:17:01.35 ID:rTKJuVCn0
パンチラ
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 16:21:39.45 ID:uqwzW0+TO
くびれ

俺にもくれ
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 16:23:12.10 ID:q1wsdlvj0
>>183
本音
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 16:24:02.64 ID:c5tbselNO
>>182
>>183
把握
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 16:27:30.43 ID:ikbl4ygmO
やっぱり投票率低いな
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 16:47:39.81 ID:npPnXIBEO
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 17:08:29.55 ID:lZLTLu/X0
★★
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 17:14:48.63 ID:rTKJuVCn0
>>162
そこまでがあまりに普通の流れだったんで、
一気に落とすにはどうすればいいかなぁと考えていて思いついたのが妹。
家の前で女の子が待ってて、手を取って走り出すってのも考えたたのだけど
ずっと待ってるのもしんどいだろう、と思って止めたって感じです。
人数増やしすぎると、短く纏められなさそうでしたし。

>>163
多分家に帰って妹にはグーで殴られたんじゃないかなぁ。
「この変態!変態!ド変態!」とかって。

>>164
故意にやってるとかじゃなくて、単純に文章が下手なだけです。
確かに声に出してみると喋りづらいし、会話の流れとして変ですね。
次書く時は気をつけてみます。

皆様ありがとうございました。


と言うわけで次考えてみようと思うので、誰かお題ください。
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 17:19:40.97 ID:q1wsdlvj0
>>189
老いらくの恋
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 17:35:34.71 ID:rTKJuVCn0
>>190
OK,ありがとう。ってまた老人か!?
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 17:55:04.36 ID:lZLTLu/X0
ほほ
193【投票用紙】:2009/05/04(月) 18:11:09.22 ID:31ux3PPFO
【関心票】
NO.6 指切りディシンフェクトに関心票を。エロいぜ。

初夏でGWで快晴ときたからもっと明るいの書けばよかったと反省。
久しぶりの参加・投票だけど規制中なので携帯から失礼しました。
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:12:50.66 ID:31ux3PPFO
ついでにお題くらはい。下一つ貰ってきます。
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:15:13.60 ID:31ux3PPFO
と思ったけど規制中だったんだ……
お題は貰って一人で書いて、一人でにやにやすることにしました。
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:19:22.50 ID:l14ldrtrO
伝説
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:20:09.83 ID:c5tbselNO
>>181です。
お題二つ貰ったんだけど、両方盛り込めなかったのでとりあえず一つ目を投下します。
198お題:パンチラ 1/1:2009/05/04(月) 18:22:05.84 ID:c5tbselNO
面倒だと思いながら、体操着に着替えた。
プールの授業は嫌いだった。人に水着姿を見られるのは嫌だし、第一私は泳げない。
プールの後の水で体に張り付いた水着から制服に着替えるのも嫌いだ。
生理です、そう言っておけば見学することができるのに、わざわざ参加する理由などないのだ。

プールサイドのフェンスにもたれかかっていると、水着姿のクラスメイトたちが歩いてくるのが見えた。
その中に一人だけセーラー服姿の女子が混じっている。崎本紀子だった。

「崎本さんも見学?」
「うん。」
制服のままだということは、きっと体操着を忘れたのだろう。

特に喋ることもなく、暑いね、などと当たり障りのない会話を交わした後、更衣室の屋根で日陰になっている場所へ移った。
冷たい地べたにしゃがみ込むと、横で立っている彼女の足が近くなった。
少し小指の爪が小さいなどと思い観察していると、風でめくれた彼女のスカートが私の頬に触れた。

「あっ、ごめん。」彼女は謝りながらこちらに顔を向けた。
「水色」
私が笑いながら言うと、彼女は怪訝な顔をした。少しして、白い肌が赤く染まっていくのがわかった。
「そんなこと言う人だと思わなかった」そう言いながら彼女は笑った。
「私も。」
「何が?」彼女は不思議そうな顔をして訊く。
「意外だなと思って。水色。」

彼女はまた笑った。


おわり
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:29:57.53 ID:31ux3PPFO
>>196
貰ーい
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:32:26.29 ID:3b57bFk0O
>>198
読んだ。
話についての感想が書きづらいが、文体はいいと思った。
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:44:50.10 ID:ikbl4ygmO
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:45:52.58 ID:eBkxvWEOO
なんか頂戴
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:48:10.50 ID:lZLTLu/X0
>>202
ゲーム
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 18:49:17.36 ID:eBkxvWEOO
>>203
やったー
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 19:22:55.36 ID:lZLTLu/X0
ほぉ
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 19:35:28.67 ID:bd100k1qP
お題ください
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 19:50:35.71 ID:lZLTLu/X0
>>206
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 19:51:23.86 ID:eBkxvWEOO
>>206
廃墟
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 19:59:25.95 ID:yXKIV9LG0
さて、それでは……
お題ください
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:05:23.66 ID:gZWi8X3R0
山伏
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:09:59.42 ID:yXKIV9LG0
>>210
把握
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:10:45.07 ID:zqFc4bzaO
なんかくだしあ
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:11:21.21 ID:OkIgkPVW0
僕にもお題ください!
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:12:23.66 ID:gZWi8X3R0
>>212
果物

>>213
意気投合
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:12:42.95 ID:zqFc4bzaO
>>214
把握下
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:13:01.73 ID:J3orI9ln0
お題ください
今日は書けそうな気がする・・・
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:13:30.32 ID:OkIgkPVW0
>>214
やった!ありがとう!じゃあ寝ますね!
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:13:44.95 ID:gZWi8X3R0
>>216
勘違い
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:14:39.44 ID:J3orI9ln0
>>218
サンクス
書けるさ・・・書ける・・・
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:30:17.96 ID:npPnXIBEO
保守
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:40:21.58 ID:q2ElhtJm0
    _.-~~/     前スレまでの通常作品、過去スレ、過去ログ、全て編集完了致しました。
    /  /
   / ∩∧,,∧    総作品数:6050作品
   / .|(´・ω・)_  .総スレ数.:693スレ
  // |   ヽ/  現 在  :694スレ目
  " ̄ ̄ ̄"∪   .備 考  :ゴールデンウィークもそろそろ折り返し、皆様いかがお過ごしでしょうか。保守に感謝致します。
                   色々頑張ったり幸運だったりで予定より早く戻って来れました。でもその空いた時間もまた埋まるという。
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:45:08.66 ID:3b57bFk0O
ねこさんおつです
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 20:46:09.66 ID:eBkxvWEOO
>>221
おかえりなさいお疲れさまです猫編おつおつ
224お題:勘違い:2009/05/04(月) 20:57:53.66 ID:J3orI9ln0
私は昔から事実と違ったものの捕らえ方をして後で後悔することが多かった。奇数と
偶数を逆に覚えていたり、友達の苗字を間違えて覚えていたり、数え上げればきりがない。
いわゆる勘違いというやつだ。
 そして、私の最大の勘違いを上げるとすれば、それは一度でも妻をかわいいと思ってしまった
ということだ。
私と妻は結婚してもうすぐ二十五年になる。子供が二人できたが、両方とも
すでに成人して家を出てしまっている。子供が高校に上がり始めた頃からだろうか。
妻は僕に全く優しくしてくれなくなった。口を開けば「教育費が足りない、働け」
「ゴルフなんか止めろ、働け」「肩をもめ、そして働け」と私に冷たい目を向ける。
私を金を吐き出す家畜としか見ていないのだ。むしろ犬のほうが愛されている。
さらに私を幻滅させることは、妻の身体が付き合っていたときよりも膨れ上り、
私に出荷間近の豚を連想させることだった。
 騙された、という悔しさでいっぱいになった私はあるとき思い切って言ってみた。
「あのときの君はどこにいったんだ」
「むかしからこんなのよ。選んだのはあんた」
「いや、違うと言い切れる。僕は君の品の良さに惹かれて交際を決意したのだからね」
 妻は忌々しそうな目で私を一瞥した。
「じゃあ、勘違いだったんじゃない?」
 その通り、勘違いだったのだ。男は結婚なんてするべきではない。
結婚生活など、自分がどれほど勘違いしてきたかを認識する為の過程に過ぎないのだ。
 しかし、たまに妻が優しくしてくれるとき、私は家族のために頑張らねば、と奮起してしまう。
勘違いなど、気付かないほうが気楽でいいのかもしれない。


終わり
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:00:12.07 ID:J3orI9ln0
うわあ改行してない
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:06:23.63 ID:KYtwQ/BF0
>>221
織田幾打歳
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:13:54.39 ID:eBkxvWEOO
>>226
指南役
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:20:58.07 ID:3b57bFk0O
>>224
読んだ。
妻の容姿を勘違いしていたと主人公が納得しているが、あまりにも勝手。意味が分からない。少々強引すぎるか。
まさか主人公が勘違いしやすい体質だというのが勘違い?
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:21:33.55 ID:KYtwQ/BF0
>>227
把握
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:34:47.98 ID:3b57bFk0O
織田幾陀斎って誰だよって思った保
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:45:21.01 ID:OOhHNLOMO
なんか厨二っぽいの書きたい
小台暮れ
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:46:14.66 ID:KYtwQ/BF0
>>231
真空
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:51:23.69 ID:OOhHNLOMO
>>232
把握
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:52:39.56 ID:J3orI9ln0
>>228
批評d
勘違いしていたのは妻の内面についてだったんだが、これだと見た目と内面どっちを
指して言っているのかごっちゃになってしまっているか・・・。最後は自分でも強引
過ぎたと反省している。他に気になるとこあったら頼みます。
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:06:50.65 ID:3b57bFk0O
お題いただきたく候
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:06:59.38 ID:IpBxxr5q0
ほしゅ
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:07:32.76 ID:q1wsdlvj0
>>235
色気
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:10:35.17 ID:3b57bFk0O
>>237
把握
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:28:30.16 ID:vf9fvWlM0
スレタイの足らないって表現おかしくねと思ったら間違いじゃなかった保守
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:44:49.01 ID:IpBxxr5q0
ほしゅ
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:04:15.62 ID:r/DQLtMi0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.08 歪んだ約束 ◆YtPcthKo0A氏
【関心】:なし
**********************************************
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:19:50.41 ID:n/6GMyuG0
ねこさんおつ!
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 23:45:52.87 ID:6xlJann1O
244(お題:色気)1/1 ◆vIFkwsFdl. :2009/05/04(月) 23:49:55.97 ID:3b57bFk0O
 僕は一般に言うところの変態性欲者らしい。豊満なバストなんて呼ばれるものは、ただの大きな脂
肪の塊にしか見えない。かといって平坦な胸が好きかと問われたら否と答えるだろう。尻や脚、くび
れなんかについても同じだ。僕の性欲の矛先それは……。
 と、そこまで語ったところで、僕の話はさえぎられた。
「へぇ……一之瀬くんって変わってるんだね」
 さえぎった女性は千野さんと言う。僕の職場の先輩にあたる人で、清楚系な見た目のわりに男性経
験は豊富とのことだ。
「私によってくる男なんて、みーんな体目当てでね。なんなのかしらね。見た目が清楚だからって
ね、簡単につれるとでも思ってんのかしら」
 そういって千野さんは脚を組みかえる。おそらく大半の男性にとっては素晴らしいセックスアピー
ルなのだろう。そういえば、このバーへ誘ったのは彼女だ。
「あのクソ上司もエロい目で見てくるし……」
 そこまで話すと千野さんは僕の手を両手でにぎり、上目づかいで見つめてきた。僕はうろたえた。
なんて綺麗な目だろう。
「一之瀬くんさえよければ……」
 僕と千野さんはバーを出た。こんな二人が向かうのはあそこぐらいしかない。
 そうそう、話が途中だった。僕の性欲の対象は目だ。眼球をくりぬいて口中で弄びながら、がらん
と空いた眼窩に僕自身を突き入れるのだ。
 と僕は妄想し、ニヤリ笑いながらホテルに入っていった。(了)
245(お題:色気)2/1 ◆vIFkwsFdl. :2009/05/04(月) 23:52:21.69 ID:3b57bFk0O
勢いで書いたが、色気なんてお題でまともな話が思い付かず。
やはり、AってはじまりをBって終末に導くのは難しい。
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:06:10.03 ID:0zUBXJgyO
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:07:35.40 ID:TwZzt2At0
>>245
変態というレベルを超えてます。異常です。
まあなんだ、こういう異常な人だと、
会社の知り合いとかは標的にしないんじゃないかな、と。
もうそれで人生終わりだしね。
例えば街で物色するとかね。
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:11:17.72 ID:0zUBXJgyO
>>247
ですよねー。身近な人は狙いませんよね。
変態の限度がよく分からなかったので、電波王とかKYON辺りをイメージしましたが、やっぱり異常ですよね。
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:13:38.38 ID:S08HQy7/O
>>221
おつおつ
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:15:41.93 ID:uiOMajrbO
kakiyasuiodaiplz
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:27:04.40 ID:NUc4Rmt7O
カーテンコール

俺にも題を
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:27:16.33 ID:LQqLnh0XO
guuzen
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:28:09.92 ID:uiOMajrbO
>>251
haaku
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:31:42.38 ID:TwZzt2At0
>>251
ユニバース
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:44:47.02 ID:0zUBXJgyO
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:47:31.57 ID:fE/ESC9B0
三題噺を久しぶりにやりたい。よろしく。
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:48:49.89 ID:XR8WRydM0
チャーハン
世界滅亡
ゴシック体
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:50:56.06 ID:S08HQy7/O
アイドル
深酒
全裸
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 00:56:28.27 ID:17i6nfI6O
1日店長
凄腕
再建
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:28:08.46 ID:0zUBXJgyO
落ちるな保
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 01:52:20.59 ID:0zUBXJgyO
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 02:09:08.34 ID:BPMU6xSI0
257のゴシック体がどうなるのか、凄まじく気になる
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 02:20:19.25 ID:XR8WRydM0
無茶しやがって・・・
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 02:25:44.32 ID:S08HQy7/O
保守☆
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 02:52:50.56 ID:KuCpBMlvO
ほっほっほ
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 03:06:37.02 ID:yxyfzNac0
保守
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 03:11:43.46 ID:7GQzdz1D0
文才も足らないことだしお題ください
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 03:13:33.66 ID:if5PHInZ0
>>267
世界崩壊
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 03:15:02.64 ID:7GQzdz1D0
最近は世界崩壊が流行ってるのかww

把握しましたwww
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 03:27:45.62 ID:0zUBXJgyO
ねるほ
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 03:36:15.27 ID:sntWBkJiP
お題ください
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 03:43:31.56 ID:if5PHInZ0
>>271
王政復古
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:05:10.12 ID:J6Tc11X50
ほしゆ
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 04:30:51.22 ID:J6Tc11X50
嗚呼このスレはもうすぐ落ちるのだろう
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 05:28:12.70 ID:if5PHInZ0
させぬ!
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 07:01:10.11 ID:fZxij1hvO
保守
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 08:01:28.86 ID:KuCpBMlvO
今日の7時半までか…
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 08:12:53.04 ID:4ucKrk9a0
No.01 「約束」 ◆I8nCAqfu0M氏
 宇宙飛行士かあ確かにあこがれた。虫歯があったらダメで泣いた記憶がある。全く関係ないけど。
 突然の三上さんに混乱した。二の三だからかもしれない。視点の移動も少し混乱。彼が新田?
 ってなった。引用元がわからない自分に絶望。
No.02 指きり ◆2l9Bo9.Cik氏
 おねえちゃん。お姉ちゃん。オネエチャン。
 ただ、自分の好みはもう少しこうSっけのあるというか、ストライクゾーンから少しずれてた。ざんねんだ。
No.03 五月最初の月曜、渋谷にて ◆ID:8dWr0r29氏
 なんか苦手とする部類のお話。ごめんなさい。
 頭とお尻を先に決めて真中をうめる書き方かな? と思ったなんとなく。
No.04 セピアノネイロ ◆pxtUOeh2oI氏
 あ、いいな。
No.05 イモートビュアーANIKI ◆POW10cJRR氏
 変質者をとやかく言える兄じゃねえ。むしろお前以上となると想像つかねえという素直な感想。
No.06 指きりディシンフェクト ◆IPIieSiFsA氏
 エロだ。きれいな指に惹かれる事はある。
 いやあすげえエロがかけるなんて尊敬する。
No.07 すばらしき結婚記念日 ◆cwf2GoCJdk氏
 なんだかよくわからない。多分自分に読解力というものがかけてるせいだろう。
 ごめんなさい。
No.08 歪んだ約束 ◆YtPcthKo0A氏
 もっと狂って欲しかった。つい冷静にいやそれじゃかなり上位の容疑者じゃんとか思ってしまった。
 感情移入させられるほど登場人物に魅力を感じなかったせいかもしれない。
No.09 少年の日の指きり ◆VrZsdeGa.U氏
 お、いいな。
No.10 ここのつ ◆ik6i89RqMo
 じぶんの、いろいろ無理でした。まあ、枯れ木も山の……
No.11 右手の上のお姫様 ◆VXDElOORQI氏
 おとぎ話分は大好物です。
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 08:14:37.35 ID:4ucKrk9a0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.11 右手の上のお姫様 ◆VXDElOORQI氏
【関心】:No.04 セピアノネイロ ◆pxtUOeh2oI氏
     No.06 指きりディシンフェクト ◆IPIieSiFsA氏
     No.09 少年の日の指きり ◆VrZsdeGa.U氏
      ――感想――
     まあ作者の意図とは違った読み方をしているんじゃないかな
     とか思うけど好き嫌いで投票
**********************************************
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 08:39:28.04 ID:9XJaKUc0O
携帯からお題↓
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 09:05:00.62 ID:mTnaezxc0
新緑
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 09:54:23.75 ID:goWku75gO
保守
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 10:39:23.20 ID:4a7/uYmp0
朝なんですね
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 10:44:55.21 ID:Os62zt+y0
ぜんかんおつ
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 11:16:22.35 ID:mTnaezxc0
このスレ落ちるのって今日の7時?
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 11:25:38.89 ID:4a7/uYmp0
ぜんかんおつ

>>285
そうですね
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 12:13:42.03 ID:mTnaezxc0
じゃあ全巻は八時頃に投下するように書こうか、ほしゅ
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 12:24:55.28 ID:4a7/uYmp0
速やかにスレ立てが出来ていればお願いします。
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 12:54:16.98 ID:4a7/uYmp0
半分終了
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 13:29:41.12 ID:fZxij1hvO
なーん
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 14:04:20.90 ID:4a7/uYmp0
あの人が
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 14:28:53.46 ID:dAqgtMM8O
いっそこのまま落とした方がいいのでしょうか
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 14:44:32.47 ID:4a7/uYmp0
切れない
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 15:40:47.12 ID:4a7/uYmp0
さて全感でも投下しようか。
投票含めて3レス頂きます。
295 ◆IPIieSiFsA :2009/05/05(火) 15:41:28.03 ID:4a7/uYmp0
No.01 「約束」 ◆I8nCAqfu0M氏
 物語が完結している状態から始まっている感じ。
 既に答えありきで登場人物たちも動いているので、読み進める楽しみが少ない。
 そして登場人物たちには当たり前なので、全てが唐突にも感じられる。
 指きりに拘る必要性が欲しい。

No.02 指きり ◆2l9Bo9.Cik氏
 ワンシーンだけである上に、説明もまったくない。
 大事な事は全てほったらかして、シチュエーションだけ書いている。
 新ジャンルスレとかだと好評なのかもしれない。読み手のテンションも求めるものも違うし。
 「妹ちゃん」なんていう実の姉がどこにいるのだろう。
 指切りから始まっているけれど新ジャンル「指きり姉」といった感じ。

No.03 五月最初の月曜、渋谷にて ◇ID:8dWr0r29氏
 文章が途切れ途切れで極端に言うと箇条書きみたいな印象を受けた。
 テンポが悪いと言うか、一文をもう少し長くしてみたらどうだろう。
 振られた女がそれをごまかす話。振られるまでいってない気もするけど。
 このワンシーンだけじゃなくて落差があるといいかも。楽しかった頃のこととか。
 冒頭気になったのは、短くしたのに目に刺さる前髪ってなんだ。
 指きり=約束。そして約束を破られる。

No.04 セピアノネイロ ◆pxtUOeh2oI氏
 読んでいて驚いた、って程でもないが思った事がある。登場人物が二人だけだったことと、息子だったこと。
 まあ後者は単なる思い込みだけど、前者は違うと思う。
 回想シーンが、ピアノを弾く綾子を誰かが見ているように描かれているからなのだと思う。
 だから、この回想をしている人物は冒頭に帰ってきた人物で、男だと思っていた。
 なので回想が終わった後に綾子が帰ってきたので混乱した。
 綺麗で切ない感じだけど、ちょっと物足りなさがある。
 切るってレベルじゃない。
296 ◆IPIieSiFsA :2009/05/05(火) 15:42:08.70 ID:4a7/uYmp0
No.05 イモートビュアーANIKI ◆POW10cJRR氏
 兄バカここに極まれりwアニキネシスでやられた。
 楽しく読めたので特に語ることもないけれど、ビューなんだからビューアーだよね、と思いながら読んだ。
 小学六年生で指切りするのはキョン妹くらいじゃないだろうか。

No.06 指きりディシンフェクト ◆IPIieSiFsA
 おかえり。ただいま。
 紙で切るとなぜか実際以上に痛い気がするよね。

No.07 すばらしき結婚記念日 ◆cwf2GoCJdk氏
 おかしい。この流れなら両親は「きょうだい」であるべきだ。いや、べきではないけど。
 文章量が多かったので、流し読みはしてしまったけど、そんな描写なかったよね。
 ところどころ、ひらがななのが気になった。その数からしてわざとなのだろうけど。テンポが落ちる感じ。
 あれだよね、キスまで普通にしてる二人が、何日も二人っきりだったらもうアレだよね。
 というか谷川先生は何で出てきたのだろう。
 最後の指きりはなんとなく、いまさら感がある。
 
No.08 歪んだ約束 ◆YtPcthKo0A氏
 視点変更がマイナス。わざわざ一人称を入れる必要は無かったと思う。読みにくいだけ。
 冒頭の「今では、決して叶うことのない、約束――」というのは上手かった。
 その相手がいなくなった?→鈴登場→じゃあ何?→みんな、か。
 上手いけれど、種明かしをされた時に驚きは無かった。
 字面にすると「結婚」と「みんなで〜」は同列なのだが、実際に考えてみるとこれはおすではない。
 後者はおまけでしかないから。読み手のほうも当然そのように認識するので、印象が低すぎたのだろう。
 あと種明かしの後に冒頭を読んで、普通、自分たちが結婚したらお祝いはして貰う方だろう、などと思うので、
 ちょっとした言葉遣いには気をつけたい。
 痛い痛い。切らないで。
297 ◆IPIieSiFsA :2009/05/05(火) 15:42:50.02 ID:4a7/uYmp0
No.09 少年の日の指きり ◆VrZsdeGa.U氏
 重い話。冒頭で後悔した話が来ると思わせて、予想以上に重くて、そして重いまま終わってしまった。
 救いのない話というのは色々と不利だよね。結局主人公は逃げているだけなので、何か欲しかった気もする。
 あまりにも不憫な話。主人公って別に悪くないよね。彼が電話し忘れたわけでもないし。
 約束の重さ。

No.10 ここのつ ◆ik6i89RqMo氏
 「ここのつ」「かむろ」ときて、何となく妖怪をイメージしたのは最近「うしおととら」を読んだ所為だろう。
 頭の四行の意味がわからなかった。死人のものを送りつけるとか自分のものを送るとか、何の事なのだろう。
 最後の四行の段落もぼんやりとしたイメージしかつかめないけれど。
 どこに「指きり」があるのだろうか。
 
No.11 右手の上のお姫様 ◆VXDElOORQI氏
 ある程度現実に即していて、その上で少し突飛な設定だと否定したり詳細が気になるのだが、
 ここまでいくと気にはならないのは何故だろう。ある種、絵本的な受け入れ方をしてしまうのだろうか。
 この話の出だしも、親指姫を思い起こさせるに充分だ。それゆえに彼女の存在を気にしないのだろうか。
 話の流れは丁寧で基本的。彼女の魅力を伏線を込めて紹介。彼女との喧嘩。喪失の確認。仲直り。
 4レスまでに特に際立ったところは感じられなかったが、5レス目のエリザにやられた。
 髪がぼさぼさで服も汚れていて、それでもむんと胸を張るその姿のなんと可愛らしいことか。
 女性が描かれている点も良かった。
 指きりの使い方に関してそれぞれ付け加えている時に気がついた。
 指きりの代わりに小指にキスをする。お姫様ならではなのか。実際はお姫様の手にキスをするんだけど。

******************【投票用紙】******************
【投票】:なし
【関心】:No.11 右手の上のお姫様 ◆VXDElOORQI氏
********************************************** 
久しぶりにアレな話を書けたんで満足。
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 15:58:02.90 ID:ttqfWIJZ0
ぜんかん乙
そしてお題ください
短時間で書きます
・・・えぇ、なにも予定がなくて暇なんです
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 15:58:52.69 ID:4a7/uYmp0
>>298
永遠
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 15:59:50.97 ID:ttqfWIJZ0
>>299
了解!
得意そうなネタktkr
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 16:03:34.05 ID:4a7/uYmp0
ミスった書き忘れ。

******************【投票用紙】******************
【投票】:なし
【関心】:No.05 イモートビュアーANIKI ◆POW10cJRR氏
********************************************** 

これもでした。
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 16:36:06.35 ID:ttqfWIJZ0

意外とお題がむずかしー
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 16:55:00.78 ID:hxwjfC3JO
誰か滝本調で書いて
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 17:17:22.84 ID:4a7/uYmp0
305永遠の国 0/2  ◆tmpxHIUkAw :2009/05/05(火) 17:18:53.08 ID:ttqfWIJZ0
投下します
お題「永遠」
306永遠の国 1/2  ◆tmpxHIUkAw :2009/05/05(火) 17:20:56.07 ID:ttqfWIJZ0
 黒い森の奥深く。僕は、昼間なのにランタン型の明かりを持ち、固い地面を踏みしめて進んでいた。
 あちらこちらで巨大な歯車が、低い音をたてながら回転している。
「こんなところに」
 そう小さく呟いた声も、歯車の音にかき消されて消えてしまう。
 こんなところに永遠なんてあるのだろうか?
 永遠の国。
 そう呼ばれるこの国は、人々が『永遠』を求めて作り出した機械仕掛けの国だった。
 全てが人の手によって作られ、見せ掛けの永遠を与えられた国。
 ここはそんな国のはずれにある永遠が落とした影。簡単に言えばここは、永遠の失敗作の森だった。
 失敗作といってもそれなりの永遠の形は存在していて、その証拠にこの森の歯車は数千年の時を経て、今もこ
うして回り続けていた。
 なんとなく立ち止まって辺りを見回してみる。横をいくら見回しても、あるのは木と、その影から顔を覗かせ
ている歯車だけ。足元の地面は、植物もいなければ動物もいないため、硬くなってしまっている。そんな地面か
ら生えているのは、本物に限りなく似せた模造品の草。上を見上げても、そんな模造品の木の葉が全てを覆い隠
していて、微かな光も通さなかった。
 この森も、きっと初めは明るい森だったのだろう。だけど今では、草木は際限なく成長を続けて全てを覆い隠
し、黒い森と呼ばれる誰も近づかないような場所になってしまった。
 永遠の国が出来上がる過程であるこの森を見ると、永遠なんてものはどこにも存在しないのではないかと思えてくる。
 僕が、この誰も近寄らない森に入り込んだのは、人々が自慢げに語る永遠というものに疑問を持ったからだった。
307永遠の国 2/2  ◆tmpxHIUkAw :2009/05/05(火) 17:22:04.46 ID:ttqfWIJZ0
 再び歩き続けて、どれほどの時間が経ったのだろうか。
 硬い地面や、絡み付いてくる生い茂った草に、僕の足はもう限界だと告げていた。
 首にぶら下げていた懐中時計を開いてみると、短い針は数字の五をさしている。
 今日は諦めて引き返そう。
 そう思った時、少し離れたところで、僅かな光が漏れているのに気がついた。
 大分森の奥まで入っていたはず……
 こんなところに誰かが明かりを落として行ったのだろうか?
 それとも、偶然木の葉の隙間から光が射しているのだろうか?
 それとも、それとも、僕の探している永遠に繋がる何かがあるのだろうか?
 期待と好奇心に突き動かされた僕は、高鳴る胸を抑えながらランプを消して、明かりの方へと早足で進んだ。
 初めは抑えていたが、前へと進む足は段々と加速していく。
 覆いかぶさってくる草木を手で追い払いながら光の下へとかけていった。
 
 光の中へと踏み込んだ瞬間、僕の身体を爽やかな風が撫でた。
 初めて見る景色だった。
 緑色の草原がどこまでも、果てしなく続き、そんな全てを覆うように夕焼け空が広がっていた。
 僕の遥か上空では微かに青い空が、段々と紫を経て赤くなっていき、そしてずっと遠くでは金色になっている。
 そしてその光を受けて、緑色の草原は輝いている。
 僕は、こんなものを知らない。
 人の作り出した空ではなく、本物の空、景色。
 どこまでも続くような、自然なこの眺め。
 ずっと昔にこの国を作った人々が夢見て、求めたものと変わらないもの。
 この風景は本物の永遠というのを、ずっとまがい物の中で過ごしていた僕に、まざまざと見せ付けてきた。
 きっと、永遠と言うのは、本当はどこにでもあるものだったのだろう。
 人々が求めたのは不変で、それは出来損ないの永遠だったんだ。
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 17:25:01.85 ID:ttqfWIJZ0
改行がなんかうまくいってないし・・・
なんだかんだで時間もかかってしまったorz
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 17:35:59.59 ID:4a7/uYmp0
>>308
最後の本当の永遠ってのはわかるんだけど、
それまでの作り物の永遠っていうのがどういうものなのかわからなかったので、
あまり対比が出来てない気がした。
もっとわかりやすく機械機械した感じを出すとかの方が伝わりやすい気がしました。
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 17:56:00.57 ID:4a7/uYmp0
砂糖
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 17:56:37.15 ID:ttqfWIJZ0
>>309
感想ありがと
もっと機械機械した感じか・・・

てか人いないね・・・
もうすぐスレが落ちるからか
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:06:56.70 ID:I7nxW4y7P
>>309
これだけだと、すごくどうでもいい話で終わってしまうと思う。
ここに書かれているのは、物語の登場人物の、引いては作者の「永遠観」で、果たしてそれに興味を持つ人がいるだろうか?
例えば、恋愛観とか。そういった身近なものだったらまだ分かるんだけども。
永遠なんて物について考えるのは、それこそ哲学者とか「この時間が永遠に続けばいいのに」とか言ってるメロドラマのヒロインくらいだと思う。
だから、もしこれが描きたかったことで、それを小説として完成度を高くしたいのなら、最低限興味が持てるように書いて欲しいと思った。
ただ、個人的にはどうにも題材が微妙すぎて、不可能としか思えないんだけども。
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:07:18.95 ID:KuCpBMlvO
ほ…でいいのか?
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:08:03.52 ID:I7nxW4y7P
安価ミス
>>309×
>>307
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:30:15.11 ID:hV5terHF0
>>312
> ここに書かれているのは、物語の登場人物の、引いては作者の「永遠観」で、果たしてそれに興味を持つ人がいるだろうか?

ここに居る
自分は哲学者でもメロドラマのヒロインでも無くて、
たまには誰かが語る永遠観を聞くのも悪くないと思える程度の興味しか持たないような凡人だけどね

あなたにはそもそもこの話がお題からテーマから合わないんだろう
そういう事もあるだろうけれど、「そんなテーマ興味持つ奴は居ない」は言い過ぎなキガス
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:39:27.89 ID:I7nxW4y7P
>>315
何か誤解させたようだから付け足しておくと、別に「そんな奴いねぇよ」と断じてるわけじゃないよ。
ただ、他人の○○観のようなものに対して興味を持つとしたら、その他人がよっぽど興味深いか、あるいはその○○観がよっぽど魅力的かのどちらかだと思う。
で、これを読んで果たして興味を持つ奴がいるのだろうか? と思っただけだよ。
だからこそ、もしこれが本当に書きたいことであるのなら、○○観に興味を持てる書き方をしてほしいな と書いた。
それが小説であるのならね。
テーマが合わないというのとは違うと思う。「永遠」が魅力的に書かれてる小説なら興味あるよ。
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:41:56.25 ID:5Qr1nr9r0
恋愛観とか身近なものじゃないと興味持てないって・・・
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:43:42.54 ID:9zIK4uET0
お題ください
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:46:15.55 ID:9ae75CEV0
>>318
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:47:42.92 ID:9zIK4uET0
>>319
把握
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:48:37.44 ID:S08HQy7/O
>>317
三点リーダーが特徴的ですね
>>318
紫陽花
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:49:33.45 ID:I7nxW4y7P
>>317
ああ、何かごめんね。
どうやら、感想を書くべきじゃなかったらしい。
わりと当たり前のことを言ったつもりだったんだけど、合わない人が多いみたいだね。
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:50:02.36 ID:oKXTx6N9O
YTS-82Zを入れて小説つくってくれSomebody!
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:51:34.81 ID:trOcNKxK0
>>321
小説じゃなくてただのレスなんだからいいだろ…・・・
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:52:27.71 ID:dWGxsk7WO
読んだ感想も書けないんじゃ
ただの自慰ポエムスレだなw
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:54:29.49 ID:RghNcm6z0
自分の価値観が当たり前ってな危険だな。
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:54:45.18 ID:S08HQy7/O
単発ばっかで、自演にしか見えません><
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:55:58.52 ID:RghNcm6z0
どっちも単発だらけな件について><
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:58:16.40 ID:9ae75CEV0
そろそろ落ちるかな
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:58:40.52 ID:dWGxsk7WO
そんな俺は短髪な件について><
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 18:59:28.58 ID:I7nxW4y7P
>>326
うん。ごめんね。
もう書いたりしないんで、許してください。
どうやら、空気読めてなかった。
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:01:06.01 ID:oKXTx6N9O
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:05:21.36 ID:ttqfWIJZ0
なんかもめてる……
いやホントすみません

>>332
俺はサックス詳しくないからパス
ピアノとかヴァイオリンならまだいけたけど
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:05:56.25 ID:EFCCrqXH0
ごめんねごめんねごめんね〜☆
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:06:41.03 ID:e5qOT0kuO
お題くだしあ
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:06:53.44 ID:trOcNKxK0
>>331
そんな謝る必要ないんじゃない
感想なんてもっと気楽に書けばいいと思うよ
ましてや空気読んだ感想ほどつまらん物はないし
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:07:35.15 ID:S08HQy7/O
結局、こうやって過疎っていくわけか。
自分のことを天才だと思ってる人が多過ぎるな。
スレタイ読めばいいのに
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:07:47.63 ID:17bhALA10
>>335
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:10:16.11 ID:oKXTx6N9O

82Zについて書いてくれっつったら、>>333この答えだよ。自分が好きなもんなんか誰だって書けるし!スレまで立ててやるっつーなら、「好きでも嫌いでもないもんを書いてみせろ!」ってんだ!
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:10:44.09 ID:U83vokF+0
空気読めってバカとしか思えない。
そんなに批判されるのが嫌だったらブログにでも書いとけ。
自由に感想書いただけで噛みつかれるのって最悪。

>>331
謝ることないよ。
ほっとけばいい。
気にしないで次スレにも参加して感想じゃんじゃん書いて下さい!
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:11:44.21 ID:e5qOT0kuO
>>338
サンクス
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:12:47.57 ID:dWGxsk7WO
>>337
そうそう。ここって下手くその練習場なのにね
文才ない下手くそな素人が集まって、小説書いたり感想言ったりしてるんだから
自称天才のワナビは、ここに来ないで自分で書いてりゃいいのに
そんで批評されたら噛みつくしホントいやになる
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:14:32.00 ID:9ae75CEV0
もうなんかね
ぬるぽ
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:16:51.51 ID:trOcNKxK0
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:17:08.64 ID:LQqLnh0XO
みwwえwないwww敵wがw多すぎwwwwるwwスレwwwww
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:18:01.89 ID:H1esQHMxO
1000めざしてksk
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:18:09.41 ID:ttqfWIJZ0
>>339
ごめんね
自分でお題要求してYTS-82Zって言われたら書くけど

てかなんか小説書いたやつが批評されて噛み付くがどうこうって話になってるけど
少なくともさっきのを書いた俺自身は別に何の文句も言っていないということをわかって欲しい
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:19:56.16 ID:H1esQHMxO
ひとりでksk
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:21:01.73 ID:U83vokF+0
>>345
思ったままの感想を書く読者VS空気を重んじるナルシスト。
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:22:51.82 ID:trOcNKxK0
>>349
お前も見えない敵と戦うクチか
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:22:52.78 ID:H1esQHMxO
ksk
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:25:04.30 ID:mTnaezxc0
谷崎大先生もおっしゃっているとおり文章は全てを伝えきれる手段じゃないわけで。
書き手の意図が伝わらないこともあるし、読み手が過大(あるいは縮小)して解釈することもある。
それは小説に限った話じゃないのよね。
スレがそろそろ落ちるというのは幸いなことやら何やら。
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:25:18.92 ID:H1esQHMxO
どうしたって間に合わないがksk
354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/05(火) 19:26:27.82 ID:jmoaXLzEP
批評の批評だって立派な感想じゃない
俺は批判だけするけど、お前らは俺に何も文句言うななんてのは子供すぎ
作品書くのも、批評するのも、その批評に何か言うのも自由でしょ
全部、気楽にやって、気楽に受け止めればいいだけじゃん

両方ともプライド高すぎるw
あと、そのせいで過疎るとか、問題をすりかえて勝手な味方を作るなよw
気楽に遊べばいいだけじゃん、自分が楽しめなくなったら自分だけが去ればいいんだし
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
>>350
スレの流れはどうでもいいですが、小説を読む時は目を開けて下さいね。