1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage :2008/12/13(土) 20:29:39.96 ID:UvGt/aFk0
僕はイエスともノーとも答えなかった。
別に考える時間が欲しかったわけではない。
保留するような選択でもない。
「答えて」
安心したいんだろうな。
しかし何故このアヤという少女は僕に拘泥するのだろう。
純粋に強いポケモンを自分の所有物にしたいという欲求が、僕に興味を示したからか?
監守が牢の入り口でアヤに告げた。
「……アヤ様」
「解っています」
尖った声だった。
僕に向けられていたそれに比べるとボールと銃弾の違いがある。
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage :2008/12/13(土) 20:44:21.08 ID:UvGt/aFk0
アヤは僕の頬のあたりを見つめて言った。
「わたしは長くこの施設に留まっていられません。
またすぐに任務に就かなければならないからです」
既視感。
散り散りになった記憶のひとつが、
同じような台詞を他の誰かに言われたことがあると告げている。
「おそらく最終テストが行われる時も、
わたしはこの施設にいないでしょう。
だから、約束してください。
絶対に被験体の相手を免れる、と。
ピカチュウ、あなたには死んで欲しくないのです」
「アヤ様、これ以上は――」
監守がアヤの肩に手を掛ける。
「触らないで下さい」
アヤは乱暴にその手を振り払うと、
僕を優しく床に下ろした。
彼女の腕の中と比べて、地面はとても冷たかった。
アヤは牢の扉をくぐりながら言った。
「迎えに来ます。待っていてください」
「……チュ」
さよなら。
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage :2008/12/13(土) 21:04:10.76 ID:UvGt/aFk0
もしマサキが今の返事を聞いていたなら、
そこに込められた「さよなら」以外の意図も理解していただろう。
深紅のドレスを見送った後、僕はなにをするでもなく、
頭上の小窓から響いてくる潮騒に耳を傾ける。
アヤへの服従と、確実な死。
不思議なことに、それらを天秤にかけてみても、天秤はどちらか一方へ傾こうとしなかった。
水平を保っていた。
等価だからではない。どうでもよかったからだ。
僕の心は摩耗していた。
記憶に蓋がされていくことへの畏れは、いつしか消えていた。
眠っているあいだに見る明晰夢は日に日に色彩を増す。
対して起きているあいだに感じる感覚は日に日に色彩を失っていく。
揺るぎないのは、蓄積してきた戦闘経験だけだ。
体が覚えている、とはよく言ったものだと思う。
最終テストに協力するか否か。
その答えはアヤに話を聞かされるよりも前から決まっていた。
十四章下 終わり
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage :2008/12/13(土) 21:32:06.32 ID:UvGt/aFk0
「ウツギ博士は現在、グレン島に出張中です」
「いつセキチクに戻られるか分かりませんか?」
「申し訳ございません、分かりかねます」
カエデが横から口を出す。
「大体でいいんで教えてください」
「出発されたのが五日前ですので、早ければ十日以内にお戻りになられるかと――」
「ありがとーございましたー」
くるりと姿勢を反転して、すたすたと出口に向かうカエデ。
あたしは一瞬そのままカエデに行きそうになって、
慌てて受付の人に会釈してから、カエデを追いかけた。
サイクリングロードを抜けた後、
金髪と茶髪の二人組は、約束通りあたしとカエデをポケモン協会本部に案内してくれた。
やっとピカチュウを攫ったあいつらの手がかりが手に入る。
そう思っていたのに――どうしてここまで来て、待たされなくちゃならないんだろう。
タイミングが悪すぎるわ。
あたしは会ったことのないウツギ博士を恨んだ。
「あれ、あんたたち、まだ居たんだ」
ポケモン協会本部の外に出ると、とっくに家に帰ったと思っていた少女二人組が待ってくれていた。
金髪ロングが唇を尖らせて、
「先輩ひっどぉ〜い。折角待っててあげてたのにー、そんな言い方ないんじゃないんですかぁ?」
「ごめんごめん。でも、どうしてまだ家に帰ってないの?」
「先輩、ピンクバッジもらいに行くんですよねー? たぶんセキチクジムへの道も分かんないだろうから、案内してあげようと思って」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage :2008/12/13(土) 21:52:56.38 ID:UvGt/aFk0
「あ、ありがと。でも、そこまで気を遣ってくれなくてもよかったのに」
「いいじゃないの。ヒナタ方向音痴だし、この際セキチクシティ全部案内してもらったら?」
カエデがあたしをからかう。
「もうっ。あたしは方向音痴じゃないってば」
あたしがそれにむくれる。
自然なように見えて、その実、不自然なカエデとの遣り取り。
あたしがゲンガーのことを告白してから、
カエデとあたしの間には目に見えない壁が出来ていた。
喧嘩しているわけでもないし、冷戦状態なわけでもないんだけれど……
なんというか、今まで零に近かったカエデとの距離が、少し離れてしまったような気がする。
こんなことは初めてだった。
距離が零ということは、
言い争いや喧嘩になりやすい分、仲直りもしやすい。
そこに空間が生まれれば、
傷つけあう機会が減る分、一度傷ついた関係は修復されにくい。
それは、集団生活を経験した人間なら誰もが知っていること。
今まであたしとカエデはの距離は零だった。
数え切れないほど喧嘩して、数え切れないほど仲直りもした。
そうやって絆が深まっていくのだと思う一方で、
いつまでもそれを繰り返していてもいいのかな、と思うこともあった。
あたしもカエデも、もう子供じゃない。
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/13(土) 22:07:10.22 ID:UvGt/aFk0
そろそろ潤滑油を引いてもいい頃だと思う。
共有する部分は共有して、それ以外のところは干渉しないようにして……。
ゲンガーのことにしても同じよ。
誰がどう言おうと、自分がどうするか最終的に決めるのは自分自身。
いくらカエデがあたしを非難したって、それは筋違いと言うものよ。
だってゲンガーは、カエデじゃなくてあたしのポケモンなんだから。
「せんぱぁ〜い、どこまで行くんですかー?」
「ヒナタったら、ジムの前通り過ぎてどうすんのよっ」
手を捕まれる。
「あはは……ごめん、ちょっと考え事してた」
考え事については訊かずに、、
カエデはただ眉根を寄せて「迷子になったら泣くのはヒナタなんだからね」と言った。
風呂 一時間程度
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/17(水) 20:15:22.08 ID:pcO9N6On0
あれ?
なにこれパートスレ?
前スレのサルベージは不要でしょうか?
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage :2008/12/13(土) 23:24:47.62 ID:UvGt/aFk0
「セキチクシティジムは一見、タマムシシティジムと似通ったお屋敷のような外観をしていますけど、
中身は全然違ってて、絡繰り窓やどんでん返し、隠し梯子といったようなワクワクギミック満載の忍者屋敷なんですよ」
と簡単にジムについて解説してくれた茶髪ショートは、
「アンズちゃん、ヒナタさんにバッジをタダで渡すのが気に入らなくてごねると思いますけど、
そこは優しくしてあげてくださいね」
と小声で付け加え、今度こそ茶髪ロングと一緒に帰って行った。
カエデは屋根の瓦を一つ一つ数えるように目線を動かしながら、
「さすがは忍者屋敷、ってところかしらねー。
あたしみたいな大人も思わず童心に返っちゃうような空気を醸してるわ」
「まさか入り口のとこから仕掛けがあったりしないわよね……?」
「んなわけないでしょ。ヒナタ、あんた心配しすぎ」
「だってほら、試練は門をくぐった時から始まっている、みたいなシチュエーションがあるでしょ?」
カエデは自信満々に
「あたしもヒナタも挑戦者じゃないから、大丈夫」
と言い、受付のある離れに颯爽と歩き出して派手にコケた。
「いったぁ〜い……なにこれ、縄? はあ? なんでこんなとこに縄が張ってあるわけ?」
あたしは縄をそっと跨いで言った。
「人柱になってくれてありがと、カエデ」
「うるさい。ヒナタが先に行ってよ。あたしは後ろからついてくから」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/13(土) 23:52:48.65 ID:UvGt/aFk0
結論から言えば、あたしたちは苦もなく離れにたどり着いた。
罠が仕掛けられているといっても、精々最初にカエデが引っかかった縄くらいで、
逆に拍子抜けしてしまったほどだ。
受付のお姉さん曰く、
「屋外の引っかけ罠は、雰囲気作りみたいなものですよ。
まず引っかかる人はいませんしね。
本格的な仕掛けは屋敷の中に集約されているんです」
とのことで、カエデは必死になってお尻についた土を払っていた。
また、ピンクバッジがなんの審査もなく入手できたことにも拍子抜けした。
あたしはレインボーバッジを見せるだけで良かった。
受付のお姉さんがぱちぱちとパソコンにあたしのパーソナルデータを入力し終えると、
「どうぞ」
と笑顔でバッジを渡してくれた。
「あのぅ、こんなに簡単にもらっちゃってもいいんですか。
それに、こういうバッジの受け渡しって、ジムリーダーがする決まりなんじゃ、」
「あなたにはピンクバッジを受け取る資格があります。
レインボーバッジの現物確認に加え、データベースにもあなたの功績が記録されていますから手違いはありえません。
それと、確かにバッジの譲渡は原則的にジムリーダーが行うことになっていますが、
アンズは現在ジム戦の最中ですので、例外です。安心してお受け取りください」
受け取りながら、あたしはちょっぴり残念だった。
アンズちゃんに会いたかったなあ。
茶髪ショートが絶賛していたから可愛いのは当たり前として、
やっぱりジム戦には、忍者の格好で臨んでいるのかしら。
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage :2008/12/14(日) 00:18:27.63 ID:0hrHF59Q0
「おめでと、ヒナタ。なんもしてないけど祝ってあげる」
「ん……、ありがと」
「今バッジ、何個だっけ?」
「五つよ。グレー、ブルー、オレンジ、レインボー、ピンク……」
口に出してみて、改めて自分が、
ほとんど自力でバッジを集めていないことに気づく。
純粋に実力勝負で手に入れたのは、レインボーバッジくらいかしら。
ううん、それにしたって、ゲンガーの暴走なくしては手に入れられなかった。
カエデは首を捻りつつ、
「半年でバッジ五つって、今考えたら凄いペースじゃん。
案外、ピカチュウを捜しながらでも今期のポケモンリーグに間に合うんじゃないの?」
「それは無理だと思うわ」
「なんで?」
「だって、次に行く街がヤマブキシティとは限らないでしょ」
「………」
あたしにはカエデの沈黙の理由が分かっていた。
カエデははっきりと口に出しはしないものの、
心の中では、早くあたしがゴールドバッジを手に入れて、
ゲンガーを外に出してあげるべきだと考えている。
でもあたしの考えている優先順位は、ゲンガーよりもピカチュウの方が数字が小さい。
というか、1だ。
もしウツギ博士の示してくれる手がかりがヤマブキシティでないのなら、
例えヤマブキシティを通過することになっても、滞在しない。
当然、ヤマブキシティジムにも挑戦しない。
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage :2008/12/14(日) 00:39:16.23 ID:0hrHF59Q0
「あのね、ヒナタ――」
と、カエデが口を開いたその時だった。
ガララ、とけたたましい音とともに離れの戸が引かれ、
あの罠に引っかかって前のめりに地面に倒れ込んだのだろう、全身土埃まみれの男の子が入ってきた。
「しっ、失礼します!」
声が上擦っている。初めてのジム戦なのかな。
一生懸命登録用紙に必要事項を記入する男の子の微笑ましい姿に、あたしは少し和んだ。
カエデといえばあの罠に引っかかったのが自分だけでないことを知って胸を撫で下ろしていた。
カエデが言った。
「帰ろ? ウツギ博士が出張から戻ってくるまでの間、セキチクで何をして過ごすか計画立てなきゃ」
「そうね。最低でも一週間は待たなきゃいけないわけだから――」
とあたしが答えている途中、カランカラン、とペンが転がる音がした。
「その声……まさか……」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/17(水) 20:34:37.99 ID:DRho2deeO
>>15 長い
前スレ全部やる気か?
まとめ作ってURL載せた方が早いだろ…
なに意味不なことしてんの
別に今スレ立てなくてもいいし…
立てんの早すぎだろカス(うーうー)
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/17(水) 20:39:03.37 ID:DRho2deeO
23 :
らいちゅう ◆Raichu.1WY :2008/12/17(水) 21:17:43.25 ID:mSIBY3VHO
ほしゅ
homo
ピ
今日は来るのか?
不安になってきた
落ちるってwwwwww
てすと
どうすんの?
さてさて
保守
一応ほ
今日は落として、また明日立てたら?
せっかくだから有効に使おうぜ
じゃあ保守
ほ
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 05:13:57.54 ID:vpGqYf8bO
作者来なかったんだ…
調子悪かったからね〜。
一応保守しときます
ほうーうー
ほ
ほ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 08:42:23.80 ID:U83YQWoS0
ほす
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 09:18:33.20 ID:/63vMYeN0
保守
うーうー
保守
ほ
補修
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 12:09:16.25 ID:R5L1AT/E0
ん
ほう
ほ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 14:08:07.79 ID:j4eeFS5AO
し
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 14:29:33.96 ID:R5L1AT/E0
の
あがりすぎフイタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
き
か
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 16:18:20.79 ID:R5L1AT/E0
ん
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 16:24:32.16 ID:+opgduak0
ほ
ね
保守だニャー
ほ
ほ
保守
ho
昨日は随分VIPが不安定だったみたいだな
これより再開する
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 19:22:25.46 ID:/63vMYeN0
wktk
ウツギ博士との面会が叶ったのは、セキチクシティに到着してから実に八日後のことだった。
「一週間近くも待たせてしまって悪かったねえ。
待ち人がいると知っていたらもう少し早く帰ってこれたのだけど。
それにしても私の部屋にこんなに見目麗しい女の子が二人もいるなんてなんだか信じられないね。
ポケモン協会本部というと聞こえはいいが、
実情は激務の多さを嫌って多くの若い人材が数年で辞めるか地方への転属を願い出てくるかで、
言うなればここは忙殺されることに耐性がついた中年の溜まり場なんだよ。
かくいう私も今年で四十五だ」
「は、はあ」
「私にも一応妻子がいるんだが、
妻との関係は冷めて久しいし、娘も難しい年頃でね。
まるで思春期に素直さを置き忘れてしまったかのように反抗ばかりしてくる。
ソーシャルスキルを養う過程において対外人格の形成は避けて通れない道だが、
私としては純粋なままの娘が良かったよ。パパー、パパーっ無邪気に笑ってた頃が懐かしいな。
おっと、誤解を避けるために言っておくが、
私は決して娘のアルバムを見て懐古したりするような人種じゃないよ」
「あの、ウツギ博士?」
「この仕事を続けていて辛いのは、やはり家族との時間を持ちにくいことかな。
一昔前はそうでもなかったけれど、ここ最近はハードスケジュールでまともに家に帰っていないんだ。
今度の出張で、ようやく一段落ついたところだよ。
まあ、余暇が出来たところで急に妻や娘が優しくなったりはしなくて、
結局ここでポケモンと顔を突きつけ合わせて一日が終わるんだけどね」
「ウツギ博士!」
あたしが大きな声を出すと、
ウツギ博士は「ああ、またやってしまった」という顔をして後退気味の額を叩いて見せた。
「やれやれ。自分のことながら困ったものだ」
「喋るのがお好きなんですね」
待ってた!
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 19:47:36.22 ID:R5L1AT/E0
酉忘れてるぞ
「好きというわけではないんだけどねえ。
まるで枯れることを知らぬ泉のように言葉があふれ出てきて、
気付くと僕の独壇場になって皆が一様に辟易している――そんなことは日常茶飯事さ。
そうそう、あれは一ヶ月前のことだったかな、
保護ポケモンの経過報告に使う資料の微調整で部下が重大な見落としを、」
「あーはいはい。それはまた今度伺いますので」
見かねたのだろう、あたしの一歩後ろで見ていたカエデが割って入ってきて、
「あんたもあんたで、さっさと手紙出しちゃいなさいよ」
とあたしの手から手紙を奪い、ウツギ博士に差し出した。
「うん?」
ウツギ博士は眼鏡のつるを指で押し上げてから手紙を受け取り、
その差出人の名前に視線をなぞらせた。あたしは言った。
「エリカさんからの手紙です。
とりあえず、読んでもらえませんか」
「ふむ。少し待ってもらうことになるけどいいかな」
「全然いいです」
ウツギ博士に勧められるままに、少し離れたところにあるワーキングチェアを引き寄せて座る。
封が破られる。蛍光灯の冷たい光に透かされて浮かんだ文字は、
それがしたためられた時と同様に饒舌な草書体で読み取れなかった。
手持ち無沙汰にしていると、カエデがあたしの袖を引っ張った。
「あれ、あんたが借りてた本の回収係じゃないの?」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 19:56:30.64 ID:Gxwd0OvaO
>まるで枯れることを知らぬ泉のように言葉があふれ出てきて
普通、会話文で使わんだろ…
指摘thx
× 好きというわけではないんだけどねえ。
まるで枯れることを知らぬ泉のように言葉があふれ出てきて、
気付くと僕の独壇場になって皆が一様に辟易している――そんなことは日常茶飯事さ。
○ 好きというわけではないんだけどねえ。
初めは皆で意見を出し合っていたのがいつのまにか僕の独壇場になって、
周りが一様に辟易している――なんてことは日常茶飯事さ。
支援
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 20:26:29.72 ID:+a1svKJD0
コツン、コツン。
こちらに気付いてもらいたげに、
それでいて憚ることを忘れない控えめな強さでガラス窓に嘴を打ち付けるピジョンの姿があった。
ウツギ博士は熟読している。
あたしはそっと窓際に近づいた。
ピジョンは赤いキャップを被り、斜めに鞄をかけていた。
「可愛い……」
浮かび上がった直方状の輪郭は、既に回収された別の本だろうか。
実際に回収に来てくれたことが嬉しくて、
あたしはしばし必死にパタパタと羽を動かして滞空するピジョンを観察し、
ふと我に返って窓を開けた。
ピジョンは桟に飛びつくと窮屈そうに羽を畳み、あたしのバッグを睨んで短く鳴いた。
どうして本がそこにあると分かったんだろう?
不思議に思いながら、タマムシ大学付属の図書館で借りた本をピジョンの鞄に詰めてあげた。本は数日前に読了していた。
「わざわざ取りに来てくれてありがとう。大変だろうけど、お仕事、頑張ってね」
最後に鶏冠を撫でてあげる。
ピジョンは心地良さそうに目を細め、次の瞬間には地上四階の窓枠を離れ、市街の方へ飛び去っていった。
「ポケモン返却便か。懐かしいなあ。私も学生時代にはよく利用していたよ」
とっくに読み終えたらしいウツギ博士が、手紙を封筒に戻しながら言った。
「余談だが、ヒナタくんはどんな本を借りていたんだい?」
『新種と旧種ポケモンの棲息圏の交わり』という本です、と応えると、
ウツギ博士は満面の笑顔になって、
作者きてるー!
わくてか
「あれは良い本だよ、うん。
ポケモンの生態系の変遷について、実に分かりやすく述べてある」
「はい。タイトルを見て遠慮しかけたんですけど、
実際に読んでみると無理なく理解できました」
「学術書ならいざ知らず、ああいった一般向けの本には、
記述された情報量云々よりも、見やすさ、読みやすさが重視されるんだ。
あの本はその数少ない成功例だと言えるね。
例えばわたしの上梓した一般向けの入門書なんかは、
無駄に専門用語が鏤められているとかなんとか言われて、あまり風評がよろしくない。
嘆かわしいことだよ。
ところでヒナタくんは、あの本を読んでどんな感想を抱いた?」
横目でカエデを見る。
話が脱線しかけていることに眉をつり上げているのかと思いきや、
意外と興味深そうにあたしとウツギ博士の遣り取りを聞いていた。
あたしは頭の中で考えをまとめてから言った。
「ポケモンの環境適応能力は凄いな、と改めて感じました。
普通の動物や人間にも環境の変化に対応する能力があるけど、
ポケモンのそれは、他の生き物のそれと比べものにならないほど秀でているから……。
あと、近年発見された新種のポケモンが、
旧種の棲息地を侵しながらも、その棲息地が安定している事実にも驚かされました。
自然の環境だけじゃなくて、他のポケモンに対しても、ちゃんと適応できるんだなあと思って……」
ウツギ博士は腕組みして嬉しそうにウンウンと頷くと、
「ポケモンの生態に興味を持つのはとてもいいことだよ。その仕組みについて考察を深めることもね。
大概のポケモントレーナーはポケモンを自分の言うことをなんでも聞く道具と考えているけど、
彼らの本質はむしろ人間に対する隷従とは対極の場所に根付いているんだよ。
それは例えば、彼らの種全体としての縄張り意識からも伺い知ることができる」
ほ
おお今日は来てるな
長くなりそう……、と思った矢先に、
「――長くなりそうだからこの話はやめにしよう」
とウツギ博士は自ら脱線していた話を方向修正した。
手紙の入った封筒がデスクに置かれる。
ウツギ博士は親しみやすい笑みを消して、口火を切った。
「すべて読ませてもらったよ。
端的に言うと手紙には、わたしが職業柄得る情報を総動員して、君の質問に答えるよう書いてあった。
正直、驚いたよ。
私はあの子が小さい時から知っているが、基本的に他人に無頓着で、
よほどのことが無い限り自分から干渉しようとしない子供だった。
それが彼女直々に筆を握るとは、ヒナタ君、君は彼女に相当気に入られたようだね」
隣を見なくても、カエデがむっとしていることが分かった。
「さあ、本題に入ろうか。私に聞きたいこととは何かな?」
「ピカチュウの――」
違う。いきなりピカチュウの話をしても、ウツギ博士には何も伝わらない。
「うん?」
「間違えました、忘れて下さい。
ここ最近、保護対象にされている希少種を、組織ぐるみで乱獲している組織について、何か情報はありませんか。
その組織は恐らく、夏にあったカントー発電所の事件にも関わっているんです」
ウツギ「ククク・・・」
ちょww
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 22:12:04.06 ID:b8t/G+cHO
はー
ho
「……穏やかじゃないね。
カントー発電所の停止騒ぎは整備不良による発電機の故障と聞いていたんだが」
あたしがカエデを見ると、
カエデは険しい顔で言った。
「不法占拠はなかったことになってるみたいね。
これといった証拠が出なかった分、クチバシティにとっては隠蔽工作しやすかったんじゃないかしら」
「……ッ」
無性に腹が立った。
発電所が解放されたのはピカチュウが犠牲があったからなのに――。
クチバシティのトップは真実を公する義務を忘れて、
ただ街の振興のために当り障りのない原因を嘯き、
結果的にあの組織が闇に帰る手助けをしている。
ウツギ博士は眉間を指でもみながら言った。
「ヒナタくんの言っている組織はロケット団を思い出させるね。
カントー発電所を不法占拠するなんて、並大抵の組織力では実現できない犯罪だよ。
しかし、現代にロケット団という組織は存在しないし、
それに匹敵するような組織が台頭してきているという話も聞かない。
肥満した組織はその存在がそこかしこから露呈するものだ。自重に耐えきれなくなってね」
だから、そのような組織は存在しないんだ――暗にそう言われた気がして、
あたしは急に身体の力が抜けていくような感じがした。ウツギ博士の話には続きがあった。
「だがしかし気になるのが、希少種の乱獲という話だ。
エリカくんから既に聞いているかもしれないが、
私はポケモンの研究に加えて、保護活動にも注力しているんだ。
むしろ若さに任せた研究ができなくなってからは、こちらにウェイトを置いている」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 22:31:12.40 ID:+a1svKJD0
風呂
一時間程度で戻るかもだし戻れないかも
把握
戻ってくることを祈る
ケチャップの容器をストライクに真っ二つにされて涙目になってた時代があってだな・・・
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 22:38:24.74 ID:Gxwd0OvaO
昔はよかった…
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 22:52:48.63 ID:l+TGOPxSO
ほ
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/18(木) 23:37:16.09 ID:i2ATACaCO
ほす
ほす
ほ
くるかな?くるかな?
もう一時間以上経ってるし来ないんじゃないかな
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 00:38:05.34 ID:TsJz8IyZO
戻ってきてから作者
あんまり書かなくなったな
・゜・(ノД`)・゜・。
その内書くの辞めたりして‥
最早三日ルールとかも無いしVIPでもパー速でも変わらなそう
まあ作者に従うが
泣くなよ 師走だ それにvipのSSスレでここまで続いてるだけでも奇跡的だと思う
あんたもそう思うだろう?
思わないのか…?
…思ってるんだろう?
そうだよな…師が走る程忙しいんだから作者も忙しいんだよな!
>>100 作者もきっと忙しいんだ
そういうプレッシャーかけるような発言は控えてやろうぜ
帰って来なかったか。今日も作者乙
毎日休まず1ヶ月以上書き続け試験を超えてなおやる気を失わずに無償で書き続けてくれる
俺らがただ待っているあいだ作者は頭をひねって指を動かしてる
これで文句言うのはおかしいんじゃね?
改めて作者ありがとうです
正直始まった当初はここまで続くとは思わなかったな…
絶対途中で作者が飽きると思ってた。ナメてました、本当乙です作者様
そうだよなぁ、作者高校生なのに頑張ってるんだよなぁ。
毎日読めるのが当たり前、むしろもっと書いてよなんて思っていた自分が恥ずかしいよ(ノД`)
これからも応援してます保守
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 03:07:58.99 ID:0T9kUlDxO
ほ
ほ
ほ
うーうー
作者応援してるからねd(・ω・`)
ほし
保守だピジョ
ほ
ほす
>>100だけど
レスにたくさんの反応があってびっくりしている
文句を言ったつもりではなかったんだ
。゜(゜´Д`゜)゜。
でも正直すまんかった
結構最初のほうから張り付いてる
純粋なこのスレのファンなので
これからも作者のこと
心から応援し続けるよ
ほ
ほ
ほ
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 12:14:43.82 ID:lPXc7wZw0
どけ
ほしゅ
ほ
ほ
も
せ
ぽ
保守
>>118 俺も初期の頃から張り付いてた身だからよく分かるさ
改めて作者乙!
ついで保守
ほ
ほ
保守だカビ
らいっ
ほす
保守
ほ
再開
今日は明日が休みな分遅くまで書けると思う
作者キターーー!!!
wktk
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 20:04:00.02 ID:oxNLOmCA0
わくわくてかてか
「それじゃあ、何か心当たりが……!?」
「まあまあ、そう慌てないで。
ヒナタくんが言っているその希少種は、どのポケモンのことなんだい?」
「ピッピです」
「希少種の代表例じゃないか。
ところで尋ねたいんだが、ヒナタくんはどうして、
ピッピが乱獲されているという事実を知ったんだい?」
「実際に見たからです」
「詳しく聞かせてもらえるかな」
今度はあたしが長話をする番だった。
オツキミヤマ洞窟で、迷子のピッピに出会ったこと。
逃げるその子を追いかけていくと、
満月の夜に騒ぎ疲れたピッピがたくさん眠っている大空洞に出たこと。
突然現れた男に、その迷子のピッピを渡せと言われたこと。
男が自らのことを研究目的のためにポケモンを捕獲している保護団体だと騙っていたこと。
なんとかピッピを守りきったこと。
男が「組織的にピッピを乱獲している」ことを示唆して消えたこと――。
話し終えてからモンスターボールを取り出す。
「そして、これがオツキミヤマで捕まえたピッピです」
閃光。あたし、カエデ、ウツギ博士の椅子が作るトライアングルの真ん中にピッピが現れる。
「ほう、これが……」
「ぴぃ?」
ウツギ博士の鋭い観察眼が怖かったのかもしれない。
ピッピは救いを求めるような視線をあたしに送ってきた。
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 20:13:29.65 ID:ELJjsa8Z0
× 男が自らのことを研究目的のためにポケモンを捕獲している保護団体だと騙っていたこと。
○ 男が自分のことを研究目的でポケモンを捕獲している調査団体の人間だと騙ったこと。
wktk中
作者きたー
wktkが止まらない
「ぴぃっ、ぴぃ」
「怖がらなくても大丈夫だから」
落ち着きのないピッピを抱き上げる。
ポケモンのスペシャリストを前にして、躾がなっていないと思われるのが嫌だった。
ウツギ博士は「うーむ」と考える素振りを見せてから、
「調べてみよう」
と言って慣れた感じに床を蹴り、協会員の私物をすべて躱してワーキングチェアをパソコンデスクに導いた。
完璧すぎる慣性の軌道計算だった。
「はて、オツキミヤマはどの支部の管轄だったかな……」
少し肌寒さを覚えたあたしは、じたばたするのをやめないピッピを強く胸に抱き留めた。
「みぃっ、みぃっ」
くぐもった声もまた可愛い。
それから数分後、ウツギ博士はまたしても見事な椅子捌きでこちらに戻ってきた。
一枚の印刷用紙をあたしとカエデが見やすいように回転させて、
「ここの記述を見て欲しい」
その資料はどうやら、限定地域に棲息する希少種の個体数を表しているようだった。
指さされた位置を辿る。
調査対象・絶滅危惧種第二級ポケモン『ピッピ』
調査地域・オツキミヤマ洞窟深部
更新周期・二ヶ月
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 21:10:30.12 ID:ghB43/1j0
あのたいした中身のないポケモンをよくここまで広げられるな
妄想力もまた才能だよな
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 21:11:15.88 ID:/hCDecD60
パー速かボルゴウでやれ
その下の表には具体的な数字が書かれている。
あたしの目は自然と、ピッピと出会った時期に記録された数字を探しだした。
想像していたよりもピッピの個体数は多かった。
絶滅の心配はまだまだ無さそうね――。
そんな安堵も束の間、右隣の欄に視線を移し、
あたしはやっと、カエデの厳しい表情の意味を知る。
「……増えてる」
ピッピの個体数は二ヶ月の間に、数体、増加していた。
喜ばしいことだと思う一方で、あたしはその事実を飲み込めなかった。
だって――。だって、そんなの理屈に合わない。
ピッピは確かに乱獲されていた。
その数は目に見えるほど、とまではいかないにしても、
不自然なマイナスが記録されていると思っていたのに……。
「ウツギ博士、お訊ねしたいことがあるんですけど」
カエデは落ち着き払った声で言った。
「どんなにポケモン協会支部の調査員が優秀でも、
目算でこんなに精確なデータが取れるとは思えません。
絶滅危惧種の個体数をどうやって調べているのか、教えて下さい」
「鋭いなあ、カエデくんは。
でも、その質問には答えられないんだ。
出来れば話してあげたいんだが、たとえエリカくんの頼みでもこれについては明かせない。
君が将来、ポケモン協会本部にくるようなことがあれば、教えてあげられるんだけどね」
ウツギ博士は冗談を交えて微笑んだが、カエデは唇の端をあげただけだった。
知的好奇心が満たされないとき、カエデは作り笑いが極端に下手になる。
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 21:19:14.24 ID:Z39SUt9x0
何このスレ?
産業
ヒナタの鞄に入ってた固い物の伏線回収ってまだしてないよね?
子供時代からの癖だ。カエデが不機嫌になったことを悟ったのか、
ウツギ博士はたっぷり五秒呻吟してからこう言った。
「それじゃあ、ヒントをあげよう。
薄々想像はついていると思うが、発信器のようなものをポケモンに取り付けているんだよ。
私が話せるのはここまで。詳細については本当に明かせない」
カエデは頷く。
それでも腑に落ちないのか、表情筋はあまり回復していなかった。
発信器のようなもの、ね。心の中で復唱した後、
「発信器のようなもの――」
再び口に出して、閃いた。
「あっ」
カエデが訝しげに、ウツギ博士は微笑みのままにあたしを見る。
「発信器――実際には発信器じゃないかもしれないけど、
位置を特定するような装置がピッピに取り付けられているなら、
乱獲されたピッピの居場所を見つけ出すことは可能ですよね?」
語尾も不確かなうちに、計画が脳裡に浮かび始める。
発信源を辿り、ピッピが囚われている場所を特定して、
組織の存在を公にして、これまで秘密裏に行われていた犯罪を全て暴き、
違法に捕まえられていたポケモンはみんな解放されて、
最後にピカチュウと再会を果たして、そして――。
「無理よ、ヒナタ」
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 21:41:40.82 ID:BCf2dF6v0
スターミーに使ったジャマイカ
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 21:42:06.26 ID:MeRtWAeS0
高値で買った薬だろ
使ったんだっけ
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/19(金) 21:57:23.21 ID:ELJjsa8Z0
どうして?
反射的にそう叫びそうになった矢先、
「どうして、なんて聞かないでよね。
あんたの言ってることは前提から間違ってんの。
ポケモン協会の調査資料上では、ピッピは初めから乱獲されてないことになってるのよ。
……そうなんでしょう、ウツギ博士?」
「カエデくんの言うとおりだよ。
ヒナタくんの話は筋道も通っていて信憑性がある。
しかし私たちの調査資料の信頼性が、協会設立からの数十年、常に保たれてきたこともまた事実なんだ。
オツキミヤマ洞窟内におけるピッピの個体数に異常変動はない。資料はそう言っている。
重ねて言うが、決してヒナタくんの話を疑っているわけじゃないんだよ。
ただ、もしかしたらその男と仲間達は、ピッピを複数体捕獲して、
研究に用いた後、オツキミヤマに帰したという可能性も――」
癇癪を起こした子供を宥めるような声音を、
あたしは玻璃を隔てた意識の向こう側に聞いていた。
嘘よ。そんなの嘘に決まってる。
もしそれが本当なら……、
手がかりを全て失ったあたしは、
どうやってピカチュウを探せばいいの?
ねえ、誰か本当のことを言ってよ。
誰でもいい。誰でもいいから、お願い……。
第十五章 上 終わり
切りのよいところで風呂
今日は必ず戻ってくるお( ^ω^)
おつ〜。さてこの隙に俺も入ってくるか
使ったのはみずのいしで、薬は使ってなくね?
支援でしゅ
今までのポケモンより、こっちの方がゲームとしては面白そう
まぁ、ジャンルが違う気もするけど
163 :
sage:2008/12/19(金) 22:37:07.12 ID:FlPRezJR0
保守
すまん、まちがえた・・・
ho
ピカ視点でスタート
早くヒナタとピカチュウに抱き合って欲しい
ピカチュウきたか
ピカ視点っていっちゃっていいの
例えば愛しい仲間と無理矢理に引き離されて捕まえられたポケモンの悲鳴を聞いたとき、
僕は神の差配に辟易する。
例えば明らかな虐待の痕を体に残したポケモンを見かけたとき、
僕は神の骨惜しみに愛想を尽かす。
例えば瀕死の状態で捨てられたポケモンを看取ったとき、
僕は神の無慈悲さに絶望する。
例えば過剰攻撃を受けた跡のある野生ポケモンの惨い死骸から視線を逸らしたとき、
僕は神の存在を否定する。
というわけで無神論者な僕だったが、
いざ天国と呼ばれる場所に来てみると、悔しいかな、信条を改めざるを得ない。
どうして自分が死後の世界にいるのが分かるかというと、身体の感覚がないからだ。
意識だけが中空に漂っているような浮遊感があって、
視界には深紅に橙を溶かし込んだような明るい色が広がっていた。
ただ、それだけ。
蓄積されたものも、現世の身体に遺してきたのだろう。
自分がどんな死に方をしたのか思い出せない。
悔悟すべき事柄がたくさんあるはずなのに、その記憶に手が届かない。
僕は思索をやめて意識を閉じる。
視界に闇の帳が降りる。
ええええええええ!?
な・・・なんだと・・・・?
こ、今回ばかりは「今日はここまでだお」なんて言いやがったら夜道に気を付けろよこのやろう!
意識とかまた難しいところを…
ゲンガーの下りで死後の世界とか普通にある世界観なんだなーって思ってたらw
今日はここまで
* *
* ウソです +
n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
てめぇ[ピー]すwwwwww
作者お茶目になったなw
もっとやれ
作者wwwwww
WRYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!!!!!!!!!!!
追いついたと思ったらwww
てめぇwwwwwwwwwwwww
作者wwwwww
しかしそれは長く続かなかった。
刹那、鮮烈な白が眼球を刺し、
――僕は思わず"瞬き"する。
墨を引いたように深い黒を湛えた天井がそこにあった。
「意識はあるのか」
「瞳孔反射は確認できます。
もっとも意識が回復したところで、酷い混濁状態にあるでしょうが」
「生きているならそれでいい」
――蘇った聴力が、近くで交わされている会話を聞き分ける。
太く深みのある男声と、細い女声。
「薬物の効力が抜けきるのにどれほどかかる?」
「四十八時間以内には」
「随分と待たせてくれるな」
「対処薬物の投与を許可されるなら、二十四時間以内で覚醒させてみせます」
「結構だ。身体への負担は最小限にしろ」
「了解しました」
――朧気な意識で、実感する。
僕は生きている。
奇跡的に生を繋ぎ止めている。
「完全に覚醒したら連絡しろ」
「完全覚醒時には錯乱が予想されますが、いかがしいたしましょう?」
「拘束具は不要だ。そのままでいい」
「しかしそれでは……」
「案ずるな。このポケモンの自律能力は少なくともお前の知る常軌を易々と逸している」
作者www
最初の頃はあんなにクールだった作者が…
すっかり俺達に心を開いたって事ですね
ピカちゅういきてたああああああああああああああああああああああああああ
>>16の続きってないかな?
まとめサイトも14章下で終わってるし…
よろしい、ならばセクロスだ
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:09:28.79 ID:hZtqKTCp0
>>190 初めは淡々と投下していただけだった覚えが…
少なくともAAなんて貼ってなかったお
ほsh
会話はそこで途切れた。
僕は興奮冷めやらぬままに、気絶する直前の記憶を呼び起こそうとした。
でも、どんなに意識を集中させようとしても、
一点に集まった途端に霧散し、眠気を呼び起こすばかりだった。
再び、闇の帳が降りる。
次に目が覚めたとき、天井は柔らかな白に包まれていた。
大きな採光ガラスを透して秋の高く澄んだ空から、いっぱいの陽光が注がれていた。
ちぎれ雲が時折、影絵のように面白い形の影を床に流していった。
僕はそれを何をするでもなく眺めていた。
悠久にも思える時の流れ。
「お目覚めかな」
声のした方向に身体を捻る。だが半回転しようとした中程で、
両手、両足に堪えようのない激痛が走った。
「気分は優れるかね」
「ピィ、カ……」
微妙なところだな。
「そうか」
杖をついているのだろうか。
足音と堅い音の三拍子が間近に響く。
僕は天井を仰いだまま、太く深みのある声の持ち主の正体が明かされるのを待つ。
お……お……
支援
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:51:15.04 ID:tlD+goM70
果たして視界に姿を表した男は、僕の知っている人物だった。
銀髪の混じった黒髪をオールバックに纏め、
臙脂色のスーツを着こなし、
深い皺を眉間に刻んだ、犯罪組織の元巨魁。
「そう睨み付けてくれるな。
私はお前の命の恩人なのだからな」
……瞠目を禁じ得ない。
老いたサカキがそこにいた。
こんどこそホントに終わり
うおおおおおおおお!? サカキかよww
気になるううww
リアルタイムktkr
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:58:14.58 ID:MgLPvujl0
/ /
,イ /
// |
/ ,ィ介i | う ぶ き
{. |l ,イ ///|| | ち っ え
,-.、Vl / | /// | | 」 に と ろ
lこ!l ! ト ト.l | !i | ヽト、< な ば
| l Vヽ トjヽ\!l ,>‐_ニヽ さ
| | \ ! く__・、jiLノ・_´フ .|| れ
| | __ ヽ} -‐ -─‐ レヘ. ん
_r‐j >イ fヽ l ノ __ ,イ-ハ
/ ′、 i {ノ-、 ヽ `t_/ /| /´ヽ
〈 ヽ l | } \ -' j | \
ヽ / |  ̄ L
ヽ / -─ フ′ `ヽ─- 、
ヽ ヽ /`ー-、 ,. -─ '/ ー- 、
f‐--── 'ヽ { ~ / /, -──‐-\
/| | ヽ / /// ヽ
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:58:22.88 ID:fVlIjhDh0
/ / / \ |\ |
/ , / "/ | | \|
,,;;;''|| ;" / / ,,,::::'' | _ | ┌┐
/ヽ、/ | ! || | _,,,-''" ,,,-''―,,_ > \ ̄~. ┌─┘└─┐
ヽ、 |、_//|_||/ ̄ \"  ̄''― \ \ └─┐┌─┘
ヽヽl| |゙ヽ _,,-, ヽ \ / ┌─┘└─┐
アラシ? ゙、ヾ ` / ̄''゙ | 〉/ _ └─┐┌─┘
、/"゙, /,,,,,,,,,___ υ |_,,,―'''- /  ̄/ ││
神? .|!,,,,_ヽ-゙'":::::::::::::::::::::ア、 /ミ ヽヽ / / └┘
i"::::::::r''~ヽ:::::::::::::::/ ̄\ ミ \/ ∠__ ┌──┐
ホントニ? `i―/ ゙―''''"=二_ ヽイ^゙lヾ/ / │┌┐│
| lヽ 、 υ //| |;;" / │└┘│
キタ? | _,,,―――、 P//  ̄― │┌┐│
ヽ.\ -''' ̄^^ヽヽ υ (二/____ / └┘││
キタ?キタ? ヽ. `" ~| |/l ̄ヽ:::::::/ ││
ヽ | | | |::∠___ └┘
(゚∀゚)( ゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚ )(゚∀゚) ゙、 | / |" |::::::::::::::::/ ┌┐
(゚∀゚ ) ( ゚∀゚ ) ( ゚∀゚)(゚∀゚ ) (゚∀ 〉^l _/l / / |:::::::::∠_ ││
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄|ヽ二_// / |:::::::::::::::::::./ ││
/::ヽ――" ̄l'''―/ |::::::::::::∠__ └┘
|::::::::::::::::::::::::|/|::::,"ヽ |::::::::::::::::::::::::::::| ┌─┐
|::::::___ " |:::::ヽ \ |::::::::::::::::::::::::::::::|/| │ │
|::::/ ゙ヽ|::::::::| V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |. └─┘
|:::| \:::::| /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|/::::| ┌─┐
/::::| : : : :|::::| /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| └─┘
/:::::::::\ :_⊥-、|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| /|
/::::::::::::::::::\ / ̄ ,, "ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|/:::| /|
/::::::::::::::::::::::::::::/ /"~ ,,:: "ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|/ |
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:58:25.42 ID:/2qwlxa/0
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡| 自作自演マンセー―――!
≡≡≡/ ̄/ ロロ ≡≡ へ ≡≡≡ へ≡≡ \__ __________
≡≡ /  ̄7≡≡≡\ >≡/ /≡≡≡≡≡ V≡∧-―^‐-/|┐ ≡≡≡
≡≡/ /≡≡≡≡≡≡≡/ /≡≡≡≡≡≡≡/\´ , へ ヽ、 ≡≡
≡ /_/ ≡≡≡≡≡≡ <_/≡≡≡≡≡≡≡ ,へ -―‐‐‐-、 >≡≡
≡≡≡/ ̄ ̄ ̄\=≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡( ヽ、`i´ _三二、 \ |/| ≡
≡ / \= ≡≡≡≡≡≡≡≡ ,ヘtL;ー,ー<;,,,,,,,jj \//ヘ | ≡
≡/ \=≡≡≡≡≡≡≡,|ノ /`ー'` \⌒´''ー- 6、 /) ̄
≡| =━━━━━━━━━─``````vヾヽ L7 /ヽ
≡| == =| | |
≡ヾ F━━━━━━━━┯┬ 三 / ノ |
≡≡ヾ /=≡≡≡≡≡≡≡≡≡ヽ ゞ'mmm'´ /
≡≡≡ヾ ___/=≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡――= / ̄ ̄
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:58:34.59 ID:oDKAvDpw0
,、 /l
|_,ヽ //ti|
|riヽヽ /,/゚ ゚,|
|tz,ヽ ヽ / ,/tァ,{!
|7 0ヽ ヽ / ./_ 。 |
| 「i ;ヽ ヽ , -─- 、/ /ゝ' l],|
l ニ 。 ヽ/ァ ヽー、ヽ/ ヘ ,r<!
lゝ' ri ヽヽ、_ノ! ,/_ ゝ' ゝ|
l7〔i o ヽヽ-‐' /ゝ' iユ ゚ |
〉゚ iァ ,_゚ 。\ / iク_0 lカ〈
ヽ゚丕 ti``。ー,Y ‐。'´,iコセ_/
,. -弍 lヽー。、゚ |. , 。'7/ , ん‐、 <おまえの生体エキスをいただくぞ!
__ _ _ _/ //´ ゝ! l;;;「 ̄ i  ̄,!;//'´\ 、ヽ、__ _ _ , -─ 、
/ ,r',r'/ //」 ' il| '''´ ヽ',;;l{E三ヨ},l;// `` l|l l) ヽヽ l二\ \
/ / l / il , i il| l \ , ‐‐l}/ / l|l liヽ ヽヽ ヽ
/ ./ ! l il /- ' ー─‐-ヽ、ヽ`T´/ _ム==''三> lil l∧ l| |
l / /~ il , -‐===== 、`ヽr'´,r', -‐''´ |l ノ Lニ_ 」 |
ヽニ二/ l //´ ``ヽ! // /' /
〉、 , -‐'ヽ、! |' | /-‐ 、 /7
ヽ `ー‐,´-‐’ lノヽ、 _ 」_ | _, -'ゝ! ``ヽー‐''´ /|
/、!fj ,iti |ゝ'r、`ー- 、 -, ─'´__,ニ=-、, -‐''´ti r、 | r 、!ー'ri _ !
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:58:44.02 ID:RmiPxyzz0
トv'Z -‐z__ノ!_
. ,.'ニ.V _,-─ ,==、、く`
,. /ァ'┴' ゞ !,.-`ニヽ、トl、:. ,ここじゃ犠牲が大きい
rュ. .:{_ '' ヾ 、_カ-‐'¨ ̄フヽ`'|::: ,.、 場所を変えるぞ!
、 ,ェr<`iァ'^´ 〃 lヽ ミ ∧!::: .´
ゞ'-''ス. ゛=、、、、 " _/ノf:::: ~ おめぇらついて来い!
r_;. ::Y ''/_, ゝァナ=ニ、 メノ::: ` ;.
_ ::\,!ィ'TV =ー-、_メ:::: r、
゙ ::,ィl l. レト,ミ _/L `ヽ::: ._´
;. :ゞLレ':: \ `ー’,ィァト.:: ,.
~ ,. ,:ュ. `ヽニj/l |/::
_ .. ,、 :l !レ'::: ,. "
`’ `´
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:58:46.21 ID:LChxzLFQ0
, -――――‐- 、
(::::::::(::::人人:::::::::::::ヽ_
/ィ―-‐‐ァ::; -―‐‐ヘ::::ヽ
/::〃 (:::( 〉:::}
{::::ゝ  ̄ イ::::::}
{:::Y ,,,z==、ヽ / z== ,, Y::::}
/゙ヽ| _,≧{_ }≦_ |/ヽ 私がやろう
{ ヘ.| ’ │ ’ ! / }
', { 八 ''"" |" 、""'' イ h./
ヽ、. | ^ ^´ |、ノ
 ̄| ノ _,.-―-―- 、_ } .|
ト、ゝ "" ノ/|
/| \ { / .ト、
_, -―'´ ̄ ̄´ 弋/⌒>ー―r<⌒ヽフノ⌒ー=-、
/⌒ー―-、 /::.::.::.::.::ヾ⌒'!::.::.::.::.::} / ̄`ヽ
/ , ―-、 `ー‐-、_{::.::.::.::.t‐=}::.::}-っ::.::.:{___/ _,.-<_}
/ /:::::::::::::::`ー―-、___人::.::.::.::.:/⌒\::.::.::人__, -'´:::ヘ::::::ヽ
. {/::::::::::::::::}:::::::::::::::::::::::::::::::::>‐'´ ̄ ̄ ̄`'<::::::::::::::::::::::::::::::}::::::::|
/:::::::::::::::::∨::::::::::::::::::::::::::::/ / ̄| |\ \:::::::::::::::::::::::W :::|
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:58:55.92 ID:K7kwie6X0
, . : :´ ̄ ̄ ̄` ー-、_
, . :´ : : : : : : : : : : : . . . . . \
/: : : : : : : : : : : : : . . . . . . . . . :ヽ
,.'. . . . /. . . . . . . . . .、. . . . . . . : : : :ヽ
,rv、/. . . . / . . .:. !.、. . . 、. ヽ. . . .ヽ: : : : : : '
/ノ/ !, . . . . .!: . .:.: :,{: !\:.:.ヽ: l:.: :. : :l:.:. : : :.:.:!
, ン`) / / !:.: : :. :.!: : :.:.:ハ l ` ¬:i:.l.:. :.:l!:.:.:.:.:.:.:.:l
/´/, ' 厶 !:.: :.:.:.:.i;.:.:.:.:.' ヽl -― l:ト!:.:. liレ‐ 、:.:.:.;
, ´ /// ノ .!:.: :.:.:.:.ト'、:.:.:| r'ラ犬拔 i/ l:.:. 小^ }:.:.:{
___/ r'゙ r'゙ / i:.:. :.:.:.:ト攻:.:{  ̄ 丿 j:./i:厂Vノ:.:.:{
/ r'´ ノ ノ 、:.、 :.:.:., /`ヽ 〃ノ゙__/:.:.:.:ヘ
/ 〈 / / ヽiヽ:.:.W / ハ:.:.:.:.:.:.:. \__ノ イ
___∧ ヽ _、 ´ , -―ヘ:ト\ ^ ___, / ,!:.:.:.:i:. :.:.:.:<_/丿
ヘ ` ‐く丿 / 、__jV:ヽ`モ三¨´ /」:.:.:∧:.:、:ヽ:.:.:/
_> _ ∠ ⌒ヽ‐一 ミ_:.:.:.:∧ , / ノ:.:./ ヘ:.ハi≦__
/ \ \―-、 /:.ィ.;.イ≧ェ≦彡 / ´フィ ノ' l \
__/! \ \ \ .ヘ:八{ !≪」l/、/ヽ/ -――- ヽ
. / / 、 \ \ `{ 「 ̄]__| { { { / / , -―――-`、
_ \ \ 》1_厂〉┼ l_W / / ヽ
―- _ \ ∨ 「| ゝ<_/_j,へ / 〃 ヽ
―- _ \ / ヽ/∠> ´ / 厶 // l l
‐\j l l  ̄`ヽ`ヽ | |
! l l l vヘ |
| l l | | ヘ |
V ! ! | ト、 \____ h
V l l | | \ \ い
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:58:59.36 ID:UHYH88yV0
、 / /,、 | ::::::::::::::::::::/ __ | | / ___ _ __ _
> \/ ゙´ i, ..::::::::::::::::/ ''‐' ゙i; ./ ┌┘└‐┐< ゙''"l| |/ >
‐フ _ ,-、 ゙i: ...::::::::::::/ ,,-、 ゙'─| フ 广| ┌'<,,''>「゙二゙了
‐' / i ヽ '__ |; ...::::::::::/ __ ヽ !,. /| .く_//"o .ヽ,冫>| .= |
、 ゙、 | / ノ \ .:::::::::/ ゙‐',,-‐゙'´ く | ゙''‐-^ヽ'ヽ' l」゙アノ
.\ ゙'´ ヽ/ ,-、 ゙i; .::::/ ,,,,,;;;-=ニ、'"、ァ ,二| /> l二二l
::゙i,\ レ _゙‐''´ ン‐'",,,;;;;-''''''く~´ ノ / .::| // ゙--, ノ
:...゙i ゙!、 リ ,イ´ ''",へ ,;ァ \/ く .::::| \\ / L,,,
゙、::゙l,. ゙!、 | ヽ,,ノ ,-‐、 /フ \,;-‐| ,,,,\> ヽ/ヽ-┘
. 1.::ヽ、ヽメ .i| ,ヘ <.,,,,,ノ `"_,,,,,-==| ┌┘└─┐┌──┐
|.i..::;;i´\゙i込、,, ゙" _,,,,,;;-==〒''O ノ .| フ 广| ┌‐' ゙'フ ,-‐┘
| ゙i ::| ヽ、゙'゙'l;、 ゙ヽ-‐'''"ヽ!, `ヽ-‐'" | く_/ /"o .ヽ ( (__
| !;,:| ゙'',;゙'''''''二 ,,;- ヾ-────┬==| ,-゙‐-''^'' ゙‐--┘
| |..i| / ,,‐'",,, ヾ==≡ニニ \ .:::| ,┘ヽ' ̄l
゙! ゙| i| /,;‐''"~ i| .::| ゙フ /| |
.! ゙!:}'" _.,,,,, ,,,,,_ / .:::!、 ヽl | | ‐フ
゙i, |:::゙i''=;,、;;;/ _,,,,;;-=、 ヾ,i / ..::::::\. └' ゙'''"
゙!, ゙ヽ,゙i, '!ヽ_=─'''" ,__) / ./ ..:::::::::::`> _ _
゙i,. ヽ'i ゙i ::フ二ナ──'''",,,,i' " / ..::::::::∠-''フ. / // /
.入 !i |/二/''"''ヽ-‐'" / ,, / ....::::::::::::::/ / // /
/ \ l| |‐、/ / / ./ ...:::::::::::/ /_//_/
./ ヽ| | |'' ,‐''i " ./ ..::::::::::::く /フ /フ
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:59:00.62 ID:bGgLE3H9O
カルゴ「ねぇー、コレちょーだぁーい。早くちょーだぁーい。」
よし、これなら大丈夫だろ
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:59:05.89 ID:Y1ncx0lp0
/i ,ヘ
/:::| / ::l
/:: :|,〃 ::|
/,--、,. --、 ヽ
,l/ ∩ ∩ ヽ \
/.{ } ヽ
ニ'' ‘ ‘ ニニ 〉
"ゝヽ ̄ フ ,ノ,.く^
ノ ゙  ̄ ̄ '" ヽ←ピカチュウ
(/i:: :::;iヽ )
{:: :::;}
ヽ ......... イ
し′|::| し′
|::|
|::|
|::|
|:::|
|:::|
|:::|
し'
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:59:17.88 ID:A58HXImbO
,-,ii|||||||||||||||||ii、‐、
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_/ i|||||||||||||||||||||||||i ヽ_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
゛゛llll||||||||||/ ' i|||||| |||||||||||||||||i ` ヾ|||||||||||llll""
゛lll/ ||||||| |||||||||||||||||| ,llll""
\ l|||||||||||||||||||||||||||l / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
彡 ゛ll||||||||||||||||||ll" ミ |もうカルゴさんを
\_ ゛゛Y"" __ノ | 抱かずにはいられませんね
| ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l |
ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ <
ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´ |
_______ , へ ノ`i=、_ 二 _,=iゝ、_,へ、 _ \_________
i i i  ̄| |――-\ ̄∠-――| | ̄ i i
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:59:30.36 ID:J5f7sNjWO
ここじゃ犠牲が大きい!場所を変えるぞ!お前らついてこい!
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 00:59:37.24 ID:K7kwie6X0
_
_∠二 ̄`ヽ \__
{、_, ´ ―ヽ
>― _、} 、\
/ / / 、 \ ``ヽ
,レ !__/ ヽ ヽ ヽ ,
辷彡 人_, ,} 、 '、 | |
ア l | / , //{ ! | ヽ ヽヽ! i |
/ 、___l W! / // l八l\ i iヽl、 ゞミ、
{ { ¬ | !l l/l/ ,xャラア∧l !┬≧=-
ヽハ {ヾ、lへl ∠二二/ } / /ノ /
` jノヽ 「 厂 ―――ノル'r ト{
V ___ {/|川z┐
ヽ匸二.‐-、ヽ 丿 レ /∧
弋__\ く __// 〃 ハ
/{⌒ヽヽ彡≪ / ∧
,l∧__ン 》_〃 ` ‐- 、__
__/ !!`ー―― ´ {{ ` − 、_
_ -‐ /ll || `ヽ、
, ´ ||、______/|| / 丶、
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 01:00:05.51 ID:3PnoGtV8O
>>1荒らしとかクリリンのことかぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 01:00:34.13 ID:eMQ6vahLO
/ / / ヽ : 、: : : : : ヽヽ/\ i
/ / /: : : . l: : l>、 、: : : ヽ丶 \ i (ガンダムよ)好きだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!
/ / /: : : :ヽ: jハ: ! `ヽ: :|: :\\,/ i 私は君に一目惚れしたのだ!!!!!!!!!!!
/ / /: : : : : : l://j/'_ ̄リ,j /: : : :レ'/ 、
/ /: : : : : : Vl' lィi {;} ィ彡:': : // 、 抱きしめたいぞ(ガンダム)!!!!!!!!
. / /: : l 、: : : . : : ', |j' /ゝ___/// ヽ 私の眠り姫よ!!!!!!!!
. ム: : :l: ヽ、 : : \V /// \ |
l:::l: : : l\l トrt;ァ`ニ=- /// ,. 、──- 、 \ /
|:::l: : : :\`、ゝン _ヽヽ\ / / , -、 ヽ へ ∧
∨;l: :l、:ヽ:` く ‐ /,二7ヽ`/ 、/ ゝ_ノ ! ! 丶、 \
、ノイゝ:!ヘ \‐`¬ // ,/-- 、 /l ト、 ―
ヽ`¬ 、  ̄`¬└く∠ 〃! ! / ノ |:::::丶、____/\
\ ` = _ヽヽ \、 イ{ ゝ__ノ _ ´ ´_ -‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::__>─
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 01:00:44.04 ID:MIuGb24d0
.l゙ | | : : : : .l゙: : :|: : : : l゙ l | .l゙ : l゙ |゙l
| | | : : : : │: ::|: : : | /ニニ ,,l゙: ::,!: ../ │ :|: ゙l
│ .l゙ | : : : : ": _,,―‐'゙\__/ l゙: :/: :/,i ..,l゙: ,/: :゙l
.| .| | : : _,,-'"`  ゙̄:i/: .,/: ./:: : l゙
│: : |: 丶 '゙l、 : `i、/ : : :/:::: :l゙
'|``'-|: : 丶 ゙i、''゙,,ニニニミ' / ,ニニニ、、 |: : :_,,/.:: :│
│、: : \、:ゝ ゙l゙(、 ◎ ,) | ( ◎ )'  ̄i'‐ : : : : :l゙ 邪神に勝てるとでも?
l゙ │: : \、: :/  ̄ ̄" : 、 ' ̄ ̄" /: : : : : :l゙
.| .":|: : : |゙l::` ̄' l ./: : ::: : : : :,!
.| l゙ │゙l::: : : .、,,_ _,,i、 \::::::::::::: : :,|
l゙: . | : |;;│: ,____ `" : ::,l゙;:,、: : : |
|: │ :: |;;;;;゙l,: : `-ニニニニ=‐ : ./::::l゙: : : : |
|、:" | : |;;;;::::丶、: .,,,,,,,,,,,、 : ,,'":: |: : : |
|: : : ,! : |;;;;;::::;;;`-、: ..,,i´;;;;;: |: : : :|
| : : :|` : |;;;;;;;;;;;;;;;;,/'-,_: : ._,,/;;;;;;;;;;; |: : : l
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 01:01:09.66 ID:eMQ6vahLO
/ / / ヽ : 、: : : : : ヽヽ/\ i
/ / /: : : . l: : l>、 、: : : ヽ丶 \ i (ガンダムよ)好きだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!
/ / /: : : :ヽ: jハ: ! `ヽ: :|: :\\,/ i 私は君に一目惚れしたのだ!!!!!!!!!!!
/ / /: : : : : : l://j/'_ ̄リ,j /: : : :レ'/ 、
/ /: : : : : : Vl' lィi {;} ィ彡:': : // 、 抱きしめたいぞ(ガンダム)!!!!!!!!
. / /: : l 、: : : . : : ', |j' /ゝ___/// ヽ 私の眠り姫よ!!!!!!!!
. ム: : :l: ヽ、 : : \V /// \ |
l:::l: : : l\l トrt;ァ`ニ=- /// ,. 、──- 、 \ /
|:::l: : : :\`、ゝン _ヽヽ\ / / , -、 ヽ へ ∧
∨;l: :l、:ヽ:` く ‐ /,二7ヽ`/ 、/ ゝ_ノ ! ! 丶、 \
、ノイゝ:!ヘ \‐`¬ // ,/-- 、 /l ト、 ―
ヽ`¬ 、  ̄`¬└く∠ 〃! ! / ノ |:::::丶、____/\
\ ` = _ヽヽ \、 イ{ ゝ__ノ _ ´ ´_ -‐':::::::::::::::::::::::::::::::::::__>─
なんだこの単発の荒らし共はwwwwwwwwwww
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 01:14:34.48 ID:GlfJT0aZ0
ドラゴンボール以外にガンダムごっこスレもあったのか
投下終わった直後とか空気読みすぎだろ
さて夜間保守
ほす
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 02:13:44.60 ID:t4+xgNK7O
ほ
ピカがワープ進化したりしないかなぁ
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 04:50:19.79 ID:vLGm+U3FO
うー
ほ
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 07:12:23.24 ID:/l6kJZ1lO
おはうー
うーうー
ほ
ほ
保守
保守
ほ
ほ
ほす
ほ
マイクロ波〜
トランセル破裂www
ほ
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 13:38:40.46 ID:dSNWC4NC0
ほ
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 13:43:52.33 ID:JnCbS2F0O
見られたくねーなら穿くんじゃねーよミニスカート
テメーらのせいで男は皆変態扱いか!?ええ!?おい!
ってのも面白かった
?
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 15:33:27.25 ID:OC5JPZnn0
ジャマだどけ
>だけでも安価できるって知ってた?
>152
7:00から再開する予定だったが結構遅れそう
おk。待ってる
了解
>>242 ねんりきとしびれ粉で私をオモチャにする気ね!
懐かしいなwwwwww
実際にポケモンがいれば、そんな犯罪も流行しただろうな
ほ
しゅ
そろそろかな
保守だリザ
ほ
ほす
保守
おろ?まだなんか
英検対策ハードすぎワロタ
再開する……といっても隣でマトリックス流れてて気が散るから困る
何級?
遅かったじゃないかアンダーソン君
こいつ、時空を歪めやがった・・・
作者………俺と同じことしてやがった………!
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 22:35:10.53 ID:yRsbjLSFO
この時間に30分開いたら危ないか?
>>267 実際はどの時間帯にも関わらず1時間半は開いても大丈夫
>>269 システム的には、じゃね?
訂正よろぴく
僕は反射的に身動ぐ。すぐさま激痛が身体を駆け巡る。
「ピ……カァッ……」
「不用意に身体を動かすな。
お前は今限りなく"瀕死"に近い状態にあるのだ」
気遣う言葉とは裏腹に、
サカキは愉快そうに目を細めていた。
「ククク……。かつてロケット団を壊滅させたお前が、
今私の眼下で醜態を晒している……」
「……」
「属性の法則から逸脱し、かつて私の手駒を弄したお前が、
今私の一存で生死が分かたれる状況にある……。
なかなか御目にかかれない光景ではないか?」
「……ッ」
突発的な殺意が芽生え、それに電気袋が反応する。
確かに僕は手負いで、
何の因果か知らないがお前に保護されている。
だが、だからといって心を許したわけじゃない。
昔も、そして今も、お前は信用ならない。
僕を嘲弄するな。いいか、
丸腰のお前を倒すくらいの電流なら、いつだって流すことができ――。
「元気なのは威勢だけのようだ」
僕の頬から、紫電は迸らなかった。
何級なんだよおおおおおおおおおおおお
二級
ちょっと待って久しぶりに見たら
アンダーソン君面白すぎて止まらない
流石だな
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 23:18:59.52 ID:t4+xgNK7O
>>273 いいか!リローデッド以降は見るな!
絶対だぞ!?
絶対見るなよ!?
オワタ〜
勝手を言ってすまないけど
今日は休ませてもらえないかな
実は風呂も飯もまだなんだ
明日は午前から一日中書けるので
ゆっくり休んでくれ
書きたい時だけ書けばいいさ。お疲れ
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 23:29:45.25 ID:3RZB3zgFO
>>227 お疲れ様です、俺もTSUTAYAでマトリックスの続き借りてこよっと
考えるんじゃない。感じるんだ
支援うー
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 23:31:31.80 ID:AZd04w5m0
おっつー
おつ〜
ほ
乙です
ほ
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 01:01:29.67 ID:SEjBsMF2O
がうがう
人少ないよ
風呂と飯終わらせてから書いたらどうだい?
きっともう寝てるよw
明日早く書いてくれるって言ってるんだからそれに期待しようぜっ!
ほしゅっとく
ほ
ほ
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 04:34:05.13 ID:m+jNV8lyO
おやすみなさい
寝るほ
ほ
ほ
ほしゃ
ほ
うー
おはうー
保守だゼニ
ほしゅ
昨日はほとんど書けなくてすまなかった
再開する
よし来た
おはようさん
「精神は肉体に縛られる。
お前はそれを重々承知しているはずだが。
やはり、ここに運ばれた経緯も含めて記憶が混濁しているようだな」
サカキの声が遠い。
身体全体の自由が利かないのは、まだ傷が癒えていないからだと納得できる。
でも発電、蓄電、放電のプロセスの一切ができなくなっていることについて、
僕は説明できないし、その事実を現実として受け取れない。
僕は無意識に身を縮こまらせた。
電気系の技が発動できない――。
心の中で言葉にすると、更なる無力感が僕を包んだ。
「そう萎縮するな。
お前が自己防衛できるくらいに回復するまでは、身の安全は保障すると約束しよう」
サカキは表情を切り替えた。
嬲るような笑みの代わりに傷ついたポケモンを労るポケモントレーナーのそれを浮かべ、
「さて……そろそろ建設的な話がしたいのだが、
それにはお前の記憶の再生が必要不可欠だ」
僕を見下ろす。
「既にお前の身体から薬物は抜けきっている。
時間の経過とともに意識はより鮮明になり、喪失されていた記憶も元に戻るだろう。
しかしお前も知っての通り、私は待つのが嫌いなのだ。
あの忌まわしい研究施設での始終だけは、早々に思い出してもらわなければならない。
さあ、思い出せ。
お前が何故、発電も儘ならない状態にまで陥ったのか考えろ」
おはよう作者
頭の中に記憶の断片があるのは分かる。
でも、それを繋ぎ合わせることが出来なかった。
僕の思考はその表面に薄い皮膜が張られたみたいに上手く働いてくれなかった。
サカキは続ける。
「お前はあるポケモンと戦わされた」
僕の中で何か、反応するものがあった。
僕が電気系の技を発動できなくなったのは、
与えられたダメージによるものではない。
「そして激しい攻防の末、」
これは身体内側からの、
「潜在能力の解放を余儀なくされたのだ」
自傷行為の結果だ。
白銀の鎧を纏った漆黒のポケモンがフラッシュバックする。
堅い結び目を解いたような感覚と共に、記憶が蘇ってくる。
僕は目を閉じた。
すると、まるで古い映写機のようなぎこちなさで、
白い空間での記憶が眼窩に投影され始めた。
おーきたか
作者はどんな終わり方にするか大体イメージついてるんだろうか
躱す。
左脚部を切断する。
反撃。
起点となる身体の部位を弛緩させる。
右腕部を切断する。
放電。
相殺を超えて。
小規模な爆発。
標的が壁面に衝突する。
間断なく彼我の距離を詰め。
カウンターを躱し。
差し出された右腕ごと喉笛を裂く。
浅い。
刎頚までには到らない。
左方からの攻撃を察知する。
後退する。
再生した左腕部が振るわれる。
衝撃波が空間を薙ぐ。
それを凌いだ頃には、
彼の傷は跡形もなく消えている――。
何度同じことを繰り返したのだろう。
僕は諦観の境地に入りかけていた。
初めてこの空間で戦ったときのように、
わざと攻撃を食らってみようかと考えてみるものの、
その一撃が致命傷になる可能性がとても高いことと、
僕が戦闘不能になったところで彼の攻撃がすぐにやむ可能性がとても低いことから、
思考は再び振り出しに戻り、
僕は思い出しように彼を倒す。
規範法則を無視した彼の"自己再生"に、終わりの見えない攻撃を繰り返す。
フェーズを数えるアナウンスが聞こえなくなって既に久しい。
実験の終わりとは何だろう。
この硬く厚い壁の向こう側にいる人間が、殺し合いの結果に満足することだろうか。
もしそうだとすれば、僕か彼のどちらかが息絶えるまで、実験は終わらない。
純粋な戦闘力を比べれば僕は彼を圧倒している。
しかし無限と言ってもいい再生力と持続力を前にして、その事実はあまり意味を成さない。
いずれ僕は消耗する。
動きの甘くなった標的を、彼は機械的に殺しにかかるだろう。
それが最終実験の終わりだ――。
そう理解した瞬間、僕を支えていた力が抜けていった。
関節に鉄棒を差し込まれたみたいに身動きが取れなくなり、
電気袋に蓄えられていた電気が、僕の意志とは無関係に、大気中へ放電されていく。
お昼ご飯だお( ^ω^)
俺も飯
じゃあ俺買出し
俺の昼飯はガム
彼が迫ってくる。
ただ純粋に、僕を殺すために。
「チュウ……」
これでいい。
僕は彼が予備動作に入るのを見て目を閉じた。
何故だろう。
走馬燈は流れなかった。
代わりに、サトシとカスミとヒナタの三人が、仲良く笑っている光景が瞼の裏に浮かんだ。
ただそれだけのことで、僕は幸せな気持ちになれた。
その時だった。
「ピカ!?」
地面を突き動かすような揺れが起こり、
僕は否応なしに目を開けさせられた。
彼は停止していた。アイシールドの光が消えていた。
少し緩くなったものの、揺れは依然継続している。
強固な白壁に幾筋もの罅ができていた。
防音壁の向こうで鳴り響くサイレンの音や、
たくさんの人間の怒号や悲鳴を、僕の耳が捉える。
彼は彫像のように動かない。
その時僕は、彼が本当の意味で人間の傀儡であることを理解した。
動けと命令されれば動き、
止まれと命令されれば止まり、
殺せと命令されれば殺し、
死ねと命令されれば自殺する。
おはうー
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 13:14:05.67 ID:4alYFcuV0
どけどけ
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 13:24:38.01 ID:y4Z8ehxU0
ボールに捕まえられた普通のポケモンだって、
言ってしまえば、所詮は人間の命令に従う人形だ。
でも僕を含めたそれらのポケモンは、反抗することができる。
あまりに理不尽な命令に対して、無視という選択肢を選ぶことができる。
でも、目の前のポケモンにはそれが出来ない。
僕は急に、彼が可哀想になった。
やがて揺れが完全に収まった頃、白壁の亀裂を広げるようにして、
防護服に身を包んだ人間が押し寄せてきた。
無数の手が僕に伸び――。
考えるよりも先に、身体が動いていた。
足の隙間をくぐり抜け、彼らが入ってきた亀裂に飛び込む。
動かす度に身体が軋みと悲鳴をあげたが、構わなかった。
亀裂を抜けると、暗い通路に出た。
障害物は皆無だった。
激震が施設を襲ったことを示すのは、
天井に埋め込まれる形で設置された照明が、全て死んでいることぐらいだった。
自分がどこに進んでいるのかも分からずに走り続ける。
何度か白衣を着た人間に出くわしたが、
誰かもかれも慌てふためいていて、僕の存在に気付く者はなかった。
僕は本能に従うまま、道を選び、進み続ける。
八度目に角を曲がったとき、僕は通路の果てに、しなやかな猫の影を見た。
何も考えずに追う。角を曲がる。また通路の果てに猫の影が見える。
それを繰り返した末に、僕はその影に追いついた。が、声を掛けるようとした矢先、
「逃げ場はない。大人しくするんだな」
通路の両側に、防護服を着た人間が詰めかける。誘導されていたのか……?
支援
疑心に駆られ、薄闇に浮かんだ猫の目を見据える。
そうしている間にも、じりじりと防護服が近寄ってくる。
――ここまで、か。
僕が観念しかけたその時、彼は出し抜けに鳴いた。
否、喋った。
「逃げ場は作り出すものニャ。
これくらいで追い詰めたと思ってもらっては困るのニャ〜」
包囲網に戦慄が広がる。
「ポ、ポケモンが、喋った……」
先頭の防護服が後ずさる。
小柄なペルシアンは実に人間的な動きで前足を耳に当て、
「今ニャ」
と言った。
一閃。斜向かいの壁が爆破され、煤煙が通路に充満する。
すぐに施設の排煙設備が作動するが、
防護服越しの視界は最悪の状態とみて間違いない。
僕は咳込みながら、破砕口に目を向けた。人間二人猫一匹のシルエットが煤煙の向こうにあった。
「ピ……カ……」
ああ……。溜息が漏れる。
視界を取り戻した防護服が叫ぶ。
「なんなんだ、お前らは!?」
猫・・・
ニャース?
ホワイトホール 白い明日が待ってるぜ
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 13:53:22.03 ID:6ccGm3lX0
ニャアアアアアアスウウウゥゥゥゥゥアアアアアアアアアアアアアアアアア
すまんsage忘れた……
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!
急展開
うおおおおおおおお お前らかwwwwwwwwww
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
wktk止まらん
かっけえっす
なんだかんd
その誰何が彼らを調子づかせることも知らずに。
「なんだかんだと聞かれたら」
「答えてあげるが世の情け」
「世界の破壊を防ぐため」
「世界の平和を守るため」
「愛と真実の悪を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役」
「ムサシ!」
「コジロウ!」
「銀河を駆けるロケット団の二人には」
「ホワイト・ホール 白い明日が待ってるぜ!」
「ニャーんてニャ!」
音頭は十数年前に聞いたそれと、寸分も狂っていなかった。
僕は苦笑する。
久々の調子合わせに練習を重ねた彼らを想像して。
「ロケット団だと……」
「やつらは壊滅したはずでは……」
「動じるな!」
隊長と思しき人物が、響めく集団を黙らせる。
「仮にお前らがロケット団だとして、どうしてここにいる?」
左端のシルエットが――コジロウが薔薇を擲ちながら答える。
「俺たちはもう二十年も昔からそのピカチュウを追ってきたんだ」
流石ロケット団だ
正直ちょっと泣けてきた
こういうときに昔の敵役がさっそうと助けに来てくれるって嬉しいし王道な展開だよなwww
素晴らしい!!読み続けてきた甲斐があった
後はピカチュウがヒナタ達と再会すれば言うこと無しだぜ
おぉ。久々に見たなコレ。
そういう訳で、まとめを所望します。
あと、作者様がんば
しかしもうこの二人も結構な歳に・・・
やべぇ・・・
wktkがいつもの三倍増しだぜ・・・
50代寸前か…
次に右端のシルエットが――ムサシが髪を掻き上げながら続き、
「テメーらみたいな新参者に横取りされたら、ロケット団の名が泣くんだよ」
最後に中央のシルエットが――ニャースから進化を遂げたペルシアンが締めた。
「というわけで、このピカチュウはニャー達のものニャ。邪魔者はさっさと舞台袖に引っ込むニャ」
「ふ、ふざけるな!」
隊長格が防護服のホルダーを開ける。これまでは閉鎖空間を考慮してポケモンを出さなかったのだろう。
しかし彼とロケット団とでは、踏んだ場数に懸隔があった。
「ピカチュウ、伏せろ!」
言われるがままに伏せる。
直後、マタドガスが吐き出した"ヘドロ爆弾"が、通路にいるすべての防護服に炸裂した。
「なんだこれは!」
「くそっ、拭っても取れない!」
ムサシは腰に手をあてて高らかに笑う。
「ふふーんだ。年季が違うのよ、年季が」
間髪入れずニャースが突っ込む。
「ついでに年紀もニャ」
「それは言わない約束でしょうが(だろうが)!」
ムサシとコジロウの悲痛な叫びがハモる。
ペルシアンだと!?
こいつら結構強くなってんじゃないか?
ちょっと所用が入った 中休みも兼ねて17;00に戻る
いてらー
韓国で見たポケモンアニメのニャースの声はひどかったなwww
やべえwwww神展開じゃねえかwwww
作者マジでGJ!!!
>>322からの神展開で…おや、目から汗が……
ほしゅするニャ
喋るペルシアンを想像できない……
ニャースなら余裕なのに
何だか胸が熱くなったんだぜ
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 15:24:46.34 ID:trx/IJw3O
何だろうこの気持ち…
保守
保守
涙出かけた
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 16:50:13.77 ID:nx6tUijX0
>間髪入れずニャースが突っ込む。
ペルシアンの間違いじゃないか?
そろそろかな wktk
目から汗が…
でもこのニャースはニャースであってほしかった
遅れてすまない
再開する
おkおk
待ってました天才高校生
「現実を見るニャ」
「うるさい! まだまだあたしは現役よ!」
「身体がついて来てないニャ。
その証拠に時間がかなり押してるニャ。
おミャーらとコントしている場合じゃないのニャ」
「コントって、お前が言い出したんだろ!?」
「コジロウ、黙って」
「ぐむむ……」
ムサシが眼光鋭く辺りを見渡す。
「システムの連中が来る前にズラかるわよ」
システム?
僕はペルシアンもといニャースを介して、その単語の意味を問おうとした。
そこが僕のあらゆる意味での限界点だった。
今度こそ身体から力が抜けていく。
粉塵に倒れ込む。
視界一面が灰色になる。
「ピ……カァッ……」
僕は激しく咳込んだ。口の中に血の味が広がっていく。
「「ピカチュウ!?」」
「急がないと手遅れになるニャ! さっさとするニャ!」
奇妙な光景だった。幾度にも渡って僕を拐かしてきた彼らが、
僕の容態を気遣い、割れ物を扱うように抱き上げ、
なるべく振動が伝わらないようにして、どこへ繋がるとも知れない出来損ないの横穴を駆けていく。
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 17:45:10.45 ID:y4Z8ehxU0
× 視界一面が灰色になる。
○ 視界一面が灰色に染まる。
/. ノ、i.|i 、、 ヽ
i | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ |
| i 、ヽ_ヽ、_i , / `__,;―'彡-i |
i ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' / .|
iイ | |' ;'(( ,;/ '~ ゛  ̄`;)" c ミ i.
.i i.| ' ,|| i| ._ _-i ||:i | r-、 ヽ、 / / / | _|_ ― // ̄7l l _|_
丿 `| (( _゛_i__`' (( ; ノ// i |ヽi. _/| _/| / | | ― / \/ | ―――
/ i || i` - -、` i ノノ 'i /ヽ | ヽ | | / | 丿 _/ / 丿
'ノ .. i )) '--、_`7 (( , 'i ノノ ヽ
ノ Y `-- " )) ノ ""i ヽ
ノヽ、 ノノ _/ i \
/ヽ ヽヽ、___,;//--'";;" ,/ヽ、 ヾヽ
やべぇ、熱い
「おい、死ぬんじゃねえぞ」
「あんたが死んだらボスに怒られるのはあたしたちなんだからね」
「久々の再会を今生の別れにしたら許さないのニャ」
今生の別れ、か。
僕とこの三人が来世で出会うことは既定事項らしい。
恐ろしいな、腐れ縁というものは。
――そう溜息を吐きながらも、何故か泣きそうな自分がいて。
通路側の破砕口から、複数の足音と怒号が迫ってくる。
閃光。
「アーボック、"溶解液"で足止めしな!」
横穴を塞いでしまうほどに大きな蛇が現れ、背後に強酸を撒き散らす。
追っ手の足が止まる。
「潮時だ、下がれ!」
足音が引いていく。
ムサシは快哉を叫ぼうとした。
その時だった。横穴が水を打ったような静寂に包まれる。
朦朧とした意識の端で、僕は嵐の前の静けさという言葉を思い出していた。
「ニャッ……痛いニャ!」
石礫がニャースの頭を叩く。幽かな揺れがコジロウの腕を伝わってくる。
「ムサシ、これって……」
「なんだかとっても……」
このピカチュウはこんなかんじか
(\ (\
/ ⌒ 丶
| ● _●|
|〇 〜 〇)
/ ヘ
_//| /\\_
`ー′ | \ `ー"
| / ̄\ 丶
| / > )))
((|| //
|| く_っ
||
⊂ノ
wwwwww やっぱこいつらはそう来ないとなwww
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 18:26:02.29 ID:y4Z8ehxU0
「「やなかん――」」
「やな感じ、は言っちゃダメニャ!
忘れたのかニャ? ミャーたちだけならまだしも、今はピカチュウも一緒なのニャ!」
「そ、そうだったわね」
「あ、ああ。こんなところで生き埋めになってたまるか」
アーボックをボールに戻して再進する。
地響きが加速度的に激しさを増す。
ただでさえ暗い横穴に砂塵が立ちこめ、視界を悪化させる。
僕は申し訳なくなった。
僕がいなければ。
僕という荷物がなければ、ロケット団は全力疾走できるのに――。
「あんた、今余計なこと考えてたんじゃないでしょうね?」
「俺たちの任務はピカチュウ、お前を連れて帰ることなんだぜ」
考えたそばから叱られた。
ここは素直に反省しよう。
上から落ちてくる石礫が、目に見えて大きくなっていく。
崩落の時は近い。
一際大きな揺れが僕たちを襲う。
先刻の戦闘とは趣向の違う恐怖に目を瞑る。
その時、瞼の裏に光明が差した。
夕食( ^ω^)
お約束wwwwwwwwwww
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 18:27:35.65 ID:BTXt8PuWO
…焦らしやがって(´・ω・`)
スマン
忘れてた
熱い
作者応援してる
ちくしょう泣かせやがって
「もうすぐニャ!」
先頭を駆けていたペルシアンが手招きする。
すぐ近くの岩盤が崩れ落ちる。
「早く!!」
殿を務めていたムサシが悲鳴を上げる。
「わぁーってるよぉ!!」
コジロウは半狂乱のまま神懸かり的回避を連発する。
這々の体で終点に辿り着く。
「………」
そこで僕は絶句した。
海の匂いを含んだ強風が、砂埃に塗れた僕の頬を凪ぐ。
横穴は確かに、外界と通じていた。
だが、どうすればこの断崖絶壁から無事に脱出できるというのだろう?
僕はロケット団の面々を眺めた。
彼らは一様にして安堵の表情を浮かべていた。
その答えは、絶壁の下にあった。
背後から迫る地鳴りを掻き消すほどの轟音が近づいてくる。
音源であるヘリコプターは、僕らの前で上昇をやめホバリングを開始した。
パイロットはかなりの腕前と見える。
この風の中でも、機体は微動だにしていない。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 19:38:25.53 ID:y4Z8ehxU0
初めにペルシアンが飛び乗り、
「揺れるけど我慢してくれよ」
そう一声かけてから、僕を抱えたコジロウが飛び移る。
最後にムサシが助走をつけて飛び移った瞬間、
見計らったかのように横穴は完全に崩落した。
「逃げるわよ! 全速力で!」
「了解」
声からしてパイロットは若い男のようだ。
ぐんぐん高度を上げるヘリコプターの中から、
僕は、今まで僕が閉じ込められていた研究所の外観を垣間見た。
主要施設のほとんどは地下に建造されているのだろう。
地上に露出した建物はカントー発電所の半分くらいの大きさだった。
そして僕は今にして、実験が中止された背景を知ることになる。
研究所の敷地の上に、まるでフリーハンドで線引きしたような乱暴さで破壊の爪痕が残されていた。
――破壊光線だ。
それも街一つを容易く壊滅させるくらいに強力な。
ロケット団の二人がそれほどのポケモンを持っているとは思えない。
では、いったい誰があの騒ぎを……?
考えが続かない。視界が暗転する。
「ピカチュウ!」
「おい、しっかりしろ!」
ムサシとコジロウが僕を揺さぶる。それが、失神する直前に見た最後の光景だった。
言い忘れてた
第十五章 終わり
乙!
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 19:45:28.40 ID:gJP/Y9RGO
乙
相変わらずすばらしい
ロケット団かっけえええええええええ
ロケット団の口上とポケモンが初期のままだけど良いのか?
全ての手がかりを失ってから数日が経った今も、あたしは前に進むことが出来ずにいた。
あたしが傷ついていることを慮ってか、
ウツギ博士と面会した当日は何も言わなかったカエデも、
次の日には現実的な言葉を投げかけてきた。
『ピカチュウのことは可哀想だと思うわ』
『あたしだってあの子がいなくなってからずっと寂しいもの』
『でも今はとりあえず、ヒナタに出来ることをした方がいいんじゃない?』
『最初はお父さんに会うためにポケモンリーグ目指してたんでしょ』
『ここは一旦、バッジを集める旅に戻らない?』
『その過程で、新しい手がかりが見つかるかもしれないし』
あたしだって子供じゃない。
それが反論のしようのない正論だということは分かる。
でも、あたしのなかの子供染みた部分は首を縦に振らなかった。
『いや。いやよ』
『なんでよ?』
『カエデはピカチュウのことなんか忘れて、
ゲンガーのためにゴールドバッジを手に入れて欲しいからそんなこと言ってるんでしょ?』
『ヒナタ――』
『あたし、絶対に諦めないから。
カエデもこれ以上、無理に付いてこなくていいわ』
そういって部屋を飛び出したあたしを、カエデはどんな顔で見送ったんだろう。
夜になって戻ってきたあたしを、カエデは下手くそな料理を作って出迎えてくれた。
けど、次の日にリュウジと出会って、
カエデがポケモンセンターのロビーで、思い詰めたようにしていたことを聞いた。
あたしは深く後悔した。どうしてあんな、心にもないことを言っちゃったんだろう。
これじゃあ、まるで昔のカエデとあたしの立場が逆じゃない。
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 20:19:01.16 ID:SEjBsMF2O
>>387 ニャースはレギュラーキャラじゃん
進化しててもおかしくないでしょ
アーボックとマタドガスは逃がしたんだっけか
ポケモンと口上が変わったのは金銀編以降だろ?
カントー編の続編として作るなら間違ってはいない
やり直そうぜみたいな事があったんだよ
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 20:28:16.32 ID:SEjBsMF2O
あたしはもう何十度目かの溜息をついた。
溜息に色がついていたら、きっとあたしの周りはその色で覆われている。
サファリパークを一望できるこの丘に、あたし以外の気配はない。
セキチクの夕焼けは、今まで見たどんな夕焼けよりも綺麗だった。
深緑の大地は燃えるような紅に塗り潰され、
地平線から湧き出た雲は黄金色に縁取られて、
空は夕陽の橙から階調をつけて、藍と紺に及んでいる。
神様が絵筆を振るったとしか思えないほどの壮観。
それを見上げている時間だけは、現実を忘れることができた。
「綺麗でござろう。妾のお気に入りの場所の一つじゃ」
唐突に現実に引き戻される。
「誰っ!?」
「申し遅れた。妾の名はアンズ。
セキチクシティのジムリーダーでござる」
隣を見る。誰もいない。視線を下げてようやく気付く。
ツインテールのちびっ子忍者が三角座りの体勢で夕焼けを眺めていた。
本当に忍者の格好して、忍者言葉喋ってる……。
ていうか、いつからそこにいたんだろう。
あたしはなんとか平静を保ちつつアンズちゃんの隣に屈み、
「ジ、ジムリーダーがこんなところにいてていいの?」
「週の終わりは早めにジムが閉まるのでござる。
妾の身体を心配して、母上がそう決めているのでござる」
アンズちゅわあああああん!
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 20:40:41.05 ID:y4Z8ehxU0
俺の知っているポケモンの知識は以下の通り
ゲーム:初代赤・ピカチュウ版
アニメ:カントー編中盤(かなり記憶あやふや)
漫画:ポケスペ五六巻まで(記憶あやふや)・電撃ピカチュウ全巻(結構覚えてる)
後は全てネットから調べてる
整合性とれないところは目を瞑ってね☆(ゝω・)vキャピ
電撃ピカチュウはエロくてよかったな
作者がエロ漫画家のおかげだ
つーかそろそろ目がアレになってきた
風呂いてくるお
作者がエロいってのはわかった(ゝω・)キャピッ
いってらー
応援してるぞ
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 21:03:51.13 ID:trx/IJw3O
作者かわいいよ作者(*´д`*)ハアハア
ロケット団脱出はどうせならヘリコプターじゃなくて気球にしてほしかったな
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 21:17:22.78 ID:af64YCbCO
それじゃあ遅すぎてピカチュウ死んじゃうんじゃね?
…
ピカチュウ視点は燃え展開だけどヒナタ視点は鬱展開だな
まあ要するに面白過ぎる
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 21:33:27.51 ID:Zrn9r2nAO
映像化して欲しいが映像にしたらここまでのクオリティは出せないだろうな
再開する
といっても今日はあと3レスくらいが限度
∧∧ ∧∧ ∧∧
キタ━━( ゚∀゚)━━( ゚∀゚)━━━━━━━━━━━━(ヽ゚∀゚)')━━!!!
と つ / つつ ( /^)^) ⌒ヽ 〈
〜(_ つ 〜( 〈 /⌒(´>> (_, `)〜 ( つ ヽ
し′ ヽ_)_) し'⌒ヽ,),,) <と_ノ \,)
「そうなんだ」
「して、お主の名は何と申す?」
「ヒナタ……マサラタウンのヒナタよ」
「良い名前でござる」
「アンズちゃんの名前もいい名前だと思うわ」
「父上が名付けてくれたのでござる。
妾もとても気に入っているのでござるよ」
渋い台詞回しと、舌足らずな発音のギャップが可笑しい。
アンズちゃんと同じ三角座りの姿勢になりながら、あたしは訊いてみた。
「アンズちゃんのお父さんって、確か現四天王のキョウよね?」
四天王の父親を誇りに思わない娘はいない。
だからきっと、アンズちゃんはそう訊かれて喜ぶだろう。
あたしはそう思っていた。でもアンズちゃんは凛々しい横顔をくしゃっと歪ませて、
「四天王などという肩書きなど、邪魔なだけでござる。
父上はずっとこのセキチクの地に留まっておれば良かったのじゃ。
あんなものになったおかげで、妾は滅多に父上と会うことができなくなってしまった」
「……アンズちゃん」
……禁句だったみたいね。
「本当なら二日前にも、父上は帰ってくるはずじゃった。
なのに、昨日ポッポが運んできた手紙には、
事情が変わってセキエイを発てない旨が書かれていた。
父上は嘘つきでござる。
妾がどんなに父上と会うのを楽しみにしていたか、
全然分かっていないのでござる」
三角座りって体育座りの事だよね?
三角木b
やべえロケット団の興奮がアンズたんハァハァの興奮に変わってきた…
アンズちゃんは今にも涙が零れそうな目をこちらに向けて言った。
「ヒナタ殿の父上は、嘘をつかないのでござろう?」
「違う」と否定すれば、アンズちゃんは忍耐が足りないと自分を卑下するだろう。
「そうだ」と肯定すれば、アンズちゃんは自分のお父さんに、より一層不満を募らせるだろう。
あたしは本当のことを言うことにした。
それに何より――ここでアンズちゃんに嘘をつくのは、アンズちゃんへの裏切りのような気がしたから。
「解らないわ」
「どうして解らないのじゃ?」
「あたし、お父さんと一度も話したことがないから」
「ヒナタ殿……」
汐が引くように、溢れかけていた涙が収まっていく。
「妾の失言を許して欲しい」
アンズちゃんが頭を下げる。小振りなツインテールがそれに続く。
「いいの。元はといえば、あたしがアンズちゃんの気に障るようなこと言ったのが悪かったんだから」
「……かたじけない」
「でもね、お父さんのことを悪く言わないであげて。
お父さんもきっと、アンズちゃんに会いたがっているはずよ」
唇を動かしながら、あたしは頭の中で別のことを考えている。
あたしのしていることは、間違っていることなのかもしれない。
「私はあなたよりも不幸だから、あなたは幸せ」
という、とても短絡的な考えを、アンズちゃんに押しつけているだけなのかもしれない。
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/21(日) 22:33:38.43 ID:Zrn9r2nAO
ミカンたんが出るのを今か今かと待っているのですが…
∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ 本編終わった暁には
(っ ≡つ=つ エロでも何でも書いてやんよ
./ ) ババババ
( / ̄∪
>>415 作者あああああああああああああああああああああああああ
終わらせないで欲しいぜ!
お茶目な作者さん!
まぁ無理だけどな
ほ
見たこともないお父さんに会いたい気持ちと、
幼い頃からの記憶があるお父さんに会いたいという気持ちは、似ているようで全然違う。
特にアンズちゃんはエレクトラ・コンプレックスも抱いているみたいだから、
その違いは余計に大きいかもしれない。
「ヒナタ殿の言うとおりでござる。
妾は自分のことだけを考えておったのでござるな……」
アンズちゃんは悄々と目を伏せ、
次の瞬間には、しゅば、と立ち上がった。
今にも懐から手裏剣を取り出し、忍者刀を抜きそうな雰囲気を醸していた。
「アンズちゃん?」
「修行に励むでござる!
くよくよしていても仕方がないでござるよ!」
目を背ける。今のあたしにアンズちゃんは眩しすぎた。
いつの間にか夕陽は暮れて、名残を惜しむように山の端を赤く染めていた。
「ヒナタ殿はまだここにいるのでござるか?」
「うん。もう少しだけ」
とあたしが言うと、アンズちゃんは声を潜めて、
「今から話すことは他の者には内密でござるよ?
実はここ最近、夜のサファリパークで火の玉を見たというものが続出しているのでござる。
火事の危険を見越して調べたいとサファリパークに申し出たのでござるが、
工事中であることも重なってか、与太話と言って取り合ってくれんのじゃ。
火の玉が目撃されたのは、いずれもサファリパークの園内でござるが、
用心に超したことはないでござる。ヒナタ殿も、あまり暗くならないうちに宿に戻ることをオススメするでござるよ」
終わり
乙!
作者乙
乙
乙
乙
お茶目な作者を応援してるからな!
おつー
乙!
エロの方も気になるぜ
お疲れ様です
保守
>>414 だが、ミカンは俺の嫁だ..
勿論カエデもな
作者乙
乙
ほしゅ
乙ほ
乙!
誰か書籍化してくれ
ちょっと待ってくれ
エレクトーン・コンプレックスって何だ?
微妙にちげぇw
なんかファザコンのもっと重いヤツらしいよ〜
Google先生で調べたぜ(`・ω・´)
ほ
神スレ保守
ほ
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/22(月) 06:31:39.81 ID:9BRXectl0
ほ
保守
ほ
し
の
まとめサイトの更新を切に願っております。
保守
ホタテをなめるなよ〜
ほ
た
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/22(月) 13:16:15.01 ID:5HRJVFQcO
て
て
り
や
き
バ
ー
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/22(月) 15:42:47.25 ID:GD6sC0oUO
ほ
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/22(月) 15:58:34.35 ID:5HRJVFQcO
ほたてりやきバーほw
ちょっ……20日からだと思ってたらいつから再開してんだ……
12日くらいから
VIPが不安定になってからなかなか来れなかったんだけど
こんなに興奮する展開になっていたとは
作者がんばれ
保守
作者、毎度のことながらお疲れ様である
更新wktk
ほす
ほしゅ
今はヒナタ視点、ピカチュウ視点どっちも目が離せない状況だぜ
タイチ視点もね
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/22(月) 19:30:35.86 ID:oiGjPcuJ0
どけっ
タイチ視点は看護婦さんとのムフフルート
待ってた分一気に読んだけどニャースでニャぁぁぁぁぁぁースぁぁぁぁぁぁ
ほ
再開する前にお知らせ
12/24,25,はクリスマス休みで、その明くる日の26も一日予定があるので書けない
年末年始は忙しいだろうから、多分書けたり書けなかったり
そして年明けの1/3から1/8までも、雪山籠もりするので書けません
要するに、年が明けて落ち着くまでは進行速度がガクンと落ちるということです
楽しみにしてくれてる人ごめんね
なんだ作者リア充か
おk
好きなペースで書いてくれ
旅行で見られない俺には朗報だ
いい年過ごそうな
ずっとまとめで読んでた
メリクリ&良いお年を
何だよお前ら……俺なんか24、25、26日は資格の講習会だぜ……
シュボッ
., ∧_∧
[]() (・ω・` ) l二ヽ
□と ) ̄⊃ ) )
⊂ (_(_つ  ̄⊃ / ̄ ̄ ̄ヽ
⊂_ ._⊃ | (\/) |
⊂__⊃. | > < |
| (/\). |
ヽ___/
作者が居ない間職探し本気出す
1000なら本気で職探す
481 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/22(月) 20:35:22.62 ID:qZhFWZTHO
このスレも初期の頃は良かった
じゃあ俺も1000なら自宅警備員卒業しようかな
作者のが書き続けてくれるだけで満足です
「わ、分かったわ」
「そろそろ母上が妾の帰りを待ちあぐねておる頃でござる。
さらばじゃ、ヒナタ殿」
アンズちゃんの小さな手が、素早く印を結ぶ。
ふふっ、忍術でも使うのかしら……?
微笑ましく見守っていると、
突然、木枯らしが辺りの枯れ草を巻き上げて、
あたしが思わず目を瞑って次に開いたときには、
アンズちゃんの姿はどこにも見えなくなっていた。
翌日の昼、あたしとカエデはお別れも兼ねた昼食に呼ばれて、
リュウジ親子の部屋に足を運んだ。
「えっ、アンズちゃ――アンズさんに会ったんですか?」
「うん。サファリパークの近くの丘で、偶然ね」
リュウジが「アンズちゃん」と呼べない理由は単純で、
数日前に挑んだジム戦において、完敗を喫したからだ。
自分よりも年下の相手に負けたことで落ち込むかと思いきや、
リュウジはむしろ向上心に火がついたみたいで、
剥奪された挑戦権が回復する二ヶ月後を目掛けて、早くも特訓を開始している。
「僕のこと、話したりしてませんでした?」
と真顔で訊いてくるリュウジに、
「ううん」
と返すと、リュウジは「速攻で倒した相手を覚えてるわけないよなあ」とガックリ肩を落とした。
1000なら受験勉強する
来月センターだから1000であることを願う
受験舐めすぎwwwwwwwww
受験勉強は高2からしておいた方がいい
気がついたころには手遅れになるぞ…俺の友人のように
そんな俺は国立大学現役合格ですけどね
>>486 おまえwww
それにしても時間がおしい
数分遅れてね?
誤爆
じゃあ俺は………
1000以外ならまだまだこのSSは終わらない
終わらせてたまるか
「こらこら、未来の二ビシティジムリーダーがそんな弱気でどうする」
と窘めつつ、タケシさんはカエデのお皿にカレーをよそう。
「はい」
「どーもです!」
物凄い早さでスプーンが往復し始める。
3杯目の空皿が差し出されるのも時間の問題ね……。
「ところで、アンズちゃんとはどんな話をしたんだ?」
「…………えっ、えっと、何ですか?」
タケシさんに水を向けられていることに気付いて、
あたしは慌ててカエデの食事風景から目を逸らした。
「いや、偶然出会ったアンズちゃんと、どんな会話をしたのか気になってね」
あたしはしばらく迷った末に、
アンズちゃんが話してくれたサファリパークの異変について語り明かすことにした。
この話は内密でござるよ――。
耳元で再生されたアンズちゃんの言葉があたしを咎める。
でも、この二人は今日中にもセキチクを離れる身だし、
内容も内容なので、話しても構わないと自分を納得させた。
「ここ最近、ジムの方に、火の玉の目撃情報が寄せられているらしいんです」
「――んっ、ごほっ、ごほっ」
カエデが咽せ、口の中の物が吐き出されるよりも前に、
近場のコップを掴んで喉の奥に水ごと流し込む。
支援
あ
「ぷはぁっ…・…なんですって?火の玉!?」
カエデの頭の中では、火の玉イコール幽霊という恒等式が成り立っているらしい。
「うん。詳しくは聞かなかったから、
どんな大きさだとか、どんな色をしているか、とかは知らないんだけどね」
タケシさんは元から細い目をさらに細めて、
「その火の玉の正体は確認されたのか?」
「いいえ。アンズちゃんを含めるジム側は立ち入り調査を申し出たらしいんですけど、
サファリパーク側に拒否されたそうです」
調査を断られて憤慨していたアンズちゃんには悪いけれど、
サファリパーク管理局の対応は詮無いことだとも思う。
「園内に炎タイプのポケモンはいませんし、どう考えても錯覚ですよ、それ」
呆れるようにそう言ったリュウジにカエデが続く。
「あたしもリュウジくんと同意見よ。
シオンタウンならまだしも、セキチクシティで幽霊騒ぎなんて冗談じゃないわ」
「カエデ、誰もその火の玉が幽霊なんて言ってないから」
リュウジが溜息と一緒に言った。
「それにしても本当にタイミング悪いですよね。
サファリパーク、楽しみにしてたのになあ……工事にどれだけ時間を掛けるつもりなんだろう」
よく考えたら作者が年末年始来れないってちょうどいいな
冬厨によってスレが荒れる心配が無い
支援
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/22(月) 21:58:51.71 ID:pxv2qpdZO
505だったら受験勉強本気出す
ごめん下げ忘れた
あたしたちがセキチクに着いたとき、
既にサファリパークは閉鎖されていた。
サファリパークとは、セキチクの土地の過半を占める、
大自然の中でのびのびと生きる野生ポケモンや、
奥地に棲息する珍しいポケモンで有名な国立公園だ。
入場料を支払うことでサファリボールと呼ばれる、
モンスターボールクラスの捕獲能力を持つボールが支給され、
一定時間、自由に園内を散策することが出来る。
勿論、散策途中に遭遇したポケモンは、全て捕まえて構わない。
連日多くのポケモントレーナーが全国から訪れていて、
あたしやカエデもその例に漏れず、
ウツギ博士への面会を待つ時間潰しにと訪れたのだけど――。
「仕方ないさ、リュウジ。
元々サファリパークの縮小なんて大掛かりな工事、
俺たちの滞在中に終わるわけがなかったんだ」
園内入り口には、
作業員が姿勢正しくお辞儀している絵と一緒に、
「只今縮小工事中につき入園禁止」の文字が躍る看板が立てかけられていた。
「父さんはいいよ。
昔旅をしていた時に入ったことがあるんだろ?」
「まあ、確かにそうだが……。
そんなに良い物じゃなかったぞ」
「嘘だね」
タケシさんは苦笑して、
「……嘘だよ」
>>505 だったら風呂入ってねる
違ったら受験勉強する
みんな勉強しろよwww
ここは受験スレじゃねえんだよ
くだらない自己主張は余所でやれ
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/22(月) 22:20:26.20 ID:IWwOFiohO
細かいこと言うがサファリボールはスーパーボールと同等だ
SHIT!
どうした?
データの設定値的にはスーパー以上ハイパー未満の捕獲性能にされてるとかいないとか
まぁどうでもいいや
この作品でも設定として、サファリパークといえばサトシのケンタロス乱獲が有名だが…どうなんだろ
それを500円で30個使えるとか
破格ってレベルじゃねーぞ
でもなかなか捕獲できないという罠
せめて一体でもポケモン使えたらなぁ
むくれるリュウジ。
あたしは話題転換を試みる。
「どうして管理局は、閉鎖期間を置いてまで、わざわざ縮小工事を実施するのかしら」
間髪入れずカエデが応えた。
「そりゃ土地を作るためでしょうよ」
「土地を作ってどうするの?」
「色々使えるじゃない。道路の敷設とか。新興住宅地の開発とか。
セキチクシティは人口増加率が一番高い都市だから需要は大きいでしょうねー」
カエデがスプーンを器用に操って、
お皿に突き入れ、ルーを絡めたライスを掬い取る。
あむ。
「うん、美味しい」
ライスがあった部分に、焦茶色のルーが流れ込んでいく。
あたしにはそれが、セキチクシティの縮図に見えた。
ライスがサファリパークで、ルーがセキチクに住まう人間の居住範囲といった風に。
あたしはふと、テーブルから少し離れたところで、ポケモンフードを頬張るワニノコとピッピを見た。
言葉にし難い不安感が去来する。
「サファリパークが縮小されたら、今までそこで暮らしていたポケモンはどうなるの?」
「住処を移動させらるだけだ。といっても、
その作業が難航を極めるからこそ、これだけ長い時間が工事に費やされているんだろうが」
質問に答えたのは、カエデではなくタケシさんだった。
ホシュチュー
「一定の箇所に腰を落ち着けたポケモンを動かすのは、
実際にやってみるととても大変なことなんだ。
やつらに人間の都合は通じない。
もうずっと前にカビゴンの撤去を依頼されたことがあって、その時に嫌というほど思い知ったな」
全国のポケモンブリーダーの憧れなだけあって、
タケシさんの言葉には真実味がある。
「特に相手が集団だと、その大変さは桁違いだ。
一匹を追い立てると、二匹になって戻ってくる。
その二匹を追い立てると、次は四匹になって戻ってくる。
そしてその四匹を追い立てると……あとは同じことの繰り返しだ。
仕舞いには種族を超えた徒党で、縄張りを奪い返しにくる」
ポケモン協会本部で聞いた、ウツギ博士の言葉がリフレインする。
――『彼らの本質はむしろ人間に対する隷従とは対極の場所に根付いているんだよ。
それは例えば、彼らの種全体としての縄張り意識からも伺い知ることができる』――
「それじゃあ、どうやって縮小工事をするんだよ」
依然むくれたままのリュウジに、タケシさんは穏やかな口調で言った。
「ポケモンを刺激しないように、ゆっくりと彼らを誘導するしかない」
「出来っこないよ、そんなこと。時間がかかりすぎる。何年掛ける気だよ」
「まあ、遅かれ早かれ、管理局は一定のラインで妥協するだろうな。
ポケモンの棲息地を含めた開拓事業は失敗続きだ。
例えサファリパークのポケモンが人慣れしていると言っても、成功するとは思えない」
あたしは訊いた。
「サファリパークの他にも、ポケモンの住処を開発する計画がいくつかあったんですか?」
ああ、とタケシさんは首肯し、
腕組みをして考える素振りを見せた後、
あたしのよく知る森の名を口にした。
「最近のを挙げれば――といっても半年以上前のことだが――トキワの森の開発計画かな。
作業員数名がスピアーの襲撃を受けて中断、再開の目処が立たないままに頓挫したらしいが」
風呂
一時間くらいで(ryだし(ryかも
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/22(月) 23:17:21.43 ID:pYVVw2jF0
まさかここでスピアー回収かよ・・・
風呂
一時間くらいで中だしするかも
ですね
ここで序盤の伏線回収か
これ読んだ後にアニメのポケモン見ると色々物足りなく感じるから困る
任天堂大人のポケモン開発しないかね
カビゴンの撤去ってサトシのカビゴンの事かwww
完全にあの話忘れてたwww
昨日知って、wikiで一気に読んでしまった…
面白い。支援せざるを得ない。
そういや森にヒトデマンが置き去りにされたりしてたなwww
環境破壊で生態系が変わったからだと思ってたら
少し違った
トキワの森のスピアーと言ったら奴しか浮かばない
ポケスペのサカキ思い出したわ
ほしゅ
ほす
ほ
ぽっぽしゅ
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 01:50:06.40 ID:gC3umiz1O
何気にWIKI更新されてる
本当だな更新した奴GJ
見れなかった分見てきたがまさかおっぱい博士とタケシが……
謎のポケモン強すぎワロスwwwwww……
保
まとめの方は更新されないのかな
ほ
ほしゅ
ククク…
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 05:55:20.13 ID:7g65cDZD0
保守
ほ
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 07:35:59.52 ID:HZqHHTZNO
ほす
おはうー
ほ
ほ
保守
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 10:15:58.42 ID:hreTEopA0
最近のポケモンはややこしそう
ほ
500は少し増やしすぎな気がする
wiki更新分読んできた…おもすれー
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 11:28:25.50 ID:XaH+R0/gO
ほ
うーうー
ほし
の
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 13:18:21.49 ID:tgDhUwQ6O
お
っ
ぱ
い
博
士
誰もつっこまないからどうでもいいことなんだろうが
サファリゾーンじゃなくていいのか?
ほ
ほ
保守
ほ
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 15:53:51.64 ID:3KOzzx920
☆
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 16:19:05.73 ID:OtUWdztK0
ほ
☆
☆
ところで明日からこのスレどうするね?
>>473見る限りでは
明日〜26日、1/3〜8日の間が執筆不可
つまり27〜1/2は一日2レスとかいう頻度で投下出来る可能性があるわけだ
正直27日までスレがもつかどうか微妙だよな
持続させるか、素直に落として27日に新スレ立てるか、パー速でやるか
落としていいんじゃないか?
ほ
落とそう
2日までの投下分でちょうど1000だな
うー
持つか?
今日はくるんだっけ?
再開する
ウッヒョッヒョイ
グヘヘ
ktkrwwwwwwwwwwww
支援
保〜守
トキワの森で突然、巨大なスピアーに襲われ、
スターミー(当時ヒトデマン)がやられたところを、ピカチュウに助けてもらったことを思い出す。
あの時は、何故開けたところにスピアーが現れたのか謎だった。でも、今なら分かる。
「人間の気配に敏感になっていたのね。住処を心ない人間に侵されて……」
あたしがそう独りごちたその時、壁時計のギミックが作動し、親指大のポッポが午後2時を告げた。
タケシさんが立ち上がり、後片付けを開始する。
「あたしもやります」
と申し出てはみたものの、タケシさんは初めてシチューをご馳走してくれた時と同様に、
キッチンに立つことを許してくれなかった。
これじゃあ、どっちが送る側なのか分からない。
ポケモンセンターの外は、冬の初めを思わせる冷たい風が吹いていた。
カエデを見るといつの間に取りに戻ったのか、黒のワンピースコートを羽織っている。
タケシさんがリュックを背負い直して言った。
「元気でな、リュウジ」
「父さんもね。あと、母さんに連絡取りすぎたら嫌われるから程々にね」
「子供はそんなことに口出ししなくていいんだ」
「僕はもう子供じゃないよ」
何気なさを心がけて訊いてみる。
「セキチクからヤマブキまでは、どれくらいの距離があるんですか?」
「タマムシからセキチクまでの三分の二くらいかな。
しかしサイクリングロードと違って舗装されていない道が多い分、
体感的には同じくらいだと思う」
支援
支援
「……そうですか」
カエデの流し目に気付いて、あたしは地面に視線を逃がす。
「ヤマブキって、この国の経済の中心だろ?
父さんみたいな野性的肉体派が行くと浮きまくるんじゃないかな」
「うるさいぞ。まったく、中身は母さんばっかりに似やがって。
俺がスーツを着たときに母さんがなんて言ったか知ってるか?」
「知らないよ。なんて?」
「あなたほどスーツの似合わない男はこの世にいない、とまで断言したんだよ」
「ははっ、母さんらしいや」
一頻り内輪話で盛り上がってから、タケシさんはあたしとカエデに向き直った。
「寒い中見送ってもらってすまない。
名残惜しいが、そろそろ時間だ。
俺は一足先に出発する。二人の旅の安全を祈ってるよ」
「ちょっと父さん、僕の分は?」
「あー分かった分かった。お前の分も祈ってる」
投げ遣りにそう言いながらも、タケシさんはリュウジの頭を力強く撫でていた。
……いいな。
不意に、胸が苦しくなる。
タケシさんがサファリパークの境界線に沿って歩き去るのを見届けてから、
あたしはリュウジの顔を盗み見た。
表情に憂いの色は混じっていない。
お父さんに会いたい――本気でそう思えば会えるという余裕が、リュウジにはあるんだ。
思ったけど、どこでタケシ出現したの?
あれ、タケシはヒナタがサトシの娘だって知ってるっけ?
なんか昔のサトシの話とかをするエピソードねーなー
今ふと思ったんだが、サファリゾーンじゃないか?
スーツだけのタケシはあれだが手に花束を持たせた瞬間
あら不思議! あんまり不自然じゃないよ! キャラ的な意味で!
>>586 ジム
>>587 知ってる
タケシが、血は譲れんな(?)みたいに言ってた
お前らちゃんと読んでんの?
そういや電ピカにあったな
スーツ着て花束代わりのラフレシアもったタケシの絵
お・ね・え・さ・ん!
確かにタケシはスーツ似合わなさそうだ
サングラスかけたら変わりそうだが
「リュウジくん、結局タケシさんがヤマブキに行く理由、教えてもらわなかったんだ?」
カエデの問いにリュウジは頭の後ろを掻きながら、
「はい、どんなに訊いても"仕事だ"の一点張りで。
父さんもケチですよね。息子相手に隠し事なんて。
ま、行き先を教えてくれただけでも満足するべきなのかもしれないけど」
「リュウジくんはついてかなくて良かったわけ?」
「いいんです。ヤマブキシティじゃ修行は出来ないし……。
しばらくはセキチクのポケモンセンターを拠点にして、野生のポケモンを相手にポケモンバトルを磨くつもりです」
「リュウジくん、一人で頑張れるの?」
「野宿のノウハウは旅の途中に伝授してもらったから、多分大丈夫だと思います」
「そ」
会話に飽きたのか、カエデは手に息を吹きかけつつポケモンセンターの中に戻っていく。
リュウジはタケシさんの消えた方向から目を逸らさない。
「あたしたちも中に戻りましょう?」
「あ、はい。そうですね」
「リュウジはいつ出発するの?」
すぐにでも出発します!
そんな威勢の良い返事が返ってくると思っていたら、
「うーん……そうですね……」
なんとも歯切れの悪い言葉が返ってきた。
「最初は、なんとなく父さんの出発と時間をずらすつもりでいたんですけど……。
カエデさんにはああ言いましたけど、いざ一人になると不安になっちゃって」
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 21:50:38.30 ID:HFRPXNh20
一ヶ月ぶり
スマン、sage忘れた
セキチクのジム?
セキチクのジムだろ
血は争えんな、だっけ…?
まとめサイトとこのスレに間があるのか・・・?
あっ、あそこか
ん?
いやいや待て待て。
あれはリュウジに対する言葉じゃなかったのか?
情けないですよね、と顔を伏せるリュウジ。
「あと一日くらいポケモンセンターで体力を温存して、
明日の朝に出た方がいいんじゃないかしら?」
緊張を解すつもりで言ったその一言が、結局、リュウジの出発を明日の朝に延期させることになった。
部屋に戻ると、カエデはベッドの上に座って備え付けのテレビを眺めていた。
「―――第二十七回ポケモンリーグにおける――の最有力候補はやはり―――」
「――やはり――が――妥当なところでしょうな―――」
「―――いやいや――先日の公式試合でAランクに昇格した――も捨てがたい――」
「――ランクだけが全てではありませんよ――私は――が今期のダークホースと睨んでいますがね――」
「――ご冗談を――彼女はランク外の新人だ――過大評価が過ぎますよ――」
ここのところ、来年の春に控えたポケモンリーグに向けた番組が増えてきている。
ピカチュウが奪われて以来、あたしは極力、ポケモンリーグの存在を意識しないようにしてきた。
第一に優先すべきはピカチュウの救出なのだと、自分に言い聞かせてきた。
でも、今こうしてポケモン評論家の議論を耳にしていると、不意にその意志が挫けそうになった。
……お父さんに会いたい。
頭の中で、封じ込めていた感情が疼き始める。
あたしはハンガーに掛けていたジャケットを手にとって、袖を通した。
「出かけてくる。夜までには戻るから」
行き先は昨日と同じ場所。
俺もリュウジに対するセリフだと思うんだが
wktk!
見てきた
>>600 15章上まとめにある
>>603 改めて見ると微妙だな
>君がヒナタだったのか
って言ってるけど、どっちのことを指してるかわからん
知っててもおかしくはないだろうが
そこは自分の解釈で考えるという作者の高度テクだよ!
>>608 >君がヒナタだったのか
『だったのか』って事は、旅の道中にリュウジから聞いた感じっぽいが・・・
だって前々からヒナタのことを知っているのであれば
>君がヒナタか・・・
って表現すると思わないか?作者なら
ま、この表現でも二通り。
サトシ関係者から聞いていた。若しくは、リュウジから聞いていて知っていたとも取れるが
ヒナタはニビでタケシを驚嘆させるようなことはやっていないわけだし
後者の場合は考えられにくいって事で
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 22:48:16.53 ID:FVZgpbky0
「待って」
カエデは苦しそうに声を絞り出した。
セキチクの手前で口論をして以来、
他の人がいる前ではそれまで通りに振る舞いながらも、
あたしとカエデの間には目に見えない溝が出来ていた。
それは日を追う毎に、あたしが焦りを増す毎に深くなっていって、
あたしとカエデの二人きりの時は、ほとんど会話が続かなくなっていた。
でも……それも今日でお仕舞い。
悪いのは全て、ゲンガーに正面から向き合おうとせず、
ピカチュウを探す手立てがなくなったという現実を受け入れられなかった、弱いあたし。
「あのさ、ヒナタ――」
言いかけたカエデを遮って、
「分かってる。分かってるから、何にも言わないで。
あたし、踏ん切りを付けたいの。その上で、カエデに色々話したいことがあるの。
だから……今だけは放っておいて」
終わり
寒気が酷い
ちょっと風邪を引いてしまったかもわからんね
それでは良いクリスマスを
サトシに関しては最重要関係者の一人だと思うんだがやけにあっさり去っていくのが気になる。
ヒナタの方からお父さんのことを積極的に聞かなかったからか、それとも今はピカチュウの事で
それどころじゃないからか。
乙!
乙ー
乙
良いクリスマスを送れていいな、作者
乙!
乙!
体お大事に
乙ぱい博士
クリスマスってなんなんだ?ポケモンのイベント?
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 23:04:51.13 ID:0PWsOkFu0
クリスマス・・・嫌な名前のポケモンですね^^;
622 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/23(火) 23:15:42.61 ID:/O8LhRfQO
>>621 妹の名前はクリスマスイブですね
わかりたくありません
外に人が全然いない……。
デリバート兄弟のせいだろ……。
>>622 妹はオドシシってポケモンらしいぜ
聞いたことないから新シリーズのポケモンだろうな
>>610 …?
なんか矛盾してる気がするが…
@リュウジがイワーク暴走させたからジムとかリュウジを通じて聞いてた
Aヒナタが旅に出る前に、カスミが知り合いに電話かけまくったって描写があったから
カスミから聞いてて昔から知ってた
Bこれからわかる
俺は可能性としてはBA@の順じゃないかなと
作者乙です!
再開の日を待ってるでニャース