ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
長編投下の際の注意

・超長編(もしくはSS職人)の場合はコテトリ付けようっ! でも住人の空気もよく読まないとだめにょろよ?
・前の文章とレスが離れてしまう場合は、文頭に安価つけてくださぁいですぅ……あの、お茶どうですかぁ?>>2←レスアンカー
・基本はお題フリーです。しかし、主に恋愛系(特にハルヒ)が人気の様ですよ。僕とキョンたんの恋愛話も大歓迎ですマッガーレ
・当初の題目は「キョン×ハルヒ」結婚ネタ……けど、今はほとんど皆無。別に時事ネタでなくてもいい…気にしないで
・キョン君、過度な性的描写はやめようね〜、タンスにエロビデ隠してるのハルにゃんに言っちゃうよ
・台詞や他者への呼称等、その人物に対する統一性は違和感が生じないように推敲が必須だね。もし不安であるのならば、まとめ等を参照すること。
・1行には全角120文字、1レスには最大30行まで入るけど、全角で2048文字の制限があるから気をつけて欲しいのね。
・要するに気楽に投下してくれ。メモ帳にまとめて投下、ってのがお勧めだな
・次スレは970以降、臨機応変に対応してくれ!無理なら他のヤツらに頼むってのもありだな…すまん!ごゆっくり〜
・スレが立ってから三日過ぎたスレッドは>>1000まで行かなくても落ちる……これは僕にとっても既定事項だ
・自分で投下した長編はなるべく自分で編集してください、わかりましたか?んん…!もうっ!
・それじゃ、さっさと投下しなさいっ! いい? あたしを退屈させたら罰金だからねっ!

DAT保管庫(停滞中) http://haruhiss.xxxxxxxx.jp/
新DAT保管庫+SS推薦 http://vipharuhi.s293.xrea.com/
新まとめサイト    http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/
DATうpろだ     http://www.uploader.jp/home/harussdat/
雑談所(避難所)   http://yy42.60.kg/haruhizatudan/
雑談所 携帯用    http://same.ula.cc/test/p.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 23:30:13.40 ID:NGmZLlGF0
=====業務連絡===========

・まとめwikiの管理人さんが忙しいから、せめて長編だけでもSS作者は自分でまとめなさいっ!
・「SS作者だけど自分ではまとめられん!」と言うヤツは「まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッド」に
 まとめ要請を書き込んでみるのも一つの手だな。
 まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッド
 http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1196380901/ PC用 
 http://same.ula.cc/test/r.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/1196380901/携帯用
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 23:31:23.63 ID:j2yFqR200
最速の>>1
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 23:33:29.38 ID:IQDUWG4sO
おつ!
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 23:39:46.85 ID:AaRGAB1N0
otsu
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 23:56:19.10 ID:IQDUWG4sO
即死回避
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 00:06:49.87 ID:MfAUs1bb0
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 00:09:16.39 ID:TCopm/5p0
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 00:14:02.26 ID:1+lpmUrc0
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 00:17:03.70 ID:PECp0RweO
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 00:18:55.58 ID:FcKtd9Fh0
あげ
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 00:28:06.27 ID:ZsSUy92V0
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 00:33:02.30 ID:IcKPCxJ40
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 00:49:58.30 ID:PECp0RweO
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 01:00:05.57 ID:xQIU2UMR0
ハルヒのおっぱいプリン
ttp://www3.omn.ne.jp/~pudding/
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 01:02:21.74 ID:xQIU2UMR0
   ───、.,,,___,,.ィ´~~ヽ'-、.,,_   _,.─
. \         ,,/ /    ヽ ヽ/ ̄ ̄
  \   / ,,/─´─────-、ヽ|        _\
   ヽ  / /´ /、,,,,,ノ ̄ ̄ ̄ ̄ \ヽ       \ ̄ロマンティックageるよ
    | /  //彡/    __,,.  |ヽ        ヽ
   _/  l|彡彡|   ___  |ミヽ      /ロマンティックageるよ
  / ヽ、  l|彡彡|  /二二´ヽ  |ミミ|      >
 /ヽ|l    |彡彡| /~ヽ___」~ヽ |ミミ|lヽ   _\ ホントの勇気 見せてくれたら
  /´l|     |彡彡|  |´────」 / |ミミl| |ヽ  \ ̄
  _|    |彡彡\、._ ´,\|l_、,,,ノミミ|| |ハ  ヽ ロマンティックageるよ
/  \  |彡ッ/──‐、ヽ≡- ,.──,,ミ.| |´ |   |
||i、    \/´       o,>┬<、o  ヽ/   |、.._| ロマンティックageるよ
|||l      ̄ ̄ ̄ ̄    ,,l     ̄ ̄   /|||||||||
|||l             ,,/ll''‐、、...,,      | ,/||||||||| トキメク胸に キラキラ光った
/           ,,iii||||||||||||  |||||||ii   !/── ヽ
、._ノ      ,/ii||||||||||||||||  ||||||||||ii、./     <  夢をageるよ
  \__/||||||||||||||||||||||||||||||||||||!!'、/'        \
     \||||||||||||||||||||||||||||||||||||||!!:'           /
       ':l|||||||||||||||||||||||||||||||!!'´             ̄\
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 01:35:10.18 ID:SOBNh3lfO
ほしゅ
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 01:46:23.78 ID:CagtL8aH0
 遠い昔、私にも居場所というものが存在した。
 ある一室の隅で、今と同じようにページをめくっていた。
 私はその時どんな本を読んでたのか、もう遠すぎて思い出すことはできない。
 それでも彼らと過ごした時間は一瞬の刹那たりとも忘れていない。
 会話、表情、心情。今でも鮮明に思い出すことができる。
 どんなに知識を増やしても、薄れることのない思い出。
 でも、もう私にはそれしかない。
 彼らも、彼らと過ごした時間ももう戻っては来ない。
 どうしてこのインターフェースには”老化”がなかったのだろうか。
 あるのはインターフェースを形成する情報の”解除”だけ。
 私が今を生きる理由として最も近い表現は惰性。
 ページをめくるためだけに時間を送っているようなもの。
 でもそれももうおしまい。
 今までに出版された本を読むのに人間の一生は短すぎる。
 私は一体何人分の人生を送ったのだろう。
 膝の上に乗せた本の最後の一行を読み終わり、私は本を閉じた。
 ……最期は彼らと過ごしたあの場所に行こう。



 マンションからでた私は、角を曲がるところで、少女と衝突した。
「ちょっと気をつけなさいよね!」
「おいおい、おまえが走るからぶつかったんじゃないか。すいません、娘が失

礼な言葉を。」
 ……似ている。
 私に居場所を作ってくれた人に。
 私に眼鏡はないほうが良いと言った人に。
「なによ、若いお姉さんにデレデレしちゃって。ママに言いつけるわよ」
「おいおい、父親を脅迫するんじゃありません。どうもすいませんでした。」
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 01:47:43.91 ID:CagtL8aH0
 彼らが立ち去ろうと背を向けた。
「……待って!」
 思わず呼び止めてしまった。
「何でしょう?」
「……どうかした?お姉さん」
「…………」
 うまく言葉が出てこない。
「お姉さん、そこのマンションの人?」
 少女がマンションを指差した。
 私は一度、コクンとうなずいた。
「すっごーい! あそこってすごいお金持ちが住むとこでしょ?」
「こらっ、失礼だろ」
「あーあ、あたしもあんなとこに住んでみたいなー」
「…………」
 思わず見とれてしまう。
 私は少女の頭を撫でた。少女はくすぐったそうに目を細める。
「可愛い」
 私は二人を見ながら言った。
「あら、お姉さんもなかなかのものよ」
「調子に乗るな」
 少女が男性に小突かれる。
「…………」
 目の前の二人は背丈こそ違うものの、顔つき、声、表情、彼らとそっくりだった。
 会話を続けなくては彼らが行ってしまう。
 私は自分とマンションを指差し、
「……長門有希。もしよかったら……」

 おわり
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 02:43:47.94 ID:YfsF04QM0
GJ!
いいね、
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 02:47:58.53 ID:ItF+zQrnO
キョンが親でハルヒが娘ってのはめずらしくておもしろいな
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 03:59:56.04 ID:HzBQjosAO
ほぅ
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:30:02.99 ID:SOBNh3lfO
保守だ。
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:36:55.53 ID:Q3nMeIq60
>>19
長門を見てわからなかったからハルキョンの息子と孫娘かな?
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 07:10:51.05 ID:Yx1XyDMi0
保守だ
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 08:14:59.78 ID:CxVFxNkc0
月曜日に休める。
それはきっととても素晴らしいことなんだ











俺は今から出勤だがなっ!!
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 09:06:32.71 ID:Y41dsphhO
祝日が休日とは限らないうちの会社だが今日は休日保守
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 09:31:50.86 ID:YAZ43CfnO
もう書いてて嫌になったから投下する
推敲ってなにそれ?おいしいの?
29秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:33:05.23 ID:YAZ43CfnO
秋も深まり、木枯らしが吹きコートを着る人が目立つ季節になった
今日は一段と冷え込むなと思い部室の窓から外を見上げれば、案の定である
暗く厚い雲が空全体を多い、ロマンチストがいう神様の涙とやらが今にも流れ落ちてきそうだ

やれやれ……まったく泣きたいのはこっちのほうだ……

朝の晴れ晴れとした澄んだ青い空を思い出し俺はため息をついた

「ため息なんかついてどうしたのキョン?」

スティック状のチョコ菓子を口にくわえ、ファッション雑誌をパラパラめくりながら、この部室の主である涼宮ハルヒが俺に問いかけてきた

おいおい……ハルヒさん、えらくフリーダムにくつろいでらっしゃいますね……

俺は今更ながら、その自宅にでもいるかのような自由な振る舞いにある種の尊敬を抱いた

「なんか雨が降り出しそうなんだよ」

「ふーん、あらそう」

思った通りというかなんというか、やはり興味のないことには話を続ける気はないそうだ

ハルヒ、もう少し社交性とやらを身につけたらどうなんだ?

そんないつもと変わらないハルヒを尻目に俺は暖房器具のスイッチをつけ、その近くに椅子を置き座った
30秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:34:39.87 ID:YAZ43CfnO
「お茶です、どうぞ」

「ありがとうございます」

いつものようにメイド姿の天使、朝比奈さんがみんなにお茶を入れてくれる
とくに今日みたいな寒い日に入れてくれるお茶は格段においしく感じるだろう

「朝比奈さん今日もおいしいですね、体が暖まります」

「ありがとうキョンくん」

天使のような笑みに再び癒され心に温もりを感じながら、俺はズズっとお茶を啜った
そしてハルヒの冷たい目線にも気付かず朝比奈さんと談笑していた

それからはなにをするでもなく普段通り、本を読んだり古泉とテーブルゲームをしたりして過ごしていた

「今日は解散ね、あとはよろしく」

一時間もそんなぐだぐだとした時間を過ごし、ハルヒ、長門、古泉は帰り部室の中は俺と朝比奈さんだけになってしまった

俺もそろそろ帰ろうかなと思い、雨の様子が気になり窓の外を見た

ああ……やはりな……神様はポロポロと泣いてらっしゃる

これぐらいの雨ならダッシュでコンビニに行って傘を買えばあまり濡れることもないか……

濡れながら強い風に吹かれる寒さを想像し、俺は再びため息をついた
31秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:36:54.14 ID:YAZ43CfnO
「降ってますねー、雨」

気が付くと隣で朝比奈さんがちょこんと窓の外を覗いていた

「…この寒い日にいやなもんですね、朝比奈さんは傘持ってきてますか?」

「ちゃんと持ってきてましたよ」

外の雨はかなり強くなり、運動部が片付けを始め、部室に避難しようとしていた
見ているだけで寒くて哀れな姿だ
神様ってやつは本質的に無慈悲で自己中なやつなんだろう

「キョンくんはちゃんと持ってきてますか?」

「残念ながら持ってきてないんです」

「ええ!?どうするんですか?」

朝比奈さんは当然俺が持ってきているものだと思っていたのであろう
その愛くるしい黒目を丸くして驚いていた

「走ってコンビニでビニール傘でも買おうかなと…」
俺がそう答えると朝比奈さんはしばらく考えこむようなそぶりを見せ、しばし空白の時間が流れた
32秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:39:00.34 ID:YAZ43CfnO
「……わたしと一緒で良かったら傘貸しますよ……?」

顔を俯きながら朝比奈さんは、小声でたしかにそう言った

「……えっと良いんですか?俺なんかと一緒で」

思いがけないその言葉に半信半疑になりながらも、胸は正直なもので鼓動を速めていた

「……キョンくんだから良いんです」

返事の声は本当に小さく近くにいても聞き取りづらいぐらいであった
そして朝比奈さんはさらに顔を俯かせる
よく見ると少し顔が赤くなっているようだ
そういう俺も紅葉のように顔が真っ赤になっているわけだが

「……すみません!よろしくお願いします!!」

興奮して頭が混乱している俺は思わず頭を下げ刑務所の模範囚も見取れるぐらいの角度で礼をした
誰かが見ていたら爆笑するだろうお間抜けぶりだ

「いえいえ!そんな!!こちらこそよろしくお願いします!!」

俺の思わぬ行動に朝比奈さんも頭が混乱したのだろう
俺と同じようにその小さい頭をぺこりと下げた
33秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:40:30.01 ID:YAZ43CfnO
「って……なに緊張してるんですかね俺達?ははは」

「……なんででしょうね?ふふふ」

俺と同じくして朝比奈さんもこの緊張している場面が可笑しいことに気付いたらしい
緊張が解けた俺達は二人顔を合わせて笑いあった

そんな恥ずかしいやり取りをしながら俺と朝比奈さんは玄関まで降りていった

「……あっ」

朝比奈さんがまたもや目を丸くして驚いている
さっきと違うのは眉や口元に緊張が見て取れることだ
朝比奈さんの視線を追えば、その驚きの原因だろうものがわかるだろう

それはつまりハルヒだった

もう帰ったであろうハルヒが何故か玄関先で壁にもたれかけ携帯をいじっている
しばらく俺達が固まっているとハルヒもこちらに気がつき、携帯を閉じた
34秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:42:09.08 ID:YAZ43CfnO
「あら、キョンにみくるちゃん今から帰り?一緒に帰るの?」

何故かハルヒは少し努調の篭った声で問い掛けてきた
その様子に怯え、朝比奈さんはものすごく答えにくそうにしている
つまり俺が答えるしかないのだろう

「ああそうだ、お前はこんなところでなにやってるんだ?」

俺の答えにハルヒは少し眉をひそめた

「なにしてたっていいじゃない……」

ハルヒは目線を下に落としかなり不機嫌そうに話した

「傘がないから、朝比奈さんに入れてもらうんだ、お前は傘持ってきてるのか?」

ハルヒはその俺の言葉を聞き一瞬泣き出しそうな表情を見せ、顔を俯かせた

「……持ってるわよ」

ハルヒはさっきの不機嫌な声とも違う、なにかを諦めたような蚊の鳴くような小さな声で呟いた

「…なんで泣きそうな顔をしてるんだハルヒ?」

この時、俺にはハルヒがなんでここにいて、なにがしたいかなんて理解できなかった
35秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:44:04.26 ID:YAZ43CfnO
「泣きそうな顔なんかしてないわよ!!とっととみくるちゃんと一緒に帰りなさいよ!!」

今度は一転してハルヒは怒り出す
でもその顔はいつものハルヒの怒った顔ではなく、涙を堪えたような悲しさを我慢している顔だった

「…分かったよ、お前も今日は寒いから風邪をひかないうちに帰れよ」

俺はどう対処していいか分からず、なにも喋らずに押し黙っているハルヒを横目に別れを告げ、朝比奈さんと玄関を出た

神様は号泣と言って良いレベルで涙を流していた
さっきとは比べものにならないくらい遥かに激しく雨が降り、大きな雨粒が地面を叩きつけている

「…キョンくん濡れるからもっと近くに寄ってください」

体が触れ合うほど接近して俺達は坂を下る
朝比奈さんの白い息が手にかかり、鼓動がまた急激に高まる
しかしその胸の高まりとは逆に、あの悲しそうなハヒの顔が頭から離れず心の中は冷めていた
36秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:45:13.39 ID:YAZ43CfnO
「………くん………ンくん!!」

「キョンくん!!」

「は、はい!?」

「やっぱり話聞いてなかったんですね…もうっ!」

気が付くと、本気ではないのだろうが朝比奈さんはほほを膨らませ、怒った表情をしていた

「す、すみません」

「そこのバス停の屋根の下で、少し雨宿りしませんか?」

指している方向を見ると、少し古そうな木製で作られた屋根つきのバスの待合所があった

「雨が強すぎるからそのほうが良いみたいですね」

俺と朝比奈さんはその下に行き、濡れていない中のほうのベンチに座り、その下に荷物を置いた
ふとハルヒが携帯をいじっていたことが気になり、俺は自分の携帯を開いてみた
三件のメールが届いていた
37秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:46:28.55 ID:YAZ43CfnO
メールの差出人は全てハルヒ

『雨心配してたけど傘持ってないのよね?
貸してあげるからはやく来なさい』

『何分待たせる気なの!! はやく来ないと先に帰るわよ!!』

『メールに早く気づきなさいよ!!
この鈍感バカキョン!!』

時間を見る限り最後に送られたメールは玄関で会ったあの時に送られたものだったんだろう

ハルヒはあんな態度を取ってなにも興味がないふりをしていながら、俺のことを心配していてくれていたのだ

「朝比奈さん、すみません!少し用事ができました!!」

「えっ?キョンくん?」

ハルヒの好意に気付かず無下に振る舞った自分が情けなくなり、俺は土砂降りの雨のなか再び学校に向かい走り出した
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 09:47:53.73 ID:YfsF04QM0
祝日……それは135%の甘美な響き
39秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:47:59.92 ID:YAZ43CfnO
ハルヒがすでに帰っているだろうことは承知だった
それでも俺は俺を見ていてくれたハルヒにありがとうって会って伝えたかった
そのことに気付かなくてごめんって一言謝りたかった
その一心に俺は大粒の雨粒と強い風に体を晒し、びしょ濡れになりながら足を進め
息も絶え絶えになりながら坂を上りきりようやく学校についた

やはりハルヒはさっきまでいた玄関先にはいなかった
外から部室のほうもチラっと見ておいたが、電気がついておらず人のいる気配は皆無だった
ああやはり帰ったんだよな……と諦め、タオルで雨で濡れた髪を拭こうと失望の思いで部室に向かった
部室のドアを開ける音が誰もいない校内に響く
部室の中は最初は誰もいないかのように思えた
雨が窓を叩く音しか聞こえない暗い静寂の世界に包まれていた
しかし電気をつけてみて、椅子に腰をかけハルヒがかすかな寝息を立て眠っていることに気がつく
驚きよりそこにハルヒがいる安堵感が俺の心に溢れた
俺はハルヒを起こさないようにそっとドアを閉め、風邪を引かないようにと暖房器具をつけた
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 09:50:01.21 ID:YfsF04QM0
って投下きてたorz
41秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:50:24.79 ID:YAZ43CfnO
ハルヒの寝顔をよく見ると目元には涙が伝った跡らしきものがあり、見ているこちらが悲しくなるような顔で眠っている

「ごめんなハルヒ、それとありがとうな……」

そう言いながら、俺は寝ているハルヒの頭を撫でた

暖房器具が部屋を暖めるにつれ、ハルヒの寝顔も徐々に柔らかくなる
それから間もなくしてハルヒは起きた

「キョン……」

「起きたのかハルヒ」

寝ぼけ眼で目をさすり俺を見るハルヒは少し間が抜けた顔で可愛いく思える

「……なんで?」

「お前と一緒に帰ろうと思ってな」

いまだ状況を理解していないハルヒはキョロキョロと周りを見ていた

「あれ、みくるちゃんは?」

「先に帰ってもらった」

ハルヒはまだなにか考えこむような顔をして、俺をじっと見ていた
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 09:50:38.71 ID:YfsF04QM0
支援
43秋のある放課後:2008/11/24(月) 09:52:06.49 ID:YAZ43CfnO
「……そっか」

「もう遅いし帰ろうぜハルヒ」

「うん」

最後にようやくハルヒは少し明るい声で返事をした

外を出るとさっきまで土砂降りだった雨は完全に上がっていた
坂の上の学校では、秋の夜空が近くで見通せる
見上げれば光り輝く月とその周辺を彩る数々の星が俺達を優しく照らしてくれていることに気が付く

「ねえキョン?メール見た?」

「ああ」

「ごめんねキョン、それとありがとうね……」

秋の夜空の下、その柔らかな星明かりと同じようにハルヒは俺に微笑みかけた

44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 09:52:57.37 ID:YfsF04QM0
乙!
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 09:59:05.86 ID:bzWWzSzE0
乙!
ハルキョンいいなぁwほのぼのできる
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 10:31:18.10 ID:Y41dsphhO
乙でございます

ちょっと関係ない話題で恐縮だが、この短時間に10レス以上投下してさるにならなかったのがすごいと思った
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 10:50:34.60 ID:bzWWzSzE0
確かに。
今のさるはホントに何がしたいのかよくわからん。
5分おき投下でもさるになる時があるみたいだし。
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 11:34:22.17 ID:PECp0RweO
さるさん嫌いほ
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:19:49.20 ID:HzBQjosAO
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:44:36.92 ID:1+lpmUrc0
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 13:08:53.28 ID:PECp0RweO
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 13:27:46.54 ID:Z1x2LIpcO
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 13:44:17.69 ID:1+lpmUrc0
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 14:03:32.39 ID:PECp0RweO
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 14:33:21.45 ID:PECp0RweO
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 15:01:05.49 ID:PECp0RweO
続き知らね…
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 15:42:22.01 ID:HzBQjosAO
そんな日もあるさ
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 15:47:08.19 ID:H0XLjGTG0
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 16:08:41.75 ID:PECp0RweO
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 16:30:50.33 ID:PECp0RweO
iPod「何を見てるの」
部長「最新ニュースのチェックさ。これも新しいシリーズが出たのか…」カチッ
iPod「日進月歩の世界だからね」
「新型は高い、かといって旧型は機能面で劣る」カタカタ
iPod「一概には言えないよ」
「確かに。…これはデザインが微妙だな」
iPod「……」
「……」カチカチッ
iPod「充電終わったよ」
「ま、買い換える予定は無いがな」
iPod「なんで?」
「そりゃあ、まだ使えるからさ。壊れてないし」
iPod「じゃあ、壊れたら?」
「その時は買い換えるかもしれないな。今のご時世、修理の方が高くつく」
iPod「嫌だ」
「ん」
iPod「嫌」
「分かったよ」
iPod「ありがと」


まともなネタが浮かばない
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 16:54:38.55 ID:Ss/0QiHZ0
乙w 
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 17:10:39.16 ID:YAZ43CfnO
なんかお題くれ
小難しくないやつ
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 17:23:21.26 ID:SOBNh3lfO
>>62
こたつ
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 17:29:07.67 ID:YAZ43CfnO
了解
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 18:00:18.76 ID:SOBNh3lfO
保守
66お題『こたつ』:2008/11/24(月) 18:07:10.61 ID:YAZ43CfnO
ついに…ついに…わが家にもあの冬の最終兵器を出す出番が回って来たようだ
一度はまれば蟻地獄のごとく抜け出すことができない魔性の兵器
籠に蜜柑なんて入れて、ひざ元に猫なんかいたらもう核兵器のごとき威力だろうそうコタツだ
「……ふふふ」
不適な笑みを浮かべながら、そろそろと足を入れる俺
端から見れば、電車で可愛い女の子のお尻を触ろうとしている痴漢のごとき危うい顔をしていたのだろう
「キョンくん気持ち悪ーい」
振り返るとその声の出し主我が妹がシャミセンを抱えて立っている
「……ふふふ、まあまあお前も入れ入れ」
「わあ!ミカンだあ!!」俺の言葉も聞かず、コタツに目もくれず、妹は一直線に蜜柑に手を出す
俺にはもう失ってしまった若さってやつに溢れてるんだろう……全く羨ましい限りだ
そんな妹を横目にテレビを見ていると眠気にまどろんできた
瞼が重たくなりうとうととしてくる
遠くに聞こえるのは石焼き芋の宣伝スピーカーの音
ああ……どうせならうるさいハルヒじゃなくて朝比奈さんが出てくる夢が見たいな……
そんなことを思いながらついに俺は夢の中に落ちる
ある冬の昼下がり
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 18:31:05.92 ID:PECp0RweO
お題乙

アナル落下…
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 18:31:26.28 ID:SOBNh3lfO
乙!
だが、尻穴アッー!
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 18:32:29.16 ID:HzBQjosAO
尻穴アッー!
ちょっと飯食ってる間に…
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 18:37:34.23 ID:1+lpmUrc0
こたつ、みかん、ぬこ。
日本の冬における三種の神器。
ペット禁止など、都合でぬこを用意できない場合、次点でなべ。
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 18:43:09.72 ID:4e58XoTo0
こたつにみかんは必須だ
だが多すぎるみかんは困りものだ……
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 18:51:36.20 ID:PECp0RweO
>>71 気付いたらなくなっている不思議
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 19:18:40.58 ID:HzBQjosAO
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 19:40:01.74 ID:zkz9B5RS0
こたつにアイスも中々……
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 19:45:47.35 ID:Z1x2LIpcO
ハルヒ「アナル、いじめ、シュールのSSはここまで来なさい!」
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1227523304/
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 20:05:02.64 ID:zkz9B5RS0
乙。
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 20:30:02.27 ID:zkz9B5RS0
ほしゅ
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 20:50:13.80 ID:SOBNh3lfO
保守
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 21:10:02.01 ID:zkz9B5RS0
ほっしゅ
80保守変わり:2008/11/24(月) 21:21:48.07 ID:YAZ43CfnO
キョン「……なあハルヒ?萌えというものについて俺も本気出して考えてみたんだが」
ハルヒ「珍しいわね、ちょっと聞かせてみなさい」
キョン「朝比奈さんからまず考察してみるとしようか」
みくる「ふぇ?私ですかぁ!?」
キョン「それ!!その舌足らずの口づかいです!!萌えポイントその1!!」
みくる「ふえぇ!!?」
キョン「萌えポイントその2!ここにこれを置く!!」
みくる「ふぇ?バナナ??……もうキョンくん!!そんなんで私が転ぶわけないじゃないですか!!」
キョン「……くくく、かかりましたね朝比奈さん!!しゃがみ込んだスカートの間から純白のパンツが見えてますよ!!」
みくる「ふええぇぇぇ!!!???」
キョン「これこそ萌えポイントその2!!天然ドジっ娘属性!!!」
ハルヒ「……あんた誰の許しを得てみくるちゃんのパンツ見てるのよ」
キョン「痛い!!痛い!!耳を引っ張るなハルヒ!!!」
ハルヒ「ほらみくるちゃんを見てご覧なさい!泣いてるじゃないの!!」
みくる「うぇええええん!!」
キョン「そこ大事!!ドジっ娘の涙は萌えポイント高いですよ朝比奈さん!!!」
みくる「うぇえええええええええん!!!!」
ハルヒ「全く呆れたわね……」
キョン「ふふふ甘いぞハルヒ!!朝比奈さんはまだ最終奥義を隠している!!」
ハルヒ「……なによそれ??」
みくる「うぅ……しくしく……」
キョン「朝比奈さんからかうようなマネをしてすみませんでした……このハンカチ使ってください」
みくる「……しくしく……中になにか入ってますよ?……キャンディ?食べていいんですか?」
キョン「お詫びの印です……気に入って貰えればいいんですけど」
みくる「……ふふふ……ありがとうキョンくん……」
キョン「はいきたー!!ドジっ娘の涙のあとの笑顔!!!これぞまさに最終奥義!!ドラクエで言えばギガデイン!!FFで言えばバハムート!!!」
みくる「……ふぇええ??」
ハルヒ「……あんたにはついていけないわね」
キョン「次に機会があれば長門編をするとしよう」
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 21:23:46.44 ID:YAZ43CfnO
sage忘れたw恥ずかしいww
しかも変わりじゃなくて代わりだしwww
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 21:45:02.13 ID:zkz9B5RS0
ハイテンションwww
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 21:58:34.31 ID:PECp0RweO
キョンがうぜぇww
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 22:25:02.41 ID:zkz9B5RS0
ほしゅ
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 22:45:01.25 ID:PECp0RweO
ゅしほ
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 23:03:21.11 ID:rNt8VQCn0
87キョンの萌え講義 長門編その1:2008/11/24(月) 23:06:32.04 ID:YAZ43CfnO
キョン「さてみんなが楽しみに待っている長門について考察するとしようか」
ハルヒ「……誰が待ってるのよ」
キョン「細かいことは気にするなハルヒ!!」
ハルヒ「……で有希の萌えってなによ?」
キョン「これが奥が深くて1レスには収まりそうにないんだよな」
ハルヒ「あんたがダラダラ前フリしてるからでしょ!!」
キョン「長門の萌え要素はずばり無口な部分にある!!例えば今読んでいる本をパッと取り上げる!!」
長門「……」
キョン「こうするとこのように長門は無言で俺を見上げる!!」
ハルヒ「可哀相でしょ!早く返してあげなさいよバカキョン!!」
キョン「まあ待て!!この次の行動が肝だ!!」
長門「……」
キョン「見ろハルヒ!!長門が無言で立ち上がってこっちを見ているぞ!!この意味が分かるかハルヒ!?」
ハルヒ「……分からないわよ」
キョン「これはつまり怒ってるんだ!!」
ハルヒ「そりゃ怒るに決まってるじゃない!!」
キョン「そこでこの本を返してあげるわけだ」
長門「……」
キョン「そうすると再び座って本を読もうとする!!この時長門は内心ホッとしている!!だが俺は甘くない!!再びこの本を取り上げてやるっ!!!」
長門「……」
キョン「ほら見ろハルヒ!!こうやってまた長門は無言で俺を見上げるだろ!?」
ハルヒ「もうやめてあげなさいキョン!!有希も本気で怒るわよ!!!」
88キョンの萌え講義 長門編その2:2008/11/24(月) 23:07:57.84 ID:YAZ43CfnO
キョン「チッチッチッ!!甘いなハルヒ!!この次はこの本を返さない場合を良く観察するんだ!!」
長門「……」
長門「……返して」
キョン「はいきたー!!無言の後にくる言葉の重み!!!これこそ長門の萌え技だ!!ドラクエで言えばバイキルト!!FFで言えば……思いつかん!!!」
ハルヒ「……もうわかったから早く返してやりなさいよ」
キョン「待て待てハルヒ!!良く見るんだ!!いつも無表情な長門の今の表情を!!」
ハルヒ「……なにも変わらないじゃない」
キョン「はぁ……これだから素人は困る……眉の角度と口元の角度がほんの僅かに下がっているだろ?長門は悲しんでるんだよ」
ハルヒ「もうっ!!だったら早く返しなさいよ!!」
キョン「良く見とけハルヒ!!これが長門の最終奥義だ!!!」
ハルヒ「……もうなによ」
キョン「からかって悪かったな長門……本返すから怒らないでくれ」ナデナデ
長門「……」
キョン「見たかハルヒ!!!!!」
ハルヒ「はぁ?」
キョン「ちゃんと長門の表情を見たか!?あの悲しみに溢れた表情から喜びに溢れた表情に変わるのを!!!」
ハルヒ「……だから分からないわよ」
キョン「まあ長門は高等レベルの萌えだからな!!ハルヒごときには分かるまい!!」
ハルヒ「喧嘩売ってるみたいね……キョン」
キョン「怒るな怒るな!!次に機会があればハルヒ編をやってやるから」
ハルヒ「……やらないでいいわよ」
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 23:10:14.17 ID:AQTZDGC60
谷口「FFで言えばバッカスのさけだ!」
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 23:25:06.83 ID:zkz9B5RS0
もうダメだこのキョンwww
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 23:37:39.32 ID:ijSHo0BtO
>>88
この調子で全キャラ制覇してくれwwwwww
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 23:57:35.16 ID:SOBNh3lfO
キョンwww
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:02:54.65 ID:7mgA43r50
今日はたくさん読めて楽しいなあ
では自分も
題名は「another√」です
お手柔らかに
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:03:10.93 ID:7mgA43r50
戻ることができなくなった。

俺はお遣いで家に戻る事が困難になる程子供ではない。
彼女と戻る事の出来ない関係になる程大人でもない。
俺は、俺のいた時代に戻る事が出来なくなった。

空に数多の星が輝く七夕の夜、俺達は三年前の七夕へと向かった。
目的も場所も、そして時間も。
何一つ知らされていないそのツアーの参加人数は2名。
あどけない笑顔を持つ先輩と、俺の二人だ。

ツアーの内容は現地で説明された。
最も目的地に到着した途端、先輩は子供の様な寝顔でぐっすりと眠り込んだけどな。
変わりに現れたのは俺の横でスヤスヤと寝息と立てている先輩、
その先輩の未来の姿をしたツアーガイドだった。
しかしそのツアーガイドも次の目的地だけ伝えると、
大きな荷物を俺に押し付けたまま笑顔一つ残し消えてしまった。

ひと一人背負っている感覚はない。
それほどに彼女の重みは感じなかった。
ただ背中の感触を考えるとそうも言ってはいられない。
さっさと目的地につくのがいいだろう。
・・・ゆっくり歩いているのは彼女を起こさないためだ、決して疚しいことなどない。
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:03:28.68 ID:7mgA43r50
意外と早く目的地に着いた。
目的地に着いた俺達を出迎えたのはツアーガイドではなくよく見知った顔だった。
いや、少し幼いか?背丈は俺の知っているやつより小さい。
そいつは今からグラウンドに白線を引くのだという。
その小さな体では用意された量の白線を引くのにはかなりの時間を要するだろう。
俺は背中に背負った先輩を寝かせ、その役目を買って出ると、そいつの指示通りグラウンドに線を引いた。
一通り引き終えると俺は聞いた。
これは織姫と彦星宛のメッセージなのか?
暗闇でよく見えなかったが、そいつは驚いたような顔をして言った。

「よく分かったわね。何で分かったの?」
まあお前によく似たやつがいるからな。
(・・・つーかお前だけどな。)

「へぇ、その制服北高よね・・・北高かぁー。」
心の中で突っ込む。北高に来てもそんなやつはおらん。お前以外はな。
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:04:21.77 ID:7mgA43r50
「じゃ、私帰るから。」
意気揚々と帰っていく少女。
俺のやるべきことはこれだったのか?
拍子抜けしたが、何にせよ俺の役割は終わった。
あとは家に帰って、妹の織姫と彦星のラブロマンスストーリーを聞けば今年の七夕は終わりを告げる。
俺は置き去りにした彼女を背負・・・いない。
確かにそこに寝かせていた先輩は初めからいなかったかのように姿を消していた。
困った。いや困ったなんてレベルじゃない。
ポケットには財布だけしか入っていなかった。
あるはずのよく分からない短冊もいつの間にか無くなっていた。
俺は先輩によってここに連れてこられた。
先輩が居なければあの時間に戻る手立てなんて一つもない。
俺は今、完全に独りである。

何をするでもなく団地の中を歩き回った。
我が家に帰ることも出来ない。なぜならそこにはこの時代の俺がいるからだ。
この時代に俺の頼るべき人間はいない。一人を除いては。
その一人も俺を置いてどこかへ行ってしまった。
そりゃないぜ。ほんと・・・。
ふと見上げた空には俺をあざ笑うかのような満天の星空。ちょっと泣けてきた。
涙の溜まった両目で見上げた星空は、まるで天の川が波打っている様だった。

「あんた、何してんの。」
不意に声をかけられる。
俺は涙を拭い振り返った。
そこにはさっきまで俺をこき使っていたやつ。今回俺がこちらにきた目的であろうやつが立っていた。
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:04:50.64 ID:7mgA43r50
「何、泣いてんの?」
ぶっきらぼうに聞きやがる。そりゃ泣きたくもなるさ。
帰る場所がない。
今までぬくぬくと生きてきて、いきなり寒空の下に・・・まぁ寒くはないが、放り出されたんだ。
俺だって人並みに家が恋しくも思うさ。
俺は適当な否定の言葉をそいつに投げつけた。

「もしかして、帰る所がないの?」
いきなり確信をつきやがる。
こういう所もまるで変わってないんだな。
今度は肯定だ。俺は小さく呟いた。

「そうなんだ。じゃあ家にくればいいじゃない、決定ね。」
驚きの回答。いやいや、そりゃ駄目だろ。
俺からすればお前は一応知ってるやつだが、お前からすれば俺なんて赤の他人だ。
そんなやつを家に連れて行くなんて持っての外だ。
俺はその手の事を中学生ハルヒに話す。

「大丈夫よ、あんた手伝ってくれたし。それにあんた面白そうだし。」
いいから着いて来なさい!そう言ってハルヒは後ろも振り向かずに歩き始めた。
路頭に迷っていた俺はその提案に乗る他、なかった。

ハルヒの家に着く。
普通より少し大きめの家で、恐らく家族がリビングにいるのだろう、明かりが着いている。
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:05:16.37 ID:7mgA43r50
「静かに着いてくるのよ。」
ハルヒはこっそりと扉を開け、自室のある二階へと誘った。
ハルヒの部屋は驚くほど普通だった。
禍々しい標本やら、奇妙奇天烈な魔方陣なんかがあるものだと思っていたが、
ポスターなんか貼ってあって、実に中学生らしい部屋だ。

「何じろじろ見てんのよ。」
そういってハルヒは扉を閉めた。
お前にしては女の子らしい部屋に住んでるんだな。・・・なんて言えない。
俺はこの時代ではジョン・スミスってことになっている。

「いい、私は今からご飯を食べてくるからあんたは静かにしてなさい。絶対引き出しとか開けちゃ駄目よ。」
俺もそこまで馬鹿ではない。
それに俺に中学生の引き出しを覗くという趣味はない。
俺は途中コンビニで買ってきたおにぎりを頬張りながら適当に返事をした。

食事を終えたようだ。ハルヒは急いで自室へと戻ってきた。
戻ってきたハルヒは妙に上機嫌だった。
ハルヒは俺に北高について質問した。
俺は北高について・・・主にSOS団について話してやった。
もちろん部長の名前は伏せてだが。
ハルヒは食い入るように俺の話を聞き、目を輝かせた。
計画してんのはほとんど数年後のお前なんだがな・・・。
俺達は夜が明けるまで語り明かした。

早朝、俺はハルヒの家を出た。
ハルヒは数時間だけ寝て、学校に行くそうだ。
若さというか、持ち前のパワーというか。
俺はまた何をするでもなく町へと繰り出した。
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:06:08.28 ID:7mgA43r50
静かに眠れる場所を求め、街中を歩いた。
懐かしい店を見つけ、寄ってみようかと思ったが、
眠気には勝てず俺は自分の塒を探すように歩き続けた。

結局良い塒は見つからなかった。
公園のベンチに横になり、俺は意識を失うように眠りに落ちた。
やけに心地よい。
夢の中で誰かが俺の髪を撫でた。
その優しい声になぜか安心しきった俺はどんどんと眠りの海の深層へと落ちていった。

どのくらい眠っていたのだろう。
空はすでに薄暗くなっていた。
どこからか救急車のサイレンの音が聞こえる。
ふと俺の頭の横に紙が置いてあるのに気がつく。
その紙は、俺がこの時代に来る前に渡された短冊だった。
確か無くしてしまってたはずなのに・・・。

・・・。
その時俺に一つのアイディアが浮かんだ。
これならうまくいく。
俺は確信とそのアイディアを胸にしまい、この時代のハルヒの家へと向かった。

ハルヒは家の前に立っていた。
俺を待っていてくれたのか?可愛い所あるじゃないか。
俺は走って近づく。
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:07:32.98 ID:pDaB8RgHO
おやすみ支援
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:08:38.85 ID:7mgA43r50
「あんた・・・何処行ってたのよ。」
あれ・・・怒ってる?
ハルヒは地面を見ながらプルプルと震えている。
これはそうとうまずい。
俺は殴られるのを覚悟でそっと顔を覗いた。

ハルヒは泣いていた。
小さな手で必死に目を擦りながら、ハルヒは泣いていた。
俺は慌てた。なんで、どうして。
ドラマなら彼女をそっと抱きしめる所だろう。でも俺にはできなかった。
俺には慌てる事しか出来なかった。

「いなくなったかと・・・思ったじゃない・・・。」
中学生とはとうてい思えないほど整った顔をくしゃくしゃにした泣き顔は、
見たものすべての心を奪ってしまう程、綺麗で儚くて。
触れれば壊れてしまいそうなその表情は、時を忘れさせるほど俺を夢中にさせた。
ただ今の俺は彼女をより泣かせる言葉しか持っていなかった。
帰る所が見つかったと言えば、当分会えなくなることを悟るだろう。
ハルヒはこういう感だけは冴えている。
そうすれば恐らく彼女は泣く。
俺は黙ってハルヒの前を立ち去る決意をした。
あの頃に戻ればまた会える。
だからもうその涙は見たくなかった。
俺は静かにハルヒに背中を向ける。
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:08:55.02 ID:7mgA43r50
「あんた・・・彼女いるの?」
小さく震えた声が背中を通して俺の心に突き刺さった。
俺は振り返らずに答える。

「いや、いねえな。」

「じゃあ、今日からあたしがあんたの彼女よ。」
その言葉は俺の涙腺を激しく刺激した。
なぜだかよく分からない。
寂しいのか、嬉しいのか。
この感情が何のか。
今の俺には知る必要がないような気がした。
この気持ちの先は、戻ってから確かめればいい。
俺はボロボロ落ちる涙を拭いその場を走り去った。

「ああ、4年後に会おう。」
その言葉をに小さく置き去りにして。
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:09:11.28 ID:7mgA43r50
こちらに戻ってこれた俺は、何事もなかったかのようにニヤけ面の男とチェスを打っている。
昨日ぐっすりと眠っていた先輩には今日、何度も何度も謝られた。
誤作動で自分だけ帰ってきてしまったとの事だが、本当のところはよく分からない。
ただ俺は、あの時代に取り残されてよかったと思っている。
中学の頃のハルヒを少しだけでも知る事ができた。
それにハルヒの女の子らしい部屋も見れたしな。
俺は一枚のしおりの様な物を見て、憂鬱に浸っているハルヒに話しかけた。

「ああ、これね。何年前かな。ある男のポケットからすったの。」
よく見るとそのしおりは紛れもなく俺が一度無くした短冊だった。

「学生証とかないかなと思ってすったんだけど。これ、何の形かしら。見覚えはあるんだけどなー。」
それは中学の時お前が考えた形だ。
俺は心で突っ込みながら内心驚いていた。いつの間に・・・。

「これね・・・今までで私を唯一振った男の物なの。」
短冊をヒラヒラとさせながらハルヒは言う。
そんなハルヒを見て俺はこう言ってハルヒを笑った。

お前を振るやつなんているんだな、ってね。

おしまい。
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:09:47.96 ID:PzCcun+VO
支援
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:10:03.20 ID:7mgA43r50
読んでくれた方ありがと
直したほうがいい所とかあったら書いてください
ありがとうございました
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:11:43.12 ID:PzCcun+VO
おちゅ
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:20:42.06 ID:Gz9e7IuHO
綺麗な話乙
俺的には小さいハルヒのしぐさとか描写がもっと見たかったかな
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 00:45:02.75 ID:QYphYRBxO
乙!
だが、ハルヒの一人称は「あたし」な。
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 01:20:01.46 ID:QYphYRBxO
jp
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 01:50:00.70 ID:bBcy2vfA0
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 02:31:50.04 ID:On9zJ6boO BE:1424013269-2BP(585)

112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 02:34:00.61 ID:On9zJ6boO
Beログアウトし忘れたorz
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 04:00:02.18 ID:QYphYRBxO
保守
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 05:30:12.36 ID:QYphYRBxO
ほしゅ
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 07:27:13.14 ID:ohswdyEP0
長門「……ゲームのし過ぎで寝不足……」
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 08:25:50.93 ID:MV7dl7IXO
●<おはようございます!
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 08:47:00.64 ID:pDaB8RgHO
○<ここはプリンなのです!
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 09:29:16.22 ID:bBcy2vfA0
ほほほ
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 10:38:24.69 ID:JYcdhyLXO
JP
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 11:52:47.73 ID:V1ddroppO
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 12:10:48.62 ID:bBcy2vfA0
122キョンの萌え講義 ハルヒ編:2008/11/25(火) 12:48:37.34 ID:Gz9e7IuHO
キョン「さてさて待望の第三弾!!ハルヒ編が始まるぜみなさん!!!」
ハルヒ「誰に話かけてんのよ……」
キョン「全世界のプリンの住民にだ!!」
ハルヒ「……プリン??」
キョン「んなことはどうでも良い!!とにかく俺は本気を出して萌えについてハルヒを考察する!!」
ハルヒ「はぁ……で、あたしの萌えってなによ?」
キョン「ふっふっふっ……」
ハルヒ「……キョン気持ち悪い」
キョン「ずばり言えば!!そう!!ツンデレだ!!!」
ハルヒ「はあ?まああたしがツンデレかどうかはおいといて、安直な言葉ね」
キョン「甘いなハルヒ!ツンデレにもレベルがあるんだ!!!」
ハルヒ「レベル??」

キョン「低レベルのツンデレと言えばツンのあとに必ずデレが来る!!しかあああし!!!!!!」
ハルヒ「叫ばないでよ!うるさいわよキョン!!」
キョン「ハルヒの場合はツンのあとにツン!その次にツン!!その次の次にもツン!!!」
ハルヒ「それじゃあツンツンじゃない!!あたしそこまで尖ってないわよ!!!」
キョン「そして忘れた頃にデレがやってくる!!ドラクエで言えば相手にルカニをかけまくったあとの魔神切り!!FFで言えば……ああもう面倒くせえ!!!とにかくそれがハルヒだ!!!!」
ハルヒ「はいはい……もうバカキョンには付き合ってらんないわ!!」
キョン「……」
ハルヒ「なによ黙って?ちょっと言い過ぎたかもしれないけど……」
キョン「愛してるぜハルヒ!」
ハルヒ「……もう本当バカ///」
キョン「次回は鶴屋さん編を未定でお送りしよう」
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 12:53:21.77 ID:JYcdhyLXO
ハジケすぎw
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 12:57:09.29 ID:V1ddroppO
長門に力入れすぎだろwwwwww
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 13:00:59.32 ID:PzCcun+VO
やったぜ次は鶴屋さんだwwwwww
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 13:22:51.91 ID:pDaB8RgHO
プリンの空気うめぇwwwwwwwwww
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 14:43:45.38 ID:PzCcun+VO
ほす
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 15:11:28.96 ID:YNxHnWbZ0
age
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 15:48:13.33 ID:bBcy2vfA0
>>122
ハルヒよりキョンの方がツンデレ化してる件
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 16:27:31.96 ID:JYcdhyLXO
131萌え講義コンプリート希望:2008/11/25(火) 16:48:40.63 ID:MV7dl7IXO
九曜「──雨─」
桜「そうですね」
「陽が射して──いるのに──」
藤原「狐の嫁入りってやつか」
「───」
「何で枝を拾ってこっちに来るんだよ!」
「先に──言われた──」
桜「あの……」
バシッ
「ぅ゙はっ、落ち着け!」
「至って──冷静──」
桜「あら、虹ですよ」
「久々に見るなぁ」
「──綺麗─」
桜「そうですね」

昼頃の出来事保守
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 17:16:06.02 ID:PzCcun+VO
>>131
ちょうど帰ってる時こんなんだった
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 17:35:42.85 ID:On9zJ6boO
帰宅途中で保守
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 18:00:20.65 ID:C0UlJKyA0
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 18:27:00.81 ID:QYphYRBxO
保守
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 19:00:16.85 ID:C0UlJKyA0
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 19:25:55.59 ID:C0UlJKyA0
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 19:41:21.25 ID:bBcy2vfA0
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 20:06:01.60 ID:C0UlJKyA0
ほしゅ
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 20:30:15.76 ID:QYphYRBxO
jp
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 20:55:54.50 ID:C0UlJKyA0
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 21:25:10.01 ID:C0UlJKyA0
ほっしゅ
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 21:40:58.39 ID:MV7dl7IXO
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 21:50:52.35 ID:ohswdyEP0
桜って、誰?
145擬人化保守なんです ◆Story..LhY :2008/11/25(火) 21:58:44.95 ID:MV7dl7IXO
>>50 ごめん。単純に桜の木です。
微妙に続いてるんですこの保守ネタ。やっぱり分からない方が出てきますよね…
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 22:05:43.81 ID:QmHck9FH0
桜の木、にすべきだったなw
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 22:26:50.45 ID:OwuAEd+I0
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 22:28:43.63 ID:ohswdyEP0
よかった…
橘と間違えたのかと突っ込むところだった
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 22:40:51.75 ID:MV7dl7IXO
申し訳ないです。

ほしゅ
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 23:05:00.93 ID:C0UlJKyA0
ほしゅ
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 23:07:49.89 ID:7mgA43r50
ハルヒ「それ、ロンよ!」

長門「役がない・・・」

ハルヒ「えーっと、全部で8万点くらいかしら?」

長門「(もう脱ぐものがない・・・)」

152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 23:20:32.42 ID:z6iggjyu0
須藤「昨日も八丈島の鹿が笹の葉を食べていたぞ」

国木田「一昨日もだよ」

岡本「それってどういう意味?」

須藤「キョンがまた佐々木と一緒だったという意味だ」

岡本「なるほどねー」

国木田「デートじゃないと言ってたけど、完全にデートだよね」
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 23:45:24.05 ID:4DbxMFAG0
規制解除ktkr
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/25(火) 23:58:44.62 ID:QYphYRBxO
保守
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 00:25:07.95 ID:84o0g+IqO
保守
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 00:59:01.12 ID:TW3ypfwpO
保守の対義語ってなんだっけ
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 01:08:19.89 ID:c7jKn3Qh0
革新
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 01:29:19.75 ID:PSTQN11/0
あげ
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 01:32:36.99 ID:TW3ypfwpO
>>157
ありがとう。これで眠れる
160キョンの萌え講義 鶴屋さん編:2008/11/26(水) 01:55:16.96 ID:pk0bwQ0CO
キョン「俺の萌え講義もついに第四弾!!なかなかためになるって評判らしいぞハルヒ!!!」
ハルヒ「んなわけないでしょ……ったく」
キョン「さて今日は超人気者のあのかた!!そう!!鶴屋さんの登場だ!!!」
ハルヒ「あのさあ……鶴屋さんてのは別にいいけど、あんたキャラ絶対間違ってるわよね」
キョン「鶴屋さんの萌えってのはあの不思議な言動にあるとみせかけて……」
ハルヒ「なに勝手に話進めてるのよ!!あたしの話をちゃんと聞きなさいよ!!バカキョン!!!」
鶴屋「わははっ、相変わらず仲が良いねえ!!ハルにゃんにキョンくん!!」
ハルヒ「えっ!鶴屋さん……いつからそこに!?」
キョン「ふはは!!そうそれ!!鶴屋さんはタイミングを外さない近所のお姉さんキャラなのだよハルヒくん!!!つまりお姉系!!!」
鶴屋「お姉系だなんてそんなぁ照れるにょろ……あたしに惚れたらダメだよキョンくん……」
ハルヒ「あんたたち根本的に間違えてるわよ……」
キョン「つまりドラクエで言えば確実に当たるザキ!!!FFで例えると全てのレベルに当たるレベル5デスってわけさ!!!」
ハルヒ「絶対に死んじゃうじゃない!!!」
鶴屋「ふふふ……実はハルにゃん!!あたしは萌えのヒットマンてわけさっ!!くらえキョンくん!!ばきゅーん!!」
キョン「うっ……鶴屋さん……なんて美しい!!!今俺はあなたのその可愛いおでこに猛烈にキスしたい!!!!」
ハルヒ「なに言ってんのキョン!!?ちょ、ちょっと止まりなさい!!!」
キョン「ええい!!離せハルヒ!!!俺は鶴屋さんにキスをするんだああああ!!!!!!」
鶴屋「わははっ!本当に仲が良い二人で見てるこっちがニヤニヤしてくるにょろ!次回番外古泉編(予定は未定)よろしく!!」
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 02:50:56.78 ID:84o0g+IqO
ダメだこのキョン、早く何とかしないと……
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 04:20:04.94 ID:84o0g+IqO
ほし
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 06:39:37.63 ID:xZOEkB6D0
jp
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 07:22:25.76 ID:IbhCD8+7O
>>160
俺にもばきゅーんしてください
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 09:00:59.24 ID:IbhCD8+7O
保守
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 10:02:42.33 ID:XFqBzlQO0
古泉…だと?
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 10:56:11.65 ID:si4gzVv6O
保守
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 11:52:08.59 ID:GPbVHTXUO
まあ落ち着け
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 12:30:09.98 ID:c7jKn3Qh0
保守
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 12:57:02.80 ID:TW3ypfwpO
ばきゅーん
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 13:58:10.32 ID:IbhCD8+7O
しゃきゅーん
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 14:50:01.09 ID:84o0g+IqO
ほしゅーん
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 15:45:12.37 ID:84o0g+IqO
jp
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 16:30:09.56 ID:84o0g+IqO
保守
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 16:39:39.09 ID:TW3ypfwpO
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 17:14:35.85 ID:TW3ypfwpO
.jp
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 17:30:18.08 ID:xZOEkB6D0
.org
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 17:47:02.91 ID:TigDFrIiO
三日ルールで今日落ちるな


保守
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 17:57:11.05 ID:xZOEkB6D0
三日ルールは鯖移転の時に廃止
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 18:27:15.43 ID:xZOEkB6D0
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 18:55:13.48 ID:pxSzgm3R0
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 19:30:00.94 ID:pxSzgm3R0
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 19:51:37.41 ID:xZOEkB6D0
jp
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 20:15:46.14 ID:pxSzgm3R0
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 20:39:59.91 ID:pxSzgm3R0
ほし
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 21:02:49.87 ID:d7YFQ2yR0
保守ってGOGO
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 21:21:19.73 ID:a4RdtnIm0
17529文字書いたけどまだ先は長い保守
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 21:32:31.93 ID:TW3ypfwpO
俺の最長超えてるよ、なげぇなぁ…
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 21:41:50.89 ID:7E+AzJa90
括弧多いとすげー読みにくい
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 22:05:07.87 ID:pxSzgm3R0
ほしゅ
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 22:30:21.35 ID:pxSzgm3R0
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 22:37:10.78 ID:TigDFrIiO
>>179
知らなかったぜ…orz

保守
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 22:51:28.60 ID:ZV6PlOcL0
test
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 22:53:22.14 ID:ZV6PlOcL0
規制解除ktkr
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 23:15:25.79 ID:pxSzgm3R0
ほす
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 23:30:56.81 ID:84o0g+IqO
静かな夜だ。
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/26(水) 23:55:06.58 ID:84o0g+IqO
保守
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 00:25:07.99 ID:cHjhx16sO
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 01:00:18.87 ID:cHjhx16sO
保守
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 01:00:34.28 ID:IxmcoMZY0
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 01:32:56.89 ID:IxmcoMZY0
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 02:10:43.31 ID:f0GW4fu80
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 03:40:17.49 ID:cHjhx16sO
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 04:32:05.77 ID:yMDUoG94O
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 07:00:23.18 ID:MGFql1VS0
jp
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 07:58:00.62 ID:q0NTJGhvO
保守
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 08:31:39.91 ID:4G0prhWdO
捕手
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 09:21:58.15 ID:ilMrOEAl0
投下予告無いみたいなんで9:50になったら投下してもいいでしょうか?
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 09:32:19.49 ID:yMDUoG94O
どうぞ
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 09:37:59.69 ID:ilMrOEAl0
よし。なら50分になったら投下します。

タイトル:モノクロシンドローム
プロローグ1レス、第一章約13レスになります。
211モノクロシンドローム  プロローグ:2008/11/27(木) 09:51:12.48 ID:ilMrOEAl0
あぁ、いつからだろうか。
世界が色褪せてしまったのは。

なんの変哲もない小中学校を経て俺が得たものはただの退屈だった。
毎日同じことのループループループ。
うんざりした。飽き飽きした。

気がついたころには「色」を忘れた。
意味の無い日常は勿論。
桜の花、青い空、命を吹き込まれたものでさえ、白黒にしか映らなかった。

だけどひとつだけ。

いや、ひとりだけ。
鮮やかに色付く人物がいた。
俺の景色を色付ける人物がいた。

「キョン?何ぼーっとしてんの?」
「いや…別に…」

その名は涼宮ハルヒ。

この話は腑抜けな俺と涼宮ハルヒが過ごした。
何の変哲も無い日常の話である。
俺の名前は…いいや、名前なんか意味が無いし。
キョンとでも呼んでくれ。妹に付けられたあだ名だ。

学力が圧倒的に足りないというこで急遽、親にぶち込まれた塾で勉強した中学時代。
その親の思いやりとも言えるお節介が項を為したのか、俺は北高に入学することができた。

入学式の校長のわけのわからん長ったらしい挨拶は退屈で退屈でしょうがなかった。

「凄く眠そうな顔してるよ、キョン」

あぁ、こいつの名前は国木田。
北高にいる同級生の中で唯一中学時代からの知り合いだ。
俺なんかに話かけて何が面白いのかさっぱり理解できないが、相変わらずの調子で慕ってくれてる。

「実際眠いんだよ。未だに集会ごとに校長の話を聞く理由がわからん」
「あー、その気持ちよくわかるぜ。実際生徒全員で眠りこけてみれば校長も話する気が失せるんじゃないのか?」

でもってこいつは谷口。
中学校は違うのだが、席の近い国木田と仲良くなったようで、そのままズルズルと俺も仲良くなった感じだ。
軽そうな言動から馬鹿っぽく見られがちだが普通にいいやつだ。

「しっかしこのクラスはいいよなぁ。Aランクの美少女が2人もいるんだぜ?」

…何だよそのAランクって。

213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 10:00:07.71 ID:nHHQCCai0
しえn
「ランクってのはだなぁ…」

谷口が言うには、本人独自のリサーチにより各学年の女子を余すことなく分析し、総合的に見てランク付けしているらしい。
…高校生活初日からご苦労なことだ。

「おーい、ホームルーム始めるから席に着け。それぞれ自己紹介でもしてもらうから、何喋るか考えとけよ」
「くそっ、良いところで切りやがって。まぁキョンも暇なときランク付けしてみ?癖になるぜ」
「谷口だけでしょ、そんなことやる人は。ほら、席に着こう」

ランク付け、か。
そういうことに楽しみを見いだせる奴は日常が色褪せることも無いんだろうなぁ。
正直、谷口が羨ましい。
蔑むような気持ちでは全然無くて、純粋に。

「…まぁ、この一年間よろしくお願いします」

こんな感じの無難な自己紹介を終えて席に着く。

…自己紹介、か。
実際問題こんな事しても印象に残るのは1人か2人だろう。
相当インパクトのないやつじゃないと記憶になんか残らん。

俺に続いて後ろの奴が起立して自己紹介を始めだす。

「東中学出身、涼宮ハルヒ」


東中、か。
確か谷口と同じところの出身か。

「楽しく高校生活が過ごせたらいいな、と思います。よろしくお願いします」

まぁ自己紹介なんてそんなもんだよな。



















「で、どうだった?」
「…何がだよ」


一通りの日程が終わった帰り道。
谷口がいてもたってもいられないと言う様子で話しかけてきた。

「だぁかぁら、ランクだよランク!」
「まだそんなこと考えてたの?」

無駄だ国木田。
きっと今のこいつの青春はこれだけなんだ。

「おや、何か失礼なモノローグが」
「…気のせいだろ。ちなみにランクなんか考えて無いからな。変に期待すんな」
「ちぇー、お前らAランクだぞAランク。しかも2人もいるんだぞ?」

知らん。
というか誰だ、お前的Aランクのクラスメイトは。

「よくぞ聞いてくれた!」
「…結局話したいだけじゃないの?」
「…うるさいぞ国木田…コホン、まず1人目は、朝倉涼子だ」
「朝倉さんて、今日クラス委員長になった人?」

…あのちょっと眉毛が太い子か。

「おまっ!馬鹿!朝倉涼子親衛隊にボコられるぞ!?」
217第一章「SOSって何の略?」:2008/11/27(木) 10:15:48.57 ID:ilMrOEAl0
「…なんだそりゃ」
「んー、ファンクラブみたいなもんだな。中学あがる前からあったらしいぞ。それくらい人気があるんだ」
「性格も良さそうだったね」

…駄目だ、眉毛のインパクトが強すぎて他のイメージが何も浮かばない。

「まぁ明日登校したら見てみ。…で、もう1人のAランクは涼宮ハルヒ」

…あぁ、俺の後ろの席の?

「そうそう。性格が強めなんだがすげぇ可愛いんだよ。勉強もできるし運動もできる」
「あぁ、中学が一緒だったから良く知ってるのか」
「中学の時の女子もリサーチし尽くしたんだぜ!涼宮なら顔見ただろ?すぐ後ろなんだし」

…見てねぇ。

「お前自己紹介の時何してたんだよ…」
「ほっとけ、朝倉と涼宮だろ?明日見ておく。それでいいだろ?」

…正直どうでも良いが。

「じゃあ俺、こっちの道だから」
「うんじゃあね、キョン」
「また明日なー」

218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 10:17:05.52 ID:SFXj/kdgO
支援
219第一章「SOSって何の略?」:2008/11/27(木) 10:20:18.86 ID:ilMrOEAl0



















ほんでもって次の日。

教室に入ると涼宮はすでに席に着いて誰かと話してた。
…あれは朝倉かな?

つーか朝倉、俺の席に座られると俺はどうしようも無いんだが…

「あ、ごめんなさい。じゃあ涼宮さん、私は席に戻るわね」
「うん、またね」

220第一章「SOSって何の略?」:2008/11/27(木) 10:25:16.26 ID:ilMrOEAl0

…何か話の腰を折ってしまったようで申し訳ないな。

「おはよ」

…おはよう。

「昨日もそうだったけど、いかにもダルそーな顔してるわね」

はい、これが涼宮ハルヒとのファーストコンタクト。
初対面でこれかい。

「どんな顔してようが俺の勝手だろ」
「それもそうね」

性格は多少キツそうだがいやしかし、谷口がAランクと言うのも頷ける。
美人、他に当てはまるような言葉が見当たらないような顔立ち、活発さにアクセントを付けるような黄色いカチューシャ。

「…ポニーテールだと尚良かったんだが…」
「え?何か言った?」

ショートカットを少し揺らして涼宮が言う。

「何でも無い。気にしないでくれ」

221第一章「SOSって何の略?」:2008/11/27(木) 10:30:33.57 ID:ilMrOEAl0
しかしこれくらいの短さでもポニテはいけるか?
流石にやってみてとは言えないが…

「ねぇ、あんたさ」

不味い、眺めすぎたか?

「…どっかで会ったことあるかしら?」
「…へ?俺と?」

人違いじゃないのか?

「かなぁ…まぁいいわ。そういえばさ、何でキョンっていうあだ名なの?」
「知らん。気がついたら妹にそう呼ばれてたんだ」

まぁ気にして無いが。

「あんたねぇ…もう少し楽しそうにしたらどうなの?少し力抜けすぎじゃない?」
「ほっとけ、これが俺だ」

…楽しそうに、ねぇ。

「…なんというかさ、毎日同じことの繰り返しで面白くも何ともないんだよ」
「高校入って大分変化してないかしら?」
「それもそうだが…結局しばらくしたら同じループになるじゃないか、そう考えると気が滅入ってな」
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 10:30:55.51 ID:SFXj/kdgO
223第一章「SOSって何の略?」:2008/11/27(木) 10:35:16.46 ID:ilMrOEAl0
「…変なの」

自覚してるさ。

「おーい、キョン!」
「谷口が呼んでるから行くとするよ。不快にさせたんならすまなかったな」
「………」

涼宮の奴、何か考えてるみたいだったな…まぁ関係ないが。

「何だ、谷口?」
「いや、大した用でも無いんだが…お前、涼宮と話してたか?」

…そうだが。
何かまずいのか?

「いや、まずいとかじゃないんだが…もしあいつに気があるなら悪いことは言わん。やめとけ」
「気があるとかそういうのでは無いが…なんでまた?」
「今まで数々の勇者が涼宮に告白したんだが、全員玉砕してんだ。何か理由があるみたいなんだがよくはわからんまぁ玉砕する前に伝えとく」

玉砕も何も…告白なんかしねぇよ。
俺と釣り合うわけが無い。

…というかお前もその勇者の1人じゃないだろうな?

224第一章「SOSって何の略?」:2008/11/27(木) 10:40:21.71 ID:ilMrOEAl0
「………」
「…スマン、泣くな」
「…昔の話だ、女々しいなぁ…あ、そういや聞いた話なんだが…」
「谷口!キョン借りていくわよ!!」
「のわっ!!」

突然後ろからハルヒに引っ張られた。
みるみる内に谷口と距離が離れていく。
というか襟首を引っ張るな!首が締まる!

谷口もまだ喋ってるようだが何も聞こえん。

「…何でも子供の時の遊び友達が好きだったみたいな話も…ダメだ。絶対聞こえてないな」













225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 10:41:48.43 ID:SFXj/kdgO
しえん
226第一章「SOSって何の略?」:2008/11/27(木) 10:45:09.83 ID:ilMrOEAl0







「…で、一体何なんだ。」

いきなり屋上まで俺を引きずり回した理由でも教えてもらおうか。

「決めたの!あたし、あんたを助けるわ!」
「…は?」
「絶対に損してると思うのよ、一回しかない高校生活までそんな考えかたしてるなんて」

…それで?

「とりあえず何でもいいから探しましょ!一緒に、楽しいこと、今まで違うことを沢山!」
「…俺のためにそんな時間の使い方してた方が損な気がするぞ」
「普通はそうなんだけど…なんかあんたはほっとけないのよね。で、それをするにあたって団名を考えたんだけど…」

ダメだ、何言ってもこいつはこの訳の分からんプロジェクトを実行しようとしてる。

「えっと…キョンの助けを聞いたから、SOS団ってどうかしら?」
「俺がいつ助けを求めたんだ」
「…勘かしら?何となくそう感じたの」

227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 10:55:42.97 ID:SFXj/kdgO
さる?支援
228第一章「SOSって何の略?」:2008/11/27(木) 11:00:27.93 ID:ilMrOEAl0

「世界と言わないまでも日常を大いに楽しむための涼宮ハルヒとキョンの団」

けったいな名前だが、少しだけわくわくした自分がいたのは秘密だ。

「キョン!ホームルーム終わったみたいよ!」
「あぁ、今いく」

窓の外に舞う桜の花びらに、ほんの少しだけ色がついた。

つづく
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 11:01:03.98 ID:ilMrOEAl0
以上です。支援ありがとうございました。

さるってました。
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 11:07:08.92 ID:SFXj/kdgO
乙!
続き楽しみにしてるぜ
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 11:24:26.75 ID:yMDUoG94O
乙!
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 11:31:17.02 ID:ilMrOEAl0
なんか1レスぬけてるうわああぁぁぁぁ!!!!

ちと待っててください!
233>>228の前にこれが入ります:2008/11/27(木) 11:32:51.81 ID:ilMrOEAl0
…あぁ、そうかい。

「SOS…SOS…『世界と言わないまでも日常を大いに楽しむための涼宮ハルヒとキョンの団』なんてどうかしら!?」
「…素晴らしいネーミングセンスだと思うぞ」
「あたしが団長だから!キョンは団員ね!とりあえず何か決まったら連絡するわ」

お、おい涼宮!

「ハルヒで良いわ、あんたに涼宮って呼ばれると何か違和感があるから。で、何?」
「…もう朝のホームルームが始まってるんだが…」

………。

「あー…まぁいいわ。ホームルーム終わったら戻りましょ」

そう言ってハルヒは階段を降りて行った。

…楽しいこと、か。

やれやれ。
まぁ少しは暇つぶしになるのかね?

234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 11:33:45.95 ID:ilMrOEAl0
本当に申し訳ないです。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 11:51:31.77 ID:yMDUoG94O
ドンマイ気にするな
なんか俺もちょっとしたもの書きたいからお題プリーズ
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 11:59:16.85 ID:Qavkqedh0
>>234
GJ!続きに期待。

「!」と「?」は全角の「!」「?」にした方が見やすいと思う。
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 12:00:38.26 ID:Qavkqedh0
>>235
いかん、すまんかった。

改めてお題「こたつ」
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 12:02:53.59 ID:yMDUoG94O
>>237
了解
239お題『こたつ』その1:2008/11/27(木) 12:46:26.61 ID:yMDUoG94O
肌を刺すような寒い風が吹き、木には数えられるぐらいしか葉が残っていないこの季節
珍しくも部活動?が休みな日なもので一人わたしは自宅で今か今かとあるものを待ち構えている

ピンポーン
あっ!やっと来た!!

「はぁい」
ガチャッ

「宅配便です。すみませんがこちらにサインかハンコをお願いします」

「これでいいですかぁ?」
さらさらさら

「はい、どうも。それでは失礼します」

「お疲れさまでぇす」

わたしがぺこりと頭を下げると、宅配便のお兄さんは笑いながらさわやかに去っていった
240お題『こたつ』その2:2008/11/27(木) 12:48:36.42 ID:yMDUoG94O
鼻唄交じりに私はリビングに家具屋さんで見つけたお気に入りのそれを広げた
そう冬の風物詩こたつだ
ピンク色のこたつ布団が可愛いらしく、一目惚れしてしまった
私の家にはエアコンはあるんだけれど、それは何か欠ける気がする

趣?風情?……それもあるけど、うーんなんか違うなあ
なんて言ったら良いんだろう?
寒い中なにかに包まれてる安心感みたいなものかなぁ
そんなこんなでこたつを広げ、お気に入りの葉でお茶を沸かし買っておいた和菓子をこたつの上に用意する
こたつの中に入りお茶を飲みながら録画していたドラマを見ていると、ついうとうととして瞼が重くなってきた
遠くから聞こえるのは石油販売のスピーカーの音

もう……そろそろ、お夕飯の支度しないきゃいけないのに……

そうは思うものの体が動かない
こたつの甘い罠に負け、私はとうとう夢の中へ落ちる
そんな冬の昼下がり
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 14:02:10.46 ID:yMDUoG94O
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 14:11:41.62 ID:9W1JcnTOO
ほしゅと乙が遅れてすまんかった
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 15:04:44.61 ID:/5UhEu3K0
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 15:33:35.88 ID:4G0prhWdO
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 15:58:37.76 ID:MGFql1VS0
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 16:09:25.75 ID:DjLT6lEq0
キョンはおばさんがつけて妹が広めたあだなじゃなかったっけ
まあいいか

247237:2008/11/27(木) 16:14:57.61 ID:Qavkqedh0
>>239-240
乙です。
ほのぼのとした作品ありがとうございます。

でもごめんなさい、キャラが解りません。
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 16:22:00.82 ID:yMDUoG94O
>>247
お茶と語調でいけると思ったんだが…自分の中ではみくるのつもりだ
前回も同じ何故か同じお題もらってキョンを書いたんだよな…
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 17:00:03.90 ID:q0NTJGhvO
投下された作品にGJしつつ、保守
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 17:09:30.97 ID:ilMrOEAl0
>>236
第二章書く際に試してみます。
>>246
あぁ、そこはちょっと色々あるんです。
…色々じゃないかもですが。第三章くらいに書きます。
とりあえず読んでくれた人ありがとうございます。

>>239
乙です。
こたつ欲しいなぁ。
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 17:44:48.82 ID:SFXj/kdgO
>>250
1/365の一欠片>やっつめのリンクが間違ってるよ
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 17:55:58.63 ID:ilMrOEAl0
>>251
本当だorz
指摘ありがとうございます。直しておきました。
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 18:25:20.18 ID:cHjhx16sO
保守
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 18:54:58.77 ID:cHjhx16sO
ほしゅ
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 19:15:19.94 ID:MGFql1VS0
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 19:40:17.93 ID:cHjhx16sO
保守
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 20:05:00.50 ID:/ZHuq+e40
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 20:29:59.27 ID:/ZHuq+e40
保守
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 20:45:24.95 ID:eIjLujHQ0
>>215
こういうハルヒも可愛くていいな
続きが楽しみなので頑張ってください
>>239
みくるってけっこう衝動買いするイメージあるなあ
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 21:10:10.19 ID:cHjhx16sO
ほしゅ
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 21:35:12.46 ID:/ZHuq+e40
保守
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 21:35:30.68 ID:2+19U0uHO
ほしゅ
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 21:50:09.05 ID:MGFql1VS0
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 22:15:15.56 ID:cHjhx16sO
保守
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 22:15:16.45 ID:f0GW4fu80
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 22:40:41.82 ID:/ZHuq+e40
しゅ
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 23:04:59.13 ID:oeuNR8Zf0
         ,.,.,.,.,.,.,.,..,.,.
        ,;f::::::::::::::::::::::T
        i:::/'" ̄ ̄ヾ:::i
        |/ ノ   \ヾ| めんどくさい!
        |=(ー)=(ー)=|
        {  :::(__..::  | 息を吸うのもめんどくさい!
.        ',    o    ',
         ヽ___ /

          ,.,.,.,.,.,.,.,..,.,.
        ,;f::::::::::::::::::::::T
        i:::/'" ̄ ̄ヾ:::i
        |/ ,,,,_  ,,,,,,_ヾ|  そうだ!
        |=(三)=(三)=|
        {  :::(__..::  |  息をとめよう!
.        ',  )─(  ',
         ヽ___ /

     ┏━━━━━━━━┓
     ┃  /        \  ┃
     ┃/   ,.,.,.,.,.,.,.,..,. . \┃
     ┃  ,;f::::::::::::::::::::::T   ┃
     ┃  i:::/'" ̄ ̄ヾ::::i  ┃
     ┃  |/ ,,,,_  ,,,,,,_ヾ|  ┃
     ┃  |=(三)=(三)=|. ┃
     ┃  {  :::(__..::  |  ┃
     ┃  ',   ー=ー  '.   ┃
     ┃´⌒ ヽ___ /⌒`┃
     ┃     \___ /   ┃
     ┗━━━━━━━━┛
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 23:30:35.98 ID:/ZHuq+e40
ほしゅ
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 23:44:27.18 ID:U5H8353d0
題名は「私と彼とのキョリ」です
短いです
お手柔らかに
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 23:45:11.14 ID:U5H8353d0

「また、来週な。」

そう言って、彼は手を振った。
しかし私が彼に手を振り返すことはない。
私はただ無言で彼を見送った。

彼と図書館へ通うようになったのは1ヶ月程前のことだ。
テストの点数が悪かった彼に、勉強を教えて欲しいと懇願された。
それから週に1日程度、私達は図書館で勉強をしている。


彼と私は下校時間になると別々に部室を出る。
私がいつもより少し早く本を閉じ、静かに部室を後にする。
私はそのままいつもの公園で彼を待つ。
彼は息を切らせ、『待ったか?』なんて言いながら現れる。
私は一言『別に。』と彼に返す。
彼はほっとした表情を浮かべ、穏やかに微笑みかける。
その表情に私の心も温まる。
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 23:45:34.38 ID:U5H8353d0

道中は、いつも彼の後ろを歩く。
一歩半だけ後ろを私が歩く。
彼は私が着いてきている事を時たま意識しながら、同じペースで歩き続ける。
私はこの一歩半の距離が好きだ。
この距離には私の気持ちが詰まっているから。
口下手な私には彼に気持ちを伝える手段がない。
それでも私はこの距離から彼を見守る事が出来る。彼に思いを送る事が出来る。
近すぎては駄目。彼のすべてが見えないから。
遠すぎても駄目。彼が遠くに行ってしまいそうだから。
私はこの距離が好き。
彼と私の微妙なキョリが。


図書館に着き、空いている机を見つけ彼は勉強道具を広げた。
私は部室から持ち帰った一冊の本を広げる。
彼は黙々と勉強している。
私は静かにページを捲る。
疲れているのだろう、彼の瞼はどんどんと重くなっていった。
彼は静かに船をこぎ始めた。
私は本から視線を逸らし、その様子を見つめた。
私は張り詰めた静けさの図書館が好きだった。
でも私の考えは彼によって一蹴された。
私は"彼と一緒"の図書館が好きになった。

彼の体が大きく傾き、彼は目を覚ました。
寝ぼけ眼で私の方を見る。
私は慌てて本へ視線を落とした。
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 23:46:01.66 ID:U5H8353d0
今日も閉館ギリギリに図書館を出る。
彼はやればできる人なのだろう。
彼が私に質問することはほとんどなかった。
それでも私が彼の誘いを断る事はない。
私がここにいたいからだ。
彼と何を喋る訳でもない。何をする訳でもない。
それでも彼の隣にいたいからだ。

満天の星空の下、私達は家路に着いた。
行き同様、私は彼の一歩半後ろを歩く。
私達の間ではどこかで鳴らされたクラクションの音だけが響き渡った。
不意に彼が立ち止まる。
私も一緒に立ち止まる。
振り返った彼は私にこう言った。

「並んで歩かないか?」

彼は右手を軽く握っている。

私はその申し出を断った。
私の左手が彼の右手を離さなくなってしまいそうだったから。
彼は少し寂しげな表情を浮かべ前を向いた。
私はこの距離を少し恨んだ。
決して交わらないこの距離を。
彼の背中が泣いている。
私は彼の隣に並んだ。

「少しだけ・・・。」

彼の横顔も私は好きになれそうだ。
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 23:46:17.34 ID:U5H8353d0
私と彼との一歩半。
彼が作った道しるべ。
私は後ろを一歩半。

揺れてる彼の大きな背中。
見惚れて気づく一歩半。
彼が止まると私も止まる。
彼が進むと私も進む。

街中、廊下、夢の中。
歩いてみたいな一歩半。
私と彼との心のキョリ。
着かず離れず一歩半。


おしまい。
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 23:46:38.60 ID:U5H8353d0
読んでくれた方ありがと
直したほうがいい所とかあったら書いてください
ありがとうございました
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/27(木) 23:58:21.98 ID:cHjhx16sO
良いねぇ。
GJ!
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 00:25:05.93 ID:nW1SxPIQO
保守
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 00:27:20.86 ID:K+x9t7680
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 00:58:31.32 ID:mVToVCGi0
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 01:40:14.08 ID:nW1SxPIQO
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 02:28:57.60 ID:K+x9t7680
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 03:34:09.98 ID:q+nZfcfC0
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 05:05:38.22 ID:nW1SxPIQO
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 05:05:57.05 ID:ewr4ECHeO
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 06:32:53.37 ID:ewr4ECHeO
この時間で被るかw
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 06:57:37.21 ID:+Ck/MsBK0
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 07:21:03.93 ID:jYIQ4B2CO
保守
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 07:42:13.31 ID:K+x9t7680
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 08:49:45.80 ID:uRNM0qOq0
ほし
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 09:45:54.33 ID:0ET0OCd00
投下予告もないしもらったお題をひとつ消化したんで投下します。

お題「マフラー」5レス

のんびり投下します。
290[]:2008/11/28(金) 09:46:11.64 ID:0ET0OCd00
こんにちは、朝比奈みくるです。

最近めっきり寒くなって来たのでSOS団の部室にも暖房が設置されました。

「みくる!今日も部活かいっ?」

あ、鶴屋さん。

「寒くなってきたから風邪を引かないように気をつけるんだよ!んじゃあね!」
「はい、また明日」

鶴屋さん、マフラー付けてて暖かそうでした。
部室は暖かいとはいえ、外は寒いですし、そろそろ手袋とマフラーが欲しいなぁ。

といっても既に手元にはあるんですが、別の色のも少しだけ興味がありますし。

「うん、編んでみようかな」

手編みのマフラー。
久しぶりにやってみたかったんです。
あ、前にやったのがいつかは禁則事項ですよ?

そうと決まれば早速部室で編もうっと。

291お題「マフラー」:2008/11/28(金) 09:50:48.81 ID:0ET0OCd00
「こんにちはぁ」
「………」

長門さんだけですか。
相変わらず早いですね。

よし、メイド服に着替えて、長門さんにお茶を淹れて、と。

「はい、どうぞ」
「…ありがとう」
「あれ?暖房付けてなかったんですか?」

寒かったらいつでも付けて良いんですよ?

「…私には寒いという概念がない。体温管理は自在にできる」
「そうなんですかぁ…」

そう言ったきり、長門さんは黙々と本を読み続ける。
…私もマフラーを編み始めることにしましょう。

毛糸どこにやったかなぁ…あ、あった。
色は…水色にしてみよっと。

暖房を付けてその前に椅子を置いて、静かに編み始める。
292お題「マフラー」:2008/11/28(金) 09:56:41.92 ID:0ET0OCd00
ひたすらな単純作業なんですが、楽しいんですよね、こういうのって。

「…と、かけまちがえちゃった」

どうやって直すんでしたっけ…
少しずつ戻して…あ、ほどけちゃった。
うーん、やり直しですね。

「………」
「あれ?どうかしましたか長門さん」

本から顔をあげてじっ…とこっちを見てます。
私の顔に何か付いてるんでしょうか…

「…それは何?」
「へ?」

長門さんがほどけて一本に戻ってしまった糸に指をさしている。

「えと…毛糸ですけど」
「…そうでは無い、毛糸を使ってあなたは何を作ろうとしていたかを聞いた」
「あぁ、マフラーを編んでたんです」

ほら、と言って私が既に持っていた真っ白なマフラーを取り出す。
293お題「マフラー」:2008/11/28(金) 10:00:27.85 ID:0ET0OCd00

「…マフラー」

…マフラー知りませんか?

「…知らない」
「えと、こうやって使うんですよ」

自分の首に巻いてみせる。

「…何故?」
「何故って…首が冷たい時とかに暖める為にですよ」
「…そう」

そのまま本の続きに入ろうとしたようですが、チラチラ白いマフラーを見てますね。

「長門さんも巻いてみますか?」
「…いいの?」
「いいですよ。はい」

ち、ちょっと、振り回して遊ばないでください!

「じっとしてくださいよ。こうやって付けるんです…うん、できました」
「…フカフカ」

294お題「マフラー」:2008/11/28(金) 10:05:37.11 ID:0ET0OCd00
「暖かいでしょう?」
「…私には暖かいという概念が無い」

…そうですか。

「…ただ、私という個体は落ち着く、と感じている」
「ふふっ、良かったらそれ、あげますよ」
「…ありがとう」

無表情のままですけど、気に入ってくれてるのかなぁ?

「…フカフカ」

…でも、少なくとも嬉しそうです。

おわり
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 10:09:51.47 ID:1q2PkI7zO
長門可愛い
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 11:44:25.11 ID:821UmAi2O
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 12:36:27.11 ID:821UmAi2O
保守
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 14:04:15.99 ID:9nmtAmATO
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 15:07:53.74 ID:3aPKVIuo0
ほっほ
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 15:50:18.04 ID:+Ck/MsBK0
ほっほっほ
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 16:35:43.47 ID:nW1SxPIQO
保守
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 17:08:45.86 ID:Nxut4Fr50
保っ守
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 17:35:40.14 ID:MjSNPxNY0
ほしゅ
304キョン「ミカン食うか?」:2008/11/28(金) 17:59:57.97 ID:TeNJP0510
俺は見た目からして寒い長門の部屋にいるのだが、それはハルヒが引き起こした問題と事後の説明をして貰っている。
まあ、いつものようにヒスで始まった閉鎖空間など時間逆行など、うんぬんかんぬん、朝比奈さんの可愛い悶え姿を見れたからよしとする。

キョン「そうか、とりあえずまた世話になっちまったな。何か礼をしたいんだが」

長門「いい」

キョン「あー、そうはいっても、いつも迷惑ばっかかけてるからな」

長門「私は貴方を守ると約束した。だから問題ない」

ヘリュウムのような瞳で見つめられると、コイツが何か目的やしたい事はないのかといつも悩む。
総合ナンとかから作られたヒューマなんとかとしても、少しは人間がする楽しい事や何か趣味なことをしても罪はないと思うし、大体人間の社会でも休日があるんだからヒューマなんとかのこいつにだって休日や有給を与えてやれってんだ。

キョン「とりあえず、何か考えておいてくれ。何でも言う事聞くぞ」

長門の液体窒素のような目が俺の荷物に向いてる。

キョン「そういえば、家からミカン持ってきたんだ食うか?」

長門「…」

目の前に出されたミカンを見て長門は不思議そうに見つめている。ん? こいつはミカンをしらないのか試しに手渡しをしてみよう。ほれ

長門「…」ポン!
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:03:39.29 ID:TeNJP0510
スッ…

ミカンを両手で受けとった長門はそのまま口に運ぼうとする。その姿はハムスターのようで面白いのだが、悪い冗談になるので止めておこう。

キョン「タンマ!」ヒョイ

長門「…? 何故ミカンを取り上げるの? 私は今食べようとしているのに」

キョン「長門お前、ミカン食べたことないだろ?」

顔がナノ単位で動いたのを確認した。目も変わっていないように見えるが、長門顔微細変化見極め永世名誉会長の俺から見れば不思議で
たまらないという感じで変化した事は簡単に分かったさ。
まさか本当に食べた事ないとは。もっとも、一人暮らしでミカンを買って食うとも思えないし、コイツの常食はカレーだからな。
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:07:16.90 ID:TeNJP0510
キョン「お前に知らないものがあるとは、珍しい事もあるもんだ」

長門「…知っている」

キョン「無理しなくてもいいからさ」

長門「…知っている」

キョン「そんな意地にならなくても」

長門「この果実はうんしゅうみかん。漢字では温州蜜柑、学名:Citrus unshiuといい、ミカン科の常緑低木、様々な栽培品種がある。食用として利用され、
日本の代表的な果物。冬になれば炬燵の上にミカンという光景がこの惑星でとりわけ日本国の一般家庭に多く見られる。子供がよく冬休みにミカンを食べ過ぎ、
みかん病になってしまったというが、あれは柑皮症といいカロテン(ビタミンAの前駆物質)の過剰摂取により、皮膚にこの色素が沈着して黄色くなる状態。
症状の現れる場所は手指や手のひら、足の裏、鼻翼などの色調が黄色調となる。これを回復させるには摂取を停止すればいい。ちなみに甘い柑橘ということから
漢字では「蜜柑」と表記される。古くは「みっかん」と読まれたが、最初の音節が短くなっ…」

キョン「おい、長門」

長門「?」

キョン「あーん」

長門「…?」カパッ

俺が口を開ける姿に釣られて口を開けたので、皮を剥いて、白い皮も、これなんったか忘れた。も、剥いてやったミカンを口に放り込んでやった。

長門「…」ムシャムシャ…

キョン「旨いか?」
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:08:40.06 ID:TeNJP0510
長門「美味しい」

キョン「それはよかった。ほれ」

もう一度長門に新しいミカンを手渡ししてやった。すると見よう見まねで、皮を剥いて自分口に運ぶ。旨いだろ? 
これは俺の爺さんところで作ってるミカンでな特別製だ。ん? またナノ単位で首を傾げているが、どうしたんだ?

長門「美味しいけど、何か違う。そちらを」

キョン「これか? ああ、モノによって甘さとか酸味とか違うからな」

長門「…」マクマク…

キョン「どうだ? そっちの方が甘いか。ならこれを…」

長門「…? さっきと食べたのと違う。貴方は何をした?」

んー? 何をと言われてもなぁ、何もしてないんだが? ああ、剥いてやったな。剥いてやったくらいで味が変わると思えんが。

長門「それを私は希望する」

キョン「ん、まあ、かまわんが、ほれ」

長門「…」モクモク…

キョン「もう一個か?」

長門「コクン…」

マイクロ単位で頷いたこれには凄く驚いた。
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:10:08.62 ID:TeNJP0510
長門「…」モクモク…

キョン「まだ食うか?」

長門「コクン…」

長門「…」モクモク…

美味いのかまずいのか段々分からなくなってきたぞ。

キョン「…」

長門「…」

キョン「…」

長門「…」

キョン「…」

長門「…」

キョン「もっとか?」

長門「ええ」

ヒョイ! パクッ! ヒョイ! パクッ! ヒョイ! パクッ! ヒョイ! パクッ! ヒョイ! パクッ! ヒョイ! パクッ! ヒョイ! パクッ! 
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:11:22.68 ID:TeNJP0510
おいおい、長門さんもう20個以上食いましたよ? さすがにお腹壊しちまうぜ。そろそろ止めような。
中々諦めない長門を何とか説得すると少し残念そうに恨めしそうに見ていた。しかしだな、これだけ食えばミカンも喜ぶだろう。

長門「ミカンというものが美味いという事はわかった」

キョン「それはよかった。そんなに気に入ったなら、また持ってきてやるよ」

窒素ガスのような瞳が何か考えているように見えるのは気のせいか?

長門「私が理解するに、貴方に剥いて貰ったミカンが一番美味しい。だから先ほどの礼を決めた」

キョン「ああ。さっきの話か」

長門「これからミカンを食べるとき剥いて欲しい」

キョン「剥くのか?」

長門「そう」

キョン「まあ、長門がそれでいいと言うのなら構わんが、いいのかそんなので?」

長門「いい」

キョン「わかった。今までの借りもあるしな、約束しよう」

長門はそういうがこんなんで借りは返せないな。とりあえずこれはこれで聞く事にして、ほかに何か願いがあればと思った俺は甘かった。
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:12:59.72 ID:TeNJP0510
翌日:SOS団部室

人間の習性というのは… それは置いておこう。放課後はいつもどおり部活に向かってしまう。悲しい癖だね。
ハルヒのヤツは何やら用があるらしくて、先に向かえと偉そうなお達しを受けた。しかし、何でいつもアイツは偉そうなんだ? 
少しは控えめな乙女の心なんか持った方がいいと思うがな、イヤ、それはそれで気持ち悪いな。想像するのは止めておこう。
そんなこんなで部室の前に着いたが大体、やはり長門が部室の置物のように座っていて『まだ、長門だけか?』に『そう』のお約束になるのだが。

キョン「な、なんだ? これは!?」

長門「この果実はうんしゅうみかん。漢字では…」

キョン「それはいい。何故ここにこんなに大量にあるかを俺は聞いているんだ」

いつも俺が古泉とテーブルゲームなどマイナー過ぎるモノを興じる為に頻繁に使われる長机に大量のミカンが鎮座している。それも尋常な数じゃない。
どうやってこんな量を持ち運んだんだ? ダンボール2〜3箱分はあるんじゃないか?

長門「問題ない。移動手段は重力の制御を行い…」

キョン「あー長門。聞いた俺が悪かった」

移動の事など正直どうでもいい、こんな大量のミカンをどうするんだ?

長門「…」アーン

キョン「ん、なんだ?」

長門「昨日、約束した」アーン

まさか、俺はこの大量のミカンを剥いて長門の口に運んでやらなくてはならないのか? ある意味酷い拷問だぞ。
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:14:14.84 ID:TeNJP0510
長門「…約束」アーン

キョン「あのな、長門」

長門「…」アーン

キョン「…」

長門「…」アーン

キョン「…」

了解しましたお姫様。俺が悪かったよ。もう、諦めて皮を剥いては口に放り込み、剥いては口にを繰り返す。
そこに朝比奈さんが現れ、いつものように『どどど、どおしちゃったんですかぁ〜?』なんていってみたり、
古泉の『おやおやこれは』とムカツク笑いを浮かべ『あまり閉鎖空間が出現することは避けて欲しいのですが』と耳打ちした。
近い近い! キモイから耳打ちすんな。

長門「…それに …もぐ 関しては もぐもぐ… 問題ない」アーン

キョン「ほれ」ヒョイ!

古泉「何故です? 長門さん。この状況を涼宮さんが見れば明らかに閉鎖空間が生まれます」

キョン「ほれ」ヒョイ!

長門「約束を守る むぐむぐ… のは当然な もぐもぐ 事」アーン
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:15:13.39 ID:TeNJP0510
キョン「まあ、大丈夫だろう。考えもあるし」

長門「…」アーン

古泉「ほお、それは珍しいですね。どういったお考えですか?」

長門「…」アーン

キョン「ほれ。ああ、それはな…」ヒョイ!

そして厄災はドアを壊れるくらいの強さで開け突然現れる。

ハルヒ「おまたせー!みんな今日もちゃんと揃ってるわね! って、有希なんで鯉みたいに口を開けてる?」

キョン「まったく、いつも騒々しいな。 …ほれ」ヒョイ!

長門「…まくまく」アーン

まあ、確かにこれをみれば鯉に餌付けしたるように見えてしたないな。ハルヒお前も鯉みたいに口がパクパクしてるいぞ?

ハルヒ「あ、アンタ達何してんのよ!」

キョン「見たままだが? ほれ」ヒョイ!

長門「まくまく」アーン

ハルヒ「有希も止めなさいよ!」

長門「なぜ?」アーン
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:16:01.21 ID:TeNJP0510
キョン「ほれ」ヒョイ!

長門「問… もぐもぐ ない」アーン

ハルヒ「もおーーー! 食べるの止めなさい! キョン!! アンタもねぇ!」

長門「…」アーン

キョン「ハルヒ?」

長門「…」アーン

ハルヒ「何よ!?」

長門「…」アーン

キョン「ほれ」ヒョイ!

大きな口を開けているハルヒにミカンを投げ込んでやった。

長門「!?」アーン

ハルヒ「!? …もぐもぐ」

キョン「旨いか?」

長門「…!」アーン
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:17:44.94 ID:TeNJP0510
ハルヒ「お… 美味しいわ ……よ」

長門「…!!」アーン

キョン「そりゃ、よかった。もっと食うか?」

長門「!!!」アーン!

ハルヒ「う、うん…」

キョン「ほれ」ヒョイ!

長門「!、 !、 !、」アーーーーーーン!!

キョン「おっと! スマン長門ほれ。どうだ美味いか?」ヒョイ!

長門「…美味しい」

ハルヒ「私にも!!」アーン!

キョン「わかったから、がっつくなって」ヒョイ!
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 18:49:59.78 ID:MjSNPxNY0
しえn
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 19:20:22.05 ID:nW1SxPIQO
支援
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 19:42:01.54 ID:GHBHXphqI
さるさんくらった?
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 19:58:53.83 ID:Va54/qTFO
長門「…」アーン
ハルヒ「…」アーン
長門「…」アーン! ハルヒ「…」アーン!
鯉のようなハルヒ&長門。パタパタ走って『すぐにお茶入れますね』と二人を見て楽しそうな朝比奈さん。
『お見事です』と目で語りかけるなんやかんやで世話になっている古泉。みんな俺の大切な仲間だ。
ときに、二人が競って口をパクパクさせるのをみて呆れるが、まっ、いいかな? なんて思っちまった。
だって、ハルヒも長門も可愛いじゃないか。これを見れるなら手がまっ黄色になっても役得ってもんだろ?

長門「…」アーン!! ハルヒ「…」アーン!!




キョン「やれやれw」


おわり
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 20:04:27.05 ID:Va54/qTFO
長門「…」アーン
ハルヒ「…」アーン

長門「…」アーン!
ハルヒ「…」アーン!

鯉のようなハルヒ&長門。パタパタ走って『すぐにお茶入れますね』と二人を見て楽しそうな朝比奈さん。
『お見事です』と目で語りかけるなんやかんやで世話になっている古泉。みんな俺の大切な仲間だ。
ときに、二人が競って口をパクパクさせるのをみて呆れるが、まっ、いいかな? なんて思っちまった。
だって、ハルヒも長門も可愛いじゃないか。これを見れるなら手がまっ黄色になっても役得ってもんだろ?

長門「…」アーン!!
ハルヒ「…」アーン!!



キョン「やれやれw」


おわり


320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 20:10:07.54 ID:Va54/qTFO
スミマセンさるさん食らいました。
家からと思ったんですが、プロバイダーがアク禁でorz
更に携帯なんて初めてでミスしてしまった。
とりあえずこれで終わりです。
またお会いしましょうノシ
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 20:25:22.54 ID:MjSNPxNY0
ばいさるが厳しくなったり緩くなったり……
乙!
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 21:03:09.96 ID:nW1SxPIQO
乙!
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 21:26:29.69 ID:MjSNPxNY0
ほしゅ
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 21:50:50.39 ID:MjSNPxNY0
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 22:15:42.80 ID:MjSNPxNY0
保守
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 22:39:06.27 ID:Ru3weONjO
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 23:01:47.62 ID:MjSNPxNY0
保守
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 23:37:16.77 ID:nW1SxPIQO
保守
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/28(金) 23:58:03.30 ID:nW1SxPIQO
ほしゅ
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 00:20:19.69 ID:hITJAIV/0
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 00:35:07.69 ID:/EM9lYqaO
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 01:05:08.97 ID:zAWo8vTnO
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 01:45:11.51 ID:zAWo8vTnO
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 02:45:51.38 ID:zAWo8vTnO
>>330-333
捕手、か……
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 04:09:13.18 ID:TKZAWm7B0
マジ危ないって
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 04:59:32.08 ID:F4O8lfSWP
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 06:40:10.87 ID:zAWo8vTnO
jp
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 07:16:39.08 ID:2fKBEvim0
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 07:40:27.05 ID:xJMPMzMOO
保守
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 08:48:54.09 ID:dTPIRRLEO
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 10:08:16.67 ID:IaetY94Y0
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 11:08:11.85 ID:5MTZweOoO
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 11:39:32.91 ID:oCVU4biF0
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 12:05:34.71 ID:/EM9lYqaO
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 13:00:26.29 ID:zAWo8vTnO
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 13:37:01.15 ID:xJMPMzMOO
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 13:57:07.08 ID:jd5lCzQ+O
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 14:20:46.81 ID:WtpmlY2AO
349通販:2008/11/29(土) 14:27:00.39 ID:aR5aBy3Y0
キョン 「朝比奈さん、そのゲームどうしたんですか?」
みくる 「昨日通販で、買っちゃいました。」
キョン 「それ、来週発売ですよ」
みくる 「注文してすぐに、届くころの時間平面上の私に持ってきて貰うんですよ。キョン君、攻略本もありますよ」
キョン 「やれやれ」
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 14:48:11.42 ID:WtpmlY2AO
「プリン食べたでしょ」
「食べてないよ」
「カラメルついてるじゃん」
「食べました!」
「あたしのクーポン使って?」
「使っ…たような、ないようなクーポンマガジンのホットペッパー」

うろ覚えCM
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 15:40:06.30 ID:zAWo8vTnO
保守
352 ◆.vuYn4TIKs :2008/11/29(土) 16:09:57.94 ID:TW5qlHhy0
投下行きます。
タイトル「有心論」。ハル×キョンです。死ネタ注意。
353有心論:2008/11/29(土) 16:11:02.32 ID:TW5qlHhy0
お前に出会う前の俺はどこでにでも居る高校生だった。
ただ適当に時間を生きて、ただ適当に時間を捨てて、ただ適当に時間を投げた。
サンタクロースなんかいないと信じていたよ。

お前に出会った後の俺は他のどこにも居ない俺だった。
派茶目茶な事件に巻き込まれて、派茶目茶な思い付きに翻弄されて、派茶目茶な世界を東奔西走した。
サンタクロースだってもしかしたら居るかも知れないと思ったよ。

お前に恋をする前の俺は生きることに投げやりだった。
恋愛なんて甘酸っぱいものとは無縁だと思っていたし、恋愛なんて必要無いと思っていたし、恋愛なんて人生の重しにしかならない。
そう思っていた。

俺の世界には何も無かった。色が無かった。熱が無かった。他人が無かった。
しあわせが無かった。望むものが無かった。行き先が無かった。
なにより、お前が無かった。

今まで俺が俺に言った嘘。今まで俺がお前に言った本当。
俺の中に綺麗な部分なんて見つからなくて。汚い部分ばっかり目に付いて。
でも、お前は俺を選んでくれた。
汚い部分をそのまま、俺らしさだって、人間らしさだって。そう言って受け止めてくれた。抱きしめてくれた。
俺がしあわせに泣いた事を、お前は知らないだろ?

お前に出会えた事は、俺にとって星が生まれた日よりも大切な出来事なんだ。

354有心論:2008/11/29(土) 16:12:30.20 ID:TW5qlHhy0
ずっと明日に希望なんてしなかったよ。楽しい事、俺の想像を越える事なんて有りはしないと思っていたよ。
世界を諦めていたんだ。一人で。ちっぽけな自分の視界の狭さを棚に上げて。
お前はそんな俺を引きずって閉じ切ってた扉の向こう、明る過ぎる外への扉にドロップキックを噛ましてくれたんだ。
首根っこ掴まれて放り出された、世界は広くて。
明る過ぎて、目が眩んだ。明る過ぎて、涙が出た。

そして、世界を面白くないと思うなら、自分から世界を面白くしなさいと。
そうお前は言った。だから、俺はお前の傍にいようと思った。
俺にとって面白い世界ってのは「お前の隣に立った時に見える世界」だから。
俺は死ぬまでお前の隣にいようと決めた。
お前の傍から見える世界ほど面白いもんを俺は知らないから。
俺はお前の傍から離れない、そのための努力ならいくらでもするよ。

俺は誰からも愛されない存在だと思っていた。どれだけ自分が汚い存在か知っていたから。
誰かを失う前に誰も愛さないようにしていた。好きになった人に嫌われないように自分から距離を置いた。なるべく他人に近づかないようにしていた。
格好付けてるつもりだった。それがどんだけ格好悪い事なのか知らない子供だった。

355有心論:2008/11/29(土) 16:13:52.04 ID:TW5qlHhy0
俺から告白したのは、誰かに愛されたくなったからなんだ。誰かを愛してみたくなったからなんだ。
俺の中にも、人を愛したいと思う心が有ると確認したかったからなんだ。
そして出来るなら、相手は誰よりもお前が良かった。

お前に出会う、その前の俺はどこにでもいる高校生ではなかったんだな。
お前に出会うために生まれてきたんだ。心からそう思うよ。
お前は俺に出会うために生まれてきてくれたんだと、心からそう思ったから。
ありがとう。俺なんかの告白を受け止めてくれて。

生きていて良かったと、その時ほど強く思った事は無い。
サンタクロースだって、きっとどこかにいるに違いなくって。

お前が余りに綺麗に笑うから。世界が余りに綺麗に咲くから。
俺は泣いちまって、涙目で笑ったんだ。
嬉しいって、しあわせって、ノートに書いてお前の名前を呼ぶよ。

356有心論:2008/11/29(土) 16:15:02.59 ID:TW5qlHhy0
神様、ってお前の事をそう言った奴が居たけど。
お前は本当に俺にとっての神様だったんだな。
答えはいつも風の中に、ってあれは嘘だな。世界で一番大切なものは目には見えないって言った奴もとんだほら吹きだ。

だってすべての答えは、愛は、今俺の腕の中に有るから。
俺の世界の神様は誰よりもしあわせそうに笑う神様。
俺の世界の答えは誰よりもいとおしい少女の笑顔の中に。

未来にも他人にも、宇宙人も未来人も超能力者も何も信じなかった俺は。
サンタクロースさえも信じちまうような俺に。
お前に出会って全てが変わった。
明日になって、お前の顔を見るのが待ち遠しい。
明日を憂鬱に思っていた俺はもう、いないらしい。

キミさえいれば世界の全てを飲み込んでしまえる。
俺にとってそう思える相手が、お前なんだよ。
願わくば世界の全ての人の前に、そんな存在が現れますように。
お前を見てると柄にも無くそんな事を思うんだ。
357有心論:2008/11/29(土) 16:16:27.69 ID:TW5qlHhy0
世界を作った神様がお前だって、本当にそう言うんなら。
きっと世界の全ての人がどこかの誰かの運命の恋人なんだろう。
世界を作った神様がお前だって、俺はそう信じているから。
きっと世界の全ての人がどこかの誰かの運命の恋人なんだろう。
一人ぼっちの人なんて、誰か一人でも涙を流し続ける世界なんて、きっとお前は望まないから。

俺の中の全ての時間を、お前の傍に居る事に使おう。
俺の中の全ての命を、お前の笑顔を見るために費やそう。
だから、俺は明日もお前に会いに行く。
明日もお前の笑顔を見よう。
そう思って毎日を生き始めた。

そう思って毎日を歩き始めた。なのに。

ここにいないお前を思って一日中泣き続ける。
ここにいないお前を想って一日中泣き続ける。

358有心論:2008/11/29(土) 16:18:13.80 ID:TW5qlHhy0
空に昇っていく煙にも灰にも、お前の笑顔はかけらも見えない。
こんな世界を俺は認めない。こんな結末を俺は認めない。
こんな思いをするために俺とお前は生まれてきたのかよ?
お前の笑顔はどこに有る?
どこへ行ってしまった?
あれだけたくさん笑ったのに。あれだけ心に刻み付けたのに。
全てが時間に攫われちまった。

あれだけ広かった空が、全部雲に覆われて。
あれだけ眩しかった太陽は、嘘みたいに見えなくなっちまった。
神様がこの世界から消えたら、どうなるか。
分かっていたよ。
俺はこの広い世界に一人ぼっちで放り出された。

お前がいなくなった後の俺はどこにでもいる受動的自殺志願者だった。
ただ適当に時間を生きて、ただ適当に時間を捨てて、ただ適当に時間を投げた。
一回りして、ここに戻ってきちまったよ。
だけど、あの時と違うのは。もうお前はどこにもいない事。
もうお前のハレハレな笑顔をどこにも見る事は無い。
全ては風に溶けて消えた。大切なモンは目には見えなくなっちまった。
全く、誰かさんの言ったとおりになった。

359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 16:19:37.25 ID:IaetY94Y0
死ネタはともかく、歌のオマージュならそっちの方を明記しとかんと
360有心論:2008/11/29(土) 16:19:44.39 ID:TW5qlHhy0
息を止めて静かに死を待つ。深海を泳ぐ、魚のように生きる。
街の至る所に、お前のまぼろしを見た。他に何もやる事が無かったから、それを探して拾い集めた。
どんな小さなお前でも。
どんな顔したお前でも。
少しづつ拾い集めて。かけらはどんどん積もっていって。

それはどんだけ拾い集めても限りが無くて。頭の中の半分が少女の思い出で埋まる頃になって、ようやく気付いた。
お前は俺が寂しくないように。俺が一人で泣かないように。
ちゃんとこうして、俺に残していってくれたんだな。
オカしいと思ったんだ。前に拾った所にまた、違うかけらが落ちていたりして。

「キョン、いつだってアンタの背中にはあたしが居るわ!忘れないでよね!」

肩越しに天使が、俺に告げた。
きっと、空耳じゃない。振り向いた先に誰も居なくても。きっと、空耳じゃない。

361ラストに明記するつもりでした。すいません。:2008/11/29(土) 16:21:30.90 ID:TW5qlHhy0
お前は俺の背中にずっと張り付いていて。ずっと泣いている俺の背中を撫でてくれていたんだな。
俺、馬鹿だからさ。やっと気付いたよ。
やっと、やっと、お前が俺をどんだけ愛してくれているか、分かったよ。
俺がまだ生きているのは。
生きる気が無くても生きていたのは。
お前が一生懸命心臓のポンプを押してくれていたからなんだな。
死ぬな。生きろ。って。死ぬな。生きろ。って。

全身に向かって、血液が回り続ける。

全身に向かって、キミの愛が回り続ける。

お前に出会う前の俺はどこでにでも居る高校生だった。
ただ適当に時間を生きて、ただ適当に時間を捨てて、ただ適当に時間を投げた。
サンタクロースなんかいないと信じていたよ。

お前に出会った後の俺は他のどこにも居ない俺だった。
派茶目茶な事件に巻き込まれて、派茶目茶な思い付きに翻弄されて、派茶目茶な世界を東奔西走した。
サンタクロースだってもしかしたら居るかも知れないと思ったよ。

362有心論:2008/11/29(土) 16:22:51.94 ID:TW5qlHhy0
そして今。
俺の世界にはお前が残していった宇宙人が居て、未来人が居て、超能力者が居て、たくさんの知人友人が居て。
そして、心臓にお前が居て。今だって一生懸命俺の心臓を押してくれていて。
もう、大丈夫。お前の笑顔を思い出したから。

もう、大丈夫。

あのさ。お前は笑うかもしれないけれど。
俺、サンタクロースにでもなってみようかと思っているんだ。

この世界の神様がそうであるように。
その恋人を自称してはばからない俺は。
せめてその自称に負けないようにと。
誰かに笑顔を運んでみようと、そう思っているんだ。

「世界にサンタクロースが生まれた日」 終わり。
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 17:00:05.39 ID:WtpmlY2AO
おつ、ほ
364 ◆.vuYn4TIKs :2008/11/29(土) 17:00:18.41 ID:TW5qlHhy0
以上です。レスに有った通り、オマージュだったりします。
RADWIMPS「有心論」が余りに良い曲だったので我慢出来ませんでした。
レス拝借、失礼しましたー。

って書こうとしたらばいさる発動。良い読みしてるゼ☆
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 17:03:38.86 ID:/EM9lYqaO


しかし RADWIMPS(笑)
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 17:11:30.16 ID:GnAHLTQrO
>>365
ageんなカス
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 17:29:48.82 ID:WtpmlY2AO
368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 17:48:56.82 ID:WtpmlY2AO
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 17:51:14.94 ID:jd5lCzQ+O
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 18:08:41.80 ID:/EM9lYqaO
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 18:31:52.40 ID:0/pReUXgO
372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 19:00:11.04 ID:zAWo8vTnO
373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 19:25:20.20 ID:zAWo8vTnO
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 19:50:24.50 ID:zAWo8vTnO
保守!
375以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 20:15:17.17 ID:zAWo8vTnO
ほしゅ
376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 20:40:12.82 ID:zAWo8vTnO
保守
377以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 21:05:21.40 ID:zAWo8vTnO
人稲
378以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 21:24:30.09 ID:WtpmlY2AO
稲穂
379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 21:42:11.26 ID:xJMPMzMOO
保守っとな
380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 22:10:13.83 ID:zAWo8vTnO
ほしゅ
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 22:10:23.31 ID:WtpmlY2AO
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 22:40:47.14 ID:zAWo8vTnO
保守
383以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 22:48:50.08 ID:OXSGfJWR0
ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」

キョン「シラネ」
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 23:15:28.11 ID:zAWo8vTnO
ほしゅ
385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 23:18:45.06 ID:jxu7Gry9O
古泉「オマージュとは珍しいですね」
キョン「そんなのVIPにいくらでもあるだろ」
386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 23:42:01.28 ID:TKZAWm7B0
387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/29(土) 23:58:17.67 ID:zAWo8vTnO
保守
388 ◆Story..LhY :2008/11/30(日) 00:16:53.67 ID:Ks5+mOy8O
よいこはねているじかんに投下開始
15レスくらい

・知らないだろうけどリメイク
・モノローグ排除、何故か絵本みたいな語り
・長門と朝倉が人間に近い状態
・完成してるのどうかもわからなくなった
389以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 00:17:57.79 ID:rMYrt+G+0
佐々木「ちょっとキョン。よくも僕のプリンを食べたね」
長門「……あなたは私のプリンを食べた。責任を取るべき」
妹「キョンくーん、プリンが無いよー」
鶴屋「キョンくん。あたしのスモークチーズを食べたねっ」

キョン「何でみんな俺が食べたと言い張るんだ?」
390子猫:2008/11/30(日) 00:19:59.94 ID:Ks5+mOy8O
朝、ごみ集積所には沢山のごみ袋が積まれています。
長門有希はその脇を歩いて学校へ向かっていました。
そこへ集積車がやって来て、作業員達がテンポ良くごみ袋を放り込んでいきます。
有希はその袋の一つに違和感を覚えました。
「待って」
有希はそう言って作業員からその袋をひったくりました。
中を開けると、なんと小さな猫がいたのです。
作業員もたいへん驚いた様子でした。
「可哀想になぁ、捨てられたのか…」
「いい?」
「ん?」
有希は子猫を抱きながら作業員を見ました。
「ねこ」
作業員は、有希の言おうとしていることが分かったようです。
「大事にしてやれよ」
作業員はそれだけ言って仕事を再開しました。
「分かった」


これは、小さな命のお話。

391子猫 >>389 ?:2008/11/30(日) 00:22:53.09 ID:Ks5+mOy8O
学校に到着したのですが、この子猫を教室に連れて行く訳にはいきません。授業中に鳴かれると騒ぎになってしまいます。
そこで、有希は部室に子猫を預けることにしました。
「大人しくしてて…」
子猫はタオルにくるまって眠っていました。

放課後、有希は誰よりも早く部室に行きました。
陽光に照らされたタオルの上で丸まっていた子猫は、有希に気付き顔を持ち上げましたた。その姿を見ただけで有希はほっとしました。
有希は子猫を抱き上げ、小さな小さな瞳を見つめました。
「にゃー」
子猫は真っ直ぐ有希を見つめるだけでした。
「にゃー」
「……」
返事はありません。でも、諦めずにもう一回。
「にゃあ」
「…ナー」
「なー」
子猫が答えてくれたことに笑みがこぼれました。
その時、何かの気配を感じました。
「うわっ!」
「!」
有希は余りに驚いたせいで、椅子がガタンと大きな音を立ててしまいました。涼宮ハルヒがドアの隙間から覗いていたのです。
「えーっと…、有希も可愛らしいところあるのね…」
笑顔を見られ、その上に驚いて椅子から転げ落ちそうになるという失態までしてしまいました。有希にとっては一生の不覚だったのかもしれません。
392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 00:23:06.91 ID:rMYrt+G+0
すまんかぶった。保守
393子猫 保守ありがとう:2008/11/30(日) 00:27:20.47 ID:Ks5+mOy8O
「かわいいー! どうしたの?」
「拾った。ゴミ袋の中に入れて捨てられていた」
「可哀想…、誰よ! こんな酷いことをする大馬鹿最低野郎は! 天罰を下してやりたいわ!」
有希も同感でした。彼女が捨てた犯人を恨めば本当に天罰が下るのではないかと思ったのです。
ドアがノックされました。すなわち、キョンがやって来たのです。
「うっす、ん? 猫か、どうしたんだ?」
ハルヒは彼が入って来るなり、掴み掛らん勢いで迫りました。
ハルヒはキョンに、この子猫の為にキャットフードを買って来るように命令しました。
状況を全く知らないのですから、キョンは反論します。
ところが、キョンは不満を漏らすのを止めました。有希が五千円札をまっすぐ彼に差し出していたからです。
「長門…?」
「お願い」
滅多と要求をしない有希からのお願いです、断る訳にはいきません。彼は五千円札を受け取りました。
「…分かった。時間かかるかもしれんがそこら辺は許してくれよ」
394子猫 さるさん怖いのでゆっくり:2008/11/30(日) 00:31:56.45 ID:Ks5+mOy8O
「おや、何処へ行かれるのですか?」
そこへ古泉一樹がやって来ました。キョンはぶっきらぼうに答えました。
「あの子猫のキャットフードを買いにいくのさ」
「ご一緒しましょうか」
「断る」
何故か寒気を感じたキョンは即答しました。でも、
「いいじゃない、キョンはヘマしそうだから古泉君に見張ってもらわないと」
ハルヒがそう言えば彼の意見は無いも同然なのです。
彼は一樹に「行くぞ」とだけ言うと、さっさと歩いて行きました。

「お願い…」
彼を利用してしまって申し訳ないと思いました、でも動物の世話をするのは初めてのことなので、どうすれば良いのか自分では分からないのです。

珍しく一番来るのが遅かった朝比奈みくるも加わって、女子三人は子猫を見つめていました。
男子二人が出て行ってから一時間が経過していました。
「何か、元気ないわね」
「そうですね…」
「ああもう! あのバカキョン遅いのよ!」
「馬鹿で悪かったな」
395以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 00:35:13.41 ID:wFXSSR5RO
支援
396子猫 支援ありがとう:2008/11/30(日) 00:37:52.44 ID:Ks5+mOy8O
キョンが戻って来ました。
見ると、猫を飼う為に必要なものを一式揃えているようです。一樹は手ぶらでした。あれだけの物を一人で持って歩いて来るのは、かなり疲れたはずです。実際、彼は流れる汗で髪の毛が額にくっついていました。
「私が頼んだのはキャットフードだけ」
有希は申し訳なさそうに言いました。でも、キョンはどのみち必要だろと言って気にしていない様子でした。
「キョン! 有希のお金なのよ! 人のお金なのにこんなに」
「待て、支払ったのは俺の金だぞ。長門のは使ってない」
有希はますます申し訳なくなってしまいました。
ハルヒとキョンはまだ言い合いを続けています。
有希がハルヒに近付いて、はっきりと言いました。
「止めて」
ハルヒは驚きました。
「止めて」
有希がもう一度言うと、部室は静まり返りました。有希はキョンを見て言いました。
「ごめんなさい」
「謝る必要ないだろ?」
キョンは、有希が渡したお札を返しました。
「気にするな」
今回は、彼に頼りっ放しになってしまいました。有希は、手の平でくしゃくしゃになっている五千円札を見つめていました。
397子猫 需要が分からない:2008/11/30(日) 00:43:29.06 ID:Ks5+mOy8O
有希は子猫を抱き、キョンに買って貰った用品一式の入った袋を持って帰りました。
「あら? 子猫じゃない。可愛い」
この部屋を共有している朝倉涼子が玄関に迎えに来ました。
有希はこの子猫を保護した経緯を話しました。涼子は子猫を撫でながら聞いていました。
暫く子猫を抱いていた涼子が、外を見ながらこう言いました。
「人間が動物を愛でるという理由が何となく分かった。でも、こんなことをする人がいるのはどうしてかしら。分からないことがまた増えちゃった」
「貴方の任務は社会問題の分析ではない」
有希はそう言ったことを後悔しました。
冷たく言い過ぎたと分かった時には、涼子の目は潤んでいたのです。
「分かってる。私が言えることではないわ。でも…」
キョンを殺そうとして一旦その存在を消されてしまった涼子は、今回復帰するまでの間を、統合思念体の下で寂しく過ごしてきたのです。
涼子はその間、感情とよばれる「エラー」を何度も何度もに発生させたそうです。それに統合思念体が興味を持ったことから、涼子は再び戻ってこれたのです。
398子猫 リメイクをリメイクと見抜ける人でないと(ry:2008/11/30(日) 00:48:28.59 ID:Ks5+mOy8O
そんな経緯があるので、涼子は有希とのルームシェアを希望したのです。
一人ぼっちが嫌いな涼子にとって、この子猫は良い相手になりそうだ、と有希は思いました。

「猫を飼う為に買った物を確認する」
「どれ? 見せて見せて」
がさがさという音を立ててビニール袋からキャットフード、給餌器、トイレなどを取り出しました。
「これ、彼が買ったんでしょ」
その一言に、有希は手を止めました。
「分かるわよ、だって彼、猫を飼ってる筈だから」
鋭い指摘に、有希はうつ向いてしまいました。
「…今回は彼に頼りっ放しだった」
「じゃあ、お礼をすれば? 彼に熱烈アプローチ!」
「止めて…」
399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 00:52:06.54 ID:wFXSSR5RO
しえん
400子猫 急展開でごめん:2008/11/30(日) 00:54:08.57 ID:Ks5+mOy8O

有希は、拾った子猫になーと名付けました。その理由は、最初に「なー」と鳴いたからなのだそうです。
ハルヒは面白い名前ねと言い、キョンはお前らしいなと言いました。一体何が「お前らしい」のか、有希には分かりませんでした。
有希と涼子は、なーと共に暮らしていました。

ある日、有希と涼子が学校から帰ると、小さな女の子が、毛布にくるまって眠っていました。
その毛布は、なーのお気に入りでした。そのなーはどこにもいません。
「貴方は、誰?」
女の子は目を覚ますと、眠たい表情をしたままこちらを見上げました。
「なー」
確かに、そう言いました。
「ゆき」
「りょーこ」
女の子は、二人の顔を見ながら、はっきりと名前を呼んだのです。
「本当に貴方が、なー?」
「なー」
なーは、人間になっていたのです。
401子猫 ねこ可愛いよねこ:2008/11/30(日) 00:57:14.83 ID:Ks5+mOy8O
その日から、三人での生活になりました。

なーは人間になってもお昼寝が好きでした。平日は二人共に学校へ行っているので、お昼寝をして二人の帰りを待ちます。
夕方、二人が帰ってくると、玄関まで迎えに行きます。
「ただいま」
「なー、いい子にしてた?」
「ん」
なーは笑顔で頷きます。

夕食の準備が始まります。なーはテーブルでじっと待ちます。
有希は涼子に包丁を絶対に持たせません。「また暴走するから」だそうです。
三人で食べる夕食は、とてもおいしくて、みんな笑顔になります。
食べた後は、お風呂に入って寝ます。なーは有希と一緒にお風呂に入ったり寝ていたのですが、毎晩涼子が淋しそうな表情なので一日おきの交代制になりました。
402以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 00:59:38.31 ID:YTdF6QV1O
支援
403子猫 59分に見事にさるさんくらいました:2008/11/30(日) 01:00:23.48 ID:Ks5+mOy8O
なーがすっかり人間の暮らしに馴染んできました。
今日は涼子が待ちに待ったおでんの日です。涼子は嬉しくてたまりませんでした。
なーは、ぐつぐつと煮えた鍋を恐る恐る覗き込み、熱い湯気が目に入ってしまったのか必死に目をこすっていました。
有希は、なーにフォークを渡しました。そして、手本を見せてやりました。なーはフォークを握りながら、興味深そうにそれを見つめていました。
なーはこんにゃくを刺すと、そのまま口の中に…
涼子がそれを止めました。「だめ、熱いから火傷しちゃうわ。ちょっと待ってからね」
少し冷ましてから、こんにゃくを頬張りました。
なーはおでんが気に入ったようでした。大根、がんもどき、はんぺん、ちくわなど、どんどん食べていきました。
鍋はあっという間に空っぽになりました。
そんな楽しい生活が続いていたある日のことでした。
朝起きてみると、なーの体に、耳と尻尾がはえていました。
その毛の色は、なーが猫だった頃の色に間違いありませんでした。
なーの体が猫に戻っているのです。
「戻っちゃうのか…残念ね」
でも、様子が少しおかしいのです。
なーは元気が無くなり、布団にもぐったまま動きません。
有希と涼子は、どちらかが学校を休み、交代しながらつきっきりで看病しました。
でも、なーはどんどん元気をなくしていきました。
大好きなおでんも、食べられなくなりました。
それでも、にっこりとした笑顔を無くすことは、ありませんでした。
その笑顔が、有希にエラーを起こさせるのです。
どうして、どうして笑顔でいられるの?
有希には、答えは分かりませんでした。
405子猫 「戦友」は面白い:2008/11/30(日) 01:10:21.52 ID:Ks5+mOy8O
なーが布団から出なくなってから数日が経ちました。夜、つきっきりの看病で疲れている筈なのに、有希は夜遅くまで、なーを見守っていました。
有希がなーの頭を撫でます。なーはまた笑顔を見せていました。
「おやすみ」
有希は、もう喋れなくなったなーに言いました。
「また明日…」
それは、寝る時の挨拶ではなく、心の底からの願いでした。
406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 01:12:16.89 ID:wFXSSR5RO
支援
407子猫 山月記?:2008/11/30(日) 01:15:18.63 ID:Ks5+mOy8O
次の日の朝のことでした。
弁当を作るために有希が目を覚ますと、布団の中に脱ぎ捨てたようにくしゃくしゃのパジャマがありました。
そのパジャマの中で、一匹の子猫が眠っていました。
「なー…」
いくら名前を呼んでも、撫でてやっても、目を覚ますことはありませんでした。
「なー……?」
有希は子猫を抱きしめました。その小さな体には、まだあたたかさの残っていました。


とてもたくさんのエラーが起きていました。目からは涙が止まらず、震えて喋ることも出来ませんでした。
なーのふさふさな毛が、少しずつ濡れていきました。
有希にも分かっていました。猫よりも、自分の方が長生きですから、いずれ、こうなるとは思っていました。でも、分かっていても、これは悲しいことです、苦しいことです。
408子猫:2008/11/30(日) 01:20:23.00 ID:Ks5+mOy8O
「おはよう長門さ…」
涼子が起きて来ました。
目を真っ赤にした有希を見て、全てを理解しました。
涼子は、なにも言えませんでした。
有希は言いました。
「貴方も、抱いてあげて」
子猫をそっと抱くと、涼子も肩を震わせて涙を流しました。
409子猫 ラスト:2008/11/30(日) 01:24:54.54 ID:Ks5+mOy8O
なーは、自らの死をもってして、「命」というものを教えてくれたのです。
なーはずっと苦しんでいたのに、自分がもうお別れしないといけないのに、いつも笑顔を見せてくれました。
それは、そばにずっと、有希と涼子がいてくれたから、ずっと見守っていてくれたからなのです。
だからなーは安心して、天国に行くことが出来たのです。

朝日が部屋を照らします。部屋の隅に置かれたキョンが買ってくれたペット用品をしばし見つめていました。
なーは、有希の膝の上で、気持良さそうに眠っています。

有希は、涙を拭き、微笑みました。
「ありがとう」
410 ◆Story..LhY :2008/11/30(日) 01:28:53.80 ID:Ks5+mOy8O
以上です。支援ありがとう。
411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 01:35:26.95 ID:wFXSSR5RO
あ、リメイクか。
以前読んだ事が(ry
乙!
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 02:15:09.73 ID:wFXSSR5RO
保守
413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 02:21:16.29 ID:Zi+SyepWO
>>410
乙です。
不覚にも泣いた
俺も拾った子猫に死なれた事あるもんで・・・
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 03:25:05.55 ID:wFXSSR5RO
jp
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 03:25:33.91 ID:Zi+SyepWO
寝る前に☆
416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 05:50:21.10 ID:wFXSSR5RO
保守
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 07:25:26.75 ID:wFXSSR5RO
保守
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 07:25:35.90 ID:pWQzyUOu0
保守
419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 08:30:51.12 ID:ddrGCWja0
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 09:24:18.89 ID:3v++IF130
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 09:35:56.62 ID:p0dqI5k50
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 09:54:39.80 ID:3v++IF130
423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 10:08:46.31 ID:Ks5+mOy8O
424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 10:22:53.68 ID:L4zZHTs5O
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 11:02:24.93 ID:Ks5+mOy8O
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 11:02:55.97 ID:3v++IF130
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 11:38:33.38 ID:3v++IF130
428以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 11:53:06.82 ID:8+STixo8O
429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 12:40:01.03 ID:EcsMfcOKO
430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 13:22:46.85 ID:3v++IF130
431以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 14:03:44.78 ID:wFXSSR5RO
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 14:22:50.98 ID:wzyOvj9C0
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 14:43:21.88 ID:Ks5+mOy8O
434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 15:06:10.99 ID:J1mMMNMn0
435以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 15:34:19.23 ID:Ks5+mOy8O
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 16:01:02.06 ID:Ks5+mOy8O
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 16:34:29.52 ID:Ks5+mOy8O
人否
438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 17:05:29.57 ID:Ks5+mOy8O
過疎
439以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 17:30:12.11 ID:pWQzyUOu0
ほほ
440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 18:01:35.42 ID:EcsMfcOKO
441長門有希はヒトの夢を見るか:2008/11/30(日) 18:08:20.96 ID:UV6kcwNtO
古泉「長門さんは人間だと思われますか?それとも本当に宇宙人の造ったアンドロイドだとお思いですか?」
キョン「何を言っているだか。本人が、アンドロイドだー、といっているじゃあないか。というか、そのへんはお前の専門分野だろうに」
古泉「本人が言い出したことが必ずしも真実だとは限らない。僕はそう訓練されましたからね」
キョン「長門が嘘を言ってるとでも言うのか?だとしたらおまえの体験した、カマドウマヤ、雪山はどう説明するんだ?ありゃ、完全に人間離れしてるじゃないかっ」
古泉「わかりやすく言い換えましょう。もしあなたの前にヒトの形をした不明な物体があるとします。そして、それは人であるか、もしくは人型超高性能アンドロイドです。あなたどうやってその違いを見分けますか?」
キョン「解体……、は遠慮しておく」
古泉「そうですね、法治国家では賢明な考えだと思います」
キョン「だとしたら……、んーーっ、わからんな。というか、そもそもそんなことなら、人とアンドロイドを区別する必要性が無いんじゃないか?」
古泉「フフフ、確かに。まあ、ですが今のように限りなく人に近いアンドロイドを区別なんてできません」
キョン「解体しない限りな」
古泉「はい」
キョン「じゃあ、あの、長門の珍妙な技の数々は特撮だったとでも言いたいのか?」
古泉「いいえ。あれは情報統合思念体によれものでしょうね」
キョン「ん?まわりくどい話は聞き飽きたぞ。何が言いたいんだ、おまえさんは」
古泉「長門さんは情報統合思念体に、宇宙人として仕立て上げられた人間なのではないか?という疑念です」
キョン「……」
古泉「思い返してください。長門さんが涼宮さんに近づいた理由を」
キョン「ハルヒの自立進化を求めていた」
古泉「そうです。また、彼女はこうも言っていました。情報統合思念体に無から有を創造することはできないと」

古泉「あなたはまだ、長門さんが宇宙人であると言い切れますか?」
442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 18:51:37.18 ID:wFXSSR5RO
ほしゅ
443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 18:59:05.06 ID:3v++IF130
>>441
原作に串刺し長門の描写が無かったら、言い切れんわな。
444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 19:12:01.12 ID:jydPEz560
ほしゅ
445以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 19:51:41.83 ID:9d6KI+710
>>443
古泉理論なら串刺しも情報統合思念体チートじゃねーの?

まあTEFIファンなら一度は似たような事考える設定だな。
446以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 20:16:54.56 ID:Zi+SyepWO
早めに
447以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 20:39:29.23 ID:pWQzyUOu0
448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 20:49:07.87 ID:b3pDUWOf0
無からじゃなくて何か俺たちには分からない物で作ってるんじゃないの?
449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 20:49:36.54 ID:3v++IF130
>>445
どこか(いつか)に実在する(した)人間の、コピーかもしれんな。
破損しても、オリジナル情報で上書きしてやれば元通り。
そしてひょんなきっかけでオリジナルの記憶が蘇って……w
450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 20:58:00.59 ID:+NT+xdfmO
>>449
そんな設定のSSを書こうとして挫折した俺が来たぞwwwwww
451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:00:23.85 ID:+NT+xdfmO
sageんの忘れたwww
452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:04:53.74 ID:Ks5+mOy8O
機関の構成員が全員、ハルヒの目の前で起こった交通事故の犠牲者だったみたいなSS思い出した。タイトル忘れちまったけど
453以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:08:18.19 ID:xq8Hl0st0
そこはアレだ。ウルトラセブンでいいだろw
454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:09:40.93 ID:vVEaRPPG0
ネタなくなりますよねー
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:11:09.61 ID:3v++IF130
質量とエネルギーと情報は等価。
恒星並みのエネルギーを自由に制御できて、クォークの結合情報までも自由に操作できるとしたら、
その気になればヒトサイズの物くらいなんとでも造れる。

ま、どうでもいい。
情報統合思念体が恒星並みのエネルギーを自由にできなくても、クォークを操作できなくても、
長門を造るに足るなにかは備えてる。
456以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:22:44.29 ID:EcsMfcOKO
>>443
消失でキョンの怪我も直していたから、戦いながら自分の怪我も直していたのでは?
457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:27:39.78 ID:UV6kcwNtO
全員本人の自己申告ってのがミソ
登場人物全員、勝手に改蔵だったら、程よく電波ってて良いと思うけどなあ
458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:29:43.28 ID:+NT+xdfmO
えみりんに至ったちゃ自己申告すらしてない
459以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:32:38.40 ID:3v++IF130
>>458
試してみよう。
喜緑江美里はワカm#&=7@mYh
NO CARRIER
460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:41:44.90 ID:sEK7qtSz0
長門が元超能力者の子をベースにして生み出されてるとか
森さんをベースにして生み出されてるとかもあったね

>>452
これだよね?
ttp://punpunpun.blog107.fc2.com/blog-entry-724.html
461以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 21:52:46.56 ID:+NT+xdfmO
>>460
森さんベース??

詳しく
462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 22:01:57.68 ID:sEK7qtSz0
>>461
ごめん、前にスレで見たんだけど何処行ったのか見つからない
もしかしたらwikiにまとめられてないかも
検索しても引っ掛からんし
463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 22:05:37.70 ID:+NT+xdfmO
>>462
そら残念だ…

だけど、森さんと長門を絡ませるのは面白そう
464以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 22:11:01.74 ID:UV6kcwNtO
「例えば、例えばの話よ」
喜緑さんは不適に笑い、ソファの上に置いていた手を膝の上にもどした。
対面には喜緑さん、横には長門、二人の間にはアンティークっぽいトランク、何もない部屋、ただただ白い部屋。
「君が記憶を失ったとしましょう。住所、指名、電話番号は勿論、好きな色、曲、食べ物、さらには、そうね、恋愛感情を抱く人物とかも忘れちゃったとしましょう」
喜緑の瞳は鏡のように光り、無機質だった。
「……」
長門は沈黙を守っている、様に見える。
「それまでの記憶の蓄積、過去、を持たない君は、君と言える?」
疑問符が白い空間に投げ出されると、ガラスみたいな、冷たい空気がその場を固めた。
「……」
長門はしゃべらない。俺に喋れってことか?俺は一呼吸分、必要性を感じない酸素を石膏の肺に注いだ。
「まわりの環境次第だな。まわりが何も変わらなければ俺は俺の役回りを演じ続けられるんじゃないか?逆に、そのままアフガニスタンにでも放り込まれたら、立派なテロリストにだってなるさ」
「なるほど、君は君のとりまく環境、つまりは外部の情報によって、君自身でいられるというのね。じゃあ次の質問」
正直俺はうんざりしていた。脳にメープルシロップでも注入されたような気分だ。
「そんな顔しないで、次の質問。君は訳あって、自我をそのままに体を……そうねぇ……古泉君と入れ替えられてしまいました。さて、この君(外見古泉)はあなた足りうるでしょうか?」
矢継ぎ早の、気味の悪い質問。
「足りうるんじゃないかな。俺自身が変わらなければ」
「そうね、あなた中心の世界ではね。じゃあ、もし国木田君と谷口君が入れ替わったら?あなたから見て、国木田君(外見谷口)はもとの国木田君のままだと思う?」
想像しようとして、やめた。人間の常識を逸脱し過ぎているからだ。しかし、いったい何から逸脱してるのだろう。
「二元論なんて、アナクロぉ」
喜緑さんは笑った。
「どうしてだろう。俺にはその国木田はもとの国木田とは違うような気がする」「正直なのね。じゃあ最後の質問。君がさっきから口走ってる、オレって……何?」
おれであり、オレである、俺は閉口した。

「困らせちゃったからしら。まあ、いいわ。ねえ、長門さん?」
目の端で捉えていた長門が立ち上がった、ように見えた。視線を上げた先にはいつもの液体窒素のような瞳がそこにはあった、ように見えた。
465以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 22:11:26.92 ID:UV6kcwNtO
「長門さん。模擬大脳辺縁系旧皮質・古皮質のニューアプリケーションが届いているわ。早く新しいのに上書きなさいよ」
「……」
俺には長門はいつものナガトのようにオレには見えた。
466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 22:12:10.45 ID:UV6kcwNtO
さーて、イノセンスでも見て寝ようかーしら
467以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 22:28:21.36 ID:Ks5+mOy8O
>>460 それだ。ありがとう
468以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 22:57:02.66 ID:wFXSSR5RO
保守
469以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 23:20:41.08 ID:ThY1v0pi0
470以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 23:31:30.56 ID:AlIzEElQ0
ほほ
471以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/30(日) 23:56:29.52 ID:Ks5+mOy8O
ほほほ
472以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 00:21:29.16 ID:5keMs3oS0
473以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 00:47:14.03 ID:ib0ezhjU0
●<バイショォオオオオオオオオオオオオオ!!!!
474以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 01:19:27.86 ID:mOeWlp2z0
ほああぁぁ
475以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 01:28:15.70 ID:QhKhQ+kX0
超久しぶりにきてみた。
残ってたかこのスレ、懐かしい。またネタでも考えてみよっと
476以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 02:26:45.97 ID:ib0ezhjU0
ほほほ
477以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 02:58:03.31 ID:E+N0qa1o0
478以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 03:18:55.89 ID:ib0ezhjU0
寝る保守
479以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 03:38:22.68 ID:XhKPnw9G0
今年の四月以来久しぶりに北
リハビリとして何か書きたいから起きてるやついたらお題くれ
480以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 04:05:24.41 ID:F9pOK+3aO
>>479
再会
481以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 04:11:42.26 ID:XhKPnw9G0
>>480
把握した
今日の夜にでも投下できたらしてみるか
482以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 06:04:43.48 ID:HgQfPbPTO
にゃ
483以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 07:06:05.19 ID:Btr+iKEm0
仕事行くぞー
仕事行けよー
仕事しろー>谷川
仕事しろー>森岡
484以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 08:29:21.69 ID:8SqxeSNbO
ほーしゅ
485以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 08:59:41.11 ID:667+5I7f0
投下予告もないしみたいなんで30分くらいになったら投下して良いですか?
486以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 09:23:07.91 ID:8SqxeSNbO
やっちまえ
487以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 09:23:36.25 ID:667+5I7f0
…まぁ誰もいないかorz
http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5369.html
の第二章になります。約370行。

さるさん怖いんで時間変更して45分から投下します。
5分1レスペース。さるったら雑談スレに報告に行きます。
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 09:38:38.17 ID:RQbF4irBO
早めの支援
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 09:41:30.10 ID:8SqxeSNbO
便乗して支援
490第二章「春の通り道」 約16レスです。:2008/12/01(月) 09:45:11.59 ID:667+5I7f0
「おはよ、涼宮さん!」
「あ、朝倉さん」
「桜綺麗ねー…もっと沢山咲けばいいのに」
「北高の周りでこんなに沢山生えてるのってこの辺だけなのよね。駅前とかではたくさん咲いてたわよ」
「そうなんだぁ…あーあ、こんな素敵な桜並木を好きな人と歩けたらいいのになぁ」
「何よそれ」
「んー…青春って感じしないかしら?涼宮さんは気になる人とかいないの?」
「…気になる人、ね…」
「せめて桜が散る前にそんな人と一緒に歩きたいな」
「…そんなものかしらねぇ」















491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 09:45:43.89 ID:8SqxeSNbO
支援
492モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 09:50:02.62 ID:667+5I7f0

春である。

ハルヒが訳の分からん団を設立させた次の日。
既にハルヒはすべきことに目星をつけていたようであり、俺が学校に着くや否や再び俺の襟首を掴んで屋上まで引きずっていったわけだ。

「団っていうくらいなんだからアジトが必要だと思うのよ」
「アジト?」
「そうよ!そこで今後の予定とか練ったりするのよ!面白そうじゃない?」

…まぁ楽しそうではあるが。

「でしょ!じゃあ学校の中でアジトになりそうなところを考えておくこと!」
「ちょっと待て、ハルヒは何もしないのか?」
「あたしだって考えるわよ。ひとりで考えるよりふたりで考えた方が良い結果がでるでしょ?」

…それもそうか。

しかしいきなりアジトっつったって場所なんかあるのかねこの学校に。
午前の授業を終え、谷口と国木田が弁当を摘むのを見ながらぼんやりとそう思った。

「キョン。飯食わないのか?」
「…あぁ、今食う」

493以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 09:50:57.46 ID:8SqxeSNbO
しえん
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 09:51:25.43 ID:RQbF4irBO
支援
495モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 09:55:08.95 ID:667+5I7f0
こいつらに聞いてみるか。

「…なぁ、この学校で使ってない場所ってどこか知らないか?」
「場所?…すまん、女子のことじゃないからわからん。というか興味がない」

まぁそうだろうなぁ。

「旧校舎の方ならあるんじゃないのかな?僕は行ったことないからわからないけど」
「旧校舎かぁ…」
「っていうかそんなこと聞いて何するつもりなんだキョンは」

あー…

「…俺にもわからん」
「なんだそりゃ」

ふと、ハルヒの机を見てみる。
ハルヒは弁当を持ってきて無いらしく、授業が終わるとすぐに朝倉と食堂へ向かっていった。

「朝倉は食堂派なのか。というか興味無い振りして見てたんだな」
「断じて違う。ハルヒがそう言ってただけだ」
「…食堂か。僕は弁当でいいな。移動するのが面倒くさいし」

同感だ。

496以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 09:55:30.29 ID:8SqxeSNbO
支援
497モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:00:05.09 ID:667+5I7f0

「なぁキョン」
「ん?何だ?」
「そういや昨日涼宮に引っ張られてったが、何だったんだ?」

…何があったかって…そりゃあ…

『あたしがあんたを助けてあげるわ!』

「…別に。何も無かったぞ」
「………」

…何だよ。
人の顔じーっと見て。

「…いや、無いな」
「だから何の話だ」

気にするな、と言って谷口は弁当を食べる作業を再開する。
…結局何が言いたいのかよくわからん。

─────────────

でもって放課後。
498以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:00:16.25 ID:8SqxeSNbO
しえん
499モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:05:13.23 ID:667+5I7f0

「旧校舎?」
「あぁ、国木田がそこなら空いてる場所があるんじゃないかって」
「いいじゃない!早速行ってみましょう!」

…ちょっと待ってくれ。

「ん?どうしたの?」
「ハルヒは考えてなかったのか?どこか良い場所がないか」
「…あー…ほら、早くしないと時間なくなっちゃうわよ!」

…やれやれ。














500以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:05:16.54 ID:8SqxeSNbO
支援
501モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:10:12.00 ID:667+5I7f0






で、だ。
こういうことは先に考えるべきだったのかもしれんが。
国木田の言うように空いてそうな部室はいくつかあったわけだが…

「何よ!全部鍵がかかってるじゃない!」

…と、いうわけでして。
まぁ元々使ってない場所だ。
必要な時以外は閉めておくのが普通だろう。

「もう!記念すべきアジト候補が目の前にあるのに!」
「…落ち着けハルヒ、場所なら他にも捜せばいいだろう」
「嫌よ!ここがいい!」

…何でまた。
そこまで口調を強めてまで我が儘言うことでも無いだろう。

「国木田に助けを貰ったとはいえ、折角キョンが考えてくれたんだから!団員の考えを押し通すのは団長の勤めなの!」
「…あぁ、そーかい。で、どうするんだ?」
502以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:10:16.18 ID:8SqxeSNbO
しえん
503以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:15:16.76 ID:8SqxeSNbO
支援
504モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:15:20.85 ID:667+5I7f0

んー…と言いながら腕を組むハルヒ。

「…世界にはピッキングという技術があるらしいわ」

却下だ。
正攻法でいこうぜ。

「正攻法って言ったってこんな非公式な団のために教師が鍵貸してくれるわけないじゃない!」
「…そこは自覚してるんだな。というか声がでかいぞ」

下手したら変なこと企んでるって…

「………」

…数分前からじっとこっちを覗いてた先輩に勘違いされるぞ。

「あー…すみません、うるさかったですか?」
「いやいや、ただ何してるのか気になって…鍵を探しているのかい?」
「え!鍵持ってるの!?だったら早く渡しなさいよ!」

だから落ち着けって。
というか相手は先輩なんだから口の効き方にも気をつけろ。

505以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:15:59.60 ID:8SqxeSNbO
しえん
506モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:20:09.53 ID:667+5I7f0
「むー…」
「いや、まぁそこまで気を使わなくても…あ、ほら、鍵」

そういって先輩はポケットから鍵をだす。

「え?いいんですか?」
「あぁ、元々このコンピ研もそういう流れで部室を借りたわけだし、他に部室を使いたがってる人がいたら鍵を渡すようにって言われてたんだ」
「でもこんな非公式な団体に…」
「あぁもう!何ゴチャゴチャ言ってるのよ!鍵あげるって言ってるんだからちゃっちゃと受け取りましょうよ!」
「ははっ、彼女の言うとおりだよ、それに非公式ならこちらのコンピ研もそうだ。実際生徒会側からはあまり認められてないんだから」

…いいのかよそんなんで。

─────────────


部室の中は何年も使われていなかったのだろう、お世辞にも綺麗といえるようなものではなかった。
別に物置みたいにされてる訳でもないし道具が散乱してるってこともないんだが。

「…すっげぇ埃だな。とりあえず窓を開けよう」
「じゃあキョンはここの掃除でもしてて!あたしは必要なものとってくるから!」
「はぁ!?おい!ちょっと待て!」

507以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:20:32.66 ID:8SqxeSNbO
支援
508以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:20:41.93 ID:z/NvpVxp0
支援
509以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:22:04.48 ID:UuQ2g1uSO
シエーン
510モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:25:06.22 ID:667+5I7f0
言うが早いかハルヒはすぐに部室から出て行った。

…逃げやがったな。

「…やれやれ」

…掃除するか。
といっても何から始めて良いのかさっぱりわからん。

仕方なく空気を入れ換えるために窓を開ける。
中庭では部活動に向かう人や友人達と下校する人、様々な人が賑わっていた。

俺もあのまま行けば下校する連中の一人になってたのかね?
そう思った途端に人混みから色が消える。

…嫌な癖だ。

空は青い、雲は白い。
当たり前のことだ。
なのに何故色を失わない?
当たり前の行動をしている人は霞んでいるのに。

…考えるだけ無駄か。

511以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:25:21.51 ID:8SqxeSNbO
しえん
512モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:30:12.54 ID:667+5I7f0
一つ溜め息を吐き、机の上に置いてある本を片付けようとする。

「…ん?」

この本…卒業アルバムか?相当古いな。
何気なく開いてみる。

2、30年前のもののようで、みんな思い思いの人と写真を撮っている。
…さすがに知ってる人はいないか…あれ?
この人は…お袋?

年号を見返して…あぁ、納得、確かにこのあたりの世代だ。
一度目の流し読みとは違い、今度はお袋の写真を目で追ってみる。
いつも特定の人と一緒にいるようで、その人とお袋だけ写っている写真が数多くあった。
俺と国木田と谷口みたいなもんか。

「おまたせー!ってちょっとキョン!全然掃除してないじゃない!」

そんなことはない、ほらこうやって今本を一冊片付けたぞ。

「…殴られたいのかしら?」
「…すんませんでした」
「全く、団長に言われたことはきちんとやんなさい!」
「了解…ところで、そのホワイトボードは何だ?」
513以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:30:16.39 ID:8SqxeSNbO
支援
514以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:35:19.20 ID:8SqxeSNbO
しえん
515モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:36:00.50 ID:667+5I7f0
「あぁ、使ってなさそうなのかっぱらってきたの。何かと便利かと思って」

…かっぱらってきたって…

「バレたら返せばいいのよ。長い間放置されてたみたいだし、無くなったのにも気がついてないと思うわ」
「…あぁ、そう」
「とりあえず今日はもう遅いから、明日の予定だけ決めて帰りましょう!」

おいおい、明日はせっかくの休みなのに何かするってのか?

「明日は第1回SOS団楽しいこと探しを決行するわ!」
「…相変わらず素晴らしいネームセンスで」

ってかそんなことして意味があるのか?

「………」
「…何故そんなに哀れみに満ちた目で俺を見るんだ」
「あのねぇ…あんたの休日にすることなんてただ家でゴロゴロしてるだけでしょ!?大体、毎日同じことの繰り返しって…自分から動きもしないのに楽しいことが玄関のベルを鳴らしてくれるわけないじゃない!
…いい格好したいのか知らないけどね、物事を冷めた目で見る暇があったら少しでも笑う努力をしなさい!…はい、ここまでで何か反論は?」

…無いです。

「コホン…だからこういうところで自分から動く癖をつけとくの!だいたいね、全くその人のためにならないならわかるけど、意味の無い行動なんて絶対に無いんだから!わかった!?」

516モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:40:24.66 ID:667+5I7f0
「その…すまん」
「わかれば良いのよ。じゃあ明日の12時に駅前の公園集合ね。あ、ちなみに遅れた方は罰金だから」

罰金て。

「嫌だったら遅れずにくること!んじゃあね!」

まるで嵐のように去って行きやがった。

…遅れずに、ね…どうせ午前は暇だし、少し早めにでも行ってみるか。
入学祝いやなんやらで少し充実している財布をこんなところで小さくすることもあるまい。















517以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:41:03.04 ID:8SqxeSNbO
支援
518モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:45:21.81 ID:667+5I7f0




…そう思って一時間前に着いたのに…何で俺は罰金を払わなきゃいけないんだ?

「決まってるじゃない。あんたがあたしより遅かったからよ」

場所は駅前の喫茶店。
今やハルヒの前には作りたてのカルボナーラ、俺の目の前にはホットコーヒーと伝票が置かれている。

「いつからいたんだよ…」
「あんたがくる少し前よ。本当は色々回ってからくる予定だったんだけど…」

そう言ってハルヒは外を見る。
窓の外では春という季節に相応しくないほど雨が振っており、恐らくは朝、傘を持たずに家を出たのだろう、どしゃ降りの中動けずに雨宿りしている人がたくさんいた。

「急に降り出したからなぁ…ま、すぐに止むだろ」
「それもそうね。今日はキョンの罰金だし、ゆっくり好きなものでも食べましょ」

待て、カルボナーラだけじゃないのか?

「遅れてきた奴に文句言う筋合いは無いわ」
「…お前が遅れてきた暁には絶対にこんなもんじゃすまさねぇからな」
519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:45:37.50 ID:8SqxeSNbO
しえん
520モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:50:17.46 ID:667+5I7f0
「あたしより先に来てから言いなさい。言っとくけど今のあんたには負ける気がしないわ!」
「今のって…昔の俺のことでも知ってんのか?」
「………」

…ハルヒさん?

綺麗にパスタを絡めたフォークを持ち上げたまま固まってやがる。
…せめて口くらい閉じろ。

「…知らない」
「…だよな」
「ただ…なんかやっぱりあんたとはどこかで会ってる気がするのよ…」
「…気のせいだろ」
「うーん…そうよね、まぁ腑抜けなあんたに負ける気はしないってことで」

…そーですか。

「…お、雨止んだな。で、今日はどこに行くんだ?」
「そうね…とりあえず服とか見に行きたいんだけど」

服って…楽しいこと探すんじゃなかったのか?

「…昨日言ったこと、もう忘れたの?」
「…意味の無い行動なんて絶対に無いってか。わかったよ、ただし、もう奢らないからな」

521以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 10:51:46.62 ID:p5uDHk1EO
しえん
522モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 10:53:51.01 ID:667+5I7f0
「そこまでしなくて良いわよ。んと…ここからなら駅の裏にある店が良いわ」

よし、ならさっそくその店に行こうか。

腰を上げて伝票に目を通す。

…げ、最近の喫茶店ってこんなに金取るのかよ。

「キョン!早くしなさーい」
「…へいへい」

仕方なく会計を済ませて店を出る。
うん、いい天気。

「さっきまで雨降ってたのが嘘みたいね」

そう言って俺の少し前を歩くハルヒが立ち止まる。

523モノクロシンドローム 第二章「春の通り道」:2008/12/01(月) 11:00:26.48 ID:667+5I7f0

「…どうしたんだ?」
「やっぱりこっちの道から行きましょ!」

そっちは遠回りじゃないのか?

「………」
「はいはい、意味の無い行動なんてない、だろ?」

言うが早いか、ハルヒはニッコリ笑った。
地面の水たまり、木々に付いた水滴、そんなものを全部吹き飛ばすような笑顔。

思わず目を凝らしたくなるほど長い桜並木を、俺とハルヒはのんびり歩いた。

…満開の桜の中を歩いている間、ハルヒがずっとニコニコしていたのは…一体何だったんだろうね?

つづく
524以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 11:01:16.46 ID:667+5I7f0
以上。支援サンキュです。
最後の一レス投下前にばいさる…良い読みしてやがるorz
525以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 11:08:40.79 ID:8SqxeSNbO
乙です
今から読んできます

すいません、俺も途中からさるさんくらってましたww
526以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 11:53:10.25 ID:UuQ2g1uSO
真面目に仕事してたんで、あまり支援できませんでした。すみません。
527 【末吉】 :2008/12/01(月) 12:08:45.54 ID:Nc9sEGtkO
乙です。ほ
528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 12:50:28.63 ID:p5uDHk1EO
続きが楽しみで仕方ないぜ>モノクロ
529 【大凶】 :2008/12/01(月) 13:28:43.45 ID:Nc9sEGtkO
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 14:18:16.62 ID:Nc9sEGtkO
531 【中吉】 :2008/12/01(月) 15:30:12.31 ID:F9pOK+3aO
保守
532以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 15:30:31.02 ID:Nc9sEGtkO
533 【大吉】 :2008/12/01(月) 16:23:33.14 ID:Nc9sEGtkO
保守
534 【小吉】 :2008/12/01(月) 16:54:30.73 ID:wvUZXWEBO BE:527412454-2BP(585)

保守
535 【吉】 :2008/12/01(月) 17:35:57.97 ID:F9pOK+3aO
ほしゅ
536 【末吉】 :2008/12/01(月) 18:00:29.28 ID:F9pOK+3aO
保守
537 【大吉】 :2008/12/01(月) 18:30:13.42 ID:F9pOK+3aO
ほしゅ
538 【大吉】 :2008/12/01(月) 18:57:27.45 ID:Nc9sEGtkO
中吉は吉の半分…だったけ
539 【大吉】 :2008/12/01(月) 19:25:15.42 ID:YQHMQYzq0
保守
540 【豚】 :2008/12/01(月) 19:51:12.99 ID:YQHMQYzq0
ほしゅ
541 【豚】 :2008/12/01(月) 20:25:18.14 ID:YQHMQYzq0
保守
542 【大吉】 :2008/12/01(月) 20:50:31.19 ID:F9pOK+3aO
保守
543 【大凶】 :2008/12/01(月) 21:15:19.83 ID:YQHMQYzq0
保守
544 【凶】 :2008/12/01(月) 21:37:07.63 ID:2lX57rfa0
ほs
545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 21:52:10.32 ID:ib0ezhjU0
546 【小吉】 :2008/12/01(月) 22:11:38.20 ID:Nc9sEGtkO
おみくじ保守
547 【吉】 :2008/12/01(月) 22:35:45.33 ID:YQHMQYzq0
548 【大吉】 :2008/12/01(月) 23:00:25.74 ID:YQHMQYzq0
ほぃ
549以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 23:08:44.44 ID:ib0ezhjU0
あげ
550 【大凶】 :2008/12/01(月) 23:29:05.52 ID:YQHMQYzq0
女神なんて見られる日は来るのだろうか……
551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/01(月) 23:40:53.58 ID:1M1SsWoe0
552 【末吉】 :2008/12/01(月) 23:58:35.14 ID:F9pOK+3aO
ラスト御神籤
553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:16:33.87 ID:U1BaKmnCO
おみくじおわてた…
554HARUHI FANTASY Z:2008/12/02(火) 00:29:05.15 ID:UkipmOIw0
ええと、3ヶ月以上ぶりになりました。覚えておられる方がどれだけいるか分かりませんが、
続編をお待ちになっておられた方にはまことに申し訳ございませんでした。

とりあえず、14章ができましたのでアップしようと思います。

が、あまりにも先行アップ分との間が開きすぎたので、冒頭から再アップしようと考えております。
ただレス数が20を明らかに超えそうなんで、その間にアップされる方もおられるでしょうし……

10分空けてアップを始めますので、そのあいだに不都合のある方はレス下さい。
555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:32:06.71 ID:zbfruSeJ0
>>554
うはwww超久しぶりw
俺は待ってたよ!ただ明日、早いから支援できんけど…orz
556HARUHI FANTASY Z:2008/12/02(火) 00:40:18.01 ID:UkipmOIw0
>>555

ありがとうございます。その気持ちだけで嬉しいです、マジで。
では、次のレスから始めたいと思います。
投稿急ぎの方は遠慮なく仰ってください。またさるった場合はそのままスルーして進行してもらえれば助かります。

13章まではこちら

http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4247.html
557HARUHI FANTASY Z 第14章第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:42:13.72 ID:UkipmOIw0
    ――――あたしは、空が怖いの……まるで、吸い込まれてしまいそうで――――

 ――生まれてから一度もまともに見たことも無いそれを、そんな風に言ったら、案の定『その
人』は驚いたようで綺麗な緑色の瞳を丸くしていた。……やっぱり、変だよね? 分かってはい
たけれど落ち込んでしまって、俯くあたしに、その人は一瞬キョトンとすると、嫌な物全てを吹
き飛ばすかのように快活な笑い声を立てた。

『あははっ、何言ってるの、ミクル! 普通なんてつまらないっさ!! あたしはぜんっぜんそん
な事思わないよっ!!!』

『……そうかな』

 本当はとっても嬉しい筈なのに、その時のあたしはそれを素直に言葉に出来なかった。でも、
その人はそんな事などお構い無しに、輝くような笑顔をあたしに向けて、こう言ってくれた。

『そうだ! あたしがいつか、キレイな空を見せてあげるにょろよ! ミクルだって、めがっさ気
に入る筈っさ!!』

 そんな風に言われると、本当にそうかも、と思えるから不思議だ。あたしも、それにつられて
いつの間にかその人に向かって微笑んでいた。

『うん! やっぱりミクルはそうやって笑っているのが一番可愛いにょろ!!』

 あははははっ、と太陽の様な笑い声がスラムの教会に響くのを聞きながら、あたしはその時初
めて空というものを見てみたいと思った。

 ――それは、あたしが初めてその人に出会った日の事。あたしにとって、幸せな思い出と、悲
しみの記憶の始まり――
558HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:43:28.75 ID:UkipmOIw0
 ――気が付くと、あたしは南を目指して駆けるバギーの座席に横たわっていた。どうやら眠り
こけていたみたい。隣に居た涼宮さんがあたしの顔を覗き込んでいた。

「あ、ミクルちゃん。起きた?」

 あたしは返事をしようと口を開いたけれど、まだ夢現だったみたいで少し眠たげな声になって
いた。  

「ふぁ……はい…………すみません、いつの間にか眠っちゃってたみたいで」

「いいのよ。今は休憩中なんだから。他のみんなもそこで眠ってるわ。あたしはそろそろキョン
と運転を交代するから起きただけ」

 寝ぼけ眼で周りを見渡すと、確かに長門さんや古泉君、シャミセンさんたちも、ちょっと狭い
車のシートに横たわって静かに寝息を立てていた。

「ミクルちゃん、見張りの交代までまだ時間あるから、もうちょっと寝てていいわよ」

 そう言って、涼宮さんは運転席のキョン君の方へと去って行った。あたしは「は、はい」と返
事をしつつも、すぐには眠れそうには無く、夜も更けて真ん丸いお月様が地上を照らす窓の外を
ぼんやりと眺めていた。――そう言えば、いつ振りだろう。『彼女』の夢を見たのは。本当に久
し振りでとっても嬉しい筈なのに、とっても悲しくなって自然と両目から涙が溢れてきた。
559HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:44:39.47 ID:UkipmOIw0


  ――ねぇ、あなたは今何処にいるのですか? あたしはずっとずっと、待ってるのに――



 あたしがそんな事を思いながらもバギーは、あたしたちを乗せたまま真夜中の道をひたすら南
へと走って行く。朝倉さんが向かったとされるゴンガガという村へと。……ところで、コレルプ
リズンにいた筈のあたしたちがどうしてバギーに乗って南へ向かうことになったのかを話さない
といけないんだけど……どうしても眠たくなってしまって――――ごめんなさい。そのままあた
しはもう一度夢の世界へと入っていった。



          ――今から思うと、多分『それ』が予兆だったのかな。




『HARUHI FANTASY Z -THE NIGHT PEOPLE-』

第14章 (just like a) stoned flower



560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:45:15.76 ID:pfZe4WUi0
sienn
561HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:45:55.46 ID:UkipmOIw0
〔それより12時間前〕



 ――さて、俺は今、チョコボの黄色くフワフワした背中にまたがって、左右にずらりと並ぶ眼
をギラつかせた、同様に紫や緑など色とりどりのチョコボに乗った男たちと共に号砲を待ってい
る。誰もが無言でただひたすら前を見詰め、刺す様な緊張感が場を支配する。それだけでもここ
から逃げ出したくなりそうなのに、耳につけたレシーバーからは、

『いい、キョン! やるからには絶対勝つのよ!! SOS団の辞書に「敗北」なんて文字は無いん
だからっ!! 万一負けたりなんかしたら半永久的に罰金だからねっっ!!!』

 などとハルヒのキンキン声が四六時中響き、うるさくてしょうがない。

「それはいいけどな、ハルヒ。もし負けたら罰金どころか永久に『あそこ』から出られないんだ
ぞ」

『分かってるわよ!! SOS団の運命はあんたにかかってるんだから、しっかりやりなさいよ、キ
ョン!!!』

 思う存分叫んだ末に、オーバー、とレシーバー会話でお馴染みの台詞を吐いてハルヒは通信を
切ると、俺はめいいっぱいの溜め息を吐いた。――もうお分かりだろうが、俺は何故かチョコボ
レーシングのジョッキーとしてレースに出場する羽目になってしまっていた。……何でこんな事
になってしまったのか。取り敢えず、今より約三時間前のコレルプリズン、手島のコンテナに時
間を戻してみよう。

562HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:47:26.62 ID:UkipmOIw0

『――上に行きたい』

『いきなり何だよ』

『だから、上に行きたいの!!』

 入ってくるなり偉そうに仁王立ちして脈絡無く要求だけ捲くし立てるハルヒに、やはり面食ら
っていた様子の手島だったが、プリズン内で保ってきた威厳を何とか取り戻そうと、コホンと咳
払いを一つして自らを落ち着けさせた。

『さっきも言ったが、ボスの許可を取ってチョコボレースに……って』

 そう言い掛けて、何かに気付いたらしくジロリと俺たちを見回した。段々顔が青くなる手島。
そんな彼の予想を肯定するかのように、古泉が一歩前に出る。

『……榊は訳があって話が出来なくなりまして……その代わりこれを貰ってきました』

 古泉が差し出したライラックのネックレスを見て、いよいよ手島の顔は真っ青になった。

『ゲッ……』

『上に行きたい』

 改めて同じ言葉で要求を述べるハルヒ。しかし、その重みが先の何十倍にもなって手島に降り
かかっているのは誰が見たって分かる。
563HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:48:57.94 ID:UkipmOIw0

『わ、分かったよ……榊を殺ったのか? いや、そうなんだろうな。そんなもの持ってるんだか
らな。そうか……榊が死んだか。これで、ここも少しは落ち着いた土地になるぜ。何しろ榊は誰
彼構わず――』

 一転安堵の表情を見せた手島の台詞が言い終わる前に、古泉が目にも留まらぬ速さで奴の襟首
を掴みあげて叫んだ。

『あなたに何が分かるって言うんだッ!!』

『わわわ、わかった! いや、何にも分かって無いです。す、すいません』

 完全に怯えている手島がさすがに可哀相になって、俺は古泉の肩に手を掛けた。もうこの位に
しとこうぜ。それに、そろそろキャラ戻した方がいい。何か調子が狂う。古泉は『すみません』
とややバツの悪そうな顔をして手島から手を離した。俺はヘナヘナとコンテナに座り込む手島に
本題を切り出すことにする。

『それじゃあ、ここから出してもらおうか?』

 しかし手島という男、変わり身が早いのか一瞬にして立ち直ると、偉そうな調子で以下の台詞
を述べた。

『ん? あんたたち、何か、勘違いして無いか? 前に少し言ったと思うが、ここから出る手段は
、只一つ。ゴールドソーサーで行われているチョコボレースで優勝するしかねぇ。それに、一度
に上にいけるレーサーはたった一人だ』

『何ですってぇ!!』

 言うや否やハルヒが猛然と手島の首を絞めてガクンガクンとシェイクしまくるが、
564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:49:07.46 ID:S/WSN4w80
支援
565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:49:22.60 ID:S/WSN4w80
支援
566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:49:42.74 ID:S/WSN4w80
支援
567以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:49:58.79 ID:S/WSN4w80
支援
568以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:50:29.95 ID:S/WSN4w80
支援
569HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:50:33.21 ID:UkipmOIw0
『だーーっ! いくら、脅してもダメだ!! このルールだけは変える訳にはいかねぇ。ここの規
律が滅茶苦茶になっちまう!! これは、譲れねぇ!』

 ハルヒも手島の真剣な眼に、手を引かざるを得なかった。手島は荒くなった息を整えながら言
う。

『ひ、一人は上に送ってやる。後は、そいつが岡部と取り引きするなり、なんなりしな』

『ちぇっ! しょうがないわねぇ――』

 そう言いながらハルヒの視線が何故か俺に向けられる。何だ? 心の底から嫌な予感しかしな
いのだが。

『――キョン、あんたが行って来なさい。あたしたちは下で待ってるから。さっさとチョコボレ
ースとか言うのに勝って、こっちも何とかしなさい!』

 おい、ちょっと待て。

『そうですね。現状ではいたしかたありません。期待してますよ』

 そこでいつものキャラに戻るな、このイエスマンめ。

『キョン君、頑張って!!』

 朝比奈さん、そんな笑顔で応援されると是非ともあなたに勝利をプレゼント――って違う!!
570以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:50:41.62 ID:hkzrhqf2O
支援
571以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:50:48.64 ID:S/WSN4w80
支援
572以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:51:08.53 ID:S/WSN4w80
支援
573以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:51:14.96 ID:zbfruSeJ0
しえん
574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:51:45.56 ID:S/WSN4w80
海山チョコボ!
575HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:51:45.64 ID:UkipmOIw0
『……………期待している』

 うぉい、長門! そんな仔犬の様な瞳で俺を見るな!! それに、橘やシャミセンは我関せずっ
て顔してやがるし、周防にいたっては、無表情のまんま突っ立って蝶と戯れている。……楽しい
のか、それ?

『わかったよ……俺がやればいいんだろ』

『最初っから素直にそう言えばいいのよ! あんたはSOS団代表なんだから、敗北なんてもっての
他だかんね!!』

 結局折れてしまった俺にハルヒが勝ち誇ったように言うのを見て、俺は盛大に溜め息をついた
……やれやれだ。

『は、話は、まとまったか? じゃあ、後はマネージャーか。チョコボレースの登録や調達をす
る役目なんだが……』

 手島が話を先に進めようとしたところ、突然コンテナの扉が勢いよく開かれ、桃色のウエイト
レスみたいな格好をした女が入ってきた。

『は〜い、話、聞かせてもらちゃった』

『ミズキか?』

 ミズキと呼ばれた女は、手島に構う事無く俺たちの目の前で力強く宣言した。

『あたしがマネージャーやるわ!!』

 少し渋い顔をしていた手島だったが、すぐに納得顔で頷いた。
576以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:53:01.67 ID:8stbg5fX0
風来の支援
577HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:53:22.33 ID:UkipmOIw0
『まぁ、文句はねぇが……こいつは岡島ミズキ。見た目は変だろ? でも、チョコボレースのマ
ネージメントで右に出る奴はいねぇ』

『しっつれいな言い方ね。まぁ、いいわ。よろしくキョンさん』

 そう言って彼女が手を差し伸べるので、俺もそれに応じて握手をした。

『よし、キョンさんとやら。柱のエレベーターから上に送ってやる。詳しいことはミズキから聞
きな』

 ――こうして、俺はチョコボレーシングなんかをやらなきゃならん羽目になってしまった。本
当に、やれやれだぜ。





 俺はみんなと別れて、マネージャーになったミズキさんと一緒にエレベータに乗って再びゴー
ルドソーサーへと向かった。雲の上に聳えるゴールドソーサーへの道のりは長く、その途上でミ
ズキさんはこう話してくれた。
578HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:54:37.15 ID:UkipmOIw0
『そう、そんなことがあったの。わかったわ、岡部園長には私から話をしておくわ。あなたは取
り敢えずレースに集中して。そうそう、さっきの話の続きだけど、チョコボレーサーには色んな
人が居るの。犯罪者だけのレースって訳じゃないのよ。名声の為に戦い続けている人、お金の為
に戦う人、レースにのみ生き場所を感じている人……あなた、みたいな人も含めてね。あっ、そ
うだ。チョコボの騎乗方法教えておくね』

 俺は上に着くまでの間、ミズキさんから簡単にチョコボレースのレクチャーを受けた。以前、
ミドガルズオルムから逃げる時にチョコボに乗ったことがあるし、レクチャーを聞いている限り
は、何となく出来そうな気がした。

 ゴールドソーサーに着くと、俺はジョッキーの控え室に通された。入るなり、漆黒のテンガロ
ンハットを被った男が近づいてこう言った。

『新入りかい?』

『こんにちは、垣ノ内君』

『やぁ、ミズキ。今日も美しいね』

『ふふ、ありがと』

 何ともキザな台詞だが、ミズキさんはいつもの事と言いたげに軽く受け流す。

『紹介するわ、キョン。彼は垣ノ内君、現役チョコボレーサーのトップを行く人よ』

 ミズキさんに紹介されて、垣ノ内は恭しく俺に礼をした。
579HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:56:36.01 ID:UkipmOIw0
『以後お見知りおきを、キョン君――しかし、ミズキが直についているという事は……』

『そ! 期待の新人って所かしら。なんてったって、下に来てたった一日でここにいるんだから
!!』

 その言葉に控え室に居たレーサーたちが何故か顔を真っ青にして立ち上がり、俺を凝視する。

『『『何!!』』』

 垣ノ内も驚愕の表情を隠せない。

『成る程な……一体、下で何をした? いや……ここで過去を訊くのはタブーだったな……面白
いよ。……君とはまた、会えそうな気がする。では、また会おう、キョン君』

 そう言って何処かへ去る垣ノ内を見送りながら、俺はミズキさんに尋ねた。

『……あいつとはレースで戦わないのか?』

『何言ってるの? 彼はSランクでも無敗のレーサーよ。全くの素人なあなたが敵う訳無いわ。で
も大丈夫! あなたが出るレースはランクが一番低いし、何たってあたしが用意するチョコボな
んだから、間違いなく勝てるわよ!!』

 そう言ってミズキさんは俺の背中をバシバシ叩く。……結構痛いんだが。まぁ、プリズンから
抜け出せるなら何でもいいや。

『じゃあ私はチョコボの手配をして来るわ。しばらくここで待っててね』
580以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 00:56:51.12 ID:pfZe4WUi0
ID:S/WSN4w80が凄まじすぎてワロタ
581HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 00:58:30.55 ID:UkipmOIw0


 ――こうして、それ程時間を置かず戻ってきたミズキさんに言われるがままに、用意されたチ
ョコボに乗り、今に戻るという訳だ。正直、ここまで実感が湧かなかったが、こうしてスタート
ラインにいると、否が応でも心が昂ぶってくるのは何故だろう。やはり、賭け事、勝負事、とい
うものは根源的に人の血を滾らせる何かがあるとしか思えない。

 ミズキさんは「仮に負けても何度でもチャレンジできるから心配しないで!」などと言ってい
たが、俺は一度たりとも負けたくなくなってきた。……ハルヒが伝染ったかな。

 ♪チャーチャラチャチャチャチャー チャチャチャチャー チャチャチャチャー……

 管楽隊がどっかで聴いた様なファンファーレを鳴らし、全チョコボがスタート体制に入る。聴
こえるのはトランペットとチョコボたちの鼻息のみ。奇妙な沈黙の中で、俺は高鳴る鼓動を抑え
ながら、騎乗前にミズキさんが言っていた事を思い出していた。

『――いい、キョン君。最初から飛ばしてちゃダメよ。チョコボだって生き物だからずっと走り
続けてたらバテちゃうもの。だから、最初は力をセーブして中位の位置につけるの――』

 そこまで思い出した瞬間、号砲が鳴り、各チョコボが一斉に駆け出した――


582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 01:00:02.20 ID:zbfruSeJ0
支援
583HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 01:00:11.17 ID:UkipmOIw0

 各チョコボ、互いに牽制している間に、一匹か二匹、最初っから飛ばして逃げ切りを図ろうと
する。それに釣られて2、3のジョッキーが鞭を振るって後を追いかける。しかし、俺は慌てる
事無くミズキさんの教えを忠実に守り、5番手から6番手位の位置につけた。

 間も無く、最初のコーナーを越えると、長い上り坂が待ち構えていた。最初に飛ばしたチョコ
ボの何匹かは早速スタミナ切れを起こし、後退して行く。だが、もう1、2匹はまだ前方で頑張
っているみたいだ。

 既にレースも中盤を終え、終盤に差し掛かろうとしている。現時点で上位につけてはいるもの
の、1位にならなければプリズンから解放されない。俺と同じ集団に居た内の何人かはスパート
をかけて上位との差を縮めに掛かった。流石に焦りを隠せない。だが、俺はミズキさんの言葉を
もう一度思い出す。

『――チャンスは最後のコーナーに入る前の下り坂。そこで思いっ切りとばしなさい』



 ――俺は待った。そして、信じた。マネージャーの選んだチョコボの底力を。そして、ポイン
トの下り坂に入った。

「行けぇぇぇぇぇ!!!」

 鞭を振りかざし、チョコボを叱咤する。チョコボも慣れたもので、それを合図に力強く地面を
けり、飛翔するが如くコースを駆けて行く。下り坂でつけた勢いそのままに、最後のコーナーを
回り、ラスト500メートルの直線。先にスパートを掛けたチョコボは既にへばって、先頭と共
にもう射程圏内だ。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
584HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 01:02:18.24 ID:UkipmOIw0
 知らず知らずの内に絶叫する俺。観客席からも悲鳴とも怒号ともつかぬ叫びがこだまする。10
チョコボ身、5チョコボ身、3チョコボ身……と前との差が縮まっていく。だが、俺には前を行く
チョコボの姿なんか眼中に無い。ただただ、俺の視界に入るのはゴールライン、それだけだった
――





「おめでとう!! これで晴れて自由の身よ。まさか一発で決めるとは思わなかったわ。あっ、
そうだ。これ園長から手紙。勝ったら渡すようにって」

 気がつくと1位でフィニッシュしていた俺を控え室で笑顔で迎えてくれたのはミズキさん。そ
うか、俺は勝ったのか……ようやくそれを実感できた。俺は半分夢見心地で手紙を開く。

『少年なら自らの力で勝利を手に入れ、この手紙を読んでくれていると信じている。榊のことは
ミズキ君から聞いた。少年が勝つことが出来たなら、私の権限で、君の仲間の自由も約束しよう
。それと、お詫びと言っては何だが、プレゼントを用意した。旅の役に立ててくれたまえ。これ
でも、多忙な身の上。手紙という形で失礼した。では。
                                 ディオちゃん より』
585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 01:02:25.51 ID:hkzrhqf2O
支援
586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 01:03:21.27 ID:zbfruSeJ0
支援
587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 01:04:32.29 ID:zbfruSeJ0
チョコボレースってLR同時押しで回復しながらやると楽勝なんだよな
海チョコボ取ったらもっと楽勝なんだよな
588HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 01:04:34.23 ID:UkipmOIw0
 ……だから何で『ディオちゃん』だとも思ったが、それ以上にプレゼントというのが気になっ
た。すると、突然俺の携帯が鳴り出した。すると、ハルヒの甲高いハシャギ声が耳をつんざいた


『キョン!? ね、凄いのよ! 今ね、園長の使いとか言う人が来て「バギー」を置いて行ったの
。これがあれば砂漠や川もラクラクよ。よくやったわ、キョン! さすがSOS団の一員ね!! じ
ゃ、外で待ってるわよ』

 言いたい放題言って電話を切られた後、俺は手紙に続きを読み進めた。

『P.S. この間、私はセフィロスに会ったぞ。少年たちの年代では、彼女のファンもいるだろう
。サインでも貰ったらどうだ? 彼女はここから南の川を越えてゴンガガに向かったようだぞ』

「朝倉……」

 サインなんか貰う気など毛頭無いが、次の目的地はそこか。しかし朝倉よ、何でそんな所に。
少し不思議に思いつつも、取り敢えず、みんなと合流するため、俺はミズキさんにお礼と別れを
告げた。ミズキさんは、心底嬉しそうに明るく笑ってこう言った。

「じゃあ、お別れね。そうだ。いつか、自分のレースチョコボを持てる様になったら、もう一度
ここに来るといいわ。また私が登録とか色んな事して、あ・げ・る。また、会いましょうね」

 最後にウインクと投げキッスを掛けられ、ちょっと気恥ずかしくなって苦笑しかけたのはミズ
キさんにも、ハルヒにも内緒にしておこうか。――って何故ハルヒの名がそこで出てくる?
589HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 01:06:33.47 ID:UkipmOIw0

 ――それはともかく、やっとの事でゴールドソーサーから外へ出た俺を待っていたのは、10人
ぐらいは余裕で乗れそうな巨大なバギーと、早速子供みたいにそれを弄り回しているハルヒ、興
奮する奴に振り回されて既に眼を回している朝比奈さんに、一緒になってはしゃいでいる橘、そ
れを遠巻きに見詰めている長門や古泉、シャミセンに周防といったいつもの面々だった。

「……ふうん、分かったわ。次はゴンガガに行くって言う訳ね」

 俺はハルヒに岡部の手紙を見せ、次なる目的地を告げた。

「でも、今からゴンガガですと、例えバギーでも今日中には着けませんよ。何処かでキャンプを
張るかしないと」

 既に夕闇が迫る中、時計を見ながら告げる古泉の提案に、俺は首を横に振った。

「そんな悠長な事をしている場合じゃない。まごまごしてる間に朝倉がまた別の場所に行くかも
しれないだろ?」

「じゃあ、どうすんの?」

「――徹夜でゴンガガまで行く」
590HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 01:08:07.43 ID:UkipmOIw0
「「「「はぁ?!」」」」

 ハルヒの問いに決然と言い放った俺を、ハルヒや古泉たちは信じられないという面持ちで見る
が、俺は本気だ。これ以上ニアミスと後追いを繰り返す訳には行かない。

「もちろん、交代で仮眠を取って運転すればいい。幸い、運転手とナビゲーター、見張り役以外
の全員が何とか眠れるようなスペースはあるみたいだし」

「……………」

 しばらくの間、ハルヒは俺を見詰めながら、珍しく額に皺を寄せて考え込む仕草を見せるが、

「……それでいいわ。とにかく先を急ぎましょう」

 そう言って運転席に乗り込み、他のみんなもそれに続く。間も無く、バギーはけたたましいエ
ンジン音を響かせ始め、一路ゴンガガへと走り出すのだった。


591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 01:09:14.31 ID:zbfruSeJ0
支援
592HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 01:10:10.77 ID:UkipmOIw0

 プリズンのあるコレル砂漠を横目に走り、川を越え、ゴンガガ大陸と西の大陸を隔てる浅瀬の
海峡をもバギーは難なく越えて行く。その間に陽はすっかり落ち、真ん丸いお月様が天辺から南
へとひた走る俺たちを照らし続けている。

 一人きりで運転席に座る俺は眠い目をこすりつつハンドルを握り締めてアクセルを目一杯踏み
込む。少しでも、少しでも早くゴンガガへ辿り着こう、それだけしか頭に無かった。ゴンガガに
行って、朝倉に会って、それから――いや、その後の事をを考えてどうする! 俺は朝倉を倒す
。それだけを考えていればいいんだ。……きっと疲れているんだな、一瞬でも妙な思考に捉われ
るなんて――。

「……ン、キョン! ねぇ、キョンったら!!!」

 ――?……どっからか俺を呼ぶ声――気がつくと、いつの間にか助手席にハルヒが座っていた


「……………何だ、ハルヒか」

「『何だ』、じゃないわよ! さっきまでボーっとしちゃってさ。あたしが何度話しかけても反
応しないんだもん。それにナビもなしで。事故ったらどうすんのよ!!」

 そうか、それは済まなかったな。ナビ役の橘があんまりにも「眠い眠い」ってうるさかったか
ら後ろの席に帰したんだがな。で、どうした? まだ交代の時間まで時間、あるだろ?

「……うん。そうね」

 珍しく歯切れの悪いハルヒの返事。ふっと横を見ると、どことなく不安げに窓の外の月を見る
ハルヒの横顔。
593HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 01:12:19.43 ID:UkipmOIw0
「何か、よく眠れなくって」

 俺は、猛スピードで車を飛ばしているにも拘らず、それがあのハルヒにも拘らず、月光に照ら
された、憂いを帯びたその横顔に見惚れてしまっていたんだ。だから、

「……………ねぇ、キョン。どうしてそんなに焦ってるの?」

 何気ない調子で切り出したハルヒの問いに暫くの間反応できず、「ちょっと、キョン聞いてる
の?!!」といういつもの怒り調子になって漸く我に返って、ちょっとした自己嫌悪に陥った。
よりによってハルヒに見惚れるなんて。ああ、そうさ。今夜は余りに綺麗な満月だ。きっとその
所為だ。そういう事にしておこう。で、俺が何に焦ってるって?

「セフィロス――朝倉よ」

 ハルヒが朝倉を通り名以外で呼ぶのは記憶の上ではこれが初めてだったように思える。

「あたしだって、あの日のコト、忘れられるはず無い。だから、星を救うためにあいつを止めな
きゃ、ってことくらい分かるわ。でも――」

 俺はアクセル全開にしてるから、ずっとフロントガラスの先を見詰め続けていた。それなのに
、ハルヒの視線が痛いほど刺さってくるような気がしていた。

「――でも、今のキョン、何かヘン。何て言ったらいいか分からない、けど――」





      「――いつか、キョンが、キョンじゃなくなる気がして……怖いの」
594HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 01:13:58.39 ID:UkipmOIw0

「………………」

 ハルヒが余りに似合わぬシリアスな雰囲気を醸しつつ、そんな事言うもんだから、

「ぶはっ、あははははははは!!!」

 思わず噴出しちまうのはしょうがねえだろ?

「ちょっと! 何でそこで爆笑するわけ?!!」

「いや、俺が俺でなくなるってどういう心配だ、それ? 突拍子無さ過ぎだろうが」

「そんな、あたしは真剣に……っていいわよ、バカキョン!!!」

 流石に爆笑しすぎたか、ハルヒは怒ってむくれてしまった。俺は運転を続けながら、へそを曲
げるハルヒを宥めたが、そうしているといつの間にか眠気も妙な気分も吹き飛んでしまった。

 ――ああ、そうさ。正直に言おうか。俺はハルヒの言葉にわざと爆笑して見せたんだ。俺が先
程ふと抱いた不安、それをあいつは見事に言い当てたから――。

 暫くすると、ハルヒも多少機嫌を直したようで、俺たちは幼き頃に戻ったかのように馬鹿話を
しながら不眠不休で一晩中バギーを走らせた。そして、そろそろ夜が明けようとする頃、目的地
のゴンガガ村に辿り着いたのだった。
595HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 01:15:32.15 ID:UkipmOIw0


 軽く車中で仮眠を取って、外へ出てゴンガガ村へ向かう頃には、朝の光が気持ちよく俺たちを
照らしていた。まさに心地よい目覚め――

「ぜんっぜん、心地よくなんか無いのです……とにかくえらい目にあったのです……」

 そんな気分に水を差す不満タラタラな橘の台詞。それに古泉も首や肩を動かしながら同調する


「確かに痛かったですねえ」

「痛いどころじゃないのです! もう身体中が痛くて、ヨガですかこれは、と。こうやってみた
りこうしてみたり――」

 橘は頭や身体をくねくね動かして自分が寝た時の格好を実演してみるが、確かに変だ。人体の
動きをはるかに逸脱してる。

「――するんですけど、どうやったって落ち着かないの! 駄目なのです、眠れないのです……
んん…!もうっ!!」

 すると心なしか疲労の色を見せてる周防の肩に乗ったシャミセンが、呑気に欠伸をしながらし
みじみとこう言ってのける。

「人間の睡眠というのは、やはり面がピタッと接地しなければならないようだな」

「――ってちっこい猫で、しかもロボットのシャミにそんな事言われたくないのです!!」
596HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 01:17:59.32 ID:UkipmOIw0
 ――そんな阿呆な会話を続けながらゴンガガ村に続く森の入り口に差し掛かろうとしていた。
そこで俺は不意に草叢の向こうで人の気配を感じた。しかもただの村人ではない、これは軍人か
それに類する……

「ん?……隠れろ! 誰かいる」

 俺の小さい号令でみんな一斉にしゃがみ込む。じっと草叢の向こうを見渡してみるとそこにい
たのは――





「なあ、中河。お前、誰がいいんだ?」

 ジュノン以来久々に見たアホの谷口がニヤケた面して、巨漢の中河の背中をツンツン突いてい
る。中河は何故か顔をトマトのように真っ赤にしている。その反応を見て谷口はさらにニタニタ
と笑う。

「やっぱな。何赤くなってるのかな、と。前々から様子がおかしいと思ってたんだぞ、と。ん?
誰がい・い・の・か・な?」

 しばらく真っ赤のままで俯いていた中河はようやく口を開いてボソボソした声を放つ。

「………………長門さん」
597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 01:36:03.23 ID:bB5vAhfV0
598以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 01:41:13.18 ID:zbfruSeJ0
さるった?もう寝ます
599HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:03:25.54 ID:UkipmOIw0
はい、さるってました。すみません。とりあえず以下より↓

 その言葉に一瞬固まる谷口。しかし、中河はそれをきっかけに堰を切ったように喋りだした。
どことなく陶酔している様な表情で。

「愛しているんだ――そう、彼女を愛している。俺は本気だ。真面目に悩んでいる。ミスリルマ
イン以来、寝ても覚めてもそればかり考えているのだ。――目を閉じれば蘇る。ああ……その姿
の何と可憐で美麗なことだっただろう。それだけではない。俺は彼女の背後に後光が差している
のが見えた。錯覚ではない。そう、それはまるで天国から地上に差し込む光のようだった……俺
は圧倒された。今までの人生で感じたことの無い感覚だった。まるで電流が走り抜けたように…
…いや! 特大の雷に打たれたかのように俺は立ちつくし、気がつけば夜になっていた。そして
思ったのだ。これが愛なの――ムグッ?!」

「分かった、分かったからもういいぞ! と。――な、なるほど……と。辛い所だな、あんたも


 さらに続きそうだった中河の独演を、手でその口を塞いで遮った谷口は、気の毒そうな顔をし
て中河の肩をポンポンと叩いた。

「しかし、阪中も可哀想にな。あいつ、あんたのこと……」

 すると中河はさっきまでのトランス状態は何処へやら、ケロリとした顔で答えた。

「いや、あいつは国木田さんだ」

 谷口はそれを聞いて意外そうに声を上げた。

「そりゃ初耳だな、と。だって国木田は、あの古代種……」

600HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:06:19.93 ID:UkipmOIw0

「――あいつら何の話してるんだ?」と俺。

「さあ……何なんでしょうね」とは古泉の言。

 実を言えば、奴らが話している内容は、俺たちにはここからでは遠すぎてはっきりとは聞き取
ることが出来ない。さっきまでの状況解説だって、見たまんまを述べてるのに過ぎないって気付
いたか? 気付いた奴は偉いぞ。何となくロクでも無いことを喋ってる事ぐらいは分かるがな。
それでも少しでも聞き取ろうとみんな耳をそばだてていたもんだから、後ろから何者かがが近づ
いているのに、不覚にも気付かなかった。

「ホント、下らないのね! 谷口君たち、いつでも誰が好きとか嫌いとか、そんな話ばっかりな
のね。国木田君は別だけど。――あ! いけない!」

 いつの間にか俺たちの背後に立っていた阪中が勝手にぺちゃくちゃ喋った後、目の前に居た俺
を突き飛ばし、そのままの勢いで谷口たちの方へと駆けて行く。

「谷口君! 中河君! 来ました! あの人たち、ホントに来ましたのね!」

「そうか……出番だな、と。中河……あの娘がいても手を抜くなよ、と」

「……仕事はちゃんとやるさ」

 瞬時に谷口と中河の表情は、先程とは180度違う真剣なものとなる。が、

「じゃ、谷口君、中河君。後はよろしくなのね。あたしは国木田君に報告に行くのね〜!」

「お、おい!! こっちに助太刀しないのかよ!!、と」
601HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:07:21.97 ID:UkipmOIw0
 谷口の言葉を背に阪中は何処かへとそのまま走り去ってしまった。……一体何しに出てきたん
だ? やや呆然とした表情で阪中を見送っていた谷口だったが、気を取り直して俺たちの方に向
き直る。

「まぁ、いいや……と。久し振りだな、と。七番街の借りを返すぞ、と」

「七番街……忘れたな」

 と、言うものの、本心を言えば忘れられる筈が無いだろ。こっちこそ、お前らに殺されたビッ
グスにウエッジ、ジェシー、それにスラムの人達の仇を取るんだ。ハルヒも古泉も俺と同じ事を
思っているのか一様に頷いている。それを知ってか知らずか――

「それは寂しいな、と」

「これ以上、先には進ませない」

 谷口と中河は両の手を広げ、俺たちの行く手を封じた。そうか、そっちがその気なら受けて立
つぜ――俺は背中の剣を取り、真正面に構える。再戦、開始だ。

「そうこなくちゃよ、と。喰らえ『タークス光線』!」

 いきなり谷口はそう叫ぶと、ロッドの先端を俺に向ける。その刹那、青白い光の束が一直線に
飛び出して来た。俺は全反射神経を総動員して回避行動を取るが、完全には避け切れず、右腕の
服の裾がジリッと焦げる。
602HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:08:08.82 ID:UkipmOIw0
「――ッ、野郎!!」

 なんて攻撃をしやがる。これが「見せたい」とかほざいてた武器って奴か。……それにしても

『タークス光線』って……ネーミングセンスだけはどうにかならんのか。だが、そんなツッコミ
を心の中で入れている間にも、

「『タークス光線』連発だぞ、と!!!」

 谷口は馬鹿みたいに四方八方にレーザービームを撒き散らし、さらに――

「覚悟しろ、『ファイア』」

 中河の拳にはめたマテリアが赤く輝く間も無く無数の火の玉が襲い掛かってきた。俺は精一杯
かわし切ってみせるものの、それは目晦ましに過ぎないことに気付いたのは、不覚にも谷口があ
っという間に間合いをつめ、俺に向けて電磁ロッド振り被った時だった。

 それでも、俺は谷口の一撃を剣で受け止めるが、その途端に電撃が身体中に走り、俺はもんど
りうって昏倒する。谷口はその機を逃さずロッドを倒れた俺に振りかざす。

「キョン!!」

 ハルヒや古泉は俺の危機に気付くが、格闘においては相当な使い手である中河の相手をするの
に精一杯で、俺に加勢出来る状況に無い。朝比奈さんもさっきのレーザー&ファイアにやられた
橘や周防らの回復に忙殺されている。脳天に迫り来る谷口のロッド。咄嗟に両目を伏せる俺――
って俺はこんなアホにやられるのか――と思ったその時だ。

「オーバーソニックモード『ブラッドファング』」

 突如谷口の背後に現れた赤き疾風が、勝利を確信していた奴の背に突き刺さる。
603以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:08:33.25 ID:pfZe4WUi0
思念
604HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:09:10.95 ID:UkipmOIw0
「……ぐぉっ!!」

 訳の分からぬまま谷口が倒れ、その背後から姿を見せたのは――長門だ。不思議な事に傷一つ
ついていなかった。

「おい、中河……『手を抜くなよ』って言った筈だぞ……っと」

 相当なダメージを受けた谷口の恨み節に、

「す、すま…「隙アリッ!!」ぐはぁ!!」

 律儀に謝ろうとした中河の隙を逃さず、ハルヒの右ストレートが中河の左頬に炸裂する。その
後は古泉のマシンガンの餌食だ。――あれだけ喰らって死なないのは流石だが。そして、朝比奈
さんの魔法で回復した橘や周防も立ち上がる。もちろん俺も谷口に止めを刺さんと剣を構える。

 ところが、

「……逃げるが勝ちだぞっと」
「……………………………」

 不利を悟った谷口たちは、スーツの泥をサッと払うとやけにあっさりとその場から背を向けて
走り去ってしまった。――余りにも呆気無い幕切れに、俺たちも追撃する気も失せたのだが、ハ
ルヒが額にしわを寄せて俺の肩を叩いてきた。

「ねえ、何か変じゃない? 待ち伏せされてたみたいよ」
605以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:10:53.37 ID:pfZe4WUi0
シエロ
606HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:11:37.84 ID:UkipmOIw0
 まあ、あの時の阪中の『ホントに来た』とかいう台詞は気になる。という事は――

「――尾行されたか……いや、そんな気配はなかった。ということは……」

 瞬く間に俺たちを包む空気が凍りつく。言いだしっぺのハルヒは元より、古泉も、朝比奈さん
も、みんな不安げな表情でお互いを見回す。そんな中で、

「……まさか、スパイでもいると思っているのか? それは堪らないな。仲間となって一番日が
浅い我々が疑われるに決まっているではないか」

 シャミセンが問われもしない事まで口走ったのは引っ掛かるが、

「スパイが居るなんて考えたくも無い……俺は皆を信じる」

 そうだ。そんな事を考えていてもしょうがない。いたずらにみんなの疑心暗鬼を膨らます事は
避けねばならないのさ。俺のこの一言で、みんなこの話題を切り上げる事にして、ゴンガガへと
続く森の中へと入っていった。
607HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:12:39.98 ID:UkipmOIw0
 ――ゴンガガ村。鬱蒼とした森に囲まれた、西の大陸の中でも特に辺境の地とされる寒村だ。
しかし、そんな場所でも三年前、全世界から脚光を浴びた時期があった。しかし、それは最悪の
形――そう、魔晄炉のメルトダウンという未曾有の大惨事で。魔晄炉の外殻が吹っ飛ぶほどの爆
発だったため、中で働いていた数千もの職員のみならず、村も壊滅的な被害を被り、多くの犠牲
者を出した。これだけの事件をさすがに神羅も隠蔽し切れる筈も無く、逆に神羅への好感度を高
めるべく、神羅兵による救出作業の模様が呼び寄せられたマスコミの手により連日連夜世界中に
報じられ、数ヶ月ほどはこの話題で持ちきりだった。

 ……などという話を、村へ入る道中ハルヒに聞かされたが、全く覚えが無い。でも、そう反応
を返すと、

「……ご冗談を」
「あんな大事件、ほんっとうに覚えてないのですか? あり得ないのです」
「君の記憶力はニワトリ並みなのかね」

 古泉も橘もシャミセンも、怪訝な顔をして好き勝手なことを言いやがる。ハルヒに至っては黙
りこくって不安げな瞳で見つめるだけで、気味が悪いこといいっこなしだ。何なんだ。そんなに
おかしいか? ……まあ多分、ソルジャーの任務で気にする余裕が無かったのか、それとも単純
に忘れているだけだろう。妙な沈黙が支配する中、森を抜ける頃には、俺はそう結論付けること
にした。すると、目の前に見えてきたのは――
608以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:14:39.26 ID:hkzrhqf2O
しえん
609HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:17:08.12 ID:UkipmOIw0
「壊れた魔晄炉……」

 その光景を一言で言い表すなら、まさに「瓦礫の山」。辺り一面に焼け焦げた鋼鉄の板やパイ
プが散乱して、整理された痕跡すら見られない。恐らく、爆発した後そのまま放置されているの
だろう。臭いもそれまでと違ってどこかおかしい。もしかすると、掘れば骸骨かなんかが出て来
るんじゃないか。

「……これが、魔晄文明の成れの果てなのね」

 その惨劇の中央に、まるで処刑された聖人のように突っ立っている主動力部に向かって歩きな
がら、ハルヒは確信したかの様な表情で呟く。他の皆も、瓦礫を掻き分けて進みながら、黙示録
的な景色に圧倒されているようだった。

 そうして、主動力部に辿り着いた時だ。上空からけたたましいヘリのプロペラ音が響き渡る。
目を遣ると漆黒の装甲に馬鹿でかい二つのフォグランプ。そして尾翼の神羅の社章――間違い無
い。神羅B1A式ヘリ「スキッフ」だ。

「物陰に隠れた方がよさそうね」

 ハルヒの言葉に全員静かに頷き、瓦礫に各々身を隠す。プロペラ音はますます大きくなり、ス
キッフはゆっくりと地上に降下していく。一陣の風とともに、瓦礫との僅かな隙間に降り立つと
スキッフの扉がプシュと音を立てて開き、その中から漆黒のメイド服に身を包んだ女――あれは
神羅の兵器開発部長、森ソノウ?!

「――――――!」
610HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:17:55.15 ID:UkipmOIw0
 半ば反射的に隣に身を潜める古泉を見る。奴は一瞬驚愕の表情を見せた後、唇を強くかみ締め
ているようだった。心なしか身体全体が震えているようにも見える。

「おい、古泉……」

「わかって……ますよ。大丈夫です。ここで先走ったところで無意味ですからね」

 何かを押し殺すかのような低い声で答える古泉。だが、その通りだ。スキッフの中には完全武
装の神羅兵もいるし、上空には重役たる森を護るかのように何機ものスキッフが飛び回る。その
パイロットの中には谷口や中河の姿も見える。何よりタークス主任の国木田が、森の傍らを固め
ている。俺たちは黙って森と国木田が主動力部に近づくのを見ているしかなかった。

 森は主動力部の残骸を覗き込みジロジロと眺め回すが、暫くするとあからさまに不機嫌な表情
を見せて右足で悪態をつくかのように焼け焦げた鉄の壁を蹴り上げた。

「……フンッ! ここもダメだわ。チンケな魔晄炉にはチンケなマテリアしか無いみたいね。コ
レル同様の役立たずだわ」

 唾を吐くかのように言い捨てる森。俺もハルヒも『コレル』という単語に反応して古泉に目を
移しかけるが、森が国木田の方を向いて話し出したので、そちらの方に気を取られてしまった。

「ここの魔晄炉は失格ねえ。私が探してるのはビッグでラージでヒュージなマテリアなのよ。あ
なた知らない?」

「……存じません。早速調査します」

 国木田は淡々とした調子で答える。
611HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:19:45.82 ID:UkipmOIw0
「お願いね。それがあれば究極の兵器が造れそうなのよ」

「それは楽しみですね」

 全然楽しくなさそうな口調の国木田。

「宝条がいなくなったお陰で、私の兵器開発部にた〜っぷり回って来るの」

「羨ましい限りです」

 愉快でたまらない森と対照的に国木田はちっとも羨ましくなさそうだが、森は知ってか知らず
か話をさらに続けている

「でもね、折角完璧な兵器を作っても、あのバカのユタカに使いこなせるのかしら」

 その言葉に国木田は苦笑いを浮かべる。

「あら、ごめんなさい! ユタカはあなたの上司だったわね! キャハハハハ!」

「……………」

「行きましょ!」

「……はあ。ところで、何でメイド服なんですか」

「別にいいじゃない。気分よ気分」

 などと妙な雑談をしながらスキッフに向かって踵を返す二人に、突然。
612以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:40:55.65 ID:S/WSN4w80
支援
613以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:41:19.96 ID:S/WSN4w80
支援
614以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:41:36.28 ID:S/WSN4w80
支援
615以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:41:53.14 ID:S/WSN4w80
支援
616以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:42:10.21 ID:S/WSN4w80
支援
617以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:42:25.71 ID:S/WSN4w80
支援
618以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:42:42.15 ID:S/WSN4w80
最近の
619以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:42:57.47 ID:S/WSN4w80
おさるさんは
620以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:43:12.88 ID:S/WSN4w80
不安定というか
621以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:43:30.40 ID:S/WSN4w80
いまいち
622以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:43:46.98 ID:S/WSN4w80
わからんな。
623以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:44:41.36 ID:S/WSN4w80
まだ、
624以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:44:56.93 ID:S/WSN4w80
いけるのか?
625HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 02:45:11.10 ID:UkipmOIw0
ふたたびさるっちまいました。この投稿で少し寝ます。続きは昼ごろに。
すみません。支援の皆様ありがとうございました。では以下より↓


 背後から機関銃の轟音が襲い掛かった。



 瞬時に反応した国木田が森を抱えて地面に伏せる。そのために二人とも全く傷を負うことは無
かった。立ち上がった国木田はそれまでの柔和な表情を一転させた鋭い眼光で銃を放った古泉を
睨み付けると、手にした拳銃の引き金を流れるように引く。

「チッ!!」

 弾道を読み切って俺は剣を伸ばし、古泉を捉えかけた銃弾を弾く。

「阪中さん!」

「はい、なのね!!」

 国木田の呼び声に呼応し、スキッフの中から阪中が飛び出て、森ソノウを抱えながら離陸の準
備を始めたヘリへと連れ込もうとする。

「待て、森ソノウ!!!」

 古泉は銃口を森に向けてさらに放とうとするが、

「させるか!」
626以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:45:18.43 ID:S/WSN4w80
むむ
627以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:45:55.91 ID:S/WSN4w80
それいけ
628以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:46:26.05 ID:S/WSN4w80
やほほい
629以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:46:42.90 ID:S/WSN4w80
俺はいつさるるんだ
630以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 02:48:32.02 ID:pfZe4WUi0
ワロタ
631以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 04:00:51.14 ID:hkzrhqf2O
さる合戦かよwww
乙!
632以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 07:05:48.29 ID:gs2m+9gJ0
HFか超久しぶり!
乙!
633以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 08:06:22.11 ID:Yb2wZyp40
ho
634以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 09:11:53.36 ID:u4ta7vyD0
635以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 09:40:15.80 ID:4Q1XN2hjO
さるさんは10レスが目安かな。
自分が10レスする間に他の人の書き込みが10レス以下だとほぼ確実にさるさん喰らう。
(ちなみに携帯とPCで交互に書いたら20レスでさるった)
10秒置きだろうが五分置きだろうが、間隔はあまり関係ないみたい。


とはいっても可変だから参考までに。
636以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 09:55:34.06 ID:By2IPcnR0
ブス宮ハルヒの中止(失笑)
637HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:09:27.58 ID:UkipmOIw0
おはようございます。ちょっと早めに目覚めてしまったので、>>625の続きを投下したいと思います。

もし不都合あれば、投下の最中でもレス下さい。
638HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:11:29.21 ID:UkipmOIw0
 いつの間にか間合いを詰めた国木田の右足が古泉に襲い掛かる。そこは飛び出たハルヒが左腕
でガードするが、体勢が崩れた古泉の銃弾は標的から大きく外れてしまう。すると、上空のスキ
ッフから重厚な轟音とともに銃弾が雨霰と降り注ぐ。

『おい、国木田! やっちまうか』

 ヘリからスピーカーをギンギンに響かせた谷口の声が降って来る。しかし、国木田はあくまで
冷静にレシーバに返答する。

「いや。キョンたちよりセフィロスを追うのが先決だと言っただろ。奴はもうここから移動した
ようだ。僕もすぐ追いかけるから、予定通りに」

『りょーかいだぞ、っと』

 若干つまらなそうな口調が聴こえるとすぐに、谷口たちの操るスキッフは北西の方角へと飛び
去っていく。その間に森ソノウも阪中に護られてヘリに乗り込み、これ以上追撃は出来そうにな
い。

「――と、言う訳だ。命拾いしたね。では、また」

 国木田はにっこりと笑いかけると最後にスキッフに乗り込み、間も無く空へと飛び去ってしま
った。その窓からメイド姿の森ソノウが地上を見下ろしているのが分かる。その時、窓越しに見
えた彼女の口が、

(……そう、まだ生きてたのね。イツキ)

 と呟いているように見えたのは、気のせいだったのだろうか。

639以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:14:08.56 ID:By2IPcnR0
さっさとブス宮シリーズに完結宣言出せよ^^
金搾取するつもりでつか?w
640HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:14:24.37 ID:UkipmOIw0

「すみません……」

 神羅の奴らが完全に姿が見えなくなってから、ようやく冷静さを取り戻した古泉は俺たちに頭
を下げた。

「ったく、何やってんだお前は」

「気持ちは分かるけど、まだ早かったわね」

「若気の至りは身を滅ぼすという事だな、少年」

 などと散々文句を言う俺たちだったが、最後に言った朝比奈さんの

「で、でもでも、みんな無事で何より、ですよ」

 とのお言葉で取り敢えず矛を収めることにする。まあ、あれが朝倉だったら俺もハルヒもどう
したか分からないしな。その意味では古泉と一緒さ。それよりも気になるのは森の台詞。

「ビッグでラージでヒュージなマテリア? 究極の兵器? 完璧な兵器? 神羅め、今度は何を始
めるつもりなんだ……」

「……それに、セフィロスはもう何処かへ行ってしまったみたいね」

 そう、それ以上に今のハルヒの台詞、これ大事。また行き違ってしまったのかよ。折角徹夜で
ここまで来たって言うのに……はぁ。などと落ち込む俺の肩を、長門が優しく叩いた。
641HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:16:21.99 ID:UkipmOIw0
「神羅の連中が飛び去った方向から考えて、セフィロスはここから北西に向かったと推察される
。この村でもう少し情報を集めれば、正確な行き先も分かる筈」

「そうだよな、長門。ありがとう」

 こいつって、こういう時にいいフォローをしてくれるよな。俺は、感謝の気持ちをこめて長門
の頭をくしゃくしゃと撫でた。長門はいつもの無表情のままに見えたけど……少し恥ずかしそう
に頬を赤らめていたようにも思えたけど、俺の自惚れだよな、多分。――ん、どうしたハルヒ。
何不機嫌になってんだ?

「うっさいわね、このエロキョン!!」

 ……訳分からん。




642以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:17:05.69 ID:72qJMJHeO
しえん
643HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:17:44.01 ID:UkipmOIw0

 そうしてようやく辿り着いたゴンガガ村で俺たちが見たものは、ひび割れた煉瓦、折れた煙突
、そしておびただしい数の十字架――あの悲劇から3年経った今でも復興が遅々として進まない
現状だった。もうニュースとしての「旬」が過ぎ、移り気な大衆からはもう見向きもされないが
、この村にとっての『事件』はまだ終わりを迎えることは無かったんだ。そして、村を見渡した
ときどこと無く違和感を覚えたが、それが何なのか気付く前に、真正面から近づいて来る杖をつ
いた初老の男が声を掛けてきた。

「君たちは、旅の人かね?」

「あんたは?」

「わしはこのゴンガガ村の村長じゃ」

 よかったらこの村の話をしよう、と村長を名乗った男は言葉を続けた。

「ゴンガガ村は、魔晄炉の爆発事故の為に多くの人々を失った村じゃ。事故が起こってから随分
経つが、その爪跡は未だに村のあちこちに残っておる」

「そうね。酷いものだわ」

 ハルヒの言葉に俺も含めみんな頷く。広大な墓場を見ると、喪服を来た若い女性――おそらく
事故で夫を亡くした未亡人なのだろう。幼い子供を連れている――が十字架の前で静かに涙を流
しているのが見えた。
644HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:18:53.96 ID:UkipmOIw0
「神羅の者達は、魔晄炉が出来れば幸せになると言いおった。しかし、魔晄炉はわしらに悲しみ
しか与えなかった……事故以来わしらは魔晄と決別した。見てみい。神羅の魔晄炉が無くても人
は生きていけるんじゃ」

 ――そう、違和感の正体はこれだ。あの醜悪とも言えるエメラルドグリーンの光が、この村か
らは全く漏れ出て来ないのだ。俺たち人間は、もうそれが無いと生活に困る程に、魔晄に慣らさ
れていた筈なのに。それでも、人々は自力で火を起こし、自然の陽で作物を育て、

「村長さん。そちらは旅の人かい?」

「おお、鶴屋さん。どうしたかね」

 一組の老夫婦が物珍しそうな顔をして村長に話しかけて来た。鶴屋さんと呼ばれた夫婦の旦那
さんは俺たちのほうを向きながら、

「それなら少し尋ねたいことがあっての……おんや? あんたのその目の輝きはソルジャーさん
だね?」

 話し始めた途端、俺の顔を見て驚愕と歓喜が入り混じった表情を浮かべた。それにつられる様
におばあさんの方も俺の顔をまじまじと見つめて来る。何なんだ、あんたら一体――などと言い
返す前に、おばあさんがこう問い掛けて来た。

「あらあらホントだよ! ――あんたウチの娘を知らないかい?」

 畳み掛けるように続けておじいさんが。

「こんな田舎じゃ暮らせないとか言い残して都会へ行ったまま、もう、かれこれ10年近く……」

「ソルジャーになるっちゅうて、村を飛び出したんだ。あんた、知らないかい? 鶴屋という名
前のソルジャー」
645HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:22:42.82 ID:UkipmOIw0
「―――――?!!」


 さあ……知らないな。――そう口を開きかけて俺は気付いた。隣にいた朝比奈さんが、それと
分かるほどに大きく息を呑んだことに。その時振り向いて見た彼女の顔は、到底忘れることなん
て出来やしない。あまりの驚愕に目を見開き、顔を蒼白にして口元を両手で押さえながら、

「鶴屋さん……」

 朝比奈さんの口から小さく漏れたその名前。その言葉に。

「娘さん、知ってるのかい?」

「そう言えば数年前に手紙が来て、親友が出来ましたって書いてあったけど、あんたかい?」

 期待を込めて問いかける老夫婦だったが、 朝比奈さんはそれにも気付かない様子で、「そん
な……」と呟きながら、俺たちから離れてフラフラと何処かへと歩き去って行く。

「朝比奈さん!?」

 様子がとても尋常じゃない。慌てて後を追おうとする俺だったが、その右手を、「鶴屋」の爺
さんが掴んだ。

「なあ、あんた。鶴屋っちゅうソルジャーに会ったことは無いかの?」

「何年も連絡をよこさんとは、なんちゅう娘じゃ」

 婆さんが続けて愚痴めいた事を言っているが、知った事じゃない。とにかく離してくれ!
646HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:23:47.30 ID:UkipmOIw0
「……ソルジャーの鶴屋さん……」

 そうこうしている間に、今度はハルヒが、これまた驚きを隠せない表情で誰ともなしに呟いて
いた。

「知ってるのか?」

 俺は何とか爺さんの手を振りほどきながらハルヒに当然とも言える質問をしてみるが、ハルヒ
は慌てる様に首をブンブン横に振ってどもりを隠せずに答えた。

「い、いいえ、知らないわ!」

「如何にも知ってるって顔してるぞ」

「知らないって言ってんでしょ、アホキョン!」

「わ、わかったよ」

 ついには癇癪を起こし始めやがった。あまり問い詰めすぎると右ストレートが飛んで来そうな
のでやめておこう。それよりも朝比奈さんだ。

「そっちの娘さんも何か知ってるのかい? 今何処にいるんか教えて欲しいんじゃが」

「い、いえ……あたしも全然知らない――ってちょっとキョン、助けなさいよっ!!」

 爺さんたちに捕まってるハルヒやどうしていいやら分かっていない古泉たちを尻目に、俺は朝
比奈さんの姿を求めて駆け出した。
647以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:24:18.58 ID:6Tf8QknL0
支援
648以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:26:18.08 ID:4Q1XN2hjO
支援
649HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:27:05.97 ID:UkipmOIw0

 ――どうして、あんなことしてしまったんだろう――あたしは、荒れ果てた村の中をとぼとぼ
と歩きながら、深く溜息を吐いた。あんなの、ただいたずらにキョン君たちを心配させるだけな
のに……



     ……でも、瞳の奥から溢れ出る涙をもう抑えることが出来なかったから。



           だって、ここにもいないということは、もう――




                 『おーーい、ミクル!』




                  えっ?! 鶴屋さん――
650HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:28:17.68 ID:UkipmOIw0
「――朝比奈さん!」

 ――違った。後ろから追ってきたのはキョン君だ。心配して来てくれたみたい。あたしが悪い
のに、本当にキョン君は優しい。優しくて、優しすぎて、『あの人』を思い出すくらいに……思
い出とともに溢れ来る涙を抑えるように、あたしは努めて明るい声で話し始めた。

「……この村に、鶴屋さんの家があるなんて知らなかったからびっくりしちゃいました」

「知ってる人、ですか?」

「いつか話しませんでしたか? ――わたしのたった一人の親友の話」

「…………」

 キョン君は少し考え込んでいたけれど、すぐに思い出したみたい。

「鶴屋さんっていって……ソルジャー・クラス1st。キョン君と同じ」

「クラス1stなんて何人もいない筈ですよ。でも……俺は知らない」

 キョン君は困惑顔だ。あたしもてっきり知ってるものと思っていたけど。でも、

「別に構わないの。でも、ずっと行方不明だから心配で――」
651以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:28:27.01 ID:By2IPcnR0
ブス宮シリーズ\(^o^)/
652以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:32:01.76 ID:4Q1XN2hjO
しえん
653以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:35:49.80 ID:6Tf8QknL0
しえん
654以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:37:41.80 ID:4Q1XN2hjO
もういっちょしえん
655HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:47:10.98 ID:UkipmOIw0
「行方不明?」

「5年前かな。仕事で出かけてそれっきり」

 声のトーンが下がっているのが自分でも分かる。いけない。これじゃ、

「……そうだったんですか」

「き、気にしないで下さいね。あの人のことだから、きっと――きっと何処かで元気にやってま
す。だって……いつもそういう人だったから――あ、あれ? ど、うして……」

 どうして、涙が。止めようと、止めようと思っても、ポロポロと零れ落ちていって。そのしず
くの分だけ希望が消えていってしまいそうで。それでまた涙が――その時。暖かいものがあたし
の頭に優しく触れた。 

「朝比奈さん。……きっと、大丈夫ですよ」

「え……?」

「また会えますから。生きているなら、きっと」

 その時、彼の笑顔が、あの向日葵のような笑顔に重なって――
656以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:47:20.14 ID:6Tf8QknL0
あ、さるってるのか支援
657HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:48:03.10 ID:UkipmOIw0

 ―――――!!?



 ど、う……して……

「……朝比奈さん?」

「ふぇ……な、なんでも……ない…うぇ……です、からぁぁぁぁああああ!!!」

 嗚咽が、止まらない。

 キョン君がどうしていいかわからずに、あたしの頭を抱いたまま立ち尽くしているのが分かっ
ているのに。

 胸の奥から溢れる想いが止まらなかった。

 だって、

 彼が彼女にあまりにも似すぎていたから――


658HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:48:45.97 ID:UkipmOIw0

『……誰も来ないね』

 ――それはいつかのミッドガル。彼女が任務で遠い所へ行くと知って、少しでも一緒に居たか

ったから、あたしが育てていた花をスラムに売りに行こうと誘った。お花でスラムをいっぱいに

するのが、今でもあたしの夢だったから。

 でも、やっぱり現実は厳しくて。あたしと彼女の他に誰もいない公園で、あたしは乾いた笑み

を浮かべていた。でも、彼女はそんなあたしに向日葵みたいな輝く笑顔で言ったの。

『いやいやっ! きっと来るよっ! もう少しすればお客さんがいっぱいっ!!』

『うーん。やっぱり、ワゴン、可愛くないからかなぁ……』

 あたしはお花を乗せたワゴンを見遣る。あたしと彼女で拵えたそれは、お世辞にも素敵とは言

いがたかった。

『それは言いっこなしっさ! 手作りだから本物の花屋さんみたいにはいかないにょろよ』

 でも、と彼女は続けて言った。あの笑顔のままで。

『どんなお花屋さんのより、ミクルの育てたお花の方があたしは好きだよっ!』

 その言葉がなぜかとっても嬉しくて、あたしもついつい彼女と同じような笑顔を浮かべていた

659HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:49:54.00 ID:UkipmOIw0
『そうそう! そうやって笑ってるのがミクルには一番にょろ!……あ、お客さんだっ!』

 ほい来た、とばかりに彼女は公園にやって来た若いカップルに駆け寄った。

『やぁっ! そこの熱々カップルっ! こっちこっち、いらっしゃ〜いっ!』

 彼女はちょっと面食らってる二人を強引に呼び寄せて、交渉を始めた。

『どうだいっ。このお花、今ならなんと、たったの10ギルっ! この安さは価格破壊さっ! 買わ
なきゃ損だと思わないかなっ? どうにょろ?』




 それから2時間くらい粘ったけど、あまり芳しい成果は見られなかった。でも、小さな男の子
がたった1ギルだけど「ボクもスラムをお花でいっぱいにするよ」とたくさん買ってくれたし、
何より彼女と一緒にいられて、すごく、すごく楽しかった。

 けど、彼女はもうソルジャーとしての仕事に赴かなければならなかった。

『……売れ残っちゃったね。鶴屋さん、貰って行く?』

 彼女は少し考えて、申し訳なさそうに手を合わせた。

『うーん。ごめんっ! 今回は遠慮しとくよっ! 仕事場は何かハードみたいだから、持って行っ
ても枯らしちゃうだけだし。けど、帰ってたらさっ、今よりもっともっとたくさんのお花をちょ
うだい! 約束だよっ!』
660以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:51:21.09 ID:s88YY93s0
ハルファン来てたー!
支援
661以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:51:24.71 ID:4Q1XN2hjO
しえーん
662以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:54:04.24 ID:6Tf8QknL0
支援
663以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 10:54:41.21 ID:s88YY93s0
さるかな?支援

664HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 10:59:32.63 ID:UkipmOIw0
 そう言って彼女は右手の小指を差し出した。

『うん。ゆびきりね!』

 あたしも小指を絡めて公園に響き渡るような大きな声で、またすぐに会えることを約束した。





 それから1ヶ月、

 …2ヶ月、

 ……3ヶ月、



 ――半年。



 ――――1年。



 そして、何年経っても彼女は帰って来なかった。
665以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 11:00:10.45 ID:s88YY93s0
支援
666HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 11:00:58.73 ID:UkipmOIw0
 でもあたしはずっと待ってた。お花をずっと育てて待ってた。だって、彼女が約束を破るはず

が無かったから。――けれど、育てた花が部屋を埋め尽くしたその時、あたしはその時初めて声

を上げて泣いて――



            あなたにあげる筈だった、ありったけの花束



                 窓から捨ててしまった



                  世界に贈ってあげた。





       ――それも、いつの間にかもう何年もの遠い昔の話になっていた。

667HARUHI FANTASY Z 第14章 (just like a) stoned flower:2008/12/02(火) 11:02:18.65 ID:UkipmOIw0

 ――キョン君はあたしが泣き止むまで、何も言わず、幼子をあやす様にあたしの頭を優しく撫
でてくれた。それがとても嬉しくて、悲しかった。あまりにも彼女に重なって、根拠の無い不安
があたしを襲う。


 キョン君も、いなくなってしまう。

 キョン君や、涼宮さんたちとの日常が消えてしまう。

 ……そんな気がしたから。

 それでも、あたしはキョン君の腕の中で泣きじゃくりながら、願います。




        神様、あたしたちの、この素晴らしい日々を転調させないで下さい。


                 このままで、いさせて。




             ――決して枯れる事の無い、石の花のように。


                                  ...to be coutinued
668以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 11:03:07.26 ID:4Q1XN2hjO
支援
669以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 11:03:08.34 ID:s88YY93s0
しえn
670HARUHI FANTASY Z:2008/12/02(火) 11:08:34.94 ID:UkipmOIw0
とりあえず、以上です。何度もさるってすみません。支援の皆様、いつもながらありがとうございます


(余談)

今回の初登場人物は、

 ジョー(歴戦のチョコボレーサー)=垣ノ内(1−5)

そして、

 ザックス=鶴屋さん

でした。やっと彼女を出すことが出来ました。でもあの独特の口調は難しい……。そして戦闘シーンはもっと難しい……orz。
至らない点は多々ありますが、それでも「待っていた」と言ってくれる方がいてとても嬉しかったです。

時間がかかるかもしれませんが、次も精一杯書くのでよろしくお願いします。

次は、長門さんが故郷に戻って活躍する第15章「想像」でお会いいたしましょう。
671以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 11:09:49.45 ID:s88YY93s0
乙!
楽しみに待ってるお!
672以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 11:13:01.43 ID:4Q1XN2hjO
乙でした。まだまだ先は長いなぁ…がんばってください
673以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 12:12:30.59 ID:WCJfXXd10
674以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 13:16:55.01 ID:U1BaKmnCO
675以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 14:17:55.34 ID:72qJMJHeO
保守
676以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 15:20:07.04 ID:hkzrhqf2O
ほしゅ
677以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 16:15:27.78 ID:hkzrhqf2O
保守
678以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 16:39:48.35 ID:aULq9FAyO
jp
679以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 17:24:47.95 ID:U1BaKmnCO
ほっしゅ
680以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 17:43:51.79 ID:U1BaKmnCO
電柱「ずっと見上げて、空に何か見えた?」
長門「金星と、木星」
電柱「おや本当だ」
「……」
電柱「月に近いなぁ」
「……」
電柱「どうした?」
「ノスタルジアに駆られた。あれが私の、生まれ故郷だから」
電柱「ええっマジで!? どれ!? どの星!?」
「…嘘」
電柱「……」


月と金星と木星が見えた保守
681以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 17:58:08.47 ID:72qJMJHeO
今一番近いらしいな
682以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 18:01:45.83 ID:XE7aIdI1O
あげちんこ
683以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 18:30:13.88 ID:QG4T7Az90
保守
684以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 18:56:13.59 ID:U1BaKmnCO
ほっはは
685以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 19:26:58.29 ID:hkzrhqf2O
ほしゅ
686以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 19:38:58.85 ID:faUh4mkOO
擬人化って宮沢賢治の童話みたいだよな
687以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 19:40:20.86 ID:faUh4mkOO
おっとsageなければwwwww
688 ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:50:57.73 ID:8stbg5fX0
投下予告もないようなので、一本行きます。
689 ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:51:44.72 ID:8stbg5fX0
タイトル:When we are 17 -May-

タグ:キョン ハルヒ ハルヒxキョン 日常 肉親の不幸 ほのぼの 若干甘い

所要レス数約40です。 長いです。 自分が今までに書いた中では一番長いです。 読んでくださる方、お疲れさまです。
今回は記述ルールを変えて、行間をあまり空けない書き方を試してみました。 読みやすくなっていると良いのですが。
タグを付けてみました。 読むかどうか判断の足しにしてください。

校正の指摘、その他ご意見等は遠慮無くお願いいたします。
690When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:52:17.93 ID:8stbg5fX0
When we are 17 -May-

 黄金週間の中日。 大型連休を寸断する忌々しい平日。 俺たちは教室の中にあった。
 けだるい4時間目、俺の背中をシャーペンでつつきながら連休後半の予定をうれしそうにまくし立てるハルヒは授業なんてそっちのけだ。
 これで成績がいいとは世界は不条理だ。 いや、ハルヒが当の神様なんだとしたら、不条理こそが条理なのか?
 そんな思考の迷路に心を遊ばせていると、チャイムが鳴るまで開かないはずの扉を開けて一人の教師が入ってきた。
 授業中の教師を手招きして小声でなにやらやりとりした後、ハルヒを廊下に呼び出した。

 厳しい貌つきで戻ってきたハルヒはやにわに人の腕をつかんでグイと持ち上げ、
「一緒に来なさい」
 表情にふさわしい張り詰めた声でそう言った。
 SOS団の活動がなにか問題にでもなったのか? 最近は他人様に迷惑をかけたりはしていないつもりだったんだが。
 いや、SOS団の敵とは即ちハルヒにとっては獲物だからな、だったら仔猫のようにキラキラと輝く目をしているはずだ。
 何があったのかと考えあぐねている俺に苛立ちを隠せない様子のハルヒは、
「速くしなさい! 時間がないのよ!」
 ピシャリと言い放って、引きずらんばかりの力で引っ張り始めた。
「わかったから、そう引っ張るな」
 ハルヒについて廊下へ出ると、やった来た教師は正門前に来るようにと告げ、もう一人は授業に戻って行った。
 靴を換えて正門前にやってきた俺たちは車に乗せられ、どこかへ向かっている。
 廊下でも、下駄箱でも、ここ車の中でもハルヒは一言もしゃべろうとしない。 よって俺は事情がさっぱりだった。

 車が駐車場に滑り込んでやっと、薄々の事情がわかった。 そこは俺も何度かお世話になったことのある総合病院だった。
「――ハルヒ」
 声をかけたときにはもう、ハルヒはとっくにドアを開けて駆けだす体制を整えていて、俺も慌ててそれに続く。
 追いついたとき、ハルヒは受付の看護師に噛みついていた。
「ここじゃわからないって、どういうことよ!」
「落ち着け。 循環器科の受付で吠えたって救急のことはわからん。 総合受付へ行くぞ、こっちだ」
 ハルヒを総合受付まで連れて行き、そこでのやりとりを聞いて俺はやっと事情を把握することになった。
 両親が事故にあったのだ。 救急車で運び込まれ、今はICU(集中治療室)で治療を受けているという。
691When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:53:06.40 ID:8stbg5fX0

 規則的な電子音と機械音。 初めて見たハルヒの両親は、幾本ものチューブに繋がれていた。
 ハルヒは時々、小さな声で『大丈夫』と呟きながらガラス越しの両親を見つめている。
 大丈夫なのは両親なのか、不安に潰されそうな自分のことなのか、俺には判断できなかった。
 隣に立つハルヒはとても弱々しくて、今にも不安に押しつぶされるんじゃないかと思えるほどだった。 こんなハルヒは想像したこともなかったし、見たくもなかった。

 医師の説明は『全力を尽くしますが、あとは運と体力次第です。 最悪の事態も覚悟しておいてください』で括られた。
 運の入る余地があるなら必ず助かる。 なぜなら、ハルヒが望まないことが現実になるはずがないからだ。
 だから俺はハルヒの肩に手を置いて、
「大丈夫だ、必ず助かる。 だからお前は退院祝いのことでも考えとけ。 そうだな、温泉なんてどうだ?」
 と言ってやった。
 肩に置いた手にハルヒの手が重ねられた。 見ると、目を閉じて俺の提案を吟味しているようだった。
 やがて俺を見上げて、
「退院祝いに温泉ってのはいいわね。 うん、キョンもたまにはいいこと言うじゃない」
 さっきまでとは別人のように、嬉しそうにニコニコしている。 頭ん中じゃもう、温泉で楽しくやってるんだろう。

 こちらへ向かって廊下を歩く人影に気づき目をやると、
「なんだ、みんな来たのか」
 SOS団の3人だった。
「もちろんです」「当たり前じゃないですか」「……」
 とそれぞれに首肯して、『具合はどうなのか』と目で訴えてくる。
 医者が言った通りのことをハルヒが繰り返すのを見ていると、長門の視線が俺に向いていることに気がついた。
 『なんだ?』と視線を返すと、長門の視線がゆっくりと動いて…… 俺もその視線の先を追う。
 長門の視線の先がどこに向かっているのか思い当たったとき、思わず顔を明後日の方向へ逸らして口元を手で覆った。
 ハルヒの頭の向こうには肩に回された俺の手と、添えられたハルヒの手が重なっている。
「どうしたのよキョン」「キョン君?」「どうかなさいましたか?」
 いきなり挙動不審に陥った俺に当然の様に疑問の声が向けられたが、俺は応える代わりに、肩に置いた手に少しだけ力を込めてみた。 
「あっ」
 途端に手をふりほどかれ、ハルヒが飛び退った。 朱を注した貌が俺を睨んで、
「すけべ!」
692When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:54:25.72 ID:8stbg5fX0
 ほほを少しだけ赤くした朝比奈さんが作った笑顔で、
「あのう…… わたし達、お邪魔だったでしょうか?」
 朝比奈さん、それは気の回しすぎです。

※※※※※※※※

「まったく、あなたはたいした方だ」
 無視するのも面倒くさくなった古泉のアイコンタクトに応えて、缶コーヒー片手に屋上までつきあってみれば第一声がこれだった。
「閉鎖空間は先ほど消滅しました」
 そうか、そりゃ良かった。 だが俺は何もしていないぜ?
 そう答える俺にうさんくさい笑顔で、
「今回の閉鎖空間は特別でした。 いくら神人を倒してもいっこうに消滅しないのです」
 お手上げですとでも言うように手のひらを上に向けてひらひらさせながら、肩をすくめてみせる。
「それどころか拡大を抑えることすらできなくて、上はもちろん、僕らもパニック状態でした。
 それでなんとか状況を打開すべく、あなたに頼みに行くところだったのですが…… その前に閉鎖空間は消滅しました」
 缶コーヒーを取って乾杯をするように一振り、
「今の涼宮さんの精神は上向いてすらいます。 いやまったく、あなたは大した方だ。 いったい何をされたのですか?」
 さあな、とにかく俺は何もしていない。
「それより、こんなことをハルヒが望むとは思えない。 本当に事故なのか?」
 古泉は¥0スマイルに真剣味を7割ほど足した貌になり、
「少なくとも機関は関与していません。 TFEIに動きが見られないところを見ると、統合思念体も無関係のようです。
 未来人については不明ですが、彼らは結局何もできません。 規定事項以外への介入は彼らの存在に関わりますし、これが規定事項ならどうしようもありません」
 どうしようもない? その一言は聞きとがめずにはいられなかった。 詰問の貌を向けた俺に、
「おや? 朝比奈みくるを敵にしてもかまわないと? あなたにそんなことができようとは、少々見くびっていましたか」
 仮面をかぶり直せ。 外れかけてるぞ。
「おっと、これは失礼」

 今の話を総合すると、
「つまり、宇宙的未来的超能力的な要素は関係していない、ということか?」
「その通りです」
693以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 19:54:38.32 ID:QG4T7Az90
しえn
694When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:55:08.56 ID:8stbg5fX0
 一言で肯定されたが、まだ納得のいかない俺は食い下がる。
「おかしいじゃないか。 ハルヒが両親の事故を望むはずがないだろう」
 古泉のやつは顎をさすり、そうですね、とつぶやいてから続けた。
「こうは考えられないでしょうか? 涼宮さんは根底では極めて常識的な方です。 事故が全く起こらない、などということは、常識ではあり得ないことです。
 現実に事故はあちこちで起こっていますが、涼宮さんを始め、誰が望んだわけでもありません」
 古泉は肩をすくめ、望まれた事故は事件と呼ぶべきでしょうね、と付け加えた。
「それで? 結局どういうことなんだ?」
「涼宮さんのご両親は純粋に確率的な結果として、事故に遭われた。 そういうことではないかと」
 いまひとつ釈然としないが、そういうこともあるのだろうか? 孤島では崖から落ちたりもしたが……
 俺の思索は突然の声で中断された。
「そろそろ戻るべき」
 うおっ!? 長門、いつのまに?
 いつのまにか横に長門が立って、俺を見上げながら、
「あなたは27分53秒、涼宮ハルヒの視界から消えている。 涼宮ハルヒの感じているストレスは徐々に増加中」
 俺がいないからハルヒがストレスを感じてるって言うのか?
 頭の上にクエスチョンマークを浮かべていると、古泉が場を引き継いで、
「早く帰らないと涼宮さんの機嫌がどんどん悪くなる、ということですよ。 急ぎましょう」
 あ、ああ。 曖昧に頷いてすっかりぬるくなった缶コーヒーを飲み干し、ハルヒの待つ病室へと歩き出した。

※※※※※※※※

 ICUの近くまで戻ってくると、やけに騒がしい。 やたら聞き覚えのある声が1人、けたたましいわけだが。
「こら、病院で騒ぐな。 あと、無理言って看護婦さんを困らせるんじゃない」
 ハルヒは泊まり込むと言って、押し問答になっていた。
「キョンの時にはできたのに、今回はダメってどういうことよ! あたしは身内なのよ?!」
「とりあえず移動だ。 廊下で騒いでると他の見舞客や患者さんに迷惑だからな」
 ハルヒの手を引いて待合室のソファーに座らせた。 その前にしゃがみ込んで、
「お前の気持ちはわかる。 意識が戻ったときに側にいたいんだろう? 俺だって、目が覚めてお前が傍らにいたときは、正直嬉しかったからな」
 ハルヒの頬に少しだけ朱が注したがそのまま続けて、
「だがお前はこんなところにいるより、お前にしか出来ないことをしなきゃダメだ。 親御さんが目を覚ました時、安心できるようにな」
695When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:55:40.90 ID:8stbg5fX0
「安心……?」
 俺は頷いて、
「そうだ。 ちゃんと三食食べて、学校にも行って、家事もこなして、家を守れ。 まず、お前がしっかりしなきゃ。 わかるだろう?」
 ハルヒは俺に言葉に少し驚いたように目を大きく開き、次いで目をそらしたと思ったらわなわなと震えだして、
「――何でキョンにお説教されなきゃいけないのよ! あたしはあたしのやりたいようにやるの! 第一キョンは関係ないでしょう、他人なんだから!」
 俺はため息をつき、ゆっくりと立ち上がって、
「確かに俺は他人だな。 悪かった、余計なこと言って。 好きにしろ」
 そう言って、ハルヒから一番遠い位置のソファに体を沈めた。
 ハルヒは立ち上がって、出て行った。 朝比奈さんが俺の前に立って、
「キョンくんは間違ったこと言ってないと思います。 涼宮さんも本当はわかってます、きっと。 だから、早く仲直りしてくださいね」
 ありがとうございます、朝比奈さん。
「わたし達、涼宮さんと一緒にいますから」
 そう言って、3人も出て行った。 それから特に何をするでもなく新聞や雑誌をめくっていたが、
 帰るか…… ここにいてもやることもない。 泊まり込むハルヒが心痛のタネだったが、言い出したら聞かないやつだからな。
 部屋を出ると、ハルヒ達にばったり出くわした。
「どこ行くのよ」
 きつい口調で、ハルヒ。
「帰るところだ」
 かったるい口調で、俺。
「ダメよ。 あんた言い出しっぺのくせに帰ろうだなんて、ちょっと責任感とか足りないんじゃない?」
 言い出しっぺ? なんのこった。
「温泉旅行よ。 これからみんなで本屋へ行くの。 あんたは言い出しっぺなんだから、帰るだなんて却下よ却下」
 今はあまりハルヒの顔を見ていたくなかったのだが、
「わかったよ」
 ハルヒの後ろに立つ3人(古泉はともかく)の『来て欲しい』オーラに免じてそう答えた。

※※※※※※※※

 本屋の一角、旅行ガイドが棚を占めるあたりを占拠して姦したちが楽しそうにページをめくっている。
696When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:56:15.96 ID:8stbg5fX0
 やれ傷にいいの、肩こりにいいの、冷え性にいいの、肌にいいの、胸が大きくなるのとだんだん主旨からずれて行ってる気がしないでもないが、
楽しそうだからよしとしよう。
 そんな3人から少し離れて雑誌を見ていると、古泉が隣に立って話しかけてきた。
「なるほど。 快癒後の楽しみ、というわけでしたか」
 何がだ?
「閉鎖空間を消滅させた理由ですよ。 涼宮さんにお祝いのプランを持ちかけたのは、あなたでしょう?」
 あぁ、まぁ、そんなことを言ったかもな。
「そのときは、いよいよご両親に紹介と言ったところですか」
 ばっ! なに言い出しやがる!
「おやおや、なにを慌てていらっしゃるのですか? それとも、慌てるような心当たりがおありでしょうか?」
 くそっ、忌々しいにやけ面め。
「古泉、お前の減らず口をふさいでやる」
「それは困りました。 もう少し、あなたと話しをしていたいのですが」
 全く困ったように見えない古泉に背中を向けて歩き出す。
「ハルヒ、そろそろ暗くなるぞ。 何冊か買って今日は解散にしないか」
 陽が長くなったはいえ、そろそろ暗くなる時間だった。
「え? もうそんな時間ですか?」
 ファンシーな腕時計を見て、うわぁとでも言いそうな貌になった朝比奈さんが慌てて、
「わたし、もう帰らなくちゃ。 明日もお見舞いに行きますね」
 ハルヒは数冊の旅行ガイドを棚に戻しながら、
「うん、ありがと。 有希は?」
「わたしもこれを買って帰る。 明日は、いつもの時間?」
 長門はいつの間にか数冊の文庫を抱えていた。 いったいいつの間に…… と気にするだけ無駄だな。
「そうね、それでいいわ。 いつもの時間、いつもの場所で待ち合わせ。 みんな、聞いたわね?」
 ん? 待ち合わせ?
「じゃあ古泉くん、みくるちゃんと有希を送っていって」
「承知しました」
「キョン、あたしがレジに行ってる間にここの片付けやっといて」
 な! 文句を言う暇も与えず、ハルヒは小走りに行ってしまった。
 広げられた旅行ガイドを棚に戻していると、
697When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:56:46.32 ID:8stbg5fX0
「キョンくん、また明日」「失礼します」「……」
「あぁ、また明日。 この時間帯は事故が多いから、くれぐれも気をつけてな」
 逢魔が時。 暗くもなく、かといって明るくもない暮れかけたこの時間帯をこう呼ぶ。
 ハルヒの両親に続いて俺たちまで事故にあっては、裏で糸を引く魔の存在を疑わざるを得なくなる。 それは本気で洒落にならない。
 3人が店を出て行くのを見送って、 ……あれ? 長門さん? いつのまにレジを済ませましたか?
 気にするだけ無駄だな、と諦観の域に達していると、
「キョン、終わった?」
 ハルヒが戻ってきた。
「これで、さ・い・ご・だっ!」
 詰め込みすぎの棚に最後の一冊を無理矢理押し込んで振り返ると、
「んじゃこれ持って」
 やけに重いバッグを渡された。 何だ、これ?
「旅行ガイドよ。 決まってるじゃない」
「お前買いすぎだろう。 いったい何冊買ったんだ?」
 そう言ってバッグをのぞき込もうとすると、
「見るなバカ! すけべ!」
 なんで殴る? しかもグーで!
「見られて不味いものでも買ったのかよ」
 エロ本とか。
 そう思ったらまた殴られた。
「違うわよ、そんなんじゃなくて、そう! レディーのバッグを覗くなんて、恥ずべきことだと憶えときなさい」
 ……れでぃー? 俺のイメージする『レディー』は、人をグーで殴ったりはしないんだが……
「何か言いたそうな貌ね、はっきり言ったら? ほら。 溜め込むと体に悪いわよ」
 いいながら胸ぐらをつかむな! 拳を振りかぶるな!

 本屋を出て、病院の方へ足を向けたら、
「どこ行くのよ。 駅はこっちよ」
 ……泊まり込むんじゃなかったのか。
「べっ、別にアンタに言われたから帰るわけじゃないわよっ。 そんな荷物になる物、病院に持ち込めないじゃない。 だからよ!」
 わかった。 わかったからそんな早口でしゃべるな。 もっと落ち着け。
698When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:57:12.31 ID:8stbg5fX0
 ハルヒの貌が朱かったのは夕焼けのせいだけだったのか、それとも別の理由があったんだろうか?

※※※※※※※※

 駅で自転車を回収した俺たちは荷台に本を載せてハルヒの家まで歩き、着いた頃にはずいぶん暗くなっていた。
 始めて見るハルヒの家はでっかかった。
 夜陰に浮かぶ、どこにも明かりが灯っていないでかい家ってのは、夜の校舎ほどではないが迫力があるね。
 玄関に近づくと防犯ライトが点いた。 さすが、金かかってる家ってのは違う。
 なんて思ってると、ハルヒはポケットからキーホルダーを取り出し、カチャンカチャンと鍵を開けていく。
 いったいいくつ付いてるんだ?
 一番下の鍵を開けるとき、前かがみになったハルヒの…… その、なんというか、微妙な部分がスカートから覗きそうで……
 なんとなく後ろに移動したら、何か察したらしいハルヒがビクンと立ち上がり、スカートの後ろを押さえてこっちを睨んでいる。
 まて、それは誤解だ! 話せばわかる!
「このスケベ!」
 ったく、油断も隙もないわね…… などとぶつぶつ言いながら、今度はしゃがんで一番下の鍵を開けた。
 ドアを開けて、ハルヒが中の灯りを点けたのを確認してから、
「じゃハルヒ、また明日な。 戸締りはしっかりしろよ」
 俺は帰ろうとして、
「ちょっと待ちなさい。 お茶くらい出すわよ」
 引き留められた。 さっきの不名誉が頭をかすめ、
「いいのか? 誰もいない家に上げたりして。 俺はスケベなんだろ?」
 俺の切り返しに、ハァ? という表情をしたハルヒだったが、次の瞬間大笑いしやがった。 くそう。

 居間に通され、適当に座ってと言われたとおりソファに腰掛ける。 見渡してみると、あぁ、ハルヒの家だな、と妙に納得した。
 壁にはアフリカっぽい仮面や、南米っぽい紐飾り、世界地図もかかっている。 棚にあるのはマトリョーシカだ。
 ハルヒが小学校で描いたと思しき絵も一緒に並んでいたりする。 もう一つ驚くのは楽器の多さだ。
 アップライトピアノはお約束としても、ギター、ヴァイオリン、チェロ、フルート、あれはトロンボーンか? 変わったところではオカリナまである。
 とにかく、なんというか、膨大なエネルギーを感じずにいられない部屋だった。
「なるほど……」
 思わず感嘆の声を漏らしていると、
699When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:57:35.10 ID:8stbg5fX0
「お湯沸かしてるからもうしばらくかかるわ」
台所から戻ってきたハルヒもソファに腰掛けながら、聞いてきた。
「で、何がなるほどなの?」
 正直な感想を口にする。
「子は親の鏡とか、この子にしてこの親有りとか、そんな言葉を実感しただけだ」
「どういう意味よ」
 別にけなしてるわけじゃない。 だからそんな貌するな。
「この部屋は親御さんの趣味なんだろう?」
 壁の絵を指差して、
「あれはお前が描いたんだろ? 自分の絵を飾るとも思えないしな」
「見るなバカっ!」
「この部屋を見て、おまえの膨大なエネルギーがどこから来たか納得した」
「べっつに、あたしはあたしよ。 親父は関係ないわ」
 ハルヒの起源は親父さんにあり、か。 そういや、野球見物も親父さんとだっけか。
「それにしても、不思議な部屋だな。 いろんな物がただあるだけじゃなくて、元あった場所と繋がってるような感じがする」
「こいつらがいた場所はどんなところなんだろうな。 行ってみたいもんだ」
「へぇ?」
 ハルヒが少し意外そうな声を上げた。
「何か意外か?」
「あたしも以前、同じようなことをね」
 そうか。
「そしたらお父さん、なんて言ったと思う?」
 なんとなく聞かなくてもわかる気がしたが、黙ってその先を待った。
「行けばいい。 って」
 それから部屋を眩しそうに見上げてずっと黙っていたが、軽快な電子音が鳴ると立ち上がって出て行った。
 俺は居心地のいい雰囲気を楽しんでいたが、ハルヒがトレイにお茶を載せて戻ってきたことでそれを中断した。
「みくるちゃん程じゃないけど、あたしの淹れるお茶も捨てたもんじゃないわよ」
「っていうか、どうせあんたお茶の味なんてわかんないに決まってるわね。 ティーバッグでも良かったかしら」
テーブルの上には、トレイに載った丸っこいティーポットとカップが二つ。 それに砂時計。
 砂が落ちきると、ハルヒはポットを両手で持って軽く揺らし、カップに注いだ。
700When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:58:07.99 ID:8stbg5fX0
 暗褐色の液体からいい香りが漂ってくる。 えーと……
「砂糖はいらないのか?」
 トレイの上に砂糖はない。
「そんなに苦くない葉っぱだから大丈夫よ。 キョンがおこちゃまなら別だけど?」
 いたずらっぽい目でにやにやしながらそんなことを言う。
 一口、カップの中身をすすってみた。
「へえ……」
 思ったほど苦くない。 どころか、淡い甘みすら感じられる。
 朝比奈さんほどじゃないけど、なんて言ってたがありゃ謙遜だな。
 謙遜するハルヒにもびっくりだが、紅茶がこんなにおいしいのにもびっくりだ。
「紅茶って、砂糖なしでも甘いんだな」
 そんな感想を漏らすと、
「すっごく苦い葉っぱもあるけどね。 今度飲ましたげる」
 邪気たっぷりのセリフを無邪気な笑顔で言ってのけやがる。
「そうそう、夕飯作るから食べていきなさい」
 そんなことを言ってソファから立ち上がり、扉に向かう。
「まてまて、俺んちだって夕飯用意してるんだぞ?」
 隣の部屋からハルヒの声が響いてきた。
「両方食べればいいじゃない!」
 太らせてから食べるのはなんて童話だっけ?

※※※※※※※※

 特にすることもないので、キッチンで夕飯を作っているハルヒの姿を眺めている。
 『性格以外は文句なし』と称されるハルヒだが、料理も例に漏れずうまい。
 しかも、くるくると動き回る姿は普段からは想像もできないほど意外なかわいさがある。
 小動物系は長門の担当かと思っていたが、以外とハルヒもいけるんじゃないか?
 いわゆる一つの萌え要素、ネコミミとネコシッポ装備のハルヒを想像してみた。
 黒猫ハルヒに黄色いリボン風の首輪をあしらってみると、意外と似合う。
 だがやっぱりこうだよな。
701When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:58:33.53 ID:8stbg5fX0
 頭の中でド○クエのファンファーレが鳴り響き、
 『猫ハルヒは猫又ハルヒにレベルアップした!』

「一人でニヤニヤするのやめてくれる? 不気味だから。 いったい何考えてるのよイヤラシイ」
 イヤラシイって…… お前な。
「いや? 別になんも」
 猫又ハルヒを想像してたなんて言ったら、どうなるやら。 なにせハルヒの手には肉切り包丁が握られている。
 ハルヒは俺をじろじろと観察してからまな板に向き直り、肉に向けて包丁を乱暴に叩きつけながら、
「どうだか。 みくるちゃんのエプロン姿でも想像してたんじゃないの?」
 なんでおまえはそんなに不満そうなんだ。
「いや、違うぞ? それより、何か手伝うようなことはあるか?」
「へぇ? アンタ、台所に立ったりするの?」
 なんだその意外そうな貌は。
「それほど多くはないが、妹のやつに包丁持たせたり火を使わせたりするよりは安心だからな」
「そんなことないわ。 妹ちゃんだってやればできるわよ。 でもいきなりは無理ね、こういうことは日頃の経験」
 軽快な音を立てて野菜を刻みながらそんなことを言われては、説得力ありすぎだった。
「とにかく、過保護は毒よ」
 お前は放任が過ぎたんじゃないかと思うぞ。 親御さんが元気になったら聞いてみよう。
「とりあえず手伝ってもらうようなことはないから、どっか行ってて。 そんなとこに立ってられても邪魔よ」

 台所を追い出された俺は、何か暇をつぶせそうな物がないか居間を物色していた。
 楽器ができれば一番なんだが、あいにくと無芸だからな……
 文化祭に備えて、何か始めておいた方がいいんだろうか?
 とは言っても、俺が触った楽器なんて学校の授業でリコーダー吹いたくらいだ。
 小さかった頃に親がおもちゃのピアノを買ってきたことがあったが、教わったのはねこふんじゃったくらいだったな。
 きっと、親もあれしか知らないに違いない。
 ピアノを開け、鍵をたたいてみる。 記憶にある、おもちゃの甲高いそれと違って柔らかい音色だった。
 えーっと、最初の音は何だったっけ? 指が遠い記憶に反応してくれることを期待しつつ、鍵盤に手を乗せる。
 確か黒鍵をこう……
 『♪〜』
702When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:58:56.68 ID:8stbg5fX0
 たどたどしい! これじゃ猫踏む前につまずいて転んじゃった、だ! 我ながら笑える。
 苦笑しながら鍵盤を叩いて(とてもじゃないが、弾いてとは言えない)いると、
「こーら、キョン! 近所迷惑な騒音たてるんじゃない!」
 怒られた。
 仕方なくピアノに別れを告げ、物色を再開する。
 ん? あれは……
 これは、台所へ向かってお伺いを立てておくべきだろうな。
「ハルヒー、戸棚んなかの本、見てていいかー?」
「んー? いいわよー」
 何かをかき混ぜる音に混じって、了承が帰ってきた。
 おっしゃ。
 俺は戸棚から数冊を取り出して、眺め始めた。

 すっかり見入っていると、後ろからハルヒが、
 「出来たわよ。 さっきから呼んでるのに、何見てるの?」
 問いかけに、
「んーーーーーーー」
 と曖昧に答えていると、いきなり無防備な後ろ首に手刀をたたき込まれた!
「いってぇーな! 何しやがる!」
「勝手に人ん家のアルバム見るな! このスケベ!」
「ちゃんと見ていいか断っただろうが!」
「アルバムならアルバムって言いなさい! そしたらダメって言ったわよ!」
 俺は赤ん坊のハルヒの写真をなでくりながら、
「はぁ…… こんな乱暴者になるなんて、この頃のお前からは想像もできなかっただろうなぁ」
 不用心な言葉は、俺の頭とアルバムの角をとっても仲良く(ハルヒ談)することで報われることになった。

「まだズキズキするぞ」
 ジト目で文句を言ってやる。
 言うまでもないだろうが、アルバムの角で殴られるととても痛い。
「自業自得よ。 それより、冷めないうちに食べましょ。 残しちゃダメよ」
703When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:59:18.25 ID:8stbg5fX0
 ハルヒの料理はとても美味しそうだった。 いや、実際食べてみても美味しいことは確実なんだが……
「なんだか多くないか?」
「二人分だから」
「何で二人分なんだ?」
「元が三人分だから。 食材使い切らないともったいないし」
「なるほど」
 ……
「なんで、俺が二人分なんだ?」
「すぐ食べないとおいしくないし。 それともなに? あたしに太れっていうの?」
 目が怖いです。 ここで肯定したら、俺の頭はいったい何と仲良くさせられるんでしょうか?
 テーブルの上では、銀色に輝く食器が使用されるのを待っている。 食器はマナーを守って正しく使用しましょう。
 俺は逃げ場のないことを悟り、覚悟を決めた。

※※※※※※※※

 ハルヒの料理は美味かった。 美味かったが……
 しばらく動けそうにない。 ごめんお袋、帰っても飯は食べられません。
「近場と言えば草津ね。 でもちょっと近すぎるかな」
「南紀もいいわね」
 ハルヒはさっきから、旅行ガイドを楽しそうにとっかえひっかえして眺めている。
 ときどき意見を求めてきたりもするのだが、俺は腹が苦しくてとても答えられる状態ではない。
 せいぜい、『うー』とか『んー』だ。
 そのたび機嫌を悪くして文句を言うのだが、誰のせいだと思ってやがる。

 そのとき、ハルヒのケータイが鳴った。
 俺たちの間に緊張が走る。 もしも病院からだったら……?
 窓に表示された発信者を見たハルヒは、首を振った。 どうやら病院からではないらしい。
「阪中さんからだったわ」
 ケータイを閉じたハルヒが言った。
 なんで阪中が?
704When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 19:59:41.85 ID:8stbg5fX0
「プリント届けてくれるって。 キョンのも預かってるそうよ。 あとカバンも」
 休み中の宿題か。 余計な物を。
「何言ってるの。 わざわざ届けてくれるのよ? あんたには感謝って気持ちはないの?」
「阪中には感謝するが、宿題はうれしくない」
「あんたそろそろマジメにやらないと、SOS団員に浪人なんて許さないわよ?」
 ハルヒは少し考えて、ひらめいた! とばかりに手をポンと叩いた。 嫌な予感がする。 しかもこの予感は確実に的中する。
「あんた泊まり込みなさい! みっちりしごいてあげるから」
 わかってはいたが、
「そんなわけにいくか」
 一応拒否する。
「どうしてよ。 実際、あんたは一度基礎をやり直す必要があるんだから、合宿になって丁度いいくらいよ」
「あのなぁ、両親が入院したとたんに男を連れ込んだなんて悪い噂でも立ってみろ。 俺はお前の両親になんと言って謝ればいいんだ」
「うちの親はそんな噂なんて気にしないわよ?」
 確かに、ハルヒの親ならそうかもしれない。
「俺がするんだよ」
「つまんないこと気にするのね」
 お前が気にしなさ過ぎなんだ。 俺は常識に満ちあふれた、至って普通の人間なんだよ。
 神様。 この小娘に世の中の常識ってやつを教えてやってください。
 いやしかし神様はハルヒで……
 天を仰いで思考の袋小路にはまっていると、チャイムが鳴った。

「はい」
 小さなモニターには、阪中の顔が映っていた。 ドアホンもカメラ付きか。 さすがだ。
『こんばんは、涼宮さん。 プリント持ってきたのね』
「ありがと、今開けるわ。 ちょっと待って?」
 ハルヒが出迎えに行くのを見送りながら、俺は別の嫌な予感を感じてため息をついた。

 果たして、戻ってきたハルヒは1人だった。
「阪中は?」
「上がって行ってって言ったんだけど、帰っちゃった。 お邪魔しちゃ悪いからって、別に遠慮すること無いのに。 あ、それとあんたにもよろしくって言ってたわね」
705When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:00:04.47 ID:8stbg5fX0
 予感的中、か……。 玄関には俺の靴があったわけで……
 阪中よ、それは盛大な誤解だ。 休み明けの教室で妙な噂になっていないことを祈る。
「はい、これキョンの分」
「あぁ、サンキュ」
「さてと、早速やっつけちゃいましょう。 こらキョン! いつまでだらだらしてんのよ! シャキッとするシャキッと!」
 ポコン! 丸めたプリントで叩かれた。
 俺は腕時計をハルヒの方へ向けてかざし、
「俺はそろそろ帰らなきゃならんのだが」
 ハルヒはじとーっと半目で睨みつけたあげく、
「ダメね」
 言い切りやがった。
「あんた家に帰したら宿題なんてしやしないでしょう。 ここで終わらせてから帰りなさい」
「しかしだな、これ以上遅くなると家族に心配かけちまう」
「だったら連絡入れなさい。 宿題してから帰るって言えば大丈夫よ」
 そう言った後、ニヤリと口元を歪めて、
「……台風とか地震の心配はされそうね」
 余計なお世話だ。

※※※※※※※※

「だーーーーーっ! 終わった!」
 俺は背伸びがてらのけぞって、そのままカーペットに仰向けに転がった。 天井の照明がまぶしい。
「はい、次はこれ」
 とっくに宿題を終わらせて問題集をやっつけていたハルヒは、どさっという擬音そのままの量の問題集をテーブルに乗せた。
「なんだそれ?」
 いや、聞かなくてもわかっちゃいるんだが……
「あたしが使ってた問題集よ。 あんたの弱点に合わせてあげたから、キって印のついてる問題やっときなさい」
 やっぱり。 俺は手のひらで顔を覆って、
「勘弁してくれ」
 思わずつぶやいた。
706When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:00:30.12 ID:8stbg5fX0
「文句言う暇があったらやった方がいいわよ。 寝る時間が無くなるから」
「終わるまで寝かせないつもりかよ」
「当然でしょ。 何も問題集丸ごと全部やれって言ってるわけじゃないんだから大丈夫よ。 あたしはお風呂行くから、上がるまでに終わらせておきなさい」
 風呂だと? 冗談じゃない。
「お前な…… いいかげん俺はもう帰るぞ」
 これ以上いたら外泊になってしまう。 同級生女子の家に、両親が不在の時に泊まるなんて洒落にならん。
 俺は荷物をまとめて立ち上がった。
「帰っちゃうんだ?」
「あぁ、また明日な。 晩飯ごっそさん。 宿題助かった」
 玄関へ向かう肩越しに、連絡事項といった方が適切と思われる挨拶を投げつけた。
 だが、ハルヒの方が上手だった。 投げつけた挨拶は、易々と場外へかっ飛ばされた。
「オートロック無いのよね、うち。 あたしがお風呂に入ってる間、玄関開けっ放しかぁ……」
 ピタ。 足が止まる。 止まらざるを得ない。
 潤滑油の足らない、錆びかけたロボットのようにギギギギと振り向くと、勝ち誇ったハルヒの貌があった。
「ちゃんとやるのよ。 あ、そうそう。 スケベなキョンには言うだけ無駄かもしれないけど、一応言っとくわ。 覗くなっ!」
 おれはうな垂れて、
「覗かねぇよ」
 と答えるのが精一杯だった。 と、そのとき別の考えが浮かんで、
「いや、やっぱり覗く。 絶対覗くぞ。 追い出されて鍵を閉められたらどうにもならないが、このままなら覗く」
 ふはははははっ、ずっとハルヒのターン! だったが、今こそ反撃の時!
「いいわよ」
「いいのかよっ!」
 予想外の言葉に全身で突っ込みを入れる俺に、
「キョンがキョン自身に覗くことを許すなら、あたしはかまわないわよ」
 ハルヒの貌には奇もてらいも無く、ごく自然なことを言っている、そういう貌だった。
 俺はというと、ハルヒが言った言葉の意味をつかみ損ねて混乱の極みにあり、
「あたし行くから、ちゃんと問題集やっとくのよ」
 そう言って奥へ向かうハルヒを、呆然と見送るしかなかった。

※※※※※※※※
707When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:01:04.52 ID:8stbg5fX0

 たっぷり1時間はたった頃、ドアの開く音と一緒にハルヒが戻ってきた。
「どう? できてる?」
 やりかけの問題から顔を上げることもせず、終わった問題集の山をポンポンと叩いて見せる。
「どれどれ」
 一冊を取り上げて隣に立つ湯上がりのハルヒからは、石けんの匂いがした。
 心臓がどきどきする。 目の前の問題ももう見えてない。
 頭上からはふんふん、とか、よしよし、とか、うーん、とか聞こえてくるが、右から左で聞いちゃいない。
 不意に頭に手が乗せられ、
「来なかったわね」
 の一言と共によしよし、とでも言う感じでなでられた。
 それが無性に癪に障って、
「いい加減にしろ!」
 叫んでいた。 ハルヒの手から一瞬のおびえが伝わってきたが、もう止められない。
「俺は男でお前は女だ。 この意味がわからないような歳でもないだろう! 挑発しているつもりか? 一時の気の迷いで厄介ごとを背負い込むような
バカじゃないはずだろう! お前は両親の入院で動揺してるんだ! 俺を巻き込むな! 俺を試すようなマネはやめてくれ!」
 テーブルに両拳を叩きつけながら一気にまくし立てて、気がついたら静寂だった。
「すまん、言い過ぎた」
 こんなのは八つ当たりだ。 ハルヒを傷つけようとする衝動が怖い。 衝動を抑えきれそうにない自分が怖い。 怖くて怒鳴り散らして。 ガキか俺は。
「本当にすまん。 今のは八つ当たりだ。 できれば忘れてくれ」
「ううん。 あたしも調子に乗りすぎた。 ごめん。 そっちこそ忘れて」
 なん、だ、と? 俺は耳を疑って、思わず、
「すまん、何だって? もう一度言ってくれるか」
「だから、あたしも調子に乗りすぎちゃったって」
「いや、その先」
「――そっちこそ忘れて」
「その一個前」
 しばし、無言。 振り向くと、真っ赤な貌の仁王像が立っていた。 仁王はおもむろに俺の耳をつかみ、
「わ・す・れ・な・さ・い。 全部! わかった!?」
 わかった、わかったから! 痛いって! 引っ張るな!
708以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 20:02:00.99 ID:QG4T7Az90
しえn
709When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:02:05.29 ID:8stbg5fX0
 俺たちはテーブルについて問題集の答え合わせをしている。 ありがたいことに、ハルヒは堅めの服に着替えてくれた。 パジャマにカーディガンなんて格好だったら、俺の神経が保たない。
 採点を終えたハルヒがペンで問題集をペシペシと叩きながら、
「思った通りね。 キョンは理解力がない訳じゃない。 暗記が苦手だけど、それは理解抜きで憶えることに拒絶反応があるからよ。 その欲張りなとこをちょっと我慢すれば、テストでいい点取るくらいは楽勝で出来るようになるわ」
 俺は欲張りなのか。
「そうよ。 憶えるだけじゃ嫌だ、理解したい。 なーんて欲が深すぎ。 我慢なさい」
 お前も我慢してるのか?
「うーん、したくはないけど、するしかないわね。 そうしないとそれしかできなくなるし、あたしは他にやりたいこといっぱいあるし。 それだけやりたければ研究者になればいいのよ。 それまではいろいろするの」
 お前でもそうなのか……
「当たり前でしょ。 あたしを全知全能の神様か何かだとでも思ってるの?」
 神様、か。 『神』『時間のゆがみ』『自律進化の可能性』…… そんな物は俺には関係ない。
「いや、お前はお前だ。 涼宮ハルヒ」
「なに重々しく気取ってるのよ。 さ、今日はこのくらいで勘弁してあげる。 明日も覚悟してなさい。 あんた、意外と鍛え甲斐がありそうで腕が鳴るわ」
 テーブルの上を片付けるハルヒを見つめていると突然自分が情けなくなってきて、
「すまん」
 謝っていた。
「なに?」
 片付けの手も止めず、何でもないように受け止めるハルヒは本当に大きいと思う。
「俺が支えにならなきゃいけない時に何の役にも立てて無いどころか、勉強で負担になろうとしてるのが、ちょっと、な」
「気にすること無いわよ。 第一、あんたが言ったんじゃないの。 まずあたしがしっかりしなきゃ。 だから学校も家も看病も全部両立させてみせる。
 あんたの勉強もその一つ。 SOS団の活動は病院でってことになっちゃうと思うけど、みんなわかってくれるわよね」
 呆れるほどパワフルだった。
「ああ、もちろんだ。 文句を言うやつなんて一人もいないさ」
「そうね、あんたが役に立ちたいっていうなら、料理の腕前でも見せてよ」
 う゛っ、お前に食べさせるのか? お前の腕と比べたら激しく見劣りするぞ?
「あたしに比肩しようなんて、考えるだけでもおこがましいわよ。 そんなのは先刻承知の上で言ってるの」
「それはいいが、そのまま『涼宮ハルヒのお料理教室』になるんじゃないだろうな。 勉強だけでなく家事でまで負担になるんじゃ、たまらないんだが」
「そう思うなら、少しは精進してきてよね」
 ハルヒの出した宿題は、学校のよりはるかに難しそうだった。
710When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:02:57.21 ID:8stbg5fX0

 荷物をまとめて玄関を出る。 挨拶を交わしていくつもの鍵がかけられていく音を確認し、真夜中の道を自転車で走っていく。 5月とはいえ、空気は少し冷たかった。
 いろいろなことのあった一日だった。 俺はハルヒの力になれるだろうか? 俺が試されているような、そんなことを考えていたらふと、『分岐点』が頭に浮かんだ。
 この時代に集中しているという歴史の分岐点。 俺が試されているとしたら、これも分岐点なんですか? ハルヒの両親の事故も規定事項なんですか? 朝比奈さん。
 俺は道を変えて未来人と宇宙人のメッカを通ってみたが、そこに人影はなく、誰も現れなかった。

※※※※※※※※

 夕べの疑問を抱えたまま迎えた朝は、嫌味なほどの晴天だった。
 考えても仕方ない。 半ば無理矢理に結論づけてベッドから這い出した俺は、起こしに来た妹に驚かれ、居間にいた親父に驚かれ、台所にいたお袋にも驚かれた。
 夕べの『宿題してから帰る』電話に加えてちょっと早起きしたくらいで驚かれるほど、俺の生活はだらけていたんだろうか? 驚かなかったのがシャミセンだけというのは……
 やめた。 深く考えると自分をぶっ壊したくなりそうだ。 いや、一度ぶっ壊すくらいで丁度いいのかもしれん。
 学校も家も看病も両立させると言い切ったハルヒに比べて、俺が立てなきゃならんのは学校だけだ。 そこでハルヒに後れを取るわけにはいかない。 すぐには無理だろうが、
「やってやるさ」
 朝メシをかっ込みながらそうつぶやいた俺を、3人が不思議そうに見ていた。

 いつもの時間より1時間も早く待ち合わせ場所に着くよう家を出たにもかかわらず、そこには全員がそろっていて、
「遅い! 罰金!」
 なんでだ orz。
「みんなおかしいだろ! なんで1時間も前から揃ってんだ!」
「なんとなく……」「虫の知らせとでも言いましょうか」「……」
「逆ギレなんてみっともないわよ。 お昼はあんたのおごりだかんね」
「それと、はい、これ持って」
 なんだ? これ?
「あんたの教材一式と旅行ガイド。 今日は充実した一日を送らせてあげるから期待してなさい」
 挑戦的な目のハルヒに負けじと挑戦的な目で、
「望むところだ」
 参考書を詰めてきたバッグを掲げてみせる。
 それを見て目を丸くしたハルヒだったが、すぐに凶暴な貌をのぞかせ、
「少しは歯ごたえのあるところを見せてよね」
711When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:03:20.41 ID:8stbg5fX0
 と言って不気味に笑い始めた。
 俺も負けじと、
「簡単にやられるつもりはないからな」
 と言って不敵な笑いを響かせる。
 不気味な哄笑合戦に、おびえたように縮こまる朝比奈さんと仕方ありませんねと言うように首を振る古泉が見えた。 誰か止めろよ。
「面会時間まであと90分」
 ありがとよ、長門。 いつまで笑っていればいいかちょっと不安になったところだ。
「じゃあ、みんな。 病院に向けて出発!」

※※※※※※※※

「面会時間まではまだかなりあるわね」
 集合が予定時間よりずっと早かったからな。
「待合室は開いているでしょう。 温室や、噴水のある中庭も散歩できるはずです」
 よく知ってるな、古泉。 お前もここの世話になったことがあるのか?
「この街で生活していて、一度もここに来たことがないという方がいたら、相当な強運の持ち主でしょうね」
 こいつがこんなことを言うってことは、ハルヒですらここの世話になったことがあるってことか。
「病院にそんな物まであるんですかぁ?」
「病院といっても小さな街のようなものです。 ここでずっと生活されている方もいらっしゃいますからね。 絵や書の個展が開かれることもありますよ」
 ここでずっと生活すると言うことは、それだけ長期の入院をするということだ。 できればしたくはないが、そうは言っていられない人も確かにいるのだろう。
「ICUに行ってみましょう。 あそこは24時間体制のはずだし、面会って言ってもガラス越しだもの。 廊下から見るくらいいいでしょ」
 荷物もいいかげん、下ろしたいしな。

 待合室に荷物を下ろして、先にICUのガラス窓越しに両親を見つめているハルヒと合流した。
 昨日と違ったところは見られない。 悪くなってはいないが、良くなってもいないと言ったところだろうか。
 ガラスに映るハルヒは真っ直ぐに前を向いて強い貌を作ってはいるが、瞳の中に不安が揺れている。
 背中に回ってすぐそばに立つと、ハルヒの方から体重を預けてきた。 こんな時にどうかと思うが、純粋にうれしかった。
 2人してICUをのぞき込む俺たちに看護婦さんが近寄ってきて、
「どなたかのお身内の方ですか?」
 ハルヒが名乗ると、看護婦さんはバインダーをパラパラとめくってなにやら確認した後、
712When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:03:41.91 ID:8stbg5fX0
「お会いになりますか?」
 驚いた。 ハルヒも勢い込んで、
「会えるんですか!?」
「ハイ。 あまり長い時間は無理ですが。 そこの注意書きに従って消毒してから入ってください。 それと」
 俺の方を見ながらすまなそうに、
「面会はお身内の方に限らせてもらっています」
 これは仕方ないだろう。
「行ってこいよ」
 返事はない。
 俺はハルヒの体を消毒薬の置かれた流し台の方へ向け、
「何硬くなってる。 生き別れだった親に初めて会うみたいだぞ。 しっかりやるんだろ? これからの抱負とか退院したら温泉に行こうとか、聞いてもらってこいよ」
 背中を押してやった。
 ハルヒは途中で一度振り向いて、
「行ってきます」
 そう言って、念入りな消毒をしてICUへ入っていった。
「恋人?」
 いえ、違います。
「そうなの? とてもそうは見えなかったけど、まぁいいわ。 ここへ来る人たちは患者さん本人ももちろん大変だけど、家族の方も大変なの。 支えになってあげてね」
 ええ、もちろん。
 看護婦さんは満足そうな微笑みを浮かべて、ナースステーションの中へ消えていった。

 ICUの中で両親に話しかけるハルヒの声は、ガラスと電子音と機械音にかき消されて聞こえない。
 その様子を一抹の疎外感を抱えて眺めていると、3人が合流してきた。
「みんなどこ行ってたんだ?」
 最初、ガラスの前にはハルヒしか居なかった。
「近くにいたんですけどね、なんと言いますか、お二人がこう、若い男女にありがちな雰囲気を作り上げる物ですから」
 なんのこった。
「お邪魔になってはいけませんから」
 頬染めて楽しそうに言わないでください。
「……バカップル」
713When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:04:05.16 ID:8stbg5fX0
 な、長門っ!?
 長門は俺の驚愕の態度を見てわずかに首をかしげ、古泉の方を向いて
「情報伝達に齟齬が?」
「まことに正しい用法かと」
 おいっ! そこのにやけ面! 騙されるんじゃないぞ長門! っていうかバカップルなんて変な言葉覚えちゃいけません!
 俺は孤立無援なのかっ!?
 とその時、ICUから出てくるハルヒの姿が見えた。 ハルヒ! お前もこいつらに何とか言ってやってくれ!
 ハルヒはこちらを睨みながら静かに歩いてきて、
「何騒いでんのよ。 ここが病院だってわかってる? 常識無いんじゃないの?」
 俺をビシッと指さして非難の声を上げた。
 ……えぇえぇ、郵便ポストが高いのも、電信柱が赤いのも全部俺のせいですよ。
「なにわけわかんないやさぐれ方してんの、さっさと始めるわよ。 充実した一日は望むところなんでしょ」

※※※※※※※※

「そろそろお昼にしましょう」
 壁の時計を見上げたハルヒがそう、宣言した。
「待ってくれ、もうちょっと」
 『今はわからなくても、理論は後から付いてくる』そう自分に言い聞かせて取り組めば、数学はとても簡単だった。 この感覚をモノにするまで、中断したくない。
「あんたやけにやる気になってるわね、どうしたのよ」
「別に、強いて言うなら気が向いただけだ」
 会話しながらでも問題を解くペースが落ちないのは、自分でも信じがたい。
「はぁ、むらっ気ねぇ。 ま、やる気になる分にはいいけど、どうせなら長続きさせなさい」
「あ々」

「昨日、何かあったんですか? 今日のキョンくんいつもと違います」
「はてさて、僕にはさっぱりですね」
「……」
 3人の視線が俺とハルヒの間を行ったり来たりしているような気がするが、俺もハルヒも何にも言わない。 ダンマリだ。
 別に話すほどのこともない。 ハルヒの家で手料理を食って夜中近くまで勉強してただけだ。 言っとくが保健体育じゃないぞ?
714When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:04:26.29 ID:8stbg5fX0
「妖しいです」「妖しいですね」「……二人だけの秘密?」
 俺は長門の読書傾向が心配です。

 俺は区切りまでやり終えた問題集とノートをたたみ、
「すまん、待たせた。 じゃ、行こうか」
 と声をかけて立ち上がった。 あれ? ハルヒは?
 目の前にはハルヒを除く3人しかいない。 頭を巡らせてみると、ICUのガラス窓から中を見ているハルヒが見えた。
「我々は先に行っています。 噴水のある中庭に半地下のレストランがありますからそこにしましょう。 それでは」
「おい? 一緒に行けばいいじゃないか」
 まったく、ハルヒに文句言われるのは俺なんだぞ? 『あんたがぐずぐずしてるから』とかなんとか。
 ガラスに映るハルヒの貌には見覚えがあった。 昨日と同じように背後に立って名前を呼ぶと、体をあずけてくれる。
「終わった?」
「終わっちゃいないが、一区切り付くところまではやったぞ」
「よし、じゃあお昼にしましょう。 みんなは?」
「あー、すまん。 あいつらは先に行っちまった」
「はあ? あんたがぐずぐずしてるからみんなしびれ切らしちゃったじゃない」
「行き先は聞いてる。 たぶん、席を確保しといてくれるつもりなんだろう」
 それだけじゃない気もするが、なんだろうね。 以前の俺なら気づかないふりを決め込んだろうが、今は気遣いをうれしいと感じてる。
「ちょっとお昼行ってくるね」
 ガラスの向こうに声を投げかけ、ハルヒはエレベーターホールへ向かって小走りに駆け出した。
 さっきまで感じていたハルヒの重みを名残惜しく感じながら、
「病院で走るな。 第一お前、行き先知らないだろ。 待てっての」
 と声をかけ、ふと思いついてガラス越しに会釈で挨拶してからハルヒの後を追いかけた。

※※※※※※※※

 連休中はだいたい、ずっとこんなもんだった。 面会時間が終わるまで病院にいて、俺がハルヒを送っていきハルヒの飯を食ってしごかれて帰る。
 病院内で不思議を探索するというはた迷惑なこともしたが、見つかったのはどこから入り込んだかわからない、中庭の野良猫一家とかその程度だ。
 そして、容態に変化のないまま連休は明けた。
715When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:04:46.94 ID:8stbg5fX0
 教室に入ると俺の席のあたりに人だかりが出来ていた。 正確にはハルヒを中心にした人だかり。 当然ながら女子ばかり。
 それを見てやっと、阪中のことを思い出した。 さてと、どうしたもんかね。 席に向かうのも怖いが、避けきれるもんでもないだろう。
 入り口で考えあぐねていると、女子の一人が俺に気づき、
「キャーーーーーーーーーーー」
 黄色い声を上げて駆け寄ってきた。
 それに釣られるように何人もが押し寄せるようにやってきて、
「同居?」「同棲?」「挙式はいつ?」「子供は何人?」
 と口々に訊いてくる。 なんなんだ一体これは! ハルヒ!
「キョン! ちょっと来なさい!」
 襟首をむんずとつかまれ、女子の渦からごぼう抜きに引っこ抜かれてそのまま教室の外、廊下の端、階段の踊り場まで引きずられるように連れてこられた。
 遠ざかる教室からは黄色い声の大合唱が聞こえてきてたが、一体どれだけ尾ひれの付いた噂になってるんだ?
「知らないわよそんなこと。 今までだってつきあってる位の噂は何度もあったけど、なんでいきなりここまで大きな話になってるのよ」
 あー、それはだな。 誤解の大本と思われる夜のことを話して聞かせた。
「阪中さん……」
 珍しい。 ハルヒがダメージを受けてる。
「阪中を悪く思うなよ。 誤解を招く行為だったことは間違いないし、阪中自身が尾ひれを付けたわけでもないだろうからな」
「それは…… わかってるわよ」
「俺たち自身が変わった訳じゃないんだ。 噂なんてそのうち消えるさ、気にするな。 とにかく戻ろう。 2人揃って消えてたら火に油だ」
「……そうね」

 教室に戻ると案の定、火に油。 ハルヒの眼力も照れ隠しとしか受け取られていないようで、こりゃあ、あとのとばっちりが怖いな。
「ごめんなさいなのね」
 あ? あぁ、阪中か。
「気にするな。 俺が結構遅くまでハルヒの家にいたところまでは事実だからな。 おもしろおかしく騒ぎたいやつのエサになっても仕方ないさ」
「そうなんだ?」
 なんだ国木田。
「まさかお前まで噂を本気にしてるんじゃあるまいな? 谷口あたりなら尾ひれを付けて吹聴しそうだが」
「はは、キョンはいい勘をしてるなぁ。 そうだね、噂が本当だったら、ちょっと楽しいかな」
「お前が聞いた噂がどんなのだか知らないが、あいにくと楽しい話は聞かせてやれそうにない」
「涼宮さんは今、大変そうだしね」
716When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:05:07.28 ID:8stbg5fX0
 なんだ? そんなことまで噂になってるのか?
「噂と言うほどではないかな。 ところで、僕にできることがあれば遠慮無く言ってほしいね」
「もちろん、わたしもなのね」
 ありがとよ、2人とも。 どっかで噂をばらまいてるアホに爪の垢を煎じて飲ませてやりたいね。

 授業が始まってスズメどもも自分の席に帰り、ハルヒはというと背後で不機嫌オーラを…… 放っていなかった。
 居眠りもせず、シャーペンで俺の背中を穴だらけにもせず、旅行パンフを開いてもいない。 まじめに授業を受けている。
 いつもと違いすぎる様子に後ろを伺うと、まじめにやれと怒られる始末だった。
 授業をマジメに受けるのはいいことだ。 いいことなんだが…… なんだろう? なにかひっかかる。

「おいキョン、なにやってんだ?」
 見てわからんのか、谷口。 一度眼科へ行った方がいいんじゃないか?
「お前まさか本気で涼宮とデキちまたったのか?」
 なんでそうなる。
「お前が休み時間に参考書開いてガリ勉始めるなんて、天変地異の前触れとしか思えん。 涼宮に男ができるなんてのもそうだ! 従ってお前が涼宮の男なんだろう!」
 つきあい切れん。
「そういやお前、俺とハルヒの噂に尾ひれ付けて吹聴しまくったって?」
 休み時間になって押し寄せてきた女子をひたすら無視して机に突っ伏していたハルヒの肩がピクッとふるえた。 ガバッと起き上がり、谷口を引きずって教室の外へ消えていく。 南無。
 授業開始ぎりぎりの時間に1人で戻ってきたハルヒに、
「よう、谷口はどうした?」
 と訊くと、ハルヒはさもつまらなさそうに、
「知りたい?」
「別に」
「そ」
「キョンって時々鬼だよね」
 国木田お前、一部始終をにこにこしながら見てただろうが。

※※※※※※※※

 放課後、部室へ行くとハルヒ以外はすでに来ていて、朝比奈さんがいつもの格好でお茶を淹れてくれた。
717When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:05:30.64 ID:8stbg5fX0
「ありがとうございます。 それにしてもすぐ着替えることになるかもしれないのに、律儀ですね」
「わたしには、こんなことくらいしかできませんから」
「そんなことはないと思いますよ」
「へへっ、ありがとうキョンくん」
 甘露をすすっていると、
「久しぶりにお手合わせいただけますか」
 古泉がそういってリバーシの駒を並べ始めたが、
「いや、ハルヒが来たらすぐに移動になるだろう。 片すのも面倒だしな」
「そうですか、残念です」
 残念そうにゲームをしまうと、机の上に組んだ手にあごを乗せて飽くまでにこやかに、
「それはそうと、ご婚約おめでとうございます」
 ぶほっ! 古泉、お前もか! お茶吹いたじゃねーか!
「ふええぇっ!? キョンくんいつの間にっ!? 水くさいですっ!」
 落ち着いてください、朝比奈さん。 デマです。
「…………デマ、なんですか?…………」
 朝比奈さんは口元に人差し指を当てて、俺の貌をじっと見ながらなにやら考え込んでいたが、
「ホントだったら、とか思いません?」
 は?
「涼宮さん…… ですよね? 相手って。 本当に涼宮さんがキョンくんの恋人で、婚約者だったらって想像したりしません?」
 朝比奈さん、何を言って……
「答えてください。 涼宮さんが恋人だったらって、考えたことはありませんか?」
 俺は努めて平静に、
「よしてください、第一ハルヒは恋愛感情を精神病に分類するような女ですよ? そんなことあるはず無いじゃないですか」
「キョンくん誤魔化してます。 わたしは涼宮さんのことじゃなくて、キョンくんのことを聞きたいんです」
 一蹴された。 一歩、距離を詰めてくる朝比奈さんのいつにない迫力にたじろがざるを得ない。
 救援を求めてあたりを見回しても、これは興味深いですねと貌に書いてあるにやけ面と、本から顔を上げてこちらを見つめる、しかし介入する気はまったく無さそうな黒曜の瞳があるだけだった。
「どうなんですか? お姉さんに正直に答えてください。 さあっ!」
 近い! 顔が近いです朝比奈さん!
 俺は必死に誤魔化す方法を考えたが、下手な嘘は全て見抜かれてしまうに違いない。 正直に言うしかないのか? 俺は生唾を飲み込んで、
「俺は…… 「やっほーえぶりにゃん! みんな揃ってるっ?」
718When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:06:36.19 ID:8stbg5fX0
「……なにやってんの」
 ナイスタイミングだ、ハルヒ。

※※※※※※※※

 それから俺たちは病院に移動して全員で宿題をやり、ハルヒは両親に一日の報告をして解散になった。 今は帰り道がてら、買い出し中だ。
「なあハルヒ。 お袋がおまえを夕飯に連れてこいと言ってるんだが、どうする?」
「へ?」
 ほれ、とケータイをハルヒの方へつきだして見せる。
 ハルヒは特売シールが貼られた合い挽きミンチを俺の持ってるかごに入れたところだった。 ちなみにかごの他、ハルヒの鞄も俺が持っている。
「これって、もう用意してあるのかしら?」
 ケータイをひったくって、じっくり読んだハルヒが訊いてきた。
「してあると思う。 つーか、してなかったらメールしないだろ。 なんなら電話して訊いてみるが」
「いいわよそこまでしなくっても。 でも、用意してあるんなら断っちゃ逆に失礼よね」
「じゃ行くか」
 さっきかごに入れられたばかりの挽肉を元の場所に戻そうとして、止められた。
「ううん、やっぱりやめとく。 折角なのに悪いけど、できるだけ家で過ごしたいのよ。 あたしがいないと誰もいない家になっちゃうし。 ――うまく言えないけど」
「それもそうだな。 わかった、こっちのことは気にするな」
「ありがと。 謝ってたって、伝えといて。 それと、あたしの鞄返しなさい」
 ? 何だ?
「帰れって言ってるのよ。 ほら、買い物かごも置いてとっとと帰れ!」
 しかしだな、ハルヒ。 買い物かごを少し持ち上げて、
「家まで送って行かなくていいのか? 結構な量あるぞ?」
「いいから帰れ! 団長命令!」
 言い始めたら聞かないヤツだからな…… はぁ、
「わかった。 帰るよ。 それじゃあ、また明日学校で」
「ハイさようなら」
 ハルヒは鞄と買い物かごを持って、スタスタと行ってしまった。 俺は後ろ姿を見送ってため息をつき、その場を後にした。
 この翌日からハルヒは俺に送らせず、病院で分かれるようになった。 課題だけは毎日くれたが。
719When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:07:04.04 ID:8stbg5fX0
 そしてやってきた週末、俺は今まで何を見て、何をやってきていたのかと激しい後悔に襲われることになった。
 その日、ハルヒは朝からテンションが低かった。 別に病院から悪い知らせがあったわけでは無いようだったが、最近はマジメに受けていた授業も机に突っ伏したままだったし、
休み時間になってもどこかへ突撃していくこともなく、じっとしていた。
 授業もHRも終わり、ある者は部活へ行き、ある者は帰宅し、ある者達は連れだって街へ繰り出していく中、ハルヒはまだ机に突っ伏していた。
 黄色いリボンの付いたカチューシャで留められた髪を見て、『もう少し伸びたらポニーテールにできるな』なんてことをぼんやりと思いながら、
「ハルヒ、メシはどうするんだ? 今日は学食も休みだからパンを買わないと食いっぱぐれるぞ。 それとも病院行く途中で何か喰うか?」
 そう訊いてみた。
「……別に、お腹すいてない……」
 珍しいこともある。 食欲魔神とまでは言わないが、昼時まで保つようなコストパフォーマンスの高い腹はしてなかったはずだが。
「じゃ、部室に行こうぜ。 ――ハルヒ?」
 返事もしなければ動こうともしない。 俺はやっと、ハルヒの様子がおかしいことに気づいた。
「ハルヒ! おいしっかりしろハルヒ!」
 肩をつかんで上体を起こすと、赤い貌、潤んで微妙に焦点の合ってない目、明らかな体調不良を示している。 額に手を当てると、熱い。
「――放しなさい。 大丈夫よこのくらい」
 そう言って立ち上がろうとするが、体に力が入っていないのは明らかだった。
 保健室か? いや、もう放課後だ。 今からなら直接病院の方がいい。 タクシーだ。
 ケータイを取り出し、古泉を呼び出す。 早く出ろ…… コール3回目でつながって電話に、前置きもなしに一方的に要点だけ告げる。
「ハルヒがひどい熱だ。 正門前にタクシーを呼んでくれ。 そこまで俺が連れて行く」
 『了解しました』
 一言だけ告げて切れる電話。 ケータイをしまっていると、
「大丈夫だって言ってるでしょ、勝手なことしたら許さないんだからね」
 そう言ってなんとか立ち上がったハルヒの体を、下からすくい上げた。
「!」
 いわゆる『お姫様だっこ』というやつだ。 むろん、ハルヒはお姫様のようにおとなしくしてくれたりはしない。
「下ろしなさいっ! こらっ! 下ろせっ!」
 とたんに、病人とは思えない力で暴れ出した。 俺はかまわず昇降口へ向けて走り出し、腕の中のハルヒに向けて、
「すまん、ハルヒ。 体調の悪い時でも頼れないような情けない男ですまん。 支えになってやれなくてすまん。 だが、今だけはお前のために何かさせてくれ。 頼む」
 ハルヒが俺の言葉をどう受け取ったかはわからない。 だが、暴れるのだけはやめてくれた。
 正門前にはもう黒塗りのタクシーが来ていて、俺はハルヒを後部座席に座らせてドアを閉め、反対側から乗り込んだ。 長門と朝比奈さんが持ってきてくれた鞄を受け取り、古泉の
「我々も後から追いかけます」
720When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:07:26.33 ID:8stbg5fX0
 の一言に頷いて、じゃお願いしますと運転席に向けて言うと、新川さんは静かに車を発進させた。

※※※※※※※※

 病室のベッドで眠るハルヒの貌を眺めながら、俺は激しい自己嫌悪に襲われていた。
 俺は一体何を見ていた? 遅刻もせずマジメに授業も受けて、放課後は病院で両親を見舞い、家事をこなして、俺用に新しい課題まで用意して――
 少し考えればすぐわかることだったはずだろう。 こいつは一体、いつ寝ていたんだ?
 それだけじゃない。 事故のあった日、俺は、俺だけはこいつが不安で押しつぶされそうになっている貌を見ていたじゃないか。
 支えになる? お笑いぐさだ。 それどころか、『ちゃんと三食食べて、学校にも行って、家事もこなして、家を守れ。 まず、お前がしっかりしなきゃ』だと? プレッシャーまで掛けて。
 俺はこいつに休息できる場所を、こいつの居場所を用意しなきゃいけなかったんだ。 それなのに、たった1人突き放してしまった。
 すまない、ハルヒ。 俺はまだ間に合うか? いや…… 余計なことは考えまい。 とにかく、出来るだけのことをしよう。
 そう決心してイスから立ち上がり、ハルヒの髪をスっとなぜた時にドアが控えめにノックされた。

 部屋の外には3人が立っていた。
「涼宮さん、大丈夫なんですか?」
「そんな、泣きそうな貌をしないでください朝比奈さん。 ハルヒはちょっと過労気味だそうです。 今はよく眠ってますが、目が覚めたら帰ってもいいと言われました」
 心から安心したという貌でため息をつく朝比奈さんに、
「ハルヒに付いていてやってもらえますか? 俺はちょっと用事が出来たので。 なるべく早く戻ってきますが、ハルヒが目を覚ましても留めておいてください」
 朝比奈さんだけでなく古泉と長門にも言い含めるように見回し、それぞれから頼もしい返事を受け取った俺は電話を掛けるために病院の外へ向かった。

 病室に戻った時、ハルヒはまだ眠っていた。
「お帰りなさい。 用事はもう済みました?」
 ええ、おかげさまで。
「呼吸、心拍、血圧、体温、および内分泌すべて正常範囲」
 そうか、ありがとよ。
「用事とは、何だったのですか?」
 少し迷ったが、こいつらには黙っていてもすぐにばれる。 隠しておく意味はなかった。

 話し終わると、古泉は立ち上がって帰り支度を始め、
「では、我々は早々に消えるとしましょう」
721When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:07:48.09 ID:8stbg5fX0
 なんだ、帰るのか? ハルヒが目を覚ますまで居ればいいじゃないか。
「できればそうしたかったのですが、今の話を聞いてしまいましたからね。 我々が居ては、涼宮さんはあなたの提案を素直に受け入れないでしょう。 それに」
 それに、なんだ?
「涼宮さんに断られた時、我々が居てはあたなも土下座しにくいでしょう?」
 するか!
「しないそうです。 どう思われますか?」
 こらこら。 何を訊いてる。
「本気なら、して欲しいです。 できるはずです」
「あなたの自尊心と涼宮ハルヒの健康。 どちらを優先するかは、あなた次第」
 わかった! わかってるが、口に出しては認めにくいものなんだ。 というわけでお前らさっさと消えろ。
「来週を楽しみにしていますよ」「涼宮さんは絶対にOKしますよ」「ユニーク」
 ああ、またな。 ……ところで、なにがユニークなんですか? 長門サン?

 ハルヒは眠り続け、目を覚ましたのはそろそろあたりが夕暮れに包まれようとする時間だった。
 う…… んっ……?
「あれ? ここどこ?」
「お前の両親が入院している病院の一室だ。 お前が熱を出して倒れたから運び込んだ。 今は夕方だ。 気分が悪かったりふらふらしたりはしないか?」
「キョン? 大丈夫。 なんだかスッキリしてるわ。 みんなは?」
「先に帰った。 それより話があるんだが、これでも食べながら聞いてくれないか」
 貸してもらったクーラーバッグから、プリンを取り出してハルヒに渡す。
「ありがと、なに? 話って」
「すまなかった」
 そう言って、深々と頭を下げる。 あっけにとられているハルヒに向けて、
「俺の不用意な一言のせいでお前に無理をさせた。 無理をしていることにも気づかなかった。 すぐ近くにいて不調にも気づいてやれなかった。 頼ろうと思わせるほどの頼りがいも無かった。 今日ほど自分を情けなく思ったことはない」
「ちょっと、やめなさいよ。 倒れてから言っても説得力無いけど、無理したつもりはないし体調管理は自己責任だし。 まぁ、あんたに頼りがいがないのはホントだけど」
「すまん」
「だからやめなさいって。 いい加減、頭あげなさい。 軽々しく頭なんか下げるもんじゃないわよ、安っぽくなるじゃない」
「すまん」
「いい加減にしないと怒るわよ」
 頭を上げると、ハルヒはスプーンを咥えたままそっぽを向いていた。 紅い夕焼けがカーテンを透してハルヒの貌を朱く染めている。
722When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:08:39.86 ID:8stbg5fX0
 そっぽを向いたままプリンを食べ終えたハルヒに、お代わりもあるぞと言って二つ目を取りだしてみせるが、
「夕飯時も近いのに、そう何個も食べられないわよ。 ところで今何時? スーパーのタイムサービス間に合うかしら」
 ベッドから降りて鞄に手を掛けようとする、その鞄を押さえて、
「ハルヒ、頼みがある」
「何よ。 急いでるんだから話なら歩きながら聞くわよ」
「大事な話なんだ。 ちゃんと座って聞いてくれ」
 少しの間アヒル口で俺を睨みつけていたが、その目を真っ正面から受け止める俺に、わかったわよと言ってベッドの縁に腰を下ろしてくれた。
「単刀直入に言うぞ。 俺と一緒に暮らしてくれ」
 ハルヒの貌が最初いぶかしんで、次いで大口開けて呆れて、怒りに目がつり上がり、真っ赤になって目をそらし、再び目を合わせた時の貌は怒りにふくれて真っ赤で目もつり上がっていたが、どこか可愛かった。
「何考えてるのよっ!」
 病み上がりとは思えないほどの声量だった。 向こう三軒両隣どころか上下のフロア全域に響いたんじゃ無かろうか。
「あんた本気? それ以前に正気? どう考えても正気じゃないわね。 あたしをからかおうっての? それとも自分で噂を本気にした?
 お生憎様、あたしはそんなに安くないのよ。 あたしが欲しいんならせめて、あたしに頼られるだけの甲斐性持ってから出直しなさい!」
 一気にまくし立てたハルヒは、はぁはぁと肩で荒い息をしていた。 俺はハルヒをこんなに興奮させるようなことを言っただろうか? 半ば呆気にとられながら、言動を振り返って……
「違う! 違うぞハルヒ! いや、違わないが違うんだ! 落ち着いて聞いてくれ。 っていうか落ち着け、俺。 とりあえず俺は本気で、一応正気だ。 別にからかってもいない。 た、ただだな、」
「キョン」
 凄味のきいた声に、部屋の温度が一気に下がった気がした。 恐る恐るハルヒの貌を…… 見えなかった。 ハルヒはうつむいていて、顔が見えない。 余計に怖い。
「キョン」
「ハイッ」
「あんた真逆、言い間違えたらなんだかプロポーズみたいな言い方になっちゃいましたなんてこと、言わないわよね」
 怖いです。 すいません、その真逆なんです。 なんて怖すぎて言えねぇ!
「あり得ないわよねー そんなこと」
 一転、にこやかにそう言ってハルヒはおしとやかに笑い出した。 俺も一緒に笑ってみる。 こうなったらもう、笑うしかない。
「そうだよなー あり得ないよなー」
 あはははははははははははははははははははははははははは はぁっ!?
 いつの間にか目の前にいたハルヒが両手で俺の首を絞めっ 締めっ! 苦しいっ!
「返せこのバカっ! 返せっ! あたしの……っ キョンの、キョンのバカぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「それで?」
 ハルヒはベッドの上であぐら。 俺は床で正座。 気分はまるで、お白州に引き出されて裁きを受ける罪人のそれ。
723When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 20:09:19.66 ID:8stbg5fX0
「お前の両親が退院するまで、俺の家で下宿してください」
「最初からそう言いなさい。 そしたら、あたしだってあんな勘違いは……」
「とにかく! そんなことできるわけ無いでしょう。 第一、アンタん家の親が許すわけ無いじゃない」
 俺は顔の前で手を振って、
「いや、承認はもうもらってる。 お前が倒れたことも話したら、連れてこないと家に入れてやらないとまで言われちまった」
 ハルヒはちょっと困ったような貌で腕組みをしたまま、黙っている。
「これは俺の我が侭だ。 俺はお前が倒れるようなところを二度と見たくない。 もし倒れるにしても目の届くところにして欲しいんだ。 今回は学校だったからまだ良かった。
 もし、あの家でたった1人倒れていたら今頃どうなってたか……。 頼む! 俺の家で下宿してください!」
 元の姿勢が正座なこともあって、自然と土下座になってしまう。 だが土下座くらいでハルヒの諾が得られるなら、いくらでもしてやる。
「頭上げなさいよ」
「お前が下宿に同意してくれるまでは上げられない」
 はぁ…… ため息をついて、ベッドから下りてくる気配がする。 近づいてきて、
「あんた、自分がずいぶん非常識なこと言ってるって、わかってる?」
「ああ、自覚してる」
「しかも我が侭」
「すまん、その通りだ」
「自覚してるくせに直す気もないわけ?」
「この件については、そうだ」
「おまけに強情っぱり。 どうしようも無いわね」
「返す言葉もないな」
「わかった、下宿する」
「ホントか!」
 思わず顔を上げると、とても優しいハルヒの貌がとても近くにあり、
「あんたをどうしようも無いんだから、仕方ないじゃない。 いい加減立ちなさい」
 とても優しいことを言ってくれた。
「ハルヒ、ありがとう」
「別にいいわよ。 団員の我が侭を聞かなきゃならないのも、上に立つ者の辛いとこよね」
 団員か。 まぁ、今は仕方ない。 さっきのやり直しはまだまだ当分先だ。 その時には、別の呼び方で呼んでくれるだろうか?

724以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 20:10:50.24 ID:QG4T7Az90
読む暇が無い
しえn
725以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 20:35:16.95 ID:QG4T7Az90
しえn
726以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 20:45:37.30 ID:bB5vAhfV0
しえn
727以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 20:49:16.27 ID:U1BaKmnCO
試演
728以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 21:15:03.21 ID:gs2m+9gJ0
しっぽ切りか。
昔は30秒1レスでもおkだったのに・・・
729以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 21:17:35.80 ID:XE7aIdI1O
あげまんこ
730以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 21:19:30.13 ID:U1BaKmnCO
あげんな
731以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 21:19:39.14 ID:Vi4pMOeFO
支援的
732以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 21:28:51.17 ID:Vi4pMOeFO
733以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 21:44:24.57 ID:Vi4pMOeFO
焼肉うめえ
734以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 21:51:48.55 ID:usk5owZrI
支援
735以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 22:04:36.76 ID:6Tf8QknL0
支援
736以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 22:09:11.45 ID:6Tf8QknL0
しっぽ切りって初めて聞いたな
737以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 22:12:18.41 ID:U1BaKmnCO
俺も。ばいさるは何度か喰らってるけどしっぽ切りは知らなかった
738When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 22:14:55.21 ID:8stbg5fX0
 俺たちはICUでことの顛末を報告し、一旦ハルヒの家に寄って着替えなど衣類一式を詰め込んで俺の家までやってきた。
 玄関を開けてただいまと言うと、待ち構えていた家族がおかえりと返してくれる。
 続いてハルヒが玄関に入り、
「今日からお世話になります、涼宮ハルヒです。 よろしくお願いします」
 と挨拶した。 ところが誰も返事をしない。 不安になっているハルヒに、助け船を出してやった。
「その挨拶はとても常識的だと思うが、今日からここはお前の帰る場所、お前の家でもあるんだ。 だから、玄関に入って言う挨拶は『よろしく』じゃない」
 ハルヒは俺の言葉に戸惑いの表情を浮かべて、俺の貌を見つめている。 俺はだまって頷いてみせる。
 次いで親父とお袋、それに妹の方を見て、3人が同じように頷くのを見て、いつもの明るい笑顔を満面に浮かべ、

   「ただいま!」
「「「おかえりなさい」」」
「おかえりなさいハルにゃん!」

fin.


欄外4コマ
ハルヒ 「最近、噂を聞かないけど、もう消えたのかしら」
俺   「そうみたいだな」
ハルヒ 「案外、早かったわね」
俺   (わかりきったことを噂するやつは居ないからな)
739When we are 17 -May- ◆9yT4z0C2E6 :2008/12/02(火) 22:15:35.25 ID:8stbg5fX0
以上です。
740以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 22:18:11.22 ID:U1BaKmnCO
最後の1つで規制て、惜しかったなw
乙、これから読んでくる
741以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 22:22:37.39 ID:UAZZRK4W0
GJ!
前作に比べて上手くなったと思う。
あと、個人的にはこっちの方が読みやすいかな。
742以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 22:39:45.67 ID:C2BwtNn30
乙!
743以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 22:40:03.53 ID:OBuUypwT0
おつ
744以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 22:40:22.61 ID:QG4T7Az90
乙!
さて、読むかな。
745以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/02(火) 22:56:06.69 ID:027FVYI9O

よかったよ
746愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/02(火) 23:25:12.45 ID:gs2m+9gJ0
名前欄変わった?
747愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/02(火) 23:29:46.98 ID:U1BaKmnCO
ルール議論って…パートスレが危ういんじゃないのかこれ
748愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/02(火) 23:38:24.13 ID:gs2m+9gJ0
面白そうなんで成り行きを見守ろうかね。
個人的にはどっちに転んでもおk
749愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/02(火) 23:53:05.98 ID:UAZZRK4W0
運営が動くとは
750愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 00:11:02.43 ID:EHsLdzHc0
とりあえずパートスレ系列はVIP+に移行する可能性が高くなったな
751愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 00:18:41.30 ID:UXOGywWb0
寝るんで結果は避難所にでもヨロ。

というか、避難所では話題にも上がらないのねw
関係ないって言われればそれまでだが。
752愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 00:33:56.76 ID:pw60xxUb0
753愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 01:10:08.03 ID:mRpmjEJ9O
保守
754愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 01:21:14.81 ID:vgE8m2KX0
VIP+ならパー速に行くのと大して変わらんなあ
755愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 02:02:43.14 ID:GX2IKs0n0
ho
756愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 03:06:20.18 ID:MJ2bjpHx0
s
757愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 04:06:24.83 ID:tfrMRr6p0
758愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 04:52:52.02 ID:1ZrjBvoAO
10月8日 曇りのち雨
読み始めて早7時間…面白さと引き替えに睡眠時間を失った…















759愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 06:01:31.74 ID:H9w5UAiiO
760愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 06:49:07.30 ID:piBQhQXn0
761愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 07:27:01.82 ID:MJ2bjpHx0
762愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 08:26:16.62 ID:AMD31PxYO
763愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 09:32:50.88 ID:fEvyKql00
よ 

投下予告も無いみたいなので50分になったら投下してもよいでしょうか?
764愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 09:41:57.27 ID:fEvyKql00
勝手に始めてしまえヒャッホウ!
http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5369.html
この話の第三章になります。
5分1レスペースでいきます。さるったら雑談スレに報告にいきます。

「まだあわてるような時間じゃない」
いわずもがな某バスケ漫画の名言です。ここら辺の話は突っ込みどころが多い展開になりますが、全体のまだ半分です。
言いたいこともでてくるかもですが、最後までのんびりつきあってもらえたらいいなと思います。
気がつけば夏である。

結局、俺とハルヒが手に入れたSOS団のアジトは、大して機能することなく、特にやることのない時にぼーっとしにいく程度のそんな場所となっていた。
まぁ溜まり場としての役割は十分に果たしているか。

やることがある時はどんな時かというと、ハルヒ曰く楽しいこと探索という名の散歩をこれまたぼーっとしながら行うのである。

ちなみに、今は夏休み真っ最中あって、俺は毎年強制的に盆休みになったところで母親の実家に泊まってくることになっているわけで…
したがって連日行われていた楽しいこと探しも一旦休憩し、久しぶりに財布に優しい休暇をとっているのである。

というか何で俺が毎回罰ゲームをうけにゃならんのだ。
いついかなる時間に行こうと何故かハルヒは先に待ち合わせ場所に待機しているのである。

「あんたの考えそうなことなんかすぐわかるわよ」

…だそうだ。
もう前日から待機してやろうかと思ったこともある。
…めんどくさいからやらないが。

「しっかし暇だな…」

親の実家は誰も知らないような田舎にあり、こうして縁側に座ってぼーっとしていることくらいしかすることがない。

「キョンくん遊ぼー!」

766愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 09:52:58.99 ID:I2UgAjQNO
個人的にブルーな気持ち状態だが気を取り直して支援
767第三章「夏に思い出を」何があったんだw:2008/12/03(水) 09:55:06.70 ID:fEvyKql00
かと言って妹と遊び相手になってやれるほど元気があるかと言ったらそうでもなくて

「あぁ…すまん、寝かせてくれ、疲れたんだ」
「えー、つまんなーい!」

いつかお前にも1人でのんびりすることの素晴らしさがわかるはずだ…あ、そうだ。

「お前は何で俺のことキョンって呼び始めたんだ?」
「え?おかーさんがそう呼んでたからだよー」

…お袋かよ…まぁ暇な時にでも聞いてみるか。

さて、妹もどっか行ったことだし昼寝でも…

「あ、キョンー」

…なんだお袋よ。

「なんだとは何よ、暇ならおつかい行ってくれないかしら?」
「おつかい?」
「えぇ、醤油とみりんと…あとはスイカかな」
「何でそんなに重いのばっかり…」
「重いからよ。私の父さんと母さんも無理できないんだから、それくらいやりなさい」

…了解。

768第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 10:00:11.20 ID:fEvyKql00

「あ、そうだ」
「…まだ何かあるのか?」
「私の幼なじみが久しぶりにこっちに帰って来てるのよ。もし会ったら挨拶しなさいよ」
「…何で俺が」
「何でって…あなたちっちゃい頃にその人の家にいってよく遊んでたのよ?娘さんと一緒に」

…全く覚えてねぇや。

「とりあえず行ってくる、醤油とみりんとスイカで良いんだな?」
「うん、挨拶もちゃんとするのよ?」
「…覚えてたらな」















769第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 10:06:08.80 ID:fEvyKql00




子供の頃の遊び相手ねぇ…
というか名前くらい教えろっての。
聞かなかった俺も俺だが。

最寄りのスーパーでぶつくさ言いながら買い物を続ける。

「重い…運動してないからなぁ…これ運ぶだけで筋肉痛になりそうだ」

醤油、みりん、あとはスイカ。
…スイカは…あった。
夏場はよく売れるのだろう。
売り場には一つしか残ってなかった。
まぁどうせすぐ補充されるだろう。

そう思い手を伸ばす。

「…あ」

別の人も同じように手を伸ばしていた。
やはりスイカを取ろうとしたらしい、こちらをみてどうしようか迷っている。
…というかこの人の顔…見覚えが…
770第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 10:10:41.85 ID:fEvyKql00

「あれ?もしかしてキョンくん!?」
「へ?」

思わず間抜けな声が出てしまった。

「あぁ、ちっちゃい頃だったからあたしのこと覚えてないかしら?」
「っと…俺のお袋の幼なじみの?」
「そうそう!覚えててくれたんだ!」

…まぁついさっきお袋に指摘されたんですか。
そしてあぁ、納得。
さっき感じた既視感はこれか?

「えと…お袋と高校も一緒でしたか?」
「良く知ってるわね、大学に入って、お互い結婚するまでずっと一緒につるんでたわ」

やはり、春先に見たアルバムの中でお袋と一緒に写っていたのはこの人か。

「どうせだから、家でスイカでも食べてかない?家も近いし、娘とも久しぶりに会うといいわ!」
「いや…娘さんのことも覚えてないし…」
「いいからほら!早くおいで!」

そう言いながら会計を済ませ、俺の腕をひっつかんで外に出て行く。

771愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 10:12:42.40 ID:hZuZwT4sO
支援
772第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 10:15:38.42 ID:fEvyKql00
…やれやれ。
どうせ暇してたところではある。
とりあえず腕を掴まれたままだと気恥ずかしいので、ちゃんと着いて行くから、と離してもらいいつかよく行ったらしい場所へ歩いていった。

…この強引さ、もしかしたらどこかで気がつくべきだったのかもしれない。

─────────────

『涼宮』

そう書かれた表札の前でとりあえず俺は硬直した。
お袋の実家から徒歩約5分程の場所にあったその家に入って行ったお袋の幼なじみに続いて入って行っていいのかひたすら迷った。

「何してるのキョンくん?入っていいのよ?…あれ、あの子どこか出かけちゃったみたい」
「あ、わかりました」

どこかに出かけた、という発言を聞いて少し安心した俺がいた。
いや、まぁここで言うあの子があいつである可能性はなかなか無いわけだし…

「…あんた何やってんの?」

だからいきなり真後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきたのもきっと気のせいなんだ、そうなんだ。

「…その台詞、そのままそっくりおまえに返すよ」
「あたしはただ母さんの実家に来ただけよ」
773第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 10:20:24.19 ID:fEvyKql00
「…その台詞もそのまま返すよ」

…涼宮ハルヒがそこにいた。
驚いた、というよりは完全にハテナマークを頭の上にだして首を傾げている。

「あらハルヒ、帰ってきたの?ほら、キョンくんよ、小さいころあんたとよく遊んでた」
「えぇ!?」

…まぁその反応が普通だろうな。
いつかみたいに口開けたまま固まってやがる。

「ま、2人ともそんなところに突っ立ってないで、中に入りなさい。さっき買ってきたスイカでも食べましょう」















774愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 10:22:37.85 ID:en7jfUig0
sien
775愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 10:23:10.77 ID:I2UgAjQNO
支援
776第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 10:25:17.41 ID:fEvyKql00



「そっか、じゃああたしがキョンのこと見覚えあるって思ってたのは気のせいじゃなかったのね」

切り分けられたスイカを食べながらハルヒが呟く。

「あはははは!それにしてもあんたたちが同じ高校に入ってたなんてねぇ、しかもハルヒがよく話してた男の子がキョンくんだったのかぁ」
「…おまえ俺のこと喋ってたのか?」
「ち、違うわよ!母さんが学校のこと聞いてくるから…たまたまだからね!」

2日に1回、おばさんがそう呟くのが聞こえた気がしたが、意味は深く考えないようにした。

「いーっつも嬉しそうに話すのよ。ニコニコしながら。今日はあれした、今日はこれしたーって」
「…あぁ、そうなんですか」

…反応に困る。
というかハルヒ、顔赤くしすぎだ。

「性格がきっついから大変でしょう?いっつも無茶なことさせてごめんね?」
「…いや、まぁ…大丈夫ですよ」
「もう!あたし麦茶入れてくる!」
「あーあ、すねちゃった」

あのハルヒを一方的なまでにからかうとは…流石生みの親と言ったところか。
777愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 10:25:54.38 ID:en7jfUig0
こういう展開好きだな。幼馴染みとかw
支援
778第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 10:30:12.60 ID:fEvyKql00

「昔はもっと素直だったんだけどね。今は頑固になっちゃって…」
「聞こえてるわよお母さん!」

台所の方からハルヒの怒号が…

「そういや、おばさんも俺のことキョンって呼ぶんですね。ったく、お袋め、変な呼び名を定着させおって…」
「あら、キョンのお母さんじゃないわよ?その呼び名を定着させたのは」

…へ?じゃあ誰が?

「ハルヒよ。あなたと遊んでる内にいきなりあなたのことキョンって呼び出したの」

…頭が痛い。

「あれ?妹ちゃんじゃなかったの?その呼び名付けたのって」
「元を辿るとお前なんだそうだ」
「未だにわからないんだけど、何でキョン、って付けたの?」
「んー…わかんないわ。というか覚えてないし。何か変な感じ、あたしがキョンの名付け親だなんて」

…一応言っておくが、俺の本名はキョンじゃないからな?

「知ってるわよ…全く…」
「あはは、ハルヒったら本名忘れてそう!」

779愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 10:33:19.08 ID:I2UgAjQNO
しえん
780愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 10:35:59.76 ID:en7jfUig0
支援
781第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 10:36:17.19 ID:fEvyKql00
もちろんおばさんは俺の本名言えますよね?

「…あはは…」

…何でそんなに微妙な笑顔で目をそらすんですか。

「そういえば、キョンくんとハルヒが遊んでるところは見てて微笑ましかったわぁ」

…俺の名前は?

「キョンくんってば、いっつもハルヒにくっついていって、もう少し男の子らしくなりなさい!っていっつもハルヒが言ってたのを覚えてるわ」

…まぁいいや。
俺の名前なんか語られることは無いのだろう、きっと。
そう思いハルヒが汲んでくれた麦茶を飲む。

「キョンったら今も変わってないのよ、絶対に自分から何かしようとしないのよ」
「あんたはそういうのほっとけないもんねぇ、キョンくんは覚えてる?優柔不断なキョンくんに耐えかねてハルヒが言ったこと」
「いえ、というか小さなころにハルヒと遊んでいたことを忘れてたので…」
「あたしも覚えてないわ」

ふふっ、と笑い、おばさんが一つ咳払いをする。

「キョンは1人だと頼りないから、あたしがお嫁さんになって一生お世話をするの!!!」

782第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 10:41:03.00 ID:fEvyKql00

麦茶を盛大に吹いた。
親子だからなのかわからんが、おばさんの真似声がハルヒにそっくりなんだ。

「…なのに今はこんな頑固になっちゃってねぇ…はいキョンくん、台拭き」

何も言い返さないハルヒを見ると…顔を真っ赤にさせて固まってた。
本日二度目でもある口を開けたままの格好で。
…というか俺も何も言えない。

「あ、もうこんな時間。キョンくん夕飯も食べてく?」
「あ、いえ、買い物の途中でしたし…そろそろ帰ります」

また遊びに来るのよー、とおばさんに見送られながら帰宅。
ちなみにハルヒはずっと固まったままだった。











783愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 10:43:12.15 ID:I2UgAjQNO
シエン
784第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 10:45:40.53 ID:fEvyKql00








その夜。

「キョーン!花火するわよー!」

いきなりハルヒが押しかけて来やがった。
立ち直り早いなおい。

「あー…いちいち気にしてたってしょうがないじゃない。子供が言ったことなんだし」
「ま、それもそうか」
「あー!キョンくん花火やるの!?」
「あ、可愛い!何?妹ちゃん?」

あぁ。

「私も花火したいー!」
「お袋に聞いてこい。良いっていったら連れてってやる」
「わかったー!」
「元気な子ね、キョンとは似てもにつかないくらいに」
785愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 10:53:35.61 ID:I2UgAjQNO
江ン
786愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 10:54:32.56 ID:en7jfUig0
支援
787第三章「夏に思い出を」さるさるばいさる:2008/12/03(水) 11:00:51.65 ID:fEvyKql00

…余計なお世話だ。

「キョンくーん!行ってもいいってー!」
「よし、じゃあ行きましょうか!」

─────────────

「…全部線香花火か」
「お母さんが好きでいっつも買いだめしちゃうのよ」

ほら、とハルヒが指差した先にはいつの間にやってきたのかお袋とおばさんが久しぶりの会話に花を咲かせている。
流石に妹から目を離すわけにはいかないらしい、離れないようにと言い聞かせて近くで花火をさせている。

「まぁあたしも好きなのよね、線香花火」
「…もっと派手なのが好きかと思ったけどな」
「何というか…火種が落ちるまで光り続けようとするのが…一生懸命な感じがしていいなぁって」
「…そんなもんかねぇ」

パシャッ

「あー!ちょっと、何勝手に写真撮ってるのよ!」
「だって2人とも良い雰囲気だったからさ、何?笑ってる写真が良かった?」
「そういうことじゃなくてね…もういい、一生母さんには勝てない気がする」

788第三章「夏に思い出を」:2008/12/03(水) 11:01:36.22 ID:fEvyKql00
流石のハルヒも親には勝てないか。

「あー…線香花火落ちちゃった、キョン、次のやつ取って」
「ほれ、というか今更だが、こんなとこまで来てお前の顔を見ることになるとは思わなかったよ」
「あたしも、まぁどうせあんた1人じゃなにもしなかったでしょ?」

…多分。

「もう、あたしがいないと本当に駄目なのね…」

………。

「…あたし今そんなに変なこと言った?」
「いや、おばさんの話を聞く限りお前も変わってないんだなぁって」
「…それもそうね」

あははっ、とハルヒが笑う。
それにつられて俺も笑う。

その瞬間を待っていたかのように、もう一回、カメラのシャッターが切られた。

つづく
789愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 11:02:07.39 ID:fEvyKql00
以上。支援サンキュです。
790愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 11:20:48.58 ID:I2UgAjQNO
乙です。荒んでた自分の心が癒されました。

一つ気になった点として、所々ある長めの行間は詰めた方がよかったかも。
そうすればレスも減ってさるを回避できたかもしれない。
こう言うスタイルだってことなら失礼、聞き流してください。
791愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 11:23:15.62 ID:fEvyKql00
すんませんスタイルなんですorz
まぁ癖のような物で、みっちり詰めるよりこっちのほうが読みやすいって人がいたので。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…
792愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 11:35:39.84 ID:I2UgAjQNO
そうでしたか…
それは失礼。
793愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 12:10:00.64 ID:AMD31PxYO
乙。読んでくるよ
794愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 13:20:18.16 ID:AMD31PxYO
795愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 14:51:23.73 ID:mRpmjEJ9O
ほしゅ
796愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 15:40:06.22 ID:mRpmjEJ9O
保守
797愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 16:25:20.64 ID:mRpmjEJ9O
ほしゅ
798愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 16:42:06.36 ID:aIiK8RCMO
基本的にはsage進行なのか?


保存
799愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 17:15:43.63 ID:NJ22/+jO0
空気を読むんだ!
800愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 17:45:20.97 ID:NJ22/+jO0
ほしゅ
801愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 17:58:49.64 ID:piBQhQXn0
たまにはあげとかないとね
802愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 18:25:12.21 ID:mRpmjEJ9O
保守
803愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 18:55:08.51 ID:NJ22/+jO0
キャッチャー
804愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 18:57:30.03 ID:EHsLdzHc0
石原捕手
805愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 19:17:20.84 ID:YgBbrycq0
うーん、まだ途中だけど実に魅力的な貼るにゃんだ。
806愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 19:19:02.46 ID:tfrMRr6p0
モノクロ来てた!作者さんの作品全般的に好きなんで期待してますよ
807愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 19:45:25.99 ID:mRpmjEJ9O
ほしゅ
808愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 20:05:44.94 ID:YgBbrycq0
809愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 20:36:43.46 ID:NJ22/+jO0
810愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 21:00:14.33 ID:NJ22/+jO0
ほっしゅ
811愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 21:25:24.65 ID:NJ22/+jO0
ほし
812愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 21:50:28.59 ID:NJ22/+jO0
人稲
813愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 22:15:04.44 ID:NJ22/+jO0
ほし
814愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 22:40:04.01 ID:mRpmjEJ9O
保守
815愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 22:50:07.62 ID:aIiK8RCMO
前スレのURL教えてくれないか?
816愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 22:55:27.66 ID:AMD31PxYO
過去ログ置き場にないかな
817愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 23:00:01.84 ID:NJ22/+jO0
>>815
雑談スレ>>63
818愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 23:23:16.08 ID:AMD31PxYO
819愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 23:43:20.31 ID:AMD31PxYO
20
820愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 23:54:19.66 ID:EskKhppG0
投下予定も無い様なので短編を2本投下させていただきます
では1本目『森園生の結婚生活』です
どうぞよろしくお願いします
821愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 23:55:32.31 ID:EskKhppG0
 おかしい。
 何がおかしいかだって?
 妻だ。
 園生の様子がおかしいんだ。
 どうおかしいかってのはよくは分からん。
 強いて言うなら… 悲しげ?
 いや、恥ずかしながら夫の癖に園生の表情が読めなくなる時が時折あるんだわ。
 で、今がその読めなくなっている時なんだが… こういう時は決まっていいことがない。
 はあ〜、やれやれ…
「なあ園生、何かあったなら言ってくれないか?」
「何を言ってるの? あなたに言わないといけないようなことは一つもないですよ」
 んん〜 嘘だよな?
 いや、ホントか??
 …分からん。
 流石に今まで培ってきたものが違うとしか言えん。
「ホントか…? まあ、お前さんがそう言うんなら良いんだがな、これだけは言わしてくれ。
二人の時に仕事で使うような顔を見せるのは止めてくれ」
 何を考えてそうしているかは分からんが、何かを隠そうとしているって事くらいは分かるんだよ。
「…もう、あなたには敵わないですね」
 そうか?
 お前さんにそういう風に言われるとわ、俺も相当なもんだn… って「園生、どうした!? なんで泣くんだ!?」
 おいおい、一体どういうことだよ?
 あの園生が泣いてる?
 ありえんだろ?
 おい、事情を知ってる奴出て来い。
 事と次第によっちゃあ吊るし上げてやる!
「ううん… 大丈夫、私が悪いだけですから…」
822愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 23:57:20.72 ID:EskKhppG0
「おい、何が悪いって言うんだ… なあ、園生、俺達夫婦だろ? だから一人で抱え込んだりしないで俺にも相談してくれ」
 そらよ、園生は一般ピーポーの数倍ハイスペックで古泉の機関の人たちに頼りにされてて俺なんかの嫁さんには勿体な過ぎるが、
夫婦である以上俺にだって出来ることあるはずだろ。
「すみません… そうですよね、私たちは夫婦ですね」
「そうだ、夫婦だ。なあ、一体何があったんだ?」
「…また駄目でした」
「?」
「この間… 頑張ったのに、今度こそって… でも、駄目でした…」
 …ああ、あれか。
「なあ園生、確かに子供は欲しいさ、だけど、そんなに気に病むな。
今回駄目だからって絶対出来ないってわけじゃないだろ?」
「でも、私はそんなに若くないです… きっとこのまま出来ないってことに…」
 確かに年齢的に言ったら若くはないが… その年齢でお前さんのようなプロポーションを保ってるのはそうそう居ないだろ?
 顔も結構童顔だしな。
 しかし、改めてこう見ると、いい体しる上に童顔…
 園生さん、最高です。
 …って、そんなことよりだな。
823愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 23:57:29.70 ID:AMD31PxYO
試演
824愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 23:58:41.17 ID:EskKhppG0
「俺は別にそれでいいさ」
「!?」
「さっきも言ったが子供は欲しい。だがな、それ以上に俺は園生、お前さんと死ぬまで一緒に居たいんだ。
いや、死ぬまでなんて言わん、死んでからも一緒に居たいんだ。子供はその次だ。な、だから、そんなに悲しむんじゃねえよ」
 隊長!! 大変な臭いがします!!
 何!? それはいかん、仕方が無い… ファブリィーズを用意しろ!
 はっ!
 …おおっと、現実逃避もそこそこにしないとな。
 しっかし酷い現実逃避だ…
 はあ〜、我ながら臭えな、おい。
 穴があったら入りてえ…
 おい古泉、ケツ貸しててくれ。
「…ありがとうございます」
 …おっと隊長さん、この臭いを消す必要はなさそうだ。
 人間少々臭い位がちょうどいいらしい。
「ただ… 臭いですね」
 Ohh…
825愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 23:59:20.95 ID:EskKhppG0
続きまして『橘京子の結婚生活』です
どうぞ
826愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/03(水) 23:59:58.96 ID:EskKhppG0
 おい、そこのお前、今日はなんの日か知ってるか?
 教えて欲しいか?
 教えて欲しいだろ?
 よし、教えてやろう。
 今日はな… 俺の誕生日だ!
 …おいおい、そんな蔑んだ目で見るんじゃねえ。
 なに? いい大人が誕生日ごときで浮かれてるからだと?
 ふふ、俺の誕生日事情を知らないお前さんはそう思っても仕方がないだろうな。
 だがな、これだけは言っておこう。
 俺の誕生日はいい大人が浮かれるほどの十分すぎる要素が詰まっているんだよワトソン君。
 おっと、そうこうしているうちに我が家に到着〜
 ふふ、扉を開ければエデンが待っている〜
 カチャッ
「ただいま〜」
 …………
 ?
 誰も居ないのか? しかし、扉は開いていたから…
 あ、リビングで驚かそうとしているんだな。
 全く、可愛い奴だな。
「今、帰ったz「静かにしてください!」
 むをっ! いきなりなんだ!?
 何かのサプライズか?
「今、やっとあの子が寝付いたのです。だから、静かにしてください」
 ああ、なんだただの勘違いか…
「そ、そうかすまなk… ビエエエエエ
「ああ、もう、キョンさんが五月蝿くするから起きちゃったじゃないですか!」
「な! 俺のせい!?」
 京子だって結構五月蝿かったz「そうです、キョンさんのせいなのです! 
んもう、お風呂入っていますから先に入っていてください!」
827愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 00:01:01.42 ID:gbwZy38M0
 …酷いぞ京子。
 今日は俺の誕生日だぞ。去年までみたいに祝ってくれないのか?
 そらよ、生まれて間もない息子の事を優先するのは当たり前だが…
 期待しまくてっただけにダメージが…
 はあ〜… 風呂入るか。


 ふ〜、こんな事なら谷口の誘いに乗っとけば良かったかもな…
 いや駄目だ駄目だ。
 京子は母親としての勤めを果たしているだけじゃないか。
 それなのに俺はなんて不埒なことを考えているんだ…
 さっきだって俺がもう少し静かにしてれば良かったわけだしな。
 …後で謝っておかんとな。
「…キョンさん」
「どあっ!? キョ、京子、いつのまに… しかも…」
 どんな格好しとるんだ!
 そんな… いや、勿論嫌じゃないですよ。
 寧ろバッチコイって感じです。
「さっきはキツク言っちゃってごめんなさい…」
「い、いや、俺が悪かったんだ。お前が謝るこたない… すまんかった」
「うんうん、キョンさんは悪くないのです。今日はキョンさんの誕生日でっていうのにあんな風に言っていまって… 
ごめんなさい」
 なんだ、誕生日って覚えていたのか。
 てっきり、忙しくて忘れてるんだとばっかり思っていたんだがな。
「ホントなら早い事あの子を寝かしつけてお祝いの準備をしておこうと思ったのですが… あの子中々寝てくれなくて、
そんな中、準備とか色々していたうちにイライラしちゃったのです… だからさっきキョンさんに当たってしまって… 
ほんとにごめんなさい」
828愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 00:01:41.17 ID:8lkdqM9x0
支援
829愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 00:01:52.96 ID:gbwZy38M0
「おい、京子、謝りすぎだ。俺だって悪かったんだ、おあいこだ。な? だからそんな悲しい顔しないでくれ」
「キョンさん… ふふ、そうですね、おあいこですね」
 そうだ、お前さんはそうやって笑っている顔が一番似合ってるんだよ。
「それじゃあ早速… コホンッ『キョンさん、お誕生日おめでとうございます。今日は私、京子の全てを使ってお祝いします』」
 鼻血が出る。
 いや、今なら耳血も出そうだ。
 耳鼻科に通わんといかんじゃないか。
 しかし… このセリフ、京子の笑顔、そして今のこの格好…
 石焼ビビンバ三杯いけるな。
 でわでわ… いただきます
830愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 00:02:25.47 ID:gbwZy38M0
以上です
支援してくださった方
黙って見守ってくださった方
ありがとうございました
次回はミヨキチ編の投下を予定しています
その時はよろしくお願いします
831愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 00:02:50.88 ID:8lkdqM9x0
江ン
832愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 00:04:55.37 ID:8lkdqM9x0
って終わってたorz
リロードするの忘れてたorz

>>830乙です!次回作もwktkして待ってます!
833愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 00:06:49.83 ID:O4OepobjO
糖分が…糖分が

834愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 00:20:08.26 ID:vecnXh6fO
気になる……園生さんの年齢が激しく気になる……

GJ!
835愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 00:44:12.50 ID:HGxb+Gir0
園生

園生

園生

園生

園生
836愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 01:22:10.10 ID:sH8Hu+sH0
837愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 02:30:05.76 ID:vecnXh6fO
保守
838愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 02:30:28.77 ID:hI1auqxzO
保守
839815:2008/12/04(木) 02:32:01.74 ID:hI1auqxzO
>>817
サンクス
840愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 03:52:29.12 ID:AzQONg+vO
園生ぉおおおおおえくんかくんか
841愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 04:52:29.51 ID:ocQQMCMX0
842愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 05:20:07.55 ID:EVrUn0tfO
843愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 06:58:08.42 ID:jZ4dCAqt0
ni
844愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 07:04:14.55 ID:UAT+Epw+0
jp
845愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 08:01:18.26 ID:6LqWluLx0
捕手
846愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 08:34:43.13 ID:fb/Gc83w0
お題消化したので投下

「ドライヤー」5レスです。
847お題「ドライヤー」:2008/12/04(木) 08:35:29.46 ID:fb/Gc83w0
たまーに考えることがある。
今こうして目の前にいるみくるは、本当にこの時代のみくるなのかな?って。

愛くるしい顔のみくるはまるでハムスターのようにご飯を頬張っている。

「ふぇ?どうしたんですか?鶴屋さん」
「ん、何でもないっさ!考えごと考えごと!」

朝比奈みくる、朝比奈みちる。
いつの日か、みちる…みくるの双子の妹は私の家にやってきて、しばらく泊まっていった。

みくるのようでみくるじゃなくて、みくるじゃないようでみくるのようで。
…自分で何を言ってるのかわからないや。

一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、一緒に眠りについて。
懐かしいなぁ、私の髪が凄く長いから、みちるはドライヤー使って一生懸命乾かしてくれたんだっけ。

『…なかなか乾かないですぅ』
『私の髪が乾いたら今度はみちるの髪を乾かしてあげるっさ!』

慣れない手つきで人の髪をとかすその姿はみくるのようでみくるじゃなくて…これはもういいや。
何というか、みちるはみくるだったんじゃないのかなぁ?って。
でもあの時は、北高にみくるはもう1人いて…あれ?そうするとみくるが2人?

848お題「ドライヤー」:2008/12/04(木) 08:36:31.23 ID:fb/Gc83w0

…頭が痛い…

キョンくんが言った期限を待つか待たないかの間にみちるはいなくなってしまった。
キョンくんは、みちるはもう帰ってしまったと言ってくれた。
よくはわからないけど、もう会えないんじゃないかと思った。

…みくるもいつか勝手にいなくなっちゃうのかな?
仮にみちるがこの時代以外から来たみくるだとして、今、目の前にいるみくるももしかしたら別の時代から来たみくるかもしれなくて。

そうしたら、きっとみちるみたいにどこかいっちゃうのかな?

そうしたらこの時代にみくるは残らないのかな?

そうしたら私は今まで誰と一緒にいたのかな?

そうしたら…私はみくるといたことを…

「鶴屋さん?ご飯食べないんですか?」
「へ?」
「さっきから変ですよ鶴屋さん…大丈夫ですか?」

いけないいけない、みくるを心配させてしまったみたいだ。
849お題「ドライヤー」:2008/12/04(木) 08:37:21.43 ID:fb/Gc83w0

「大丈夫っさ、みくるは優しい子だねぇ!」

もしもの話を繰り返したらキリがないのはわかってる。
でも、みちるがいなくなった以上どうしても気になっている自分がいる。

聞いてみたい。

聞けるわけがない。

怖い?

怖いにきまっている。

聞いたところでみくるを不安にさせるだけだ。
みくるは笑顔が似合う子だ。
できればずっと笑っていてほしい。

でも、今度いなくなるときは、一言言ってほしいな。
留守番電話でも、置き手紙でも。

きっと全力で世界中を探し回っちゃうよ。

…みくるは気が回る子だから大丈夫だよね?

850お題「ドライヤー」:2008/12/04(木) 08:38:10.96 ID:fb/Gc83w0
私のこと忘れないよね?

…いなくなってしまうわけじゃないのにこんな事を考えてしまう自分が嫌だ。

「鶴屋さん?」
「大丈夫っさ!ボーっとしてないしご飯も食べてるにょろよ?」
「いえ…その…鶴屋さん、笑って無かったから…鶴屋さんはいつも笑顔でいたから、不安で…」

………。
そっか、私がみくるのことを思うように、みくるも私のことを思ってくれてたんだ。

何故か一本取られた気分。
心配してたはずが心配されてたなんて。

可笑しいくらいに笑いがこみ上げてくる。
嗚呼、本当に自分が馬鹿馬鹿しい。

「…みくる」
「え?何ですかぁ?」
「今度家に泊まりにおいで!」
「へ!?どうしたんですかいきなり!」
「いいからいいから!決まりね!」

851お題「ドライヤー」:2008/12/04(木) 08:39:29.10 ID:fb/Gc83w0
多分、別れはいつか勝手にやってきて、いつか勝手に私とみくるを引き離すだろう。

たとえそれがどんな形であれ、きっとみくると会えることは無くなるだろう。

でも、それだけだ。

私はみくるを思う、みくるは私を思ってくれている。
これだけで十分だ。

万が一、忘れないように、色んなことをしよう。
またドライヤーで髪を乾かしあおう、形に残るように写真を撮ろう。

心に残るように、たくさん笑いあおう。

いつかみくるが私を忘れたその時に、私の声が届けば良いな。
いつか私がみくるを忘れたその時に、みくるの声が届けば良いな。

…ねぇ、みくる?

「ずっと友達でいようね!」
「ふふっ、当たり前じゃないですか」

…ありがとう、みくる。
みくると一緒にいたことを、私はずっと誇りに思うよ。
852愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 08:40:40.94 ID:fb/Gc83w0
以上です。
本スレのほうでお題をもらってなかったので2、3個お題を貰えると嬉しいです。
既出リストhttp://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5160.html
853愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 08:42:52.78 ID:AZOWn6tb0
カーテン
854愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 08:44:16.57 ID:sH8Hu+sH0
転校
855愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 08:44:59.83 ID:fb/Gc83w0
>>853-854
把握です。消化完了次第投下します。
856お題「カーテン」:2008/12/04(木) 09:07:40.12 ID:fb/Gc83w0
「…長門さん?」
「…何」

こんにちは、朝比奈みくるです。
長門さんにマフラーをあげた日から早数日。
どうも何かに包まるのが気に入ってしまったようで…

「その…カーテンが壊れちゃいますから包まらない方が良いかと…」
「…落ちつく」

だから壊れちゃいますって…

「…問題ない。壊れたら修繕する」

…あ、そっか。
長門さんは自分の力で直すことができるのかぁ。
…私はそういう力が無いから羨ましいなぁ。

「…そんなことは無い」
「え?」
「…あなたは私に持ってないものをたくさん持っている。私が出来ないことをあなたはたくさんすることが出来る」

………。

「…心配しなくていい。私もあなたが羨ましい」
857お題「カーテン」:2008/12/04(木) 09:07:56.98 ID:fb/Gc83w0

…長門さん。

「…その…ありがたいお言葉なんですが…カーテンに包まりながらだと…こう、ありがたみも半減すると言うか…」
「…迂闊」

…迂闊とか言いながらひねりを入れないで下さいよ。
あ、あ、カーテンが悲鳴をあげてます!

ブチッ!

「「…あ」」

…カーテンが破れちゃいました…

「…くぁwせdrftgyふじこlp;@」
「あ、直った…ってまた包まるんですかぁ?」
「…落ちつく」

…そんなに良いんですかねぇ…
反対側のカーテン借りても良いですか?

「…良い」
「ならお言葉に甘えて…」

858お題「カーテン」:2008/12/04(木) 09:08:15.06 ID:fb/Gc83w0
鞄を机において私もカーテンに包まってみる。
窓から太陽の光を浴びて暖まった布はポカポカと気持ちよかった。

「…気持ちいいですね、これ」
「…癖になる」

うーん、長門さんが包まり続けるのもわかる気がします。
なんと言うか…

「…落ちつく」
「それですねぇ…」

春頃になるともっとポカポカになってもっと気持ちよくなるんじゃないでしょうか…
あぁ、眠くなってきました…
ん?誰かが扉をノックする音が…あ!!

「あれ?誰もいないのかな…入りますよ?」
「ち、ちょっと待って下さいキョンくん!!!」

時既に遅く、キョンくんは部室に入って…その…カーテンに包まっている私と長門さんを見て唖然としてました。

「何やってるんですか二人とも…」
「…迂闊」
「…だからひねりを入れないで下さいって…」

…恥ずかしかったです。
859愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 09:09:27.56 ID:fb/Gc83w0
おわりです。

ごめんなさい…言い忘れましたがこの話はhttp://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5372.htmlの続きになります

860愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 09:13:45.58 ID:AZOWn6tb0
はやすぎわろたw
861愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 09:16:54.24 ID:fb/Gc83w0
短くてごめんなさいw
是非ともプリンの1000に貢献したい。
862愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 09:36:51.26 ID:MUzfe0uDO
早く書けるのがウラヤマシス

そういえば昔10分で書くってのが流行った時期があったな。
863お題「転校」:2008/12/04(木) 09:54:14.89 ID:fb/Gc83w0
「おや?古泉くんじゃないかい!」
「鶴屋さん。こんにちは」

会長と僕の企てた、SOS団存続イベント。
まぁ少しでも涼宮さんが退屈しないように、という名目の下なんですが。
その話の打ち合わせの為に生徒会室に入ろうとした所、鶴屋さんとばったりでくわしました。

「生徒会に用事でもあるのかい?」
「まぁ、そんな所です」
「ふーん…まさか、生徒会のスパイじゃないだろうねぇ?」

相変わらず勘が鋭いのか、それともふざけてるだけなのかよくわからない。

「あはははは!そんなに真面目に考えなくてもいいっさ!」
「いえ、でもこんな所を出入りしてたら少なくともそういう疑いはかけられますよ」
「SOS団の副団長さんなんだから、ハルにゃんに怒られるようなことしちゃだめだよ!」

苦笑しながら返事を返す。
副団長、か。

「みくるから聞いたんだけどさ、古泉くんって転校してきたんだっけ?」
「えぇ、そうですが?」
「珍しいよねっ、高校に入って1、2ヶ月で転校って」

あぁ、そういうことになっていたのだっけか。
864お題「転校」:2008/12/04(木) 09:54:33.82 ID:fb/Gc83w0

「何か前の学校で嫌なことでもあったのかい?」
「いえ、親の仕事の都合上どうしようもなくて」
「そっか」

さきほどの悪戯のような瞳ではなくて、真剣に心配してくれている瞳。

「なんというかね、最近は色んな人がどんどんいなくなっちゃうんじゃないかと心配でね。古泉くんやみくる、ハルにゃんにキョンくんに有希っこにも、他にもたくさんの人と会えたのに…いつか別れなくちゃいけないときがくるのかなって」
「…別れ…ですか」
「もしかしたら古泉くんの時みたいに親の仕事の都合でどうしても転校せざるをえない時もあるわけじゃないか。怖くてしょうがないっさ」
「…僕はそうは思いませんけどね」
「え?」

明らかに驚いた顔で鶴屋さんが僕を見る。

「永遠に別れる…まぁ死んでしまう時はそうなるかもしれませんが、転校等で別れてしまっても、会いたい時にいつでも会いに行けます」
「………」
「きっと、会いに行こうと思わなくても、いつかきっとまた巡り会えると思えます。ほら、そうやって僕も皆さんと出会えたわけですし」

まぁ…結局は

「涼宮さんがそんなこと許すとは到底思えないんですけどね」
「転校する!なんて言ったら親に食って掛かっていきそうだもんねハルにゃんは!」

…もうひとつの意味でも。
865お題「転校」:2008/12/04(木) 09:55:13.14 ID:fb/Gc83w0
涼宮さんが望んでいればきっと誰かがいなくなることは無いと思いますが。

「何か悩んでた自分が馬鹿みたいっさ!ごめんね、変な話をしてしまって」
「いえ、僕でよければいつでもどうぞ」
「あはは!流石副団長!頼りになるっさ!君ももし生徒会と戦うなんてことになったら是非ともお姉さんに言うんだよ!なんてったって、私は名誉顧問なんだからね!」
「ふふっ、了解です」
「おっと、もうこんな時間だ!じゃ、またね!」

そう言うと鶴屋さんは勢い良く走り去って行った。
元気が出たみたいで良かった。

僕も生徒会の扉を開ける。

「ん、遅かったな古泉」
「すみません、少し話し込んでまして」

…どうかしましたか?
人の顔をじっと見て。

「いや、少し嬉しそうに見えたからな。まぁいい。とりあえずお前の考えてきた例の団を焚き付ける方法を言ってみろ」
「はい、わかりました」

866お題「転校」:2008/12/04(木) 09:55:54.23 ID:fb/Gc83w0

頭の中で組み立ててきたことを話しながら、少しだけ考えてみる。

…涼宮さんが力を失ったら、もしかしたらみんな離ればなれになってしまうかもしれない。
さっきは大見得を切って言ってしまったが、もう会えなくなるかもしれない。
でも、まだそんなことは考えなくても大丈夫ですよね。

「ニヤつくな、古泉」
「ふふっ、すみません」

…日常が楽しい。
ただそれだけで十分です。

おわり
867愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 10:00:09.02 ID:fb/Gc83w0
以上です。相変わらず短めですが。

>>862
聞いた話だと1分もあったそうですが…自分には無理ですw
868愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 10:01:23.57 ID:xbBB5C0v0
すげー、早撃ちマックかよ。
869愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 10:08:36.65 ID:HVMtUjFjO
少し前に人のレス借りてSS書いてた人いたな
870愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 10:54:08.05 ID:7tanvB6N0
871愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 11:15:03.25 ID:O4OepobjO
速撃ちマックwww
872愛のVIP戦士@ローカルルール議論中:2008/12/04(木) 12:19:29.82 ID:MUzfe0uDO
>>867
あれは酷かった。
時間優先で書くからお題とほとんど関係ないネタになって非難されてたな。
873愛のVIP戦士@ローカルルール議論中
ほっしゅ