1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
パー速でやれ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:15:31.52 ID:WBnBamxNO
また眠れない夜がきたお
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:16:49.55 ID:WHETyfXn0
第十章 下
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:17:28.83 ID:WHETyfXn0
マサキが研究室に姿を見せる回数は、一日に二度あれば多い方で、
専らメールチェックと書類審査をしては、ほんの少し僕と雑談して、またどこかに行ってしまう。
となればもう、この部屋は僕専用の軟禁室と行っても差し支えなく、
僕は与えられた莫大な自由時間を、部屋の中にある彼の私物を使って潰していた。
まずは、本。
書架には大量の専門書が並んでいて、僕はそれらの内容から、
彼の現在の研究課題を推測しようとした。
結果から言えば、それは全くの無駄に終わった。
量子力学、情報工学、電気工学、脳生理学、遺伝子工学――。
ポケモン転送装置の開発に携わるまで電気・電子設計エンジニアとして働いていた名残か、
特に電気・電子工学の専門書が多かった。彼はこと学問にかけては多才の一言に尽きる。
ここにある蔵書全てが、彼の"趣味"の範疇だと言ってしまっても過言ではない。
次に目をつけたのは、彼のパソコンだった。
このパソコンで重要な情報管理を行っておらず、
メールの遣り取りをしているだけだとしても、この組織に関する情報を少しでも手に入れたかった。
だがこれも無意味な試みに終わった。
ヒナタがマサラタウンにいた頃、最新型のパソコンを使っていたのを見ていたので、
起動することは容易だったが、そこから先は何から何まで違っていた。
結果、僕は電源を引っこ抜き、パソコンを強制終了した。
あんなOS、見たことも聞いたこともない。でも、気を落としちゃダメだ。
どうせパスワードがかかっていて、マサキ以外は使えないようになっていたに違いない。
だから僕がマサキのパソコンを使えないことは、必然だったのだ。
後日、僕は悪戯をしたとしてマサキからこっぴどく叱られた。
『データ消えたらどないすんねん!』
と言ってキーボードを叩きまくっていたマサキの蒼白な顔は、あと数年、僕の頭に瑞々しく記憶されているだろう。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:18:04.47 ID:WHETyfXn0
その日、僕は書架の上のスペースで目覚めた。
僕は頭を振って眠気を払い、つい数十分前、或いは数時間前のことを反芻する。
出来ることは何でもしておきたい。そう思って、書架の本を一つ一つ取り出し、
痛み具合や注釈をつけているか否かを虱潰しに調べようと決心したところまでは良かったものの、
その莫大な作業量と、専門書一冊あたりのあまりの重さに心が折れ、
休憩休憩、と横になったら、うとうとして――そこまで思い出して、僕は隣に広げられた専門書に目を向けた。
遺伝子工学の専門書だった。
ふいに僕の脳裏に、かつて出会った幻のポケモンミュウと、
そのクローンとして創られた、ミュウツーの記憶が色鮮やかに映し出される。
彼らは今、何処で何をしているんだろう。
自由気儘に、この世界を旅し続けているのだろうか。
それとも、どこか安息の地を見つけて、無限とも言える余生を送っているのだろうか。
「ピカチュウ、帰ったでー。
元気にしとったか? またワイのパソコン強制終了して遊んどらんやろな?
あれ、ピカチュウ……。どこにおるんや?」
「ピカー」
ここだよ。
「うわっ、そんなとこにおったんか!」
僕はマサキの頭の上に飛び降り、その乱れた髪をクッション代わりにして、床に降り立った。
┌────────────┐
| |
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|
>>1乙 |
└─────┰──────┘
<l ̄`丶、 ┃
___`>' ´ ̄`t、 ┃
<ヽ ' fj ・ Y(,)
| ̄ ̄ ̄ ̄> ` ̄7 ,.-、 マ ノ/
L -‐フ / ,ム `ー′ イ/
/ / / 、 \ /
/ {____ム `ー'゙ /
| ミ/( _, イ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ Y´ ̄ヽ,,ノ
`''′
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:18:39.60 ID:WHETyfXn0
マサキが「ワイの自慢の髪が」とかなんとかブツブツ言いながらデスクに着き、
僕がガラスケースの中に収まって、マサキをガラス越しに眺めれば、いつもの雑談風景の完成だ。
マサキがこの研究室に戻ってきた時、僕は必ずこうして、マサキとの対話の時間を持つようにしていていた。
この閉鎖空間において、組織の情報は彼の介在なくして入手できないからだ。
「なぁピカチュウ、君は自分の出生について、どう思とる?」
突拍子無い水向けに、僕はわざと気怠げに耳を傾けて、
「ピカ?」
僕がどのようにして生を受けたか、だって?
「ちゃうちゃう。君という個体ではなく、ポケモンという枠組みで君らを捉えたとき、
その存在がどっから始まったのか、君は興味があるか、っていう話や」
「……チュウ、チュウ」
僕は両耳を前倒しにして、目を覆った。
さあね。カエデ――僕の親しい知人だ――がそのようなことに興味を抱いていた気もするが、
ポケモン考古学会は未だポケモン創世の核心部に関して有力な発表をしていないんだろう?
「これまた齟齬が発生しとるな。
ワイが求めとるのは、そういった世俗的認知度の高い一般論やなくて、
ポケモンの観点から見た、ポケモンという特殊な生物の始まりについての意見なんや」
やれやれ。難しい注文をするな、君も。
10 :
◆ihjpPTk9ic :2008/10/23(木) 20:19:46.71 ID:WHETyfXn0
前回はここでダウンした
以下再開
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:25:49.29 ID:AdOm8TzyO
こんなに検索を繰り返したのは竹田スレ以来だよ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:26:32.10 ID:fe6JFDyjO
このピカチュウはなみのり覚えてないのか…
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:28:05.30 ID:r3eSpjQLO
おお、ホントに作者だったのか
無理せず頑張ってください
キテルー
とりあえず4日間お疲れ様、とだけ言っておこう
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:39:33.88 ID:/N2QDJFc0
支援
作者来てた
風邪はもう治ったのかね?
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:42:33.91 ID:IRGkDlWB0
待ってたぞおおおおおおおおお
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:43:38.71 ID:WHETyfXn0
自らの種の起源に関心を抱くこと。
それは、高次な知能を持つ生物にのみ許されたことだ。
その点、僕はその条件を満たしているという自負があるが、
悔しくも君たち人間ほど科学的史実的考察が可能なわけでもない。
「ピカ、ピカピカチュ」
よって、君が満足できるような意見をすることはできないし、
仮に正鵠を射た意見を持ち得ていたとしても、
複雑すぎて、言語の壁を越えた情報伝達に限界が生じるだろう。
すまないな、期待に添えなくて。
「君が謝ることはないんや。
……ワイも人が悪いなあ。口は災いの元っちゅうけど、この口は進んで災いを呼び寄せようとしよる」
マサキが唇をつまんで尖らせる。懲らしめているつもり、なのだろうか。
その様はなんだか滑稽で、僕は声を殺して笑った。
彼はそれから黙り込み、一服し、パソコンに没頭し、一区切りついたのか、窓際で一本煙草を吸った。
「――分かっとんのや」
彼の言葉が、1時間前の会話の続きであるということを理解するのに、僕は十秒ほど要した。
「ピカ?」
分かってるって、何が?
マサキは僕の質問には答えず、
「なあピカチュウ。もしも遙か昔に、ポケモンが存在せえへん、
人間が地球上を支配しとった時代があった、って言ったら信じるか?」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:44:17.39 ID:W+MyGEMtO
うっひょおおおおおおおかえりいいいいいい
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:45:01.09 ID:/N2QDJFc0
正鵠・・・・・・・・・・・・・・・・・・
待ってましたー!
ちなみに今日は何時位まで書く予定?
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:51:42.74 ID:HGCnWuwN0
再開してる!今日は木曜だったか!長い間待ってた気がする・・・
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:00:25.97 ID:nrIJszk20
ふぅ・・・
おっ!始まったか。無理せずがんばってくれ!!
まってたよー
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:13:33.14 ID:WHETyfXn0
まさか。
有り得ない。
否定的な言葉が次々に口から溢れそうになったが、
彼の真剣な眼差しを見た途端、喉の奥に戻っていった。
ただ、僕の"常識"を根幹とした考えは、
彼の言葉を完全に否定していた。
彼の仮定を否定するに足りる要素を、僕はいくらでも持っている。
ポケモンと人間の歴史は、常に交わり、重なり合いながら刻まれてきた。
その永きに渡る関係は、共生と言っしまっても過言ではない。
互いに明確な生活空間を持ち、境界線を引きながらもそれは曖昧なもので、
人はポケモンを、ポケモンは人を強く意識しながら、深い結びつきを持って生きてきたのだ。
相互扶助、と言うと偏った表現かもしれないけどね。
「その反応を見ると、信じられへんようやな」
細く吐き出された煙が、窓から外の宵闇に吸い込まれていく。
マサキは煙草の灰を落とし、もう一度肺を煙りで満たしてから言った。
「ピカチュウは久しぶりにマサラタウンの外出て、思わんかったか。
限られた資源で限られた開発を重ねて、
遅々と近代化していく辺境の地や、巨大化していく都市――。
数百年前までは、ポケモンなしの生活なんか想像できひんかったのに、
今はポケモンがおらんくても、何一つ不自由のない生活が送れるようになったんや」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:14:57.53 ID:WHETyfXn0
風邪は完治した
ただ睡眠時間を削ると死ぬことが分かったので
これからは0:00以降は書かないようにする
おうおう、そうしてくれ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:15:51.87 ID:WHETyfXn0
僕はいくらでも持っている。 ×
僕はいくらでも持っていたから。 ○
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:21:01.38 ID:Evzla3IoO
楽しみにしてたよ
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:23:29.94 ID:jTfnnqiI0
>その永きに渡る関係は、共生と言っしまっても過言ではない。
その永きに渡る関係は、共生と言っ「て」しまっても過言ではない。
てが抜けてる?
とりあえず
>>1が体をこわさないかどうかだけが心配
がんばれ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:40:26.96 ID:XFhPccqsO
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:44:12.61 ID:HFx2G1enO
お、始まってる!
応援してるぜー
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:56:14.85 ID:WHETyfXn0
「ピカ……」
僕は論点のズレを感じた。
ポケモンの存在理由は、人間にとっての利便性によって決定されるわけではない。
なのにマサキは、それを軸にして話を進めようとしている。
「――そうすると、ポケモンが存在していなかった時代、
つまり未だ計り知れん資源が眠っていると考えられとるポケモンの棲息地を人間が自由に開拓できた時代には、
この時代の資源とは比べものにならんほど有用な資源があって、
それに伴って優れた科学技術が生み出され、
人間の生活を豊かにしていったと考えられへんか。
人間のエゴイズムだけで完結していた時代――。
恩恵と享受の輪は選ばれた人間を真ん中にして閉じられ、
その外側で他の動植物、或いは選ばれなかった人間が犠牲になる。
要するに古代の人間はな、文明が栄えるための代償に、外界の破壊を選んだんや」
陶然とした表情。
まるで、夢語りを聞いているかのようだ。
そう思ってしまうほどに、マサキの話は荒唐無稽だった。
「でも、そんな都合の良い時代が未来永劫続くはずがない。
始まりあるものには終わりがある。今、ワイらがその時代に生きてへんことが証明や。
慢心が倫理観を蝕み、無関心が世界観を忘れさせて――"大破壊"は起きた。
やばいと思た時には、もう何もかもが手遅れやった。
栄華を極めた文明は崩れ去って、地上は楽園から地獄に様変わりした。
ま、当然の報いやな。今まで我儘通してきた分、
そのツケが滅茶苦茶デカなって返ってきた、それだけの話なんや」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 22:05:41.13 ID:7q1YoCUPO
wktkがあの日から止まらんよ
体に気を付けて自分のペースで頑張れ!
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 22:17:41.00 ID:WHETyfXn0
既に僕は、彼の話を理解することを諦めきっていた。
彼も僕に語って聞かせているというよりは、半ば自己満足のために独りごちている、というような状態だ。
だから、結びの句も適当だった。
「ポケモンが生まれたのは、ちょうどその辺りやな」
マサキはふらり、とデスクに戻ると、再びキーボードを叩き初めた。
カタカタカタカタ――。キータッチの音が、数分続いて、止まる。
その間、僕は彼の要領を得ない話の要約に勤しんでいた。
かつてポケモンが一匹もおらず、人が地球を支配していた時代があった。
人間は環境を犠牲にして、高度な文明を築き上げた。
だがそれは永く続かず、"大破壊"によって無に帰した。
ポケモンが生まれたのは、その辺りである。
「ピカー……」
全く持って不可解だ。
成長期の子供に聞かせるお伽噺の方がまだ信憑性があるし、夢もある。
ポケモンが存在しなかった時代とは、いつのことなのか?
大破壊とは一体なんだ?
ポケモンが生まれるまでの過程についての具体的説明は?
突き詰めたい疑問がいくつもあったが、僕は結局、
研究室の端に備え付けられた簡易パイプベッドからタオルケットを引っ張って、マサキの背中に被せることにした。
よほど眠たかったのだろう。
マサキはキーボードに覆い被さるようにして、眠っていた。
「ピカ、ピカー」
君も若くないんだ。こんな仮初めの睡眠を繰り返していては、いつか過労で倒れるぞ。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 22:18:37.15 ID:WHETyfXn0
風呂
一時間くらいで戻る
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 22:19:50.52 ID:jTfnnqiI0
支援
やっぱピカチュウカコイイ
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 22:39:54.30 ID:aC3EdrsJO
マサキの話が面白過ぎる
こういう感じの話好きだ
ポケモンの世界観に対してそういうアプローチするとは思わなかった・・・
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:07:22.22 ID:bKri7NpDO
最近面白くて一気に読みました
支援
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:20:15.49 ID:KzactmJl0
h
45 :
◆ihjpPTk9ic :2008/10/23(木) 23:36:12.77 ID:WHETyfXn0
明日の時間かかりすぎワロス
今日は1:00まで書く
ピカチュウ視点は終わらせたい
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:37:03.69 ID:WHETyfXn0
明日の時間かかりすぎワロス ×
明日の用意の時間かかりすぎワロス ○
どうでもいいけど
訂正せずにはいられなかった
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:37:45.16 ID:FP0kTBUP0
作者の訂正好きだww
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:38:32.95 ID:aL5Z4gC3O
悪いこと言わんから寝とけ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:43:03.15 ID:WFdL/O/JO
続きは気になるが無理はするなよ
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:56:22.58 ID:pl+TotbH0
なんだこのほんわかぬくぬく
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:03:20.38 ID:JaL8dCgN0
と、その時僕の好奇心が、パソコンに目を向けた。
一瞬の躊躇いの後、デスクによじ登り、マサキの頭を揺らさないよう、ディスプレイに身を寄せる。
彼はついさっきまで、メールの返信をしていたようだった。
宛先は僕の知らない名前で、件名は空白。
本文は僕にはさっぱり理解できない専門用語と数字で溢れかえっていて、
目を通していると頭が理解を拒否し、痛くなってくる。
この書きかけのメールから収穫はなさそうだな。
そう思って目を離そうとした、その時、僕はある話題転換から始まる単語に惹かれた。
"ところでM3計画の話やけど、無事に2ndステージ入ってんてな。システム上層も大喜びやろ"
M3計画? システム?
僕を捕えている組織に関する新たな情報に、自然と、心拍が早くなる。
だが、そんな僕を待っていたのは、虚しく点滅するマウスカーソルだった。
「チュウ……」
マサキ。理不尽かもしれないが、中途半端なところで寝てしまった君を僕は恨む。
まさかこれからマサキを揺り起こして続きを書けと強制できるはずもなく、
またここで勝手にマウスを操作してパソコンの情報を漁るほど僕は愚かではない。
ガラスケースに戻り、横になる。
マサキが煙草を吸った所為で、研究室内の空気は淀んでいるように見えた。
灰皿から立ち上る細い細い煙を眺めていると、睡魔が瞼に重りをぶら下げ始める。
重りが一つ、二つ。
――次に目覚めた時、マサキはこの部屋にいないだろう。
重りが三つ、四つ。
――結局、今日も有益な情報を得られなかったな。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:06:33.30 ID:5VBcRQBC0
ミュースリーだっピ!
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:08:34.99 ID:/t6bOxcSO
全力で疾走するゾンビ保守
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:23:43.02 ID:Y9xa4IwfO
私怨
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:24:24.77 ID:JaL8dCgN0
重りが五つ、六つ。
――大破壊、M3計画、システム。新出単語に素直に喜ぶことが出来ないのは、
マサキも、マサキのメールも、それらの具体的な説明をことごとく欠いているからだ。
「ピカ、チュ……」
まったく、これじゃあ皮相的な判断もできやしない。。
僕は悪態を吐こうとした。が、それよりも早く瞼が下りてしまって、言葉にならなかった。
その夜、不思議な夢を視た。
赤茶けた荒涼の大地に、たった独りで佇んでいる。
遠巻きにたくさんの人間が僕を環視していて、驚きと喜びと不安の入り交じった表情を浮かべている。
僕は帰りたかった。
どこに帰るんだ?――帰るべき場所はどこにもない。
僕はヒリヒリする頬に手を当てた。
どうして頬が電気を帯びているんだ?――そんな問題は些末なことだ。
僕は駆け出す。駆けながら、僕はここが夢の中だと自覚していた。
こんなわけのわからない夢を視ている原因は、きっと、マサキの与太話にあると思う。
56 :
◆ihjpPTk9ic :2008/10/24(金) 00:26:31.09 ID:JaL8dCgN0
終わり
次はヒナタ視点に戻ります
明日は早ければ17:00に来る
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:29:26.45 ID:RtI70ZMPO
乙!
明日も楽しみにしてるよ。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:30:54.11 ID:jFNbcumEO
まだやってたのか
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:41:56.51 ID:SLiZZs3jO
乙!
>こんな仮初めの睡眠を繰り返していては、いつか過労で倒れるぞ。
これを作者にいいたかった人は大勢いるはずw
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:42:15.24 ID:5mNJCv9bO
作者乙
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 01:05:08.25 ID:/t6bOxcSO
ピカチ乙ウ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 01:22:23.07 ID:mInG8vWYO
投下中以外は雑談解放していいんじゃね
3日で落ちるんだし
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 01:44:59.41 ID:wqc27G890
ほっほほっほほっすっすーー
チンチンホッシュホッシュ!
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 02:25:08.06 ID:MI8BiysJ0
hosyuしますか
☞ はい
いいえ
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 02:37:12.34 ID:r/we0j2n0
このスレは保守すべきスレですか
☑絶対保守すべきスレ
☐しなくてもよいスレ
これも作者の力か、なんかすごい奴らが集いはじめた?
ピカチュウの
強さの秘密
ほしゅにあり
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 03:22:26.82 ID:/t6bOxcSO
ピーナッツ揚げうめぇ
大破壊が起きて人類は地下へ… そしてMTやACが生まれてレイヴン達が活躍しレイヴンズネストが暗躍する世界になるんですね!? 分かりま… アレ?
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 03:36:31.63 ID:4fF4q26x0
ほしゅ!
( ゚Д゚)ノ ---===≡≡≡ ◒
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 03:48:01.69 ID:/t6bOxcSO
セレビィの映画で売ってたバンギラスデッキ発掘したぜフヒヒwww
裏が変わった後だから使えるぜ
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 04:07:38.24 ID:/t6bOxcSO
アレレー?
一緒に入ってたはずのセレビィコインがないよー?
アレレー……
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 05:29:25.15 ID:/t6bOxcSO
保守しろお……
寂しいからポケモンカードGBでもやってるお
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 06:19:38.40 ID:/t6bOxcSO
ほすほす
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 06:35:36.57 ID:11vFcb0qO
アンタも寝ろwww
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 07:16:27.49 ID:11vFcb0qO
保守
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 07:34:30.98 ID:/t6bOxcSO
コンピューターに負けてばっかだお………
勝率5割とかもうね、早くDSで発売しろよと
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 07:35:18.30 ID:mInG8vWYO
ほ
ほ
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 08:25:04.55 ID:/t6bOxcSO
ほっしゅほしゅ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 09:16:47.70 ID:Ocyb1L9P0
ho
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 09:46:35.92 ID:XSienEHcO
ほしゅ、IDでは紫煙
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 10:22:16.08 ID:LdLBK8n2O
ポケモンハラハラリレー
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 11:04:54.21 ID:FCXPaDEBO
ほい
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 11:44:37.53 ID:LdLBK8n2O
ごきげんななめのピチュー
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 12:30:47.88 ID:iuCtI+QZO
保守
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 12:50:15.64 ID:b1oyLw61O
ほ
いいかげんパー速でやれよ!
年々VIPPERの質は落ちてるけど、ここのゆとり共は酷すぎるwwwww
VIPでやるなら荒らされる覚悟で続けて下さいねwwwww
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:00:51.20 ID:Ocyb1L9P0
パー速「こんなゆとりども来てもらっても困る」
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:01:47.70 ID:V61uF/WF0
さすが携帯様は言うことが違うぜ!
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:02:58.46 ID:DdQfZsZ60
単発に釣られてんじゃねぇよスルーしとけ
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:09:37.82 ID:5txNB6miO
馬鹿共が反応しやがったwwwww
まったく、ゆとりはすぐ釣れるから・・・・・・携帯に釣られる痛いpcwwwww
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:18:14.31 ID:Ocyb1L9P0
haihaiぬるぽ
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:20:29.53 ID:/t6bOxcSO
ポケモンカード発掘してたけど旧版のカード80枚しか見つからなかった
もっとあったはずなのにまさか捨てちまったのか
なんかパカッて開くポケモンのおもちゃも捨てちゃったし俺バカス……
haihaiガッ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 14:01:34.79 ID:pny/2dVcO
技の名前やポケモンの名前などがさっぱりわかんないなんかキラキラしたカードがうちにあったな
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 14:36:53.27 ID:8d872Ol60
ho
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 14:38:05.10 ID:/XAyqJnEO
このスレタイを。見る度に。嫌気がさす。
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 15:05:09.47 ID:Y9xa4IwfO
h
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 15:25:27.81 ID:9Nsd6NAfO
ほ
ほ
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 15:59:39.08 ID:5txNB6miO
ピカチュウ「ゆとりでよかった・・・」
スレ住人馬鹿ばっかwwwww
早くパー速行けや!
2ちゃんでポケモンカードGBといえば革命児閣下だな
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 16:25:46.45 ID:LdLBK8n2O
みんなハラハラ
>>94 釣りってことはパー速でやれとは本心では思ってないってことだな?
このツンデレさんめっ><
ほ
109 :
◆ihjpPTk9ic :2008/10/24(金) 17:02:30.36 ID:JaL8dCgN0
17:00ぴったりに帰宅したぜ
書く
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 17:05:53.91 ID:DdQfZsZ60
ktkr
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 17:08:17.94 ID:PEVNkLbWO
待ってた!
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 17:35:24.61 ID:JaL8dCgN0
―――――――――
――――――
――――
「……ん………」
目が醒めた。辺りは瞼を開けていても閉じていても変わらないほどの暗闇で、
蛍光塗料の塗られた時計の針を見ると、まだ夜が明けるまでに、だいぶ時間があることが分かる。
あたしはほんの少しだけ迷って、ベッドから抜け出した。
理由は……何故だろう、自分の行動なのに説明できない。
おかしな話。
頭の片隅で、これから訪れるべき場所が、切れかけた街灯みたいに明滅していて、
無視してしまっても全然いいはずなのに、何故だか意識してしまう。
壁に手をついて部屋を進み、、ドアに手を掛ける。
その頃には、目は暗闇に慣れていた。
振り返ると、すやすやと寝息を立てているカエデと、
あたしがついさっきまで潜り込んでいたベッドの、乱れた毛布の隙間から、ヒトデマンのコアが見えた。
ピッピも一緒に眠っていたはずだけど――まあ、あの毛布の奥に縮こまっているに違いない。
部屋の外に出て、後ろ手でそっとドアを閉める。
足取りは軽く。
ふわふわした雲の上を歩いているみたい。
非常口からポケモンセンターの外に出ると、浮遊感がさらに増した。
どんよりと曇った夜空から、目に見えない幾本もの糸が下りていて、
あたしの体を操っているような、自分が自分の制御を誰かに委ねてしまったような、そんな感覚がした。
馬鹿みたい?寝惚けている?
確かにこの感覚は、錯覚じみているかもしれないわ。
でも、これ以外に、今のあたしを表現する言葉はないの。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 17:52:44.70 ID:JaL8dCgN0
シオンタウンの夜は、ただひたすらに静かだった。
街の明かりはあらかた消えていて、路沿いに設置された街灯も、
控えめな白色で、自らの存在を示しているだけだった。
風は生暖かくて、体を動かす度にじっとりとした汗が滲んだ。
気持ち悪い、と思った。
それでもあたしは歩みをやめなかった。
いや、それは違う。やめることが出来なかった。
目的地に近付けば近付くほど、あたしを操る糸の動きは、せっかちになっていくようだった。
不思議と、怖さは感じなかった。
自分の体が、頭の命令を無視して、勝手に動く。
こうやって客観的に考えてみると、凄く怖い。
でも、自分が今まさにそれを経験していると考えてみても、ちっとも怖いと思えない。
どうしてあたしは今の状況を受け入れているのかしら?
本当は今すぐポケモンセンターに駆け戻りたいはずなのにね。
嘘よ。この暗闇はとても居心地がいい。快い。
今向かっている場所には、あたしを必要としている者がいる。
あたしは行かなければならない。
義務はないのに? 誰がそれを強制したの?
何言ってるのよ、眠っている時に声が聞こえたでしょ?
―――"来い"、って。
ふと気がつけば、あたしはポケモンタワーの正面に立っていた。
仰ぐ。霧のような暗闇に覆われて、塔の天辺は見えなかった。
その所為で、シオンタウンの外から眺めた時より、昼間に訪れた時より、ずっとずっと大きく感じた。
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:02:33.91 ID:Y9xa4IwfO
試演
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:17:36.04 ID:JaL8dCgN0
外は暑いわ。涼しい屋内に入りましょう。
そんな声に誘われて、あたしはポケモンタワーの扉を押し開いた。
鍵は掛かっていなかったし、警備の人もいなかった。
中は本当に涼しかった。この古い建物に空調があるはずもなく、
あたしは再び勝手に歩き出した足に戸惑いながら、さっき聞こえた言葉の矛盾に、首を傾げる。
この時間帯、つまり夜に、
空調の効いていない屋内の方が涼しいわけがないわ。
太陽どころか月も出ていない夜空の下、
たとえ温くても、風が吹いている屋外の方が暑くないに決まってる。
なのに、どうしてあたしは今、鳥肌を立てているんだろう。
蔀窓に近付いた時に、
あたしは一瞬、あたしを操る力に抗って、足許に視線を落とした。
影が見えた。
でも、普通、こんなに暗い場所で、自分の影の形が分かるものなのだろうか。
あたしの影よりも周りの暗闇が薄いから?
それとも、周りの暗闇よりも、あたしの影が濃いから……?
やがて、再び影が動き始める。あたしも再び歩み出す。
勿論、そこに後先はない。
あたしが動くから影が動く。影が動くからあたしが動く。
当たり前のこと。そう、当たり前のことよ。
コツ、コツ、と一定のリズムを刻んで、あたしは最上層に辿り着いた。
いくつかお墓が並んでいたはずだけれど、辺りに広がった暗闇は、あたしの夜目でも見通せなかった。
唯一の採光源である、天窓を見上げる。
もしも晴れていたら、月明かりが差し込んでいたかもしれない。
koeeeeeeeee
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:24:02.09 ID:9RoS3QeyO
ホラーっぽいな
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:34:47.18 ID:JaL8dCgN0
最上層の中心部に足が向かい、止まる。
そこでもう一度天窓を見上げると、昼間、ここにやって来た時のことを思い出した。
ちょうどこの場所に出来ていた日溜まりに、影が差したように見えて。
天窓に影を作るようなものがないか、確かめようとして、どこにもそんなものはなくて。
でも、目の違和感が拭えなくて、日溜まりに視線を降ろすと、車椅子に乗った不思議なお婆さんがいて――。
「えっ?」
ぷつん、と糸が切れたみたいに、追憶が途切れた。
同時に、体を操っていた糸も途切れた。
カチカチカチカチ。
硬いものが小刻みにぶつかりあう音。
あたしは頬に手を当てて、やっとそれが自分の歯が鳴らした音だと気づく。
夕飯 すぐ戻る
>>118 >夕飯 すぐ戻る
ハラハラしながらスクロールしたらこれだよ!
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:41:08.89 ID:/t6bOxcSO
wktkハッハッ
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:42:17.67 ID:9RoS3QeyO
空白が怖さ倍増させてるな…って思ったのにwwwwwww
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:46:16.14 ID:9Nsd6NAfO
不粋だけど、何章くらいで完結するのか教えてくれ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:49:10.68 ID:/t6bOxcSO
>>122 まだ言えないらしいお
最終回まで素直に待とうZE
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:51:00.63 ID:fzfwxCQSO
>>122 何度目だよ
作者はいつも言えないって言ってる
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:00:31.25 ID:9Nsd6NAfO
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:04:28.64 ID:/t6bOxcSO
そういえば始まって何週間だっけ?
最初のスレ見つけてから結構たった気がする
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:06:18.22 ID:LdLBK8n2O
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:07:24.24 ID:9CTk1ee+0
ふぅ・・・・・・・・・追いついた。
昨日初めて作者投下中に寝てしまったorz
そして支援
専ブラのログみると最初のスレは10/4に立ってる
間違えた2日だ
パー速でやれって言ってるだろカスが
釣り乙
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:37:14.11 ID:5txNB6miO
6歳から60歳のマンコ画像を乱れ貼りすればスレスレくるかな?
期待して貼り付けするか!
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:37:54.05 ID:/t6bOxcSO
約3週間か
3週間でこの量って普通に凄いよな
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:42:52.94 ID:5txNB6miO
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:43:32.63 ID:5VBcRQBC0
だよな
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:43:59.02 ID:JaL8dCgN0
現実が、押し寄せてくる。
都合良く誤魔化されていない、ありのままの現実が。
暗い。空気が不自然に冷たい。
鳥肌が立っている。体が震えている。
寒い。怖い。
何も見えないのが怖い。
静かなのが怖い。
今すぐここから逃げ出したい。
あたしは足を動かそうとした。ぴくりとも動かなかった。
誰かに操られているわけでもなく、
あたしの足は、恐怖のあまりに強張ってしまっていたのだ。
「動いて……動いてよ……!!」
知らず知らずに出していた声に、反応したのは、あたしの影だった。
今度ははっきりと分かる。
あたしの髪と、ワンピースの形に膨らんでいた影が、
縮んで、伸びてを繰り返し、やがてぷちんと真ん中で切れた。
それは傍目に見ればきっと面白い光景なんだろうけど、
あたしはちっとも笑えずに、ただ呆然とそれを見ていることしか出来なかった。
半分こになった影のうち、あたしの足から伸びている側が、
暗闇に溶けて判別がつかなくなる。
そしてあたしの影からちぎれるようにして離れた影は、
するすると床を這って、少し離れたところで、まるで風に吹かれたみたいに持ち上がった。
あたしは、まだ夢を視ているのかしら。そうあって欲しい、と思う。
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:44:32.22 ID:9CTk1ee+0
・無駄レス
・絵うp
・「スレスレ」などの釣りは避難所へ
言ったからな!もう誰も突っ込むなよ!
以下保守
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:45:23.43 ID:xH1Pl/140
( ´_ゝ`)フーン
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:45:30.59 ID:xH1Pl/140
( ´_ゝ`)フーン
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:45:36.26 ID:xH1Pl/140
( ´_ゝ`)フーン
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:46:02.64 ID:/t6bOxcSO
怖い夢見てるみたいでgkbr
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:51:48.05 ID:5txNB6miO
俺のうp画像でシコシコしごいてる最中だからレスできねーってかぁ〜wwwww
童貞ゆとり共シネや!
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:57:45.12 ID:6F9qiFpL0
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:59:09.76 ID:5txNB6miO
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:08:31.59 ID:9Nsd6NAfO
ほ
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:10:14.86 ID:JaL8dCgN0
小さい頃、あたしが悪戯した時に、ママに聞かされた話がある。
『悪い子のところには、ゴーストポケモンが寄ってきやすいのよ。
ゴースやゴーストくらいなら、なんとかママがヒナタのことを守ってあげられるわ。
でもね。ゲンガーがやって来たら、流石のママも、負けちゃうかもしれないわ』
物心ついた今となっては、そんなのただの作り話だと分かるけれど、
当時のあたしは大いに怖がって、
『ママがゲンガーに負けたら、どうなっちゃうの?』
『眠らされて、夢を食べられたり、
幽霊の世界に連れて行かれちゃったりするかもしれないわねー』
『ひくっ……そんなの、えぐっ……・やだ……あたし、いい子にするから……
もうママのこと、……うっ……困らせたり……、しない、から……』
『ちょっと、ヒナタ、泣いてるの?
ごめんごめん、だいじょうぶよ、ヒナタがいい子なのは、ママがよーく知ってるから。
ね? よしよし、だいじょうぶ』
それからしばらく、あたしは暗闇を見る度に、
写真でしか見たことのないゲンガーの姿を思い描いては勝手に怖がっていた。
妄想は所詮、ただの妄想で、結局、あたしのところにゴーストポケモンが現れることはなかった。
あたしは時間とともに、ママの話を忘れていった。
暗闇にゲンガーがいるかもしれない恐怖を、感じなくなっていった。
それなのに――今日からまた、過去のトラウマが蘇ってしまうかもしれない。
ぺらぺらだった影が、立体的に厚みを増していく。
まるで、周囲の闇を吸収しているみたいに。
影が形を成していく。縦に広がり、横に広がり、尖り、丸みを帯び、
最終的にそれは幼少のあたしの恐怖の偶像であったポケモンの形に落ち着いた。
シャドーポケモン、ゲンガー。
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:11:48.49 ID:5txNB6miO
避難所
>>776 それは俺の事ですか?
ゆとりオナニー猿のお前にいわれたくないわwwwww
おまえらが避難所に俺の事書いたらこっちにレスしてやるわwwwww
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:12:09.66 ID:r1Hy/PJOO
ゲンガーキタ━━(゚∀゚)━━!!
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:12:51.36 ID:9CTk1ee+0
アニメのカスミは幽霊と虫が大の苦手です^^
支援
あんなに可愛いのに・・・
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:26:53.93 ID:DdQfZsZ60
初代主人公はこんな恐怖の中ポケモンタワーを攻略していたのか…
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:31:20.33 ID:5VBcRQBC0
いきなり祈祷師がキエエエエエエエって言いながら襲ってくるんだぜ・・・
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:44:44.24 ID:rwZeQGmi0
し
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:47:53.81 ID:/t6bOxcSO
ゲンガーを抱き枕にして眠りたい
感触が想像出来ないけど抱き心地が良いのは確か
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:47:56.54 ID:JaL8dCgN0
二つの紅く滲んだ光が、暗闇に浮かぶ。
「ひっ」
張り詰めていた肺が空気を吐き出すと、体の震えが増した。
二つの光が――ゲンガーの眼光が、黒く、光った気がした。
吸い込まれそうな感覚が通り過ぎ、もうその次の瞬間には、体の自由が奪われていた。
これでは逃げ出すどころか、指一本動かせない。
自由がきくのは、首から上だけ。あたしは声を絞り出すようにして訊いた。
「あなたは、一体、何なの……?
どうしてあたしを、ここに連れてきたの・・…?」
確かな輪郭を持った影の中心が、仰向けにした三日月みたいな形に歪む。
獲物が手に入って、喜んでいる――そんな風には思えない笑い方だった。
この笑い方には、嘲笑う、といった表現の方が合っている。
でも、それならそれで、余計に意味が分からなかった。
あなたは、あたしを憎んでいるの? 怒っているの?
ゴーストポケモンがあのお婆さんの言うとおり、
死んだポケモンの負の感情の集合体だとしても、
あたしは今まで、ポケモンに恨まれるようなことはした憶えはない。
どうしてこのゲンガーに操られて、こんなところに連れてこられて、
ずっと後になっても夢に出てきそうなほど、怖い思いをしなきゃならないのよ。
あたしは震える体とは裏腹に揺れない視線で、
ゲンガーの影の一部――片腕――が、こっちに向けられるのを見た。
眠らされて、それから夢を食べられるのかな。
それとも、魂を抜かれて、幽霊にさせられるのかな。子供の頃よくした幼稚な想像が、頭の中を駆け巡る。
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:48:55.67 ID:5txNB6miO
おまえらつまんねーなw
「ほかにもパートスレいっぱいあるんだから(ry」とか書いてた奴いたけど・・・・・バッカじゃねーのwwwwwwwwww
荒らしたいスレを荒らすなんてのはVIPじゃあたりまえだっちゅーの!
このスレでおとなしい奴だって他では荒らしたりしてるんだろーがwww
荒らされたくないなら最初からVIPでやるんじゃねーよwwwww
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:52:00.08 ID:9CTk1ee+0
>魂抜かれて
アニメのポケモンタワーの回思い出した
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:54:20.93 ID:5txNB6miO
ま、荒らされたくなかったらパー速かブログかSNSでやれよwwwww
書いてる奴は好きだが場所が悪かったなw
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:57:28.73 ID:/t6bOxcSO
ゲンガー可愛いで厨
ポケモン可愛いよポケモン
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:01:08.02 ID:JaL8dCgN0
丸ごと修正
二つの紅く滲んだ光が、暗闇に浮かぶ。
「ひっ」
張り詰めていた肺が空気を吐き出すと、体の震えが増した。
二つの光が――ゲンガーの眼光が、黒く、光った気がした。
吸い込まれそうな感覚が通り過ぎ、もうその次の瞬間には、体の自由が奪われていた。
これでは逃げ出すどころか、指一本動かせない。
自由がきくのは、首から上だけ。あたしは声を絞り出すようにして訊いた。
「あなたは、一体、何なの……?
どうしてあたしを、ここに連れてきたの・・…?」
確かな輪郭を持った影の中心が、仰向けにした三日月みたいな形に歪む。
獲物が手に入って、喜んでいる――そんな風には見えない笑い方だった。
嘲笑う、といった表現の方が正しい。でも、それならそれで、余計に意味が分からなかった。
あなたは、あたしのことを憎んでいるの?
ゴーストポケモンがあのお婆さんの言うとおり、
死んだポケモンの負の感情の集合体だとしても、
あたしは今まで、ポケモンに恨まれるようなことはした憶えはないわ。
どうしてこんなところに連れてこられて、
ずっと後になっても夢に出てきそうなほど、怖い思いをしなくちゃならないの?
あたしは震える体とは裏腹に揺れない視線で、
ゲンガーの影の一部――片腕――が、こっちに向けられるのを見た。
眠らされて、それから夢を食べられるのかな。
それとも、魂を抜かれて、幽霊にさせられるのかな。子供の頃よくした幼稚な想像が、頭の中を駆け巡る。
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:04:17.71 ID:/t6bOxcSO
これが作者クオリティ
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:10:53.57 ID:/GenqftGO
幼い頃のヒナタに萌えた
そして未だに幼い心が残ってるヒナタに萌えた
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:12:10.72 ID:mInG8vWYO
このこだわり
作者クォリティ
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:28:51.95 ID:b1oyLw61O
ほしゅ
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:29:40.27 ID:JaL8dCgN0
そして、ゲンガーの腕が、完全にあたしに向けられた時、
「ぴぃっ!」
甲高い鳴き声が、場の静寂を破った。
あたしの足許を通り過ぎ、ピンク色のボールが、ゲンガーに向かって、転がるように突進する。
それを見たとき、あたしは途端に、自分のことなどどうでもよくなった。
「ピッピっ!!」
きっとあの子は、あたしがベッドから抜け出したのに気づいて、
おっかなびっくり、後を着けてきたに違いない。
そして今にも襲われそうなあたしを見て、飛び出してきてくれたんだ。
でも――、
「やめてっ、あなたが勝てる相手じゃない!」
ゲンガークラスのポケモンに対して、幼いピッピはあまりに弱すぎる。
ゲンガーは避けようともしなかった。
あの子が全力で繰り出した"たいあたり"は虚しく影を通り過ぎて、墓石にぶつかっただけ。
「ぴぃ……」
弱々しい鳴き声が響く。
ゲンガーがあたしを嘲笑ってから、腕をピッピに向けた。
あの子を助けなきゃ。
そう思って全身に力を籠めても、まるで金縛りにあったかのように、微動だにしない。
ワンピースの裾が、小さく、揺れただけ。
「どうして自分の体なのに、言うことをきいてくれないのよっ! 何かで縛られていわけでもないのに!」
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:31:16.17 ID:JaL8dCgN0
何かで縛られていわけでもないのに ×
何かで縛られているわけでもないのに ○
推敲忘れ
投下した後で気づく
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:34:27.53 ID:q5qtEO6hO
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:39:06.60 ID:T9THCFVD0
アニメでは遊び相手をほしがっていたカワイイゲンガー&ゴースゴースト
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:39:40.59 ID:/t6bOxcSO
ゲンガー悪い奴なのかな
でも俺はゲンガーを信じるぜ
172 :
◆ihjpPTk9ic :2008/10/24(金) 21:45:05.64 ID:JaL8dCgN0
ちょっと風呂
一時間くらいで戻る
投下間隔あいてすまない
dead spaceの動画つまみ食いしてたのは秘密
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:57:47.89 ID:/t6bOxcSO
いってらららららららららら
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:11:45.12 ID:mInG8vWYO
いってら
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:22:07.52 ID:9CTk1ee+0
今更ながら、作者のIDがJAL
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:41:09.39 ID:b1oyLw61O
ほ
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:55:23.46 ID:/t6bOxcSO
ポケモン全種と順番にあんな事やこんな事する本ないかな
1ポケモン10ページぐらいでさ
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:55:31.02 ID:K79XxKTXO
ほす
ほ
☆
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:35:22.13 ID:SzXH/aUlO
ほす
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:43:46.38 ID:BMY+B9sv0
まだ帰ってこないのか?
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:43:46.35 ID:9CTk1ee+0
さくしゃは〜?
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:45:43.69 ID:JaL8dCgN0
わざと大きな声を出してみても、ゲンガーはピッピに注意を向けたままだ。
となれば、あたしに出来ることは、二つしかない。
ピッピに、逃げろと指示するか、或いは、ゲンガーと戦うように指示するか。
前者は、ピッピは多分拒むだろうけど、それがあの子にとって一番の安全策だ。
後者は、上手くいけばあたしもピッピも助かるけど、リスクが大きすぎる。
ゲンガーは、ゴースが進化を重ねた最終形態。
幼いピッピが勝てる確率は、万に一つもない。
いいようにあしらわれ、痛めつけられて、再起不能にさせられるに決まってる。
それはあの子にとって、一番避けなければならないこと。
キクコお婆さんの言葉が、頭の中で蘇る。
勝機のない戦いに挑ませ、傷つけることは、ピッピを、ポケモンを、道具として扱っていることにならないだろうか。
アヤメ叔母さんは、ポケモンにとって傷は勲章だと言っていたけれど、
それはあまりにも人間本意な考え方なのではないだろうか。
ピッピだって、痛い思いはしたくないはずだ。
あたしを守りたいと思ってくれている一方で、目先のゲンガーから、一目散に逃げ出したいと考えているはず。
自問する。
あたしに、勝ち目のないピッピに戦いを強制させる権利があるだろうか?
自答する。
そんな権利なんか、ない。
ポケモンは、人間に及ばずとも、高度な知能を持った生き物。
人間が、あたしが、助かりたいと願ったからといって、ポケモンを犠牲にすることは、許されない。
あたし自身が、それを許さない。
ktkr
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:57:24.01 ID:/t6bOxcSO
wktkハッハッ
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:03:16.79 ID:sWPbbUV60
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:04:16.89 ID:DOODDcfAO
0時きたしここまでかな?
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:18:55.78 ID:PNtJcB0QO
190 :
◆ihjpPTk9ic :2008/10/25(土) 00:20:03.72 ID:PFRT8NUY0
「逃げて! あたしのことは、放っておいてもいいから、今すぐポケモンタワーから出て!」
にじり寄るゲンガー。
動かないピッピ。あたしは初め、ピッピがあたしと同じ技を受けて、身動きがとれないのかと思った。
でも、それはあたしの錯視だった。
よくよく見てみれば、ピッピの体は遠目に見ても震えていて、
短い足は今にも階段に向ってかけ出しそうなのに、あの子は背を墓石に押しつけるようにいて、ゲンガーと対峙していた。
あの子は、あたしの指示を無視した上で、自らの意志で、ゲンガーに立ち向かおうとしているんだ――。
それが分かった瞬間、あたしは今までになく、あの子に対する愛情を感じた。
「あたし、デキの悪いトレーナーよね。
あなたに仲間になってもらったのは、あなたの両親を助け出すのが最低条件だったのに、
ちっとも手掛かりが掴めないまま、あなたに戦闘ばかり強要して、あなたが失敗する度に、責めて」
ゲンガーが体の形を自在に変える。
余興を楽しむかのように笑いながら、ピッピの前に立ちはだかる。
けれど、ピッピはもう、震えていなかった。ボールのように丸めていた体を広げて、横目であたしと視線を躱す。
「でも、こんな状況になっても、あたしあなたに戦って欲しいの。
あなたに賭けてるの。失敗してもいいわ。どんな攻撃が出てもいいから――」
「……ぴぃ?」
「お願い、ピッピ。……"指を振る"攻撃!」
睡魔がやってくる
おやすみ
明日は午後四時くらいに来れると思う
うぉぉぉぉおお預けか畜生!
乙ー
凄いいい所で切りますね
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:26:09.88 ID:sWPbbUV60
明日が楽しみ
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:49:56.96 ID:n7TedMVz0
ゲンガーの催眠術!
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 01:07:56.32 ID:t7kvQSAvO
バグマルマインの夢食いコンボが懐かしい
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 01:16:58.22 ID:UMKmOZoJO
なんという焦らしプレイ……ドMの俺にはたまらんぜ乙
ピカチュウ伝説に
「ゲンガーを体当たりで倒した事がある」追加しようぜ
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 01:20:45.99 ID:7bHTqHO8O
ガキの頃ゲンガーがシャドーポケモンだと知って本気で「車道ポケモン」って勘違いしてた事を思い出した
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 01:23:40.08 ID:OkF7dQzL0
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 01:28:39.31 ID:1w6M5lO+O
ゲンガーってダイパの新ポケだよな
何でカントーにいるんだ
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 01:31:01.74 ID:VPt5OnvYO
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 01:31:42.99 ID:t7kvQSAvO
ヒント・ダイパでは野生のゲンガーが出る
わかったらもう何もいうな
第三世代まで…通信交換は友達必須
第四世代から…必須ではない
あとはわかるな?
つまり友達が居ない俺みたいな奴でもゲンガーをたやすく手に入れることができるようになったんですね!
わかります!
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 01:48:24.90 ID:7bHTqHO8O
ゲンガー野生で出るようになったのか…
怖え
ゲンガーが野生で出てくるとは
驚きの保守
もう今は通信ケーブル引っこ抜いてポケモンのコピーとか出来ないんだな・・・
ゲンガー可愛いよゲンガー
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 02:59:03.28 ID:n7TedMVz0
初代は預けるシステムだけでコピーできました保守
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 03:32:11.79 ID:hK7bUkcqO
保守
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 04:19:28.43 ID:0s1TinO10
| ホス|
| ̄ ̄ ̄
/⌒ヽ
(^ω^ )
_( ⊂ i
. └ ー-J テクテク
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 05:22:35.65 ID:PBIXfbIPO
ほしゅ
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 06:15:50.28 ID:SrBPN4bIO
ほしゅ
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 06:32:27.98 ID:NWBUnahfO
ほ
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 07:07:18.70 ID:UMKmOZoJO
ポケモンカードGBと一緒に発掘した銀起動させたらバッジ7つで止まってた
そういえばクリスタルも持ってた気が……
出かけ際の上げ
今はハガネールでさえ野生で出てくるんだぜ
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 07:49:03.53 ID:UMKmOZoJO
ポッポ:Lv50
これは吹いたwww
>>220 コイキングLv100を越えるインパクトはないだろ
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 08:00:18.88 ID:UMKmOZoJO
金色のコイキングLv:100が出る確率はどんなもんなんだろうか
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 08:03:46.99 ID:sWPbbUV60
>>220 ロケット団がピカチュウを手に入れるくらい。
いってきます
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 08:13:48.88 ID:XxrSQFveO
>>222 「〜だろうか」が本当に好きだよなアンタ
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 08:32:59.21 ID:JGLzQDoRO
こりゃあ雑談しても埋まらないな
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 08:36:55.98 ID:JGLzQDoRO
ポッポLv50とか鼠先輩だろ
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 08:44:15.07 ID:zrhW8l9F0
まだやってたのか
金銀までしかやってないが、ダイパや新しいのやりたくなってきた…
でもDSなんだろ?
中古なら安いかな…
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 09:28:59.46 ID:SrBPN4bIO
あ
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 10:00:57.95 ID:QWrTyyJCO
ほ
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 10:02:09.72 ID:JGLzQDoRO
か
ダイパって今までのポケモン全部出るの?出るとしたら野性のポケモンなのになかなか会えないやつとか出てきそうだな…
今日は作者何時?
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 10:15:16.06 ID:wc8xMF7oO
午後四時らしい
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 10:24:54.90 ID:UMKmOZoJO
>>232 全部居るぞ
ただ普通に出るのは半分位だから後はルビーサファイアエメラルドリーフグリーンファイアレッドから連れてくるかWifi繋いで交換してもらうかしないと全種類集まらないぞ
俺そんなに「〜だろうか」使ってるかな……
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 10:36:53.06 ID:UMKmOZoJO
無線LANがあれば図鑑埋めはそんなに難しくない上面白さ3割増だから超オヌヌメ
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 11:30:12.77 ID:QWrTyyJCO
保
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 12:03:23.43 ID:wc8xMF7oO
ほ
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 12:42:17.92 ID:AzYP3xfpO
ほ
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 13:07:25.96 ID:sWPbbUV60
|
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 13:10:48.46 ID:t7kvQSAvO
パール、ルビーで裏技で百レベにしたポケモンをGCで増やしてwifiで振りまいてたらすぐ図鑑埋まったから売った。
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 13:23:05.89 ID:sWPbbUV60
GCで増やす・・・
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 13:29:59.60 ID:RiaY1XLLO
ほ
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 13:43:48.03 ID:2pHMoNOLO
し
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 13:56:57.52 ID:RUP5UFbU0
の
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 14:03:22.52 ID:sWPbbUV60
す
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 14:05:10.52 ID:PMVx/VJNO
な
まだ続いていたのかwwww
だから一文字レスはやめろって
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 14:40:05.04 ID:sWPbbUV60
保守の砂
250 :
◆ihjpPTk9ic :2008/10/25(土) 15:26:28.26 ID:PFRT8NUY0
帰宅
しばらくしたら書く
今日で10章終わり
ktkr
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 15:51:17.13 ID:sWPbbUV60
人いないのかな?
おかえりー!
休日だし下げとこっと
支援
ほしゅ
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 16:38:16.11 ID:sWPbbUV60
無駄に保守
ちょっと前まで「雑談自重」とか言ってた擦れとは思えない沈黙ぶりだな・・・・・・
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 16:53:16.78 ID:KQYmHP0YO
作者のしばらく=一時間半(´∀`)ノ
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 17:16:10.53 ID:PFRT8NUY0
「ぴぃ!」
ピッピがゲンガーに腕を突き付けて、指を振る。
あたしは祈るような気持ちでそれを見守った。
あの子の"ゆびをふる"はいつだって役に立たない技を発動させてばかりだった。
ポケモン図鑑の解説を信じるなら、"指を振る"で発動される技は完全なランダム。
だけど、あたしが本当にピンチになったとき、あの子は"光の壁"で護ってくれた。
あれはただの偶然だったのだろうか?
それとも、あの子が"光の壁"が発動されることを望んだから?
答えは出ない。
でも、ピッピに賭けるには、それで十分よ。
そして、ピッピが指を振り始めてから、30秒が経ち……
「……………ぴぃ?」
「ぴぃ?、じゃなくて。ピッピ、ちゃんと指振った?
やり方、間違えたりしてない?」
「ぴぃ……」
自分の指を見て、首を傾げ、困惑顔であたしとゲンガーを交互に眺めるピッピ。
あたしは膝を抱えて泣きたくなった。
不発? こんな時に? 嘘でしょ?
「……ツイてないにも程があるわよ」
ゲンガーの体を形作る影が、一際大きくうねり、変形する。
もしもゲンガーが人間だったら、
あたしとピッピの未熟さに、笑い転げているところかもしれない。
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 17:17:54.39 ID:sWPbbUV60
ktkr
これはもしや・・・・・・・・・・・・・・・
ツイテナイニモホドガワルワヨ>orz
こんな光景が目に浮かんだ
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 17:32:38.61 ID:KQYmHP0YO
なにがでるかな?チャラララん♪
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 17:36:12.83 ID:DPCYhMLwO
ゆびをふるがでたのか!バグで!
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 17:36:26.97 ID:hZm07R8g0
だいばくはつでギエピー
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 17:39:11.23 ID:PFRT8NUY0
――万事休す、ね。
あたしは項垂れて、目を閉じた。
出来れば耳も塞いでしまいたかったけれど、腕が動かなかったので諦めた。
あの子が痛めつけられている光景を、直視することなんて出来ない。
あの子が上げる悲鳴を聞くことなんて、とてもじゃないけど耐えられない。
「ピッピ、今からでもいいから、逃げるのよ!!
ゲンガー、その子は関係ないでしょ!?
あたし、何でもあなたの言うとおりにするから!
お願いだから、その子を傷つけないで!」
こうやって、喉が痛いほどに喚き散らしたところで、
ピッピは逃げ出したりしないだろうし、ゲンガーはあたしに狙いを変えたりしないだろう。
それでも一縷の望みをかけて、あたしは薄く目を開けた。
目の前には、最悪の想像が実現する、一歩手前の情景が広がっていた。
時間が、ゆっくりと流れていく。
濃度の高い影が。
ゲンガーの腕が。
音もなく持ち上がり。
ピッピの額に翳されて。
あの子は無防備にその黒い手の平を見つめ。
「ピッピ――――!!」
あたしがあの子の名前を呼んで。
あの子はそれに答えるように、
あたしをつぶらな涙目で見つめて。
瞬間、辺りが青白い光で満ちた。
わくてか
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 17:54:03.73 ID:t7kvQSAvO
ピピー!!!
初めてお月見山でピッピに会った時の感動は忘れないぜ…
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 17:59:09.00 ID:iT8RKaoy0
パー速でやれ糞
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:00:16.22 ID:PFRT8NUY0
天窓から差し込む光の正体は、果たして、
開ききった瞳孔を痛めるほどに明るい月光だった。
あたしは思わず、ゲンガーとピッピから視線を外して、
天窓を透かして煌々と輝く月を見上げる。
「綺麗な月……。今まで、どこに隠れていたのかしら」
ここに来るまでの記憶はあいまいだけど、
確か、ポケモンタワーは、霧のような暗闇に覆われていたような気がする。
今はまだ夜で、自然にあの嫌な暗闇が晴れたとは考えにくい。
そうすると、思い当たるのは……、
「ピッピ。あなたが月を解放したの?」
「ぴぃっ」
さっきの涙目はどこへやら、
満面の笑顔で、得意げに飛び跳ねるピッピ。ああもう、可愛いなあ。
――って、和んでいる場合じゃない!
「ゲンガーはどこ!?」
「ぴぃ?」
「さっきまであなたの目の前にいたでしょ?」
「ぴぃ……」
どうして姿をく暗ましたのかは分からないけど、
ゲンガーが有利で、あたしたちが不利な状況に変わりはない。
伸びると分かっていても、ワンピースの裾を掴んでしまう。そこであたしは気がついた。
「あれ……金縛りが解けてる」
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:11:19.01 ID:pyTxs6QlO
普通に話してよさそうな感じだな
その手があったか
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:29:50.82 ID:UMKmOZoJO
そういやそんな技あったな
月が苦手とかゲンガー可愛いすぎて射精した
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:31:10.62 ID:PFRT8NUY0
月明かりが、ゲンガーの力を弱めたのかしら?
ううん、今はそんなこと、どうでもいい。
あたしはピッピの許に駆け寄って、その小さな体を抱き竦めた。
実際には10mにも満たないほどの距離だったけど、
金縛りにあっているあいだは、永遠みたいに感じたんだから。
「こんなところまで着いてきて。
ゲンガーにやられちゃったら、どうするつもりだったの?」
「ぴぃ」
まるで、あたしのために身を擲ったことを、
ちっとも後悔していないことを示すかのような、無垢な鳴き声。
今までよりも、もっと強くピッピを抱きしめて。
あたしは月明かりの外側に向かって言った。
「ど、どこからでも掛かってきなさい。
あなたの目的は、最初からあたしなんでしょう?」
紅い点が二つ、視界の端を掠めては消え、掠めては消えを繰り返す。
墓石から墓石へ。
暗い影からより暗い影へ。ゲンガーは滑るようにして、暗闇を移動していた。
もうゲンガーは、油断してくれないだろう。
獲物を前に舌なめずりした結果、格下のピッピに邪魔されたのだ。
反撃の間も与えまいと、一撃で仕留めにくるに違いない。
でも、不思議とあたしの心から恐怖は消えていて、あたしはもう一度天窓から月を見上げるくらいの余裕があった。
――ピッピ、最後にこんなに綺麗な月を、ありがとう。
ふいに、紅い光の動きが、止まる。
直後、月明かりを裂くようにして、黒い影があたしの真正面から飛びかかってきた。
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:38:31.20 ID:t7kvQSAvO
ザッ!!!
「っ!!! …!? …お父…さん…?」
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:40:16.43 ID:sWPbbUV60
>>263 >あたし、何でもあなたの言うとおりにするから!
「しゃぶれよ」ですね。わかります
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:50:05.96 ID:PFRT8NUY0
「そこまでじゃ。ゲンガー、"シャドーパンチ"をお見舞いしてやりな」
割と本気で覚悟を決めたあたしの耳に聞こえてきたのは、
呪詛の言葉でも、怨嗟の声でもなく、キクコお婆さんの命令だった。
頭の中がパニックになる。
まさか、キクコお婆さんが、このゲンガーのマスターだったなんて。
たった数時間だけど、お話しして、大切なことを教えてもらって、仲良くなれたと思っていたのに。
キクコお婆さんは、出会った時から、あたしに狙いをつけていたんだ。
それで、ゲンガーに命令して、
誰も助けが来ない深夜のポケモンタワーの最上層に、呼び寄せたんだ――。
「馬鹿言ってるんじゃないよ。
ヒナタちゃんはちょっと、物事を良い方向に考える力が欠けているんじゃないのかねぇ」
砂袋を地面に叩き付けたような、乾いた音を聞いた瞬間、
あたしは目の前が真っ暗になった。しかし、意識はちゃんとある。
目を凝らして見直すと、あたしの視界を埋めているのが、
ゲンガーの背中であることが分かった。
「どういう、こと?」
飯いてきます
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:51:32.88 ID:PFRT8NUY0
それで、ゲンガーに命令して、
誰も助けが来ない深夜のポケモンタワーの最上層に、呼び寄せたんだ――。 ×
そしてゲンガーに命令して、、
誰も助けが来ない深夜のポケモンタワーの最上層に、あたしを呼び寄せて――。 ○
飯の前の訂正
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:51:59.45 ID:sWPbbUV60
飯食い終わった。さぁ続き・・・・・・・・・飯か!
いってらっしゃい^^
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:17:07.47 ID:UMKmOZoJO
>>277 お前は俺か
作者は焦らしてばっかじゃないか
いくらなんでも
いいぞもっとやれ
ゲンガーVSゲンガーか
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:42:34.06 ID:L6YSEkd50
ほし
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:44:52.82 ID:UMKmOZoJO
まだかなまだかな
,:::-、 __
,,r::::::::::::〈:::::::::) ィ::::::ヽ
〃::::::::::::;r‐''´:::::::::::::::::::::ヽ::ノ
,'::;'::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::
l::::::::::::::::::l::::::::::●::::::::::::::●:::::ji
|::::::::::::::::::、::::::::::::::( _●_)::::::,j:l クマー!
}::::::::::::::::::::ゝ、::::::::::|∪|_ノ::;!
. {::::::::::::::::::::::::::::`='=::ヽノ:::::/
';::::::::::::ト、::::::::::::::i^i::::::::::::/
`ー--' ヽ:::::::::::l l;;;;::::ノ
【ラッキークマ】
このレスを見た人はコピペでもいいので
10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
そうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:53:26.58 ID:PFRT8NUY0
ゲンガーが振り返り、笑う。
びっくりして身を仰け反らせてしまったけれど、
その表情に、憎しみとか怒りとかの感情はなくて、
むしろ、"安心しなさい"と言っているかのような、優しい笑顔だった。
「もしかしてあなた、あのゲンガーとは別のゲンガーなの?」
首肯。
あたしはへたりこんだ体を脇にずらした。
――いた。
もう一匹の、あたしを襲おうとしていたゲンガーが、
墓石の影でぐにゃぐにゃと蠢いている。
なんて凄いシャドーパンチなの……あの影みたいなゲンガーを捉えて、
あんなところまで吹き飛ばすだなんて。
「誤解は解けたようだねえ」
あたしは声のした方向に向かって言った。
「お婆さんはどこに居るんですか?
あの、あたし、普通に眠っていたら、誰かに操られるみたいに、
ここに来てしまって、それで――」
「事情は大体把握しておる。今は目先の脅威の排除が先決じゃ。
ゲンガー、"黒い眼差し"、"舌で舐める"、"催眠術"で無力化しな」
そこからの戦いは、終始一方的だった。
月明かりの外側に飛び出したキクコお婆さんのゲンガーは、
すぐに暗闇と同化して、視えなくなった。
身の危険を感じたのか、あたしを襲おうとしていたゲンガーが退こうとする。
でも、急に身動きがとれなくなって、墓石の影に縛り付けられた。まるで、さっきのあたしみたいに。
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:55:51.27 ID:DPCYhMLwO
キクコ強いな
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:56:20.56 ID:t7kvQSAvO
TUEEEEEEEEEEEE
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:01:29.01 ID:UMKmOZoJO
ゲンガーに金縛りされて舌で舐め回されたい
流石元四天王は強いな
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:05:54.97 ID:7bHTqHO8O
このゲンガーならピカチュウと良いタッグ組めそう
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:10:00.78 ID:sWPbbUV60
>>287 でもピカチュウは・・・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:25:52.92 ID:2pHMoNOLO
ほ
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:27:15.36 ID:pyTxs6QlO
俺まともにゲンガー育てたことないな・・・・
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:31:38.12 ID:PFRT8NUY0
――べろり。
嫌な音を立てて、血のように赤い舌が、動きを封じられたゲンガーを舐め上げる。
肉体的にも精神的にも束縛されたゲンガーは、
それでも紅い目をぎょろつかせて、暗闇の一点を睨み付けていた。
あそこに、あたしの目には視えない、キクコお婆さんのゲンガーがいるのだろうか。
前触れなく、ガクリ、とゲンガーの首が倒れる。
同時に眼光も、非常灯の明かり程度にまで衰えてしまって――。
あたしはゲンガーが、催眠術で眠らされてしまったことが分かった。
「終わったみたいだねぇ」
キクコお婆さんの言葉とおり、お婆さんのゲンガーが、暗闇から出てくる。
そして重さをまったく感じさせない足取りであたしの正面にやってきて、
何を思ったのか、突然、指示を仰ぐように跪いた。
「久方ぶりの戦闘じゃ、老躯には堪えたじゃろうて」
背後から声。
あたしが首だけで振り返ると、
杖をついたキクコお婆さんが、ハイパーボールを掲げていた。
「ゆっくり休んでおくれ」
閃光が走り――。
跪いたゲンガーが、ボールに仕舞われる。
あたしは改めて、あの得体の知れないゲンガーをあっという間に倒したゲンガーが、
キクコお婆さんのポケモンであるという事実を飲み込んだ。
昼間、ハイパーボールを見せてもらったときに、
お婆さんがかつて熟練したポケモントレーナーであったことは理解していたつもりだったけど――。
このお歳でここまで圧倒的な戦いが出来るのなら、全盛期はいったい、どれほど強力なゴーストポケモン使いだったのかしら。
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:32:40.07 ID:AzYP3xfpO
今はシャドーボールがとくしゅだからマシじゃね?
ゲンガー育てたくなった
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:40:16.05 ID:KQYmHP0YO
さいみんじゅつ→ゆめくいはまだ現役なのか?
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:40:51.60 ID:UMKmOZoJO
ダイヤではゲンガーが相棒だったな
今はアリアドスなんだぜ
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:43:27.82 ID:UMKmOZoJO
>>295 さいみんじゅつの命中率が70から60に修正された上持続ターンも短くなったからさいみんじゅつが微妙な技に
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:51:51.92 ID:sK8PADKA0
さいみんじゅつってもともと60だった気がするが持続ターン修正はきついな
なに・・・?じゃあ今ゲンガーはどうやって戦ってるんだ・・・?
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:03:38.23 ID:PFRT8NUY0
絶句するあたしを余所に、
キクコお婆さんは天窓から覗く月を見上げて、
「危ないところじゃった。
ヒナタちゃんのポケモンが"月の光"を使わなければ、
あたしはいつまで経ってもヒナタちゃんの危険に察知できずにいただろうからねぇ」
あたしは抱きしめていたピッピを持ち上げた。
ねぇ、聞いた? あなたのおかげで、あたしたち、助かったんですって。
「ぴぃ」
「"月の光"を発動したのは、そのピッピかえ?」
「はい、そうですけど」
「本当かい? ヒナタちゃんには失礼じゃが、
そのピッピはまだ"月の光"を発動できるレベルに達していないように見えるねぇ」
「あ、えっと、それは多分……その技が、"指を振る"で選ばれたものからだと思います」
ランダムに選ばれる技の中には、
当然、ハイレベルのポケモンしか習得できないような技や、
ピッピのノーマルタイプからかけ離れたタイプの技が存在する……らしくて、
だから、その"月の光"という将来的にピッピが憶える技を、
"指を振る"で使ったとしても、何も不思議なことではないはず。
「いや、そうだとしても、元の疑問とは別に、新たな疑問が生まれるのさ。
"指を振る"という技も、"月の光"と同様に、成体に近付いたピッピにしか発動できない技なんじゃ。
加えて、完全に乱数的な選択が行われるはずが、先刻は確率論を無視したとしか思えない、
最も適当な技が選択されていたじゃろう?」
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:05:00.84 ID:sWPbbUV60
ピッピすげぇえw
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:05:13.40 ID:PFRT8NUY0
風呂いてくる
目がしぱしぱするお( 'ω')
このピッピ…できる…!
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:07:16.68 ID:1w6M5lO+O
チョッゲッ
チョッゲッ
プルゥィィィィィ
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:19:39.37 ID:UMKmOZoJO
ピッピ=ラッキーマry
右肩痛いお
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:20:44.26 ID:zKyTv3Ld0
>>1を見習ってポケモン小説スレ立てて書いたけど、やっぱ落ちちまったな。
文才も語彙も足りない俺じゃ
>>1みたいにうまくはいかないか
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:23:33.03 ID:wc8xMF7oO
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:25:22.79 ID:/QhtpGGVO
ルカリオの人か。俺は好きだったんだがなあ、保守が間に合わなかった
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:33:12.65 ID:v5d/B1iSO
>>307 続き気になるけど、思いの他、人が集まらなかったな。
もちろん
>>1の意向次第だが、できればここで書いてほしいわ
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:34:52.89 ID:94yFsrW/O
ここで書いてもいいんじゃない
いやここで書いてほしい
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:35:03.05 ID:n7TedMVz0
ピッピもすごいがキクコの説明もすごい
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:35:46.27 ID:n7TedMVz0
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:36:56.17 ID:w7S57UbJ0
>>310 おいおい馬鹿言ってんじゃねえよ
自分勝手も大概にしろ、な?
続ける続けないはどうでもいいが、ここで書くのだけは止めろ
最低限
>>1が書き終わって(当分ありえないが)から書けよ
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:39:45.83 ID:SsX8Hl/3O
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:40:26.44 ID:UMKmOZoJO
落ち着いて常識的な行動しないと俺のアリアドスが虫食いしちゃうぞっ☆ミ
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:43:56.56 ID:/QhtpGGVO
保守の合間程度にくらいならいいと思うがな
まあすべてはここの
>>1が決めること。
>>318 >>1が決める以前の問題だろ常識的に考えて
雑談とは訳が違うんだよ。
これがゆとりってやつか?
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:46:11.48 ID:1w6M5lO+O
お前らそろそろ落ち着こうぜ
お茶置いていきます
つ旦
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:49:26.21 ID:zKyTv3Ld0
あぁ悪い、俺が余計な独り言書いたせいで雰囲気が……
もとよりここで書かせてもらおうなんておこがましいことは考えてないし、なにより
>>1の邪魔だけはしたくないから控えておくわ
俺がスレ立てたのも、ここの
>>1へ、憧れに近い感情をもってしたことだし
まだ描いてんのか
流石に呆れるわ
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:53:06.62 ID:w7S57UbJ0
何故去った人間が戻ってきて色々言うのか
暇を通り越しているのか或いは・・・
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:53:54.22 ID:xXt+jzIp0
さ あ 、 も り あ が っ
て
ま
い
り
ま
し
た
質問させてください
最近ようやくバックエントランスでキャメルスピンができるようになったのですが
いまいちチェンジエッジが上手くいきません。フロントだと出来るのですが……。
あとスピードが落ちてしまいます。レイバックやシットなら体の軸を細くするのに
腕や脚を使えばいいのですが、キャメルでスピードアップはどうやって軸を細くすればいいのでしょうか?
誤爆
329 :
◆ihjpPTk9ic :2008/10/25(土) 22:00:17.58 ID:PFRT8NUY0
キクコに色々喋らせたくて
今日中に10章が終わらない気配がするZE!
あとちょっとしたら書きます
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:03:41.65 ID:n7TedMVz0
ちょっくらポケモンしてくる
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:03:56.63 ID:wc8xMF7oO
このスレで別スレのss再開とかアホかと
賛同してたやつらも頭おかしいだろ
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:12:11.70 ID:OkF7dQzL0
自演だろ
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:14:31.57 ID:KQYmHP0YO
馬鹿はほっといて作者が書くのを待とうぜ。
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:15:14.40 ID:zKyTv3Ld0
wktk
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:32:53.26 ID:2pHMoNOLO
ほしゅ
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:39:28.54 ID:7bHTqHO8O
ピカチュウとヒナタの再会は当分先みたいだな…
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:51:59.08 ID:UMKmOZoJO
5800円のWifiコネクタ買おうかな……
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:53:05.34 ID:PFRT8NUY0
果たして"月の光"は、さっきの状況で最も適切な技だったのかしら。
どうせなら、ゴーストタイプと相反するタイプの強力な技の方が、
あの得体の知れないゲンガーにダメージを与えることが出来たんじゃないかしら。
あたしはそう思いつつ、
「この子のレベルで"指を振る"が使えるのは、異常なんですか?」
「異常、というとその子が可哀想じゃ。
ポケモンバトルの最中、偶発的に、一定のレベルに満たないにも関わらず、
そのレベルの技を習得した、という事例はあるからねぇ。
しかしヒナタちゃん、その子は見たところ、修羅場というものを潜り抜けた経験がない」
――それはつまり、この子が"指を振る"という技を、先天的に習得していた、ということ。
お婆さんは難しい顔をして、
「想像じゃが、ヒナタちゃんは、これまで、ピッピに"指を振る"ばかりさせてきていたんじゃないのかえ?」
「はい……、その通りです。
この子の小さな体じゃ"体当たり"をさせてもダメージはたかが知れてるし、
それなら、ランダムに任せる方がいいと思って、"指を振る"ばかりさせていました」
「結果はどうじゃった?」
「見当違いの技ばっかりで、この子はまだ一度も、ポケモンバトルで勝ったことがないんです」
「それじゃあ、質問を変えようかねぇ。
ヒナタちゃんが危機に陥ったときも、そのピッピは見当違いの技を発動させていたのかえ?」
脳裏に思い描かれるのは、
このピッピと出会った、オツキミヤマ洞窟深層部での一コマ。
あたしはキクコお婆さんに、エーフィの"念力"から、ピッピの"光の壁"に護ってもらったことを話そうかどうか迷った。
話してしまえば、関係上、どうしてもあの男について言及しなければならない。
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:56:55.89 ID:pyTxs6QlO
キクコの歳でボケてないところがすごい
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:58:49.39 ID:zcTahi1a0
キクコは特別なんだろうね
生きてるだけで(ry
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:02:25.70 ID:UMKmOZoJO
生きてるかどうかすら怪しry
ゆびをふるでつるのむちとか出たらどうなるんだろうな
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:04:31.95 ID:qyx7+G2v0
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:13:04.98 ID:zKyTv3Ld0
志村、それハードプラント!
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:14:01.43 ID:PFRT8NUY0
「それは、」
あたしが言い淀んでいると、
キクコお婆さんは、フェ、フェ、フェ、と悟ったように笑って、
「突然変異種に、規則性の破壊――。
あの若造の世迷い言も、なかなかどうして、現実味を帯びてきたじゃないか」
「……お婆さん?」
「ただの独り言さ。
さて、そろそろそのピッピの話は終わりにして、あのゲンガーについて考えようかねぇ。
ヒナタちゃん。ここにやってくるまでの経緯を、詳しく話してくれるかえ?
大体の予測はついとるんじゃが、一応確認しておきたいんじゃ」
―――――――――
――――――
―――
「細かくは思い出せないんですけど、大体、そんな感じだったと思います」
眠っている間に"来い"という声が聞こえたこと。
マリオネットになったみたいに、体を操られる感覚があったこと。
心が麻痺していて、真っ暗なポケモンタワーに対して、全然恐怖を感じなかったこと。
朧気な記憶を辿って、それらを話し終えると、キクコお婆さんはただ一言、
「怨恨の類じゃな」
「怨恨……、ですか」
重りを着けて海に放り込まれたみたいに、気持ちが沈んでいく。
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:28:39.82 ID:DOODDcfAO
しえん
紫煙
若造てマサキの事か?
え、これは…ゴニョゴニョ
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:48:31.11 ID:sWPbbUV60
規制解除ktkr
命がけのネタは自重し。よ
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:51:35.65 ID:PFRT8NUY0
「実は、私が最初にヒナタちゃんの前に姿を現した時から、
ヒナタちゃんに付きまとう霊の存在には、気づいておったんじゃ。
私はこのポケモンタワーに眠るポケモンの霊や、その源となる負の思念体について熟知しておる。
昼間、私は危険な負の思念体の収斂を感じて、この最上層に来た」
あたしはキクコお婆さんに出会う直前、
天窓が作る日溜まりに、一瞬、影が差していたことを思い出した。
あれがキクコお婆さんのいう、負の思念体の集合体だったのだろうか。
「そこにいたヒナタちゃんは、とてもポケモンタワーの霊を刺激するとは思えない、
むしろその対極に位置するような、心優しいトレーナーじゃった。
瞬間的に高まった霊力も、いつの間にか霧散していた。
私は安心して、ヒナタちゃんを帰すことにしたのさ。しかしそれは大きな間違いじゃった」
骨張った指が、ぐったりしたゲンガーに突き付けられて、
「一歩間違っていれば、ヒナタちゃんは今頃、
このゲンガーに苦しめられて、しかし誰にも気づかれないまま、地獄を味わっていたかもしれないねぇ。
"月の光"を発動させたその子に、命を救われたといっても過言じゃないんじゃよ」
「でも、こんなことを言うと我儘かもしれないけど、
"月の光"以外の、ゴーストタイプに有効な技が出ていたら、もっと良かったんじゃ……?」
キクコお婆さんは白髪を揺らすようにして首を横に振り、
「他の技では意味がなかったんじゃ。
このゲンガーは元々閉鎖的な夜のポケモンタワーの一部分、つまりこの最上層を、
暗闇で包み込むことで、中で何が起っても、外から知覚されない空間にしたのさ。
月の光がその暗闇を晴らさなければ、私はヒナタちゃんが苦しみの悲鳴を上げていても、助けに来ることが出来なかったじゃろうて。
また、仮に他の強力な攻撃技が出たとしても、ピッピの基本能力では、一撃であのゲンガーを倒すには至らず、
結果的にはあのゲンガーを本気にさせて、最悪の事態を招いていたんじゃないかと思うねぇ」
今ふと思いついた
予想はよそう
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:56:50.01 ID:kH0fDZOs0
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:57:22.64 ID:n7TedMVz0
ゲンガー恐ろしいな・・・・
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:59:27.64 ID:Aj2gi+l90
さいみんじゅつやテレポートだったら逃げ切れたのかな?
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:59:43.82 ID:7bHTqHO8O
それよりピッピの方がおそろしいな
俺なんてゆびのふるに何度裏切られたか
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:02:11.99 ID:2Z01wc3a0
ゆびをふるで大爆発が出ていたら…
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:03:12.89 ID:SUf3CpiIO
ゲンガー怖ええ
でも可愛い
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:08:37.04 ID:G8kX060T0
>>352 俺も前このスレで思いついたギャグですべったから・・・気にすんなw
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:15:07.85 ID:ndjdZat80
そういやもう終わりか
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:19:55.94 ID:j5cL3zH60
あたしは、なんて浅はかなことを考えていたんだろう。
恥ずかしくなって、とりあえず手近なピッピをぎゅっと抱きしめる。
「ぴぃっ」
もしもこの子が"月の光"を発動してくれていなかったら。
恐ろしいイメージが浮かび上がって、それに連動して、体の震えがぶり返してくる。
あたしは気を紛らわそうと、一つ気になっていたことを訊くことにした。
「どうしてお婆さんのゲンガーは、月明かりの中でも平気だったんですか?
あのゲンガーは、逃げるように明かりの外側に飛び出していったのに」
「慣れの問題さね。
ゴーストタイプのポケモンは総じて、明暗のはっきり分かれる場所を厭い、
存在が曖昧模糊であることを許される、暗闇を好む。
じゃが、それはあくまでも好き嫌いの問題じゃ。
私のゲンガーが、どんな光量に晒されようとも怯まないよう訓練しておったのに対し、
形成されて間もないあのゲンガーには、耐性がなかった。たったそれだけの話なんじゃよ」
「ちょっと待ってください。ゲンガーは、ゴースから始まる進化形の最終形態ですよね。
なのに、形成されて間もないって、どういうことですか?」
キクコお婆さんは瞼を開けて、その奥の白濁した瞳で、あたしを見た。
今度は驚いたりしなかった。
「教科書の情報を鵜呑みにしているだけでは、ポケモンを知ることはできないんじゃ。
こういったポケモン霊園では、極稀に、進化の過程を飛ばしたゴーストポケモンが現れる。
その条件は大別して二つあり、
私はそれが、ヒナタちゃんとあのゲンガーの因縁を探る手掛かりになると考えおるんじゃよ」
364 :
◆ihjpPTk9ic :2008/10/26(日) 00:22:20.06 ID:j5cL3zH60
案の定終わらなかった
キクコは老婆の癖によく喋るから困る
明日は19:30頃に来ます
本当は一日中書いていたいが、そうもいかない
ハガネールとかも野生で出るしね
乙
明日は3日ルール的に考えて中途半端に落ちそうだな
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:24:21.23 ID:vZt+/y590
俺なんかしょっちゅう野生で出るぜ
ってこのスレ落として19時頃に新しく立てた方がいいかもね
乙
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:24:53.70 ID:2Z01wc3a0
バリヤードに卵産ませたのにマネネじゃなかったりね
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:28:27.81 ID:1ZFuLqNJO
乙
睡眠はちゃんととろうぜ
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:30:30.06 ID:fiugdYNT0
乙
今日も面白かった
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:31:03.93 ID:G8kX060T0
お憑かれ様
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:31:21.97 ID:G8kX060T0
お憑かれ様
>>363 作者もう寝ただろうけど最後
×考えおるんじゃよ
○考えておるんじゃよ
じゃね?
ひょっとして明日作者来る前にスレ落ちちゃう?
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:19:29.09 ID:gfrEb2QqO
お疲れさま
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:56:39.91 ID:1cF4qPLMO
落とすのか?
作者が来る予定時刻の30分後には落ちるんだから素直に落とした方がよかろう
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:45:59.78 ID:A8HYLeJyO
読むほ
☆
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 04:18:14.53 ID:WNQRikizO
C
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 06:45:04.81 ID:Mh8qo7ChO
あ
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 07:13:47.99 ID:hv8pHT6d0
もうこっち落してよくね?どうせ3日ルールで作者が来るか来ないか、って時間に落ちるし
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 08:18:33.08 ID:gfrEb2QqO
なんとなしにほす
保守
今から保守禁止
保守
可哀想だからResしてやるか
いや、だからもう落とそうぜ
どうせ作者来たぐらいで落ちるのはわかってんだし
ごめん
お前ら本当ごめん
ごめんf^_^;
サトシが殺したギャラドス