やあ (´・ω・`)
ようこそ、( ^ω^)ブーン系小説総合ラノベ祭りへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「祭り」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、このスレタイを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「待ちわびた感」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思って
このスレを立てたんだ。
じゃあ、投下を待とうか。
【注意事項】
ここは「総合スレの祭」なので、短編の投下が最優先です。
他の話題の途中でも、作品の投下が始まったら、なるべく一時停止して支援に回って下さい。
よろしくお願いします。
( ^ω^)「ラノベ祭ってなんだお?」
('A`)「絵師達が描いた絵を書き手が選び、その絵をもとに
短編を作る。そしてそれを投下するってわけだ。」
('A`)「絵師は絵を複数描いてもおkだし、またジャンルも自由だ。
書き手側のルールも、絵師たちの絵から作り出す短編に基本的な縛りはない」
(;^ω^)「ドクオ、日本語でおkだお。産業で説明してくれお」
('A`)「絵師が絵を描く
その絵をもとに書き手が短編作る
投下して楽しむ」
( ^ω^)「なるほど、それは面白そうだお!!」
■注意事項
・30レス以内のものならこのスレ又は総合に投下。30レス以上のものならスレ立てて書く(総合に書く場合は名前欄にでも祭り作品っていうのをわかりやすく書くようにしたほうがいい)
・このスレ又は総合が投下ラッシュなら30レス以内でもスレ立てして書く
・総合祭なので既存の作品に関連づけない(作者宣言しない/あくまでも"総合夏祭り"なので)
■同時進行
・(´・ω・`)ブーン系小説練習&総合案内所のようです
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1219826854/ ■企画サイト
・( ^ω^)ブーン系総合夏祭り2008のようです(まとめ:オムライスさん)
http://vipmain.sakura.ne.jp/light_novels/novel-faq.html
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:02:30.39 ID:LrP/GQUM0
>>1をオメガフルボッコしたら「ぼうやべで、ばぶう」と言ったwwww
糞
>>1のカス、オメガフルボ時にはオメガ鼻血だしながら「ぼうやべで、ばぶう」とか呻いてたのに
さっき電話あって「警察に行くからそのつもりで」だってさwwwwww
>>1って25歳なのに17歳の俺にオメガフルボされてフランス眼鏡(7万)オメガバリバリされて
オメガ便器に顔突っ込まれ「ぼうやべで、ばぶう」とか
呻いててオメガ悲惨wwww死ぬしかないよね糞
>>1wwwww
>>1って悲惨なオメガゴミ人間なんだねwwwwwwwww
惨めなオメガ汚物
>>1オメガワロスwwwwwwwwwww
乙
・したらば
http://jbbs.livedoor.jp/internet/929/ ■Q&A
Q.宣言て何すればいいの?
A.したらばに専用スレを立てますので、どの絵を使いたいかだけを明記してください。
Q.一人一作品なの?
A.期間内に書き終わるなら何作品書いても構わない
Q.絵にタイトルが付いている場合、無視していいの?
A.多分おk。(未確定)
勝手な意見ですが、絵の中にタイトルが書いてある場合は無視しないほうが良いような気もします
Q.絵に付いてる希望タイトルは無視しても大丈夫なら、希望ジャンルもそれちゃっても大丈夫?
A.一応希望してるわけだし、とりあえずしたらばにて「No.○○の希望ジャンル無視しても良い?」等聞いてみた方が良いとおもいます。
Q.スレ立て短編はスレタイに絵のナンバー入れたりするの?
A.絵とあわせてまとめようと思っているので、入れていただけるとまとめる際に助かります。
スレタイでなくても、スレ内のどこかに書いてもらえれば大丈夫です。
Q.100レスでも200レスでもいい?
A.問題ないですが、続きものにするのNGです。長編化したい時は、祭終了後に改めて……という形が望ましいです
テンプレおかしいトコや不備あったら次スレから修正してください
作るの初めてなんだ。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:08:02.86 ID:0hyvxEdp0
来たか!記念バジリコ!
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:09:15.81 ID:Mn4UL7ui0
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:09:53.93 ID:TEs3A3uj0
質問
祭りって今日だけですか?
それとも今日から3日とかですか?
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:10:48.63 ID:6dAuLu6RO
>>9 今日から数日だと思います。多分。
じゃぁ投下しますねー。
12 :
【祭】1/14:2008/08/29(金) 01:13:45.93 ID:Mhw+BYgl0
お化け屋敷には行った。コーヒーカップも乗った。
「アレ」以外は大体回ったハズだ。
せっかくの遊園地。ここで純愛フラグの1本でもたてておかないと!」そう心に誓ったのだが……。
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇドックン、次は何に乗る〜?」
そういいながら彼女は俺を引っ張っていく。「明らかに」ジェットコースターの方に、だ。
('A`)(ジェコスは勘弁してくれよ……。)
優しく、器量もいい美少女。
強いて欠点を上げるとすれば、自分の心に正直すぎることと、画面から出てきてくれないことか。
('A`)「はぁ……」
PCの電源を落として一人溜息を付く。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:13:59.15 ID:0hyvxEdp0
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:14:12.62 ID:TEs3A3uj0
言い忘れてた
>>1乙
把握
なら無理に今日完成させなくていいですね!今日は諦めて寝る
15 :
【祭】2/14:2008/08/29(金) 01:16:05.79 ID:Mhw+BYgl0
カーテンを開けた。3日ぶりの太陽が眩しい。
外の空気は、長いこと吸っていない。
あぁ、全く。
俺の人生はどこで狂ってしまったのだ。
婆ちゃんが亡くなった頃からかもしれない。学校でいじめられ始めたのもあの頃からだった気がする。
足元を見ると、カップラーメンの容器が山をなしている。そろそろ捨てなきゃなぁ……。
何食分になるだろうか。数えるだけで、人生を全く無駄に使っている自分に吐き気を催してくる。
('A`) 「そうだ 天国、行こう」
ひきこもり生活苦節3年、やっと、やっとこの考えにたどり着く事ができた。
('A`)は人生を遡るです
チャ、チャーン?ハーイ?
支援
17 :
【祭】3/14:2008/08/29(金) 01:18:05.17 ID:Mhw+BYgl0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
何だかんだであの英断から既に1年が経過した。
「そうだ 京都、行こう」と同じノリで言ったって、天国までJR東海で運んでくれるわけも無い。
結構な覚悟が必要なのだ。
いざ死のうと思った時には必ず、死んだ婆ちゃんの顔が頭に浮かぶ。
両親にも申し訳無いという思いは無いわけではないが。ほら、俺っておばあちゃんっ子だったじゃん?どっかのあや取り名人並みに。
その度に、目を瞑り、必死になって言い訳をひねり出す。
俺が真っ直ぐ進めるように守ってくれるような言い訳を。
「先に死んだ婆ちゃんが悪い」「俺をいじめたやつらが悪い」「俺が引きこもる環境を作った親が悪い」
だが結局、無理やり作り出した言い訳など、俺の意思を貫き通すための添え木には細すぎ、行動には移せなかった。
だが、それも今日までだ。
('A`)「このままダラダラと生きていても親に負担がかかるだけだ。俺は 親 の た め に 死ぬ」
これだ。誰かのためにわが命を捧げる自己犠牲の精神。ニートの鑑と呼んでくれ諸君。
18 :
【祭】4/14:2008/08/29(金) 01:19:42.08 ID:Mhw+BYgl0
覚悟ができりゃぁこっちのもんだ。
早速ペンと紙を手に取る。
「今のままではお母さん、お父さんに迷惑がかかるので死にます。探さないでください。ガッシ!ボカ!あたし死ぬわ。スイーツ(笑)」
('A`)「フヒヒ、遺書でも笑わす俺マジパネェwww」
玄関を出る。気分はウキウキだ。
マンションの屋上までエレベーターであがる。だんだんと、鼓動が早くなる
フェンスを登り、その上に立って一言。
(;'A`)「高……っつか怖いな」
だが、決めたことだ。
遺書まで書いたんだ。引き返すことはできない。
('A`)「くっ……、行くぞ!」
今やネズミのそれのようなスピードでビートしているマイハートを抑え、一気に前に倒れこむ。
次の瞬間にはどうしたことか、俺はしっかりと地に足を付けていた。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:21:40.50 ID:rMB6HfHW0
支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:22:01.34 ID:6dAuLu6RO
支援!
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:23:19.12 ID:EkIb78xg0
じえん
('A`)「何だ……これ?」
先が見えないほど長い廊下。
コレだけでも十分不自然なのだが、もう1つおかしい所がある。
(;'A`)「すごく……白いです」
白以外の色が見当たらない。つまり、白いのだ。
いや、どちらかというと白い。
「やぁ、よく来たね」
唐突に、声が響いた。
Σ(;'A`)「オウフ!こ、こんにちは。お邪魔してます」
マンガでよくある、頭の中で直接響くような感じだ。
声からして少年だろうか。少し風邪気味のようだが、だがなかなか綺麗な声をしている……
「そんなにかしこまる必要はないよ。もともとここの主は君なんだから」
(;'A`)「え、俺はこんな悪趣味な廊下持った覚えないんですけど」
「そうだね。分かりやすく言えば、ここは君の『走馬灯』ってやつだ」
('A`)「走馬灯っていうと、死に掛けの人間が人生を巻き戻すって言うアレ?」
「そう、それ」
23 :
【祭】6/14:2008/08/29(金) 01:24:35.94 ID:Mhw+BYgl0
「ここは君の経験を表している。前を見ても、まだ何もしてないんだから真っ白なままだ。後ろを見てごらん?」
声に誘われて振り返ると
(;'A`)「うわ……ひでぇなこれは」
一面灰色、に所々ピンクやら茶色やら染みのようないろがついている。
「この色は、大体君の経験や感情で決まるんだ。あとは体調だったり環境だったり・・・」
「たとえばこの灰色は一般には「怠惰」だね。君はよっぽど暇な生活を送ってたんだw」
一言多い奴だ。
('A`)「で、あのピンクとかは何なんだ?」
「桃色は色欲。君が画面の前で自分の息子とお話してるときの色だw」
本当に、一言多い。
24 :
【祭】7/14:2008/08/29(金) 01:27:49.69 ID:Mhw+BYgl0
「君が死んだときは、ここにある色を使って一枚の絵を描いてもらう」
「どんな絵を描くかは君次第。その絵は、君たちには人生と呼ばれているね」
('A`)「…………」
「自己紹介が遅れたね。僕は、この通路の案内人」
「さぁ、こんなところでうだうだ雑談するつもりは無い。回そうか」
「君の 走馬灯を」
俺は、恐る恐る最初の一歩を踏み出した。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:28:15.25 ID:rMB6HfHW0
支援
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:28:23.65 ID:6dAuLu6RO
支援支援
27 :
【祭】8/14:2008/08/29(金) 01:29:59.05 ID:Mhw+BYgl0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
……長い。もう30分くらいは歩いただろうか。
「結構長いね、灰色ゾーン。 何年レイズィーライフ送ってたのさ?」
('A`)「3年だ。なんだよレイズィーライフって」
「3年か〜。なら、そろそろ終わると思うよ。あ、ほら。あそこで色が変わってる」
前方には、灰色の終わりと、新しい色の始まり。
「黒に近い紫色……か。 君は、人の心の暗い部分を知ってるんだね」
( A )「ああ、知ってる。」
俺が引きこもりになってしまった要因の一つ、クラスメイトからの苛め。
上履きは隠される。弁当は捨てられる。机といすはいつも糊でベタベタにされ、トイレに行けば水をかけられた。
特に苛められる原因があるわけではない。ただの偶然で俺がその役に当たった。
たったそれだけのことなのに、俺に向かうクラス中の視線が侮蔑と嘲笑のそれに変わった。
闇色の道を、何も言わずに、早足で歩き続けた。
できる事なら走り出したかった。逃げ出したかった。
28 :
【祭】9/14:2008/08/29(金) 01:32:57.48 ID:Mhw+BYgl0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
段々とグラデーションでかわっていたので、しばらく気付かなかったが、また周りの色が変わっている。
深い、とても深い青。いや、藍色。
だが、これほど鮮やかな藍色は見たことが無い。
「これは、悲しみの色だね。喪失の悲しみだ。 何か大切なものをなくしたのかい?」
大切なものか、いじめられる直前だから・・・婆ちゃんか。
('A`)「婆ちゃんが死んだんだよ。数少ない俺の味方だったのに……。」
「……この通路の色は、十人十色。というか、1人でも何百通りもの色が作り出せる。」
「そして、僕は、こんなに綺麗な悲しみの色はめったに見たことが無い。」
('A`)「知るかよ。お前を喜ばせるために悲しんだんじゃねぇ。」
「…………」
とりあえずここにはあまり居たくない。
強がってみたが、正直思い出して泣きそうだ。
('A`)「お、このあとは結構まだら色になって続いてるみたいだな。」
支援
今から参加しようかと思うんだが、絵はどこにあるの?
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:34:44.40 ID:lfOk7B4ZO
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:35:01.96 ID:h0yjeXuMO
今からかよwwwwwwwww
オムさんとこにあるから急げ
33 :
【祭】10/14:2008/08/29(金) 01:36:12.59 ID:Mhw+BYgl0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
案内人の雑談やら色についてのひとくちコラムやらを聞きながら俺の幼少時代を遡る。
その過程、今歩いているまだら色の道について、一つ気になったことがある。
('A`)「なぁ、進むにつれて全体的に色が明るくなっていってるのはどうしてだ?」
「そりゃぁ、君も純粋な子ども時代があったってことだよ。 大きくなるにつれて、ここの色は段々くすんでくる。」
('A`)「kwsk」
「幼い時は色々な発見があるだろう? そして発見はたいていの場合「喜び」に変換される。そういう理由。 」
「それに加えて、人間の純粋な『不の感情』はここでは黒になる。」
「それに近づく経験をすることで、黒に段々と色を吸い込まれていくわけさ。 嫌だねぇ、大人って汚くて。」
(;'A`)「なるほど」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:37:37.89 ID:rMB6HfHW0
支援
35 :
【祭】11/14:2008/08/29(金) 01:38:12.00 ID:Mhw+BYgl0
そうして進んでいるうちに、壁に突き当たった。
('A`) 「行き止まり…ってことは、ここが俺の生まれた時か」
そこには、不思議な色が広がっていた。
今まで見たことが無い、とても深い色。
だが、決して不快な色ではない。
見ていると、自然と顔がほころび、目からは暖かい雫がこぼれ落ちようとする。そんな色だ。
そして、何だかとても懐かしい感じがする。
「それはね、愛の色だ。」
「君のお父さんの『強く、大きな人間になって欲しい』という願い。
お母さんの『どんな人間でもいい。元気に育って欲しい』という優しさ。
そんな感情が混ざりあって、とても深い愛になったんだ。
とても美しい色だと思わないかい?
君はこんなに美しい色をたくさんもらいながらこの世に生を受けたんだ」
「確かに、さっきも言ったように黒は少しでも他の色を吸い込んでしまう。
だけど、ここは君のパレットだ。
吸い込まれたら足せばいい。キャンバスに載せる色は自分で決めればいい」
思わず、黙って俯いてしまう。
下方に逃げた目線に、足元の輝きが飛び込んでくる。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:38:12.38 ID:6dAuLu6RO
支援っ!!
37 :
【祭】12/14:2008/08/29(金) 01:40:02.44 ID:Mhw+BYgl0
「このほかにもまだこの世にはとても素晴らしい色がたくさんある。
君が新しい色を作る事も出来る。
たった少しの黒を恐れて、また灰色の世界に閉じこもるのかい?」
いつもの様に、目を閉じる。
ただ、一つだけいつもと違う事がある。
考えるのは死ぬための言い訳では無い。
生きる上での目標だ。
「描きたい絵は決まったかい?」
投げかけられた問いに無言でうなずく。
何か、とても大切な何かを掴むことが出来た気がする。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:40:55.78 ID:SYik6VkS0
しえんんんんんんっ
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:41:17.43 ID:zU6ECtAJO
祭ktkr!
支援
「じゃぁ、来たところまで戻ろうか」
足元に広がる色をしっかりと目に焼き付けて歩き出す。
鮮やかな藍もあの闇色も、なぜ先ほどあんなに気分が落ち込んだのか不思議になるほど、落ち着いた気分で通り抜けることが出来た。
そして、俺の歩みが止まったとき、目にまた新しい色が飛び込んできた。
目の覚めるような鮮やかなオレンジ。見ているだけで力がわいてくる。
「それは――」
('∀`)「決意の色、だろ?」
思わず笑みがこぼれる。
「そう。これは君の中に芽生えた決意」
「この色を 忘れないでいてくれるかい?」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:41:48.70 ID:rMB6HfHW0
少し泣きそう
支援
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:42:36.13 ID:h0yjeXuMO
っしゃあそろそろ投下すっぞ!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
次の瞬間には、俺の目の前には広い空が広がっていた。
('A`)「気が付いたらフェンスの上に立ってるとか危なすぎるだろうjk」
とにかく、安全な所に行かないと…。
その時、フェンスを降りはじめた俺の体を突然の強風が煽った。
足が空に投げ出される。だが、渾身の力でフェンスをしっかり掴む。
(#'A`) 「俺は生きてカーチャンとトーチャンに恩返しすんだよ!邪魔すんじゃねぇぇぇ!!!」
思わず叫ぶと、俺の声が届いたかのように風がやんだ。
偶然かもしれない。ただ、風がやむ直前、俺にはあの幼い鼻声が聞こえたような気がした。
「君の描く絵、楽しみにしているよ」
END
乙!
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:43:50.33 ID:lfOk7B4ZO
うわああ乙!
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:44:46.43 ID:6bKCNcS30
良作だったー……乙
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:44:47.14 ID:s9GP7+3e0
いい話だった。乙!
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:45:24.59 ID:S0GcUBPS0
乙!
以上です。途中で名前欄にも描きましたが絵はNo.39です。
乙、支援ありがとうございました。
今現在泣きそうです。
No39を描いてくださった絵師さん、ありがとうございました。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:48:05.84 ID:SYik6VkS0
おつー
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:50:27.91 ID:0hyvxEdp0
割り込んですいませんでした。
乙!
かつて、無力だった人間は神に祈り、力を求めた
そして、神は望むように力を与えた
しかし人間は与えられた力で争い、殺し合いを始めたのである
「しぃ、下がってろ」
ほら、また新たな争いが始まろうとしている
ブーン系総合夏祭り出展作品 No.49
(*゚ー゚)は赤い飛沫に舞うようです
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:52:11.55 ID:rMB6HfHW0
支援
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:53:28.00 ID:S0GcUBPS0
支援
次の祭りには参加すっぞーいつになるのか知らないが
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:54:14.20 ID:h0yjeXuMO
(*゚ー゚)「姉さん! 私も!」
(*゚∀゚)「こいつはオレの獲物だ、だから大人しくしてな」
(*゚ー゚)「そんな…」
(*゚∀゚)「さぁ出てこいよ!」
つーの声に反応するように一つの影が現れた
('A`)「やぁやぁやぁ、ネガティブなアヴァターでお馴染みの僕ちゃんにょろー」
(*゚ー゚)「マスクかm…おっと」
支援
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:56:33.42 ID:h0yjeXuMO
(*゚∀゚)「へっ、出やがったなキチガイ野郎」
('A`)「あぁん? べっ別にそんなに誉めても嬉しくなんかないんだからねー」
(*゚∀゚)「ネガティヴ…じゃないや狂気の激砲ドクオ、オレと手合わせ願うぜ」
('A`)「手合わせなぁ、シワを合わせてしあわせじゃろ?」
(*゚∀゚)「だあぁうるせえ! 一瞬で息の根止めてやる!」
('A`)「んであんた誰だっけ? えっと…人肉料理屋さん?」
( ΦωΦ)「お前気に入った」
(*゚ー゚)「違います」
(*゚∀゚)「へっ、お前のその減らず口を叩き潰して最強のケチャップ使いの座をオレの物にしてやるぜ!!!」
互いに未開封のケチャップを取り出し封を切る
('A`)「ちゃーんと内ブタも剥がさないとのう」
(*゚∀゚)「遅いッ! オレが爆炎の死脚つーと呼ばれた所以、見せてやるぜ!!!」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:57:21.26 ID:SYik6VkS0
しぇええええええええええ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 01:58:46.16 ID:h0yjeXuMO
内ブタを剥がしているドクオに物凄いスピードで間合いを詰め−−−
(*゚∀゚)「必殺ゥ! ケチャップキーック!!!」
神速で繰り出された蹴りはドゴォォッ!と轟音を立てドクオの腹部に命中する
いやケチャップ使えよケチャップ
('A`)「おぅふ」
必殺の一撃を食らい崩れ落ちる、
つーは勝利を確信し口元を釣り上げる
(*゚∀゚)「アヒャヒャ! 口ほどにも無いな、最強のケチャップ使いが聞いて呆れるぜ」
その言葉ん聞くや否やドクオは何事もなかったかのように飛び起きる
('A`)「うっそぴょーんwwwwwwwwww」
(*゚∀゚)「なっ…!?」
('A`)「んー? 夏休み終盤に宿題を終わらせられなかった時みたいな顔をしているねー」
(*゚∀゚)「うっせえ! どういうこった、この技を受けてまともに立てるなんて!」
('A`)「落ち着けよ幕末の刺客イブラ・ヒモビッチさんとやら、その可愛い足見ると吉」
(*゚∀゚)「何っ!?」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:02:33.10 ID:h0yjeXuMO
言われるがままに足を見るとべっとりとケチャップが付着していた
('A`)「ケチャップに壁になって貰ったぬん」
(*゚∀゚)「……チッ、キチガイの分際で小賢しい真似を」
('A`)「お前さっきからうるさいっぺ、死刑でいいな? よーし分かった」
(*゚∀゚)「まだ何も言ってn」
('A`)「キャップ外しー!」
素早くキャップを外すと思い切りケチャップを握った
大量のケチャップがつーを襲う
ケチャップまみれになってつーは死んだ、ケチャップ(笑)
(*゚ー゚)「姉さん! 姉さん!!!」
('A`)「残念、死んでるら」
(*゚ー゚)「そんな…」
('A`)「直ぐに会えるさ」
(*゚ー゚)「!?」
('A`)「…俺がすぐにでもあの世につれていってやるぷー」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:06:00.67 ID:h0yjeXuMO
(*゚ー゚)「貴方だけは許しません、あの世で姉さんに詫び続けて下さい!!!」
('A`)「お姉さんより耳障りのいい言葉を使うのはよいね」
互いにケチャップの封を切り、再び戦いが始まろうとしていた
封を切り終えると、静寂が訪れる
先に静寂を破ったのはドクオだった
('A`)「帰っていい?」
と言いつつも手慣れたように間合いを確実に詰めていく
(*゚ー゚)「くっ…」
しぃもケチャップを放ち牽制する、が
('A`)「う、うまい」
ドクオは全て食っていた
(ドクオが怖すぎる支援
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:07:49.67 ID:tkqId6V/0
ケチャップという発想はなかったwwwwwww
支援
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:10:19.05 ID:h0yjeXuMO
(*゚ー゚)「なら!」
おもむろにキャップを外し始める
(*゚ー゚)「姉さんの苦しみ…受けなさい! キャップ外し!!!」
ドバドバと容器から放たれるケチャップだったが
('A`)「ペロッレロレロレロwwwww」
全て食われてしまった
('A`)「いい技だぬん、どこで覚えたんよ? しかし僕ちゃん何故か対処出来ちゃう」
(*゚ー゚)「うっ…当たれ! 当たれ!!!」
もう一撃、しかしドクオに食われる
('A`)「……僕ちゃんがっかり、お前も…なんだったっけ、回転寿司グルグルの刑でいい?」
そう言うとキャップを外し一瞬で間合いを詰める
(*゚ー゚)「残念ね」
('A`)「おぉん? プテラノドーン?」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:13:18.38 ID:h0yjeXuMO
ドクオはしぃの異変に気付いた
いつの間にやらキャップをはめ、こちらに向けていたのだ
(*゚ー゚)「私はこの瞬間を待っていたの、必殺! 無くなりかけのケチャップを出そうとするとブビュってなるアレ!!!」
爆散したケチャップはドクオの視界を奪う
(*゚ー゚)「終わりです! 『皐月』」
从'ー'从「いい加減にしろ」
何か聞こえた気がしたが気にしない、これは何の変哲もないナイフなのだから
そんな事を考えている間にドクオの胸にナイフを突き刺した
('A`)「…ぶっちゃけ俺ソースの方が好きだからお前明後日殺すぽっぽ」
(*゚ー゚)「えっ!?」
('∀`)「嘘だよー」
(*゚ー゚)「早く死ねっての! 胸刺したじゃない!!!」
だめ押しの一刺し
ドクオは死んだ、そしてイカリソースは最高だ
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:15:50.12 ID:SYik6VkS0
支援
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:17:14.63 ID:h0yjeXuMO
(*゚ー゚)「終わった…」
(*゚ー゚)「けど、姉さんは……」
喪失感から、涙が溢れ出す
ケチャップまみれで
(* − )「姉さん…グスッ」
(* − )「嫌だよぉ…姉さん」
すると突然つーが起き上がった
(*゚∀゚)「泣くなよ、お前は前だけ見て生きろ」
(* − )「ねえ…さん…?」
(*゚∀゚)「オレの分も幸せになってくれよな」
(*゚ー゚)「…うん」
そしてつーは再び死んだ
東方不敗は二度死ぬ(笑)
こうして、争いは幕を閉じたのである
一方ロシアはオムライスを使った、ケチャップ使いはなす術無く滅びた
( ^,ω^)「マヨネーズマジパネェ」
後の武蔵である
おしまい
乙カオスwww
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:19:43.08 ID:tkqId6V/0
面白かった、乙!
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:19:54.55 ID:h0yjeXuMO
もう色々とすいませんでしたとだけ
特にネタを拝借した作者様には謝罪と賠償を
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:30:45.11 ID:Qr9mr3PJO
次イッてもよかろうか
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:31:23.84 ID:h0yjeXuMO
どぞどぞ
さて俺ももう一個纏めてこよう
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:33:09.49 ID:Qr9mr3PJO
じゃあ失礼して。絵は激戦区29番だ。
20レスほど頂戴しますね
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:34:30.13 ID:h0yjeXuMO
wktk
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:34:44.35 ID:Qr9mr3PJO
(゚、゚トソン「……」
天候は雨。陰鬱になるというよりも、虹が楽しみになるくらい激しい大雨。
寒さの後には春が来るのだから、私たちは冬を生きている。
だけれど、こんなことはかつて無かった。
例えば、私がずっと後ろ足だけで立っていたり、その時の高さが、窓の桟に乗らないでも、
外のビルとかを見渡せるくらい高いこととか。そんなことは私の生きてきた上で、起こりえないと解っていたことだった。
なのに、どうして。
(゚、゚;トソン「私……人間になってるの……?」
(゚、゚トソンが人間になったようです
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:35:01.11 ID:GWh8eHoM0
支援
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:35:12.93 ID:5jVIRqkO0
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:36:06.26 ID:Qr9mr3PJO
(゚、゚トソン「どうして? どうして? どうなってるの?」
ぷにぷにの肉球も、ぴんぴんの耳もない。乳首だって二つだけ。
ツヤツヤの自慢の毛並みは、頭にだけ残されて変に重たい。
眉毛の辺りには妙な金具があって、手で何度も払い落とそうとするができない。なんなのだ、このひっつき虫は。
あぁそうだ、体が重たい。それに後ろ足がいやに長い。そこは元通りに、黒い毛並みはあるのだが、やっぱり長すぎる。
いつも通りに歩こうとしても、膝が一番に着いてしまう。これじゃあ走れない。
どっちかと言うと、人間みたいに立っている方が楽な感じだ。
(゚、゚トソン「ううむ……」
それから、ひらひら靡くこの、尻尾が腰中にまとわりついているような人間の衣服。
たしか、スキャットとかいったか。邪魔臭くて仕方ないが、どれだけ振り回しても外れてくれる気配がない。
ニャツとかいったはずの服も、外れるようで外れない罠のような構造だ。首もとは緩い首輪のようにもぞもぞするし、最悪だ。
結局私は、ちっとも邪魔な服を脱げずに、項垂れた。
(゚、゚;トソン「あぁっ!」
そこで私は大変なことに気付いた。
なんてことだ、尻尾まで無い!
私の私たる証が、無い!
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:37:53.36 ID:GWh8eHoM0
支援
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:38:03.05 ID:Qr9mr3PJO
(゚、゚;トソン「た、大変だ……」
この私がここまで焦るには訳がある。
私の大切な大切な尻尾には、大きなかわいいリボンというものが結びつけてあったのだ。
ロマネスクには全く似合わないと笑われたが、あの人間はよく私の、リボンがついた尻尾を可愛いといってくれた。
何てことだ、その尻尾も、リボンさえもないなんて!
(゚、゚トソン「どうしよう、あれをなくしたら、あの人間に嫌われてしまうかもしれない……」
そんな不安がよぎる。それに何より、
(゚、゚;トソン「こんな体では……抱っこしてもらえないではないか!」
そこまで人間に詳しいつもりでもないのだが、少なくとも今の私の体格は、あの人と同等かそれ以上。
それにこんな体の重さだ。膝にだって乗せて貰えないかも知れない!
(-、-;トソン「にゃあああああああああっ!!」
私は声にならない声で鳴いた、とにかくこの気持ちを、この事態を誰かに伝えたかった。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:39:12.06 ID:h0yjeXuMO
やべっ可愛い
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:40:02.59 ID:Qr9mr3PJO
と。私と同じ建物に住み着いている、ロマネスク――さっき少しだけ頭によぎった――が、のそのそ起き出してきた。
( ΦωΦ)「どうしたのだトソン、にゃあにゃあと騒がしい」
(゚、゚トソン「ロマネスク! ちょっと聞いて頂戴よ!」
扉の陰から現れた黒猫が、そのロマネスク。ロマネスクは私を見たなり、
( ΦωΦ)「……何をしているのだ、トソン。人間のコスネズミなどして」
背中の毛をびんびんに逆立てて、ロマネスクはたいそう落ち着いて言った。
(゚、゚;トソン「それはたしか「コスチューム」よ。って、そんなのはどうでもいいのよ、コスネズミなんかじゃない、
朝起きたらこうなってたし、そもそもでかすぎるでしょ!?」
( ΦωΦ)「……まぁ、その様子だとたしかに嘘とは思えん。だが、何故……?」
そんなのは解らない。と私は尻尾を振ろうとして、無いことに気づき、そう口に出した。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:40:56.74 ID:GWh8eHoM0
支援
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:42:08.95 ID:Qr9mr3PJO
( ΦωΦ)「その体は不便か?」
(゚、゚トソン「不便っちゃあ不便だけど。でもそれ以前に違和感ありすぎで落ち着かないし、……抱っこしてもらえないよ」
( ΦωΦ)「ふむ……まぁ、ここから出ないでも私たちは生きられる。もし他のネコの襲撃があったらここは我輩が護るしな」
そう言い張ったロマネスクの巨体(もっとも、今は私のほうがでかいけれど)が頼もしく見えて、私は衝動に駆られた。
ゆるゆると黒猫なのに大きく見える体に近寄って、腕を伸ばす。
あれ、二足歩行とはなかなか便利じゃないか?
(;ΦωΦ)「お、おいこら何をするやめ」
ネズミを捕まえるみたいに、ロマネスクの寸胴を捕まえた。
しゃがんで、彼を膝の上にひっくり返して、前にやってもらったように腹を頭をざらざら撫でる。
(゚、゚トソン「気持ちいい?」
(*ΦωΦ)「お、おっ、うひ、うへへへへへ……」
(-、-トソン「……気持ちいいのね」
ロマネスクはあっという間に喉を鳴らして、機嫌良さそうに目を細めた。
女ったらし。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:43:37.11 ID:h0yjeXuMO
ロマネスクwwwwwwwww
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:44:05.73 ID:Qr9mr3PJO
散々撫で尽くした後、私はお腹が空いてきた。
人間が食事をとるところは見たことないが、人間も腹が空くようだ。この感覚は、猫の体のときと大凡似ている。
( ΦωΦ)「都村殿、遅いな……」
(゚、゚トソン「今日は来ないのかもよ」
何でか分からないが、そんなことを呟いた。
( ΦωΦ)「都村殿が休むことはない。雨で少し遅れているだけだろう」
案の定、一蹴された。ロマネスクは、我輩は雨ごときで遅れはせんがな、と笑っていた。
(゚、゚トソン(雨、か……)
あの日も雨だった。ずっと前から廃ビルに住んでいて、ネズミ取りを生業にしていた頃の或日だ。
あまりにひどい雨で、窓から見える他のビルがぼんやりするほどだった。
その日が雨じゃなかったら、私はまこと孤高に猫らしい生き方をしたと思う。
あぁ、回りくどい言い方をした。つまりその日に、私と都村さんは出逢ったわけだ。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:44:05.93 ID:GWh8eHoM0
ちょw
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:46:03.76 ID:Qr9mr3PJO
*
私はその朝もネズミを狙って、ビル中を徘徊していた。
雨の日は少しだけネズミが多い。まだ眠っているロマネスクの分も捕ってあげて、家庭的な雌猫をアピールするつもりだった。
しかし、なかなか探したがネズミが大猟どころか一匹も見当たらない。もしやと思って、更にビル中を駆け回った。
そして見つけたのだ、その原因を、その人間、都村さんを。
(゚、゚#トソン「おい、そこの人間! ここは私たちの住み処だ、出ていけ!」
そう言って、腕を突っ張って耳を伏せ、牙を剥いて威嚇の声を一発上げた。
都村さんはすぐ私に気付いた。それで、ごく小さな声でいった。
『ごめんなさい、ネコさん。もう少しここにいさせて』
髪や体は雨でか、びしょびしょに濡れていて、私はなんだか胸が締め付けられる思いがした。
それから彼女の瞳を見たとき。私は謎めいた感情が渦巻いた。
自然と体が緩んでいく。私は気がつけば「おすわり」をしていて、彼女をじっと見つめていた。
『ありがとう』
そう言われて、私は無愛想に顔を横にふぃっと向けた。壁の染みと目があった。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:47:57.98 ID:GWh8eHoM0
支援
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:48:20.96 ID:Qr9mr3PJO
(゚、゚トソン「ロマネスク、起きなさい。お客さんよ」
起きないので、鼻先にクソをしてやった。ものすごく怒られたが、最初の忠告を聞かない方が悪い。
( ΦωΦ)「で、客というのはなんだ。舎弟か?」
ロマネスクが、まだ頭がくらくらするという様子で言う。なんだ、聞いていたじゃないか。
ネコの嗅覚も、犬ほどじゃないが優れている。私のクソがそこまで臭い訳じゃない。
(゚、゚トソン「あんたに舎弟なんか来るわけないじゃない。人間よ」
( ΦωΦ)「なんだ、人間か」
それから数秒かけて、ロマネスクの毛が全身を波打つように逆立った。
(;ΦωΦ)「なに言うてんのお前! なに言うてんのお前! なに人間普通に連れてきてんの!?」
(゚、゚トソン「大丈夫な気がしたから。入っていいよ、都村さん」
私はロマネスクを無視し、にゃんと一声鳴いて、彼女を呼んだ。
彼女はおずおずと顔を出し、その瞬間、ロマネスクはドア横の彼女をすり抜けてビルの高くまで行ってしまった。
(゚、゚トソン「ごめんね、あんなので。照れ屋なのよ」
「照れ屋さんなのね」
都村さんは少し部屋の様子を窺ってから、窓がいくつか有るだけの空っぽの部屋に入った。
少しだけ、笑顔になりなが
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:50:10.71 ID:Qr9mr3PJO
「さっきの子は、兄弟かなにか?」
都村さんは冷たい床に座り、ロマネスクのいなくなった方を向いて、私に訊いてきた。
(゚、゚トソン「ただの腐れ縁よ」
私が、にあぁと否定すると、都村さんはくすっと笑って、「そう」と言った。
私の言葉を解しているかは知らなかったが、なんとなく都村さんの声は胸に心地いい。
喉を鳴らして、彼女のスキャットから覗く、むき出しの膝の上に肉球を置いた。
何故だか知らないが、彼女は膝から下は紺色というか黒というかという肌で、毛皮のように暖かだった。
ひょっとしたら、彼女は半猫半人なのかも知れない。
「……足、冷たいね」
(゚、゚トソン「あなたも寒いでしょう。一緒にいてあげる」
私は都村さんの股の上に陣取って、丸くなった。
都村さんの手指が、私の頭を撫でた。耳をぴくぴく動かしながら、彼女に温もりを与えるように眠る。
人間には全く久しぶりに触れた。私だって、どんな人間にでも甘えるような猫じゃない。
それなのに、都村さんの目さえ見たら、私はなんだか全身が弛緩した。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:52:04.84 ID:GWh8eHoM0
支援
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:52:07.65 ID:Qr9mr3PJO
やがて雨は止み、日は暮れて、私は壁がみんなオレンジ色に染まった部屋で、床にぼてんと落とされて目を覚ました。
(゚、゚トソン「んにゃあ」
寝ぼけた頭で漏らした抗議の声は、特に意味のない鳴き声だった。
立ち上がっていた都村さんは、申し訳なさそうに笑った。
「ごめんね、私もう行かなきゃ」
(゚、゚トソン「何処へ」
会話は通じないと解っているが、とりあえず訊いた。
少し恨めしげに鳴くと、都村さんは困ったように笑って、
「あぁ、そうだ。ネコちゃんにこれあげる」
と言って、ニャツの首のあたりについていた赤いリボンを解いた。
(゚、゚;トソン「な、何ぞそれ?」
当時の私はニャツはおろかリボンも知らない。体の一部分かと思ったものが簡単に彼女を離れたのが、少し恐ろしかった。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:54:05.06 ID:Qr9mr3PJO
「これは……私が呪われてる証。こんなものあげるのもどうかと思うけど」
都村さんはリボンを胸に当てて、すごく儚い目をした。
私は急に寂しくなって、都村さんの足の毛皮にすり寄った。
http://vipmain.sakura.ne.jp/light_novels/novels_img/029.jpg 都村さんは私の尻尾にリボンをきゅっと結びつけた。重いのに、不思議と不快感はなかった。
なんとなく、これは私が受け取らなければいけないと思ったのだ。
(゚、゚トソン「……訳ありって人種かしら?」
私の鳴き声に都村さんは答えない。ただ赤いリボンをつけた真っ黒な私を、可愛い可愛いと愛でていた。
(゚、゚トソン「……私らはいつでもここにいるからさ、いつでもここに来て良いよ」
抱き上げられたとき、私はそう言った。
「また明日の朝来るよ。ごはんも買ってきてあげるね」
ごはん、という言葉を聞いたとたん、私は急激に腹が空いてしまった。
ロマネスクがネズミを捕っているだろうか、そうでなきゃ今日餓死しそうだ。
私はよろしく頼むという意味で、ひとつ鳴いて、彼女を見送ってやった。
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:55:12.20 ID:rMB6HfHW0
支援するしか
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:56:08.32 ID:Qr9mr3PJO
*
またも夕陽が眩しくなってきた。
記憶の中に見た夕陽でお腹一杯になっていたトソンは、目を瞬いた。
ロマネスクはしばらく黙っていたが、やがて床を尻尾で叩きながら、口を開く。
( ΦωΦ)「我輩の勘違いだったら申し訳ないが……都村殿は、もう居らんのではないか」
(゚、゚;トソン「どういうことよ」
( ΦωΦ)「……死んでいる、ということではないかと」
私は立ったまま呆然となって、胸を抑えた。
都村さんが死んだ? ばかな、人間は80年生きるのだろう。死ぬはずがない。
ロマネスクが慰めるように足元を撫でる、だけれど言葉は残酷だ。
http://vipmain.sakura.ne.jp/light_novels/novels_img/029.jpg ( ΦωΦ)「我輩の見立てる限り、トソンのその体は都村殿のものだ」
(゚、゚トソン「ニャツとスキャットは確かに一緒よ。性別もどうやら。けどロマネスク、人間だってそれぞれ顔は違う。
顔まで全部一緒だなんて、あなた見分けられるの?」
( ΦωΦ)「それからトソンの額にあるその金具。恐らく髪留めだが、都村殿と同じ位置にあるようだ」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 02:58:08.40 ID:Qr9mr3PJO
( ΦωΦ)「我輩はそいつで一度耳を挟まれた。ひどく痛かったからよく覚えている」
私が何を言っても、大した説得力もなかった。こういうときに冴えてるのは、ロマネスクだけなのだ。
(゚、゚トソン「……都村さん」
そっと髪留めを触ると、冷たい感触がした。
(゚、゚トソン「え、それじゃあ、私は……私の体はどこにいるの?」
私の体は。あちこち飛び回れる、私の本来の体はどこにあるのだろう?
( ΦωΦ)「恐らく、トソンが昨日……」
ロマネスクがそこまで言ったところで、外から何か音がしたらしい、彼は耳をそばだてた。
私はそれに気づいても、何も聞こえなかった。
つくづく人間の体の不自由さを感じたが、不平を言う気にはならなかった。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:00:07.41 ID:Qr9mr3PJO
*
「しかし、馬鹿だよなぁ。猫を庇って死ぬとか。しかも、結局ネコ死んでたろ、あれ」
「都村らしいと言えば都村らしいぜ。どうせアイツ、あの猫を性奴隷にしてたんじゃねえの?」
「ありそう。あの変態女ならやりかねない」
「つーか、バカだろ。たかが猫のために死ぬって」
「頭よりもマンコのほうがいいからな、アイツwwwwww」
「だれうまwwwwwwww」
「だれうま(笑)」
「あ? てめぇ都村のオナペットにすんぞ」
「いや、実は我慢できなくて、都村を連れ出す前に一度だけ抜いておいたことがある」
「何言ってんだお前。そんなの常識だろ?」
「あっはははははははwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:02:15.23 ID:Qr9mr3PJO
*
( ΦωΦ)「……」
(゚、゚;トソン「ロマネスク?」
( ΦωΦ)「……トソンよ。我輩は今、猛烈に人間が憎い」
(゚、゚;トソン「……え?」
ロマネスクの尻尾が腹立たしげにコンクリートを打っている。音が立つくらい強く、何度も。
( ΦωΦ)「人間というは、死者を悼むこともできないのか?」
(゚、゚;トソン「どうしたのよロマネスク。ちゃんと話してよ。私、何も聞こえなかったから」
( ΦωΦ)「うむ……ある程度我輩の主観も入るが、気にするでないぞ」
(゚、゚トソン「うん、しない。だからさっさと話して」
( ΦωΦ)「承知した」
ロマネスクはまず、下の道路を自転車で往っていたらしい五人組ないし六人組の会話を、聞き取った通りに猫語で話した。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:04:06.02 ID:Qr9mr3PJO
ロマネスクの語った事を聞いて、私はすぐに人間が恨めしくなった。
(゚、゚#トソン「……許せない! 見つけ出して、目ん玉引っ掻いてやる!」
( ΦωΦ)「落ち着けトソン……つまり、そなたの体が事故に遭い、それを庇った。しかし、これでは辻褄が合わないな」
(゚、゚#トソン「そんなの……今この状況が、辻褄合わせがいらないほどに可笑しいじゃない!」
( ΦωΦ)「落ち着けと言っている。……恐らく、私の断片的な記憶から推理するに、こう考えられる。
「トソンと都村殿は事故に遭い、その衝撃で互いの人格が交換された」と」
おとぎ話みたいな考えだ。そう私が言うと、おとぎ話で読んだのだ、とロマネスクは胸を張った。
しかし、確かに私は都村さんの体で、私トソンの人格を有しているようだ。
(゚、゚トソン「でも、私の体は、死んだことになっている都村さんのものでしょう? どうして都村さんの体がここにあるのよ」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:06:18.44 ID:Qr9mr3PJO
( ΦωΦ)「それについては……我輩は今からとても残酷な事を言う。なんだったら耳を伏せておけ」
ロマネスクはそう言って、自分で耳を伏せた。
私は彼の姿を見て心した。
(-、-トソン「……言って、ロマネスク」
耳を伏せずに、塞がずに。私は聞かなければならない、親友の行った末を。
( ΦωΦ)「恐らく都村の体に入ったトソンの意識は、やはり事故のショックで気を失っていたのだろう。
そして恐らく、死亡したということに勝手になったのだろう。
君は一番最初に目が覚めたときは、とても暗い場にいただろう。そこは霊安室という」
(゚、゚トソン「なぁに、それ」
( ΦωΦ)「死んだ人間が一時的に行くところのようだ。細かくは知らない。そこで君は目覚め、
走ってここに帰ってきた次第になる。そしてここで眠り、その時の記憶を失ったのではないか?」
(゚、゚トソン「分からない。でも、今日私が目を覚ましたのはここ。それは間違いないわ」
( ΦωΦ)「そこに間違いがあるのではないか、という話をしている」
ロマネスクはちょっと強く尻尾で床を叩いた。
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:06:41.69 ID:h0yjeXuMO
まさかの衝撃展開
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:07:45.24 ID:6bKCNcS30
むむむ……
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:08:10.06 ID:Qr9mr3PJO
( ΦωΦ)「……それで、君のもとの体、つまり都村殿の意識が入った、トソンはどこにいるかと言うと……
これは我輩の推測でしかないから或いは気にしなくて良いのだが……。猫は死んだらしい、と知られていた。
しかしだな、猫に霊安室はないし、君のような小さな猫が事故に耐えられたとも思えない」
(゚、゚;トソン「つまり……どういうこと」
( ΦωΦ)「……そなたの体は、事故時に死んでいるに違いない。それと同時に、都村殿の意識も……失われたと思われる」
窓の外は、また雨に包まれていた。夕立のような雨だ。
きっと私の体をどこかに幸せなところに流してくれるような。
(゚、゚トソン(幸せ……だよね? 都村さんは……でもやっぱり……死んじゃったら辛いだろうなぁ……)
(-、-トソン「はぁ……」
ロマネスクが窓の桟に乗って、外を眺めた。
( ΦωΦ)「……トソン。我輩はネズミを捕ってくる。その体では捕れまい、私がやろうか」
(゚、゚トソン「ねぇ、ロマネスク」
( ΦωΦ)「何ぞ?」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:10:10.50 ID:Qr9mr3PJO
(゚、゚トソン「人間ってさ……人間を殺すこと、出来るよね」
( ΦωΦ)「まぁ、そういう話は度々耳にするな」
雨の音がうるさい。
でも、私はどんなに雨に打たれたって、雷に打たれたって、この思いが収まる気はしない。
(゚、゚トソン「ネズミなんか捕まえるよりさ……」
私はロマネスクに耳打ちして、ひとつ提案した。
( ΦωΦ)「ふむ、いい考えだな」
(゚、゚トソン「ですよねー」
ロマネスクと一緒に舌舐めずりをして、私は期待に胸を高鳴らせた。
( ΦωΦ)「腹も減った。早速参ろうか」
(゚、゚トソン「えぇ」
私たちは傍にあったバールのようなものを拾い、パタパタと階段を鳴らしてかけ降りた。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:11:13.89 ID:GWh8eHoM0
支援
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:12:04.35 ID:Qr9mr3PJO
*
ロマネスクにとっては、復讐もネズミ捕りも都村さんからもらう餌も、ただ同じメシでしかなかっただろう。
彼は普段、都村さんからは隠れていたから。でも、私のために協力してくれているのだと思う。
都村さんは、恐らくいじめというものにあっていた、とロマネスクは語った。
集団から弱いものを排斥する動きらしい。これが人間では普通のことではないらしい、
それで都村さんは私たちと一緒にいたがったのだろうと、ロマネスクは少し心ないことをいった。
私はなんとも言えない気持ちになった。
猫の世界で当たり前のことが、人間に耐えられなくて、都村さんは苦しかったと。
私が猫であるかぎり、私は人間ではなく、弱い都村さんを蔑むほかないのだ。
だったら人間を許すかと、そうもいかない。私は都村さんを蔑んででも人間を恨む。
そして、その恨みを晴らしていく。
それまでは都村さん、許してください。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:14:11.47 ID:Qr9mr3PJO
(゚、゚トソン「ロマネスク……脳って美味しいよね……」
( ΦωΦ)「何を言っておる。肝臓であろう」
(゚、゚;トソン「は? 悪趣味ね……」
( ΦωΦ)「血まみれのトソンが言うと違和感があるな」
(゚、゚トソン「ふふ、血は最高じゃないの」
( ΦωΦ)「……賛同せずにはいられんな」
(゚、゚トソン「ねぇロマネスク、もう一人殺そうよ。私、我慢できない」
( ΦωΦ)「我輩もそう思っていたところだ。もう一個食べよう」
(゚、゚トソン「よし、行こう!」
私は死体を踏みつけて、バールのようなものを引きずって歩き出した。
おわり
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:14:51.11 ID:Qr9mr3PJO
終わりですすいませんでした
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:16:06.91 ID:6bKCNcS30
こえー
猫こえー……
乙でした
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:16:12.26 ID:rMB6HfHW0
まさかの展開
乙
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:16:41.16 ID:h0yjeXuMO
乙
序盤では考えられないくらい刺激的だったぜ
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:17:33.37 ID:GWh8eHoM0
乙!
面白かったよ〜
では、次、投下行きま〜す!
114 :
絵はNo.100です:2008/08/29(金) 03:19:10.47 ID:GWh8eHoM0
(^o^)<肩の力抜いて読もう。出ないと射精しちゃうよ
(´A')「はぁ、どうせ俺なんて」
何万回、口にしたのだろう。
何万回、溜め息を吐いたのだろう。
溜め息は幸せが逃げるらしい。
本当なら、俺にゃもう幸せは残ってないかもな。
いや、初めから俺には幸せなんかなかったのかもな。
('A`)は(´・ω・`)と出会い人生が変わるようです
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:19:11.72 ID:Qr9mr3PJO
早速支援
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:19:13.14 ID:rMB6HfHW0
支援
117 :
絵はNo.100です:2008/08/29(金) 03:20:06.09 ID:GWh8eHoM0
(´A')「はぁ、今日は何食べようかな」
食べると言っても作るわけじゃない。
インスタントラーメンに、冷凍食品、それにお菓子。
料理は下手だし、作ってくれる人はいない。
と、くれば外食という手段もあるが俺は外には出ない。
いいや、出るのが怖いんだ。
外に出れば会う人、会う人に笑われる。
誰が呼んだかクソメンだ。
容姿が悪くても何か一つ飛びぬけた才能があれば、
社会で活躍出来たかもしれないが生憎、俺にも何もない。
あぁ、あるとすればオナニーの射精の早さかなw
('A`)「何で俺は生まれたんだろう」
母ちゃん、父ちゃん、ごめん。
期待に応えられなくてさ。
小さい頃からあれやこれや習い事に通わされた。
けれど、どれも一週間は続かなかった。
118 :
絵はNo.100です:2008/08/29(金) 03:21:05.49 ID:GWh8eHoM0
勉強もスポーツも何もかも駄目だった。
中学までは卒業したが、高校は中退した。
以来、8年間引き篭もっている。
そんな俺に優しかった父ちゃんはブチ切れた。
ミ,,゚Д゚彡「ドクオ! お前はこのままでもいいかもしれない。
だがな、いつか父ちゃんたちは死ぬんだ。そうしたらお前はどうする?
餓死でもするのか? 一度も女を抱かずに死にたいか?
あの暖かく、気持ちの良い女性の性器はオナホールよりも気持ちが良いものなんだぞ。
ワシが買ってあげた『ぼくオナ』よりもなw いかん、今のは撤回するわw」
('A`)「それなら、童貞のままでもいいよ」
(*゚ー゚) 「あなた!」
ミ;,,゚Д゚彡「お、おぉ、すまん。ドクオ!
お前にだって何か一つ才能があるんだ。
でもな、引き篭もっていてはその才能も見つけられないんだ」
('A`)「どうせ、俺は屑人間ですよ」
ミ;#,;Д;彡つ「バカヤロー! お前は屑じゃない。
父ちゃんと母ちゃんの大切な宝物なんだ!
口で言っても分からないんだったら無理やりにでも、外に出てもらうぞ!」
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:21:10.82 ID:h0yjeXuMO
射精させてくれたまえ
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:21:11.89 ID:rMB6HfHW0
イルカの奴か
支援
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:21:22.92 ID:Gt0Hy94+O
支援
122 :
絵はNo.100です:2008/08/29(金) 03:22:28.02 ID:GWh8eHoM0
Σ(;'A`)「う、うわぁ」
ミ;#,;Д;彡「家賃は払ってやる。一ヶ月に一万円もやる。
一人で暮らしてみろ。そうすればやりたい事も考えるようになるだろう」
こうして俺は今、一人暮らしをしているわけだ。
人によっては溺愛の親バカと思うかもしれない。
でも違うんだ。
両親は本当に愛情を降り注いでくれているだけ。
悪いのは俺の方なんだ。
甘えがあったのかもしれない。
('A`)「はぁ、死ぬか」
自殺が最も親不孝に値する行いだって分かってる。
分かっているけれど、体が限界だったんだ。
俺は自殺場所を海と決めると支度を始めた。
('A`)「遺書はいいか……髭ぐらい剃っておこう」
('A`)「テレビ見ながら髭剃るか」
テレビのスイッチを入れると暑苦しい声が聞こえてきた。
123 :
絵はNo.100です:2008/08/29(金) 03:24:16.62 ID:GWh8eHoM0
_
( ゚∀゚)o彡゜「今夜も激論! ブルマVSスパッツ。
司会のジョルジュです。私としてはブルマですね。
やはり、青春時代の目に焼きついた女子のブルマは
今、思い出しても抜けます。特に同じクラスのデレのブルマときたらブルマときたら――」
( ^ω^)「スパッツこそ至高にして唯一神エデス、ブルマなんてありえねーおw」
( ><) 「スパッツの意味がわからないんです。ブルマの端から見えるパンティが興奮するんです!」
(;^ω^)「ふふふふ、若造はお家に帰るおw スパッツの動くと食い込むお尻、あそここそ萌えだおw」
<ヽ`∀´>「そもそも、ブルマやスパッツはチョンセンが起源ニダ」
(#゜ω゜)(#><)「ぶ ち 殺 す ぞ ワ レ」
<ヽ`∀´>「あ、あ、あ、あ、あああああ」
('A`)「はいはい、五月蝿いよ」
髭を剃り終えると、テレビのスイッチを切った。
('A`)「……さようなら、俺の第二の家」
もう鍵を開けることはないだろう。
俺は目的の場所へと歩き始めた。
124 :
絵はNo.100です:2008/08/29(金) 03:25:22.47 ID:GWh8eHoM0
四葉海。中央に存在する大きな岩がクローバーのように亀裂が走っていることからその名が付いたそうだ。
子供の頃はよく海水浴に来たっけ。
懐かしいな、母ちゃんがポロリしたっけな。
('A`)「母ちゃん、父ちゃん、さようなら」
俺は決心すると真夜中の薄暗い海を歩いていった。
夜だからか、暗いからか、海水は冷たく立っているのもやっと。
足まで水に浸かる所まで差し掛かった時、何かの声が聞こえてきた。
(;'A`)「空耳か?」
いや、違う。耳を澄ますと聞こえる動物の声。
可愛い泣き声の主は誰ぞ。
Σ('A`)「イルカだ! 何でこんな所に!?」
暗くてよく見えなかったが浜辺に一頭のイルカが打ち上げられていた。
('A`)「大変だ!」
不思議と俺はイルカの元へと駆け寄っていた。
いや、猫とか可愛いの好きっすけどね。
( ´・ω・`)「きゅー」
(*'A`)「うわぁ、本物のイルカだ。目の前で見れるなんて」
( ´・ω・`)「きゅー」
125 :
絵はNo.100です:2008/08/29(金) 03:26:27.99 ID:GWh8eHoM0
触った。イルカの皮膚触った。
いや、優しくね。女性の体を触るように優しく。
童貞だけど。
( ´・ω・`)「あのね、動けなくなっちゃったから助けてほしいんだ」
(*'A`)「ん? 空耳か? イルカが喋るわけないだろJC」
( ´・ω・`)「ううん、君とは話せるみたい。何故かはわかんないけど。早く助けて」
('A`)「わ、わかった。え、えっと一人じゃ難しいから誰か呼んでくる!」
( ´・ω・`)「うん」
夢? 死後の世界?
イルカと会話出来るなんて普通ありえないだろ。
今はそんな事を言っている場合じゃない。
俺は近くを見渡すと運良く動物病院を見つけることが出来た。
(;'A`)「大変です! 大変なんです!」
近所迷惑かもしれない、通報されるかもしれない。
そんなことは頭にはなかった。
今はイルカを助けたい、ただそれだけしか頭の中になかった。
イルカ、名前は目がショボショボしてたから疲れ目だなw なんちてw
川 V -V) 「……どうしました?」
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:26:50.75 ID:h0yjeXuMO
スパッツ派だな支援
127 :
絵はNo.100です:2008/08/29(金) 03:27:48.79 ID:GWh8eHoM0
良かった、女医が出てきた。
整った顔立ち、綺麗な黒髪、豊満な乳にそそる白衣。
是非とも、エンジョイしたいところだが俺は実に冷静だった。
(;'A`)「イ、イルカが、が、浜辺に、に」
川 V -゜) 「座礁したのか?」
(;'A`)「は、はい、そうだんですよよよ」
川 ゜ -゜)「わかった、人手がいるな。起きている人に協力してもらうしかないか。
君は急いで人を連れてきてくれ。私はイルカを診ているから」
(;'A`)「はい!」
第一印象、挙動不審の気持ち悪い男になっちまったよ、ママン。
いかんいかん、すべてはイルカのためだ。
起きている人といえばヤンキーだが、声掛けれるわけないJS。
後はコンビ二か。
(;'A`)「すいません、かくかくしかじかで」
おっと、実際にかくかく言っているわけじゃないんだぜ?
割合ってやつだ、気にしない。
川 ゜ -゜)「ふむふむ、座礁してからそう経っていないようだな。
運の良い子だ」
( ´・ω・`)「きゅー」
128 :
絵はNo.100です:2008/08/29(金) 03:28:50.20 ID:GWh8eHoM0
(;'A`)「はぁ、はぁ、連れてきました!」
川 ゜ -゜)「よし、では私の言う通りに並んでくれ。
そう、それでいい。君はそこに。
タグをつけて、よし」
(;'A`)「はい!」
( ´・ω・`)「きゅー♪」
イルカって重いんだな。
大人数十人でやっとこさ、海まで運ぶことが出来た。
川 ゜ -゜)「ここまでくれば大丈夫だな。よし、離してくれ」
( ´・ω・`)「きゅー♪」
お礼を言ったのか尾びれで水しぶきを飛ばすと遥か遠くへと泳いでいった。
川 ゜ -゜)「ありがとう。君がこの場に居合わせなければイルカは間違いなく死んでいたよ」
(;'A`)「俺はただ、ただ」
川 ゜ -゜)「ただ?」
(;'A`)「なんでもないです。それではさようなら」
終わった。女医とのエンジョイもイルカとの触れ合いも。
まるで空気が抜けたように眠りについていた。
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:33:17.83 ID:A652kzZdO
支援
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:35:22.67 ID:rMB6HfHW0
つ 川 ゚ -゚)
支援
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:38:20.60 ID:A652kzZdO
さるさん?
支援
「きゅー」
太陽の日差しが閉じた瞼を刺激する、もう朝か。
また、イルカの声が聞こえることに気づいた。
( -A`)「ん? 幻聴か?」
( ´・ω・`)「ごめんね、また打ち上げられちゃった。駄目だね、ぼく」
Σ(;'A`)「ちょw 待ってろ。女医連れてくる」
( ´・ω・`)「うん……体がチクチクする」
――数分後。
川 ゚ -゚) 「同じイルカか、再座礁。どうするかな」
(;'A`)「また、海に戻せば」
ん? この女医さん、昨日より痩せてやがる。
なんて奴だ、ますますタイプじゃん。
川 ゚ -゚) 「座礁による打撲、海洋レーダーの影響、異常気象、諸説あるが
一度座礁したイルカが再び座礁するということはまた座礁をするかもしれないということだ。
もう、このイルカは海には帰れないだろう」
(;'A`)「なら、どうすれば?」
川 ゚ -゚) 「後はどこかの水族館で引き取ってもらうしかない。
ちょっと待っててくれ!」。
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:43:18.69 ID:A652kzZdO
支援
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:47:18.76 ID:rMB6HfHW0
支援
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:47:48.86 ID:A652kzZdO
またさるさん?
支援
136 :
絵はNo.100です :2008/08/29(金) 03:52:10.63 ID:GWh8eHoM0
引きこもっている数年間に何百ものドラマや映画を見てきた。
だから、ドラマや映画のようにイルカは引き取られ幸せかは
分からないけれど第二の人生を歩むものだと思っていた。
でも、現実はそう甘くはなかったんだ。
色々な事情から、引き取り先は見つからなかった。
(;'A`)「残された手段は?」
川 ゚ -゚)「苦しめるのはイルカにとっても辛いだろう。
……安楽死させよう」
(#'A`)「ふざけんな! まだイルカは生きているのに!」
川 ゚ -゚)「そうだ、イルカはまだ生きているよ。けれどね、
人間が出来ることにも限りがあるんだよ。
人間は神様じゃないんだ」
( 'A`)「だったら、イルカの傍に最後までいます。
信じられないでしょうが、イルカと話が出来るんです」
川 ゚ -゚)「わかったよ」
( 'A`)「でさぁ、それでな」
( ´・ω・`)「ふふふ、ドクオったら面白い」
137 :
絵はNo.100です :2008/08/29(金) 03:53:54.17 ID:GWh8eHoM0
俺は色んな事を話した。
通じるかは分からないけれど、家族、恋、性癖、人生、色々と。
俺の全てをイルカに話した。
イルカも全てを話してくれた。
永遠に続くと良いと思っていた二人だけの世界。
けれど、終わりが来てしまった。
( ´・ω・`)「さようなら、ドクオ。君は友達だよ!」
( 'A`)「俺もだよ!」
やがてイルカの皮膚はひび割れて、動かなくなった。
生きたくても生きることが出来ない者もいる。
それなのに俺は生きることを放棄しようとしていたんだ。
俺は正に屑人間だよ。
生きよう、イルカのためにも。
生きよう、女医とよろしくするためにも。
( 'A`)「獣医になろう……やっと見つけた俺のやりたいこと
やっと見つけた……俺の才能」
138 :
絵はNo.100です :2008/08/29(金) 03:55:11.28 ID:GWh8eHoM0
太陽が眩しい。
流れ落ちる涙はしょっぱかったよ。
数年後。俺は獣医になった。
勿論、数多のドラマがあったよ。
でも、話したら長くなるからここでは話さない。
( 'A`)「疲れ目、俺、頑張るよ!」
俺は一人じゃない。
いつだって、傍にあのイルカはいるのだから。
( 'A`)は(´・ω・`)と出会い人生が変わるようです 終わり
(^o^)<はははは、ちんこしまえよw
<読んでくれてありがとね♪
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 03:59:14.70 ID:A652kzZdO
乙!
ショボンはゴマちゃんみたいだなW
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 04:04:21.22 ID:h0yjeXuMO
乙!
ドピュピュwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 04:13:18.96 ID:Beecgfuq0
ホセウ
みんな恥ずかしがり屋だな
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 04:17:39.00 ID:h0yjeXuMO
書き貯めしてるページがクソ重い
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 04:35:32.88 ID:h0yjeXuMO
保守
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 04:55:45.33 ID:h0yjeXuMO
保守
メールで書いていけばいいじゃないか保守
間に合うかなぁ('A`)
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 05:25:05.66 ID:h0yjeXuMO
その発想はなかったわ
頑張れ!
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 05:30:52.44 ID:e2/dNy5M0
ほ
保守
もう少ししたら一つ投下できるかもしれない
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 06:12:45.05 ID:h0yjeXuMO
待ってる
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 06:26:40.89 ID:dzcaeISl0
複数作品書いてるんですが・・・
スレ立てる場合そっちにまとめて投下したほうがいいでしょうか?
それとも短いのは総合のスレに投下したほうがいいですか?
なんとなく気になったので・・・
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 06:30:08.77 ID:h0yjeXuMO
スレもったいないから立てるなら全部詰め込んどけばいいと思う
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 06:31:34.14 ID:dzcaeISl0
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 07:08:43.11 ID:h0yjeXuMO
保守
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 07:14:11.35 ID:HDnjCTdE0
今日都合悪いので、明日でも大丈夫ですよね……一応、書きます宣言スレにも言ったんだけど
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 07:19:58.60 ID:h0yjeXuMO
早いに越した事はないぞ
一応できた。
読み直したら投下する。
でも、ブーン系じゃないかも。
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 07:36:50.32 ID:h0yjeXuMO
全裸で待ってる
拝啓、内藤ホライズン様
いかがお過しですか?
怪我はもう治りましたか?
私のほうは、もうすっかり良くなりました。
もっとも、先日ちょっと噛みつかれて新たな傷ができてしまいましたが。
あの日から、もう一ヶ月たちました。
あなたと別れてから、私の日々は味気ないものになってしまいました。
寂しさを紛らわせるために、少し前からペットを飼っているのですが、それでも胸に開いた穴は埋めることができません。
それでもなかなか楽しんでいます。
未だに噛みついたり、ほえたり、逃げ出そうとしたりするのには閉口しますが。
しつけが足りないのでしょうか?
ところで、あなたはまだ病院にいるのでしょうか?
ご家族やお友達はお見舞いに来ていますか?
人気者のあなたでしたから、毎日たくさんの人が来るのでしょう。
ちゃんと皆お見舞いに来てくれていますか?
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 07:47:42.61 ID:h0yjeXuMO
支援
さて、今更と思うかもしれませんが、私の欠点は、はやとちりをしてしまうことです。
思い込みで行動するのもそうですね。
そのせいであなたに傷を負わせてしまいました。
そのことを思うと、未だに胸が張り裂けそうです。
あの時は頭に血が上っていて、何よりも大切なあなたにあたってしまいました。
でも、よく考えてみればあなたに罪はないですよね。
そんな当たり前のことに、どうしてあの時気付けなかったのでしょう。
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 07:49:22.46 ID:6dAuLu6RO
なんとなく怖いw
悪いのはあの女です。
あなたと私が恋人であったことを知りながら、あなたを誘惑しようとし、あなたの部屋に押し入り、あなたの服を脱がし、あなたの上にまたがり、揚げ句のはてにあなたと愛し合っているなどと言ったあの女です。
今思えば、なぜあなたを信じられなかったのでしょう。
それどころか、何の罪もないあなたに包丁を向け、何度も何度も刺しててしまうとは。
あの時はすぐ正気に戻れたからよかったものの、私の思い込みもここまでくると病気ですね。
でも心配はいりません。
私もそのことは忘れようとしていますし、あの女もあなたに近づきたくても近づけませんから。
大丈夫、あなたは私が守ります。
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 07:50:59.25 ID:h0yjeXuMO
ホラー指定みたいだしな
楽しみだ
少し恥ずかしいですが、久しぶりにあなたと連絡が取れるのが嬉しいみたいです。
ペットのことばかり思い浮かびます。
最近は芸を仕込んでいるのですが、どうにも覚えがよくありません。
指に噛みつかれたときに、足を片方切って三本足にしたのがダメだったのでしょうか。
そのことを根に持っているのか、最近は以前にもまして暴れたりします。
やっぱり手も片方切るべきでしょうか。
では、今回はここで筆を置きます。
また遊びに来て下さい。
その時はペット共々歓迎します。
それでは。
PS
あなたを愛しています。
PS2
ちゃんと皆お見舞いに来てくれていますか?
あなたの
ツンデレより
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 07:52:45.93 ID:h0yjeXuMO
…ゴクリ
終りなんです
さっき同じ絵で違う話を書いていた時に、ふと思いつたのを書いてみました
なので、オチやら練り込みがまだまだ甘いです
怖いと思っていただけたならこの上なく嬉しいです
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 07:56:40.44 ID:h0yjeXuMO
乙!
ペット…か
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 07:57:24.40 ID:6dAuLu6RO
乙! ペットの正体は浮気相手なのかな、とか思いながら読んでた
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:02:48.42 ID:h0yjeXuMO
俺もそろそろ投下すっかな
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:05:38.73 ID:h0yjeXuMO
素晴らしき晴天の日のお話
なんの変哲も無い部屋
問題があるとすればフィギュアやゲームが散乱している事だけ
そんな部屋で
('A`)「なぁクーちゃん」
布団に丸まっている冴えない男と
川 ゚ -゚)「その呼び方やめてって言ったぞ」
ふわふわと浮いている羽の生えた女が居た
ブーン系総合夏祭り出展作品 No.69
('A`)好きだ!川 ゚ -゚)うっさい死ね!のようです
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:08:55.79 ID:h0yjeXuMO
('A`)「照れるなよかわいいなぁもう」
川 ゚ -゚)「ドクオ君は人より早くこの世にお別れしたいのかなぁ?」
('A`)「マジごめんなさい」
川 ゚ -゚)「よろしい」
('A`)「しかしクーちゃんがそういう事言うと冗談に聞こえないから困る」
川 ゚ -゚)「本気なんだけど」
('A`)「僕ジョークは苦手だよクーちゃん」
川 ゚ -゚)「来い、氷槍コキュートス」
('A`)「ちょ出たよ変な槍」
川 ゚ -゚)「さぁ永遠に眠らせてやる」
(;'A`)「待ていや待って下さいおねげぇします」
こんなクーちゃんと出会ったのは半年も前の話になる
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:11:30.33 ID:h0yjeXuMO
半年前
名前も知らない誰かの部屋に勝手に入って、クーちゃんは夢を覗いていたんだと
川 ゚ -゚)「こいつの夢もつまらない」
川 ゚ -゚)「何年ぶりか忘れるほど久しぶりの人間界だと言うのに」
川 ゚ -゚)「これでは退屈な城で騎士団長と稽古していた方がまだ楽しい」
川 ゚ -゚)「ま、いいか次行こ次」
ドクオの部屋
恥ずかしいね、俺夜中まで起きてパソコン弄ってたよ
('A`)「あーあ山田屋の悪魔さん2超欲しい」
川 ゚ -゚)(こんな時間に起きてる人間が居るとは、人間界も悪魔界とあまり変わらないな)
('A`)「おぉ限定カラーもいいかも」
川 ゚ -゚)(しかし私の姿が見えないとは言え、フリーダムだなこの男)
(*'A`)「ああもう悪魔可愛い悪魔ぁぁぁ」
川 ゚ -゚)「素晴らしくうぜえこいつ貫いてやろうかな」
('A`)「ん?」
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:14:19.71 ID:K+i20ejyO
支援
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:15:45.82 ID:h0yjeXuMO
('A`)「君………誰?」
いや驚いたね、振り返ってみたら羽の生えた『可愛い』(←ここ重要な)女の子が槍持って居たんだぜ
ちなみに後で槍について聞いたら神具だとか言う大層な物らしい
川 ゚ -゚)「私が見えるのか!?」
(*'A`)「うん見える! 超見える! くっきり見えるかわえええ!!!!」
川 ゚ -゚)「うるせえええ!!!」
(;'A`)「OK分かったブラザー、その物騒な槍をこっちに向けないでほしい」
川 ゚ -゚)「何故見える」
('A`)「ほぇ?」
川 ゚ -゚)「何故悪魔である私が見えると聞いている」
('A`)「知りませんそんな事」
川 ゚ -゚)「…」
(;'A`)「いやマジで知らないから槍しまえって」
今思うと最悪の出会いだったと思うわ
んであれからだな、クーちゃんは家に居着くようになった
なんでも「貴様に興味を持った」と、エロゲかよ
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:18:11.01 ID:h0yjeXuMO
('A`)「なぁクーちゃん」
川 ゚ -゚)「ん?」
('A`)「羽触りたい」
川 ゚ -゚)「ダメ」
('A`)「しっぽ触りたい」
川 ゚ -゚)「ダメ」
('A`)「髪触りたい」
川 ゚ -゚)「いいよ」
(*'A`)ノ川 ゚ -゚) サワサワ
(*'A`)サラサラダナァ
川 ゚ -゚)「素敵にキモいな死ぬんですね分かります」
('A`)「クーちゃんひどい…」
川 ゚ -゚)「だってクーちゃんって呼ぶから」
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:19:56.05 ID:h0yjeXuMO
('A`)「クーちゃん以外に可愛い呼び名があるか!!!」
川 ゚ -゚)「甘いぞドックン黒砂糖よりも甘い!!!!!」
('A`)「なにぃぃー!!!」
川 ゚ -゚)「うっわ何そのノリお前バカじゃねーの」
(;A;)
川 ゚ -゚)「ふ、クーリシア様と呼ぶがいい」
('A`)「クーちゃん様」
川 ゚ -゚)「氷s」
('A`)「すいませんでした」
川 ゚ -゚)「そんなんだからドックンはいつまでも職が見つからないんだい」
('A`)ウツダシノウ
川 ゚ -゚)「一思いにサクッといこうか?」
('A`)「またまた御冗談を」
川 ゚ -゚)「バーカ」
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:22:50.33 ID:h0yjeXuMO
(;A;)
(つA;)
(つA⊂)
('A`)「そういえばクーちゃん」
川 ゚ -゚)「なんだ?」
('A`)「悪魔ってさ、普段何してんの?」
川 ゚ -゚)「人間共と変わらないさ」
('A`)「ほぉー」
川 ゚ -゚)「…わざわざ飛び出して来たのに」
('A`)「へ?」
川 ゚ -゚)「いやなんでもない、ドックンと出会えたから退屈しないし」
( A )
川 ゚ -゚)「ドックン?」
髪はいいのか支援
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:24:57.26 ID:h0yjeXuMO
( A )…スギル
川 ゚ -゚)「おいっ」
(*'A`)「可愛すぎるよクーちゃああああああん!!!」
川 ゚ -゚)「うっさい調子乗んなぶち殺す!!!」
(*'A`)「今日の俺は阿修羅すら凌駕するうううう!!!」
川 ゚ -゚)「わああああ近づくな頬擦りするなしっぽ触るなあああああ!!!」
(*'A`)っ【それからたっぷりとクーちゃんを堪能して】
('A`)スッキリ
川 - )スリスリサレタ
川 ゚ -゚)「責任取れ」
('A`)「はい?」
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:30:01.83 ID:h0yjeXuMO
なにこれエロゲ展開?
期待していいんだよね?
川 ゚ -゚)「私と契約して悪魔になれ」
('A`)「ほえ?」
川 ゚ -゚)「さぁ誓いのキスを」
('A`)「えっえとそのああのっ」
川 ゚ -゚)「…フフッ、照れるな冗談だ」
('A`)「もっかいスリスリしたい」
川 ゚ -゚)「いいのか?」
('A`)「…なんで槍を向けて言うの?」
川 ゚ -゚)「そもそもキスで照れて頬擦りで照れないお前がわからん」
('A`)「ロマンさ」
川 ゚ -゚)「半年一緒に居るのにドックンの事がますます分からなくなった」
('A`)「常識に囚われないのがいい男の条件さ」
川 ゚ -゚)「バカなの? 死ぬの?」
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:31:21.25 ID:K+i20ejyO
川 ゚ -゚)「いいよ」
なんか萌えた。
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:44:25.15 ID:K+i20ejyO
さるか…それともクーの呪いか?
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:47:33.39 ID:tkqId6V/0
これは面白い支援
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 08:54:56.65 ID:oFXwKLIVO
さるさん食らったらしい
('A`)「…俺クーちゃんと半年一緒ですっかり尻に敷かれてる気がする」
川 ゚ -゚)「気のせいペチ」
('A`)「ですよねーってこら羽で顔ペチペチすんな」
川 ゚ -゚)「ペチペチ」
('A`)「しかしこのなんとも言えない肌触りがたまらん!!!」
川 ゚ -゚)「うるさいペチ」
('A`)「ごめーんテヘッ☆」
川 ゚ -゚)イラッ☆
川 ゚ -゚)「トンファ−キ−ック!!!」
ドゴォォッ!
('A`)「おぅふ」
痛い、凄く痛い、なんかデジャヴ
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:03:19.24 ID:HDnjCTdE0
オムさんで投下された作品の○を●にしてくれたりすると嬉しいな
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:04:51.97 ID:tkqId6V/0
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:07:45.90 ID:h0yjeXuMO
川 ゚ -゚)「懲りない男だな」
('A`)「ハングリー精神が旺盛なのさ」
川 ゚ -゚)「しつこい男は嫌われるぞ」
('A`)「クーちゃんは俺を嫌ったりしないよねー」
川 ゚ -゚)「どうだか」
('A`)「あーあーきーこーえーなーいー」
川 ゚ -゚)「アイス食べたい」
('A`)「へ?」
川 ゚ -゚)「アイス」
('A`)「クーリッシュですね、分かります」
川 ゚ -゚)「それでは私の名前とだだ被りじゃないか」
('A`)「じゃあ何さ」
川 ゚ -゚)「ハーゲンダッツ」
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:14:01.79 ID:h0yjeXuMO
('A`)「これまた贅沢な」
川 ゚ -゚)「何か言った? 聞こえないなぁ?」
('A`)「はい」
川 ゚ -゚)「早く帰って来てくれよ、ドックンが居ないと暇だから」
('A`)「全速力で行って参ります」
三( 'A`)ウオオオオ
川 ゚ -゚)「忙しい男だ」
川 ゚ -゚)「しかし見れば見るほど散らかってるな」
川 ゚ -゚)「ん? これは…?」
川 ゚ -゚)「日記…? 随分と使い込まれているようだが」
ペラッ
川 ゚ -゚)「んーなになに?」
川 ゚ -゚)「主人公、大剣を軽々と振り回し強力な魔法を数々使いこなす」
川 ゚ -゚)「髪で片目が隠れていて、その髪の下には邪気眼と呼ばれる目が…」
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:14:26.47 ID:uW3XocMpO
支援
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:17:38.81 ID:Ecspx/SxO
厨二ノートw
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:18:28.37 ID:h0yjeXuMO
川 ゚ -゚)「日記じゃねええええ!!!!!」
('A`)タダイマー
川 ゚ -゚)「ふむ…エターナルフォースブリザード、相手は死ぬ」
('A`)「あ、あのクーちゃんそれ」
川 ゚ -゚)「ル・ラーダ・フォルオル!」
('A`)「マホカンタ! ってうわあああ何見てんのおおお!!!!!」
川 ゚ -゚)「日記って書いてあるのに日記じゃないノート」
('A`)「死んでやる! 死んでやるうう!!!」
川 ゚ -゚)「その前にハーゲンダッツを渡せ」
('A`)「…ほら」
('A`)「あまりの恥ずかしさに耐えられません」
川 ゚ -゚)「ドックンにも羞恥心なんて高尚な物があるんだね」
('A`)「バカにされても反論する気になれない」
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:18:58.43 ID:K+i20ejyO
テラ邪気眼www
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:22:55.15 ID:h0yjeXuMO
川 ゚ -゚)「むー」
(;A;)ウッウッ
(;A;)ダレニモミラレタコトナイノニ
川 ゚ -゚)「ドックン」
(;A;)ナニ?
川 ゚ -゚)「口開けろ」
(;A;)アーン
パクッ
(;A;)
('A`)「う、うまい」
川 ゚ -゚)「ごめんな」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「なんだ」
ギュッ
あ〜。このクーかわええわ〜。
支援
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:26:21.16 ID:h0yjeXuMO
川 ゚ -゚)「わ! バ、バカ! 何をする!」
('A`)「ありがとう」
川 ゚ -゚)「うっさい離れろ!」
('A`)「ですよねー」
川 ゚ -゚)「大体このクーリシア様に抱きついたりなどと貴様は…」
「見つけましたよ」
川 ゚ -゚)「!?」
('A`)「へ?」
「どこに居るかと思えばこんな所にいらしたんですね」
( ^ω^)「クーリシア様」
C
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:32:03.06 ID:h0yjeXuMO
川 ゚ -゚)「あちゃー…誰かと思えばホライゾンではないか」
('A`)「いきなりすぎて状況が掴めない」
( ^ω^)「!? そこの人間は僕が見えるのかお」
川 ゚ -゚)「何の用だ」
( ^ω^)「白々しいですね、クーリシア様」
川 ゚ -゚)「クーちゃん様だ、豚が」
( ^ω^)「貴女が逃げ出した事で、我が国は非常に混乱していますお」
('A`)「先生、話が見えないです!」
( ^ω^)「なんだそこの人間は何も知らないのかお、彼女は」
川 ゚ -゚)「黙れホライゾン」
( ^ω^)「我が悪魔界の王位継承者、クーリシア姫だお」
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:37:34.24 ID:h0yjeXuMO
('A`)「あーはいはいお姫様ね…って嘘おおおおおお!?」
川 ゚ -゚)「おいホライゾン!!!」
( ^ω^)「王様からの命令ですお、悪く思わないで頂きたい」
川 ゚ -゚)「ふん、帰るものか」
( ^ω^)「では仕方ありませんお」
('A`)「えっちょやめr」
情けない声を上げるドクオ、そんなドクオの背後に一瞬で立ち短刀を突きつける
川 ゚ -゚)「ドックン!」
( ^ω^)「この男がどうなっても良いと、仰いますかお」
川 ゚ -゚)「ホライゾン貴様!」
即座に槍を呼び出し突きにかかる
( ^ω^)「おや…氷槍コキュートスですかお、しかしか弱いお姫様が持ったのでは宝の持ち腐れ」
( ^ω^)「ハァッ!」
ホライゾンは手慣れたようにクーリシアの突きを退け槍を弾き飛ばした
ドックンに短刀突きつけたままクーを圧倒するってwwホライゾン強ぇぇww
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:42:12.28 ID:h0yjeXuMO
川 ゚ -゚)「なっ!?」
( ^ω^)「クーリシア様の稽古をつけたのは僕ですお、甘く見ないで下さいお」
川 ゚ -゚)「流石は騎士団長様だな」
( ^ω^)「お褒めに預かり光栄ですお…さぁクーリシア様、この状況で誰も悲しまない、傷付かない選択、分かりますおね?」
川 ゚ -゚)「くっ…」
( ^ω^)「素直に従う、と解釈しますお」
川 ゚ -゚)「外道が」
( ^ω^)「…まだ時間がありますので猶予を差し上げます、その間に別れを済ませておいて下さいお」
( ^ω^)「逃げようなどと思わないで下さいお?」
( ^ω^)「もっとも先程の攻撃の際に転移の術をかけたので、時間が経てば無理にでも僕と仲良く帰るんですけどね」
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:46:11.95 ID:tkqId6V/0
クーかわいいよクー支援
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 09:47:53.27 ID:h0yjeXuMO
( ^ω^)「では後ほど悪魔界にて」
それだけ言うとホライゾンは
ブーン!とクーリシアよりずっと大きな翼と何故か腕を広げ飛び去った、正直ダサい
すぐさまドクオがクーリシアの元に駆け寄る
('A`)「クーちゃん!」
川 ゚ -゚)「すまないなドックン、世話をかけて」
('A`)「世話なんかかけられてない!」
川 ゚ -゚)「ドックン…」
('A`)「なぁクーちゃん」
('A`)「クーちゃんが来てから半年、毎日が夢のようでさ」
川 ゚ -゚)「私も、お城の生活なんかよりドックンと過ごす毎日が楽しくて仕方なかった」
('A`)「なのにどうして、どうしてお別れなんかしなきゃいけないんだよ」
川 ゚ -゚)「…私が姫であり、悪魔だからだ」
支援
('A`)「逃げよう! 転移の術なんか解けるだろ!?」
川 ゚ -゚)「無理だ」
('A`)「どうして!」
川 ゚ -゚)「ホライゾンは剣の腕はもちろんの事魔法の扱いにも長けている、誰かさんの何かで見たような感じの男なのさ」
('A`)「黒歴史ノートですね死にたい」
川 ゚ -゚)「だから…さよならだ」
('A`)「くそっ…このまま時が止まってしまえばいいのに」
しかしその言葉を嘲笑うかのように、無情にもクーの体は透け始める
川 ゚ -゚)「…時間か」
('A`)「透けてるよクーちゃん、そんなイリュージョンなんて良いからさ」
川 ゚ -゚)「ドックン、ありがとう」
('A`)「嫌だよクーちゃん、まだまだ俺達ケンカしたり笑い合ったりし足りてないだろ」
川 ゚ -゚)「わがままを言うな、いい男はわがままを言わないモノだ」
('A`)「…だったらこうするしかないね」
川 ゚ -゚)「何を言っt…んっ」
契約ktkr
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 10:04:22.60 ID:h0yjeXuMO
二人の唇が重なる
少しの静寂の後
二人の唇が離れ
二人は光につつまれた
川 ゚ -゚)「…契約、承った」
('A`)「最初からこうしていれば良かったんだ」
川 ゚ -゚)「…良かったのか?」
('A`)「聞くな」
川 ゚ -゚)「照れたか?」
('A`)「…正直心臓止まるかと思ったよ」
川 ゚ -゚)「…ドックンの事、ますます分からなくなった」
('A`)「へへっ、クーちゃん」
川 ゚ -゚)「ドックン…」
('A`)「好きだ」
川*゚ -゚)「…うっさい、死ね」
おわり
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 10:07:04.59 ID:tkqId6V/0
乙!
続編書いてほしいなー
乙
これはw何という惚気物語ww
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 10:10:17.47 ID:h0yjeXuMO
初ブーン小説で緊張しまくったり書きため消えたりして泣いたりしたけど終わったあああああ
二回もさるったのには正直焦った
じゃあ支援ありがとう!
バイバイさるさん(規制)
・一定時間内に一つのスレにたくさん投稿しすぎると、バイバイさるさん(規制)を受けてしまいます
これを阻止するため作者が数レスする内に、読者からのレスをいくつか挟むようにしましょう
(これを「支援」といいます)
・なお、現時点では規制は約10分で解除されるようですが
解除されたと思ってすぐに書き込むと連続でさるさんを食らうこともあるようですので
多少時間を置き、レスがいくつかついてから書き込みをするのが安全です
注意事項追加
・1レスは30行まで
・ここに投下する短編は30レス以内が目安、それ以上はスレを立てての投下を推奨
短編作者様へ
・投下する際に名前欄かメール欄を作品名にして投下してる本人を分かり易くし、まとめサイトさんがまとめやすいようにしましょう
・改行等々を有効に使って、読みやすい(見やすい)文を心がけましょう
・AAテストはメモ帳のフォントを変えるなどしてテストのためだけに書き込むのは控えましょう
総合のコピペだけどもこれも次スレ立てるとしたら追加かな
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 10:15:08.56 ID:h0yjeXuMO
>>212 ドクオが悪魔になった時に翼は生えたの?バッサァって。
あと総合の方のQ&Aも適当に不必要なトコ切って追加すればいいと思うんだがこのペースなら3日1スレで持つかな?
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 10:24:41.29 ID:h0yjeXuMO
>>218 生えた、つまりご同輩同族同根
この時間帯だからってのがアレなだけでまだまだ居るっぽいしなぁ
追加しても良いんじゃないかな
220 :
テンプレQ&A変更予定 1/2:2008/08/29(金) 10:32:36.55 ID:Mhw+BYgl0
【Q&A】
Q.投下してもいいの? (*゚ー゚)
A.(´・ω・`) 他の作品が投下されていない限り自由だよ
Q.なんか他の話題で盛り上がってるし、いきなり投下するのは気まずいょぅ (=゚ω゚)ノ
A. (´・ω・`)そういう時は「投下するよ」とか言って会話を中断すればいい
Q.叩かれるのは怖いなぁ…(#゚;;-゚)
A.(´・ω・`) 卑下、自虐、謙遜は叩かれる元だからね。堂々と投下するのが一番さ
Q.他の作品が投下されてる途中みたいなんだが…… (,,゚Д゚)
A.(´・ω・`) ならとりあえず支援すればいい。君の作品を守ることにもなるからね
Q.タイトル? トリップ? めんどくさいぜ ( ・∀・)
A.(´・ω・`) 投下後に安価当ててまとめればいい。あと、まとめさんのために名前欄は最初から最後まで統一して欲しいな
Q.書き溜め無理だからながら投下してもいいか? ( ゚∋゚)
A.(´・ω・`) ぶち殺すぞ。総合でながらは嫌われる素だからね
Q.宣言て何すればいいの?
A.(´・ω・`) したらばに専用スレがあるから、どの絵を使いたいかを明記してきてね。
Q.投下したらAAがズレまくるモナ (;´∀`)
A.(´・ω・`) 書いているソフトのフォントの設定をMSPゴシックにすればいいよ。スレでテストするのはやめとくんだ
Q.一人一作品なのかー?(*゚∀゚)
A.(´・ω・`) 期間内に書き終わるなら何作品書いても構わない。
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 10:37:37.00 ID:h0yjeXuMO
良い仕事しすぎワロタ
Q.絵にタイトルが付いている場合、無視していいの?
A.(´・ω・`) 多分おkだけど、念のためしたらばで確認した方がいいと思うよ。
Q.絵に付いてる希望タイトルは無視しても大丈夫なら、希望ジャンルもそれちゃっても大丈夫?
A.(´・ω・`) 一応希望してるわけだし、とりあえずしたらばにて「No.○○の希望ジャンル無視しても良い?」等聞いてみた方が良いんじゃないかな。
Q.スレ立て短編はスレタイに絵のナンバー入れたりするの?
A.(´・ω・`) スレタイでも名前欄でも入れておいてくれるとありがたい。まとめサイトさんがまとめやすくなるからね。
Q.100レスでも200レスでもいい?
A.(´・ω・`) 基本的には問題ない。ただ続きものはNG。短編祭だからね。
長編化したい時は、祭終了後に改めて……という形にして欲しい。
>>219 ドックンとクーちゃんが二人仲良く尻尾からませて手つないで飛ぶ姿想像して萌えた。
あー。誰かQ&Aのその2に適当なAAつけといてくれ。Qのあたり
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 10:54:54.81 ID:h0yjeXuMO
Q.絵にタイトルが付いている場合、無視していいのか? ( ΦωΦ)
A.(´・ω・`) 多分おkだけど、念のためしたらばで確認した方がいいと思うよ。
Q.絵に付いてる希望タイトルは無視しても大丈夫なら、希望ジャンル無視して米物語にしてイイですか?イイですねー? |w´‐ _‐ノv
A.(´・ω・`) 一応希望してるわけだし、とりあえずしたらばにて「No.○○の希望ジャンル無視しても良い?」等聞いてみた方が良いんじゃないかな。
Q.スレ立て短編はスレタイに絵のナンバー入れたりするのかああああ!? ノパ听)
A.(´・ω・`) スレタイでも名前欄でも入れておいてくれるとありがたい。まとめサイトさんがまとめやすくなるからね。
Q.100レスでも200レスでもいい? ( ゚д゚ )
A.(´・ω・`) 基本的には問題ない。ただ続きものはNG。短編祭だからね。
長編化したい時は、祭終了後に改めて……という形にして欲しい。てかこっちみんな
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 11:04:32.99 ID:k7cjWWs1O
ほ
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 11:10:30.52 ID:EkIb78xg0
ほいっしゅー
>>224 d
まとめてテンプレとしてしたらばに張っとく
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 11:21:31.81 ID:0PMGzxSc0
ほ
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 11:22:26.30 ID:qHWm/EJz0
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 11:39:43.17 ID:h0yjeXuMO
テンプレ乙保守
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 11:45:44.94 ID:uW3XocMpO
急な用事が入っちまった……。そんな保守
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 11:53:52.74 ID:EkIb78xg0
ほしゅ
保守
家に帰るまで残ってますように
234 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:19:56.72 ID:8J98MG6l0
保守代わりに投下しますね
no,36で書きました
235 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:23:26.80 ID:8J98MG6l0
ストライク・ビッチーズ
---01---
プロローグ
いかに優れた一兵卒でも、戦争を終結させる術は持ち合わせていない。
戦略や外交は参謀に任せておけばよい。
だけど、一兵卒の活躍をきっかけに、戦局が大きく変動することはある。
ホライゾン軍の圧倒的な航空戦力によって制空権を奪われた我が軍は、
圧倒的劣勢に追い込まれていた。
早期講和が最善の道と政府の方針はかたまりつつあった。
そんな折に開発されたのが、この機動歩兵、カルロース・ト式である。
236 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:24:49.46 ID:8J98MG6l0
乙πドライブを主機関として搭載していた。
この乙πドライブは女性パイロットのみが持つ、乳房の揺れを感知し、
その揺らぎ係数が多ければ多いほど強大なパワーを生む。
設計者はジョルジュ教授。
おっぱいの揺れをエネルギーに変換するという、
常識外れの研究を行い非難を受けていたが、
乙πドライブの実用化に伴い、一躍英雄となった。
そうして私はこの第081混成部隊に編入され、
カルロース・ト式 with 乙πドライブの正規パイロットとなったのである。
237 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:25:52.35 ID:8J98MG6l0
1 敵機襲来
気持ち悪いくらい真っ青な空に、飛行機雲がふたつ。
我が軍の制空権を奪った敵の航空機動兵器が偵察にきたようだ。
( ´_ゝ`)「ここが敵の巣穴らしいぞ弟者」
(´<_` )「僅か2分で特定とは、流石兄者」
( ´_ゝ`)「さくっと爆撃して帰るぞ」
(´<_` )「OK兄者」
( ´_ゝ`)「(早く帰ってリネットたんのおっぱい画像ゲットだぜ)」
(´<_` )「(流石兄者、だがエイラとサーニャはオレの嫁)」
238 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:26:53.97 ID:8J98MG6l0
敵のエース。流石兄弟来襲の報に、
第081混成部隊は蜂の巣をつついたみたいに混乱していた。
ノパ听) 「うわーーーー! 敵だ! やっべぇーーー!」
川 ゚ -゚) 「うるさいぞヒート。少し落ち着け」
ζ(゚ー゚*ζ「隊長、出撃しないんですかー?」
J( 'ー`)し 「出撃しますよ。だから早くおっぱい順に並んでね」
なぜおっぱい順なのか分からないけど、隊長(カーチャン)の言うことは絶対だ。
おっとりした口調だが、怒らせると血の雨が降る。超パネェ
J( 'ー`)し 「点呼」
ノパ听) 「イチ!!!」
川 ゚ -゚) 「に」
ζ(゚ー゚*ζ「さんっ」
239 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:28:44.62 ID:8J98MG6l0
カルロースシリーズは3つのバリエーションがある。
私が搭乗するカルロース・ト式はGカップ以上の爆乳用に設定されている。
そうしてC〜Fまでの巨乳用のコニ式に、A以下の貧乳用のネジ式がある。
ちなみにBカップ用は無い。
余りにも平均的すぎてつまらないと言う理由だけで製造を見送られた。
人口比率的にはBカップが一番多いのにである。
J( 'ー`)し 「搭乗しましたね。それでは第081混成部隊出撃です」
ノパ听) 「カルロース・ト式! イキマァーーーーーース!!!」
川 ゚ -゚) 「コニ式でる」
ζ(゚ー゚*ζ「ネジ式でますぅ」
こうして第081混成部隊の初陣は、敵のエースとの対決となった。
支援
241 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:29:49.54 ID:8J98MG6l0
2 不協和音
( ´_ゝ`)「プッ! おい弟者、穴蔵から何かでてきたぞ」
(´<_` )「流石兄者。こちらも三機の機動歩兵が出撃するのを確認した」
( ´_ゝ`)「ただの機動歩兵がこのブーン(改)に挑むとは愚かな」
(´<_` )「我ら流石兄弟もナメられたものだな兄者」
( ´_ゝ`)「殲滅するぞ弟者」
(´<_` )「OK兄者」
大空を舞う二機の航空騎兵、通称機甲ブーンがまっすぐ向かってきた。
目標はもちろん私たちに決まっている。
なんとなく怒っているのがわかる。そういうのには敏感なのだ。
242 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:31:40.72 ID:6plXgS/u0
ノパ听) 「きやがったなコンチクショー! ギッタンバッタンにやっつけてやるぅ!」
ζ(゚ー゚*ζ「敵はエースよ。焦っちゃだめよヒート」
川 ゚ -゚) 「典型的な早死にタイプだな」
ノパ听) 「うっさい! 乙πドライブ起動させるぜーーーーーっ!」
ζ(゚ー゚*ζ「がんばって!」
川 ゚ -゚) 「デレよ。オマエは頑張らないのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「2対3って卑怯だと思うの」
川 ゚ -゚) 「戦争に卑怯もクソもないだろ」
ノパ听) 「いーや! わかる! わかるよデレ! ここはアタシとクーに任せろ!」
ζ(゚ー゚*ζ「はい。任せますね」
川 ゚ -゚) 「ヒート、オマエは黙ってろ。それにデレ、勝手に決めるな」
そのとき、隊長(カーチャン)から通信が入る。
243 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:32:59.98 ID:6plXgS/u0
J( 'ー`)し 『いいわ。二人でやってみなさい。デレはバックアップよろしくね』
隊長(カーチャン)の言うことは絶対だ。たとえ黒でも隊長(カーチャン)が白と言えば白だ。
ζ(゚ー゚*ζ「はーい」
ノパ听) 「おう! まっかせといてーーー!」
川 ゚ -゚) 「了解……」
ノパ听) 「よおぉ〜〜〜〜っし! 乙πドライブ起動ぉぉおおおおおおおっ!!!」
川 ゚ -゚) 「かけ声はいらん。普通に起動しろ」
ノパ听) 「ノリが悪いなぁクーは! なあデレ、どう思う?」
ζ(゚ー゚*ζ「チームワークですよね。クーさん。恥ずかしがらずに」
川 ゚ -゚) 「オマエらが仲間かと思うと泣けてくるよ」
ノパ听) 「ホラ! 早く! 乙πドライブ起動ー!! って言っちゃいなよ」
川 ゚ -゚) 「すでに起動してるから言わなくても大丈夫だ」
244 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:33:56.11 ID:6plXgS/u0
ζ(゚ー゚*ζ「言っちゃえ言っちゃえ」
川 ゚ -゚) 「……」
しばしの沈黙。そのとき再び通信が入る。
J( 'ー`)し 『わたしも聞きたいわ』
ノパ听) 「イェイ!! 流石隊長! わかってるーーーー!」
川 ゚ -゚) 「命令とあらば。乙πドライブ起動。カチっ、ウイーーン」
川 ゚ -゚) 「擬音付きだ。コレで満足か?」
ζ(゚ー゚*ζ「流石クーさん。よくそんな恥ずかしい台詞いえますね」
川 ゚ -゚) 「ヒート以上に憎たらしいヤツだな。この借りは必ず返すぞ」
ノパ听) 「ちょっ!! そんなことよりさー! 敵がきたよーーー!!」
いつの間にか敵機の射程距離圏内にはいったことを告げるアラームが鳴る。
245 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:34:48.15 ID:6plXgS/u0
3 作戦会議
乙πドライブについて少し説明すると、
アタシたちが着ている戦闘服には乙πトレースセンサーなるものが付属している。
これとカルロース・ト式は直結しており、おっぱいが揺れるたびに、
エネルギーに変換している。
そのエネルギー変換効率は99.9999999999999%だという。
そもそもおっぱいの揺れにエネルギーがあるのか知らないので、
変換効率が100%近くと言われてもピンとこない。
246 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:35:36.13 ID:6plXgS/u0
そうしてここからがすごいところで、一度起動した乙πドライブは、
おっぱいが揺れ続ける限り停止しない。
移動時の振動や加速減速によって生じる負荷で当然のようにおっぱいは揺れる。
ダメージを受けたときに揺れる胸のおっぱい係数は尋常ではなく、
それによって特殊なフィールドを発生させ、パイロットの身を守ってくれる。
おっぱいは大きければ大きいほど、揺れやすいので、
カルロース・ト式のパイロット選抜は、胸のサイズ重視で選んだらしい。
ト式についてはそのように説明をうけているけど、
コニ式とネジ式についてはまだ未知数なところがある。
というか詳しい説明は聞いておらず、恐らく隊長とパイロットだけが知っている。
それくらい機密が厳しくてすごい機関なのだ。
支援ドライブ起動!
248 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:36:32.37 ID:6plXgS/u0
( ´_ゝ`)「そろそろ射程距離だな弟者」
(´<_` )「そうだな兄者」
( ´_ゝ`)「弟者よ。どちらが先に二機目を落とすか賭けないか」
(´<_` )「OK兄者。勝った方がエーリカたんを嫁にできるってことで」
( ´_ゝ`)「なんと! オマエもエーリカたんを狙っていたのか弟者」
(´<_` )「世界の常識だよ兄者」
( ´_ゝ`)「(この戦いだけは)」
(´<_` )「(絶対に負けられない)」
249 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:37:36.33 ID:6plXgS/u0
機甲ブーンの銃口が光り、白銀色のレールガンが発射される。
着弾すれば防御不能という凶悪な兵器であるが、
乙πドライブによって生成されたエネルギーフィールドなら、
直撃にも耐えられるという。
というけど耐えられなかったらヤバイので、とりあえずよける。
ノパ听) 「うわっ、わっ! うひー、あっぶねー! ちょっとかすったよ!」
川 ゚ -゚) 「デレ、オマエも乙πドライブ起動したほうがいいんじゃないか?」
ζ(゚ー゚*ζ「あたらなければ、どうということはないですわ」
川 ゚ -゚) 「たいした自信だな」
ζ(゚ー゚*ζ「それよりクーさん。ヒートさん。ネジ式と相対速度をあわせてください」
川 ゚ -゚) 「そんなことをしたら狙い撃ちにあうぞ?」
ノパ听) 「そうだぞ! 危ないぞ! ヘタしたら死んじゃうぞ!」
250 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:38:24.29 ID:6plXgS/u0
ζ(゚ー゚*ζ「敵を落とすにはそれ相応のリスクが必要だと思いません?」
川 ゚ -゚) 「死にたがりはヒートかと思ったが、お前もそうなのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「あら。死ぬつもりなんてありませんよ。危険なのはクーさんたちですよ」
川 ゚ -゚) 「どういう意味だ?」
ノパ听) 「どーしてだ?」
ζ(゚ー゚*ζ「対空ライフルを移動しながら撃っても当たる訳無いじゃないですか」
川 ゚ -゚) 「そうだな」
ノパ听) 「気合でなんとかなるよ! 気合で!」
ζ(゚ー゚*ζ「ヒートさんはそうしてください。わたしには無理です」
川 ゚ -゚) 「いいからヒートは黙ってろ。それで?」
ノハ;--)「あうあう」
ヒトリで支援するのがだんだんさみしくなってきたが支援
252 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:39:11.81 ID:6plXgS/u0
ζ(゚ー゚*ζ「どのみち制止した状態では乙πドライブは無意味ですよね」
川 ゚ -゚) 「あぁそうだな。揺れてなんぼのエンジンだからな」
ノパ听) 「デレも機内でおっぱいを揺らせばいいんだよ。ほら、こうやって!」
コックピットの中で腰を左右にひねっておっぱいを揺らす。
そうするだけでエネルギーゲインがどんどんたまってゆく。
ζ(゚ー゚*ζ「それでも結局はトリガーを引くときにブレが生じますよね」
川 ゚ -゚) 「ふん。要するに長距離射撃をするから援護しろ。そういうことだろ」
ζ(゚ー゚*ζ「流石はクーさん。正解です」
ノパ听) 「なるほどー! そういう作戦だったのか! やるなデレ!」
川 ゚ -゚) 「オマエが考えなさ過ぎだということに気付けよ」
253 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:40:14.22 ID:6plXgS/u0
4 禁則事項
( ´_ゝ`)「一発も当たらない。どういうことだ弟者」
(´<_` )「敵必死だな。というか距離が距離だけに回避運動可能なんだろ」
( ´_ゝ`)「そうか。それじゃ仕方ない。少し高度を落として攻撃しよう」
(´<_` )「それだとこちらも攻撃を受けるが、大丈夫か兄者」
( ´_ゝ`)「敵のアウトレンジから攻撃するのは痛快だが仕方あるまい」
(´<_` )「流石兄者。チキンかと思っていたけど見直したぜ」
( ´_ゝ`)「いまちょっとカチンときたぞ弟者」
(´<_` )「おっと、タイムだ兄者。敵の有効射程にはいった」
( ´_ゝ`)「OK、気をつけろよ弟者」
(´<_` )「兄者こそ」
254 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:42:50.05 ID:LSIzPzfx0
敵が高度を落としてきた! これでこちらからも攻撃できる。
正確にはあの高度でも攻撃はできたけど、当たる確率はほとんど無い。
ノパ听) 「よっしゃー! ようやく降りてきたぜー! 狙い撃ちだ!」
ζ(゚ー゚*ζ「ヒートさん。あなたはできるだけ適当に射撃しててください」
川 ゚ -゚) 「なるほど。こちらの武器性能を低く見せるには良い手だな」
ノパ听) 「ちょっ! なにいってんの! ちゃんと当てるよ!!」
ζ(゚ー゚*ζ「わかりました。それでは正確に狙ってください」
川 ゚ -゚) 「そうだな。その方が外れそうだ」
ノパ听) 「ばっ、ばかにするなーーー! こう見えてもアタシはーーっ!」
ζ(゚ー゚*ζ「おっぱいの大きさで選ばれたんですよね」
川 ゚ -゚) 「わたしは違うぞ」
ノパ听) 「そ、そうだよ! そうだけどいいじゃないかー!」
ζ(゚ー゚*ζ「ヒートさんのおっぱいは軍隊いちぃですから」
なんか乙πの設定が予想外に濃くてワロタw
256 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:44:16.27 ID:LSIzPzfx0
川 ゚ -゚) 「ところでデレ、オマエはどうして選ばれたんだ?」
ノパ听) 「そうだよ。ぜんぜんおっぱい無いのに。ヘンだよ」
ζ(゚ー゚*ζ「……それはヒミツです」
川 ゚ -゚) 「そもそもネジ式はどうやって乙πドライブを起動させるんだ?」
ノパ听) 「そーだよ! デレのおっぱいは揺れそうにないのに! どーして?」
ζ(゚ー゚*ζ「……だ、だから」
川 ゚ -゚) 「おいヒート。あまり胸のことを言うな。デレが泣きそうだぞ」
J( 'ー`)し 『そうよ。ヒートちゃん。いい加減にしなさい』
ノパ听) 「た、隊長! りょ、りょうかいサー! うひー! もう言いません!」
川 ゚ -゚) 「了解。これより作戦行動を開始します。デレ、ヒート準備はいいか?」
ζ(゚ー゚*ζ「いつでも」
ノパ听) 「よっしゃーーーーーっ! ばっちこーーーい!」
J( 'ー`)し 『みんな頼んだわよ。負けたらメッですよ』
257 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:45:15.39 ID:LSIzPzfx0
5 誤算
( ´_ゝ`)「こいつは驚きだ弟者」
(´<_` )「まさか敵機動兵器のパイロットが女だったとは」
( ´_ゝ`)「なあ弟者よ。生け捕っちゃう?」
(´<_` )「おっと。兄者は3次の女には興味ないんじゃなかったのか」
( ´_ゝ`)「3次は別腹さ。それにあのおっぱいはどうだ弟者」
(´<_` )「……けしからんな」
( ´_ゝ`)「うむ。けしからんおっぱいだ」
(´<_` )「やるか兄者」
( ´_ゝ`)「やらいでか弟者」
(´<_` )「流石兄者」
258 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:46:02.11 ID:LSIzPzfx0
敵の攻撃が一瞬緩んだ。というか完全に止まった。
川 ゚ -゚) 「防御は任せろ! 撃つならいまだ」
ζ(゚ー゚*ζ「あと5秒待って」
ノパ听) 「よおおおーしっ! 撃ちまくるよーーー!!」
川 ゚ -゚) 「ちょっと待て。オマエは撃つな」
ノパ听) 「え〜〜〜〜〜! なんでよーー!」
川 ゚ -゚) 「敵が逃げるだろ」
ζ(゚ー゚*ζ「準備OKよ」
川 ゚ -゚) 「よし、撃て。ヒートもついでに撃っていいぞ」
ノパ听) 「ついでってなにさー! いいもん勝手に撃つから!」
ζ(゚ー゚*ζ「当たれ!」
デレの放った対空ライフルの弾道が空へ伸びる。
弾道は二発。
回避されることを前提とした一発目と、その回避を予測した箇所への一発。
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 12:46:34.51 ID:k7cjWWs1O
支援
260 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:47:04.33 ID:LSIzPzfx0
( ´_ゝ`)「うおっまぶしっ! だが甘いぜ。どうだ見たか弟者」
(´<_` )「流石兄者。回避運動はかんぺ……き?」
( ´_ゝ`)「なん……だと? このオレが被弾?」
(´<_` )「あ、兄者ぁ!!」
( ´_ゝ`)「まさかこのオレが討たれるとは。弟者よ。頼みがある」
(´<_` )「兄者の仇は絶対に討つから安心して逝ってよし」
( ´_ゝ`)「いや、そうじゃない。部屋にあるエロゲ等を処分しといてくれ」
(´<_` )「流石兄者。最後まで抜かりないぜ」
( ´_ゝ`)「さらばだ弟者!」
(´<_` )「兄者ぁ〜〜〜〜〜!」
流石兄弟のブーンが一機、きりもみしながら地上へ激突する。
よくわからないけど、とりあえず一機は撃墜した。
261 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:47:58.95 ID:LSIzPzfx0
6 おっぱいの底力
川 ゚ ー゚)「やったなデレ」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ。でもまだ油断は禁物よ」
川 ゚ ー゚)「わかってる」
ノパ听) 「アタシのが当たったんじゃないかな? そんな気がする」
ζ(゚ー゚*ζ「気のせいよ」
川 ゚ -゚) 「気のせいだ」
そんな時、空中で旋回していたもう一機の機甲ブーンが急降下してきた。
ノパ听) 「お、お〜い! なんか降りてきたぞ! なんかやばそう!」
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 12:48:12.73 ID:h0yjeXuMO
うほっ書き手さん来てる保守
263 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:48:54.57 ID:LSIzPzfx0
(´<_` )「兄者の仇ぃーー!」
機甲ブーンが僚機を落としたデレのネジ式に迫る。
ζ(゚ー゚*ζ「きゃっ!」
川 ゚ -゚) 「あぶないデレ!」
おっぱいを揺らしながらフィールドを形成し、直撃を防ぐ。
(´<_` )「なっ! 効いてない、だと?」
ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫?」
川 ゚ -゚) 「ああ。だがこれだけ近いと全くの無傷というわけにはいかないようだ」
クーのコニ式はレールガンによって発生した磁場の影響で、
フィールドを形成したままフリーズしていた。
264 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:49:46.74 ID:LSIzPzfx0
川 ゚ -゚) 「くそっ、動け、これだけおっぱいを揺らしてるんだ。動けよ」
(´<_` )「ん? こいつ、動けないのか。ならコイツから血祭りだ」
機甲ブーンが再度迫ってくる。今度の目標はクーのコニ式だ。
ζ(゚ー゚*ζ「ヒート、クーを助けてあげて」
川 ゚ -゚) 「わたしは大丈夫だ。フィールドが守ってくれる。それよりデレを守れ」
ノパ听) 「ど、ど、ど、どっちを守ればいいんだよー!」
川 ゚ -゚) 『デレだ! クーよ!』ζ(゚ー゚*ζ
(´<_` )「二人まとめて逝かせてやるよ」
機甲ブーンの二挺レールガンがコニ式とネジ式に狙いを定める。
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 12:50:02.76 ID:h0yjeXuMO
支援
266 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:50:36.95 ID:LSIzPzfx0
J( 'ー`)し 『なにをしているのヒートちゃん』
ノパ听) 「た、隊長ォォ! ア、アタシは、どうすればいいんですかー!」
J( 'ー`)し 『そのおっぱいは飾りなの? 何のための乙πドライブ?』
ζ(゚ー゚*ζ「おっぱいいっぱい」
川 ゚ -゚) 「ゆめいっぱい。だろ?」
ノパ听) 「よくわかんないけどわかったー! アタシはみんなを守るぞー!」
(´<_` )「もう遅いよ。ほらよっ!」
機甲ブーンのレールガンが発射される。
その弾道の先には、クーとデレが乗ったコニ式とネジ式が居た。
267 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:51:36.58 ID:LSIzPzfx0
ノパ听) 「やらせるもんかーーーーーーーーっ!」
ノパ听) 「ウォォオオオオオオオオオオッパアアアアアアーーーーーイイ」
ζ(゚ー゚*ζ「まさかあれは!」
川 ゚ -゚) 「知っているのかデレ?」
ノパ听) 「ヴィィィィーーーーーーーーーーーーーームゥゥ!!!」
ζ(゚ー゚*ζ「伝説のオッパイビームを使えるなんて」
川 ゚ -゚) 「オッパイミサイルじゃなくてビームだと?」
(´<_` )「お、おっぱいからビームだと! そんなバカな!」
ノパ听) 「いけぇーーーーーーーーーーっ!!」
268 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:58:09.08 ID:xzR9vqum0
アタシのおっぱいの振動が生んだ揺らぎが頂点に達したとき、
カルロース・ト式&乙πドライブがおっぱい粒子を加速させ、
ビーム状のなにかを生み出す。
詳しい原理はしらないけど、物理的に破壊できないものは無いと言われている。
そうしてそのビームの軌跡は、あたしの思い通りに操作できる。
だからレールガンを打ち消し、
敵の機甲ブーンの動力部を貫通させるのは朝飯前だった。
(´<_` )「ほ、ホライゾン帝国、バンザーーーイ!」
爆散する機甲ブーン。
ノパ听) 「おっぱいの力! 思い知ったか!!」
ζ(゚ー゚*ζ「やったわねヒート」
川 ゚ -゚) 「見直したぞヒート」
こうしてあたしたちの初陣は辛勝に終わった。
269 :
サブロク:2008/08/29(金) 12:59:27.72 ID:xzR9vqum0
エピローグ
ひとつの戦いは終わった。だけど、まだ戦争は終わらない。
それどころかカルロースの量産が決まったら、長期戦の可能性もでてくる。
ノパ听) 「うーーーーーん」
ζ(゚ー゚*ζ「どうしたの? 悩み事なんてヒートらしくないわよ」
川 ゚ -゚) 「知恵熱が出る前に考えるのをやめろ」
J( 'ー`)し 「あらあら、そんなことを言ったらヒートちゃんが可哀相よ」
ノパ听) 「あの、隊長! あれでよかったんでしょうか?」
J( 'ー`)し 「もちろんよ。ホライゾン帝国にだけは屈するわけにはいかないの」
川 ゚ -゚) 「皇帝の内藤ホライゾンさえ討てればあの帝国は終わりだ」」
ζ(゚ー゚*ζ「でもその皇帝を影で操っている人物がいるわ」
J( 'ー`)し 「それは初耳だわ」
ノパ听) 「え? だれだれ? そんな悪いやつがいるのー!」
270 :
サブロク:2008/08/29(金) 13:00:21.14 ID:xzR9vqum0
ζ(゚ー゚*ζ「これはわたしの憶測だから……」
川 ゚ -゚) 「いいからいってみろ」
J( 'ー`)し 「そうよ。言って頂戴」
ノパ听) 「そーだそーだ!」
ζ(゚ー゚*ζ「ツンよ」
川 ゚ -゚) 「なんだと!」
J( 'ー`)し 「あのコが。そうね。確かにそうかもね」
ノパ听) 「えー! あのツンに限ってそんなことないよー!」
ζ(゚ー゚*ζ「だから憶測だって」
川 ゚ -゚) 「とにかく内藤だ。ヤツを討たなければ」
J( 'ー`)し 「少なくとも交渉のテーブルにつけるよう、頑張りましょう」
川 ゚ -゚) ノパ听) 『了解 おおーー! は〜い』ζ(゚ー゚*ζ
271 :
サブロク:2008/08/29(金) 13:01:58.79 ID:xzR9vqum0
ホライゾン帝国、皇居内。
( ^ω^) 「おっおっ、流石兄弟がやられたって本当かお?」
ξ゚听)ξ 「ええ。間違いないわ。早速報復しましょう!」
( ^ω^) 「おっおっ、了解だお」
ξ゚听)ξ 「ドクオ! ここへ」
('A`)「マンドクセ」
ξ゚听)ξ 「敵の新兵器について調べてきなさい!」
('A`)「マンドクセ」
( ^ω^) 「おっおっ、頼むお」
('A`)「仕方ねえな」
ホライゾン帝国の野望はまだ始まったばかりである。
<おしまい>
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 13:03:01.54 ID:xzR9vqum0
支援ありがとうございました
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 13:11:09.44 ID:h0yjeXuMO
乙!
続きが気になるなwwwwwwww
おっつ!
乙!! この話のヒート好きだww
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:01:23.88 ID:k7cjWWs1O
ほ
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:13:36.97 ID:LpzucgtYO
ほっしゅほしゅ
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:13:56.79 ID:spx3wQqG0
投下するぞおっぱい紳士ども^q^
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:16:23.16 ID:spx3wQqG0
青く青く、どこまでも透き通ったかのような空。
そこに浮かぶ、光り輝き、地表を照らす太陽。
まるで天を突き抜けるかのように聳え立つ、山。
そこを中心に、半径50kmほどに渡る木々の群れ。
所謂、樹海。
正確に言うならば、樹海とはまた少し違うが、兎にも角にも、何の準備も無しに入れば死は必須であろう。
いや、例え準備をしていても、すぐに引き返さなければ、無事に生還するのは至難である。
勿論、魔物の類が出るかもしれないため、その危険度はさらに増す。
そんな、まさに危険の代名詞と言っても過言ではない領域に、自ら進入しようとしている者がいた。
名は、ブーン。
身軽に動ける服装に、軽いリュックを背負い、木々の前に立っている。
彼の目の前には、深緑と緑で彩られた木々の群れ。
彼は一度、周りを軽く見渡すと、そのまま目の前に立ち並ぶ木々の中へ足を踏み出したのであった。
( ^ω^)ブーンとビコーズ村の魔物のようです。
щ(゚Д゚щ)カモォォォン
281 :
【No19】祭り参加:2008/08/29(金) 14:19:12.05 ID:spx3wQqG0
(;^ω^)「ひぃ、ひぃ、ふぅ……、あっー、もう! なんでこんなに蔦が多いんだお!」
時はしばらくして、ブーンは、彼の進入を良しとしない森の、邪魔立てを受けていた。
道をふさぐように絡まりあう蔦。
草と草の間にひっそりと、しかし強固に伸びている蔦。
彼はそれらを切り、さらに奥へと進んでいく。
蔦、倒木、川、etc……。
様々の障害物が、彼の行く手を拒んでゆく。
まるで、森そのものが、彼を、自らの懐に入れまいとしているかのようであった。
しかし彼は、その困難に負けじと、ナイフを振るい、倒木を上り、川を渡り、時には遠回りもした。
そこまでして、山を目指す理由が、彼にはあった。
少々昔話をしよう。
彼、ブーンは、ある小さな村に住んでいた。
村民合計100人にも満たない、小さな村だ。
ブーンには弟がいた。
いつも顔色が悪く、マンドクセと言うのが癖で、何をするのも面倒くさそうにしている奴だった。
支援
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:21:29.87 ID:spx3wQqG0
('A`)「おい、ブーン。今日は川まで行こうぜwww」
( ^ω^)「だめだお、今の時期の川は危ないからいっちゃだめってカーチャンがいってたお」
('A`)「あ、そうだっけな……まいったな、何をしようか」
( ^ω^)「木登りでもしておいしい木の実でも見つけようだお!」
('A`)「お前本当に食い物の事しか頭にないよなwwwwまぁおkwwwwいこうぜwwww」
このような流れで、彼らは普段を過ごしていた。
彼は、実の兄であるブーンのことを呼び捨てにしていた。
また、ブーンもそれを気にしないでいた。
それほど、二人の仲は良かったのだ。
また、二人には、勿論のことだが、両親が居た。
やさしい母親と、厳しくも自分たちを思ってくれている父親だ。
だが、ある日、事件は起こった。
既に影は東へ長く伸びていたが、まだまだ日は落ちそうに無い時間帯だった。
前日、村は狩猟採集共に豊作であったため、その日は特にする事がなかった。
だが、偶々、本当に偶然であるが、その日、ブーン一家の木の実の貯蓄が心もとなくなっていた。
J( 'ー`)し「さぁて、ちょっと晩御飯の前に木の実でも取ってきますかね。貴方、子供達をよろしくお願いしますね」
(`∠´)「うむ。気をつけてな」
そう言った後、彼らの母は森へ出かけた。
村が闇に包まれても、母は帰ってこなかった。
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:21:29.78 ID:6dAuLu6RO
ちょwwwこのイラストはまさか・・・
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:22:03.31 ID:K+i20ejyO
支援
286 :
【No19】祭り参加:2008/08/29(金) 14:23:41.65 ID:spx3wQqG0
家族は皆、不審に思っていた。
沈黙がその家を支配していた。
そして、我慢の限界を超えた父が、不意にその沈黙を破った。
(`∠´)「少し、様子を見てくる。絶対に家をでるんじゃあないぞ、分かったな?」
( ^ω^)「大丈夫だお!」
('A`)「親父こそ、気をつけてな」
(`∠´)「うむ。行ってくる」
父は、狩猟用の弓と槍を持って、森へ出かけた。
やや強めな風が、木の葉のオーケストラを指揮していた、寂しい夜だった。
調子よく返事はしたものの、兄弟は、とても不安だった。
父が行ってから、二刻半が経とうとしていた。
兄弟は両親が不安で不安で仕方がなく、それでもお互いを励ますように、一つの毛布の中に二人で包まっていた。
そして、帰ってきたら、お帰りと言おうと言い合い、両親が帰ってくるのを待った。
結局、その日は、父親も帰ってこなかった。
それでも尚、二人は両親が帰ってくるのを待った。
外では何の虫かは分からないが、虫が鳴いていた。
が、時間が立つと、次第にその音を無に帰していった。
No.19見てきて吹いたwwww
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:26:19.54 ID:K+i20ejyO
弓…アルファベットWだな(´・ω・`)
289 :
【No19】祭り参加:2008/08/29(金) 14:26:50.88 ID:spx3wQqG0
一段と強い風が吹きはじめた。
すぐに止んだ。
犬が鳴いた。
どうやら、他の猟犬と喧嘩をしているようだった。
すぐに鳴き止んだ。
次第に、空が明るくなってきた。
地面が、森が、家が、闇から色を取り戻してきた。
誰かの声がした。
みんなが騒ぎ始めた。
それでも言いつけ通りに待った。
影が、最後に見た方向の逆の方向へ伸びていた。
まだ、両親は帰ってこなかった。
もう既に、影が姿を消そうとしていた。
隣の人が家へ駆け込んできた。
「大変よ! 早く村役場に来てちょうだい! 貴方たちのご両親が……」
その先は、何を言っていたか覚えていない。
ただただ、村役場に、両親に会うことに必至になっていた。
(;'A`)(;^ω^)「はぁ、はぁ、はぁ……っ、はぁ、はぁ……」
走り、走り、走り続けた。
わずか30秒ほどで着いた。
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:27:36.14 ID:FbyT5G0E0
支援
291 :
【No19】祭り参加:2008/08/29(金) 14:30:00.69 ID:spx3wQqG0
(;'A`)「どけ、どけよ!」
(;^ω^)「ブーンタックル!とりゃ!」
彼らが人ごみを掻き分け、掻き分け、見たもの。
J(i:i;l。)し (Ф∠´;)
それは、見るも無残な母親の屍と、右腕を森に忘れてきてしまった、右目の無い父親だった。
ヒソヒソと話す、周りの者達。
ところどころに聞こえる、ロマネスクと言う声。
(Ф∠´;)「うぅ……息子達よ……やったものを怨むな……怨むなら……」
父親は、とても苦しそうだった。
それで何かを伝えようと、必至に、掠れる声を絞った。
突如、思い出したように、今までの苦しそうな顔が嘘のように父親は喋り始めた。
(Ф∠゚;)「今から、行ってやる。今度こそ、行ってやる……モウダメシヌグハァ 」
そのの後の言葉を発そうと、声を絞った父親。
しかし、彼の言葉は、最後まで続かなかった。
彼は、左目を見開いたまま、盛大に吐血して息絶えた。
('A`)( ^ω^)「…………」
ブーンとドクオは泣かなかった。
父を信じて待った結果、こうなった。
もう、父の言葉は信じない、そう心に誓った。
292 :
【No19】祭り参加:2008/08/29(金) 14:32:36.46 ID:spx3wQqG0
だが、悲しくなかったわけではない。いや、寧ろその逆だ。
二人は、この惨劇を引き起こした者に、復讐することを決めた。
そのために、二人は村を出て、都会へ、都会へと進んでいき、遂にトレジャーハンターになり、
その職業柄を活かして彼らは情報を集め、この山にロマネスクという化け物が居るという情報を得た。
そして、今に至る。
未だに、障害物が、ブーンを阻止しようと行く手を阻んでいた。
(;^ω^)「ほっ、とりゃっ! くそ、まーだ出てくるお、この蔦!」
斬っても斬っても出てくる蔦。
方向感覚を狂わせる、同じような倒木、花、草。
それでもブーン草木を書き分け、前へ前へと進んでいった。
そして、遂に彼の視界に道が入った。
( ^ω^)「ほりゃっ! ……っと、やったお!道だお!」
それは、道というよりは、多少草木の分けてあるだけのものと言った方が正しかった。
だが、それはつまり村か、山への道かは分からないが、希望の道であった。
既に、彼が用意した水分はほとんど失われ、食物は虫に食われ始めていた。
彼はその道を進んでいった。
多少の草木はあるものの、通りやすい道だった。
しかし、あるところで、変化があった。
ある一本の蔦が、地面すれすれで伸びていたのだ。
支援
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:35:16.94 ID:spx3wQqG0
( ^ω^)「何だろう、この変な蔦。怪しいおー……」
そんな冗談を口走りながら、罠だ、と、ブーンは悟った。
更に、こういう場合は、大体が二重に張ってあるものだと、ブーンは知っていた。
彼のトレジャーハンターという職業は、伊達じゃあなかったのだ。
( ^ω^)「ちょいと確認。ふひひwwww」
彼は、とりあえずそのあたりを調べてみる事にした。
案の定、罠は二重に張ってあった。
全く幼稚な考えだ、と、罠を作った者を心の中で嘲りながら、ブーンは罠の一歩手前に右足を置いた。
罠が作動した。
一瞬だった。
(;゚ω゚)「ホワット!?」
右足が沈んだかと思うと、急にその足は重力に反し上へ向かい、そのまま彼の体を浮かばせた。
ただ浮かぶだけであればよかったのだが、なんとその罠は、筒状のところへ彼を誘う形式を取っていた。
つまり、両手は筒の出口に向いているか、筒の中にあるということだ。
旨く筒の中にあれば、確かにその蔦は切れるのだが、如何せん手の自由が利かない。
そのため、蔦を切ったとしても、頭から落ちるため、無事ではすまない、ということだ。
(;^ω^)「あいたたた……まいったおー……」
ブーンは、製作者を嘲ったことを深く後悔した。
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:36:02.82 ID:FbyT5G0E0
支援1
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:37:10.65 ID:spx3wQqG0
足の自由が利かないまま筒状のものに入れられるとは、とても旨くできたものであった。
そう、降りなければ、頭は常に下を向いたまま。
つまり、すぐに頭へ血が上るのだ。
これからどうなるのだろうかと思いながら、ブーンは気を失った。
なんだろうか、体が上下する感覚がする。
そう思うと共に、彼は目を覚ました。
(;^ω^)「う〜ん、なんなんだお……?」
そう思い、周りを見てみると、彼は一本の木に縛られ、運ばれていた。
運んでいるものたちは、片方しか見えないが、かなり古い衣装をしていた。
簡潔に言えば、上半身が裸で、腰蓑をつけている、ただそれだけの簡単な衣装だ。
体はあまり屈強には見えないが、ブーンを木で二人で軽々と運ぶということは、かなりの力持ちであるはずだ。
(^ω^)「う〜ん、まいっちんぐマチコ先生だおwwww」
この状況で冗談を言う余裕があるブーン。こっちみんな。
だが、実際には、そんな余裕は全く無かったのだ。
そう、これは自分で自分の心を解すための冗談。
( ∵)「……!」
どうやら、ブーンがおきたことに彼らは気づいたようだ。
だが、特に何をしようともせず、ただただブーンを運んでいく二人。
気がつけば、村らしきものが見え始めていた。
しえーん
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:41:31.65 ID:Ny11r4HdO
支援
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:41:52.07 ID:R9DNuZ/M0
. / / l | \ l l
/ l ハ / リ_ =-、‐-、 ヽ. | |
/ l! l/_ / :゚: :ヽ \ ヽ | l
/ j _ -= {: : ;;; : :ヽ ヽl.l |
/ / O ヽ ヽ:、: : :ノ} l' |
/ / /: : : : : :ヽ `- _ ノ l |
/ 〃 l: : : ;;;;; : : :l . : : :ヽ. |
/ { l:. 、: : : :ノ ノ 、 : : : : : ヽ l
l | ヽ _ / : : : : : ∨
l }
. l . : : : : : : : : . /
. l : . : : : : : : : : : /l
l : : : : : : : : : : ,、 /⌒ヽ⌒ヽ
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|ヽ `ー´ / /八 ヽ
l ` ー- _ _( __//. ヽ,, ,)
l |  ̄ ー──‐‐、‐‐ 丶1 八. !/
ヽ | / \ ζ, 八. jヽ
i 丿 、 j
| 八 |
| ! i 、 |
| i し " i '|
苺ましまろ
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1219977122/ ましまろスレはロリコンを歓迎いたします
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:44:33.48 ID:spx3wQqG0
村の入り口へ着いた。
ミ( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∴)( ∵)「……」
全く同じ顔をした男達が、一斉に飛び出してくる。
そして、そのままブーンの周りを囲み、村のはずれにあたる所へ連れて行った。
ブーンは手と絡み合った木を地面に頑丈に固定され、身動きが取れないと確認された後、放置された。
( ^ω^)「………」
全く、無用心な村だと、ブーンは思った。
彼は、いつでも抜け出せた。
袖にナイフを隠していたから、いつでも彼の自由を奪う憎たらしい縄を斬り、村を出ることができた。
( ^ω^)「でも……」
そう、彼の荷物は全てどこかへ持っていかれていた。
流石に何の持ち物も無しにこの樹海を出ることはできないであろう事を考えると、今は期ではない気がした。
だから、待った。期が訪れるのを。
遠くから見た感じでは、どうやらこの村は狩猟と採集、それに畑作を主とした、かなり安定した村のようだ。
畑作は大きくはないが、村の人口自体が少ないため、特に問題はないようだ。倉庫もあるようだ。
きっと、自分を捕まえた理由も、狩りの成果を見に来たときに危険だと判断したからだろうと彼は思った。
あまりにもする事がなく、呆然と空を見上げると、か細く、しかし美しく星が光っていた。
とても、暇な夜だった。
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:46:00.44 ID:FbyT5G0E0
しえん
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:47:15.21 ID:spx3wQqG0
…………
ブーンはいつの間にか眠っていたようだ。
彼が目を覚ますと、目の前には女性がいた。
川 ゚ -゚) 「………」
その女性はただ黙ってこちらを見つめていた。
髪は黒く、腰まであり、顔立ちは整っており、スタイルもよく、見かけはとても美しい。
ただ、その身なりは貧相で、麻布のシャツがスカートと合体したような、簡単なつくりの服を着ているだけであった。
( ^ω^)「(綺麗な人だおー……)」
そうブーンが彼女に見とれていると、彼女はブーンに語りかけてきた。
川 ゚ -゚) 「Are you our enemy?」
ブーンには彼女の言葉が分からなかった。
少し考えた末、ブーンは、首を傾げた。
彼女は、その行動で何となく意味を理解したようだった。
そして、手でジェスチャーをし始めた。
空を切るように、一つの円を描き、その下に、ごちゃごちゃと色々書いていく。
またしてもブーンは首を傾げた。
彼女は一つため息を吐いた。
それに少し苛立ちを覚えつつも、ブーンは黙って聞くことにした。
そして、彼女は、地面に絵を描き始めた。
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:47:16.55 ID:JnkyKaIQ0
支援
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:47:33.53 ID:Ny11r4HdO
支援
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:52:08.13 ID:spx3wQqG0
まず、簡単な円を描いた。
その中に、一人の顔を、そして、その下に、線を描いた。
いくつもいくつも、線を描いた。
それは、まるで植物の根っこのようだった。
その根っこ一本一本に、人の顔が描かれていた。
そして最後に、彼女は、一番下に『my』という記号を書いた。
その隣には、彼女にとても似た顔。
その図を全体的に見れば、上の方が丸や、顔が大きいのが分かる。
ブーンは、つまりこの図は力関係を現しているのだと思った。
彼女は、彼女の下に何人かの顔を描いた。
その全ての顔に、×をつけた。
そして、自分の横に魔物の口を連想させるものを描いた。
その口の横には、太陽が二つとと月が三つ。
まず、月を一つ消した。
次に、太陽を一つ消した。
また、月を一つ消した。
太陽を一つ消した。
月を一つ消した。
ブーンと彼女の顔を消した。
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:53:24.15 ID:FbyT5G0E0
支援
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:55:15.74 ID:spx3wQqG0
ブーンは、全てを理解した。
つまり、彼女は、生贄か何かにされてしまうのだ。
あの口のようなものが魔物だとすれば、生贄の線が濃い。
( ^ω^)「(丁度いいお……ふふふ、なんて運がいいのだろうかお)」
そうブーンは思った。
彼は元より父親の仇打ちで化け物を倒し、そのついでにお宝を頂くつもりだったのだ。
つまり、魔物の巣窟まで道案内されるというこの現状は、彼に取って夢にも思わない機会だったのだ。
彼は少しにやけた後、地面に描かれている口を、その足で踏み潰した。
( ^ω^)「魔物なんて、僕がぶっ潰してやるお!」
言葉が伝わらないということは分かっている。
それでも彼は、彼の意思を彼女に見せつけたのだ。
川 ゚ ー゚)「Oh……thank you……」
彼女が何か呟き、ブーンの目を見つめたかと思うと、すぐに踵を返し、その姿を闇へと埋めていった。
ブーンはその時、少し、彼女が笑っていたような気がした。
村が、少しずつ、闇から色を取り戻してきた。
支援
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:58:15.02 ID:spx3wQqG0
それから二日間、ブーンはかなり暇だった。
やる事といえば、専ら空を見上げる事。
それもまた、退屈であった。
そんなただ退屈な時間を、我慢し、我慢し、遂に二日たった。
既に、日は落ちかけていた。
ブーンは、彼女の代わりに生贄として連れて行かれるのであった。
ミ( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)「……。」
連れて来られたときと同じ、同じ顔をしたやつらが、ブーンを繋いでいる木を引っこ抜く。
そして、そのままある二人が肩に木を背負い、ブーンを担いでいった。
村が闇に染まりかけていた。
川 ゚ -゚) 「………。」
あぁ、この間来た女の子が影から見守っていてくれている。
しかし、本当に綺麗な子だなぁ……、しかも服装がエロいときた。
そういえば名前を聞いていなかったなあ、彼女、なんて名前なんだろう。
もしかしたら名前なんてないのかな。どうなんだろう。
故郷のみんなは元気にしているかな。ドクオは、どうしているんだろうか。
ブーンは連れて行かれている間、そんな事を、ずっと考えていた。
何度体が上下した事だろう。
既に日は落ち、月が地表を、森を妖しく照らしていた。
もう、半刻ほど上り坂を進んでいた。
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 14:58:27.46 ID:QDsGqPFq0
支援
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:00:42.58 ID:spx3wQqG0
急に、体が平衡を保った、そう思った瞬間、世界が90度回った。
ブーンと繋がられている木が、再びその先端を地面の中へ姿を消したのだ。
そして、その木が動きにくく、容易くは抜けない事を核確認すると、男達は去っていった。
夜風が身にしみる夜だった。
ブーンは、魔物が来るのを待った。
もしかしたら、魔物なんて居ないのかもしれない。
だが、何故かブーンは感じていた。ここには、居る、と。
暫くして、不意に、洞窟の奥から音がした。足音だ。
重量感溢れる、到底人とは思えない足音だ。
その闇の奥からは、二つの金色の輝きが、孤独に光っていた。
そして、遂に月光の中へ、姿を現した。
情報の通りの、まるで化け猫をさらに巨大化させたような姿をしていた。
───ロマネスク。
ブーンの両親を殺した、化け物、仇。
その両眼は、彼の父親がつけたであろう縦一文字がついていた。
( ^ω^)「遂に出会えたお……ロマネスク……ここであったが百年目だお……!」
既に、ブーンの思考はロマネスクを倒すことしか働いていなかった。
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:02:08.04 ID:6bKCNcS30
これはもしや……
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:04:31.72 ID:spx3wQqG0
( ФωФ) 「You are victim,aren't you? ……I don't think to kill you.
if you escape from here now,I'm not killing you.」
ロマネスクが、何かを喋った。
ブーンは理解できなかった。いや、しようともしなかった。
ブーンの頭の中には、ロマネスクを殺す方法がいくつか浮かんでいた。
ロマネスクがゆっくり近付いてきた。
ブーンは、あと一歩で、手が届く、そこまで近づけた。
そのギリギリの領域に、ロマネスクの足が入ってきたと共に、ブーンは動いた。
素早く縄を隠し持っていたナイフで斬り、そのまま逆手に持つ。
左を踏み出し、腰を回し、その勢いを持ってロマネスクの左目を引き裂く。
(#^ω^)「これは、とーちゃんの分だお!」
そう叫び、そのままナイフを順手に持ち、真下に振り落とす。
突然のことで、ロマネスクは油断していたようだ。好都合だった。
ロマネスクの右肩が、赤い花を咲かせた。
しかし、そんな事ではブーンの会心は終わらない。
そのままブーンは右足を踏み出し、ロマネスクの額、目と目の間を、右手を逆袈裟型に振り上げた。
(#^ω^)「これも、トーチャンの分だお!」
(#Ф/ωФ) 「whyyyyyyyyyyyyy!」
が、しかし、ブーンのナイフがロマネスクの体に届く前に、左からの強烈な衝撃によって、ブーンは宙を浮いた。
ロマネスクの右腕が、ブーンの腹に入っていた。
そして、そのまま壁へ叩きつけられた。
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:07:14.30 ID:spx3wQqG0
(#-ω-)「グフッ……うぅ……」
腹を叩きつけられたことで、肺に酸素が足りなくなっていた。
ブーンは、必至に酸素を補おうと、呻く。
腹は、先程の攻撃でいくらか抉られていた。
そのため、呻くたびに、神経を焼き切るような痛みがブーンを襲っていた。
( Ф/ωФ)「uh………」
しかし、それはロマネスクも同じである。
先程ブーンにやられた顔面の傷と、無理な状態からの攻撃により、ロマネスクも調子は宜しくなかった。
だが、やはり化け物。その強靭な精神を持って、未だ動けずにいるブーンに先制を仕掛けた。
両手を頭上に持ってくる、大振りな構え。
その隙を、ブーンは見逃さなかった。
足に仕込んでおいたナイフを取り出すと、最後の力を振り絞って、地面を蹴った。
(#^ω^)「これは、カーチャンの分だおおおおおおっ!」
素早くロマネスクの懐へと入り、その勢いを殺さずに、額へとナイフを突き立てる。
咄嗟の判断ができず、うろたえるロマネスク。
僅か1秒にも満たない間に、ロマネスクの額に、金属が生えた。
そしてそのまま、糸が切れたか人形ように、ロマネスクは動かなくなった。
(#^ω^)「はぁ、はぁ、はぁ………」
( ^ω^)「やった……やったお!僕は、やったお!」
ブーンは、既に満身創痍であったが、その苦痛よりも勝利の喜びの方が大きかった。
だが、それも僅かな間で、僅かに顔を出し始めた太陽を背に、彼の意識は闇へと落ちていった。
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:07:25.00 ID:JnkyKaIQ0
なんという・・・
支援
支援
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:10:15.49 ID:spx3wQqG0
気がつけば、辺りは真っ暗であった。
洞窟の入り口に、雲の間から僅かに姿を見せる月が反射する光が、優しく感じられた。
とりあえず、山から下りよう。
そう思い、頼りない足取りで、彼はゆっくりと山を下っていった。
何度太陽と月が入れ替わっただろう。
実際にはそこまで時間が経ったわけではないが、彼には永遠にも思えた。
覚束無い足取り、満身創痍の体で、蔦、草、倒木、行く手を阻むそれらを超えてきた。
( ω )「もう……限界だお……」
彼がそう思ったとき、遂に、彼の視界に村が見えてきた。
急に、足取りが軽くなったような気がした。
彼は、やや小走り気味に村へ駆けていくのであった。
(;^ω^)「おっ……着いたお」
彼が村の門前にたどり着いたとき、一人の男が気がついたようで、異国語で叫んでいた。
満足に動けない彼は、すぐに捕らえられてしまった。
捕らえらたと言っても、最初のように酷い扱いではない。
まず最初に、その村独特の治療をされ、危ないと思ったところは彼が口出し、とりあえずの処置を行った。
その後、倉庫のようなところで、扉には錠をされ、一応は出れなくなっていたが、三食の飯と水が支給された。
望んだものを分かりやすく図示すると、それも持ってきてくれた。時々違うものがあったりしたが。
悪くはない、待遇だった。
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:14:58.72 ID:spx3wQqG0
しかし、やはり彼は暇であった。
暇で暇で、しかし痛む体であまり激しい動きはできない。
手持ちにあるものは、ナイフ。
彼は、暇を紛らわすため、時々見に来る看守のような人に、やや太め、短めの木の棒を頼んだ。
それは、半刻もしないうちに届けられた。
それをナイフで巧みに削っていく。
( ^ω^)「できたお!」
一つの筒であったそれは、不恰好ながらも見事に最初に会った彼女の顔をしていた。
削り始めたときは太陽が明るく陽気に照らしていたが、完成したときには、月が怪しく光っていた。
何度それを繰り返したであろう。
最初に作ったものを見せると、看守らしき人は大いに感動して、一気に10本ほどそれを持ってきてくれた。
来る日も来る日も木を削るブーン。
それが暇を紛らわすのに一番で、且つブーンも楽しんでいた。
ナイフでナイフの模造を作ったり、男たちの顔をつくったりと、楽しんでいた。
洞窟で気がついてから、太陽と月が幾度も交差していた。
ついに、再び生贄の日がやってきた。
だが、村は、誰も生贄を出さなかった。
結局、その日、そして次の日、さらに次の日も、ロマネスクはやってこなかった。
ブーンは、村の勇者として称えられ、あの女性と誓い合った。
彼は、この村で一生を過ごそうと心に決めた。
とてもとても幸せな暮らしをした。
支援
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:17:17.36 ID:spx3wQqG0
ある日、といっても、ブーンが女性と誓い合った日からわずか二週間ほどであるが、事件は起きた。
村に、ロマネスクがやってきたのだ。
男達は、すぐに戦闘体制に入ろうとしたが、既に時は遅く、満足に戦える男は三、四人しかいなかった。
( Ф/ωФ)「whyyyyyyyyyyy!!!!」
ミ( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∴)( ∵)「ahhh--!」
右手で払う。村人が五人ほど飛んで行った。
左手で払う。家が崩壊した。
走る。何人もの村人が、地面に赤い花を咲かせた。
( ∵)ミ( ∴)ミ( ∵)ミ( ∴)ミ( ∵)ミ( ∴)ミ( ∵)ミ「ahhhhh---!」
逃げまとう村人達。
襲い掛かる恐怖。
そして、遂にその恐怖は、ブーンたちの住む家の前までやってきた。
ブーンは裕福な暮らしをし、ブクブクと太っていた。
すでに、あの時のように戦える状態ではなかった。
(;^ω^)「お、お前は……なんで生きているんだお!」
( Ф/ωФ)「……whyyyyyyyyyyyy!!!!」
(;^ω^)「や、止めるおおおおおおっ!」
ロマネスクの、怒りを込めた、会心の一撃。
ブーンの家は、容易く崩壊した。
言うまでもなく、村はほぼ全滅した。
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:19:11.26 ID:spx3wQqG0
その後、村を滅ぼしたロマネスクは、元の洞窟へと帰っていった。
彼は、既にブーンとの戦いで満身創痍、その傷はほとんど治っておらず、まともな治療もしていなかった。
薄れ行く、ロマネスクの意識。
( Ф/ωФ)「………。」
化け猫は、洞窟の中で、父親の事を思いながら、静かに事切れた。
( ^ω^)ブーンとビコーズ村の魔物のようです。 終わり
( ФωФ) ロマネスクは優しい化け猫のようですに、続く(かもしれない)
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:19:17.15 ID:6dAuLu6RO
なんだと
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:22:27.86 ID:spx3wQqG0
はい、今作品はここまでです。No19という題材でしたが、どうでしたか?
まだまだ未熟な私ですが、まぁ多めに見てやってください。
あれ?これなんでこんなんなんだよwwwwって思った方、本日(たぶん)もう一作品投下しますので、そちらを見てから何か言ってやってくださいな。
今作品はNo19,No14を合併して作っております。とりあえずブーン視点でしたので、No19という事で。
次は、ロマネスク視点で行きますね。
感想批評他ありましたら、後ほどorしたらばにでもお願いいたします。
じゃあ、他の人、せいぜいがんばりなさいよ。
べ、べつに応援とか心配とかそんなんじゃないんだからねっ!
乙。なんというオチ。
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:24:52.03 ID:6dAuLu6RO
乙!
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:27:14.61 ID:FbyT5G0E0
おつ!
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 15:30:44.37 ID:s9GP7+3e0
ロマネスク視点のもあるのか・・・楽しみwktk!
おもしろかった乙!
保守
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 16:00:18.14 ID:6pMV7RN10
ほ
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 16:16:49.64 ID:FbyT5G0E0
ホ
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 16:25:30.92 ID:rMB6HfHW0
ほし
ほす
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 16:43:46.31 ID:6bKCNcS30
ほっしゅー
投下ラッシュは夜からかなー?
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 16:48:25.83 ID:6dAuLu6RO
ホラー祭最終日よりも凄いことになりそうな予感
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 17:12:01.14 ID:1w/Qp6Z70
保守
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 17:18:07.07 ID:6bKCNcS30
>>334 ホラー祭ってそんなにすごかったの?
見てなかったからわかんないわー
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 17:18:49.32 ID:Mn4UL7ui0
一本書けました保守
さあ後一本書けるかどうか、勝負だ
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 17:27:53.79 ID:KN4cKSzd0
ほ
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 17:30:12.20 ID:TRLaiDBU0
よむほ
>>336 一晩で十五個ぐらいの関連スレが建ったから、ちょっとカオスなことになったw
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 18:12:57.55 ID:rKJw8wFIO
投下するよー\(^o^)/
お題:No 41
从 ゚∀从空の向こうへのようです
342 :
41 从 ゚∀从空の向こうへのようです:2008/08/29(金) 18:14:53.40 ID:rKJw8wFIO
从 ゚∀从「だから、俺を信じろって」
ハインはそう明るく告げると振り返って笑みを見せた。
誰もいない格納庫。
ハインの愛機の前に2人はいた。
視界の右半分にある窓からは黒い海が見える。
宇宙海賊VIPPERSのエースパイロットである彼女。
対するジョルジュは整備士であり、実際には彼女を止める権限なぞ無かった。
从 ゚∀从「なんでそんなに信用しねえんだよ」
( ゚∀゚)「お前は無茶をする傾向にあるからだよ」
溜め息混じりにジョルジュは返す。
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 18:15:08.19 ID:rMB6HfHW0
支援
344 :
41 从 ゚∀从空の向こうへのようです:2008/08/29(金) 18:16:58.84 ID:rKJw8wFIO
( ゚∀゚)「護衛も無しに1人で敵要塞のエネルギー炉爆破?出来るわけねえよ」
从 ゚∀从「でもステルス機能は完璧なんだろ?」
( ゚∀゚)「理論上はな。実際にはコンピューターシュミレーションほど上手くは飛べない。
どうしたって磁気の乱れに引っかかって見つかるよ」
从 ゚∀从「だからお前が整備してくれたら俺はシュミレーションなんかよりずっと上手く飛べるよ」
そうだろう?
そう言って彼女はまた自信ありげに笑う。
右手を斜め上に、左手を斜め下に。
彼女は手を広げ、くるっと半回転してジョルジュに背を向けた。
从 ゚∀从「お前が整備してくれたらこの体より俺の思い通りに動くだろ?」
広げた手をそのまま伸ばして愛機に触れながらハインは問うた。
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 18:17:36.98 ID:LWtfZalwO
シミュレーション支援
346 :
41 从 ゚∀从空の向こうへのようです:2008/08/29(金) 18:20:43.22 ID:rKJw8wFIO
>>345 あぁぁぁぁぁあorz
>>344訂正
( ゚∀゚)「護衛も無しに1人で敵要塞のエネルギー炉爆破?出来るわけねえよ」
从 ゚∀从「でもステルス機能は完璧なんだろ?」
( ゚∀゚)「理論上はな。実際にはコンピューターシミュレーションほど上手くは飛べない。
どうしたって磁気の乱れに引っかかって見つかるよ」
从 ゚∀从「だからお前が整備してくれたら俺はシミュレーションなんかよりずっと上手く飛べるよ」
そうだろう?
そう言って彼女はまた自信ありげに笑う。
右手を斜め上に、左手を斜め下に。
彼女は手を広げ、くるっと半回転してジョルジュに背を向けた。
从 ゚∀从「お前が整備してくれたらこの体より俺の思い通りに動くだろ?」
広げた手をそのまま伸ばして愛機に触れながらハインは問うた。
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 18:22:34.17 ID:LpzucgtYO
ドンマイ支援
348 :
41 从 ゚∀从空の向こうへのようです:2008/08/29(金) 18:22:47.56 ID:rKJw8wFIO
( ゚∀゚)「いくらお前でも危ない」
実際ハインの力量ならシミュレーションと同等、もしくはそれ以上に飛べる可能性は充分あった。
だが、所詮は「可能性が充分ある」だけ。
確実ではない。
( ゚∀゚)「俺はそんな危険な任務に行かせるために整備するんじゃない」
从 ゚∀从「お前の整備で俺が飛べば危険なんて無いさ」
後ろを向いたまま明るい声で言う。
( ゚∀゚)「それでも危険がある任務だから止めてるんだ」
「なぁジョルジュ」
ハインはジョルジュに向き直って笑う。
从 ゚∀从「俺が行かなきゃ誰が行く?」
ジョルジュは黙って俯いた。
349 :
41 从 ゚∀从空の向こうへのようです:2008/08/29(金) 18:25:18.71 ID:rKJw8wFIO
誰かが行かなければならない任務であることは確かだった。
政府軍との戦闘で疲弊したVIPPERSを狙って来る、という情報が入ったのは数時間前。
今戦闘を行えば大敗を喫して最悪全滅することは確実だった。
幹部が下したのは、単機の隠密行動による敵母船の破壊。
開発されたばかりの完全ステルスとハインの技術に頼りきった作戦だった。
その任務に指名されたのは、エースパイロットのハイン。
誰にも負けず、任務は全て完遂。
撃墜数もダントツ。
彼女が一人称を「俺」に変えたのはいつだったか。
少女は覚悟を決めて戦闘機に乗った瞬間からずっと、女ではなく戦士であり船員だった。
明朗で決断の速い、最強の。
( ゚∀゚)「でも危険なんだ」
350 :
41 从 ゚∀从空の向こうへのようです:2008/08/29(金) 18:27:47.97 ID:rKJw8wFIO
从 ゚∀从「でも俺は行くよ」
そして決めたことは曲げない。
信念は貫く。
エースパイロットである責任は、誰より危険でも怯まないこと。
危険な任務でも必ず全うすること。
从 ゚∀从「俺を信じて待っててよ。必ず戻るから」
―――お前を行かせたく無いんだ
―――お前が危険なのは嫌なんだ
ジョルジュは言葉を喉の奥でひねりつぶした。
彼女の覚悟に傷を付ける権利なぞ無い。
ただの整備士のジョルジュには無い。
351 :
41 从 ゚∀从空の向こうへのようです:2008/08/29(金) 18:29:31.46 ID:rKJw8wFIO
一つ息を吐いて言った。
( ゚∀゚)「最高の状態に整備してやるよ」
从 ゚∀从「ありがとうジョルジュ」
彼女は飛びきりの笑みを見せると窓の外に目をやった。
ジョルジュもつられて右を向く。
ハインは漆黒が広がるだけなのに何かが眩しいかのように手をかざす。
从 ゚∀从「必ず戻ってくるよ。俺は、エースだから」
ジョルジュはハインに触れることも、言葉を返すことも出来ずに漆黒の空間を眺めていた。
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 18:32:00.33 ID:rKJw8wFIO
終わりだよー\(^o^)/
読んでくださった方々支援してくださった皆様本当にありがとうございました。
素敵な絵を描いてくださったNo.41の絵描きさんありがとうございます。
誤字しちゃって大変恥ずかしいよー\(^o^)/
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 18:32:19.49 ID:85Wpzy0GO
支援支援
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 18:34:09.37 ID:6dAuLu6RO
乙だぜ!!
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 18:37:59.18 ID:LWtfZalwO
乙
誤字は気にすんな!
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 18:56:36.32 ID:h0yjeXuMO
おはよう、思ったより伸びてないな
ほすーん
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:10:31.66 ID:LpzucgtYO
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:15:35.46 ID:aWbk033j0
No.120で13レス行っきまーす
間隔どれくらい空ければいいかな?
361 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 1/13:2008/08/29(金) 19:18:04.25 ID:aWbk033j0
─── 9月上旬 5時限目 屋上 ───
昇降口から足音が響いてくる。
10分ほど前に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴って以来の騒音だ。
やがて足音の主は屋上に飛び出してきて、僕を見ると呆れたように言った。
(;´_ゝ`)「ゼェ……ゼェ……… やっぱりここだったか……」
( ・∀・)ノ「やあ、学級委員長サマ。
せっかくエレベーター付いてるのに階段で駆け上がってくるとは、ご苦労様だねえ」
( ´_ゝ`)「うるさい。エレベーターの生徒の使用は厳禁だ」
( ・∀・)「相変わらず妙なところで真面目なんだから。どうせ授業時間中だし誰も見てないよ?」
( ´_ゝ`)「そういう問題じゃない」
チーン、と古臭い音がして、エレベーターのドアが開く。
中から出てくるのは、目の前で息を整えているのとほぼ同じ顔。
(´<_` )「お、やっぱりここだったか」
( ・∀・)「……副委員長サマは違う考えをお持ちのようだけど?」
(#´_ゝ`)「弟者! エレベーターの生徒の使用は厳禁だ!」
(´<_` )「階段を使ったのに俺より早いとは流石だな、兄者」
(#´_ゝ`)「話を聞け!!」
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:19:22.28 ID:h0yjeXuMO
とりあえず誰かのレスはさみつつ投下すればいいと思う支援
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:19:46.76 ID:k7cjWWs1O
支援
364 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 2/13:2008/08/29(金) 19:20:13.41 ID:aWbk033j0
(´<_` )「そんなことよりモララー、さっさと観念してもらえるか?」
( ・∀・)「教室に戻っても寝てるだけなら、居ないのと変わらなくないかい?」
(#´_ゝ`)「そんなこと……? 校則をそんなこと扱いするのか!」
(´<_` )「出し物案は一応クラスの総意という建前だからな。サボりが居る状態だといつまでも決定できん。
それと兄者、うちの50年前に作られた校則にはエレベーターなんて文明の利器は登場しない」
( ・∀・)「仕方ないなあ、キミ達のために戻ってあげようか」
(#´_ゝ`)「揚げ足を取るな! 生徒会規則も守るべきであるという点においては変わらん!」
(´<_` )「よし、ではさっさと教室に戻ろう。どうせうちのクラスの文化祭実行委員殿がお怒りだ」
( ・∀・)「あー、妹さんの方は真面目だからねえ。もう少しのんびりしたかったなあ」
(#´_ゝ`)「貴様ら! エレベーターの使用は許さんぞ!」
ああ、楽しい。
C
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:23:47.17 ID:h0yjeXuMO
支援
─── 教室 ───
僕より20cmほど低い位置にある小さな顔。
睨みつけてさえいなければ、上目遣いも加わって可愛いと思うのに。
ところで怒ってても口角が上がってるのは、一種の才能かな?
(#゚ー゚)「それで? どうしてこんなに遅れたのかな?」
( ・∀・)「兄者によって階段を使うことを強制されたからです」
(#゚ー゚)「私が聞いてるのはそこじゃないって分かってるよね?」
(*゚∀゚)「もういいじゃん、しぃ。戻ってきたんだしさ。
どーせモララーにそーゆーこと言っても効果無いって知ってるっしょ?」
フォローしてくれてるのか微妙な言い草は、ニヤけているような笑顔の女の子。
委員長達と違って、こっちは二卵生双生児だろうなあ。
それでも顔は似てるしどっちも可愛いし口角上がってるし。
恐るべし双子。
(#゚ー゚)「あーもー! お姉ちゃんは甘すぎるよ!
今年は学校創立50周年の記念すべき文化祭なんだよ!
なのに────
(*゚∀゚)「さて、モララー。何かてきとーな案無い?
毎度のことだけどみんな恥ずかしがっちゃってさー。
実質的に提出できそうな案がないんだよねえ」
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:25:11.88 ID:h0yjeXuMO
支援
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:25:32.02 ID:spx3wQqG0
大体2分〜3分かな。
2分でやったら一回猿っちゃったけど^^;
( ・∀・)「『恥ずかしがっちゃって』?
うちのクラスってもっと元気だったと思うんだけど」
騒ぎたいだけのような奴らでも、こういう時は役に立つ。
身内しか笑わないウケ狙いが多少は入るにせよ、2つ3つは意見を出してくれる。
と思っていたんだけど。
(*゚∀゚)「キムチの歴史展がお望み?」
<ヽ`∀´> ←どう考えても提案者
( ・∀・)「ああー、なるほど」
あながち予想が外れていたわけでもないけど、ウケ狙いが行きすぎちゃったわけか。
いや、提案者は本気なんだろうけど。
(*゚∀゚)「元気な奴らはぜーんぶ面白がって乗っかっちゃってさ。
モララーが先頭に立って企画から展示に客集めまで頑張ってくれるんならやるけど?」
(;・∀・)「いや、それは勘弁願いたいなあ。
ってか客集める必要あったっけ?」
(*゚∀゚)「出し物の体を成すぐらいにはね。
最低500人くらいかなー」
(;・∀・)「軽く言うけどそれってまともな出し物でもなかなかキツくない?
ましてやそんなフザけた出し物で…」
<#`A´> 「ファビョーン! 半島の誇りをフザけたものとは何事ニダ!」
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:29:28.90 ID:h0yjeXuMO
支援
372 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 5/13:2008/08/29(金) 19:30:06.21 ID:aWbk033j0
ああ、失言。
ついうっかり心の声が出てしまった。
( ・∀・)「あー、ごめん、ニダー。キムチを馬鹿にしたわけじゃないんだ。
僕みたいな奴が先頭に立ってやっても偉大な歴史を汚すだけだと思ってさ。
きっとそんなもんニダーが見たらふざけた出し物だと思うだろ?」
<ヽ`∀´>「そういうことならその通りニダ。
次からはもっと誤解されにくいように言えニダ」
( ・∀・)「分かった、気を付ける」
(*゚∀゚)「よく口が回るねえ」コソコソ
( ・∀・)「キミに言われたくないなあ」コソコソ
(#゚ー゚)「お姉ちゃんも一緒になって何コソコソ話してるの!?
モララー君はさっさと出し物の案を考えて!」
あれ、何で考えるの強制されてるんだろう?
まあ、サボりのペナルティだと思えばいいか。
(;・∀・)「あーはいはい、喫茶店とかどう?」
(;゚ー゚) 「え? あ、うん。いいんじゃないかな」
( ・∀・)「あ、いいの? じゃ、おやすみー」
(;゚ー゚) 「あ、ちょっと!」
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:31:10.55 ID:rMB6HfHW0
支援
374 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 6/13:2008/08/29(金) 19:33:24.48 ID:aWbk033j0
─── 放課後 ───
(´<_` )「モララー、起きろ」
( -∀-)「んう?」
(;´_ゝ`)「まさか本当に寝るとはな」
何時から寝てたんだっけ。頭が回らない。
寝起きだから仕方ないんだけど。あ、そうだ。
( -∀・)「……話し合いは?」
(´<_` )「とっくに終わった。多数決で喫茶店に決まったぞ」
( -∀・)「んー…… みんな単純だねえ……」
(´<_` )「キムチでなければ何でも良かったんだろうな」
( -∀-)「ぐふう」
(;´_ゝ`)「寝るな寝るな。他人事みたいな言い方だが、お前も巻き込み済みだぞ」
え?
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:34:44.73 ID:n3WAHiU8O
支援だっちゃ
376 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 7/13:2008/08/29(金) 19:36:50.57 ID:aWbk033j0
(´<_` )「つーによると、提案者には先頭に立って文化祭を盛り上げ、成功させる義務があるそうだ」
(;・∀・)「え?」
( ´_ゝ`)「俺らも実行委員の姉妹も、雑務やら会議やらでなかなか忙しいんだ。
少なくとも準備期間中の実質的なリーダーはお前だな」
ああ、やられた。
(;-∀-)「サボった時点で決定されてたんだろうなあ。
屋上なんか行かなきゃ良かった。
いや、サボらなかったら無事だったって保証も無いか」
(´<_` )「つーのことだからな。お前はそれなりにリーダーシップもあるし、
何だかんだで真面目だし、目をつけられていたのは間違いないだろう」
(;・∀・)「あーあ。仕方ないなあ。手が空いたら手伝ってよ?」
( ´_ゝ`)「うむ、それは約束しよう」
まあ、こんな風に忙しくなるのもいい。
それに何だか、楽しくなりそうだし。
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:40:25.35 ID:LpzucgtYO
真面目兄者支援
378 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 8/13:2008/08/29(金) 19:40:32.50 ID:aWbk033j0
─── 10月下旬 文化祭当日 教室 ───
そこからの2ヶ月はものすごく忙しかった気がする。
教室内の装飾、メニューの企画、役割の振り分け、etc
とにかく何でもかんでもリーダーが中心。
溜まった疲労もとんでもないけど、全てが今日報われる ……はず。
(´<_`;)「終わった……」
(;´_ゝ`)「やっと終わった……」
(;・∀・)「なかなかギリギリだったねえ」
(*゚∀゚)「ま、とにかく 準 備 完 了 ! 」
「ヒャッホー」だの「疲れた」だの一気に沸き立つクラスメイト。
でも、今までリーダーやってきたのに他の人にまとめられるのは腹が立つ。
( ・∀・)「はいはいはい、落ち着いてね。
今終わったのは準備。本番はこれから」
一旦鎮める。みんなちょっと不満そうな顔。
まあまあ、そんな目で見ないでよ。
僕もこれで終わるほど空気読めなくはないつもりだからさ。
(*・∀・)「じゃ、楽しんでいきましょー!」
「「「「「オー!」」」」」
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:41:52.99 ID:h0yjeXuMO
おもすれー保守
380 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 9/13:2008/08/29(金) 19:43:56.96 ID:aWbk033j0
店員役は女子の役割だから、男子である僕は必然的に裏方だ。
ようするに、コーヒーだの紅茶だのナポリタンだのオムライスだのを作る役。
仕事場は、調理場として区分けされた教室の一画。だったはずなんだけど。
予想以上の大盛況。さらにみんなの認識はリーダー=雑用。
教室中どころか学校外まで走らされて、開店から3時間ほどでヘトヘトになってしまった。
たまらずそこらの椅子を引き寄せて休憩を取る。
(;-∀-)「これは死ねる」
(*゚ー゚)「お疲れ様。はい、お水」
(;・∀・)「ありがとう。でも、ここに居ていいの?」
(*゚ー゚)「お昼時も過ぎたし、一段落ってとこじゃないかな。
私も休憩入れないと倒れそうだし」
( ・∀・)「……視線で呪い殺されそうだなあ」
(*゚ー゚)「え?」
381 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 10/13:2008/08/29(金) 19:47:28.81 ID:aWbk033j0
( ・∀・)「ほら、客の半分くらいはしぃにつられて入ってきただけだからさ。
みんなこっち睨んでる」
ついでに言うと、残りの半分はつー目当てだろう。
高校生が作るものを好き好んで食べに来る人なんて、そうはいない。
(*゚ー゚)「もー、そんなことないって」
冗談だと受け取られたらしい。
自分の可愛さを自覚してないのかなあ。
自覚してないところがまたいいんだろうけど。
(*゚ー゚)「そんなことよりさ、さっき女の子達で話してたんだけど」
( ・∀・)「ん、何?」
(*゚ー゚)「モララー君、今日まで頑張ってくれたし、ここからは遊んできたら?」
( ・∀・)「え?」
(*゚ー゚)「もう一番忙しい時間帯は過ぎただろうし、リーダーへのご褒美ってことで」
(;・∀・)「いいの?」
(*゚ー゚)「いいのいいの」
( ・∀・)「じゃあお言葉に甘えようかな」
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:47:38.46 ID:rMB6HfHW0
支援
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 19:49:04.14 ID:6dAuLu6RO
しえしえ
384 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 11/13:2008/08/29(金) 19:50:16.11 ID:aWbk033j0
休憩に使っていた椅子を元の場所に戻すと、ドアに向かって歩き出す。
すると、調理場から怒声が響いてきた。
<おいコラリーダー、どこ行ってんだ!
(・∀・ )「リーダー特権で遊んでくる!」
<ふっざけんな!
(・∀・ )「じゃーなー!」
<あの野郎、とっ捕まえてやる!
(゚∀゚*)「ちょっと調理場、オムライスまだかい!?」
<うっ、あと1分! 1分待って!
(゚∀゚*)「おっそいなー! お客さん帰っちゃうよ!」
( ・∀・)「ありがとう」
(*゚∀゚)「気にしない気にしない。いってらっしゃい♪」
( ・∀・)「うん、行ってきます」
385 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 12/13:2008/08/29(金) 19:53:55.07 ID:aWbk033j0
─── 屋上 ───
夕日を眺めていると、チーン、と古臭い音が鳴った。
完璧に重なった2つの足音は、振り向かなくても誰のものか分かった。
( ・∀・)「エレベーター使っていいの?」
( ´_ゝ`)「今日は疲れてるからな。特別だ」
( ・∀・)「店は?」
(´<_` )「閉店直前まで大盛況だった」
( ・∀・)「それは良かった」
( ´_ゝ`)「それにしても、何もこんな日まで屋上に居ることはないだろうに」
( ・∀・)「遊び始めて2時間くらいで全部回っちゃってさ。
そこからずっと暇で暇で」
(´<_` )「寂しかったか?」
え?
( ´_ゝ`)「文化祭に来ていたのはカップルやグループばっかりだったからな。
1人で回るのは寂しかったんじゃないのか?」
図星だった。でも、認めたくなかった。
認めてしまったら、みんなの気遣いを否定してしまう気がして。
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:01:26.34 ID:6dAuLu6RO
支援
387 :
( ・∀・)充実した高校生活のようです 13/13:2008/08/29(金) 20:02:40.84 ID:aWbk033j0
(´<_` )「みんなお前を見送った後で気付いてな。
つーも珍しく顔をしかめていた」
( ・∀・)「うん、今日はずっと教室に居た方が楽しかったかもしれない」
( ´_ゝ`)「そうか……」
それでも、
( ・∀・)「でも、気遣ってもらって嬉しかった。
相殺してお釣りが来るほどね」
気付いたんだ。
結果は逆効果だったかもしれない。
けど、気遣ってもらったことは否定しなくていい。
気遣ってくれるような友達に、囲まれていたことにこそ価値がある。
(´<_` )「……クサいぞ」
( ・∀・)「自覚してる」
( ´_ゝ`)「よし、帰るか。打ち上げだ」
( ・∀・)「うん、そうだね」
ずっとみんなが一緒に居られるなんて思わない。
でも、『みんなで居られる時間が、少しでも長く続きますように』。
柄にもない呟きは前を歩く2人にも聞こえていたはずだけど、
2人とも聞こえない振りをしてくれた。
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:08:07.13 ID:h0yjeXuMO
乙!
男の友情ってやつだな
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:11:05.77 ID:aWbk033j0
最後の最後にさるった
書き込みが無いのは読んでくれてるからだと思い込んでやる!
支援してくれた方々、ありがとうございました
投下するの初めてなもんで、支援ついただけで嬉しかった
ずーっと心臓バクバク腕ガクガク
緊張したー
書き上げたばっかで後書きまで頭回ってなかった
まとまりの無い後書きだけど許せ
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:11:12.69 ID:6dAuLu6RO
乙ー!
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:15:07.76 ID:LpzucgtYO
乙!!
面白かったぜ!!
俺、書いてるうちにどんどん話が膨らんでって量が…アッー
乙!
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:15:36.16 ID:ya3z5UGl0
乙っす
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:16:38.32 ID:5Xgbsv/i0
乙ー
ところで、ラノベ祭りっていつまで投下有効?
>>394 説明ページ見ると29日までになってるけど、実際どうするんだろうね?
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:30:58.42 ID:h0yjeXuMO
その辺曖昧だから早いに越した事はないぞ
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:34:15.19 ID:LpzucgtYO
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:36:59.19 ID:TEs3A3uj0
やばいまだ書けてない…これで投下しなかったら絵師さん凹むんだろうな…
投下しちゃうよ、No47で投下しちゃうよ
丁度20レスぐらい投下しちゃうよー
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:38:23.09 ID:rMB6HfHW0
よかろう支援だ
【出会い】とは突然やってくる。
何年、何月、何日、何曜日、地球が何回廻った日。
【人生】という長くも短くも感じる日数の中で、たった一瞬の出来事。
ξ´凵M)ξ「ふぁー……朝はどうしてこんなに眠いのかしら……」
( ^ω^)「ツン、起きてるかお? 今から始業式が始まるお」
ξ´凵M)ξ「ねーむーいーわー」
( ^ω^)「今日は昼ごろに帰れるからそれまで我慢だお」
('A`)「ブーン、先生が呼んでるぞーって何ひっそりとラブラブフラグ育ててんだよ」
ξ゚听)ξ「ブーン、そこの失礼で小汚いブ男は何なのよ?」
('A`)「おい、この初対面に対して罵倒を浴びせてきたドリル女は何なんだよ?」
(;^ω^)「どっちも失礼だお。コレは僕の友達のドクオだお。
中学校時代からの腐れ縁ってやつだお」
('A`)「お前も何気に失礼だよな……あ、ドクオって言います」
ξ゚听)ξ「初めまして、ツンデレよ。宜しくお願いするわ」
どんな容姿なのか、どんな性格なのか。
気の合う人なのか、合わない人なのか。
一生を共にしていく人なのか、心の大きな傷になる人なのか。
川 ゚ -゚)「遅いぞドクオ、何をしていた?」
('A`)「お前こそ何してるんだよ、先に行っててくれって言ったろ」
川 ゚ -゚)「周りは知らない者ばかりだ、顔見知りのお前がいないと不安でな。
ところで、連れの二人は誰だ? 初めて見る顔だが……」
( ^ω^)「僕は内藤ホライズンって言いますお!
気軽にブーンって呼んでくれても構わないお!」
ξ゚听)ξ「ツンデレよ、宜しくお願いするわ」
('A`)「ブーンは中学校時代からの友人で、ツンデレさんはさっき知り合ったばかりなんだ」
ξ゚听)ξ「さん付はいらないわ、”ツン”って呼んでくれて構わないわよ」
川 ゚ -゚)「私の名前は素直クール、こいつの幼馴染だが、
神を崇め讃えるが如く”クー様”と呼びたまえ凡愚共」
('A`)「初っ端から軽い冗談を飛ばせるようになったか……クーも成長したな」
(;^ω^)「これで軽いのかお……恐ろしい子!」
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:40:56.68 ID:TEs3A3uj0
支援
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:41:18.70 ID:s9GP7+3e0
3日経ってスレが落ちるまでは大丈夫なんじゃないかな?
>>389 亀だけど乙!読みやすかった
イラストからして兄者が屋上から落ちるんじゃないかとヒヤヒヤしたw
支援
そして、出会いがあれば、別れも当然やってくる。
だけど、もしお互いが忘れていなければ、お互いが生きていれば
【再会】する可能性は必ずあるものだ。
( ´∀`)「──で、あるようにうんたらなんたら……」
ξ;゚听)ξ(ヤバい……校長の話が猛烈につまらなさすぎて眠いわ……)
トントン
ξ゚听)ξ(? 誰よ、背中を突いたの?)
从 ゚∀从σ「あー、やっぱりツンじゃねえか」
ξ゚听)ξ「えっと……貴方の顔、どこかで見たような」
从 ゚∀从「おいおい、俺様の顔を忘れたのかよ、ミセスドリラー・ツンデレ君」
ξ;゚听)ξ「……思い出したわ。その不名誉なあだ名を、
しつこく半年も呼び続けたハインリッヒ高岡ね……」
从;゚д从「ヒャヒャヒャ、しかし小学校以来だよnモルスァ?!!?1」
ξ;゚д゚)ξ「ハ、ハイン?! どしtギエピー?!!11」
( ´∀`)つ「急所は外しておきました、今後とも私語は慎むように……」
(;'A`)(隣が悲惨なことになってる件……てか校長どこから現れた?)
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:43:44.17 ID:rMB6HfHW0
支援
これから三年にわたる高校生活。
最高の時間を送れるか、はたして真逆の時間を送るはめになるのか。
それはまだまだわからないけれど
スタート地点である始業式に、
私に素晴らしい【出会い】が一度に訪れた──。
ξ゚听)ξ川 ゚ -゚)从 ゚∀从三人+α('A`)^ω^)は仲良しのようです
ξ゚听)ξ「どう? 届きそう?」
川 ゚ -゚)「むぅ……もう少しなのだが、やはり届かん」
あの日から数か月が経ち、今は夏真っ盛り。
外は太陽の光が降り注ぎ、セミは一週間という寿命を駆使して鳴いている。
そんな中、私達は教室の天井とにらめっこをしている。
川 ゚ -゚)「どっこいしょういちっと。思ったより高くて、肩車では届かないな」
( ^ω^)「やっぱり、ドクオを待ったほうがよくないかお?」
从 ゚∀从「何言ってやがる、脚立を取りに行かせてる間に、蛍光灯を取り替えてみろよ?」
あいつ絶対しょぼくれるぜwwwwwwwww」
( ^ω^)「そして皆でプギャーm9(^Д^)ですね、わかります」
ξ゚听)ξ「あんたら本当に外道ね……まあ、それはそれで面白いけど
でも届かなきゃ変えられないし、これじゃあ体力の無駄よ」
川 ゚ -゚)「この際、ブーンに頼るしか他ないのか」
从 ゚∀从「ねーよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
こんなピザに乗っかりたくもねえよwwwwwwwwwww」
lli&「シクシク……」
ξ゚听)ξ「ちょっと、隅っこでメソメソ拗ねないでよ、気持ち悪い」
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:49:27.94 ID:rMB6HfHW0
支援
从 ゚∀从「しょうがねえなぁ、ここは俺が一肌脱いでやるか」
(*^ω^)「脱ぐのかお! これはみなぎってきたおwwwwwwwwww」
ノ
ヽξ#゚听)ξ┌┛)゚ω゚(○ニ从∀゚#从
グシャッ! メメタァ!
从#゚∀从「そうじゃぁねえよ! この俺様も手伝ってやるって意味だ!!」
ξ#゚听)ξ「死ね! 氏ねじゃなくて死ね!!!」
|゚ω゚|「あばばばばば……」
川 ゚ -゚)「ハハ、見ろ。ブーンがバケツのようだ」
ξ゚听)ξ「で、手伝うって具体的にどうするのよ?」
从 ゚∀从「フフン、まずはさっきみたいに普通に肩車をしてみてくれ」
ξ゚听)ξ「またー? しょうがないわね……」
川ノ゚ -゚)ノ「よっこらセックス、と」
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:52:21.31 ID:LpzucgtYO
支援
ξ゚听)ξ「で、次はどうするのよ?」
川 ゚ -゚)「早くしてくれ、ツンのダイコンフットといえども、そう長くは持たんぞ」
ξ゚听)ξ「ちょっと待て、今ダイコンって言ったよな? 言ったよな?」
川 ゚ -゚)「空耳だろう、気にするな」
从 ゚∀从「よーし、そのままじっとしてろよ」
ガタガタ
ξ゚听)ξ「ひょっとして、椅子に乗れって事なの?」
从 ゚∀从「それじゃあ、俺がいなくても、大丈夫、だろっ、と」
从 ゚∀从「クー、少し辛抱しろよ?」
川 ゚ -゚)「うむ、分かった」
ξ゚听)ξ「ちょ、あんたら何やってるの」
('A`)「おーい、持ってきたぞー」
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:53:23.84 ID:rMB6HfHW0
支援
('A`)「……ブーンさんブーンさん、俺に今北産業を」
( ^ω^)「ドクオに脚立を持ってこさせる
その間に蛍光灯を変える
ドクオざまぁwwwwwwwwwwwwプギャーm9(^Д^)」
('A`)「俺の事はいいの、てか危うくプギャーされるところだったのかよ……。
とにかくこのトーテムポールは何なの?」
( ^ω^)「蛍光灯を変えようと肩車したらこうなったんだお」
('A`)っ】「無茶しやがって……とりあえず、写メに撮って保存しておくか」
( ^ω^)っ】「おっおっ、ブーンもそうするお」
<从 ゚∀从>
| |
o川 ゚ -゚)o
| |
oξ#゚听)ξo「撮るなああああああああああああああ!!!!!1111」
| |
< ̄ >
パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ
パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ
( )】 【( )
/ /┘ . └\ \
ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 20:59:04.36 ID:aWbk033j0
支援
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:00:20.15 ID:h0yjeXuMO
あー絵のシーンか
こう再現するとは
从 ゚∀从「これはいい眺めだなwwwwwwwwwwwwwww」
ξ#゚听)ξ「わかったから早く降りろおおおおおおおお!!!」
川 ゚ -゚)「大丈夫、ツンのダイコンレグスなら後五分は持ちこたえれる」
ξ#゚听)ξ「てめえええええ、今ダイコンって言ったな?! 絶対言ったな!!!!!!」
('A`)「しかし、よく支えてられるな……」
( ´∀`)「これはツンデレ君のバランス感覚が突出してるからこそ、成せる荒技だよ」
ξ#゚听)ξ「解説してないで助けろおおおおお!!!
つか校長どこから現れたあああああああああ!!!!」
( ^ω^)「ところでハイン。替えの蛍光灯なんだけど、目の前の机の上にあるお」
从 ゚∀从ゞ「やっべー忘れてた。テヘッ☆」
ξ#゚听)ξ「テヘッ☆じゃねぇぇぇぇええええ!!!!!」
グラグラッ
('A`)「あ、こりゃ崩れるな」
(((川;゚ -゚))))「あわわわ! ツン、持ちこたえるんだ!!」
(((ξ#;゚听)ξ)))「ムリイイイイイイうわあああああああ!!!」
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:02:46.04 ID:rMB6HfHW0
支援
※イメージ図
∧∧ ∧∧ ∧∧
ヽ(・ω・)/ ズコー ヽ(・ω・)/ ズコー ヽ(・ω・)/ ズコー
\(.\ ノ \(.\ ノ \(.\ ノ
、ハ,,、  ̄  ̄  ̄
 ̄
これが限界でした。
(゚A゚)「見えた!」
( ゚ω゚)「上から黒、白、ピンク!!」
( ´∀`)「甘いぞブーン君! ツンたんはクマさんのプリント付!
クーにゃんはヒラヒラのフリル!
そして、ハインちゃんは上下とも黒だぁぁぁぁ!!!」
(*^ω^)「やったねモナちゃん!」
ガゴゴーン!! |ニニニニニ|)∀`)「あくら!!!」
=≡ | |------| |)A`)「ヴぁしむっ!!!」
|ニニニニニ|
∩ |--∩--| |
ξ# )ξ「最期ニ……言い残スコトは、なイカシら?」
(;^ω^)「やめるお! 机は流石に死んじゃうお!! せめて三角定規d」
ドガゴーン!! ヒギィッ!!!!
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:05:04.23 ID:rMB6HfHW0
wwwww
支援
从;゚∀从「いててて、流石に三人は無理だったか」
川 ゚ -゚)「まだツンの足のダイコンっぷりが足らないからな。
もっと鍛えれば、将来はきっといいダイコンに育つだろう」
ムニー
ξ# )ξっ< ゚―゚;川「いたたたたたたたたたたたたた」
(メメメ'A`)「それよりも早く蛍光灯を変えて帰ろうぜ。今日は夏休みの計画を考えるんだろ?」
从 ゚∀从「そうだったなー、じゃあさっさと変えるとするか
おいブーン、出番だぞー起きろよー」
( メメメωメメ)っ||「あうあう……前が見えねえ……」
(メメ´∀`)「うむ……ナイスパンチラだったよ……ガクッ」
──────
───
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:06:40.24 ID:3fF2t0n20
支援!
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:06:52.36 ID:U3ufGJ130
支援
-道中-
(;'A`)「うへえ、太陽が熱いよぉ……俺に輝けと照らしてるよぉ……」
从;゚∀从「おーい、冷房のきいた場所まーだー?」
川;゚ -゚)「あともう少しだ、皆はぐれるなよ……」
ξ;゚听)ξ「のび太君じゃあるまいし、こんな街中ではぐれるなんて」
( ∵)「おっ……おっ……」
買フ;゚听)ξ「誰あんたあああああああああ?!!!」
⊂( ∵)⊃「おっ……ぶーんだお……みんなのすまいりーぼーい☆ぶーんだお……」
从;゚∀从「なんだよスマイリーボーイ☆ブーンって! 微塵も思った事ねえよ!」
(;'A`)「干からびすぎてビコーズっちゃったか。早く水を与えないと大変なことになるぞ……」
川;゚ -゚)「与えないとどうなるんだ?」
(:'A`)「やる夫とサカッテマスを足して2で割ったような感じになるんだよ」
( <●>・ω・<●> ) ←こんな感じ
川;゚ -゚)「……gkr」
ξ;゚听)ξ「急ぐわよ、なるべく、全力で……!」
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:08:34.08 ID:rMB6HfHW0
( <●>・ω・<●> )
よくわかんねえwwwww
-ドクオの家-
(;'A`)っ「ただいまぁー」
(;<・>ω<・>ξ;゚听)从;゚∀川;゚ -゚)ノ「おじゃましまーす」
(;'A`)「結局俺ん家かよ……」
川;゚ -゚)「しょうがないだろう、ここが一番近いのだから」
(;'A`)「お前ら部屋荒らすから入れたくないんだよ……」
川;゚ -゚)「やらしい物を置いておくからいけないんだろう」
(*'A`)「健全な男の子には必要なものなんです」
川 ゚ -゚)「きもいから今死ね、すぐ死ね、骨まで砕けろ」
('A`)
( <・>ω<・>)「ハァハァ、それよ、り、水を……みずぅ……」
ξ;゚听)ξ(少し顔が変わっとるがな……)
(;'A`)「今持ってくるから我慢しろ……後部屋を物色すんなよ?」
曝ク;゚∀从「……チッ」
( <・>ω<・>)っ且 ゴクゴクゴクゴクギgクgkgkグkゴボボボbッボボbggg
(;'A`)「落ち着いて飲めよ! 六割は床に撒いてるぞ!」
从 ゚∀从「まあまあドクオの部屋なんだし、好きに飲ませてやれよ」
(;'A`)「俺の部屋はそこまで自由じゃないよ?! 拭く身にもなってみろよ!」
(。0^ω^)+「プハーッ! 生き返ったお!」
('A`)フキフキ「はいはいそりゃどうも……」
从 ゚∀从「ところでドクオー、これ新作か?」
グワシッ
(;'A`)「おいおいフィギュアを鷲掴みする奴があるかよ?!」
( ^ω^)「おっ、それは今話題の”やるだけやっちゃっちゃう 萌えっ子やるみちゃん”の
超特別限定生産フィギュアかお!」
(;'A`)「わかってるなら尚更奴を止めろおおおおお!!」
从 ゚∀从ノシ「いいじゃねえか少しぐらい、ブーブー」
メキメキ
(;'A`)「見る分にはいいけど鷲掴みのまま振り回すなって言ってんだよ!!
つーか曲がってる、曲がってるから離せええええええ!!!!!」
('A`)フキフキ「ったく、危うくへし折られるところだったぜ……」
从 ゚∀从「そこまで力入れてねえから大丈夫だろ」
('A`)「ほんのすこし曲がってるのは気のせいだよな? な?」
川 ゚ -゚)「さて、落ち着いたところで夏休みの計画を決めようではないか」
ξ゚听)ξ「えっと、今候補で上がってるのは」
・海でスイカ割り
・山でスイカ割り
・川でスイカ割り
・田んぼでスイカ割り
・学校でスイカ割り
・ドクオの家でドクオ割り
从;゚∀从「どこいってもスイカ割るのかよ! どんだけスイカ好きなんだよ!」
(;'A`)「てか最後のカチ割る対象が俺かよ?!」
川 ゚ -゚)「夏の代名詞といえばスイカ割りだろ、常識的に考えて……」
(;'A`)「それはそうともいえるけど最後は断固反対だからね!」
──その後も夏休みの計画の話は弾み
(;^ω^)「おっ、初っ端からハードな内容だお……」
从;゚∀从「七月中に宿題を全部終わらせるのかよ……これはひどいハイペース」
川 ゚ -゚)「お互いの得意分野を生かし、答えを見せ合えばすぐ終わるさ」
('A`)「自由研究なら三ヶ月前から部屋の隅に生えてた
そこのコレラタケを観察すれば充分だろ」
ξ;゚听)ξ「少しは掃除しなさいよ……何よコレラタケって」
──着々と夏休みの計画が立てられていく。
川 ゚ -゚)「二十日は花火大会があるのか、それなら浴衣も用意しなければいけないな」
从 ゚∀从「今年はどんな色の甚平着て行こうかなぁ」
ξ゚听)ξ「あんたはもう少し女らしい物を着なさいよ」
从 ゚∀从「だって浴衣めんどくさいんだもーん」
(*^ω^)「甚平姿のハイン……ハァハァ」
('A`)「ツンさん、物を壊さない程度にやっちまいなー」
ξ#゚听)ξ「いいですとも!!」
ヽξ#゚听)ξ┌┛)゚ω゚)「なんdポピィー!!!11」
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:18:50.36 ID:rMB6HfHW0
支援
気がつけば夕方を迎え、外から午後五時を告げる
アナウンスが流れ出していた。
川 ゚ -゚)「む、もうこんな時間か、そろそろお暇せねばならんな」
( ^ω^)「夏休みまでまだまだ日にちはあるし、今日はこのくらいにしておくかお」
('A`)「おーい片づけは手伝ってくれよー」
从 ゚∀从 ゚ -゚)゚听)ξ ^ω^)「それじゃお邪魔しましたー」
( <●>A<●>)「誰も手伝ってくれないのはわかってます」
从 ゚∀从「うわ、つまんね」
('A`)
────
──
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:20:17.66 ID:LpzucgtYO
支援
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:20:23.10 ID:h0yjeXuMO
支援
-ツンの家-
時刻は午後十一時。
ベッドに寝転びながら携帯を開き、メールの確認っと。
ξ゚听)ξ「今日は……来てない……かぁ」
珍しく0件と表示された画面を見つめ、少々さびしく感じながら
携帯を閉じ、充電器を差し込む。
そういえば花火大会、どんな浴衣着て行こうかな。
去年は花火柄でいったから今年は金魚柄かな。
そして手をつなぎながら出店を歩いて回って
花火を二人で見つめて
ξ///)ξ「な、なんであんな金玉口と二人っきりで見なきゃいけないのよ!!」
─その頃ブーンの家では─
( ゚ω゚),:*..*「バーロッくしょいッッ!!」
( ^ω^)「誰だお、このスマイリーボーイ☆ブーンの噂をしている人は」
──
ξ*゚听)ξ「ハァハァ……き、今日は久々に早寝するかな」
今日も色々あって疲れたけど、
それだけ良い一日を過ごせたんだなと思いつつ
電気のヒモに手をかける。
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:25:52.47 ID:U3ufGJ130
支援
後で1レスとあとがきなのに猿かよ……すまねえ
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:28:41.83 ID:h0yjeXuMO
さる怖いな支援
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:30:02.04 ID:rMB6HfHW0
さる空気読んでくれ
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:30:43.30 ID:DHRrN3CD0
|
h
冊冊冊冊
〃〃〃〃
|
|
|
|
| クイッ
ξ゚听)ξづ おやすみなさーい
/ _ノ⌒⌒⌒`〜、_
( ̄⊂人 //⌒ ノ ヽ)
⊂ニニニニニニニニニニニニニニ⊃
||| || |
||| || |
h
冊冊冊冊
アベシ! ξ゚゚听゚)ξつ
/ _ノ⌒⌒⌒`〜、_
( ̄⊂人 //⌒ ノ ヽ)
⊂ニニニニニニニニニニニニニニ⊃
-おわり-
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:36:03.04 ID:LeP9mrh10
面白かったwww
乙!
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:36:07.05 ID:LpzucgtYO
ちょwwwwwwwwwwwwwww
乙
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:36:20.59 ID:h0yjeXuMO
オチクソワロタwwwwwwwww乙!
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:36:29.87 ID:Mhw+BYgl0
ID:L77/mEJ1Oの代理投下するよー
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:37:04.62 ID:h0yjeXuMO
以上で投下は終わりです、ありがとうございました。
ギャグ物と希望があったので頑張って頭を働かせて
なんとか完成に至りました。
せめて1回でも吹いていただければ幸いです。
他にもいろいろ書きたいものがあったけど
無理に決まってんだろバーローwwwwwwwwwwwww
後途中でさるって申し訳ないです・・・。
焦って投下を早めたのが痛かったようで
他にも歩くコレラタケとか出したかったけど
これ以上やると30レス内に本気でおさまりそうにないんで・・・
それじゃあ絵師さんや支援して下さった方々
オムさんとナギさんに、主催者さんにお礼を申し上げつつ
乙でした!
そして支援
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:37:23.01 ID:Mhw+BYgl0
途中送信してしまった
乙。
449 :
446:2008/08/29(金) 21:43:48.78 ID:Mhw+BYgl0
すまん。まだ作者のほうで準備が出来てないみたいだ。
時間おいて投下するので他の書き手さん任せた。
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:46:00.05 ID:LpzucgtYO
>>449 446ってか1じゃねぇかwwwww
おつかれ
つ旦
451 :
ID:L77/mEJ1O:2008/08/29(金) 21:50:47.73 ID:Mhw+BYgl0
( ^ω^)小説ラノベ祭り参加作品。
イラストNo.18を使わせていただきました。
この場をお借りして、絵師さまに御礼申し上げます。ありがとうございました。
また、本スレ
>>327のお題「夢オチ」を使っています。ありがとうお題くれた人。
そして、これを投下してくれているであろう代理投下人。ほんとありがとう。
ぶっちゃけラストは某作品の丸パクリですが、お楽しみ頂ければ幸いです。
452 :
ID:L77/mEJ1O 1/26:2008/08/29(金) 21:51:56.41 ID:Mhw+BYgl0
目を開けて、最初に思った。
――多分、これは夢なのだろう。
周囲の光景を眺める。自分が今どんな状況にあるのか、明確に把握する。
上から差し込む光。三日月。自分の周りにある、これは。
……そうして、確信した。ああ、間違いない。これは夢だ。
だって、そうだろう?
こんな、雲に乗って夜空を飛んでいるなんて。
なんて、少女趣味なんだろう。思わず笑いがこみ上げる。
今時こんな陳腐なモチーフ、子供向けのアニメでも出てこないんじゃないか?
( ・∀・)「いやいや。そうでもないんじゃないかな?
ほら、昼間とかさ、こう綿々した雲を見てるとさ、あー乗ってみてー、とかふと思わない?
子供っぽいけど、そういう感性ってのはやっぱり大事でしょう」
突然かけられた声に、慌てて振り向いた。
別の雲の上に立ち、ニヤニヤしながらこちらを眺めている、若い男。
比較的整った容姿をしているが、……なんと形容すればいいのか、うん、胡散臭い。
何故だろうか。
見かけにそれほど変わった所は無いのに、それでも、その姿は酷く『間違っている』ように思われた。
453 :
ID:L77/mEJ1O 2/26:2008/08/29(金) 21:53:13.28 ID:Mhw+BYgl0
目を開けて、最初に思った。
――多分、これは夢なのだろう。
周囲の光景を眺める。自分が今どんな状況にあるのか、明確に把握する。
上から差し込む光。三日月。自分の周りにある、これは。
……そうして、確信した。ああ、間違いない。これは夢だ。
だって、そうだろう?
こんな、雲に乗って夜空を飛んでいるなんて。
なんて、少女趣味なんだろう。思わず笑いがこみ上げる。
今時こんな陳腐なモチーフ、子供向けのアニメでも出てこないんじゃないか?
( ・∀・)「いやいや。そうでもないんじゃないかな?
ほら、昼間とかさ、こう綿々した雲を見てるとさ、あー乗ってみてー、とかふと思わない?
子供っぽいけど、そういう感性ってのはやっぱり大事でしょう」
突然かけられた声に、慌てて振り向いた。
別の雲の上に立ち、ニヤニヤしながらこちらを眺めている、若い男。
比較的整った容姿をしているが、……なんと形容すればいいのか、うん、胡散臭い。
何故だろうか。
見かけにそれほど変わった所は無いのに、それでも、その姿は酷く『間違っている』ように思われた。
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:56:19.85 ID:h0yjeXuMO
455 :
ID:L77/mEJ1O 3/26:2008/08/29(金) 21:56:37.72 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「あ、怪しいって顔してるね。まぁ仕方無いよね。僕、人間とは色々と違うし。
つーかさ、人間がこんなとこに紛れ込むなんて、珍しいじゃん。どうしたのさ、君?」
わからない。そもそもこれは、夢なんだろ? 何故そんなことを聞く?
( ・∀・)「……うーん、えーとね、君さぁ、まず自分を明確に定義しようか。
ほら、君、自分が誰だかわかるかい?」
…………。
( ・∀・)「答えられないでしょ? ここはね、そういう所なんだ。
大切なのはイメージ。自身が何かを、きっちり思い浮かべなきゃ。
想いが世界を創って、想いが世界を動かすんだ。解るかな? 大切なことだよ、これはね。
自身を確立して、ようやく思考は許されるんだからさ。君、今全然頭回ってないでしょ?
いいかい? 聞くよ。
君は、誰?」
私は。
私は、確か。
川 ゚ -゚) 「……私は、クーだ。クーという」
456 :
ID:L77/mEJ1O 4/26:2008/08/29(金) 21:59:06.79 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「お、いいね。あっという間に確立した。はっきり君が見えるようになったよ。
うん、どうやら、君はとても自身を把握しているタイプの人間みたいだね。
なかなか居ないんだ、そういう人。難しいからね。自分は、誰かなんて。
君さ、普段から、自分のキャラクターってものを理解して、演じている部分は無いかな?」
……よく喋る男だ。
川 ゚ -゚) 「それは、絶対に今聞かなければいけない程に、重要な質問なのか?
でなければ、私のほうから聞きたいことが幾つもあるし、そちらを優先したいのだが」
( ・∀・)「おっと、ごめんね。僕ね、話がすぐに脱線しちゃう性質でさ。
よく上司からも怒られるんだよね、関係無いこと話してないで仕事しろゴルァ! って。
その上司ってのがまた――」
素直に思った。
こいつうぜぇ。
川#゚ -゚) 「私から、聞きたい事が、幾つもあるのだが、いいか?」
区切るようにして、はっきりと突き付ける。
( ・∀・)「おっと失敬。聞こうじゃないか」
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:59:14.98 ID:h0yjeXuMO
支援
458 :
ID:L77/mEJ1O 5/26:2008/08/29(金) 22:00:08.86 ID:Mhw+BYgl0
川 ゚ -゚) 「これは、夢なのか?」
( ・∀・)「おいおいおいおい。しっかりしてくれよクーちゃん。
仮にこれが君の夢だとしてさ、その夢の中の住人が、それを知ってるとでも思ってるの?
水槽の中の金魚は、水槽の中に居ることなんてわからないだろう?
それと同じ。世界の形を知ろうなんて、神をも恐れぬ傲慢としか思えないね。
それを知りたきゃ、1つ上の段階に行かなきゃ。つまり、神になれってことさ」
川 ゚ -゚) 「……成るほど、ね」
確かに、今のは馬鹿な質問だった。
ま、こんなこと、夢でもなければ有り得ないだろう。
( ・∀・)「まぁ、その答えは今は保留しておこうか。
夢かもしれないし、現実かもしれない。それが答えだ」
川 ゚ -゚) 「あなたは、何者なんだ?」
( ・∀・)「僕は何者か、ね。難しい質問するねぇ。
まぁ、あれだね。これで分かるかな?」
そう言うと、男はいきなり雲から飛び降りた。
柏 ゚ o゚) 「な――」
当然、落ちる。ここが夢だろうが何だろうが、重力は健在のようだ。
川 ゚ o゚) 「って、おい!」
459 :
ID:L77/mEJ1O 6/26:2008/08/29(金) 22:01:05.18 ID:Mhw+BYgl0
雲の淵から慌てて身を乗り出す。
下を見るが、完全に暗黒。人家の明かりも遥か遠く、うっすらとしか見えない。
当然、彼の姿も無い。
( ・∀・)「はーい、これでどうかなー、……って、何してんの?」
川 ゚ -゚) 「は――!?」
声は、私の上からかけられていた。
そちらに顔を向けると、そこには――
川 ゚ -゚) 「……天、使?」
そう。
古くから数知れぬ程多くの絵画に描かれてきた、あの美しい翼。
宙に浮かぶ彼の背中には、それがあった。
( ・∀・)「あと、これね。大体の人間は知ってるらしいし、
口で説明するより、こっちの方が分かりやすいでしょ。
これが、僕の仕事道具」
彼が腕を一振りすると、手品――いや、本当の魔法のように何かが現れた。
川 ゚ -゚) 「…………いや、分からなくなったんだが」
( ・∀・)「え?」
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:01:29.10 ID:h0yjeXuMO
支援
461 :
ID:L77/mEJ1O 7/26:2008/08/29(金) 22:03:13.05 ID:Mhw+BYgl0
天使のような翼。
それでありながら、その手に握られているのは。
川 ゚ -゚) 「鎌じゃないか。それ、明らかに死神のモチーフだろう。
天使なのか死神なのか、ハッキリしてくれ」
彼の手に握られているのは、巨大な、人の首くらい簡単に斬り落とせそうな鎌。
何で出来ているのか。刃は黒く、光を反射することすらしていない。
( ・∀・)「ありゃ。そういや、人間ってそういうイメージだっけ。
いやさ、ぶっちゃけ死神と天使って、ただの派閥の違いなんだよ。
どっちも、死者を迎えに来るでしょ? 色々縄張りとかあって面倒なんだけどさー、
そもそも元は同じ仕事してる同僚なわけ」
川 ゚ -゚) 「神にまで派閥争いがあるのか……」
後継者問題とかあるのか?
死にそうにないし、歳とらないなら引退も無いだろうに。
( ・∀・)「知性を持った生物がやることなんて、大体似たり寄ったりってことさ。
それはそうと、さっきの質問に答えようか。
一言で言うと、僕は死神さ。そっちの派閥なんだ。
これから死ぬ人に、マーキングするのがお仕事。
こういう風に、仕事をする時に君みたいなのと会うのは……無くは無いけど、とっても珍しい。
大体50年に1回、あるか無いかだ。
ねぇ君、死について深く考えたりしていなかった? そうするとさ、引き寄せられるらしいんだよね」
川 ゚ -゚) 「……いや、特に」
462 :
ID:L77/mEJ1O 8/26:2008/08/29(金) 22:04:26.77 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「……ふぅん、そうかい。まぁ、いいや。
そもそも君からすれば、これはただの夢かもしれないんだからさ。
あんまり真剣に考えないでさー、へーふーん死神なんだ、位に考えてくれればいいよ」
川 ゚ -゚) 「へーふーん死神なんだ」
( ・∀・)「本当に言うんだね。悲しいな。もしかして君、そっちから聞いといて、僕のことどうでもいいのかな?
もしかして、あれかい? マイスタージンガーでも口笛で吹きながら登場した方が良かったかな?」
川 ゚ -゚) 「ライトノベルは趣味じゃないな」
( ・∀・)「知ってるじゃないか。えーとまぁ、ともかく。僕は死神だからさ。それだけ分かっておいてくれよ。
じゃあ、行こうか」
行く?
どこに? どうやって?
( ・∀・)「不思議そうな顔してるね。
決まってるだろう? 仕事だよ、僕のね。
大丈夫、直接殺すわけじゃない。
僕はただ、死ぬべき人、死すべき運命の人にマーキングするだけさ。
残虐な光景を君に見せたりはしないよ。虐殺厨じゃないんだからね」
川 ゚ -゚) 「ぎゃく……?」
なんだ、それは。
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:05:24.01 ID:h0yjeXuMO
支援
464 :
ID:L77/mEJ1O 9/26:2008/08/29(金) 22:06:25.41 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「おっと失敬。昔の話さ。今覚えている人なんて、どれ位居るんだろうね?
ともかく、行くよ」
そう言うと、彼は翼を大きくはためかせた。
川 ゚ -゚) 「いや。私は、飛べないのだが」
そう。行くったって。
この雲からどう降りろと言うのか。
川 ゚ -゚) 「そもそも、何故あなたの仕事に私がついて行――」
( ・∀・)「ダメだなぁクーちゃん。ダメだよ。ダメダメだね。
僕は言った筈だ。ここでは、想いが形を作り、世界を動かすってね。
ピーターパンを知ってるね? ディズニーじゃなくて、原作の方さ。
ディズニーの方は、ピーターパンがただのヒーローっぽくなっちゃってて、僕は凄く嫌いなんだよねぇ。
アリスといい、プーといい、ディズニーは原作の良さを悉く駆逐してしまうことに、何か誇りでも持っているのかな?
彼らが児童文学というものをどう捉えているのか、1度じっくり問い詰めてみたいもんだ」
川 ゚ -゚) 「死神がディズニー見るのか?」
( ・∀・)「そりゃ見るさ。死神だって天使だって、娯楽は大好きだからね。
おっと、話が逸れたね。まぁともかく、ピーターパンだって言ってるだろう。
信じれば飛べるってね。ユーキャンフライ。簡単なもんだよ」
……信じるのが簡単だとは。言ってくれるものだ。
465 :
ID:L77/mEJ1O 10/26:2008/08/29(金) 22:07:47.29 ID:Mhw+BYgl0
川 ゚ -゚) 「一応それなりに成長した人間としては、
その『信じる』のが、一番難しいのだが」
彼は顔を歪めて笑った。
( ・∀・)「は。自分が飛べると信じることすら出来なくて、
どうやって生きていけるんだい? 何を頼みに生きていくのさ?
しっかりしろよクーちゃん。自分自身信じられなければ、何もかもが信じられなくなるよ」
は。
――いいだろう。やってやろうじゃないか。
アイキャンフライ、アイキャンフライ、アイキャンフライ。
私は、飛べる。
川 ゚ o゚) 「……ふっ!」
( ・∀・)「お?」
果たして、雲から踏みだした私の足は、宙に浮かんでいた。
川;゚ -゚) 「お……お? こ、怖いなこれ!」
何だか足元が、ひどく不安定だ。
自分の下に、支えるものが何一つ無いという状況。
それが、これほどまでに不安を煽るとは。
466 :
ID:L77/mEJ1O 11/26:2008/08/29(金) 22:11:29.10 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「うん、上出来上出来。君は今、自らの意志だけで宙に浮かぶことに成功した。
支える物は何も無い。頼りになるのは、己だけだ」
川;゚ -゚) 「怖っ! マジ怖っ!」
いやつーかキャラ忘れる位マジで怖っ!
( ・∀・)「それじゃ、行こうか。今日の僕の担当は1人だけ。楽な仕事さ」
川;゚ -゚) 「待て! 慣れてないんだ、もう少しゆっくり!」
そうして、私たちは下へ――私が普段、生きている世界へと降りていった。
携帯から支援
468 :
ID:L77/mEJ1O 12/26:2008/08/29(金) 22:14:07.67 ID:Mhw+BYgl0
川 ゚ -゚) 「……この人、か?」
( ・∀・)「そうさ。こいつに死の運命を刻み付けるのが、今日のお仕事」
今の私たちは、他の人には見えないらしい。
まったく見ず知らずの他人の家、寝室。
そこに、私たちは立っていた。
川 ゚ -゚) 「この人は、なにか悪いことでもしたのか?」
( ・∀・)「いや、特にしていない。
来る前に資料を読んだけど、平凡なもんだよ。
普通に生まれて、普通に学校に行って、普通に就職して、普通に結婚して、普通に子供を授かった。
そりゃ、生きているんだから、それなりに波乱はあるけどね。
それでも、『普通』という言葉で十二分に括れてしまう人生さ」
目の前のベッドで眠っているのは、30台中盤と思われる男性だった。
頭頂部が既にやや寂しいのが気になるが、至って平凡な外見だ。
私は、この人の名前も知らない。
( ・∀・)「んじゃ、はい」
川 ゚ -゚) 「は?」
突然、鎌を渡された。
469 :
ID:L77/mEJ1O 13/26:2008/08/29(金) 22:15:26.90 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「それで、どこでもぶっさせばいいから。
血とかは出ないから、安心してね」
川 ゚ -゚) 「な、何を――」
まさか、こいつは。
( ・∀・)「そのために一緒に来てもらったんだから。さ、どうぞ」
私に、この人を、殺せというのか!
川;゚ -゚) 「な……そ、そんな事、出来るわけが……!」
( ・∀・)「だーかーらー、グロかったりはしないって。マーキングするだけ。
実際の死因は、交通事故とかその辺になるから、大丈夫だって」
川 ゚ o゚) 「そういうことじゃない!わかってるだろう!
第一、何で、私が!」
( ・∀・)「そうすることが、君にとってきっと、良いことだと思うからさ。
僕の勝手な判断だけどね、間違ってはないと思うな。一応、その辺のプロだし。
第一、君はこれを夢だと思ってるんじゃないの? なら、まったく問題無いじゃないか」
470 :
ID:L77/mEJ1O 14/26:2008/08/29(金) 22:18:45.74 ID:Mhw+BYgl0
川;゚ -゚) 「だ、だが、夢の中だからって、何でもしていいという話にはならないだろう!」
( ・∀・)「何でもしていいんだよ。夢の中なんだから。
好きな同級生を犯そうが、世界を滅ぼそうが、実際に起きないんだからいいのさ。
――ああ、でも。
ひょっとしたら、夢の中でしたことが、何かしらの影響を現実に与える、ということはあるかもしれないね。
例えば、夢の中で死神の鎌を刺した男性が、次の日の夕方のニュースに出てきてしまう、とかね」
川 ゚ -゚) 「お前……!」
もし、現実に影響を及ぼす夢があるとするなら。
それはもう、夢ではない。
――ただの、現実の、一部だ。
( ・∀・)「殺せないかい?
うん、そうだろうね。普通の人間はそうだろう。
でもね。ここで彼が死なないと、みんなが困るのさ」
川 ゚ -゚) 「……どういう、ことだ? 彼がこれから、何か――」
支援
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:23:54.53 ID:h0yjeXuMO
支援
代理投下人、さるさんのようですー。しばしお待ちを。
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:34:57.40 ID:ehplOhuqO
支援死守
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:36:05.99 ID:LCP5CnVa0
支援
俺、この作品が投下しおわったら投下するんだ……
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:37:54.52 ID:DHRrN3CD0
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:41:37.40 ID:5jVIRqkO0
連続さるさんの模様。20分空けてもダメとか、厳しいなぁ。
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:55:37.50 ID:h0yjeXuMO
俺も30分待たされたしきっついぞさるは
( ・∀・)「するわけじゃない。彼は多分、これからも普通に生きていくことだろう。
死にさえしなければね。
いいかい、死はね、悪いから与えられるというような、罰じゃないんだよ。
どうもその辺、人間は誤解しがちだね。死刑とかいう制度があるせいかな?
死はただ、そこに在るだけだ。そこじゃ善悪も正誤も、あらゆる価値観が無意味なんだよ。
わかるかな? 人間がごたごた無駄な装飾を付けているだけなんだよね。
死は、あらゆる意味で圧倒的に平等だ。誰にとってもね」
川 ゚ -゚) 「…………」
何も言えない。
( ・∀・)「それをね、悪いことしてないとか、間違ってないとか、そういうこと抜かして死を回避しようとされると
困るんだよね。世界のルールなんだからさ、それに逆らっちゃダメでしょう」
川 ゚ -゚) 「…………」
この人が、死んで。
奥さんや子供、友人は、どんな想いをするのだろう。
多分。私はそれを、知っている。
支援
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:07:35.13 ID:h0yjeXuMO
支援
( ・∀・)「それにさ、君だってわかってるだろ?
生きることは、殺すことだって。
この男性を殺すのは、君だよ。君をはじめとした、全ての人々、生物。
それらが彼を殺すんだ。ただ、世界がそうあるから。
わかってるだろう? 君は今まで、その手を直接汚さずとも、幾万幾億の人を殺してきたんだ。
その上に、今の君があるんだよ。
今回だって、同じだ。
それでも、ダメかな? 鎌を振り下ろせないかな?」
私は。
私は。
私は――。
(川 ゚ -゚) 「はい、もしもし」
ξ;凵G)ξ「クー……。うぅ、ひっく、うぁ、うぅ……クー……」
川 ゚ -゚) 「……ツン。どうした? 何故泣いているんだ?」
ξ;凵G)ξ「あのね……。あの……」
川 ゚ -゚) 「ツン。落ち着くんだ。一体、何があった?」
(;^ω^)「もしもし。クーかお? 代わったお」
川 ゚ -゚) 「内藤。どうした? 何故ツンは――」
( ^ω^)「落ち着いて聞いて欲しいお。……ドクオが……」)
しえ
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:10:04.40 ID:tkqId6V/0
支援
486 :
ID:L77/mEJ1O 17/26 ◆jH6qejmC7g :2008/08/29(金) 23:10:18.43 ID:Mhw+BYgl0
川;゚ -゚) 「…………」
( ・∀・)「さぁ、その鎌を彼に突き立てろ。
君には、その義務がある。自覚していない罪を、思い知れ」
川;゚ -゚) 「……ない」
( ・∀・)「ん?」
川 ゚ -゚) 「すまない。私には、ダメだ。
たとえこれが夢であっても、万が一現実なのだとしても、そんなの関係無い。
私には、人は殺せない」
( ・∀・)「……へぇ」
川 ゚ -゚) 「あなたがさっき言った、世界の仕組みとやらも、分かっているつもりだ。頭ではな。
実感を持っているわけではない。
だが、私は、ダメだ。人が1人死ぬ、ということが、どんなことか……私は、知ってしまっているから。
だから、殺せない」
( ・∀・)「ふーん、そうか。じゃ、仕方無いね」
男はあっさりそう言うと、私の手から鎌を取り返す。
支援
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:10:53.65 ID:h0yjeXuMO
支援
489 :
ID:L77/mEJ1O 17/26 ◆jH6qejmC7g :2008/08/29(金) 23:11:12.62 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「悪いね。僕を恨むなよ。
恨むんだったら、僕の上司の上司の上司、神様をよろしく」
黒い刃が、眠っている男性の首に突き刺さった。そのまま横に、首を掻き切る。
何も起きない。血も流れ出ないし、傷がついたわけでもない。
……これで、この人は本当に、死んでしまうのだろうか。
( ・∀・)「よし、仕事終わり。じゃ、戻ろうか」
川 ゚ -゚) 「……どこへ?」
( ・∀・)「さっきの雲の所。君、色々話したいことあるんじゃないの?」
490 :
>>489は18 19/26 ◆jH6qejmC7g :2008/08/29(金) 23:14:51.20 ID:Mhw+BYgl0
川 ゚ -゚) 「怒っていないのか?」
雲の上に、再び腰掛けて。
私は、男に問う。
( ・∀・)「ん? 何で?」
男も雲の上に座り、翼の手入れをしているようだ。
……毛づくろいとかするのか?
川 ゚ -゚) 「……さっき、私は、殺せなかっただろう」
( ・∀・)「あーはいはいその事ね。
何で僕が怒るのさ? あそこで君がやらずとも、僕がやった。
だから世界に影響は出ない。
さっきはその場のノリで煽りまくってみたけどさ、罪なんてどうでもいいし、
正直、君がやろうとやるまいと、どっちでも良かったんだよね」
はぁ? なんだ、それは。
川 ゚ -゚) 「じゃあ、そもそも、何で私にやらせようとしたんだ?」
( ・∀・)「ただの気まぐれだよ。言っただろ?
人に会うなんて、珍しいってさ」
川 ゚ -゚) 「……お前」
なんだか、ムカついてきた。
支援
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:15:17.36 ID:LCP5CnVa0
支援
しえ
494 :
ID:L77/mEJ1O 20/26:2008/08/29(金) 23:15:39.67 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「まぁ、たださ。
こんな所に来てしまう人って、大抵の場合、死に引き寄せられてるんだよね。
君もその筈さ。死について、最近深く深く考え込んでるだろう?」
川 ゚ -゚) 「…………」
( ・∀・)「恋人でも、死んじゃったかな?」
川 ゚ -゚) 「……どうかな。恋人では、なかった気がするな」
そう。
私は多分、あいつに、恋愛感情は抱いていなかったと思う。
告白でもされたら、ちょっと揺らいでしまったかもしれないが。
でも。
川 ゚ -゚) 「愛情とか、友情とか、よくわからない。
ただ、大切だったんだ。
ブーンと、ツンと、あいつと……4人で一緒に居る時間が、何よりも楽しかったし、
本当に、本当に好きだった」
だけど。
川 ゚ -゚) 「……何で……自殺なんて……」
ドクオは、自ら命を絶った。
遺書は、無かった。
支援
497 :
ID:L77/mEJ1O 21/26 ◆jH6qejmC7g :2008/08/29(金) 23:18:08.38 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「自殺か。そいつはちょいと、僕の守備範囲外だね。
……辛かったかい?」
川 ゚ -゚) 「辛かったさ。それに、怒りもあった。
私たちは、友達じゃなかったのか?
なら、何故何も言ってくれなかった?
自殺するほどに追い詰められていたのなら、何故?
何でなんだ?
言ってくれれば、弱音を漏らしてくれれば、
……たとえ力にはなれなくとも、一緒に悩むことくらいはできたんだ。
何故なんだ? 本当に、どうしてなんだ?」
( ・∀・)「多分、それはもう、永久にわからないことさ。
彼はもう、死んでしまった。
それだけのことだ」
川 ゚ -゚) 「……そう、だな」
酷い言い方だが、事実だ。
ドクオはもう、還ってこない。
( ・∀・)「ほれ」
彼はそう言うと、立ち上がって手を広げた。
?
川 ゚ -゚) 「何やってるんだ?」
しえん
499 :
ID:L77/mEJ1O 22/26 ◆jH6qejmC7g :2008/08/29(金) 23:19:46.52 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「ありゃ。説明させないでくれよ、かっこわるいなぁ。
ほら、僕の胸にドーンと飛び込んでおいで。
泣いている間、胸を貸してあげよう」
川 ゚ -゚) 「はぁ?」
( ・∀・)「君は、そういう冷静さの象徴みたいなキャラクターみたいだし、
自分自身、それを自覚してるんだろう?
だから、今まで誰かに縋って泣くなんて、やったことないんじゃないかな。
大丈夫、今、ここには僕しかいない。そもそも夢の中さ。
だから、泣いていいんだよ」
川 ゚ -゚) 「……何、を」
あれ。
何故だろう。
何だか、目が。
川 ;-゚) 「う……」
( ・∀・)「辛かったね。頑張ったね。泣いていいよ」
川 ; -;) 「うわあああああああああああああああああああん!」
500 :
ID:L77/mEJ1O 23/26 ◆jH6qejmC7g :2008/08/29(金) 23:22:03.34 ID:Mhw+BYgl0
( ・∀・)「悲しいな。そうだよな。人が死ぬってのは、悲しいよな。
それでいいんだ。死は平等だとか、そういう口先だけの屁理屈ってのは結局どうでもいいんだよ。
大切な人が死ぬのは、悲しい。それだけでいいんだ」
川 ; -;)「ううぅ……ひっく、うわぁぁぁ……!」
男の胸を思い切り掴みながら、泣く。
軽く背中を叩いてくれる男の手が、心地よい。
ああ。
こんなに泣くなんて、いつ以来だろう。
凄い声が出ているのが、自分でもわかった。
( ・∀・)「いっぱい泣きな。そうして泣くだけ泣いて、それから前を向いていけばいいんだ」
川 ; -;)「ううぅう……何で……死んじゃったんだ……!
生きていれば、楽しいことだってあるのに……! 私がそうしてやるのに……!
何で……何も言わず……! 1人で……!」
( ・∀・)「……ちっ。時間切れか。
いいかい、人は死ぬ。誰もそれからは逃げられない。
だから、今を楽しむんだ。大切な人を大切にしてあげなよ。
それだけでいい。それだけ覚えて、生きていってくれ。
笑って泣いて、人生を大切にね。
ああ、どうか。君のこれからの人生が、暖かい幸せに包まれていますように」
支援
502 :
ID:L77/mEJ1O 24/26 ◆jH6qejmC7g :2008/08/29(金) 23:22:46.03 ID:Mhw+BYgl0
目が覚めた。
ベッドの上、少し汗をかいてしまっている。
電化製品が稼動する静かな音だけが、部屋に響いていた。
川 ゚ -゚) 「…………」
なんだか。ひどく、変な夢を見ていた気がする。
川 ゚ -゚) 「あれ?」
顔に変な感触があるので触ってみると、ひどく濡れていた。
これは、……涙?
川 ゚ -゚) 「泣いたのか? 私が?」
珍しいことだ。私が、泣くなんて。
川 ゚ -゚) 「…………」
でも、とても穏やかで、いい気分だった。
泣くと気分が落ち着くというのは、本当だったのか。
なんだか、ずっと悩んでいたことが、どこかに落ちてしまったような。
そんな気がする。
支援
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:24:19.49 ID:tkqId6V/0
支援
505 :
ID:L77/mEJ1O 25/26 ◆jH6qejmC7g :2008/08/29(金) 23:24:24.67 ID:Mhw+BYgl0
窓のカーテンを開ける。
もう空の端が明るくなってきていた。
窓を開けると、さえずる鳥の声と、穏やかな風が入ってくる。
不思議だ。
見慣れた筈の夜明けの光景なのに、とても、きれい。
あまりにきれいで、また涙が出てきた。
川 ゚ -゚) 「きれい、だなぁ……」
ああ、そうか。
多分、私はもう大丈夫になったのだ。
とても、残酷なことに。
川 ゚ -゚) 「ん……!」
506 :
ID:L77/mEJ1O 26/26 ◆jH6qejmC7g :2008/08/29(金) 23:25:24.00 ID:Mhw+BYgl0
涙を拭って、伸びをした。
いい気分だ。とても、いい気分。
よし。こんな日は大学をサボって、ブーンやツン達と遊ぼう。
きっと、とても楽しいだろう。
川 ゚ -゚) 「うん」
そうと決まれば、早速準備をしよう。
どこに行こうか。考えるだけでワクワクする。
遠足は前準備が一番楽しいというが、これも、その一種なのだろうか。
そうして私は、新しい一日を始めた。
今日が、楽しい一日になればいいと、そう思う。
川 ゚ -゚) ふしぎな夢を見るようです。 fin.
507 :
◆jH6qejmC7g :2008/08/29(金) 23:27:01.73 ID:Mhw+BYgl0
代理は以上です。
見事にgdgdになって正直スマンカッタ。
作者さんには謝っても謝りきれん……。
代理投下乙です。ありがとうございました。
お手数おかけしました。
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:27:06.90 ID:6dAuLu6RO
乙!
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:27:08.62 ID:frd1TZduO
乙!
すごく良かった、大好き
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:28:27.83 ID:h0yjeXuMO
二重に乙!
モララーがクーの首ぶった斬るのかと思ったがそんな事はなかったぜ!
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:29:39.63 ID:Mhw+BYgl0
乙
このモララー好きだわ。
兄貴のノートPCと俺のノートでIDが同じなことに驚愕した。
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:31:22.89 ID:fHmUuWbIO
乙
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:33:25.79 ID:TWFkhqme0
代理も作者も乙
投下します。
絵番号はNo.10です
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:34:12.22 ID:LCP5CnVa0
乙!!
よっしゃ投下すっかな!!
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:34:29.78 ID:h0yjeXuMO
おkならば支援だ
518 :
頂きます、のようです:2008/08/29(金) 23:34:59.67 ID:TWFkhqme0
もう昔の話だ。
幼馴染みのデレと僕はとても仲が良くて、よく母さん達の目を盗んでは二人で外に出掛けていた。
金色の柔らかい髪が僕の前で踊り、その髪に包まれるようにしてあるのは柔らかいデレの笑顔。
デレは僕より年上だったけど、とても頭が悪くて世間知らずな子どもだった。
僕より外に出ているくせに、デレは本から吸収した僕の知識を発揮するたびに驚いていた。
だけどその時、僕の方だけを見て笑ってくれるデレがとても可愛くて、綺麗で。
僕はそんなデレが、大好きだった。
頂きます、のようです
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:35:05.20 ID:LCP5CnVa0
ごめんなさい(´・ω・`)
>>515が終わるまで待つか、明日にします
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:36:10.91 ID:n3WAHiU8O
これは30レス以内でもスレ立てて投下したほうがいいかな?
521 :
>>516横入りすまない。すぐにおわらせる:2008/08/29(金) 23:36:56.41 ID:TWFkhqme0
外は既に薄暗くなっている。夜のディナーには丁度良い時間だ。
広々としたキッチンでスープを煮込みながら、僕はそんな事を考えていた。
窓の外を眺めていると必ず思い出すのはデレの事ばかり。
つまり、それ程デレとの思い出が詰まっている世界なのだ。
そういえば僕が外に出なくなってもう十年近くなる。
最後に家から抜け出したのは今日のようにとても天気の良い夏の夜だった。
花火を見せてあげると言うデレに連れられて、この街一番高い木に二人で登って花火を見た。
確か、運動神経も悪いデレがいつまで経っても木に登れないでいた気がする。
ようやくデレが木に登れた頃には花火も大詰めを迎えていて
花火半分しか見れなかったね、って言いながら能天気に笑っていた。
それでも僕は初めて見る花火にとても胸を踊らせていて
半分でも見れたから充分だよ、って言ったような気がする。
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:37:05.69 ID:kqZ+5O3t0
523 :
頂きます、のようです:2008/08/29(金) 23:37:45.94 ID:TWFkhqme0
けれどその夜以降、デレと外に出る事はなくなってしまった。
理由は当然の如く、夜に禁じられていた外出をしたからだ。
デレは父さんに何度もぶたれていて、頬を真っ赤にして泣きながらごめんなさいと繰り返していた。
そんなデレを見て僕は止める事もしないまま、ただ冷たい目でデレを見る事しか出来なかった。
勿論、完全にデレを見捨てたと言えば嘘になる。
だけど絶対的存在の父さんに歯向かえなかった幼い僕は、デレを悪人にする事で自分を守ったのだ。
それから三日振りに顔を合わせたデレの頬は腫れていて、とても痛々しかった。
唯一の慰めにと思って、メイドから氷水を貰いデレの頬に優しく当てると
ひーくんありがとう、と嬉しそうな声で言っていた。
その優しさに何も言えなくなった僕は、ただ淡々とした声でぶっきらぼうに返事をしたのだった。
今でもこの事は後悔している。
もしあの時デレを叩く父さんの手を止める事が出来ていれば、
そうじゃなくても、あの後デレに見て見ぬ振りをした事を謝罪出来ていれば。
そんな事を考えてしまうのだ。
524 :
頂きます、のようです:2008/08/29(金) 23:39:13.37 ID:TWFkhqme0
不意に背後からオーブンの終了を告げるベルが鳴った。
側にあった鍋掴みを手に嵌めてオーブンのドアを開けると肉の焼ける匂いがキッチンを駆け巡る。
思っていた以上に美味しそうに出来ている。そう思う僕の心はどこか嬉しそうだった。
後はスープが出来ればディナーの準備は完了だ。
煮込んでいるスープを味見してみると、いい感じに味が取れている。
後もう少し煮込めば更に美味しくなるだろう。そう思いながらキッチンから出たのだった。
一人で使うには贅沢すぎる広いリビング。
ほんの数日前は沢山の人で賑わっていたのに、今ここにいるのは僕一人だけだ。
目の前で大きく構えている食卓用の長い机を包み込むようにテーブルクロスが掛けられている。
デレのお母さんが大好きだった紫色のテーブルクロスを撫でて再び物思いにふけった。
525 :
頂きます、のようです:2008/08/29(金) 23:40:02.81 ID:TWFkhqme0
デレのお母さんはメイドの中でも一番出来る人だった。
母さんから聞いた話じゃ、母さんとデレのお母さんは昔からの知り合いで
それなりに交友関係もあった事から、他のメイドと違って娘のデレと一緒に住み込みで働いていた。
けれど、僕が中学校に入った年の夏にデレのお母さんは亡くなった。
何かの病気を患っていたらしく、病気が発覚した時は既に遅かったそうだ。
葬式には僕達家族も参加した。デレの親戚は一人も葬式に来なかった。
泣き虫なデレも、この日だけは泣かずに参拝に訪れた人達の応対をしていた。
流石メイド長の娘なだけあって、機敏に動きながら参拝に訪れた人達に終始笑みを浮かべて話をしていた。
葬式も一段落して、デレに夜食を持っていってあげると、誰もいない物置き場で一人膝を抱えて泣いていた。
僕の気配に気付いたデレは慌てて涙を拭い、いつもと何ら変わらない笑みを見せてくれた。
泣き笑いとはまさにこの事だ。そんな儚いデレの微笑みに、僕は胸が詰まるような気持ちになった。
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:40:21.01 ID:Mhw+BYgl0
支援
527 :
頂きます、のようです:2008/08/29(金) 23:40:47.41 ID:TWFkhqme0
少し思い出に浸り過ぎたようだ。
キッチンへ戻り、スープの味見をすると丁度良い具合に出来上がっていた。
食器棚からお気に入りの皿を幾つか出すと、スープを真っ白な皿に入れていく。
少し濁った白いスープがカップを滑り落ちていった。
スープを食卓へ運ぶと、先程焼き上がった肉を食べる分だけ切り分けた。
途中、何か堅い物に当たって綺麗に切り分ける事が出来ず見栄えが悪くなってしまった。
しかし今日これを食べるのは僕だけだ。特に見た目を気にする必要はないだろう。
そう思い直し香ばしい香りが漂う肉が乗った皿も食卓へ運んだ。
最後に僕は冷蔵庫から大きな肉を出した。
剥き出しになった果物のようなそれには微かに血が混っていた。
洗い落とそうかとも考えたが、逆にこの血が味を引き立ててくれるだろう。
そう思い僕はそのまま食卓へと足を運ばせた。
528 :
頂きます、のようです:2008/08/29(金) 23:41:38.81 ID:TWFkhqme0
食卓に運んで行く途中で何か柔らかい物につまづいた。
厳密に言えば物と化した物体を足で脇に寄せると、真っ赤なそれに目もくれずに歩いて行った。
それは、つい三日前まで生きていたはずの人だった。
三日前、この屋敷に強盗が押し入って来たらしい。
らしい、と言うのも僕は過保護な両親が作った頑丈な部屋に閉じ込められていて、詳しい事情を知らないからだ。
ドアの外から聞こえて来る叫び声と肉が引き裂かれる音に、僕はどうする事も出来ず震えていた。
窓から抜け出して助けを呼ぼうにも、窓の鍵は使用人しか持っていない。
頑丈なドアだから侵入はされないけれど、逆に僕一人では部屋からも出られない。
せめて誰か一人だけでも、デレだけでもいいから生きていて欲しい。一人膝を抱えてそう願った。
けれど現実はそう簡単にいく訳がなかった。
次の日の朝、警察が来て僕を部屋から出してくれた時には屋敷中血の臭いと腐臭が漂っていた。
その時初めて僕は昨晩の犯行が指名手配されていた強盗だった事、僕以外生きている人間は誰もいない事を知った。
この屋敷は街外れにある為、本格的な現場検証は後日という事になり警察は帰っていった。
最も、僕が追い出したと言った方が近いのだけれど。
529 :
頂きます、のようです:2008/08/29(金) 23:42:21.50 ID:TWFkhqme0
誰もいなくなった屋敷で、僕はデレを探した。
肉親である父さんや母さんを探すより先に僕はデレの行方が気になったのだ。
デレは一番奥の寂れた物置部屋で見つかった。
心臓ひと突きで、それ意外の目立った外傷は見当たらなかった。
寝ているだけなんじゃないかと思う位安らかな顔をしていて
ああ、きっと苦しまずに逝く事が出来たのだろうと思った。
デレの死体を目にした僕は特に何も感じなかった。
デレがたった一人の肉親である母親を亡くして泣いていたような悲しい気持ちも
狭い世界に存在していた顔見知りを全て殺された悔しい気持ちもなかった。
まるで空っぽになったみたいに感情と言う感情を感じることが出来なかった。
きっとデレがいないからそう感じるんだ。
だって、デレと一緒なら楽しい気持ちも嬉しい気持ちも、何だって共有出来た。
ならデレを僕の中に取り込めば良い。そうすればきっと何かを感じる心が手に入るに違いない。そう思った。
530 :
頂きます、のようです:2008/08/29(金) 23:43:06.69 ID:TWFkhqme0
目の前に広げられたグロテスクな食べ物達。
四肢を引き裂いて焼いた腕と足の丸焼き。
骨を砕きにして取った骨味のスープ。
そして目の前にあるのは、もはや原型を成していない脳みそだった物と無造作に備えられた目玉が二つ。
どう見たって美味しそうじゃない。むしろ、こんな下手物な物を食べようとも思えなかった。
けれど、それでもこの不味そうな料理を食べたいと思うのはこの食材一つ一つがデレだからだ。
もはや僕の知っているデレの姿ではないけれど、生まれてからずっと共に過ごして来た身体なのだから。
(-_-)「頂きます」
幼い頃から母さんに教えられていた食事の前の挨拶をすると、フォークとナイフを持って冷たい肉を切り分ける。
切り込んでいく度に血が噴出し、僕の洋服も血塗れになってしまった。
けれど、そんな事も気にしないで肉を切り分ける。
神経の筋なのだろうか中々切れず、しまいには肉を乱暴に引きちぎってしまった。
血塗れの肉は正直言って美味しくなかった。
むせ返るような生臭い味、嫌に堅い食感、それらは僕の喉を通り胃の中に落とされた。
けれども、何回か口に運んでいく内に味や食感にも慣れて来た。
それでも美味しいとは思えなかったけど、確実に先程よりは食べ物としての機能を果たしている気がした。
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:43:44.83 ID:h0yjeXuMO
支援
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:48:27.52 ID:Mhw+BYgl0
533 :
>>515:2008/08/29(金) 23:54:12.44 ID:hv+aLAdhO
猿に掛かってしまった…すまない
もうしばらく待って解除されなかったら携帯から投下します
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:59:27.57 ID:LCP5CnVa0
眠気が限界突破しそうなので、投下は明日の夜にしますわ
ごめんね(´・ω・`)
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:00:58.90 ID:2X86WiHj0
規制解除うおおーー乙!
536 :
頂きます、のようです:2008/08/30(土) 00:02:24.57 ID:9qjm66FXO
機械的にどんどん生臭い肉を口に運んでいくと、残り半分になっていた。
備えられた目玉をフォークで刺し、口に含むといつか食べた魚の目玉のような味がした。
DNAだったかが豊富なのは魚も人も変わらないのかな、そう思いながら目玉を噛み締めた。
元々脳みそと言う器官だった物体を食べ終え、白く濁ったスープをスプーンで救って飲む。
案の定味はなかったが、血の味で満たされていた口内を潤すには丁度良かった。
それから僕はテーブルの上に出された料理を全て食べた。
腕の肉を食べ、骨のスープで喉を潤し、時折お気に入りの葡萄酒で舌の舌の感覚を正常に維持させた。
欠片一つも残さず食べ切ると膨らんだ腹を落ち着かせる為に椅子に座り直す。
瞼を閉じて、体内に吸収されたデレと過ごした日々を巡らせた。
血の臭いに混ってデレとの記憶が蘇る。
一緒に遊んだ事、一緒に怒られた事、一緒に笑った事、一緒に泣いた事。
いっしょ、に。
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:03:27.18 ID:9jTl7PK30
DHAドコサヘキサエン酸支援
538 :
頂きます、のようです:2008/08/30(土) 00:05:14.42 ID:9qjm66FXO
(-_-)「あれ……?」
頬に何か温かい水が滑り落ちた。
拭ってみるとそれは僕の目から出ているもので、ああ、僕は今泣いているんだと冷静に思った。
息を深く吸い込み、深呼吸をして泣きたい衝動を押さえるけど
止め方を知らない涙は僕の膝を濡らしていく。
(-_-)「あ……あああぁぁ……」
胸に込み上がる息苦しさに机に伏せ、声を上げて泣いた。
身内が全員死んでしまった時も、デレの死体を目にした時も泣かなかった。悲しいという感情が働かなかった。
けれど今僕を満たすのは悲しい感情のみだ。説明のしようがない感情が僕を飲み込んでいく。
名前の付けられない、こんな感情は初めてだった。
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:05:26.44 ID:dbRNAVli0
支援
540 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:09:09.62 ID:9jTl7PK30
C
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:09:27.92 ID:9qjm66FXO
(-_-)「……デレなんだ。きっとデレの……デレの」
そのまま言葉を紡ぐ事が出来ず、僕は心の中で口に出そうとした言葉を呟いた。
きっとこの涙はデレの優しさなんだ、と。
いつも笑顔だったデレの、ドジで泣き虫なデレの、弱虫だけど我慢強いデレの優しさなんだ。
嗚咽をあげながら僕はずっと奥にある向かい側の席に視線をやる。
テーブルの上には割れた頭蓋骨を隠すように覆っている金色の髪。
その下にはぽっかりと三つの穴を開けたデレの顔があった。
大好きだった、ずっと大好きだった。
父さん達は僕達の仲を嫌がっていたけれど
本当はそんな圧力なんかに負けないくらい大好きだったんだ。
だけど僕はデレに何かをしてあげる事は出来なかった。
デレはこんなどうしようもない僕を実の弟のように可愛がってくれて
今だって感情をなくしていた僕の涙を流してくれた。
(-_-)「……ありがとう、デレ」
今はこんな簡単なお礼しか言えないけれど
いつか天国で会えたら今までしてもらった分ちゃんと返すから。
だからそれまでデレのお母さんと一緒に待ってて下さい。
542 :
頂きます、のようです:2008/08/30(土) 00:10:48.59 ID:v+s+3EsT0
(-_-)「ご馳走様」
涙を拭いながら手を合わせて軽く頭を下げる。
明日にはきっとまた警察が来るだろう。
デレを食べたなんていえないから、今からでも屋敷を出る準備をしよう。
数回しか外に出たことの無い僕にとっては無謀な事だけど
ここで何もしないでいるよりは、次にデレと会う時一人前の男になった姿を見せ付けてやろう。
亡骸となったデレと一緒に、世界を見に行こう。
そう思っていると向かいの席に見えた、無表情のはずのデレが笑った気がした。
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:13:23.13 ID:v+s+3EsT0
以上で投下は終わりです
支援してくれた人、読んでくれた人、No.10の絵師ありがとうございました
あと
>>534には本当に申し訳ないことをしてしまった。すいませんでした
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:13:33.68 ID:jDi8BT4+0
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:13:56.48 ID:qmQJd7ZH0
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:14:06.71 ID:s7Bb5TdDO
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:14:27.53 ID:d3JaGJzi0
>>543 乙ー
どうしよう書きあがったけどあまり面白くなくて投下する気になれない
やっぱカオス書くときは徹夜してから開き直って書かないとだめっぽいな
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:15:02.14 ID:X/9KjppOO
今から投下していいかい?
No.41で
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:15:43.07 ID:wQTADkWlO
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:17:04.94 ID:s7Bb5TdDO
乙!
不思議な気分になったぜ
>>548 徹夜テンションは最強だぜってさぁ投下したまえ
>>549 全裸で待ってる
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:17:43.76 ID:v+s+3EsT0
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:17:46.60 ID:wQTADkWlO
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:19:18.64 ID:X/9KjppOO
('、`*川 うーん
('、`*川 ……あっついなー
('、`*川 顔洗ってコンビニでも行ってこよう
ファミリーマーソン店内
( ><) いらっしゃいませなんです!
('、`*川 うーん。 ガリガリ君で安くすませるか豪華にガツンとみかんか……
♪きーみーがーいたなーつーはー♪
('、`*川 ん?電話……ドックン?
なんだろ
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:20:33.20 ID:X/9KjppOO
ピッ。
('A`) おっ。 今何してんだー?
('、`*川 ファミソンでアイス吟味してるけど?
珍しいね、ドックンがこんな早くから起きてるなんて
(;'A`) 朝早くって……もう昼前なんだが
('、`*川 だっていつも学校来るの昼からだったじゃん
('∀`) そりゃ夏休みは特別だからですよ
('、`*川達は夏休みのようです
しえーん
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:22:12.73 ID:X/9KjppOO
('A`) まあそれは置いといて……
暇だったら遊ばないか?
('、`*川 何?いきなりデートのお誘いなのかなwww
('A`) いや、新聞屋にプールのチケットもらったんだが行く相手がいなくてな
('、`*川 ブーンと行けばよかったんじゃないの?
( ><) 63円なんです!
丁度お預かりしたんです!
('A`) ブーンは今野球部の大会前でそんなどころじゃねえよ
('、`*川 ふーん シャクシャク
まあタダだし行ってあげてもいいよ シャクシャク
('A`) うし。 じゃあ用意してお前んちに行くわ
('、`*川 はいはーい、そんじゃねー
ミーンミーン
('、`*川 プールかー、暑かったから丁度いいか
しえん
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:26:05.84 ID:v+s+3EsT0
支援
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:26:46.87 ID:X/9KjppOO
ピンポーン
('、`*川 はいはーい
来るの遅かったねー
('A`) ん?海パン買いに行ってたからな
ってかお前なんだその格好www露出高杉ワロタwww
('、`*川 別にいーじゃん
減るもんでもなし
ってかわざわざ買ってきたんだ
(;'A`) まあそうなんだが目のやり場に困るというかなんというか……
('、`*川 やーんドックンやらしー
今更幼なじみのこんな格好見てもなんともないでしょwww
(;'A`) ん、まあな
んじゃ行くか
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:29:03.76 ID:X/9KjppOO
巨大レジャー施設『VIPランド』
(;'A`) うわぁ……すげぇ混んでるな
('、`*川 本当だねー、じゃあ着替えたらエレベーター横の自販機で待ってて
('A`) ういー
('、`*川 お待たせー
('A`) おう、意外と早かったな
('、`*川 まあ脱ぐものが少なかったからねwww
('A`) 確かにwww っていいもん持ってきてるじゃねえか
浮き輪→◎⊂('、`*川 なかなか準備いいでしょ
気持ちいいなー ('A` )
プカプカ ~⊂≡∪⊃~
∪∪
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:31:32.86 ID:X/9KjppOO
('A`) 流れるプールって凄いな
('、`*川 だねー、ってかそろそろ浮き輪代わってくんない?
('A`) だが断る
ドンッ
('、`*川 痛っ、すいませ……
( ゚∀゚) おう、こっちこそ、ってペニサスじゃねえか
(;'A`) うおっ! ジョルジュ……
(´・ω・`) そういう君はドクオじゃないか
こんなところで伊藤と二人で何をしてるのかな?
('、`;川 長岡だけじゃなくてショボンまで……
('、`;川 (こりゃ色々言われそうだね)
( ゚∀゚) ん? まさかデートかてめえら!
(´・ω・`) 見たところそのようだね
(;'A`) そ、そんなんじゃなくてだな
しえー
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:32:41.88 ID:X/9KjppOO
('、`;川 そうそう! ドックンがタダ券手に入ったから
_
( ゚∀゚) ふーん?
(´・ω・`) じゃあ別に邪魔なわけじゃないだろうから一緒に遊ばないかい?
(;'A`) え゛……
( ゚∀゚)⊃○ ビーチボールもあるぜ!
(;'A`) え、いや、あの……
('、`*川 いいねー! みんなで遊ぼっか!
Σ(;'A`) (mjd!?)
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:33:27.29 ID:s7Bb5TdDO
支援だ!支援なのだ!
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:33:59.84 ID:X/9KjppOO
ペコーン ポコーン バシコーン!
('、`*川 あっ、ごめーん
飛ばしすぎちゃったからドックン取ってきて☆
('A`) 取ってきて☆じゃねえよ!
( ゚∀゚) とか言いながらもあいつちゃんと取りに行くのなwww
(´・ω・`) 彼は基本的にいい人だからね
( ゚∀゚) で? お前ら実際どうなんだよ?
('、`*川 どうって何が?
( ゚∀゚) 実際付きあってたりとかすんのか?
('、`*川 何言ってんのよ、只の幼なじみだって
(´・ω・`) でも果たしてドクオはどう思ってるのかな?
( ゚∀゚) 俺らや内藤を差し置いてプールに誘うくらいだからな
('、`*川 だけどブーンは大会前なんでしょ? だからでしょ
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:40:24.44 ID:qmQJd7ZH0
支
社
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:43:15.87 ID:X/9KjppOO
(´・ω・`) 野球部なら一週間前に初戦敗退したよ
僕らと一緒にドクオも応援に行ったから知らないはずないんだけどね
('、`*川 ふーん……
( ゚∀゚) お前自身はドクオの事どう思ってんだよ?
('、`*川 どうって言うか……今までずっと一緒だったからねー
(´・ω・`) 来たよ
(;'A`) ふう……流れるプールに飛んでいってたから大変だったじゃねーか
( ゚∀゚) おう。 ゴクローサン。
なあ、あのスライダー乗りに行かないか?
(´・ω・`) いいね、それ。
君らもそれでいいかな?
(;'A`) 別にいいけど(せっかくボール取ってきたのに)
('、`*川 じゃあいこっか
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:45:01.79 ID:qmQJd7ZH0
572 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:53:59.14 ID:v+s+3EsT0
支援
573 :
オムライス ◆OmuricecW6 :2008/08/30(土) 00:54:04.36 ID:PefxdDSv0
皆さん乙です。
遅くなってしまう……! と慌ててしたらばにスレ立ててもらったのですが、
本スレがあったようですみません。
本当に遅くなりましたが、もう少ししたらまとめ作業に入ります。
ところで、このスレにほぼ全部が投下&宣言されていると思って大丈夫でしょうか?
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:57:47.08 ID:X/9KjppOO
ウォータースライダー乗り場
(´・ω・`) 二人乗りなんだね
(;゚∀゚) うわ……意外と角度あるんだな
('A`) 結構楽しそうだな
(´・ω・`) じゃあ僕らから先に行くよ
(;゚∀゚) ちょ、待てショボン! まだ心のじゅん……うあああぁぁぁぁ……!
('、`*川 あはは、長岡ビビリまくりだね
(;'A`) あんなに叫んで恥ずかしくないのかよ
('A`) よし、次は俺らか
('、`*川 ドックン前に乗るの?
よっ、と
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:59:35.63 ID:qmQJd7ZH0
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:00:14.02 ID:v+s+3EsT0
>>573 オムさん乙です
多分ここにあるので全てだと思います
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:00:38.24 ID:X/9KjppOO
ξ゚听)ξ はい、じゃあ押しますよー
('A`) おおっ!!
('、`*川 きゃぁーwww 結構早いんだねー!!
ザァァーーーー
Σ('A`) うおっ! いきなり掴まるなよっ!
('、`*川 だって落ちそうなんだもん!
(*'A`) (こ、この背中に当たる柔らかさは……!)
ざっぱーーーん
('、`*川 うわー、中々迫力あったね
(*'A`) お、おう (ヤバい、おにんにんヴォッキッキ!)
(´・ω・`) 中々楽しかったね
とりあえず水から上がって来なよ
(;'A`) (なっ……!なんだって! そんなことをすれば俺のリトルマーメイドがっ!!)
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:04:15.00 ID:X/9KjppOO
('、`*川 ほらドックンも早く上がりなよー
(;'A`) い、いや俺はもう一回行ってこようかな
そうだ! ショボンも行かないか?
(´・ω・`) ん?ああ、別にいいけど
(;゚∀゚) お、俺はもうやらねえぞ!
(´・ω・`) じゃあ行こうか、ドクオ
(´・ω・`) なるほど、君のリボルバーが撃鉄を起こしてたって訳か
(´・ω・`) でもよかったのかい?
ジョルジュと伊藤を残してきて
('A`) ん? なんかあんのか?
(´・ω・`) 今まで君には黙っていたけど彼は伊藤の事が好きらしいんだ
Σ(;'A`) え!?
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:07:22.70 ID:X/9KjppOO
(´・ω・`) 気付いてなかったのかい?
(;'A`) マジかよ……!
(´・ω・`) もしかしたらこれを機に二人が親しくなるかもしれないね
ξ゚听)ξ はい、じゃあ押しまーす
ザァァーーーー
('A`) …………
ざっぱーーーん
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:07:59.76 ID:yAfX3TJU0
どうでしょう、正直わかんないです。
したらばも見たほうがいいのでは支援。そして書かなきゃ……
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:09:15.04 ID:X/9KjppOO
('A`) あっ……
( ゚∀゚) …………www ('、`*川
('A`) (なんか凄い楽しそうにしてるな……)
(´・ω・`) どうしたんだい? 突っ立ってないで早く進みなよ
('、`*川 あっ、戻ってきたよ
( ゚∀゚) おーう、わざわざあんなもん二回も乗った感想はあるかー?
(´・ω・`) 君が思うよりはるかに爽快だったよ
('A`) ……
( ゚∀゚) おっ、もうこんな時間か
そろそろ帰るとすっか!?
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:11:48.20 ID:St+zmsH4O
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:12:42.07 ID:X/9KjppOO
(´・ω・`) 20時前か。
そうだね、僕も夜からバイトだし
('、`*川 そっか、じゃあ私達もそろそろ上がろっか
('A`) ん? あ、上がるか
(´・ω・`) ……
('、`*川 じゃあ受け付け前のソファーで待ってて
( ゚∀゚) あー、中々疲れたな
(´・ω・`) そうだね。 予想以上にプールは体力を使うよ
( ゚∀゚) この後にバイト控えてるとかタフすぎだな
('、`*川 お待たせー
(´・ω・`) じゃあ行こうか
584 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:14:39.70 ID:sguNW7YwO
>>573 どうなんでしょうね?
投下された作品数が、したらばで宣言された数より少ない気がするんですが支援。
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:15:19.17 ID:X/9KjppOO
( ゚∀゚) ハハッ、マジで内藤はバカだよな
あっ、わりぃ。 俺とショボンは帰り道こっちだわ
('、`*川 あ、そうなの?
それじゃあまた今度ね
(;'A`) (また今度……?)
(´・ω・`) じゃあね
たまには君らもうちの店に遊びにおいで
('、`*川 じゃあまたねー
('、`*川 …………
('A`) …………
('、`*川 ……ねえドックン?
('A`) ……ん?
('、`*川 帰り道ずっと黙ってたけど何かあったの?
(;'A`) (どうしよう、ジョルジュとの事聞くべきなのか……)
(;'A`) あ、あのさ……
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:18:23.63 ID:X/9KjppOO
( ゚∀゚) しかしドクオも隅に置けねえな
(´・ω・`) そうだね
( ゚∀゚) でもよー、せっかくいい感じなのに告白したりしねえんだな
(´・ω・`) どうだろうね
さっきある事を話したからもしかしたら今頃告白の真っ最中かもね
( ゚∀゚) ん? 一体どんなこと話したんだ?
(´・ω・`) ……君が伊藤の事を好いてるって言っておいたよ
(;゚∀゚) …………はあ?
(´・ω・`) 君ら二人が下に残った時にドクオにかまをかけたのさ
(;゚∀゚) ちょ、ちょっと待てよ!
じゃあ帰り際にドクオがずっとテンション下がってたのは……
(´・ω・`) うん。きっと勘違いしてるだろうね
(;゚∀゚) お前……俺とドクオの友情はどうなるんだよ……
(´・ω・`) あの童貞が告白してから弁解すればそれでいいじゃないか
(;゚∀゚) お前は鬼か……
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:21:22.99 ID:X/9KjppOO
('、`;川 え? 別に長岡と遊ぶ約束なんてしてないけど…… なんで?
(;'A`) え? い、いやさっきほら、また今度って言ってたからさ
('、`*川 いや、だってそのうちどっかその辺で遭遇くらいするでしょ
(;'A`) そういうことか……
(;'A`) (じゃああいつはまだそんなにアプローチしてないってことか)
('、`*川 そんなことで黙り込んでたの?
(;'A`) (ど、どうする俺!? ここは先手を打って告白か!?)
(;'A`) (でもそんな勇気俺には……)
(;'A`) (ああぁぁ('、`*川 ドックン聞いてる?
(;'A`) え?あ、ああうん(近っ!)
('、`*川 ……じゃあ見たいテレビあるし急いで帰ろっか!
Σ('A`) !!(あっ! 手……)
(*'A`) ちょ、お前! 手引っ張るなよ!
('、`*川 何今更手繋いだだけで照れてんのよ!
ほら早くっ!
(*'A`) (……やっぱ今はとりあえずこのままでいいのかもな)
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:23:10.25 ID:s7Bb5TdDO
抜いてる間にオムさん来てた支援
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:23:30.68 ID:X/9KjppOO
――次の日
♪きーみーがーいたなーつーはー♪
('、`*川 あっ、ドックンから電話だ
今度はなんだろ……
(*'A`) ぺ、ペニサスか?
あ、あのさ、俺……
お し ま い
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:25:16.12 ID:X/9KjppOO
すまん
途中で二回さるさんくらってgdgdになっちまった
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:25:54.35 ID:gnUl25Us0
>>573 ここ以外にも総合でいくつか投下されているのを見ましたよ
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:26:25.74 ID:B4F3WxTi0
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:26:51.02 ID:sguNW7YwO
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:26:52.70 ID:s7Bb5TdDO
乙!
気になる終わり方しやがってwwwww
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:33:26.27 ID:gnUl25Us0
乙!
596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:37:57.70 ID:XfgOtycO0
これは乙!
くそっドクオのくせに・・・!!
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:43:55.40 ID:vBWqeQP9O
乙
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:48:28.28 ID:X/9KjppOO
支援してくれた人、読んでくれた人いたらありがとう
そしてオムさん乙です
まとめ大変やろうけどがんばって!
599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:55:55.78 ID:yAfX3TJU0
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:57:09.91 ID:sguNW7YwO
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:59:08.49 ID:v+s+3EsT0
乙!
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:11:45.16 ID:nG9DFedf0
保守
603 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:23:54.65 ID:s7Bb5TdDO
誰か書かないかなぁ
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:25:11.69 ID:efzD3cl80
いまから書いて間に合うかね?
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:35:15.00 ID:cIfaFWmrO
投下しますよ!
607 :
NO.021 22 :2008/08/30(土) 02:36:16.99 ID:cIfaFWmrO
Q.孤独を感じるとどうなるの?死ぬの?
A.死にません。死ねません。だから苦しいのです。
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:36:37.75 ID:s7Bb5TdDO
支援しますよ!
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:37:38.21 ID:yAfX3TJU0
誰がお前なんかに支援なんかしてやるか。出直して来い。
ば、馬鹿!嘘に決まってるでしょ!ほら、支援!
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:37:52.37 ID:cIfaFWmrO
だから、クーは笑うようです
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:38:50.22 ID:cIfaFWmrO
クーは歩いていた。
他の多くの人がそうであるように、求め、歩いていた。
他の人と違うのは、求めていたものが死に場所であることだろうか。
他の人というのは、つまり、生きる理由を探している人のことである。
クーはそんな人を鼻で笑いたい。
生きる理由が知りたいなら、死んでしまえ。そうすれば、わかるだろうよ。
その瞬間に死にたくないと思ったならば、それがお前の理由だと。
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:40:07.19 ID:s7Bb5TdDO
支援
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:40:58.24 ID:cIfaFWmrO
衝動に従い、クーは鼻で笑ったが、そのほんの少しあと、その笑みは消えた。
マイノリティであることが彼女の人生を狭めていき、
その末に死を求め、その他大勢を恨みながら歩いていたというのに、
結局は彼女もその他大勢であると気付いたのだ。
彼女も結局は、知りたかったから歩いていたと。
死んで、その瞬間に、私が見る理由とは、答えとは、 ?
理由を知りたくて死ぬ。理由を知りたくて生きる。
この世に、利口なものなどいるのだろうか。
より愚かなものと、ただ愚かなもの。
そのふたつしか見たことが無い。
――ならば より愚かでありたいと 私は願ったのだろう
マイノリティであることを、
アイデンティティに仕立てあげるところなど、まさに愚か者では無いか?
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:41:51.23 ID:cIfaFWmrO
歩くだけならば、簡単なのだ。
生きるだけならば、簡単なのと同じように。
川 ゚ -゚) 「…」
涙が頬を伝う。何故泣いているのかは、わからない。
声をあげてこどものように泣けば、何かが変わるかもしれないと、
クーは声を張り上げた。
端正な顔立ちに似合わぬ醜い声を、山が吸い込んでゆく。
声などもうずっと出していなかったのに、
何故声の出し方を忘れてしまわないのだろう。
声と涙とが枯れ果てても、何も変わらなかった。
クーは相も変わらず死に場所を求めていたし、
醜い声はより醜くなった。
615 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:42:41.18 ID:s7Bb5TdDO
支援
616 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:43:03.89 ID:cIfaFWmrO
('A`)「ひでえ声だ」
澄んだ声がした。
川 ゚ -゚) 「誰だ」
('A`)「俺だ」
振り返ると、花が咲いていた。
桃色の、見たこともない花であった。
川 ゚ -゚) 「何処に居る」
('A`)「何処にでも居るさ、俺みたいなロクデナシはさあ」
川 ゚ -゚) 「その綺麗な声がロクデナシの声であるはずはない」
('A`)「おもしろいことを云う」
617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:43:59.79 ID:cIfaFWmrO
風もないのに、花びらが散る。
それは祝福のようであった。
クーはまた泣いた。この美しい景色を汚さぬよう、声を出さずに泣いた。
('A`)「やあ」
現われた男は、右頬に醜い火傷を負っていた。えぐれているようにも見えた。
そもそもの造作もよくないことも手伝って、非常に醜く仕上がっていた。
滅多に表情を変えることの無いクーに顔を逸らさせるほどに。
川 ゚ -゚) 「ひどい顔だ」
('A`)「誰だ」
男は笑った。醜い顔だった。
川 ゚ -゚) 「私だ」
クーも笑った。醜い声だった。
('A`)「何処に居る」
川 ゚ -゚) 「此処に居るさ、私のようなロクデナシは」
('A`)「そんな綺麗な顔をしたロクデナシはいないだろうさ」
川 ゚ -゚) 「お前はつまらぬことを云う」
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:44:42.13 ID:cIfaFWmrO
('A`)「酷い声だ。蛙が潰れたってそんな声は出しやしない」
川 ゚ -゚) 「オペラ座の怪人だって、そんな酷い顔じゃあなかったろうさ」
川 ゚ -゚) 「私は、死ににきた」
('A`)「俺は、もう死んでいる」
川 ゚ -゚) 「そうか。つまり君は、知ったのか?」
('A`)「何をだ」
川 ゚ -゚) 「ああ、知ったかと云うのは適切でない。ありもしないものを知ることは不可能だからだ。
あったのか?君は、死ぬその瞬間に、死にたくないと思ったのか?」
('A`)「頼むからその声であまり長いこと喋らないでくれ、耳がおかしくなりそうだ。
人間の喉からそんな不協和音が奏でられるとは、まるで奇跡だ」
男の声は本当に美しかった。今まで聞いたどの小鳥よりも美しく鳴いた。
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:45:40.33 ID:s7Bb5TdDO
支援
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:45:59.46 ID:cIfaFWmrO
('A`)「そんなもの、死んでみたらわかるだろうに」
川 ゚ -゚) 「頼むから、その顔をこちらに向けないでくれ。何をどうしたらそんなに嫌悪感を与える顔になるというんだ?
そんなものをひっさげて一秒でも生きていたなんて、君は努力家だな」
クーは笑った。その笑顔はどんな絵画よりも美しく男の目に映った。
('A`)「ああ、その美しい顔に免じて教えてやろうか。死なずともそれが知れる方法を」
川 ゚ -゚) 「その美しい声を聞くために教えられてやろう」
('A`)「俺はその花の下に埋まっている。つまり、俺は殺されたのだ。
だから死の瞬間をそれと認識したことはない」
川 ゚ -゚) 「それが何だと」
「しゃべるなと言っただろう。さあ、其処に耳を当てろ。俺の屍から答えを聞くといい」
川 ゚ -゚) 「…」
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:50:27.59 ID:AoWbjb/J0
支援
622 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:51:13.37 ID:s7Bb5TdDO
支援
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:51:56.87 ID:ca1hgkxFO
裸族注意支援
624 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 02:58:23.31 ID:s7Bb5TdDO
さるさんかな
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:12:09.08 ID:s7Bb5TdDO
保守
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:16:31.15 ID:s6VLev2E0
支援
627 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:28:10.25 ID:ca1hgkxFO
さるが憎いぞ!!!!
628 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:30:12.24 ID:A9YfWB1h0
バルーーーーンパンチ!さるはいなくなる!
629 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:31:20.51 ID:s7Bb5TdDO
ウキー!!!!!
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:49:03.98 ID:cIfaFWmrO
クーはゆらりと座り込んだ。花はひたすら美しい。
ゆっくりとその耳を地面につけ、目を閉じた。
むせかえるような花の匂い。
地面からは、しいんとした音が聞こえるだけで、
それは美しくも醜くも無かった。
男の屍は、何も語らなかった。
631 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:50:50.35 ID:s7Bb5TdDO
支援
632 :
:2008/08/30(土) 03:51:06.03 ID:cIfaFWmrO
「…なあ」
('A`)「なにも見えなけりゃ 俺が死ぬ理由などなかった」
('A`)「なにも話さなけりゃ あんたが死ぬ理由などない」
('A`)「今、何処にも理由は無いよ」
川 - ) 「…」
('A`)「さあ、どうする?」
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:51:50.95 ID:s7Bb5TdDO
支援
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:54:19.47 ID:cIfaFWmrO
クーは顔をあげた。
川 ゚ -゚) 「今」
川 ゚ -゚) 「理由が出来た。なんと醜い声だ」
('A`)「ああ、今俺の死んだ理由も出来た」
くつくつと男は醜く笑った。
('A`)「俺ァまた耳を塞ごう」
川 ゚ -゚) 「なぜだ?」
('A`)「あんたが死なないようにさ」
川 ゚ -゚) 「…」
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:56:18.89 ID:s7Bb5TdDO
支援
636 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 03:57:04.80 ID:cIfaFWmrO
('A`)「ほうら、もうあんたの死ぬ理由は無くなった」
川 ゚ -゚) 「…ならば私も目を塞ごう。ああ、あんたの死んだ理由が無くなったぞ」
('A`)「さて、あんたがどんな醜い声でどんな戯言を言っているのか俺には聞こえん」
川 ゚ -゚) 「あんたがどんな醜い顔で私を見ているのか私にはわからん」
('A`)「さーてさて、どうする?」
川 ゚ -゚) 「は、決まっているだろう」
川 ゚ -゚) 「死ぬ理由がないのに死ぬなど、あまりに多くの人間がやっていること、私には似合わないね」
637 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 04:03:31.40 ID:s7Bb5TdDO
支援
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 04:04:47.03 ID:cIfaFWmrO
男は大きな声で笑う。
心地の良い声だ。クーは再び地面に倒れこんだ。
むせかえるような花の匂い。
クーは泣いた。醜い声を張りあげて泣いた。
それはもう死ぬ理由にはならないのだ。
どれほど時間が流れたろう。
ゆっくりと目を開けると、矢張り花びらが舞っていた。
それは確かに祝福であった。
639 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 04:07:25.36 ID:cIfaFWmrO
男は何処にも居なかった。
川 ゚ー゚) 「死んだ理由が無くなったものだから、生き返ったのかもしれないな」
彼もまた、より愚かであることを求める者だから。
愚か者にふさわしい馬鹿な考えに、クーは綺麗に笑った。
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 04:07:42.81 ID:s7Bb5TdDO
支援
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 04:09:36.89 ID:cIfaFWmrO
おわりです。支援ありがとうございました。
批評などあればどうぞ。
絵師さんの絵の素晴らしさが伝わればと思います。
ありがとうございました。
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 04:11:18.10 ID:G7dh0Rr0O
乙
好きだよ
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 04:13:31.27 ID:s7Bb5TdDO
乙!
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 04:40:15.89 ID:6UV6EYcbO
保守
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 05:36:24.52 ID:fyCjwgCr0
こういうドックンもいいな。乙
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 06:06:06.19 ID:AoWbjb/J0
保守
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 07:10:17.31 ID:mtDwoaNx0
h
648 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 08:01:38.72 ID:s7Bb5TdDO
保守
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 08:11:13.24 ID:SzhxzzW5O
このスレと個別スレ合わせて、今どのくらいの数、投下されてんの?
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 08:17:20.24 ID:s7Bb5TdDO
20あるかないかくらいかな数えてないけど
ほしゅ
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 08:47:50.63 ID:ca1hgkxFO
書いてるうちに結末が2こ出来てしまったんだが、選択式とかってあり?
つうかもう話ぐちゃぐちゃになってしもうたw
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 08:49:35.89 ID:s7Bb5TdDO
奇抜で良いんじゃないの
654 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 08:51:43.98 ID:ca1hgkxFO
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:21:50.13 ID:fyCjwgCr0
>>654 マルチと称して三つほどエンドを書いた作品があったし別にいいんじゃね
656 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:38:18.65 ID:d3JaGJzi0
こんな時間だけど今から投下するんだぜ
No.58で書かせてもらってるんだぜ
657 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:39:08.47 ID:fyCjwgCr0
支援は任せとけ
658 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:39:47.62 ID:d3JaGJzi0
最後の授業が終わって、帰りの会も終わって。
それぞれの生徒が帰ったり、席に座ったままだったり、着替えたりしていました。
さぁ僕も帰ろうと思って荷物を抱えようとした時、幼馴染のちんぽっぽちゃんが話しかけてきました。
(*‘ω‘ *)「ビロードはミカンたっぷりのフルーツケーキは好きかっぽ?」
( ><)「大好きなんです!」
(*‘ω‘ *)「じゃあ、美味しいの焼いてあげるから、楽しみに待ってるっぽ!」
( ><)「え? うん……ありがとうなんです!」
ちんぽっぽちゃんはそれだけ言うと、何処かへと跳ねるように走り去ってしまいました。
最後の僕の声が聞こえていたのかもわかんないんです。
( ><)「突然、どうしたんですかね?」
そう思ったけど、僕の疑問はケーキへの期待に掻き消されます。
生クリームがたっぷりのってるのがいいな、でもフルーツケーキだから甘さ控えめかな?
なんでもいいから楽しみなんです!
( <●><●>)「ビロード」
659 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:42:03.45 ID:d3JaGJzi0
甘味への夢想の旅を一時中断して、呼ばれたほうを振り返ると、
そこにはクラスは違うけど小さい頃から仲が良いワカッテマス君が居ました。
( <●><●>)「ここにいるのはわかってました。
ビロード、明日は開いていますか?」
( ><)「明日はずっと暇なんです!でも、何でですか?」
今日はなんだか皆がちょっと不思議な日です。
いつもの遊びのお誘いとはちょっとだけ違う雰囲気。
違和感を感じてそう聞いてみると、ワカッテマス君は少し驚いた風にしてすぐ、呆れた。という顔
になりました。
( <●><●>)「……まぁ、予想はしてましたが……」
(;><)「え? どうしたんです? 僕変な事言いました?」
ワカッテマス君の反応に少し焦って、わたわたと手をばたつかせます。
そんな僕を見た彼はひとつ息を吐いて、言いました。
( <●><●>)「ビロード、明日はあなたの誕生日ですよ」
( ><)
(>< )
( >< )
660 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:42:18.71 ID:s7Bb5TdDO
よろしいならば支援だ
661 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:43:44.82 ID:d3JaGJzi0
(;><)「すっかり忘れてたんですぅぅ!!」
( <●><●>)「忘れてた事はわかってます。うるさい」
(;><)「あう……。すいませんなんです」
頭をかかえて叫ぶと、周りの少ない同級生が一斉にこちらを見ました。
ワカッテマス君は迷惑そうに少しだけ顔を歪めましたが、すぐに僕に向き直ります。
( <●><●>)「明日なんですが、うちに来てください。
ささやかながらもお祝いしますよ」
(*><)「本当ですかっ? 行きます!」
( <●><●>)「じゃあ、12時に来てください。待ってますから」
そう言って、ワカッテマス君もどこかへと行ってしまいました。
本当は一緒に帰りたかったのですが、忙しそうにしてたのでとても誘えなかったんです。
今日は久しぶりに一人で帰るようです。誕生日前なのになぁ。さっきまで忘れてましたが。
662 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:44:33.33 ID:fyCjwgCr0
支援だ
663 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:45:04.52 ID:d3JaGJzi0
今思えばちんぽっぽちゃんのケーキもきっと誕生日プレゼントだ。と、
下校中、ようやくその事に気づいたんです。
( ><)「(でも、いつくれるんですかね?)」
楽しみだなぁ、と足取りは軽くなり、スキップまでしそうな勢いでしたが、
中断したままだった甘味への夢想の旅を再開する事で抑えました。
僕の甘味への想いは真剣そのものなんです。
その後家に帰って、着替えて、ご飯も食べて、お風呂にも入って、歯も磨いて。
布団の中でうとうとし始めていた時でした。
ポーニョ ポーニョ ポニョ サカナノコー
(;><)「うわあぁ!?」 ガバッ
突然携帯が大音量で電話の着信を伝えました。
すっかり気の抜けていた僕の脳には刺激が強すぎるんです!
664 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:45:28.53 ID:fyCjwgCr0
C
665 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:46:39.24 ID:d3JaGJzi0
まだ音楽を流し続ける携帯を急いでとり、通話ボタンを押しました。
電話をかけてきたのはちんぽっぽちゃんだったんです。
(*‘ω‘ *)「明日ビロードの誕生日だっぽ。
だから、うちでご飯とかケーキとかご馳走してあげるっぽ!」
( *><)「わぁ! いいんですか?」
やっぱり僕の予想は間違ってなかったんです!
もちろん二つ返事でおkなんです!
(*‘ω‘ *)「決まりだっぽね。明日のお昼頃うちに来てっぽ!」
( ><)「楽しみにして……るんで……?」
(*‘ω‘ *)「どうしたっぽ?」
( ><)「いや、何か忘れているような……」
んー? と頭を捻ります。
それは大切な事で、僕のためだったような?
666 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:47:14.95 ID:fyCjwgCr0
私怨
667 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:47:56.46 ID:d3JaGJzi0
(*‘ω‘ *)「ふーん?
あ、明日の用意あるからそろそろ切るっぽね!」
( ><)「あ、はい。おやすみなさいなんでs」
脳内に電撃が走ったような気がしました。
思い出しました、ワカッテマス君との約束!
断らなきゃ。でも、行くって言っちゃったし、僕には難しいんです……
でも。でも。とりあえず、まだ電話を切っちゃいけない!
(;><)「あ、ちょ。その、待っt……」
(*‘ω‘ *)「ごめんっぽねー。じゃ、また明日ー」
(;><)「……切られてしまったんです」
無情にも僕の携帯は光を無くし、ツーツーという音を立てて僕を突き放します。
あぁ、どうしよう。もう一度電話する勇気なんてないんです。
(;><)「第一、もう一度電話しても何て言えばいいのかわかんないんです……」
とりあえず夜も遅いから今は寝よう。と思って布団の中に潜り込んでもまったく眠くなりません。
明日の事を考えてみると、余計に目は冴えるばかりで良い案は何も浮かびません。
そのまま何回も寝返りをうっているうちにいつの間にか眠ってしまいました。
668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:49:06.33 ID:s7Bb5TdDO
支援///
669 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:49:33.91 ID:d3JaGJzi0
朝、変に緊張していた僕は、いつもより少しだけ早く起きていました。
お母さんが作った朝ごはんも食べて、いつでも外に出られる準備だけはできましたが、気分は優れません。
(ili><)「(何か疲れて頭もうまく働かないし、憂鬱なだけなんです……)」
今日、僕の誕生日なのになぁ。
深いため息をひとつつきます。ため息をつくと幸せが逃げるんじゃなくて、
幸せが逃げたからため息をつくんだと思います。
考えてみても、ため息をついてみても、時間は過ぎていくばかりです。
時計の短針がどんどんと上っていくにつれて、体中から変な汗が出て、頭がぐるぐるとします。
僕がずっと何もできないでいたら、12時ちょうどのお昼のチャイムがなりました。
お母さんにお昼ご飯はいらないと伝えてあるので、僕がしなければいけない事は、家を出る。それだけ。
でも、できない。
670 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:50:34.74 ID:fyCjwgCr0
これがリア充か・・・
671 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:50:55.59 ID:d3JaGJzi0
(ili><)「どうしたらいいんです?
断るのもしたくないし、どっちかなんて選べないんです」
無断で行かないなんて、一番悪い。それはわかっています。
優柔不断で行動力のない自分を恨んでも、どうにもなりません。
あぁ、時間は過ぎていきます。このまま逃げてしまいたい。僕はちょっとだけ本気でそう思ったんです。
ピンポーン
家のチャイムが鳴りました。
お母さんが出たみたいで、少しの間をおいて僕を呼ぶ声が聞こえました。
(ili><)「い、行きます……今行くんです!」
痛みを訴え始めた頭を抑えながら、玄関に向かいます。
そこにはお母さんは居なくて、開け放たれた扉とワカッテマス君が居ました。
元からの無表情も手伝って、彼の表情を読む事はできません。怒っている、のでしょうか。
( <●><●>)「ビロード、今日はどうs」
(*‘ω‘ *)「あれ、ワカッテマスじゃないかっぽ。
奇遇だっぽねー」
672 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:51:39.86 ID:fyCjwgCr0
支援
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:52:51.29 ID:d3JaGJzi0
ワカッテマス君の言葉は後からやってきたちんぽっぽちゃんの声が被って聞こえませんでした。
そんなことより、僕が何もできなかったせいで、2人ともやってきてしまいました。
きっと怒っているのでしょう。もう、絶交でもおかしくないです。嫌だ、それは嫌だ。
( <●><●>)「ちんぽっぽ、どうしたんです?」
(*‘ω‘ *)「私は今日ビロードと誕生日ぱーちぃやる予定だったけど、
ビロードが遅刻したからお迎えだっぽ」
( <●><●>)「え……? 私もですよ。ビロード、そうなんですか?」
2人の視線が僕に刺さります。
何か喋ろうと思っても、どもってしまいまともに言葉が出ません。
(;><)「あああああの、その。ご、ごめんなs」
(*‘ω‘ *)「そんな事なら言ってくれればよかったのにっぽ」
え?
( <●><●>)「3人で集まって、パーティをすればいいんですよ」
え?
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:52:56.05 ID:lEy/2mtS0
これは究極
675 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:55:37.56 ID:s7Bb5TdDO
支援
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 09:57:36.44 ID:fyCjwgCr0
しえん
677 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:02:56.17 ID:wiB7alCMO
二番目の作品ドクオハスタ乙
678 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:04:45.19 ID:s7Bb5TdDO
( <●><●>)「なんだ、結局こうなるんだったら最初からこうすればよかったですね」
(*‘ω‘ *)「アタシはこの年にもなって誕生日パーティなんて好んでする男がいるとは思わなかったっぽ」
( <●><●>)「私だってあなたがわざわざ友人のためにパーティに参加するような人とは思いませんでしたよ」
(*‘ω‘ *)「なんだと(@u@ .:;)」
(;><)「え? え? ……え?」
2人は混乱したままの僕に気がついたようで、顔を覗き込んできました。
怒って……ない?
そう呟いてみると、2人は笑って言いました。
( <●><●>)「あなたは怒ってほしいんですか?
こんなことで腹を立てるわけないじゃないですか」
(*‘ω‘ *)「ビロードはバカだっぽねえ」
悩む僕はやっぱり馬鹿だったようです。
僕の友達は僕が悩む余地もない程に良い人たちばっかりだったんです!
泣きそうになりながらもう一度だけ、頭を下げて謝りました。
680 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:08:25.85 ID:d3JaGJzi0
( <●><●>)「あぁ、そうだ。やっぱりここは……」
(*‘ω‘ *)「あ、そうだっぽね。忘れてたっぽ」
( ><)「え? なんです?」
(*‘ω‘ *)「せーのっ」
( <●><●>)「ビロード、誕生日おめでとう」(*‘ω‘ *)
( ><)「あ……」
( *><)
「ありがとうなんです!」
その後僕たちはちんぽっぽちゃんの家に行ってご飯を食べて、
ちんぽっぽちゃんが作ったケーキとワカッテマス君が持ってきたケーキをなんとかたいらげて、
プレゼントをもらって、遊んで。とっても楽しかったんです!
2人の誕生日にもこうやって集まる事を約束して、別れました。
今日は、本当に最高の誕生日だったんです!
Happy birthday to ( ><)! のようです 終わり。
681 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:09:02.18 ID:d3JaGJzi0
支援ありがとう本当にありがとう!
ちゃんと見直さなかったから>659で変な改行入っちゃったのが気がかりだぜ
あと最後の最後でさるっちゃって申し訳ない。
682 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:09:28.67 ID:s7Bb5TdDO
乙!
普段ビロードいじられてるイメージが強いからこの二人が優しいとなんか怖いwwwwwwwww
683 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:11:47.95 ID:EI6UmYT9O
乙、和んだ
684 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:18:31.50 ID:/vMivwfH0
乙
まったりしてていいね
685 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:21:07.22 ID:fyCjwgCr0
乙!
686 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:41:22.77 ID:sguNW7YwO
ほ
687 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:49:58.72 ID:4a93m4S50
ほっしゅっしゅ(*^ω^)
688 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 10:55:18.59 ID:p4QiLDW1O
689 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:01:08.38 ID:djbhxrUT0
投下しておk?
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:02:13.59 ID:B4F3WxTi0
さあ来い
691 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:03:07.80 ID:djbhxrUT0
よし、NO.61でかいたよー。
692 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:03:11.90 ID:s7Bb5TdDO
693 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:05:04.47 ID:djbhxrUT0
694 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:07:38.33 ID:nPGli1d9O
支援
695 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:08:13.19 ID:djbhxrUT0
少し前のことなのに、なんだかとても昔のことのように感じる。
おもちゃ屋さんの中、いつものように棚からお客さんを眺めていた。
いろんな人がいるから、結構楽しかった気がする。
(,,゚Д゚)「……」
ふと、僕を見つめ続ける視線を感じた。
今思い出すと、だいぶ懐かしいなぁ。
強面のおじさんが
ポッ(,*゚Д゚)「……ゴルァ」
一瞬綻んだ表情を見せてくれたこと。
( ・∀・)「……」
僕はあなたみたいに表情を変えることはできないから。
変わらない、変えられない笑顔で見つめ返していたんだった。
696 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:09:31.22 ID:B4F3WxTi0
支援
697 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:10:02.43 ID:djbhxrUT0
ひょいとおじさんが僕を持ち上げて、レジのほうへと持っていく。
レジに通されるなんて初体験だったからドキドキしたもんだったよ。
( ・∀・)「……」
体験してみればなんてことはない。
僕の首筋にあったアクセサリーのようなものに赤い光を当てられただけなんだから。
ちょっと拍子抜けした記憶があるな。
(,,゚Д゚)「……ゴルァ」
おじさんがお金を払って、僕は袋に入れられて。
景色が見えなくなって数時間、ひたすら揺れていた。
この時間があまりにも退屈だったのは覚えているよ。
「ただいま」「おかえり」「お土産」「わーい」
揺れに慣れなくて、気分が悪くなり始めた頃。
袋の外から、こんな感じの会話が聞こえた。
(,,゚Д゚)「これだ」
袋の上から景色が飛び込む。
同時に、おじさんのゴツゴツした手も入り込んできた。
僕はそれを、笑顔で見続けていた。
698 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:10:13.22 ID:s7Bb5TdDO
支援ッ
699 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:11:42.13 ID:vBWqeQP9O
支援
700 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:13:08.65 ID:djbhxrUT0
(*゚∀゚)「うぉ! 超かわいいー!」
おじさんの硬い手から、フワフワした手へ。
見てみると、まだ小さな女の子が僕のことを満面の笑みで見つめていた。
それが、僕とつーちゃんの出会いだった。
(*゚ー゚)「つー、良かったわねぇ。お父さんにありがとうは?」
(*゚∀゚)「父ちゃんテラサンクスwwwwwwww」
(,*゚Д゚)「……ゴルァ」
一家のほのぼのとした空気。
おもちゃ屋さんにいたときよりも、ここはなんだか暖かいみたい。
僕の笑顔は変わらないけれども、それでもいつもよりも笑っている気がした。
そして僕は後に、自分で表情を変えられないことを死ぬほど後悔するなどとは考えてもいなかった。
701 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:14:35.50 ID:s7Bb5TdDO
なんかフラグktkr
702 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:15:36.60 ID:djbhxrUT0
ピンクの絨毯に、小さな学習机。
窓の下には、何かのキャラクターが描かれたシーツのベッド。
その近くの棚には、僕の仲間の人形がたくさん並んでいた。
( ・∀・)「……」
僕は、その仲間たちにどこか違和感を抱いたんだけれども。
その違和感のハッキリとした正体がわからなくて、とりあえず深く考えないでおいた。
(*゚∀゚)「ここが今日からあんたの部屋だよ!」
僕はつーちゃんに部屋へ案内されたわけなんだ。
そして僕は棚に並ぶ集団へ仲間入り。
と、思いきや。
(*゚∀゚)「あんたは私と一緒に寝るの!」
フワリとした感覚と、柔らかいものに締め付けられる感覚が同時に感じられた。
僕はベッドの上で、つーちゃんに抱きしめられていたんだ。
( ・∀・)「……」
照れくさくて、それでも嬉しくて。
笑顔は変わらないけれども、僕に表情があればきっと相当複雑な顔をしていたんだと思う。
……いや、普通に真っ赤になってただけかも。
支援
704 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:17:28.14 ID:djbhxrUT0
人形だって、眠る。
寝顔は変わらないけれども、僕だって眠るんだ。
(*-∀-)「……zzz」
( ・∀・)「……」
つーちゃんに抱きしめられて、暖かいベッドの中。
ゆっくりと眠りについていく。
意識を失う瞬間。
何故か棚の上の仲間たちが気になったけれど、やっぱり睡魔のほうが強いみたい。
すぐに仲間たちは頭の隅に追いやられて、僕は深く深く眠った。
(*-∀-)「……zzz」
( ・∀・)「……」
それが、最初の夜。
異変が起き始める、最初の夜だった。
705 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:18:25.33 ID:vBWqeQP9O
支援
706 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:19:07.98 ID:s7Bb5TdDO
支援
707 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:19:38.39 ID:NWR2gIbz0
支援
708 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:20:25.11 ID:B4F3WxTi0
支援
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:21:55.71 ID:djbhxrUT0
痛い、痛い、痛い。
人形にだって痛覚はある。
痛い、痛い。
そんなに引っ張るのは誰?
壊れてしまうよ。
痛い。
真っ暗闇の中、僕は確かに異変を感じた。
いたい。
それは夢の中の出来事だったのかもしれない。
いたい、いたい。
それでも、ハッキリと感じたんだ。
いたい、いたい、いたい。
僕は棚の人形たちの仲間入りをしてしまうのかなぁ。
710 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:23:39.84 ID:s7Bb5TdDO
支援
711 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:23:59.62 ID:djbhxrUT0
(*;∀;)「あー! あー!」
朝、つーちゃんの大きな泣き声で目を覚ました。
なんだろう?
昨日の笑顔とは対照的な表情で、僕の事を見ている。
(*;∀;)「やっぱりまたなっちゃった!」
また……?
つーちゃんの言葉に疑問を持ちつつも、僕は変わらぬ笑顔を浮かべる。
……あれ?
なんだか、頬に違和感。
(*・∀・)「……」
(*;∀;)「ほっぺに傷がついてるよー!」
傷?
どうやら夜の間に感じた痛みは、夢じゃなかったみたい。
つーちゃんを泣かした原因が僕の頬にあるようだった。
712 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:24:07.73 ID:vBWqeQP9O
支援
713 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:26:51.54 ID:djbhxrUT0
ふと、窓ガラスに映った自分の姿が見えた。
(*・∀・)←頬に傷がついた僕
(*;∀;)←泣き顔つーちゃん
うわ、見分けづらい。
それでも、確かにつーちゃんの涙の原因がわかった。
(*;∀;)「なんで傷がつくのー!」
(*・∀・)「……」
泣き止んでよ、つーちゃん。
このままだと見分けがつかないから。
とりあえずこの日は、なんとか泣き止んでくれたつーちゃんが外へ出て行き。
そしてなんとなく暮れていった。
(*゚∀゚)「おやすみー」
また僕はつーちゃんと同じベッドで眠る。
714 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:29:00.92 ID:NWR2gIbz0
支援
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:29:04.71 ID:9jTl7PK30
何で俺はぬいぐるみ系の話に弱いんだろうか支援
716 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:29:11.34 ID:djbhxrUT0
でも。
(*・∀・)「……」
この日は耳がちぎれ。
(*゚∀・)「……」
次の日は片目が取られ。
(*゚∀・)「……」
更にまた次の日は腹を抉られ。
(*;∀;)「うえーん」
僕がボロボロになっていくその度。
つーちゃんは僕のために涙を流してくれた。
717 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:31:45.68 ID:djbhxrUT0
何故僕は日を追うごとにボロボロになるんだろう。
毎晩、毎晩。
一体、僕の身に何が起きているんだろう。
(*゚∀・)「……」
よし、決めた。
僕は今晩、どんなに眠くたって起きていてやる。
(*゚∀・)「……」
棚の上にいる仲間たちも、僕のことを応援しているように見えた。
変わらぬ笑顔で僕はそれに答えよう。
僕らのつーちゃんを、つーちゃんの笑顔を僕は守る義務があるんだ。
そしてまた、その日のお日様はゆっくりと地面へ姿を隠していった。
(*゚∀゚)「また寝るよ!」
つーちゃんと一緒に暖かい布団へ入る。
今夜が、決着だ。
718 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:33:29.07 ID:9jTl7PK30
支援
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:33:50.90 ID:djbhxrUT0
(*゚∀・)「……」
電気も消して、真っ暗な空間の中。
つーちゃんの可愛い寝息だけが聞こえる。
(*゚∀・)「……」
僕は、ひたすらそのときが来るのを待っていた。
暗闇の中、笑顔を貼り付けたまま。
未だ見ぬ敵を想像して、そいつを睨んでいた。
(*゚∀・)「……」
一時間、二時間。
人形にも体内時計はある。
だいたいそのくらい経った頃かな。
(*゚∀・)「……」
僕の体に痛みが走った。
……ついにきたんだ。
真っ暗で相手があまりよく見えない。
それでも僕は集中して、暗闇の向こうをじっと見つめた。
ぼんやりとした姿が、僕の視界の中でだんだんと輪郭を見せてくる。
720 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:34:35.09 ID:9jTl7PK30
なんか緊張感が・・・
C
721 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:36:22.59 ID:d3JaGJzi0
しえ
722 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:37:01.33 ID:NWR2gIbz0
支援
723 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:37:10.65 ID:djbhxrUT0
見えてきたその相手は。
(*- -)「……」
つーちゃんだった。
つぶらな目を静かに閉じ、フワフワな髪を揺らし。
静かな吐息と、暖かな腕が僕を包んで。
それでも、彼女の元から痛みは発生している。
なんだ、犯人は寝ている君だったのか。
自分で僕を壊して、壊れた僕で自分が泣いて。
ははは、おかしいや。
(*- -)「……」
(*゚∀・)「……」
あぁ、可愛いな。
そう素直に僕は思った。
ただ一つ、欠点を挙げるとすれば。
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:39:17.56 ID:djbhxrUT0
(*-з< * ゚ ∀・)
彼女の吸引力がちょっと尋常じゃないことくらいかな。
ミシミシ
(*-з< * ゚ ∀・)
ほら、吸いすぎて変な音してる。
え、何これ? 寝相の一種?
ブチッ
(*-з< * ゚ ∀・)
いたっ。
725 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:41:39.31 ID:61ryB9rz0
寝相悪すぎるwwww
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:41:40.54 ID:AZQcXwv2O
( ^ω^)・・・
(^ω^)
727 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:42:02.77 ID:9jTl7PK30
このつーになら千切れるほど吸われてもいい
728 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:42:21.92 ID:vBWqeQP9O
支援
729 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:42:53.87 ID:djbhxrUT0
(*゚∀・)「……」
結局、次の日から僕は棚の中へ仲間入りした。
そこで初日から違和感を覚えた仲間たちに囲まれている。
(メメメメω゚)「……」
(’A(#)「……」
ハナ´・ω・`タバ「……」
みんな変わらない表情で、ボロボロなままで。
あぁ、なんだ。
違和感の正体はこれだったのか。
730 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:43:44.52 ID:9jTl7PK30
花束無傷ww
731 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:45:25.36 ID:djbhxrUT0
(*゚∀゚)「ただいまー!」
あ、つーちゃんが帰ってきた。
ξ゚听)ξ「……」
右手にはかわいらしい女の子のお人形。
はは、あの子が僕らの仲間入りするのはいつになるのかな。
表情を変えることができたなら、僕は彼女を救ってあげることが出来るのだろうに。
残念だ。
僕はこれから変わらない笑顔で、つーちゃんと新しい人形の生活を見守っていこうと思う。
そう、いつまでも。
〜終〜
732 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:47:08.80 ID:djbhxrUT0
NO.61の絵師さん申し訳ない。
希望ジャンルはシリアスだよねそうだよね。
ごめんね。お兄ちゃん途中で力尽きちゃったよ。
でもほら、途中まではふいんきシリアスだったから許してね。
あと途中でさるったよ。読んでる人達ごめんね。
きっとエロを期待してたよね。そうに決まってる。そうなんだろ?馬鹿やろう!
せっかくだからその脱いだズボンを上げて、露にしている粗末な物はしまってね。
そんじゃお兄ちゃんは寝ることとするよ!
733 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:47:13.47 ID:B4F3WxTi0
予想の斜め上を行かれた気分だww
乙!
734 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:48:23.88 ID:9jTl7PK30
乙
つーとモララーが一層すきになったw
735 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:48:50.82 ID:ShUDrg+d0
乙
736 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:50:01.49 ID:vBWqeQP9O
乙
737 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:50:32.13 ID:AZQcXwv2O
俺の途中までのwktkを返せwwwww
乙
738 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 11:50:47.36 ID:s7Bb5TdDO
乙!
いい最終回だった
739 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:02:00.74 ID:4a93m4S50
(・∀・)o彡ほっしゅ
740 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:06:34.87 ID:Q8OMwzG80
おっしゃー投下します
絵はNo4
741 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:06:54.69 ID:s7Bb5TdDO
把握支援
742 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:08:10.89 ID:Q8OMwzG80
( ^ω^) 「……」
ここは我が家のトイレ。
一人暮らし。 だから隠れる必要はない。
しかし。
( ^ω^) 「……始めるかお」
シコシコシコシコピュッ
( ^ω^) 「ふぅ……」
僕はトイレで自慰するのが好きなのだ。
便器のようです
743 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:10:32.85 ID:s7Bb5TdDO
初っぱなからそれかよwwwwwwwwww
744 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:10:49.16 ID:Q8OMwzG80
そもそもトイレで自慰するようになったのはいつだろう。
ああ、あの時だ。
懐かしいなあ。
僕にもあんな日があったんだ。
745 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:12:51.52 ID:s7Bb5TdDO
支援
746 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:13:12.80 ID:Q8OMwzG80
思い返せば生まれた時から一緒だったね。
('、`*川 「おめでとうございます。 男の子ですよ」
J( 'ー`)し 「嬉しい……」
そんな会話が病院であったんだろう。
僕の勝手な想像でしかないが。
そして僕の6分遅れで君はこの世に生を受けた。
恐らく君の家族の間では看護婦さんの科白が男の子から女の子に変わっただけだったろう。
そう考えると運命を感じないかい?
ねえ。 どう思う?
747 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:14:43.20 ID:s7Bb5TdDO
支援
748 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:16:08.55 ID:Q8OMwzG80
幼少期。
2人揃って同じ保育園に入れられたね。
あの時は2人離れるときが無かったよね。
一緒に女子トイレに入ろうとして先生に怒られたっけ。
( ^ω^) 「……ふふっ」
今日はおかしいな。
精神がたかぶってるのかな。
それとも賢者モードの賜物かな。
なんだか今日は人生を振り返ってみたい気分なんだ。
付き合ってくれるよね?
749 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:16:47.48 ID:B0Ay8VNBO
750 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:17:41.74 ID:9jTl7PK30
付き合うぜ支援
751 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:18:09.63 ID:Q8OMwzG80
中学校に入ってから君はずいぶんと冷たくなったね。
今思うとあれが今はやりのツンデレってやつかな。
あの時から君は最先端を行ってたんだ。
ξ゚听)ξ 「気持ち悪いから近寄らないでくれる?」
そう言われたのが中学1年生の時だっけ。
まったくこのころから素直じゃないんだから。
从 ゚∀从 「ツン、ちゃんと言ってきたか?」
(*゚ー゚) 「あーいう奴はさ、ビシッと言わないと駄目なんだよ」
ξ゚听)ξ 「ちゃんと言ったわよ、これであいつももう近寄らないでしょ」
(*゚ー゚) 「よかったー。 じゃあカラオケいこっか」
752 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:20:05.74 ID:s7Bb5TdDO
支援
753 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:20:25.80 ID:Q8OMwzG80
僕は純粋だったなあ。
君の裏の意思をくみ取ろうともせず、本当に近寄らないでいたんだ。
あの頃にツンデレなんてはやっていたらきっともっと早く君の気持ちに気がついたのに。
( ^ω^) 「……でも、やっと高二の時に気がついたんだおー」
754 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:22:03.86 ID:s7Bb5TdDO
支援
755 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:22:17.61 ID:Q8OMwzG80
君と話せない。
辛い気持ちから逃れるために僕は中学から柔道部に入ったお。
きつい練習は胸にぽっかりと空いた隙間は埋めるとまではいかなかったけど。
ほんのちょっと気持ちは紛れたんだ。
でも。
( ゚∀゚) 「おい聞いたかブーンwwwwツンさんがお前のこと好きらしいぞwwww」
この朗報だお。
パンを毎日買ってあげてたから教えてもらった情報だお。
その日から君へのアタックが始まったお。
756 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:23:25.86 ID:C/o0Wk4hO
支援
757 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:24:05.26 ID:s7Bb5TdDO
支援
758 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:24:21.67 ID:Q8OMwzG80
悪い虫がつかないかチェック。
君は学年で断トツでかわいかったから当然悪い虫がたかってたお。
ここで柔道部の経験が活きたお。
(;^Д^) 「ちょっおまっ ガッグエッ」
悪い虫はこうやって地面に叩きつけて成敗したお。
2人ぐらい病院にいって柔道部を退部になったけどどうでもよかったお。
君に悪い虫がつかないことが1番の重要課題だったお。
次に家周辺のパトロール。
家は隣同士だったから部屋からでも監視できたお。
君は恥ずかしがってカーテンを閉めていたけど。
759 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:25:58.51 ID:WuNP4uDxO
なんだっけ?
不審者の人の話
あれに似てる
760 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:26:04.23 ID:s7Bb5TdDO
なんかヤバいふいんきが
761 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:26:09.62 ID:AoWbjb/J0
支援
762 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:26:49.80 ID:Q8OMwzG80
まったく好き同士なんだから隠れる必要ないのに。
そう思ったけど考えたんだお。
君は僕から隠れてたんじゃなくて、他の誰かから隠れてたんだ。
('A`) 「防犯グッズ……? アキバとかにあるんじゃね」
クラスの根暗なやつから情報を聞いてグッズを揃えたお。
正直カメラとかのお金はかさんだけどしょうがないお。
君を守るためなら安い出費だお。
ξ゚听)ξ 「行ってきまーす」
君が学校に行ったのを見計らって家に侵入したお。
君の両親は共働きだったし、鍵の隠し場所も知ってたお。
僕は君の安全のためにカメラをいたるところにしかけたんだお。
763 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:28:59.37 ID:9jTl7PK30
外に仕掛けろ外にw
支援
764 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:29:40.32 ID:Q8OMwzG80
これで完璧だお。
そう思ってずっとモニターの前にいたお。
たぶん24時間中22時間ぐらいは見てたんじゃないかな。
もちろん僕にも学校はあったし両親もいたお。
J( 'ー`)し 「ブーン! あんたまた学校サボって!」
こういったカーチャンのおせっかいは邪魔なことこの上なかったお。
だから両親が事故で死んで1人になったときはこの上なく喜んだお。
これで誰にも邪魔されず君を守れる。
そう考えると興奮して眠れなかったお。
ブーンKIMEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!
766 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:31:25.19 ID:Q8OMwzG80
両親の葬式はずっと突っ立ってるだけで終わったお。
周りの人たちが 「かわいそうに」 って全部してくれたからだお。
だから僕はずっと参列者の中にいる君を見ていたんだお。
ξ゚听)ξ 「……」
いつも見てるセーラー服も葬儀会場で見るのはまた違って。
僕は両親の死に2度目の感謝をしながら式場のトイレで自慰したお。
他の人からは 「トイレで泣いてる」 って思ってたみたいだけど。
767 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:31:38.73 ID:6UV6EYcbO
本当に事故……なのか?
768 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:32:38.12 ID:9jTl7PK30
>>767 まぁそこまで警察も無能じゃないんじゃね?
ブーンKOEEEEEEEEEEEEEEE!!!!
769 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:33:16.43 ID:XDR1K76R0
しししえん
770 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:33:33.75 ID:Q8OMwzG80
晴れて僕は自由の身となったお。
親戚が 「自分の家に来い」 って言ったけど丁重にお断りしたお。
だって、君と離れるなんて考えられなかったもの。
('A`) 「おい、ブーン。 親御さんが死んだのは残念だけどさ、学校、来いよ」
こんな根暗のおせっかいもしょっちゅうあったけど、カーチャンほどではなかったお。
だから安心して君を見ることができたんだお。
ξ゚听)ξ 「……ふう、疲れた」
君が部屋に入ってからの第一声はいつもこれだお。
その他にも寝る前とか、起きたあととか、口癖はいくつもあったお。
君の口癖は全部把握していたお。
771 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:35:38.78 ID:s7Bb5TdDO
ブーン危険思想すぎる支援
772 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:35:59.63 ID:AoWbjb/J0
あばばbしえん
773 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:36:07.78 ID:Q8OMwzG80
僕は高校を中退したお。
両親の遺産や保険金で食うには困らなかったし、面倒なことは親戚がやってくれた。
おおむね不自由ない生活を送っていたお。
ξ゚听)ξ 「……ふう、疲れた」
ひとつだけ不自由だったのは。
君だったお、ツン。
口癖を毎日繰り返す君だけが僕に足りなかったんだお。
774 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:39:20.99 ID:Q8OMwzG80
君は結構高ランクの大学に入ったお。
そこは地元でもなかなか人気の大学で人数も多かったお。
さすがの僕も。
悪い虫を完全に退治することはできなかったお。
ξ゚听)ξ 「入って入ってー」
( ・∀・) 「お邪魔しまーす。 お、なかなか部屋片付いてるじゃん」
ξ゚听)ξ 「なによー、汚部屋だと思ってたわけ―?」
君は大学1年の夏に男を部屋に入れたお。
その部屋には僕しか入ったことなかったのに。
入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに
入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに
入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに
入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに入ったことなかったのに
775 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:40:55.15 ID:WuNP4uDxO
支援
776 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:40:57.19 ID:s7Bb5TdDO
誰が初っぱなのオナニーシーンからこうなると予想しただろうか支援
777 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:42:05.72 ID:Q8OMwzG80
気づけば目の前のモニターを叩き壊していたお。
失敗したお。
モニターは君と僕を唯一つないでいたのに。
しょうがないから直接君の元に行くことにしたお。
ξ゚听)ξ 「なによあんた! まだこの街にいたの!? 気持ち悪い」
( ・∀・) 「なにこいつ。 誰?」
ξ゚听)ξ 「隣の奴なんだけど、小さい頃からもうキモイの」
( ・∀・) 「そっか、じゃあぼこってやればもう来ないんじゃね」
そういって僕はサンドバッグみたいにボコボコにされたお。
訳がわからなかった。
君はどこの誰ともわからない男と一緒に部屋に入っていったお。
まいったな。 僕には、M属性もないし。
嫉妬させるにしてもやり方があるってもんだお。
僕はその日はおとなしく部屋に戻ったお。
正直、あの男にははらわたが煮えくりかえる思いだったお。
でも僕は寛大だったお。 どうせ君が仕掛けた悪戯だろうし。
778 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:43:01.37 ID:aJuJP9vq0
こええええええええええ!!!
779 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:44:14.04 ID:WuNP4uDxO
でも、こっちと不審者じゃ病み方の種類が違うな
780 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:44:27.38 ID:fyCjwgCr0
これはヤバイ
781 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:44:36.86 ID:Q8OMwzG80
でも。
少し君はやりすぎたお。
なんで。
なんで、君の部屋から情事の声が聞こえてくるんだい?
782 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:45:00.87 ID:AoWbjb/J0
あばばばばばばb
783 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:45:39.56 ID:s7Bb5TdDO
ああああああああヤバいぞやばいいいい
784 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:45:47.74 ID:9jTl7PK30
ツン逃げてぇぇぇぇ
あばばばばばばば
786 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:46:18.22 ID:Q8OMwzG80
僕は、暴れまわったお。
息を切らしながら、部屋のありとあらゆるものを破壊したお。
でも僕は思いついた。
もはや、君の家を監視しても悪い虫は撃退できないお。
だから。
君を、いつでも目の届く場所に君を招待することにしたんだ。
787 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:47:04.84 ID:aJuJP9vq0
YABEEEEEEEEEEE!!!!
788 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:47:17.84 ID:HpRCwUns0
789 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:47:38.60 ID:fyCjwgCr0
うわあああああああああああ!!!
790 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:48:13.49 ID:Q8OMwzG80
あの時僕は久しぶりに外に出たお。
月が出てて結構きれいだったなあ。
そこで無防備に路地を歩いている君を睡眠薬で眠らせたんだお。
睡眠薬は高かった。 でも君のためならなんてことはなかったお。
インターネットの力はすごいってその時初めて思ったお。
そして君を僕の家に招待した。
君はとても軽くて今にも折れそうなほど細かったお。
そういえば、君と一緒に家に帰るのは初めてだったかもしれないなあ。
791 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:48:28.03 ID:s7Bb5TdDO
ツンッー!!!
うはぁ・・・
793 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:50:20.12 ID:Q8OMwzG80
無事に僕の家に帰ってくることができた。
これで2人の生活に邪魔は入らない。
でもふと思ったんだお。
僕は君と一生ここで暮らしたい。
でも君は大学がある。
それなら。
大学でいつ虫がつくかわからない。
それなら。
もう、外に出るための足なんていらないんじゃないか?
僕以外と触れ合うための手なんていらないんじゃないか?
そう、思ったんだお。
794 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:50:45.11 ID:aJuJP9vq0
やめろおおおおおおおお!!1111
795 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:51:12.06 ID:9jTl7PK30
もうこれ以上見てられない
悔しい!でもみちゃうっビクッビクッ
796 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:51:41.29 ID:s7Bb5TdDO
こいつぁハードだぜぇ……
797 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:52:25.35 ID:Q8OMwzG80
それからのことは正直興奮してあまり覚えていない。
鉈を用意して、消毒液を用意して、血を止めるためのバーナーを用意して、ビニールシートを敷く。
目隠しをされて恐怖に怯える君はとても妖艶で。
僕はだらしなく勃起していたんだ。
――ああ。
思い出すと、また勃起してくる。
手を一本づつ切り落とされていく時に出した君の絶叫。
足を一本づつ切り落とされていく時に見せた絶望に満ちた表情。
それはまるで崇高な美術品のようで。
思わず見とれてしまったんだお。
798 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:53:01.86 ID:fyCjwgCr0
やめろおおおお
799 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:53:01.89 ID:WuNP4uDxO
つまり、肉便器ってことか
800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:53:42.80 ID:AoWbjb/J0
(゚д゚)
801 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:53:57.64 ID:s7Bb5TdDO
勃起し…ない
802 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:54:00.55 ID:aJuJP9vq0
うわああああああああ!!!1111
お昼休みになんてことを
803 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:54:39.28 ID:Q8OMwzG80
完全な失態だった。
見とれてしまって止血を忘れていた。
もはや生きるのは困難なほど彼女の血は流れてしまった。
なにをしているんだ僕は。
一瞬だけそう思った。
でも思い直した。
だってそうじゃないか。
君だって、いつかは――信じたくないけれど――老いていく。
壊れていく。 そんな姿を、僕は見たくない。
なら。 なら――ここで永久に若くいることは――彼女にとって1番いいのだ。
804 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:55:27.97 ID:B4F3WxTi0
これはNo.04の絵師もビックリさぞだろうな…
805 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:56:24.56 ID:Q8OMwzG80
そこで困ったのは保存場所だ。
どうせ保存するんだから、僕がいつもいるところにいた方がいいに決まってる。
それはどこだろう。
――トイレだ。
僕はトイレで自慰をする。
そこに君がいる。 ハッキリ言ってこれほど最高の自慰なんてないだろう。
君にはちょっとばかりの罪悪感があったりもするが。
806 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:58:19.48 ID:AoWbjb/J0
そこはきっとらめええwwww
807 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:58:29.63 ID:s7Bb5TdDO
ちんちんおっきっき支援
808 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 12:59:08.04 ID:Q8OMwzG80
でも僕はまた失敗していた。
君を壊すのがあまりに楽しくて。興奮して。
君の原型はほとんどといっていいほどなかった。
でもこれでいいんだ。
心配しないで。僕は君に流れる血や肉まで好きなんだ。
でも君に顔がないのはちょっぴり寂しい。
君も化粧に興味があっただろう。
実際君の部屋にはファッション誌が山ほどあった。
作ろう。
君の顔を、僕の手で。
809 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:00:02.80 ID:9jTl7PK30
ちょwこれツンだったのかよNo.4www
元の絵から良くここまで持ってこれるなwww
811 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:00:39.00 ID:rVMdwp4W0
UWAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
812 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:01:14.68 ID:Q8OMwzG80
トイレの便器に君を石膏と一緒に塗りこんだ。
所詮素人の腕だから少しドロドロになってしまったけど。
君の巻き毛が少しはみだしてしまったけど。
顔は、君とは程遠いものになってしまったけど。
僕は、君の体自身が――全てが――好きなんだ。
君と一緒なら何だって怖くない。
何が来たって、2人一緒なら大丈夫。
( ・∀・) 「てめえ! ここにいるんだろ! ツンをどこにやった!」
例え、悪い虫が来たって。
813 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:02:21.05 ID:9jTl7PK30
ツン便器と同化?
モララー逃げてぇー!
814 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:02:31.16 ID:aJuJP9vq0
モララー逃げてー!!
815 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:02:36.19 ID:St+zmsH4O
…………ふぅ
816 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:02:57.98 ID:NtLe+fvo0
Z武状態じゃねーか
817 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:03:34.60 ID:s7Bb5TdDO
モララー死んだな
818 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:03:38.62 ID:Q8OMwzG80
ああ、居場所がわかっちゃったなあ。
きっと、これが見つかったら君は連れ戻されてしまうのだろう。
なら、もう2度と、捕まらない場所に行こう。
トイレの内側から、ガムテープで目張りをする。
あらかじめ用意しておいた練炭に火をつける。
狭い空間だ。 一酸化炭素はすぐに空間を支配する。
意識が朦朧としてくる。 こんなときにも僕の息子は勃起している。
それもそうか。 愛する人がすぐ後ろにいるのだ。
最後の自慰だ。
きっと最高の快感だろう。
外からは、誰かが踏み込んでくる音が聞こえる。
もう間に合わないよ。
心の中で、虫に向ってあっかんべーをする。
819 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:03:41.91 ID:w3beSSBvO
モララぁぁぁっっ!!
820 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:04:24.83 ID:rVMdwp4W0
あああああああああああああああああああああ
821 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:04:28.66 ID:AoWbjb/J0
いやあああああああ
822 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:04:50.26 ID:Q8OMwzG80
僕が絶頂に達したとき、視界が白く染まっていく。
ああ、君と、永遠に。
823 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:06:41.35 ID:Q8OMwzG80
あとがきという名の言い訳
えーと……
俺は下ネタギャグハートフルコメディを目指してたんだが……
とりあえず絵師の方すいませんでした。
あれはどうみてもショボンです。ツンじゃないです。
支援とかいろいろしてくださった皆さんありがとうございました。
824 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:07:03.67 ID:St+zmsH4O
このブーンかわいい
825 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:07:10.86 ID:aJuJP9vq0
乙!!!
826 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:07:26.35 ID:s7Bb5TdDO
乙!
これじゃハートフルボッコだよ馬鹿野郎wwwww
827 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:07:57.00 ID:9jTl7PK30
乙
怖ぇよ
828 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:08:09.00 ID:AoWbjb/J0
乙wwwwwwww
829 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:08:13.30 ID:XDR1K76R0
なんでこんなことにwwwwwwww
乙wwwwww
830 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:08:21.93 ID:B4F3WxTi0
怖かったが乙!
831 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:08:32.22 ID:fyCjwgCr0
>>823 違う意味のハートフルだぜこの野郎・・・まあ乙!
832 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:09:17.23 ID:9jTl7PK30
ハートが震えるからハートフルなんだよな
833 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:09:21.81 ID:rVMdwp4W0
ハートフルの意味ちげえよこの野郎wwww
乙!!!
834 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:17:29.42 ID:St+zmsH4O
そして時は動き出す
835 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:18:00.13 ID:ca1hgkxFO
No,4見てクソワロタwwwwww
乙
836 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:21:10.43 ID:p8zxieTj0
乙でした
所で二時くらいにスレ立てしようと思っているんですが、どうでしょう?
人居ませんかね?
837 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:22:43.55 ID:St+zmsH4O
むしろいない時間のほうがいい
838 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:22:59.77 ID:9jTl7PK30
30レス以内だったらここに投下してもいいと思うよ。
今投下ラッシュ途切れたっぽいし。
人もここのほうが多いと思う
839 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:24:29.28 ID:9jTl7PK30
二時ごろか、すまん。見落としてた
840 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:25:44.25 ID:p8zxieTj0
>>838 ありがとう御座います
ちょっとレス数数えてきます
841 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:46:46.54 ID:sguNW7YwO
( ^ω^)保守だお!
842 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 13:59:35.43 ID:s7Bb5TdDO
保守
843 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 14:10:01.10 ID:9jTl7PK30
844 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 14:26:26.52 ID:s7Bb5TdDO
ほしゅしゅしゅ
845 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 14:26:45.05 ID:mWQ0xlOL0
>>840です
結局30越えしているっぽいのでレスたてしました
846 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 14:32:58.21 ID:4a93m4S50
スレ立てたらここにURL貼ればいいらしいよ保守
847 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 14:34:17.63 ID:mWQ0xlOL0
848 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 14:49:06.27 ID:s7Bb5TdDO
保守
849 :
◆hwzkUyObyk :2008/08/30(土) 14:49:50.56 ID:lEy/2mtS0
ちょっとごめん。ミスター67ックスなんですけど、
なんか俺、オムさんに物凄い負担をかけてしまっている。
あれを全部分割して個別のHTMLにするのは大変だと思う。
もしよければ、俺の書いたのは今のまま別ページで、
そこに絵を挿入するような形のHTMLを作って送ろうかと思うんだけど、
オムさんいらっしゃいませんか。
850 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 14:53:41.78 ID:s7Bb5TdDO
オムさんなら俺の横で寝てるよ
851 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 14:57:47.67 ID:9jTl7PK30
>>850 何?じゃぁ俺にまたがってるのは誰なんだ?
852 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 14:58:56.88 ID:s7Bb5TdDO
853 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 14:59:35.14 ID:AoWbjb/J0
854 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:00:17.27 ID:8Ag8FXd5O
いつだって心の中にいるよ、オムさんは。
855 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:00:37.52 ID:0rh7cUoJ0
856 :
◆hwzkUyObyk :2008/08/30(土) 15:06:32.06 ID:lEy/2mtS0
まあそんな感じの提案でした。
でも俺の心のオムさんは、いつまでもブランコから降りられなくて
泣いているよ。
857 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:07:12.45 ID:sguNW7YwO
858 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:07:41.10 ID:9jTl7PK30
>>856 読むほうの俺としてはそれでもいいと思うけど、やっぱオムさんしだいだよな。
859 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:09:01.36 ID:G7dh0Rr0O
オムさん頑張る子だからな
860 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:09:09.23 ID:s7Bb5TdDO
861 :
◆hwzkUyObyk :2008/08/30(土) 15:10:12.20 ID:lEy/2mtS0
862 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:12:27.54 ID:s7Bb5TdDO
モンスターエンジなんとかだっけ、最近見ないわ
863 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:13:40.21 ID:8Ag8FXd5O
こないだエンタに出てたな
864 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:20:16.12 ID:s7Bb5TdDO
マジか、エンタ見切らなきゃ良かった
865 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:32:29.99 ID:sguNW7YwO
なんだか俺のせいで馴れ合いスレみたいな流れになったことを詫びる保守
866 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 15:47:43.25 ID:s7Bb5TdDO
保守
867 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 16:05:36.35 ID:4a93m4S50
はっしゅどほーしゅ
保守
869 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 16:29:36.51 ID:s7Bb5TdDO
投下来ないかな
870 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 16:39:21.10 ID:mtDwoaNx0
小説の代わりに雷が落ちて来ました。
871 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 16:40:53.57 ID:S4fadj7YO
スレが落ちるよりはマシ・・・とも言い切れないか
872 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 16:45:23.00 ID:s7Bb5TdDO
命落とさなきゃ平気
873 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 16:55:49.54 ID:2X86WiHj0
雷の代わりに命を落としました
874 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 17:04:54.10 ID:0rh7cUoJ0
落し物は交番へ
875 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 17:19:30.49 ID:yAfX3TJU0
あの……落としものですよ?
.∧__,,∧
(´・ω・`)
(つ夢と)
`u―u´
あなたのすぐ後ろに落ちていましたよ?
876 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 17:21:20.47 ID:s7Bb5TdDO
拾ったので一割下さい
877 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 17:23:33.66 ID:St+zmsH4O
878 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 17:39:24.53 ID:s7Bb5TdDO
ほしゅっしゅっ
879 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 17:55:40.95 ID:ca1hgkxFO
>>877 もえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!111
880 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 17:59:48.00 ID:sPhKgVFx0
小説投下します。
絵は111番です。六レスほどです。では。
881 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:03:03.94 ID:sPhKgVFx0
お金が欲しかったから。
スリルを味わいたかったから。
行動理由なら、いまこうしている間にもどんどんと出てくる。
それは社会的に『正しい』と到底言えることではないのかも知れないけれど、
それに異議を唱えず従った時点で、(少なくとも自分にとっては)それは取るに足る理由となったのだ。
もっとも――
ξ゚听)ξ「暑いんだけど。それにのど乾いた。水とかないの?
あ、クリスタルカイザー以外持ってきたら即刻生命維持出来なくしてやるからね。
でもまあ、あんた達がどうしてもって言うならそこにあるやっすい缶コーヒーで我慢してあげないこともないわ。
ほらこうやって私がわっざわざ譲歩して上げてるんだからさっさと寄こす! ……まっず。
あ、そうそう。あと聞きたかったんだけど、あんた達どこまで走る気な訳?
いい加減休ませなさいよ。腰痛いわ。って言うかこの車臭すぎなんだけど!」
こんな事になるなら。そうしなかったさ。
知らずの内に、溜息が漏れた。
今日は良い誘拐日和 のようです。
882 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:03:04.23 ID:s7Bb5TdDO
支援
883 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:04:50.76 ID:sPhKgVFx0
助手席に座りながら、僕は後悔の念に襲われていた。
後頭部座席へ缶コーヒーを乱暴に放った友人が、弱ったように舌打ちをする。
立場が逆転していないか。こんなはずでは。
慙愧に身を切り刻まれながら、僕はポケットから一丁の拳銃を取り出した。
『もしものときに』と友人から渡されたハンドリボルバーだ。
僕らは昨日の夜中、後頭部座席にいる少女――この国を代表する大財閥、VIPコーポレーション社長の娘を誘拐した。
――――
作戦、と言えるほど緻密なものではなかった。
多分友人もこんなに上手くいくとは思っていなかっただろう。
計画はこうだ。
('A`)『まず送迎を担当する運転手の携帯に、今日はこなくていいとの旨を連絡する。
その後俺がレンタルしてきたリムジンで『お嬢様』を迎えに行く。
あとは――目的地にいかず適当なところへ連れ込んで、身代金を要求するって手筈だ。』
……こう考えると実に稚拙で穴だらけの計画だ。できると信じた友人はよほどのアホだ。
その時乗ってしまった僕も、残念ながら相当のアホなのだろうけれど、
ここに来るまで何の狂いもなく動いているのが信じられない。
ああ、ただ一つ計画の狂いをあげるとしたら
884 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:07:10.48 ID:sPhKgVFx0
ξ゚听)ξ「ちょっと海! 今、海見えたわよね!?
すっごーい、海岸線が見えるって事はなに、首都からずいぶん離れてるってことじゃない!
あ、アンタたちもしかして夜通し運転してた訳!? あははははっ! ばっかじゃないの! あははははっ!!」
(;'A`)「の、乗り出すな危ねぇ!!」
誘拐したお嬢様の性格が、愉快極まっているということだろう。
立場が逆転していないか。こんなはずでは。
再び僕は思う。溜息は漏れてこなかった。
http://vipmain.sakura.ne.jp/light_novels/novels_img/111.jpg ――――
ξ゚听)ξ「っひゃー! つっめたい!!」
押し寄せてくる波に素足を浸し、冷たがる『お嬢様』。そりゃそうだ。
温かくなり始めたとは言え、まだ季節は冬の装いを解いていない。
呆れたような目線を波打ち際から送る僕をしり目に、彼女は冷たい冷たいと言いながら
けれども脚を引っ込める事無く、一瞬襲った鋭い痛みのような感覚をやり過ごすように笑うと、そのまま進んでいった。
('A`)「……悪いな、つき合わせて」
( ^ω^)「本当、『海を見たい』って言い出す人質も人質だけど、それを良しとする僕らも僕だお」
('A`)「…………はは。でもまあ、いい経験だろ」
( ^ω^)「いい経験……ねぇ。うん、くさい飯を食べれるってことがかお?」
近寄って来た友人に皮肉を言い、僕は砂浜に腰掛けた。体育座りしながら、水平線に視線を投げる。
まだ夜明け前の海岸線。海の向こうの東の空からは、潮騒と共に光の粒が押し寄せて来ていた。
ちょっと車の様子を見てくる、と言い残して沖に上がった友人を会釈で見送る。
885 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:08:36.67 ID:77Trq9QK0
支援
886 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:08:57.20 ID:sPhKgVFx0
一人になると、眠気が襲ってきた。
砂の粒が服の中に入ってくるのも厭わず寝そべると、「ちょっと」と少し離れたところから声をかけられた。
( ^ω^)「なんだおー」
ξ゚听)ξ「私ね、ルパンになりたかったの」
( ^ω^)「…………」
ξ゚听)ξ「反応薄くない?」
急に何を、と思うのも忘れ、僕は彼女の言葉を考える。なんだルパンって。いや、皮肉か。それは。
( ^ω^)「別にだお。でも、何でルパン?」
肺いっぱいに空気を吸い込むと、鼻の奥がツンとした。波風はしょっぱい。
僕は手をついて上身を起こした。波打ち際にお嬢様と二人。
ξ゚听)ξ「カリオストロの城でさ、ほら最後のシーン」
胸の前で両手を組んだお嬢様。
尻にひいた砂が、冷たく冴えていた。
ξ゚听)ξ「いえ、おじ様は何も盗んでいません」
あー僕も知ってるお。何とか姫の言葉だ。口の動きだけで相手に伝えた。
一歩一歩、ゆっくりだが確実に近寄ってくるお嬢様。
( ^ω^)「いえ、奴はとんでもないものを盗んでいきました」
座りながら、僕は答えた。僕の足元で歩を止めた彼女を、僕は必然的に見上げる形になる。
887 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:09:24.68 ID:ca1hgkxFO
支援
888 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:10:41.84 ID:sPhKgVFx0
ξ゚听)ξ「「あなたの心です」」(^ω^ )
決め台詞は二人一緒に言った。……おおう。
( ^ω^)「どう考えても今のは僕の台詞だお」
ξ゚听)ξ「わけてよ、けち臭い」
どっちがだ。ため息交じりに言い、天を仰ぐ。
素敵なセリフだお、と僕は言った。素敵なセリフね、と彼女が言った。
ざざん、ざざんと規則的に波打ちの音が聞こえる。僕は幾分かのんびりとした気持ちで言った。
( ^ω^)「何で僕らに誘拐されたんだお?」
ξ゚听)ξ「あんた達が私を誘拐したからじゃないの?」
( ^ω^)「…………そういうことじゃなくて、」
ξ゚听)ξ「ま、家の捜索力を持ってすれば、ものの数分であんた達が蜂の巣なのは事実よ」
( ^ω^)「…………」
無言を返した僕に、彼女はとても言いにくそうに切り出した。
ξ゚听)ξ「――――ねえ。もしも。もしもよ」
ゆっくり言葉を選ぶように、伝えてくる。
皆目見当もつかないような言葉だったが、彼女が次に言った言葉に、僕はどうしようもなくひっかかりを覚えたのだ。
ξ゚听)ξ「私の体が誘拐されるよりも早く、私の心が誰かに誘拐されてたって言ったら、どうする?」
889 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:11:59.74 ID:lgxQB1lW0
支援
俺、この作品が投下され終わったら俺のを投下するんだ……
890 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:12:08.14 ID:sPhKgVFx0
( ^ω^)「…………」
ξ゚听)ξ「それも、たった一度。お祭りですれ違って話をしただけの男に、よ」
そりゃ、体が誘拐されれば柄にもなくはしゃぐわ、と控え目に笑った『お嬢様』?
……僕は。まさか。いや。でも。
( ^ω^)「――デレ?」
僕は名を呼んだ。彼女は答えなかった。波打ちの音がする。
数秒間の無言の末、彼女が言った。けれどもそれは、僕が望んだ言葉ではなかった。
ξ゚听)ξ「ありがとう。でも私、やっぱりルパンにはなれないわ」
顔を綻ばして笑う彼女に僕は手をのばす。
彼女はスッ、と、猫のようなしなかやな動きで僕の横を通って行った。
その後ろ姿を追うようにぐるりと首をまわした僕の視界に飛び込んできたのは、
(;;^ω^)「…………!?」
肩をすくめながらやれやれと首を振る友人と、友人を取り囲む何十人かの人影。
そして空から降りてくる一機のヘリコプターだった。
だから僕は、全てを知ったのだった。
891 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:12:56.30 ID:77Trq9QK0
支援
892 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:13:06.49 ID:S4fadj7YO
支援支援ー
893 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:14:55.67 ID:sPhKgVFx0
―――――
被害者の計らいにより、彼らが起こした一連の誘拐事件は、不問に付されることとなった。
警備会社もその傘下に加えているVIPコーポレーションとしても、
社長の娘が誘拐されたなどと言うスキャンダルを世に出すことはまかりならぬという事である。
――誘拐計画の首謀者が誰であるのかを知った上での末の決断かは、神のみぞしる。
―――――
所と日は変わって、ある男の玄関前。
きちんとした正装に身を包む初老の男性と対峙しながら、
よれたTシャツを着た、大学生くらいの男は素っ頓狂な声を上げた。
('A`)「誘拐計画ゥ?」
/ ,' 3 「そうです。どうも……お嬢様があなたのご友人――内藤ホライゾン様でしたかな?
とにかく、藻川ドクオ様。貴方のご友人に恋をなされたそうでしてね。
長年運転手をしていたワタクシの親心……と申しますか。
お嬢様に想いだけでも伝えて頂けないものかと思いまして。まあ、ワタクシの独断でございますが」
('A`)「……悪いが帰ってくれ。なんだ、人の家に来たと思ったら言うに事欠いて誘拐しろだと!」
/ ,' 3 「…………報酬は、これ位でいかがですかね」
('A`)「喜んで!!」
894 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:19:27.01 ID:sPhKgVFx0
お金が欲しかったから。
スリルを味わいたかったから。
行動理由なら、いまこうしている間にもどんどんと出てくる。
それは社会的に『正しい』と到底言えることではないのかも知れないけれど、
それに異議を唱えず従った時点で、(少なくとも自分。ドクオにとっては。)それは取るに足る理由となったのだ。
始まりはここから。
――
とにもかくにも某月某日。
そろそろ春の訪れを感じさせるとある冬の日。その日は実に、いい誘拐日和であった。
ルパンがクラリスで、クラリスがルパンであるのは――
この際、ご愛敬として頂きたい。
おわり
895 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:21:10.33 ID:sPhKgVFx0
・あとがき
今日の十二時ラノベ祭りの存在をしり、今日の十四時絵を見た。
ピピーンと来た。だから書いた。楽しかった。出来はあえて言わない。
そして書き終わってからもう先約ってかこの絵で先に書いていた人がいたことに気づく。俺は突っ伏して泣いた。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
祭りは続く。みんな頑張れ。
896 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:21:16.29 ID:ca1hgkxFO
おっつーん
897 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:21:49.42 ID:S4fadj7YO
乙! お嬢様系のキャラが好きだから楽しめた
898 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:22:27.72 ID:XDR1K76R0
乙!よかったぜ
それに書く絵はかぶってもいいんだぜ
899 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:25:50.14 ID:lgxQB1lW0
乙
いいね、この話のキャラ好きだわ
楽しませてもらったよ
900 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:33:45.69 ID:77Trq9QK0
乙! 良かったよ。
投下させてもらいますね^^ 絵はNo.109です。
901 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 18:34:45.10 ID:9jTl7PK30
乙
なんか好きだこの話
902 :
ラノベ祭り 投下中:2008/08/30(土) 18:35:48.70 ID:77Trq9QK0
「起きなさい、もう起きる時間ですよ」
どこからか声が聞こえてくる。
不思議と心が安らぐ優しい女性の声が。
( ・o・)「誰ですか?」
「私は女神、あなたたちを導く者です」
( ・o・)「そうだった、僕は死んだんだった」
男は状況を理解すると重たい体を起こし、辺りを見渡した。
やがて瞼が閉じていうことに気が付くと、重たく閉じた瞼を無理やりこじ開けた。
すると目の前には辺り一面真っ白な世界が広がっていた。
( ・o・)「ここはどこですか? 僕は死にました」
「ふふふ、あなたは転生一度目ですからね。分からなくても当然です。
いいですか? あなたたち人間が死んだら天国や地獄に逝くというのは間違えなのです。
死ぬと転生の間に魂が運ばれ、新たな器を決め、転生する」
( ・o・)「転生とは何ですか?」
「私たち神というのは学ぶべきことを学び終えた人間なのです。
人生を何度も繰り返し学ぶことを学ぶ、これが人生のもう一つの目的。
器を決め、転生をし、死ぬとまた器を決める。分かりますか?」
903 :
ラノベ祭り 投下中:2008/08/30(土) 18:38:00.61 ID:77Trq9QK0
( ・o・)「転生とは何ですか?」
「私たち神というのは学ぶべきことを学び終えた人間なのです。
人生を何度も繰り返し学ぶことを学ぶ、これが人生のもう一つの目的。
器を決め、転生をし、死ぬとまた器を決める。分かりますか?」
( ・o・)「は、はい、一ついいですか? 死に方に意味はあるのでしょうか」
「寿命をまっとう出来る人間は非常に限られています。ある者は病に倒れ、またある者は事故により死ぬ。
当人、家族は到底受け入れられることではないでしょうが決められた運命なのです。ただ……」
( ・o・)「ただ?」
「自殺だけは違います。学ぶことを放棄し、自ら命を絶つことは禁忌の一つ。
その魂はもう二度と転生することはなく、消滅してしまうのです。
まぁ、説明はこれくらいにして器を探しましょう」
( ・o・)「はい」
男は女神の後を追う。
真っ白な世界かと思われていたが金色のキャンドルは周囲を照らし、
数え切れない木製の扉が開ける者を今かと待っている。
その扉の中一つを開けると部屋へと入っていった。
部屋の中には器と呼ばれる男が立っていた。
904 :
ラノベ祭り 投下中:2008/08/30(土) 18:43:32.00 ID:77Trq9QK0
( ・o・)「あ、あれが器」
( ・∀・)
「あの器は恵まれた幸せな人生を送る運命にありますね。
両親は大富豪で、顔はハンサム、異性に困ることはないでしょう」
(;・o・)「あ、あの器にします」
「残念ですが、既に他の魂がいますね。競争率が高い器はすぐに決めないと駄目なんですよ。
だから言いましたよね? 早く起きなさいと」
(;・o・)「うぅぅ、それじゃあ」
男が辺りを見渡すと一体の器に目が留まった。
外見はあまり良いとは言えない器に不思議と興味が沸いたのだった。
( ・o・)「あの男は?」
('A`)
「あの器はあまり恵まれない人生を送る運命にありますね。
学校で虐められることで人の痛みを知り、孤独を知り、社会から背を向ける。
やがては引き篭もり家族からも孤立する」
( ・o・)「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。現時点で人生というのは決まっているってことですか?
だとしたら、誰も彼に転生しようなんて思いませんよ」
905 :
ラノベ祭り 投下中:2008/08/30(土) 18:50:37.04 ID:77Trq9QK0
「確かに変えられない部分はあります。けれども、努力することで良い方向に持っていくことは出来るのです。
それに私は言いましたよね、学ぶべきことを学ぶと。一度は誰もが彼のような人間に転生しないといけないのです。
拒み続ければ神にはなれないのですよ」
( ・o・)「そうなんですか……」
女神と男の前を一つの魂が通り過ぎていった。
魂は器の体内へと入っていった。
('A`)「さぁて、いっちょ頑張るか」
( ・o・)「あ、誰かが入っていった!」
「どうやらあの器を選んだようですね。きっと、あの魂は神へとなれることでしょう。
さて、あなたはどうするのですか? もう、選べるだけ残ってはいないようですけれど」
( ・o・)rア「僕はあれにします」
男が指さしたのは小太りな白い肌の器。
ごくごく普通の人間のようだ。
( ^ω^)
「良いのですか? 彼はあなたの前世ですよ? 違う人生を送らないと学べることは少ないですよ」
906 :
ラノベ祭り 投下中:2008/08/30(土) 18:52:59.64 ID:77Trq9QK0
( ・o・)「良いんです。僕、思えばスポーツ選手や芸能人を妬んでばかりでした。
努力もしなくていいよな天才はって悲観ばかりしていた。
でも、違う。天才と呼ばれる人たちは影で見えないところで努力をしていたんだ。
それなのに僕は努力することを怠っていた。今度は努力をしてみます。
まだ学べることはあるはずです!」
「ふふふ、あなたはちゃんと理解したようですね。器はあくまでも器、決められた運命もあくまで最低限決められたこと。
大切なのは努力することだってことを。わかりました、あなたの器として認めましょう」
女神が男を指さし、何か呪文のような言葉を呟くと
男の魂は器の体内へと入っていった。
生気を帯び、動き始める器。
( ^ω^)「ふぃ〜、頑張るお!」
男はたくさんの装飾が施された門の前に立つと、深呼吸をした。
門を通過した途端、男は光に包まれ消えていくのだった。
かくして彼の第二の人生が始まる。
運命に悲観しているだけでは何も変わらない。
努力してみることで何か変わることもあるかもしれない。
あなたはどうだろうか?
より良い人生を送るために頑張ってみてはいかがだろうか。
再び( ^ω^)として生きるようです 完
907 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:00:31.35 ID:77Trq9QK0
総合スレも落ちたようだし、最後に保守しとこう
908 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:03:29.74 ID:16XpJ7mJ0
909 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:05:30.34 ID:lgxQB1lW0
乙
その発想力に感心した、少し分けてくれ
910 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:10:31.97 ID:ca1hgkxFO
すげぇ…
乙!!
911 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:17:22.76 ID:qmQJd7ZH0
乙です!
このスレ落ちたら祭り終わり?
912 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:22:37.64 ID:77Trq9QK0
日曜までは投下が続くと思うから次スレは立てたほうがいいかもね。
913 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:26:26.29 ID:9jTl7PK30
乙
そろそろ次スレ立てる?
914 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:31:36.44 ID:qmQJd7ZH0
915 :
断言する……さるの影はもう来ている!!:2008/08/30(土) 19:45:56.31 ID:lgxQB1lW0
よっしゃ、それじゃ昨日の夜投下できなかったし投下すっか
みんな、オラに支援を分けてくれ!!
絵25
タイトル:( ^ω^)じいさんと白黒写真ようです(仮)
916 :
さあさるめ……どっから来る……上か下か……:2008/08/30(土) 19:47:34.28 ID:lgxQB1lW0
じいさんが死んだ。
享年92歳。大往生だった。
葬式には随分沢山の人が来て、式場に入りきらないほどだった。
葬式でお坊さんがお経を読んでいる時、
僕は、じいさんとの最後のやりとりを思い出していた。
じいさんが死ぬ、ほんの数分前の出来事を。
917 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:48:39.16 ID:lgxQB1lW0
* * *
( ^ω^)「ショボンよ。ちょっと、来てくれないかお?」
(´・ω・`)「うん、いいけど」
じいさんが寝室で布団にくるまりながら、死にそうな声で僕を呼んだ。
2年ほど前から足を悪くして、ずっと寝たきりだったじいさんは、
ピンピンしていた頃が嘘のように弱々しくなっていた。
(´・ω・`)「なぁに?」
僕が行くと、じいさんは机の上にある写真立てと、
メガネを持ってくるように僕に言いつけた。
(´・ω・`)「はい」
( ^ω^)「おお、すまんお」
じいさんは僕に支えられながら上体を起こし、メガネを掛ける。
そして僕が持ってきた白黒の写真を、懐かしげに見つめていた。
918 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:50:47.61 ID:lgxQB1lW0
写真には五人の人物が写っていた。
真ん中にメガネを掛けた穏やかな目の人。
柔和な目つきの太った人、唇をとがらせた日本人離れした顔の人、
鼻の高い少し痩せた人、仄暗く静かな表情をした糸目の人。
その写真に写った全ての人が、テレビや新聞で見たような軍服を着ていた。
(´・ω・`)「それ、戦争中の写真? 真ん中の人がじいさん?」
( ФωФ)「お、その通りだお」
メガネを掛け、人相の少し変わったじいさんが写真を見つめたまま応える。
その時の表情は、僕には少し理解できない不思議なものだった。
今思えば、
僕がそのときのじいさんの表情が、何を物語っているかを知るには、
僕はあまりにも幼く、じいさんのことについて知らなさすぎたのだ。
919 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:53:04.26 ID:lgxQB1lW0
( ФωФ)「ショボンよ」
写真を見つめていたじいさんが不意に話しかけてきた。
( ФωФ)「俺はもうすぐ死ぬ。遺言だと思って、聞いて欲しい話があるんだお」
(´・ω・`)「うん」
じいさんは、少しだけ表情を変えて、それから僕に話を始めた。
それは戦争の話だった。
アメリカと日本が、些細な諍いから起こった大きな軋轢を、
あのおぞましい戦争へと発展させてしまったこと。
当時血気盛んだったじいさんは、志願兵として南太平洋の島へ行った事。
そこで、この世の出来事とは思えない地獄を体験したこと。
沢山の人が、天皇陛下万歳を叫びながら、心の中ではただ一つ、
生きたいと願いながら傷つき殺され、死んでいったこと。
じいさんの同僚の兵士の多くが、勇敢に敵に戦いを挑み、
そのほとんどが死んだこと。
人の命を奪ってしまったこと。
大切なものを護れなかったこと。
そして、ある『約束』のこと。
ほんの数分間か、或いはもっと長い時間だったかも知れない。
衝撃的な体験談をたくさん話してくれた。
920 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:53:47.65 ID:0CVlJj0N0
支援
921 :
支援がまだ足りないよ 僕は作者 もっと書き込ませてくれ:2008/08/30(土) 19:53:54.53 ID:lgxQB1lW0
そして、最後に。
( ФωФ)「ショボンよ。
俺は戦争中、たくさんのものを護れずに失ってしまったお。
だから戦後、せめてこれと決めたものくらいは、全力で護ろうと、
そう、心に決めて生きてきたんだお」
( ФωФ)「そうやってがむしゃらに生きてきたら、もうあの戦争から
実に70年近くも過ぎたんだお。
体もこんなにボロボロになってしまったお」
( ФωФ)「俺がここまで生きたのは、きっとあの戦争で、
俺が仲間と大切な約束をして、そいつを護り通そうと、
常に考えてきたからなんだお」
長い話の締めくくりとして、じいさんはこう言った。
( ФωФ)「俺の人生はもう終わりだお。だから最後に、
まだ若いお前に、俺にとって一番大事な事を知って欲しかったんだお……」
(´・ω・`)「……うん」
それからじいさんは、また床に伏した。
そして、メガネを掛けたまま、写真を手に持ったまま、一つ深呼吸をして、
眠るように目を閉じた。
922 :
作者をやってりゃ誰だって さるに襲われる日が訪れる:2008/08/30(土) 19:55:27.36 ID:lgxQB1lW0
* * *
人生の最後に、ふと思い立って、あの写真を手にした。
軍服を着た五人が映った、煤けた写真。
ずいぶんと古くなった白黒の写真だが、
俺にとっちゃあ永久に変わらないと感じるものがある。
もう70年近くも経っちまったのか。
一日だって忘れたことは無かった。
あの日、あの太陽の下の、あの海の、あの島で、
いかにお前らが勇敢に戦い、散っていったのかを。
そして、お前らとの『約束』を。
あの日から、日本が敗れ、国民が血を吐く思いで日本を立て直し、
そして誰もが平和な生活を手にする権利を得るに至った今日まで、
一日、たったの一日だって。
忘れなかったぜ、俺。
923 :
ノー支援ノーさる 誰かにそれを知って欲しいから:2008/08/30(土) 19:58:27.01 ID:lgxQB1lW0
茂名。
お前は、護国のために頑張りたいって言ってたなぁ。
引田。
お前は、母ちゃんに楽させたいって軍に志願したみたいだなぁ。
流石。
お前は、爆撃で死んだ弟の敵を討つって泣いてたっけなぁ。
クックル。
お前は、故郷の民が日本に世話になったから、恩返しがしたかったんだってなぁ。
お前らはあの日、戦死しちまったがよ、
お前らがあの島に持ってきた、愛国の心、報恩の心、家族を愛する心、
そういったもんはみんな、ちょとずつ形を変えながらも、
今の大体の日本人、そして日本を知る者の心に受け継がれているさ。
924 :
「このクソさるめ!」って僕は投下しまくるー うおいえー あー:2008/08/30(土) 19:59:56.24 ID:lgxQB1lW0
俺は一つの人生を生きた。
何かを護るために頑張って、そいつを一生続けて。
護れなかった奴も、護れた奴もたくさんあった。
そいつを、体がガタガタになって、動けなくなるまで必死こいて繰り返して。
その生き方を決めたのも、あの日、
お前ら、お前らが背負ってたもの、島、そして日本、
そいつらみんなを護れなかった経験だったっけ。
目に見えた奴らを見殺しにはせん、今度は絶対に護るって、
そう言う気持ちをあの戦いが俺に植え付けちまったんだ。
だがよ、そいつが悪い人生だったなんざ、これっぽっちも考えてねえさ。
俺はな、確かに沢山のものを護れなかった。
けどよ、何よりも護りたかった事は、きっちりと護り通せたんだからな。
あの日、お前らと交わした『約束』はな……。
さて、俺もそろそろ潮時みたいだ。
ずいぶん遅くなったが、俺も今そっちにいく……。
925 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:00:40.54 ID:Q/mpr2SDO
つまんね
おまえに支援する価値はねぇよ
926 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:01:23.35 ID:lgxQB1lW0
* * *
( ФωФ)「…い………たな。…………そ………いく……お……」
(´・ω・`)「……?」
じいさんは寝たものと思い、寝室を出ようとした僕は、
じいさんが微かに何かを呟いたのを耳にした。
それから僕がじいさんの呼吸が止まっているのに気付き、
家族がじいさんの死を受け入れるのには、そんなに時間はかからなかった。
927 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:02:24.05 ID:lgxQB1lW0
* * *
( ^ω^)「お……?」
気が付けば俺は、柔らかな光の中にいた。
何だか暖かいような、涼しいような、心地よいところ。
不意に光が消え、辺りは暗くなる。
その闇の中に、四つの人影が映った。
( ´∀`)「……」
( ゚∋゚)「……」
( ´_ゝ`)「……」
(-_-)「……」
それは。
( ^ω^)「お……!?」
あの日と変わらぬ顔、変わらぬ格好をしたあいつらだった。
その姿を認めた瞬間、胸に熱いものが込み上げてくる。
928 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:03:21.36 ID:lgxQB1lW0
( ^ω^)「お前ら……」
涙が出そうなほどに。
いろいろな感情が混ざり合い、何も言えなくなる。
あいつらは、ただ無表情でこちらを見つめている。
( ;ω;)「お……おっ……」
嗚咽と涙が止めどなく溢れ出す。
おそらくは、あの日、こいつらと死に別れたときよりも激しく。
長い時間が経ち、やがて嗚咽も涙も止まる。
それから自分がまた言葉を話せるようになっているのを理解するまでに時間はいらなかった。
( ^ω^)「お前ら……俺は、俺は……」
( ^ω^)「約束通り、全力で、俺の人生を生き抜いてやったお!!」
929 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:03:54.74 ID:9jTl7PK30
支援
930 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:03:56.07 ID:lgxQB1lW0
大声でそう言い切った途端、急に気が遠くなる。
( ^ω^)(……ああ、そうか。これが、死か)
理解するのと同時に、安心したような、満ち足りたような、
なんだかとても幸せな、落ち着いた気分になった。
刻一刻と薄れ行く意識の中、俺の目は辛うじてあるものを見ることができた。
あいつらが、俺に敬礼している。
少し恥ずかしそうに微笑みながら、しかしあの頃のままの毅然とした態度で。
( -ω-)(お前ら……ありがとう……お……)
意識は、さらに希薄になっていった。
931 :
よっしゃラスト:2008/08/30(土) 20:04:32.62 ID:lgxQB1lW0
* * *
じいさんの葬式からまた少し月日が経った。
仏壇にはじいさんの写真が2つある。
一つはずいぶんと皺の多い年老いたじいさんの、
もう一つは、じいさんが死んだときに持っていた白黒写真だった。
(´・ω・`)「全力で生きる約束……か……」
じいさんが死んでから、ずっとじいさんのあの話の真意を考えてきた。
僕はまだそれを完全に理解できてはいないけれど、
あの日話をしたじいさんの、あの不思議な表情の意味が、
ほんの少しだけ分かったような気がした。
932 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:08:30.83 ID:t6m8y7Z+0
乙
933 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:08:32.52 ID:sguNW7YwO
支援しようと思ったら終りだった乙!
934 :
さるに遭わなかったのは奇跡 お前ら愛してる:2008/08/30(土) 20:11:16.13 ID:lgxQB1lW0
はい終わった! 僕の投下終わったよ!!
スランプ中に無理して見せかけだけでもいいものを書こうとした身の程知らずの僕が全て悪いのです
ちょっとどころじゃない無茶をしたあげくなんだか訳の分からないものになってしまった
それでも25の絵師様、書かせて頂いてありがとうございました
935 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:11:58.34 ID:9jTl7PK30
乙
綺麗なふいんき(なぜかry)だな
うひゃ俺のじゃないかww
乙
937 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:22:13.95 ID:+fWnRwTrO
アク禁されたので、したらばにスレをたてました
クーと孤島のラビリンスのようですというタイトルです
よければ、ご覧ください(_ _)
938 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:24:14.01 ID:9jTl7PK30
>>937 読んでくる。
俺でよければこっちに写してくるけど需要なし?
939 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:27:47.22 ID:+fWnRwTrO
まじすか
しかし30レスを大幅にこえますので……お気持ちありがとうございます
940 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:28:05.02 ID:3hqU4CAcO
>>895 111を描いた駄目絵師なのですが、まさか数ある神絵の中からあんな粗悪で映りの悪いものを選んでいただけるとは…
お話の内容もとてもわくわくできるものでしたし、感無量です。
いわゆるGJです。ありがとうございました。
941 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:36:40.83 ID:9jTl7PK30
942 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:51:41.38 ID:sguNW7YwO
ほ
943 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:55:33.05 ID:Fdo+FTZfO
支援
944 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:56:32.84 ID:9jTl7PK30
一気に過疎化してびっくり
945 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:00:43.44 ID:3ZsldgbC0
ラノベ祭り感想スレとか立てないの?
これ落ちてからでいいかな
946 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:03:16.35 ID:9jTl7PK30
感想スレとかそんなん必要なのか?
祭参加は初めてだからあまり分からないんだが・・・
947 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:05:14.59 ID:t6m8y7Z+0
あとの祭りスレとかたちそうだな。
948 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:12:10.33 ID:9jTl7PK30
つーかこの祭は8月が終るまでって思っていいんだよな?
949 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:22:15.53 ID:EI6UmYT9O
950 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:24:04.99 ID:5DF90io60
未熟な身ですが、投下したいと思います
No16
( ><)川 ゚ –゚)やっぱり警察に任せるのが一番だよね('A`)
951 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:24:54.54 ID:9jTl7PK30
>>949 どうせならここ投下してくれたら良かったのに。
ダレも投下しないならそろそろ投下する
バイ猿怖いから支援たのむ。
952 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:25:33.07 ID:5DF90io60
川#゚ –゚)「ビロード、これは一体どういうことだ?」
(;><)「その……ごめんなさいなんです!お姉ちゃん!」
僕の名前はビロード、今は姉のクーお姉ちゃんにしかられている所だ。
川#゚ –゚)「とりあえず、事情を説明しろ」
(;><)「ええっと……」
さかのぼる事30分前―――
( ><)「はぁ…暇なんです……」
僕は自室で本を読みながらゴロゴロしていた。
そしてなにか面白いことが無いかと考えていた時。
川 ゚ –゚)「ただいま」
953 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:25:33.08 ID:9jTl7PK30
あ、俺の後回しで。
>>950 ゴメンね?代わりにスレ立ててこようか?
954 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:26:51.56 ID:5DF90io60
お姉ちゃんが帰ってきた、そうだ、お姉ちゃんと遊ぼう
( ><)「お姉ちゃん、一緒に遊……」
('A`)「お邪魔します」
知らない男の人が入ってきた。
誰だろう?彼氏?そんな話は聞いたことないし、僕が言うのもなんだけどお姉ちゃんは美人だ。
あの顔で彼知って事は無いだろう。
なら、ただの友達?もしかして脅されてとか……。
お姉ちゃんは僕が守らないと!
川 ゚ –゚)「やあ、ビロードこの人h」
「お姉ちゃんは僕が守るんです!」(#><)⊃A`)「ぐぼあぁ!」
(#)'A`)「ナイス…パンチ……」
955 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:28:06.08 ID:5DF90io60
死んだか確認をしないと。
もし生きてるなら完全なる止めを……。
川#゚ –゚)「ビロード……」
(;><)「お姉ちゃん!大丈夫なんです!僕がこいつに止めを刺すんです!」
川#゚ –゚)「一人マッスルドッキングゥゥゥッ!」
ガシッ ボカッ 僕は気絶した、スイーツ(笑)
(;><)「ごめんなさいなんです!まさか彼氏がいたなんて露知らず……」
後からお姉ちゃんに説明を聞かされて驚いた。
まさか本当に彼氏だったなんて。
お姉ちゃんも悪趣味だな……。
('A`)「ごめんね、悪趣味でごめんね」
956 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:28:42.63 ID:5DF90io60
川#゚ –゚)「口に出ているぞビロード」
(;><)「ご、ごめんなさいなんです!つい本音が出てしまったんです!
ただ、ちょっと、いやかなり気持ち悪い人だなーと」
危ない危ない、これならうまく騙せただろう。
でも、この人のせいでお姉ちゃんに怒られたと思ったらむかむかして来た。
後でいたずらでもしかけてやろう
川#゚ –゚)「……私はお茶でも入れてくる、ドクオはゆっくりくつろいでくれ
ビロードは今すぐ部屋から出て行け」
(;'A`)「あ、ああ……」
まだ怒ってるみたいだ。
女ってのは執念深い生き物だな……。
意地でも出て行ってやらない事にしよう
957 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:28:57.52 ID:9jTl7PK30
支援
958 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:29:44.26 ID:5DF90io60
('A`)「ビロード君、トイレ貸してもらっていいかな?」
( ><)「はいなんです、トイレはこの部屋を出てまっすぐの所なんです」
なんでこいつに君呼ばわりされなきゃなんねーんだよ。
そうだ、今がいたずらチャンス、なにか使えるものは無いかな……
( ><)「このおもちゃの銃とか使えそうなんです」
でも、なんでお姉ちゃんがこんなものを……?
まあいいや、試し打ちしてみよう。
( ><)「とりあえずベッドに向かって……」
カチッ
( ><)「あれ?なんにも起きないんです」
あれ?なんでだろ……。
そうか、このボタンを押してなかったからだ。
よし、これでもう一度。
959 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:30:53.26 ID:5DF90io60
(;><)「硬くて引けないんです……」
奮闘すること数十秒。
カチッ
(;><)「あ!やっとの思いで引けたと思ったら銃口が丁度ご都合展開で現れた猫に向かって!」
(;><)「なんにも……起きないんです」
失敗か……そう思ったとき。
('A`)「あれ?ビロード君、その銃どうしたの?」
(;><)「うわああああ!」
カチッ
突然現れたドクオさんに向かって銃を撃ってしまった……。
今度は先ほどとは違い、煙が出てきた。ドクオさん大丈夫かな?
960 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:32:17.95 ID:5DF90io60
(;><)「ドクオさん、ごめんなさいなんです!」
僕が声を掛けても返事は一向に聞こえてこない。
やがて煙が消えた、だがそこにいたのは……。
ハハ
('A`)「ニャーオ」
猫だった。
(;><)「ええええ?」
どうなってるんだ?これはさっき銃で撃ってしまった猫じゃないか。
ドクオさんは一体どこに?
何よりこのままだとお姉ちゃんに怒られてしまう!
川#゚ –゚)「ビロード、これは一体どういうことだ?」
961 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:33:24.26 ID:5DF90io60
(;><)「と言うわけなんです」
川 ゚ –゚)「なるほど、部屋から出て行かないどころかドクオに対して悪戯までしてこうなったと?」
はっ!顔の#マークが消えている!
これはマジでやばいでぇ!
(;><)「そんなことよりドクオさんをどうやって戻すのかが問題なんです!」
川 ゚ –゚)「そのことについては問題ない、この銃は私が趣味で作ったものでな
詳しい説明は面倒だから省くがもう一度これで猫とドクオを撃てば戻るだろう」
趣味でこんなもの作るなんて……。
あれ?でも、ドクオさんの体は何処に行ったんだろう。
( ><)「ドクオさんの体は何処にあるんです?」
川 ゚ –゚)「恐らく、街中を四つんばいで走り回っている事だろう」
962 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:33:24.37 ID:9jTl7PK30
C
963 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:34:47.31 ID:3ZsldgbC0
sien
964 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:45:13.01 ID:ca1hgkxFO
965 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:49:16.02 ID:9jTl7PK30
バイさるか?
966 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:49:43.40 ID:oNE8XenGO
支援
967 :
オムライス ◆OmuricecW6 :2008/08/30(土) 21:51:59.91 ID:PefxdDSv0
投下中に失礼します。
色々遅くなってすみません。
ようやくリアル事情が落ち着いたので、まとめに専念出来る感じです。
これから、このスレもまとめようと思います。
>>849 お気遣いありがとうございます。
負担なんてとんでもない。私の絵の話も書いてもらえて幸せいっぱいです。
一括まとめをしつつ考えていたのは、分割したページに「本文+解説」をいれようかなーというようなぼんやりした事だけだったので、
手伝って頂けると言うのなら嬉しい限りです。解説いらないという事でしたら消しちゃっても良いですし。
968 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:55:05.63 ID:9jTl7PK30
オムさん乙。
ところで、
>>950が次スレ立てそうにないから俺が立てようと思うんだが良いのだろうか。
969 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:33:10.42 ID:p4QiLDW1O
リアル事情がリアル事情に見えた件
>>969 三度読み返したんだけど、俺は眼科に行くべきなのか
971 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:39:56.89 ID:1jT4x0AJ0
テス
972 :
◆hwzkUyObyk :2008/08/30(土) 22:41:03.67 ID:1jT4x0AJ0
>>967 はい。では出来上がったら何らかの方法でお送りします。
ほんとお疲れ様です。
973 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:50:43.00 ID:B4F3WxTi0
この調子じゃ新スレ立ててもすぐ落ちるかな
深夜組に期待したいところだが
974 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:52:38.42 ID:5DF90io60
tesu
975 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:54:29.10 ID:5DF90io60
すいません、猿さんになってしまいました
続き投下したいと思います
976 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:55:02.78 ID:5DF90io60
(;'A`)「にゃお!」
(;><)「大変なんです!早く捕まえないとドクオさんが警察に捕まってしまうんです!」
川 ゚ –゚)「私としてはその方が手っ取り早くていいのだが」
(#'A`)「ニャオー!」
猫になった時から一度も喋ってなかったドクオさんも怒ってる。
やっぱり警察のお世話になるのはまずい。
(;><)「やっぱり、探しに行った方がいいと思うんです!」
川 ゚ –゚)「しょうがない、いくか」
('A`)「にゃお〜」
ラノベのイラストスレってどこー?
978 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:57:18.28 ID:5DF90io60
場所が変わってここは商店街。
今聞き込み調査をしているところだ
川 ゚ –゚)「すいません、このあたりを犯罪レベルの悪趣味な顔をした男が四つんばいで走ってきませんでしたか」
ξ゚听)ξ「それなら、あっちにいったわよ」
買い物の帰りらしきおばさんが指を指した先、それはジャ○スコだった。
_,
川 ゚ -゚)「なぜジャスコ○に……まあいい、いくぞ」
( ><)「でも、ドクオさんが……」
从 ゚∀从「かわいー」
ζ(゚―゚*ζ「人懐っこいねー」
lw´‐ _‐ノv「お前は米の次にかわいい」
979 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:58:26.54 ID:5DF90io60
(*'A`)「にゃおん」
モテモテだった。
女子高生に囲まれてなでなでなでなで…。
このままだとお姉ちゃんが……。
川# –)「……」
遅かった。
川# –)「あいつはほっといて行こうか、ビロード」
(;><)「はいなんです」
まあ、自業自得か。
980 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:58:27.61 ID:xwD6vuaz0
ほしゅ
981 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:00:45.11 ID:5DF90io60
○ジャスコに入ると、中は大騒ぎだった。
そりゃあ四つんばいで人間が走り回ってるんだからしょうがないか。
川 ゚ –゚)「さて、こいつを使う時が来たか」
そういってお姉ちゃんが取り出したのは、ネズミ捕りだった。
(;><)「そんなので捕まるんです?」
川 ゚ –゚)「大丈夫だ、これは対ドクオ用最終兵器 名づけて……」
(;><)「名づけて……?」
川;゚ –゚)「名づけて…… はっ!こうしてる間にもドクオが大暴れしている、急いで捕まえないと!」
こいつ絶対ごまかした。
まあ追求すると後が怖いから黙っとこう。
982 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:01:49.11 ID:8Ag8FXd5O
30レス以上の作品が多いね。
今だったら新スレ立っても落ちそうかも。
30レス以下作品がばんばん投下されれば落ちないとは思うけれど……ね
983 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:02:20.78 ID:5DF90io60
( ><)「それで、それをどう使うんです?」
川 ゚ –゚)「こうだ」
お姉ちゃんは、お菓子売り場に置いてあるエロ本をネズミ捕りに設置した。
なんで犯し売り場にエロ本置いてあんの?教育委員会に訴えられちゃうよ?
あ、変換ミスしちゃった。
川 ゚ –゚)「これでしばらく放置して置けば奴が来るはずだ」
(;><)「本当に来るんです?心配なんです……」
しばらくすると、ドクオさんが来た。
まさかエロ本で釣られるなんて……。
(;'A`)「うわあああああ!」
川 ゚ –゚)「ん?あの白いのは一体なんだ?」
(;><)「一緒に飛んで来るんです……」
984 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:04:56.39 ID:5DF90io60
あれは……大根!?
エロい事考えた奴はIDの数腹筋でいいとして、何で大根が……。
店員A「撃てー!必ず奴に当てるんだ!」
店員B「こんな時の為に習得した大根投げ、まさか使う日が来ようとはな!」
店員さん達が売り物の大根を必死にドクオさんに向かって投げている。
すげえよジャス○コ。
⇒><)「やっぱり買い物はジ○ャスコだね」
そこで僕の意識は途絶えた。
川 ゚ –゚)「ビロード!ビロード!」
あれ?ここは……。
そういえば大根に当たったんだっけ。
ドクオさんは捕まったのかな?
985 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:06:21.43 ID:5DF90io60
川 ゚ –゚)「ようやく起きたか、これからドクオを元に戻すぞ」
( ><)「でも、肝心のドクオさんがいないんです」
外を見てみると、まだ女子高生になでられていた。
川 ゚ –゚)「そのことについては大丈夫だ、さっきこっそりドクオを撃ってきた
それよりも、この状態でこっちのドクオを撃てば……分かるな?」
今ドクオさんは女子高生になでられている最中、ここで元に戻ったら大変なことになる。
やっぱりここは弟として止めないと。
(*><)「なんとも楽しそうなことなんです、早くやるんです!」
川 ゚ –゚)「まあまあ焦るな、行くぞ……」
カチッ
最初のように煙が出てきたそして煙が晴れると、猫が出てきた。
猫は一声鳴くと、外に出て行った。
そうだ、ドクオさんはどうなっただろう
986 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:07:46.56 ID:8Ag8FXd5O
支援
987 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:09:03.09 ID:5DF90io60
(*'A`)「ニャー」
人間に戻ったのにも気づかず、鳴いていた。
当然周りの女子高生の態度も変わり、大変なことに。
从 ;∀从「ぎゃー!きもいよー!」
((( )))
(;´Д`)「うわーん!きもいよー!」
ζ(;―;*ζ「きもいよー!あんただれー!」
(*´Д`)「1さーん!はぁはぁ」
lw´‐ _‐ノv「まるで腐った米だな」
(;'A`)「え、あれ?俺元に戻って……」
ガチャ
警察官「ちょっと、署まで来てくれるかな」
988 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:10:14.65 ID:5DF90io60
_[警]
( ) ('A`)
( )Vノ )
|| ||
終り
989 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:10:47.11 ID:q2zQLxcSO
乙!面白かった
990 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:12:32.62 ID:5DF90io60
これで終わりです
支援本当にありがとうございました
次スレ立ててきます
991 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:14:08.40 ID:XDR1K76R0
1さんなつかしいwww
乙!
992 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:15:13.14 ID:16XpJ7mJ0
乙!
993 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:17:43.33 ID:8Ag8FXd5O
乙!
994 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:19:08.26 ID:sguNW7YwO
乙!
995 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:20:15.69 ID:3Jog3TQD0
996 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:21:17.66 ID:gnUl25Us0
1000なら明日には投下する
997 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:23:26.45 ID:5DF90io60
まさかこんなに乙をもらえるとは思いもよりませんでした
梅
998 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:25:38.90 ID:8Ag8FXd5O
産めよ(;^ω^)
作者さんたちGJ
自分の絵に作品を書いてくれた作者さんもありがとう
1000 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:26:35.57 ID:6JOn8dSEO
1000
1001 :
1001:
16歳♀暇だから全レスします☆ こちらスネーク 1990年生まれ集まれ〜☆ 安価でお絵描き
中学生 遊戯王 新ジャンル VIPで本格的にRPG作ろうぜ XBOX360
全力で釣られるのがVIPPERだろ!w ポケモン コテデビューする ら
が カレシと別れそう・・・ 初心者 鬱病♀だけど 彼氏/彼女いないVIPPERちょっとこぃ♪ き
っ 唇スレ mixi招待するお 釣った厨房に安価でメールwwwww ☆
こ さみしい・・・誰かかまって 425はどこも変えてなかった ピカ厨 自 す
う 時代の流れ デブきめぇんだよ 捨てアド晒してメル友 メンヘラ 殺 た
い VIPヌクモリティ 顔晒し 馴れ合いスレ 「〜だお」 コテ雑 し
き 今のVIPが嫌ならVIPから出てけww A雑 大阪VIPPER集まれ!!☆ ま
た 工作員 18歳♀が16歳♂に安価メール VIPでMMO ネタにマジレスの嵐 す
く 隠れオタ skype パートスレ Skype mp3垂れ流し
な 住所ギリギリまで晒して近かったらラーメン 二番煎じ
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>>1 そっヵ、残念やわ(´・ω・`)
お 付き合ってくだしあ>< 今から元カノに痛メする
>>3 ウチは高校生だぉ☆
>>9 うはwwこれがVIPクオリティw
∩∩ V I P は ぼ く ら の 時 代 だ !! V∩
>>2 自重しろwwwww Be
ハ (7ヌ) (/ /
>>7 ブラウザゲーやらないか?
ル / / ∧_∧ || モリタポ
ヒ / / ∧_∧ ∧_∧ _( ゚ω゚ ) ∧_∧ || 埼
>>5 2chって有料なんですか?
\ \( ゚ω゚ )―--( ゚ω゚ ) ̄ ⌒ヽ( ゚ω゚ ) // 玉
>>6 え?俺マジ貧乏なんだけど
\ /⌒ ⌒ ̄ヽ ゆとり /~⌒ ⌒ / O
>>8 お母さんに何て言えば
| |ー、 / ̄| //`i構って女/ F 安価で絵描くお
低 | 恋愛 | | 厨房 / (ミ ミ) | | F 14歳♀中学生処女だけど質問ある? ハ
年 | | | | / \ | | ム
齢 | | ) / /\ \| ヽ PCに詳しい人ちょっときて!!! イ ス
化 / ノ | / ヽ ヽ、_/) (\ ) ゝ | 電車男 ミ タ
| | | / /| / レ \`ー ' | | / サーセンwwwwwwwwwwwwwww フ |
ニュー速VIP
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